予算委員会 第13号
- 発言数
- 282 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/02/18
会議録
○藤井委員長 これより会議を開きます。 平成十五年度一般会計予算、平成十五年度特別会計予算、平成十五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 この際、公聴会の件についてお諮りいたします。 平成十五年度総予算について、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、公聴会は、来る二月二十五日、二十六日の両日開会することとし、公述人の選定等諸般の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○藤井委員長 次に、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、参考人として原子力安全委員会委員長松浦祥次郎君の出席を求め、意見を聴取し、政府参考人として内閣府道路関係四公団民営化推進委員会事務局長坂野泰治君、法務省刑事局長樋渡利秋君、矯正局長中井憲治君、外務省総合外交政策局長西田恒夫君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長佐々木宜彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○藤井委員長 これより一般的質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。早速、質問に入らせていただきます。 米軍の夜間離発着訓練、ナイト・ランディング・プラクティス、米空母艦載機によるいわゆる空母への離発着を訓練するための施設ですけれども、この施設を広島県の沖美町が誘致をするという話がありまして、結果としてそれがつぶれて、町長が辞任をするという一連の動きがございました。このことについてまず質問させていただきます。 この米軍のNLP施設、広島県沖美町が、この沖美町大黒神島という島ですが、これは広島湾のつい先、広島湾のど真ん中でございますけれども、この島への誘致の経緯について、いつごろ話があって、どういう経緯で結局なくなったのか、このことについてまずお伺いします。
○石破国務大臣 新聞報道等の繰り返しになりまして恐縮でございますが、実際のお話というものは、非公式に昨年からございました。ただ、これはあくまで非公式のお話でございますので、この場で、いつごろからそういうようなお話があったか、その内容はどうであったかということにつきましては、これはお話をすることを控えたいと思っております。 実際問題、表に出ましたのは一月三十日、町長さんが大黒神島に移る意図を御表明になって、町議会の全員協議会で賛同を得たということでございます。しかし、それから四日後になりましょうか、二月三日になりまして、改めて全協が開催され、白紙撤回がなされた。そして、その二日後の二月五日に、町長さんが誘致を断念され、辞意を表明されたということは報道のとおりでございます。 お話は昨年から非公式には承っておりました。しかし、その詳細につきましては、非公式なものでございます、そしてまた、内容は機微に属することでもございますので、お話をすることをお許しいただきたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 非公式であったということですが、実際には、県も、周辺市町村、実はこの周辺市町村も合併を控えております。江田島市になる、名前についてはまだちょっともめておりますけれども、その合併寸前の周辺市町村についても何の話もなかった。それから、地元の国会議員に対してもまさに寝耳に水、新聞報道で知ったという状況でございます。 ですから、今でも、もう話は済んだとはいえ、非常に大きなわだかまりが県にも我々にもあるわけですけれども、本来あるべき手続、もしこれが建設されるとしたら、どういう手続で進められるべきだったんでしょうか。本来あるべき手続についてお伺いします。
○赤城副長官 お答えいたします。 ただいま長官から答弁いたしましたように、非公式の話し合いが持たれておりましたし、この問題については関心を持って見守ってきたところであります。 当庁としましては、この沖美町から正式にお話がありましたら、その御提案について真剣に検討する過程において、必要に応じて県当局や周辺自治体、また米側とも調整を行うというふうに考えていたところでございます。
○斉藤(鉄)委員 町長さんは記者会見で、防衛施設庁から一切漏らしてはならないと厳命された、このように言われておりまして、これが断念に至った最大の反省点だったとの認識を示した、こういう新聞報道もございます。 これはまず本当かということと、秘密は守るにせよ、オープンになるのは機微に属することですから難しいとはいえ、しかし大変、一市町村で決められる話でもないわけです。ましてや合併を間近に控えているという中で、県また周辺市町村についての内々のといいましょうか、相談はあってしかるべきだったんではないか、みんなこのようにわだかまりを持っているわけですが、この点については、大臣、いかがでしょうか。
○赤城副長官 まさに先生御指摘のとおり、非公式の話し合いの中で、この問題が機微を要する性格の問題である、こういう沖美町長との間で相互の認識のもとで非公式の話し合いがあった、こういうふうに聞いております。 この問題につきましては、合併のことも御指摘ありましたけれども、すぐれて地元における住民自治の問題でございます。こういう誘致がなされるか否かについて、住民自治の問題でありますし、住民の合意形成については関与を差し控えるべきものである、こういうことで、当庁としては、この動きを関心を持って見守っておったところでございます。正式な誘致のお話がありましたら、先ほどお話しいたしましたような手続でもって関係のところへのお話を持ちたい、こういうふうに考えておったところでございます。
○斉藤(鉄)委員 結果として町長が責任をとって辞任をされたわけですが、町長も町民も、そして県も周辺市町村も、それから我々国会議員も、今回、何が一体間違ったんだろうかと。我々、決して誘致を賛成しているわけではない、誘致反対の立場ですけれども、それにしても、一体何が今回の間違いの原因だったんだろうかという思いがわだかまっているわけですが、防衛施設庁、その責任者としての防衛庁長官、今回の点で反省があるとしたら何でしょうか。
○石破国務大臣 今副長官からお答えをしましたように、これは結局、地方自治というのは何なんだろうかということなんだと思うんです。 今から考えてみますと、委員御指摘のように、もっとあちこちに話をするべきではあったのかという御批判はあります。しかし逆に、では、まだ地元が誘致も決めていないのに国がしゃしゃり出て、まだ地元の意思も決定していないのに、県や、まだ合併もしていないわけですから、周辺の市町村に国がお話をするということになりますと、これは地方自治を無視するものではないかという御批判が一方からはあるだろうというふうに思います。 そうしますと、どう考えたらいいんだろうか。委員もよく御案内のことですが、日米安全保障条約によって、日本が盾だ、アメリカが矛だということがございます。日本は、他国に対して攻撃をする能力を持っておりません。そうすると、アメリカに依存せざるを得ない。しかし、アメリカの航空母艦だって、単に浮かんでいるだけでは鉄の箱にしかすぎないわけです。そこに艦載機があり、そこのパイロットの技量が熟練しておって初めて抑止力たり得る。御案内のとおり、ナイト・ランディング・プラクティスというのは、十日間やらないと、もうその空母の搭乗員としての資格を失うわけですね。これをきちんとやることが抑止力につながる、日本の平和を守るということになっておるわけです。 そうしますと、そこをどのように考えたらいいんだろうかということだと私は思っています。後から反省することはたくさんあります。しかし、では、どうすればうまくいったんだろうかということ、委員は科学技術総括政務次官もお務めで、いろいろな、例えば原発とかいうことにつきまして御見識をお持ちだろうと思います。つまり、迷惑施設という言葉は私は好きではありませんが、国全体にとっては必要だけれども、その地域の住民の方々にとっては決して歓迎をされないもの、それをどのようにしていったらいいのかということにつきまして、私どももいろいろ思うところはございます。しかし、こうすればよかったんだというようなことについて、正直言って、明確な考え方を持てているわけではございません、正直申し上げまして。ここを、住民自治というものと国全体の利益というもの、これをどのように考えていったらいいんだろうかということについて、また御見解を承りたいと思っています。 ただ、一般に言われておりますように、私どもが、では、町長さんに責任を全部押しつけて国の責任を放棄したとか、そのようなことはございません。国として、本当に住民自治を重視しながらどのようにしたらいいのかということは、ぎりぎりと考えてまいったつもりでございます。いろいろなことを地元の、御見識をお持ちの委員の御指導も賜りながら、今後の糧にしてまいりたい、このように思っておる次第でございます。
○斉藤(鉄)委員 率直な答弁だと思います。 私自身は、被爆県広島、その広島市の真ん前、広島湾の真ん中にある島にNLP施設を持ってくるということ自体には反対でございますが、しかし、先ほどおっしゃったように、日米安保上の必要性ということは認めているつもりでございます。 NLPに対して、厚木基地、三宅島、硫黄島、そこら辺の経緯は一応勉強しておりますけれども、今後NLPに対してのお考え、御認識をお伺いしたいと思います。
○石破国務大臣 以前も答弁いたしましたように、厚木の住民の方々の御負担というものを減らしていかなければいけないということはあります。これは、控訴しておるということとはまた別の問題で、委員御案内のとおり、ああいう町のど真ん中にある、そこの御負担を減らさねばならない。しかし、硫黄島については、余りに遠いということと台風の常襲地帯であって、常にNLPが行えるとは限らない。そして、三宅については火山の状況がある。そうすると、硫黄島で常にできるとは限らない、三宅島はこういうような状況だ、しかし、厚木の御負担は減らしていかねばならない。どこかに適地を求めねばならないということなんだろうと思います。 では、そうすると、どこに置くんだということ、そこのところをどう考えたらいいのか、私どもは本当に知恵を出さなきゃいかぬだろうと思っています。 では、何か知恵はないのか。日本国じゅう、どこかにどこかにということで、常に常にこういう問題を惹起しておっていいとは私は思っておりません。しかし、現状においてNLPが必要なことは論をまちません。そうすると、では、どのようなやり方があるのかということをもう一度きちんと考えてみたいと思っております。 そのことについては、いろいろな科学技術を用いることもあり得るでしょう。そういうことをもう一度、あらゆる可能性を精査してみる。何か問題があって、こういうふうに町長さんがおやめになる、地元の方々に御迷惑をかけるというようなことは、それは繰り返してはならないことだと思います。そして、厚木の皆様方の御負担というものを減らすということが一日も早かるべきことは言うまでもございません。そういうようなことだろうと思っております。
○斉藤(鉄)委員 外務大臣にお伺いしますが、今は広島県の南部の話なのですが、広島県北部では、米軍の低空飛行訓練が非常に大きな問題になっております。 私も先日行ってまいりましたけれども、日本で、島根・広島県境、岩手県、それから高知・愛媛県境、最も人間が少ないところを選んで行われていることは確かなんですけれども、行って聞いてみますと、大変な状況でございます。 これは、NLPと違って予告もなし、突然米軍が来て低空飛行、ある山の中腹にある施設、例えば小学校というふうな比較的目立ちやすい施設に向かってぐうんと突っ込んでくる、それでぎりぎりで上空に上がるという低空飛行。これも日米安保上必要な訓練だということは私もわかっておりますけれども、しかしながら、その小学校の窓ガラスが割れる、物すごい轟音で周辺の住民の人たちは一時騒然となる、鶏は騒ぎ出す、牛、馬は騒ぎ出す、こういう状況、これが突然やってくる。こういう負担を一部の方にかけているということについて、やはり何らかの配慮が必要なのではないかということを痛感しました。 この低空飛行問題について、今後どのように改善されようとしているのか、この点についてお伺いします。
○川口国務大臣 委員もおっしゃってくださいましたように、日本にいる米軍がやはり練度を維持するということが必要で、訓練が必要であると私どもは考えております。 ただ、その訓練に際して、我が国の公共の安全、これに考慮を払って活動をすべきであるということは当然であるわけでして、このアメリカの低空飛行訓練ですけれども、これは地元の住民に与える影響を最小限にする必要がありますし、安全面に注意を払ってやってもらう必要があります。 それで、日本政府とアメリカ政府との間では、平成十一年の一月でございますけれども、六項目の具体的な措置を取りまとめておりまして、それの中身、例えば、人口密集地域や公共の安全に係る学校、病院等の建物については妥当な考慮を払うこととか、原子力エネルギー施設、空港などの場所を安全かつ実際的な形で回避するとか、そういうことは書いてございます。 それから、具体的に、ガラス窓が割れるとかそういう被害がございましたら、これは個別個別のケースで、実態を調査して対応させていただくということでございます。 地元の方にとって、今委員がおっしゃったようなケースがあったとしましたら、特に学校を目がけてというようなことがあるとしたら、それは非常に恐怖感を子供が抱くということも十分に理解できます。そういった個別のケースについては、被害がありましたら実態を調査して対応していくということで、その地区地区の防衛施設局がございますから、日本に幾つかございますので、そこで対応していくということでございます。 安全には十分に注意を払って米軍としてやっていくように、これは機会があるごとに話をしているということでございます。
○斉藤(鉄)委員 私も地元の村長さんや地元の方と話をしましたけれども、昔に比べて少なくなってはきているということですが、これからもぜひ善処方、御努力をお願いしたいと思います。 次に、防衛と研究開発ということについて、防衛庁長官と科学技術担当大臣にちょっとお話を伺いたいと思います。 我々、憲法九条に基づく専守防衛、この専守防衛の能力を高めることが、限られた資源の中で必要。そういう中で、科学技術、研究開発というものを大いに活用する必要がある、この観点での議論がこれまでほとんどされてこなかった、このように私は認識しておりますが、今、科学技術基本計画の第二期でございますが、こういう観点は全く入っておりません。産官学という言葉は入っておりますが、産防学といいましょうか、防衛ということも含めた形の科学技術、研究開発という観点はないように思います。 この点について、防衛庁長官と細田大臣にお伺いします。
○石破国務大臣 これはもう、科学技術に御造詣の深い委員が一番よく御案内のことだと思っております。特に、RMAとかトランスフォーメーションとか、今とにかく軍事技術をどれだけ革新していくかということが喫緊の課題であります。それがアメリカ合衆国などにおいては物すごく進んでおって、それが軍事的な優位、抑止力となっている。 そうしますと、日本の技術というものをどれだけ防衛に生かしていくかということは、私ども、正面から取り組んでいかなきゃいかぬことだと思っております。例えば、ミサイル防衛に関します日米共同研究というのをやっております。日本の技術というものが本当にそういうものに生かされていくように、そしてまた防衛技術というものが、委員御指摘のように、今まで、これは防衛庁のやっていることなんだ、軍事的なことなんだ、学問の分野とは交流しなくていいんだみたいな、そこまで正面から言っているわけじゃありませんが、いわゆる防と学との交流というものも、もっときちんとやっていかねばならないだろう。 それが、本当に防衛力というものは技術がこれから核心をなすものだということにもう一度思いをいたしまして、御指摘を踏まえながら努力をしてまいりたいと思っております。
○細田国務大臣 防衛技術と科学技術の関係というのは、大分以前から非常に深いかかわりがあるわけでございまして、例えば、インターネットという技術は、本来は軍事的に最初に使われて、それが全世界に広がっていったということもございますし、それから、半導体、コンピューター、通信などの技術は、民生技術が軍事技術に利用される、そういう歴史があるわけでございます。 第二期科学技術基本計画におきましても、その中では、防衛との関係について、この文章上読めるものは、「国際的地位と国の安全を維持するため、科学技術を活用する努力を行うことも当然である。」という書き方で書いておるわけでございます。 第三期の科学技術基本計画は今後の問題ではございますが、そういった中で防衛の問題をどのように考えていくかということは、今後、社会的ニーズ等を踏まえて総合的に検討することになると思います。
○斉藤(鉄)委員 この点は、今後の日本のあり方にとって非常に重要な点になると思いますので、科学技術の平和利用ということがございます、その平和利用という範囲をどこまで置くのかということで非常に重要な問題になると思いますので、今後議論を進めたいと思います。外務大臣、防衛庁長官、これで結構でございます。済みません。 次に、エネルギー問題について質問させていただきますが、ちょっと時間がなくなってきましたので。 現在、東電の原子力不祥事があって、一基が停止命令を受けております。そのほかの原子力発電所も、今後、順次定期検査、また自主的な点検ということもあって、これがこれから十七基、東電全部とまるというふうに聞いておりますが、これは非常に電力の逼迫を呼ぶ。それから同時に、今イラクの問題があって、この問題が長期化しますと、石油価格の高騰ということも予想されます。 ちょっと時間がありませんので、この逼迫に対してどう対処していくのか、またイラク問題が経済に与える影響について、済みません、端的にお願いします。
○平沼国務大臣 斉藤先生にお答えをさせていただきます。 大変、東電の不祥事というのは遺憾なことでございまして、私どもも、本当に国民の皆様方の信頼を損なったことに対して深くおわびを申し上げなきゃいかぬと思っております。 御指摘のように、東京電力は管内に原子力発電所が十七基ございまして、そのうち、今、十三基が停止をしているわけであります。そして、この三月から四月にかけまして、さらに検査のために停止をする。そうすると、全原子力発電炉が停止をする、こういうことに相なります。今は、休止中の火力発電所等を立ち上げて、そして何とか電力の需要にこたえているわけであります。したがいまして、これから一基も立ち上がらないということに相なりますと、夏のピーク時には非常に厳しい状況になる、このように想定されています。 そこで、今、私どもとしては、原子力というのは安全性を担保しなければならないわけですけれども、一方においては節電をお願いしながら、そして、原子炉のシュラウドのひび割れだとか再循環系統のひび割れ、こういったものの健全性評価、こういうものに対して総合資源エネルギー調査会の健全性評価の小委員会で今検討をしております。 そして、こういったことを確立して地元の皆様方に納得をしていただくことが非常に大切でございますから、私どもは、こういったことを一日も確立をして、そして現地の皆様方に納得をしていただいた形で再開をさせていただく、このことに今全力を尽くしていかなければならないと思っておりまして、私どもとしては、今一生懸命にそういう問題に取り組んでいるわけであります。 もう一方、イラクの場合でございますけれども、イラクでもし戦端が開かれるようなことに相なりますと、やはりその影響というのは否定ができません。ただ、例えばサウジアラビアは現在日量で九十八万バレルの余力がございますし、また、そのイラクとベネズエラを除いたOPEC諸国の石油生産能力の余力というのが約二百三十万バレルございます。そして一方、消費側のIEAの加盟国では備蓄が百十四日分確保されています。また、我が国も一生懸命努力をいたしまして、民間とそして国の備蓄を合わせますと百七十一日分あるわけであります。 ですから、そういう意味では、戦端が開かれますと、かつての湾岸戦争の例のときには、バレル二十ドル台だったものが倍に相なりました。ですから、そういう動きは短期的には出てくると思いますけれども、短期で終わる場合、これが中期になる場合、長期になる場合、いろいろあるわけですけれども、しかし、我々としては、やはり石油の価格が安定することと安定供給ということが一番大切なことですから、今申し上げたようなそういう背景の中でIEAとも協力をしながら最大限努力をしていかなければなりませんし、そういう意味でも、原子力発電所の立ち上げというものを、やはり信頼性を回復して国民の皆様方の理解を得ながら努力をしていく、こういったことが私どもは必要だ、このように思っております。
○斉藤(鉄)委員 私も同様の認識です。 原子力安全委員会委員長にお越しいただいておりますので、「もんじゅ」判決についてちょっとお伺いしますが、この名古屋高裁の判決の中で、原子力安全委員会の本件安全審査の調査審議及び判断の過程には看過しがたい過誤、欠落があったというべきであるという、かなり厳しい調子で原子力安全委員会について書かれておりますが、この判断について、判決についての御意見をお願いいたします。
○松浦参考人 原子力安全委員会松浦でございます。お答え申し上げます。 先日、高速増殖原型炉「もんじゅ」の原子炉設置許可処分無効確認等請求訴訟におきまして国側敗訴の判決が言い渡されましたのは、非常に遺憾なことだと考えております。 原子力安全委員会は、当時の最高のレベルの知見を踏まえまして、安全審査に最善を尽くしたというふうに考えております。 斉藤先生重々御理解のように、現代の工学施設というのは科学技術的見地に基づき設計、建設されております。原子炉施設に関しましては、特に、原子炉の有しております潜在的な危険性というのを科学的合理性に基づきまして最大に想定しまして、これを工学的知見を総動員して多重に防護する、そういう考えで安全を確保しているわけでございます。先般の判決にはこういう考え方を否定するかのごときところがうかがえるように考えまして、問題があると考えておりまして、原子力安全委員会といたしましては、現在、判決の内容を詳細に検討しております。今後、適切に対応いたしたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 最後に、経済産業大臣と細田科学技術担当大臣にお聞きしたいと思いますけれども、最近、エネルギー問題について国が逃げているのではないか、こういう批判がございます。 昨年、エネルギー政策基本法をつくりました。エネルギー政策基本法の基本的考え方は、何といってもエネルギーについては安定供給性、それから地球環境適合性、この二つが大事なんだ、自由化、市場経済性というのは一歩後に退くんだという基本的な考え方が国のエネルギー政策の根幹になったと私は思っております。しかし、最近の経済産業省を見ておりますと、自由化を強調する余り、安定供給性、環境適合性等について配慮が足らないんではないか、このような批判もございます。 私は、今回、世界の中でフランス等があそこまで自説をはっきり言うのは、自分に自前の防衛力と自前のエネルギー源を持っているからこそあそこまで言える。日本は、その二つとも自前で持っていないから、ある意味で言いたいことが言えないというふうな面もあると言われております。こういう面で、現在電気をつくっている軽水炉、それから先ほど話がありました核燃料サイクル、この両方について、国がもっと前面に立って、原子力と自由化の両立を図っていくべきだという意見がございます。この点についての経済産業大臣の御認識。 それから、核燃料サイクルにつきましては、北朝鮮の状況、北朝鮮がああいうことになりまして、世界の中に、日本がプルトニウムを生産するというオプションをとらせるのは危険ではないかということが特にアメリカから起きております。そういう意味で、日本で核燃料サイクルの重要性を世界に、国際社会に訴えていくことが必要になってくると思いますが、この点についての認識も、細田大臣、お願いいたします。
○平沼国務大臣 御指摘のとおりだと思っております。 私どもは、やはり今、エネルギーの安定供給と、そして国民の皆様方が安心して経済活動をしていただける、そういう基盤をつくらなきゃいかぬと思っています。その観点で、今一次エネルギーの五二%というのは石油に依存しております、その石油も八八%が中東、こういうことでございます。原子力発電というのは、私どもは、二十一世紀を俯瞰した場合でも、国の主要なエネルギー源にしなければならないと思っています。 そして、それは安全性をもちろん担保しなきゃなりませんけれども、原子力発電というのは、やはりその発電過程においてCO2の排出量がゼロである、非常にクリーンなエネルギーである。こういったことは、二十一世紀は環境の時代だと言われておりますので、私どもとしては、安全性を担保しながら、今御指摘の核燃料サイクルを含めてしっかりとした基盤を構築することがこの国の将来にとっては私はやるべきことであると思っております。 もちろん、そのほか、省エネルギーにも徹しなきゃいけませんし、新しい、燃料電池でありますとかあるいは天然ガスでありますとかバイオマスでございますとか太陽光発電ですとか、そういう新エネルギーにも私どもは力を入れて、総合的にやはりエネルギーの安全供給、安定供給、こういったものをしっかりと確保していかなければならない、このように思っています。
○細田国務大臣 エネルギー問題と原子力の重要性問題については平沼大臣がおっしゃいましたとおりですので、重ねて申しません。 核燃料サイクルにつきまして言えば、まず、普通の軽水炉の発電というのはウラン資源の〇・五%しか使用しないわけでございますが、これをプルサーマル方式を採用することによりまして五割増しのウラン資源の活用ができるということ、かつ、国際的に見ましても、斉藤委員おっしゃいましたような、プルトニウムを保有するようなことを避けなければならないという意味もあるわけでございます。 また、高速増殖炉に至りますとウラン資源を百二十倍活用できるということで、数百年、数千年の今後の、まあ短期的歴史を考えましても、これは必ず取り組んでいかなければならない問題であり、かつ、その先を言えば、核融合炉の方へ行かなければならないという展望がございますが、これはやはり国民の皆様への説得とか安全性とかいろいろな意味で、もちろん科学技術者が十分対応しつつやっておるわけでございますが、不祥事を防ぐとかいうことも相まちまして、国民への、常に知識を持っていただき、理解を持っていただくための努力が必要であると思っておりますので、今後ともそのようにしてまいりたいと思っております。
○斉藤(鉄)委員 終わります。
○藤井委員長 これにて斉藤君の質疑は終了いたしました。 次に、永田寿康君。
○永田委員 おはようございます。 まずは冒頭、財務大臣、金融担当大臣、それから日銀の皆さんに、前回の財務金融委員会での議論の続きをちょっとだけコメントいただきたいと思っています。 というのは、日銀が民間銀行が保有する株式を購入している、これは、私からすると、日銀法三十八条に基づく買い取りであるべきだと思っておりますが、実際には四十三条、目的達成業務でやっているというお話です。目的達成業務でやるに当たり、その許可は、日銀が総理大臣とそれから財務大臣に対して話し合いを持ちかけて許可をもらっている、こういう根拠であるわけでありますが、二兆円ものお金、これは最終的には国庫納付金になるべきお金だと思いますが、それを株を購入するという形でリスクにさらす、その判断が、国会で一切議論されずに、財務大臣と総理大臣と日銀の話し合いだけで行われたということは、私は、財政民主主義の観点からも極めてまずいことだというふうに思っています。 この財政民主主義の原理を踏み外した判断について、最終的に損失が出た場合、これは塩川さん、それから日銀総裁速水さん、そして内閣総理大臣小泉さん、この三人に個人的な責任が及ぶと私は考えているんですが、その責任のあり方について、皆さんの御見識をお願いしたいと思います。
○塩川国務大臣 まず、これは日銀法等、法によりまして手続をされたものでございまして、私の方には、日本銀行から正式に、こういうことをしたいので意見を問うということの連絡がございました。 それに対しまして私は、業務上必要であると日銀が判断されるなら結構だが、それについて財務省としては意見がある。一つは、その株の保有はできるだけ長期にわたってもらいたい。私の方からは十年と言っていたんですけれども、日銀の方は五年以上十年とおっしゃったんで、十年以上は持ってもらいたいということを一つのお願い、それから、株式を購入するについて、部内の、つまり日銀の中でちゃんとした基準をつくって、それによって審査をして実行してもらいたい、つまり透明性を明確にしてもらいたいということをしておきまして、その二つの条件をつけて許可したということでございます。
○三谷参考人 株式の買い取りについてのお話でございますが、私どもは、今回の株式の買い取り、今の日本の金融機関の置かれている状況並びにその株式の保有高の大きさ、そういったものが金融機関の信認にとって極めて大きな問題であるということを考慮に入れまして、今回の買い取りに踏み切ったわけでございます。 私ども、もちろん、今財務大臣が言われましたような条件、買い入れについての透明性ということは十分配慮いたしておりますし、もちろん株式でございますから、価格変動によってどういうことになるかわからないわけでありますけれども、基本的には処分の期間を、御承知のとおり十年間というかなりの長期間をとりました上で、市場の動向を見ながら、損失が発生しないように対処してまいりたいというふうに考えております。
○竹中国務大臣 お尋ねの、総理と財務大臣から認可を出すわけでありますけれども、その総理の部分が金融庁に委任をされておりますのでお答えをさせていただきます。 お二人のお答えとダブりますけれども、これは、金融機関の株式保有の価格変動リスクを軽減して金融システム全体への信認を確保するという公益を目指したものである。その際、お尋ねのロスが出たときどうするのかということに関しましては、これは塩川財務大臣の御答弁にありましたように、そういうことをできるだけ極小化するような仕組みを同時に考えたということでございます。
○永田委員 本当にこの問題は、財政民主主義の観点から、国会が税金を、あるいは国庫納付金を扱い、そしてその支出を決めていくという、この根源的な議会の機能をいかに政府が考えているか、中央銀行が考えているかという根源的な問題ですから、ぜひ今後も議論を深めていきたいと思います。 実は、この予算委員会の質問を準備する段階で、私はこの問題を深く突っ込もうと思ったんですが、私の質問時間が当初想定していたよりも短くなってしまったので、この問題は、ちょっとここから先、財務金融委員会にその場を移して引き続きやっていきたいと思いますので、実りある議論ができるようにちゃんと答弁を用意してきてください。 やはりこれは、僕は日銀法でやるのは無理だと思っています、はっきり言って。これは法律違反だと思っています。そして、決済機能の確保をもって金融システムを守るんだというあの日銀法第一条の目的の第二項の部分、これには僕は当たらないと思っています。万人が日銀が株を買うのは禁じ手だと思っています。中央銀行、日銀そのものも禁じ手だと思っています。万人が禁じ手だと思っているものを法律改正せずにできるわけがないんですね。 やはりそういう中央銀行の行為というものを適正な範囲におさめておく、その縛りをかけているのが日銀法であって、通常の状態の金融状態、要するに異常時で金融システムを何でもかんでも守らなきゃいけない、そういうような状況じゃなくて、平常の状態に発動される目的達成業務でみんなが禁じ手だと思っていることができるわけがない。これは明らかに法律違反です。 ですから、そういう観点で今後財務金融委員会で質問しますので、ちゃんと準備をしてきてください。きょうは、日銀と、それから竹中大臣、塩川大臣はここまでで質問を終わりにしますので、ほかの民主党の議員がこれからもっと突っ込んだ質問をすると思いますので、十分準備をして対応していただきたいと思います。 それでは、国土交通大臣と石原大臣、そして道路公団民営化推進委員会の事務局の方々に対する質問に移りたいと思っています。 こういう雑誌が発売されました。月刊現代ですね、この三十八ページに書いてあります。「砂上の楼閣 道路公団改革を裏切ったのは誰か」、こういう非常に突っ込んだ記事でございます。 道路公団民営化推進委員会は、御存じのとおり、各委員及び総理大臣の強いリーダーシップのもと、公開性、透明性を極めて重視した形で議論が進められてまいりました。おかげで議事録は詳細にインターネットにも公開されておりますし、私も大変読むのが骨が折れるぐらいの分量になっております。 詳細に資料を分析した結果、どうやら道路公団民営化推進委員会の出した結論というものは実現性が疑わしいのではないか、ありていに言って、新会社は民営化した瞬間に倒産するのではないか、そういう危険性が指摘されています。 私は、はっきり言って、野方図に予算を突っ込んで道路をつくり続けることには反対です。だけれども、今せっかくある道路資産を会社が倒産するということになって失うことになれば、それは大問題だというふうに思っています。多分自民党の道路族の皆様にもそこは御理解いただけると思います。ぜひ、私は道路族ではありませんが、実りある議論をしたいと思いますので、皆様に誠実に御答弁をいただきたいと思います。 まず第一問目。この答申というのは、私が素人考えに考えても、道路公団の改革をしてください、特に四十兆にも膨れ上がった債務を国民負担をどれだけ減らして返済していくかという部分に焦点があるのであれば、やはり大事なことは、こういうような前提条件をまず認めましょう、つまり、金利がどうである、あるいは債務は今これだけある、あるいは道路の需要、つまり交通の需要はこれぐらいある、そして今後の高速道路の建設スケジュールはこういうふうにしていく、こういうような前提条件を幾つか組んだ上で、では、こういうような組織形態にしたら何年後にはこういうふうな財務状況になるね、経営状況になるね、こういうことを計算しながら議論を進めていって、おお、なるほど、この条件が一番いいじゃないか、こういうふうにするのが国民負担が一番少なくて、しかも道路も建設できる、そういうような結論を模索していくのがこの委員会の使命だと思っています。 一体どのような前提条件を置くことによって今回の改革を進めていこうとしているのか、その前提条件の具体的な内容を教えてください。
○坂野政府参考人 委員会の審議におきましては、道路関係四公団の財務状況などについて、各公団の決算資料など、そういう資料をもとにいろいろな討議あるいは分析をしてまいりました。 その過程では、事務局から委員会の要請に応じていろいろな試算も提出をしておりまして、例えば、夏に四公団の財務状況に関する試算を出すとか、あるいは、十月には本四公団について、債務の返済を終えるために必要となる債務の切り離し額の試算を行うとか、そういうようなものを数々出してきたわけでございます。委員も議事録等で既に御承知のことだと思っております。 そういう積み重ねた分析をもとに結論を出しておるわけでございまして、各試算においては、それぞれその試算に必要な前提条件は置いておるわけでございますけれども、おおむね、大体、今後の交通需要あるいは今後の金利動向等について、適当と想定されるような前提条件をそれぞれ置いてやっておるわけでございます。
○永田委員 私が質問しているのはそういうことじゃないんです。民営化推進委員会の議論の中でさまざま試算がなされた、その試算をする上では当然前提条件もあるでしょう。私が聞いているのはその前提条件ではなくて、民営化推進委員会が最後に意見書を出すに至った、その意見書の前提となっているものです。つまり、意見書というのは、十年後に債務を買い取るとか、あるいは上場を目指すとか、あるいは一〇%通行料を値下げするとか、そういうような、まあ一〇%引き下げるというのはこれは前提条件と言えなくもないですが、改革の一つの姿ですね、こういう改革の姿を決定するに当たって、どういう前提で考えていたのかというその前提条件を聞いているんです。 幾ら試算があった、幾つか試算があった、その試算をするに前提条件があった、そういう話をしているんじゃないんです。民営化推進委員会は最終的にどういう前提条件を受け入れて結論を出すに至ったのか、その前提条件を聞いているんです。教えてください。
○坂野政府参考人 昨年の十二月に委員会が意見を最終的に決定いたしました。その直前には、その最終決定した意見書、それをそのまま引き写した試算というものはこの事務局において行ってはおりません。 ただ、先ほども申し上げましたように、そういう意見をつくり上げる上でさまざまな試算を行ってきたわけでございまして、そういうものをベースに委員の方々が専門的な知見も、みずからの知見も加えられて意見の内容を決定された、そのように私どもは考えております。
○永田委員 そんなあいまいな話をしているんじゃないんですよ。いいですか。いろいろ試算をした。いいですよ、試算をしたんでしょう。その中で、この姿が最も合理的で、しかも国民負担が少なくて、道路の建設も円滑に進む、そういう価値観のもとに一つの試算の姿を選択したんでしょう。その選択された最後の結論となった試算の前提条件は何だったんですかという質問をしているんですよ。民営化委員会はどういう前提を飲み込んだか。 例えば、では、具体的に聞きましょう。交通量、それよりも経済成長率の方がいいかな。経済成長率と、あと、今後の高速道路の建設スケジュールについてどのような前提を民営化推進員会は念頭に置いているのか答えてください。
○坂野政府参考人 先ほども申し上げました、委員会の審議の途上でさまざまな試算を行っておるわけでございまして、その試算のそれぞれのケースでは大体共通した想定を置いておるわけでございます。 例えば金利については、返済期間全体について平均四%、高い場合では五%、この二ケースを大体想定していろいろな試算を行ってきております。また、交通量の将来見通しについては、国土交通省が昨年新たな見通しを出したわけでございますけれども、その見通しが出るまでは、それまで国土交通省が持っておりました交通量の伸びの見通し、それからこの伸びがないという場合のケース、その両方を大体念頭に置いておりましたし、新しい交通量の推計が得られた場合には、その新しい推計に基づく伸びがある場合とない場合、そういうようなケースで試算を行ってきたわけでございます。
○永田委員 では、道路公団民営化推進委員会のあの意見書の前提となった金利は四%なんですか、五%なんですか。どちらですか、教えてください。どちらの試算もあったというのはわかっているんです。最後に民営化推進委員会が結論として受け入れたのはどっちの金利なんですか、教えてください。
○坂野政府参考人 委員会の意見をまとめるその前提となった金利は、先ほど申し上げたような四%ないし五%というものを想定して結論をおつくりになったというふうに考えておるわけでございまして、どちらかであるとかそうでないとか、そういうふうな単一の前提でもってすべての結論を出す、そういうことではなかったと思っております。
○永田委員 そんなばかなことは、まさにそういうことはあり得ないんであって、前提としては、それは将来本当にそうなるかどうかわからないけれども、私たちは四%という金利を前提に考えました、そういうことは言って構わないんですよ。その前提条件が実現するかどうか、将来を見てみたら三%になるかもしれない、五パーになるかもしれない、それはいいんですよ。だけれども、とにかく私たちは四%という立場に立ちました、そういうことがどこかにないと、では、一体何をもとに議論したんだという話になっちゃうんですよ。 ですから、四%か五%か、決まった答えがあるんだったらもう一度答えていただきたいのと、交通量も、国土交通省が持っていた需要の推計、これに従っているケースと伸び率がゼロのケース、両方あるというふうにお答えになりましたが、どっちの立場に立って民営化推進委員会は考えたのか教えてください。
○坂野政府参考人 繰り返しでまことに申しわけございませんが、先ほど申し上げましたように、金利についても、かなり長期にわたる期間を想定した金利でございますから、今の時点で、例えば将来何十年にわたって金利は何%だということを踏み切るということは、実際上難しいわけでございます。 また、交通量の将来需要の見通しについても、相当長期にわたる見通しであります。したがって、国土交通省の推計、それをとりあえず材料にして伸びを想定いたしますけれども、伸びがないケース、すなわち、かなり悲観的なケースも前提の一つに置いて計算もして、いろいろな計算の結果を総合的に委員として御判断になってこの結論をお出しになった、私どもはそう理解をしておるわけでございます。
○永田委員 では、石原大臣にお伺いします。 いいんですか、そういう前提に立った答申で。それは意味があるものだ、意義があるものだとお考えですか。 だって、政府の、今審議されている国家予算であったって、税収の見通しはこれぐらいだろう、あるいは金利動向はどれぐらいだろう、輸出の伸びはどれぐらいだろう、そういう仮定を置くじゃないですか。その仮定に従って、税収はこれぐらいだから、これぐらい国債を発行しても大丈夫だ、金利はこれぐらいにおさまるだろう、そしてその範囲内で予算を組もう、あるいは日銀からの国庫納付金は幾らになるだろう、そういう仮定を置くじゃないですか。 今回の道路公団民営化推進委員会では、そういう固まった前提がどうやら見えてこないんですけれども、石原大臣、これでいいんですか。意義があるとお考えですか。
○石原国務大臣 事務局長から御答弁させていただきましたように、交通量の伸びにつきましても、国交省の、高位、中位、低位によりまして、全然出てくる数字が違います。すなわち、債務が返済できるかできないのかということも大きく違いますし、仮に十年後に資産を買い取るという形の中で、これは昨年でございますけれども、示された、有利子負債に対する営業キャッシュフローの倍率でございますけれども、それも八兆円から十兆円というような大きな差が出るということは、もう既に委員御指摘のとおりだと思います。 そこで、委員の今の御質問を聞いておりまして、私なりに考えさせていただきますと、十二月の最終に取りまとめた意見書の前提となる試算の数値が、その仮定の中では、今言いましたように、金利も四%、五%、今は伸びの話もしましたけれども、伸びがゼロというケースも実は数字として出てまいりましたけれども、どれをとったのか、そしてどれをとったのか明らかでなければ、それが世に問われるものとして適切なのか適切でないのかという御質問だと私は理解させていただいたんですけれども。その意見書の前提、すなわち、その最終的な報告書で四%をとったのか五%をとったのか、あるいは、要するに伸びをゼロにしたのか、さっき話しました低位、中位、高位をとったのかということは、残念ながら委員会の審議の中では具体的には明らかにされなかったんです。 したがって、今御議論である前提条件が一体何であったのかということは、再三再四、事務局を通じて、今のような御質問が出ることが私も昨年の段階で予想されておりますので、民営化委員会の委員の先生方に、それを示してくださいと。それはどれでもいいわけなんです、どれをとったかという話ですから。委員が御指摘のように、当たるかもしれないし、当たるというのは適切じゃないですけれども、そのとおりになるのかならないのかということは、幅はどのぐらいあるのかというのを見ることがこの試算の意味だと私は考えております。
○永田委員 初めて石原大臣と会話がかみ合った感じがして、非常にうれしいですね。さすが、お父様が立派な文筆家だけあって、理解力は抜群だという感じがいたしております。 そうなんですよ。明らかになっていないんですよ。第三十四回の民営化推進委員会の議事録を見ても、明らかになっていないということが明らかになっているし、そして事務局から、まさに坂野さん御自身の言葉で、どういう前提だったんですか、それを私たちは外から問い合わせをされて答えに困っているんですというようなお話が議事録に残っています。事務局は、委員のメンバーないしは関係者に、この前提条件というか、その数字の根拠となる核の部分を出してください、示してくださいと再三お願いをしているようですが、どうも僕の知っている範囲ではまだ出てきていないというふうに聞いています。 事務局長、あそこで依頼をされたこのバックとなるデータ、依頼をして出てきたんですか、最終的に。今の時点での状況を御説明ください。
○坂野政府参考人 今の御指摘は、昨年の十二月二十日の委員会の出来事だったと思います。 御指摘のように、事務局から委員の方々に、最終的なスキームをお決めになったときに、そういうようなものをお持ちであるのならば私どもにもお示しをいただきたい、そのような趣旨のことを事務局から申し上げまして、委員の方からは、そういうものがあればお出しをしましょうというお答えをいただいておる、それはもう御指摘のとおりでございますが、現時点ではまだそういうものをお示しいただいていないということでございます。
○永田委員 事務局長、これは依頼をした委員というのは松田委員ですか。もしもそれで正しければうなずいてください。——では、答えてください。松田委員ですか。
○坂野政府参考人 提出をしようとおっしゃったのは、松田委員でございます。
○永田委員 ということは、事務局長、このバックデータを明らかにするべき責任者は松田委員であるというふうに考えてよろしいのか、それを一つお答えいただきたいのと、もう一つは、最後に依頼をしたのはいつか教えてください。もしもわかればですね、これは。
○坂野政府参考人 提出責任といいますか、そういう資料をどういうふうにまとめるかという責任、これは一人の委員だけが負うというものではなくて、やはり合議体としての委員会が責任を持つべきものだと私どもは考えておりますし、事務局としては、それに必要な作業を命じられればそれに従事をするということであろうと思っております。(永田委員「最後に依頼したのは」と呼ぶ) それから、最後の依頼とおっしゃるんですが、私が申し上げられるのは、この十二月二十日にそういうことがあって、それ以後はその議題は、その問題は委員会で出ていないということを申し上げられるということでございます。
○永田委員 松田委員に依頼をしたんだったら、普通は松田委員が説明責任を負っているんだというふうに考えますよね。合議体としての委員会に対して説明責任があると考えているんだったら、それは合議体としての委員会に依頼しなきゃだめじゃないですか。 どうして松田委員に依頼したのか、教えてください。
○坂野政府参考人 私が申し上げたのは、この委員会の結論全体及び結論全体を支える上で必要な材料がもしあればそれを確定する、そういう全体としての責任は委員会全体にあるということでございます。 今申し上げた、御指摘のあったのは、松田委員が十二月二十日の委員会で出しましょうとおっしゃったということでございますから、その件に関しては松田委員が約束を公の場でされておられる、そういうことではないかと思っております。
○永田委員 委員長にお願いがあります。 今後の予算委員会の質疑において、どこかで松田委員に参考人として来ていただきたいので、まずその旨お願いします。
○藤井委員長 理事会で協議いたします。
○永田委員 では、石原大臣に今度は御質問をしたいと思います。 先ほどの大臣の答弁でもありましたとおり、前提条件は委員会の中では明らかになっていません。前提条件を明らかにせずに改革の姿を考えることができるんですか。できるとすれば、どうしてそれができるのか教えてください。
○石原国務大臣 委員会の審議の中で、道路公団四公団の抱える債務の実態あるいはファミリー企業の内部留保の問題等々、大きな問題が明らかになってまいりました。その国民の皆様方から借りているお金を返すことを最大公約数とし、これから必要な道路をどうやってつくるのかという議論が審議の中でなされてきたんだと思います。 そんな中で、ただいま委員の御指摘は、先ほど若干私が触れましたように、最終答申案では、十年後に資産を買い取る、そして四十年の元利均等で返していくというような答申案になっておりますので、そこの前提条件、これはどの前提条件をとったのかということであって、どれがいいのかということとは私は別だと思いますが、その前提条件によって、十年後の買い取り価格、買い取り必要額、また買い取ることによってその企業が、先ほど、冒頭委員が御指摘されましたように、企業体として存続できるのかできないのかということが明らかになってくる。 こういう問題を、政府としては御答申をいただいたわけですので、責任を持って精査をしていかなければならないという立場で、先ほど事務局長が御答弁いたしましたように、どの数値をとったのかをお教えいただければ今言ったような問題点がクリアになってまいりますので、精査をしている最中でございますし、またその精査を行う上でどうしても、どれをとったのかだけをぜひお教えいただきたいと再三考えているところでございます。
○永田委員 つまるところ、石原大臣の意見というのは、道路公団民営化推進委員会の使命というのは、やはり四十兆にも膨れ上がった債務をいかに返すか、そして必要な道路をいかにつくっていくか、そういうバランスをとる上で、推進委員会が出してきた、十年後に買い取る、そして十年後に上場を図る、四十年元利均等、こうした条件のもとに会社が存続できるかどうかを政府としては精査しなければならない。精査しなければならないのに、その上で前提条件を明らかにしてもらう必要があるけれども、事務局長が言われているとおり、それはまだ明らかになっていない。こういうお話ですね。 大変ゆゆしき事態でありますので、これはもう松田委員だけではなく、全委員に参考人で来ていただく必要があると思いますので、その旨、予算委員長、これはいつの日か全委員を参考人で呼んで、できたら集中審議にしたいなというふうに思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
○藤井委員長 理事会で協議いたします。
○永田委員 引き続き、そして、いわゆる保有・債務返済機構と新会社の財務状況の今後の推移というのはどういうふうに見通されているのか。これは、委員会での議論ではどういうふうにその推移の見通しがなっているのか。それも教えてください。 今の議論だと、恐らくそんなものは全く示せる形になっていないというふうには思うんですが、一応確認をしたいと思います。
○坂野政府参考人 先般申し上げましたが、十二月に意見書を決定するその直前にきちんとした試算をやり直しているということはないということは申し上げました。したがって、今のお尋ねに対しては、それまでの間で、いろいろな審議の途中で試算が出された、そういうものを前提にして大まかに申し上げるということになると思います。 保有・債務返済機構、これについてはいろいろなケースの試算をやりましたけれども、新規投資をどの程度会社が行うか、それをどの程度資産の中に組み込むかということによってかなり債務の方が、いつ、どの程度まで減るかということが違ってくるわけですけれども、少なくとも三十年から五十年の間できちっとした債務の返済は可能だろうという試算は幾つか出ておるわけでございます。 また会社も、コストあるいは新規投資、そういうものがどの程度になるかということは事情によっていろいろ違ってまいりますけれども、前提条件の置き方によって、かなり極端なケースを置けば会社にとってかなり厳しい状況になる可能性もありますが、通常のコスト削減、あるいは関連事業等による増収等を見込めば、会社としてもそれなりに成り立っていくのではないか、そんなような試算もあったということでございます。 いずれにしても、先ほど申し上げましたように、最終的に意見書のスキームを決めるその直前に改めてきちんとした試算をやり直していない、今そういう前提でのお答えでございます。
○永田委員 今、事務局長お認めになったとおり、新規投資をどれだけやっていくかということが非常に今後の会社の経営状況に大きな影響を与えるということで、事務局長、今お認めになりました。 では、新規投資はどういう基準に従って優先順位をつけていくのか、その基準が話し合われた形跡があるんですが、これを明らかにしてください。
○坂野政府参考人 委員は意見書をもうよく読んでおられるので御承知だと思いますけれども、新会社が発足した後は、基本的には新会社がどの程度の新規投資を行うか判断をする、しかし、その判断の基本には採算性を置くべきである、それがこの意見書の全体を通ずる考え方であると考えております。 したがって、新会社が新規投資を行う場合の優先順位を別の人が、端的に言えばこの意見書が具体的なものを示してそれを与えておるということではございません。
○永田委員 新会社の投資の判断は採算性を重視して決めるべきだ、新会社が発足した後の新規投資はそういう考え方に従ってやるべきだ、そういうお話であります。 ということは、採算性を重視するということが一つの基準になるというふうにこの推進委員会は言っているというふうに考えてもいいと僕は思います。ということは、採算のとれない道路は今後はつくらない、そういうふうなことを委員会は言っているというふうに思うんですけれども、事務局長の見解及び、国土交通大臣もせっかくうなずいておられるので、御意見を伺いたいと思います。
○坂野政府参考人 先ほど申し上げましたが、意見書では、新会社はみずからの採算、これを基本にして投資を考える、そういうことであると考えております。
○扇国務大臣 永田議員と委員会の事務局長、担当大臣との討論、拝聴しておりまして、私が今行っていること、そして、この答申を尊重しながら実行するということにいかに私が今苦労しているかというのを永田議員がおわかりいただいているんだなと思って私は拝聴しておりました。 これを尊重するために現段階でどういうことをしているかというのを、私は永田議員も一緒に考えていただきたいと思っております。それは、全国民のためですから、国のためですから、私は一緒に考えていただきたい。 そして、この答申をいただいて、民営化ということだけはもう決まっているんです、その間に何を置くかは、これは別途として。この答申をいただいて、私は、民営化するということのポイントとして大きな点があると思います。 それは、今までの道路公団の利権からの脱却、これは私は大きな要素を占めていると思います。そして二つ目には、自主的あるいは効率的な運営をしていく、これは民営化への大きな条件であろうと思います。そして最後には、国の役割はどこまでどうなのかということも民営化への大きな基本的な問題だろうと私は思っています。 そして、私は、答申をいただいて、今おっしゃったように、基本的に今すぐできるもの、また中期にしなければいけないもの、そして十七年度に法案として出さなきゃいけないものの分類をいたしました。 そして、今私がいたしておりますことは、本予算の審議中でございますから、本四のこの債務に関しましては、四公団の中でもしょい切れないぐらいの債務があることは御存じのとおりです。そのために、私は、この本四だけは切り離して、国等がそれを承継して、そして国民の皆さんの御理解をいただきながら適切な処理をしようということで、本四だけは切り離して本委員会に予算として出させていただいています。 また、二つ目には、高速道路というのが、国と地方とどうかかわっていくかということで、今おっしゃったように、公開されているものですから、委員の中には新規は一切つくらないで四十兆早く返せとおっしゃる方もこれまたございます。けれども、全国の知事さん、市長さん、全部、道路はつくってくださいという陳情もこれありということで、国と地方それぞれが応分の、新たな方式で、直轄方式ですけれども、そういうことで、つくるべきかつくらざるべきかということも国と地方と話し合って、そしてお互いにどう負担していくかということも私は考えていくべきだということで、二つ目に、地方と話し合う。そういう意味で、私は、一般会計に継承しながらも、高速道路の建設に関しては直轄方式もあり得るということが一つございます。 それから、もう一つ大変大事なことなんですけれども、先ほど事務局長からお話ございませんでしたが、議事録を見ていただいたらわかりますけれども、昨年の十二月に財務諸表という話が出てまいりました。けれども、結論には財務諸表が書いてありません。 それで、私は、その答申をいただいて、総理が尊重しろとおっしゃったので、私は、道路公団及び公団すべてに、財務諸表を出さないで民間と同じようにということはあり得ないと。永田議員は大蔵省にお勤めでしたから、すべて財務諸表がない民間なんというのはありません、それはよく御存じのとおりです。 ただ、私は、これを調べましたら、財務諸表は全部の七十四の特殊法人のうちに、少なくとも財務諸表が出ているものは十一しかありません。すべての特殊法人は、財務諸表を今まで出したことがないんです。 ですから、道路公団に、去年ですからことしのですね、ことしの九月に財務諸表が出ますとおっしゃったので、私、それでは十六年度の法案提出には間に合わないのでこれを前倒しにしてくださいということで、道路公団から百名から百五十名の集中の人員を集めて、そして財務諸表、アウトソーシングにも出して、この通常国会中に答申として財務諸表をお出ししますということの答弁も来ておりますので、これも今作業中でございます。 それから、まだあります。この答申の中に、本四を料金を半分にしていただきたいという答申があるのを御存じだと思います。 私は、全部計算いたしましたけれども、本四を一時期、二割料金を下げたことがあります。二割削減したんですけれども、通行量は一割しかふえませんでした。そうすると、また一割分が赤字で残ったんです。ですから、私は、この答申の中に尊重しなさいと書いてありますけれども、今五割引きはできませんということで、今既に二〇%引いてあります。それを、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、そして高知県、愛媛県、香川県、徳島県と、そして八県と大阪市、神戸市の皆さん方に、この二〇%の削減は続けさせてください、十年延長してください、そのかわり、変な話ですけれども、今回もしも皆さん方の法案が通れば、一年間だけは、一〇%ですね、一割引いてみましょう、期間限定です、期間限定で引いてみます、そのかわり、もしもその結果一年たって、この一割引いたものでどれくらい交通量がふえるかというのを私は調査させていただいて検討させていただきたいというふうに、今できること、そして今まだできないこと、今ファミリー企業のことも言いますけれども、余り長くなりますからやめますけれども、それくらいのことを今現在進行中でございます。
○永田委員 何か私の質問要旨が漏れているのか、私がこれから聞こうと思っていたことまで答えられてしまったので結構困っているんですが、ただ、非常に大事なことは、丸々この答申を尊重することはできないということを今扇大臣、本四の例は特にそうですけれども、おっしゃいましたね。石原大臣、これでいいんですか。 僕は、この道路公団民営化推進委員会の設置法が内閣委員会で議論されているときに、僕の例の議事録削除になった質問ですから覚えていらっしゃると思いますけれども、国土交通大臣の意見と民営化推進委員会の結論が異なった場合どちらを尊重することになるのか、そういう質問をしています。その結果、石原大臣は、いや、これは両者の意見が食い違うことがないように努力していきたい、このような答弁をされていますが、結果として、これは大臣がどういうふうに努力なさったのかわかりませんが、両者の意見は食い違っているわけですね。どういうふうに取り扱っていきますか。これは大臣、ぜひお願いします。
○石原国務大臣 本四架橋の五割削減を例に出されて扇大臣が御答弁されましたので、私も、わかりやすいのでそれを使って答弁させていただきたいんですが、確かに答申は、半分を目指すというような文言が入っております。 これは、どういう考えのもとにこの議論が成っているかと申しますと、政治の責任、行政の責任あるいは地元の責任があった結果、三本のあの橋が現実にかかっております。そして、通行料収入では金利も払えないような状態が続いている。しかし、現実に橋がかかっております。この橋はある意味では国民共有の財産であります。高い通行料によってその橋を利用しないのがいいのか。すなわち、料金を回収することを前提に行えば通行料というものは高くなります。しかし、廉価な値段にして国民共有の財産を使ってもらうのがいいのか。ここで意見の相違が哲学論としてあるから見解が分かれているんだと思います。 私は、後者の、やはり国民固有の財産として、もう橋が現存している以上は、料金収入が、すなわち料金収入であの橋の債務を返済することができないことが明らかな以上は、これはデッドウエートロスということなんだそうでございますけれども、国民固有の財産を廉価な値段で国民の方に使ってもらって、それによって返済収入が減るとしても、現存する以上は、私は料金を下げていくという方法をとることが国民全体の利益になると確信しております。
○永田委員 ということは、石原大臣は、民営化推進委員会の答申どおりに、半分に下げてでも国民に使っていただく方がよいのではないか、そういうお考えなんですか、ちょっと確認したいんですけれども。意見が食い違っているものですから、どっちの立場に立つのか、今後どういうふうに扱っていくのかということを質問しているので、お願いします。
○石原国務大臣 結論から申しますと、やはり私は、あの橋がかかっている以上は、一人でも多くの方々に利用していただけるような方策を考えていかなければならない……(永田委員「半分に下げる」と呼ぶ)はい、半分を目指す、必ずしも半分とは限りませんけれども、やはり今の値段は高過ぎると思います。 そんな中で、現実問題、債務の返済と、どこまで下げられるのかということで、扇大臣が御努力をされ、現在の、今二割割り引いている料金を延長するという決断を下され、さらに料金を下げてみてどこまで交通量がふえるのか、そういうことを、扇大臣は現場を預かる責任者として、これから基本的に政府として答申を尊重するという方向に現実を合わせるために御苦労をいただいているんだと思っておりますし、私はそれを多とさせていただいているところでございます。
○永田委員 本当にちゃんと答弁してほしいんですが、似たような問題で、この答申が出た後の政府と与党の間の申し合わせの会議の中で、申し合わせの中で、今後の高速道路の建設については、その財源に料金収入も含めることも一つの検討課題とするという一文が入っているはずなんですけれども、これは事実かどうか、まず確認をさせてください。
○坂野政府参考人 今の御指摘は、昨年の十二月十二日の政府・与党申し合わせに関してだと思います。 私は、立場が委員会の事務局長でございますが、便宜上、ちょっと私からお話をさせていただきたいと思いますが、その十二月十二日の申し合わせの中で、最後に3として「今後検討すべき課題等」というのがあるわけでございます。その中に、「新会社による高速道路等の整備の具体的な仕組み(道路料金収入を極力活用した仕組みも含む。)」ここのことをおっしゃっておられるんだと思います。文字どおり、検討課題としてはこういう検討課題が政府・与党の中で挙げられておるということでございます。 ついでに申し上げれば、この民営化推進委員会の意見では、既存のネットワークの料金収入をもって新規投資に充てるということは容認し得ない、それが意見書の内容でございます。
○永田委員 これは当然、政府と与党の申し合わせ事項ですから、閣僚の方々もこれに同意をした文書だと思います。道路公団民営化推進委員会の意見書の根幹をなす部分の一つが、幾つかあるんですけれども、その一つが、僕は、この既存のネットワークから上がってくる料金収入は新規投資には充てないという部分だと思っていました。しかし、それをあっさりほごにした内容のことも今後、政府・与党は検討していくというふうになっているわけですね。どうしてこういうふうになったのか、そしてそういうことをやっていいのか。八条委員会が出した意見がこんなふうに軽く扱われていいのかという問題があるんですが、二点お伺いしたいと思います。 つまり、なぜ答申と違う立場に立ってやらなきゃいけないのか、これを一つお答えいただきたい。それから、なぜ八条委員会の意見がこれほど軽く扱われているのか、この二点、お願いします。
○扇国務大臣 今、永田議員がおっしゃいまして、八条委員会の答申がとおっしゃいましたけれども、この八条委員会は後発でございます。先発の八条委員会がございます。それは、国幹会議というものもこれも八条委員会で、一万一千五百二十キロも九三四二も八条委員会、先発の国幹会議で決まっています。そして、後発で今の委員会ができ上がっています。 それからもう一つ、今おっしゃいましたけれども、昨年の十二月十七日、閣議決定しております。それは、御存じのとおり、政府は、道路関係四公団民営化推進委員会の意見を基本的に尊重するとの方針のもと、これまでの同委員会の成果を踏まえつつ、審議過程や意見の内容を十分精査し、必要に応じ与党とも協議しながら、建設コストの削減等直ちに取り組むべき事項、平成十五年度予算に関連する事項、そして、今後検討すべき課題等を整理した上で、改革の具体化に向けて、所要の検討、立案を進めるというのが十二月十七日の閣議決定でございますから、ほごにしたとか、ほごにしないということではなくて、今、決めたことをすぐばさっとできないで、私は、いかに尊重しながらできるかというのを検討して、実行しつつあるのが現状でございます。
○永田委員 僕は二点お伺いして、確かに八条委員会の意見の位置づけとして、どれぐらい重いのか軽いのかという話は今簡単に御答弁なさいましたけれども、それに満足したわけじゃないんですが。 もう一個、どうして答申どおりに、新規投資には料金収入は充てないという立場をとれないのかということを聞いているんです。それは、料金収入で新規投資を賄う必要があるという事実があるんですね。それはどういう事情なんですかということを聞いているんです。
○扇国務大臣 少なくとも現段階で、例を挙げますと、四十路線中、償還が済んでいるのは四路線しかありません。料金収入だけで新規をつくることは不可能でございます。
○永田委員 何でそんなことが言えるんですか。だって、先ほどから、委員会の議論を時系列に追ってみますと、確かに委員会の答申の前提となった条件は何だか明らかになっていない。これは事務局長も大臣も認めるところですよ。でも、委員会は総合的に判断をして、これでいけるというふうに判断をしたわけですよね。どういう前提条件に立って、どういうような思考回路でそういうふうになっているのかということはわからないけれども、できるという委員会の判断があったわけですよ。 だったら、まずそういうふうに新規の投資に料金収入を充てずにつくることは不可能だという立場に立つんじゃなくて、まず委員会の皆さん、どういう前提に立って、どういう根拠で、どういう理屈で建設ができるんですかということを調べてから判断しなきゃだめじゃないですか。それは大臣の話ですよ、大臣。それは、委員会の人がどうしてそういう判断に至ったのかということを調べてみないと、頭ごなしに、いや、おまえが言っているのはむちゃくちゃだ、新規投資に料金収入を入れなきゃできっこない、そういうことを決めつけるのは失礼じゃないですか。手続をちゃんと踏んでくださいよ。
○扇国務大臣 今申しましたように、今すぐできることとできないことがあるというのを先ほど申し上げたとおりで、財務諸表一つとってもそうです。答申には分割をしろと書いてあります。分割をするのに、財務諸表もなくて分割できますか。しかも、御存じのとおり、道路公団だって九名しか役員いませんよ。旧国鉄は十八人だったものが、今百二十三名います。分割すればするほど役員の数もふえるし、それは永田委員、一番よくわかっていらっしゃると思いますので、それを一つずつ、どうすればできるかということを今私は努力しているというのでおわかりいただけると思いますよ。
○永田委員 だから、どうすればできるかというのはいいんですよ。そういう問題意識でいいんです。 だけれども、一つ、総理がみずから任命なさった委員会が、百五十時間を超える、三十数回、四十回に近いような議論を重ねて、結果、これでできると言っているんですよ。だったら、その専門家の意見を聞かなきゃいけないじゃないですか。どうしてそういうふうになったのかということを調べる前に、いや世の中にはできることとできないことがある、あいつらが言っているのはむちゃくちゃだ、そういうふうに決めつけるのは失礼じゃないですかという話でしょう。何で委員会のメンバーの話を聞かないのか。
○扇国務大臣 委員会は毎回オープンになっております。マスコミにもオープンになっております。冒頭に永田議員がおっしゃったように、インターネットでも全部公表してございます。 その中で、それぞれの委員がそれぞれの自分の趣旨、思っていることをおっしゃるのは、これは私は委員と選ばれて当然おっしゃるべきことで、全然できないという方と、いや、つくろうという、意見全部あります。私、全部それは報告も受けていますし、改めて聞かなくても、委員の中には、七人は七人の意見をおっしゃって、自分の我をずっと通していらっしゃいます。 私は、そういう意味では、全体的にまとまっていないということもそれぞれの意見を尊重された結果だと思っていますから、意見の中には、つくるべきだ、いや、やめるべきだ、いろいろあるんですから、私は、それを答申としていかに現実に持っていくかということに苦労しているので、私は、今さら全部一人ずつの意見を聞かなくても、また百何時間要する必要はないと思っています。
○永田委員 質問時間が終わりましたけれども、これは、八条委員会、総理がみずから任命された、改革の意欲に富んだ人を任命したいと言って、本当に総理が気負ってつくったこの委員会の意見が、パブリックコメントや世論調査みたいな軽い意見だというふうに扱われているということが明らかになりました。 今後、この問題、極めて重要な問題ですから、引き続きやっていきたいと思いますので、ぜひ参考人の招致にも、委員長、前向きに対応していただきたいと思います。 以上であります。
○藤井委員長 これにて永田君の質疑は終了いたしました。 次に、首藤信彦君。
○首藤委員 民主党の首藤信彦です。 先日、十四日に国連でブリクスUNMOVICの委員長の説明があって、イラクが果たして国際査察に協力しているのか、あるいは国際査察がうまくいっているのか、あるいはそれを続けることによって戦争が回避されるのか、そういうことに世界じゅうの関心が集まりました。そして、その結果、各国で市民の運動が生まれ、何と全世界で一千万人に達するという市民の行動が生まれ、反戦活動といいますか、平和を求める活動が、私たちをある意味では驚かせ、ある意味では感動させたわけであります。 そして、これは、世界の問題である以上に、我が国にとっては本当に重要な問題なわけですね。これがもし戦争となれば、そして、それに対して日本がさまざまな形で同盟国であるアメリカに協力するとなれば、それはとりもなおさず憲法にも直結するような問題にも触れてくるであろう。当然のことながら、憲法論議というのは長くやっておりますけれども、もう目の前にそうした事態が迫ってくるということで、私たちは一瞬も早くそういうものに、いろいろ論議を進めて、どういう私たちは対応をしなければいけないのかを真剣に考えていきたいと思っているんですね。 また、これが何もないとしても、何も起こらない、戦争などは起こらない、このまま査察がうまく続行されて、そして戦争が回避されるとしても、一体、この国際社会において日本の存在感というのはどうだろうか。この中東において日本が今までかち得てきた日本に対する高い評価というものが、最近の日本の一連の行動によって傷ついている。そうすると、日本の名誉もこの地域において回復していかなければいけない。大変な課題を抱えているわけであります。 そこで、我が党の、民主党の菅直人代表が、党首討論でも予算委員会でも、小泉総理に対して、一体日本はどういう態度をとるんですかということを何度も何度も質問させていただきました。果たして査察を続けていくというところに将来性があるのか、あるいは、アメリカの言うように査察を打ち切って、そしてより強制的な行動に出ていくことに加担するのか、どちらなんですかということを何度も何度も質問させていただきました。その答えは、御存じのとおり、十四日の国連の安保理におけるブリクス委員長の状況報告による、こういうふうに総理は言っておられたわけですが、それが終わりました。それに対して、では一体、日本はどう対応するんでしょうか。 外務大臣、いかがですか。明確な答えを言っていただきたい。
○川口国務大臣 十四日に、委員がおっしゃられた安保理での討論が、議論があったわけです。それで、そこで行われたことというのは、二人の査察の代表者のトップの説明があったということですけれども、その後、それで最終的に全部の情勢が見えたかというと、引き続きいろいろなことが起こっているということだと思います。 例えば、きょう十八日には安保理で引き続き公開討論が行われるということになっております。また、パウエル国務長官は、三月一日に、あるいはそのころにまた安保理をというお話もあります。いろいろな、また委員が御指摘になられたような国際的な世論の動きというのもあります。 十四日の時点で、基本的なメッセージ、両方の査察官のトップが出したメッセージというのは、イラクが引き続き能動的に対応することが必要である、それが平和へのかぎであるというものでございましたけれども、それの以降、引き続き国際的にはいろいろな動きが、さっき申し上げたようなこと、あるいは水面下でのいろいろな動きがあるわけでございまして、我が国の基本的な立場というのは全く変わっていませんけれども、武力の行使について支持をするか不支持をするかということを言う今最も適切なタイミングではない、そういうことだと思います。
○首藤委員 外務大臣、そんなに長く回答していただかなくていいですよ、時間は短いんですから。要するに、日本は様子見だと一言言っていただければそれでいいんですよ。 しかし、果たしてそうですか。本当にそうですか。様子見なら様子見でいいんですよ。それは、やはり世の中はどんどん変わっていくから様子を見ていこう、前回の十四日の報告も十分でなかった。しかし、ちょっと違うんじゃないですか。今外務省がとっておられる行動というものは、それと違うんじゃないですか。そして、きょう十八日に、今おっしゃった、国連で公開討論をされる。どんな内容で討論をされるんですか。何かどうもまだわからない、様子見だ、そういう報告をされるんですか。そうじゃないでしょう。 もう既に報告されているじゃないですか。イラクの国連決議違反に対して毅然とした形で明確な形を示せと、安保理に新たな安保理決議、より強硬な安保理決議を呼びかけようとしているんでしょう。それから、イラクが大量破壊兵器の廃棄を国際社会の要求にもかかわらず全然履行していないとイラクを非難しようとしているんでしょう。それから、この査察が国際社会で続けろ、続けろと言うけれども、無制限な査察継続は有効性に疑問があるといって査察を打ち切るように演説されるんでしょう。いかがですか、外務大臣。
○川口国務大臣 様子見というお言葉を使われましたけれども、それは様子見ということではないわけでして、武力行使が仮にあったときにそれを支持する、支持しないということを今言うことがなぜ適切ではないかということの説明は、既に申し上げていますように、国際社会が今協調をしている、そういうときに武力行使を仮に我が国が支持しないと言うと、イラクに間違ったメッセージを与え、イラクに時間稼ぎをされ、イラクに利用されるということですし、それから、なぜ支持をすると言わないかというのは、まさに国際社会が今できるだけ平和的に解決をしたいということで努力をしているときであるからということは、前にも申し上げたとおりでございます。 その上で、原口大使がきょう国連で演説をしますけれども、その中身をここでお話しするということについては、これは通常、国連で演説をする前に演説の内容はこういうことですということを公表するということについては、パウエル国務長官の例を見ても、どの人を見ても、そういうことはないわけでございます。ないわけですけれども、あえてお尋ねですから申し上げさせていただきますと、基本的に、それは今まで日本がイラクについて言っているということと同じこと、新しいことは余りないというか全くないということだと思います。 今委員がおっしゃったようなことを、決議について言われたというようなことを言っているわけではございませんで、言うということをかいつまんで申し上げますと、イラクによる大量破壊兵器の保有、拡散をめぐる問題、これは国際社会全体の問題である、これもいろいろ言っています。 それから、我が国が、この問題を平和的に解決するためには、イラクに対して、みずから能動的に疑惑を解消して、そして関連の安保理の決議、これを履行するということを求めているというようなことも言ってきているわけです。 それから、世界で戦争反対の世論が表明されているということを承知しているけれども、この問題の本質は、イラクが能動的に疑惑を解消するかどうか、そういうことであるということです。 それから、一四四一、これについては、イラクが重大な違反を犯しているということを認定した上で、イラクに最終の機会を与えているということでございます。 それから、国際社会が一致団結してイラクに圧力をかけなければいけない、これも従来から言っているとおりでございます。 それから、安保理が結束をして行動できなければ、これは国連の信頼性を傷つけることになるということも言っている。 それから、これもたびたび申し上げていることですけれども、日本としては国際協調を重視して、イラクの非協力に対して、これは武力の行使というような状況になったとしても、新しい決議があることが最も望ましいと考えていると。 基本的に、時間が限られているとか、そういうことでして、大使が演説をする前にその内容が、しかもかなりの時間前に、半日以上前にその内容を申し上げるということは、通常は申し上げないんですけれどもあえて申し上げた、そういうことです。
○首藤委員 外務大臣、この読売新聞で書かれていることと随分違いますね。どっちが正しいんですか。 では、外務大臣、もしそれで今のように日本の態度は全然昔と変わりませんというなら、原口大使に今、原稿を変えろ、私の訓令はこれだ、日本の態度は一切変わらない、様子見だと訓令を出したらどうですか。今おっしゃったような非常にやわらかな、ソフトムードのを聞くと、ああなるほどね、それは昔と変わらないねというスタンスで、それがもし本当であるならば、数時間後に行われる演説の原稿がそれとは違う、私が今示したようなことだったら、どう責任をとられますか。どちらがうそを言っているんですか。どういうふうに責任をとられますか。
○川口国務大臣 こういう言い方をしてマスコミの方に失礼に当たってはいけませんけれども、一国の外交政策の責任者である外務大臣が言っていることとマスコミの言っていることと、そもそも比較をするということ自体が、私はどういうことだろうかというふうに思います。
○首藤委員 それは初めて聞きましたよ。それはすごい。偉い。よくぞ言ってくれた。よく言ってくれました。立派なお言葉です。政治家として、本当に立派なことですよ。ジャーナリズムとはそんなものですよ。皆さんもよく聞いてください。ジャーナリズムとはそんなものですよ。大臣の言う方が偉いんですよ。こんなような報道をされていたり、ネットで日本じゅう回っているこんなものは価値がないんですよ。私が言っていることが正しいんですよ。よくぞ言っていただきました。 本当にあなたは立派な外務大臣ですよ。その言葉に責任を持ってください。あなたが私の前で言ったことが、それが原口大使が数時間後に言うことですね。わかりました。それで結構です。 今ここでいろいろ、今までもイラクの破壊兵器、査察に対して、イラクが大量破壊兵器の破壊を進めている、そういうふうに思うわけですが、それに対してはアメリカを中心にそんなことはやっていないと。 西欧社会はほとんどの国が、それなりにやっていると。エルバラダイIAEAの事務局長もそれからブリクス委員長も、それは問題はたくさんある、いろいろな邪魔はある、しかし進んでいる、もうちょっとやれば、本当に完全に、国際社会に向かって、イラクはもう大量破壊兵器を持っていない、イラクはもう大量破壊兵器をつくっていないということが証明できる、こういうふうに言っているわけですよね。 それに対して、いや、もうそんな査察は幾らやってもだめなんだ、有効性に疑問があるんだ。その論調の主張は、主として二月五日にパウエル長官によってなされたわけですけれども、要するにイラクが妨害して査察がうまくいっていない、イラクのやっていることはうそばかりで、ひとつも査察が進んでいないと。 その証拠は、その根拠は、川口大臣、どこにあるんですか。日本はどういう根拠に基づいて、イラクは査察にも十分に応じていない、大量破壊兵器の破壊も進んでいないと。どういう根拠に基づいて日本政府は、パウエルさんの言っていることは正しい、ヨーロッパやほかの、あるいはブリクスさんやエルバラダイさんが言っているよりも、パウエルさんの言っているものが真実だと、どの証拠に基づいて日本政府は判断されておられるんですか。
○川口国務大臣 まず、エルバラダイそれからブリクス両方とも言っていますことは、手続面で少し進展は見られたということであって、それはそうだと思います。 ただし、彼ら二人とも言っていますことは、十分ではない。例えばブリクスが言っていることは、科学者三人しかまだインタビューできていない、エルバラダイも四人しかできていない、しかも録音をされた、したがって十分に進展したとは言えないというのが国連の手続面においての話ですし、サブスタンスにおいても、これは繰り返しませんけれども、いろいろ問題があるということが指摘されている。 その中で、パウエル国務長官は、アメリカの持っているインテリジェンス情報を使って、そしてこういう問題があるということを指摘した。一月二十七日ですけれども。 これは、まず、基本的に日本としては、インテリジェンスの情報、これはそもそも、出すこと自体、使うこと自体、今後そのソースから新しい情報が得られなくなる可能性が非常にあるわけですから、そういうことをやって国際社会の協調をつくろうとしたこのアメリカの努力を高く評価するということを言っているわけです。 そして、情報の真偽、細かいことについては、それは、我が国として、もちろんアメリカのインテリ情報について確認をみずからできるということではない部分というのがほとんどです。ただ、それはまさに同盟国のアメリカのインテリジェンス情報である、同盟国と信頼関係にあるということは、我が国としてのよって立つ考え方としての一番の基本であると思います。
○首藤委員 今、外務大臣、全然答えていただいていないですよ。時間が貴重なのに、私たちの時間は国民を代表して話しているのに、きちっと答えていただいていないじゃないですか。質問と違いますよ、今の。 外務大臣、私の質問はこうなんですよ。パウエルさんが言っていること、同盟国のインテリジェンスだと。インテリジェンスはなかなかほかの国にも見せられない。だけれども、アメリカのインテリジェンスなんだから、ここにブラックボックスがあった、ブラックボックスいただきました、中に何があるかわかりませんけれどもそのとおり信じました、これじゃないですか。こんなことで我が国を、国民の運命と名誉をかけられるんですか。冗談じゃないですよ。 兵は国の大事なり、国家の存亡がかかっているんですよ、本当に。日本の……(発言する者あり)憲法改正という声だって飛ぶわけですよ。本当にそう言う人だっているわけですよ。国家の命運がかかっているときに、アメリカがブラックボックスを出したら、その中を示さずにそれをやってしまう。 どうですか、一体どの根拠に基づいて、パウエルさんの言っていることは正しく、国連の査察チームのやっていることが不十分だと判断されておられるんですか。
○川口国務大臣 二つ基本的な問題があると思いますけれども、まず、パウエル国務長官の出した情報自体についていえば、これはまさに機密情報で、かなり具体的なものであって、また、イギリスのドシエについてもこれも同様の記述があるということで、我が国としては、具体性がある等々のことで、十分にそこは信頼に足るものだと思っているということですが、一番の基本的な問題は二つありまして、同盟国同士の信頼関係、これはいざというときに非常に大事なものであるわけです。同盟国を信頼できないような状況、こういう状況で我が国としての国の基本的なあり方がいいだろうかということが一つ。 それからもう一つは、パウエル国務長官の言ったことについて、これは基本的にイラクが挙証責任があって説明をしなければいけないということです。もしそれが違うということであれば、イラクがみずから挙証責任をする。これは一四四一が言っていることですから、これはアメリカが挙証責任をするというその責任を持っているのではなくて、イラクがやらなければいけない。この二つが基本的なことだと思います。
○首藤委員 いや、外務大臣、外務大臣ですよ、あなた。日本の将来がかかっているんですよ。同盟国だからそのまま信用してしまったら、そんなものは、歴史を見てくださいよ。歴史の、世界史の一ページから最後のページまで、同盟国の裏切りだってたくさんあるんですよ。同盟国の言うことをそのまま信じて、この国民の命をかけるなんてとんでもないことですよ。 最初におっしゃった、イギリスの諜報機関というような話があります。このイギリスの諜報機関の論文というものが、これは昔学生が盗用した論文で、そのもとは今また問題になっている国連査察官のスコット・リッターが書いたものだとわかっているわけですよ。そんな孫引き、又引き、盗用のものを信用して、どうしてそんなことができるんですか。 それから、挙証責任があると言いましたよね。挙証責任の一つは、例えば化学兵器のサイトなんだといって衛星写真出ましたよ。ぼんやりしている。なぜ衛星写真がぼんやりしているか。これはそうですよね、これは秘密情報ですから、もしはっきり写るとすると衛星の精度というのがわかってしまう、だからぼやかしている、私はそう思ったんですよ。 ところが、何とその翌日にBBCの記者がそのサイトまで行ったんですよ。BBCごらんになったでしょう。そして、見たら結局廃墟なんですよ。廃墟だから建物がぐじゃぐじゃになっているんですよ。それはごまかしてなっているんじゃなくて、もう要するに違うということがあらゆるところで証明されているわけですよ。 それから、じゃ、恐らく一番日本との関係で問題になっていくテロとの関係を言いましょうか。アルカイダの関係。これはロシアがきっちりと否定しているわけですよ、常任安保理のロシアが。ロシアとアメリカというのは諜報活動においては双璧なんですよ。そういう国だって明確に否定しているわけですよ。それから、私も多少この分野で長く研究しているんですけれども、アブムサブ・ザルカウィなんかがアルカイダでイラクと関係あるはずないですよ。 一体何の根拠に基づいて日本政府は行動を決めようとしているのか。それをおっしゃってください。もう一度おっしゃってください。これは最後ですよ。
○川口国務大臣 二つのことを申し上げたいと思いますけれども、一つは、アメリカが情報の開示をしたときに私が出させていただいた談話でございます。 これについて、どういう言い方をしているかというと、パウエル国務長官が、途中を略しますけれども、「イラクに大量破壊兵器を廃棄する真の意図が見受けられないことを示す情報を提示したことを高く評価すると共に、このような情報が示されたことを重視している。」という言い方をしているということです。ここで、個々のパウエル国務長官が表示をした情報が正しいとか正しくないとか、そういう評価をしたわけではないということを一つ申し上げたいと思います。 それからもう一つ、委員がいろいろおっしゃっていらっしゃることについて、国連が一四四一で言っていますことは、これは、イラクが挙証責任を持っていて、イラクが大量破壊兵器を廃棄したということを証明しない限り、これはイラクが責任を果たしたことにならない、だれが周りでいかなる情報をイラクに関して提示しようがしまいが、イラク自身が大量破壊兵器をみずから廃棄して武装解除をしたということを出さなければ、イラクには余り残っている時間が少なくない、そういうことであるということです。
○首藤委員 全然答えになっていないですよね。本当に日本は瀬戸際なんですよ。もう、一歩前は暗やみで、がけに落ちるかもしれない。その前にあるのが暗やみですか、あるいはがけですか、あるいは普通の平たんな道ですか、その情報は何に基づいて判断しているのかと聞いているのに、何にも答えないじゃないですか。日本は一体どこへ進むんですか。このまま行っていてどうなるんですか。 それで、言うけれども、おっしゃるような、挙証責任はイラクにある、イラクはだからどんどん廃棄したと言っているんですよ。国際社会はそれじゃ十分でない、だから査察やっているんでしょう。全然違いますよ。法律の基本的な概念がわかっていないじゃないですか、国連査察の意味が。 では、次の質問に行きますよ。私は、もう結論は、結局日本政府は、何の明確な科学的な分析に基づく根拠に基づくことなく日本の方針を決めているということですよ。アメリカは査察を切り上げて、武力行使を容認する決議を出していくというふうになっていますよね。それで、ライスさんがもうそれこそ、川口大臣、あなたの軽べつするニュースメディアに出て、もう二週間ぐらいは余裕を持って、国際社会がアメリカに賛同しないのなら、有志の連合だけでも開戦するというふうに言っていますけれども、そうした行為に対して日本は同盟国としてどういう明確な態度をとられますか。明確にお答えください。
○川口国務大臣 アメリカが今決議を出すかどうかということについては、我が国としては、まだそういうことはきちんと承知をしておりません。今、基本的な、今後国際社会としてどうするかということについて水面下でさまざまな調整が行われている、そういう段階であります。まだ、決議をテーブルしたとか、その文言がどうであるとか、そういう議論は表に出ているところでは何もないということでございます。 それから、我が国の立場、はっきりしていないということをおっしゃいますけれども、我が国が今明確にしていないのは、武力行使があったとき、あるいは武力行使が不可避であるということになったときにどうするかということについて態度を表明していないということですけれども、ほかの問題については、これは総理も繰り返し繰り返しおっしゃっていらっしゃるように、我が国の立場というのは非常に明確です。 もし時間をいただけるならばもう一回繰り返しますけれども、多分お時間がないでしょうから、もしあれば、必要だったらそういうふうにおっしゃっていただきたいと思います。 それから、我が国がアメリカに対して何を言っているか。これは、もうずっと同盟国としての立場からさまざまなことを言ってきておりまして、一例を挙げれば、この問題というのは、大量破壊兵器を持っているイラク、それと国際社会の問題であるということであって、決して米国対イラクではない、国際協調が大事であるということでございます。そして、我が国としては、武力行使が不可避になるということであった場合でも、新しい決議があることが最も望ましいんだということも言ってきているということでございます。
○首藤委員 委員長、全然答えになっていませんよ。質問をはぐらかそうとしているのか、質問の意味がわかっていないのかわかりませんけれども、全然回答になっていないじゃないですか。委員長、おかしいですよ、これ。委員長、質問の回答になっていないですよ。日本の明確な態度を言ってくれと言っているんですよ。 もう一回言ってください。
○川口国務大臣 日本の基本的な立場が何かということの御質問でしたら、改めて申し上げさせていただきますけれども、それは、まずイラクの大量破壊兵器の危険、これは日本自身にとって非常に重要な問題であるということであって、その廃棄のために最も効果的な措置を、手段を、方法をとるべきである、そういうことであります。 それで、この大量破壊兵器の問題ということの重要性、国際社会にとってのこの脅威の重要性というのは、我が国にとってこれはいかに重要な問題であるかということは、御説明を改めてするまでもないと思います。 それから二番目に、問題を平和的に解決をするためにあらゆる努力を払うべきであるということであります。そして、この問題が平和的に解決をすることが可能になるかどうか、これはまさにイラクの能動的な協力いかんにかかっている、そういうことであると思います。安保理の決議にイラクが即時に無条件で協力をするかどうかということにかかっているということです。 それから三番目に、国際社会が協調して対応するということが大事であって、我が国としては、そのためにさまざまな外交努力を行っているということであります。 それから四番目に、これは、武力行使が不可避になった場合でも、我が国としては、新しい国連決議が、安保理決議があるということが最も望ましいということであります。 それから、安保理の決議がない場合の対応、武力行使が不可避になったときで、安保理の決議がない状況で我が国の立場がどうかということについては、これは、今まで申し上げたような、四つ申し上げましたけれども、それを踏まえて、自主的に国益を踏まえて考えるということを言っていまして、それについて、今なぜそれを明らかにしないのかということについては、先ほども、これも何回か申し上げていますけれども、今まさに国際社会が協調をして努力しようとしているときである、それからまた、国際社会が分断されては、イラクに利用されてはいけないときである、そういうことを考えれば、今我が国が不支持であるということを言ってイラクに利用されるということがあっては問題の解決のために資しませんし、それから、武力行使を支持する、そういうことを言って、国際社会が今本当に平和的に解決しようと一生懸命に努力をしているときに我が国のような国がそういうことを言うということは適切ではない、そういうことが理由であるからであって、我が国の立場というのは非常に明快であります。 ただ、一つ言っていないのは、最後の、武力行使が安保理の決議がないところで行われるということになったときに我が国の対応はどうかということについて、これは、先ほど申し上げた理由で今言っていない、そういうことであるわけです。
○首藤委員 委員長、全く答えていないじゃないですか。これで日本の運命は決まりますか、これ。 外務大臣、では、もう一回質問しますよ。いいですか、そういう日本のこれから国益を考えてどっちつかずの方向でやりますと言っていることと、十四日の報告を受けて日本政府が、外務省がやっていることと違うでしょう。非常任理事国を呼んで、それに対して、アメリカが出すであろう決議案に賛同するように呼びかけているんでしょう。そして、その多くは日本がODAを出している国でしょう。その中のある国は、日本のODAが最多のODAだ、そういう国もあるんでしょう。やっていることと言っていること、この場で国民のために言っていることと、現実にこのドアを出て外務省に帰ってやっていることとは違うじゃないですか。全く違うじゃないですか。 すぐれた外交官というのはうそのうまい正直な人という表現もありますよ。しかし、うそがうまいからといって、いい外交じゃないわけですよ。 どうなんですか、どっちなんですか。日本はアメリカと運命共同体としていこうと思っているから、そうした非常任理事国にアメリカに賛同するように声をかけているんですか。どうですか。
○川口国務大臣 我が国として、今、外交努力の一環として安保理の非常任理事国に対する働きかけ、これを行い始めております。 それで、ただ、何を働きかけているかといったその内容については……(発言する者あり)
○藤井委員長 自民党の委員はちゃんとしっかりあれするように。
○川口国務大臣 今首藤委員がおっしゃったこととは全くそういうことではない……(首藤委員「これはだめだ、こんな大事なことをやっているのにどうしていないんだ」と呼ぶ)委員がおっしゃったような内容のことでは全くないということでございます。
○藤井委員長 首藤君、ちょっと待ってください。 自民党さん、委員をしっかり埋めるように。欠席が多過ぎるから、至急お願いします。 首藤君、どうぞ。
○首藤委員 これ、本当に日本の運命がかかっているんですよ。フロアから憲法改正、憲法改正と声がかかるように、本当に憲法に直接関係する問題がもう目前まで迫っているんですよ。それを、仮定の話には答えないとか、そのことに関してはまだ決めていないとか言っていたんじゃ、我々は最後のクラッシュする瞬間まで何にも対応できないじゃないですか。 壁にぶつかって、あるいはがけから落ちて初めて仮定の話じゃなくなるかもしれない。しかし、そこに行くまで、私たちは国民の負託を受けた政治家ですよ。だから、そういうふうにならないように、また、そういうような事態があったら、できる限り我々の全知恵を使ってそこから回避できるようにするのが私たちの、その場じゃないですか、ここは。どうしてそこで国民に真実を明らかにして、我々が英知を振り絞って本当に正しい道を探そうとしないのか。その姿勢を私はもう本当におかしいと思うんです。 しかし、もう一つ、先ほどからおっしゃっていることはおかしなことばかりなんですよ。 国際協調、国際協調、国際協調とおっしゃいました。今、二月十四日を経て、世界では一千万人の人が街頭に出て、早期の開戦反対、戦争で人を殺して、しかもイラクがめちゃくちゃになって、そして、それにまたお金をつぎ込む、こんなばかな愚行はないと。一千万人の人が行くということは、ベトナム戦争以上の大きな問題なんですよ。そういうものに対して、一体だれと協調しているんですか。 十四日の国連の安保理の会議の中で、フランスの外相が言ったときに、実は周りでフロアにいた人がみんな拍手しました。要するに、私も国連安保理のその場面を見ましたけれども、傍聴している人が拍手するなんということは国連安保理ではないですよ。世界じゅうではそれぐらい、ともかくみんなの努力で戦争をとめよう、そして、イラクに完全な武装解除を国際社会の協力でやっていこう、そういうことを言っているのに、日本は何なんですか。 国際協調と言うあなたの協調というのは、だれと協調しているんですか。世界の中のいろいろな二百カ国もあるうちで、どの国とどの国と協調しているんですか。いかがですか、外務大臣。
○川口国務大臣 戦争反対のデモがあるということは私もよく知っていますし、そして、この問題をできるだけ平和的に解決したいと思う気持ちがあるというのは当然だと思います。私自身、非常に小さいときに戦火の中を逃げたという記憶がございますから、そういうことの悲惨さというのはよくわかっているつもりです。 そういうことにならないために何が必要か。これはまさにイラクが能動的に協力するかどうか、これによっている。これしかかぎはないということです。 それで、ドビルパン外務大臣が演説をしたときに拍手があった、これは非常に珍しいことであるということは委員がおっしゃるとおりですけれども、例えば、そのEUも今何を言っているかといいますと、ごく最近、首脳会談がございましたけれども、そこでも、イラクの十分な協力なしに無期限に査察を継続することはできないと。これは、EUの首脳会談の後の文書でもそういうことを言っているわけですね。 ですから、ここで何よりも大事なことは、まさに戦争をしないで問題を解決しようという願いはみんな持っているわけですから、だからこそイラクが能動的に、廃棄をした文書を見せる、あるいは、その廃棄をした証拠を見せる、現物があれば現物を見せるということをやる。ここにかぎがある。そういうことだと私は考えます。
○首藤委員 それは、おっしゃっていることが私の言っていることと余り変わらないですよ。だから、国際社会で査察をもっと続けていこうというわけでしょう。 しかし、それに対してアメリカは、十八日、それからライス補佐官が出て、イナフ・イズ・イナフ、もう終わりだ、もう終わりだと言っているわけですよ。まだこれから、今大臣がおっしゃったように、要するに、これでイラクのもっと能動的なことを導き出そうというのですけれども、全然そうなっていないじゃないですか。じゃ、いいですよ。 では、外務大臣、イラクの能動的な対応を引き出すために、外務大臣、どうですか、フセインに会いに行って、そして説得したらどうですか。あるいは、小泉首相が行って説得したらどうですか。どうですか、国際社会の対応に従うようにと特使を送られたらどうですか。いかがですか、外務大臣。
○川口国務大臣 イラクに対してさまざまな外交努力を日本は既に行っているわけです。私も、大使に、在京の大使ですけれども、話をしていますし、また、国連の場で、ニューヨークでイラクの外務大臣と直接に話もいたしております。そういって働きかけを行っている。バグダッドでも我が外務省は、イラクの外務省に対して直接に、大使、臨時代理大使が働きかけをしています。そういうことはやっている。 気をつけなければいけないことは、イラクが今そういったことを逆に利用するというようなことがあってはいけないということでございまして、例えば、時間稼ぎにそれを使う、あるいは、テレビで撮ってそういうようなイラクの主張を言う機会にする、さまざまなことがあるわけでして、国際社会がイラクに対して、能動的に廃棄をしているということを見せることが大事だ、それをやることが大事だということを一貫して強いメッセージを発していくことが、イラクが行動をとる、このために非常にかぎになるわけで、まかり間違っても、そうでないメッセージを発するようなことがあってはいけない。あるいは、発しているというふうにイラクに使われるようなことがあってはいけないと考えております。
○首藤委員 だから、きちっとメッセージが伝わるように、それなりの対応をしてくださいと言っているんですよ。 代理大使をお呼びになった。外務大臣が代理大使、どんなにランクが下がりますか。日本の代理大使もバグダッドにおりますよ。しかし、日本はなぜイラクの情報が入ってこないか、代理大使はイラクの外務省の局長にまでしか会えないわけですよ。だから、指導部には全然会えないから、イラクの指導部が何を考えているかもさっぱりわからない。だから、働きかけをやったって全然働きかけになっていないんですよ。 それから、お会いになったサブリ外相ですよね。サブリ外相だって、イラクの序列からいったら十番かそこらですよ。ずっと下ですよ。私だって、会いに行って、ナンバーツーとかナンバーフォーに会えるわけですよ。 ですから、まずメッセージをきちっと、何も外務大臣が行かなくても、特使を送って向こうの言い分をきちっと聞くことが重要じゃないですか。そういう努力をきちっとして、もちろんそのリスクはあります、リスクを恐れていては何もできないじゃないですか、その中から正しい道を我が国として選択するというのが日本の外交のあるべき姿じゃないですか。 もう残念ながら時間がないから、北朝鮮の問題。北朝鮮と関係しているというフロアからの意見もありますから、では、北朝鮮の話をしましょうか。 官房長官、平壌宣言というのがありました。私は過去形で言っていますよ。その後、あるいは実は平壌宣言を宣言する前から、北朝鮮はもう核開発を進めているということを実は知っていた。知っていたにもかかわらず、平壌宣言にサインして帰ってこられた。しかし、その後、次々とそれに違反して、それをやめていくどころか、ますますそれを拡大していって進めていくわけですが、さらに、こういう平壌宣言、要するに、拉致問題には一言も明確に触れずに、明確にですよ、条文として触れずに、日本からの経済援助ということに関しては大いに書いてある。 これを外交的勝利と北朝鮮で報道されているらしいんですよね。北朝鮮の外交的勝利、日本の外交的な敗北じゃないですか。この平壌宣言はもう現実にないわけですから、これは破棄しておかなければ、日本だけが義務を負ってどうしようもない事態になるではないですか。それを破棄するお考えはいかがですか。
○福田国務大臣 平壌宣言は、日朝間の諸懸案を解決して国交正常化を実現する、そしてまたそのことが日朝双方の利益になる、そういう基本認識を確認すると同時に、これらの諸懸案の解決の方向性を示したものである。今後の日朝関係を進める上で基盤となるものであります。 これは基本なんです。そして、その基本は何かといったら、平和的な解決なんですよね。ですから、そういうことでこの平壌宣言をお読みいただければ、そういう方向に沿ったものがきちんと書いてあるわけでございます。 経済援助についてはいろいろ書いてあると。これは、書いてあるということは、逆に言えば、経済援助というものはこういうものだということを明確に示していることで、非常に我が国にとっても北朝鮮にとっても理解しやすいという意味において、非常によかったんじゃないかというように思っております。 そういうことで、これから北朝鮮がとんでもないことをするということであればこれは話は別ですよ。そうでなければ、あくまでも平和的な解決を図るために努力をするというこの姿勢というものは極めて大事なことだというように思っております。ですから、そういう考え方に基づいて、これは平壌宣言の趣旨に反することがあれば話は別でありますけれども、これはそういうことでそういう趣旨を貫徹していかなければいけない、そういうように思っております。
○首藤委員 いや、これはもう明らかに反していますよ。 それから、その趣旨を貫徹するために、では、どういう努力をされていますか。どういうチャンネルがありますか。どういう形で進められていますか。アメリカやロシアや中国にそれは投げてある、それじゃ外交丸投げじゃないですか。最近は外交丸投げドンとかなんとか言われているようですけれども、外交丸投げじゃないですか、外国にほうり出して。我が国の主体的な努力は何なんですか。 平壌宣言、それはこのままほうっておけば非常に危険なものですよ。私たちの本当にのど元に突きつけられた、のどに刺さった小骨みたいなものですよ。これをどうするのか。これを本当に有効ならしめるなら、そういうふうに努力してください。目の前に、国民にわかるように努力してください。そうでなければ、これを廃棄すべきじゃないですか。いかがですか。
○福田国務大臣 これは、外交上の努力ということであれば、外務省、外務大臣がお答えすべきことかもしれませんけれども、私の方で承知しておりますのは、外交的にもいろいろな形で北朝鮮との話し合いは続けております。この話し合いは断絶したものではございません。今でも続けておりますし、これからも続けるであろうというふうに確信はいたしております。 そういうことで、その話の中では、あくまでも平壌宣言の趣旨に沿って北朝鮮が行動すること、これは絶えず日本から求めていることでありまして、このことについて北朝鮮から否定的な返事はありません。しかし、いろいろと今北朝鮮が起こしている行動については私どもは懸念をしている部分もたくさんございます。ですから、そういうことについても指摘をしながら、これからも交渉を続けてまいりたいと思っておるところでございます。
○首藤委員 指摘するって、どう言うんですか。マスコミに向かって言うわけですか。それとも、きちんとチャンネルがあるわけですか。そんなものないでしょう。 それで、今、時局はどんどん変わりつつあるわけですよ。きのうの新聞で、恐らく福田さんも愕然とされたと思いますけれども、アメリカが制裁措置も考えていると。要するに、今までは、イラクに対しては強圧的な、軍事的なことも辞さない、しかし北朝鮮に関しては平和的、外交的にやると言っていたのが、経済制裁などの強硬手段もとると。制裁というのは国連憲章第七章にあります。第六章が平和的な解決、外交的な解決だとしたら、国連憲章第七章にある経済制裁というものは、これは強制的、軍事的なものなんですよ。そこにある経済制裁というものがニューヨーク・タイムズにどんと載る。 そういうような状況の中で、一体何を日本は聞かされて、一体どう対応されるのか。特に真っ先に出てくるのは、日本からの送金の禁止ですよ。これは真っ先にできますよ。どういうふうに対応されるんですか。
○福田国務大臣 報道には確かにそのようなことが記載されているのは、これは私ども承知しておりますけれども、政府として、こういうものを行われる、そういう検討をしているということは承知はいたしておりません。 そういうことでございますので、この問題については、安保理にIAEAから付託をされたということで、IAEAで、どういうふうな議論がなされるか、我が国一国でしたとしても、ほかの国がどうするかということでもって決まるわけでございます。本当の制裁ができるかどうかということもありますし、これは今後の問題であります。しかし、あくまでも我々は平和的に解決をしたいということ、これが基本的な考え方でありますので、それができる間はそういうことで頑張っていかなければいけないと思います。
○首藤委員 これは新聞に出たのですね。ニューヨーク・タイムズに出たわけですが、これは大変なことなんですよ。英語の表現の中では、ある日突然、朝起きてみたら、ニューヨーク・タイムズのフロントページに載っていた、そういう表現があるぐらいなんですよ。それで載っていたということは、当然検討も進み、やっているわけですが、日本は、では、それに対して、これはショックだったのか、前もって知っていたのかというのは、いかがなんですか。
○川口国務大臣 ニューヨーク・タイムズにそのような報道があったということは、私もそれについて読みましたけれども、そういったことが今米国の政府の中で具体的に検討されているということは、日本政府としては承知をしておりません。
○首藤委員 では、一体どうすればいいんですか、この問題に対して。今閉塞状態にある。片方では、イラクと北朝鮮の問題がリンクしているから、北朝鮮問題があるからイラクでアメリカに追随しなければいけないんだと。では、北朝鮮問題に関しては、どれだけアメリカは、日本の言い分を聞いて、日本のことを真剣に考えながら対応していただいているんですか。そうなっていないじゃないですか。だから言っているわけですよ。イラクの方は、後についてこい、あるいは、日本はアメリカの先駆けでいろいろな国を説得しろと。一方、北朝鮮の問題に関しては、何も聞いていない。何も聞いていないというコメントを、私が福田長官に言っているのは、何も聞いていないということを記者会見でおっしゃっているわけですが、それでは、北朝鮮政策というものは、日本の頭越しに、肩越しにされているということを意味するわけですから、一体どのような施策をアメリカとの間で話し合っておられるか、そこをお聞きしているのです。
○福田国務大臣 アメリカが新聞報道に出して、それでそれがアメリカの政策だということ、これはやはりもう極めて乱暴な話でございまして、当然、そういうようなことを検討するというのであれば同盟国である日本、そして北朝鮮と密接なるもう一つの同盟国韓国とは相談を前もってするべきであり、また、そうしなければ有効なる方法、手段というのは講じられない、こういうように考えております。 ですから、そういう意味で、この報道は我々の聞いていないところで出ているということで、報道だけの話であると今は考えております。
○首藤委員 もう時間もなくなってきましたので、最後に、もう一度イラク問題について質問したいと思います。 この問題は、本当に日本の命運がかかっている大きな問題であります。一番重要なのは、私も紛争問題に長くかかわり、紛争地に多く行きましたが、一番大事なことは、現場がどうなっているのか、現実はどうなのかというファクトファインディング、現実をしっかり見据えてそして行動するということだと思うんです。 それからもう一つのことは、世界の中ではなかなか本当のこと、本当の声というものが聞かれない。ですから、常に、たとえいろいろな問題があって批判を受けても、現地へ行って、現地の言い分もきちっと聞いてあげる、これが物すごく重要なんです。それはそのときでは意味がないかもしれないが、紛争の長い展開の中にはそれが生きてくるチャンスというのは必ずあるわけですよ。ですから、現地の人の話をきちっと聞くというのは本当に重要なことで、それは、もし政府がアメリカにおもんぱかってできないのであれば、それこそ国連関係者とかいろいろ手はあるわけですね。 だから、そういうような特別な派遣というものをやるおつもりがあるのかないのか。政府として、そうした情報、向こう側の言い分、イラク側の言い分をきちっと聞こうという姿勢があるのかどうか。そのために人を派遣してそういうチャンスをつくる、そういうことを検討するのかどうか、外務大臣、最後にお聞きしたいと思います。
○川口国務大臣 イラク側が何を言っているかということについては、改めて聞くまでもなく、我が国も国際社会も十分に知っているというふうに思います。また、イラクは、言いたいことはいつでも言える自由を持っている、我が国に言ってくることはできるわけです。 イラクに対して大事なことは、我が国の考え方、国際社会の考え方、すなわち、イラクが能動的に解決を、対応をしていく、廃棄をするということが平和的に解決できる唯一と言っていいぐらいの重要なかぎである、時間は余り残っていないということをきちんとイラクに伝える。我が国はこれをしてきておりますし、今後、引き続きする必要があると考えています。
○首藤委員 大いなる失望と落胆と絶望感を持って、質問を終わります。
○藤井委員長 これにて首藤君の質疑は終了いたしました。 次に、山花郁夫君。
○山花委員 山花郁夫でございます。 法務大臣、ここのところ刑務所の過剰収容というのが大変問題となっておりまして、この点について、今度の予算でも拘置所の新設であるとか刑務所の増設など、予算がついていることは承知をいたしておりますが、まず、法務委員会でも指摘をさせていただいております話でありますけれども、代用監獄、あれは留置場ですから所轄は警察ということになるんでしょうけれども、本来であれば拘置所の新設ということが必要なのではないかということを、まず冒頭指摘をしておきたいと思います。 その上で、刑務所は今大変なことになっておりますね。十二日にまた逮捕者が出ております。昨年、名古屋の刑務所では五月事件、九月事件とありまして、十二日には名古屋刑務所の副看守長ですか、副所長ですか、特別公務員暴行陵虐致死事件というものが起こっております。 昨日もこの問題について少々議論があったようでありますが、この問題について、今の時点で報告できることについて御報告をいただきたいと思います。
○森山国務大臣 名古屋地方検察庁におきましては、本年二月十二日、名古屋刑務所刑務官乙丸幹夫という者を特別公務員暴行陵虐致死罪によって逮捕いたしたわけでございます。 被疑事実の要旨は、被疑者は、副看守長として名古屋刑務所に勤務し、被収容者の戒護、規律維持及び警備等の職務を担当していたものでございますが、平成十三年十二月十四日午後二時二十分ごろから同三時三十分ごろまでの間、同刑務所保護房におきまして、懲役受刑者に対し、懲らしめの目的で、その必要がないのに消防用ホースを用い、臀部を露出させて、うつ伏せになっている同人の肛門部を目がけて加圧した水を多量に放水する暴行を加えて、直腸裂開、肛門挫裂創の傷害を負わせ、よって、同月十五日午前三時一分ごろ、同刑務所病室棟集中治療室におきまして、同人を同傷害に基づく細菌性ショックにより死亡するに至らせたものであるというものと承知しております。 〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕
○山花委員 この事件について、起きた当時、死亡当日、保護房に収容していた受刑者が急性心不全で死亡という内容の電話連絡が恐らく本省にあったのだと思います。そして、翌一月十六日に、当時の久保名古屋刑務所長の名前で死亡報告書が法務省に届いているはずです。内容は、急性心不全、解剖医の所見としては、本人が指を肛門に挿入し直腸を裂傷したことによる汎発性腹膜炎と記載されていたということであります。 つまりは、昨日の委員会でも結果的にあれはうそだったというお話があったようですけれども、結局、こういう事実が明らかになってきているということは、九月事件や五月事件のときにもそうでしたけれども、言ってみれば組織的な隠ぺい工作があった、こういう認識でよろしいんでしょうか。
○森山国務大臣 その後、刑事局から報告を受けたことによりますと、名古屋地方検察庁におきまして、受刑者死亡の当日である平成十三年十二月十五日、名古屋刑務所からの通報を受けまして、司法検視を行いました上で、同月十七日、司法解剖を実施した結果、解剖所見のみからは判断はできないけれども、自為によるものであると考えても矛盾はないという所見が示されたというふうに聞いております。 しかしながら、同地方検察庁におきまして、結果の重大性にかんがみまして、これまでに起訴いたしました昨年五月あるいは九月の一連の事件の捜査経過等を踏まえながら、事件性の有無について吟味、検討いたしまして、さらに鋭意捜査を継続しました結果、本件の嫌疑が濃厚となったということでございまして、今回被疑者を逮捕するに至ったというふうに聞いております。
○山花委員 先ほどの御報告でもありましたけれども、保護房に収容されている人を、およそ懲らしめの目的で何かするなんということは違法なわけでありまして、もちろん、暴れたりいろいろしたときに制圧する必要があることはあるかもしれませんけれども、およそ懲らしめの目的で消防用のホースを持ってきて、お尻を出して、肛門に対して高圧のものを当てるなんというのは、矯正職員としてどうかというよりも、私、人間としてちょっと感覚的にどうかしているんじゃないかと思うわけでありますけれども、ちょっと具体的な事案について伺いたいことがあります。 消防用ホースと言われていますけれども、これはどういったたぐいのものなんでしょうか。規格などについてわかる資料とかございましたら。矯正局長で結構です。
○中井政府参考人 お答えいたします。 現在、名古屋刑務所にどのようなホースがあるか、こういう観点から答弁させていただきますと、現時点では、約二十メートルの長さの消防用ホースが約三十本あるというぐあいに報告を聞いております。
○山花委員 二十メートルのものが三十本あるということですけれども、これはもちろん、今捜査の対象になっていることですから、機微に触れることはお答えできないんでしょうけれども、客観的な建物の構造の話で伺いますが、保護房があるところとホースが備えつけられているところと、一番近い距離というのはどれぐらいの距離なんでしょうか。
○中井政府参考人 名古屋刑務所からの報告によりますと、ただいま申し上げました消防用ホースを格納している場所は、所内で全部で五カ所あると聞いております。このうち、保護房から最も近い場所までの距離でございますけれども、約七十メートルというように報告を聞いております。
○山花委員 七十メートルですよ。私は、いいとは言わないですけれども、もちろん違法だから絶対いいことじゃないですけれども、例えば受刑者が暴れている、制圧するために思わず手が出てしまったとか足が出てしまったとか、それはいいことじゃないですけれども、了解はしないですけれども、まだ理解はできる。可能性としてある話だと思いますけれども、今回のケースで、一番近くて七十メートルということは、わざわざ持ってきたとしか考えられないわけですよ。一番近いのだから、もっと遠いところから持ってきたかもしれない。 要するに、これは確信犯というか、そういうことでやろうと思って、人間ですから、ホースを持って七十メートルも歩いていくうちにやはりやめようと思う、要するに反対動機形成の機会だってあったのに、こういうことをやっているわけですよね。要するにこの事件の異常性というのがよくわかると思いますけれども、この保護房に収容されていた受刑者は一体保護房に何時間収容されていたんでしょうか。一部報道によりますと、〇一年の十二月八日から十四日、大変長期間収容されていたようでありますけれども。
○中井政府参考人 お尋ねの死亡した受刑者が保護房に収容されていた期間でございますけれども、平成十三年十二月八日午後九時過ぎごろから同月十四日午後三時半ころまでの間であったと報告を受けております。
○山花委員 これは、そんな長期間入れていて、そもそもいいんですか。保護房というのは、本当に暴れていて急をしのぐために入れるためのものであって、そんな長時間入れるものではないですよね。 当委員会ではないですけれども、法務委員会などでも、保護房というのはあくまでも一時的に使うものだ、そういう御説明をいただいていたと思うんですけれども、これはずっと入っていたわけですよね。違法じゃないですか、そもそも入れていたということ自体が。
○中井政府参考人 まず、最後の点からお答えいたしますと、この間継続して保護房に収容されていたと報告を受けております。 それから、その経緯、理由についてでございますけれども、保護房の収容期間につきましては、通達で定められておりまして、収容期間は三日間を超えてはならない、ただし三日を超えて収容を継続する場合には二日ごとに収容期間をさらに更新することができるというように定められているところであります。 続きまして、本件の収容の具体的な事実関係に即しまして、この間、保護房に収容した理由についてお答えいたしますと、現地庁からの報告によりますと、死亡した受刑者を保護房に収容したのは、当該受刑者が職員の制止に従わず大声を出し続けたためであり、また、その後も保護房の収容を続けたのは、同受刑者が保護房収容後も大声を出したり、ちょっと恐縮でございますけれども、汚物を室内に散乱させるなどの動静が続いていたためであるとの報告を受けているところでございます。 しかしながら、私どもといたしましては、ただいまの報告だけではなくて、それらの点につきまして引き続き調査を行ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
○山花委員 ともかく、本来的には三日を超えてはならない。あるいは更新するについて適法だったという御説明なのかもしれませんけれども、ただ、ぎりぎり適法だったとしても、これだけ長期間拘束されて、あげく、暴れたかもしれませんけれども、引きずり出されて殺されたという話ですから、これは大変な話ですよ。その大変な話について、当初法務省の発表は、逮捕されて初めて知ったみたいな発表をしていますよね。 まず、十二日、中井さん、矯正局長ですけれども、コメントを出されています、紙二枚ぐらいのもので。「本件につきましては、かねて名古屋刑務所から、死因は自傷行為によるものと思われ、事件性はない旨の報告を受けていただけに、この度、名古屋地方検察庁の捜査により、刑務所職員の暴行が原因であるとされ、逮捕に至ったことの衝撃は、誠に大きく重いものがあります。」大変衝撃だったと言われております。 また、これは記者レクなんでしょうけれども、それを受けて各紙が報じた話ですけれども、例えば、同日、十二日、保安課長であるとか総務課長などが記者レクを行って、逮捕で初めて知ったとか、あるいは、特別調査チームでこの案件については把握できなかったというふうなレクをされているんですね。うそをついているんじゃないですか、これ。 つまり、捜査の対象となっていたのできょうまで発表できなかったという言い方ならあり得ますよ。これは矯正局全体が隠ぺい体質があるんじゃないですか、どうですか。
○中井政府参考人 いろいろな角度からの御質問を受けておりますので、場合によれば後でまた補足させていただきたいと思いますけれども、実は、委員御案内のとおり、法務省の組織自体の特殊性ということを前段に若干御説明させていただいた上で経緯を御説明させていただいた方がよく御理解をしていただけるんじゃないかと思うので、お許し願えれば、それから話させていただきたいと思います。 もちろん、検察を持っている、法務大臣のもとに検察があることも事実でございますけれども、余り私どもの広報が十分でないためあれなのでございますけれども、実は、刑務所における犯罪につきましては、刑務所の職員等が刑事訴訟法上の司法警察職員として捜査することができるということになっております。これも、法律上そうだということだけではございませんで、現に、先ごろ甲府刑務所の殺人未遂等事件を甲府刑務所の方で捜査して、立件送致したという記事が出たかと思いますけれども、実は、同じように私どもの刑務所等の職員がその刑務所における犯罪を捜査して検察庁に送致する例は年間相当数、約二百件近くだと記憶しておりますけれども、それぐらいあるわけでございます。したがいまして、いわゆる捜査情報あるいは調査情報、いずれのことでもございますけれども、これをいかに取り扱うかにつきましては、矯正部内においては、これはある意味では警察、検察と同じように非常に慎重な配慮をしているということをまず大前提にお話ししたいと思います。 それから、ただいまの件でございますけれども、いわば一部のマスコミにおいては内部告発があったのではないかという報道がなされまして、それが経緯で、今お尋ねのように、私どものいわゆる記者に対する説明等で、矯正局の課長あるいは審議官といった者がいろいろなお答えをしているわけでございます。その際に、まずこの場できちんと申し上げたい点は、今のような前提がございますので、内部告発があったかどうかという点の御指摘につきましては、情報提供者を保護いたしますとともに、その後の捜査、公判等も含めまして事実解明を円滑に徹底することが何より最優先なわけでございます。事実解明ができなければ、原因、対策、再発防止策もできません。まずこの大前提を御理解賜りたいと思います。 したがいまして、私どもが得た情報、その情報提供者の特定につながる事実内容の開示は、その当該提供者が矯正内部であるかあるいは矯正外部の者であるかを含めまして、これは極力避けるべきものと考えておりまして、その旨私どもは各施設に指導し、矯正局内においてもその旨を徹底させているところなわけでございます。 したがいまして、まず、その問題の、あの一連の報道その他も含めまして、情報提供に係る者が矯正内部か部外者であるかという点についてはお答えできないということを最初に申し上げたいと思います。 ただし、事ここに至りまして、最終的に私どもの特別調査チームの長であります審議官が申し上げましたけれども、この一連の本件に係る案件におきまして、職員による暴行をうかがわせる内容の情報提供があったこと自体は、これは申し上げたところでございます。 名古屋刑務所で起きました本件につきまして強制捜査がございましたのは今月十二日であります。その日の夕刻、委員御指摘のとおり、総務課長あるいは保安課長も同席していたかと思いますけれども、これが記者会見に臨んだことは事実でありますけれども、この両名は、今申し上げた極めて機微にわたる極秘の情報の存在は承知していないと私は聞いております。(発言する者あり)ちょっとよろしいでしょうか。それで、でありますが、その際の答弁内容その他のことにつきまして、翌十三日の記者会見において、官房審議官みずからが出まして、今申し上げたような範囲で情報の提供はあった、ただし、その内容は課長レベルにおろしていないという形の説明をしたというぐあいに聞いております。 昨年末でございます、一部マスコミで、名古屋地検が本件立件を視野に捜査する方針を固めたという報道がなされております。もちろん私どもも、当時はいろいろな事件が動いておりますけれども、事件の行く末、特にその余の、いわば余罪に該当するものがどのようにあるかということについては、私どもは関心を持っておりました、それは事実でございます。 しかしながら、事態が急変いたしましたのはその十二日の記者会見当日でございまして、当日の朝から、当局におきましては、名古屋地検から名古屋矯正管区へ通報、こういう事件があるよという通報もございましたし、それを受けまして告発をするということをやる、その関係の報告あるいは連絡等もございました。また、強制捜査が着手されたわけでございますが、緊急対応をやっておるということで、矯正局内部が非常にそれぞれ多忙をきわめていたことは事実でございますが、その中で、できるだけ早い時間帯にマスコミ対応を行おうということで尽くした結果が夕刻の記者会見に至ったものと私は承知しております。 今お尋ねありましたように、情報提供があったことに関し、総務課長に知らせなかったのはおかしいんじゃないか、こういう御趣旨でありますけれども、私は、これは全くおかしいこととは思っておりません。当然のことであります。情報の秘匿をする際には、それを知り得る者は極力限定するのが、私も長い間情報に携わってまいりまして、これは原則であります。原則であります。しかも、冒頭申しましたように、私どもは、検察の捜査に御協力する立場以外に、私どもも、司法警察として今後は刑務所内における犯罪を捜査していかなければいけません。その際に、個々に仮に得た情報を私どもが出したとするならばこれはどういうことになるか、御賢察賜りたいと思うんです。事件は立件できなくなります。 したがいまして、情報提供があったことに関して、総務課長等に私どもの審議官の特別なチームが連絡しなかったということにつきましては、私は、そのような時間的なゆとりがない、そもそも私の許可を得ないといけない話であると私は理解しております。 私は、日ごろ、私が審議官以下に厳しく言っております情報の保秘体制、秘密保持をきちんとやれと言っていることが徹底していたということでなかろうかと思っておるのでありまして、私としては、当局が組織として、あるいは現場が組織として事実を隠ぺいする意図は全くなかった、かように考えております。 〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕
○山花委員 いや、今の答弁は全然おかしいですよ。私は、例えば捜査上問題があるということはわかりますよ、わかりますが、例えば捜査の端緒になるようなことが発覚した、それを省内全部に知らせろなんという話をしているわけじゃないですよ。 いいですか、これは記者会見をする、例えば、それなりの立場の方がされているじゃないですか、保安課長であるとか総務課長であるとか。先ほど申し上げましたとおり、これは今捜査の対象になっているから今まで申し上げなかったという話であれば、それはそのとおりだと思いますよ、すべていいとは言いませんけれども。知らなかったとか、逮捕で初めて知ったと言っているんですよ。 その保安課長さん、総務課長さん、別に私は恨みも何もないですし、むしろ、かわいそうじゃないですか。要するに、これは矯正局として記者会見しているわけですよね。いや、ひいては、法務省としてどうだったということで質問を受けているわけですよ。それに対して知らなかったと言っているんですよ。 いいですか、この人たちに捜査情報を事細かに入れろという話をしているんじゃないです。役所として会見をするに当たって、何でそういう情報を入れないんですか。おかしいじゃないですか、それは。そういう要するに当事者能力のない人にふだん記者会見させているということですか。きょう記者の方たくさんいらっしゃるけれども、怒りますよ、多分、記者の人、そんな答弁されたら。どういうことですか。
○中井政府参考人 ただいまのお尋ねでございますけれども、なかなか御理解いただけなくて、私の説明の仕方がまずいのではないかと反省しているところではあります。あります。さはさりながら、この情報につきましては、私は大臣にも御報告しておりません。また、御報告すべきものとも判断いたしておりません。 これは、なかなかちょっと、先ほど矯正部内にも司法警察があるんだというところから御説明しただけなので、なかなか御理解賜るのは難しいと思いますけれども、いわゆる情報提供者を……(発言する者あり)
○藤井委員長 御静粛に願います、答弁中ですから。
○中井政府参考人 情報提供者を保護することの大切さというのは、私はきちんとやらなければいけない、かように考えている次第であります。(発言する者あり)
○藤井委員長 法務大臣、答弁ありますか、法務大臣。森山法務大臣、答弁ありますか、ありませんか、答弁。 森山法務大臣。
○森山国務大臣 今御指摘のような情報に近いものを一月の終わりごろ聞いております。それは、先ほど申し上げたように、検視の結果の報告として、自為行為と考えても不思議ではないというような内容であったけれども、他害かもしれない、その可能性もあるかもしれないということを一月の終わりごろちょっと聞きました。 そして、その後、二月の十二日でしたか、この人が逮捕されたということではっきりとしたわけでございますが、私も、矯正局の中で起こった事件でございますが、矯正局長に対しまして、この名古屋事件に対しましては真相を解明するということが何よりも大切である、そのためにはもちろん自分たちでいろいろ調べるということも大切であるけれども、検察が乗り出したことでもあり、検察の捜査に全面的に協力をすること、その捜査の妨害にならないような範囲で矯正局における徹底した調査を行うようにということを申したわけでございます。 要するに、法務省におきましては、検察にすべての情報を集めまして、そして検察が徹底的な捜査をしてくださる、それが何よりも大切であり、それが最終的な答えになるということになるわけでありますので、矯正局その他の部署で断片的に把握したものを一々私に報告するということは考えておりません。
○山花委員 いや、大臣、冷静にお話しされていますけれども、もっと怒った方がいいですよ。言ってみれば、BSEのときにいろいろなことがあったけれども、農水大臣に全然報告されないで官僚が勝手にやっていたというのと話一緒じゃないですか。 いいですか、それこそいろいろなところでいろいろなことが起こっていますから、捜査情報についてすべて知っている必要はないですけれども、少なくとも名古屋の刑務所は、去年、五月事件が起きて、九月事件が起きて、もう既に人が何人も殺され、何人も、要するに今回で二人目ですけれども、殺されていて、けがさせて、そして、申し上げたいことは、その情報が去年の暮れあった、局長の方のお話ですけれども、あったと言われていますけれども、去年の暮れ、衆議院の法務委員会は十二月十一日、院の派遣で名古屋刑務所に視察に行っているんですよ、国政調査として。情報提供があったにもかかわらず、そのときに関係者は要するにほおかむりしていたということですか。 もっと言えば、この十二月十二日に中山さん、名古屋の刑務所長ですけれども、監督者らがホースを見ていないわけはないと思う、関係者が、当時の幹部が事件を知っていてしかるべきだと言われても反論できないと大変正直におっしゃっているんですけれども、そのときの法務委員会の名古屋の方の説明に来られた方々ですけれども、竹野処遇部長、山本処遇次席、藤井処遇首席、こういった方たちがのうのうと、だから国会のメンバーが正式に派遣されたところで、何にも言わないで知らんぷりしていたわけですよ。大問題じゃないですか。言ってみれば、もう本当に議会というか、与党の方ももっと怒った方がいいと思うんですよ。 つまりは、これは与野党みんなで行って、国会議員はばかにされているんですよ。何にもそういう報告がない。しかも、さっきの局長の答弁、何ですか。大臣に報告する必要がない。これはちょっとまずいんじゃないですか。局長、ちょっと撤回してもらえませんか、そういう発言は。これだけ重要なことについて報告する必要ないというのは、どういう判断なんですか、それは。
○中井政府参考人 私どもは、ですから冒頭申しましたように、警察と同じ業務をやっているということと、大臣の御指示は、先ほど大臣が答弁されたとおりでございまして、検察にすべての情報を集めて、そしてその検察捜査の円滑に、適正に、的確にするようにという御指示であると私は受けとめております。 今、私は、事柄の成り行き上、本来はそれすら答弁すべきじゃないと思ったんですが、捜査に有用な情報があったということを認めたわけでございますけれども、実はこれ一件だけではございません。いろいろな事件をやりますれば、いろいろな情報が、雑多な情報、それが信用できるのか信用できないのか、後から考えてみると、ああ、あのときの情報はこれだけ有意なものであったかという情報があるかもしれません。しかし、それは、捜査の実施主体である、本件の場合でいきますと検察がありとあらゆる情報を収集して、その中で取捨選択して、慎重に事実を確定していくわけであります。 それから、もう一点申し上げておきたいのは、先ほど来、捜査の中身を矯正局長が言うのもちょっと問題かと思いますけれども、若干、私どもの司法警察職員を持っているという観点から申しますと、クロにするためだけの捜査をしているわけではございません。 事案が、例えば人の生命が奪われたというような重大な事案の場合には、それがクロなのか、いわば犯罪性があるのか、いわば生命を奪われたことは間違いがないけれども、それはシロであるのか、事件性がないのかと、ありとあらゆる観点から捜査を遂げなければいけないものでございまして、その過程で得た諸情報というものは、これは吟味していかなきゃいけない、かように考えているわけでございますので、個々の断片的な情報を、その都度一定の必要最小限度以外の者にそれを拡散するということは、事実の真相解明にとって私は必ずしも適切ではない。私個人の信条からすれば絶対にやるべきではない、かように思っております。
○山花委員 では、大臣は何のためにいるんですか。大臣もべらべらよそにしゃべるかもしれないから、そういう答弁ですよ、今のは。拡散の対象なんですよ。法務大臣、ちょっと、何で怒らないんですか、それは。
○藤井委員長 森山法務大臣、答弁できますか。
○森山国務大臣 先ほど申し上げましたように、私の考えとしては、検察が乗り出しているこのような事件でありますので、検察にすべて協力をして、検察が円滑に仕事が進められるようにみんな協力してもらいたい、そして真相を解明してもらいたいというのが私の考えでありました。したがいまして、そのような方向で矯正局もその他の人もやってくれたと思います。 それで、その間に、いろいろと断片的に入ってきた情報を……(発言する者あり)
○藤井委員長 静粛に。静粛に、静粛に。
○森山国務大臣 一々私に申す必要はなかろうかと思います。
○藤井委員長 山花君、もう時間が来ていますから。もう一度、もう一度質問。
○山花委員 本当、答弁が理不尽なんで、このままじゃ質問できないですよ。
○藤井委員長 中井矯正局長、もう一度答弁。もっと冷静に、参考人として、中井矯正局長、もう一度答弁をお願いします。(発言する者あり) ちょっとお待ちください。中井矯正局長、質問の趣旨にのっとって答弁してください。(発言する者あり)とにかく今答弁させますので。 中井矯正局長。
○中井政府参考人 地声が大きいものですので、どうも失礼いたしました。きちんと話させていただきます。(発言する者あり)
○藤井委員長 答弁を求めているんだから。指名しているんだ。答弁させてから。
○中井政府参考人 今後は、答弁態度をきちんといたしまして、お尋ねになったことに真摯にお答えするようにいたします。どうも失礼いたしました。
○山花委員 さっきから捜査捜査ということを言われますけれども、私は、捜査の必要があって、その情報がある程度漏れちゃいけないということは、それはわかりますよ。わかるけれども、大臣に報告する必要がないというのは一体どういうことだということを問題にしているわけですよ。 それともう一つ。ちょっと時間がなくなってきましたので申し上げたいことがあるんですけれども、五月事件、九月事件で特別調査チームというのが組まれているわけですね。今回も、大臣は抜本的な改革をやりたいということで、検討委員会というのをつくっているわけですけれども、何ですか、こうやって、捜査があるから、捜査があるからといって、結局、地検とかに丸投げして何もしないわけじゃないですか。こんなんじゃ、こんな検討委員会だとか調査チームつくって、一体何やっているんですか。丸投げしておしまいだという話ですよ。 さっきもそうですよ。さっきも、外務省の方も丸投げだという話がありましたけれども、言ってみれば、これは役所の内部で、この間の特別調査チームもそうですけれども、法務省の人間が結局やっているわけですよ。今回のこういったことが、事ここに至ってこれだけ起きているわけですから、本当に外部の人間を入れないとどうしようもないんじゃないでしょうか。 つまりは、今回の検討チームのメンバーも役所の人間がやるようですけれども、例えば、一時、かつて警察が不祥事を起こしたことがありました。その折にも警察刷新会議というのがつくられて、氏家さんだとか樋口さんだとか大森さんだとか、外部の人間でこういうのをつくってやったわけですよ。 今回だって、調査検討チームをつくって、検討委員会をつくったって、結局、同じような話になるんじゃないですか。要するに、検討委員会なんてつくっていますけれども、特別調査チームと同じような話で、今回だって、特別調査チーム、結局何にもしていないですよね。何にもしていないと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、いろいろこれだけやっていて、今回の件だって発覚しなかったわけですよ。もっと言えば、今、参議院にかかっていますけれども、人権擁護法案なんて言っていますけれども、人権委員会を法務省の外局につくったってしようがないということです。今回のこういうことが起こるということですよ。 大臣、もう一度改めて申し上げますけれども、先ほどの矯正局長の、大臣には言う必要がないという、あれはどう思われますか。つまりは、要するに大臣に言うといろいろ情報が拡散するからというような答弁でした。大臣に対しても私は失礼な話だと思います。そのことが一点。 もう一つは、普通の民間の会社で社員がこれだけ何件も人を殺したり逮捕者を出したりしたら、社長は平気でいられますか。大臣、どういう責任のとり方を考えておられるか、明確にしていただきたいと思います。
○森山国務大臣 先ほどの局長の答弁についてまず申し上げますと、先ほど来私が申し上げておりますように、この事件は検察の手にゆだねられてまいりましたので、検察の捜査が支障なく順調に行えるようにみんなが協力をするということが重要であるというふうに思いましたので、そのような方向でやってほしいということを申しました。(山花委員「そこは否定していないですよ、別に」と呼ぶ)はい。 その途中で、いろいろな情報が、雑多なものがいろいろと入ってくるでありましょう。それをすべて、私に全部言う必要はないというふうに思いますので、物によって取捨選択されるのはやむを得ないというか、それが当然だというふうに思います。 それから、この責任をどうするかというお話でございますが、責任については、省内における検討チーム、あるいはさらに、御指摘のように、第三者の目で検証していただくということがとても大切でありますので、将来の形としては、適当な時期に第三者の方も入っていただいて検証していただくということを考えております。 私もこの重大な事件に関してかかわった者でございますので、このようなことが二度と起こらないように、十分に対策を講じていくということが私の責任だというふうに考えております。
○藤井委員長 これにて山花君の質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 正午休憩 ————◇————— 午後三時四分開議
○藤井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、午前の中井政府参考人の答弁について、委員長から注意をいたします。 政府職員は、国務大臣の指揮監督のもとにあります。国会における政府参考人は、その立場を踏まえ答弁し、また、言動には無礼のないよう気をつけていただきたいと思います。 質疑を続行いたします。 この際、午前に引き続き、山花郁夫君から質疑の申し出があります。理事会の協議に基づき、特にこれを許します。山花郁夫君。
○山花委員 午前中に引き続きまして、質疑をさせていただきたいと思います。 この十二日に逮捕者が出ました名古屋刑務所の事件でありますけれども、大変午前中は、別に嫌みではなくて、本当に驚いたような答弁が幾つかあったんですけれども、まず、矯正局長から、今回のこの案件については法務大臣には報告すべきでない事柄であった、こういうようなお話があったわけであります。 これは大変問題だと思うんです。つまり、私は、例えば東京である殺人事件がありました、福岡で強盗事件がありました、そういういろいろなことについて一々法務大臣に報告すべきだなんて、そんなばかげた話をしているわけじゃないんですよ。 いいですか、名古屋の刑務所では、去年五月、九月と人が一人死んでというか、もう殺されてという話ですよ、殺されて、またけが人、大けがした人が出て、そういうところで事件がいろいろあるということで、法務委員会でもこのことについて大変長時間審議をして、かつ、やはり現場に行かなきゃいけないということで、与党の方もそれはそうだという話で、これは院として、国政調査ということで院の派遣で行っている。そういった名古屋で今回こういう事件が、昨年暮れぐらいにどうもそういう端緒があったらしいということなので、これを大臣に情報を入れないというのはちょっと考えがたいんです。 つまり、もう一回、午前中申し上げたことで言いますけれども、これは、例えば農水省でかつてあったことですけれども、BSEの牛がいたと。今回の件に置きかえて、ちょっと例え話で言えば、BSEの牛が一頭出ました、二頭出ましたと騒ぎになったので、とりあえず報告しましたと。大騒ぎになって、しばらくして亡くなって、言ってみれば三頭目の怪しい牛がいるかもしれないという話ですよ。結果的にクロかシロかまだわからないけれども、ちょっとこういう件が出てきますよというのを、これを大臣に報告するというのは当たり前のことじゃないですか。 言ってみれば、五月、九月と事件があって、今回もちょっと何か問題があるかもしれないぐらいのことを、何でこれを、繰り返しますけれども、いろいろなこと、何でもかんでも情報を入れろという話じゃないです。何でこれを入れないということが適切だという判断になるのか、ちょっと矯正局長、もう一度お願いします。 そして、願わくば午前中のあの答弁は撤回をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○中井政府参考人 お答えいたします。 まずもって、ただいまの委員長の御注意並びに委員の御指摘につきまして、これを重く受けとめております。 午前中の私の答弁の中で、大臣に御報告すべきものとも判断しておりませんと申し上げた部分は、不適切でございました。おわび申し上げます。委員に午前中御指摘を受けまして、ただいま、虚心坦懐に翻って考えてみますと、その情報の重要性にかんがみ、不確定要素はあったものの、即座に報告をしておくべきであったと深く反省している次第でございます。 まことに申しわけございませんでした。
○山花委員 法務大臣、今こういうお話があったわけですけれども、私、法務大臣の午前中の御答弁もちょっと問題があるんじゃないかと思いますよ。つまりは、今こうやっていわば訂正というか撤回というか、不適切だったという御発言がありましたけれども、午前中は何か別にそれでいいような答弁をされていたじゃないですか。 言ってみれば、これも過去の例で、比喩で申し上げますけれども、例えば、厚生労働大臣がいて、薬害エイズ事件があって、郡司ファイルがありません、ありませんという、いわばあれはうそをつかれていたわけですね。これに対して、やはり大臣がちゃんと指示を出すということが本当に必要なんだと思うんです。 事件の性質によっては、政治家たる大臣に検察庁が、あるいは法務省の方で情報を入れないという可能性は全くは否定しません、僕はいいとは言いませんけれども。例えば、政治家の汚職事件について検察、東京地検の特捜部なんかが捜査をしていて、法務大臣といえども政治家だからということで正確な情報を多少入れないということはあり得るかもしれませんが、今回のこの件について情報がなかったということについて、大臣の御認識というのは変わってないんですか。要するに、何か役所がいろいろ隠ぺい工作をやっていても、それは私は存じません、そういうことなんでしょうか。ちょっと御答弁をお願いします。
○森山国務大臣 私が先ほど申しましたのは、この事件の真相解明には、最終的には検察が乗り出して、そして真相を究明していただくということであるから、それをきちっとやれるようにみんなが協力をしなければいけない、矯正の内部でも検察の障害になるようなことがないようにということを申したわけでございまして、その結果、いろいろな、大小さまざまな情報が矯正には入ったと思いますけれども、その中から非常に重要なものを選んで報告があったんだと思っております。 現に、この事件についても、一月に入ってから報告がございましたし、さらに捜査が進んで逮捕という事態になりまして、そのときにはしっかりと事態の報告を聞いておりますので、午前中の御答弁については、本人も深く反省しているようでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思いますし、私との関係では、先ほど申し上げたように、検察とそれから矯正との関係について十分申しまして、そのとおりやってくれたものと理解しております。
○山花委員 ちょっと午前中も言われていたようなことで非常に不思議なお話があるんですけれども、午前中、矯正局長は、法務大臣には、少なくとも午前中の時点ではですよ、情報を入れる中身であるとは認識していない、報告すべきでないとおっしゃっておられたのに、大臣は、一月に何か報告があったとおっしゃっているんですけれども、これはどこから報告があったんですか、だれから報告があったんですか。
○森山国務大臣 一月の終わりでございます。矯正局長から話がございました。
○山花委員 矯正局長、先ほど言われていたことと話が全然違うじゃないですか。要するに、やはりこの場でもうそをつかれていたんですか。どういうことですか。
○森山国務大臣 私の間違いでございまして、そのニュースが入ったのは刑事局からでございました。(発言する者あり)
○藤井委員長 御静粛に願います。
○山花委員 大臣、情報、入っていたんですよ。でも、十四日午前、閣議後の記者会見で大臣は、この事件を初めて知ったのは逮捕されたときだと記者会見されていますね。大臣も何かおかしなことを言われているんじゃないですか。どういうことですか、これは。
○藤井委員長 法務省樋渡刑事局長。(山花委員「いや、大臣、大臣。大臣の記者会見ですよ」と呼ぶ) 指名しましたので、ちょっと待ってください。それから法務大臣です。
○樋渡政府参考人 正確なところを、報告をいたしました私の方から説明させていただきますが……(発言する者あり)刑事局長でございます。 検察当局におきましては、かねて矯正当局から一連の事件につきまして全面的な協力を得てきたところでありまして、その過程で当局及び検察当局にはさまざまな情報が提供されてきたものと承知しております。 一方、大臣からは、検察が厳正公平、不偏不党の立場に立って種々の事件捜査を行っているものとの御信頼をいただいているものと考えておりまして、大臣を補佐する立場にある私といたしましては、具体的事件の捜査に関する事柄につきましては、常に適切な時期におきまして確実な情報を端的に御報告をできるように心がけているところでございます。 お話ししました先ほど来の一定の情報提供につきましては、その真偽は必ずしも明らかではございませんで、多数の情報の一つにすぎなかったことから、まずは検察でその真偽を捜査するのが先決であり、その結果の報告を得るまではと私自身が考えまして、これについては直ちには御報告をいたしませんでした。もとより、矯正局からいただいた情報でございますから、矯正局が御報告されるのは、それは矯正局のお立場でございます。 しかしながら、省全体としての対応を検討するに当たりまして、一連の事件の背景事情を正確に把握する上で、他に刑事事件として取り上げるべきものが認められるか問題となりましたことから、大臣に対しまして、本年一月の末ごろ、本件につきまして、現時点では事件性の有無について必ずしも断定できないとお断りしつつ、名古屋地方検察庁におきましては、他害による可能性をも念頭に置き、他事件とともに本件についても鋭意解明する方針であること、また、解剖医の最終的な所見は必ずしも自為によるものと断定するものではなかったということを御報告いたしました。また、他害行為による死亡と判明したことにつきましては、本件逮捕の当日御報告を申し上げたものでございます。
○森山国務大臣 報告を受けたときの経緯は今刑事局長が御説明申し上げたとおりでございまして、私は一月の終わりに刑事局長から情報を得まして、さらにその推移について、二月の十二日でしたか、逮捕されましたときにその結果を聞いたわけでございます。
○山花委員 ですから、十四日の閣議後の記者会見で、この事件を初めて知ったのは逮捕されたときだと答えているわけですよ。午前中から何を信用していいんだかよくわからない話なんですけれども、この逮捕されたときに初めて知ったというのと今の御説明がどういう関係なのか、ちょっとよくわからないのですが、一月に知ったと今おっしゃっていますよね。どういうことですか。
○森山国務大臣 一月の時点では、事件になるかどうかわからないがという話でありましたので、推移を見なければいけないというふうに思っていたんですけれども、逮捕されたということで、犯罪性があるということがわかったのだということがわかったわけでございまして、それが二月の十二日だと思いましたが、十四日でございましたかしら、私はちょっと日付ははっきり覚えておりませんが、逮捕されたときに知ったというのはそのような意味でございます。
○山花委員 ちょっと一〇〇%納得できないんですね、これは。だって、この事件を初めて知ったのはいつなんだということで、逮捕されたときだということで、これは随分マスコミ各社も、逮捕されたとき初めて知ったんだというふうに報じていますよね。ちょっと今のはおかしいんじゃないですか。言ってみれば、大変恐縮ですが、これだって虚偽の会見のように見えますよ、どういうことですか。
○藤井委員長 森山法務大臣、もう一度答弁願います。
○森山国務大臣 記者会見のことをおっしゃっているのだといたしますと、私はいつも正直に答えておりますし、このときも事実を申し上げたままでございます。(発言する者あり)一月末の話は、記者会見をするべき内容にはまだ熟していなかったわけでありますので、一月末に聞きましたのは、事件性があるかどうかわからないが、もしかしたら問題になるかもしれないという意味の情報でございます。
○山花委員 少なくとも、誤解を招くような表現だと思いますよ。私、ちょっと今の説明でも一〇〇%は納得はしていないですけれども。 少なくとも私は、仮に今のような経緯だったといたしましょう。ただ、大臣、やはり今回のこの問題に関して、あるいは五月事件、九月事件があったときの調査チームの役割ということについて、大変疑問があるんです。 つまり、矯正局長の方は、いや、大臣には何も申し上げていないと、多分午前も午後も、それは何も情報を入れていないでしょう、恐らく。刑事局の方が、これは事件性があるかもしれないということで、それは検察の方でいろいろやられるでしょうから、それで確知したことについて情報を入れるというのは、それはあり得ると思いますよ。 ただ、今までの、何か立場が私は逆のような気もしますが、午前中の議論の流れと全然逆じゃないですか。つまりは、矯正局長が、これは事件性があるかもしれないから、いろいろ考えると情報を入れるのは望ましくないんだという言い方をされていましたよね。ただ、実際は、刑事局の方は情報を入れていたということですよ。結局、矯正局のメンバーが集まって、五月事件、九月事件について特別調査チームなんかやったって、大臣のところには何も情報が入らないんですよ。刑事局から来ているんですよ。(発言する者あり)そうですよ。監督責任をどう考えられているんですか。 くどいようですけれども、事件性があって、捜査の密行性ということがあってということ、それはわかりますよ。ただ、これはむしろ、大臣とか矯正局長、午前中にも御自身のお言葉で言われていたように、目的が別なんですよ。目的が別というのは、裏を返せば、刑事事件は刑事事件として一生懸命やられているんでしょう、刑事局の方で。当たり前のことですよ。 ただ、何のために特別調査チームをつくったかといえば、それとは別途、例えば刑事事件だったら、本当に確実な証拠があって立件できるということじゃなければ、起訴もしないし、要するに、強制処分はしないかもしれない。ただ、証拠がないかもしれないけれども、もしかしたらこういう人たちだって、かかわったという言い方をするとまずいかもしれない、本来は責任をとらなければいけない人たちがいるかもしれない。それに対して、どういう対策をとりましょうかとか、そういうことをやるために特別調査チームがあるんですよね。 そうやってやったチームが、本当にこんな重大なことについて、刑事局からは情報は行っているけれども、特別調査チームが勝手に、捜査に差しさわりがあるかもしれないからといって情報を入れていない、これはおかしいじゃないですか。監督責任についてどう考えられているんですか。
○森山国務大臣 矯正局の方で特別の調査チームをつくりましたのは、先ほど私が申し上げましたように、本当の真相解明を徹底的にやるには、捜査をお願いしなければいけない、検事局に、ということでありましたが、それだけではなくて、矯正局の内部で、その行政の上でもいろいろと反省するべき点があるかもしれない、見直さなければいけないことがあるかもしれない、そういう部分について矯正局独自で調査をしましょう、してほしいということでやっていただいたわけでございます。 ですから、その範囲というのはおのずから限られておりまして、本当に細かい点まで究明いたしますのには検察局の捜査を待たなければならないということがたくさんございますので、すべてが明らかになるというわけではありませんでしたから、矯正局の方で、もう少し様子を見て、検察の方がどのように結論を出されるかということも見守るということがあったのではないかと、これは私の想像ですが、そう思っております。 そのような中で、捜査とは直接関係はないが、矯正局として反省するべき点があれば、矯正局が特別調査チームをつくって、そこで逐次やっていった方がいいんじゃないかということで別にやったわけでありますので、そのいずれも結論は出ていないんですけれども、そのようなものが動いていたことは事実でありまして、近いうちにどちらも結論が出るんではないかと思っております。
○山花委員 ともかく本当に、結局、役所に投げたままになってしまっていると思うんですよ。もっと指示を出されないと、結局役所のなすがままで、役人天国じゃないですけれども、本当にそういう状態になってしまうんじゃないですか。 ちょっと幾つか聞きたいことがあるんですけれども、時間の関係がありますので、矯正局長、大臣に対する話で、午前中の発言はまずかったというお話ですけれども、大臣に対するだけではなくて、保安課長であるとか総務局長が結果的に虚偽会見だった、このこと自体はお認めになっていた。きのうの当委員会でもおっしゃっていたような気がするんですけれども、あの方たちに情報を入れなかったのもまずかったのか、あるいは午前中のとおり、入れるべきでないと今でもお考えなのか、その点についてちょっとはっきりさせてください。
○中井政府参考人 情報を入手した当時に、ごく一部の者しかそれは承知していなかったわけでありまして、その当時に、直ちに、今御指摘の総務課長なり保安課長なりにその情報を伝達すべきかどうかという点についての現在の私の判断をお尋ねであるならば、私は当時は、渡すべきではない、かように思っております。 これは、今たまたまこのこと一件だけが問題になっておりますけれども、冒頭御説明させていただきましたように、私どもは、刑務所の中における犯罪については、捜査する司法警察の職員を実は抱えておるわけでございまして、名古屋の事件がどうこうという話はちょっと分けましても、少なくとも、私どもの刑務所職員による司法警察の仕事はさせないという判断をしたわけです。それで、その仕事はすべて検察にお願いするということで仕分けを冒頭いたしました。したがいまして、むしろ、私どもが犯罪性の有無、要するに事件のコアに係る部分について私どもが深くコミットいたしますと、私の判断では、証拠が隠されたり口裏合わせが出たりする危険性が多いというぐあいに判断しておりました。 しかし、そのようなことであっても、情報というものはいろいろな雑多な、有意な情報それから大して役に立たない情報、いろいろな情報が日々入ってまいります。それは特別調査チームの活動の過程でも入ってまいりますし、それ以外でも入ってまいります。 そのような中で、私に報告がある情報はございます。ただし、それをどう扱うについては私が判断いたしておりまして、本件の、今委員がいろいろ御指摘されている問題の情報につきましては、私は、検察に直ちにそれを伝達するという判断をしたわけであります。
○山花委員 要するに、十二日、事件が発覚した日ですね、総務局長、保安課長が記者レクされました。この時点では、知らないと言っているんじゃないですよ、この人たちは。そういう事実はないと言っているんですよ。翌日の東京新聞で内部告発があったんじゃないかということが報じられて、翌日の記者会見で山下さん、審議官が訂正の記者会見ですか、これをされているということになっているわけですけれども、もう一度午前中の話に戻ってしまいますけれども、要するに、こういう立場の方々が会見をされるということは、それは矯正局として知らなかったとか、失礼、知らなかったじゃないんですよ、矯正局として存在しないと、そういう事実は。そういう発表になっているじゃないですか。 ちょっと今の答弁は、私、ごまかされたような気がするんですけれども、いいですか、事件の告発だか情報の提供だかがあった時点で、総務課長なり保安課長なりに入れたりとかするのはまずいという、僕はそれでもこの人たちに失礼だと思うけれども、そういう判断があったとしても、もはや十二日に逮捕された人がいて、この件について告発なりなんなりがあったんじゃないかということについて、その時点で、そんなにまた別に、だって、もう身柄拘束されているわけですから、このことについて全く情報を入れていない、これで記者会見をさせられる方もたまらないし、聞く方もたまらないし、ましてや、十三日には結局、山下審議官が訂正の記者会見をしているけれども、今の局長のお話というのは、それでもこの時点で入れなかったのは正しかった、つまり虚偽会見はあれでよかったんだというお話ですか。おかしいじゃないですか。
○中井政府参考人 先ほど私がお答え申し上げましたのは情報入手時の話でございますので、今、委員のお尋ねは記者会見時のことでございますので、その点、もう一度改めて答弁させていただきたいと思います。 やはり、先ほど来、いろいろ私は申しましたけれども、記者会見時までには、その日は朝から大変多忙をきわめておったわけでありますが、非常に機微な情報、その時点にとってはますます機微になってきておったわけでありますが、それを総務課長なりにきちんと伝えさせておくべきであったと思います。
○山花委員 要するに、あれもまずかったというお話ですよね。それは認められるということでよろしいですね。 つまり、答え方として、存在しませんとかありませんと言うんじゃなくて、いや、機微に触れることだから答えられないと答えればよかったはずじゃないですか。それを、ないとか、断定的に言っているからそうやって報じられたわけですよ。 つまりは、何も情報を入れていなかったからということですよね。それはまずかったということはお認めになるということですね。よろしいですね。
○中井政府参考人 御趣旨のとおりであります。
○山花委員 あと、午前中の質疑の中で、私、大変不思議な話を聞いたんですけれども、告発者、告発があったかどうかについてはお答えできないということでありますね。なぜかといえば、要するに、情報の提供者にいろいろ不利益があるといけないからということで、何となくわかるようで、でも、大変私は不思議な気がいたします。 と申しますのは、今回の事件というのは、言ってみれば、刑務所に入っていた人が刑務官の意にそぐわないということで、ぼこぼこにされて殺されたという、何か暗黒社会の映画を見ているような、そういった事件なんですけれども、告発した人を保護するという話もよくわかりませんね。 つまり、例えば暴力団とかマフィアの社会から何か内部告発があって、その告発者の生命にかかわるから守らなければいけないという話なら、それはわかりますよ。今回は、矯正局の中でこんなむちゃくちゃなことが行われましたということを報告する人が何か後で不利益をこうむることがあるとは、そんな恐ろしい世界なんですか、矯正局というのは。どういうことですか、それ。告発があったのかどうかすら御報告いただけないというのは、そういうことでしょう。 何ですか、法務省というのは、法令を遵守するのは、ほかの役所ももちろん法令遵守するのは当たり前ですけれども、ましてや一層そういうことをやるべき役所なのであって、こんなひどいことがありましたよという告発をした人は、それこそ法務省というのは人権擁護だ何だ言っているわけですから、褒められこそすれ、何か守らなきゃいけないというのは大変不思議な話だと思うんですけれども、ちょっと説明してください。
○中井政府参考人 先ほど来、告発という用語でありますとか内部告発という用語が使われておりまして、その点だけまず最初にお断りしておきたいわけでありますが、私どもは、告発であるという事実を認めておりません。また、内部からの情報提供であるという事実も認めておりません。要するに、今回の本件の事件について有用な情報を得たという限りにおいてだけ明らかにさせていただいている次第であります。 委員、今、あたかも私どもの内部職員が情報を提供してきたんだからという前提でお尋ねのようでありますけれども、その点は今申し上げたことで御理解願いたいと思います。 次に、情報提供者の保護の問題というのも、なかなか、私がお答えすべきものなのかどうかという問題も若干ありますけれども、仮に、今回の事件と切り離して一般的に言わせていただきますと、事件が、例えば、ある暴行行為があったという事実を目撃したという方から直接の情報提供がある場合もございます。次に、その目撃した方がそれを出すのが、自分からコメントするのがいろいろ困る場合に、第三者にその話をする場合もございます。そうすると、その第三者から情報提供を受ける場合もございます。あるいは、殊さらにそういう意識ではなくて、例えば、どこかで、居酒屋か何かで飲んでおって、実はこういうことがあったんだよということを隣の席で聞いていた方が、こういう情報があったよという情報を寄せられることもあるわけです。 したがいまして、情報提供者は、私ども矯正の内部の人間だけには限らない。私どもは、そういったいろいろなチャンネルの情報をいただかないと、司法警察としての職務は今後全うできないというぐあいに考えているわけでございます。その点を何分御理解賜ればと思います。
○山花委員 だから、ちょっと論点が少しずれてきましたけれども、結局検察任せなんですよ。だから、今回の件も、検察が動かなかったら全然わからなかったという話じゃないですか。 法務大臣。法務大臣だって結局、今回検察のそういうふうに動きがなかったら多分御存じなかったんじゃないかと思いますよ。でも、そんなことでいいんですか、これ。だって、これだけいろいろなことが起きていて、検討委員会だか調査チームだかよく知りませんけれども、府中とかほかでも調べると言っていますけれども、もっと大臣が積極的に指導するべきじゃないですか。いかがですか。
○森山国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、検察も、刑事局その他、私の指揮命令を受けるということに一応なっておりますし、矯正局もその他の局も皆同じでございます。私といたしましては、それらの仕組みあるいは力を十分見ました上で、最終的には検察が本気になって取り組んでくれるということが真相の解明につながるというふうに思いまして、検察の調査が、障害にならないようにみんなで協力をするようにということを言ったわけでございますが、そのようなやり方で真相の解明のために努力したつもりでございます。(発言する者あり)
○山花委員 今、委員内からも、やじで、刑務所というのは、人権のレベルというのはそれでわかるんだというのがありましたけれども、要するに、その国の人権水準というのはある程度刑務所を見ればわかるというのはよく言われる話なんですよ。これだけむちゃくちゃなことをやっているというのは、我が国、本当に不幸なことだと思いますし、また法務大臣も、何か先ほどから本当に冷静に答えられていますけれども、大体かばう話じゃないと思いますよ。もっと法務大臣が何やっているんだと怒らないと、これ、本当にどうなっているのかと思いますけれども。 最後にちょっと、これは大臣だけの話じゃないですよ、与党の皆さんにも関係すると思いますが、午前中にも指摘をした話であります。 十二月十一日に、委員会として、つまり、国政調査として、我々国会議員が行政の方の調査をするということで行った名古屋の刑務所でこういうことが起きて、そのときに、所長さん、更迭されましたから新しい中山さんにかわっていました。その中山さんが、今回の事件が起きて、監督者らがホースを見ていないわけがないと思う、つまり見ていただろう、事件を知っていてしかるべきだと言われても反論できない、非常に正直におっしゃっています。ホースを見ていないわけがないような人たちが、この十一日の視察のときに、繰り返しますが、竹野処遇部長であるとか……
○藤井委員長 山花君、時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
○山花委員 藤井首席であるとか、山本次席などがいらっしゃったということは大変議会軽視であるということを申し上げて、これについて、本当、これは大問題だと思いますので、これだけで終わらないということを申し上げて、終わりたいと思います。
○藤井委員長 これにて山花君の質疑は終了いたしました。 次に、西村眞悟君。
○西村委員 よろしくお願いします。 まず、拉致問題から御質問いたしますが、総理大臣は、拉致問題の解決なくして日朝国交正常化なし、つまり、拉致問題は、国同士の国交を樹立するか否かに関して重大な影響を与える問題である、こういうふうに述べられたわけであります。ということは、拉致問題こそ、我が国家の主権を侵害し、日本国民の人権をじゅうりんする重大なテロ行為であった、こういう認識で政府は立たれておるのかどうか、官房長官にお伺いします。
○福田国務大臣 最後のところ、ちょっと質問、聞き漏らしてしまったので。
○西村委員 北朝鮮による日本人拉致は、国家の主権を侵害し、日本国民の人権をじゅうりんする重大なテロ行為である、この認識でよろしいでしょうか。
○福田国務大臣 失礼しました。 これは、拉致問題というのは、国民の生命と安全にかかわる問題でございますので、これは極めて重大な問題であり、国家的にそういう認識で対応しなければいけない問題だと思っております。
○西村委員 では、その重大な問題を日本国政府が知り、もしくは知り得べき時期はいつだったのか。つまり、日本国政府に任務が発生する、つまり、重大な国家主権の侵害、人権侵害を原状回復する任務が発生するときと、その任務を自覚するときはいつだったのかということについての認識をお伺いしていきます。 まず、昭和四十六年、石川県警は、海岸線から上陸してくる北朝鮮工作員を逮捕し、多くの物証を得たのであります。それから、昭和五十二年、久米裕氏が失踪し、警察はこれを拉致した犯人を現行犯逮捕し、多くのスパイ道具を押収するとともに、北朝鮮による拉致であるという判断をするに至りました。これが昭和五十二年、一九七七年。これから、同年の十一月、横田めぐみさんが失踪する。翌年の昭和五十三年、一九七八年六月、田口八重子さん拉致。七月七日、地村、浜本アベックが拉致。同月三十一日、蓮池、奥土拉致。八月十二日、市川、増元拉致。同日八月十二日、曽我ひとみ及びひとみさんのお母さんが拉致された。それから、同月十五日、八月十五日、アベック拉致未遂。多くの遺留品があった。ソ連製の兵士の遺体を入れる袋、手錠、特殊な猿ぐつわ等々を日本の警察が押収しておるわけです。 これほどの物証と北朝鮮の工作員の侵入とアベックの拉致が連続すれば、この時期に、我が国政府は、北朝鮮による日本人の拉致を知り、もしくは知り得べきであったのではないか。 同時に、同年、つまり昭和五十三年七月、レバノン人四名が北朝鮮に拉致されたのでありますが、一年後、レバノン政府は北朝鮮に強烈な圧力をかけて、四人を解放させております。在外公館を持っている我が外務省、外交の情報網がこれを知らないはずがありません。 ということは、日本人を解放させるという任務、この任務もあわせて、その手段もあわせて、日本国政府は、昭和五十三年という時期に、拉致という重大な犯罪行為を知り、もしくは知り得べきであったと私は考えておりますが、大臣はいかがですか。日本国政府を代表して、聞いておられたかな、官房長官、御答弁いただけますか。
○福田国務大臣 政府としてどういうように事実を認定しているかということでございますので、これは、それを担当している大臣もしくは事務当局から聞いていただくというのがよろしいのではないかと思います。 九七年のこの問題につきましては、警察当局は、北朝鮮に拉致された疑いのある事案は七件十名である旨公表したところ、政府としては、この公表を踏まえまして、国交正常化交渉においてこの事実を取り上げてきた、こういうことであります。
○西村委員 いや、それはわかっておりますが、知り、もしくは知り得べき。国民は、注意すれば知り得べきことであるのに、注意を怠ったがために、自動車を運転して人に危害を加えて、先ほどの刑務所に行くというのが法治国家なんです。この重大な行為を知り、もしくは知り得べき時期とはいつか。政府の任務が発生し、その任務を自覚すべき時期はいつだったのかという認識を聞いておるわけですね。これは政府当局でしか答えられない。 だから、例を挙げて、現行犯逮捕して物証を得ているではないか。未遂事件で物証を得ているではないか。そのかなり前に石川県警は、上陸した工作員を逮捕しているではないか。そして、現行犯逮捕したときの警察は、その暗号無線を解読して、表彰を受けておるではないか。これだけの事実が政府部内に集積されているのは、この時期が知り得べき時期であった、こういうふうに再度お聞きしますが、どうですか。
○谷垣国務大臣 今、西村委員、幾つかの事件についてお触れになりましたけれども、まず昭和五十二年の宇出津事件ですけれども、警察では、従来から被疑者を逮捕した場合は、その被疑事実の概要について発表しているわけでありますが、宇出津事件については昭和五十二年九月に、その拉致の共犯者である在日朝鮮人を外国人登録法違反それから入国管理令違反で逮捕しまして、この逮捕事実についてはそのとき発表しているわけです。 ところが、その当時、国外移送目的拐取ということにつきましては、さらなる証拠が必要というふうに判断しまして捜査を継続しておりまして、五十二年九月の時点では、そのような発表を行えなかったわけであります。 しかしながら、その後、北朝鮮による日本人拉致容疑事実の重大性にかんがみまして、李恩恵の拉致容疑事案とか一連のアベック拉致容疑事案あるいは辛光洙事件それから宇出津事件につきまして、昭和六十三年に至りまして、国会の場において、それぞれ北朝鮮による拉致の疑いがあるという旨の答弁を行いまして、資料の少ない中でいろいろ証拠収集をいたしまして、そういう一応判断に至ったわけであります。
○西村委員 知り得べき時期の問答はこれだけにしますが、私が一番早い時期に知り得べき時期だと、五十三年。 その後、昭和五十五年、産経新聞が六名の拉致を報道する。昭和六十年、これは辛光洙が韓国で逮捕され、原敕晁に成り済まして工作活動をしておったかどで死刑の判決を受ける。韓国の公文書に、辛光洙が原敕晁を拉致して原敕晁に成り済ましたということは明確に出てくるわけですね。昭和六十三年、国会で政府が、おっしゃったとおり、五件八名の拉致を認めた。 こういう事態の中で、総理大臣の認識からするならば重大な犯罪が行われ、政府には原状回復すべき任務が発生していたにもかかわらず、私は、ここから二十世紀を終えて本年に至るまで、重大な不作為の期間があったのではないか、拉致問題に、邦人の保護を旨とする外務省が極めて消極的であり、政府もそれに協力的ではなかった、重大な不作為の時期が続いたのではないか、これが我が国の問題だったな、このように思っておりますが、認識を一にしていただいておりますか。
○福田国務大臣 本件につきましては、本件と申しますか本問題ですね、これは従来から国交正常化交渉などの場におきましても北朝鮮側に強く解決を求めてまいりましたし、また、米韓を初めとする他の関係国との間で、それから国際会議などございます、そういうような場でも拉致問題解決の重要性については訴えてきております。 しかし、これに対して北朝鮮側は当初、拉致問題の存在自体を認めない、こういう姿勢であったわけでございます。 昨年の八月の下旬の日朝局長級協議におきまして、北朝鮮から一定の前向きな反応がございました。総理が訪朝しまして、この機会をとらえて、日朝間の諸懸案について北朝鮮側が誠意ある対応をとる、そういう政治的な決断を行うよう強い働きかけを行って局面の打開を目指す、そういうことでもって対応したわけであります。 御案内のとおりでございまして、金正日国防委員長は拉致問題の存在を認め、そして、遺憾なことである、おわびをするということも述べて、この問題がそういう形で認められた、こういうことであります。
○西村委員 凶悪な犯罪を犯した犯人がその旨自白しなければ対処できないというのであれば、国内の治安も守れないわけですね。レバノンは朝鮮政府に強力な圧力をかけて自国民四名を解放されているという事実は我が政府も知っておったはずだということを申し上げ、次の質問に行きます。 寺越昭二、外雄、武志、この三名は北朝鮮に拉致された被害者であるという旨認定してほしいと遺族が申し立てておると思いますが、認定されるのですか、されないのですか。 昭和三十八年、小船で三名が漁に出て、それから全く帰ってこなかった、当然死んだと思う、しかし、二十年後に北朝鮮から、ここにいると手紙が来たという事例ですが。
○藤井委員長 西村君、官房長官は定例記者会見で、ちょっと席を外しています。
○西村委員 お任せいたします。
○藤井委員長 扇国土交通大臣。
○扇国務大臣 今、西村議員から、冒頭から、大変な重大な件に関して、私も御一緒に拉致議連で、この寺越武志さんのお母さんともお会いした、また横田さん御夫妻ともお会いした、御一緒にこれを研究したこともございましたけれども、この武志さんに関しては、おじさんと、三方ですけれども、今おっしゃった外雄さんと昭二さんと武志さんですけれども、これは本来は、お母様も私は家族の連絡会で御一緒しました。けれども……(西村委員「いやいや、政府として」と呼ぶ)政府としては、武志さん自身が、自分はピョンヤンで拉致されたのではないと、これはニュースではっきりおっしゃって、その間、お母様もこの家族連絡会を離れられて、私は、海上保安庁としては、少なくともこれはやはり疑惑があるということで、引き続いて、昨年の十月の十一日に六つの海上保安庁管区でこの拉致の問題の本部を置きまして捜査をしているということですけれども、まず御本人が拉致ではないと言われているということの認識をまず持っていただきたいと思っています。
○西村委員 帰ってきた五名もなかなか言いにくいんですよ。だから、本人がどうだというよりも、政府としてどうするかということをお聞きしました。 ちょっと先ほど、なぜこの重大な不作為の時期が継続したのかということについて、拉致救出運動に携わった者の実感を申しますが、結局、戦前、日本は数十万の朝鮮人を拉致したではないか、その始末をつけずに何を一人の娘、二人のアベックのことで騒いでいるのか、こういう抗議、非難が街頭においても集会においてもあるということであります。つまり、歴史認識が、拉致に対して、北朝鮮に対して、国家として正当なことを言うことを妨げておった。 果たして日本は、戦前、数十万人の朝鮮人を拉致したのかということでありますが、拉致したのではないというふうなことを示す人々はたくさんおります。 例えば、正論三月号では、朝鮮総督府の課長だった幹部の方々が、このままで河野洋平官房長官の談話が残っている限り、朝鮮で苦労した我々は死に切れない、そういう事態はないんだ、こういうふうに言っておるわけですよ。 それから、研究書もあらわれまして、「「植民地朝鮮」の研究」、それから金完燮さんの「親日派のための弁明」、こういう歴史を、今までどおり非難のプロパガンダではなくて、冷静に事実を見て、日本人が戦前朝鮮人を数十万人強制連行したことはないということを言っておるわけですが、日本国政府も、私が今申し上げた資料ぐらいは再度点検して、歴史認識を確立し直さなければならないと私は思いますが、政府はどう認識されておりますか。
○川口国務大臣 拉致の問題でございますけれども、いわゆる従軍慰安婦の問題、これにつきましては政府が前に談話を出させていただいたということでございます。 その概要については、副長官がいらっしゃいますので、お話をいただきたいというふうに思っております。
○安倍内閣官房副長官 今委員御指摘のいわゆる従軍慰安婦問題や強制連行問題を含め、さきの大戦に係る賠償並びに財産及び請求権の問題については、政府としては、サンフランシスコ平和条約、二国間の平和条約及びその他関連する条約等に従って誠実に対応してきておりまして、これら条約の当事国との間では法的に解決済みの問題である、このように考えております。
○西村委員 政府でも、やはり日々学びということ、新しい方々からその当時の事情を聞くという努力もされていないようですから、歴史認識を組み立て直していただきたいなと思います。 それから、このような不作為の期間が流れ、そして、かくも拉致という犯罪を防圧することができなかった我が国家に欠陥、不備があったのではないか。 スパイ防止法がないから、工作員を追いかけ回して逮捕することもできなかった。情報収集の体制が不十分なので、その工作員の侵入をみすみす見逃さざるを得なかった。FBI的な統一的な警察組織がなく、都道府県警察単位で動いているので、広域な観点から、新潟で拉致し鹿児島で拉致するような観点から動く工作活動に無力であった。この三つをつくるべきであると私は思いますが、政府としては、例えばスパイ防止法を制定する、これを立案するという意思はありますか。
○谷垣国務大臣 スパイに対する対策あるいは捜査に関しましては、今まで、既存の法令を駆使して、諜報謀略活動にかかわるいわゆるスパイ事件の取り締まりに努めてきたわけであります。北朝鮮が関与するものとして、戦後、五十件余りの事件を逮捕、検挙いたしているわけであります。 他方、我が国にはいわゆるスパイ行為を直接取り締まる一般法規がないことも事実でありますが、スパイ防止法の制定の必要性については、これはいろいろな御意見があろうかと思います。そういったことも踏まえ、慎重に対応していくことが必要であると考えておりますが、現時点で具体的な立法化の構想というものは持っていないものというふうに理解しております。
○西村委員 それでは困りますな。警察官がかわいそうですよ。出入国管理法違反で不起訴とか、それでは困るんです。 次に、特別失踪者問題。 帰国された五名の中にも、警察が拉致と認めていなかった曽我ひとみさん、そのお母さんがあった。今、二百名を超える方々の家族が、彼及びもしくは彼女は北朝鮮に拉致されたのではないかというふうに民間組織に申し出ておりますが、政府は、拉致問題が重大な問題だと認識した以上、いかに取り組まれるか。本来これは、民間組織が取り組むんではなくて、政府が主体で取り組むべき問題だと思いますが、この点についての御答弁をいただきます。
○谷垣国務大臣 特定失踪者問題調査会が、二百名を超える方を失踪者である、失踪者というか、北朝鮮による拉致の可能性を完全に排除することができないというリストをつくられまして、警察にもこの調査会からリストの提供をいただいているわけであります。 先ほど西村議員は長い間の不作為というふうにおっしゃったわけでありますが、これは、失踪当時、被害者が、事件が起きますといなくなってしまう、それから目撃者もまずほとんどいない、それから残留証拠も極めて少ないという中で、私も過去の話を聞きますと随分苦労しながら捜査をした面があるわけでありますが、先ほどのお問い合わせのように、いろいろ情報がありましても、警察は法と証拠によって捜査をするわけでありますので、情報と立件できるというのにはやはり若干距離があるのも事実でございます。 そこで、一連の捜査の結果、現時点では十件十五名と見ておりますが、それ以外にも、北朝鮮関与を否定できない、なしとしない、こういう案件がございまして、各都道府県警でいわば洗い直しの作業をやっていただいております。 先ほど委員がいろいろおっしゃいましたように、ある意味で今非常に関心が高まっておりますので、やはり新たな情報提供等がある可能性もあるわけでございます。 そういうわけでございますから、御家族その他の関係者からのさらなる事情聴取、あるいは付近の聞き込み等の裏づけ捜査、それから、やはり大事なのは、この日本国内外の関係機関との緊密な情報交換であろうかと思います。そういうことを積み重ねまして、先ほどのリストも重要な参考資料として、全容解明のために努力をしてまいりたいと考えております。
○西村委員 スパイ防止法の立案も含めて、ぜひやってください。お願いします。 それから、次に、日本国家の主権を侵害し、国民の人権をじゅうりんする拉致という行為を犯しておる北朝鮮の政権の本質を、我が政府はいかに認識しているのであろうかということでお聞きします。 ちなみに、米国大統領は、北朝鮮は国民を飢えさせながらミサイルと大量殺傷兵器で武装している政権、悪の枢軸の第一番目に挙げた。それから、イラクに関してはこうです。核兵器を開発しようと企ててきた。イランに対しては、大量殺傷兵器を手に入れようと必死になり、テロを輸出している政権。北朝鮮が現在既に大量殺傷兵器で武装している政権だというふうに認識しておりますが、この認識と一致しておりますか、違いますか。
○川口国務大臣 北朝鮮をどのように見ているかということですけれども、なかなか北朝鮮という国柄、不透明性が高くてわからない部分というのがございますけれども、経済的に非常に問題があるということはございます。それから、先軍政治といいますか、軍事優先政策をとっているということで、引き続き大量破壊兵器……(西村委員「ブッシュの認識と一致しているのか、一致していないのか」と呼ぶ)一致をしている点、それから一致をしていない点、あると思います。(西村委員「どこがしていない」と呼ぶ)例えば、核兵器について言えば……
○藤井委員長 着席のまま発言しないでください。
○西村委員 ブッシュ大統領の一年前の年頭教書における北朝鮮の認識から平壌共同宣言を見れば、これは、アメリカから見て日本は、この第一番目に危険なミサイルと大量殺傷兵器で武装している政権に大量の資金を援助しようとしている国。つまり、昨年の平壌共同宣言は、アメリカの認識から見れば同盟関係の危機であったのではないか、こう認識しますが、その点はいかがですか。
○川口国務大臣 その時点が同盟関係の危機であったというふうには考えておりません。 まず、ブッシュ大統領自身、小泉総理の訪朝につきましてはプラスの評価をしていただいているということと、それから、日朝平壌宣言自体が、拉致の問題とかあるいは安全保障の問題とか、その他工作船の問題とか、いろいろ日朝間の問題がございますけれども、そういう問題を解決して国交正常化を行い、国交正常化を行った後で経済協力をするということははっきりしているわけでございまして、そういう意味で、同盟関係の危機にあったとは政府としては全く考えておりません。
○西村委員 さはさりながら、昨年九月十七日、おとぎの国のような宣言になりましたな。向こうが守っているものは何もない。 さて、防衛庁長官来られておりますが、アメリカは明確に、アーミテージは、過去の北朝鮮に、核兵器にも言及して、それを除去すると言っております。我々も、今外務大臣の答弁はともかく、アメリカは明確に総理に、北は核を持っているんだ、それを落とすのは日本なんだと言っておりますから、もうじきあるであろう北の核保有宣言で驚いても仕方がないので、我々は、北の核に対していかに抑止するのか。 私は、責任ある日本の政治家として、北は核を持っている、そして運搬手段も持っておるという前提で、いかに抑止するのか。このことについて、相互確証破壊の体制を我が国でつくるのかつくらないのかということも含めて、御答弁いただけますか。
○石破国務大臣 北が核を持っているということにつきまして、アメリカでそのような発言がなされておることは承知をいたしております。私どもとして、それがないということ、つまり、あるということを排除することにはならないだろうと思います。そうしますと、相互確証破壊というお話になるだろう。 その場合に、日本として、先般も北のミサイル発射につきまして答弁を申し上げましたが、それでは、日本はそういう能力を持っているかというと、持っていない。通常の手段によっても持っていない。 そうすると、相互確証破壊で、では日本もそういうことになるのか、日本も核を持って相互確証破壊という世界をつくるのかといえば、それは我が国としては非核三原則があるわけで、そうしますと、日米安全保障条約第五条あるいは防衛協力に関する指針、それをもちまして合衆国の核によって相互確証破壊というものをつくる、そういうようなことになるだろうというふうに思っております。 いずれにいたしましても、我が国としてNPT体制を堅持するということになっておるわけでございますから、我が国が核を保有し、相互確証破壊の世界を現出させる、そのような選択はございません。
○西村委員 一九七〇年代、SS20を配備されたときのNATOの決断、中心の西ドイツのシュミット首相の決断、アメリカからパーシング2を導入する、こういうバランスの問題を、我々もう一度、そのときに他人事と思っておりましたけれども、今自分のことになっておりますから、勉強し直したいですな。よろしくお願いします。 それから、これは時間が終わりつつあるので最後になると思います。お聞きしますが、集団的自衛権に関することです。 もう決断すべきときです。北朝鮮は、経済制裁は宣戦布告とみなす、たびたび、何度か、八名死亡のことで大騒ぎをしておると想像できないことが起こるぞとか、東京を火の海にするぞとか言っておりますよね。 さて、北朝鮮からは、米国に基地を提供していることで攻撃対象にされ、アメリカからは、ともに戦わないから日米安保体制が解消されるという、せっぱ詰まってにっちもさっちもいかない状態に国家国民を陥れることは、内閣としては重大な任務違反だ。こういうにっちもさっちもいかない体制に国家国民を陥れてはだめだ。この陥れるものこそ、集団的自衛権はあるが行使しないという奇妙きてれつな、日本だけでしか通用しないこの論理である。 アメリカ国民は、この論理を知らないから、同盟国はともに戦うと思っておる。しかし、自分の子供が日本近海で戦って、日本は助けなかったとわかった途端に切断ですよ、お互いに世論で動く国ですから。 どうですか。もう決断の時期が来た。奇妙きてれつな憲法解釈は教育上も悪い。我が国精神をつぶすどころか、国家国民を一番危険な、中国と北朝鮮のミサイルで恫喝されて、その言うことを聞かざるを得ないような従属国家。香港六百万市民には悪いが、香港六百万市民は非常に豊かであったけれども、運命は北京とロンドンの話し合いによって決められたんだ。我が国もそうなるではないか、集団的自衛権で奇妙きてれつなことを言っていたら。 いいかげんに決断する時期だと思いますが、政府の一員として責任ある答弁をお聞かせいただきたい。
○石破国務大臣 現在の内閣の立場、そしてまた私の立場は繰り返して申し上げることはいたしません。 今の日米安全保障条約を片務条約だと言う方がありますが、これは、委員御案内のとおり、私は非対称的双務条約ともいうべきものだというふうに思っております。完璧な片務条約だとは思っておりません。対称的な双務条約になっていないという点をとらえまして、委員のような御論旨になるのだろうと思っております。ではそのときに、ともに戦わないから日米安全保障の体制はそこで崩れるのかどうなのかということは、一つの仮定の議論なんだろうというふうに思っています。 私は、物事の考え方として、では、集団的自衛権を認めないからすべて日本の安全保障条約は画餅に帰すようなものだという議論ではなくて、今の憲法の解釈の中で一体どこまでできるんだろうかという検証作業、今の日本国の憲法の解釈でどこまでできるかということも、これは誠実にやっていく義務が政府にはあるだろうというふうに思っております。集団的自衛権を認めないからすべてだめだというお話ではなくて、今の中でどこまでできるかということを誠実に考えるのも政府の責務である、かように考えておる次第でございます。
○西村委員 いよいよこういう議論をフランクにできる時代になりましたね。北朝鮮のおかげですわ。 ことし、一九九三年から四年までのことの、安保理のあの八年前の騒動が巻き戻しのテープのように再現されて、今度は、彼らは我が国に届く核ミサイルを持っている可能性が大いにあるという状況の中で再現されますな。本当に与党も野党もなく、お国のために決断しましょう。よろしくお願いします。 終わります。
○藤井委員長 これにて西村君の質疑は終了いたしました。 次に、木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫です。 イラク問題についてお聞きをいたします。 国連安保理で、十四日、国連監視検証査察委員会、UNMOVICブリクス委員長の報告と、国際原子力機関、IAEAエルバラダイ事務局長の査察追加報告がなされました。今、アメリカによる武力行使の準備が進んでいる重大な状況の中で、現に行われている査察が有効か否か、査察を継続すべきか否か、いつまで継続すべきかが国際政治の焦点になっております。 そこで、外務大臣にお聞きいたします。 日本政府は、査察の有効性、継続すべきか否かに関して、十四日の査察の追加報告をどのように受けとめているのか、御答弁願います。
○川口国務大臣 エルバラダイそれからブリクスの両者の報告、これは比較的中立的なものであったというふうに思います。 そして、査察の継続につきましては、例えばブリクスは、それを決めるのは安保理であるということを言っているわけですけれども、同時に、イラクの対応について、手続面、これについては多少の進展があったということを言っています。ただし、必ずしも十分なものではない、例えば科学者へのインタビューは三人しかできていないというようなことを言っているわけです。 それで、ただ、その実質面についてのイラクの協力は十分なものではないということを言っている。これは、イラクの面積が日本の一・二倍あるということを考えれば、挙証責任はイラクにあるということをブリクス、エルバラダイ両方言っているわけでございまして、今後の見通しとして、イラクがどれぐらいこれを能動的に、挙証責任に対してこたえていくかということがまさにかぎを握るということであるというふうに考えております。今のところ、イラクがそのように行動をしているということについては疑念を抱かざるを得ないということだと思います。
○木島委員 外務大臣は二月十五日に、イラク問題に関する国連査察団による安保理報告について、三項目にわたるコメントを発表いたしました。 その第二項目で「わが国を含む国際社会が望んでいる平和的解決はイラク側の対応にかかっている。そのような中で、これまでのイラクによる消極的な協力姿勢が抜本的に改められていないことにより、査察継続の有効性に疑問が生じていることは否めない。」先日の国連査察団による二月十四日の追加報告に関して「査察継続の有効性に疑問が生じていることは否めない。」こういうふうに認識していると。そこのところ、答弁しませんでした。 私が聞いたのは、査察の有効性、継続すべきか否かについて追加報告をどう見るか。その一点を聞いたんですが、この談話の立場、「査察継続の有効性に疑問が生じていることは否めない。」こういう立場でこの追加報告を見ておるということ、間違いないんですか。 〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕
○川口国務大臣 先ほどまさにそう申し上げたわけでして、その理由として、これは例えばブリクスの報告ですけれども、UNMOVICの求める条件でのインタビューは受け入れられていないということも言っているわけでして、手続面での多少の進展はあったけれども決して十分なものではない、サブスタンス、実質面においての協力については、これは全くと言っていいぐらい、行われて、進んでいない、そういうことを申し上げたわけです。
○木島委員 あなたが出した談話ですから、そのように日本政府、外務大臣は見ているということですね。しかし、私は、外務大臣のそのような見方は、今度の二つの追加報告書の読み方、見方について本当にゆがんでいるとしか思わざるを得ません。 私の要求に対して、全文、翻訳文持ってこないんですが、外務省も二月十五日に「査察団による安保理追加報告」の速報なるものを、要約を私にくれました。その外務省が翻訳した要約を拾ってみても、かなりの前進をしているということをこの二つの報告は指摘しているんですよ。 時間がありませんから、ピックアップしてみましょうか。外務省の文章ですよ。 このUNMOVICのブリクス委員長の報告の中は、査察体制は強化されている。また、すべての査察は事前の通告なく行われ、ほとんど常にアクセスは迅速に提供されてきた。また、イラクが化学兵器弾頭と文書調査についての委員会を設置したことを歓迎する、こうした委員会は査察活動のために有益たり得る可能性はなるが、迅速かつ効果的な活動が求められる。また、けさ、大量破壊兵器禁止に関する大統領令が発出されたとの連絡をイラクより受けた。また、来週初めにU2型機の飛行開始を予定しており、来週末からのフランス・ミラージュ機、さらにはドイツ無人機、ロシア・アントノフ機の利用も検討している、これらはフランスがノンペーパーで提案している査察の強化に沿った動きである。 結論のところにはこういう文章があります。今回、イラクが決議一四四一に従い、UNMOVIC及びIAEAに対し、即時、無条件かつ積極的に協力すれば短い時間で解決することができるであろう。 また、IAEAエルバラダイ事務局長の報告、外務省が翻訳して私にくれた分だけでもピックアップしてみましょう。 査察再開後のIAEAの活動は、偵察段階から捜査段階に移行しており、活動の焦点は査察停止中の過去四年間のイラクの活動になっている。また、けさイラク側から大量破壊兵器に関する立法措置を行った旨の連絡があった、これはイラクが安保理決議の義務を履行することを示すための正しい方向への一歩と考える。また、今後も引き続き査察体制の増強を行っていく。また、先週のイラク訪問の際、イラク側は安保理決議上の義務の遵守へのコミットを再確認した、イラクがこれを実際に行えば、上記の査察体制の増強措置は効果的な査察につながるだろう。 そして、エルバラダイ事務局長の最後の締めくくりは、過去のIAEAの経験に踏まえれば、仮に対象国の完全な協力が得られなくとも、特に強制的な査察体制で臨めば、大量破壊兵器の存在ないし不存在を認定することが可能である、しかし、決議一四四一により求められている即時、完全かつ積極的な協力は、我々の査察活動を迅速化するだろう。こんな言葉がちりばめられているんです。 それでも外務大臣は、二月十四日の安保理に対する追加報告では手続的な面ではやや前進があったが実質的な面では前進がなかったとおっしゃいましたが、全然前進がないというふうにこの二つの報告を読み取っているんですか。イエスかノーか。
○川口国務大臣 今委員が言われた、査察体制の強化ですとか幾つの場所を見たというようなことは、これは手続面の話でございまして、これについては、先ほど申し上げましたように、多少の進展はあるけれども一〇〇%ということではないということでございます。 他方で、実質面でのことをたくさん申し上げることはできるのですけれども、例えば、これまでのところ大量破壊兵器は見つかっていないけれども、見つかった空の化学弾頭は申告され破壊されるべきであった、イラクはみずからの主張の証拠を提示しなければいけない、イラクの実質的な協力というのは単にドアをあけること以上のことが必要である、所在が説明されていない過去の大量破壊兵器がある、そして、十二月七日のイラクの申告書は不十分である、査察官には兵器を捜し出す義務はない、アルサムードは禁止された品目である、破壊されるべきである、それから、炭疽菌、VX、ミサイルに関する文書について今分析をしているけれども、これらの文書の中に新しい証拠はなく、文書の提出により未解決となっている問題のうち決着がついたというものはないが云々ということをいろいろ言っているということでございます。
○木島委員 るる、実質的には全然、ほとんど前進していないということを、言えるようなところだけピックアップして今述べました。 私、一つだけ、その実質に関してUNMOVICのブリクス委員長が述べた文を指摘しますから、よく聞いておいてください。外務省からの翻訳文は私に与えられておりません。ミーティング・イン・バグダッドという部分の一部であります。英語で言ってもしようがありませんから、直訳した文章を読んでみます。こういう文章があります。外務省はもう知っていると思うんです。外務大臣も知っていると思うんです。これは科学者聴取の問題について触れたところです。 特にこうした状況から勘案して、イラクの国家監視局からの二月十二日付の手紙が関連しているであろう。その手紙は、一九九一年の夏に実施された化学分野での一方的な解体に関与した八十三人のリストが挙げられている。解体が行われたことへの十分な証拠がないことが、大量の化学兵器が不明なままであると考えられる重要な理由として残されているもとで、その作業についてのインタビューが可能な科学者のリストの存在は、有効であり、実質に関する協力とみなせる。私はイラク側が他の禁止された項目、特に生物分野での一方的な解体に参加した科学者の氏名を記したリストを一緒に提出すると信じている。 こういうものがブリクス委員長が報告したものの中に入っています。 要するに、大変大問題になっておる中の一つに、化学分野で、あるガスについてイラクが一方的に壊しました、もうありませんというのがイラク側の主張だ。それに対して、アメリカなり国際社会が、イラクが廃棄したのならそれを証明せよと今詰め寄っているわけです。ないものの証明は大変難しい。それに対して、今度、九一年夏に実施されたこの化学分野でのイラクの一方的な解体に関与した八十三人のリストがUNMOVICに渡された。この科学者に対して徹底したインタビューが行われれば、ないことの証明も可能かもしらぬということをこれは意味しているわけです。ですから、ブリクス委員長は、有効であり、実質に関する協力とみなせる、こういうものが入り込んでいるんです。 外務省は、こういう実質的な分に関する評価については翻訳から外してしまって、私のところにくれないわけです。 どうですか。形式的には若干前進したが、実質的には見るべきものがないなどという、この二つの報告に対する政府の、外務大臣の見方はまことに偏見に満ちあふれたものだと言わざるを得ないと思うんですが、何かあったら。
○川口国務大臣 まず申し上げたいことは……(木島委員「いや、今のことについて。こういうことが書いてあるじゃないですかという質問です」と呼ぶ)同時にこの報告で書いてありますことを読み上げさせていただきたいんですが、多くの人物が、当局の同席やインタビューを録音することが許可されない場合にインタビューを拒否してきた。UNMOVIC側の条件でのインタビューについては、三人しか、しかも、その後、それは二月の八日から九日のバグダッドでのブリクスそれからエルバラダイの協議の直前になってインタビューを受け入れた。その後、我々、UNMOVICですが、の求める条件でのインタビューは受け入れられていない。私はこれが変わることを希望する。 まさに、科学者のインタビューというのは、廃棄をしているかどうかということを知るために非常に必要である。これを我々としては、イラク側がきちんとやっていくということを求めているわけでありまして、これがこういう状態であるということが先ほど私が申し上げた評価につながっているということです。 なお、申し上げれば、我々としては、これはイラク側が本当に従っていって、できるだけ平和的に解決できるということを切に望んでいるわけでして、これが可能になるかどうか、これはイラクの態度一つにかかっている、そういうことでございます。
○木島委員 まだまだイラクには疑念があるということは基本になっているんですよ。我々もそうですよ。だから徹底した査察が必要だということを主張しているわけでしょう。非常に、前進がないなどというところだけをピックアップして、一生懸命日本政府、外務大臣はしゃべっておる。 査察の有効性がこういう形で今度の二つの報告からきちっと読み取れる。また、そういう立場でこの二人の責任者は国連安保理に報告している。査察の有効性を明確にした追加報告だったからこそ、この報告を受けて十四日に行われた安保理の十五の理事国の意見表明では、フランス、ドイツを初め十五カ国のうち十二カ国までが、査察の有効性を認め、査察継続、平和的解決を支持したんじゃないでしょうか。 十五日、世界各国で一千万人を超える人々による、査察の継続、イラク問題の平和的解決、戦争反対、直接行動が取り組まれました。史上空前のことであります。 特に、政府が査察打ち切り、武力行使の姿勢を示している国々三つ、アメリカ、イギリス、スペイン、どうか。イギリスのロンドンでは二百万人、スペイン・マドリードでは二百万人、バルセロナで百五十万人、アメリカ・ニューヨークで五十万人、全米二百カ所以上で査察継続、戦争反対の大衆行動が取り組まれたわけであります。世界の多数の人々は戦争反対であります。安保理の中もだんだんそういうふうになってきているんじゃないでしょうか。 そんな状況の中で、憲法で平和条項を持つ日本政府、外務大臣が、査察継続の有効性に疑問とか、イラクが協力に消極的などと、その部分だけを殊さらに強調して、アメリカの武力行使につながる安保理での新決議採択を働きかける。きょうはこの問題は論じません、既に同僚委員からも午前中ありましたが。そんなことをしていることは、世界の、戦争回避、平和解決の願いに逆行するものだと私は厳しく指摘をしなきゃいかぬと思います。 日本政府、外務省は、これまでの姿勢を根本的に転換して、答弁はいいです、査察の継続、強化、査察による、査察によるイラクの大量破壊兵器問題の解決、廃棄ですよ、戦争回避、アメリカの武力行使には反対という立場を、きょうの夜でしょうか、あしたの未明でしょうか、国連安保理で堂々と意見表明すべきだということだけ主張しておきます。 もう時間がありませんから、この問題での論争はもう終わります。 もう答弁はわかっています。
○萩山委員長代理 川口外務大臣。
○木島委員 では、短く。もう、長かったら切りますよ。
○川口国務大臣 二つ短いことを申し上げたいんですが、査察が無限に続いていくということではない。EUは首脳会談を終わったばかりですけれども、EUの首脳会談においても、このイラクについては、イラクが対応をしなければならない、査察はずっと続けるということはできないということを言っているわけでして、それはまさに我が国の立場であるということであります。 それから、この問題については、一四四一で言っていますように、我々の認識は、実質的な面で協力がない限りは、査察を続けると言っても査察は有効たり得ないということが我々のこのペーパーについての見方でございます。EUも既にそう言っているということです。
○木島委員 質問からそれた答弁は、私はもう論争しません、時間がもったいないから。 では次に、イラクに対するアメリカの武力行使についての国際法上の法的根拠についてお聞きをいたします。 アメリカは、武力行使を容認する安保理決議が採択できない場合でもイラクに対する武力攻撃を行う準備を今着々と進めて、既に湾岸地域に十五万人の兵力が集結されております。アメリカ政府高官からは、再三、新たな安保理決議なしでもアメリカは武力攻撃ができるとの発言がなされております。身近なところでは、先日、二月十六日、ライス・アメリカ大統領補佐官は、米政権は決議一四四一ほかにより深刻な結果を強制する権限をすべて有していると。新たな決議なんかなくても武力攻撃できる法的権限を我々は持っているんだという主張で、そういう選択肢も残しているわけであります。 そこで、聞きます。 こうしたアメリカの考え方。安保理決議なしでも武力行使はできる、国際法上違法にならない、こうアメリカは考えている。では、その法的根拠はどうだと日本政府は考えているんでしょうか。
○川口国務大臣 アメリカは、武力行使をすることはまだ決めていないということを言っております。 それで、決議一四四一自体が武力攻撃を容認しているわけではありませんけれども、仮に武力行使が必要であるというときにどのような根拠が使われ得るかということについては、これはまさに、アメリカ自身が武力行使を決めたわけではございませんし、イラクが今後どのような形で物事に対応していくか、そして安保理自体がどういうような審議状況を経るかということによりますので、今の時点でどういうことがあるかということを申し上げるということは非常に難しい。今まさに、平和的に問題が解決するように各国必死の外交努力をやっている段階であるということです。 ただ、一つだけ、これは前にも申し上げたことがありますので申し上げさせていただきますと、ということで、今後の問題として何があるかということについては言うことができないということですけれども、過去において、安保理の米英両国が九八年にイラクに対して軍事行動をやった、このときには決議六七八、これを使って行ったといった事実はございました。 〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕
○木島委員 これは非常に重要な問題です。国際法、国連憲章、武力攻撃に関する安保理決議の解釈にかかわる問題は即、二つの世界大戦を経て人類が築き上げてきた戦争と平和に対するルールが守られるか壊されるかにかかわる問題だからです。そういう立場で、日本政府がどういう態度に、立場に立つのか大事です、アメリカに物を言う場合も大事です、根本ですから。 そういうことで聞きます。 重要な決議、四つある。一つは、九〇年十一月二十九日の決議六七八です。これはいわゆる武力行使権限付与決議と言われているものであります。まだイラクがクウェートに侵略中であります。この決議で、来年、九一年一月十五日までにイラクはクウェートから撤退せよ、それをしなければ国連加盟国はあらゆる権限を使ってよろしい、そういう言葉です。これが武力行使権限付与決議と俗称されているものであります。これが六七八。 次が、いわゆる六八七、九一年四月九日。戦争が終わり、停戦決議と言われております。これがいわゆるイラクの大量破壊兵器廃棄義務を義務づけた決議であります。これで大量破壊兵器の査察が始まってくるわけです。それが決議六八七、九一年四月九日。 それから、今、川口大臣は、九八年、米英がイラクに対して空爆をしたと。おっしゃるとおりです。その一つの根拠に使ったのが、決議一一五四、九八年三月二日、その決議であります。この年の年末、米英は空爆に入るわけです。いろいろ経過がありますが、はしょります。 そして、もう一つ大事なのが、御存じ、決議一四四一です。昨年十一月八日。査察が再開されたきっかけになった決議です。この決議は、決議違反があっても、アメリカに武力攻撃をする権限を付与したものでない、そういうことはもう明らかですね。ネグロポンテ・アメリカ大使も答弁していますし、昨年十一月十一日でしたか、私がここで、武力攻撃特別委員会で福田官房長官に聞いて、福田官房長官も、一四四一は違反が即武力行使権限を付与するものでないと答弁をして、今、川口さんもそうおっしゃいました。 川口さんは、たしかこの予算委員会の、先々週でしたか、決議一四四一の違反は、大量破壊兵器を廃棄する義務をイラクがしょっている、その違反は、何か決議六八七に戻る、あるいは決議六七八に戻るような趣旨の答弁をされました。本当にそんなことを考えているんですか。 いやいや、これは川口大臣。川口大臣そう答えたんだから。
○藤井委員長 西田総合外交政策局長。 局長の後にまた大臣。指名しましたから、どうぞ。
○西田政府参考人 お答えをいたします。 大臣の趣旨は、一四四一そのものには自動的に武力行使を容認することはないということと、一四四一の中において、六七八、六八七、今、先生が引用されました決議というものは引用されているという意味におきまして、これはまだ引き続き有効であるという趣旨のことを申し上げたということでございます。
○川口国務大臣 私がこの前申し上げたのは、本当に純粋に、論理的なということでして、今の現実問題とは全く関係がない、これは前提として申し上げたいと思います。 そして、一四四一、ここの中では、イラクが決議六八七に違反をしているということを決定したというふうに書いてあるということです。六八七というのは、委員もおっしゃられましたけれども、停戦の決議でございますから、その六八七の基礎、要するに、停戦条件を定めた決議に違反をしているということは、停戦の基礎が損なわれたということでもあるわけでして、その場合は決議六七八にさかのぼって武力行使が容認されるということは、純粋に、論理的に言えばあり得る、そういうことを申し上げたということでございまして、今の現状とは関係がないということでございます。
○木島委員 純粋、論理的には、決議一四四一は決議六八七に戻り、決議六八七は停戦決議であって、イラクの大量破壊兵器廃棄義務が書かれている、それに違反するんだから、もう一つ前の決議六七八、武力行使権限付与決議に戻る。理論的にはあり得るとおっしゃいました。これは非常に大事な考え方なんですよ。 二月十四日の朝日新聞に、自民党政調会長代理の、日本・イラク国交改善促進議員連盟会長久間章生氏がインタビューに答えて、こう述べたと読み取れるマスコミ報道があります。「米国がイラク攻撃を正当化するためにはどんな条件が必要ですか。」「イラクが国連決議を守らなかったから、クウェートに侵略した(湾岸危機の)状態に戻り、戦争状態が続いている。論理的にはそういう理屈のたて方があるだろう。しかし、いったん終わった戦争が続いているという理由で攻撃をするのは常識的には無理。米国も無理筋だと思っているから、新しい決議を欲しいと思っている。」こんなのは無理筋だと、自民党の幹部がこういうことを言っているわけです。 はっきり言いますよ。決議一四四一にも、これに違反したら武力攻撃ができるということ、条文は一切ありません。決議六八七の停戦決議と称するもの、イラクの大量破壊兵器廃棄義務を初めて付与した決議と言われるもの、全部私は読み込んでみました。しかし、これにイラクが違反して、大量破壊兵器廃棄義務に反した場合、重大な違反があった場合でも、戦争ができる、武力行使ができるという条文は一切ありません。玉虫色の条文もありません。それがあるのは、六七八、九〇年十一月二十九日、既に戦争状態にある中につくられた決議のみであります。 こんな、六七八にまで戻るなんというのは無理筋じゃないですか。久間さんが言っているとおりじゃないですか。はっきり日本政府としてそういう立場に立つべきだということ。外務大臣、こんな、武力行使が可能な決議六七八に戻ることも理論的にあり得るなんということを、この重大な問題で、戦争か平和のルールがかかった問題で、日本政府がここで答弁しているということ自体が私は大問題だと思っているんです。 大臣、これは大臣の答弁すべき問題です。本当に大事な問題なんですよ。国連ルールが崩されるか崩されないかの根本問題ですから、官僚の答弁する中身じゃない。大臣、大臣の政治信念を……
○藤井委員長 川口外務大臣。 指名しましたから、冷静にお聞きいただきたいと思います。
○川口国務大臣 論理的な話としてこれを申し上げた。そして、今の現状の問題としてはそういうことは全く申し上げていないわけでして、これは安保理の、米国が仮に、万が一武力行使をするということになったとしても、それはまさに安保理の決議の一四四一に従って招集される安保理の審議状況を踏まえないで、米国がまた武力行使を決定したと言っていない時点で、どういうようなことでそれが行われるかという法的な評価を行うということは適切ではないということを今の現状については申し上げた。 先ほどのお話について言いますと、それは純粋に論理的な話でございますし、それから過去、九八年の時点ではそういう論理で武力の行使が行われたということは現実の問題としてありましたということを申し上げた、それだけでございます。
○木島委員 もう時間ですから、では、ずばり一つ聞きます。先ほど外務大臣は、九八年十二月の米英のイラクに対する武力攻撃、空爆です、砂漠のキツネ作戦でした、これの根拠を言いました。これはアメリカがそういう根拠に使ったと。もう時間ですからはしょりますが、実は九八年十二月十七日に米英両国によってイラク攻撃が強行されました。査察がもうだめだ、行き詰まってしまった、査察団が引き揚げてしまった、そういう局面で、アメリカが直接使ったのは決議一一五四を根拠にしたんです。 しかし、一一五四は、武力行使を容認するはっきりした文章はありません。玉虫の言葉はあります。時間がないからもうはしょります。そのとき、アメリカが、イギリスが決議一一五四を根拠にしましたが、国連安保理事国、常任理事国、フランス、ロシア、中国初め、ほとんどの理事国はそんな解釈に断固反対しました。常任理事国が割れたんです。そんな決議を使って武力行使権限付与があったと主張したのは米英だけなんです。 ところがそのとき、あの米英の根拠なしの、私に言わせれば国際法上の根拠なしで勝手に空爆した、それに対して日本政府は支持しましたよ。一一五四は武力行使権限付与だという立場で支持したんでしょうか、あのとき。ちょっと答弁いただけませんか。
○西田政府参考人 お答えをいたします。 当時、これは投票に付されたわけではございませんが、各国によっていろいろな態度表明がされました。例えば、米英に加えて、ドイツはこれを断固支持いたしました。フランスはこれについて態度を留保し、それから御指摘のとおり、ロシアは反対したというふうに、そのような趣旨の発言をしたということは承知をしております。 そのような状況を踏まえて、日本側は主体的に判断をしまして、日本側は支持するということを述べたとおりでございます。
○木島委員 もう時間ですから、終わります。締めます。 決議一一五四というのは、こういう文言が第三項に入っています。いろいろ前段あるんですが、了解覚書で繰り返されたように、関連諸決議に従って特別委員会及びIAEAに即時、無条件、無制限のアクセスを認める義務をイラク政府が遵守することが決議六八七、一九九一年、の実施に必要であること。そして、この文章なんです。どのような違反もイラクにとって最も深刻な結果をもたらすであろうことを強調する、この文言なんですよ。これをアメリカが、イラクが違反したら武力攻撃に使える根拠にしたんです。玉虫色の言葉を根拠に使ったんです。しかし、仏、ロ、中国は反対したんです、それに。今、局面が、同じような状況が再開される可能性も秘めているんです。 そこで、私、最後に結論を言います。安保理決議のないアメリカの武力行使、あるいは玉虫色の安保理決議を勝手に解釈して武力行使を、いずれも、これは私は国際法上の根拠を欠く違法な武力行使であると言わざるを得ません。世界の大勢はそうです。日本政府がこんな既に破綻済みの理屈を根拠にしてアメリカのイラク攻撃を支持、協力するようなことは、イラク問題の平和的解決を願う国際社会と国連憲章を初めとした国際法とに反対すること、絶対そんなことは許されない。そういう立場に絶対日本政府は立ってはならぬということを厳しく強調して、質問を終わります。
○藤井委員長 これにて木島君の質疑は終了いたしました。 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 前回、私は川口外務大臣にイラク問題で幾つかの質問をさせていただきましたが、本日もまた、緊迫した事態の中、熱心な討議が続けられております。 私が、先回並びに今回の討議を伺いながら、大変に失礼ですが、はっきり申し上げて、川口外務大臣には外務大臣たる資格がないとこの場で申し上げさせていただきたいと思います。なぜか。私は四点にわたってお尋ねをしながら、きちんと明確な答弁をしていただきたい。 まず第一点であります。きょう、山花委員の御質問に対して川口大臣は、例えばマスメディア、それは真実を伝えないかもしれない、そして、自分は外務大臣であるんだから、自分が思うことを自分なりの方法で伝えていきたいという趣旨の発言であったと思いますが、果たして国民から見て、今、川口外務大臣が、あるいは小泉内閣がイラク問題に対してどんなメッセージを国民に送りたいか、何を考え、どのように平和に向けた努力をしたいかという、本当のわかりやすい説明が一貫してなされておりません。はっきりさせないのが国益であるという表現くらいです。はっきりさせない国益、見えない国益、わからない方針。その中で、国民はどのような私どもの国の未来があるかということを考えられない状態になります。 川口大臣、あなたはあなた自身の口で、そして、この日本の極めて大事な二十一世紀の外交のかじ取りを、国民に対して、本当に端的にわかりやすく説明するとすると何とおっしゃいますか。一点目、お願いします。
○川口国務大臣 まず、きょう、私は、山花委員の御質問をいただいておりませんし、今、委員がおっしゃったような答弁を申し上げたということはございません。 その上で、委員がお聞きになりたいのは、国民に対してどういうことを説明していくつもりかということであるかと思いますので、それについて申し上げますと、私は、こういう重要な問題について国民の皆様にきちんと説明をする、できるだけのことを説明するということは非常に重要だと思っていますし、その努力は私なりにやっているつもりでございます。 それで、今、お時間をいただきましたので、我が国のイラクの問題についての考え方が何かということを改めて申し上げさせていただきたいと思いますけれども、まず一番重要なことというのは、これは大量破壊兵器にかかわる問題であるということです。それで、この大量破壊兵器の問題がいかに重要な問題であるかということについては、これは委員もよくおわかりでいらっしゃると思いますけれども、我が国に近いアジアの安全保障の環境、これをお考えいただければ非常によくわかっていただけるというふうに思います。 それからもう一つは、これは極力平和的に解決をするということが大事であって、そのために必要なことは、イラクが能動的に要求にこたえて、国連の決議にこたえて、大量破壊兵器の廃棄、この証拠を見せていくということであるということだと思います。 そして三番目に、大量破壊兵器の問題について、国際社会が毅然として態度を示す必要がある、国際的に協調していくということが非常に大事であるということです。 それからその次に、もし万が一武力行使という状況になった場合、我が国としては、国際協調という観点から、新しい安保理の決議があるということが最も望ましいということを考えているわけです。 それで、安保理の決議が、じゃ、なかった場合にどうするのかということについて言えば、今まで申し上げたようなそういった点、それを踏まえて、我が国としてその時点で、どのような状況でイラクが安保理の中で議論をされたか、そして国際社会としてそのイラクの決議違反の状態についてどう考えているか、そういったさまざまなこと、それまでに、今からその時点までの間に起こるかもしれないことを踏まえて、国益に従って主体的に考えていくということでございます。 この態度については非常に明確にしておりますし、今、一つ明確にしていないことというのは、我が国が武力行使があったときにそれを支持するか支持しないか、そのことについてはしていない。それについては、これは今まさに国際的に協調をして平和的に解決をしようという努力をしている最中でありますから、我が国としてそれを言うということは適切ではないということだと考えております。 また、イラクに、これを支持しないと言われた場合には、イラクに利用される、イラクに時間稼ぎをされるということで、国際協調の観点から適切ではないといったことは再三再四申し上げているわけです。
○阿部委員 今のようにだらだらだらだら、再三再四言っても、国民には伝わらないのです。だから、端的にと伺ったのです。 そして、さっき私、質問に誤りがありましたので、山花委員ではなくて首藤委員でありました。申しわけありません。その点は私が誤っておりました。 ただ、しかし、御自身、今のようにだらだらだらだら時間だけを延ばして、そして国民には全く見えない。小泉さんのワンフレーズキャッチ、彼は端的ですから、例えば、世界で一千万のデモが起きる、それを称して、イラクが正しいという誤ったメッセージが伝わってはいけないと。小泉さんの考えは、イラクは間違っている、アメリカにはついていきたい、そこで日本が態度をあいまいに、国民に対してはあいまいにしながら落ちつく先を見ていこう、これくらい、三つの言葉で言えることです。そして、それならそれで、私は、それのよしあしを言っているんではなくて、そのことを国民に投げかけて議論するのが政治の根本であろうと思うわけです。 きのう小泉さんは、テレビの取材に対して、あのデモを見て国民に間違ったメッセージが伝わらないように、私は、この言葉に本当に驚愕いたしました。例えば、イギリスのストロー外相、彼は、国際世論、国民世論、反対のデモは無視し得ないと。政治家として当たり前にこの現象を見たときに、どちらがきちんと国民の声、国民の動き、願いにより近く位置しているか。あのアメリカ追随のイギリスですら、そこまで敏感に今の世界の動きを見ています。 その中で、川口大臣がやらんとしていることは、例えば、ラムズフェルド長官が、核兵器の使用も今回イラクに対しては辞さずということを二月の十四日の時点でも表明しています。 あなたは、非核そして平和憲法ということをしっかりと持った我が国の外務大臣として、このラムズフェルド長官の、核兵器の使用も排除するものではない、このことについてアメリカと何か話し合いましたか。
○川口国務大臣 話し合っておりません。 それからもう一つ、総理のお話について、コメントについて御意見がありましたので、総理の御意思、総理の意図されたことは、これは、イラクの問題についてイラクが能動的にこたえることが平和的に解決をするということのために大事なんだ、メッセージはイラクに向けて出す、それが重要なんだというようなつもりでおっしゃったということを推測させていただいております。
○阿部委員 川口外務大臣は、よく小泉首相を惻隠の情で推測なさいますから、それは御自由です。私は、国民に対してはっきりと態度を示せ、考えを示せ、選択を示せということを申し上げています。 そして、例えば、ラムズフェルド長官が、核兵器も通常兵器だからという、こちらの与党側の声もありましたが、そういうことを言っているときに、日本の外務大臣として少なくともどういう態度表明をするべきか。このことを一切触れないままに、あなたはひたすらにイラクが問題である、イラクの能動的な協力が重要であるということしか言いません。 前者が言えないなら後者で伺いましょう。イラクの能動的な協力を何が何でも実現していくために、例えば南アフリカは、自分たちが大量破壊兵器を放棄した経験を踏まえて、人的応援をしてもいいと言っています。我が国の外交は、あなたは特使を送ることもしない。一方で、アメリカの武力攻撃をちらつかせながら、イラクにおどしをもって迫るだけ。こんな情けない外交姿勢があるでしょうか。誠意を持って、本当に大量破壊兵器の廃棄に向けて、一つでも二つでもやれることを積み重ねていく。 なぜならば、南アフリカは、今アフリカ全体は、この世界が戦争になれば、一番困窮しているそして本当に一番弱いエイズ患者さん、子供たち、飢餓、貧困がさらに世界の中に広まるから、南アフリカのかつての大統領も、また外務大臣もこぞって、何とか大量破壊兵器の廃棄に向けた協力を、みずからの具体的な協力をもってやろうとしているわけです。 あなたは、このことについてどう思いますか。
○川口国務大臣 いろいろなことを含む御質問だったものですから、どこの部分にお答えをするかということですけれども、まずラムズフェルドの話について言いますと、これは私は直接話はしませんでしたが、彼の議会の証言については読みました。 そして、ここで彼が言っていることは、核兵器の使用についてアメリカが今までずっと言っている一般論を述べたということでございまして、それからさらに、彼が、つけ加えて長官が言っていることは、これは、朝鮮半島、ベトナム戦争、テロとの闘いということにおいても米国が実際には核兵器を使用していないということは、核兵器について何らかの敷居があることを示しているということを言っている。アメリカはずっと、政策として、一般論としては、攻撃を受けた場合には核兵器の使用も排除しない、これは抑止という意味でそういうことを言っているということでございます。 それから、南アのことについてでございますけれども、イラクが過去に十二年間、国際社会が働きかけたのにもかかわらず、大量破壊兵器を廃棄するということをやってこなかった。それだけではなくて、九八年以降は査察すら受けなかったということがあって、その十二年間の歴史があった後で、今、一四四一で最後の機会をイラクに与えて、その査察を最後やる、それに対しても十分にこたえていないという状況であるということ、これが現実なんですね。それで、我々としては大量破壊兵器の問題が重要だというのは、やはりアジアの安全保障環境を考えれば、これを廃棄することがいかに重要かということは委員にもよくわかっていただけると思います。 それで、我が国としてイラクに働きかける努力をする、それが大事であります。それをやっておりますけれども、イラクに残された時間は残念ながら長くはない。これはEUも査察をずっと続けるということではないということを首脳会談のときに言っているわけでして、まさにイラクがこれに能動的に従うということが一番今大事で、これが平和のかぎだということだと考えております。
○阿部委員 そのために日本が何をするかということを聞いているんです。同じ質問を何回もいたしました、具体的に何をするかと。 そして、アメリカが例えばこれまで核兵器の使用を実際に控えてきた、アメリカは善意だからこれからも使用しないだろう、イラクは悪意だから大量破壊兵器として核も含むものを使うかもしれないというあなたの予測を述べているにすぎないわけです。 国際社会は、一つ一つお互いの規約を取り決めて前進していきながら、大量破壊兵器の問題に解決の策を出さなきゃいけない時期に来ています。そして、先ほどの木島委員の質問において、例えばアメリカのイラクに対しての武力行使、このことがどんな国際上の取り決めをもって、何にのっとって可能であるかというと、何ら根拠がありません。国連憲章にも先制攻撃は否定されておりますし、それから大量破壊兵器の廃棄について、武力行使を決めたものではないというのはあなた自身の発言でもおっしゃいました。 その中で、私たちが今本当にやれる道、十二年間イラクが大量破壊兵器を持ってきたということも含めて、その次に、しかしながら戦争の道、攻撃の道、大量殺りくの、本当に無実の人が殺される道を選びたくないという世界の人々の声が一千万以上に達しておる中で、日本がやれることは何かという問いがあるわけです。 私は、今回、あと法務省問題をやりたいので、あと一件だけ、川口外務大臣にお願いしたいですが、この間、日本はODA援助国で非常任理事国になっております国々に、アメリカの決議成立ないしは決議提出に向けた下準備のための側面援助として働きかけをしておると報道されておりますが、真偽のほどはいかがでしょうか。
○川口国務大臣 我が国としては、国際社会が協調をしてイラクに働きかけるということを強く感じております。したがって、安保理が国際的にまとまった形で、毅然とした態度をとってこの問題に対応することが必要だ、そういう観点から、安保理の非常任理事国、これに対しての働きかけを行っております。 まさに、国連の権威が問われている、そういう状況でございますので、国際社会といいますか、安保理が一致をしてこの問題に対応することが大事だ、安保理の責任は重い、そういうことを言っているわけでございます。
○阿部委員 今、政府がODAの援助国に対して行っている働きかけは、ODAの援助を受ける国々から見れば、例えばこの働きかけに協力的でなかった場合、次の年度のODAの援助はどうなるんであろうということを思わさせしめる可能性があるわけです。今、外務省のやっていることは、個別、鈴木宗男氏のさまざまなODAの悪用を超えて、国家的にODAを、一つのある種の意見誘導、自分たちの国の、日本の国の意見に従わせるための誘導ととられかねない側面があるわけです。 これは、果たしてODA大綱にうたわれたどこにそのような文言があるのか。私はこの間、ずっと調べてみましたが、今日本の外務省がやっていることほど卑劣で、そして本来の外交、相互援助を損なうような行動はないと思いますが、恐縮ですが、時間がないので、言いっ放しで終わらせていただきます。申しわけありません。 引き続いて——それでは、端的に短くお願いします。
○川口国務大臣 機会をいただいてありがとうございます。 ODAの対象国に働きかけているということではなくて、非常任理事国に働きかけているということです。それを行うに当たって、それとODAを関係づけて働きかけているということではございません。
○阿部委員 次年度以降の予算の姿を見させていただきますから、今の答弁はしかといただきました。 次に、森山法務大臣にお願いいたします。 きょう、私は、山花委員と森山法務大臣並びに中井矯正局長のお話を伺いながら、心底、我が耳を疑いました。理由は、既に、自傷による腹膜炎、自分で肛門に指を突っ込んで腹膜炎になって亡くなられたとかつて報告されていて、このたび、それはホースによる放水での虐待死であったということが、捜査中の事件について、実は既に昨年の十月三十一日、参議院の法務委員会、そして私自身も、十一月と十二月、おのおの森山法務大臣並びに中井矯正局長に、この案件を具体的に挙げて御質問しております。森山大臣、覚えておられますか。
○森山国務大臣 はい、記憶しております。
○藤井委員長 阿部委員に申し上げますが、外務大臣と竹中大臣はよろしいですか。
○阿部委員 申しわけありません。結構です。ありがとうございます。
○藤井委員長 では、御退席してください。 阿部君。
○阿部委員 もしも覚えておいでであれば、そのときの御答弁も覚えていてくださることと思いますが、少なくとも森山大臣は、初めて、今回の記者会見で、この死亡事例を知りましたとおっしゃっていますが、既に私が、十二月四日の時点だったと思います、その時に伺ったときにも、この件については検察庁、そして矯正局内並びに人権擁護局内でそれぞれに調べさせて、しかるべく、処分が必要であれば処分をいたしますという御答弁でありました。 それだけアナウンスされていながら、二月の十二日になって、初めて知りましたという、そのような言葉は、私は耳を疑いますし、国会の審議がそこほど軽いものであるかということで、本当にきょうは驚愕で、ぜひとも森山大臣に真偽のほどを御答弁いただきたい。
○森山国務大臣 私が、初めて知りましたと申しましたのは、そのような消防用のホースを使った事件であるということを初めて知ったというふうに申し上げたつもりでございました。
○阿部委員 消防用のホースであった事態が十二日に発覚する以前に、既に参議院の委員会でも衆議院でも、私どもの福島瑞穂、そして私が具体的事例でアナウンスし、あなたはそれぞれに、調べさせておりますと答弁し、その経過中に次々に、先ほど中井矯正局長おっしゃいましたが、報告を上げずによいと思った。委員会で質問され、極めて問題があるのではないかと指摘されて、なおかつ中井さんが報告せずによいと思った。あなたの指導の本当に怠慢と人命の軽視以外の何物でもないではないですか。御答弁をお願いします。
○森山国務大臣 今私が申し上げましたように、この死亡したケースが消防用のホースによって損傷されたものであるということを初めて知ったということを申したのでございまして、確かに過去十年間の行刑施設における保護房での死亡事例などを明らかにするようにということを、昨年十一月十九日の参議院の法務委員会におきまして福島瑞穂委員から御質問がございましたし、その際、法務委員長から、理事会において協議するという御発言がございました。また、昨年十二月五日の参議院の同委員会におきましても、同じく福島議員から同様の御質問がございまして、私から委員長の御指示に従いたいという旨をお答えしているところでございます。 しかしながら、今回の事件で新たに逮捕者が出たことや、名古屋刑務所からの報告が客観的事実に反するものであったというようなことを考えますと、名古屋刑務所については、作業量との兼ね合いを考慮しながら、さらにさかのぼって、何年分わかるかにつきましては今のところ不明でございますが、死亡事案の洗い直しを行うということを、このたび発足いたしました行刑運営に関する調査検討委員会等におきまして調べさせたいというふうに考えております。
○阿部委員 今いただきました御答弁は、私が質問予告してございます、三年間の事例しかずっと求めても出ない、これでは、例えば特別公務員がこういう致死罪を起こしたときの公訴は七年間猶予があるわけですから、公訴にもたえられないから、より十年、きちんと保管中の記録を全部出してくれということへの御答弁だと思いますから、前向きにいただいておきますが、私がした質問は、大臣がお忘れですといけないので、十一月二十九日、私が、この腹膜炎の事例を挙げて具体的に質問したときの答弁の中で、「この件については、検察において、また矯正局の内部において、また人権擁護局においてそれぞれにきっちりと捜査をしている最中でございまして、その全容がわかりました上でまた御報告もし、処分もしたいと考えております。」という、これは答弁を全部丸読みしたものです。 これだけの答弁をしておきながら、事態が刑事局から改めて言われるまで、矯正局はひたすらに隠し、人権擁護局は本来人権擁護局が行うべき業務を一切行わず、そしてこのような形で事態が発覚して、今さらに、処分をいたしますとか悠長なことを言っていられる場合ではないのです。 私どもが質問したこと、あなたが答弁したこと、何一つ手をつけずやってきて、急に刑事局から言われたというような答弁は、答弁にもなりません。極めて国会軽視と思いますし、委員会の軽視と思いますから、きちんとした御答弁をお願いいたします。
○森山国務大臣 この事件は、先ほど来申し上げておりますように検察の手に預けられておりまして、検察の捜査が十分行われるということが真相の解明にまず第一でございます。 したがいまして、検察の捜査が終了するまで、一段落して結論が出るまでは、ほかのところからの情報あるいはほかの方法によって解明するということは大変難しいわけでございまして、私が先生の御質問に対してお答えいたしましたときも、そのようなつもりで申し上げたわけでございますので、そこのところを御理解いただきたいというふうに思います。
○阿部委員 そのようなつもりで二カ月半も放置して、結果的には検察庁の調べによって明らかになるというのでは、法務省のそもそもの人権意識、そして人権を守るための仕事は何らなされていないということをみずからおっしゃったことにほかならないと思います。 私は、委員長にお願いがあります。 私がきちんと委員会で質問し、大臣が答弁され、なおかつ二カ月半も放置され、そして先ほどの山花委員との聞き取りを聞きますと、まるで、あたかもこのたび初めて明らかになったかのような答弁を繰り返される。これでは国会で審議している意味がありません。 このことについて、予算委員会の理事会としてきちんと事実を検証いたしまして、適切な処置を望みますし、ここで一度理事会をやっていただきたいと思います。
○藤井委員長 それは、理事会で協議いたします。
○阿部委員 しかしながら、お願いがございます。 これは、私どもが、きょうは山花委員が二回も質問に立たれました。そして私も、それを受けてここで質問に立ちました。今までおっしゃっていたことが全く虚構の上に成り立っていた。私は、わざわざ前回の十一月の委員会で質問させていただきました。そして、そのことに森山大臣はお答えであります。知っていて、そしてそのことが中井さんからも上げられなかった。(発言する者あり)
○藤井委員長 あなたがとめちゃだめだよ、勝手に。あなたにその権限はないんだよ。 阿部君。
○阿部委員 では、森山大臣は、去年から一貫してこのことはお心にあったのでしょうか。そして、お心にあったとすれば、一月の末に検察庁の方からそれなりの情報を得たとき、あなたは、すぐ迅速に行動すべきでしたが、どうして迅速な対処、もう既に二月十二日です。そして、メディアで初めて明らかになりました。また、中井さんはあなたに報告していなかった。なぜ迅速な報告を求めませんでしたか。お願いします。
○森山国務大臣 今の件は、一月の末に、ひょっとしたら事件性のあることになるかもしれないという情報が刑事局から出たのでございまして、それをさらに追及して真相をはっきりさせてほしいということを申したわけであります。 その追及した結果、二月の十二日に、このような事実が明らかになって逮捕されるということになったわけでございますので、私としては特に、わざと、あるいは怠慢で何も申し上げなかったとか、指示をしなかったとかいうことはないと思います。
○阿部委員 そういうのを行政の不作為というのです。既にあなたは、何度も申しますが、十一月の私の質問に、適宜適宜の箇所で、つかさつかさで調べさせるとお約束なさっているわけです。そして、もしも、恐縮ですが、覚えていらっしゃらないなら、私はここで切りますから、きちんとした誠実な答弁をしていただきたいです。
○藤井委員長 阿部君、時間が来ておりますから。
○阿部委員 きょうの何時間もの答弁が全くうその土台の上というのは、本当にこの国会の審議、何のためにやっているのかわからないと思います。よろしく御処置ください。
○藤井委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。 次回は、明十九日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十四分散会