法務委員会 第17号
- 発言数
- 349 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2003/05/23
会議録
○山本委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、本案に対し、塩崎恭久君外一名から、自由民主党及び公明党の共同提案による修正案、山花郁夫君外一名から、民主党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合の共同提案による修正案がそれぞれ提出されております。 提出者から順次趣旨の説明を求めます。漆原良夫君。 ————————————— 司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○漆原委員 ただいま議題となりました塩崎恭久君外一名提出の修正案について、提出者を代表して、その概要を説明申し上げます。 まず、弁護士資格の特例に関して、原案では、司法試験合格後、衆議院議員または参議院議員の職にあった期間が通算して五年以上になる者、または検察庁法第十八条第三項の考試を経た後、いわゆる特任検事の職にあった期間が通算して五年以上になる者、いずれについても、弁護士資格取得に研修を要件としていませんが、修正案では、いずれの場合も、司法試験合格後、いわゆる企業法務や公務員の職務に従事した期間が通算して七年以上になる者と同様、所定の研修を修了することを要件としようとするものであります。 次に、その他所要の規定の整備をしようとするものであります。 以上が、本修正案の概要であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。 以上でございます。(拍手)
○山本委員長 次に、山花郁夫君。 ————————————— 司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○山花委員 ただいま議題となりました私外一名提出の修正案について、提出者を代表して、その概要を御説明いたします。 第一に、司法試験合格後、衆議院または参議院の職にあった期間が通算して五年以上になる者を、弁護士資格を有する者から除くものとすること。 第二に、いわゆる特任検事となった後、その職にあった期間が通算して五年以上になる者を、弁護士資格を有する者から除くものとすること。 第三に、その他所要の規定の整備を行うこと。 以上が、本修正案の概要であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○山本委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○山本委員長 この際、お諮りいたします。 本案及び両修正案審査のため、本日、政府参考人として司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、警察庁刑事局長栗本英雄君、法務省大臣官房長大林宏君、大臣官房司法法制部長寺田逸郎君、民事局長房村精一君及び外務省総合外交政策局国際社会協力部長石川薫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○山本委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局中山総務局長、園尾民事局長及び大野刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○山本委員長 これより原案及び両修正案を一括して質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。枝野幸男君。
○枝野委員 民主党の枝野でございます。 私は、主に、今修正案も出されておりますが、弁護士法の五条、六条関係についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 まず、私には、司法修習生となる資格を得た後、国会議員を五年以上やったら司法修習が免除される、この理屈がさっぱりわけわからないんですが、何でこんな法律が出てきているんですか。
○森山国務大臣 今回、弁護士資格の特例を拡充するということにいたしましたのは、弁護士の果たすべき役割が増大していきます中で、多様で広範な国民の要請に十分こたえ得るよう、多様なバックグラウンドを有する層の厚い法曹を確保するということが必要だと考えたからでございます。 この中で、国会議員につきましては、国権の最高機関であり国の唯一の立法機関である国会におきまして、法律に国民のニーズを反映させるという大局的な視点から、法律案の立案、審議という高度な識見、能力を要する職務を行っているということから、司法試験合格後に五年以上その職にあった者に対して、弁護士資格を付与するということにいたしたものでございます。 このように、国会議員を初め、社会のさまざまな分野、場面で法律に関する実務経験を経て、高度の専門的能力を備えた者については、実社会におけるこれらの実務経験を通じまして、社会に生起するさまざまな事象について、法的な解釈、解決方法を見出していくという弁護士に求められる実践的能力を有するものと考えたからでございます。
○枝野委員 よくわからないんですが、一般的に、いろいろな経験をした人が司法修習を受けないでも例外的に弁護士資格を持つということ自体を否定するつもりはありませんが、では、そもそも、ここから行きましょう。司法修習生となる資格を得た後といった場合、大部分は司法試験に合格した後ということになるわけですが、司法試験というのはどういう能力をチェックしているんですか。
○森山国務大臣 司法試験は、先生もよく御存じのとおり、裁判官、検察官、または弁護士といった、いわゆる法曹になろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することを目的としておりまして、その判定に当たりましては、知識を有するかどうかの判定に偏ることなく、理解力や判断力等の法曹が実務的な業務を行うに当たって必要な能力を有するかどうかを判定することに意を用いなければならないこととされております。
○枝野委員 では、弁護士法自体に、その後司法修習を受けたということが要件ですから、弁護士法の意味として、学識、応用能力があると司法試験で判定された人に、何ですぐに弁護士資格を与えないで一年半も修習させるんですか。
○森山国務大臣 司法試験におきましては、理論に裏打ちされた論理的な思考力が判定されるということにまずなるわけでございますが、このような能力は実務を執行する上で不可欠なものではあります。 また、司法試験においては、試験問題の作成、採点及び合否の判定を行う司法試験考査委員の約半数はいわゆる実務家をもって充てられておりまして、いわゆる実務的なセンスというものも評価の対象になると考えられますが、試験に合格した後、実際の法曹の仕事ということについて実際に体験をし、あるいはさらなる知識をふやしまして、すぐに即応できるようにするということだと思います。
○枝野委員 国会議員は法曹の実務を実際に体験しますか。
○森山国務大臣 国会議員はその実務を直ちに直接習うということは必ずしもございませんけれども、しかし、先ほども申しましたように、法律案の立案あるいは審議等を通じまして、社会全体の国民の意見を吸い上げ、それを法律の形にするというやり方を通して、高い識見を持ち、社会における法律というものの求められているものをよく承知しているはずと考えます。
○枝野委員 例えば、市議会議員さんは条例の作成の仕事をしているわけですよね。県会議員さんも条例の作成の仕事をしているわけですよね。では、その人たちはいいんですか。
○森山国務大臣 市会議員、県会議員さん等につきましても、もちろんその条例等の審議にかかわっていらっしゃるわけでありまして、その範囲での見識を養っておられるわけでございますが、国会議員の場合は、さらに広く国全体の、国民全体の意向をしんしゃくしつつ、場合によっては互いに相対立するかもしれない、賛成反対いろいろあることについて、その中で最も妥当な道を探っていく、そして法案にし、審議し、それを結論づけていくということでございますので、市会議員、県会議員等に比べてさらにより広い、より高い見識が必要であるというふうに思います。
○枝野委員 司法修習は、さらなる知識とも先ほど大臣はおっしゃいましたが、見識、知識だけではなくて、実務法曹としての体験を積むということが、試験に受かっただけではなくて、一年半必要なわけで、税金を使ってやっているわけですよね。それにかわり得るような法曹実務家としての体験を国会議員はしますか。法律の解釈をしてアドバイスをし、あるいは法廷に立ってクライアントの利害を訴えるというような法律実務家としての体験をしますか、国会議員は。
○森山国務大臣 国民の希望あるいは要望を吸い上げて、それを法律的にどういうことになるのか、あるいはどういうふうにすればいいのかということを相談に乗り、またアドバイスするということは、お互いやっていることではないかと思いますが、これらが役に立つのではないかと考えます。
○枝野委員 だったら衆議院の法制局と参議院の法制局を廃止して、そういう仕事も国会議員がやるというんだったらよくわかりますよ。法律実務的な仕事は法制局の皆さんにみんなお願いしているじゃないですか。こういう政策を実現したいというのは政治家の仕事としてやりますよ。それを法律にするという法律実務としての仕事は、法制局にお願いしてやっていただいているじゃないですか。それが法律実務としての仕事ですよ。国会議員でそんなことやっている人いますか。
○森山国務大臣 技術的な面について、そのようなことまでおやりになる方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、法律の解釈あるいは法律のあるべき形ということについては、それぞれ見識をお持ちなんではないかと思います。
○枝野委員 見識だったら、国会議員じゃなくたって、法律の解釈をいろいろ考えなければ実業だってできない。いろいろな御商売をされている方だって、法律の解釈ができなければ商売が成り立たない職場はたくさんありますよ。見識だったら、この国は、どういう法律であるべきかだなんて、国会議員じゃなくたって考えている人はたくさんいますよ。国会議員だからなぜ法曹実務につながるような体験ができているのかということについては、全く答えになっていませんよ。
○森山国務大臣 もちろんほかの仕事の方でも、法律の問題について全く知らなくては仕事ができないというのは、おっしゃるとおりでございますが、国会議員の場合は、法律を立案し、審議し、そして成立させるという立法のプロセスに非常に深くかかわっているわけでございますので、そのような意味で、ほかの仕事とは違うかと思います。
○枝野委員 では、政策担当秘書も、五年やったら法曹資格を与えたらいいですね。国会の職員の皆さんなんか、もう毎日毎日、毎年やっているわけですから、国会職員の皆さんも全部上げなきゃいけないですね。私設秘書だって、事務所によってはそのプロセスをやっている人たちはたくさんいますよ。何で国会議員だけなんですか。
○森山国務大臣 個別に見ればいろいろな人がおられまして、秘書でも、その他の仕事についている方でも、個別にそういう意味で詳しい方はいらっしゃるかと思いますけれども、国会議員は、先ほど来申しておりますように、その中でも特にそのような責任を持って、非常に詳しく、あるいは深く、あるいは広く検討して立案、立法作業に深くかかわるという意味で、典型的といいましょうか、そのような仕事ではないかと思います。
○枝野委員 では、司法試験受かっていない国会議員にも与えたらどうですか、そんな立派な仕事をしているんだったら。法律の知識がなきゃできないんでしょう、そんな法曹実務経験をするのと同じぐらいの見識を持って、経験をするんでしょう、国会議員は。だったら、司法試験受かっていなくたって法曹資格を与えたらいいじゃないですか。全く言っていることが矛盾ですよ。
○森山国務大臣 それは、その司法試験に合格したという一つの基準をもって、理論的な知識に裏づけられているということが証明されているわけでありますので、その上でさらに五年国会議員の実務をされたということが一つの根拠になろうかと思ったわけです。
○枝野委員 司法試験に受かっていらっしゃらない、つまり、司法修習生となる資格を得ていない国会議員の方はたくさんいらっしゃいます。その方は、今おっしゃったような意味での法律的な知識がなくても、国会議員として立派に仕事をされています。 つまり、国会議員としての仕事のベースには、もちろん一般人としての一定の法的知識がなければ大変やりにくいところはたくさんあるでしょう、だけれども、その法律の深い、司法試験に合格するに要する程度の知識とかそういったことは必要ないから、圧倒的多数の国会議員の皆さんは法曹資格を持っていない。司法試験に受かっていなくてもやれる仕事なんです。その仕事を五年間やったということが、司法修習にかわり得るようなものなんですか。 むしろ、今のようなお話で、高度の法律的な知識とか見識とかそういうものがなきゃできないんだったら、司法試験合格者しか国会議員にしないという話だったら一つつじつまは合うかもしれない。そんなばかな話じゃないですよね。法律的な知識は要らないんですよ、国会議員には。なくたってもっと大事なことがたくさんある仕事を我々はしているんですよ。それで何で、そんな経験を五年したからといって、司法修習にかわり得るような代替性を持つんですか。全く説明になっていないですよ。
○森山国務大臣 繰り返しになるわけでございますが、司法試験に合格されたというそれなりのレベルの知識、理論的なものをお持ちだということがまず第一でありまして、その上に、五年間の、国会議員という立法に深くかかわる仕事についておられたということが、それなりに十分なものではないかというふうに思ったわけです。
○枝野委員 逆に、実態論から行きましょう。 本当に、例えば私も弁護士資格を持っています。国会議員になる前に二年間弁護士をしておりました。国会議員の仕事をして十年になりますけれども、忘れていくんですよ、普通は。今いきなり弁護士の仕事をしろと言われたら大変ですよ。それも、一応司法修習を受けているし、二年間実務をやってきました。それでも十年ブランクがあったら、今や、例えば民事裁判所に出す書類の書式から何から全部変わっている、十年前に司法修習所で教わった要件事実論みたいな話も、全然、実務のところでは進化をしている。大変な話になるわけですよ。 資格を持っていて、しかも一応弁護士ですから、法律相談程度は年に数件ありますよ。それでも十年やっていたら、今すぐ弁護士に復帰しろと言われたってできないというのが圧倒的多数の弁護士資格を持っている国会議員の認識だと思いますが、例えば法律実務家としての資格を持って国会議員をやっている人たちの、そういう実態調査というか認識調査とかされていないじゃないですか。
○森山国務大臣 実務ということを考えますと、あしたからまた弁護士の仕事をしろと言われても非常に難しいとおっしゃる気持ちは私もわからないでもございませんが、それ以外に、あるいはそれよりももう一つ重要な、全体の総合力あるいは判断力、利害の調整力というようなものが、国会議員の場合には、学校に行ったりあるいは人に教わったりするのではなく、いろいろな国会議員としての実務を通じて身についていらっしゃるはずだというふうに思います。
○枝野委員 国会議員のやっているいろいろな利害の調整の仕事と法曹実務がやらなきゃならない利害の調整の仕事は、全然異質じゃないんですか。 国会の政治的な調整とか利害調整というのは、法律がないところで、あるいは法律が不備なところで、どうやって利害を調整するかということが我々の仕事なんです、政治家の仕事なんです。法曹実務家の仕事というのは、今ある法律に基づいてどう調整するかという仕事なんですよ。全然意味が違うじゃないですか。 我々は、法律的ないわゆるリーガルマインドの思考では政治家としての調整はできないですよ。全然異次元のことをやっていますよ。そうじゃありませんか。それとも大臣は、政治家としてリーガルマインドに基づいて今まで活動されてきたんですか。そんなことないでしょう。
○森山国務大臣 私は、司法試験の合格者でもありませんし、それなりのバックがございませんので、先生とはちょっと全然レベルの違う立場でございますけれども、しっかりとした法曹知識、理論というものを司法試験によって証明され、その上で、総合的な判断力というものを国会議員五年間の経験によって備えておられるという方はいらっしゃる、それが立派な資格であるというふうに私は思います。 政治的調整力とこれとはまた違いまして、政治的な問題は司法試験など特に関係はないわけですけれども、法律上の利害の対立をした人たち、いろいろな意見の人たちを調整していくということは、国会議員になられて五年間の間の御経験によって積み重ねられていくのではないだろうか。それは、いわゆる政治調整ではなく、立法作業とかあるいは審議とか、そのような経験を通じて培われていくものではないかというふうに思います。
○枝野委員 違う視点から聞きましょう。 司法試験の制度を大きく変えて、ロースクール制度を導入するということなんですが、何でこんなことにしたんですか。
○森山国務大臣 いろいろな理由がございますけれども、大きく考えられる一つは、多様なバックグラウンドを持った人たちに法曹にたくさん入ってもらおう、そして、今までの養成の仕方ではなく、特に法曹に必要な判断力とか全体としての考え方というものをきちんと持った人になってもらおうということから考えられたものでございます。
○枝野委員 私はその意見に同意をしていませんでしたけれども、今までの司法試験ではそういったところに落ちがあるということですよね。 ほとんどの人は、皆さんからすればちょっとおかしいと思っていた司法試験に合格している人たちなんです。それでも、司法修習を一年半なり二年なりやって、二回試験を受けて、そこで最終的な出口のところでチェックされているわけです。 受験テクニックに偏重したりとか知識に偏重したりとか言っていましたね、ロースクールの審議のときに。そういう試験しか受かっていない人ですよ。その人たちが、法曹実務家としての要するにプロセスとかそれから法律家としての倫理とかそういった話、一切トレーニングを受けないで、その知識偏重で受験テクニックでごまかせるような司法試験しか通っていない人に法曹資格を与えるということですよ。皆さんが進めてきたロースクールの構想と全く逆行じゃないですか。
○森山国務大臣 今度の司法制度改革におきまして、法科大学院を中核としたプロセスとしての法曹養成制度のもとで法曹人口の拡大を図ろうとしていることはおっしゃるとおりでございますが、これは、弁護士さんの果たすべき役割が増大していく中で、多様で広範な国民の要請に十分こたえ得るように、多様なバックグラウンドを有する層の厚い法曹の確保ということを目的としたものであるということは先ほど申したとおりでございます。 今回の弁護士資格の特例の拡大に関しましては、今後の司法試験合格者の増大に伴いまして、司法試験合格後に多様な経験を積んでから弁護士を志す者も増加するのではないかという将来の展望も踏まえたものでございまして、現行の司法試験に合格している者についても、社会のさまざまな分野、場面における法律に関する実務経験を通じて養われた高度の専門的能力を活用する道を開くということは、こうした司法制度改革の流れと方向としては同じものであるというふうに考えます。
○枝野委員 直接お答えをいただいていないと思うんですけれども。新しいプロセスの中で司法修習生となる資格を得た後ということだったら、まだ話はわかるかもしれない。だけれども、知識偏重で、受験テクニックでごまかしがきくような、私はそう思っていませんよ、だからロースクールは今でも反対ですけれども、それでロースクールに変えた。その司法試験に受かった、つまり、法的な知識に偏重し受験テクニックによって受かっている人もいるかもしれない人に、きちんとした研修もなしに法曹資格を与えて本当にいいのか、実務経験なしに与えて本当にいいのかということを問題にしているわけです。 大体、お手盛りじゃないですか。国会が自分たちの仲間に、普通の人たちはやらなければならない一年半の修習を受けなくても資格上げちゃいますよというのは、全くのお手盛りじゃないですか。ほかの部分のところを進めていって、これぐらい広範に、司法修習を受けていない人でもそれなりの経験があれば法曹資格を与えますという話が先行していって、一番最後に、国会議員もまあちょっと危なっかしいけれどもという話だったらまだしも、一番最初にこの話をやる、全くお手盛りだと思いませんか。国民に対して恥ずかしくないですか。
○森山国務大臣 現行の司法試験に合格された者でございましても、社会のさまざまな分野、場面で法律に関する実務経験を経て高度の専門的能力を備えた者については、実社会におけるこれらの実務経験を通じて、社会に起こってくるさまざまな事象について法的な解決方法を見出していくという、弁護士さんに求められる実践的能力をお持ちになっているというふうに考えられると思います。 現行弁護士法におきましても、このように要件事実教育を十分に受けていなくても、司法試験合格後に衆参両議院の法制局参事の職にあった者など、トータルとして司法修習終了者と同程度以上のリーガルマインドを有すると類型的に認められる者に対しましては弁護士資格が与えられているということからしますと、国会議員を含め、こうした者に対して弁護士資格を付与することは問題がないのではないかと思います。
○枝野委員 質問に答えていただいていないんですよ。 私は、五条の二の関係について、いろいろ問題はあるけれども、ここは別に今問題としていないんです。五条の二で、いろいろな経験を、法律家の実務的な経験を積まれた方には、司法修習がなくてもそれにかわり得るといって法曹資格を認めるということは、それはあり得るんだと思っています。ところが、そこは非常に限定されて与えているわけですよ。本当に具体的に法律実務をやっている、契約書をつくったりとかあるいはいわゆる法制局的な仕事、そういうことをやった人に限定をしているわけです。 ところが、国会議員だけ国会議員をやっていれば全部オーケーなんですよ。民間企業はどこだって法律に関係しているわけですよ。法務部で仕事をしていなくたって、営業をやっていたって、総務をやっていたって法律は常にかかわるわけです。人事労務をやっていたって全部かかわるわけですよ。だけれども、いわゆる法務部的な仕事をしている人に限定しているわけです。役所だって、みんな法律を使って、法律に基づいて動かしているわけですが、公務員をやっていたからといって免除していないんです。物すごく限定しているんです。 なぜ国会議員だけこんなにフリーハンドで与えるんですか。国会議員だっていろいろな人がいますよ。議運、国対族もいるでしょう。政策ばかの人もいるでしょう。政策も、自分で議員立法しながら一生懸命やっている人もいるかもしれないし、基本的には受け身でやっている人もいるでしょう。いろいろな人がいる。確かにその中には、司法修習を受けた、あるいは五条二項に匹敵するようなプロセス、経験をしてきた人もいるかもしれないけれども、いろいろな人がいる。 何で民間の方はこんなに絞って、公務員だけこんなにわっとやるのかというのは、まさにお手盛りだと批判をされても仕方がないじゃないですかと聞いているわけです。
○森山国務大臣 国会議員の仕事というのはいろいろございまして、法律にまつわる、深くかかわるものばかりではございませんので、それはおっしゃるようないろいろな種類の活動をされる方、いろいろな分野が得意な方がさまざまいらっしゃると思います。 しかし、一遍司法試験に合格したということでその論理的なあるいは知識的な面で一定の保証があり、さらに、五年間国権の最高機関として立法作業にかかわるということをやってこられた国会議員というものは、それなりに立派な資格を持っていらっしゃるというふうに私は思います。
○枝野委員 いや、今のはお手盛りじゃないですかという話にお答えいただいていないんですよ。民間はこんなに絞っているんですよ。何で国会議員だけ無条件で与えるんですか。 大臣お認めになったように、国会議員だっていろいろな仕事をしているわけですよ。私も確かに、この法務委員会に長くいさせていただいて、法務委員会で仕事をさせていただいているときはそれなりに法律を忘れずにやっていましたが、最近は、残念ながらと言うべきなのか幸いにと言うべきなのか、すっかり離れてしまっていますから、今は民法どうなっているんだ、民事訴訟法どうなっているんだということ自体、私の頭の中からすっかり落ちていますよ。それが普通じゃないですか。どうしてもというんだったら、国会議員の中でももっと絞ったらいいですよ、議員立法を何件つくったとかという基準が本当に客観性があるかどうかは別として。民間はそういう絞り方をしているじゃないですか。何で国会議員だけ無条件なんですか。
○森山国務大臣 国会議員の仕事はたくさんありますが、その中で一番中核になるのが立法事務ということでありますので、それにかかわって五年間経験を積まれた方というのはそれなりに十分な資格があるというふうに私は思うわけでございまして、そういう意味では客観的にも認められるのではないか、お手盛りとおっしゃるのは当たらないというふうに思います。
○枝野委員 そろそろ時間になるので終わらなければいけませんが、本当に今の話を有権者、市民の皆さんに堂々とおっしゃれますか。私たち国会議員は、立法活動をしているので、司法研修所に行ってトレーニングを受けるのと同等以上のいろいろな法律的な見識を深めているんですと、本当に堂々と国民の皆さんに向かっておっしゃれる国会議員が何人いますか。 私は、自分も含めて、残念ながらそれは言えない。もちろん、国会議員として責任を持った仕事をしていますけれども、司法修習を受けたり、あるいはこの五条の二で今回認められるような、例えば企業法務のような現場の実務をやってきたというような人たちに匹敵するような、法曹実務家に必要なトレーニングをこの場で受けているとは全く思わない。むしろ、この場にいると、そういう知識とか経験とかというものを、あるいはその感覚を捨て去らないと政治家として仕事ができないということを私は思っています。 本当に今大臣のおっしゃったようなことを、この法案に賛成される人は国民の皆さんに向かって堂々とおっしゃれるのかどうか、皆さん、胸に手を当ててお考えをいただいて採決に臨んでいただきたいということを申し上げて、時間ですので終わります。 ありがとうございました。
○山本委員長 鎌田さゆり君。
○鎌田委員 民主党の鎌田さゆりでございます。よろしくお願いします。 先ほど来のやりとりを聞いておりまして、枝野議員がまさに最後に、一般市民、有権者の方がという言葉に、自分は今国会議員ですが、そこに私は響きました。やりとりを聞きながら、答弁に大変苦慮なさる、若干無理があるのではないかな、聞く方によっては、若干どころかたくさん無理があるんじゃないかなというふうに感じた方も多いんじゃないかというふうな感想を持ちながら、そして、今回提出されている法案が一気に八本、八つ関連ということで、私は文部科学委員会にも所属しておりますけれども、そちらでも今回一気に六本まとめてと、すごくこのやり方というか進め方に、とても重要な中身が入っているにもかかわらず、そういう進め方というものはいかがなものかなという感じをまたきょうも抱きました。 先日、小泉総理がこの場に臨みまして、そして各委員からの質問に答えていらっしゃいましたが、あのとき、小泉総理の発言の中で、裁判ざたという言葉が出てまいりました。私は、大変ショックを受けました。今まさにみんなで司法制度改革を進めていく中で、司法をより国民に身近なものにするという大きな目的があって進めている中で、その推進本部長の、我が国のリーダーの総理みずからが裁判ざたという言葉を使ったということに、私は、大変残念だしショックだったし、やはりその本部長のところからの意識改革が最も必要ではないかなというふうなものを感じました。 それで、司法をより国民に身近なものにするという大きな目標に向かうために今回の一連の法案も提出をされていると理解をいたしますけれども、弁護士報酬規定の削除、これは、私は、利用者にとっては逆に司法へのアクセスに支障を来す、本来の趣旨に逆行するおそれがあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○増田副大臣 お答えを申し上げます。 報酬規定の存在は、弁護士間の公正な競争を阻害し、国民がより品質が高く、より低い価格によるサービスを受ける機会の障害となっている可能性は否定できません。 弁護士業務の合理化努力の成果等も弁護士報酬額に反映されることが必要であり、また国民がサービスの内容とコストを勘案して、ニーズに見合った弁護士を選択する機会を確保する必要もあると思います。 弁護士報酬は、弁護士間の適切な競争と国民の自由な選択にゆだねるのが相当であり、これを阻害する要因となり得る報酬規定を会則の必要的記載事項から削除することとしたものであります。
○鎌田委員 今の御答弁の中からも、それから、本会議において民主党の平岡議員の代表質問に対して森山大臣が御答弁をなさっている中に「弁護士報酬についての予測可能性を確保するため、」と、今の御答弁の中にも、利用者が選択をしていくという言葉があったと思いますけれども、それは、つまり、利用者にとっての弁護士報酬の目安の必要性があるんだというふうに確認をさせていただいてよろしいですか。
○山崎政府参考人 確かに、会則から報酬規定を削除するということになりますと、では、一体どの程度のものかということ、国民、アクセスする側から支障があり得ると当然御指摘があろうかと思います。 そこで、この規定を削除した後にどのような情報を国民に知らせるかという観点、これを考えなきゃいかぬということで、日弁連で、現在、弁護士会の会則等によって、個々の弁護士の報酬基準、これの作成、それと、それの備え置き、この義務を課す。それから、弁護士の依頼者に対する契約前の報酬説明義務、これも課す。それから、報酬契約書の作成義務、これを課すというようなこと、こういうようなことを今検討しているというふうに聞いております。これができ上がりますと、依頼者は、請求される報酬について十分な情報の提供を受けまして、納得の上依頼をすることができるということになろうかと思います。 それと、もう一つは、日弁連の方で、弁護士に対して報酬に関するアンケートを行うという予定と聞いております。これを取りまとめまして、その結果を国民が参考の資料として使えるように広報して、国民のアクセスを容易にするという予定であるというふうに聞いておりまして、これらを総合して御利用いただければアクセスに困ることはないのではないかというふうに考えております。
○鎌田委員 目安の必要性と確認していいんでしょうか。
○山崎政府参考人 これは目安の機能ではございません。目安というと、大体その辺のところが一定してしまうということをいうわけでございますので、それはばらつきがいろいろあろうかと思います。その中で、国民の方々が自分に合った弁護士さんを選んでいくということでございまして、一つのそれが目安になるという趣旨ではございません。
○鎌田委員 目安の機能性は持たないということで、それが今の御答弁で、でも、今、個々の弁護士さんが報酬基準を作成する、それから、そういったものを、つくったものを広報するとかという御答弁もありましたけれども、それは利用者側にとっては目安になるんじゃないでしょうか。
○山崎政府参考人 ちょっと説明が不十分だったと思いますけれども、確かに会則上とか正式に決めるということになると一つの目安の働きをするということになりますけれども、個々の弁護士さんたちがそれぞれ基準をつくってオープンにしていくということでございまして、国民が弁護士報酬の金額をイメージするという参考になるわけで、一つの資料ですね、目安というか、そういう働きはするということでございます。済みません。
○鎌田委員 一つの資料というか目安の働きをするというお答えをいただきましたので、目安の必要性というものを根底に置きながらという御答弁というふうに解したいと思いますが、弁護士会または日弁連が弁護士報酬の基準や目安を示すこと、また弁護士事務所が所属する弁護士共通の報酬基準を示すことは、これは合法でしょうか。
○山崎政府参考人 弁護士事務所にいろいろ形態もございますけれども、ある弁護士事務所で、弁護士がおりまして、そこに雇用されている方が何名かおられるという場合、この方々が皆同じ基準で報酬を明示するということですね。これは許されるということでございまして、事業体として仲間でやっているわけでございますので、そういう意味では他の事業者との関係で自由な競争云々という関係にないことでございますので、それは許されるというふうに考えております。
○鎌田委員 先ほど本会議答弁をちょっと紹介しましたが、本会議の森山大臣の答弁で、「個々の弁護士の報酬基準の作成」云々というふうにございました。その作成されたものが、先ほどもちょっと答弁で触れられましたが、広く国民に情報として告知されなければ私は意味がないと思います。 法務省としては、弁護士個人が、あるいは法律事務所が得意分野などを広く告知、宣伝すること、またその広告において報酬基準も掲載をするということについてどのような見解をお持ちでしょうか、合法でしょうか。
○寺田政府参考人 今のお尋ねの件でございますけれども、まず、一般論といたしまして、広告をすることについてどういう規制があるかでございますが、これは弁護士法上は全く規制はございません。もちろん、競争法上、不正競争あるいは不当景品の関連法におきましていろいろな規制があることは別論といたしまして、弁護士法上は全く規制はございません。 実際には、ではどのようになっているかと申しますと、これも弁護士会の会則で、どのような広告であれば許されるのかという形の決まりがございます。かつてはこれが原則禁止、一部会則に書いてあるものだけが許されるという形になっておりましたけれども、平成十二年からはこれが原則自由に切りかわりまして、不当なもの以外は許されるという形になっております。 したがいまして、現在ではそのような形での運用がされているわけでございますが、これに、さらに今のお尋ねの報酬がどうなるかでございますけれども、報酬についてどのような広告をすることが許されるかということは、したがってこの会則で今後決められていくということになると思いますけれども、今までの考えを延長するというふうに仮にいたしますと、正当な報酬額そのものの広告ということは禁止に当たらないという方向で議論がされていくのではないかというように私どもとしては見込んでおります。
○鎌田委員 弁護士会ということは、それぞれ地域にある弁護士会ごとということでよろしいんですね。
○寺田政府参考人 この問題につきましては、日弁連の会則でございます。
○鎌田委員 わかりました。 次に、弁護士報酬に関連して、弁護士報酬の敗訴者負担制度の導入のことについて伺いますが、これの検討についての進捗状況、それから今後のスケジュール、見通しをお知らせください。
○山崎政府参考人 ただいまの御指摘の点につきまして、私どもの司法制度改革推進計画で定まっているわけでございますけれども、ここで言われているのは、不当に訴えの提起を萎縮させないよう、敗訴者負担を導入しない訴訟の範囲及びその取り扱いのあり方、それから、敗訴者に負担させる場合に負担させるべき額の定め方等、制度設計について検討した上で、一定の要件のもとに弁護士報酬の一部を訴訟に必要な費用と認めて敗訴者に負担させることができる制度、これを導入するということで、所要の法案を提出するというふうにされておりますが、その提出の時期でございますが、遅くとも平成十六年通常国会を予定をするということでございます。 現在、私どもの方では事務局で司法アクセス検討会を設けておりまして、その中で今検討中ということでございます。
○鎌田委員 一律には導入しない、一定の要件云々というのは推進本部のまとめられた意見書の中に書いてありまして、今お聞きしたかったのは、その一定の要件とか、一律には導入しないのであれば、具体的にどういう、類型も分けてやっていくのかとか、そういうものもちょっとお知らせをいただきたかったんですが、平成十六年通常国会といいますと、もう間もなくでございまして、であれば、それまでの間に検討状況、今こんなふうに個別具体に検討していますとか、そういったものが我々にちゃんと示されていくんでしょうか。
○山崎政府参考人 確かに御指摘のとおりでございまして、現在鋭意検討中でございまして、では一律に導入しないといったときにどの範囲を除くかということについて、今鋭意検討中でございます。 まだ、どこのラインで決めるということまで成熟はしておりませんが、来年法案を出すということになれば、しかるべき時期に一定の方向の案を整理いたしまして、それについて意見募集を行いまして、国民の声を広くお聞きして、その上で最終的にどうしていくかということを決めざるを得ないということで、もう少しお時間をちょうだいいたしますけれども、いずれ意見募集をさせていただくということになろうかと思います。
○鎌田委員 ぜひ、私たちに対して、ほぼでき上がった状態でというようなことだけは絶対にないように、そこは強く要望したいと思います。 司法制度改革審議会では、裁判所へのアクセスの拡充の方策としてこの弁護士報酬の敗訴者負担制度が議論のスタートになっているようにも私は感じておりますが、その起点となっているところとして、「勝訴しても弁護士報酬を相手方から回収できないため訴訟を回避せざるを得なかった当事者」、これが非常に強くその起点のところにあるのではないかなと思うんですが、この存在についての調査というもの、実数、実態の調査というものをどのように進められていますでしょうか。 その意見書の中にも、この検討に当たっては弁護士報酬のあり方に関する国民の理解にも十分配慮すべきだというふうに最後に記されておりますが、その調査はどのようになされていますか。ごめんなさい、これは通告しておりません、今の段階でわかっていることを。
○山崎政府参考人 これについては、現実に訴訟を体験された方、そういう方にお聞きするのが一番直截だろうと思いますが、なかなか、プライバシーの問題とかそういうことがございまして、お聞きするということができない状況でございます。 現在は、いろいろな国民の代表の方、それから市民関係の方とかいろいろな方から御意見を伺いながら調査をしていくということでございまして、現実には先生がおっしゃられるような調査はしていないということでございます。
○鎌田委員 今後する予定はあるのかどうか。ぜひ私はすべきだと思いますし、日弁連では、プライバシーに触れないところで、いわゆる法律相談にいらっしゃった方とか、あと、相談員で地域を回っている方が法律相談に乗るときに一緒にということで調査をして数字を挙げておりまして、私は、これは客観的な根拠になるデータにふさわしいというふうにその数字を見ていますが、法務省はやはりそれを必ずすべきだと思いますけれども、なさいますね。
○山崎政府参考人 現時点でそれを行うという予定はまだ明確にはございませんけれども、今いろいろ御指摘もございまして、声をじかに聞くという点でどういう方法があり得るのかは検討してみたいというふうに思います。
○鎌田委員 先ほどおっしゃったように、この問題については国民に広く意見を伺っていくと。パブリックコメントを求めていくのかどうかわかりませんけれども、そのときにあわせ聞いても私はいいと思いますし、聞くつもりがある、司法制度改革推進本部の意見書の最後にあるように、国民の理解にも十分配慮すべきだという言葉にうそ偽りがないのであれば、これは必ずしなくちゃいけないですよ。 だから、ここできちんとそういうことをするんだと。それを根拠に基づいて、「勝訴しても弁護士報酬を相手方から回収できないため訴訟を回避せざるを得なかった当事者」、これが、この弁護士報酬の敗訴者負担という制度を導入するに当たって、さらに裁判所へのアクセスの拡充を目指しての議論のスタートのところに大きく位置しているわけです。ですから、これは非常に大事な、ちゃんと裏づけがないとできないものですから、ちゃんとこの場で、その調査を行うと。日弁連がちゃんとやっているわけですから、そして数字として挙げているわけですから、法務省は法律を出す側としてそれに負けないくらいの客観的データをちゃんと用意するのが責任だと思いますが。
○山崎政府参考人 いろいろ御指摘を踏まえまして、私どもとして、法律で出す以上、立法的事実をどのように把握するかということは大変重要な話でございますので、今委員が御指摘のような方法になるのか、または別途になるか、そこはとにかく検討はさせていただきたいと思います。
○鎌田委員 この程度にしたいと思います。 今の言葉にあるとおり、私が要望したのに匹敵するような、ちゃんと裏づけになるような調査をしていただきたいと思います。 それで、審議会の佐藤会長、平成十三年六月当時、衆議院の法務委員会で、一律には導入しない、これから法曹人口をふやし、法律扶助制度もさらに拡充していただく、そういう全体のシステムの中でここの部分がある云々というふうに、この法務委員会で述べられております。 つまり、審議会としても、まずは法律扶助制度が拡充されて、そして証拠や情報が国や行政機関、大企業などに偏在しているという実態に即した立証手続に改めて、そして充実させて、裁判所の人的、物的整備の拡充が前提であると。 まさに、そういった、欧米諸国に見られるような国民にとっての司法アクセスの拡充が実現されてからこそ、敗訴者負担制度の導入というものがその議論も現実味を帯びてくるというふうに私は今でも解釈をしておりますが、そのような同じ共通の認識を持っていただけますか。
○山崎政府参考人 ただいま委員御指摘のような民事法律扶助ですか、これの拡充あるいは証拠収集制度の拡充、こういう点が敗訴者負担の制度について大きく関係があるというふうにされる御意見も当然ございますが、この点についてはいろいろな考え方がございまして、民事法律扶助そのものは、それ自体として拡充の方向にしていかなければなりません。 これは御案内のとおり、民事法律扶助、では仮に金額がふえたとしても、敗訴者負担の分について出るとしても、これは基本は貸与でございますので、ゼロになるわけではございませんので、果たしてそれで本当にそういうふうに機能するかどうかというのもよく検証しなければなりませんし、証拠の収集の拡充についても、それはそれとして、今法務省の方でもいろいろまた御検討中というふうに聞いておりますので、そういうものはきちっと充実していかなければならないというふうに考えております。 いずれにしましても、私どもとしましては、この制度が入れられることによって訴えの提起に萎縮的な効果がいろいろあるのではないかという御指摘もございますので、そういうことにならないように制度設計をしてまいりたいというふうに考えております。
○鎌田委員 最後にあったように、訴えの提起に萎縮ということが起きないようにということが私は非常に大事だと思いまして、その不安を解消するためには、先ほど来申し上げているように、いわゆる国民の司法へのアクセス、その環境がしっかり整ってこその問題だと思うんですね。 森山大臣、その環境が整っていない中でこの弁護士報酬の敗訴者負担制度が導入されると、ますますいわゆる資力になかなか充実なされていない一般市民あるいは小さなグループ、そういったところにとっての、自分たちの権利を主張していく、そして新たな制度をかち取っていくとか、そういうことの、一度負けてもまたもう一度挑戦をしてかち取っていくんだという、人権国家、民主主義国家で当たり前のそういったものの行動にも萎縮を、これは絶対に影響を及ぼすというふうに私は感じておりますので、広く今世間一般でも、そういったものを恐れながら、反対の声が非常に強く上がっていまして、運動が起こっております。 大臣、この制度導入に関しては、まさに、本当に本来の目的のとおりにいくのであれば、私もそんなに反対を唱えるものではありません。しかし、今この国民の司法へのアクセスというものの環境の整備がまだまだ欧米に比べますと非常に低い状況の中でこれをやるということは、いわゆる市民を裁判から締め出すというような状況にまで追い込む、そのようなおそれも大いにあるものですから、ぜひ大臣としての、この制度導入に関連して、司法への国民のアクセス拡充と環境整備ということに対しての大臣の現時点でのお考えをお知らせください。
○森山国務大臣 司法制度改革を推進するに当たりましては、改革推進過程の透明性を確保するとともに、国民の皆様からのさまざまな御意見に十分に耳を傾けつつ改革を進めることが重要であるということは申すまでもございません。 弁護士報酬の敗訴者負担制度を検討するに当たりましても、検討会での検討状況を広く国民の皆様に情報提供をいたしますとともに、その御意見を承っておりまして、今後ともさまざまな方法で国民の皆様方からの御意見に十分耳を傾けながら検討を進められるよう適切に対応してまいりたいと考えております。
○鎌田委員 ただいまの御答弁は、私は大臣らしからぬと思います。先ほど来続いている答弁と何も変わらない、国民の意見に広く耳を傾けていくという御答弁でしたから。 私が伺いましたのは、それは当然でございまして、弁護士報酬の敗訴者負担制度の導入という問題については、意見を伺うことはもちろん当然ですけれども、国民の司法に対するアクセスの拡充、いわゆる環境整備、充実というものがない中でこれが走っていってしまうと、市民が司法にアクセスをよりしやすくするという本来の目的からは大きくそれてしまう、そういうおそれがあるので、精いっぱいその環境整備というものを大臣として努めていっていただきたい、そういう今の時点での決意のようなものを示していただきたいと思ったんですが。
○森山国務大臣 弁護士報酬の敗訴者負担につきましては、申し上げますと、御指摘のような懸念が表明されているということは承知しております。 そのような懸念の原因につきましては一概に申し上げることはできないと思いますけれども、いずれにせよ、弁護士報酬の敗訴者負担の取り扱いにつきましては、不当に訴えの提起を萎縮させることがないように、敗訴者負担を導入しない訴訟の範囲とかその取り扱いのあり方、敗訴者に負担させる額の決め方などにつきまして慎重な検討が必要であり、できるだけ環境の整備をするべく努力いたしたいと思います。
○鎌田委員 大臣の力というのはそんなものなんでしょうか。山崎局長と何も変わらない答弁であります。山崎局長の答弁も耳に入っていらっしゃったと思いますけれども。 大臣、法務大臣として、最も大切なこの環境整備をやって、絶対市民を、特に弱い立場にある、裁判は、素人の私から見てもわかります、常に正しい者が勝つとか、常に勝つべき者が勝つというわけではないと思います。 そういう状況の中で市民が締め出されるなんということは絶対ないように、その土台となる環境整備はちゃんと進めてからというふうに、私は大臣の答弁には期待をしたいし、それは大臣だからこそ表明できるものではないかなと思ったんですが、二度聞きましたので、もう一つありますから、またの機会にしたいと思います。 最後に、簡易裁判所の事物管轄の拡大について伺います。 先日、四名の参考人の方々より意見を伺いました。特に、三木参考人の発言にはどきっとする部分もありましたけれども、しかし、いわゆる一般の普通の市民の目から見た弁護士の姿、あるいは法律事務所の姿というものを、弁護士さんの事務所は敷居が非常に高いとかそういった言葉は、まさしく私なんかはそのとおりだというふうに思って聞いておったんですが、その三木参考人が、事物管轄の九十万から百四十万に引き上げたということにつきましては、個人的には二百万まで引き上げてもいいと思っているというふうな発言もありました。 それはまずおいておくとしましても、非常に説得力ある言葉で、この百四十万に引き上げたということを三木参考人の見解として述べられたと私は思っておりますけれども、まさしく今回、これによりまして、全国に四百三十八ある簡易裁判所が、市民に最も身近な、アクセスしやすい裁判所としての本来の役割を発揮することがこれから期待をされていくものだと私は考えております。 その期待にこたえていくためにも、法務省におかれましては、今後さらに簡易裁判所の人的、物的充実という点、それから事物管轄の上限の数字につきましては、これまで二十一年間変化がなかったということもいかがなものかと思いますけれども、その上限については国民生活や経済指標の動向を注視しながら、今後も継続的に定期的に検討がされるべきだと考えますけれども、この二点について、いかがでしょうか。
○寺田政府参考人 おっしゃるとおり、非常に国民に身近な裁判所ということで、簡易裁判所に求められているところは大きい、期待もまた大きいわけであります。 今回の改正が仮に成りましたら、おっしゃるとおり、簡易裁判所には人的、物的にもさらに充実が求められる部分があるいはあることになるかもしれません。また、将来は当然そのようなことも考えられるわけでございまして、裁判所の当局におかれましてはそのような配慮を当然なさるというふうに考えられております。 また、今後の制度上の問題でございますけれども、おっしゃるとおり、今度の引き上げがどの程度の効果があるかということについては慎重に見きわめをする必要がございます。 一部おっしゃられたように、複雑な事件が逆に簡易裁判所に行き過ぎてもまた困るわけでございまして、簡易裁判所の本来の機能というのはやはり十分に念頭に置かなければなりません。しかし、そういうことを前提にした上で、また今後の経済情勢、社会情勢等の点を考慮に入れて、定期的に見直していくというのがまことに必要なことだというふうに感じております。
○鎌田委員 時間が参りましたので、これで最後にいたします。 この問題に関連をして、昨年四月の衆議院の法務委員会でも、また同じく四月、参議院の法務委員会でも、例の司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案、これが通りましたときに、附帯決議として、「司法書士に対する家事事件及び民事執行事件の代理権付与については、簡易裁判所における訴訟代理権等の行使による司法書士の実務上の実績等を踏まえて早急に検討すること。」という附帯決議がなされております。 それでなんですが、簡裁の判決に対する上訴の提起並びに簡裁の合意管轄事件について、これらなどは、簡裁の訴訟代理権が付与された司法書士の今後のこの附帯決議にあるような実績を見ながら、代理権限を付与していくということを今後早急に検討していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○寺田政府参考人 おっしゃるとおり、今回の司法制度改革の先頭を切りまして、司法書士法、土地家屋調査士法の改正があったわけでございます。 その際の附帯決議は、今回のこの簡易裁判所の事物管轄の引き上げとも関連がないわけではございません。むしろ、司法書士の活躍の場ということを考えますと、おっしゃることがまことに正鵠を得ているということになるわけでございます。 私どもも、今後どうなるかは、先ほど申したとおり、いろいろな情勢を見てみなきゃならないところではございますけれども、基本的には、今後の課題といたしまして、司法書士法等の改正の際にも御審議がありました上訴の際の代理権の問題、その他今後の簡易裁判所の機能強化の点も十分に考慮に入れながら、また検討をしてまいりたい、このように考えております。
○鎌田委員 終わります。ありがとうございました。
○山本委員長 次に、山花郁夫君。
○山花委員 山花郁夫でございます。 本日、私どもは、今回出されております裁判所法等の一部を改正する法律案の中に含まれております弁護士法の部分について、修正案を出させていただきました。 先ほど枝野議員からもお話がありましたけれども、特に国会議員のところと特任検事のところについては、提案するのが、例えば役所の中の人間であるとか、あるいは私たちの仲間であります国会議員について、類型的な形を定めずに一律に司法修習を免除するということについては、やはりお手盛りであるという批判を免れないのではないか、そういった形で議論をさせていただいております。 今回、こういった提案をさせていただきましたが、先ほど枝野議員からもお話がありました、私ではなくて、枝野議員は実際に弁護士資格を持って、司法試験に受かって二年間修習をやったけれども、国会に長くいると実際の実務のことは結構忘れてしまうし大変だ、今すぐやれと言われても相当困難ではないかと。実際に二年間修習を受けられた人でもそういうことを言っているわけであります。 ところで、与党修正案の提出者にお伺いしたいと思いますけれども、漆原議員御自身も法曹資格をお持ちですし、先ほどのような意見を踏まえて、司法修習が本来的には必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。御自身の感想もお聞かせいただきたいと思います。
○漆原委員 私は、二年間修習を受けましたが、修習を受けてもすぐ翌日から弁護士として法廷に立つというのはなかなかできませんで、結局、自分のボスと一緒に連れていってもらって、実際にそばにいてもらって、あるいはそばに私がいて体で覚えていく、こういうことで一人前になっていったという、今一人前かどうか知らぬけれども、そういうふうに、みんな修習が終わったからといってすぐに一人で法廷に行ってどんどん法廷活動ができるということにはなかなかならないのが実情であったというふうに私は認識しております。 だから、修習が終わったからということと、すぐできるかどうかというのは、これは別問題でありまして、国会議員の場合は修習は要らないというふうになっておりますが、私は、法曹資格があったとしてもやはり研修をしていただいて、国会議員でも一般の民事、刑事の実務という観点からはやはり暗いわけですから、そういう意味ではきちっと研修をしていただいて、実務能力をつけてもらう必要があるというふうに思っております。 もう一点は、先ほど先生方おっしゃったように、お手盛りという批判もありますので、そういうことも考えれば、今回私ども提案させていただいた、しっかりした研修を受けていただくというのがよりベターではないかというふうに思っております。
○山花委員 ここのところ、議員の特権と言われるようなことに対しては大変世間の目も厳しくなってきておりますね。 先日も、私、党内の議員年金についてどう考えるかというようなプロジェクトチームがあって、そちらの役員をやっているものですから、前議員会の塩崎先生から御意見をいろいろいただきまして、現行の議員年金制度についてもいろいろ御要望もあるようですが、ただ、一方で、世間一般からするとあれは特権じゃないか、お手盛りじゃないかという批判もあるわけです。それだけではなくて、さきの国会でも永年表彰に伴う特権などの見直しもありました。 少なくとも、こういった目が厳しい折ですから、やはり正々堂々と国民に対しても説明のつくような制度設計でなければいけないと思います。その上で、修正案を出されているということは、それなりには評価はしたいと思いますし、だからこそ、私ども民主党としても、修正の協議というものを重ねてまいりました。 私どもは、本来的には、こういったお手盛りとも見られるようなものについては少なくともやるべきではない、もともとはそういうスタンスですが、せめて研修をやるのであれば、先ほど漆原委員からもお話があったように、違った見方をすれば、二年間修習をやった人ですらすぐはなかなか仕事ができないというわけですから、まさかなくしてしまうというのはちょっと荒っぽいような気がしますし、研修も十分な時間をとるべきだと思います。もし仮に、百歩ぐらい譲って、研修をやること、司法修習に比べれば少し短目にということであったとしても、せめて我々は六カ月なりあるいは四百時間程度ぐらいやるべきではないか。 何となれば、司法書士の簡裁代理権については百時間の研修というのが義務づけられております。司法書士の方から言わせれば、実態的にはほとんどやっているに近いようなことについて権限をもらったにすぎない、ただ実務的には少しトレーニングが必要なので百時間の研修が必要だ、こういうような御意見のようですし、ましてや、簡裁の中の本当の定型的な業務を行うことについてですら百時間の研修が必要なわけです。 これが弁護士ということになれば、民事だけではなくて刑事もやらなければいけませんし、それに、簡裁だけではありません、場合によっては上訴、上告して最高裁で争うこともあるかもしれない。ですから、そういったことを考えれば、我々は、研修ということであればある程度やはり長い期間が必要じゃないかと思っているわけです。 与党修正案の方では、この研修の期間について、時間についてということは特に定められておりませんけれども、よもや百時間程度でいいなんということではないと思いますけれども、どの程度の研修が必要であるとお考えでしょうか。
○漆原委員 司法書士の人が今百時間ということになっておりますが、司法書士が法廷活動をするということは全く従来の日常業務と違っておりまして、要件事実は何か、それから裁判で準備書面はどういうふうに出すのか、それから証人申請はどうするのか、これは全く司法書士の皆さんにとってみれば新しい分野なんですね。それで、百時間ということで十分なのかどうかなという若干の疑問を私は持っているのです。 ただ、今の政府案でも、指定研修というのは、指定研修の内容については、弁護士として業務を行うに必要十分な時間の指定研修を確保する、それについて、担当法人である日本弁護士連合会でしょうね、日本弁護士連合会が研修内容について意見を述べることができるというふうな書きぶりになっておりますので、具体的には法務省と日本弁護士連合会の間で、どんなカリキュラムにするのか、どういう、特任検事であればどうだ、国会議員であればどうだ、具体的な差もまた現場においては出てくるのだろうなと思っているのですね。そういう意味では、十分な研修をして弁護士として活躍できる能力をつけるためにはどんなカリキュラムが必要なのか、そこのところをまず一番先に両者の間で議論をしていただいて、その結果、時間というのは後で決まってくるのかなというふうに思っております。 したがって、弁護士として活躍できる十分な能力が確保できるカリキュラムがまず決まって、それから時間はおのずと決まってくるのだろうなというふうに思っております。
○山花委員 そうやって中身のことがまず先にあって、しっかりとした内容のことをやるということになれば、私は必ずしも研修を行えばいいという立場ではないわけですが、仮に研修をやるとしても、恐らく司法書士の方がやるのよりは相当長い時間になるのだろうなというような、そういった趣旨ではなかったかと受けとめました。 ところで、法務大臣、先ほど枝野議員との質疑の中で、なぜ、司法試験に受かっている人で国会議員を五年以上通算してやったら、もともとの提案では修習なしにやっていいのかという議論の中の御答弁で、国会というのは、国会という国権の最高機関に所属されてというお答えがあったと思いますけれども、恐らく憲法の四十一条を指しているんだと思いますが、最高機関であるとともにどういう機関であると規定されておりますか。
○森山国務大臣 国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である国会というふうに書いてあると思います。
○山花委員 そうなんですよ。唯一の立法機関なんですよ。にもかかわらず、政府が法案を提出するということは、これはどう説明されるんでしょうか。政府の方であればどなたでも結構です。
○寺田政府参考人 これは、最終的に立法をされるのは少なくとも国の法律のレベルでは国会である、こういう趣旨でございます。そのときに、一体だれが提案権を持つか。これは、それぞれの国の体制によりましていろいろな立法例もあるわけでございますけれども、我が国におきましては、当然のことながら議員の皆様方が発案権をお持ちでございますけれども、そのほかに、政府にも発案権がある。これはほかの国にも例があるわけでございますけれども、要するに案を出すということでございまして、これは、立法するのは国会であるけれども、案を出すのは政府も認められている、こういう趣旨でございます。
○山花委員 今の答弁に関連をいたしますけれども、では、佐藤幸治という憲法学者を御存じですか。どういう方ですか。
○寺田政府参考人 前に京大の憲法の学者をされておられまして、この場で申し上げれば、司法制度改革の審議会の会長をされておられました。
○山花委員 その司法制度改革の審議会の会長をされていた佐藤幸治さんの、私、今手元に教科書がないですから正確ではないかもしれませんけれども、議案の提案権は内閣にもある、その議案の提案権の中に法律案も含まれる、これはあくまでも形式的な理由で、実質的には、今言われたように、立法というのは審議と採決、ここが核になるんだと。したがって、ここが確保されているということが、つまりは四十一条が、国会中心立法の原則と単独立法の原則がありますけれども、それが本当に核になるんだ、こういうことだと思うんですよ。 ところで、そうであるとすると、例えば、私は非常に不思議なんですけれども、まさに御当人を目の前にしているんですが、今答弁をされているのはあくまでも参考人として答弁をされているわけですよね。つまり、提案者というか、その中身について実質的に意見を言うという立場ではない、説明をする立場でいらっしゃっているということですね。
○寺田政府参考人 これは、国会の決まりによりまして、政府参考人という形で説明をさせていただいているわけでございます。
○山花委員 この場ではもちろんそうだと思いますけれども、議院内閣制のもとですから、政府の方と与党の方がいろいろ意見調整をされて、そして法案を提出されて、その結果、委員会で、今、日本の国会は委員会形式をとっていますから、委員会での議論があって本会議に行って、本会議で最終的にはハウスの意思が決まるというシステムになっているんだと思います。 ですから、与党の中で議論をされているときにいろいろ政府の方が意見を言われるというのはあり得る話だと思いますが、大変私は、どういう現象なのか御説明いただきたいと思いますけれども、この間、与党案と民主党案で修正の協議をしているときに、なぜ法務省なり司法制度改革推進本部の方が私のところなどに来ていろいろと、こうしてほしい、これは勘弁してほしいと。これはまさに立法権侵害じゃないですか。いいですか、司法制度改革審議会の座長の方の憲法の教科書を読めば、そういうふうに読めますよ。 寺田さん、おとといですか、私のところに来られていろいろ言われましたけれども、あの憲法上の根拠を教えてください。どういうことでしょう。
○寺田政府参考人 修正協議というのは、あくまで先生方の間でされておられるということは、私どもも十分承知いたしております。 私どもがいたしていることは、要するに、その修正案が仮に通った場合にどのような効果があるかということを実際に現実に即してお考えいただく材料を提供しなければならないということでございまして、もちろん与党の先生方の修正案につきましてもさまざまな形での材料を提供させていただいておりますけれども、しかし、仮に野党案というようなことを実現されようとする場合にどのような問題が生ずるかということを御説明に上がるというのが、私どもの立場でございます。
○山花委員 野党案じゃなくて、修正協議をしている中身で、時間を入れるのは御勘弁いただきたいということをこの委員会の入り口でおっしゃいましたけれども、それは憲法違反じゃないですか。今の説明、なっていないですよ。ある効果について説明するんじゃなくて、具体的な協議の中身に首を突っ込んでいるじゃないですか。納得できないですよ、今の答弁は。
○寺田政府参考人 議場の外でございますので、少し俗っぽい言い方になったかもしれません。それはお許しを願いたいと思いますけれども、要するに、私が申し上げたことはどのようなことかと申しますと、時間を入れますとさまざまな面での支障が生ずるということを具体的に説明申し上げて、私どもとしてはその効果というものを御理解いただきたい、このような立場で言ったわけでございます。
○山花委員 あなただけじゃないですよ。ほかにもそうやって来られて、どう考えたって私からすれば陳情にしか受け取れないですよ。説明したというだけの話ですか。そういう認識なんですか。もう一回答弁してください。
○寺田政府参考人 そのような案が成立した場合にどのような効果が生ずるか、弊害が生ずるかということについて御説明を申し上げたというつもりでございます。
○山花委員 与党というのは、いろいろ意見も我々とは違うこともありますけれども、立場としては、政府を持って、そして、ただあくまでも国民の代表として政府をコントロールする立場にある方だと思いますし、その中でいろいろ政府と意見交換をして、そして与党の方々だって政府案が出てくるときにはその法案に対して責任を持たれていますから、その方たちにいろいろ言われるのは結構ですよ。それは、意見のあれはしなければいけませんから。 では、今の説明ですと、今後一切、こういう修正協議があって、そういうときに、要するに、皆さんが来られているのは、言葉としてこうしてほしいとかああしてほしいとかいうことであっても、それはあくまでも参考に物を言っているというだけで、中身については全くあなた方の意見は聞かなくていいわけですよね。
○寺田政府参考人 もちろん参考に申し上げているわけでございまして、最終的な結論を拘束しようというようなつもりは毛頭ございません。
○山花委員 そうしたら、おかしな動きをしないでほしいですね。つまりは、理事の間で協議がされているときに、例えば与党の国対に泣きついたりとか、そうやって何か後で横やりを入れるようなことは、今後やめていただきたいと思います。 おかしな動きをしたら、そもそも憲法上の原則からいえばおかしいことですよ。つまりは、言葉として、外だったから言い方がちょっとこうだったかもしれないなんて言われていますけれども、責任問題じゃないですか。 いいですか、修正協議というのは公党間の協議なんですから、これはまさに立法権、立法機能そのものじゃないですか。それに対して物を言うときに、御勘弁いただきたいとか、あなただけじゃないです、ほかの方だって、こういうのはちょっと何とかしてくれないかと一生懸命言ってきているじゃないですか。もうちょっと、それがどういう現象なのかということを説明してください。
○寺田政府参考人 以後言い方には気をつけたいと思います。
○山花委員 要するに、以後言い方には気をつけたいということは、今、今回のことについてもミスがあったということを認めているわけじゃないですか。気をつけたいで済む話じゃないですよ、法務大臣、いかがですか。責任をとってもらわなきゃだめですよ、こんなのは。 いや、法務大臣、こういうような、いわば多少、もちろん議院内閣制のもとですから、与党の方は余りそういう感覚が鋭利じゃないかもしれませんけれども、憲法違反ですよ、これは。そういうことを政府の委員がやっているということですよ。ほっておいていいわけないじゃないですか。しっかりした答弁をいただかないと、これ以上質問できないですよ。
○森山国務大臣 本人が申しておりますように、お話の申し上げ方あるいは先生方への接し方について非常に間違ったことがあったかもしれませんので、そのようなことは二度といたしませんように厳重に注意いたします。
○山花委員 接し方は非常に丁寧なんですよ。それは物腰はやわらかいですけれども、やっている中身が非常に問題だということを申し上げたいと思います。注意では済まないと思いますね。 もちろん、本人を目の前にしてですけれども、寺田さんだけじゃないですよ。ほかにも司法制度改革推進本部の方もいろいろ言ってこられますよ。事務局長、思い当たることはないですか。全くそういうことをやっていないと今断言できますか。自分のところでは憲法違反になるようなことはやっていないと断言できないんだったら、責任をとってください。
○山崎政府参考人 私どもの本部も、私は参っておりませんけれども、本部の者は先生のところにお邪魔していると思います。そのときもやはり、先ほど司法法制部長からお話がありましたけれども、例えば修正案が出される、そういうときにどういう影響にあるかとか、そういうことを御参考までに申し上げさせていただくという趣旨でお邪魔をしているというふうに理解をしております。
○山花委員 いや、ちょっと実態と違いますね、それは。本気で言っていますか、そんなことを。ちょっとルーズになり過ぎているんじゃないですかね。 法務大臣、私は何でこんなに頭にくるかというと、法務大臣のときもそうだったじゃないですか。要するに、政治家というのはお客さんみたいな形で来ちゃっているんですよ。結局、役所がやりたい放題やっていて、大臣だって、情願のことも知らなかったりとか、いろいろな事件についても聞かされていなかったりとか。立場的にはいろいろ言いますけれども、個人的には大変気の毒なこともあると思いますよ。 だけれども、今回のケースだって、それは言葉で言えばそうやって御説明にということで法に触れないようなことを言っていますけれども、実態としてやっていることは、政令とか省令に違反しているんじゃない、法律に違反しているんじゃないです。憲法違反ですよ、あなたたちがやっているのは。絶対に実態としても、御説明に伺ったというだけじゃなくて、陳情めいたことはしていないと断言できますね。違う事実が出てきたら、あなたはその立場にいられないと思いますよ。
○山崎政府参考人 先生にいろいろお話をするときに、その仕方について不適切なところがあったかもしれませんけれども、その意が通じないところはあったかもしれませんけれども、趣旨としては、やはり、もしそういうことになればどういう問題が起こるかということを申し上げに行っているというふうに理解をしております。今後いろいろな問題……(山花委員「実態と違いますよ。納得できないです、それでは」と呼ぶ)
○山本委員長 事務局長、再答弁をお願いします。
○山崎政府参考人 ただいま申し上げましたように、確かに、だから、言い方について、私も直接いませんのでしかとしたところは別として、いろいろ報告も受けておりますけれども、言い方の問題についてはそれは不適切な問題があったかもしれませんけれども、趣旨としてはそういうことを申し上げて、御参考までということで申し上げているつもりでございます。
○山花委員 言い方として不適切だということは、今言っているように、それは憲法違反なんですよ。公党間の協議に首を突っ込んでいるんですよ、あなたたちが。 法務大臣、注意しますで済む話じゃないですよ、これは。もう一度御答弁いただきたいと思います。
○森山国務大臣 不適切なことがあれば、二度とそのようなことがありませんように気をつけさせます。
○山花委員 いや、それで済むことでしょうか。つまりは、役所の側がそれだけルーズになっているということですよ、意識に関しても。関係者の処分を求めたいと思います。——では、委員長、当事者がいますので、聞いていただければ結構だと思います。あの方が私にどういう発言をしたのか。寺田さん。
○寺田政府参考人 この間、弁護士資格の問題、特に国会議員と特任検事の法曹資格、これに関連いたしまして企業法務の法曹資格、その中には研修ということが核になっているわけであります。現に漆原委員ほかの提出されました修正案については研修ということが核になっているわけでございますが、その研修の具体的なあり方をどうすべきかということをお話し合いになっておられたというふうに承知しております。 その際に、問題は、両方の委員とも、研修が司法修習のあり方に関連するものであるということから、非常に充実した研修を行わなければ意味がないだろうということをお話し合いになっておられたというふうに私どもは聞かされております。そこで、充実ということをどういう側面から、あるいはどういう要素で担保するかということが修正協議で問題になったというように聞かされておりまして、私どもは与党の先生方から、その際に時間で拘束してはどうかということが案として上っているということでございまして、具体的には、四百時間ではどうか、あるいは二百時間ではどうかということが問題になっているというふうに聞かされていたわけでございます。 その際に、私どもは、与党の先生方にももちろん、時間で拘束することの現実的な意味、これは先ほど漆原先生の方からここでも御説明になられたとおりでございますけれども、そういうことについて法文上あるいはその他の何らかの法的意味を持つ形でこれをつけ加えるということは、なかなか現実の研修の執行のあり方からすると難しい面があるんではないかということを与党の先生方にも、聞かれましたので御説明をし、それであわせて、では野党側にもよくそのことを理解してもらえということで、野党の先生方にもということで、代表として窓口になっておられました山花委員に御説明をするつもりでいたわけでございます。
○山花委員 いや、答えていないじゃないですか。与党の方に説明するのは、それは当たり前ですよ。それは説明しなかったら、与党の方だって怒りますよ。それは当たり前ですよ。それをこっちに、あなたが私に対してどういうものを言ったかということを言っているんです。
○寺田政府参考人 これは先ほども出ましたように、仮に、二百時間なら二百時間という形で決めますと、その二百時間の中でどういう内容で研修することということ以前に、二百時間ということが圧倒的に拘束力を持つわけでございまして、では二百時間やればどのようなことでもいいのかということが問題になるわけでございます。 そのような決め方よりは、内容的な決め方の方が適切である、それは、実際上、そういうふうな機能の面から見て適切であるので、二百時間という形での拘束力を持つやり方については、私どもは相当でない、現実に執行する側で相当でないという形で御説明を申し上げたわけでございます。
○山花委員 参考人がこんなうそをつくんだったら、本当に質問できませんよ、これ以上。 あなたは下でそんなこと言ってないじゃないですか。うそをつかないでくださいよ。何をべらべらべらべら、時間をちょっととめてください。そんな、ばかばかしいことを言わないでくださいよ。時間でやるのは勘弁してくれ、一言、それが最初に、冒頭にあって、そんな説明してないですよ、あなたは。何を言っているんですか。やっていられないですよ、そんなの。(発言する者あり)再答弁で済みますか。うそをついているんですよ、あなたは。
○山本委員長 寺田司法法制部長、的確な御答弁をお願いします。
○寺田政府参考人 文字どおり申し上げれば、おっしゃったとおり、二百時間というような形では、私どもの実務が動かないので、御勘弁願いたいというふうに申し上げました。
○山花委員 その点については、司法制度改革本部からも何度か説明が来ていますよ。それでだめだということを言っているのに、改めてあなたが来て、そういうことを言っているんだから。 いいですか、初めてその話を聞いたわけじゃないですよ。時間の話も、何度もずっとそれは政府の側の方にも話をして、あえてまた、それでも、あなただけじゃなしに何人か来ましたけれども、今現場にいるのはあなただから聞いていますけれども、何だったら、ほかの方に聞いたっていいですよ。そういうことを言っているじゃないですか。それは説明ですか。いいですか、それは勘弁してほしい、やめてほしいと言っているじゃないですか。説明じゃないじゃないですか。どういう理屈をこねたらそれが説明だと言えるんですか。協議に首を突っ込んで、それがまさに憲法違反だと言っているわけです。 いいですか、政府が、議案は出せますよ、出して、その中身について説明することはいいですよ。何で協議の中身にそうやって口を出せるんですか。
○寺田政府参考人 おっしゃるとおり、まさに従前、従前というのは、私が参ります前に、司法制度改革推進本部の方からその背景についてさまざまな要素を含めて説明をし、それでその上に、私がさらに、御勘弁願いたいという文言を用いて先生に御説明を申し上げたわけでございます。 それは確かに、私どもとしては説明のつもりでおりますが、受け取られた側の山花委員の方で、それが何らかの形での拘束力を持つ発言だというふうにお感じになられたら、それは、先ほど申しましたように、適切でなかったので深くおわびを申し上げます。
○山花委員 形式的な理屈の話じゃないと思いますよ。 いいですか、委員会の審議というのは、例えば、参考人から意見を聞くこともあります。別にそれだって、拘束力を持つものじゃないじゃないですか。いろいろな意見を聞いてというのが審議なんですよ。審議して、そして採決ですよ。それがまさに、憲法四十一条で言うところの唯一の立法機関といったときに核だと会長だっておっしゃっているわけじゃないですか。 もしそういう認識じゃないんだとすると、これから、司法制度改革推進審議会の意見書なんかも、まああれは学者が勝手に言っていることだから、政府はまた違う立場でという、そういう発想で言われているんなら、私はとんでもない話だと思うけれども、それはそれでいいですよ。しかし、こんなの、憲法学者に聞いたら、あなたが言っていることは憲法違反ですよ。拘束力があることが、政府がそもそも言えるわけないじゃないですか。何を言っているんですか。 そんな認識で、そもそも、司法制度改革だとか、何ですか、今度、弁護士法の改正で、司法試験を受かっていない人が、特任検事なんかそうですけれども、法曹になったりとか、司法試験管理委員会で司法試験を実施して、憲法の科目があって、そういう試験をやっているのに、そういう試験を受かってきている人たちがそこに首を並べていて、何でこんなことがわからないんですか。 御説明ですなんて、そんな主観的な認識を問うているわけじゃないですよ。客観的に、あなたが何を言ったか、何をしたか、それを憲法違反じゃないかと言っているんですよ。 そんなことで、これから審議できるわけないでしょう。
○山本委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○山本委員長 速記を起こしてください。 山花郁夫君。
○山花委員 もう一度、問題を少し簡単に整理してからほかの点に移っていきたいと思いますけれども、私は、別に与野党の修正協議がうまくいかなかったことを怒っているわけじゃないんですよ。結果としてそういうことはよく、よくあっては余りよくないんですけれども、あり得ることだと思います。 ただ、それは、やはり議会の、議員同士の交渉の過程で、例えば説得するんだったら、政府側は、与党の方とよく話はそれはやっていただいた上で、その窓口として出てきていただいて、こちらから求めて、どうなっているのと聞いて、それで答えるというのならまだわかりますけれども、突然来たりとかして、これは勘弁してくれとか、これは困るとか、これはこうだと言われているわけですから、これは明らかに問題だと思いますよ。そのことを言っているということで、後で理事会で整理をしていただきたいと思います。 裁判所法についてお伺いしたいと思います。 事物管轄の引き上げが今回九十万から百四十万という形で簡易裁判所はなっておりますけれども、このことによって簡易裁判所に係属する訴訟案件はどの程度増加すると見込まれているでしょうか。
○山崎政府参考人 平成十三年度の民事訴訟事件、この受理件数で申し上げますけれども、地方裁判所が約十六万一千件でございまして、簡易裁判所が約三十二万件という比率になっております。 この中で、訴額が九十万円を超えまして百四十万円までの事件でございますけれども、これは約二万件と推計しておりまして、この場合、簡易裁判所が取り扱う事件は、現在の簡易裁判所の事件数より約六・八%増加ということになります。 全体の比率で申し上げますと、現在が地方裁判所が三三・五%、簡易裁判所が六六・五%でございますけれども、これに今の実数を加えていくという計算をいたしますと、地裁が二八・九%、簡易裁判所が七一・一%、これはあくまでも推計でございますし、今後の事件の出方によっても違ってくるんですが、一応の数字でございます。
○山花委員 全体でいうと六・八%程度の増加ということですけれども、これはあくまでも全体ということで、もちろん偏差があるでしょうから、推測にすぎませんけれども、多いところは一〇ポイント近くいく可能性も、全体で六・八ですから、例えば多いところはもう少しいくようなところもあるんだと思います。 そうだとすると、簡易裁判所で場所によっては、局所的には大変事件がふえるところも出てくることが想定されるわけですけれども、先ほど鎌田議員からも指摘がありましたけれども、裁判官とか書記官、その他の職員であるとか、あるいは物的施設の拡充を行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○中山最高裁判所長官代理者 人的体制につきましては、基本的に地裁の事件が簡裁にシフトするという形になりますので、そういう意味で、裁判官、書記官等につきましても、地裁の方から適切な人数を簡裁の方に動かすということで対処していくことになると思います。 もっとも、今回、こうやって百四十万円に引き上げられる、あるいは少額訴訟が引き上げられることによって簡裁の使い勝手がよくなるということで、事件の掘り起こしというものが今後進んでくるのではないかと思っております。そうしますと、本来の簡易迅速に事件を処理するという簡裁の機能自体にも影響が出てくるということにもなりかねませんので、そのあたりは、適切にそういった機能が果たされるように今後ともきちんと目配りをして体制を整えていきたい、こういうふうに考えているところであります。
○山花委員 要するに、今、始める段階では、地裁から簡裁にシフトするということなので支障はないだろうと。ただ、最高裁の立場でお答えする話じゃないかもしれませんけれども、司法制度改革というのはより身近な司法ということを実現するためにいろいろやっていて、先ほど鎌田委員の話の中でも、裁判ざたなんという言い方はどうかという指摘がありましたけれども、本来であれば、法の支配のある国では最終的には法的なルールに従って事件が解決される、そういう意味では、訴えられたとかいうことでびっくりするような社会じゃなくて、本当は、話し合ってうまくいかなかったら、では裁判で決着しようか、そういう会話になるぐらいの世の中を目指すべきではないかと思うわけです。 その上で、今のお答えというのは、やってみたところ、そういう方向で、実際は、単純に今の事件数を割り算というか割合的に計算すると問題は生じないけれども、そういう形でふえるようなときには迅速に対処したい、そういうことで、もう一度その確認をさせていただきたいと思います。
○中山最高裁判所長官代理者 今おまとめいただいたとおりで結構でございます。
○山花委員 ただ、そうだとすると、人員については恐らくそれでいいんでしょうけれども、例えば箱の方はそれなりの見通しがないと、いきなり、ふえましたので、ではどうにかしましょうというわけにもいかないと思うんですが、物的な点についてはいかがお考えなんですか。
○中山最高裁判所長官代理者 物的体制についても、当然しかるべく対処してくることになると思いますが、例えば東京簡裁ですと、一つの法廷で一日にどのくらいの事件が入っているかといいますと、結局、これは業者事件も非常に多うございますので、午前中だけで五十件入れて、その大半が欠席判決であるというようなところでございます。 したがって、先ほど事務局長の方からも答弁ありましたけれども、六・八%ふえるといったところが、現実にどのくらいそういった法廷の占有率、使用率というものが上がってくるか、そういったところもちょっと見てみないと確たるお答えはできないというふうには思っておりますが、物的体制についてもきちんと見ていきたいというふうに思っております。
○山花委員 過日、参考人質疑の中で、日弁連、司法書士会の方々からも意見を伺った折に、こういった話が出ていました。今回の事物管轄の引き上げということで、不動産については競合管轄になっていますから、東京だと百四十万の土地というのは余りないかもしれないけれども、地方へ行けばそういうことはあるし、また、明け渡し請求訴訟の場合には算定の仕方が評価額の半額だから、百四十万というのは大いにあり得る、したがってふえるだろう、こういうような話がございました。 そうだとすると、受訴時において、裁判所として、現行の制度でもやっているという説明ではあるんですけれども、よりそういったものが件数としてふえてくる可能性があるので、できれば裁判所の方で、入り口のところでさばいてほしい、つまり、窓口のところでこういうのは地裁に行けるんですよと言ったらいかがですかと。ただ、恐らく弁護士会の方々は、全部行くようにと言ってほしいという話だったのかなというような受けとめをしましたが、そこまではもちろんできないでしょうけれども、そうだとすれば、もともともう法律で競合管轄をやめてしまえというような話に近いですから。ただ、適切なアドバイスを今後一層やっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 〔委員長退席、園田委員長代理着席〕
○中山最高裁判所長官代理者 現在も、不動産訴訟につきましては競合管轄ということになっております。しかし、そのうちの七割が地裁の方に既に訴えが提起されているというところで、窓口における対応というものはある意味で適切に行われているかなというふうに思っております。 ただ、今回百四十万に上がるということで、複雑な事件については地裁にお持ちいただいた方がよろしいのではないかというような趣旨のことはもちろん御説明いたしますけれども、裁判拒否であるというような受け取り方をされるということになりますと、これはまた大問題でございますので、そのあたり、適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
○山花委員 民事調停法とか家事審判法の方に議論を移してまいりたいと思います。 司法制度改革推進本部にお伺いします。 今回の、いわゆる非常勤裁判官制度というふうに言われておりますけれども、正式に、正確にというか、いわゆるですからその辺はルーズでもいいのかもしれませんが、厳密に言うと裁判官というほどのものではないのかもしれません。そういう留保をつけながら、いわゆる非常勤裁判官制度の創設というのは、司法制度改革全体の中でどういった意義があるという認識なんでしょうか。
○山崎政府参考人 今回創設した制度でございますけれども、民事調停官それから家事調停官の制度は、弁護士から任命される民事調停官及び家事調停官が、民事及び家事の調停事件に関して、裁判官の権限と同等の権限をもって調停を主宰する、こういうことができる制度を設けたということでございます。 そのねらいでございますけれども、一つは、いわゆる弁護士任官の推進、これは裁判所と弁護士会でいろいろ進めているところでございますけれども、なかなか思った数字が出てこないところもあるわけでございます。そういうことから、こういう非常勤の形の制度を創設して、裁判官になっていただいて、裁判官とはどういうものかよくわかっていただいて、弁護士任官、ますますしていただきたいという、その促進の意味が一つございます。 それからもう一つは、弁護士の有する多様な知識経験、それから専門性もございますけれども、これを活用しまして、いわゆる民間的な考え方、これを調停の中に導入していただいて、調停のますますの活性化、これを図っていきたいという二つのねらいでございます。
○山花委員 いわゆる非常勤裁判官制度、まず七庁程度の裁判所で実施するやに聞いておりますけれども、最高裁の方にお伺いしたいと思いますが、これは七庁程度、どこでやろうとしているんでしょうか。また、何でこの七つを選ばれたんでしょうか。
○中山最高裁判所長官代理者 現在予定しておりますところは、民事調停につきましては、東京、横浜、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌でございまして、家事調停につきましては、東京及び大阪で実行するということを検討しているところでございます。 今事務局長の方からも説明がございましたけれども、我が国で初めて導入する制度でありますが、これは例えば小規模庁、中小規模庁でも同じかもしれませんけれども、前の日に法廷で、相手方の弁護人、相手方の代理人ということでおられた方が、その日には、今度は中立公正な調停官としてあらわれるというところもありますので、その辺のところをユーザーである国民の方がどんな受けとめ方をされるかという問題もございます。 そういったような状況、あるいは先ほど来出てきておりますように、弁護士任官にどの程度有効に機能するものか。あるいは複雑困難な事件に十分弁護士としての知識経験というものを活用していただいて、調停官として御活躍いただくことを考えているわけでありますけれども、そのあたりが実際にどんな形で成果が上がっていくか。そういうところも全体として見ていかなければならないということにつきましては、日弁連とも話し合いができているところでございまして、とりあえずまず七庁ぐらいのところ、しかもそういった事件数がかなり見込まれるというところから始めよう、こういうことになったわけでございます。
○山花委員 場所を聞きますと、何か日本海側が少ないのかなという印象を受けますし、何で七庁かということを聞くかといいますと、つまりは、これは確かにおっしゃるとおり、これから全く新しく始めるわけですから、いきなり全国展開しても、これはやる方も大変だし、そもそも、そういう弁護士さんがいらっしゃるかどうかという問題もあるでしょうから、それはそれでわかるんですけれども、例えば、こういうことに関心のある弁護士さんがいらっしゃって、ただ、場所がこういうことだからということで、七庁をまず始めたのはいいけれども、そこで終わってしまうというか、将来的に全国に広げようとか、あるいはある程度のそういう展開をしようというめどがないと、意欲のある方が、結局、都市部というか、そこに集中しちゃうということがあってもいけないと思うものですから、今少しお話があったように思いますけれども、これは今後、何年か先には全国に広げる、そういった制度というか、そういうつもりであるということでよろしいんですか。
○中山最高裁判所長官代理者 来年の一月から実行してまいりたいというふうに考えているわけでありますけれども、どんなふうに、本当にこの制度というものが国民の目に映っていくかというところもきちんと見ていかなければならないというふうに思っております。 したがって、今後どこまで展開するかということはなかなか申し上げにくいところがあるんですけれども、担当部局として、個人的な思いも込めて言いますれば、数年内には三けたには人数を上げていきたい、こういう思いを持っていることだけはお話ししておきたいと思います。
○山花委員 個人的なというような、ちょっと限定がついたように思いますけれども、数年ぐらいで三けたぐらいというような形ですので、私どもは、今回のこのいわゆる非常勤裁判官制度創設については特に反対をするものではありませんが、ただ、少し詰めておきたいことがあります。いわゆる非常勤裁判官と呼ばれる人たちの権限と現在の調停主任の権限というのは全く一緒なんでしょうか、あるいはどこか違うところがあるんでしょうか。
○山崎政府参考人 これは、民事調停で申し上げますと、調停官は裁判官の権限と同等の権限をもって調停手続を主宰することができるということでございますので、行う権限は、裁判官が調停主任として行う権限、それをすべて行使できる、こういうことになります。
○山花委員 調停主任の権限と全く一緒ということですから、ということは、裁判官としての権限と全く一緒という認識でいいんですか。うなずいておられますので、そういうことなんでしょう。 また、今回の民事調停法、家事審判法の改正に関連して、非常勤裁判官の話で申しますと、今後、民事調停、家事調停ということだけではなくて、先ほど本部からもお話がありましたが、民間的な感覚を持つ人を入れたりとか、あるいは調停を活性化させるんだ、そういった趣旨であるとすると、今後の話になるんだと思うんですけれども、例えば、労働調停であるとか、各種そういう専門的な調停というのができたときに、そういった分野にも活用されるべきではないかと思いますけれども、こういったことについて検討される予定はありますでしょうか。
○山崎政府参考人 今回の点について、民事調停と家事調停、これに導入するということは、日弁連と最高裁で協議会を設けておりまして、そこで決まったということでございますが、今後の点についてどうするかという一般的なことも、これは最高裁と弁護士会で、今後どういうような非訟事件、その他の非訟事件に拡大していくかということをお互いに研究して話し合いを続けていくということになっておりますが、それとは別途、今私どもといたしまして、労働調停を導入するかどうかということを検討会で検討しております。 もし成案を得られるならば、来年の通常国会には提出をさせていただきたいというふうに思っておりますが、まだ、今のところ中身は決まっておりませんけれども、これが特別な、別な扱いになるということでもない限り、導入されていく可能性は大いにあるだろうというふうに思いますが、立案の過程の中で、この点を意識しながらきちっと対応してまいりたいと思います。
○山花委員 これは本部にお伺いすることなのか最高裁にお伺いするのか、本部かもしれないですね。今回は、先ほどのお答えですと、非常勤裁判官制度創設の意義というところで、一つは、将来の弁護士任官のワンステップだということもありましたし、民間的な感覚を入れて調停を活性化させるというお話もありましたけれども、そうだとすると、将来的には民事調停とか家事調停以外にも権限を広げるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、最高裁。
○中山最高裁判所長官代理者 現在のところ、週一回でございますので、実は裁判所の仕事、裁判官の仕事というのは、裁判官だけがいればできるというものではございませんで、書記官が当事者と連絡をとり、それをまた裁判官に伝え、裁判官がまた書記官に対して適切な指示をする、そういったいわばチームとして動いている面もございます。したがって、非訟事件といいましても、直ちにそれらがすべてそういった非常勤裁判官の職務になじむというふうには思われません。 そのあたり、今現在、裁判所として取り扱っている事務のうち、どういったものがそういったことでもできるものかどうかということを見定めながら検討してまいりたい、こういうふうに思っているところであります。
○山花委員 ごめんなさい、もう一度。 仮にそういう方向で検討すべきだとすると、大体スパンとしてどれぐらいのものを、要するに、ある程度やってみて結論を出さなきゃいけないでしょうし、いきなりというわけにはいかないと思いますけれども、何年とはさすがにお答えづらいかもしれませんけれども、所感としてお答えになるだけでも結構ですので、おおよその目安は教えてください。
○中山最高裁判所長官代理者 難しい御質問でございますが、来年の今ごろお聞きいただければある程度お答えできるかなというふうに思います。
○山花委員 ある程度やってみないとということなんでしょうけれども。 一方、これは当然のことかもしれませんけれども、過日、衆議院は裁判の迅速化に関する法律というのが通りまして、参議院でとまっていますのでまだ成立はしておりませんが、仮にあれが成立をしたとしての話ですが、少なくとも迅速化という観点からは多少、制度趣旨が必ずしもベクトルが一緒じゃなくて、別に迅速化するために非常勤裁判官を入れるわけじゃないですから、制度そのものを検証するということにはならないでしょうが、ただ、迅速化という観点からの検証の対象にはなるという認識でよろしいですね。
○中山最高裁判所長官代理者 今数字を持ち合わせておりませんけれども、調停事件についてはそれほど長い期日、期間がかかっているというふうには認識しておりません。しかし、中には複雑な事件のものがあり、特に調停不成立ということになるものが間々あるわけでありますが、特にそういったところで御活躍いただけるようにならないか、こういうふうに考えているわけであります。
○山花委員 いや、期間のことだけで言えば確かにそのとおりでしょうし、迅速化法といっても、迅速化のときに、期間を検証するだけじゃなくて、例えばこういった民事調停とか家事調停が活性化して事件がふえて、そうしたら今度は人的、物的にもやはり足りないじゃないかとか、これは推測ですよ、そういうことになる可能性もはらんでいるわけですから。 それが、例えば期間自体は必ずしも従来より長くなったりしていなかったとしても、例えば調停も一回か三回かそれぐらいで終わっていたとしても、それそのものとして見たときに、ただ、全体としての迅速化のためにはもう少し人を配置しないといけないぞとか、あるいは、先ほど箱の話をしましたけれども、もう一つぐらい支所をつくらなければいけないぞということになる、可能性の問題ですけれどもあるわけですから、そういった意味で、検証の対象には当然なり得るということでよろしい、今言ったのがそうなるということではなくて、そういう可能性もあるわけだから検証の対象となるということでよろしいですね。
○中山最高裁判所長官代理者 検証の対象としてどういったものを取り上げていくかということは今後また検討していかなければいけないとは思っておりますけれども、今言いましたように、こういったような非常勤裁判官制度の導入で調停事件が活性化し、さらに申し立てがふえるということになりますれば、迅速化法における検証を待たずに人的、物的体制というものは整えていかなければならないというふうに思っています。
○山花委員 その方がいい御答弁なのかなと思います。 この非常勤裁判官制度を導入する趣旨からすると、必ずしも弁護士任官のための第一歩というだけではなくて、ほかにもそういった民間的な感覚を持つ方を入れて、あるいは調停制度をもっと活性化させるんだという趣旨からすると、この非常勤裁判官制度というのは、過渡的なものではなくて、今後、例えば将来、弁護士任官というルートが確立されて、そういった道が一本できたとしてもなお存在意義があるものではないかと思いますし、また、弁護士任官に対して非常に意欲のある方でも、いきなりというのはちょっとしんどいので、とりあえずこういったことからやってみようかなと思う方もいらっしゃるのではないかと思います。 したがって、これは過渡的な制度ではなくて永続的な、未来永劫とはもちろん言いませんけれども、ある程度永続的なものであるべきだと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○山崎政府参考人 ただいま委員御指摘のとおり、弁護士任官がある程度その数が得られるといった段階でも、やはり調停の活性化等、あるいはこれから弁護士任官をしていきたい方がその前に感覚的なことをきちっと把握するという必要性もあろうかと思いますので、これは弁護士任官が十分できたら終わりという制度で考えているわけではございません。
○山花委員 非常勤裁判官制度についてはとりあえずこれぐらいで終わりにしたいと思います。 外弁法の関係に移ってまいりたいと思います。 今回の外弁法の改正によりまして、日本の弁護士と外国法事務弁護士、いわゆる外弁ですね、この協働を促進しようという趣旨のものであると拝察をいたしますが、あくまでも日本法は日本の弁護士資格を持っている弁護士が取り扱って、外弁は原資格及び指定法のみを取り扱うという現行の原則というのは変わるんですか、変わらないんですか。
○山崎政府参考人 日本の弁護士と外弁の組み合わせの問題は改正の対象にしておりますけれども、権限の問題は全く変わらないということでございます。
○山花委員 要するに、現行のルールというか原則については全く変化はないという御答弁だったと思います。 そうであるとすると、ちょっと細かな話になりますが、改正案の二条十五号に言いますところの外国法共同事業、つまり、日本の弁護士と外弁が両方の共同経営者として、共同で事務所をつくるようなケースです。この場合、日本法も外国法も扱い得るということになるわけです。 他方で、外国法共同事業でない外国法事務弁護士であるとかあるいは外国法事務弁護士事務所が今回の改正案による雇用解禁ということによって日本の弁護士を雇用したというケース、このケースでも日本法は取り扱えないということになるという理解でよろしいんでしょうか。
○山崎政府参考人 雇用であろうとパートナーであろうと単独であろうと、その行使できる権限、これには変わりがないということでございます。
○山花委員 要するに、外弁が、例えばいそ弁と言われるような、そういった方を利用して現行の原則を潜脱するようなことはそもそもできないんだということですね。
○山崎政府参考人 それはもう当然でございまして、その趣旨を明確にするために四十九条とかあるいは四十九条の二の規定を置かせていただいております。
○山花委員 今出てまいりました四十九条だとか四十九条の二の権限外法律事務取り扱いについての雇用関係に基づく業務上の命令の禁止等ということですけれども、今のケースだけではなくて、もう少し一般化していいますと、この立法趣旨というのは、外弁が弁護士を雇用したりとかあるいは外国法共同事業を通じて実質的に日本法を取り扱うというような、うんとざくっと言えば、外弁法四条の潜脱行為、これを防止しようとするという趣旨だということでよろしいんですね。
○山崎政府参考人 結論的にはそのとおりでございまして、これは四条が大もとにございまして、今度、パートナーあるいは雇用を認めていく上で、その四条について具体的にどういう行為が禁止されるのか、これは解釈に任せますと非常に不明確になるという点もございますので、これを明らかにいたしまして、こういう指針に従ってやりなさいということを明確にしているものでございます。
○山花委員 そういった趣旨の条項があるんですけれども、ただ、これらの条項に違反したとしても、例えば刑事罰があったりとか、まあ個別にはあるものもあるのかもしれませんけれども、必ずしも罰則であるとか、あるいは厳しいあれで言うと弁護士資格を剥奪しちゃうとか、もう一度改めて司法修習をやらせるとか、そういったペナルティーはないようですけれども、これは、違反に対する担保というのはどういう形で行うんですか。
○山崎政府参考人 これは、基本的には現行法の考え方に乗るわけでございまして、現在四条の規定がございまして、これに違反した場合は、第一次的にはまず懲戒の対象になる、規定違反で懲戒ということで、重い場合には除名処分にまでなる、こういうシステムをとっております。 この中でさらに違法性の高いものにつきまして、これは六十三条という規定がございますが、例えば日本の裁判所に訴状を提出したりとか、そういう行為をみずからやったとか、そういう場合には、これは罰則の対象になっておりまして、違法性の高いものは罰則、その前は懲戒で、第一次的には私的自治の問題がございますので、そこで厳しく対応していただきまして、それでもどうしようもなければやはり刑罰権の発動、こういうような考え方で、この考え方は変わっておりません。
○山花委員 今、六十三条の話が出ましたけれども、六十三条は、例えば四号ですと、書面による鑑定ということを刑事罰の対象としていますけれども、裏から言えば、口頭でアドバイスしたりとかいうのは別に刑事罰の対象とならないわけですよね。もちろん、罪刑法定主義の原則がありますから、こういうのは刑事罰と書いていない限り、犯罪とならないのは当然なんですけれども。 ただ、反面、今回の改正によって少し権限が、権限がというか自由化がされているわけですから、そうすると、四条を中心にして見ると、今回の改正によって四条違反になる可能性のある行為ということは広がっているという言い方も、それは見方の問題ですけれども、あり得ると思うんですよ。ただ、本当に限定的なもののみ刑事罰ということになっているんですけれども、こういった、要するに四条違反については、今の御答弁ですと、あくまでも原則はというか、担保は日弁連によるそういう懲戒処分とかそういったことで担保するんだ、あくまでも違法性が高いとおっしゃられる限定的なことについては刑事罰だけれども、原則はその日弁連の内部的な処分が担保だ、こういう趣旨でよろしいですね。
○山崎政府参考人 原則的には、まず懲戒が第一次的ということでございます。
○山花委員 今回の法改正については随分といろいろ各方面から意見もあったようで、例えば弁護士の雇用解禁であるとか、外国法共同事業の自由化というような、従来の特定の共同事業という観点から見ますと大幅な規制緩和というような評価もできるわけで、特に日弁連の方々が言われていたんでしょうか、外弁法四条違反などの弊害が出てくるのではないかというような心配の声もあったようです。それこそ、これもやってみないとわからないところも多々あるわけですけれども。 ただ、今後施行後の状況とかを見て、第一次的には懲戒でということでしたけれども、そうならないように祈りますけれども、余りにもちょっとというのが今後出てくるようだったら、少しその対策というか、もちろん日弁連と協議しながらということになるんでしょうけれども、そういうことをやる必要というのがあるように思うんですけれども、これはいかがでしょうか。
○山崎政府参考人 確かに、御指摘のとおり、今回こういう形でオープンになりましたけれども、やはりこの運用はきちっと把握していかざるを得ないと思うんですね。やはり弊害が生ずればそれなりの手当てをしなければならないと十分承知をしております。
○山花委員 今回の改正については、例えば、外国の例を出して本当に大丈夫かというような懸念の声も一部あるようです。 例えばアメリカなんかですと、雇用解禁であるとかあるいは共同事業の自由化までやっているという州は、そうみんながみんなやっているわけではなくて、もちろんやっている州もあるようですけれども、そうであったりであるとか、あるいはフランスなどのケースですと、一回開放したけれどもまたやめてしまったりだとか、こういったものもあるということから、二年と言わずもうちょっと準備期間が必要なのではないかな、そういった意見もあるようですけれども、この点についてはどのような認識をお持ちでしょうか。
○山崎政府参考人 確かに、雇用を解禁するということになれば、会則あるいはその下に規程というものがございますけれども、そこでいろいろ行為規範等をきちっと定めていただくということになろうかと思います。ですから、相当な準備期間は必要だろうというふうに私ども思っております。 ですから、この法案の附則が、公布の日から二年以内で政令で定める日という定め方をしておりますけれども、政府の方でいろいろ準備をやるならある程度の期間というのは読めるわけでございますが、これは日弁連の方で行うわけでございますので、そこで若干幅をとってございまして、その中で日弁連の準備状況を見ながら政令で定めていきたいというふうに考えているところでございます。その期間の点についても、日弁連の方にも二年ということでお話はしてございます。
○山花委員 今回のこの外弁法の改正については、国内だけの問題なのかどうかというのは少し留保が必要なような気がしております。 というのは、今年度以降、WTOのサービス貿易交渉などがいよいよ本格化しますので、今回の法改正は断固やるべきでないと主張するつもりはありませんけれども、一方で、言ってみれば相手にもうすべてカードはほいっと出してしまっているわけですから、今後、外圧という言い方は余りよくないかもしれません、外国の方からいろいろと御意見があったときに、言ってみれば、もうカードはなくなってしまう、そんなような状況になるような気がするんですね。より一層のというような話も出てくるかもしれないですし、なので、タイミングとして本当に今の時期でいいのかなという思いがあります。 よもやとは思いますけれども、例えば、いやいや、まだまだカードはいっぱいあって、これから外弁についてもどんどこどんどこという話なのか、あるいは、いや、もうこれで外国からどう言われようと、今の時点ではこれでいいのだということなのか、その点についての認識をお尋ねします。
○山崎政府参考人 委員御案内のとおり、この制度については何回かの改正を経ているということでございまして、今回私ども、外国からいろいろ声もございました。それをきっかけということは間違いございませんけれども、最終的には、これは改革審でも十分必要性を議論していただきまして、私どもも必要だ、要するに、国民のサービスの点から必要だという判断で踏み切ったわけでございますが、これを行うことによって若干のいろいろな不満というのはあるかもしれませんけれども、私は、もうこれでほぼ完成している、完成するというふうに理解をしておりまして、今後次から次へということはないというふうに確信をしております。 また、WTOの点についてもお尋ねでございますけれども、これは私どもは直接その任に当たっているわけではございませんが、外務省の方ともいろいろ御相談はさせていただいております。 これは確かにカードをどうするかという問題、御指摘の問題がございますけれども、私ども、外務当局の方といろいろお話し合いをしているところでお聞きしているところでございますが、そのWTOの交渉においても、日本はやるものはやったじゃないかということで、かえって、ではあなた方もやりなさいよということで交渉がむしろ積極的になるということで、決して交渉に影響を与えるわけではないというふうに私どもも聞いておりまして、そのように承知をしているところでございます。
○山花委員 非常に交渉のカードとしては前向きなというか、これが後になってから楽天的だったと言われないことをお祈りしたいと思います。 ただ、この外弁のことなんですけれども、どこまでやるつもりなのかというのは、今後の司法制度改革というか、その中でもロースクールの話にも実は関係があって、というのは何でかといいますと、ちょっとこれはある学生から聞いたというか、学生でもしかしたらそういう意識のある子も結構いるのかもしれないということで頭に入れておいていただきたいんですが、要するに、外弁がだんだんと緩和されてきている、恐らくそれは、こういうことに詳しい人であるとかあるいは議論している人であれば、どこまでの期間で、どの程度までしか広がらないんだろうと推測したりするんですけれども、これが一般の法学部の学生とかだと、どんどん広がっているから、将来、外国の大学を出て弁護士資格を持っている人が日本でも普通に仕事ができるようになるんじゃないかと期待している子たちというのは実は結構いるんですよ。 何でこんな話をするかというと、法科大学院というのができて、これで今、少なくとも彼ら学生たちが見るのは新聞報道で、それによると年間二百万か三百万ぐらいお金がかかるらしいぞ、三年行くと一千万ぐらいかかるらしいぞ、別に我々もたきつけたつもりはないですけれども、実際、国会でもそんなような議論があったと。司法試験も今に比べるとやや易しくなるというか受かりやすくなるようだけれども、ただ、アメリカの州、州によっていろいろ違いますけれども、州によってはロースクールを出れば直ちにそれで弁護士として、ローヤーとして仕事ができる州があって、例えば、日本人にとって余り有名な州ではありませんけれども、ウィスコンシン州というのがあって、ウィスコンシン州立大学を出ると、それもウィスコンシン州立大学というのはかなり競争率が低くて、ある程度の英語の知識があって、余り偏見を持つような言い方をしてはいけないのかもしれません、割と入りやすく出やすいと各州の大学でも言われていて、しかも出ればローヤー、資格がもらえる。なので、これはもう本当、よた話かもしれませんけれども、しかしちょっと気にはなったなという話なんです。 つまり、日本で一千万近くかけて日本の法科大学院なんかに行くよりも、一千万もあったら、アメリカなんかに行けば、別にアルバイトしてでも何とか生活して、大学を出た後法科大学院じゃなくて、四年間ウィスコンシン州立大学を出ればそっちの方がよっぽど将来弁護士になりやすいじゃないのなんというようなうわさが一部あったりして、いや、それはちょっと違うんじゃないのとその場では言っておきましたけれども、そんなような話もありますので。これは、外弁がこれから将来こんなふうになりますよなんということになると、それがいいか悪いかはわからないですよ。ひょっとしたら、外国で学んで、そういう外国の空気を知っている人が日本で弁護士を普通にやるというのが、もしかしたら、いいか悪いかわからないですけれども、そういう人がいてもいいかもしれませんし、先日、法科大学院の法律でしたか、来たときの日弁連の参考人の女性の弁護士さんなんかも、日本でもちろん弁護士資格を取られていますけれども、一回アメリカへ行って帰ってきて、大変ユニークな方でしたし、ああいう方も法曹界に必要なのかなというような気もしましたから、ひょっとすると、外国で資格を取って日本で、十分日本の法律を知っていれば、そういう人も、遠い将来かもしれませんけれども、必要になるかもしれません。ただ、ちょっとそういった学生の方も、割と地味なテーマのようですけれども、気にしている子たちも結構いますので、そこは少し頭の片隅に置いておいていただければと思います。 残り時間も少なくなってまいりましたので、今回の司法制度改革のための裁判所法の一部を改正する法律案について、本当はまだまだ議論を深めていかなければいけないところがあって、実は概括的なことしかきょうはお聞きできませんでしたけれども、本当であれば、今回のようなこの法案、先ほど鎌田さゆり委員からも話がありましたし、恐らくこの午後の質疑の中でもそういうことを言われる方がいると思います、束ね法の形になっていまして、本来であれば、一つ一つの法改正について賛否をあるいは立場の決定をするというのが本来のあり方だと思いますし、今回のこの法案については、束ね法であるがゆえに、司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案に対するという形での修正案を出させていただきました。ただ、実体は弁護士法に対する法改正についての修正案という中身が私たちの法案の中身となっております。 ある法律に対する賛否を決定するに当たっては、もちろん、一つの単行法に対して反対だというときも丸ごと反対のケースというのは実は少なくて、ある条項であるとか問題がある条項などがあって、それに対して賛否ということもありますが、過日も申し上げましたとおり、今回の法改正については単行法ではなくて、個々を別々に見ていけば弁護士法もあれば家事審判法もあれば、要するに八本の法律が束になっているわけです。そのそれぞれについて反対、すべてについて反対を私たちはするつもりはありませんし、また、今後の他の法律についての運用については、政府に対してもしっかりとやっていただきたいという気持ちもありますし、本来であれば、その意味で、賛否ということは責任を共有するという意味も、恐らく野党であってもそれはあるんだと思っております。 ただ、こういうような形で提出されたことについては大変残念に思いますが、先日法務大臣からも、今後はできるだけこういうやり方については注意をしたいというようなお話もありました。それはそれとして受けとめますけれども、今回修正案を出しておりますので、採決態度については、これが可決されればもちろんそれが一番いいわけでありますが、そうでなかったときに法案全体に対する態度ということになってしまうと思いますし、また、それに対して附帯決議というものがつくやに聞いておりますけれども、そのこととあわせて一括しての態度決定ということになってしまうこと大変残念でありますが、まだ採決まで時間がございますので、委員各位におかれましては、ぜひとも民主党、社民党の共同提案に係ります修正案の方を御賛同いただきますよう、この場でお願いを申し上げながら、質疑を終了したいと思います。
○園田委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時八分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森山法務大臣。
○森山国務大臣 法務省が当委員会の委員に対しまして説明の範囲を超えた言動があったことにつきましては、今後そういうことのないよう指導すると同時に、陳謝いたします。 —————————————
○山本委員長 質疑を続行いたします。山田正彦君。
○山田(正)委員 今度の司法制度の改革で、簡易裁判所に百万から百四十万まで、いわゆる百四十万円までは簡裁代理権を授与するということで、私自身大変結構なことだ、そう思っているんです。 今、訴訟をやりたい、そう思っている一般の人にとっては、弁護士さんに頼むと随分お金が高いとかそういうことがあって、そして自分ではやれないということがあると思うんですが、では、司法書士さんにやってもらう、そうしたら、今度の司法制度改革で、訴訟費用、いわゆる報酬とか手数料等々は安くなるものかどうか。司法制度改革推進本部事務局長さん、お答えいただければと思います。
○山崎政府参考人 ちょっと突然の御質問でございますので、数字は全く持っておりませんけれども、一般的に申し上げれば、それは司法書士の方の報酬というのですか、そちらの方が安い額になるだろうというふうに思われます。(山田(正)委員「安く」と呼ぶ)安くなるだろうと思います。
○山田(正)委員 安くなるだろうということは、どうしてそう言えるのか。例えば、この前参考人質疑で、弁護士さんの成田先生でしたか、弁護士の費用とそして司法書士さんの一枚幾らという書記料、それと比較したら、弁護士会で調査したところ、安くならなかった、そう言っておりましたが。 どなたに答弁してもらっても結構なんですが、例えば報酬規定等は司法書士も弁護士も自由なわけで、規定が外れるわけですから自由に決めることができるわけで、一般の庶民が司法書士さんに頼んでも安くならないんではないかと。そこはいかがかと思うんですが、だれか答えられる人がおられたら答えていただきたいし、答えられなかったら次の質問に移ります。
○山崎政府参考人 ただいま手元に資料等が全くないものですから感覚的に申し上げましたが、それは前に、司法書士の、簡裁の代理というよりも、裁判の書記料がございますね。そういうイメージで申し上げたので、それよりも高くなるだろうというふうには思われますけれども、そういうイメージで今大ざっぱに申し上げただけでございます。 これにつきましては、確かに司法書士の方も、報酬は一律に決めることではなくて個人個人で決めていくということになりますので、そういうことになりますと、どういう結果になるかというのはこれから検証していかないと、個々で違ってくる可能性は当然ございます。
○山田(正)委員 今の質問は予告しておったはずなので。まあそれはそれで結構です。 今度の、司法書士に簡裁の代理権を与えるといっても、一般の人にとっては決して訴訟費用は安くなるわけじゃない、そう私は考えておりますが、そうした場合に、では一番いいのは、本人が少額軽微な訴訟はやれるような制度、これを考えなきゃいけない。いわゆる本人訴訟制度、そのために、裁判所あるいは法務局でも結構ですが、どういう準備。例えば相談の窓口に行きます。そのとき、少額訴訟において定型のひな形があって、あるいはどこかの準備室か何か用意してあって、そして、そこでそれぞれ丁寧に、少額訴訟について、軽微な訴訟において訴状の書き方を指導してやるとか、そういった本人でもやれるような手続、それが考えられないのか。 それは、制度そのものとしては最高裁の管轄なのか法務省の管轄なのか、そこはよくわかりませんが、どちらかにお答えいただければと思います。
○中山最高裁判所長官代理者 すべての裁判所におきまして、受付相談窓口というものがございます。そこで、各種手続についての案内リーフレットや今お話ございました訴状のひな形などが置いてございます。また、職員が直接、当事者に対してこうした資料を利用しながら各手続の内容を説明し、当事者の方々が容易に手続選択ができるように努めているところであります。 また、特に東京簡裁のように多数の相談者が来庁する大きなところにつきましては、手続相談を集中的に行う手続相談センターというものを設置し、相談者ごとに仕切りのあるブースを設けて手続相談に応じているというところもございます。 このほか、多くの簡裁においては、電話あるいはファクス、インターネットも通じて、手続案内を行ったり書式を入手できるサービスも実施しておりまして、平成十三年度、電話、ファクス手続案内サービスへのアクセス件数を申し上げますと、全国で十九万件あったところでございます。 以上です。
○山田(正)委員 私どもは、地方の、田舎の裁判所によく出入りするわけですが、裁判所内でうろうろしている人がいる。窓口に相談に来ていると思っているんでしょうが、どこが窓口かすらわからない。そして、仮に書記官に会えたとしても、やはり裁判所は敷居が高い、なかなか相談できないでいる。だから、窓口自体に、本人で訴訟される方の相談窓口とかそういったものをぜひつくらなきゃいけないのではないか。 それは、東京は相談センターがあるということですから、東京はそれで結構でしょう。しかし本当に、裁判所に入ったときあるいは電話したとき、そういったものがありますよということ。 そして、私も自分で訴訟手続を一度だけやったことがあるんですが、印紙はどこに売っているかわからない。ここに印紙を張ってくださいと言われると、そうすると郵便局に売っているらしい、裁判所から郵便局まで行かなきゃいけない。ところが、印紙ですから、自動販売機を裁判所に備えつけして、そしてすぐにでも、そこの販売機で印紙、売ってありますからと。そういう制度、これが僕は司法制度の改革だと思うんですが、それは考えられているのかいないのか。
○中山最高裁判所長官代理者 裁判所に入りますると、最初にまず守衛といったようなところの案内員がおりまして、そこでお聞きいただければ、どこの窓口、何階にあるかということがまたわかるようなことにもなっております。 ただ、仮に、先生がごらんいただいたように、裁判所の中でうろうろしていて職員も声をかけないというようなことでありますと、これは非常に困ったことでありますので、改めて、そういった御指摘があったということは、帰りましてまたいろいろ考えてみたいと思っております。 収入印紙あるいは手数料の額の計算方法ということにつきましても、先ほどの受付相談窓口、これは各裁判所にあるわけでございますが、そこで、ここで買ってください、幾らになりますというようなこともすべてお話しし、場合によってはそこまで案内しているというところもあるというふうに承知しております。
○山田(正)委員 ぜひ、庶民にとって敷居の高い裁判所なんで、そこまで配慮いただければと。 それから、本人で訴えを提起することができても、裁判所に行くと、裁判官がいてそして相手方代理人がいて、本人は、普通の人だったらとても一言もしゃべれない、そういう状況下で本人訴訟をやれといっても無理なんじゃないか。 そうすると、本人訴訟においては、最初にいわゆる準備手続を開いて、そこで裁判官と本人と話し合いをして論点を聞き、整理し、そして次の一回の裁判で決着できるようなそういう制度、東京にはあるかもしれませんが、我々田舎にいる、地方の裁判所ではそんなことはとても考えられないんですが、いかが考えておられるか。
○中山最高裁判所長官代理者 御本人がいらっしゃって裁判を進めるということになりますと、市民間の紛争が多いかと思われます。現在は、少額訴訟ということで、三十万円までのものについては今先生がおっしゃったような手続で、書記官が最初に逐一いろいろこうやって聞き出しまして、その上で一回で結審できるというような制度になっております。 今回のこの改正でそれが六十万円まで引き上げられることになるというふうに承知しているところでありますが、さらにそういったものが充実していくように努めてまいりたいと思っております。
○山田(正)委員 六十万までの訴訟というのは余りないんじゃないかと思うんですが、数はわかりません。 ただ、我々が一般に聞く、百万とか二百万とかその程度の訴訟もできれば本人でやれるような、そういう準備手続を含めた簡便な制度、これが、事物管轄を百四十万まで司法書士に代理権を与えるとかそういうことより、裁判所みずからがやらなければならない大事なことかと思うんですが、法務大臣、見解としていかがでしょうか。
○森山国務大臣 身近な司法にするということが司法制度改革の大きな一つの柱でございますので、先生の御指摘のようなことも踏まえまして、今後とも努力していきたいと思います。 裁判所もいろいろ工夫していらっしゃるという話を今なさいましたが、裁判所ばかりでなく、全体として、身近な司法をつくるということに努力したいと思っております。
○山田(正)委員 今回の改正で、訴えの提起の手数料について低額化、簡素化ということがうたわれておりますが、我々、訴訟をやってみて、一番厄介で難しいのは不動産訴訟だと思うんですが、金銭訴訟に比較して。 そうすると、金銭訴訟は、いわゆる手数料というか、裁判所に納めなきゃならない費用がかなり高い。それで、我々が依頼者に、例えば交通事故の裁判なんというのはすぐ五千万を超えるわけですが、そういった場合に、この訴訟の費用だけで二十一万七千六百円、これだけかかりますよ、それに弁護士費用ですよと言うと、みんな驚いちゃうんですね。こんなに、二十万もそこらも裁判所に納めなきゃならないとはだれも思っていない。不動産訴訟はかなり安くなりました、確かに。そういった意味で、今回改正で、五千万で二十一万七千六百円が十七万になるわけですが、それでも庶民の感覚としては、とてもそんなに裁判所に納めなきゃならない手数料があるとは思っていないんです。 こういう手数料の制度、ただでさえ弁護士の費用だって司法書士さんの費用だって高いのに、それにこういう高いということは、これは明らかに、いわゆる庶民に本当に開放された裁判制度、庶民のための裁判制度にはほど遠い、こんなものでは当然だめだ、そう思いますが、どなたでも結構です、お答えいただきたいと思います。
○山崎政府参考人 委員が御指摘のように、手数料が高くて裁判所に訴えることが困難になるという御指摘もございまして、そういうことから、今回、訴額が二百万円以上の部分について引き下げを行ったということでございます。 今委員が五千万円のところで手数料の差額を御指摘になりましたけれども、それでもまだ下げ方が低いと多分おっしゃるんだろうと思うんですが、実は、これはやはり裁判所を利用していただく方、裁判の運営は全部税金で賄われているわけでございますけれども、裁判を利用する人と利用しない人がいる。それは一律にみんな税金を納めるわけでございますが、やはり裁判を利用する方にもある程度負担をしていただかないと、そこの税負担のアンバランスが生じてしまうということから、一定のものは御負担をいただくということで、我々も、平成四年に、前に減額したんですけれども、それからさらに今減額をしてこれで利用しやすくしたということで、そこは御理解を賜りたいというふうに思います。
○山田(正)委員 御理解をと言っても、理解できませんね。これはまだまだ高い。庶民の感覚からすると、税金を払っていて、さらに裁判所に訴訟をするときに、交通事故一件起こして十七万も払わなきゃいけない。ふだん税金をいっぱい払っているんですよ。これはどう考えてもおかしい。ひとつ大臣、どうお考えでしょうか。
○森山国務大臣 おっしゃることもわかるように思いますけれども、しかし、みんなが負担している税金でやっている裁判所、それをほとんど一度も使わない人も、またしょっちゅう使う人もみんな同じということになると、またそのサイドから見てアンバランスではないかという御意見もあるんじゃないかと思います。 余りにも高くて負担し切れないという問題をおっしゃったわけでございますが、そのようなことがないようにできるだけお安くして、しかし幾分かの負担はしていただくというようなのが今のやり方でございます。
○山田(正)委員 どうやら大臣は、今の制度で、今の改革でいいというお考えのようですが、私はそうは思いませんね。 では、次の質問に移りたいと思います。 実は、こういう小泉政権のもとで非常に経済が破綻して、皆さんが逼迫して、私も時々弁護士の仕事をさせてもらっておりますが、相談に来るのはみんな破産、倒産、そして自殺者、そういった状況です。皆さんに、例えば、自殺までしなくたって、簡単に自己破産できるじゃないか、簡単にいろいろな、民事再生だってあるじゃないか、そういう話をするんですが、なかなかそれができない。 今回、確かに自己破産の費用は安くなりました。ところが、自己破産を本人の申請でやるとすると、前は比較的簡単だったと思うんですが、最近、自己破産の手続もいろいろなものを要求するようになりました、個人の自己破産で。いわゆる三カ月間の所得証明はもちろん、あるいは銀行の預金通帳の写し、そういったものまでいろいろ要求するようになって、書類も多くなってきた。これでは、なかなか自分で、お金のない人が駆け込んで自己破産の手続は無理なんじゃないか。 どなたか回答いただければと思います。
○園尾最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 破産の手続でどれだけの書類などをあらかじめ出していただくかということは、その後の手続をどのように構成するかということにもかかわるわけでございますが、現在、個人の自己破産に関しましては、管財人を付さないで、裁判所の裁判官の調査それから本人の尋問のみで破産宣告をしていくというような手続が相当多くなってまいりまして、全国では恐らく二十万件余りの申し立てについてそのような手続を進めておるところでございます。 そういたしますと、財産隠しだとか、あるいは何か不当な申し立てがないのかどうかという債権者側からの疑問も出てまいりますので、それに裁判所側できちんと答えられるだけの書類をお出しくださいというようなことで、書類を求めているわけでございます。 それとの関係ということになりますので、各裁判所でいろいろ工夫をしておるわけでございますが、いろいろ御意見を各裁判所で拝聴した上で、その運用基準を定めておるということでございます。おおよそ、そういうような運用状況でございます。
○山田(正)委員 代理人がついて、弁護士がついてやる分については、いろいろな書類を整理し、それは十分できると思うのですが、そういう代理人に頼むお金のない庶民にとって、自分で自己破産するとしたら、これは余りにも過大な負担じゃないか。これじゃ、やれないんじゃないか。 確かに裁判所は審尋だけで済ませるようになりました。しかし、そのためにこんな分厚い書類をつくらなければいけない、これは本人ではとてもできない。そうすると、前の方が、本人がまだしも自己破産手続ができていたんじゃないか、そういう実態にあるということ、これはぜひ司法制度改革の一環として、本部長からの御意見をお伺いしたい。——事務局長か。だれでも結構です。
○山崎政府参考人 ただいま御指摘の点も踏まえまして、また今後、その手続法の所管のところといろいろ相談しながら、あるべき手続法はどのようなものかということを検討してまいりたいと思いますが、現在私どもの本部は一定の事項に限られてやっておりますので、私どものテーマには入っておりませんけれども、また所管のところといろいろ相談したいというふうに思っております。
○山田(正)委員 本人で自己破産する場合、本人で個人の民事再生をやる場合、それについては、代理人がやる場合と違った、面接を最初にして、そして必要な書類だけを求めさせる、そういう簡便な手続を別個に考えていいんじゃないか、そう考えますが、副大臣、いかがでしょうか。
○増田副大臣 先生と違って専門家でもありませんが、もちろん考えるべき点であるし、また、私も私なりに取り組んでいきたい。そういう相談が多いので、きっと同じような考え方になるのかな、このような所感だけ、お答えにならぬと思いますが、申し上げます。
○山田(正)委員 ありがとうございます。 それはそれでまたいいのですが、最近、中小零細企業の倒産、破産が相次いでおります。小泉さんのもとで、八十年続いたのれんの会社も十何%か倒産しているという話も新聞に載っておりましたが、大変厳しい状況の中で、破産をしたいと言って、私どものところに中小企業の代表者が相談に来ます。 破産の、裁判所に予納する費用、これが実は、東京ではかなり安くなったそうなんですが、今、田舎に行きますと、裁判所に相談いたしますと、一億かあるいは二億ぐらいの債務で二百万から三百万はかかる、それくらい予納してくださいと言われて、それに弁護士費用もというと、ほとんどの中小零細企業は破産手続ができない。破産手続ができないとどうなるかというと、夜逃げするしかない。夜逃げするとどうなるかというと、そこにある在庫、あらゆるものというのが、一晩のうちにシャッターは破られ、窓ガラスは破られ、あらゆるものが持ち去られる、無法状態となる。これが現に日夜この日本で行われているわけです。 今、本当にせっぱ詰まった人に、二百万用意しなさいよ、破産してやりますよ、そういう裁判所の態度、裁判所の制度、これは大いに問題があるんじゃないか。どなたでも結構ですが、お答えいただきたいと思います。
○園尾最高裁判所長官代理者 それでは、破産の予納金についてお答え申し上げます。 破産の申し立てにつきましては、どの程度の予納金を求めるかは各裁判所で定めるということになっているわけでございますが、東京地裁の例をとってまいりますと、負債額三億円の法人が破産の申し立てをするという場合には二百万円の予納金が必要だというのが標準的な予納金の定めでございます。 この予納金は破産管財人の報酬あるいは破産手続費用などに充てられるわけでございますが、破産の申し立てをする会社にはそのような多額のお金を用意ができないという場合が少なくございません。御指摘の問題点につきましてはここから生じてくるという認識は、私どもも同じくしておるところでございます。 東京地裁の例をとりますと、ただいま御紹介いただきましたとおり、平成十一年から少額管財手続という新しい手続をつくりました。これは弁護士会との協議を重ねに重ねてつくり上げた手続でございますが、手続を徹底して簡素化いたしまして、予納金を、負債額にかかわらず原則として二十万円というような額に設定をしてございます。 破産の申し立てをする会社でありましても、二十万円を用意するということは難しくないのが一般的なように経験上感じますが、この少額管財手続の定着によりまして、破産申し立てをする中小零細企業が急にふえてまいりまして、東京地裁、本庁の例で申しますと、平成十一年には一年間に七百件余りございました法人の破産申し立て件数が平成十四年には二千八百件程度に増加するというような状況になってございます。ただ、これは東京地裁管内の運用ということでございまして、まだ全国的に広がっていないというところが御指摘のような問題点でございます。 しかし、最近では、東京でいいますと八王子支部、それから横浜というように広がってまいりまして、また、大阪、福岡というように全国にも広がりを見せるというようになっておりますので、このような新しい手続を徹底して考えて、幸いにも、破産法改正というのが近く行われる日程であるというように承知しておりますが、それによってなお手続の簡素化が図れまして、このような手続がやりやすくなるというように承知をしておりますので、今後ともこのような発展について期待をするとともに、しっかりと見守っていきたいというように思っております。
○山田(正)委員 東京の会社の中小企業の社長さんは恵まれているようで、東京だけ。大臣、お聞きになったと思います。 こんな司法制度の改革をするより、今一刻も早く、あすの資金繰りにも困って自殺しようと、毎日百人近い人が自殺しているわけですから、そういう人たちに対して安く、今言ったような少額管財が何で東京だけにとどまっているのか。これを早急に全国にやらなければ、毎日毎日大変なことになっている、こういう事実、大臣、どうお考えですか。
○森山国務大臣 今裁判所から御説明がありましたようなことで、各裁判所がそれぞれ決めるということになっているところ、東京を初め幾つかの裁判所がそのような試みを始めたということでありますので、それができるだけ早く広がりまして、全国でそのような状況になりますように、私も願っております。先生がおっしゃるのもごもっともだと思いますので、そのような方向で裁判所も協力してもらいたいというふうに思います。
○山田(正)委員 私どものところに、個人の破産もですが、かつて和議と言っておりました、今は民事再生になりましたが。民事再生で、何とかこの企業は破産にしなくても、破産になりましたら従業員全員解雇ですから、解雇というか路頭に迷うわけです。ところが、この事件だったら民事再生でやれそうだなと、決算書を我々見せていただきながら、ただ資金繰りに困っている。銀行は今自己資本比率四%を切ったら云々だと言われて、もう事実上貸しはがしですから、いわゆる営業内容は何とかなっても、中小企業にとっては資金ショートする、フローの部分で手を上げるというのが大半なんです。 そうすると、それをどうしたらいいかというと、破産ではなく、いわゆる民事再生で救わなきゃいけない。それで、我々のところに相談に来る。私もかなり民事再生をやってきたんですが、その中で、民事再生をやるとすると、この予納費用がまたばかに高い、これは。普通小さな企業で二億から三億あるんですが、裁判所に予納費用を幾ら求められているか。それに、和議と違って、今度の民事再生手続というのはいわゆる申し立て代理人の負担がかなり大きい。大変な代理人負担である。そうすると、代理人の、いわゆる弁護士の費用もある程度もらわなければ、とてもじゃないけれども、だれもやる人はいなくなるだろう。そんな実態です。 その中で、予納費用を一体どれくらい取っているのか、それを少しお聞かせいただきたい。
○園尾最高裁判所長官代理者 それでは、民事再生事件の予納金について御説明をしたいと思いますが、これはやはり各裁判所で運用するということでございますので、裁判所ごとに若干の運用が違いますけれども、東京地裁の例をとってまいりますと、負債額三億円の法人が民事再生の申し立てをするには四百万円の予納金が必要である、こういう標準的な定めになっております。 この予納金を何に使うかといいますと、まずは手続の監督に当たるための監督員の報酬、それから、会社の場合には公認会計士を選んで調査をいたしますが、公認会計士の報酬、そのほかに、その会社がもしも再生がうまくいかなくなって破産をするという場合には、破産にも備えなければいけないということで、破産に備える費用というような、大きく言って三つの費用に充てられるということになります。 民事再生の申し立てをする会社は営業を継続している会社でございまして、債務の支払いが裁判所の保全命令によって全面的にストップされますので、その間に入ってくる売上金などを使って資金的な猶予をつくっていく、そのような操作が一般的だろうと思いますが、そういうことで四百万円の予納金をつくるという会社も少なくないということでございますが、東京地裁で申しますと、当座の資金が少ないという会社につきましては、予納金の分割納付を認めるというような措置をとっているところでございます。 民事再生の申し立てをする者にとっては、予納金は少なければ少ないほど助かるわけでございますが、また、調査が不十分なままに手続を進めますと財産隠しや不正行為がはびこるというようないわゆるモラルハザードが起こるということもございまして、双方の関係の調和を図るという必要がございまして、これは各地の裁判所で、申立人側あるいは債権者側の双方の利益について発言をすることができるという弁護士会の御意見なども伺いながら、日夜より適正な予納手続になるように検討をしておるところであろうというように承知をしておりますが、なお一層この点についても研究を重ねなければならないということは全く認識を同じくしておりますので、今後、私どもとしても、その手続の進行について見守っていきたいというように思っております。
○山田(正)委員 今民事局長が話しましたが、民事再生の手続でいわゆる保全処分、弁済禁止の保全処分をいただく、そうすると弁済しないでいいわけですから、お金が入ってくる。それで、それまで予納の費用を待ってもらえませんかと何度も裁判所に相談しました。ところが、予納費用を先に四百万納めなければ保全処分はできない、これが実態なんです。 ぜひ、民事局長、あしたからでも今の話を通達してください。今局長がおっしゃったように、分割でもいいですよ、あるいは後払いで保全処分の後に払ってもらっていいですよ。そうするだけで随分違う、この実態は。 ところが、幾ら私どもが裁判官に直接会ってかけ合っても、だめです、先に四百万予納してもらわなければ保全処分を出すわけにはいきません、これが実態です。これでどれだけの企業が再生できるのに倒産して、失業者がどれだけふえているか。副大臣、御見解いかがでしょうか。
○増田副大臣 大変具体的な御質問でございますし、私の知識をもってしては足らざるところを恥じる次第であります。しかし、お考えの趣旨はよく理解できます。 そういった意味で、私自身もそういう場面に時々ぶつかりますので、改めて検討してまいりたい、このように思います。
○山田(正)委員 司法制度の改革というのはあしたからでもできる、こういう大事なところの第一歩、これを法務省もそして大臣も、副大臣、政務官の皆さん方も、ぜひ取り組んでいただきたい。特に、最高裁判所民事局長、あした通達を一つ出すだけで全国の裁判所はそれに従うんじゃないか。いかがでしょうか。
○園尾最高裁判所長官代理者 予納金をどのように定めるかということは裁判事項でございまして、これは各裁判体で責任を持って行う事項ということになります。ただ、今おっしゃられたような意見というのは、私どもも弁護士会との協議をするというような場合に、そのような意見があることは重々承知をしておるところでございます。 ただ、会社の再生事件ということになりますと、この申し立てを受け付けた直後から大変大きな変動があるといいますか、すぐに破産手続に移行させて財産を保全しなければならない事情があるとか、さまざまな緊急な事態が生じるということがありますので、現在の裁判所の運用といたしましては、申し立て時にしかるべく予納金を求めるということが行われておるということでございますが、この点について、より利用できるようにというようなことで今後も検討が続いていくと思います。 和議に比べまして、和議の当時には多いときで一年間に三百件前後の申し立て件数でございましたが、民事再生法が施行されて以後は毎年一千件を超える申し立てということで、徐々にそのような手当てがされていっているというように考えるわけですが、なお、さまざまな手続について各裁判体で研究をしていく課題がありますので、その中での検討として私どもも検討状況をしっかりと見守っていきたいというように思っております。
○山田(正)委員 局長、それはちょっと違うんじゃないでしょうか。 東京地裁だけは保全処分の後にいわゆる予納費用を払ってもいい、分割でもいい、東京地裁だけは。これはおかしいんじゃないですか、各裁判所に任せているからといっても。 やはり、民事の裁判所の局長たる責任ある立場において、あしたからでも、本当にあしたからでもいい、各裁判所に民事再生の予納費用の分割を認める、そういう通達を一つ出すだけでどれだけの人が死なないで済むか、極端に言えば。そういう実情だということなんですよ。どうですか、東京地裁はやっているんだから、全国の地裁にそういうことをあしたからでもやれませんか。
○園尾最高裁判所長官代理者 まず、東京地裁の実情でございますが、ただいまの三億円の負債額についての四百万円の予納金ということを標準的に定めておりますが、これにつきましての分割納付といいますのは、まず六割の予納金を最初に納めていただいて、残る四割について二度までの分割を認めるというようなことでございまして、東京地裁におきましてもなお、分割につきましては、そのような制限的な運用をしておるわけでございます。 これは先ほど御説明申しましたとおり、民事再生事件の手続といいますのは、申し立てを受け付けた直後から、場合によってはすぐに破産手続に移行するというような進展が非常に速いところからくる検討でございます。 ただ、ただいまのような御指摘は、弁護士会の方からもいろいろ意見をいただいて、債権者側の御意見、そのようなこともあわせ考えながら研究をしておるところでございますので、その点については、なお、先ほどの繰り返しになりますが、各裁判所での研究課題ということで、今後検討されていくということになろうかと思っております。
○山田(正)委員 困っている中小零細企業の人たちにとっては、いわゆる再生ができずに破産にいかざるを得ないという実情は、どうやらこのまま続きそうです。 司法制度改革という名の大きな看板を掲げながら、それでいてこういう悲惨な実態が、実際の経済の活性化とかいわゆる産業再生とか、かけ声はかけながら、日本の大半の中小零細企業はこういう実態に置かれているという現状、これは、大臣、副大臣、政務官、皆さん方も御認識していただけたかと思います。ぜひこの司法制度改革はそういうところからお願いしたい、そう思います。 それから、私は、東京みたいに恵まれたところで弁護士をやっているわけじゃありませんで、今、離島、五島列島というところで裁判所に時々行ったりしておりますが、この前の参考人質疑にもありましたように、いわゆる弁護士ゼロ地帯といいますか、日本の離島は、ほとんどというより全く弁護士さんがいないような状況である。 そういった中で、本当にみんな困っている。例えば暴力金融等、〇九〇の電話金融も、今や小さい田舎までどんどん入ってきているような状況。今、まさに厳しい状況は続いているわけなんですが、その中で、弁護士さんを何とか地方に満遍なく。 そういう意味で、小泉さんのネット構想というのは、弁護士さんが地方にいない、横須賀には二十三人くらいいるけれども三浦市には一人もいないとか、何かそういう趣旨のことを発言しておられましたが、それ以上に地方においては深刻な状況にあって、仮に、今度、司法制度の改革で司法試験合格者を三倍に四倍にふやしたとしても、一極集中で、例えば東京、九州だったら福岡、長崎、そういったところにみんな集まってしまう。どんなにふやしても、東京とか大都市にどんどん集まってしまう。 それをどういうふうに今度の司法制度改革で考えておられるか。どなたでも結構ですが、御意見をお伺いしたい。
○山崎政府参考人 ただいま御指摘の点は、私ども司法ネットという呼び方をしておりますけれども、これは小泉総理も指示されたことでございますけれども、国民が気軽に、全国どこの町でも、法律上のトラブルの解決に必要な情報あるいはサービスの提供が受けられるということが目的でございます。 現在、私どもの方の本部で内容の詰めをやっているところでございますが、この対象となるものでございますけれども、まず、民事に関しても、弁護士がそもそもいないということで、そういうところに弁護士を派遣して法律サービスをしていただく、あるいは相談をしてもらう、そういうこともございますし、また、刑事事件に関しまして、現在、被疑者弁護の制度を検討しているわけでございますけれども、これも、被疑者の段階で弁護士が呼ばれるということになるときに、いないという状態では、これはとても制度としてもたないわけでございますので。 そういうサービスもできるようにということで、全国の法律家が少ないようなところに拠点を設けて、サービスが可能になるようなもの、これは、我々の、政府の方のいろいろな考え方それから努力もございますけれども、日弁連の方でも当然これはいろいろ工夫をしていただいて、現在も公設事務所等ができておると思いますけれども、この発展も待たなきゃなりませんけれども、それだけでは足りませんので、政府の方としても考えたいということで、現在、本部で、国民の皆様方から寄せられている御意見も参考にして検討しているということでございます。 これが、もし法律上の手当てがいろいろ必要だということになれば、来年の通常国会には所要の法案を提出させていただきたい、こういうことでやっております。
○山田(正)委員 大臣、地方、田舎あるいは島において、同じ税金を払いながら、一方は、いざというときに刑事弁護も受けられない、民事の弁護も受けられない、そういう実態がるるとして続いているわけです。今、無医村とか言われていました。医者が島にいないとか言われていましたが、大体、お医者さんは島に何とか配置できるようになってきたようです、まだ不便は大変不便なんですが。そんな中で、今申し上げましたように、弁護士を幾らふやしたって、そういう公設の事務所をつくることが大事。 しかしながら、私もこの前、参考人質疑で笑い話になっちゃいましたが、五島の福江に、いわゆる法律相談所というのが設けられています。そこに弁護士さんが来たというので、そこに紹介しましたら、その弁護士さんは、着手金だけ四十万もらって、どこかへ出奔していなくなったということがありまして、希有な例だということでしょうが、とうとう、その四十万払ったのを私が立てかえて、私が紹介したものだから、払ってしまったんですが。 まあ、弁護士もいろいろいます。そういうところに質の悪い弁護士さんをやってもらっちゃ困るわけで、私も質は悪いんですけれども、ここは、そういう意味では、来年法案を出すということですから、十分そういう配慮をしていただいて、そして本当に、同じ税金を払っている、東京も地方も。どうも先ほどから民事局長の話を聞いていましたら、東京は大変恵まれているようで、うらやましい限りだと思ったんですが、そういう意味で、ひとつ最後に、そういった趣旨を含めて、司法制度改革に対する大臣の御見解をいただければと思います。
○森山国務大臣 日本の国民、皆同じでございますので、どこに住んでいても、どのような状況の人でも、気軽に法律上のトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるような、司法ネットと総理はおっしゃっていますけれども、その司法ネットの整備のための検討を進めたいと思っております。 司法ネットについては、今事務局長からいろいろ申し上げましたが、細かい点まで、日本じゅうの隅々まで行き届くようにというのが理想でございまして、一挙にはそうはいかないかもしれませんけれども、少しでも前進して、将来の姿として、すべての日本人が同じようなサービスをどこにいても受けられるようにしたいものだというふうに考えておりまして、そのために努力したいと考えています。
○山田(正)委員 時間が参りました。 勝手なことを申し上げましたが、ひとつ、ぜひ司法制度の改革のために、皆さん方の御尽力を期待させていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○山本委員長 次に、木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫です。 司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案についてお聞きします。いろいろな法案が一緒になって盛り込まれた法案ですが、弁護士制度の一部改正についてお聞きをいたします。弁護士資格付与についての特例の拡大についてです。 先日来、当委員会の質疑におきまして、司法試験に合格していても司法修習を経ていない国会議員、企業法務その他に弁護士資格を付与する、余りにもお手盛りではないかという批判がありました。私もそうだと思うんです。先ほど来、委員と法務大臣とのやりとりを聞いておりましたが、なぜ一年半の修習をしなくても弁護士資格を付与するのか、合理的な説得力ある説明は全くなかったと私も思います。私も反対です。 とりわけ、きょうは、司法試験を受かっていて国会議員、企業法務等に従事した者への弁護士資格付与の道の問題よりも、さらにお手盛りが甚だしいのが、司法試験にも合格をしていない、法務省内の独自の試験に合格している者、いわゆる特任検事に対して本法案が弁護士資格を付与する道を開いているという問題でありますので、まずその問題に絞って法務大臣にお聞きします。 検察庁法第十八条第三項は、一定の職にあった副検事の者に対して、政令で定める考試を経た者に検察官の資格を付与するという条文でありますが、この立法趣旨は何でしょうか。
○森山国務大臣 検察庁法第十八条第三項で定めますいわゆる特任検事制度の趣旨は、副検事の経験を経て一定の考試に合格し、検察官として高度の能力を有する者を活用するということにあると考えます。
○木島委員 副検事をやっていた者に特別の試験を受けさせて検察官への道を開く、そのための試験が検察官特別考試ですね。 検察官特別考試令というのがあるはずです。それを仕切っているのが検察官特別任用審査会だと思うんです。審査会の構成、事務はどこがやっているのか、それらはだれが任命しているのか、お答えください。
○森山国務大臣 検察官特別任用審査会の委員は、最高裁判所事務総長、日本弁護士連合会の会長の推薦する弁護士一人及び学識経験者三人の合計五人で構成されておりまして、審査会の庶務は法務省大臣官房人事課が処理することになっております。
○木島委員 どんな試験をしているんでしょうか。
○森山国務大臣 検察官特別考試におきましては、筆記試験、つまり論文式の試験と口述試験が行われております。 筆記試験につきましては、平成十三年以前は、憲法、民法、刑法、刑事訴訟法及び検察の実務の必須科目五科目と、商法、民事訴訟法、破産法、行政法、国際私法、労働法、法医学、刑事政策のうち受験者があらかじめ選択する二科目の合計七科目を試験科目としておりましたが、平成十四年からは必須科目に商法を加えた上、選択科目を民事訴訟法、法医学、刑事政策のうち受験者があらかじめ選択する一科目として、合計七科目を試験科目としております。 口述試験は、憲法、刑法、刑事訴訟法及び検察の実務の四科目を試験科目としております。 検察の実務というのは検事としての実務能力を有するか否かについて試験を行う科目でございまして、筆記試験では刑事模擬記録を用いて、事件の処分に加え、事実認定、法令の適用、情状等、事案処理上の問題点等について起案をさせており、口述試験では具体的事例を用いて、それらの問題点などについて回答をさせるものと聞いております。
○木島委員 そういう試験を経て検察官になった者に対して、今回、弁護士への資格を付与するという法案ですね。なぜ司法試験を合格しなくても弁護士への資格付与の道を開いてあげるんでしょうか。
○森山国務大臣 特任検事は、三年以上副検事として在職した上、政令の定める極めて難しい試験、今申し上げましたが、そのような試験に合格した者から任命されまして、司法修習を経た検事と全く同一の権限を有し、民商事法の解釈を要する刑事事犯等の事件を含め、捜査、公判実務を十分に経験する者でございます。したがいまして、五年間の在職経験を有する特任検事は弁護士にふさわしい能力を十分に備えているものと認められます。 司法制度改革審議会が特任検事への法曹資格の付与を提言した趣旨も、こうした経験を社会において活用しようとする点にございまして、特任検事の再就職の確保とかお手盛りとかいうものではないと考えます。 なお、退職された特任検事経験者のうち、御存命の方が何人いらっしゃるかはわかりませんけれども、退官後、現在おおむね七十歳までの人数を推計いたしますと、約三十名おられます。また、現在の在職者数は四十六名でございます。 ちなみに、特任検事の最近数年間の平均任官者数は、毎年三名程度でございます。
○木島委員 極めて難しい試験が検察官特別考試なんだと。それに合格するということは、大変難しい、日本で一番難しいと言われている司法試験に合格したとほぼ匹敵するという答弁ですね。 本当にそうですか。今、司法試験受験者で一番苦しんでいるのは最初の短答式ですよ、足切りの短答式。たしか、四万人ぐらいの受験者が、去年、六千人ぐらいになってしまうんですから。 短答式はありますか。
○森山国務大臣 こちらの試験には短答式はございません。
○木島委員 試験を取り仕切っているのは法務省事務当局ですね。受験者は法務省の身内の副検事だけですね。 今、いろいろこの種の資格付与に対して批判があります。税務署の職員をやった者に対して税理士の道を開く資格試験、法務省の登記実務をやった者に対して司法書士へ道を開く資格試験。何で批判があるかというと、身内だからですよ。身内の人間のみが受験資格であるそういう資格試験に、手心が加わらないという客観的担保はあるか、お手盛りそのものじゃないか、試験が甘いじゃないか、試験の内容が漏れないという保証があるのか、それは全部受験者が身内だからでしょう。そういう批判にどう答えるんでしょう。
○森山国務大臣 身内でありますのでそのような御批判を受ける懸念はあるわけでございますので、さらに一層身を、姿勢を正して、厳正中立にやらなければいけないと思っておりまして、そのように努めております。
○木島委員 なぜこの特別考試が、大臣がさっき答弁したように、現行司法試験に匹敵するほど難しい試験だというのなら、こんな身内だけの試験をやめて、そういう力のある人なら司法試験に受かるはずですから、司法試験に一本化したらいいじゃないですか。司法試験に一本化できない根拠は何ですか。
○森山国務大臣 私は両方とも自分で受験したことがあるわけじゃないので、内容について細かく申し上げることは残念ながらできないのでございますけれども、この特任検事については、恐らく実務上の経験、あるいはそこで蓄えた経験等を見るというところに意味があるのではないかと思います。
○木島委員 実務は確かに、刑事事件の実務はあるでしょう。しかし、民事の経験はゼロでしょう。 ここに私は、大変有名な、伊藤栄樹かつての検事総長、今は亡き人ですが、書いた「検察庁法 逐条解説」を持ってきております。 この検察庁法十八条の解説のところにおもしろいことが書いてあるんです。要するに、副検事が特別考試を受けて特任検事に格上げになる問題でありますが、こう書いてあるんですよ。「この資格条件によって副検事に任命された者は、あらためて司法試験に合格し、かつ、それから五年以上検察官として在職しなければ、弁護士となることができない。その者がたとえ特別考試に合格して検事に任命されたとしても同様である。このことは、副検事の将来を相当ていど暗いものとしているといったら、いい過ぎであろうか。」と書いてあるんですよ。 特任検事を弁護士への道を切り開くというのは、一貫した検察当局の、野望という言葉を使ってもいいかもしれない。その最大の根拠が、この難しい特別考試に合格して検事になっても弁護士になれない、このことは副検事の将来を相当程度暗いものにしていると言ったら言い過ぎであろうかと。 では、この今度の法案で、特任検事を、司法試験に合格しなくても構わない、弁護士への道を付与するというのは、副検事の将来を明るくするための法案だと言わざるを得ないんですが、お手盛りそのものじゃないですか、これは。答えてください。
○森山国務大臣 伊藤元検事総長の本は、私拝見していないのでわかりませんが、今おっしゃったようなことが書いてあるとすれば、伊藤さんのお考えだったと思います。 確かに、この特任検事制度、特任検事から検事への昇進の道を開くということは、どちらかといえば従来下積み感のありました者に対しまして将来の希望を与えるということになり、大いに意義のある改革であるということは、昭和二十二年の検察庁法制定時の審議においてもこのような説明がされているわけでございますので、そういうような意義を否定するものではございませんけれども、特にだからお手盛りとおっしゃるのは、ちょっと私としてはそうではないんじゃないかというふうに思います。
○木島委員 いや、長年まじめに副検事をやって、検察実務も非常に有能、そういう人に非常に難しい特別考試をやって検察官たる道を開くのは結構ですよ、それが現行制度ですよ。だからといって、その者に対して、司法試験を経ないで、もう全国の皆さんが本当に苦労して、苦学して、司法試験突破のために本当に一生を棒に振るような状況もあるのに、何でこの特任検事だけは司法試験を受けなくて弁護士への道を付与するんでしょうか。もう全然理屈が立っていない。私は、これはもう撤回されたいということを要求して、次の質問に移ります。 企業法務経験七年以上の者に弁護士資格を付与する件であります。企業法務に七年以上従事したことが、どうして司法修習にかわり得るんですか。
○森山国務大臣 このたび、弁護士資格の特例を拡充することにいたしましたのは、そもそも社会のさまざまな分野、場面で法律に関する実務経験を経て高度の専門的能力を備えた者について、その経験や専門性を活用できる道を開くということが、多様なバックグラウンドを有する法曹の確保という司法制度改革の趣旨にかなう、多様かつ広範な国民の要請にこたえることができる、それにつながるという考えのもとにしたわけでございます。 この中で、いわゆる企業法務の果たす役割といいますのは、近年、情報化、国際化の進展等、企業を取り巻く環境が大きく変化する中で、事業活動をめぐって生ずるさまざまな法的紛争の解決を図るのみならず、あらかじめ紛争の発生を予測してこれを防止する見地などから、さまざまな事業活動の企画や実施に参画するなど、ますます広範かつ高度なものになっております。 そこで、企業法務等の担当者が、契約関係や裁判手続関係など、弁護士業務に結びつくような高度な法律関係事務に携わっているという点に着目いたしまして、司法試験合格後にこれらの実務経験を経た者に対して、所定の研修の修了を要件とした上で、弁護士資格を付与するということにしたものでございます。
○木島委員 全然説得力ある説明になっていないんですよね。何で一年半の法曹実務家としての勉強の場である司法修習をバイパスさせる必要があるんでしょうか。やらせたらいいじゃないですか。何でそんな便宜を与えなきゃならぬのですか。 私はもうこれは論じません。司法修習の軽視であり、そういうところに国家予算を使いたくないということであり、そして、とりわけそういう企業法務への便益の供与だ。二重三重からこの仕組みは容認できないということだけ申し上げて、次に、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の改正についてお聞きします。 今回、最大の改正点は、外国弁護士による日本弁護士の雇用禁止を解禁することであります。司法制度改革審議会意見書も、雇用禁止の解禁はすぐやれなんということを全然書いていないんですよ。「国際的議論もにらみつつ、将来の課題として引き続き検討すべきである。」というのが改革審の意見書ですよ。 大臣に聞きます。これまで、外国弁護士が日本弁護士の雇用を禁じてきたのは、どのような理由だったんでしょうか。
○森山国務大臣 これまで、外国法事務弁護士による弁護士の雇用を禁止してまいりましたのは、本来、外国法事務弁護士が行うことのできない法律事務を雇用した弁護士を介して取り扱うことになるおそれがあるというふうに考えられたことから、これを防止しようとしたのでございます。
○木島委員 そうしたら、今度は雇用することができるとなったら、そのおそれが一遍に出てくるんじゃないですか。何で解禁するんですか。
○森山国務大臣 御存じのようなグローバル化の進展に伴いまして、国際的な法律問題が量的に非常に増大してまいりました。内容的にも複雑多様化すると予想されるわけでございます。 司法制度改革審議会の意見におきましても、弁護士が、国際化時代の法的需要を十分満たすことのできる質の高い法律サービスを提供できるようにするという見地から、弁護士と外国法事務弁護士等との提携、協働を積極的に推進すべきであるとまずされているわけでございます。 審議会の意見を踏まえまして、外国法事務弁護士との提携、協働のあり方について検討いたしました結果、利用者のニーズにこたえるために提携、協働関係をできるだけ多様なものにするということが必要でありまして、また、外弁法の施行実績を踏まえて、規制緩和に伴う弊害のおそれも高くないということが見込まれることなどから、外国法事務弁護士と弁護士の共同事業及び外国法事務弁護士による弁護士の雇用等についての規制を緩和するということを考えたのでございます。
○木島委員 利用者のニーズとたくさん言います、再三言いますが、利用者ってだれですか。アメリカに本拠を置くような多国籍大企業じゃないですか。
○森山国務大臣 そういう企業もあるでしょうけれども、そうでない、中小企業もあるでしょうし、個人も、今これからの時代、あるかもしれないと思います。
○木島委員 中小企業のニーズがあるから何で外国弁護士に我が日本の弁護士を雇用させるような状況をつくり出さなきゃいかぬのでしょうか。全然理由になっていないですね。 先ほど来、質問、この問題についての質疑もありました。外国法弁護士は日本法の事務はできない、その原則は貫く、変わらないとおっしゃっていました。この法案は、そうならぬような歯どめでしょうか、四十九条一項と四十九条三項、つくっていますね。四十九条一項は、「業務の範囲を超える法律事務の取扱いについて、」「雇用関係に基づく業務上の命令をしてはならない。」そういう文章です。四十九条三項は、「外国法事務弁護士の権限外法律事務に当たるものの取扱いについて、不当な関与をしてはならない。」そういう文言であります。どういう趣旨ですか。
○森山国務大臣 この法案によります改正後の四十九条一項の規定は、外国法事務弁護士による弁護士の雇用を解禁することに伴いまして、外国法事務弁護士が被雇用弁護士を利用する形態で第四条により禁止された権限外法律事務を行うことになるのを防止しようとするものでございます。 そして、第四十九条第三項の「不当な関与」といいますのは、外国法事務弁護士が被雇用の弁護士がみずから行う法律事務に介入することにより、外国法事務弁護士による権限逸脱行為と評価される関与形態を申します。 具体的には、例えば被雇用の弁護士が我が国の刑事弁護事件を処理するに当たりまして、使用者である外国法事務弁護士が裁判所へ提出する書類の内容に指示を与えて、その指示に従った内容の書類を提出させることは、外国法事務弁護士による権限逸脱行為と評価されて、不当な関与に該当することになると思われます。 また、例えば、弁護士が日本法の解釈に関する鑑定書を作成するに際して、参考となる外国の判例、法令を検索して提供する行為とか、弁護士と依頼者の間のコミュニケーションを円滑にするために通訳を行う行為など、実質的に日本法に関する法律事務を取り扱ったと評価されない形で関与することは不当でない関与ではないかと思われます。
○木島委員 そうすると、こういうことですか。今回の法案で外国法弁護士が日本弁護士を雇用することは解禁する、しかし外国法弁護士は日本法事務はできない、しかし雇われた日本弁護士は、当然のことながら、日本法事務、普通の法律事務ですね、これはやれる、やれるけれども、外国法弁護士は関与しちゃいかぬぞ、業務命令しちゃいかぬぞと。 そうすると、雇用された雇われ弁護士の身分だけれども、日本法事務に関する限りは雇用関係は断ち切られているんだ、そういう意味なんですか、この法案は。
○森山国務大臣 雇用関係が断ち切られているというのはちょっと違うかなと思いますが、その問題については、日本の弁護士が日本の弁護士として独自に仕事ができるということであります。
○木島委員 それじゃ、こういうことは許されるんですか、雇われ日本弁護士が自分の刑事事件をやった、日本の民事事件を日本の裁判所でやった、そういうときの報酬、もらいますね、その報酬は全部自分が手にするんですか。雇い主の外国弁護士に、上に一部上げることは禁じられているんですか。 逆に、そういうのは経費がかかりますね、たくさん。それから、事務所のいろいろな、電話とか法律書物とか事務員も使いますね。そういう事務員は使っちゃいかぬ、使えるんですか、外国法弁護士の雇っている事務員なんかも使っていいんですか。どうなんですか、そういうことは許されるんですか、許されないんですか。
○森山国務大臣 それは、例えば報酬の帰属とか費用の負担などですが、それをどのようにするかというのは、弁護士同士の雇用関係と同様に、その契約によって決められるものではなかろうかと。一口に言えばケース・バイ・ケースになるんではないかと思われます。
○木島委員 そうしますと、大体、日本に上陸する外国弁護士というのは、アメリカの巨大なローファームの経験者でしょう。そういう外国法弁護士が日本に乗り込んでくる、そしてそこで日本のぺいぺいの弁護士を雇う。そして、法律には確かに業務上の命令をしちゃいかぬぞとか不当な関与をしてはいかぬぞなんていったって、今答弁で、私の質問に対して、それは弁護士対弁護士、雇い主の外国弁護士と雇われ日本弁護士との契約関係だなんということでは、これに反することの防止といいますか、この法律が本当に実効性を持たせることなんというのは、雇用関係に入るわけですから、事実上できないということになるんじゃないんでしょうか。 私はそんなことを大変危惧するわけでありまして、だからこそ日弁連が、こんな形でこれまでの外国法弁護士に対するさまざまな規制が風穴があけられたら大変なことになるという意見を言っているのは当然なことだと思いまして、私もこれには絶対賛成するわけにはいかないということを表明しておきたいと思います。 さまざまな問題のある法案でありますが、法案についてはこのくらいに切り上げて、次の問題について質問をいたします。 先週の金曜日、私は、ことし四月二十七日施行の全国一斉地方選挙で、大分県の豊後高田市議選挙で、連続九回の当選を果たし、得票九百十二票でトップ当選で当選した日本共産党の大石忠昭市議が選挙後の五月三日に公職選挙法違反容疑で逮捕され、引き続きずっと今もなお勾留が続いてます。これは、法務大臣でも警察庁でも結構ですが、逮捕、勾留の被疑事実は何でしょうか。
○森山国務大臣 お尋ねにつきましては、大分地方検察庁では、本年五月五日、豊後高田市の大石忠昭市議について警察から公職選挙法違反の事実による身柄送致を受け、現在同事実につき捜査中であると聞いております。 その逮捕、勾留の被疑事実の要旨は、被疑者は、平成十五年四月二十七日施行の豊後高田市議会選挙に際し、同選挙に立候補する決意を有していたものであるが、自己の当選を得る目的を持って、立候補届け出前である同年四月十二日、同選挙区の選挙人十八名方を戸別に訪問し、自己に対する投票を依頼するとともに、あなたの御家族、お知り合い、友人に今すぐ大石の票を頼んでください等と記載した選挙運動文書を配布するなどして投票を依頼し、もって戸別訪問するとともに、法定外選挙運動文書を流布し、前記選挙運動文書を他の十八名方に投函するなどして配布し、もって法定外選挙運動文書を流布し、一面、立候補届け出前の選挙運動をしたというものであると承知しており、本日が勾留満了日であると聞いております。
○木島委員 被疑事実として取り調べられております大石市議の行為というのは、市議選告示がことし四月二十日ですね、それよりも八日前ですよ。 四月十二日に豊後高田市内の十八軒の後援会のお宅にいわゆる後援会ニュースを配布した。しかし、配布したのは後援会ニュースだけじゃなくて、私手元に持っていますが、彼が長い間市会議員として発行を続けてきた「みんなの高田」というチラシ。これは何とことしの四月十日で千五百六十四号ですよ、見事なものですよ。毎週毎週これを発行して配布するこのチラシと、「大分民報」号外という政治的ないろいろなことが書いてある文書と、そして今法務大臣から被疑事実要旨として指摘された後援会ニュース、この三点を、軒並みじゃないですよ、後援会員の宅に配布した。それから、十五軒の後援会員宅にこれを配布した、たまたまそこには相手がいましたから、そこで対話、会話もあったんでしょう。そういう事実ですよ。 こういうこの種の文書を、告示前ですよ、告示前に後援会のニュースなどを届ける活動なんというものは、まじめに政治活動を行っている地方議員なら全国どこだってやっていることじゃないでしょうか。一体、大石市会議員のこの活動のどこに逮捕、勾留までされなきゃならぬ可罰的違法性というのがあるんでしょうか。可罰的違法性がどこにあるんでしょうか。
○森山国務大臣 お尋ねの件につきましては、現在捜査中の事案にかかわるものでございますから、法務大臣としてはお答えいたしかねます。
○木島委員 豊後高田警察署は、市議選告示のはるか前、八日前ですか、大石市議がこの文書を三十六軒に配布したという四月十二日その日のうちに、三十六軒から大石さんが配布したこの文書を押収しています。まだ読んでいない人もいた。 捜査の端緒は何でしょうか。警察は尾行を続けていったんじゃないでしょうか。警察庁からお答え願えれば幸いです。
○栗本政府参考人 今お話がありましたように、現在捜査中でありますし、また、具体的捜査の中におきます端緒なりその端緒の内容がどのようなことかということは極めて捜査に係るものでございます。 もとより、警察といたしましては、公職選挙法違反の取り締まりにつきましては、厳正公平また不偏不党をもって取り締まりに臨んでいるということを御理解いただきたいと思います。
○木島委員 答弁はしませんが、私は、全部事実をつかんできょう質問しておるんですよ。四月十二日、告示より八日も前ですよ、もう全部これは押収されているんですよ。領置手続も終わっているんですよ。 では、警察庁にもう一点聞きます。 そういう状況ですね。四月十二日のうちに、警察は全部これ押収手続をやっておる。大石市議に対して、こういうことをやると事前運動になるぞ、文書頒布禁止違反になるぞ、戸別訪問になるぞ、こういうのはやめたらどうかという警告というものは行ったんでしょうか。告示が八日後の四月二十日です。投票日が四月二十七日です。彼が逮捕されたのは五月三日であります。そういう時系列でありますが、そういう警告、ぴっちりやったんでしょうか。イエスかノーかだけでもこれは答えていただけませんか。
○栗本政府参考人 今委員御指摘のような警告については行っていないと聞いております。
○木島委員 警告もやっていないんですよね。ちょっと異常なんです。 では、次に聞きます。 五月九日、彼が逮捕されたのが五月三日ですから、それから六日後であります。豊後高田の現地では、大石市議に対する不当逮捕に抗議する真相報告会が持たれております。当然です。多くの市民から、大分県というのは買収、供応の西日本で一番多いところだなんて言われている県らしいんです、四年前の一斉地方選挙でも。今回の選挙でも、金品の受け渡し、いわゆる買収ですね、酒食のもてなし、供応など、悪質な選挙違反がたくさんあると、市民ですから、みんな知っておるんですよ。そういう実態が生々しくその真相報告会で出されたそうであります。 警察にお聞きしますが、では、豊後高田でこういう法の実質犯、今回の一斉地方選挙で、市議選でいいですよ、捜査、逮捕というのはあるんでしょうか。
○栗本政府参考人 豊後高田市議選に絡みましての先生御指摘のような事件の検挙は現在までのところはございません。
○木島委員 ないんですよね。本当にそうなんです。 では、次に聞きます。 警察庁は、先日、今回の全国一斉地方選挙、第十五回統一選挙に係る選挙違反取り締まりに関して中間報告なるものを出したようでございます。新聞にもちょっと出ておりました。 そこでお聞きします。今回の全国統一地方選挙に係る逮捕状況をお聞きします。北海道から鹿児島までですか、沖縄は余りなかったようですから。逮捕人員は何人でしょうか、総件数。それから、そのうち文書頒布、戸別訪問、事前運動によって逮捕された人数は何人でしょうか。教えてください。
○栗本政府参考人 五月十三日に中間の発表をいたしておりますので、とりあえずその時点ということでお答えをさせていただきたいと存じます。 今申し上げました時点におきましては、今回の統一地方選におきまして、全国としては、再逮捕者を含みますが、再逮捕者を含めまして四百六十九名の逮捕者となっております。また、このうち一名につきまして、いわゆる文書に関する違反、戸別訪問及び事前運動容疑で一名を逮捕しているところでございます。 ただ、その後に、法定外文書頒布違反等のいわゆる文書に係ります違反の容疑といたしまして、その後、五月二十一日に一名、また五月二十二日に三名ということで、文書に係ります違反の容疑でこれまで、昨日までの現在で逮捕した者は計五名となっているところでございます。
○木島委員 戸別と事前。
○栗本政府参考人 戸別訪問と事前運動ということでございますが、事前運動という形ではちょっと報告を求めておりませんので把握しておりませんが、昨日現在ということで、戸別訪問で検挙いたしておりますのは、前段の選挙に絡みまして二名でございます。
○木島委員 先ほど来答弁の、文書頒布一件というのは、この大分で私が取り上げている事件だと思うんですね。 では、ちなみに、四年前、平成十一年の統一地方選挙で、公職選挙法違反の逮捕状況について警察当局がつかんでいることを報告してください。逮捕総数、何件でしょうか。そのうち、文書頒布、戸別訪問、事前運動で何件逮捕しているんでしょうか。
○栗本政府参考人 お尋ねの、前回、平成十一年施行の第十四回の選挙におきまして、これもまた再逮捕者を含んでございますが、後段選挙後九十日現在ということの報告でございますが、合計で六百八十六名になっております。また、このうち、お尋ねの文書違反容疑また事前運動の容疑で一名を逮捕しております。そのほかには、文書違反のみとか、戸別訪問違反のみというものについては逮捕の報告は受けておりません。
○木島委員 そんなものなんですよね。もう圧倒的に買収ですよ、逮捕されているのは。もっとさかのぼって聞こうと思いましたが、時間もったいないから、この辺で切り上げておきます。 なぜこういう状況なのか。私はもう明らかだと思うんです。公職選挙法の戸別訪問、文書頒布禁止違反、それから事前運動等を禁じて、これに罰則をかける、これは、憲法の保障する表現の自由や参政権等から見てよろしくない、憲法違反ではないか、こういうことが基本的にあるからではないでしょうか。 そこで、最高裁にお聞きします。 戦後日本の裁判例で、戸別訪問、文書頒布、事前運動、これらの規定が憲法違反であるということで無罪になったんでしょう、そういう判決、全部挙げてください。
○大野最高裁判所長官代理者 公刊物等で承知している限りということで御承知願いたいと思いますが、戸別訪問につきましては八件ありまして、昭和四十二年の三月二十七日に東京地方裁判所、四十三年三月十二日妙寺簡易裁判所、四十四年の三月二十七日に松江地方裁判所、これは二件ございます。それから、昭和五十四年の一月二十四日に松江地方裁判所出雲支部、昭和五十四年九月七日福岡地方裁判所柳川支部、昭和五十五年三月二十五日盛岡地方裁判所遠野支部、そして、控訴審といたしまして、昭和五十五年の四月二十八日、これは先ほど申し上げました松江地方裁判所出雲支部の控訴審に対するものですが、これに対して広島高等裁判所の松江支部が、いずれも戸別訪問禁止については違憲であるというふうに判断しております。そういう判例が出ております。 あと、戸別訪問禁止と文書頒布の禁止につきまして違憲とした判決といたしましては、昭和四十四年の四月十八日に長野地方裁判所の佐久支部、昭和五十三年の三月三十日に松山地方裁判所の西条支部で判決が出ております。 なお、事前運動禁止について違憲、無罪とした判決については把握しておりません。
○木島委員 裁判例もそういう状況です。 憲法学界はどうか。もうほとんど、圧倒的多数が違憲論ですよ。本来、国会が、戸別訪問とか事前運動とか文書頒布というのは、もう禁止は解かなければいかぬ、そういう立法責任が国会にある。しかし、国会はそれを怠っている。しかし、そういう状況だから、私は、警察当局といえども、こういう形式犯で、形式犯で、しかも逆だと。表現の自由とか政治活動の自由とかいう観点からいったら、日本だけですからね、戸別訪問禁止なんていうのを持っているのは。こういうのはもう動かさないという一定の制約を警察当局も、この間、みずからに課してきた、その結果ではないかと私は思うんですね。 もう時間がありませんから、憲法学界の雰囲気もきょう御披露したかったんですが、やめます。 しかし、政府、法務省が大変お気に入りの憲法学者は佐藤幸治さんですね、司法制度改革審議会会長。この佐藤さんだって、最高裁の論理はちょっとおかしいということをちゃんと書いてありますから、法務大臣、しっかり勉強していただきたい。 要するに、これは可罰的違法性がないということが、裁判例でも、そして憲法学界でも、そして何よりも、この法律を運用している警察当局においても、もう承知しているからこういう状況が生まれているんだと思うんです。法務大臣、どうですか。
○森山国務大臣 そのような考え方をなさる方々も少なくないのは私も承知しておりますけれども、法律が現実として今もあるわけでございますので、しかもそれは最高裁においては合憲というふうに認められていると聞いております。そのようなわけでございますので、法律を守っていただきたい。そして、もし法律に違反する者があれば、証拠に基づいて訴追されるのは当然だというふうに思っております。
○木島委員 とんでもない答弁ですよ、大臣。そんな化石のような答弁して通用しますか。あなただって政治家で、選挙前に個別に回って、会社に行って、選挙が近いからよろしくと言うじゃないですか。行ったことないって言えますか。だれだって、政治家はそんなことやっていますよ。そんなのが事前運動だといったら、全国の政治家はみんな逮捕じゃないですか。あなた、わかるでしょう、そんなこと。 もう時間ですから最後にもう一点だけ。 こういう状況は国際社会からも指弾されているということを、申しわけないんですが、外務省お呼びしているんですが時間がないから、私言います。 国際人権規約であります。経過、いろいろ言いたいんですが、一九九二年に日本政府は第三回報告を規約人権委員会にしました。しかし、表現の自由の原則とその表現の自由に対する制限、限界の相互の問題なんか、余りまともに報告しなかった。それに対して、一九九三年十月二十七日、規約人権委員会は、日本政府から出された第三回報告書の審査が行われまして、オーストラリアのエバット委員から厳しくそこは追及されました。 その結果、一九九三年十一月四日に、日本政府の第三回定期報告に対する最終見解が出され、その十四項目で、「当委員会は、表現の自由の権利の尊重に関して、法律や判決の中には制限的なアプローチをしているものがあることを残念に思う」、国際規約人権委員会、こういう非常に一般的な言葉遣いでありますが、その中の一つが、いまだに日本では戸別訪問禁止の条文を持っている、そういうことを指摘しているんです。 さらに事実だけ指摘します。イエスかノーかだけ後で外務省に答弁もらえますか。 一九九六年七月十二日には、規約人権委員会が一般的意見二十五を出しました。規約第二十五条に関するコメントでありまして、そこの十二項目めで、表現、集会、結社の自由は、投票権の有効な行使に必須のものであり、完全に保護されなければならないと一般的コメントを出しました。その後、日本政府は第四回報告を出しました。その日本政府の第四回報告に対して、一九九八年十月二十八日から二十九日にかけて、審査が規約人権委員会で行われました。そこでもエバット委員から、日本の選挙運動に関する制限について厳しい指摘がなされました。 それを受けて、一九九八年十一月五日には、日本政府第四回報告書に対する最終見解なるものが出されて、具体的には書かれておりませんが、大体、日本の裁判官、検察官、行政官に対する人権教育がなっちゃいない、もっとしっかりこういう人たちに対する人権教育をすべきだという大変厳しい指摘までなされている。そういう経過があるんです。 もう時間ですから、終わりですから、外務省から、私、年月日とこういうことがあったということをずらっと並べましたが、イエスですね。それだけちょっと答弁してください。
○石川政府参考人 お答えを申し上げます。 時系列的な経緯、委員御指摘ございました。細かい文言等につきましてはまた違う点もあろうかと存じますが、流れは、委員御指摘ございましたとおりでございます。
○木島委員 時間があればじっくりとこれは論じたいと思うんですが、少なくとも、わずか二十分足らずで私はこの問題を論じました。 この大石市議に対する逮捕、勾留を続けているというのは、警察権の行使として絶対に許されない、弾圧だ、間違った警察権の行使だ、即刻釈放すべきだということを指摘いたしまして、きょうのところは、時間ですから終わります。
○山本委員長 保坂展人君。
○保坂(展)委員 社会民主党の保坂展人です。 大変な議論の焦点が、今回の特任検事そして国会議員、この二つについては排すべきだという修正案を私も提出者になって出させていただきました。 山崎事務局長にまずは伺いますが、前回の答弁で、一体、司法制度改革審議会のいついかなるときにそういった議論が出たのかということで、水原委員がこの趣旨のことをおっしゃったとこちらに議事録を持ってきていただきましたが、議事録といっても一枚でございます。 これを読みますと、水原さんが、二年前の五月二十二日に、「民間の企業法務や国会議員等として、一定の職務経験を経た者」という表現にしてはいかがだろうかということを言い出されたようです。司法試験に合格して修習をせずに国会議員になられた方々が、議員立法などに関与して企業法務関係者にまさるとも劣らぬ貴重な経験をされているので文書の中に入れてはどうか、こう言われている。 その後、吉岡委員が、実際の事件を担当する等、法律の具体的な、中坊さんがおっしゃる現場の経験があるのかどうか、そこのところは違うかなという疑念を差し挟まれ、そして、水原委員はその後、大学の法学部の教授であれば実務の経験がなくても法曹資格が与えられるようなことになっている、それとの関連で考えてみると、試験に合格して立法等に関与していらっしゃる方ならいいのではないか。 また反論がありまして、吉岡委員の方から、私は逆です、弁護士は国会議員になるのはいい、弁護士が国会議員になるのはいいけれども、国会議員は選挙です、選挙は六年で、衆議院であればいつ解散があるかわからない、そういう場合で、短期間国会議員をやったからといってできるかなというと、それはちょっと違うかなという気がします。 この後、井上委員がまとめられているんですが、どういうまとめだったでしょうか。議事録をお持ちだと思いますが、御紹介ください。
○山崎政府参考人 井上委員の御発言のところでよろしゅうございますか。 「大学の教員は実務経験が足りなくてもなれて申し訳ないと思いますが、今の議論はどこかでしましたか。こういう議論をやり出しますと、実質的にまた審議の再開ということになりますので、御趣旨はよく分かるんですが、これまで議論がなかったとすれば、「等」ということでまとめておくのがよろしいのではないでしょうか。」こういう御発言でございます。
○保坂(展)委員 つまり、この段階で、今言われても、ここで井上委員がまとめたのは、簡単に言えば、これは唐突な話である、これまで議論をしていない、だとすれば、その議論はやめて「等」という言葉でここはまとめておくことがよろしかろうということだったんじゃないでしょうかね。 そうなると、事務局を担当されていて、これは審議会の議論として国会議員を入れるということが了とされた、了承されたというふうにこの議事録から私は読めないんですよ、どういう解釈ですか。
○山崎政府参考人 議論のいきさつはございますけれども、最終的に井上委員から「等」でどうかということで提案がありまして、これは全員一致でこの意見書が採択されているわけでございますので、そういう意味では了承というふうに私どもは理解をして、検討会にも全部諮って、その上で皆様方の賛成をいただいて法案として提出をさせていただいている、こういう経緯でございます。
○保坂(展)委員 だって、今初めて出た議論で、これを本格的にやり出すとまた実質的に審議の再開ということになるので、これまで議論がなかったとすれば「等」でまとめておきましょうというまとめが、これはあれですか、全く正反対の意見ですよ、吉岡委員。私は反対ですと言っているんですよ、この吉岡さんは。それは、議論は棚上げして、ここは、そこの議論に突っ込むとまた時間も機会もふやさなければいけないから「等」でまとめようということなんじゃないですか、この審議会の議事録。 それで、事務局長、その後さらに確認した報告のときに、この「等」の中には国会議員が入っていますよというのは確認しているんですか。委員全体が、これは国会議員は入っていると皆さん了承した上で出ているんですか。それだけはっきりしてください。記録はありますか。
○山崎政府参考人 やや不正確だったかと思いますけれども、継続して検討をしていくという趣旨で「等」でまとめるというようでございまして、それで、私どもとしては継続して検討したということでございます。 それで、「等」について、最後、これでいいかどうかということで具体的に問うた場面はないというふうに理解しております。
○保坂(展)委員 法務大臣にお願いしますけれども、今言ったとおり、議事録も一枚なんですよ。そして、今事務局長が答弁したように、「等」というふうに、いや、これは結論が出たのなら国会議員と入りますよ。そういうふうにならなかったからここは「等」でくくろうという話で、この議事録はこうなっている。しかし、司法制度改革推進本部から今回提案されている法案の中には、ちゃんとそれが入っているわけですね。 これはどういうことでしょうか。大臣は、どういうふうにこれを受けとめますか。
○森山国務大臣 今事務局長からも御説明申し上げましたように、最終意見の原案についての意見交換を行いましたとき、つまり第六十回司法制度改革審議会において論議があったというふうに聞いています。 具体的には、民間における一定の実務経験を経た者に対する法曹資格の付与に関する部分を審議するという中で、おっしゃったようなやりとりがございまして、この時点では、「等」の中にまとめるという形ではどうかと引き取られたという話でございます。 この問題に関しては継続して検討するということを想定しながら、意見書の取りまとめが行われたというふうに理解しております。
○保坂(展)委員 大臣、継続して検討して、どこで結論が出たんですか、「等」の中に国会議員が入っているというのは。いつ、どこで結論が出たんですか。その日時、場を示してください、日時と場を。お願いします。
○森山国務大臣 私は、何月何日というような具体的な日時はよく存じませんけれども、今申し上げたような意見書のまとめを受けて、その後、検討会等において検討されたというふうに考えます。
○保坂(展)委員 ですから、その検討会はいつあったのか、そこでどういう議事が残っているのかを明らかにしてください。
○山崎政府参考人 私どもの法曹制度検討会、この第九回の会議でございますが、九月十日開催で、座長取りまとめの要旨というものでございまして、検討の対象ということで、「企業法務、国会議員、地方議会議員、公務員等について考えていくこととする。」こういうことでございます。
○保坂(展)委員 ですから、司法制度改革審議会の中では、結局、その意見はペンディングのまま、その検討の場でそういうふうになったということですけれども。 漆原議員に一問だけ伺いますが、はっきり申し上げまして、こういう、国会議員で法曹資格が現在ないけれども、司法試験に受かって活躍されている方に認めましょうという議員立法なども、ここ何年かの間にあったかに思うんですね。一方、お手盛りという言葉が午前中から出ていますけれども、議員の特権ということに大変厳しい国民の目もある。しかし、司法試験に合格されているわけですから、ここは、我々野党としては削るべしという主張ですけれども、少なくても十分な研修を積んだらいかがですかということは、正論ではないかというふうに思いますね。 今の司法制度改革の議事録をお聞きになって、また、そういったその議論の経過を踏まえて、弁護士でもいらっしゃいますから、どういうふうにお考えになっているのか。しっかりした研修をということを我々野党は求めて、与党も前向きだったと聞いているんですけれども、残念ながら御破談になった背景も午前中いろいろありましたけれども、そういうことも踏まえて答弁いただきたい。
○漆原委員 今から五年ぐらい前でしょうか、やはりこの問題がありまして、我が党でももめましたが、国会議員であるということ、五年ぐらいですか、それだけで研修もなしで資格を与えるというのはやはりまずいなという結論でございまして、今回はその流れの中で、研修をするということを与党提案で提案させていただきました。 保坂委員おっしゃるように、きっちりとした研修をやっていただくことは重要だというのは、私も全く同じ考えでございます。いいかげんな研修をやって、いいかげんな弁護をやられたのでは、これは国民が大変迷惑しますし、あるいは、日本弁護士連合会も大変迷惑をする話でございますから、そういう意味では、しっかり研修することは大事だろうというふうに思います。 ただ、問題なのは、期間が重要なのか、あるいは時間が重要なのかという問題になりますが、私は、むしろ研修のカリキュラム、研修内容が、どんなものを研修させるのかという点に重点を置いて考えるべきだろうと。個別的な研修、それから集合的な研修、いろいろありますが、どんな研修をしていただければ弁護士として活躍していただける能力ありと見るかどうかという、ここのところは、法務省と日本弁護士連合会で十分な検討をしていただいて、弁護士として御活躍いただく十分なカリキュラムをつくる、その結果が時間として反映されていくというふうに考えております。
○保坂(展)委員 到底納得ができないんですが、次に移ります。ちょっと見解に開きがありますから。 これは事務局にまず聞きますけれども、今回、弁護士の報酬についての規定、これは、会則に定めるところというのを削除されましたね。これは、公取の見解が示されたのは、あくまでも、ユーザー、依頼主の側の便益を高めるためというふうに私は思うのですけれども。 これは一般論かもしれませんが、弁護士の事務所、法律事務所というのはウインドーショッピングというのはなかなかしづらいわけでありまして、しかも、敷居が高いという声がまだまだあるわけですね。一般の人から見れば、弁護士という方に初めて会ったという方も多いわけで、そう簡単に、電話して幾らですかなんというようなことは聞けないというので、今回は、それぞれの規定を、いわゆる相談内容、事件内容による規定をみずから作成するということが義務づけられると聞いていますけれども、弁護士会などがアンケート調査などをして、この地域の弁護士会で、このような内容においては、大体、こういう価格帯といいますか、報酬の水準はこのような水準になっていますみたいな情報を、一つの目安として相談をこれから持ちかけようという人が求めるというニーズがあるんじゃないか。 だから、そこと、今回削除するということの兼ね合いはどうなのかというあたりはどうですか。
○山崎政府参考人 確かに、会則から報酬規定を削除するということになると、一般国民の方がアクセスする場合に、一体どのぐらいの報酬なのかということで迷うことは確かなんだろうと思います。したがいまして、確かに、会則からは削るということになりますが、別途の手当てをしなければならないということで、現在、日弁連の方でいろいろ鋭意検討中でございます。 まず、その内容でございますけれども、今度、弁護士会の会則等によりまして、個々の弁護士の報酬基準の作成と、それから備え置きでございますね、この義務、義務づけるということになります。それから、弁護士の依頼者に対する契約前の報酬説明義務、これも課す。それから、三つ目が、報酬契約書の作成義務、これを課すことにするということになりますので、この三つを合わせますと、かなり具体的に、自分が払うものはどのぐらいか、それで、実際、契約もきちっとして、将来もめないようにするということも確保される。 これだけではなかなか、依頼者は情報が不足しておりますので、これ以外に、日弁連としては、全国の弁護士に報酬に関するアンケート調査を行うようでございます。これを取りまとめた結果を国民に明らかにして、これを参考にしていただくということで、これも御利用いただくということで、この四つを合わせれば、かなりの情報がわかるようになって、国民としては安心してアクセスができるということを担保できるというふうに考えております。
○保坂(展)委員 ぜひ、国民の側が、相談しようという側が、考えて、ちらっと見るけれども、やはりあきらめようということには経済的なハードルが大きいと思いますので、しっかりやっていただきたいというふうに思います。 裁判所に伺います。 その前に、司法制度改革審議会の事務局にもう一度伺いますけれども、ここ何回か、弁護士会の懲戒手続の透明化について伺ってまいりました。その際に、検察官適格審査会はどうなのかという議論もしてきましたけれども、一つ、最高裁判所に裁判官指名諮問委員会というのをつくるという議論がございましたよね。そしてまた、発足したと聞いていますが、どういう趣旨だったのかというのをかいつまんで、ちょっと簡潔にその議論を紹介していただけますか。
○山崎政府参考人 これは、観点はさまざまございますけれども、共通するところは、国民の裁判官に対する信頼感、これを高めるという方法として提唱され導入されてきたということでございまして、まず、判事に任命されるべき者の指名について、透明性、客観性、説明責任を確保するための方策、それから、判事に任命されるべき者の指名過程に国民の意思を反映させるなど資格審査の充実を図るための方策、こういうものについて検討をすべきであるということで、これが平成十二年の十一月二十日の中間報告で取りまとめられた、こういう経緯でございます。
○保坂(展)委員 最高裁に伺いますが、求めましたところ、ことしの五月一日、今月ですね、五月一日に下級裁判所裁判官指名諮問委員会が設置されて、地域の委員会も設置をされたようですが、一点だけ伺いたいんですけれども、この規則の中に、会長がいなくなられたときの何か措置をされていますか。つまり、会長が欠けたとき、会長ではないですか、これは委員長ですか、委員長に事故があるとき。
○中山最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 あらかじめ会長代理を置くということになっております。
○保坂(展)委員 それでは、これは森山大臣にも、前回伺いました検察官適格審査会、これは本当に的確に動いてきたかどうかというのを、いろいろ資料をお願いしましたけれども、まずありません、資料自体が。そこで、今の議論も踏まえてなんですが、前回、会長のお名前はといって、大臣、御存じなかった。実は、二重の意味で、会長はいなかったということも明らかになりましたね。会長はいなかったんですね。 会長はいないということ、これは果たしてどういうことになるのかなと思っていろいろ見てみましたら、検察官適格審査会令には、会長に事故があるときにはあらかじめその指名する委員が職務を代理するとあるんですね、一応、政令の方に。それでもいないというのは、やはりこれはまずい状態じゃないですか。どうですか。
○森山国務大臣 先日御質問ありましたときにわかりませんで、大変失礼いたしました。 その後、調べましたところ、日本学士院会員である平野龍一先生が検察官適格審査会会長に、ことしの三月二十日までの間、十四年三月十一日から務めていただいていたということがわかりましたが、任期の満了に伴って会長を退任されたというわけでございます。 この審査会の会長は委員の互選によって選任されるということになっておりますので、次の会、多分六月九日という予定を聞いておりますが、その日の審査会が持たれましたときに、その後任者を含む委員の中から互選されるのではないかと期待しております。
○保坂(展)委員 検察庁法二十三条、これが根拠法なんですが、これには予備委員という制度が書いてあるんですね。実際の会の運営は、この政令なんです。今読み上げたように、会長に事故があるときにはあらかじめその指名する委員が職務を代理する、よくあるやつですね、審議会などに。書いてあるんですよ。 ですから、平野先生が退任をされたとき、体調がよろしくないということもちょっと伺いました。であれば、自動的に代理が出てこなきゃいけないんじゃないですか。どうしてその代理が出てこないんですか。
○大林政府参考人 お答えします。 この制度は、審査会が開催されたときに互選で会長を決めるという形になっております。会長代理は、今の委員おっしゃった予備委員とは違って、予備委員はあらかじめ正式な委員と並行して予備委員という定めなんですが、今先生おっしゃられる会長代理というのは、委員の中で会長を定め、その際に会長代理を定める、こういう形の運営がなされているところでございます。
○保坂(展)委員 だから、これは官房長かわってもいいですよ、要するにここには、あらかじめその指名する委員が職務を代理すると書いてあるじゃないですか。会長が決まるときに、会長代理をあらかじめ決めておくんじゃないんですか。それをやっていないのは違反じゃないのかと言っているわけですよ。どうですか。 本来、会長がいないなんてことは、いなくなっちゃったなんてことは、これがなくなっちゃったのと同じですから。会を総理するわけでしょう。それはやはりミスはあったんじゃないですか、どうなんですか。それとも、いつも決めていないんですか、これが空文化していた。どっちですか。
○大林政府参考人 会長は、通常は指名して常時という形になっているんですが、委員御指摘の平野先生の場合は、ちょうど退任の期間と重なりましてその間の空白ができてしまったということでございまして、常時、その都度会長は決まってという形で、空白ができているという状態ではございません。たまたまそのような退任時期と重なったということもありまして、空白時期が今できておりますが、次回の審議会のときにそれが決定されることになっています。
○保坂(展)委員 大臣、要は非常に簡単な、論理的にも本当に、非常に素朴な質疑なんですね、これは。あらかじめ決めておく、何か会長に事故があるといけないからということで、政令上、審査会令に基づいて動いているわけですから、書いてあるわけですよ。ですから、退任の時期と重なって、体調の問題もあって退任されたら、本来ならあらかじめの方が代理するというふうになっている。そうなっていないというのは、やはり余りよくないですね。
○森山国務大臣 会長あるいは会長代理、それぞれの個人的な事情で、おっしゃるように今、しばらくの間空白になっております。しかし、御指摘のとおり、規則には違反しているとおっしゃられればそのとおりでございまして、それは甚だ申しわけないことだと思います。できるだけ早く常態に取り戻せるようにしたいと思っています。
○保坂(展)委員 今、大臣、会長並びに会長代理とおっしゃったんですが、会長代理はいたのですか。
○森山国務大臣 代理に指名された方もいらしたらしいんですけれども、その方も何か任期が終わられたとかいうような話を聞きまして、少しその辺がルーズであったかなと思います。反省しております。
○保坂(展)委員 ルーズであっては、本当にこれは困るんですね。 実態がなかなかわからないので、数字でも何でもいいから持ってきてほしいということで、平成五年から十五年までの「検察官適格審査会の受理・処理件数調」というプリントを官房の方からいただきました。これによりますと、簡単に、この受理件数の被申し出人というのは検事のことですね、足し算をすると二百九十一人になったんです、平成五年から十五年を累計すると。そして、右側の処理というところを見ますと、どう足し算しても百二十一人にしかならなくて、百七十人はどこに行っちゃったんだろうという問題が出てくる。しかも、平成九年、十三年、十五年は、会自体が開催されていないですね。 これは、官房長、どうなっているんですかね。これが、被申し出人に係る国民からの訴えだというんです。ホームページにも出ていないし、いろいろな広報も出ていないけれども、いろいろなことを探してここに訴える、訴えた数の累計と処理した数の累計が大幅に違うんですよ。つまり、処理もしなかった、たなざらしという方が実際にそんなに多いのか。ここはどうなっているんですか。
○大林政府参考人 お答えします。 今委員御指摘の問題は、一般国民からの審査の申し出という案件がございまして、それについて、このような申し出があった場合には、審査会の庶務を担当しております法務省大臣官房人事課において事実関係の調査をいたします。これはなかなかなじみの少ないものでございますが、例えば事案は、どこどこの検察庁の検察官が不起訴にした、これはおかしいとかいうような形で、国民の方がそれは検察官としての適格がないんじゃないか、こういう例が少なくございません。 したがいまして、今委員御指摘のとおり、年によって処理ができていない年もこれは事実でございます。詳しいことはわかりませんが、今の事実関係の調査というのは、検察庁に照会したりして結構詳しく調査をしておりまして、そういう調査の関係もあろうかと思いますし。確かに統計上、御指摘の件があります。ちょっと不明な点がありますので、もし必要でしたら調査いたしたいと思います。
○保坂(展)委員 官房長、きのう私、三十分ぐらい、事務局のお仕事をされている方に詳しく説明を受けました。受けましたところ、私が一番聞いたのは、大臣官房の事務局の方で、国民からの訴えがあってもこれはいい悪いというふうに振り分けをしているんじゃないかと。振り分けをしているんだったら、それこそ審査機関たり得ないですよと言ったところ、そうではありません、すべて国民からの申し出は審査会に出ますと言うわけです。出ますと言うからには、数が合わないわけがないんですね、まずは。数が合わないわけがない。ですから、出ないとすれば棚に置いてあるということなのかどうか、ここははっきりしてください。
○大林政府参考人 今の申し出案件につきましては、先ほど申し上げましたとおり、事実調査をいたしまして、それで審査会の方にかけております。それで、審査会において、そういう免職等の議決に値しないという場合は、それに至らなかった旨の決定をいたしまして、申し出人に通知することになっています。 したがいまして、私の方でいいかげんな処理をしている、たなざらしにしているということはないというふうに承知しております。
○保坂(展)委員 これはちょっとまた水かけ論になってきたんですが、要するに、簡単なことで、国民からの訴えがあったわけです。足し算すると二百九十一件あるんですよ、私の入力ミスがなければ。電卓でやりましたから。二百九十一件。そして、処理件数を足し算すると百二十一になっちゃうんですね。 やはり、国民から受けたものは全部審査会に出てくるというシステムであれば、二つの意味でおかしいですね。数が違うのはおかしい。もう一つは、開催しない年があるのも、これはちょっと国民の権利保護という意味では、これはおかしいんですね。 実際、この適格審査会は、やはり検察官という大変身分上も他の公務員よりも重いいわば身分保障を持っている、その検察官の強い身分性に対抗するために設置をされた、そういう歴史もあります。そこから考えると、ちょっと、先ほどルーズという言葉が出ましたけれども、本当にこれはきちっとやられているのかなと疑問を持つんですけれども。いかがでしょうか、感想を。
○森山国務大臣 御指摘の点は、まことにごもっともな点がたくさんございまして、大いに反省しなければいけないと思いますが、数字については、どのように計算するべきなのか私も詳しくわかりませんので御説明のしようがございませんが、処理を全部しているというふうに私は理解しております。 それの表記の仕方がどういうことなのか、説明がもっと本当は必要だったのかもしれませんし、そこいら辺がよくわかりませんので、御指摘の点を踏まえて、もっとわかりやすく、だれにでも御納得いただけるようにしなければいけないと思います。
○大林政府参考人 御指摘になっている数字の件でございますが、これはまた後で詳しくちょっと検討させていただきたいんですが、多分、そのずれというのは、統計上、要するに旧受という形の欄とそれから新受、その年に新しく受けたものとの差があります。それで、旧受の方は累計していくと非常に多くなります。 ですから、新受自体は資料として提出してあると思いますけれども、例えば、十四年は二十一件、十三年は九件、十二年は十八件という形ですが、累計でちょっとずれがあるんじゃないかと思います。
○保坂(展)委員 官房長、これはやはり、その年に来たものは、二年後に処理していたらもうほとんどその訴えの実効性がないわけですから、これはしっかりお願いしたいというのと、この議論も砂上の楼閣みたいなものだと思うのは、実際に国民からの訴えでこの審査会の議論が動いて議決したケースというのはないわけですね。 法務大臣が、ただ一件だけ、平成四年に、行方不明になった副検事さんがいて、これはいかがなものかと言って、行方不明になったのならこれはやむを得ないだろうという議決が一件あったのみというふうに前回聞いています。つまり、国民が訴えても一回も動いたことはないわけですよ、実は。だから、ずさんになっているんではないかというふうに私は思いますけれども。 毎年の予算、幾らくらいかけているのか。国会に対して、例えば訴追や弾劾の裁判所は、それ自体の機能の評価はあるでしょうけれども、私ども国会議員のところに活動報告が来ます。これは戦後、何か国会に報告したことはありましたか。もちろん委員は別ですよ、委員は別。
○大林政府参考人 今の活動報告、国会に報告したことはないというふうに承知しております。 それから、予算は、人件費的なものが主でございまして、平成十五年度の審査会の予算としては、十五万八千円が計上されております。
○保坂(展)委員 十五万八千円というのは、よく予算のむだを指摘する場合も多いんですが、ちょっと足りないですよね、それ。 検察官がいわれなき訴えに遭うこともあるわけでしょう、それは、ひどい捜査に遭ったと言って。しかし、何か外形的に見るとそうらしいというときに、これはこの法令で、会議に出席して弁解して、有利な証拠を提出する機会を与えられているんですね。これもやったこと、一回もないと思うんですが、ありませんよね。 こういうことをやるためには十五万八千円でいいんですか、これ。副大臣、どうですか、ちょっと感想を。
○増田副大臣 突然せきをいたしまして、御指名をいただき、光栄です。 私も、同じように、ちょっとという、うなずきがたい数字だと思います。
○保坂(展)委員 五月一日の日本経済新聞ですが、最高裁は、先ほど取り上げた裁判官指名諮問委員会、これは裁判所については訴追、弾劾というシステムがありますが、さらに、その任官について目配りをきかす、法曹界以外の人間も入れてということですね。そして一方、最高検は、現在のこの検適、検察官適格審査会を活用するということを考えているようだと。同審査会は従来、ほとんど機能してこなかったが、昨年五月に現職の大阪高検幹部が起訴された事件もあり、積極活用を決めたなんということが書いてあるんですが。 事務局長、前回も聞きましたけれども、ここらの議論はどうだったんですか。余りにも不足していたんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがですか、これまでの司法制度改革の議論の中で。
○山崎政府参考人 この問題はたしか私どものテーマに入っていないということでございますけれども、今御指摘の点、いろいろあろうかと思います。これまた法務とよく相談しながら対応してまいりたいというふうに思っております。
○保坂(展)委員 これまた前回も紹介しましたけれども、一九九九年の一月四日の読売新聞では、法務省が諮問する内容の予定文書ということで書いてあるんですね、今の内容も。少なくても、検察官の国会に対する説明責任だとかという文書は、その時点ではあったのに、実際の審議会が始まってみるとなくなってしまったというのは、一体どういうことなのかなというふうに思います。ぜひこれからでも、きちっとやっていただきたいというふうに思います。 大臣、どうですか、この適格審査会というのは必要ですかね。これはもうずばり、五十年動かなかったんですよ。だから、こういうものがあるということが隠れみのになっていないか。一回なくして、もう一回制度を設計してみたらどうか。どうでしょうか。
○森山国務大臣 いろいろ運用に問題があったように思われますので、これから改めてもう一度考え直してみるという必要はあろうかと思います。
○保坂(展)委員 やや、ちょっと挑発的に言ったかもしれません。なくしてみたらどうかというのは、本来はきちっとしなければいけないんだということの意味を込めての発言でございますので、そこは十分おわかりいただきたいと思います。 外国の法律家と日本の法律家が共同で仕事をするいわゆる外弁の関係について、何点かお聞きをしておきたいと思うんです。 これは、二点、規制緩和があるというふうに理解をしているわけです。一点は、これまで禁止されていた外国人弁護士が日本人の弁護士を雇用する、これをよしとする、そしてまたもう一点は、共同経営、これについての制約要件を取っ払うということだと思います。 この際、例えば、共同経営であるということで、形はそういうふうになっているんだけれども、実際上は外弁の方が資金的にもさまざまな部分でボスであって、共同経営の形をとっていても日本人の弁護士が下位に、上下に位置づけられてしまっているような場合に、何か思いがけない弊害、例えば、海外の乗っ取り屋とか、さまざまな日本の混迷している金融経済を、さらに巧妙なテクニックで、安いコストで、法律を駆使して、日本人の弁護士を使って、これを奪取していこうというようなことを本当に心配するわけですけれども、今回そういう心配はないんですか。どこで担保されているんですか。
○山崎政府参考人 御指摘のとおり、今回は、横の関係と縦の関係、この組み合わせを自由にしたものでございまして、では、外国弁護士の権限がこれでふえたのかというと、従来と全く同じでございます、ふえるわけではないということでございます。 これを、事前に規制するような形から、そこの撤廃をしたわけでございますので、この考え方は事後に厳しく処罰をする、こういう考え方に変わるわけでございますが、その場合に、現在、外弁法四条という権限外行為の禁止の規定がございますが、今回、雇用の問題、パートナーの問題をオープンにいたしますと、そこの四条との関係で、どういうことが禁止されるのかというのが不明確であると、これはやはり指針にならない。外弁としてもやっちゃいけないことがわからない、日本人も同じということで、これはいろいろとトラブルが起こってはまずいということから、今回、四十九条の規定とそれから四十九条の二という規定、ここに三つの態様の規制を入れているわけでございます。 まず、外弁が、自分が雇った日本の弁護士、これに対して業務上の命令をすること、これは権限外事務について命令をすること、これを禁止するということでございます。 それから、雇用された弁護士、被雇用の弁護士がみずから事件を取り扱うことができる場合があるわけですが、そこに不当な関与をしてはならないということですね。 それから、横の関係で、パートナーを組む場合にも、その日本人のパートナーが独自にできる事件があるわけでございますが、そこに不当な関与をしてはならない。 それから、もう一つは、雇用の関係で、雇われた日本の弁護士、これは外弁から命令があったからこういうことをしたんだと言っても責任を免れることはできない、雇われる方にもきちっとした行為指針をかけている。 これで違反をしたということになれば厳しい懲戒をする、場合によっては罰則の適用、こういうことでございます。そこで担保されていると。
○保坂(展)委員 それで、アメリカでも、過半数の州で今回のような雇用解禁や共同経営を認めてないというふうに聞きますし、フランスでも、一たんそういった門戸開放をしましたけれども再び見直しが図られているということも聞いているんですけれども、それらの状況を踏まえて、事後チェックということでとりあえずやってみましょうということなんでしょうか。その辺は、海外の動静などはどうごらんになっているのでしょう。
○山崎政府参考人 御指摘のとおり、アメリカは州が五十ございますけれども、二十三の州と一特別区、これについては外弁オープンということですが、それ以外はオープンしていないという状況です。ただ、日本の経済を考えますと、このオープンしているところと大体、大部分、八割以上の取引がございまして、アメリカとの関係でそれほど不便を感じているわけではない。 それから、ヨーロッパも、フランスは前にございましたが、あそこはアボカとアボエという二種類の弁護士があったわけですが、これを統一するときに廃止をしたということでございます。廃止をしたかわりに、もちろんフランス語で司法試験を受けなきゃいけないんですが、外国人用には非常に易しいものを用意して、直接フランスの弁護士になってくださいという形で障壁を取り払っている、こういうふうに聞いております。 あと、ドイツ、イギリスは外弁制度を認めているわけでございます。 確かに、世界を見ますといろいろな態様がございます。オープンしていないところもございます。私どもは、それでは相互主義で、相手がオープンしていないんだから、では我々もそうか、そういう考えもあろうかと思いますが、みずからきちっと必要なものはやって、逆に相手に、我々もやったんだからオープンしたらどうかというふうに積極的に攻めていくというのも考え方だろうと思います。 今回は、きっかけは、諸外国からの意見がいろいろあったわけでございますが、それを受けながら、改革審議会で、やはり日本のお客さんとして、利用者としていいサービスを受けるという観点から必要だ、あと独自の観点から、今回の検討を加えたということでございます。そういう点で、我々も積極的な考え方で対応をしたということで、御理解を賜りたいと思います。
○保坂(展)委員 私も何回か法案説明を受けて、どうしても規制が緩和されるというところが目に入るわけですよね。 そして、いろいろ伺ってみると、例えば、共同経営でも事実上外弁がボスになって支配をしている、そして指示のもとに、日本人弁護士団をパートナーの共同経営者が指示をしたかのように偽装をして例えば事を行った場合に、私が聞いているところでは、その外弁の方はそういうことをやった場合に登録取り消しに遭いますよ、そして、下で動いた方も、あるいは共同経営ということで、偽装をして本来四条で規制されていることを踏み越えてやった場合には懲戒の手続に付されることになるという、かなり厳しい制約をかけていますということなんですね。 ただ、大変な速さで社会が動いているし、非常に短期的なプロジェクトだとかそういうこともあるでしょう、そういうときに、まさに現在進行形で、少しそういうおかしな動きがあるんじゃないかとか、あそこの共同経営はどうなっているんだというようなことが情報として入ってきたときに、例えば日弁連の協力も必要でしょうけれども、そういった実態を把握して、おかしなものがあればすぐに是正をする、または違反行為があればこれはきちっと従っていただくというような体制をしっかり整える必要があろうかと思います。そこについてはいかがでしょうか。
○山崎政府参考人 今回、雇用関係、それからパートナー関係をオープンにするに当たりまして、やはりきちっとした行為規範、この規程をつくらなければならないだろうと思います。 そういう点で、この施行は公布の日から二年以内で政令で定める日となっておりますけれども、まずそこを、きちっと日弁連の方でも会則、規程を整備していただきまして、それで、ただいま御指摘がございましたように、いろいろな問題が起こったときに速やかに対応できるような、そういうシステムをつくっていただきたいと思いますし、我々もお手伝いできるものはしたいというふうに考えております。
○保坂(展)委員 裁判所に一問だけ。 簡易裁判所の上限が百四十万円に上がったわけですけれども、それはこの委員会のやりとりで、何度か同僚議員からもやりとりがあったと思いますけれども、百四十万円以下の事件であっても、例えば不動産訴訟であるとか、背景が、金額は小さいけれどもやはり簡単じゃないという事件の場合には大いに地方裁判所の窓口を、門戸をたたいてよろしいということだと思います。 しかし、一般に訴訟の場、法廷というのは国民からまだまだ遠いわけですね、それで司法制度改革の議論が始まっているわけですから。だから、そういうことですよというのを国民に向けてわかりやすく裁判所が説明する、あるいは簡易裁判所や地方裁判所で、同じ基準で、きちっと丁寧に御理解いただくということが必要だと思いますけれども、その点について何か考えられていますか。
○中山最高裁判所長官代理者 今現在も競合管轄でございます。受付窓口で適切な説明をすることによって、九十万円以下のものについても七割が地裁の方に最初から提訴されるということになっております。 今後も、窓口における丁寧な対応ということを心がけていきたいと思っています。
○保坂(展)委員 まだまだ問題点は残されていると思いますが、特に私は、本当にバランスがとれた第三者によるチェックということを、先ほど検察官適格審査会のことについて申し上げましたけれども、しっかりこれは目配りをして進めていくべきだということを再度、最後に申し上げて、終わりたいと思います。これで終わります。
○山本委員長 これにて原案及び両修正案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○山本委員長 これより原案及び両修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。中林よし子君。
○中林委員 私は、日本共産党を代表して、司法制度改革のための裁判所法等改正案に対し、反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、弁護士資格特例の緩和が、現行制度の根幹である司法試験合格、司法修習終了という資格条件の例外を拡大するものであり、お手盛りで司法修習の形骸化を進め、さらに、新たな改革である法科大学院構想に基づく法曹養成制度にも矛盾するものであるからです。国会議員等に形だけの研修を課すという与党の修正案も、本質は全く変わるものではなく、反対であります。 とりわけ、特任検事に対し、司法試験、司法修習抜きで弁護士資格を与えることは、合理的理由が全くないだけでなく、民事に関して十分な知識があるとは言えず、刑事に関しても検察の側からの視点しか訓練されておらない者に弁護士資格を付与することは、到底認められるものではありません。 反対の第二の理由は、外国法事務弁護士に対して、日本法弁護士を雇用できるように改めることです。 これは、アメリカの長年の強い要求であり、日弁連はもとより法務省当局も反対してきたものであり、認めることはできません。弁護士のみに与えられた法律事務に関しては、雇用主たる外国法事務弁護士といえども干渉してはならないとしていますが、現行の共同関係と違って、雇用関係になった場合に、不干渉が守られる保証はありません。 何といっても、日本弁護士を雇用しようとしている外国法事務弁護士は、アメリカの数百人、数千人という弁護士を抱えた大ローファームであり、アメリカの巨大多国籍企業の海外での収奪を支える仕事を専らにする巨大法律会計企業であり、これらの本格的な日本への進出に道を開くものであって、到底認められません。 現行の共同でさえ危惧されてきたもので、日本の法廷にアメリカの営利第一主義の法理を持ち込むものであり、日本弁護士の自立をも脅かし、弁護士法の理念にも影響を及ぼしかねません。 なお、非常勤裁判官制度の創設、弁護士の綱紀、懲戒手続の整備は、司法の国民的基盤の強化につながるものであり、賛成です。 また、簡裁事物管轄の百四十万円への拡大は簡裁の人的基盤の充実が、さらに、弁護士の営利業務従事制限の緩和は弁護士の社会的使命の強化などが、それぞれ欠くべからざる前提であることを付言しておきます。 以上で、反対討論といたします。
○山本委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○山本委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決いたします。 まず、山花郁夫君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山本委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、塩崎恭久君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山本委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山本委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○山本委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、塩崎恭久君外一名から、自由民主党及び公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。漆原良夫君。
○漆原委員 ただいま議題となりました附帯決議案について、提出者を代表しまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係機関並びに最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 不動産に関する訴えを提起しようとする者が、簡易裁判所の事物管轄の上限引き上げに伴い、訴訟の目的の価額の上限を超えない請求をする場合でも、簡易迅速に事件を解決する簡易裁判所の機能を十分に踏まえ、第一審裁判所を選ぶよう周知すること。 二 簡易裁判所の事物管轄引き上げに伴い、簡易裁判所と地方裁判所の役割及び民事訴訟法第十八条の簡易裁判所の裁量移送の趣旨が周知徹底されるよう努めること。 三 民事調停官及び家事調停官の制度については、その機能と成果を検証しつつ定着をはかるよう努めること。 四 弁護士が裁判官と同等の立場で、非訟事件に関与する制度の導入に関する研究をすすめること。 五 弁護士資格の特例を拡充することとなる者に課する研修については、司法修習の理念に基づき、司法書士に簡易裁判所での訴訟代理権を付与するに当たって課される特別研修にかんがみ、弁護士実務に必要な理論的且つ実践的な能力を涵養するために、十分な内容及び時間を確保するよう努めること。 六 法科大学院を中核とする新たな法曹養成制度が構築されることや、本法によって新たに特例措置を講ずる者に対しては研修を課することとしたことにかんがみ、五年以上一定範囲の大学等の法律学の教授、助教授の職にあった者等に対して弁護士資格を付与する制度について、引き続き適切な見直しを行うこと。 七 弁護士の報酬に関する標準を示す規定が会則から削除されることに伴い、弁護士法第一条に明記された弁護士の職務に公共的性格があることにかんがみ、弁護士へのアクセス拡充に支障が生じないよう、日本弁護士連合会が行う弁護士報酬等の情報提供に協力すること。 八 日本弁護士連合会の協力を得て、外国法事務弁護士が、弁護士との共同事業や弁護士の雇用により日本法などの職務外法律事務を取り扱うことのないよう十分な配慮をすること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○山本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 塩崎恭久君外一名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山本委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、法務大臣及び最高裁判所当局から発言を求められておりますので、順次これを許します。森山法務大臣。
○森山国務大臣 ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○山本委員長 次に、中山最高裁判所事務総局総務局長。
○中山最高裁判所長官代理者 ただいま可決されました附帯決議の裁判所に関係する部分につきましては、その問題意識を十分に踏まえ、御趣旨に沿うよう、最高裁判所として適切に対処してまいりたいと考えております。 —————————————
○山本委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○山本委員長 次に、内閣提出、仲裁法案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。森山法務大臣。 ————————————— 仲裁法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○森山国務大臣 仲裁法案について、その趣旨を御説明いたします。 我が国においては、社会の複雑化、多様化、国際化等が一層進展する中で、社会も事前規制型から事後監視型に移行しつつあり、裁判外の紛争解決手段についても、その拡充、活性化が求められております。このうち仲裁につきましては、公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律にその手続が定められておりますが、この法律は、明治二十三年に制定された大変に古い法律であり、現代の社会経済の状況に適合していない部分が多くなり、かねて仲裁法制の抜本的な改革が望まれてまいりました。 この法律案は、このような状況にかんがみ、仲裁手続の改善を図り、利用しやすく実効的な仲裁制度を構築する見地から、仲裁合意の要件、仲裁手続、仲裁判断の取り消し及び執行を許可する裁判その他基本となる事項について、必要な諸事項の整備を図り、国際的な標準にも合った規律とすることを目的とするものであります。 以下、法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、紛争を仲裁によって解決する旨の仲裁合意につきましては、合意内容の明確化等の観点から、国際的趨勢に合わせて書面によってすべきものとするとともに、昨今の通信手段の発達を踏まえ、電子メール等を利用して仲裁合意を締結することも認めることとしております。 第二に、仲裁人の選定手続や仲裁人の仲裁を行う権限について、これらをめぐって仲裁手続が停滞するのを抑止するため所要の規定を設け、仲裁手続が円滑に進むよう配慮しております。仲裁手続につきましても、当事者が自主的にルールを定めることを基本としつつ、当事者間に合意が成立しない場合に適用される標準的な手続について、その開始から終了に至るまで、国際的な標準にのっとった内容の規定を置いております。 第三に、仲裁判断につきましては、仲裁判断書の記載事項を定める等所要の規定を設けるとともに、仲裁判断の取り消し事由並びに承認及び執行の拒絶事由に関し、国際的な標準に沿って整備を図ることとしております。あわせて、仲裁判断の取り消し及び執行の許可を求める裁判の手続について、現行法では厳格な判決手続によるとされておりますが、迅速で機動的な対応を可能にするため、これを決定手続に変更することとしております。 以上が、この法律案の趣旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○山本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る二十七日火曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十三分散会