内閣委員会 第9号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/05/09
会議録
○佐々木委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房国際部長小田村初男君、警察庁生活安全局長瀬川勝久君、警察庁刑事局長栗本英雄君、警察庁刑事局暴力団対策部長近石康宏君、警察庁警備局長奥村萬壽雄君、法務省大臣官房審議官河村博君、法務省入国管理局長増田暢也君及び海上保安庁次長津野田元直君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○佐々木委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。星野行男君。
○星野委員 おはようございます。自由民主党の星野行男でございます。 ここ数年来、住宅、事務所、店舗などに不正に侵入して犯罪を犯す侵入犯罪がふえているということでありますが、この侵入犯罪の情勢、状況について、まず御説明をお願いいたします。
○瀬川政府参考人 議員御指摘のとおり、近年、住宅等の建物に侵入して敢行される犯罪が急激に増加をしておりまして、国民の皆様に多大の不安を与えているところでございます。 平成十四年中の侵入窃盗全体の認知件数は三十三万八千二百九十四件でありまして、平成五年中の二十五万四千五百十六件と比べて、八万三千件余り、約三三%の増加となっております。 また、侵入強盗について見ますと、平成十四年中は二千四百三十六件を認知しておりまして、これは、平成五年中が一千九十五件でございましたのに比べますと、千三百件余り、約一二三%の増加ということになっております。 これらの侵入犯罪のうち、何らかの器具を用いることによって建物錠を開いたり、ドア、窓等を破壊しているというふうに思料される侵入方法が約六割を占めているということでございまして、特に最近では、特殊な開錠用具を使用したものが問題となっているという状況でございます。 このピッキング道具を使用した侵入窃盗の認知件数は、若干減少傾向にありますものの、昨年中におきましても約二万件の発生を見ておりまして、大変深刻な状況にある。さらに、昨年から、ドリルサムターン回しと呼ばれる新たな手口がまた頻発をしてきておりまして、これが爆発的に増加をしているという状況にございまして、次々と新しい侵入手口が出現をしているというところでございます。 このような侵入犯罪は、最も平穏で安全であるべき国民の生活空間を脅かすものでありまして、その発生を抑止することが喫緊の課題となっていると考えているところでございます。
○星野委員 どうもありがとうございました。 実は、私の新潟県におきましても、平成十二年、発生件数が三千八百十六件、このうち、検挙件数が千八百三十件、平成十三年が、同じく三千六百二十五件の千四百三十七件、平成十四年が、三千六百二十六件の千四百七十九件という検挙件数でございまして、大変ふえております。 お話がございましたように、このような侵入犯罪の増加は、まさに平穏な市民生活に対する重大な脅威ということになるわけでありますが、警察御当局において、この侵入犯罪に対してどのような対応をしてきたのか、あるいはまた、今次のこの法によって、どのような対策をし、そしてまたそれがどのような抑止効果が期待されているのか、見解と説明をお願いいたします。
○瀬川政府参考人 侵入犯罪の急増という極めて憂慮すべき情勢を受けまして、警察といたしましては、発生を抑止するために、地域警察官による街頭警察活動を強化したり、あるいは、ピッキング用具を使用した侵入窃盗を特定重要窃盗犯というふうに指定をいたしまして、これに対する重点的な取り締まりを推進してまいりました。 また、かぎでありますとかいろいろな建物部品につきまして、こういったものに対抗する防犯性能の高いものを開発する必要があるだろうということで、民間の方とも協力をいたしまして、また関係省庁とも連携をいたしまして、官民合同会議を設置いたしまして、いろいろ研究も進めてきております。 本年の一月からは、特に、街頭犯罪及び侵入犯罪の発生を抑止するための総合対策ということで、全国警察を挙げて推進をしているところでございます。 そこで、今国会に御審議をお願いしております本法律案でございますけれども、これにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、何らかの器具を使って侵入犯罪を敢行するのが約六割であるということにかんがみまして、こういった侵入器具のうち、特に危険性の強いものにつきまして規制を強化することによりまして、侵入犯罪の発生を未然に防止するということ、それから、建物錠あるいは建物の部品につきまして、防犯性能の向上に努めるように業者の方に努力義務を課す、あるいは、一定の錠前につきましては、防犯性能につきまして表示制度を新設するということで、国民の皆さんから見てどのような錠が安心できるのかというようなことをわかりやすくするような方策を講じようという内容の法律案でございます。現下の情勢におきまして、侵入犯罪を防止する上で相当の効果があるものというふうに考えております。
○星野委員 そういう情勢、状況の中で、今回、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案が上程されたわけでありまして、時宜を得たものと考えております。 ところで、この侵入犯罪につきまして、中国人のグループなどのいわゆる来日外国人による犯罪が多いと聞いておりますが、その検挙状況について御説明ください。
○瀬川政府参考人 御指摘のとおり、近年、来日外国人による侵入窃盗、侵入強盗の侵入犯罪が増加をしております。 平成十四年中の状況を見ますと、まず侵入窃盗でございますが、来日外国人によるものは六千七百五十四件でございまして、六千七百五十四件六百五十八人を検挙しております。これは、検挙しなければ、外国人によるものか、日本人によるものか、わかりませんので、検挙状況について申し上げているわけでございます。これは、十三年と比べますと、件数で約一〇%、人員で約四%、若干減少ということでございますが、平成五年と比べますと、実は、検挙件数は五倍、検挙人員は三倍以上、こういう状況でございます。 また、強盗につきましても、検挙は百五十七件百六十三人ということでございますが、これも、平成五年と比べますと、検挙件数、検挙人員とも二倍以上の増加となっております。 国籍別で見ますと、中国国籍が最も多いということで、来日外国人による侵入窃盗の検挙件数の約八割、検挙人員の六七%、約七割を占めているということでございます。また、侵入強盗につきましても、検挙件数の六五%、検挙人員の五八%が中国人である、こういう状況になっております。
○星野委員 実は、現場の警察官の声でありますが、侵入窃盗犯の来日外国人、これを捕まえて、入管に連れていきましても、入管の人手が足りなくて対応ができないということで、結局、時間切れで、せっかく捕まえた犯罪者をみすみす釈放するというようなことが間々ある、こういうふうに聞いております。 この入管の関係につきまして、体制あるいはその対応につきまして、特に水際対策につきましても、御説明をお願いしたいと思います。
○増田政府参考人 ただいま委員が御指摘になりましたとおり、犯罪とかあるいは不法就労の目的で我が国に入国しようとする外国人、これを水際で排除するということは、当然のことながら、極めて重要であると考えております。 入国管理局におきましては、的確な上陸審査に日ごろ努めておりますことはもとより、警察庁を初めとする関係機関との連携を強化いたしまして、出入国審査リスト、いわゆるブラックリストでございますが、こういったものの充実に努めるなど、外国人の水際での確実な排除に努めているところでございます。 これら犯罪目的などで入国を企てる外国人は偽変造文書、にせもののパスポートなどを所持して入ってくることが多いものでございますから、平成十三年度でございますが、成田空港を初め、全国の主要な空海港に最新鋭の偽変造文書鑑識機器、四十四台ですが、これを配備いたしました。さらに、今年度におきましても、全国の空海港の上陸審査ブースにブース型の鑑識機器を導入することを予定しておりまして、偽変造文書鑑識体制の充実強化に取り組んでいるところでございます。 入管といたしましては、今委員が御指摘になりましたような御批判もあろうかと思いますが、今後とも、関係省庁との連携の強化あるいは偽変造文書対策の強化に努めて、厳格な上陸審査を実施してまいりたいと考えているところでございます。
○星野委員 それはわかりましたが、夜陰に乗じて密航してくる、そういう不法入国者も相当あるんじゃないかと思いますが、大体どのくらい不法入国者がいると把握しておりますか。
○津野田政府参考人 私どもあるいは警察で検挙した密入国者でございますが、平成十四年には百三十七名でございます。それ以外にどのぐらい入っているかということにつきましては、私どもでは把握はいたしておりません。
○星野委員 前に聞いたところでは、不法入国者が約三万人くらいいるんじゃないか、こんなふうに聞いたことがありますが、そういう水際対策をしっかりやってもらいたいこととあわせて、入管の体制が、人手が足りなくて捕まえた犯罪者をみすみす逃がしてしまうというようなことのないようにぜひお願いをする次第であります。 さて、このような侵入犯罪が国際化の中で随分ふえている。また、いわゆる来日外国人の犯罪、特に中国人の犯罪グループ、これはもう、本国で開錠の訓練をしている、プロに仕立てて日本の方へ送り込んでくるんじゃないかなというようなことを言われているわけでありますが、そういう情勢の中で、こういう侵入犯がふえるということは、まさに市民は枕を高くして寝ることもできない、こういうふうな気持ちになるわけでありますけれども、国家公安委員長をお務めの谷垣大臣から、侵入犯罪の防止につきましての御決意のほどを承りたいと思います。
○谷垣国務大臣 星野委員がおっしゃいましたように、侵入犯罪がふえているというのは、家に帰ればみんなやはり安心して枕を高くして寝たい、これは当然のことでございますが、その本拠に入ってきて物を盗んだり強盗をしたりする、これはいわゆる体感治安というのに一番響いてくるものですね。これに対しては全力を挙げてやらなければいけないと思っておりますが、このいわゆるピッキング法案はそのために大事な、非常に重要な手段をつくっていただくものと思っております。 私どもはこれの一日も早い成立をお願いするわけでございますけれども、これを利用して警察官も一歩前に出るといいますか、そういう気持ちでこれを活用していかなきゃいけないと思っておりますし、また、今も外国人犯罪の問題点についてもいろいろ御指摘がございました。これも、中国の治安当局等との協力連携関係も最近深めております。我々、そういうことも十分努めて、治安の確立のために努力をいたしたい、このように思っております。
○星野委員 どうもありがとうございました。終わります。
○佐々木委員長 以上で星野行男君の質疑は終了いたしました。 次に、中沢健次君。
○中沢委員 おはようございます。民主党の中沢でございます。 一時間の時間をいただいておりますので、この法案の内容に入る前に、少しく、私なりに問題意識が非常に強い、特に暴力団の犯罪問題を幾つか、特に大臣あるいは政府参考人と質疑を深めたいと思うんです。 大臣、昨晩のNHKの例の産業再生ですか、あれは生放送だろうと思いますが、夜遅くまで大変御苦労さまでございました。 さて、この委員会で、ごく最近も暴力団の関係についていろいろ議論がありました。 実は、地方行政委員会、十二年前、当時私は社会党の委員会の筆頭の理事をやっておりまして、この法案の立法作業にそれなりにかかわってきた。自民党の場合は亀井静香さんが筆頭として、委員会でもやりましたけれども、小委員会という別建ての専門的な議論をする、関係者からもしっかりいろいろ専門的な情報も聞く、こういうことで、相当慎重に審議をして法案をまとめてもう既に一昔前でありますけれども、あれからずうっと、暴対法、改正が何回かありましたけれども、今日に続いている。 まずそのことを前提にして、最近の暴力団の犯罪というのは、暴対法という一つの対策立法ができましたけれども、率直に言って十分な効果が上がっているかどうかいささか不安な問題もありまして、これから具体的に、特に政府参考人の方から事実関係を聞いて、その上で国家公安委員長としての大臣の見識ある決意と見解も聞いておきたい、こう思うんです。 まず最初に、これは警察庁の方で広報活動の一環として国民の方に出している「暴力団 情勢と対策」という最新版、大臣もごらんいただいていると思うんです。暴力団の犯罪も本当に多岐にわたっています、資金源を確保するにはもう手段を選ばずと。もともと、伝統的な暴力団というのは麻薬が最大の資金源であった。今日もそういう状況は変わっていないと私は思うんですが、まず一つは、具体的な事実関係として、ここ数年にわたって、国内における麻薬密輸あるいは密売、具体的な実態がどういう傾向にあるか、数字を含めて少しく明らかにしていただきたいと思います。
○近石政府参考人 平成十四年中における暴力団員及び暴力団準構成員による覚せい剤事犯、麻薬事犯の中でも覚せい剤事犯が中心でありますので覚せい剤事犯を申し上げますと、覚せい剤事犯の検挙人員は六千七百三十八人となっておりまして、覚せい剤事犯全体の四〇・二%を占めております。また、暴力団構成員等の平成十四年中の総検挙人員は三万八百二十四人でありますが、そのうちの二〇%強が覚せい剤事犯ということになっております。これらの検挙の中には覚せい剤等の密売によりまして数億円の収益を得たとして麻薬特例法に基づき没収保全を行った例もあり、我が国における覚せい剤等の薬物の密売等には暴力団が深く関与しているものと認識しております。 警察といたしましては、薬物犯罪が暴力団の大きな資金源となっているという現状を踏まえまして、徹底した取り締まりを継続していく所存であります。
○中沢委員 実態は今御説明があったとおりだと思うんです、非常に残念だと思いますが。 しかし、いずれにしても、やはり暴力団の資金源であるという、しかも有力な資金源である。しかも、被害を受けているのは圧倒的に我が日本の国民なんですね。ほかの犯罪と違って、もう言いようのないぐらい大変悲惨な犠牲を受ける。これは、きょうは時間がありませんからこの程度にしますけれども、やはりこの暴力団対策、なかんずく麻薬犯罪対策、残念ながら、いろいろやっているけれども、結果的に、傾向としてはほとんど横ばいの傾向にある。さてどうしたらいいか。これは後ほどやりたいと思いますが、そういう問題意識をお互いに持つ必要が、私は、単に警察庁だけじゃなくて、国会議員としても持つ必要があるのではないか、そんな思いでいっぱいなんです。 話題を変えまして、最近、新聞、テレビで、やみ金融の世界について、暴力団ないし暴力団の予備軍がさまざまな関係を持っているのではないか、一般的な報道でありますけれども、そういう報道が相当出てまいっています。 実は、私は北海道の出身でありますので、北海道の案件、具体的に一つ聞いて確かめておきたいと思いますが、これは全国紙では余り大きな記事ではありませんけれども、いずれにしても、既に逮捕者が六名出ている、やみ金融経営者、あるいは元従業員。これは金融の問題ということとあわせまして、やや、学校の子供たちに対して、間接的に威力業務妨害だとか、あるいは恐喝まがいのことをやった、そんな案件がごく最近出ています。改めて警察庁の方から具体的な事実、少しく説明をいただいておきたいと思うんです。
○近石政府参考人 お尋ねの件につきましては、四月七日に北海道で出資法違反ということで検挙しておりますけれども、まだ恐喝事件ということには立件できていないということでありますけれども、この件につきましては暴力団が関与しているというところまでは判明しておらないというふうに報告を受けております。
○中沢委員 私も、事実関係、直接は調べる立場にはなかなかありません。新聞報道を見る限り、おっしゃるように、暴力団、そういう記事にはなっていない。 ただ、先々週でしょうか、私どもの大畠委員も指摘をしました。私の問題意識もそこにあるんですけれども、結局は、暴力団というのは、伝統的にいろいろな資金源をいろいろ探しながらも、最近はやはり一般的な経済活動に対して非常に巧妙に資金源ということでねらいを定めている。やみ金融の世界というのは、そういう点でいうと、やはり非常に危険な背景を持っている。 全国的に、例えば、警察ではどの程度事実関係を押さえているかよくわかりませんが、それでは、北海道のこの関係は出資法違反を中心に、ただ、学校まで取り立ての電話をかけて、子供たちにそういうことを伝言しろ、授業を妨害するということでの威力業務妨害の疑いもある、こういう記事なんですよ。 もっと言うと、それが、取り立てでいうと、相当ひどい、言葉の暴力で済んでいるかどうかは別にして、そういうことが横行しているというのは事実でありますから、警察庁としては、暴力団に関係するかどうかは別にして、国民生活に多大な不安と恐怖を与えるようなそういう事案について、全国的に、例えば恐喝で検挙をして、あるいは捜査をして、こういうケースは幾つかあるのではないかと思うんですが、その事実があれば具体的にちょっと示していただきたいと思います。
○瀬川政府参考人 御指摘のとおり、今やみ金融事案というのは非常に全国的に多発をしております。非常に大きな問題となっているというふうに認識をしております。 ちなみに、昨年中のやみ金融事案の検挙状況でございますが、二百三十八事件、四百四十六人を警察では検挙しておりまして、これは、私どもが統計をとり始めましたのが平成二年でございますが、それ以降最多の数ということになっておるわけでございます。被害人員が十二万二千人に上るということで、これも、被害人員の統計というのは平成八年以降とり出したものでございますが、平成八年以降最多である、こういう状況になっております。 また、御質問にありましたとおり、取り立ての過程で学校までということもございます。職場まで、あるいは深夜、それから親戚から多少なりとも関係がある人のところまでと、相当のところにかなり強引な形での取り立て行為が行われておりまして、大変大きな問題となっております。 恐喝事件で検挙した事件が何件あるかというのは、ちょっと私は今手元に資料はございませんけれども、警察といたしましては、もちろん現行法の範囲内ということではありますけれども、そういう悪質な取り立て行為自体につきましても、あらゆる法令を活用いたしまして、これはもう厳正に対処をするという方針で今臨んでいるところでございます。
○中沢委員 今のようなお答えで、具体的にやはり四百四十六人既に立件されている、被害は全国で十二万人もいる、これはやはり大変な社会問題。そういう犯罪を取り締まる警察庁としても、私は、やはりしっかりと認識をして、後で大臣から総体的な決意と見解を聞きますけれども、これはやはり改めてこの世界についてもっと十分な警察庁としての対策の必要性があるのではないか、そのことだけを指摘して、三番目には、暴力団の抗争。 暴対法の目的は、それまで物すごい全国的な暴力団の抗争があって、全く関係のない市民が巻き添えを食ってということなども背景としてあって、この際、暴力団の対策立法が必要だ、こういうことだったというふうに私は記憶しています。それだけではありません。幸い、取り締まりの、あるいは対策をされた警察庁、都道府県警察の努力の成果だとは思いますが、傾向から見ると、暴力団の抗争は数からいうとだんだん減っている、これは大変いいことだと思うんですよ。 ただ、ことしに入りまして、一月、群馬の前橋で、全く関係のない三名の市民が巻き添えで死亡をする、しかもこれは指定暴力団の住吉会が深くかかわっていた。私がやりましたということで警察に出頭して、結局それは本人かどうかはわからなくて身柄が釈放されているというケース。私は、やはり暴力団同士の抗争ももちろん黙っているわけにはいきませんが、全く関係のない国民がその巻き添えで死亡したり、あるいは傷害を受ける、これはもうとんでもない、あってはならない、こういうことだと思うんですよ。 その後の群馬の事件の捜査の展開、普通でいえばこれは国会ではなかなか具体的に申し上げられない、こういうことなんでしょうけれども、ごく最近の新聞には相当詳細に報道なんかされていますから、限界ぎりぎりで結構ですけれども、捜査の状況の最近の実態について少しく説明をいただいておきたいと思います。
○近石政府参考人 対立抗争事件につきましては、暴力団対策法の制定前の昭和五十八年から平成二年までは年平均二十八・八件の発生を見ておりましたけれども、法制定後の平成三年から平成十四年までは年平均八・八件と、三分の一以下に減少しているところであります。ちなみに、平成十四年には七件発生しているところであります。 お尋ねの事件につきましては、平成十五年一月二十五日、群馬県前橋市内の飲食店において二人組の男がけん銃十数発を発射し、店内外に居合わせた四名が死亡、一般人が三名含まれますが、一般人の方三名死亡を合わせて四名が死亡し、これも一般人の方でありますが、二名に負傷を負わせたというものであります。一般人の方が暴力団の抗争事件に巻き込まれて死亡するという、極めて卑劣かつ凶悪な事件であります。 本件につきましては、住吉会系の暴力団による犯行の可能性が極めて高いと見まして、地元群馬県警察及び警視庁初め関係警察を挙げて、同組織への取り締まりを強化するなどして、全容解明に向け鋭意捜査中であります。 警察といたしましては、いやしくも一般の方にさらなる危害の及ぶことのないよう、暴力団に対する取り締まりを強化し、必要な警戒を行うことで、この種事案の防圧、検挙に総力を挙げる所存であります。
○中沢委員 具体的な事実関係を含めては、以上で一応終わりたいと思います。 さて、谷垣大臣、二つ具体的に、具体的というか、ポイントを絞っておきたいと思うんですが、一つは、先ほど言いました麻薬犯罪。 きょうは時間がありませんから、北朝鮮の不審船、それが日本の暴力団と取引があったかないか、まだ相当クエスチョンマークとして残っております。きょうのテレビの報道によりますと、総理がブッシュ大統領と会って、北朝鮮の核問題、拉致問題、それと麻薬問題も話題にしたいというような報道もありました。 もともと日本の麻薬犯罪ということは、ほとんど全部外国から麻薬が入っているわけですね。専門家の皆さんはもう百も承知でありますが、ほとんどが中国、台湾ルートだったんです。最近はそれが北朝鮮ルートも非常に増加をしている、こういう傾向にありまして、いずれ一般質疑でもっと深い、広い議論をしたいと思いますけれども、少なくとも国家公安委員長として、これは国際的な問題という視点も含めて、国内の暴力団を中心にした麻薬犯罪の撲滅、こういう観点で、この問題にまず一つ限定して、大臣としての決意のほどを聞いておきたいと思うんです。
○谷垣国務大臣 今委員が、特に北朝鮮に関連した薬物犯罪の問題を取り上げていただきまして、もう今さらくだくだしく申し上げる必要もありませんが、第三次覚せい剤事犯の、ブームと言っていいのかどうかわかりませんが、ピークにあるわけでありまして、その大きな部分が、北朝鮮でつくっているかどうかは別としまして、いわゆる北朝鮮の港から出てくる、北朝鮮ルートによるもの、こういうことになっております。 けさの報道を私はよく承知しておりませんが、小泉総理もブッシュ大統領との会談で北朝鮮の問題を議論されるのかどうか、これは私よく承知しておりませんが、実は、この間の連休中、五月の四、五であったと思いますが、パリでG8のテロ対策閣僚会議というのがございました。 これは各国の、G8の法務大臣、警察担当の大臣が集まったわけで、私は残念ながら、審議もちょうどやっていただいている六日、審議の関係もございましたので行けませんでしたが、日本からは検事総長と、私どもから警察庁の次長が出席をしまして、テロ対策の関係でも、この北朝鮮の問題、警察庁の次長から発言してもらいました。もちろん拉致の問題もございますけれども、覚せい剤の問題も発言してもらいまして、もちろん日本自体としても頑張らなきゃいけないわけでありますけれども、国際的な法執行機関の連携した対処がこの分野でも極めて必要であるということを発言させていただいたわけであります。 実は私自身も、国会へ出る前、弁護士の実務経験はそう長くございませんが、国選事件等でかなり薬物犯罪法廷に立ったこともございまして、その悲惨な実例もある程度承知しているつもりであります。第三次なんて言っていることに甘んじないで、全力を挙げて対処したいと思っておりますし、先ほどおっしゃったような暴力団といわゆる不審工作船との関係等も、濃厚な疑惑はあるにしても、まだ十分解明できていないところがあることも委員御指摘のとおりでありますけれども、全力を挙げて対応しなければなりませんし、また、こういう組織的な事犯に対応するにはどうしたらいいか。警視庁の方も、組織犯罪対策部というような組織を新たに四月一日から編成しまして新たな取り組みを始めているところでございますが、そういう組織面の問題だけではなく、どういう手法を我々これから開発していったらいいかというようなことも十分研究して当たらなければならないと思っております。
○中沢委員 ぜひしっかり頑張ってほしいと思いますね。 それから、もう一つ大臣にお尋ねをしたいと思うのは、先ほどやみ金融の話を少しやりました。これは一般論かもしれませんが、やはり暴力団というのは非常に知恵がありますよね。いろいろな法の網の目をくぐって、一方では合法的な装いをやって資金源を得ていく。 そういうことからいうと、先ほどちょっと触れましたけれども、やみ金融の世界というのは、暴力団にとっては大変魅力のある資金源だというふうに私は思うんですよ。そうすると、指定暴力団の構成員、準構成員に限定をするというよりも、その周辺の、簡単に言えば、予備軍と一言で言っていいかどうかは別にして、そういう方々が非常にいろいろな意味で関与をしている、そういう疑いというのは、少なくとも私も強く持っているし、相当の国民の皆さんも、そういう意味では同じような認識を持っている。もう金を借りた人が悪いと言っては一刀両断で済むんですけれども、しかし、そういう弱みにつけ込んで、大変な犯罪行為まで犯している。 私は、やはり暴力団の経済活動に対するその種の今の立法対策では、率直に言って十分ではない。暴対法の議論の中にも、あらかじめそういうことも予想されまして、幾つかの事例について議論をして、こういう行為があったら暴対法の取り締まりの対象にしようじゃないか、こういうふうにしましたけれども、あの当時、やみ金融という言葉すらなかった。しかも、大変な被害が全国的に広がっている。私は、やはり放置するわけにいかないと思いますよ。 そうすると、立法をする国会として、あるいはそれをつかさどる警察庁として、暴力団対策ということだけではなしに、一方では国民の生活の安全、こういう側面から、一つはやはり暴対法のある意味での見直し、そういうことを視点に据えた見直し、あるいはそういう部分に対する警察庁全体としての具体的な対応をしっかりやる必要が私はあると。 やみ金融に関係なしに、それ以外にいろいろ今まで出ていますけれども、環境関連の産業だとか産廃の産業だとかいろいろありますよね。そこまではきょう時間がありませんから指摘をしませんが。 今のような問題について、やはり大臣として、責任あるポジションでありますから、ぜひひとつ、きょう直ちに法改正までということはなかなか言えないかもしれませんけれども、しかし、そのぐらいの決意をしっかり示していただきたいな、これからの議論の足がかりを私としては得ておきたいな、こんな思いでありますので、お答えをいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 暴力団のみならず、幅広く問題を指摘いただいたように思います。 十一年前に委員御自身も大変御努力いただいた暴対法というものは、私は、ある意味で効果は上がっている面があると思うんですね。例えば、暴力団に不当に、これはどういう言葉を使っておりましたか、指定暴力団に対して暴力的要求行為に対する措置命令が出せるとか、あるいは加入強要とか脱退妨害に対しても措置命令が出せるというようなことで随分若い構成員を得ることができなくなって高齢化しているとか、それから、暴力的要求行為ができなくなった、伝統的な資金源であるみかじめ料がなかなか手に入らなくなったとか、それから問題がある場合には事務所を使うことを禁止することができる、こういったものによってかなり抗争事件なんかの数も、先ほど御指摘いただいたように、減ってきたことも事実であります。 しかし、他方、きょうまさに委員が御指摘いただきましたように、薬物犯罪であるとか、それからやみ金融あるいは産廃等、そういうものに限らず、私は、これは実は産業再生委員会、産業再生担当としても非常に関心があるわけでありますけれども、表から見たときは全く普通の経済行為、フロント企業とも何とも言えないような、全く普通な経済行為を装いながら、一見したところ暴力団がやっているようなこととは思えないけれども、実はそれが入るのを許してしまうとがんが増殖するように忍び込んでくるというような事例も幾つか耳にしているところでありますし、そしてまた対立抗争も、先ほどおっしゃったようにある。 そういうことで、平成五年、平成九年、それぞれ暴対法も改正をしていただいたところでありますし、それから平成十一年には、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律ということでマネーロンダリング等に関しても手法を与えていただいて、これらを活用して我々しっかりやらなきゃならないことはもちろんだと思っております。 ただ、先ほどもちょっと申しましたけれども、それだけで十分なのかどうかという検討はやはりこれからも行わなきゃならないと思っておりまして、特にこの暴対法とかこういうものは、我が国の法体系ではある意味では珍しい、組織犯罪に対応する法体系でございます。我が国の法体系は個人の犯罪ということに着目してつくられた法体系で、それはある意味で自由とかそういうものを守る上では意味があることは私はもちろんだと思いますが、こういう組織犯罪が巧妙化していくときにどういう手法を開発していったらいいかということは、私ども、やはりおろそかにできない視点ではないかな、こんなふうに思っておりまして、この研究はしっかりやって、この成果ができたらやはりそれは問うときもなきゃいかぬな、こんなふうに思っております。 中沢委員が周到に言っていただきましたように、まだ、今の段階でこうだと言うわけにはなかなか、用意はございませんけれども、気持ちとしては、そういうようなことも見据えながら、組織犯罪、暴力団犯罪というものに当たっていきたいと思っております。
○中沢委員 今のお答えは、きょうのところは私の方もしっかり受けておきたいと思います。 ただ、いずれにしても、これからのことを考えますと、国会としても、つまり立法府としても、あるいは行政府としても、組織という観点でいえば、暴力団については徹底的にしっかりした対策を立てる。新しい分野でいえばやみ金融においても、そういう背景をしっかりまたチェックして、これは暴力団対策という観点と国民生活の安全を守るという観点から責任を持って頑張る。こういうメッセージを、きょうはわずかの時間でしたけれども送ることができたと思います。 これから、やはり必要な法律の改正、こういうところこそ大胆に、しかも早急に私はやるべきだ、そのことだけを申し上げて、時間がありませんから、いよいよ法案の審議の方に移っていきたいと思います。 さて、今ほど自民党の方から、星野さんの方から、いろいろ具体的な事実も含めて御指摘がありました。私も幾つか重複をすると思うんですけれども、私は、平たく言えばピッキング法案というふうに呼んでいます。したがって、これからはピッキング法案ということでずっとやっていきたいと思います。 まず一つ、具体的な事実あるいは最近の動向として、政府参考人で結構ですからお答えをいただきたいと思いますが、侵入犯罪は先ほど具体的な指摘がありました。その中でも、最近非常に国民に対する影響が出ているピッキングの犯罪について、全国的な傾向。あるいは、私の聞いているところでは、どういうわけかはわかりませんが、人口密集地帯だとは思いますけれども、東京を中心に関東周辺にやや集中をしている、こういう傾向がある。しかも、検挙をしてみたら中国人が六割以上いるんだ。 こういうことなどを聞いていますけれども、全国的な傾向、あるいはそれがどういうところに簡単に言えば集中的に発生しているのか、中国人ということに本当に多く立件されているのかどうか、この三つ、まとめてお答えをいただきたいと思います。
○栗本政府参考人 お答えをいたします。 委員御指摘のように、近年、来日外国人などによりますピッキング用具を使用いたしましたいわゆる空き巣ねらいとか事務所荒らしなどの侵入盗事件が、関東圏などの都市部を中心に多発しているところでありますし、また全国的に波及もいたしております。例えば昨年では、四十三都道府県でこの侵入盗事件を認知しております。 昨年の具体的な認知、検挙状況について申し上げますと、平成十四年中の侵入盗事件を認知いたしましたのは、一万九千百二十一件でございました。前年比では若干減少しておりますが、かなり高い水準の発生になっているところでございます。また、それに対します検挙件数でございますが、これは全国で四千七百三十六件、検挙率で二四・八%となっておりますし、また、この関連の事件で検挙いたしました人員が四百二十三人となっているところでございます。 それから、どのような地方での発生が多いのかというお尋ねに関しましては、御指摘のように、昨年を見ましても東京都とか埼玉県、千葉、神奈川などにおきます認知件数が、この四都県で一万二千件余りとなってございまして、全国的に発生いたしました六割強がこの関東圏で発生しているところでございます。このようなことから見ましても、関東圏などの都市部において多発をしておるという傾向が見られるところでございます。 また、検挙の関係につきましてさらに詳細に申し上げますと、昨年のピッキング使用の侵入窃盗事件の検挙人員、これは四百二十三人になってございますが、このうちで、確認できております中国人の被疑者の方は三百十人、約七三%となっているところでございます。
○中沢委員 私は、今度のピッキング法案の必要性は十分理解できます。我が党としても、そういうことをベースにして法案対応はしていきたいと思っているんです。 ただ、これまた具体的な関係で、政府参考人で結構だと思いますが、お答えをいただきたいと思いますが、この種の犯罪の取り締まりというさまざまな立法の場合に、人権との関係がどうしても、メダルでいえば表と裏の関係で、その辺のバランスが、すべてのこの種の法案でいうと非常に悩ましいところだと思うんですよ。 今お話がありましたピッキング犯罪が、全国的に、しかも東京周辺で非常に集中的にふえる、国民は大変な迷惑を受ける、まくらを高くして寝れない、おっしゃるとおりだと思いますね。したがって、この種の犯罪の取り締まりの必要性は十分認識をする。しかし、今までは、どちらかというと軽犯罪法の領域であった。今度は、五十万から一年、あるいは百万から二年という、いわゆる実刑つきの犯罪の取り締まりの対象になるわけです。 しかも、例えば、具体的に聞いておきたいと思うんですけれども、法で言うところの指定侵入工具、一定のドライバー、バールというふうになっているんですが、これは政令で決めるということになっています。 普通、ドライバーだとかバールだとか、それを持たなければ仕事ができない、そういう職種の方はたくさんいるわけなんですよ。たまたまそういう方々が、正当な理由があって保持した場合は取り締まりの対象にならないというのは当たり前ですけれども、ややグレーゾーンでいうと、さてどうなのかな。政令で定めるとはいいながらも、今の段階で、この指定工具でいうと単にドライバーだとかバールとなっているんだけれども、その大きさだとかあるいは性能だとか、僕はこれ以上の専門的な知識は持っていませんが、あると思うんですよ、一つの基準みたいなのが。何でもかんでも、ドライバーを持っていたら、あるいはちょっと疑わしいということになれば、これは現場で現認するんでしょうから、やはり人権問題ということに非常に大きく影響してくるおそれを率直に持っているんです。 ですから、そういうおそれをできるだけ国民に向かっても解消する努力というのが、今度の国会審議でそれなりにやはり必要じゃないか、こういう問題意識を持っているものですから、侵入工具を政令で決めるということは結構だと思いますが、それにしても、どういう基準で政令で決めようとしているのか、具体的に聞いておきたいと思います。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 特に指定侵入工具につきましてでございますけれども、実際、侵入犯罪に使用される器具というのは、ピッキングというのは一〇%ぐらいでございまして、そのほかのドライバーでございますとかバールでございますとか、そういったものが現実には侵入犯罪に使用されるのが多いというのが実態でございます。 しかし一方、御質問にありましたように、ドライバーとかバールといったものは国民が日常生活において用いるものでございますので、この点、やはり十分に配慮をして、必要最小限度の範囲とするように政令案を決めていかなきゃいけない、こう考えております。 具体的に、今、指定侵入工具について考えておりますのは、現在の犯罪者による侵入の実態を見まして、ドライバー、バールというのは法律で書いてございますが、そのほかにはドリルでございます。最近よく新聞等で取り上げられておりますが、ドリルサムターン回しという新たな手口が出てきておりまして、これは全体の件数から見るとまだ少ないんですけれども、錠の近くにドリルで穴をあけまして、そこから特定の工具を差し込んで中のサムターンを回してしまう、こういう事案が最近急増をしております。したがいまして、今、私どもといたしましては、ドライバー、バールに加えまして、ドリルについて指定侵入工具として定めるということを検討しております。 必要最小限度のものにしたいと思っておりまして、例えばドライバーについて申し上げますと、実際に侵入犯罪に使われているドライバーというものをいろいろ分析いたしまして、今考えておりますのは、歯の形状がいわゆるマイナス型、マイナスドライバーですね、プラス型のものは含まない。それから、刃幅、ドライバーの先の幅でございますが、これが五ミリ以上である、全体の長さが十五センチ以上のもの、こういったものが大体侵入犯罪に使われているという実態がございますので、そういったものを明確にした政令案を定めるように検討をしてまいりたい、こういうふうに考えております。 それから、業務その他正当な理由についてややグレーゾーンがあるのではないかという点につきましても、御質問にございましたが、社会通念上、こういった侵入工具の携帯が当然に認められるような場合にはこれは適用しないということで、実は、こういう決め方は、現在の軽犯罪法におきましても、正当な理由がある場合を除いて、侵入に使われるような道具を携帯してはいけない、こうなっておりまして、正当な理由による場合というのは、私どもといたしましては、実務の現場ではかなり定着はしているものと考えております。 ただ、実際、正当な理由による場合に該当するか否かというのは、持っている方の職業でありますとか周囲の状況でありますとか、あるいは動機、目的、認識といったものを主観的に判断をすることになろうと思います。 具体的には、例えば、指定侵入工具につきましては、隠匿携帯の処罰でございますので、警察官が職務質問をしてそういうものを見つけるということが多いと思います。したがいまして、深夜、住宅街を徘回しているような、しかも物色といいますか、うろうろしているような者を警察官が発見したときに、職務質問をして、そこで、そういったドライバー、一定のドライバーについて殊さら隠して持っているというような状況があったときに、どういう理由でということをよく調べた上で、正当な理由があるかないかということをしっかり判断をしてまいりたいと思います。 御懸念のように、国民の権利との関係、人権を侵害するのではないかという御懸念があろう、こういうふうに思いますので、私どもといたしましては、具体的な運用基準というものをしっかりつくりまして、これを都道府県警察に示しまして、現場の警察官にこれがしっかり徹底するように指導教養を徹底して、いささかも乱用にわたるようなことがないように、的確に指導してまいる所存でございます。
○中沢委員 今、指定工具とそれから現場の対応については運用基準を定めてというお話、あわせてお答えをいただきました。 いずれにしても、この法律が通った後の話ではありますけれども、非常に大事な部分だと思うんですよ。ですから、全国の都道府県警察の本部長会議だとかあるいは担当の局長会議だとか、法案そのものももちろん大事ですけれども、そういう政令だとか運用基準の方が、国民からいうと非常に注目している内容ではないかと思うんですね。 今、幾つかポイントの説明がありました。私は専門家ではありませんから、これ以上余り質疑はしませんが、いずれ同僚議員の方から、そういう人権との関係ですとか、今のような限定的に侵入工具についても考えるという、あるいは人権との絡みでも、運用基準で、こういう話がありましたけれども、あとは同僚議員で少し議論も深めてほしいな、こういう思いなんです。 さて、それに関連して、最近は、いろいろな商品をインターネットで取引をする、いい、悪いの話は別にして、だんだんそういう世界が広がっていくと思うんですね。そうすると、ピッキングの用具はもちろんだけれども、今局長から指摘をされたそういうドライバーだって、普通はいろいろな職種で使っていると思うんです。なかなか区分けは難しいんでしょうけれども、特に、いわゆるピッキング用具をインターネットで取引する、こういうケースも今まであったんじゃないか。ただ、今までは取り締まりの対象になっていないからほとんどノーチェックだったと思うんですけれども、これからはそういうわけにはいかない、それは、当事者もそうだけれども、取り扱いする業者についても罰則が適用されるわけだから。 そうなってくると、そういうところについても相当綿密な捜査の基準というんですか、あるいはこの法案の趣旨からいえば運用の基準というんでしょうか、そういうことをしっかり対策として立てておかないと、単に店を張って錠前屋さんがピッキング用具を売る、こういうものと違ってなかなかチェックしづらいだけに、どういう専門的な検討をされているかということは別にして、せっかく立法をするのであればそういうこともしっかりと、その部分についての対応も必要ではないかと思うんです。これについては、現在どういう準備をされているんでしょうか。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 指定侵入工具につきましては、まさに国民の方が日常使うものでございますからそういう議論は起きないかと思いますが、ピッキング道具は、まさに特殊な、開錠のためだけに用いる専用のものでございますので、その販売についても規制をすべきではないかという御議論は当然あり得ることだろう、こういうふうに思います。 そして、今御質問にもありましたように、ピッキング用具は、インターネットによる通信販売でありますとかあるいは店頭での販売でありますとか、そういったものが実際にございました。容易にこれを入手することができるという状況でございます。また一方で、手製のものも非常に多いという状況がございます。 そこで、こういった販売についてどのように対応すべきかということでございますけれども、販売の取り締まりを徹底するということを考えたときに、それを一番徹底いたしますのは、製造から輸入、販売をすべて許認可制にしてはどうか、そうすることによってしっかり全部管理ができるというのが一番の典型的な議論としてあろうかと思いますけれども、実際、その所持を許認可制としておりますのは、例えば火薬類でありますとか薬物、けん銃といった銃刀法の対象のものでありますとか、そういったいわゆる危険物のようなものでございまして、特殊開錠用具、ピッキング道具というものは、確かにそういった犯罪の用に供されることが多いわけでございますけれども、そのもの自体が持つ危険性としては、ちょっとほかのものと比べたときに、危険性という観点では低いと言わざるを得ないということで、そもそも、その所持についての許可制ということについては、現時点、そこまではなかなか難しいのではないか、こう考えたわけでございます。 したがって、所持が許可制にできないということになりますと、その販売についてもなかなかこれは難しいのかなということでございまして、この法律案の考え方は、まず、正当な理由のないピッキング用具の所持を禁止しようと。現在では、このピッキング用具については軽犯罪法で隠匿、隠して携帯をするというのが禁止をされているわけでございますが、そういう特殊な道具でございますので、この態様をちょっと拡大いたしまして、所持まで禁止をすることにしようと。そして、販売の方につきましては、相手方が業務その他正当な理由によることなく所持することを知りながらこのピッキング用具を販売、授与したもの、いわゆる知情販売というような形態のものを加重処罰しよう、そうすることによって、販売についての許認可制という形態はとりませんけれども、社会にこういったピッキング用具が拡散をしていくという状況に歯どめをかけるようにしてはどうか、こういう考え方に基づいてこの法律案を提出しておるところでございます。 もちろん、御指摘のような御議論、御意見につきましては、私どもも十分検討していかなきゃいけない点だ、こう思っておりますので、今後、この法律案による効果というものを見きわめながら、ピッキング用具あるいはそのほかの特殊開錠用具の社会への拡散防止のためにより踏み込んだ規制が必要だということになった場合には、またその点につきましてさらに検討をしてまいりたい、こう考えておるところでございます。
○中沢委員 それでは、もう一問具体的なことが残っていますから。 おとついの新聞の小さな記事でしたけれども、「針金で開錠、跡残さず 中国人ら三人逮捕」こういう記事があるんですね。針金の写真が入っている。これは、同じ知恵でも大変な悪知恵だと思いますね、映画の世界ではよくありますけれども。 さて、そうなってくると、針金をまさか侵入工具に指定するなんてことは理屈の上からいっても不可能だ。私としては、こういう法律の必要性は十分ある。しかし、何とか犯罪で飯を食おう、言葉は悪いかもしれませんが、そういう人方にとっていうと、今度の立法措置をあらかじめ想定してそれ以外の侵入工具、針金でやろうか、こういうことでイタチごっこに結果的になりはしないかなと。これはなかなか難しい問題だと思いますよ、質問する方も難しいと言いながら質問するんですが。 しかし、この種のケースというのは、新聞報道にあるように、この程度の件数なのか、あるいは、これから取り締まりをする警察庁としては、ふえるのではないか、その場合の具体的な対応はこうしたい、こういうことがあればちょっと聞いておきたいと思うんです。
○瀬川政府参考人 今具体的に御指摘がございました手口というのが今までどのぐらい発生をしているのかというのは、ちょっと現在承知をしておりませんけれども、いずれにいたしましても、先ほどちょっとドリルサムターン回しということを申し上げましたけれども、ピッキングの犯罪が若干減少すると今度そういうドリルサムターン回しというのが最近急増してきている、こういう状況でございまして、次から次へと新たな手口が出現してきている、まさに御指摘のとおりでございます。 そこで、こういった点につきましては、必ずしも万全とは申し上げられないかもしれませんけれども、私どもとしても、そういった点の対策も幾つか考えてこの法律案をつくったつもりでございます。 まず、現時点で認知していない新たな開錠専用の器具が出てくるというような場合がございます。また、ドライバー、バールという指定侵入工具を挙げておりますけれども、それ以外の何か工具が急にはやり出すといいますか、多発をするというようなこともあり得るわけでございます。 そういった場合に、それらの器具、工具に対する規制を迅速に行うことができるように、特殊開錠用具あるいは指定侵入工具というものの具体的な決め方というものを政令に委任させていただいております。先ほど、取り締まりといいますか、基準とあわせてちょっと御質問がございましたけれども、政令を決めるときには、当然でございますが、必ずパブリックコメントを実施して国民の皆様に内容をお示しして意見を聞きますし、運用基準等につきましても、これはできるだけ国民の皆様にわかるような形でお示しをしていきたい、こう思っております。指定侵入工具、特殊開錠用具の追加指定をしっかりやるようにしていきたいというのが一点目でございます。 それからもう一点でございますけれども、六条の二項というのが、本法律案で定めがございまして、これは、建物錠等の製造・輸入業者に対しまして、新たに把握された侵入手口に関する情報や侵入用具の実態に関する情報の提供、必要な援助を行う、こういう規定でございます。 したがいまして、新しい手口が出てきたときにはそういった情報提供をして、そういった手口に対抗できるような強い錠前をつくってもらうように業者の方にお願いをしているということがございます。 それから、この法律案の九条という条文がございます。これは昨年実際にあったわけでございますが、カム送り解錠という新たな侵入手口が発覚をされました。これはまさに委員の御質問にありましたように、錠のすき間から針金を差し込みましてあけてしまう、こういうものでございます。この手口による建物への侵入が急増するおそれがあるということで、当時は法的な根拠は全くなく、いわゆるお願いベースといいますか、御協力をお願いして対策を講じさせていただいたわけでございますが、今後は、この法律案の九条に基づきまして、緊急の場合だということで、国家公安委員会がその建物錠の製造・輸入業者に対しまして、その錠の改善等の措置をとるべきことの勧告を行う、こういう仕組みを設けてございます。 以上申し上げましたようなことによりまして、新たな侵入手口が出現してきた場合に、一応それに対応できる仕組みというものも考えているところでございます。これで一〇〇%であるということは断言はできませんけれども、侵入犯罪防止という観点から見て、これは相当の効果が上がるものではないかというふうに考えているところでございます。
○中沢委員 それでは、最後の残り時間は谷垣大臣にお尋ねをしたいと思うんです。 今、ポイントだけの議論だったと思うんですが、しかし、いずれにしても、国家公安委員長としては、今答弁もありましたが、業者に対するいい意味での指導徹底、その必要がある。それから、警察庁全体に対して、公安委員長として指導をする責任ももちろんある。せっかくこういう法律をつくって、具体的な政令や運用基準をつくって、国民の安全をしっかり守ろう、そういう使命感に燃えて、これからそれぞれが頑張ると思うんですけれども、知恵の出し合いでこっちが負けるなんてことにならないように、例えば、相手側が侵入工具をいろいろ知恵を絞ったら、それを防護するような、そういう錠前屋さんというんですか、製造業者に対する具体的な技術だとか、あるいはいい意味での指導をしっかり徹底する。警察庁全体にも、今言った人権問題の絡み等々もありますけれども、しっかりと徹底をする。 もっと大事なことは、国民に対する防犯意識ということも、これは別な観点で非常に大事だと思いますね。自分たちのことは自分たちが守る、これは当たり前と言えば当たり前。できるだけそういう防犯意識をこの際やはり強化をするような、多面的なといいましょうか、そういう国家公安委員長としての責任が非常に重いと思うんですけれども、これについての決意のほどを最後に聞いておきたいと思います。
○谷垣国務大臣 先ほど星野委員にも御答弁を申し上げたところでありますけれども、国民が一番治安が悪くなっているんじゃないかと不安感を持つ原因の一つが侵入犯罪の横行でありますから、このいわゆるピッキング法案をつくっていただきますと、それを未然に防止するという意味では非常に有効な武器をいただくことになると思いますので、これを有効、適切に使って実を上げる、そのために我々も全力を挙げなきゃならないだろうと思います。 それに関して、委員がポイントを幾つか御指摘いただきました。私もそのとおりだと思います。 実は、私自身も自転車、サイクリングが趣味でございますので、自転車に乗りますときは必ずドライバーを携帯しておりますので、あれ、これはやばいなと、実はこの法案を見たとき、ちょっと不謹慎な発言で申しわけございませんが、そんなふうに思ったりいたしまして、これはやはり乱用をいたしますと、安心して自転車にも乗れないということにもなりかねないわけでございます。ですから、これはやはり警察に対する指導といいますか、そういうものもきちっとしなきゃならない。 しかし、それにつけても難しいものだなと思いますのは、例えば、かつて警察は民事不介入、余り警察が乗り出していくと市民生活に余計な圧迫感を与えるということで、そういう中で民事不介入という原則があったんだと思いますが、それを余り強調すると、いわゆるドメスティック・バイオレンスだとかストーカー犯罪みたいなものの抑止、摘発がおくれてしまったというような反省もあったんだろうと思います。 といいますことは、やはり警察も、犯罪情勢とか社会情勢とか世の中の意識というものを常に研究して、それに相応じた対応ができるような、旧套を墨守していればできるというわけでもないんだろうと思いますね。そういう現在の情勢をやはり柔軟な気持ちで見ながら、それをまず警察部内で十分指導を徹底していくということが大事だと思います。 それから、常に新しい手法が発掘されて、新しい犯罪が起きてくる、まことに浜の真砂は尽きるともと、こういうことなんだろうと思いますが、それにつきましては、民間の事業者に対する指導と申しますかいろいろな協力関係、こういうようなことも大事だろうと思います。また、国民の啓発、おっしゃったとおりだろうと思います。 そのあたりを我々も常に十分研究をして、実を上げるように頑張りたい、このように思っております。
○中沢委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○佐々木委員長 以上で中沢健次君の質疑は終了いたしました。 次に、山内功君。
○山内(功)委員 まず、いわゆるパナウェーブのことについてお聞きをしたいと思います。 毎日、この団体の動静が報道をされております。例えば、観光の問題について見ても、彼らを見に来るやじ馬的な観光客以外には、もう気味悪がって観光客も足が遠のくと思うんです。 まず、いわゆるパナウェーブはどのような団体であると把握しているのか、お聞きしたいと思います。
○奥村政府参考人 お答えします。 御指摘の団体は、昭和五十二年ごろから活動を開始している団体でございまして、万物を統一している共存共栄の法則だという正法というものを主張しておりまして、片や反共産主義を標榜しております。 平成二年ごろから、左翼勢力が、電磁波の一種と彼らが言っておりますスカラー波というもので人類が滅亡するとか、あるいは自分たちを攻撃しているとかといったことを言っておりまして、また、平成六年ごろからは、このスカラー波を避けるために、数台あるいは十数台の車両で各地を転々とする活動を継続しておるものと承知をしております。 会員は全国で大体千二百人程度おると見られておりまして、福井、山梨、東京等にパナウェーブ研究所、あるいはエルアール出版等の関連の施設を持っておるところというふうに承知をしております。
○山内(功)委員 パナウェーブの教えや活動の中で、例えばオウムのような危険な要素が存在するのかどうかも伺っておきたいと思います。
○奥村政府参考人 オウム真理教の場合には、住民に不安を与え、トラブルをいろいろ発生させるという一方で、次第に反国家権力たらんとするようになりまして、これを実現するための武装化を進めましてテロ集団化していったものと認識しておりますけれども、本件団体につきましては、いまだこのようなテロ集団化の兆候までは把握をされていないところであります。 ただ、その主張の中で、近々、電磁波とかあるいは未知の惑星の影響によりまして大規模な災害が発生して人類の九〇%が死滅するといったこととか、あるいは千乃会長の死をもたらすようなことになれば全人類を一挙に滅しましょうといった終末思想的なことを言っておりまして、この点は、ハルマゲドンを主張しておりましたオウム真理教との類似性を思わせる面もありまして、警察としては、注意を要する団体であるというふうに考えております。
○山内(功)委員 過去に、逮捕が二回、捜索が一回、計三件の強制捜査を実施しているようですけれども、その概要についても伺っておきたいと思います。
○奥村政府参考人 御指摘のとおり、今まで三件の強制捜査をやっておりまして、まず一件は平成三年でございますけれども、これは福岡で、路上でナイフを持っておりましたこの団体のメンバーを銃刀法違反で現行犯逮捕しております。それから、平成九年でございますけれども、この団体のキャラバン隊が岡山県内の町道におきまして車三台を路上に駐車いたしまして、この車両の前後に障害物を設置しておったということで、このキャラバン隊の責任者を往来妨害罪で現行犯逮捕しております。 それから、平成十年になりまして、広島県内の山林の所有者に対しまして、パナウェーブ研究所の名前で手紙が三通参りまして、この手紙の中身は、我々が山に入れるようにしなければ災難が降りかかるといったことが書かれておりましたので、広島県警が強要未遂罪の疑いで、この団体の関係施設八カ所等を捜索しておるところであります。
○山内(功)委員 連日の報道では、往来妨害行為にわたっているような自動車を連ねての走行、低スピードでの走行が問題だと私は思っているんですけれども、今お聞きすると、例えばナイフ、凶器を持っていた、あるいは、自分たちの主張、行動が自由に行えるように、脅迫文書などを送って自分たちに場所を提供するように強要する。これは、例えばオウムでいえば坂本弁護士一家の誘拐殺人とか、松本あるいは地下鉄でのサリン事件のような方向に発展するのではないかと私は不安に思っているんですけれども、今言われたような三件の強制捜査以外に、警察としてこれまでにどのような対応をとってきたんでしょうか。
○奥村政府参考人 この団体につきましては、これまでも各地を転々といたしまして今回同様のトラブルを生じさせておりましたことから、関係県の警察におきまして、道交法違反による指導、警告あるいは反則告知等を実施してきたところであります。 特に、ことしの四月の二十五日以降は岐阜県下におきまして団体の車両十数台が山中の道路に駐留いたしまして、不安を感じられた地域住民の方から一一〇番通報が寄せられまして、関係の自治体が退去を要請するといった状況が生じております。このため、岐阜県警察におきまして、必要な警備活動、指導、警告等を実施いたしますとともに、五月の一日に関係者九人を道交法違反の無余地駐車ということで反則告知したところであります。 また、その後も、車両が移動いたしました長野県警あるいは山梨県警におきまして、徹底した検問、指導、警告等を実施いたしますとともに、地元の住民の方々あるいは関係自治体等と団体側との話し合いが平穏に行われるように、トラブル防止のために警察としても必要な措置を講じておるところであります。
○山内(功)委員 最近の新聞や雑誌などを見ますと、例えば特定の個人の人の名前を挙げて、その人を消滅させなければいけないというようなことを機関誌にうたっているようなんですけれども、そういう特定の個人の人たちに対して危害が及ばないような方策などは考えておられるんでしょうか。
○奥村政府参考人 御指摘のような記事が週刊誌等に掲載されているということは、私ども、承知をしております。その記事、内容に関連するかどうかを含めまして、警察における捜査の状況あるいは対応の状況につきましては、私どもの仕事の中身に係りますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○山内(功)委員 大臣、現在、今の集団は、岐阜県から長野県を経て山梨県に入って、再びまた長野県に入っているというようですけれども、その周辺の住民の皆さんは不安と混乱の渦中におられると思うんですね。例えば、どうも山道に入っていく集団のようですので、山道に入る出入り口には車をとめたり、自警団を住民の皆さんが構成されているとか、役場の人たちにとっても、通常の業務以外に見回りということが、一日に何回も見回りをしようということを町役場で決められつつあるようでして、随分負担もあると思うんです。 警察として、今後の行動についてどのように分析をして、どのような対応をとるのか、大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○谷垣国務大臣 このパナウェーブという団体に対する対応、これはなかなか難しい面もあるんですが、結論から申しますと、警察としてとるべき態度は、住民や国民の方々の不安を解消することを第一として対処すべきであるというふうに私は考えております。 特に今委員がお話しになりましたように、たくさん車両を連ねて集団として移動していくということで、行く先々で住民の不安を招いていることは事実であります。他方で、自治体や関係機関がこれに対して厳しい態度と申しますか、厳正な対応をしておりますので、この集団の行動にも制約が生じている面があります。 行動については、今委員がおっしゃったような行動をしているわけですが、パナウェーブ研究所の所在する福井県を目指す、こういうふうに言っておりましたが、きょう午前十時に福井県に入りまして、現在は県内を西へ進んで、パナウェーブ研究所の施設が所在する方向へ、五太子町というんでしょうか、そちらの方に向かっているという報告を受けております。 依然として不透明な要素がある、こう思っておりますので、引き続き情報収集を強化して、それから、違法行為があれば、もちろん厳正に取り締まらなければならないということでございますが、同時に、トラブルなどから不測の事態に発展することのないように、適時適切な措置がとれる体制になければいかぬというふうに考えておりまして、国家公安委員会としても、一層警察を督励してまいりたいと思っております。
○山内(功)委員 しっかりと対応を検討願いたいと思います。 その母体となっている千乃正法の機関誌あるいは文書には、病気の教祖が死んだら全人類を一挙に滅ぼしましょうというような記載があるともされておりまして、テロ集団に転化する可能性としては考えてもおかなければいけない集団だろうと思いますので、ぜひ万全の体制をとっておいていただきたいと思います。 さて、法案の審査の方に移らせていただきます。 今回のピッキング法、この法制化については、緊急かつ必要最小限に措置すべき事項を盛り込んだものであるとのことですが、今後の検討課題としてはどのような問題が残っているのでしょうか。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 御指摘にありましたとおり、本法律案は、現下の情勢にかんがみまして、緊急かつ最小限に措置すべき事項のみを盛り込んだものでございます。 この法律案の作成に当たりましては、部外の有識者の方や関係省庁の方から成ります住宅等侵入犯罪予防対策研究会というものをつくりまして、侵入犯罪の予防対策のあり方について、業界からのヒアリングを含め活発な議論を行って、提言をいただいたところでございます。 その提言の中には、この法律案に盛り込んでいない部分として幾つかございまして、一つは、ピッキング用具等の特殊な開錠用具の販売・流通に関する規制のあり方を広範に検討すべきであるというような点、それから二つ目として、錠取扱業者の業界団体による自主規制によってもその錠取扱業者に対する国民の信頼性が確保されなかった場合においては、その業や資格に関する規制についても積極的に検討すべきであるというような点、それから三つ目には、対価を得て開錠技術を教授する者とかインターネット等を通じて不特定多数の者に開錠技術を閲覧させるという者について、実効ある規制の手法について検討すべきである、こういった指摘がございました。 これらについてはこの法律案には盛り込まれていないわけでございますが、今後の課題として残っているものというふうに認識をしておりまして、本法の効果や今後の侵入犯罪の情勢を見ながら引き続き検討をしてまいりたいと考えているところでございます。
○山内(功)委員 かぎ屋さんがピッキング用品を所持している、これは正当な業務だと思うんですが、そのかぎ屋さんがピッキング用具を人に売却するという場合に、それが正当な業務と言えるのかというような論点がありますよね。それから例えば、かぎ屋さんが、自分の店舗を構えたところに買いに来た人について、その人と運転免許証の顔写真とを見比べて同じ人だなと思って安心して売ったら、それはいいことなのか、あるいはそれもちょっと差し控えるべきなのかという論点もありますね。 それから、インターネット。クリックするとすぐに、ピッキングセット激安ショップというようなページが出てくるんですよね。だから、インターネットあるいはダイレクトメールなどを通じて、これは全く、全国というか全世界に、不特定多数の人に特殊開錠用具を販売するということになるわけですから、先ほど述べたような論点とか、あるいはこういうインターネット、ダイレクトメールを通じての販売規制については、その提言もあったのなら、今回の法案に盛る、あるいは考え方として余り正当な業務というものを拡充しないような規定の仕方をするべきだったんだと私は思うんですが、この点はどうなんでしょうか。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 かぎ屋さんの対面販売でありますとか、インターネットあるいはダイレクトメールを通じた販売でありますが、いずれにしても、販売についての規制をなぜ盛り込まなかったのかという御指摘であろうと思います。 ピッキング用具等の特殊開錠用具といいますのは、特殊な開錠に使われる専用の工具でございますので、社会への拡散を防ぐという観点で、例えばその販売を許可制にするということで規制を導入することも考えられるわけでございます。 しかし、先ほども御答弁させていただきましたとおり、現在、所持自体を許可制としている例といいますのは、火薬類でありますとか銃砲刀剣類でありますとか一定の薬品、薬物でありますとかいう、いわゆる危険物に類するようなものでありまして、これと比べますとピッキング用具等の用具自体の持つ危険性は低いという点がございまして、所持自体について許可制とするのはなかなか難しいのではないかと考えたところでございます。 所持が許可制にできないとなりますと、例えばその販売を許可制にしたとしましても、それを売るときに相手方が正当に所持できる人であるかどうかということの確認というのは、その販売者にとって実際に確認をすることがなかなか難しいということだろうと考えられるわけでありまして、こういった点から、販売を許認可制とすることについてはさらに慎重な検討が必要ではないだろうか、こう考えたところでございます。 そこで、この法律案におきましては、正当な理由のないピッキング用具、特殊開錠用具の所持を禁止するということにいたしまして、そして、販売する場合には、業務その他正当な理由によることなく相手方が所持することを知りながら特殊開錠用具を販売、授与した者、すなわち知情販売という類型につきまして、これは加重処罰をするということにして、これにより社会における特殊開錠用具の拡散に歯どめをかけよう、こう考えたものでございます。 今後、この法律案の実施状況、効果というものをよく見きわめまして、より踏み込んだ規制が必要だという状況がもしございました場合に、その販売の規制については今後検討させていただきたいと考えております。
○山内(功)委員 しかし、例えば酒を販売するときに、しっかりと買い手の人のことを確認しなさいよというのは、去年でしたか改正になりましたですよね。だから、できないことを私も要求しているつもりはないんですけれども。 それからもう一つは、例えば知情販売のみ禁止するというのは、わからないではないですよ。だけれども、ではインターネットで販売をした場合には、画面を通じての会話でしかないわけですから、不正使用の認識があったかどうかなんということは全く立証することも困難になるわけで、そうすると、今制定されるような法案では、ピッキング犯罪の拡大について実効性を確保するという面では大変弱いものではないかと思うのですが、どうですか。
○瀬川政府参考人 御指摘のような点はあろうかと思いますけれども、この法律案によりまして、ピッキング用具等につきましては、従来、軽犯罪法で正当な理由もなく隠匿携帯をするという者について禁止をされていたところ、その態様につきまして所持まで拡大をさせていただいて禁止をする、また罰則も引き上げるということにしております。 したがいまして、販売の点について見ますと確かに御指摘のような点があろうかとは思いますけれども、知情販売を加重処罰し、また所持について罰則を引き上げて、所持まで態様を拡大するということで、これは現下の侵入犯罪に対処する上におきまして、私どもといたしましては大きな効果があるというふうに考えているところでございます。 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、販売について許可制にするということになりますと、結局、それを売る相手方が所持する正当な理由があるのかないのかということの確認をしなければいけないということになるわけでございまして、その所持自体を、特殊な用具であるから許可制の対象にしてはという考えもあるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたような例でありますとか、あるいはさらに行政コストという点もあるのではないか、こういうふうに思います。 そういった点もいろいろ考慮をいたしまして、今回の法律案におきましては、特殊開錠用具につきましては、所持の禁止と知情販売の加重処罰という規定ぶりにさせていただいたところでございます。
○山内(功)委員 行政コストとか規制緩和とか、それは私たちが従来から国に対して主張していることなんですけれども、錠の取扱業者について、業や資格についての規制を見送った理由についても先ほどからそれを理由に述べられていますけれども、規制緩和というのは確かに必要なんですが、国民の基礎的な安全にかかわる問題についてはむしろ規制を強めた方がいい場合もあると思うんです。 だから私自身も、例えば、業や資格について常に把握していなくてはいけない部署がまた役所の中に一つでき上がるとか、あるいは業界に天下りとかなんとかがまたふえるんじゃないかとかいう懸念も私は感じますので、いたずらにどんどん新しく国あるいは警察の方でかかわっていくような規制を持つべきではないとは思いますが、しかし、この法律は、国民の不安に対して適切に対処しようということで昨年の末に研究会を発足して、すぐに一月や二月には提言で立法化をしたというような法案ですよね。だから、それほど警察の皆さんにとっても最大の関心事を持って取り組まれた法案だと思うんですよ。 だから、そういう点からすると、資格あるいは取扱業者についての届け出制について今回立法化されていないということについて、少し私の方では疑問も残るんですけれども、その点はどうなんでしょうか。
○瀬川政府参考人 繰り返しになってしまいますのであれでございますけれども、最初の御質問でお答え申し上げましたとおり、こういった侵入犯罪の情勢にかんがみまして、緊急に措置すべき必要最小限度のものにつきまして今回法律案としてお願いをしているものでございまして、研究会におきましても、委員が御指摘のような点につきましては提言にも盛り込まれているところでもございます。 ただいまの御指摘等も十分受けとめまして、今後この法律案の実施状況を十分見きわめた上で、そういった点につきましても引き続き検討をさせていただきたいと考えております。
○山内(功)委員 検討はいいんですけれども、例えば、一番最初に問題点として指摘された、対価を得て開錠技術を教授する、そういう学校をつくってまでいるわけですよね。そういう行為の規制などについて、法的に全く困難なことなんですか。
○瀬川政府参考人 対価を得て開錠技術を教授する学校でございますが、完全にその把握を私どもとしてもなかなかできていないということでございますが、承知している限り、全国に今数十程度であろうというふうに見ております。また、その中には、営業実態が必ずしも明らかでないというものもあります。いつの間にかなくなってしまっているというようなものもございます。ちゃんとしたかぎ屋さんを教育しているのか、犯罪目的のために技術を習得しようとする者を指導しているのか、よくわからないというようなものもございます。 こういった、数が数十程度しかないというようなことと、そういった営業実態にあるというようなことで、これは、許認可制等の新たな制度を設けてまでこういったものを規制するというのは、行政効率の面から見てもあるいはその内容から見ても、必ずしも妥当ではないのではないか。また、私どもが知る限り、単に技術を教える、教授するという行為を規制するといった立法例も、現在のところほかにはないというふうに承知をしているところでございます。 したがいまして、当面は、私どもといたしましては、侵入犯罪を企図している者を対象に開錠技術を教授するというような者につきましては、これは必ず特殊開錠用具を所持しているわけでありますので、しかもそれは正当な理由のない所持だということになろうと思いますので、この規定を利用する。それから、こういったいわゆる侵入犯罪企図者に対しての技術を教授している学校というのは、セットでピッキング用具を販売しているというような実態もあるようでございますので、場合によっては知情販売という加重規定も適用することができる。こういったものを活用いたしまして取り締まってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山内(功)委員 先ほどからの局長の発言は、実態の把握が難しいとか、自主的な取り組みを今後も見守っていくというような発言が随所に出ていて、これは相当国民の方がしっかりと防御していかないといけないなという印象しか私は残らないんですけれども、ピッキングについて、自宅の錠がどの程度の防御力を持っているのかについて国民が正しく認識することがやはり急務だと思うのですが、それでは、その点での啓発活動はどのように進めるつもりなんですか。
○瀬川政府参考人 今、錠前に対して、ピッキングの問題その他を踏まえまして、国民の皆さんの間にも自宅の錠がどの程度の防御力を持っているのかということの関心が非常に強いというふうに、私ども認識をしております。 ただ、現在では、建物錠の防犯性能の表示につきまして、表示すべき事項や表示方法について統一的なルールというものがございません。ただ、全国防犯協会連合会が、ピッキングに強いシリンダーとしてCP—C、クライム・プリベンション・シリンダーの略でございますが、CP—C錠というものの認定を平成十二年の七月から始めております。こういったものがありますけれども、どの程度の耐ピッキング性能なり防犯性能を持っているのかということについての業界全体の統一的なルールといいますか、表示についてのルールがないわけでございます。 したがいまして、ユーザーにとって防犯性能の観点からピッキングに強い錠を選ぼうと思っても指標がないわけでございますので、どの製品がいいのかということがなかなかわからないという状況にあります。その結果、製造・輸入業者の側から見ましても、防犯性能の高い製品を開発しても直ちにユーザーの購買行動に結びつかないということで、なかなか防犯性能の高い製品の開発のインセンティブが働かない、こういう状況にあります。 そこで、この点につきましては、この法律案の七条でございますが、建物錠の防犯性能の表示につきまして、表示すべき事項や表示方法について統一的なルールを定めるという制度を設けました。これによって、建物錠についていわば市場原理を働かせるということによりまして、耐ピッキング性能を含めた防犯性能の高い建物錠の開発普及を促進しようと考えているところでございます。また、建物錠等の製造・輸入業者に対しまして、侵入手口に関する情報の提供等の必要な援助を行うということにこの法律案はなっておりまして、防犯性能の高い建物錠の製造、輸入を支援するということにしております。 国民がみずからピッキングに強い錠前を選択できるような点につきまして、警察といたしましても、建物錠の防犯性能の表示に関する情報でありますとか、あるいは最近の侵入犯罪の手口の状況、発生状況等につきまして、広く国民の皆さんに情報提供をするということによりまして、国民の皆さんのそういったニーズにこたえてまいりたいと考えております。
○山内(功)委員 研究会の提言も、今回の法案に関しては、緊急かつ必要最小限に措置すべき事項を盛り込んだものとして基本的に了承しているとしています。国民が安心して暮らせる社会づくりに向けて、残された課題について早急な検討が必要だと考えていますので、警察庁としても、具体的な取り組みを望み、質問を終わります。 ありがとうございました。
○佐々木委員長 以上で山内功君の質疑は終了いたしました。 次に、山花郁夫君。
○山花委員 山花郁夫でございます。よろしくお願いいたします。 実は、私、調布に地元の事務所を持っているんですけれども、昨年、ピッキングの被害に遭いまして、金額は大した額じゃないので、数万円ということなので、余り金のない事務所でよかったなと思っていますけれども。ですので、ピッキング対策の必要性というものは、大変、それは身をもって感じるところがございます。 ただ、今、山内委員からもるる指摘があったように、私、この法律の実効性についてはちょっと疑問を持っているんです。法律の提案理由説明によりますと、「建物に侵入して行われる犯罪の情勢にかんがみ、その防止に資するため、」と、ピッキングの防止ということを言われているんですけれども、この法律をつくって、果たして、どの程度防止できるんだろうかという気がしております。 と申しますのも、こういったものを所持しているという、これを禁止することによってピッキングは減るというのが、少しすとんと落ちないんですね。つまり、どこか住居侵入窃盗事件があった、犯人を捜していて捕まえた、捕まえたら実は持っていた、そういうケースは恐らくたくさんあるんでしょう。したがって、そういう際にこの法律が適用されて、処罰の対象になるということはあるんでしょうけれども、この法律をつくることによって犯罪の防止につながるということをもう少し御説明いただければなと思うわけです。この点、いかがでしょうか。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 現在は、侵入用具につきまして規制する法律としましては、軽犯罪法というものがあるのみでございます。それからまた、建物部品の防犯性能の向上という点につきましては、何らの法的措置も講じられていないわけでございます。 軽犯罪法の問題につきましては、もう御案内のとおりでございますが、刑事訴訟法でいろいろな制約要件がございまして、例えば、現場で、深夜、住宅街を徘回している不審者を警察官が職質をして発見をしたという場合にも、例えば、逮捕につきましてもそうでございますし、勾留につきましてもそうでございますし、厳しい制約が課せられているということで、実は、その者がピッキング用具を持っていて、例えば組織窃盗団の一員であったというような場合にも、なかなかこういったものに対する有効な手だてが打てないという点がございます。この点が、この侵入用具に関する規制をこの法律で強化をしていただくということによりまして、侵入が実行に移される前の段階で取り締まることができるということで、侵入犯罪の発生をまた未然に防止することができるのでないかと考えているところでございます。 それから、この法律におきましては、侵入用具の規制のみならず、建物部品につきまして、業者に防犯性能の向上に努めるべき努力義務を課したり、あるいは、一定の建物錠について防犯性能の表示制度を新設するということで、防犯性能の高い建物錠の開発普及というものが促進されるということをねらっておりまして、そういった点が総合的に機能いたしまして、侵入犯罪の防止に相当の効果があるのではないか、こう考えているところでございます。 〔委員長退席、中沢委員長代理着席〕
○山花委員 特定侵入行為の防止対策の推進などの点については、そういうのも必要だろうなということもわかりますし、それによってピッキングの防止につながる、その部分は大変よくわかります。そして、今の御説明ですと、要するに、この法律は二つ柱があるように思うんですけれども、そういったかぎの方に着目をして、性能の向上であるとかそういったことをこれから頑張ってやろうという話と、あけるものを持っている人を処罰しよう、二つの柱があって、その処罰のところに少しポイントを当てていきたいと思うんです。 今の御説明ですと、つまり、こういったピッキング用具を持っていること自体を処罰するということによって、今までとは違い、私が先ほど指摘したように、要するに、住居侵入とか窃盗事件が起きて、その犯人を捕まえてみたら持っていたというケースだけではなくて、住居侵入の前段階のような、先ほどの御説明ですと侵入行為の前段階という御説明でしたか、その時点で職務質問などをして、捕まえやすくするというと言葉がちょっとよくないかもしれないですけれども、逮捕なり身柄拘束をして、場合によっては、窃盗団の一員だったということがわかったときに、軽犯罪法に定める程度の罰則ではなくて、もう少し重い刑罰が待っているということができることによって、ピッキングの防止に資する、一応こういう理解でよろしいんですね。
○瀬川政府参考人 そういう理解で結構だと思います。
○山花委員 ただ、より直接的には、先ほど来議論にも出ていたように、私も、防犯というためには、販売規制の方がより実効性があるのかな、そんなふうに思っているわけです。つまり、販売規制といっても、極めて厳しいものから緩いものまでありますし、規制の仕方によっては、本人確認ということだけにとどめるというやり方もあると思います。 本法では、できるだけ氏名及び住所を確認するように努めなければならない、努力義務ですので、販売規制というような形にはなっていないわけです。例えば、最も緩い形として想定できるのは、住所とか氏名の確認の義務づけというところなのかなと思うんですけれども、これをやれば、恐らく、買う側にも抑止力が働くでしょうし、一般予防的な効果もあるのではないか。仮に事件が起きてしまっても、その近辺でこういうかぎを買った人はいないかということで、捜査の際にも、錠前屋さんのところに行って、どういう人が買っていきましたかという形がとれますので、そちらの方がより適切なのかなという気がしているんですけれども、改めて、何で販売規制ではなくてこういった形をとられたのかということについて、お聞きをしたいと思います。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 購入者の人定確認義務を課すだけでも効果があるのではないかという御指摘でございますが、確かに、購入者の人定確認義務を課すということで、特殊開錠用具が社会に拡散することを防止するという上で、これは一定の効果があるものというふうに、私どももそう思います。 他方、人定確認義務を課すということになりますと、販売業者について何らかの許認可制という形をとっていかざるを得ないということになりますので、そういったことに伴う販売業者の負担でありますとか、それから行政コストの問題でありますとかいうものが出てくると思います。所持する行為自体について許可制を課すということがなかなか難しいということになりますと、その相手方がやはり正当な理由があって所持する人なのかどうかということの確認を一々販売業者の方に課すというのはいかがかという考え方もあるのではないか、こういうふうに考えたところでございます。 そこで、私どもといたしましては、正当な理由のない特殊開錠用具の所持を禁止いたしまして、あわせて、いわゆる知情販売、知情授与という、その相手方が業務その他正当な理由によることなく所持することを知りながら特殊開錠用具を販売、授与したという者についての加重処罰という規定を設けることによりまして、特殊開錠用具の拡散に歯どめをかけようと考えたところでございます。 しかし、私どもがお願いしました有識者の方々の研究会の御提言にも、その点に関連した御指摘もございます。今後、私どもといたしましては、この法律案の効果を見きわめた上で、より踏み込んだ規制が必要だということになりました場合には、そういった点も十分検討してまいりたいと考えているところでございます。
○山花委員 あと、少し異なった観点からお聞きしたいと思いますけれども、防止対策の推進ということと別に、この所持の禁止ということですけれども、こういった法律のつくり方をするのも一つのやり方でしょうし、センスの問題かもしれませんけれども、軽犯罪法の一部改正を行うであるとか、あるいは盗犯等の防止に関する法律はちょっと趣旨が違いますからそぐわないのかなと思いますけれども、選択肢としては、そちらを改正するとか、ほかにもやり方があったような気がするんですけれども、あえて他法律の改正ではなくてこういう形で立てたというのはどういった背景があるんでしょうか。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 先ほどのお答えと若干重複するかもしれませんけれども、この法律案は二つ大きく内容がございまして、一つは、特殊開錠用具、指定侵入工具の取り締まりを強化するための措置としまして、こういった用具、工具の正当な理由のない所持または隠匿携帯に対する規制を強化するという、侵入用具の取り締まりという点がございます。 それから二つ目には、こういった用具、工具を用いて建物に侵入する行為の防止対策を推進し、建物の防犯対策を強化するということで、建物部品の製造・輸入業者の方にその防犯性能の向上に努めるべき努力義務を課し、一定の建物錠について、その防犯性能の表示制度を新設するという内容でございます。 すなわち、一言で申し上げますと、この法律案は、侵入用具の取り締まりだけではなく、建物の防犯対策の面も含めて総合的な対策を講ずるということによって、建物に侵入して行われる犯罪の防止に資することを目的とするというものでございまして、これが新法の制定という形式をとらせていただいた理由でございます。
○山花委員 そういった御説明で、先ほど来、建物への侵入ということが何度か言葉の中で出てきておりますけれども、刑法で住居侵入罪というのがございますね。正当な理由がないのに人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物もしくは艦船に侵入したような人を処罰するものですけれども、きょう法務省に来ていただいていますけれども、この住居侵入罪の保護法益は何でしょうか。 〔中沢委員長代理退席、委員長着席〕
○河村政府参考人 御説明いたします。 刑法の住居侵入罪につきましては、社会、公共の平和安寧などといった社会的法益ではなしに、個人的法益に対する罪と一般に理解されておりまして、また、最高裁の判例などにおきましても、この点につきましては、住居侵入罪の保護すべき法律上の利益は、住居等の事実上の平穏であるとしたものでございますとか、侵入の意義に関しまして、他人の看守する建造物等に管理権者の意思に反して立ち入ること、つまり、管理権者の自由といったものに対する個人的法益の罪というふうに理解されているものと承知しております。
○山花委員 それでは、この特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律の保護法益は一体何になるのでしょうか。
○瀬川政府参考人 第三条、正当な理由のない特殊開錠用具の所持の禁止、第四条、正当な理由のない指定侵入工具の隠匿携帯の禁止、これらはともに、建物への侵入に用いられる用具を規制することによりまして、平穏で安全な国民の生活空間を確保するということをその保護法益とするものであります。
○山花委員 平穏で安全な国民の生活空間ということなんですけれども、これは、私の理解していたというか、私が勝手に理解していたのかもしれないですが、住居侵入罪というのが刑法であって、この法案の用語でも、特殊開錠用具であるとか特殊侵入行為、侵入行為の特殊なものであると。つまり、住居侵入というのはいろいろな侵入の仕方があるでしょう。かぎがかかっていない家に勝手に入っていくのだって住居侵入ですし、何もかぎをピッキングのような形態でやらなかったとしても住居侵入になりますから、住居侵入という概念があるとすると、ピッキングというのはその中の一つの特殊な形態という意味で特殊侵入行為というふうに表現されているのかなと思っていたわけです。 つまり、何が言いたいかと申しますと、保護法益は、今の御説明ですと、住居侵入罪のときと少し異なった説明ぶりだったんですけれども、三条とか四条というのは、いわば、住居侵入罪というのがあって、それで、住居侵入は未遂も処罰されますけれども、刑法には予備の規定はありませんけれども、予備だとかあるいは準備的な段階のものを処罰する趣旨の法律なのではないか、このように思っていたわけです。 そうだとすると、保護法益は住居侵入罪と同じで、ただ、その危険性の程度が高いところか低いところかという、つまり、侵入されれば現実的に法益が侵害されますけれども、未遂ですと、その具体的な危険があったという段階でしょうし、予備罪はありませんけれども、予備だとすると、抽象的な危険がある段階。準備行為だと、その抽象的な危険といっても、具体的危険に近い極めて一般的な、抽象的な危険、行政取り締まり法規が割とそういうのが多いようですけれども。その準備行為的なものを処罰する趣旨なのかなと思っていたんですけれども、この点は違うんですか。 つまり、保護法益が一緒なのか、違うのかということ。違うのであるとすると、趣旨がちょっと違うという説明になるのかなと思いますけれども、そこはいかがでしょうか。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 まず、特定侵入行為について御質問の中で触れておられましたけれども、二条の四号でございますが、特定侵入行為といいますのは「特殊開錠用具又は指定侵入工具を用いて建物に侵入する行為」でございまして、特殊開錠用具また指定侵入工具の所持または隠匿携帯そのものとは別の行為であるというふうになっております。 それから二点目は、この法律案の三条または四条違反の罪は住居侵入罪の予備罪のような性格ではないのか、こういう御質問だろうと思いますけれども、この法律案の三条または四条におきまして、正当な理由のない特殊開錠用具または指定侵入工具の所持または隠匿携帯を禁止しておりますのは、侵入が実行に移される前に、侵入に結びつく危険性の高い行為を取り締まることによりまして、侵入犯罪の発生を未然に防止し、これによって平穏で安全な国民の生活空間を確保する、こういう趣旨でございます。 御指摘のような、本罪が直ちに住居侵入罪の予備罪のような性格の罪であるとは言えないと考えております。
○山花委員 いや、ちょっと今のよくわからないんですけれども、言ってみれば法務省に聞くべき筋合いのものかもしれませんけれども、予備よりもさらに前段階ということになると、準備という概念がありますね、通貨偽造とかで。今のような説明というのは、それはまさに住居侵入の準備ではないですか。いかがでしょう。
○河村政府参考人 住居侵入の予備的段階における処罰ではないかという点につきましては、確かにそういう面は持っております。ほかの、住居侵入以外の場面で考えてまいりますと、例えば銃刀法で包丁携帯というのがございます。これを用いて実際に傷害なり殺人等を犯しましても、これは併合罪ということで、片方は個人法益でございますし、もともと一点重なりということでございます。 また、似たような関係といたしましては、軽犯罪法に侵入具の携帯罪というのがございます。これにつきまして、なるほど、先生御指摘のような考え方に基づきまして、予備罪的に考えた下級審の裁判例はございました。ただ、これは高裁などによりまして破られておりまして、結局、侵入具携帯というものにつきましても別個の犯罪として成立するものであるというふうに理解されております。 これは、法益の違いでありますとか、これは予備罪ではないといったようなことから、別に犯罪は成立すると高裁等では判示されているところでございます。
○山花委員 一つは、そういうところに結びつくので少しこだわりたいんですよ。つまり、罪数の処理のときに考え方が変わってきますよね。強盗予備罪というのがありますけれども、強盗が既遂になったら強盗罪一罪が成立するだけで、予備罪は消えてなくなります。 例えば、住居侵入、窃盗で牽連犯が成立したときに、三条、四条違反が成立するのかしないのか、あるいは牽連犯になるのかということとも関連するので、保護法益をどう考えるかというのはこれは大事なことだと思うんですけれども、先ほどの警察庁の御答弁ですと、これは個人法益ではなくて社会法益だという考え方なんでしょうか。つまり、住居侵入罪については、住居等の事実上の平穏であるとか、あるいは管理権者の自由であるということに対して、三条、四条を初め、この法律の保護法益というのは平穏で安全な国民の生活であるというお話でしたので、二つの角度があると思います。 一つは、住居侵入と保護法益はそんな明確に違うのかどうかということ。違うとして、その性質は個人法益なのか社会法益なのか、この点についていかがでしょうか。
○瀬川政府参考人 私どもとしては、個人法益か社会法益かという点に関して言えば、これは、保護法益は社会法益であるというふうに考えております。
○山花委員 ただ、対象となるのは、これは建物への侵入ということで、行為形態は住居侵入罪とほぼ一緒というか、むしろ住居侵入罪というのが——ごめんなさい。侵入行為について申し上げますと、二条の四号、特定侵入行為に関して申し上げますと、住居侵入罪という刑法百三十条の規定があって、言ってみればその中の特殊な形であるということが言えると思います。つまり、行為だけ見れば、特定侵入行為というのは住居侵入に含まれるような形になっていますし、三条、四条というのはその特定侵入行為に密接に結びつくような所持を処罰するものですから、なぜその保護法益が違ってくるという説明になるのか、いま一つ、まだちょっと納得いかないところがあるんですけれども、いかがでしょうか。
○瀬川政府参考人 二条四号の特定侵入行為というのは、こういった特殊開錠用具等を用いて建物に侵入する行為でございますので、これは建造物侵入、住居侵入そのものに該当するという場合が実際の場合ほとんどではないか、こういうふうに思うわけでございます。 ただ、三条、四条の規定といいますのは、これはそういった用具、工具の所持、隠匿携帯を禁止しているというものでございまして、これは侵入が実行に移される前に、侵入に結びつく危険性の高い行為を取り締まるということによって、侵入犯罪の発生を未然に防止をするということで、これによりまして、先ほど来申し上げておりますが、平穏で安全な国民の生活空間を確保する、こういう趣旨でございます。
○山花委員 何か十分に納得はまだしていないところもないわけではないですが、犯罪を未然に防止するという趣旨であるとすると、これは既遂になったときに、つまり特定侵入行為が既遂になったようなケースですと、三条、四条違反の罪というのは成立をするんですか。つまり、二条の四号にあります特定侵入行為、これが既遂になったケースで、三条、四条の違反行為も当然あるケースですよね。この両者の関係はどうなるんでしょうか。 住居侵入ではなくて、この二条四号違反が既遂になったケースで、三条、四条違反の罪というのは吸収関係にあるのか、あるいは併合罪になるのか、あるいは牽連犯になるのか、この点はいかがお考えでしょう。
○瀬川政府参考人 お答えします。 先ほど、特定侵入行為につきましては建造物侵入罪にほとんどなるのではないかと申し上げましたけれども、実はこの法律で特定侵入行為と定めておりますのは、第三章で、そういった特定侵入行為を防止するための対策を推進するということで、こういう概念規定を設けているわけでございますので、特定侵入行為違反という犯罪類型があるわけではないということをまず申し上げたいと思います。 したがいまして、私どもとしましては、この三条、四条違反の罪が成立し、なおこれを使用して建造物侵入等の犯罪が行われたという場合におきましては、これは軽犯罪法が同時に成立している場合と同様、両者の関係は併合罪になるものというふうに考えているところでございます。
○山花委員 失礼しました。少し勘違いがあって、つまり、住居侵入等のケースを尋ねればよかったのだと思いますし、多分、住居侵入については今のお答えになると思うんですが、ただ、住居侵入罪が既遂になったときに、先ほども少しやりとりでお互い誤解をしながらやっていたのかもしれないですけれども、住居侵入罪という行為の形態の中に、これに対して特定侵入行為に対する罰則がないにしても、その行為だけ見たときにはその住居侵入の一形態ということが言い得るわけで、だからこそ、三条、四条違反の罪があったとしても、その三条、四条の趣旨が特定侵入行為に密接に結びつくような事前のものだという御説明なわけですから、三段論法のような形になりますけれども、特定侵入行為が住居侵入の一形態のような形であるとすると、住居侵入罪が成立すれば、私は吸収関係にあるような気がするんですけれども。 立法者の意思の確認ということで改めてお聞きしますが、そうすると、併合関係という話でしたけれども、しかし、この行為はいわば特定侵入行為の前段階ですから、住居侵入が現に既遂になったときには併合関係じゃなくて牽連犯じゃないかと思うんですけれども、そこはいかがでしょうか。法務省でも結構です。
○河村政府参考人 一罪となります場合に、併合罪と観念的競合というのがございますが、これは社会的事実として完全に重なっておるのが一点という仕切りで考えております。 それに対しまして、牽連犯という場合には、定型的にそういう関係にあるということで、これはごく限られた罪種につきまして、例えば先生おっしゃっております住居侵入と窃盗といったのが牽連犯ではございますけれども、この場合、正当な理由のない侵入用具の携帯ということで考えてまいりますと、現在の判例等の考え方でまいりますと、これは併合罪ということで軽犯罪法は整理されているところでございます。 それが、先ほど予備というお話がございましたが、例えば包丁なり銃器を用いまして、それで人を殺すなり傷つけるという場合にも、例えば殺人には予備がございますけれども、予備罪としては既遂なり未遂を処罰することで改めて評価されることはございませんが、包丁の携帯なりけん銃を持っておったということ自体は、単に一点で重なっているということで判例上は併合罪とされているところでございます。
○山花委員 時間がなくなったのでもうやめますけれども、ただ、包丁の場合は、それは殺人だけじゃなくて脅迫にだって使えますし、強盗にだって使えますし、この特殊開錠用具は住居侵入のほかにそれしか用途がないからこそ、まさにこうやって処罰しようとしているわけですから、私は牽連犯になると考えていますということだけを申し上げて、終わります。
○佐々木委員長 以上で山花郁夫君の質疑は終了いたしました。 次に、太田昭宏君。
○太田(昭)委員 公明党の太田でございます。 ピッキングについては、大変前進をした法案であろうというふうに思っておりまして、私の地域も大変ピッキングが多くて、何らかの形をとらなくちゃいけない、こう思っていたところです。私の地元の事務所がバールでやられたことがありまして、もう本当に身に迫った問題であったので、私はかねてから、後から申し上げますが、中国の人たちの犯罪ということもあったりしまして、さまざま動きをしたことがございます。 同じような問題で、ピッキングは後からお話ししますが、万引きの問題が同じ状況にあろうというふうに私は思うんです。 先日もテレビの特集を見ますと、女子高校生とか主婦、そういう人たちが出来心で万引きをするというような事態とは大分違いまして、特に薬とか化粧品それからCD、本屋さん、そういうところが非常に、何人かでチームをつくって、そして組織的にばっと持っていく。どこかで換金をするんでしょうが、そうした組織犯罪の様相を呈しているということは、万引きの概念というものもピッキングと同様、非常に軽いものとは、今そのまま置いておけないのではないか、大きな転換点ではないかというふうに思っております。 まず、万引きの現状、実態、その対策がどうとられているかということについてお聞きをしたいと思います。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 万引きは、近年大変増加傾向にございまして、平成十四年中の認知件数は十四万件余りということになっております。これは、平成五年中は七万六千件程度でございましたので、約八四%の増加ということで、この十年間で約倍近くふえてきているということで、大変深刻な状況にあるという認識をしております。 発生場所につきましては、約半数、七万件余りがコンビニエンスストアを含むスーパーマーケットということになっておりますし、そのほか、デパートでありますとかレンタルビデオ店でありますとか、そういったところの発生が多いというふうに承知をしております。 また、特に書店における万引きというのが最近大きな問題になっておりまして、各種アンケート等におきましても、万引きがふえたという状況が見られるところでございます。また特に、中に換金目的の万引きがふえてきているというような点も指摘をされておりまして、大きな問題である、こういうふうに認識をしております。
○太田(昭)委員 化粧品とか医薬品とか、今CDとか言いましたけれども、非常に小さくて、そして値段が何千円とか何万というようなことでは、三、四人が一気にばっとチームをつくってやりますと、もう百万、二百万単位が一気に持っていかれるというようなことがあるんですね。いわゆる押し込みの強盗であるとか、あるいは窃盗であるとか、何かをこじあけるというものではないものですから、非常に現場で現行犯逮捕ということ以外はなかなかない。それも、換金とか、組織立っていないではないかというふうに昔から概念がありますから、そこで終わってしまうということがあります。 私は、このピッキング法案ということの中で、やはり組織ということで新しい体制がここで組まれたことと同様、これら深刻な事態に至っている万引きということについて、特に今CD、本、医薬品、化粧品、こういうところが非常に困っているわけなんですが、これらについても一考を要して、大臣が指揮をとって対応方をぜひとも研究をしていただきたいし、また何らかの形で手を打っていただきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 今太田委員がおっしゃいましたように、万引きというと何となく、出来心で、かわいらしいという言葉はよくありませんけれども、何か犯情のそんなに深刻でないようなものを、どうも万引きという言葉はそういう響きがあるような気がするんですね。 しかし、これは刑法上でいえば窃盗罪でありますし、その窃盗罪の一類型ということであると思いますし、現実に今太田委員がおっしゃったように組織的、計画的、しかも本なんかでも、特に高額の美術書とか、そういうものを、高値で売れるものを組織的に持っていくような形態が最近あるように聞いております。 したがって、警察としても、万引き対策としては、もちろん警察による取り締まりあるいは店舗への立ち寄り、こういった対策はこれからも強化しなければならないと思っておりますし、それから、経営者の方々にいろいろな自主防犯対策というようなこともお願いして、防犯カメラとかを設置していただくとか、あるいはこれもなかなか手間のかかることでありますけれども、商品への防犯用ICタグというようなことをいろいろ工夫してやっていただいている、あるいは警備員を置いていただいているというようなことがございますし、こういう防犯対策がさらに進められるように、警察としても、国家公安委員会としても督励をしていかなければならないと思っております。 特に書店の万引きは、先ほど生活安全局長も申しましたけれども、処分先となっている新古書店に対する本人確認の励行といったことを、もう少し行政指導を推進していく必要があろうかとも思っておりますし、それから青少年犯罪という意味からも、大変これが多くなってきているわけですが、万引きの検挙人員のうち少年が約四割を占めておりますので、教育機関との連携、学校等との連携というのが非常に大事なんじゃないかなと私は思います。教育機関なんかに、やはり万引きというのは、先ほど申しましたような何となく軽いニュアンスを持つものではなくて、まさに窃盗犯なのであるという理解も徹底していただいて、未然防止を図るということが大事なんじゃないか。 いろいろ、私どももその辺の取り組みをこれからも強化してまいりたい、こう思っております。
○太田(昭)委員 外国人と未成年を使う、そういう組織犯罪ということでどうも上部団体があって動くというようなこと自体に、先ほど本の話がありましたが、衣料品とか薬や雑貨のたぐい、化粧品のたぐいも何らかの手をそこで打っていただきたいと思いますが、再度、その辺をお願いします。
○谷垣国務大臣 そのあたりも、いろいろ手法を工夫してまいりたいと思います。
○太田(昭)委員 ピッキングの対策については、外国人が非常に多いということで、中国の幹部の方ともお会いをしたときに、野中先生や、あるいは古賀先生、二階先生とともに私からも直接、そうした対応をしっかりやるようにというようなこともやったわけですね。 この辺の中国政府との協議とか進捗状況、連携を私は強化すべきであろうと思いますが、この辺の取り組みについてどうなっているか、御報告いただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 来日外国人の中でも中国人による犯罪状況というのは深刻でございまして、平成十四年の来日中国人による犯罪検挙状況というのが一万二千六百六十七件、六千四百八十七人であります。これは、来日外国人犯罪の検挙のうち、件数でいえば三六・五%、人員でいえば四〇%を占めております。中でも、強盗などの凶悪犯罪それから先ほど来の侵入犯罪、こういう検挙が多いことが特徴として挙げられまして、件数で見ますと、来日外国人による侵入犯罪の約八割を中国人が占めている、こういうのが現状でございます。 これに対しまして、政府では、国内関係機関が連携して対策を講じておりますけれども、中国治安当局との連携強化、これは非常に大事だと思っております。 具体的には、平成十年に国家公安委員会委員長が中国へ参りまして、閣僚レベルとのいろいろな連携、交流を進めました。これを受けて、過去三回にわたりまして実務レベルでの日中治安当局間協議を開催して、不法出入国であるとか薬物あるいは銃器それから捜査共助、こういう各分野について協議を行っておりまして、情報交換の緊密化や、特に捜査協力の強化、こういうものについて合意したところであります。 今後とも、日中治安当局の協力関係、これはより一層緊密にして、新たにいろいろ犯罪形態、先ほど来の御議論のように、発生してまいりますから、遺漏なきように取り組んでまいりたいと思っております。
○太田(昭)委員 コップに水を入れると表面張力というのがありますが、何かが入ろうとしてもはね返す力があるというふうに思います。そういう意味でいきますと、私は、チームを組んで、これはこの時間には人がいないねとマンション等でも見計らってぱっと入るというようなことからいきますと、やはり住民との連携とか、それからパトロールだけでは足りなくて町内会の人に協力を得るとか、そうしたことが非常に大事な観点だと思います。 そういう意味では、地域あるいは町内会とのタイアップ、注意を喚起する、やるべきことは、そうしたことも非常に大事だと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 全く御指摘のとおりであると私どもも考えております。侵入犯罪の発生を抑止するためには、地域住民の皆様方の協力が絶対不可欠でございます。 現在、私どもといたしましても、全国警察を挙げて侵入犯罪の発生を抑止するための対策に取り組んでいるところでございますが、その中で、各地区の防犯協会や自治会の方々の大きな協力をいただいております。 私どもから、地域における侵入犯罪の実態に関する情報を皆さん方にまず提供して、実態を住民の方によくわかっていただくということがまず第一だろうと思います。その上で、ぜひ住民の方にみずから参加をし、体験をしていただいて、みずからいろいろやってみていただくという形での防犯指導を実施することが大事だと思っております。 それから、やはり町づくりという観点で、犯罪実態に配慮した環境設計といいますか、そういうことについての御理解もいただくように努めてまいりたい。 そして、何といっても、地域住民の方あるいはボランティアの方と連携した防犯パトロール、これが侵入犯罪を企図する者にとって非常に大きな抑止力になっておりますので、こういったことも重要な取り組み課題だと思います。 いずれにいたしましても、地域住民の方の防犯意識を高めていただくということが非常に重要でございますので、私どもといたしましても、防犯診断あるいは防犯相談ということにもしっかり取り組みまして、地域住民の方との協力関係をより一層強固なものとするように努めてまいりたいと考えているところでございます。
○太田(昭)委員 最後に苦情だけ申し上げますが、検挙率が非常に低いという感じがするわけですが、これについて御答弁をいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 確かに、検挙率が、昭和のころ、あるいは平成に入りましても初期のころから比べますと随分落ちてまいりまして、平成十四年中は二〇%をわずかに超えるというようなところに来ております。 これは、いろいろな理由がございます。例えば、外国人犯罪がふえてなかなか言葉の問題等から捜査も進まないというようなことがあったり、それから、これはある意味で時間をかけて人員もかけて捜査をしますと、大概検挙をした者には余罪がありますから、一つ検挙すると、じっくり調べるとほかのものもいろいろ解明できるわけなんですけれども、犯罪がふえてまいりますとなかなか余罪の捜査まで手が回らない。そうすると、せっかく犯人は検挙しても解明できない事件がふえてくるとか、いろいろなことが積み重なりまして検挙率が落ちているということは、大変申しわけないことだと思っております。 現在、それに対応していろいろな手を打っております。例えば、三年間で一万人警察官を増員しよう、ことしは二年目でございますけれども、こういう予算も、あるいは行革の厳しい折に一年間警察官をふやそうというようなことで取り組んでいただいているのは、国家を挙げてやはりこういう問題にもきちっと対処しなければならないという認識を政府全体としても、あるいは国会としても、そういう予算を認めていただいているというのはそういう認識でいていただいていると思います。 私どもは、こういう時期でございますから、そういうことを大事にして、工夫を重ねて、検挙率を高める努力というのをしていかなければならないと思っております。よろしくお願い申し上げます。
○太田(昭)委員 どうもありがとうございました。
○佐々木委員長 以上で太田昭宏君の質疑は終了いたしました。 次に、西村眞悟君。
○西村委員 今のお話のついで、続きなんですが、犯罪情勢は悪化の一途をたどっておる。それは、犯罪率の増加、犯罪件数の増加、外国人犯罪の急増、それと検挙率の低落という要因を総合すれば、悪化の一途をたどっておるということですね。 それで、局長にお聞きしたいんですが、日本における犯罪者集団、暴力団、極左過激派、革マルは武器アジトが警察に摘発されておりますが、また、オウム真理教がどういう武器を保有しようとしておったのか、生物化学兵器を含む武器を保有しようとしておったのか、これは明らかになったことでありますが。現在、我が国の犯罪者、つまり一般国民でない、かたぎの国民以外の者はどの程度の武器を保有しておるわけですか。把握している限りで御答弁いただきたいと思います。
○栗本政府参考人 これまでの事件捜査を通じまして、最近の検挙事例で見ますと、例えば来日外国人が強盗事件を敢行する際に、けん銃、サバイバルナイフや催涙スプレーを使用する場合が見られているところでございます。また、このような事件の被疑者宅からもその種の凶器が押収されている事例が見られるところであります。また、暴力団関係者からは、多くのけん銃を押収しているほか、ダイナマイトや手りゅう弾を押収するという例も見られているところであります。さらに、先ほどお話もございましたが、極左暴力集団の非公然アジトからも、けん銃、スタンガン、特殊警棒など、多くの武器を押収した事例が見られているところでございます。 警察としては、捜査の過程で被疑者等が違法に武器等を所持している実態が判明いたしますれば、刑訴法に基づきましてこれらのものを押収してまいりたいと考えているところでございます。
○西村委員 どれぐらいの規模がということについては、個々の摘発した事例を述べられただけでわからぬのですが、五万円ぐらいで安値のピストルは手に入る、中国製トカレフけん銃は、これは中国軍が放出したのかどうかわかりませんが、日本に十万丁入っているとか、いろいろなことがあるわけですね。 さて、そこで大臣に聞きますが、我々は、犯罪検挙率の低落という警察の能力を超えた犯罪現象に直面しているわけです。ここで、我々国民は、正当防衛の権利を持っている。この正当防衛の権利というのは、憲法十三条における生命、自由、幸福追求に対する国民の権利であります。生命に対する権利とは、つまり命を守る権利である、これは国政で最大の尊重を必要とするわけであります。犯罪者は、多くは素手で犯罪を行わなくなっている。犯罪者は武器を携行して犯罪を行う。そこで、武器を携行した犯罪者に対して正当防衛を行使するにはどうすればいいのかということであります。 そこでお聞きしたいのは、今申し上げた憲法十三条に相当するアメリカ憲法修正第二条。これは、規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保蔵しまた携帯する権利は、これを侵してはならない、こういうことになるわけですな。このアメリカ憲法修正第二条は、この日本においては違法なんですか、違法な憲法条文なんですか、どうですか。
○谷垣国務大臣 何か大変難しい御質問をいただいて、アメリカ合衆国の憲法修正第二条に今お引きになったような条項があることは存じておりますし、これはやはりアメリカ合衆国の建国の歴史に由来、修正ですから後からできたんでしょうが、やはりアメリカという国の成り立ちと関係した条文ではないかと思います。 アメリカ合衆国憲法のあり方について私はよしあしを論ずる立場にはございませんけれども、日本国は、必ずしも今おっしゃるような体制をとっておりませんで、銃刀法等の規定は世界でも一番厳しい規定であるというふうに思いますし、またそれゆえに、確かに今治安が悪くなっているというのは我々憂慮していることでありますけれども、それでも、国際的に見ますと日本の治安というのは水準が高いものというふうに私は思っておりますので、アメリカ憲法のような規定、日本国で合法か違法かと言われると、ちょっとどう答えていいのか答え方に苦しむんですが、それは現在の日本国憲法といいますか、日本の銃刀法等の体系に照らしますと、これはやや矛盾がある体系かな、こういうふうに感じております。
○西村委員 では、質問を変えましょうか。 犯罪者が武装しているときに国民は無防備であっていいのか。警察の犯罪検挙率がかつてのように七割を超えておるならば、この議論は出ません。しかし、日本国憲法十三条は、生命、自由、幸福追求に対する国民の権利は最大限の尊重を必要とすると書いてある。そして、今、犯罪検挙率は二割を割りつつある、犯罪は増加しつつある、犯罪者は素手で犯罪をしない、このときに国民は無防備で現状のように放置されていていいのか。例えば、拉致された日本人でも、一方的に拉致されて、政府も知らなかった、こういう状態でいいのかということなんですね。 これは私の持論なんです。人民は武装権を持っている。正当防衛するために、相手が武器を持っておれば、こちらも武器を持って自分の命を守ってもいい、これは当たり前だ、こういうことを言っているわけです。アメリカ憲法修正第二条の、建国の状態というのは、つまり今の日本の状態なんです。国民は拉致されても、政府は助けない、みずから助けるしかない。犯罪検挙率が低下している。だから、この私の持論は、申し上げてもこれは堂々めぐりですからここでやめますけれども、もう既にこの議論を始める段階まで来ましたで、こういうふうな認識を持っていただきたいですね。 さて、これは私が時間どおりやれば、昼飯を食う時間がなくなる。したがって、二点ぐらい本法案について質問いたします。 まず、錠取扱業者について、本法案では、努力義務を課すだけで開業規制はしていない、これで十分なのかどうか、開業規制の導入の考えはないのかということは当局にお聞きしておきます。
○瀬川政府参考人 いわゆる錠取扱業といいますのは、現実に国民の皆さんと接して錠を販売したりあるいは取りつけたりするという業でございますが、こういった方々に開業規制をしてはいかがか、こういうお尋ねでございますけれども、現実問題といたしまして、こういった業者の方がその業務を行う過程で侵入犯罪を犯している、こういうような事例は私どもとしては把握をしておりません。したがいまして、そういう状況の中で侵入犯罪を抑止するために錠取扱業者の方につきまして開業規制が必要だ、許認可制にすべきだということには、これは法律のあり方として直ちには言えないのではないかというふうに考えているところでございます。 ただ、国民の皆さんの錠前に対する関心が非常に高まってきているという状況の中で、錠取扱業者の方々の信頼性の問題というのが非常に大きな問題意識となってきているという状況はございます。錠取扱業者の方々で組織する日本ロックセキュリティ協同組合という団体がございますけれども、ここにおきましても、こういった状況を認識されまして、自主規制規範というものを充実強化していこうとか、倫理教育をもっと充実強化しようとか、あるいは優良事業者の資格認定制度というようなものを設けようとか、そういう自主努力をしようという取り組みが行われているところでございます。 したがいまして、現在の状況のもと、私どもといたしましては、当面これを支援しつつ、その効果をまずは見きわめたい、こう考えているところでございます。
○西村委員 先ほどの国民の武装権等々の憲法論議はともかく、やはり社会の安全を守るには国民の防犯意識の高まりということが不可欠であって、これがなければあらゆる警察の努力が水泡に帰するわけであります。 したがって、本法案において国民の防犯意識を高めていくためにどのような措置が講じられておるのかということについて、概略御説明をお願いします。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、犯罪の発生を抑止していくためには、国民の皆様方一人一人の防犯意識というものが高まっていくことがやはり重要であろうというふうに思います。 私どもといたしましては、これまで、まず、警察からその地域の犯罪の発生状況等の情報を地域住民の皆さんに提供する、そのことによって、自主的な防犯活動の必要性あるいは重要性あるいは問題意識というものを持っていただくということに努めております。 それから、住民の方に参加、体験していただくような形での防犯指導ということを徹底しております。例えばガラスの強度でありますとか、それから、ピッキングというのは、簡単に、錠があっという間にあいてしまうというようなことを実際に見ていただいたりとか、そういう形で啓発に努めているところでございます。 また、大事なのは、いろいろ不安に思っておられる住民の方が非常に多かろうと思いますので、そういった方に対する防犯相談あるいは防犯診断ということによりまして、地域住民の方のニーズにこたえた形で防犯対策を講じていきたいと思います。 それから、やはり何と申しましても、それぞれの地域地域で防犯協会でありますとかあるいは自治会とか、そういうものがございますので、こういった方との連携が非常に大事だというふうに考えておりまして、今後とも、国民の皆さんの防犯意識の高揚のために一層尽力してまいる必要があると考えております。
○西村委員 先ほど来の各種のこの種の犯罪は、我々、報道を見る限り、外国人の専売特許のように思うわけですが、そこで、本法案においては来日外国人による犯罪対策としてどのような条文上の措置が講じられておりますか。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 現行の出入国管理及び難民認定法でございますけれども、外国人による窃盗、強盗等の犯罪が多発しているという昨今の情勢にかんがみまして、平成十三年の改正におきまして、窃盗等の一定の罪により懲役または禁錮に処せられた一定の外国人について、本邦からの退去を強制することができるといったような改正がなされているところでございます。 そこで、この法律案の十五条で特殊開錠用具の知情販売授与罪を設けております。また、十六条で特殊開錠用具所持罪、指定侵入工具携帯罪を設けておりますが、これらの罪は、今申し上げました出入国管理及び難民認定法上の一定の措置が定められております窃盗等の一定の罪と密接な関係を有する罪であると言うことができると思いますし、また、御議論に出ておりますように、ピッキング用具を使用した侵入窃盗で検挙された被疑者のうち約七割は中国人ということでございますから、外国人による特殊開錠用具等の所持あるいは指定侵入工具の携帯というのは、実は非常に多いということではないかと考えられるところであります。 そこで、この法律案の附則の二条でございますけれども、出入国管理及び難民認定法の一部を改正するということにしておりまして、本法律案の十五条または十六条の罪で懲役に処せられた一定の外国人につきましては、我が国からの退去を強制することなどができるようにしているところでございます。
○西村委員 もとの議論に戻ろうかなとも思うわけですが、後日にさせていただいて、本日は、これにて質問を終わります。
○佐々木委員長 以上で西村眞悟君の質疑は終了いたしました。 この際、休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 ————◇————— 午後一時三十八分開議
○佐々木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。 最初に政府参考人の方に、レクにも来ていただきましていろいろ伺っておりますが、少し確認的に伺っておきたいことがあります。 それは、侵入窃盗とそれから侵入強盗の犯人が、日本人が犯人の場合、外国人が犯人の場合、その比率というのは大体何%ずつぐらいになっているのかということを、最初にまず伺いたいと思います。
○栗本政府参考人 今のお尋ねは、侵入盗にせよ侵入強盗にせよ、検挙してみないと日本人被疑者か外国人被疑者かわかっておりませんので、検挙から見たということでお答えをさせていただきたいと存じます。 平成十四年中の侵入窃盗は、検挙件数が約九万八千件でございます。そのうちの来日外国人によります検挙件数が六千七百五十四件でございまして、全体の約七%でございます。これを検挙人員で見ますと、全体で一万三千六百九十六人でございますが、このうち来日外国人が六百五十八人の検挙となっておりまして、人員で見ますと、全体の約五%でございます。 それから、侵入強盗のお尋ねでございますが、検挙件数が全体で千三百十四件、そのうちの来日外国人による事件として検挙した件数は百五十七件でございまして、侵入強盗では件数で全体の約一二%。それから侵入強盗の検挙人員で見ますと、全体で千百三十四人検挙し、うち来日外国人が百六十三人でございますから、全体の一四%が来日外国人の検挙、こういう状況でございます。
○吉井委員 いずれにしても、比率でも数でも、侵入窃盗にしても強盗にしても、やはり日本人の犯罪なんですね、圧倒的に多いのは。ピッキングについては、かなり外国人犯罪が最近非常に特徴的だということは伺いました。 侵入犯罪の状況を九〇年代以降を見てみると、いただいたグラフを見ておりましても、大体九〇年代、一九九七年ごろまでは横ばいないし少し減るぐらいなんですね。九七年以降、非常に急増しているというのが特徴ではないかと思うんですが、この点はどのように見ておられるか、全体の状況がそういうことであればそれで結構なんですけれども、どうでしょうか。
○栗本政府参考人 手元には侵入盗しかちょっと持っておりませんので、侵入盗で見ますと、先生御指摘のとおり、認知で見ますと、平成元年が二十三万五千件であるのに対しまして、平成十四年が三十三万八千件ということで、三割以上ふえておるという実態でございます。
○吉井委員 これは、各議員に説明用にいただいたグラフで見ましても、大体九〇年代は、一九九七年のころまでは大体横ばいないしは少し減りかげんなんですね。 そこで、大臣、私ちょっと伺っておきたいんですけれども、やはり九七年といいますと、消費税五%になったときであり、社会保障負担増など合わせて九兆円負担増になって、あのときから消費不況がどんと来たわけですね。それ以降ずっと消費不況が進んでいるわけですが、侵入窃盗で三割増、侵入強盗で一・三倍増というのは、この時期からどんといっているというのは、このグラフを見たらこれはわかるわけなんです。 この時期は、ちょうど国民の可処分所得も落ち込んで、倒産も急増してきました。失業者もふえてきました。ですから、景気が悪くなるとみんな空き巣に走るというような、そんな短絡的なことを私は言うわけじゃないんですが、しかし、景気の悪化は明らかに侵入犯罪の増加と相関関係を見ることができるわけですから。この二年間のデフレスパイラルの進行の中で、空き巣だけじゃなしに、強盗殺人になった例なんかもふえてきておりますから。 ですから、ピッキング犯罪を含めて、侵入窃盗、侵入強盗の対策というのは、これはその対策そのものに取り組むということとあわせて、やはり根本は、景気の回復とか国民生活の基盤を安定させる、つまり犯罪の温床をなくすということがやはり本来の政治の大きな務めであって、そのことを前提としてさまざまな法律その他を考えていくということが必要になると思うんですね。 この点では、谷垣さん、経済担当大臣じゃないから、あなたに経済対策を今は聞いているわけじゃないですけれども、犯罪の温床となる、国民生活の基盤が揺らいでくるようなこういう事態から景気回復、そういう経済対策にやはり本腰を入れて取り組むということなしには、出てきた現象にあわせての犯罪対策だけではやはりうまくない。また、そこに取り組むことが本当の政治の役割、務めだと思うんですが、この点については一言で結構ですから、大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○谷垣国務大臣 今、九七年以降の侵入犯罪の動向について、経済的な背景からの御意見の開陳があったところでありますが、私、そういうお問いかけを受けて、十分分析するだけの準備がないんですが、確かに犯罪現象には経済的な問題と無関係には論ぜられない面があると思います。 それで、経済的に非常に窮状に追い詰められれば、これは悪い言葉ですけれども、貧すれば鈍するというようなことが昔から言われておりますけれども、そういう面があると思います。それからまた、逆に非常に繁栄しているときには、いろいろな経済活動の活発化とその人倫関係の複雑化みたいなものがあって、また今度は違う犯罪がふえてくるということもあると思います。 そういう意味で、簡単に経済社会情勢と犯罪の関係というのを論ずるのは、一概に論ずるのは難しい点もあると思いますが、やはり周辺の環境というものがよい環境であるということは、犯罪、治安情勢にとってもよい影響といいますか、そういうものがあるということは多分言えるのではないかというふうに思いますので、もちろん、私の直接の責務は個々具体的な犯罪、治安というものに対処することでありますけれども、あわせて、やはり大きな意味での環境整備というものにも意を用いる必要はあろうかと思っております。
○吉井委員 私も、バブル期のバブル型犯罪の中には、暴力団までバブル型犯罪に便乗してというのは、これは国会でも当時大いに議論した話ですから、もちろんそれを覚えていますが、このグラフを見ておりますと、私も決めつけて言っているわけじゃないんですけれども、また景気が悪くなったらみんな空き巣になるわけじゃありませんから、そんな単純に物を言うわけじゃありませんが、しかし、やはり大事なことは、根本は、景気の回復、生活基盤の安定によって犯罪の温床をなくすという、これは政治の大きな務めだということを踏まえた上で考えることが大事だろうというふうに思うものです。 次に、軽犯罪法第一条三号違反による取り締まりで見ていきますと、これは「正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」ということで、その規定で、軽犯罪法による侵入工具携帯違反の送致件数が過去十年間で百二十三件増加して、〇一年で三百十二件になっているとか、これはデータで既に聞かせていただいております。 そこで、ですから、現行の軽犯罪法で、その他器具は入るわけですから、ピッキング用具を持っている者を検挙することはできるわけなんですね。軽犯罪法の面での量刑を重くすることでピッキング犯罪の抑止効果を持たせるということも、考えてみれば可能ということがあると思います。この法律の第六条以降の、錠製造業者や販売店に対する情報の交換とか防犯性能向上に関する取り組みであれば、必ずしも新しい法律をつくらなくても対応できる課題もあるわけで、ですから、軽犯罪法の一部改正を行うという方向じゃなしに、ピッキング犯罪取り締まりが軽犯罪法一部改正じゃ不十分なんだという理由はどこにあるのか、その辺は政府参考人の方に伺っておきたいと思います。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 この法律案につきましては、現在、軽犯罪法においても禁止をされておりますピッキング用具という特殊な専用工具でありますとか、あるいは実際に侵入窃盗に多く用いられておりますドライバーやバールといったものを指定侵入工具ということにいたしまして、それにつきまして所持または隠匿携帯を禁止し、そして軽犯罪法に比べまして罰則を引き上げるということが一つの大きな内容でございます。 これは、軽犯罪法というのは、御案内のとおり、拘留または科料という非常に軽い罰則でございまして、刑事訴訟法上におきましても、逮捕でありますとか勾留でありますとかいう点におきまして大きな制約がありまして、現実に発生をしております侵入犯罪を未然に防止するために軽犯罪法の取り締まりも第一線でもう一生懸命やっておるわけでございますけれども、なかなか十分な対処ができないということがあるということに基づいたものでございます。 それともう一点は、ただいまお話がありましたように、錠の輸入業者や製造業者、それから関係の業者の方に防犯性能の向上に努めていただくような努力義務を課したり、そのために必要な情報提供、援助というものを私どもの方からさせていただくということも大きな内容となっております。 これにつきましては、錠前に対する国民の皆さんの関心といいますか不安感といいますか、これが非常に今増大をしておるという状況にあると私どもも認識をしておりまして、例えばピッキングとかサムターン回しとか、新たないろいろな犯罪手口が出てきたときに、どういう錠をつければ安全なのか、安心なのか。この間かぎ屋さんに頼んで来てもらってつけてもらったけれども、この錠で本当に大丈夫なのか、こういう声が寄せられているところでございまして、そういった国民の声に対応するといいますか、こたえるという意味で、錠前の防犯性能というものを例えば表示してもらうというような制度も盛り込んでいるところでございます。 この双方の側面相まって侵入犯罪の未然防止に大きな効果があるというふうに考えまして、今回この二つの要素を盛り込んだ新法という形で御審議をお願い申し上げているところでございます。
○吉井委員 後半の方を聞くと、これまでからもそういう防犯情報、かぎに関する情報を提供したりしておられたんですから、これは必ずしも新しい法律をつくらなくても、さまざまな努力によって可能となる部分もあり、それで前半の方は、軽犯罪法の一部改正で内容を、この抑止効果を高める方向でのものも考えられるわけで、その点で質問したわけです。 続いて、この法案では、特殊開錠用具とは何か政令で定めるとしているわけですが、この用具の性質からピッキングに使えるような用具というふうに言っているわけですね。また、指定侵入工具として、その他の工具の中に、電気ドリル、プライヤー、ペンチ、やすり、金切りばさみ、金づち、ニッパー、懐中電灯、ロープ、カッター、接着剤など、さまざまなものが考えられるわけですが、何が政令で定められていくのか。だんだん状況に合わせて変わるということもあるんでしょうが、そうすると、これらの物品というのは限りなく生活用品に近づいてくる。それにつれて、普通の市民がピッキング法で職務質問を受けて所持品検査を受け、被疑者扱いされるという可能性というものもまたふえる可能性があるわけですね。ですから、何を政令で指定するのか。 そして、ピッキング犯罪対策は私は当然だと思っているんですが、同時に、単純な所持、携帯だけで罰則つきの権限を警察に与えることで、それが乱用される危険性というものがまた高くなるということを、市民の方たちは一方ではそのことを心配しておられるわけですね。 ですから、ここは政府参考人に伺っておきますが、何を政令で指定するのか、乱用防止をどういうふうに進めるのか、ここのところを伺いたいと思うんです。
○瀬川政府参考人 まず特殊開錠用具でございますけれども、これは、建物錠のシリンダーを操作して解錠するというための用具と言えますピッキング用具というのをまず指定することを考えております。そのほか、かぎ穴に挿入をいたしまして無理に回すことによってシリンダーを破壊するための、かぎ穴破壊用の専用のドライバーとも言えるシリンダー壊し専用ドライバーと言えるようなものが現実につくられておりまして、こういったものを政令案で指定するように検討しております。 これは、いずれも国民の日常生活で使用するというようなものでは全くございません。したがって、これにつきましては、その態様につきまして、所持にまで拡大をして禁止するということが適当と考えたものでございます。 それから、指定侵入工具でございますけれども、法律案でもドライバー、バールというものを例示してございます。今私どもが考えておりますのは、そのほかにドリル、最近新聞等で大きく取り上げられておりますが、ドリルサムターン回しというような手口が今急増しておりまして、ドアに穴をドリルであけまして、そこから特殊な工具を差し込んでドアの裏側からサムターンをあけてしまう、こういう手口が急増しておるということで、今、ドライバー、バール、ドリル、こういったものを考えているわけでございます。 ただ、これは、御質問にもありましたとおり、日常生活で幅広く使われているものでございますので、実際の犯罪に使われている形状のものに限って政令で明らかに示すようにしていきたいと考えております。例えばドライバーにつきましては、窓ガラスをこじ破るために使われるというのがその主な手口でございますので、プラス型のドライバーは使用されておりません。したがいまして、マイナス型のドライバーである、それからドライバーの先の刃幅が五ミリ以上である、あるいは全体の長さが十五センチ以上である、こういう実際に犯行に使われているようなものに限って政令で定めるということで、必要最小限度の範囲として政令で定めるようにしてまいりたい、こう考えております。 もちろん、政令でございますので、これを定めるに当たりましては、通常の手続どおり、パブリックコメントということで国民の皆さんの意見を十分に聞きながら、いたずらに恣意的に政令で指定をすることがないように十分注意をしてまいりたい、こういうふうに思っております。 また、現実の運用に当たっての乱用についての御懸念でございますけれども、特にこの指定侵入工具につきましては、繰り返しますが、国民が日常生活で使うものだということがございますので、業務その他正当な理由がなく隠して携帯をしている、こういう行為態様に限定をしておりまして、これは軽犯罪法と同様の行為類型でございますので、現在の軽犯罪法で運用が定着をしているものでありますので、必ずしもあいまいな運用ということにはならない、こう思いますが、罰則が引き上げられたということもございますので、私どもといたしましては、実際に取り締まりに当たる都道府県警察の現場の警察官の末端に至るまで、具体的な運用基準というものを示しまして、指導教養を徹底いたしまして、御懸念のような乱用にわたることがないようにしっかり戒めて指導をしてまいりたい、こう考えているところでございます。
○吉井委員 大臣に確認的に質問しておきたいんですけれども、所持や携帯禁止となる用具、工具は、政令でこれから具体化されるわけですね。ですから、警察の拡張解釈を生むおそれというものはあり得るわけなんです。市民の皆さんからすると、多くは日常用品なものですから、ですから、法律で明記されていないものだけに、立法時の意思に反して、意図に反して拡張解釈とならない保証というものがやはり必要だという、ここはまた当然の心配であり、指摘だと思うのです。 その点について、拡張解釈とならない保証、これをどういうふうに大臣としては進めていきたい、いこうとお考えなのかを伺っておきたいと思います。
○谷垣国務大臣 先ほども御答弁申し上げたことですが、私もサイクリングをやるときいつもポケットにドライバーを入れているものですから、それが犯罪になるというようなことでは私自身も困るわけでございます。 結局、二つだと思うんですね。 一つは、今、吉井委員がおっしゃいましたように、政令で指定侵入工具というものを決めていくわけですけれども、これは、政令で決める理由は、多分新しい手法が次々と出てくるので、その都度その都度国会にお諮りしてというのでは、時宜に応じた敏速な対応ができなくなるということがやはりあろうかと思います。そのときそのとき政令でやらせていただく必要があるかと思いますが、この規定の仕方がやはりこの法の趣旨、目的にきちっとかなったものであって逸脱しないという運用がまず一番大事なのではないかなと思います。 それから、もう一つは、実際に取り締まるときに当たりまして、先ほど生活安全局長は軽犯罪法等の運用実績も既にあるということを申し上げましたけれども、きちんと厳格な運用をするといいますか、運用の基準に関しても、現場の警察官にきちっと指導教養と申しますか、そういうものをやって訓練よろしきを得るという、二つのことが必要ではないかと思います。 私どもとしては、この法案は今のピッキング等の状況を考えますときに必要なもので、ぜひこの手段を与えていただきたいと思っておりますが、今申し上げたような趣旨に従って、御心配のないような運用を心がけていきたいと思っております。
○吉井委員 法案に言う所持というのは、事実上、ピッキング犯人が、ピッキングを起こそうとする者がピッキング用具を支配下に置いていることを意味するわけですから、自宅、部屋ですね、要するに借りている部屋も自宅になりますが、それから車内などへの用具の保管、あるいは他人に預けてある場合なども所持に入ってくる、対象は非常に広範囲に入ってくるわけですね。また、隠して携帯というのは、身につけているだけじゃなくてすぐ取り出して使える、自転車のかご、自動車の中なども含まれてきますし、建物に侵入する目的や意図の存在が明白でなくても法律の適用が可能ということになります。 そこで、政府参考人に伺っておきますが、そうすると、令状をとっての逮捕や捜索はどういう場合に行われ、それからどういう場合には令状は必要とされないのか、ここのところはどういうふうになりますか。
○瀬川政府参考人 まず、指定侵入工具の関係で申しますと、これは業務その他正当な理由がなく隠して携帯という要件でございまして、実際にこれが適用になる場合といいますのは、何らかの挙動不審な状況がある、例えば、深夜、住宅街をあちこちうろうろ、きょろきょろしながら用もないのに歩いているというような者がいたときに、パトロール中の警察官がこれを見て職務質問をするという過程の中で、何ら理由がないのにそういったものを隠し持っているという場合があろうかと思います。 また、典型的なものとしては、普通の侵入犯罪を企図している者がドライバーを持っている場合には、それのみならず、例えば軍手でございますとか懐中電灯とか、あるいはバールも一緒に持っているとか、そういうような状況がございます。こういった場合に、指定侵入用具の正当な理由なく隠匿携帯というのが立件されるのが一つの典型的な場合だろうと思います。 それから、令状ということでございますが、これは、御質問にもありましたように、例えばピッキング用具等を自宅に保管をしているというような場合だろうと思います。これは、自宅に対する一番典型なのは、家宅捜索で発見をするというのが典型的な例だろうと思います。 その場合には、例えば、当該被疑者がピッキング用具等を自宅に隠し持っている、自宅で所持している、正当な理由がない、これが組織的な窃盗団の一員の疑いがあるとか、そういう容疑がある場合に、これは裁判官の発する令状を持って自宅を捜索するという場合。それからあるいは、ほかの容疑があって、例えばけん銃の不法所持でありますとか、あるいは何か窃盗で指名手配をされているとかいうことで、その人間の逮捕に赴いた際に、その現場で本人が所持をしているというものを発見して、ピッキング用具の所持罪で立件をする、そういう場合が具体的な事例として最も想定できるのではないかと思います。
○吉井委員 次に、谷垣大臣に伺っておきたいんですが、例えば、防犯性能もそうですが、環境性能とか福祉的性能を持った製品を製造業者が製造する場合、これは通常は、経済産業省なり厚生労働省などが検査したり、勧告したり、公表したり、命令するという権限を持って、その行政執行に対して妨害を加えたり刑法違反に触れる行為があって、警察権の行使により違反者を逮捕するとか介入するというのが本来の姿じゃないかというふうに思うんですね。 法案の第十二条で、勧告の措置を命ずるために、建物錠の製造・輸入業者に業務の状況を報告させ、警察庁の職員が事務所、工場、倉庫に立入検査する権限を持つということになりますが、犯罪防止ということであれば、錠前の製造業者等への情報提供の範囲にとどめて、錠前販売業者の登録をさせて、登録による業者の限定であるとか、これは例えばですが、ピッキング用品の錠前販売業者以外の者への販売規制のための届け出などを経済産業省が行うようにすることで、警察権限の拡大であるとか、あるいはメーカー、輸入業者への介入や過度な関与を招かないようにする工夫が必要なのではないか。 戦後の警察行政の原則として組み立てられてきた道筋からすると、本来そういう形でもって考えていくというのが道筋じゃないかというふうに思うんですが、この点については、谷垣大臣の方に、こういう形での法の組み立て方をしているわけですから、少しその点のところを伺っておきたいと思うんです。
○谷垣国務大臣 この十二条の報告及び立入検査の趣旨でありますけれども、この法律案では第八条で、適正な防犯性能の表示を行っていない建物錠の製造・輸入業者に対する勧告、命令権限を国家公安委員会に与えている、それから九条では、緊急時における製造・輸入業者への勧告、公表権限を与えるということになっているわけですが、こういった勧告、命令、公表といった措置を適正かつ効果的に実施していくためには、こういう措置の対象となる建物錠の製造・輸入業者に対して、措置の前提となる事実関係について調査を行う権限がなければなかなか的確に運用できないだろうという趣旨、第十二条の規定はこういう趣旨で、八条、九条の規定の執行に必要な限度で所要の調査を行う権限を与えるもの、こういうふうに私は理解をいたしております。
○吉井委員 個々の規定についてはおっしゃった意味はわかるんですが、この法律全体の立て方として、やはり、戦後の警察行政の原則として組み立ててきた他の省庁との関係、権力の分散だとか相互に行政機関同士が牽制し合う、チェックし合う、そういう形をどう組み立てるかとか、そういう形の中で別な法の組み立て方もあったのではないかという点でお聞きをした次第です。 もう時間が参りましたので、最後に指摘だけして終わりたいと思いますが、一九四八年三月二十三日に、大分古い話ですが、衆議院の司法委員会で、当時法務省事務官という形で政府委員が出ているんです。軽犯罪法を制定するときの国会ですね、そこでの政府答弁で、戦前の警察国家の根源となった警察犯処罰令、違警罪即決例を廃止して軽犯罪法とするときに、かつての反省の中から、網羅された犯罪の範疇が余りに国民の日常生活にあまねくわたってくることはよくないことだ、この点を指摘して、「この法律は国民の日常生活におきまする、ごく卑近な道徳律に違反する軽い犯罪を集めたものでございまして、その運用いかんによりましては、非常に多くのものがこの法律に触れる結果を招来すると考えられる」という答弁がされているんですね。そして、なるべく従来の警察国家的なにおいを法案から除きたいという議論があって、その結果として乱用禁止規定がついているわけですね。 ですから、現実には人権侵害の事案なども現場の中ではありますから、私は、さっき大臣もおっしゃった、やはり現場での歯どめですね、非常に大事なので、これを執行する上でそのことをきちんと保障する、そういう取り組みというものを国家公安委員長としてやっていただきたい。このことを申し上げまして、時間が参りましたので、質問を終わります。
○佐々木委員長 以上で吉井英勝君の質疑は終了いたしました。 次に、北川れん子君。
○北川委員 社民党・市民連合の北川れん子です。 今の吉井議員の、多少ちょっと続きということでお伺いしたいんです。 先ほど、別件で家宅捜査を行った際にたまたま特殊開錠用具が発見できた場合に、幾ばくかの質疑応答があるんだろうと思うんですが、その場合には現行犯逮捕ができるというふうにおっしゃったように思うんですが、その辺、もう少し詳しくおっしゃっていただけますでしょうか。
○瀬川政府参考人 例えば、最近現実にあった事案でございますが、ピッキングの組織窃盗団の本拠地と思われるところに指名手配の被疑者がいるということで、令状をとりましてそこに赴いたということがございました。そうしたところ、そこが実は同時にピッキングの道具をつくっているいわば工場のようなところでありまして、何本もピッキングの道具があったというような状況があったという例がございます。 そこに何人かの人間がいて彼らがみんな組織窃盗団のグループだったという場合に、これは、本法におきます業務その他正当な理由なく特殊開錠用具を所持しているということに当たる、この法律案が成立いたしましたならばこの条項が適用されることになるだろうというふうに考えるところでございます。
○北川委員 現行犯逮捕ができるというふうに使われるということなんですが、今は多少明確な事例ということで、グレーゾーンの事例ではないのをおっしゃったんですけれども、そういう場合は間々あると思うんですね。そのときに、この法文三条、四条が、正当な理由ということで、すごく明確性が欠けるというところを一番最も心配しているんですけれども、外形的にそういう所持という事実さえあれば現行犯逮捕ができるというところにあるという意味からいくと、やはり正当な理由というのを明確化する必要があると思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○瀬川政府参考人 御指摘のとおり、この三条、四条は、いずれも業務その他正当な理由による場合でない場合において、所持または隠して携帯をしているというものについて禁止をしているわけでございます。 それで、この業務その他正当な理由による場合といいますのは、例えば、建物錠の製造・輸入業者がピッキング道具を使ってピッキングに耐えられるような錠の開発研究試験をやっているような場合でありますとか、それから、錠の取扱業者が、かぎをなくしたので自分の家の錠をあけてほしいというお客さんが来たときに、その依頼に応じてその道具を使ってドアをあけてやるとか、あるいは、指定侵入工具等につきましては、ドライバーとかバールでありますので、これは趣味でお持ちの方もいるでしょうし、何か物を修理するために持っておられる方もいるでしょうし、あるいは引っ越しのために持っているというような方もいるでしょうし、そういったさまざまな日常生活で使う理由があって持っているという場合があるわけでございまして、こういった場合について、これを業務その他正当な理由による場合というふうに認定されるということになるだろうと思います。 いずれにいたしましても、社会通念上、特殊開錠用具を所持したりあるいは指定侵入工具を携帯しているということが当然に認められるような場合を意味するものでありまして、軽犯罪法におきましても、これよりもっと広範な道具につきまして、正当な理由がなく隠匿携帯をするということが禁止をされているわけでございまして、実務的には明確な形で運用をされているところでございます。 しかし、なお今回罰則の引き上げということになりますので、先ほども申し上げましたが、実際に取り締まりに当たる都道府県警察の現場の警察官に、この業務その他正当な理由というものの意味するところがしっかりと徹底されるように、具体的な運用基準を策定いたしまして、その指導教養に万全を期し、御懸念のようなことがないように厳正、的確な運用に努めてまいりたいと考えております。
○北川委員 その正当な理由を政令で落とす場合にも、パブリックコメントをとられるというふうにお決めになっていらっしゃるのでしょうか。
○瀬川政府参考人 特殊開錠用具、指定侵入工具につきましては、政令で定めるということになってございますので、これにつきましてはパブリックコメントを実施することとしております。 正当な理由の運用基準といいますか判断基準、これにつきましては、パブリックコメントということではなくて、内部のいわば一つの取り締まりの基準でございますので、定めることとしておりますが、パブリックコメントということはいたしませんが、どういう基準かということは、私どもとしてしっかり国民の皆様に公表をさせていただくこととしております。
○北川委員 正当な理由というところのパブリックコメントをとることはすごく重要だと思うんですね。 この一月に提言ができて、法案までの間にもパブリックコメントをとらずに進んでいらっしゃるということもお伺いしておりますので、正当な理由がいかなるものか。例えば、では、今セキュリティーアドバイザーになるために家で練習をしている、そういうふうに伝えた場合は、それは正当な理由に入るのでしょうか。
○瀬川政府参考人 セキュリティーアドバイザーというのがどういうものか、ちょっと私つまびらかではございませんけれども、例えば、これからかぎ屋さんに就職するとかかぎ屋さんを開業するとか、そういう目的で練習をするために持っておられるという方は当然おられると思います。それが、単なる言い逃れということではなくて、事実そういう状況であるということであれば、これはちゃんとした正当な理由であるというふうに判断されるだろうと思います。
○北川委員 専門学校のことも御存じなので、重々御存じだろうと思うんですが、今インターネットでも、サラリーマン受難時代、特殊技能知識を学び、有望な防犯ビジネスを目指して人生を豊かにしてくださいということで、教材込みで三万六千円の受講料とか二十一万までとか、いろいろ幅はあるようなんですが、自分でセキュリティーアドバイザーになるためにも練習してみませんかということで、情報商品として、六千円ぐらいで教材として頒布しているというような場合が多々あるわけです。 ロック工業会に聞きますと、錠前屋さんは特殊開錠用具を使っての開錠というのはもうしない、壊すと。錠を壊して取りかえるように指示しているというふうにも聞いておりますので、特殊開錠用具を防犯に知識を有するということの技術というものに使っていこうという風潮は片やであるということはもう既に御存じなわけですから、この正当な理由におけるパブリックコメントはぜひとっていただきたいと思うんですが、谷垣大臣、いかがでしょうか。
○谷垣国務大臣 できるだけ法律の条文は明確な形で、わかりやすく、誤解のないように決めなければならないというのは、これは特に刑事法の場合には大原則になると思うんです。 ただ、なかなか今議論していただいている案件が難しいのは、先ほど私もサイクリングのときドライバーを持っているというふうに申し上げましたけれども、特に通常使っているものを使って犯罪に及ぶ場合があり得るわけですね。ドライバーで窓をこじあけるとか、そういうようなことがあるわけですので、さて、それがどういう場合に違法な所持であり、どういう場合に違法でない所持だというのは、限定していくのは、私はなかなか言葉の上で表現するのは難しいと思うんですね。 そこで、正当な理由がなくというような一般的な概念を使っているわけですが、これは、内部の訓練として、警察内部のいろいろな研修なり訓練としていろいろな場合を想定して考えるということは可能だと思いますが、パブリックコメントに問うような形で、いろいろな状況があるのを分類して、こういう場合はどうだ、ああいう場合はどうだというのは、現実にはかなり技術的に難しいのではないかな。 まだ私も実は警察の事務方とこの問題を十分議論したわけではないんですが、今委員の御質疑を承っておりまして、もし私に答えろと言われたらどう答えようかと考えて聞いておったんですが、なかなかそこは難しいんじゃないかなという気がいたします。
○北川委員 そこが難しいと言われているところ、よくわかるんですが、ここがなぜ大事かというと、先ほどお伺いしておりましたら、従来、火薬とかアヘン、麻薬、覚せい剤、劇物、毒物、所持してはいけない銃刀類とか、所持してはいけないものというのは確かにあります、これは持っているだけでも危険だからという前段での御答弁もあったんですけれども。こういうものは、しかし、こういう場合は所持していいというのが一定程度法案には明記してあるんですね、所持していい場合ということで。私などは、やはり今回の法律が、正当な理由ということで、あいまいに運用される危険性ということに入っていきますと、大臣も悩まれているのであれば、ぜひここのところは考えていただきたいところであります。 ですから、すべてを、善意解釈ではなく、悪意として物事の解釈に入っていく。だから、特殊開錠用具を持っていれば侵入しようと思っている人に近い人であろうというふうになっていくとか、侵入用具を何かかばんに入れていたら、何かをしようと思って、また、侵入しようと思っているというふうに引きつけて、みなして考えていくということの危険性の中に、私は、一つ、職務質問とやはり所持品検査という問題があると思うんですが、この法律が施行されましたらば、どういう場合に職務質問を受けるというふうになるんでしょうか。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 この法律ができたから職務質問をされる場面がふえるということになるわけではございません。職務質問といいますのは、あくまでも警察官職務執行法二条に定めます、周囲の状況から異常な挙動その他云々とございますが、そういった状況にあると認められる者を発見したときに初めて警察官が行うものでございまして、この法律ができたから職務質問がどんどん無差別的に行われるというものでは全くないというふうに御理解をいただきたいと思います。 典型的にこの法律が適用される場合は、特に指定侵入工具等についての御懸念が多いんだろうと思いますけれども、先ほども申し上げましたけれども、例えば、深夜、住宅街を徘回、うろうろしながら人の家をのぞき込むような状況でいるような者をパトロール中の警察官が発見したという場合が、まさにこれは、この法律があろうとなかろうと、現在でももちろん軽犯罪法という問題もありますし、何らかの犯罪を犯そうとしていると疑うに足りるような理由があるというようなことで職務質問をするというのが典型的な場合でございます。 ですから、職質の要件を別にこの法律によって緩和するとかなんとかということじゃなくて、あくまでもそれは、今までの警職法二条の要件に従って厳格な形で行われる。ただ、その職務質問の結果、正当な理由がなくこういった道具を持っているということがわかった場合に、軽犯罪法ではなくて、この法律によってしっかり的確に処理をすることができるようになる、こういうことでございます。
○北川委員 そこのところが、やはり今の職務質問なんかでも、裁判判例を見ていると、なかなか難しいなというふうに思わされる例が多々あるわけなんです。 例えば、今回ピッキングでわかっているものの七割が外国人の方でいらっしゃるということで、一つに、外国人の方は、先ほど言葉の問題があると大臣もおっしゃっていたわけですが、職務質問する場合なんですけれども、外国人の方に職務質問する場合には言葉の問題はどういうふうに解決されているのか、どういうふうに対応されているのかをお伺いしたいと思うんです。
○瀬川政府参考人 お答えいたします。 現場の警察官に、例えば中国語でありますとか英語でありますとか、そういう語学能力がある者は非常に少ないわけでございまして、そういった御指摘のような場面に対応するために、各都道府県警察には必ず専門の通訳がおります。あるいは、特殊な語学でありますれば、これはそういった特殊な語学ができる方にお願いをして対応できるような体制を二十四時間常に整えておりまして、外国人の方を職務質問等をした場合に、必要があれば、こういった通訳の方を介して、現場に来ていただくなり、あるいは電話で状況を伺うなりという方法によって、その外国人の方との意思の疎通を図るという形で行っているのが一般でございます。
○北川委員 では、通訳者がいるところまで同行を求めるということはないというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○瀬川政府参考人 これは、外国人の方に職務質問をするという場合の、その取り扱いの場面の具体的なケース・バイ・ケースだろうというふうに思います。まさに犯罪を犯さんとしているというような状況が本当に明らかであるという場合には、これは当然同行を求める場合もあるでしょうし、そうでない、単に、なぜここにいるのかただ聞きたいだけだというような場合には、例えば電話等で、その場から携帯電話その他で通訳の方を介してその状況を聞くという場合もあるだろうと思います。 いずれにせよ、これはもう本当にケース・バイ・ケースによってその対応は異なってくるのではないかと思います。
○北川委員 同行する場合もあるということなんですが、これは十五条と十六条が付加されるということで、所持しただけでも国外退去というふうになるわけです。まだ犯罪にも何のことにも至っていなくても、所持だけしていたり隠して持っていれば、正当な理由がなければ、入管法と難民法の一部改正の中に十五条、十六条が入るわけで、退去強制というふうになるということで、日本にはそういう法律があるよということ自身を外国人の人たちに理解をしていただかなければ、不毛な関係が生まれていくのではないかということも心配する面があるわけなんです。 職務質問から所持品検査というふうになると思うんですが、この場合、外から見てわからない場合でも、疑わしいからという理由で所持品の検査というものは行われるんでしょうか。
○瀬川政府参考人 これもケース・バイ・ケースだろうと思いますが、一般論で申し上げますと、職務質問に付随する所持品検査といいますのは、通常、職務質問は、なぜ職務質問をしたかというような状況があるわけでございまして、不審点があるから職務質問をするわけでありますが、その不審点を解明するために行われるものでありますが、一般的には、これはもう相手方の承諾を得た上で行うというのが職務質問に付随する所持品検査でございます。
○北川委員 中に何が入っているのかと聞いて、答えない場合とか持っていないと言う場合があろうかと思うんですが、あけなさいという場合に次は行くんだろうと思うんですが、例えば日本に住んで間もない外国人の方が、友人から、このかばんを持って動いてください、あそこへ運んでくださいと頼まれて、たまたま途中で職務質問を受ける。 案外、職務質問というのは、やはり受けているケースというのは、外国人の方が多いですし、そしてまた、日本で若い人たちが、先ほど言われた、深夜用もないのにうろうろしている、でも、その本人たちには用があるというか、それが一つの、動いていることが目的になっている場合もあるので、その辺が警察官とは、警察官が見ていると用もないのに歩いているというふうになると思うんですけれども、職務質問をされている層というのは結構やはりあるんですよね。 それで、外国人の方が、今のケースの場合、途中で職務質問を受けます、外登証を持っていますか、持っていませんかと、よくやられるケースなんですけれども。次に所持品検査、あけなさいと言われてあけた場合に特殊開錠用具が見つかった場合は、正当な理由がなかったらもう現行犯逮捕というふうになるんですか。
○瀬川政府参考人 まず、職務質問のことを重ねてお尋ねでございますが、警職法二条は「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。」こういう要件になっておりまして、こういった状況で初めて職務質問が行われるということであるということでございます。 それから、友人から預かった荷物の中に三条、四条違反のものが入っていたという場合についてのお尋ねでございますけれども、所持または携帯しているということについて、自分が所持、携帯しているものが何であるかということをその方が全く知らないという場合には、これは刑法三十八条の、本則に戻るわけでございますが、罪を犯す意思がないわけでございますので、罰則が適用されるということはございません。
○北川委員 現行犯逮捕にならない場合もあるけれども、知っていた場合はとかと、次々なっていくのであろうと思うんですけれども。 今の職務質問の例で、これは昭和の四十三年の京都地裁の文であったらしいんですけれども、例えば、これは日本人の方ですが、午前十時ごろ、粗末な衣服を着て、好天であるのに古い半長靴を履いて京都市内の劇場前で看板を見ていたが、私服警察官と目が合うやその場を立ち去ろうとした者に対する職務質問が、被告人の服装や履物や所持品などによる様相は一般労働者のそれと多く異なるところがなく、職務質問の要件に欠くと。裁判になった段階で、これは要件に欠きましたねと。だけれども、現実には職務質問というのはこういう形でされています、風体ということももちろんだし、挙動が不審だということも。 ですから、案外自分はならないという意識の方は別にしても、人から見たらどうかということになりますので、その権限は警察の方にあるわけですから、職務質問と所持品検査ということは案外横行しているという現実もある中で、今の例の場合は即座にはならないというお話なんですけれども、では、どのような場合にかばんをあけたり洋服のポケットに手を入れることができたりするのかというのは、どういうふうになるでしょうか。所持品検査によって保護されると考えられる公共の利益と、侵害されるプライバシーの権利との比較判断にもよると思うんですけれども、その辺はどういうふうになっているんでしょうか。
○瀬川政府参考人 ただいま御紹介いただきました判例でございますけれども、現実に裁判の場で、職務質問が不適法であるというふうにされた例も確かにあるわけでございます。私どもとしましては、そういった判例の例えば積み重ねといいますか、そういったものを十分に参考にしながら適正な職務執行を図っていく、職務執行に努めていくということとしているところでございます。 それから、所持品検査についての重ねてのお尋ねでございますけれども、例えば、何らかの犯罪を犯しているという疑いが強いという場合にポケットの上から所持品を確認するような行為という場合に、それが公益上の必要性に比較して相手方の受ける不利益も一時的かつ比較的軽微であるというふうに考えられるような場合には、こういった行為も容認されるという例もあるところでございます。
○北川委員 容認されるということで、強化月間があるともお伺いしているんですが、現場の警察官にゆだねるのには、個々の警察官の判断に負担が大きいと思うんですね。できれば構成要件などを明確にしたガイドラインをつくる必要があると思うんですが、その辺の着手というか準備などに対しての御見解というのはいかがなものでしょうか。
○瀬川政府参考人 運用上、乱用にわたる危険があるのではないかという趣旨のお尋ねであろうと思いますが、先ほど来御答弁申し上げておりますように、私どもといたしましては、第一線の現場に至るまで適正な運用がされるように、具体的な運用基準を作成いたしまして徹底をしてまいりたい。指導教養を行い、また、各種会議でもしっかりと伝達をし、乱用にわたるということがないように十分指導をしてまいることとしております。
○北川委員 そういうことなんですけれども、ぜひ文書化したもの、先ほどの正当な理由もなんですが、この場合のガイドラインを、職務質問、それから所持品検査に移行の部分も含めて、やはり私はガイドライン的なものをつくるというふうな形でこれから取り組んでいただきたいというふうに思います。 それで、次に、少し変わるんですけれども、十二条で立入検査の部分があるんですけれども、これは技官がお入りになるということも聞いたんですけれども、警察官もお入りになるケースはあると理解してよろしいんでしょうか。
○瀬川政府参考人 法律案の十二条でございますが、八条の規定の施行のための調査に関する規定でございます。 立入検査は、国家公安委員会は、警察庁の職員に立入検査を行わせることができるということとしておりまして、ここで言う職員は、警察庁の職員である警察官、それから、警察官のみではなくて、警察庁の職員であるいわゆる警察官ではない一般職員も含まれるということでございます。
○北川委員 錠前業者さんにとったら、警察官が入ってくるというだけで、何かとても犯罪の捜査にここの会社が目されたというふうな、逆に言えばかなりなプレッシャーをかけることになると思うんですが、この条文にも犯罪捜査ではないということがあえて書いてあるわけですが、こういう犯罪捜査ではないということで、顧問弁護士さんとかの立ち会いとかを認めないというふうなことにつながっていくという条文だと理解してよろしいんでしょうか。
○瀬川政府参考人 その会社の顧問弁護士さんがその場に立ち会いたいという御希望があれば、これを何ら妨げる理由はないものと考えております。
○北川委員 私は、この問題は、合法的に製造されたものを所持したり、隠して携えていたりする場合に、原則、準備段階、予備の段階ではなくて、準備の段階から押さえるためにこの法律ができたというふうに思うんです。 そのことにまつろって、日常的な社会の中で行われる検挙に対する意欲の中に、職務質問や所持品検査が入ると思うんですけれども、先ほど言いましたように、やはりプライバシーへの侵害の部分なんですけれども、そういうこととの兼ね合い、社会的公益の方を重く置くんだと、きょうのお話は一貫してそこに立ち入ったわけですけれども、いわゆる外国人イコール危険な人とか犯罪を犯す人というような形の風潮ではないという、数字の列挙のされ方としては、先ほど吉井議員の場合においても、圧倒的に日本人の方が犯罪率としては多いということもわかったわけです。 どうでしょうか、大臣。最後にお伺いしたいのは、販売の方もそうなんですけれども、殊に特殊開錠用具の方ですね、ピッキング用具の方なんですが、製造の段階での規制というものを、もう少し本当はこの法律をつくる前に踏み込んだ形、実態を余り御存じないというふうな言われ方、本当はよく知っていらっしゃると思うんですが、もうインターネットで専門学校とかという形態をとりながら売っていっているという実態があることも御存じであろうと思うんですけれども、だから、指定侵入工具の方ではなくて特殊開錠用具の方なんですけれども、製造段階での規制をして、そこでの、だれに売ったかということを明確にすることで、ある意味、この法律がなくても、特に三条なんですが、なくてもおさまる部分としてあるのではないかという気が、私は今回の提言を読んでいてもするんですけれども、最後に、大臣のお考えはいかがかということをお伺いしておきたいと思います。
○谷垣国務大臣 委員の問題意識に的確にお答えできるかどうかわかりませんけれども、極端な例を考えますと、例えばけん銃の製造なり販売をきちっと押さえる必要があるのと同時に、けん銃を持って、夜中、不審な時刻に不審な挙動をしている人に対して、その所持を職務質問して、それを押さえるということも必要なんだろうと思うんですね。 ちょっと適切な例ではないかもしれませんけれども、やはり我々がまず防ぎたいのは、侵入窃盗というものをなくしたいわけです。侵入窃盗というのを少しでも抑えたいわけです。それで、侵入窃盗を抑えるためには、その前段階といいますか、未然に押さえたいわけですね。入っちゃった後押さえるわけじゃなくて、未然に押さえたいわけです。未然に押さえる場合には、侵入窃盗の危険性の非常に高い器具を所持して、行動をしているということを押さえたいわけです。 それで、委員はそこのところに、例えば職務質問がかかったり、プライバシー侵害のおそれがあるというふうに、さっきから大変そこのところを危惧しておられる。だから、もっと前の段階で、製造なり販売の段階で押さえれば、三条、四条の段階はそんなになくても大丈夫なんじゃないかというふうにお考えなんだろうと思うんです。そうですね。(北川委員「三条」と呼ぶ) 三条も、事前の販売とか製造を押さえれば三条なんというものはつくらなくてもいいじゃないかというふうに、先ほどからの御議論は言っておられるように聞こえるんですけれども、しかし、現実に、そういうものを所持して、職務質問なんかをかけたときに、所持して不審な動向があったときにそれに対処できる方が、具体的な侵入窃盗との関連性は深いのじゃないかなという気が私はするわけです。ちょっとそこらに委員の受けとめ方と私の受けとめ方が違うのかもしれません。 それで、委員が御心配になっている点は、例えば警察官職務執行法においても、どういう場合に職務質問をかけるかというのは、これはこれで明確な規定がありますし、長い間の運用実績もあり、警察官職務執行法の執行の適正さに関しては、委員がお引きになりましたけれども、いろいろな判例等の蓄積も既にあるわけですね。 問題は、私どもは、それをきちっと内部で教育して、そういうものの実績の上に運用するということで、委員の御心配の点は、むしろ、きちっと教育して、運用をきちっとやっていくということで私は解決できるのじゃないかな、こんなふうに思います。
○北川委員 ありがとうございます。 ただ、外国人の方の場合、なかなか日本で裁判をするということは難しいという点もあって、自分に対する不当性というのを明らかにする場合というチャンスが少ないものですから、その点などもおいて、本当の意味での効果のある犯罪抑止効果とはいかなるものかというところの議論をもう少しまた詰めてやりたいと思います。ありがとうございました。
○佐々木委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○佐々木委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐々木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○佐々木委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、小野晋也君外六名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。小野晋也君。
○小野委員 ただいま議題となりました附帯決議案について、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守新党の各会派を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の事項について十分配慮すべきである。 一 特殊開錠用具の所持及び指定侵入工具の携帯に係る禁止規定の運用に当たっては、人権を不当に侵害することのないようにすること。 二 住宅等侵入犯罪を予防するための住民の取組が促進されるよう、防犯に関する情報の提供等を推進すること。 三 本法の施行状況等の推移を踏まえつつ、特殊開錠用具の販売等の規制及び錠取扱業者の信頼性の確保の在り方について検討すること。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○佐々木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐々木委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。谷垣国家公安委員会委員長。
○谷垣国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。 —————————————
○佐々木委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○佐々木委員長 次に、内閣提出、構造改革特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。鴻池構造改革特区担当大臣。 ————————————— 構造改革特別区域法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○鴻池国務大臣 このたび政府から提出いたしました構造改革特別区域法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 構造改革特区は、地方や民間が自発的に構想を立案し、それぞれの地域の特性に応じた規制の特例を導入することにより、構造改革をさらに加速させるための突破口となるものであります。 昨年の臨時国会において御審議いただき成立した構造改革特別区域法において、昨年八月の第一次提案を踏まえ、構造改革特別区域で講ずることができる法律の特例の内容が定められたところでありますが、これに加え、二月二十七日に構造改革特別区域推進本部において決定した構造改革特区の第二次提案に対する政府の対応方針では、本年一月十五日までに全国から寄せられた第二次提案を踏まえ、新たに特区において講ずることが可能となる規制の特例措置が定められたところであります。 これらの特例措置のうち、法律事項に関するものを構造改革特別区域法に追加することにより、経済社会の構造改革を推進するとともに地域の活性化を図るため、この法律案を提出する次第であります。 この法律案の概要を申し上げますと、構造改革特別区域において、 第一に、公有水面埋立法の特例として、港湾における公有水面の埋め立てに係る竣功認可の告示がされている埋立地について、権利の移転及び設定並びに用途変更に係る免許権者の許可を要する制限期間を十年から五年に短縮することとしております。 第二に、学校教育法の特例として、特別の事情等に応ずるため、株式会社及び不登校児童等を対象とした教育を行う特定非営利活動法人は学校を設置することができることとし、当該学校が高等学校以下である場合には特区を設定した地方公共団体の長が設置認可等を行うこととしております。 第三に、児童福祉法の特例として、特区を設定した市町村の長は、保育の実施に係る事務を、当該市町村に置かれる教育委員会に委任することができることとしております。 第四に、屋外広告物法の特例として、都道府県知事は、屋外広告物条例に違反する広告旗等を除却することができることとしております。 第五に、地方公務員法の特例として、特区を設定した地方公共団体において、一定の場合に臨時的任用を行うときは、採用した日から更新後の期間も含めた採用期間が三年を超えない範囲内であれば、六月を超えない期間で更新することができることとしております。 第六に、出入国管理及び難民認定法の特例として、特区内に所在する事業所において特定情報処理活動等を行おうとする外国人に係る在留期間を五年にすること等としております。 第七に、酒税法の特例として、農林漁業体験民宿業等を営む農業者が、濁酒を製造するための製造免許を申請した場合には、雑酒の製造免許に係る最低製造数量基準を適用しないこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いを申し上げます。
○佐々木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る十四日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十二分散会