政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2003/07/15
会議録
○高橋委員長 これより会議を開きます。 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する件、特に郵便による不在者投票等にかかる問題等について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府国民生活局長永谷安賢君、警察庁刑事局長栗本英雄君、総務省自治行政局選挙部長高部正男君、法務省刑事局長樋渡利秋君、厚生労働省大臣官房審議官青木豊君及び厚生労働省医政局長篠崎英夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○高橋委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上義久君。
○井上(義)委員 公明党の井上義久でございます。 高齢で寝たきりになったり、身体に重度の障害があるために、選挙権があるのに投票できない。選挙権は憲法で保障された基本的人権でありますし、事実上それを行使できない人がいる状態を放置するということは許されない、こう思うわけでございます。今回、こうした観点から、在宅で投票できる郵便投票を利用できる人の対象を広げたり、自分で投票用紙に記入できない人は郵便投票でも代筆を認める、このような法改正が、関係者の、各党の御理解を得て委員長提案で実現ができると、私は大変意義のあることだと思いますし、提案者の一人として心から感謝を申し上げる次第でございます。 そこで、今回の改正に関連して何点か質問させていただきたい、こう思います。 まず、今回の改正の対象者についてでございますけれども、今回の公選法の改正によって新たに投票機会が確保される、こういう方々について、当局はどの程度というふうに見積もっておられるのか、まずお聞きしたいと思います。 今回、新たに郵便投票ができるのは、介護保険で要介護五という方たちでございますけれども、およそ郵便投票の対象になる方々は十二万程度、このように理解しております。また、郵便投票対象者でこれまで自書できないために事実上投票ができなかった、今回、代理投票が認められることによりまして、およそ十三万人程度、新たに投票ができる、このように理解しておるわけでございますけれども、このことについて、対象者がどの程度と考えているのか、確認したいと思います。
○高部政府参考人 お答えを申し上げます。 厚生労働省の方から数字をいただいているところでございますけれども、要介護五の認定を受けておられる方はおよそ四十万人ということでございます。そのうち、約二十六万人が施設に入所いたしまして、残りの十四万人が在宅で介護を受けているといったような状況とのことでございます。この十四万人のうち、二万人程度が現行の郵便等投票の対象者となっていると推測できるということのようでありますので、この二万人を除きましたおよそ十二万人が新たに郵便投票の対象者に加わってくるというふうに考えられるところでございます。 また、代理記載制度の関係でございますけれども、現行の郵便投票の対象者のうち、上肢障害一級または視覚障害一級の方、これまで御議論いただいておりますのは、上肢の一級ということ、あるいは視覚障害一級ということで、文字が書けないと推測される方を対象とすることになろうかと思いますが、これらの方々はおおむね十三万人とのことでありますので、これらの方々が新たに郵便等投票の代理記載制度の対象になってくるもの、かように考えているところでございます。
○井上(義)委員 合わせて二十五万人程度の方々が新たに投票できるようになるということの意味は、大変大きいと思います。 次に、施行時期の問題でございます。法律案では、「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める」というふうにしているわけでございますけれども、実は、ALS患者の皆さん等の、現行制度では投票できず、選挙権が侵害されている、そういう裁判で、東京地裁、昨年十一月に、こういう皆さんに代筆による郵便投票が認められないのは違憲状態である、このように司法判断しているわけでございまして、やはり、一日も早くこの法の施行が求められるのではないか、こう思います。 一年以内ということでございますけれども、私は、少なくとも、今の衆議院の任期満了あるいは来年の参議院選挙までには確実にこの法の施行ができるようにすべきじゃないか、このように思いますけれども、事務当局の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○高部政府参考人 今回検討されている法案におきましては、政令に委任されている事項がかなりあると承知しておりますので、政府におきましては、法案が国会において可決され公布された場合におきましては、速やかに政省令の立案にかかりたいというふうに考えているところでございます。 今回御議論いただいておりますのは全く新しい制度でございますので、政令に委任された範囲の中でその仕組みをどのようなものにするのか、ある程度の検討期間をいただきたいというふうに考えておりますし、また、新たに制度化した方法等につきまして混乱なく施行するためには、必要かつ十分な周知期間も必要ではないかと考えているところでございます。 一方で、委員御指摘ございましたように、早期の施行が求められるところでございまして、我々も、できるだけ早く施行する必要があるのではないかと考えているところでございます。 過去の経緯を振り返りますと、昭和四十九年に現行の郵便投票制度が創設された際に、今回の改正法と同じように、「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」とされておりましたのに対しまして、実際には法律の施行の日から起算して約七カ月で施行されているといったようなこともございます。 こういう例も参考にいたしまして、また、委員からも御指摘ございましたように、来年には特に、参議院選挙が必ず予定されているところでございますので、法律が可決された場合には、この通常選挙には新たな制度が適用できますようにできるだけ速やかに施行してまいりたい、かように考えているところでございます。
○井上(義)委員 今回の法改正によってでも、選挙権を行使したくてもできない状態に置かれている人はまだ少なくないわけでございます。例えば、重度の不安神経症で外出できない青年が、郵便投票を認めないのは選挙権の侵害と訴えておりました裁判では、大阪地裁の判決でございますけれども、改善が図られてしかるべきだ、こういう司法判断を示しているわけでございます。 私は、社会や制度に人間を合わせるのではなくて、社会の方から人間に合わせていくことが求められている時代、すなわち、ユニバーサルデザインの発想というものを選挙にも取り入れていくべきだ、このように考えているわけでございます。 今申し上げた、いわゆる引きこもりの人とか、あるいは指定病院、施設以外に入所している人たちがいらっしゃるわけでございまして、こういった人たちの投票機会をどう確保していくか、これは立法府の責任でもありますけれども、当局においても具体的な方策等について検討すべきであるというふうに考えるわけでございます。このことについてどのように検討されているのか、お伺いしたいと思います。
○高部政府参考人 現行の制度では、投票することが困難な方々の投票機会をどういうふうに確保していくのかというのは大変重要な課題だというふうに我々も認識しているところでございます。 ただ、委員も十分御案内のことでございますけれども、かつて郵便による不在者投票につきまして幅広く認めた際に、不正が続発して一たん廃止されたというような経緯もございまして、結局のところ、投票機会の確保という観点と、選挙の公正の確保といったものをどのように調和を図っていくのかということが課題になってくるのではないかと考えているところでございます。 特に、今回御議論いただいております寝たきり老人等の問題につきましても、対象者の範囲をどういうふうに確定していくのか、公的な認定方法をどのように考えるのか、全国的に平等な取り扱いが可能なのかといったような課題の中で、私どもはいろいろ検討させていただいてきたところでございます。 いずれにいたしましても、そのほかにもいろいろ課題があることは十分承知しているところでございますので、私どもとしてもこれから引き続き検討してまいりたいと考えておりますし、また、各党各会派におかれましても、さらに検討いただけたらと考えているところでございます。
○井上(義)委員 インターネットによる選挙運動についてお伺いする予定でございましたけれども、ちょっと時間がないので機会を改めて、推進をぜひよろしくお願いしたいということを申し上げて、質問を終わらせたいと思います。 ありがとうございました。
○高橋委員長 次に、山谷えり子君。
○山谷委員 保守新党、山谷えり子でございます。 日本の公職選挙法は、権利をいかに保障するかという部分がなかなか見直しが進まない、改善が進まないということがあったわけでございますが、今回、郵便等投票の対象者の拡大、これが要介護五として記載されている者、また、郵便等投票における代理記載制度の導入ということで、上肢または視覚の障害の程度が一級として身体障害者手帳に記載されている者ということでございますが、これは、こういう要件でございますので、対象範囲が特定されるわけでございますが、この方々への啓発活動というのは、現在どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○高部政府参考人 委員御指摘ございましたように、制度改正がなされた場合に、しっかり周知をして十分利用していただくということは非常に大事だというふうに思っておるところでございます。 私ども、制度改正がありますと、いろいろなチラシ等をつくって幅広い周知を図っているところでございますが、今回の改正内容について言いますと、私どもといたしましては、特に福祉部局との連携というのが非常に大事だというふうに思っております。特に市町村選管、都道府県選管とも連携を密にしながら、なおかつ福祉部局ともよく調整をしながら、効果的な啓発の方法を工夫してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 今の時点では我々、まだ十分検討し尽くしているわけではございませんけれども、例えば、在宅介護支援センターといったようなところがございますので、そういうところに制度改正の内容を置く、チラシが置けないだろうかとか、あるいは関係する団体、この辺もまだ福祉部局と御相談しなければ確たることは申し上げられませんが、ケアマネジャーとか民生委員とか、いろいろな集まる場等々もあろうかと思いますので、そういう場等も活用しながら、効果的な啓発を考えてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○山谷委員 ぜひ、効果的な啓発活動をよろしくお願いしたいと思います。 次に、中塚一宏議員秘書の、当時の秘書の江崎洋一郎事務所侵入及び窃盗事件について伺いたいと思います。 選挙活動の激化に伴い、卑劣な行為、日本版ウォーターゲート事件のごとき犯罪が去る五月四日にありました。自由党比例区近畿選出、中塚一宏議員の秘書による建造物侵入及び窃盗事件について質問を行います。今後このようなことがどの選挙区においても起きることのないよう祈りつつ、以下、調査をもとに論じていきたいと思います。 中塚一宏議員の私設秘書であった井上純容疑者は、中塚議員が次期総選挙の候補予定地とする神奈川十二区選出江崎洋一郎議員の選挙区事務所に、本年五月四日午後十時十五分ごろ、江崎議員の政治活動関連資料を窃盗する目的で、無断で作成した合いかぎを使用し侵入、資料等を物色した後、事務所内のパソコンを操作中、翌五月五日午前二時二十分ごろ、江崎議員秘書二名に発見され逃亡、同二時三十二分、事務所から数十メートル離れた路上で取り押さえられ、現行犯逮捕されました。 井上容疑者は、本年二月三日まで江崎事務所に運転手として勤務。二月四日以降無断欠勤後音信不通のため同月解雇されておりますが、事件当時は中塚議員の秘書をしておりました。 五月二十三日、横浜地方検察庁に起訴され、先週七月七日、横浜地裁にて被告人井上に対する建造物侵入、窃盗等事件の公判が行われ、検察側は一年十カ月の実刑を求刑、本日午後一時十五分に判決が下されます。 まず、井上容疑者の転職経過について、調査結果を時系列に、順を追って見ます。 昨年十一月ごろ、中塚議員の公設第一秘書が容疑者に接触、高収入を条件に中塚議員秘書への転職を勧誘。本年一月七日午前十一時ごろ、藤沢市消防出初め式の会場で、今度は中塚議員より直接転職の勧誘。一月中ごろ、容疑者は中塚事務所への転職を断るが、公設秘書は、二月七日開催の江崎後援会主催、新春の集いより前に、江崎事務所を直ちに退所するよう求める。 以上の経過内容は、当時、容疑者が江崎議員の秘書複数名に相談したことであります。その後、井上は、江崎事務所を無断欠勤、以後音信不通となり、退所しておりますが、これらの事実は、本件を所管する藤沢警察署が江崎事務所から事情聴取したものであります。 中塚議員のインターネットホームページ上、あるいは公判の場において、容疑者の中塚議員秘書への採用について、二月中旬に選挙区内の不動産業者から、江崎事務所を退所した容疑者を紹介され、二月十二日に中塚事務所事務局長と面接し、採用することにした、さらには、江崎代議士の元秘書として採用するのではなく、人間、個人として採用するのであるからと記載されております。これは、江崎事務所の秘書複数名に相談した内容とは異なります。 ここで、警察庁刑事局長にお伺いいたします。警察庁が事情聴取した供述調書は、検察庁へ送致されますね。いかがでしょうか。
○栗本政府参考人 刑事訴訟法などの規定に基づきまして、警察としては、捜査の結果作成されました書類や得られた証拠物を検察官に送致しているところでございます。一般論として申し上げれば、送致した事件につきまして、警察が事情聴取をいたし、また作成をいたしました供述調書につきましては、原則として検察官に送致しているところでございます。
○山谷委員 中塚事務所による引き抜き、合いかぎ作成、建造物侵入、窃盗と流れる一連の計画性について、次に、さらに公判について確認させていただきます。 公判における検察官の陳述、容疑者の供述を簡潔に説明いたします。 合いかぎ作成の動機について、容疑者は、江崎事務所から失踪する二月四日の数日前、江崎代議士情報を盗むためにいつか江崎事務所に侵入するかもしれないと思い合いかぎを作成と述べ、検察官からの、合いかぎをつくったのは中塚事務所への転職が決まっていたからではないか、他の職業であればつくる必要がないのではないかとの質問に、容疑者は、中塚議員秘書へ転職するかもしれないと思って合いかぎをつくったと発言しております。 犯行の動機について、中塚一宏事務所では侵入翌日の五月五日午前十時から第一回選対ミーティングを行う予定であった、容疑者は、事前に江崎代議士の現在の政治活動状況を把握していることが容疑者自身の職務上有利であると思ったと供述しております。合いかぎをつくった背景に計画性があるわけです。事実、検察側は、公判での求刑理由として、容疑者の行動は計画性があり、かつ、恩をあだで返す行為である、また選挙を基盤とする民主主義の根幹を揺るがす行為であるとし、一年十カ月の実刑を求刑しました。 ここで法務省にお尋ねします。通常、窃盗事件において、検察側の一年十カ月の実刑求刑というのは重いのでしょうか、軽いのでしょうか。
○樋渡政府参考人 検察当局におきましては、具体的事件における犯行に至る経緯、犯行態様、被害結果等、量刑に影響を及ぼす各種事情を総合的に考慮し、法定刑の範囲内で求刑を決しているところでございます。 委員お尋ねの中の実刑の求刑というところの意味が、いささか私もわからないところがあるのでございますが、この求刑に対しまして、最終的に裁判所におきまして、執行猶予を付するかどうかも含めて最終判断がなされるところでございまして、求刑は、法定刑の範囲内で適切にその事案に即した求刑をしているものと存じております。
○山谷委員 これから選挙区で挑戦する相手の事務所員を引き抜き、かつ事務所ぐるみで計画性を持った行為を行ってきたことは、政治と有権者の信頼を損ないます。加えて、政治家の最も大事な情報である名簿窃盗を目的とした行為は、政治活動妨害に当たり、また、支援者側から見ると、個人のプライバシーを侵す重大な犯罪であります。同選挙区の相手陣営の事務所員を引き抜き、秘書として採用したことこそ、本件を引き起こした重大かつ悪質な原因ではないでしょうか。 政治家としての道義的責任について、総務大臣の所感をお聞かせくださいませ。
○片山国務大臣 御指摘のお話については、私、具体的内容を承知しておりませんので、コメントは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、法律は守る、これは当然のことでございまして、法律に触れるようなことは何人もやるべきではない、こういうふうに思っております。
○山谷委員 時間が参りましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
○高橋委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○高橋委員長 速記を起こしてください。 次に、竹本直一君。
○竹本委員 自由民主党の竹本直一でございます。 自由民主党を代表いたしまして、郵便による不在者投票等にかかる問題について質問をしようと思いますけれども、先ほど山谷議員から御質問のあった中塚一宏議員の秘書の件について、一点だけ御確認をいたしたいと思います。 新聞の情報でございますけれども、今回の事件は、自由党の中塚議員の秘書が保守新党の江崎洋一郎議員の事務所に侵入し、後援会名簿を盗もうとして逮捕されたというふうに聞いております。後援会名簿といいますと、我々にとっては命の次に大事なものでございますけれども、政治活動を行っていく中でどうしても必要なものですから、公職選挙法上の罪、例えば、選挙の自由妨害罪に当たるのか当たらないのか、その辺を一般論として御教示いただければと思いますが、選挙部長、いかがでしょうか。
○高部政府参考人 お答えを申し上げます。 公職選挙法の罰則におきまして、後援会名簿の窃盗行為について、特にそれを罰した規定は存在しないところでございます。 御指摘ございました公職選挙法の選挙の自由妨害罪につきましては、公職選挙法の二百二十五条第二号が、選挙に関し、交通もしくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、または文書図画を毀棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもって選挙の自由を妨害した者は、四年以下の懲役もしくは禁錮または百万円以下の罰金に処するというふうに規定しているところでございます。 選挙に関しというのは、選挙に際し、選挙に関する事項を動機とする意味と解釈しているところでございます。また、偽計詐術等不正の方法をもって選挙の自由を妨害するというのは、選挙運動及び投票に関する行為それ自体を直接妨害するような行為を言うとされているところでございます。 いずれにいたしましても、個別具体の事案につきましては、具体の事実関係に即して判断されるべきものだというふうに考えているところでございます。
○竹本委員 先般の国会で個人情報保護法が成立いたしました。こういう大事な名簿を、外部の者あるいはケースによっては内部の者、そういった者が持ち去るということは考えられないではないわけでございますが、こういったことが個人情報保護法に違反するのかしないのか、その辺をちょっと、担当の内閣府の国民生活局長からお聞きしたいと思います。
○永谷政府参考人 お答え申し上げます。 個人情報保護法でありますけれども、これは先生よく御案内かと思いますが、事業者による個人情報の不適切な取り扱いで個人の権利が侵害される、それを未然に防止するというのが目的であります。 したがいまして、本件、事実関係、ちょっと私ども、詳細には知らないんですけれども、ある財物をとるという目的、そういう行為があって、それを処罰するということでありますので、それは個人情報保護法とは全く関係なくて、まさに刑法の規定で対応されるべきものであるというふうに考えております。
○竹本委員 事業者でないという意味ではわかりました。 それでは、本題に入りたいと思いますけれども、御承知のとおり、昨年の十一月に東京地方裁判所において判決が言い渡されております。この判決は、ALS患者の方々が求めておりました損害賠償請求は棄却されたわけですけれども、その理由の中で、こういった方々が選挙権を行使できるような投票制度自身が設けられていないことは憲法に違反する状態であったと言わざるを得ないとの指摘がされているところであります。 こういった指摘を踏まえまして、与党といたしましては、立法府としての責任を果たすべく、与党選挙制度協議会の中に難病者等の投票機会の拡大に関するワーキングチームを設置いたしまして、精力的に協議を重ね、選挙人の投票機会の拡大と選挙の公正の確保という、ある面では両者矛盾する課題をどのように調和していくのか、大変な議論をしたところであります。 その案において、郵便投票の対象者を介護保険の要介護五まで拡大し、郵便投票においても、上肢一級等、みずから投票の記載をすることができない選挙人に代理記載を認めようとするものでございます。今、この案をもとに与野党の協議が行われているところでございます。 そこで、お尋ねいたしますが、大臣、与野党において検討しているこの法案につきまして、どのように基本的にはお考えなのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。先ほど申し上げました二つの論理の調整、公正さと選挙権の拡大、これをどのように考えておられるか、お考えをお聞きいたしたいと思います。
○片山国務大臣 御承知のように、東京地裁の判決で違憲状態だと。これを解消するのは我々としては当然の務めだ、こういうふうに思っておりまして、私どもの方でも検討いたしておりましたが、なかなか難しい問題もあると。こういうときに、与党でプロジェクトチームをおつくりになって案をまとめられた、また、その案をもとに今、与野党間で精力的に協議が進められて結論をお出しになる、こういうことでございまして、私は大変、立法府としての与野党の御努力に敬意を表したい、こういうふうに思っております。 結局、問題は、選挙権は国民の基本的な権利ですから、これを拡大することは当然なんですけれども、選挙の公正をどうやって確保するか、それから、むやみやたらに人手とお金がかかるというのもまた困るわけでありまして、そこの接点が常に一番悩ましいところなんですね。そういう意味では、今回の案は、一つの大変有効な案ではなかろうか。 ただしかし、なお選挙権の行使が限定されている方もおられるわけでありますから、引き続いて我々としても検討してまいる、各党各会派においても引き続いて御検討をお願いいたしたい、こういうふうに思っております。
○竹本委員 ありがとうございました。 次に、幾分技術的な問題について、選挙部長にお聞きしたいと思います。 まず一点目ですけれども、今回の検討案におきまして、要介護五の方々を郵便投票の対象者に加えようとしております。要介護認定におきましては、有効期間は六カ月から一年の間で決まっているようでございますが、他方、郵便投票証明書の有効期間は七年ということになっております。 ところが、要介護五の認定をもらった人が、いろいろな努力の結果、要介護三とか四とかに改善することが間々あるというふうに聞いております。そうしますと、一たん七年間の証明書を出してしまうと、そのことが実態とそごするのではないか、そういう技術的なことをちょっと心配するわけでございますが、どのように取り扱うおつもりですか。お聞かせいただきたいと思います。
○高部政府参考人 委員から御指摘がございましたように、現在の郵便投票証明書の有効期限というのは、対象が症状が固定された身体障害者の方々ということもございまして、七年というふうな定めになっているところでございます。 これまた御指摘ございましたように、今回拡大を検討されておられます介護保険によります要介護五ということでございますけれども、厚生省からお聞きしますと、これまでの実績でも、要介護五から一定の期間で四とか三に移行した方が一〇%ちょっとぐらいはおられるというような状況のようでございます。症状が固定している状態じゃないということでございますので、なかなか制度的に、これまでと同じように七年というのは難しいのではないかというふうに考えております。 そもそも介護保険証というものに有効期間があるということでございますので、基本的には、政令で新たな対象者を要介護と規定する以上、そのような方々の郵便投票の証明書の有効期間というのは、要介護認定の有効期間に合わせる必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○竹本委員 では、もう一点お聞きいたしたいと思います。 選挙管理委員会に代理記載人を届け出させるわけですけれども、あらかじめ届け出した代理記載人が選挙当日、本人そのものが間違いなく投票しているかどうか、これまた確認しないと、別の人間がやる可能性だって十分考えられるわけであります。これからそういう細かいことは政令に任すというお考えだというふうに聞いておりますけれども、その辺の技術的な可能性のある問題点に対してどのような対応をとられるのか、お聞きしたいと思います。
○高部政府参考人 あらかじめ届け出をいただいた代理記載人と実際の投票の記載を行った代理記載人が同一人であるということの確認の問題でございますが、これを担保する方法といたしましては、代理記載人に登録するとき、あるいは投票用紙の請求時、投票時に書面を提出いただくということが有効な方法ではないかというふうに考えているところでございます。これも、かつての在宅投票が四十九年に現行制度に復活したときに、今の制度になっているわけでございますが、署名を求めるというような形でやっているところでございます。 ということでございまして、一つの方法といたしまして、登録時に代理記載人が署名した代理記載人となる旨の同意書を提出していただきまして、投票用紙の請求時には当該請求書に代理記載人の署名をしていただく、かつまた、投票時には、封筒に入れていただくことになりますので、この投票用紙を入れた外封筒に代理記載人の署名を求めるというようなことが考えられるのではないかというふうに思っているところでございます。 いずれにいたしましても、法律が成立いたしまして公布されましたら、法律の規定に従いまして適切な対応を十分検討してまいる、かように考えているところでございます。
○竹本委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、いずれにいたしましても、投票権の拡大というのは基本的に非常に重要なテーマでございます。ただ、その中で公正さがどのように確保されるか、事務当局においてきちんとした研究を重ねられていい結果が出るように御努力をお願いし、私の質問を終わります。 以上です。
○高橋委員長 次に、阿久津幸彦君。
○阿久津委員 民主党の阿久津幸彦でございます。 ALS、筋萎縮性側索硬化症患者が、郵便投票の代筆が認められていないため投票できず、選挙権を侵害されたとして国家賠償などを求めていた訴訟の判決が、二〇〇二年、昨年十一月二十八日に東京地裁でございました。原告の請求は退けられましたが、選挙権を行使できる投票制度が設けられていなかったことは違憲状態と認定されました。 ALS患者等の参政権確保を図るに当たり、民主党では、厚生労働、総務両部門に関連する、またがったプロジェクトチームをすぐに、この判決の後、四日後に、十二月二日に設置いたしまして、厚生労働の方を代表しまして参議院の谷議員が座長となり、そして私が総務の方から事務局長ということで、合計八回にわたる議論を重ねてまいりました。 その中で、先ほどいろいろ議論がありましたとおり、選挙権の機会拡充とともに、公平公正さをどういうふうに保つかというところに大変苦心いたしまして、巡回投票を検討したり、あるいは郵便投票の代筆者を民生委員とか選管委員に特定することなどを検討させていただいたわけなんですけれども、さまざまな協議がなされた結果、もし、あらしのときとか天候不順、あるいは地震等のさまざまな災害が起こったときにその確保ができない、つまり、選管委員や民生委員がその患者さんのもとに、代筆投票を行おうとする方々のもとに行けないというふうになった場合に、選挙そのものが無効になってしまうというおそれがあるために、こちらの方の検討は断念した経緯がございます。 そんな中で、民主党の方も、ALS患者等の選挙権行使の機会を確保するため、代筆による郵便投票の制度を導入するという趣旨で、公職選挙法の一部を改正する法律案を参議院に四月の三日に提出させていただきました。これは、みずから投票の記載ができないことの証明は身体障害者手帳を提示することによって行う、また、代筆による郵便投票の公正の確保については二年以下の禁錮、三十万円以内の罰金等罰則で担保することを想定した法律なんですけれども、今回、与党からも、身体に重度の障害がある選挙人について選挙権行使の機会を拡充する我々と同趣旨の法案が提出されたことは、大変喜ばしいことだと考えております。 また、立法府に当たる衆議院で、各党各会派がALS患者を原告とする東京地裁判決を重く受けとめる中、選挙権行使の機会を拡充する議論が速やかに行われることは、大きな意義があると考えているわけなんです。 そこで、大臣の方にちょっとお伺いをしたいんですけれども、先ほどの質問の中にも若干ございましたが、筋萎縮性側索硬化症、ALS患者が起こした裁判で、原告らが選挙権を行使できるような投票制度が設けられていなかったことは憲法に反するという二〇〇二年十一月二十八日の東京地裁判決について、政府としてどのように受けとめるのか、お伺いしたいと思います。
○片山国務大臣 既にお答えしましたように、大変厳しく受けとめました。違憲状態を続けていた、こういう東京地裁の判断でございますので、大変厳粛に受けとめまして、できるだけ我々としてもそれを打開するということを検討中でございましたが、今回こういう形でまとまって成立を目前にしているということは、大変結構なことではないか、こういうふうに思っておりますし、今後とも、投票の困難な方々の投票機会をさらに拡大していく、確保することについては、重要な問題であり、政府としても十分な検討をする必要がある、こういうふうに思っております。
○阿久津委員 私は、こういう選挙制度に絡む法律は、できれば本当は政府提出法案で出した方が各党各会派一致しやすいということで、そういう御努力をもう少ししていただきたかったなという思いもあるんです。ただ、確かに大臣がおっしゃっていたように、選挙の公正の確保を保つというのは、私どももこの法案をつくろうという努力をしておりましたので、痛いほどよくわかっております。今後とも、政府の方もぜひ引き続きよりよい選挙制度について御努力をいただきたいと思います。 それから、先ほど井上議員の方から改正した法の施行期日について質問がございましたので、繰り返しは避けますけれども、この法の実施に当たっては、来年の六月、七月には参議院選挙が予定されております、そして衆議院の任期の満了がその時期に当たりますので、ぜひその時期までには必ず実施していただけるよう強くお願いしておきます。 続いて、次の質問に移りたいと思うんですけれども、郵便投票の対象拡大について、要介護度五であるが歩行が可能な方々というのは、私が調べましたところ、その時々の病状によって違ってくるので一概には言えないんですけれども、一%から一七%ぐらいいらっしゃる。本来は、私は郵便投票の対象とすべきではない方々だと思うんですけれども、そうした方々、つまり投票所に行ける、実際には行って投票できる方々が郵便投票を行使した場合、公選法上の問題はないかどうか、お答えいただきたいと思います。続けまして、要介護度四以下で歩行が不可能な方々というのは、これもちょっと調べましたところ、三一%ぐらいいらっしゃるんですね。これらの方々については、郵便投票の対象とならないと考えてよいのかどうか。そこの二点を確認したいと思います。
○高部政府参考人 お答えを申し上げます。 委員御指摘がございましたように、これまで郵便投票の対象の拡大という議論をした場合に、これまでの制度が、歩行困難といいますか投票所に行くことが困難だというような概念のもとに、身体障害者手帳で下肢の一級だとかいうような形で級が指定されている、それとこの介護保険制度とのリンクをどう考えるか我々も検討させていただいて、難しさもあったところでございます。 今、委員御指摘ございました点につきましては、与党なりあるいは実務者の議論の中でもいろいろ御検討いただいたように思っておりますが、公的に投票所へ行くことが難しい人たちの範囲をこのように確定しようという観点から御議論がなされたものというふうに承知しておりますので、今回の法律で制度を決めていただいて、対象者を要介護五ということにされれば、要介護五の方々が投票されることについては当然のことながら法律で手当てするという形になりますので、問題は生じないというふうに考えているところでございます。 ただ、結局のところ、郵便投票対象者をどういう形で確定するのかということにかかわってくると思いますので、これは必ずしもぴったりの例と言えるかどうかわかりませんが、現行制度でも、下肢一級ということで、両下肢が動かないという方々が、例えば、車いすで投票所へ行くことはできるではないかというような議論もあり得るところでございますので、法律の制度としてどういうふうに対象者を確定していくのかという議論ではないのかなというふうに理解をいたしているところでございます。 それから、要介護のどの段階までかということでございます。これについても、確かに、御指摘がございましたように、介護保険の対象になっている方々について言いますと、症状が固定せずに日々多少変わる部分があるといったような面もございますし、それから、要介護五に限らず、四の方でも実質上投票所に行くことが難しいという方々もおられるというのは、そのとおりだろうというふうに思っているところでございます。 全体として郵便投票の対象をどう確定するかということで見たときに、これまで与党なり各党実務者の御議論の中で我々理解しておりますのは、要介護五というのを一つの範囲として考えたらどうかというふうに御議論されてきたものと承知しておりますので、このような御議論を受けまして、私どもとしては、政令で要介護五という指定をさせていただく、要介護四以下については、現時点においては政令で指定することは考えていないところでございます。
○阿久津委員 昭和二十七年に在宅投票が中止となった経緯と原因について伺いたいと思うんですが、これを踏まえて本法でどのような措置がとられたのか、簡単で結構でございます、お答えいただければと思います。
○高部政府参考人 簡単に御説明申し上げますと、昭和二十六年の統一地方選挙に際してたくさんの問題が生じたわけでございますが、私ども、大きな論点として三つ理解しておりますのは、一つは、対象について、虚偽の証明書によって投票したというようなパターンがございます。 それからもう一つは、投票用紙の請求そのものを知らない者、第三者がやったというようなパターン、それから、投票そのものを第三者が勝手にやったというようなパターンでございます。これらについて数が多かったものですから、その後、廃止されたわけでございますが、復活に際しまして、これらの課題に対処するために現行制度ができておるわけでございます。その現行制度の対処の方法というのが、今は、身体障害者手帳で対象者を確定して、それに基づきまして、事前に郵便投票証明書というようなものを発給して、それを添付して投票用紙を請求する、なおかつ、それらの請求については署名をつけていただくということで現行制度ができ上がっているものというふうに理解しているところでございます。 今回、各党で御議論、御検討いただいている中で私どもが理解しておりますのは、一つは、対象の範囲の確定については、介護保険というものを使って、介護保険証というもので確定していくということで、身障者手帳を使ったのと同じような仕組みで対象の確定をしていくというふうになっているものと理解しております。 それからもう一つは、罰則の担保を用意しておられるというふうに伺っておりまして、代理記載人が選挙人の指示する候補者の氏名等を記載しなかった等の行為は罰則をもって禁止されているということで、もう一つの担保ができていると思っております。 それからもう一つ、具体的な手続につきましては、私ども理解しておりますのは、現行の郵便投票のシステムに介護保険の五の方が乗るということでございますので、介護保険証に基づいて郵便投票証明書を請求していただいて、それに基づいて証明書を発給する、それを添付して請求していただくというような形で、対象者については今の形に準じたような議論がなされている、我々、そういう仕組みで政令等を考えていくというふうに理解しているところでございます。
○阿久津委員 運用面において、できるだけ公正公平な運用が保たれるように、今度新しい制度の導入ですので、選挙権が拡充される方々についても、それから郵便投票の代理投票が認められる方々についても、こんなことをすると罰則がありますよ、あるいはこんなことは選挙違反ですよ、法で罰せられますよということをぜひ事前にしっかりとPRしていただきたい、知らしめていただきたいというふうに考えていますことをお願いさせていただきます。 最後に、今回の改正法の施行状況を踏まえつつ、選挙権の行使が困難な方々の投票の機会をもっと積極的に確保すべきだというふうに考えておりますが、大臣の見解を一言で伺いたいと思います。
○片山国務大臣 先ほども申し上げましたが、この問題は重要な問題だと我々は認識しておりますので、今後とも、政府としても引き続き検討いたします。各党各会派でもひとつよろしくお願いいたします。
○阿久津委員 厚生省研究班報告書によりますと、ALSの患者さんの生存率についてなんですけれども、人工呼吸器非装着者では二・五年で死亡率が約五〇%に達し、七年後には九五%の患者が死亡される、人工呼吸器装着者でも八年で死亡率が五〇%に達し、十年後には七五%の患者が死亡するというふうに、大変進行度の強い病気だと聞いております。 この法の施行が速やかに行われること、それをまず繰り返しお願いしたいと思いますし、今後、引き続きすべての国民が選挙権行使の機会を確保できるよう検討を進めつつ、公平公正な選挙制度が確立することを願いまして、質問を終わらせていただきます。
○高橋委員長 次に、植田至紀君。
○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。 まず第一点目にお伺いしたいのは巡回投票にかかわる問題ですけれども、この間も国会審議等でも取り上げられてきた課題だろうと思いますが、少なくとも公正性の確保という観点からすれば有効な手段であろうということは、それぞれ共通認識だろうと思うんです。例えば、デンマーク等でもそうした先進的な事例というものがあるわけでございます。そしてまた、昨年の十一月二十八日の東京地裁判決で、この巡回投票制度にかかわって、技術的困難があるものの、導入することが不可能とは言えない、こういう文言があるわけでございます。この点について、恐らくこの技術的困難のところに力点を置いて、総務省さん、お考えであったかとは思いますが、とりわけ、立会人の確保や費用等々、今後、検討しなければならない課題等々あろうかと思います。 ですから、いかにこの技術的困難を乗り越えていくかという観点でお考えなのかどうなのか、そしてまた、そういうことを前向きにお考えであるとするならば、具体的に乗り越えなければならない課題というものがどういうものなのか、この点について御教示いただけますか。
○高部政府参考人 委員から御指摘ございましたけれども、昨年の十一月二十八日の東京地裁の判決では、理由の中で、「巡回投票制度の技術的困難性が指摘されてはいるものの、不可能であるとの説明がされているわけではないし、」ということで、こちらの立証が十分じゃなかったというふうなことが触れられているところでございます。 巡回投票制度については、これまでも御指摘ございました。やはり巡回といいますか、公的な職員等々が立ち会うことをすれば、選挙の公正確保という面ではよりすぐれている面があるだろうというふうに考えられるところでありまして、この御指摘ございました巡回投票、詳しい具体的な内容については必ずしも承知していないところがございますけれども、御指摘ございましたデンマーク等でこのようなことがやられているというようなことも承知しているところでございます。 この巡回投票につきまして私どもが考えておりますのは、ともかく、短い選挙運動期間内に、限られた人員あるいはいろいろな選挙の事務に忙殺しております選挙の管理機関が、すべての対象者を巡回することがそもそも可能なんだろうかという点がございます。それともう一つは、特に多数の該当者がおられる地域でございますとか交通至難な地域における実情はどうかといったような点もあるわけでございます。例えば、離島等への巡回といったようなことが事実上可能なのかどうかといったようなこともあるわけでございます。 それともう一つ、特に危惧する点でございますが、巡回をするということをいたした場合に、いろいろな事情で、例えば、離島ですと船が欠航することでありますとか、あるいは離島ではなくても国内の交通事情でおくれる、あるいは行けなくなったといったような場合に、これは、選挙人の方の御都合でできなくなったということであれば投票しなかったということだけの問題であるんですが、選挙管理機関の都合で投票できなかったということになりますれば、選挙の管理の規定に関する違法というようなことも問題にされ、選挙のやり直しといったようなことも問題にされるのではないか等々の困難な問題があるというふうに承知しておりまして、私どもとしては、この巡回投票の問題については慎重な検討が必要な事項なのかな、かように考えているところでございます。
○植田委員 その辺の困難性もわかりますし、実際、巡回投票という制度があって瑕疵があった場合、それで訴訟提起されたら、これは片っ端から乗り切られへん訴訟だろうと思いますよ。 ただ、今ちょっとひっかかったのは、例えば、海外の先進的事例について子細に承知していない、聞いてはおりますがとおっしゃった、そこが非常にひっかかるんですよ。 というのは、後ほど委員長から提案がある今回の法改正も、そもそもこの間のALSの国賠訴訟で、先ほどから議論にありましたように、現行選挙制度は原告たちの選挙権行使の機会を奪うもので違憲状態にあると。これは、もう既に片山総務大臣は先ほどの質疑の中でこうした判決を厳粛に受けとめるとおっしゃっていたので、改めて大臣に伺いませんけれども、少なくとも、今まで投票機会をどう保障するのか、そして公正の確保、その調和が大事だ、きょうの答弁にもありました。そういうことを言って、実際に投票機会が一〇〇%保障されていない実態というもの、それを解消するのは困難ですよ、困難ですよと言っているだけじゃあきませんよというのが違憲状態だと言っている、ここが含意するところだろうと思うわけですよ。 とするなら、確かに、例えば、日本みたいな島国でしたら、何百人しか住んでへんところに一人か二人、やはり巡回で行かなければいかぬ人がおるということであれば、ミスは許されないわけですし、実際の人手の問題等々もあるでしょう。ただし、そうした投票機会をきちっと確保する観点から検討しなければならない課題であることが認識されているのであれば、まず、海外の先進的な事例をきちんと調査するべきじゃないですか。 巡回投票制度といった場合、巡回投票を含むそうした制度、例えば、近場に投票所があって、そこまで車にさえ乗っかっていけば何とか書くことができるというような人がおれば、それはそういう送迎でもいいわけですよね。そういうことも含んだ制度を考えればいいわけですよ。実際、デンマークだってそうですよ。ただ単に投票箱をただ持って回っているだけじゃなくて、幾つかのそうした手法を組み込んだ制度なわけですよね。 だから、そうした海外の先進的事例等々をまずきちんと調査をする、そして御研究なさる。その上で論点整理をなさって、では、日本の選挙制度のもとで、また日本の特性の中でどういうことが可能なのかということを前向きに検討する姿勢ぐらいお見せになっていいんじゃないですか。まずそうした、既に先行事例というものをきちんと調べて、そして、それを見合わせながら、今後、日本の実情に合わせた検討をする可能性があるのかどうなのか。
○高部政府参考人 失礼をいたしました。私どもも、書面等の調査によりまして外国の制度もできるだけ把握するように努めているところでございます。 先ほど申し上げましたのは、いろいろな制度の運用というのは、各国でいろいろな事情があるものですから、具体的な回し方について承知しないところがあるという趣旨で申し上げたところでございます。委員御指摘のように、こういう重要な課題でございますので、外国の制度につきましても、私ども、なかなか直ちに出張できるということも申し上げられないんですが、できる限り実情の把握に努めまして、そのような情報を踏まえまして検討を進めたい、かように考えているところでございます。
○植田委員 今の高部部長の話によると、巡回投票も検討課題だということで課題設定をされているということですので、次に進みます。 いわゆる視覚障害者の方々は、選挙が始まったら、まさに選挙情報の入手が困難になるわけです、情報障害者と言われるゆえんでございますが。実際、選挙期間が短縮されていること等々、たしかこれにも点訳等の作業、読み下し等の困難な作業があるかと思うんですが、点訳等が結局は候補者名、略歴にとどまっている。例えば、肝心なそうした政見や公約ということまでいっていないわけですよね。 だから、そうした状況の中で、言ってみれば、選挙に当たって、投票行動をするに当たって必要な情報を、少なくとも視覚障害者とそうでない方との間には情報の格差があることは否定なさらないと思います、それは当然あるわけですから。それはなぜか。例えば点字、録音等々による選挙公報であるとか、手話、字幕つきの政見放送というものが、少なくとも法律上は担保されていない。だから、そのことによって選挙情報を知る権利というものが結果的には制限されてしまっている。 この点については、今後どうした対応を考えられますか。
○高部政府参考人 委員既に御案内のことかと思いますけれども、点字による選挙公報につきましては、各選挙管理委員会が限られた期間内に誤りなく調製ができるのかどうか、調製したものを対象者に公平に配付することができるのかというような技術上の問題点があるということで、制度化されていないということでございます。 それから、選管が選挙公報の内容を朗読したものをテープに録音して配付するといったことにつきましては、必ずしも公報の全文が文章形式になっていない、それらを朗読する際には要約や原文の加工が必要となるといったようなことがございまして、選挙の公正の確保の観点から選挙管理委員会が作成することは困難だというところでございます。 なお、視覚に障害のある有権者が投票しやすいようにということで、都道府県の選挙管理委員会におきましては、候補者の氏名や経歴等を記載した選挙のお知らせ版を配付しているところでございまして、平成十三年七月の参議院通常選挙に際しましては、全都道府県で発行されたということでございます。 また、政見放送の字幕の付与でございますけれども、現在のところで申し上げますと、衆議院の小選挙区選挙の政見放送につきましては、持ち込みビデオ方式が採用されておりますことによりまして、字幕を付することができるということになってございますが、その他の選挙につきましては、これも収録期間が短い中で多数の収録を行わなければならない、時間的な対応の困難性があること、それから、字幕に表示できる文字数に限界がある、政見内容を放送事業者等において要約することについては選挙の公正の確保から問題があるということで、解決すべき問題があることから制度化されていないところでございます。 今後とも、技術の進展等を踏まえまして、障害者の方々が投票をしやすい環境をつくることができますように、選挙の公平公正の確保にも留意しながら、幅広い観点から検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○植田委員 今の御説明で、具体的にどんなことをやってはるのかということは、非常によくわかりました。 ただ、今私がお伺いしたのは、例えば、選挙のお知らせというものが配布されていると。その中身自体が、実際にそうした視覚障害者の方々にとって、投票行動するに当たっての判断材料として、やはり限定的であるでしょう、情報格差が既にあるでしょうと。だから、そのことはわかっているんです。 しかも、何でできていないかといったら、技術的に困難だと。私が聞いているのは、では、技術的に困難であるということで、今までぎりぎりそこまでやってこられた前向きな姿勢は、私は評価しないわけではありませんが、技術の進展を待ってやりましょうということではなしに、衆議院はいつあるかわかりませんが、選挙は決まったようにあるわけですから、必ず。だから、それに合わせてそうした困難性をどうクリアしていくのかということについて、どない検討されているんですか、どう考えておられるんですかということを、やや具体的に伺いたかったんですよ。いかがですか。
○高部政府参考人 技術的困難性というのは、結局のところ、先ほど申し上げましたように、選挙の短い期間の中でそれをどういう形でつくって配布していくのかというところにあるわけでございます。それぞれ、都道府県選管におきましては、いろいろな団体の協力を得ながら検討を進めているところでございます。私どもの方も、点字の協会等々にもいろいろ御意見を伺いながら、どの程度までできていくのかといったようなことも検討させていただいているところでございますが、現状ですべてやっていくのでは、なかなか対応できないというのが現状でございます。 ただ、どうしていくのかということでございますが、私ども、選挙の世界だけでこの種のインフラをすべて整備するというのはなかなか難しいところがございますが、技術の進歩がございますので、例えば、字幕放送等についてもいろいろな検討が進められているやにも聞いております。それから、印刷等の技術についてもいろいろな試みがなされているというふうにも聞いておりますので、こういうものを我々もフォローしながら、でき得る限りの対応を検討していく必要があるのかな、かように考えているところでございます。
○植田委員 やに聞いているとか、かなやったら、これはあかんのですよ。やりますとおっしゃっていただかなければ、やらなあかんのちゃうかなと思っていますやったら、あかんわけです。 というのは、よく投票機会の確保と公正の確保の調和とおっしゃいますけれども、調和といった場合、どっちか立てればどっちかが問題が起こるという意味で、やや対立する概念になるんですが、今回のこの視覚障害者、情報障害者と言われる方々の問題というのは、そもそもそういう形での情報提供しか受けていないことによって投票機会も十分じゃない、その一方で、選挙の公正性の確保からいっても、与えられる情報が他の有権者と違うわけですから、両方とも沈んじゃっているわけですよ。非常にここはゆゆしき問題だと思うんですよ。 だから、やに聞いています、かなじゃなくて、具体的にどうしたことをすればできるか、これから考えたいということを、最後にもう一回言うてください。
○高部政府参考人 私どもとしても、この問題は大変重要な課題だというふうに認識しておりますので、無論、こういう情報をとり、あるいは検討するに際しても、どのような形で進めれば有権者の方々の情報格差を解消できるのか、情報を提供できるのかという観点から検討しているところでございます。 いずれにいたしましても、いろいろな技術進歩等々も含めまして、十分情報を把握しながら検討を進めていきたい、かように考えているところでございます。
○植田委員 時間が参りましたので、終わります。
○高橋委員長 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 私は、厚労省と総務省に事実をきょうは聞きたいと思います。 資料を配付していただきたいと思います。 資料の1を参照していただきたいと思います。 鹿児島県に在住する医療法人宮内クリニックと医療法人厚生会は、医療施設設備整備費補助金を、患者サービス改善設備整備事業を対象にして、直接に平成十一年三月二十六日に交付を受けていることを確認したい。 次に、資料2を見ていただきたいと思います。 宮路和明後援会明翔会の政治資金収支報告書に、医療法人厚生会から、平成十一年の四月から十二月まで毎月二万円の献金が記録されていることを確認したい。 資料3を見ていただきたいと思います。 代表者が宮路和明氏である自由民主党鹿児島県第三選挙区支部政治資金収支報告書には、医療法人厚生会から平成十二年一月から三回各二万円の献金が、医療法人宮内クリニックから平成十二年一月に十八万円の献金が記載されていることを確認してほしいと思います。
○篠崎政府参考人 医療法人厚生会立神リハビリテーション温泉病院につきましては、平成十一年三月一日付で患者サービス改善設備整備事業補助金の交付申請がございまして、同じ十一年三月二十六日付で交付決定を行っております。 また、医療法人宮内クリニックにつきましては、十一年三月二日付で申請がございまして、十一年三月二十六日付で交付決定を行っております。
○高部政府参考人 お答えを申し上げます。 宮路和明議員が代表者でございます宮路和明後援会明翔会、同議員の資金管理団体でございますが、平成十一年分の収支報告書を確認したところ、医療法人厚生会から、平成十一年の四月二日付、五月七日付、六月二日付、七月二日付、八月三日付、九月二日付、十月四日付、十一月二日付、十二月二日付と、それぞれ二万円の寄附を受けた旨の記載があるところでございます。 また、宮路和明衆議院議員が代表者でございます自由民主党鹿児島県第三選挙区支部の平成十二年分の収支報告書につきまして、鹿児島県選挙管理委員会に確認いたしましたところ、医療法人厚生会から、平成十二年一月四日付で二万円、同年一月三十一日付で二万円、同年二月二十九日付で二万円の寄附を受けた旨の記載があるとの報告を受けているところでございます。 また、宮路和明衆議院議員が代表者でございます自由民主党鹿児島県第三選挙区支部の平成十二年分の収支報告書につきまして、鹿児島県選挙管理委員会に確認いたしましたところ、医療法人宮内クリニックから、平成十二年一月四日付で十二万円、同年一月三十一日付で六万円の寄附を受けた旨の記載があるとの報告を受けているところでございます。
○穀田委員 今、厚労省と総務省から確認がありましたように、私が今提出した資料1、2、3という事実が確認されました。 そこで、政治資金規正法第二十二条の三は、こう書いているわけですね。「国から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金」、若干、中は省きますが、「の交付の決定を受けた会社その他の法人は、当該給付金の交付の決定の通知を受けた日から同日後一年を経過する日までの間、政治活動に関する寄附をしてはならない。」そう書いてあるわけですね。 したがって、この条項に、今の二つの事実、つまり、厚労省から補助金を直接に受けている、そして、そういう団体から献金を受けているということは、明らかに違反するのではないかと思うのですが、いかがですか。
○高部政府参考人 委員御指摘ございましたように、政治資金規正法の第二十二条の三、第一項におきましては、国から補助金等の交付を受けた会社その他の法人は、当該補助金等が試験研究、調査または災害復旧に係るもの、その他性質上利益を伴うもの等である場合を除き、交付の決定の通知を受けた日から一年を経過する日までの間、政治活動に関する寄附をしてはならないとされているところでございます。 具体のお尋ねがございましたけれども、私どもといたしまして、当該補助金の詳細を承知いたしておりませんので、個別具体にこれが違反に該当するのではないかということについてはお答えいたしかねますので、御理解を賜りたいと思います。
○穀田委員 なぜ私がこれを問題にしているかといいますと、宮路和明議員は政治資金規正法与党改正案の提案者の一人なんですね。厳しく身を律しなくちゃならぬ、そういう職責にあると私は思います。私の思うには、提出者が、この第二十二条、いわゆる寄附の質的制限というものに対して明らかに違反している、この事実は私は明白だと思います。 その上に、第二に、今、政府・与党が提出しようとしている政治資金規正法の改正案というのは、どんな意見があるかといいますと、マスメディアでさえ、「不透明さ増すだけの与党案」、これは毎日です。「献金公開基準の緩和は筋が違う」、読売です。朝日も東京新聞も産経新聞も批判が強いものです。 ここで大事なのは、この公開基準の事実上の不透明さを増すやり方というのはどうなるかといいますと、私が調べて指摘をした宮路氏の献金の事実は、現在の法律のもとでは明るみに出すことは可能なんです。ところが、与党改正案というのは、寄附者の金額の合計額が二十四万円以下かつ毎月二万円以下であるもの、かつ振り込み等をした者については氏名住所等を収支報告書に記載しなくてもよい、こうなっているんです。 となりますと、今回の宮路氏の政治資金規正法の違反の事実は、まさに水面下に潜ってしまうわけですね。だから、こういう事実を隠したいためにやるのかと言わざるを得ないということ、したがって、与党が改正案を提案する何の道理もない、このことを指摘しておきたいと思います。 次に、ここできょう議題になっています郵便投票にかかわる問題について、若干質問をしたいと思います。 すべての国民が選挙権を行使できるように保障するというのが、今改正の本旨だと私は思うんです。在宅投票制度についていえば、七四年の公選法改正のときに、「今後さらに拡充の方向で検討すること。」との附帯決議が全会一致で行われたにもかかわらず、なかなか実現せず、選挙権を行使したいと願っても、障害を持つ有権者は、その機会が十分保障されないできました。 しかしながら、昨年十一月のALS国賠訴訟や本年二月の引きこもり症状を持つ人の選挙権国賠訴訟の地裁判決や運動、国会の質疑を受けて、長年議論されてきた問題がようやく前進しようとしていると思います。 今回の改正は当然のことですが、問題はこれだけにとどまりません。選挙権の行使を保障するために、投票者本人の意思が十分に保障されるよう必要な手だてをとることが私は求められていると思います。 これに関連して、点字投票について、すぐにでも改善すべき問題に絞って質問します。 一つは、投票所で点字投票ができることになっているが、二つ以上の投票がある場合、投票用紙の色は変えてあっても、視覚障害者用に点字が打たれていないところもある。こういうことは、すぐに運用で改善できるのではないでしょうか。
○高部政府参考人 現行法上でも、投票用紙に点字で識別するということは禁止されているところではございませんし、平成十四年の六月の兵庫県の加古川の選挙におきまして、この区別を、区別といいますか、点字を付するということを実施したところでございます。 私どもといたしましては、ことしの統一地方選挙に向けまして、本年一月に、都道府県、指定都市の選挙管理委員会の委員長、書記長会議を開いたところでございますが、この際にも、点字表示の実施について検討してほしいという旨を各選管にお伝えしたところでございます。今把握しているところによりますと、四月十三日に行われました都道府県知事の選挙におきましては九都道府県で点字による表示が行われたというふうに聞いているところでございます。 いずれにいたしましても、この点字表示というのは、複数の投票が行われるときに投票用紙を区別する。現に、御指摘ございましたように、複数の選挙のときに選管が渡し間違いをいたしまして投票が無効になるといって話題になったケースもございました。識別できるということは有効でございます。そういうことでございまして、今後とも各選挙管理委員会に対しまして前向きな検討をお願いしてまいりたい、かように考えているところでございます。
○穀田委員 今お話があったように、無効になった例もあるわけですね。同時に、答弁にありましたように、表示はまだ九つの県なんですね。したがって、最低限こういう問題については、もちろんそれぞれの主体性や自治というものを尊重しながらも、やはり貴重な一票をそういう形でなくさないように努力することは当然だと私は思います。引き続き改善をお願いしたいと思います。 もう一つは、最高裁裁判官任命の後に行われる衆議院選挙時の国民審査の投票の問題です。 この国民審査法、法律において、通常、罷免を可とする裁判官にペケですね、これを記入することになっているけれども、点字による投票は、第十六条により、「投票用紙に、罷免を可とする裁判官があるときはその裁判官の氏名を」、こうやって書きまして、フルネームで記入しなければならない。ただでさえハンディがあるのに、さらに重い負担がある。こういうことこそ、早急に改善していくべきではないでしょうか。
○高部政府参考人 最高裁判所の裁判官の国民審査の、点字による審査の投票でございますけれども、委員御指摘ございましたように、現行の制度は、通常の場合ですと、記号式といいますか、裁判官の氏名にバツ印をつけるということになっているわけでございますが、点字の投票の場合には、裁判官の氏名を点字による記載をするという格好にさせていただいているところでございます。これは、点字によりまして記号式の投票用紙を作成して投票を行わせることは、投票用紙の作成が非常に困難だという技術的理由によるところでございます。 かねて、これにつきましてはいろいろな議論がされたところでございまして、かつての議論は、投票用紙に点字で裁判官の氏名を記載しておいて、そこに同じように点字によって印をつけるというような方式はどうかというような議論もあったやに聞いております。 これにつきましては、後で申し上げる理由もあるのですが、もう一つは、そもそもちゃんとしかるべきところの印の記入ができるのかどうかといったような議論もあったようでございまして、最近、御議論いただいておりますのは、各裁判官ごとに点字の冊子といいますか、紙をつくっておきまして、可とする裁判官の部分だけ一部破るというような方式はどうかというような議論もあるところでございます。 ただ、いずれにしましても、投票用紙のといいますか、審査の用紙の作成というのを、衆議院選挙に合わせて行われますので、日本国じゅうでこういうものを限られた期間の中で用意できる体制がとれるかどうかというと、なかなか現状では困難だというような実情でございます。私どもも各県の意見等も伺っておりますが、なかなか難しいのが現状でございます。 この問題につきましては、今後とも、どういうことがあり得るのかといったような観点から、検討、研究は続けてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○穀田委員 一言だけ。 今ありましたように、技術的問題はクリアする努力をしてほしいと思うのです。ただ、実態は、例えば、調べますと、この間の総選挙で、小選挙区の投票者は約六千万いるんですね。そして、最高裁の投票も大体六千万で、大体九六・八%が国民審査をやっているのですよ。ところが、点字による投票でいいますと、大体七八・六と、極端に下がるんですね。 つまり、ここに、そういうふうに実態にそぐわないという事実を歴然と示しているわけですね。だから改善をということを言っているわけですから、私は、そういう点での改善を改めて、技術的問題を何とかクリアして、いわば今日の本旨といいますか改正の本旨に基づいて、多くの方々が障害をクリアしてやっていけるような努力をすべきだということを改めて強調して、質問を終わります。
○高橋委員長 次に、高橋嘉信君。
○高橋(嘉)委員 自由党の高橋嘉信でございます。 冒頭、先ほどの保守新党山谷えり子委員の発言について申し上げます。 客観的な事実に基づくことなく、中塚事務所が事務所ぐるみでとの発言に対し、強く抗議申し上げます。 では、本題に入ります。 従来は重度の身体障害者あるいは一定の規定に基づく戦傷病者に限られていた在宅投票の範囲を拡大するという趣旨、本法案でありますが、これは理解できるわけであります。 そこで、ちょっとお伺いしたいんです。 対象四十万人中、要介護五の方々でございますが、対象四十万人中、在宅十四万人、そして施設に入っている人たちが二十六万人とのお話であります。施設でも五十床以上であれば不在者投票が担保されるわけでありますが、在宅十四万人、以外二十六万人、そして五十床以上、未満、すべての四十万人の人がちゃんと投票できるように担保される仕組みができ上がるのかどうか、御見解をお伺いしたいんです。
○高部政府参考人 要介護五の対象の方々が四十万人、施設に入っておられる方が二十六万人。残りが十四万人で、既に身体障害者手帳等で登録された方が二万人ぐらいということで、十三万人ぐらいが新たな対象かということで考えておるところでございます。 この要介護五に認定された方、要介護が保険証で五となっている方につきましては、この法律が成立し、政令で要介護五が郵便投票の対象となると定められれば、すべてが郵便投票証明書の発給を求めることが可能となりますので、郵便投票証明書を求めていただければ、その発給をしていただければ、それに基づいて郵便投票が可能になるというふうに考えているところでございます。
○高橋(嘉)委員 では、五十床以上の施設で不在者投票を行うことは、不在者投票が行われるところであっても、郵便投票をしたいという申請をすれば可能ということですね。
○高部政府参考人 施設への入所というのはいろいろな形態があろうかと思いますが、病院等への一時的な入所で、その際にやるようなパターンもあるわけでございます。 郵便投票の対象というのは、ただいま申し上げましたように、今までの議論でいいますと、要介護五ということを対象として指定いたしますので、それらの方々は申請できることになっておるというふうに考えています。
○高橋(嘉)委員 では次に、代理記載についてお伺いしたいんであります。 代理記載をする者の登録は各種選挙ごとに選挙人が選考する仕組みにすることが、選挙の公正確保という点で最も重要であると私は考えるんでありますが、御見解をお伺いしたいのであります。 例えば、立候補者と代理記載者との関係、要介護者とヘルパー、介護する者とされる者、また本人が投票意思を示し得なくなった場合、また選挙人が代理人を変更したい場合、代理人と公職の候補者との関係がある場合等々いろいろ想定できるんでありますが、この代理記載をする者の登録は柔軟的なものになるのかどうか、御見解をお伺いしたいのであります。
○高部政府参考人 私どもが承知している範囲で、今検討されている法案におきましては、選挙人があらかじめ市町村の選挙管理委員会の委員長に届け出た者に投票に関する記載をさせることができるということになっておると承知しているところでございます。 これまでの検討の中で、この代理記載人の届け出というものは、選挙の都度やるべきだということではなくて、登録すればそのまま使える、そのまま、有効期間といいますか、有効な期間の範囲内で行えるということで議論をいただいているというふうに、私どもは承知しているところでございます。結局のところ、代理記載人を選挙のたびごとに届け出るということもひとつ考えられるとは思いますけれども、選挙人の手続をどう考えるか、選挙人の便宜をどう考えるかということが一点ございます。 それから、結局、選挙のときといいますと、選挙の行われる一定期間に限られるということになりますので、その期間内にいろいろな事情でできなかったということになると、投票の機会を狭めることではないのかといったような議論も考えられるところでございます。 私どもといたしましては、現在、これまでの与党なり実務者の御議論を踏まえまして、無論のことながら、一たん登録したら変えられないということではなくて、変更したいと有権者が考えれば、当然、変更できる仕組みを考えるところでございますが、一たん登録すれば、その都度ということではないような仕組みで考えたいと思っているところでございます。
○高橋(嘉)委員 いずれ、その実務者の方々の検討課題にしていただきたい。 と同時に、運用の面あるいは投票の公正さの確保という点で留意していただきたいということで申し上げたわけであります。いずれ、「政令で定めるところにより、」とありますし、運用を担う立場からの御見解を伺ったわけであります。 では次に、代理記載する者の要件として「選挙権を有する者」とありますが、この理解であれば、選挙権を有する日本人、二十歳以上であれば全国どこに在留する者であってもその対象となり得るということなんでしょうが、確認の意味で、ちょっと教えていただきたいんです。
○高部政府参考人 「選挙権を有する者」ということで御議論されているというふうに聞いておりますので、居住要件、選挙権とのリンクだけで、その他のものについて特段の要件は定められていないものというふうに理解しておるところでございます。
○高橋(嘉)委員 運用を担う立場からの御見解をちょっとお伺いしたかったのでありますが、この法案の内容では、代理記載する者は複数の依頼を受けられ、その制限もないように思われますが、問題はないのでしょうか。特定の団体では宗教団体の影響等々いろいろなことが想定できるんですが、運用を担う、投票の公正さ、そういった視点から、運用を担う立場からの御見解をお聞かせいただけませんでしょうか。
○高部政府参考人 検討されている法案におきましては、一人の選挙人が、何といいますか、行える代理記載、つまり複数の選挙人から、代理記載人になることについて、特段の禁止規定はないというふうに理解しているところでございます。 まあ、いろいろなことが考えられないわけではございませんけれども、選挙の限られた期間の中で現実的に代理記載をするということになりますと、一般的には身近な方がなられる場合が多いのかなというようなことも想定しておりますが、極端に言えば、それは一人の方がたくさん受けるということも法律上は可能だとは思いますけれども、現実の運用の中では、おのずから適切な範囲で行われるものではないのかなというふうに考えているところでございます。
○高橋(嘉)委員 では、施設や病院等での不在者投票に際しては、代理記載を行うことが現在でもできるわけであります。その根拠となる公選法施行令の第五十六条三項の規定では、一人の立会人のほかに、「当該選挙人の投票を補助すべき者二人をその承諾を得て定め、その一人の立会いの下に他の一人をして投票の記載をする場所において投票用紙に当該選挙人が指示する公職の候補者一人の氏名を記載させ、これを投票用封筒に入れて封をし、」とあります。 しかしながら、本法案では、在宅にもかかわらず立会人もなく、代理記載の依頼を受けた者一人によって投票が完結することになりますが、選挙人の投票意思が公正に行われるかという点については、運用をされる立場から、問題はないのでしょうか。
○高部政府参考人 御指摘ございましたように、投票所でございますとか不在者指定施設等における代理投票の場合には、二人の立会人が要るという形をとっているところでございます。 制度の立案として、複数でやるような仕組みというのも当然、議論はあり得るんだろうと思います。与党等の議論の中で特に複数ということになってございませんが、実際上、複数でやった場合に、投票管理者のもとで複数というやり方に一つの意味はあろうかと思いますけれども、不在者投票管理者のいないところの複数ということで、代理記載人等の選任が選挙人の意思にかからしめているということになっておる状況からしますと、複数をやることにどれだけ意味があるのかどうかといったようなこともあろうかと思います。 ただ、制度的にいいますと、代理記載人の不正行為につきましては罰則が検討されているというふうに聞いておりまして、指示に従わない場合、あるいは投票を無効にするために外封筒の記載をちゃんとやらなかったような者についての罰則が規定されておるところでございまして、このようなものによって担保しようというお考えで議論がなされているものだというふうに理解しているところでございます。
○高橋(嘉)委員 いずれ、投票を適正に行われたかどうかの確認が必要ではありませんか。罰則適用、しかし前例はないと。僕は、本当に投票の機会の拡大をしていくことは、非常に趣旨は、冒頭申し上げましたように理解できますし、賛成なのでありますが、中身としてしっかり詰めるべきは詰めるべきであろうと思うから申し上げているわけであります。 では、時間もありませんので、最後に、これは大臣にお伺いしたいのでありますが、現在、五十床以上の病院、老人ホーム、あるいは精神障害者の施設等で行われております不在者投票についてお伺いいたします。 この不在者投票の日時をあらかじめ各候補者に通達し、各陣営からの立会人を任意法として定める、立会人が立ち会うことができる、それを任意法として定める必要があるのではないかと私は考えております。選挙の公正確保に寄与すると思うのでありますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○片山国務大臣 立会人もいろいろありますけれども、投票立会人というのは開票立会人や選挙立会人と異なっているんですね。開票や投票の立会人は、ある意味では候補者の利益を代表する、チェックする、こういう性格を持っておるんですけれども、投票立会人は、公益的といいますか、そういう意味で純粋、中立な人が投票事務に参与する、こういう仕組みにしておりますので、候補者が、自分のダミーと言ったらいけませんけれども、そういう身がわり的な人を送り込むことは制度としては考えていないわけでありまして、そういう意味で、施設の長が不在者投票管理者でございますので、この施設の長が今選任している、こういう建前でございます。いろいろな議論はあるいはあるかもしれませんが、現在の制度としてはそういうことでございます。
○高橋(嘉)委員 投票においては、開票の立会人との意味合いが違うということですが、しからば、各投票区の立会人をもう少しふやして、投票区には立会人も定められるわけでありますから。今いろいろ疑念が抱かれております、当該施設の理事長あるいは、事務局長だけがいて行われている、これだけではおかしい。 投票が公正に行われたかわからないという問題にこたえるためには、例えば、そういう地域での立会人の人たちにその施設の不在者投票の際に向かわせるとか、要は公正の確保に前向きに取り組む必要があると考えますが、再度大臣に見解をお伺いしたいんです。
○片山国務大臣 今、委員が言われるように、そういう議論も確かにあるんですよ。そこで、これについては我々ももっと幅広に検討しなきゃならぬと思いますけれども、いずれにせよ、選挙の公正について疑問を抱かれないようなやり方について、選挙管理委員会の意見も聞きながら、それぞれの選挙管理委員会でも工夫してもらおう、こう思っておりますので、御指摘は十分受けとめてまいります。
○高橋(嘉)委員 ありがとうございました。 ————◇—————
○高橋委員長 次に、公職選挙法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来各党間において理事会等で御協議いただき、意見の一致を見ましたので、お手元に配付いたしましたとおり、起草案を委員長から御提案いたしたいと存じます。 本起草案の趣旨及び内容について御説明申し上げます。 本案は、身体に重度の障害がある選挙人について選挙権行使の機会を拡充するため、郵便等による不在者投票の対象者を拡大するとともに、郵便等による不在者投票をすることができる選挙人のうちみずから投票の記載をすることができないものとして政令で定めるものについて、代理記載の制度を設けるほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。 その主な内容は、第一は、郵便等投票の対象者の拡大についてであります。 現行法においては、郵便等による不在者投票をすることができる選挙人は、身体障害者福祉法第四条に規定する身体障害者または戦傷病者特別援護法第二条第一項に規定する戦傷病者であるもので政令で定めるものとされております。 本案は、郵便等による不在者投票をすることができる選挙人として、介護保険法第七条第三項に規定する要介護者であるもので政令で定めるものを加えることといたしております。 第二は、郵便等投票における代理記載制度の導入についてであります。 現行法においては、郵便等による不在者投票は選挙人がみずから投票の記載をすることとされており、上肢障害、視覚障害等によりみずから投票の記載をすることができない者は事実上投票できない状態となっております。 本案は、郵便等による不在者投票をすることができる選挙人で郵便等の方法により投票をしようとするもののうちみずから投票の記載をすることができないものとして政令で定めるものは、あらかじめ市町村の選挙管理委員会の委員長に届け出た選挙権を有する者をして投票に関する記載をさせることができることといたしております。 また、不正投票等を防止するため、郵便等投票における代理記載において選挙人の指示する候補者の氏名等の記載をしなかった等の場合には二年以下の禁錮または三十万円以下の罰金に処することといたしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。 その他、所要の規定の整備を行うことといたしております。 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。 ————————————— 公職選挙法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○高橋委員長 この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取します。片山総務大臣。
○片山国務大臣 本法律案の提出に当たられました議員各位の御努力に、深く敬意を表するものであります。 政府といたしましては、本法律案については特に異議はございません。
○高橋委員長 お諮りいたします。 公職選挙法の一部を改正する法律案起草の件につきまして、お手元に配付いたしております起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高橋委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○高橋委員長 この際、町村信孝君外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守新党の七派共同提案による選挙権行使の機会の拡充に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。堀込征雄君。
○堀込委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 案文を朗読し、説明にかえさせていただきます。 選挙権行使の機会の拡充に関する件(案) 本委員会は、公職選挙法の一部を改正する法律案を提出することに決した。 本案は、身体に重度の障害がある選挙人について選挙権行使の機会を拡充するため、郵便等による不在者投票の対象者を拡大するとともに、郵便等による不在者投票をすることができる選挙人のうち自ら投票の記載をすることができない者について代理記載の制度を設けるものである。 民主政治の確立のためには、すべての国民が選挙を通じて政治に参加するとともに、選挙が公正かつ自由に行われることが不可欠である。 本委員会は、引き続き、すべての国民が選挙権行使の機会を確保できるよう検討を進めていくとともに、この法律の施行後四年を目途として新法の施行状況等を勘案して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 右、決議する。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○高橋委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高橋委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、本決議の議長に対する報告及び関係方面への参考送付につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十三分散会