財務金融委員会 第19号
- 発言数
- 446 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2003/06/04
会議録
○小坂委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、保険業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、参考人として、社団法人生命保険協会会長横山進一君、社団法人日本アクチュアリー会理事生保委員長石井一眞君、金融審議会金融分科会第二部会長堀内昭義君、慶應義塾大学商学部教授深尾光洋君、以上四名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 なお、本委員会は、暑い場合には上着着用は必要ございませんので、どうぞ御自由にされていただきたいと思います。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、横山参考人、石井参考人、堀内参考人、深尾参考人の順序で、お一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。 それでは、横山参考人、よろしくお願いいたします。
○横山参考人 生命保険協会会長の横山でございます。 本日は、保険業法の一部改正をする法律案の御審議に当たりまして、意見を申し述べる機会をいただきましたことを御礼申し上げます。また、去る四月二十五日、生命保険契約者保護機構の整備を含む保険業法の改正案が成立いたしまして、生命保険に対する信頼の維持向上に資するセーフティーネットの整備ができましたことにつきましても、この場をかりて御礼申し上げたいと思います。 さて、この法律案が提出されました理由は、最近における保険業を取り巻く厳しい経済社会情勢の変化に対応して、保険業の継続が困難となる蓋然性のある保険会社について、保険契約者等の保護の観点から契約条件の変更を可能とする手続等の整備を行う必要があるとされております。この契約条件の変更の問題につきましては、予定利率の引き下げに関することと存じておりますので、この点を中心に述べさせていただきたいと思います。 いわゆる逆ざやの問題につきましては、過去に設定した高い予定利率に関しまして、その後の低金利の継続、直近においては歴史的な超低金利と申すべき状況にあると存じますが、そういう状況が長期に継続することにより、運用収益だけでは賄えない事態が発生していることが原因であるというふうに考えます。 今後につきましても、デフレの脱却の見通しが立たない状況の中で低金利が継続する懸念がありまして、逆ざや問題は引き続き生命保険会社にとっての最重要課題として取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。また、この課題を克服していくことによりまして、お客様からの信頼も得ることができると考えます。 こうした認識のもとで、生命保険各社は、この逆ざや問題を含む経営課題に対処するため、収益の向上、健全性の強化を図るべく各種の課題に取り組んでまいりました。 その第一は、健全性の確保でございます。各社は、自己資本の増強等による財務基盤の強化に努めてまいりました。すなわち、相互会社において、株式会社の資本金に当たります基金を初めとする自己資本の増額に取り組んでまいりました。 第二は、経営の合理化でありますが、営業拠点の統廃合、職員数の大きな削減、人件費の削減などに取り組むことによりまして、事業費の継続的な圧縮に努めてまいりました。 第三は、お客様のニーズの変化に対応して新たな商品開発を行うことにより、顧客サービスの向上、収益の向上に努めております。商品開発はまさに各社の創意によるものでございますが、幾つかの例を申し上げますと、アカウント型商品というようなライフステージに応じた自在型の商品であるとか、医療保険、生前給付型商品といった第三分野の商品、あるいは変額年金等の変額型の商品などがございます。 逆ざやが経営課題として認識されて以降、こうした取り組みが生命保険各社の経営努力により行われてまいりました。その結果、厳しい経営環境の中ではございましたが、決算発表にもございますように、平成十四年度は各社とも十分な基礎利益とソルベンシーマージンを確保できたものと認識しております。しかしながら、超低金利の継続に加えて、株価、不動産価格の大幅下落は予想を上回るものでありまして、経営環境はさらに厳しくなっており、今後も一層の経営努力が求められるところでございます。 さきに申し上げましたように、生命保険会社におきましては、その事業の信頼性を確保することが最も重要であると認識しております。業界全体としましては、平成十年に生命保険契約者保護機構を創設し、セーフティーネットの充実を図ることにより、生命保険に対する信頼の維持に努めてまいりました。また、平成十二年度からは、三年間の期限つきで政府補助を可能とするセーフティーネットの整備を行っていただきました。これは、実際には政府補助を申請することなく終了いたしたわけでありますが、先般、再度、平成十五年度から三年間の制度整備を行っていただいたところでございます。 また、信頼の維持向上の観点から、ディスクロージャーの拡充にも努めてまいりました。 一つは、フロー収益の指標として、基礎利益を平成十二年度から開示しております。この基礎利益は、逆ざやを埋め合わせた上で、さらにどれだけの保険本業からの収益が上がるのかという数字を示したものでございます。これも一つの健全性をはかる指標と言えると思います。もう一つの健全性の指標といたしましては、平成九年度決算より、ソルベンシーマージン比率を開示しております。その後、破綻会社の例を踏まえた上で計算方法を見直し、その内訳の開示、また半期ごとの開示など、信頼向上のために不断の見直しが行われてございます。 また、生命保険各社の経営状況はわかりにくいという声もございますので、こうした声におこたえする意味から、生命保険協会におきましては、ディスクロージャーの解説書の作成配布を行うとともに、全社の逆ざやの定義の統一化等を行っております。 今後も、正確に生命保険会社の経営状況を御理解いただけるように、さらなるディスクロージャーの推進に努めてまいりたいというふうに考えております。 さて、御審議されております保険業法の一部を改正する法律案についてでございますが、生命保険会社の経営者といたしましては、これまで御説明してまいりましたように、逆ざや問題に対して最大限の経営努力で対応していくべきである、今回の法律案に示されております契約条件の変更を行うような事態に至らないように努めていくことが先決であるというふうに考えております。 この契約条件の変更の制度につきましては、真に保険契約者の保護に資するものであるかどうかという観点から検討が行われるべきであるというふうに、かねてより私はいろいろな場で申し上げてまいりました。この考え方は、現在においても変わっておりません。 御審議されております法律案では、保険業の継続が困難となる蓋然性がある保険会社について、保険会社・保険契約者間の自治的な手続によりまして、保険契約者等の保護の観点から、契約条件の変更を可能とする手続等の整備を行うというふうにされております。この趣旨につきましては、あくまでも、破綻前に予定利率を引き下げた場合の方が破綻処理を行う場合よりも結果として契約者にとって有利になるケースがあるならば、そうした場合には当該保険会社の御契約者を守り救済するための選択肢を準備しようというところにあるというふうに理解しております。もしそういう契約者保護のための手段を確保するという趣旨であるならば、私どもがそうした制度創設について反対するものではございません。 なお、誤解のないように申し添えますが、たとえ制度ができても、生命保険会社はこの制度を使うことがないように、すなわち保険業の継続が困難となる蓋然性が生じないように、ひたすら経営努力を重ねていくことが肝要だと考えております。生命保険会社としましては、保険契約の一件一件を確実に履行し、それを続けることによって、そしてそのために厳しい経営環境であっても必死の経営努力を行っていくことが、保険契約者の利益につながり、生命保険に対する信頼の維持向上に資するものであるというふうに考える次第でございます。 生命保険業界といたしましても、引き続き、契約者の保護のためにという視点から、この点の御議論をいただきますようにお願い申し上げたいと思います。 簡単ではございますが、以上をもちまして私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○小坂委員長 どうもありがとうございました。 次に、石井参考人、よろしくお願いいたします。
○石井参考人 社団法人日本アクチュアリー会理事生保委員長の石井と申します。よろしくお願いいたします。本日は、日本アクチュアリー会の会員といたしまして、この立場から意見を述べさせていただきたいと存じます。 まず初めに、アクチュアリーということにつきまして、簡単に紹介させていただきたいと思います。 アクチュアリーといいますのは保険数理の専門家ということでございまして、これは歴史をひもとけば、その語源は、古代ローマの元老院の記録作成に従事する者を意味するアクチュアリアスというラテン語がございまして、ここに由来しております。 日本アクチュアリー会は、百年以上前でございますけれども、明治三十二年に設立されまして、現在では約三千五百名の会員を擁しまして、このうち正会員が約一千名存在しております。一般的にアクチュアリーと言う場合がございますけれども、この日本アクチュアリー会の資格試験のすべてに合格した人、これを理事会が承認するわけですけれども、それを正会員と言っております。この正会員のことをアクチュアリーと一般的に言っております。 日本アクチュアリー会は、アクチュアリー学というのがありますが、これの総合的調査研究活動を通じまして、アクチュアリーの専門職としての職務遂行能力の維持向上を図り、その関与する事業の健全な発展に寄与することを目的としまして、アクチュアリー学の研究調査、アクチュアリーの教育養成、諸外国のアクチュアリー団体との交流など、幅広い活動を行っております。同時に、日本アクチュアリー会は、国際アクチュアリー会の正会員としまして、国際的な基準のもとで運営されている専門職団体でもございます。 日本アクチュアリー会の正会員になるためにはどうすればいいかといいますと、日本アクチュアリー会が毎年行っております試験がございます。これは前期五科目、後期二科目ということで、合計七科目の試験に合格する必要がございます。前期を受かった後後期を受けるということなので、最低でも二年はかかりますが、前期は数学、生保数理、損保数理、年金数理、会計・経済・投資理論の五科目でございまして、後期はそれぞれ専門コースがございます。生保、損保それから年金に関する専門コースがございまして、それぞれのところから二科目ずつの試験がございます。この二科目に合格する必要がございます。 平成十二年の六月に施行されました保険業法の改正におきまして、公益法人であって保険数理の専門的知識等を有する者の養成や、同法に規定する責任準備金の計算の基礎となるべき係数の水準その他の保険数理に関する事項に係る業務等を確実に行える者を内閣総理大臣が指定することができる旨の規定がされました。この指定法人に日本アクチュアリー会が指定されております。 先ほど申し上げましたように、アクチュアリーといえば日本アクチュアリー会の正会員を指すわけですが、これと同時に、保険計理人制度というものがございます。これは、保険業法では、生命保険会社は、取締役会におきまして保険計理人を選任し、保険料の算出方法を初めとした保険数理に関する事項に関与させなければならない旨が定められております。保険計理人の資格要件としては、日本アクチュアリー会の正会員等であることと実務経験が求められております。 保険計理人は、毎決算期に、責任準備金の健全な積み立て、それから契約者配当の衡平、公正性、それから将来収支分析による事業継続可能性の三点につきまして確認を行いまして、確認結果を記載しました保険計理人の意見書というものを取締役会に提出し、同時にその写しを金融庁長官に提出することが義務づけられております。 このように、保険計理人としてアクチュアリーが行う業務というのはさまざま多岐にわたっている関係上、作業量も多く、個人のアクチュアリーが一人で対応することは到底困難でございまして、組織的な対応が必要となっております。 また、保険計理人には、保険業法において罰則が規定されておりまして、また、日本アクチュアリー会では、専門職能者として職責を全うし、社会からの信頼を確保するために、アクチュアリーの行動規範、懲戒規則を定めており、専門職団体としての自律機能というものを確保してございます。 さて、現在、生命保険会社は、異常とも言える超低金利の長期化、株式や不動産等の資産価格の下落といった厳しい運用環境に加えまして、個人所得の減少等を背景とした保有契約高の減少が続くなど、厳しい経営環境に置かれております。超低金利の長期化により運用収益が減少し予定利率を賄えなくなる、いわゆる逆ざやが発生しておりまして、生命保険会社の収支に対して影響を与えております。 生命保険会社は、戦後から昭和五十年まで予定利率を三%あるいは四%に設定しておりまして、その当時の資産運用利回りは七%を超え、利益のほとんどを契約者配当として還元してまいりました。その後、簡易保険が昭和四十九年十一月に予定利率を引き上げたことをきっかけに、配当による還元よりも安い保険料の保険商品を望む声が大きくなってきました。 昭和四十八年二月二十七日の国民生活審議会答申におきましても、料率計算の基礎率のうち、予定利率が現在通常四%であることは、国債の応募者利回りが、当時でいきますと六・七一七%、一年定期預金の金利が五・二五%であることから考えても安全度が高過ぎると思われる。料率計算の基礎率についても消費者選択の幅を広げ、予定利率を引き上げるなどによって、低料低配の商品あるいは低料高額保障の商品が提供されることが必要であるとされ、予定利率の引き上げが求められました。 また、昭和五十年六月二十七日の保険審議会答申におきましては、安全性を過度に見込み、予定利率を低く抑えて保険料を設定することは問題があるとされ、四%中心の予定利率についてはその引き上げを検討することが必要である、特に保険期間が十年以下の契約については、今後の資産運用利回りの予測もある程度可能と思われるので、さらに高い予定利率を用いるべきであると、予定利率の引き上げが求められました。 その後、先行する簡易保険を後追いする形で民間生命保険会社が予定利率を引き上げ、昭和六十年には五・五%以上の予定利率を設定するようになってきたわけです。 バブル崩壊に伴いまして、昭和五十年当時ではだれも予想し得なかった超低金利状態の発生とその継続によりまして資産運用利回りが低下する中で、民間生命保険会社は、新規契約に用いる予定利率を順次引き下げてきましたが、過去の高い予定利率はそのまま保障されるため、過去に設定した高い予定利率により逆ざやが生ずることとなったわけでございます。 このような逆ざやが生じているものの、現在でも生命保険各社は経営努力を続け、逆ざやを吸収した上で基礎利益を計上しております。 生命保険会社の使命は、保険金や給付金を契約内容に基づいて確実にお支払いするということでございます。このことがお客様の生命保険会社への信頼の根幹をなすものであると考えております。契約条件の変更をすれば、逆ざやは大きく軽減され、その分、生命保険会社の収益性は向上しますが、お客様の保険金や給付金は減少し、約束した金額が支払われないことになります。このようなことを行うならば、風評により解約が増加したり新規の契約が落ち込むといった会社収支への多大な悪影響も懸念されます。したがいまして、契約条件の変更を行おうとする会社は、契約者に十分な説明を行い、理解を得ることが大切と考えております。 今回の契約条件の変更を可能とする法案については、保険契約者の理解を得て初めて実現可能となるものと認識しております。この意味で、契約条件の変更の対象となる保険契約者による異議申し立て手続を経た上で実施するという手当てが行われているものと理解しております。 今回の法案によりまして経営の選択肢がふえることは確かではございますが、生命保険各社は、逆ざやを吸収し、お客様とのお約束を守るために、不断の経営努力を行っております。 以上をもちまして私の意見陳述とさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○小坂委員長 どうもありがとうございました。 次に、堀内参考人、よろしくお願いします。
○堀内参考人 金融審議会第二部会長の堀内でございます。 本日は、生命保険の予定利率引き下げに関する保険業法改正案について意見を述べる機会をいただきまして、まことにありがとうございます。私は、金融審議会の部会長という立場から、審議会のこれまでの議論を踏まえつつ、予定利率引き下げ問題について意見を申し述べたいと思います。 いわゆるバブルの崩壊の後、生命保険業は非常に厳しい状況に直面しておりまして、生命保険会社の経営の安定性について非常に強い懸念を抱かれているということについては皆様よく御承知のとおりだと思います。 この問題に対処するために総合的な方策を考えなければいけない、そういう認識がございまして、金融審議会の第二部会では、平成十三年の三月以来、議論を重ねてまいりました。そして、平成十三年の六月に、生命保険の財務基盤の充実、保険契約者からの信頼の向上、多様な保険商品開発の促進、保険会社に対する監督手法の整備、そして保険契約の契約条件の変更などの問題についての多角的な検討結果を中間報告として取りまとめたところであります。 この中間報告では、保険契約の契約条件の変更につきまして、生命保険は「いわゆる「逆ざや」問題に直面しており、将来を展望して、安定的な保険契約の維持等の観点から問題が生じ得る場合、国民・保険契約者の十分な理解を得た上で、生命保険会社に財務上の深刻な問題が生じる前に契約条件の変更を行い、「逆ざや」問題の改善が図り得るのであれば、保険契約者にとっても長期的には利益をもたらす一方策となり得る」という、ちょっとくどい文章ですけれども、そういう考え方が示されました。 この中間報告書を取りまとめる過程では、委員の中から、更生手続以外に新たな手続を設ける必要性は乏しいんではないかというような御指摘もありましたが、報告書におきましては「破綻状態に陥った保険会社について、更生手続等により的確な破綻処理が行われるべきであることはいうまでもないが、強制手続である更生手続の開始要件については自ずと限度があり、その要件を満たす前の段階において自主的な手続を設けることを検討する意義を否定する必要はないと考えられる。」というふうに結論を示しております。 さらに、契約条件の変更についても議論されましたが、この問題に関しては、大まかに分類いたしますと、特別立法・行政命令による契約条件の変更という考え方と、それから保険会社・保険契約者自身の意思による契約条件の変更という考え方、この二つの考え方について検討されました。 その結果、中間報告におきましては、契約条件を変更するとすれば後者の、つまり保険会社・保険契約者自身の意思による契約条件の変更が望ましいという判断が示されたわけであります。さらに「このような手続の下で、生命保険会社が、保険契約者の理解を得るためにあらゆる経営努力を行った上で、契約条件の変更を行おうというのであれば、生命保険会社による自助努力の途の一つとして、否定されるべきものではないと考えられる。」と結論されました。 この中間報告書に対してはさまざまな意見が寄せられましたが、それらの御意見を踏まえて、平成十三年の九月に、当第二部会で「生命保険をめぐる諸問題への対応 —今後の進め方—」と題する報告書が取りまとめられました。この第二部会報告書では、契約条件の変更につきまして、さきに紹介しました中間報告書の結論を踏襲しつつも、現時点では、まず先に取り組むべき多くの事項が存在しているという判断を示しまして、契約条件変更を進めることは時期尚早という判断が示されました。 大体、以上が、一昨年九月までの経緯であります。 その後の二年間、生命保険会社を取り巻く経済的な環境は一段と厳しくなったと考えられます。 こうした状況の深刻化を反映しまして、さまざまな分野で生命保険契約の条件変更をめぐる議論が浮上してきたようでありまして、行政当局におきましても、この問題の重要性を非常に重く受けとめまして、慎重に検討し、取り扱ってきたというふうに考えております。 そうした中におきまして、去る五月の十二日に開催されました金融審議会の第二部会におきまして、予定利率引き下げ問題が議論されたところであります。 この第二部会におきましては、まず、事務局である金融庁の方から、過去二年間の生命保険会社の財務基盤充実、ディスクロージャー改善など、生命保険会社が努力してきたありさまといいますか様子、それから行政当局側の監督手法の整備に関する努力の経緯などが説明されました。さらに、超低金利状態が継続しているもとでの逆ざや問題の深刻化、株価の下落、保有契約高の減少など、生命保険会社の経営環境が一段と厳しくなってきたということも説明されました。その上で、予定利率引き下げ問題について、一昨年の中間報告書の考え方をたたき台として、第二部会の中で自由な議論が行われました。 議論の過程におきましては多くの委員から非常に幅広い視野に立ったさまざまな意見が示されましたが、主なものを御紹介申し上げますと、予定利率引き下げ制度が生命保険業の危機的状況を打破する有効な選択肢であり得るかどうかという疑問点、それから予定利率引き下げが保険契約者の利益になるか否かということに関する疑問点、それから予定利率引き下げ制度そのものがうまく機能するか、ワーカブルかどうかということに関する疑問点など、幾つかの疑問点の提起もありました。 部会長としましては、これらの意見を参考にしつつも、中間報告書で示されました基本的な考え方、つまり、逆ざや問題への対応策の一つの選択肢としまして、保険契約者と保険会社の自主的な交渉によって契約条件を変更するということを可能にする制度をできるだけ早く準備することが一定の合理性を持っているというふうに判断いたしました。そこで、契約変更を可能とする制度を行政サイドで準備していただくという作業を進めてもらうということに関して、部会長の責任で了解していただいた次第であります。 今回の保険業法改正案に盛り込まれました予定利率引き下げ制度は、金融審議会におけるこれまでの議論を踏まえつつ、それが実際に意味のある制度として機能するように行政当局側で大いに工夫したというふうに理解しております。現在の生命保険業を取り巻く厳しい環境を考えますと、対応策の選択肢を広げるという観点から、私はこの改正案に基本的に賛成します。 どういう契約におきましても、あらかじめ締結時に考慮されていなかったような予想外の状況が起こったときに、契約どおりの履行がかえって状況を深刻化するということはあり得るわけでありまして、そういう状況のもとでは、当事者の間で再交渉して条件を変更するということは一般的に考えられる合理的な対応策であるということはよく知られているところでありまして、恐らく予定利率引き下げの問題もこういう側面を持っているであろうというふうに私自身は判断したわけであります。 ただ、私の個人的な意見をさらに申し上げますと、予定利率引き下げ制度の導入以外にさらに合理的な対応策があるかどうかということに関して、別途検討されるべきであるということは当然だと考えます。また、予定利率引き下げそのものが我々国民にとって非常に重大な意味を持っておりますので、仮にこの制度が導入された場合に、行政当局と生命保険会社各社は、保険契約者や国民各層にこの制度の意味を全力を挙げて説明し、説得する努力をすべきであると考えます。 予定利率引き下げ制度の導入が生命保険という非常に重要な社会的制度に対する人々の不信感を募らせてしまうことがないように、関係各位の努力を強く期待するところであります。 以上で私の陳述を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○小坂委員長 どうもありがとうございました。 次に、深尾参考人、よろしくお願いします。
○深尾参考人 慶應義塾大学の深尾でございます。 本日は、いわゆる破綻前の予定利率引き下げ問題について意見を申し述べたいと思います。 お手元に資料をお配りしておりますので、それを見ながらお聞きいただければと思います。 本年三月の決算を見ましても、実質純資産が大幅に減少している。特に、格付の低い保険会社では五割以上低下した先も見られるというように、非常に厳しい決算でありまして、悪化傾向にあるというふうに思います。特に、一部の生命保険会社では、実質純資産の金額を上回る繰り延べ税金資産を計上してやっと決算をつくっているというところもありまして、この前公的資金の注入二兆円を申請したりそな銀行と同じような状況に既に陥っている保険会社があるということになります。 このように、複数の生命保険会社につきまして、現状のような状況では予定利率の引き下げを避けることは難しい、つまり予定利率の引き下げは必要だというふうに考えておりますが、同時に、今回提案されております法案については、私は反対でございます。 予定利率の引き下げというものは実質的な破綻でございます。つまり、保険契約書を見ていただきますと、何年後には幾ら解約返戻金があります、満期幾らになりますというのが全部数字で書いてあるわけであります。この契約を事情が変わったから変えたいというわけでして、それはとりもなおさず債務不履行でありまして、経営の破綻と言うことができます。それを、破綻前の予定利率引き下げということをそもそも言うこと自身が言葉の矛盾であるというふうに思います。 そういうふうに考えますと、既に制定済みの更生特例法を使って公正に処理をすべきだというのが私の考えであります。 低金利が続いて株価が低下している。確かに、事情が変わったというのはそのとおりでありますが、その場合に、条件を変更する場合には、全体のバランスをとった条件変更が必要なわけです。そのときに、最も優先されるべき保険契約者の権利をカットして、それ以外の債務、特に資本に当たる基金や劣後債務の強制的なカットができない、こういう法律は非常に大きな片手落ちになっているというふうに思います。 先ほど、アクチュアリー会の方から簡保の話が出てきました。私も、簡保の経営について、民間生保と比較する上で分析を行って、ことしの三月に本を出しましたけれども、それによりますと、簡保も民保も同じような予定利率を設定しておりました。しかし、簡易保険と民保と比べますと、簡易保険の場合は、リスク管理が民間保険よりもしっかりできていた。つまり、長期の契約はなるべく売らないようにして、かつ、長期の契約に見合う分だけ長期の資産を持つという形でバランスをとってきた。この結果として、現在、簡保は民間生保を上回る健全性を維持している。もちろん税金の上でのメリットがあったということはありますけれども、それをカウントしても、やはりリスク管理がしっかりしていたということが大きな違いであります。 また、民間生保につきましても、外資系の生保を見ますと、日本の生命保険会社と同じような長期保険を売っていた会社でもしっかりやっているところがあります。こういった会社では、長期の国債を組み入れることによって、株の運用をやめることによって、バランスをとった資産、負債を維持することでリスク管理をしてきた。これができていなかったというところが大きな問題だというふうに思います。 ある一つの生保、A社をとりまして、これを現時点で破綻処理を行うということを考えてみます。 現時点で、ある会社について予定利率のカットをしなきゃいかぬ、この場合に、本法による破綻前の予定利率引き下げと更生特例法による破綻処理を比較しますと、私はどう考えても、更生特例法による処理の方が保険契約者には有利になると考えられます。逆に、今回提案されている法律で有利になるのは、出資者である基金や劣後債務を出した主に金融機関、ほかの銀行が有利になるだけであって、契約者はむしろ不利になるはずだというふうに考えております。 更生特例法を使いますと、基金、劣後債務は一〇〇%償却されます。現在、格付が非常に低い大手生保について見ましても、三千億から四千億という大きな基金、劣後債務を持っております。更生特例法を適用する場合は、これが全部契約者の保護に使えるわけであります。 これに対して、今回提案されている法律では、この基金、劣後債務を償却することについては関係者間の協議ということになりまして、任意で債権放棄を受けるというような形になります。三千億というような金額を放棄してくれる人が出てくるというのは非常に考えにくいわけでありまして、本法による破綻前の予定利率引き下げをやりますと、むしろ契約者保護に使えるお金は小さくなる。ですから、先ほどお話のあった、この法律によって契約者保護を充実するということは、私は詭弁のように思われます。 実際、金融庁による数字例を見ましても、同じ生保を同じ時点で破綻処理した場合の比較にはとても見えないわけでありまして、まだ純資産が残っている会社をこの法律で処理した場合は、当然予定利率の引き下げだけでやっていけると思いますけれども、それと比較されている破綻生保の場合については、もう相当程度の債務超過になった場合の数値例を出しているわけであって、二つの比較できないものを無理やり比較しているというふうに思われます。 また、更生特例法の場合には、裁判所が関与することによって、厳正な資産のチェックあるいはハイリスク資産の入れかえといったことが行われます。これによって二次破綻のリスクは非常に小さくなるわけです。 今回の法律のように、みずから申請する形での破綻処理をやりますと、相当程度甘いものになることになり、一部のゼネコンのように何回も債権放棄を受けるといったことをむしろつくりかねないということが言えます。 過去の破綻事例について見ますと、更生特例法の処理で責任準備金が一割カットされてきた例が多かったということは、資産内容が劣化した後でようやく破綻処理が行われたわけであります。 例えば、実際に破綻処理が行われた千代田、協栄生命の例を見ましても、あの年の破綻前の三月時点、日経平均が二万円の時点で、既に、開示されているバランスシート、開示されている情報だけで計算しても、含み損をカウントすると債務超過になっている、こういう状況に陥っていたわけであります。それを株価が下がってから処理すれば当然債務超過が大きくなるわけでして、実際に計算してみますと、破綻後の千代田、協栄の債務超過率は二割、三割といった相当大幅なものになってしまったということが言えます。 この原因は、現在の日本の監督基準であるソルベンシーマージン比率あるいは実質純資産基準といったものが非常に甘いわけでございまして、現在でも多額の繰り延べ税金資産を実質純資産に含めることができるという問題がございます。早期是正の発動基準や実質純資産基準というものを厳しくして、早期に更生特例法によって厳正な処理を行う方が、私は一人の保険契約者としても安心だというふうに思います。 さらに、本法が制定されて、それを用いてある一つの会社が処理をしたとしましょう。そうしますと、一つの会社が基金や劣後債務を一〇〇%償却することなく保険契約をカットしたということになりますと、いわば基金や劣後債務は見せ金であったということがだれの目にも明らかになります。つまり、基金、劣後債務を使うことなく優先債権である保険契約をカットするわけですから、だれから見ても基金、劣後債務の大半は見せ金であったということになります。 そうなりますと、格付機関やアナリストなどの金融市場関係者は、基金や劣後債務は本当の自己資本ではないと判断して、これを除いた形でソルベンシーマージンや実質純資産を計算し始めるに違いありません。そうしますと、先ほどお話しされた住友生命、第一生命といった比較的格付の健全な会社であっても、仮に、弱い会社が基金、劣後債務を残したまま契約をカットするということになりますと、そういったものを外した形で結局自分の自己資本が判断されてしまう。これは、基金や劣後債務で健全性を維持しているほかの相対的に健全な生命保険会社にとっても、大幅な格付低下に見舞われる可能性があります。これは、日本における契約の法的安定性が疑われるという重大な結果をもたらしかねないわけであります。 本来、破綻処理においては、資本、株式会社であれば株式、劣後債務、相互会社であれば基金、劣後債務、内部留保といったものは、全額カットした上で、それでも処理できない部分を契約者に条件変更としてお願いしてカットしてもらうというのが当然でありまして、この順序をひっくり返すということは問題があるというふうに思います。 以上、結論しますと、本法は不要であり、金融庁は、ソルベンシーマージンの定義や早期是正措置の発動基準、将来収支分析の実務基準を見直すことによって、責任準備金のカットや大幅な早期解約控除の設定が不要な時点で破綻処理を行うべきだというふうに考えております。 以上です。(拍手)
○小坂委員長 どうもありがとうございました。 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○小坂委員長 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。砂田圭佑君。
○砂田委員 自由民主党の砂田圭佑でございます。 参考人の皆様におかれましては、お忙しい中わざわざ御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。 今るる先生方からお話がありましたので、語り尽くされているようなことでございますけれども、私は極めてベーシックなところについてお伺いをいたしたいと思います。 現在、生命保険を取り巻く環境は、お話のとおり極めて厳しい状況にあることは、私も私なりに認識をしているところでございますが、今回の保険業法の改正は、あくまでも万が一のときに備えて保険加入者の保全に当たるということが一番重要な問題でありました。 基本的に、保険会社あるいは銀行を守る、そういうスタンスではなく、あくまでも保険に加入をしている国民、日本の全世帯の九〇%が保険に加入をしているということは、万が一のことがあれば国民の財産に大変大きな影響をもたらす、そういう観点から、どうしても国民の財産を守らなければならないだろうという思いを強くするわけでございます。 そういう意味で、皆さん方にできるだけわかりやすくお答えいただいて、聞いている国民が、保険の契約なんというのは、加入するときに一々全部確認をして加入する方もいるでしょうけれども、ほとんどがそういう状況にない。だから、後から、こんな条件があった、あんな条件があったと言われて目を丸くするというようなことが往々にして加入者にあるわけでございます。そういう意味で、我々政治はそういう国民の生命保険の保全をするということが大前提でありますけれども、しかし、そのためには保険会社にしっかりやっていただかなきゃならないこともまた必然的に当然のことであります。 そこで、まず、現在の生命保険会社の経営状況といいますか、いろいろ取りざた、うわさをされているところでありますけれども、果たしてそのとおりなのか、その辺のことを、それぞれ四人のお立場で、できるだけわかりやすく、どんな御認識かを御説明いただきたいと思います。 〔委員長退席、林田委員長代理着席〕
○横山参考人 十四年度の決算をいたしましたが、現在のところまだ決算案でございますが、極めて厳しい経済状況の中、株式市場の株価が二七%も一年間に低下をした、こういう中でございますが、一部、内部留保を取り崩すというような会社も多かったわけでございますけれども、フローの収益面で見ますと、基礎利益は、我が社については昨年比向上したというようなことで、これは逆ざやを埋めた上でなおかつ向上したということでございます。 協会会長の立場ですから、各社についてもちょっと触れさせていただきますと、各社とも基礎利益自体は非常に堅調な基礎利益を上げているということでございます。ソルベンシーマージンも全社がほぼ四〇〇%を超えるということで、健全性の指標である二〇〇%を大きく上回るということで、そういう意味では、厳しい環境の中でも、リストラの努力であるとか経営努力をいろいろ行い、また商品の開発、収益を上げるためのあらゆる努力を通じて基礎利益を上げている、こういう状況にあると思います。 以上でございます。
○石井参考人 お答えいたします。 アクチュアリーの立場から申し上げますと、アクチュアリーとして、お客様の契約の保護という観点で一番大切なことは責任準備金の積み立てでございます。この責任準備金の積み立てというのは、毎年毎年、少しずつ少しずつ、確実に積んで、満期まで行って、満期保険金を支払う、この責任準備金が積めるか積めないかということが、まさに保険会社の収支の状況そのものだというふうに認識しております。 我々、保険計理人とかアクチュアリーとか言われる人たちは、会社の収支を見て、意見書を当局に提出しております。当然、各会社に所属する計理人は、各会社の取締役会にも提出しております。 確かに、おっしゃるとおり、この株価の状況、運用利回りが〇・五を切るぐらいの状況になってきている、こういう状況では厳しいものがございます。ただ、経営努力の中で基礎利益を計上し、不断の経営努力をし、例えば事業費の削減、さまざまな努力をしている、こういう実態で、契約者とお約束したものを守るという努力を積み重ねているという認識でございます。
○堀内参考人 お答えいたします。 今までるる御説明ありましたように、逆ざや問題が非常に深刻になっているということと、株価下落等によって非常に運用が難しくなっているという状況はそのとおりであるというふうに思いますし、これは私のやや勝手な判断ですけれども、非常に高い予定運用利回りを約束している商品を何とか抱えなければいけないという保険会社が、一方、新規の契約者に対してはかなり質の悪いといいましょうか、条件が悪いような設定をせざるを得なくなっているんじゃないかというふうに思われます。 つまり、過去の高い予定利率の商品を維持していくために、新しい商品の購入者に対して相対的に悪い条件の商品というわけですから、経済学で言うところ、クロスサブシダイゼーションといいますけれども、そういう状況があって、全体として保険の発展を阻害している面があるというふうに私自身は認識しております。
○深尾参考人 先ほどから基礎利益の話が出ておりますけれども、基礎利益というものは株式の売買損益や含み損の増減を含んでおりません。ですから、株価の下落を無視して、株式や不動産の売買損益を無視すれば利益は出ているということであります。 しかし、実際は全部時価で見ないと本当の利益は見えない。これを見ますと、実質純資産がどんどん減っている。ということは、とりもなおさず実質赤字である。 また、大半の会社の時価での運用利回りは多分二、三年連続してマイナスになっているというふうに見ております。そういう意味では、逆ざやというのは見かけのものよりももっと厳しいものがあって、株価の下落分だけさらに厳しい状態にあるということが言えます。 しかし、では、株式を全部売ってしまえば、つまり株式を全部固定して、あるいは不動産の下落からリスクを全部除いてしまえばどうかということを見ますと、少なくとも開示資料、私も見られるのは開示資料だけですから、開示資料を丹念に分析する限りは、各社とも大体ぎりぎりやっていけるぐらいの利益は出せる、弱いところでも出せるのかなという、ただし、これは開示資料が正しいといいますか、真実の姿であるということを想定した上ですが、やっていけるぐらいの状態である。 では、なぜ株式が売れないのか。つまり、株を持っていてやっとやっていける。なぜ株を売れないのかといいますと、結局、資本を株式の持ち合い先である銀行に依存している、あるいは営業を株式持ち合いに依存してやっているということに来るわけです。そうしますと、株式を持たないと現在のビジネスモデルが成り立たないという現状では、実際上、株価が下落する限り赤字が続いていく、こういう厳しい状況にあるというふうに判断しております。
○砂田委員 ありがとうございます。 この保険の問題は、何といっても逆ざや問題、これが最大の難所でもありますし、これが、本来なら逆ざやになったらもうやっていけないというのが実態でありますけれども、何しろ国民の世帯の九〇%が加入をしているという状況の中で、政治の仕事としてもそれを見逃していくことはできない。それだけに、保険会社を通じて、何とか経営を立て直してもらいたい、それには逆ざや問題あるいは予定利率の引き下げ、そういうことをしっかりと乗り切っていかなければならないという思いがいたします。 そこで、超低利になりましたこの逆ざや問題、それについて何か有効な解決方法が皆さんのお考えの中にあるかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。四人の方皆さんに。
○横山参考人 逆ざやを解決する方法といいましても、現在の低金利下、先ほど〇・五%を切るというお話がございましたけれども、極めて異常な事態でありまして、予定利率を上回るような運用収益を上げるのは並大抵のものではない。 通常の場合は、先ほど深尾先生のお話がございましたが、株式を持つことによって、株のリターンというのは比較的通常よりは高い、リスクがある分だけ高いということがございますが、これまでの日本の株式の状況を見てみますと、むしろリスクの方が大きくて、リターンの方がこの数年間は全く上がらない、こういう状況にあります。しかしながら、最大限の努力をしまして、別の運用手段である外国債券であるとかそういうものに投資をするというようなことを加えまして、運用収益を上げていくということが第一点でございます。 それに加えて、もう一点は経営の合理化。これは事業費のコストの削減によって、もちろん人件費も入ります、その他固定費も入りますが、例えばこの二年間、我が社は五百億円のコストの削減を二年間で実現する予定でございます。十四年度と十五年度合わせまして五百億の削減をできる見通しでございますが、そういった経営努力をすることによって、この逆ざやに少しでも資するといったことの努力をしているところでございます。 以上でございます。
○石井参考人 先ほども若干申し上げましたけれども、今の〇・五%程度の、十年の長期国債がそういうような金利で、はっきり申し上げますと、やはり日本のデフレ対策だろうと私は正直言って思っております。 確かに、経営努力で事業費等の削減、いろいろな商品を出し、さまざまな工夫をしております。現在でも、売っている商品、一・五%という金利を基準として設計しているわけですけれども、やはりデフレ対策、可処分所得の減少、こういったところを何とかしていただけないかなというのが正直、アクチュアリーといいますか、計理人なんかの立場でいうと、正直な思いが、そういう気がしています。 一方で、運用について言えば、ヘッジをしながら外債投資に金額がかなり動いている。日本の中の空洞化というのは起こらないのかなという気持ちさえ持っているぐらいです。これは各社によってもいろいろ違うんでしょうけれども。 一般的に、アクチュアリーというか、計理人という格好からいいますと、一番大きいのはデフレ対策をお願いしたいということと、それから、やはり会社自体が事業費の削減等も含めて経営努力をしていく、そしてさらなるいい商品を考えて、新しい顧客層をふやしていく、こういうことではないかと思っております。 〔林田委員長代理退席、委員長着席〕
○堀内参考人 非常に難しい問題でありますけれども、少し、保険だけではなくて金融全般について私の考え方を申し述べたいと思いますが、保険についても、あるいは一般の金融全般について経営状態が非常に困難に陥っているということについてはいろいろ理由があって、一つはやはり経営上のガバナンスの問題があるということは否定できないとは思います。 しかし、より大きなファクターは、やはり実体経済を反映しているということでありまして、私の考えでは、金融機関の経営の健全性はかなり相対的なものである、実体経済を反映したものであるというふうに考えます。したがって、日本の経済が長期に低迷している状況のもとで、金融機関が健全な経営を維持するということは非常に難しい状況にあると思います。 今お話がありましたように、やはりデフレ対策を果敢に進めていただきたいということです。それから、因果関係としては、金融機関に対するいろいろな健全な経営を求めていくということをするのがいいのかどうかですね。もちろん健全な経営にこしたことはないわけですけれども、逆に言えば、実体経済を支えていく上では、金融がある程度は仕事をしてもらわなければいけないということでありますので、そういう点からいいますと、やはりバランスがとれた経済政策運営というものは求められるのではないかというふうに私は判断いたしております。
○深尾参考人 もう既に話がありましたけれども、現在のようなデフレによる株価、地価の下落、超低金利が持続しますと、私は、現在は相対的に健全な生保であっても、徐々に経営が悪化していくというふうに判断しております。 個別の生保に対する対策としては、もちろん個別会社が努力するというのはありますけれども、限界が来たら早目にドクターストップといいますか破綻処理を行う、これは更生特例法を早目にかけていく。現在の更生特例法であれば、早目に処理すれば、例えば東京生命のように責任準備金のカットなしで、予定利率の引き下げも比較的マイルドにできる方法があるわけでございますから、早目に破綻処理をしていくということが個別生保の対策になるかというふうに思います。
○砂田委員 ありがとうございます。 だんだん時間がなくなってまいりましたけれども、今、この逆ざや問題と、もう一つは予定金利の引き下げ、これについては政府がいろいろなスキームを持っているところでありますけれども、逆ざや問題の解決策として、経営の選択肢をふやすものであると考えることもできるというふうに思っているんですけれども、その辺のお考えはいかがでしょうか。時間がありませんので、端的にお答えをいただきたいと思います。
○横山参考人 今回の契約条件の変更という法案でございますが、これは、本来はそれぞれの会社は最大限の努力をして、これを使うべきではないということが大前提であるというふうに考えます。しかしながら、契約者が、破綻処理よりは契約条件の変更を会社が選択した方が利益を得られるという場合もあるかと思います。そういう点で、この法案を用意することによって選択肢がふえるということは、そもそも契約者利益につながるものというふうに考えられます。 以上でございます。
○石井参考人 冒頭の陳述でも申し上げましたとおりでございまして、選択肢を拡大するということにはなります。ただ一方で、国民及び保険契約者の十分な理解とか社会認知というものが得られるか否かという点は重要なんだろうと思っております。私どもアクチュアリーとしては、国民とか保険契約者の声を踏まえまして、契約者保護の観点からその職責を全うしていきたい、こういうふうに思っております。 以上でございます。
○堀内参考人 契約の変更は、オプションとして、選択肢として、制度として用意することが合理的だと思いますが、これがどのように運用されるかについては、やはり我々は非常に注意していく必要があると思います。 つまり、現在の生命保険会社の経営のガバナンスの問題からいいますと、保険契約者の影響力といいましょうか、地位はそれほど強固なものではないという面もあるかと思うんですね。したがって、これが恣意的に使われることがないということが、やはり生命保険のシステムを国民に信頼してもらうために重要なポイントではないかと思います。この点は、行政サイドにもぜひきちんとした対応をお願いしたいというふうに考えます。
○深尾参考人 このオプションを具体的に考えますと、有利になる主体としては、経営者及び出資者である銀行にとって有利なオプションになる。保険契約者にとっては不利なオプションになる。また、監督官庁、それから裁判所にとってはモラルハザードの原因になる。つまり、裁判所が更生特例法をやりたくない、あるいは監督官庁が更生特例法の適用をやりたくない、そういう場合に先延ばしができるオプションという意味では、モラルハザードのもとになるオプションだと思います。
○砂田委員 ありがとうございました。 時間が参りましたけれども、我々の生命財産を守るという意味では、極めて重要なことではないかというふうに考えております。各位のそれぞれの御努力をいただきたいと思います。 それでは、これで質問を終わります。ありがとうございました。
○小坂委員長 次に、松本剛明君。
○松本(剛)委員 参考人の皆様には、大変お忙しい中を、当委員会の審議に御協力をいただき、時間を割いていただきましたことに、まず心から感謝を申し上げたいと思います。 これまでもお話がありましたように、国民生活にとっても大変重要な法案の審議、こういう認識で私たちも取り組まさせていただいております。率直にお伺いをさせていただくところがあるかと思いますけれども、失礼をお許しいただくと同時に、忌憚のない御意見を御開陳いただきますように、心からお願いを申し上げます。 少し順番を変えて、深尾先生からお伺いをさせていただきたいと思います。 私自身も、先生の先ほどの意見の陳述を拝聴させていただきましたけれども、基本的に全く同じ考え方でございますが、そういった中で、さらにつけ加えて御説明を願えたらと思っているところがございます。 早期処理が妥当、こういうお話がございましたし、そのためにソルベンシーマージン比率の算定など、さらに適正化をする必要がある、こういう御意見だというふうに私も承りました。 過日、先生が試算をされた数字を私も持っておるんですが、これは二〇〇二年九月の予測でおつくりになった数字だったというふうに思いますが、これによりますと、主要十社のうち六社ほどがソルベンシーマージン比率二〇〇%を切った数字になるのではないか、こういうような御指摘であったかと思います。 まず一点は、繰り延べ税金資産などというふうに書いてありますが、きちっとソルベンシーマージン比率を算定しようと思ったときに、今の日本の算定ではどこが甘いのか、主な点を御説明いただけたらということが一点。それから、その結果としての今のソルベンシーマージン比率、算定の結果、二〇〇%未満が主要十社の中でも必ずしも少なくないという結果が恐らく出るんだろうというふうに思いますが、二〇〇%未満は当然早期是正の対象になるべきだ、こういうお考えかどうか、その点について、生保の現状、御認識を伺いたいと思います。
○深尾参考人 先ほどは、私が日経センターで主任研究員をしております金融班の人と一緒に分析した結果を引用されたと思いますけれども、現在のソルベンシーマージン比率の計算においての問題点は、分子と分母、両方に問題がございます。 ソルベンシーマージン比率というのは、ある意味では自己資本比率のようなものでありまして、分子に自己資本、広い意味での自己資本が上に来まして、下にリスクの計算値が来るという形になります。問題は、自己資本を計算する場合、自己資本というのは、資産、会社の持っている財産を評価してそれを全部洗い出したものが財産、そこから払う約束がある負債、債務を除いた残りが自己資本ということになります。こういうふうに考えますと、自己資本を計算する上では資産をきっちり評価するというのが大事でありまして、実際に価値のある財産をしっかり評価している、これがポイントになります。 現在のソルベンシーマージン基準の問題点としては、まず、財産に当たる部分に大量の繰り延べ税金資産を積むことができる、しかもオンバランスの繰り延べ税金資産、財務諸表にある繰り延べ税金資産だけではなくて、内部留保に当たるような金額にも税効果というものを上乗せして計算できるという、非常に甘い計算方式になっております。 また、土地、不動産について見ましても、現在は公示地価での計算が可能ですけれども、現在公示地価で売れる土地はほとんどないというのが常識でありまして、少なくとも路線価ぐらいまで引き下げる必要があるだろうというふうに思います。 これが土地の評価、それから繰り延べ税金資産の問題であります。 さらに、問題としては、退職給与引当金の積み立て不足。従業員がいるわけですが、その従業員の退職給与引当金の積み立て不足等はソルベンシーマージンから差し引かれておりません。これが資産を過大にしている。 さらに、半年間の将来利益をカウントできるという問題もございます。破綻してしまいますと将来の利益というのは絵にかいたもちになるというのは御案内のとおりですけれども、しかも、その将来利益については、先ほどの基礎利益に近いものがベースになっておりまして、株式の下落によって赤字を続けていても基礎的な利益が黒字であれば将来利益を上乗せできる、こういう問題点がございます。私は、こういったものはすべて取り払うべきだというふうに思います。 これが分子を過大計上している部分でありまして、これに対して分母について見ますと、分母については低目低目に計算されております。 例えば、株式のリスクウエートについては、アメリカと日本で計算方式が大分違うんですけれども、大ざっぱに言って三分の一ぐらいのリスクウエートしかない。アメリカでは三倍のリスクをカウントしているけれども、日本は株式については三分の一ぐらいのリスクしかカウントしていない。あるいは、為替リスクについても同じようにアメリカの半分ぐらいしかカウントしないとか、あるいは不動産運用のリスクについてもアメリカの半分ぐらいしかカウントしない、こういった形で分母の方を小さく見せる。 この結果として、分子は見かけほどはないという状況、つまり実際に財産がなくても大きく見せられる、分母の方はリスクが大きくても小さく見せられる、こういうことによって、相当不健全な生命保険会社でも四〇〇%を超すようなソルベンシーマージンを維持できてしまうという問題がございます。 確かに、金融庁も、一部の計算方法について、例えば国内の債券、ボンドとかあるいは外貨建ての資産についての含み損を昔はカウントしていなかったのを、そもそもしていないこと自身言語道断だと思いますが、外貨建て資産の含み損とか国内債券の含み損についてはカウントするようにしたといった点で多少の強化が図られておりますが、まだまだ不十分だというふうに判断しております。
○松本(剛)委員 もう一点、深尾先生にお伺いさせていただきたいと思います。 先ほども御指摘がありましたけれども、私の認識でも、持ち合い、株式の保有ということのリスクが改めてここ数年問われるようになってきておるかというふうに思うんですが、残念ながら、金融機関内、俗に銀行、生保のダブルギアリングといったような言葉が使われますけれども、金融機関の中での持ち合いというのはむしろこの数年加速してきているようにも思われる部分があるわけであります。 これは、今も御指摘があったように、大変リスクが高い問題を抱えているのではないかと思いますが、この点についての先生の御認識と、そしてまた、方策なり御提案がありましたらお伺いしたいと思います。
○深尾参考人 確かに、銀行と生保がお互いに、自己資本が小さくなってきておりますので、見せかけの自己資本を積むということを目的に相互に資本を持ち合っている、しかもそれが徐々に拡大しているというのはおっしゃるとおりです。 実際のデータを見ますと、銀行株がどんどん低下しておりますので持ち株金額そのものは減っておりますけれども、増資は引き受け続けているというふうに見ております。実際、先般の大手銀行の増資におきましても、例えばみずほの増資において大手生保二社が多額の優先株を購入したといったことがございます。 また、生命保険会社にしましても、基金、劣後債務の形で銀行から資本を受け入れている。基金というのは、言ってみれば議決権のない優先株のようなものでございまして、相互会社は株式を発行できないので、それに近いものとして基金を発行する、これによって資本を充実するということをしているわけです。 この問題点、金額から見ますと、まだ決算数字を全部分析しているわけではありませんが、大ざっぱに見て、生命保険会社がほかの金融機関から調達している資本が二兆円ぐらい、逆に、生命保険会社がほかの金融機関の資本を提供している、銀行の資本を提供している、これが六兆前後あるだろうというふうに見ております。 また、表のデータに出ていない形での持ち合いが行われているのではないかというふうに疑っております。これは、幾つかの銀行が、海外の例えばケイマンとか、ああいったカリブ海のタックスヘブンを使って優先出資証券というものを調達して資本を充実しております。これについて、だれが買っているかというのはだれも見えないわけですが、一部が生命保険会社によって持たれる形によって、見えない形でのダブルギアリングも発生しているのではないかというふうに思います。 この問題点といたしましては、一方が倒れますと他方も連鎖的に破綻するというリスクを拡大する、これが一つの大きな問題であります。 ダブルギアリングがなぜ問題かといいますと、例えば、ある会社、どんな会社でもいいんですが、生命保険会社が銀行の株式を引き受けて、その銀行に自分の基金、劣後債も引き受けてもらう形で資本を持ち合っているという状況を考えます。こうしますと、資本が一見あるように見えますけれども、この生命保険会社が破綻しますと、相手の持ち合い先の銀行も破綻するリスクがかなりありまして、相手の銀行が倒れますと、持っている銀行株や劣後債務が紙くずになる、こういう形になります。そうしますと、あるように見えた資本が、結局、自分が破綻することによって、持っている資産も消えてなくなる。これが資本の空洞化と呼ばれるものでありまして、お互いの持ち合いというのは、こういったリスクを拡大するという問題があります。
○松本(剛)委員 深尾先生、ありがとうございました。今御指摘をいただきました、先ほど意見陳述でおっしゃった見せ金という部分もこの問題にまさに絡んで、ここで資本として結局は使えないお金だということが露呈されているのではないかと私も思います。 それでは、生命保険協会の横山会長に次にお伺いさせていただきたいと思います。 今もお話がありました。各社ともこの予定利率の引き下げを使わないように努力をするべきだというようなことを先ほど砂田委員との質疑の中でもおっしゃっておられたように思うわけでありますが、今の業界の現状認識、それから、先般の決算発表で、少なくとも発表された各社さんは、恐らく記者さんに同じような質問をされたであろうと思いますが、皆さんそろって、予定利率の引き下げは当社には関係のないことだ、このようにお答えになったように私も聞いておりますけれども、この点についての御認識を承りたいと思います。 また、予定利率を引き下げないと、今ある意味では決算発表でいわば国民に対して発表をしながら、例えば二カ月、三カ月後に引き下げざるを得ないということで会社が申請をされるとなると、その間も保険も販売されるわけでありましょうから、会社としての信用も含めて、うちは関係ないと言いながら数カ月で引き下げてということになると、その間に保険を買った方々に対しても大変ないわば損害を与えることにもなりかねないのではなかろうかというふうに思いますが、そういった点を含めて、御所見を承りたいと思います。
○横山参考人 先般の決算におきまして、各社が予定利率を引き下げないという発表をしたわけでございますが、これは当然のことでございまして、多数の契約者に対して、我々はお金を預かって、約束を履行するというもとに契約をいただいているわけでございまして、そういう観点からしたら、絶対に契約条件の変更はしないという決意を経営として示すのは当然であろうというふうに思っております。 先ほど来申し上げておりますように、この決算において、一年間に二七%の株の下落、これによって多大な損害をこうむったということも事実でありますが、それをいろいろな面でカバーしようと最大限の努力をして、契約者に御迷惑をかけないような対策を講じているところでございます。 したがって、先ほど来申し上げましたが、基礎利益は、我が社においては昨年を突破するような堅調な基礎利益を上げているということでございまして、そういう懸念はまさにないということを私も申し上げたいと思いますが、各社における経営者も同じような心境であるというふうに思っております。 以上でございます。
○松本(剛)委員 引き続き、横山会長にお伺いをさせていただきたいと思います。 先ほども、これまでの努力として、基礎利益、またソルベンシーマージン比率等、ディスクロージャーのお話をされてこられましたが、さらなるディスクロージャーを推進したい、こういうように意見陳述の際におっしゃったように伺います。 私どもも含めて、いわゆる三利源の公表であるとか、さらなるディスクロージャーを求める声は大変広く出ておるように思いますけれども、これに対する会長としての御意見。また、今もソルベンシーマージン比率の算定について、私と深尾先生の間で少し質疑をさせていただきましたが、もし御意見がありましたら、そういった点についても御所見をお示しいただきたいと思います。
○横山参考人 ディスクロージャーにつきましては、先ほど申し上げましたように、生命保険事業に対する信頼の向上、その一環としてディスクロージャーを推進すべきであるという考え方で現在推進をしております。 しかしながら、御質問の三利源の開示につきましては、この開示が適切であるのかどうかという疑問を持っております。特に、生命保険会社の収益の発生の仕方といいますか、仕組みというものは非常に複雑でございまして、そこに三利源の開示というようなことをやった場合には大きな誤解が生ずるおそれがあるということでございます。 その一つの例といたしましては、例えば新契約高が増産される、伸びる、例えば極端な場合、倍に伸びたといった場合には、普通の会社においては収益は当然ながら改善するわけでございますが、保険会社においてはこれは収益の悪化につながる、大きく悪化するという問題がございます。そういった点で、費差益の減少という問題が生ずるわけでありますが、長期的にはそれは回収されてプラスになっていくわけですけれども、契約初期に事業費が支出されるということでそういう問題が発生するということがございます。 また、死差益ということについても、死差益が非常に多いということもありますけれども、これは、どちらかというと契約の初期には死差益が大きく出るということがあります。最後には帳じりが合っていくということでございますが、選択の効果、病気の人をある程度入れないというような効果によって死差益が初期に過大に出る傾向があるというような問題点がございます。 三利源の開示というのが、そこまでの開示をすることが妥当なのかどうかといったら、非常に大きな誤解を与えかねないという問題がありまして、これは、諸外国においてもこの開示をしている例はないというふうに承知をしております。 また、三利源の損益の開示というのは、一般事業会社における原価の開示に匹敵するわけでございまして、会社の価格戦略あるいは経営機密に属する重要な事項であるというふうに考えております。 三利源の公表については以上でございますが、先ほど来の深尾先生とのお話について、一言意見を申し上げたい。 ソルベンシーマージンが、米国基準でやったら二〇〇%を割ると。極めてこれはいかがなものかというふうに思います。六社が二〇〇%を割るのではないかという恐ろしい話でございますが、これは何千万の契約者を不安に陥れるおそれがあるというふうに考えまして、こういうことは軽々に言うべきではないということでございます。 理由といたしましては、米国の会計制度と日本の会計制度は全く違う、税制も違う、そういう中で、同一にそういうものを扱うべきではないということが極めて大事なポイントであるというふうに考えます。 特に、繰り延べ税金資産の控除につきましては、日本の税制とアメリカの税制は全く相違しておりまして、繰り延べ税金資産は日本においては非常に大きく出る可能性があります。これは、不良債権の処理あるいはそのほかの損失の処理について、無税での処理が日本ではほとんど、極めて厳しく税で管理をされているという問題点がありまして、税金を払っているわけですよ。税金を払って、それは将来回収可能性があるということで繰り延べ税金資産に認められる。 「りそな」の例は、その繰り延べ税金資産が回収可能性がないと認定されたわけで、我が方の決算においては、同じ監査法人が、これは会計上も十分回収可能性があるというふうに認定されたということでございますので、それは全然性格が違うものであるということでございます。 アメリカにおいて、では繰り延べ税金資産が控除されているのかといったら、現在のところ、アメリカにおいても日本と同様に繰り延べ税金資産は資本に計上できるということでありますので、その点は誤解なきようにお願いをしたいということでございます。 そのほか、先ほど、将来利益の五〇%、半年分の将来利益を計上していると。これはアメリカでも計上しているわけでして、決して日本だけが特別にそういうことをやっているわけではない。現実に、金融庁としても、私が金融庁のことを言うのはあれですけれども、これは、アメリカのいろいろな事例を見て、そういうことも参考にしながら、さらに日本の会計制度、そういったことを参考にしながら、その違いあるいは税制の違い、そういったものを参考にしながら現在の制度を構築しているというふうに理解をしております。 以上でございます。
○松本(剛)委員 会長と深尾先生と交えて議論を申し上げたいことがたくさんあるんですが、時間が限られております。きょうは参考人として御意見を承るということでございますので、議論の場にはせずに先へ進ませていただきたいと思います。 先ほどの三利源の公表についてお話がございました。誤解を招きやすいということでございますが、私も、現在の議員を務めさせていただく前に、銀行で審査をさせていただいたことがあります。例えばリース業であるとか、契約高が伸びると初期に必ずしも利益が上がらないけれども、会社の将来にはプラスになるといったものは現実に存在をいたしますし、そういったことは、きちっと御説明をいただいたらむしろ理解をいただけることだろうというふうに思います。 また、原価であるという話でしたけれども、金融というシステムであるがゆえに、今回のこういった法案の審議も行われることを思いますと、特に開示にはさらに御尽力をいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 また、税制についての御指摘については、これもある意味アメリカと税制が違うことは我々も認識しておりまして、このままで本当に適当なのかということは議論の余地があるというふうに思っておりますが、現状認識をするときに、そのことを組み入れるかどうかということと税制とは違うということが、ある意味では「りそな」の問題ではっきりしたのではないかと私は思っておるということを申し上げたいと思います。 続いて、もう一つだけぜひ会長にお伺いをさせていただきたいのは、今回の仕組みでも総代会というのが一つ大きなポイントになるだろうというふうに思います。伺いますと、会長のところの会社の総代に深尾先生がなっておられるという話をお聞きいたしました。恐らく大変実のある議論が総代会で行われているのではなかろうかというふうに思うわけでありますが、まず一つ、総代の選出についてお伺いしたいと思います。 昨日の審議の中で、我が党の生方議員が、実は、総代になってくれ、こういうふうに話が来た、あわせて生命保険にも入ってくれという話だったという話のように記憶をいたしておりますが、その辺は余談にいたしましても、総代をどのように選出されているのかということを、できましたら具体的に、簡単に御説明をいただきたいと思います。
○横山参考人 総代の選出につきましては、社員の中から、いわゆる契約者の中から委員を選びまして、総代候補者選考委員会というものを構成しております。選考委員会の委員が総代候補者を推薦した上で、それを全社員、いわゆるすべての契約者に通知をして、この方で適当なのかどうかという信任投票を経た上で選出をしているというのが大まかな仕組みでございます。 当社の場合で申し上げますと、できるだけ契約者の意思を総代会に反映させるという趣旨から、地域、年齢、職業、性別といったところの構成に配慮するという形で、ある程度のターゲット目標を定めて総代の選出を行っております。例えば、女性の方は三〇%を目指す、現在ほぼ三〇%になっておりますが、それから若い方についても三〇%以上、それから経営者の方、これが偏って多くなり過ぎても意見が偏るであろうということで、これは四〇%以内に抑えるというような一応の基準を持っておりまして、そういった基準で運営をしております。 各社ともそのような運営基準を持って運営されているというふうに理解しております。 深尾先生には、我が社の総代におなりいただいて、非常に厳しい活発な御意見をいただいておるところでございます。 以上でございます。
○松本(剛)委員 総代選考委員はたしか総代会でまた承認をされるということで、ぐるっと回っているような気が私もするんですけれども。 総代選考委員会の事務局は会社がお務めになっている、こういう理解でよろしゅうございますでしょうか。
○横山参考人 事務局は、会社の中に事務局を置いておりまして、専任の担当者が総代候補者の選出とか、そういう事務的なお手伝いをさせていただいているということでございます。
○松本(剛)委員 もう一点だけ確認をさせていただくと、この専任の担当者の方も会社の方で、例えば、総代の方にその専任の担当者の方が、総代就任の内諾といったら変でしょうけれども、依頼に行くというような理解でよろしいんでしょうか。
○横山参考人 それはそうではなくて、事務局の方から、そういう総代候補者にふさわしい方を相当数集めまして、その中から総代候補者選考委員会に候補者名簿を出しまして、そこで議論をして決定をいただくという手続でございます。
○松本(剛)委員 お聞きをしたいことがたくさんあるんですが、時間が限られておりますので、一端を教えていただいたということで、次へ進ませていただきたいと思います。 おいでいただいておりますアクチュアリー会の石井委員長にも、二点まとめてお伺いをさせていただきたいと思います。 私のあれでは、石井委員長もたしか第一生命の所属だというふうに記憶しておりますが、アクチュアリーの方々というのは、ほとんどやはり会社さんに所属をしておられるのか、独立したようなアクチュアリーさんというのがおられるのかどうかということが質問の一点でございます。 それからもう一点は、これはアクチュアリーさんにお聞きをするのかどうかあれですが、標準生命表というのが九六年のまま使用されているという話が昨日の審議で出ておりましたけれども、できましたらこの点について御意見を伺いたいと思います。 二点、よろしくお願いいたします。
○石井参考人 一点目のアクチュアリーですけれども、一般的にアクチュアリーというのは、我々は保険会社に入りまして、そこで日本アクチュアリー会に入会しまして、試験を受けて正会員になる。採用するときにも、アクチュアリー採用という候補で採用されていくわけです。 現在、生保で正会員の方が、これは五月末ですけれども、四百二十一名いらっしゃいます。会員数というのは、準会員とか研究会員を入れますと、生保で千四百十四名おりまして、そのうち四百二十一名が正会員です。それから、損保もございます。損保は五百二十五名が会員になっておりまして、うち正会員は百五十名。それから信託、これは三百九十六名が会員でございまして、うち正会員が百六十二名ございます。それから銀行、これが会員数は四十九名でございまして、うち正会員が十名。 そのほかというのがさまざまあります。一番わかりやすいのはコンサルティング会社というのがございます。こういったところにアクチュアリーの正会員がおります。こういったその他のところでいいますと、三百六十四名で、うち正会員が八十四名おるんです。そのほかに官公庁、例えば金融庁でも正会員の方がいらっしゃいます。こういったところとか、あとは個人ですね。それから、そのほか入れまして、必ず生命保険会社とか保険会社に属しているかというとそうではなくて、別のところに、まさに独立しているというのがございます。そういう方はたくさんいらっしゃいますし、最近は、そういう方がだんだん昔に比べればふえてきております。こういう状況でございます。これが一点目でございます。 それから二点目の、生保標準生命表一九九六というのがございます。現在、保険業法で、標準責任準備金の積み立てというのが義務づけられております。この標準責任準備金の積み立ての基礎率、予定死亡率というのが、今使われております標準生命表一九九六、これは一九九六年、平成八年の業法改正のときから使っておるものでございます。 御質問の内容でいきますと、恐らく、責任準備金の積み立ての義務が保険業法で規定されて、これの死亡率を使った責準を積み立てるわけですけれども、実際、保険料というのは各社がそれぞれ工夫しておりまして、例えばこの標準生命表よりも低いものを使ったりしています。ただ、低いものを使っても、健全性の確保の観点で、この標準生命表の責任準備金を積みなさいというのが国の保険業法の法律になっているわけです。それで健全性を確保しているということでございます。 それから、この標準生命表という制度、これは、米国にスタンダード・バリュエーション・ローというのがありまして、これが基本になっているんですけれども、こういったものを参考にしながらやっているんですけれども、米国では、こういった標準生命表というのは大体二十年に一回ぐらいの見直しです。一九八〇年に一回、生命表というのがありまして、つい最近ですと二〇〇一年、つい最近新しい生命表ができております。 これは、何でこういうことを行っているかというと、責任準備金というのが非常に長期なものですから、まさに先ほど最初に申し上げたとおり、契約者の給付金とか保険金を払うためにはこの責任準備金を毎年毎年着実に積み立てる、こういうものがありますので、将来のある程度の変動に耐えていかなきゃいけない、そういう意味で非常に保守的に米国などもなっている。そういう意味でいきますと、日本はまだ一九九六年につくったばかりでございます。 では、こういったものの見直しについてちょっと御説明します。これにつきましては、日本アクチュアリー会の中で標準死亡率諮問委員会というのがございまして、学者の先生方も踏まえて、毎年見直しをすべきかどうかという議論をしておりまして、こういったものについて金融庁の方に毎回御報告を申し上げている、こういうことでございます。 以上でございます。
○松本(剛)委員 ありがとうございました。いろいろといただいたことを参考に、また審議を進めさせていただきたいと思います。 最後に、堀内先生に、審議会の様子についてお伺いをさせていただきたいと思います。 昨日の委員会で、竹中大臣が生方委員の質問に答えて、こうおっしゃっておられました。「基本的には、委員の方から幅広いさまざまな意見があったわけでありますが、行政として作業を進めることについては、了、了解だというふうにされたと承知をしております。」 先ほど先生も、部会長の責任において、行政において作業を進めてもらうという形で了解をとった、このようにおっしゃっておられました。 一点、確認は、この五月十二日の議事要旨というのが発表されているのは御案内のとおりだろうと思いますが、ここの最後の部分で、「金融審議会として今日意見が一致できるというわけではないが、時間的制約の中で行政が責任を持って制度の具体化に向けて検討することはよいのではないか。」これが堀内先生の御意見であり、これで了解をとったという理解でよろしいんでしょうか。
○堀内参考人 そのとおりでございます。
○松本(剛)委員 金融審議会の審議会令というのを拝見いたしますと、「部会の議決をもって審議会の議決とすることができる。」このように書いてあるわけでありますけれども、これは、正式にこのことによって議決をとったという理解でよろしいわけでしょうか。
○堀内参考人 そういう認識ではございませんで、こういう問題については、私の判断では、議決をとるときもあるし、そうでない場合もあるというふうに考えております。つまり、議決をとることができるというふうになっているんだと思いますね。 それで、この問題は、既に一昨年の金融審議会で、そのとき私はおりませんでしたけれども、そこでこの予定利率問題の賛否両論に関してかなり詳しく議論されたということもありますし、それから、五月十二日の第二部会におきましてかなり時間をかけて賛否両論出てまいりまして、その中で、私、部会長として、先ほどお話がありましたように、行政的に進めていくことに合理性があるというふうに判断いたしましたので、その旨を部会で申し述べて、引き取らせていただいたということであります。 したがって、形式的な議決はとっていないというふうに考えておりますけれども、それは、私の判断が無効であるということにならないのじゃないかというふうに思っておりますけれども。
○松本(剛)委員 確認を申し上げたかったのは、今まさにおっしゃったとおりでありますが、「部会の議決をもって審議会の議決とすることができる。」と申し上げたように、きちっと議決をとっているのだとすれば、金融審議会として、先ほど竹中大臣がおっしゃったように、行政として作業を進めることについては了解だということになるんだろうと思いますが、今のお話を伺うと、堀内先生の部会長としての御意見としてそうだということになるんではないかと思いますけれども、その点だけ確認をさせていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○堀内参考人 私が事務局と相談して行政手続を進めていくということをお認めいただきたいということを申し述べました。それについて了解をとったというふうに認識しております。
○松本(剛)委員 では、各部会のメンバーの方々は、その点については一応了解をした、こういう理解でよろしゅうございますでしょうか。
○堀内参考人 私のそういう、行政当局と相談していくことについて、了解していただいたというふうに理解しております。
○松本(剛)委員 それであれば、もう各メンバーの了解をとったんであれば、議決をとったということでよろしいんじゃないでしょうか。
○堀内参考人 先ほど私が申しましたのは、狭い意味で議決をというような意味ではないというふうに申し上げました。ですから、了解いただいているということは事実だと思います。
○松本(剛)委員 時間もあれですから。 金融審議会というのは金融庁のもとに設置された正式な審議会でありまして、議決についてもきちっと令で定めがあるわけでございます。今、事務当局というのは恐らく金融庁さんを指すんだろうというふうに思いますが、事務当局と御相談をいただいて、議決ではないが了解をとったという形で、またこれをもとに大臣が、金融審議会での議論はどうなっているのかということに対して、大臣として、行政として作業を進めることについては了解というふうにされたと承知をしておりますと御答弁をいただいているわけですから、議決をとったかとらないかということだけは一度はっきり御答弁をいただけたらありがたいと思います。 正式な議決ではないということであればそれで結構でございますので、その点だけ確認をさせていただきたいと思います。
○堀内参考人 了解をとったということで御理解いただきたいと思いますが……。
○松本(剛)委員 時間が参りましたのでこれ以上申しませんが、金融審議会令に言うところの議決ではなかった、了解をとった、こういう御説明があったというふうに私は解釈させていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○小坂委員長 次に、中塚一宏君。
○中塚委員 自由党の中塚です。参考人各位におかれましては、大変御苦労さまでございます。 今の金融審議会での議論の件について伺いたいんですが、議決ではなく了解であるにしても、一度、今国会で、三月の半ばごろに保険業法の改正案というのは提出をされているわけですね。今またこの予定利率を引き下げるという法律が提出をされるということになるわけです。 堀内参考人にお伺いをいたしますけれども、この間に、一度見送った予定利率引き下げということについて、経済金融環境等何か変化があったということで今回この改正案を提案するということになったんでしょうか。
○堀内参考人 株価の低迷とか経済環境が非常に悪化しているということは否めない事実でございまして、そういうことをより深刻に受けとめたというふうに考えていただいて結構だと思います。
○中塚委員 さらに、平成十三年ですか、この件について議論をされています。その議論をされた結果についてパブリックコメントを求められて、パブリックコメントを、私も公開されているものを拝見いたしましたが、それこそ大半を反対意見が占めているわけですね。賛成意見というのは若干のものしかなかったということなんです。 二年近くそれを経て、今回、予定利率の引き下げの法案を提出されるということになりましたが、このパブリックコメントの意見というのは、審議会、部会の議論には十分反映された結果として、この法律は提出をされているんでしょうか。
○堀内参考人 そのように考えております。
○中塚委員 次に、横山参考人にお伺いをいたします。 冒頭、深尾参考人の意見陳述にもありましたが、生命保険の予定利率を引き下げるということになりますと、要は、保険料なりあるいは保険金なりというものを信じて契約をした契約者にとりまして、これは事実上のデフォルトということなんじゃないか。私もそのように思うわけなんです。こういう予定利率引き下げということになれば、保険会社としてデフォルトであると宣言することではないのかというふうに思いますが、そこはいかがでしょうか。
○横山参考人 契約条件の変更というものがデフォルトではないのかという御質問でございます。 一般的には、デフォルトというのは、破綻等により一方的に債務が履行できなくなるケースというふうに解釈をしております。したがって、今回の契約条件の変更という社員自治に基づく決定、一つは社員総代会という議決機関を経て四分の三以上の了解をとって決めるといったこと、あわせて異議申し立てというような手続を経て契約者の意見を聞く機会を与えられるというのは、強制的な債務のカットとは言えないということで、通常のデフォルトとは違うのではないかというふうに思っております。
○中塚委員 深尾参考人、今の横山参考人の御意見について、いかがでしょうか。
○深尾参考人 この話は、九六年の保険業法改正の時までさかのぼる話だと思います。 私も、住友生命の保険に入ったのは一九八四年か五年でもう二十年近く前ですが、その時点で、保険契約を結んだときに、定款を読むようにと保険のおばさんに言われまして、まじめに定款を読んだわけです。そのときの定款には、総代会によって条件変更があり得る、つまり保険金の削減があり得るということが書いてあったわけです。 そういう意味では、九六年の改正以前の保険会社においては、まさに社員自治の考え方から、定款に、経営が悪化した場合は基礎率を変更する、つまり予定利率を下げることもあり得るというふうに書いてあったわけです。これを九六年の保険業法の改正によってなくした。つまり、各社は定款を変更して、この総代会による基礎率のカットというものをなくしたわけです。 これをなぜなくしたかというのは、そもそも、多い会社ですと一千万を超すような契約者がいるところで、一握りの総代会で決められるのか、また、実際上、契約者は、これは普通の契約、つまり預金とか社債を買うといったのと同じような契約だと認識しているのであって、実態に合わせるという観点からは、むしろ保険契約というのは保険会社にとっての債務である、こういう考え方があって九六年の改正が行われたんだというふうに認識しております。その改正の後は、保険会社の契約というのはいわば普通の一般債権であって、総代会でカットするということはそもそも想定されていなかったわけです。これをもう一回蒸し返すという形になっている。 それで、私は、こういう観点からいうと、既に定款を九六年の改正に合わせて改正して、予定利率の引き下げというのはもうないんだ、つまり負債は負債にしたんだという宣言を一回したわけでして、これをやはり都合が悪いからもう一回やめますという形で総代会でカット発議して、その上で契約条件の変更について異議申し立てで合意をしますということは、やはり部分的なデフォルト、全部を払えないというわけではありませんが、部分的なデフォルトに当たるというふうに思います。 また、実際、今、反対をした人あるいは何もしなかった人にとってみれば、結局契約書に書いてある数字と違う形での解約返戻金や保険金になるという意味ですから、そういう意味では、個々の人にとってみれば不利な条件変更が強制されるということになるわけです。本来は、個別の契約者にお願いして、こうこうこういう理由でカットしてくださいということをした上で個別にカットするというのはあり得るわけです。それであれば契約者間の合意ということで、条件変更ということになりますが、これは実際上無理ですし、また非常に困難である。こうなりますと、多数の債権者がいる状態において、公平なカットを行うためにはやはり更生特例法の方が望ましいというふうに考えております。
○中塚委員 その更生特例法に関連して次にお伺いをいたします。 横山参考人、横山会長も経営者として保険会社の経営に当たっていらっしゃるわけなんですが、今回のこの法律で、契約条件の変更を行わなければ保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合ということになっております。また、他方、更生特例法等は「破産の原因となる事実が生ずるおそれがある場合」であるとか、あるいは「弁済期にある債務を弁済することとすれば、その事業の継続に著しい支障を来すおそれがある場合」というふうにされております。 縁起でもないことでありますし、そうならないように努力をするというふうなお話ではありましたが、経営者として、契約条件の変更を行わなければ保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合というのはどういう場合なんでしょう。
○横山参考人 契約条件の変更を行わざるを得ないといいますか、本来は、先ほど来出ております破綻処理、会社更生法の適用をするという選択肢があるわけでありますが、それが契約者にとって著しい不利益を生ずるという場合に、将来的に会社更生法適用に至らざるを得ないという場合があるかと思いますが、私はそういうことを今想像したことはないので、余りよくわからないんですけれども、理屈的に考えますと、今回の法案は、会社更生法を適用したら非常に大きなロスが生ずる、それに対して、比較的小さいいわゆる債権のカットで済む場合には、契約者のためにもそちらを選択すべきではないかというふうに経営が判断をするのではないかというふうに考えますが、それは、当然ながら、将来的にいわゆる事業を継続することが困難であるという蓋然性が生ずるというふうに、いろいろなデータから、逆ざやの程度であるとか収益力の程度、それから自己資本の状況等を考えて、経営者がそういう判断をされるのではないかというふうに考えております。
○中塚委員 非常に難しい判断なんだということがよくわかりました。 次に、パブリックコメントなんかでも寄せられていた意見なんですけれども、堀内参考人、横山参考人のお二人に伺いたいんですが、生命保険が予定利率引き下げの可能性を内包しているということになりますと、その他の金融商品と比べて競争力の低下を招くのではないかというふうな意見がありましたが、それについてはどういうふうにお考えでしょう。
○堀内参考人 お答えいたします。 そういう可能性はないとは言えないと思いますが、ただ、先ほど私申したと思うんですけれども、一方では、高い予定利率の商品を何とか維持しようということに伴って、新しい商品設計が難しくなっているという面がありはしないだろうか。むしろ、新しく売り出されるものについては、私の見るところでは、条件は非常に悪くなっちゃっているということですから、かえってそれが新しい商品を売れなくしているようなこともあるということで、そういう意味でいえば、予定利率の変更の可能性を開くということは、どちらとも言えないかもしれない。 それからもう一つ、これも私先ほど申しましたが、結局、予定利率などの契約を一たん締結した後に、先ほどデフォルトかどうかというお話がありましたが、その契約事項を変更するということが軽々に行われれば、契約そのもの、あるいは金融商品そのものが信頼性を失うということにもなりかねないわけでありまして、そういう意味では、やはり、そういうオプションを広げてはいるけれども、契約の変更が合理的であるということを関係者一同がきちんと理解できるようにするという努力が絶対に必要だというふうに思います。
○横山参考人 商品の競争力というのは利回りの高低だけではないと思いまして、そういう意味では、付加されているサービスの内容であるとか税制面とかそういった要素を加味してはかられるものであろうというふうに考えられます。したがって、単純に比較することは難しいのではないかというふうに考えます。 予定利率引き下げの可能性を内包しているということについては、これはどちらかというと、過去の契約者、十年ぐらい前の契約者の予定利率が変更されるということで、競争力という場合には、新しい契約者を、これから入る加入者を想定をしているということからしたら、競争力の低下を招くということはないのではないかというふうに考えます。
○中塚委員 次に、これもパブリックコメントで寄せられていた意見の一つだったと思いますが、国際的に見ても、破綻したとき以外に予定利率を引き下げる、そういうふうな契約条件変更を行う制度を持っている国はないわけですけれども、今回、この予定利率引き下げという法案が通った場合、諸外国から、日本の生命保険会社は大丈夫なのかというふうな、国際的な信用を失墜をさせることになるのではないのかというふうな懸念があるわけですが、横山参考人、それはいかがでしょう。
○横山参考人 先生の御指摘のとおり、諸外国にこういう今回提案されているような自治的な契約条件の変更を認める制度はないように思います。 このような制度をつくった場合に、果たして海外の投資家がどのように見るかということについては存じ上げませんが、こういう制度をつくることによって、保険契約者の保護に資するような目的であれば、それは海外の投資家あるいは国際的な信頼を失うことにはならないのではないかということで、それがどういう目的のために利用されるかという運用の方法が非常に大切になってくるのではないか。あくまでも契約者の利益につながると見るのかどうかということが非常に大きなポイントだというふうに考えております。
○中塚委員 堀内参考人にお伺いします。 先ほど来おっしゃっている意見の中で、逆ざや問題がある、そういった経営状況の中に置かれている生命保険で新規契約、予定利率は低いわけですけれども、ただ、予定利率が低い割には高目の保険料で、それが逆ざやを埋める重要な財源になっているというふうなことであるならば、今回、高い予定利率を引き下げることによって生まれた財務上の余力というのは、低い予定利率の人にも還元をされないと契約者間の不公平を招くのではないかというふうに思いますが、そこはいかがでしょう。
○堀内参考人 そういう個別の商品設計に関してどのような対応をするかについては、なかなか一般論は言えないかと思いますね。それぞれの商品の属性に応じて、その時々の状況も勘案しながら条件を設定せざるを得ないということだと思います。 しかし、先ほど私が申しておりますように、過去のある意味では失敗といいましょうか、そういうものを引きずって、そのために新しい商品設計ができないとか、あるいは、本来そういう保険商品を利用しなければいけないというような立場にある人たちにしわ寄せが行くというようなことがないようにすべきでありまして、そういう点でいいますと、今おっしゃったようなことを経営上配慮していくということは私は個人的には必要ではないかというふうに考えます。
○中塚委員 では、最後に石井参考人にお伺いをいたします。 保険調査人にアクチュアリーが就任をするということですけれども、公認会計士さんみたいに独立性というのが法律でちゃんと担保されているというわけではないようですけれども、報酬を当該保険会社から受けながら、本当に果たして公正な調査ができるのかということと、あと、商品設計等にはよくかかわっていらっしゃるというふうに思いますけれども、保険会社全体の経営の健全にかかわる判断が可能なのかどうか、この二点について手短にお願いします。
○石井参考人 保険調査人については内閣総理大臣が選任するということで、だれが選任されるかということについて私が答える立場にはないんですけれども、少なくとも、予定利率の引き下げを行う会社の保険計理人のように、当該会社と利害関係のあるアクチュアリーが保険調査人になるということは、まずこれは想定すべきではないことだと思います。 保険調査人についていえば、ほかの会社でも全く別の、それと利害関係のない方、例えばコンサルティング会社もあれば別の会社の人たちも存在するわけで、そういった場合に、日本アクチュアリー会というのは行動規範を定めていまして、善管注意義務というものを課されていたり、誠実に専門業務を行うことになっております。 それからもう一つあるのは、アクチュアリー会の正会員といいましても、生保もあれば、損保もあれば、年金もございますので、それぞれ自分の専門分野のところが当然ありますから、そういったところにかかわっている方ということになろうかと思いますけれども、日本アクチュアリー会の会員の者は期待を裏切らないというふうに確信しております。行動規範とか懲戒規定まで含めてございます。 それから、アクチュアリーの、会社全体の経営の健全性ということなんですけれども、保険会社の使命は、約定したものを守っていくというのが大前提でございまして、将来の債務の履行のために責任準備金を積み立てております。毎年、その責任準備金を積み立てていることに対して、それが保険数理に基づいて健全に積み立てられているかどうかを確認する格好で、例えば計理人なんかが意見書を出しておりますので、そういう観点から見て、健全性の判断は可能であるというふうに考えております。
○中塚委員 終わります。ありがとうございました。
○小坂委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。四人の参考人の皆さんには、お忙しいところ、本当にありがとうございます。 最初に、私は横山参考人にまず伺いたいと思うんです。 今、多くの契約者の方から、予定利率が引き下げられたら大変だということで、窓口にいろいろ問い合わせ等が既に始まっているということで、各社の方でも口頭あるいは文書でマニュアルを示して、こういうふうにお答えしなさいということをやっておられるということを現場の方で伺っております。 横山会長さんのところも、予定利率引き下げに関する応答話法というものの中で、引き下げは断固しない決意です、その意味で当社と無縁な法律ですと答えなさいと社内で指示しておられるんですが、これは私はなかなか立派だと思っているんです。まず、予定利率の引き下げなど御社はなさらない、こういうお考えなんだろうなと思いますので、一点、これをお聞きしておきたい。 それからもう一点、昨年の週刊東洋経済十二月十四日号、「契約者に納得されるような形でできるのであればかまわないが、私はそういうものはできないと考えている。」これは予定利率引き下げ問題についての質問に対してですね。「私はそういうものはできないと考えている。劣後ローンを完全に毀損させずに、契約者の権利を削減することなど許されないのではないか。」と当然の発言をしておられると思うんです。 この二点について、改めてお考えを伺っておきたいと思います。
○横山参考人 先ほどの一点目の、契約者からの照会の件でございますが、私どもは、この予定利率の変更の法案が通りましても引き下げないという方針を社内で確認しております。それは、あらゆる経営努力を通じて、この契約条件の変更をすることのないようにしたいという決意でございます。それは契約者の御照会に対してもお答えするようにということでございます。 契約者の照会の相当の部分、大半の部分は誤解に基づくものでございまして、契約条件の変更の法案が通過した場合には御自分の予定利率は下げられるというふうに誤解されております。全部下げられるんだ、三%以上の予定利率の契約は下げられるという誤解が生じているということで、そういった誤解を解く努力をしているということでございます。 それから、二点目の点でございますが、私は以前記者会見で、御指摘のような話はした覚えがございます。基本的に反対意見をずっと述べてまいりました。 これは基本的に、先ほど来申し上げますように、契約条件を途中で変更すべきではないという考え方をそういう場で申し上げたわけで、特に当初のちまたに語られていた案は、強制引き下げないし一斉引き下げという案でございました。これは憲法上の契約者の財産権を侵害するおそれがあるということで理解をしておりましたので、過去の法令等もございまして、そこは不可能であろうという確信がございましたので、明確にその辺については反論をいたしております。 以上でございます。
○吉井委員 今のお話を伺っておりましても、法案が出てきただけで生保への信頼がかなり揺らいできている、そういう問い合わせですから、私も同じように心配をしております。 次に、深尾参考人に伺いたいんですが、先ほど来お話もありましたが、銀行から生保への拠出、劣後ローンなど、昨年九月期で一兆百十億円、ことし三月期で一兆百六十億円。銀行から生保へというのは、これは金融庁の方からもらっている資料であります。生保から銀行へも昨年九月期で五兆六千九十三億円、ことし三月期で四兆五千七百八十二億円というふうに、相互に劣後ローンなり劣後債なり持ち合っているという状況ですが、同時に株式の保有も、生保が銀行株式を持っているのが、今のは全部大手十社の話ですが、昨年九月期で二兆六千四十六億円、ことし三月期で一兆七千三百三十三億円の株式を持っている。 そこで、深尾教授は「生保危機の真実」という御著書の中で、 保険会社に資本を提供した銀行などの権利が守られる一方で、一般の保険契約者が損失を被ることになる。普通の株式会社に例えて言えば、株主責任が問われない一方で、優先されるべき債権者が損失を被ることになる。これは倒産処理の原則に反するものである。仮にこれが広範に実行されると、保険会社がいかに多くの自己資本を積んで健全性を訴えても、債権者はそれを信頼しなくなるだろう とおっしゃっておられますが、この御指摘との関係で、この法案が保険契約者よりも銀行を優先するものではないかという点についてのお考えを伺っておきたいと思います。
○深尾参考人 今お話があったとおりでありまして、今回の法律と従来の更生特例法を比較しますと、要は出資者であるほかの大手の金融機関の保護ということが目的のように読めます。
○吉井委員 それで、さらに重ねて深尾参考人に伺っておきたいんですが、契約者には、破綻するよりも予定利率引き下げておいた方が得なんだよ、こういう話が予定利率引き下げというところにあると思います。外資と勝ち組企業が受け皿企業となって、この外資なりあるいは勝ち組企業の受け皿企業が有利な条件で生保の再編、淘汰を進めていく。この法案は、予定利率引き下げと生保の再編、淘汰というものとのセットで考えられている、ここに大きな本質的な問題があるということも読み取ることができると思うんです。 その問題と、そういうことをやると、結局、予定利率引き下げというのは、生保業界に対する信頼そのものを低下させることになりますから、そういう点でもこれは問題があるということになるんじゃないかと思うんですが、この二点について堀内参考人に伺いたいと思います。——ごめんなさい、深尾参考人の方でした。
○深尾参考人 どういう再編、淘汰を想定しているのか私にはわかりませんけれども、仮に日本の大手生命保険会社に興味があるという会社が、国内であれ外国であれあったとしましても、高い予定利率を抱えたままですと逆ざやが続きますので、買う妙味といいますか、うまみは余りない。そういう意味では、一たん予定利率を引き下げてからでないと引き受けられないということはそのとおりだと思います。 ただ、買う方も結局何社かをビッドさせるといいますか、競争させる形でやることによってなるべくいい条件を引き出すということがこれまでも行われておりまして、更生特例法による処理においては、例えば千代田生命については、三割近い債務超過であったにもかかわらず、保険契約者保護機構のお金を一銭も使わないで処理が行われるといった形で、相当、契約者あるいはほかの健全な保険会社の契約者、こういった人が結局保護機構にお金を出しているわけですから、そういった保険契約者全般についての保護という意味では、更生特例法はそれなりに機能してきたというふうに思います。ですから、この法律がなくても十分処理は可能だというふうに考えております。
○吉井委員 あわせてもう一点、最後に深尾参考人に伺っておきます。 昨日の委員会で、私は、契約者と保険会社とでは情報量、判断能力などでも大きな差がある、力関係に圧倒的差があるわけですから、だから、保険の分野には私的自治に任せることのできない領域がある、その一つが契約者に不利な条件変更という問題だということも指摘もしたんです。実際、フランスその他諸外国では、株主総会、総代会の決議があっても契約条件の変更はできないと明文で規定されておりますし、日本でも、法律学全集の中での「保険法」という中に同様の指摘がありますが、この点についてのお考えをあわせて伺っておきたいと思います。
○深尾参考人 今回の法案審議においても、例えば金融庁の提出した数値例を見ますと、更生特例法の方が今回の法律よりも契約者にとって不利であるかのような数値例がございます。しかし、常識で考えてみますと、三千億、四千億という自己資本を保険契約者の保護に使える方が使わないよりも不利になる、つまり更生特例法の方が保険契約者にとって不利になるということ自身、私はどうしても理解できない部分がございます。そういう意味では、保険契約者に対して同じような数値例を保険会社が配布して、よって更生特例法よりも今回の法律を適用した方が有利ですよと言うおそれ、つまりそういった形でのミスリーディングな情報を流す可能性は十分にあり得るというふうに思います。 そういう意味では、国会の場でそういった契約者の保護をしっかりしていただく、また、諸外国から笑い者になるような法律をつくらないということが求められているというふうに思います。
○吉井委員 改めて横山参考人に伺っておきたいと思うんですが、生保業界のことし三月期決算で、逆ざやの方が一兆一千六百六十九億円、これを埋めた後の基礎利益一兆九千九百九十一億円が、株安の影響二兆一千三百十四億円、これは減損処理の一兆七千五百二十一億円と含み損の三千七百九十三億円で二兆一千三百十四億円となりますが、この株安の影響で、結局基礎利益が吹き飛んだということになっていると思うんです。 会長さんとして、参考人として、この間の株安の影響をどういうふうに認識しておられるかということ。これは実体経済の反映でもあり、先行きの見通しともかかわる問題です。ですから、根本はやはり実体経済の改善、つまり経済政策の方できちっとやらないと、予定利率引き下げて、何かそういうところをいじくっておって、株安だからこうだとか逆ざやだからこうだとかいうことをやっているだけでは、結局何の解決にもなってこないし、二次破綻、三次破綻と、次々と破綻の連鎖ということもあり得るわけで、そういう点でこの株安の影響をどういうふうにお考えか、伺っておきたいと思います。
○横山参考人 おっしゃるとおりの部分があると。これは、生保の基礎利益、フローの収益がほとんど株安で吹っ飛ぶという状況でございまして、その影響を今回の決算では非常に大きく受けたということがございます。これを改善するためには、もちろん、そのほかの経営努力というものはやっていかなければなりませんが、経済、景気の回復、デフレ経済の克服、そういうことを真剣にやらないとこれの改善はなかなか難しいであろうということはおっしゃるとおりだと存じます。
○吉井委員 先ほどは堀内参考人、大変失礼いたしました。 伺っておきたいと思うんですが、金融分科会第二部会、第三回の議事録、二〇〇一年四月二十五日の分を読んでおりまして、山下教授の方から、国際的には、この予定金利の引き下げというふうな制度は、他の国でもほとんどない、国民的コンセンサスを得ないとこういうことはできないものだという御発言があったりとか、これは昨日のこの委員会でも取り上げたんですが、ことし五月十二日の金融審議会第二部会では、先ほど来お話ありましたように、大変異常な審議会になったというふうに報じられてもおりますし、堀内部会長御自身も、十分に議論できていないことは率直に認めざるを得ない、議論が生煮えなのは否定できないと発言したとも報じられております。 議事要旨を見ていても、「金融審議会として今日意見が一致できるというわけではないが、時間的制約の中で行政が責任を持って制度の具体化に向けて検討することはよいのではないか。」というふうに述べておられるわけです。 二年前の金融審議会では、中間報告を出すのに三カ月、パブリックコメントを含めれば六カ月の時間をかけて議論をしてきたわけですね。今回、わずか二時間。そして、二年前の中間報告で必要とされた社会的認知、この社会的認知ということでパブリックコメントをとられたと思うんですが、今回はパブリックコメントもとっていないわけですが、堀内参考人としては、社会的認知が得られたものとお考えになっておられるのかどうか、このところを伺いたいと思います。
○堀内参考人 審議会の過程におきまして私がそういう発言をしたことがあったことは事実だと思いますが、この議論は、先ほどから御説明がありますように、一昨年の六月に中間報告書ができまして、その後にパブリックコメントを一回求めているということがあります。そして、きょう、私どもが呼ばれてこういう場におりますけれども、国会で、具体的な法案として提出され、非常に厳しくといいましょうか、議論されておるところでありますので、ここで、果たしてどういう結論が出るかによって認知されたかどうかということは最終的には決まるというふうに判断しております。
○吉井委員 国会は当然、出されたものについては多数決で決するところです。しかし、二年前には、やはり社会的認知が必要だ、認知が得られるものかどうかを確認する必要ありということでパブリックコメントもとっているわけなんですよ。国会の判断は国会の側が下すわけですけれども、堀内部会長としては、社会的認知が今日得られているものというお考えに達しておられるのかどうか、それを伺っておきたいと思っているんです。 先ほど横山参考人の方からは、実際にいろいろな心配やら寄せられているという話で、みんな心配しているわけですね。とても社会的認知が得られた状況にあるとは私は思えないんですが、参考人は社会的認知が得られたとお考えなのか、得られたとすると、どういう根拠でそう思っておられるのかをお伺いします。
○堀内参考人 社会的認知が得られているというふうには判断しておりませんが、私、部会長として、この制度を導入する前から申しておりますけれども、異論はもちろんあるとは思いますけれども、一定の合理性があるというふうに判断し、その選択肢を広げていくという意思決定に対して、それをいろいろな方に説得していくという行政的な手続を認めたわけであります。したがって、その後の、国会を含めて、国民の方々をいかに説得するかということは、行政あるいは政治の機能の最も重要な部分ではないかというふうに思います。
○吉井委員 時間が参りましたので、石井参考人には、予定していたんですが、一問もお聞きしないまま終わってしまったことをおわびして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
○小坂委員長 次に、植田至紀君。
○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀でございます。 本日は、四人の参考人の方々、本当に忙しいところ、お時間いただきまして、まずもって心から御礼を申し上げます。非常に勉強させていただきました。 さて、まず横山参考人に何点かお伺いをしたいわけですけれども、先ほども、総代会についての、総代の決定のありよう等々、非常に詳細に御説明がありました。私も拝聴しておりまして、総代会というものが、実際、契約者の意思をできるだけ反映すべく、それはそれで個々の保険会社で御努力をされている、その一端は伺わせていただいたと思っているわけです。 これはまず、問題意識としてお伺いしたいわけですけれども、総代の構成というものは、当然ながら、当該保険会社のいわば契約者の皆さん方の職業構成とか性別とか年齢構成、そうしたものを可能な限り忠実に反映するという、そういう問題意識で多彩な方々に総代に御就任していただいているというふうに理解していいんでしょうか。
○横山参考人 おっしゃるとおり、最大限、契約者の声が反映できるような総代会を目指したいということでございまして、各層からできるだけ公平な形で候補者を選定するように心がけてございます。
○植田委員 とすると、先ほどいろいろと詳しく御説明いただいたわけですが、総代の構成の中で、経営者を四割で抑えるということをおっしゃっておられましたけれども、私、不勉強なもので、できれば御教示いただきたいわけですけれども、例えば保険会社で、横山参考人の場合、御社でも結構でございますが、経営者が保険の契約者の大体四割を占めていると理解していいでしょうか。
○横山参考人 経営者が四割を占めていることはございません。 ところが、企業の従業員を含めて考えますと、会社関係者という定義でいいますと、相当な率を占めるというふうに考えます。
○植田委員 ありがとうございます。 しつこいようで申しわけないんですけれども、とすると、経営者を四割というところでの比率の上限を設けているということは、要するに、必ずしも経営者、社長さんとか会長さんとか頭取とか専務とか、ぎょうさん総代で入ってはりますけれども、それこそその総代さんは、経営者という立場としてだけではなくて、会社総体、その会社に所属する社員の方の総体の、以上総代という位置づけでもって四割という設定をされた、そう理解していいんでしょうか。
○横山参考人 この四割というのが必ずしもそういう精緻な数字をあらわしているわけではなくて、あくまでも、過去にはどちらかというと経営者が非常に多かったという反省がございまして、極力それを抑えていこうということで、結果的に四割が適当な数字であろうということで、現在、そういう数値におさまっているということの方が正確なところでございます。そこまで抑えてきたということでございます。
○植田委員 当然ながら、総代会というものが社員全体の意思を忠実に反映する総代会でなければならないことは言うまでもないわけですが、今回の法案が仮に通っちゃいますと、当然ながら総代会の信用性というものがやはり契約者全体からさらされるわけですね。とするならば、現状においてさまざまな形で、総代会の構成を含めて、そのありよう、まさに自治という観点から工夫はされてこられたと思いますけれども、今後引き続き工夫をしなければならない、より契約者の意思を反映し得る総代会の構成をやはりこしらえていかなければならないということは当然問題意識としてお持ちであろうと思います。 そこで具体的にどうした点で、総代会に現状においてまだ解決されていないそうした意味での問題点があるのか、その辺の、設定されておられる課題がもしおありであれば御教示いただけますでしょうか。
○横山参考人 総代会というのは、ガバナンスの極めて重要な部分を占めるということでございますから、私どもは総代会の運営については非常に気を使って運営をしております。 契約者、社員の意見を反映できるかどうかということについてでございますけれども、現在、我が社の例で申し上げますと、百の地域で契約者懇談会というのを総代会の前に開催しております。延べ二千人強の契約者の皆さんを集めて契約者懇談会を実施しているということでございまして、その席に総代の皆さんにも御参加をいただくようにお願いをしてございます。したがって、社員である契約者の意見を総代の皆さんが直接聞いて、総代会に出席された際にそういう視点を持って参加をされるようにということを期待しているところでございます。そういった数々の努力をしているということでございます。
○植田委員 これからもやっていただきたいわけですが、時間もありませんので、引き続き横山参考人にあと一、二点お伺いしたいわけです。 当然ながら、予定利率の引き下げを仮に生保会社が申請すれば、契約者はそういう保険会社を信用するかいうたら、なかなか信用しないだろうと思います。言ってみれば、それだけでも危ない生保だということを満天下に明らかにするわけですから、そういうところが新たな契約者を獲得することもままならないでしょうし、結果的に破綻に突き進むこともあるかもしれないというふうに普通思うだろうと思うんです。きょうの深尾参考人のお話、また御用意いただいたペーパーでも明確に、複数の大手生保について、予定利率の引き下げを避けることは困難であると判断されると明示的に述べておられます。 ただ、横山参考人のお立場からすれば、先ほどの意見陳述の中でも、例えばそれは経営の健全化の努力をやってきた、また新商品の開発等々、新たなビジネスモデルの構築等々を進めてきているということで頑張っているんだというお話でございました。 そこで、そうした各生命保険会社の自助努力、経営努力の結果、現状において、そしてまたその現状から導き出される将来の見通しにおいて、予定利率引き下げが必要な実態に現在生命保険会社はないということをはっきりおっしゃっていただけますか。それがまた断言できますでしょうか。
○横山参考人 我が社の経営の状態については私は申し上げられるという立場にございますが、ほかの会社の経営についてここで明確に申すことはできない立場でございます。 少なくとも我が社については、基礎利益も十分に確保しておりますし、相応の自己資本も確保しているというふうに認識しておりますし、また将来においてもこの経営の努力を怠らないということでございますので、予定利率の引き下げを行う予定はないということでございます。
○植田委員 ただ、各生保会社がそれこそ経営努力を行っておられる、横山参考人も当然自分の会社のことしか、それはよそのことまでちょかちょかと物は言えない立場は十分理解しておりますが、現実にそうした経営努力、不断の努力を超えたところに横たわっているのが逆ざや問題だろうというふうに思うわけです。要するに、今回の問題というのは、各生保会社が一生懸命経営努力をする、そのことを超えたところにまだもう一つ大きな問題があるというふうに思います。 その意味で、この逆ざや問題の背景となっている現在の小泉内閣における経済政策、それ自体に今回の問題を引き起こしている背景が横たわっていると私は認識しているわけですけれども、かかる政策のありように対して、実際の生保会社を束ねておられる一人、責任ある立場の方として、いかなる政策を具体的に御希望されているのか、その一端をお伺いできますでしょうか。
○横山参考人 現在の日本の低金利が逆ざやの根本原因でございますが、これはデフレ経済の進行、それから景気の低迷ということに起因するものでありまして、そういう点では、ここの解決なくしては逆ざやの解決はあり得ないということも事実でございます。 したがって、政府におかれましては、最大限のデフレ克服の方針、現在小泉政権もそういうような方針を示されておりますが、それの実行と強い意志を期待するものでございます。
○植田委員 ありがとうございます。 続いて、堀内参考人にお伺いいたします。 堀内参考人にお伺いしたい点、まず更生特例法の手続にかかわっての御認識をあらあら伺いたいわけですけれども、現実に、破綻前に予定利率の引き下げを実施しても二次破綻を招きかねないというような話もあるわけです。まず、更生特例法の手続に関する認識について、とりわけこの間そのデメリットを指摘する意見、非常に説得力のある有力な意見もあるわけでございますが、その点も念頭に置いていただいて、堀内参考人にお願いいたします。
○堀内参考人 更生手続につきましては、これはどういうタイミングで手続を開始するかによって非常に微妙な問題は残りますけれども、一般的に言えば経営状態が破綻しているということが認定された強制手続になるわけでありまして、そういう認識に基づいて行われる場合に起こってくるさまざまな費用というものはかなり考えられるわけですね。保険契約者自身が負担しなければいけない損失部分というものももちろんありますけれども、そういうものを考えてみた場合に、それ以外の、ここで挙がっているような予定利率変更を含めた契約の変更等の選択肢を広げるということは、何度も申しておりますけれども、これまで我々が認識していなかった状況に対応する一つの方策として合理性がある。一方、更生手続だけで対処するということは、場合によったら大きな問題を引き起こす可能性があるというふうに考えております。
○植田委員 続いて、引き続き堀内参考人に伺いますが、二〇〇一年の金融審議会の中間報告、ここでは、「契約条件の変更に当たっては、保険契約者の明確な意思決定が必要である。」そして、その明確な意思決定の方法とは何ぞや。「少なくとも現状において、総代会によるガバナンスには限界があり、」限界があると報告では明確に言っているわけです。「総代会の決議のみによって変更を認めることは困難であり、」困難だと。「保険契約者の参加が保証された契約者集会等の適切な意思決定プロセスが用意される必要がある。」と明確に指摘しているわけです。これはやはり、契約条件の変更というのは何を意味するかということを十分認識していると思います。 総代会の決議のみによって変更を認めることは、総代会のガバナンスには現状において限界があるんだと断定しているわけです。だから契約者集会が必要だと言っている。にもかかわらず、今回、ここがすっぽりと抜け落ちている、今回の法案では。抜け落ちているけれども、今回の法案で、契約者保護、契約者の意思の尊重が十分図られているという、その根拠は那辺にあるのか、御教示いただけますか。
○堀内参考人 植田委員御指摘のように、この契約更改は非常に重いものでありまして、契約者をいかに不当な不利益から守るかということは非常に大きな問題になります。 その中間報告にも書いてありますように、総代会そのものの機能については、必ずしも十分でないという認識は委員の中にあったわけでありまして、したがいまして、今回の提案されている予定利率引き下げスキームの中には、単に総代会による契約条件の変更だけではなくて、それに対応して、行政当局による契約条件の変更案の承認という手続を入れております。 したがって、ここは、これは深尾委員の本の中にも書かれてありますけれども、完全に私的なネゴシエーションといいましょうか、交渉だけで契約を更改するというようなことにはなじまない問題もあるわけでありまして、そこにはやはり行政的な配慮によるコントロールが必要である、そこをきちんと人々が納得するように運営していくというのが、このスキームにおける行政当局の非常に重い責任であるというふうに認識しております。
○植田委員 最後に深尾参考人に一点お伺いして終わりたいと思うんですが、先ほどの意見陳述の中で、いわゆる更生特例法のデメリットにかかわっては、御説明の中で、基本的にすべてそれについて論破されたと私は思いながら、最後、確認させていただきたいわけです。 深尾参考人のお考えからすれば、この低金利政策が継続される中においても、いわば契約者をしっかりと保護する、そのために実現し得る最良の政策というものは、既に制定されておる更生特例法をきちんと活用して公正に処理する、そのことに尽きるというふうにお考えなのか。また別の手法というものも想定し得るのか。最後、その点だけ御教示いただいて終わりたいと思います。
○深尾参考人 現在の制度を前提とすれば、更生特例法を早目に適用するということが契約者保護に一番つながると認識しております。 ただ、それ以外にもっといい方法があるのかと言われた場合に、これは行政次第といいますか、法律の運用次第という側面が私は相当あるというふうに思います。 現在の更生特例法も運用次第で、予定利率のカットだけで、結局、責任準備金もカットなしで処理をする十分な力を持っているわけですけれども、問題は、それを使わないという現実がある。その背景には、一つは、先延ばしした方が、少なくとも自分の担当の時代はなるべく保険会社の処理をしたくないと思うのは、人の通常の考え方になるわけです。それをどうやって抑えるかというのは、やはり政治のレベルで、つまり金融大臣のレベルで、おれが後ろにいるからどんどん処理しなさいということをしっかり言っていかないと、役人としては動けない、こういう面もあります。 そういう意味では、やはり政治のレベルにおいて、結局、短期的には不人気かもしれないけれども、不健全になった金融機関を早目に処理していく、その場合に、しっかり筋を通す。つまり、株主の責任をしっかり問うて、その上で最小限の負担を保険契約者にお願いする、これが重要だというふうに考えております。
○植田委員 以上で終わりますけれども、せっかくの機会をいただきながら、石井参考人には聞く機会を逸しまして、その点だけおわびを申し上げまして終わります。
○小坂委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位におかれましては、御多用中のところ御出席を賜りまして、貴重な御意見をお述べいただきましたこと、まことにありがたく、心から御礼を申し上げます。委員会を代表いたしまして御礼を申し上げ、本日の御苦労に報いたいと思います。(拍手) 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○小坂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 金融に関する件の調査のため、来る十一日水曜日、参考人として株式会社りそな銀行前頭取勝田泰久君、新日本監査法人理事長竹山健二君、朝日監査法人理事長岩本繁君、全国銀行協会会長三木繁光君、株式会社整理回収機構代表取締役社長鬼追明夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○小坂委員長 午前に引き続き、保険業法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局長藤原隆君、金融庁監督局長五味廣文君、内閣法制局第三部長梶田信一郎君、総務省郵政行政局長野村卓君、公正取引委員会事務総局経済取引局長上杉秋則君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○小坂委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仙谷由人君。
○仙谷委員 保険業法の改正についてまずお伺いするわけでございますが、改正後の保険業法第二百四十条の三というのがございます。巷間、これで解約を停止するとか禁止するとか、解約ができないとか、こういうふうに世の中に伝わっている問題でございます。 しかし、法律の条文を私なりに読みますと、この条項は、内閣総理大臣が保険会社に向けたもの、あて名が保険会社であって、そして、「保険会社の保険契約の解約に係る業務の停止その他必要な措置を命ずることができる。」こういう記載の仕方になっているわけですから、いわゆる行政処分といいましょうか、命令的行為という行政行為の範疇だろうと思いますし、あて名が保険会社だけでございますから、当然のことながら、保険契約者には全く無関係、何の効力もない規定だというふうに理解していいんでしょうね。大臣もしくは副大臣、お答えください。
○竹中国務大臣 お答え申し上げます。 まさに仙谷委員、法律の御専門家でございますから、今の御指摘、基本的にはそのとおりだというふうに私も理解をしております。 言うまでもありませんけれども、この手続は、予定利率を引き下げするに当たって、保険契約者の保護、この手続が混乱しないように粛々と進めて、それによって保険集団の維持を図りたい、このために保険会社に対して解約に係る業務の停止を命ずる、保険会社に業務の停止を命ずるというのがこの趣旨でございます。したがって、保険契約者の解約権自体が制限されるわけではありません。 もちろん、解約に係る業務が停止されますので、保険契約者への解約返戻金の支払いは停止されるということになります。その意味では、委員の御指摘のとおりでございます。
○仙谷委員 確認的に聞くんですが、そうしますと、解約の自由は保障されておって、解約の意思表示は自由にできる。その意思表示された解約というのは当然のことながら法律上の効果を生む。しかし、法律上の効果を生んだ解約に伴って保険会社が行わなければならない原状回復等の義務、主たる行為としては解約返戻金の計算やあるいはその返戻、返還という行為になると思うんですが、その業務は停止されているけれども、解約自身は全く自由である、こういうふうに理解していいですね。
○竹中国務大臣 これは、先ほど申し上げましたように、解約権自体が制限されているというものではありません。その意味で、自由かということに関しては、解約の申し出は自由であるということになると思います。 業務停止の命令というのは、言うまでもありませんが、保険会社を拘束するものにすぎない。契約者からの解約の申し出は、その意味では司法上有効となります。委員のお尋ねの点に関してはそのとおりでございます。
○仙谷委員 そうすると、巷間、この間流布されてまいりました解約を制限できるとか禁止できるとか、解約をとめる、防止できるみたいな話は、これは専ら保険契約者の意思にかかわることであって、契約者がその気になれば全然自由に解約できると。今回の法律、この予定利率の引き下げに伴ういろいろな措置によって何か解約が防止できるかのようなことが流布されておったわけですが、それはそんなことないというふうに確認をさせていただきます。 さらにその上でもう一点、その間に、解約をしない場合には、保険契約者の義務の方は、当然ながら当初約束をした債務、つまり主たる債務は保険料の支払い債務ということになるわけですが、これは何の影響も受けずに、保険会社の方からの請求に応じて義務履行は完全にしなければならないと。 保険会社の方は、約束した債務、義務、つまり保険金を約束どおりある期間や条件が満たされたときには完全に支払うという義務を、一部もしくは相当部分これを不履行するということを総理大臣の方に申し入れるということで、つまり不完全履行を世間に広く公然と発表し、公告しておる。自分の方は債務を履行しないけれども、おまえの方は、つまり契約者の方はちゃんと保険料だけは支払え、こういうことにこの利下げ問題の各条項を使うとなるというふうに理解していいですね。
○竹中国務大臣 委員のおっしゃるとおりであります。
○仙谷委員 当然、私法上の双務契約ですから、そうならないとおかしいわけでございます。 そこで、保険業法の種々の問題についてお尋ねをしようと思って準備はしておったんですが、実は、昨日来、この間の「りそな」問題に関する金融庁そして竹中大臣の国会での御発言について、疑念を生ずるような事態が発生したわけでございます。そこで、改めてこの間の、主要には、「りそな」の財務状況をどう見るか、どう監督してきたか、どう判断したかという点にもかかわるわけでありますが、ちょっと丁寧にお伺いをいたしたいというふうに存じます。 竹中大臣は、衆参の予算委員会あるいは財務金融委員会等々でこういうふうにお答えになっているんですね。五月七日に「りそな」と監査法人のやりとりが上がってきた、大ざっぱに言うとそういうふうにお答えになっているくだりがあるわけでございますけれども、これは、五月七日に事務方から何を聞かれたんですか、やりとりというのは。 つまり、具体的に言うと、まず、朝日監査法人が四月の段階で繰り延べ資産の資本への繰り入れをゼロにするという判断といいましょうか決定をしたという事実は、この五月七日の段階で事務方から竹中大臣の方に上がってきておりましたでしょうか。
○竹中国務大臣 監督上いろいろなやりとりがあるということでございますけれども、その間の詳細に関して、監督という性格から、詳細なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。 五月の七日に私が聞きましたのは、決算に向けて最終的ないろいろな詰めをしている、その間に、監査法人との間で、繰り延べ税金資産をどのように計上するかについていろいろなやりとりがなされている、そういう議論がいわば非常に集中的に行われている、そういう報告を受けました。 私の方は、その段階では、これは当事者で決めることであるから、しっかりと議論をしてもらうことが重要だ、しかしながら、監査そのものに対して、これは民間で行うことであるから、しかも監査法人が独立して行うことであるから、金融庁が予見を与えるようなことは一切言ってはならない、それと、金融庁としてもいろいろな場合について想定をして、我々も何をやるべきなのかしっかりと考えていくようにしよう、そういうようなことを下には指示を出しました。
○仙谷委員 お伺いしていることだけに端的にお答えいただければいいんですが。 今のお答えだと、五月七日の段階では、朝日監査法人が四月二十二日の本部審査会で繰り延べ税金資産を全額否認する旨決定したというのはお聞きになっていないというふうに伺っていいですか。
○竹中国務大臣 監督上我々はいろいろな情報を知り得ることがありますが、それに関しまして、当事者の銀行が発表していないようなことに関しては、監督上知り得たことを私どもは申し上げる立場にはないというふうに思っております。
○仙谷委員 では、今から私が聞くことでそのたぐいのことがあったら、黙秘すると言ってください。黙秘で結構ですから。 では、続いて、その結果、つまり繰り延べ税金資産を全額否認するというふうに決定したことに伴って、四月三十日に朝日監査法人が、りそな銀行の監査の委嘱を受けること、受嘱の辞退を正式に「りそな」に伝えたというふうに、朝日監査法人がもう最近では公開的に、ペーパーに書いたものが外へ出たりもしておるようでありますし、そのことを積極的に朝日監査法人は訴えておるようでありますが、その事実はいかがですか。 朝日監査法人が、俗な言葉で言えばおりる、監査の受嘱を辞退する。つまり、二月末決算で決算閉鎖というんですか閉鎖決算というんですか、合併に伴う閉鎖決算までは行ったけれども、それとほぼ同じ期間の監査である〇三年三月期決算については、監査を受けないというふうに朝日監査法人が「りそな」に伝えたという事実はいかがでしょうか。
○竹中国務大臣 委員御指摘になられましたように、そういうような文書が出回っているというようなことを私も報道では知っておりますけれども、その事実については承知しておりません。
○仙谷委員 しつこいようですけれども、当然、七日の事務方からの報告では、つまり、朝日が監査を辞退したという点は報告になかったんでしょうか。
○竹中国務大臣 先ほども申し上げましたように、金融監督上いろいろな情報が入ってまいりますけれども、その監督の情報について、当事者が発表していないことについて、監督上知り得たことを金融当局である我々が申し上げるべきではないと思っております。
○仙谷委員 承知していないのと申し上げられないというのは大分違うんですが、その辺までは、では、朝日の話ですからいいでしょう。 五月五日に、新日本監査法人の本部審査会が開催されて、三年分までしか自己資本に繰り込まない、繰り延べ資産五年分は自己資本には繰り込まないんだという審査会の判断がされたということが巷間も言われておりますし、先般から問題になっております「電話メモ」でも書かれておるわけですが、そのことは、五月七日の事務方からの竹中大臣への報告の中には入っておったんでしょうか、入っていなかったんでしょうか。
○竹中国務大臣 先ほど申し上げましたように、決算を確定するに当たって、監査法人である新日本監査法人との間で、繰り延べ税金資産をめぐっていろいろな議論があるということの報告を受けました。 その中の詳細については、先ほど申し上げましたように、監督上知り得たこと、当事者が発表していないことについてはコメントを差し控えるべきだと思っております。
○仙谷委員 それが七日までに出た。 七日から十四日まで、いわば竹中さんは事務方の方に、今までの答弁によりますと、監査法人の監査に間違っても介入してはならないし、またそれだけではなくて、誤解を与えるような行動を断じてとってはならないということを伝達いたしました、そして非常に緊張感の高い一週間の仕事の中で、緊張感を持って事務方は仕事を果たしてくれた、こういうことをおっしゃっているわけですよね。 この一週間、十四日までには、流れが、新日本監査法人がどうしたこうしたとかというのがあると思いますけれども、これは十四日まで事務方から、きょうはこういうことがありました、きょうはこういう状況が変化しましたというふうな報告は上がっていたんでしょうか、上がっていなかったんでしょうか。
○竹中国務大臣 その間、いろいろなやりとりが続いているということは承知しておりました。その意味では、その間の若干の報告のようなものはございました。しかし、それはあくまでもやりとりの過程であるということでございまして、その間の経緯をまとめて報告を受け、考え方の整理も含めて、事務方からまとまった報告を受けたのが十四日であります。
○仙谷委員 五月九日に金融庁の事務方と「りそな」の方で、決算について、特に税効果会計をどこまで自己資本建てできるかという問題について、打ち合わせを九日にしたという報告は受けていませんか。
○竹中国務大臣 これは、その間ほぼ連日、毎日、しかも場合によっては一日の間に何回もいろいろなやりとりが「りそな」と監査法人の間でもあったと思いますし、また「りそな」と金融庁の間でもあったのだというふうに思っております。特にその日、何か大きな会議があってこれが決まったとか、そういうことは聞いておりません。
○仙谷委員 五月九日の日に新日本監査法人の重松代表社員の名前のメモが新日本監査法人から「りそな」に提出されたという事実は、その時点でお聞きになりましたか。いかがでしょうか。
○竹中国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、監督上いろいろな情報が入ってまいりますけれども、それに関して、当事者が発表していないことにつきまして我々の方からコメントすることは差し控えさせていただきます。
○仙谷委員 そのメモには、新日本監査法人の本部審査会が五月五日に開催をされて、結論としては税効果会計は三年分しか自己資本に組み込まない、二千七百三十八億円取り崩すということが記載されておったというふうに言われておるのでございますけれども、そういうメモが新日本監査法人から「りそな」の方に提出をされて、そのメモが金融庁の方にファクスか何かで送られてきたという事実はございませんか。
○竹中国務大臣 その間にそういうことがあったかなかったかということも含めて、それぞれの当事者間のやりとりについては、当事者自身が発表していないことでございますので、私の方でコメントすべきではないと思います。
○仙谷委員 続いて、五月十日でございますが、これは土曜日なんですが、金融庁の八階の会議室で、りそな銀行側と金融庁の担当課長以下で、打ち合わせ会議とでもいいましょうか、あるいは相談会なのか何か知りませんが、そういう会合が開かれておりませんでしょうか。いかがですか。
○竹中国務大臣 いろいろな会議が開かれております。それが「りそな」との関係でどういうことをしたか、しなかったのか、決めたのか決めなかったのかということは、これは監督上のプロセスのことでもございますので、コメントは控えさせていただきます。
○仙谷委員 この種のもの、電話のやりとりとか、会合があってだれだれが出席してどういう発言をしたということは、これは概略程度は記録にとって残っておるものなんでしょうね。それは金融庁ではいかがなんですか。
○竹中国務大臣 これは、関係法令に基づいて記録を残すもの、保存すべきもの、いろいろあるというふうに承知しております。
○仙谷委員 この間、金融庁ができたこと自体もそうなんですが、いわゆる行政指導みたいな話はなるべくやらないようにしようとか、裁量的な指導なのか、あるいは強制なのか、あるいは慫慂なのか何かわかりませんけれども、そういうことはやめようという話が金融行政でも言われて、事後審判とか事後救済とか事後審査というふうなことにしようよというのが金融庁がそもそもできた趣旨でもあったと私は理解しているんですね、財金分離のときから言われておったのが。 旧大蔵省の護送船団行政みたいなことが相も変わらず行われているというのでは、これはマーケットの方で自立しようと思っている金融機関、つまり銀行や生保でも全く自立できないですよ。最後は頼るしかない、あるいは最後は言うことを聞くしかない。 それで、公認会計士や、実は監査法人も今まで大蔵省の天下りの巣窟みたいになって、弁護士会に比べて甚だ低いレベルの独立性しかない。全然独立してないというようなことが、日本のあらゆるインナーサークルにおけるわけのわからない裁量的なことが行われてきて、国民には見えないし、そこでやられたことが果たして正しいのかどうなのかもわからないということだったんじゃないんですか。そして、そういうことをやめようということが金融庁の設立なり創設につながっているという理解を私はしていたんですが、どうもその辺もオープンにできないんだったら困ります。 五月の十日に、名前を申し上げるのは忍びないんだけれども、金融庁の方は鈴木銀行一課長、中原参事官、中江企画官、中村補佐ほか係長二名、金融庁の八階の会議室で、りそな銀行の数名と面談、会談が行われた。そして、その場では鈴木課長が、「その後監査法人の方は如何か、三年を説明するメモを見たが論理的ではないと思う」「合併促進法については健全銀行同士の統合を対象としている。また大手行の救済は法の趣旨と異なるので、これを使うのは難しいと考えている。」「百二条しかないだろう」、こういうふうに述べたと言われている内部告発が、昨日「りそな」の担当者と名乗る人から我々のところへ入ったんですよ。 それで、先般、こんなワープロ打ちのわけのわからないものとおっしゃったけれども、竹中さんが菅さんの質問に対してそうおっしゃったけれども、この書面とか、巷間明らかになっている、もう今や公知の事実と言ってもいいような報道されている事実とちゃんと組み合わせてみますと、ああ、そういう事実だったんだな、ぴたりと当てはまるな、こういうことをおっしゃったんだな、こういうふうに、否定できない、首肯せざるを得ない事実関係が書かれているんですよ、これは。 もしお持ちじゃなかったら今からお渡ししますが、さっき記者会見を五十嵐先生がされたときに、金融庁の担当者がこれを何か持って走って帰ったという話を聞きましたが、お持ちですか。何だったら、ありますよ。ごらんいただいて。いいですか。 いかがですか、こういう事実があったかなかったか、竹中大臣、確認できますか。
○竹中国務大臣 まず、委員がおっしゃった、裁量ではないんだ、透明にするんだ、インナーサークルで、もたれ合いでやっていては何も解決しないんだ、その点は私も全くそのとおりだと思って、実は金融の行政をしているつもりでございます。役所が裁量的に、まさに護送船団的にやるのではなくて、今回の「りそな」の件においても、独立した職業監査人である公認会計士、監査法人がまさに独立した判断をしてもらうべきである、だから金融庁はそういうことに絶対に介入してはならない、何度も指示を出した、私自身は、そのつもりでやっているつもりであります。 ただ、先ほどから御答弁させていただいておりますように、我々は同時に、監督権限というものを持っております。監督という立場から知り得たことというのはあります。それについて、監督上、立場上知り得ることを、当事者が発表していないことをすべてオープンにするということはできない、この点はぜひとも御認識を賜りたいと思います。 直接お尋ねの、今の五月十日のメモ、それと、五十嵐先生、大塚先生のところに届けられたその手紙のこと、これはどういうものなのか、現時点で私ども関知できないものでありますけれども、我々としては、基本的に、それを調査すべきであるという客観的な証左が得られれば、これは果敢にぜひやらなければいけないというふうに思っております。 ただ、現時点でその所在そのものがなかなか認識、確認できないという点でありますので、我々としては、そうした点も踏まえて、金融庁の内部には、しっかりと金融監督の立場に立って行政を進めるように引き続き指示をしているところでございます。 なお、一点、これはいろいろなやりとりがあるというふうに先ほど申し上げましたけれども、私としては、五月七日の時点で、引き続きしっかりとその議論を当事者でしてもらうように、我々は関与しないように、しかし、その間に、いろいろな場合を想定して、我々当局としてやるべきことはしっかりと考えておくようにというふうに言っておりますので、そうした意味での一種のコンティンジェンシーの議論とかそういうものは、幅広く行われていた可能性はあるというふうに思っております。
○仙谷委員 竹中さん、これは多分、菅代表の質問に答えたときだと思うんですが、週刊誌で名前の出たような課長にも確認した、こういうふうに言われていますよね。そういうふうにおっしゃっておられる。 週刊誌が出たのは、一番早いのが、そして頭文字で書かれたものが出たのは、五月の十五日発売号ですから、早く手に入れるとすれば五月の十四日ごろ、あるいは、財務省の力あるいは金融庁の力をもってすれば五月の十三日ごろ手に入っているのかもわかりませんが、ここからなんですよ、この金融庁の担当課長以下が強烈に少なくとも「りそな」にプレッシャーをかけて、繰り延べ資産をどこまで入れるのか、入れなければ債務超過になると。このせめぎ合いの中で、やり出したのは、多分、五月の初めから、あるいは連休明けからだと思うけれども、週刊誌に出だしたのは、一番がこの五月十五日号。 だから、ゲラは五月の十四日に手に入るということなんだろうと思うんですが、そのころにこういう、その前段階のこの種のやりとり、電話なり、毎日のように会っていたというお話も今されておるわけですから、こういう面談、こういうのがあって、あなたがおっしゃった、誤解を与えるような行動が断じてないのか、こういうことを調べておりますか、どうですか。
○竹中国務大臣 これは私も直接ヒアリング等々で調査をいたしましたし、監督局全員に対しまして、企画課の、まあ総務課、いわゆる官房機能を持っているところでありますけれども、そこの責任者が、監督局全員に対してそうした事実がなかったということを確認しております。監督局の係長以上の職員全員に対して確認をしております。
○仙谷委員 一般論として、例えば「りそな」なら「りそな」に対して、金融機関に対して、税効果会計、繰り延べ税資産を何年資本に組み込んでもらえるか、あるいは、五年組み込んでもらえるように交渉してこい、四年でいいんだったら四年で説得してこい、こういうことを金融庁が金融機関に言うのは、あなたのおっしゃる監査法人の監査に対する介入になるんですか、ならないんですか。あるいは、誤解を与えるような行為になるんですか、ならないんですか。どちらですか。
○竹中国務大臣 仮定の質問でございますけれども、一般的なケースを想定して申し上げれば、監督当局が被監督者である銀行に対してそういうふうに交渉してこいというようなことを言うのは、これは言うべきことではないと思いますし、これはやはりあってはいけない一つの監督者としての介入の姿勢であろうというふうに思います。
○仙谷委員 そうすると、改めてこれを読み上げるのもなかなかお気の毒だから、現時点では読まないんだけれども、この五月十日付の「電話メモ」と称する、あなたが否定された紙に書いてある事柄や、あるいは「面談メモ」、これに書かれたもの、こういうやり方は、今あなたが否定されたようなやり方じゃないんですか。 つまり、この五月十日の「電話メモ」に書かれているのは、「四年あれば大丈夫なのか。」「ギリギリの結果を作れる。」「そうであれば四年にすればいい。」これは金融庁の課長の方が言っているんですよ、「そうであれば四年にすればいい。」と。そうすると、「りそな」が「金融庁の判断ということで良いか。新日本も監査法人と金融庁が共同でみているという言い方をしている。」金融庁「結構だ。上の方にはうまく説明しておくから、監査法人を至急説得するように。」「当方」これは、「りそな」。「いつもご配慮いただき感謝の言葉もない。勝田になりかわって御礼申し上げる。」こういうふうにメモになっているじゃないですか。こんなものが作り事だと思いますか。 さらに、先ほど私が言った、これも五月十日なんですよ。「面談メモ」というふうに書かれているのも五月十日なんだ。それで、鈴木課長さんが「その後監査法人の方は如何か、三年を説明するメモを見たが論理的ではないと思う」、これは後で説明しますけれども、こういうふうにまず切り出しているわけだ。 「電話メモ」には、まず一番最初に「りそな」の方から、「監査法人が三年にすると言い張って譲らない。五月九日に重松代表社員の名で提出したものが翻ることはないと言っている。」金融庁鈴木課長「そんな馬鹿なことを言っているのか。われわれのこれまでの苦労を台無しにするつもりか。三年にする合理的な根拠はない。根拠について厳しく問い詰めたのか。」こういうやりとりをしたことになっているんですよ。 合っているじゃないですか。重松さんのメモ、三年だと言っている。「面談メモ」の方では、「その後監査法人の方は如何か、」と。つまり、説得に行ってこいと電話では言っていて、その後どうなったか、三年を説明するメモを見たけれども、「論理的ではないと思う」と。 確かに論理的ではないんですよね。三年なんて中途半端な話は監査法人の会計処理基準の中にない。ゼロか一か五ですよ、論理からいくと。足して二で割って三というのはあり得ない。そのとおりだ。だけれども、まさか五にするわけにはいかないというのは、新日本でもそういうふうな判断をした。朝日監査法人はゼロだと言っている。全部合っているじゃないですか、物語が、事実の経過として。 ところが、竹中さんが問いただしたけれどもそういうことはなかったと。では、うそを言われているんじゃないですか。あなたがうそを言わされているんじゃないですか。どうなんですか。
○竹中国務大臣 今いろいろ御紹介、文書をいただきましたが、それぞれの文書について金融庁としては関知しておりませんので、その内容についてコメントすることは差し控えたいと思います。 先ほど申し上げましたように、しかし、一般論として申し上げるならば、金融庁がその監査の内容について、これはおかしいとか、これはどうなっているんだとか、けしからぬとか、そういうことを言うとしたら、金融当局としてあってはならないことである、これは私もそう思っております。 繰り返しますが、それぞれの文書については関知できませんので、ちょっとこれ以上のコメントはできないのでありますが、私としては、基本的な方針としては、とにかく透明性を高めなければいけない、それに当たっては、誤解を生むことも含めて、一切そういう監査法人の監査、独立性を妨げるようなことはしてはいけないということは繰り返し申し上げましたし、そのような論議がなされているということに関して、御指摘のような点がなされているということに関して本人には何度も問いただしておりますが、そのような事実はないというふうに報告を受けております。 我々としては、引き続き全力を挙げて、金融のシステムの強化に金融庁全体として透明性を高めながら当たっていきたいというふうに思っているところでございます。
○仙谷委員 これは、しかし、ここまで二兆円をほうり込むことになった「りそな」問題の資産査定というか、広い意味での資産査定、細かく言えば繰り延べ税金資産を自己資本として扱うかどうかという話は、それをめぐって、金融庁の一課長が大臣にも報告しないでこんなことをやったということになれば、結論として約二兆円資本注入するということになった、そうそう簡単な話じゃないですよ、竹中さん。 それは、もしあなたがこれから問いただし、調査をし、その課長以下をやらないというんだったら国会がやらなきゃしようがない。 委員長、国会が、ジャーナリズムのみならず、これだけ多くの、関係者も含めて、情況証拠が積み上がってくれば、だれが見てもむべなるかなと思うじゃないですか。こんなものが、どこのだれが書いてきたかわからぬ単なる紙っぺらだから取り上げる必要はないという話になりませんよ。客観的な事実と全部符合しているじゃないですか。新日本がやった三年という繰り延べ資産の組み込み、朝日監査法人がおりたこと。そうでしょう。 これは、改めてこの委員会で、課長さん以下お呼びして調べさせていただかなきゃいかぬということになります。 そこで私は、きょうは鈴木さんにも来ていただいた方がいいとちゃんとお願いしたんですよ。そうしたら、何か与党の理事さんが反対をして、全員一致じゃないから呼ばないということになったというふうにお伺いしましたけれども、委員長、これはぜひ呼んでください。そういう機会をつくってもらわないと、国民の、タックスペイヤーの立場からいっても、泣くにも泣けない。二兆円を何のためにほうり込むのか。果たして百二条の一号措置の認定ができるのかどうなのか疑問じゃないですか。 明らかに、報道を見ても、「りそな」の大谷さんという常務は、りそな銀行の自己資本はマイナス一千四百億円である、丸裸の資本は一千四百億円マイナスである、債務超過である、繰り延べ資産を足して辛うじてプラスになっているけれども、繰り延べ資産がなければマイナスだ。裸の自己資本がマイナス、つまり債務超過のときに、繰り延べ資産を自己資本にカウントしない、これが朝日監査法人の態度じゃないですか、それが常識じゃないですか。そういうふうにつながっていっているんですよ、この話は。 どうですか、委員長。
○小坂委員長 この問題については、理事会で協議いたしまして、委員の御意向がどのように取り上げられるか検討をさせていただきます。 竹中金融担当大臣。
○竹中国務大臣 先ほどの私の答弁で正確性を欠いた部分がありますので、一部御訂正をさせていただきます。 「りそな」を通してそういう不当な圧力をかけたことはないか、それに関しては、銀行課を中心とする担当には私が直接、ヒアリングといいますか、問いただしまして、そういう事実はないということは繰り返し確認をしております。 それと、先ほど、官房機能のところから監督局全員にそのような調査を行ったというふうに申し上げましたが、その全員に行った調査の内容は、先ほど申し上げたことよりは少し限定されておりまして、りそなグループの監査法人新日本及び朝日と同グループの平成十三年三月期決算の内容について話をしていた金融庁職員がいないか、それについて検査をしたということでございます。
○仙谷委員 それでは、改めて言い方を変えてくださいよ。 りそな銀行に対しては、間接的に、新日本や朝日の方にこういうふうにせよ、こういうふうにしてほしい、説得という言葉を使われておりますけれども、そういうことをやっているのかやっていないのか、それは調査しているんですか。 つまり、直接監査法人には介入したり慫慂したことはないという、そういう調査はしたけれども、その結果は、なかった、こういうお答えですよね、今のは。では、銀行を介して、監査結果を、監査の中身を変えようとさせる、そういうことはあったのかなかったのか、調査はしているんですか、どうですか。
○竹中国務大臣 正確に申し上げたいと思います。 銀行を通してそういった間接的なものも含めて圧力をかけたことはないな、この点に関しましては、監督局の中でこの問題に直接関連する、先ほどから御指摘のような課長を初め担当者に対しては直接私が確認をしております。 今申し上げましたのは、監督局全員に対してやったというのは、その監査法人に関して接触をしたことはないか、そういう調査を行ったという意味でございます。
○仙谷委員 何でこんなことを言うかというと、もうお読みになっているかもわからぬけれども、今のこの「面談メモ」の上に手紙がついているんですよ。 悲憤慷慨、一切公言すべきではないと思っていたけれども、 金融庁の役人たちが、本来果たすべき監督責任について言及することなく、私どもや監査法人に責任を転嫁しているさまを毎日のように見せつけられ、だんだん彼らを許せなくなってきました。特に、菅代表と竹中大臣との質疑に関する報道をみて、「こんなことをもう許してはいけない。きっと私どもと同じように、金融庁に隠蔽を指示されながら、最期にはしごを外される銀行がでてくる」と確信するようになり、思い悩んだ結果、大塚先生に告発すべきであるという結論に至ったのです。 と書いてあるじゃないですか。 もっと読みましょうか。 「報道で名前が挙がっている本人に直接確認したのか」という菅代表の質問に対し、「直接の担当者に対して直接確認している」 と竹中さんが答えておりますと。 この答弁で、私の堪忍袋の緒は切れました。 私は、当事者として告発します。報道で名前の挙がった鈴木銀行第一課長は竹中大臣に対してウソをついています。 繰延税金資産に関する監査法人との最終交渉の局面において、私どもは金融庁に赴き、鈴木課長の意向をお伺いしました。そのとき鈴木課長は「監査法人がいう三年には根拠がない」と断言して、監査の独立性を無視した発言を繰り返されました。そして、私どもに対しては、「万が一、三年ということになれば、百二条の適用で破綻企業と同じ扱いになる。それでもいいのか」と恫喝されました。 今となってみればお恥ずかしい限りですが、鈴木課長の強い意向を受けた私どもは、監査法人に対して哀願と恫喝を繰り返しました。 と書いてある。 注文発注者のクライアントが、監査法人に対して、哀願と恫喝を繰り返さざるを得なかった。それは、繰り延べ税金資産を何年自己資本に繰り込んでもらえるのか、先ほど「電話メモ」で言ったように、三年ではだめだと。「四年あれば大丈夫なのか。」「ギリギリの結果を作れる。」「そうであれば四年にすればいい。」このとおりのことをやられているじゃないですか。迫真性がありますよ、私が見ても。ほかのことも書いてあるんですが。 さらに、竹中さん、僕は、あなた、お気の毒でしようがないと思っているんだけれども、この「面談メモ」の中に、これは恫喝なのか本心なのか知らぬけれども、中原さんという参事官は、「大変厳しいことを申し上げるが、百二条の趣旨に付いてご説明しておきたい」「破綻処理すべきものを金融機関として営業だけは続けさせるというもの」「預金者・利用者にとっては営業を継続していることになるが、従業員・銀行からみると破綻と同じ。私的整理と同じプロセスと考えてもらいたい。早期健全化法のように自主性を尊重するものとは違う。」「ガバナンスについては基本的に国が握る、普通株で三分の二を得るというイメージ。」「昨日話した」きのうというのは九日ですね、「経営責任や人員削減等は相当厳しいものを想定して頂く。」「ポツダム宣言とおなじこと。」つまり、無条件降伏せいということじゃないですか。 これが十日ですよ。一週間ここで、この方々は気の毒にも監査法人を四年で説得できないかどうかで走り回るわけだ。哀願と恫喝を毎日やるわけだ。お気の毒にとしか言いようがない。この彼らの屈辱と恐怖。そうでしょう、完全に破綻企業だと。竹中さんの説明と全然違いますよ。百二条の適用は実質破綻でも何でもないと言っているのが、破綻だと言っているじゃないですか、これは。我々が言っているとおり、実質破綻扱いするぞ、実質破綻だと。 こんなことをあなたの背後におる事務方にやられて、あなた、これは何ともお思いになりませんか。これは完全に、悪いけれども、あなたが浮かされていますよ。何とか金融庁内部にメスを入れないと、こんな裁量的な、こんな大臣への報告と、事務方のやっていることと、関東軍みたいな話だ、これは。いかがですか。
○竹中国務大臣 何度も申し上げておりますが、今仙谷委員が御紹介してくださったその議事録、メモ、さらにはお手紙、これは、申しわけありませんが、我々としてはちょっと関知できないものであります。どういう性格のものか、私たちにもよくわかりません。そうしたものに関して、したがってコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。 基本的に、先ほど申し上げましたように、いろいろな可能性を考えてやりとりを行ったと聞いておりますので、コンティンジェンシーの可能性についても、それは事務的には検討したというふうに伺っております。しかし、これも今固有名詞を挙げられましたが、その担当参事官が、これは債務超過であるとか、はっきり破綻企業であるだとか、そういった趣旨のことを、つまりこれは預金保険法百二条の第一項第三号に当たるんだとか、そういうような趣旨のことを言ったことは一切ないというふうに本人には確認をしております。 今回、非常に緊迫した状況の中で我々は今回の処理をしたわけでありますけれども、最終的には責任ある立場、この責任ある立場というのは最終的に監査報告書に判こを押す監査法人です。判こを押さない責任のない立場の監査法人がどのようなことをおっしゃるのか、それはそれでいろいろな御意見もあろうかもしれませんが、我々としては、責任ある立場で会社が決算を行って、それを責任ある立場として判をつくその監査法人の報告、それが社会でまさに独立した立場でしっかりとつくられた決算でありますから、それに基づいて今の会社の状況を把握して、預金保険法百二条第一項第一号を適用するケースであるというふうに我々は判断をしているわけでございます。この点をぜひ御認識賜りたいと思います。
○仙谷委員 この点認識していただきたい、何を認識したらいいのかわかりませんけれども。 例えば、もう一つ言いましょうか。中江さんが言っていることの中に、「もう一度確認しておくが、」「りそな」に対して言っているんですよ。「経営の自主性はない、倒産企業として扱う、事務方はミニマムを申し上げているがそれで止まるか分からない。従業員には大勢辞めてもらうことになる。」こういうことまで言っているんですよ。それから、「減資・株式併合に付いては結論は出ていない。が、経済的には意味がないが、政治的には意味がある。」つまり、ここで議論するようなことを全部先に決めておるじゃないですか、これは。 問題は、こんなことを監督対象の銀行に対して言って、その前後の中では、四年間にしてもらえということを金融庁の判断ということでいいと、意向としてちゃんと監査法人へ行って説得してこい、こういう筋書きのもとでこれがつくられておるというか、そういうやりとりがあったということになっているわけだ。あったとすれば、ゆゆしい。情況証拠としてはあり得る話だ。 これは、きょう聞いている人は、そうだったんだろうなと思いますよ。そんなことないよ、これは全部でっち上げだと思える人は、よっぽど偏った色眼鏡をかけて見ないとそうは思えない。(発言する者あり)それは別に、眼光紙背に、裁判官的に、事実について、どういう事実があったかどうか心証をとろうなどとしないでも、常識的に聞けばわかるじゃないですか、今までのことで。 これを、例えば、竹中さん、今ここで明らかになりましたけれども、一つ一つ金融庁内部で、こんなことまでやったのか厳しく調査をする、あるいはおたくに議事録とかメモとか、そういうものがあるかないか点検してみる、そういう調査をする、しなければならないというふうにお考えになって調査をする、そういうおつもりはありませんか。
○竹中国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、委員が引用しておられるメモ、手紙等、我々としてはその出所等を確認のしようがありませんので、それに対してコメントは差し控えさせていただきます。 先ほどから申し上げているように、この過程でいろいろな可能性を考えるという意味で、コンティンジェンシープランの策定については相談したことがあるというふうに聞いております。しかし、その趣旨は、預金保険法百二条の趣旨等を説明する際に、同条の要件が、資本増強等の措置を講じなければシステミックリスクが生ずるおそれがあると認められることであると、非常に厳しい状況なんだというその趣旨を説明したということでありまして、御指摘のように、例えば経営が破綻しているとか、そういうようなことではなかったというふうに聞いております。 さらに、これまた委員が何度も御指摘になりましたように、直接、間接を問わず、この監査の結果を変えさせるような圧力をかけたような事実はないというふうに担当者からは何度も確認をしております。 我々としては、いろいろな客観的な事実、客観的な証拠に基づいて、調査を行う必要があると認めるときは、これは当然のことながら行いたいと思います。しかしながら、現時点においては、直接本人等に確認して、そういう事実はなかったということを確認しておりますので、引き続き内部でいろいろなことの幅広い議論を行いながら、今回の措置がうまい結果をもたらすように、ぜひ金融監督、検査の行政に全力を挙げていきたいというふうに思っております。
○仙谷委員 いや、ここまでやみの中にあるものについて調査をしないと。当然、だから国会にもこれ以上出さないということでしょう。だけれども、あなたが今まで言ってきたことと全部逆じゃないですか。これじゃ、どうにもならない。 さっきの鈴木課長以下、委員会に呼び出す話、それから、この委員会の名前で金融庁に対して調査をせよと。二兆円もほうり込むんですよ。こんなものは、あなた、何にも調査もしないで、何で二兆円になったのか、だれもわからない。いまだにわからない。こんなことでいいんですか、委員長。どうですか。
○小坂委員長 質問者に申し上げます。 真実追求に対して、委員長は何らちゅうちょするものではありませんが、その書面の所在について答弁者が確認をいたしておりません。そういう状況下において、個別の氏名を述べられることはできるだけ控えられるようにお願いを申し上げます。職名等で御指名をいただき、個人名はできるだけ控えられるようにお願いを申し上げます。 また、ただいまの申し出に対しましては、理事会等で今後協議をいたしたいと存じます。
○仙谷委員 紙の真否を、ペーパーの真否を確認せよと言っているんじゃないんですよ。こういうやりとりをしたかどうかを確認せよと言っているんですよ。銀行に対してこういうことを言ったのかどうかが問題なんですよ。勘違いしないでください。
○小坂委員長 発言者に申し上げます。 ただいまの発言者の御要望に対しては、理事会で協議いたしますと今申し上げたわけであります。 質問者は質問を続けてください。——委員長は、今質問者の委員長に対する質問に対して私は答弁をいたしました。その後の質問があるのであれば、質問者よりもう一度質問をお願いいたします。(発言する者あり)議事整理権は委員長にあります。 質問者は、委員長以外に質問があるのであれば、質問を継続してください。
○仙谷委員 竹中大臣、これは、これだけ疑念を残して先へ進もうったって無理ですよ。金融庁のこの体質、やったことについて、ちゃんとした調査をしない限り前へ進めない。 国会の委員会からそういう指示があれば、調査できますか。しますか。
○竹中国務大臣 既に本人に対しましては何度も問いただしをしております。そのような意味で、我々としては確認をしたというふうに思っております。 さらに、何か客観的な証左として、その必要性を求めるものがあるならば、それはちゅうちょするものではございませんが、現時点においては、我々としては、しっかりと日々の行政に努めていきたいというふうに思っております。
○仙谷委員 いや、もう全く納得できない。臭い物にふたをして、これだけ、あなた、疑念を呈せられているのに、逃げ切ろう、二兆円をほうり込んで逃げ切ろうなんて、こんなこと、許されるはずないじゃないですか。だめですよ。委員長も、あなた、国会の権威にかけて解明しなきゃだめですよ、これは。
○小坂委員長 仙谷由人君の質問時間は終了いたしております。次の質問者に入りますか。——次の質問者に入ります。 次に、平岡秀夫君。
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。 今のやりとりを聞いてみてちょっと思ったんですけれども、今回、保険業法の改正で、あくまでも自主的な契約条件の変更だということを言い張っておられますけれども、果たして、今の大臣のような答弁で、本当に自主的に行われているかどうかがわかるか、僕は非常に不安です。今の答弁を、今のこの「りそな」の問題についてきっちりとけりをつけていただかなければ、本当にこの制度が自主的に運用されるかどうか、金融担当大臣のもとで、金融庁のもとでこんな仕組みができるのは私は納得がいきません。 もう一度、大臣、先ほど仙谷委員が質問されたことについて、金融担当大臣としてしっかりと調べてほしい。これだけの客観的な材料がそろっているにもかかわらず、これはもう聞きましたと。単純な、形式的な御答弁をもらっただけで、この国会の場でもうそれ以上のことはしないということは、私は納得がいかない。もう一遍、大臣、ちゃんと調べるということをここで答弁してください。
○竹中国務大臣 出所が明らかで、どのような性格のペーパーであって、それが客観的な証左、証拠性のあるものであるというようなものがありましたら、私としては、ちゅうちょなく調査をする気でございます。
○平岡委員 今、仙谷委員がるるずっと説明しました。これを聞いて、竹中大臣は、それが本当にいいかげんなものだ、全く信用されない、私はそんなことに基づいて一切する気はない、そう言い張るんですか。これだけ客観的な、事実関係に沿って、時間的な系列に沿って、ほとんど整合的じゃないですか。そんな内容のことを突きつけられて、いいかげんなものに対してはこれ以上対応する気がない。そんなことじゃ、我々は審議できないですよ。
○竹中国務大臣 繰り返し申し上げますが、御紹介いただいた資料は、我々としては関知できない資料でございます。さまざまな形で客観的な証左があれば、これは、調査すべきものは、我々、何らちゅうちょすることなく調査を進めたいというふうに思っております。 現状におきましては、さまざまなことが言われているのは大変遺憾なことだというふうに思っておりますけれども、それに関して、担当者に対する調査、それはヒアリング等々は行っております。また、監査法人に圧力をかけていないのかということに関しましては、先ほども御紹介しましたように、監督局の一定のクラス以上の人には全員、官房からも調査を行っております。 そうした観点から、我々としては、あくまでも、独立性を持って監査を行った監査報告書に基づいて財務の状況を判断して、今回、百二条第一項第一号の適用を判断しておりますので、その点を御理解賜りたいと思います。
○平岡委員 今調査を行っているというふうに言われました。それは、調査は、先ほど言われたようにちゃんとやったのかもしれません。だけれども、その調査が非常に形式的なもので終わってしまっていて、我々がこれまでの間ずっと質問してきたような事実関係を踏まえた調査になっていないということを言っているわけです。 例えば、大臣は今、監査法人に対してはそんな働きかけはしていませんと。それは確かに、別に監査法人について今聞いているわけではなくて、「りそな」を通じて間接的にそういう圧力をかけたんじゃないですか、そういう恫喝をしたんじゃないですかということを聞いているわけですね。それをちゃんと調べてくださいと言っているわけです。これだけ客観的な材料がそろっておきながら、これに対して一切やらない、そういう姿勢では、我々はこれ以上この保険業法の審査なんかできませんよ。 また、こんな制度が仮に認められたら、自主的にやってきました、自主的にやったので承認しました、そうじゃないでしょう。金融庁が、金融担当大臣がそういう保険会社に対して、あなた方、これはやってください、持ってきなさい、持ってこなければあなた方のところはつぶしますよ、金融機関更生特例法に基づいてあなた方のところは会社更生させますよ、こうやってやるんでしょう。どうですか、やるんでしょう。 この関係を、一回ちゃんと事実関係をしっかりさせなければ、我々はこれ以上、この法案、審議できません。
○竹中国務大臣 我々としては、日々、その事実関係を非常にはっきりと把握する努力をしているつもりでございます。形式的な調査しか行っていないのではないかという御指摘でございますが、決してそういうことはありません。担当の課長、参事官等々は、これは日々の監督行政の中でほとんど毎日のように顔を合わす人たちでありまして、そうしたことも日々確認をしながら、まさに金融庁としてのコンプライアンスをしっかりと確立するという観点から日々努力をしておりますので、その点の御認識を賜りたいと思います。
○平岡委員 先ほど大臣の答弁の中で、百二条一項第一号に基づく資本注入だというふうに言われましたけれども、これまでの流れから考えてみたら、それは一号に該当するかどうかもわからないんですよ。これは二号かもしれません。場合によっては三号かもしれません。そういう問題を残しながらどんどん物事が進んでいる。だからこそ、今我々は、この事実関係をはっきりさせたいと言っているわけですよ。(発言する者あり)いや、そういう姿勢を持った金融庁のもとでこんな保険業法、皆さん方は、私的契約の自治に基づいてこれを進めるんだと言っているけれども、そんなことは本当に信用できないですよ。信用できない。 また、金融庁が裁量行政の中で、あなた方、これは申し出をしなかったら、金融機関更生手続特例法に基づいて、あなた方に対して更生手続の申し立てを金融庁はしますよと、同じようなことをやるわけでしょう。それで、あくまでも自主的にやりました、自主的にやりましたといって、また今回のようないいかげんな手続になってしまう。こんな状態じゃ審議できない。 先ほど仙谷委員が質問されたことに対して、ちゃんと調査する、今まで客観的に示された、いろいろな時系列的に示されたこの情報について、ちゃんと我々が納得できるような説明ができるように調査をするとちゃんと答弁してください。
○竹中国務大臣 二通りのことがおっしゃられているような気がいたします。 まず、債務超過かどうかに関しては信用できないというふうにおっしゃいましたが、これは独立した監査法人がこれをやっているわけですね。これに関して信用できないとおっしゃるんでしたら、これは監査システムそのものに対する一つの問題だというふうに思っております。独立した監査法人がこれで適正意見を出すと言っているわけでありますから、やはりこれを信頼して、それに基づいて判断をするのが我々の務めであるというふうに思っております。 もう一点、先ほどから仙谷委員を含め、いろいろ御指摘がありますのは、その過程で金融庁ないしは金融庁の職員がそういった圧力をかけたのかどうかということであろうかと思っております。 圧力をかけたのではないかという、我々としては残念ながら関知のできない文書をいろいろ御披露していただいているわけでありますけれども、それに関しましては、既に申し上げましたように、我々としては、その担当者に対してそういう事実はなかったということを確認しております。
○平岡委員 ちゃんと調べると言ってもらわない限り、ちょっと審議はこれじゃできないです。 大臣、これだけ客観的事実がそろっているじゃないですか。それは、あなた方から見れば確認できない事実関係かもしれないけれども、金融庁に戻れば確認できる内容でしょう、片方の当事者は金融庁の職員なんですから。こういうものが委員会で提示されているけれども、こういう事実関係はあったのか、こういう事実関係はなかったのか、それを金融庁の中で、片方の当事者である金融庁の職員に確認することがどうしてできないんですか。それができないんだったら、この金融庁が出してきた法案、とても審議できないですよ。
○竹中国務大臣 これまでもいろいろなメモ等を示されて、そのメモをお示しいただいたときには、そういう事実があったのかなかったのか、当事者に確認をしております。もちろん、きょうまた新たな文書が示されておりますので、それに関しては、当然私の方から、こういう事実があったのかなかったのか、これは確認はしなければいけないというふうに思っております。それが我々にとっての、既に我々は調査をしているというふうに申し上げている次第であります。
○平岡委員 それでは、きょうの審議の過程で示されたいろいろなメモの内容について、改めて金融庁として調査し、その結果をこの委員会で報告していただけるという答弁であったという理解でよろしいですね、大臣。
○竹中国務大臣 その当事者に確認をして、御報告したいと思います。
○平岡委員 大変貴重な時間を費やしてしまいまして、最初から、こういう事実関係があるならば、それについてちゃんと調べて報告するということを、大臣は議論を聞いていて、いいかげんな議論をしているかどうかというのはわかるでしょう、多分。そんないいかげんな議論をしているわけじゃないですよ。しっかりと判断していただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。 それでは、保険業法の質問に入らせていただきたいと思いますけれども、実は昨日も同僚議員の方から質問が出た関係もありまして、確認だけまずしておきたいと思います。 せんだって出ました雑誌、週刊東洋経済のインタビューの中で、今回の法案作成に主導的な役割を果たしたと伝えられています相沢自民党デフレ対策特命委員長の発言がございます。ただ、この発言の中には、かなり一般の国民の方々には誤解を与えるような発言があるように思いますので、金融庁が同じような理解に立っているのか、あるいは金融担当大臣が同じような理解に立っているかどうか、その点をまず確認させていただきたいと思います。 まず第一点は、相沢代議士がインタビューの中で、簡易保険も予定利率を下げることができるようになっているというふうに発言していますけれども、この点については、金融担当大臣、同じような認識をお持ちでしょうか。
○竹中国務大臣 簡易生命保険法の解釈でありますけれども、これは当然のことながら所管をしております総務省に御確認をいただく必要があろうかと思っております。 なお、総務省からは、現行法上、簡易保険については予定利率の引き下げはできないと理解しているということを我々は聞いております。
○平岡委員 そういう前提のもとでこの法案が提出されたというふうに理解していいんですね、大臣。
○竹中国務大臣 結構でございます。
○平岡委員 ということで、この相沢代議士の発言は真っ赤なうそであるということで、まず第一点、指摘しておきたいと思います。 第二点ですけれども、これは先日の同僚議員、長妻委員が質問した件でございますけれども、確認の意味で再度指摘しておきたいと思います。 相沢代議士はこのインタビューの中で、申し出という方式、これは自主的に申し出てくるという方式ではあるけれども、「できれば皆で(一斉に)やってくれればいいと思っている。」一斉にやるケースもあり得るだろう。「こんなことは別に談合になることではないし、独禁法の問題はない。」と発言していますけれども、長妻委員の質問では、当局はこういう認識に立っていないというふうに私は理解したんですけれども、金融担当大臣、それでよろしいですか。
○竹中国務大臣 これも、私は法律を所轄する立場にはございませんけれども、言うまでもありませんけれども、今回のこの法案の基本的な考え方にありますのは、保険会社・保険契約者間の自治的な手続によって予定利率の引き下げを可能にするような新たな選択肢をつくる、その点に重点があります。したがって、今回のスキームを現実に保険会社が用いるかどうかというのは、各社の経営をみずから考える際に選択肢の一つとして選択を行う、選択肢の一つとして考えるということになると思います。したがって、行政当局も、個々の保険会社ごとに要件に該当するか否かを、個々の経営の立場で我々は判断することになる。 これがどのような場合に談合的なものであるのかとか、そういうようなものについては、これは所轄の担当者にお答えいただく必要があろうかと思っております。
○平岡委員 以上二点ほどお聞きいたしましたけれども、この点について、先ほど竹中大臣の方から担当の省庁ではないという御発言が出ましたので、担当省庁にそれぞれ確認の答弁を求めたいと思います。 まず最初に、簡易保険についての予定利率の引き下げの問題について、総務省、お願いします。
○野村政府参考人 お答えいたします。 簡易生命保険の関係でございますけれども、簡易生命保険法八十六条「保険約款改正の効力」という規定がございまして、その第一項におきまして、「保険約款の改正は、既に存する保険契約に対してその効力を及ぼさない。」という原則が書いてございます。 ただ、第二項におきまして、保険契約者等の「全体の利益を保護するため特に必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、既に存する保険契約についても、将来に向かつてその改正の効力が及ぶものとすることができる。」という規定がございます。 しかしながら、その規定のただし書きがございまして、「前納保険料の割引率の引下げ」とか「保険金の削減率の引上げ」等につきましては保険約款改正の効力を既契約に及ぼすことができない、こういうふうに規定してございます。 このように、保険約款にゆだねられている事項につきましても、実質的な保険料の増額となるものや保険契約者への支払い金の減額となるような保険約款の変更につきましては既契約への適用はできないとされているところでございまして、保険契約の基本的な契約内容である保険金の減額とか保険料の増額、こういうような保険約款の改正を既契約に適用することは許されないものと解してございます。 したがいまして、予定利率を引き下げまして、既契約の保険料を引き上げたり保険金額を減額する、こういったような改正をする場合には法律改正によらなければならない、かように考えているところでございます。
○平岡委員 公正取引委員会、お願いします。
○上杉政府参考人 お答えいたします。 保険業法改正案に基づく保険金額の削減その他の契約条項の変更の申し出がどのような内容のものとして行われるのか、定かにはわかりませんので確たることは申し上げられないところでございますけれども、その申し出の中におきまして、予定利率を幾らに引き下げるかというような内容が、あるいはそういった事項が含まれているとするならば、それを共同して決定するということになりますれば、保険会社間の競争を制限するということで、独占禁止法上問題となろうというふうに考えております。
○平岡委員 今の答弁、ちょっと確認したいんですけれども、幾らに引き下げるかということについて話し合いをして申請をしたらアウトだけれども、みんなで一斉に、幾らかということではなしに、一斉に予定利率を引き下げるということについて申請をしようという内容であれば、これはセーフなんですか。はっきりさせてください。
○上杉政府参考人 お答えいたします。 私の申し上げた趣旨は、その変更の申し出があった際に、それがどのような内容になっておって、それをどのように取り決めているかということで判断されるものであろうということで、もし予定利率を幾らに引き下げるかということが含まれていれば違反になるであろう、それ以外については、もう少し内容をよく吟味させていただかないと判断できないであろうということを申し上げさせていただきました。
○平岡委員 一般的には、みんなが一緒になってやりましょうというようなことを話し合って、打ち合わせてやることについてはやはり談合の問題がある、個別のケースに当てはめてみないとわからないということもあるかもしれませんけれども、談合として独禁法の問題があるという答弁であったと思います。 ということで、この問題、契約条件の変更、予定利率の引き下げについて主導的な役割を果たした自民党の有力代議士が、こういう事実関係について、国民の皆さんが誤解するようなことを言っているということについては、私も一つ大きな問題があると思います。できたら金融庁の方からそういうのは訂正でもしていただきたいと思いますけれども、それはお任せをいたしたいと思います。 それで次に、予定利率の変更の問題について、契約条件の変更の問題について、そもそも論のところをちょっと私は聞いてみたいというふうに思っているんです。 現在、保険会社が、業務とかあるいは財産の状況に照らしていろいろ問題が生じるかもしれない、場合によっては保険契約者の皆さん方に損失を与えるようなことになるかもしれないというようなときには、保険業法の中にいろいろな規定があるわけでありますね。 例えば、保険業法の百三十一条には、業務方法書に書いてある事項について変更しなさいという命令を行う、あるいは百三十二条では監督命令が出せる、そして二百四十一条に至っては業務停止命令が出せるというふうになっておるわけであります。それぞれの要件はここで申し上げませんけれども、今回新たにつけ加えられる二百四十条の二第一項で、契約条件の変更を申し出ることができる場合として、保険会社の「業務又は財産の状況に照らしてその保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」、こういうふうにあります。 この二百四十条の二第一項に書いてある「場合」というのは、今私が最初に申し上げたような保険業法に定めているさまざまな監督基準、あるいは金融機関更生特例法百六十一条で更生手続開始の申し立てをする基準、こういうものに照らして非常に不透明なような気がするんです。 そこで、ちょっとお聞きしたいのは、今回新設される、契約条件の変更を行うことが認められるような場合、先ほど読み上げたような場合でございますけれども、こんなときに、一体監督当局というのはどのような措置をそもそもとることになるんでしょうか。これは、あくまでも契約条件の変更というのは自分から申し出るということで、監督当局が何かするということにはつながっていないわけでありますけれども、こんな状態があったら監督当局は何かをしなければおかしいんじゃないかと私は思うんですけれども、その辺の関係、位置づけというのはどのようになっているのか、ちょっとまず答弁願いたいと思います。
○伊藤副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。 今先生御指摘がございました、保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合とは、単に保険業の継続が困難となる可能性があるといった程度ではなくて、現時点で、保険業法二百四十一条等の破綻の要件である保険業の継続が困難である状態には至っていないが、将来を見通して、契約条件の変更を行わなければ、他の経営改善努力を織り込んでも保険業の継続が困難となることが合理的に予想できる場合であると考えております。 なお、保険契約者等の保護を図る上で、ソルベンシーマージン比率という客観的な基準を用いた早期是正措置制度の活用に努めるほか、先ほど先生からも御指摘がございましたように、早期是正措置の発動に至る前の段階から、報告徴求でありますとか業務改善命令でありますとか、そうした手段を用いまして、保険会社による早目早目の経営対応を促して、そして業務の健全かつ適切な運営が確保されるように、私どもとして適切な監督に努めているところでございます。 ソルベンシーマージンとの関係についてもう少しお話をさせていただきますと、ソルベンシーマージン基準というのは、現時点での保険金等の支払い能力の充実の状況を客観的な数値であらわすものでありまして、早期是正措置を的確に運用していくためのものでございます。 したがいまして、ソルベンシーマージン比率が二〇〇%未満となったときに早期是正措置が発動されることになるわけでありますが、ソルベンシーマージン比率が二〇〇%以上であっても保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合に該当することになるというふうに思います。
○平岡委員 これほど重要な法案審議をしているんですけれども、定足数が足りないように思います。
○小坂委員長 いや、足りております。数えてください。私を入れて二十名おりますから。質問を継続してください。
○平岡委員 ああ、そうですか、済みません。今、直前に足りたようでございます。 与党の人たち、見たらぽつんぽつんとおられますけれども、これだけ国民生活に重大な影響を与えるような法案について関心が乏しいというのは極めて問題がある。これは野党がいることによって定足数が足りているんですね、見ていただいたらよくわかるように。皆さん、ちょっと席を立ちますか。(発言する者あり)はい、これで定足数が不足いたしました。
○小坂委員長 それは故意に定足数を割るような形に見えますので。 これは委員の御協力を要請いたします。
○平岡委員 与党席がこんな状態で、我々の審議をちゃんと聞いてもらわないと……(発言する者あり) これは、今の委員長は、それは問題ですよ。
○小坂委員長 ただいま理事さんにお願いをいたしておりますが、他の委員会での採決が重なりましたので若干今定数がそろいにくいけれども、御協力をと今要請をいたしましたところであります。それでまた、今呼び出しておりますので、委員におかれましては質問を続行していただくようにお願いをいたします。
○平岡委員 先ほど委員長が、野党議員がトイレに立ったことを、何か故意に定足数を割るように行動したというような趣旨の発言がありましたが、それは取り消してください。
○小坂委員長 委員長がそのように理解したのは、それじゃトイレへ行って来るわという、それじゃという言葉があったので、そのように理解いたしました。もしその意でないのであれば、取り消しさせていただきます。
○平岡委員 取り消しをしていただいたということで、質問を続けたいと思います。 そこで、今の副大臣の答弁ございましたけれども、私は非常に疑問なんですよね。ソルベンシーマージンのような、今支払い能力が足りない、今と言われましたけれども、これは将来のリスクを考えて現在持っているものということでありますから、必ずしも今支払えないという意味ではなくて、将来、通常のリスクを超えるものが生じたときに今持っているもので払えるかどうかということですから、これは将来を見て言っているわけですよね。その点は不満があるんですけれども。 仮にそうだとしても、ソルベンシーマージンが二〇〇%を下回るような状態、例えば第二区分になったようなときですら、できることは何なのかといえば、「契約者配当又は社員に対する剰余金の分配の禁止又はその額の抑制」とか、あるいは「保険金等の支払能力の充実に係る合理的と認められる計画の提出及びその実行」であるとか、そして「新規に締結しようとする保険契約に係る保険料の計算の方法の変更」とか、そういうことをやりなさいと命じることができるだけであって、この事態に至っても予定利率の引き下げを、ここでもやらないんですね。これほど悪い状態になってもやらないんですよ。 この予定利率の引き下げをもっともっと健全なときにやるというのが、何でそんなことを、そんな大それたというか、憲法違反じゃないかといって指摘されているようなことを健全な時期にできて、これだけ厳しい状況になっている、ソルベンシーマージン比率で一〇〇%未満になっているようなときにこれだけしかできないようなことになっているのに、なぜこんなこと、予定利率の引き下げができるんですか。措置としておかしいじゃないですか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。 今先生御指摘の点でございますが、当局は、従来から保険会社の経営状況の的確な把握に努めて、ソルベンシーマージン比率という客観的な基準を用いた早期是正措置の厳格な運用に努めてきたところでございます。 一方、今回の法案につきましては、「その業務又は財産の状況に照らしてその保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」に契約条件の変更の申し出を行うことができることとなっておりまして、当局による行政処分とは異なりまして、保険会社・保険契約者による自主的、自治的な手続によって契約条件の変更を行うものでありまして、こうした枠組みを整備することによりまして、経営の選択肢の多様化を図るというような趣旨でございます。
○平岡委員 これは自主的な措置ということでありますけれども、ソルベンシーマージン比率が一〇〇%未満で早期是正措置として求めることは、これは自主的にできることはいっぱいあるんですよ。それでもやりなさいという命令を出すわけですね。今回の予定利率の引き下げでも、これは自主的にやる。確かにそうでしょう。仕組みの上では自主的にできるかもしれないけれども、早期是正措置あるいは監督命令の中で、あなた方は、こういう手段があるんだからこれをやりなさいと言うことだってできるわけですね。やりなさいと言ったらすぐにできるものじゃない。やりなさいと言われてから保険会社は承認を求める手続を始めるわけですけれども、そういうふうに、自主的、自主的と言いながら、こういう命令を通じてやることだってできるわけですよ。 そうなってきたら、今回の予定利率の引き下げの措置というのは、非常に、皆さん方が言われている、ソルベンシーマージン比率が四〇〇%、五〇〇%、あるいは一〇〇〇%もあるような事態でも、将来蓋然性があったらやってくる、それが認められる仕組みである。一〇〇%未満になったときは当然できるのかもしれませんけれども、一〇〇%未満になってできることというのはこれだけのことに限られている。何かおかしくないですか。大臣、どうですか。
○竹中国務大臣 平岡委員の御指摘は、今回の措置によって保険業に対する監督体系そのものがどのようにバランスよく位置づけられていくのかという点に関する極めて本質的な御質問であるというふうに認識をしております。 御承知のように、保険業法というのはいろいろな条文があります。御指摘の百三十一条があって、百三十二条、それと二百四十一条。我々は、普通、何かある場合は百二十八条で報告を求めるわけです。それで、何か問題がある場合は百二十一条の一項で業務改善命令を出して、二項で早期是正をやる。これは、だんだん厳しく、非常に厳しくやる。 委員の御指摘は、この中で書かれていないような厳しいことが、むしろ今回の自主的と言われる法案の利下げの中に入ってきているじゃないか、このバランスはどう考えるのだ、まさにそういう御指摘なのだと思っております。 これは、先ほどからの副大臣の答弁の中にも実はあったというふうに思いますが、基本的には、ソルベンシーマージン、今の監督、それに基づく早期是正のような問題というのは、今の資本勘定が不足しているか、これも平岡委員御指摘のように、今といっても、将来のものもある程度入ってくるわけですが、しかし、やはり今の資本勘定が不足しているかどうかというところにその主な力点がある。これをやはり一つの基準にして、では何をやるべきか、早期是正の命令を出していく、そういう仕組みになっているのだと思います。 しかし、今問題になっている、まさに委員のお尋ねは、その蓋然性の問題等々は、これは資本勘定だけではなくて、将来のこの企業体の運営、企業のバランスシート、負債側も入るバランスシート全体が悪化しないか、さらには、バランスシートというのは一種のソルベンシーでありますけれども、それだけではなくて、流動性が大丈夫かというような、リクイディティーというような、流動性の不足がないかというような問題も非常に総合的に入ってくるんだというふうに思っています。 したがって、そこはやはり見る基準が、ソルベンシーマージン比率を用いて早期是正をする今の仕組みと、より将来の蓋然性云々で語られるような姿は、想定されているものがやはり違っているということなのではないかと思います。 例は余り適切ではないかもしれませんけれども、今の血圧と、将来糖尿病になるかどうか、そういうことまで考える、そういうことですので、どちらが厳しいか、どちらが厳しくないかということではない、やはりそれぞれの目標を達成するために必要な手段を用意していく必要がある、私はそのように考えております。 〔委員長退席、林田委員長代理着席〕
○平岡委員 大臣、お言葉ではありますけれども、先ほど金融審議会の金融分科会の堀内第二部会長さん、参考人として来られまして、今回の法案については基本的に賛成だということは言われました。ただ、そのとき堀内部会長が言われたのは、中間報告にもあったように、あらゆる経営努力を行った上でやるのであれば私は賛成だというような趣旨の説明でございました。 それで、あらゆる努力をやった上であるというのは、中間報告の中に、十六ページに書いてありますけれども、「生命保険会社が、保険契約者の理解を得るためにあらゆる経営努力を行った上で、契約条件の変更を行おうというのであれば、生命保険会社による自助努力の途の一つとして、否定されるべきものではないと考えられる。」というふうに報告書に書いてあるんです。 そして、先ほど私が言いました、ソルベンシーマージン比率二〇〇%以下あるいは一〇〇%以下の中で、いろいろな経営努力が書いてあるんですね、これをしなさい、あれをしなさいと。これをしなさいと書いてあるのは、まさに非常に厳しい状況になっている、経営状況が厳しい、ソルベンシーマージン比率が二〇〇%未満ですから、非常に厳しい状況のときにこういうことをやりなさいと書いてある。こういうことをやってもいないのに、今回の契約条件の変更、予定利率の引き下げが認められるというのは、まさにこの中間報告とは全く相入れない内容になっている、私はそういうふうに思います。 どうですか、大臣、おかしいと思いませんか。そういうあらゆる経営努力をやって、つまり、皆さん方で早期是正措置をちゃんと全部行使して、それでもなおかつできないのであれば予定利率の引き下げということも、それは承認があれば認めるかもしれない、こういう段取りになるんじゃないですか。どうでしょう。 〔林田委員長代理退席、委員長着席〕
○竹中国務大臣 これは、今藤原局長の答弁の中にもありましたけれども、蓋然性を判断する場合に、さまざまな経営努力を前提にしても今後経営がなかなかうまくいかない、そういう蓋然性がある場合ということでありますから、やはり当然のことながら、あらゆる経営努力をしていただくということがその前提の中に入ってくるんだと思います。 委員御心配のように、経営努力しないで、それで利率だけ下げる、そういうものは蓋然性の判定の際にやはり厳しくチェックされると思いますし、御懸念のことがないように、これは我々としても、その承認の際には、そこはぜひしっかりと見ていかなければいけないと思っております。
○平岡委員 そうだとすると、確かに、早期是正措置というのはソルベンシーマージン比率に基づいてやるということで、それはそれとしての一つの仕組みなんですけれども、ソルベンシーマージン比率だけじゃなくて、それ以外にいろいろな事情でもって何か改善措置を命じなきゃいけないという場合があるわけですよね。まさに、この予定利率引き下げの事態というのは、例えばソルベンシーマージン比率の第二区分の中に入っているようなさまざまな命令措置がありますね、こういうものがすべて行われるという前提条件に立って初めて皆さん方は、今回、申し出があれば申請を認める、そういう理解をしていいですね。
○竹中国務大臣 原則論としては、とにかく、最大限できるすべての経営努力はしていただかなければいけないというふうに私は思います。 ただ、これも申し上げましたけれども、ソルベンシーマージンという観点から見れることと、先ほど、今の血圧だというふうに申し上げました。将来の経営が成り立つかどうか、これは将来の糖尿病の話だと。ちょっと例は適切かどうかはともかくとして。そこはやはり、リスクの評価の視点なんかが少し違うところは出てくるというふうに思います。 しかし、原則としては、やはり、契約者に何らかの負担を求める以上、まず目いっぱいの経営の改善の努力はしていかなければいけない、それを前提に、それでも将来経営がうまくいかないという蓋然性がある場合に今回の措置が適用される、そのように理解しております。
○平岡委員 先ほど読み上げた中間報告の中の、自助努力ということをまずしてもらわなければいけない、あらゆる経営努力を行った上での話だということは、私は、これは当然だと思うんですよ。そもそも、こんな憲法違反じゃないかと言われるような措置を認める前には、やはり、保険会社がきっちりとやっているかどうか、もしやっていないなら、監督当局もしっかりとした改善措置命令を発して、まずそこできちっとやる、それでも足りないときに初めてこの問題ができるかできないのかというところに入っていくんだろう。 できるかできないかという話は、またこれから詰めますように、非常に大きな問題だと思いますけれども、まずそういう姿勢が全く今回の法案にはあらわれていない。監督官庁は何にもしないでも、会社が何か自助努力やっているねというようなことがちょっとでも見えれば、申請があれば、申し出があれば承認をしてもいいような、全くそんな内容にこの法案はなっているというふうに私は思うんです。そういう意味で、この監督の仕組みというものが、この予定利率の引き下げが入ることによって非常にゆがめられたものになってきているというふうに私は指摘しておきたいと思います。 そこで、また基本的な問題に入ります。 二百四十条の四第二項に予定利率という言葉が出てきます。この予定利率って一体何ですか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。 保険業法、今御指摘の第二百四十条の四第二項における予定利率とは、保険金等の計算の基礎となる計数でございまして、将来の保険金等の支払いのため保険料を積み立てていくときに予定された運用利回りに相当するものでございます。
○平岡委員 それは、どこか法律に書いてあるんですか。
○藤原政府参考人 ここの二百四十条にこういう形で出ております。
○平岡委員 予定利率がどういうものであるかと全く書いていないんですね。全く書いていない状態の中で、予定利率の率は政令で定めるとか言われたって、今度は予定利率としてはこういうものを予定利率として呼びましょう、これは保険会社が運用するときの、例えば預金をしたときの利率だけにこれはとどめましょうとしようと思ったら、そういう理解でもできないわけじゃないですよね。これは法律で全く予定利率は何かと書いていないんですから。それはまた今度議論するとして——じゃ、大臣。
○竹中国務大臣 今局長が答弁させていただいた定義でございますけれども、これは、改正案の中の二百四十条の第二項にこの定義を新たに書いているものでございます。
○平岡委員 この二項に書いてある予定利率、「基礎となる予定利率」、予定利率が何なのかというのは書いていないんですよ、これは。「基礎となる予定利率」、基礎とならない予定利率と基礎となる予定利率というのがあるんですよ、多分。だから、これは非常にいいかげんな法律なんですよ、私から言わせれば。 それで、とりあえずはいいとして、ちょっと時間がないので、もうちょっと質問しておきたいんですけれども、これは政令で率を定めることになっていますけれども、これは何で政令で定めることになっているんですか。
○伊藤副大臣 今回の法案においては、予定利率の引き下げの下限を設けることとしているところでございますけれども、これは、対象となる保険契約者に対して、保険金額等の激変緩和となり、無用の不安を与えることを防ぐことができるほか、低予定利率の保険契約者や新規の保険契約者に対して安心感を与えることを期待した措置でございます。 そして、予定利率の引き下げの下限については、保険契約者の保護の見地から、保険会社の資産の運用の状況等に応じて定めることとしておりまして、今後の資産の運用の状況に応じて弾力的に対応できることが保険契約者の保護に資するものということから、政令で定めることとしたものでございます。
○平岡委員 もともと、この予定利率の引き下げというのは、皆さん方の説明によれば、私的自治の問題である、私的契約の自治の問題であるからということを言いながらも、こんなところで政府が勝手に率を定めて、これ以上でなければいけませんよということ自体も、これは矛盾なんですよね。私的自治なら私的自治でまず統一し、そうでないならそうでないとして、政府はきっちりとやっていきます、そういう仕組みになっていなければおかしいと思う。非常にこれは中途半端な、何かまやかしの法律ではないかというふうに私は思います。 そこで聞きますけれども、せんだって、この法案についてパブリックコメントを求めていない理由として、これは国会で審議される法案だからというふうに言っていましたけれども、例えば、この法律の中に、今回の予定利率の引き下げについては、政令で定める箇所が二カ所、内閣府令で定めるものが五カ所ほどあります。これについては、この予定利率の下限も含めて、パブリックコメントに付すということですね。
○藤原政府参考人 おっしゃるとおりでございます。
○平岡委員 それで、パブリックコメントに付す場合、今回の政令でどういうふうにして定めるかというところを見ると、「保険契約者等の保護の見地から保険会社の資産の運用の状況その他の事情を勘案して政令で定める」というふうに書いてありますけれども、どのような事情を勘案するんですか。「その他の事情」って一体何ですか。 そもそも、どうもよくわからないんですけれども、文章を見た限りにおいては、一つ一つの保険会社の個別の事情も考慮して政令で定めるということも否定されていないように思うんですけれども、この書き方で見ると。そこまで認められているんでしょうか。これはこっち側で答えてもらえる話ですから、むしろこっち側で答えてもらわなきゃいけない話ですから。どうですか、どんな事情を考慮するんですか。
○伊藤副大臣 お答えさせていただきます。 具体的には、保険会社の資産の運用の状況のほか、現在の平均予定利率あるいは過去の破綻事例での予定利率の引き下げの状況、そして新契約に適用される標準の予定利率等を勘案することを考えておりまして、今先生から個社の特別の事情を勘案するかというお尋ねがございましたが、私どもは個別保険会社の事情を勘案するものではないと考えております。
○平岡委員 予定利率についてもう少し話を進めてみたいと思うんですけれども、実は今回、こういう問題が起こっちゃったので、多分、私は、保険会社がこれから保険商品をつくるときには、場合によっては、経済情勢の変化によっては、あらかじめ約束した予定利率を変更することもあるかもしれませんよというような内容の保険契約でつくられた保険商品を当局に認可を求めてくる可能性もあると思うんですよ。そういうものは、どうでしょうか、皆さん、認可できるんでしょうか、するんでしょうか。
○竹中国務大臣 保険、特に生保の場合、非常に長期の固定で今まで予定利率が決められて、それで今回のような問題が生じているわけでありますが、一般論としては、近年、保険の分野では、運用実績によって保険の金額が変動します、いわゆる変動型の商品というもの、いわゆる予定利率が定期的に見直される商品等が登場しているというふうに承知をしています。 また、これはちょっとケースが違いますけれども、医療保険とか団体保険においては、保険事故の例えば実績発生率が予定発生率から乖離した場合、その運用実績が利回りから乖離した場合等、当局の認可とか届け出を得て、将来に向かって契約条件を変更できることをあらかじめ約束している保険もあるところです。今後さらにこういった商品の申請が行われてくるというふうに想定をしております。 このような商品の申請があった場合には、まず保険数理に基づいてこの商品が合理性を有しているのか、それと差別的な取り扱いでないか、これは法律の規定に基づいて我々が審査することになりますが、そういうことは、お尋ねの件に関してはあり得るということだと思います。
○平岡委員 そもそも、今回こういう問題が発生したのは、きょうは聞きませんでしたけれども、予定利率そのものが一体法律的にどういう性格のものであるのか。例えば、預金金利と同じようなものであれば、預金金利を引き下げようと思ったら、これは多分破綻なんですね。そういうものであるのかどうなのかという議論をしてみたかったんですけれども、仮に、今大臣が言われたように、予定利率の将来の変更はあり得べしというような商品が出てきたときに、その商品において予定利率を変更するということと、今回新しくつくった二百四十条の二以下の法律に基づいて予定利率を変更する場合というのは、一体どういう関係になるんでしょうか。
○竹中国務大臣 どういう関係になるかという、その意味でございますけれども、これは独立に、それぞれの商品が併存し得るということだと思います。現実には、これは経営の商品選択の問題でありますけれども、仕組みとして、これは併存し得るものであるというふうに思っております。
○平岡委員 例えば、事情が変更したことによって予定利率の変更はあり得べしという商品を認めるということは、そういうことが書いていない予定利率、つまり、これはどんな事態があっても守りますよという趣旨でつくられている予定利率、これが守れないという場合は、これは破綻なんですよ、論理的に言ったら。そうですよね。 こういう予定利率の変更ということをあり得べしというんだったら、契約にちゃんとそれを書いて、そして、契約に書いてもそのまま認められるというわけじゃなくて、多分何らかの手続が必要でしょう。契約者団体、一つの団体がやはりそれを納得する、そういう仕組みが必要でしょう。法律に基づく今回のような仕組みが、予定利率の変更を認める、予定利率の引き下げを認めるという契約ができても、必要なんですよ、今回のような手続が。 だけれども、今回は、そういう予定利率の変更、予定利率の引き下げというものがあり得べしという状態じゃないものを、法律に基づいて引き下げを認めるということになっているわけですから、今回の場合は、これは本当、我々からいえば、破綻なんですよ、破綻処理です。
○小坂委員長 質問時間が終了しております。
○平岡委員 大臣、その点について、最後、答弁を求めたいと思います。
○竹中国務大臣 これは本質的なお尋ねであるというふうに思いますが、我々は、その意味では、いわゆる経営が破綻するようなことが逆ざやにおいて将来生ずるというようなことが想定される場合には、一体それをそのまま放置しておくのか、その前に一つの選択肢を与えて、予定利率を下げることによって財務基盤を強化していく方がよいか、この選択をやはり迫られているんだと思います。 これは破綻だというふうに委員おっしゃいましたですけれども、むしろ、そうしたことを避けるための一つの手段としてこういう仕組みを、新たな選択肢を用意しておく方がよいのではないか。この法律、いろいろな点に御指摘をいただいておりますけれども、極めて本質的なところは、やはりその点の判断であろうというふうに思っております。
○平岡委員 終わります。
○小坂委員長 次に、永田寿康君。
○永田委員 まず冒頭、委員長にお願いします。 委員長というのは大変神聖な職務でありまして、議事の運営に対しては公平を期していただきたいなというふうにお願いを申し上げたいと思います。 先ほど委員の質問の中に、金融庁の一部ポストに居座っている個人名を出すのは控えた方がいいというお話がありましたけれども、あの質問というか、調査を依頼する、こういったことは、そのポストに着目をして話をしているんじゃなくてポストについている人に、特定の個人が悪さをしているんじゃないかということを我々は話をしているんであって、特定の個人の行為が金融担当大臣に話が上がっていないんじゃないかという話をしているわけですよ。 それは、監査法人との接触ですから、あるいは「りそな」との接触ですから、これは課長でもなし得るし、局長でもなし得るし、だれでもなし得るんですよ。だれでもなし得るけれども、その中で、鈴木何がしという特定の個人が行った行為について我々は話をしたいと言っているわけですから、個人名を挙げるのは当然のことだと僕は思いますよ。それを、発言の内容に注文をつけるようなことをするのは、これは僕はいかがなものかと思いますよ。 あるいは先ほども、さまざまありますけれども、故意に席を立ったと認められるとか、これは発言を撤回されましたが、こういうことはやはり議事の進行に対して著しい公正さを欠く行為でありますから、そこはお気をつけいただきたいと思います。 そして、質問というか、冒頭、また大臣に対して申し上げたいんですが、イソップのアリとキリギリスという童話を読んでいると、一生懸命働いているアリは、夏の間、季節のいい間、全然貯蓄もせずに遊び狂っていたキリギリスが滅びていくのを見て、これも当然の報いかなというようなお話、ストーリーでありますけれども、このキリギリスというのを見ていると、最近の生命保険会社、やはり思い当たるところがあるわけですね。バブルのころ、本当に景気のよかったころ、そして予定利率もあんなに上げたって全然経営が構わなかったころ、あのころは無謀な運用と放漫な経営にもう浸っていたわけですよ。それが、季節がだんだん厳しくなってくると、ああ、もうこれは助からぬなということで、まさにあのアリとキリギリスという話に出てくるキリギリスにそっくりだというふうに私は思うわけですよ。 これ、キリギリスだけかと思ったら違うんですね。キリギリスに例えられる生命保険会社を監督されている金融庁の方々あるいはその周辺にいらっしゃる与党の議員の方々は、最近、こんな憲法違反な法律を出していいんですかというふうに問われると、これはぎりぎりですと。ギリギリス、ギリギリスという、まさにギリギリスという新しい生き物がこの永田町と霞が関を濶歩しておるわけですね。僕は、これは土俵を割っていると思いますよ、はっきり言って、この問題は。ぎりぎりじゃないですね。もう過ぎていますよ。オーバーランです。 ですから、ぜひそこの憲法問題について突っ込みたいので、ちょっとおつき合いいただきたいと思います。 まず、私が本会議で質問したときには、財産権との絡みについて、財産権は憲法の保障する権利でありますが、しかし、公共の利益のためにやむを得ない場合には一定の制限を加え得るというような答弁があったと思います。これは本当に公共の利益というふうにお考えなのか、もう一度、公共の利益というのは何なのかということを、御認識を教えてください。
○竹中国務大臣 法律の解釈、特に憲法という大きな法律の解釈そのものについては、これは一度この場でも法制局の方の御答弁があったと思いますが、基本的な考え方というのは、もちろんこれは大変重要な、財産権という侵すべからざる権利である、しかし、公共の福祉を実現し、また維持するために必要な場合、つまり、より大きな公共の利益がある場合は、一定の合理的な制約の中でこれに制約を加えるということは憲法に違反するものではない。これは基本的な考え方なのだと思います。 今回のスキームを整備することによって保険制度に対する信頼を確保する、これは、基本的には保険契約者の利益になるということで、自治手続において行われるわけでありますけれども、こうした制度を整備するということ、スキームを整備しておくということが、実は、保険という国民生活にとっても非常に重要な意味を持つ制度の信頼性を高めて、この保険制度に対する信頼性を確保するという意味で公共の利益にかなうのではないか、私はそのように理解をしております。
○永田委員 保険に対する信頼を確保することが公共の利益にかなうというふうにおっしゃいましたけれども、保険という制度あるいは商品のどのような性質に着目をして、これに関する信頼を確保することは公共の利益に合致する、つまり公共という概念に合致するというふうにお考えなのか。事柄の性質として、どのような性質に着目をして、保険制度の信頼を確保することは公共という概念に整合的であるというようにお考えなのか、教えてください。
○竹中国務大臣 保険というのは、言うまでもありませんけれども、いざというときにまさに求められるセーフティーネットなのだと思います。これは保険の原則からいうと、大数の原理に基づいて、やはり幅広く社会の中に一つの制度として定着をしていなければいけないものだと思います。これは、いざというときでありますから、いざというときに役に立たない、こんな信頼性のないセーフティーネットはないわけでございます。その意味では、先ほどから議論もしているように、今、逆ざやという何とも難しい構造問題があって、それによって将来に経営そのものが成り立たなくなる、それはやはり保険の信頼性を著しく損ねるものではないかというふうに思うわけです。 保険が保険集団としてきっちりと維持されて、それがセーフティーネットとしての役割を果たしていくということが、まさに保険という仕組みが持っているインフラ的性格ないしは保険という制度が持っている公共性であって、信頼性を支えていくということが必要なのではないかと思います。
○永田委員 いざというときに役に立たない保険ではセーフティーネットとして役に立たない、こういうようなお話がありましたけれども、いざというときに役に立たなくなるんじゃないでしょう。逆ざやで破綻してしまう場合というのは、それは、破綻する瞬間までは生きているんですよ。 例えば大地震が起こる、地震のときの保険というのはかなり特殊なケースですが、例えば大量殺人が起こったりして膨大な保険金を払わなきゃいけなくなって、それで保険会社が倒産するような、これはいざというときに役に立たなくなるようでは困るという話もありますけれども、だけれども、そういうときにはちゃんと保険契約者保護機構というセーフティーネットが張ってあるわけですよ。 そういう話じゃないですよね。破綻する瞬間までは生きているんですよ。役に立つんですよ。本当に予期できないような莫大な保険金の支払いを迫られたときに倒れるようであれば、それはセーフティーネットが張ってあるわけですよ。いざというときに役に立たない保険では困るという理屈ではないんじゃないですか。そういうところに着目してこれはやろうとしている話じゃないでしょう。もう一回ちゃんと答弁してください。
○竹中国務大臣 破綻する瞬間までは生きているんだ、御指摘のとおりだと思います。 私、いざというときというふうに申し上げたのは、私自身も委員御自身も、どういう確率で将来自分の命が失われるか知れない。その確率というのは多分正規分布しているでしょうから、我々にとって予測できません、個人についての予測はできません。それが将来いつ起こるかわからない、ひょっとしたらあした起こるかもしれない、そのときにはまだ破綻していないから、別に保険については私は何も心配する必要がない。しかし、幸か不幸かあと三十年ぐらい生きて、その間に何が起こるかわかりませんね。何が起こるかわからないというのは、保険会社の経営について不安がある。 私がいざというときというふうに申し上げたのはまさにそういうような状況でありまして、結果として、やはり将来の信頼性、私自身どれだけ生きるかわからない、何が起こるかわからない中で、将来を見越した上での保険の信頼性をきちっと確保しておく必要がある。全体としては、そのような趣旨で申し上げました。
○永田委員 経済学の先生でおられた竹中先生にこういう質問をするのは大変失礼かもしれませんが、経済学の特殊用語というか、経済用語に公共財という言葉がありますね。公共財の特質あるいは定義というものはどういうものですか。もしも大学の期末試験で公共財の定義を書きなさいといったら、どういう模範解答が考えられるのか、教えてください。
○竹中国務大臣 公共財の定義は実にさまざまございますけれども、一般に言われているのは、非排除性、同時消費性、そういうようなところに着目する言い方が一般的ではないかと思います。ただ、公共財ということをより一般的、社会的に使う場合は、まさに我々全員に非常に広く関与するオーバーヘッドのシステムないしはオーバーヘッドの資本、そういうのが言われるのだと思います。
○永田委員 物理工学科出身の私が経済学の大家であられる竹中先生にこういう質問をするのは大変失礼かと感じましたが、まさにおっしゃるとおり、非競争性、だれかが大量に財を消費したらほかの人が消費したいと思ってもあぶれてしまうようなことはないという話、それから排除不可能性、つまり、この人にはこの財は消費させたくないというふうに考えてもそれは実現できない、一部の人がこの財を消費したらほかの人にも当然その影響が及んでしまう、排除できない、この二つが大きな特質として考えられているんだと思います。 保険は、そういう特質を備えているんでしょうか。
○竹中国務大臣 保険商品そのものはあくまでも商品だと思います。 しかし、先ほど申し上げましたように、公共財というのをオーバーヘッドの一つのシステムであるというふうに考えた上で、この保険全体を一つのシステムというふうに考えるならば、私は、一種の公共財ないしはインフラというふうに申し上げてよろしいかと思います。
○永田委員 よく公共の利益というか公共的なサービスの例として挙げられるのは、例えば教育なんというのもありますよね。日本語をちゃんとしゃべれる教育を施すということは、その教育制度の外にいる日本語をしゃべる人にとっても利益になることである、だからオーバーヘッドの利益がある。あるいは予防注射、これも、僕が予防注射をしていなくても世の中の人みんなが注射をしてくれれば僕は感染する可能性が著しく減るわけですから、そういう意味でも公共的な意味がある、オーバーヘッドの利益がある。こういうような説明がなされることが多々あります。 こういうことの類推から、保険というものにも、そのような特質に極めて類似した性質を持つ部分が認められるという説明がなされなきゃならないと思いますが、僕は、いまだにそれはなされていないように思うんですね。 オーバーヘッド、オーバーヘッドとおっしゃいますけれども、保険に入っていない人だって厳然としているんですよ。何と、僕がそうです。生命保険に入っていません。自動車も、国会議員になるまでは、僕は自賠責保険しか入っていませんでした。保険なんて、はっきり言って僕は全然信用していないんです。そして、保険会社が倒れようが破綻しようが何だろうが、正直言って、僕個人にとっては余り関係がないんですよ。それは、僕がそうだからこの制度に対しては反対だとかそういうことを言っているんじゃなくて、一例を挙げようと思えば、例えばそういう話もあるわけですよ。全然オーバーヘッドじゃないんです。僕には関係ない話なんです。オーバーヘッドじゃないんですよ。インフラではないんです、これは。 国民の九〇%が生命保険に入っているとはいいますけれども、それは無数の私益なんですよ、多数の私益なんです。公共じゃないんです。どうですか、反論がありますか。
○竹中国務大臣 先ほど、言葉、日本語の教育の話をされましたけれども、日本語というのは、例えば、私が非常にいろいろな漢字もよく知っていて日本語がうまい、しかし私だけ日本語を知っていても何の役にも立たないわけであります。皆さんが日本語を使っているからこそ私の日本語が役に立つ。これは、電話も同じでございます。私がどんなにすぐれた携帯電話を持っていて、万能の機能の携帯電話を持っていても、私だけがこの携帯電話を世の中で持っていたら何の役にも立たない。これは一種のネットワークだというふうに思います。 その意味では、保険も、保険というのは私一人でどんな立派な保険、生命保険に入ろうと思っても、これは入れないわけですね。一種の集団を必要として、集団を前提としてそのシステムが成り立っているという意味ではやはり公共財的なシステムであるというふうに私は思っております。 永田委員は非常にいろいろなお考えに基づいて保険に入っておられないということでございますけれども、これはやはりみんなでリスクをプールし合うシステムでありますから、一種の集団を前提にして成り立つものだというふうに思います。
○永田委員 集団が前提になっているというだけでは僕は公共性の説明にはならないと思うんですね。公の概念というのは、要するに、防衛問題もよく公共財の例として挙げられますし、そういう、直接的にそれに関与している人、直接的にその財を消費しようと望んでいる人以外にも便益が及ぶという部分、集団の外にもにじみ出すということが大事なことなんだと思うんですね。 例えば自動車、アメリカのカリフォルニア州に僕は留学し、住んでいましたけれども、自動車の保険に入っていない人はいっぱいいるんですよ。そういう人と車がぶつかっちゃって、保険の処理をしようと思っても、相手が保険に入っていないものですから、しかも保険に入っていない人は大抵貧乏なものですから、事故処理に非常に手間もかかるしエネルギーもかかるわけですね。そういうときに、無保険者保険というのに自分は入っておくわけですよ。相手が保険に入っていなかった場合には相手が保険に入っていなかった部分を自分の保険でカバーするという、無保険者保険というのに入るわけですね。そうすると、保険集団の外にいる人が、保険に入っていなくても、ちゃんと保険の便益というのは享受することができるわけですよ。 ですから、僕、公共性という定義と、一定の大きさの集団を必要とするということは別の概念だというふうに思うんですが、反論はありますでしょうか。
○竹中国務大臣 公共性の議論をして、公共財の議論をしますと、本当の意味で、先ほど非排除性、同時消費性等と言いましたけれども、そういった意味での純粋公共財というのは、考えてみれば、世の中には実はほとんどないということになるんだと思います。 ほとんどないというのは少しあるという意味だと思いますが、例えば防衛というのは、私はその典型だと思います。よそからミサイルが飛んでくるかもしれない、ミサイルが飛んできて、それを防衛する、私たちは守りたい、でもこの人だけは守ってあげたくない。これは排除できないわけですね。だから、これは国全体で守ると、余り守ってあげたくない人も結局は守ってあげなきゃいけない。その意味では、典型的な非排除を防衛は持っております。 しかし、そういったものというのは、実は公共財の中ではごくごく限られていて、純粋公共財ではなくて、準、公共財に準ずるものというのが私は世の中のほとんどだと思います。 教育も実は公共財に準ずるものだと思います。いわゆる有名大学に行きたいというのは、これは、教育というのは公共財ですけれども、その行く人は自分は高い給料をもらいたいと思って行っているわけですから、これは極めて私的な財である面がある。その意味では、余り正確なお答えになっていなくて恐縮でありますけれども、純粋な意味での公共財ではないということは申し上げてもよいと思いますが、公共財的な性格はやはり持っているということなのではないでしょうか。
○永田委員 よくそれで学生を教える立場にあるなと思います。 申し上げますよ。でかい集団を必要とするということと、その集団の外にも便益が及ぶかもしれないということは、別な話なんですよ。今僕は、集団の外にも便益がにじみ出すような部分が少しでも認められなかったら、これは公共性というものとの類似性は認められないんじゃないですかという話をしているんですよ。純粋かどうかの話じゃないと思いますよ。 便益は集団の外にも出るんですか。
○竹中国務大臣 ですから、冒頭申し上げましたように、そういった意味での非排除性とか同時消費性とかというような形で公共性を論じる場合もあるし、非常に大きな、みんながシェアするネットワークという意味で公共性を議論する場合もあります。 保険の場合はやはりまとまっていなければいけない。年金も同じです、年金も保険ですから同じだと思います。これは、制度に不信感を持って一人一人抜けていったら、一種の囚人のジレンマのように、みんな一緒にいればいいことはわかっているんだけれども、自分だけ損するのは嫌だなと思って一人一人抜けていくと、集団そのものが崩壊するわけでありますから、その意味での公共的性格をやはり持っているのではないかと思います。
○永田委員 その説明では僕は全然納得できないんですけれども、本当にその程度のことでよく学生を教えてきたなと、ちょっと気の毒に思う次第であります。 では、過去に保険が破綻したケースというのはあるわけですよ。そのときにはどのような公共財が失われたのか、公共的な利益を失われたのか、説明してください。
○竹中国務大臣 これは、それによって保険制度そのものがどのように揺らいだかというのが一つの尺度であろうかと思います。 保険というのはやはり信用できないな、それによって保険集団が小さくなった、解約等々ができて保険集団が小さくなったということによって保険のプール機能が非常に弱ったということであるならば、実はそこまで弱ってはいなかったんだと思いますが、しかし、あれはほっておいたらそういうことにもなり得たかもしれません。それは一つのロスでございましょう。 これは、公共的なロスと言えるか、私的なロスとの中間的な領域になるかもしれませんが、やはり解約等々で今までの資産運用が大きく修正を余儀なくされた、そういった意味でのロスが発生したというのは現実問題としてあったというふうに思っております。
○永田委員 では、例えば、予定利率の引き下げ、今回の法案が成立をして制度が導入された後に、この制度が一切活用されなかった場合、生命保険会社は今そう言い張っているわけですね、予定利率を下げるつもりもないし、今後も検討する予定はないというふうに言っているわけですが、この制度が活用されなかった場合、社会や保険に対してどのような影響があるか、検討されていますか。
○竹中国務大臣 これは、一つの条件の変更の選択肢を準備するものでございます。これは、御承知のように、逆ざやが非常に大きく、逆ざやを放置すると経営破綻等々将来問題が生じないだろうかという懸念のもとにやっております。 もし、そうではなくて、そういう問題を経営努力等々によって克服し、さらには金利の局面等々が変わって逆ざやが解消し、そうした中で結果的にこの制度が使われないということであれば、それはそれで一つの問題の改善にはなっていくのだと私は思います。 いずれにしても、今回の制度というのは、今のような厳しい状況を前提にして、経営に対して一つの選択肢を与えようというものでありますので、これは、現状においては準備しておく方がやはりよいのではないだろうかというふうに私自身は思っております。
○永田委員 もう一回確認をしますけれども、社会や保険に対する影響は本当にその程度のものだと思っているんですか。繰り返す必要はありません、それで全部かどうかという確認をしたいんです。この制度が導入されることによって社会や保険に対してどのような影響があるかということをどういうふうに検討していますかという質問をして、そういう答弁があったので、本当にそれで全部ですかというふうに確認をしたいんですけれども、いいですか。
○竹中国務大臣 これはいろいろな影響が出ますでしょうから、今の答弁の中で全部言い尽くせたとはもちろん思いませんですけれども、今回の趣旨、それと、保険が持っている社会での重要性、それと、一方では個人の財産権と公共の利益の非常に微妙な調整をしなければならないこと、そうした点については一応申し上げたつもりでございます。
○永田委員 破綻処理というのは物すごく厳格な手続を必要とするんですよ。司法も入ってくる、物すごく厳格な手続を必要とするんですね。その厳格な手続、高いハードルをもってして保険というものは守られているから、だから信頼に足るんだというふうに契約者が思っているんだと僕は思うんですね。 これは、そこに単に新たな選択肢を追加するだけじゃないんですよ。要するに、経営を安定化させるための新たな手段を単に追加しただけではなくて、そうじゃなくて、低いハードルで契約内容を変更するような手段を加えてしまうということなんです。 ダムみたいなものなんですよ。ダムというのは、高い壁でずうっと囲われているからあれだけ水がためられるんですね。そこに一カ所低い壁を設けちゃったら、水位はそこまで下がっちゃうんですよ。保険に対する信頼というのは、破綻処理という厳格な、司法手続も含めた厳格な壁で守られているから、みんな高い信頼をしているんです。一カ所抜け穴をつくったら、信頼の水位はそこまで下がっちゃうんですよ。 保険全体に対する信頼を大きく損なうような可能性が高いという主張に対しては、大臣の認識はいかがですか。
○竹中国務大臣 今の永田委員の御指摘は大変理解できる点があります。まさにこれはモラルハザードという言葉に象徴されると思いますけれども、一種の規律を崩して、それによってむしろシステム全体の信頼性を損ねてしまうのではないだろうか、そういう御懸念であろうかというふうに思います。 壁の話が出ましたので、あえて壁に例えるならば、非常に高い壁で今までは支えてきた、しかし、これは壁を低くしなければいけない。高い壁を支えるには非常に大きな支えが要って、その支えが弱っている中で、ひょっとしたら高い壁そのものが全部崩れてしまったら困るのではないだろうか、やはりそういう懸念も現実にはあるのだと思っております。 壁を低くするというふうにおっしゃいましたけれども、そういう意味では、モラルハザードが生じないような厳しい運用は、これはぜひしっかりやっていかなければいけないと思います。 これは、どういう形で行うかというと、本当に、考えられる経営努力までした上で、それでも経営がなかなか成り立たないという蓋然性があるのか、この点に関して我々はやはりしっかりと見なければいけないと思います。これは、現実にいろいろな自治手続の中で議論がなされていくことではありますけれども、本当に経営の改善の努力も同時に、本当に経営改革を一生懸命やる、再編、合併等々を同時にやる。そういう意味で、壁を低くした後に、ここは生まれ変わってよくなるんだということをマーケットに見てもらわないと、それこそ解約等々も殺到する可能性もあるわけだし、経営にとっても、これを使うときはまさに真剣勝負でそういった経営の改善をしっかりとしてもらわなければいけないと思っております。
○永田委員 壁が高ければ決壊したときには大きな事故に至る、低くしておけば決壊しても大した事故にはならないというお話なんですか。首を振っていますけれども、それは全然おかしな話だと気づいていますよね。つまり、保険の信頼を低めておいて、保険の規模をちっちゃくしておけば破綻しても大丈夫だ、大したけがはなかろう、まさかそういう話じゃなかろうと思いますが、それはどういうふうな話なんですか。壁が高かったら決壊したときに大けがする。では、低くしたらどうなるんですか。
○竹中国務大臣 壁にこだわるとちょっと話がそれていってしまうかもしれませんが、私が申し上げたかったことは、あえて言えば、高過ぎる壁は支えられないかもしれない、しかし、少し壁を低くして、これで安心して支えられる、崩れないというような状況をつくる、そういう選択肢があるのではないかということでございます。
○永田委員 それはおかしいですよ。壁は、支えるんじゃなくて、契約者を守っているんですよ、高い壁で守っているんです。それを低くすることによって契約者が利益を得るということは僕は一切あり得ないと思いますよ。それは保険に対する信頼をかえって損なうものなんですよ。 保険に対する信頼を損なう要素があるということはお認めになりますか。
○竹中国務大臣 これは、当初約束した利回りが欠損の形で運用できなくなって、申しわけありませんが変更をしていただきたいというふうに願うわけでありますから、その意味では、契約者から見ると甚だ遺憾な面はやはりあるだろうというふうに思います。 しかし、今、繰り返し申し上げているように、金利の局面が本当に変わってしまって、このままこれを放置しておくとかえって将来の保険契約者の受取額が少なくなってしまうのではないだろうか、それを防止するための一つの選択肢として考えておりますので、この点はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○永田委員 本末転倒だと言っているんですよ。保険の信頼を高めるための行為がかえって保険の信頼を損なうことになっているんですよ。 司法手続という国民を守るための手続に至る前に、不十分な情報開示といいかげんな手続で契約内容を変更するような、そんな手続を認めてしまったら、かえって保険に対する信頼を損ないますよと言っているんですよ。 僕は、見かけ上給料が高いことになっていますから所得税も、あるいはお酒もいっぱい飲みますから酒税も払っていますけれども、税金を払うことの最大のメリットは、僕が一番着目している、大事にしているメリットは、いざというときに裁判所で裁判を受けることができるということなんですよ。これが最大のメリットだと思っています。基本的人権が制約されそうになったときに司法によって救済を求めることができるという部分が最大のメリットだと思っています。 この前に、行政だとかあるいは会社のお手盛り追認機関と化した総代会が立ちはだかって司法への道を閉ざすようでは、もう危なっかしくて保険なんて入れないですよ。 こういう、保険の信頼を損なうような要素が少なからずあるということはお認めになった方がいいと思いますよ。いかがですか。
○竹中国務大臣 私も、個人的には、この社会を支える一番重要な基盤はやはり司法だと思います。最後は訴えてやるということで自分の正義は通るはずである、それが私たちの今の市民社会を支えるやはり重要な基盤だと思います。その司法の強化は強化で、これはしっかりとやっていかなければいけない政策の課題だと思います。 しかし同時に、非常に複雑化しているこの社会の中で、自治手続の中で解決しなければいけないという問題も実は大変たくさんあるというふうに思います。この自治手続の中に実は司法的プロセスが入ってくるというのは、これからの重要な役割なのだと私は思います。 司法というのは決して裁判だけではなくて、コンプライアンスというのは実はそうなわけですね。その中でしっかりと司法的要素を取り入れながら自治的な解決を図っていこうというのがコンプライアンスの基本的な考えであるというふうにお聞きしたことがあります。 そういった意味では、今回の措置は、自治的なプロセスではありますけれども、例えば総代会の特別決議でありますとか異議申し立ての基準を厳しくしているとか、そういった形での手続は、考えられる範囲で踏んだつもりでございます。 司法の役割は当然重要でありますけれども、それのほかに一つの選択肢を提供したいというのが今回の法律案の趣旨でございます。
○永田委員 だから、司法というのは本当に、中立性とか専門性について極めて高いレベルにあるわけですよ。それにかわる自治的な手続、自治的な機関として契約者総代会だとかなんとかというものを持ってくる、あるいは内閣総理大臣の関与も出してくる。こういうものが司法にかわる力を持ち得るというふうに信じている根拠は一体何かという話なんですよ。それだけの力を持っている、あるいはそうすることが妥当だというのは、司法よりもそっちの方が妥当だというのは一体どういう意味なのかというのをちょっと教えていただきたいんですけれども。
○竹中国務大臣 司法よりも妥当だというふうに申し上げるつもりはありません。司法は司法としての役割を果たさなければいけないと思います。しかし、非常に複雑化している今日の経済問題の解決の中では、自治的な合意というのも当然のことながら必要だろう、ただし、その場合に、自治的な合意のプロセスとしては司法的な要素は入ってこなければいけませんね、そういうことを申し上げたつもりでございます。 ちなみに、破綻処理手続の流れについて、その詳細を私必ずしも全部存じ上げているわけではありませんが、この業法手続の中では、保険会社の破綻処理手続の流れには、委員御承知かもしれませんが、実は司法というのは一切入ってこない形になっております。 その意味では、裁判所を通す司法、それはそれとして大変重要でありますが、それのみでやはり解決することができない問題も多いのではないかというふうに思っております。
○永田委員 例えばどんな問題が解決できないんですか。司法に持ち込んだら解決できない問題というのは何ですか。
○竹中国務大臣 紛争処理に関しては、例えば不動産なんかは、私もアメリカで生活をしたことがありますけれども、これは司法ではない形です。そういう形で、いろいろな細かい経済問題を解決するにはそれにふさわしい仕組みがあるのだというふうに思っております。 保険の予定利率等々については、もちろん、悪いところは破綻すればいいのだというお考えもあり得ようかと思いますけれども、破綻した場合の契約者の利益と、破綻に至る前に予定利率を引き下げて、それでその後の経営を立て直すというような手続、これはどちらがよいかというのはケース・バイ・ケースであるというふうに私は思います。一つの選択肢がふえるという点は、やはり否定すべきではないのではないかというふうに私は思っております。
○永田委員 選択肢がふえるんじゃないんですよ。物事の解決の方向を全然変えちゃう話なんです。 僕が本会議で指摘をしたとおり、この法案が通ったら、経営者は逆ざやを理由にした破綻は許されなくなっちゃうんですよ。そういう選択肢はなくなっちゃうんです。逆ざやを理由とした破綻を司法で解決するという手段は事実上なくなっちゃうんです。 だって、そうしないと、司法に持ち込まれた瞬間に、何で予定利率を下げなかったのと聞かれちゃうんだから、予定利率を下げなかったことについて。それはそうですよ。経営者は、予定利率を引き下げれば逆ざや問題は解消したはずなのに、それをやらずに、その手段を活用せずに漫然と問題を放置して、逆ざやを理由として破綻するようなことになったら、もっと前にやっていなかった不作為の責任はどうなんですかと言われちゃうわけですよ。これは損害賠償の対象になりますよ。 だから、司法に持ち込まれる道はなくなっちゃうんです。単に新たな手段を追加しているだけじゃないんです。問題処理の方向が全然変わっちゃう話なんですよ。それでいいんですかという話なんです。 要は財産権。契約者の財産権もあるでしょう、契約者Aさんの財産権とBさんの財産権は多分大きさが違うでしょう。そして契約者以外の、債権者の財産権もあるでしょう、それは投資家もいれば銀行もいるでしょう。そして経営者の財産権もきっとあるでしょう、あるいは株主というか基金を出している側、いろいろな財産権はありますが、そういった財産権の調整をするのに司法以外の手段にゆだねた方がいいと考える理由は僕はほとんどないと思いますよ。 いやいや、今でも、この法律が通った後だって司法で解決する手段は残されているんだと大臣がお考えなんだったら、それはこの法案の本当の意味を誤解していますよ。どうなんですか。
○竹中国務大臣 これは、現実にはいろいろなケースがやはり想定されるのではないでしょうか。 この制度ができたことによって司法に持ち込まれるのはなくなるのではないかという永田委員の御指摘でありますけれども、これはまさしく、企業の財務内容がどのような状況であるのか、契約者の構成がどのようになっているのか、契約者の意思、さらにはその企業の経営改善に向けた経営能力や経営手腕がどのようであるのか、それによって、やはり幾らでもその答えは違ってくるのではないかというふうに思っております。 繰り返し申し上げますけれども、司法での解決というのは場合によっては大変必要だと私は思います。そういうものを決して否定するつもりはありません。しかし、逆ざやという構造問題が非常に大きくのしかかっている中で、会社によっては、ないしは契約者によっては、こういう選択肢に基づく解決を望む人が出てくる可能性は十分にある。そのための選択肢を用意しておくということは、私はやはり、政策、行政の当局としては考えるべき問題ではないかと思っております。
○永田委員 それはおかしいですよ。選択肢を追加するだけじゃないもの。これは明らかに方向を変えちゃいますよ、問題解決の方向を。この法案が通ったら、逆ざやを理由にした破綻なんて司法に持ち込まれるわけないじゃないですか。 大臣、本当に、司法による解決の道というのはあるというふうに、いまだにそう信じているんですか。もちろん、この法案自体の違憲性を問うてやったりする司法裁判というのはあるでしょう。しかし、本当に今でも、単に手段を追加するだけで、プラスのことはあってもマイナスのものは一切ないというふうにお考えですか。
○竹中国務大臣 これは、やはり現実にはいろいろなケースがあり得るのであろうというふうに思っております。それは、経営努力の中で、契約者自身の意思表示の中でベストの道を選択していただきたいというふうに思っております。重ねて申し上げますが、これは個々のケースによっていろいろなケースがあり得ると私自身は思っております。
○永田委員 本当にその程度のことしか検討されていない、すなわち、個々のケースによっていろいろなことが考えられるという程度の答弁しかできない、それぐらいの検討しかしていないんだったら、これはまた保険に対する信頼は大いに揺らいでしまいますよ。 僕は、その程度の答弁しか引き出せないんだったら、その程度の答弁しかしていないということを少なくとも僕の地元の有権者には説明して回るつもりです。自民党の皆さん、ぜひお聞きください。保守新党の方も、公明党の方もぜひお聞きください。この法案一本で我々は選挙を戦えます。恐るべき悪法ですよ。こんなもので、選挙の洗礼も受けていない大臣が出してきた法案で自分たちの選挙が危うくなっちゃうということを許していいんですか、皆さん。こんな法案、通すべきじゃないですよ、絶対に。 だって、債権の処分の順番だって変わっちゃうわけですよ。基金から始まって、まず内部留保、そして基金がカットされた後に契約者債権に手をつけるべきだというのは、それはもう常識ですよ。それを、途中で変更して、基金はちょっと残るかもしれないけれども、契約者債権は三%までがたっと落ちる可能性もある、こんなばかな話ないですよ。 これは、新たに手段を追加するというだけじゃないですよ。契約のあり方、それから財産の処分の仕方を大きく変更するものになるということを本当に認識していないのか。それが、個々のケースによっていろいろあり得るというような大臣の答弁だけで本当にいいのか。 もう一回教えてくださいよ。その程度のことしか検討していない、その程度の認識しかないんだったら、それでも結構です。私はそれ一本で選挙を戦います。もう一回、最後の答弁をお願いします。
○竹中国務大臣 我々は、保険契約者のためにどういう手段が一番よいのだろうか、そのことをやはり真っ先に考えるべきだと思います。 逆ざや問題という非常にぬぐいがたい構造問題で保険会社は苦しい経営を強いられている、その経営環境は特にここ数年非常に悪化しているというふうに認識をしている。そういう場合に、経営の一つの選択手段として、このままもし放置して破綻をした場合に保険契約者が受け取る金額がどの程度少なくなるのか、それに比べて、予定利率を変更した場合にそれはどのようになるのか、そうした観点から、私たちは、一つの選択手段として、こういうものが経営の選択肢としてある方が好ましいのではないかというふうに考えております。 もちろん、それに当たっては、これは条件の変更であります。条件を一切変更するなと。これは不良債権の、貸し付けの場合なんかもすべて同じでありますけれども、条件を変更しないでやるにこしたことはありませんけれども、そういうことを許さないような経済環境が出現している中で、いかに条件を変えるべきところは変えて、結果的にすべての関係者がより多くの利益を得られるようにするためにはどのようにしたらよいのだろうか。これは大変難しい問題ではあると思いますが、ここにやはり、今回のような選択肢というのは、私は一つ考えられてしかるべき問題ではないかと思います。 しかし、これは一部の人たちの負担を強いることでもありますから、それに当たっては、やはり民主主義的な手続をしっかりと踏まなければいけない。行政当局としても、それに関して、指導すべきところはしっかりと指導しなければいけない。さまざまな意見を聞きながら、関係者の意見も聞きながら、今回の法案を準備したつもりでございます。
○永田委員 重ね重ね、本当に、ちゃんと議事録に残る話ですから、ちゃんと説明をしないと保険に対する信頼はどんどん揺らいじゃいますよ。財産の処分の順番を変えてしまうという話ですからね。それは、手段を一個追加するなんという生易しい話じゃないんですよ。 短く一個だけ答弁してください。もう一回確認します。本当に、この法案を通すことによって、保険に対する信頼は、高まることはあれ、低まることはないと確信していらっしゃるんですか。
○竹中国務大臣 これは、保険に対する信頼というのは、経営の努力、例えばこういうシステム一つをとっても、これをどのように活用していくか、そのときにいかなる経営革新をあわせて行っていくかという総合的な努力の中で評価していくものでありますけれども、こうした制度をうまく活用することができれば、これは保険制度そのものに対する信頼性を高めていく一つの材料になり得ると思っております。
○永田委員 甘く見ていますね。これはもう本当に重ね重ね、不十分な情報開示といいかげんな手続で契約内容の変更を許すようであれば、保険制度の維持自体が僕は難しくなる事態だっていずれ来ると思いますよ。何だ、保険というのはそういうものかい、今までは司法に守ってもらっていたからおれは信頼してきたけれども、そんなものかい、もう信用なんかするものかという国民の声がちゃんと届くように、耳をダンボにしてお聞きいただきたいと思いますね。 午前中の参考人の質疑の中で、僕はちょっと気になったものがあったものですから確認をしたいんですが、かつて同僚でおられたであろう深尾先生が気になる指摘をしています。通告していないんですが、ごめんなさい。 仮に予定利率の引き下げが制度化されて、そして実際にそれが実現されて、基金はちょっとはカットされるかもしれないけれども大分残る、そして契約者債権、つまり予定利率は引き下げられて契約者債権は大幅にカットされるというようなことが実現した場合、つまり、基金が残っていながら契約者債権がカットされるようでは、基金は、実はこれは見せ金であるという指摘をしています。 要するに、株主資本が、破綻したときに債務を処理するためにまず第一に使われるべきものであるのに、対外債務を処理するために使われない金は資本とは言えないという意味で、基金は単なる見せ金であって資本的性格に乏しいのではないかという指摘をしています。そして、乏しいという判断を海外のアナリストや格付機関がした場合には、健全な保険会社に積んである基金も、これも資本としてカウントするのはおかしいという判断になる、そうしたら軒並み債務超過だという話をしているわけですよ。 この意見については反論はありますか。
○竹中国務大臣 ちょっとこの問題に関して深尾さんと直接議論をしたことはございませんので、けさの参考人としての御発言も、詳細ちょっとまだ、申しわけありません、私承知しておりません。 これは、経営の破綻の場合はやはり基金等々を取り崩さなければいけない。今回は、破綻に至らないように、どのような調整を、条件変更を行ったらよいかということでありますので、この点はやはり、物の根本的な見方を、視点をどのように据えるかということが重要なのではないかと思っております。 我々としては、繰り返し繰り返し申し上げてきましたけれども、経営破綻になった場合に、これはやはり保険契約者に結局は大きな負担を強いるのではないか、そうであるならば、その前に条件変更等々によって負担が少しでも大きくならないような道をつくっておきたい、そうした観点からの制度でありますので、あくまでそういう点からぜひ御評価をいただきたいというふうに思っております。
○永田委員 いいんですよ、予定利率を引き下げるという話を仮にするのであれば、それはそれで結構でしょう。だけれども、そのときに、基金を全額カットするということを義務づけるような制度を盛り込んでおけば、深尾先生のような議論は出てこないんですよ。なぜそういう制度にしないんですか。基金というのは、こういうときの対外債務を処理するためにあるんじゃないですか。
○竹中国務大臣 そういうお考えも一つあり得るのだと思います。 しかし、今回は、そうした選択肢も含めて、その他の債務についてどのような取り扱いをするかということも含めて、経営の戦略の判断の中でひとつ考えていただこう。これは、経営者の責任の問題についても同じスタンスでありますけれども。そういうような中で、一つの経営の判断を適切にしていただきたい、同時に保険契約者の意見が反映するようにしていただきたい、そのように思っております。
○永田委員 おかしいですよ、そんなの。司法に持ち込んだら基金は全額カットされるかもしれないけれども、その手前の手続、予定利率引き下げをすればカットされないかもしれない、そんなおいしい道を提供する筋合いなんか、僕は全然ないと思うんですよ。 いいですか、結果的にそうなっちゃうという話じゃないんですよ、これは。何かをやろうとしたら副産物としてそういうような効果が発生してしまった、そういうような効果というのは、つまり基金を全額カットしないでも済むような道が結果として生まれてしまったという話じゃないんですよ。これはちゃんと制度化して、だって、破綻処理のときには法律に書いてあるわけですからね、どういう順番で資産を処分しなさいという話は。書いてあるわけですから、それと同じ順番で処分しなきゃいけないとこの制度に盛り込むことのどこが問題なんですか。もしもこれを盛り込んだら、この制度の趣旨が損なわれると言っているんですか。どういう説明なのか、教えてください。
○竹中国務大臣 一般に、破綻というような状況になった場合は、これは実は、ゴーイングコンサーンである企業をそこでやはり一回打ちどめるというような意味合いを持ってくるんだと思います。したがって、基金その他資本性の勘定でこれを一種の相殺、清算していくということになる。 今回は、繰り返し申し上げますように、破綻に至る前に条件変更によって経営体質を強くしていこうということでありますから、ゴーイングコンサーンを打ち切らない、ゴーイングコンサーンとしての性格、活動の中で少しでも体質を強化しようという仕組みでありますから、やはりそこは、清算の場合に資本勘定を充てるのとはその対応の仕方が違ってくるというものだと思います。 しかし、繰り返します、これはまさにゴーイングコンサーンでありますから、その中でどのような選択肢をとるのか、その他の債務についてもどのような扱いをするか、これはぜひ、戦略的な観点からいろいろとそういう議論をしていただければいい問題だと思います。
○永田委員 英語の辞書のゴーイングコンサーンという新しい項目に、先送りとか悪あがきとかいう意味が追加されるのではないかとちょっと心配をしているんですけれども。 最後に、ちょっと時間が短くなったので、一個すごく気になっている部分を質問したいんです。 契約者総代会をクリアした再建プラン、予定利率引き下げを含む再建プランについては、これは総理が承認することになっていますね。これは何で総理がそこに顔を出してくるんですか。仮に契約者総代会の意思と総理の意思が食い違った場合にはどちらが優先されるんですか。
○竹中国務大臣 これは金融庁長官が承認するということでございます。総理大臣の権限を委任されているということでございます。
○永田委員 いや、そうじゃなくて、委任されている金融担当大臣の意思と契約者総代会の意思が食い違ったらどっちが優先するんですかという話なんです。
○竹中国務大臣 我々はそれを承認する立場にありますので、承認できないような内容であれば、これは承認できないということになります。承認する権限は我々にあります。
○永田委員 契約者総代会が自治的に解決すべき問題だとさっきから主張しておきながら、契約者総代会の意思を総理がひっくり返せるというのはどういう根拠なんですか。何を根拠にしてそんなことができるんですか。説明してください。
○竹中国務大臣 総代会では保険会社の会社としての意思決定がなされるわけでありますけれども、我々は、保険契約者の権利が不当に害されないように、保険契約者の保護の観点から契約条件の変更に係る承認を行う。これは、まさに契約者を保護するという観点から我々が行政当局として承認を与えるかどうかを決めるわけです。
○永田委員 おかしいよ、矛盾しているよ、そんなの。 契約者総代会、契約者の利益を守るはずの自治的な民主的手続機関の契約者総代会が、おれたちの権利はこれでこういうふうにして守るのが適切だといって上げてきたものを総理がひっくり返して、どうやって契約者の利益を守るという理屈をつけるんですか。契約者はそれでいいと言っているんですよ。それを何で金融担当大臣が、いや、契約者のためにはこの方がいいんだと、どういう了見でそれを言うんですか。どこにそんなことを言う権限が生まれる源泉があるんですか。 おかしいよ。それは答弁矛盾しているよ。全然おかしい。
○藤原政府参考人 総代会等で決定して上げてきたものが、例えば一部の保険者に対して不当に不利益になっているとか、あるいは基礎的な係数等に誤りがあるとか、いろいろなケースが考えられます。
○永田委員 それはおかしいよ。総代会が契約者の利益を守ることを前提として、これを自治的な組織として認めているんでしょう、民主的な手続機関として。そういう契約者総代会が上げてきた話が、一部の契約者の利益を不当に侵害するものである可能性なんて、そんなこと総理が心配する話じゃないですよ。おかしいよ、それは。 それは、契約者総代会の契約者の代表としての正当性に疑義を出しているという話ですか。それはおかしいよ。
○藤原政府参考人 大臣からもお答え申し上げていますように、金融庁長官がチェックするのは、まさしく契約者保護の観点から、契約者保護に欠ける点がないか、そういう観点からチェックするわけでございまして、あくまでも自主的な決定は尊重するわけでございますが、その中で、一部契約者に不利があるとか、あるいは前提の数字が間違っておってこのままやったらかえって契約者の保護に欠けるというような観点からチェックするわけでございます。
○永田委員 時間がなくなりましたのでこれで終わりにしますけれども、しかし全然とんちんかんですよ。 契約者の利益を守るためにまずは総代会が自治的にやるべきだと言っておきながら、その意思をひっくり返すために行政が顔を出してくる。司法は蚊帳の外に置いておけという話ですよ。本当は司法が解決すべき問題だ、こんなのは。それを、自治的手続に任せるべきだと言っておきながら、その後行政が顔を出すというのは、僕は全然理解できませんね。これは、仮に損害賠償が起こったときにどっちが責任をとるのか。総代会が責任をとるのか、それとも総理が責任をとるのか。それはちゃんと詰めなきゃいけない問題なんですよ。 時間が来ましたからこれで引き継ぎますけれども、魂の触れ合う仲であるところの中塚先生にこの問題をぜひ引き続きやっていただきたいとお願いをして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○小坂委員長 次に、中塚一宏君。
○中塚委員 自由党の中塚です。 先ほどから聞いていますと、予定利率の引き下げというんですけれども、それというのはすごくわかりにくい言葉で、予定利率を引き下げるということは、保険料を引き上げるか保険金を切り下げるかということですよね。その点よろしいですね。そういうふうに言わないと、ちょっと物事の本質というのはよくわからない。予定利率とか言っても普通の人はぴんとこないし、どうしてもそのことばかり焦点が当たっちゃうんだけれども、予定利率を引き下げれば、保険料は上がる、保険金は削減をされる、これはそういうふうになりますよね。 そのことを前提に伺いたいんですが、先ほどから、保険制度の安定ということを何度も何度もおっしゃっていますが、では、例えば国民年金、今、未納、未加入、免除、合わせて三割の人が払っていないわけですよ。その三割の人が払っていない一番の理由というのは、保険料を払ってもそれに見合う給付は将来受けられないからというのが八割近いんですね。これは、政府がやっているアンケートでそういうふうに答えられているわけです。 今回、こういうふうな、予定利率を引き下げて、結果として保険料が上がる、あるいは今の保険料を払い続けるということであれば保険金が下がるということになるわけですけれども、それでも保険制度の安定というのは図れるというふうにお考えですか。
○竹中国務大臣 生命保険と年金との比較、アナロジー、類似性で今お尋ねがありました。 今の年金制度、これはまた別のところでいろいろ議論がなされるとは思いますけれども、制度がやはりこのままでは続かないのではないだろうか、持続可能ではないのではないだろうかということになる。その中で、よく専門家が指摘するのは、制度が持続可能ではない場合に、こんなにたくさんもらえますよ、でも不確かですというのではなくて、少し金額は減りますけれども、これは絶対確かにもらえます、どちらがいいですか、明らかに後者の方がいいですよと。これは、年金も、実はそのようなことを視点に入れながら改革が進んでいくのだと私は思っております。 その意味では、生命保険の話、今回の話もそれに類似したところがあるというふうに思っております。このまま、約束した高い利回りで運用してもらえればいいことはいいですけれども、しかし今の逆ざやでこのままでは続かないかもしれない、そうであるならば、少し水準を下げても、確実にそれによって経営がよくなって、自分の将来の資産は安全だというふうに思える方がよいのではないか。 その意味では、まさに保険と年金というのは類似性があって、持続可能であるような形で、そういうような条件に持っていく方がよいのではないだろうかと私は思っております。
○中塚委員 大臣、それは違いますよ。制度の安定とか制度への信頼というのは、払った保険料に約束どおりのお金がもらえるということなんですね。それを信頼してみんな保険料を納めるようになるわけで、予定利率が下がる、下がるかもしれないということになれば、それは払い込む人が保険制度自体を信頼しなくなりますよ。 一部の契約者を犠牲にしてまで、それで保険の制度のシステムがちゃんと安定する、信頼できる、そういうふうな国民的なコンセンサスが本当に得られるというふうにお考えなんですか。
○竹中国務大臣 今の御意見は、やはり賛同しかねる部分があります。 今のような御意見でいって、約束したものがもらえないといけない、これはまさにいわば確定給付の世界で議論をしておられます。もちろんそういう世界はそういう世界で重要なわけですけれども、もしそうであるならば、変動型の商品というのは世の中に一切存在しないことにもなってしまう。 結局のところ、我々としては、それが本当に確実にもらえるのか、そういう点がやはり重要なのだと思います。一度約束した利回りを果たせなくなった、これは私も生命保険の加入者でありますから、一加入者としては大変遺憾であるというふうには思いますが、しかし、それでも、例えば、破綻して将来大幅に受け取りが減るということの懸念がもしあるのであるならば、利回りを少し下げても確実にもらえる方がいい、これは一つの私はやはり選択肢なのだと思います。 全部が全部、それでいくべきだというふうには必ずしも思いませんが、そういうような選択肢を用意しておくということは、現下の厳しい状況の中では、やはり私は意味のあることなのではないかと思っております。
○中塚委員 ちょっと答弁のすりかえがあるんだけれども、変動性の商品というのは変動性であるということを納得して契約をするわけですね。それはそのとき変わるのは当たり前の話ですよ。でも、そうじゃなくて、確定拠出、確定給付ということで契約をした人にとって、予定利率を下げるということは、保険料が上がる、あるいは保険金額が削減をされるということになる。 もし仮にそれが必要であるならば、それがやはり唯一許されるのは、司法の手続を経なきゃいけないということですよ。そうでなければみんなの納得も得られないし、本当の意味での公平というのも得られるはずがないということなわけですね。 大体、契約社会の大原則をねじ曲げてまで、更生手続ではなくて予定利率を引き下げるというメリット、理由というのは一体何なんですか。
○竹中国務大臣 経済社会環境が激変をして、現実には条件の変更をしなければいけなくなる場合、これは銀行の貸し付けも同じでありますけれども、例えば銀行が返せなくなったときに全部司法手続にすぐ持っていけという議論は、私はやはりないのだと思います。そこはやはり銀行と話し合って、少し金利を免除してやるから、ないしは返済を猶予してやるから、それできちっとやっていこう、そういうようなのは、まさに自治的な合意としてはあり得ることなのではないでしょうか。 今回、繰り返し申し上げますけれども、このような法案を整備した背景は、逆ざや問題という非常に厳しい問題がある中で、将来、仮にも生命保険の経営が破綻するようなことになっては、結局保険契約者が一番大きな被害を受ける。そうであるならば、これは契約でありますから、契約者の合意を前提にした上で、契約者の意見を反映させるということを前提とした上で、さらには経営の改善努力等々をきちっとわからせるような形にした上で、その条件を変更して、破綻を避けながら経営基盤を強化して、できるだけ多くの保険の受け取りができるようなシステムをつくっていく方がよいのではないか、少なくともそのような選択肢を準備しておく方がよいのではないかというふうに考えているわけです。
○中塚委員 とてもじゃないけれども、監督当局の責任者の言葉だとは思えない。 契約者保護というふうなこともうたわれておりますけれども、そもそも監督当局なわけですから、締結した契約をちゃんと履行させるというのだって監督のうちの一つですよね。しかも、それも契約者保護ということをうたっているんなら、何でそれを、契約者が不利益になるような変更をするようなことを、法律でもって定めようとするのかということ。 あと、自治的、自治的というふうにおっしゃいますが、今までの日本語ではなかったような自治的なんというふうな言葉を使っている割には、行政当局によって申し出の承認をしなきゃいかぬとか、さっきの永田委員の質問の中でもありましたけれども、最後は総理が承認するとか、あちこちで、自治的といいながら、行政が関与をするふうになっているわけですね。 何でそういう必要があるんですか。本来、自治的なら別に、民民の契約の話なんだから、保険会社と契約者にやらせておけばいいんじゃないですか。
○竹中国務大臣 昨日の審議の中で、これは吉井委員であったと記憶しておりますが、法律の専門家の言葉を引用して、保険というのは、保険契約者はやはり弱者の立場なのであって、自治の原則に任せておくのはいかがなものかという御指摘がありました。自治という言葉は、決してこれはそんなに急に出てきた話ではなくて、まさに我々は自治自由の原則の社会の中で生きているわけでありますから、そんな珍しい言葉ではないというふうに思っております。 あくまでもこれは民間の一つの経営の中でやっていただく、今回は選択である。 しかしながら、まさしく、保険というのは、保険契約者の立場を守るという公的な視点はやはり行政に託されているというふうに思っております。自治的な手続を重視しながらも、しかし、ボトムラインとしての保険契約者の利益が大きく損なわれないような、先ほど言ったようなチェックをして、その点に関しては承認を与えていく、そのような、保険の特殊性にかんがみて、今回の法律は整備をされております。 繰り返し申し上げますが、我々は、当然のことながら、保険会社に対してはしっかりと、経営して、精査して、必要ならそれこそ業務改善の命令も打って、保険契約者に対してしっかりと約束どおりの支払いをさせる、そういう重要な責任があると思っております。しかしながら、繰り返し言いますが、逆ざや問題は厳然として存在をしております。これを放置した場合に、仮にも保険会社がもし破綻になったら、結局、保険契約者はより大きな被害を受けるのではないか。ここはやはり現実問題としての行政の当局としての判断が必要であるというふうに私は思っております。
○中塚委員 契約者保護のためと言いながら、確かに、契約者が弱者であるということはもちろん、そのとおりだと思いますよ。それは情報が非対称だからであって、保険会社の持っている情報が正しく契約者に伝わっていないということをもって、確かにそういう意味では契約者は弱者ですよ。であるならば、きのうの議論でもありましたけれども、三利源の公表とか、もっと契約者にちゃんとわかりやすい形でディスクロージャーを促すということも必要なわけだし、また、契約者を保護するためにやるんだと言いながら、予定利率を下げて、保険料を上げたり保険額を削減するような、それじゃまるで送りオオカミみたいな話になっているわけで、こんなのそもそも成り立たないと思いますが、いかがですか。
○竹中国務大臣 前半におっしゃった、ディスクロージャーが重要だ、まさに情報の非対称性を解消していくためにもディスクロージャーが重要だというのは、私は本当にそのとおりだと思っております。そのための努力もしてきたつもりであります。 御質問に対して、繰り返しになりますけれども、基本的には今回の措置というのは、どちらが保険契約者のためになるんだろうかというところで、この法律案を提案させていただいているわけであります。 保険契約者のためになるといいながら保険契約者の受け取りを結局少なくしてしまっているということでありますけれども、繰り返し言いますが、破綻をしてしまうと受取額はより少なくなる、そういうことを想定するならば、今回のような選択肢はやはり一つ考えられてよいのではないか。この点は、繰り返しで恐縮でありますけれども、やはり申し上げたいと思います。
○中塚委員 破綻の方がより不利益になる、だからそうでないうちにこういう法律をつくるんだという話ですね。そういうことですね。破綻した方がより不利益になるということですね。 では、「契約条件の変更を行わなければ保険業の継続が困難となる蓋然性」がある場合というのと、更生特例法によって会社更生を申請をする場合との明確な差異というのはどこにあるんですか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。 更生特例法の申し立ての要件でございます「破産の原因となる事実が生ずるおそれがある場合」とは、一般的に、事態がそのまま推移しますと支払い不能または債務超過が生ずることが客観的に予想される場合とされておりまして、これは保険業法第二百四十一条で定める破綻要件である、保険業の継続が困難であるときとほぼ同様の意味と解されております。 一方、今回の法案におきまして、契約条件の変更の申し出を行うことができることになっております「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」と申しますのは、現時点で、破綻の要件であります保険業の継続が困難である状態には至っておりませんが、将来を見通して、契約条件の変更を行わなければ、他の経営改善努力を織り込んでも保険業の継続が困難となることが合理的に予想される場合、こういう場合が該当するということでございます。
○中塚委員 その合理的に予想される場合というのはどういうことなんですか。
○藤原政府参考人 まさしくそういう、今申し上げましたようなことに基づきまして、合理的に推測されるというような状況でございます。
○中塚委員 合理的というからには、ある程度の数値なりメルクマールなりなんなりなければだめですよね。だって、保険会社が、いや、うちはもう、ちょっと続けられないんですよ、予定利率を下げたいんですというふうに言ってきたときに、ひょっとしたらその会社は、別にそんなに悪くないんだけれども、予定利率を下げれば経営が楽になるからといって言ってくるかもわからないですね。そうでない、本当に下げなきゃやっていけないんですと言ってきたところと、どこで、どういうふうに、どう差をつけて見きわめるんですか、それは。
○藤原政府参考人 先生のおっしゃるように、将来の見通しにつきまして合理的に説明できる必要があることはそのとおりなんでございますが、他方、こういう画一的な基準を設けた場合、昨日もいろいろ御議論ありましたように、いろいろと風評リスクでありますとか、保険会社あるいは保険契約者間の自治的な手続による問題解決の道を制約するとか、そういう問題もあるということで、その点につきましては今後検討させていただきたいというふうに思っております。
○中塚委員 何でそういう基準をつくると風評リスクが起こるんですか。だって、法律が通れば、そうなりかけたら申し出ればいいんでしょう。何でその基準をつくると風評リスクが出てくるんですか。
○藤原政府参考人 ここにつきましては、この法律の議論を重ねていく過程でさまざま御議論があったわけでございますが、余り画一的な基準を一律につくった場合、それは風評リスクを呼びかねないというかなりの懸念を示された方が多かったわけでございます。
○中塚委員 今、もう二回同じ答弁の繰り返しなんですが、何でそれができると風評リスクが出てくるんですか。だって、そうでないところはより信頼性が高まるということになるわけでしょう。ある基準があって、その基準より上回っているところはより信頼性が高まるわけでしょう。ああ、私の入っている保険会社は大丈夫だなという話になるわけだし、その基準より下回ったら申請してもらえばいいだけのことなんでしょう、この法律が通ったら。何で数値を明らかにするということが風評リスクを生むんですか。
○藤原政府参考人 まさに、客観的な数値基準等を設けますと、それがひとり歩きいたしまして、そこが風評を呼ぶ、そういう議論が多うございましたものですから、私どもとしても、今後そういう具体的な運用の方向につきましては、どういうふうにするか、これからまた考えていきたいというふうに思っております。
○中塚委員 ちょっと、答弁になっていない。何か同じことの繰り返しなんだけれども、何でそれがつくれないんですか。だって、つくればいいじゃないですか、そんなの。 竹中大臣、今の局長の答弁を聞いていてどう思われます。ちゃんと明確な数値をつくった方がいいんじゃないですか、その方がより契約者に安心を与えると思うけれども。
○竹中国務大臣 これは、七カ月、金融の行政をやらせていただいて、やはりそれはできないと私は思います。 ちょっと、これまた例として適切かどうかわかりませんが、いろいろな指標でチェックすることができる、これはさながら、我々は人間ドックを受けた場合に、血圧から血糖値から尿酸値からいろいろなものをやる。これを満たしていたらいいけれども、これ以上だったらもう一度、再検査を受けてくださいねということですね。今、その蓋然性の場合は、例えば、やはりこれは入院していただかなきゃいけない、集中治療を受けていただかなきゃいけない。これ、ここから上だったら健康だというのはある程度言ってもいいかもしれませんけれども、この場合に入院だというのは、これはやはり総合判断としか言いようがありません。それをやるとき、例えばこれについては上回っている、これについては上回っている、そういうことをやりますと、こういう措置というのは、先般の「りそな」の場合もそうですけれども、やはり一気に措置をとらないと、風評リスクが高まって、資産というのは劣化するわけです。これはやはり私は金融行政の非常に大きな特徴だと思います。 風評が風評を呼んで資産を劣化させるということが金融行政上やはり一番困るわけでありまして、最後は、集中治療をやるというのは総合判断でありますから、そういう意味では、客観的な数字を出すということは、現実の行政では私はできないと思います。
○中塚委員 人間ドックの話をされたけれども、健康であるか健康でないか、健康であれば健康でいいわけですよ。健康でないのを何とかしようということなんでしょう、この法律は。だから、でないのはどういうことなのかということはあらかじめ決めなきゃいけないんじゃないですか。だって、更生特例法だったら、もう本当にやっていけませんという話なんでしょう。だから手を挙げるわけですよね。けれども、これは何か、やっていけるのかやっていけないのかよくわからないけれども、予定利率さえ下げてもらえれば何とかやっていけますみたいな話ですよね。 そうしたら、客観的、合理的にとおっしゃるが、それをどういう基準で判断するのか。合理的だけじゃちょっとそれは説明にはならないので、数値目標なりなんなり設定をするということはあり得ないんですか。
○藤原政府参考人 補足をさせていただきますが、基本的に、今回の仕組みというのは保険会社と保険契約者の間で自治的な決定で決めていくという話でございまして、それで、その中でいろいろなケースがあるわけでございます。また、保険会社も千差万別でございまして、体力、経営力も全く違っておるわけで、その中で将来に向けての経営努力とか、これもまた千差万別、いろいろなことがあると思います。そういうものを総合的に織り込んだ上で、なおかつ計画を立ててくる、そういうところでございまして、それを今の段階で一概に数値基準を出すとか、あるいはこういう考え方でやるというのはなかなか難しいわけでございまして、そこはそのケースに応じまして判断をしていくということだと思います。
○中塚委員 いや、計画がどうのこうのとかそういう問題じゃなくて、まず手を挙げるわけでしょう。手を挙げるところから始まるわけですよね、保険会社が。保険会社が当局へぱっと手を挙げてきたときに、では、それがこの法律で予定利率を引き下げるべき会社なのかそうでないのかというのをどこで線を引くのか、そういうのを合理的にとおっしゃるんだったら、どういうふうに合理的な線を引くのかということをお尋ねしているんです。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。 まさしく、合理的というのは、そういう個々の会社が、自分の実情に合わせまして、将来の経営努力も織り込んだ上でいろいろな絵をかいてくるわけでございますが、それが会社の意図どおりになるものなのかどうか、そういう計画に合理性があるのか、果たして、そういうことをやれば将来的に保険業の継続ができるのか、そういう観点を客観的に判断するということだと思っております。
○中塚委員 それは、局長は、さっきの答弁と全然裏返しになっていて、そうじゃなくて、予定利率を下げれば経営が楽になるのは当たり前の話ですよね。予定利率が高いのを下げれば経営が楽になるのは当たり前の話なんで、ひょっとしたら今ある生命保険会社はみんな下げたいと思っているでしょう。でも、下げなきゃやっていけないのか、下げなくてもやっていけるのかというのをどういうふうに判断するんですかということをお尋ねしているんです。
○藤原政府参考人 まさしくそこの辺は、出てきた具体的なあれを、私ども、客観的な数字とか将来の見通しについての検証、そういうものを通じて判断させていただきたいと思っております。
○中塚委員 そこの辺がどこの辺かちょっと全然わからないんだけれども、予定利率を引き下げなければやっていけない、今の予定利率だったらそのうちつぶれる。そのうちつぶれるというのは何年でつぶれるんですか。保険業の継続が困難となる蓋然性があるんでしょう。そうしたら、皆さんのところに手を挙げてくるときは、いや、このままの予定利率ではうちの会社はあと一年ももちませんというふうな言い方をしてくるんですか、どうなんですか。
○藤原政府参考人 蓋然性というふうに御説明させていただいておりますが、それは、先ほども申し上げましたように、単に……(発言する者あり)
○小坂委員長 いいから答えてください。
○藤原政府参考人 蓋然性につきましては、単に経営が困難というだけではなくて、あらゆる今後の経営努力を織り込んだ上で、なおかつそれでも……(発言する者あり)あらゆる経営努力を織り込んだ上で、なおかつ予定利率を引き下げなければ保険業の継続が将来において困難になる蓋然性があるということでございますので、どんな生命保険会社でも予定利率を下げたいがゆえに手を挙げてくる、それが許されるというわけではございません。
○中塚委員 ちょっと答えになっていないんですが、そうすると、合理的、客観的な基準はおつくりにならないんですか。要は、保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合を判断するのは、政策判断、政治判断のたぐいだということですか。
○藤原政府参考人 私ども、現時点で具体的な数値基準みたいなものは考えておりませんが、これがどういうふうに運用されるべきかというガイドラインのようなものにつきましては今後検討していきたいというふうに思っております。
○中塚委員 今後と言われても、これは実はこの法律の一番のポイントなわけですね。だって、大臣もさっき答弁されていたけれども、要は、破綻するよりもその方が契約者にとって得だということでこの話がスタートしていく。ということであるならば、そのガイドラインのようなものはやはり審議に供していただかないと、ちょっとそこから先、話が進まないですよ。 では、委員長、そのガイドラインというのをぜひとも参考資料としてこの委員会に提出をしていただきたい。
○小坂委員長 金融庁に対して、そのような要請をするかどうか、理事会で検討させていただきます。 しっかり答弁してください。答弁できますか。 藤原総務企画局長。
○藤原政府参考人 今御指摘のお話につきまして、なかなか数値基準とか何かそういうものをつくるのは難しいわけでありますが、今後、ガイドラインのようなものをつくることも検討してまいりたいというふうに……。
○中塚委員 つくることも検討をする。つくらないこともあるということですか。
○藤原政府参考人 ガイドラインをつくることを検討してまいりたいと思います。
○中塚委員 つくることを検討しているんですか、つくることも検討しているんですか。
○藤原政府参考人 ガイドラインをつくることも検討してまいりたいと考えております。
○中塚委員 もということは、つくらないということもあるということですか。(発言する者あり)
○小坂委員長 静粛に願います。質問者の質問が聞こえません。
○中塚委員 つくらないということもあるということですか。
○小坂委員長 企画局長はしっかり答弁してください。
○藤原政府参考人 私どもとしては、先ほど申し上げましたように、数値基準のようなものは難しいと思いますが、ガイドラインを今後つくることを検討してまいりたいと思っております。
○中塚委員 ガイドラインをつくることも検討するということであるならば、入り口にかかわる問題ですので、考え方でも何でもいいですよ、そういったものをちゃんとお示しをいただかないと、この法案のまさに入り口の話ですから、審議を続けることができなくなってしまうので、ぜひともその資料の方をこの委員会に提出をしていただくように、委員長にもお願いをいたします。
○小坂委員長 委員会から金融庁に要請する内容、またどのような形で提出してもらうかについて、理事会で協議いたします。
○中塚委員 要は、政策判断とか政治判断ということなら、政府のやることですから、それはそれで構いませんけれども、でも、つぶすよりもこの方が得なんだと言う以上は、その入り口は明らかに示す必要があるというふうに思っておりますので、その資料が出てくるのを大変に楽しみにしております。 次に、では、つぶさないでもこっちの方が得なんだということになるんですけれども、保険会社というのは、債務を履行するときに、要は、保険契約、一般債権、劣後債、あと基金、どれが一番優先なんですか。それで、どれが一番劣後するんですか。
○伊藤副大臣 まず、基金については、これまでの更生手続等においては最も劣後した取り扱いがなされております。業法上も、相互会社が解散した場合に、基金の払い戻しは相互会社の債務を完済した後でなければしてはならないということとされております。 一方、生命保険契約については、これまでの更生手続においては、生命保険契約者は他の債権者に優先して弁済を受けておりまして、業法上においても生命保険契約には一般先取特権が付与されているわけであります。 なお、一般債権と劣後ローンの関係でございますけれども、この劣後ローンにつけられている事由がどういう事由によるか、そのことによって判断されるということになります。
○中塚委員 今副大臣からお話ありましたけれども、要は保険契約が一番に保護されなきゃいけないわけですね。劣後するのは基金であり、また劣後ローンであるということですね。法的手続にのっとってやれば、要は一番初めにカットされるのはここの部分だということになりますね。それもやはり契約者を保護するという観点等があり、そういう形になっているはずですよ。 であるにもかかわらず、この今回の提出されているスキームというのは、なぜか、予定利率が高い人の利率を引き下げて、保険料を上げる、あるいは保険金を下げるということですね。基金とか劣後ローンについては、何か、「の取扱い」みたいなことしか書かれていないわけですね。本来であれば、破綻処理であれば真っ先にここから崩して、そして契約者を保護するということですね。ところが、この法律では、契約者を泣かせて、基金とか劣後ローンというのは、このレジュメ見たって「取扱い」というふうにしか書いていないわけですね。 では、この予定利率を引き下げる、本当に皆さんが契約者保護のためにやるということであるならば、基金、劣後ローンというのは、これは取り崩していくのはマストの話ですね。いかがですか。
○藤原政府参考人 今回のスキームは、いわゆる破綻の状況に至っておりませんが、契約条件の変更をしなければ将来において保険業の継続が困難となる蓋然性のある段階で、契約条件の変更を行って保険業の継続を図るものでございまして、こうした枠組みを整備することによりまして、保険契約者の保護を図るための経営の選択肢の多様化が図られると考えております。 いずれにしましても、予定利率の引き下げは保険契約者等保護の観点から行われるものでございまして、保険契約の変更の内容は保険会社の財務状況等に応じて適切に設定されるものと考えております。 なお、破綻に至る過程や破綻処理におきまして営業基盤や財務基盤の劣化が進む可能性があることや、あるいは、破綻処理の場合、セーフティーネットが発動されて資金援助が行われる可能性があること、これはセーフティーネットを通じまして他の保険会社の保険契約者やあるいは国民全体の負担となることでございますが、こういうことについても留意する必要があると考えております。 以上でございます。
○中塚委員 局長、聞いたことにちゃんと答えてほしいんですけれども、要は、法的処理であれば真っ先にここから崩していくわけですよね。それは契約者を保護するためにやるわけでしょう。今回の法律も、逆ざや問題を解決し、保険契約者の保護を図るというのが趣旨なんでしょう。 だったら何で、予定利率を引き下げるということはばあんとうたっているのに、基金、劣後ローンについては「取扱い」みたいな言葉で濁しているのか。保険契約者を守るんだったら、真っ先に崩さなきゃいけないのは基金、劣後ローンのはずで、このスキームの中ではそれは必ずやらなきゃいけないことだというふうに理解してよろしいんですね。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。 これにつきましては、今回の措置は、まさしく破綻ではないわけでございまして、破綻前の、破綻の予防ということでございます。 したがいまして、破綻のときのルールと今回の話は全く違うわけでございまして、今回の件につきましては、まさしく保険会社と契約者の自治的なルールに基づいて決定されていくという仕組みでございますので、その中で、保険経営者が保険契約者に対しましてどのように説明をしていくか、そこでどのように納得してもらうか、そういう中で解決されていくべきものだと思っております。
○中塚委員 本当にずるいですね、それでは。 では、例えば契約者が変更条件なんかを見るときに、保険会社は自分から進んで、基金、劣後ローンをカットします、そうすれば保険契約者の方が有利ですからというふうに言うと思いますか。そこはいかがですか。
○藤原政府参考人 そこはまさしく保険経営者の方が、どういうことまでやれば契約者に納得をしていただけるか、そこのぎりぎりの判断をし、説得できるような状況をつくり出していくということが必要であると思っております。
○中塚委員 竹中大臣、今の局長の答弁を聞いて、どう思われますか。 それは破綻処理じゃないと思いますよ。でも、私は、これは私的整理に近いやり方だと思っている。私的整理に行政が関与するような、そういうふうなやり方だろうと思っているんですが、それであるにしても、契約者を保護するというのなら、破綻処理のときにつぶすものなら、このときはなおさら先に崩さなきゃいけないんじゃないですか。いかがですか。
○竹中国務大臣 先ほど申し上げましたように、破綻というのはまさにゴーイングコンサーンの活動を打ち切って、その時点で財産を、部分的にか全体的にかはともかくとして、清算するというような行為になる。そのときは、今中塚委員がおっしゃったようなルールで当然のことながら行わなければいけない。今回は、繰り返しになって恐縮ですが、それを避けるために、ゴーイングコンサーンとしていかに調整していくかという問題である。だから、そこはやはり同じではないということはひとつ御理解いただきたい。 しかし、その際に、これは契約者を保護するということと同時に、当然のことながら、経営者の責任の問題もあるでしょうし、ほかの債務者をどのように調和させるか。何か一面的な負担だけを強いるというのは、これはやはりゴーイングコンサーンとしても不適切であるというふうに思うし、そこはそうした中で、経営者の責任は一体どうなるのか、ほかの基金とはどうするのかということを明確に決めさせて、それを総代会での決定の議題にしようとしているわけです。 かつ、同時に、我々は、保険契約者の保護という観点から、先ほどからも議論になりましたように、承認できないものであるなら承認できない、そういうことになる。そこは、基金を取り崩すのか、いいのか悪いのか。それを取り崩してしまって、その後の資金調達が困難になるということも、これは仮定の話ですけれども、あり得ない話ではありませんから、やはり総合的に判断をしていただくということが必要なんだと思います。 いずれにしても、これは経営戦略の一環、一つの選択としてやってもらうわけですから、今おっしゃったような観点は、当然いろいろな形で、当事者としては非常に大きなテーマとして議論をされていくと思います。
○中塚委員 保険会社を守る、あるいは保険会社へ出資している金融機関を守るための法律だということがよくわかりました。 終わります。
○小坂委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。基本的な事実関係についてまずお聞きをしておきたいと思います。 金融審議会の金融分科会第二部会が、小泉内閣発足直後の平成十三年六月二十六日に、生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告というのを提出しております。ここでは契約条件の変更についてこういうふうに書いております。「このような制度は、その内容について国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入が可能となるもの」と認識している、こういうふうに書いておるわけですね。 九月二十一日の、「生命保険をめぐる諸問題への対応 —今後の進め方—」という報告書がありますが、そこでも、予定利率の引き下げなどの生命保険の既契約の条件変更を行う制度について、こういうふうに書いています。「この制度は、国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入が可能となるものであり、」これはきのうもこの問題が議論になりましたが、こういうふうに書かれていることは事実ですね。まずそこを確認しておきたいと思います。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。 平成十三年六月の金融審議会第二部会でまとめられました、生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告におきましては、保険会社・保険契約者自身の意思決定による契約条件の変更に関しまして、「このような手続の下で、生命保険会社が、保険契約者の理解を得るためにあらゆる経営努力を行った上で、契約条件の変更を行おうというのであれば、生命保険会社による自助努力の途の一つとして、否定されるべきものではないと考えられる。」としつつ、「このような制度は、その内容について国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入が可能となるものと認識している。」というふうにされたものと承知しております。 また、平成十三年九月にまとめられました「生命保険をめぐる諸問題への対応」いわゆる「今後の進め方」におきましては、保険会社・保険契約者自身の意思決定による契約条件の変更につきまして、「このような制度の導入については、生命保険会社による自助努力の途の一つを開くものとして、その基本的な意義は否定されるべきものではないと考えられる。」としつつ、「この制度は、国民・保険契約者の理解の上、社会的な認知が十分に得られてこそ初めてその導入が可能となるものであり、」と書かれてあると承知しております。
○佐々木(憲)委員 藤原局長、私はここに書かれていることは事実かと聞いているんですから、事実なら事実、そうでなければそうではないと簡単に答えてください。私が読み上げたんですから、同じことをまた読み上げる必要はないでしょう。時間が倍になるだけですよ。ちょっとひど過ぎるよ、それは。 要するに、国民・契約者が理解し、社会的な認知が得られていなければ導入はできないんだ、これがこの結論なんですよ。 もう一つ確認をしたいんですが、このときのパブリックコメントでは、賛成意見、反対意見、それぞれ何件、何%ありましたか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。 このときのパブリックコメントというのは、いろいろなものについてパブリックコメントを得たわけでございますが、その中で、契約条件の変更に関する部分につきまして申し上げますと、賛成が二十四件、反対が二百八十件、賛成が七・五%、反対が八七・二%でございます。
○佐々木(憲)委員 圧倒的に反対が多いわけでありまして、八七・二%、約九割がこのような制度の導入には反対であると。だから、この第二部会の報告では、「この制度の導入問題に対する意見としては、賛否が併存しているものの、反対論が多数を占めた。」となっているわけですね。 この意見の中にはいろいろありますけれども、例えば、「「約束は守る」という社会の基本すら守らなくていいと国がお墨付きを与えようとしている。個別の契約者ごとに了解を取り、契約ごとに見直せばよく、それに反対するものにまで不利な契約を国が押しつけるのは問題。」こういう意見。あるいは、「保険とは信用だ。経営難の時はいつでも契約変更できる保険など存在価値なし。保険会社の自己否定だ。」こういう意見が出されています。パブリックコメントはここにありますけれども、たくさんこういう意見が出されているわけであります。 そのため、金融審の生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告は、「上述の意見募集結果を踏まえれば、現時点では、制度導入の前提となる環境が整っていないと判断せざるを得ず、」こういう制度はできない、そういうふうに結論づけているわけであります。 では、今はそういう状態が変わったのか。 例えば、六月七日付の週刊東洋経済という雑誌に、契約者に対するアンケートの結果が紹介されております。それによりますと、「予定利率引き下げについて賛成されますか?」反対五二・六%、賛成五・八%、圧倒的に反対だ。だから、社会的認知が得られていないのは今でも変わらないんですよ。今でも圧倒的多数の契約者・国民はこれには反対である。したがって、中間報告のように、制度導入の前提となる環境が整っていないということは明らかであります。それなのに強行しようとしているわけであります。 では、今回政府が、国民・契約者が理解し、社会的な認知が得られたと判断をした根拠は何ですか。何に基づいて、社会的認知が得られた、国民に支持されている、こう判断をされたのか、その具体的な資料を示していただきたい。
○竹中国務大臣 先ほどから佐々木委員御指摘のように、一昨年の審議会の議論で、この制度の必要性のようなものは否定しない、しかし、まさに社会的認知が必要であり、その前にやるべきことがあるというような御指摘をいただきました。 その中でやるべきこと、その前にやるべきことに関しては、実はこの二年間、我々としても努力をしたつもりでございます。これは、保険会社に関して言うならば、財務基盤の強化、そのための経営の努力、さらには情報開示の進展、我々としてもそれをサポートしてきたところであります。そのような意味では、その前にやるべき多くの事項について対応が図られてきたというふうに思っております。 それともう一つ、これは、機が熟すということの中に入るかどうか、解釈が分かれるかもしれませんが、実はこの二年間、保険会社を取り巻く環境が一層悪化して、逆ざや問題が非常に深刻になった、そういう客観的な変化もやはり考えなければいけないと思っております。 それともう一点、これは五月の十二日に金融審議会の第二部会を開催しまして、この問題について御議論をいただきました。御承知のように、これはオープンでありましたから、御出席いただいたプレスの方もいらっしゃったと思いますが、これは非常に幅広い観点からさまざまな議論はありました。しかしながら、結論としては、行政として作業を進めることは了とされたということであります。 その意味では、これは引き続き、この制度そのものはなかなか複雑な面がありますし、やはり私も一契約者としては、予定利率の引き下げというのはなかなか承服しがたい面がありますけれども、先ほどから申し上げているように、このまま放置しておいた場合と一体どちらがよいのか、そうした観点から、理解を得るような努力は引き続き我々としてはしっかりと続けていきたいというふうに思っておりますが、今申し上げたような意味で、二年前に比べて、こうした法案を出させていただく、その機は熟してきたというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 審議会の問題は後で聞きますが、私がお聞きしたのは、国民・契約者が理解し、社会的な認知が得られたという根拠を出してくださいと言ったんです。機が熟したというのは、それは主観的判断ですね。 この中間報告では、制度導入の前提であると。つまり国民の認知、契約者が理解し、社会的な認知が得られた、こうなければこれは導入できませんと言っているわけです。だから、どういう調査をされてその認知が得られたと判断をしたのか、それを提出してください、資料を。
○竹中国務大臣 何をもって社会的な認知と見るかというのは大変難しいかもしれませんが、先ほどから申し上げてきましたように、社会的な認知の前提となる、先にやるべき諸問題、これについては進展があった、社会的な認知の前提となるべき問題については進展があったというふうに一つ強く認識をしております。 それに加えて、先ほど申し上げましたように、国民の広い層から出ていただいております金融審議会においても、この問題について引き続きさまざまな意見があるけれども、行政としてこうした作業を進めるということに関しては了解が得られた、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 私が聞いているのは、社会的認知が得られたという根拠を出してくださいと言っているんですよ。ないんですね。ないのかあるのかはっきりしてください。
○竹中国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、社会的認知の前提となる条件が満たされたということと、金融審議会において作業を進めることが了とされたということでございます。
○佐々木(憲)委員 結局、資料を出せないわけですね。つまり、社会的認知が得られていないことをあなた方が逆に今証明をされたわけであります。 では、金融審議会で、このような制度を導入する、例えば五月十二日の金融審議会で意見が約十五、この要旨の中では出ておりますが、そのうち賛成意見は幾つありましたか。
○藤原政府参考人 主な御意見を要旨として御提出しているわけでございますが、具体的に何名賛成で何名反対というような数え方はいたしておりません。
○佐々木(憲)委員 この意見が公表されておりますから、これは議事要旨ですけれども、私は全部読みまして、十五意見が出ておりますが、約十が反対意見です。賛成意見は三分の一程度であります。間違いありませんね。
○藤原政府参考人 私、正確に数えたわけではございませんが、ただ、審議会におきましては、同じ特定の委員が繰り返し繰り返し発言しましたので、そこの数え方いかんにもよるかと思っております。
○佐々木(憲)委員 そんなでたらめなことは、そういうことを言うなら、正確な議事録を出してください、資料として。
○藤原政府参考人 議事録といたしましては今通常のルートに乗りまして作業を進めておりますので、でき次第御提出したいと思っております。
○佐々木(憲)委員 いつできるんですか。この審議の前提でありますので、直ちにこの法案質疑の中で提出してください。
○藤原政府参考人 できるだけ早く提出するよう努力いたします。
○佐々木(憲)委員 法案の質疑の中で活用できるように提出できますか。約束してください。
○藤原政府参考人 若干精査しなきゃいけない部分を省略する等の工夫を凝らせば、できるように努力いたしたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 必ずこれは出してください。あなたが今、一人で何度も反対意見を言った方がいると言ったわけですから。私はこの議事要旨を見た上で、反対の方の数が三分の二ありまして、賛成は三分の一しかないんですから。それが正確かどうか、では、この委員会でその資料を提出していただいて、これはこの法案質疑の前提となるものですから、必ず提出していただくと今お約束していただきましたので、出していただくということ、その上でまた質問をさせていただきたいと思います。 それで、竹中大臣、パブリックコメントは今回やらなかったということなんですが、これは委員長にもお願いをしたいんですけれども、この保険の質疑を行う場合は、国民の意見を聞くということは大変重要だと思います。 私は、財務金融委員会として、ぜひそれをやっていただきたい。公聴会を開いて、国民の意見をぜひ聞くように要望したいと思いますが、いかがでしょう。
○小坂委員長 公聴会の要望については、他の委員からも要望がありますので、理事会において協議することになっております。
○佐々木(憲)委員 では、生命保険会社の経営難の原因は一体どこにあるのかという点についてお聞きをしたいと思います。 損益の実態でありますけれども、本源的利益と言われる三つの損益、費差損益、死差損益、利差損益、皆さんにお配りをしたこの資料は金融庁が提出した資料でございまして、生命保険会社の利源別損益の状況というのであります。 これを見てもわかりますように、これは業界全体の統計でありますが、三利源の合計ではプラスになっているわけですね。これは資料を見れば明確であります。例えば、十三年度、二〇〇一年度について言えば、費差益は七千八百九十八億円であります。死差益について言いますと、二兆七千六十七億円に上っております。この二つを見ますと、全く問題はないわけであります。ところが、利差損益を見ますと、一兆五千百九十八億円の損失でありますが、これは明らかに低金利によって生まれたものであります。しかし、費差益と死差益によってこの部分は埋め合わされまして、結果として一兆九千七百六十七億円、約二兆円の利益が出ているわけであります。 そうなりますと、一体経営が悪くなったのは何によって悪くなったのか。これは大臣、何によって悪くなったんでしょう。
○小坂委員長 五味金融庁監督局長。大きな声でしっかり答えてください。
○五味政府参考人 計数関係を簡単に御説明を申し上げます。 おっしゃるように、この費差、死差、利差のうち、利差が大きな損失となっておりますが、これが超低金利の継続を原因といたします経営上の大きな構造的な問題ということのあらわれであろうと思います。いただいた資料では基礎利益が大きくプラスで出ておりますけれども、これはおっしゃるように、費差、死差の部分での稼ぎが影響しているわけでございます。 なお、経営が苦しいという意味で申しますと、当期利益の問題がございます。これは、直近、手元にございます資料では、大手生命保険会社十社の合計の数字がございますが、これで見ますと、株価の下落などの厳しい運用環境のもとで、有価証券の評価損あるいは売却損、こういったキャピタル損が大きく出ておりまして、大手十社合計で平成十四年度、一兆五千八百二十三億円のキャピタル損となっております。こうした結果から、基礎利益では約二兆円の利益を大手十社では計上しておりますけれども、当期利益では平成十四年度、三千五百四十三億円というのが十社の合計ということになっております。
○佐々木(憲)委員 今説明ありましたように、その他の損益という部分でこれは足を引っ張っているわけですね。これは何かといいますと、これは株の下落によって生まれた損失なんです。そうすると、今の生命保険の経営難というのは、基本的な生命保険の業績によって悪くなったのではないわけであります。株の下落によって生み出されたということになるわけですね。だから、二ページの金融庁の資料でも、有価証券含み損益は二年前の七兆五千六百九十六億円から、ことし三月の二兆九千四百三十五億円と、約六割ぐらい下落しているわけであります。 だから、マスコミの中でもこういうふうに言われているんです。生保にとって逆ざやは大きな経営問題だが、保険料収入などの収益でカバーできる部分も大きい、株安による含み損はこうした計算を全くすべて狂わせてしまう、こういうふうに言われておりまして、私は、このとおりだと思うんです。これは、生保そのものの内部要因というよりも、外部要因でありまして、まさにこれは、すべて政府の経済政策の結果であります。 政府は、不良債権処理というものを強引にやる、期限を切ってやる。倒産と失業がふえる。これはデフレ要因だというのはみずから認めながらこれを強行してきた。さらに、ことしから来年にかけて四兆円国民負担をふやす。消費が低迷して経済の先行きが不透明になり、株が落ちるのは当たり前です。こうなれば経営が苦しくなる、これはすべての、銀行にしろ、生保にしろ、経営がおかしくなるというのは当たり前でありまして、追い込んだのは政府だということですよ。その反省は、竹中さん、ありませんか。
○竹中国務大臣 株の下落によって多くの業界、特に生保で大変厳しい状況が出現しているというのは、全くそのとおりであると思います。我々も、経済政策、構造改革を進めることによって、株が結果的に上昇するように全力を尽くしているつもりでございます。 しかしながら、この株の下落に関しては、いつも申し上げますけれども、この二年間、日本の株価が四割下落した。その中で、ドイツは五割、六割下落した、フランスも同様であった、アメリカも、ナスダックでとるかニューヨークでとるかはともかく、二〇%、三〇%下落しているという世界の状況の中での大変厳しい経済状況である点も、これは認めなければいけないのであろうというふうに思っております。 いずれにしましても、生保の収益をむしばんでいるのは、一つは、そういった株に代表されるような経済環境の悪化であり、さらには逆ざや、これはまさに構造的な問題である。その逆ざやという構造的な問題に対応するために、そのためにも今回のような法案を我々としては準備をしたつもりでございます。
○佐々木(憲)委員 株が落ちたのは、アメリカやフランスやドイツや、世界が落ちたから落ちたんですか。世界が落ちたのが原因なんですか。
○竹中国務大臣 株が上昇する理由、八九年にあれだけ高くつけた理由、その後の落ちた理由、それぞれ株価の変動を一々説明するということは大変困難であろうかというふうに思っております。しかし、今株価に関しては世界のトレンドの中にあるということ、さらには、日本の抱えている潜在力が不良債権の問題等々によってなかなか発揮できないような状況にある。日本の潜在力を高めて株価の上昇を実現するためにも、我々としては構造改革をしっかりと進めなければいけない、そのための状況を、そのための政策を進めているつもりであります。
○佐々木(憲)委員 これだけ経済を悪くしておいての自覚が全然ない。 不良債権処理はデフレ要因である、これは認めているわけですね。認めていながら強行したわけです。我々は、デフレ対策をやれば不良債権はなくなると言っているんですよ。不良債権なくすのは当然なんですよ。そのなくし方です、問題は。国民の消費をふやして、中小企業を助けて、そして景気がよくなれば不良債権なくなるんですよ。そういうことを我々はずっと前から言っているんです。全く今の小泉内閣がやっているのは逆なんですよ。 自民党の中だって、我々と同じようなことをたくさん言っているんだよ、これは。賛成しているでしょう、皆さん。だから、政府の政策が経済をだめにしたというのは、これは党派を超えてみんな言っているんですから。その責任を何も感じていない。何か、株が落ちたのは世界が落ちたから落ちたんだと。自分の政策によってどういう結果が引き起こされているのかということの検討も反省も、全く一片のかけらも見られない。私は、そういう状態であれば、もうこれは大臣をやめてもらうしかないと言わざるを得ない。 午前中の参考人質疑でも、生保協会の会長さんが言っていましたけれども、今度の生保についても、結局は株が落ち、低金利、そういう状態の中で、生保会社が幾ら努力してもその部分については変えられない、それは政府の責任だ、こういうことが参考人の皆さんからこもごも語られました。ですから、今やるべきことはむしろそちらの方なんです。契約者に負担を押しつけたら、また景気が悪くなるじゃないですか、不安が広がるじゃないですか、消費が冷えるじゃないですか。どうしてそういう逆のことをやるんですか。 生保の予定利率の引き下げについて、生保業界はどうするんですかといいますと、それぞれの会社は、申請をするつもりはない、こう言っているわけです。そうしますと、予定利率の引き下げという法律をつくり、この法律ができた、さあできたからこれに対応して、選択肢がふえたからどうぞおやりくださいと言ってもだれも手を挙げない。 結局、そうしますと金融庁がそれを促すということにならざるを得ないのじゃないでしょうか。金融の検査をやる、あるいは会社の経営実態を握る、その情報は金融庁が持っているわけですね。そうすると、結局、金融庁が上から押しつけるという結果になるのではないか。私は、その危険が非常に強いと思います。政府がそういう形で上から危機をあおるものですから、また、こういう法律を出すものですから、解約がどんどん出ているんです。解約がふえると保険料の収入が減ります。 この一年間で保険料収入というのは一体どのぐらい減りましたか。
○竹中国務大臣 ちょっと、数字につきましては局長の方で今探しておりますので、その前に御答弁させていただきたいと思います。 私は、日本の株が下がったのはすべて世界のせいである、そんなことを申し上げるつもりは全くございません。日本としてはしっかりと日本の経済をよくするための努力を、我々としてまさに責任を持って進めていかなければならない、大きな責任を感じて当たっているつもりであります。 あと、この点は佐々木委員とは意見がかなり違うんだとは思いますが、私は、小泉内閣が行ってきた構造改革の政策は全く間違っているとは思っておりません。不良債権をこのまま置いておいてよいとは思いません。不良債権を処理してマネーサプライがふえるような状況をつくることが、結果的にデフレを克服していく有効な道になっていくというふうに確信をしております。 消費を元気づけるということが重要だという佐々木委員の御指摘は、これはこれで私も事実としてはそのとおりだと思います。しかしながら、これは繰り返し申し上げますが、今回の保険の問題にしても、このまま逆ざやが続いて、保険会社が一体経営がどうなっていくんだろうか、そういう中で、そういう状況が高じますと、ますます消費が萎縮する可能性がある。その意味では、まさに制度そのものが持続可能であるようにしっかりと立て直しを図っていくことが消費自体を活性化する道でもあるのであろうかというふうに思っております。もちろん、それだけではなくて、さまざまな政策を講じなければいけないと思っておりますが、これは我々としても最大限の努力をしているつもりでございます。
○佐々木(憲)委員 消費が萎縮すると言いますけれども、消費が萎縮するような政策を政府がとっているからであります。 先ほどの数字出ますか。
○五味政府参考人 申しわけありません。手元にある限りの資料ですが、もし間違っておりましたら後ほど訂正させていただきますが、この一年間ですと、大手生保十社の二〇〇三年三月期においては保険料収入が約十九兆五千億ということで、前年度比では八%の減少ということになっております。
○佐々木(憲)委員 八・三%ぐらいだと思いますが、前の期に比べましてマイナスなんですね。これで五年連続減少なんですよ、五年連続。こういうふうに減ってきているというのは、私は、二つ理由があると思うんです。 一つは、保険料を払う余力が低下している。つまり、全体として所得の低迷がある、収入が減っている、将来不安がある。したがって、保険料そのものもなかなか払えなくなってきているという実態があります。 それからもう一つは、生命保険というものが果たしてこのまま約束を守ってくれるんだろうか、そういう不信感があるわけですね。この不信感を増幅させている政策が、今出されているこの法律がその引き金を引いているんじゃないか。予定利率を引き下げたいという保険会社が一社もない中で、こういう法案を議論していること自体が、生保業界全体の信用不安を増幅させております。 パブリックコメントの中で、生命保険会社からの意見としてこういうのがあるんですね。当社を初め、多くの生命保険会社が、仮に本制度が導入されたとしても実施する考えはないと明確に表明しているにもかかわらず、制度導入が検討されている以上、必要性があるんだろう、制度が導入されれば予定利率引き下げを実施する会社があるだろう、実施する会社はどこか、こういう憶測が広くなされており、国民・契約者の生命保険業界全体への不安感、不信感をふやす結果になっている。私は、この意見というのはまさに図星だと思います。 大体、政府の姿勢というのは、保険業を守ろうという姿勢ではないと思いますよ。契約者に不安を与える法律を出し、将来あなたの保険金は減らされるかもしれませんよということをこれだけ世間に流布して、そして信用を失墜させて、契約者自身もどんどん減っている。新規契約者が減ってきている。これで一体生命保険がどうして再建できるんですか。 私は、国民の消費をふやしていくというしっかりとした政策を出し、生命保険に加入できるような余力をつくっていくということが一つと、契約をしっかり守っていくという信頼感、これがなければ保険というのは成り立たないと思います。政府の政策は全くその点で逆行している。このことを最後に申し上げまして、終わります。
○小坂委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。本委員会で質問をさせていただくのは非常に久しぶりなので、緊張しながらきょうの質問を準備いたしましたが、しかし、それに先立ちまして、仙谷委員並びにその後の各委員が要求されている資料につきまして、まず、竹中大臣に、私が素朴な質問をさせていただこうと思います。 実は、私は、もう一つの部会は厚生労働委員会というところに所属して、この間、行政関係者に、行政の政策決定に至るまでのいろいろなやりとりのメモをお出しいただくように、厚生労働委員会でも随分資料要求いたしまして、そのことでずっと審議が延長されておりますところから参りましたので、ああ、財金も同じかと思いながらきょう聞いておりました。 私が竹中大臣に伺いたいのは、「りそな」の問題で、金融庁の指導のあり方がどうであったかということが本日論議されていたと思うのですが、「りそな」と金融庁のやりとりをメモされたものについては、実際に竹中大臣はごらんになったのでしょうか。
○竹中国務大臣 これは監督の中身でございますけれども、物によってさまざまでありますけれども、必要な報告は受けております。
○阿部委員 私が伺ったことに、賢い竹中大臣ならば、今のは答えじゃないとわかると思うんですけれども、メモ書きのようなものはあったのか、ごらんになったのか、この二つでお願いします。
○竹中国務大臣 内部のメモ書きのようなものは、すべてということではありませんけれども、物によってはございますし、そういうものも必要に応じて見ております。
○阿部委員 もっと、「りそな」と金融庁の担当者のこの一連の、やはり金融庁だって、「りそな」が公的資金の注入というステージに至るまでのさまざまなやりとりを、それは省庁ですからしなきゃいけないと思うんです。 私は竹中大臣に見たか見ないかを聞いているのであって、後ろから余分なことは言わないでください。竹中大臣が知っているはずじゃないですか。自分が見たか見ないかを人から言われなきゃいけないようなことは恥ずかしいです。ごらんになったか、あったのかと聞いているんですから。
○竹中国務大臣 済みません。私の方が彼に質問をしたんです。その内部の文書の規則等々についての質問をしたわけであります。 これは、先ほどのお答えに重なりますが、そういったものについても必要なものは見ております。
○阿部委員 明確にお願いします。「りそな」に関して金融庁のやりとりのメモ、見たか見ないかのどちらかでお願いします。
○竹中国務大臣 全部かどうかはちょっとよくわかりませんが、主要なものは一応見たと思っております。
○阿部委員 それでは、これは委員長にお願いでございますが、そのことで、審議並びに来週は参考人の意見陳述も予定がされておるやに聞いておりますわけで、それに合わせて、必要な資料となる場合もございますから、今竹中大臣は、ある部分のものはあるというお答えでしたので、それを提出していただくことを検討していただきたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。
○小坂委員長 どのような内容になるのかわかりませんので、金融庁と協議したいと思いますが、それにつきましては、まず委員会において理事会で協議をさせていただいて、金融庁に対してどのような要求をするか決定をさせていただきたいと思います。
○阿部委員 私が要求いたしておりますのは、「りそな」問題をめぐる金融庁と「りそな」当事者とのやりとりメモでございますから、何度も失礼ですが、あるとおっしゃいましたので、あればそれをお出しください。どのようなものになるかはわかりませんがということで今委員長おっしゃってくださいましたが、そうではなくて、今やりとりを聞いていただければ、私は、それがありますか、ありませんかと伺って、竹中大臣は、一部ではあるかもしれないがごらんになったとおっしゃったんですから、私はそのメモを要求しますので、理事会で検討していただきたいと思います。 もう一度委員長にお願いします。
○小坂委員長 理事会で検討いたします。
○阿部委員 ありがとうございます。 では、本来の質疑に入らせていただこうと思います。 まず、竹中大臣にお伺いしたいと思いますが、そもそもこの法案はだれのためにつくるのでしょうか。一問目です。
○竹中国務大臣 一義的には保険契約者のためであるというふうに思っております。しかし、それが結果的に、保険のシステム、金融システム、ひいては日本の経済の全体に資するものになるというふうに思っております。
○阿部委員 一義的にはと申しますのは、最も中心となるのは保険を掛けられた国民の多くだというふうに理解してよいかと思いますが、大臣の御答弁ですと、すべての関係者がより大きな利益というふうに御答弁されるんですね。先ほど、ちょっと前の御答弁ですけれども、すべての関係者がより大きな利益ということと、一義的に、生命保険に加入した加入本人ということが矛盾する場合もあると思うんです。 すべての関係者に、より大きな利益と、一義的に御本人、保険契約をされた方がありますが、そこは明確にしていただきたいのですが、一義的ということは、最優先されるべきは保険契約者でありましょうか。
○竹中国務大臣 もちろんそうであります。
○阿部委員 そうであれば、その質問はまた別途にさせていただきます。 そして、今回の保険業法の改正で、これも竹中大臣がよく口にされる言葉ですが、逆ざやという構造的問題が生じたためという答弁が繰り返しございます。一体、逆ざやという構造的問題という認識をお持ちになったのはいつからでしょうか。
○竹中国務大臣 これは、実際に逆ざやになっているのは平成四年からであるというふうにデータ上は出ております。 私がそういう認識を持ったのはいつかということでありますと、ちょっと正確には思い出せませんですけれども、現実問題としては、その時期から逆ざや問題がじわじわと進行してきたと認識をしております。
○阿部委員 しかしながら、従来認識されている逆ざや問題が、より一歩何らかの対応をせねばならぬ、危機対応でもいいですし、有事対応でもいいですし、事前予防対応でもいいですが、ステップアップせねばならぬと判断された時期はいつですか。
○竹中国務大臣 生保の問題というのは、そういう意味では一九九〇年代の半ば、終盤ごろからいろいろな形で議論をされていたというふうに認識をしておりますので、そのころから、個人的な問題意識ということではそういうことは持っておりました。特に、平成八年から保有契約高が減少するということが起こったというふうに認識をしています。これは九六年ということになりますでしょうか。それ以降、九七年に、例の一種の金融危機が起こって、九八年、九九年、さまざまな問題が展開していくわけでありますけれども、そうしたことを経て、生保が抱える問題というのは今非常に大きくなってきたというふうに考えております。 〔委員長退席、林田委員長代理着席〕
○阿部委員 事実としての逆ざやは平成四年から生じ、平成八年からは保有契約高が減ってくる、変更されてくるということの中で、竹中大臣個人としてではなくて、金融庁の責任者として金融行政を振り返ってみて、時々にどのような政策なり対応なり指導なりをなさってきたのでしょうか。
○竹中国務大臣 私が金融担当大臣を拝命してからまだ七カ月ぐらいでございますが、さかのぼって、金融庁としてはどのような対応をしてきたかということから申し上げますと、先ほど、平成八年から保有高が減少してきたというふうに申し上げました。実は、平成九年に日産生命、十一年に東邦生命等々、十一年から十二年にかけて生命保険会社の破綻処理が続きました。ここがやはり金融行政の上でも大変重要な一つの時期であったというふうに思っております。 こうした中で、さまざまな措置を金融庁としても講じてきております。例えば、平成十一年度から例の早期是正措置とか早期警戒制度を活用した監督の制度というのを始めております。平成十二年度からはセーフティーネットの構築を行っている。その後さらに、今回もよく引用されます、生保の、例の金融審の中間報告が十三年に出されておりますし、それを受ける形で、先ほどから申し上げておりますように、ディスクロージャー、情報の開示でありますとか財務基盤の強化でありますとか、さまざまな政策措置も講じられてきたということであります。
○阿部委員 金融庁の担当責任者として、そうした措置が不十分であったから今回のような法案を提出されたのでしょうか。何らかの総括はどのようになっているんでしょうか。
○竹中国務大臣 銀行に関しては、明快に私申し上げましたように、危機ではないけれどもやはり健康体ではない、解決すべき重要な問題がたくさん残っている。その意味では、生保に関しても同様の形容ができるのではないかというふうに思っております。これは、さまざまな措置を講じてきましたけれども、マクロの経済環境が一層悪化する中で、生保に関しても、やはり解決すべき重要な問題が幾つか残っているというふうに思っております。 その中で最も大きな問題の一つが、逆ざやの問題であろうかと思います。逆ざやに関して、もちろん経営の努力でこれを補っていかなければいけないということは言うまでもありませんけれども、金利状況、金利環境がこの十年で激変してしまって、その中で、高い利回りを約束したけれども、現実の運用利回りは低いものにならざるを得ない。そうした問題に関しては、一つの大きな優先度を持って、政策としても対応しなければいけない、このように考えているわけでございます。
○阿部委員 私も、当然ながら逆ざや問題がないとは申しませんし、それはそれとして問題はあろうかと思いますが、先ほどの佐々木委員の御質疑にもありましたように、やはりこの間、危機対応をせざるを得なくなっているところの隠れた背景というか真の背景は、株価の問題があるのではないかという先ほど来の御指摘でございました。 そして、先ほど藤原局長が、この法案は保険契約者と経営者のためにつくる、いわゆる生保業界のためにつくるとおっしゃいましたが、私から見れば、生保業界にとっていい迷惑だ、本当に気の毒だと思えてなりません。 なぜなら、今の現代社会、少子高齢化と言われます。御高齢者の数がふえて、子供たちが減ってくる、その中で、また個々の方の寿命も長く、一日も、一年も長く、日々長くするように医療も進んできた中で、逆に言えば、保険という構造の中で、本来的に言えば、いろいろなやり方で、その業としてのなりわいはきちんとやっていけるはずの芽をいっぱい持った分野に、たまたま銀行との持ち合い株の問題が大きく桎梏になっていて、さっきの三利源の、三つの収入を分けた中で、本来業務がうまくいっていてもほかのものに足を引っ張られざるを得ない。そして、これだけ国会でも審議され、何か予定利率下げなくちゃだめなのかもしれないんだってねと言われた日には、自分たちの商売は本当に上がったり。これから展望がなくなる方にしか——だって、個人が契約して、また利率下がるかもしれないと思ったら、だれも、先ほどの委員の発言にもございましたが、契約しなくなるのが人間の普通の気持ちだと私は思うんです。 きょう参考人でいらした横山さんも、経営そのものは黒字である、簡単に言えば。新しい商品開発もしている。そして、ちなみに、片仮名名のつくような生保会社はみんな新しい商品で黒を出しているわけであります。そうした中で、実は収益力を悪くしたのは株価の低迷が要因ではないかという指摘については、竹中大臣はどうお考えでしょうか。
○竹中国務大臣 株価の低迷が多くの企業、特に保険会社に対して非常に大きな重荷になっているというのは、これは事実として全くそのとおりであると思っております。 我々としては、繰り返しになりますが、構造改革を進めて、日本の潜在成長力を高めて、株価が結果として上昇するような姿をぜひ導いていきたいと思っております。
○阿部委員 株価の上昇はだれでも願うことであります。しかしながら、そのことが、なかなかデフレは短期には脱却できまい、中長期的にしっかりした、新しい経済のグローバル化に即した体制を考えないといけないという一つの覚悟があるからこそ法案にも意味が出てくるのだと思いますが、もしも今の竹中大臣の御答弁であれば、では、手をつけるべきは、持ち合い株も含めた株という構造がもたらしている構造的不利益について手だてすべきだと私は思いますが、この点はいかがでしょうか。
○竹中国務大臣 先般、関係閣僚が集まりまして議論したのは、まさに日本の株式市場が持っている構造的な問題について、できることからとにかくやっていこうではないかという我々なりの思いがあったからでございます。 日本の株式市場、株というのは、将来の収益、企業の価値を映し出す非常に重要な鏡であるという側面を持っている。しかしながら、同時に、当面の市場に関して見ると、短期的な需給要因に非常に左右されているように見えるという側面があります。十年前は、日本の株取引のうちの約二五%は銀行が担っていた。生保も、多いときは九%ぐらいのウエートを担っていた。それがそれぞれ、今株取引に占めるウエートが一%から一%台になっている。かつて機関投資家として価格を安定させる、安いなと思うときには買いに入る、高いなと思うときには売りに入る、そういう形で、裁定取引を行って、株価を安定させていたような機関投資家がこのマーケットから消えてしまっている。したがって、代行返上等、少し特殊な要因が出てくると、それに株価が非常に引きずられるような、いわゆる構造問題を持っている。 そういう問題を解決するための手だてを、我々としても、いろいろあの手この手で今考えているわけでございます。なかなか一朝一夕にはいきませんけれども、やはりこういう努力は努力として、ぜひ続けていかなければいけないと思っております。
○阿部委員 そのあの手この手の中に、個別、生保の関連の会社と銀行の保有株の問題で、あの手、この手、その手、どの手のどれでも結構ですから、お考えがあれば披瀝していただきたいと思います。 私は、こんなに生命保険の契約者並びに経営者に負担をかける、このやり方以前に、金融庁として、あるいは経済財政担当大臣としてお考えにならなきゃいけないことがあると思いますから、個別、生命保険という問題と銀行の保有株という問題で、どのような見識がおありか、お願いします。
○竹中国務大臣 今私が御説明申し上げた株式市場の構造的な改革と今回の法案を含めて、生保、銀行の問題というのは直接は関連しているとは必ずしも思ってはおりません。もちろん、長期的に、財務の基盤を銀行においても生保においても強いものにしていっていただく、資産の量もふやしていっていただく、結果的にそこが優良な需要家になって、市場を活性化していくということは必要なことであると思っておりますので、その意味での金融システムの再生、それに向けた努力というのは個々に積み重ねていかなければいけないと思っております。 そのほかにやるべきことがいろいろあるだろう。これはそのとおり、個々にやるべきことはたくさんあると思っております。これは、財政赤字という制約の中で、しっかりと歳出の改革を行っていかなければいけない。そのためにどういった形での歳出改革を目指すとかということは今月中に骨太の第三弾として取りまとめるということにしておりますし、その中には、国と地方の問題、年金の問題、さまざまの問題が入ってくると思います。これをやればうまくいくということではなくて、今我々の目の前にあるたくさんの問題を、根気強く、一つ一つ、難しくはあるけれども解決していかなければいけないと思います。 〔林田委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部委員 そういう総論を伺いたかったのではなくて、現在、例えば生命保険主要十社の株式保有率を見ますと、銀行などの金融関連株の比率は、平成十四年三月末で一七・五%、やはりこれは高い水準にあると思うのです。そうした問題、すなわち株価、特に銀行株の下落が経営状況にまた反映してくる。これも、私よりも、本当にこの道の専門で、実際にいろいろなことを、勉強も含めて積み重ねてこられた大臣から見れば、どこに処方せんを置くべきかという問題で正しい認識があってしかるべきだと思うのです。 今のは本当に大枠の、骨太の総論です。そして出してきた手だてはこそくな、そして本当に契約者の負担だけの、これが、だって、契約者を第一義的に守ってあげますよというのはうそじゃないの。負担ばかり、全部損ばかり、嫌なことばかり押しつけて、中間にやることがあるでしょうよと、私は本当に単純ですから、考えるわけです。そしてその知恵と見識を大臣に示してほしいと思って聞いているのですから、こんな宙に浮いた骨太か、こそくな利下げかじゃなくて、きちんと真ん中の、銀行保有株問題、どう解決していくのか、お考えがあれば教えてください。
○竹中国務大臣 今回お願いしている法律は決してこそくな問題であるとは思っておりません。そのことはこれ以上申し上げませんが。 今、直接の御指摘は、株の問題が生保の収益を圧迫しているだろう、特に銀行株との関連について、何か直接、しかも割と短期間にできることはないのか、そういう御指摘かと思います。 これについては、与党の方でも実は、金子筆頭理事初め皆さんに大変いろいろな御議論をいただいているというふうに認識をしておりますけれども、株式買い取り機構の機能をどのように強化していったらよいのだろうか、日本銀行の銀行保有株の買い取りについて何かさらにお願いできることはあるのだろうか、ないのだろうか、それと、銀行の株式保有の期限を、今、平成十六年に設定しておりますけれども、それをBISの基準に合わせて変更するということもあり得るのかどうか、そうした点が与党のプロジェクトチーム等々で御議論いただいている主要な論点であるというふうに認識をしております。 今申し上げた点は、いずれも、直接的で、かつ即効性という観点からもやはり重要な政策であると思います。
○阿部委員 私があえてこそくと申し上げましたのは、傷をしたときにバンドエイドを張っているようで、逆ざやがあるから最初の利率を下げたらいいだろうというのは、本当にだれでもが、それは血が出ているからそうした方がいいかと思いますが、血を出させている原因があるんじゃないかと思えば違う対処法があるんじゃないかと思うわけですよ。 先ほど来、これがこそくかあるいは本質的かということを判断するためにも、ではガイドラインができていますかと言ったら、それはこれから考えますですし、例えば金融審議会の部会でどんな審議が交わされましたかと言っても、それもこれから出しますと言って、それでは、これが本当にいい根本解決になるのかどうか、みんなが情報を共有できる基盤がないということが不毛な論議を重ねていくもとになりますから、あわせて、また委員長にお願いですが、必ず各委員が御指摘の資料は出していただきまして、国民にしてみれば二兆円ものお金を、私も見たことがない、そんなお金、国民だって見たことがない、税金の、あるいは損失を生むかもしれないものを入れるわけですから、きちんとした資料を論議に足るべく提出していただきたいと思います。 そして、百歩譲って、竹中大臣がこれぞ本当に逆ざや問題のいい解決なんだともしこの予定利率の引き下げを思われるのであれば、もしかして竹中大臣の心の中には、深読みすれば、これによって生保業界の再編を促進しようというお気持ちがおありなのかなと思いますが、まずはそれが一点。あるいは、そう考えていなくても、副次的にはそうなるのかなとちらっと思っておられるのかどうかも一点。お願いします。
○竹中国務大臣 今回の法案は、冒頭で申し上げましたように、保険契約者にとって、このままで放置するのがよいのかどうか、それとも何らかの別の選択肢を準備する方がよいのかどうか、そこがあくまでも出発点であり、原点であります。したがって、再編のためにこういった法律を用意しているという意図は全くございません。 しかしながら、昨日も、これは海江田委員でございましたか、御議論いただきましたけれども、やはり、保険の解約が進まないようにするためには、保険会社自身が本当に経営革新をしっかりとやって、これでもってこの保険会社は大丈夫であるというような非常に強い認識を持ってもらえるような、そういう状況を同時につくり出してそれを見せていかないと、単純に予定利率を引き下げるというだけで物事は解決しないというふうに思います。 その中で、経営改革の一つの手段として、非常にダイナミックで野心的なビジネスモデルを提供するというような面もありますでしょうし、さらには非常に意味のある合併、再編というようなものも中にはあるかもしれません。そういうものが伴ってこの予定利率引き下げのスキームが生かされてくるということはあり得ることであるというふうに思っております。 いずれにしても、今回のスキームを一つの選択肢として、経営を思い切って改革していく、これを一つのきっかけ、手段にしてほしいというふうに思うわけでございます。
○阿部委員 きっかけ、手段になるか、生保業界という業界にとって本当に取り返しのつかないマイナスになるかは、本当の意味でようよう、大臣であれば見きわめていただきたいと思うんですね。 私は、何度も申しますが、生保業界は今、年齢構成の変化、疾病構造の変化、そして人々が望むものの変化に合わせてよい商品を開発していけば、やはり時代のニーズはセーフティーネットとか安心とか安全を求めるところにあるわけですから、決してそんな悪い業界ではないと思うのです。そこで、こんなに不安定で、最初の契約が途中で変えられるんだよなんという商品をだれが買いましょうかと私は思います。 そして、さっきの、朝の参考人もそうでした、横山さんは、うちは絶対これをやりませんと。みんなそう言いますよ、やりませんと言っているものをわざわざつくっていく。おまけに、こうしたことがあるからかどうかわかりませんが、S&Pでやる格付もどんどん日本の生命保険会社は下がって、そして下がったところで外資系に買いたたかれて持っていかれるというふうな構造を繰り返しているわけです。 それに比較すれば、再生特例法を早期に適用した、例えば東京生命などの方が、利率の引き下げもそれまでの破綻処理の銀行と比べれば高どまりして行えたじゃないか、あるいは、さっきの劣後資産とか基金とかそこから処理して、契約者のところへの負担は一番軽く済んだじゃないかという指摘があるわけですが、この点についてのお考えをお聞かせください。
○竹中国務大臣 結果的にどのような形で逆ざや問題を解決していくのが一番よいのか、これはいろいろなケースがあり得ると思いますし、この後恐らく海江田委員がそうした点についての御質問もされるのだというふうに認識をしておりますが、基本的には、非常にダイナミックな経営戦略の中で、また経営環境の中で、いろいろな問題が出てくるのであろうというふうに思っております。 しかしながら、一般論としてあえて申し上げれば、保険契約者にとっては、破綻する場合に比べて、破綻を予防しながら予定利率を引き下げる、しかしながら、それに経営改革を伴って保険会社がしっかりと財務基盤を強化して強い組織体になっていくということであれば、それはその方が保険契約者にとってのコストが小さくなる可能性が高いのではないかというふうに基本的に我々は考えているわけでございます。 それぞれ、司法的な手続、破綻の手続等々いろいろなケースがあり得ると思いますけれども、繰り返しますが、そうした意味で、経営の選択肢を我々としては提供したいということでございます。
○阿部委員 生保業界とすれば、金融庁が言えば選択肢の一つだと言わざるを得ないんですよ、これは立場の差で。 それが「りそな」問題でもあるかと思いますから、「りそな」に関する資料の提出をさらにお願いいたしますが、最後に一点だけお願いいたします。 例えば、先ほどの法的整理手段、あるいはこのむちゃくちゃな利率の下げという方法以外にも、銀行では、ペイオフのように一千万円までは保護というふうな、ある意味での契約者にとってのセーフティーネットをはめることをやりましたが、生保では、例えば死亡における満期の契約だけは保護とか、ある程度の分けたセーフティーネットをどこにつくるとかいうチョイスとか、そういうお考えは竹中大臣にはないのですか。
○竹中国務大臣 お尋ねの点で、ちょっと不明な点もあるんですが、セーフティーネットに関して申し上げるならば、補償水準というのは、現行の生保のセーフティーネット、責任準備金の九〇%ということになっておる。これをもし一〇〇%にしたらどうかというお尋ねでございましたら、これはいろいろな御議論があるかもしれませんけれども、保険会社におけるモラルハザードの発生の抑止ということもやはり考えなければいけないのだと思います。したがって、これを、九〇%を一〇〇%に引き上げろということでございましたら、これは私は適切ではないのではないかというふうに思っております。 ただ、いずれにしましても、我々としましては、検査、モニタリング、いろいろやらなければいけないことがあります。健全性の確保に向けて経営努力を求めて、風評リスクが生じないように、いろいろな手だてを講じていきたいと思います。
○阿部委員 解約が殺到してその生保がつぶれるとか、そういうことも本当にこれで、危険、風評被害も考えられますから、十分に一つ一つの対応を検討していただけるようお願いして、海江田さんに質問を譲ります。 終わります。
○小坂委員長 次に、海江田万里君。
○海江田委員 海江田でございます。 竹中大臣から、こういう質問があるんじゃないだろうかというような前ぶれまでいただきまして、恐縮の至りでございます。この種の保険の話というのは本当に、かなり皆さん、難しい話もありまして、いろいろわかりにくい話もあります。 例えば、今阿部委員が質問になった、死亡保険金のところは守るようにしようということは、実は、これまでの破綻の中でも、確かに大臣がお答えになったように、責任準備金のところはマキシマムで一〇%までだよと。あれはやはり一種のセーフティーネットで、まさに契約者保護機構の中で、きのうもお話ししましたけれども、平成十年の改正の中でそれをきちっと盛り込んだ。これが一つです。 あともう一つ、やはり、これは金融庁が出しております資料集の中で、「破綻した生命保険会社の破綻後の受け取り保険金額」というデータがあります。これを見ていただければわかりますが、まさに死亡保険金というのは定期保険のところで主に担保をされているわけですね。それで、養老保険でありますとか終身保険というのは、これは、養老保険というのは貯蓄型でありまして、それから終身保険というのは年金型の保険なわけです。だから、定期保険で見ますと、破綻をして、どれだけお金が、いわゆる死亡保険金が返ってくるかということで計算しますと、ほとんど一〇〇%になっているんですよ。 ということは、これは、確かに責任準備金のところは一〇%、マキシマムとっていいよということですから一〇%とっていますけれども、いろいろな工夫をやりまして、結果的に、保険の一番の根っこであります死亡保障のところは現実に返しているんですよ、これは。現実の問題として。そういう優先的な債権債務の洗い直しをやる中から、もちろんですけれども、劣後ローンに手をつけたり、それから、自己資本のところをどんどん優先的に削っていって。 だから、その意味からいうと、実は、きょうの私のテーマであります試算をし直せということを言いましたけれども、こういう試算のし直しをやったところで、これは当然のことながら、最初に金融庁が出しました予定利率一・五%、責任準備金九〇%のときと、大幅に予定利率の引き下げをしたときと比べまして、差が縮まっているといいますか、言われるように予定利率の引き下げをした方が契約者にとっては有利だということは覆るわけであります。 わけても、保険の一番のニーズであります死亡保障につきましては、例えば、定期保険でずっと見てみますと、この二枚目の方で見てみますと、予定利率引き下げの場合、一〇〇だ。平成十年、つまり五年前に加入したのをとってみても、最初出した数字では九三という話ですが、これは新たに出てきましたので見ますと九九になっていますけれども、実際にこれはほとんど一〇〇なんですね、実際の受け取りのケースでいうと。 だから、その意味でいうと、死亡保障のところは同じなんですよ。また、同じにしなければ保険というもの自体がもう成り立っていかなくなってしまうということになる。だから、本当にやはりきちっと契約者に対して理解を求めようという気持ちがもしあるのなら、やはりそういうことは、どんなことがあっても保障のところは同じですよということを言って、そして、では主に変わってくるところはどういうところなんですかということでいえば、終身のところ。終身というのはどうしても、契約が長くて、しかも年金型でもらうから、そこのところは変わってきますよ。それから、養老保険、これは貯蓄型ですから、そこのところはどうしても変わってきますよと。 ただ、どうしても変わってくるところについて言っても、実は、金融庁がきのうまで出していました、破綻の場合の機械的な試算のケースと違って、最近の、直近の、例えば東京生命の場合は責任準備金の取り崩しはなしで、しかも、利下げ後の予定利率が二・六ですが、私は、二・六で計算をしてもよかったんですが、そこより低くして二・五で計算をしてくださいよという形でお願いをしましたら、出てきましたのがこの数字なわけでございます。これを見ましても、そんなに予定利率引き下げのときと比べまして——どこで見てみましょうか。加入十年のところでも、終身は七〇%、百万円に対して七十万円ですね。それから破綻をした場合でも、それが六十二万円という形で、ここは八万円という数字になっていますけれども、それほど大きな数字の差はない。 しかも、これは朝方の、午前中の深尾先生の中にもありましたけれども、更生特例法による破綻処理と、それから破綻前の予定利率の引き下げでは、さらに更生特例法による処理の方が保険契約者には有利になると考えられるというような話もあったわけですよ。 それについて言うと、ここはいろいろな数字の置き方によって変わってくることですが、少なくとも、破綻前の予定利率の引き下げの方が契約者にとってとりわけ有利になるということは私は言わない方がいいんじゃないだろうかというふうに思うんですね。それでもあえて、やはりどうしても有利なんだということを、ちょっときつい表現ですが、強弁というふうに言わせていただきますが、言わざるを得ないんですか、言いたいんですか。どうでしょうか。
○竹中国務大臣 いろいろ御指摘をいただいてありがとうございます。また、非常にわかりやすく、一覧性のある形で見せていただきました。 今おっしゃった点、つまり、定期のものについて、実は差はこれだけだと。そういう情報は、大変意味がある貴重なものであろうかと思っております。 昨日も少し議論をさせていただきましたけれども、この試算は二つの変数の組み合わせなわけです。責任準備金をゼロから一〇までどこに置くかということと、それと、予定利率を三からどのぐらい下げるのか。御指摘のように、東京生命の場合は、準備金の削減はなかった、引き下げ後の予定利率も二・六であった。これはいろいろなケースがあろうかと思います。なかなか厳しいケースもあった。責任準備金が一〇%削減されて、予定利率が一%になったというようなケースもあった。 したがいまして、そこは、この一覧性の表で今示していただいたように、やはり契約者に対して、もっと言えば国民に対して非常にしっかりとその意味を説明する責任が我々にはあるのだろうというふうに思っております。説明の仕方は大変重要であろうと思っております。 ただ、これはあえて、強弁と言われるかもしれませんが、やはり、破綻ということに対する一つの社会的なフリクションのようなものは私はあるんだと思います。これは、あえて言えば、資産が劣化する可能性があるとか、場合によってはセーフティーネットが発動されて資金が援助される。それはだれかが負担するわけでありますから、そのようなだれかの負担の分も社会的には考えなければいけない。 そのような意味では、これはケース・バイ・ケースであるけれども、一つの選択肢としてはやはり考えていただいてよいのではないか、私としては、引き続きそのように思っております。
○海江田委員 今も、ちょっと聞き違いじゃなきゃいいんですが、責任準備金二〇%だとかというのはあり得ない話で……(竹中国務大臣「一〇%」と呼ぶ)一〇ですね。いいですね、一〇ですね。 そういう考え方があるとして、それでまたきのうの話に戻るわけですが、さて、これをやって破綻が防げるものなのかどうなのか。破綻にかわるもう一つの手だてとしてこういうことを考えたんだということをおっしゃいますが、私が言いたいのは、むしろこれがきっかけで、手を挙げたことがきっかけで破綻につながるものではないですかというお話で、それの一番のポイントは、これはもうきのう大臣自身からお答えがありましたけれども、やはり破綻の直接のきっかけというのは、まさに解約のあらしなんですよ。 その解約のあらしで、そのときに、実際は、さっきこれはどなたかのお話でありましたけれども、新規の契約が全体で二十兆もないんでしょう、十九兆か十八兆でしょう。つまり、ニューマネーなわけですよ、これは。新しいお金で。それがたった二十兆を切っていて、毎年毎年そこの部分が、新規の契約が減っているわけですよ。だから、その意味でいうと、日産生命から始まって、これが平成九年から始まって、毎年毎年、今一番直近の東京生命が平成十三年でありますけれども、これ以降も毎年毎年そのニューマネーがどんどん細っているわけですよ。 今実は、一つ大きな、大手十社の中の一つでも二つでもつぶれても、本当に必要なのは大体二十兆円ぐらいじゃないですか、お金が。私は、そういうふうに今見ているわけですけれども。そのときに、大手十社全部集めたニューマネーがたった二十兆にちょっと欠けるしかないという話になると、当然のことながら、持っている不動産でありますとか株式でありますとか、そういうものをどんどん売っていかなきゃいけないわけですよ。そのことは当然、そういうことで不動産でありますとか、とりわけ株式なんかを売っていけば、これはまさに銀行、金融機関との株の持ち合いなんかもあるわけですから、それが株式相場全体に与える影響ですとか、こういうものもあるわけですから、そこは避けなきゃいけないわけですよ、どうしても。 だけれども、そこをどうしても避けるためには解約に対する何らかの手当てを打たなきゃいけないんだけれども、それが全然打たれていなくて、しかも、先ほどからずっと言っておるように、手を挙げなさい、しかも、このままだったら立ち行かないという蓋然性、けだししかるべしというような、そういういわばだれの目から見ても明らかな、こういうような状況に手を挙げなさいということを言ったら、これはやはり——しかも、では解約の自由というのは、午後の一番の議論にもありました、仙谷委員との議論にも出てまいりましたけれども、その解約というものは、期間中についても解約の申し出をすること自体はとめることができないんだよというような解釈であれば、まさにやはり手を挙げたときから解約のあらしが吹き荒れて、結果的にはむしろこれが生保の破綻を早めることになりはしないだろうかというところに懸念を持っているわけです。 それについて、いやそうじゃないんだよということを、少なくとも、私だけじゃなくて、ここにいる委員がそのとおりだというふうに納得ができるような説明をしていただかないと、なかなかこの法律というのは通らないんじゃないだろうか。あるいは、通したところで、それはむしろ大変悪い法律を通してしまったことになりはしないだろうか、そういう生命保険会社の破綻に手をかすことに、この法律に賛成をすることによって手をかすことになりはしないだろうかというような懸念があるんですよ。どうですか、そこは。どなたでもいいですから。
○伊藤副大臣 先ほどから先生から大変重要な御指摘がなされているわけでありますが、契約の変更というものが自主的な手続の中で行われるわけでありますけれども、保険会社におきましては、契約の変更にあわせて、合併でありますとか再編を行うことも含めて、変更後の安定的な経営を確保する、そうした努力を十分行っていくことが大変重要だというふうに思っております。 私どもとしましても、契約の条件の変更に当たっては、保険の事業が継続できるかどうかという観点から内容もチェックをしてまいりますし、また変更後においても、保険会社の今後の経営の状況というものを的確に把握をして、そして健全性の確保に向けて真剣な経営努力を求めていく必要がある、そういう視点から適切な対応をしていきたいというふうに思っております。
○海江田委員 これまでも、生命保険会社はつぶしてもその契約自体は移行をさせる、守っていく、これは基本的な生命保険についての考え方なわけですよね。再生特例法が出てきて、そこで、今言ったように、保険契約は守っていくけれども、定期性の、定期保険といいますけれども、死亡保険に重点を置いて、死亡保険については一〇〇%守りますよとか、だけれども貯蓄性の高いところは減額がかなりありますよと。そういうこれまでの破綻の制度の中で、これも最初からあったわけではありませんで、何年前からですか、平成十年ぐらいからそういう形になって、一つの生命保険の破綻のルールができてきたわけですよ。 その中で、それこそ生命保険会社もそれなりの経営努力をやって、契約者もそういうものであるということの中で理解をして、制度の中に、よく考えれば、物事を考えている人は生命保険にそのまま残ったりとか契約を続けたり、解約をする人はもう既に解約をしたりとかいうような一つの秩序が、万全なものではないけれども、一つの流れがあって、そういう中でみんなお互いにやっているわけですよ。 そこへ突然この法案が入ってきて、恐らく生命保険会社も迷惑しているというのは、まさにそのことだろうと思うんですよ。こんなのが入ってきて、自分たちは使うつもりもない。だけれども、選択肢の一つだといって、それでもって言うけれども、その選択肢というのは、先ほど来繰り返し話をしているように、大変そういう秩序を破壊してしまって、あるいは金融秩序そのものも破壊してしまうような、あるいはシステミックリスクにも及びかねないような、大変な一つの劇薬といいますか、あるいはそういう選択肢なんですよ。 私は今思い出しましたよ、昔、ヘーゲルの、地獄への道は善意で敷き詰められているという言葉があるんですよ。まさに善意でやっているのかもしれないけれども、この善意の行く先は地獄なんですよ、はっきり言いまして。そういう認識を持っておられるのかどうなのか。たしかヘーゲルだったと思いますけれども。まさに皆さん方が善意でやっているとおっしゃるのなら、その善意の道は地獄へ向かう道ですよ、はっきり言いまして。
○竹中国務大臣 ちょっと、ヘーゲルが出てきてびっくりいたしましたですけれども。 基本的には、委員の御指摘というのは、昨日から引き続いて、本当にこれによって解約が進んで、解約というのはやはり本当の意味での混乱の最も重大な引き金だから、本当にそうならないのかという点への非常に大きな御懸念であろうかと思います。 委員御指摘の中で、万全ではないけれども今一つの秩序があるのではないかというふうに言われた。確かにそうかもしれません。ただ、あえて言葉じりをとらえるわけではありませんけれども、万全ではないという点がやはり一つあるんだというふうに思うんですね。それともう一つ、今の一つの秩序も、やはりいろいろな制度の仕組みを新たにつくる中でできてきたもの、進化してきたものだと思います。 御指摘の点、繰り返し申し上げますが、これは善意であっても地獄に続く道にならないような形にぜひしなければいけない。そこのポイントは、先ほど副大臣からも御答弁させていただいたように、やはり予定利率を引き下げるというだけでは御懸念のようなことが起こりかねないんだと思うんですね。そこは一にも二にも、それにあわせて経営改革がどのようにしっかりと行われるのか。経営改革、先ほども言いましたように、新たなビジネスモデルの構築ということもあろうけれども、やはり再編、合併ということもあろう。そういうこと等の、これが刃物であるとすれば、刃物は傷つけるためにも使えるけれども役立てることもできる、その役立てるような使い方ができるかどうかという点に一にも二にもかかっているのだと思います。 我々としては、これは選択肢、どうぞ勝手におやりください、必ずしもそういうふうに思っているわけではなくて、選択肢としてぜひとも戦略的にうまく活用して、今委員がおっしゃる一つの秩序の中で役割を果たせるようなものにぜひしていきたいというふうに思っております。
○海江田委員 申しわけないけれども、わかっておられないですね。 再生法で破綻処理にした場合は、もうこれ以上資産が劣化しないように、せんだって話をした早期解約控除というのがあって、これはいわば解約に対するペナルティーなんですよ。これまで利用した中で一番高いのは二〇%ですけれども、これは別に二〇%とか書いてありませんから、三〇とか四〇やって、急いで慌てて解約をしたら、悪いけれども二〇%控除しますよ、大体二%ずつぐらい減らしていって、その次の年は一八%ですよと。つまり、急激な資産の劣化を防ぐため、そういう手だてが講じてあるんですよ、これについては。だけれども、申しわけないけれども、こちらについては講じてありませんから。 受ける側からすれば、瑕疵担保特約なんというのもありましたけれども、もうこれ以上資産が劣化しては困るんですよ。当然のことですよ。だから、破綻をしてくれれば、そういう形で、少なくとも、資産が急激に、急速に劣化することに対して安全弁をかけてあるにもかかわらず、こちらの方は、残念ですけれども、その安全弁すらついていませんから、だから、受けるといったって、どんどん資産が劣化をしていくことがわかっているところを受けるところなんかありゃしませんよ、はっきり言って。 それはおわかりにならないですか。わからない。わかったらわかったということを言ってくださいよ。
○藤原政府参考人 今回の措置につきましては、いわゆる破綻ではないということは前から申し上げておりますが、したがいまして、その中で、午前中も議論ありましたように、保険者の権利をどういうふうに守るのか。解約停止についてもいろいろな御意見がある。したがって、そういう枠組みの中で、先生御指摘のような早期解約控除というのはかなり仕組むのが難しいということでございます。 ただ、そういうことを踏まえまして、その保険会社それから保険者の間で、早期解約控除のようなものはないということを前提にした上で、ではどこまで、いろいろなこれからの経営改善、経営改革、あるいはいろいろな基金等との折衝とか、そういうことを、早期解約控除はあり得ないということを前提に絵をかいて、それでやっていけるようなぎりぎりの努力をしていただきたいということだと思っております。
○海江田委員 これだけかんで含めるように言って、それでも、あえてこれをこのままやはり通すんだということであれば、それから、金融審議会もそうですけれども、行政の方で責任持ってやってくださいということですから、これを導入をして、そして、選択肢の一つだと言いますから、選択肢の一つとしてそれを選択して、結局破綻をしたときの責任だとか、そういうものはとるぐらいなことを言ってもらわないと、これはどういう責任、選択肢の一つとして提示をするんならそれくらい、職を賭してこの法律をつくってくださいぐらい言わなきゃ、通るものも通らないですよ、これは。それが一点。 それからもう一つは、もう時間になりました、細かい話ですけれども、二百四十条の十二で、いわゆる契約者に対して通知をしなさいよという中身がありますね。この通知の中身を、予定利率を三%に下げるとかそんな話だけじゃなくて、例えば、あなたの契約は、今度こうやって予定利率を三%に下げることによって、きょう私が出していただいたような例でもいいわけですけれども、あなたの終身保険の場合は、何年に入ったかわかっているわけですから、契約が百万ですからこれが大体七十万ぐらいに結果的になるんですよというような具体的なわかりやすい情報、これをやはり提供というか、それは必要なんじゃないですか、この通知を契約者に対して出す中で。 保険の話というのは本当にわかりにくいですから、ぜひそれはやってもらいたい。具体的な話で、何年に入ったあなたの契約は、このままでいくと幾らになりますよ、年金額が幾らになりますよ、保険金額が幾らになりますよということぐらいは通知したっていいと思うんですが、それはどうですか。
○藤原政府参考人 契約変更対象者に対する通知につきましては、本人に、自分の契約がどういうふうになるかよくわかるような、極めて具体的なモデル計算をして通知をするというふうに考えております。
○竹中国務大臣 海江田委員、いろいろ御指摘になった御懸念というのは、それは一つのあり得るシナリオなのだと思います。しかし、我々は、繰り返し申し上げますけれども、これとあわせて、同時に、経営の改革をどのようにするか、再編、合併を含めて、そこがやはり私はポイントだと思っています。 結果的に、委員御指摘のように、利率を下げて、しかし結局だめで、やはり破綻だ、これは最悪でありますから、そんなことに我々はさせてはいけない、我々の責任は重いと思っております。早期是正、いろいろな制度を我々持っておりますけれども、そういうものを駆使して、万が一にもそういうことが起こらないように、全力を挙げる所存でございます。
○海江田委員 まあ、使われない包丁があるというお話ですけれども、包丁というのは危ないですから、使われない包丁なら買わないで、置いておいた方がいいということ。 それからもう一つ、きょう、朝方、「りそな」の話がありましたけれども、五月十七日の金融危機対応会議、あれはやはり議事録を公開した方がいいですよ。たった五、六枚か、あの国会報告だけでやるというのは、これはおかしな話ですから、議事録を公開するということをぜひ言っていただいて、まだ、きょうの質問でも、どうも余り悔い改めていないようですから、また質問の機会をいただきたいと思っております。どうでしょうか。
○竹中国務大臣 これは既に御答弁をさせていただいておりますけれども、議事録は公開をいたします。作業は大分進んでいると思っております。
○海江田委員 終わります。
○小坂委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十五分散会