財務金融委員会 第4号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2003/02/14
会議録
○小坂委員長 これより会議を開きます。 財政及び金融に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として警察庁生活安全局長瀬川勝久君、公正取引委員会事務総局経済取引局長上杉秋則君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小坂委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○小坂委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 最初に、予定しておりませんけれども、きょうの午後の、塩川財務大臣に対しまして我が党の山花議員が、なぜたばこを値上げするんですかということに対して、どういう答弁をされたか、大臣、覚えていらっしゃいますか。
○塩川国務大臣 覚えております。 酒税については、各種酒の類の均衡を図るために改正いたしました。その結果、ちょびっと増税をすることになりました。 たばこにつきましては、世界的に禁煙運動が盛んであり、禁煙に協力するという意味におきましても少し上げさせてもらったということであります。
○佐藤(観)委員 酒の問題につきましては、別にラベルにそういうことが書いてあるわけではないし、これからの法案、正式には出ていませんけれども、それはまた酒税が出ましたときに本格的に審議をすることにいたしまして、たばこにつきまして、今答弁がございましたように、禁煙を奨励するために値上げをすると。きょうは事務方は来ていないと思いますが、その答弁でよろしいんですね。
○塩川国務大臣 禁煙を奨励することもあってと。あってということが書いてあると思います。
○佐藤(観)委員 私は確認のために、私も三十年議員をやっておって、理事の時代のときに三度たばこの値上げがありました。きょうは、一緒にいるのは、いたのは中村正三郎先生ぐらいかと思いますけれども、ありましたときに、そんな話は初めて聞いた。初めて聞いたですよ。 確かに、副次的に、値上げをすれば、値上げになるからやめておこうという方もいらっしゃるだろうけれども、今大臣が言われたように、私はこれはビデオを撮って聞いてきたんです。現在世界的に禁煙運動が盛んになっているので、禁煙の奨励のためにたばこ税を負担していただく、あわせて、財源にしようとするものでありますと。 どんどんみんな禁煙していったらどうなるんですか、これは。たばこの禁煙のためにたばこ税を値上げするんだったら、奨励に沿って、たばこをみんな吸わなくなったらどうなるんですか。 こんな理由というのは初めて聞いた。どうですか。
○塩川国務大臣 しかし、世界的にたばこを吸えという運動はありませんし、今はやはり禁煙の運動の方が私は世界的な趨勢であると思っております。
○佐藤(観)委員 世界的に確かに禁煙運動、嫌煙運動、分煙運動というのが進んでいることは、私も十二分に知っております。それは、今、たばこはいろいろな意味で害がありますよということで、たばこ、大臣は吸わないのかな、私も吸わないから持っていないんですが、吸い過ぎには注意をしましょうというのは、当時の社会党があの箱に書かせたんです。嫌がった専売公社を押して、社会党が書かせたのであります。 ですから、そのこと自体は否定しませんが、禁煙を奨励するためにたばこを値上げする、大臣の論理でいきますと、ロジック的に、どんどんと禁煙をみんなしていったらたばこ税なんか一銭も入らないじゃないですか。ですから、それでいいんですかということを聞いているんです。
○塩川国務大臣 たばこを吸わない人がふえていけば結構なことだと私は思います。
○佐藤(観)委員 きょう、事務方はいないから、呼びませんし、必要ないと思いますけれども、副大臣でも政務官でも、ざっとたばこ税というのは幾らありますか。
○小坂委員長 答弁願います。
○塩川国務大臣 正確な数字を用意しておりませんで、失礼いたしました。 私の感覚では、国と地方と合わせて一兆七、八千億じゃなかったかなと思っております。
○佐藤(観)委員 塩川大臣の答弁によりますと、国だけでは、ざっと八千億の大きな税収ですよ。八千億の、国だけでは。 そうしますと、これは、塩川大臣の言うように、禁煙の奨励のために値上げするんだ。みんながどんどん、禁煙の奨励のために値上げして、吸わなくなったら、その分だけ税収欠陥でしょう。 禁煙の奨励のために値上げをするという答弁には、今、皆さん、自民党の方も含めて納得できない。こんな話は私は初めて聞きました。訂正してください。
○塩川国務大臣 私の言っているのは正論ですから、訂正する必要はないと思います。だって、佐藤さん、見てごらんなさい。どんどん値上げしてきたけれども、たばこの税収総額というのはそんなに落ちていませんよ。つまり、吸う人は吸うんです。
○佐藤(観)委員 それなら、逆に禁煙の奨励にならないじゃないですか。たばこの税収が確かに若干減っていますが、論理矛盾ですよ、そんなことは。 財源が足りないことは私もわかっておる。わかっているし、禁煙運動が世界的に嫌煙なり分煙なりということで進んでいることはわかっているけれども、きょうの答弁の中で、禁煙の奨励のためにたばこ税を値上げするんだ、こんなことでは、この財源がないときに、こんな答弁で私は納得できない。
○谷口副大臣 今佐藤先生がおっしゃったことでございますが、確かに税の議論ではシンタックスというような考え方もあるわけで、そういう観点もありますが、まさにおっしゃるように、現下の財政状況が逼迫しておりますので、そのような厳しい財政状況を勘案しつつ、今回たばこ税を引き上げさせていただいたわけでございます。
○佐藤(観)委員 いや、素直にそういうふうに山花委員に本会議で答えれば、別に私は、わずか三十分しかないのにこんなことを言うことはない。大臣が禁煙の奨励のために値上げをするんだと言うから、これは、私も、三度値上げをやって、強行採決されたこともありましたけれども、その者といたしましては、禁煙のために奨励するという答弁をそのまま聞いていくわけにいかないから、訂正してください、本会議の議事録も訂正してください、こう申しているんです。
○塩川国務大臣 禁煙奨励も込めてと私は言っています。だから、込めてたばこ税を上げさせてもらいましたと言っています。
○佐藤(観)委員 僕は、性格上、余り言葉の端々をつかむことはやめたいんですが、あなたはそう言っていないんです。奨励のためにだけ言っているんです。だから、私が遠くからやじったのが聞こえたでしょう。そんなばかな話ありませんよ。 確かに世界的にはそのようになって、禁煙なり分煙なり、そういう時代になっているけれども、たばこの値上げの理由じゃないでしょう、それは。やはり財源がないから大衆からいただこうという、このことをはっきり真正面から言わなければ財政の論議にならないじゃないですか。皆さん、違いますか。こういう答弁では私は納得できない。
○谷口副大臣 先ほど佐藤先生に申し上げさせていただいたように、税の議論の中で、シンタックス、罪の課税というのが現にあるわけでございます。そういう観点で、たばこ、酒というのはこのシンタックスの議論があるのは間違いのない話でございますが、今回のたばこ税の引き上げには、現下の厳しい財政状況の中でこの引き上げをさせていただいたわけでございます。
○佐藤(観)委員 今までもそういう考えをとっていたんですか、シンタックスというのは。酒はシンタックスじゃないんですか。単なる酒の種類の間の差を縮めるということのためにというふうに大臣は言われたが、酒はシンタックスじゃないんですか。そんなころころその場限りのことを言ったらだめだって。
○谷口副大臣 私が申し上げたのは、税の議論をする場合にそういう考え方もあるということを申し上げたわけでございまして、先ほども申し上げたように、現下の大変厳しい状況の中で今回たばこ税の引き上げをさせていただいたわけでございます。
○佐藤(観)委員 答弁なさったのは塩川大臣でございます。これは大変巨額な税源であります。確かに禁煙なりシンタックス的な意味はあるけれども、値上げのそれは理由じゃないでしょう。我々だって、みんな財源が足りないということはわかっているわけで、ただし、大衆に課税をすることがいいか悪いか、このほかやることがいろいろあるんじゃないかということを申し上げているのであって、答弁なさったのは塩川大臣ですから、本会議の答弁も違っているなら変えてきてください。
○塩川国務大臣 私は、本会議で言ったことをそのまま申し上げたと思っております。
○小坂委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○小坂委員長 速記を起こしてください。 谷口財務副大臣。
○谷口副大臣 厳しい財政状況の中で上げさせていただいたわけでございますが、結果としてそういう大臣のおっしゃる効果もあるわけで、我々のところはそういう意味では違いがないということでございます。(発言する者あり)
○佐藤(観)委員 何を言っているんだ。最も基本的なことであって、私は議事録を云々と言われるだろうからと思ってちゃんとビデオを何度も聞いて、こういう論理というのは、私も長いこといて初めて聞いた。側面的にはありますよ、それは。ありますけれども、嫌煙を奨励するために値上げをするというような、結果的に財源になるというような理由を本会議で述べられていて、いまだに同じようなことを言われておるようなことでは、これは私は納得ができない。 また、シンタックスなんという話が出てきて、ついでに聞いておきますが、酒はシンタックスじゃないんですか。
○谷口副大臣 私が申し上げたのは、税の議論の中でそういう考え方があると言ったわけでございまして、そういう意味では、お酒、またたばこもそういうことなんですが、税制議論の中で今回たばこを値上げさせていただくということになったわけでございます。
○佐藤(観)委員 よくわかりませんね。よくわからない。今、一言で答えてください。酒は、値上げをしたのはシンタックスなんですか。
○塩川国務大臣 それは、酒類間の調整をして均衡をとったということであります。
○佐藤(観)委員 そうすると、酒は飲むことを別に奨励しているわけじゃないんですね。たばこのように、禁煙を奨励するために値上げするというんだけれども、酒というのは別に悪いものじゃない、酒類間の調整のためにするのであって、シンタックスじゃないんだ、こういうことですね。整理をさせてもらわないといかぬ、それは。
○塩川国務大臣 酒と健康の話は私はあの席ではしておりませんので、別に、お酒が健康にいい悪い、そういう御判断をしておりません。
○佐藤(観)委員 いずれにしろ、たばこ税にしろ酒税にしろ、また議論する場がありますから、また同僚議員がいろいろとやってくださると思いますので、とりあえずそういうことにしておきます。 そこで、国民みんなが心配しているのは、一つは、デフレ不況を、小泉不況というのは一体いつ脱出できるんだろうかということ、それから、先々何も借金が減る見通しがない中でこんなに借金してどうなるんだろうか、子供たちにどれだけの莫大なる債務を残していくんだろうかと、みんな心配しているわけですね。そういう中で、一体、今度の平成十五年の予算というのは、何らか前進するようなそういうものがあるんだろうかということの観点から、私は質問をしたいのであります。 そこで、塩川大臣、自民党の中には改革派とそれから抵抗勢力というのがあるそうでございますけれども、塩川大臣は、もちろん改革派の財務大臣ですよね。
○塩川国務大臣 私は、改革派でございます。
○佐藤(観)委員 そこで、聞きたいのでありますけれども、道路特定財源の問題でございます。 これは、財源としては何ら改革がされていない。それどころか、去年は、自動車重量税のうちの二千二百四十七億というのは一般財源化していたわけですね。しかし、それも取り上げられて、道路特定財源としては何にもなされていない。これが目玉の一つだったんじゃないんですか。道路特定財源を改革する、いつまでも道路ばかりつくっていたんでは借金が膨大になるという、これが改革派の目玉だったんじゃないですか。何ら改革されていない。 強いて言えば、使途多様化対策ということで、地下鉄整備、電柱の地中化、住宅関連公共事業、土地区画整理事業、その他というのがありますけれども、わずかに三百七十億ぐらいであります。 私も自治大臣をやったときにも、地下鉄というのはお金がかかって大変なんで、これはまことにそういう意味ではありがたいことですが、揮発油税、自動車重量税を払っている人が地下鉄の補助を出すというのは、これが税の理論として成り立つんですかね。やっていることはいいことですよ。だけれども、特定財源の中から出すことなんでしょうかね。電柱の地中化、これも私も大賛成です。景気が悪いときに、電力会社に言って、電柱の地中化というのを大都市、都市再生のためにやりました。しかし、今電力会社の景気が悪いものですからとまっておりますけれども、これも大賛成であります。 しかし、税として、道路特定財源を一般財源化しようというのが改革派の大きな目玉だったはずであります。しかし、それは全くと言っていいほどできていませんね。できていません。せめて使途のところを拡大した、しかし、もとのところの特定財源というのは何ら改革されていない。自民党をぶっ倒すと言って、道路特定財源、いわば目玉の一つだったわけであります。何もなされていない。これはどういうことでしょうか。
○塩川国務大臣 私は、極端な議論はしたくございませんけれども、特定財源として長い、三十数年やってまいりましたこの税を、これを一挙に根本的に廃止して新しくするということは非常に難しいことでもございます。 ましてや、ガソリン税につきましては、本則は、昭和三十三年に法律をつくりましたときに明確に規定されておりますが、その後、暫定税率を上乗せいたしました。暫定税率を上乗せするときにも、道路に関連したものに利用し得るように一部訂正いたしたのでございます。 今回、道路特定財源全体を一般財源にも活用し得るようにしようということでございますけれども、しかし、一般財源といいましても、その中身が、この財源でもって社会保障の費用に充てるとか、あるいは教育に充てるということは、これは実は納税者の立場からいいまして非常に意義のあることでもあろうと思います。したがって、このガソリン税等を中心とした特定財源は、道路並びに道路から起こってくるところのいろいろな派生した関連事業、これの財源に充てようということにいたしました。その趣旨を今回の法律改正で出したのであります。 申し上げますと、昭和三十三年法律第三十四号におきまして道路財源というものが規定されておりまして、それを読んだら非常に長いので、佐藤先生、もう十分この中身は知っておられるから、これをどう変えたかということを申し上げます。 今度、法律を変えまして、第二条で「この法律において「道路整備費」とは、高速自動車国道及び一般国道並びに政令で定める都道府県道その他の道路の新設、改築、維持及び修繕に関する事業」、ここが大事でございまして「これに密接に関連する環境対策事業その他の政令で定める事業を含む。」この政令で定める事業の中には、いわゆる道路環境の整備に関するもの、例えば地下鉄の問題であるとか、あるいは駅前整備であるとか、そういうものも関連に含めまして、関連事業としておりますが、それに関する整備に要する費用、これを道路整備費とするというふうに改正したということでございます。 以上であります。
○佐藤(観)委員 結局、いろいろ言われましたけれども、最後に言われた部分は、道路特定財源というのは約二兆八千億ですね。そのうちの、その他のところに向けられるというのはわずか三百億ちょっとですよ。しかも、大臣が前半で言われたことというのは、結局、何も改革されていないということを言ったにすぎないのであって、前からずっとあることは私も知っております。自動車重量税を私自身も審議した一人でありますから、過去の経過はずっと知っています。 結局、結論的には何もされていない。強いて言えば、使途を他に持っていかれる三百億ちょっとをやっているだけの話であって、改革をする、自民党を壊すとまで言った改革派の目玉の道路特定財源というのは何もされていないんですよ。 今いみじくも大臣が言われますように、我々が期待をしたのは、その道路特定財源を、いつまでも道路、道路だけではないではないか。道路ももちろん必要です。必要でありますが、いつまでもこのまま道路、道路でやっていたら、福祉がおくれるわ、教育の部門がおくれるわということであります。 もう時間がなくなってしまったのであれでございますけれども、大臣がつまらぬことを言うものですから時間をとってしまって、さて、もう何分しかないんですが、しようがない。 最後に、ちょっとデノミの話を聞いておきたいんです、これはどちらが担当なのかわかりませんけれども。 これは古くて新しい問題ですね。円を国際通貨にするためにとか、あるいは、EUが統合したときに、その当時は日本とイタリア等が三けたになっていたので、円も千分の一にデノミしたらどうかという反面、これは昔の大蔵委員会の中でも随分いろいろ議論がありました。ただし、そのときはインフレのときですから、物価上昇が必ず伴うであろうということで、その方にはいきませんでした。しかし今、物価上昇の問題は心配することはないでしょう。 しかし一方では、これは、今一番弱っております銀行がいろいろな機械を変えなきゃいかぬ、あるいは、いろいろ関連するところがいろいろなことを変えていかなきゃいかぬ。一方、産業に対します創出効果といいましょうか、例えば紙だとかインキだとか、そういう効果が出てくるじゃないかということで、これもはじいてみて四兆円台ではないかということを言う人もいます。 私は、どちらかというと、銀行への負担ということを、別に銀行の味方じゃなくて、いろいろ銀行は今日まで竹中さんとやってきたところですが、これ以上銀行というものに費用がかかってくるということはどうかなと思っているので、どちらかというと否定派なんでありますけれども、もう時間がありませんから、最後にお二人の御意見を聞いて、そして、それは小泉内閣が続いている限りの答えなのかどうか、それも含めて答えていただきまして、本質のところは全然できずにきょうは終わりましたので、また次の機会をもらうことを申し述べて、お二人の御意見をお伺いしたいと思います。
○塩川国務大臣 デノミについてのお尋ねですが、私も、実際は、以前、デノミをやったらなと思うて何遍も機会をうかがっておったことはあります。 しかしながら、じっと見ていまして、コンピューターが進んでまいりましたので、計算は割としやすくなってきたなということが一つあることと、それから円の国際的信用といいましょうか、円のなじみというものが国際的に案外深く浸透し、また、これを中心とした通貨の流通というものも考えられます。したがって、やはりいましばらく円で通すべきであると私は思っております。 それでは、円を百分の一なり二百分の一何のかのと切り下げていったらどうだろうということでございますけれども、今、為替相場等いろいろ見ました場合、そういう必要がないのではないか。かえってそのことが為替相場に変動を起こして、激動を起こすようなことが起こっては困る。私は、やはり為替問題は安定した推移の中で移行させていくべきだと思っております。 さらに費用についてでございますが、デノミを実施するとしたならば、コンピューターの操作並びに単位の改正、あるいはまた、登記所あるいはいろいろなところの公的処理等を見まして、膨大な費用がかかるのではないか。この費用が景気対策に結びつけばそれなりの理由もつくであろうと思いますけれども、私は、直ちにこれが経済の効果よりも、むしろ企業にとりましては大きい支出になるのではないかということを思っております。 結論として申しまして、私としては、デノミの考えをとることは、今することはいたさないということであります。
○竹中国務大臣 デノミに対する基本的な姿勢、塩川大臣のおっしゃったとおりだと思っております。個人的にはいろいろな意見はございますが、例えば諮問会議の中ででありますとか閣内ででありますとか、このようなことを議論等したことはございません。したがいまして、政府として、何か今の段階で予見を持っているわけではないと思っております。 とりわけ、佐藤委員が御指摘になった費用負担に関しては、これはやはり、お金を直接扱う銀行部門に対する負担が大きいということは承知しておりまして、この点は考えなければいけない重要な問題であるというふうに思っております。
○佐藤(観)委員 本論ができなくてまことに残念でございますけれども、終わります。
○小坂委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。 私、今の佐藤委員の質問をお聞きしていまして、これは私も予定していなかったんですけれども、国会で審議するときの、これから法案をいろいろ審議していくときの前提になるのは、私は、やはり政府一体の原則というものはきちっと踏まえられないと、大臣の言っておることと副大臣の言っておることが、さっきの答弁を聞いていますと明白に違うんですね。 だから、本来、副大臣が大臣を越えてというわけにはいかないわけですから、確認だけ一言しておきたいのですが、谷口副大臣は塩川大臣答弁を否定するわけではないと思うんですが、その同じ立場ですね。そこだけ確認しておきます。
○谷口副大臣 もちろん、そうでございます。大臣のおっしゃっていることを否定するわけではありません。
○吉井委員 では、そのことだけ確認しておきまして、あとの問題については、今後、重大な内容もあると思いますから、これは理事会で協議を進めていただきたいというふうに、これは委員長にお願いしておきます。
○小坂委員長 理事会で検討いたします。
○吉井委員 私、不良債権処理の問題について、それにかかわってさまざまな分野にいろいろな問題が出てきておりますから、きょうは、現場で起こっている現象面での問題も含めて伺っておきたいと思うんです。 全国銀行の九月期決算について、まず聞きます。 業況悪化、つまり景気悪化による不良債権が五兆八千億円ふえていますが、問題なのは、健全だった債権が業況悪化によって不良債権に転落する事態が大規模に進行しているという問題です。これが二兆円ありますね。昨年三月期は、業況悪化による不良債権の増加が七兆九千億円あったものの、すべて要管理債権が危険債権へ下方修正されたものでした。 正常先で、業況悪化という理由でもってこれほど債権が悪化したというのは初めてではないかと思うんですが、これをまず竹中大臣に伺っておきたいと思います。
○竹中国務大臣 不良債権の中で、どのような形で不良債権がふえてきたか、どれぐらいオフバランス化されているかということの把握は、我々も大事だというふうに思っております。 御指摘の点は、債務者の業況悪化によって要管理債権の中で二兆円ふえているということでありますけれども、これが大きいか小さいかということを、ちょっと今すぐ正確な数字は出ないのでありますが、例えば十四年三月期に関して言いますと、これは破綻懸念先以下でありますけれども、債務者の業況悪化等によって七・九兆円ふえているということ等でありますので、むしろ、この十四年九月期の数字が大きいかどうかということに関しては、債務者の業況悪化、破綻懸念先以下に関しては、七・九兆円と十四年三月期になっていたものが今回三・八兆円ということでありますので、それをもって、過去にないほど、以前に比べて大きいかどうかというのは、必ずしも判断できないのではないかというふうに思います。
○吉井委員 私が伺ったのと全然、よくお聞きいただけていないようですが、昨年三月期、業況悪化による不良債権の増加が七兆九千億円、これは、今大臣おっしゃったとおりなんですよ。これはすべて要管理債権が危険債権へ下方修正されたんですね。しかし、今回の二兆円は、正常先であったものが、業況悪化を理由に、二兆円、債権が悪化したわけですね。こういうことは初めてのことではないかということを伺っているんです。非常に簡単な話なんです。
○竹中国務大臣 御指摘は、要管理債権に新たに業況悪化でなったものが二兆円である、今回二・〇兆円である、これが前回に比べて大きいかということでありますが、そのまま完全に比較できる資料は持っておりませんが、特に急激に拡大したというようなものではないというふうに思っております。
○吉井委員 意味をよくつかんでいただけていないようなんですが、正常先であったものが、業況悪化を理由に、二兆円新たに不良債権に転落していったものがあるわけですね。これほど債権が、正常なものであったのが悪化したのは初めてのことじゃないかということを聞いているんです。
○竹中国務大臣 ここに挙げている二兆円というのは、債務者の業況悪化等によって要管理債権になったものでありますから、正常もあれば、その他、注意先もあるし、それらの合計が二兆円という意味でございます。 お尋ねの、こんなふうに急にふえたのは初めてではないかということに関しては、過去に比べて必ずしも今回が非常に大きいというふうには認識しておりません。
○吉井委員 過去に比べての話とか、そういうややこしいことを言わぬでも、こんなことは初めてのことなんですよ。 さらに、業況悪化を理由に要管理から危険債権に落ちた債権が三兆八千億円ですから、合わせると五兆八千億円新規発生があるわけですね。 そこで、竹中さんに改めて伺うんですが、事実の問題として、不良債権の新規発生には全く歯どめがかかっていないということがまず言えると思うんです。
○竹中国務大臣 ちょっと今、比較できる数字が、いわゆる破綻懸念先以下のものでありますが、御指摘のように、今回、業況悪化でふえたものが十四年九月期で三・八兆円ございます。十三年九月期の同じような数字が手元にございますが、十三年九月期に関してはこれは五・二兆円であった。これが今回、十四年九月期は三・八兆円になる。金額そのものは大きいというふうに認識しておりますが、むしろ、金額そのものは減っているというのが現状でございます。 ただ、ちなみに、破綻懸念先以下に債務者の業況悪化でなったものに関しては、必ずしも要管理債権からなったものだけではなくて、もっと、正常先から急になったものとか、いろいろなものが含まれてこの数字であるということでございます。
○吉井委員 去年もおととしの数字も皆、私も見ているんです。 それで、要するに、今、景気が悪いですから業況がどんどん悪化していくのは当たり前なんですね。その中で、今回のように、正常なものであったのが悪くなったのもあれば、要管理から危険債権に落ちたものももちろんあるわけですよ。これは、去年の方は正常からというのはないんですけれども、あるわけですよね。 だから、いいですか、大臣、事実の問題として、不良債権の新規発生には歯どめがかかっていない、これは、あなたがこの表を見ても私が見ても同じことだと思うんですが、そこを聞いているんですよ。
○竹中国務大臣 まず、去年は正常先から落ちたのはないということでは必ずしもございません。これは、去年もことしも数字は同じでございます。 新規に不良債権は確かに発生をしております。その意味では、どこの国でもどこの経済社会においても、不良債権というのは常に発生していくものである、ある程度。問題は、それがどの程度大きいか、さらに、それは増加しているのか減少しているのか、そういう点だと思います。 我々は、この三・八兆円という数字は引き続き大きいと思っておりますが、先ほども申し上げましたように、十三年九月期の五・二兆円からは減少している、それが現実であろうかと思います。
○吉井委員 二兆円も発生したのはないから、去年のにはないんです。細かい、端数になってくるぐらいのはあるでしょう。私もそれを否定しているわけじゃないんだけれども。 それで、一九九七年の末から〇二年九月末までの間に国内銀行の中小企業向け貸し出しが六十兆四千六十三億円減少したんですが、小泉内閣になる寸前の〇一年三月末と〇二年九月末までの間で三十四兆一千五百三十億円貸出残高が減っているんですよ。つまり、過去五年間で中小企業向けの貸し出しが減った分の中で、六割が集中しているのが小泉内閣誕生後のことであります。ここには、やはり不良債権早期最終処理とか加速策とかいって、どんどん銀行の方が貸し出し減少に進んでいったということ。 この点では、同じような問題というのは、不良債権処理と言われて、貸し出しがどんどん減っていくことについて、これは昨年の八月の二十二日の日経新聞でも、業務改善命令を受けるからマイナス計画を組ませてくれという幹部の発言などを以前も紹介したことがありますが、それぐらい、現場では貸しはがしとか貸し出しの減少がどんどん進んでおります。 同時に、それはまた、手形取引が大規模に縮小するという問題にも今つながってきております。これは実は、倒産にあらわれない、隠れ倒産と言われる問題にもつながってくるんですね。手形取引が縮小するものですから、手形取引ができなくて倒産に至るものと、手形取引ができないので現金取引に行く、しかし現金の調達がうまくいかないので取引ができなくなって廃業に進んでいっているもの、こういう問題なども出てきている。 私は、小泉内閣になって、不良債権処理、早期最終処理だとか加速だとか言ってきている中でさまざまな金融のゆがみが生まれてきている、そのことをやはり直視しなければいけないと思うわけです。 そうしたゆがみの中で、私、さまざまなゆがみが出てきている中の一つ、金利引き上げマニュアルの問題を前回も取り上げました。そのマニュアルの中では、顧客の方から、約束と違うじゃないかということで、金融機関に対して金利引き上げについてクレームがついたときには、ああ言って説得しなさい、こう言って説得しなさいというQアンドAまでつくっているということで、実は、公正取引委員会から優越的地位の乱用に当たると指導されたので、言葉は丁寧にして、結局、金利引き上げの主張は貫徹せよというのがマニュアルの実態だということも御紹介しました。 私、きょう、ここで公正取引委員会の方にちょっと伺っておきたいんですが、金融庁の方は銀行に、収益力の向上を図れということを今盛んに指導するわけですね。これに対して銀行はどういう対応に出てきているか。収益力向上を図れと言われるものですから、例えば東京三菱は、二月十七日から、円と円の、銭の交換、百円玉を一円玉百個と交換すると交換手数料を二百円取るというんですね。百円の交換で二百円の手数料が取られる。三井住友もこれを検討中だというんですね。 それから、今銀行の方は、ATMについても、夜間、土曜日など休日の手数料の引き上げなどを一方的に行うということが進んでいて、UFJでは、土曜日に、既に十二月から百五円取るというふうになっております。東京三菱は二月十五日からですから、あしたからですか。それから、三井住友は三月に入ってからですね。みずほも〇三年度中にやるという話です。 今、庶民は銀行と個別交渉できないんですよ。だけれども、その庶民に対しては、利用者には、例えば年間百万円預けても百円の利息になるかならないかぐらいですね。まあ、ならないでしょう。一万円引き出して百五円の手数料を取られるんですよ。一方的にそういう値上げをやってくることについて、大手都銀が横並びで一斉にやるわけですね。これは、預金者との関係でいうたら、手数料についても本来一対一の契約関係になるのが普通なんですが、しかし、これは一方通行の、優越的地位の乱用に相当するものなんですが、横並びでやればまたカルテルという問題も起きてきますね。 公正取引委員会はこの問題についてどういう取り組みをしておられるか、伺っておきたいと思います。
○上杉政府参考人 お答えいたします。 優越的地位の乱用の点につきましては、公正取引委員会が平成十三年に行った調査の結果に基づきまして、どういう場合が優越的地位の乱用に当たるか、銀行と融資先との関係において、そういうのを明らかにしておりますので、そういう問題があれば厳正に対応したいということでございます。 それから、もう一点のATMの利用手数料の問題でございますが、もちろん、独占禁止法上は、単にその手数料が追随して引き上げられたというような事実のみで問題があるというふうには言えないわけでございますけれども、本件は、低金利時代であるために、その手数料の水準というものに対して国民の関心が非常に高いということもございまして、当委員会では、現在、各行のATM利用手数料の状況についての事実関係の把握に努めているところでございまして、事実関係の把握をいたしまして、独占禁止法に照らして問題となるようなことがないかどうか、検討してまいりたいと考えております。
○吉井委員 竹中大臣の方の、要するに金融庁の方は、銀行に、収益力の向上を図れと今一生懸命やってはるわけですよ。それから、不良債権処理も言って、体質強化だ何だ、こうやっているわけですが、しかし、その銀行が現場でやっていることといったら、これは、ちょっと百円の話は極端ですけれども、しかし、交換手数料二百円ということは、百円を一円玉百個とかえたら二百円取られるということなんですから。それから、百万円預金して一年間で百円にもならない利息をもらうのが、たまたま土曜日にATMで一万円引き出そうと思ったら、百五円取られる。これは、だれが考えても余りにもひどいやり方を銀行が一方的にやるわけですね。 しかし、銀行には銀行の言い分はあるんですよ。今、竹中さんの方から収益力向上を図れと言われているということなんです。 ですから、こういう問題について、大臣として、銀行にどのような指導をなさるのか、伺っておきたいと思います。
○竹中国務大臣 これは、銀行に関してはしっかり収益力をつけていただかないと、逆に貸付先や預金者に長期的には迷惑を及ぼすわけでありますから、そこはやはりガバナンスを発揮していただいて、収益力をしっかりつけていただくということは、我々としては当然期待するわけでございます。 それに当たって、各行は、当然のことながら、競争の中で創意工夫をしてほしいというふうに我々は考えるわけです。手数料横並びとおっしゃいましたが、当然のことながら、健全な競争によって、手数料を取るところもあれば取らないところもある。金利についても、高くするところも低くするところもある。 そういうのが出てくるのが本来の競争でありますので、我々としては、監督の立場からは、その競争が促進されるように、あくまでも判断は各行の経営判断にゆだねながらも、しっかりと競争できるような環境をやはりつくっていくということに徹すべきであろうというふうに思っております。 手数料については、これはよく見てみますと、同じところも確かにございますし、一部違っているところもございます。都銀と地銀で、よく見るといろいろ違っているようなところもございますので、こういうのが、しかし、もっとはっきりと出てくるような競争的な条件になりますように、我々としても、引き続きしっかりとその枠組みをつくって、監督をしていきたいというふうに思っております。
○吉井委員 これは、私は、また改めて理事会でも皆さんと御相談して、銀行協会を初めとする関係者の方にも、昨年の委員会でも各銀行の頭取にも来てもらって議論していますが、やはりそういうことも含めてちゃんとやっていかなきゃいかぬと思うんですよ。 大臣は、収益力向上を図る話を今もまた繰り返しされたんですが、しかし、銀行にどういう指導をするのかと聞いたら、これは何も答えがないんですね。 不良債権処理を加速するということに対して、銀行の方は、それをどんどんやれと言うんだったら、もう業務改善命令出してくれていいから、貸しはがしをすると言っているんですよ。創意工夫の結果が、独禁法違反を承知で、手数料の一斉値上げを庶民に押しつけてくる。だから、金利の引き上げは要求するわ、貸しはがしはやるわ、手数料の引き上げはやるわ、カルテルはやるわと、本当にむちゃくちゃなんですよ。 しかし、これは、銀行は悪いけれども、そこへ追い込んでいる竹中大臣のやり方はもっとえげつないんじゃないですか。私は、それが一番問題だと思うんですよ。聞かれたら、創意工夫だとかなんとか言いながら、結局何もやらない。 私は、別な角度から見たいと思うんですが、銀行の貸し渋り、貸しはがしの裏で、今、長期不況に苦しむ中小企業者が、いわゆるサラ金さらにはやみ金へ追い詰められていって、一層苦しめられるという多重債務の状態に落ち込んで、社会問題となっております。 スポーツ新聞などにチケット金融という広告がでかでかと出ております。あるいは、家具リース金融というのもあるんです。新しい手法をやみ金業者は次々生み出すわけですが、昨年十月に、滋賀県の方で横行しているチケット金融の事例を示して、私は、実は、滋賀県の皆さんと一緒に金融庁にも具体的に改善を申し入れに行ったことがあります。 ここで警察庁の方に伺っておきますが、やみ金融業者のチケット金融など新たな手口と、やみ金被害の実態、そしてやみ金に対する昨年一年間の摘発件数と最近の取り組みについて聞かせていただきたいと思います。
○瀬川政府参考人 いわゆるやみ金融でありますが、今御質問にありましたチケット金融、チケットの売買を仮装したような形での手口でございますとか、また、携帯電話を連絡手段とする、いわゆる〇九〇金融でありますとか、あるいは、複数のやみ金融業者が連携をして一人の債務者をいわばたらい回しにして高金利貸し付けを次々と続けていくという、いわゆるシステム金融でございますとか、いろいろな手口があるところでございます。 最近、この被害は、一般市民の方あるいは事業者の方に大変拡大をしているところでありまして、一般市民の方に対しては三万から五万円の少額貸し付け、それから事業者に対しては一千万以上を貸し付けるというような例もあるところでありまして、金利について見ますと、数百%から数千%という、出資法の法定上限金利を大きく超えるというような状況にございます。 取り締まりの状況でございますが、平成十四年中、警察におきましては、二百三十八事件、四百四十六人を検挙しております。この二百三十八事件という検挙事件数は、私どもが統計をとり始めました平成二年以降で最多の事件数ということになっております。 また、その被害状況を見てみますと、警察が検挙しました事件にかかわるものだけでも、貸付人員等は約十二万人、貸付総額は約百六十億円という状況になっております。 今後とも引き続き、強力な取り締まりと、関係機関と連携した被害防止のための活動を推進してまいりたいと考えているところでございます。
○吉井委員 実は、この貸金業者登録の最近の傾向を見ると、全国的には減っていっているんですが、東京はふえているんですね。その理由というのは、トイチといっているのは、十日の一割じゃなくて、東京都の都と一ですね、それで何号という。つまり、登録番号を入れた看板を掲げると信用されやすいということで、東京で登録しようと。四万三千円という安い登録料で簡単に番号を取れるものですから、やるわけですね。ですから、東京は今ふえているんですね。 登録業者の半数以上が、実際には法外な金利で貸し付けるやみ金融を兼業しているんですよ。登録業者だから登録の範囲内かと思ったら、そうじゃないんですね。 やみ金融を根絶するためには、登録業者であれ、あるいは登録業者でなくても、徹底的に取り締まるという仕組みはもちろん必要なんですが、これは竹中大臣に伺っておきたいんですが、まず、現行の登録制を免許制に改めて、許可なしには営業を認めないということ。それから、違法なやみ金業者には厳罰を科するということ等、そういう厳しい立法措置をとることですね。それからもう一つは、やはり出資法違反の高利の貸し金契約は全部無効だと、これは当たり前の話なんですが。それから、元本の返還請求権も存在しないということ。やはり、これぐらいのことは、国会で大臣としてきちっとしてその意思を明らかにされるとともに、立法措置は時間がかかりますから、その方向で取り組んでいくということをやっていただかないと、これだけ深刻になっていて、本当にたくさんの多重債務等の被害者が出ている中で、国民が救われませんから、悪徳業者を締め出す、この措置をまずとるべきだと思います。 大臣の答弁を求めます。
○竹中国務大臣 登録制の強化の話でありますけれども、これはいろいろな議論があるところであろうかと思います。 貸金業者への参入要件を厳しくせよという吉井委員の御指摘ではあるわけですが、これについては、悪質な登録業者の減少に資するというよい面と、その反面、現行法において監督当局の権限の及ばない無登録業者の増大を招く、つまり、参入の壁を高くすることによって、むしろ法律の外でやる、無登録の、まさにやみをふやすというような指摘もございます。ここは、したがって、トータルで判断をしていかなければいけないのかな、その意味ではやはり慎重な対応が必要なのではないのかなというふうに思っております。 罰則の強化の話でありますけれども、一般論で言いますと、各種犯罪における刑罰は、その他の罪の刑との均衡、背景となる社会情勢等々ありますので、そのような形でやはり現状は決められているというふうに思っております。 出資法以上の金利について、出資法以上とおっしゃったのか、貸金業規制法ではなくて出資法以上……(吉井委員「出資法違反の高金利がある」と呼ぶ)これはまさに刑法に触れるわけでございますから、法令違反でありますから、今の出資法に基づいて、法令にのっとって、これはやはり対応を厳しくされるべきものであるというふうに思います。
○吉井委員 もともと、出資法違反の高利の貸し金契約そのものは全部無効なんですからね。だから、無効だということをきっちり徹底される。元本の返還請求権も、そんな無法なことは存在しないんだということをやはり大臣としてはっきり言っておかれる方が大事だと思います。どうぞ。
○竹中国務大臣 利息の最高限度、その超過分については無効であるということが法律で定められているというふうに思っております。
○吉井委員 違法な契約をすること自体が無効なんですよ。そのことをきっちり大臣が貫かない限り、こんなやみ金業者を、悪徳業者を徹底的に締め出すことはできませんよ。 さっき、余り参入を厳しくするとやみをふやすという話ですが、そうじゃないんです。やみはやみで徹底的に取り締まるべきなんですよ。法外でやっているのがやみなんですから、やみは徹底的に取り締まらなきゃいけないんですよ。同時に、登録制を免許制に改めるなど、やはりきちっと厳しく、そんな不法なことはできないようにするという仕組みを法律としてやるべきであります。 同時に、私は、やはり出資法の上限金利を引き下げるべきだと思うんです。 昨年、私の質問に柳澤大臣は、ちょうどことしが三年後見直しの時期なんですね。柳澤大臣は、改正の機会が法定されておりますので、その機会にしっかり検討して、見直すべきは見直さないかぬと答弁しているんです。きちんと分析して問題の解決に当たりたい、問題を解決しなきゃならぬということは、議員と同じラインに立っていますと、柳澤さんは私と同感だということを言われました。 三年後見直しの時期となることし、出資法の上限金利を、少なくとも利息制限法並みの一五から二〇%に引き下げる措置をとるべきだと思います。私は、もちろん、利息制限法の金利自体高過ぎますから、武富士なんかにしても、二%の調達金利でもって二四%から二六%で貸し付けてぼろもうけしているわけですから、だから、こういう利息制限法の金利自体ももっと引き下げる、そしてグレーゾーンと言われるものをなくす、そのことについて本当に真剣な取り組みをするべきだと思います。 最後に、このことを竹中大臣に伺いたいと思います。
○竹中国務大臣 委員御指摘のように、平成十二年六月に施行されました貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律では、附則の第八条で、出資法の上限金利について、この法律の施行後三年を経過した場合において必要な見直しを行うというふうに定められております。 柳澤大臣の御発言について引用がございましたけれども、私としては、この点につきましては、少しいろいろなことを、情報収集を踏まえて勉強させていただきたいというふうに思っているところでございます。平成十五年六月以降の上限金利見直しの議論に向けまして、経済金融情勢、貸金業者の実態等、議論の前提となる実情の把握にしっかりと私としてはまず努めていきたいというふうに思っております。
○吉井委員 もう時間が参りましたから終わりますけれども、私は、金融行政というのは、本当に、大手のところから現場で苦しんでいる人たち全体を見通して、どこに視点を当てて進めるかということが物すごく大事だと思うんですよ。あなたの話を聞いておったら、全然血が通っていないよ。本当に、そんな金融行政をやられたんじゃ、中小業者はもとより、庶民はたまったものじゃない。私は、こんなやみ金規制ぐらいはもっと真剣にやってもらわなきゃならぬということを申し上げて、時間が参りましたので、質問を終わります。
○小坂委員長 次に、植田至紀君。
○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。遅くまでお疲れさんでございます。 きょうは、百家争鳴の感のありますインフレターゲティングにかかわって、そろそろ論点整理もしていいのかなと思いつつ、またその論点が浮き彫りになればええなと思いながら、速水総裁にもお忙しいところお越しいただいたわけでございますが、幾つか、それこそ初歩的なところから、まず総裁にお伺いしたいわけです。 当然、この間一貫して速水総裁がおっしゃっておられるインフレターゲティングにかかわる論旨は理解しておるつもりですが、最近の会見の中で、先月の二十四日、インフレターゲットについて会見で問われたときに、インフレ・ターゲットについてもいろいろな角度から議論を行い、海外の例などもつぶさに調べている。一応いろいろ研究しているということで、しかし、今の日本の状況のもとでインフレ・ターゲティングを導入することは、経済を著しく不安定化させるなどの副作用やリスクが大きいし、必ず目標に達することができるという自信も持てないわけであるから、今ここでターゲットを設けてしまうことは、経済にとって無謀なかけをするようなことになってしまうと思うというふうにお答えされているわけですけれども、簡単で結構ですけれども、いかなる理由でインフレ目標が経済を著しく不安定化させるのか、いかなる理由で必ず達成できる自信はないのか、何ゆえ無謀なかけなのか、端的にお話しいただければと思います。
○速水参考人 お答えします。 日本銀行は、日本経済をできるだけ早期に持続的な成長軌道に乗せたい、復帰させたいというふうに強く思っております。物価が前年比マイナスの基調から脱却できる状況が実現するために、中央銀行として最大限の努力を続けていくつもりでおります。しかし、そのために現在の状況のもとでインフレターゲティングを導入するということは適当でないと考えております。 インフレターゲティングというのは、金融政策の透明性を高めることをねらう枠組みでありまして、これを達成する手段やメカニズムの裏づけを伴って初めて意味があると思います。しかし、現在金利は、無担保オーバーナイトはゼロ金利でございますし、さらに、さまざまな構造問題が金融緩和の効果を制約しております。そうした中でインフレ目標を導入してみても、透明性を高めるという、本来のインフレターゲティングのねらう効果自体を期待することは難しいと思うんです。 むしろ、仮に、日本の経済政策全般への信認を失わせるような極端な手段がとられるのではないかといった予想が生まれるようなことが起こるかもしれません。市場や経済を、このようなことで、いろいろな面で著しく不安定化させるおそれすらあると思います。特に、長期金利、国債金利などに影響を与えるようなことが起こりますと、これは容易なことでないと思います。 こうした点について慎重な検討を重ねた上で、日本銀行としては、消費者物価が安定的にゼロ%以上となるまで現在の思い切った金融緩和の枠組みを続けるという宣言にして、デフレからの脱却の強い決意を明らかにした次第でございます。現在の状況のもとでは、こうした宣言のもとで潤沢な資金供給を続けていくことの方が適当なやり方ではないかと考えております。
○植田委員 ちょっとマイクの音量を上げてあげていただければと思います。 それで、ちょっと、引き続き総裁に込み入ったことをお伺いしたいんですが、実は、ちょこっと新聞に予算委員会の議論の話が出ておりましたので、どんな質疑だったのかなと思って、一月二十七日の予算委員会で、これは自由党の中塚先生と竹中大臣のやりとり、どんな中身だったのかなと思って読みましたら、中塚先生が、インフレ目標を設定して金融緩和を促していくということだと今までとどう違うんですやろかというふうに聞かれたところ、「日本銀行は既に物価の下落がとまるまで金融緩和を続けるというふうに言っておられるわけですから、私自身は、日本銀行は既に緩やかなインフレターゲティングをとっているというふうに理解」していると竹中大臣述べられましたけれども、速水総裁は、こういう竹中大臣の理解で了とされるんでしょうか、どうでしょうか。
○速水参考人 今おっしゃるようなあれや新聞や、皆さんがおっしゃっておるインフレターゲットという考え方であるとするならば、日本銀行は、まだそこまで考えておりません。 日本銀行は、インフレ率が安定的にゼロ%以上となるまで現在の思い切った量的緩和の枠組みを続けるということを宣言しました。これは、デフレ脱却への強い決意を明らかにしたつもりであります。 しかし、これは、期限を定めてインフレ目標の達成を政策運営の最優先課題にしようということではありません。そういうものが前に出てきて、すべてそれだということになると、これは非常にやりにくくなります。現在我が国で議論されているような意味でのインフレターゲティングということとは少し異なるものだというふうに考えております。
○植田委員 慎重に言葉を選びながらお話しされているんですけれども、少なくとも、竹中大臣のような解釈は日銀といたしましてはとっておりませんというふうに理解はさせていただきます。 そこで、もう一つ、総裁、何かお疲れのようで、ちょっと声が聞き取りにくくて、申しわけないんですが、もう一点伺いたいんです。 昨年の十二月二日に、フィナンシャル・タイムズに黒田財務官及び河合副財務官が、グローバル・リフレーションへの転換のときであるという文書を寄せておられまして、残念ながら私は仮訳でしかちょっと読めませんので、仮訳を取り寄せたんですけれども、ここには、日本銀行は独創的かつ非伝統的な反デフレ対策をとるべきだ、こうした政策には、段階的に三%を達成する明示的なインフレターゲット政策を含むべきである、日本銀行は、長期国債やその他の金融商品の購入を通じて市場に流動性を供給し、ベースマネーを継続的に増加させることが明らかに必要であるというふうにおっしゃっておられるわけです。 また、年が明けまして、林次官また溝口財務官も、いずれも会見の中でインフレ目標について検討すべきだというふうなことに理解を示されたということについて、財務省としての見解はどうかということを問われて、一月十七日、塩川財務大臣がこういうふうにおっしゃっているんです。インフレ目標を決めるべきであるということは、財務省でまだ決めておりませんと。けれどもですねというふうにおっしゃいまして、財務省全体としての考え方は、物価水準をもう少し上げたいということは期待しております。そのためには、いろんな手段を講じることもできるではないかと。その中の一つの選択として、インフレ目標と言わず、要するに物価水準を上げるための目標のようなものを構築して、それを一つの政策目標にする、そういう選択肢もあるというふうにおっしゃっているわけです。 すらすらと読んでいるわけですが、塩川大臣の非常に難解な日本語ではありますけれども、ようわからぬところはあるわけですが、インフレ目標と言わず、要するに物価水準を上げるための目標のようなものを構築してというふうに塩川大臣おっしゃっているわけですから、インフレターゲットと呼んでもええし呼ばなくてもええけれども、要するに、物価水準を上げる目標のようなものをインフレターゲットと言っていただいてもいいし、そうでないようでもあるような、そんな話でございます。 そこで、総裁、要は物価に関する具体的な数値目標を掲げるということ、そのこと自体はいかがですか。オーケーですか、そうじゃないですか、端的にお願いします。
○速水参考人 達成期限を示したインフレターゲティングというのと、私どもが、今、量的緩和を始めて以来一年半守ってきており、目標にしております量的緩和のコミットメントというものの相違ははっきりしていると思うのです。 短期金利をゼロにして、不良債権問題などの構造要因が金融政策の効果を妨げているわけでありまして、金融政策だけでインフレ目標を実現することは難しいと思っています。そうした中で期限を定めたインフレ目標を示しても、恐らく国民は信頼、信認してくれないと思います。無理な目標を掲げて、中央銀行が信認を損なうような極端な手段をとるのではないかといった不安感の方が強くなってくるので、かえって市場や経済を不安定化させるリスクがあるというふうに心配しております。 むしろ、先ほど申し上げました、現在私どもは、消費者物価の上昇率が安定的にゼロ%以上となるまでとにかく潤沢な資金供給を続けますという約束をしておるわけで、これならばやっていけると思っております。効果的でもあると思っております。 このように、日本銀行としましては、今後とも、経済の持続的な、そしてまた安定的な成長軌道への復帰に向けるために中央銀行としての最大限の努力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
○植田委員 大体話は、耳かっぽじりながら聞いていますので、趣旨はよくわかります。インフレターゲットという形で明示的に言えば、これは非常にどぎついわけですけれども、いかなる形であったとしても、そうした、いわゆる物価水準を上げるような目標を掲げる、構築するという政策そのものに対して懐疑的である、否定的であるというふうに理解しているわけです。その意味で、塩川大臣がおっしゃったことについても当然否定されているというふうに理解するわけですが、そこを聞いているわけじゃなくて、そこは、まあ言いづらいでしょうから聞きません。 ただ、もう一度、端的に最後にもう一問だけ伺うんですけれども、マネーサプライをふやすということは、これはだれも異論がありませんし、百家争鳴の、いわゆるインフレターゲティング論がいろいろありますけれども、インフレ目標ということ自体を自己目的化したような議論があるとすれば、それはそもそも論外だろうと。ただし、マネーサプライをふやすに当たってインフレ目標を掲げる、そのやり方によっては重要な手段だという考え方も、これはあるかというふうに思います。しかし、そうした、幾つかその政策手法を考えても、そもそも、かかる目標を構築するということ自体が、危険だよ、危ないよ、無謀だよ、だめだよというふうに日銀としてはお考えなんですねということについては、はいかいいえで結構です。余り時間をとってもあれですので、もう簡単で、この間の三つの質問で大体の趣旨は理解しているつもりですので、そういうことで確認をさせていただけますか。
○速水参考人 マネーサプライがふえないというのは私どもも非常に残念に思っておりますし、何とかふやしたいという気持ちもあるわけですけれども、これは私どもの方のマネタリーベースでどんどん金を出しても、マネーサプライというのは、銀行と企業とのお金の、預金と現金両方の動きを示すものでございまして、そこがうまく、出た金がそっちへ流れていって使われていくということがないとできないわけです。 そこのところは、やはり今まだ民間の借り入れに対する需要が十分でないということと、もう一つは、銀行が持つべき仲介機能というのが、不良貸し出しをたくさん持っていて、これを片づけなければならないとか、自己資本が足りなくなりそうだとか、株が下がりそうだとか、そういったことにとらわれて、銀行の、そういう信用を結びつける機能というものがまだ十分に働いていない。 そこのところは、私どもも一生懸命これを、民間需要をふやす、これは政府のいろいろな政策にも中心になるわけですけれども、金融機関のあるべき姿ということについては、私どももいろいろな面で注意もし、アドバイスもしていくつもりでもございます。この点は、金融庁を見ていらっしゃる竹中大臣と全く同じ立場であるんじゃないかというふうに思います。
○植田委員 最後のお話は余計な話だろうと思いますけれども、いずれにいたしましても、今の、この間四点ばかり質問しましたけれども、塩川大臣が描いておられるような、一番広い意味で、いろいろな形で、インフレターゲットの定義はそれこそ百家争鳴かもしれない、一番広くそれを定義でとった場合、そこに全部、竹中大臣の御見解も塩川大臣の御見解も包摂される、そのいずれについても政策手法としては否定されたというふうに理解して私はいいだろう、もう答弁要りませんけれども、そういうふうに理解をさせていただきますし、うなずかれたのでそれで結構だということだろうと、またうなずかれたのでそういうことだという意味で理解しておきます。 あとはこちらの方で、竹中・塩川VS速水で論争していただきたいところですが、委員会ですのでそういうこともかないませんので、今の竹中先生、塩川先生のお話について速水総裁が基本的に否定的な見解をとられたということを前提にしながら、次の質問に進んでいきたいと思いますので、以上で速水先生の方は御退席いただいて結構でございます。お疲れさまでございました。 そこで、竹中大臣にお伺いしたいわけですが、昨年の一月に策定された「構造改革と経済財政の展望」、「改革と展望」というものですけれども、ことしの一月二十日に改定されたわけです。今、速水総裁からいろいろと込み入ったお話も伺いましたけれども、そこに該当する部分にかかわって幾つか質問したいわけですけれども、昨年の十二月十三日に発表されている素案、この素案では、「政府・日本銀行が一体となって、できる限り早期にプラスの物価上昇率の実現を目指す。」というふうに明記されていたわけです。そして、巷間伝え聞くところによると、内閣府としては具体的な目標値も書き込みたかったというのが本音であったということも伝わってきているわけでございますが、しかし、これが、十二月の二十五日の段階の案、そして最終的な成案になりますと、「政府・日本銀行が一体となって、デフレ克服を目指し、できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向けて取り組む。」というふうに書かれています。 ここはむしろ、経済の話というよりは日本語の話でございますけれども、違う文言で書かれているわけですから、素案の段階での意味合いと成案になった段階での意味合いというものは当然違うだろうと。少なくとも、インフレターゲティングを積極的に進めるという立場からするならばトーンダウンしたというふうに理解するのが至当だというふうに思うわけですけれども、まず、簡単な話、どういうふうに意味が違うのか、御解説をいただけますか。同じではないでしょうから。
○竹中国務大臣 今、植田議員が二つの、素案と閣議決定されたものを読み比べてくださいました。まさに表現の違いでありますけれども、恐らく、簡単に要約すれば、素案の方は、「できる限り早期にプラスの物価上昇」、できるだけ早期に「実現を目指す。」そこがポイントだったんだと思います。それに対して閣議決定されたものは、「デフレ克服を目指し、」「実現に向けて取り組む。」ということであります。これは、基本的には、閣議決定されたものの方が、努力目標として、努力をいたしましょうということで、素案の方が、目指すということで、より、その文書から与えるものはやはりコミットメントが強い、そのような違いになっているというふうに理解をしております。
○植田委員 要するに、意味は違わないんですか。意味は同じことを言っているんだけれども、素案と成案の段階では書きかえたんですか。いや、そんな難しい話じゃないんです。違わないんだったら違わない、違うんだったら違うというだけの話ですけれども。
○竹中国務大臣 私は、基本的には違わないというふうに思っております。これについて諮問会議で議論しましたときに、上の表現は強過ぎるという議論に対しまして、いや、全然そうではないという意見も出されました。これは、いろいろな合意形成の中で最終的な形になったわけでございますが、基本的な考え方は違っていないというふうに思っております。
○植田委員 とすると、当初の素案でいきますと、例えば塩川大臣が一月の会見でおっしゃったように、インフレ目標と言うか言わないかは別にしても、そうした物価水準を上げるための目標のようなものを構築するということが素案ではより露骨に出ておるのではないか。露骨に出過ぎだから、成案の段階では、「政府・日本銀行が一体となって、デフレ克服を目指し、」という、この「デフレ克服を目指し、」ということで、全体のものをかぶせて意味合いをとりあえず薄めた、そういうことなんでしょうか。問題意識は当初の素案の問題意識と同様なんでしょう、竹中大臣なりの。
○竹中国務大臣 その塩川大臣のお考えというのはちょっと私がお答えはできませんが、基本的には、素案と閣議決定されたものと、基本的な考え方に差はないというふうに思っております。
○植田委員 ここで、違っているからよくて、違っていないからけしからぬとか、そういう話じゃないんですけれども。 とするならば、竹中大臣、基本的なお考えは変わっていないというふうにおっしゃいましたので、先ほどの速水総裁とのやりとりを念頭に置いて聞いていただきますと、少なくともプラスの物価上昇率を実現するために何らかの目標を設定するというようなことも、この文言からは当然、その政策の一つの選択肢として入ってくるわけですね。 だから、これは先ほどの、予算委員会で中塚先生とのやりとりの中で竹中大臣がこういうふうにおっしゃっているように、例えば「マネーサプライをふやすに当たって、インフレ目標を掲げるというのは、それはやり方によっては大変重要な手段にはなり得るということは」というふうにおっしゃっておられるわけですから、かかる竹中大臣の問題意識が、文言は変わったけれども、最終的に閣議決定された成案の中にも当然、一つの政策の選択肢として内包されているという理解でいいわけですね。
○竹中国務大臣 今後具体的にどのようにするかというその選択肢として、そういったものを排除しているというふうには思っておりません。
○植田委員 思っておりませんというのは。
○竹中国務大臣 排除するとは思っておりません。
○植田委員 排除する、排除ね。排除するということは、だから包摂されているんですかという、要するに、そういうことも設定され、課題の中にあると。だから、難しいこと、内包されていますと言ってもろうたらすぐわかるんですやんか。 とすると、先ほど速水総裁にいろいろ聞きまして、速水総裁は、少なくとも、そこで排除されていないであろう、竹中大臣の言い方によれば。私の言い方によれば、内包されているであろう、要するに、もう一回、しつこいようですが、マネーサプライをふやすに当たってやる政策の選択肢としての、ここでは括弧つきのインフレ目標を掲げるという政策、それを実際に最終的にインフレターゲティングというふうに呼ぶのかそう呼ばないのかは別にしても、そうした切り口からの政策手法そのものを速水総裁は基本的には否定されていると。それは、マネーサプライをふやさないかぬというところでは、基本的にそれはみんな一致している、私だってそのとおりやと思いますが、かかる政策手法はとらないということを断言されている。 とするのであれば、この「改革と展望」の最終的にまとまった案というのは、既にこの中に日銀と政府の対立点というものが、要するに、日銀としては首肯できかねる政策手法も内包された「改革と展望」だというふうに理解していいわけですね。
○竹中国務大臣 速水総裁は経済財政諮問会議の重要なメンバーでいらっしゃいまして、メンバーが合意をして、この「改革と展望」がつくられております。
○植田委員 そうはおっしゃいますが、それは、最終的に、少なくとも、政府、日銀が一体となってと、それは、一体となってやらなきゃいかぬという思いはみんな共通しております。 しかし、この文章というのは、竹中大臣からすれば、今私が申し上げたような政策手法、竹中大臣がおっしゃっているようなインフレ目標を掲げるという政策手法は内包されている、含まれているというふうにとるんだけれども、言ってみれば、そうとも読めるが、ぎりぎり、そういうふうに日銀速水総裁としては読まないよと。どっちとも読めるような文章で、こういう形で脚色された。それをするための脚色が、「デフレ克服を目指し、」というふうな形の字句を入れたことだろうというふうに思うわけです。 どっちにしても、一体となってやると言うのだけれども、思いがそれぞれ裏腹なわけですから、この「改革と展望」が一応合意をしたといっても、これはもうガラスの盟約ですね。そうですね。 いや、全く一緒だとおっしゃるならおっしゃってください。ということは、速水総裁の言っていることを聞いていなかったということですよ。
○竹中国務大臣 この文章の意味するところは、先ほど私が申し上げたとおりだと思っております。 この文章を、賛成してくださった速水総裁がどのような位置づけをしておられるかというのは、これはちょっと速水総裁にお聞きいただかないと、私としてはお答えのしようがございませんが、いずれにしましても、政府、日銀が一体となってデフレ克服を目指す、ここはもう非常に強く、政府、日銀まさに一致しているところであるというふうに思っております。
○植田委員 だから、そこは一致しているから一緒に合意したんでしょう。 しつこいようですけれども、先ほど速水さんに聞いておったのは、要するに、竹中さんがおっしゃっているような政策手法も含めて無謀なかけだというふうにおっしゃっているわけですよ、端的に言えば。おっしゃっているわけですよ。だから、そうした政策もこの「改革と展望」は排除していないんだ、竹中さん流の政策手法も排除していないんだとおっしゃるわけですから、速水総裁はそもそもそういうものを排除すべきだというお立場でしょうということになるわけですから、当然これは、対立点が残されたまま、ガラス細工でつくられた「改革と展望」と。だから、政府、日銀一体とおっしゃるけれども、実は仮面夫婦やったということになるのではないでしょうか。
○竹中国務大臣 この閣議決定されました文章、どこを読んでも、これを読む限り、そういった考え方が排除されるということは読めないというふうに思います。それを踏まえて、繰り返しますが、これに賛成してくださった速水総裁がどのように認識しておられるかということは、これはどうぞ速水総裁に聞いていただきたいと思います。
○植田委員 またいずれ聞きますけれども、ますます対立点が浮き彫りになるんじゃないかと思いますよ。 私は、何でこんなことを聞いているかといいますと、基本的には私はインフレターゲットの立場をとりませんが、インフレターゲットの議論もさることながら、もう時間がないので言いおいて終わりますけれども、少なくとも日銀と政府の健全な緊張関係というものをやはりきちんと構築していただきたい。 今どうなのか。ここは実は塩川大臣に聞きたかったんですけれども、もう時間がないですから、何でそんなにこにことうなずくんですか、言いっ放しで終わりますけれども、要するに、政府は日本銀行に対して、何やかんや言いながらインフレターゲットを課して、押しつけておる。その一方で、デフレ払拭に必要な総需要の回復、そっちの方はやはりブレーキを踏んでおるやないですか。ブレーキを踏んでおるでしょう。それは、幾ら何でも、日銀に丸投げして、量的緩和せいせいと言ってくる、その政府の基本姿勢自体が問題なんだということを私は申し上げたいわけです。 七時になりますので終わりますけれども、またの機会にちょっとそこは塩川財務大臣に聞きますが、いずれにしても、日銀と政府は、現段階では少なくとも政策手法において明確にスタンスは違うということだけは、きょうこの委員会で明らかになったということは御同意いただけるなと思います。 終わります。
○小坂委員長 以上で両大臣の所信に対する質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時五十九分散会