国土交通委員会 第28号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/06/04
会議録
○河合委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、特定都市河川浸水被害対策法案及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省都市・地域整備局長澤井英一君、河川局長鈴木藤一郎君、道路局長佐藤信秋君、住宅局長松野仁君、鉄道局長石川裕己君、海事局長徳留健二君、気象庁長官北出武夫君、海上保安庁長官深谷憲一君、内閣府政策統括官山本繁太郎君、警察庁警備局長奥村萬壽雄君、財務省大臣官房審議官浦西友義君及び文部科学省大臣官房文教施設部長萩原久和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河合委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○河合委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。栗原博久君。
○栗原委員 御質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。 きょうは、特定都市河川浸水被害対策法案、そしてまた密集市街地における防災の法案が審議されているわけでありまして、先般も、大変、与野党、特に野党の方々の充実した御質疑がありましたので、敬意を表したいと思っています。 しかし、その前に、国土交通省所管ということで、一つ、万景峰号のことについてまず御質問させていただきまして、終わってから本法について御質問させていただければと思っております。 先般の五月の二十三日、閣僚懇談会におきまして、扇国土交通大臣がこの万景峰号の問題について、今までの対応というものは甘かったんじゃないかという御指摘がありました。これは大変重要な大臣の御発言であったと思っております。それを受けまして、やはり万景峰号に対する検査体制等というものが政府において検討されておるわけであります。 私ども新潟では、拉致の方々が、横田めぐみさんを初め曽我ひとみさんとか蓮池さんなど、そしてまた、実は私のかつて県庁の同期でございました方も、大沢孝司君というのは、私、二年間県庁で一緒に仕事をしておった、彼も拉致の疑惑の中に入っておるわけでありまして、そういうことで、実は私は、万景峰号というこの船が、新潟県の、当然国民の皆さん全員だと思いますが、とりわけ拉致など、万景峰号が、今まで新潟に寄港しながら、北朝鮮との人的あるいは物資の交流などの中でそのような任を果たしてきた。しかし、その反面、やはりいろいろな事件というものが新潟において起きているという中におきまして、きょう、このような質問の機会をお願いしたいわけであります。 この前、米国の上院の政府活動小委員会におきまして、工作員と言われる方が、我が国からミサイルの九〇%以上が出ているとか麻薬等あるいはまた不正な送金というものの有無が、この方の証言のみならず、実は過去幾度も指摘されておりました。特にアメリカは、一九九三年、九四年の北朝鮮の核危機の問題の中においても、この万景峰号に対して極めて強い懸念を持っていたということであります。 にもかかわらず、我が国は、新潟に寄港します万景峰号に対して大変手ぬるい対応をしておった。先般も、ブッシュ大統領と小泉総理の中における対話と圧力の中で、田中審議官が圧力を削除したとかいうような話もあるわけでありまして、やはり外務省当局が、この万景峰号に対しては、融和政策の中で目をつぶるというような点もあったと私は推測しております。その中で、扇大臣が閣僚懇談会の中で強く、この点はやはり確固たる国の主権の中でやるべきだというその御発言は、私は、新潟県を代表いたしまして、心から敬意を表する次第であります。 つきましては、この万景峰号が新潟港に入港すると言われております来る六月九日に向けまして、国土交通大臣として、あるいはまた閣僚懇談会において強く我が国の主権を主張する立場で御発言された大臣から、ひとつ、決意といいましょうか、お考えをお聞きしたいと思います。
○扇国務大臣 おはようございます。 今、栗原議員が御指摘のように、我々は、国会議員としてこういう立場に立っております以上、少なくとも、国民の生命財産を第一義的に考えて、それを守るということにまずスタンスを置かなければならないと思っております。 まして、たとえアメリカの議会といえども、議会だからこそ、宣誓もして、脱北者の証言をとっております。私はそれをテレビで拝見いたしまして、大変残念なことではございますけれども、我々も国会議員の一人としても、何としても国民の疑惑、まして、昨年、小泉総理がわざわざ北に行かれて、五人の帰国者、拉致疑惑の人を連れて帰ってきてくださいました。 けれども、いまだに家族を残したまま、また、今、栗原議員がおっしゃったように、現在も数十名、あるいはひょっとしたら百名近い数になるかもしれないと言われる人の疑惑が残っている中で、絶えず万景峰号がこうして日本に入ってくるという、一月以来途絶えておりましたけれども、整備が整ったということで、秋までに五回の入国を希望してきたという知らせを私も受けました。 今まで、なぜ、アメリカの議会で証言されたようなことが我々には報道が入らないのか、情報が入らないのか。そういうことで、私は、まず海上保安庁に、どういう調べ方をしているのか、また、入国拒否はできないのかということを、閣議の中で、調べていただきたい、そして入国検査をするのであれば、各省庁連携しておりますので、いわゆるCIQ、入国監査というものはと聞きましたら、今までは自己申告であった、私はこういうものを持って入ります、私はこういうものを持って出ますという自己申告だけで、その荷物検査自体もさほど検査ができていなかった。また、船の中に立ち入って検査することも余りできていないという情勢が判明をいたしまして、それでは余りにもおかしいのではないか、疑義が持たれていることに、国民に明快に、私たちは所管の役目を果たしているということを報告できるような手だてを全省庁挙げて考えて、内閣としてもしてほしいとお願いをいたしまして、御存じのとおり、総理が先般、今おっしゃいましたように、先月でございますけれども、五月の二十三日でしたか、日米首脳会談において小泉総理からきちんとブッシュ大統領に対しまして、北朝鮮の問題に対しての違法行為をしっかり取り締まるということの重要性と拉致の問題を完全に取り上げられて、昨日の終わりましたサミットでも世界的に日本の拉致ということが認識されました。 また、必ずしも万景峰号で運んだという証拠も今はございません。けれども、少なくとも入ってくる以上は、密輸をしていたり、あるいは偽装した兵器の部品、核兵器の部品まで運んだというのが本当であれば、私は改めてその体制をとりたいということで、今回は国土交通省としましても、今申しましたように、内閣官房、それから税関、入国管理、警察等々と連携をしまして、立入検査、特に監視と取り締まりを厳正にしたいということで、一つは、海上保安庁におきましては、ことしの一月の十三名体制を上回る約四十名の体制で、関係の機関との合同検査、また、入港時に加えて出港時も含めた立入検査をする、それが一つ。 二つ目には、北陸信越運輸局におきましても、この船の構造あるいは設備等が航行の安全等を目的とした国際条約の基準に合致しているかどうかということを、二十名以上の体制によってポートステートコントロールというものをする。ポートステートコントロールは、一九九三年に初めて万景峰号にポートステートコントロールの検査をいたしまして以来、十年間しておりません。それは、貨物船としての要件と、お客を乗せるときにお客だけの救命道具があるかないかとか、あらゆる、客船、貨物船、両方の条件を満たしているかどうかという検査をポートステートコントロールで行うということで、十年目でございますけれども、これをさせていただくということ。 今おっしゃったように、少なくとも国民が疑義を持っているものをきちんと、検査体制があるわけですから、それではっきりできなければ、我々は、幾ら開港している港といえども、国民の生命財産に影響を及ぼすようなことがあってはならないということで、でき得る限りの検査体制を確立して、それに適合して、客船の要件を満たしていなければ、入った以上は人を乗せて出港させない、そこまで私は厳しくしてほしいということを言っておりますので、これだけで疑義が晴れるとは思いませんけれども、今まで手ぬるかったということの反省のもとに、今回だけは確実な使命をそれぞれの部署で果たしていただきたいということを今願っておりますし、また、その体制を整えつつあるというのが現在でございます。
○栗原委員 今、扇大臣からお話がありましたが、私はやはり、一閣僚が、今までの政府がやってまいりました検査等について手ぬるいということの発言は、極めて重大な、ある意味では重いものだと思っております。 そこで、きょう海上保安庁長官、海事局長がお越しでありますので、今大臣が答弁されたことはもう重複で御答弁は必要ございません。大臣が答弁されないことについての御質問をひとつさせていただきます。 今大臣からポートステートコントロールについてお話がございました。要するに、海上人命安全条約あるいはまた海洋汚染防止条約等に基づきましてこのポートステートコントロールというものがあるわけでありますが、今までなぜこのポートステートコントロールとしての職務をやらなかったかということ。 それからもう一つは、第九管区海上保安本部、新潟でございますが、やはり海上保安庁の立入検査などもあったと思うのでありますが、こういう点を含めましても、我々国民、とりわけ新潟県民に対しまして、こういう検査等について、あるいはまた国際条約上ちゃんと認められているものについて、なぜ所定のものをやらなかったのか。 あるいはまた、今この条約が新基準化いたしまして、今度は救命設備を整えているかどうか、煙の探知装置があるかどうかということも、なければこの国際条約に抵触するというふうに伺っております。船体の板の厚さがどのくらいとか、また貨物タンクがどうであるか、配管設備はどうであるとか防火構造、あるいはまた非常時における乗客の避難の訓練状況云々とありますが、これは十年前に検査をしているということでありますから、その後、やはり新基準が定まった救命設備、あるいはまた煙の探知装置、これはなかなかそう簡単でないと思うので、こういう点を含めて、今までポートステートコントロールをしなかった、今後は前と比較してどのようなことをやるのか。海上保安庁等につきましても、やはり海上保安庁の権限のもとで、今までされなかった分に比較してどれをやるかということを、端的、明快にひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○徳留政府参考人 お答え申し上げます。 今回、十年ぶりにPSCを実施するということでございますが、この間なぜ実施しなかったかということにつきましては、特段の理由があったとは承知をしておりません。 それから、具体的な今回のPSCの実施の内容でございますが、一つには条約証書等、これは国際的に基準で所持することが義務づけられておりますが、そういった国際的な証書、書類等を所有しているかどうかということのチェック。それから船体構造の健全性、これは船体に損傷があるかないかといったようなこと、あるいは閉鎖装置がきちっと閉鎖されるようになっているかというような健全性の確認。それから救命設備、救命艇、救命胴衣あるいは救命いかだ、そういったものの設備があるか。それから消防設備につきましては、火災探知装置あるいはスプリンクラー、消火器等々のそういった設備がきちっと措置されて、そして整備されているかということを確認するということにしております。
○栗原委員 局長、特別の事由がないということは、私はちょっとその答弁は理解できないんです。もう一度、答弁。
○徳留政府参考人 お答え申し上げます。 ポートステートコントロールというものは、御承知だと思いますが、基本的には、外国の船舶の検査を政府がする、日本に入港した場合に、日本政府がいわば実際に検査がしっかりされているかどうかというのを確認するというものでございまして、これは基本的には旗国が守るべきことを時々監視するという意味でございまして、義務といいますか、すべてのものをやるということではございません。 これまでに、主に老朽船とか海難を起こした船あるいは過去重大な不適合があった船、その他他国から不適合があるという通報があったような船を重点的に実施してきたということでございまして、実際にこういったことを勘案しながら現地で対象を選ぶということでございました。 先ほど申し上げましたように、特段の理由があったというふうには承知していないところでございます。
○栗原委員 お話を聞きますと、一年間で約四千三百十一を検査したうち三千五百有余が欠陥であって、四百五十五隻航行を中止、停止命令を出した。特に北朝鮮の問題につきましては、この一月から四月の間に約四十隻の船が航行の中止の処分を受けているように伺っているわけでありまして、こういうこともやっているわけですから、万景峰号についても今まで適切な措置をしていただきたかったと思っております。海上保安庁、どうぞ。
○深谷政府参考人 それでは御説明を申し上げたいと思います。 当庁におきましては、先生御指摘の万景峰号につきまして、これまでも、その時点の状況を踏まえて、入管、税関、警察などの関係機関と連携して、法令に基づく立入検査、それから二十四時間の監視体制、こういうものをやってきたところでございますが、今回につきましては、先ほど大臣からの御答弁もございましたけれども、先生御指摘のアメリカの上院の話もございますが、去る五月の日米首脳会談でも、北朝鮮の問題に関連いたしまして、両首脳間で、違法行為をしっかり取り締まっていくというような点で意見が一致しております。 そういった昨今の状況を踏まえて、今回の入港、出港につきましては、関係機関との合同検査、要員の増強、それから出港時検査、こういったものを、これまでに加えてより一層厳正に対応するということのほかに、先ほどPSCのお話がございましたけれども、PSCにつきましては担当部局からの協力要請もございますので、私どもといたしましても、これが円滑に実施できるよう所要の支援を今回についてはきちっとしたい、かように考えております。
○栗原委員 九日の日に入港するということで、やはり相当な方々が関心を持ち、また、新潟西港にはいろいろの方々が全国から参ると思うのであります。特に右翼関係の方が大変気勢を上げているようなところもありますが、こういうことについて、警備当局として、入港に際する警備もそうでございますが、今までこの万景峰号が入ってきた場合、どのような警備を行っていたか、それを含めて、警察庁の方から、ひとつ御説明、御答弁をお願いしたいと思います。
○奥村政府参考人 警察といたしましても、この万景峰号の入港時の動向につきましては、公共の安全と秩序を維持するという立場から重大な関心を持ってきておるところでございまして、これまでもこの船の入港に際しましては、その時々の情勢に応じて必要な警備措置を実施してまいりました。今回の入港におきましても、違法行為を未然に防止するため、警備対策を徹底することといたしております。 それから、警察といたしましては、北朝鮮向けの安全保障関連の不正輸出事件、これは大量破壊兵器とか通常兵器等をつくるのに使う物資を不正に輸出するというものでありますけれども、これまで、北朝鮮関係につきまして四件検挙しております。 このうち、平成十年に検挙いたしました潜水用具の部品を不正輸出いたしました外為法の違反事件、これは、万景峰号を使って輸出したということを突きとめております。それから、先般、警視庁が、韓国に対する工作を行っておりました北朝鮮工作員の事件を検挙いたしましたけれども、この工作員に対する指示は、万景峰号を訪船いたしまして船長から指令書を受け取った、あるいは、この万景峰号に乗船をしてまいりました朝鮮労働党の担当者がこの工作員を船内で指導しておったということがわかっておるわけでございます。 警察といたしましては、今後とも、関係の機関とも緊密に連携いたしまして万全の警備対策を講じ、また、違法行為につきましては厳正に対処してまいりたいと考えております。
○栗原委員 年間千四百隻近い北朝鮮の船舶が我が国の開港されております港湾に入港しているとお聞きしておりますが、その点について、そこで当然、税関、入管、検疫などが十分にやはり行われねばならぬと思うんです。麻薬の問題もございます。ロシア・マフィアとか、また我が国のやくざとかなどを通じて麻薬が北朝鮮から日本に大変大量に入っているというような風評も流れているわけでありますが、税関として、麻薬犬を出すのか、あるいはエックス線で大いにひとつ検査をするのか。 あるいはまた、特にSARSの問題があります。SARSは当然ですし、ペスト菌や、船内にネズミがいるかとか、いろいろなことをやはり厚生省なども含めて検査していただきたいと思うわけであります。 特に、かつて、神戸とか大阪港におきまして、サリンの原料になります弗化ナトリウムとか弗化水素酸などがやはり摘発されております。あるいはまた、経済産業省におきます不正輸出等のチェックもいろいろあるわけです。 そういうことを含めて、税関から代表して、これに対する対応をひとつ御答弁、御説明いただきたいと思います。
○浦西政府参考人 お答え申し上げます。 万景峰号に対しましては、税関は、同船舶の入港に際しまして、必ず税関の職員が乗り込みまして入港尋問を行っているほか、新潟港へ停泊している間、警察、海上保安庁等の関係機関と連携を確保しつつ同船を監視しておりまして、厳重な警戒に努めているところでございます。 また、万景峰号により輸出入される貨物や同船舶に乗船して出入国する旅客の携帯品に対する検査等につきましても、従来より、地元の東京税関新潟税関支署へ東京税関本関から応援職員を派遣しつつ、厳正な審査、検査を行っているところでございます。 さらに、御指摘にございました社会悪等でございますが、麻薬探知犬やあるいはエックス線検査の一層の効果的活用によりまして、従来にも増して厳正な取り締まりを行っているところでございます。 さらに、今回の入港に際しましては、従来を上回る応援職員を派遣いたしまして、海上保安庁や入国管理局等の関係機関と緊密な連携を確保しつつ、厳重な監視、取り締まりに努めてまいる所存でございます。 さらに、地方港につきましても多数の北朝鮮の船籍が出入港するわけでございますが、そういった持ち込まれる貨物あるいは輸出される貨物につきましても同様に厳密な検査等を行いまして、万全を期しているところでございます。
○栗原委員 船は、国際慣習法上、開港されている港にはどこでも入れるということでございます。我が国においては、港湾法などによって港湾のいろいろの規則も規定されているわけでございますが、この前の米国の同時多発テロを契機といたしまして、先ほど私申しました海上人命安全条約たるものを改定いたしまして、来年の七月にはこれが発効して、一定の保安上の要件を満たしていないものについては入港を拒否できるということが、これは国内法の整備も必要だと思うのでありますが、ということに、いろいろマスコミを通じながら、あるいはまた政府の方々のお話を聞きながら、承っております。 実は、港湾法第十三条二項、「港務局は、何人に対しても施設の利用その他港湾の管理運営に関し、不平等な取扱をしてはならない。」という条項もあるようでございますが、今、現行法上、過般の、実は平成十一年の二月、四月に、地方行政委員会等において、あるいはまた日米防衛協力のための指針に関する特別委員会等において議論がございました。ガイドライン、周辺事態法との関連で、特に港湾の取り扱い、神戸の問題とか函館とかいろいろなことの条例の問題も含めてだと思うんですが、この中で野田自治大臣は、地方自治体がやはり正当な事由によって寄港を拒否できるというような、私なりの解釈かもわかりません。 その正当な事由は何かということになると、港湾の中がいろいろ混雑しているとか、いろいろ危険があるとかということで拒否もできましょう。また、港湾管理者は県知事でございますから、やはり県知事の立場で県民の安寧を願いながら、そういうものの入港を拒否できる権限は港湾管理者にあると実は私は思っています。とりわけ、国家犯罪と言われている、あるいはまた金正日氏が拉致を認めております。新潟県におきましては、現在五名の方が拉致認定を受けておるし、また、私が先ほど言いました大沢孝司君などの方々が拉致の疑惑もあるわけであります。当然、やはり県民の総意を代表する知事たる者が、正当な理由で、拉致という国家犯罪、特にサミットにおいても各国の大統領がこれについて重大な関心を示しているわけでございます、これを、私は、先ほど言いました、例えば新潟西港が、不穏なデモとかいろいろの団体がひしめいて、やはり港湾管理上うまくないということも拒否理由にできると思う。 もう一つ、今私が後者で申し上げたとおり、正当な理由というものは、県民の不安を醸すような、明らかに国際段階においても拉致というものが重大な指摘をされている中におきまして、県知事たる者が港湾管理者の権限を行使して、法理念上、入港を拒否できると私は実は解釈しておるのでありますが、大臣からこの点について、今までのいろいろな大臣答弁もあるかもわかりませんが、新しい解釈のもとで可能かどうかということを、ひとつ大臣としての御所見、あるいはまた一政治家として、もし可能な御答弁がありましたら、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
○扇国務大臣 今、栗原議員がおっしゃいましたように、この港湾法、一例を挙げてお読みいただきました。これは昭和二十五年にできた法律でございまして、現段階で、我々は、この港湾法、港湾の適正な管理と運営というものを図る、その目的でございますので、いわゆる公共施設である岸壁等の港湾の施設の利用につきましては、何人に対しても不平等な取り扱いをしてはならない、今議員がお読みになったとおりでございます。 したがいまして、例えば、岸壁の水深を上回るような大型の船舶の入港でございますとか、あるいは混乱している港に長期間船舶を停泊させるなどによって港湾の適正な利用が妨げられる、それ以外は、そういうような港湾施設の利用を拒むことはできません。 そういう意味で、今お話ございましたように、現在、我が国において、特定の国籍の船舶の入港を拒否できることを定めた法律もこれはございません。そこで、私は立法政策として、特定の船舶を対象に入港制限を行うことについて、昨年の十二月でございますが、閣僚懇で、これは十二月にも私言っているんですけれども、そこで私から問題提起をいたしまして、問題のある船舶に対してどのような対応が可能なのかということで、勉強いたしまして、委員会を立ち上げております。 それで、国土交通省といたしましては、鷲頭政策統括官を座長にいたしまして、河川局、海事局、港湾局、海上保安庁等々がメンバーになりまして、現在、もともとは全国で十二隻、外国船舶が放置されたままであるということ。それから、保険に加入していない船舶の入港の規制をどう措置できるかということ。また、テロ対策の観点から、海上人命条約への対応、これは各国政府が発行しております安全を保証する証書でございますけれども、この証書がなければ入港を禁止するということ。これが、今おっしゃったように、来年の七月発効になりますので、それに対応して我が国で国内法の制定をどうするかという問題。そして、我が国に不利益をもたらすおそれのある船舶への対応、今も問題になっております万景峰号も私は一つの例だと思いますけれども、そういうものに対処するために国内法の改正が必要なのか。現段階の港湾法の中では、開港した以上は拒否できる理由がない、先ほど申し上げました理由以外に。 ですから、今回もあらゆる体制を組んで、そして今まで、今、各省庁から検査という話が出ましたけれども、私が一番最初に聞きましたときには、検査といっても自己申告によるものであるということで、それ以上ができなかったという、まさかそんな悪いことをすると思っていなかったという人のよさもあるでしょうけれども、何かの疑義がなければ、もし何もなかったときにといういわゆる国際的な配慮も私はあったと思うんです。 けれども、ここまで来た以上は、今回は万全の体制で、各省庁連携し、また人員もふやし、そして今度は新潟に東京からも横浜からも応援部隊も出してまで、全省庁挙げて検査体制に入ろうとしております。また、今申しました来年の七月への法制の発効までの国内法の改正も必要あらばという、委員会で検討しておりますので、そういう意味では、ぜひ栗原議員も地元の皆さんとともに見守っていただき、なおかつ、今後、日本の国の港で起こったことが外国の議会で話題になって、手ぬるかったようなことが言われないように、私は、今回だけは万全を期するということだけはお約束し、最大限のできる限りのことをするというのが今の心構えでございます。
○栗原委員 もうこれで質問を閉じさせていただきますが、やはり国家の主権と国民の人権をじゅうりんしている行為というものはあからさまにわかるわけですから、例えば港湾法といえども、やはりこの二つの問題について、私は港湾法の弾力的な運用というものはあり得ると思っております。ですから、今この重大な事態をかんがみるならば、港湾管理者が入港を拒否できると私は思いながら、質問を閉じさせていただきます。 ありがとうございました。
○河合委員長 谷田武彦君。
○谷田委員 自民党の谷田武彦でございます。 特定都市河川浸水被害対策法案につきましてお尋ねをさせていただきます。 私の地元の名古屋も大変大きな被害を受けたわけでありますが、平成十二年九月に起きました東海豪雨を契機といたしまして、その後、水防法の改正を初め、着実に水害対策が一つ一つ展開をされていることに、まず敬意を表したいと思います。 そして、今回、河川と下水が一緒になって対応していこう、自治体の枠を超えて対応していこうじゃないかというこの法案が出てまいりました。本当に高く評価をし、賛成させていただくという前提で、以下、順次お尋ねをさせていただきます。 この法案は、災害防止のための予防対策や義務づけ、規制といった形態のものでありますが、流域における貯水施設等の整備といったハード対策のほか、計画や浸水想定図の策定、雨水流出抑制に対する指導などのソフト対策も多く盛り込まれております。 これらの対策に係る経費につきましては、河川管理者のみならず、下水管理者、県、政令市等にも負担がかかることが当然予測をされるわけでありますが、地方は厳しい財政難に直面をしております。こんなときに、国としての補助や助成はどのようになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。 国から補助金をもらっても、自治体の負担分を捻出できずに、まさかこんなことはないと思いますが、指定を辞退するような自治体が出てくる危惧もあるわけでございますが、いかがでございましょうか。 また、都市の地下の高度利用はますます進行すると予測をされます。地下の防災機能の確保は大変重要であります。地下街管理者にも浸水時の避難等に関する計画作成や公表の努力義務を課すようでありますが、これに対しても、自治体と同様、助成等の対応は検討しておられるのかどうか、御所見を承りたいと存じます。
○鈴木政府参考人 自治体に対する補助や助成の関係、それから特定都市河川の指定を辞退するようなことにならないかどうかというような点、あるいは地下街に関するお尋ねでございますが、一括してお答えをいたします。 まず、地方公共団体の補助等に対する助成関係でございますが、本法案の中では、流域水害対策計画というものを四者が、下水道管理者、河川管理者、地方公共団体、県と市町村でございますが、これが共同して策定するということになっております。 その中で、河川管理者が行う河川の整備、あるいは、これは新しく今回法律に措置していただくわけですが、河川の流域における雨水貯留浸透施設の整備、これが一つございます。それから、下水道管理者が行う下水道整備、これが二つ目としてハードとしてあるわけでございます。それ以外に、この法律の中では、地方公共団体が行う公園貯留や校庭貯留といった、河川管理者以外の立場の地方公共団体がそういった雨水貯留浸透施設をつくるというような場合を想定しております。 それぞれの助成の考え方でございますが、河川管理者が行うものについては、河川法の規定に基づきまして補助の措置がございますし、下水道も同様にそういった措置が定められております。 なお、地方公共団体が行う校庭貯留や公園貯留といった雨水貯留浸透施設の整備につきましても、実はその三分の一を国が補助する、こういった仕掛けが用意されているわけでございます。これがお金がかかるという点では一番大きな面だと思いますので、この点の説明にとどめさせていただきます。 それから、財政状況がいろいろ厳しいけれども大丈夫かというようなお話でございますが、この法律の中で、特定都市河川は、著しい浸水被害が発生するおそれがある、さらに、従来型の河川整備では浸水被害の防止が市街化の進展によって困難な河川だ、そういったところについて指定されるものでございますので、地方公共団体は、それぞれの財政状況も踏まえて流域水害対策計画を策定することになる、このように考えております。 ただ、今回この法律の中で、河川管理者、下水道管理者、地方公共団体等が共同して策定するという新しい仕掛けを用意させていただいておりますので、役割分担を明確にした上で協力できるということで、従前のようにそれぞれが単独で計画を策定するよりも効率的な計画がつくられることになるだろう、このように考えております。 なお、今後とも、この特定都市河川の指定等が円滑に進むように、河川管理者、下水道管理者、地方公共団体が相互に十分に連携、調整が図られるように指導、要請してまいりたいと考えております。 最後に、地下街に関する件でございますが、これも御指摘のとおり大変重要な施策でございまして、国土交通省といたしましては地下街管理者に対する助成というのはどういうものを用意しているかということでございますが、これは、地下街の入り口のマウンドアップや止水板の設置などの浸水対策のための施設整備、そういうことを地下街管理者がするという場合に、日本政策投資銀行の、地下鉄、地下街等に設置する防水壁等の浸水防止施設の整備事業、こういったものがございまして、こういった政策投資の対象としているところでございます。 今後とも、こういった本制度のPRに努めまして、その普及が図られるように努めてまいりたい。 以上であります。
○谷田委員 ありがとうございました。 雨水流出抑制のための開発行為の許可、調節池の埋め立て等の届け出など、規制を図っていくようでありますが、規制緩和の昨今、土地取引や価格等に悪影響を与える危険性があるのではないであろうか。不況の中で、ようやく進んでおります都市再開発に対してブレーキをかけることになるのではないかと懸念されます。防災機能を確保することにより上乗せされましたコストは、開発事業全体への負担になることは否めません。大げさな言い方になるかもしれませんが、経済への悪影響が生じることになるのではないかと思いますが、御所見はいかがでございましょうか。
○鈴木政府参考人 法律に伴う新たな規制をすることによって経済に悪影響があるのではないか、こういうことでございます。 この点については、本法律の中で、公益、まさに都市水害、浸水の防止という観点から、民間開発に伴って流出をふやしてしまうというものに限って必要最小限の調整池の設置等をお願いしているわけでございまして、基本的には、今までも宅地開発指導要綱等に基づいて行政指導として設置されているというようなこと、それから、大事な点は、自治体によってばらばらに指導されてきたものが、今回は全国一律の一定の基準に基づいて、極めて透明性のある基準に基づいて実施されるということから、実態として、新たな負担増による経済への悪影響が生じることはないというふうに考えております。 それともう一点、ディベロッパー側も、総じて、これまで行政指導として行ってきたことが法定化されて、そして基準が合理的かつ透明なものになるということを前向きに評価しているものと承知しております。
○谷田委員 この法案では、河川管理者のみならず、特定都市河川流域内の住民、事業者の雨水貯留浸透施設設置の努力義務が明記をされております。貯留浸透施設設置促進のための補助等は具体的にお考えになっているのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○澤井政府参考人 ただいま御指摘の努力義務規定でございますが、これは、一定規模以上の開発行為等を許可に係らしめること、あるいは、下水道管理者の判断で、条例で排水設備への雨水貯留浸透機能の付加を義務づけること、こういった義務に加えまして、一般的に、特定都市河川流域内の住民及び事業者に、浸水被害の防止を図るための雨水貯留浸透施設の設置の努力義務規定を置いた、こういう趣旨でございます。 現在でも、雨水の流出抑制、さらには地下水涵養の観点から、多くの市町村で雨水浸透升等の設置促進が図られております。このうち、公共団体が追加費用の一部を助成している場合も相当ありまして、国としても、このような市町村の取り組みを支援するため、市町村の要請に応じ、一定の国庫補助を今でも行っております。 今後とも、こうした制度の活用の促進を図りまして、雨水貯留浸透升の普及促進などに努めてまいりたいと考えております。
○谷田委員 私の名古屋の事務所の近くに、若宮貯水池といって、大変大きな貯水池がございます。十万立米、大変大きいものでございます。こんな施設がどんどんできれば言うことはないのですけれども、例えば学校の校庭のところにつくる貯留施設はざっと五百立米ぐらいですね。そんなものが一つや二つできたって余り効果がないのじゃないかなと思うのです。 東海豪雨のときに、名古屋の野並地区、これは大変浸水をしたところなんですが、そこにたまった水というのは百万立米と言われるんですね。ですから、こういった施設をよほどたくさんおつくりいただかないことには、目に見えた効果はないのではないだろうか、こんなことが心配をされるのですが、この雨水貯留浸透施設の実際の効果をどのように評価しておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 雨水貯留浸透施設の効果についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおりでございまして、小さな公的なものが、公的といいますのは、河川管理者が実施したり、あるいは公団などで大規模な団地をつくるような場合にやるようなもの、これはかなり大きなものがあるわけでございますが、ほとんどはかなり小さいものでございます。そういった小さいものではどうにもならないのじゃないかというお尋ねだと思います。 実際の具体例でちょっと御説明を申し上げますと、鶴見川、これは新横浜の駅の横を流れている川でございますが、例のタマちゃんでございますが、官民合わせて約三千基、容量にして二百七十万立米。小さいものでも積み上げますとこういったものになるということで、この法律の中でも、そういったきめ細かな積み上げということによって相当程度の効果が期待されるというふうに考えておるところでございます。
○谷田委員 地下街や地下構造を持っておるビル、そこには、地下水の漏水対策として湧水槽を設置するために、必ず地階のもう一つ下に大きな空間を持っているんです。ちょっと変な言い方なんですが、地下の地下に空間がある。こういった地下空間を遊ばせておくのではなくて、大雨が降ったときなど、雨水貯留施設として有効活用することはできないでしょうか。 これは東海豪雨の経験でございますが、名古屋の有松というところで、実は雨が降ったときに、ビルの再開発をやっていた、工事中だったんですよ。そこの下へ雨水が流れ込んだ。ざっと三千立米ほどあったそうでありますが、したがって、その周りは被害が余り出なかった。こんな具体的な事例もあるわけであります。 こういった既設のインフラを利用することが可能ならば、大変大きなお金をかけて新たに貯留施設を整備していく必要もないわけでございまして、比較的低コストでそういった施設を確保することができるわけであります。 いろいろな問題もあるかと思いますが、そういった既設のものをもし利用することができないとするならば、少なくとも、これから新たにつくっていこうというビルだとか再開発をしていく、そういった規模の大きなビルの地下空間を、こういった雨水の貯留施設として使用する計画を進めることはできないのであろうか。 また、民間の協力がもし得られないとするならば、少なくとも公的な施設でまずそれを率先して実現しようという努力をする必要があるのではないか、このように思いますが、いかがでございましょうか。
○澤井政府参考人 御指摘のように、既存の建築物の地下に、まず地下水が侵入した場合に一時的に貯留するためのポケットがあるということは相当あると思っております。こうしたものが大雨のときに有効に使えれば大変効果的だろうと思います。 ただ、これを実施する場合には、一つには、言うまでもないですけれども、建物の所有者の御理解と御協力をいただくということと、それから、円滑に動いていればいいんですが、例えば、一たんたまったものをくみ出すときに排水ポンプが必要になります。この排水ポンプが故障したときにだれがどうするかとか、あるいは、住民の苦情のようなトラブルが生じた場合どうするかとか、そういったあたりの整理をきちんとせにゃいかぬだろう。 それから、特定都市河川流域としての指定が想定されるのは大都市が多いと思うんですけれども、大都市の場合には、御承知のように、多くは合流式下水道を採用しております。降雨時に貯留される雨水というのは、いわばその合流管を通ってきたものがオーバーフローしたものだとすれば、汚水と雨水、両方がまざっておりますので、これがそういうビルの地下に一時的にたまるということについてどう考えるかとか、幾つかの検討すべき課題はあると思うんですけれども、有効活用というのは非常に意味があると思いますので、今後さらに検討していきたいと思います。 また、既存のビルだけでなくて、これからつくる、再開発なんかで合築をしていったらどうかという御趣旨かと思いますが、既に今までも、駅前の地下駐車場の下を活用してそういう一時貯留施設をつくったり、それから公共建築物の地下を活用している事例もございます。今後とも、再開発等にあわせて、建築物の合築で地下に下水道事業による雨水貯留施設を設けるというようなことについても積極的に検討していきたいと思っております。
○谷田委員 この法案で、下水と河川が協力し合って対応していこう、これも言うのは大変簡単なんですが、下水と河川の整備水準や目標値が異なる場合、どのようにそこに整合性を見出していくのか。いろいろな問題があると思うんですが、どのような御所見をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 御指摘のとおり、下水道と河川の整備水準については、これは明確に違いを設けております。下水道及び河川の目標は、それぞれ、現状の整備水準や今後二十年ないし三十年の整備の全体の量というようなものを見通しながら、浸水被害形態等を考慮して判断されるものでございます。 具体的には、河川が対象とする外水、洪水、はんらんでございますね、これの計画目標は、流域に居住する方々が一世代に一度経験するかどうかというような降雨を対象として、具体的には三十年から四十年に一回程度の洪水ということでございますが、そういった洪水を想定して、そういう強度の降雨を想定して対策を講ずるということでございます。 一方、下水道が対象とする内水の計画目標は、主として局地的な集中豪雨の際に雨水を河川に排水できないということによって生じる浸水被害の解消を目的とするわけでございまして、外水による洪水被害と比較して、地域も限定されますし、一回当たりの被害も少ないということから、費用対効果の観点、現状の下水道整備の水準、そういったものを勘案して、おおむね十年に一回程度の降雨が計画の対象になる、このようなことでございます。 ただ、いずれにしても、そういった整合性という点、大変大事な点でございまして、今回の法案の中では、全体として四者が共同して、下水道管理者、河川管理者のみならず、地方公共団体も含めて、共同して計画策定をするということであります。 それから、下水道のポンプの操作ルールについても、きちんと調整したものを定めていくというようなことを用意させていただいているわけでございます。
○谷田委員 ありがとうございました。 この法案では、従来の河川や下水といった線での整備から、面での整備を視野に入れた流域全体の防災対策がさらに強調されております。前例は既にあるようでありますが、地方公共団体の枠を超えて調節池をつくることが改めて認められたことも高く評価をしたいと思います。 ただ、ここで、繰り返しになるかと思いますが、負担金の問題についてちょっとわからないことがあるんです。例えば、上流に貯水池をつくれば、下流の自治体に、お金を出しなさいよ、こういったようなことが単純に一般化いたしますと、何か割り切れないものを感じます。実際に、上流の施設が本当に下流に対して効果があるのか、これはどういった形でシミュレーションをしていくのか、大変判断が難しいと思うんですが、この負担の、どういう表現をしたらいいんですかね、負担のルールづくりというようなものは果たして明確にできるのであろうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○澤井政府参考人 雨水を貯留する、あるいは浸透する施設を、公共団体で相談して、費用を負担し合って共同でつくる、それを、ある場所を選んで一カ所にまとめてつくるというようなことを想定しているわけでございますが、言うまでもなく、市街化の度合いによって、市町村によっては用地確保が非常に難しいところがある、一方で用地確保が非常に容易なところもある。あるいはまた、個別につくるよりはまとめてつくった方が基本的には安いだろうというあたりを踏まえまして、市町村の境界を越えて、例えば河川の左右岸ということもあるでしょうし、それから、上下流を含めた流域全体を視野に入れてつくるという場合もあると思います。 仮に上流でつくりましても、上流で雨水を一時排水施設にためれば、その分、下流が懐ができまして、下流は排水できるということで、下流にも当然受益があるわけでございます。この受益の関係というのは、一般的には、それぞれの市町村の当該河川に対する排水面積のようなものによってかなり客観的に算定できるだろうと思っております。 従来から、この法案の前から、類似の事例として、例えば上下流で隣接する二つの都市が協定を結びまして、この場合には、下流側の市が雨水管とポンプ施設を設置しまして降った雨を河川に吐くという仕事をする場合に、上流側の市からも、例えばパイプについて言えば、パイプがある区間ごとに、その集水面積、排水面積というものに応じて負担をする。このパイプのこの部分は、下流の集水面積が六割で上流が四割だと。また、例えばポンプ場について言えば、全体として、上流の市からどのぐらい、下流の市からどのぐらいというようなことを計算いたしまして費用負担しているという例もあります。 幾つかの事例もございますので、私ども、今回の法案の施行に当たりましては、いろいろな事例を集めまして、各公共団体の協議が円滑に進むように、参考に供したいと思っております。
○谷田委員 水害だけじゃなくて防災全体についての話でありますが、これはもう、大臣がいつも言っていらっしゃる、まさに自助、共助、公助というところなんですけれども、やはり防災関係者の意識を改革していく必要があると思うんです。国民の側にしてみれば、何でもかんでも行政で面倒見ろよということになるかと思うんですが、やはり率直に行政でできる範囲を明らかにして、リスクを隠さずに公表する姿勢が大変重要だと私は思います。ひとつ、大臣の基本的な御所見を承りたいと存じます。
○扇国務大臣 今、私がいつも、まず、どの災害に対しましても、自助、共助、公助、この順序であるということで、水害に対しても、自分の住んでいる位置はどういうところに住んでいるのかという認識も、私は名古屋のあの貴重なときにも現地に伺って、皆さん方に、まさか私が川と川の間の、言ってみれば、こんなところに住んでいると思わなかったという方も初め、いらっしゃいまして、特に、若い御夫婦で引っ越してきた方は自分の住んでいる地形自体も認識がないということもございましたので、そういう意味では、私は、どの災害に対しましても、まず、自分たちでできる範囲は最大限にここまでは自分でできるという、この自助が各防災に対しての一番の原点であろうと思います。 けれども、その自助という中にも、あるいは共助という中にも、少なくとも情報公開というものが公になっておりませんと、本人が全部調べるわけにいきません。そういう意味では、情報公開することは危険性を、おどかすわけじゃありませんが、見ると、私こんなところに住んでいるのとびっくりして、何かそういうリスクもなくはないんですね、情報公開することが。 けれども、私は、少なくともそれぞれの皆さん方に、みずからを守る自助のためには、なるべく我々ができるだけの情報公開をして、そのために、水防法に基づきます洪水予報河川におきましても、河川からの洪水のはんらんによる浸水が予想される区域の指定、こういうものをきちんと出したい。 これによりまして、全国で二百十七の河川でハザードマップを今公表しております、ですから、この全国の二百十七のハザードマップというものをぜひごらんいただいて、あっ、うちのところはこうなんだなということをまず頭に入れていただくというために、私は、リスクもあるかわりに、きちんと情報公開するということを大事にしておりますので、これを公表することによって、また洪水のときの円滑な避難というものを皆さん方がしていただけるようになるんだろうと思っております。河川の、排水ができずに市街地にたまる内水の浸水ということが生じる地域も、改めて見ると、あるんですね。 ですから、私たちは、リスクを隠さずに公表していこう、そういう姿勢をとっておりますので、そういう意味では、ぜひ、今御認識賜っております自助、共助、公助ということへの、災害に対する対応というものは基本として、我々も最大限の情報提供をしようと思っております。
○谷田委員 時間が少なくなってまいりましたが、いま一つだけお尋ねをしておきたいと思います。 今年度の下水道国庫補助が縮小されておりますね。防災対策事業において、河川と下水道を一元化することによりコストダウンを目指すことは評価できます。 しかし、名古屋のような大都市では、早くから下水道が整備されましたことから、今、老朽化対策が迫られておるところであります。先日も東京タワーの近くで、何か、陥没事故が起こったなんという報道があったわけなんですけれども、名古屋は、御多分に漏れずほとんどが合流式でございまして、さっきもちょっと御指摘ありました、いろいろな問題があります。 それから、よその都市に比べれば大変進んでおると言われておるんですが、雨水対策も一時間五十ミリ対応がほとんどでございます。一部六十ミリというところはあるんですけれども、これは、東海豪雨のように百ミリ近いのが降ることがあるわけでありますから、もっともっとやらなきゃならない問題がいっぱいあると思うんです。 そこで、最後に大臣にお尋ねしたいのは、都市の下水道事業をもっともっと重視すべきではないか、このように思いますが、御所見を承りたいと思います。
○扇国務大臣 今、谷田議員の仰せのとおりで、我々は水がなければ生きていけませんけれども、その大事な水によってまた災害がもたらされるという、こういう地球上に生き、また、日本のこの体系というもの、山あり、谷あり、そして山と海の間が諸外国に比べて距離が短いものですから、急激なわけですね。そういう急流が流れる河川の流域に住んでいるということ、そういう意味でも、より下水道の完備ということが重要になってまいります。 御存じのとおり、私もいつかここで申しましたけれども、我が国の下水道というものが欧米の主要国に比べて一世紀以上おくれていると申しました。それこそ、パリにおける環状下水道の完成は、赤穂浪士が討ち入りをいたしましたあの一七〇二年と同年代にもう既にでき上がっていた。またイギリスにおきましても、十九世紀には既に都市部の下水道が完成しております。 そういう意味では、このような背景から、現在の欧米主要先進国の下水道の普及率が大体九〇%でございます。けれども、それに比べて我が国の下水道の普及率はいまだに六三・五%にとどまっております。この六三・五%というものの中で、人口が五万人未満の中小の市町村においては二九・五%と、いまだに低い水準にあるという事実を我々は認識しておりますので、この下水道の完備。 そして、今後、高度処理の導入というものが、技術はどんどん進んでまいりますけれども、スウェーデンの高度処理の人口普及率というのは八七%です。ドイツではこれが七二%であるのに対しまして、我が国の高度処理人口普及は一〇%という低い水準にとどまっております。 あれもこれも見ると、みんな数字が低いのがまことに残念で仕方がないんですけれども、これは現実ですから、私たちはそれを一歩でも向上させていこう、それによって、都市の環境バロメーターというのはその国の文化のバロメーターとも言えると思います。そういう意味では文化水準が低いと言われても、このデータから見ればいたし方ないということで、少なくとも整備水準を国際標準まで引き上げていきたいというのが我々の願いでございますので、今後ともこれらのことに対して最大限の努力をしていきたいと思っております。
○谷田委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○河合委員長 阿久津幸彦君。
○阿久津委員 民主党の阿久津幸彦でございます。 特定都市河川浸水被害対策法案並びに密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案について、引き続き質問をさせていただきたいと思います。 できるだけ質問の重複は避けますが、同僚議員に対する回答が不十分と感じたものについては、あえて重ねてお伺いする部分がありますので、よろしくお願いをいたします。 それでは、まず河川の方からお尋ねをしたいと思うんですけれども、私の地元八王子は、余り知られてはおりませんけれども、河川の町とも言われておりまして、浅川を初め、多くの川の本支流が町を縦、横、斜めに分断しておりまして、昔は、どこの地域でもそうかもしれませんけれども、頻繁にはんらんして、洪水が起こり、民家をのみ込んで、随分と亡くなった人もいたというふうに聞いております。 そんな状況も日本の各地にはあるわけですけれども、先日の我が党の伴野委員の質疑で、河川を統治し過ぎてはいけない、理想を言えば河川と人々が共生すべきだという委員の指摘がございました。これは、さかのぼればエジプト文明なんかはまさに典型的なこの考え方で、エジプトの場合は、川がはんらんし、肥沃な土地が生まれ、それで農産物ができて、その恩恵を市民、国民が受けたわけなんです。日本というか、オリエンタル文明は比較的自然との共生というのが考えの主流にあったと思うんですけれども、欧米、特にアメリカの場合は、自然を力で制御していく、抑え込んでいくという考えが主流だったというふうに私は感じておりました。 ところが、アメリカの方も、自然を制御する考えから、だんだんと、自然と調和するというか、特に近年そういう考えに変わってきたのではないかと思っております。クリントン政権では新規ダム建設を凍結するという議論が行われましたし、蛇行する大型河川の近くには人は住むな、人の方で自然、河川に合わせるべきだ、無理な治水政策はとらない、そんな議論も行われていたと記憶しております。 こういった議論をたどっていきますと、結局、一九九三年、米国クリントン政権で開墾局総裁に就任したビアード氏に行き着くのではないかというふうに思うんです。ビアード氏は、ダム建設の時代はもはや終わった、今や環境への負荷がより少ない洪水、用水対策を模索する時代だと語り、我が国の関係者に衝撃を与えました。ビアード氏来日の際、その講演を聞いた当時の建設省関係者は、ダムの整備水準が米国と日本とでは大きく違うと反論しております。 しかし、その後の我が国の国土交通行政の方向性を検証すると、多くのダム計画の見直し、中止から本法案提出に至るまで、ビアード氏の指摘どおりに動いているようにも見えるんですけれども、ダム建設の時代はもはや終わった、今や環境への負荷がより少ない洪水、用水対策を模索する時代だというあの発言から十年近くを経た今、ビアード総裁の指摘をどのように評価するか、扇大臣に伺いたいと思います。
○扇国務大臣 今、阿久津議員がおっしゃいましたように、確かにビアード氏の指摘というのは承知しておりますし、またその当時、アメリカでは、例えばフーバーダムだけでも日本のダムの一・八倍の大きさがあるというのは、もう阿久津議員御存じのとおりです。ですから、アメリカで、引き続いて四十二のダムが今でも建設途上でございます。 けれども、ダムの建設の時代はもはや終わったとの言い方は、私は日本には適切ではない。ダムの定義というものがもともと違うわけですね。そして、ビアード氏がおっしゃったように、あの当時、たしか五百ぐらいのダムをアメリカは中止したというふうにおっしゃいました。けれども、私たちはダムと言っておりますけれども、撤去されたその五百近いダムというのは、九割以上が高さ十五メートル未満のダムなんですね。ですから、言ってみれば、日本ではそれはダムと言わないで堰と呼んでいる。それぐらいの大きさのものを、あの当時、ビアード氏がおっしゃっているように、アメリカとしては五百ぐらいつくらなくなったということですけれども、私は、そういう意味では、日本の場合はいまだに洪水もある、あるいは渇水もあるということで、水の供給量というものを大事にしなきゃいけない。 また、自然との共生というのは、二十一世紀、我々が掲げている今の状況と同じでございますけれども、ダムの数をどうこうするということではなくて、日本のダム行政というものも、当時の利水、治水両面から掲げたダム事業というものが、御存じのように、経済の変動によって利水の部分が減ってきた。河川に、工業団地でありますとか工場とか、そういうものを計画の中に入れてダムを計画したり利水の量をはかったりしましたけれども、そういう意味では日本も利水の部分である程度見直しが必要である。 治水は、これは国民の生命がかかっている、財産がかかっていることですから、治水に関しては、近年の降雨量、集中的な豪雨等々によれば、私は万全を期さなければいけない。 ただ、利水が、今申しましたように、最初からダムを排除するという意味ではなくて、現在の状況を見て、利水の面でこれはむだなのかあるいは必要なのか再検討するのは、私は、必ず時代とともに必要なことだと思っております。 現に私どもは適宜適切に再評価を進めており、平成十年度より導入しました再評価制度、これはもう阿久津議員御存じのとおりで、皆さんにしていただいたあの再評価制度を適用しまして事業の見直しを進めている。この再評価の結果、ダムの事業につきましては、本年の三月三十一日現在で既に八十六の事業を再評価で中止しております。 ですから、私は、今おっしゃったように、ビアード氏の言葉の意味と、それはアメリカと日本とは違いますから、地形が。けれども、その面で言えば、ビアード氏のおっしゃるように、自然との共生ということは当然二十一世紀の目標でございますし、なおかつ日本は日本の国に合った治水、利水両面の再評価をする、そして地元の意見を聞くということによって我々は政策の判断をしていく。しかも、計画をして十年たってもできないものは中止、これは決まっているんですから、そういう意味では、私は改めて、阿久津議員が今おっしゃるように、我々も政策上きちんと律するところは律し、また、再評価制度というものを最大限に活用していきたいと思っています。
○阿久津委員 ありがとうございます。二十一世紀は環境再生を国土交通省の仕事の柱の一つに加えていただきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 さて、本法案のかぎを握る雨水貯留浸透施設について伺いたいと思うんですけれども、先日、伴野委員と津川委員も質問した部分なんですが、もう少し詳しいお答えを期待して、再度質問させていただきたいと思います。 雨水貯留浸透施設の効果はどの程度期待できるのか、海外での実績はあるのか、伺いたいと思います。また、特定都市河川の浸水被害対策として、どのくらいの容量のものが将来にわたって何個ぐらい設置されれば十分な効果を上げられると見込んでいるのか。さらに、その場合の費用総額はおおよそ幾らで、整備に要する年数はどれくらいと予測しているのか、お尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○鈴木政府参考人 お答え申し上げます。 最初に忘れないうちに申し上げておきますが、海外の事例についてお尋ねございました。 フランス・ボルドー市などでは条例をつくってこういったものをやっている例もございます。あるいはオーストラリア、スウェーデン等で、地域の実情に応じて実施されているということは承知しております。 それから、この効果等々でございますが、まず、これは実例の方がわかりやすいと思いますのでちょっと御説明申し上げますが、鶴見川で今までに既存の雨水貯留浸透施設というのはどの程度のものがどの程度つくられたかということでございます。 まず民間の開発者に対して、これは河川管理者がやるべき分という意味ではなくて、流出増を抑制するという意味で民間の方が実施されたものは二千六百九十基あるんです、実は池が。そして、全体で九十四万立米でございますので、一基当たりにすると三百五十立米、非常に小さなものでございます。これは大小いろいろございますが、ならすとそういったものでございます。それから、公社、公団が実施したものは百二十基で三十四万立米。これはさすがに、一基当たりは二千八百立米と、かなり大規模なものになります。これが流出抑制増に対する対策として実施したものでございます。 それ以外に、河川管理者が洪水を抑制する、開発に伴う流出増を抑えるという意味ではなくて、洪水そのものを抑制しようという意味で実施されたものは、公共団体が実施したものが四百三十八基で百三十九万、一基当たり三千二百立米、これはもっと大きなものももちろんございます。 こういったオーダーで、そういった流出増の抑制対策あるいは河川管理者が行う洪水調節という積極的なプラスの意味を持つものも含めて、官民合わせて約三千基、容量にして約二百七十万立米、先ほど言った数字を合計しますとそんなようなことになりますが、これが鶴見川の実例でございます。 この法律の対象となるような都市河川では、一般的に、御案内のとおり、堤防のかさ上げや川幅の拡大を行うというと、橋梁はひっかかってくる、用地買収はとんでもないほどかかるというふうなことで、これは、工期、事業費とも大変大きなものとなります。 それから、例えば今の鶴見川流域の例で申し上げますと、この流域は一番標高が高いところでも百六十八メーターということで、治水対策の中でダムというのは全く考えられていないところなんです。河川改修、それから、河川のすぐ横につくる遊水地、これを主眼にやってまいりました。しかし、この法案が予定していますように、そこには限界が出てくるので、議員御指摘のような調整池を、会社、開発者側もあるいは河川管理者みずからも実施していこうということになります。 その際、横浜を流れる鶴見川の例でどのぐらいのことを想定しているのかということになりますが、降雨の規模としましては、先ほど来御説明していますように、四十年に一回程度発生する降雨の対応として、流域全体を河川管理者みずから実施するものとして六百万立米ぐらいの雨水貯留浸透施設をさらにやらないことには四十年に一回の洪水に対応できない、このようなことになります。 この費用としましては、トータルで千三百億円程度、三十年ぐらいかかるかなというような規模を想定しております。もちろんこれ以外に、今申し上げたのは河川管理者みずから洪水を減らすという意味で実施するものについて御説明申し上げましたが、それ以外に、流出増抑制として、民間の方々には、義務づけ等によって、流出を開発によってふやしてしまう分についても必要最小限の雨水貯留浸透施設を設置していただくことをお願いしているわけでございます。
○阿久津委員 千三百億円、三十年ということで、余りに数字が莫大なので、ちょっと今にわかにはわからないんですけれども、こちらの方もよくまた分析させていただいて、後日お尋ねするような機会があれば伺いたいと思うんです。 私も今回の件でちょっと鋭い指摘を受けたんですけれども、結局のところ、ダム建設が減り、治水事業も先細りの中で、新たな公共事業をつくり出しているんではないかという指摘もございました。簡単に言えば、これで、食えなくなってしまう可能性のある土木関連業者が三十年食べられるというふうにも、うがった見方をすれば言えるのかもしれない。そんな陰口を打ち消すためにも、雨水貯留浸透施設の効果については、今後、費用とのバランスも厳しくチェックした上で、十分にその費用対効果を国民に、先ほど大臣もおっしゃっていたとおり情報公開をしっかりと続けていただきたい、そのことを特にお願いしておきますので、よろしくお願いいたします。 それでは次に、密集市街地の質問の方に移らせていただきたいと思います。 先日、我が党の岩國委員の一般質問で、まちづくりについて、国づくりについて扇大臣との間で見ごたえのある議論を展開していただきまして、大変おもしろく拝見させていただいたんです。 ちょっとだけ再現をしてみますと、岩國委員は、豊かで暮らしやすい自分の町をつくりたいという願いにこたえるのが行政の役目だとした上で、まちづくり、国づくりについて、アメリカ型とヨーロッパ型があるという比較をしました。アメリカ型というのは、歴史の浅いアメリカでは、どちらかといえば外へ外へと広がっていく拡散型のまちづくりだというふうに定義されて、歴史や伝統というものを非常に大切にするヨーロッパのまちづくりというのは、拡散しないで、中をしっかりと守って、その中心に魅力を残しながらしっとりとした形で皆さんが暮らしていくというような定義をされております。 日本のまちづくり、国づくりというのは、どちらかというとやはりアメリカに学ぶところが多かったんではないかというふうにも指摘されておりまして、岩國委員は、アメリカ一辺倒からヨーロッパ型のまちづくりに軸足を移していくべきではないかというふうに指摘をされたんだと私は理解しているんです。 それに対して扇大臣は、これも非常に示唆に富んだお話をいただいているんですけれども、二十世紀は欧米先進国に追いつけ追い越せということで、ひたすらハードの部分で頑張ってきた。でも、二十一世紀はソフトが大事なんだと。ロシアのサンクトペテルブルクを例に挙げまして、市民が、あの厳しい時代も市民の力で町を守り抜いて文化を残したんだという話をされました。 結局のところ、ソフトというのはやはり文化に通じていくのかなというふうに私は理解をさせていただいたんです。扇大臣は、ヨーロッパ型とはおっしゃらずに、日本独自のつくり方があるんだというふうにおっしゃっているんですけれども、話を聞いてみると、ヨーロッパ型に軸足を移していこうとされているのかなというふうにも私は理解させていただいたんです。 そんな議論を踏まえて扇大臣に伺いたいんですけれども、都市政策、住宅政策において密集市街地の整備をどのように位置づけているのか、その意義を伺いたいと思います。 それから、本法施行により密集市街地整備を進め、東京や大阪の都心部をどのように再生しようとしているのか。いろいろなまちづくり、国づくりの総合ビジョンがあると思うんですけれども、そんな中で、この密集市街地の整備から始まって、どのような完成図を描いていらっしゃるのか、その姿を伺いたいと思います。
○扇国務大臣 アメリカ型といわゆるヨーロッパ型、一番日本はおくれているんですから、おくれたついでに両方のいいところをとろうと、大変厚かましいことを私は考えております。でも、私はそれでいいと思っています。おくれたのを幸いに両方のいいところをとっていける、私はそれも日本の知恵であろう、そう思っています。 ただ、残念なことに、戦後今日まで、今言っていただいたように、衣食住、ただこれを満たすために追いつけ追い越せで、超特急で私たちの先輩が復旧復興してくれたんだと私は思います、第二次大戦後。けれども、その中に基本的な都市政策というものができていなかったために、集中的に、ただやたら衣食住もハードの面で整備をしてきた。その基本的なグランドデザインというものがなかったということが、私は、これは二十世紀の負の遺産だと思っています。 ですから、こういうような市街地密集の解消を図るという法案を出さなければいけないような状況になってしまって、先ほど言っていただきましたように、二十世紀の負の遺産の都市行政、住宅行政、そういうものを、今、密集市街地のこういう法案によって、いかに安全、安心に住めるかということを私たちは改めて問い直さなければいけないことになってしまった、私はこう思います。ですから、今は、やっと衣食住足りて、改めて、人間として、日本人としてどう生きるべきか。今度は、最低限の文化も、そして安全も安心も加味した、アメリカ型とヨーロッパ型を加味した解決方法をできないかということが今一番問われて、こういう法案をお出しした。 一生懸命東京集中、まあ東京集中の数字を私は持っていますから、これを言っていると遅くなるので気が引けるんですけれども、密集市街地の状況で、地震等が発生すれば市街地が大火となって甚大な被害を生じるおそれのある密集市街地が広域に存在していますけれども、全国で二万五千ヘクタール、これが密集市街地。そして、東京、大阪はおのおの六千ヘクタールが密集市街地になっている。そして、一度大火があったり大災害があったら、これだけのヘクタールが災害を受けるというものが、私の手元にも、皆さんにもこれをお配りしていいような、わかるわけですね。 これだけわかっているのに対策をしなかったのかということになると、我々は、少なくとも行政府として、何としてもこれを避けなければいけない。それを最大限、今回の法案によって、こういう密集市街地になってしまったものは、これは二十世紀の負の遺産なんですから、それを何とか解消していきたい。まして、大火があっても消防車がきちんと通れるような道路の確保も、いかに密集市街地であってもつくっていかなきゃいけない。 そういうことで、我々は、こういう防災上あるいは災害上危険な地域というものの解消を図るのが、今しておかなければ、後では遅過ぎる。 また、阪神・淡路大震災を我々は経験しております。そういう意味では、災害から守るということを最大限に、全国地震列島だから逃げようがないんですと言ってしまえば身もふたもありません。けれども、少なくとも行政の立場からは、これを最大限に解消して、密集市街地と言われる大都市の中心部においても最低限の予防ができる、防止ができる、それが今回の法案によって特にしなきゃいけないこと。 また、日本の状況によって、この間も申しました、他の国に例を見ない急速なスピードで、わずか二十五年で高齢社会を迎える、都心に限って高齢者が多い、こういう状況では、こういうことをしておかなければ人的な災害も起きるであろう。特に高齢者、そういう人たちには、これを予防するために、今回は新たな二十一世紀型に少しずつでも、テンポは遅いかもしれない、お金を伴うことですから、けれども、していこうというのが今の行政の立場の、今回の法案の趣旨でございます。
○阿久津委員 緊急措置としての最低限の安全確保だというふうに理解をさせていただいたので心配はないと思うんですけれども、この法案というか、都市の密集市街地等の整備を進めて東京や大阪をどんどん住みやすくすればするほど、実はちょっと懸念が逆に生まれてしまう場合があると思うんですね。それは、扇大臣もいつも御指摘をされていますし、それから「土地の経済学」を書かれた野口悠紀雄先生なんかも指摘されているんですけれども、実は、東京の人口密度というのは、パリやロンドンと比べればそんなに高いわけじゃなくて、もっときちんと整備して、容積率とか建ぺい率などもいじって住みやすくすれば、スペースも確保した上で、もっとゆったりとたくさんの人が住めるわけです。 ただ、それをやると、今度は、どんどん便利になるからまた人が集まってきてしまう、そうすると交通体系そのものをまた改めなくちゃならない、そういうちょっと自己矛盾に陥ってしまう部分があると思いますので、そこのところは心配していたんですけれども、今の御答弁であれば、緊急措置として、とにかく一番危険なところだけまず直さなくちゃいけないというふうにお答えいただきましたので、東京や大阪の都市部をよくすることも大事なことだと思いますので、ぜひこれからもその方向でお願いしたいというふうに思います。 扇大臣との議論を楽しんでいる間に、実務的な質問がどんどんできなくなってしまいますので、ちょっと進ませていただきたいと思うんです。 阪神・淡路大震災での大規模被害を教訓として、密集市街地の整備促進を目的として、平成九年、いわゆる密集市街地整備法が制定されました。延焼等危険建築物に対する除去勧告措置を定めるなど、その効果が期待されたところなんですけれども、現時点ではその活用が十分にはなされていない状況にある、その理由を伺いたいと思います。また、その反省をどのように本法に生かしていくのか、お答えいただければと思います。
○澤井政府参考人 現行の密集市街地整備法、平成九年に制定されたわけでありますが、基本的には、この法律に従って、個別の建てかえとか、あるいは数人で共同して行う建てかえを誘導するということで、住民の自発的な取り組みによる密集市街地の整備改善を支援するための仕組みをかなりきめ細かく措置したものであります。 しかしながら、現実には十分な整備が進んでいないということも事実でありまして、この理由、幾つかございますが、一つには、建物の建てかえなどを全員の合意を得た上でやる、これは最も望ましいことは言うまでもないんですけれども、それだけに、なかなか全員合意に至らないケースがある、しかもかなり多いというのが一つ。 それから、町全体の安全性を高める、燃えどまりやすくするという観点からも、基幹的な道路とか公園の整備というものが大事なのでありますが、こういった整備のスケジュールを含めまして、地域全体をいかに安全な都市構造にしていくかということを住民の皆さんに明確に示すという仕組みになっていなかった、このあたりが主たる理由ではないかと思っております。 こうしたことを踏まえまして、今回の改正の中の主要事項の一つとして、建物の建てかえにつきましては、いろいろな住民の方々のニーズにこたえやすくするために、権利変換のやり方なんかも多様化をする、柔軟な権利変換ができる、それによって合意形成しやすくするということをやった上で、いざというときは強制力を伴って事業ができるというようなことにしますこと。 それからまた、道路、公園等、防災上重要な公共施設につきましては、その周辺の不燃建築物と一体となった整備を促進する、それによって一層防災機能が高まるわけでありますが、そういった観点から、全体のビジョン、マスタープランの中にきちんとそれを位置づけまして、しかも、だれが、例えば区役所か、都市基盤整備公団か、東京でいえば東京都か、だれが今後何年以内に道路なら道路の整備に着手するかということを都市計画の中に位置づけまして、いわば時間管理概念というふうに我々申しておりますけれども、それを都市計画の上で明らかにして、それによって、周辺の住民の皆さんが、建物をいつごろ建てかえたらちょうどタイミングがいいんだろうか、あるいは場合によったら、出ていきたい方について言えば、土地をいつ処分したらいいんだろうかというあたりの時間的な目安も立てやすくするという特別の制度も導入しておりまして、こういったことで、現行法に比べまして一段とこの取り組みが進むのではないかというふうに考えております。
○阿久津委員 最終的には強制的措置もあり得るということだと思うんですけれども、強制的措置についてはくれぐれも慎重に運用していただきたいということだけお願いしておきたいと思います。 続いて、防災上、また災害時の対応においても、地域住民やNPO、公共団体などとの連携共同作業が災害に強いまちづくりを行う上で不可欠と考えておりますが、この点についてどのような支援策を考えているのか、お答えいただきたいと思います。
○澤井政府参考人 まずは、お住まいの住民一人一人の方々が主体となった取り組みが大事だと思っております。ただ、一方、我々含めまして、一般の国民、まちづくりに関する情報とかノウハウ、必ずしも十分ではないと思います。 このため、地域の現状や課題に関する認識を住民の皆さんが共有していただく、その前提として、どうしたら安全な町になるかという知識も十分に習得していただく。その過程で、公共団体あるいはNPOの皆さん、さらには住民相互の連携協力体制をつくり上げていくということがベースとして非常に大事だと思っております。 このために、既に現行法でも措置されているのでございますが、防災まちづくりに関する情報提供を行ったり、あるいは、住民の皆さんからの相談に応じる防災街区整備推進機構という仕組みが現在ございます。これは、現在のところ、民法上の公益法人だけがこの指定対象になるんですけれども、近年、全国的に活発な活動を展開しておられますまちづくりのNPO法人の方についてもこの機構に指定できるという仕組みを設けました。 また、現在別途御審議賜っております独立行政法人都市再生機構につきましても、今後、まちづくりのコーディネート、権利調整を含むコーディネート機能を重視していくという方向で申し上げておりますけれども、この都市再生機構あるいはその前身としての都市基盤整備公団、こういった機関も、住民の皆さん方と一緒になって安全なまちづくりを考えていくお手伝いができると思っております。 こうした住民の皆さんの取り組みが地域のまちづくりのビジョンとして具体化していきまして、それが、昨年創設されました都市計画の提案制度の活用にまで結びついていけば、これは大変いい流れではないかというようなことを考えております。
○阿久津委員 市民参加のまちづくりというのが私の持論なんですけれども、市民の自主性をぜひ適切にバックアップしていただきたいというふうに思います。 続いて、密集市街地には建築基準法に適合していない建築物が多いとされていますけれども、既存の不適格または違反建築物の是正や新たな違反建築物の防止のための方策をどのように考えているのか、お答えいただきたいと思います。
○松野政府参考人 お答え申し上げます。 密集市街地におきましては、老朽建築物が密集している、あるいは細街路や行きどまり道路が多いということで十分な公共施設がない、それから、御指摘のとおり、接道義務等の基準法の制限に適合しない既存不適格建築物も多いということで、防災上極めて脆弱な市街地が形成されております。こうした状況ですから、既存不適格建築物の個別の建てかえがなかなか進みにくいということで、早急な整備改善が困難となっているわけです。 そのために、今回、既存不適格の建築物を、できるだけ共同建てかえによってまちづくりをしていく必要がある、あるいは公共施設の整備をあわせてやっていく必要があるということから、公共施設の整備のプログラムを明らかにして、周辺の住民がそのプログラムを見ながら自立的な建てかえができるように、建てやすくする、建てかえをしやすくするということ。それから、共同建てかえをする場合にも、多様な権利変換手法、柔軟な権利変換手法を可能とするということで、いざというときには強制力を伴った事業手法を用いるということでございますが、そういったことで、既存不適格建築物については、できる限り共同化によってまちづくりをしていく必要があろうかと思います。 また、違反建築物につきましては、これはやはり是正を促進するという必要がございます。昨年四月に、既存建築物の、特に違反建築物に対する是正マニュアルをつくりまして、これを活用していく。あるいは、現存します違反建築物、工事中の違反建築物、こういったもののパトロールによる的確な把握あるいは違反是正をしていくという必要がございます。 引き続き地方公共団体を指導いたしますとともに、平成十年の建築基準法改正によりまして創設いたしました中間検査制度というものがございます、こういったものも活用する。あるいは、従来からございますが、完了検査、これも徹底して、違反建築物をできるだけなくしていくという措置を講じてまいりたいと考えております。
○阿久津委員 自分の家が違反建築かどうかというのはよくわかっているそうで、違反建築なので、もうぼろぼろになって、火事が起きたら一発、震災が来たら一発でやられてしまうんだ、危ないんだ、危ないんだけれども、しようがないから建てかえできないんだというような方もいらっしゃると思いますので、注意とともに、ぜひ、コンサルティングというか相談にも乗ってあげていただければというふうに思います。 それから次に、防災街区整備事業の実施に当たって、密集市街地に住む高齢者や障害者等、費用負担の困難な方々に、負担軽減措置を含めどのような居住安定措置を用意しているのか、お答えいただければと思います。
○松野政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、密集市街地に暮らしておられる高齢者の方々、こうした方々の事業への参加といいますか、合意をできるだけとっていかなければいけないということがまず第一でございます。したがいまして、まず地権者の負担の軽減を図るということが大事だろうと思います。 防災街区整備事業につきましては、老朽建築物の除却費あるいは整地費、それから、新しくできます建築物の共同施設整備費、こういったものに対する助成をして、できるだけ負担を軽減する。あるいは、借家権者の方でどうしてもこの事業に参加できない、中に入れないという方が出た場合には、その方に従前居住者用住宅を提供して家賃対策補助も実施するということで、低家賃で住めるというような措置を講じてまいりたい、こう思います。 また、権利変換によって、その中に入って、あるいは多少増し床をしたい、床面積を広げたいというような方もいらっしゃると思います。そういったときには住宅金融公庫の長期低利の融資制度を活用していただく。その際には死亡時一括償還という制度もございまして、とりあえず毎月金利だけ払っておいていただく、亡くなられたときに一括償還をするということで、返済額は、元利払いに比べますとおおむね三分の一に低減するということが可能になります。 また、先ほど申しました従前居住者用住宅だけではなくて、例えば公営住宅が周辺にありますればこの空き家をうまく活用するということで、特定入居という通常の公募によらない入居も可能でございます。そういった活用もしていくということで、こうした助成制度等を活用して、密集市街地における高齢者等の方々の対策を進めてまいりたいと考えております。
○阿久津委員 社会的な弱者とも言える借家権者の保護の部分については、居住安定措置の確保について十分な配慮をくれぐれもよろしくお願い申し上げたいと思います。 続いてもう一つ。区分所有法では、建てかえ決議要件は居住者の五分の四の賛成を必要としていますが、本法では三分の二の賛成があれば建てかえ可能となり、三分の一の反対者はその居住権を制限されてしまうことになります。区分所有法ですら五分の四の賛成を建てかえ要件としているのに、幾ら密集地の災害対策とはいえ、三分の一の不同意者の居住権を制限してしまうのはいかがなものかとも思うのですが、三分の二要件の根拠を簡単に伺いたいと思います。
○松野政府参考人 お答えいたします。 まず、今回の防災街区整備事業で、組合の設立に当たりまして、三分の二以上の同意という制度にしたわけでございます。 その理由でございますけれども、従来ですと、やはり任意の、全員同意を前提として共同建てかえを進めてまいりましたが、一部の反対の方によって事業がとんざする例もあったわけでございます。中には、密集市街地の整備の改善のためにどうしても実施しなければいけないケースがございます。そうしたケースのことを考えますと、いざというときには強制力を備えた制度とする必要があるということで考えられたわけでございます。そういう意味で、公益性がかなり高い事業という前提がございます。 したがいまして、一方では権利保護もしなければいけないということで、単なる過半数ではなくて、ある程度の多数の方々の同意が必要だろう。ただ、余りに多数の同意要件を課しますと、公共公益性の高い事業であるにもかかわらず、円滑な施行を阻害してしまうということになりまして、私権の保護と事業の公共公益性との調整を図るという観点から、組合の設立要件を三分の二以上というふうにしてございます。これは、市街地再開発組合あるいは土地区画整理組合と同様に三分の二としたことでございます。 お尋ねの、マンション建てかえのように区分所有法のケースでは、五分の四の同意で建てかえ決議ができるという制度になっております。これとの関係でございますが、マンション建てかえというのは、全員同意といういわば民法の共有の原則がございます。全員同意でやることが原則なんだけれども、かなりの多数の方々の同意でできる仕組みが必要だということで五分の四という仕組みが導入されたわけでございますが、賛成者の方が反対者の方に売り渡し請求権を行使して、その時点で請求した者に所有権が移るという形成権というのがございます。この形成権としての売り渡し請求権を行使して、その時点で全員がいわば同意する形になります。あくまでもマンション建てかえのような、マンションの居住者の利便の向上ということのためにやっていかなければいけないという、いわば自己責任の世界の、全員同意を前提とした世界の中の特例の措置として設けられたものでございます。 したがいまして、これは五分の四以上というかなりの多数の同意を必要とするというふうに制度設計がされたということで、今回の公共公益性がかなり高い防災街区整備事業とは若干内容が異なる、その性格に根本的な相違があるのではないかということでございます。
○阿久津委員 公益性が高いとはいえ、合意形成ですから、ぜひ、できるだけ丁寧な作業をお願いしたいというふうに思います。 最後に、ちょっと関連質問なんですけれども、どうしてもこれだけ伺わせていただきたいのですが、災害から街を守る意味で、緊急車両の通過を素早く行い、大火を防ぐためにも、ボトルネック踏切の解消は喫緊の課題だというふうに考えております。扇大臣の肝いりで、十年で全国千カ所のボトルネック踏切の半減を約束した踏切法の改正が制定されて二年になりますが、その進捗状況を数字でお伺いしたいと思います。 それからもう一つ。その踏切法の改正のやりとりのときに、ちょっと名前を忘れてしまったんですが、自動スピード感知踏切制御装置みたいなものがあって、要するに、列車のスピードが異なるわけですけれども、一番速い列車に合わせて踏切の上げ下げを行うので、かなり長時間踏切が閉まったままになってしまう、それを、列車に合わせて踏切を上げ下げできるようにするという装置を開発されたというふうにおっしゃっていたんですけれども、この普及状況はどうなっているのか、そこの二点、お伺いしたいと思います。
○佐藤政府参考人 数字のお尋ねでございますので、簡潔にお答えを申し上げたいと思います。 まず、連続立体交差事業などによります鉄道の高架化、これにつきましては、約千カ所に対しまして、既に平成十四年度末までに五十カ所終えております。さらに、十五年度、二百三十カ所におきまして事業中でございます。 それから、先ほどのスピード感知踏切制御、これは踏切警報時間制御装置、こういうふうに呼んでおりますが、この装置につきましては、平成十三年度末におきまして全国で三千四百五十二カ所の踏切に設置されている、こういう状況でございます。 いずれにしましても、道路管理者、鉄道事業者とよく連携をとりながら、ボトルネック踏切対策の推進を図ってまいりたいと思っております。
○阿久津委員 最後、お願いだけになってしまうんですが、さっき、何といいましたか、自動スピード感知踏切装置ですか、それはぜひ、ボトルネック踏切で、まだすぐに作業に入らないところに優先的にできればつけていただきたい。本当に困っておりますので、ぜひそのことを扇大臣にお願いしまして、質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
○河合委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○河合委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。岩國哲人君。
○岩國委員 民主党を代表いたしまして、特定都市河川浸水被害対策法案について質問させていただきたいと思います。 まず、大臣にお伺いしたいんです。 この特定都市として想定されている都市のリストというものは既にできているはずだと思いますけれども、これは全国で何市あるんですか。 また、事務局に問い合わせましたところ、これはまだ発表できないと。そうしますと、大体この法案が対象とする都市が、事務担当者においてさえも明確に幾つの都市があるのかわからないというような法案では、これの運営はどうなっているのかという不安が感じられるわけです。 そういうものは明確にし、また想定しているのはこういう都市でありますということを発表することによって、それぞれの都市の、ああ、自分たちのところも対象になるんだ、あるいはならないんだ、なぜだろうと国民の関心というものを喚起し、そして理解を深めていくためには、こうした情報公開というものが、なぜ、法案だけは通しておいて、後で密室でいろいろと都市を発表していくんだ、何かそこでは交渉過程において発表できないようなマイナスの要素というのはあるんですか。どういう点で都合が悪いんでしょうか。まず、そのことを大臣にお伺いしたいと思います。
○鈴木政府参考人 まず、私の方から若干御説明申し上げたいと思います。 御指摘のように、具体的な河川については、今までの御質問の中でも、全国で三十ないし四十河川、このようなことを御説明させていただいております。幾つか、鶴見川とかなんとかという形で固有名詞を申し上げているものもあるわけでございますが、具体的なリストというのは今のところ公表していないわけでございます。 これは、隠すとかなんとかという趣旨ではございませんで、この法律では、条文にございますように、具体的な特定都市河川及び特定都市河川流域の指定というのは河川管理者が行う、三十ないし四十河川のうち、ほとんどが都道府県知事さんが河川管理者のものでございます。直轄もございます。例えば鶴見川などは直轄で、これは河川管理者が国でございますから、何も問題ないんですが。 基本的に、私どもの基本的なスタンスとして、こういうふうに法律ができて、こういう基準がこうだから、さあ、つくりなさいよということではなくて、やはり、非常にこういったことは、本当にこういう従前型の河川改修だけではどうにもならないな、それにあわせて各種規制も必要だな、あるいは地下街等々、もし災害が起こったときの対応も幅広く講じる必要があるなということを、それぞれの自治体がやはり腹の底から感じていただいて、そういったところについて指定していただくということが大事だろうという観点から、私の方からあらかじめ、こういうところなんですよということは言わない方がいいんではないか、こういうような判断でやっているわけでございまして、決してそれは隠すとかなんとか、そういう趣旨ではございません点を御理解いただきたいと思います。
○岩國委員 こうした法案を、この忙しい国会の中で早く出したいという願い、一日も早く、一年も早く、そういう被害に対して安心感を関係している流域の人に与えたいという願いがあるからでしょう、我々だって同じ思いで取り組んでいるわけですから。 そうすると、そういう策定作業というものを迅速ならしめるためには、説明資料に三十ないし四十と書いてあるわけでしょう。二十五とは書いてないわけです。三十あるということをだれかが知っているわけでしょう。また、五十ではなくて四十だとおっしゃっているわけだから。三十ないし四十と言う以上、具体的な川の名前、流域の名前が頭の中にあってこういうことを書いていらっしゃるわけでしょう。三十ないし四十とそこまで言えて、あと一歩は言えない。その中間の十の都市には何か問題があるんですかとまで思いたくなるわけです。 問題がないんだったら、きれいさっぱり、大体この基準に合うこの法案が対象にしそうなところはこの五十三の都市でございます、その中から、地元の方からいろいろな交渉を進めて、これよりは少なくなるでしょうと、もっと堂々とそういうのはオープンにしてやったらどうなんですか。別にオープンにして都合の悪いことがあるんですか。オープンにして何か物の値段が上がったり下がったりすることでもあるんですか。そんなことないでしょう。
○鈴木政府参考人 この法案をつくる過程で、あるいはこの法案を国会で今御審議いただいているわけでございますが、そういった過程を通じて、私どもは、具体の道府県、都もでしょうか、そういったところと密接に連絡をとり合っておりまして、法案の中身の説明もしております。もちろん、それより前からいろいろな各種要望を伺って、どういうような法律を用意したらいいのかというようなことを密接に打ち合わせしてまいりました。法案をつくった段階で各県ごとに打ち合わせをしておりますし、さらに、具体の県としてということだけではなくて、具体の特定の河川ごとに整理すべき課題、今後の具体の指定に向けて整理すべき課題等を議論する作業にどんどん入っていっております。 同じことを繰り返して恐縮でございますが、公表して何か悪いことがあるとか、そういう三十から、十の間には何か調子が悪いのがあるんじゃないかとかいうような、そういった御懸念があるという点については、私も今、伺ってみれば、そういうことかなということで、考えなきゃいけないかなという気もいたしますが、私どもとしては、あくまでも、せっかくこういった仕掛けをつくるわけですから、やはり国が県に対してこういうところが想定されますよということではなくて、まさに自主的に、本当にこういった新しい仕掛けを用意しながら、本気で取り組んでいかなきゃいけないという点を県の方から自主的に示していただきたい、そういった趣旨でやっているわけでございます。
○岩國委員 地方分権の時代だから地方自治体のお立場を尊重してというお気持ちは結構なことだと思いますけれども、それは小さな親切大きなお世話じゃないかと思います。やはり、今まで河川局で、全国の流域を見てこられたのは地方自治体じゃなくて皆さんが一番専門家なんでしょう。だからこそ、自信を持ってこの法案を出しておられるのだから。 しかも、三十と言い切っている以上は、三十以下ではないわけです。そこまでちゃんと皆さん知っているわけでしょう。それから四十以上でもないということまで知っている。それは具体的な名前があるからですよ。我々は、何もこの法案審議の過程において、どの都市が対象になる、どの川が対象になるということを少し早く知って、地元でおしゃべりして票にしようとか、そんなことは全然関係ないんです。 この法案が、どこまで想定し、具体的な名前を挙げることによって一般の理解を深め、我々も深めて、そして、想定されているところは、こういう想定範囲の都市について、具体的に、個別に、各自治体と交渉して策定していきます、こういう堂々たる態度で私は法案を通し、自治体と交渉されるべきだと思うんです。各自治体も、自分たちが手も挙げておらぬのに、勝手に本省の方で想定しておる。何の不都合がありますか。こういうことはどんどんわかりやすくやった方が私はいいと思うんです。 そして、この法案を審議している議員の皆さんの中にも、自分のところを流れている川が対象か対象でないかもわからないで審議するというのはちょっと気持ちの悪いものなんですね。わかればわかったで、ああ、想定されている川が自分のところを流れているんだな、それならちょっと居眠りをやめてもうちょっと真剣に聞こうか、こういう委員だって少しは出てくるわけですから、そういう効果ということもよく考えて私は発表してもらいたいと思うんです。手元にあるでしょう、ちゃんと。
○鈴木政府参考人 今まで公表していなかった趣旨については御理解いただけたようにお聞きしましたが、おっしゃるとおりの点があろうかと思いますので、そういった方向で考えていきたいと思います。
○岩國委員 いや、御理解いただいてありがとうございます。ぜひ、そういったただし書きつきで例示していただいた方が我々が採決するときも気持ちがいいと思いますので、大臣、ぜひその点はお願いいたします。 次に、各都市において、水の面積はどんどん減ってきているんですね。これは江戸時代から現代に至るまで、東京では四割の水の面積が失われているんです。川は細くなり、そして遠くなり、距離は約二倍、川のそばへ行くまで、以前は五百メートル歩けばよかったのが、今は一キロ歩かなきゃいかぬ。それから、水面の面積が約四十何%失われてしまって、細い川、遠い川になってしまったんです、これは都市化の結果としてやむを得ない面もありますけれども。 そういう点から考えますと、大阪は水の都と言われたぐらいに、江戸は八百八町、大阪は八百八橋と言われて、非常に橋が多い、川が多い。その大阪について調べますと、大阪もまた四割失われているんです、江戸時代から比べますと。そして、川は流れる橋の下という歌もありますけれども、今、東京や大阪の川はほとんど、橋の下じゃなくて道の下を走っておるんですね。川は流れる道の下。道でどんどんカバーしてしまった結果が、みずみずしさを失ったドライタウンになってしまったんです、東京も大阪も。 このみずみずしさを保つ、災害対策ということだけではなくて、住みよさ、あるいは景観対策ということから見ても、この水の面積をもっと守るという一つのビジョンがないと、またこれでもってどんどん水の面積が減ってしまうのか。地下へ地下へと貯水池をつくるのは結構ですけれども、むしろ貯水池は上の方に出して、自動車に下を走らせるぐらいの発想というものも私は必要だと思うんです。 こういう点について、これからの浸水被害対策と都市景観との関連で、さらにこの水面積というのは今後三十年、五十年の間に少なくなる方向にならざるを得ないのか、それとも、この法案のどこかにそういうことに対する留意事項というのはしっかりあるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○鈴木政府参考人 東京、大阪を具体的例に、水面積の減少についての御指摘でございました。 御指摘のように、大阪を見ているとわかりますが、数字では数十%とかいうふうになるんですが、それは淀川とか大きな川が現に、昔から、今もございますし、大阪の場合ですと、大川があって、堂島川、土佐堀川という、昔から河川、今でも河川の部分がありますから、数字にはそう見えるんですが、実際には、あそこに縦横にめぐらしておりました西横堀川、東横堀川、それを中心に多くの掘り割りが生まれていたものが、今では、残念なことに、東横堀川と道頓堀川だけが水面として残っている。東京においても多くの水面が失われております。 これは、一つ不幸なことは、それらの河川がもともとつくられた経緯が、舟運とかあるいは城郭の掘り割りとかそういった目的でつくられていたものでございますので、河川の洪水を処理するという機能が持たされていなかったわけでございます。そういった水面が汚されてくるとか、モータリゼーションが進んできて駐車場が欲しいとか、しまいには高潮が来てあふれるとか、いろいろな要素が重なって、一気に埋め立てが進んだということで、大変残念なことだと思っております。 この法案は都市の水害対策を軽減するという観点から組み立てられておりますので、そういった水面積をふやすというようなことを直接的にこの法案でもくろんでいるものではございませんが、法律の中で、例えば新たに河川管理者が調整池をつくることができるとか、あるいは民間の方にも調整池を義務づけるというようなことが法案の中に盛り込まれているわけでございます。 せっかくそういった都市の中で土地利用、地価の高いそういうところでそういうものをつくるわけですから、単に洪水を抑えるという目的だけではなくて、さまざまな面、できれば水面も一部ふだんから確保しておくとかいろいろな工夫の仕方があるんですが、できればそういったような面で多目的な利用というものが進めば大変いいことだと思いまして、そういったことも含めて、この流域水害対策計画は、河川管理者、下水道管理者、それから知事さん、何よりも地元の首長さん、四者一体となってつくるものでございますので、御指摘のような点が反映されるように私どもとしても期待しているところでございます。
○岩國委員 例えば東京、あるいは東京ではなくて首都圏なら答えができるというのであれば、東京の水面積、今六・五%。これは三十年後、五十年後に六・五%をどれぐらい上回る水面積を確保しよう、そういう考えはありますか。あるいは、もう五%を割り込んでいきそうな、もう少し数量的な一つのビジョンなり、計画なり、予想、シミュレーションというのは何かありませんか、皆さんが作業しておられて。
○鈴木政府参考人 私が承知している限りでは、そういった水辺をかくかくしかじかでふやすというようなプランは今のところはないと承知しております。 ただ、具体には、例えば大阪などでも、いろいろな民間などと私どもの出先機関である近畿地方整備局というのもございますけれども、そういうところで、失われた水辺を守るとかなんとかということではなくて、やはり都市にとって、後悔しても仕方ないので、これからむしろそれを復活していくというふうなことを官民あわせてやったらいいじゃないかというような声がふつふつと起こってきているというのも事実でございます。 やはりこれは、国民的な理解と申しましょうか、都市の本当の潤いというような観点から、そういったことが進んでいけば、河川管理上も、それが遊水地としての効果を期待するとかさまざまな面で有効でございますので、直接私ども今そういったプランを持っておるわけではございませんが、そういった取り組みに対して私どももできるだけの支援と申しましょうか、話し合いを持つとか、そういった形で進めてまいりたいと考えております。
○岩國委員 エビアン・サミットでもこうした水の問題、世界的な問題として意識されて、大変私は結構なことだと思います。だからこそ、そういうタイミングに、符節を合わせたかのように、こういう、ある面では水は恐ろしいもの、ある面では水は必要なもの、この恐ろしい水をちゃんとコントロールしていこうという、非常に私は時宜を得た法案だと思って賛同しておりますけれども、この流域人口は、大体三十ないし四十という中で、大ざっぱなところで、日本の人口のどれぐらいがこの対象となりそうか、それをまずお伺いして、次の質問をしたいと思います。
○鈴木政府参考人 全国で既に総合治水対策というのをやっているわけでございまして、これは四半世紀前からやっております。これは特定河川十四河川というようなことでございます。今この法律で対象としようとしているのはその河川も含めて三十ないし四十と申し上げました。 その三十ないし四十で人口がどうかという数字については、実はそういう集計はまだ出ていなかったんですが、特定河川の十四河川で申し上げますと、そこの十四河川の特定河川に二千万人の人口が集中している、このように承知しております。 また、これはいつもいろいろな形で申し上げておりますが、全人口のおよそ半分の方々が洪水になれば浸水する可能性があるところに住んでいらっしゃる、こういうことでございます。
○岩國委員 今答弁いただいた十四河川で二千万というのは、私が事務局の方からいただいた資料によると十七河川で二千万、もし間違っていれば、今すぐ訂正しておいてください。
○鈴木政府参考人 間違えました。十七河川でございます。
○岩國委員 こういう法案を成立させると同時に、二千万人と想定される流域人口の皆さんに、市民活動としての意識も、こういった防水対策、洪水対策、そして学校教育の中でも、私はそれを強化すべきだと思うんです。 私が市長をしておりました島根県出雲市、災害に何回も悩まされました。河川局で一番たくさん予算をいただいているというナンバーワンのあの斐伊川治水事業ですけれども、それだけに市民はそういった学校教育を通じて、それから洪水対策、真剣に取り組んでいる。 それから、水面積ということを私は取り上げましたけれども、斐伊川という大きな川と神戸川という大きな川とそれをつなぐ新しい川まで、建設省の御指導をいただいて、それをつくらなきゃ危ないからといって川のバイパスまでつくって、水面積がふえた珍しい都市だと思うんです、ふやしたくてふえたわけじゃありませんけれども、結果としては。 それだけに水と密接な関係がありますから、同じように、私は、別に出雲市が対象に入っているかどうか、それは知りませんけれども、その流域人口の皆さんには大いにこういう啓蒙をして、住民の意識を喚起し、協力をして、それがそれぞれの自治体のいろいろな計画策定に反映されるような指導を強力にやるべきだと思いますけれども、大臣、そういうお考えは持っておられますか。
○扇国務大臣 大変大事な法案を御審議いただいておりますし、また、今岩國議員は、水面積だけで御論議いただいてもその重要性が明らかになったところですけれども、私は、水面積のみならず、水のいわゆる美的、美観、そういうものも一番大事だと思っております。 そういう意味で、例えば、岩國議員は例を挙げられましたので、私もあえて例を挙げさせていただきますと、日本橋。川は流れております。日本橋は五街道の始点です。けれども、日本橋という橋が文化財になっても、橋の上まで見えないという現状。これは高速道路で半分ふたしております。 こういう水と、水に対する美観、それからそれを再現する、もう一度復活させるということも大事だと思いますし、また、都心のヒートアイランド現象がございますけれども、大きな川の両わきの百メートルは温度が二度下がります。それほど川というものは、我々都市の生活者にとっても大きな影響を及ぼし、なおかつ美的にも、あるいはヒートアイランド現象の温暖化現象等々にも、水がいかに役に立っているかということを、治水だけではなくて、いわゆる生活の潤い、文化の原点でもあると考えておりますので、今、水の面積のお話が出ましたので、それも勘案しながら、私は、人類の中で水による潤いとそして文化の継承というものも、環境も含めた大事なものであるので、一挙何得にもなる水というものの考え方を広域的にとらえていきたいと思っています。
○岩國委員 大臣に先ほどお伺いしたかったのは、そうした国土交通省が中心になって、文部科学省の協力も得ながら、そういう学校教育それから市民教育の中で強力に、そういった水の大切さだけではなくて、水の恐ろしさ、この法案がなぜできて、そして特定都市として自分たちの流域が指定されたのは何のためなのか、よその都市じゃなくて自分たちの流域が指定されているのはどういうことなのか、そういうことをしっかりとわからせる努力が必要だということを私は認識していただきたかったわけです。 今大臣もおっしゃいましたけれども、この百年間に、東京都に例を挙げると、川から、百年前には平均して二百十八メートルのところに東京の住民は住んでおった。今は川が遠くなり、細くなって、平均して五百メートルなんです。つまり、確実に川は遠くなってしまった。川から遠いところに住んでいる人がどんどんふえている。そのヒートアイランド現象、水の涼しさの恩恵にもあずかれない。水の美しさに触れることもない。水を眺めることもない。二百十八メートルが五百メートルになっております。これは、水を大切にしないまちづくりが行われた、かさかさした、そういう乾き切った都市がずっと広がっているということじゃないでしょうか。 私は、こういう水の問題が世界的に認識されているとき、同時に水の被害というものが認識されているときだからこそ、これからの都市づくりにおける水の大切さというものをもっともっと、私はほかの法案のときにもこれを質問したかったわけですけれども、取り上げていくべきじゃないかと思います。 それから次に、洪水対策の中で質問したいのは、下水道、公共下水道。 これは、昔は建設省。そして、農水省は農業集落排水。厚生省は合併浄化槽。各自治体は、三つのメニューでどれを選ぶのか、どれが補助率が一番いいのか、手軽にできるのか、頭を悩ませて、その三つのメニューの中からいろいろと選択してきたわけです。 公共下水道というのは、非常に大型で立派だけれども、地方自治体にお金がかかる。だから、それを避けて、どうも農水省の方の補助金がよさそうだから集落排水でやってみよう。あるいは、厚生省の補助率がよくて手軽にできそうだから合併浄化槽でやってみよう。みんな結局、どれがおいしいか、やりやすいか、お金の負担が少ないかという発想でもってやってきていますから、こういう流域全体としての排水処理あるいは洪水のときの水の処理ということの視点が非常に私は欠けておったんじゃないかと、私自身の反省を含めて申し上げなきゃいけないわけです。 さて、今度は、この公共下水道というものが、ふだんの生活排水の処理という点においては三つのメニューどれも同じですけれども、洪水対策、浸水対策のときにはほかの二つはほとんど役に立たないわけですから、私は、公共下水道というものに対するいろいろなグレードアップを図って、この特定都市として指定を受けたところにおいては、公共下水道の比率をもっと飛躍的に上げるような何らかの制度なり措置というものが必要じゃないかと思いますけれども、この点、いかがですか。
○澤井政府参考人 まず、合併処理浄化槽、農業集落排水事業、それから下水道、この役割分担、かなり論じられてから久しいわけで、現在、都道府県ごとに役割分担を図面に落とした構想をつくって進めております。 ただ、これはあくまでも生活汚水を処理するための役割分担ということでございまして、雨水対策につきましては、下水道サイドの対策はこれとは全く観点を異にしまして、建物の戸数ですとか過去の浸水被害の頻度なり程度、そういったものを一定の指数化をしまして、一定の数字以上のところについて下水道による雨水対策を実施しているというのが今の仕組みでございます。 下水道による雨水対策は大別して二つありまして、一つは公共下水道の雨水管でやる、もう一つは雨水専用の都市下水道というものを整備する、その両方がございます。 したがって、生活汚水についてはたまたま合併処理浄化槽や農業集落排水事業の実施箇所というふうになっているところであっても、先ほど申し上げましたような、一定以上の内水被害のおそれがありまして緊急を要するところがあれば、それは別途、下水道、公共下水道あるいは都市下水道ということで雨水対策をしていくことが可能でございますが、一方で、現状を見てみますと、平成十三年度末現在でございますけれども、下水道による雨水対策を必要とする地域、先ほどの一定の戸数なり頻度、程度を勘案した一定の指数以上になる地域における整備率は、まだ五〇%でございます。 そういった現状を踏まえて、現在、下水道サイドで対策を進めております雨水対策は、都市機能が集積した地域とか人口が密集した地域で、しばしばこれまでも内水被害に見舞われていて、非常に緊急性が高いというところから優先的にやるということで進めているのが現状でございます。 今回の特定都市河川につきましても、従来の河道の拡幅とか、そういうことをやるととてつもないコストがかかるほど河川の両側に人家なり業務機能が密集している、用地買収もままならない、そういう河川でございますので、恐らく、個別の当てはめはまだやっておりませんが、そういった中で合併浄化槽あるいは集落排水というところで汚水対策を進めているところは余りないんではないかという気がしております。 なお、最近の公共下水道は分流式で、汚水と雨水、両方分けて対応するのが一般的でございますけれども、例えば、現在公共下水道を実施している箇所でも、雨水対策については、既存のいろいろな水路がございますので、そういった排水路で自然にはけるということの事情などから、公共下水道の中でも汚水対策だけをやっているという箇所も相当ございまして、数的には、下水道事業をやっている箇所、これは雨水も汚水も、流域下水道も公共下水道も含めてですが、今、全国で約二千五百カ所ございます。その中で雨水対策を実施している箇所は約六百ということで、かなり差はあるのが現状でございます。
○岩國委員 詳しい御説明いただきましたけれども、そういう公共下水道にも、今までとはまた違った、特にこういう指定を受けた都市においては違った役割をもう一つ担わせる。今までも部分的には、あるいは結果としては担っておったわけですけれども、最初から、設計段階から、多目的下水道という言い方が適切かどうかわかりませんけれども、そういう意識はこれから必要じゃないかと思うんですね。 それから、それに関連して、多目的下水道に関連して、多目的環八、環七、環状八号線、環状七号線、東京に皆さんお使いになっている道がありますけれども、私の世田谷もそれが走っていますけれども、あれは、大型の災害のときにはまずあの環状線は使えない。それから豪雨のときにもまずあれは走れませんよ、水が多くて。 とすると、あの下に地下鉄を走らせようというエイトライナー構想、これは、関連の世田谷とか目黒とか練馬とか中野区とか、いろいろなところで、十の区長さんが集まって、十年前から、これはもう皆さんのところへ相談に行っておられるはずだと思います、環八の下に地下鉄を羽田からずっと走らせて、それから練馬、板橋の方まで引っ張っていこう。俗に言われるエイトライナー構想、すばらしい計画です。すばらしい計画ですけれども、すばらし過ぎて一メートルもできていない。やる気がない、お金がない。結果、計画だけがあって、何にも進んでいないわけです。したがって、災害があっても役に立たないし、いつになったらあの計画は動き出すのか、これが一点。 二番目に、地下鉄だけを走らせるような工事をやるのはもったいないと思うんです。やはり下に高速道路、パリのペリフェリックのように環状自動車道路をつくることによって、上は自動車、下は地下鉄、そういう二階建ての構想で、工事費の削減を図って、少しはふえますよ、しかし二つつくるほど、二倍にはならないわけですから。 そういう構想で、いざというときの緊急災害対策のためのそういう道路として環状八号線、環状七号線を持たなかったら、これは部分部分において浸水対策、洪水対策をやっておっても、大型被害のときには何もないわけです。高速道路があったって、そんな高速道路の上から救急物資を、救援物資を落とすわけにいきません。環状七号、環状八号という、生活道路ではあるけれども、そういったかなり大量に物流のために役に立つような、そういう道路の下に、いざというときには災害対策のためにも、日常にも使えるような地下高速道路をあそこへ走らせるべきじゃないか。 あえて名前をつければ、エイトライナーではなくて、ライフライナー、ライフというのは、首都圏三千万人の命を守るためのライフ、日常生活を豊かにする、生活のためのライフ、私は、そういうライフライナー構想を以前にもこの建設委員会で質問したことがありますけれども、エイトライナーでさえも進まない、ましてやライフライナーも進まない。 エイトライナーではなくて、むしろライフライナーの方に構想を変えていった方が、災害対策、ただの交通渋滞対策ではなくて災害対策という色合いをつけることによってもっと話が早く進みやすくなるのかどうか、こういった点、所管の局長あるいは大臣から御意見をいただきたいと思います。この首都圏の環状線の地下利用というものは災害についてどういうふうにお考えになっているのか、その点について。
○澤井政府参考人 エイトライナー構想、これは運輸政策審議会だったと思いますけれども、そこで議論されて、一定の議論の進展を見たということは承知しておりますが、担当の鉄道局長、きょう参っておりませんで、私もちょっと詳細は承知しておりません。 ただ、先ほどのライフライナーというお話でございますけれども、先回の御議論の中で、伴野委員からも、一方で大きな災害があったときにも壊滅的被害は避ける、一定の被害はしようがないとしても、壊滅的被害は避けるという思想が大事だという御指摘を賜りまして、私どももそのとおりだと思っております。 例えば道路あるいは交通機関にしても、一つの幹線がつぶれたときに必ずかわりのものがある、いわゆるリダンダンシーと言っておりますけれども、そういったことによって、全く都市機能が全部つぶれてしまう、麻痺してしまうというようなことを避けることは、非常にこれは大事なことだと思っておりますので、今の先生の御趣旨も踏まえて、さらに研究をしていきたいと思っております。
○鈴木政府参考人 環状道路の地下の水害対策としての利用について若干御説明をいたします。 これは、環七地下河川というのに、そこに縦に交わっております河川の水を一時的にため込んで水害軽減に役立てよう、最終的にはそれをほかの河川まで、あるいは東京湾までつないでバイパスする、このようなことが東京都の方において進められております。
○岩國委員 もう一点質問させていただきます。 これは火災、地震のときにも大きな問題ですけれども、洪水のときにも大きな問題となりそうなのが、屋外の自動販売機なんですね。これがいろいろな救援隊あるいは消防車その他のものが来たときに非常に倒れやすい。たばこの自動販売機、お酒の自動販売機、どんどん屋外に張りついている。家は簡単に動いたり簡単に倒れなくても、この自動販売機が交通を妨げてしまう。こういうものは非常に現象として、皆さん、毎日毎日ごらんになっているでしょう。ふだんはちゃんと立っていますけれども、震度五、震度六になれば、あれのほとんどは倒れてしまう。倒れたら結局、車が走れないような状態になります。それから、洪水でもって水かさが増したときには、非常にまた倒れやすいあれになります。 そうした自動販売機は、洪水対策だけではなくて、一般の交通対策としても、それから町の景観対策としても、これは大変問題だと思います。ああいう屋外の自動販売機について、国土交通省は、円滑な交通手段の確保という点から何か対策を考えておられますか。 例えば、明らかに公道であるところに非常に接近して自動販売機が設置されている。そして、そこにお金を入れて物をとろうという人は、その店の敷地ではなくて、明らかに公道の上に立って動作をしなければその自動販売機を使えない。自動販売機そのものは公道にはみ出てはいないけれども、使うお客さんは明らかにはみ出た場所で公道を使っている。こういうところがたくさん見られるわけです。 私は、これはもっと徹底的に制限すべきじゃないかと思います。これは、公道を無料で利用させているようなものです。そして、こういう災害のときには非常に迷惑な設備がこの自動販売機なんです。 これに対して、どういう意識を持ってどういう対策をとっておられるのか、お伺いしたいと思います。
○澤井政府参考人 一つは、道路法、かつて道路の上に恐らく占用の状態で設置されていたものが多くて、これを一時期相当整理したという過程を経てきたのではないかというふうに記憶しておりますが、その辺は、一つは道路法の占用許可の運用の問題にもなろうかと思います。 ただ、今回の密集法と災害との関係で申し上げますと、自動販売機もそうですし、それから、阪神・淡路のときの非常に痛ましい教訓としては、建物の老朽化によって建物が倒れて車が通れない、避難ができない、物資が運べない、それからもう一つは、電柱なんかも倒れてそれが道をふさぐという、いろいろな議論がありました。 したがって、災害対策の中でそういったあたりをどうするかという観点が一つと、それからもう一つは、やはり景観という意味では、自動販売機もそうですし、また、屋外の広告物一般をどうするか、そういったあたりをいろいろ今、省内でも省全体で議論を進めているところでございますので、同じ答えで恐縮でございますけれども、御指摘を踏まえてさらに研究したいと思います。
○岩國委員 一つの流域が今度の法律によって指定を受けますと、必ず起きてくるのは、やはり上流と下流地域の立場の対立の問題が出てくると思うんですね。 上流の方は水を大量に流す、下流の方は水が多過ぎるときには被害者になる。したがって、上流に住む市町村は、どちらかと言えば加害者の立場で議論しなければならない。ところが、そういう洪水がない平和な日々の場合には、上流は、自分たちが川を差し上げている、水を差し上げている、下流の方はその水を使っているんだから、もう少し自分たちの、上流の過疎地域なりあるいは所得の低いところ、雇用の少ないところ、そういういわゆる経済の世界における南北問題というのが御承知のように上流と下流において起きてくるわけです、その対立の問題が。 例えば、下流の方から、森林税とか環境税とか水源税という形でもってもう少し負担してほしい。これは全国いろいろなところで上流と下流で起きている問題ですけれども、今度こういう形でもって、この法案で一つの流域が計画を策定しなさいというときに、この費用負担の問題が必ず、まず最初に出てくるだろうと思うんです。 一体その費用をどっちが持つのか。下流の方で全部持つのか。下流の方からいえば、上流は水を流す、別にその人たちが一生懸命流しているわけではないんですけれども、結果的に上から流れてくる水のために自分たちは迷惑を受けている、こういう言い方もあるでしょう。 この費用負担の裏づけというものは、この法案のどこにどういう形でもってその裏づけができるようになっていますか。
○澤井政府参考人 具体的なケースの想定といたしまして、この法案の中でも主要な施策として考えておりますのが、例えば、下水道の内水を排除する上で、一遍に内水を排除できないので一時河川に吐く前にためておく、流域の貯留浸透施設をつくる。これは、各市町村ごとにつくるよりはまとめてつくった方が用地の選定もしやすいし、それからまた、全体として安上がりでできるというようなことを一つの主要な施策として考えております。これについては、それぞれの市町村の排水面積などに応じてかなり合理的な格好で費用負担ができるのではないか、アロケーションができるのではないかと考えております。 実は、この法律ができる前から既に、そういった話し合いによって協定を結んで、排水面積等によって費用負担を決めて、A市とB市があったときに、B市の方に便宜まとめてつくってA市もそのお金を払うということを現にやっております。そういった事例はかなり今でもありますので、そういった事例を参考にお示ししながら、要は関係者全員で話し合ってつくる流域水害対策計画、本法に基づく計画ですね、この計画の策定過程でいろいろな調整がされるであろう、また、されることを期待しているということでございます。
○鈴木政府参考人 今、都市局長の方から答えた点でほとんど尽きていると思うんですが、河川の場合においても、流域貯留浸透施設の大規模なものをつくって、その効果が二県に及ぶというものが仮にあれば、その際は、受益の程度に応じて負担するという通常の河川改修等の場合のルールがございますので、そういったものにのっとって措置されることになります。
○岩國委員 私の持ち時間が終了しましたので、これで質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○河合委員長 太田昭宏君。
○太田(昭)委員 まず、二つの法案については大変前進であるという評価をして、きょうは防災ということで、ちょっと地震についてもお聞きをしたい、こう思います。 私は、学生時代、ちょうど松代群発地震とかあるいは新潟の地震が入学した直後にありまして、耐震工学を専攻して、非線形振動論というのが私の修士論文であったりしたんですが、九五年の阪神大震災のときに、地震計もなければ何もない、もう大変な状況で、昔の仲間が非常に悔しい思いをしたということがありまして、観測体制ということを本当に強化してもらいたいということをずっと言い続けてきたりしました。 この観測体制というものが、東海地震に限らず、全国でいろいろな形で、深層も含めたりしてメッシュのような形でつくるということが二〇〇二年、二〇〇三年ぐらいにはほぼ完成するということを聞いていたわけでありますが、現在、そうした地震計を初めとする観測体制、全国のそうしたもの、GPSも含めてほぼ完成したというところまでいったかどうかということについて、まず確認をしたいと思います。
○北出政府参考人 お答えいたします。 気象庁では、地震計を全国約百八十カ所に配置するとともに、地震防災対策特別措置法の趣旨に沿いまして、防災科学技術研究所及び大学等関係機関の地震観測データを一元的に収集、処理し、地震活動の監視や地震情報に活用しております。これらを合わせますと、全国で約一千百カ所、およそ二十キロメートル間隔に配置した地震計で地震観測監視を行っていることになります。 また、この観測網による監視、分析結果は地震調査研究推進本部地震調査委員会に提供されるなど、地震に関する調査研究にも利用されているところです。 特に、東海地域とその周辺には、地震計や、地盤の伸び縮みをはかる地殻岩石ひずみ計等を稠密に設置するとともに、国土地理院、防災科学技術研究所、産業技術総合研究所及び大学等関係機関の協力を得まして、地震計のほか、GPSの各種データを気象庁本庁に一元的に収集し、二十四時間監視をしておりまして、大規模地震対策特別措置法に基づく地震予知業務に万全の体制をしいております。 今後とも、関係機関と連携をとり、全国の地震監視体制の強化に努める所存でございます。
○太田(昭)委員 要するに、ほぼ完成したということでいいんですか。
○北出政府参考人 従来に比べまして格段に観測体制が強化され、全国の、地震が起こりました場合に震度を迅速につかまえる体制ができつつあるというふうに考えております。
○太田(昭)委員 要するに、どこまでどう持っていくかということがあって、そして予算の関係とかいろいろなことがあって、二〇〇二年とか二〇〇三年にほぼそれが完成するということだというふうに私は従来から受けとめてきたんですが、まあ、役人の答弁というのはそういうものかなというふうに思うんです。 要するに、これでほぼ完成したというところまでいったのかどうかということを、簡単に答えてください。もし、こういうことで余り行ったり来たりして質問してもしようがないので、足りなければ、せっかく大臣もいらっしゃることだから、早くそういうことをきちっとやるという体制をしくということを明言してもらいたいと思う。
○北出政府参考人 ほぼできておると考えておりますが、そのほかに若干の、ほぼ四百カ所に近い地震計、これは震度計、震度をはかる目的で設置されたものではございませんけれども、それらが気象庁にデータが集まるために若干これから作業をする必要がございますが、ほぼ完成したというふうに考えております。
○太田(昭)委員 次の段階で、そこの、いわゆる推本というところがそのデータを、私も東大の溝上先生とかいろいろな実はお話をしてあるわけですね。それで、データは集まるけれども、分析するというしっかりした体制があるかどうかということが非常に大事で、気象庁であったり科学技術庁であったりと、それぞれのところがばらばらでということもあって、しっかり分析するという、いわゆる推本はそういう体制になっていないということを私は随分指摘したんですが、その辺はいかがでしょうか。
○北出政府参考人 データの収集については気象庁が責任を持って収集いたしまして、推本において責任を持ってデータを解析する体制ができておるというふうに考えております。
○太田(昭)委員 そこがなかなか、できているかどうかはよくわからないんですが、いっぱい集まって、分析する体制がちょっと不足をしているということを大変懸念している声が当時ありまして、もう三、四年前ですが、そういうのをもう一遍点検してください。そして、本当にそこが分析できる、いわゆる大本営というか、そういうふうになるようにさらにバックアップをしていただきたい、こう思います。
○扇国務大臣 内閣に防災のときの計画を再確認いたしまして、今、気象庁長官が申しましたように、国土地理院だとか、あるいは防災科学研究所、そして、御存じのとおり、産業技術総合研究所等々、今までは全部ばらばらに持っていたんです。それを、国民にいち早く知らせるためにはどうしたらいいだろうということで内閣で決めました。 これは、気象庁にいつも、NHK等々の、「ひまわり」の衛星で気象庁が出しておりますのは必ずNHKがある。これは、全国放送だからというので一元化しようということで、今までばらばらで収集していましたものを全部気象庁に一元化して、そして、いち早くこれを総合的に国民にも知らせることができるようにということで、改めて私は、今回の措置によって内閣で一元化して、気象庁に情報を一元化した上で、各分析は専門家が当たる。今までと比べましてうんと、太田議員が今まで御専門で、あるいは大学で、あるいは大学院等々で学者と一緒にしてくだすった当時よりは、今ははるかに気象庁に収集も一元化できるし、解析能力もできるし、その集まったものを解析して予知がどうできるかということとはまた別ですけれども、現段階ではそこまで進んでいるということをぜひ御認識賜りたいと思いますし、できれば一度いらしていただいたら、とてもよくわかります。
○太田(昭)委員 私は、房総沖の地震とか東南海地震ということを、東海地震にあわせて非常に心配をしておりました。昔の同僚もそういうことを非常に心配している。 いろいろな、プレート理論から、さまざま分析はあっているわけですが、東海地震に限らず、今度の宮城沖というようなこともかなり頻発していますから、その辺のことについて、この間、中央防災会議では、予知というのは、もともとあれは予知はできないから対策でという、そういう報道がされておりましたが、私はそれは間違いで、もともと予知というのはなかなか簡単ではないということはわかった上で、どういうことをやるか。そして、地盤の隆起とか変化というものをそれゆえにやるけれども、そうしたスリップということだけではない、固着域がはがれていってはねるというようなことだけではない要素もあるというようなことで、今回の中央防災会議の対策ということはまた急がなくちゃいけないということであったというふうに思います。 そういう点からいきますと、そうした予知とかいうことの体制も、東南海とかあるいは宮城沖というようなことも含めて、私はもう少し力を入れるという時期に来ているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○山本政府参考人 私、昨年、防災担当を仰せつかりましたが、東海、東南海・南海、中央防災会議の専門調査会の御審議を通じまして、大変精いっぱい勉強してまいったわけでございますけれども、御専門の太田先生の御質問でございますので、非常に緊張しております。しかし、私も、仕事でございますので、今一生懸命やっていることを答弁させていただこうと思います。 まず、予知について、非常に私も未熟ですけれども、予知についての考え方は、今御質問の中で太田先生御指摘になったとおりでございます。 基本的に、去る二十九日に、中央防災会議で東海地震対策大綱を決定していただきましたけれども、ここで、従来の東海地震の防災対策の足りないところを是正して、将来に向けてやっていったんですが、ポイントが二つございます。 一つは、従来、どちらかといいますと、直前予知ができるということで、予知に寄りかかり過ぎていた防災対策となっている。予知をして、総理大臣が警戒警報を発令する。それで、情報が少ないものですから、みんな身をかたくして、非常にかたくなに発災するのを待つという状況だったわけです。 それに対して、まず、予知についての的確な理解をする。東海地震について、予知というのはどういうことなのかということでございます。 私なりに理解しているところを御説明いたしますと、東海地震、いつ起きるかということを予知するということはできません。ほかの地震と同じでございます。いつ東海地震が起きるかということを予知と呼んでいるわけではありませんで、太田先生の御質問の中にありましたように、少しずつ陸のプレートが海のプレートによって引き込まれて、耐えられなくなってはね返るわけですけれども、引き込まれる度合いがだんだん少なくなって停止をして、やがてはね返ってくるわけです。その直前のはね返る滑りの状態を、気象庁の、非常にほかの観測機関と連携をした精密な観測機関が的確に掌握いたします。やがて、十八時間、二十四時間、三十六時間のうちにぼんとはねるぞという予知情報を気象庁が出していただけるわけでございます。そうすると、防災機関が、防災機関の筆頭は内閣総理大臣ですけれども、警戒態勢に入っていろいろな対応をしていくわけです。予知というものはそういうものだということ。 第二に、そういう前兆の、とまって、ゆっくり滑り初めてぼんと来るというのが非常に一般的で、今の観測体制からすると、それが掌握できるようになったということなんですが、専門家の御検討によりますと、それがすべてではないということがポイントでございます。ずっと沈降してきたんですが、いきなりぼんとはねる場合もある。その場合は、前兆滑り現象がないわけですから、今の体制では気象庁が掌握できない。予知なしにいきなり発災することもある、これが第二点でございます。 このために、今、二十年間蓄積したデータとか日進月歩の科学技術をベースに、どういう地震が東海地震では起きるのか、どういう地震の揺れなのか、津波の高さはどうなのかということを整理して、東海地震の姿形が明らかになりましたので、それを前提に、各防災機関、消防、警察、自衛隊、あらかじめ、どういう対応をするのかということを決めておこう、いきなり来ても、被害は直ちに上がってきませんけれども、そういう、あらかじめ定めた東海地震の被害像に照らし合わせた応急対策計画に従って直ちに動こうということをやりました。 つまり、予知についてきちんとした理解を、私たちも理解しますし、国民の皆様にも理解してもらうというのが一点。 第二は、あらかじめきちんと計画をつくって直ちに行動を起こす、これが今回決めていただいたポイントでございまして、東海についてはそういうことなんです。 私が理解している限りは、あと東南海・南海についても同じようなことがあり得るんじゃないか、観測体制が整えばそういうことがあり得るんじゃないかという議論がありますけれども、専門家の間ではまだ方向がきちんと定まっておりません。 それから、宮城県沖を含む日本海溝沿いの三陸、十勝について、これはいろいろな地震が起きているようでございます。東海のときのような形で地震が起きるのかどうかについて、現段階では必ずしも定まった見解はないようでございますので、専門家のそういう知見をきちんと集めてきて、防災対策としてはどうしたらいいのかというのは、これから考えていかなきゃいかぬという姿勢でいるわけでございます。
○太田(昭)委員 私は、十勝も含めて、そうしたことについて、今知見を集めると言いましたが、そこをぜひとも急いでいただきたい、こういうふうに思います。 申しわけないんですが、時間が余りないものですから、高速道路の耐震ということについて。 相当首都高でも直して、あるいは学校の耐震化というのが予算化されて、特に体育館を含めて前進をしている。そうしたことがさまざま対策としてあるわけですが、これが一体どこまで進んできているのかな。そして、阪神大震災のころは、橋脚のところはしっかりやった、あるいはけたのところはやった、その継ぎ目が危ないということはよく言われていたわけです。そうしたことも含めてどの程度、これはちょっとアバウトなことになりますが、東京の高速道路等はもう終わったということなんですが、大体体制はつくったのかどうか、公共施設、いわゆる病院とかそういうところの耐震診断や耐震化ということについて進んだのか、学校については大体進んでいるのかということをまず聞きたいということが一つ。 それから、もう一つ、私は、久しぶりに研究室へ三年ほど前に行きましたら、どんと天井が落ちる、そして圧死するというようなことにならないようにクロスなんかも非常に研究していて、それが倒れるけれども、少なくとも一遍に圧死するようなことの、空間ができるというところまで、そういういわゆる免震というのでもない、耐震というのでもない、死亡者を出さないということの研究が非常に進んでいて、もっとそういうことも進めていく必要があると思います。 ちょっと時間がないものですから簡単に、どの程度それが行っているのか、また、ぜひともそういうことを進めてもらいたいと思いますが、概略で結構です。
○佐藤政府参考人 事柄として、一点、前置きをせにゃいかぬと思います。 これまで、関東大震災の東京の揺れに対応するような耐震設計を行ってきた。今度の兵庫県南部地震を踏まえまして、従来やってきた耐震をレベル一の地震動、さらに兵庫県南部地震に代表されるような極めて強度の強い、局地的な内陸直下型地震を考慮したレベル二の地震動、こういうふうに近年分けておるところでございます。 このレベル一の地震動に対しましては、橋なんかの供用期間中に受ける可能性が高いだろうということで、これには、橋梁としてきちっと被害が出ない、こういう対応をしよう。そして、レベル二に対しましては、全く被害が出ない、これは難しいんですが、損傷の復旧ができるだけ早くできる、こういう程度の、粘りを持たせるといいますか、そういう設計手法に変えました。 これで補強もやり始めている、こういうことでございまして、現状を申し上げますと、首都高速につきましては、そういう意味では一〇〇%補強を完了いたしました。高速道路につきましては、全国で大変数が多いものですから、一万四千ございます、このうち大体八四%ぐらいの耐震補強を完了している。その他申し上げますと、阪神公団もほぼ、五千五百のうちの五千三百以上、難しいところはちょっとだけ残っている、こういう状況でございます。 基本的には、そういう意味では、高速道路関係につきましてはおおむねの対応を進めてきている、こういう状態でございます。
○太田(昭)委員 密集市街地整備法で特に気になるのは、何といいましても、ここは整備しなくちゃいけない、しかし、そこにはお年寄りも大勢住んでいらっしゃる、補償すると言うけれども、果たして補償とは一体何であるのか。お金なのか場所なのか、なかなか簡単な話ではない。 三分の一近くの反対者がいても強制的に事業を施行することが可能、マンション建てかえ事業では五分の四以上の同意が条件になっている、こうしたことについて、特にお年寄りとかそういう人たちが追い出されて実際は非常に困ってしまうというようなことに対する措置というものが、きめ細かく、また温かく行われているかどうかということは極めて大事なことだというように思います。 その辺は何をもって補償とするのか、あるいは、そうしたことについての配慮というものをぜひともお願いしたいと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
○松野政府参考人 お答えいたします。 まず、防災街区整備事業が三分の一近くの反対者がいても実施する、マンション建てかえが五分の四以上の要件が要求されている、この違いでございますが、防災街区整備事業は、密集市街地という大変大火の危険性のある地域での防災機能の向上という課題があって事業を実施するということでございます。したがいまして、いざというときは強制力を備えた制度にする必要があるということで、もちろんある程度の、かなりの同意をとるということがその前提だと思います。 そういった意味で、公益性、公共性の高い事業だということを踏まえまして、単なる過半数ではない、三分の二という同意の要件を必要とするということでございます。これは、再開発組合あるいは土地区画整理組合と同様の仕組みとしたわけでございます。しかしながら、ある程度かなりの数の、多数の方の同意をとって事業を実施していくということが必要だと思います。 マンション建てかえの方は、これはやはり民法の共有の原則、全員同意ということが原則の世界でございまして、その中の例外の措置として、五分の四の多数決で、つまり八割以上の方が同意するということで、もともと全員同意ということが原則のマンション建てかえを実施できるという例外措置を講じたということで、大多数の方の同意が必要だということで五分の四としたところでございます。 借家人等の方々の措置についてどういうことなのかということでございますが、原則は、防災街区整備事業は権利変換システムでございます。したがいまして、従前の権利に対応して従後の権利を与えるということで、権利変換で借家権も与えられるということでございますけれども、新しい借家権の、賃借条件といいますか、それが多少高くなるのではないかというようなことでどうしても出たいというケースがあるとすれば、その方々には従前居住者用賃貸住宅制度というものを用意してございまして、あわせて低家賃になるような家賃対策補助も実施するということを考えております。また、公営住宅が近くにあって、そこがいいというような場合には、特定入居も可能なような措置を実施する。 先ほど、補償金というようなお話が出ましたが、転出したい、外に出たいという方々には当然その借家権に見合うものを補助金として支払うということでございまして、この金額も、当然事業計画あるいは権利変換計画の中で意見をいただきながら決めていくということで、例えば審査会の同意を得て決めていくというような、客観的な第三者の目も入れたことで内容を決めていくということになっておるわけでございます。
○太田(昭)委員 大臣、今の話はきめ細かく言われているわけですが、高齢者や体が不自由な方々というのは本当に心配をしているということがあると思うんですね。生活再建や福祉との連携など、事業をしてよかった、こう言っていただかなければ何の意味もないわけでありまして、その辺についてのきめ細かい配慮を大臣の方からもお願いしたい、こう思います。
○扇国務大臣 防災街区の整備事業の実施に当たって、今おっしゃったように、高齢者あるいは体の不自由な方々を含めて、その地域内にいらっしゃるそういう人々の居住の安定、その確保ということが一番大事だというのは、十分に配慮しているというように今局長から申し上げたとおりでございます。 問題は、その決定に向けて、手続とかあるいは事業計画あるいは権利変換等々の難しいことを、決定に向けて調整とか手続というようなものをどういうふうにしていくかということで、地権者の方々の御意見を十分に聞かなければ、こちらでどうこうというのもこれは大変失礼な話でございますし、御本人の意思というものがなければ私たちは勝手にどうこうできるものでもございません。 この防災街区の整備事業に関しましては、整備されます防災施設の建築物、これが、受け皿住宅として必要に応じて整備する従前居住者の住宅、今局長が言いました、そういうようなものについては、エレベーターの整備でありますとか、あるいは廊下の段差がないとか、あるいは一定のバリアフリーというものが完備しているかどうかというようなことも含めて、これを満たすための補助というものをすることにしております。そうでなければ、かえって移っていくというところも、不自由な人たち、高齢者、車いすの人たちは通れなくなりますので、私たちは、そういうことには補助をしていこう、そういうふうに決めております。 また、特に福祉との連携につきましては、おっしゃいましたように、現行の密集市街地の整備の促進事業に関しましても、地域のニーズに対応しまして、従前居住者用住宅の整備にあわせて高齢者生活相談所の整備、これを行っている例がございます。ですから、そういうところに行って、また防災街区の整備事業におきましても、福祉部局との十分な連携のもとに、地域の福祉計画やあるいはニーズに対応したデイサービスセンター等の福祉施設の併設というものも積極的に検討し、またそれを整備するということを今実行しております。 そういう意味で、さらに、高齢者とかあるいは零細権利者の方々の生活の再建の面では、従前の権利者の資金調達を円滑にさせようということで、住宅金融公庫による中期、長期の低利融資、そういうものも制度を設置しております。特に高齢者に関しましては、先ほどもお話に出ていました、きょうは午前中にもこのお話も出ましたけれども、死亡時に一括返済ということで、いらっしゃる間は現行の金利水準について毎月の返済額をおおむね三分の一に低減するということで、金利だけを払っていただくということで、死亡されたときの一括返還という制度を取り入れているということも、これは多くの高齢者にとっては安心なことだろうと思います。 また、ほかに、事業の実施に伴いまして住宅に困窮するというような場合には、地方の公共団体が低廉な家賃でなお従前の居住者を受け入れるという従前居住者の住宅の整備というものを行う場合には、すぐに整備費に対する補助あるいは家賃の対策補助を実施するというように、今、現段階ででき得る限りの手当て、そして皆さん方に安心して防災あるいは災害を考えられるという体制をとっているところでございます。
○太田(昭)委員 都市水害は、歩いてみますと、もう本当に多いんですね。東京ですと、石神井川、神田川あるいは新河岸川、こういう川以外に、こんなところからなぜ水があふれたかということで、昔つくった土管と、そして埋めてしまった川があったそうだというような、長老しかわからないという町もいっぱいあります。 そうしたことも含めてよく地域とひとつ連携をとってくださいということと、それから、そうした指定される河川というのではないところも非常に困っている場合があるので、そういうことについてどうされていこうとしているのかというのを最後にお聞きして、終わります。
○扇国務大臣 今、なぜここがというところがよくあると今太田議員はおっしゃいましたけれども、複数の地方自治団体にまたがる川もございます。そういうところにおいて、都市水害対策というのは、国と地方の自治体とが連携をして、地方の自治体相互の連携の上で対策をとるということで、地域の住民の意見を的確に把握することが大事だと思っています。 例えば、多くの自治体を流域に持つ利根川というものを考えてみましても、毎年水防演習を梅雨前の今ごろ、ついこの間もございましたけれども、一昨年は私も参加して、この五月十九日に取手市で行われまして、国土交通省はもとより、一都六県の職員、そういうものが全部合同で、自衛隊も、あるいは地元の中学校、企業、郵便局、日本赤十字社、それから地元の住民の皆さん方、総勢一万八千人が参加して、防災の訓練に協力するという、地域との綿密な連携をとっていくということをしております。 そういう意味では、流域の自治体と住民が十分な連携をして、地域の住民と水防団の方々との本当に有用な情報の交換、これが一番大事だと思っておりますので、情報を共有化するということで、今後も、この法案の第四条に書いてございますけれども、地方自治体、河川管理者、下水道管理者は、流域住民、学識経験者等の意見を聞きながら、流域水害対策計画を共同して作成すると明記してございます。そういう意味では、それぞれが連携して、浸水の被害対策の実施に必要な措置を講ずるということに努めていきたいと思っております。
○太田(昭)委員 ありがとうございました。
○河合委員長 一川保夫君。
○一川委員 自由党を代表いたしまして質問させていただきます。 この二つの法案の質疑、もう最後の段階に入ってまいりましたので、後ほど附帯決議等でまた行政の皆さん方に対してお願いをするような事項が整理されておりますけれども、そういった中で、特に気になることを私なりにまた、確認の意味で質問をさせていただきたいと思います。 今ほどもいろいろな連携ということが大事だというお話も、やりとりがありましたけれども、私は、河川事業と下水道事業の連携強化ということが、この都市型水害ということを考えた場合に特に大事ではないかなというふうに思っております。 都市部においての下水道の整備というのは、それ以外の区域に比べれば相当進んでいるのは常識でございますし、現実そういうふうになっております。また一方では、都市河川と下水道事業とのいろいろな連携が非常に重要になってくるわけです。この法律の中でも特定都市河川流域の指定というのがございますが、先日の質問の中でも、その流域の指定というのは、河川の自然流域のほかに、下水道の排水区域をプラスした区域を特定都市河川流域として指定するんだというような説明もございました。 そこで、当然こういう両方の事業というのは、本来であれば計画段階からしっかりと調整するのが必要なんでしょうけれども、まあしかし、現実問題は、どちらかが先行して、あとがおくれてきているというようなこともよくあることでございます。その計画段階なり、また実際に工事等を実施している実施段階、そしてまたそういう施設ができ上がった後の施設の管理段階という、レベル、レベルに応じた連携が当然大事なわけでございます。 こういった都市部の水害対策ということを考えてみた場合に、従来も当然河川事業と下水道事業というのはそれなりに連携を図ってきているんだろうと思いますけれども、特にこういった都市部における両事業の連携ということについて、今後の取り組み方針といいますか、そのあたりの基本的な考え方を御説明願いたいと思います。
○鈴木政府参考人 御指摘のとおり、河川のはんらんによる浸水被害と、下水道の排水が河川の水位が高いためにできないというようなこと等によりまして内水被害が起こるというような問題が起こっているわけでございまして、その対策には河川事業と下水道事業がきちんと連携して取り組む必要がございます。 そのために、下水道事業の事業効果を高めるために、下水道からの雨水排水を受ける河川の整備については別枠で重点投資を行う、こういった仕掛けがございます。事業間の進捗にできるだけ差を生じないように、こういった仕掛けを使いながら、連携を図っているところでございます。 さらに、本法を成立していただきますと、法定計画であるところの流域水害対策計画を河川管理者と下水道管理者等が共同して策定し、さらに、下水道管理者が管理する河川への排水ポンプの操作についても、この法律の規定に基づいて流域水害対策計画の中にきちんと書き込むということでございますので、両者のさらなる連携を図り、都市の浸水被害対策を効率的に進めてまいりたいと考えております。
○一川委員 通常、河川のいろいろな対策、水害対策というのは、対象とする雨量なり洪水というのは相当確率の高いものが多いわけですけれども、下水道は、どっちかというと割と当面の確率のまた低いような段階のものを対象にしたケースがあるような気もしますので、その安全度のバランスみたいなところも若干食い違う面があるような気もしますので、しっかりとした連携をお願いしたいなというふうに思っております。 そこで、次に、下水道についての若干の具体的なお話をお聞きするわけです。 下水道、昔は合流方式と称して汚水と雨水と一緒にしたような処理があったと思いますけれども、最近は汚水と雨水とを分けた分流方式と称するような方式がほとんどだというふうに聞いております。今回、今動いております第八次の下水道七カ年計画ですか、これにおいても、雨水対策の整備率を五五%ぐらいにするというような目標があったというふうに思います。 今回は、社会資本整備重点計画法の制定によって、当然、そういうような表示じゃなくて、また別の対応になるのかもしれませんけれども、こういった下水道における雨水対策というものの今後の取り組み方針というのは従来どおりのような基本的な姿勢で臨むのか、そういった方向づけが若干変わってくるのかどうかということも含めて、また、そういった社会資本の整備重点計画の中ではどういうような位置づけをしようとしているのか、そのあたりの御説明をお願いしたいと思うんです。
○澤井政府参考人 下水道による雨水対策につきましては、建物の戸数ですとか過去の浸水の頻度あるいは程度などを勘案して、一定以上の内水被害を受ける可能性が高いところを対象に進めております。 この中でも、特に、地下街など地下空間利用が発達している都市の中心部ですとか、あるいはターミナル駅周辺など都市機能が集積している地区については、平成十二年度からでありますが、緊急都市内浸水対策事業という構えをつくりまして、通常の雨水対策よりも確率の低い雨も対象として対策を講じてきているところでございます。 平成十三年度末現在でいいますと、雨水対策整備率、約半分、五〇・六%になっております。まだ必ずしも十分だと思っているわけではございません。 このような中で、現在検討を進めております社会資本整備重点計画におきましては、下水道単独でどうこうということではなくて、浸水被害を軽減する観点から、河川事業との連携あるいは雨水浸透など流出抑制対策の推進またハザードマップの作成など、現在御審議いただいております本法案の趣旨を踏まえまして、都市の浸水被害対策を総合的に講ずることで、いわゆるアウトカム的な観点から見て、浸水被害がどのぐらい軽減されるかというあたりを目標として位置づけることについて、現在まさに検討中でございます。
○一川委員 ぜひ、そういうしっかりとした検討をお願いしたいと思います。 次に、道路の問題に移らせていただきます。今回のこの都市部の水害対策の中で、道路の舗装面に降った雨をどういうふうに処理されていくかというところもちょっと気になることなので。 最近、道路の舗装の仕方が、排水方式とかあるいは透水性方式というような言い方がされてまいりました。従来のほとんどの通常の舗装の場合は、降った雨はしばらく路面にたまっていたり、それが流れ出すということが見受けられるわけですけれども、最近、排水性というようなやり方が徐々に普及してまいりますと、運転している側も非常に運転しやすいわけでございますし、また、防音効果といいますか消音的な効果も当然あるわけでございますし、また、近くを歩いている歩行者に対しても迷惑を与えないという面では、非常に私はこの排水性を持った舗装というのは効果があると思います。 また一方では、都市部の水害対策としては、降った雨が一気に流出するのではなくて、一たん浸透する中で、時間差ができるということであれば、水害対策にも大きく貢献するわけでございますので、この道路の舗装方式というものを、排水性なりあるいは浸透性を持たせるような舗装に積極的に取り組んでいただきたいわけですけれども、どうも単価が高いというお話も聞きます。そういった現状について、お話しを願いたいと思います。
○佐藤政府参考人 二点についてお答え申し上げたいと思います。排水性舗装と透水性舗装でございました。 まず、透水性舗装の方は、降った雨を舗装の下まで、路盤、路床と言っていますが、いってみれば現地の地盤まで浸透させる、これを透水性舗装と私ども呼んでおります。 これにつきましては、効果として大体、これもいろいろな試算があるんですが、雨の降る量とか時間によって変わってきます。東京都で一つ実験してみたものは、時間雨量五十ミリ程度の場合に、路面から雨水が流れ出る割合が、普通の舗装ですと、〇・九五ですからほとんど流れ出る。透水性舗装にしますと、〇・六七と言っておりますので三割減ぐらい。ただ、これは雨水の状況等によって、あるいは路床の状況等によって大分変わってくるものですから、いずれにしましても、先生御指摘のようにかなり効果があるだろう、こう考えております。 この透水性舗装そのものは、現在、歩道で約六百二十キロ、全国でやっております。車道につきましては、今年度、本格的に実験しよう、試験施工してみようということで、十カ所予定しております。課題は、やはりコストが、大体一割ちょっとから高いものは二倍以上になる、こういう実績もございますので、その辺のコストをできるだけ安くするというようなことも含めて、試験施工でいろいろな問題の解決を図ってまいりたいと思っております。 それから、排水性舗装と申しておりますが、多くの高速道路は今、排水性舗装でやっております。これは、平成十年から排水性舗装ということで、水たまりができない、降った水は舗装の中に一たん流出して、舗装の中を通って横の方に排水される。問題は、これだけですと、U字溝に、また側溝に入れますと、結局普通の、ある程度そこで雨を保ちますが、ある程度降ってしまうとどんどんと側溝に流れ出る、こういう形になるものですから、その場合には、側溝に対して透水性をどう持たせるか。例えば、集水升をつくって、そして集水升から現地盤に流出させるとか、そんな工夫もしようということで、今年度からそうした技術開発も手がけてまいりたい、こんなふうに思っております。 いずれにしましても、透水性舗装と排水性舗装、雨水対策という面で大変重要なファクターだと思っております。コストの縮減、これも努力しながら大いに進めてまいりたいと思っております。
○一川委員 まだちょっと試行錯誤的に、いろいろと試験的にも取り組もうというお話でございますけれども、ぜひ積極的な対応をお願いしておきたい、そのように思っております。 また、今、こういう水害を頭に入れたような道路の透水性の問題をしておりますけれども、私は昔、沖縄で見たときに、これは道路じゃなかったと思いますが、飛行場の滑走路だったかもしれませんけれども、ああいう非常に水が不足している地域では、路面に降った雨とかそういう舗装した面に降った雨を逆に一時期貯留するような、そういう施設を併設しておるところがございました。そういったことも、河川局と連携をとる中でいい方法があるんではないかという感じもしますので、ぜひ取り組んでいただきたいな、そのように思っております。 それで、最後に、ちょっと大臣に、これまでの質疑の中でいろいろなやりとりがあったわけでございます。こういった都市型水害のいろいろな対策、大体こういうことを対策を講ずれば恐らく相当の部分が防げるだろうということはおおよそわかってきておるわけですけれども、では、そうかといって、今すぐそういう対策がすべて完成するというわけにはなかなかいかないと思うんです。 そうすれば、現実問題として、できるだけそういう被害を少なくするためにも、そういった現状に応じたような対策めいたものをしっかりと進めていかなきゃならないと思いますし、それはやはり、基本的には、土地利用の問題も場合によっては見直すところがあれば見直す、市街化区域なり市街化調整区域の線引きを、この際、少し直した方がいいというところがあれば直した方がいいと思います。 また、都市部というのは、流域全体の中でも最も標高の低いところに位置しているのが普通でございますので、非常に水の被害を受けやすい地域に展開しております。そういう面では、いろいろな住宅の構造のあり方、公共施設の構造のあり方ということも含め、ある程度、中長期的なビジョンを持った上で都市づくりというものをしっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○扇国務大臣 るる御論議いただきましたように、少なくとも我が国の都市というものは、今まで高度成長期ということで、あらゆる面で経済的な活動の拠点というものが急激に都市に集中して、急激な人口密集市街地ができてしまいました。 これまで都市づくりの中で、例を挙げさせていただくと、災害があったところで申しわけないんですけれども、名古屋市のあの集中豪雨のときの実績を私現地に行って見ておりまして、あれだけの被害を集中的に受けるというのは、昭和三十年代、あの地域は宅地と農地、これが半々だったんですね。ところが、この昭和三十年代の半々だったものが、平成十年には宅地が農地の七倍になっているんですね。だから、半々だった、五〇%五〇%だったものが、宅地は農地の七倍にもなってしまっている。 ですから、密集して、あれだけの水害が起こったというあの実績を見ましても、我々は、戦後、今日まで、先ほども御論議出ましたように、集中的になってきたものを、二十一世紀の都市づくりにこういうものをどう反映させていけるか。今、一川議員がおっしゃったように、我々は安全と潤い等々を重視しながら都市づくりをしていかなければならないというのは、もうあの水害の現場を見ただけでも、私たちは肝に銘じてこの政策を実行していこう。 また、今おっしゃいましたように、都市の中の里山等々の潤いがあるものは確実に守らなきゃいけない。また、雨水のいわゆる貯留方法も、浸透性をどう活用していくか、また、浸透することによって災害を防ぎ、また、浸透しないことによって水の利用ということも、今、両面あるという一川議員のお話でしたけれども、我々はそのようにして今後都市づくりというものを考えていかなきゃいけない。 ハード、ソフト両面を私たちは着実に実行する段階であると思っておりますけれども、このように、両法案を契機として、私たちも、密集市街地も含めた都市をできるだけ災害に強い都市につくりかえていくということの大事な起点に来ていると思っておりますので、今回の両法案の活用によって、より安全と安心を確実に確保するということに努めてまいりたいと考えております。
○一川委員 ぜひ、そういう方向で御努力をお願いするわけですけれども、この両法案、非常に都市部だということでは関連があるわけでございまして、特に隅田川の沿川のああいう海抜ゼロメートル地帯に展開する密集市街地みたいなものをちょっと想定しますと、非常に怖いという感じもします。そういう面では、この密集市街地に関する方の法律は、どっちかというと、火災防止みたいなイメージがありますけれども、やはりああいう海抜ゼロメートル地帯の密集地帯、万一水害等が発生し、あるいはまた津波等が発生した場合には大変なことにもなりますので、そういうことも念頭に入れた対応をよろしくお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○河合委員長 大森猛君。
○大森委員 日本共産党の大森猛でございます。 私どもは、前回の質疑で都市河川については我が党の瀬古議員が行いましたので、私は、きょうは密集市街地の関係の質問をしたいと思います。 密集市街地の整備という点でいえば、これまで国交省もいろいろな事業等を行ってまいりました。私どももこの間、この法案の審議に先立って、対象となっている大阪の寝屋川あるいは大阪の生野区、さらには神奈川県の横浜鶴見区、そして東京の京島と各地を見せていただきました。そこで感じたことの一つでありますけれども、いろいろ自治体も、それから住民の方も頑張っておられるところもございました。ただ、そこで、かなり時間をかけているにもかかわらず、なかなか事業が進まないというのが全体的な特徴ではないか。 これは、国交省の方も恐らくモデル的に考えておられる、調査室の資料でも紹介をされております大阪府の寝屋川市萱島東地区、ここでも約二十年かけて、例えば建てかえ促進という点でいえば一五%程度、あるいは老朽建物等の除却、これも三二%ということで、相当時間をかけているけれども、なかなか進まないという面がある。ですから、なぜこれが進まないのか、このあたりをきっちりと明確にすることがまず今回の法案等を進めていく上で重要ではないかと思います。 そこで、なぜ、この間これが進んでこなかったのか、そのあたりを大臣はどのようにお考えになっているのか、その点が一つと、これは当然、強制力をつければ解決するということではなくて、さまざまな進まない問題があることは事実だと思います。そういう点で、これは、さまざまな問題というのは、単に国交省だけではなくて、高齢化の問題、あるいは地域コミュニティーの問題、あるいは商店街との関係等々、もうさまざま他の省庁にかかわる問題もあると思います。こういう他の省庁との関係、これを視野にしっかり入れて、具体的な対策も含めながらこれを進めていくということでないと、密集市街地、密集住宅の整備というのはなかなか進まないんじゃないかと思います。その点、まずお聞きをしたいと思います。
○扇国務大臣 きょうも朝から御論議いただきましたように、いわゆる密集市街地と言われるところの整備については、なるべくならば全員合意、これが一番望ましいというのは先ほどからも御論議いただいているとおりでございますけれども、自発的な取り組みへの支援を中心としたこの密集市街地の整備法とか、あるいは予算補助等々を含めましても、密集住宅市街地の整備促進事業というのは、私たちが取り組んでいる今、現状においても、整備の進展は必ずしも十分ではないというのは、大森議員がおっしゃるとおり。 それは、できれば全員合意ということを私たちはなるべくしていきたいと思っておりますし、それぞれの地域のおっしゃること、また、先ほども老齢対策ということを、老人の皆さん方の災害時の保障というのをどうするのか、安全で、安心で、自分たちは大丈夫だという、それをどのように徹底するかということも含めて、これは他省庁と連携しなければ、国土交通省だけでできることではないのは今大森議員もおっしゃったとおりですけれども、建築物の建てかえ、そういうことに関しましても全員がなかなか合意に至らないというのは御存じのとおりです。 けれども、できる中で、火が燃え広がるのを防ぐために、道路でありますとか公園等の整備、少なくとも火が燃え広がらないようにしようというようなことは、国土交通省で、これは密集市街地の対策としてできることでありますから、そういう意味では、建物の共同建てかえというのも必ずしも一体的に行われていなかったという反省も、これはございます、そのとおり。 ですから、全員合意をしていただくためには、これは危ないから、これは危険地域だと言っても、すぐに建てかえの合意が得られなかったという面も今までは多々あったというのは認めざるを得ませんし、大森議員も現場へいらしていただいたら、見ていただいておわかりのとおりでございます。 けれども、今後はこの改正法で、こうした点については大幅な拡充を図り、あるいはその制度というものを活用しながら、私たちは皆さんに安全、安心を保障していけるようにしていきたいということ。また、密集市街地の整備を促進するために、少なくとも事業を円滑に進めるためには、高齢者とか零細権利者等々に関しましても私たちは十分な配慮をする対策をとっていきたいということで、住民がなるべく主体的に参加できるような仕組みとする、これが大事なことだと認識をいたしております。 それから最後に、高齢者の方々が引き続いて同じ地域に住みたいとおっしゃるのは、先ほども御論議いただきましたように、従前居住者用の建築物を整備したり、あるいはそこで事業によって生み出された余った土地ができますから、その余ったところに対しては、福祉部局等との十分な連携のもとに、地域の福祉計画とか皆さん方のニーズにこたえた社会福祉施設の併設ということも我々はしなければいけないということで、これも積極的に検討していきたいと思っております。 そして、地域の住民の主体的な参加を支援するためのまちづくりを活発に行っていらっしゃいます今のNPOの皆さん方、そういうものも、NPO法人というものを我々はつくったわけですから、それを活用しながら、よりお互いの情報提供をして、防災の地域の整備推進機構として指定することなどをこの法人にも決めていきたいと思っていますので、官民一体になることが、より安全なまちづくりと防災対策、あるいは防水対策になると私たちは存じております。
○大森委員 きょうの私の質問に一括まとめて御答弁をいただいたような形でありますけれども、ひとつ整理もしながらですが、一つは、全員合意を目指す、これは当然そういう立場に立って努力をする。しかしながら、合意が得られない、その合意が得られない背景に何があるかということを、やはりこの機会にきちんと明らかにする。 これは、長い間この関係の仕事をされてきて、現在は国交省の大都市圏整備課長さんですか、その方の「密集市街地のまちづくり」という本の中の一部なんですが、このタイトルが「居住者の生活要求からスタートする」、なかなかいいことをおっしゃっているわけです。その中で「密集市街地のまちづくりにおいては、そこに居住する人々の生活要求と防災安全性に代表される外部要請がすれ違っていることが、長年の取り組みにもかかわらず大きな進展がみられない原因の一つである。」こう指摘をされております。 そこで、この間、密集市街地、密集住宅の市街地整備促進事業、全国で数百の地区で、恐らくこの十年以上、二十年にわたってやってこられた。ここで建てかえやら老朽建物の除却等をやられてきているわけですけれども、例えば、そこに長く住み続けたいというこの要求がどれだけ満たされているか。具体的には、従前居住者が引き続きどれだけ住んでいるかとか、家賃がどうなったかとか、結局その地域にはもう住むことができなくなった人がどれだけあるかとか、これは本当ならば、国交省が今回の法案を提出する際に、きちんとこういうことを、事業評価といいますか、総括的によく調査して明らかにすべきだと思うんですけれども、もししていなければ、今からでも遅くはないと思うんです。こういう点をきちんと明らかにしていくということが本当に重要なことだと思いますが、この点、いかがでしょうか。
○松野政府参考人 事業の事後の評価として、従前お住まいになっておられた方がどういう状況になっているかということをフォローすべきではないかという御指摘でございますが、やはり事後の事業評価というのは、本来その事業が目的とするところが達成されているかどうかという、本来目的を検証するということが一番大事なことでございまして、密集事業でいいますと、目的とした避難地、避難路のような公共施設整備がちゃんとできているか、あるいは不燃化が進んで防災性が向上しているのかどうか。つまり、個別建てかえも含めまして、不燃領域率という目的とするところが達成されているのかどうか、それを本来事業評価の対象として考えるべきものでございます。 当然、その事業のときに、借家権者の方をどういうふうに施行者の方が事後対応したかということについては、そのときの事業の進め方の上でどういう反省点があったかということで、その時点でいろいろなことを調査することはあろうかと思いますが、事後、その方々を追跡調査して、どこにどう住まわれているかということになりますと、本来、申し上げました先ほどの事業評価の目的とは少し違ってくるわけでございまして、またプライバシーにもかかわる問題がございまして、そういう調査自体にも限界があると思いますので、事後の事業評価の内容としてはなじまないのではないかというふうに思います。
○大森委員 従前居住者がそこでどのようにその後なったか。そこに住み続けたいというのは、これはまちづくりの一番基本的な、文字どおり原点だと思うんですね。そういう点がどうなっているかをきちんとはかっていくということは、私は一番原点的な仕事だと思うんですね。そういう意味では、従前居住者の家賃の優遇制度とかいろいろこれはメニューがあるわけですね。そこのところの一番大事なところを忘れているから、なかなか魂が入ってこないということにこれはなるんじゃないかと思うんですね。 大臣の御答弁にもありましたさまざまなメニュー、これは生野区の南部地区まちづくり協議会が発行している「建替えませんか」というパンフレットの説明でありますけれども、これでは、例えば従前居住者の家賃の優遇制度、いろいろあります。しかし、例えばもう年限が限られているとか、あるいは上限額が決められているとか、いろいろな条件がついていて、なかなか実際には使われていないんじゃないかということが非常にするわけですね。 私ども、寝屋川で現地を歩いて、小ぎれいな民間の建てかえ後のマンション、小さなマンションですね、見てまいりました。残念ながら、そこには従前の居住者はお一人も住んでいらっしゃらないわけですね。そういうことに結局なるわけですね。従前の居住者の方がお住まいになっているのは何かといえば、この萱島地区に隣接して府営住宅が建てられたわけですね。これによって、住居を失った方の居住が保障されているということになっているわけですね。 ですから、あれこれありますけれども、こういう施策をやらないと、やはりその地域で、本当は、これはかなり高層の府営住宅でありましたから、それ自体にも抵抗があるわけですね。今まで、それこそ平家の建物に住んでいた方がそういう高層に住むということも抵抗があるけれども、それはいろいろな話し合いの中でそこに移られるということがありますけれども、やはり具体的な施策が必要ではないかと思うんですね。 ですから、今大臣の方からもいろいろ御紹介のあったそういう制度が本当に使いやすいものになるかどうか。法律的には、今回の法案の中ではそういうものは法的には位置づけられていないわけですね。ですから、そういう点をどう具体的なものにしていくか、どう担保していくかという辺はどうなるでしょうか。
○中馬副大臣 一概に防災上問題のある密集市街地と申しましても、いろいろな類型があるわけでございまして、地方都市など、今に残る街道筋の町並みだとか、あるいは商人の町といったもの、それから、京都の町屋に代表される下町風情の豊かな、これもまた密集でございますが、こういったところは逆に、古くからの人間関係もありますし、そこが一つのまた、いろいろな文化がそこから起こってくるような場所でもあるわけでございまして、これらは最小限の防災施設を整備するということを条件にむしろ残すべきだ、残ってそこにずっと住み続けてもらうべきものだと私は思っています。 最小限の防災措置といいましても、ちょっとした公園をつくって空地をつくるだけで類焼が免れるとか、こういったことはもう実例が、この間の阪神・淡路大震災等でも現実に行われておりますし、そういうことを指導したり、あるいは、消火栓をもちろんつけたり、それから、ソフトとしまして、自警団だとか水防組合の方々がしっかりと自分たちの町を守るという体制をつくってもらうことを前提に、むしろそれは残すべきだと思っております。 しかし一方、今、大臣もお話がありましたように、急激な都市化の中で自然発生的に密集市街地となった、いわゆる木賃アパートや文化住宅の密集地、こういったものはやはり建てかえざるを得ない場面が多いかと思います。神戸の長田区であったり、今、御視察もいただいたようでございますが、大阪の生野区であったり、また東京では大田区近辺もそういった状況のところがございます。しかし、これはお話がありましたように、住民の理解と合意で防災街区整備事業、今回の法律に規定されましたような形で実施していくべきだと思っていますが、この場合も、住民がこれまでの地域に住み続けられるような、いろいろな施策が重要であると思っています。 具体的にちょっと申しますと、この事業におきましては権利変換手法を用いまして、もともとの地権者には従前資産に対応した、新しく一つの施設をつくりましても、その一部を取得する権利を持ってもらう、あるいは、借家人の場合でも、その施設の一部に借家権を取得することができることといたしておりまして、極力地域に引き続き居住できるようになることを基本といたしております。 それから、経済的な支援のこともちょっとお触れになりましたけれども、新しくできます防災施設建築物の整備に際しまして、これを建てるいろいろな設計計画費やあるいは除却、整地費、共同施設等に対する補助、これも地権者の負担を極力軽くするためにこれをつけることといたしております。それから、個々の権利者が新たに保留床を取得する際には、資金の不足する方に対しましては、住宅金融公庫の長期の、そして低利の融資が受けられるようにする措置もしていくつもりでございます。 また、地方公共団体がそういった責任を持っているわけでございますが、地方公共団体等が従前居住者用の住宅を整備する場合、公共的な住宅を整備する場合には、その整備に対する補助や家賃対策補助を講ずることといたしております。その場合には、従前居住者が地区内に住み続けられるように、地方公共団体等が防災施設、新しくつくった施設の一部を、その保留床の一部を買い取ってそこを公営の住宅にする、この制度もいたしております。 また、今委員が御指摘されました、住民の参加がなきゃだめなんじゃないかということですが、住民の参加も大いにしていただきまして、この事業の実施に当たりましては、都市計画の決定あるいは事業計画や権利変換計画の策定において関係住民の意見を聞くと同時に、今お話にもありましたNPOその他の皆様方にも御活躍をいただきまして、こうした機構の指定対象に加えてやっていただく、あるいは、今度独立行政法人化します都市公団、都市再生機構、これも権利調整など従来のノウハウを生かしましたコーディネートの役割を果たしてもらう、こういったことで、地域の方々の御理解とそして合意を得てこれを進めていくという手法をとっております。 委員もごらんいただいたようでございますが、私の地元でもございます生野区の南部地区の整備、まだまだ遅々としておりますけれども、これが進んできております。なかなかしゃれた子供広場をつくったり、緑が豊かな公園を、少し小さなものでございますけれども、それをつくって、周りがちょっと整備されていきますと、やはりそれに触発されて、ああ、こんなのだったら自分たちのところも早くしてほしいといったような声が指定地域の中からも、なかなか今までは声が上がってこなかったところが、そうした形が目に見えてまいりますと、ぜひともそういう形でと。そして、一時住みかえとはいっても、そこにまた戻ってこれるということがはっきりしますので、そういった声も上がっていることを御紹介申し上げる次第でもございます。 ともあれ、皆様方の御同意を得て、極力、都市というものが安全で、安心で、そしてまた住みよいものになっていくことを願っての法律だということを御理解願いたいと思います。
○大森委員 大臣、副大臣からそれぞれ総括的な御答弁で時間がなくなりましたが、副大臣の地元のこの地域については、やはり住民参加という点では私は大変感心いたしました。それとあわせて、事業地域の事務所が、住民の方も利用できる事務所がある。ここで官民が一緒にいろいろ相談をする、日常的にできるということも大変いいことではないかと思います。 それと、住民参加を、単にきょうの答弁だけじゃなくて、本当にこれを進める、基本にしていく、位置づけるということを何らかの形でこれは担保する必要があるのではないかと思います。 時間が終了しましたので、一つ。三分の二の問題、この問題が私どもはやはり危惧されるわけですね。強制力を伴うということで、三分の一が追い出しにつながる危険性はやはり今の答弁でもなおかつあるということで、三分の二の同意が既に確保できたからといって、全員同意を目指す、そのための努力をするということを今後の中でどう担保するのか、この点をちょっと最後に大臣の御答弁を伺って、質問を終わりたいと思います。
○扇国務大臣 今まで御議論いただきましたこの三分の二問題も、きょうも随分皆さんに御論議いただきました。 先ほども私が申しましたように、基本的には住民の全員同意が得られるというのがこれは一番理想でございますけれども、そうかといって、では、合意が得られるまで何もしないのかということになりますと、これも安全、安心のためには私はよくないと思っておりますので、今回は、防災の事業に関しましては、事業の計画の段階から、都市の計画手続を経ることにして、広く住民の意見を聞いた上で計画の策定を行うのが一つ。二つ目には、地権者による事業計画とか権利変換等々の計画の策定に関しては、明快なルールを法制化して、そして法定して、その際、地権者の合意や意見聴取を行うという手続を整備する。最後には、一定の要件のもと、地権者が共同住宅かあるいは土地かを選択できるような柔軟な権利の変換の仕組みをする。 この三つを基本的にして、我々は、少なくとも地権者等々の負担の軽減を図るということを基本的にしていきたいと思っていますので、今回は、まちづくりについてこれらのノウハウ等々も生かされて、両案を一緒に御審議いただいたということが、私は大変、皆さん方にいい意見もいただいたし、両案一緒に出したということもやはり時宜にかなったことだと思っていますので、御審議でいただいた御意見等々は今後慎重に対処することに活用していきたいと思っています。
○大森委員 終わります。
○河合委員長 日森文尋君。
○日森委員 社民党の日森文尋でございます。 最初に、密集市街地における防災地区整備促進法について何点かお伺いしたいと思います。 大臣もせきで、私もちょっと風邪が十日ほど治らないで声がセクシーになってしまっていますが、御了承いただきたいと思います。 最初に、本来、住宅政策であるとか都市計画という観点から検討しなければいけないという課題が、都市再生というものが一番中心にあって、加えて、景気対策といいますか、そういう観点から提起をされている、こういうふうに思っているわけです。 この法案は、密集市街地における防災対策でどうやって民間活力を引き出そうとするのか、こういう発想も含まれていると思いますが、基本的に言うと、決して否定をしているわけではなくて、広場、公園だとか都市施設だとか、公共施設をつくることが基本にあって、これがないと防災地区ができないと。 今までの、ごく一般の私どもが知っている再開発であるとか区画整理でいうと、公共施設がばんばんいじめられて、どんどん細くなって、例えば権利変換するにも、何としても公共用地をどんどん削っていくというふうなことで、最後にならないと道路だとか公園だとかが整備できないということがあったわけです。これをうまく使えば、逆に、道路であるとか公園であるとか、そういうものはきちんとつくる。つくらなければ防災対策にならないわけで、そういう意味で一定の評価はあるというふうに思うんですが、そういうことと同時に、本来あるべき住宅政策であるとか、それから近隣の都市計画、こういうものとどういう整合性を持ってこの防災地区整備促進ということが行われていくのかについて、最初にお聞きをしておきたいと思います。
○扇国務大臣 今回のこの対策というのは、きょうも私、これは二十世紀の負の遺産だと先ほども申しました。そういう意味では、少なくとも防災上の危険な密集市街地の解消を図るということを目的としておりますけれども、まさに、都市政策あるいは住宅行政、そういうものの最も基本的な使命が安全の確保であるということは申すまでもありません。 そこで、この法案に基づいて、施策によりまして建築物の建てかえが促進されるなど、結果としては景気の寄与にもなるということは、それは事実でございます。けれども、この法案では、全国の二万五千ヘクタール存在しております密集市街地、あるいは木造の老朽化ですとか建築物が密集して、道路等の整備が不足しているということで、消防車等々、そういう緊急車両の通行にも影響が及ぶような密集市街地がいまだに整備改善できていない部分もある。 また、先ほどもお話ししましたように、少子高齢社会で、こういう密集地に住む高齢者も割合が大変高いということで、我々は、高齢社会にも対応したまちづくりが今必要であるということで、都市政策、住宅政策の重要な課題の一つであって、このようなものに取り組むことによって、民間の活力の活用とか、あるいは景気対策のような短期的な対策に主眼を置いたものではない。もっと、二十一世紀型の我々の居住環境の整備という大きな、基本的な、言ってみれば社会資本整備の一環であるという観点から取り組んでおりますので、一過性のものではないということだけは御理解いただきたいと思います。
○日森委員 続いて、密集市街地の防災街区整備促進法、これが制定をされて五年が経過しています。この結果について数字をもらっているわけじゃありませんけれども、余り芳しい結果ではなかったのではないかというふうに聞き及んでおりますが、ちょっとその実態と、実績が上げられなかった理由は一体何かということについて、最初にお聞きをしたいと思います。 今度の法案は、これの改善をするという意味も含めて提出されているというふうに思いますが、この総括といいますか、要するに、街区整備促進法の総括を踏まえて、今度の地区整備促進法、これが、どのような問題点をどう改善しようとしているのかということです。同じ都市計画、同じような中身を持った法律が、わずか五年で、改善といいますか変えていかなければならない。それは大きな理由が当然あると思うんですが、これは一体なぜなんでしょうかということについてお答えをいただきたいと思います。
○澤井政府参考人 現行の密集市街地整備促進法の活用実績は余りまだ十分でない。例えば、防災街区整備地区計画という、きめ細かい建物のありようを決めまして、個別の建てかえですとか共同建てかえを一個一個積み上げていって町を安全にしていこうというような取り組みもございますが、これがまだ全国で五地区というあたりに一つは代表されると思っております。 活用実績がまだ余り上がっていない理由は、大きく言えば二つかなと。建物の共同建てかえが全員合意でないとできないということが一つと、それから、何といっても町全体の安全性を高めるために、重要な道路とか公園、こういった整備をしっかりやっていかなければいかぬわけですが、そうした整備と個別の建物の建てかえとの関係が十分につけられていなかった、制度の中で一体化されていなかったというあたりだと思っております。 今回、五年というのが長いか短いかというのは別として、こういった反省を踏まえまして、やはり思い切ってこれを充実しないと最低限の安全性も確保できないという観点から、これが、ひいては都市再生全体の非常に基礎的な部分でもあるという観点から改正をしたいということでございまして、先ほどの裏返しでございますが、一つには、防災上重要な道路、公園等の公共施設を街区整備の基本方針に明確にまず位置づける。現在は、その位置づけはございません。 例えば、道路の沿道の建物の不燃化ということと一体となって町全体の燃えどまり構造をつくるというあたりが一つ。その場合、公共施設について、きちんと、いつごろまでにできるということを都市計画上も明らかにしまして、周りの建物所有者、土地所有者、住民の皆さんにも時間的な目安をしっかり与えるというようなことで、個別の建てかえも誘導していく。 それから、一方で、共同建てかえなんかにつきましては、いろいろ権利調整のための手法を多様化しまして合意形成が図られやすくする。あるいは、いろいろな専門家から知見を提供して、みんなで考えていただく。いろいろな前段階の対策を充実して合意形成を図りやすくするという前提の上で、最後に、いざというときに強制力が必要な場合には使うという仕組みを導入するといったあたりが、今回の主要な改正点だと考えております。
○日森委員 基本的には合意形成を図りやすくするというところにみそがあるというふうに思うんですね。 私は、自分の経験でもそうなんですが、実は、私が、今いる選挙区じゃないんですが、かつていたところはいわゆる住宅密集地がかなりありまして、道幅がわずか一・五メートルというようなところにずっと木造家屋が張りついている。結構高齢者がたくさんいて、引っ越したくない等ありました。 実は、町全体で地区計画をつくろうということを私はやったことがございまして、市でまちづくり条例というのをつくりました。行政が少し援助をして、住民参加で、自分たちの危険な町、ちょっと住みにくくなった町をどう変えていくかということで三年ほど努力したんですが、市の方にお金がなくてとんざしてしまいました、大変残念なんですが。 しかし、全員の合意であるとかだって、地区計画みたいなものも、実は、その内容について住民がもっと理解する、もちろん国土交通省や行政の側ももっとアピールをして、自分たちで自分たちの町をつくり直そうということを、ちゃんとインセンティブを与えて領導していけるようなというか、水路をつくってあげるようなことができれば、実はこれでもできないことはなかったんじゃないかというように思うんです。しかし、なかなかそれは進まないよ、一人反対がいるからだめだよということになっていて、では、面倒くさい、三分の二でいこうじゃないかということになると、これは随分乱暴ではないかという気がしてならないんですが、そこら辺、もう一回、感想をいただけますか。
○松野政府参考人 三分の二というのは、今回のような、大火の危険性のある密集市街地での防災システムの向上ということで、公益性が非常に高い事業だということで、ある程度、過半数以上のかなりの同意をとりながら実施して、いざというときに強制権が行使できるというところはどの辺なのかということで、市街地再開発事業あるいは区画整理事業の組合の三分の二という条件と同様の数値を採用していくということでございますが、事業実施に当たっては、できる限り、三分の二以上ではございますが、多数の同意を得て実施していくことが大事なことだというふうに考えております。
○日森委員 この間、国土交通省はガイドラインを出しまして、構想段階から情報公開しましょう、住民参加をして、みんなで参加でつくりましょうということもおっしゃっているわけなので、余り三分の二条項ということにこだわって、かえって混乱が起きると、中国のようにブルドーザーでぶっ壊しちゃってばんとつくればいいという国ではないわけですから、ぜひ、丁寧な合意を得るようなことはきちんとやっていくということを前提に進めていただきたいと思うんです。 にもかかわらず、都市再生プロジェクトでは期間十年というふうになっているんです。私、事前に法案の説明を受けたときも、十年で大丈夫ですかというふうにお聞きしました。 私は、さいたま市が実家なんですが、そこの中心の、かつて大宮市でございまして、その西口が再開発事業をやりました。ソニックシティだとか、何かでかいビルが建っているんですが、あれはやはり二十五年かかっているんですよ。隣の与野というところがございまして、その西口の、区画整理と都市計画をあわせて、セットで、なかなか区画整理で進まなかったものですから、それに再開発を組み合わせてやったんですが、ここも約三十年ですね。物すごい時間がかかっているんですよ。 それで、十年というふうに一応期限を区切って何とかしよう、こうおっしゃっているんですが、これは本当に、こういう期間を区切ってどこまでできるのかということが、大変疑問といいますか、心配しています。これについてどうなのかということ。 それから、先ほど大臣のお話で、全国で二万五千ヘクタール、密集地域がある。東京、大阪で八千、ちょっと忘れましたが、中心は東京、大阪になると思うんですが、地方都市での密集市街地の改善問題、そこはどういうふうに取り組んでいかれるのかということについて、二点ですが、お聞きをしたいと思います。
○澤井政府参考人 一点目の十年でございますが、法律上、十年という期限が定められているわけではございません。十年という御説明を申し上げていますのは、平成十三年十二月の都市再生本部におきます都市再生プロジェクト第三次決定の中で、二万五千ヘクタールのうち、当面十年で特に緊急の取り組みを必要とする八千ヘクタールについて重点的に対応していこうというところで出てきたのが十年でございます。 十年、確かに、市街地の面整備をしていく上で十分な時間でない場合も多いと思いますが、逆に、こういった十年ということで切ることで、本当に重要なところについて集中的な対応をしていくという意味で十年ということがプロジェクトの中で決まったと理解しておりまして、私どもも、その趣旨を踏まえまして、現在進行中のプロジェクトも含めて、一生懸命応援をしていきたいと思っております。 また、東京、大阪等全国というお話でございますが、御指摘のとおり、この法律は全国を対象にする法律でありますし、また、二万五千についていえば、東京、大阪が六千、六千ですが、残りの一万強の面積が各都道府県にございます。また、八千ヘクタールという特に緊急対応を要する中でも、東京、大阪、それぞれ二千ヘクタールのほかに、全国に四千ヘクタールございます。 例えばで申しますと、現在の法律で定められます防災再開発方針という防災まちづくりのマスタープランがございますけれども、この防災再開発方針を定めている地区は、東京、大阪以外でも、北海道、長崎、宮崎など、全国で十五都道府県にわたっております。それから、しばしば出ます、予算補助で行っております密集住宅市街地整備促進事業につきましても、北海道、岩手県から熊本、鹿児島県に至る二十七都道府県で実施されております。 全国に密集市街地、危険なところがありますので、必要なところでしっかり対応していきたいと思っております。
○日森委員 これも先ほどと同じ話になりますが、十年という期限を区切った、十年ということで八千ヘクタールをやるんだ、何としても達成しなきゃいかぬ。公共事業はスピードが大事だというふうに大臣もおっしゃいますが、しかし、そのために、住民の居住権であるとかいうものが壊されたり、無視されたりしてはならないということなので、仮に十年であっても、そこら辺はしっかりと留意してやっていただくということをお願いしておきたいと思います。 それで、さっきの話に戻るんですが、実際には、先ほど出ました地区計画など、時間がかかっても、丁寧に、自分たちの町は自分たちでつくりたいというふうに考えている方もたくさんいらっしゃると思うんです。それはそれで、当然、もちろんそういう手法、地区計画という手法を使ってやることも可能だというふうに理解をしているんですが、そういう、みんなで考えれば、時間はかかるけれども、一気にではないかもしれないけれども、町をつくることができるんだよ、変えることができるんだよ、そういうメニューなんかについて、もう少し周知徹底をしていく必要があるんではないか。 先ほどの話と関連しますが、私ども、地区計画なんといったって、住んでいる人はよくわからぬ。わかりやすく説明して、僕たちも、我々も、私も皆参加して町が変えられるんだということに意識が変わっていくと、随分違うと思うんですね。そういう啓蒙といいますか、周知徹底方もきちんとしていくべきだというふうに思いますが、その辺についていかがでしょうか。
○澤井政府参考人 御指摘のとおりと思います。 この密集市街地法の中でも、防災まちづくりについていろいろと住民の皆さんに知見を提供したり相談に応ずる機構の充実を図って、そこにNPO、最近非常に活発な展開をしておられますけれども、NPOの方にもそういった機構として指定を受けて活動いただくというような道もつけました。また、都市計画一般でも、しばしば申し上げておりますけれども、昨年、改正を賜りまして、住民の皆さんからの提案制度というものも設けられました。 そういったことを一つの目標として、皆さんで身の回りのまちづくりをどうするかということを考えて、それを都市計画、特に地区計画というものが適当だと思いますが、そういったものに結びつけていくというのは、これからの一つの大きな取り組みの流れになるのではないかと思っております。
○日森委員 ぜひ、丁寧な住民参加の形態と情報公開の徹底ということをお願いしておきたいと思います。 時間が余りなくなったんですが、河川の浸水被害対策法案についてお聞きをしたいと思います。 前回、私どもの原さんの質問の中で、河川局長は、住民参加について、河川法に基づく河川整備基本方針ではなくて、河川整備計画の段階で流域協議会、これはきょうも御答弁あったと思うんですが、これをつくって住民の御意見を聞きたいという御答弁がございました。 その際、今、全国の水系が百九あるようですが、いろいろな具体的な実情、実態に関しては、その土地に古くから住んでいる人、年配者も含めてなんですが、そういう方々はいろいろな思いがけない知識を持っているとかいうことも当然あると思うんですね。こういう地元で実態をよく知っている人、個人を指すわけじゃないんですが、そういう方々も含めて、基本方針を決める段階からこういう知識を生かすことができないんだろうか。そういう住民の意見を反映する場といいますか、その辺についてどのようにお考えになっているのか、改めてお聞きをしたいと思います。
○鈴木政府参考人 御説明申し上げます。 委員御指摘のように、前回、河川整備基本方針を定める際には、河川整備計画を定めるときにとられる方法、すなわち、地域住民の意見を反映できるように、いわゆる流域委員会への参加ですとか、公聴会、説明会、セミナーの開催など、河川ごとにいろいろ工夫をやっておりますが、そういった方法はとっておりませんという御説明をさせていただきました。 そして、その整備方針をつくる際には、手続的なことはいろいろあるんですが、社会資本整備審議会のもとに河川分科会というのがございまして、さらにその中に河川整備基本方針検討小委員会、こういったものが用意されているわけでございます。まさにそういう中で高度に専門的な観点から治水政策の基本的な方向を議論する必要があるということから、各分野の専門家の方々に意見を聞いているということでございます。 ただ、今申し上げた高度に専門的な観点から云々の各分野の専門家というものの中には、地元の知事さんは必ず入っていただくことにしました。それから、それだけではなくて、地域の実情に詳しい方も、これも一名でございますが、入っていただくというような工夫はさせていただいているところでございます。 ただ、いずれにしましても、御指摘のような観点、大事な点でございまして、日常の河川管理を行うに当たっても、さまざまな機会をとらえて地域住民の方々の御意見を伺いながら進めることが重要だと認識しているところでございます。
○日森委員 時間が来てしまいましたが、大変申しわけない、大臣に一言だけお聞きしたいんです。 この水害問題、ヒートアイランド現象とか、いろいろな問題が複合的に重なって出てくるんじゃないかというふうに言われているんです。そういう意味では、都市部の浸水、その結果に対してどうするかということだけではなくて、その原因に対して、環境、保水、農業の問題もそうなんですが、そんなに農業問題、触れなくて結構ですが、行政として大もとの原因について複合的に検討して、一定の、もちろん省の枠を超えた結論を出すことが必要じゃないかというように思いますが、その辺、いかがでしょうか。
○扇国務大臣 何か慌ただしい中で、時間がないと言われますと焦るんですけれども、今おっしゃいましたように、ヒートアイランド現象ということにつきましても、少なくとも、公園だとか緑地だとか、そういうものの整備、あるいは民有地でも、屋上とか、今はビルの壁面にも緑化するということが都市では行われておりますし、また、水面の面積の拡大ということも、きょうは大変、岩國議員とも論議をいたしました。また、水と緑のネットワークというものも大事なことでございますし、保水性だとか透水性という舗装の問題もきょうは御論議をいただきました。そういう面で、あらゆるところで、雨水のいわゆる貯水の浸透の拡大等の各種の施策というものを総合的に実施していこう、きょう御論議の中でも、ぜひということを言われました。 ですから、これは総合的に実施するということが必要であると思っておりますし、今回のこの法律と同様に、少なくとも、都市というものの開発から、安全と潤いというものを大事にしていくという政策の転換、それから対策の必要性、そういうものが実感できておりますので、今後とも、それらを重視しながら政策を進めてまいりたいと考えております。
○日森委員 委員長、時間を超過して申しわけございませんでした。 ありがとうございました。
○河合委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○河合委員長 ただいま議題となっております両案中、まず、特定都市河川浸水被害対策法案について議事を進めます。 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 特定都市河川浸水被害対策法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○河合委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○河合委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、栗原博久君外七名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守新党の七会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。伴野豊君。
○伴野委員 民主党・無所属クラブの伴野でございます。 ただいま議題となりました特定都市河川浸水被害対策法案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守新党を代表しまして、その趣旨を御説明申し上げます。 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。 特定都市河川浸水被害対策法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。 一 都市水害対策の実施に当たっては、河川行政と下水道行政、都市計画行政、住宅行政、環境行政等との十分な連携を図り、多面的視点に配慮して推進すること。特に、今後の市街化の進展状況を見据えた計画的なまちづくりに十分留意すること。 二 都市河川流域における宅地造成等の開発行為については、雨水浸透機能の十分な確保が図られるよう、開発業者等に対し本法の趣旨を周知徹底すること。また、民間の防災調整池については、適切な管理がなされその効用が十分に全うされるよう積極的な助言、支援に努めること。 三 雨水貯留浸透施設の設置に際しては、多目的複合利用を積極的に推進するなど、その有効かつ効率的な整備・運用を図ること。 四 流域水害対策計画の策定に当たっては、地域の実情に十分配慮し、学識経験者及び住民の意見が反映されるよう努めること。 五 都市河川流域の住民に対しては、洪水時等に想定される具体的な浸水状況や円滑かつ迅速な避難体制について、ハザードマップの活用等により十分な周知徹底を図るとともに、防災訓練の積極的な実施等により防災意識の啓発に努めること。 六 水害発生時においては、的確かつわかりやすい情報の迅速な伝達を図るとともに、高齢者等の災害弱者の安全かつ効果的な避難について配慮すること。 七 都市部における適切な水循環を図るため、雨水の再利用等の有効利用を積極的に推進すること。 八 雨水の浸透機能を有する道路舗装を積極的に推進すること。 以上であります。 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○河合委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○河合委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣扇千景君。
○扇国務大臣 特定都市河川浸水被害対策法、それにつきまして、本委員会におかれまして熱心な御論議をいただきました。また、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げたいと存じます。 今後、審議中におかれまして皆様からいただきました御高見、また、ただいまの附帯決議において提起されました雨水貯留浸透施設の多目的複合利用の推進、それから流域水害対策の計画策定に当たっての住民の意見の反映、水害発生時における的確かつわかりやすい情報の迅速な伝達等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長初め委員各位の皆様方の御指導、御協力に対して厚く御礼を申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。 ありがとうございました。 —————————————
○河合委員長 次に、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案について議事を進めます。 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。瀬古由起子君。
○瀬古委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。 密集市街地は、狭い敷地に目いっぱい建てられた住宅が連なり、その多くが老朽化しています。また、居住者の高齢化も際立っています。商店街も、衰退を象徴する店舗の歯抜け現象も見られ、もはや、個々の対応、努力だけではこれらの問題を解消できず、行政が手を差し伸べ、災害に強いまちづくりを進めることは、すぐれて今日的課題であります。私たち日本共産党は、そのために必要な施策、予算措置は、当然必要と考えています。 しかしながら、この法案には反対せざるを得ません。 その理由は、改正案では、事業会社や組合が事業を施行する場合は、所有権者、借地権者の三分の二以上の同意要件を規定し、三分の一の権利者の反対があっても事業を進めることができるとしていることです。三分の二の同意要件はほかにもありますが、事は人間の生活基盤であり、基本的人権でもある住宅の問題であり、乱暴な措置と言わざるを得ません。 しかも、改正案では、事業会社が防災街区整備事業の施行を行えるようにしましたが、これは、小泉内閣が進める都市再生事業と一体となって行われようとしていることから見ても、借地借家人など弱者が切り捨てられる条件が一層生まれることになりかねません。現に、都市再生のもとで、その町に住み続けたいという従前居住者が、その町から追い出されるという事態が続いています。 今、多くの密集市街地で事業が長期化しています。その最大の問題は、住民要求を軽視するトップダウン方式にあります。私は、借地借家人も含めた多くの人々が合意できるような制度を構築することが必要であることを強調して、反対討論といたします。 以上です。(拍手)
○河合委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○河合委員長 これより採決に入ります。 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○河合委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○河合委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、栗原博久君外七名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守新党の七会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。阿久津幸彦君。
○阿久津委員 ただいま議題となりました密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び保守新党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。 一 密集市街地の整備が円滑かつ適切に行われるよう、本法の趣旨の周知徹底に努めること。 二 密集市街地の整備に当たっては、地域住民のコミュニティの維持・形成、良好な市街地環境の創造等に十分配慮すること。 三 特定防災街区整備地区、防災街区整備事業等の都市計画の決定に当たっては、住民への情報公開や住民の意向反映に十分配慮すること。 四 防災街区整備事業の施行に当たって、借家権者を含む関係権利者の合意形成が十分行われるよう配慮すること。また、高齢者等の社会的弱者や零細権利者の居住の安定の確保を図るため、必要な措置を講じるよう努めること。 五 防災上危険な密集市街地の早急な解消を図るため、防災街区整備事業等に対する補助、融資、税制等の助成制度や、住民のまちづくり活動等に対する支援策の充実に努めること。 六 密集市街地の整備を円滑に推進するため、住民主体のまちづくりを支援する専門家、まちづくりNPO等の育成、活用に努めること。また、都市基盤整備公団等公的な組織が有するまちづくりに関するノウハウの提供等を積極的に行うこと。 七 密集市街地の防災性の向上に資するため、道路、公園等防災都市施設の整備に努めること。 以上であります。 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○河合委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○河合委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣扇千景君。
○扇国務大臣 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、また、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げたいと存じます。 今後、審議中における委員各位の御高見、あるいは、今の附帯決議において提起されました地域住民のコミュニティーの維持そして形成等への十分な配慮、防災街区整備事業等に関する助成制度や住民のまちづくり活動等に対する支援の充実等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長初め委員各位の御指導そして御協力に対して深く感謝申し上げたいと存じます。 ありがとう存じました。 —————————————
○河合委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河合委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○河合委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十七分散会