厚生労働委員会 第2号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2003/02/26
会議録
○坂井委員長 これより会議を開きます。 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として厚生労働省医政局長篠崎英夫君、健康局長高原亮治君、社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君及び社会保険庁次長伍藤忠春君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○坂井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島敦君。
○大島(敦)委員 おはようございます。民主党の大島敦でございます。 昨日は、坂口厚生労働大臣から大臣の所信表明を伺いまして、それに対する質問をさせていただきます。 まず冒頭に、最近報道のあった質問レクの調査の問題についてお伺いしたいんですけれども、内閣府が中心となって質問レクの調査を行ったと聞いておりますが、厚生労働省でも何らかの調査を行ったのか、また、質問レクの調査の問題について大臣はどうお考えなのか、お答えいただければ幸いでございます。
○坂口国務大臣 おはようございます。 国会対応にかかわる超過勤務の調査でございますが、これは内閣府の取りまとめがございまして、厚生労働省としましても事務的に厚生労働省分の状況を提出したということは事実でございます。 質問とそれに対する答弁は、これはもう実は昔からの問題でございまして、なかなか難しい問題でございますけれども、先生方にも、わかりましたらわかる限りにおいて、できるだけ早くお願いを申し上げたいというふうに言っているところでございます。しかし、その後の対応はこちらのことでございますから、こちらの方もできるだけ短時間の間に、それに対して対応をさせていただきたい、こんなふうに思っている次第でございます。
○大島(敦)委員 今回の質問レクの調査について私が伺っておりますのは、各省庁の超過勤務あるいは非常に厳しい労働環境について、質問レクが原因になっているということで調査が行われたと聞いております。 昨日も、大臣の所信表明を受けてから、私どもが質問を提出したのが六時から九時、十時ぐらいですから、恐らく役所の職員の方はそれからきょうの明け方まで仕事をされていたかと思います。そのことは本当に大変だなとは思うんですけれども、そのような超過労働とかあるいは今の勤務実態について、質問レクが原因になっているということで調査されたのかどうか、お答えいただければ幸いでございます。
○坂口国務大臣 副大臣会議においていろいろのお話が出たということを聞いておりますが、各省庁ともにかなり超過勤務がありますので、できるだけ超過勤務を減らしていくというような全体の流れの中での話であったというふうに聞いております。 しかし、早くと申しましても、先ほど御指摘のように、昨日からきょうにかけてということになりますと時間がないわけでありますから、先生方にどういうお考えかということをお聞きするのにも、それは時間的制約があるわけでございますので、やむを得ない事情がその中には存在するというふうに思っている次第でございます。
○大島(敦)委員 今回の調査について、今坂口大臣がおっしゃられたとおり、副大臣会議で議題になったということでございます。 副大臣会議というのは、皆さん今は政府に入っていらっしゃる立法府の国会議員が、私たち立法府の、国民から負託を受けた人間として質問するというこの権利を行使することについて、一定の配慮を私たち立法府に対して求めているやに私にはとれるんですけれども、そのことについて大臣はいかがお考えでしょうか。
○坂口国務大臣 必ずしも先生が御主張になっている趣旨を十分に理解できておりませんが、議員であります以上、それは発言の機会が十分に与えられることは当然でありまして、それに対しまして、その趣旨を十分に述べていただく時間的ゆとりというものもなければならないというふうに思っております。 ここは、先生方の御主張を十分に聞くという時間的な問題と、定められた国会の中でこなしていかなければならない問題と、その相互の問題があるものですから、先生方にとりましても、また、それを受けます厚生労働省を初めとする省にとりましても、非常に過酷な状況が生まれてくるということになるわけでございまして、そうしたことも十分わきまえながらこれからやらせていただかなければならないというふうに思っております。
○大島(敦)委員 鴨下副大臣に伺いたいんですけれども、今回の質問レクの調査に関して、鴨下副大臣はどのようにお考えでしょうか。
○鴨下副大臣 先ほど大島委員からお話がありましたように、この問題は本来は、若手の公務員の皆さんが、質問取りの後に夜中まで、もしくは明け方まで、仕事をせざるを得ない、こういうような状況をどうしようか、こういうような趣旨から議論が始まったわけであります。 不幸にも、いろいろと憶測が乱れ飛びまして、違った趣旨でとられた部分もありますけれども、むしろ、今大臣がお話しになりましたように、本来は、国会の議論を妨げてはいけないということはもちろんそのとおりでありますが、それと同時に、できるだけ若い公務員の皆さんを早く帰してあげたい、こういうような趣旨の両方が相まってこの議論があるということをぜひ御理解いただきたいと思います。 副大臣会議の中でもそういうような趣旨での議論だったはずなんですが、それがだんだんとひとり歩きを始めたところでいろいろと違った問題に派生していったということで、それは大変不幸に思います。 以上でございます。
○大島(敦)委員 今、鴨下副大臣がおっしゃられました、若い公務員の皆様の超過労働等の勤務実態に対する一定の配慮というのは、よくわかります。私も、同じように若いサラリーマンだった時代があるものですから、ほとんど徹夜で仕事をしたこともございます。 しかしながら、私たちがこの場で質問することに対しての超過勤務があるなしということは、直接的に結びつけてはいけない問題だと考えております。 それは、そのような、柔軟に対応できるようなシステム、制度をつくるというのもまた必要かなとも考えておりますので、私たち立法府の立場を尊重していただくことをお願い申し上げます。 続きまして、昨日の大臣の所信についてお伺いいたします。 昨日、この場で大臣の所信を聞かせていただきまして、坂口厚生労働大臣の顔が見えにくいなというのが印象でございました。 昨年の所信表明も、もう一回読んでみました。 今通常国会、百五十日間の通常国会の、提出される法案についての記述はあるのですけれども、それに対する思いとかあるいは大臣の価値観なり考えなりがもう少し反映してあればいいのかなと思いました。 そのことについてお伺いいたします。昨年の所信と比較しますと、提出法案の説明についてはもちろん違っているんですけれども、雇用対策とか医療制度改革全般については昨年のものとほとんど変わっていないように思われます。昨年とことしの所信の中身の違いというのはどういうものなのか、教えていただければ幸いでございます。
○坂口国務大臣 淡々と述べたわけでありまして、熟読玩味していただきましたら、秘めたる情熱をお酌み取りいただけるのではないかと思っております。 ことしの一番の特徴は、何と申しましても雇用問題だろうというふうに思います。昨年と違いまして、ことしはいわゆる労働部門、雇用部門と申しますか、そこがやはり中心になるというふうに思っておりまして、その雇用問題を強調して書かせていただいたということでございます。 また、もう一つは、厚生労働省としまして、やはり中長期的な展望に立ちましたときには、一番大事なことは少子化対策でございますので、その少子化対策の問題をその中で取り上げさせていただいた、かように考えている次第でございます。
○大島(敦)委員 今回の所信表明の書き方としては、大臣のおっしゃられたとおり、一番最初に雇用の問題が雇用問題への取り組みということで一番重要なものとして位置づけられております。 雇用問題というのはやはり予算が絡むものですから、本年度との予算対比について厚生労働省の方から概略を教えていただきました。その概略について見ますと、本年度に対してそんなに大きくは変わっていないわけなんです。そうしますと、予算の内容がそんなに大きく変わっていないとすれば、昨年もことしも、その雇用対策についての、大臣の思いはわかるんですけれども、この現況の雇用実態に耐えられるのかどうなのか疑問でございます。 そのことについて、大臣、予算について本年度とそんなに大きくは変わらないんですけれども、そのところを、これで大丈夫だという自信があるのか、お聞かせいただければ幸いです。
○坂口国務大臣 雇用問題につきましては、そんなに昨年の予算と大きな変化がしているわけではございません。ただ、十四年度の補正予算があったものでございますから、ここにかなり盛り込んでおりまして、補正予算と来年度の予算とあわせて行っていくということでございます。補正予算の中には、これはかなり新しいものも入れさせていただきました。とりわけ、不良債権処理に対します問題等をその中に入れさせていただいたところでございます。 最近の雇用情勢に対応しますときに、それは予算の額も私は必要ではございますけれども、その内容についてやはり少し変えていかなければならない、今までのやり方では失業者を減らすことはなかなかでき得ないというふうに最近考えております。 と申しますのは、今までの雇用対策といいますと、旧労働省時代からでございますけれども、省の予算を中心として、いわゆる国の雇用対策として、全国津々浦々にそれをお願いしてきた。しかし、最近の状況を見てみますと、それぞれの地域における格差、いわゆる失業率の違いもございますし、そしてまた、なぜ失業者が起こってくるかという理由につきましても、それぞれの地域によってかなりの差があるということをだんだんと私も認識してくるようになってまいりました。 そこで、国の方だけが中心になってこれをやっておりましてもなかなか進まないものですから、ことしは法律でお願いを申し上げることになっておりますけれども、地方自治体におきましてもハローワーク的なお仕事をおやりいただくようにする、国と地方、そして民間にもさらにおやりをいただけるような体制にしていく。地域におきましては、商工会議所でありますとか、あるいはまた労働組合でありますとか、さまざまな皆さん方にも御協力をいただいて、そして雇用に対するネットワークを組んでいくということがかなり重要になってきたというふうに思っております。 そうした中で、額はそんなに多くはございませんけれども、新しい幾つかの予算づけもしてもらっているところでございまして、それらを総合的に行っていくことが、この新しい現実に対する雇用対策だというふうに私思っているところでございます。
○大島(敦)委員 坂口大臣のお立場はつらい立場だと思います。雇用というのは受け身な行政なものですから、今の財務金融あるいは経済の状況、そして不良債権処理。経済が悪いために失業がふえますから、どうしても受け身の行政にならざるを得ないところはあると思います。一番の雇用対策は、景気がよくなれば雇用対策については悩まなくてもいい問題でもございます。ですから、景気がよくなれば失業者は減るものですから、雇用対策について大臣が悩む必要はないと考えます。 しかしながら、今の雇用対策、今回の所信表明の中で万全を期すと抽象的に大臣は述べておりまして、万全を期すと抽象的に言っても、納得する国民はいないのではないかなと思っております。失業率を何%以下に抑えるとか、あるいは何%までの失業率でしたら厚生労働省が今回いろいろと施策を立案しました雇用対策によって大丈夫ですよという、明確なメッセージは出せないのでしょうか。
○鴨下副大臣 大島委員はわかっていておっしゃっているんだろうというふうに思いますが、厚生労働省の方の言ってみれば雇用政策というのは、ある意味で受け身という立場で、確かに苦しい立場でございます。そういう意味と、それから失業率と失業者数については、これは専門家でも予測がなかなか難しい部分もございますし、特に経済、それから今回の世界の情勢等についても大きな影響を受けるものでありますので、そういう意味から、雇用に万全を期すというような意味で、その都度その状況に応じて対応していく、こういうようなことで申し上げているところでございます。
○大島(敦)委員 鴨下先生の御指摘があるとおり、今回のイラクの問題あるいは北朝鮮の問題で不安定な要素は非常に多いんです。ことしの経済の見通しというのはそんなに楽観できないなと思っておりまして、今の政府が出している経済予測よりも悪くなるおそれもあるかと思います。それに備えると今回の雇用対策では非常に難しいと考えておりまして、また、今国会でも私たち民主党は雇用対策についての法案を提出いたす予定でございまして、また、それについて御検討していただきたいと考えております。 そして、大臣は先ほど、所信表明の中で、この熱い思いを感じていただきたい、読み取っていただきたいというお言葉があったんですけれども、例えば、今回よくもめている、もめているというのかな、小泉首相がこだわっている特区の問題とか、前回私どもの民主党の長妻議員が大臣に御指摘させていただいた雇用能力開発機構など特殊法人の改革の問題とか、本来小泉首相が非常に大切な政策として掲げているものが大臣の所信表明の中では盛り込まれてないわけなんです。 これは、役所としては確かに特区の問題は触れたくないでしょうし、あるいはこちらの方の特殊法人改革についても、できれば野党の議員から質問を受けるまではゆっくりさせていただきたいなというのが本音かとは思うんですけれども、大臣としては、この二つの問題について、今通常国会そして今年度、どのように対応していくのか、お聞かせいただければ幸いです。
○木村副大臣 おはようございます。 御承知のように、所信というのは厚生省のすべてのものを網羅するものではないわけでございまして、特に法案のお願いをするとか、また委員会の皆様方に御判断を仰ぐとかいう場面にある程度限られてきているわけでございます。 その中で、特区の問題は、これは実は内閣委員会なんです。ですから、ほかの委員会のことでございますので、特区のことを特にこの中には書かせていただかなかった、こういうことでございますし、それから特殊法人改革は、これは御承知のように、前国会で法案が成立しまして、これから十六年の独法化に向けて今鋭意準備の最中でございまして、これは今一生懸命やっているところでございますので、どうぞその点では御安心をしていただければ、このように思うわけでございます。
○大島(敦)委員 特区の問題については私も理解しておりまして、しかしながら、ここまでいろいろとさまざまなところで話題になると、厚生労働省としてはどういう取り組みをするかというのは述べていただいてもいいのかなと思ったのが一点。 特殊法人改革は、昨年度多くの独立行政法人を設立しましたけれども、今の業務実態がどうなっているかというのが問題だと考えております。それは独法化したから済む問題ではなくて、今、そこに対して、独立行政法人に対してどうやってメスを入れるかというのが問題でして、それについて、坂口厚生労働大臣としては、前回私どもの長妻議員の質問にも努力するやに御発言されておるんですけれども。 要は、ほかの独立行政法人あるいは特殊法人についても、大臣としては、今年度も鋭意その業務実態について、年金の問題もございました、予算委員会での私どもの上田清司議員の年金の運用の問題、さまざまなむだが多いわけなんです。国民に負担を強いるのでしたら、みずからこのむだについて明らかにしていかないと、国民としては、ことしの四月一日から医療費が二割から三割に、これはサラリーマンの医療費が上がります、そのことについての説得力がないと考えておりまして、行政法人に対するチェックについて、大臣としてはどういう覚悟で具体的に臨んでいくのか、お聞かせいただければ幸いです。
○坂口国務大臣 昨年も特殊法人の問題、廃止するものもあるし独法化に移行するものもございまして、かなり御議論をいただいたわけでございます。まだしかし残っております。とりわけ、先ほど御指摘をいただきました年金にかかわりますところは実はまだ残っているわけでございます。この年金に関します資産運用の問題等も含めましてこれは解決をしなければならないところでございまして、上田議員にも御指摘をいただいたとおりでございます。 この辺のところは、これは例えば、年金問題をことしじゅうに決着をつけて、そして来年はこの国会でいろいろと御議論をいただくということになるだろうというふうに思っておりまして、ことし一年間、年金のあり方というものについてさまざまな角度からの御議論をいただいて、そしてそれを集約していくということになっていくだろうというふうに思っておりますが、年金本体の問題もさることながら、例えば資金運用の問題でございますとか、年金の周辺の問題も明確にして、明らかにして、やはり国民の皆さん方から御理解をいただけるような形にしていかないと、これは年金そのものに対する信頼にかかわると私は思っております。 したがって、年金制度の中身と、それからその周辺の問題と、あわせてこれはクリアカットにして御提示を申し上げるというのが非常に大事なことだというふうに思っておりますので、それらのことも十分踏まえて来年に備えていかなければならない、ことしいっぱいに決着しなければならないものは早く決着をしたい、そういうふうに思っている次第でございます。
○大島(敦)委員 総論的な話でして、大臣の方から今、年金の問題について伺うことができておりますが、ほかにもさまざまな、法案化の対象になっていない、あるいは法案化された各法人、あるいは独立行政法人、あるいは特殊法人がございます、それらのものについて、厚生労働省としてはもうこのままでいいんだと言うのか。今私たちの目にまだ届いていない個々の業務実態について、一回総ざらいをしてみるおつもりがあるのかというところを伺っているわけなんです。 今回、長妻議員が質問した能力開発機構などについても、これは指摘されなければ多分明らかにならなかった問題だと思うんです。こういうことがほかにもあるかもしれない。そうすると、ほかの特殊法人についても厚生労働省みずから、あるいは大臣みずから一定のスタディーをした方がいいかなと私は考えているんですけれども、そのことについての大臣のお考えを伺えれば幸いです。
○坂口国務大臣 特殊法人につきましては、この二、三年かなりいろいろの議論がありましたし、そしてその見直しもずっとやっているところでございます。厚生労働省といたしましても、厚生労働省にかかわります特殊法人につきましての見直しを逐一行っているところでございます。 確かに、改革しなきゃならないところはかなりあるというふうに思っておりまして、それは改革をしていきたいというふうに思っている次第でございます。既に今まで済んだものもございますけれども、これから一層整理をしなければならないところは整理をし、改革をしなければならないところは改革をしていくという姿勢でこれからも臨んでいきたいというふうに思っております。
○大島(敦)委員 ありがとうございました。 最後にお伺いをしたいんですけれども、これは質問通告の中にもありますけれども、今回の大臣の所信表明に当たって、昨年の所信のどの部分が達成できたとかできていないとか、昨年の総括というのは大臣としてはされたことはございますでしょうか。
○鴨下副大臣 今の御質問なんですが、政策の評価それから総括をきちんと行わなければ次がないじゃないか、こういうようなお話であると思います。確かに政策というのは、貴重な税金を使わせていただいて、その費用をいかに効果的に使っていくか、こういうようなことだろうと思いまして、厚生労働省の中でも百六十二の政策目標をつくりまして、それに照らして各施策がどういうふうに行われていくかというようなことについての行政評価をしていこうじゃないか、こういうようなことでもありますし、その前には基本目標として十二の目標を立てておりまして、これに従ってそれぞれ詳細に実績評価書を作成する、こういうようなことを現在しているわけでありまして、これからも、先生おっしゃるように、費用をかけた分だけ効果が上がったかどうかということを踏まえて政策を次につなげていく、こういうようなことをしてまいりたいというふうに考えております。
○大島(敦)委員 鴨下副大臣、ありがとうございました。 ぜひ政策について総括及び評価をしてください。今まで、ここ二年半、厚生労働省のさまざまな政策を審議させていただきまして、当たるものもあるんですけれども、当たらなかったものも多かったものですから、その辺のところのフィードバックをぜひしていただいて、予算がしっかりと有効に使われることをお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○坂井委員長 次に、五島正規君。
○五島委員 おはようございます。民主党の五島でございます。 大臣には、一昨日、予算委員会におきましてさまざまお伺いいたしましたが、あのときの続きということもございまして、若干お伺いしていきたいと思います。 まずは、大臣に対して、医療制度の抜本改革の問題について御意見をお伺いしたいというふうに思います。 実は、医療制度の抜本改革と言われる中において、医療費をどのような形でファイナンスしていくのかということの議論は随分この間長く続けられてまいりました。 例えば昭和五十九年には、医療保険制度の支払い方法として、六十年代後半には給付の八割程度への統一ということと財政調整による負担の公平化、それによる一元化を図るというふうな方向も出されました。しかし、結果においてはそうはならなかった。そして、今回、また三割というところで給付が大体統一されようというふうに、前回の制度の改革で出されています。 なぜ五十九年の段階で八割への給付の統一を含めた一元化ができなかったのかということを反省してみると、基本的に、保険の給付をどれぐらいにするかというふうなイメージだけが先行して議論されながら、では、八割給付なら八割給付というふうな状況の中で、将来的にその範囲の中で医療費がどのようにコントロールできるように医療制度を変えていくか、そこの議論がないままに八割給付という言葉だけが先行して、結果的には国民に対しては絵にかいたもちを示しただけで終わりました。 今回の七割給付の問題も、七割給付への給付の引き下げ云々の問題はまた改めて議論するといたしまして、七割給付にすれば、では将来的に医療財源は安定的にそれでいいのか、その根拠は全くないわけでございます。どのように医療制度をその範囲の中でコントロールしていくのかという議論が全くないままでの健保本人の給付の引き下げでございます。 このようなことを繰り返している限りは、やはり国民にとっては、非常に将来不安の中における可処分所得、必要以上の抑制が始まり、そしてそれが非常に将来不安になってくることは言うまでもありません。 その辺について、大臣が保険の将来的な一元化をイメージしておられるということはそれなりによく理解できるわけですが、これは思いや願望だけではできない。それができるために将来的にどのように医療制度を変えようとするのか、そこのところが本当は一番大事な問題であるだろうというふうに思っています。そのあたりは大臣との意見の違いは本当は余りないんだろうと実は思っているところなんです。 そこで、具体的に、この間の予算委員会でもお伺いいたしましたが、やはり今回の抜本改革の中で議論しなければいけない点は、大きく分けて三つあるだろうというふうに思います。 一つは、日本の医療費の四割ぐらいを一割強の高額医療費を要する方々が使っている、そこのところを放置したままで果たしていいのだろうか。その最大のところは、公私の大学病院における医療費である。大学病院というのは、医育教育あるいは医師の研修という問題も含めまして医療というものが行われるわけでございますから、もちろん高度医療というのもありますし、また、そうでない一般患者に対しても、学生に対するいわゆる教育の一環として、かなり濃厚な検査や医療というものが必要になってくることは言うまでもありません。そうしたものを診療報酬の世界の中で全部処理していくという現在のやり方、それが果たして当を得ているのかどうか。 また、今回、大学病院を対象とした、これまで大学病院で調査をされました医療分類に基づいて、DRGといいますかDPCといいますか、表現の問題は別ですが、それを導入しようとしておられるようですが、果たしてそれをしてみたところで何の意味があるんだろうか。やはりもっと基本的に、医育教育に要する医療費というものを現在の出来高制度という制度から切り離すというふうな方向を一つは検討しなければいけないのではないだろうか。 もう一つは、大学病院に対してDPC、医療の類型化をやっていくというお話でございますが、今、例えば外来医療の中でどういうふうな分野に医療費が一番たくさん行っているか。高血圧が一兆四千億、あるいはその次が腎疾患、その次が糖尿病、その次がいわゆる脳血管障害、こうなっています。そこまでで大体四兆ぐらい。それを、いわゆる自己負担の増によって受診を抑制させることによって医療費を抑制させていくことが本当に正しいのかどうか。 例えば、腎疾患と糖尿病。昔でいえば慢性腎不全というところから腎透析が入ったわけですが、今は糖尿病から入っていく方が圧倒的に多い。すなわち、糖尿病の管理がうまくいっていない、患者がふえているということに原因しているんだと。そうしますと、そうした慢性疾患の、生活関連疾患の患者さんに対してさまざまな生活指導を含めた、合理的ないわゆる医学的管理のもとにおけるシステムをそういうふうなところでどのような形で確立させていくのか。そういうことをすることによって、さまざまなデータがございますが、やはり一割から一割五分ぐらいの医療費の抑制というのはその分野についてはできていくと言われています。そうした将来の日本の医療の提供体制の、しかも医学的な根拠づけを持ったそういう改革というものをどのように進めようとされているのか。 そうしたことを一切抜きにしたままで、いわゆる医療費の抑制策として患者負担増をしてみても、それによって将来的に必要な医療がファイナンスできるかどうかわからないというふうな状況というのは極めて無責任だろうというふうに私は考えています。 もちろん、だからといって、大臣がおっしゃっているように、分散しております市町村国保を統合していくとか、あるいは財政的に一元化していくとかいうふうな措置を不必要だと言っているわけではありません。しかし、基本的なこの医療の抜本改革というのは、その分野にとどまることなく、やはり医療の提供そのもののシステムをどう変えていくかが大事だというのが二つ目の問題だろう。 三つ目の問題は、私はそろそろ医育教育を変えるべきだろうと。 現在、六年制、そして二年間の研修制度というふうになっています。しかし、今、やはり医師の供給というのは過剰になっており、そのことによる医療費の増というのは無視できません。そういうことを考えますと、私は、医育教育を、研修制度の二年というのはもうレジデント制度と割り切って、そして、現在日本で言われている研修制度の程度までは、いわゆるアンダーグラデュエート、すなわち卒前教育の中に組み入れるべきだろう。八年間の教育にしたらどうですか。 各大学、そのまま八年にするということになりますと人員問題その他の問題があるでしょうが、そうであれば、現在六年制の医学教育を八年制にして、一学年の学生数を七五%に落としたらどうですか。八年間で養成される学生総数は、私立大学にとってみても、トータル一緒です。むしろ、八年の卒前教育のもとにおいて、その上で明確なレジデント制度として制度をつくっていく、それぐらいの中で、将来的に医師の供給を二五%程度落としていく、それぐらいのことを覚悟していかないと、私は、将来的に医療の安定的な、コストパフォーマンスのいい制度というのはできないんだろうと思っているところです。 そのあたりについて、大臣が、保険制度の一元化を目指したさまざまな御議論、あるいは非常に大事な問題ですが、高齢者医療をどのようにファイナンスしていくかという議論、それが物すごく大事だということは重々理解した上で、そのあたりについてどうお考えか、お伺いしたいと思います。
○坂口国務大臣 今先生、いろいろのことを挙げていただきました。その中で、一つは高額医療費の問題を挙げていただきました。いわゆる高血圧でありますとか腎疾患でありますとか糖尿病でありますとか、そうした、いわゆる医療費を非常にたくさん必要とする疾病に対する対策をどうするのか。それからもう一つは、医学教育あるいは研修制度というものをどうしていくのかというお話でございました。いずれも大変大事な御指摘だ、それぞれ大きな課題だというふうに私も認識をいたしております。 現在進めております抜本改革の中の一つの大きな柱は、先ほどからお話しをいただいておりますように、これはいわゆる医療保険制度の統合一元化という方向性、一遍に一元化はできませんけれども、統合化を進めていくということもやっている。これも私は大変大事な問題だと思いますし、そして、五千を超えるような保険者になっておりましたのでは非常にむだも多くなりますしいたしますから、もう少し保険者機能を発揮していただけるような体制にしていかないといけないというふうに思っております。 それはそれでございますが、やはりもう一つは、診療報酬体系の見直しの方がより大きいと私は実は思っております。 先ほど御指摘になりました大学病院の問題もしかりでございまして、大学病院と一般病院とを同じ診療報酬体系の中で見ていっていいんだろうかという問題は率直にございます。大学病院の中でもうあらゆる検査をして、そしてやっていく、そういう教育を受けた人たちが個々の病院に行きましてもそれとまた同じことをやるといったようなことが続いていきますと、医療費は拡大していく一方になるわけであります。 医学教育のあり方とも関係するわけでございますし、大学病院のいわゆる保険のあり方というのは別途少し考えなければいけない。そうしたことで、この四月からいわゆる包括医療、包括制を導入させていただいて、そして今後一年間、二年間、それを今後どういうふうにしていったらいいかということをさらに検討を進めていきたいというふうに思っているところでございます。出来高払いから包括払いへというふうに一遍に行くこともなかなかできにくいという問題もございますけれども、大学病院は包括制を中心にしていくという形にさせていただきたいというふうに思っているところでございます。 それにあわせまして、診療報酬の改正の中で、私は、一つは、基準を明確にして、医療を行う人の側からも、そしてまた医療を受ける人の側からも、なぜこの診療報酬が高いのかあるいは低いのかといったことがよくわかるようにしていくという、尺度を明確化していくということも大事だというふうに思っておりますが、もう一つその中で大事なことは、今御指摘になりましたように、病気を重症化させないためにどうするかということについての配慮、そこが私は大事ではないかというふうに思っております。 ある大学の腎臓を専門に研究をしておみえになります先生がおみえになりまして、そして、できる限り腎透析を受けないで、食生活でやっていけるようにしたいと思って努力をしている。しかし、それには十分な説明時間が要るし、腎透析を受けなくしていこうということを大学でやろうとしますと、大変な努力をいたしますけれども、保険点数というのは、まことに少ない保険点数になってしまって、そして経営上のことをいえばやっていけない状況になってしまう。これらのところ、そんなにたくさんの配慮は要らないけれども、せめてそのことに十分こたえられるようにだけしてもらえないかというお話があったことがございます。 私は、大変大事なことだと思うんです。それで、そういうことに配慮をすることによって医療費はうんと抑えられるわけでございますから、そうしたことに対する診療報酬上の配慮というものがやはりもっとあってしかるべきだというふうに思っております。 また、病院なら病院におきましては、最近非常に入院期間が長かったりするものですから、できるだけ入院期間を短くして、そして努力をしていただくようにお願いをしているわけでございますが、そういたしますと、回転率が速まれば速まるほど忙しくなってくるわけであります。検査をいたしましたり、初期のいわゆる手当てをしなければならない人たちがふえるわけでありますから、次から次にお見えになるわけでありますから、大変になってくる。そうしますと、そういう回転を速くするということは、やはりそれに対する人の配慮というものが必要になってまいります。こうしたこともやはりあわせて見ていかないと、本当のよい医療というのは生まれてこないのではないかというふうに思っている次第でございます。 長くなりましたが、最後に、研修制度につきましては、来年からスタートをさせていただきますし、今まで三年間でございましたが、今度は二年になりますけれども、その中でアルバイトをせずに真剣に打ち込んでいただけるような体制をつくる、しかも、大学病院だけではなくて地方の病院に出かけていただいて、プライマリーケアを十分に身につけていただく、そうしたことを念頭に置いてやっていきたいというふうに思っております。 医学教育の問題にまでまだ踏み込んでおりませんけれども、あるいはそうしたことも考えなければならない時期が間もなく来るのかもしれない、私もそんな予感はいたしております。
○五島委員 厚生省も医療の抜本改革案を三月には取りまとめられるということでございますので、それが出てきた段階で、またぜひ議論をさせていただきたいというふうに思います。 次にお伺いしたいんですが、いわゆる経済特区の中で、株式会社による医療への参入に対して、厚生省はノーとおっしゃっている。ノーとおっしゃっていること自身については私もそうだと思うんですが、なぜノーとおっしゃっているのか、そこのところをお伺いしたいと思います。
○木村副大臣 五島先生におかれましては、特区の問題について大変御理解をいただきまして、ありがとうございます。 特区の問題点、これは幾つかあるわけでございますけれども、まず、何といっても、社会保障の分野に市場原理を入れていくということでございます。つまり、株式会社というのは、その使命は利潤の極大化にあるわけでございます。この社会保障の分野は、例えば保険制度を導入させていただいておりまして、言ってみれば皆さん方の枠が決められている、その中で、利潤を極大化して自分のところだけもうかればいいというような企業が入ってこられるのはいかがなものかな、こう思えてならないわけでございまして、それは結局どういうところにつながるかというと、医療費の高騰につながっていくわけでございます。 それから、既存の医療法人とのバランスの問題もあろうと思います。配当の制限ですとか、また附帯事業なんかにも制限がございます。こういうものとのバランスはいかがなものだろうかな、こう思えてならないわけでございます。 それから、これは特に今スーパーなんかが地域に進出するときによく出てくるわけでございますけれども、既存の商店街がある、そこに大きなスーパーが一つ入ってくる。そうすると既存の商店街はみんなつぶれてしまうわけでありますけれども、そのスーパーが、じゃ、既存の商店街にかわって残っていてくれればいいんですが、もうからないとなったら、これまたすぐに撤退をしてしまうわけであります。こうなると、地域医療というのがなくなってしまうわけでございまして、株式会社ですから、株主に配当が払えなくなれば、それはもう撤退せざるを得ないわけでございますので、やはりその辺の違いがたくさんある。 いや、そんなこといったって、株式会社の病院がないわけじゃないんじゃないかと。確かに六十二ございます。しかし、その六十二のうちの大宗は、昔の大きな企業が自分のところの従業員の福利厚生施設としてつくったところとか、三分の一の二十幾つは、JRとかNTTとかが、言ってみれば前は公社でありました、それが民営化になりましたものですから、そのままもとの国鉄病院や電電病院が民営化された株式会社の病院として残った、そういうケースもあるわけでございまして、もとから認めているからいいじゃないかとか、そういうのとはやはり違って、そこはもう既存の福利厚生施設としてやっているわけであります。 この株式会社問題というのは、先ほど申しましたように、社会保障の分野に入ってくるのは、やはり大きな大きな問題が私は存在している、これは五島先生も一番御理解をしていただいているわけでございまして、このことのお礼を申し上げさせていただきまして、終わらせていただきます。
○五島委員 今のお話では、株式会社の医療参入ということについては、いわゆる市場原理で医療をやられた場合、問題があるということでございました。 ところで、実は、高知県の場合、県立病院と市民病院が統合することになりまして、高知県・市病院組合議会というのができております。そして、これが、新しい病院をいわゆるPFI方式でもって設立し、運営していくということになりました。 先日、この組合議会とそれから高知医療ピーエフアイとの間にPFI事業の契約を締結したわけでございますが、これがどうなるかといいますと、この高知医療ピーエフアイとの契約は三十年間で二千百三十一億四千万円。それとは別に、今後、平成十六年にできるわけですが、今年度から九年間、すなわち実施できてからでは七年間になりますが、この九年間でコンピューターシステムとして四十五億四千百万円の予算で契約をした。これを一年間で割りますと、このピーエフアイに払われるお金が年間約七十七億円でございます。 そして、このピーエフアイが何をするかといえば、当然病院の建設をPFI方式でもってやるわけですが、なぜこういうばか高い金になったかといいますと、病院の運営をすべて委託するわけでございます。 内容的に言えば、すべての病院の管理業務と言っていいと思いますが、例えば、医療の材料費、薬品費、診療材料費、医療消耗品、給食材料、こういうふうなものも全部ピーエフアイが引き受けるということで、三十年間。一年間はこれだけ、その他の経費、光熱水道費あるいは委託料、手数料、修繕費、研修・研究費もピーエフアイに委託されます。 そのほか、建物だけでなくて、医療機器の整備あるいは備品の整備、情報システムの管理あるいは患者の搬送その他の仕事から、そのほか警備の問題等々、いろいろございます。そういうふうなものをすべてピーエフアイが委嘱を受けて、このお金でやる。 結局、病院組合は、医療職員を直接雇い、医療をやっていくということになっています。医薬品、医療材料、医療機器、それも全部ピーエフアイが押さえてしまって、その中でやる医療というものは果たして本当にそこにおいて必要な医療の提供になるのかどうか、疑問のあるところでございますが、それ以上に問題になってくるのは、こうした収支で契約を結ぶに当たって、例えば入院収益。 この病院は、五百九十床の一般病院と、それから五十床の結核病院、八床の伝染病病棟、これを九割で回転する。そして、初年度は一ベッド当たり一日四万百十二円でやる。その次からは、四万三千四百二十一円の一日当たりの診療収入を上げてもらう。病床の利用は九〇%。そして、外来の単価については、しょっぱなは六千九百、約七千円。そしてその後、八千百九十三円の外来収益を上げてもらう。そして、それでも足りないので、他会計から三十三億ほど公費の助成をしろ、こういうふうな契約になっています。公費の助成どうなのかとかいうのは、病院議会、地方議会の方で議論される内容ですから、ここでは問題にしません。 問題は、PFIが契約をし、PFIが病院の運営管理をしていく。医療をするのは直営で、職員をどう置いてやるかはそちらだけれども、すなわち病院組合議会だけれども、しかし、一日についての収益はワンベッド当たり四万三千円です。外来一人当たり八千百九十三円です。それで、まだ病院ができる前にPFIとの間に契約を結ぶ、こうなってくると、でき上がった病院はどういう医療をすることになるのか。 例えば、一人当たりの患者の在院日数、平成十七年度は十八日でいいけれども、その後十五日にしてもらいます、あるいは手術はこれだけやってもらいます。高知県というのは人口八十万ちょっとなんですよね、八十一万ぐらい。その中で、一日平均単価が四万三千円の医療をする。そのためには、株式会社がもし医療へ参入すればやるであろうことをやらざるを得ない。やらなければ公費の助成、負担といいますか、大きくなっていきますよ。PFIが病院のまさに医療そのものを、オリックスが中心ですが、握ってしまう。これは、医療特区における株式会社の医療への参入と理念においてどう違うんだろうかと思わざるを得ません。 まず、この点について厚生省はどうお考えなのか、ちょっと先にお伺いしたいと思います。
○篠崎政府参考人 先生からたくさんの今御質問がございましたが、まず、単価のことでございますけれども、この高知医療センターのPFI事業というのは、病院本体の運営は、今御指摘のように、委託するわけではなくて、その周辺のものを、病院の設計、建設、そしてできた後の維持管理、それからその周辺の医療関連サービス、例えば検査ですとか、給食ですとか、清掃ですとか、あるいは洗濯、そういうようなもの、あるいは医事会計業務もありますが、そういうもろもろの周辺業務を民間事業者、株式会社に委託をするものでありまして、その本体は地方自治体、今の場合は高知県と高知市が責任を持って運営する、こういうことになっておるわけでございます。 今御指摘のありました、例えば一番基本となります入院の一日の単価ということで申し上げますと、確かに四万三千円という単価で積算をいたしておりまして、ただ、それは私どもでちょっと調べましたところでは、十三年の九月の、つまり、まだこのPFIの契約をする直前の段階だと思いますが、そこでは入院の一日当たりの単価を四万三千四百二十一円と、積算の根拠にしておりますが、今回、今回というのは直前の、十四年の、昨年の十月でございますが、それは、こういう状況でありますので、単価を下げておりまして、四万百十二円という積算で計算をいたしております。 そのように、単価につきましては、それぞれの時期にまたその試算をし直すということになっておりますし、またそれの積算の根拠になります薬品とかあるいは診療材料等のものにつきましても、必要があれば予算で特別に手当てをして、そういう物品の、あらかじめ購入してしまったのでそちらの方向に流れるというようなことがないようにするということも事務局の方から聞いております。 それから、事業を推進していくに当たって、それぞれの各年度ごとに評価をする仕組みができてありますので、そういうところで評価しながらこのPFI事業の本来の目的を遂行していく、このように考えておるところでございます。
○木村副大臣 実は、私は、この副大臣をさせていただく前は、自民党のPFI推進調査会長しておりました。 PFIの本質というのは、バリュー・フォー・マネーといいまして、本来であれば、今までの官のコスト見積もりであれば高いんですが、民間の活力を導入したらそこは安くするべきじゃないか、その間の安くなった分のことをバリュー・フォー・マネーといいまして、新しい価値を生むわけであります。そこがPFIの本髄なんですね。 ところが、この高知のケースを見ますと、私は、PFIという言葉を使うのはいかがなものかなと、実はこう思っていまして、と申しますのは、これは大体、要するに建物総工事費が四百億円くらいかけているんですね。ちょっと数字は定かなものじゃない、大体そのぐらいだと思うんです。 それで、先生がおっしゃったように、大体六百五十床とか七百床とか、そういう前後の病院でありますと、これは一床当たり五千万円も六千万円もの高価な金額をかけている。医療事業団から民間病院がお金を借りるときには、一床当たりこれは一千二百万円しか出してもらえません。だから、私は、いかにちょっと、公的な病院がこんなに高い病院をつくっているんではないかなというようなことを、非常に問題意識を持っておることだけちょっとつけ加えさせていただきます。
○五島委員 私は、局長よりも副大臣の感覚の方が正しいんだろうと思いますね。 実際問題として、例えば、しらっと、今回試算で、一日当たり四万百十二円に下げられましたとおっしゃっていますが、厚生省、この間、大学病院の平均的な医療費を算定されたはずです。大体三万円強というところの数字が出ているはずです。今、ワンベッドで四万円を超す医療で九〇%運営するとすれば、例えば救急救命センターといったような政策医療を担う、それに必要なベッドということで、その中における単価はどれぐらいになるだろうかということで計算すれば、それぐらいになるでしょう。ところが、いわゆる自治体病院全体の単価をそういうふうにするというふうにした場合には、間違いなく医療内容は、過剰診療するか、非常に荒れた医療をせざるを得ない。そのことを、本体部分はと言われるけれども、経営の方は医療スタッフだけですから、医療スタッフに押しつけるという内容になるんじゃないでしょうか。そうなった場合に、いわゆる市場原理に基づいて医療が荒れると言われたことと同じことをPFIのもとにおいて行われるじゃないか。 もちろん、非常にぜいたくな病院だと言われる木村副大臣の話もそのとおりです。ただ、私は、あえて建物の問題については、これは議会の問題であろうからということで言っていません。運営の問題を言っています。また、確かに、これまで、公的病院の医薬品の購入や、あるいはさまざまな医療機器の購入がかなり甘かったという面があったのは事実だろうと思います。そういう意味で、そうしたものを第三者にゆだねるというのも一つの方法だろうと思う。しかし、この医薬品を含めたものが一定の枠の中でPFIから供給されるというシステム、この予算が狂ったらどうするのか。患者だって変わりますよね。そういうふうなものまでPFIが管理していくということ、それが果たして問題はないのか。 さらにもっと言えば、このPFIの契約だけで年間七十七億円ですよ。通常、人件費と言われている部分、医療スタッフの人件費というのは、何か病院組合の方は六四%なんて高いことを言っていますけれども、最低でも五〇%ぐらいは要るだろう。そうしますと、この契約どおり医療をやっていこうとすれば、おのずから、年間の水揚げが百五十億ぐらいないと医療経営は成り立たないわけです。五百九十床の一般病床と五十床の結核病床、そこでそのようなことが可能だとお思いですか。もちろん可能でしょう。それはかなりゆがめられた、地域医療とは関係のない、ゆがめられた医療。しかも、この中で政策医療として、例えば高知の場合は、循環器や何か、そこに力を置くんだとか、あるいは救命救急センターを置いて、そこでどうなんだという議論も全然ないままに、野すその経営計画だけがPFIに依存されている。 これは本当に、医療人の考えじゃない。医者であれば、医療人が考えるならば、公的病院がこの地域の中においてどうした医療を公的に担わなければならないかと、そこから始まって、それによる医療の経営見通しを立てていくというのが常識だと私は思うんですね。これは僕は、特区の株式会社の参入をPFIの名前でやっているだけではないかというふうに思うわけですが、厚生省、どうでしょうか。
○篠崎政府参考人 今先生御指摘がいろいろございましたけれども、PFI契約の締結に当たりましては、公的な財政負担の縮減あるいは事業の確実な実施などにつきまして、総合的に評価あるいは検証される仕組みが講じられております。 今御指摘の病院のPFIにつきましては、第一例ということでございますので、いろいろ御懸念のところもあろうかと思いますが、私どもでは、PFI方式による病院でございましても、診療行為や病院経営自体は、自治体みずからがその責任において行う仕組みになっておりますし、周辺業務の取り扱いを定めるPFI契約によって提供される、今御指摘のような、材料とか医薬品等につきましてですが、そういう、医療が制約されるようなことはあってはならないというふうに思っておりますし、また、御指摘のように、いわゆるもうかる医療に特化するなどの、そういうこともあってはならないというふうに考えております。
○五島委員 局長がそういうふうなしゃくし定規の返事しかされないんなら、では、年間必要なPFIへの支払いは七十七億円になりますよね。周辺業務だけ委託していて、七十七億円の支払いをして、合理的にそれが賄える医療収入というのは幾らぐらい要るとお考えですか。
○篠崎政府参考人 病院のそれぞれの形態によりましても、あるいはそのときの状況によりましても変わりますので、八十七億のあれをするためにどのぐらいの総利益が必要かというのは、ちょっと答えに窮するわけでございますが、ただ、今のこのPFI方式につきましては、もし、今のような資金的な問題が生じました場合には、あくまでも運営責任は高知県そして高知市と一体になっている組合、まあ、公が責任を最終的にはとる、あるいは財政的な問題でも責任をとる、そういう仕組みになっておると考えております。
○木村副大臣 仄聞でございますから、確かな数字じゃありませんけれども、恐らく二十億円以上は、今局長が申しましたように一般会計から繰り入れるんじゃないかな、こういうふうなことを仄聞しております。
○五島委員 私は、二十億の繰り入れで解決をするとは思わないんですね。 確かに、自治体がやる病院だからというお話なんだけれども、厚生省の中には、今回独法に移行しましたが、国立病院もございます。その中で、周辺業務に要する費用がどれぐらいの費用率になるのかというのは、これは常識の問題としてあるわけです。そして、それをファイナンスしていくために税を投入できる。多ければ多いほど病院の経営としてはいいんでしょうが。しかし、一体どういうふうな地域の政策医療を担うかということがあいまいなままで、赤字になるでしょう、赤字は税で投入しますよということでいけるはずがない。結果からいえば、もし赤字になった場合に、市町村が負担するんだからということでいけば、株式会社は、下手に医療特区で最後まで責任を持たされるよりも、こういうばかげた契約でPFIの名目でやった方がはるかにもうかる、周辺事業で七十七億の収入がある方が絶対もうかる、そういう形でもって、医療が食い物になるだけじゃないですか。 私はその辺について、PFIという名目であれ、そうした形で自治体病院がやる場合に、結果において医療そのものがいわゆる営利の追求の材料にならない、市場原理そのものの中で、地域医療にとって非常にゆがめたものにならない、そういうふうな観点からの監視が必要ではないかというふうに思うわけですが、大臣、最後に御意見をちょっとお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○木村副大臣 先ほどから申しているように、PFIの本質と本件はちょっと離れているんではないかなという感を、私は自由民主党のPFI推進調査会長をしておりましたときから、この件に関しては非常に感じておるものでございます。 ですから、PFIそれ自体がいい悪いというんじゃなくて、恐らく今回の契約の中身、私はこの辺がむしろ、委員が御指摘されているようなところの問題点があるんではないかな、このように思って、PFIの問題とはちょっと違うような、むしろ個別のケースの問題ではないかというふうに感じております。
○五島委員 まさに私もそう思っています。PFIそのものを否定するつもりは全くありません。ただ、PFIという名前でもってこのようなことがやられているということは、まさに特区における株式会社参入ということと非常に近い関係にあるだろう。 ぜひ副大臣、そこまで御理解があるとすれば、あなたのこわもてで、ひとつ厚生省としてもこの問題について、担当に対し、そういうことにならないように十分なあれをお願いしたいということを申し上げて、終わります。
○坂井委員長 次に、水島広子君。
○水島委員 民主党の水島広子でございます。 昨日の大臣の所信表明の中にも、次世代育成支援が重要な柱として位置づけられておりました。また、既に今国会におきましても、少子化に関する審議が始まっているわけでございます。 日本が安心して子供を産み育てられない国であることは間違いのない事実だと思っておりますけれども、それに関する対策を考える上で、現状の分析が間違っていれば、施策も間違ったものになってしまいます。その大前提として、大臣は少子化の背景をどのように分析されているのか、まず冒頭に主な要因を幾つか挙げていただきたいと思います。
○坂口国務大臣 少子化の原因というのは多種多様な要因が絡み合っているんだろうというふうに思っております。統計的に申しますと、最初は晩婚化という、いわゆる結婚する年齢が非常に遅くなってきたがゆえに子供の数が少なくなってきたという現象が先行していたわけでございますが、最近では、結婚なすっても、なおかつそこから産まれる子供の数が減少してきているという事実がそこにあるわけでございまして、これは数字が示すことでありますから、そうしたことをやはり十分に配慮して考えていかなければならないんだろうというふうに思います。 それじゃ、なぜそういうことになってきておるのかということが一番大事なところなんだろうというふうに思います。そこには、結婚観でありますとかあるいは人生観というものが非常に変化をしてきているというようなこともございましょう。あるいは、親と同居の生活をずっとしてきたという、いわゆる多世代同居型の時代から核家族化にだんだんと進んできているというようなこともあるいは影響をしているというように思いますし、それから、もちろん、女性がより多く働く場に進出をされるようになってきた、いわゆる仕事と子育ての両立ができにくい環境が存在をするということも、これはもう見逃すことのできないことでございます。そのほかにもたくさんあるんだろうというふうに思いますが、主なものとしてはそうしたこと、さらにつけ加えれば、居住環境といったものも影響しているというふうに思っている次第でございます。
○水島委員 今大臣がおっしゃったことのほかに、希望するだけの子供の数を持てない人たちの理由を聞いていきますと、もちろんその要因は本当に人それぞれであって、例えば、今大臣は御指摘にはなりませんでしたけれども、経済的な問題というのもございます。特に、幾ら子供手当を出しても、実際には教育費が非常にかかるというように、もっと後になってお金がかかってくる問題ということもございます。 また、大臣が御指摘になったような、仕事と子育ての両立が非常にしにくいということ、これは、労働環境あるいは保育という両方の面からももちろん指摘をされているところでございますし、居住間環境ということももちろんその因子であるとも思っておりますし、本当にこれは人それぞれであって、恐らく、すべてに対しての対応をきちんとそれぞれ立てていかなければいけないというところでは、確かにそのとおりでございます。 最初、大臣が、晩婚化とか結婚観、人生観の変化、核家族化などというところをおっしゃったときには、そこまでの分析だととてももう、時代の針を逆に戻すしか解決策はないかと思いましたが、その後、現実的な分析をいただきましたので、引き続き、前向きに進んでまいりたいと思っております。 さて、全般的なお話はもちろんしてまいりたいんですけれども、まず最初に、今まで、委員会の過去の審議を聞いておりまして、一つここで確認しておきたいと思うことを先に確認をさせていただきたいと思っております。 少子化対策といいますと、よく言及されるものの一つに、不妊治療の保険適用という問題がございます。過去にこの委員会でも何度か質問をされておりますし、大臣も、保険財政の中で、ぜひここは前に進めていくということが一番妥当などと、前向きな答弁をされているわけです。 保険適用というのがどれほど現実的なものなのか、またそれを実現するとして、実現するための前提はどの程度準備されているのかということを伺いたいと思います。 不妊治療と一言に申しましても、さまざまな種類のものがございますし、効果もまちまちでございます。不妊の原因がある程度特定されて、それに対してある程度の効果があることが検証されている治療法であるならば、私は、保険適用も本来の趣旨にかなったものではないかと思っております。保険適用を考えるに当たっては、そのような意味では、効果の検証というものがまず欠かせないことだと思います。 不妊治療の現状を見ますと、良心的に行っている医療者も多い一方で、まさに思慮もなくやりたい放題というような人も見かけるわけでございます。不妊治療の現状の把握は、まず厚生労働省としてどの程度されているのか、また、その不妊治療の効果検証の作業は、こうやって国会で前向きな答弁をされている以上は、どの程度進められているのか、もしも進められていないとしたら、今後どのような計画をお持ちであるかを大臣にお答えいただきたいと思います。
○鴨下副大臣 今、水島議員がおっしゃっているように、不妊の理由といいますか原因はさまざまなものがあります。ですから、それを一概にすべて保険でというようなことについては、いろいろな議論があることは現実でございます。 また、今先生おっしゃっているように、例えば、クライアントは直ちにお子さんが欲しいということで、そういう要求に対して、ドクターの方が、効を焦る余りに、いわゆるプロトコールに従わないような段階で、さまざまな踏み込んだ不妊治療に走る、こういうようなこともあるかと思いますが、一般的には、不妊治療については、日本産科婦人科学会から、体外受精・胚移植に関する見解、それから顕微授精法の臨床実施に関する見解等が出されておりまして、各施術の適応の条件だとか、医師、医療機関の、言ってみれば要件だとか、それから患者さんへの説明事項、さらに施術に当たっての留意点などが定められておりまして、大半は、これらに基づいて治療が行われている、こういうふうに認識をしているわけであります。 また、体外受精、胚移植等の実績についても、各実施医療施設数や妊娠、出産を含めた治療成績について日本産科婦人科学会より公表されておりまして、ちなみに、平成十一年のデータでありますが、実施医療施設数は四百二十三、そして患者さんの数は四万七千七百十六人、生まれたお子さんは一万一千九百二十九人、こういうようなデータがございます。
○水島委員 今の副大臣の御答弁によりますと、主に、日本産科婦人科学会の見解ですとか、またそこでの調査に基づいての御答弁というふうに受け取りましたけれども、今のような調査の現状あるいは実施状況の把握というのは、今後、国会の答弁の中で不妊治療への保険適用ということを前向きに答弁されている、その前提として十分なものであるとお考えになるでしょうか、それとも、もっと政府がリーダーシップを発揮して、もう一段何らかのことをする必要があるというふうに判断されていますでしょうか。
○鴨下副大臣 実際には産科婦人科学会の方でやっていただくのが一番いいんだろうと思いますが、それだけでは不十分なものがあるとすれば、これについては、政府の方でも、これは平成十一年から十三年度まで行われました厚生科学研究で、生殖補助医療の適応及びそのあり方に関する研究というようなことで、特に男性不妊を中心としたプロトコールが作成をされております。また、平成十五年度の厚生労働科学研究の中で、配偶子・胚提供を含む統合的生殖補助医療技術のシステム構築に関する研究では、これを補完することによって、不妊治療全体のプロトコールを作成する、こういうような予定にしておりまして、政府の方もきちんとやってまいりたい、こういうような趣旨でございます。
○水島委員 その不妊治療なんですけれども、私は、不妊治療の中では、不妊カウンセリングが極めて重要なものだと思っております。 現在の診療体系の中では、不妊カウンセリングというものはきちんと位置づけられてはおりませんし、不妊カウンセリングなるものがどういうものなのかというのを御存じない方も、多分この委員の中にも多いのではないかと思います。 不妊治療を受けている方たちの精神的ストレスは、並大抵のものではございません。過去に、野田聖子議員も、この委員会でその問題を指摘されておりました。私も、かつて精神科医として実はこの問題にかかわっておりました。不安障害や気分障害など、精神科の治療対象となる診断名がつけば、精神科での治療も可能となりますけれども、そうではないレベルで精神的サポートを必要としている方の方がずっと多いと思います。本当に、その都度、喜怒哀楽を非常に強く感じなければいけない、また、一人でそれを抱え込んでいく、また、家族、またその夫の家族との関係ですとかもういろいろなことがあって、この精神的ストレスというものは、学術論文におきましても非常に多く指摘をされているわけでございます。 また、必要なのは単なる精神的サポートというだけではございませんで、必ずしもすべての人が不妊治療で効果を得られるわけではございません。先ほどの学会のデータを見ましても、実際に生まれているお子さんの数と治療を受けていらっしゃる方の数を比較すればもうそれは明らかにわかることでございますけれども、必ずしもすべての人が効果を得られているわけではありませんので、どこかで治療を断念しなければいけない瞬間というものもございます。どこでそれを断念するのか、またその場合、子供のいない人生を自分自身どのように思い描いていくのか、あるいは養子縁組という選択肢をどのように考えていくのかなど、そのような選択肢をともに考えていくのも不妊カウンセリングの独特の役割であるわけです。 私は、この不妊カウンセリングというものは極めて重要なものだと思っておりますし、技術的な不妊治療と常にセットでなければいけないものだと思っているわけですけれども、現在、これは診療体系の中で、保険の枠内外問わずに、きちんと位置づけられていないのが現状であるわけですけれども、この点について大臣はどう考えられて、また、これからどうされていくおつもりでいらっしゃるでしょうか。
○坂口国務大臣 不妊カウンセリングというのは私も十分に存じ上げているわけではございません。しかし、その必要性は私も率直に感じてきている一人でございます。 不妊の問題は、原因もさまざまでございますしいたしますから、どういう原因によって不妊になっているかということが明らかになっているところに対して治療をする問題と、それから、その原因すら明らかでない人に対して対応する問題と、やはりいろいろあるというふうに思っております。だから、保険適用の問題ということになりますと、どういう原因かということの解明、あるいはまた、どういう原因かということが明確になった人に対する不妊治療といったことにやはり限定されてくるだろうというふうに思っております。その辺のところの整理というのが大変大事だというふうに思います。 それに、カウンセリングの問題というのはやはり大事だというふうに思いますが、そうしたことにまで現在の不妊治療は現実的には至っていないというふうに私も感じているわけでありまして、しかし、その分野というのは大変大きな影響を及ぼすものであるということは、私個人は認識をしているところでございます。
○水島委員 重要であることは認識されているという御答弁でございますけれども、今、現実に不妊治療の現場を見ますと、もちろん本当に良心的に、質のよい、いい環境を提供していらっしゃる方もいる一方では、本当に、ただ丸太のように並べられて、片っ端から人工授精というような、その間カーテン一枚で仕切られているか仕切られていないかというような、そんな全くプライバシーも確保されていないような状況で治療を受けている方もいらっしゃって、そんな中で、医療者の心ない発言に傷つけられたり、先ほど申しましたような、さまざまな悩みを一人で抱え込んだり、そんな方たちも多くいらっしゃるわけでございます。私は、本当に、この不妊治療への保険適用ということが国会の場で審議されていくことは大変結構なことですし、その原因がある程度特定されて、効果が検証されているものに関して保険適用をするということに私自身も賛成の立場ではございますけれども、ただ、この議論が一面的なものにならないように、本当に、どういう状況で当事者の方たちが苦しまれているのかというところにしっかりと目を向けていただいて、ぜひこの不妊カウンセリングというものをきちんと診療体系の中に位置づけていただいて、時間をかけて不妊カウンセリングをすれば必ずカウンセリングをした方にもきちんとそのコストが支払われるような、そんな体制をつくっていただかないと、なかなか慌ただしい医療現場のことですので、前向きに進んでいかないと思っております。ぜひ、この点はしっかりと大臣の頭にとどめ置いていただいて、この件についてのこれからの審議にまた臨んでいただきたいと思っております。 また、私の一つの専門が漢方であったわけですけれども、漢方外来をやっておりますと、実は、不妊治療のなれの果てというような症例に出会うことも少なくはございませんでした。私の漢方の師匠でもございます寺師睦宗先生という方がいらっしゃるんですけれども、この方は不妊治療の失敗例を漢方で妊娠させるという症例を数多く積み重ねていることで非常に有名な、名物の漢方医であるわけですけれども、無責任な不妊治療の結果かえってホルモンバランスを崩してしまって妊娠しにくい体になってしまっているということを、漢方の効果を検証していくと考えることができるということを、私も寺師先生に教えていただきながら学んでまいりました。 また、現代社会は、冷えや運動不足や栄養の偏りなどのために、器質的な異常がなくても妊娠しにくい体になっているということも漢方医学的な見地からは指摘をされているわけでございます。 私は、この委員会でもかねてから代替医療の重要性を訴えてまいりましたけれども、不妊治療の問題を考えていく上でも漢方を主流化していく必要があるのではないかと思っておりますけれども、これについての大臣の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○鴨下副大臣 水島委員はそういう意味で専門家でいらっしゃるわけでありますけれども、確かにおっしゃるように、例えば排卵障害があるような方々に当帰芍薬散のようなものとか、月経不順の方に温経湯、こういうようなものを使って、それが非常に治療効果が上がる、こういうようなケースを多分御経験なさっているんだろうと思いまして、そういう意味で、漢方の中にも、排卵障害を含めた女性の不妊に極めて効果的だというようなケースがあるということも存じております。 ただ、漢方の有効性についてもまだまだ不明な点もあるわけでありまして、こういうようなことを踏まえて、この研究がさらに進めば、場合によると、不妊にもっと有効な効能、効果もあるというようなこともわかってくるかもわかりませんので、それに応じて適切に使えるように厚生労働省としても考えていきたい、このように思います。
○水島委員 効果がまだまだ不明だというふうにおっしゃっていますけれども、これについては私もかつてこの委員会でも恐らく発言させていただいたことがあったと思いますが、ぜひこの点についてこそ厚生労働省にリーダーシップを発揮していただきたいと思っております。 また別の機会にぜひそのことは質問させていただきたいんですが、むしろアメリカの方が研究費が多く出ていたりとか、本当におかしな状況になってきておりますので、これは、漢方の医者がデータを出してこないのがいけないんだというような姿勢ではなくて、効果があるということが現場でこれだけ言われているわけですから、実際に今、排卵障害に当帰芍薬散がいいというような、そういう画一的な話ではなく、先ほど申しましたように、冷えとか栄養の偏りなどによって血のめぐりが悪くなっているものを漢方によって治していくとか、あるいは、先ほど申しました、不妊治療のなれの果てで、ホルモンバランスがすっかり崩れてしまっている人を、体質改善から漢方でやっていくとか、そのような努力を現場では営々と続けておりますので、そういったことにきちんと支援の手を差し伸べていくことも政府としての重要な役割ではないかと思っておりますので、データ収集についてもぜひ、きちんと研究費というような形で位置づけていっていただきたいと思っております。 また、本日、私はここまで不妊治療についてのむしろ前向きな話を進めてきたわけでございますけれども、不妊治療の議論を進めていく上で欠かせないのは、産めやふやせやに陥らないことであります。どれほど治療をしても産めない人もいますし、また産みたくないという人もいます。そういう人たちが既に深刻に追い詰められているような状況で、さらに追い打ちをかけるようなことだけはしてはならないわけです。 不妊の議論は、くれぐれも一面的にならないようにすべきだと思っております。女は子供を産んで一人前というような意見はいまだに社会の随所で聞かれます。また、二人目不妊という方も多いわけですけれども、一人っ子の親に対して、兄弟のいない子はかわいそうなどと平気で言う人もいます。 少子化に関する政策というのは、あくまでも、産みたい人、産める人が産み育てやすい環境づくりをするということにとどめるべきだと思っております。不妊治療の保険適用に慎重な人たちというのは、不妊に悩んでいる人たちに冷たいというのではなくて、むしろそれが、不妊なら治療を受けて当たり前という価値観をつくることを心配しているのではないかと思っておりますので、そういった方たちの意見も十分にくみ上げて、その上で、少子化対策という旗印を掲げていかれる以上は、このような価値観の是正というところにも大臣は役割を発揮していくべきだと思っておりますが、具体的にどのようにしてこの社会的な価値観を変えていこうと考えていらっしゃいますでしょうか。
○鴨下副大臣 おっしゃるように、子供を産みたくない人もいるわけですし、産みたくても産めない方々もいるわけでありますし、さまざまな方々がいるわけでありまして、不妊治療そのものというのが、ある意味では、半面的なものではなくて、トータルで物を考えなければいけない。 こういうようなことで、先生おっしゃるように、少子化対策を進めるというようなことが、国を挙げてやっていこうというようなことがプレッシャーになって、実際には、子供を持つ意思のない方や、それから産みたくても産めない、そういうような状況にある方々を心理的に追い詰める、こういうようなことがないように、我々は常に慎んでいかなければいけないんだろうと思います。 このことにつきましては、今、少子化社会を考える懇談会の中間取りまとめを踏まえまして、昨年の九月に取りまとめた少子化対策プラスワンにおいても、少子化社会への対応を進める際の留意点の一つとして記載をしていこう、こういうようなことでございます。 不妊に悩む方々のためには不妊専門相談センター事業を進めているところでありまして、こうした場で、産みたくても産めないというような心理的負担へのケアを含めて専門的な相談や的確な情報提供等を行ってまいりたい、このように考えている次第でございます。
○水島委員 本当に、くれぐれもその点は注意をして進めていただきたいと思っておりますし、産む権利もあれば産まない権利もある、また、産まない自分を認めてもらうという権利もあるわけでございますので、ぜひその点は常にかなり強くアピールしていっていただかないと、どうしても、政治家の中にも、先ほど申しましたような軽率な発言をされる方たちはかなり見受けられるように思っておりますので、周りの議員に向けての啓発活動も含めて、ぜひ皆様には頑張っていただきたいと思っております。 さて、この少子化という問題と、生まれた子供が現にどう育てられているかという問題は、かなり密接な関係にございます。生まれた子供が大切に育てられないような社会では子供を産みたくなくなるものですし、また実際に、少子化で生まれる子供の数が少ない、その大切な子供たちをちゃんと育てられていないような国に少子化の問題を語る権利があるかというふうにも思っておりまして、生まれた子供がどう育てられているかということについて、私も、これからまたこの委員会の中でもいろいろと質問をしてまいりたいと思っておりますが、本日はその中でも学童保育についてちょっとお伺いをしたいと思います。 仕事と家庭の両立を図るためにも、また少子化時代の子供たちに安心できるコミュニティーを提供するためにも、学童保育の役割は大きいと言えます。最近では、テレビを長時間見て育った子供が暴力的な傾向を身につけるというような重要な調査データも出ておりまして、子供にとって、他人と遊んだりコミュニケーションしたりしながら育つことは喫緊の課題であると言えると思います。子供たちにとって身近な大人も子供も少ない少子化時代の今だからこそ、学童保育の役割を改めて見直す必要があると私は思っております。 ところが、学童保育の現状は悲しいほどでございます。学童保育の数は確かに急増しておりますけれども、必要とする子供数から見て、まだまだ不足しております。半数近くの小学校区にはありませんし、保育園卒園児の四割、働く母親を持つ小学生数の、これは低学年で見ましても、四分の一程度しか入所できておりません。必要とするすべての子供が入所できるよう、早急に新設、増設することが必要であると考えております。 また、第二に、質の問題がございます。特に重要なのは、学童保育事業の基盤である施設と指導員の問題であります。 民主党は先日、政府案の対案としての民主党の予算案を編成いたしましたが、その中で学童保育を、子供たちの権利の保障及び雇用の拡大効果のあるものとして、重要な柱として位置づけております。 まず、必要とする子供すべてが入所できるように学童保育の拡充をすることを提案しております。具体的には、小学校低学年だけでも百二十三万人の保育園卒園生がいるわけですけれども、これらの子供たちがすべて入所できるためには、学童保育の数が、ざっと見積もって三万七百五十カ所必要だということになります。現実には子供の就学を再就職のタイミングと考えている女性も多いので、実際の需要はもっと多いと私は思っておりますけれども、とりあえず三万カ所として設置いたしますと、現在よりも一万七千百七十五カ所設置をふやすということになり、指導員が少なくとも新たに五万人ふえるというような試算になります。また、障害児の受け入れを促進するために、障害児を受け入れる学童保育には指導員を必ず加配することとし、現在百カ所のものを千カ所にするとすれば、指導員の雇用は九百名ふえるわけです。 民主党の予算案は政府と同規模でつくっているので、決して実現不可能な予算ではないと思っておりますけれども、このような民主党の予算案を大臣はどのように評価されますでしょうか。また、同じようなことはどうして政府はできないんでしょうか。
○坂口国務大臣 民主党の方の予算案の、詳細は私拝見いたしておりませんが、今、八十七億円というふうにおっしゃったでしょうか、全体の額はちょっとよくわかりませんが、今政府の方が組んでおります額は七十四億円でございまして、そして、ことし八百カ所ぐらいふやしていきたいというふうに思っておりまして、平成十六年度までに全国で一万五千カ所を整備をしたいというふうに思っております。 待機児童ゼロ作戦とあわせて、こちらの方もかなり急ピッチで進めているつもりでおりますが、まだまだ足りないところがあることはよく存じているところでございます。 現在の、八百カ所ぐらいふえていくということでありますと、そんなにたくさんの雇用がそこから生まれるわけではございませんので、今おっしゃったような、五万人とおっしゃったでしょうか、なかなかそこまではとても及ばないというふうに私は思いますが、しかし、八百カ所であれ、そこに対して雇用が生まれることだけは間違いがないというふうに思っている次第でございます。
○水島委員 及ばないとか、しかしとか、そのような御発言をいただきましたので、民主党の予算案の方が望ましい姿であって、なかなか今の政府の実力ではそこまでいかないというような御答弁だったのかなと、そのように受け取らせていただいておりますが、本当に、ここに重点的に予算を配分することによって必ず子供たちの幸せにもつながるし、必ず雇用の拡大にもつながる話ですので、ぜひもう一度お考えいただきたいと思っております。 また、かねてから指摘されているように、学童保育は事業であるという位置づけのために、施設や指導員についての明確な最低基準がございません。また、国が考えている必要最低限の運営費も低過ぎると私は思っております。二〇〇三年度の予算案でも、補助単価の基本は百五十一万五千円です。年間三百三万円で学童保育の運営ができるという計算に基づくものだということですけれども、この単価積算内訳を見ますと、人件費が一人当たり年間百三十万円、百二十万円というレベルです。時給換算いたしますと、七百五十円、六百六十五円ということになってまいります。専門性を持った一人の人が余裕を持って生活できるレベルではないと思いますけれども、大臣はそう思われるかどうかということ。 また、恐らくこのような人件費の水準というのは、放課後の子供の面倒を見る善意の人というくらいの気持ちでつくられた制度なのではないかと思っておりますけれども、少子化時代の今、子供にとっての学童保育の意味合いはより重要なものだということを先ほども指摘をさせていただいたわけです。指導員は、現在非常勤ということになっておりますけれども、もちろん学校の休みのときもございますし、またいろいろと準備をしなければいけないということもありますので、これは常勤化することが必要だと思いますが、指導員を常勤化して、また、緊急事態にも対応できるように複数の指導員を配置すること、また、施設や指導員についての最低基準をつくるということで学童保育の質を上げることが私は必要だと思っておりますけれども、これらについての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○鴨下副大臣 指導員の常勤、それから、複数の配置が必要である、こういうようなお話であります。 放課後児童健全育成事業の補助基準額の算定に当たりましては、子供を預かる時間帯が通常放課後に限られることから、現在のところは、指導員については非常勤として利用人数に応じて配置している、こういうようなことでありますが、ただ、具体的には、利用児童数が二十人から三十五人の場合は非常勤職員二名の配置を前提としておりますけれども、児童数や開設時間に応じて非常勤職員の加算措置を行って、大規模加算としては、三十六人から七十人の場合には非常勤が一人加わるとか、七十一人以上は二人加わるとか、こういうようなことをしております。 また、指導員につきましては、母子指導員や学校、幼稚園の教諭等の有資格者が望ましいというようなことを各部署に通知しているほか、指導員の資質の向上を図るために、平成十年からですけれども、指導員の研修のための経費を予算措置しているところでありまして、これは地域の実情に応じていろいろと考えないといけないと思いますが、放課後児童健全育成事業の充実には、そういう意味で施設と指導員の充実を図らなければいけない、こういう認識では先生と一致しているところであります。
○水島委員 今の指導員の常勤化ということなんですが、これは、子供の方から見て複数いるというようなこと、ちゃんと人手がいるかということも重要なことで、それについては加配されるということは重要な解決策なんですけれども、働いている指導員の方から見た場合に、今、有資格者が望ましいとおっしゃったわけですが、有資格者のような方が、年間百二十万円とか百三十万円というような年収で自分の家庭を持って食べていけるかというところを私は問題にしているわけでございますけれども、そんな枠の中で、さらにこの少子化時代の学童保育の指導員の役割というのは非常に重いですので、自分に要求されている役割を本気で果たそうとしていくと、これは燃え尽きということにつながっていってしまうと思いますし、そもそも、専門性を持った人が、有資格者が仕事としてちゃんと食べていけるものとして、非常勤待遇で年収百二十万、百三十万というようなものが妥当であるとお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
○鴨下副大臣 先生の御指摘は非常に理解をするところでありますが、ただ、今度は、各児童の負担というようなこともいろいろと考えないといけないものですから、これは自治体もしくはそれぞれ設置主体からの負担と、それから各児童からの負担で賄うわけでありますので、そういう意味で、この微妙な指導員の待遇というようなことが決まってくるんだろうというふうに思います。 ただ、おっしゃるように、一生懸命やっている方がそれなりに報われるような、そして熱意が持続するような、こういうような待遇をしていかなければいけないという問題意識は共有しているわけであります。
○水島委員 当然、これは自治体、また子供というかその親の負担ということで成り立っているということは十分承知しているからこそ、きょうこの国会の厚生労働委員会で質問をさせていただいているわけでございまして、やはり国として、今のように自治体任せ、当事者任せというようなことで、これだけの学童保育という事業をきちんとやっていけると本気で考えているのかどうか、そこをお伺いしたかったわけでございます。 ただ、問題意識は共有してくださっているということでございますので、ぜひこの点については改めてまたいずれ質問させていただきたいと思っておりますので、それまでにどういう点、この問題意識に基づいてどういう改善を考えてくださったかというようなお答えを、ぜひそのときには聞かせていただきたいと思っております。 また、学童保育の入所対象児は今低学年を基本としているわけでございますけれども、子供は小学校高学年になったら、急に放課後一人で過ごして大丈夫なのかといえば、これは子どもの権利条約の精神から考えても、まだまだ私は低年齢過ぎるのではないかと思いますし、自分自身の子供が小学校高学年になったからといって、放課後、家に一人で置いておきたいとはとても思えないわけでございます。 最初に申しましたように、この少子化時代における子供たちのコミュニティーとしての学童保育という場、身近な大人と接したり、また身近な子供たちと遊んだりする場としての学童保育を、今までのように、ちょっと放課後に預かるというような、そんな意識から、子育ての重要な柱としての位置づけ直しをぜひしていただきたいと思っておりますので、また学童保育についてはこれからも折に触れて質問をさせていただきたいと思っております。 さて、最後に大臣に伺いたいんですけれども、私たち民主党では、昨年、「多様なライフスタイルを生きる時代の自立と安心の政策」という政策集をまとめましたけれども、一応厚生労働省の方にはそのとき届けさせてはいただいていたんですけれども、大臣、ごらんになっていただけたか。もしもごらんになっていただけたとしたら、特にこの中で次世代育成支援というところは一つの章を設けて、経済的支援、あるいは保育、労働、また、私たちの場合は、子連れでも自由に移動できる社会をということで、歩きたばこの問題、またバリアフリーにまで踏み込んで政策集としてまとめさせていただいているわけでございますけれども、ごらんになっていただけていたら、ちょっとその評価を聞かせていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 昨年のことでございますが、そのとき拝見させていただいたということを記憶いたしております。かなり広い範囲につきまして書かれていたことを記憶いたしております。 そこは大変大事なところでございまして、特に、子育てと仕事の両立ができる、しかも女性だけではなくて男性も含めた両立社会というものをお考えになっていると思いますし、そこは我々も意見を共有しているというふうに思っております。 我々の方も少子化対策プラスワンを出させていただきまして、男性を含めます働き方の見直しということをそこで打ち出しているわけでございますが、これから男女共同参画社会を形成していきます中でそうしたことをさらに前進させていかなければならないというふうに思っております。 新しくまたお出しになるのかどうか、そこはよくわかりませんけれども、またお出しになるということであれば拝見をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
○水島委員 私たちの政策集に目を通していただいて、御評価いただきまして、ありがとうございます。 今大臣もおっしゃったように、日ごろ大臣がいろいろ御指摘になっている内容とかなり共通するものだと思っておりますので、ぜひこの冊子の内容を実現できるような、そんな取り組みをこの国会でも続けていただきたいと思っておりますし、その一つの柱となりますのが、やはり私たちが二〇〇一年に提出をしております仕事と家庭の両立支援法案ということになると思います。 今大臣もおっしゃいました、またきのうの所信表明の中でもおっしゃいましたが、男性を含めた働き方の見直しなどの課題にも積極的に取り組むという姿勢を示されているわけで、まさにそれこそが私たちがこの両立支援法案の中で目指していることでございます。 また、冒頭に大臣が分析をしてくださいました仕事と子育ての両立など、これが少子化の背景としてあるというのはもう間違いのない事実でございますので、私たちの両立支援法案、二〇〇一年に提出しましたときには御賛成いただけなかったわけでございますけれども、また改めて提出したいと思っておりますが、今度はきちんと賛成していただけますでしょうか。それについての姿勢を最後に伺わせていただきたいと思います。
○坂口国務大臣 提出をしていただきましたら、よく拝見をさせていただきたいと存じます。
○水島委員 だんだんと、時代といいますか、厚生労働省のレベルが私たちの法案に近づいてきたかなというような気配を最近感じておりますので、ぜひ今国会では民主党のこの両立支援法案の成立に向けて大臣にも御尽力いただけますようにお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○坂井委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 民主党の山井和則です。ことし初めての質問になりますが、五十分間、坂口大臣、よろしくお願いいたします。 まず最初に、ちょっと資料の説明を、十ページございますが、させていただきたいと思います。 きょうは、障害者の支援費のことを中心に質問させていただきますけれども、星印に書いてありますように、市町村障害者生活支援事業、障害児(者)地域療育等支援事業という、支援費制度のかなめとなる事業の数値目標が消えてしまった。そして、その次の二ページ目にもありますように、ここにも下線が引いてありますけれども、いつの時点で急にこの大事な事業が厚生労働省の重点項目から消えてしまったのかというのが、いまだもってなぞに包まれてわからない。 そういう通知が昨年の年末に突如として出てきまして、三ページ、四ページにありますように、京都府を初め、これは一体どういうことだという抗議の要望書が多くの都道府県、市町村からも上がっておりますし、また、五ページ、六ページ目にありますように、全国の多くの当事者団体、障害者福祉の団体から一斉に抗議の声が起こっております。これは、今まで厚生労働省が言っていた支援費制度の理念と相反するではないかということであります。 それで、七ページ目にありますが、後でお見せしますが、「もう施設には帰らない」という本が今障害者福祉の世界でベストセラーになっております。この本のことです。また、きょうの朝日新聞の朝刊にも、支援費制度が始まる直前になって、サービスもふえなくて、現場に非常に不安が高まっているということ。それで、九ページ目は、今までにもお見せしたことがございますが、国際的に見ると、日本は知的障害者の方の施設入所率が異常に高い国になっている。最後に、私の前回行った支援費関係の質問の議事録というふうになっております。 まず、私がなぜこの問題にこだわるのかということを申し上げたいと思います。 私が政治家になった一番大きな目的というのは、ノーマライゼーション社会をつくりたい。どういうことかというと、坂口大臣、私が痴呆性高齢者のグループホームの問題もライフワークとしているのを知っていただいているかと思いますが、障害があっても、年老いても地域で暮らせる、地域で一般の方々と触れ合って、助け合って暮らせる、そういう社会を二十一世紀に実現したいというのが私が政治家を志した原点であります。 裏返せば、残念ながら、二十世紀の日本の福祉というのは、痴呆症になったり、障害があったりすると、安易に町外れの施設や病院に入れ過ぎていたのではないか。そのことは国際的に比較しても明らかであります。そのことについて、これは現場で、施設や病院で働いていられる方が悪いというのではなくて、残念ながら、厚生労働省の政策に誤りがあったというふうに私は思っております。 そこで、この支援費制度が出てきたわけですけれども、大臣にまず御認識いただきたいのですが、昨年の年末までは、支援費制度に関しては、私たち民主党もそうですし、全国の自治体もそうですし、当事者団体、福祉関係の団体の大多数は、厚生労働省さんと一緒になって推進していこう、これはやはり高い理念のいい制度だということで一致しておりました。 ところが、大臣も御存じのように、一月のホームヘルプ上限問題で、厚生労働省を何百人もの障害者団体の方々が取り囲まれる。そして、その前段に、この年末に、二つの事業がありますが、まとめて相談支援事業と言いますが、これが一般財源化を何ら通告なく突如としてなされた。このことによって、残念ながら、日本じゅうの論調が一気に変わりました。厚生労働省は何を考えているんだ、今まで言ってきたことと違うじゃないか。 これは、障害者のホームヘルプの予算も昨年よりもたくさんとっていただいておりますし、障害福祉部の方々も必死で頑張ってくださっていると思います。そういう意味で敬意を感じている面もありますけれども、にもかかわらず、今そういう状況になっていることを私も非常に残念に思っております。このことを何とか打開していただきたいし、そのことが打開できないのであれば、ことしは支援費制度が四月に導入されて大変な大混乱の年になると思います。しかし、それを障害者福祉飛躍の一年にしてほしいという思いで質問をさせていただきます。 昨年の年末、私は関西にある知的障害者のコロニーに行きました。そこには八百五十人の知的障害者の方々が暮らしておられます。山の中にあります。その中に何十もの宿舎がありまして、そこに八百五十人が暮らしている。多くの方が十年、二十年暮らしておられる。私も、その中で、知的障害者の方々に施設を案内してもらいました。地域で暮らせる割と元気な方もたくさんおられる。どうしてこういう方が山の中の施設で人生の最後まで暮らさないとだめなのか、それで本当に豊かな社会と言えるのかということを私は非常に考えさせられました。 それで、今までもお見せしておりますこのグラフですが、きょうの資料の中にも九ページ目に入っておりますが、そういう反省の中、欧米では知的障害者の大規模施設というのが八〇年代、九〇年代に急速に減っていった。にもかかわらず、日本は非常に多いわけですね。十数万人入所しておられます。 これは非常に重要なことなので、大臣に冒頭にお伺いしたいと思いますが、こういう現状を支援費制度でどのように変えていこうと大臣御自身は思っておられるのか、御答弁ください。
○坂口国務大臣 支援費制度、大変大事な点は二つあるというふうに思っております。 一つは、今まで障害者に対する支援が積極的に行われてきました地域もありますが、全く行われてこなかった地域がある。それを、日本のすべての地域において障害者に対する対応をできるようにしていかなければならないということが一つだと思います。 それからもう一つは、今お話にございましたように、施設の中に障害者が入っているということだけではいけない。それは中には必要な人もあるのでしょう。しかし、できる限り地域に障害者の人たちがお住まいになれるようにしていかないといけない、それを支える体制をつくっていかなければならないというのはやはり二つの大きな柱だというふうに思っております。 障害者の皆さん方を地域で同じに生活できるようにしていくということは大変大事なことでありますが、やはりみんながその障害者を地域で支えようという気持ちにならないといけない。その人々に対する国としての対応も必要でございますが、あわせて、地域の人々の認識というものもやはりそういうふうになっていかなければならないというふうに思っている次第でございます。
○山井委員 認識も非常に重要でありますし、同時に、それを支えるサービス、支援体制というものが当然必要であります。 次に大臣にお伺いしたいんですが、この「もう施設には帰らない」という本が今障害者福祉の世界で非常なベストセラーになっているんですけれども、大臣、お読みになられたことはございますでしょうか。
○坂口国務大臣 残念ながら読んでおりません。
○山井委員 お忙しいと思いますが、急げば十五分、二十分ぐらいで読める本ですので、ぜひともお読みいただいて、まことに失礼ながら、次回また質問しますので、少しだけでも感想をお聞かせ願えればと思います。 このタイトルにもありますように、知的障害のある二十一人の方が、施設から地域で暮らされて、やはり地域に暮らせてよかったなと。自由に喫茶店に行ける、自由に服を買いに行ける、あるいは自由に自動販売機でジュースが買える。ある施設では、月に一遍しか自動販売機でジュースが買えない。 地域で暮らせると何がいいんですかとよく聞かれることがありますけれども、逆に、当たり前の生活を当たり前にしてもらうということが、知的障害者の方々には今非常に難しい状況になっております。 そこで、地域に暮らすときに一つ問題になるのが、一月に騒動になりましたホームヘルプの上限の問題であります。その中で坂口大臣は、これは国庫補助の基準にすぎなくて、上限ではないということをお約束されました。しかし、残念ながら、私もここ一カ月間多くの自治体関係者と話しましたけれども、やはり一つの参考にさせてもらっていると。それで、今までの方々はサービス量は減らないけれども、新規に申し込む方に関しては、実質上その国庫補助基準が上限になっているというケースがたくさん出ております。 このことに関して、大臣、これはお約束として上限ではないということを言われたけれども、実際に上限になっているケースがあるわけです。そのことについての見解をお聞かせください。
○木村副大臣 今回の国庫補助基準の性格は、市町村に対する補助金の交付基準でございます。個々の人の支給量の上限を定めるものではございません。もちろんこれはもう議員もおわかりになっていると思います。そして、もちろん、市町村における支給決定を制約するものではないんです。 そうは申しましても、厚生労働省といたしましては、地方自治体に対し、一月の全国厚生労働関係部局長会議及び支援費制度担当課長会議におきまして、その趣旨について明記をした文書を配付いたしました。そして、これに基づいて説明を行いまして、その周知徹底を今図っているところでございます。 今後とも引き続き、全国会議等の場を通じまして、各自治体に対してその周知徹底を図ってまいりたい、このように思っております。
○山井委員 このホームヘルプの上限問題に関しては、後日石毛衆議院議員も質問をさせてもらうということですので、これ以上は触れませんが、上限ではないと約束された以上、市町村が勝手に上限にしたということでは済みませんので、そうならないようにきっちりと徹底をしていただきたいと思います。(発言する者あり)そういう現実があるわけですから、よろしくお願いをいたします。 次に、一般財源化に移らせてもらいます。 その相談事業が一般財源化されたということで、多くの自治体から抗議の要望書が来て、かつ、この地域療育等支援事業の補助金廃止に関して、二万人以上の方々から撤回の署名が来ておると思います。直接坂口大臣の手にも渡ったと思いますので、読んでくださっていると思います。 要は、この事業に関しましては、資料にありますように、地域で障害者が暮らすときの相談、コーディネートの事業であります。身体障害の方、知的障害の方の地域で暮らすときの相談機能であり、ケアマネジメントを行ってまいりました。しかし、坂口大臣、この一ページの図にありますように、そういう最も支援費制度の、地域支援の核と言われているこの二つの相談支援事業が、突如十二月の末に一般財源化をされまして、こういうふうに整備目標からも消えてしまいました。このことについて、なぜこれの整備目標がなくなって、一般財源化されたのか、大臣、御答弁をお願いします。
○坂口国務大臣 これは初めにも触れましたとおり、今までは特定のと申しますか、限られた市町村におきまして熱心にやられてきた。それは結構なことだったというふうに思っておりますが、それが全体の市町村に行き渡っていなかったわけですね。今度は、全市町村の一つの大きな課題として、各市町村がおやりをいただくということになったわけであります。 したがって、今まで特定の市町村におやりをいただいていて、そして、そういう特定の市町村をだんだんこれからふやしていこうというような趣旨で、これは補助金という形で出ていたというふうに思いますが、今度は全部の市町村が、自分たちが一番中心としてやらなきゃならない仕事の一つとして組み入れられたということでございますから、それは、市町村が今までの考え方を変えていただいて、これは自分たちが中心で、今度は主体的にやらなければならない仕事であるというふうにお考えをいただかなければならないと私は思うんです。 それで、補助金という形ではなくて、それはもう交付金の形で今度はお出しをするわけでありますから、お金が少なくなるわけではないんです、国が出しますものは、今までどおりお出しをするわけです。ただ名目が変わったということでありますから。その中でひとつ、各市町村が自分たちの考え方によって、我が町ではこういうふうに障害者の支援をしていこうといったようなことを自主的に計画をしていただいておやりをいただきたい。だから、主体性を持っておやりをいただくということにしたいということでございます。 いわゆるヘルパーさんのお話、ホームヘルプは、こっちの方は補助金として出ているわけで、これは出ております以上、やっていかなきゃならないことだけは明々白々でございます。だから、皆さん方の計画をどういうふうに立てていくかということにつきましては、それぞれの市町村がみずからの仕事としてそれはお取り組みをいただきたいということでございます。決して予算的に削ったとか、そういうことではございません。
○山井委員 それが公式見解なのかもしれませんが、補助金を削って、一般財源化して、本当に市町村がサービスをふやしやすくなるというふうに、大臣も本当に考えておられますか。そういう公式の意見と実際の実態が違うから、今厚生労働省は全国の自治体から非難を浴びているわけです。 例えば、この三ページの京都府の要望書にもありますように、下線も引きましたが、「何ら予告なく、いきなり一般財源化」、「国と地方自治体との信頼関係を大きく損なうもの」であると。この三ページの私の資料、年末に出た京都府の要望書でありますが、「「一般財源化」とは、「全国的にどの自治体でも実施している又は実施が必然である事業」についてこそ成り立つ議論」であって、「財源捻出のための、理念を欠く事業切り捨て」である。それで、「事業継続に重大な影響を与える」と。 かつ、厚生労働省さんは、十月の研修会まではこの事業が支援費制度の核となる事業だということをおっしゃっておられたわけです。ところが、突如としてそれを一般財源化されました。私の知り合いの自治体でも、生活支援センターをつくろうと思っていたけれども、この一般財源化によって白紙に戻りつつあるという自治体が幾つもあります。それが現実なんですね。 かつ、私も多くの自治体関係者と話をしましたが、来年度予算は何とかつく、この相談支援事業に。ところが、二年先以上は、一般財源化されたら難しい。財政当局も、補助金がついているんだったらおつき合いするけれども、一般財源化されたら難しいということを、各自治体でも言っているわけです。それが現状なわけです。 大臣、そこで、もう少し詰めた話をしたいと思います。 これはきのう質問通告もしておりますが、二ページ目にありますように、八月の概算要求では重点項目で補助金事業だったんです。それで、ケアマネジメント事業も加えるために三百万円も予算を上積みしますという話を十月までは厚生労働省はしていたんです。ところが、年末に突如一般財源化されたんです。 それで、具体的な話をしますと、新しい障害者基本計画に関する懇談会、十一月六日の時点では、市町村障害者生活支援事業と障害(児)者地域療育等支援事業はペーパーの中に入っているんです。ところが、それから二十三日たった十一月二十九日のペーパーには、突如として消えているんです。私は、その議事録も全部見ました。ところが、その議事録で、このことに対して議論が行われたことは全くありませんし、厚生労働省の方からも、二十九日の会では、説明もありませんでした。どう厚生労働省は説明したかというと、全体として、細かな用語の適正化、文章の適正化をしております、そういうことで、若干細部にわたって異なる点があろうかとは思いますが、内容、趣旨においては変わっておりませんというふうに言っているわけですけれども、明らかに、補助事業か一般財源かというのは、自治体にとっては根本的な問題なんですね。 このことに関して、十一月に変わったのか、十二月に変わったのか、いつどこで、どの会合で、八月に補助事業だったのが一般財源化に決まったのか、その政策決定過程をお聞きしたいと思います。 〔委員長退席、宮腰委員長代理着席〕
○木村副大臣 まず、議員が御提出された二ページ目の件でございますが、六回と七回で、これで一般財源化になったんじゃないかというお話ですが、この中で見ていただいたらおわかりになりますように、左ページのアンダーラインが引いてあるところの中に、精神障害者地域生活支援センターというのがございますが、これは一般財源化になっておりませんので、ここはあくまでも、役所から説明があったと思いますけれども、包括的な記述にしたところでございまして、実際に……(山井委員「知的と身体のことを聞いているんです、精神のことは聞いていませんから」と呼ぶ)もし精神も一般財源化したんであれば、議員のとおり、ここでなったんじゃないかというような疑念が深まりますけれども、ここに書いてあるのは、この中には補助金になっているのもあるわけですから、ここはあくまでも包括的な記述に変えたということでございます。つまり、まとめたと……(山井委員「どうして精神に身体と知的が……」と呼ぶ)違う、違う……
○宮腰委員長代理 山井君、自席で言わないようにしてください。手を挙げて言ってください。
○木村副大臣 だから、言っているのは、もし、あなたがここで言っているとおり、ここは一般的な——この時点で一般に変えたんじゃないかという御疑問があるわけでしょう。 では、先に申しますと、一般財源化することにしたのは、昨年末の予算編成の最終的な局面で、つまり、当初内示の十二月二十日で定まったものでございまして、この時点でもう変わったというような御指摘でございますけれども、そうではございません。
○山井委員 全然納得できる説明になっていないですよ。なぜここで身体と知的の支援事業が消えているのかということを聞いているんです。
○木村副大臣 それは、先ほどから申していますように、基本的には、包括的な記述に改めたということでございます。
○山井委員 何が包括的なんですか。何で、精神が残って、身体と知的が消えているんですか。全然包括になっていないじゃないですか。
○木村副大臣 昨年末に策定されました新しい障害者基本計画につきましては、内閣府に設置された新しい障害者基本計画に関する懇談会における七回にわたる議論を経て成案が得られたものであり、その間に、多くの修正がなされてまいりました。 御指摘の相談支援事業に関する記述につきましては、障害者基本計画が、今後十年間を対象として、政府が講ずべき施策の基本的方向を定める計画であり、具体的な事業名を幾つも列挙することはなじまない、そういうことでございます。 それから、将来的な相談支援体制のあり方については、さまざまな障害種別に対応する総合的な運営など、必ずしも従来の事業体系にとらわれないものもあり得ること、このような理由から、ここの右側の欄にありますように、地方公共団体が実施する生活支援方策という、より包括的な記述に改めたというふうに承知をしております。これは、内閣府に設置された懇談会での件でございます。
○山井委員 要は、結局、この懇談会でも議論せずに、勝手に記述を変えたということなんですよね。これはいまだになぞです。こういうふうなところで、補助事業だったら、名前が残っていて当然なんですね。 それで大臣、今、このことは年末に一般財源化を急に決めたということですけれども、地方自治体はもう当然予算編成作業に入っているときなんですよ。そんなときに、突如として決める。こういう事業を一般財源化して困らないかというようなことを、事前に障害者団体やあるいは自治体と多少なりとも相談されたんですか。坂口大臣、お願いします。
○坂口国務大臣 そこは、詳しく説明する暇がなかった、それだけは確かです。それは、議員もよくわかっておっておっしゃると思いますけれども、これは我が省だけの意見でなかなか決まらない部分もあるわけでありますから、最後に決まりました予算の中でそういう位置づけになったわけです。 一般財源化をされたから、それはやる気がないとかやらないということでは決してないわけで、一般財源の中に、交付金としてちゃんと位置づけて、そして同じ額がいくようにちゃんとしているわけでありますから、支援費制度を導入していく、そこの基本的な行き方というものには何ら変わりがないわけで、市町村が主体的におやりをいただくことと、そして国の方が主体的にやらなければならないこと、その辺の分け方というものが若干変わったといえば変わった。私は、一般財源化をすることによって、これはどこの市町村でもやっていただかなければならないこととしての位置づけをした、こういうことだというふうに思うんです。 それは、一般財源化をするということは、これは大事なことなんですよね。民主党さんも、トータルの話ですけれども、予算の組み替えで、もっと一般財源化すべきだとおっしゃっているぐらいでありますから、私は、そのことは決して悪いことではないというふうに思っております。それは、地方自治体が主体的におやりをいただくという姿勢をお持ちいただけるかどうかということが問題だというふうに思っております。
○山井委員 厚生労働省の見解というのは、矛盾があるんですね。そもそも、一般財源の方がいいというんだったら、八月から重点項目として概算要求で出さなかったらよかったじゃないですか。そのときは、重点項目で補助金にしておいて、結局、年末、財源がとれなかったからといって、今のような理屈を後でつけたとしか理解ができないわけであります。 繰り返しになりますが、これによって、地方自治体や現場の相談事業の中では、支援費制度の理念がもう変わったとまで言われているんですね。来年度予算はいけても、再来年以降はわからない。生活支援センターを地域ごとにつくって、支援費制度の核にしなさいと十月まで指導してきたのは厚生労働省なんですよ。それで、相談のコーディネーターの方々は、必死になって、私たちが頑張らないと支援費制度はうまくいかないと。地方自治体も、厚生労働省が地域支援の核が相談支援事業だと、一生懸命予算をとってきた。ところが、それが年末になってひっくり返った。それで、もう二年先以降はどうなるかわからない。そういう現状になっているわけです。 この、先が見えない中で、坂口大臣、来年度予算では持ちこたえるにしても、再来年度以降、このままでいけば、確実に伸びは鈍るなり、減っていってしまいます。そのときになって、いや、それは市町村の責任だじゃ済まないと思うんですね。そこまで市町村がしっかりとやるべきことだと言うんだったら、やはり大臣の決意なり覚悟を言っていただきたいと思います。 これは後退では絶対ない、すべての地域でつくっていくために厚生労働省はしっかりとやっていく、もし再来年からふえないようだったら、そこはもう一回、財政的な面も含めて、本気でやるんだということを、本当にそう思っていらっしゃるんだったら、大臣、ここで約束してください。
○坂口国務大臣 支援費制度につきましては、先ほどから申し上げておりますように、財源的な削減をしたんではないんです。項目を変えただけでありまして、支援費の制度の中に必要なものは入れているわけなんです。 したがいまして、ことし、平成十五年度の予算の話でございますけれども、この方針に変えたということは、今後もこれは要るということでありますから、今後もこれを切るようなことはございません。
○木村副大臣 こういう事業において、市町村や都道府県の役割というのはやはり非常に重要なものでございまして、障害者の相談支援において果たされるべき基礎的な地域機能はやはりできるだけ早急に整備されるものと、もちろん厚生労働省として考えているところでございます。 そこで、支援費制度というのは、基本的にはやはり補助事業による実施にはなじみにくいという認識はあるのでございますが、国といたしまして、都道府県の関与のもと、市町村が、障害の種別にかかわらず、一般的な相談支援について総合的に実施する体制の整備を推進する必要性にかんがみまして、いわば呼び水的な補助事業といたしまして、指定期間を二年間とする障害者地域生活推進特別モデル事業を創設いたします。それと、相談支援の業務を担うケアマネジメントの従事者の養成を引き続き実施をいたしますし、地域における相談支援体制のモデル事例についても積極的に情報提供等を進めながら、この相談支援体制が今後も定着するように努力をしていく所存でございます。
○山井委員 今までは、そもそも六百九十カ所を目標とした相談事業の補助金を出していたわけですよ。それをまた新たに一般財源化して、七十七カ所のモデル事業をつくると。一体どういう関係なんですか、それは。それだったらこの補助事業をやはり残しておいたらよかったんじゃないですか。やっていることが、現場からすると、やはりわけがわからないわけなんですね。 それで、坂口大臣、改めてお伺いしますが、これは何年後ぐらいにすべての市町村がこの相談事業をできるようにするということを考えておられるんですか。これによってすべての市町村ができるようにしていくという方向性を先ほど大臣おっしゃいましたけれども、これは何年後ぐらいを目標にされているんですか。
○木村副大臣 先ほども申しましたように、できるだけ早急に整備をしていくように努力をしているところでございまして、支援費の制度の移行後におきましては、支援費対象サービスの利用援助等に関する一般的な相談支援につきましては、障害の種別を問わず、支援費の支給決定を行うのは市町村の担うべき役割だ、こう思っております。都道府県はまた、市町村では対応が困難な専門的な相談支援を担うとともに、より広域的な観点から、地域全体の相談支援体制の調整に当たるわけでございます。 市町村や都道府県のこうした役割は障害者の相談支援において果たされるべき基礎的な地域機能でありますから、これはやはり、議員御指摘のようにできるだけ早くやってまいりたい、このように思っております。
○山井委員 できるだけ早くと言いながら、片や財源的には一般財源化して地方自治体がやりにくくしてしまっている。大臣、私がこのことにこだわっている理由というのは、これは非常に本質的なことなんですね。介護保険のかなめは、大臣、何ですか、これは、ケアマネジャーでしょう。ケアマネジャーがいないと介護保険は回らないわけですね。それは支援費でも、どういうサービスを受けたら地域で暮らせるようになるかというのを相談に乗ってくれる核となるのは、相談支援事業なんです。 大臣、副大臣、そういう答弁をされるのはしようがないかもしれませんけれども、それは公式見解かもしれないけれども、実際的には、もう全国の現場は、残念ながらそうは受け取っておりません。もう支援費制度の地域生活を重視するという理念は、厚生労働省はもうあきらめたんだなというふうに残念ながら理解をしております。この失墜した信用というのを取り戻さないと大変なことになります。 それで、具体的な質問に行きます。ちょっと、時間も残り少ないので、行きます。 このホームヘルプの上限問題、地域相談支援の問題に関して、これは介護保険と支援費制度を将来統合していくのか、そういう質問をよく現場の方々から受けます。このことについて、現時点での見解でもちろん結構ですので、大臣、お答え願います。
○坂口国務大臣 今は決まっていないというのが率直な答弁でございます。しかし、介護保険をつくりました当時から、この障害者の問題も一緒にやってはどうかという意見があったことも事実でございます。 しかし、障害者の関係の皆さん方は、同じではなくて、やはりこれは別枠でやった方がいいという御意見が多かった。これは相半ばしたということだったというふうに聞いておりますけれども、しかし、どちらかといえばやはり別枠でした方がいいという御意見の方が少し多かったということで、今日を迎えているというふうに思っております。 この次の、五年後に介護保険は見直しを行うということになっておりますから、それが来年か再来年になるわけでございますが、そのときに、もう一度またそういう議論は多分出てくるだろうというふうに思います。しかし、そのときに、この障害者の関係の皆さん方がどういう御意見を言われるかということもあると思いますし、それによっても私は違ってくるというふうに思います。 しかし、この介護保険の問題は、いわゆる高齢者の介護の問題と、それから障害者の介護の問題が、制度はともかくとして、結果として余り大きな隔たりがあってはいけない、私はそう思っております。
○山井委員 具体的な質問をさらにしたいと思います。 一月末、障害者の当事者団体の方々ともめまして、その時点で検討会をできるだけ早く設置する、こういうホームヘルプの問題や支援費の問題、相談事業について検討会を設置するということになりましたが、大臣、できるだけ早くとなっていましたが、いつからになりますでしょうか。
○坂口国務大臣 ホームヘルプサービスのあり方を検討するための検討会につきましては、この支援費制度のもとでのホームヘルプサービスの利用実態を把握した上で、望ましい地域ケアモデル、サービスの質の向上のための取り組み等、そうしたことのあり方について検討をするということになっております。 現在、四月一日を目指しましてこの支援費制度がスタートするわけでございますが、スタートいたしましたら、できるだけ早い時期にこの検討会をスタートさせたいというふうに思っております。ですから、この平成十五年度の早い時期にスタートさせたいということでございます。
○山井委員 申しわけないですが、スタートして早い時期ということなんですけれども、それは四月じゅうと理解していいですか。 というのは、できるだけ早くと言って、今もう三カ月、二カ月たっておりますので。
○坂口国務大臣 スタートしてからでございますから、四月中にできるか五月中にできるかは、それはちょっと、そこまでは言わないでください。できるだけ早くやる、こういうことでございます。
○山井委員 またこのあたりは石毛議員からもお話があると思いますので、来年の国庫補助基準の見直しということも議論の中に含まれてきますので、四月じゅうにぜひともお願いしたいと思います。 次に、その検討会のメンバーなんですが、当事者、特に知的障害者の方をメンバーに入れてほしいということと、まさにこの地域福祉の核となる相談事業のコーディネーターの方を入れてほしい、この二つの要望をしたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 いつやるかということをまず決めなきゃならないわけで、そのときには、幅広く多くの皆さん方の御意見を聞けるようにしたい、当事者の皆さん方の御意見も反映できるような体制にしたいというふうに思っております。 それ以上具体的なことは今申し上げることはできませんので、そういう気持ちでおることだけをお伝えしたいと思います。
○山井委員 今、当事者の方に入ってもらうということなんですけれども、なぜ知的障害の方を当事者として入れられないんですか。例えば育成会という知的障害の方の親の国際連合でも、四分の一の理事が知的障害者の本人になっているんですけれども、ぜひともやはりそこは一歩踏み出していただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 だれがだめで、だれがいいということを今申し上げているわけではございませんで、したがいまして、関係者の皆さん方の御意見が十分反映をされるように人選をしたいということを今申し上げているわけでありますから、その中で十分に考えていきたいと思います。
○山井委員 本当に、余り決意が感じられなくて非常に残念でありますが、そこはぜひとも、決定する段階においてはコーディネーターの方と知的障害者の本人が入れるようにしていただきたいと思います。 それと、この騒動の結果、当事者の方々と会われるという約束をされたと思いますが、いつごろ会っていただけますでしょうか。できるだけ早く会っていただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○坂口国務大臣 ここまで参りましたし、そして着々と支援費制度の出発の準備が進んでいるわけでありますから、どういう時期がよろしいのか検討したいというふうに思いますが、いずれにいたしましても、皆さん方の代表としてどのような方にどういう形で会わせていただくのかということも検討しなきゃいけないというふうに思っております。 団体といいましても、たくさんあるわけでありまして、それがまたさまざまな御意見をお持ちになっているということでございますから、そうした場合にどういうふうな形で会わせていただくのがいいのかということも含めて検討したいと思っております。
○山井委員 このことに関してはまた石毛議員も質問されると思いますが、やはり当事者の方々の生の声を、ぜひとも大臣、聞いていただきたいと思っております。 ちょっと質問が変わりますが、昨年の私の質問に対する大臣の答弁と、その後の厚生省の施策が違っているということ、これは私にとっても非常に大きなことですので、大臣に改めて確認したいんですが、十枚目の私の資料にありますが、二カ月前のことですので覚えておられると思いますが、ホームヘルプ、家事援助の支援費制度の単価のことであります。 それに関して、大臣も覚えておられると思いますが、介護保険の家事援助の単価は千五百三十円じゃだめだ、安過ぎてこれではもう採算がとれないということで、この四月から引き上げることになったわけですね。だから、支援費制度の障害者福祉のホームヘルプの、家事援助の単価も千五百三十円じゃ無理だから、これも当然介護保険と同じように引き上げてくださいということを言いましたら、この十ページに入れてあります議事録にもありますように、「ですから、一緒にします」ということを大臣は答弁されたんですね。私も、「ありがとうございます。」とお礼まで言っているわけですね。 ところが、実際に見てみると、引き上がっていなくて、介護保険で採算が成り立たないと明らかになった千五百三十円のままだったんです。これは大臣がおっしゃったことと違っているんですけれども、これはどういうことなんでしょうか。
○坂口国務大臣 確かにそのときにそういうふうにお答えをしましたし、身体介護の方につきましては、現在の介護報酬と同額の四千二十円にしたわけですね。それで、身体介護につきましては、時間で九十分以上のところにつきましては、介護の方は六千六百七十円ですけれども、身体障害の方は八千三十円にしているわけですね。(山井委員「ちょっと待って、家事援助のことを聞いているわけです」と呼ぶ)ですから、それは皆言うてもらわないと、安いところだけ言うてもらっては困るので、高いところもあるということを説明しておるわけであります。 家事援助の方は確かに千五百三十円、それから介護の方が二千八十円と、若干違いがございます。しかし、身体介護と家事援助、これは障害者の場合と介護と比較をしてみますと、身体介護と家事援助の割合というのは、障害者の場合は四対一なんですね。(山井委員「わかりました、わかりました」と呼ぶ)そうでしょう。だから、ほとんどは身体介護なんですよ。それで、介護の方は、四対五で家事支援の方が多いわけですよ。ですから、一番、四対一で多い方の身体介護、しかも時間のかかるようなところをより高くしたということですから、私は、大体お約束をしたことを守ったというふうに思っております。
○山井委員 いや、それはもう全然違うんです。家事援助の質問をして、家事援助を一緒にすると答弁しているんですから。 私はそうなった理由を聞いているんじゃなくて、大臣が答弁したことと結果が違って、そのままで済むのかということですよ。大臣が答弁したことが、済みませんでした、後で調べたら、そうじゃなくて変えましたで済むんだったら、国会の質問なんか、こんなのはできないわけですよね。 この結果が出るまで、私には何ら一言も、その事情説明も何にもないんですけれども、今後もこういうことというのはあるんですか。大臣が答弁したことが勝手に変わって、実はこれこれの事情で変わりましたと言って、それで済むんですか、国会というのは。
○坂口国務大臣 ですから、委員の御質問にこたえて、介護報酬以上にした部分もあるということを言っているわけです。(山井委員「これは家事援助のことを言っているわけです」と呼ぶ)だから、家事援助だけではなくて、これは全体の介護のことを私は言ったわけで。 それはそうでしょう。家事よりも身体介護が大事なんですよ。そうでしょう。これはもう障害者の場合には身体介護が中心ですから、そこをやはり中心で高くするということが大事で、家事援助も、それは必要ですけれども、それはプラスアルファの方であって、身体介護を中心に考えなきゃいけない。そこをより重くしたということですから、それはちょっと御理解をいただかないといけない。 私は、この前お聞きをしましたときに、家事援助のことだけを念頭に置いて考えていたわけではなくて、身体介護も含めた介護に対する費用が介護報酬と隔たりのないようにという御意見だというふうに私はお聞きをしましたので、それはそういうふうにいたしますということをお答えしたわけであります。
○山井委員 本当に私としては不本意でありますし、国会での答弁というのはこれだけ軽いのかなと。 やはり、正直言って、この議事録を見たら家事援助のことを言っているのは明らかなわけですから、国会で議論したことと違う結果になりましたよというのは、普通、一言あってしかるべきじゃないですか。 最後の質問に移ります。 ホームレスのことについてお伺いしますが、ホームレス自立支援法が昨年成立しました。しかし、今回の予算はまだまだ不十分であると思います。 時間がないですので、まとめて聞きますが、実態調査の結果はいつごろ出るのか、そして、それによって、今回の来年度予算で何人ぐらいの雇用がふえると見込んでいるのか、そのことについてお伺いします。
○木村副大臣 今議員の御指摘のホームレスの実態調査の件でございますけれども、昨年七月に国会で成立したホームレス自立支援法に基づきまして、現在、地方公共団体の協力を得まして、ホームレスの実態に関する全国調査を行っているところであり、本年三月中に調査結果をまとめるということでございます。 今後、この調査結果を踏まえまして、来年度早々に国の基本方針を策定するところでございます。 それから、予算の件でございますね。平成十五年度のホームレス対策予算においては、議員御指摘のホームレス自立支援事業につきましては、十一カ所千四百人分から、十六カ所千九百人分に拡充をしたところでございます。 それから、その他にも、緊急一時的な居住場所を提供しますホームレス緊急一時宿泊事業、シェルター事業というものですね、それは九カ所二千五百人から、十一カ所三千百人分に拡充をいたしました。 また、これ以外に、巡回相談活動等を実施するホームレス総合相談推進事業や、ホームレス等を短期間試行的に雇用する事業主に対する奨励金を支給するホームレス等試行雇用事業を創設いたします。 そういうようなのを含めまして、ホームレスに対する自立支援を総合的に行うために、平成十四年度予算額に対しまして約二倍の二十七億円を計上したところでございます。
○山井委員 二万五千人、今までの調査ではホームレスの方がおられて、今回の実態調査でそれより恐らくふえると思います。それに対して、こういう雇用支援策というのが数千人単位ということで、それでは何年たったらこのホームレス問題を解決するのかというのがやはりわからないわけですね、これは十年の時限立法なわけですから。そういう意味では、実態調査の結果が出たら、もうぜひとも、補正も含めて、そういう就労支援をやってホームレスの方々の問題をできるだけ早く解決するんだと。最近、襲撃事件とか、本当に痛ましい事件が起こっているわけですから、そこをお願いしたいと思います。 先日も、私、知的障害を持たれる子供たちの親の方々ともお話をさせていただきましたけれども、本当に支援費制度に不安がある、支援費制度でいろいろなサービスが低下するんではないかという大きな不安を持っておられます。本当に、そういう親の方々の声や現場の方々の声を聞くたびに、厚生労働省さん、やはりことしを障害者福祉の飛躍の年にしてもらいたいと思います。きょう五十分間、坂口大臣、木村副大臣の答弁を聞かせていただきましたけれども、残念ながら、この年末年始、なぜ当事者の方々や障害者団体の方々や全国の自治体の方々がこれだけ不安に思い、これだけ怒っているのかということがいま一つわかっていられないんじゃないかというふうに思っております。 この四月、支援費制度がスタートしますが、ぜひともことしが障害者福祉の飛躍の年になるように、私たち民主党も精いっぱい頑張りますし、厚生労働省や大臣、副大臣にも頑張っていただきたいと思います。 これからもこの問題、取り組みたいと思います。きょうはどうもありがとうございました。
○宮腰委員長代理 次に、家西悟君。 御発言は着席のままで結構でございます。
○家西委員 民主党・無所属クラブの家西悟です。 大臣にお尋ね申し上げたいと思います。 三月二十九日に予定されている薬害エイズ和解七周年記念集会についてお伺いします。 昨年の八月五日に、薬害エイズ原告団と厚生労働大臣の定期協議の場において、原告の代表者が大臣に対して、集会に参加をし、献花をしていただきたいとお願いしたところ、大臣はそのとき、私がいるかどうかはわかりませんが、もし私がこの席におらせていただいたということでありますれば、私は必ず出席をさせていただきたいと思いますと言われました。そして、本年一月二十一日、それの議事確認書というものが、厚生労働省の方と原告団、弁護団を通じて、各局長印も押されて出されております。それを受けて、きょう、皆様の方にも、各委員の皆様にもお配り申し上げていますこのチラシ、ビラをつくらせていただいて、全国に配布をさせていただいたわけですけれども、おととい二十四日の夕方になり、厚生労働省より連絡が原告団の方に入って、記念集会には参加できないというふうに通知があったそうです。 大臣、被害者に対して納得のいく説明をしていただきたい。なぜ出席できないのか。ぜひとも、大臣、御答弁いただきたい。
○坂口国務大臣 結論を先に申し上げておきますと、いろいろと検討いたしております。 検討いたしておりますが、確かにお約束をしたことも事実でございますが、三月末という、まことに難しい時期に設定をされたものですから、はたと弱っているというのが実情でございます。これは、もう皆さん御承知のとおり、統一地方選の直前でございまして、先生方もそれぞれ皆、土曜、日曜は御日程が入っているんだろうというふうに思いますが、そういう時期でありますだけに、非常に弱ったなというのが実情でございます。しかし、そうも言っておれませんので、いろいろと調整を現在いたしております。 そして、できれば御希望にかなうようにどうしたらなるかといったことを今関係者と打ち合わせをしているところでございますから、今努力中でございますので、もうそんなに日数はかかりません、一両日の間には正式に御答弁を申し上げることができると思います。
○家西委員 難しい日を設定されたと今言われましたけれども、これは七年前に裁判所で東西原告の和解、それは厚労省もお認めになった和解の期日です。こちらが一方的に三月二十九日を決めたわけでもありません。 そして、あわせて申し上げると、今大臣の方から、統一地方選で難しい時期だというふうにおっしゃいますけれども、ここに、先ほどもお示し申し上げました、これ、議事確認書です。昨年の八月、そしてここに局長の判こも押してあります。医薬局、健康局、保険局、そして東西の原告、弁護団の判こまで押して、この中にも、ここに線を引いてありますけれども、「在任していれば来年三月に予定されている両原告団主催の和解七周年記念式典に出席したいとの意向を表明した。」ということもここに書いて、その上、判こも押してある。 これだけの約束をされていながら、統一地方選がある、まさか選挙の応援に行かれるとは思いませんけれども。これは政務です。政務でお約束されたということになると、もし党務を優先されるというふうになれば、これは被害者、国民に対しての、ある種、約束を守らないということになるんじゃないんでしょうか。大臣、いかがお考えでしょうか。これは党務を優先するのか、政務を優先するのか、大臣の御所見をお伺いしたい。
○坂口国務大臣 ですから、今調整をしておるというふうに申し上げているわけです。(家西委員「いや、調整ではないんじゃないんでしょうか」と呼ぶ)だから、調整をやはりしなければ、私にはいろいろのやらなきゃならないことがあるわけでありまして、各般の調整を行って、できるだけ御要望に沿うためにはどうしたらいいかということを考えているわけでありますから、それを決定するのには一両日お待ちをくださいと、そこまで言っているわけですから、大体もう御答弁申し上げたみたいなことでございます。
○家西委員 それ、大臣、答弁のはぐらかしですよ。 ここまで約束して、定期協議の場においても、大臣はその場にいたら必ず出席するということで——では、八月の時点で、この三月二十九日には自分はいないということで軽い口約束を原告と交わされたんですか、違うでしょう。そして、在任をしていればということまで約束をし、昨日の所信演説の中でも、「HIV感染事件等の経験も心に刻み、」とまで言われている。そして、先ほどの発言では、政務と党務の関係で調整をしている。このパンフレットをつくるために、厚労の方にも、つくる時点で、こういう原案でやりますよということを御案内を申し上げて、いいですという許可をいただいてつくって、配布をし、場所を押さえ、原告はそのための調整をし、やってきたわけです。それがいきなり、選挙前というお話。 これ、選挙というものは、統一地方選というものはきのうきょう決まった話じゃないですよ。四年前からわかっているんですよ。それを、昨年は約束したけれども、今調整、これは党務を優先されているということですよ。ということは、大臣の任にないということじゃないんでしょうか。大臣、お答えください。(発言する者あり)検討じゃないよ、そんなものは。約束しているんですよ、議事確認書でも。責任問題ですよ、これ。
○坂口国務大臣 だから、先ほどから申し上げておるように、調整をしているわけでありまして、行かないんだったら何も調整する必要はないので、行かなきゃならないと思うから調整しておるわけなんですよ。だから、別にそう声を荒げられることはないので、それは行かなきゃならぬと思うから調整をしておるわけですから……(家西委員「では何で、行かないといって、出席できないという連絡したんですか」と呼ぶ)だから、それは、その時点では難しいかということがあると……(家西委員「党務を優先したんでしょう、だったら、もう大臣やめなさいよ」と呼ぶ)
○家西委員 調整したからこそ、こういうものができ上がっていったわけですよ。勝手に原告団がやったのではなくて、厚労の事務方とも調整をしながらやってきて、こういうものをつくった。そして一方的に、二十四日の夕方六時ぐらいに、参加できないという通知を電話連絡された。そして、今になって調整をしているというのはおかしいじゃないですか。半年間協議をしてきて、しっかりと一月には議事確認書も交わしてやっている話です。 党務を優先されたい、統一地方選に勝ちたいとおっしゃるのなら、党務を優先されるでいいじゃないですか。だったら、大臣やめてくださいよ。政務の方が優先するのが当たり前でしょう、大臣としたら。私はそう思いますけれども、いかがですか。
○坂口国務大臣 政務もいろいろですから、それは正式に行かなきゃならない場合もありますし。例えばタウンミーティングなどで土曜、日曜、全部つぶれるときもあるわけでありますから、そうしたことも私にはあるわけで、そこでお約束したことが、それはこちらが守ろうと思ってもなかなかできにくいということだってあり得るわけですから。だから調整をしているというふうに申し上げているわけで、一両日お待ちくださいということを申し上げているわけです。
○家西委員 時間が来ましたので終わりますけれども、我々は無理難題を申し上げているのではありません、正直申し上げて。不測の事態や緊急事態が発生し、国民の多くに何か起きたとかいうような事態になったときには、それはどうぞ大臣、そちらの方へ急遽行ってくださいというふうに我々は申し上げます。 そして、この三月二十九日、今そういうふうにおっしゃる以上は、政務以外は行かないということは約束いただけますよね。もし選挙の応援ということになれば、これは党務を優先したということになる。これは大問題だということを申し上げて、私の質問を終わります。
○宮腰委員長代理 次に、武山百合子君。
○武山委員 自由党の武山百合子でございます。 きょうは、本当に時間の都合でどうしても委員会をやりたいということで、我々野党も協力して委員会を開いたわけですけれども、去年とことしと、ちょうど私が質問するとき、寂しい限りなんですね。こんなに人数が少ないこの委員会、本当に国民の代表としては恥ずかしいと思うんですよね。これをまず一言、言っておきたいと思います。 どうしても昼休みもやりたい、所信に対する質問をどうしてもやりたいという与党側の強い希望によって、我々も協力して委員会を開いたわけですけれども、過半数に満たないというのは、これは本当に寂しい限りでございます。これをちょっと一言、言っておきたいと思います。(発言する者あり)いえいえ、私のところは、今同時に並行している委員会に出ているものですから、私一人なんですよ。でも、他党は、人数が多いところはやはり来る必要があると思うんですよね。それぞれの理由を聞いていたら、これはおかしいと思いますよ。
○宮腰委員長代理 食事に行っておられる方もおられますし、それはよく事情はわかっておられると思いますので……。 〔宮腰委員長代理退席、委員長着席〕
○武山委員 お食事中。皆さん、何が原理原則なのか、何か本当に狂ってしまうような状態でございます。食事の時間なのにやらなきゃいけない、そういうことであれば、やはりやらざるを得ないわけですよね。そういう原理原則で委員会を決めた以上は、定足に満たないで委員会を開くというのはやはりおかしいと思います。これを一言つけ加えておきたいと思います。 所信に対する質問ということで、先ほど皆さんの質問を聞いていながら、大臣のいわゆる所信に対する答えの中に、ことしは雇用問題を本当に力を入れてやるということで、新しい現実に対する対応を、やはりそれぞれの地域で問題もあることだからやるということのようですけれども、その新しい現実に対する中身に対して、もう少し国民に対応する現実の青写真をぜひ大臣に示していただきたいと思います。
○坂口国務大臣 労働関係の諸法案、かなりたくさん出させていただいておりますから、それはそれといたしましてまた後日お願いを申し上げなければならないわけでございますので、そこは割愛させていただきますが、全体の流れとして、やはりこれだけ失業率がふえてきているという段階でございますので、これに対する対応をどうしていくかということが大事だろうというふうに思っております。 少しけさも触れたところでございますが、やはり雇用対策を考えていきます中で、もう少し地域の問題、それから個々の事情、そうしたきめ細かくこれはやっていかないといけないだろうというふうに思っております。地域による格差もございますし、そしてまた失業になります方のその内容もさまざまでございます。 そうしたことを考えまして、一つは、国と地方、そしてその他さまざまな団体、いわゆる国と地方と民間との連携、それから、別な言い方をいたしますと、これは政労使の連携、これも大事だというふうに思っておりまして、そうした連携を密にして、いわゆる雇用に対するネットを細かく構築していくことが大事だというふうに思っております。予算の額は小さいですけれども、そうした予算も幾つか今度は上げさせていただいたところでございます。地域におきましても、経営者と労働組合等が共同してお取り組みをいただきますときには、それに対応ができるようにもいたしております。 そのほか、国がと申しますか、ハローワークが中心になりまして取り組みます問題につきましても、かなりキャリアカウンセラーをふやしましたし、この皆さん方を中心にして、それぞれの皆さん方をお世話する。ただ単に、こういうところがありますよ、こういう勤め先の受け皿がありますよということを申し上げるだけではなくて、それが不可能な場合には、その皆さん方の職業訓練の問題でございますとか、あるいはまたお勤めをいただいた後のフォローでありますとか、そうしたことも含めてキャリアカウンセラーにはやっていただきたいというふうに思っております。 昨年一万人つくったところでありまして、ことしもまた一万人キャリアカウンセラーをつくりたいというふうに思っております。この一万人の皆さん方は、もちろんハローワークの中にもおみえになりますが、民間にもかなりお入りをいただいております。あるいはまた、一般企業の中でおやりをいただいている方もおみえでございますけれども、そうした皆さん方のネットワークがちゃんと組めるようにしていきたいというふうに考えておりまして、そうした連携のもとに雇用対策というのを進めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○武山委員 キャリアカウンセラー、去年一万人ふやして、ことし一万人ふやすということですけれども、全体に雇用問題としてことし大体どのくらいの雇用を見込んでおるのか。こういうものを、もちろん予算のかかるもの、予算のかからないもの、それぞれ政策評価としてはどのくらいを予測して政策を立てておるのか。失業率をなくすためのどのくらいの人数を、新しくニュービジネスなり、また新しくリソースされるなりする中で、目測としてはどのくらい立てておるんでしょうか。
○坂口国務大臣 財政的な裏づけのある目標というのは、大ざっぱにいきまして約百万人なんですよ。だけれども、百万人では足らないわけで、そこをどうネットワークによってカバーしていくかということを考えないといけないというふうに思っております。 新しい雇用を生み出していく、そういう制度をつくりながら、それぞれの地域やそれぞれの人の環境を配慮して、そしてきめ細かくやっていくことによって、予算的な裏づけのあるところをよりカバーしていくということが大事ではないかというふうに思っておりまして、その上積みをどれだけできるかが勝負というふうに考えているところでございます。
○武山委員 去年はどのくらい新しいビジネスが生まれて、そこに就職されているんですか。ことしは百万人ということですけれども、過去の経緯としては、去年はどのくらい新しいビジネスが生まれて、そこに新しい雇用ができたんでしょうか。
○坂口国務大臣 平成十四年度の話は、今はまだ途上でございますから、確実にきちっとこれだけ今できましたというところはまだ出ておりませんけれども、平成十四年度におきましてもかなり出ていることは間違いございません。 例えば、サービス業のところにおきましても、サービス業ではかなり伸びておりまして、十三年度、十四年度を見ておりましても、大体五十万ぐらいずつふえておりますから、そうしたところはふえていることは間違いございませんし、この三月いっぱいを見まして、平成十四年度どれだけ大体出たかということは数字を明らかにしたいというふうに思っております。
○武山委員 新しい現実に対応するということですけれども、今までの既存の物事の考え方、いわゆるハローワークで職業紹介する、そのハローワークも結局国がやっておるものですから、そこに対する、行かないと見られない情報の出し方、そこから得てから、先ほどお話にもありましたように、得た後のフォローアップもどうなっているのか。それから、求職を望んでいる人も、そういう枠組みで来ているものですから、おんぶにだっこのところもあるわけですよね。やはりそういうときには、自主的に自分が努力して探さなきゃという意欲も育てなきゃいけないし、また、需要と供給の方では、供給の側も本当に積極的にやっていかなきゃいけないんだと思うんですね。 そのときに、よい意味で自分たちの好きなものが、やはりそれは個性化教育が成熟していない。それから、多種多様な職業がやはり少ない。その中で新しいビジネスをつくり出すときに、本当に日本の場合は企業をつくるときに規制が多い。その規制の中には、申請の書類が多い。それから、規制が幾つもかかっている。それから、設備投資にお金がかかる。人件費が高い。あれもこれも、悪い意味の相乗効果で生まれない。そこの部分はどういうふうにして、青写真としては、規制がとれてニュービジネスが、ましてや若い人たちが、中高年が、ではこういうビジネスを生み出したいというときに、やはり先進諸国と大変差があるということですよね。それが今原因として言ったようなことなんですよね。 それがどれだけ進んでいったのか、悪い意味の相乗効果の部分でどれだけたがが外れたのか、その辺ちょっとお話しいただきたいと思います。
○坂口国務大臣 多くの皆さん方に情報をとにかく提供しなければならない。情報不足ということもあるわけでありまして、すべての皆さん方がハローワークに行っていただけるかといえば、そうもいかないことがあるものですから、できる限りこちらが持っております求人の情報をインターネットで公開するということを始めました。 インターネットで公開をしていたんですけれども、会社名まで初めは出していなかったんですね。これは、やはり広告会社の関係とかいろいろございまして、公がそういうふうなところまで踏み込んでくると非常に困ると、例えば新聞協会でありますとか、そういう皆さん方のところから若干御意見があったりもいたしまして、ちゅうちょしていたんですけれども、しかし、そこはいろいろ関係者の皆さん方にもお話を申し上げて、こういう事態でございますので、企業のお名前も出させていただくということで昨年踏み切りました。 それで、一日に大体五十万ないし六十万件ぐらいアクセスがございます。かなりごらんをいただいているというふうに思っております。そこには、ハローワークの情報だけではなくて、民間の情報も、アクセスしていただくときには両方一緒に見ていただけるようにいたしております。したがいまして、情報を得たいというふうにお思いの方はかなり便利になったのではないかというふうに思っております。 そして、その皆さん方は、ハローワークを通じてこれはおやりいただく方もございますし、ハローワークを飛ばして直接にお話をなさる方もございます。それはそれでよろしいのではないかというふうに思っています。初めは、ハローワークを通さないとどれだけ就職が決まったのかということがつかみにくいものですから、一遍ハローワークを通して行ってくださいということを言っていたわけでございますが、最近はそうではなくて、直接行っていただいてもいいということにいたしております。 そんなことも取り入れながら皆さん方に情報を提供して、そして、できる限り皆さん方の御要望におこたえをしていきたいというふうに今考えているところでございます。 皆さん方は、やはり今まで就職をしておみえになりましたところとの関係の深いところをどうしても御希望になるわけです。全く違ったところを御希望になる方は比較的少ない。そうしたことも我々考えていかなければならないというふうに思っておりますが、どれほど御希望になりましても、その御希望の求人が全くないというようなところも率直に言ってあるわけでございますから、そういう方々のお持ちになっております能力というものを引き出すように、やはりその皆さん方の能力を、ここをこういうふうに伸ばしていただいたらどうでしょうかという御相談に乗る人間がいないと、そこはうまくスムーズにいかない、こういうふうに思っておりまして、そこに力点を置いているところでございます。 それから、もう一つ力点を置いておりますのは、雇用保険を長くもらっておみえになる方、そして職の決まらない方、そういう方を集中的にと申しますか中心にして御相談に乗ろうといったこともいたしております。 それから、新しい行き方としましては、お若い皆さん方、とりわけ高校卒業の皆さん方の就職が非常に厳しくなってまいりました。高校を卒業された皆さん方の問題をどう解決するかというので、これは学校の就職担当の先生方と協力をして企業回りをいたしますとか、そうしたこともスタートさせているところでございます。
○武山委員 需要と供給のバランスもあるかと思います。やはり需要と供給のバランスが崩れているわけですよね。新しいビジネス、また求職の方が少ない、それで就職したいという人が多い。 それで、以前、私のところも事務員を募集したことがあるんです。それから、秘書さんを募集したことがあるんです。それで、一般誌にお金を出して求人を頼んだときは物すごい来るんですよね。ハローワークに頼んだときはほとんど反応がないんです。それは五、六年前の話なんです。最近もまだ同じ傾向が残っています。実際は、いわゆる民間の就職案内の方がみんな見ているんじゃないかと思うんですよね。 それで、国がやっているのはやはり限界がある。どうしたって、国がやるものですから、あれもこれもというわけにはいかないと思うんですね。そういう意味で限界がある。その辺の限界も、やはり規制を外していかなきゃいけないということで、今度法律が出ると思います。職業紹介のいろいろな規制を外していくということですけれども、やはりそれはもう現実に本当に困っているわけですから、国の方の法律の方が後追いしているわけですよね。ですから、やはりそこの部分はどんどん現実に対応していかなきゃいけない。 民間の方は、やはりお金を取るということで、高いわけですよね。ですから、そこにいわゆる雇用の欲しい会社なり個人なりが出す場合はお金がかかるということで、そちらの方が求人はたくさん来るんですけれども、今、需要と供給のバランスがやはり悪いんだと思うんですね。 それで、来る、来ないで、いろいろ私の事務所で募集したときに、男の子も女の子も、一回募集したときに、百五十人ぐらい応募があったんですね、ある時期。それで、男の人に面接しましたら、今何しろ元気のない男の人が物すごい多いんですよね。うちに募集で応募してきた人がたまたまそういう人だったんだと思うんですよね。それで、女性の方が元気なんですよね。 面接をして、どっちにしようかというときに、やはり一般的に今、男の子のフリーター、男の子の転職、女性のフリーター、もちろん転職、物すごい多いわけなんですね。よく経歴書を見ますと、あちこち転々しているんですよ。 だから、そういうものに対しての対応を、やはり雇用問題ということで国はすべきだと思うんですよね。そのときに、やはりハローワークに応募されてきて、経歴書が出てきて、もう本当に数限りなく転職している人は、どこへ行っても採りたくないんですよね。 ですから、そこのアンバランスの需要と供給と、そういう教育、一人一人に対する教育の基本的なものが、やはり骨格が決まっているということが非常に大事だと思うんですよね。その辺は、大臣、どう思っておりますでしょうか。
○坂口国務大臣 昔はと申しますか過去におきましては、履歴書というのはきれいな履歴書が一番いい、こういう言い方をいたしました。何回か職をかわっている人は採らないというような傾向があったわけでございます。 これは、どちらかといえば、生涯一カ所に勤めて終わるというのが一番いいんだというふうな考え方の時代だったというふうに思うんですが、最近は、非常に多くの職場を転々としておみえになる方が非常にふえている。特に、フリーターというふうに言われている人たちは、幾つもの職場をかわっておみえになる。 しかし、このフリーターと言われている人たちの生き方がすべて、それはだめだということではないんだろうというふうに私は思っております。フリーターの中には、大きい企業の中に入社ができて、そしてその日その日をのんびりと暮らしているような人たちは私たちは全然尊敬しない、それよりも、その日その日、充実をした仕事をして、きょうの充実感をあすに結びつけていく、あすはまたその次に結びつけていく、将来、不安定ではあるけれども、この方が仕事としての充実感がある、そういうふうにおっしゃる方もありまして、それは私は一つの生き方ではないかというふうに思っております。 したがいまして、幾つも職場をかわっているということをもって、その人はいけないとかどうとかということはなかなか言えないというふうに私は思っております。その皆さん方にはそういう生き方のある方もございますので、その生き方というようなことも十分に御相談に乗るということが大事ではないかという気がいたしております。
○武山委員 大臣は、転々とする人のよい部分を今お話しされたと思うんですね。そういう方も中にはいらっしゃると思います。 ただ、一般的に、たまたま私のところへ来て面接して、私も面接して、代理が面接して、いろいろと総合的な判断の中からいきますと、やはり半年しか勤めない、一年しか勤めない、数カ月しか勤めない、そういう経歴書を書いてきて来るわけですよね。大体、ほとんど採る人がいなかったわけですよ、そのときは。そうなりますと、やはりいいところももちろんありますけれども、そういう人に会ったら言いますけれども、ほとんどがそういうふうにない人が多いとなると、やはりそういう人たちに対する考え方というのは変えていかないといけないと思うんですよね。 それで、やはり定着しないと仕事というのは覚えませんし、その次の段階にも行けないわけです。本当にスイッチしてやるような仕事もあるかもしれませんけれども、一般的に、そんな三カ月、三カ月なんていう、例えば季節で労働するようなもの、仕事をするようなもの、そういうものというのは数が限られているわけですよね。それを基本にして今議論しているわけじゃなくて、やはり常にある程度そこで好きになっていただいて、自分が好きだからそういう分野に応募してくるわけでありますから、そういう分野で仕事を覚えて、その中で生きがいを見出して、そして生きていってもらいたいというのが、多くの国民が、みんなが望んでいるところだと思うんですよ。 ですから、そういう考え方をやはり根本にきちっと持たないと、対応も、個人個人の言うことをすべて聞いていたら、中にはわがままな考えを持っている人もいますし、きちっとしている人もいます。きちっとしておれば、きちっと職も探せると思うんですよね。ですから、そういう意味で、そこのアンバランスのところは、やはり対応というものは考えていかなきゃいけないと思います。それをぜひ厚生労働大臣にはお願いしておきたいと思います。 雇用問題はこのくらいにしまして、全く話は変わってしまうんですけれども、私、最近、性同一障害を持つ、そういう人がふえているということで、そういう方々にお会いしました。何しろ、性同一障害というものを持っている方々が、今全国に約七千人から本当に七万人もいると言われておるんだそうです。私もそういう方々に初めて会いまして、びっくりいたしました、正直言いまして。本当に、今までそういう方が身近にいなかったものですから、お話もしたことがありませんでした。本当に腰を抜かすほど、正直言ってびっくりいたしました。 生まれたときは、男の子、女の子と性がきちっとわかって、戸籍上、性別がいわゆる住民票やら社会保険やら健康保険にそれぞれきちっと明記されるわけですけれども、実際に成長の過程で、男の子として生まれながら女性として生きたい、女の子として生まれながら男性として生きたい、現実にそういうふうに思って、海外まで行って性の転換の手術をし、また国内でも現実にそういう手術をして転換して、やはり社会できちっとした人間として生きていきたい。しかし、そこで、聞いてびっくり、本当にいろいろな問題があるということを聞きました。 まず、社会保険上の性別の表記があって、正社員になれない、そういうことが本当にあるんだそうです。それから、住民票の性別の表記がありまして、住むところを探すことが難しい。それから、投票券上の性別があって、参政権を行使しにくい。結局、投票所に行ったら、男性か女性かということで、本当は男性なのにどうして女性なんだということでそこでトラブルが起こる。 医療機関にかかることを非常にためらう。健康保険証の性別の表記で、医療機関にかかったら、びっくりしたんですけれども、入院をしたら、もともと性別が男性だということで男性のところに入院しなきゃいけない。しかし、自分は女性なわけですね、気持ちとしても。洋服も女性の服装をして、全部スタイルが女性なんですね。それで、結局ためらってしまう。 それから、いわゆる印鑑証明書の性別、これもきちっと性別が決められている。ですから、商いの行為が実質的に本当に現実に制限される。それから、びっくりしたことに、パスポートの性別で、海外へ行ったときに結局トラベラーズチェックの問題、それから税関で、何だあんたは、こう言われるというわけですね。聞きましたら、本当にびっくりして腰抜かすことばかりなんです。それで、いろいろな資格を取りますね。その資格証を取る上でも、その資格を使っての就業が、実際に就職が非常に難しい。もう聞くことすべてびっくり仰天のことなんですね。 ましてや、その方々とお話ししていましたら、切実なんですね。実際に医学的に、もうそれは医療の分野では認められているということなんですね。それでますます私はびっくりいたしまして、腰抜かしまして、最後に言われたことは、愛する人と結婚したいと。戸籍そのものの性別の表記がある。こういう戸籍の性別の表記に関するいろいろな、今お話ししたようなものは、一つの例として、一端なんですね。私、もうこれにびっくり仰天しました。 それで、医療の分野で医者がきちっと判断しているということですね。本当に頭の中は真っ白になりまして、頭の中は本当に混乱しまして、本当にびっくりしました。 ましてや、本当に私の正直な気持ちを言いますと、女の子は一般的に背が男性よりもどちらかというと一般論としては低いですね、小柄ですね。その小柄な人が男性として生きたいということで、結局男性の性の転換をして、それで男性の姿なわけですね。女性として生まれた人が男性になりたいということで、小柄な女性が男性の姿をしているわけですね。そういう混乱ですね。 でも、政治はやはりこういうものの意見にも耳を傾けていかなければいけないんじゃないかと思いまして、胸の痛い思いと同時に、これもこの国会でいずれ議論しなきゃいけないかなと思いまして、きょう質問いたしました。 大臣、このお話を聞いて、以前から知っておられるかもしれません。私は、実際に初めてそういう方々とお会いして、初めて現実に触れたわけなものですから、正直言って、びっくりして腰抜かして大混乱を起こして頭の中が真っ白になって、でも、現実はそうであるということで、ましてや医療の分野できちっとそういう判断がされている。今後、やはり国会でこういう問題を取り上げていくべきだと思いますけれども、このお話を聞いて、大臣はどんな思いを抱きましたでしょうか。
○坂口国務大臣 今まで医療の世界の問題として、男性が女性に転換したい、あるいはまた女性が男性になりたいというお話はございまして、そうした皆さんに対して、精神療法でありますとかホルモン療法でありますとか、あるいは手術療法というようなのが行われているということは承知をいたしておりましたが、そういう人たちが非常に多くなって、そしてそれを一つの政治の場で議論しなければならない段階にまで来ているというのは、最近のことだというふうに私は思っております。 この皆さん方の数もかなりふえて、私もどれだけ本当におみえになるのかということはよくわかりませんが、かなりの人数おみえになることは事実でありますし、その皆さん方の生き方として、どういうふうなことを認めていかなければならないのかということが議論の場にのってきたことだけは事実だというふうに私も思っております。 先日来、特に女性議員の皆さん方からそういう御提起がございまして、一度そうしたことを真剣に取り上げてほしい、そしてどういうふうにそれを全体として考えていけばいいのか。全体として考えていけばいいのかというのは、各省庁にわたっている課題をどのように整理したらいいのかということだと思うんですが、そうしたことをひとつどこかが考えてもらわなければならないわけで、どこが一体担当をするのか、体にかかわることだから厚生労働省ではないかというお話も率直にあるわけでございます。 私も、個々にそういう人がおみえになるということはもとから知っておりましたけれども、そういう人がふえて、そしてそういう人たちの生き方をどうしていくかというところまで私の思いが至っておらなかったことも事実でございます。 最近でございますが、皆さん方のそういう御意見を受けて、これは正式に、そういう皆さん方の扱い方をどうするか、どういうときにそれを認めるかといったことも含めて整理をしなければいけない時期に来ている、そんなふうに思っております。
○武山委員 同じ質問に対して、木村副大臣にもお願いいたします。
○木村副大臣 私、実は率直に言って、先生のきょうのお話を聞きまして、大臣はもう既に知っていた、こういうことでございましたけれども、私は初めて先生がおっしゃるような七千人もの方々がおいでになるという現状を聞いて、大変びっくりしたような次第でございます。 今大臣が申し上げましたように、今後どういうふうな対応をとるべきか、これから取り組んでまいりたいな、このように思っております。
○武山委員 私は、現実の社会は本当に多種多様な社会だなと、現実を見て本当に思いました。ぜひ、これは問題提起ということで挙げておきたいと思います。 それから、次に移ります。 先日、厚生労働省の方から報告書という形で、「救急救命士の国家試験の改善について」ということで報告書をいただきました。これは、平成三年度から発足して十年が経過したということで議論をされたようですけれども、十年が経過したと、十年を一つの区切りにしておるようですけれども、私は、十年というのは長過ぎたと思います。また、長過ぎた上に、平成十四年度ということで、去年、調査検討を重ねてきたということで、これはいわゆる検討会の意見の一つですよね。 しかし、これはあくまでも専門家の皆さんの検討会でありまして、国の方はこういう意見をもとにどういうふうな青写真を描いているのか。問題になっております気管挿管の件だとか、そういう本当にもうせっぱ詰まって、本当にこの方々にもう少しそれぞれの行動ができたら助かった命もあるだろうと思うのに、これがなかなか進まない。ましてや、十年もたって、一年かけて今度は検討会だと。相変わらず、厚生労働省、やはり非常にのろいと思います。 政治のいわゆるリーダーシップとして、厚生労働大臣はこの件に対して今後どんな青写真を描いておるのか、聞かせていただきたいと思います。
○木村副大臣 申すとおり、先生も御存じだと思いますけれども、この問題は、確かに、現場に向かわれた救命士の皆さん方の思いと、ただ、何といっても、やはりそれぞれの患者さんの方々の生命に直接関係するところでございまして、さまざまな意見があるのは事実でございます。 その中で、その報告書でございますが、今回、救急救命士の業務のあり方等につきましては、昨年十二月に救急救命士の業務のあり方等に関する検討会から出された報告書におきまして、除細動につきましては、平成十五年四月をめどに包括指示化をすべきと。つまり、こういう場合には除細動について、電気ショックみたいなものですけれども、それをやりなさいよというのは、個々に本部と連絡をとって許可を得ることではなくて、実際に現場の判断におきましてできるような改正を行うということになったわけでございます。 それから、気管挿管につきましては、平成十六年七月をめどに、必要な講習や実習を修了した救急救命士に限定的に実施を認める。これは、やはり実際に何例か実施の訓練をしていただきまして、それで認めよう、こういうことになったわけであります。 それで、もう一つは薬剤投与でございますけれども、薬剤投与につきましては、これはさまざまな意見がございまして、救急救命士が行うものとした場合の薬剤の有効性と安全性に関しまして、ドクターカー等における研究、検証の結果を平成十五年中を目途に得ることとし、これらの結果を踏まえまして、検討会において早期に結論を得るべきということで決まったわけでございまして、薬の方は若干やはりお時間をいただかなければいけない、こういうようなところでございます。
○武山委員 それは、検討会はあくまでも一つの目安としてですので、あくまでも政治がどうするかということを決断するんだと思うんですよね。 人の命は地球よりも重いと言いながら、現実は、人の命を結果的に本当に無にしちゃっているわけですよね。それで、検討だ、本当にもう一回例を対応してみなきゃいけないというふうにやっていて、人の命はどんどんなくなっていってしまうんです。ですから、現実に本当に助けるという気持ちがあるのであれば、理屈抜きにやっていただきたいと思います。 終わります。
○坂井委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○坂井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小沢和秋君。
○小沢(和)委員 まず、今、政治的な焦点の一つになっております健保本人の三割負担の凍結の問題でお尋ねをいたします。 一昨日の予算委員会で、政府管掌保険の財政が苦しいから本人の負担を三割に引き上げるというのなら、その前に、国庫負担率を千分の百三十から健保の本則どおり千分の百六十四に戻すべきだという質問がありました。これは、先日、我が党の児玉議員も指摘した点でありまして、私も全く同感であります。 大臣は、これに対して、老人保健法では千分の百六十四にしている、財政的にこれが精いっぱいというような答弁をされましたが、私は、これは問題のすりかえだと思うんです。老人保健法で本則どおり出しても、それはそれ。政府管掌保険の財政が苦しければ、こちらも本則どおりにするのが当然じゃありませんか。
○坂口国務大臣 先日お答えをいたしました答弁は答弁でございますが、そのほかに、この政管健保では、老人拠出金がそこから出されているわけですね。それで、今後、老人拠出金を減らしていって、そして、高齢者医療に対しましては国費二分の一を入れていこうというのが今進行中でございまして、昨年、医療の改革のときにもお世話になりましたけれども、平成十九年には、七十五歳以上五〇%というのが確立されるわけでありまして、平成十五年からスタートをするわけでございます。 そうしたことで、その一三%が一六・四%には、そこはなりませんけれども、同じ政管健保に関係いたしておりますところの予算として、そこにやはり関係してくるわけでございますので、全体としては、国の方の補助金というのはふえてきているというふうに理解をいたしております。 いずれにいたしましても、今後、高齢者医療を今後どうするかという問題は、もう一段また決めなければならないわけでございまして、高齢者医療問題、間もなく決着をつけなきゃならない点でございますので、いろいろ御議論をいただいて、そのことをまた参考にさせていただきたい、こう思っている次第でございます。
○小沢(和)委員 今大臣が言われたように、老人保健の関係の財政の手当てはこうしたということは、この前も答弁をされているわけです。だから、私は、その手当ては、それはそれ、あくまでこっちの本則の方は本則の方で考えるべきだということを言ったわけであります。 国の財政を今日のように破綻に陥れた最大の原因は、異常に膨張した公共事業費であります。これは今や野党四党の共通認識でありまして、昨日四党が申し入れた来年度予算組み替え案の中でも、公共事業費を一兆六千億円削減するように要求しております。こういうむだをなくせば、政府管掌保険の補助率を千分の百六十四という本則どおりに戻し、健保本人の二割負担を維持することができる。三割負担凍結は、今や国民的な要求であります。 二十四日の予算委員会で、私は、北海道、長野県両議会で三割凍結を決議したことを紹介いたしましたが、その翌二十五日には、鹿児島、徳島、三重、三重はたしか坂口大臣の地元だと思いますが、そのような各県でも、公明党だけの反対で続々決議をしております。全国ほとんどの府県議会が近日中に決議するような勢いになってきている。三割の凍結は、国民の暮らしを守り、不況を打開する中心の要求であります。この国民の期待にこたえ、速やかに本会議で野党四党共同提出の法案の趣旨説明を行い、本委員会で審議することを強く求めておきます。 次の質問でありますが、ハンセン病問題の最終解決を促進するために、二点お尋ねをいたします。 二〇〇一年五月、熊本地裁で歴史的な判決が下されてから二年近くたつのに、いまだに最終解決に至っていないのはまことに残念であります。この問題は予算委員会でも取り上げられ、首相は、できるだけ早期に解決するよう厚生労働大臣に督促したというふうに述べておられます。 そこで、第一の問題は、九六年よりも前の退所者に対する一時金であります。九六年以降の退所者には最大二百五十万円の準備金が支給されるのに、それより前の退所者は全くゼロというのは、だれが見ても不平等であり、厚労省も、方法と金額を含め、さらに検討し、平成十四年度中の実現に最大限努めるということを文書で確認しております。そこまで確認しているのに、一年以上たってもいまだに実行されていないのはなぜか、いつまでに実行するのか、お尋ねをいたします。
○坂口国務大臣 ハンセン病の皆さん方に対する問題は、多くの皆さん方のお声も反映させながら、かなり解決をしてきたというふうに思っております。 あと残されましたのは、今御指摘になりましたように、一九九六年までに退所した人、それから最初から入所をしなかった皆さん、この二つの問題だけに絞られてまいりました。この皆さん方の問題につきましても、早期に解決をしたいというふうに思っております。 先ほどもお話ございましたように、この皆さん方に対しましても、五百万から七百万の一時金と申しますか、お金もお支払いをしているわけでございまして、あと残されておりますのは、新しいお仕事等を始められるときに対する支度金と申しますか、そうしたものを入所しておみえになりました皆さん方と同じようにすべきだという御意見があります一方、今までお支払いをしてきた皆さん方は、長い間隔離をする中で入所をしていただいてきた、そのことに対して、社会との隔離というものがありますので、それに対してお報いをしなければならない、こういうことで、それに対する対策をしてきたところでございます。 今回の場合には、一度入所されたけれども早く退所をされた、あるいは入所をされていない皆さん方でございます。この皆さん方は皆さん方として、やはりいろいろの御苦労もあったことも承知をいたしております。 私も、沖縄に参りましたときに、この皆さん方、楓の会と申しましたでしょうか、その皆さん方がお集まりになりまして、約五、六十名お見えになったと思いますけれども、その皆さん方と懇談をさせていただいたこともございます。その皆さんは皆さんとしてのいろいろのことがあったことも、そこでお聞きをいたしております。 しかし、隔離をされている皆さん方と違うこともまた事実でございまして、そこのところをどういうふうにするかということについて、今、関係者との間で話を詰めさせていただいているところでございます。できるだけ早く決着ができますように、こちらも努力をしたいと思っております。
○小沢(和)委員 私は、二問目で入所したことのない人のことを次にお尋ねしようと思っていたんですが、ほぼまとめて今お話がありました。だから私、入所歴のない方のことについては事改めていろいろここで言おうと思いませんけれども、私も直接お話を聞いて、全く入所歴がなくても本当に大変な思いをしてきたということもよくわかりました。だから、そういうような人たちに対しても、和解の条件の中で国が協議に応ずるということにしているんですから、もっと誠意を持って早くやっていただきたい。 特に、この二点目の問題をめぐって、先日の事務レベル協議が決裂をしているというように聞いています。ということは、私は、事務レベルではこの問題は打開できない、やはり大臣が直接出る時期に来ているということじゃないかと思うんですね。私は、大臣に、その人たちにも直接会って、その声も聞いて、その打開の策を急いで立てていただきたいというふうに思いますが、その点、いかがでしょう。
○坂口国務大臣 私もお話はよく伺っておるわけでございますが……(小沢(和)委員「入所歴のない人に」と呼ぶ)ええ。 今お挙げになりました一九九六年前に退所された皆さん方の問題等含めまして、これは決裂と言いますけれども、そのときにはあるいは決裂状態だったかもしれませんけれども、鋭意話を続けておりますし、これは事務方で十分話を詰めるように言っておりますから、詰めさせていただきたいというふうに思います。また、お会いをしなきゃならないときにはお会いをいたしますけれども、まずはそこでできるだけ詰めてほしいということを言っている次第でございまして、ぜひそこは御協力をお願いしたいというふうに思っております。
○小沢(和)委員 次に、四月から障害者福祉の分野で実施される支援費制度の問題でお尋ねをします。この問題については、昨年十一月一日、我が党の山口富男議員が本委員会で質問しております。 まずお聞きしたいのは、その後の準備によって、年度内にすべての障害者が手続を終えて、四月一日から必要なサービスを受けられるとここで保証できるような状況にもうなっているかどうか。それから、山口議員が、入所中の知的障害者の日用品費相当額が必要経費として認められなくなるために大幅な負担増になる、この点についてぜひ再検討してほしいということも言いましたけれども、これについて検討していただいたかどうか、この二点お尋ねします。
○坂口国務大臣 四月から支援費制度をスタートするわけでございまして、在宅サービスを利用できる場合につきましては、今年度中に支援費支給の決定を受けることができるように準備を進めております。若干の町村におきましておくれているところもあったようでございますが、かなり回復をしてまいっております。あとごくわずかのところでございますので、四月までに全部それはでき得るというふうに思っている次第でございます。 あと、具体的な答弁をちょっと局長からさせますが、よろしゅうございますか、細かな問題。
○小沢(和)委員 はい。
○上田政府参考人 知的障害者施設の利用者負担についてお答えいたします。 支援費制度において、利用者が施設でサービスを受けた場合の利用者本人の負担につきましては、利用者本人の前年の収入から必要経費を控除した額に基づきまして判定することとしております。 これまで、知的障害者入所施設の利用者につきましては、日常生活費を必要経費として収入から控除していたところでございますが、こうした取り扱いにつきましては、日常生活費が、入所者みずから負担することなく、知的障害者の施設訓練等支援に要する費用、すなわち支援費に含まれるものとして公費から支給されますので、そういう意味では重複して手当てされる形になります。(小沢(和)委員「そこから先どうすることにしたかと聞いているんです」と呼ぶ)はい。その他、在宅の障害者とのバランスを欠くということから、私ども、適当でないというふうに考えまして、そして私ども、今先生の御質問でございますが、今般、この取り扱いを改めまして、収入認定に際し、日常生活費を控除しない取り扱いをしたところでございます。 なお、十五年度におきましては、利用者本人の負担増加を緩和する、こういった観点から、従来認められていました日常生活費の額の半分に限り、必要経費として収入から控除をするといういわば経過措置を設けることとしたところでございます。
○小沢(和)委員 この準備の過程で、ことしの新年早々、厚生労働省がホームヘルプサービスの利用に上限を設定しようとしたことから、JD、日身連、育成会、DPIの四団体が抗議し、真冬の寒さの中で、千人を超える障害者が厚生労働省前に連日座り込むという事態になりました。我が党も、この障害者の皆さんの闘いを支援いたしました。その結果、この上限というのは市町村に対する国の補助金の交付基準であって、個々人の支給量の上限を定めるものではないことなどを確認する厚生労働省と四団体との合意が成立いたしました。この合意については、大臣からも確認を得たいというのが四団体の強い希望だと聞いております。この機会に、大臣に合意の内容を確認していただきたいが、どうか。 あともう一、二質問しておきますが、四団体が大臣の確認にこだわるのは、国の予算がこの交付基準で組まれている以上、その基準で補助金の交付を受けた市町村は、結局、個々人に対しその基準を上限として押しつけるのではないかという不安を持っているからであります。だから、大臣が合意を確認するだけでなく、この合意が徹底するよう通達を出していただきたいが、どうか。 さらに、市町村がこの基準を上限とせずに支援費を支出すれば、やがて予算が不足してくるということが考えられますが、その場合は、国として当然予算を追加するというふうに理解してよろしいかどうか、以上三点まとめて伺います。
○坂口国務大臣 先ほどからお話をいただきましたように、支援費制度にこれから移るわけでございますが、これまでのところ、非常に熱心にこの障害者問題に取り組んでいただいておりましたところと、そうでないところがあったわけでございます。今回から、もう押しなべて、全国津々浦々、どこにおきましても障害者の問題を取り上げていくということでスタートをするわけでございますから、そこは大きな前進であるというふうに考えております。 ただ、今まで熱心にお取り組みをいただいていたところが後退することがないようにという御意見であるというふうに理解をいたしておりまして、そこは、今までお取り組みをいただきました問題が後退しないように予算的措置をいたしますということをお約束しているわけでございまして、これは私からも確認をさせていただきたいというふうに思っております。 また、このことにつきましては各市町村に対しましても徹底をしたいというふうに思っております。(小沢(和)委員「通達を出してくれと言っているんです」と呼ぶ)通達と申しますか、先日も担当者がお集まりになりましたときに、その旨はっきりと申し上げておりますし、それは徹底されているというふうに思っております。 予算的なものがもし足らなかったらというお話がございましたけれども、それは、全体といたしまして、過去の経緯を考えまして、それが足りますように配分をしているということでございますから、御心配は要らないと思います。
○小沢(和)委員 いや、上限の扱いをそういうふうにしていけば、やがて足りなくなるという事態は、これは常識的に考えられると思うから、そういうことを言っているわけです。しかし、大臣がお金は保証するというふうに言われたので、見守っておきます。 さらに、障害者団体は、従来国庫補助事業だった市町村障害者生活支援事業、障害児(者)地域療育等支援事業が一般財源化されることにも強い不安を持っております。先ほども質問がありましたが、これまで補助金で熱心にやってきた市、これからやろうとしていた市などには、実質的に財源が減らされるという不満があるようでありますが、もう一つの面は、一般財源として出されると、国がこれらの事業のためにと思ってお金を出しても、市町村がそのとおりに使うという保証はないということになります。今回はこの二事業ですが、今後ほかの事業にも一般財源化が広がれば、障害者福祉事業は非常に不安定になる。今の財政危機の中で、障害者福祉がしわ寄せを受ける危険が非常に大きい。 福祉を守るべき厚生労働省がこういう方向をどうして進めるのか、今からでも改めるべきではないか、お尋ねをします。
○上田政府参考人 ただいま先生御質問の市町村障害者生活支援事業及び障害児(者)地域療育等支援事業につきましては、私ども、広域行政を担当する都道府県の適切な関与のもとで、市町村においてそれぞれの役割に応じて整備すべき一般機能というふうに考え、そして、それぞれの県、市町村が創意工夫し、地域の実情に応じてより弾力的に事業展開できるようにしたものでございます。 したがいまして、この二つの事業の一般財源化に当たりましては、地方特例交付金及び地方交付税を増額することによりまして所要の財源の確保を図るとともに、所要の事業費につきましては基準財政需要額に算入されることになっております。 したがいまして、私ども、地方公共団体に対しまして、この相談事業に関しまして、今申し上げました所要の地方財政措置が講じられることにつきまして周知し、その相談支援の実施をお願いすることとしております。 また同時に、都道府県の関与のもと、市町村が、それぞれの障害の種別にかかわらず、一般的な相談支援について総合的に実施する体制の整備を推進する必要があるというふうに考えておりますので、指定期間を二年間とする、いわば呼び水的な補助事業としての障害者地域生活推進特別モデル事業を創設することとしております。 また、私ども、先ほどの相談支援体制につきましては、それぞれの地方公共団体でそれぞれ工夫されて取り組まれておりますので、そういった地域における相談支援体制のモデル事例について積極的に情報提供に努めるなど、相談支援が定着していくように、私ども、これからも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 時間がありませんから、残念ながら次に進みますが、本年四月一日開設予定だった東京北社会保険病院の問題でお尋ねをします。 つい最近まで、七年がかりですべての準備が順調に行われてまいりました。ところが、昨年末、仕事納めの十二月二十七日、突然、厚生労働省社会保険庁は、全国社会保険協会連合会、いわゆる全社連への委託を取り消し、新たな委託先を探すこと、社会保険都南総合病院を三月三十一日限りで廃止することを決定いたしました。 大臣は、突然ではない、前々から社会保険病院のあり方を検討していたと言われるかもしれませんが、しかし、今回の決定について事前に連絡や説明を受けた関係者は一人もおりません。 きのう発行された週刊誌フライデー三月七日号によりますと、病院開設の実質的な責任者だった都南総合病院院長賀古眞氏は、こちらからは何度も社会保険庁に対し、計画をこのまま進めていいのか確認していました、昨年九月、そして十二月にも確認したところ、そのときは粛々と準備を進めるようにとのことだったのです、なのに十二月二十七日の午後に突然中止が伝えられましたと語っております。 現場には、十二月ぎりぎりまで準備を進めるように指示しておきながら、突然中止をした。どういう緊急の必要性があってこういう決定をしたのか、まずお尋ねします。
○坂口国務大臣 昨年の健康保険法改正法の検討過程におきまして、そのあり方の抜本的な見直しが求められておりまして、同法附則にもその旨が書かれたところでございます。 この経過によりまして、昨年三月に医療制度改革推進本部を厚生労働省としましても設置いたしまして、その中で社会保険病院のあり方についての基本的な検討を行うとともに、東京北社会保険病院につきましても、全体の見直しの方針に即してどのように対処すべきかということを検討してきたところでございます。 このような経過を踏まえまして、昨年末に取りまとめました厚生労働省の方針の中で、経営方式のあり方について、現在の社団法人全国社会保険協会連合会、いわゆる全社連と言っておりますが、全社連への一括委託方式は、経過措置期間、平成十五年度から十七年度までを経て終了するということを決定いたしました。 こうした中において、新しくスタートする北病院でございますので、全体としたその流れの中でもう一度考え直そうということになった次第でございます。
○小沢(和)委員 だから、全体の流れの中で再検討することになったと言うけれども、この準備の担当者は、さっき御紹介したように、去年の九月にも十二月にも、心配で、このまま準備していいんですかと聞いておる。それなのに、どんどんやれと言っておいて、十二月二十七日というのは御用納めの日ですよ、その日の終わりがけ、ことしも終わろうかというときに突然やめる。これはもうよっぽどな理由が突然発生した以外には、普通はこういうことはあり得ないわけですよね。それをなぜかと聞いているんですが、今のでは全くお答えになっておりません。私は、こんなことはだれも納得しないと思うんです。もうみんなかんかんになっております。 この病院の建設には長い経過がありまして、もともとここには国立王子病院があった。それを国が廃止する方針を打ち出したことに地元が猛反対し、都南病院の新築移転をすることでようやく合意が成立した。その後、今日まで七年間、地元は地域で二番目の総合病院の開設を待ちかねておったわけであります。そこに突然の委託取り消しで、四月開設のめどが立たなくなった。地元が怒るのは当然であります。 社会保険庁は、北区長や議会には、最終的には政治的な判断だと説明したと聞いております。フライデーに載った賀古院長の話でも、堤社会保険庁長官から、政治的な理由によるもので、納得していただける説明はできないと言われたというんです。こんな説明にもならない説明では、私も納得できない。 改めて、政治的な判断というのは一体何だったのか、お尋ねします。
○坂口国務大臣 どういうふうにとっているかは、それはわかりません。政治的というのはどういう意味かということもよくわかりません。とにかく、先ほど申し上げましたような経緯の中で、今後の社会保険病院のあり方を見直さなければならないということになってきたことだけは事実でございます。 今まで社会保険病院の中で赤字が出ますと、健康保険の財源を用いて、それで穴埋めをしてきた。これだけ国民の皆さん方に三割負担をしていただかなければならないときに、社会保険病院が赤字のために、皆さん方から出していただいた保険料をそこに充てるというようなことは、もうやめなければならないという話が出てまいりました。それは、私は当然のことだというふうに思っております。 したがいまして、これからどこの社会保険病院を残し、どこをなくしていくかといったようなことについても考えなければならないわけでございます。そしてまた、今まで全社連という一つのところにすべてをゆだねてきたということにも問題があるのではないか、経営上そうしたことも考えなければならないというような、そういう全体の議論が高まってまいりまして、その中で結論が出されたことでございます。 ですから、そのことを政治的というふうに言われるならば、それは政治的でございましょう。政治の場で議論をされて結論が出たことでございますから、それはそれだけの意味があるというふうに私は思っております。なかなかこれは、社会保険庁の中で議論をしまして結論の出る話ではございません。
○小沢(和)委員 私は、政治的な判断と言われるのは、結局、これまでの積み上げてきた事実を無視して、ごく上の方だけで勝手なことをやった、それを理屈の説明がつかないから政治的な判断というふうに言っているんだと思うのです。 社会保険庁は、開設してから委託先を変更するより、新しい委託先で開設した方が混乱が生じないと判断したというような説明もしているようですが、この判断はもう決定的に間違っていると思うんです。 現に、方針変更を行ってから二カ月近くたちますが、新たな委託先も開設時期も何のめども立たず、混乱をますます大きくしております。常識的に考えても、これだけ大きな病院の経営を突然頼まれても、すぐには応じられないはずであります。結局、三百億円かけた最新鋭の病院施設は、遊休状態でかなりの期間放置されるということになるのではありませんか。 私は、その間の維持保全費だけでも莫大なものになるんじゃないかと思うんです。そして、病院にとっては必要な機械や装置なども、もう既に購入などをしておった。その購入費やリース料なども何億円とかかったというふうに聞くし、就職内定者には迷惑料も払った。これも五千万円というようなことも聞く。結局、開設延期によるこういうような損害が新たに出てきたということじゃありませんか。
○坂口国務大臣 現在、後をどうするかということについての議論を進めているところでございまして、できるだけ早く開設にこぎつけたいというふうに思っております。 現在、既に多くの病院から、ぜひここを運営したいという手を挙げていただいておりまして、そうした病院の中からどこを選ぶのかということもございますし、新しくまたそこに参加していただくところがあれば、そうした皆さん方も入れて、その中で後をどこにゆだねるかということを決定したいというふうに私は思っております。できるだけそれは早く、速やかにやりたいというふうに思っている次第でございます。 しかし、全体の考え方として、ただ一般的な病院をそこに開設すればいいということではなくて、やはり社会保険庁がとにかく建てました病院でございますから、国費を投入して建てた病院でございますから、現在の医療の現状に見合った内容のものにしなければならないというふうに思っております。 そうした意味では、小児の救急医療を中心にしたようなものにぜひしたいという意向もございまして、これらのことも十分に念頭に入れながら、この問題の結論を急いでいるところでございます。できるだけ早く、次にやっていただきますところを指定したいと思っております。
○小沢(和)委員 できるだけ早く次の経営者を見つけるのは当然だと思うんですが、四月一日オープンできないということで、どれぐらいの期間になるかわからないけれども、しばらくの間放置されれば、その間、具体的にあそこを、私、きのう現地に行ってみたんです。大臣にそのときの写真をさっき差し上げましたけれども、さくをして、だれも入れないようにしている。ああいうふうに封印したような状態にしたら、ああいう新しい建物はまだ湿気が残っているから、カビが発生するんじゃないか。 衛生状態を一番重視する病院が、ほかの開院中の病院では、アルコールで消毒したりして、一生懸命そういうカビの発生などということを食いとめるためにも、日常からお金をかけていますね。ここでは、そうやって閉鎖したりしておいたら、いよいよそういう危険が大きいんじゃないか。あなた方も、それに気がつけば、恐らくそんな手を打つんじゃないか。 だから、さっき私、幾つか具体的に損害が出るでしょうというふうに言ったんです。そういう損害が出ることがわかっていて、こういうことをやる。一方では、保険料からこれ以上お金を出さないように、節約のためにこういうことをやったと言うけれども、新たにこういうことが出るじゃないですか。だから、その損害額はどれぐらいかとさっき聞いたんです。それから、だれが出すのか。大臣、答えてください。
○坂口国務大臣 できるだけ余分なものは出ないようにしたいというふうに思っております。そして、早くこれは次を決めたいというふうに思っている次第でございます。まだ始まっていない病院でございますから、それはあけっ放しというわけにはいかないでしょう。それは当然でございます。 今後早くしたい。しかし、それは社会的な要請にこたえた病院にやはりしなければならない。そのためには、中身をどういうふうに改革していくかということもやらなければならない。現状のままでいいのか、それとも現状ではまだ不十分で、何かそこにプラスをしなきゃならないところがあるのかといったことも、それは検討していかないといけないわけでありまして、そうしたこともやりながら、しかし、そのすべてが終わるまでスタートさせないということではなくて、スタートをしながらそういう改革もしていくという方法もあるのではないかというふうに思っている次第でございます。
○小沢(和)委員 区長や区議会だけでなく、地元の人たちは、既定方針どおり四月一日開設を一歩も譲ることはできないと私に訴えられました。 この地元の声にこたえるためには、今からでも遅くはない、直ちに方針を再転換し、これまで病院開設に当たってきた人々をもう一度結集し、体勢を立て直して準備を進めたら、今指摘したような損害も余りなしで済みます。そうすれば、三百億円かけた最新の病院がフルに動き、地元の人々からも喜ばれる。全社連のより効率的な経営方式の検討などは、この病院を稼働させながらやれば済むことであります。今から直ちに再転換をする意思はありませんか。
○坂口国務大臣 それはございません。新しい社会的要請にこたえた病院にしていきたいというふうに思っております。
○小沢(和)委員 そういう姿勢でいれば、私は先ほども言った、今後開設できない期間がますます長引いて、あなた方は保険料からのお金は投入しないようにこういうことをやると言ったけれども、この損害、結局そこから出さざるを得なくなるわけでしょう。ほかのだれが出すんですか。 それで、次の質問ですが、今の方針にどうしてもあなた方が固執すると言うんだったら、都南病院から移転してくることになっていた職員百五名、新規採用内定者百二十名をどうするのかという問題が出てまいります。 特に、都南病院の職員は、新病院に自分たちの夢を託して、設計段階からいろいろ携わってきた人たちであります。早急に新しい委託先を決めて開設するということに自信があるなら、これだけ開設のために頑張ってきた人たちを開設まで待機させることにし、その間、賃金、身分を保障するのが当然ではないかと思います。すべて厚生労働省の一方的な責任でこの人たちに大変な迷惑をかけているわけですから、こうする以外ないと思いますが、いかがですか。
○伍藤政府参考人 社会保険都南総合病院に所属しております職員の雇用の問題につきましては、基本的には、雇用主であります全社連が対応すべき問題であるということでありまして、現在、都南病院以外の他の社会保険病院への受け入れ、あるいは例えば日赤などの公的病院、そういったところへの再就職のあっせんに全力を挙げているというふうに聞いております。 さらに、私ども社会保険庁といたしましても、この東京北社会保険病院の新たな委託先が決まりましたら、その時点で、仮に再就職先が決まっていないような方がおりましたら、できるだけ新しい委託先に雇用に配慮していただくようにお願いをしていきたいということを考えておりますが、ただし、委託先の意向によってなかなか希望がかなわないということも十分あり得ますので、とにかく、現時点におきましては、まず他の病院等への再就職活動に最優先で取り組むという認識で今全社連ともども取り組んでおるところでございます。
○小沢(和)委員 時間も来ましたから、もうこれで終わりますけれども、私は、最低の約束として、この病院が近い将来開設されたときは、今、再就職がまだ決まっていない人がいた場合にはできるだけ最優先で雇用したいと言われたけれども、再就職している人でも、こういう病院に夢を託しておった人たちが、入りたい、帰りたい、こう言われた場合には、それも含めて考えることを強く要求して、質問を終わります。
○坂井委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 冒頭、今後の審議運営について、委員長にもお願いがございますが、四野党共同提案という形で、サラリーマン本人医療費窓口三割負担凍結法案を、四野党、出してございます。 実は、私は本日午前中に財務金融委員会で質疑をいたしましたが、テーマは、今回、配偶者特別控除という仕組みをなくして、働く中間層に負担増を強いるという増税が平成十六年度からなされますこととあわせて、平成十五年度はこのサラリーマンの窓口三割負担、そして保険料も値上げ、十六年度は配偶者特別控除廃止と、やはり働く中堅層に負担の多い増税案が相次いで起こっております。そうしたことが、社会のいわば活力の、本当に中堅層の活力をそぐということで案じておりまして、四野党共同提案いたしましたので、いろいろな審議、この委員会に恐らくおろされることと思いますが、予算とも関連いたしますことゆえ、十分審議される方向で委員長にも御検討をいただきたい旨、まず申し上げます。 引き続いて審議に移らせていただきます。 ただいま小沢委員から御質疑のありました社会保険北病院(仮称)について、私も若干の追加質疑をさせていただこうと思います。 今、大臣と小沢委員のやりとりを聞きました中で、譲れないものは譲れないという御答弁ではありましたが、では譲れる部分は何だろうと私はちょっと考えてみました。そして、昨年の十二月二十五日、このことに関しまして出されてございます、厚生労働省からの、いわゆる医療制度改革推進本部において設置されている社会保険庁関連のさまざまな業務の見直しのところでうたわれておりますことをずっと見ておりますと、一番最後のところに、「社会保険病院の整理合理化計画の策定」というところのまた最後の最後に、「整理合理化計画の検討、策定に当たっては、第三者の参加を求めるとともに、」という一項がございます。 大臣も、もともとの文面をごらんいただければ、そこはそうだなと思っていただけると思うのですが、私はやはり、この間、一番欠けておりますのは、特に地域の住民、この医療を受ける、医療提供を受ける立場になる地域住民の声をどのような形で今後この先取り上げて、取り入れて検討に組み込んでいくかという視点が非常に重要であろうと思います。 今経過を申されましたが、この病院は、もともと国立王子病院が立川の方に統合合併されますときに、地域住民とのお約束もあった地域で、二百八十床ですか、今度できる病院を心待ちにしていた住民もおられますから、その地域住民のこれまでの、それは住民代表は区議会とかにもなってまいると思いますが、そうしたところとの社会保険庁としての合議のあり方、あるいは住民の声をどう取り入れるかというとても大くくりな質問にさせていただいても結構ですから、これは坂口厚生労働大臣に基本姿勢としてお伺い申し上げたいと思います。お願いいたします。
○坂口国務大臣 そこは、御指摘をいただきましたとおり、地元の皆さん方の御意見というものを十分に尊重させていただきたいというふうに思っております。 皆さん方のお声としましては、それはそこの区長さんや、あるいはまた区議会といったようなところの皆さん方の御意見もございましょうし、各種団体の皆さん方の御意見といったこともあろうかと思います。そうした御意見を十分拝聴して、そして決定したいと思います。
○阿部委員 二問目でございます。 実は、この予定されております社会保険北病院の院長は、たまたまでございますが、私の先輩に当たりまして、この間、私にいろいろな苦しい思い、と申しますのも、新規採用の方をお約束したり、自分が夢を語って若いお医者さんたちを、ここで地域医療で頑張っていこうと話して、ずっといわば自分の最後の仕事と思ってやってきた。そのことが、先ほど小沢委員がおっしゃいましたように、暮れの暮れまで、ぎりぎりまでは何度も自分も心配で社会保険庁に尋ねたんだけれども、それが、大丈夫だと言われながら、突然に中止という方向で、自分としても、若い人に何と謝っていいか、立場もないと。非常に、私も坂口大臣も医者ですから、自分だけじゃなくて、若い人を雇ってやろうというときには、その責任と夢と思いと、さまざまなものをかけてやったわけでございます。 そうした点で、ここの病院が将来どういう形になっていくかといった場合に、先ほど坂口大臣は、小児医療のとこれをおっしゃってくださって、これはいつも言いますが、私はうれしいのですが、実は、要求されておりますもの、住民側からももともと総合病院というイメージででき上がったところでございますし、今後やはりこのことの経緯にかかわった特にこの院長の実務的な声をきちんと聞いていただいて、別にそれでそのとおりどうこうしろと言っているのではございません。やはり、どんな病院をつくろうかという、それは十分に仲間とともに審議を重ねてきたことでございますから、この点についても十分お聞き取りいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○坂口国務大臣 それはそのとおりというふうに思っております。 ただ、小児中心というふうに申しましたけれども、ただ小児科だけやってやっていけるというわけでは決してございませんで、総合的なものもやはり必要なんだろうというふうに思います。 しかし、何らかの特徴のある病院にしていくということが大事ではないかというふうに考えているわけでございますが、それは地元の皆さん方の御意見もございましょう。その地域の他の医療機関との関係もございましょう。あるいはまた、ここをこういうふうにやっていきたいというふうに思っておみえになりました皆さん方の御意向というものもございましょう。そうしたものもよくお聞きをして、最終的に決定をしたいと考えております。
○阿部委員 ここではそれ以上詰められないのですが、私は、個人的に思いますには、せんだっても問題になっておりましたC型肝炎のキャリアの問題も含めて、今、国の医療政策上も、C型肝炎がきちんとした国の医療の中で保障される体系というのがなかなかございませんで、特に、今、C型肝炎のセンター病院は、長崎でしたか、あちらの方にはございますが、東京都並びにこの近辺、まだ不十分なようにも見受けます。たまたま私はそうした思いを持っておりましたので、今後の検討の中で、本当に今必要な病院の増というのをさらに詰めていただければと思います。 ちなみに、この病院の院長予定者は肝臓が専門でございまして、C型肝炎問題は非常に心を痛めておったことでもありますので、あえて申し添えさせていただきます。 それから三点目、経費にかかわる点でございます。 きのう、私が社会保険庁に問い合わせましたところ、一日ただ病院をおりで囲って、私は病院をおりで囲うというのは今まで見たことがないのですが、こうやって囲っておくだけで二千万と伺いました。ただ囲っておいて——一月ですね、失礼。一日二千万じゃ卒倒しちゃう。でも、一月二千万でも六カ月囲えば一億二千万かと。 これは大臣もよくおわかりと思いますが、私たち医療を提供する者は、実は医療は、病院というのは、医療だけでとどまらない経済波及効果というのを持っておりまして、地域に関連のお店ができる、介護関連の産業が興る、そして若い人の雇用も含めて雇用も拡大する。私は、今の日本のさまざまな経済的な足腰の弱さを見ておりますと、逆に、医療というのをきちんと提供していく中で、地域活性、産業活性、経済の向上ということが望める分野と思っております。 にもかかわらず、一月二千万円ぽんぽんと捨てていくというのでは余りにも心も痛むということでございまして、大臣として、やはりこれはめどを早急にお立ていただいて、地域活性化に役立つように、ここの地域、王子パルプ等々もございました地域であり、今、産業全部へこんでおるわけです。この病院が来るということで、みんなそれに向けて動いたところもあるわけでございますので、一応、確約などはできませんが、時刻的なめど、一月二千万ということを頭にお入れくださいまして、もったいないと思ってのめどをお教えくださいますか。もう火急にお願いしたいです。
○坂口国務大臣 二千万なのか一千万なのか、そこは私はちょっとよく存じませんけれども、後を早くしなければならないことだけは間違いのない事実でございまして、今、早急にこの対策を立てようというのでやっているところでございます。関係者の皆さん方の御意見も十分に聞きながら、一日も早くその後が決まるようにしたいというふうに思っております。
○阿部委員 恐らく、当局から聞きましたので、二千万試算は変わりないと思いますが、とにかく、むだにお金を捨てていかないで、むしろ投資して、地域活性に生かしていただきたいとお願い申し上げます。 あとは、医療と人権ということで幾つか大臣に御答弁をお願い申し上げたいと思います。 きょうも日経新聞に出ておりましたが、いわゆる医療事故の報告に関しまして、これは大臣も非常に見識を持って臨んでいただきまして、義務化の方向にという御答弁も既にいただいております。だがしかし、新聞報道されますその検討会の内容は、義務化するとかえって出づらくなるとか、非常に本末転倒な論議がなされております。 義務化に伴って、それを刑罰とかに、あるいは訴訟とかに持っていくかどうかということではなくて、今厚生省のやっていらっしゃることは、とにかくきちんとしたデータを集めるということしか実像は浮かばないというお考えであろうかと思います。そして、任意に任せたのでは、実は報告をする業務というのは大変な業務でございまして、やはり積極的になかなかなし得ない、マンパワーの上においても。 だがしかし、恐らく日本の医療の中で一番国民的な関心事は、医療の質でございます。病院に行ったら死んじゃったというのが余りにも、申しわけないけれども、多いわけです。 ここで再度、恐縮ですが大臣に、義務化の方向で強く検討を望むという御決意を一言お願い申し上げます。
○坂口国務大臣 医療ミスというのはあってはならないことでございますけれども、しかし、残念ながら、各地域で起こっていることもまた事実でございます。これをもう繰り返さないようにどうしたらできるかということだろうと思います。 いわゆるヒヤリ・ハット例というようなものも確かに大事でございまして、そうしたものを集めるということも必要でございますけれども、しかし、人身にかかわるような事故が起こったような場合には、これは捨てておけないわけでございますしいたしますから、事故に対しまして、その実態が集約され、そして厚生労働省としてもその内容がわかるようにしなければならないというふうに思っております。 そういう意味では、どこに線を引くかは別にいたしまして、義務化すべきところはやはりないと、それはやっていけないのではないかというふうに私は考えている次第でございます。
○阿部委員 強くその見識を持って臨んでいただきたいと思います。 もう一点、いわゆるカルテ開示でございますが、これは三年間の検討をしてきて、もう三年目、三年終わろうとしております。やはりこれも検討会にかけられておりますが、検討会の担当の厚生省の方をお呼びすると、まだまだ玉虫色のところにとどまっておるように漏れ聞きます。 これもきちんと、そもそもカルテというのは自分の歴史だと私は思っております。診療録と書くと、医師の方のメモ書きだという言い方すらできますが、実は体の情報は全部私のもの、本人のものでもあるわけで、当然ながらその御遺族も、御不幸な場合は遺族となりますが、含めてカルテ開示、カルテを見ることができる権利を持っておるものでございますから、あわせて、このカルテ開示の法制化についても一言お願いいたします。済みません、高原さん、大臣でお願いします。私の予定時間が過ぎました。ごめんなさい。
○坂口国務大臣 カルテ開示の問題も、これもなかなか大事な問題で、検討を続けているところでございます。 カルテのことにつきましては、本人の請求の場合に限るのか、あるいはまた他の人に対してもそうなのかといったようなことによってこれは全く違うわけでございますから、本人の要求があったときにどうするかということにひとつ限定をして、そして結論を出さなければならないだろうというふうに私は思っております。 これも、できる限り前向きに取り組んでいきたいと思っております。
○阿部委員 きっと高原局長も同じ御答弁だったと思います。そして、恐らく高原局長の方がもう一歩出ておられて、御遺族への開示についても厚生省令で積極的に取り組んでいただいていますから、ぜひぜひぜひその方向に、これは、例えば医師会の皆さんは、カルテの書き方も統一しないから開示できないというふうな言い方をなさる向きもありますが、先ほど申しましたように、メモ書きではなくて個人の情報ですから、努めてその方向にお願い申し上げます。 あと二点、できればいきたいと思います。 臓器移植に関してでございますが、実は、一例目の高知の事例につきまして、日本弁護士連合会、日弁連というところからまたまた、人権侵害の事案に当たるという勧告がおりました。 これは二例目でございますが、既にこの事案が厚生省の検討会にかけられて、問題なし、ノーチェックで進みましたのに、弁護士サイドから、人権侵害の疑いが強い、特に無呼吸テスト、無呼吸テストというのは、息が苦しい人につけている呼吸器を外す、死に至らしめるテストですが、これが行われましたことについて、非常に人権侵害であったという報告がなされております。 そもそも、これじゃ検討会は用をなしていないのではないか。厚生省がもっと本当に人の命を守るということに、私は、ぎりぎりのところで患者さんはいると思うのです。 二件相次いだ人権侵害勧告について、これは局長答弁でしょうか、できれば大臣答弁がいいですが、お願いします。
○高原政府参考人 御指摘の勧告書は、一例目の脳死下臓器提供施設に対しまして、臨床的脳死診断の段階で無呼吸テストが行われていること、法的脳死判定において脳波測定の前に無呼吸テストが行われていることについて、患者の人権を侵害したということで、今後は、施行規則、ガイドラインを遵守して、臨床的脳死診断、法的脳死判定を行うよう勧告しているものでございます。 この一例目につきましては、当時はまだ検証会議ができていないということでございまして、平成十一年の公衆衛生審議会臓器移植専門委員会におきまして検証を行っております。 同委員会におきましては、臨床的脳死診断時におきまして、無呼吸テストが安全に行えると判断がなされた上で、酸素飽和度をモニタリングしながら行われており、結果的にも、検査時の血圧、心拍等の所見から、テストは安全に行われている、しかしながら、法的脳死判定における判定項目の順序が施行規則に合致しておらず適切ではない、今後このようなことがないよう、脳死判定の手順をわかりやすくした手順書を作成し、関係機関への周知徹底を図ることが必要という指摘が当時なされておるところでございます。 これを受けまして、同委員会による四例目までの検証結果を踏まえまして、脳死判定基準の確認方法等を明確にするため、脳死判定マニュアルを取りまとめまして、厚生労働省としてその周知に努めてきておりまして、その後には、そういった前後するような案件はないと承知しております。 また、同委員会における議論の結果を受けまして、臓器提供手続が適切に行われたかどうか第三者の立場から検証を行うため、平成十二年三月に新たに検証会議を設置し、五例目以降の事例検証を行っているところでございます。 いずれにいたしましても、御指摘の勧告書につきましては、検証会議に御報告申し上げまして、今後とも適切に検証作業が進められるよう努力してまいりたいと考えております。
○阿部委員 私は、検証会議が幾ら検証しても、人権侵害だとよそから指摘されるような検証会議では役に立っておらぬということを一言申し添えまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○坂井委員長 次に、金子哲夫君。
○金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子です。 大臣の昨日の所信表明を聞きまして、私は、援護行政については、せっかく昨年の十二月十八日に在外被爆者問題に英断を下されたわけですから、重要な課題として所信表明へ出てまいると思っておりましたけれども、この中には在外被爆者については一言たりとも触れられていないということで、ちょっと残念でありますけれども、その点について、三月一日から政令それから施行規則等々が改正をされるという、もう間近ですので、これまでもほかの委員会で質問しておることもありますので、あと何点か絞ってお聞きをしたいと思います。 まず最初に、被爆者手帳の有効性についてですけれども、これは過去にさかのぼって、手当の問題はおいて、今までに発行された被爆者健康手帳というのはすべて有効、こういうふうに判断していいんですか。
○高原政府参考人 有効でございます。
○金子(哲)委員 そうしますと、国内におりますと、今まで、国内の被爆者が亡くなられた場合、この裁判でも係争になりました被爆者手帳の失効の問題は、在外、国外に出ても失効しないということが今度の判決の受け入れの大きな要因なんですけれども、そうしてみますと、在外にいらっしゃる皆さんも、この手帳が失効する条件、つまり、亡くなられたときに届け出を出していただかなければならないと思いますけれども、それはどこに出すんですか。
○高原政府参考人 在外に関して絞ってお答えいたしますと、国外で被爆者がお亡くなりになった場合にも、現行の法制上、国内でお願いしておりますように、手帳を返納していただくこととなっておりまして、その方が手当受給権者である場合には、手当を支給している都道府県知事に死亡届の提出をしていただくことになっております。 日本を出国する際に、居住地または現在地の都道府県知事に居住地変更の届け出をしていただくこととなっておりますことから、この届け出をした都道府県知事もしくは市長に返還することとなります。 また、かなり以前に手帳を取得して出国された方につきましては、出国する際届け出をしていないことから、経過措置として、手帳を交付した都道府県知事に返還していただくことになります。
○金子(哲)委員 その方法は、どういう方法ですか。
○高原政府参考人 実効がある方法でありましたら、特に定めはございません。例えば、郵便でも結構でございますし、最近使われておりますクーリエサービスとか、そういうふうなものでも結構でございます。
○金子(哲)委員 そうしますと、この手帳の失効の手続のためには、外国から郵送でそういう手続、届け出ができるということですね。
○高原政府参考人 より正確に申しますと、失効のための手続ではございませんで、その当該の方がお亡くなりになった時点で、その手帳は失効しておるものでございます。それを、後日、紛らわしくないために、手帳を送り返していただくということをお願いしておるわけでございます。
○金子(哲)委員 だから、それは郵送でもいいんですね。つまり、それは、おっしゃるとおり、亡くなった時点で失効するわけですけれども、問題なことは、どういう手段がとられるかということを聞いているわけでして、しかも、その届け出がなければ、事実上、実際に手帳が返ってこなければ、国の側としては、その被爆者が被爆者たる地位を失効したことにならないでしょう。
○高原政府参考人 死亡なさった場合は、死亡者に対する証明書がございますから、これは失効しているわけでございますが、それを客観的に、返していただくということにおいて、発行庁、発行した役所はその事実を知るということでございます。
○金子(哲)委員 それは郵送でもいいということですけれども、そうすると、日本の場合は、その際、ほとんどのケースの場合に葬祭料を請求されますね、亡くなった方に対して葬祭料が出ますから。外国にいらっしゃる場合はどうなりますか。
○高原政府参考人 葬祭料につきましては、日本において死亡した被爆者に対して支給されることとなっておりまして、国外にいる被爆者が死亡した場合には支給されないと考えております。 今回、手当支給についての一連の措置があったわけでございますが、一たん手当の支給認定を受けますと、毎月手当が支給されることが法律の明文上明らかでございまして、さらに、出国した場合には失権するという明文の規定がないということから、反対解釈として、出国するまで手当を支給していた都道府県知事もしくは市長が引き続き手当を支給することとしたものでございます。 一方、葬祭料につきましては、一度認定を受けますと継続的に受給できる他の手当とは異なるものでございまして、特別の法律上の根拠がなく、都道府県もしくは市が、当該都道府県、市と全く関係のない国外で死亡した被爆者について葬祭料を支給する事務を行うことはできないと考えております。 なお、被爆者援護法上、手帳の交付事務と葬祭料の支給事務とは別個の事務でございまして、手帳を交付したということだけで、葬祭料の支給等の措置を講ずる義務を当該都道府県、市に負わせることはできないと考えております。したがって、国外にいる被爆者についてのみ、手帳を交付した都道府県知事、市長に事務を処理させることもできないと考えております。
○金子(哲)委員 その考え方というのは厚生労働省の考え方ですか。手帳を失効するための手続のための手帳の届け出、死亡の届け出は郵送でも受け付けますといって都道府県に受け付けさせて、同じことの処理の葬祭料の請求は受け付けられません、それはちょっと矛盾があるんじゃないですか。 大体、今度の十二月十八日の上告を断念したとき、もちろん手当の継続支給もありますけれども、あの中で一番大事なことは、被爆者たる地位を失わないということを裁判所は判決でうたっているわけですよ。そうであれば、その地位を失っていない被爆者だからこそ、失効した届け出が必要なわけでしょう。失効した届け出は必要だけれども、それに伴う葬祭料は払わないというのは、それは差別じゃないですか、国内の被爆者と。なぜ払えないんですか。
○高原政府参考人 手帳の発行、健康管理手当の支給、葬祭料と、これはそれぞれ異なった条文、異なった形で規定がされておるということでございます。 葬祭料につきましては、今回の大阪並びに福岡高裁の判示におきましても、申請時におきましては国内に居住もしくは現住しているということが適切であるというふうに御判示いただいているところでございます。
○金子(哲)委員 それは手当のことでしょう。手当と葬祭料とは全く性格が違うでしょう。そもそも葬祭料というのは御本人に渡るものじゃないじゃないですか。遺族にお金が渡るわけでしょう。被爆者で亡くなった方の葬祭が行われたということで、遺族にお金が渡るわけでしょう。被爆者自身が受け取るような手当とは全く性格が異なるものを同一のように考えるのは、そもそもおかしいんじゃないですか。 さっき言った地位の問題はどうなるわけですか、被爆者たる地位は。なぜそのことに対して亡くなったときにまで差別を受けなきゃいけないんですか、在外にいるということで。それを救済するのは援護法の精神からいって、何もそれをやったから援護法の精神に反するということにならないんじゃないですか。
○高原政府参考人 被爆者手帳を所持しているということにおきましては、被爆者の地位というふうなものは有効でございますが、それが直ちに各種手当並びに葬祭料の給付に結びつくものではない、それは一つ一つその根拠条文に照らして適切な取り扱いが必要であると考えております。
○金子(哲)委員 その根拠があいまいだということを言っているわけですよ、葬祭料に関して。何も根拠はないじゃないですか。 亡くなったとき都道府県に届ければいいということがあって、しかも今度、外国に、在外の方にもそういうことを適用するということに拡大をしたわけです。今まであなた方がつくった政令、省令はいずれも国内に限定して考えたわけですから、そういう時点に立って、拡大して物を考えるということがなければ、それは従来のやってきたことと同じことを適用すれば拡大できるわけがないじゃないですか。 今回、皆さんがやってこられたこれまでの長い、在外被爆者に援護法を適用しないというような考え方が否定をされていったことに伴って考え方を変えて、ではどういうふうにしたら在外の被爆者の皆さんにこういうことを救済できるか。少なくとも、亡くなられたときの葬祭料ぐらい、手帳の失効と同時に当然のこととして遺族が請求できることぐらい、普通の当たり前のことじゃないですか。 しかも、都道府県がどうだこうだとおっしゃいますけれども、例えば、手当を継続して受けている人は、手当の打ち切りのために死亡届を出さなきゃいけないでしょう。それは、今手当を継続して支給している例えば広島市なら広島市に出すわけですよ。そうしたら、その継続と同じ中にあって、最後の手段として葬祭料を送るということになれば、何の矛盾もないじゃないですか。それが今の国のやり方でできないという根拠は、今局長の答弁を聞いたって何の理屈にもならないですよ。 大臣、今、いろいろな障害はあるでしょう、意見はたくさんありますけれども、手当の問題、今度来て、渡日してやらなければいけないと。しかし、手帳を失効したときに、その届け出を手帳とともに、うちの主人が亡くなりました、父が亡くなりました、そして、これはもうお返ししますということで、郵送で届け出をする、それは受け付けます。だけれども、葬祭料は受け付けません。そして、きのうまで健康管理手当を払っていた、保健手当も払っていた行政が、葬祭料だけの事務処理はできないと。これは在外の被爆者に対して説明できないじゃないですか。なぜそんな冷たいことを考えなきゃならないのですか。 少なくとも、手当の失効は都道府県がやるわけですよ。しかも、外国に行かれても、例えば韓国の人が帰国をされても、引き続いて広島市が支払いの業務を続けるわけでしょう。それは、現に広島市に住んでいない人に対しても支払いを続けているわけでしょう。そのときに、支払いの途中で亡くなられた。そして、死亡の届けが来た。そして、私にも葬祭料を下さいと言われたとき、広島市は支払うなと、これが十二月十八日に人道的立場に立って上告を断念した日本の政府のやり方ですか。 大臣、そこはいろいろこれまで検討されたと思いますよ。だけれども、もうちょっと人道的に考えてもらうことはできないですか。
○坂口国務大臣 被爆者手帳でありますとか健康管理手当の問題につきましては、高裁の判決におきましても、そうしたことが、外国に出ればそれは受けられないというようなことは何ら明記されていない、明記がない以上、国内であっても国外であっても、それは平等に受けられるようになるのは当然だ、こういう結論だったというふうに私理解をいたしておりますが、この葬祭料の問題につきましては、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の三十二条の中に書かれておりまして、そして、葬祭を行う者に対しましては、政令で定めるところにより葬祭料を支給する、こうなっているわけですね。そして、法律施行令の第十九条で「葬祭料は、被爆者の死亡の際における居住地の都道府県知事が支給するものとし、その額は、」云々、こう書かれているわけですね。 したがって、ここのところは、国内における、亡くなったそこの都道府県知事が支給するというふうになっておりまして、ここは他の分野と違ってかなり明確に書かれているということは私はあると思うんです。そこが、ほかの被爆者手帳の問題でありますとか、それから健康管理手当の問題等とは少し違うんではないかというふうに私は解釈をいたしております。
○金子(哲)委員 大臣がお読みになったとおりですよ。援護法そのものには、居住地の都道府県が支払うということは何も書いていないんですよ。「政令で定める」となっているんですよ。だから、そのことは政令で定めればいいわけですよ。そういう方法でも支払えますということを定めればいいんですよ。 大臣が今言われたように、省令の方にこう書いてありますと。それはへこさかじゃないですか。法律に基づいて政令を定めるんですから、今定めている政令を変えれば執行できることでしょう。それを、施行規則を盾にとって、できないというような言い方はないんじゃないですか。政令を変えればいいんで、法律の中に、法律上に、具体的なことは政令で定めると書いてあれば、葬祭料については、手帳を取得した都道府県もしくは居住地の都道府県とかに届け出れば支給することができると政令と施行令を変えれば、それは可能じゃないですか。私はそのことを何度もお願いしているわけですよ。 事があると、厚生労働省は施行規則だとか政令とおっしゃるけれども、法律が上にあるわけで、しかも、今大臣がまさにお読みになったとおり、具体的なことは政令で定めると。じゃ、その政令さえ変えれば、施行規則さえ変えれば、支給すること、何ら支障ないじゃないですか、あの法律文、読まれたとおりを実行すれば。どうですか。
○坂口国務大臣 判決というのは、現在存在します法律にのっとって判決を受けているわけですね。この現在あります法律の中に、先ほど申しましたように、政令に定めるところにより葬祭料を支給するというふうに書かれている。 そうすると、そこのところはちゃんと書かないといけないわけですね。その書いてあるのが、先ほど申しましたように、都道府県知事が支給するというふうに書いてある。都道府県知事が支給するというふうに書いてあるということは、都道府県知事というのは日本の国内の都道府県知事ということでありますから、ここは国内に住む人というふうに限定しているというふうに私は読めるわけでございます。したがって、法的解釈からいきましても、ここのところは、被爆者手帳ですとか健康管理手当というものとは少し違うというふうに私は理解をいたしております。 私も、人道的立場ということを尊重して、ぜひこの高裁の判決を受け入れるべきだということを決定したわけでありまして、そこは御指摘のとおりでございますが、この葬祭料のところは、少しそことはやはり違うのではないかというふうに私は思っております。
○金子(哲)委員 大臣がおっしゃるとおり政令で定めることになっているから、私は何も法律を変えてくださいと言ったわけではなくて、政令、省令を変えていただければ今の法律の中でもそれは可能でしょう、そのことを言っているわけですよ。 しかも、何も裁判所は葬祭料の支払いの仕方にまで言及はしておりません。一言も触れていないんですよ。被爆者たる地位を認めて、そして法律を適用しなさいということを言っているわけで、私が言いたいのは、工夫をすれば、そういうことを被爆者のためにやりたいという意思があれば、省令、政令を見直しをしてそういうことが可能なのに、その検討を全くやらないというところに問題があるのではないか。手当と全く性格が違うじゃないですか。 そして、居住する都道府県に届け出なさいとおっしゃっていますけれども、手帳を失効したときの、先ほど言いましたように亡くなったときは、届け出だけは都道府県が受け入れるのはどうぞどうぞ。しかし、葬祭料の請求は都道府県が受けちゃいかぬ。これは政令で変えればできることを、余りにも冷たいやり方じゃないですか。そこぐらいは皆さんの努力で、政府の努力で変えることができるから、私は要望しているわけですよ。そういう決断を検討していただきたい。もう被爆者は後先短いわけですから、その中でそれぐらいの検討ができないですか、大臣、もう一度お伺いしますけれども。 私は大臣とこの問題、何度もやりとりしましたけれども、こんなにしゃくし定規なことは、むしろ大臣が言われたように、法律をそのまま素直に読めば、政令によって決めることができるのであれば、政令や省令を変えることによってそれが可能ですから、それは内閣の決断で、小泉内閣の決断でできることですよ。法律を変えるということになれば、国会議員の皆さんの協力を得なければいけないですけれども、政令、省令を変えるのであれば、内閣、大臣の決断で可能なことですから、ぜひ決断していただきたい、検討していただきたいというふうに思いますけれども、最後、お願いいたします。
○坂口国務大臣 ここは申しわけないけれども、私も、しゃくし定規なことを自分でも言っている、こう思うのですが、裁判は、法律はもちろんでございますが、政省令、それからそれができますときの国会の審議、そうしたものを全部読んだ上で、そして判断をしておみえになる。ですから、被爆者手帳の問題ですとかあるいは健康管理手当の問題につきましては、それは国会の審議の中においても十分にそれを否定していない、あるいはまた政省令にもそういうことは書いてないではないかというところを述べておみえになるわけでございます。しかし、こちらはちゃんと書いてあるということでございますので、そこのところはほかの問題とは若干違う、健康管理手当等の問題とは違うということで、私はしゃくし定規にこだわっているわけでございます。 しかし、金子議員が熱心にお取り上げいただいておるわけでありますから、我々も十分検討して、そして最終結論を出したいというふうに思います。
○金子(哲)委員 じゃ、ぜひ十分な検討をしていただくように要望して、終わります。ありがとうございました。
○坂井委員長 次に、川田悦子君。
○川田委員 最後ですので、よろしくお願いいたします。 イラク情勢が大変緊迫化しております。世界のあちこちで、アメリカのイラク戦争をやめろという声が広がっていますし、この日本においても、マスコミの調査によれば、国民の八割近くがアメリカのイラク戦争に反対をしているということが明らかになってきています。このような中で、私は、民間企業に働く労働者の問題で質問させていただきたいと思います。 テロ対策特別措置法に基づいて、自衛隊がインド洋に米軍の給油に行っております。昨年十二月にはイージス艦も派遣されました。ところが、インド洋に派遣されているのは自衛隊だけではありません。民間企業の労働者も行っているということが、昨年私が提出しました質問主意書で明らかになっています。そして、自衛隊の艦船等を修理するためにこれまで七回、合計二十五人の民間人が派遣されています。これらの民間人は、防衛庁と艦船等の修理契約を結んだ企業の社員であり、会社の業務命令に基づいて派遣されています。 ここへ来て、日本は国連で、米英を支援するという、イラク攻撃を支持するという立場を表明しました。イラクの副大統領からは、この日本が米英と並ぶ、そういう立場として扱われてきております。このように、先ほども言いましたように、イラク情勢が緊迫する中で、今後派遣を民間企業の労働者に命令がされるとなると、当然、従業員の中からは行きたくないという人が出てくると思います。 みずからがテロのターゲットにされるかもしれない業務を命じられるということは、当初の雇用契約では想定されていなかったことであり、従業員はこれを拒否することができるし、また、たとえ拒否しても何ら不利益を受けるべきでないと考えますが、大臣はどうお考えになっていますか、見解をいただきたいと思います。
○坂口国務大臣 このお話は、これは防衛庁の所管の話でございますから、本当は防衛庁でひとつお聞きいただきたいわけでございますが、一般論として申し上げれば、企業から労働者に命令された業務が労働契約の範囲内のものであれば、それは労働者は使用者の業務命令に従う必要があるというふうに考えられます。 民間企業におきましては、労働者を自衛隊に派遣することとした場合には、そのような業務命令を行う前に労働者と十分な協議や調整を行うことが必要だというふうに思います。
○川田委員 当初の雇用契約ではこのようなことは想定されていませんし、そもそも憲法で、平和憲法九条で戦争を放棄しているわけですから、このようなことが全く想定されていなかった。こういう中でこういう事態になってきているわけですから、厚生労働大臣が労働者の立場に立って、どういうふうに安全を確保、どうするのかということをきちんと答えていただきたいと思いますし、実際、今まで派遣された社員というのは、会社の中で出張の事実を周りの社員に言うことができない、そしてまた、拒否したくてもできずに、悩みながら派遣に応じているということなんです。 派遣を拒否すると業務命令違反ということになり、そして労働組合自身も、今企業にはっきりと物を言わない組合の方がふえてきているわけですから、拒否すれば自分が事実上首になるということを覚悟しなければならないのが現状なんです。社員の家族も、公的なサポートもなく、非常に不安な状態で帰りを待つことになっています。 これまで派遣された人は、幸い皆さん無事に帰ってきていますけれども、今後派遣された場合、通常の業務とは異なって高度の危険が予想されます。厚労省としても、労働者の安全の見地から、民間人の派遣問題については安全対策を考えていく必要があるのではないかというふうに考えております。 大臣は、平和を願う人たちから支持されて、当選されて大臣になっているわけですから、ぜひ小泉首相にも、イラク攻撃に反対していただきたいということを進言していただきたいと思います。 そして、二月の初めにアメリカのスコット・リッター氏が見えました。そのときにもスコット・リッター氏はこう言っていました。彼はばりばりの共和党員です。ブッシュ氏に投票した方ですが、元国連の大量破壊兵器査察団のメンバーですが、ぜひ日本の人々はアメリカに、きちんとイラク攻撃に反対してほしい、親友が酔っぱらっている場合は、その酔っぱらいの車のかぎを抜き取るのが本当の親友の役割じゃないかということを言っていました。ぜひそのことを、坂口厚生大臣におかれましては、小泉首相の方に提言していただきたいと思います。 さて、次の質問に行きます。薬の問題ですけれども、内外格差とエッセンシャルドラッグについて質問したいと思います。 私は昨年末にタイを訪問して、タイでのHIV、エイズの状況を視察してきました。これは、国連の世界エイズ・結核・マラリア対策基金のリチャード・フィーチャムさんが私の部屋に訪ねてこられまして、ぜひ力になってほしいということだったので、私も、世界のエイズがどういうふうになっているかということで、視察に行ってきました。 行きましたら、確かにタイでは一定の予防効果が上がっていまして、当初予想されていた感染爆発というのは、今百万人にとどまっているわけですけれども、実際は四十万人亡くなっています。ところが、薬の特許権の壁に阻まれて、患者、感染者というのは治療薬を手に入れることができずに、ただ死を待っているという人たちがたくさんいます。私は、そういう人たちに実際会ってきて、その子供たちが死を待っている、薬も飲めないでいるという姿を目にして、本当に涙がこぼれました。 さて、この日本でも、エイズ薬は押しなべて高い値段がついています。現在、効果的なエイズ治療というのは多剤併用です。普通は三種類の薬を飲みます。例えばddI、これはヴァイデックスという名前ですけれども、これは二百ミリ一カプセルが二千八円になっていて、体重が六十キロ以上の人は、一日一回この二百ミリグラムを二カプセル飲みます。そうすると四千円になるんです。三種類の薬のうちのこの一種類の薬、一剤で年間百四十六万円になるんです。そして、このddIの場合は、外国平均と比較して約四倍の値段がついています。 薬の値段のつけ方は各国さまざまです。オーストラリア、カナダ、イタリア、オランダなどでは、外国の医薬品の値段を直接薬価に反映させていますし、アメリカは自由価格になっています。つまり、その国の医療制度と深く関連していますから、単純に比較はできないんですけれども、エイズの場合、飲み始めたらずっと飲み続けなきゃならない薬なんですね。ですから、日本の場合、市場が小さいからといって値段が外国と比べてこのように高いというのは非常に問題だと思います。輸入の価格との関係がどうなっているのか、そして日本での販売量はどうなっているのかというところを知りたいところです。 また、現在、先進国で感染者、患者がふえ続けているのはこの日本だけです。今、年間九百人病院に来て、そのうちの約四割が発病して気がついているということなんですね。エイズの場合は、じわじわとふえて、その後爆発的にふえるというのが特徴です。今後、このまま日本でも放置しておけば大変なことになり、そして、このように高い値段のついたエイズ治療薬は、医療費を圧迫させていくということは当然予想されてきます。 そして、日本の薬剤比率というのは十年前に約三〇%もあり、それがずっと批判の対象になってきたわけですけれども、今、徐々に下がってきて、現在二〇%に低下しています。しかし、主要先進国に比べるとまだまだ高い状況です。保険財政の健全化のために、薬剤比率を下げるということは不可欠だと思います。日本では、このように内外格差や新薬の使用率が約半分を占めているということで、薬剤費が高い原因になっていると思います。 そこで、ここに私は「世界のエッセンシャルドラッグ」という本を持ってきました。この本なんですけれども、大臣、ごらんになったことありますでしょうか。 この本は、必須医薬品についてWHOがまとめたもので、日本の薬剤に詳しいドクターが翻訳された本なんです。このリストに挙げられた薬剤というのは三百種類近いんですが、いずれも病気の予防や診断、治療に不可欠であり、質の高いすぐれた薬剤です。私は、この日本でもエッセンシャルドラッグリストをつくって、新薬に頼るのではなく、必須医薬品を中心とした薬事行政を進めるべきだと思っています。 この本によれば、エッセンシャルドラッグの使用比率を、ドイツでは九割なんですけれども、ドイツ並みにすれば薬剤費を三兆円削減できて、イギリス並みにすれば五兆円削減できると提言されています。保険料の自己負担が間もなく三割に引き上げられようとしていて、野党が凍結案を出していて、私も加わっていますけれども、私は、医薬品の値段を下げたり、新薬を使わずにエッセンシャルドラッグにすれば、患者負担をふやさなくても保険財政を健全に保つことは十分可能だと思います。 つけ加えて言えば、医薬品企業を育成しても、医療制度がひどくて、貧富の差がひどくなって国民が薬を使えなくなる、つまりこれはアメリカの現在の医療の実態です、私はアメリカに行って見てきましたけれども、こういう医療行政というのは、一体だれのための医薬行政になるのかということを真剣に考えていただきたいと思います。 現在、WTOで医薬品の特許権が問題になってきています。日本は、国際貢献の観点からも、安い医薬品が世界じゅうで使えるように積極的に努めるべきであると思います。 そこで、まず、医薬品の内外格差について、これを是正しなければならないと思いますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。 あわせて、エッセンシャルドラッグについては、厚生省はこのWHOのエッセンシャルドラッグリストに基づいて日本版のリストをつくってほしいのですが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○坂口国務大臣 確かに、抗エイズ薬あるいはインターフェロン、そうしたものの値段が諸外国と比べて違っているものが確かにございます。どちらかといえば、やはり高いものの方が多い。中には低いものもあるんですね。低いものもございますが、高いものもある。数からいきますと、ちょっと高いものの方が多いですね、今もちょっと表を見ているところでございますが。 それで、薬価の見直しというのは常に必要でございますし、特に諸外国から入ってまいりますものの薬価につきましては、できる限り国際価格並みにしないといけないというふうに思っておりまして、できるだけ見直しを進めるように今しているところでございます。今後も極力、ここは国際価格並みになるようにしていきたいというふうに思っているところでございます。 それから、もう一つの方のエッセンシャルドラッグの問題につきましては、私も余り詳しくは存じておりませんでした。このことにつきましては、薬事法におきます医薬品の承認は、その医薬品の品質でありますとか有効性でありますとか、あるいはまた安全性の観点から、医薬品として適切なものであるかどうかを確認した上で行われていることはもちろんでございます。WHOのこの必須医薬品リストと関係を有するものではありません。しかし、WHOが示しておりますこの案というものはやはり参考にしていかなければいけないわけでありまして、今後こうしたものも十分参考にしながらいきたいというふうに思っております。
○川田委員 このエッセンシャルドラッグ、薬を厳選しているわけですけれども、試され済みの本当に安全な薬ということでリストが選ばれています。薬を減らすことによって院内感染も防げていくということはありますし、何よりも、医療費に占める医薬品の割合を低くしていくこと、そのことによって日本の公的医療制度を守り抜いていくということができるものですから、このエッセンシャルドラッグの日本版のリストをぜひ強力に進めていきたいと思います。 もう一つ質問があったんですけれども、時間がないので、また新たに質問主意書という形で出していきたいと思います。せっかく答弁を準備されてきたと思うんですけれども、時間がないのでまた後にします。ありがとうございました。
○坂井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十一分散会