法務委員会、文教科学委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/11/21
会議録
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会、文教科学委員会連合審査会を開会いたします。 連合理事会の協議によりまして、法務委員長、文教科学委員長が交代して連合審査会の会議を主宰いたします。 法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案、司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案及び学校教育法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。 三案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料のとおりでございますので、御了承のほどをお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩本司君 民主党の岩本司でございます。 主としまして、法科大学院を新たに設置する学校教育法一部改正案及び法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案に関しまして、基本的には賛成しつつも、法制度改正の目的を達成するために今後、適切に整備されていくことを要請する立場から、法務大臣にお伺いいたします。 法曹関係者は一般的に法の番人というふうに言われておるわけであります。そのように重要な職責にありながら、近年では、警察は言うに及ばず、昨年二月には福岡地検前次席検事によります捜査情報漏えい事件、五月には東京高裁判事によります児童買春事件などが生じまして、国民に大きな衝撃と法曹関係者への不信を与えました。法の番人であるのになぜこのような事件が生じるのか、大臣にお考えをお伺いしたいんですが、このような事件がなぜ起こってきたのか、どのように防止しようとされるのか、御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) 御指摘のような最近の法曹関係者の不祥事につきましては、国民の法曹に対する信頼を揺るがす重大な事件でございまして、私も真摯かつ謙虚に受け止めているところでございます。 国民に身近で頼りがいのある司法を担う法曹は、今後、より一層専門的な法律知識、幅広い教養のみならず、高度の職業倫理や豊かな人間性を兼ね備えた人間であるという必要が強く感じられるわけでございます。 このような観点から、新しい法曹養成制度におきましては、法科大学院における法曹倫理に関する教育、法律相談等の実社会との接触を内容とする教育に加え、司法修習における実務修習、継続教育段階での倫理研修等を通じまして、高度の職業倫理に支えられ、当事者を始めとする関係者の立場や心情を思いやり、人の痛みを理解することができる豊かな人間性を備えた法曹を養成していくという必要があると考えております。
○岩本司君 大臣、モラルの語源って御存じでしょうか。私も最近勉強させていただいたんですが、モラルはモースとラテン語で言うそうでございまして、そのモース、この意味は道という意味だそうです。道徳の道、道という意味。古代のローマ人はモース・マイヨールム、これは先祖の道という意味でございますが、この先祖の道というこの言葉を非常に大切にしたそうであります。ローマ帝国の繁栄は、この根底に先祖のモラルを大切にする、これが根底にあったからローマ帝国の繁栄があったと言っても過言ではないわけでありますけれども、今のこの国はもうモラルが地に落ちたと言われるわけでありますが、これはもう繁栄どころか衰退のふちの方に逆行していっているというふうに考えられます。 私は、今回の法改正で、徹底してモラル教育をするべきではないかというふうに思います。もちろん、子供のころからモラルというのは自然と環境の中で勉強していくものでございますけれども、もちろん社会人になってもそういう倫理は勉強できるわけでありますが、私は徹底して教育するべきであるというふうに思いますが、具体的に、今、大臣からも御答弁がありましたけれども、一般的なモラルをどういうような、先ほども答弁ありましたけれども、もう一歩踏み込んで、大臣の、何というんですか、御所見をお伺いしたいと思いますが。
○国務大臣(森山眞弓君) 一般的なモラルについてということになりますと、こちらにおいでの文部科学大臣の御所管かと思います。 一般的モラルということになりますと、やはり子供のときからの家庭のしつけ、あるいは親たちの生活態度、それを見習って、言わず語らずのうちに覚えていくというものがかなり大きいと思いますので、さらには学校や保育園や中学、高校と進んでいくそれぞれのレベルで、友達とお付き合いをする、あるいは切磋琢磨をするという中で身に付けていくということが大きいと思います。 しかし、職業人としてのモラルということになりますと、やはりその職業に独特の、あるいは特別な教養あるいは準備が必要かもしれませんので、そのような意味で、先ほども申し上げたような研修、あるいは法科大学院の中における教育の中にも倫理を特に重点を置いて教えていくようにしたいというふうに考えているということでございます。
○岩本司君 ありがとうございます。 同じ質問になりますけれども、もう徹底してこの倫理を教育するべきだと思うんですが、文部大臣、同じ質問になりますが、御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 人間は一人で生きるものでございませんで、社会的な存在でございます。そうである以上は、やはり社会の秩序を守り、そして人としてもそれぞれのその精神生活において充実したものでなくてはならないと思うわけでございますが、その意味で、確かに委員の御指摘のように、近時、必ずしも一人一人の心の中にモラルというものが確立しているかどうかにつきましては、なかなかそうでもないようないろんな事件が起きてまいっております。そんな中で、日本の場合には、宗教というものがしっかり位置付いている国ではございませんので、かえって、私も、一般的な社会の秩序を守るためのモラル、規律、規範といったものがそれぞれの人間の中にビルトインされていかなくてはならないなというふうなことは、個人としては考えております。 教育の場におきましては、道徳教育の充実でありますとか、いろいろな教科を通じまして、人の生きる道についてそれぞれの学校で努力して教えてくれている面があると思いますが、基本的には家庭の問題でもあり、また社会自体のいろいろな大人の行動も子供たちに規範になるような行為ばかりであるのかどうかということは、社会を構成する人間すべてが常に考えを及ぼす必要があろうかと思っております。 その中で、殊に法曹につきましては、新たな法科大学院を作っていく場合において、それぞれの大学がかなり工夫をして法曹倫理にかかわるカリキュラムも組んでくれるのではないかなと期待しているところでございます。
○岩本司君 ありがとうございます。 私、法の番人を養成するわけですから、私は、大学院でも徹底してこの教育をするべきではないかというふうに強く思います。 今回の法科大学院の創設は、単に法曹需要の拡大に対応して法曹人口を増やすだけではなく、もちろん、地球規模で見ますと、法曹人口は、日本の法曹人口は確かに少ないわけでありますけれども、司法試験という点で選抜して法曹需要に対応するのではなく、法科大学院、また新司法試験、新司法修習というプロセスで養成を行っていくと。本法律案でもそういうことだというふうに感じておりますけれども。 司法制度改革審議会の意見によりますと、これは司法制度改革審議会の意見書でございますけれども、五十八ページに、「司法試験合格者数を法曹三者間の協議で決定することを当然とするかのごとき発想は既に過去のものであり、国民が必要とする質と量の法曹の確保・向上こそが本質的な課題である。」というふうに、このように書かれてあるわけであります。このように決意されているわけでありますけれども、法務大臣も当然このようなお考えと思いますが、御所見をお願いいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃいましたとおり、司法制度改革審議会の意見では、「司法試験合格者数を法曹三者間の協議で決定することを当然とするかのごとき発想は既に過去のものであり、国民が必要とする質と量の法曹の確保・向上こそが本質的な課題である。」としておりまして、この意見の趣旨を踏まえまして、司法制度改革推進計画におきましても、法曹人口の大幅な増加を目指すことにしているところでございます。そして、司法試験合格者を決定する司法試験管理委員会につきましても、司法試験委員会に改組いたしまして、法曹三者に加え、学識経験者を委員とすることとしておりまして、新しい司法試験の合格者数が法曹三者のみの協議によって決定されることのないような制度にしたいと考えております。
○岩本司君 ありがとうございます。 そこで、このような目的を実現していくために、具体的にお伺いしますが、第一に、法科大学院に学ぶことができない方々が新司法試験を受けることができるように予備試験制度が設けられることになっております。必要な措置とは思いますが、プロセスとしての養成を目指すならば、予備試験制度はあくまでもサブシステムでありメーンシステムではない、メーンシステムはあくまでも法科大学院であると、法務大臣もこのようにお考えだと思いますが、明確にお答えいただきたいと思います。予備試験がメーンシステムとして機能すると、点の選抜がまた復活するわけでありまして、すなわち今回の法制度整備は意味がなくなると、そういうふうに言われてもおかしくないと思うんですが、大臣の御所見をお願いします。
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃいますとおり、法科大学院を中核的な機関とする新たな法曹養成制度ということで考えているわけでございまして、予備試験ももちろん設けるわけではございますけれども、この試験は法科大学院の修了者と同等の学識、能力を有するかどうかということを判定するということが目的でございまして、新しい法曹養成制度の趣旨にのった制度設計をいたしているつもりでございます。ですから、プロセスによる養成の中の一つでございまして、この予備試験というものが表に出るということは、必要以上にクローズアップされるということはよろしくないというふうに思っています。
○岩本司君 確認なんですが、メーンシステムは大学院であるというふうなお考えでよろしゅうございますか。
○国務大臣(森山眞弓君) 中核的なものであるというふうに申し上げております。
○岩本司君 ありがとうございます。 プロセスとしての養成にかかわって幾つかお伺いしますが、第一に、新司法試験は、「法科大学院の教育内容を踏まえた新たなものに切り替える」と司法制度改革審議会は提言しております。この考えに間違いはありませんでしょうか。また、そのためには、新しい司法試験に対応できるように大学関係者との十分な話合い、意見の交換、反映が必要と思いますが、それはどのように確保されていますでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 今お読みくださいました意見書にあるとおりでございまして、その趣旨を最大限尊重いたしまして作った構想でございます。法務大臣と文部科学大臣が十分に意見を交換し、協力いたしまして、その趣旨が生かされるような、十分それが発揮されるようなシステムに作っていこうというふうに考えております。
○岩本司君 また確認なんですが、国民の皆さんに分かりやすく、そういう大学の関係者の意見を十分取り入れていただきたいと思うんですけれども、ちゃんと確保はされるわけでございますか。ちょっと確認で。
○国務大臣(森山眞弓君) 法科大学院は基本的に自主的な考えによって設立をしていただくということを尊重するものでございますので、大学の御意見、大学の構想というものが最大限に尊重されて作られていきますから、当然その意見が尊重されることになるというふうに思います。
○岩本司君 二番目に、プロセスとしての養成であれば法科大学院と司法修習との連携も必要になるわけでありますが、この部分は具体的に示されていないわけであります。 司法修習の内容はどのように変わるのか。もちろん、一年半から一年にその期間が短くなるということは承知しておりますけれども、法科大学院との連携ですね、どのように変わるのか。司法修習の内容を具体的に説明していただきたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 法科大学院におきましては、法理論教育を中心としながら実務教育の導入部分を併せて行うものとされておりまして、現在、司法修習で行われている実務教育の一部が行われることになっております。 そこで、新しい司法修習につきましては、法科大学院の教育内容を踏まえまして、これとの適切な役割分担を図りまして、ダブったり抜けたりすることがないように調整いたしながら、できる限り修習の効果が上がりますように修習内容を適切に工夫して実施されるということになるものと思っております。そういうことで、修習の内容と大学院の教育との間にうまく連携を取りながら、両方しっかりとやっていきたいというふうに考えています。
○岩本司君 具体的に、その修習の中でも、先ほど冒頭申し上げました倫理教育を徹底していただきたいんですが。これも確認になるんですが、修習の中でそういう倫理教育を徹底すると、そういうように受け止めてよろしゅうございますか。
○国務大臣(森山眞弓君) 修習の段階まで来ますと、いよいよ本当に専門の法律家にこれからなるということがはっきりと決まっている人たちを教育するわけでございますから、より一層高い職業倫理について求められるわけでございます。法科大学院においても教えますけれども、更に司法修習の段階でも、法曹としての倫理観を養うための倫理教育が行われるものと考えております。
○岩本司君 ありがとうございます。 また、三番目に、法科大学院の教育には当然ながら実務家の参画が不可欠となるわけであります。しかしながら、地方大学で構想を持っているところでは実務家の確保に大変苦労されているというふうに聞いております。特に、判事、検事の方々の確保が大変難しいと言われておりますが、質の高い実務家教員を確保するために、大臣はどのようなお考えで、どうしようというふうにお考えなのか、御所見をお願いいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) 法科大学院では、法曹養成のために実務的な教育が行われるということになっておりまして、法曹が実務家教員として参加することが不可欠でございます。 そのため、今回提出をしておりますいわゆる連携法案におきましても、法曹である教員の確保等に必要な施策を講ずることを国の責務として規定しているところでございます。 実務家教員の確保のための具体的な方策につきましては、法科大学院関係者と法曹三者との間で準備、検討が進められていると承知しておりますが、現職の裁判官や検察官を法科大学院の教員として安定的かつ継続的に派遣するためには、その具体的な方策についてもっときっちり詰めていかなければいけません。関係機関との間で話合いを進めながら更に検討を加えまして、新しい必要な法案も用意していきたいというふうに考えております。
○岩本司君 ありがとうございます。 最後になりますが、法務大臣また文部大臣にお伺いしたいんですが、法科大学院の学費は相当高いものとなることが予定されております。二百万円、三百万円とも言われますけれども。今度、大学院に行きますとカリキュラムが大変厳しいと。今までの大学は、大学院も欧米ほどでもないと、例えば大学に入るのは難しくて出るのが易しいと。今回は物すごいハードなカリキュラムで予備校に行く暇もない、ダブルスクールももう難しいと。そういうことに行く時間がまずないというふうにも言われておりますけれども、そうなると、今度は大学院に入るための予備校もできる可能性も十分あるわけでありまして、そうしますと、結果的に学費は今までと余り変わらないんではないかとも言われておりますけれども、もちろん、何というんですか、国際舞台に今から出ていこうとする人たちに門をもっと広くしていく意味でも、学費を何らかの形でやはり国として援助すべきというふうに考えますけれども、法務大臣また文部大臣の御所見を最後にお伺いして、私の質問を終わります。
○国務大臣(遠山敦子君) 委員御心配いただいておりますように、新しくできる法科大学院、その授業料がどうなるのか、それから学生たちはその期間学ぶのに要する経費を十分賄えるようになるのであろうかということを私も、関係者も大変心配していただいておりますし、私どももそれは大きな課題だと思っております。法科大学院の授業料などの学生納付金につきましては、それぞれの設置者の判断により設定されるものではありますけれども、経済的な理由によって学ぶ機会が失われることがないように、授業料負担軽減のための支援策がどうしても必要ではないかと認識いたしております。 私どもとしましては、奨学金の充実に努めるというのが一つございますし、それから関係機関とも相談しながら各種ローンの充実などもやっていきたいと思いますし、また機関に対する、私学でありますとか公立大学でありますとか、それぞれの機関、法科大学院の設置者との間でどのような支援の仕方があるかにつきましてもこれから十分工夫をし、また財政当局とも御相談しながらやっていきたいと思っております。 学生に対する経済的な支援としましては、御存じのように、日本育英会奨学金があります。それから、公益法人でありますとかあるいは大学などによる奨学金制度がありますし、それから各種ローンの方も発達をいたしておりますが、それらも有効に使うというのは学生に対するものでございますし、また機関に対することもこれから本当に真剣になって考えていかなくてはならないなというふうに思っております。
○国務大臣(森山眞弓君) 今、文部科学大臣から詳しく御説明がありましたとおりでございまして、資力が十分でない者が経済的な理由から法科大学院に入る意欲と能力がありながら入れないというようなことがないように、私どもも積極的に協力して、奨学金とかローンとかの整備について努力していきたいというふうに思っております。
○岩本司君 ありがとうございます。 倫理教育の徹底を最後にお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○鈴木寛君 民主党の鈴木寛でございます。引き続きまして、質問をさせていただきたいと思います。 私が冒頭に御質問させていただきたいのは、先ほど同僚の岩本議員が最後に御質問をされました、正にこれからロースクールで学ぶ学生たちに対する財政的な支援の問題から入っていきたいというふうに思っております。 この問題につきましては、私も参議院の本会議で両大臣そして財務大臣にお尋ねをさせていただきました。少し、ちょっと細かくなりますが、本会議で私が御提案をさせていただいたのは、御検討をお願いをいたしましたのは四つございました。 一つは、希望者全員に対する奨学金が交付されるということ、それから二つ目が、一人当たりの奨学金の枠を大幅に増額をしていただけないかということであります。それから、給付型の奨学金を導入すべきではないか、それから四点目が、教育ローンに対する政府保証の実施と、この四点でございました。 実は、先日も文教科学委員会でこの点についての更なる質疑をさせていただきまして議論が更に進展はしておりますけれども、本会議あるいは文教科学委員会での質疑あるいは同僚議員の質疑を聞いておりまして、やや、やはりもう少し、先ほども文部科学大臣、これから検討するというようなことでございましたが、もう少し検討を早める必要があるんではないかなということを私は冒頭に申し上げたいと思います。 と申しますのも、ロースクール、十六年の四月に開校ということが予定をされております。ということは、もう来年、平成十五年度には大学院側からいえば受入れ準備、受験生の方からいえば正に受験の準備ということをしていかなければいけないわけでありまして、私、前職の関係で多くの今、大学に通う、学部に通っている学生の皆さんから進路相談といいますか、人生設計相談といいますか、を毎日のように受けております。私がこうした問題に取り組んでいることを知りますと、そのことが更に広がりまして多くの大学生の諸君から具体的な質問を寄せられておりまして、その声を代弁させていただいているということで是非、両大臣にはお聞きをいただきたいわけでございますが。 やはり、少なくともこの三月末ぐらいにどういう、あらあら、その学資あるいは学業をロースクールで二年ないし三年続けていく上でのまず生活設計、財政的なものが成り立つのかどうかということについてのめどは、やはり国としてきちっとそうした高い志を持って頑張っている若者たちに対して私は示す必要があるんではないかというふうに思っております。 前回の文教科学委員会での御答弁は、来年度の要求、要するに来来年度になるわけですね、平成十六年度の要求でありますから、来年の夏に概算要求をしていくということですから、六月、七月に文部科学省内で御議論をされて、八月にそれをきちっとまとめられて、そして九月に財務省に予算要求をされて、そして査定が入ってくる、これが予算のスケジュールだと思いますが、これではその学生の進路相談が私、できかねておりまして、この点はやはり、予算の制度はそうなのかもしれませんが、そして今も両大臣からいわゆる一般論としては前向きな御答弁をいただいてはおりますけれども、実は今日午前中の法務委員会の御質疑でも文部科学省の方から、授業料だけですけれども、授業料だけで百万円から二百万円が予定の、アンケート調査で、今準備をしているアンケート調査で二十六大学、そして二百万を超える、二百万から三百万の大学が十六大学あるということなんですね。ですから、やはり二、三百万の、今、岩本議員もお話がありましたけれども、二、三百万円の学費、そしてこれが三年ということでありますから約一千万円、プラス、本来であれば学部を出て、親御さんは、就職をして、そして最近そういう学生は減っておりますが、家に何がしかの給料を入れてと、こういうことを願いながら楽しみにしておられる方もいらっしゃるわけです。更にもう三年延長と、こういうことになりますと、そのことを逆に学生の側も、更にあと三年間あるいは二年間、実質的に家計に負担を掛けてしまうということに対して、実は本当に心を痛めている学生が大変に多い。さらに、弟や妹がこれから大学を受けるということになりますと、家庭の家計の負担というのは本当に莫大なものがございます。 そういったやはり実情を踏まえたときに、この問題は、もちろん予算制度ということはありますけれども、国としてもう少し具体的なその方針、方向性というものをお示しをいただくことが必要ではないかなというふうに思っております。 それで、先ほどの四項目についてそれぞれきちっと見てみますと、これ塩川大臣、どこまで意識してそういうふうに御答弁されているのか若干その確認が必要でありますが、希望者全員については鋭意充実に努力したいということでありますから、相当前向きに考えていただいているのかなというふうに思います。 それから、いわゆる枠の増額については必要があれば検討いたしたいという御答弁をいただいております。ですから、これは文部科学省がその必要性を財務省にきちっと御説明をいただければ要求はかなりの確度でかなうのかなというふうにも感じます。 それから、給付型あるいは教育ローンについては、これは前回の文教科学委員会でも遠山文部科学大臣にきちっとお願いを申し上げましたが、財務大臣の御認識は、社会的、経済的に相当恵まれたエリートが受けるから給付型教育ローンについては必要ないというお話で、この基本認識についてはきちっと訂正をしていただきたいということでお願いを申し、そのことについてはお約束をいただいているところでございます。 教育ローンなんでございますけれども、これも教育ローンについての政府保証という御提案を私はさせていただきましたが、これは政府保証するほどのことでもなくという、こういう財務大臣の御認識でございました。 少し長くなって恐縮でございますが、文部科学省に先日、政府による教育ローンの保証ということの必要性についてお尋ねをしたわけでありますが、若干そのときの御答弁あるいは御議論が私は不十分でありましたので、今日改めてその点から入らせていただきたいと思います。 たしか文部科学省の教育ローンに関する政府保証についての御認識は、アメリカでもやられているけれども、それがうまくいかなかったという事例も踏まえて日本の導入は検討すべきではないかということで、文部科学省自身も非常に消極的といいますか、慎重な御発言でございましたので、私は大変に心配をいたしております。 アメリカでは、モラルハザードがその理由にあると、こういうお話なんでございますが、前回はちょっと時間がありませんでしたのでそれ以上申し上げませんでしたが、実はここにアメリカの議会の図書館の議会調査局のいわゆるフェデラル・スチューデント・ローンに関する報告書を今日持ってまいったわけでございますけれども、文部科学省の御認識は、いわゆるその政府保証型の、これアメリカではFFELと言っておりますが、フェデラル・ファミリー・エデュケーション・ローンと言っていますけれども、これはある意味では破綻をしていると。で、フェデラル・ダイレクト・スチューデント・ローン、この政府直接、直貸しのダイレクトローンの方に移行をしていると、こういうお話だったと思います。 確かに、九三年のときにフェデラル・ダイレクト・スチューデント・ローン、要するにダイレクトローンが導入をされたときの目的といいますか、その動機というのは、このFFELに代わってということが導入目的ではありましたが、しかし現状のこの利用の実態、いわゆる政府保証型のローンと政府によるダイレクトローンの実態を見ますと、今総額で約二百二十七億ドルのFFEL、保証型のローンがございます。これ日本でいえば、要するに二兆円を超えるという、この額自体、日本もきちっと見習っていきたいと思います、これトータルでありますけれども。ダイレクトの方が百三億ドルということで、大体、九四年以降も保証型が六で、そしてダイレクト型が四だというのが実績でありますから、やはり今なおアメリカの学生は、この政府の保証型のローンをきちっと使いながらというか、これを非常に当てにしながら学業を続けているという実態があるわけですね。 私は、そのことを踏まえて、政府保証型の、教育ローンの政府保証ということについてやはり検討していただくべきではないかということで御提案を申し上げたわけでございますが、それについての文部科学省と私どもの基本的な認識が違うものですから、再度この点についてお伺いをしたいというふうに思います。
○政府参考人(工藤智規君) せんだっての文教科学委員会で、あるいは答弁の上で若干激しく申し上げたので誤解を招いたかもしれませんが、アメリカの現状は御指摘のとおりと私どもも認識しております。 若干経緯を申しますと、アメリカではいろんな奨学金制度がございますけれども、連邦政府による学生ローン制度には二つ今ありまして、御指摘がありましたように、一つには銀行等の民間金融機関が貸出し元となりまして、政府が債務保証及び利息等の補助を行う家族教育ローン、おっしゃいましたようにFFELPでございますが、それともう一つは、連邦政府が国債を発行いたしまして、それを原資に直接貸し出すダイレクトローンと二つございます。これは、一九九三年までは前者だけだったのでございますが、九四年から後者のダイレクトローンが導入されたと承知してございます。 その導入のきっかけは、せんだっての答弁申し上げて、若干極端に申し上げたのでございますけれども、私どもの方で調査したところ、向こうの反応なり回答がそうだったものですからあえてそう申し上げたんですが、幾つかありまして、一つには、先ほど申し上げた政府債務保証でのローンという制度を長年やっておられたわけでございますが、連邦政府の負担する費用が大手銀行の利益になるばかりでなくて、大手銀行にはその寡占状態から銀行のモラルハザードが生じて、どうしても安易な貸出しの拡大という事態が生じたということでございますとか、あるいは学生の側にも安易にお借りして、まあだれにもお貸しするものでございますから学生の側のモラルハザード等もあって、やはり政府の負担が増大したと。さらには、手続が煩瑣だったり、あるいは学生のサービスが低下したりということもあってダイレクトローンの導入を始めたと承知してございます。 その際の当面の目標は、このダイレクトローンをメーンにして、大体割合、当面、ダイレクトローンを六割ぐらいまで持っていって政府保証の方をシェアを少なくしていこうというもくろみだったとお聞きしているのでございますけれども、その後、金融業界等からの反発等もありまして、御指摘のように必ずしもそういう割合になっていないという状況でございます。それと、貸出しの全体の規模が拡大してございますので、年々それぞれのローンの総額は増えている状況にございます。 ただ、向こうの政府の方の試算によりますと、いずれの場合も百ドル当たりの、お貸しした百ドルを回収するまでの政府の総費用といいますか、どれぐらいコストが掛かるかということでいいますと、ダイレクトローンの場合が八ドル二十一セントなのに対して、先ほどの政府保証の場合は十五ドル二十六セント掛かるという、やはり政府の負担が倍ぐらい掛かるんでございます。原資を、民間の金融機関の原資を活用できるという意味ではうまみがあるんでございますけれども、トータルの政府の負担が増えるというのは確かでございます。 要は、先生御心配のように、法科大学院を含めて学生の方々が、私ども、政策取っておりますのは十八歳以上自立社会の実現ということなんでございますが、やはり大学院にお進みになって親元に御負担を掛けないで安心して学資を借りれるような状態をどう実現するかというのが最大の眼目じゃないかと思っております。現状では、私ども育英会で行っております無利子・有利子事業、大学院レベルについていいますと、総大学院生数の約半分ぐらいの水準でございまして、御希望されない方もいらっしゃいますので、希望者にはほぼ今のところ充足してございます。 ただ、その額が十分かどうかということとか、法科大学院の授業料、これからの話でございますけれども、更に充実の努力はしなきゃいけないと思っておりますけれども、今は国債でございますとか日本育英会の財投機関債の発行によりまして割と低利の資金調達ができておりますので、後々国民に御負担を掛けないような形の低利の資金を確保する道があればそれにこしたことはないのではないかということで、いろいろ、アメリカの制度そのものでは問題があるんではないかという認識をしているわけでございます。
○鈴木寛君 前回もモラルハザードのお話がございましたが、例えば中小企業の関係の債務保証とかあるいはソフトウエア開発についての債務保証とか、全額について債務保証するんではなくて、この八〇%か七〇%かと、そういうふうな付保の割合を工夫することによってモラルハザードをクリアするという方法論は、実は我が国の政府金融あるいは政府保証制度の中でもあるわけでございますので、是非そういうことは工夫をして前向きに検討していただく余地はあると思います。 それから、私、若干また認識が違うんですけれども、これもソースが違うのかもしれませんが、私は議会人でありますからアメリカの議会レポートの方を見るわけでありますけれども、いわゆるデフォルトレートも、いわゆるスチューデントローンを貸したときにいかに焦げ付くかと、この比率でありますが、むしろこれは下がっていますよね。九三年は一一・六%でありますが、二〇〇〇年には五・九%ということでありますので、そういう意味でもモラルハザードの実態というのは、これはもちろん世の中全体の景気とかいろんなことと複合要因でありますけれども、いわゆる局長がおっしゃったようなニュアンスでモラルハザードがどんどん増えて、そしてこの制度が大いに問題になっているというのは、私とは少し見解を異にするということは申し上げまして。 局長もおっしゃいましたが、要は、恐らくここに集っているすべての皆様方の思いは同じだと思いますが、経済的な理由でロースクールで十分な学業生活が送れないというケースを一つたりとも作ってはいけないと、そういうことをきちっと対応していこうということに対して、厳しい財政事情ではあるけれども、この問題は正に教育の問題であり司法の問題であるという、要するに日本の今抱えている、かつ最も最重点で取り組まなければいけない二つの課題の両方を兼ねた問題でもございますので、是非このところはきちっとお取り組みをいただきたいと思いますが。 今日は財務省にお願いをしておりますので、これは財務省の御理解なくしてできない課題でございますので、財務省がむしろいろいろな諸制度を文部省にもいろいろ知恵を授けていただいて、十分に御相談にも乗っていただいて、そして平成十六年の四月からすべての学生が安心してロースクールで勉強できる体制について是非真剣にお取り組みをいただきたいと思いますが、その点についての御見解を伺いたいと思います。
○大臣政務官(森山裕君) 今、鈴木委員のお尋ねでございますが、政府保証の問題につきましては、アメリカにおいて一つの制度があるやに伺っております。また、諸外国の実用の例があれば、運用の実用の例があればそのことも十分に参照にさせていただきまして、官民の役割分担や受益者負担の観点も踏まえながら、関係機関とも相談をして検討をしてまいりたいと考えております。 以上であります。
○鈴木寛君 先ほども申し上げましたように、是非内容の充実と、それからどういう方針になるのかということについて早めに政府内で、特に関係者に早く情報を知らしめていただきますことを重ねて両大臣にもお願いを申し上げておきたいと思います。 続きまして、私は第三者評価機関の問題について御質問をしたいと思います。 本会議でも、大学教育一般、全般にかかわりまして、学校教育法の中で第三者機関、大学評価制度というものが充実をされ、そしてそれが複数、切磋琢磨して行われるということについての文部科学大臣の御見解、御答弁をいただきました。全体論としてはその動静を是非きちっと見守っていきたいと思っておりますが、今日は合同審査でございますので、ロースクールに関する民間の第三者評価の在り方について議論をさせていただきたいというふうに思っております。 私は、横割り、縦割りというふうな言い方を便宜的にしておりますけれども、大学評価といいますのは、いわゆる大学評価・学位授与機構、あるいは大学基準協会のように、大学の経営、運営、あるいは入学者選抜の適正化とか、そういったことをオーバーオールにきちっと見ていくという大学評価と、それから例えばロースクール、あるいは例えば医学部というようにスペシフィックに、専門的な領域に対して、そこで十分に質の高い教育が行われているかどうかということを専門のスタッフでもって評価をしていくということが併せ必要になっていくと思います。正に、縦糸と横糸がきちっと合わさることによって、特にロースクールの健全な第三者評価ということが行われるというふうに思っておりますけれども。 まず、そういったものが自発的に出てきて、それをきちっと御認可いただけますかと、こういうことについては文部科学省はきちっとやりますということで御答弁はいただいておりますけれども、単にレッセフェールにしておきますと、こうしたものがきちっとでき上がるかどうかということが若干不安といいますか、まだ定かではないというふうに思います。 もちろん、それ以外の、要するにロースクール以外のものについてはこれからいろんな議論の積み重ねをしている間はあるんだろうと思いますけれども、これも繰り返しになりますが、平成十六年の四月に開校をいたします。もちろん、評価はそれがある程度動き出してからということでありますが、しかし制度発足とともにきちっとこういった体制で評価がなされるんだなということ、これも実は時間がもう余りないと思いますので、民間の第三者評価をきちっと設立、設置をスタートをするということについての具体的な方策について文部科学省からお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 日本ではまだ大学の評価機関というものが十分成熟していないわけでございまして、一方で大学改革の角度からも、また司法制度改革の角度からも、今回、評価ということが非常にクローズアップしてまいっているわけでございますが、このことについては、お願いしております法改正の中で評価機関の認証についての基準もある程度明確にいたしておりますし、その基準を満たせば認証させていただくということでは、民間のいろんなお取り組みもそれを認証をして、そして濶達にやっていただける仕組みになっているとは思います。 現在どんなふうなことが進んでいるかということでございますが、すべての大学を対象とする民間評価機関としましては、大学評価・学位授与機構は既に走っておりますけれども、そのほかには財団法人としての大学基準協会、それから短期大学基準協会、これのほかに日本私立大学協会を中心に創設が検討されている新たな評価機関、それから法科大学院の民間評価機関として日弁連の関係団体が認証を受けることを御検討中と聞いているわけでございます。 そういうことで、法改正が成立いたしました後には、いろんな基準も明確にし、そしてそれに合った評価機関の御申請も受けて認証していくという、かなり日程は詰まっておりますが、逐次そういったことをやりながら、評価機関の充実といいますか形成に向けて、私どももできるだけ支援をしていきたいというふうに考えています。
○鈴木寛君 できるだけ支援の中身なんでございますけれども、聞くところによりますと、やはり一年間で一億円ぐらい掛かるらしいですね、ランニングコストだけでも、そういうロースクール向けの評価機関、もちろん立ち上げには更にイニシアルコストが掛かるわけでありますけれども、これを社会全体としてどのように手当てをしていくのかということは本当に大事な問題だと思います。 文部省はどうしても、これは認可する立場ですから、余り先にどうしろこうしろということは言えないお立場にあるということは私も理解をするわけでございますが、法務大臣、特にロースクールについての第三者評価機関をきちっと作っていくということは正に健全な法曹養成改革ということにとって必要不可欠なことでございます。これも法曹三者間のいろいろな問題はあるかもしれませんけれども、しかし法曹全体としてロースクール向けの第三者評価機関の設置についてどのようにお考えか、御意見を伺いたいと思います。
○政府参考人(寺田逸郎君) 法曹養成の中核機関としての法科大学院、これを現実のものとするためにはやはり何といってもレベルアップを図ると、これが正道でございます。 法科大学院は言うまでもなく実務法曹を念頭に置いた理論的かつ実務的な教育をするわけでございますから、その評価を行うためには当然のことながら実務法曹が参画しなければならないと、このように考えております。現に、司法制度改革審議会の御意見の中にも、当然のことながら、学者の先生方あるいは有識者の方々と並んで法曹関係者というものを第三者評価に関与させるということを前提としていろいろお書きになっておられるわけでございます。 そういう位置付けでございますから、私どもは、法務省あるいは裁判所という役所を含めまして、法曹界全体でこの第三者評価機関の在り方、あるいは現実の第三者評価機関の評価に関与するというような面で貢献をさせていただきたいと、このように考えております。
○鈴木寛君 今、具体的に懸念されていることとしましては、それこそモラルハザードではないんですけれども、ロースクールのモラルハザードではないんですけれども、一応、大学評価・学位授与機構がございますから、ロースクールも大学全体の中で評価を受けるわけですね。ですから、ほっておきますとそれで事足るということでなってしまうケースも生じないとも言えないという懸念があります。 一方、先ほども申し上げましたように、ロースクール向けの評価機関を作るだけで軽く一億円は年間掛かると。大学評価・学位授与機構は独立行政法人化されるということでありますので、年間、今六億円ぐらいの国費がこの授与機構につぎ込まれ、そして今後もつぎ込まれるのではないかというようなことを言われておりますが、そうしますと、こうしたいわゆる評価機関間の競争条件といいますか、イコールフッティングがアンバランスな状態でこの制度が走りますと、結局は適格な第三者評価機関がなかなか生まれてこない、育成をされないのではないかという懸念があるわけでございまして、この点について文部科学省の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 大学評価・学位授与機構は、現在、評価に関することだけではなくて、幾つかの機能を持っております。 一つは、設置者の立場から、国立大学を中心に全学テーマ別評価、分野別教育研究評価という大学の質の向上のための評価をやっておりますし、それから二番目には、日本においてとりわけ求められております大学評価の手法、方法等に関する調査研究をやっております。そして、大学評価に関する情報の収集、分析、提供という三つの柱があるわけでございまして、したがいまして今、委員が触れられました平成十四年度予算では約五億九千八百万円、六億円でございますけれども、これら三つの機能を果たすために使われているわけでございます。 委員御指摘のように、他の評価機関ができてきたときに競争的な環境に配慮することは必要だと考えておりまして、評価料などの面で他の評価機関と比べて特にここだけが有利にならないように留意しなくてはならないと思っております。その意味で、機構が認証評価を行うに当たりましては、他の認証評価機関との競争的な環境に配慮をしまして、認証評価業務に関しては機構の行います他の事業と経理を区分してやっていきたいと思っておりまして、そういうことも工夫することによりまして、評価料が著しく低くて他の機関に比べて格段有利というようなことが起きて、当初から競争的な環境が損なわれるというようなことのないように、私どもとしても十分配慮したいというふうに考えています。
○鈴木寛君 第三者評価機関がきちっとできるかどうかということについて幾つかの問題があるということを指摘をさせていただきました。それについて是非、前向きに取り組んでいただくということでございますので、その動向を更に見守り、かつ応援をさせていただきたいと思いますが、今回のロースクール構想、先ほどの奨学金の問題といい、評価機関の問題といい、少しちょっと政策的にエアポケットにおっこっちゃう問題が幾つか懸念をされます。その話の三つ目は、私は、法科大学院の全国適正配置の問題を提起させていただきたいと思います。 前回の文教科学委員会の席で、これも学校教育法の運用上やむを得ないんだと思いますけれども、文部科学省は窓口規制はしない、要するに出てきたものを淡々と法の趣旨に従って認可をしていくと。これも大学行政の観点からはそうなんだろうというふうに思います。 しかし、健全な司法養成という観点から考えますと、法科大学院を全国にやっぱり適正に配置をしていくということも重要な課題でございまして、そこをどう埋めたらいいのかと。今、日本全体がそういう、何といいますか、事前型の計画型行政を脱しようとしておりますからなかなか難しいわけでありますけれども、そういう意味では院全体としてこの問題はこれからも議論をしていかなければいけないと思いますが、しかし法科大学院についてはそういう健全な大学行政、大学政策という観点と加えて、やはり全国津々浦々きちっと法曹養成がされるという、正に司法改革の目玉でもございますので、この点、法科大学院の全国適正配置、これからどのように実効ある配置にしていくというふうに考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 適正配置の件につきましては、司法制度改革審議会の意見は、法科大学院につきまして、地域を考慮した全国的な適正配置に配慮すべきであるということを言っております。いわゆる、地方に住む人にも法科大学院への進学が容易になるようにという観点から、その適正配置は重要なことだと私どもも考えております。 なお、国民にとって利用しやすい司法を実現するためには身近に法曹が存在するということが大切でございますが、法曹の適正配置の重要性にかんがみまして、法科大学院の適正配置とともに、法科大学院の修了者がその地域で法曹として活動することを促すための取組ということも必要であろうと思いますので、この件についても、現在も弁護士会その他でいろいろと努力していただいておりますけれども、更に一層関係機関と相談しながら検討していきたいというふうに考えております。
○鈴木寛君 終わります。
○荒木清寛君 午前中の法務委員会でも申し上げましたが、これは公明党がというふうに申して間違いないと思いますが、今回の法科大学院構想に我々はもろ手を挙げて賛成というわけではございません。 これは、もちろん一発勝負型の司法試験制度の弊害が限界に達しているということはよく理解をいたします。まして、今の状況のままで司法試験の合格者を三千人に増やすなどということをした場合には、よほどレベルの、そう言っては申し訳ありませんが、低い法律実務家を輩出するという最悪の結果になるわけでありますから、そういう意味では、プロセスとしての法曹養成制度を決断をするということは意義は十分我々も理解をしておるわけでございます。 その上で、当初から我々が危惧をしておりますのは、そうなりますと、大学を卒業しまして三年間あるいは二年間二百万円程度の月謝を払っていくわけでありますから、そうしますと、よほど恵まれた家庭の子弟でなければそういった法律実務家への道に挑戦できないというようなことになっては大変だということでございます。 今、小泉構造改革の中で、結果の平等ではなくて機会の平等ということが強調されておりますけれども、もしも今言ったようなことになれば、正にお金がない人は弁護士や検事や判事になれないということでありますから、機会不平等ということになりまして、そんなことでは決していけないわけでございます。そうしたことでは、本当に弱者の思いが分かる、優しいといいますか、気持ちを持った法律実務家を輩出できるのであろうかという点が我々が危惧をする最大のポイントの一つでございます。 そこで、今回の連携法の中に、政府は法曹養成のための施策を実施するため必要な法制又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない、第三条第五項にございます。この条項が極めて大事であると。このとおりに本当に財政上あるいは法制上の措置が講じられなければ、この法科大学院構想は私は失敗に帰するというふうに思うわけでございます。 そこで、文部科学大臣に所感をまずお伺いしたいのでありますが、イギリスのブレア首相は野党の党首であったころ、九六年の労働党大会でございますけれども、もし三つの優先課題を聞かれたら、私は、一に教育、二に教育、三に教育と答えるだろうというふうに言っておられます。今、首相でありますから、正にそうした労働党政権の中で人と教育に投資をするという政策をそのとおり実施をしているわけです。私は、小泉総理の米百俵の精神も全く同じことを言われていると思います。要するに、その米百俵を食べてしまうんではなくて、学校を作るための費用に使ったということでありますから、この米百俵の精神というのは正に人へ投資することが一番大事だということを言われているんだと思います。 しかし、残念ながら、日本の高等教育に対する公財政支出はGDP比〇・五%を切りまして、先進諸外国に比べて最低レベルの数字と言われております。私は、これではいけないと思います。幸い、今年はノーベル賞二人同時受賞という前代未聞の事態になっておるわけでございますけれども、日本の場合には人材しか資源がないわけでありますから、そこに投資をしなければ日本の将来の競争力というのはないわけですよね。 したがいまして、ちょっと前置きが長いわけですけれども、もっともっと法科大学院も含めた高等教育に我が国はお金を使うべきである、このように大臣も決意をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 正に、ブレア首相もおっしゃいましたし、教育こそ国の基だと思います。我が国におきましても、総理の米百俵、それを受けての人間力戦略ビジョン、その他様々な教育についての施策が今進行していると思っておりますが、御指摘のとおり、高等教育に対する公的財政支援のGDP比につきましては、これは単純にはもちろん比較できないと思いますね。GDPに対する公財政支出の割合が違うわけですし、また教育制度の違いなどがありまして、国によって様々な条件が違うと思いますけれども、にもかかわらず、日本の高等教育のための必要な投資というのは必ずしも十分でない。これは、OECDの調査によりましても、率でいいますと、日本はアメリカあるいはフランス、ドイツに比べて比率として半分であるという状況になっております。 我が省といたしましては、初等中等教育ももちろん大事でございますし、また高等教育につきましては、委員おっしゃいましたように、知の世紀を切り開くために、その知の拠点としての大学ないし高等教育というものは非常に大事だと思っておりまして、その意味で、今後とも国民を始め各界の御理解を得ながら必要な高等教育予算の充実に努めてまいりたい、そういう気持ちでおります。
○荒木清寛君 そこで、文部科学大臣にお尋ねをいたします。 私学を含む法科大学院への機関補助及び学生に対しての個人補助を十分に行うということが、法科大学院制度を軌道に乗せるための、いわゆるソフトランディング路線を成功させるための不可欠の前提であると考えますが、大臣の決意をお伺いいたします。
○国務大臣(遠山敦子君) 法科大学院は、正に三権の一翼を担う法曹の養成という極めて重要な使命を帯びるものでございまして、国としては多面的な支援を検討する必要があると思っているところでございます。 財政支援の在り方については今後更に検討していく必要があると思いますが、例えば私立の法科大学院につきましては、私学助成の中でどのような対応ができるのかどうかということも含めて検討していきたいと考えておりますし、また学生に着目した場合には、経済的な事情にかかわらず、志の高い学生が進学できますように、奨学金の充実に努めますとともに、関係機関とも相談しながら、各種ローンの充実など、多面・多元的な検討をする必要があるというふうに考えております。
○荒木清寛君 今日は森山財務大臣政務官にもお越しいただきましたので、二問通告をしておりますけれども、まとめてお尋ねをいたします。 今の遠山大臣に対してと同じことでございますけれども、財政当局として、私学を含む法科大学院への積極的な財政支援を行う決意があるのかどうか。そしてまた、法科大学院の学生に対しての奨学金、教育ローン、授業料免除等の制度の充実により支援を拡大をする考えを持っているのかどうか、お伺いいたします。
○大臣政務官(森山裕君) 荒木委員のお尋ねにお答えをさせていただきますが、今般の司法制度改革におきましては、法科大学院を法曹養成のための中核的な教育機関として位置付けられていることを十分私どもも承知をしております。このような新たな法曹の養成のための施策を実施するため、今後具体化される制度改革の実情も踏まえまして、関係機関と相談をしながら、必要な財政上の措置を含め、所要の措置を検討してまいりたいと考えております。 二問目にお尋ねになりました法科大学院の学生への各種の支援策についてでございますが、資力の十分でない法曹志願者が経済的な理由からその道を断念することがないようにするためには国としてどのような関与をすることが必要なのか、官民の役割分担や受益者負担の観点も踏まえつつ、今後具体化される法科大学院の実情を見ながら検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○荒木清寛君 今のお話もそうでございますけれども、この改革審の意見書及び中教審の「法科大学院の設置基準等について」の中にも奨学金、教育ローン、授業料免除等の各種支援制度を充実をするというふうにあります。 我々は、冒頭の話に戻りますけれども、このことが実現をすることを条件にこの法科大学院構想に賛成をしているのでありまして、もしもこのことが絵にかいたもちになるようなことがあれば、これは議員立法でもしまして、奨学金の上限を引き上げるとか、教育ローンの政府系の上限を引き上げるとか、そういう議員立法でも行って、恐らくすべての方に賛成していただけると思いますので、やるつもりでおるということを申し上げておきたいのでございます。 そこで、まず奨学金につきまして、これは局長さんでも結構でございますけれども、現在、大学院生に対する有利子奨学金の上限は月額十三万円でございますので、年額にしますと百五十六万円でございます。るる言われておりますように、法科大学院の平均授業料は約二百万円と見てそれほど間違っていないと思いますが、そうなりますと、この奨学金だけでは授業料も払えないと。正に、これはお金がない人は行けないという事態になるわけでありまして、この有利子奨学金の上限の引上げはもう必須であると思います。 文部科学省もそうした認識を持っておりますか。
○政府参考人(工藤智規君) 今、現状につきましては御指摘のとおりでございまして、法科大学院に進学される方、あるいはほかの分野の学生の事情も考えますと、有利子奨学金、選択制でやってございますけれども、今の上限十三万円というのが果たして妥当かどうかということについては十分問題意識を持ってございます。来年夏まで更に各大学等の動向を見ながら、十分需要に応じられるように概算要求の検討をしてまいりたいと思っております。
○荒木清寛君 これは、私が直接受領したものではありませんので、いや、それはオーソライズされていないと言われたらそれまでなんですが、文部科学省が作りましたシミュレーションでは、それを十三万円から二十万円に増額という一つのプランを描いているわけです。それは正に有利子奨学金で授業料を賄うには二十万円ぐらいないと、二百四十万円ですから、賄えないという、極めて合理的な私は試算であると思いますが、一つそういうめどを持って今検討しているんですか。
○政府参考人(工藤智規君) 財政事情、その時々でまた環境が違うのでございますが、少なくとも結構厳しい状況であるのは確かでございます。ただし、これまでのところ、財政当局の御理解もいただきまして、無利子の奨学金のほか、有利子奨学金につきましては、財投あるいは財投機関債を通じまして資金調達ができてございます。来年の夏の要求に向けましても、御指摘のような方向も含めまして充実を図ってまいりたいと思っております。
○荒木清寛君 もちろん、これは財務当局がうんと言わなければ文部大臣あるいは文部省で言える話じゃありませんから、分かるのでありますけれども、ただ、我々も財務省との折衝ではしっかり応援をしていきますので、やはり文部科学省として、もうこれぐらいは必要なんだという、そういう決意はしっかりと持っていただきたいと思うということを申し上げておきます。 さらに、この教育ローンにつきましても、今言った文部科学省の正式なものかどうか、シミュレーションでは計算をしておりまして、今言いましたように、何とか有利子奨学金で授業料は賄えるでありましょうと。しかしながら、生活費が全く不足するわけです。もちろん、それは夜警のバイトをし、あるいは皿洗いをしてやればいいではないかということでしょうけれども、しかし貴重なこの三年間、正に法律家、法律実務家としての基礎を築く三年間でありまして、せめてその期間はもう勉強に専念をさせて、その代わり実務家になってしっかり働いて返還させればいいわけでありますから、そういう意味ではこの生活費をどうするのかということも重大問題です。 まして、社会人でありますとか、結婚をしている、家庭を持っている人という方も多く、この法科大学院に入学をするということも想定されるわけでありまして、そういう意味では、例えばこれは国民生活金融公庫の教育ローンでありますけれども、現行は上限が二百万円でございます。これを四、五百万円にまで増やす必要があると、要するにという試算をしておるわけですね。 〔委員長退席、文教科学委員長大野つや子君着席〕 この点につきましては、文部科学省はどういう考えをお持ちですか。そういう決意で財務省と折衝していかれますか。
○政府参考人(工藤智規君) 各種の教育ローンにつきましては、政府系金融機関であります、今御指摘の国民生活金融公庫のほかに、労金でございますとか民間の金融機関が種々のローンを設定しているわけでございます。 私どもは直接所管でございませんので、今後、制度化になりましたら、各方面とも広く御相談しながら、全体として多元的な支援体制の充実に努めなきゃいけないと思ってございますが、聞き及びますと、今の政府系金融機関につきましては、官民役割分担といいますか、民業圧迫にならないよう、ある程度所得水準あるいは貸付限度額についてもそれなりの自制をしていらっしゃる経緯もこれまであったようでございます。 それぞれの仕組みの沿革あるいは特色もあるわけでございますので、さはさりながら、政府全体を挙げて今、司法制度改革に取り組もうということで推進本部も作られ、このような法改正もお願いしているわけでございますので、今後、学生が、先ほど申しましたように、経済的な理由で進学を断念することがありませんように万全を期してまいりたいと思っております。
○荒木清寛君 それでは、私が見ましたシミュレーションによりますと、生活費を考えますと、やはり三年間分として四、五百万円は何とかしなければいけないと。それは、まあ官民の役割分担ということはあるにせよ、何らかのローンで借りられるような手はずを整えなければいけないという認識は文部科学省として持っておりますか。
○政府参考人(工藤智規君) 私どものみならず、政府の関係者、皆同じような認識の前提でいると理解しております。
○荒木清寛君 それで、民業圧迫で、銀行が本当に学生に貸してくれればいいのでありますけれども、もう今はそういう銀行性善説を信じる人はだれもおりませんで、正に貸し渋り、貸しはがしでありまして、今、教育ローンというのがありますけれども、これは原則、親に貸すわけですよ。それは、幾ら法律実務家になるといったって、担保もない二十何歳の若者に容易に銀行が貸すとはとても私は思いませんし、先ほどの答弁では、そうした民間の銀行のローンに対する政府保証ということにつきましてもいろいろ議論があるわけですよ。そうなりますと、やはりこの国民金融公庫の教育ローンの充実というのは私はもう必須の課題だと思うんです。もう中教審の、あるいは改革審の意見書にも、あえて奨学金と教育ローン、授業料の免除というふうに明示されているわけですから、それぞれ充実をしなければこの趣旨に反するわけでありまして、いけないというふうに思います。 いずれにいたしましても、この教育ローンの充実につきまして、馬力を掛けて折衝をしていただきたいと思います。 そこで、先ほど先行議員が議論されましたので、このいわゆる民間のローンに対する政府保証につきましては長く論ずるのは避けますけれども、ただし現段階でその可能性を否定してしまってはいけないというふうに思うんです。 私、さきの参議院本会議での塩川大臣の答弁を聞いておりまして、非常に半ば驚いたわけでございますし、たしか議場もざわざわっといたしましたですね。それは、はっきりと政府が保証しなくても民間金融機関が積極的に努力をしてこの分野を開拓していくであろうと、要するにもうそんな政府で保証しなくたって銀行は貸しますよと。そんな状況でないということを私は今申し上げたんでございますけれども。 これは文部科学大臣にお聞きをいたしますけれども、政府としてそういう政府保証ローンはやらないというふうに、塩川大臣がおっしゃったようにもうお決めになったんですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 十一月十三日の塩川財務大臣の御発言は、教育ローンの政府保証については、官民の役割分担や受益者負担などの観点を踏まえて慎重な見解を述べられたと承知いたしております。 教育ローンに対します政府保証制度の創設につきましては、既に政府系金融機関であります国民生活金融公庫が教育貸付けを行っていること、あるいは官民の役割分担、受益者負担の観点のほか、現下の厳しい財政状況下での新たな財政支出の可能性なども勘案しながら、どのようなことが可能か、今後、財政当局を始め関係機関とも十分相談の上、検討が必要であると私は考えております。
○荒木清寛君 国民金融公庫の在り方も経済財政諮問会議で議論されているわけです。我々はこうした今の不況のさなか、政府系金融機関の見直しの議論は凍結すべしというふうに主張しておりますし、そうしたセーフティーネットは断固守っていくという決意でございますけれども、しかし一方で、そういう議論をすることになっているのも間違いないわけでありますので、学生に対するいろんな選択肢がなければいけないという意味でも、この民間金融機関への政府保証ローンも選択肢の一つとして今後御検討願いたいと思います。 最後に、これは司法制度改革審議会の事務局にお聞きをいたしますが、法曹養成検討会の中間的な整理では、「司法修習生の給費制の在り方については、法科大学院を含めた法曹養成制度全体の中で、貸与制等の代替措置の可能性も含め、その見直しについて引き続き検討することとする。」という、今、中間の整理をされているようです。 要するに、今、司法研修所の研修生に給料を払っているわけですけれども、それについてはいろんな意見がありますし、確かにその中には裕福な家庭の子弟もいるわけですから、そういう人にまで給料を払う必要があるのかと、すぐに弁護士や裁判官になる人ですから、という意見も分かります。 ですから、そのことはそのことで見直しの議論をしていただければいいと思いますけれども、もしもそうした見直しをするのであれば、これは私の私案でありますけれども、浮いた財源は、いわゆる生活が苦しくて生活費や授業料がない人にお貸しをする財源に充てる等の全体的な見直しをしなければ、単に修習生の給料を減らすとかなくすとかだけの発想では絶対いけないと思うんでございますけれども、最後にお尋ねいたします。
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘の点は、私どもの検討会で取りまとめられたその内容そのとおりでございます。 今回、この点につきましては法案に盛り込んでおりませんで、引き続き検討ということになっております。私ども、給費制の在り方を見直すにつきましては、やはり代替措置を含めてきちっとしたものを検討しなければならないということで、頭にそれを入れて進んでおりまして、ただいま委員からの御指摘、そういう点も踏まえましてなお今後検討して、明年にはいろいろまたどういうふうにするか結論を出していきたいというふうに思っております。
○荒木清寛君 終わります。
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。 今日はこのように連合審査会が実現をいたしましたので、森山大臣、遠山大臣、お二人の大臣にそれぞれお答えをいただきたいと思います。 最初の質問もお二人からお答えをいただきたいと思います。 法科大学院を含む専門職大学院では、これまでの大学院のように研究指導を必須としない課程を新たに作ると、こういうことになっているわけですけれども、この点については、現在あります専門大学院などからいろいろ危惧する声が上がっております。例えば、一橋大学大学院国際企業戦略研究科は、現行の研究指導の実施が必須から研究指導を必須としないへの移行には反対だと、こういうふうに言った上で、問題は、世界第一線のビジネススクールでは研究指導が活発に行われているという現実である。また、神戸大学大学院経営学研究科は、全く独立した課程とすることは決して好ましい選択だとは思えないというふうに言っております。 その理由といたしましては、第一、高度職業人養成に対して第一級の研究活動の成果が迅速にインプットされにくくなる、第二には、組織の分離が限られた人的資源の分散につながる、第三には、高度専門職業人養成コースと研究者養成コースを一つの教育研究組織に包括することは、特に経営学という高度に実践的で応用的な学問分野にとって不可欠だと、こういうふうに指摘をしているということなんです。これは経営学の分野からの指摘ではありますけれども、専門職大学院としての法科大学院というのもまた同じようなことが言えるのではないかというふうに思うわけですね。 ですから、この研究を特に必須としないということについて、どういうふうな考えでこういうことになったのか、そしてまたこのことについてどういうふうに説明をなさるのか、この点をお二人からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 法科大学院を始めとします専門職大学院は、高度専門職業人養成に特化した実践的な教育を行うという目的を持つものでございます。 ただ、教育はもちろん常に研究が背景にございませんとしっかりした教育はできないわけでございまして、私は教員自体の研究は大いにやっていただいたらいいと思うわけでございます。ただ、学生にまで研究を目的とした指導をするというのはどうかということで、必須にはしない。ただ、それぞれの大学の判断で、各専門分野における特性に応じて研究指導や論文作成を課すことも可能なものでございます。 専門職大学院というのは、専門分野に応じまして事例研究あるいは討論、実地調査などの実践的な高度の授業が求められておりまして、したがって従来の大学院のように個別の研究指導あるいは論文作成を必須としないで、むしろその目的を明確に達成するために御指摘のような方向性を取っているわけでございますが、今お話にありました二つの大学院につきましても、レポートを作らせる、あるいは論文に近い形のペーパーを提出させて審査するなどの様々な形で、それぞれの大学院の特性に応じてやっておられるということは事実でございます。ただ、必須として課さないということは、今回の新しい制度の目的に照らして私はその方がいいのではないかというふうに考えております。
○国務大臣(森山眞弓君) 法科大学院に限ってお答え申し上げますと、法科大学院は法曹養成ということに特化した実践的な教育を行うというものでございまして、今、遠山大臣がお答えしましたとおり、研究指導を必須とはしないと、必須とする必要まではないのではないかというふうに考えております。
○林紀子君 今日の午前中は、文教科学委員会は参考人の方々に来ていただきましてお話を聞きました。そのときに、専門大学院で既に指導に当たっていらっしゃる青山学院大学大学院国際マネジメント研究科長伊藤文雄先生は、今までのようなやり方で指導研究を必須とはしないけれども、研究というのは必要なんだということを強調されておりまして、私も、なるほどというふうに思ったわけですし、また現に東京大学は、法科大学院は専門的な職業人を育てる教育機関だが、教育には必ずそれを支える研究、リサーチが必要だ、法科大学院で教えるには研究は欠かせないという考え方だというふうに伺っております。研究と高度専門職業人の養成、これを対立させないで統一をして考えていくということが是非必要な問題だというふうに思っております。 その次の問題ですけれども、大学院の現状ですね。 現在、これもまた参考人の方からお話があったわけですけれども、非常に老朽化している、狭隘化している、これが非常に大きな問題だと。一つの机を二人で共用しているとか、研究室が床上浸水する、こんなところがあったら例えばITなんかはどうなるのかなと非常に心配なんですけれども、こういうこともあるということですし、大学院生の数は増えましたけれども、施設設備は追い付いていないというのが現状だと思います。 教官などのスタッフの面でも新たな定員増もないために、専門大学院では、研究者養成に加えて高度職業人養成に取り組んでいる教職員は今ではもう非常に勤務が過重になって、院生へのきめ細かい指導が難しくなってきている、こういう話はたくさんお聞きするわけですね。 ですから、こうした中で新たに法科大学院を作るといいましても、これは各大学が自らの努力で対応する、現在の施設とか教員定員もそのままで、そこで何とか作り上げていきなさいというのは非常に難しいことではないかというふうに思うわけですね。 ですから、国の施策として法科大学院というのは今回のように法律を作って改正して設置をしていくわけですから、施設の整備、教官定員、この確保などには責任を国がきちんと持つと、こういうところが必要だと思いますが、これまたお二人からお聞きしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 確かに、法科大学院の場合、実務家教員を確保する必要ございますし、また少人数による双方向的あるいは多方向的授業が行われるわけでございますし、また充実した専門図書、文献の整備などが必要とされますし、今日ではコンピューターを用いた、いろんな外国の動向などもそういう機器で収集する必要もあるわけでございまして、そういうふうになりますと、特に施設面でいろいろな問題が生じてくるということは予想されるわけでございます。 そんなことから、国としては多面的な支援を検討する必要があると認識しているわけでございます。財政支援の在り方につきましては、今後更に検討をする必要があるというふうに考えております。
○国務大臣(森山眞弓君) 委員御指摘の施設の充実、教官定員の確保というようなことについては、法務省は直接の所管ではございませんのですが、私個人としては、数年前、文部大臣をやっておりましたときに同様の問題を各方面から提示されまして、非常に大変なことだということはよく承知しているところでございます。広い意味で法曹養成に責任を負う組織といたしまして、また内閣の一員として、文部科学大臣とも協力して、できる限り努力したいというふうに思っております。
○林紀子君 今、文部科学大臣からお話がありましたけれども、多面的なということで、施設の面も、それから教官の面も、これは国立も私立も多面的に是非これをお考えしていっていただきたいということをお願いいたしまして、次にバトンタッチをいたします。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 まず、幅広い層から法科大学院の入学を保障するための問題についてお尋ねをいたします。 幅広い層からの法科大学院への入学の確保は、多様な法曹養成を確保する前提条件と言えると思います。そのためには、働きながら学べる環境整備が不可欠なわけでありますが、いわゆる夜間コースとか通信コースということが言われております。 法科大学院は標準三年ということになりますが、例えばこういうコースを作った場合の修了年限などはどういうふうになるのか、これ、いかがでしょう。
○政府参考人(工藤智規君) 御指摘のように、社会人の方々で法曹界を志す方なども当然いらっしゃるわけでございますので、法科大学院の制度設計に当たりまして、全日制のフルタイムのコースだけではなくて夜間、あるいは場合によっては、週に半分ぐらいしか授業へ行けないけれども物すごいゆっくり時間掛けて勉強したいという方もいらっしゃるわけでございますので、そういう場合は大学の御判断で、今でも標準修業年限を個別の制度設計で延長したカリキュラムを組む仕組みもございます。したがって、大学の御判断ではございますけれども、ゆっくり学びたいという方に三年よりも長い時間を掛けて授業を提供し、その分、授業料等も幾らか年額で言えば割り引くということもございますけれども、そういう制度設計ももちろんあり得るわけでございます。 ただ、標準修業年限といいますのはあくまでも三年間で、きっちり一から百まで勉強するとすれば三年掛かるという制度設計でのコースでございまして、既に、御承知のように、その一部について、既修者といいますか、法学部で卒業であると否とを問わず、一定の既修者であると認められた方については一年以内の短縮が認められるということもございますので、お人により、あるいは大学の方針によって若干伸び縮みはあり得るところでございます。
○井上哲士君 今、通常の大学でも四年制の場合、八年掛かるともう駄目ということになっているかと思うんですが、今の夜間コースなどの修了年限などは、いわゆる設置基準の中などには一切定めない、すべて大学の判断に任せると、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 要は、カリキュラムの設定で、各大学が、夜間といいましても最近は、夕刻から始めて夜まで掛かりますけれども、土、日のようにお休みの日には日中お受けいただくような、昼夜開講といいますか、そういう組合せで工夫していらっしゃる大学もあるわけでございますので、要は、三年間で必要とされる単位あるいは授業をどういう形で組めるのか。夜間だけに集中したときには当然無理が来ますので三年ではできない、もう少し延ばさなきゃいけないということになりましょうけれども、いろいろ工夫することによって三年で卒業させるようなカリキュラム編成も可能は可能でございます。
○井上哲士君 現在、そういう夜間のコースを具体化している大学はあるでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 法科大学院はこれからでございますので、まだ具体的にどこの大学でそういう御要望があるかというのは承知してございませんが、ほかの分野では学部レベルでも大学院レベルでもございます。 従前、大分以前はきっちり夜だけという夜学があったんでございますが、その場合は学部レベルでは四年では無理で五年ということが多かったんでございますが、先ほど申しましたように、いろいろな工夫が可能な状況になってまいりまして、夜学でも学部レベルで四年で卒業という学部、大学は実例としてもあるところでございます。
○井上哲士君 現行では働きながら司法試験の勉強をしている人も多数いるわけですから、法科大学院が中核となった場合にそういう人たちが逆に入れないということになったら非常に困るわけですので、是非この夜間コースなどの柔軟な設置が広がりますようにお願いをしたいと思います。 次に、いわゆる適正配置の問題について両大臣にお聞きをいたします。 司法制度改革審議会の意見書では、「適正な教育水準の確保を条件として、関係者の自発的創意を基本にしつつ、全国的に適正な配置となるよう配慮すること」と、こう指摘をいたしました。全国的に法科大学院に入学できる条件を整える、この側面と同時に、全国的に司法サービスを保障していく上でも大変重要だと思います。意見書でも、法曹人口の大幅な増加、多様化の重要な要素として、「「法の支配」を全国あまねく実現する前提となる弁護士人口の地域的偏在の是正(いわゆる「ゼロ・ワン地域」の解消)の必要性、」ということを指摘をしております。 弁護士人口の偏在といった場合に、それは結局、地方には余り弁護士の仕事がないんだという議論をされる方もおりますが、私、最近見させていただいた日弁連の調査を見ますと、大変興味深い結果になっております。 司法修習の受入れ地と弁護士開業の関連を日弁連が調査をしております。司法試験の合格者が五百人だった時代は都道府県の三分の二しか司法修習を受け入れていないんですね。ところが、千人に今、合格者がなっておりますので、全国すべての都道府県が司法修習を受け入れております。ですから、いわゆる司法過疎と言われるような地域も司法修習を受け入れたわけですが、すると、修習地でなかった十年、それから修習地になって以降の十年を比べますと、非常に大きな変化があります。 要するに、弁護士開業をどれだけしたのかと。鹿児島では、修習地になる前は十年間で八人、それから後は二十一人なんですね。鹿児島全体の弁護士さんが八十人だそうですから、大変大きな増加をしております。沖縄の場合は、なる前が八人、その後が二十五人、釧路の場合は、前の十年がゼロ、それから後は七人と、非常に顕著な変化になるわけですね。ですから、司法修習地になったことによって、その土地になじんで法曹として出発する人が非常に増えているということがここからも表れていると思います。 修習は今一年半でありますが、法科大学院で三年間学ぶということは地域の法曹を新しく開業する上で非常に大きな力になると、私はこの数からも思うんですが。法科大学院を適正に配置をする、地方に。このことが弁護士過疎の解消に大きく貢献をすると。 この点での認識をそれぞれ大臣からお願いしたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 弁護士人口の地域偏在を是正するということが大変大切でございまして、まず何よりも法曹人口を大幅に拡大するということが基本的に必要ではないかと思います。 また、地域に根差した法科大学院が設置されまして、その修了者が当該地域で弁護士等として活動するということが期待されるわけでございますが、司法制度改革推進本部事務局において昨年末実施いたしました調査の結果によりますと、法科大学院の設置を予定あるいは検討している大学院は全国に及んでおりまして、法科大学院の全国的な設置が期待できるかなと思っております。 もとより、弁護士がどこの地域で開業するかというのは個々の弁護士さんが御自分で選択されることでありますので、どこで開けということをよそから言うわけにはいきませんけれども、しかし弁護士の地域偏在の是正のための取組につきましては、日弁連を始めとする関係機関と協力いたしまして既にいろんな努力がなされておりますが、更に一層努力し、検討していきたいと思っております。
○国務大臣(遠山敦子君) 法科大学院の設置につきまして全国的な適正配置を配慮するようにということは、司法制度改革審議会を始めとしまして、関係機関あるいは関係者からの強い要望であることは私どもも十分認識いたしております。現在、各大学におきましても、北は北海道から南は沖縄まで全国的な広がりの中で構想されているというふうに仄聞いたしております。 もちろん、一般的に大学が大都市圏へ集中しておりますし、地方においては、今お話ございましたように、法曹人口そのものが少なくて実務家の確保も困難ということから、地方におきます法科大学院の整備といいますものは大都市に比べますと課題が多いことも確かではございます。しかし、我が省といたしましては、それぞれの大学の自主的な構想というものを重視しながら、教育水準の確保ということを前提とした上で、地域の実情を踏まえて望ましい形の適正配置が行われるように、関係機関とも相談しながら多元的な方策を検討していきたいというふうに考えております。
○井上哲士君 地方にはやはり私立大学は余りありませんので、適正配置といった場合には国立大学の役割は非常に大きなものになるかと思います。 今の御答弁でありますが、そういう適正配置を進めていく上で文部省としてもこういう弁護士過疎の解消ということを視野に入れて進めるんだと、こういうことでよろしいですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私どもといたしましては、むしろ学ぶ機会につきまして全国的な適正配置ということが必要であろうかという角度を中心にしながら、司法制度改革審議会の方で御提言になっておりますことも十分配慮して進めたいという趣旨でございます。
○井上哲士君 内閣挙げてこの司法制度改革を進めているわけでありますから、今御答弁にありましたけれども、このやはり弁護士過疎の解消ということを十分に配慮し、視野に入れた取組が必要だと思います。 かつて、日本全国に質、量ともに密度の濃い医者をつくろうということで、一県一医大構想というのが掲げられました。その結果、医者の地域的隔たりがどのぐらい解消されたのかということを研究された方がいらっしゃいますが、人口十万人当たりの医師の数を比較しますと、一九七四年には、医大のある県は平均百二十六・四人、医大のない県は十万人当たり九十九・五人で、二十七人の差があったんですね。ところが、一九八一年に一県一医大というのが達成をいたしまして、それから十五年たった九六年時点で比較をいたしますと、七四年時点で医大があった県が九六年では人口十万人当たりの医者が百九十九・六人、それから、なかったところ、その後できたところ、これは人口十万人当たり百八十五・七人、ほとんど差がなくなってきておりまして、やはり地域に根差した医大を作ったということが、そういう医者の地域偏在をなくす点で非常に大きな貢献をしたことが明らかでありますし、卒業生の追跡調査をしても、大体かなりの部分がその県に定着をしたということもなっているわけであります。 司法制度改革審議会の意見書は、国民の社会生活上の医師としての法曹というのを言っているわけですね。町医者のように相談できる弁護士が地域にいるということを考えますと、かつてそういう密度の濃い医師をつくろうということで取り組まれたような形でのやはり適正配置ということが非常に求められると思います。 大学の自主性というのは尊重されなければなりませんが、私どもが仄聞しますと、どうも地方の国立大学などで計画があっても文部省の方がブレーキを掛けているようなこともお聞きをすることもあるわけであります。同時に、地方はいろんな教育の確保や情報不足などの困難があるわけでありまして、大いに文部省が、ブレーキを掛けないのはもちろん、必要な援助もしていかなくちゃいけないと思います。その点で大臣の御所見を聞いて、質問を終わります。
○国務大臣(遠山敦子君) 適正配置についての考え方は先ほど来申しているところでございますし、法科大学院の設置にかかわります様々な条件整備については、私どもとしては本当に多元的な方途でこれについて努力をしていかなくてはならないと考えております。
○山本正和君 大分お疲れかと思いますが、もうしばらくお願いします。 提案理由の説明等も聞きましたし、また、いただいた資料の中にもいろいろとその意義付けが書いてあるわけですけれども。私、率直に思うのは、一般国民の中に国会で論議するその論議が十分に伝わっていくかどうかと、それが非常に心配なわけですね。 というのは、例えば私どもは旧制の教育を受けてきている人間ですから、そうすると、大学で法学部というのはこれはほかの学部と違って、例えば工学部なんというのは昔は高等専門学校がありました。高等工業とかあるいは工業専門学校とか。同じように商業も、例えば高等商業があった。ただ、法学部だけはそういう専門学校がなかったんですね。ちょっと振り返ってみますと、明治時代には法律学部という名前であったのが大学に変わっていっていると。 それで、私どもの印象からすれば、大学の法学部というのは、これは正に法というのはその国で生きていく人間が守らなければならない最低のお互いの約束事であると。しかし、そういうことを決めたり学んだりするのはこれは高等教育でやらなきゃいけない。大学で法学部を置いたというのはそういう意味だというふうに私どもの時代は思っておったんですね。これは誤解かどうか分かりませんけれども。そうすると、法学部というのは、だから、いわゆる人間としての様々な基礎的な知識、教養あるいは芸術、文化等に対する理解、そんなもの、文学も含めて様々なものを学んでいってやる、その中で法律を学んで法学部を卒業するんだと。したがって、法学部を卒業した者が司法試験を受けると。したがって、法曹の人たちは、我々一般の者から考えたら、あらゆるものに精通している中で法律を学んでいる、これが法学部であるというふうに私どもの時代では思っていたわけですね。 ところが、それがあるにもかかわらず、今度は専門職大学という中に法学部を入れてしまうと。しかも、それが司法試験を受けていくために一つのいわゆる中核的存在ということを大臣がおっしゃっておられるんだけれども、となると、じゃ、国民にとって今までの大学の法学部というのは一体何なんだろうかと、こういう疑問を率直に持つと思うんですね。 昔は、もちろん旧制は高等学校から大学へ行きますから六年間教育ですよね。最低五年間教育ですね。そういう中で我々が考えておった法学というか大学の法学部というものが今はもう駄目になっちゃったのか、だからこういうことをするんだろうかというふうな疑問が生まれるわけですね。 提案理由にいろいろ書いてありますけれども、ちょっと見ると、何か知らぬけれどもグローバリズムという言葉がよく使われるんだけれども、僕はあれは大嫌いなんだけれども、何でもアメリカのまねしてちゃかちゃかちゃかちゃか言っているような気がして。私は、日本独自の長い歴史と文化と伝統があるんですよね。アメリカなんというのは、こんなことを言うとしかられるけれども、国家を形成してからまだ数百年にすぎない。日本はずっと長い間、この小さな島国ではあるけれども、長い間日本人として生きてきたんですね。 そうすると、何でもかんでもアメリカのまねをせにゃいかんと。アメリカから、今度は銀行の経営の仕方おかしいからこうせいと言われて、はいと、そうやらざるを得ぬとかね。貿易の問題でも何でもそうだと、税制でもそうだと、会計基準もそうだと、今度は法律もそうかと。だから、アメリカで裁判をして日本の企業がひどい目に遭いますよね。一番、銀行問題に端を発したのは大和銀行問題というんだけれども、あんなにむちゃくちゃな判決が出ても我々は文句を言えないわけですよね。 そういうふうないろんな問題がある中で、私は日本独自でずっと持ってきたこの法学部の制度というものがなぜ駄目になったのか、なぜここでこんなことせにゃいけないのか。それを、提案理由に書いてあることじゃなしに、もっと一般の国民に分かるような形で御説明いただけないだろうかと、これが私からのお願いでございます。
○国務大臣(森山眞弓君) 確かに、おっしゃいますように、昔の法学部、今もそういうところもあるかもしれませんけれども、昔の私たちが考えている法学部というものはおっしゃるような内容のところでございまして、法律の専門家になる人は法学部を卒業し、そして更に勉強して司法試験を受けてという順序で、受かった人が法曹になっていくということでございました。ですから、法学部というのは、全部ではないですが、法曹を輩出するための教育をするところであるというふうに多くの人が理解してきたと思うんでございます。 ところが、最近は、法学部の内容が変わったということもありますし、また司法試験を受ける受験生の方も大変変わってまいりまして、御承知のとおり、司法試験というのは非常に倍率の高い難しい試験でございまして、受験生は何とかしてこれに受かるようにということで努力するのは当然でございますが、そのことを余り考えますために、大学の法学部の授業に出るよりは予備校に行きまして、その試験に受かる技術を覚えるということに重点が行ってしまいがちなんでございます。 その結果、ある日あるときの自分の記憶していたものを発表する、記録することによって、その時点の採点をされて、そして合格する者はするということでございますから、間違いをしないようにできるだけたくさんのものを覚えて、そしてそれを正確に記述をして、いい点を一点でも余計に取るということに熱中いたしまして、その結果、受かった方々は、もちろん立派な方もいらっしゃいますけれども、先輩方の多くの方がごらんになって、大変前の受験生あるいは合格者に比べて非常に視野が狭いといいましょうか、受験だけに熱中して青春の何年かを費やすわけですから、ほかの教養を身に付ける余裕がなく、非常に視野の狭い、あるいは本当にほかのことを何にも理解しないというような幅の狭い人間が出てきたような感じがするということでございまして、そういう方々が法曹専門家になりまして、裁判官とか検事とか判事とか弁護士さんとかになっていただきますと、一般の国民の生活についての理解も十分でなく、被疑者あるいは被害者の心情、その家庭の事情、あるいは社会的な問題などについても理解が十分ではないという方が出る可能性があるわけでございまして、現にそういう問題が時々起こるわけでございます。 これはやっぱり初めから法曹養成というものは考え直さなければいけないということで、そのような弊害をなくすのにはどうしたらいいかということで、多くの方々が知恵を集めて構想されたものがこの法科大学院でございますので、是非とも、審議会の御提言に基づきまして、良い法曹が立派に養成されまして日本のこれからの新しい社会を担っていく法律家として活躍していただきたいというふうに私は考えております。
○山本正和君 かなり具体的に御説明いただいたんですけれども、この法律案要綱等をずっと見ていきますと、「法曹の養成は、国の規制の撤廃又は緩和の一層の進展その他の内外の社会経済情勢の変化に伴い、」と、こういうふうなものが初めに付いて、そして、だから今までじゃなしに今度はと、こういうふうな格好になってきていると。 実は、去年の九月十一日に、例のアメリカ、今ゼロタイムとか何か言っているらしいんだけれども、仲道理事も私も一緒に十日の晩にワシントンに着いて、翌日の朝、たしかワシントン司法省だったと思うんですけれども、そこへ行ったときに、例のペンタゴンに対する爆撃があって──爆撃じゃない、突っ込みがあって、それで、それから二、三時間したらアメリカの司法省の人たちも、ちょっと今日、何かややこしいからやらぬでくれと言うんでやめたんですよね。 しかし、それから帰れないものだから五日間もワシントンにおったんです。私どもみんなそこで、ワシントンというところはそんな五日間もおって、あちこち見るところないんですよね。ワシントン大学へ行って、そこでワシントン大学の学長、法学部の学長の先生が、これは慶応大学の教授をしておられたと。そこで、日本からの留学生も来ているというんで、アメリカのロースクールの話をいろいろ聞いたんです。 そしたら、アメリカのロースクールというこの特徴について、日本語も非常に堪能ですから、話をされたのは、私、印象的だったのは、実は音楽大学を出た学生も体育大学を出た学生でも全然関係ない一般の大学からみんなここへ来るんですよと。日本の留学生というのも、実は会社から派遣で来ている留学生がいます。要するに、一般、いわゆる普通の大学を出て、そしてその普通人がこれから法律を学ぼうといって来るのがロースクールですと。しかし、その中では非常に厳しいディスカッションやりますし、お互いの、何というか、たたき合いとまでは言いませんけれども、学生同士のかなりいろいろなものの、勉強しながら学んでいきますから、したがってここを出るのはなかなか大変ですと、中で勉強するのは。しかし、出たら大体みんないわゆる法曹の道に入れるというふうなお話を聞いたんですよね。 そうすると、結局、そういう大学で学ぶということの意味が日本の場合は学歴なんですよね。大学を出て学歴が欲しいだけだから、だから、そしてまた大学の方も、実は午前中に大学の先生三人からいろいろと参考にしてお聞きしたんだけれども、大学の方も実は勉強しなくても卒業できるようなシステムになっておるんですよね。 おかしな話で、私も、二人息子がもう五十歳、四十五歳ですけれども、これは戦後の大学教育を受けた連中ですけれども、余り勉強していないように私は親として見ておった。それでも卒業しちゃうんですね。何かしたら、しまいに博士課程まで行っちゃったけれども。 そういう、どうも今の大学が本当に学問を勉強する、勉強しなければ卒業できないというシステムになっていないというところに問題があるように思えてならないんですよ。だから、こういうふうに制度を必要と迫られて作るという意味はよく分かりますし、私、ですから、この法案本当は分からぬから反対しようかと思ったけれども、まあ森山先生のお顔を見たらこれはやっぱり賛成せざるを得ぬと思うんですけれども。 それは別にしまして、だから、いずれにしても今やらなきゃいけないことは、大学そのものの改革だろうと思うんですね。したがって、こういう今度は専門職大学を作るときに、そういう本当に勉強しなければ修了できませんよという厳しさ、これは正直言って、アメリカの大学でもヨーロッパの大学でも、大学というのは勉強しなかったら卒業できない。 この前、実は日中友好協会で三十周年で各超党派で議員団で行ってきまして、そうしたら私は、北京の大学生三人と、女性一人と男性二人で話をしたんですよ。それで、これからあしたからの双十節で十日休みになるけどどうなのと言ったら、勉強するのが大変で、休みはそんなにのんびりできませんと。それで、どれだけ遊ぶ時間を作るかと一生懸命考えているんですと、こういう話なんですよ。日本の大学生はそんな、休みはもちろん遊ぶけれども、休みじゃなくても平気で遊んでいて卒業できますよね。北京では卒業できない。 そういうふうな一番根っこの部分が大切なように思えてならないんですけれども、こうやってここで専門職大学、法科大学院、こういうことを作るについて、特に法律の、これを実際に自分たちが国民のいろんなものを受けて裁判官になる、あるいは弁護士になる、検察官になるという人たちはそういう意味で非常に大きな責任があると思うんですよね。ところが、その人たちも今のような話で偏差値じゃないけれども、受験の特訓さえ受ければなれるという制度に何か問題があるように思えてならないんですけれども、その辺で、ですからこうやって専門職大学を作る、特に法律のこの専門職大学ということについての、これは大臣のひとつ、何といいましょうか、これからの、今から大学はずっと作っていくわけですから、そこについての御決意のほどを承っておきたいと思うんですけれども。
○国務大臣(森山眞弓君) 大学一般についての在り方につきましては、遠山大臣が必要なら御説明申し上げると思いますが、このたびの法律専門家を作っていく専門職大学院というものにつきまして申し上げますと、これは入るのも大変難しいだろうと思いますが、卒業するのも簡単ではないというふうに感じます。 それは入るときにいろいろな、単なる偏差値で入れるのではなくて、そのほかの活動あるいはそのほかの考え方や行動についていろいろと調べられまして、そしてこれなら将来の法曹として適当であろうという人材をまず法科大学院に受け入れまして、受け入れた後ももちろん専門の知識、学力を付けることは当然でありますけれども、それも単に法律を覚えるというだけではなくて、その法律の問題やあるいは具体的なケースを材料にして議論をする、あるいは具体的な調査をするというような現実の実務とつながった教育を徹底的にやるということになっております。 ですから、その勉強はしかも期限も限られておりますし、なかなか容易ではないと思います。それが無事に終わりました後で更に司法試験があるわけでございますから、なかなか容易な道ではないんでございますけれども、それを一生懸命に努力をして、そしてクリアし、司法試験を受けて、幸い受かれば初めて修習を受けて法曹になるということができるわけでございますので、今までの一般の大学、一般の今までの法学部というのがどうであったかということとは全く別に、この道は本当に専門職をしっかりと育てていく十分な条件が整っている、こういう方法でともかく一生懸命やってみようというのが私たちの決心でございます。 大学一般につきましては別でございますが、法科大学院に関しましてはそのように私どもは考えているところでございます。
○山本正和君 本当に、是非ひとつ勉強しなければ駄目よというのがまず法科大学院で模範を示すということをお願いしたいと思うんですが。 ただ、私、実は裁判官訴追委員会なんかも一、二回出て、そのときに思ったんだけれども、裁判官というのは本当にその人の判決によって長い間刑務所に入れられる、あるいは死刑を宣告されるというようなこともあるぐらい大変な人ですね。また、検察官というのは犯罪を犯した者に対してやっぱり厳しく追及する。しかし、その中で、例えば情状によって執行猶予というふうな問題まで判断する、そういうことをしなきゃいけない立場でしょうし、弁護士というのはそれまたそれで大変な役割があると思うんですが。私にとっては非常に印象的だったのは、戦争が負けて、そしてその翌々年だったですかね、奈良の検察官が、悪法も法なりとは言いませんけれども、食管法があった、やみのものを買ったらいけないと、私は法律だから買いませんといって全然それを、やみのものを買わずに、栄養失調で亡くなられた事件があった。新聞を見てください。 今、しかし法律家が本当にみんなそうするだろうか、軽犯罪法違反も全然せぬ法律家がおるだろうかと、こんなことを言ったらしかられますけれども、この中にも法律家の皆さん、たくさんおられるから、余りおかしなことを言ったらいけないんですが、そういう昔の検察官の気持ちというのは、私は、だからそういう人がおって初めてみんなが裁判に対する信頼感が生まれる。 ところが、何か知らないけれども、それは六法全書は全部読めるかもしれないし、法律はいろいろ専門的にそらんじておられるかもしれぬけれども、奥さんの問題でどうにもこうにもならぬような状況になって、それすら律せられないと。また、それが同期であるとかあるいは友情だとかでもって、検察官の方もそれに対して黙ってしまうというようなことになって、大変私はあのときびっくりしたんですが。 だから、勉強ということについて、だから専門職と、こうなりますと、逆に法律ばかり勉強してしまって、法律じゃおかしいな、六法だけ知っておったらやれる、そんな問題じゃないと。人間としての様々な問題やりゃいいと思うんだけれども、この専門職大学では果たしてそういうことを議論する場所、あるいは学ぶ場というのがあるのかないのか、ちょっとその辺気に掛かるんですけれども、ちょっとこれもいろいろ読んでみたんですけれども、具体的な部分の指摘や記述がないもんですから、どこでそれをやるのかしらんというのがちょっと気に掛かったんですが、その辺はいかがでございますか。
○国務大臣(森山眞弓君) 専門職大学院である法科大学院というのは、これからこの法律が成立いたしました後で設置者が考えて作るものでございますので、今からどういう科目をどのぐらい教えるかということは分からないわけなんでございます。 しかし、文部科学省が窓口になりまして、いろいろお調べになったり相談に乗ったりしていらっしゃる中で、人権の問題であるとか、あるいは国際情勢であるとか、あるいは社会全体の様々な問題について勉強をさせる予定であるという話を私どもも漏れ聞いておりまして、当然、先ほど申し上げたような判検事、弁護士さんのあるべき姿ということから考えますれば、そのような教養をしっかりと身に付けていただくということが必要であろうと思います。
○山本正和君 そういうことは、今から各大学が考える中でそういうものを当然期待しているということで承ってよろしいですね。 それから次に、これもちょっと気になるのは、我が国は裁判で争うというのは割合、日本人の気持ちになじまないというような長いあれがありまして、私の実は中学の同級生が今、東京で弁護士をやっておりますし、二年ほど先輩の人が第二弁護士会の会長もしたりして、若干知り合いもおるんですけれども、そうすると、いろいろ話をしていると、弁護士の仕事のかなりの部分が和解だと、裁判で決着付けるより。そうかと思うと、例えば刑事裁判の場合は、これはもう勝たなきゃいけませんから大変な取組するんだというふうな話を聞いているんですけれども。 しかし、いずれにしても、私は今の世の中で弁護士さんの仕事が非常に増えていると。一般庶民にとって、例えば弁護士費用というのは非常に高いし、なかなか弁護士のところにも行きにくいと。しかし、それを何とか広げるというふうな社会的要請はあると思うんですよ。そうすると、この制度を変えてこういうものを作っていくということによって弁護士の数を今よりもうんと増える方向に行くのか、あるいは、先ほどのように非常に厳しい弁護士資格というか、人間資格というか、そういうものを求めていけばいくほど大変難しいコースになるわけですから、もしも減ってしまったらまた困ると思うんですが、この辺の要するに予測している中で、将来の要するに弁護士の数、現在と比べてかなり増えるというものを予測して進めていこうとしているのか。あるいは、現在程度の弁護士の数で、若干上下があるにしてもというふうに予測しておられるのか、その辺はいかがでございますか。
○国務大臣(森山眞弓君) 日本は、弁護士さんの数が国際的に見ても非常に少ない方でございまして、本当は裁判なんかに行きたくないから弁護士さんのところには御縁がない方がいいと思っていても、実際に今のような世の中、弁護士さんのお世話にならなければならない、法廷まで行かなければならないということがどうしても増えてまいりました。ですから、弁護士の、あるいは法曹の質を向上するということを先ほどいろいろ申し上げましたが、数も増やすということがまた大きな目標でございます。 現在は、司法試験に合格する人は先般まで五百人ぐらいでしたが、その後少しずつ増やしまして今、千人前後になっておりますが、これを三千人ぐらいまでに持っていきたいということが一応の目標でございます。
○山本正和君 それでは最後に、文部科学大臣の方にお聞きしておきたいんですけれども、先ほどお話ししたように、法学部ですね、大学の、これはやっぱり今のままではいかぬような気がしてならないんだけれども、大学改革の中で、法学部の中での大学院の位置付け、これについてはどういうふうなお考えか、ちょっと承って、終わりたいと思いますが。
○国務大臣(遠山敦子君) 法学部の性格は、それぞれの大学によりまして多様だとは思いますけれども、基本的にはリーガルマインドをしっかり身に付けて多様な問題に対応できる、そういった資質を養ってきているのではないかと思っています。 そういうことで、かなり一般的な能力といいますか、そういうことの開発においてはたけていると思いますけれども、司法という角度から見ると十分でないということで今日の法科大学院の問題が起きてまいっておりますが、では、その法科大学院において法曹を目的とする人たちがしっかり養成されていくとなると、では、残された法学部はどうなっていくのか、これは大変大きな課題だと思っております。 私も、この問題についてはいささか、どのように各大学が考えておられるかなということは、興味といいますか、関心を持っておりまして、二、三の大学人からもお話を聞いたりいたしております。それぞれの大学がやはり法科大学院というものができることによって、法曹の勉はそちらで専門的にかなり実務的なことを加えてやる、残された方をしっかりと、教養も身に付けた上で多方面の分野に、企業であり、国家公務員であり、あるいは様々なメディアであり、いろいろな就職先があろうかと思いますけれども、そういったものに対応できるような内実ある教育をしたいということで、今かなり再編成が進んでいるようでございます。 したがいまして、私は、この法科大学院というのは一つのきっかけでございますけれども、大学自体の在り方、法学部が一番影響を受けるわけでございますけれども、そこの行き方がかなり見直されることによって、先生がおっしゃっております本当に力を付けた、付加価値を持った学生を育成するための大学教育の在り方について、また何歩も前進していくきっかけになるのではないかというふうに考えております。
○山本正和君 どうもありがとうございました。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。よろしくお願いします。 午前中に法務委員会で、学費や掛かる費用、ロースクールがどういう感じになるのかということなどを質問しました。多いところでは三百万学費が掛かるだろうと。そうしますと、三年間ですから九百万、授業料だけで九百万ですから、生活費、場合によっては私立大学ですと寄附金を、もちろん任意になるわけですが、寄附金を募ることもあり得ると。そうしますと、非常にお金が掛かってしまう。ロースクールは、いいロースクールを作ろうと思えば思うほどやはりお金が掛かると。 文部科学省にお聞きをしますが、ロースクールに対する補助金などについては太っ腹で是非お願いをしたいと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) これはまだ、この法案の成立をいただきまして、それから各大学が実際の設置構想を行いますのが来年度に入ってからでございます。平成十六年四月の開校を、スタートをもくろんでいるわけでございますけれども、概算要求の取りまとめも来年夏に向けまして、例えば私立大学ですと、私学助成の中でどういうことが可能で、かつ必要であるかということも含めながら、全体的な支援体制について努力してまいりたいと思っております。
○福島瑞穂君 ロースクールの教員確保などについてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 法科大学院でしっかりした教育を行うためには従来の大学の先生がそのままということでは駄目なわけでございまして、アカデミックの先生方でも一定の実務的な研修をしていただくとか、あるいは法曹三者の御協力をいただきながら実務界の方々からお入りいただく必要がございます。その旨はこれまでの司法制度改革審議会の御意見等にも触れられているところでございますし、その前提での制度設計になっているわけでございます。 私どもも、この法案が通りましたら大学院の設置基準を定めまして、その趣旨を定め、かつ第三者評価制度というのが一緒に制度化される予定でございますので、第三者評価機関においてその教員構成等がしっかり評価されていく仕組みとなってございます。 なお、実務家の教員の確保につきましては、現在、法曹三者と法科大学院関係者の間で協議をいただいている中で積極的な協力関係の確保に向けまして取組をいただいておりますし、また私どもも設置基準の上で教員の確保について、例えば勤務形態も、パーマネントで朝から晩までいなきゃいけないということではなくて、より柔軟な形態の在り方もあるではないかということが一つと、もう一つは弁護士のような方々が兼業、兼職できますようにということについても御検討がなされているところと承知してございます。
○福島瑞穂君 設置審議会につき、法科大学院に関する特別審査会もほとんどが大学関係者で占められていると思われますが、実務家はどれぐらいの割合で入っているのでしょうか。また、法科大学院の目的からすれば、設置審議会の半分以上が法曹実務者であるべきではないでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 今回の連携法、いわゆる連携法でも関係の審議会に法曹界からも御参画をということが予定されてございまして、私どもも、大学の設置審査あるいは基準制定等に、従来のアカデミックな方々だけでは十分御審査いただけませんので、当然かなり多数の方々の御参画が必要と認識しております。 そのため、まだ法律制定以前でございますが、何しろ諸準備、いろいろ念のために並行しながら考えなきゃいけないことが、必要がございますので、既に法曹三者の方々など実務界の方々の御協力も仰ぎまして、審議会等の構成、どういう方々がどれぐらいの割合で入っていただいたらいいのか、御検討のための準備会を発足させたばかりでございまして、その御検討の推移も経ながら、かつ協力の確保の見通しも得ながら、必要な方々の御参画をいただきたいと思っております。
○福島瑞穂君 東京地方裁判所の裁判官は何百件、百件以上は持っていたり、あと弁護士も弁護士事務所の維持のためにお金が掛かることもあり、実務者からロースクールに非常に来てもらうことが実は結構、例えば条件整備をしない限りなかなか難しいんではないかと。そうしますと、結局、従来の大学教育と余り変わらない結果になりかねないというふうにも思っております。是非、例えば裁判官を呼んできてもらうなりすれば手当が必要ですし、弁護士、検察官についても同じですので、財政的な援助も含めて是非よろしくお願いします。 ところで、今、現に司法試験受験生の人たちもたくさんおります。現行試験並行時の現行試験及び新試験の合格者の割合、つまりしばらくは、今の司法試験を前提に勉強していた人たちが受ける司法試験と、それから新しい制度ができてロースクールに行く人、それから予備試験に行く人というのが出て、しかもその中でどういうふうに採否を決めるのかというのが意外と難しいんではないかと思いますが、公平の確保の方法や割合についてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 御指摘のとおり、大変難しい問題でございます。 これは、司法試験の合否の判定は各年度における司法試験考査委員の合議により行われるものでございまして、新司法試験と現行司法試験のそれぞれの受験者の数あるいは能力の水準が明らかでないという現段階においては、両試験の合格者の内訳あるいは割合、これを決めておくことは相当ではないというふうに考えております。現時点では難しいということでございます。
○福島瑞穂君 試験が複数存在するわけですので、是非その割合や公平の確保方法についてはよろしくお願いしたいと思います。 ところで、新司法試験は受験回数制限が設けられております。受験回数制限の理由及び五年間に三回ということが決まっておりますけれども、そうすると、何か、実力付けて五年の最後の三年間で受けようとか、あるいは一、三、五と受けようとか、いろいろのことをきっと多分考えると思うのですが、受験生にとっては切実ですから。 受験回数が制限されている試験って余りないと思うんですね。医師の国家試験に何回落ちたら駄目とか、美容師さんの試験を何回受けたら駄目ということはないけれども、新司法試験では五年間に三回と制限が付いております。その理由と適否についていかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 長期受験をするということの弊害、いろいろ言われております。 まず、試験に受かることだけが人生の目的になるわけでございますので、どうしても受験技術優先に勉強するということで、人間の幅がなくなるということでございます。こういう状態を招致していいのかという点が一つございます。それと、やはりあたら人材が司法試験浪人として人生、将来の人生をそこで失うこともあるわけでございます。そういう問題の弊害があるというふうに指摘がされているわけでございます。 今回、新しい法曹養成制度を構築いたしまして、それも今のままでということになれば、せっかくロースクールを修了いたしまして試験を受けようといったときにも、やはり大量の受験生が滞留するということになります。そうなりますと、またそこから受験予備校に行くなんというような弊害が出てくるわけでございます。こういうことはやはり避けなければならないというのが今回、受験制限を設けた理由でございます。 五年のうちに三回ということでございます。これは、少なくとも三回ということが、これは意見書、改革審の意見書でも書かれておりますし、合理的な回数かなと思いますが、毎年毎年受けるという事情、これは人によって変わるわけでございますので、五年という幅を持ちながらその中で三回の受験をしていただくと。そこで、いったんは人生の、自分の人生をどうするか、そこで選択をしていただきたいということで、もう一度チャンスを与えるという意味にもなると思います。 ただ、これは、じゃ一切、未来永劫受けられないかということではございません。その後、新たに受験資格を得る、新しいロースクールに行って卒業をする、あるいは予備試験に合格をするということになれば、そこからまた五年間の間に三回と、これ一生繰り返すことも当然できるわけでございますけれども、それぞれ一つずつ期間を区切って、自分の人生を見直すという機会にもなるということでございます。
○福島瑞穂君 いや、いみじくも今おっしゃったように、親のすねが丈夫な人はロースクールを行き直してでも私は受け続けるのではないかと。もちろん、確かに、あたら人生ということはあるわけですが、私はこれについては非常に疑問です。 例えば、受験生の中には四回受験したら通ったと思う人もいるかもしれませんし、今おっしゃったとおり、ロースクールに多分行き直すと思うんですね。三年間行ってまた資格を買うみたいな。ですから、どうなんだろうかと。受験はやっぱりその人の自己決定と思いますので、是非この点は、実は受験生の声を聞いて是非再考していただきたいというふうに思います。 ところで、法科大学院のことについてまたお聞きをします。第三者評価により不適格とされた法科大学院と、新司法試験の受験資格はどうなるのでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) この点につきましては、適格認定を受けられなかったという法科大学院があったとして、そこの修了者につきまして、直ちにその受験資格が否定されるということにはなっておりません。 この適格認定を受けられなかった法科大学院に対しましては、連携法等に、いわゆる連携法等に規定がされておりますけれども、そういうような法科大学院に対して、文部科学大臣がその教育活動等の状況について報告又は資料の提出を求めるということとされておりまして、その結果、当該法科大学院が設置基準に違反していると認められるような場合には、改善のための勧告あるいは変更命令の措置が段階的に講ぜられまして、それによってもなお改善されないという場合には、当該法科大学院の廃止命令がされまして、その修了者の司法試験の受験資格が結局は認められないということがあり得るということでございます。 ただ、よっぽどの場合であろうかと思いますし、その間には段階的な措置が行われますので、転身の道も機会も図られるということでございます。
○福島瑞穂君 衆議院の法務委員会の議事録を見ますと、日野委員が鋭いことをおっしゃっていらっしゃるんですが、「法曹の養成というのは、ほかの例えば専門職を養成するということと決定的に違うということを先ほど申し上げたわけですね。というのは、法曹というのは、その使命として人権の擁護というものがある。人権の擁護ということは、国家権力と切り離されたところで、国家権力から独立したところでそういう非常に崇高な使命というのが行われるものなのでありますから、文部科学省がその養成課程にいろいろとかかわってくる、しかも権力的にかかわってくるということはけしからぬと私は思っているんですね。」ということに森山法務大臣は答えていらっしゃるんですが。 私自身も、今までだと最高裁判所が司法研修所というものを持ち、研修をやってきた。大学は、文部科学省の全体としては枠の中に入っていても学問の自治というのがあった。今度、第三者に、その第三者にある評価基準というのが出て、文部科学省がロースクールにかなりコミットしてくる。それと法務省との関係というものが一体どうなるのか、この点についていかがでしょうか。あるいは、法務大臣の文部科学大臣に対する意見の拘束力、どの程度法務省は言うのか、言えるのかという点についていかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) ただいまの御指摘の点についてはこの連携法等に規定がされておりますけれども、法務大臣が法科大学院の設置基準の制定、改廃等につきまして文部科学大臣に対し必要な意見を述べることができるということにされているわけでございますが、これとともに、特に必要があると認めるときは法科大学院について学校教育法上の是正措置を講ずるように文部科学大臣に対し求めることができるということにするなど、両大臣の密接な連携の確保に必要な措置について規定を設けているところでございます。 これらの意見の対象となる事項でございますけれども、本来的に文部科学大臣の所掌に属する事柄でございまして、もとより文部科学大臣は法務大臣の意見に法律上拘束をされるというものではないということでございます。ただ、この点、私が申し上げるのが相当かどうか分かりませんけれども、文部科学大臣におかれましては、司法制度を所掌する法務大臣の意見を真摯に受け止め、これを尊重して対応をしていただけるものと考えているところでございます。
○福島瑞穂君 時間ですので、終わります。
○委員長(大野つや子君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大野つや子君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。 これにて散会いたします。 午後四時三十五分散会