法務委員会 第13号
- 発言数
- 226 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2002/12/10
会議録
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五日、木庭健太郎君が委員を辞任され、その補欠として浜四津敏子君が選任されました。 また、去る六日、山下栄一君及び川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君及び鈴木寛君が選任されました。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に荒木清寛君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に法務省刑事局長樋渡利秋君、法務省矯正局長中井憲治君及び法務省人権擁護局長吉戒修一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、名古屋刑務所等矯正施設の処遇に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○市川一朗君 自由民主党の市川一朗でございます。 本日は、当委員会で名古屋刑務所等矯正施設の処遇に関する件の集中審査をさせていただくわけでございますが、一言で言いまして、名古屋刑務所で何が起きたのかといった点につきましてこれまでの当委員会の審議過程で必ずしも十分な内容の開陳がございませんでしたので、この際改めて、どういう事件が起きているのか、またそういったことに関して法務省としてどういう考え方で臨んでおられるのか、その辺を含めまして増田副大臣に御説明をお願いしたいと思います。
○副大臣(増田敏男君) 市川委員さんのお尋ねにお答えをいたします。 名古屋地方検察庁は、本年十一月二十七日、名古屋刑務所刑務官五名を特別公務員暴行陵虐致傷罪により公判請求し、うち二名を特別公務員暴行陵虐致死罪により再逮捕いたしました。 今回の事件は矯正行政の意義を揺るがせかねない誠に遺憾な事件であり、関係者及び国民の皆様に深くおわび申し上げます。 これまでに報告を受けております範囲内で事案の概要について御説明いたします。 まず、特別公務員暴行陵虐致傷事件の被告人公訴事実の要旨について御説明いたします。 起訴されたのは、名古屋刑務所看守長渡辺貴志、副看守長前田明彦、同岡本弘昌、看守小沢宏樹、同池田一であり、その公訴事実の要旨は、被告人五名は、名古屋刑務所に勤務し、被収容者の処遇、戒護及び規律維持等の職務を担当していた者でありますが、懲役受刑者がかねてから反抗的態度を示しているとして、懲らしめの目的で、共謀の上、本年九月二十五日午前八時十五分ころから午前九時四十五分ころまでの間、同刑務所内保護房において、その必要がないのに、同人に対し、その腹部に革手錠のベルトを巻き付けて強く締め付け、腹部を強度に圧迫するなどの暴行を加え、よって同人に加療約七十日間を要する外傷性腸間膜損傷等の傷害を負わせましたというものであります。 次に、この事件の概要について御説明いたします。 本件被害者は、本年二月二十一日に名古屋刑務所に入所しましたが、その後、戒護のため保護房において革手錠を使用されることがあり、その過程で刑務官から事情聴取を受けるなどしておりました。 被害者は、本年九月二十五日朝、面接室において前田副看守長からこれまでの規律違反等について事情聴取を受けましたが、同人は、被害者が相変わらず自己の非を認めようとせず反抗的態度を取ったことに立腹し、被害者の座っていたいすの脚をけるなどしました。このため、被害者が立ち上がろうとしたところを、同日午前八時十五分ころ、異常に気付いて駆け付けました刑務官において、被害者が前田副看守長に暴行を加えようとしている旨判断し、被害者を引き倒して制圧し、これを受けて前田副看守長が金属手錠を掛けた上、渡辺看守長の指揮を受けて保護房に収容をいたしました。 その後、前田副看守長は、被害者が既に制圧され、暴行を振るうおそれもないのに、懲らしめのために革手錠を使用することを考え、上司である渡辺看守長の了承を得て、他の刑務官もこれに加わって、まず中サイズの革手錠ベルトを被害者に使用いたしました。しかし、強く締まらなかったことから、小サイズの革手錠を取り寄せた上で、前田副看守長において渡辺看守長の指示を受けつつ被害者に装着し、一番円周の狭くなる穴で固定しようとしましたが、それが困難であったため、その次に狭い穴で固定しました。 この後、同日午前九時四十分ころ、前田副看守長は革手錠を解除しようとしましたが、その際、更に被害者を懲らしめようと考え、強くベルトを引いたり、いったん解除したベルトを再度、被害者に巻き付けて強く引くなどしたものであります。 犯行後、被害者は保護房に放置されていましたが、被害者の異常に気付いた前田副看守長が医師に連絡し、診察の結果、腸間膜損傷の傷害を負っていることが判明したため、病院に搬送され、開腹手術を受けました。 次に、特別公務員暴行陵虐致死事件の再逮捕者逮捕事実の要旨について御説明いたします。 逮捕されたのは前田副看守長、小沢看守の二名であり、逮捕事実の要旨は、被疑者らは共謀の上、平成十四年五月二十七日午前十一時四十五分ころから同日午後一時五十六分ころまでの間、同刑務所保護房において懲役受刑者、当時四十九歳だったそうですが、に対し懲らしめの目的で、その必要がないのに、その腹部に革手錠のベルトを強く巻き付け、腹部を強度に圧迫するなどの暴行を加え、そのまま同保護房内に放置し、同人に外傷性腸間膜損傷、肺梗塞等の傷害を負わせ、よって同日午後八時三十分ころ、同刑務所病室棟集中治療室において同人を同傷害により死亡するに至らしめたというものであります。 現在、名古屋地方検察庁におきましては、特別公務員暴行陵虐致死事件について捜査中であり、そのほかにも本年十一月十八日に元受刑者からの告訴を受理した事案もありますので、背景事情等を含めて、その全貌を徹底的に解明するとの観点から、今後とも厳正な捜査を行うものと承知をいたしております。 以上です。
○市川一朗君 具体的な詳しい御説明、ありがとうございました。 このような事件は、名古屋刑務所特性といいますか特異のものなのか、全国でもいろいろ起きているんじゃないかという感じもするわけでございますけれども、保護房収容件数とか、あるいは革手錠使用件数、それから保護房収容者への革手錠使用件数等の統計があるとも聞いておりますので、全国ベースでどういう状況なのか、御説明を願いたいと思います。局長で結構です。
○政府参考人(中井憲治君) お答えいたします。 このたびの名古屋刑務所の事件を機にいたしまして、私どもの方で取り急ぎ保護房収容中であった者の死亡事案や病院移送に係る事案の全国調査を実施いたしました。 その結果でございますが、平成十一年以降の死亡事案は五件、平成十三年以降の病院移送事案は三件でございます。これまで調査したところによりますと、現在捜査中の名古屋刑務所における本年五月の致死事件及び既に起訴されました九月の致傷事件が判明しているところでございます。 委員御指摘のように、同様の保護房、革手錠関連の事件がほかにないかどうかということにつきましては、法務大臣からの御指示を受けまして編成いたしました特別調査チーム等によります調査を実施いたしますとともに、矯正管区によります特別監査をも実施しているところでございまして、鋭意調査を進めております。 お尋ねの全国の刑務所における保護房収容件数等のデータについてでありますが、今申し上げましたように、現在それぞれの調査が一応了しつつあるという段階でございまして、最終的な検証、取りまとめには至っておりません。 その前提で概数だけを御報告させていただきますと、本年一月から九月末までの全国の刑務所及び拘置所の本所におけるこれらの件数でございますけれども、保護房収容件数が約四千四百件、革手錠の使用件数が約六百件、保護房収容者への革手錠の併用の件数でございますが、これが約六百件でございます。 全国的に、御案内のとおり、過剰収容状態がございますので、数が増えております。これを反映しているものと思いますけれども、近年、増加傾向にいずれもあるという具合に理解しております。
○市川一朗君 今の数字でも私の感覚ではかなり多いなという感じがするわけですが、それにいたしましても、報道等によりますと、名古屋刑務所での革手錠使用件数は全国的に見ても突出しているという報道もあるわけでございますが、この点につきまして、どういうふうな状況なのかということと、もしそうだとすれば、なぜ名古屋刑務所が突出しているのか、分かっている範囲内で局長の答弁をお願いします。
○政府参考人(中井憲治君) お答えいたします。 全国の行刑施設におきます革手錠の使用件数につきまして、このたびの九月の致傷事件の報告を当局が受けまして取り急ぎ調査いたしました。 その結果でございますけれども、平成十二年が五百四十八件、平成十三年が五百八十三件、平成十四年で、これ、九月末まででございますけれども、その革手錠使用件数は六百三十一件と、こうなっているのでございます。 問題の名古屋刑務所でございますが、その革手錠使用件数は、平成十二年は三十二件、平成十三年は五十八件ということでございますけれども、本年に入りまして九月末までの使用件数だけを見ても、百五十八件という形で激増をしております。御指摘のとおり、全国的に見ても突出している件数となっていると理解している次第でございます。 まず、この名古屋刑務所における革手錠使用件数が突出している理由あるいは背景につきましては、先ほども申し上げましたとおり、現在、矯正局の特別調査チーム等におきまして鋭意調査を実施しているところでございます。 現在までの調査結果から若干申し上げ得る点をかいつまんで御説明させていただきますと、例えば名古屋刑務所、非常に大きな施設でございますけれども、おおむね同規模の類似施設ということになりますと、府中刑務所や大阪刑務所がございます。これらと比較いたしますと、名古屋刑務所の場合に、職員一人当たりの被収容者の負担割合というのが、これが高いということは言えようかと思います。また、被収容者の中に占めますところの暴力団関係受刑者の割合、これも高いということが言えます。 また、いわゆる集団生活になじまない、問題行動を起こすような受刑者、こういった受刑者につきましては、独居房、一人の部屋でございますけれども、これに収容するわけでございますが、その独居房の比率が残りの大規模施設に比べてどうも低い、したがって独居房が使いにくいといったような背景事情も認められますし、このほか、暴力団関係者によると思われる銃撃事件等も発生しているといったような特異事情も認められます。それに、冒頭申しましたように、特に本年に入りまして、名古屋刑務所において過剰収容の状況が進展しているといったことが特徴的な背景事情として挙げられるのではないかと私どもは理解している次第でございます。 また、当然のことながら、過剰収容で即その事件が起きるというものではございませんで、先ほどの副大臣からの御答弁にはございましたように、前田主任でございますけれども、中心的な役割を演じておりますこの前田主任の革手錠の使用への関与件数というものが、実は本年に入りましては、百五十八件のうちの半数以上を占めているという、著しく多いという具合に認められるわけでございます。 先ほど来申し上げておりますところの名古屋刑務所のいろいろな特殊事情でありますとか、あるいはこの前田被告人の個人の資質問題といったものが、これが革手錠使用件数激増につながるのかどうか、その原因、背景としてどの程度関連性が認められるのかということにつきましては、矯正当局といたしましても重大な関心を持っているところでございまして、今後とも徹底的に調査を進め、解明してまいりたいと、かように考えております。
○市川一朗君 大臣にお尋ねしたいと思いますが、名古屋刑務所で起きました今回のような事件、やっぱりこういったようなことは二度と再び起きないように万全を期すべきだと考えます。 その原因の一つに、私は刑務所の例の過剰収容問題もやっぱり背景にあるんじゃないかなということも感じますので、政治家としての責任も私どもも感じているわけでございますが、その辺も含めまして、今後の防止策についての大臣のきちっとした御見解をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、名古屋で起きましたこの事件は、二度と同じようなことが起こらないようにということを私どもは強く肝に銘じているところでございまして、特に矯正局におきましては、同じような事案が再発をしないためにということで具体的なことを考えております。 今年十一月二十七日付けで、当面の緊急対策といたしまして、革手錠使用案件について矯正局及び矯正管区に速やかに全件報告をすること、またビデオ設備のある施設においては、保護房における革手錠使用時等の状況について録画をすることについて矯正局長通達を発出したところでございます。 今後、抜本的な再発防止策を策定いたしますために、現在、矯正局におきまして、特別調査チームを中心に当面の緊急対策の継続の是非はもとより、革手錠等の使用に関するやり方の改正の要否、あるいは矯正施設内の死亡案件の公表の在り方などにつきまして幅広い観点から鋭意検討していると報告を受けているところでございますが、矯正行政の運営の在り方も踏まえながら、法務省全体として再発を防止するように取り組んでいきたいと思っております。 おっしゃるように、これにいわゆる過剰収容の問題が直接、間接影響しているということは十分考えられることでございまして、過剰収容のためにほかにもいろいろ心配なことがたくさんございますので、これを一日も早く解決するべく、補正予算あるいは来年度予算等についても財政当局の理解を得るべく最大の努力をしていきたいというふうに思っております。
○市川一朗君 ところで、当委員会ではいわゆる人権擁護法案、継続審議中でございますが、今日、人権擁護局長をお呼びしております。人権擁護法が成立して人権委員会ができたとしますと、このような、名古屋刑務所で今回起きましたような人権侵害事案、これはどのように取り扱われることになるのでしょうか。局長の御答弁をお願いします。
○政府参考人(吉戒修一君) お答え申し上げます。 人権擁護法案によりまして創設される新しい人権の救済制度でございますが、これは二つ手続がございまして、一つは、専ら任意の調査、処理を内容とする一般救済手続と、それからもう一つは、調査権限でありますとか救済措置の点で充実強化されました特別救済手続とから成ります。 今回の名古屋刑務所の事件でございますけれども、こういうふうな刑務官が受刑者に暴行を加えて傷害を負わせ、あるいは死亡させたというような事件でございますと、これは法案に言います虐待に該当いたします。虐待に該当いたしますので、これは法案で言います特別救済手続の対象として扱われるということになります。 そういたしますと、まず事件の調査でございますけれども、事件の関係者である被害者あるいはその加害刑務官などに出頭を求めまして質問をすることがまずできます。これらの者が正当な理由なく出頭や陳述を拒否いたしますと過料を科されるということになりますので、調査の実効性が担保されると。また、刑務所当局に対しましては、まず第一に必要な資料の提供を求めること、それから暴行に使用された用具等の関係物件の提出を求めてこれを留置すること、それから三点目には暴行が行われた場所に立ち入りまして必要な調査をすること、こういうふうなことができます。これらにつきましても、いずれも過料の制裁などによりまして調査の実効性が担保されるわけでございます。 次に、救済措置でございますけれども、これはまず加害者と被害者との間の任意の解決を促すための調停、これを試みます。この調停がまとまりません場合には、これは人権委員会が加害者などに対しまして被害の救済等を勧告いたします。この勧告に対しまして加害者等が従わないときには、さらに勧告の内容を世間に公表すると。さらには、調査によって収集いたしました資料を被害者の方に提供いたしまして、その方が今後提起されるであろう損害賠償請求訴訟などにその資料として提供すると。さらには、その提起されました訴訟で人権委員会が訴訟参加するというふうなことができます。こういうふうに、被害者は裁判上の救済を受けられるように援助していくことができまして、これらによりまして人権の救済の実現がより確実なものになるというふうに考えております。 また、監督当局に対しましても、人権委員会の方からこのような人権侵害の再発防止のための適切な措置を取るよう意見を提出するということができるわけでございます。
○市川一朗君 局長、今御説明いただいたわけですが、人権擁護法案の政府原案に対しては様々な御批判があるわけですが、その中で、人権委員会を法務省の外局として設けた上に、地方法務局にその事務局の事務を委任するということになっているわけでありまして、そういうシステムですと、今度起きたような、法務省所管の刑務所等の矯正施設あるいは同じ法務省所管の入管局の収容施設、こういったところで起きた人権侵害の問題に対しては正常に機能しないんじゃないかと、身内をかばうとかいろいろな問題で。 今、局長から御答弁いただきましたが、果たしてその辺、そういうふうにスムーズにいくんだろうか、いかないんじゃないかと。だから、人権委員会はやっぱり法務省に置くんじゃなくて内閣府へ置いたらいいんじゃないか、ほかへ置いた方がいいんじゃないかという、そういう意見がかなり強くあるんですが、その点については担当局長としてどういう反論をしっかり用意しておられるのか、お聞きしておきたいと思います。
○政府参考人(吉戒修一君) 御指摘のような懸念でありますとか批判があることは承知しております。したがいまして、救済手続の調査、処理の流れに沿って御説明を申し上げたいと思います。 まず、人権委員会の救済手続でございますが、これは被害者の救済の申出によって開始されるというのが原則でございます。この救済の申出の受付でございますが、これは人権委員会の地方事務所が設置されております都道府県におきましてはその地方事務所で受け付けます。それから、それ以外のところにおきましては地方法務局で行うということになるわけでございます。 ところで、今、委員の方から御指摘のございましたように、事務局でありますとか地方事務所職員の給源となる法務局、地方法務局の職員でございますけれども、これは矯正あるいは入管部門の職員とは全く採用ルートが違います。また、矯正・入管部門の業務に携わることもおよそ予定されておりません。したがいまして、これらの職員が矯正・入管部門から何らかの影響を受けたり、あるいは矯正、入管に関係する事件を窓口の段階で受理しないというようなことはおよそ想定し難いというふうに考えております。 また、地方事務所や地方法務局におきまして公権力による人権侵害事件につきまして御懸念のような不適切な取扱いがされることのないように、人権委員会の規則におきまして、事件の受理、調査、処理等の準則を規定いたす予定でございます。 次に、調査でございますが、これは原則として救済の申出を受けました地方事務所又は地方法務局の職員が行うことになりますけれども、さきに申し上げましたように、これらの職員は、矯正・入管部門と職務上何のつながりもございません。したがいまして、調査に当たって手心を加えるといったようなことはおよそ想定し難いものと考えております。 また、実際の運用といたしましては、公権力による人権侵害事件など、特に中立公正さが要求される事件の調査につきましては、人権委員会の地方事務所の職員が主導的に、つまりイニシアチブを取って行うということを考えております。したがいまして、地方法務局にこの種の事件についての救済の申出がありました場合には、当該地方法務局を管轄する地方事務所との共同調査を実施するということになるわけでございます。 さらに、刑務所職員による受刑者に対する暴行でありますとか、あるいは入管職員による収容者に対する暴行など特に重大な公権力による人権侵害事件につきましては、これは人権委員会のおひざ元の中央の事務局が人権委員会の指揮監督を受けまして調査を直接指揮し、その職員が自ら調査を行うことを考えております。 最後に、救済措置の発動でございますけれども、特別救済手続の対象となりますこれらの事件につきましては、人権委員会自身が事務局職員の行いました調査結果等に基づきまして事実認定を行い、調停、勧告、訴訟援助などの救済措置の発動を決定するということになるわけでございます。 したがいまして、以上のとおり、救済の申出の受理から処理に至る一連の手続を人権委員会が自らコントロールし、事実認定や救済措置の発動を自ら行うということが予定されているものでございまして、事件が法務省傘下の機関で起きたからといいまして何らかの影響を受けるというものではないというふうに考えております。
○市川一朗君 私の質問としては最後に大臣にお聞きしたいと思いますが、私もこの九月に憲法調査会の一員としてヨーロッパを回ってまいりました。行ってきて確認したからというわけではないんですが、やっぱりヨーロッパは人権問題については非常にしっかりとした取組がなされていると思います。 私、そういう観点からしますと、今回提案されております人権擁護法案は、成立いたしますとやはり日本もヨーロッパ諸国に負けないような体制にひとつ踏み出すことになるんじゃないかという確信を持っているんでございますが、しかし、大臣も御承知のとおり、政府原案につきましては、これはもう廃案にすべきであるとかあるいは抜本的な修正が必要であるというようなことで、我々委員会としてもいろいろ取扱いに苦慮しているわけでございますが、そういった議論がある中で、法務大臣としてこの辺どういうお考え方を持って臨んでおられるのか、最後にお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 政府提案の法案に対しましていろいろな御意見があり、また御批判もあるということは承知しております。 それぞれの観点から修正等についての御意見も示されているということを十分承知いたしておりますが、私といたしましては、原案が最善のものであるという考えに今も変わりはございません。できるだけ多くの方に御理解いただけるような形で法案が成立するということが望ましいことは言うまでもございませんので、委員会におかれまして是非、十分御審議をいただき、御協議をいただきまして、一日も早く成立させていただきますようにお願いする次第でございます。 法務省といたしましても、引き続き最大限の努力を続けてまいりたいと考えております。
○市川一朗君 終わります。
○千葉景子君 今日は、名古屋刑務所等を含む矯正施設にかかわる問題についての議論ができますこと、本当に良かったと思います。是非、この議論を通しまして新たなる人権保障の道が作られていきますように、期待をしながら質問をさせていただきたいというふうに思います。 既に、先般、名古屋刑務所に野党の議員で調査をさせていただき、いろいろ御配慮をいただきましたことについては、先般の質疑の中でも多少御報告をさせていただきました。 改めて、こういう問題がやっぱり根底にあるのではないかというふうに思います。一つは、矯正施設、刑務所を含めてですけれども、名古屋刑務所のみならず、やっぱり閉鎖状況にあるということですね。密室というか、非常に外と隔絶された環境にある。そういう中で、収容されている人々というのは言わば日常の生活あるいは人間そのもの、丸ごと管理をされている。こういう密室の中で、閉鎖された状況の中で管理をされていると、こういう立場に置かれているわけですね。 そういうことになりますと、その中でのきちっとした人間性やあるいは基本的な人権の保障、確保、こういうことを考えますときには、やはりきちっとしたそれを保障するための厳格な決まり、これがきちっとあるかどうか。それから、それをきちっと履行しているかどうか、これも厳しく第三者あるいは外からチェックできるような、そういう体制が本当にそろっているかどうか、こういうことが非常に重要になってくるだろうというふうに思います。 ところが、先般も調査をさせていただきましたけれども、こういう部分が本当にこれまで整備をされていたのかということを考えますと、これはいささか大変疑問を感ぜざるを得ないと、こういう状況でございます。 確かに、過剰収容であるというようなことも私はないとは申しませんけれども、しかし過剰収容でない時期であってもいろいろな問題が生じていたということもあるわけですし、こういう特質というようなものを考えたときには、やっぱりそのことを十分に念頭に置きながら問題を考えていかなければいけないというふうに思います。 そこで、その材料になるという意味で、私も一体、保護房とかあるいは革手錠の使用、あるいは矯正施設の中での処遇についてどういう仕組みになっているかということを考えてみました。そして、資料等をいただいてみました。 結局は、戒具とかあるいは保護房への収容等は、大まかには監獄法に本当に漠然とした基本的な規定があり、そしてそれに基づく監獄法施行規則で多少のそれを細かくした規定が載せられているということなんですけれども、実際にはそこに書いてあることは、保護房に場合によっては収容できますよ、あるいは場合によっては戒具を使用できますよ、この程度のことなんですね。結局、それ以上、具体的にどういう場合に、あるいはどういう場合にはやっていいのか、やって悪いのかというようなことは、はっきりとしたやっぱり決まりがない。平成十一年の十一月に矯正局長の通達が戒具の使用及び保護房への収容ということで出されております。これが少なくとも今ある基準といえば基準なのかなという感じがいたします。 そこで、せめてこのように通達をされているということと照らし合わせて、一体、名古屋刑務所等、現状がどうなっているのかということですけれども、例えば名古屋刑務所でこの前にお聞きをいたしましたが、保護房収容の平均時間が二十九時間四十四分、最長は百五十四時間三十四分、保護房にこれだけ今年一月から九月の間で収容されているというケースがあるんですね。 ところが、この通達の基準によりますと、保護房への収容というのは、原則としては三日を超えてはならないというふうになっています。どうしても必要があるときには、その後二日ごとに更新をすることができる。百五十四時間ということになりますと、当然この三日を超えるわけです。更新、更新が繰り返されたということになるわけですね。 結局、これは実態として保護房収容がこれだけ長く続く、そして平均でも二十九時間ということになるわけですから、実際にこの百五十四時間などという長い収容をしたというときには、どんなチェック、それからどんな理由、必要性があってこれだけの長い時間、保護房に収容されていたのでしょうか。事実関係をちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中井憲治君) お尋ねの個別具体的な案件につきましては、私どももちょっと現在のところ報告を受けておりませんので確と申し上げかねるわけでございますけれども、委員御指摘のとおり、保護房への収容につきましては、委員が言及されました平成十一年十一月の矯正局長の通達がございまして、ここにおいてまず収容要件が定められているわけでございます。 それとともに、その収容要件の中身は、要するに逃走、暴行、傷害、自殺又は自傷するおそれがあるということ、あるいは制止に従わず、大声を出したりあるいは騒音を発したり、あるいは房内を汚したり、房内汚染と申しますが、あるいは器物を壊したりするなど異常な行動を反復するおそれがある場合という要件が一つございまして、これに加えて、「かつ、」ということで結び付けられておりますけれども、一般の居房でありますところの普通房に収容することが不適当と認められるときに限って行うこととするという収容要件が定められているわけであります。 これとともに、その当該通達によりまして、収容要件が消滅した場合には、これは直ちに収容を解除することとされておるわけでございますので、その保護房収容は今申しました収容要件が充足される限りにおいて継続することができると、こういう通達の仕組みになっているわけでございます。 他方、その収容期間は委員御指摘のとおり、三日を超えてはならないということになっておりますし、この三日を超えて収容する必要があると認められる場合には二日ごとに収容要件を判断してその収容期間を更新していくという、こういう通達になっているわけでございます。 これらにつきましては、監獄法令上、この収容要件、あるいは収容の解除、あるいは収容継続、いずれにつきましても所長が判断する権限を有するということになっておりまして、所長がこれらの要件を充足しているかどうか判断しているわけでございますし、その結果につきましては、私どもが全行刑施設につきまして一年ごとに本省若しくは矯正管区におきまして監察しておりまして、その書類等をチェックして適正になされているかどうかといったことを監査していると、こういう状況にございます。
○千葉景子君 そうしますと、この長い、百五十四時間にも上るようなケース、本当にそれがこの通達にも照らして、あるいは基本的に本当に保護房を使うというようなことの本質に照らして適切なものであったかということはチェックを必ずされるということですよね。これまでそういうチェックをされて、そして問題のあった、あるいはそれを是正させたとか、そういうことはこれまであったんですか、なかったんですか。これ、ちょっと直接通告がなかったかもしれませんけれども、これまでそういうチェックはしていたんですか、していたわけですよね。
○政府参考人(中井憲治君) チェック自体はしておりますけれども、今お尋ねのように、例えば名古屋刑務所において具体的にどういう事例があったかどうか、突然のお尋ねでございますので、現時点でちょっと資料を持ち合わせておりません。
○千葉景子君 これだけ問題になっているわけですから、これが本当に通達に沿ったものであったのか、本当に適切なものであったのかというのは、何というんでしょう、すぐにでも本当は調べる、あるいはチェックするというのが当然のことであろうと思います。是非、それはどうチェックをされたのか、改めてまた報告をいただきたいというふうに思うんです。 さらに、この戒具の使用とか、あるいは保護房収容中の動静というのは十五分に一回以上の割合で書面に記録すると、動静についてですね、こういう要件も付せられております。この十五分に一回きちっと、例えばこの名古屋刑務所での事例などでもチェックはされていたんでしょうか。その動静について記録がされ、そしてそれがどこかに提示をされる、チェックを受けているということはあるんですか、あったんですか。
○政府参考人(中井憲治君) 御指摘の点は、先ほどの平成十一年通達において定められるところでありまして、そのようなチェックは巡閲、監察等の際にも当然されているところであります。 また、先ほどの件でございますが、一般的に申し上げますと、例えば非常に保護房における収容期間が長いといったような場合には、それについて、内容等についてまたその巡閲、若しくは管区の監察の際において問いただしたり、場合によっては指導するというようなことを一般的にはやられているところでございます。
○千葉景子君 この通達によって確かにそういう記録がされたり、監察がされたりして、それがまたチェックされるということになっていたにもかかわらず、やっぱり今回、名古屋ではこういう事件が起こる、あるいはほかにも死亡事例などが起こったりするということですから、そういう意味では、本当にそのチェック機能が、あるいはこの要件に照らした処遇がなされていたとはとても思えないわけですよ。 例えば、さらに革手錠の使用についても確かに要件がございます。どうも名古屋刑務所等を見ても感ずるんですけれども、保護房に収容するということと、それから革手錠を使用するということがセットに行われているんではないかと。名古屋刑務所でも、革手錠の使用が今年十一月までで百六十件、保護房と革手錠の使用が百五十件ということですから、ほぼ革手錠を使用するときというのは大体保護房にも収容されているというどうも実態になっているのではないかというふうに思うんですね。 この革手錠と保護房を併用していいのかどうかということも、これも確かに要件があります。ただ、これも簡単なことでして、「保護房収容のみでは、逃走、暴行又は自殺を抑止できないと認められる場合に限り、保護房に収容されている者に対して戒具を使用することができる」と、非常に漠然としたものでして、何か本当に、必要最低限使うというよりは、先ほど言った件数見ても、もう当たり前のように、保護房と革手錠が一緒と、こういう運用がされてきたんじゃないかと、こう私は指摘をせざるを得ないわけです。 名古屋刑務所で、これも件数とかをお聞きをいたしましたが、この事件が、五月、九月の事件が発覚をいたしまして、その後も、どうも革手錠、保護房というものが使われているように思います。九月まででは革手錠百五十八件、保護房、革手錠併用が百四十八件、十一月までが革手錠使用が百六十件、保護房、革手錠併用が百五十件と、ちょうど二件ずつ多いんですね。多分これはその併用したケースが二件、その後にもあったということだと思うんですけれども。 こういう非常に大変な事件が起こり、その後のことですから、かなり厳しく、あるいは厳格に検討されたものだというふうに私は思いますが、この事件が発覚後に使われた理由、あるいはこの決定の手続、どういうふうに行われたのか、理由とその手続等について、実際のところを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中井憲治君) 委員、前段から、名古屋における保護房収容と革手錠併用についての御指摘を受け、具体的な事件についてのお尋ねがあったわけでありますけれども、確かにその名古屋におきましては、平成十四年、保護房収容が百九十九件で、うち革手錠併用が百四十八件という形で資料をお渡しさせていただいたと思いますけれども、実はこれは全国的に全部そうではございません。 例えば、府中刑務所なんかで申しますと、二百六十八件、十四年の途中の、期中でございますけれども、保護房収容しておりますが、革手錠の併用件数は七件でございます。また、大阪刑務所で申しますと、保護房収容が平成十四年の期中、途中までで三百七件でありますが、革手錠の併用件数は二十八件という数字になっておりますので、前段の御指摘に対して、この点を御説明させていただきたいと思います。 さらに、後段の具体的な事案でございますけれども、委員御指摘のとおり、九月事件、九月の致傷事件以降にも二件ございます。そのうちの一件でありますが、それは十月のことでございます。 舎房におきまして、受刑者が職員の胸ぐらをつかむなどいたしまして、暴行のおそれが認められたために保護房に収容したものでございます。保護房収容した後も、職員に対して足を振り上げたりなんかいろいろいたしまして、職員が制圧の手を緩めたような場合には再度暴行に及ぶおそれが認められたということで革手錠を使用しております。その後、大声を出すなどという状態は継続いたしましたけれども、この暴行のおそれというものが若干軽減いたしましたために、たしか約三時間後と聞いておりますけれども、革手錠の使用を解除いたしまして、その翌日、暴行のおそれが薄らいだため保護房収容をも解除したという報告を受けているところであります。 続きまして、二件目の案件でございますけれども、これは十一月の案件でございます。やはり、舎房におきまして受刑者が職員の制止に従わず大声を発し続けましたため保護房に収容したというものでございます。保護房収容をいたしました後も職員の制止に従わず、保護房内の壁に頭を激しく自ら打ち続けるというようなことがございまして、自殺のおそれが認められましたために、この当該受刑者の頭にヘッドギアでございますけれども、これを装着いたしました。ただし、これを外しちゃうものですから、これを自ら外させないために両手錠を使用しているところでございます。その後、次第に落ち着きを取り戻し始めたものですから、自殺自傷のおそれといったことは保護房収容のみでこれは抑止できるんではないかということから、保護具、ヘッドギアでございますけれども、これと革手錠を解除いたしまして、その翌日には自殺や自傷のおそれも薄らいだことから保護房収容自体も解除したと、かように報告を受けております。
○千葉景子君 今お聞きをいたしましたが、確かに必ずしも保護房と革手錠が併用されているわけではないというお話でした、全国的には。逆に言えば、本来はそうだと思いますけれども、そうすると、名古屋刑務所というのは異常に保護房、革手錠を併用してきたということになるわけで、そういう意味では、やっぱり本当にこの通達含めて、結局それぞれの矯正施設での対応の仕方あるいは基準が本当にばらばらで、何か気分によって保護房、革手錠両方使われたりすることになったんでは、これはもう本当に人権が保障されないということになってしまうわけですね。 今、二件の状況を御説明をいただきました。ただ、それが本当にそういう状況の中で保護房に収容する、あるいはその際に革手錠を更に使わざるを得ないという状況だったのかどうかというようなことをやっぱり検証し、そしてチェックするためには、ひとつビデオなどでそういう厳しい戒具、保護房事例などは記録をして、そして後ほどでもチェックをする、こういう機能がないと検証できないわけですよね。御説明をいただいても、本当にそんなに保護房に入れて、暴れるからヘッドギアもする、それを取るから革手錠もする、こんなことが本当に必要なんだろうか。 保護房で革手錠されますと、正直言って、食事とかあるいは用便とか、そういうことについては極めて私は非人間的というか、尊厳を損なうような状況に立ち至る、もうこれは本当に痛感をいたします。 よくこの規定でも、そういうときには、食事には手錠を外すとか、あるいはせめて片方外すとか、あるいは職員が食事の介助をするとか、いろいろ書いてはあるんですけれども、本当にそれがなされているのか。もしそれがきちっとなされていないと、保護房の中にはテーブルがあるわけではない、食事などは下から、低いところから床の上に置かれる、もしそのままの姿勢だったら本当に犬食いですよ。それから、用便も、結局は自分で水を流すというような装置にはなっていない。あるいは手錠のままだったら本当にどうやってやるのか。 多分、いや、そういうときには外しています、ちゃんと、そして食事ができるようにしていますと御報告だと思いますけれども、それが本当になされていなかったら、チェックされていなかったら、本当に人間じゃありませんよ、そういう状態はね。だから、やっぱりチェックをする、そういう機能が必要だ、だとすればビデオ録画のようなことが必要だと思います。 これについては、ようやくつい十一月になって通達が出されまして、ビデオ録画をできるだけしなさいということになりましたけれども、これまでは一体どういうふうになっていたんでしょうか。特に、全体をちょっと説明いただくわけにはいきませんので、例えば名古屋刑務所ではいつごろからビデオ録画をして、そして今回の二件の事例などもビデオ録画がされていたのか。どういう所内での基準とか、あるいは例えば保存期間などはどういう考え方で行われていたのか、その辺についての具体的な事実関係を御報告いただきたいと思います。
○政府参考人(中井憲治君) 本年十一月に新たに通達を発出いたしました。御指摘のとおりでありますけれども、その以前、要するに被収容者を保護房に収容した際に常時、ビデオ録画するようにといった、こういったことに関する指示等はございません。 一般的に、各施設、名古屋刑務所も含めまして、監視用カメラは持っております。このカメラでございますけれども、これは保護房に限らず、警備保安上の問題もございますので、施設の構内の内や外あるいは工場等にもこれは実は設置しているわけでございます。 したがいまして、このビデオ録画につきましても、一般的に申しますと、施設の内外を録画するケースが多いわけでございまして、保護房内の状況につきましては、例えば、先ほどちょっと私が申しましたように、保護房に収容されている者が頭を壁に打ち付けるといったような自殺又は自傷に及ぶような行為をやるとか、あるいは汚物を投げ付けたり房内に塗りたくるといったような異常行動を取る、あるいは職員に対して、内部にいろいろ職員が入るわけでございますけれども、それに暴行するといった、こういった特にその状況を記録する必要があると認められる場合においてビデオ録画する運用が多かったという具合に、かように承知しているわけでございます。 名古屋刑務所の保護房のビデオ録画についても、これは同様でございまして、他施設と同様の運用をしておりましたけれども、本年五月の致死事件が発生いたしましたが、その後の六月以降に保護房収容中特異な動静があった場合には、その当該保護房をビデオ録画する扱いにされていると、かように聞いております。 お尋ねのビデオテープの件でございますけれども、名古屋刑務所におきましては、六月以前にはそのビデオテープに録画した映像の保存に関する定めはなかったようでございます。六月以降につきましては、原則として二日間保存する扱いと聞いております。 なお、本年十一月に委員御指摘されたような新たな矯正局長通達が発出したわけでございますけれども、この通達が発出された後は、名古屋刑務所におきましても、保護房監視用カメラによってビデオ録画したビデオテープでございますけれども、これは本省から別途、指示するまでの間は保管する扱いに改められたと、かように報告は受けています。
○千葉景子君 今、びっくりいたしました。いろんな異常な状況があったときにビデオ録画したら二日間、これじゃもう何の本当に意味もないというか、それでどうやって、チェックするいとまもない。何のために録画をして二日間だけ保存するのか。事ほどかように、結局は、きちっとした決まりあるいはそういう規則等が定められていないがゆえに、このビデオ録画もやってはいるものの、多少は、しかし現実には何の意味もない、結局はチェックのための資料にもならない、こういう事態で推移をしてきたというのが実態だというふうに思います。 私は、もっと議論をしなければいけない観点はたくさんありますけれども、やっぱりこれを考えてみましても、幾つかの課題が明白ではないかというふうに思うんですね。 一つは、例えば革手錠。これが、私は、国際法上から見ると、手錠というよりはかせというか、本当に人を、何というんでしょうね、戒めるというか、そういうための道具になっている。この革手錠とかあるいは保護房の在り方、こういうものを抜本的に考えるときではないかというふうに思いますし、チェック機能、先ほどからお話がありますように、結局は、それをどこがどう最終的にはチェックをして、あるいは是正をさせたりしているのか、これがやっぱりはっきりしていない。こういうチェック機能を第三者の目も入れるというような観点も含めて考えていく。その基盤になるのは、例えばビデオ録画を義務付ける、こういうことが必要ではないかというふうに思います。 もちろん、大臣もおっしゃいましたように、過剰収容、これを解消するというのも大きな背景とすれば必要なことではないかと思います。刑務官だって、一人で何十人もやっぱり対応するとなると、いろんなしなくてもいいことをつい、もう余りの、手の余る余りに、やっぱり保護房と革手錠でそこに押さえておこう、こういうことにもなりかねないわけですから、こういうことを含めて抜本的な改革あるいは規定の整備、チェック機能の整備、こういうことが今求められるかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 名古屋刑務所の事件につきましては大変御心配を掛けまして、誠に申し訳ないと存じます。 現在、検察による捜査が行われておりまして、矯正局や人権擁護局におきましても調査を進めているところでございます。 これらの結果を踏まえまして、保護房収容及び革手錠使用の運用の在り方はもちろんのこと、革手錠等の使用を定めた訓令の改正の要否につきましても検討をいたしたいと思いますし、幅広い観点から、いろいろな角度から検討をいたしまして、法務省全体として再発を防止したいというふうに考えております。
○江田五月君 千葉委員の方から、名古屋刑務所及びその他の刑務所についての状況を質疑をさせていただきましたが、受刑者の人権、人権と、こう言う。そうすると、刑務所の職員の方から、おれらの人権はどうしてくれるんだ、そんな声もあるかと思うんですね。私は、そちらももちろん大切だと思いますし、過剰収容の中で刑務所職員の皆さん、大変な苦労をしておる。そんな中で、ついぶちっと切れるということもあるかなと思うんですが、これはお互いにとって良くない。お互いにとって良くないんですが、取りあえずここで森山法務大臣に改めて確認しておきますが、受刑者にも人権があるんだ、これは当然ですよね。それはいいですよね。
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおりでございます。
○江田五月君 ここに、私、一九九八年の六月にアムネスティ・インターナショナルが出しました「日本の刑事施設における残虐な懲罰」、こういう書面がありまして、その中に、府中刑務所の内部規定、ここでクオーテーションですが、君は今日から府中刑務所で受刑する立場にあります。中略。刑務所は刑を執行するところであり、しかも常に多数の受刑者が一緒に生活しているので、規律、秩序が十分に保たれなければならないため、各人が勝手な行動をするようなことは許されません。したがって、刑務所の生活は社会一般の生活と比べて細かいいろいろな制約がありますと。これは入った人にすぐ読んでいただくんでしょうね、いただくというのはいけませんかね、読ませるんでしょうかね。 そして、所内生活の手引というのがあって、やはり府中刑務所の内部規定より抜粋で、一般心得、自分の住所や家族の氏名などを他の被収容者に知らせないこと。歩行中は懐手や腕組みをしたり、ポケットに手を入れたり、その他肩を振ったり、履物を引きずったりしないこと。この手引に書かれていないことであっても職員が指示したことには素直に従うことと。 まあ、そうしてもらわなきゃ困るという立場もよく分かります。しかし、一方で、素直に従うことと、そういう関係というのは、これはやっぱり命令と服従の関係であって、そういう関係の中でちょっと間違えば、やはり命令する側が服従する側に対して人権侵害を行う、そういうおそれが非常に高い人間関係だと、こう思いますね。 私ども、昔、法律を学んだときに特別権力関係なんという概念があって、学校とかあるいは刑務所とかはその典型なんて言われたんですけれども、最近はどうもそういう概念は余り物事を整理するのに役に立たないというのでそういう議論をしていないようですが。 やはり、素直に従ってもらいたいと思いますよ、それは、職員からすれば。だけれども、人間いろんな事情があって、どんなに素直に従わなくたって、それなりに従っておれば、刑期が終われば、あとは刑務所に入っている理由は全く当然これはないわけですからね。 ですから、こういう人間関係というのは人権上やはり非常に危ない人間関係なんだと。このことは分かっていただけますかね、法務大臣。
○国務大臣(森山眞弓君) 受刑者にもいろんな人がおりまして、今まで入るまではいろんな暮らし方をしてきた。自分の好きなものや嫌いなものもあるでしょうし、気に入ることや気に入らないこともあるでしょうから、それぞれの人間、様々でございますので、一つのことを言われても感じ方が違うと思います。それは十分に理解して、刑務官の方でも相手がどういうふうに思うか、どういうふうに感ずるかということもよく理解をした上で必要な監督あるいは刑務の仕事をするということが一番重要ではないかというふうに思います。
○江田五月君 やはり、それが常識だと思いますよね。おまえらは懲役を受けている身だから生かすも殺すもおれの自由だ、そういう関係があっちゃいけないと。履物を引きずるなというけれども、人の歩き方だっていろんな癖もあるんですよ。 そこで、私は、法務省の人権擁護行政、当然これは公権力による人権侵害事案に対しても役割を果たさなきゃならぬ、決然と行動しなきゃならぬ。公権力による人権侵害事件、これは公権力というところ、どこでも起きるので、法務省以外のところでは起きるけれども法務省で起きることはないんだ、そんなことはないですよね。法務省の内部であっても、矯正施設内における人権侵害があれば、それは人権擁護行政は敢然としてこれを是正するために役割を果たさなきゃならぬと思いますが、これはよろしいですよね。
○国務大臣(森山眞弓君) 人権擁護というのは法務省の仕事の大きな一つでございますし、人権擁護局を中心といたしまして、すべての職員がそのつもりで努力しているところでございます。
○江田五月君 そこで、一つややこしい議論がありまして、行政というのは行政庁によって行われるんだと。行政庁というのは、特に法務行政は法務大臣というのが行政庁であって、これはもうその法務大臣が行政行為を行う。その他の法務省の全組織は、法務大臣という行政庁の行政を言わば補助する、そういう補助機関なんだと。その補助機関の一つが矯正局であり、一つが人権擁護局であり、これはもう法務大臣という行政庁の仕事を補助するんだから、その間に、やれ監督だとか、やれ介入だとか、やれ何だとかというようなことはそれはあり得ないんだという、そういう説明があるんですよね、現に。これ、どう思われますか、法務大臣。 もう法律のややこしい話はいいんで、そういうのは何かおかしいなというふうに常識的にお感じになるかどうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 何か難しい御質問で、ちょっとどういう意味か取りかねますけれども、どういう御趣旨でございましょうか。もう一度言っていただけますか。
○江田五月君 難しい理屈なんですよ、その行政法上の。つまり、法務大臣というのが全部を網羅して、矯正局長が何か言うのも法務大臣の言うことなんだと、人権擁護局長が何かやるのも法務大臣がやることなんだと。その法務大臣がやることだから、その中で、右手と左手とが、右手が左手をつかまえてどうとかというようなことはそれはあり得ないんで、全部、体なんだと、全部、頭が全部やっているんだと、こういう法律の理屈があるんですよ。 今でも、ずっとあるんです、そういう理屈は。それは行政法の試験で答案書けば、やっぱりそういう答案を書けば多分、丸になるんですよ。だけど、何か常識的にはおかしいということをお感じになるかどうか。余り難しいことを聞いているんじゃないんです。常識を聞いている。
○国務大臣(森山眞弓君) なるほど、そういう理屈もあるだろうなと思いますが、確かに何となく変かなとも思います。
○江田五月君 いや、それでいいんです、それで。その常識、大切なんですよ、本当に。 というのは、矯正局で行っている法務省の行政作用が一つある。刑務所をちゃんと監督して運営していくという。一方で、人権擁護局が行っている行政作用もあるんです。その行政作用はお互いに違うでしょう。お互いにこれは、お互いにといいますか、どっちかというと、人権擁護行政というものが矯正行政に対して人権侵害があるかどうかをちゃんと見ていかなきゃならぬという、そういう行政作用上の関係があるでしょう。ところが、今の伝統的な行政法、総論からいうと、そういう関係がうまく説明できないと思うんですよね。 だから、私は、やっぱりこれは、人権擁護局は本当に矯正局に対しても、矯正局が行っている行政に対しても、自分たちは人権擁護の観点から役割を発揮するんだということをもう一遍ちゃんと認識していただかなきゃいけない。昨日も説明に来た若い職員の皆さんで、いや、それは同じ省内ですから、監督とかなんとか、勧告とかそんなことはあり得ませんというようなことをぽろっと言うような人がいるわけで、そこでこれまで法務大臣、法務省の人権擁護行政が同じ法務省の矯正施設行政に対して人権擁護のために十分な対応をしてきたと、これも直観で結構ですが、思われるかどうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 直観でいいとおっしゃいましたが、私の直観としては十分役に立ってきたと思っています。
○江田五月君 ところが、それはやっぱりその直観、ちょっと改めていただかなきゃいけない。 昨日、私、いろいろ聞きまして、どうも法務省人権擁護行政は同じ法務省の矯正施設行政に対してはほとんど何もしてこなかったんじゃないかと、むしろ。そういう感じを非常に強くしました。 まず、矯正局長、法務省の矯正局はこれまで同じ法務省の人権擁護局から矯正施設行政について何か勧告を受けたとか意見を述べられたとか、言葉は何でもいいです、ちょっと、耳打ちじゃまずいかな、アドバイスを受けたとか、協議の中でいろんなことが言われたとか、そういうことがありますか、ありませんか。
○政府参考人(中井憲治君) 突然のお尋ねなので全部網羅できるかどうか自信はございませんが、例えば刑務所が行っております信書の検閲問題がございますけれども、これが行き過ぎじゃないかということが疑われた事案があったように思います。これにつきましては、人権擁護局から私どもに対して、その信書検閲方法ということの是正策というのを要望があったという具合に記憶しています。これ以外にもあろうかと思いますけれども、ちょっと現時点で覚えておりません。
○江田五月君 今、人権擁護局長と矯正局長、すぐいす一つ隔てて座っておられますから、ぱっと書面が、答弁というので人権擁護局長から矯正局長に書面が渡りましたけれども、実際にはもう縦の流れの中で厚い壁があって、そこで今ぱっぱっと書面を相互にお渡ししているような、そういう調子になっていないんですよ。 人権擁護局長、今まで矯正局に対して人権擁護の観点から勧告とか意見とか、何でもいいです、勧告はありません、意見はありませんが、ちょっとアドバイスはありますなどという逃げを打たないで、そういうことを何かやった経験がおありですか、どうですか、人権擁護局長。
○政府参考人(吉戒修一君) この問題は、先ほど委員がおっしゃいましたように、法務省内部部局同士の話でございますから、いろんなやり方があろうかと思います。 過去におきまして、今、矯正局長から御紹介いたしましたように、信書の検閲につきましてその是正を人権擁護局長の方から矯正局長に申入れをして、その措置が矯正局長から管下の刑務施設に対しまして指示がされたというような事例が一つございます。 それから、刑務所職員の個別的な人権侵害事件につきましては、これはその調査を処理いたしますのは言わば法務局、中央法務局でございますけれども、その中央法務局あるいは法務局で受理した事件につきまして、人権侵犯の事実があるというふうに認定した場合には、当該法務局長から加害刑務職員に対しまして勧告をし、更にその監督者の刑務所長に対しても意見を述べたということもございます。 そういうふうなことで、人権局としては、矯正行政につきましてもその事件の都度、適切な対応をしてきたというふうに考えております。
○江田五月君 探せば多少はあるかもしれませんが。 じゃ、聞きましょう。人権擁護局長、昨日、説明資料をいただきました。その中に、昭和五十九年八月三十一日付けの人権侵犯事件調査処理規程、こういうものがあります。それに沿って聞きたいと思いますが、まず人権侵犯事件の受理、平成十一年、十二年、十三年、十四年の現在まで、刑務所職員による侵犯、この受理件数はそれぞれ何件ですか。そして、そのうち名古屋刑務所については何件ありますか。
○政府参考人(吉戒修一君) 法務省の人権擁護機関といたしましては、刑務所における人権侵犯事件につきまして、まず受刑者本人からの申告というものが端緒となることが大半でございますけれども、それ以外にも事件の関係者からの人権の相談あるいは通報、あるいは新聞、雑誌等からの情報の認知というものが端緒になります。 今、お尋ねの件数でございますが、平成十一年から十三年までということで、平成十一年でございますけれども、これは刑務職員による人権侵犯事件でございますが、申告が十八件、情報が一件、委員の通報、委員の通報と申しますのは人権擁護委員でございますが、通報四件、あと移送というのが一件ございます。それから、平成十二年は、申告三十九件、情報一件、委員の通報四件、平成十三年は申告三十三件、委員の通報一件でございます。 名古屋刑務所に関して申し上げますと、名古屋刑務所における人権侵犯事件の受理件数といたしましては平成十一年に一件ございました。それから、これは本年、平成十四年でございますが、本年現在、今日現在で、いわゆる九月受傷事案も含めて三件ございます。よろしゅうございますか。
○江田五月君 さてさて、そのくらいの件数で本当にいいのかどうかなんですね。 今、名古屋刑務所のケースはやっと統計の中での数をお話しくださいましたが、昨日の説明では、地方法務局ごとの統計であるから個別の施設の件数は分からないというようなことで、分からないといったって、それは元を見たら分かるのじゃないかといってやっと今、数が出てきたんだろうと思いますが。 そんなことを話をしておったら、名古屋刑務所についてどういう事件が受理されたかというのは、存否応答拒否情報だなんということもちょろっと出てきたりして、いや、それはちょっと、あるかないかを答えられない情報だというようなことを言っていいんだろうかと。人権擁護局が受理していることが統計上出てきている事件で、いや、それは存否応答なんて、多分間違って言われたんだと思いますが、その辺の感覚の狂いというものを正していただかなきゃならぬと。 名古屋刑務所の事件について、被害者、加害者がかかわる人権侵犯事実を人権擁護局が初めて知ったのは、これはいつだと。昨日の説明では、今年の十一月八日、つまり今回の被疑者たる刑務官が名古屋地検に逮捕されて、逮捕されて知ったという、逮捕されたことが報道されてでしょうか、初めて知ったと、こういう話だったんですが、そうなんですか。
○政府参考人(吉戒修一君) 名古屋刑務所の九月受傷事案のことだと思いますけれども、これは十月の四日の日にこの受刑者の関係者の方から名古屋法務局の人権擁護部に人権の相談がございまして、名古屋法務局の方では、これは非常に重大な人権侵害のおそれがあるということで、人権侵犯事件として受理するということで、これは、十月の四日はたしか金曜日だと思いますけれども、その翌週には人権局の方に報告をいたしましたので、私の方で受理しております。
○江田五月君 それじゃ、ちょっと早かったですね。 名古屋刑務所の革手錠使用回数が非常に増えていると。これもどうも知らなかったとかいうことで、まあ昨日から今日にかけて一生懸命調べたら、ああ、このとき知っていたというのが分かった、それはそれでいいですが、これらのことを見ると、やっぱりきっちり役目を果たしていると言えないんじゃないか。名古屋刑務所について、平成十二年と十三年に、これは今回の事件というんじゃないんですけれども、名古屋弁護士会から名古屋刑務所長あてに勧告書が四件出されたと。名古屋弁護士会から名古屋刑務所長あてに勧告書が四件。これは、人権擁護局はそういうことは知っていましたか。
○政府参考人(吉戒修一君) 名古屋刑務所に関します人権侵犯事件は、先ほど申し上げましたように、平成十一年の一件と本年の三件でございまして、今、委員がおっしゃいました事件はそれとは該当いたしませんので、ちょっと私の方では承知しておりませんでした。
○江田五月君 そうですよね。つまり、名古屋弁護士会から名古屋刑務所長あて、これ、矯正局の中の一施設ですよね。そこに来ていても人権擁護局がそれを知るという仕組みはないんですよね。それが問題じゃないかと言いたいんですが。 受理とおっしゃいますが、受理の端緒は申告、情報、委員通報、関係官署の通報の四種類だそうですが、どうも受理というのも何かこうぴんとこない話で、どこかから言ってこられて初めて人権擁護行政が動き出すというんだけれども、自分の方から何もやらないということですよね、受理ということでこの活動が始まるというのは。情報収集が弱い。例えば、弁護士会に協力を求めるなど、人権侵害のことがあったらとにかく私のところへまず来てください、いろいろやりたいですからと、そういう体制はなぜ取らないんですか。どうなんですか。
○政府参考人(吉戒修一君) 基本的に、事件の受理は、人権侵犯事件というものはやはり被害者の救済を旨としておりますので、まず御本人の申告というものを第一義に考えておりますが、ただ、それだけでは事件に対して少のうございますので、委員の通報でありますとか、あるいは新聞、雑誌等からの情報認知ということもございます。 今おっしゃいました弁護士会との連携でございますが、これも適宜の機会に弁護士会と人権擁護機関の方で意見の交換はさしていただいておりまして、その際に委員おっしゃるような個別の事件までの情報の交換がなされているかどうかはちょっと私も承知しておりませんけれども、公権力の人権侵害事件についてはその際に意見を交換さしていただいておるということでございます。
○江田五月君 人権侵犯事件調査処理規程の処理の態様としては、告発、勧告、排除措置、説示、援助、通告、処置猶予などがあるということですが、人権侵害があれば、その者を指導監督、あるいはその者に対して、いや、その者にいろんな説示を行うとか、あるいはその者を指導監督する者に対して反省を促し、改善等のための必要な助言を行うもの、それからその者を指導、ちょっとややこしいですね。 いずれにしたって、人権侵害を行った者があれば、それを指導する者に対していろんな措置を取るというようなことが入っているわけですが、この人権侵害を起こした者を指導監督する者というものとして、これ、人権擁護局長、法務省の矯正局長は入るんですか、入らないんですか。
○政府参考人(吉戒修一君) 矯正施設における人権侵犯事件がありました場合には、加害刑務職員の直接の監督者は矯正施設の長でございますから、その者に対しまして調査いたしました法務局の方で意見の提出をする、あるいは要請をするということはございますけれども、矯正局長まで何か具体的な監督責任があるかどうかというのは、なかなか事例としては想定し難いのではないかなというふうに考えております。
○江田五月君 人権擁護局で今の刑務所行政全体を見ていて、どうも先ほどの戒具の使用とか、全体にもう少しこれはちゃんとしたルールを決めてやらなきゃいけないというようなことが分かったときに、これは個別の刑務所長でなきゃいけないんですか。矯正局長になぜそういうことが言えないんですか。
○政府参考人(吉戒修一君) 先ほど、人権局長の方から矯正局長に対しまして、信書の開披の問題でしょうか、それにつきまして意見を述べたという過去の例を御紹介いたしましたけれども、今般の名古屋刑務所の九月受傷事案につきましては、私どもで今現に調査をいたしておりますが、その結果といたしまして戒具あるいは保護房等の使用方法につきまして適切な使用が望ましいというような意見をまとめました場合には、関係の矯正施設の長に対しまして意見を申し上げるのはそのとおりでございますけれども、矯正局に対してもそういうこともひとつ考えてみたいというふうに思っております。
○江田五月君 今、本当に日本の刑務所行政、矯正行政が適切に行われているかどうかというのは大問題になっていると思いますよ。かつて、例えば警察のやり方がおかしいじゃないかと、いろんなところで、神奈川県警であるとか新潟県警でいろいろ起きましたよね。そのときに警察庁は私はかなり一生懸命に内部の監査をやったと思いますよ。今、法務省、刑務所行政についてこれだけ事が起きているのにどうするのか。 ノーベル平和賞を受賞した国際的な人権団体であるアムネスティ・インターナショナル、ロンドンに本部がありますが、ここが、今回の名古屋刑務所事件を契機に、十一月の二十日に、「ジャパン:プリズン・アビュースイズ・マスト・ストップ」という文書を出しました。「日本:刑務所での虐待を中止せよ」という声明ですが、まだ法務省に届いていなかったようで、昨日、私からその紙をお渡しをしておきましたが、既に法務大臣のお手元に行っていると思いますが、これによると、アムネスティ・インターナショナルは、名古屋刑務所における刑務官による暴行や虐待について、完全で公開され、かつ独立した調査を行うように訴えておると。また、日本政府に対して、刑務所を査察をして、被拘禁者の処遇や一般的な拘禁状況を監視するために独立した機関の設置を求めたと、こう書いてあるんで、これは、アムネスティによれば、日本の矯正施設は過剰拘禁の状態だと。秘密主義で、囚人に対する虐待が広範に行われておると。また、内部規則の透明性がなく、施設の長は施設内の規則の決定について広範な裁量権を与えられており、しかもこれらは公開されていないなどなど、いろんな指摘がございます。 その中に当たっているものも、あるいは当たっていないものもあるかもしれませんが、いずれにしても総点検が今必要なんじゃないかと。そういうことをきっちりやらずに、そしてその是正をちゃんとやらずに法務省に人権委員会を作らせろと、いや、三条委員会だからと、それはなかなか国際社会通らないと思いますが。 どうでしょう、法務大臣、この今の刑務所の問題について何か一つ、アドホックなものになるかと思いますが、ちゃんとしたものを作って、ひとつ全刑務所の査察をきっちりやって、そしてどうやって改善をするかということに本格的な取組をされたらどうかと思いますが、最後に法務大臣の決意を伺います。
○国務大臣(森山眞弓君) 先ほどから申し上げておりますように、この具体的な事件につきましては、検察庁あるいは矯正局あるいは人権擁護局等で今鋭意調査をしているところでございますが、それらの徹底的な捜査とか調査の結果の報告を受けました上で、関係者を厳正に処分するほか、改めるべき点は改め、将来の再発防止に向けた抜本的対策を立てなければならないと考えております。 現在のところ、外部の医師などを構成員とする独立した調査機関を別途、新たに設置いたしまして、この機関において調査をするというようなことを予定はいたしておりませんけれども、近く検察の捜査結果や人権局や矯正局による調査の結果の報告を受けますので、それの上で必要があれば検討したいというふうに考えております。
○江田五月君 終わります。
○荒木清寛君 このたび名古屋刑務所において発生しました刑務官による特別公務員暴行陵虐致死事件及び同致傷事件は、受刑者の更生改善、社会復帰を担うべき立場にある刑務官によって行われたものでありまして、どのような理由がありましても決して許されるものではありません。私の住んでいる愛知県の名古屋刑務所で起きたことでもあり、大変私も憤慨をしております。矯正行政に対しての国民の信頼をも著しく失墜させる行為であったと言わざるを得ません。また、現在、矯正施設に関しましては、この過剰収容の解消対策、これを政府・与党の重点施策の一環として一生懸命我々は取り組んでいる最中でありまして、そのことにも水を差されたような思いでありますし、また懸案の人権擁護法案の審議にも悪い影響を与えたわけでございます。 そこで、ついては、今回の事件につきまして、名古屋刑務所のみならず法務省においても猛省し、今後二度と同じ過ちを繰り返さないよう徹底した真相の究明、そして再発防止策を講じることを求めるものでございます。 そこで、まずは森山大臣に、こうした事件を引き起こしたことについての大臣の所見をお聞かせ願います。
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、このたびの事件は誠に残念であり、二度とこのようなことが起こらないようにしなければいけないと固く決心をいたしております。 この事件は大変重大極まりない事件でございまして、国民の矯正行政に対する信頼を大いに揺るがせてしまいまして、本当に残念でございます。多くの刑務官はまじめにきちっとなすべきことをやっているに違いないし、一生懸命矯正の実を上げるように努力をしているに違いないと思うんですけれども、ほかの刑務官の人たち、良心的な刑務官の人たちの名誉をも傷付けたという感じがいたしまして、もう本当に残念極まりないことだと思いますし、御心配を掛けたたくさんの方々に心からおわび申し上げたいと思います。 この五月の致死事件につきましては、今後、検察において厳重な捜査がなされるものと思いますし、矯正局や人権擁護局におきましても引き続き徹底した調査を行ってまいると思います。そのように指示もいたしました。この種の事件が二度と繰り返されないように、この具体的な事件の真相を徹底的に究明いたしまして万全の措置を講じていきたいというふうに考えております。
○荒木清寛君 平成十一年の矯正局長通達の発出以来、革手錠の使用件数が極端に減少しておりますが、その理由をお聞かせ願います。 逆に、それ以前に使用件数が多かったことが不適切であった、不適正であったことの証明でもないかと思いますが、この点どうでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、平成十一年以降、革手錠の使用件数は減少しております。今年一月から九月末までの全国の刑務所及び拘置所の本所における件数につきましては、当委員会の冒頭で御説明いたしましたとおり、革手錠の使用件数は六百件でございます。実は、このように減少しているわけでございますけれども、平成三年の数字で見ますと、これは実は三千件ぐらいございまして、平成十年には千四百件ぐらいに減少しているわけでございまして、十一年で単体に減少したものではないという全体の流れを取りあえず御説明させていただきたいと思います。 その経緯でございますけれども、革手錠の使用というものは、それは被収容者の身体を拘束するという性格を持っております。したがいまして、矯正当局といたしましては、これは可能な限り謙抑的に運用されるべきものであるという具合に考えているところでございまして、平成十一年に確かに通達を発出いたしましたけれども、時系列的に申しますと、平成三年ころから、戒具の使用等につきましては、事態に応じ、その目的を達成するため、合理的に必要と判断される限度を超えることがないように、また暴行等のおそれがあることにより保護房に収容された者に対しては、保護房収容のみでは暴行等を抑止できず、やむを得ない場合に限り革手錠等の戒具を使用するようにと、おおむねその通達を踏まえた、先取りしたような実は指導をしてきたわけであります。その集大成として平成十一年にこの通達が年末近くになって発出したと、こういう経緯があるわけでございます。 したがいまして、この通達、通達の発出直接が契機というのではなくて、今申し上げたような長年にわたりますところの当局の指導が徐々に反映されていったということがまず一点御説明できるかと思います。 次に、この革手錠の使用状況というものは、当然のことながら保安状況と密接に関連しておりまして、施設内の規律及び秩序というのが比較的安定していたというようなこともありまして、そのような当時の保安状況を踏まえてそれぞれの施設が一層適正な運用に努めたといったようなことから、革手錠の使用件数が平成三年以降どんどん減少傾向にして今日に至っているということでございます。 革手錠の使用につきましては、今年に入りまして、これまた本日、冒頭からるる御説明いたしましているように、名古屋刑務所で実は非常に異常な急増状況を示したわけでございます。これはちょっと別といたしますと、全国的に私どもが、監査等の結果を踏まえますと、それぞれの時点における具体的な事案ごとにそれぞれの施設の長、すなわち刑務所長等でございますけれども、その使用要件というものの適否を考慮しながら、それぞれの施設の人的、物的な保安体制の下で適切な運用がなされてきているのではないかと、かように認識しているところでございます。
○荒木清寛君 今、答弁のありました名古屋刑務所においては、本年に入ってこの革手錠の使用が異常に急増したという理由につきまして、先ほどもありましたけれども、改めて見解を述べてください。
○政府参考人(中井憲治君) お答えいたします。 この名古屋における革手錠使用件数の急増というのは、これは本当に私どもも重大な関心を持っているところでございまして、現在、矯正局におきましても特別調査チーム等を中心に、また他方における捜査の進展等もにらみながら継続しているところでございます。 先ほど来申しましたように、名古屋自体、種々の特殊な背景事情がございまして、職員の非常な負担、一人当たりの負担が重いとか、あるいは暴力団受刑者の比率がどうも高いとか、あるいは暴力団によると思われる銃撃事件があったとか、あるいは非常に過剰収容が今年に入ってから急に増え、事態が急に進展しているといったようなことがございますけれども、それだからといって直ちにこれがそのような急増につながるのかということはなお検証を要するところであります。ただ、今回の事件で再逮捕された被告人のうちの一名の使用件数というのが実は急増、全体のうちの半数を超えるような状態にあるということは明らかであろうかと思っております。 いずれにしましても、こういった個人的資質の問題なのか、背景その他もいろいろ考えながら、御指摘の点については更に解明を続けてまいりたいと思っております。
○荒木清寛君 先ほどの答弁でも、名古屋刑務所で本年に入っての百五十八件ですか、その使用件数の半数以上が被告人前田関連だということですけれども、逆に言いますと半分は関係していなかったわけですからね。単なる個人のそうした問題に帰することができないような気もしますので、徹底的に調査願いたいと思います。 そこで、昨年の十二月、名古屋刑務所におきまして保護房収容中に革手錠を使用されていた者が死亡した事案があると聞きますけれども、その概要及び死亡の原因等につきまして法務当局に答弁願います。
○政府参考人(中井憲治君) お答えいたします。 名古屋刑務所から報告を受けたところによりますと、平成十三年の十二月八日でございますが、男性受刑者が舎房で大声を出し続けたため保護房に収容いたしました。その後も職員に対し汚物を投げ付けるなど暴行のおそれ等が認められましたので、同月十日及び同月十二日の二回、いずれも一日程度革手錠を使用したと聞いております。その後、革手錠の使用は解除いたしましたが、房内を汚したり大声を出す、あるいは騒音を発するといった状態でございましたので、保護房の収容自体は継続しておりました。そうしたところ、十二月の十四日、平成十三年でございますが、その午後三時二十分過ぎころ着衣の臀部辺りに出血の跡が認められたということから、保護房の収容を解除いたしまして、同刑務所の医務部において手術を行うなどしたものであります。医師の診察結果によりますと、肛門直腸の裂傷が認められたということでございました。その後、十二月の十五日午後三時過ぎに急死したというのが一連の経緯でございます。 この件につきましては、死亡当日の十二月十五日、名古屋刑務所から名古屋地方検察庁に通報いたしておりまして、その死因あるいは経緯等につきましても矯正当局において引き続き調査を継続しているところであります。
○荒木清寛君 今おっしゃったかもしれませんが、その案件は今回逮捕された刑務官は関与しておるんですか。
○政府参考人(中井憲治君) 関与しているという報告を受けております。 なお、先ほど私、急死時間を午前三時過ぎと申し上げたと思うんですが、もしも午後三時過ぎとなっておれば、午前三時過ぎという具合に訂正していただきたいと思います。
○荒木清寛君 本年十一月二十七日に矯正局長通達を発出したということでありますので、その概要について説明願います。
○政府参考人(中井憲治君) お尋ねの通達は本年十一月二十七日に全国の矯正管区長と行刑施設の長に対して発出しております。 その内容でございますけれども、革手錠を使用した場合には速やかにその状況を記録した一連の文書の写しを矯正局及び矯正管区あて送付すること、それからもう一点が、他方の点が、保護房監視カメラによるビデオ録画可能な設備又は携帯用ビデオ機器のある施設においては職員が革手錠を取り扱う場面の状況を録画しておくこと、録画したビデオテープは別途、指示するまでの間、保存しておくこと、ビデオ録画可能な設備等がない施設においては写真撮影をするなどの代替措置を講ずることという内容となっております。
○荒木清寛君 その通達発出後、報告のありました革手錠使用の案件というのは何件あって、どうしたケースであったのか、またその報告を受けたケースについてはビデオの内容を確認してチェックをしておるのか、報告願います、答弁願います。
○政府参考人(中井憲治君) 通達を発出いたしました本年十一月二十七日以降の革手錠使用案件の報告は四件ございます。 その内容でございますが、いずれも、暴行又は自殺のおそれ等があるため保護房に収容中の者が例えば保護房の壁に頭をぶつけるなどいたしましたために、保護房収容のみでは自殺のおそれ等を抑止することが困難であるということで革手錠を併用したものであると報告を受けております。 また、ビデオテープの件でございますけれども、現在、保護房収容あるいは革手錠使用等に関しまして、私どもが指示いたし、それぞれの矯正管区によりまして行刑施設の特別監察を実施中であります。これらの機会を利用いたしまして、それぞれ保管中のビデオの内容について確認しているという報告を受けております。
○荒木清寛君 先ほど監視設備があるものについてはビデオで撮るということでございましたけれども、今どきそうした施設を設けるのにそれほどのお金が掛かるわけでもなかろうと思いますから、これはきちんと全部チェックできるようにしてもらいたい、このように思います。 そこで、私は、先ほど申し上げましたように、政府あるいは与党としてこの過剰収容対策に真剣に取り組んでおるところでございます。今回の事件があったから我々は更にそうした過剰収容の解消に取り組むべしという考えではございませんけれども、しかし我が国では治安情勢が悪化をし、しかも犯罪の検挙率、窃盗事案等を含めて検挙率が低下をしておるということでございます。それは諸外国に比べれば、それでも十分、日本はまだ治安は確立をしておると思いますけれども、こうした過剰収容あるいは検挙率の低下というのは看過できない問題であろうと考えております。 そこで、大臣に、治安を回復をさせるために警察官あるいは刑務官の大幅な増員、あるいは刑務所の増設が必要であると考えますけれども、そうした課題について取り組む決意を、これは本件の事件とはちょっとまた別の問題になりますけれども、この際でありますから決意をお聞かせ願います。
○国務大臣(森山眞弓君) 我が国におきましては、今、先生がおっしゃいましたような状況が出てまいりまして、いろいろと心配されております。特に、私どもが責任を持っております行刑施設の中の過剰収容というのが深刻でございまして、何とかしなければいけないという状況になりつつございます。 過剰収容に伴いまして、舎房とか工場等の生活空間が狭くなりまして被収容者のストレスが増大いたしますし、被収容者の規律違反件数も増えてまいります。不服申立て件数も増加しております。また、これに伴って職員の業務量の負担も増大しておりまして、そのために年休の取得はおろか、週休の確保もままならない状況になるということまで起こってまいりまして、勤務条件が悪化し、職員の心身に大きな影響を及ぼすという事態になってきているわけでございます。 このような事態を深刻に受け止めまして、これまで施設の増築等に鋭意努力してきたところでございますが、今後とも、引き続き関係各方面の御理解を得ながら、収容能力の増強を図るための刑務所の新設、舎房の増築、被収容者の基本的生活関連経費の確保、必要な職員数の確保など、過剰収容対策に努力してまいりたいというふうに考えております。 大変御心配をいただいておりますが、更に御支援くださいますようよろしくお願いいたします。
○荒木清寛君 この刑務所の増設につきましては十四年度補正予算の要求の中にも含まれておるはずでありますから、これがきちんと計上されますように我々も努力をしたいと思います。 そこで、今回の致傷事件、致死事件に戻りまして更にお尋ねしますが、五月の致死事件につきましては被害者の遺族に革手錠使用の事実を伝えなかったという報道がありますけれども、事実でしょうか。事実でありますと、これはゆゆしき問題であると思いますが、この点、法務当局に説明願います。
○政府参考人(中井憲治君) お答えいたします。 受刑者の遺族の方に対しましては、当該受刑者の入所から死亡に至るまでの経緯あるいはその医療措置の状況等につきまして名古屋刑務所の幹部職員及び医師が説明いたしておりますけれども、その際、革手錠という言葉自体は使っていないということはどうも明らかなようでございますけれども、職員の制止に従わず暴れ続けたため手錠を使用して保護房へ収容したという説明をしましたと、かような報告を受けているところでございます。
○荒木清寛君 その説明ですと、保護房にいわゆる入れるときに手錠を使用したというふうに遺族は理解したでしょうね。したがいまして、これは、革手錠の使用については説明していなかったと言われてもやむを得ないと思いますので、その点も今後この調査に当たって解明してもらいたいと思います。 九月の致傷事件につきましては、被害者を移送したという報道がなされておりますけれども、その理由は何なのか、法務当局に答弁願います。
○政府参考人(中井憲治君) お尋ねの九月の致傷事件の被害受刑者についてでございますけれども、今年の十二月六日、当該被害者の健康状態を見まして、また本件事案の重大性にかんがみまして、矯正当局の判断といたしまして名古屋刑務所から他施設に移送いたしております。 この被害受刑者は、病院を退院した後、名古屋刑務所で、これは医務部を持っておるわけでございますけれども、そこで治療を行っていたわけでございますけれども、そもそもこの事案の内容にかんがみますと、この刑務所において改善更生のための矯正処遇を続けることはどうなんだということを考えました。これはやはり適当でないという判断に矯正当局として達しまして、被害者の健康状態、病状等を見ますと、移送に耐え得る状態になっているということでございましたので、この名古屋刑務所と同等以上の医療体制及び処遇環境にある施設に移送したものでございます。
○荒木清寛君 十二月二日付けでこの名古屋刑務所所長以下三名が更迭をされました。これは事件の責任を問うてのいわゆる処分であるのか、そうした処分をした、更迭をした趣旨及び目的につきまして説明を願います。
○政府参考人(中井憲治君) お尋ねの人事異動でございますけれども、当該人事異動を行うまでの捜査及び調査の結果を法務大臣に御報告いたしまして、その結果につきまして大臣から国会に対しても答弁がされているところでありますけれども、要は、名古屋刑務所の監督体制が十分でなかったということが認定された次第でございます。 この事実を真摯に受け止めまして、できるだけ早くこの名古屋刑務所を立て直さなきゃいけない、現実に動いている施設でございますので、その人心一新を図らなければいけない、すなわち名古屋刑務所の施設運営体制を元のとおりにしなきゃいけない、そして職員を落ち着いて勤務させないとこれは大変なことになると、こういう認識がございました。 そもそも人事異動の対象となった者でございますけれども、所長以下、処遇のラインの三名になるわけでございますけれども、依然として本件捜査が継続中でございますので、捜査あるいは私どもあるいは人権擁護局への調査協力に専念させる必要があるということを考えました。そして、そのようなことを踏まえまして、名古屋刑務所長には本省矯正局から幹部職員を送り込むことといたしまして、これと併せて処遇部長及び首席矯正処遇官の、処遇担当でございますけれども、これを更迭したものでございます。
○荒木清寛君 最後に、大臣にお尋ねをいたします。 この失墜をした矯正行政に対する国民の信頼を取り戻すためには、まず真相究明とともにこの事件に関連をした当事者、責任者を厳しく処分をする、正に一蓮託生で厳しく処分をしていくということが大事だと思います。あわせまして、実効性のある国民が納得をするような再発防止策を講ずる必要があると考えますが、最後に法務大臣の決意をお聞かせ願います。
○国務大臣(森山眞弓君) 今回の事件の関係者の処分につきましては、検察当局の捜査結果や矯正局の特別調査チーム等の調査結果等を踏まえまして厳正に処分したいと考えております。 当面の緊急対策といたしましては、先ほど局長からも申し上げました十一月二十七日付けの局長通達を発出させたところでございますが、今後、抜本的な再発防止策を策定するために、現在、矯正局におきまして特別調査チームを中心に当面の緊急対策の継続の是非はもとより、革手錠等の使用に関する訓令の改正をする必要があるかどうか、あるいは矯正施設内の死亡案件の公表の在り方はどうするべきかというようなことにつきまして幅広い観点から鋭意検討しているところでございますが、矯正行政の運営の在り方も踏まえながら、法務省全体として再発を防止するよう取り組んでまいりたいと考えております。
○委員長(魚住裕一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、名古屋刑務所等矯正施設の処遇に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 私も、この問題で四日の野党による名古屋刑務所の調査に参加をしてまいりました。二日付けで着任したばかりの所長さんなど幹部職員でありまして、まだ来たばかりで分からない、特別調査チームで調査中、この連発でありまして、全体としてこの真相を本当に解明していこう、こういう態度にほど遠い印象を私は持ちました。 今、この問題を機会にして、こうした一連の矯正施設の実態を明らかにして過去の問題をただす、国際水準に合わせた矯正施設にすることが求められていると思います。 そこで、まず大臣にお聞きをいたします。 この重大な事件が保護房で二回続いたわけであります。だれでも思うのは、なぜ五月の死亡事件の後に適切な調査、対応がされなかったのかと、もしそうであればこの九月の事件は避けられたのではないかと、こういう疑問であります。 五月の事件については大臣にまで報告がされていたのか、そして法務省としてはどういう対応をしたのか、まず御答弁お願いします。
○国務大臣(森山眞弓君) お尋ねの事件につきましては、発生当日の本年五月二十七日、名古屋刑務所長から矯正局に報告がなされまして、その数日後、矯正局から概要について私も報告を受けております。 当時の本省の対応につきましては、事件発生当日、名古屋刑務所長から名古屋地方検察庁に通報したことを踏まえまして、矯正局から名古屋刑務所長に対し事実関係を調査して報告するよう指示した上、名古屋地方検察庁の捜査結果をも踏まえて必要に応じて所要の措置を講じることとしたものでございます。
○井上哲士君 報告を求めたということでありますが、果たして本庁としてしかるべき対応がされたのか、私は大変疑問なんです。 今朝の議論でも、名古屋刑務所における革手錠の使用状況がとりわけ他の施設と比べて非常に多いということも明らかにされておりますが、この名古屋における使用状況の異常さというのが明らかになったのはいつの時点でしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 名古屋刑務所における革手錠の使用件数が本年に入って著しく急増しているわけでございますけれども、この事実が明らかになりましたのは、本年九月の致傷事件が発生した後、当局におきまして新たに調査を行った結果であります。 なお、敷衍いたしますと、その直前の監査等でございますけれども、平成十三年十一月に本省が巡閲を行っております。その際は、平成十二年の十月から十三年九月までの一年間を対象年度といたしまして革手錠の使用件数等を見ているわけでございますけれども、その結果は特に注目すべき異常さというものは見当たらなかったと、こういうことでございます。
○井上哲士君 なぜ五月の事件が起きた後にこの問題が明らかにならなかったのかと、これが疑問なわけですね。 現地でも確かめましたけれども、革手錠を使用しますと必ず記録が残るわけです。この三年間の保護房での収容者の死亡事案は報告されたように五件でありますが、そのうち二件が名古屋、しかもこの五件のうち保護房に収容して革手錠を使用していたというのは二人だけで、いずれも名古屋なわけですね。ですから、明らかに異常な事態が起きているというふうに認識をするのが当然だと思うんです。 そうなれば、現地に行って、どういうふうに革手錠が使用されていたのかと、その届けの書類などを直接調べるというのが当然だと思うんですが、そういう現地の調査というのは法務省としてやられたんでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 当時、本省自身が現地に赴いて調査をしたという報告は聞いておりません。 当時の状況についてでありますが、お尋ねの事件につきまして名古屋地方検察庁に通報いたしました結果、同地検において捜査が開始されていたという認識であり、その捜査結果を待って所要の措置を講ずる予定にしていたというように聞いております。
○井上哲士君 私は、本当に事態の重大さから見ますと、要するに報告を待っていたということでありますから、余りにも対応が甘いと言わざるを得ないと思うんですね。 保護房における死亡という事件が起きた、そのことに対する認識がどうだったんだろうかと。やはり、こういう事態が起きているということは、何らかの問題が起きているというシグナルとして特別の対応を取るべきだったと思うんです。 過去十年間の保護房における死亡数、死亡の数をこの間、野党として要求しているわけでありますが、三年分しか保存されていないということでいまだに出てまいりません。ですから、保護房で死亡したという、こういう事案が全く普通の一般的な数と同じように処理をされていると。この保護房での死亡ということの問題の重さへの認識は私は甚だ低いと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) このたび、九月の致傷事件が発生いたしまして、矯正当局といたしましては、その前の五月のこの致死事件と併せてこれを公表いたしましたし、当然、九月の致傷事件についても検察に通報しているわけでございますけれども、これはあくまで行政上の通報であって、例えば犯罪の嫌疑があると私どもが認識していれば当然これは刑事告発の格好になっているわけでございますので、まずその点を御理解賜りたいと思うわけでございます。 そうすると、この種行刑施設の中におきまして変死や変死の疑いのある状況がある場合はもとより、私の承知している限りは、ほとんどすべての場合において一応、検察庁に対して通報しているわけでございます。検察庁はその通報内容あるいはその他に基づいて以下、捜査に入られる場合もあろうかと思いますけれども、要するに従前のこの種事案の取扱いの矯正側の対応といたしましては、とにかく変死であろうが何であろうが、発生した場合はまず検察庁の方に通報する、その後、検察庁の方にしかるべく捜査するなりなんなりの御判断をゆだねると、こういう形で運用してきたのが実情ではないかと、かように理解している次第でございます。
○井上哲士君 刑事上の問題があれば検察がやるのは当然でありますが、要するにこういう事故が起きているというところには行政上の問題がある、そういう問題として直ちに対処すべきではないのかということを言っているわけなんです。ですから、今回の九月の問題も大変甘いと私は思うんですね。 今朝の、午前中の審議の中で、保護房の収容と革手錠の併用という問題が御答弁がありました。今年の九月末まででいうと、府中が二百六十八件中七件、大阪が三百七件中二十八件、一割に満たないと、名古屋だけ百九十九件中百四十八件だったと、こういう御答弁だったんですね。 実に名古屋は四分の三、保護房と革手錠が併用されているわけです。ですから、この数を見た瞬間に、名古屋では収容した人に必要のないような、言わば拷問的、懲らしめ的に革手錠が使われていたというのは素人が見てもすぐ分かるわけですね。 ところが、十一月の二十日の時点での衆議院の委員会でも、局長の御答弁は、今回の革手錠の使用の理由が暴行等のおそれがあったと報告を受けているという答弁だったんですね。しかし、この数を見れば、暴行等のおそれがなくても名古屋で使っていたんじゃないかと当然思ってしかるべきだと思うんですが、そのまま言わば追認する形で御報告がされて、二十七日の委員会では訂正をされたわけですが、やはり九月の事件後の調査、対応も大変私は甘いと思うんですが、その点の認識、いかがでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 当事者でございますので、甘いとか甘くないとかと私の方から申し上げるのもいかがかと思いますけれども、いずれにいたしましても九月の致傷事件が発生した段階で私どもは調査に入りまして、今、委員御指摘の名古屋における十四年に入ってからの急増状況、保護房に、被収容者に対する革手錠の併用数の多さというものを知りまして、正直言いまして非常に驚いたわけでございます。今朝ほどからいろいろ御答弁申し上げておりますように、私どもとしては、十一年に通達も発出しておりますし、毎年その前の一年間をおおむね基準監査等の対象期間として見てきておりまして、先ほど申しましたように、十三年の十月の時点ではさほど異常を実は感じていなかったわけです。 今回入りまして、何だと。十三年の十月以降どうしてこんなに数が増えているのかなというのが実は私どもの衝撃的な印象でございまして、それ以降私どもは、本省におきまして当然、調査も開始いたしましたし、大臣にも逐一御報告をいたしました。その結果、大臣から非常に管理体制をも含めて徹底的に調べろと、こういう厳命をいただきましたので、官房審議官を長といたしまして特別の調査チームを編成して、私どもも現地に参りますし、当然のことながら、私どもの下に地方支分部局として名古屋矯正管区が監督官庁として名古屋刑務所の上にございますので、この名古屋矯正管区、もちろん名古屋刑務所自体と、こういったところで、正直申し上げて現在まで可能な限りの捜査をおおむね休日返上で継続してきたと、こういう状況にございます。
○井上哲士君 平成十三年にやったということでありますが、これも午前中の答弁にありましたように、平成十三年の十二月の死亡事件にも今問題になっている元副看守長の前田がかかわっていたということも明らかになっているわけでありまして、その時点からの調査などが一体どうだったのかということが今問われているんだと思うんです。 その上で聞きますが、この三年間、刑務所内での死亡者数というのは全国でどういうふうになっていますか。
○政府参考人(中井憲治君) 行刑施設内における死亡者数でございますが、平成十一年が百六十五人、平成十二年が百八十八人、平成十三年が百九十五人と、かように報告を聞いております。
○井上哲士君 このうち、先ほどありましたけれども、検察に通報して検視を依頼をしたというものの数、その理由、それはいかがでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 具体的に統計上の数字を取っておりませんので、詳細はちょっと申し上げかねるわけでありますが、今お話しした数字のほとんどすべてにつきまして検察庁に通報しているという具合に承知しております。もとより、これは法令上定めがあるわけでございますけれども、変死又は変死の疑いがある場合には、これはもちろん検察庁に通報、これをいたしますし、これに該当しない場合でありましても、行刑施設やこれを監督するところの矯正管区、当然これは検察の捜査とは別個に、先ほど委員御指摘のありましたように行政的な見地からその内容について調査いたすわけです。ヒアリングを行ったり、報告を求めたりということになろうかと思いますけれども、それの過程でいわゆる、どういう表現を申したら適当でしょうか、いわゆる事件性と申しましょうか、そういった事件性というのが疑われるような場合は必ずこれは検察庁に通報しているものと承知しております。 また、いわゆる死亡案件以外の場合でも、検察庁にはよく通報しておりますわけでございまして、例えば未決の被収容者がけがなどをしたというふうなことになりますと、これ公判等に影響を及ぼすことがございますので、そのような懸念もありますので、そういった場合には死亡案件でなくても検察庁に通報するという形でやっておる次第でございます。
○井上哲士君 ほとんどすべてということでありましたが、やはり数がきちっと出ないというのは、死亡事件に対する対応がどうもおかしいんじゃないかなと私は思うんですね。 この間の行刑施設における刑務官による被収容者に対する暴行等を理由にする処分の件数、これは過去三年間でどういうふうになっているでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 行刑施設におきまして平成十一年から同十三年までに発生した被収容者に対する暴行事案、これに係る懲戒件数は二十件であるという具合に報告を受けております。
○井上哲士君 そのうち、立件された事件の数とその内容はどういうふうになっているでしょうか。刑事局からお願いします。
○政府参考人(樋渡利秋君) 刑務官によります被収容者に対する暴行事案につきまして網羅的に把握しているわけではございませんが、把握している範囲で申し上げますと、三重刑務所刑務官が、平成十一年八月から同十二年三月に掛けまして受刑者七名に対し九回にわたり足げにしたり殴打するなどの暴行を加えた事案につきまして、津地方検察庁におきまして、同十二年九月十八日同刑務官を特別公務員暴行陵虐罪により公判請求した事例があるものと承知しております。
○井上哲士君 これは平成十二年に津地方裁判所において判決が出まして確定をしております。ですから、今ありましたように、九回にわたり受刑者七名に暴行ということでありまして、大臣が、過去に例がない事態が発生をし痛恨の極みと会見でも述べられておりますが、やはり常態化していたんじゃないかという声が、いろんな指摘がされております。今朝の新聞報道でも、昨日、福井の刑務所で懲罰は違法だという受刑者に暴行したことに対して国に賠償命令が出る地裁の判決も出ておりますし、この間の報道でも、岡山、神戸、高松等々で告訴なり救済の申立てがされているという状況があります。こういう一連のことを見ますと、九九年の通達の趣旨から大きく外れた実態が全国の刑務所でもまだあるんではないかと思いますし、先ほどもありましたように、名古屋の場合も虚偽の報告がされていたという事態であります。 ですから、矯正局の特別調査チーム任せにするのではなくて、やはり私は大臣の直接の指揮で全国の刑務所を改めて調査をするべきではないかと、こう思うわけでありますが、この点での大臣の御見解をお願いをいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) 御指摘の矯正局の特別調査チームによる調査につきましては、検察当局による捜査が行われておりますのと、そして人権擁護局における調査もやっております。私の指示の下、それらと並行いたしまして、官房審議官を長といたしまして、名古屋刑務所だけではなく全国行刑施設における革手錠使用案件について、使用要件、使用方法、さらには施設長による指揮監督等が適切になされていたかなど、行刑の専門的な見地から調査しているものでございます。 今後、更に徹底した捜査、調査を尽くしまして、それを踏まえた上、将来の再発防止に向けた抜本的対策の検討、立案に向けて法務省全体として取り組んでいきたいと考えております。
○井上哲士君 報告を求めるだけのような調査ではなくて、現地まで行ってきちっとやっぱり書類を見て、現場を見ての対応を是非強く求めておきたいと思います。 さて、革手錠の使用について新しい通達が出されているわけでありますが、録画可能な設備においてはこの使用開始時等に録音をする、録画をするということでありますが、全国の保護房のうち固定したビデオカメラが設置されているのはどれだけの割合になるんでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 現在、すべての保護房に固定的と申しますか、ビデオ録画可能な監視用カメラが整備されている状況にはございません。相当数のところで整備されていることはあるわけですけれども、全体に整備されているかというお問い掛けに対しては、残念ながら現時点でそのような状況になっておりません。 さはさりながら、私どもの指針、通達では、それをも踏まえまして、そういった監視用カメラが整備されていないというような場合には、例えば代替措置として写真撮影をしなさいというようなことで取りあえずの緊急措置の内容として現在、通達を発出しているところであります。 もとより、これはあくまで前回の九月致傷事件の起訴を受けた緊急的な措置ということでございまして、抜本的な対策ということは、これら緊急措置の内容が果たしてそのとおりでいいのかどうか、内容を変えるとしたらどうすればいいのか、そういったことを含めて更にもう一度、私どもの特別調査チーム等を中心に検討いたしまして、更により良い方法があればそういった方向に改めていきたいと、かように考えております。
○井上哲士君 ビデオと写真では随分違うわけなので、例えば相当数に固定が設置されているということになりますと、携帯用のビデオなどで一〇〇%カバーをするというふうに早急にすべきだと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) もとより、携帯用ビデオが別途ある施設でいわゆる固定的なカメラがないような場合には、携帯的なビデオ機器を使用することとしております。
○井上哲士君 これはそう大きな費用が掛かることではありませんので、直ちに実施をしていただきたいと思います。 先ほども革手錠のことがありました。私もこの間の委員会後にしてみる機会があったわけですが、非常に非人間的なものでありますし、締めること自体、それ自体が拷問的な思いがするものであります。国連からも批判をされているものでありまして、これは廃止をすべきだと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 監獄法令もそうでございますけれども、私どもの革手錠についても非常に歴史が長うございまして、昭和四年に仕様と申しますか、製式、製造の数式の式と書くわけでありますが、製式が定められておりまして、これまで七十年以上使われてきたという実績あるものでございます。 委員の御意見も含めまして、この革手錠使用を継続すべきかどうかについて様々な御意見があることは承知しておりますし、私どもも今回の事件の重大性ということは十分認識しておりますので、それらの御意見については十分耳を傾けていきたいと、かように考えております。 さはさりながら、問題は、金属手錠しか現行法の手錠といいますか、戒具で主たるものとしては残らなくなるわけでございまして、じゃ、その金属手錠と、あとは捕縄という縄のようなものがございますけれども、いわゆる手錠としては金属手錠だけで、じゃ、すべて賄えるのかといったようなことも、これは実は、現在の特別調査チームで今回の事件の発生も踏まえて再度、全国的な調査を実は実施しているところであります。その結果、もう現在取りまとめているところでございますけれども、言わば現場の感覚と申しますか、現場の声を聞きますと、やはり非常に限られた局面ではあると思うんですが、革手錠のような戒具が、これが必要なんだという意見もこれも多くあるというのは、これは事実でございます。 矯正当局といたしましても、そういった現場の声も踏まえまして、また委員の御指摘のような御意見をも拝聴しながらいろいろ考えていかなきゃならない。取りあえずは、先日来申しましたように、新たな通達を発出いたしまして、現在、緊急的な措置として、再発防止策として運用している次第なわけでございます。 今後のことでございますけれども、先ほど来大臣からも御答弁がありましたように、私どもは抜本的な再発防止策というのを実は考えるべきであろうという認識でおります。現在、矯正局の特別調査チーム等を中心に革手錠の製式、それを改正することの要否を含めまして、実は事務的に検討作業を継続している、こういう状況でございますので、御理解いただければと思います。
○井上哲士君 やはり、国際的な水準、この声に堪え得る検討をお願いをしたいと思うんです。 国連規約人権委員会は、九八年に日本の刑務所での処遇に対して六項目に及ぶ勧告をしております。その後に、二〇〇〇年十一月に矯正保護審議会の長文の答申、「二十一世紀における矯正運営及び更生保護の在り方について」というのが出ております。私、読みましたけれども、この中に項目として人権保障とか人権教育とか、刑務官への、こういう概念がもう全く出てこないのは大変残念であり、奇異に思ったわけであります。 国際的にいろんな批判がされている中の一つに、例えばいわゆる出役のたびの検身というのがあるわけですね。素っ裸になって両手のひらの裏と足の裏を見せて大口を開けて舌を見せるという、いわゆるかんかん踊りというふうに言われているものでありますが、これも余りにも屈辱的な人間の尊厳を傷付けるものだという批判も強いわけです。 こういうものも含めて見直すべきだと思うんですが、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 二点のお尋ねと伺ってよろしいでしょうか。 まず、最初にお尋ねに係る答申についてでございますけれども、これは矯正保護審議会と申しますのは法務大臣の諮問機関でございまして、その諮問機関が提言された内容につきまして矯正当局としてコメントするというのは、これはいかがと、こう思われるわけでございますけれども、私の認識といたしましては、確かに人権保障あるいは人権教育といった項目立てというものはございませんけれども、被収容者の人権に関する事項を基本的な法律に明確に定めておくことは矯正に対する信頼をかち取るための条件であると明示する等々、記載内容その自体を読ませていただきますと、人権保障を実現していくと、あるいは人権教育を充実していくということを前提にされているものと私どもは受け止めている次第でございまして、認識の遅れがあるという具合には私どもは受け止めていないところでございます。 第二点の検身関係についてでございますけれども、お尋ねのような御意見があることは十分承知しているわけでございますけれども、刑務所等の行刑施設、これは私どものいわゆる保安事故と申す内容をいろいろごらんいただければお分かりになると思いますけれども、要するに不正な物品やあるいは逃走のための用具といったものを持ち出したりあるいは持ち込みを防止するというようなことがございます。 例えば、先般、これも国会の場で非常におしかりを受けたわけでありますけれども、例えば部屋の中にあった金属を利用してそれをとがらせて、それを使って捕縄を切って逃げるというような事案も実は発生しているような状況でございまして、こういった逃走用具等の持ち出しや持ち込みを防止するために、被収容者が施設に収容されたときはもちろんでございますけれども、出廷や護送なんかのために施設から出入りする場合、あるいはそういったいろいろな原材料と申しますか、そういう物がいろいろ置いてあるところの工場へ行く、それから工場から居房へ帰るというときに、これはやはり着衣させた状態でございまして実際に触ってみて検査をやりますし、あるいは必要に応じては被収容者に着衣を脱がせて身体やあるいは衣類等の検査を実施する必要がこれはあることも、これまた御理解いただけるところではないかと思うわけであります。 問題はその手段、方法でありまして、私どもといたしましては、それが被収容者の羞恥心と申しますか、こういった人権尊重という観点から不必要に他人の目に触れないような場所で行うとか、そういった配慮を行っているところでございます。 若干答弁が長くなって恐縮でありますけれども、これは実は保安の問題なので是非とも御理解賜りたいわけでありますけれども、例えば我々がやっておりますいわゆる検身でございますけれども、これによりまして、覚せい剤等を施設内、施設収容時に持ち込もうとした例を発見したこともございます。また、工場と居房との間の往復の際にいろいろな不正な物品を持ち出そうとするのも発見したこともございますし、正直申し上げまして、このような事案は後を絶たないのが現状でございます。 施設の規律の維持、安全確保といった観点のためには、やはりどうしても着衣を脱がせた上での身体及び着衣それ自体の徹底した検査というのは必要な場合があると私どもは考えておりますし、現場もそのような声でございます。何とぞ御理解いただきたいと思います。
○委員長(魚住裕一郎君) 時間が来ていますが。
○井上哲士君 国際的な人権水準に堪え得る改善をお願いをしたいと思います。過剰収容とか刑務官の労働条件の改善とか我々も必要と思っていますけれども、そのためにも国民的な信頼の置ける矯正行政への抜本改善を求めて、質問を終わります。
○平野貞夫君 刑務所、刑務行政の在り方が問題になっておりますが、刑務所に勤務している職員の方々は普通にない御苦労をしていると思います。そういう意味では敬意を表するものですが、それにしても最近の刑事事件まで起こした出来事は余りにもひどいと思います。国際的批判も受けております。 その根本原因は何かということを私たちは究明しなきゃ駄目だと思いますが、各委員から提起されております全刑務所の調査、総合的見直し、法務大臣も調査をされていますし、またその結果を見て、見直すという答弁があったんですが、法務省の責任も重大だと思いますが、実は国会の責任も重大なんですよ。 昭和五十年前後だったと思うんですが、拘禁三法案というのが出されて、これは監獄法の改正が中心で五、六年、たしか法務省それから警察庁連続して出して全部継続になりまして、これは当時の自由民主党がやる気がなかったから通らなかったわけでして、まあ反対も随分強うございましたけれども、このときにやっぱり施設の整備とか、それから監獄法を近代的なものにしようという意図があった。日本人が高度成長で踊り狂っていた時代に国会でやるべきことをやっていないからこういうことも起こっているということを、一つの原因だということをあえて私は申し上げたいと思います、反省のために。 私は、個々の具体例についてただしませんが、そういう意味で監獄法の在り方、制度、運用、これについて時間の範囲でお尋ねしたいと思います。 一連の刑務官による人権侵害事件の多くは、被受刑者ですか、在監者が刑務所での処遇、人権の問題なんかを外部に伝えよう、物を言おうという行為を原因としているのが多いというふうに私は理解しております。 そこで、ちょっと監獄法なるものを勉強しましたところ、監獄法七条には「情願」という、情けの願いという言葉があるわけなんです。非常に珍しい言葉ですので広辞苑を引きましたところ、ひどいですね、情実を述べて願い出ること、嘆願すること、哀願することという意味なんですね。これが今の法制の中でそのまま残されている。それから、国会の中にもある請願なんという言葉も、これも請い願うということですからね、こういう言葉が残されているというところに我が日本国の文化のおかしさが一つあると思うんですが。 そこで、監獄法七条の請願の定義について、局長、説明してくれませんか。
○政府参考人(中井憲治君) 委員御指摘のとおり、監獄法七条におきましては、在監者が監獄の処置に不服があるときは法務省令の定めるところにより法務大臣又は巡閲官吏に請願をなすことができる旨規定されているところであります。この請願の、失礼、この情願をなすことができる旨規定されているわけですが、この情願の意味につきましては、言わば文字どおりでいきますと情けを願うと、こう読んでしまうわけでありますが、実はそうではございませんで、事情を訴えて願い出ると、こういった意味だと理解しております。 いずれにいたしましても、この情願の法的性質でございますけれども、在監者が監獄の処置に不服があるときに自己の希望を申し出まして法務大臣等の監督権の職権発動、これを促すものであるという具合に理解しているところでございます。
○平野貞夫君 そうしますと、情願というのは在監者の権利と考えていいですか。情願権というのがあるんですか。
○政府参考人(中井憲治君) いわゆる憲法で定めておりますところの請願権に含まれるものであるという具合に理解しております。
○平野貞夫君 そうすると、理屈だけで言うと、請願権というのはこれは基本的人権の一つですからね、その請願権の中の一種が情願権と、こういうふうに憲法上は位置付けられると、こういうふうに整理してよろしゅうございますね。 そこで、監獄法の七条というのは、そもそも改正されたことがありますか。監獄法は、あれできたのはたしか明治でしたよね。改正されたことはありますか。
○政府参考人(中井憲治君) 形式的な改正という意味ではございますけれども、実質的な改正はございません。
○平野貞夫君 私は、かつて当委員会で、在監者が、例えば国会に出す請願文書、請願を出された、文書を出された例というのはあるんですが、採択されたケースはないんですが、請願文書を在監者が国会に提出しようとするときには検閲の対象に今していますが、するのはこれは憲法十六条の差別待遇の一種だという主張をしました。法務省当局から、いやそれは差別ではないという答弁がありました。 そこで、私が申し上げたいのは、情願を、刑務所の管理する人が受ける場合は別ですけれども、法務大臣に出すときには施行規則で、監獄法の施行規則の第四条で、法務大臣への情願は、「本人ヲシテ之ヲ封緘セシメ監獄官吏ハ之ヲ披閲スルコトヲ得ス」、解釈としては、法務大臣に出す情願は検閲してはならないという意味だと思いますが、そういうことでよろしゅうございますか。
○政府参考人(中井憲治君) そのとおりでございます。
○平野貞夫君 そうしますと、請願文書は検閲すると。同じ請願権の一種である情願権を行使しようという場合には、法務大臣に出そうという場合には検閲しちゃ駄目だと、これは同じ請願という、請願権の憲法上の行使をする場合に、これは論理矛盾しているんじゃないですかね。その点はいかがですか。
○政府参考人(中井憲治君) 委員御指摘のとおり、監獄法施行規則第四条によりまして、情願書については披閲しないということになっております。これは、情願内容の秘密を保障するという趣旨に基づくものであります。 一方、この情願書以外の信書、今のお尋ねのものも含むわけでございますが、これにつきましては監獄法施行規則第百三十条の規定がございまして、すべて検閲するという形になっているわけであります。 その趣旨は、不正な、あるいは不法な物品を授受いたしますなど、刑務所等の規律及びその秩序を害する行為、あるいは逃走その他の収容目的を阻害する行為を防止するためであるとともに、これらその発受する信書を通じまして了知し得る、了知され得る事情をその当該被収容者に対する適切な処遇の実施の資料とする趣旨によるものと、かように理解しているところでございます。
○平野貞夫君 国会に在監者から、特に人権救済の問題なんかで請願書を出そうという場合、その刑務所行政に妨害のあるような話じゃないと思うんですがね。私は、情願、いわゆる刑務所での処遇について物を申したいという情願と性格的には変わらぬと思うんですが、ここは意見が分かれるんですが、こういうことは可能ですか。 そうすると、請願文書を検閲しなくてもいいというように変更する場合、改正する場合に、この施行規則の改正をすれば可能なんですか。
○政府参考人(中井憲治君) 可能であると思います。
○平野貞夫君 そうすると、これは法務大臣の腹一つになると思いますが、私はやっぱり憲法十六条の趣旨は、大体通説の憲法学者も、一般参政権としての投票権だとかそれから被投票権とかというものと違うと思うんですよ。だから、請願でも、特に人権にかかわるような内容のものだということを在監者が提示した場合には、これはやっぱり検閲をせずに国会なら国会に請願できるという制度の道を、この施行規則の改正で可能ならば検討すべき、やるべきじゃないかという意見でございますが、今、法務大臣にどうですかと聞いてもちょっとあれですわな、ひとつ検討していてくれませんかね、この問題は。答弁要りませんから。やっぱり、人権の問題といえば、私らは憲法十六条の差別待遇してはいけないと、公の機関は、その趣旨を生かしてください。これはひとつ検討項目としてお願いをしておきます。 それから、現在、請願文書というのは検閲の対象になっておると、通常の信書の一つになっておるということなんですが、在監者が情願をした、あるいは情願事項について請願することができないという、戦前でいうと局長の通牒ですか、これが大正十三年に出されているようなんですが、この通牒というのは現在生きていますか。有効ですか。
○政府参考人(中井憲治君) 委員、大変よく勉強をされておりまして、敬服している次第でございます。 実はこれ、非常に古い通牒でございます。本来ならば直ちに即答すべきところなのに、突然のお尋ねなので、実は子細に今まだ検討しておりますので、途中段階の答弁ということでお許し願えれば申しますけれども、どうやら形式的にはまだ生きているようでございます。しかしながら、現在の運用においては、情願事項についての請願も、これは実は認めている運用になっておりまして、そういった意味ではこれ事実上、形式的にはこれが残っているんだけれども、運用面においてはもう既に実際上はこの通牒自体がどうも働いていないという現状のようでございまして、どうも古い通牒なものでございますので、もう少しお時間を拝借できれば、私どもの方でもその経緯等について勉強してみたいと思います。
○平野貞夫君 大変率直でよろしゅうございます。分かりました。いずれまた、議論するときにやりたいと思いますが。 もう一つ古い話をして誠に申し訳ないんですが、この在監者が情願するのを乱用を防ぐために、昭和二年、僕らのずっと生まれる前なんですけれども、この司法次官の通牒というのがあって、これが情願裁決に関する件という通牒で、これが言わばかなり詳しくこの情願の取扱いを、特に当時の司法大臣じゃなくて現場でその情願を受けるときの対応を決めているようなんですが、これがどうも感じとしましては、現代もその根っこというのは生きているんじゃないかと、そういう感触を持って私、読んだんですが、この通牒というのは生きているんですか。
○政府参考人(中井憲治君) この通牒にしましても先ほどと同じでございまして、委員からお尋ねを受けまして鋭意研究させております。現在までの研究結果ということで取りあえず申し上げますと、形の上ではどうもまだ生きているようでございまして、しかし、さはさりながら、この内容を見ますと、例えば刑務所長以外の刑務官吏の処置に対し不服あるときは、その旨刑務所長に申し立ててその裁決を仰ぐことなどという前提要件が実は付いておるわけです。このような運用は実務では全く現在はいたしていないと。そうすると、どこかの時点で、この司法次官通達はあるものの、それと異なる実務の運用に変わってきているという実態があるようでございます。 その経緯については、また私どもよく勉強させていただきまして、またお答えさせていただきたいと思います。
○平野貞夫君 それから、もう一つ確認をしておきたいことがあるんですが、私は請願文書は検閲すべきでないという意見なんですが、今実行されている検閲をするという前提に立った場合、監獄法の施行規則の百二十九条では信書の発信数の制限というのがあるんですよね。これは第一項に、「発信ノ数ハ拘留受刑者及ヒ監置ニ処セラレタル者ニ付テハ十日毎ニ一通、禁錮受刑者ニ付テハ十五日毎ニ一通、」云々というふうに発信数の制限というのがある。 これは、この規則は、当然これは六法全書にあるんですから生きておると思うんですが、理屈から言うと、これでいくと請願文書を出すのに発信の制限があるということになるんですが、これの実行状況はどうでございましょうか。
○政府参考人(中井憲治君) これは確かに生きておりまして、実情を御説明いたしますと、確かに請願書も監獄法令上は信書の一つということで取り扱われるわけでございまして、この条文を見る限りにおきましては、監獄法施行規則第百二十九条第一項に定める信書の発信回数の制限の対象には含まれるわけでございます。 しかしながら、この条文には第二項がございまして、実務上はこの第二項の規定に基づきまして、請願書についてはその権利行使を尊重するという趣旨から信書の発信回数の例外とする運用をやっていると、かような具合に承知しております。
○平野貞夫君 大臣、幾つか古いことを申し上げたんですが、私は別にそのことで追及しようというつもりはないんですが、私の申し上げたいことは、監獄法が明治四十一年に作られて施行されて数回しか改正されていない、それで、その監獄法の施行令も改正されてはいるだろうけれども、そんなに変えられていないと。 本来ならば、旧憲法と新憲法で基本的人権の取扱いというのはもう根本的に違ったわけですから、当然そこで、新しい憲法になった基本的人権の理論に対応する監獄法の改正なり、あるいは省令、施行規則の改正が当然行われるべきだったと思います。もっとも、監獄法となるとこれは国会の責任ですし、国会の責任ですが、現在のやはり刑務行政というのは根本的に明治憲法の監獄法の大正の十三年や昭和二年の局長や次官通達がやっぱり根っこにある、そういうところに今日のいろんな刑務行政の混乱の原因が私はあると思うんですよ。 ですから、現実の刑務所で起こっているいろんな事件の調査、査察、見直しもそれは大事ですが、私は、やっぱり大臣にお願いしたいのは、こういう、監獄という言葉も悪いんですが、監獄行政といいますか、こういうものの総合的な制度の見直しもしなきゃ駄目だと思います。 そして、今朝から話を聞いていて勉強になったことは、実際の法律もさることながら、大事なことがほとんど通達で決まっている。例えば、革手錠でもそうでしょう。そういう具体的に在監者の処遇、あるいは何かあったときの処罰、あらゆる一つ一つの人権、人にかかわることが通達で決まるという、これは通達で決まることが私は悪いとは言いませんよ、それはやむを得ない部分もあるかも分かりませんが、そういうほかのちょっと行政では考えられない、局長の通達、大臣の意思、次官の意思でそういうものが非常に人権そのものに直結すると、こういう特殊な問題があると思います。 そこで、是非、もう大正時代や昭和の一けた時代の通達とか通牒とかそういうものを全部総洗いして、やっぱり今の憲法に基づく人権にのっとった在監者の一つの待遇、処遇というものを考えていただきたい。受刑者にも人権があると、さっき江田委員の質問に答えていますからね。そういう意味で総合的にひとつ、ちょっと私と中井局長の中の問答を踏まえて大臣の、今後の私はその制度上の整備をきちっとしてくれという要請なんですが、お考えをいただきたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 大変鋭い御指摘だと思います。 現行監獄法が明治四十一年という大変昔に制定されまして、以来九十数年、百年近くたっているわけでございますが、何ら実質的な改正を見ることなく今日まで来ております。そのために、その間の社会情勢の大きな変化、国民の意識の変化、刑事政策思想の発展など、様々な面がすっかり変わっております今日では内容的に甚だ不十分なものになってきているというのは全く私も同感でございまして、おっしゃるとおり、基本的な見直しが必要なのではないかとかねて私も感じていたところでございました。 昭和五十五年に、法制審議会の答申を受けまして、国と被収容者との法律関係を明確にして受刑者の改善更生のための効果的な処遇方法を導入するなど、刑事施設の被収容者に適切な処遇を行うべく刑事施設法案を策定いたしまして、その後、国会にも提案させていただいたところですが、先ほど委員がおっしゃいましたとおり、成立を見ないまま現在に至っておりますので、御指摘を踏まえまして、関係各位の御理解を得ながら更に引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。 また、刑事施設法案の立案に伴い具体化されている施設運営及び被収容者処遇の在り方のうち、現行法の下でもその内容を実現することが可能なものについては、行刑運営の改善を進めるとの観点から訓令等の整備を進めているところでございます。 それが今、先生御指摘のような通達で何でもやっているというふうな印象を与える結果になっているのではないかと思いますが、世の中の変化に何とかして古い法律を合わせていこうということから、今の世の中に合うように少しずつ実際に改めるという気持ちでそのようなことになっている面もあるのではないかというふうに思いますが、基本的にはおっしゃるとおり、この古い明治四十一年にできた法律を基本的に見直していくということが一番重要なのではないかと考えております。
○平野貞夫君 ひとつしっかりとお願いします。 そして最後に、委員長及び当委員の先生方にお願いをしておきますが、私は、ほとんど不勉強なんですけれども、珍しく、ポケット注釈全書「改訂 監獄法」というものの一部分を読みまして、小野清一郎さん、法務省の顧問、それから法務省矯正局参事官の朝倉京一さんというのが共著して書いた本なんですが、そこに、立法論として情願の救済制度としての充実が望まれるということを書いておりまして、これは私たちの責任でもあるという、よろしく先生方の御理解をいただきたいということを申し上げて、終わります。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 名古屋刑務所に革手錠は幾つ存在していますか。
○政府参考人(中井憲治君) 個別の行刑施設における戒具の配備状況についてのお尋ねでありますけれども、施設ごとに申し上げるのは、戒具というものの性格上いかがかと思いますので、若干敷衍して申しますと、革手錠の全国の行刑施設に配備されている総数は平成十四年三月三十一日現在で千百本であります。各施設では、その施設の収容規模等によって異なるわけでございますけれども、例えば小規模の施設では数本単位、それから非常に収容人員の多い大規模施設の中には二十本を超える革手錠が整備されているという具合に報告を聞いております。 名古屋刑務所にありましても、これら施設の規模等を勘案した本数が整備されているものと聞いております。
○福島瑞穂君 名古屋刑務所の革手錠の数すら明らかにしていただけないのはちょっと理解に苦しみますが、あえてお聞きします。 二本しかありませんとなれば、じゃ、もう二本使っているから自分は三人目で当たらないというのはあるかもしれませんが、名古屋刑務所はある程度大きい刑務所ですので、本数を明らかにしてください。
○政府参考人(中井憲治君) 名古屋刑務所は比較的大規模の施設でございますので、先ほど申し上げた趣旨から御理解を賜りたいと思います。
○福島瑞穂君 是非明らかにしていただきたいということを重ねて申し上げます。こういう秘密主義は理解に苦しむので、明らかにしてください。 革手錠の種類は四種類ということでよろしいんでしょうか。この四種類、特大、大、中、小というふうに説明を聞いておりますが、これは幅は全部同じでしょうか。名古屋刑務所に幅の違う革手錠は存在しますか。
○政府参考人(中井憲治君) 革手錠の仕様と申しますか製式につきましては、幅と長さは定められておりますけれども、今、委員御指摘のような、大はこれ、中はこれ、小はこれと、こういったような定めは特段ございません。 ただ、これは施設ごとに整備するものでございまして、当然、この革手錠を使用する対象者の体格、具体的には胴回りによると思いますけれども、これによって違いが生じてくることは当然想定できるところでありますし、現実にも各施設におきましてはベルトの長さの違う革手錠を用意しているようでございます。そのベルトの長さによりまして、それぞれの施設で例えば便宜上に大だとか中だとか小だとかいった形で分類表示しているという実情は私どもも承知しております。 幅が特に細いものが名古屋の刑務所においてそれを配備していると申しますか、備え付けているという報告は聞いておりません。
○福島瑞穂君 名古屋では外れないようにする特殊なストッパー付きのものがあると聞いておりますが、そういうことはあるのでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) ストッパーという意味がいま一つよく理解できないわけでありますけれども、ベルトにはバックルと申しますか、尾錠がございますけれども、この尾錠に取り付けられたベルトが尾錠から抜けないようにするために固定するねじ、固定ねじがございます。この固定ねじのことをストッパーとおっしゃっているならば、そのような固定ねじはそれぞれの革手錠に付いておると、かように理解しております。
○福島瑞穂君 衆議院の議事録を読んで非常に驚いたのが何種類かあります。 一つは、懲らしめのために革手錠を使ったと明言している。それから、四月の段階での怠業について、それを人権救済の申立てをしたことについて、九月になってそのことを言って、文句を付けている。それから、いすをけっている。本人が暴行を振るっていないにもかかわらず保護房に入れたと。中井局長は、衆議院の議事録の中では、保護房収容の要件がないことを明言しています。 また、衆議院の議事録では、八十センチのウエストの人を初め六十センチに締めようとしたら、やはりちょっと無理で七十センチにしたとありますが、八十センチのウエストの人を六十センチに締め上げたら物すごく苦しいと思うんですね。具体的にどうやったんでしょうか。倒して背中に足を置いて引っ張るとか極端にしない限り、六十センチにしようと思ってもできないと思うのですが、その辺はどうですか。
○政府参考人(樋渡利秋君) 犯行状況等につきましては、午前中に副大臣が御報告、お答えしましたとおり、前田副看守長は、被疑者が既に制圧され、暴行を振るうおそれもないのに、懲らしめのために革手錠を使用することを考え、上司である渡辺看守長の了承を得、他の刑務官もこれに加わって、まず中サイズの革手錠ベルトを被害者に使用したが、強く締まらなかったことから、小サイズの革手錠を取り寄せた上で、前田副看守長らにおきまして渡辺看守長の指示を受けつつ被害者に装着し、一番円周の狭くなる穴で固定しようとしたものの、それが困難であったため、その次に狭い穴で固定したものであるというふうに承知しておりまして、また被害者の胴回りは約八十センチであるところ、最初から二番目に小さい穴で小サイズのベルトを固定した場合の円周は七十センチであると承知しております。 これ以上の詳細につきましては、公判を控えた時期でもございまして、裁判官に予断を与えるおそれ等もございますことから、答弁をいたしかねるということでございます。
○福島瑞穂君 私も革手錠を締めたことはありますが、よっぽど力を入れないとかなり何十センチというのは締まらないんですね。 ところで、名古屋刑務所ではまた割れズボンは使っていないということでしたが、大変不思議な気がします。 というのは、保護房の中にはトイレットペーパーもありませんから、外から入れてもらわなくちゃいけない。水飲み場もトイレも自分では流せないと。そうしますと、トイレに行きたいと思ったら、また割れズボンでなければ、特に大便の場合は垂れ流しになってしまうと思うのですが、実際どうしているのでしょうか。 済みません、全部質問通告しているので、よろしくお願いします。
○政府参考人(中井憲治君) 保護房収容中の者につきましては、名古屋刑務所であれ、その他の施設でありましても、職員が巡回して視察したり、あるいは監視用のテレビカメラ等で視察するということによりまして、その動静を綿密かつ頻繁に把握しているところでございます。 委員お尋ねのような、例えば被収容者の用便等の申出がありましたり、そのような動静を認められた場合には、今度は職員が速やかに保護房内に入りまして、革手錠を一時解除をしたり、あるいはベルトを緩めるなどして用を足させていると、かように報告を聞いておりまして、こういう報告を前提にいたしますれば、御指摘のような垂れ流しの状態にはなっていないのではないかと思う次第でございます。
○福島瑞穂君 しかし、保護房を訪れたときに、どうやってトイレットペーパーを入れているかというと、食器口の中から短いトイレットペーパーを入れているというふうに聞きました。 ですから、実際は私は垂れ流しになっているという報告も受けているのですが、いかがですか。
○政府参考人(中井憲治君) 私の方はさような報告は受けておりません。
○福島瑞穂君 巡回があったとしても、トイレに行きたいというのは突然というか、短い期間に起こることもあるわけです。そうすると、保護房と他の建物は離れておりますから、私は実際、トイレに行きたいと思って、巡回の人がたまたま来てくれればいいけれども、来ないこともある。あるいはトイレだからというふうに叫んだとして、そこに駆け付けてくるまでにも時間が掛かるわけです。もっと言えば、トイレに行くためにそんなに大変な思いをしなくちゃいけないということ自身も極めて人権侵害だと思います。 名古屋の場合、食べ物はどうしていたんでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 先ほど、保護房収容中の者につきましては職員が巡回していくと。これは一定の時間的な範囲内に巡回することとされているわけでありますけれども、そのほかにも監視用テレビなどで見ておるわけでございまして、そういう形で動静を把握しているわけでございますけれども、特に食事なんかの場合は時間的におおむね決まるわけでございますので、そのような場合には先ほど申し上げたと同様に、職員が中に入りまして革手錠を一時解除いたしましたりベルトを緩めるといったような形で食事をさせているというように聞いております。
○福島瑞穂君 革手錠を装着したり外す場合は所長の決裁が書類上必要ですけれども、食事のときに解除をする場合はこのような決裁は取らないんでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 確かに、形式論理的に言えばそのとおりになるわけでございますけれども、当然のことながら、食事ないし用便等に当たって革手錠の使用を一時解除したりベルトを緩めるといった形の運用をするという所長からの包括的な命令があるわけでございますので、その都度その都度、所長の了解を取っているという具合には理解しておりません。 いずれにいたしましても、動静報告は最終的に所長に上がるわけでございますので、食事をさせました云々という報告は所長が受け、それに対して特段の異を唱えない限りその報告内容を了承される、こういう形になろうかと思います。
○福島瑞穂君 巡回でチェックしているということですが、十五分ごとのチェックということでよろしいでしょうか。 ここで実は根本的な疑問が生じます。十五分ごとにチェックをし巡回をし、食事のたびごとに、あるいはトイレのたびごとにチェックをしていてなぜ死亡する人が出るのか。名古屋は去年も死亡している人が出ています。これは後ほど聞きますが、死因が変で、腹膜炎で保護房の中で次の日死んでいるんですね。これは、自分で肛門の中に指を入れて死んだと言われていますが、腹膜炎はそういう状態で生ずるのか。 今お聞きしたいことは、なぜ死ぬのか。つまり、監視カメラで二十四時間監視をしていて、十五分ごとにチェックをして、中に入っていたり、トイレのときに、やっていたら本人が状況が悪いことが分かるわけじゃないですか。しかし、過去さかのぼって三年の間に五人死んでいる、病院に搬送されている人もいる。これはなぜ、弱っていくというか、状態がおかしい、特に腹膜炎だと苦しむわけですから、弱っていくことが分かるのになぜチェックできないのか。それはいかがですか。
○政府参考人(中井憲治君) 個々の死亡案件の具体的内容についてまた委員から改めてお尋ねがあろうと思いますけれども、かねていろいろと御説明させていただきますように、こういう巡回する、あるいはテレビカメラを見る、そういった状況で異常を感じたということで実は職員が中に入りまして、その後の医療処置等がされたものの、結論としてそれが功を奏せず死亡したという具合に聞いております。
○福島瑞穂君 しかし、懲らしめのために革手錠を使って、そしてよっぽど具合が悪くなって、死ぬに至るまではやっぱり物すごく状態が悪いと、なぜその前にチェックができないのか、実は懲らしめのためにやっているんではないかというふうにも思います。 ところで、革手錠は手かせ、手を、かせをはめてしまうというもので、この手かせについて廃止を本当にすべきではないか。先ほども同僚委員からありました、革手錠千百本あるということですが、保護房もあるわけです。金属手錠もあるわけです。そうしますと、革手錠はほかの刑務所では余り使っていないところもありますので、革手錠そのものを廃止すべきではないか。これについては再度お聞きします。
○政府参考人(中井憲治君) 革手錠が実は使われまして、もう七十年以上使用されてきております。委員御指摘のように、革手錠はもう廃止すべきじゃないかという意見があることも承知しておりますし、私どもも今回の事件の重大性にかんがみまして、これはそういった御意見についてよく承っていきたい、かように考えているわけでございます。 しかし、他方におきまして、革手錠を廃止した場合に、現行の手錠の中で残るのは金属手錠だけしか残らないと。それで、戒具面でいいますと、これ以外に捕縄という、縄のようなものがあると。じゃ、捕縄と金属手錠だけで果たして今後の施設の運営その他処遇ができるのかという問題になろうかと思うんですね。 今、くしくも委員がおっしゃいましたように、全国では少ないじゃないですかというお尋ねでございました。逆に言えば、少なくても現実に使っておるという実際の事実があるわけでございます。 この革手錠の問題につきましては、私ども、何が何でもこれは革手錠は残さなきゃいけないというようなことは実は答弁の場で申しておりません。現在、矯正局の特別調査チームにおきましても、大臣の御指示を受けて、広範な見地からいろいろな検討を続けているわけでございますけれども、その中にあっても、革手錠、場合によると手錠というか戒具全般の製式、いわゆる仕様の問題が入るかと思いますけれども、そういった改正の有無を含めて、それも除外せずに検討をしているわけでございます。 なぜそうかと申しますと、私どもは単なる抽象議論ではなくて、現場の第一線で毎日、処遇の現場にある各矯正施設の第一線からも実は話を聞いているわけでございます。この第一線の話を聞きましても、革手錠をやめるべきだという意見が大多数を占めているという状況には到底なくて、むしろこれは必要であると。たしか委員が名古屋に行かれましても、所長にも同じようなお尋ねをされたと思うんですけれども、所長もやはり自分はこれは必要であるという具合に答えたというように報告を聞いているところでございます。 問題は、やはり革手錠そのものが悪いのか、いやそうではなくて、その使用法が悪いのか、こういった辺りをひとつきちんと詰めて冷静な議論をし、今後の各施設の運営に遺憾なきを期していくのが、それが本省のやるべきことではないかと、かように思っておるわけでございます。
○福島瑞穂君 革手錠は、私は現物を見ても、締める側に立っても手かせ、禁止されている手かせだと思います。廃止する方向で検討をよろしくお願いします。 次に、今回、刑事事件となりました。しかし、私は、現場の第一線の人間が、末端が、末端というか現場が刑事事件になっているけれども、組織的な問題あるいは所長の問題、更迭をされましたけれども、それは本当に欠落をしているんではないか、現場は実はやりきれないんじゃないかというふうにも思っております。 というのは、革手錠であれ保護房であれ、全部、所長の決裁が必要です。だとすると、所長は知っているわけですよね、全部。にもかかわらず、なぜ上の方は更迭で現場が逮捕されるのかというふうに思いますが、所長の責任というのはどうなんでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 刑事責任という意味でお答えすべき立場でございませんので、管理監督の責任という観点に限って申しますと、実は更迭はいたしましたが、処分はまだ現時点ではしておりません。今後、私どもも調査しておりますし、人権擁護局も調査しておる、当然のことながら検察の捜査も継続している。これらの結果を踏まえまして、まずもって事実をきちんと確定した上で、処分すべきものは厳正に処分していくと、かように考えております。
○福島瑞穂君 情願、告訴、告発、人権救済申立てはたくさんなされています。特に、革手錠、保護房についてはきちっとたくさんの救済があるわけです。 大臣、お聞きをします。名古屋刑務所における法務大臣大臣情願は平成十四年十月末日時点で三十件起きております。革手錠、保護房の問題について、大臣はこの事件が起きるまで、その大臣情願を受けてどういうふうに思っていらっしゃったでしょうか。どういう改善が必要だと思ったでしょうか。あるいは、そういう大臣情願を最初に見たのはいつですか。
○国務大臣(森山眞弓君) 情願というのは、先ほど来お話が出ておりますが、被収容者が刑務所等の処置に対して不服があるときに法務大臣等に訴える不服申立て制度でございまして、監獄法に決められているわけでございます。 被収容者が作成した法務大臣あての情願書は、施設において検閲することなく法務省に進達されまして、矯正局等におきまして申立人本人から事情を聴くなどして所要の調査を遂げ、当該調査結果に基づき裁決しまして、裁決書を申立人に交付しているというやり方でございます。 情願の申立てに係る施設の処置に違法又は不当な点がある場合には、採択の裁決をし、申立人である被収容者の救済を図るべく、施設に是正措置を講じさせるなどいたしております。また、施設の処置に違法又は不当な点がない場合であっても、必ずしも適切でない取扱い等が認められた場合には、施設に改善を指導するなどして、より適正な施設運営に努めさせているわけでございます。 件数が相当多うございまして、最近の申立て件数は著しい増加傾向を示しておりまして、平成十三年は約三千件、五年前の約三倍に上っております。 申立て内容についても、職員の言動、自らが受けた懲罰、医療、面会、発受信関係の不服申立てなどが多くを占めておりまして、必ずしもその内容が情願の内容として適切でないものもかなり多うございまして、局長あるいは事務次官等の段階で採択されないというものも相当数ございますので、私自身が直接それを見るということは今までございませんでした。
○福島瑞穂君 大臣情願という制度があり、たくさん、三千件あるのに大臣自身の目に入っていないと。保護房、革手錠に関するものもありますし、逆に矯正局長の方にお聞きします。 実は、今回の事件にやはり非常に私自身はショックを受けていまして、国会議員としても、あるいは、もちろん刑務所の問題でもあり、法務省の問題でもあり、捜査の問題でもあり、でも国会の問題でもあり、国民の問題でもあり、なぜやはり死亡した事案を防止できなかったかと。ですから、視察に行っても実は加工された現実しか見ていなかったんじゃないかという、非常に後悔というか、やらなくちゃと。だからこそ、きちっとした人権救済のシステムを作らねばと思います。 法務省としても、これだけ人権救済の──例えば、じゃ具体的にお聞きしますが、名古屋は、ほかもそうですが、弁護士会はたくさん人権救済の申立てを受けて要望書や警告をたくさん出しています。革手錠もそうですし、保護房もそうです。 名古屋は、平成元年三月八日、これは十六人の申立てによる人権救済の申立てに対して要望書を出していると。つまり、実はこれは繰り返し繰り返し要望が革手錠、保護房について出ていたわけです。 これに対して、なぜその死亡事案が防げなかったのか、たくさんの情願や人権救済に対してなぜ矯正のトップは是正ができなかったのか。いかがでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) 委員御指摘のとおり、行刑施設の被収容者でございますけれども、施設の処置が不服であると、こういったことで弁護士会等に救済申立てをするわけでございますけれども、それにつきまして各地の弁護士会等からは、それぞれの行刑施設に対し警告書あるいは勧告書あるいは要望書等が送付されてきている、その事実自体は知っております。これらの送付された警告書や勧告書等につきましては、これは、それぞれ謙虚に耳を傾けてお聞きいたしますとともに、その内容をよく検討させていただきまして、改むべき点があれば改めると、こういう形で適切に対処してまいりましたし、これからも同様にやってまいりたいと考えております。
○福島瑞穂君 同様ではなく、是非抜本的な改革でお願いをします。 次に、調査チームが作られているということなんですが、第三者は入っているのでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) ちょっとお尋ねが、第三者というのはどういう意味でしょうか。
○福島瑞穂君 法務省以外の人間。
○政府参考人(中井憲治君) 矯正局の職員で構成されております。
○福島瑞穂君 是非──今まで情願が出ていて、大臣情願もあるのに、大臣情願については法務大臣は一度も見たことがなかった。人権救済の申立てがあっても改善が実はされていない面があった。だとすると、矯正の人間が入っても別の人間がやっぱり見ない限り、第三者が入らない限り、それは非常に難しいのではないかというふうに思います。 ところで、人権擁護法案が継続をしておりますけれども、韓国国家人権委員会調査報告書で、韓国の韓国国家人権委員会法では即時訪問ができると。調査をするのに即時訪問ができるんですね。日本の人権擁護法案ですと、刑務所にアポイントメントなく調査ができるのでしょうか。
○政府参考人(吉戒修一君) 人権擁護法案において設置される人権委員会でございますが、矯正施設のような拘禁保護施設における人権侵害について受刑者の方から救済の申出を受けた場合には、これは被害者、加害者などからの事情聴取や当該施設への立入検査等の必要な調査を行うこととなります。これは、先生のおっしゃるちょっとアポイントメントというのはよく分かりませんけれども、過料の制裁を伴う強制調査でございます。 ただ、御指摘の点は、恐らく個別の事件ではなくして一般的な調査という御趣旨かもしれませんけれども、そうでありましたら、ちょっと人権擁護法案ではそういうふうな調査はできません。
○福島瑞穂君 名古屋の去年のケースなんですが、次の日に亡くなってしまったと。肛門に自分の指を入れて自傷行為で腹膜炎という報告なんですが、本当にそれで腹膜炎になるのかと思います。これは何も、例えば革手錠あるいは暴行などはなかったんでしょうか。報告はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(中井憲治君) お答えいたします。 名古屋刑務所から報告を受けたところによりますと、平成十三年の十二月八日に、男性受刑者が舎房で大声を出し続けたために同受刑者を保護房に収容したと。その後も職員に対する暴行のおそれ等が認められましたことから、十二月の十日と十二日の二回、いずれも一回程度革手錠を使用したと、こういうふうに聞いております。その後、革手錠の使用を……
○福島瑞穂君 ちょっと短く。短くお願いします。
○政府参考人(中井憲治君) いいですか。はい。 その後、革手錠を解除しましたけれども、保護房収容権があるので継続しましたけれども、肝心なところを申し上げますと、十三年の十二月十四日に、着衣の臀部に出血の跡が認められたために医師が診察したところ、肛門直腸裂傷が認められたと。そこで、保護房収容を解除し、刑務所の医務部で手術を行ったものの、十二月の十五日に急死したと、こういう報告を受けております。
○福島瑞穂君 ただいま報告を受けましたが、私が非常に疑問に思うのは、申し訳ないんですが、名古屋の前所長さんは、初め記者会見で、制圧は正当行為であったということを今年の二つのケースについて言っていたわけです。ですから、去年のケースについて自傷行為で問題がないという報告が上がっておりますけれども、本当にそうなのかということを是非調査をしていただきたいということを申し上げたいと思います。 あと、過剰拘禁との関係が言われておりますが、かつて過剰拘禁でなかったときの方が革手錠の使用をしておりますので、革手錠の使用を過剰拘禁を理由として言うのはおかしいのではないかと思っています。 また、あるいは、私は実は刑務官の過労死の事件をやったことがありまして、現場で働く刑務官の人たちについては、団結権、団体交渉権をきちっと認めるなど、待遇の改善が必要ではないかということも思っています。 また、本委員会では革手錠が主に議論されましたけれども、厳正独居に、例えば、調べたところ、最長三十七年間ずっと一人で厳正独居、おふろも食事も運動も部屋も、あらゆることが全部一人で、ほかの人とは口を利かないという状況で三十七年間。十年以上が二十八人、五年以上が六十五人です。 また、この間、名古屋……
○委員長(魚住裕一郎君) 福島君、お約束の時間が来ておりますが。
○福島瑞穂君 はい、分かりました。 じゃ、この厳正独居などの問題について、裸体検査などについても是非改善をしてくださるように申し上げて、質問を終わります。
○委員長(魚住裕一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 戸籍法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に法務省民事局長房村精一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 戸籍法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者衆議院法務委員長代理漆原良夫君から趣旨説明を聴取いたします。漆原良夫君。
○衆議院議員(漆原良夫君) 漆原でございます。 ただいま議題となりました法律案につきまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。 本案は、虚偽の届出等によって不実の記載がされ、かつ、その記載につき訂正がされた戸籍等について、戸籍における身分関係の登録及び公証の機能をより十全なものとするとともに、不実の記載等の痕跡のない戸籍の再製を求める国民の要請にこたえるため、申出による戸籍の再製の制度を創設することを目的とするものであります。 以下、本案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、虚偽の届出等によって記載がされ、かつ、その記載につき訂正がされた戸籍について、当該戸籍に記載されている者から訂正に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があったときは、法務大臣はその再製について必要な処分を指示するものとしております。 第二に、市町村長が記載をするに当たって文字の訂正、追加又は削除をした戸籍について、当該戸籍に記載されている者から訂正、追加又は削除に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があったときも、法務大臣はその再製について必要な処分を指示するものとしております。 以上が本案の趣旨及び概要であります。 本案は、去る六日、衆議院法務委員会において全会一致をもって起草、提出したものであります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 以上でございます。
○委員長(魚住裕一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、鈴木寛君が委員を辞任され、その補欠として高嶋良充君が選任されました。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○千葉景子君 今日は衆議院の方から提案者、それぞれ代理と申しましょうか、参議院の方にお出向きをいただきましてありがとうございます。 私の方から、せっかくの機会でございますので、何点か質問をさせていただきたいと思います。 まず、この法案の提出の背景といいましょうか、多分こういう改正をせざるを得ない事情があったのだというふうに私も受け止めさせていただいておりますけれども、この法案提出の背景事情について御説明をいただければと思います。
○衆議院議員(鎌田さゆり君) お答えをさせていただきます。 平成十三年、昨年の夏ころから、国内の各都市におきまして当事者の知らない間に婚姻届を偽造された形で役所に提出されるという、戸籍に不実の記載がされるという事件が相次いで発生、発覚をいたしました。これを契機に、その事件の被害に遭われた方々あるいは関係自治体等から、この不実の記載等の痕跡のない戸籍の再製のための立法化、これを求める要望が多数出てまいりまして、今般、この法案の提出に至ったものでございます。
○千葉景子君 今お聞きいたしますと、本当に御本人が知らない間に戸籍ができちゃっていたと、とんだことでございます。そういう意味では、このような偽造事件の発生を防止するために今回は戸籍を再製をするという手段を取っておられるわけですけれども、根本的に防止するための何か方法とか手段とか、この法案を考えるに当たって検討はなさったのでしょうか。
○衆議院議員(鎌田さゆり君) おっしゃるとおり、こういった事件はやはり未然に防止をすることができれば、それは大変重要なことだと私たちも考えました。 それを防止するためには、戸籍の届出に際しまして本人確認の措置を講じるということが一つあり得るのではないかと思いました。ですけれども、今回は当面緊急性の高い再製制度、これを最優先に法改正の中に盛り込むということに力点を置かさせていただきました。 ですが、御案内のとおり、一部自治体等におきましては、この本人身分確認を窓口で既に行っている自治体もございますので、そういった身分確認の運用状況、あるいは今回のこの法改正後の施行状況などを見定めていきながら、法務省を中心に今御指摘のありました点につきましては引き続き幅広く検討が進んでいくものと伺っております。そのように承知をいたしております。
○千葉景子君 さて、この偽造された戸籍について、これからこういうことがあったらこの法律を適用するということになるわけですけれども、先ほどの背景事情を伺いますと、やっぱりこれまでそういう戸籍を作られてしまったという皆さんの方が一番お困りになっているわけですよね。 そうなりますと、この偽造戸籍についてはこの法案をさかのぼって適用するということになるのでしょうか。
○衆議院議員(鎌田さゆり君) 今御指摘をいただきましたとおり、さかのぼってこれは適用するものとしております。 やはり、現行法の下で不実の記載をされた被害者から、さかのぼってこの適用をという声が非常に強うございまして、そういう方々の声や、あるいはそれに呼応する運動が今回の法改正につながったと。そして、衆議院の法務委員会すべての議員の皆様にも御理解をいただいていると承知をいたしておりますので、その方々の声を盛り込まなければ絶対にいけないというふうに考えておりまして、そのさかのぼって適用を認めたといたしましても国民の権利義務に影響を及ぼすということ、そのおそれはないというふうに考えておりまして、法案の附則第二条第一項におきまして、施行前に虚偽の届出等により不実の記載がされた戸籍又は除かれた戸籍であっても、法定の手続により訂正がされた場合には再製を認めるという旨を明らかに示しております。
○千葉景子君 今回のこの法案で戸籍が再製をされるわけですけれども、その再製される前の訂正されただけの戸籍、これが公開をされる。結局、再製をしても前の戸籍がまた見れるということにはならないのでしょうか。その点については不都合がないのかどうか、御説明をいただければ有り難いと思います。
○衆議院議員(鎌田さゆり君) その点につきましては、私たちも配慮をし、大変心配でございましたので、しっかり法改正でしたと思っておりますが、御指摘の再製される前の訂正されただけの戸籍、これは再製原戸籍ということになりますので、これはもうこの時点で戸籍ではなくなるというわけで、戸籍法上の公開の対象とはならないというふうになります。 戸籍の謄本、抄本につきましては公開の建前というものが戸籍法で定められておりますけれども、これに対して再製原戸籍は、今申し上げましたとおり、戸籍ではなくなりますので、その性格は一般行政文書と。そういう一般行政文書と同じ取扱いのものの性格になりますから、戸籍法上の公開の対象とはなりませんで、一般行政証明として取り扱われることになります。裁判所による民事訴訟法第二百二十条に基づく文書提出命令など、捜査の際にそういったものを引き出して見るというような特別の事情が出ない限り、これは公開の対象にはならないというふうに考えていただいて結構でございます。
○千葉景子君 限られた時間なので、あと一点だけ御質問をさせていただきたいと思います。 私の聞くところですと、これとほぼ同趣旨の法案が法務省の方でも検討されてきたやにも聞いております。 今回、この法律が衆議院の法務委員会で全会派一致をして提案をされ採択をされたということでございますが、閣法がどうやら準備をされていたにもかかわらず、やっぱりそういう形を取ったということはどんな意味があるのでしょうか。
○衆議院議員(鎌田さゆり君) これもまた、御指摘、おっしゃるとおり、私たちも今回のこの戸籍法の一部を改正する法律案は、閣法として今臨時国会に提出という準備が進められているというお話はあるやに聞いておりました。しかし、今臨時国会終盤になりまして、何やら今回は提出は見送られたというような空気が漂ってまいりまして、そこには諸般の様々な事情があったのかとは思いますけれども、それはそれとして、やはり立法機関に臨む私たちでございますから、であるとするならば、議員立法という形を取って、そしてすべての会派でこれに賛同し、被害者の声にこたえていく、救済をするという行動をこの議員立法という形で取りましたので、そこには何らかの事情あったかと思いますが、この法案を提出をしたということで、是非前向きに御理解をいただければありがたいと思います。
○千葉景子君 ありがとうございました。 終わります。
○浜四津敏子君 公明党の浜四津でございます。 初めに、提案者に質問をさせていただきます。 昨年八月に、仙台市内で連続して虚偽の婚姻届やあるいは転居届が出される事件が発生いたしました。また、同様の事件が東京都内や札幌市でも発生いたしまして、更に全国に広がっていくということが危惧されてまいりました。犯人グループは、虚偽の戸籍の記載や住民票を、盗難車の転売や、あるいは消費者金融からの現金詐取や相続財産の詐取などに悪用しておりました。 このような戸籍等改ざんを防止して制度の信頼性を維持するとともに、改ざんによる被害救済のため、私も本年三月十九日の法務委員会で法務当局にこの対応策を問いただし要請をいたしました。また、六月二十四日には、森山法務大臣に、被害者にお会いいただき申入れをさせていただきました。大臣には、真剣に被害者の訴えに耳を傾けていただきまして、大変感謝しております。今回、衆議院の法務委員会による戸籍法改正案が提出され、私自身も大変喜んでいるとともに、法務委員会の皆様の御苦労に心から感謝申し上げます。 そこで、同僚議員と少し重なりますが、今回の改正法提出が急転直下まとまって手続が進展した、その経緯について漆原委員長代理よりお答えいただければと思います。
○衆議院議員(漆原良夫君) 私も、六月二十四日、浜四津委員とともに森山法務大臣にお会いさせていただいて、本法案の改正を申入れをさせていただきました。 その際、浜四津委員の方からはこういうふうな内容でございまして、偽造戸籍の訂正痕を残さない戸籍再製等の制度の創設ということで、虚偽の届出であってもいったん受理されると戸籍上に記載が残り、家庭裁判所で無効が確定しても戸籍上には受理と訂正の記載が残ったままになる。そのため、戸籍上は、一度結婚し、その後、婚姻は無効となった旨の記載が残り、被害者は大きな精神的苦痛を受ける。そこで、被害者の人権擁護の観点から、偽造戸籍の訂正の痕跡が残らない戸籍再製等の制度を創設することというふうな趣旨の要望がなされまして、私は浜四津委員が長年、弁護士をやってこられた経験に基づいてこういうふうな御提案をなされたことは、本当に心から敬意を表しているものでございます。 今国会は法案も多くて、衆議院の法務委員会は本当に、参議院に御迷惑を掛けていますが、大変な混雑の中で法案の審議、多忙を極めたわけでございますけれども、一方、先ほど鎌田委員がおっしゃったように、この法案改正の一日も早い成立を願っている被害者の方がたくさんいらっしゃる、そういう観点から、その被害者の方々の要望にこたえるために、この法案を衆議院法務委員会において全会一致をもって起草、提出させていただいたと。そしてまた、施行期日においても「公布の日から施行する。」というふうにして、一日も早く皆さんが救われるようにということで、人権擁護の観点から頑張って、今回提案させていただいたわけでございます。 よろしくお願いします。
○浜四津敏子君 ありがとうございました。 それでは次に、法務省に質問いたします。 戸籍改ざんにつきましては、大きく二つの問題点があります。第一点は、届出の際の本人確認など防止策でございます。第二点は、偽造戸籍の訂正痕跡を残さない戸籍再製等の制度を創設すること、事後の救済でございます。 今回の改正で事後の救済の問題は解消することとなりますが、第一点目の届出の際の本人確認、つまり防止策については、国としての具体的な対応策はいまだなされておりません。三月にこの点について私は当委員会で質問をいたしましたが、それに対しまして法務当局は、対応策を検討されている旨の答弁をされたと記憶しておりますが、その後の検討状況と今後の見通しについてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、この問題につきましては、事後の救済ももちろん重要でございますが、できればそれを事前に防止できる方が国民にとっていいことは間違いないわけでございます。私どもとしても、そういう意味で防止策、適切な防止策があるかということを内部的には検討しているところでございます。 ただ、前にも申し上げましたが、婚姻届と離婚届だけでも百十万件近い数字になります。そのほかの戸籍の総届出数でいきますと四百六十万件近くになりますので、これを窓口で身分確認をするということになりますと、その方法いかんによっては届出をする人の負担、あるいは確認をする自治体の窓口の人たちの負担というものも相当なものになることが予想されますので、やはりどのような方法が適切か、またどう自治体において対応できるかというようなことを相当幅広く検討いたしませんと、なかなか決めにくいということもございます。 そういうことから、各自治体等からも意見を伺っておりますし、また戸籍事務に関します全国的な協議会がございますので、そこでこの問題、予防策についての研究会を立ち上げていただいて、法務省も協力しながら、今、その問題点あるいは対応策を研究を進めているところでございます。 今後も、鋭意検討を進めまして、できるだけ成案を得て適切な対応をしてまいりたいと、こう考えております。
○浜四津敏子君 よろしくお願いいたします。 それでは、戸籍法に関連して一点質問させていただきます。 戸籍法の立法趣旨、また戸籍制度の目的は何かについて確認させていただきますが、それは、私どもが日本人として生まれ、出生届を提出することによりまして、戸籍に氏名、生年月日、出生地、性別、父母の氏名などが記載されることになります。その後も、結婚、出産、離婚、養子縁組等々、個人が一生社会生活を送る上で基礎となる身分関係に関する情報、個人を特定する情報がすべて戸籍に記載されることになります。 私たちが日常生活を送る上で戸籍を意識する機会は通常はそれほど多くありませんが、一方で、例えば小学校入学を始め学校に入る手続の場合には戸籍事項の記載が必要となりますし、また住民票の記載も戸籍が基になります。パスポート、運転免許、選挙権行使など、社会生活を送る上でその記載が基になり、必要不可欠のものであることは言うまでもありません。 その意味で、戸籍というのは一人の人が幸福を追求する権利、つまり基本的人権を遂行する、その幸福を追求しながら健全な、スムーズな社会生活を営むことを保障するためにあると、その点が一番重要な戸籍制度の目的であろうと考えられます。 先日の法務委員会で性同一性障害の方の戸籍の記載について質問いたしましたが、重なりますが、性同一性障害に悩む方が、医学的に厳格なガイドラインによって性同一性障害と診断され性変更の手術を受けて、家裁から名前の変更許可を受けている人も現在多数に上っております。しかし、現実の社会生活においては、例えば女性から男性へという性転換の手術を受け、裁判所の許可を受けて男性の名前に名前を変更し、男性として社会生活を送っているにもかかわらず、戸籍上の性別は依然として女性のままでございます。そうなりますと、海外に行く際のパスポートでの本人確認、あるいは選挙で投票する際の本人確認、また運転免許証を提示した際にも本人確認にその都度、不都合を生じたり混乱を来すという事態が生じております。そこで、海外旅行にもなかなか行けない、あるいは選挙に行くにもちゅうちょするという事態が生じております。戸籍の記載がかえってその人の健全な社会生活を送ることを阻害していると言わざるを得ない状況でございます。また、だれから見ても男性で、男性名の人が戸籍上は女性というのではかえって社会の混乱を来すことになると思われます。 先般、東京小金井市では、市長が性同一性障害者への偏見、差別をなくしたいと述べられて、印鑑登録証明書から性別記載をやめることを明らかにいたしました。地方自治体でも真剣にこの問題に取り組んでいるところもございます。国においても、例えば厚生労働省に性同一性障害認定機関を設けて、その認定を受けた者については家裁の許可を経て戸籍の性の変更を認めるなどの方策が考えられます。 先日の質問に対しまして法務当局は、関係機関と連携の上、真剣に検討したいと答弁されましたが、その検討状況について改めてお伺いいたします。
○委員長(魚住裕一郎君) 房村民事局長、簡潔に。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘の性同一性障害、病気であるという認識が非常に社会的にも広がっているということは私どもも認識しておりますし、また様々な面で戸籍の記載が社会生活上の障害になっているのではないかという点も御指摘のとおりであろうと思います。 ただ、なかなか、性別という最も基本的な部分をどうするかという点につきましては、ただいま御指摘のような検討もまた考えられるかと思いますが、そういう点も含めまして引き続き検討をしたいと考えております。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 戸籍の再製を可能にするこの改正案は、関係者の皆さんの強い要望もあるものであり、私どもも賛成であります。取りまとめをされました衆議院の法務委員会の皆さんに敬意を表するものであります。 今回の法改正への様々な関係者の要望、そして法務省の検討状況を見まして、改めて日本社会における戸籍の意味や家族の在り方に与えてきた影響を認識をさせられました。 戸籍は公示機能を持つものとして原則公開をしてきたわけでありますが、戸籍に盛り込まれている個人情報が公開されるということがプライバシー侵害に当たるとしまして、七六年の改正で閲覧制度、原則廃止をされ、さらに謄本などを請求する場合の正当理由を明らかにしなければならないということになりました。しかし、現実の場面では何が正当な理由か、なかなかはっきりしない。窓口の担当者が真偽の確認のしようがないというような問題があります。 ある人物の戸籍謄本から、親の身分関係や、養子かどうか、嫡出か非嫡出かなど、個人のプライバシーがすべて分かるものであります。戸籍法の第十条に公開原則という条文は残っているわけでありますが、こうした状況から公開原則というのは破棄されるべきだという学者の指摘も多いわけであります。例えば、戸籍に関しては官公庁が行政の必要上アクセスする以外は本人のみがアクセスできることとすべきだ、本人以外の者に本人の意思に反して身分証明を交付する必要はないと、こういう指摘もあります。逆に、どうしても公開をすべきだという論は余り聞かないわけでありますが、原則非公開の方向ということに踏み切ることも検討されるべきだと思うんですが、その点で大臣の御所見をお願いいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) 戸籍は、今、委員がおっしゃいましたとおり、相手方を知るという必要性がありますので、身分行為とかあるいは取引関係に入ることを予定している者にとっては非常に重要な文書でございまして原則公開とされていたんでございますが、この公開制度を悪用いたしまして個人のプライバシーを不当に侵害する事例が発生したことを配慮いたしまして、昭和五十一年の戸籍法一部改正によって公開に制限が加えられたというものでございます。 具体的には、戸籍謄抄本等の請求にあっては、原則として請求の事由を明らかにしなければならず、請求が不当な目的によることが明らかなときは市町村長はこれを拒むことができるとされまして、また除籍謄抄本等の請求にあっては、請求ができる者を、除籍に記載されている者又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属及び国又は地方公共団体の職員、弁護士その他法務省令で定める者に限定いたしまして、これ以外の者は、相続関係を証明する必要がある場合、その他法務省令で定める場合に限って請求できるというふうになっております。 この現行の公開制度はプライバシーに十分配慮しなければならないと思いますので、このようなやり方で維持されるべき制度であると考えております。
○井上哲士君 更に一歩踏み出すべきではないかということも指摘をしておきます。 さらに、お聞きしますが、現在の戸籍には戦前の家制度の残滓と指摘をされる点が幾つもあります。 例えば、戸籍筆頭者、配偶者、未婚の子、こういう世帯単位の構成になっておりまして、家族に序列を作るとか、父母欄も母の氏は省略をされており、対等な個人としての男女を構成する男女共同参画社会にはなじまないんじゃないかと、こういう指摘もあります。筆頭者が死亡しましても筆頭者欄は死亡者のままに残ってしまう、ですから妻が亡くなった夫の氏を名のろうとする限り戸籍は変わらないわけですね。戸籍上は妻は死者を頂点とする世帯の一部だと、こういう指摘もあったり、筆頭者とそうでない者の間に主従の関係を持ち込むものであり、明らかに憲法の規定する個人の尊重や法の下の平等に反すると、こういう指摘もされております。 戦後の民法改正の際にも様々な議論がありました。夫婦、親子を原則として同一の戸籍に記載すべきというやり方は民法改正が強く意識しているはずの家族制度の廃止ということを有名無実にするおそれがあると、こういう指摘もありました。この改正要綱の起草委員会の担当幹事の一人であった川島武宜教授は、当時、民法改正案研究会にも参加をされておりまして、その意見書では、フランスで提案されているような個人単位で、しかも一人一用紙主義の身分登録制度の採用が望ましいと考えると、こういうようなことも言われております。 最近も、戸籍のもたらす精神的な効果が非常に大きな負の遺産になっている、もはや無視できない悪影響をもたらしている、家制度の残滓を払拭する方向で根本的に改正する時期が到来しているというふうな指摘もあるわけであります。 選択的夫婦別姓を推進してこられた大臣でありますが、こういう言わば個人籍に変えるべきだという指摘について御所見をお願いいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるような考え方も確かにあろうかと思いますが、我が国の戸籍制度は、一組の夫婦とこれと氏を同じくする子供ごとに編製されまして、各人の現在の身分関係を統一的に明らかにするだけではなくて、入籍、除籍に関する戸籍相互間の関連付けによりまして系譜的な親族関係を容易に明らかにすることができる機能を兼ね備えております。さらに、一つの戸籍にすべての身分関係を記載することになっておりますので、人の出生から死亡までの身分関係の変動を容易に把握することができるようになっているわけでございます。 戸籍を個人籍にすべきであるというような考え方につきましては、個人籍ですと技術的に身分関係のつながりを公証することが複雑になること、また現行の戸籍制度を個人籍にすることには膨大な費用と手間が掛かりまして、現実には非常に困難であると思いますので、必ずしも賛成いたしかねると思います。
○井上哲士君 戸籍のありようというのは日本人の家意識というのに非常に大きな影響を与えておりまして、当時の民法改正研究会の指摘は今なお新しいという学者の指摘もあります。個人の尊重というのが真に具現化をされる制度を作る必要があるのではないかということだけ指摘をしておきます。 最後に、先ほども性同一性障害の問題で質問がございました。家裁に申立てをして変更が認められたのは、戸籍の性別の変更が認められたのはこれまで一件だけなわけでありますが、性同一性障害を理由として性転換手術を受けた人の社会生活上の不便を考えますと、もっと広く変更が認められるべきだと思います。 この間の答弁では、国民的議論の動向やガイドラインの内容などを踏まえつつ対応していきたいということもあるわけですが、こういう国民的な世論など法務省として何か調べたことがあるのか、またそういう計画があるのか、それも踏まえて今後どのような対応をしていくのか、質問をいたします。
○政府参考人(房村精一君) 国民的議論の動向ということで特段、従来、世論調査等をしたということはございません。この問題をめぐるいろいろな発言あるいは報道等について注意を払っているというところでございます。 今回の御議論、あるいは関係機関とも連携を取りまして、いずれにしても私どもとしても真剣に検討をしていきたいと、こう考えております。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 必要な立法についてまとめてくだすったというか、まとめられた議員の皆さんに心から本当に敬意を表したいと思います。 私の方は、戸籍の続柄欄についてまずお聞きをしたいというふうに思います。御存じのとおり、住民票の続柄欄は一九九五年三月一日から長男、長女、次男、次女、養子、特別養子、婚外子である子はすべて子というふうに変わっております。しかし、残念ながら、戸籍の続柄欄は長男、長女、次男、次女、あるいはいわゆる婚外子ですと男、女としか書かれないというふうになっております。 ところで、その養子ということなんですが、新聞を読んでおりましたら、ノーベル賞を受賞した田中耕一さんが、大学に入るときに戸籍を見て自分は養子だったということを初めて知ったと。それで、自分のお母さんも亡くなっていたということを知ってちょっと無気力というかショックを受けたという記事を読みました。 私は、養子だろうが養子でなかろうが、もちろん上下とか差別があってはいけないし、何も養子で問題ないと思うのですが、特別養子が例えばいったんクッションを作っていて直接は見れないようになっているように、養子縁組における養子に関する記述で、戸籍の記載事項から何とか落とせないか、何らかの工夫ができないか。特別養子同様に、例えばいったんクッションの戸籍を作って、最後の戸籍では養父母のみが父母として記載され、続柄も違う、養子とかというふうにはしないという、相続では戸籍をたどれば分かることで、特別養子制度はそのような工夫をしているわけですから、養子縁組についても何かプライバシーを守る工夫はできないのでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘の点、非常に難しい問題で、確かに養子であるということを実子と信じて育った人が知ったときには相当のショックを受けるという話はよく聞きます。また、それが戸籍から知るというのが多いということも聞きます。 そういう意味では、御指摘のような何らかの対応をという御指摘も分からないわけではないんですが、ただ同時に、戸籍の場合には法律関係、身分関係をできるだけ正確に、しかも分かりやすく表示するという機能も期待されているところであります。 そういうことから、御指摘の特別養子については特別の手当てをして、ぎりぎり法律的な正確さと、養子であることが余り目立たないような記載の仕方を考えたわけでございますが、更に進んで養子一般にそのような工夫ができるかということになりますと、今申し上げたような戸籍が果たすべき身分関係をできるだけ分かりやすく表示するという機能の点を考えますと、なかなか難しいのではないかというのが現在の考え方でございます。
○福島瑞穂君 外国の身分登録については先ほど井上委員の方からもありました。個人登録であったり、あるいは日本のように検索的機能がないという事情はあるかもしれませんが、養子縁組が身分登録からは出てこないと。特別養子制度というのも日本にはもう既にあって、相続の上で困らないような工夫をしているわけですので、是非この点は考慮してくださるようにお願いします。 婚外子の続柄欄の記載なんですが、住民票の続柄欄が全部、子に統一されて、子供の子ですが、統一されて何も困らないように、戸籍の続柄欄も困らないというふうに思います、同じことですから。 例えば、十回結婚して十回とも男の子が生まれたら十人とも長男になるわけですよね。それから、初めの子供が婚外子で男、次の二番目に結婚をしたらその子が長男というふうになったり。御存じのように再婚やいろいろすると、長男だから、じゃ初めの子供かというとそうではないわけですよね。そういうことからも、続柄欄というのが、実は長男と書いてあるから初めての子供でもないわけですし、この長男、次男、子、あるいは婚外子だけ男、女というふうになっているわけですから、婚外子は何人産んでも男、男、女、女、女としかならないわけですから、これは続柄欄を工夫する、変えるということはいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、現在、続柄欄の記載につきましては、法律上の夫婦の場合には、その夫婦から生まれた子供について、出生の順に従いまして長男、長女という、あるいは次男、次女という記載をしているところでございます。非嫡出子については男、女という表現をしておりますが、これは相続分を始め、民法上異なる法律関係に立っているということから、戸籍の記載においてもそれが明瞭になるようにと、こういうことで現在そういう扱いをしているところでございます。 戸籍の記載がある意味で最終的に法律関係を確認する場であり、それが誤解の余地が少ない記載の方がそういう意味では望ましい。特に相続分の判断というような、ある意味で非常に重要な判断をする場合の資料となるものでございますので、そういう点を配慮して現在そのような扱いとしているところでございます。
○福島瑞穂君 婚外子の法定相続分を平等にすべきではないかというのは法制審議会が出した答申にあったわけですが、それはちょっとおいておいて、実は実務をやっている人に聞くと、記述が間違っていることがあるので、身分事項欄をやはりきちっと確認をして、間違いが絶対に生じないようにするということなんですね。ですから、私たちも戸籍を見るときに、続柄欄だけ見るのではなくて、両親あるいは身分事項欄をきちっと見て、勘違いや間違いが生じないようにということに気を付けるわけで、むしろ続柄欄が、という意味が、もしこれを立法上、長男、長女、次男、次女、男、女というのをなくしたとしても何も実は実務上は困らないというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) そういう点は戸籍の記載、どの程度詳細に注意して見ていただけるかということとも関係いたしますし、また一つには、そういう意味の情報の手掛かりというのは複数あった方がよりチェック機能は働くという問題もございますので、現在の記載の仕方はそういう意味では親子間の法律関係をできるだけ分かりやすく、しかも間違いの少ないような形で表示をするという機能の点から考えられたものでございます。
○福島瑞穂君 外国は個人単位なので続柄欄ということそのものが問題にならないわけです。 ちょっとこういう問題にこだわるのは、例えば新平民という、新というのが一つ付いただけですさまじい差別が起きたように、続柄欄やそういう記載で差別が生じたり嫌な思いをするということもやはりあるので、是非、続柄欄、養子や子の書き方について今後、是非検討してくださるようにお願いをいたします。 ところで、ドメスティック・バイオレンスを受けた被害者が加害者である配偶者と離婚した後も、加害者が自分の戸籍を取得した場合には、元妻ですね、被害者の新戸籍や現住所が記載をされると。住民票の取得は阻止しても、本人の戸籍の取得を拒むことができない。 戸籍のリンクという問題は確かにあるわけですが、法務省として被害者保護の観点からどのように対応するべきと考えるか。例えば、戸籍に被害者の新戸籍を掲載しなくてもいいような特例措置は取れないかという点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 戸籍のつながり、要するに最終的に相続関係等を確定するためには、現戸籍からその前、その前と一定期間さかのぼって取って初めて、他に子供がいない、相続人がいないというようなことが確定できるわけでございます。そういう意味では、戸籍と戸籍のつながりが戸籍上全然なくなってしまいますと、それ以上さかのぼれなくなってしまうという問題があって、これはある意味で、戸籍というのは相続関係にとっては非常に重要、ほとんどこれで決まってしまうというくらい重要な役割を果たしているわけです。その観点から、その機能を果たさなくなるという仕組みを作るのは、戸籍制度としては非常に厳しいのではないか。 おっしゃるように、確かにドメスティック・バイオレンスの問題というのは今深刻になっておりますし、それなりの対応策が戸籍の面で取れるのであれば我々も工夫はしたいとは思いますが、今申し上げたように、戸籍と戸籍のつながりというのは戸籍制度の言わば根幹を成しているものですから、そこはなかなか難しいと思っております。
○福島瑞穂君 時間ですので、以上です。
○委員長(魚住裕一郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 戸籍法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(魚住裕一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十三分散会