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155回国会参議院2002/11/28

法務委員会 第10号

発言数
206
登壇者
12
会派数
6
開催日
2002/11/28

会議録

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案及び司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、法務大臣官房司法法制部長寺田逸郎君、法務省刑事局長樋渡利秋君及び文部科学省高等教育局長工藤智規君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) 法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案及び司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 おはようございます。  法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案並びに司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案の質疑でございますが、質疑の前に、ちょっと急なことではあるんですが、法務大臣に例の名古屋の刑務所の関係のことについてお伺いをしておきます。  昨日、名古屋地検が被告人五名、特別公務員暴行陵虐致傷事件で名古屋地方裁判所に公判請求をされたと。さらに昨日、今の被告人五名のうち二名について名古屋地検が別の被害者に対する特別公務員暴行陵虐致死事件で再逮捕、そして捜索に着手をしたという報道がございます。  これにつき、昨日の衆議院の法務委員会で法務大臣が報告をされ、そして質疑が行われたということですが、事案の概要を簡単に、どういうことであったかをお話しください。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) お話がございましたように、昨日、名古屋刑務所刑務官の五名が特別公務員暴行陵虐致傷事件で公判請求され、また、そのうち二名が別件であります今年五月の特別公務員暴行陵虐致死事件につきまして名古屋地方検察庁に再逮捕されたということでございます。  誠に重大極まりない事件でございまして、国民に矯正行政に対する著しい不信感を生じてしまったということは大変遺憾なことでございまして、私としてもこの事態を極めて重く受け止めております。全国でまじめにきちんと職務を遂行している多数の刑務官にとっても実に悔しいことではないだろうかと思っているところでございます。  この事態を極めて重く受け止め、今後、検察においてこの事件について厳正な捜査がなされるというふうに思いますし、矯正局におきましても徹底した調査を行うように私から既に指示いたしております。このような事件が二度と繰り返されないように万全の措置を講じまして、一日も早く国民の信頼を取り戻さなければならないと決心しております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 もう少し伺いたいと思いますが、まず、こうした事案についてなんですが、この特別公務員暴行陵虐致傷事件の公訴事実の要旨を見ますと、懲らしめの目的で革手錠を使用して傷害を負わせたと。これ、懲らしめの目的でこういう戒具を使用することは認められるんですか、られないんですか。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) そういうことは認められません。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 そうですね。ですから、もう懲らしめの目的自体がそもそも職権濫用であるということだと思いますね。戒護という、あるいは戒具という、そういう戒護の戒は戒めですから、もう名前自体がちょっと古めかしくなっているんじゃないかと思うんですが。  このそもそもの目的である在監者の逃走や暴行や自殺の防止のために保護房に入れるだけでは足りないというような場合というのは、そうめったにあるわけじゃないんです。その場合でも革手錠で緊縛するというような必要が一体あるのかどうか。それは、懲らしめだったらあるかもしれませんが、そうでなければ、革手錠というものを用いることの是非、是非というのは、制度として革手錠という制度を残しておくことの是非についても検討されて、革手錠というものはもう廃止をすると、そういう意向もあるやに報道がなされておりますが、これは森山大臣、いかがですか。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) いろいろな場合が考えられます。中には非常に極端に暴れるとか大声を上げるとか、収容されている人がその建物を壊そうとするとか、その他いろいろな行動が従来の経験からもあり得ますので、あらゆる場合を考えて、どうしても必要なときには仕方がないということで認められている手段でありますので、これからそれに、そのような場合にこれに代わる方法があるのかどうか、あるいは、ない場合はどういう方法でやるかというような様々なことを検討しなければいけないと思いますが、確かに革手錠というものが、ちょっと、特に名古屋刑務所においては最近使用回数が多かったというようなことが調査によって分かっておりますので、その辺の背景事情も併せてよく勉強してみたいと思っております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 罪を犯して刑務所へ入れられているんだから、郷に入れば郷に従え、刑務所へ入れば刑務所に従えといったって、やはりそれは自由刑で、自由の束縛という限度では拘束は当然ある。で、懲役ですからいろんな労役はあるでしょうが、やはり、しかしそれ以上に、基本的人権はもう一切ないという話ではないんで、やはり受刑中の者、在監者、これも人間ですから、そこは人間扱いしなきゃならぬし、人間扱いしなけりゃ矯正の成果だって上がってこないわけで、人間扱いされることによって初めて人の情も移るし、人の道も分かるしということだろうと思いますが。それはそれでひとつ十分検討していただきたいと。この問題、また後で、いずれ機会を見て更にただしてまいります。  もう一つ、今のお話の名古屋の刑務所で、先ほどもちょっと聞いたら、平成十二年が三十二件ですか、革手錠の使用。革手錠ですか保護房ですか、これは、三十二件というのはどちらでしたかね、後ろの人。後ろの人というといかぬか。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) 今、突然のお尋ねなものですから資料がございませんで、正確なことはお答えできませんが。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 三十二件かどうかが正確かどうかは別として、革手錠だと思いますけれども、平成十二年が三十二件、十三年が五十四件、しかし平成十四年は九月までで百五十八件、名古屋で。とにかく異常にどんと上がっているわけです。これはやっぱり、受刑者が全部その期間、通常と全く違って暴れ出したんだという話ではないだろうと思うんですよね。  私は、名古屋もさることながら、やはり全体に矯正施設の中でそういった雰囲気があるのではないか。矯正施設だけなのかなと。法務省は、こういう矯正施設もあるし、それから入管のような施設もあるし、そういう施設を所管をしておるわけですが、そういうところでこうした人権侵害が起きているという、これについて一体どういう覚悟をお持ちなのかということだと思うんですね。  今、法務省は、一方で人権擁護法案を提出をされていて、これは今この委員会で審理の最中なんですけれども、やっぱりこういうものが起きたということについて、私はもっと、これは法務省、法務大臣始め、皆さんもう顔色が変わって、こんなことは絶対にあってはならぬ、したがって、この事案全体について、この事案というのはこの特定の事案ではなくて、こうしたケース全体についてよく調査をして、そしてどこに根っこがあるんだ、そこをえぐり出して再発は絶対に防ぐ、あるいはまた関係者については厳しい処分で臨むと。  これまで我が国では、例えば警察だっていろんなことがあって、本当に皆苦しみながら信頼回復の努力をしている、あるいは外務省だっていろいろやっている。もう全庁挙げて、全省挙げてやっているわけですよ。法務省は一体何だと。これが今問われているんじゃないかと思いますが、どういう覚悟がおありなのかを聞いておきます。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおりでございまして、これは一名古屋刑務所だけの問題ではございませんし、一矯正局の話だけでもないということはもうおっしゃるとおりでございます。  法務省が、全体として姿勢を正して再発を防止する、絶対に二度とこのようなことが起こらないようにしなければいけないという覚悟を持って今一生懸命取り組んでおりますので、見守っていただきたいというふうに思います。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 ただ見守ってと言われてもどうも、もう少し我々も、見守ってよりももっと積極的に皆さんにいろいろお尋ねをしていきたい。  検察当局それから矯正局、これもやりますが、人権擁護局も、事案の重大性にかんがみ、いろいろ人権侵犯事件として調査を進めているということでありますが、人権擁護局も、一方で人権擁護法案を出していながら、これについては、いや、鋭意調査していますなんというぐらいじゃちょっと済まない話だと思いますが、今日はそのくらいにしておきます。  そこで、冒頭の二法案について伺います。  私どもは、この二法案、民主党は賛成でございます。しかし、いや、これは本当によくできたいい制度ですね、もう何の問題もありませんから賛成しますというのではありません。むしろ一杯懸念があります。一杯たださなきゃならぬところもあると思います。しかし、法科大学院だけでなくて、例えば法曹人口の飛躍的な増大であるとか、あるいは裁判官の給源多様化であるとか、あるいは裁判員制度であるとか、そのほか司法制度全体、行政法の改革見直しもやるとか、司法制度全体について、今司法制度改革というのが大きく前へ進んでおりまして、この司法制度改革については、私たちは、戦後改革はありました。立法も行政も大きく変わりました。司法も戦後改革の中で変わった。しかし、実は、表題は変わったけれども中身はそれほど変わっていなかったんじゃないかという反省を持っています。  国民主権の下での司法という、そのために例えば裁判官、最高裁判所の国民審査の制度があるとか、いろいろ制度はあるけれども、制度自体が持っているいろんな問題もあって、国民主権の下の司法、自分たちが司法を運営しているんだというような意識を国民の皆さんに持っていただけるような司法になっているかというと、そうじゃない。これはやっぱり変えなきゃいけないと。それに、今のこの時代に裁判というのが追い付いていないとか、あるいは二割司法と言われるように、国民がいろんな法律上の、法律によって解決が本来されるべき困難に逢着しても、なかなかそこに資格のある法律家が解決のために関与をするということができない。そのために、やくざが横行したり、あるいはいろんな事件屋その他のものがあったり泣き寝入りがあったり、こういう二割司法じゃいけないといった、そんなこともあります。  そういうようなことをすべて考えて、私ども民主党は、司法制度改革については我々は与党になろうということで、司法改革与党を自任して審議会に意見書も出したり、いろんな提言もしたりしてまいりました。それが必ずしもすべて審議会意見書に取り込まれているわけではありませんが、しかし一定の前進はあったという判断をして、これを最大限尊重をし、また尊重をしていただき、更にもっと改革の方向へと、こういう提言もしていくということで、司法制度改革全体をむしろ推進をしていくということから、この法科大学院についてももう細かなところは、誤解を恐れず言えば、あえて目をつぶってでも賛成をするというのでやっていまして、しかし目をつぶらないんで、そこについては一々の議論はやはりしっかりとやっていきたいと思っております。  この司法制度改革というのは、今、私が申し上げた法科大学院あるいは裁判員、あるいは給源多様化、あるいはこの規模拡大などなど、全部がそれぞれパーツになって、別個にもちろん存在するんですが、それがすべて別々に何か回っているんじゃなくて、全部がパーツになって一つの司法制度改革というものをこれを進めていこうとする、そういうものだというふうに考えておるわけですが、これはそれでいいんですよね。司法制度改革全体の中で法科大学院というのは役割を果たすし、したがって法科大学院をどうするというときに、司法制度改革全体の理念なり哲学なりあるいは目的なり、そういうものとの兼ね合いでここはああしようここはこうしようということが決まってくると、そういう思考回路、これは共有されていますよね。いかがですか。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおりでございまして、司法制度改革というのは非常に、明治以来百年以上続いてきた現在の司法制度を大きく今の時代に合うものにしていこうという大きな仕事でございますので、一度に全部はできませんので少しずつやっていこうというその最初の取っ掛かりがこの法科大学院の考え方でございますが、これはこれだけで別に動くのではなくて、大きな司法制度改革の仕事の中の一部としてしっかりと機能し、かつほかのところとも関係深く全体として動いていくものだというふうに思っております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 というところで、一つ、一杯テーマがあるわけですけれども、それを全部やっていたら幾らやっても時間がないので、今、司法制度改革の中で行政法改革、これは検討会もできてやっているわけです。しかし、審議会の中では行政法については余り時間がなかった。したがって、余り細かなことまでは意見書に書いていないんですが、しかし恐らく問題意識は皆共通している。  つまり、国民主権の時代になって行政に対する司法チェックというものが非常に重要なんだけれども、だけれども、どうも行政に対する司法チェックが実効性が上がっていない。それはいろいろ、例えば訴えの利益であるとか当事者適格であるとかいろんな制約があって、あるいは行政の方はあらかじめ、後で訴えられたら困るからというのでシナリオもちゃんと書いて、証拠もちゃんとそろえながら事を進めていく。一般の国民の方はそんなことは分からないものですから、いろいろ言われたら、ああそうですか、ああそうですかと。後で気が付いた、あのときだまされた、いやだましていないんだ、ここはこうなっているじゃないか、こう説明しているじゃないかなどということで、どんどん市民は敗訴していくわけですよね。  これではいけないというので、行政法改革検討会で今やっているところだと思いますが、法科大学院も三千人からの法曹をここを通って新たに養成していって、そしてその三千人が皆言わば行政の守り手になる。市民に対する不平を抑え込む。あんた、これはどうせ訴訟をやったら負けますよ、やめておきなさいなんという法曹が三千人毎年毎年出てきたら、これは市民はたまらぬわけですよね。  例えば、行政法改革といったことも念頭にありながら法科大学院構想というのは立てられているんだと。どこがどうというのは、これはこれから細かく聞いていく話であり、あるいは制度設計をしていく話ですが、そういうメカニズムというもの、これはいかがですか。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃいますような様々な問題がたくさんございまして、いろいろな問題を抱えておる、あるいは今まで取り上げられにくかったものもどんどん取り上げられる世の中になっていくということになりますと、従来の法曹では手に負えない、あるいは数が足りないというようなことがございますので、今度はそういう新たな事態に対応できるような法曹を養成していこうというのがこの法科大学院の構想でございますので、おっしゃるようなことにも十分こたえられる法曹が養成されるというふうに考えております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 おっしゃるようなことにも十分こたえられる法曹が養成されていくというところに重大な意味が含まれていると理解をいたします。  法科大学院は本当に、私もこの制度設計のために大変努力をしている皆さん、本当に御苦労さんだと思うんですね。しかし、いろいろ聞かれると、いやそこはこれからと言わざるを得ないところが山ほどあるんだろう。やっぱりある意味では試行錯誤。試行錯誤で大切なのは、間違ったときには改めるということですが、これはそういう間違ったときに改めるんですよね。この法案の中に、どういうところがあって間違ったら改めるようになっていますということが言えますか。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) 今御審議いただいております連携法案におきましても、その施行後十年を経過した場合に、法科大学院における教育、司法試験及び司法修習の実施状況等を勘案し、法曹養成制度について検討を加え、所要の措置を講ずるものとするとなっております。  しかし、十年待って初めてというのではなくて、その前にも新たな制度の実施状況を踏まえまして、見直しや改善が必要であるということになれば検討を加え、柔軟に対応していきたいというふうに考えています。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 是非これは柔らか頭を持っていただきたい。ところが、だれが一体柔らか頭を持つのかということなんですね。  法科大学院、そして新しい司法試験、理念や目標どおりに行われているかどうか、審議会の意見書を最大限尊重して行われているかどうか、これをだれが責任を持って判断し、間違いがあれば改めるのか。  最高責任者は一体だれなんでしょう。現在だったら、当然、司法制度改革推進本部は本部長が小泉内閣総理大臣。しかし推進本部、これはこれからちょうど二年後、二〇〇四年十一月三十日には消滅をする。その後の最高責任者は一体だれだと。法科大学院は文部科学大臣、法務大臣はそれに物が言えると。更に第三者評価機関がある。新しい司法試験については法務大臣、その下に司法試験委員会がある。司法試験委員会は現在は司法試験管理委員会、これは国家行政組織法三条委員会、三条委員会の名に値するかどうかの議論は今日はしませんが、そうなっていますが、今度は三条委員会ではない。最高責任者はだれですか。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) 現在御審議いただいております連携法案におきましては、法科大学院における教育と司法試験及び司法修習との有機的連携を図るということを国の責務といたしておりまして、国は、国の機関、大学その他の法曹養成に関係する機関の相互の協力の強化に必要な施策を講ずるものとするということになっております。  具体的には、法科大学院の教育と司法試験との連携の確保につきましては、法務大臣と文部科学大臣の相互協力等に関して規定しておりまして、司法修習につきましても、法科大学院の教育との役割分担を踏まえて修習の内容等を工夫するということになっておりまして、今後とも、国民の要請にこたえることのできる質、量ともに豊かな法曹を養成するために、関係機関相互の協力、連携の強化に努めてまいりたいと思います。  法務大臣も文部科学大臣も緊密な連絡を取りましてこれに当たってまいりたいと思っております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 有機的連携で緊密な協力、国の責務だと。国というのは何ですかね。国会は国権の最高機関ですから、国会が一番責任あるということになるのか。あるいは国、行政、そうすると内閣総理大臣が一番責任あるということになるのか。もちろん、文部科学大臣と法務大臣が密接に連携していただかなきゃいけません。いけませんが、連携しろといったって、例えば意見が違うということだってそれはありますよね、それは意見が違うことはある。その場合はどうするんだと。あるいは連携した結果が正しい、連携しているんだから正しいということはないんですよ。連携した結果が間違っているということだってあるので、そうしますと、私は、これは最高責任者のないシステムになっちゃったかなと。  国がですから内閣総理大臣。ところが、ここで問題は、法曹養成、法曹というのは一体何だと。法務省と文部科学省が責任を持ってといったって、これは行政でしょう。法曹というのは何かというと、三権の一つである司法を担う人材を育てるんですよ。法務省と文部科学省、法務大臣と文部科学大臣が密接に連携をしてがちっと一寸の狂いもありません、何らのすき間もありませんというものでやったけれども、実は法曹を支える人材を養成していくというところで大きな穴が空いてしまったらこれは大変なことになる。内閣総理大臣も行政ですから、ここは大変制度として難しい。その点は私どももこれは認めざるを得ない。  ただ、それでもそこについて何かきちっとした制度を作れば、最高責任者はこの人だというのを作ればそれでうまく動くのかというと、必ずしもそんなものではないので、やっぱりこれはいろんな機関がそれぞれ正にチェック・アンド・バランス、トライアル・アンド・エラー、いろいろやることが大切で、その場合、法科大学院に関してだけ言えば、第三者評価機関というのは非常に重要だと思うんですね。  これはむしろ文部科学省に伺った方がいいのかと思いますが、第三者評価機関、制度設計は伺っております、文部科学大臣が認証する。しかし、その第三者評価機関の評価基準については第三者評価機関と、ちょっと舌がもつれそうですが、にゆだねられているということのようですけれども、その評価基準についてどういう、何かこういう考えで評価基準というものは作られていくだろうという、そういうお考えはありますか、文部科学省。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 今の前段の御質問の趣旨に私どもの立場から申し上げますと、新司法試験があるわけでございますが、その前段階で、プロセスの養成として法科大学院を設立していこうと。それは……

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 制度設計は分かっていますから、聞いたことだけ答えてください。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 認証評価の関係でございますけれども、これは評価基準、それぞれの法科大学院をどう評価するかという評価基準については、それぞれの評価機関が定められるものでございます。  具体的にどういうことが定められるだろうかというお尋ねでございますが、当然、これまでの審議会の最終意見なども踏まえまして各評価機関がお定めになるわけでございますが、私ども、学校教育法の改正によりまして、改正法の六十九条の四でそれぞれの評価機関の認証をさせていただくという仕組みになってございますが、認証の基準に当たって、公正かつ的確な審査を行える仕組みが整えられていること、そのためには的確な評価基準が定められていることということがございます。  そのメルクマールとしていろいろ考えられますのは、当然のことながら、これまでの御審議、それから各委員のいろいろな御心配なども踏まえて、しっかりした法科大学院が立ち上がり定着しますように教育課程、カリキュラムの関係でございますとか、入学者選抜の在り方、あるいは教員構成、あるいは授業の遂行、少人数教育であるとか厳格な成績評価でございますとか、そういうメルクマールが当然、アメリカのロースクールの評価なども参考にしながら定められるものと思っているところでございます。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 大変申し訳ないんですが、全然分かりません、何をおっしゃっているか。抽象的な言葉が並んでいるだけです。しかし、これ以上聞いてもそんなことなんでしょうから伺いませんが。  重要なことは、評価機関は、これはそれぞれの大学についての評価と同時に分野別の評価もあって、大学一般についてのことはこれは学校教育法の審議のときいろいろ聞かれたことと思いますから省略しますが、法科大学院についての評価は、やはり法科大学院というのが立法や行政と違う司法という営みを担う人間をつくっていくのだということをしっかり踏まえながら、行政的なコントロールを十分利かせるのでなくて、むしろ第三者評価機関というものの、そういう司法という人材を育てていくのだという意識をしっかり持った評価基準でやっていくということを大所高所から見ていただくと。  あわせて、その評価機関がやっぱり一つじゃ駄目だと思うんですね。幾つもある。最後はやっぱりいい司法を作るかどうかは国民なんですよ。国民がそれぞれの評価機関、あの評価機関は適切な評価をしているとか、この評価機関はこういう評価についてはすばらしいとか、そういう判断をしながら、評価機関の評価というものをよく見極めながら、見比べながら、学生が法科大学院を選択していくと。国民がそういういろんな評価機関の評価など十分な情報を受けながら判断していくという一つのメカニズムの中で動いていくという、それが有機的連携ということなんだろうと思うんですが、そういう意味で評価機関というのは非常に重要だと思いますが、いかがですか、そういう問題意識はお持ちかどうか、文部科学省。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 正におっしゃるとおりでございまして、私ども、大学に対する関与については設置段階で設置認可という形の国の関与があるわけでございますが、これも行政府の恣意的な考えを入れないように専門の審議会での専門家の御審査をいただいているわけでございますが、それをできるだけ事前の関与を少なくして、事後的なチェック体制を正に国から離れたところで置かれる第三者評価によってしっかりやっていただこうと。しかも、それも、評価結果については公表をいただくことになってございますので、評価者が唯一絶対のものではなくて、評価する側、される側がそれぞれ双方向での意見交換もする仕組みを作り、かつ評価機関自身が社会から評価される、そういう仕組みの中で評価の質を高め、それがひいては大学の自己改善の努力につながっていく。  そういう仕組みの下で、今回、学校教育法の改正により、おっしゃるような重要な位置付けとしての第三者評価制度をお願いしているところでございます。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 よく分かりますが、別に批判するわけじゃないんですが、言うはやすくというのはもうそのとおりで、言葉で言えばそれはそのとおりなんだけれども、実際やるとなるとなかなか大変ですから、頑張ってください、応援しますから。その代わり、間違ったら厳しく追及しますので。  連携法の第二条で、高度に専門的な法律知識、幅広い教養、国際的な素養、豊かな人間性及び職業倫理を備えた多数の法曹と、こういうことを書いてあるわけですが、それはそのとおりなんですが、私は、ほかの高度専門職業人がどうだというふうに言うとちょっと語弊が、誤解があると困るんですけれども、やっぱり法律家という高度専門職業人と、例えばビジネスの世界であるとかあるいは貿易の世界であるとか、医学もそうかもしれません、いろいろある、それとちょっと違う面がある。それはそれぞれに違う面があるのでどちらが優でどちらが劣じゃないんですけれども、高度に専門的な職業人としての法曹というのは、やっぱりさっきから申し上げている司法、立法、行政の三権の一つである司法を担うと。しかも、二十世紀の司法がいろいろと反省をしなきゃならぬところがあった。二十一世紀の国民主権の下での司法、これを担うそういう法曹を養成するんだという法科大学院は歴史的使命、社会的責務を負っていると。  そういうことについて、行政機関としての文部科学省の認識、覚悟、これを伺っておきたい。高度専門職業人の養成という言葉の中に、法曹としての、法曹の高度専門職業人の特色というのをどういうふうに認識をしておられるか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) これは、推進本部が設けられましたように、新しい法曹養成のために政府を挙げていろいろ知恵を出そうという中で取り組んでいるわけでございますが、少なくとも大学は学問の府でございますので、そこでの教育研究の内容について私どもなり国の立場からあれこれ言うものではないのでございますが、今回求められている役割に対しまして、私どもは法科大学院の設置基準というのを関係の専門家の方々の御審議で制定いただく必要がございますが、そこで枠組みとしてこれまでの御審議の成果を踏まえた大枠を定め、それから、先ほど来御指摘ございますように、正に第三者評価によってそれを、設置後のフォローアップをしっかりやっていただく。それは、法曹人に必要とされる例えば法曹倫理でございますとか、いろいろな思考力、分析力、説得力など、社会の医者という役割も言われておりますけれども、法曹人に求められるしっかりした教育が行われるよう、全体の制度設計の中で私どももしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 私は他のいろんな専門的な職業人と法曹としての違いというのは、恐らく法曹の場合には高度に専門的な職業人と言えるためにはやっぱり、例えば憲法ですよね、今の憲法の一言一句という意味で言っているんじゃないんで、憲法感覚といいますか、憲法であるとか、あるいは人権であるとか、あるいは正義や公平、公正、そういうような価値規範とか、そうしたものがしっかりと根付いている人間、意識された人間、そしてそういうものに基づいて、たとえ立法府であろうが行政府であろうが、これは正義、公平に反すると思ったらあえて突き進んでいくファイティングスピリット、こういうものがない、いたずらに法律だけ知っているというんじゃ、これは高度に専門的な職業人とは言えないんじゃないかと。  これは文部科学省には是非お考えいただいておきますが、法務大臣もこの関係についてはいろいろ物も言えるようですから、そこはそういう覚悟をお持ちでこれから物を言う立場に立つんですということでよろしいですね。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおりでございまして、法曹養成というのは単に知識が多いとかいろんなことをよく知っているというだけではなくて、司法の理想といいましょうか、正義を貫く、公正さをきちっと追求するという精神が基本にきっちりとなければいけないと思いますので、そのようなことを志す学生は当然そういうことに多大の関心を持っているはずでございますが、養成の間にそのような考え方が更に高まって、強くなっていくということが必要だというふうに思っております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 点による選抜じゃなくてプロセスによる養成ということが言われて、それはそうだということなんですが、よくよく考えたらこれもなかなか難しい。プロセスによる養成というのは何のことかと。  私も、去年は弾劾裁判所の判決の取りまとめの責任者の主任裁判員をしたりしまして、法律の知識がどんなに豊富でどんなに法律的な能力が高くても、やっぱり人権の感覚一つなくて町の未成年の女の子に平気で手を出すというようなことでは、これはやっぱり法律家としての高度に専門的な職業人ではないと言わざるを得ないんだと思うんですよね。  そういうことを非常に重要だと思っておりまして、法科大学院の教育の中で、法律の知識や技能、これももちろんですが、やっぱり社会的な医師と言う以上は、いろいろと社会生活の中で困難に逢着している人に対して、人は皆そういう問題についてすぐに全部自分の問題、抱えている問題を説明できたりしませんからね。ですから、じっくり話を聞いて、この人が抱えている問題は何なんだということを粘り強く聞く、そんな能力とかあるいはそういう人の気持ちと共感をしていく、そんな心の琴線とか、あるいはいろんな議論、多くの人が議論するその議論をちゃんと整理して、そこから問題を探り出しながら一定の法律的な整理をし、そしてそこに紛争解決の、あるいは予防の、紛争の予防の手をちゃんと講ずる能力とかそうしたものが養われなきゃならぬ。しかも、それはある意味で意識してある一定のカリキュラムの中で養われないと、なかなか、社会生活やってりゃそんなものは自然に身に付くというものじゃない。  私は、特に今、裁判官は本当にじっくり当事者の言うことを、正に心耳を澄まして聞くというそういうことがなくなってしまっているような気がするんで、そうしたことを養成をしていくそのプロセスだと、こういう理解でいいんでしょうね。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおりでございまして、そのような人材を養成していくのには、いわゆる点による試験、選抜では十分ではなく、司法試験に至るまでのプロセスによる養成ということがとても重要だというふうに考えられます。  そのプロセスの中で重要な地位を占める法科大学院の勉強というのは、単に本を読んだり講義を聞いたりするだけではなくて、双方向のあるいは多方向の人々との話合いをする、議論をする、説得をする、あるいは人の言うことをよく聞く、そしてそれを整理する、あるいは相談に応じるというような、非常に多方面にわたる様々な才能を磨き、伸ばしていくということを考えられているわけでございまして、正にそれがプロセスによる養成という言葉に表れているわけでございますが、そんな多方面にわたる様々な能力を持ち、かつその人格も幅広く様々な面で磨いていって、人間関係に対する感度の高いと申しましょうか、そういう人物を養成していきたいというふうに考えております。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 そういう意味でいえば、法科大学院の学生自体の中に様々な人が入っていて、そしてその学生の中でいろんな切磋琢磨、お互いの人格陶冶ができていくということが必要で、これを余り抽象的に言っても仕方がないんで一つ例で言いますと、法科大学院の学生の中に障害者がいるということは私は結構重要なことだと思うんですね。  障害者もいろいろいますから、一つ例を取って、視力障害者の皆さんに対して受験の門戸はどう開かれるつもりか。

寺田逸郎法務大臣官房司法法制部長

○政府参考人(寺田逸郎君) まず、現状を私の方から御説明申し上げます。  これは、受験生の側から昭和四十七年に御要望がございまして、昭和四十八年度の司法試験の第二次試験から、点字による受験というものを認めてございます。現在は、その受験をなさる方もかなりおいでになりますし、合格者も出ているというような運用でございます。  今後もこの点についてはいろいろと検討をしてまいりたいと、このように考えております。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) 現在の司法試験におきまして今のような運用でやっておりますが、今後の養成におきましても、例えば法科大学院の入学試験あるいはその後の司法試験その他におきまして、障害のある方がそのために受けられないとか勉強できないということがないように十分気を付けていきたいというふうに思います。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 寺田さんは、私は法科大学院のことを聞いたのに司法試験のことをお答えになったんで、大変早手回しでありがとうございます。  しかし、点字で試験をやっていて合格者も出ているというのではやっぱり足りないと思うんですよね。四十七年からですか、今日までかなり長くやっていて、私が聞いたところでは、点字で合格した人は二人だというんですね。  そもそも、もう時間がないから、後で点字で受験を努力している皆さんの要望書がありますから、この皆さんにいろいろ、どういうことを要望されるかを整えていただいてお持ちをしますので、是非聞いてみてあげていただきたいと思うんですが。  最近の例えば司法試験の短答式なんというのは、幾つか一杯問題があって、括弧が一杯あって、その中へ埋めなさいと。埋めなさいだけじゃなくて、一番目と三番目と五番目の答えの数字を足したら幾つになりますかなんという、そうすると、一番目の答えはこう三番目はこう、どこかにメモでもしておかなきゃ分からないですよね。それをひっくり返してこうなってああしたらどうなりますかなんということをやられたら、それは点字じゃたまらぬ。そんな問題がそもそもいいのかという問題もありますけれども、そういう皆さんに対して時間を一・五倍に延ばすというだけでやっているようですが。  これは、文部科学省は、例の大学の共通テストですか、あっちの方の問題もあるんですが、やはりそうしたことをしっかり十分根拠を持った制度設計で、視力障害の皆さんにもこうした分野の仕事が広がる、これはこの皆さんの仕事が広がるだけでなくて国民に対する司法サービスというものの質を上げることにもなっていくんだという理解を是非持っていただきたい。  それから、さっきのプロセスとしての養成のところで、これは山崎局長、あるいは前の答弁の訂正の機会をひょっとしたらお与えしたいなと思うんですが、もしその気があれば。  医者は解剖とかで実際そのプロセスの中で養成されなきゃならぬところはあるけれども、法曹はそうじゃなくて、何と言われましたかね、法律実務は社会できちんと生活していれば学べる、だから予備試験と、こういうところへつながっていくんですが、法律的素養、法曹としての高度の専門職業人としての能力というのも、さっき申し上げたように、単に社会生活を行っていれば学べるというものじゃなくて、やっぱり一定の意識されたプロセスの中で実際に体験を積みながら学んでいく、修得しなければなかなか修得できないものだと。そういう意味では、対象が違うから方法は違いますが、構造としては医学の場合と同じ構造だと私は思うんですが、山崎さん、この間の答弁はちょっと違うんじゃないですか。いかがですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 確かにこの間、医学との比較で申し上げました。医学の場合は、確かに臨床面での教育のように医師として必要な能力を医学部における教育課程以外で身に付けることはかなり難しいと、これは事実認識としてはそのとおりだと思います。  この法律面、司法試験と予備試験の関係でございますが、こちらに関して若干説明が不十分だったかと思いますけれども、法律に関する実務は社会の広い分野に及んでいるわけでございまして、そうなりますと、その受験資格を一定の事由に限定するということが極めて難しくなると、こういう趣旨で申し上げたわけでございますので、御理解を賜りたいと思います。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 よく気を付けてください。  最後に、地域偏在があっちゃいけないということなんですが、これはもう今、全国でそれぞれ、ほとんどが大学だと思いますが、手を挙げておられて、その手を挙げて実際の設立の努力をそれぞれしておられるその皆さん方は、大体地域偏在なく全国に満遍なくといいますか、手がずっと挙がっていて、こういう皆さんが手を挙げているところへちゃんとできていけば法科大学院が全国にずっと適正に配置されるという、そういう進行状況になっているかどうか、そういうお考え、そういう認識でおられるかどうか、これを伺っておきます。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 昨年、司法制度改革推進本部の方で御調査された設立動向、それから法科大学院を準備しておられる大学の方々が参加して自主的に作っておられる法科大学院協会設立準備会、それぞれの参加校などを考えますと百前後ございますし、私どもに現に下相談といいますか、いろいろ御質問なども含めて御相談に来ていらっしゃるのが五十から六十ぐらいの大学がございますが、北は北海道から南は沖縄まで全国的な状況で御検討をいただいていると承知してございます。  したがって、私どももそれぞれの大学の自主性とか教育水準、研究水準の確保などを留意しなきゃいけませんけれども、各大学の御努力をバックアップして、全国配置に意を尽くしてまいりたいと思います。

江田五月民主党・新緑風会

○江田五月君 終わります。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 民主党の鈴木寛でございます。引き続き質問をさせていただきます。  私は、改めまして、今回の法科大学院の教育と司法試験とのいわゆる連携法、それから司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案のいろいろな条文を精査をいたしまして痛感をいたしましたし、それから司法改革というのはこれからもどんどん続いていくわけです。今回は、法曹養成の在り方についての抜本改革ということでありましたが、この後も参審制の在り方とかいろんなことが出てくるというふうに考えておりますけれども、これは是非、この法務委員会の委員の皆様方に問題提起といいますか、をさせていただきたいわけでありますが。  今回の関係法案、いわゆる内閣の司法制度改革推進本部から提案をされて、閣法という形で出ているわけですね。やはりこれは少し問題だったなということを感じております。これは別に法務大臣に申し上げても申し訳ない話でありまして、むしろ我々法務委員会、いわゆる議会がもう少しイニシアチブを取るべきではないかと。これ、まだ司法改革終わっておりませんので、そういう意味で、だれがこの法案を国会に出すかということはもう一度きちっと改めて考え直すべきではないかという観点からこうした御意見をこの討議の席であえて申し上げさせていただいているわけでございます。  と申しますのも、やはりこの裁判所法の一部を改正する法律案なんですね、今回。裁判所法の一部を改正する法律案を内閣が出すというのは、やはり違和感があるなということであります。これはやはり立法府が、特に裁判所法、あるいはそれに続く司法試験というのも正に司法制度の根幹、だれを法曹の世界に入れていくかということでありますから、こうした法律について本当に、私は、法務省ではなくて、ですから内閣全体として司法制度改革推進本部という大枠を作り、内閣総理大臣が本部長になっておやりになったということは、恐らくそういういろんな御配慮がある中で内閣としては最大限の工夫といいますか、配慮の結果こういう枠組みで御議論しているということで、恐らく根底に流れる問題意識は共有をしているんだと思いますが、しかし内閣が本部を作られた場合はどうやったって本部長は内閣総理大臣以上にするわけにはいかないわけでありまして、でありますから、むしろこちら側に向けて私は議論を提起しているわけでありますが、国が司法制度改革推進本部ということを作った場合には、その本部長は内閣総理大臣だけでは不十分でありまして、例えば最高裁判所の長官とか責任者とか、あるいはもちろん国会の最高責任者が本部長になってやるという私は性格のものではないかなという問題意識に立っております。  こうした感をやはり改めて思いましたのは、先ほど先輩の江田委員からも問題提起がありましたが、連携法の三条で、「国は、」という言葉がいろいろ出てまいります。そしてそこにお書きになっていることは、連携を取るあるいは相互の協力をするということで、これはもっともなことなわけであります。  それで、ちょっとまず御答弁を求めたいわけでありますが、三条の中で、「国は、」という言葉と「政府は、」という言葉と書き分けています。すなわち、三条の一項から四項までは「国は、」というのが主語になり、五項になりますと「政府は、」と、こういうことになっております。これは明白に意識して書き分けておられると思いますから、この国は、政府以外の国は何かお答えいただきたいと思います。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘のように、国と政府を使い分けております。  国につきましてですが、まず裁判所、それから行政機関、それも行政機関として、例えば検察庁も当然含まれるという趣旨でございます。政府は行政機関ということになるわけです。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 「国は、」に裁判所が入るんだと、政府ではない国の中に裁判所が入る、当然だというふうに思います。  それでもう一つお尋ねをいたしますが、三条の二項の中で、国の機関は今御答弁いただきましたので結構ですが、大学その他の法曹養成に関係する機関との密接な連携の下に行われることが必要であって、そしてこれら機関の相互の協力の強化によって必要な施策を講ずると、こういうふうにありますが、その大学その他の法曹養成に関する機関に大学が入ることは分かっておりますが、それ以外にはどういった機関が入るというふうに考えたらよろしいでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ここには、法曹養成についてのいろいろ運用面に当たります日本弁護士連合会のそういうような機関が関係機関というふうに含まれているわけでございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 恐らくその認識と、そういうことを法案の基本的なエッセンスに盛り込んでいくということ自体は私も当然だと思いますし、賛成をいたします。正に、これからの法曹養成ということを行っていくためには、やっぱり裁判所あるいは検察庁、それから日弁連、そして大学と、こういったところが市民社会のニーズを十分に踏まえて、そしてそれを抽出しながらこの法曹養成に協力をしていかなければいけないということでございまして、その相互協力は本当に不可欠だと思いますが。で、そのことは三条の二項で、国はそうした機関の相互協力を強化すると、こういうふうに精神としてはうたっておりますが。で、ここまではいいわけです。  しかし、じゃ、これを行政庁の範囲、例えば検察庁に、例えば次の三項に出てくる教員の確保とか教員の教育上の能力の向上のために必要な施策を講ずるように、例えば検察官に法科大学院に行って法曹養成に協力をしなさいと、これを法務大臣が検察庁にお願いをするというのは、これは大いにあり得ると思うんですけれども、例えば裁判所とかあるいは日弁連とか、こうしたときにこうした方々の御努力あるいは御協力というのは、これは不可欠ですね、不可欠だということは、国はそういうことをしなきゃいけないと、こう考えているわけでありますが。  そのときに、もちろん裁判所あるいは日弁連が自主的、自発的に御協力をいただくということは大いに結構だというふうに思いますが、更に例えば裁判所にもう一歩踏み込んでやってもらいたいとか、あるいは日弁連にもう一歩踏み込んでやってもらいたいとか、あるいは日弁連の協力を引き出すために更にどういうふうな制度的な支援の方法があるのかということを御相談するときの当事者というのがよく分からないといいますか、そこがみんな見合ってしまって、特に、国と日弁連の関係というのは非常に微妙でありまして、法曹の非常に重要な一角を日弁連は担う、あるいは弁護士の皆様方というのは担っているわけです。しかし、そこに協力要請もしなきゃいけないというこの微妙な関係の中で、しかし協力を仰がなきゃいかぬと、かつ、それがただ協力していただくだけじゃなくてうまく連携して協力していかなければいけないといったときに、この精神が本当にうまく実現をされるんだろうかということが非常に私は懸念をするわけでございますが。  具体的にこの三条の二項あるいは三項を実効あらしめるためにどのようなことを念頭に置いて、あるいは具体的にこういうことをしながら協力体制をきちっと立ち上げのときからやっていきたいというふうに考えておられるのか、少し詳細にお聞かせいただきたいと思います。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘の法曹三者の協力、これは大変重要なポイントになるわけでございます。  私ども、具体的にじゃどういうことをやっていくかということでございますけれども、例えば、これは法科大学院の教育とも連動しなければならないということでございますので、今、一つの試みといたしまして法科大学院の設立予定の準備をしている準備会がございまして、そういう組織と法曹三者で協議会を設けておりまして、その中でお互いの連携をどうあるべきかということをこれから鋭意詰めていきたいということでございます。  例えば、これから新しく法科大学院でいろいろ教育をしていくわけでございますが、従来の教育とはやっぱり違ったものをやっていかなければならない。そうなりますと、どうしても実務的感覚が必要になる。その場合に、教材をどのように作り上げていくかということが一つ大きな問題でございます。これにつきましては、法曹の方も十分にいろいろな素材を提供させていただいて、いい題材を作っていきたいと、こういうことが一つの典型の例でございます。  また、教員の関係につきましても、それぞれ実務家を教えることにそれほど慣れていないかもしれません。それから、あるいは大学関係者は実務的な感覚の方が弱いかもしれません。そういうところをお互いに補うために研修等を行ったり、それで質のいい教育内容を確保していきたい、こういうふうなことを行っております。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 はい。よく分かりました。  それで、先ほど私は冒頭に申し上げましたこのような司法に関する法律を内閣が起案をされ、そして提出されることの限界といいますか、御苦労というものが実はこの連携法の六条に私は一つ例示として出てくるんではないかというふうに考えております。  と申しますのも、この六条というのは、まず法曹養成の中核になる、正にプロセス教育の中核になるロースクールの設置基準を決めるということですね。それから、法科大学院が動き出して、それに対する評価基準というものを決めていく、あるいはそれを評価する評価者の認証をしていくという、これは非常に重要なことを決めているのがこの六条なわけであります。  そのいい設置基準を作る、それからいい評価基準を作る、それから適格な評価機関を認証するということが正にプロセス教育のこれからの核になるわけでありますが、それの評価基準を作る、あるいは設置基準を作る上で、法務大臣が文部科学大臣に対して意見を述べて、そのことによってよりよい設置基準、あるいは評価基準、あるいはその評価機関というものができるというところは、これは確保されているわけでありまして、このこと自体私は何ら問題視しているわけじゃないんですが、本当に法務大臣と文部大臣だけで十分なのかと、こういう問題提起をさせていただいているわけです。  これは、私も霞が関におりましたから、霞が関の中で内閣の司法制度改革推進本部が起案をしたときに、そこに、先ほども「国は、」の中には裁判所が入っているとお話がありましたが、そこに裁判所を書くというのはやはり僣越ではないかという自制が働いてしまうわけですね。それは非常によく、気分としてはよく分かります。  しかし、よりあるべき法律の在り方ということを考えた場合には、先ほど事務局長の方からそういった法曹三者も入った大学関係者も入った集まりがあるからということで、実質的にはそうした中で設置基準とか評価基準とか是非御議論いただきたいというふうに思いますけれども、そのことはやはり法律においてもよりよい設置基準、よりよい評価基準を作るために、例えば最高裁判所もきちっと意見表明ができるということでありますとか、あるいは大学以外に法曹養成に関する重要な機関として日弁連が入るという御答弁がありました。であれば、法務大臣とともに最高裁判所とか、あるいは日弁連とか、そうしたところがその設置基準に対して意見表明ができるということを、実態はおやりになっていただけるというふうには思いますが、しかしそれは、せっかく五十年ぶりの司法改革を行う、そして一発入試からプロセス教育へと、こういうことで、その趣旨はおおむねいいわけでありますが、であれば、この法律もきちっと、法曹養成というのは法務大臣だけではない、そうした法曹三者がすべてかかわっていくんだという同等の地位を法的にも与えていくべきであったなというふうに私は理解をいたしまして、そしてそのことをこの法務委員会の場ですべての委員の皆様方に問題提起をしていきたいと思っていますが。  これは入っていないじゃないかと言って、いや、入れづらかったんですという御答弁になるのかよく分かりませんが、ちょっとその感想といいますか、苦悩の一端でも何でも結構なんですが、今の日弁連、裁判所などもその六条の二項における法務大臣と同等の法的地位を与えるべきではないかという私の問題意識についてのコメントをいただければと思います。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘のとおり、ここには裁判所それから日弁連が入っておりません。これは、この条文六条自体が、法科大学院の設置基準の制定、改廃などの行政上の行為に関しまして、法科大学院における教育の充実及び法科大学院における教育と司法試験との有機的連携の確保、こういう観点から司法制度を所管する法務大臣と教育制度を所管する文部科学大臣という行政機関相互の関係を規定したもので、そういう性格なものであるわけでございます。  日弁連、裁判所について同様の規定を設けないというのは、これらはやはり行政機関には属さないということから、行政機関相互間における事務分掌による制約を前提とするこの二項のような規定によって意見を述べる機会を付与されるというものではないということから置いていないわけです。  ただ、これはそういう性格ではございますけれども、実質の問題として意見をきちっと反映させるという必要がございます。そこで、この連携法案の三条の三項に規定がございまして、「関係する審議会等における調査審議に法曹である委員を参画させるものとする。」と規定しております。これは設置基準、認証基準等の行政行為をする前提といたしまして文部科学省の方で審議会を設けておりまして、そこの審議会の結論を尊重しながら最終的な行政行為を行うという構図を取っておりますので、そこの審議会の中に法曹三者、これを参画させて、実質上はそこできちっと意見が反映されるようにということで、わざわざこういう規定を置いているわけでございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 少しちょっと確認させていただきたいんですが、今の三条三項の「関係する審議会等」に今、文部省関係の審議会もお入りになるというような御答弁だったかと思いますが、具体的には何審議会は必ず含まれるということなんでしょうか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 大学あるいは大学院の設置基準、大学の発足に当たっての審査を行うに当たっての基準でございますが、そういう設置基準の御議論については中央教育審議会の大学分科会で御審議いただくことになります。それから、実際の設置認可さらにはその認証基準の在り方などもあるわけでございますが、もう一つ関係しております審議会としまして大学設置・学校法人審議会というのがございます。そちらはそれぞれの分野ごとに専門家をお願いして具体的な審査をお願いしているものでございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 追加ありますか。いいですか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 審議会は二つでございます、今申し上げたように。それで認証基準は中教審の方でございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 恐らく行政の側からの御答弁としては、というか御苦労としては、与えられた枠の範囲の中で最大限の実効性を担保しようということになると今みたいなことになるんだと思うんですね。そういう意味では、枠内で最大限の知恵と工夫を、創意工夫をされて実質が今のように確保されるようにという御努力は、本当にこの条文からよくうかがい知れるんです。  しかし、そうなりますと、結局やはり、更に申し上げると、司法試験法あるいは司法試験委員会、先ほど江田委員の方からも問題提起がありましたが、それをそもそも行政の中に置いている。三条委員会とはいえ法務省に置いているわけですね。ここ自体やはり無理があって、その無理の中で何とか実効を担保しようとすると、今のような大変に法技術上の御苦労をむしろ強いている、我々立法府からいえば強いているということになってしまっているのではないかというふうに私はやっぱり思います。  それで、今度、司法試験法の改正の方の御議論をさせていただきたいわけでありますが、これも最終的には法務大臣がいろいろ決めていくと、こういうことになるわけでありますけれども、私はまず意見を申し上げますと、これせっかくの司法改革でありますから、法曹の入口をどのように、どういう人材を法曹に入れていくかということを決めていく。今までは基本的に法曹養成というのは司法研修所以降でやると、こういうことだったというふうに思います。「司法修習生は、司法試験に合格した者の中から、最高裁判所がこれを命ずる。」と、こういうことでありますから、合格した人が全部最高裁が引き取ってその管理の下で一貫して教育する、こういうことでありますから、ある種のコンシステンシーというのは確保されている。ただ、しかも司法研修所で相当みっちり、もうゼロからやるわけですね。  しかし、今回はその前段階といいますか、前段階をかなりロースクールにも、しみ出してというか前倒ししてやっていきましょうと、こういう制度設計になりますですね。で、今のような混乱が起こっているわけでありますけれども、でありますから、前段階の工程、しかもその一番つなぎをする司法試験の役割というものも相当程度変わっていくという中で、その辺の責任体制というのをもう一回ゼロベースで私は議論し直しても良かったんではないかなという問題意識を持っているわけでございますが。  そういう問題意識の下に少し具体の質問をさせていただきたいと思いますが、改めてお伺いをいたしますが、どういう人材を司法試験で合格をさせていくというふうに、そういう合格者の人物像といいますか、ということについて少しお話を、御見解をいただきたいと思います。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) これからの法曹は、非常に複雑多様化していきます社会の中で国民の様々な要請にこたえていくという、しかも専門的な高度な能力、優れた資質を有する多数の法曹が求められるということでございます。  新しい司法試験では、法科大学院を卒業した人に受験資格が与えられるということでありますので、試験自体は法科大学院の教育内容を踏まえまして、実体法と訴訟法を融合させた出題をも可能とするような試験科目にするほか、法曹としての専門性を高めるために論文式の試験に選択科目を付け加えるということも考えまして、様々な面で将来法曹としてその応用能力を十分に発揮することができるような人ということを考えております。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 確認なんですが、新改正法では口述試験は、予備試験じゃなくて本試験の方ではなくなりますよね。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) なくなります。  なくなる理由を申し上げてよろしゅうございますか。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 はい。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 法科大学院におきましては、この連携法でも定められておりますけれども、少人数で双方向的な教育をきちっと行う、それから厳格な成績評価と修了認定を行うということでございます。この双方向的な中には、やはり表現能力、それから相手の言うことを聞いて分析する能力、それに対応する能力、こういうものも全部そこで培われるわけでございまして、そこでパスをしている、厳格な成績評価を受けているということは、一応そこの能力が備わっているということを前提で、ここでは行わないということ、こういう連携をしているわけでございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 今の御答弁は、恐らくそうなんだと思います。  確かに今のような、口述式といっても短時間でありますから、本当に三年間なり二年間のロースクール教育において、きちっとその人のコミュニケーション能力とか、あるいは更に言えば人格識見といったものも、ロースクールでの教育がきちっと行われ、そこでの進級あるいは卒業認定というものがきちっと行われれば、むしろ改善をするのではないかというふうに思っていますが、これもまた、じゃ、ロースクールがきちっと設置され、それが運営されるかと、こういう話になってくるわけでありますが。  もう一つ御質問をさせていただきますが、三条の二項の四号で、要するに、専門分野の試験科目を法務省令で一つ定めるということが加わっております、公法系、民事系、刑事系に加えて。ここは実は重要だと私は思っておりまして、今後、ロースクールというのは、相当、司法試験の制度設計、特に試験科目の設定に相当カリキュラムの内容が引きずられるということになると思います。ですから、当然、ロースクールのビヘービアとしては、やはり各ロースクールの司法試験合格者を上げたいと思うのは当然だと思いますから、そういうふうになってくるんだと思うんです。そのときにどういうふうな試験をやっていくかということでロースクールの教育がどんどんどんどん影響されていくというふうに思いますが、例えば、この法務省令で定める科目で今どういうことを、どういう科目を現実想定をされておられるのか、お答えをいただきたいと思います。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) この構造でございますけれども、私ども考えているのは、まず、社会のニーズがどういうところにあるかですね。これは、大学の方でも私どもの方でもいろいろ調査はいたしますけれども、まず、そういうニーズにこたえられる教育をしなければならないわけでございまして、まず、私はそちらが先行だろうと思います。そういうものがたくさんいろんなところで全国的にくまなく教えられているということになれば、そういうものをテストに取り上げていくという、そういうつながりでございまして、最初に試験科目がありきで、それに合わせた教育をしていくというのは、私は逆であるというふうに考えておりまして、そういう関係から、やはり、まず法科大学院を立ち上げていただいて、やはりどういうような選択科目で教えられているか、その状況をよく把握いたしまして、それにある程度見合うような試験科目を決めていくということから、法律そのものでは書かずに、省令等でその状態を見ながら決めていくと、こういうことでございます。  ちなみに、私ども、いろいろアンケートを昨年させていただきましたけれども、知的財産関係とか、それから労働関係、それから倒産関係とか、世の中でかなり重要だろうと、税金の問題も、租税の問題もあるかと思いますけれども、そういうものが上のランクに掲げられているという状況でございます。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 この点については、この法務省令は、司法試験委員会でも意見を聞きながらやっていくということでありまして、そこに法曹三者が入っていくという話でありますので、また引き続き、文部省あるいは法務省の方々と一緒にその動向を、私からもいろいろ御提案もさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  時間がなくなってしまいましたので、今の話もう少し伺いたいわけでありますが、ちょっと次に行きたいと思います。  私が次に御質問をさせていただきたいのは、ロースクール導入後の法学教育ということでございます。  今まで、法学教育が期待されていたものは、もちろん裁判法曹の養成ということを重要な柱の一つとしては現行の法学部も、法学部教育ももちろん想定はしていたとは思いますが、しかし、実態から申し上げますと、法学部がどういう人材を世の中に輩出していたかといいますと、裁判法曹のみならず、リーガルマインドというものをきちっと身に付けて、そしてルールを作るとかあるいは政策を作るとか、そうしたいわゆる組織、社会のガバナンスというものを実は今までの法学部というのは教えてきたのではないかというふうに思います。  こうした人材というのは、これから現場主権、現場にいろいろなものを、具体的なルールメーキングというものをゆだねていくという社会を我々は目指しているわけでありますから、そういう意味では、もちろん、何か事件が起こったときにそれを事後的にジャッジをしていく、そういうある種の法的な秩序というものを確保していく、この人材養成も非常に重要なわけでありますけれども、むしろ事前の段階で、これ、もちろん中央政府はそこはリリースをしていくわけでありますけれども、しかし、むしろ現場で、きちっとそういうガバナビリティーを持った人材がどんどんどんどんそういう現場でいろいろなものを決めていくということは、これは非常に重要なことだと私は思っております。  そうした観点から考えてみたときに、今回のロースクールの設立後、裁判法曹を大学教育というものがきちっとより強化して輩出をしていくということについての道筋は見えるわけでありますが、その反射的な効果として、今まで法学部が割と頑張ってきたルールメーカーとかポリシーメーカーとか、そうした人材養成というものがやや相対的に手薄になってしまうのではないかという懸念が私はしてならないわけであります。こうした、今後、裁判法曹以外のいわゆる広い意味での法曹人材の養成というものについてどのように考えておられるのか、御答弁をいただきたいと思います。  それから、ちょっと時間がありませんのでもう一つ申し上げますが、ロースクール、これからかなりロースクール間の、第三者評価も入りますから、切磋琢磨して競争するということになると思います。これは非常にいいことだと思いますが、結果、淘汰されるロースクールも出てくるというふうに思います。修学途中で学生さんが、ロースクールが閉鎖ないし統合されてしまった場合に、これはどういうふうにしていくのかという問題、それから、だれが最終的な責任を取るのかと。  それから、今のはむしろ何かネガティブなときの事後救済の話でありますが、もう少しポジティブに、大学間の単位互換といいますか、ロースクール間の単位互換、学生がいろいろなところで単位を取ってくる、より良い教育を受けていく、そういった単位互換はどういうふうになっているのかということについて御答弁をいただきたいというふうに思います。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) これまでの法学部の役割で、一般的なリーガルマインドを養成していくという機能は確かにあるわけでございまして、現に、法学部卒業者の進路動向も、法曹にお進みの方は一%にも満たないぐらいでございまして、大半は、企業でございますとか各種のサラリーマンになる、あるいは家庭に入られているとかということがあるわけでございまして、こういう法学部の機能といいますか、リーガルマインドを養成するという機能は今後ともなくなるわけではないと思います。  他方で、公務員もそうでございますが、それぞれの分野でより高度な人材養成が求められておりまして、各大学の検討状況を見ましても、法科大学院の設立だけではなくて、あるいは立法、行政など、政策立案といいますか、ポリシーメーカーの高度人材養成の大学院をしっかりしたものにしていきたいという御意向の大学もございますし、法学部のみならず、大学院レベルでも多様な人材養成が今後とも考えられていくことを私どもも腐心してまいりたいと思います。  それから、切磋琢磨しながら、場合によったらつぶれた大学の学生はどうなるのかということでございますが、確かにいい意味で法科大学院同士が競争してより良い法曹養成がなされることを私どもは期待しているわけでございます。基本的には、それぞれの学校の経営、運営というのは設置者の御判断、良識の問題でございますけれども、私ども、例えば私学につきましては、従来から私学助成の充実でございますとか、あるいは専門家を委員にお願いしまして、学校法人運営調査委員制度を設けておりまして、時々現地、それぞれの学校にお邪魔しながら指導、助言を行ったり、あるいは日本私立学校振興・共済事業団の方で経営の御相談業務に日ごろあずかるような仕組みなどを取っているところでございます。  そのほか、今回の学校教育法の改正によりまして、第三者評価という仕組み、それから緩やかな、段階的な是正措置という制度改正をさせていただいてございますが、ある程度日ごろから、いきなりばったり廃校ということではございませんで、日ごろからいろいろ改善、立ち直りの機会、御努力をお願いして、それでどうしても駄目であれば最後にはということにはなりますけれども、そういう段階を踏みますので、突然学生さんが困るということにはならないのではないかと思いますのが一つと、もう一つは、仮にどうしても学生さんが在学中に学校をもし替わった場合については、これはそれぞれの入学者選抜は大学の御判断でございますけれども、私どもも各大学の御協力をいろんな形で仰いでまいりたいと思っております。  それから、むしろ積極的に各大学の質の向上のためにも単位互換をということでございますが、これももちろん制度設計として中教審の方でもそういう方向での御議論がなされておりますので、可能なような制度設計にしてまいりたいと思っております。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 終わります。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 それでは、まず法務大臣に質問をいたします。  司法制度改革推進本部では、昨年十二月の設置以来、鋭意様々な検討をいたしまして今回の法案提出に至ったわけでございます。今回の法曹養成に関する関連法案の検討の過程におきまして、法務大臣は司法制度改革推進本部の副本部長でありますけれども、どのようにこの議論に参加をし、リーダーシップをされたのか、お答えを願います。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) 今回の法律案の立案につきましては、司法制度改革推進本部の法曹養成検討会におきましてこの一月から十三回にわたりまして精力的に御検討をいただきました。さらに、顧問会議におきましても熱心に御議論いただきまして、今回の法律案を策定し、本部会合を経て提出されたものでございます。  司法制度改革推進本部の副本部長というのを仰せ付かっております私といたしましても、事務局から作業状況について随時報告を受けましたとともに、今申し上げました推進本部の会議やあるいは顧問会議等に必ず出席いたしまして、必要に応じていろんな自分が考えたことについて積極的に発言いたしまして議論に参加いたしました。  例えば、幾つもございますけれども、一番分かりやすいこととしては、この法律の名前が最初の原案では非常に長かったんでございます。今ここにあります法律の連携法ですけれども、これがこの倍ぐらいの長さで大変ずらずらと書いてありまして、正確を期するためにはその方がいいのかもしれないけれども、余りにも長過ぎて結局何だかよく分からないではないかということを強く申しまして、本部の事務方の方や法制局やその他の皆さんといろいろ議論しました結果、まあまだこれでも長いですけれども、前よりは幾らかましになったかなというような気がしております。  そのほかにも、私は全くの素人ですが、普通の国民が読んで分かるような法律でなければいけないというふうにも思いましたので、そのような観点から幾つかいろんなことを申しまして、それが反映されていると思います。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 あくまでもこの司法制度改革は利用者の立場が重要でございますので、そうした意味で、副本部長として引き続き様々な問題につきましてのリーダーシップを要請したいと思います。  そこで、司法制度改革推進本部の事務局に質問をしますが、今、大臣からもありました法曹養成検討会での検討状況について、若干お尋ねをします。  今回の連携法の第二条では、法科大学院の教育の在り方につきまして、少人数による密度の高い授業というふうに規定をされております。具体的にこの少人数というのは何人ぐらいなのか、この検討会ではどういう議論、結論に達したんでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘の点、私どもでもいろいろ協議をいたしました。結論的に申し上げますと、こういう取りまとめをされております。  基本科目について、各授業の学生数は五十人を標準とするものとするということでございます。ただ、各授業の学生の数が五十人を超える場合には、当該授業科目についての個別事情を考慮することができるものとするが、その場合であっても八十人を超えてはならないものとするということで整理がされているということでございます。  これは、当初五十で、目標でという議論でございましたけれども、やはり大学院としていろいろ生徒を入学させるときに、途中、受かってもやめていく方とかいろいろおられるわけでございまして、最初はなかなかその動向がつかみにくいということで、どうしても多数、若干多めに採ることになろうかと思いますが、そのときにやめられなかったということになりますと、五十を必ず守るというのは非常に厳しいということもありまして、若干の幅をということからこのような取りまとめがされているということでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 同じく第二条では、法科大学院の入学者選抜の在り方について多様性の確保に配慮するという規定であります。この点につきましては検討会ではどうした分析、議論をされたんですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) この点に関しましては、入学志願者の動向等に照らし、法学部以外の出身者及び社会人から一定割合以上を選抜するために必要な方策が講じられていなければならないという、これは第三者評価の基準に関する検討の中でこういうことが言われたわけでございます。  そのような整理がされまして、じゃ具体的にどうなのかということでございますけれども、その方向性といたしまして、当分の間、法学部以外の出身者及び社会人の合計が三割以上となるよう努めるものとし、その合計が二割未満である場合には各法科大学院における入学志願者の動向、選抜方法の実情等に関する説明を聴取した上で、評価基準に適合しているかどうかを判断するものとすると、こういう整理がされているということでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 そうしますと、文部科学省に確認をしたいのですが、今の入学選抜における法学部以外の者が二割ないし三割以上、あるいは授業においては五十人ないし八十人規模という、そういう検討会での一つの結論というのは、今後の制度設計に当たりましてどのように生かしていくつもりですか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 私どもの中教審でも法科大学院部会というのを設置しまして、法曹関係者も御参画いただきながら、並行してこれまで御審議を進めていただいてございます。そういう中で、少人数授業についても同じような御議論がなされてございますし、入学者選抜の在り方についても同じでございます。  今後、今回の法案の成立を見まして、設置段階における大学院設置基準、それも法科大学院に特化した設置基準を制定する必要がございますし、それから、先ほど江田委員等の御質疑にもございましたように、設置後の第三者評価に当たりまして、第三者評価機関を認証する基準、認証基準を制定する、細目を制定する必要がございます。その設置審査の段階での大学院設置基準、それから評価機関の認証基準を通じまして、今のような御趣旨がどういう形で、どこまで書き切った方がいいのかというのを今議論いただいているところでございますが、少なくともこれまでの御議論、関係方面での御議論の積み重ねに沿った方向で整理してまいりたいと思っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 是非、そうした設置基準ないし認証基準の中に具体的にそうした検討会の趣旨を反映させる必要があるということを念押しをしておきたいと思います。  そこで、文部科学省に更にお聞きしますが、法科大学院の入学者選抜に当たりましては、全国統一的な適性試験を実施する方向で検討されていると聞いております。向こうの国で言う、LSATとか言うそうでございますが、こうした適性試験を統一的な試験とすることについては、この設置基準等においてどのように定めていくのでしょうか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) これについても、先ほども申し上げました法科大学院部会の審議事項でございますので、どういう規定ぶり、設置基準それから認証基準の上でどういう規定ぶりを、定め方をした方がいいかでございますが、これまでの御趣旨を踏まえながら、少なくともこういう適性試験の在り方についてはきっちり位置付ける必要があろうかと思ってございます。  現に、御承知のように、法科大学院の設立を予定しております法科大学院設立準備会の方で、適性試験、統一的に行おうじゃないかと。基本的に大学の入試試験というのはそれぞれの大学が御判断いただくことなんでございますが、適性試験については各大学が共同してやろうではないかという準備検討などもしていらっしゃいますので、それを踏まえながら私どももこれまでの御趣旨の反映に努めてまいりたいと思っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 やはり、答弁がありましたように、適性基準が統一的に行われなければ一つのそうした基準としてなり得ないわけであります。  そこで、法務当局に質問いたしますが、報道等によりますと、大学入試センターと日弁連の関連財団がそれぞれこの適性試験について実施をするという前提でいろいろ調査をされているようであります。そうしますと、今の文科省の答弁とは異なって、適性試験が二つになるということも可能性があるわけなんでありますけれども、この点につきましてはどう考えておるんですか。

寺田逸郎法務大臣官房司法法制部長

○政府参考人(寺田逸郎君) ただいま御指摘のように、報道等で幾つかの統一適性試験についての運営主体の候補が挙げられているわけでございます。統一試験が望ましいということは、これは審議会の意見書の中でもうたわれているわけでございますので、私どもも統一ができるだけ本当の統一になるように願いたいわけでございます。  直接的な所管事項ではございませんけれども、受験生の負担等を考えますと、統一試験を二つ受けるというようなことになりますと非常に受験生の負担にもなるわけでございますので、制度の円滑な運用のためには、それを更に受験生の便宜のために十分な配慮がなされて統一試験が円滑に運用されるということを期待しているわけでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 文科省としましても、具体的に、統一的に行われるようなそういう調整といいますか、努力はされておられますか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 今二つほどの機関で統一試験の準備検討を行っている最中でございます。日弁連の関連財団は、せんだっての日曜日に試行試験をおやりになったようでございますし、大学入試センターの方では、今度の一日でございますか、今度の日曜日に全国で、今のところ約七千人規模の学生を相手の試行を行うと聞いてございますが、いずれにしても、そういう試行の状況あるいは問題作成から採点まで含めた全体の実施管理の体制などを踏まえながら、法科大学院設立準備会の方で基本的にお決めになることでございますけれども、これからのそれぞれの団体の準備あるいは実施体制の遂行状況を見ながら、お互いに御相談して決めていかなきゃいけない話じゃないかなと感じているところでございます。今のところはまだ試行段階でございますので、その様子を見ながらということで考えているところでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 どちらか一つを排斥するということではなくて、それぞれノウハウもあるわけでありますから、何かそれを生かしながら統一的な実施ができる方向を考えてもらいたいということを要請をしておきます。  そこで次に、やはり推進本部事務局に聞きますが、法科大学院の修了に必要な単位は三年間で合計九十三単位というふうに中教審の答申等でもされておるようであります。この九十三単位の内訳については検討会ではどうした検討をしてきましたか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘のとおり、私どもの検討会でも単位は九十三単位ということで意見が集約されております。  この内訳でございますが、五十九単位が必須科目ということでございまして、三十四単位が選択科目、こういう仕分になります。  この五十九の必須科目の内訳でございますけれども、公法系が十単位以上ということですね。それから、民事系が三十二単位以上、刑事系が十二単位以上ということでございます。それから、実務基礎科目、これを五単位以上ということでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 次に、法務省、法務当局に質問いたしますが、一昨日の参考人質疑におきまして須網参考人の意見陳述では、現職の裁判官や検察官を法科大学院に派遣をすることは過渡的なものであるべしだと、将来的には裁判官や検察官の経験者、OBが法科大学院の教員となればよいのではないかと。要するに実務に精通しているからといって教え方、いわゆるそういう、教えることができるかどうかというのはまた別問題だというお話でございましたけれども、法務当局も同様の見解を持っておりますか。

寺田逸郎法務大臣官房司法法制部長

○政府参考人(寺田逸郎君) 実務に非常に通じておられる方が教官として必ずしも適当かどうかということについては、これはいろいろ御議論があろうかと思います。教授の能力その他の問題ももちろんあるわけでございます。  ただ、私どもが承知している範囲では、須網参考人の御意見は、基本的には学問の府である大学院というのは、実務につきましてもそれを批判的に接受する場所であって、実務そのものを教えるというのは適当でないのではないかというような基本的な考え方に基づいてその意見をお述べになったやに伺っております。  私どもも、その実務を実際にどう教えるかということについてはいろいろやり方があろうかと思いますけれども、しかし、まずはとにかくその実務の実情がどうであるかということをやはり知っていただいた上でいろいろな御批判も含めて考え方を開陳していただくのが適当だろうと思っております。  現在の実情では、やはり実務に通じた人間というのは実務界に多数いるわけでございまして、それも、しかもどちらかというと、やはり実務の本当の今のエッセンスというのは、実務を現在支えている中堅どころというのが欠かすことができないわけでございます。  したがいまして、私どもは、法律の中でも実務教員の派遣というのは国の責務の一部であるというふうに規定されているところでございますので、これを十分に効果あらしめるためにできるだけの措置を取りたいというふうに考えております。  もっとも、時期的にどうかということになりますと、やはり一番何といっても最初のスタートが難しいところでございますので、当面はとにかくそのスタートに合わせて最大限の努力をしていきたいということは変わりありませんが、しかしスタート後においてもその必要性が薄らぐということは私どもとしては考えてはおりません。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 次に、法科大学院の適正配置の問題についてお尋ねをいたします。  この問題は委員会の議論の中でも取り上げられてきておりまして、その適正配置の必要性についてはもう認識を共有できると思います。しかし、今回の法文の中にはそうした条項が現実にはないわけでありまして、今後、本当に、北は北海道から沖縄までという話もございましたけれども、希望している大学院が現実のものとなるような行政としてのバックアップも必要だろうというふうに思います。  そこで、文科省に尋ねますが、昨日の読売新聞の朝刊によりますと、随分大きな記事でございまして、香川大学と愛媛大学、福島大学と山形大学、また秋田、弘前、岩手の三大学がそれぞれ連合方式の形で法科大学院を設置をすることを検討しているという報道でございました。このように複数の大学が連合して法科大学院を設置をするということは、適正配置という意味でも非常に必要な、有力な選択肢であると考えますが、法制面における検討状況は今どのように詰めておりますか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 複数の大学の共同による連合大学院のオープンにつきましては、中教審でもこれまで御議論いただいてございます。  そういう中で、一つのパターンとしましては、複数の大学のうち一校を基幹校として残りの大学は学内組織に参画するパターン、これは現に国立大学の場合は制度としてございまして、農学でございますとか獣医学、それから学校教育の分野で、実例を例えば申し上げますと、岩手大学が基幹校となりまして連合農学研究科という大学院がございますが、そこには帯広畜産大学、弘前大学、山形大学が現に参画して、一緒になって連合大学院を作っておられるという例がありますが、そういう一つの大学が基幹校となるパターンがございます。  もう一つには、複数の大学が共同出資しながら別法人の設置主体、私学ですと学校法人をお作りになるというパターンもあるだろうということが中教審の御議論いただいてございます。  私ども、こういういずれのパターンにおきましても、連合大学院が作りやすくなるように、大学の設置審査等の場合に教員の兼務を認めることでございますとか、あるいは一定の条件の下に校地、校舎の共用、借用を認めるなどの弾力的な措置が必要であろうということで、これは別に法改正しなくても運用等の弾力化でできることと考えてございますが、いずれにしても、関係の審議会で十分御審議いただきながら柔軟な対応ができるようにしてまいりたいと思っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 その二つが現行法制上でも既に選択し得る、しかも有力な方法であるというふうに私も受け止めておきます。そこで、これらの地方大学では専任教員や実務家教員を確保することが困難であるために今のような連合方式を検討しているという報道でございます。  そこで、更に文科省に尋ねますが、この法科大学院のいわゆる教員に関する基準はどのような形になるんでしょうか。大学院ですとマル合教員だとかいろいろな基準があるようでありますけれども、率直に言って今の法学部の教授の先生であればだれでもなれるものなのか、あるいは実務家教員ということでいいますと、そういういずれかの法曹資格を持っておれば、いずれかといいますか、法曹資格を持っておればなれるものなのか、その辺はどう考えているんですか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 従来の大学院の場合は、どうしても研究後継者養成という色彩が強いものでございますから、研究論文ですとかあるいは博士の学位を持っているかとかというのが基本になっているような節がございましたが、法科大学院の教員の基準につきましては、今、関係の審議会で御議論いただいてございますけれども、今回の法曹養成の趣旨に合致したような教育実績でございますとか教育能力、あるいは実務家としての能力、経験などを問うような形のものにする必要があるという問題意識を共有してございます。  そういう中で、法学部の教員でございましても自動的に法科大学院の教員になれるということではございませんで、先生の専門性でございますとかあるいは担当いたします授業とのマッチングでございますとか、そういう新しい基準に基づきまして改めての審査が必要になります。また、実務家の方々につきましても、実務家というとどこまで範囲を設定するかというのがあるんでございますが、これまでの御議論では、法曹界などからの御意見でも、少なくとも実務経験五年以上は必要じゃないかというお声でございますとかがございますので、そういう経験の長短、更には担当する授業科目とのマッチングなども審査いただきながら、必要な教員の確保を進める必要があると思っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 実務家であればだれでもなれてはいけないわけですし、逆に、しかし、論文を書いていなければなれないということであれば非常に選択肢も狭まってしまうわけでありますから、今答弁のあったような趣旨でこの専門職大学院という実情に合った基準を設定をしてもらいたいと思います。  そこで、先般もお聞きしましたが、法務省に聞きましたが、更にこれは推進本部に聞いておきたいんですが、新しい司法試験の実施のスケジュールですね、前回の答弁ではちょっと私余り明確ににイメージがわきませんでしたので、更に明確に答弁をしてください。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 今度の新しい新司法試験でございますけれども、短答式及び論文式による筆記の方法によるわけでございますけれども、この両試験を同時期に実施をして、その成績を総合的に判定して合否を決める、こういうシステムになっているわけでございます。  御指摘の日程の問題でございますけれども、それは実施主体の司法試験委員会が最終的には決定するということになろうかと思いますが、私どもの検討会における検討では、新司法試験の実施時期は法科大学院修了後とし、具体的には短答式試験と論文式試験を毎年五月ころに実施をし、合格発表の時期は毎年八月末ないし九月初めころを目指すということとしまして、更に関係機関の協力を得て一層の早期化に努めると、こういうような意見の整理がされたところでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 そうしますと、現行の試験に比べると試験から発表まで二月ぐらい短縮になっていると思いますし、そうした方向になるんだろうと思います。  そこで、更に推進本部事務局に聞きますが、法案でも、今回の新司法試験は短答式試験と論文式試験のみということになっております。この試験の内容や出題の方法につきましては検討会ではどのような結論に達したんでしょうか。特に、現行の司法試験の短答式、論文式と比べてどのような差異といいますか、際立った特色を有するんですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 私どもの方の検討会で検討をいたしました結果を申し上げますけれども、科目は公法系、民事系、刑事系、それと選択科目ということになるわけでございますけれども、まず短答式の試験でございますけれども、これにつきましては、従来からいろいろ指摘もございますけれども、知識の丸暗記等、こういう従来から指摘されているようなもの、こういうものについては避けるということでございまして、その在り方、その思考の柔軟性とか、そういうものをテストできるような傾向の問題にしていく。また、従来からいろいろ、かなり複雑難解な試験が短答式もあったというふうに批判を受けているわけでございますけれども、そういうものについてもなるべく平易なものにしていくということを工夫をするということで意見の整理がされております。  それから、論文式試験でございますけれども、その出題方法につきまして、例えばでございますけれども、かなり長い文章を長時間掛けて読ませまして、これまでの科目割りということに必ずしもとらわれず、多種多様で複合的な事実関係による設例を基に問題解決あるいは紛争予防の在り方、それから企画立案の在り方等を論述させるというようなことなどによりまして、事例解析能力あるいは論理的思考力、法解釈・適用能力等を十分に見ることができるような試験、そういうものを中心として行っていくというような意見の整理がされているところでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 次に、私は先般の質疑でも問題意識を申し上げました予備試験問題につきまして更に深めたいと思っております。  今回の新しい法曹養成制度は、試験による選抜からプロセスによる養成に変革をしようという問題意識でございます。そういう意味では、先般も申し上げましたように、予備試験において一発試験で判断をするということについては極めて慎重でなければいけないと思います。  昨年の六月十二日の司法制度改革審議会の意見書、そしてまた、それに至る議事録も私は詳細にこの部分について読んでおりますけれども、やはりそうした議論の過程から見ても、私は、この予備試験の運用というのは例外的あるいは一つの救済措置としての在り方であるべしという強い意見を持っております。  そこで、この予備試験につきまして推進本部事務局に更に質問をいたします。  今回の法案、連携法の第二条では、法曹養成の基本理念として、法科大学院は法曹養成の中核的な教育機関であるというふうに規定をされております。そうしますと、予備試験ルートというのは言わば例外でありまして、予備試験については制度設計上新たな法曹養成の基本理念に反しないものと位置付けられているという理解で間違いはありませんか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘のとおり、連携法では、法曹養成の基本理念といたしまして、法科大学院を法曹養成のための中核的な教育機関と位置付けているところでございます。  予備試験についてでございますけれども、法科大学院修了者と同等の学識能力等を有するかどうか、これを判定することを目的といたしておりまして、法律基本科目や一般教養科目に加えまして、法律に関する実務の基礎的素養についても問うこととしておるわけでございます。法科大学院を中核的な教育機関とする新たな法曹養成制度の基本理念に沿った制度設計となっているところでございます。  したがいまして、その実施に当たりましても、こうした基本理念を損なうことがないように運用されるものというふうに考えております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 そこで、運用に当たります法務当局にも同様の質問をいたします。  予備試験ルートというのは言わば例外でありまして、予備試験については法科大学院を中核的な教育機関とするその基本理念に反しないものになるように運用するということで間違いはありませんか。

寺田逸郎法務大臣官房司法法制部長

○政府参考人(寺田逸郎君) この予備試験と本試験の在り方、予備試験の位置付け、これにつきましては当委員会でも再三御質問を受け、御議論をいただいているところでございます。  これまで、また再三私どもから答弁申し上げておりますが、その割合というものがもし明示できれば御納得いただけるのかもしれませんが、再三申し上げているように、一体、法科大学院がどのぐらい出てきて、卒業生がどのぐらいなのか、そのレベルはどのぐらいなのか、あるいは法科大学院以外の方々が一体どういう方々がおられるのかについて全く分からない現状では何ともこれは申し上げかねるところでございまして、その点については御理解をいただきたいと思います。  ただ、今、事務局長からも申し上げましたし、あるいはこれまでにも再三推進本部当局から御答弁がありますように、この予備試験の問題そのものがそもそも法科大学院の修了と同レベルかどうかを試すものでございますから、当然のことながらその問題というのは法科大学院の教育を強く反映したものにならざるを得ないわけでございます。また他方、本試験そのものも、選択科目の在り方を含めて、これも法科大学院の教育を反映して、それをどういうふうにするかを決めていくということでございますから、当然のことながら法科大学院がその念頭にあるわけでございます。  こういうことからお分かりになりますとおり、制度設計上は、法科大学院の修了者というものが全体の法曹養成の中での中核としての機関を出た候補者として非常に尊重されているという制度設計になっております。  ただ、実際に、じゃ試験の運用をどうするかでございますが、いろんな御議論の中には、過度に競争制限的になって法科大学院を優遇するものであってはならないという御意見がございまして、それはそれなりに十分に意義のあるところでございます。しかしながら、この連携法にもございますように、言わばこれは国といたしまして法科大学院をバックアップしていく、育てていくということは強くにじんでいるところでございまして、私どもの努力によりまして法科大学院のレベルが上がれば、それは当然のことながら法科大学院は教育機関としての、法曹養成機関としての中核的位置を外れるということはあり得ない、そういう考えで私どもも今後運用をいたしていく際の心掛けとしてやりたいと考えているところでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 これはちょっと通告しておりませんが、もう一つの問題意識であります財政支援につきまして、大学院及び学生に対する財政支援の在り方につきまして、今日は最後ですから、推進本部に更にお聞きをしておきます。  先般の今田幸子参考人も、財政的な制約はあるんでしょうが、全プロセスについての効果的な支援ができるよう総合的な制度設計が必要だと、この財政支援の在り方について述べておられまして、私も全面的に賛同いたします。  この点で、さきの連合審査でも聞きましたが、今後、司法修習生の給費制の見直しということも議論になるようであります。それはそれで検討してもらえばいいわけでありまして、それは給費制から貸与制へというようなこともあるいはあるのかもしれません。しかしながら、司法修習だけ幾ら立派にきちんとできたって、それでは法曹になれないわけでありまして、やはり法科大学院に入ってから司法研修所を卒業するまで、これは全体としてのプロセスとして一貫的に学生なり修習生のそうした勉学なり生活を支援するという、そういうシステム、制度設計が必要だと思うんですね。  そこで、仮にそういう司法修習生の給費制の見直しということを今後検討するにしても、これはもうそういった法科大学院に入って研修所を卒業するまでのトータルを見て、セットでどう学生に対する財政支援をするのかという、そういう観点で見直しの議論をしなければいけないと思いますが、そうしたことでよろしいんですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘の点、大変重要な問題でございまして、私どもの検討会におきましても、現在、給費制の問題に関して、法科大学院制度を含めた法曹養成制度全体を視野に入れつつ、貸与制等の代替措置の導入を含め給費制の在り方を見直すことについて検討すると、こういうような整理がされておりまして、今後、この法案、いろいろ御承認をいただきました後、速やかにまた検討会で具体的な在り方について検討をしてまいりたいというふうに考えております。ただいま御指摘のありましたような視点を十分に頭に入れながら検討をしていくということでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 さきの参考人質疑でも、アルバイトをする時間もないんですよ、本当に充実をした勉強をしようと思えばという話もありまして、やはりトータルできちんと勉学に専念できるような環境を政府として整備していくべしということを強く主張いたします。  そこで、文科省に第三者評価機関の件につきまして若干お尋ねをいたします。  既に成立をしました改正学校教育法では、文科大臣の認証を受けた認証評価機関が第三者評価を行うということになります。これは連携法で言いますと、適格認定を認証評価機関が行うということであります。  私なりに考えますと、なぜ第三者評価が必要なのかということは、文科省なり政府が直接大学の評価をする、あるいは適格認定をするということでは、そういった高等教育の自主性というのを阻害をする結果になるから、公正な第三者の評価で判定をしてもらおう、適格認定をしようという趣旨だと思います。  そうしますと、大学評価・学位授与機構も認証評価機関として活動することを予定をしていると思いますが、この機構は、国の補助金も入っておりますし、今後、組織形態の変更がなされるでしょうけれども、機構長は文科大臣が任命をするということで、非常に行政との関連が深い組織ではないかと思うんですね。  そういう大学評価・学位授与機構が行う評価が本当に第三者の評価というふうに言えるのかどうかという疑問を持つんですけれども、この点はどうなんですか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 文部科学大臣と国立大学の関係をどう見るかということのアナロジーでお考え賜れればいいんじゃないかと思いますが、この大学評価・学位授与機構は、国立大学の一類型として現在でも文部科学大臣から一定の距離を置いた形で自立的に運営されてございます。もちろん形式的には、任命権ですとか予算措置の責任などは国にあるわけでございますけれども、それは大臣と国立大学の関係と同じものとお考え賜れればと思うわけでございます。  それと、近々、国立大学につきまして法人化の今準備を進めてございますけれども、その機に、この機構につきましても、法人格を持った一層独立性、自立性の高まる機関にしていく予定でございます。そのため、私ども、たまたまそういう位置付けにはございますけれども、国あるいは文部科学省がこの評価にタッチしているということにはならないのではないかと思ってございます。  いずれにしましても、大事なのは、複数の評価機関が、日本の場合に大変評価の仕組み、まだ未成熟でございますので、大学評価・学位授与機構はせっかく評価についての執行なども行っておるわけでございますので、この機構も含め、複数の評価機関がしっかりと根を張って日本の第三者評価がしっかりしたものになるように私どもは念じているところでございます。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 そうした意味では、その機構の客観性、独立性を担保するための措置といいますか、運用が非常に重要であるということを申し上げておきます。  そこで、今、工藤局長からも答弁がありました、複数の評価機関があることが望ましいという前提で制度設計がなされているわけであります。この点、大学評価・学位授与機構には多額の国の予算による補助がなされておるわけでありますけれども、この機構では今後どの程度の評価料の設定を考えているんですか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 大学評価・学位授与機構では今どういうことをやっているかといいますと、設置者の立場から、国立大学を中心にいたしまして大学の評価をし、大学の質の向上につなげていこうという評価事業の執行を行っておるのが一つでございます。  それからもう一つは、我が国では大学評価の歴史がまだ浅く、かつ未成熟でございますので、国公私を通じてそれを定着させるための諸外国等における調査研究と、さらには、その大学評価の情報の提供などについてサービス的な業務を担っているわけでございまして、そのために今、四億円ほどの大学評価の予算を措置しているところでございます。  実際にこの機関が大学評価、第三者評価を行うときに、じゃ評価料どうなるかというのはこれからの御検討でございますけれども、少なくとも、複数の機関が参画した場合に特定のこの機構だけがより低額で有利になるということがあってはおかしいのでございまして、できるだけリーズナブルな評価額であることは必要でございますけれども、ある程度、他の事業と経理を区分するなどいたしましてリーズナブルな評価料をいただきながら、他の評価機関とより切磋琢磨しながら競合的に両立できるような仕組みを考えてまいりたいと思っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 今もありましたけれども、民間の評価機関も当然これは設立されなければいけないわけでありまして、いわゆるイコールフッティングというのを十分考えなければいけないわけです。  そこで、中教審の八月五日の答申では、認証評価機関に対する国の支援方策について検討する必要があると、これは民間のそうしたものを念頭に置いて答申をしておりますが、この点につきましては検討は進んだんですか、進んでいますか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 御指摘のように、そういう御指摘がございました。  ただ、この第三者評価の制度化の施行日は平成十六年の四月からを予定してございますけれども、それまで、先ほど申しましたように、大学評価・学位授与機構でのいろいろな情報の収集、提供という業務のほかに、私ども、来年度の概算要求で、幾つかの全学的な評価を行う、あるいは行う予定の機関に対しまして、ある程度準備、調査検討のための補助を予定してございまして、それは法科大学院に特化したものではないんでございますが、大学基準協会でございますとか、そういう全学的な評価を行う予定の機関に対しての御援助として、今、四千七百万ほどの概算要求をしているところでございます。  実際に、法科大学院の評価機関を含めましてどういう形の支援の在り方がいいか、これはまだ具体的に結論が出たわけでございません。関係の方々とも更に御相談しながらと思っておりますが、その評価機関自身への支援の在り方もございますし、それから評価を受ける大学に対して、例えば私学助成等を通じた形で、余り高額の負担にならないような支援をするという手もあるわけでございますので、いろんな方策を考えながら、どういうことがどこまで可能であるか、いろいろ考えてまいりたいと思っております。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 それでは、最後に法務大臣にお尋ねいたします。  今回の司法制度改革につきましては、この法曹養成制度の改革に限らず、多くの課題について検討が進められておりまして、今後、多数の法案が提出される予定であります。  法務大臣は、司法制度改革推進本部の副本部長として、今後もこうした改革事項につきまして積極的にこの検討に参加をし、リーダーシップを発揮されたいと考えますが、最後に大臣の決意を伺います。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、今般の司法制度改革におきます課題は司法制度の全般にわたっておりまして、司法制度改革推進本部におきましては、ただいま御審議いただいております法曹養成制度に関する法案のほかにも、司法制度改革推進計画に従いまして、いろいろな課題について検討を進めております。  今後も引き続き、新しい時代にふさわしい、国民に身近で頼りがいのある司法制度を構築するために、司法制度改革推進本部長である総理を補佐いたしまして、顧問会議や本部会合における検討に積極的に参加したいと考えております。  このようなときに法務大臣という仕事をいただいているという巡り合わせ、天命かなとも思いますので、事務局の作業状況を把握いたしまして必要な指示を与えるということをいたしましたり、改革の実現に向けまして全力で取り組んでいきたいと思います。

荒木清寛公明党

○荒木清寛君 頑張ってください。

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十一分休憩      ─────・─────    午後一時三十一分開会

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案及び司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  私は、今日はまず法科大学院と法学研究への影響の問題についてお尋ねをいたします。  衆議院の参考人質疑でもかなりこれが議論になっておりました。そこで、改めて大学関係者からいろんな御意見を聞いたわけですが、大変心配をされております。調査室の資料の中にも、ある国立大学の副学長さんの談話や学部長の談話も出ておりますが、その中で、「教育には必ずそれを支える研究が必要。社会経済の激しい変化に応じて新しい問題が次々起こり、法改正や新規立法が行われ、判例も法の実務も変わる。それを常にフォローし、背景にある社会的・経済的要因や今後の動向予測、法則性などをリサーチし、まとめていく」ことが必要だと、こういうふうに言われております。法科大学院における教育自体も、こういう研究と結び付いた新しい技術、理論を提供していく必要があろうかと思います。  法科大学院ができることによりまして、実務と理論との結合、こういう新しい可能性はあると思うんですね。しかし、実際の体制でいいますと、このままでいけば法科大学院の教育に手を取られて法学研究が大変おろそかになるんではないかと、こういう心配を大学関係者がされております。現に、法科大学院設立の中心になっていらっしゃる方々がそういう声を上げていらっしゃるというのは大変私は大事だと思うんです。  まず、法科大学院そのものの研究活動の問題です。  法科大学院は研究指導を必須としないということになっているわけですが、そのことによりまして、法科大学院自体の研究機能が大変おろそかになるんではないかと、こういう心配がされております。やはり、大学関係者に聞きますと、密度の濃い教育をやるわけでありますから、学生もアルバイトもできないというような状況の中で、その教育にやはり手が取られまして事実上、研究は無理だと、こういう声を随分お聞きしたわけであります。  先日、連合審査では、文部科学大臣は研究を軽視をしないと、こうおっしゃったわけでありますが、実際上はこういう声が上がっている。こういう問題についてまずどのようにお考えか、文科省からお願いいたします。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 学生の修了要件としまして従来のような研究指導を必須とはしないということでございますけれども、法科大学院のそれぞれの教員の任務としましては、教育もあれば研究もあるわけでございます。特に、司法制度改革審議会での極めて御熱心な御議論の結果、この法科大学院を学校教育法上の大学院として位置付けるべしという御要請は、やはり学問の府としての大学院において、しっかりした理論を踏まえながらの志の高い法曹人養成をなされることを期待されているものと思ってございます。  そのために、教育にもしっかり取り組んでいただくために、教員、学生の基準につきましても、学生十五人に一人以上という、従来の法学部あるいは法学研究科に比べましてかなり密度の濃い教員配置を予定しているものでございます。  もとより、どういう体制で教育に当たり、研究に当たるかというのは、それぞれの大学、それから個々の教員の見識の問題ではございますけれども、従来、ややもすれば悪平等といいますか、すべての先生方が同じこま数の教育負担をしながら、あと適宜、研究という風潮が見られないわけじゃございませんでしたけれども、それはそれぞれの持ち味に応じて、あるいはカリキュラムの状況に応じて役割分担、教育負担の軽重あるいは学内の運営の軽重なども役割分担の可能性もあるわけでございますし、それから、いわゆるサバティカルリーブといいますか、場合によっては一時的に研究に専念しながら蓄積していただくということもあるわけでございましょう。  そういうことも含めた全体の制度設計の中で、特に第三者評価という仕組みが導入されることになりますので、第三者評価機関における評価基準、それぞれが定められることではございますけれども、単に教育の状況だけじゃなくて、教員の研究所のアクティビティーなどについても評価の対象にされることが十分予想されるものでございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 例えば今も、まとまった研究をする、例えば半年とか教育から外れてということの必要性も言われましたけれども、やはり私学関係者に聞きますとその必要性を言われていました。しかし、やっぱりこの法科大学院ではなかなかできないんじゃないか、特に最初の五年ぐらいはもうひたすら、言わば今までの蓄積を使って教育に当たらざるを得ないということを言われていたわけですね。  今、十五人に一人という配置にしていることでかなり担保されるというようなお話でありましたが、例えば、それでは不十分だと、更に私学などで独自に配置をした場合に、それ自体は私学助成などの対象にはなるということでよろしいでしょうか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 法科大学院にどういう支援をするかということは、今後更に検討してまいりたいと思いますが、従来、私学に対する私学助成の取扱いについて申し上げますと、これは掛かった経費、それぞれの私学で掛かった経費について補助するという性格でございます。したがって、今の教員基準がありますけれども、それ以上に手厚い教員スタッフを抱えた場合に、当然それは対象になるものでございます。  それと、私学助成は各大学の教育研究上の御努力の状況に応じまして傾斜配分をしてございまして、特に手厚い教員配置をしてしっかりした教育を行っている大学については、むしろ増額の可能性もあるわけでございます。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 次に、既存の大学院がどうなるのかという問題であります。  ある試算でいいますと、法科大学院ができますとかなり第一線の教員の方がそこでの教育に当たることになります。民法でいいますと二百人ぐらいの教員が必要ではないかという試算がされております。そうしますと、実際上はやはり既存の大学院での研究活動に随分支障が出るんではないかと。  これも、ある国立大の方のお話でありますが、報道されておりましたが、「相当の長期間、教員が十分に確保されず、負担が増える。研究時間はなくなり、蓄積を吐き出し続けるだけになる。それでは法曹養成そのものが、いずれ根から枯れて」しまうんじゃないかと、こういう懸念の声も上がっております。  既存の大学院のそういう研究機能についてはどういうふうにお考えでしょうか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 法科大学院でしっかりした教育をということになりますと、確かに教員の負担が従来の法学部の教員の負担に比べてかなり重いものになるだろうということは予想されるところでございます。  ただ、しっかりした教育といいますか、学生にとっても教員にとっても、教育課程、カリキュラムがしっかりしたものというのは別に法科大学院だけが初めてでございませんで、医学部でございますとか工学部でございますとか、割と自然科学系は従来からしっかりした教育を行いながら、かつ研究にも御努力いただいているところでございます。  実際の法科大学院の立ち上げをどういう形で行うかというのは各大学それぞれの工夫の次第でございますけれども、従来ございます、主として研究者養成の修士課程を衣替えして、むしろ法科大学院に特化するというありようもございましょう。あるいは、幾つかの大学で試案などが出されておりますように、これを機会に、従来のコースと、それから法科大学院、法曹養成のコースと、それからさらには政策形成といいますか、行政官ですとか、より多様なポリシーメーカーの高度人材養成のコースなど、ある程度従来の大学院を、よそも生かしながら、かつ新しい需要にこたえていこうという、より積極的な姿勢を見せられている大学もあるわけでございます。  そういう中で、従来といいましょうか、学問としての法学の研究体制についても、それぞれの大学の御見識ではございますけれども、十分確保されていくものと理解してございます。  ただ、御懸念ありますように、法科大学院御担当の先生方の教育上の負担といいますか、しっかり教育を行おうとすればするほど大変であるというのは確かでございますが、それは、正に今求められている司法改革の中で担うこの法科大学院の重い重い役割を考えますと、法科大学院を作ろうとされております大学院は、正にそれを自覚の上でお取組になることと思ってございまして、私どもも、先ほど御指摘ございました私学助成などを含めまして、その法科大学院の立ち上げと円滑な定着について最大限の支援をいたしたいと思っております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 法科大学院に携わる皆さんは本当にそれを軌道に乗せようということで熱心に御努力をされています。だからこそ、そこに本当に教育に力を入れる中で既存の研究がどうしてもおろそかになるんではないかという、こういう危惧をお持ちなわけです。かつ、新たな研究者養成の道という点で一体どうなるのかという点も随分お聞きをいたしました。  大学関係者に聞きますと、基礎法系などは大丈夫ですが、民法や商法などの実体法の関係は、やはり研究者になる上で法科大学院で資格を取るというレベルになるだろうと。そうしますと、法科大学院を修了した時点で将来選択が迫られるわけですね。片や、あと修習をすれば一定の高収入の道があると。片や、研究者になろうと思いますと、一定の優遇はありますが、二年間の博士課程に行き、行ったからといって、そのときにまた更に学費払わなくちゃいけない。行ったからといって研究者としての就職口があるんだろうかということになりますと、研究者への志を持っていた人たちなどもいろんな事情から断念をせざるを得ないんじゃないかというふうな道も出てくる。  そうしますと、研究者養成などへの新たな奨学金も含めたいろんな支援策なども考えていかないと、やはり全体としての法科研究の養分というものが枯れてくるんじゃないかと、こういう御指摘もあるわけで、そういう新たな研究者養成という点での御認識はいかがでしょうか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 確かに、新しい仕組みの中での取組でございますので大変な面もございますが、むしろ積極的に考えますと、これまで、象牙の塔という言葉がいいかどうかは別ですが、ずっと学問の世界にこつこつというのが、キャリアが多かった中で、特に法曹で実務にかなり密接に関係している分野が多いわけでございます。この法科大学院を契機として、実務界との接触、あるいは経験としても行ったり来たりということも含めて、より幅の広い現代的な課題に対応できる研究者養成というのも可能性としては大きいのではないかと思ってございます。  そういう中で、御指摘のように、じゃ大学院、博士課程に進む学生に対するインセンティブあるいは支援策をどうするかというのがあるわけでございますが、私どもこれまで、日本育英会によります奨学金のほかに、ティーチングアシスタントでございますとかあるいはリサーチアシスタントという形で学生を、後輩の授業あるいは先生の研究のお手伝いをしていただくことによって、むしろ生活の御支援にもなりますけれども、逆に将来、指導的な立場に立つに当たって、教える技術あるいは研究するノウハウを学ぶという機会になりますので、そういう施策も進めてございますし、それから、御承知のように、特別研究員制度ということで、博士課程の学生あるいはそれを終えられたポストドクターの方々への御支援の施策も講じているところでございます。  そういう中で、実際に日本育英会の奨学金について申し上げますと、博士課程の学生に対する貸与率というのは在学生の約半分でございます。ただ、半分といいますのは、希望者についていいますとほぼ一〇〇%に近い状況でございまして、今の貸与しております金額の水準がいいかどうかというのは何人かの先生から既に御指摘があったとおりでございまして、それをどうするかという問題意識はもちろんございますけれども、その充実を図りながら博士課程学生の支援については十分意を尽くしてまいりたいと思っております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 答弁を聞いておりますと、大学の現場の皆さんの危機意識から比べますと少し御認識が甘いのかなという感じを受けたんです。  私がお話を聞いたうちの一人は、法制審のメンバーもされている方でありましたけれども、今、大変社会情勢の激変の中で基本法の改定も相次いでおりまして、相当多くの皆さんが法制審に入り、大変早いペースで議論もしておりますし、大学教員から直接、法務省に出向されて立法作業に当たっている方も多いということを話された上で、このまま言わば研究活動が低下をするということになりますと本当に心配だという声を上げていらっしゃいました。  そういう点から、私、この点は法務大臣自身も御努力をいただかなくてはならない課題だと思っておりますが、その点の御認識はいかがでしょうか。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、法務省といたしましても、法制審議会を始め様々な場で学者の先生方、研究者の方々にお手伝いいただいておりますし、また中には、法務省に入っていただいて具体的な仕事をやっていただくという方もございます。  法科大学院ができました場合、この法学研究者という方がいわゆる実務家教員とともに法曹養成のための実践的な教育を行っていただくということになるわけでございますので、そのような取組によって、これまで以上に社会のニーズにこたえる、実務の状況を十分踏まえた研究が行われるということが期待されるわけでございまして、理論的に精緻な実務が広まるという面もありますでしょうし、我が国における法学分野の理論と実務がともに発展していくということを期待しているところでございます。  また、このような実践的な教育を受けた法科大学院修了生から、理論だけではなくて実務にも明るい研究者が多数輩出されるということも期待されると考えております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 実務と理論の架橋と、橋を架けるということがこの間言われてきました。そこでの新しい研究発展の可能性というのは確かに私もそう思うんですね。ただ、幾ら架橋を架けましても、橋げたが朽ちていきますと駄目なわけでありまして、そこへの支援というものをしっかりお願いをしておきたいと思います。  次に、第三者評価の問題でありますが、この間共通して出されていますのが、予備試験ルートの拡大の懸念とも結び付いた法科大学院が予備校化するんじゃないかというおそれの声であります。そうさせないためにも、しっかりとした第三者評価、その中身、その在り方が問われているかと思います。  学位授与機構の国立大学の法学部の実は評価というのも始まったばかりでありまして、いろんな雑誌を見ましても、法学教育の評価の方法それ自体がまだ確立をしていないんだということが指摘をされております。そういう下で、この法科大学院の教育をどう評価をしていくか、そこの懸念もあるわけでありますが、この辺の現状についてはどのように文科省、認識をされているでしょうか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 大変残念なことに、日本でも戦後、進学率の向上に伴いましてどんどん大学が多くなりました。残念なことに、しっかり教育を行っている大学もあれば、いかがなものかと指弾される大学もある中で、何となく日本の大学全体が評判が悪いといいましょうか、皆さんから御懸念いただいているわけでございます。  そのためには、大学自身が本当に自覚しながら質の向上を図る仕組みが必要なわけでございまして、そのための大学評価というのが諸外国に比べて著しく立ち後れておりまして、この定着が急務の課題でございます。  大学評価・学位授与機構、平成十二年度に創設されて以来、正に取り組んでいるわけでございますけれども、これまでの試行段階でいろいろ御批判はあろうかと思います。日本的に随分まじめな評価をしようとした余りに、大学からの提出資料も大変膨大になったり、審査にも大変労力が掛かったりということもあるのでございますが、イギリスなどでは若干反省、見直しの動きもございますので、後発の利益を生かしながら、かつ今の試行段階での反省点も踏まえながら、しっかりしたものになるように、私どもも必要な助言、指導などをしながらその立ち上げにバックアップをしてまいりたいと思っております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 第三者評価がしっかり機能していく上でも、複数の機関がしっかり競争もしながらやるということが非常に大事であります。  午前中の質問でも、その上でも財政的基盤をしっかりしていくことが必要だということがありました。評価料などに授与機構と立ち上がるであろう民間のものと大きな差ができないようにすると、こういうことでありましたが、どの程度の評価料か、そして差といってもどの程度までに抑えようとされているのか。  それから、先ほどの民間の評価機関などの評価基準や在り方への調査研究費が概算要求でも出されているということでありましたが、これは先ほどもありましたように、法学教育自体の評価が始まったばかりでありますから、その評価方法自身の研究というのはずっと続けていくべきことだと思うんですね。ですから、この予算というのは立ち上げのときだけなのか、それとも引き続き出されていくものなのか、その点いかがでしょうか。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 大学評価機関の評価料を幾らにするかというのはそれぞれの評価機関がお定めになることでございまして、私どもが一定の額の標準を示したり差配したりするという制度設計は予定してございません。  ただ、複数の機関で、しかもある程度、先ほどお話にありました大学評価・学位授与機構などが民業を圧迫するような低廉な料金ということになりますといかがなものかとなりますので、評価料については届出にかからしめて、それぞれの競争的環境が確保されるようにしてまいりたいと思ってございます。  なお、ちなみにどれぐらいの評価料かというのは、これまでの状況でいいますと、日本では大学基準協会というのが基準協会に加盟するに当たっての加盟審査をしてございまして、そのときのお金については、大学としては三十万円、プラスの学部の数掛ける五万円という水準でございます。  それから、専門分野別の評価としまして、これは国際標準に基づきまして、工学教育の関係を国際標準に合わせるために日本技術者教育認定機構というのが既に発足してございますが、そこでの審査料は、それぞれの人材養成のプログラムの数ごとに八十万円の審査料、それから認定の維持料として二年目以降にプログラムごとに十万円というのが例としてございます。もちろん、これからの法科大学院の評価がそうなるというわけではございませんが。  なお、ちなみにアメリカでの状況は、アメリカの全学的な評価をする、いろいろな地域に置かれておりますアクレディテーション団体の評価料、大体一万五百ドルぐらい、日本円に直しますと百二、三十万ぐらいになりましょうか、そういう水準だと伺ってございますし、米国の法曹協会、ABAが行っておりますロースクールの評価料は一万四千ドル、約百七十万弱の水準と伺ってございます。それぞれの評価機構の御努力の状況にもよりますので一概に言えませんけれども、リーズナブルなものとなるように私どもも期待しているところでございます。  それから、来年度概算要求でお願いしてございます内容でございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、大学基準協会等の幾つかの全学的な評価を行おうとする団体に評価に当たっての準備、検討を行っていただくための補助金を考えてございまして、約四千六百万の概算要求でございますが、十六年度以降どうするかというのは、あるいはほかの法科大学院の評価機関に対する支援の在り方も含めまして、今後のそれぞれの状況を見ながら更に検討してまいりたいと思っております。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 是非、必要な支援をお願いをしたいと思います。  この財政問題にかかわっては、やはり法科大学院の学費が非常に高くなるということへの懸念があります。奨学金も必要でありますが、やはり二十代半ばで一千万ぐらいの借金をしょって法曹をスタートするという在り方が好ましいのかなということもありまして、やはり学費を下げるということが大事だと思うんですね。今予定をされている二百万前後の学費は非常に高いという、その認識は当然おありですね。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 何をもって高いとするかなんですが、例えば大変プロフェッショナルとして、医学部などにつきましては私学では相当高い入学料、授業料になるわけでございますが、少なくとも、従来の法学部に進学を希望されておられる学生さんの状況からしますと、法科大学院は若干コストが高くなることが予想されると思います。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 これはなぜ学費が高くなるかといいますと、大半は人件費なわけですね。これは三権の一翼を担う法曹を養成するということで少人数教育を行う、そういうための教員配置を認証基準でも決めるという、その結果として学費が上がるわけですから、これはやはり国の責任で法科大学院そのものへの支援を行っていくということが必要かと思います。  私学の関係者も非常に苦労されておりまして、例えば常勤の実務家教員はなるべく人件費を抑えるために退職されたばかりの判事の方を探すとか、いろんな御苦労をされているわけであります。ですから、やはり法科大学院という新しい制度に対応した新たな私学助成の制度も作って支援をしていくということが必要かと思いますが、その点での文科省の御認識と、それから同時に、こういう財政支援をしっかり獲得をしていくという点での法務大臣の御決意もお聞かせいただいて、質問を終わります。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 法科大学院を作ります母体に対する補助の在り方、私学でいえば私学助成の中でどういうことができるか、それから学生に対する支援として奨学金等、万全を期して検討してまいりたいと思っております。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) 経済的な理由ということで法科大学院に入学できないというようなことがあってはいけませんので、奨学金とか教育ローンとか、その他、文科省がいろいろ考えておられます様々な支援制度の充実ということが重要だというふうに思っております。  よく相談しながら検討を行っていきたいと考えております。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 司法制度の中で、近代になって日本で、抜本的といいますか、画期的な改革がこれ法科大学院設置ということで審議してきたわけなんですが、今日採決、あした本会議上程ということは各党協議していますので、私どももそういう一つの改革に対する行為に対しては賛成するものでございますが、それにしても、いろいろ先生方の質疑や参考人の方たちの意見を聞いていますと、何となく腑に落ちてすんなり賛成するという気持ちになれないというのが正直なところでございます。  先ほど、休憩中に私、事務所に帰りますと、この間こちらに参考人としておいでいただいた、しかも司法制度改革審議会の会長をやられた佐藤幸治先生から手紙が来ていまして、「希望と改革」という久留米大学で講演されたパンフレットなんですが、これをちょっと読んでみますと、なかなかいいことが書いてある。しかし、ここから大分この法案の中身がずれてきているんじゃないかと、曲がっているとは言いませんですけれども。  ちょっとポイントを御紹介しますと、「「お上としての司法」から「国民の司法」、「国民の身近にある司法」へと大きく転換しよう」とするのが司法改革のねらいだと。「そのために、法曹人口を大幅に増やさなければいけない、質量共に豊かな法曹を養成しなければならないということで、法科大学院という構想にたどりついた」という、非常に明確に法科大学院の在り方を書いているわけなんです。  そして、これは大学教育の改革の非常に大事な部分だという、法科大学院だけじゃなくて、日本の今の大学教育の在り方の改革でもあるんだということで、学部教育をやっぱり考え直さないかぬと。学部というのは、もっと人間としての教養を高める場、自己開発の場にして、そして専門的な大学院で教えようということですが、それが面白いのは、この法科大学院というのはたくさんの知識を詰め込むところではありません。考え方を鍛えるところだと、問題を多角的に分析し、総合し、結論を出すところだと。これもなかなか、ちょっと余りこの審議で出なかった佐藤先生の指摘だと思います。そして、「一定の教養と人間的成熟性を備えた人に理論的・実践的教育・訓練を施す、専門的な考え方を鍛える過程を経た者に法曹になっていただこう、」と、「いたずらに膨大な知識をひたすら詰め込むこと、それは法科大学院ではありません。」という方針でございますが、この法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案を見てみますと、この佐藤先生の考え方とかなり私、距離が出てきていると思うんですが。  ちょっと最初に聞きたいのは、文部科学大臣と法務大臣との関係といいますか、法務省と文部科学省の、役所でいいますと、そのかかわりが法科大学院という試みを成功させるかどうかの一つのかぎになると思いますが、森山法務大臣は文部大臣やられたことありますわね。そういうことでいえば両方お分かりだと思うんですが、この法律の六条の二項で、文部科学大臣は次の三つの号についてあらかじめその旨を法務大臣に通知するものとする、そして法務大臣は意見を述べることができるという、そういう形にしていますが、この法科大学院にかかわる学校教育法三条に規定する設置基準を定め、これを改廃すること、一号ですね。二号の、法科大学院の教育研究活動の状況についての評価を行う者の認証の基準にかかわる細目を定めて、あるいはこれの改廃とか、それから三号、これは法科大学院の教育研究活動の状況についての評価を行う者の認証、認証の取消し、これは非常に重要なものだと思うんですが、これ、法務大臣の意見だけでいいですかね。私は、これは協議事項といいますか、法務大臣の了承事項にすべきほど重要なものだと思うんですが、事務局長さんでも結構ですが、御見解を。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) この点に関してでございますけれども、この二項の規定でございますけれども、その対象がそもそも文部科学大臣の所管に属する事項でございまして、その対象を限定した上、意見を述べることができるという形で規定をさせていただいております。  この場合において、文部科学大臣は法務大臣の意見を尊重して対応されるものと考えておりますけれども、更に必要に応じて国家行政組織法上にも規定もございまして、法務大臣から文部科学大臣に対し必要な資料の提出や説明を求めたり、その政策に意見を述べるということなどによりまして両大臣の適切な連携が図られるものというふうに考えて、このような規定を置いたわけでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 両大臣の適切な関係が図られるものと期待してこういう規定があるということなんですが、私はどっちかというと文部科学省を余り信用しないんですよ。日本の戦後の教育を悪くしたのは文部省ですよ。法務省の方がずっとやっぱり筋の通ったことを、最近はどうか知らぬけれども、やってきましたよ。  ここは、私、意見を述べるといったって、小泉内閣の閣僚というのはなかなか議院内閣かどうかは分からぬような状況でもありますし、私はやっぱり、元々、文部科学省の所管だから法務省としてきちっと物を言える、だって文部省のだれが、法律といいますか、法曹を専門的に養成するということについて判断できる知識を持っていますか、文部省のだれが。そこはやっぱり法務省の専門家の一つの力が要ると思うんですよ。  ちょっと、この辺は文部科学省と法務省、事務当局でいろいろ掛け合いやったんじゃないかと思いますが、すんなり、はい、そうですかと聞いた話ですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 十分な協議をさせていただきまして、お互いに納得してこの規定ができたということでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 今更、私が修正論を言ってもしようがないんですけれども、今後やっぱりそこのところはきっちりと、簡単なことで意見が対立したときに文部科学省の言うとおりにならないようにひとつやっていただきたいと思います。  さて、その次に第三条関係、前後しますが、第三条関係で、これは午前中、江田先生もちょっと触れていましたけれども、「国の責務」というのがあるんですが、一項から四項までは「国は、」と書いて、主語が、五項は「政府は、」と書いている。  基礎的なことを聞いて誠に恐縮ですが、「国」というのはどういう概念、定義でしょうか。その「政府は、」というのはどういう定義になっていますでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 「国」は、行政機関のほかに、この場合ですと裁判所、それから広い意味では行政機関でございますけれども検察庁、こういうものを全部含む概念で「国」という言葉を使っております。「政府」は行政庁そのものということでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 国会は入っていないんですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 大変失礼しました。入っております。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 それなら一番最初に言ってくれなきゃ。  さて、五項の「政府は、」なんですけれども、「政府は、法曹養成の基本理念にのっとり、法曹の養成のための施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。」と。財政上の措置というのは分かりますけれども、法制上の措置というのはどういうものですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 法制上の措置で具体的に申し上げれば、法科大学院の設置基準の問題、ずっと討議されておりますけれども、それの策定の問題が一つございます。それから、実務家教員に関する弁護士法の兼職制限が今規定がございますけれども、こういうものを緩和して法科大学院に行きやすくするとか、そういうような法的措置を講ずべき責務と、こういうことでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 そうすると、抽象的に言えば、政府は法的措置を講じなきゃ駄目だと、こういう意味でございますね。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ここは、「法制上」でございますから、例えば弁護士法の改正とかそういうものを伴います。それ以外にも、具体的な措置としては、法科大学院において実務教育を行うためにお互いに協力をし合うという、例えば実務家が持っているノウハウを大学の方に提供してその教材を作っていくとか、こういう協力も含まれる。いろいろなものが含まれてくるわけでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 一つの法律があって、その法律を運用する、適用する、解釈する、そういう意味の法制上だったら分かりますけれども、法改正が必要だ、立法するとかいう意味だったら、これ立法権、政府にはないですからね。そういう意味で、ちょっと、法律を作るとか立法を必要とするというものがある、必要でしたら、ここの書き方というのは、「政府は、」という主語にするのはちょっと論理的につながらないんじゃないですか。国会が立法権持っているわけですから。その点はどうですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 政府としては、改正すべき案を考えて、国会の方で御承認を得べく提出をするということでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 それだったら、法律案を作るというのが正確な言い方で、ちょっと乱暴な言葉、用語だと思いますが。  皆さん御承知ないかも分からぬけれども、新憲法を作って、内閣法でもって内閣に法案の提出権があるということを内閣法で憲法解釈したわけですが、そのころの国会議員の憲法に詳しい人が、新しい憲法で内閣に法案提出権はないんだという議論した人がいるんですよ。議案を提出することができるというだけですからね、憲法には。ですから、ここの「法制上」という私は表現は、国会の権限を侵害した、オーバーに言えば。ちょっとラフな用語の使い方じゃないかということを指摘しておきます。  それから、第二条。この「法曹養成の基本理念」の中の第一号の中に、「法曹の養成のための中核的な教育機関として、各法科大学院の創意をもって、」という、「創意」という言葉があるんですが、この「創意」というのはどういう意味ですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) これは、それぞれの大学でそれぞれの考えによって独自性や多様性を自ら決めて、それを行っていくと、こういう意味でございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 そうすると、この規定は法科大学院の個性といいますか、そういうものを作ると、大いに個性を発揮せよという趣旨の規定というふうに理解してよろしいですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) この法案全体として、ただいま、「創意」というのはそういう意味でございますけれども、この法案全体としては、その連携法、特に五条でございますけれども、法科大学院の評価基準が法曹養成の基本理念を踏まえたものとなるよう制度的に担保されているわけでございまして、最低限の統一と教育水準、これを確保しながら、それ以外の点については各法科大学院の創意工夫、これを尊重して行うと、こういうような構造になっているわけでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 最低限の教育水準をチェックするということはこれは大事なことだと思うんですが、最低の教育水準をチェックするという名の下に、創造性といいますか、個性を侵すといいますか、物事というのはそういうものなんですよ。ですから、ここの調整というのは非常に難しいと思うんですが、最終的にそれをチェックするのは文部大臣ですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 最終的に法科大学院の様々な行為が法令違反に当たるというようなことになれば、それは文部科学大臣の方で改善勧告をしたり、それから変更命令をしたりと、そういうようなことで、最終的には文部科学大臣の責任という形になるわけでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 そこに法務大臣というのは、法務省というのはかかわりませんか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) これに関しましては、この連携法の六条の三項で、「法務大臣は、特に必要があると認めるときは、文部科学大臣に対し、法科大学院について、学校教育法」上云々とございますけれども、そういう「規定による報告又は資料の提出の要求、」、それから、この「同条第一項の規定による勧告、」というのは先ほど申し上げましたいろいろな勧告でございますけれども、あるいは「命令その他必要な措置を講ずることを求めることができる。」という関係で関与をするわけでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 それじゃ、ついでに、今六条の三項の話になったんですが、四項に、文部大臣からの、抽象的、一般的な話なんですが、司法試験との有機的連携を確保するため、必要があると認めるときは、文部大臣は法務大臣に対して協議を求めることができるという規定があるんですが、この「協議」というのは話しするだけなんですか、どういう概念ですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 正に、言葉の意味はお互いに話し合って一定のものの合意を得ていくと、こういうことでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 分かりました。  何かちょっと言葉じりをつかまえるようなことを言って申し訳なかったんですが、一つ一つ、やっぱりせっかく作った法科大学院のシステムというのを、当初の構想を生かすために、是非ひとつ一言一句、先ほど申しました佐藤先生の意向が生きるようにお願いをしておきますが。  あと、しばしば問題になっておるんですけれども、予備試験と本試験の在り方ですね。この司法試験法と裁判所法の改正案で法科大学院制度を作って、なおかつ予備試験制度というものを設けているわけですが、先般、質問をしたかもしれませんが、もう一度この予備試験制度を作った趣旨、それをちょっと説明していただきたい。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) この制度を設けた趣旨でございますけれども、法科大学院を中核的な教育機関とする新たな法曹養成制度を今回考えておるわけでございますが、そういう中において、法科大学院を経由しない者にもやはり法曹資格を付与する道を開く必要があるということからこういう予備試験という規定を置いているわけでございます。  その位置付けでございますけれども、予備試験は、法科大学院の修了者と同等の学識、能力等を有するかどうかを判定するものであるということでございまして、その合格者は法科大学院の修了者と同等の資格で、いわゆる新試験というか本試験でございますけれども、これを受験することができるという資格を得るわけでございます。そういう点で、両者の公平性に配慮した制度を作っているということでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 私の想定したとおりでございますので、是非そういう趣旨で、制度を作った以上あるべきだと思うんですが、朝からの議論の中で、この予備試験の制度をなるべく例外的に、法科大学院が中核である、これはそれでいいと思いますよ。それを私、否定するつもりじゃないし、そこから優秀な法曹人が出てくることを期待しますが、しかしそれだけではやっぱりいけない部分があるからこの予備試験制度というのを作ったと思います。それを、例外的に、なるべく狭く、予備試験から本試験を受ける人を狭くしようという、そういう議論があったんですが、私はこれにはちょっと同調しかねる。  その辺、法務大臣に聞きましょうかな。法務大臣はやはり予備試験の必要性というのをどういう考え方でこういう法案出されているんですか。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) 今、事務局長が御説明申し上げましたようなことで、法科大学院というものが中核ではありますけれども、いろんな都合で行かれないという人もいるでしょうし、そういう方々にやはり法曹への道を開いておくということが重要だということから設けられたものだというふうに私は理解しております。  そういうわけでございますので、法科大学院を修了した人と同じ実力があるかどうかということを調べるのが予備試験でございまして、それに合格すれば法科大学院を卒業したのと同じ実力があるということが分かるわけでございますから、したがってその試験の内容も、法科大学院で教育するのはどういうことをどのようにするかということを前提にして、それらのものを全部修得したのと同じ力があるかどうかを調べるという趣旨でありますから、法科大学院に行かなかった人が行った人と同じ力を付けるということは非常に難しい、易しくないと思います。したがって、例外的というふうに、わざわざ狭める意味ではございませんけれども、大変厳しい道であろうということは容易に想像できるわけでございまして、結果としてそういうことになるのかもしれないというふうには思います。  しかし、あらかじめどのぐらいの人数かとか、どのぐらいの割合かというようなことは今全く、法科大学院が幾つできて何人卒業するかも分かりませんし、どういう予備試験の受験の希望者がいるかも分かりませんので、今からは何とも申し上げられませんけれども、今、構想した段階では、今申し上げたように、法科大学院に行かないで行ったのと同じ実力を付けるということは非常に難しいだろうなということは感じられるわけでございます。

平野貞夫国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野貞夫君 私も、予備試験受ける人にひとつ易しくしろということを言っておるわけじゃございません。当然、手を抜けと言っているわけでもございません。法科大学院を修了したと同じ資質、知識、見識を持つ者でないと本試験を受けちゃ駄目だと、それが予備試験の課題だということは非常に大事なことだと思いますよ。ですから、法科大学院を中核として法曹を増やしていくということについては私も別に異論はないんですが、ただ、予備試験というのは、やはり国民の身近にある司法とか、国民の司法という意味からも、特に大学に、あるいは大学院に行かなくてもそういう機会が与えられているということは非常に制度上大事なことだと思います。  しかし、どうも今朝からの議論を聞いていますと、何か意図的にそこから余り人を拠出すべきでないというように誤解するような議論があった。これは、私は問題だと思うんですよ。だから、予備試験をして法科大学院を修了したと同等と認める人がたくさんおればたくさんおったでいいと思うんですよ。そこのところは別に人数がどうのこうのという話じゃないと思うんですよ、本試験受けるわけですから。そういう問題を指摘しておきたいんですが。  ちょっと余り内輪のことを厳しく言うと、いろいろ後、参議院の中で暮らしにくいものですから、それとなく申し上げるんですが。実は、なるべく法案も賛成したかった、賛成しますが。それから、附帯決議もなるべく賛成したかった。しかし、私、いろいろ協議された附帯決議の中に、予備試験に対する非常に問題の箇所があると思って、これに対する質問というわけじゃないんですが、要するに、言葉の勘ぐりかも分かりませんが、予備試験の運用については、法科大学院が法曹養成制度の中核であるとの理念を損ねることのないように十分配慮するという、こういう趣旨になっておるものですから、私はほかの四項目は大賛成なんですけれども、これについてはやっぱり賛成できないんです。というのは、これはある意味で差別になるんですよ。その予備試験を受ける人を法科大学院終わったと同じように認定するために、易しくしろと我々は言っているわけじゃないんですよ、厳しくやればいいんですよ。厳しい試験で通った人、通ることについて、例外的だとか、中核である理念を損ねることのないようにというのが、私は少なくとも国会として、何か国会が予備試験の在り方について意図的にこれをきつくしろと、余り人を通すなというように誤解される懸念があると思うんですよ。  私、そういう意味で、高知の生まれで頑固なものですからちょっと思い詰めたら利かないところがありまして、僕はこの三項目があるために、これは非常に国会の附帯決議として、政府のやる国家試験というものに対する干渉だと思っておるんですよ。答えは要りません。  いずれにせよ、せっかく作る法科大学院でございますから、ひとつ法務省においては、十分審議会の意見書の趣旨を生かされるよう要望いたしまして、終わります。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。  法科大学院連携法案二条についてまずお聞きをいたします。この規制緩和の問題、基本理念については、同僚議員であります井上委員あるいは平野委員などからも質疑がかつてありました。  二条は、「法曹養成の基本理念」として次のように書いております。「法曹の養成は、国の規制の撤廃又は緩和の一層の進展その他の内外の社会経済情勢の変化に伴い、」、「司法の果たすべき役割がより重要なもの」となったために法科大学院を設置して行う旨、規定をしております。先ほど平野委員の方から、佐藤幸治先生の本をいただいて、理念がねじ曲がったとは言えないが、少し変わったのではないかという旨の御発言がありましたが、私自身も、格調高くあるべき法科大学院連携法案の二条の基本理念が、「国の規制の撤廃又は緩和の一層の進展その他の内外の社会経済情勢の変化に伴い、」ということで規定をされているのは極めて残念、あるいは極めて矮小化をしているというふうに思います。  法の支配、あるいは立憲主義、あるいは基本的人権の尊重、国民のための司法ということがなぜ基本理念に盛り込められなかったんでしょうか。再びお聞きします。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ただいまの御指摘でございますけれども、この冒頭の国の規制の撤廃又は緩和の一層の進展というのは、その後にあります内外の社会情勢の変化、これの一つの例ということでございまして、ここで意味することは、事前規制型社会から事後監視型社会への転換が見られるということをこれで表しているわけでございます。これは時代の流れの認識を述べておりまして、そういうことに伴いまして、より自由かつ公正な社会の形成を図る上で、法及び司法の果たすべき役割が一層重要なものになるということでございまして、そういう流れの中で、本来普遍的な、より自由、公正な法の支配ということでございますけれども、そういうものがより一層国民に重要なものとして認識をされてきていると、こういう時代になってきているということでございまして、後半の後の方が本来普遍的な理念でございまして、それを語っているわけでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 しかし、冒頭が、情勢の変化に従って法曹養成が必要であるわけではなくて、普遍的な価値にのっとって三権分立の一翼である司法を担う人材を養成する必要があると。自由と公正は法の支配とは別の概念だと思いますが、いかがですか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 法の支配は司法だけに通ずるものでございませんで、国家全体にわたるものでございます。そういう中で、もっと大きな概念でございますけれども、その中で司法の果たすべき役割ということで、より自由かつ公正な社会の形成と、これを図る上で法の果たす役割が必要であるという、これ司法の場面でそういうことを述べていると。大きな意味では法の支配ということですが、それの一部ということでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 憲法の保障する基本的人権を擁護するという本来の司法の役割がなぜ書き込まれなかったんでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) それは、憲法の理念を遵守すべきというのはもう当然のことでございます。書かなくてもこの中に十分含まれているということでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 ただ、弁護士法一条やほかの法律では基本的人権の擁護などが高らかにうたってあります。法科大学連携法案は法曹養成の基本法に今後なっていくわけですから、もっと高らかにうたってもいいのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) この二条の柱書き、この全体の中でやはり基本的人権を守らなきゃいけないということですね。これは当然含まれる、例えば豊かな人間性とか、そういうところにみんな織り込められているということで、あえて書いてはおりませんけれども、当然、背後にあるということを前提に考えております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 検察官法四条、弁護士法一条には基本的人権の言葉があります。豊かな生活と基本的人権は関連がなくはないが、直結しているとは思いません。二条を読むと、正直言うとこれは規制緩和が必要で、規制緩和路線の一環として法曹養成を位置付けていると。要するに、状況の変化にのっとってこれを作ったというふうにしか文言上は読めません。したがって、私は、この法曹養成制度関連法ですが、理念のところからして非常に矮小化されている、いびつであるというふうに考えております。  では次に、質問をいたします。  第五条と大学の学問、大学の自治との関係についてお聞きをいたします。  第五条は、法科大学院の適格認定等についての条文です。文部科学大臣が法曹養成の基本理念の観点から認証評価機関の評価基準の策定に介入し、それを通じて大学運営に介入するおそれはないでしょうか。いかがでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) この法科大学院の適格認定でございますけれども、これは国が直接行うものではないわけでございまして、文部科学大臣の認証した評価機関が行うというものでございます。したがいまして、その評価の基準も評価機関において定めるということとされているわけでございます。  この連携法の二条の法曹養成の基本理念につきましては、各法科大学院の創意をもって実現すべき旨を規定するということとともに、第三条の国の責務におきましても、国は、大学における教育の特性に配慮しなければならないという規定を設けておりまして、大学の自主性等に十分配慮するものとなっているわけでございます。  したがいまして、国は法科大学院における学問の自由とかあるいは大学の自治、これを尊重するものでございまして、大学の運営等に介入するおそれはないというふうに考えております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 次に、やはり大学の自治についてです。  先ほど平野委員の方から、文部科学省が出っ張ってくることが、法務省の方がずっとましであるという発言がありましたけれども、一つは、文部科学省から大学の自治が介入を受けるんじゃないか、つまり、今まで御存じのとおり法曹養成は最高裁判所の司法研修所で行われていたのが、位置付けを変えて文部科学省が管轄する大学の下に置かれるわけですから、今お聞きしたとおりです。  この間、参考人質疑の中で、須網参考人が文部科学省の問題もさることながら、法務省との介入の問題について慎重であるべきである旨の発言があったやに思います。  ですから、次にお聞きしたいことは、六条三項と学問の自由、大学の自治との関係です。つまり、最高裁判所の下にあった法曹養成がロースクールにかなり移行するという部分もあり、文部科学省との関係、それから法務省との関係と、これが両方問題になってくると。この点について、法務省の介入あるいは統制、例えば大学のカリキュラムについてあるいはこうしたらどうか、表向き、裏向きというのはあるかどうか分かりませんが、その介入について参考人から慎重であるべきという意見が出たことを踏まえて、いかがでしょうか。

寺田逸郎法務大臣官房司法法制部長

○政府参考人(寺田逸郎君) この連携法は三条四項にも表れてございますように、大学の教育の特性については十分な配慮が必要だという考えの下にできております。  ただ、もちろん実務でございますから、これは教員の面あるいは教材の面、様々な面においていろいろな国からの援助も必要ですし、また財政面で国が支えることも必要ですし、あるいは教育のレベルということでいろいろ国の方で受験資格を与えるという側面からいろいろ御注文申し上げることも必要になるわけでございます。  いずれにいたしましても、そういういろんな御注文というのは、大学の特性ということを十分に配慮した上ですることは言うまでもないことでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 大学の特性ということに関して、あること、ちょっと済みません、そこもうちょっと確認をしたいんですが、附帯決議案の中でも、衆議院の方の附帯決議でも財政的な援助というのは大変盛り込まれていますし、この法案の審議を通じてロースクールに対する財政的援助というのは各委員の中から要望や意見が出たと思います。  また、委員の中からの他の質問にもありましたとおり、お金を出すとつい口も出すのではないか、あるいはもう一方で、司法試験の合格についてのある種のレベルを持ってもらわなくちゃいけないという面もあり、他の大学院などと比べても介入の余地がより出てくるのではないかということについてはいかがでしょうか。

寺田逸郎法務大臣官房司法法制部長

○政府参考人(寺田逸郎君) 財政面の措置をいたしますと、おのずから財政的な措置を取ったのに伴う責任みたいなものも生ずることは、これは一般的にあることでございます。  しかし、あくまでも私どもといたしましては、いろいろな措置を取る際に大学の教育の特性ということに十分配慮したいという全体的な考え方の下に行うわけでございますので、そのような御懸念はないものと御理解願いたいと思っております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 文部科学省あるいは法務省からの大学の自治に関する介入、統制はないということでよろしいですね。

寺田逸郎法務大臣官房司法法制部長

○政府参考人(寺田逸郎君) 私どもといたしましては、十分そのような心構えで政策を行うについて対処申し上げたいと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 それは、大きく機構が変わってしまいますので、是非、絶対にそういうことが起きないようにくれぐれもよろしくお願い申し上げます。  それで、学費の点がかなり法案の審議の中で出てきました。これは、何回も学費のことを言って申し訳ないんですが、百万から三百万、二百万以上、でも三百万掛かるということも否定されておりません。そうしますと、ロースクール三年間で学費だけで九百万掛かってしまう。しかし、学費だけでは大学院、行けませんから、これに生活費や本代やいろいろ入れますと五百万近く掛かってしまうのではないか。でも、御存じのとおり、離別母子家庭の年収は二百万を切るとも言われておりますし、今タクシーの運転手さんたちの平均年収も、全国的にとても、三百万少し上がるかどうかという統計もあります。物すごく今不況でもあり、様々な分野での年収が下がっている。そうしますと、子供に一年間五百万のお金を支出できる親というのは極めて限られると。  先ほど、平野委員の方から予備試験を拡大すべきだという意見があったのも、教育の機会均等の観点から、やはりロースクールがお金が掛かり過ぎると。法案審議の中で、奨学金や政府保証ローンの話や、いろいろ出ました。しかし、努力するという話はあったとしても、将来、ローンや奨学金がどういうふうなことになるのか、あるいはほとんどの人が受けられるのかという点についてははっきりした言質はどこからも出てきておりません。  ロースクールがスタートをすると、一部の人は奨学金が出るかもしれませんが、出ない人たちもかなり出てくると。育英会なども今もどんどんどんどんなくなっておりますので、そうしますと、結局このロースクールが高額所得者の子供のためになるのではないか。あるいは、無理して借金して、奨学金も返さなくちゃいけませんから、法律家になった時点で、裁判官、検察官、弁護士になった時点で一千万以上の借金をその人が背負っていると。そうしますと、幾らボランティアワークをしようとか思っても借金返済に追われるという事態が起きると思いますが、改めていかがでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘の点で、やはり資力の十分でない者は経済的理由から法科大学院に入学するということが困難になるということのないように、奨学金や教育ローンなど、学生に対する各種の支援制度の充実、これ大変重要でございます。私どもといたしましても、関係機関と相談しながらこの検討を行っていく必要はあるというふうに考えております。  具体的には、また来年度以降の話でございますけれども、現在ここで、どういう形でやるということは私どもも今持ち合わせてはおりません。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 奨学金やローンの問題については私たちも努力をしたいところです。  ただ、後段の質問である奨学金であれ政府保証ローンであれ、これは借金なわけですから、弁護士、裁判官、検察官になった時点で一千万以上の借金を背負う、この点についてはいかがでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 確かにそのとおりで、借金を負うわけでございますけれども、それは、その後の華々しい活躍をしていただきまして、その中で順次お返しをいただくと。生活がそれで駄目になってしまうような返し方ということはないというふうに私どもは思っておりますので、それは若干の御辛抱をいただきたいと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 検察官、裁判官は公務員ですし、弁護士も数が増え、別に事務所経営も含めてそんなに高額所得者とは思えないので、しかも法律家になったばかりで一千万以上の借金を背負うわけですから、これはなかなか、今までと全く違う局面が生じてしまうと。  まず、やる事件が自分の自己破産なんということはないとは思いますが、でもそういうこともありかねないということについて、逆に言うと、一千万以上の借金を背負って弁護士になることが本当に社会のためにいいのかという点についてはいかがでしょうか。つまり、弁護士が、依頼者というより自分の借金の返済の方で頭が一杯ということにはならないでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 確かに御指摘の点、大事な話でございまして、そういうことにならないように、返済時期とか利子の問題とか、本来のやるべき仕事、それを圧迫しないようなそういうような返済方法、こういうものを配慮していく必要があるというふうに思っております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案四条が、司法試験について五年間に三回しか受けられないということを規定をしております。  このことをこの間、連合審査で質問をして、ロースクールで例えば一千万以上お金を使って、ロースクールを出て試験を受けたが落ちてしまった。五年間に三回ですから、受験生は一、三、五と受けるか、初めの一、二、三を受けるか、実力を付けて最後の三、四、五年目に受けるとか、いろいろあるかもしれませんが、でも、三回受けたけれども落ちてしまった。それはやはり、かなり受かるといっても落ちる人はいるわけです。その場合どうなるんですかという質問をしたら、もう一回ロースクールに行けばいいというのが答弁だったんですね。またもう一回ロースクールに行って一千万以上お金を使ってということになりますと、本当に何をやっているのかと。  そのときに、なぜ五年間に三回という制限を設けるのかという質問をしたら、あたら人生を棒に振らないようにという答えでした。しかし、四回やることがあたら棒に振るかどうか分かりませんし、私はこの制限することは非常に問題があると考えます。  じゃ、本当に落ちた場合どうなるのかと聞いて、ロースクールに行き直せばいいとなると、受かるまでロースクールのはしごをして、三年間一千万ずつお金を使うみたいなばかなことになれば、ロースクールは本当に司法試験を受けるための、払う単なる機関になってしまいかねないかと。この制限は余り意味がないと。要するに、受け直すことだってできるわけですから、資格をお金で買うみたいな形にならないでしょうか。これは撤廃すべきではないでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 連合審査のときに、私の説明、若干足りなかったのかもしれませんが、私は、再チャレンジのときはロースクール、確かに受けて新しい資格を取るということも一つの方法であるというふうに申し上げました。  ただ、もう一つは予備試験を通って資格を取るということもあるわけでございますので、必ずロースクールに行かなければならないということではございません。そのまま独自できちっと勉強して、間を空けてもう一度、五年の間に三回というチャレンジをすることもできるということでございます。  この点につきましては、やはり一度、五年という期間のところで区切りを打って、そこで自分の人生をどっちへ行くのか、本当にそのままやるのか、それから別のところに転身をするのか、そういう物すごいいい機会にするということと、それから、やはりそれを設けないと、またロースクールに行って、受験者が滞留して、また予備校に行くとかということで長年やるということになっては今の弊害が全くぬぐい去れないということと、この二つから設けたということで御理解を賜りたいと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 ほかの試験でこの五年間に三回受けたらもうアウトというような規定を設けている法律があるのかどうか教えてください。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) それはございません。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 今、ないというお答えでしたが、確かにそうだと思います。  医学部は確かにほとんど通る、落ちる人ももちろんいらっしゃいますが、通るという面は違うかもしれません。しかし、何かやっぱり変な試験だなというか、多額のお金を使ってロースクールを出て、落ちて、三回しか受けられないと。ずるい、ずるいというか、真っ当にまたロースクールを受けたらもう一回また受けることができるわけです。  確かに、予備試験というものはあります。でも、この法案の審議の中で浮かび上がってきたのは、ロースクールを本当に充実させようと思ったら、もしかしたら予備試験をそんなに重要視しない方がいいのかもしれない。しかし、予備試験を余りに狭くすると、先ほど平野委員からもありましたように、ロースクールに行けない、経済的事情やいろんな事情から行けない人たちが予備試験しか、予備試験しかというか、予備試験に活路を見いだすということも具体的にはあるわけです。そうしますと、やはり予備試験とロースクールのこの数というか割合ということが非常に多くなると、もしロースクールがこんなに多額であるのだとすれば、私は予備試験をある程度、保障するというのも一つの考えかとも思いますが、いかがでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) ちょっと、先ほどからずっと答弁しておりますけれども、予備試験の方の枠を保障するということでございますが、これは私ども、そういうことは全く考えておりませんで、やはり法科大学院を修了した者と同等の力があるかどうか、それをテストするわけでございますので、それで受かる方は受かる、落ちる方は落ちるということでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 私は、あるとき弁護士の友人たちと議論していて、ロースクールになったら、「だから、あなたも生きぬいて」を書いた大平光代さんのように、例えば、たしか彼女は高校行っていらっしゃらなくて司法試験を受けたと思うんですが、そういう人も、じゃ弁護士になれなくなるじゃないですかというふうに言ったら、いや、そういう人も全部ロースクールに行ってもらうとか言われたんですね。  ですから、くれぐれも、予備試験が難しい試験になることは当たり前です。ロースクール三年分の勉強した人と同等の試験であることは私は当然だと思います。しかし、この中の議論で明らかになったように、ロースクールがそんなにやはり学費が高いものである以上、予備試験というものの枠も一定程度、保障する必要も教育の機会均等などから必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 確かに、苦労されて受ける方もおられるわけでございますが、予備試験の方は、それに関して受けることについて全く資格は設けておりませんので、どういう立場の方でも受けられるということになります。  これはテストでございませんで、受験資格を得るかどうかのところでございますので、そこで一定のものを設けるということになると、じゃ仮にその年、非常にできが悪かったとしたときに、そこの枠までは取らなきゃいけないということになりますし、それをはるかにオーバーした点数を取った方が一杯おられるときに切らなきゃいかぬということにもなるわけでございますので、それは私は余り適当な方法ではないと考えております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 司法試験管理委員会の廃止と司法試験委員会の設置についてお聞きをいたします。  司法試験管理委員会は、三条委員会だったことを、今回、法務省の中にある司法試験委員会というふうにするわけですが、この点について、より独立性が低くなるという気もいたしますが、いかがでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 確かに、今回、三条委員会から八条委員会にということになるわけでございますが、これは若干内容が今までの司法試験管理委員会と変わるわけでございまして、委員の構成でございますけれども、これは法曹三者に加えまして学識経験者を入れるということと、所掌事務といたしまして、司法試験等の実施に関する重要事項についての調査審議、それから大臣への意見具申、いわゆる審議会機能を加えるということでございます。そういう意味では正に八条機関にふさわしいというものでございますので、そういう位置付けをしたわけでございます。  独立性の問題でございますけれども、これに関しましては、これは合議制の機関でございまして、その意思決定は法務大臣から独立して行われるものでございます。これは改正法の十三条二項等をごらんいただきたいと思います。また、法務省令の制定、改廃等に当たりましても、同委員会の意見を聞くということにしております。これは改正法の六条でございます。そのほか最終的な試験の合否の判定でございますけれども、これは司法試験考査委員、これの判断を尊重して行うということになっているわけでございまして、独立性は保たれているということでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 弁護士委員の選任について、日弁連からの推薦が要件とされていない十三条について、これは推薦を要件としないのでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) この改正の理由でございますけれども、司法試験委員会の委員の立場でございますけれども、それぞれの所属する省庁や機関等の利益代表ではないということでございまして、実務法曹の一員あるいは学識経験者として参加するというものでありまして、そういうことから、弁護士である委員についても、その所属する弁護士会あるいは日弁連の利益代表としてではなくて、実務法曹の一員として参加をしていただくということからこのように変えたわけでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 司法研修所についてお聞きをいたします。  司法修習生の給与などはどうなるのでしょうか。つまり、私たちが修習生だったときは、たしか公務員の初任給のお金がもらえたのですが、もしこれがなくなると、さっき言った一千万の借金を背負い、ロースクールから司法試験合格までの半年間も収入がなく、研修所に入ってまた借金をしと、ずっと借金し続けるということになるわけですが、この点はどうでしょうか。  また、司法試験そのものが確かに資格試験ではないんですが、研修所、一年間ですか、研修、修習しなくてはいけないことからある種のキャパシティーが必要だというふうに考えますが、給与、それから人員の収容について、収容というと言葉──人員についてどうお考えでしょうか。

山崎潮司法制度改革推進本部事務局長

○政府参考人(山崎潮君) 給与の点については今回、御審議の対象になっておりません。これは、私どもの検討会の方で一応の意見の整理がされておりまして、これからまた具体的に進めるということでございます。  それの内容は、法科大学院制度を含めた法曹養成制度全体を視野に入れつつ、貸与制等の代替措置の導入を含め給費制の在り方を見直すことについて検討するというような意見の整理が行われておりまして、これから具体的にその検討を進めていくということでございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 時間ですので、終わります。

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより両案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案及び司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案に対し反対の立場から、社民党を代表して討論を行います。  まず、法科大学院連携法案第二条「法曹養成の基本理念」が、基本的人権の尊重や法の支配ではなく、規制緩和路線の一環として位置付けられているという点が極めて問題です。そもそも法曹養成の基本理念について大変疑問のある法案となっております。  二つ目の問題点は、この法案審議の過程の中で、法科大学院の授業料が高額であるということ、それが借金となって法曹になったときに掛かってくるということが明らかになりました。  確かに、奨学金等について強い要望も出て、努力する旨の答弁も確かにありました。しかし、現段階において奨学金がどれほどの規模になるのか、その他について全く明らかになってはおりません。今分かっていることは、法科大学院に行くためにかなり多額の授業料を払わなければならず、それが、ともすれば教育の機会均等を侵害するのではないかという懸念はいまだもってぬぐい去られてはいないというふうに考えております。  また、三点目の問題点は、予備試験をどう位置付けるかです。  予備試験について、これが、確かに法科大学院の育成は極めて重要ですが、予備試験の合格者数が余りに低くなりますと、結局、前述した第二の問題点、教育の機会均等の立場から、経済的な理由から法律家になれない大量の人たち、もう初めからあきらめてしまうという人たちを大量に生んでしまうのではないかというふうに思います。そのことは日本社会の中での大変なやはり損失であり、活力という点でも問題ではないでしょうか。少なくとも教育の機会均等という点について重大な問題が将来、発生し得る点について大きな疑問点を感じております。  第四点目は、司法試験の受験回数が五年間に三回と極めて限られていることです。この点も問題があると考えます。また、法科大学連携法案五条、それから六条三項と大学の学問の自治との関係でも、本当に払拭できるかという疑問もあります。  二つの、二法案の審議の過程の中で様々な疑問について完全に払底したとは言えず、将来についてかなり危惧感を持っております。  以上が反対の理由です。

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) 他に御意見もないようですから、両案に対する討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、千葉景子君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子君。

千葉景子民主党・新緑風会

○千葉景子君 私は、ただいま可決されました法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案及び司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律案並びに司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、両法の施行に当たり、次の事項について格段の努力をすべきである。  一 法科大学院を中核とする新たな法曹養成制度の構築及びその運用に当たっては、プロセスを重視した司法制度改革審議会の意見を踏まえ、充実した教育を確保し、国際的にも通用し得る専門的な能力及び優れた多様な資質を有する多数の法曹の養成に努めること。  二 法科大学院の設置基準の策定、設置認可及び評価制度の運用に当たっては、各大学の創意工夫を尊重し、多様な人材を幅広く受け入れ、自由かつ柔軟で特色ある教育が行われるよう配慮するとともに、実質的に対等な条件の下で認証評価機関相互の公正な競争が確保されるよう民間の認証評価機関についての財政支援等に努めること。  三 新しい司法試験制度の実施に当たっては、法科大学院における幅広く多様な教育が適正に評価されるものとなるよう努めるとともに、司法試験予備試験の運用については、予備試験が経済的事情等の理由により法科大学院を経由しない者にも法曹資格取得の道を確保しようとするものであり、法科大学院が法曹養成制度の中核であるとの理念を損ねることのないよう十分配慮すること。  四 資力の乏しい者にも公平に就学の機会を確保するとともに、法科大学院在学中充実した教育が受けられるよう、法科大学院の学生に対し、既存の奨学金制度等の拡充や民間資金を活用する等新たな公的財政支援策の創設にも努めること。  五 法曹実務家が法科大学院の教員として安定的かつ継続的に参画することを可能にするため、所要の措置を講ずるよう努めること。併せて、教員の能力開発及びその養成について十分配慮すること。  六 法科大学院の設置については、地方における就学の機会を確保するとともに、弁護士の地域的偏在を解消し国民の司法へのアクセスを容易にするとの観点から、関係者の自発的創意を基本としつつ、全国的に適正配置となるよう財政措置を含め配慮すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、森山法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森山法務大臣。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) 会社更生法案及び会社更生法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を一括して議題といたします。  両案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。森山法務大臣。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) 最初に、会社更生法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  現行の会社更生法は、昭和二十七年に制定されたものであり、昭和四十二年に手続の濫用防止等の観点から一部改正がされましたが、その後は、特段の見直しがされることなく現在に至っております。しかし、この間の社会経済情勢の変化は著しく、とりわけ近年は、会社更生法がその利用対象として想定する大規模な株式会社の倒産事件が激増している状況にあります。このような状況の下で、現行法の規律する更生手続に対しては、手続開始の申立てから手続終結に至る各段階の手続が厳格に過ぎ、更生計画の成立に時間が掛かり過ぎるとの批判や、企業再建のための手法をより一層整備すべきであるとの指摘等がされております。  そこで、この法律案は、現行法の全部を改正して、経済的に窮境にある株式会社について、その事業の維持更生をより一層合理的かつ機能的に図ろうとするものであります。  この法律案の要点を申し上げますと、第一は、更生事件の土地管轄規定を緩和したことであります。現行法では、更生事件の申立ては、更生会社の本店所在地にある地方裁判所にしか許されておりませんが、改正法では、処理体制の整った東京地方裁判所又は大阪地方裁判所への申立てを一般的に認め、管轄裁判所の範囲を拡大しております。  第二は、更生手続開始前における更生会社の財産保全の措置を充実させたことであります。更生事件の申立てがされますと、債権者の強制執行等により、手続開始前に更生会社の財産が散逸するおそれがありますが、改正法では、債権者の強制執行等を全面的に禁止する包括的禁止命令の制度を創設するなどして財産保全の措置を充実しております。  第三は、更生手続の開始要件を緩和したことであります。現行法では、裁判所が更生手続開始の決定をするには、更生の見込みがあるか否かを判断しなければなりませんが、改正法では、手続開始の遅延を防ぐため、裁判所によるこのような経営的予測判断は不要としております。  第四は、更生手続開始後の手続を簡素かつ合理的なものに改めたことであります。更生手続が開始されますと、更生会社の債務の総額を確定し、その財産状況を調査した上、更生計画を立案し、債権者の多数の同意を得て、その成立を図るという一連の手続が必要となりますが、改正法では、これらの手続をできる限り簡素かつ合理的なものに改めて、その迅速化を図っております。  第五は、更生計画案の早期の提出を義務付けたことであります。現行法では、管財人等が更生計画案を裁判所に提出する期限について特段の規律はございませんが、改正法では、更生計画案の提出期限を更生手続の開始から原則として一年以内と限定することとしております。  第六は、更生計画案の可決要件を緩和したことであります。現行法における更生計画案の可決要件は厳格に過ぎるとの批判があることから、改正法では、更生計画の早期成立を図るために、更生計画案の可決要件を緩和しております。  第七は、更生会社の再建のための手法を整備したことであります。改正法では、担保権の設定された物件の早期売却等を容易にする担保権消滅制度や手続の早期段階における営業譲渡を裁判所の許可により認める制度等を設けて、企業再建のための手法をより強化しております。  なお、この法律の制定に伴い、最高裁判所規則の制定等所要の手続が必要となりますので、その期間を考慮いたしまして、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  続いて、会社更生法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、会社更生法の施行に伴い、証券取引法ほか二十六の関係法律について規定の整備を行うものであります。  以上がこれら法律案の趣旨であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決くださいますようお願いいたします。

魚住裕一郎公明党

○委員長(魚住裕一郎君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。  両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十一分散会

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