内閣委員会 第9号
- 発言数
- 285 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/12/03
会議録
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、松井孝治君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 構造改革特別区域法案審査のため、本日の委員会に政府参考人として、内閣官房内閣審議官中城吉郎君、内閣府政策統括官坂篤郎君、同岩田一政君、同安達俊雄君、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長楢崎憲安君、法務大臣官房審議官四宮信隆君、外務省経済局長佐々江賢一郎君、財務大臣官房審議官藤原啓司君、文部科学大臣官房審議官有本建男君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、同高等教育局長工藤智規君、同高等教育局私学部長玉井日出夫君、同研究振興局長石川明君、厚生労働省医政局長篠崎英夫君、同老健局長中村秀一君、農林水産大臣官房審議官坂野雅敏君、同林建之君、農林水産省農村振興局次長北原悦男君、国土交通省国土計画局長薦田隆成君、同自動車交通局長丸山博君、同海事局長徳留健二君及び同港湾局長金澤寛君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 構造改革特別区域法案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。 鴻池大臣、米田副大臣、本当に御苦労さまでございます。 鴻池大臣は沖縄開発庁の政務次官、二期連続なさっておられますし、御子息は沖縄からお嫁さんをいただいて、非常に沖縄に縁の深い大臣でございますし、大変心強い思いをして、私は大臣の就任を心から喜んだ次第でございます。 また、米田副大臣には、せんだって、美ら海水族館のオープンの席にもおいでをいただいて激励をしていただきました。心から感謝を申し上げたいというふうに思います。 さて、この十一月の二十八日に本委員会が開かれまして、この法案の目的等あるいは理念等についてかなり突っ込んだ議論がなされたというふうに私は理解をいたしております。ですから、今日はそういう意味でちょっと変わった角度から質問をさせていただきたいというふうに思うのであります。 鴻池大臣の語録がございまして、こういう大臣の語録から、少し大臣のお考えなり信念なりを是非聞かせていただきたいというふうに思うのであります。 鴻池大臣の語録がございまして、その中でお好きな言葉が二つほど入っておるようでございますから、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) おはようございます。今日も一日よろしくお願いを申し上げます。 インターネットか何かでごらんいただいたのかもしれませんが、私は一期一会という言葉を大変大事にさせていただいておりまして、もう一つは、政治家として、信なくば立たずという言葉も大事にしているものでございます。 一期一会というのは、勉強不足でございますが、元々仏教の言葉だそうですけれども、お茶の心得というか、一服のお茶を前にして、それをいただく、それを差し出す亭主と、いただく客という、この一瞬、二度と巡ってこない一瞬だから大切にせよというその心。実は私、三十二、三歳のころにある一つの組織に入っておりまして、私より少し年上の人に随分大事に私の仕事をカバーしていただいたことがありますが、その人が私と別れて三十分後に自動車事故でコンクリートの電柱にぶつけて亡くなってしまいました。何とその男に対して私は不遜な態度をしておったんだろう、何と別れ際にしっかりと握手をして気を付けて帰れよと、こういう言葉を掛けなかったんだろう、そういう反省が今もしております。出会った瞬間をやはり大事にしなければならないという反省の上に、私は一期一会という言葉を生涯大切にして人とお付き合いをしていかなきゃならぬというふうに思っておるものでございます。 また、もう一つの信なくば立たずという言葉でありますけれども、これはもう申し上げるまでもなく孔子の政治の要諦でございまして、大事なものは民を守るための兵馬である、軍事である。大事なものは民を守るための食料である、食である。しかし、この二つを捨ててでも守らなければならないのは国民、民と政治との信頼関係である。この信頼関係がなくなれば国家は成り立っていかないという、二千年前の孔子の教えというものは今も非常に大事なものだと私は思っております。そういう意味で、信なくば立たずというものを自ら律するためのものといたしておるところでございます。
○西銘順志郎君 私も一期一会という言葉が大変大好きでございまして、人との出会いを大切にするという観点から、政治家としてそういう心構えが大事なんだろうなというような思いで今、大臣のその言葉を聞かせていただいたわけでございます。 大臣の語録の中にこれちょっと興味深いものがあったものですから、これは大臣の立場として発言されたものじゃないというふうに理解しておりますので、お許しをいただきたいというふうに思います。 中小企業、零細企業を見捨てない政策を打ち出そうと。これは意味のないODAで巨額の税金を使わず、日本国内で使えと。グローバルとか規制緩和とかに熱心になり過ぎると中小零細企業、町の商売人が消えてしまう、日本が消えると。弱肉強食の経済を許してはならないというような発言もあるわけでございますけれども、これはもう大臣の立場じゃないというのは重々承知をしておりますので、その辺の真意等をお聞かせをいただきたいなというふうに思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 今も私はその思い、信念には変わりはございません。私自身、二十九歳から小さな会社の経営者と相なりました。まあ、小さいか大きいかは人によって判断が違いますけれども、百名の従業員の港湾運送事業という、船の中に人に入っていただいて、船から荷物を出して、一般的には「花と竜」の世界の仕事でございましたけれども、そこの経営者として長年勤めました。今はもう全く関係ございませんけれども。そこに働く人々というのは本当に真っ黒になって、汗みどろになって、船室、船内に入って、あるいははしけに乗って日々の糧を得ている人たちであります。それをおやじ、おやじと言われながら守っていくのが中小企業のおやじの仕事であると私はずっと今も思っておるわけであります。 この中小企業というのは日本にどれだけあるかといいますと、九〇%近く、いわゆる企業の中の中小企業、零細企業と言われているのは、百ある企業の中の九割がそういう百人未満とかあるいは五人、六人でやっている企業、仕事なんです。働いている人の九五、六%がその中小企業で働いている。大企業で働いている人はわずか数%だと私は思うんです。 ですから、中小企業が元気にならないことにはこの日本は元気にならない。中小企業の資金繰りさえうまくいけばこの日本は元気になる。中小企業のおやじが月に一遍でもゴルフに行く。二月に二遍でも三遍でも中小企業のおやじが従業員と一緒に焼き鳥を食う、焼き肉を食う。こういう活力があって日本の国というのは全体に活力が出るものだと私は思っております。 それが今、全く力がなくなってきた。いろんな会合にも出なくなってきた。もちろん焼き鳥屋にも行かない。これではいかぬと私はずっと思い続けております。中小企業の資金繰り、これは手形の顔も見たこともない人が金融、財政をやっている、これではいかぬと思う。分かっている人の意見を聞いてほしい。このように私は今も批判的に思っております。 この中小企業の金繰りの悪いときに、何となく、人から言われたり、恒例だと、あるいは毎年やっているからといって、ODA、まして感謝をされないところにODAを出す、ODAで金を使うと。それならば中小企業に、日本の国内で金を使った方がいいんではないか。今、大臣の立場であろうと何の立場であろうと、その思いは変わりません。
○西銘順志郎君 国際問題調査会等でも、ODA大綱というのがございまして、そういう軍事大国には出してはいけないというような条項もあるわけでございますから、私どもも、そういう使い道に関してはいろいろ意見も言わせていただきたいなというふうに思っておるわけでございます。 次に、大臣、これも一つの考え方だろうと思うんですけれども、テレビ番組について大臣が御感想を述べておられる。最近のテレビ番組は質の低い番組が多く見られ、日本人のたくましい精神を骨抜きにする戦勝国の作戦が今も続いているのではないかというような発言があるわけでございます。 実は、私もこういう話を何回か聞かされたことがございまして、戦勝国が日本の文化を破壊するためにスリーS作戦をやったんだ、スポーツとスクリーンだと、もう一つはあえて言いませんけれども。現状の世の中を見るときに、さもありなんというような感じがしてなりませんが、大臣、どうですか、今のお考え。やっぱりそのまま、そういうお考え持っておられるでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) これも私、今の考え方と変わりません。余りにもばかげた番組があって、しかしそれを喜々として見ている大人も青年もいる、あるいは子供もいるということに背筋が寒くなる気がいたします。 しかし、残念ながら、こういう自制とか節度とかといったことがマスコミにない、また、それに対して企業も広告費を出して、PR費を多額に出して見てもらう番組を作っていくと。この辺りは私は、正にぐるぐるぐるぐる、犬が自らのしっぽをくわえながら、がけっ縁に進んでいるような気がしてなりません。これをそれじゃ、どうするのかと、こう問われれば、マスコミに対する毅然たる態度を取る、企業に対する態度を取る。しかし、余りにも言論の自由というもの、履き違えた自由というものが横行し過ぎている、私自身はそのように思っております。 行き着くところは、やはり私は家庭教育にあるのではないかと。一歩外へ出ればそういうものがはんらんしておる、そういう中で、家の中でやはり自律とか節度とか、日本本来のあるべきそういうものを教えていくべきではないかと、このように思っております。
○西銘順志郎君 ありがとうございました。 大臣の政治家としての考え方等について質問させてもらいましたけれども、構造改革特区、あるいは、今日は米田副大臣おいででございますから、沖縄の振興に絡めてお伺いをさせていただきたいというふうに思うのであります。 御案内のとおり、沖縄県は今年復帰三十周年を迎えたわけでございます。 先日の当委員会の質疑の中でもございましたけれども、沖縄振興特別措置法というものが今年の三月三十一日に、与野党の先生方、全会一致で成立をさせていただいたところでございまして、本当に心から感謝を申し上げる次第であります。また、この新しい法律に基づいて振興計画、さらに、この振興計画に基づいて分野別の計画も相次いで作成をされたところであるわけでございまして、私は、これは沖縄の二十一世紀の方向と申しますか、枠組みと申しますか、そういうものがしっかり整ったというふうに理解をしているところでございます。 そういう中で、十一月の十七日に沖縄県の知事選挙が行われたわけでございまして、現職の稲嶺知事が圧倒的な票差で再選をされたわけでございます。この分析等はここでは控えたいというふうに思うわけでございますけれども、やはり私どもが訴えてきたことが、稲嶺知事の四年間の実績というものが大変高い評価を得たのではないか、政府との関係がうまくいっているんじゃないかというような評価を私は沖縄県民がしていただいたというふうに思っておるわけでございます。 しかしながら、沖縄の経済社会といいますか、そういうのはまだまだ非常に厳しい状況にあるわけでございまして、失業率も今年は九・四%、本土平均の約二倍弱でございます。それから、せんだってもございましたけれども、県民所得の方も全国平均の依然として七〇%というような状況でございまして、この辺の数字は、もうここ四、五年ずっと変わっていないわけでございます。 そういう中で、この新たな振興計画に向けて、内閣府沖縄担当大臣、米田副大臣がどのような取組をなさっていかれるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(米田建三君) お答えをいたします。 西銘先生御指摘のとおり、沖縄の県民所得は、一人当たり全国平均の約七割の水準にございます。また、失業率も高いわけでありまして、今後の沖縄の更なる発展を図るためには、産業の振興とそれから雇用の創出、これが不可欠であるというふうに認識をしております。こうした中で、本年、これは九月の数字としまして九・四%という高い失業率であることがはっきりと認識をされたわけでありますが、ちなみに十月現在では八・六%に失業率は下がっております。しかしながら、政府としては、内閣府としては、厳しい雇用情勢にあることは変わりがないと、こういうふうに考えております。 そこで、去る十一月八日でありますが、産業・雇用対策連絡会議を開催いたしました。関係省庁及び沖縄県と連携をして、沖縄振興計画及び職業安定計画等の分野別の諸計画の着実な推進を図ることをその場で確認をしたわけであります。また、加えて、産業・雇用対策の追加的実施を図ることともいたしました。現在、求職者と求人企業のマッチングを図るための施策など雇用対策の拡充強化を中心に、極力早期に決定をいたしたく準備を進めておりまして、十二月六日には沖縄政策協議会でその取りまとめを行いたいというふうに考えております。 また、これと並行しまして、補正予算を活用した諸措置につきましても、産学共同研究の推進、また沖縄振興開発金融公庫出資金、公立学校施設整備、構造改革推進型の公共投資の促進などを内容といたしまして、現在、鋭意検討を進めているところであります。この補正予算を含めまして、産業・雇用対策の追加的な対応につきましては、三百億円規模のパッケージにできればというふうに考えております。 また、平成十五年度予算は計画策定後初めての当初予算となります。そこで、自立型経済の構築等に向けまして、観光リゾート産業、それから情報通信産業など、沖縄の優位性と特性を生かした産業の振興、また新大学院大学設立構想の推進など、科学技術の振興等の諸施策を積極的に進めるべく、補正予算とも相まって所要の予算が平成十五年度におきましても確保できるよう最大限の努力をしたいというふうに考えております。 以上でございます。
○西銘順志郎君 十五年度の予算編成についてもお伺いしようというふうに思っていたんですが、副大臣、ちゃんとお答えをいただきまして本当にありがとうございました。 構造改革特区と、まあ沖振法と呼ばせていただくわけでございますけれども、これの連携について少しお伺いをさせていただきたいというふうに思います。 沖振法で定められた沖縄の場合の情報通信産業特区あるいは金融特区というのは、これは税制面で非常に優遇措置がなされておるわけでございます。しかし、鴻池大臣担当の一般構造改革特区は、補助金や税の減免といったものはこういう財政措置に頼らない特区だというふうに理解をしておるわけでございます。しかし、沖縄県にはこの二つの制度があるわけでございまして、これは地域の特性を産業の振興につなげようという観点からすると一致したものであるというふうに理解をしております。 そういう中で、せんだっての本会議でも細田大臣が、この二つの制度をうまくちゃんと違いを認識しながらでも相乗効果を高めるために活用した方がいいんではないかというような答弁があったわけでございますけれども、鴻池大臣と米田副大臣のその辺についての御見解を賜りたいというふうに思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) もう委員御理解のとおりとしか申しようがございません。 既に御存じのとおり、この特区の構想の中には、従来型の財政措置は講じない、当然、税についてもそういう特例措置は講じないというのが大原則でございまして、民間のあるいは地方の熱意とすばらしいアイデアを期待するというところでございますけれども、沖振法との関連につきましては、是非ともこれを組み合わせてすばらしい御提案をちょうだいできたらと期待をいたしているところでございます。
○副大臣(米田建三君) 西銘先生御指摘のとおりの仕分になっているわけでありまして、既存の特区、これまでの考え方の特区は、これは税制の特例措置、これらを中心とするものであります。一方で、新たに規制緩和中心の構造改革特区というものについての考え方が今、鴻池大臣中心に政府としても考え方の取りまとめを急いでおるところでありますが、沖縄においてしからばどういう関係にこの両者がなっていくのかというお尋ねであろうかと思いますが、これは今、大臣がお答えのとおり、沖縄の地域特性をしっかり見詰めながら、両方の特性が相互補完又は相乗効果をもたらすような、そういうきめの細かい物の見方、配慮というものを政府としてもきちんとやっていかなきゃならぬだろうと、そしてそのことによって沖縄の振興発展に大いに両方の考え方が寄与することは間違いがないというふうに確信をしております。
○西銘順志郎君 今回の構造改革特区の中で沖縄県から六つの提案がなされたというふうに資料の中でも出ているわけでございます。しかし、その中で認めていただいたのは三件だというふうに理解をいたしておりますが、例えば那覇港フリーポート特区あるいは沖縄自由貿易特区等の六件が提案をされて、この那覇港のフリーポート特区は、これは港湾施設の民間への貸付け、通関、検疫の二十四時間化、三百六十五日化が特例として認められたというふうになっております。那覇港は国際物流拠点あるいは国際観光交流拠点としての機能の強化を通じてアジア太平洋のゲートウエーになることが期待されているというふうにうたわれておるわけであります。 私は、政府が本法案成立後に構造改革特区基本方針を速やかに作成をしていただいて、沖縄県から出された特区の計画を認定していただいて、特例措置の適用ができるだけスムーズにできるように努力をしていただきたいというふうに思うのでありますけれども、当局のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。 地方公共団体は、法案に基づきまして閣議決定される構造改革特別区域の基本方針というものを踏まえまして、構造改革特別区域計画というものを作成しまして内閣総理大臣に認定申請するということになっております。この基本方針につきましては、内閣官房におきまして速やかに原案を作成し、関係省庁と所要の調整を行った上で一月中には決定を行うというふうに考えております。 その際に、基本方針におきまして講ずべき規制の特例事項の内容や認定基準といったものを分かりやすく提示するということと同時に、申請様式の記載要領なども整備しまして、地方公共団体における申請がスムーズに行われるようにしたいというふうに考えております。 なお、認定申請の受付については、法案の規定に基づきまして平成十五年四月一日以降に計画の申請を受け付けるということになりますが、その処理期間につきましては、法案におきまして「内閣総理大臣は、認定の申請を受理した日から三月以内において速やかに、認定に関する処分を行わなければならない。」というふうになっているわけであります。しかし、特区制度が経済活性化対策の重要な柱である、その一つであるという認識に立ちまして、申請を受けた計画につきましては関係省庁の協力の下で可能な限り迅速に対応してまいりたいというふうに考えております。
○西銘順志郎君 ただいまのは特区に盛り込まれた規制の特例の扱いについてでございましたけれども、これで外れた部分、提案して要検討だと言われた部分が三点ばかりございますが、もちろんこれはなぜ外されたのかという理由等も明記されて地方の方にバックしていくと思うんですが、これは再提案をするときにこういうものをクリアすればもう一度同じような趣旨で改めてできるんでしょうか、大臣。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 当然、もう一度精査をしていただきまして、これなら行けるというものをお作りいただいて出していただければ再検討をしなければならないものであるというふうに思っております。ただ、誤認ですね、間違った解釈されておるとか、特区に関しては先ほど申し上げましたように税制措置あるいは財政措置というものは講じないということに相なっておりますので、それにかかわるものに関しましてはやはり、理由を申し上げますけれども、再度お返しすることになるかもしれません。しかし、御検討をいただきまして、更に工夫、創意を加えていただいて御提出をいただくものにつきましては大いに歓迎をしたいと思っております。
○西銘順志郎君 先日の委員会でも各省庁のいろんな抵抗が強いというのは、大臣よく答弁をされていただきましたので、是非、これから沖縄県も新たな提案をしてくるというふうに思っています。残りの特区についても是非、大臣の後押しをお願いを申し上げたいし、内閣府の本当に米田副大臣にも是非ともバックアップをしていただきたいとお願いをさせていただきたいというふうに思います。 米田副大臣、ちょっと通告はしていなかったんですが、こういう特区の扱いについて沖縄総合事務局がどのような役割を果たすことができるんだろうかというような、ちょっと通告はしていなかったんですが、もしそういうことでお答えいただけるのであれば欲しいなというふうに思います。 大臣の再度の決意をお願いして、質問を終わらせていただきます。
○副大臣(米田建三君) 沖縄総合事務局は、沖縄の現地におきまして長い歴史を経ながら一生懸命直接の情報あるいはきめの細かい具体的な状況の把握等、日夜努力をしておるセクションであります。沖縄総合事務局の役割というものは、今、ただいま申し上げたような、現地に所在をし、そして沖縄現地の状況を最もよく知り得る立場にあるというこの立場を生かしながら、政府全体の中での関係各セクションとの調整をしっかり行うためのそういう出先の役割をこれまで以上にしっかり努めてもらうことにより、所期のただいま持ち上がっている様々な構想の推進のための貢献をしてもらうと、こういう位置付けであろうというふうに考えております。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 冒頭、委員から御披露ございましたように、私の五人おる孫の二人が沖縄の血を半分ちょうだいをいたしております。それとは全く関係なく、私は沖縄というところは青い海、青い空、大変すばらしい自然環境がありますし、沖縄県から東京との等距離で、上海、ソウル、香港等々、アジアの中心的な場所に位置していると思います。 そこで、私は特区構想というものを先駆けてやっていく最適の場所ではないかと、このように心得ておりますので、いろんな諸問題を抱えておるこの構想の振興でございますけれども、しっかりと各省庁にお願い、働き掛けをいたしまして、御期待に沿うべく努力をしたいと考えております。
○西銘順志郎君 ありがとうございました。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。 前回に引き続いて、この法案の今日は具体的な特区構想の中身についてもお尋ねをしたいと思っております。 この特区の言わば事業の運営主体といいますか経営主体といいますか、これについて様々な議論が行われてまいりました。その中で、株式会社を経営主体として認めるべきかどうか、参入を認めるべきか、こういう議論があるわけでありますが、この法律におきましては、教育と医療の分野においてこういう参入を認めないという残った部分になっているわけであります。この点についても、衆参の委員会でもいろいろな質疑がなされているわけでありますが、あえて確認的にお伺いしてまいりたいと思います。 まず、教育の分野において、この学校経営の主体に株式会社という主体を、参入を認めない理由というのは本質的にどういうところなんでしょうか。まずお伺いいたします。
○政府参考人(工藤智規君) 四点ほど申し上げさしていただきたいと思いますが、一つは、日本の大学、いろいろございまして、しっかりしている大学があれば、なかなか評判がよろしくないところもあるのでございますが、いずれにしても、総体としまして、今、国際競争にさらされてございまして、要は教育研究の質を上げるのが大事でございます。そのため、先般、国会でも御審議いただきまして、学校教育法の改正によりまして設置後の事後的なチェック体制の充実をお願いしたところでございますが、株式会社というのは御承知のように利益追求と私的分配を基本としているわけでございますが、営利企業でその投資が教育研究条件の改善充実に来せるような保証があるかどうかとなりますと、不安なしとしないところでございます。 御承知のように、教育基本法でも学校教育は公の性質を帯びるものとされてございまして、その規定の下で、日本の公教育制度の一環としましての大学あるいは学校について設置者要件を学校教育法で規定しているわけでございまして、あえて株式会社の参入というのはいかがなものかというのが一つございます。 もう一つは、学校経営の安定性、継続性という問題でございまして、例えば、先般、残念ながらダイエーが経営不振に陥りまして、福岡ドームをどうするかということも御議論になったようでございますけれども、ダイエーが設立母体でございます学校法人で中内学園という学校法人がございます。あれが学校法人でなければ、その経営不振の一環として、じゃ、その学校を閉鎖するか、廃校するかということもやはり世上騒がれた可能性があるわけでございますが、一応現在の設置形態の下である程度の安定性、継続性が図られているという状況にあるのでございます。 三つ目として申し上げたいのは、雇用の増大のためにも株式会社参入というのが魅力的ではないかという御意見もあるやに伺っているのでございますけれども、現在、国公私含めまして、しかも四年制大学、短大含めますと約千三百校の学校がございます、大学レベルでございますが。今、十八歳人口が減少している中で、学校、かなり過飽和状態に近いという状況にございまして、むしろそのほとんどが、中小企業と言っちゃなんでございますが、かなり小規模な学校が多いのでございますけれども、安易な資本での株式会社、営利企業の参入で、むしろこれまでの学校経営の安定性といいますか、雇用不安が生じる可能性もなしとしないのではないかという気もしているわけでございます。 いずれにしましても、四つ目で申し上げますと、日本の学校法人という制度は世界に冠たる民間参入の仕組みでございまして、現に株式会社でも、トヨタとかソニーとか、あるいはコニカとか、いろんな企業が、株式会社がお作りになって学校経営に参入できる仕組みになってございます。学校法人の作り方について、そのハードルは高いとは思ってございませんけれども、むしろ学校法人をより作りやすくすることによって一層民間参入の道を開いていくというのが適切ではないかと考えているところでございます。
○山口那津男君 今四つほど理由をお述べになりましたけれども、まず最初のその公共性といいますか、教育の公の性質ということを強調されました。しかし、教育基本法で言うところの公教育というのは、教育の中身、教える中身とか、こういうことについてはあり得たとしても、その経営の在り方ということについてまで学校法人と株式会社で本質的な区別、差別をしているんでしょうか。私には到底そうは思われない。むしろ、これは別な面から言えば、資金調達の面で異なるものはあるけれども、それは、より何というのかな、どちらにも長短があるわけでありまして、本質的な区別とは言えないのではないかというふうに思うわけでありますが、この点についてどうお考えになりますでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 教育基本法では、御存じのとおり、国、地方自治体又は法律による特別の法人のみが学校を設置できるということは、公の性質を帯びる公教育の設置主体として、一定の安定的な人格といいますか設置主体を求めているものと理解してございまして、これを受けまして、学校教育法の一条では、国、自治体のほかに学校法人のみがこれを設置できるというふうにしているわけでございます。 いろいろ違いがございますけれども、例えば株式会社ですと最低資本金は一千万で設立できるわけでございますけれども、学校法人の場合は、教育研究の遂行に必要なある程度もう少し大きな規模の基本財産、資産等を求めておりますとかございます。それから、資金調達の面でいいますと、学校法人も一定の収益事業でございますとか学校債の発行、債券の発行などもできることになってございまして、言わば民間的な手法による経営というのは十分できる中で公の性質を帯びる法人として制度設計されているものでございます。
○山口那津男君 憲法には教育の権利とか義務とかという保障があります。ですから、これは国民が求める教育について機会均等を図る、そして言わば国民としてミニマムな教育を受ける機会を保障するということは絶対に必要だろうと思います。 そういう意味での公の性質というのは理解しやすいかと思いますが、またそれを超えた、より自由なより個別的な教育サービスを求めるというところも一方では保障しなければならないんだろうと思うんですね。そういうことを考えますと、私は、学校法人の運営を弾力化して限りなく自由度を認めていくというのも一つの方向でありますけれども、株式会社という経営方法を絶対に認めないという、かたくなに考える根拠も希薄ではないかというふうに思います。 さてもう一つ、その二番目の理由として経営の安定とか継続性とかということを言われるわけでありますが、これは学校法人という形態を取らなければ絶対に守れないものかどうかというところも怪しいのではないでしょうか。先ほどダイエーの関係で学校の例を挙げられましたけれども、また、現に学校法人の形態を取っておりましても、その経営はでたらめであったり継続されなかったり、あるいはこの少子化の現象の中で廃校を余儀なくされると、こういうところもどんどん出てきているわけでありまして、この安定性、継続性というのは学校法人と表裏一体のものとは必ずしも言えないと私は思うのでありますが、その点いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) それはおっしゃるとおりだと思います。相対的なものだと思います。学校法人でも、経営陣といいますか運営体制によりましていかがなものかというのはあるわけでございますが、他方で、株式会社ですと安定的かとなりますとなかなかそうもいかない部分があるのではないかと思います。 それと、学校法人の場合は、一定の収益事業、あるいは収支決算で残余財産が出た場合の処分の在り方につきましては、それを私的に処分するのではなくて、教育研究のため、学校運営のためにお使いいただくという仕組みになっているわけでございますが、株式会社の場合は、御承知のように株主への配当という個別の分配機能が基本にあるわけでございまして、それとともに、先ほど申しましたように、いざという場合の資産の保有状況が、より株式会社の場合は少額のもので参入できますけれども、学校法人の場合はもう少し安定的な運営ができるようなものを求めている制度設計になっているのでございます。
○山口那津男君 今のようなお話ですと、例えば株式会社だって一定の資本金の規模とかそういう条件を付けることだって可能だろうと思いますね。ですから、株式会社だったら小規模になる可能性があって安定を損なう、これもまた論拠のない言い分だと思います。 それから、利潤追求してもうけを配当してしまうと、そこばかり指摘されるわけでありますが、この利益の処分というのはむしろいろいろと決定する可能性があるわけでありまして、学校法人だからといってその利益といいますか、余った部分を必ずしもすべて再投資に回すとは限らないわけですね。借入金認められているんでしょう、それで利息を払うんでしょう。これは再投資とは言えない、外へ出ていくお金ですね。 それと、株式会社の配当というのは、経済的に見れば似たような性質がある。むしろ、借入れの金利は必ず外へ出るお金でありますけれども、株式会社の場合には、これは資本というのは返さなくていいお金でありますから、利益が出なければ何ら配当の必要はない、つまり外に一銭も出ないで済む、こういう場合もあるわけですね。 そしてまた、柔軟性、幅というものもいろいろあります。ですから、従来認められてきた学校での授業以外にも、いろいろと附帯的な授業を組み合わせて幅の広い、むしろそれこそ教育の幅の広さに資するようなそういう運営というものも可能だと私は思うんですね。ですから、こういう株式会社の持つ妙味というものを生かした上で、従来の学校法人の言わば狭さ、限界というものを打ち破るということは十分考えられることだろうと思います。 さらに、これは特区の中で試みにやってみようという話なんですね。ですから、そこで実験的に行われるものが、あらかじめ事前の規制で参入を排除してしまうという必要性も更々乏しいと思います。一度やってみて、そしてうまくいかない、あるいは弊害が出るということであれば、事後チェックの仕組みはこの法律にきちんと仕組んであるんですから、そこでまた考え直すということもあり得ていいだろうと思います。 いずれも、事前に参入を認めないという強い規制を維持すべき理由は見当たらないと私は思うんですね。 三番目に、雇用の問題を挙げました。これは、株式会社の参入によって既存の学校法人がいろいろと雇用の面で影響を受けるということは出てくるかもしれません。ただ、また一方で、株式会社の経営によって新たな雇用が生まれる、しかも幅の広い雇用が生まれる、こういう側面も否定できないわけですね。 ですから、雇用という面では、その特区という限定された場所でやる、数でやるということであれば、私は雇用にそんな重大な決定的な影響を及ぼすということまでは到底言えないのではないかと思うわけでありますが、今るる述べた点について、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 先ほども申しましたように、ある程度相対的な部分がございます。したがいまして、今御提案ございましたように、株式会社という仕組みで一定の規制を掛けて学校経営にふさわしい仕組みにするというアプローチと、学校法人という言わば民間参入のルートとしてあるわけでございますが、そこの仕組み、現行、これまでの取扱いを更に改善することによって、より資金調達とか経営あるいは監査機能の強化などをしっかりしたものにしていくというアプローチ、両方考えたときに、あるいは似たようなことになるのかもしれません。 ただ、申し上げておきたいのは、株式会社というカテゴリーだけでなくて、学校法人というのが正に世界にはなかなかない、諸外国にはない日本独自の民間参入の方途でございまして、これを活用しながら更なる改善をし、今御提案のような趣旨のことを実現していくことの方がより合理的あるいは適切ではないかというように私どもは考えているところでございます。
○山口那津男君 一方で、学校法人にはなっておりませんけれども、例えば外国語学校、日本語学校というようなものもちまたにはあるわけですね。ここには株式会社立のものもあるわけであります。これは言わば学校法人の形態でそういうサービスが提供し切れていないところから発生している、こういう面もあるだろうと思うんですね。立派に株式会社でやれているじゃありませんか。そして、それを求めるニーズがあるわけで、それに応じているじゃありませんか。そこで、弊害が起きているということも言えないと思うんですね。 ですから、そんなことを考えた場合に、この教育というサービス、これを提供する場合に、学校法人という形態を維持して、ここだけを広げていこうということではなくて、やはりいろんな形態、学校法人が優れている日本の独自の制度であると、こう強調されておりますけれども、そうであればなおさら、よりグローバルで普遍的な経営主体である株式会社と競争させて、どちらが利点を生かしているかということがあったって、特に特区という制度の下では、私は十分可能性はあるだろう、こう思うんですね。ですから、この点でも、実例からいっても殊更それを排除する必要はないと私は思います。 また、学習指導要領、これにはとらわれない、ある程度柔軟な教育サービスの中身について工夫の余地を今回認めたわけですね。ですから、それを提供する方法、つまり経営の在り方ということですけれども、これについてももっともっと多様性を認める必要があるということを申し述べたいと思います。 今述べた点についてお考えがあれば、お答えください。
○政府参考人(工藤智規君) いろんな教育サービスといいましょうか、教育事業というのは何人でもできるわけでございます。それがある程度学校の形態を取る場合に、先ほど申しました一条学校といいますか、それぞれの国で維持し、国際通用性、互換性も考えられた公教育の場である学校教育法の一条学校の仕組みと、それから学校教育法には八十三条あるいは八十二条の二という形で各種学校、専修学校という仕組みもございます。これは一条学校に比べて極めて緩やかな枠組みでの教育機関でございまして、ここについては学校法人要件は必須としてございませんで、一部、語学学校でございますとか株式会社の形態もあるわけでございます。 そうはいいましても、国の公教育の根幹でございます一条学校につきましては、先ほどのようなことで、学校法人の形態やあるいはその設立についてのいろいろな改善を基にして、いろんな需要におこたえできるのではないかというふうに考えているのでございます。
○山口那津男君 続いて、医療法人、医療のサービスについても伺いたいと思います。厚生労働省に伺います。 この医療サービスの提供の在り方についても、今の教育サービスの在り方と同様の問題があります。公共性とかあるいは経営の安定性とかということも、多分規制の論拠としてあり得るんだろうと思うんですね。しかし、現実に株式会社立の医療機関というのも存在する、衆議院の議論のときには数がいろいろと二転三転したようでありますけれども、お調べいただいたところでは六十二、現在あると、こう言われております。この六十二の株式会社立の経営で医療サービスに何か問題点があるんですか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 現在、株式会社が開設者となっている病院は、数が異動しますので直近の例で言いますと六十二、先生が御指摘の数でございます。これらは二つ、経緯的には株式会社として存立している理由がございまして、一つは、専ら従業員の福利厚生を目的として、医療法の制定は昭和二十三年でございますが、それ以前からそういうものとしてあったというような経緯のものが一つございます。 それからまた、JRやあるいはNTTなど旧公共企業体が民営化されることに伴いまして株式会社立というふうになったものがございまして、あわせて、そういう歴史的な経緯の中で言わば例外的に開設されたものが、現在の数では、逐年的に減ってきておりますけれども、六十二ということでございます。 そうやって専ら従業員の福利厚生を目的としておりますけれども、その地域によりましては病院が不足したりしておりまして、その地域住民の希望によってその付近、所在地付近の一般住民の診療も併せて行っているというような経緯がございまして、私どもが申し上げております医業の非営利性の原則、それには適切に従っていただいているものというふうに認識をいたしております。
○山口那津男君 今お答えのあったように、現実には特別な弊害、問題というのは起きていない、株式会社という主体の中で立派に経営されているという御認識だろうと思います。 現実に私もこの株式会社立の病院には幾つかかかわったことがありまして、本当に一般の病院と異ならない、むしろそれ以上の質の高いサービスを提供していると、このように思っております。そういう言わば例外的に現存する株式会社立の病院がありながら、今回参入を認めないということは、それ以外の何か別な弊害が予想されてこの規制を維持すべきだということになるんでしょうか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 今申し上げました既存の六十二の病院というのは、言わば病院自体を営業の目的にしているわけではなくて、ある意味で付随的な事業としてその病院経営が行われているというわけでございます。 そこで、もし株式会社というものがそれを本来の目的にして参加をした場合にはいろいろなおそれがあるのではないかと私どもは考えておるわけでございまして、その第一は、先ほども御指摘がございましたけれども、株式会社というのはそもそもできる限り多くの利潤を追求することをその本質としておる、これを実現するためにはやはり経費の縮減、減少を図るものであろうと思います。それには、労働集約性が極めて高い医療現場でございますので、人件費の削減などがその対象になり得るのではないか。また、売上げの増大による利益確保というのが一つの大きな目的になろうかと思いますが、それには、ともすれば過剰診療というようなこと、そういう弊害も招くのではないか、それで適正な医療の提供ができなくなるおそれがあるのではないかというのがまず第一点であります。 それからもう一つは、やはり株式会社ですと、そういう営利を、動機を持つわけでございますから、やはり収益性の高い医療分野に集中するのではないか。そうすれば、当然医療費の高騰を招きかねないではないかと思っております。 また、三番目でございますけれども、我が国は今、病床規制を地域医療計画の上で行っておりますけれども、全国的に見ますと、医療計画で必要とされる病床を既存の病床が既に超えておるというところでございまして、量的には医療提供体制は既に充実しているというふうに考えております。 そういう意味から、株式会社が医業本体にその事業を目的として入ってくることは不適当ではないかと考えておるわけでございます。
○山口那津男君 これも先ほどの教育サービスに関するお答えと似ている部分もあるわけでありますが、株式会社だから過剰診療のおそれがあるとか、あるいは給与水準が下がるとかとおっしゃいましたけれども、今の法人だってそういうことは現に行われている部分もあるじゃありませんか。赤字の病院なんというのは本当に従業員の給与水準をいじったり、いろんな努力をしていますよ。だから、それは株式会社だから必ずそうなるというものでもないと思いますね。もしそれが心配であれば別なチェックの方法を考えた方がいいんじゃないんでしょうか。現にそういうことをチェックする仕組みというのは今の制度にはないんですか。過剰診療を見抜いて抑制する、こういう仕組みは今の制度にはないんですか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 医療法あるいは健康保険法によってそういう弊害を除去する仕組みは既にできております。
○山口那津男君 だったら株式会社立のものにもそういう仕組みをかぶせたらいいじゃありませんか。株式会社だから必ずそうなる、だから駄目だ、こういうのは全く説得力がありませんと私は思います。 それで、私は一つの例を挙げたいと思うんですが、六十二の病院のある中にちょっと具体的な名前をお出しして恐縮ですが、日立製作所の本拠地である日立で総合病院というのを開設しております。私もそこにかかわったことがあります。非常に立派な病院でありまして、地域の拠点病院になっているわけですね。 しかも、ここでは長期入院の子供さん、ネフローゼとか白血病とか、こういう子供さんは普通の学校には通えません。そこで、この病院の中に、そういう子供さんを病院の中で教育できる場所を作ろうということで、いわゆる病弱学級なるものを開設をしまして、そこに今度は市の方から公立の先生が派遣をされまして、そこの病院の中で子供に教育の機会を与えている、こういう例は全国探してもそうたくさんはありません。しかも、これが株式会社立でこういうサービスの提供がなされているのであります。 実は、私の母親が小学校の教員をやっておりまして、この学級の担任になったことがあります。株式会社ということで、だからこそむしろこういう柔軟なサービスが提供されたのかもしれないし、非常にいい試みだろうと思うんですね。 ですから、私はこの株式会社悪玉論に立って全面規制というのではなくて、もっとこの特区の制度という基盤を生かしてこの株式会社の持つ柔軟性、有用性というものを生かす、実験してみる、そしてもしそれが事前に今いろいろとお述べになったような弊害が出てきて困るということであれば、また見直すということがあってしかるべきだと思うんですね。 既存の病院が過剰ぎみであるから新規参入を許さずというのは、これは既得権にしがみつく姿勢だろうと思います。あらゆる分野が、例えば司法の分野におきましても弁護士や様々な資格がありますが、そこもやっぱり新規参入や拡大を自ら認めて競争の余地を広げようと、こういうことをやっているわけですね。ですから、既存の人たちの意見というのももちろん十分に尊重しなければなりませんけれども、この特区の妙味を生かした試みというのをお願いしたいと思うんですね。 今、私はその実例を挙げて感想を申し上げました。是非、大臣、この点についての所感をお述べいただければと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 山口委員と両省の幹部の御議論を目を見開き耳を大きくして聞かせていただきました。大変すばらしい御議論を聞かせていただいたと思っております。 さて、鴻池祥肇の大臣としての考えはどうかと、こういうことでございますが、私はやはりこの特区という担当を命ぜられました折から、この構想についてはあらゆるところで可能にするように努力せよという総理からの命令もいただいております。ならないという理由よりも、どうやったらこれがなるかということを考える、このこと一点で私も本日まで参っておるわけでございますので、この株式会社諸悪論というものは私は否定しながら、そしてなお各省との意見調整に御理解をいただくべく頑張っていきたいと思っておるところでございます。 やはりこの沈滞した日本列島の中に活力を生むためには新たな試みというものが必要であるという信念は変わりません。そういう意味で、今後とも引き続き、山口委員のただいまの御発言というものを十分参考にしながら私自身も特区構想を進めていきたい、この二点についても十分力を込めて頑張っていきたいとこのように思っておるところであります。
○山口那津男君 来年十五年の一月十五日まで第二次の提案受付というのがあります。これはその後の法改正あるいは政省令の改正を当然排除しないといいますか、前提にしたものだろうと思います。 そこで、この法律がもう既にそのころにはでき上がっているとも思いますので、是非とも私は、様々な意欲的な提案をどんどん受け付けていただいて、そしてもしそれを規制緩和ができないという関係省庁の判断があるのであれば、是非それをどんどん国民に公開して、議論に付した上でその後の改善の余地を検討していくということで是非とも運用に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会の岡崎トミ子でございます。 今回、地方公共団体を中心に四百二十六の特区構想が寄せられました。四百二十六、決して少なくない数だというふうに思っておりますが、自らの発想を制度設計に生かせる、そんなチャンスを与えられたというところから、それぞれの団体の想像力が刺激されたという側面もあろうかと思いますし、一方で、ふだんから自治体においてはたくさんのアイデアを持っているのに、規制がたくさんあって実行に移すことができなかったという側面もあろうかと思います。ですから、自治体ですとかそれぞれの団体のアイデアが生かせるという、制度にまで生かせるという、そこまで持っていったこと自体は大変に評価をしたいというふうに思っております。 これら四百二十六の特区構想の実現をするためには、何と全部で九百三項目の規制緩和が必要だったということでありまして、いかに私たちは私たちの周りにたくさんの規制があるのかということを示す数字だというふうに思っております。 公共団体等が提案した構想が必要とするそれぞれの規制について、推進室とそれから所轄官庁と行ったやり取りはホームページ上で比較的丁寧に公表されていたというふうに思っておりますが、全体としてどのような考え方でもって議論されたのか、幾つかのケースを取り上げていきたいというふうに思っております。 注目していた提案に、どぶろく特区がございました。グリーンツーリズムの目玉の一つとして、農家の民宿で自家製のどぶろくを出せるようにしたいというものであります。新聞で報道されるなど大変にこれは注目を浴びたというふうに思っておりますが、鴻池大臣がこの内閣委員会でも、この特区構想の制度の意義としては面白いことということを挙げられておりまして、私は正にこれは面白いことだというふうに思っているんですが、残念ながら所管省であります財務省によってこれは拒否されてしまいました。 財務省はなぜこの提案を拒否したのか、酒税法のどのような目的に照らして許容できないというふうにしてしまったのか、まずそれをお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(森山裕君) どぶろくの件についてのお尋ねでございますが、まず酒税というのは、委員御承知のとおり、その税収が財政上大変重要な役割を果たしてきております。酒税法の目的であります酒税の適正かつ確実な課税を確保する観点から、酒類の製造については免許制を採用し、製造免許の要件として製造数量に最低制限を設けているところであります。 ちなみに、どぶろくは雑酒の分類になると思いますけれども、六キロリットルという最低製造の制限を設けているところでございます。 なぜこのような制限を設けるかということでございますけれども、酒類の製造に要する施設整備、経常的に生ずる人件費や納税すべき納税相当額などのコストを円滑に回収するために必要な製造規模というのがあるのではないかという考え方に基づきまして最低限度を設けているということでございまして、このような観点に立って判断をいたしますとき、構造改革特区について特例を設けることは適当ではないというふうに考えているところでございます。
○岡崎トミ子君 今、森山政務官がおっしゃられたことをことごとく、このどぶろくを造ってきた方の側から見ますと、あら、どぶろくを造ってきたこの歴史というのをまるで御存じないという形でお話をされているなというふうに思わざるを得ないんですね。 免許制、これはいにしえの工法によって造っているというので、今までの工業化のそういう手法でもって造っていないものがどぶろくなんですね。 今、私がどぶろくと言って、そちらはどぶろくという表現を使っていない。どこかに密造というようなにおいがあるので国としてはそういう言葉を使わないということをお聞きしているんですけれども、雑酒であっても、それから免許制であっても数量に最低制限があっても、納税コストですかね、それから製造規模ですとか、いろいろおっしゃいましたけれども、設備投資が掛かるんだというその財務省の意見に対しましては、もう提案した自治体は本当にどぶろくのことを知らない議論だなと大変反発をいたしております。 今おっしゃった六キロ制限ですね、六キロリットルの製造量、最低製造量をクリアできなければどぶろくを造ってはいけないということ、ここについて質問をしたいと思いますけれども、本当に財務省はこれがないと絶対に駄目だというふうにおっしゃるんですか。
○大臣政務官(森山裕君) 先ほど申し上げました理由もございますし、また変質や保健衛生上の問題などを考えましても、一定の最低制限というのは設けることが消費者の立場に立っても大事なことではないかと考えておりますので、今申し上げました理由で、なかなか要望をお聞きすることが難しいということでございます。
○岡崎トミ子君 いや私は、特区というのは挑戦をしてみようということですから、まずそのことが大変大事で、この自治体の発想、滝川市とか秋田県とか、北海道、喜多方市、青森県、新潟県、長崎県、岩手県と、こういうふうに挙がっているんですが、そういうところが、これはもう多分自信があって採算も取れるだろうという形がなければつまり挑戦しないだろうというふうに私は思っておりまして、ここは自信を持って、できるというふうな考え方だったというふうに思うんですね。 これは多分、雑酒でどぶろくだということになりますと、販売することは禁止ということになるだろうというふうに思うんですけれども、ここは、製造して販売してもうけようという考えはこれらの自治体はないということでございますね。ですから、地域文化の発展のため、地域の魅力を引き出していくためにグリーンツーリズムの中でこれを生かしていきたい、そこにどぶろくがあるという、こういう発想だというふうに思っておりまして、酒税法による規制の趣旨には私は引っ掛からないものだというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○大臣政務官(森山裕君) グリーンツーリズムの一環としてという考え方はよく理解ができるところでございます。 ただ、その観点に立ちますと、その地域でできた農産物でもってという考え方に立てば、製造許可を持っておられるところに委託をしていただいてお造りをいただくという方法があるのではないかなというふうに考えておりまして、そちらの方を是非御選択をいただきたいと考えております。
○岡崎トミ子君 森山政務官はどぶろくはお飲みになったことはありますか。
○大臣政務官(森山裕君) 私のところはしょうちゅうが特産品なものですから、しょうちゅうを飲んでおりますが、どぶろくの良さというのは、先生、よく分かっておるつもりでおります。
○岡崎トミ子君 私はどぶろくをもちろん飲んだことがあるんですが、その造った人のところに行きましたときに、こんな感じで造って、こう苦労して、こうできたんだというので、もう話が、会話が弾むんですけれども。今、既成のところが、製造者に造ってもらったらいいんじゃないかとおっしゃったどぶろくを提供するのと、自家製のものを造って提供するのとでは、これ全然魅力が違うということお分かりですか。
○大臣政務官(森山裕君) 大変難しいお尋ねでございますが、それはそういう考え方もあろうかと思いますけれども、現在の酒税法の中では、なかなか難しい問題だなというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 自治体の判断に任せるというぐらいのところまでは行きませんか。
○大臣政務官(森山裕君) 国税に関することでございますので、それは国がしっかりとした対応をしていくことが適切であろうと思います。
○岡崎トミ子君 それぞれの地域で個性ある町づくりをしようというのは、自治体も団体も個人も含めまして本当にあがいているというくらい、そういうものだと思うんですね、今それぞれの特徴を生かそうということで。そういう中でグリーンツーリズムで頑張っている人たちがたくさん多く出てきている、ここにその構造特区というのがあって、挑戦してみようというそういう自治体が出てきているということで、何とかその後押ししたいというふうな気持ちでいるんですけれども。 やっぱりここを、大臣に聞こうと実は思っていなかったんですけれども、これは構造特区の意味がないと思うんですね、今のようなところで止まるのでは。これは是非とも大臣の一押しが必要だなと思うんですが、現段階でいかがですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 森山政務官と鹿児島の古酒しょうちゅうをいただきながらゆっくりと話をしなきゃいかぬなというふうに思っておりますが、私は、これ全国一律にするんではないよと。ただいま委員おっしゃいましたとおり、特区というのは、ここで一遍やってみようじゃないかという精神というものを大事にしたいと思っております。 また、民宿に行って、そこのおばちゃんが、私が漬けた梅酒よ、イチゴ酒よといったものがよく出てまいります。それと同じような思いでいいんではないかというふうに、私は詳しい酒税のことはよく分かりませんからあえて申し上げるわけでございます。また、私、地元尼崎へ帰りますと、焼き肉を食いに行きます。そこで、そこの韓国のおばちゃんが、実は裏で造ったどぶろくよと言って出してくれます。これまたうまい。場所を言うと逮捕されるといけませんから言いませんけれども、そういう面白さというものがあってもしかるべきではないかというふうに私は思っております。
○岡崎トミ子君 正にその良さがこのどぶろくなんだなというふうに思うんですよね。 やはり、是非お願いしたいなと思っておりますのは、一月十五日締切りとして第二次提案の募集が行われるわけですけれども、特にその第一次提案をした特区構想のうちにプログラムに掲載されなかった事例に関する再提案ということで募集される、このことに注目をしているわけなんですけれども、この第二次募集の趣旨、何を期待しているのか、再提案募集の趣旨と期待を語っていただきたいと思います。大臣いかがですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 七月にこの構想ができ、八月三十日締切りで、極めて短い期間でございました。それゆえに趣旨等が徹底しなかったところもあろうかと思います。ゆえに誤認とかいったような提案も相当数ございました。 そこで、一月十五日締切りで、第二次の提案募集をさせていただいておるところでございますけれども、大分この特区構想について全国的に理解を深め、また興味をお持ちをいただいてきておるというふうに、私はそのように思っております。また、私自身も経済界を中心にPRをいたしましたり、あるいは民間の諸団体のところに参りまして、出前持ちの気持ちでどうぞひとつすばらしい提案をいただきたいと。逆に言えば、しっかりした役所からはしっかりした提案が出てくるぞ、しっかりしていなかったら出てこないぞというふうな皮肉を込めたハッパを掛けたりいたしておるわけです。 しかし、あくまでもその地域から、また民からの御提案を受けるという立場でございまして、これを出せあれを出せと言う立場ではございませんので、御期待を申し上げているのみでございますが、第一次で挫折しないで、いやしかしこれはどうしても大事なんだと、民の力を使わせてくれという御提案が強くあれば、是非とも第二次、一月十五日までにも同じものをお出しをいただく、あるいは、先ほど西銘委員にもお示し申し上げましたように、新たに工夫を加え、新たなすばらしい提案を加えていただいてお出しをいただくことが大変望ましい、このように思っておるところであります。
○岡崎トミ子君 今日は財務省からは森山政務官が代表しておいでになっていらっしゃいますので申し上げたいと思いますけれども、日本には古くからどぶろくを各家庭で造ってきたという歴史があるわけです。その年にできた米で造ったどぶろくというものを神にささげて豊作を祝うという神事であるとか村祭りですとか冠婚葬祭でありますとか、そういう行事で造ったどぶろくを皆さんに振る舞ったというふうなことでございまして、個人の酒造りというものが禁止になりましたのは明治になってからだというふうに思っております。ロシアとの戦争に備えて自家醸造というのが一切禁止されたという歴史がありますけれども、当時は国家歳入の三分の一を酒税で賄われていた、でも、今日では四%弱ですか、そのぐらいのことでありますので、税の問題で何かとやかくということにならないでほしいなということを私は思っております。 そこで、一押し、今の大臣の御答弁くださいましたことも含めまして、二次提案で再度出された場合には、これは決着済みですよという態度ではなくて、もう一度趣旨を考えて改めてきちんと検討していただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(森山裕君) 酒税の税収につきましては、今、岡崎委員おっしゃるとおりでございまして、ただ、財政が非常に厳しい状況でございますので、酒税というものについても我々としては今後も大事にしていかなければならないと考えております。 新たな提案があったらどうするかということでございますので、またそのときは御提案をいただいたことを踏まえてよく協議をしてまいりたいと思います。
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。 そして、鴻池大臣の方にも、二次提案の検討に当たりましては、今回出された自治体がございますけれども、何よりも自治体ときちんと意見を聞いて交流をして、そして意見交換を重ねて、是非、特区となるように御努力をいただきたいと思っております。どぶろく特区、よろしくお願いいたします。 続きましては、特区において実施できる特例措置に、NPOによるボランティア輸送、有償運送ということを可能にするというものがございます。お年寄りに提供している移送サービスのことでございますけれども、これ、お金を取っていいというふうになりました。各地で需要も多くて、現に行われているんですけれども、これまでは厳密に言えば白タク扱いで、宮城県では行っているNPOが家宅捜索を受けたということがございまして、今まだ捜査中でございます。 この問題について、有償化を全国で本格実施するための三か月程度の先行実施であるという、こういう条件付きで認めるというふうに伺いました。確認をしたいと思いますけれども、この有償の移送サービスを全国で正式に認めるということについて、現在どのような検討状況かを簡単にお話しいただきたいと思います。
○副大臣(吉村剛太郎君) 高齢者並びに身障者の方々の輸送は、御存じのように、民間の事業者による福祉タクシー、また地方公共団体による福祉政策の一環としての輸送というのがございますが、それと同時に、ボランティア団体、NPO等の役割というのも今大変大きくなりつつあると、我々はそのような認識をしております。 そういう認識に立ちまして、これからその位置付けといいますものをはっきりしていきたいということで、御存じのように、札幌におきまして実証実験というのを行いました。その結論が間もなく出るだろうと、このように思っておりますが、しかし、人を運ぶ車を使うということは、ある意味では、一方では事故と背中合わせであると言っても過言ではなかろうと、このように思っておりまして、そういう中で、安全性、それから利用者の利便を踏まえまして、年度内には一つの結論を出していきたい、このように今のところ思っている次第でございます。
○岡崎トミ子君 札幌の例なども私も伺いました。国土交通省のプログラムの中でも、三か月程度の先行実施であることを条件としているということで、全国でこれを行うことが決まってからさかのぼって三か月程度前から実施させるということだけでは、特区を実施する特例措置としては大変小さいというふうに思うんですね、期間限定ということになっておりますけれども。それは、先行実施三か月というのはどういう意味なんでしょうか。
○副大臣(吉村剛太郎君) 申しましたように、やっぱり安全性それから利用者の利便ということは、これは決して忘れてはならないものだと、このように思っておりまして、特区法が四月一日から施行になります。そこで先行実施をしまして、いろいろとその実績に基づいて検討をすると。それである程度の見通しが立てば、これは全国からいろいろと、また自治体から要望もあろうかと思っておりまして、そういう方に踏み込んでいきたいと、このように思っておりますが、民間事業者には、やっぱり事故との絡みで、運行管理者とか運転手の教育とか、それから事故のときの補償とか、いろいろ要件を出しておりまして、それをそっくりNPOにできるかどうか、あとは民間事業者とNPOのすみ分けというようなこともあろうかと思っております。 今はあくまでも実験段階ですので、まだ結論は出ておりませんが、基本的にはそういうところを調和しながら、このNPOの輸送サービス、高齢者、身障の、そういうサービスはそういう中で役割を果たしていっていただきたいと思うし、我々も重要な役割を果たし得るんではないかと、このように思っております。
○岡崎トミ子君 全国展開は大体いつごろになる予定でしょうか。
○副大臣(吉村剛太郎君) これは、申しましたように、実験の結果を踏まえて判断していきたいと、このように思っております。
○岡崎トミ子君 そうすると、申請がなければ、これ前倒しで三か月、始められないわけですから、その申請がなければできないですよね。
○副大臣(吉村剛太郎君) それは、ちょっとようございますか、特区以外の自治体からの申請という意味でおっしゃっているんですかね。 だから、特区での試行が十分にこれは申しました安全性とか利便性というものに対応できると、今申しましたように、事業者とボランティアのすみ分けとか、そういうものがきちっとすればそれは可及的速やかに実施が可能だと、このように思っております。
○岡崎トミ子君 介護タクシーをやっている人たちとそれからNPOの人たちとのすみ分けとか、制度設計の中で、これから参入しようという、しかも必要とされているというNPOに対して、彼らの意見をきちんと踏まえて、そして取り入れていただいて制度設計が行われるということが大変大事だというふうに思いますけれども。 その全国実施の上での制度設計につなげる、それはNPOと、それから利用してくれる人、利用される方、この方たちと一緒に作るということが大事だと思いますけれども、この利用者も参加してやるということに関してはいかがですか、制度設計において。
○副大臣(吉村剛太郎君) よく分かりますが、申しましたように、ボランティアの方やNPOの方々の善意、これが善意じゃなくなってしまう、事故とかそういうことで、なくなってしまうといようなおそれも一方では十分に我々は留意しなければならない重要な点だと、このように思っておりますので、あくまでも今、札幌で実験をしておりますが、更に特区で、それもいつまでもじゃない、三か月程度、よく実験をして、いい結論が出れば可及的速やかに全国に展開することも可能だと、このように思っております。
○岡崎トミ子君 済みません、今、利用者とNPOとの制度設計において意見を聞いてくださるということを一言おっしゃってください。
○副大臣(吉村剛太郎君) もう札幌の実験も利用者の方が、これ二回やっておりまして、七、八十人かかわっております。意見は、今もう二度の実験は終わっておりますから、そういうことも聞いておりますし、もちろん特区で実行すればそういう意見も十分に聞いていくのは当然なことだと、このように思っております。
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。 続きまして、評価について伺いたいと思いますが、特例措置の効果、影響を評価するための体制を一年以内に制定するとされておりますけれども、この評価につきましては、利用者それから生活が影響を受ける人々の視点が反映される評価方法であるべきと考えておりますけれども、鴻池大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 委員御高承のように、この法案を成立していただきました直後に評価のシステムを作るための着手をしたいと思っております。衆参通じて様々な、その評価の方法あるいは人選等についての御意見をちょうだいいたしております。十分拝聴いたしまして、それに向かって評価の方法、システムに着手をしたいと、このように思っております。
○岡崎トミ子君 続きまして、社会保険労務士のことに関してお伺いをしたいと思いますが、今回はいわゆる雇用のミスマッチを解消するという目的で社会保険労務士の業務に労働契約の締結、変更及び解除を認める特例措置が盛り込まれましたけれども、この程度のことは全国ですぐにも認めてはどうかというふうに思いますけれども、いかがですか。
○副大臣(鴨下一郎君) 今回の特例措置につきましては、先生おっしゃるように、雇用のミスマッチが大きいところについて限定的にやってみようじゃないかと、こういうようなことでありまして、特に求人数はある程度あるんですが求人数ほど就職者が増加してこない、こういうような地域に限って今回特区の中でやっていこうじゃないかと、こういうようなことでありまして、社会保険労務士の業務を規定している社会保険労務士法の第二条の例外を設けて、一定の要件に該当する社会保険労務士は、求職者、労働者の求めに応じて労働契約の締結、さらに変更及び解除について代理を行える、こういうようなことでありまして、先生おっしゃるように、これを全国的に広げたらどうかというような話も、様々なところからそういう御希望もあるようでありますけれども、今までのそれに従事してきた方々の問題いろいろと、それからその地域での実績を見た後でないとなかなかできないという部分もございますので、この点については慎重に今検討をしているところでございます。
○岡崎トミ子君 外国人研究者の受入れ促進のための入管法の特例措置、これは盛り込まれましたね。 より一般的な研修目的の入国につきましても、民間交流という観点からもこれは緩和を促進するべきだというふうに考えておりますけれども、日本の零細企業の場合には高い技術を持っているところがたくさんあって、それをアジアに対して、アジアの国々の人々に学んでもらうということが大変意義があるだろうというふうに思いますけれども、こういう考え方についてはどのように考えられますでしょうか。それから、特区でこれは試行することは有効だというふうに考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。 研究者のところへ入りましたが、研修というところでございます。
○大臣政務官(中野清君) 今、特区につきましての御質問ございましたけれども、特に今の外国人の研修といいましょうか、そういうものについての御指摘と思いますが、これはおおむね良好に実施されていると考えておるわけでございます。 しかし、そういう中で、研修とそれから技能の実習につきましてはいろいろな団体から要望が出ておりまして、例えば羽生市とか岡山市とか、それから今治市等では具体的に、例えば実習のとか、在留期間を三年を五年にしろとか、それからまた研修生受入れの人数、これは例えば団体によって二十人に一人とかいろいろ、またほかによっては違うものもございますけれども、そういうような要望があるということは分かっておるわけでございます。 この研修とか技能実習の制度というものは、今、委員がおっしゃいましたように、外国との関係におきましても非常に重要であるということも事実でございますし、国際貢献の一翼を担っているというわけでございまして、それについての法務省令におきまして、研修生とか実習生について、我が国で認められる期間とかそういう問題について、先ほど申し上げました、職員の人数に応じての受入れ体制については定めておるわけでございますけれども、ただ問題は、いろいろそういう御要望につきまして、本来の入管も含めました技能研修、実習制度というものの目的と、それと、今いわゆるいろんなそれに対する受入れといいましょうか、との問題については全体の雇用の在り方という中での問題も多うございまして、できるだけ慎重に検討していただきたいと思っております。
○岡崎トミ子君 確かに、実際には研修生の受入れというにはいろんな心配が付きまとっておりますし、三K職場というところで日本の人たちが働かないというところから、研修生として受け入れながら、後は何か、終わった後二か月ぐらいそのまま安い賃金で使ってしまったりとか、大変に安い労働力として利用しているというような問題なども出てきておりまして、そういう場合の権利擁護といいましょうか権利保護というものもきちんと人権に配慮するという点がなされていないという、こういう問題などもありますけれども、研修生についての権利擁護、そういう問題に関しての配慮はいかがでしょうか。
○大臣政務官(中野清君) 今、委員がお話しのとおり、いわゆる単純労働というものについての受入れというのは非常に問題がありまして、そういう中で、そういう観点も含めましていろいろ検討しなきゃならないと思っておりますけれども、特に、御承知と思いますけれども、一部の研修生の受入れの団体とか企業におきまして、例えば研修生の旅券ですか、それを確保しちゃったといいますか、本来は本人が持っていなきゃいけないものですけれども、それを預かっちゃうとか、それからまた時間外労働をやるとか給与のピンはねとか、いろんな問題があることは事実でございまして、それについて、この参議院の法務委員会でも二年前辺りにはKSD事件始めとしていろんな事件があったことについて取り上げていただいて問題になったことも我々よく十分承知しております。 今、委員がおっしゃったとおり、そういう意味で、来た方についての保護といいましょうか、その受入れの在り方について、これにつきましては、例えば中小企業の団体の研修会とか、それからまた入管の申請とか更新とか、いろいろな場所を使いまして、本来の法の持っている趣旨といいましょうか、そういうものについては正しい理解とそれから適用をするように、今おっしゃった必要性等認識して今実行をしておるところでございまして、これからも、おっしゃいますとおり、そういう意味での観点から、法務省といたしましても徹底的にその点からの配慮はさせていただくということを申したいと思います。
○岡崎トミ子君 全体にいずれは導入されるだろうというものが目立ちますけれども、大臣、先行実施というだけでやっていくのであれば、やはりこの意義は大変薄いと思います。挑戦する構造特区ということであるべきだと考えますが、この点に関してはいかがでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 岡崎委員のお気持ちと私の構造改革特区に対する、いわゆるやってみるんだ、先行するんだという気持ちは同じ気持ちであると、このように思っております。
○岡崎トミ子君 それから、財政措置についてお伺いしたいと思うんですけれども、財政措置は伴わない、ばらまきはしないという見地は評価されると思います。 しかし、大胆な構想を打ち出せないというのは実情でございまして、教育特区についても新たに必要になる教職員の給与は特区自治体が負担することになっておりますし、区独自の全寮制校あるいは中小一貫教育を提案した東京都の杉並区は、区が負担できる範囲内で事業を実施して、特区を期間限定とする案も出されているというふうに報道で紹介されておりました。 今回、Eの2ですか、税の減免ですとか補助金等の交付要件に関するものが百七十一もございました。全国の自治体の経常経費が大変厳しいということになっております現状では悲鳴が上がるのは当然だというふうに思いますが、この財政措置を求めるという声についてはどう考えますでしょうか。
○大臣政務官(木村隆秀君) 先生も御承知のように、この法案を作りますスタートになりましたのは、国から地方へ、そして官から民への社会システムを変えていく中で、規制改革をどのようにしていくかというところからスタートしたわけでございまして、その中で全国一律の規制、なかなかそれを一遍に見直し、また、ある意味では撤廃をしていくというのは大変難しい、そういうことで、特区を決めて、まずその突破口としていこうというのが今回の法案の趣旨でございまして、そんな意味において、今回の法案では、まず地域、地方の知恵を出していただいて、そんな規制をまず見直していく、そのスタートをしたいというのが今回の目的でございまして、財政措置を特別に伴うということは今回は考えていないところでございます。 ただ、今ありますいろんな予算の枠組みを有効的に、また集中して使ってその効果を上げていく、是非そんな知恵も出していただきたいものだと思っております。
○岡崎トミ子君 国の言い分にはもう一理も二理もあるというふうに私も思っております。 結局、やはり財源の大胆な移譲が必要なのではないかというふうに私は思いますけれども、遠い霞が関で、全国津々浦々で行われるということに関していろんなことの責任を取ろうということになりますと、もう安全重視ですとか前例重視とか、そういうことになりがちだというふうに思うものですから、やはりこれは地方分権、大胆に権限と財源を移譲していくという、この点について大臣の御見解をお願いします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私、つい先日、大阪の経済団体とこの件につきましてPR方、意見交換をさせていただきました。また政務でございましたけれども、東大阪の党の関係、相当数おられましたけれども、講演に参りました。 そこで主に出てまいりました要望は、財政措置をやっていただくことによってパンチ力が付くぞと、おまえの言っておることはよう分かると、しかし財政措置を講じていただいたら三倍、五倍になるんではないかという御意見がありました。また、自由民主党の本件の特例委員会におきましても、将来的には一考すべきじゃないかというふうな御意見も出てきております。 しかし、ただいま政務官が答弁申し上げましたように、今回はまずはこれでやってみるということでございますので、その辺りをひとつ御了解をちょうだいしたいと思います。 また、ただいま政務官の答弁のとおりでありますが、地方公共団体が自らのそういう予算につきまして特区構想と絡めていい方向に進めていただくことに関しましては、我々とどめるところではなく、逆に大変すばらしいことではないかというふうに理解をいたしているところであります。
○岡崎トミ子君 一次募集に応じた自治体の数は二百三十一、私は少なくないというふうに思っているんですが、全国三千三百自治体と考えますと一割程度ということになります。 この中には、自治体が遠慮して提案を取り下げてしまったというものもあるということでありまして、やはり規制というものが自治体の気持ちをそいできたというふうにも思っておりまして、前向きの対応によって大臣に盛り上げていただきたいと思いますが、今回のときに、規制自体が存在しないという、何か誤解した事実誤認のものも七十四もあったということでありますので、是非この点に関して、このようなことがないように是非自治体の気分を盛り上げるという意味でお願いをしたいと思いますが、最後に一言御答弁いただいて、終わりたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 御指摘のように、事実誤認というのが多数見られました。先ほど来の答弁申し上げておりますように、一か月と大変短い期間でもございましたし、周知徹底が十分なされていなかったということを反省材料の一つとして、ただいまもそうでありますけれども、特区構想について十分承知をしていただきたいということにも努力をいたしているところでございます。 そういうことでいいんですか。
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。
○委員長(小川敏夫君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、川橋幸子さん及び筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として神本美恵子さん及び小池晃君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 休憩前に引き続き、構造改革特別区域法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○羽田雄一郎君 民主党・新緑風会の羽田雄一郎でございます。 ふだんは農林水産委員会に所属するものでありますが、今回出されている法案は農林水産業においても大きくかかわりのあるところでございまして、出張ってまいりまして質問をさせていただきます。 まず、内閣府に対しての基本的なことの確認をさせていただきたいと思います。農林水産委員会に所属しておるものですから、前回の質疑等も聞いておりません。基本的なところから聞かせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。 今回のこの法案は、基本的に規制緩和をしていこうという政府の強い意思を打ち出しているものになっているのかどうか、農林水産委員会からやってきました私に是非、鴻池大臣の方からお答えいただければ有り難いと思っております。よろしくお願いします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 強い意思を政府が打ち出しているかどうか、私自身は就任をさせていただいて強い意思であるというものを背に受けて今懸命の努力をさせていただいておるところでございます。 委員は農林関係について大変見識深くお持ちでございますが、このたびの特区構想の中にも今まで考えられなかった農業に株式会社が参入してその地域の活性化を図る、こういう構想もございます。これはよく御存じだろうと思います。 これに一つの現れがございますように、規制というものは過去、随分大切な部分であったことは間違いありません。この日本の国、明治以降、随分教育の格差もあり、あるいはそれなりの貧富の差もあり、そういった中で規制をすることによって国力を付けていく、国を引っ張っていく、そういう重要な部分が随分あったと私も認識をしておりますけれども、ここに至って、やはり多種多様、国際的にも、あるいは我が日本の国内、また日本人の精神構造からいってもいろんなニーズが出てきた、そういった中で規制というものが十分な役割を果たしてきた時代と、規制を緩和をしていく、あるいは規制を外すということによって活力が逆に生まれてくるという事態が私は生じてきたと思っております。 その中において、できる限り国の仕事は地方に移そう、官の仕事は民にしてもらう、こういう大きな構想の下に小泉内閣が誕生したわけでございます。その中の一環として構造改革は規制改革でもあるという観点からいろんな試みがあるわけでございますが、なかなか今申し上げたような規制というものができ上がった経緯、歴史、あるいはそれなりの理由、理屈というものがなかなか解き放つことができない部分が多うございます。これはそれでまた理解をしなければならない部分でございます。 そこで、七月に特区構想というのができ上がり、できるものからやっていこうと。特に、政府から提案するんではなく、地方から、民から提案をしていただいて、そしてそれが規制を外すことによってその地域が活性化する、あるいは民業が発展していくと、こういうものをできるものからやっていこうというのがこの特区の思想であると私は解釈をして今進めておるところでございます。そういう意味で、八月三十日に締め切りました第一次の提案募集につきましては、御存じのとおり四百二十六の提案がなされてまいりました。 第二次に、一月十五日締切りで第二次の募集をいたしておるところでございまして、これにつきましても、そもそもの特区の構想あるいは哲学どおり地方からすばらしい提案が生まれてくることを期待しておるところでございます。
○羽田雄一郎君 私は、今ちょうど現役の青年会議所の会員でございまして、会頭までやられた大先輩から決意やまた思いを聞かせていただきました。また、午前中の西銘委員の質問の中ででも、大臣御自身のODAに対する考え方、また教育の基本は家庭教育にあるというお話も伺わせていただきました。私も、保育士の免許を持つ唯一の国会議員でございますので、教育の方にも大変興味深く注視しているところではありますが、大臣というお立場にありながらも、しっかりとした信念をお持ちの先輩であるということを感じさせていただいた次第でありまして、是非この法案も、特区特例ということだけにとどまらず、抜本改革の方向に是非導いていただきたいなということを付け加えさせていただきたいと思います。 この法案の申請、これは地方公共団体によるものとなっております。この場合の地方公共団体というのはどこの部分までを指しているのか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。 この法律で言う地方公共団体とは、第二条の第四項にありますように、都道府県それから特別区を含む市町村、一部事務組合又は広域連合というものを指しておりまして、これらの地方公共団体が計画を申請するに当たっては、第四条第一項にあるとおり、単独又は共同して計画を作成し申請することが可能ということになっております。 具体的には、一つの市町村が計画を作成する場合、それから二番目としまして複数の市町村が共同して計画を作成する場合、それから都道府県が計画を作成する場合、それから都道府県と市町村が共同して計画を作成する場合、そういうものが考えられます。
○羽田雄一郎君 今の確認なんですけれども、今、合併の話が、賛否は別にして、どんどん進んでいるということでありまして、そのことの関係において、どの範囲まで許されているのかということでは、広域連合とか、また、もう既に合併をするということが四年先とか三年先とかに決まっているという部分での合意でもいいということで確認をさせていただいてよろしいでしょうか。
○政府参考人(中城吉郎君) この法律で、特区の範囲というのは、地方公共団体の自発性というものを最大限尊重するという観点から、計画の内容に応じて当該公共団体の自らの判断によって設定するものということになっております。 その点で、この特区の範囲というのは市町村の範囲というのを基本と考えておりますけれども、計画の内容によってそれを超える場合も想定されているわけで、御指摘のように、合併計画が進んでいる地方公共団体が共同して特区を設定して計画の申請をするということも可能でございます。
○羽田雄一郎君 次に、内閣総理大臣による計画の認定となっているようですけれども、どのような手続が必要とされていて、どのくらい認定に時間が掛かるのか。これは先ほど、受理してから三か月以内において速やかに認定をしなければならないということをお聞きしているわけですけれども、それ以上に詳しくお答えいただければと思いますが、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(中城吉郎君) 地方公共団体はまず、法案に基づいて閣議決定されます構造改革特別区域基本方針、これを踏まえまして構造改革特別区域計画というものを作成するわけでございます。これを内閣総理大臣に認定申請することとなりますけれども、地方公共団体が特別区域計画の案を作成しようとする場合には特定事業の実施主体の意見を聞くとともに、都道府県が認定申請を行う場合には関係市町村の意見を聞くということが必要とされております。そして認定申請書にはこれらの関係者の意見を添付して申請するということになります。 構造改革特別区域計画の認定は、地方公共団体から申入れが、申請があった特別区域計画が認定基準に適合すると認められた場合に、個別規制の特例については関係行政機関の長の同意を得て内閣総理大臣が認定を行うものでございます。 認定申請の受付につきましては、法案の規定に基づきまして、平成十五年四月一日以降に計画の申請を受け付けるということでございます。 それから、処理期間につきましては、先ほど申し上げましたように、内閣総理大臣は認定の申請を受理した日から三月以内において速やかに認定に関する処分を行わなければならないということになっておりますが、午前中にも申し上げましたように、特区制度というのは経済活性化の重要な柱ということでございますので、申請を受けた計画については各省の協力の下にできるだけ速やかに対応していきたいというふうに考えております。
○羽田雄一郎君 その後、認定後も定期的に調査を行うとされていますが、どこが調べるようになっているのか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) 定期的な調査でございますが、法案三十六条の第一項におきまして、関係行政機関の長は規制の特例措置の適用状況につきまして定期的に調査を行い、その結果を構造改革特別区域推進本部に報告することとされております。また、法案の第三十六条第二項において、この調査結果や地方公共団体等の意見を踏まえ必要な措置を講じることとしており、全国的な展開などもここで検討されることになります。 さらに、法案第三条におきまして閣議決定されます構造改革特別区域基本方針において、関係行政機関の長からの報告を踏まえて、特区において規制改革の評価方法などについて定める予定でございまして、このような適切な評価体制を確立するとともに、全国における規制の見直しを行うなど、フォローアップに努めてまいりたいというふうに考えております。
○羽田雄一郎君 やはり取消し条項というのがありますので、是非そのところはしっかりと御確立していただきたいなと思っております。 内閣総理大臣、関係行政機関の長は、認定構造改革特別区域計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な助言その他の援助を行っていくとなっておりますが、具体的にどのような助言、援助ということを考えているのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) 認定を受けました地方公共団体が構造改革特別区域計画を円滑かつ確実に実施することができますように、計画実施に関する技術的なアドバイスとか必要な情報提供といったものを考えております。この本条における援助には従来型の財政措置というものは含まれておりません。
○羽田雄一郎君 今、財政措置はないということでございます。 現在、地方財政大変厳しくて、規制の緩和だけではなかなか計画の円滑かつ確実な実施というものが難しいんじゃないかなということを考えております。政府も与党も地方分権をうたっておりますが、財源の移譲が一切ない中で小さな権限だけを地方に移譲するやり方というのは、地方の財源を圧迫するとともに、地方分権とは名ばかりで、中央に財源がすべて集中する中央集権の最たるものが今の国の形になってしまっているんじゃないかということを感じずにはいられません。 私ども民主党は、国と地方の役割をしっかりと分けて、そういう中で、権限、財源、そして中央にいらっしゃる優秀な人間さえも、この三ゲンを移譲して国をスリム化することが本当に今必要なことだということを考えております。そのことを申し伝えさせていただきたいと思っております。 それでは次に、農林水産省の関係に対する質問をさせていただきたいと思います。 今までの農林水産省というのは、家族経営、これが日本の農業の基本であると言ってまいりました。今回の法案では企業も農業の担い手とするということであり、農水省は方針を変えたと言わざるを得ないと思いますが、太田副大臣、このことについてどうお考えか、お答えいただければと思います。
○副大臣(太田豊秋君) もう先生、農林水産委員会の中で非常に御熱心に私どもと御議論をさしていただいておりまして、詳しく御承知のわけでありますが、そういった中で、基本計画を作成いたしましたとき、農業構造の展望においてお示しを申し上げましたように、今後とも家族農業経営というのが日本の農業の大宗であるというふうなことはお示しをいたしたわけでございますし、これと併せまして、地域に根差しました法人経営がまた担っていくべきものでもあるというふうなことで先生方にもお示しをいたし、御了解いただいてきたところでございます。 そういった中で、一方で、地域によっては担い手不足によりまして農地の遊休化が進行しておりますし、また農地が荒廃しているような状況にも直面をいたしておるわけでありまして、今回の構造改革特区においては、これらの措置につきましてはこういった地域について何らかの対応策が考えられないかという観点から検討して、特別な対応として行うこととしたものでございまして、これまでの農政の基本を変えるものではありませんので、御了解いただきたいと思います。
○羽田雄一郎君 今、太田副大臣から言われた中で、遊休農地とか荒廃している農地の対策にならないかということでお話を承ったわけですけれども、今回、企業に貸し付けされる対象となる農地というのは、それではどのような農地を示すのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(林建之君) お答えいたします。 農業生産法人以外の法人の農業参入を可能とする、そういう構造改革特区につきましては、耕作放棄地でございますとか低利用農地がその地区の相当程度存在する、そういった地域を構造改革特区として考えておりまして、こうした地域内の農地がその対象となり得るわけでございます。 ただ、具体的にどの農地が貸付農地になるかということにつきましては、必ずしも耕作放棄地に限定されるわけではございませんで、遊休農地の解消の観点でございますとか農地の効率的な利用といった観点から、各地域において個別に判断されるべきものであるというふうに考えております。
○羽田雄一郎君 企業というのは利益や効率、これを追求していくものだと私は考えております。農業のしにくい中山間地域、そういうところよりは、平地であり一定のまとまりのある農地、いわゆる優良農地に集中していってしまうんではないかなということが懸念されるんではないかなと思っておりまして、このことに対しての対策は、今のお答えだと、ないということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(林建之君) ただいま申し上げましたように、対象農地は耕作放棄地とか低利用農地といった地域の活性化、活力の低下が懸念される、そういう地域を対象にいたしております。 その場合、参入できる法人、企業等でございますけれども、これにつきましては、地方公共団体でございますとか農地保有合理化法人といった、地域における農業の担い手の育成に責任を持っている、そういう公的主体に限定して、その主体から農地を貸し付ける、そういう仕組みにしているわけでございまして、その参入いたします企業に農地を貸し付けるに当たりましては、その農地の利用状況でございますとか農業の担い手の賦存状況、こういったものの地域の実情でございますとか、自助と自立の精神と申しますか、今回の特区制度の趣旨というものを地方公共団体が十分わきまえて、適切に対応されるものと考えております。
○羽田雄一郎君 なかなか今のお答えだけでは納得し難い部分というか、不安が取り除かれるかなという気はしておりまして、農地の転用とか、企業が優良農地を借りあさって採算が合わなくなったら撤退するというようなことで、荒廃した農地が増えていく、そういうような懸念というのが払拭されるのかなということを感じておりますが、その手だてというのはしっかりと打ってあるんでしょうか。
○政府参考人(林建之君) 重ねてお答えを申し上げることになりますけれども、今回の特区におきましては、地方公共団体や農地保有合理化法人から企業に貸付方式に限定をするということと、それから企業等が行う農業が適正かつ円滑に実施されるように、地方公共団体等と協定を締結して、そういった適正な利用が図られるように担保するといったことができるようになっておるところでございます。 したがいまして、仮に協定に反するような農地の適正でない利用がなされるといった場合には、こういった担保措置に沿って適正な是正措置が講じられるだろうというふうに思っておりまして、仮に例えば営農中止といったことで貸付農地が遊休地化するといったような場合には、貸付方式でございますので、その貸借関係を解除するということで、その農地の返還を求めるということが可能になります。そして、ほかの法人といいますか他の適当な者に貸し付け直すということも可能でございまして、そういったことによって、その農地が荒廃してしまうということを防止することができるというふうに考えております。
○羽田雄一郎君 今、それでなくても農業を担っている方というのは二十一世紀農業に大変不安を抱いておりまして、この不安を取り除く手だてというのをしっかりと作っていっていただきたいなと思っております。これはもう再度質問するのは避けますが。 私ども民主党は、参入規制と転用規制についてはセットで取り扱わなければならないと考えておりますが、このことについてどのような考えを持っているのか、是非、太田副大臣お答えいただければ有り難いなと思っておりますが。
○副大臣(太田豊秋君) 一般論としての今お話でございますが、企業の農業への参入の問題でございますが、我が国の特色は、先生御承知のように、それぞれ春先になりますと水を取り入れるために堰上げを集落全体でするとか、あるいは水路の管理を農業者がその集落の中でそれぞれが出ていって行うとか、あるいは土地利用をみんなでやっていくとか、そしてまた、あぜだとかあるいはくろだとかそういったところの草刈りとか環境整備、こういったことを含めまして、本当にそれぞれが地域農業として調和を図りながら一体的に今やっておるわけでありますが、こういったこと果たして可能になっていくのかどうかとか、あるいは農地が遊休化しやすいのではないかとか、あるいは資本力に差がある中で、経営規模拡大を目指している認定農業者の農業の担い手との調和を図り得るかどうか、こういった非常に農業生産現場から見ましても懸念があるところでございます。 また、農地転用規制の強化につきましても、憲法上の財産権の保障との関係で、財産権について現行以上に新たな規制を強化することについては、その合理的説明が必要ではないかといった課題が考えられるところでございます。 いずれにいたしましても、農業経営法人化の一層の推進などの農業の多様な担い手の確保のための方策及び農地の転用制限の在り方などにつきまして、平成十二年の農地法の一部改正の際の附則を踏まえまして、引き続き同法の改正後の規定の実施状況を検証してまいりたいと、このように考えております。
○羽田雄一郎君 ありがとうございます。 今回の法案では、地方公共団体、農協以外の者も市民農園として農地を借りることができるようになっております。 開設主体をどの単位まで拡大させることを考えていらっしゃるのか、また申請なんかはどういうふうに手続をするのか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(北原悦男君) お答え申し上げます。 今回の特定農地貸付法などの特例措置によりまして市民農園を開設することが可能となる主体につきましては、各地方公共団体から、地方公共団体や農業協同組合以外にも様々な主体を追加してほしいという提案がなされたところでございます。 農林水産省といたしましては、都市と農村の交流を促進するとともに、多様な形態での農とのかかわりを求めます都市住民のニーズにも対応するために、地域との調和や農地の適切かつ効率的な利用が図られるということを前提とした上で、市民農園の開設主体については特段の制限を設けないこととしているところでございます。 また、手続関係につきましては、これは市町村の計画の中で定められて、所要の手続にのっとって進められるということでございます。
○羽田雄一郎君 私どもも、農業に対する理解、またそしてそこでの交流、移住まで含めて、積極的に門戸を開いていくことを主張してまいりました。是非このことは幅広く広げていただければ有り難いなと思っておりますし、また今、飽食の時代に農業の大切さや厳しさ、また命、物の大切さを考えるためにも、そしてまた今はコンビニ、ファストフードのお店などでアルバイトする子供たち、時間になったらすぐ物を捨てなくちゃいけないという状況にありまして、そういう意味では、農業を理解し、捨てることを何にも考えずにするのではなくて、ここに来るまでにこれだけの人たちの苦労が掛かっているんだということを知って捨てるのと知らないで捨てるのとは大きな違いがございますので、是非そういうことでは農業体験学習、私はもう農水委員会では必ず質問しているわけですけれども、農業体験学習を推進する議員の一人としても、この規制緩和はどんどん進めていただくべきだと考えております。 しかし、一つ考えてみますと、今農薬の問題が全国的にも大きくクローズアップされている中で、開設主体の拡大によって農薬の問題等々がいつの間にか知らず知らずのうちに広がっていく、こういう懸念が考えられないか、またそのことの対策というのはしっかり取っていく必要があるんじゃないかと思いますが、お答えいただければと思います。
○政府参考人(坂野雅敏君) お答えを申し上げます。 最近、農薬の不適正な使用が元になりまして食の安全への信頼が著しく損なわれておりまして、このような事態を踏まえ、無登録農薬の販売に係る罰則の強化等の流通規制を強化するとともに、無登録農薬の使用禁止、農薬の使用基準の設定などを内容とする農薬取締法の改正を現在御審議いただいているところでございます。 現在御審議いただいております使用規制は、農家だけでなく市民農園を含め農薬使用者すべてに適用されるものであります。このため、改正法が施行されるまでの三か月の間に、改正法の内容、農薬使用者が守らなければならない農薬の使用基準などの必要な情報を分かりやすく広報し、周知徹底を図ってまいりたいと思っております。 なお、現在売られております登録農薬というのを購入しますと、包装には適用病害虫と言いまして、例えば野菜でありますとキュウリのアブラムシというようなものの防除に使うという用途ですね、それからどのくらいの量を使うか、面積当たりといった使用方法が丁寧に記載されております。現在、登録農薬でそういう表示があるものについて、そのとおり使っていただければ現在でも今後とも問題ございませんので、そういったことも含めまして周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○羽田雄一郎君 今までも、農家でも市民農園でもいつの間にか使っているということもありまして、また大量に買った農薬を転用してほかのものにも使ってしまうと、気軽にそういうことが行われていて、なかなか周知徹底といっても、拡大していくと個人や市民一人一人にかかわってくる問題でありまして、是非そういう意味では、そのことを十分に踏まえた上で、こういうことに使うと、ほかのことに使うとこんなことがあるので危険ですとか、そういうことまで含めて周知徹底していっていただきたいなと思っております。 農林水産委員会から出張ってまいりまして、基本的なことを中心にお聞きしてまいりました。午前中の議論を聞いていましても、まだまだ規制緩和というには物足りない部分もあるなということも感じました。我々を説得するには乏しい部分というものもところどころに見えたんじゃないかなということを感じました。 是非、鴻池大臣の強い意思と決断をもって、地方公共団体のアイデア、そしてチャレンジの後押しをしていっていただきたいと期待を申し上げ、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。 私も、今の羽田委員と同じように、日ごろは文教科学委員会に所属しておりますけれども、国会議員になる前は学校の教員をしておりました。そういう教員に携わってきた経験を持つ者として、今回のここで議題となっております構造改革特別区域法案の中の特に規制の特例措置ということで、教育サービスへの企業の参入促進、あるいは総合規制改革会議でこの間ずっと議論されております教育分野への株式会社の参入問題につきまして、教育に携わってきたという立場から御意見申し上げたいということでこちらに来させていただいております。 今、教育の問題は、本当に、大人だけではなくて子供たち自身も様々な深刻な問題を抱えて議論になっておりますし、国民的なあるいは社会的な課題になっております。その解決に向けては、文部科学省を始めとして、それぞれの直接の責任者であります保護者の方や、それから学校で教育に携わっている教職員自身も、どのようにすれば子供たちが本当に健やかにその個性と能力を十分に発揮しながら成長していけるかという、そういう教育改革が今取り組まれているわけですけれども、その教育をどのようにしていったらいいのかというような観点が、この規制改革なり構造改革という議論の中にどれぐらいそういった観点からの議論がなされているかという問題意識を持ちつつ、今日、質問を幾つかさせていただきたいと思います。 まず、文部科学省の方にお伺いしたいんですけれども、この法案が成立しましたら、企業の教育サービスへの参加促進ということに関しては、一つは職業人を対象とした専門職大学院の設置、それからもう一つは、不登校の子供を対象にした多様な教育を行う小中学校の設置を、学校法人設立要件を大幅に緩和することによって企業が学校法人を取得して学校を作りやすくする、これを特区として認めていくということで、具体的に、学校の設立要件の大幅な緩和ということは、私がいただいた資料では、専門職大学院の場合は校地を不要とし、校舎も全面的に借用でよい、例えば貸しビルの一室を借りてもよい、それから多様な教育を行う小中学校の場合は校地、校舎の借用を全面的に認めていく、このように学校設置に関する規制を大幅に緩和して企業がそこに参入しやすくするというような、このような認識でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(玉井日出夫君) お答え申し上げます。 学校につきましては、公共性を担保するということから、学校法人という仕組みを整えながら教育活動が展開されるわけでございますけれども、学校法人の要件はなかなか厳しいところもございますので、したがいまして今回、構造改革特区におきましては、自治体の提案に実質的にこたえ、そして企業が学校教育に参入したのと同様となるようにという観点から真摯に検討させていただいたわけでございまして、具体的には、委員も御指摘になりました職業人を対象とした専門職大学院につきましては、校地は不要とする、そして校舎につきましては全面的な借用を認める、すなわち自己所有要件を撤廃するということを考えたわけでございます。 それからもう一つは、不登校児童等を対象とした少人数の学校を設置する場合でございますけれども、ここにつきましても校地、校舎の借用を全面的に認めるということで自己所有要件を撤廃すると同時に、学習指導要領によらない弾力的なカリキュラムの編成を可能とする、そういうことによりまして、特定の種類の学校の設置につきましては学校法人の設立要件を大幅に緩和するということで、特区制度の趣旨にかんがみて、学校教育において民間ができるだけ参入しやすいように考えているわけでございます。
○神本美恵子君 教育の公共性ということを担保しつつ設立要件を緩和していくというような方針について今お伺いしたわけですけれども。 そこで、本質的なことをお伺いしたいのですが、例えば今回の不登校の子供たちに対応する学校の設立ということについて、この不登校の子供たちの問題は、今でも公立学校、私立学校を問わず、学校であるいは民間の様々なNPOの取組の中で、何とか不登校の子供たちが喜んで学校に行けるように、あるいは学校に行かなくてもそれぞれの個性、能力が伸ばせるようにというようなことを、そういった取組が行われているんですけれども、そこでそういう様々な取組や議論の中で一つの共通認識として、今、子供たちを無理に学校に、公、私立問わず、既存の学校に無理に引きずり出して、そこで現在の学校教育に適応させよう、そういうことにこそ問題があるのではないか、今の学校の在り方、学校の枠組みに問題が内在しているのではないかというようなことがこれまでそういう不登校に特に取り組んでこられた方々たちの中では共通認識になりつつあります。 そういう認識から、学校改革の方が必要だというふうに私自身は思っているんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 不登校の問題につきましては、これは大変憂慮すべき状況にあるわけでございます。 そういう状況の下で、このたびの構造改革特区における不登校施策につきましては、特区制度の下で、自治体の発議によりまして当該児童生徒、当該地域や児童生徒の実情に即したよりきめ細かな不登校対策を実施しようとするものでございまして、具体的には、先ほどお話ございましたように、不登校を対象とした新しいタイプの学校設置の際の学校法人の設立要件の緩和、あるいは学習指導要領によらない弾力的な教育課程の編成を可能にすることを予定をいたしているところでございます。 一方、こうした不登校の問題に対しましては、すべての児童生徒が楽しい学校生活を送ることができるようにすると、そういう基本的な考え方に立ちまして、不登校児童生徒の学校復帰を目指してきめ細かな指導、支援を充実させていくことが重要であるわけでございまして、こうした観点から、先生御案内のように、私ども、スクールカウンセラーの配置など、教育相談事業等々の施策を講じてまいっているところでございます。さらに、先ほど御指摘ございましたけれども、この九月から専門家等から成る協力者会議を設けまして、今後の不登校施策の在り方につきまして幅広い観点から検討を行ってまいっているところでございます。 その中では、かつてこの不登校の問題につきましてはどの国も起こり得ると、そういう認識の下に必要な対策をまいってきているわけでございますが、そうした考え方を踏まえて、現在はどうなっているか、実情はどうなっているかと、そういう現状分析を踏まえながら、幅広い観点から今後の不登校対策の在り方について検討を行っているところでございます。 私どもといたしましては、先ほど御紹介申し上げました不登校対策にかかわります各特区における地方自治体の多様な取組に期待をいたしますとともに、今後とも既存の学校における不登校問題の解決に向けた取組の一層の充実に努めてまいりたい、かように考えているところでございます。
○神本美恵子君 そういった総合的な不登校問題解決のための一つとして今回の特区が認められたというふうに今受け止めたんですけれども。 しかし、この間の経過からしますと、総合規制改革会議が七月の中間まとめにおいて株式会社の教育分野への参入を打ち出しましたよね。その前提の上に今回の学校法人の設立要件を緩和するという方針が取られて、その中の一つにこの不登校の小中学校設置というふうに見えてならないんですけれども、どっちでもいいじゃないかといえばそうかもしれませんが、その辺はいかがですか。
○政府参考人(玉井日出夫君) お答え申し上げます。 構造改革特区における学校法人の設立要件の大幅緩和、先ほど御説明を申し上げたとおりでございますが、今回、構造改革特区で自治体の方から様々な御要望がございました。御提案がございました。 できるだけそれを実現する、実質的にでも実現するということが特区の趣旨でございますので、そういう方向であらゆる様々な検討を行ったわけでございまして、そして自治体の要望として、少数ではございましたけれども、株式会社による学校設置を含む個別の提案が出されてきているわけでございまして、これらの提案を、先ほど申し上げました構造改革特区の趣旨というものにかんがみて、それを実質的に実現するにはどうしたらいいかということでの真摯な検討を行ったわけでございまして、そういう意味で、株式会社が直接設置するということについてはいろいろ議論があるわけでございまして、いろいろと課題が多いわけでございますけれども、先ほど申し上げたような大幅な要件の緩和によって、企業が学校教育に参入したと同様になるような必要な措置を講じたということでございます。 したがって、御指摘の総合規制改革会議の中間まとめにおいて確かに株式会社の教育分野への参入が提言されているわけでございますが、これと直接の関係があったということではないのではなかろうか、かように考えております。
○神本美恵子君 ですから、今の御答弁でありましたように、学校設立要件を緩和して規制改革をしていく、しかし学校教育制度の根幹は変えないという、そういうふうに認識してよろしいですか。
○政府参考人(玉井日出夫君) 教育の基本的な仕組みというものがあるわけでございまして、そういったところを大切にしながら、しかし、各自治体においてこれまでのいろんな取組の中で特に教育分野については様々な試みをしたいというせっかくの御提案でございますので、そういうものはできるだけそれを実現するという方向での検討を十分に行ったということでございます。
○神本美恵子君 私が心配するのは、本当に規制緩和といいますか改革が子供たちのためになるのだろうか、なるような改革に向いているのかということをやっぱり一番考えなきゃいけないというふうに思うんですね。 例えば、酒田短期大学の問題はこの間ずっと社会問題として取り扱われてきましたけれども、私が聞いたところでは、酒田短大の東京キャンパスというんですか、そこは貸しビルの貸し部屋にテレビが置いてあって、そこに学生が来て、テレビでビデオを見ながら勉強すると。出欠も取られない、先生もいつもいるわけではないというような実態があったというふうなお話も聞いたんですね。そういう、サテライト大学と名前は何か非常に格好良さそうなんですけれども、それで結局、学生がそういうことでは何のためにもならないということで通わなくなったというような話も聞いたことがあります。 いずれにしましても、このような取組を進める地方公共団体にはしっかりとした体制を作って臨んでほしいと思いますし、文科省としても、今度の法律が通りましたら定期的な調査を行うということが義務付けられているわけですから、そこをきちんとやっていただいて、そういう是正すべき点は是正していくと。本当に子供のためになる改革になるようにしてもらいたいというふうに思います。 また、専門職大学院についても、これからのスタートですけれども、その認証機関による第三者評価も初めての試みだと思います。これらがしっかりしなければ、先ほど言ったようなそういった安易なものというか、いい加減なものが雨後のタケノコのように乱立しないとも限らない。設立要件が緩和されたわけですから、ある意味ではだれでも作りやすくなったという意味で、乱立しない、させないためにどうするかという、そこについての文科省のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(玉井日出夫君) 学校は、私立学校も含めまして学校教育法や、あるいは大学でいいますと大学設置基準等、やはり法令にのっとって適切に運営される、これが基本でございます。したがって、万が一そういう適切に運営されていないとなりますと、厳正な措置を講ずるのはこれまた当然のことだろうと思っております。 また、今回国会においてお認めいただいております、大学設置認可については弾力化を図る、しかしながら事後チェックについてはきちんと行う、その間、御指摘いただきました認証評価機関、つまり第三者評価をきちんと行っていく、こういう仕組みを整えさせていただいたわけでございますので、したがいまして、特区において設置されます専門職大学院につきましても、いわゆる専門職大学院に関する設置基準というものが、いずれまた法律が通りましたので制定をしていきますけれども、それが当然適用されますし、またこのたびの学校教育法の改正によります第三者評価を受けることが義務付けられるわけでございますから、それによって質的な水準の確保は当然図っていかねばならないと、かように考えております。 また、委員も御指摘になりましたとおり、特区法に定めます報告の徴収だとかあるいは定期的な調査などございますので、それらによって認定後の状況の把握に努め、適切に対応してまいりたいと、かように考えております。
○神本美恵子君 是非とも、今回の規制緩和といいますか改革が子供たちのために、あるいは日本の教育のこれからの前進あるいはいい方向への改革のためになるように、しっかりと監視するところはしながら、また変えてはいけない学校教育制度の根幹は維持するというような視点から取組をしていただきたいと思います。 次に、この法案に直接は盛り込まれていないんですけれども、特区にかかわることということで是非とも鴻池特命大臣にお伺いしたいんですが、最近の報道によれば、内閣府が設置している総合規制改革会議、ここで教育分野への株式会社参入に関して検討が進められており、去る十一月二十三日のこれは毎日新聞の報道ですが、二〇〇三年度に措置というふうに株式会社の参入、導入時期を明記したというふうに、これは今度出される、もうすぐ出される予定の原案が、原案というか素案ですかが出た時期に新聞報道されたと思いますが、この規制改革会議の中での検討状況、またそのことの文科省との調整の状況はどのようになっているのか、御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) もう一度ちょっと聞き直したいんですが、二〇〇三年度の記事を私は読んでおりませんが、どういう内容でございますか。
○神本美恵子君 「教育分野への株式会社参入 来年度導入を明記」ということで、規制改革会議の第二次答申の原案の中に、原案では教育分野での教育主体の多様化の必要性を強調ということで、株式会社やNPOなど民間主体による学校経営の参入を可能とすべきだと明記して、導入時期も二〇〇三年度措置と明示したというふうな記事になっております。
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいま神本委員の御指摘の記事につきましては、私は精査しておりません。 大変失礼をいたしておりますが、総合規制改革会議の取りまとめの中で、教育分野に株式会社参入は必要であると、こういう議論があったということで、方向性として進められているのではないかと思います。そして、その会議の中で二〇〇三年をめどにそういうものを進めていってはどうか、取り組んでいってはどうかということであろうと思います。 そこで、それまでの、特区の担当として私が文部科学省と打合せ、調整をいたしましたところでは、やはり民にできるものは民でやってはどうか、あるいは全国でやるのではなく一か所だけでもこの特区というものの哲学を生かして教育の中に株式会社参入というものを考えてはどうかということを申し入れましたけれども、諸般の事情等の御説明もあり、いかなる長時間の話でも平行線でございますので、今回につきましては見送らせていただきますけれども、なお引き続き検討事項として文部科学大臣に御検討いただくようにお願いをしてまいったところであります。
○神本美恵子君 済みません、私も聞き落としたかも。それはいつの時点、今、現時点の状況というふうに受け取ってよろしいですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 十月初旬のことであります。
○神本美恵子君 では、その後、この新聞記事に書かれている二〇〇三年度に措置という、これについてはいかがでしょうか。担当の方で。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 部分的にちょっと御質問と我々の答弁が食い違っております。本件につきましては米田副大臣の御担当かと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○副大臣(米田建三君) 総合規制改革会議を所管をしておりますので私からお答えしたいと思いますが、個別の課題については正に今調整中でございまして、今月中に中間取りまとめを行うということではございますが、個別の課題については現在は調整中でございますのでコメントは今日のところは申し上げることはできない、そういう状況であります。
○神本美恵子君 じゃ、今月中に、最終、第二次ですかね、答申が出るということで、現時点ではそこは申し上げられないというお話ですけれども。 教育分野への株式会社参入ということについては中間まとめが七月に出されて、その中でも、そのときの抜粋ですが、規制改革会議の中間取りまとめの抜粋をちょっと見せていただいているんですけれども、その中で、学校教育法の改正を求めているんですね。恐らく、これは学校教育法二条の改正を求めているんだと思います。その二条は、学校の設置主体を国、地方公共団体及び学校法人に限定しているが、株式会社を含む法人についても学校の設置を認めるよう法改正すべきであるというふうに、これは中間まとめ段階で出ております。 しかし、学校教育法をいじればいいという問題ではないというふうに私自身は認識しております。これは、教育基本法の第六条の規定にもかかわる重要な問題だというふうに認識しているんですけれども、総合規制改革会議の中の議論がそういう教育基本法の問題も踏まえて、認識して行われているのかどうかということについてお伺いします。
○副大臣(米田建三君) まず、先ほどのお尋ねに関しまして改めて正確に申し上げますが、第二次答申の取りまとめに向けまして、今月中の取りまとめに向けまして調整中でございますと、そういうことでございます。 さて、今のただいまのお尋ねでございますが、教育基本法の第六条は、御案内のとおり、「法律に定める学校は、公の性質をもつものであつて、国又は地方公共団体の外、法律に定める法人のみが、これを設置することができる。」と、こういうふうに教育基本法の第六条はなっているわけであります。したがいまして、株式会社参入を考える際にこの教育基本法第六条の改正を視野に入れるべきかどうかと。このポイントといたしましては、第一義的には、株式会社が同条に規定する法律に定める法人として位置付けられるのかどうかと、この点にあるのではないかというふうに思います。 そこで、法律に定める法人かどうかについてでございますが、総合規制改革会議が策定をした中間取りまとめでは、学校教育法第二条を改正して、学校法人と並んで法律的にも株式会社による学校の設置を位置付けるべきとの趣旨で指摘を行っているわけでございまして、正にこの点で、学校教育法第二条が改正されるならば法律に定める法人であると言えることになろうかと思います。 さらに、本条の規定は学校が公の性質を有するものに限定する趣旨でもあるというふうに理解をしておりますけれども、この点につきましても中間取りまとめにおきましては、株式会社による学校も、学校教育法や私立学校法、さらには私立学校振興助成法の法規制などに服するよう制度設計されることが想定をされておるわけでありまして、このため、株式会社による学校であるとしても、このような本条の趣旨に十分かなうものであるというふうに思います。 以上の点を勘案をいたしますと、教育基本法第六条の改正が特に必要となるとまで想定はしておりませんが、いずれにしましても、中間取りまとめの指摘は学校教育法第二条の改正を求める立場であり、それに伴う教育基本法の改正の要否自体につきましては所管省を中心に具体的に検討されるべき性格の問題であるというふうに考えております。
○神本美恵子君 今、副大臣にお読みいただいた教育基本法の第六条、その中で、「法律に定める学校は、」、「国又は地方公共団体の外、法律に定める法人のみが、」というふうに書かれておりますが、こういうふうに教育基本法が設置者を現状、制限をしている。学校教育法は、私立学校の設立に学校法人の取得を要求しているわけですよね。こういうふうに設置者を制限する制限規定になっているのはなぜなのか、これは文科省の方にお伺いしたいんですけれども。
○政府参考人(玉井日出夫君) お答えを申し上げます。 学校の設置者につきましては、やっぱり学校教育の公共性だとか、あるいは安定性、継続性を担保することがやはり重要というまず基本的な考え方を持っているわけでございます。学校経営というものが、やはり公共性が確保され、そして必要な手段を有して、安定的、継続的に教育活動が行われる、そしてできれば教育条件の充実向上が図られる、こういうことがやはり教育にとって大変重要だろうと思っております。 そういう意味で、国、地方公共団体のほか、私立学校法によりまして、財団法人等に代わって、学校教育の公共性、安定性、継続性を担保する主体として学校法人制度が戦後創設されたわけでございます。 なお、先ほどの基本法との関係でございますけれども、法的な仕組みということでちょっと若干だけ申し上げさせていただきますと、基本法六条に確かに国、地方公共団体及び法律に定める法人に限定をするという規定になっておりますけれども、それは要は具体的な法人の範囲は学校教育法で規定するということに法的な枠組みとしてはなってくるわけでございまして、したがいまして、教育基本法第六条から直接に株式会社どうのこうのということにはなかなかならないと、こう思っております。 したがって、学校の設置主体につきましては、基本的には学校教育法上どういうふうに考えていくかと、こういう問題であろうというふうに思っています。今のは法的な枠組みの問題でございます。
○神本美恵子君 ありがとうございました。 それで、こういうふうに制限規定になっているのは、やっぱり教育というのが非常に強い公共性を持っている、しかも安定的に、継続的に行われる、そういうものでなければいけないということでこういう制限規定がなされているというふうに私は認識しているんですが、この公共性、強い公共性というようなものについて、もう少し具体的に文科省の方で説明をしていただけますか。
○政府参考人(玉井日出夫君) 公共性と申しますと、やはりそこは非営利的な目的を持って、そして教育の質、あるいはできるだけ低廉な学費によって教育が安定的、継続的に実施できるということがやはり大切ではないかというふうに思っております。 もちろん、学校教育につきまして画一的でいいのかという御議論もあるわけでございますので、様々なタイプの教育活動が重要になってくるわけでございまして、近年では特に小中学校は、私立学校というのは非常に参入しにくいという現実の状況がございましたので、そこで、それまでは制定されていませんでして、まとまった形になかった小学校、中学校、それぞれの設置基準というものを新たに制定し、そしてできるだけ私立の小学校、中学校が設置しやすいように認可基準についても緩和する方向での今要請を、促進を図っているところでございます。 さらには、近年、地方公共団体とそれから学校法人が協力して私立学校を作り上げていくといういわゆる公設民営方式もかなり出つつございますので、そういったものの促進も大変重要だろうと考えているわけでございます。
○神本美恵子君 今お答えいただきましたように、公共性を担保しつつ、しかも多様な教育ができる。公共性を担保するという意味でこの学校法人という形態を取って、様々な、企業が参入しての、企業とか個人とかが私立学校を設立しているわけですよね。 ですから、個々に新たにその法律に定める学校の中に株式会社というものを入れる必要、入れないでも、企業が参入しようと思えば、今の中でも法人さえ取得、学校法人を取得すればできるわけですから、この学校法人を取得しなければならないという制限規定になっているのは、やっぱりその公共性をいかに担保するか、安定的、継続的に教育活動が行われる、そのための設定だというふうに私は教育基本法も学校教育法も理解をしているところです。 そこで、学校教育に株式会社を参入させて、ごめんなさい、今までの議論について、担当である鴻池大臣は、公教育の公共性、継続性、安定性ということについてはどのように、感想でも結構ですけれども。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 今までの神本委員と文部科学省の議論、あるいは衆議院でもお聞きもいたしましたし、担当副大臣の御意見もお聞きをいたしておるところでございます。 ただ、学校法人が公共性があって、善であって、株式会社が公共性がないかといえば、私は、株式会社という営利集団であっても公共性というものはある、このように思っております。 そういう中で、話は変わりますけれども、教育を受ける側、いわゆる生徒あるいは学生、保護者、こういった方々のニーズというものもいろいろ変化をしてきている時代に入っておるわけであります。 そういった中で、文部科学省の表現をされるその基本的なものは絶対に変えないんだと、それはそれで結構でしょう。しかし、そういったニーズを多様化している中で、一点ぐらいは、私は、教育の分野の中に株式会社というものが参入をしていく、そして多様なニーズにこたえていくという、そういう私は時代に入っていると思います。そのような考え方で文部科学大臣にも要請を申し上げ、なお検討していただきたいということをお願いをいたしておる立場でございます。
○神本美恵子君 今、大臣がおっしゃるような、多様なニーズにこたえていくということの必要性はよく分かります。 特に、教育を受ける側、その権利を有する、教育権を持つ子供や保護者、そのニーズにこたえるために日本の学校教育制度の在り方を様々に見直していかなければいけないということは分かるんですけれども、私の聞き違いでしょうか、株式会社が教育に参入したいというそのニーズではないんですよね、今おっしゃったのは。国民のニーズというのは。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私の申し上げているのをなぞって委員から表現をしていただきました。そのとおりでございますけれども、株式会社が教育の分野に参入をしていくということは、私は、今の段階で不必要ではなく必要なことであるというふうに考えております。
○神本美恵子君 私は、先ほどの繰り返しになりますが、なぜ日本が学校法人という形を取っているのかという点を、やっぱりこれは戦後ずっと状況は変わっていないというふうに思います。そこはちょっと議論がかみ合わないと思いますけれども、是非とも、繰り返しになりますが、公共性ということを考えていただきたい。 例えば、もう時間がないんですけれども、アメリカやイギリスやフランスのいろんな、どんな、こういう株式会社が参入した例があるかということを私なりに調べさせていただきましたけれども、公立の学校、既存の学校に一つのインセンティブを与えるというような良い面もあるけれども、その逆に、非常にやっぱり安定性を欠くということで、例えば会社がつぶれたときに学生の行き場所が確保できないとか、あるいは特定の宗教の人をそこから排除するとか、公共性として大切にしなければいけないものが担保されない例も、これはアメリカの例ですけれども、幾つか読ませていただきました。 そういった観点から、是非とも経済論だけではなくて教育論として、教育論として論じていただきたいというふうにこの点については思います。 学校教育というのは、もう御承知だと思いますが、知識や技能を教えるだけではなくて、一つの社会の一体感といいますか、一体性を確保していくという役割もあると思います。そういう意味では、日本でいえば日本語をすべての子供たちに履修するということを課しているという。これも、ただ言語の知識を教えるというだけではなくて、日本の文化あるいは歴史を日本語を通じて教えているわけですから、そういった教育論的な議論が是非ともここでは必要ではないかなと思います。 いや、株式会社だったらそれができないという意味ではなくて、教育の持つ役割というようなことを考えて、この株式会社参入ということは是非とも議論をしていただきたいと思います。 そういう意味では、憲法や教育基本法でうたっている教育の機会均等あるいは人格の完成といったようなことをもっともっと議論が行われた上で調整されるべきではないかなというふうに思います。 最後になりますけれども、これは質問というよりも内閣委員会の委員の皆様に是非知っておいていただきたいというか御紹介したいんです。 私も最近勉強したばっかりなんですけれども、サービス貿易に関する一般協定、GATSが欧米の教育関係者の中で、教育も貿易の対象となるというふうに大きな危惧が広がっているというふうに聞いております。その理由は、GATSが対象としないのは政府権限で行われるサービスだけで、政府と民間が混合して行うサービスは貿易の対象になる可能性があるということで、大変危惧されております。 実際に、今年の五月に世銀とアメリカが共同してフォーラムを開催したときに、議題は正しくこの教育サービスの貿易に関することであったそうです。この政府と民間が混合して行うサービスということが進んでいけば、この学校教育もまた貿易の対象となる。これは非常に危険なことではないかなというふうに思います。貿易というのはやっぱり利潤追求でありますので、教育が、例えばこの教育サービスが貿易の対象となった場合は、海外から、海外の企業、株式会社が日本の学校に参入してくる。それが必ずしも全部否定するものではないかもしれませんけれども、そのことが何をもたらすかということをやっぱり考えておく必要があるんではないかと思います。 教育文化的な見地から、是非ともこの株式会社の教育分野への参入ということは十分に時間を掛けて議論をして、そして結論を導いていただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。 まず、研究交流促進法に関する質問をいたします。 産学共同研究について、我が党は、貴重な国民共有財産を特定企業の研究開発にのみ利用されることについては、公平、適切な条件の下に行うべきであると考えております。 今回、地域経済の活性化のために規制緩和を進めるという構造改革特区法案ですけれども、法案二十二条で、研究交流促進法を改正して、土地の廉価使用の要件を緩和する、研究成果をこれまで国に提供したことを報告だけにとどめるということにしています。 そこで伺いますが、これまで国の研究機関、設備の廉価使用、土地の廉価使用の実績はどうなっていますか。数字で結構です。
○政府参考人(石川明君) 研究交流促進法第十一条につきましては、第一項の試験研究施設の廉価使用及び平成十年の改正によって付加されました第二項の敷地の廉価使用の二つの規定があるわけでございますが、第一項の施設の廉価使用につきましては、残念ながら適用実績はございませんけれども、第二項の敷地の廉価使用につきましては、現在までに三件の実績があるところでございます。
○吉川春子君 今あるそういう法律についても余り実績は上がっていないという数字ですね。 それで、研究交流促進法の対象となるのは国立大学と国立研究機関であって、独立行政法人化された施設は対象になりません。国立大学は平成十六年に独法化されるわけですから、対象から外れるのではないでしょうか。それで、平成十六年以降、本法の、研究交流促進法の対象になる研究機関は幾つあるのか、お示しいただきたいと思います。
○政府参考人(石川明君) 現在の研究交流促進法第十一条の対象となる機関につきましては、今お話がございましたように、各省所管の国立研究機関、それから国立大学あるいは国立病院等でございまして、その数は現時点では百九十四機関というふうに承知をしているところでございます。このうち平成十六年度には国立大学、それから国立病院等の法人化が予定されているところでございまして、これに伴いまして同条の対象となる機関としては、今現在の見込みとしては三十五機関程度になるものというふうに考えております。
○吉川春子君 非常に激減するわけですけれども、国立大学を独法化すれば国の財産ではなくなるので、自由に研究施設等を企業に使用させることができるわけですね、もちろん契約を結んでですが。独立法人化自体について、私たちは問題点を指摘してきましたけれども、今日は触れません。 今回の特区について、地方からこのアイデアを募集したわけですけれども、平成十六年以降も共同研究について特区にしたいと、こういう地方公共団体からの要望は何件寄せられていますか。数字をお示しください。
○政府参考人(石川明君) 本年八月の特区に関する地方公共団体からの要望において、今お話のございます大学等の研究施設あるいは敷地の利用の際の要件や条件の緩和について、早期に実現してほしいという旨の要望は十八件ほどあったところでございます。 ただ、この当該要望につきましては、今後、特区法に基づきまして申請される具体的な計画の中において、実際にどういった機関を対象とするかというようなことが明らかにされるということでございますものですから、十六年度以降もこの特例措置の適用の対象となる計画がどの程度あるかということにつきましては、大変恐縮でございますけれども、現時点では不明でございます。
○吉川春子君 そこで、鴻池大臣、お伺いいたします。 今の議論をお聞きいただいて、平成十六年以降、独法化されると、対象になる全部でも三十五施設ということで、しかも今十八件上がってきているのは大多数が大学を利用してということなもんで、私の予想ではほとんど今後なくなるのでないかと、このように想像をしております。 それで、今回、地域経済の活性化ということで特区法案が出されてまいりまして、その中に研究交流促進法というものも入っているんですけれども、こういう今の数字を見ますと、地域経済の活性化にどの程度役立つというふうに大臣としてはお考えなのか、認識をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) とにかく研究施設を安く使うと、こういう基本的なものから、企業規模の大小を問わず、研究交流に意欲的な企業の産学連携への取組が促進されるであろう、また民間企業との交流を通じて、大学における研究活動の活性化、若手研究家の育成が促進されるであろうと、こういう期待でありまして、産学連携による地域の活性化が図られる、こういう期待を持って推進をいたしておるところであります。
○吉川春子君 国立研究機関を民間企業に使用させる規制緩和はもう独法化をもってほとんど完成しているわけですね。これは私たちが賛成とか反対とかという立場ありますけれども、完成していると。今回、この研究交流促進法の改正という形で出してくる意味はほとんどなかったのではないかなと、今後推移を見守りたいと思いますけれども、私はそのように指摘をいたしまして、次の質問に移ります。 それで、構造改革特区と公共事業の連携の問題なんですけれども、総合規制改革会議、七月二十三日の中間まとめでは、構造改革特区に対して補助金のかさ上げとか税金の軽減とか、従来型の財政措置は用いないこととしています。特区に関連する分野について、地方公共団体から各省庁が実施する事業を活用するなどの要求があれば、これは別途配慮していくと、こういうふうに受け止めてよろしいんでしょうか。
○委員長(小川敏夫君) 答弁者は。
○吉川春子君 国交省か、あるいは大臣か、どちらでも結構です。
○政府参考人(薦田隆成君) おっしゃられますとおり、従来型の財政措置は講じないということでございますけれども、地方公共団体が自発的に各省庁の予算を効率的に活用するということによって地域の活性化効果を高めようとするということは当然あるものとも考えております。
○吉川春子君 それで、大臣にお伺いいたします。 国土交通省の来年度概算要求には、公共事業に重点的に付ける予算として計画連携等推進費二千五百億円が計上されています。対象となる連携事業のイメージとして、国際競争力の向上(物流)、地域経済活性化(構造改革特区)などの効果が顕著であることとなっています。 地方公共団体からの要求ということで、構造改革特区と関連する分野として従来型の公共事業が一体となって進められる、特区と一体となって進められることにより、その結果、地方財政の危機を深めるのではないかと私は懸念いたしますが、この点について大臣はいかがですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私はその懸念をいたしておりません。特区と従来型の巨大プロジェクトを一体的に進めるものではないと認識をいたしております。
○吉川春子君 一体的に進めるものではないと、こういう御答弁がありました。 それで伺いますけれども、全国から国際物流特区の提案が、大規模な港湾を抱える地方公共団体から上がってきています。国際物流特区に関連した分野で、今私が申し上げました計画連携推進予算が付くために効果が顕著であるということがその要件として掲げられていますけれども、この内容は具体的にどういうことを指すんでしょうか。効果が顕著という内容です。
○政府参考人(薦田隆成君) 私どもの要求をしております計画連携等推進費というものについてちょっと御説明をさせていただきたいと思います。 国土交通省におきましては、所管する公共事業に関する長期計画というものを全体として見直し、一本化することとしております。ここでは、新しい一本化の計画の下では、計画の段階から様々な場において複数の事業間の連携を図るということが重要だというふうに考えております。このために、種々の連携事業の推進に当たって一層弾力的な対応を行うということを主眼としてこの経費を要求しているところでございます。 対象となる連携事業のイメージということで、例えばということで申し上げますと、今申し上げました一本化して新しく新たに作成する新しい計画の下で、同計画の期間内に目に見える成果、アウトカム指標が向上するとか、そういうことでございますが、そういう成果を上げることを目途として、かつ明確なテーマ性を有する連携事業、あるいは物流効率化等による国際競争力の向上、地域経済活性化などの効果が顕著であって、公益的な見地から作成されたプランやプログラム等に基づいて計画的に実施されると見込まれる連携事業というようなものを想定して要求しておるところでございます。 なお、具体的な連携事業の内容等につきましては、新たな計画の今後の作業、策定状況等を踏まえる必要があるというふうに考えております。
○吉川春子君 物流基地といいますか、港湾、バースとかコンテナの置くヤードとか、それから高速道路を結ぶ道路とか、港湾整備といろいろなものが一体となって、そして、港だけ整備したわけじゃ駄目ですので、高速道路にアクセスする道路とかいろんなものの整備が併せて必要になってくるわけですけれども、こういうことを一体として見て効果が顕著であるというような今御説明でしたか、確認します。
○政府参考人(薦田隆成君) 今申し上げましたように、考え方を御説明いたしましたが、具体的な連携事業が何であるかということは、地方公共団体が自発的に作成する計画次第ということであるというふうに考えております。ただ、長期計画の一本化を進めていく上に当たりまして、先ほど申し上げましたような連携事業というものを頭に置いて要求をしているところでございます。
○吉川春子君 具体的にお伺いいたしますけれども、私は横浜市の国際物流特区構想の地域を見てまいりました。横浜市は横浜港の本牧埠頭、大黒埠頭、南本牧埠頭及び背後地域を特区にするという提案を政府に出していますね。 横浜港で現在水深十五メートル以上の大水深バースは幾つ稼働し、幾つ整備中なのか。また、横浜港湾計画で何バース造ることになっていますか。数字をお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(金澤寛君) 横浜港におきます大水深の岸壁に関してお尋ねでございましたが、現在の港湾計画でございますけれども、その計画におきまして計画されております水深十五メーター以上の岸壁、全部で十二バース計画されております。そのうち三バースが稼働しておりまして、整備中のものが三バースございます。 したがいまして、残り未整備のものが六バースでございますが、なお、この六バースにつきましては、四バースは現在稼働中のものでございまして、船型の大型化に対応してそれを改造するというものでございます。それで、あと二バースがいわゆる新造、新しく造るものでございます。 以上でございます。
○吉川春子君 国土交通省にまた伺いますけれども、第九次港湾整備計画は全国の港湾計画を実施していくものですけれども、期間中に整備するとした国際海上コンテナターミナルが五十ですね。現在幾つ整備されたんでしょうか。もう完成年度が来ているんですが、幾つ整備されたのか伺います。
○政府参考人(金澤寛君) 第九次五か年計画におきまして、先生御指摘のとおり、約五十バースの整備を進めるということで計画しております。平成十四年度末におきまして五十バースのうち四十バースを整備を進めてきたところでございまして、そのうち三十バースが完成を見る予定でございます。
○吉川春子君 つまり、五十のうちの半分、三十バースが完成ということですね。これは、私ども何遍もこれまで国会で追及、質問をいたしました。平成九年にも運輸委員会で筆坂議員もこの問題質問しているわけですけれども、計画が最初から過大で、各地でいわゆる釣堀のような船の着かない港の整備を行って、過大で無駄な公共事業に対する世論の批判が高まったということは記憶に新しいわけですが、そういうこともあって目標どおりには整備できなかったというわけですが、こういう過大な計画について抜本的に見直していかなくてはならないと思いますが、政府といたしましては、これは、五十バースの整備というものは今後見直していきますか。
○政府参考人(金澤寛君) 私ども、五か年計画というものを立てて計画的に推進をしていくという立場になっておりますが、期間中に国際海上コンテナターミナルの整備を進める施設、五十バース、それを決定した時点におきまして、その当時の経済社会状況あるいは財政状況等を十分に踏まえまして計画を策定したものでございますが、実際に事業を採択する時点におきましては、計画当時におきます考慮事項につきまして、採択時、再度その状況を厳格に検討いたしまして、費用便益分析などにより厳しく評価をした上で事業を採択しております。 このような事業採択時におきます厳しい審査を進めておりますが、今申し上げましたように、五十バースのうち、四十バースは整備を進めておりますけれども、まだ、三十バースは完成するというということでございまして、整備を着手していないものもございます。そういうものにつきましても、今後、整備を進めるべき国際海上コンテナターミナルについて、我が国の国際コンテナ貨物量、あるいはコンテナ船の大型化、そういうものの動向を踏まえまして、投資効果を十分検証しながらその必要性につきまして十分吟味いたしまして、我が国の港湾の国際競争力の向上のために必要であるということの結論が出ますものについて適切に進めてまいる所存でございます。
○吉川春子君 大臣にお伺いしますけれども、例えば横浜港では二〇〇一年四月に日本初の水深十六メートルの大水深バースが完成しまして、南本牧埠頭MC1、MC2ターミナルが稼働しました。しかし、横浜港の扱いのコンテナ数は二百二十五万TEUと言うんだそうですね、二十フィートの大きさのコンテナに直すとそういう状態で横ばい状態だと。港湾計画の目標は二〇〇五年にコンテナ三百十四万TEUとなっています。大水深バースが三バースで稼働している下で取り扱っている個数が今伸び悩んでいて、毎年三%の伸び率は認められないと、こうなっています。それでも、来年度、更に三バース横浜港では完成させるために予算が注ぎ込まれています。 計画で二〇〇五年度にコンテナの扱い量一三〇%増えると、こういう見通しの下にやってきました。しかし、コンテナの取扱量の推移をずっと私も数字を拝見しましたけれども、これ以上の整備は無駄になるということは目に見えています。横浜港の計画は十二バースを造るということなんですけれども、こういう過大な計画をそのまま行け行けどんどんで整備するんではなくて、やっぱり立ち止まって、高速道路ではありませんけれども、見直す必要があるんじゃないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいまの、吉川委員のただいまの御質問に関しましては、ああ、そうですかということぐらいしかお答えできないと思います。尼崎港、神戸港につきましてはいささか御返事ができます。 ただ、今回の特区の構想によりましてこれがなお計画どおり推進ができるように期待をいたしているところであります。
○政府参考人(金澤寛君) 横浜港のコンテナ貨物の推移の状況を先生ごらんになったということでございまして、平成六年から十二年の傾向をずっと見てまいりますと、例えば平成七年で二百七十三万TEUとピークになっております。これは御説明を横浜市がされたかとも思いますが、いわゆる神戸の大震災がございまして、神戸の大震災で神戸港が全く使えなかった状況にございました。そのときに貨物が推移してきたものでございまして、これは一つの特異点でございます。 その後、平成八、九、十辺りで少し横浜港の貨物伸び悩んでおりますが、これは先ほども申し上げましたとおり、横浜の港の場合は現在水深が浅い、過去に造って浅かった、船形が非常に大型化してきた、そういうものの大水深化への改造をやっております。いわゆる既存ストックを有効活用していくと。新しいところにどんどん造るということじゃなくて既存ストックを有効活用して造るということで、D5バース、本牧にD5バースというのがございますけれども、そのバースの改造をやっております。そういう意味で非常に取扱いの能力が少し落ちたということもございます。 ただ、平成十年から十一年、十二年とここ三か年の状況は、コンテナ貨物、日本の経済の状況が必ずしも芳しくない中にありながら五%ずつ貨物量伸ばしてきておりまして、この傾向が仮に続くとすれば、目標年次、平成十七年度でございますが、先ほど私どもの港湾計画の目標値三百十五万TEUということになっておりますが、二百九十万TEUぐらいに達するだろうと。ほぼ計画取扱貨物量に達するんではないかという予測を横浜市の港湾管理者はされているというふうに聞いております。 そういうことをかんがみながらも、なおかつ、実際一つ一つの整備につきましてはその時点で、先ほども申し上げましたが、こういう長期計画の推計にそのまま突っ走るということではなくて、一つ一つ費用便益分析をやりまして、なお必要性を更に確認した上で慎重に対応してまいりたいと、かように思っている次第でございます。
○吉川春子君 神戸の大震災のときに神戸の取扱いは横浜に来たりあるいはシンガポールや釜山やそういうところへ行って、もう帰ってきていないわけですよ、そっちの方へ行ったものはね。そして、そこがすごく多くて激減したということですけれども、私はその前の数字から見て、九四年の数字から比較して今のことを申し上げたつもりです。そして、それはやっぱり過大な見積りであるということを申し上げたんですけれども。 例えば、私はもう全然これ専門家じゃないんですけれども、昨日見た数字を申し上げているんですけれども、一九九六年が貨物量全体が十五億八千百六十九万トン、二〇〇〇年が十四億七千八百十四万トンに減っていて、この五年間で見ても九三・五%、日本の港全体の取扱量が減っているわけですよ。しかも、日本の港は各地で物すごい大水深バースを造っているわけですよね。だから、国内の取り合いもあるわけじゃないですか。そういうような状況の中で横浜を、私は横浜を例に、横浜しか見ていませんのでね、昨日は、それを例に申し上げているんであって、全体的にもそういうことが言えると思うんですね。 そういう中で、やはり港湾整備の五十バースの目標というのが課題で、今三十なんだと、そしてそれをまだ手を付けているところもあるからみんなやる、更にやると。これは非常にやっぱり過大な公共事業が今度特区ということを一つの契機としてもっともっと進むのではないかというおそれがあるわけなんです。 それで、大臣、私は、地方公共団体の要求ということで従来型の公共予算に予算が付けられて、そしてコンテナの扱い量が必ずしも増えていないのに大水深のバースの計画だけが進められていくということになれば、これはやっぱり無駄な公共事業になるわけですね。 だから、やっぱり国際物流特区が作られて、関連する分野として過大な港湾整備が特区と一体として促進されることになるのではないか、こういう懸念を今の貨物扱い量の推移などから見て思うのですけれども、この点について大臣、いかがですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 港湾整備につきましては国土交通大臣の所管でございますので、私からお触れすることではございません。 ただ、ただいまの御議論にありましたように、神戸港が使用不可能になった、出ていった、帰ってきていないことないんですよ。神戸港、九割以上の船が帰ってきております。それぞれ港も活況を呈してまいりました。しかし、御存じのとおり釜山港等、海外で大変なハブ港ができている中、日本の港湾設備がせっかくありながら、あるいはこれから進めようとしている中で、いろんな規制の中で、規制があるゆえに船が入ってきづらい、あるいは出づらい、作業がしづらい、こういったものをこの特区でもって規制緩和をして、二十四時間体制をしくとか、港湾を二十四時間開く、こういったことをやることによって日本の経済の活性化につながっていくと、このように思っておるところであります。
○吉川春子君 その点についてはちょっと私と見解を異にするのはやむを得ませんが。 規制緩和のことについて最後に質問したいと思うんですけれども、今回の法案の十四条で、港湾法の特例を設けています。港湾施設を特定の民間業者に長期貸し付けることができるようになる、特定の民間業者、資本力のある大企業が中心になると思いますけれども、港湾施設を貸し付けることによって、そこで営業する中小港湾運送業者、港湾労働者を切り捨てることにならないのかどうか、こういう危惧が関係者から私のところに寄せられています。過当競争と中小事業者の淘汰、労働者の雇用喪失など、港湾運送秩序を混乱させ、安定した港湾運営に支障を来す結果となるのではないか、こういう大臣、危惧なんです。 それで、港湾運送は圧倒的多数の、大臣の方が詳しいと思いますが、圧倒的多数の中小事業者が大企業である荷主、海運会社からの港湾荷役を受注することによって成り立っています。港湾運送事業法は、中小港湾運送事業者と経済的優位な立場にある荷主や海運会社との関係を考慮して、ダンピング競争などの弊害を除去するために需給調整規制を始めとした措置を今まで講じているわけですね。特区においても港湾運送事業法の本来の趣旨が徹底される必要があると思うんです。 政府は港湾運送事業法、港湾労働法を特区においても従来どおり適用することと同時に、これまで以上に港湾運送事業法と港湾労働法を徹底することが必要だと思いますけれども、その点について国土交通省並びに大臣の答弁をお願いします。
○政府参考人(徳留健二君) 港湾施設の貸与に当たって、既存の港湾事業者等に混乱を生じないよう関係法令を遵守すべきではないかというお尋ねがございました。 今回の港湾特区制度により、港湾運送事業法の適用につきましては何ら変わるものではないものと認識しております。また、今回の港湾施設の貸付けに当たりましては、公告縦覧等の公正な手続を経た上で、当該港湾の効率的な運営に特に資するかどうかという観点などから港湾管理者が公正かつ適正に要件に該当するか否かを判断して決定する手続となっております。 私ども国土交通省といたしましては、港湾が混乱しないよう秩序を維持し港湾の安定を確保することは重要な課題であると認識しておりまして、引き続き港湾運送事業法の適正な運用に努めてまいりたいと思っております。
○吉川春子君 大臣、お願いします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 吉川委員の聴取されました業者と申しますか、港で働いている方々、私の方とは違うかもしれないとおっしゃっていましたけれども、違うんでしょうね。 私の聞くところによる小なる港湾運送事業者もこの特区については大歓迎だと、よかった、よかったと、こういうふうに言っております。 ただ、御懸念の件につきましては、ただいま国土交通省から答弁がございましたように、港湾管理者がしっかりして、そして港湾運送事業法というものの基本理念というものを失わないようにしていくべきだと、このように考えております。
○吉川春子君 終わります。
○小池晃君 構造改革特区の目玉とされている医療、福祉部門の問題をお聞きします。 これ、医療も福祉も継続性、公平性、公共性が大事であって、株式会社の参入は営利化を加速してゆがめるのではないかという批判が出ております。 それで最初に、今回は見送られましたが、病院に対する株式会社の参入問題についてお聞きをしたい。 厚労省にお聞きしますが、既に株式会社によって運営されている病院あると思いますが、その数、どう推移しているか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) 医療施設動態調査というものがございまして、全国の株式会社立病院の数を直近で申し上げますと、昭和六十二年十月一日現在で八十九施設ございました。これは一番多いときでございました。平成十一年十月一日現在では六十八施設でございます。そして、本年九月末現在では六十二施設となっております。
○小池晃君 八七年八十九から今年六十二ですから、十五年間で二十七病院、三割も減少したことになるわけですね。こうした株式会社立病院の特徴は一体何か、さらに、こうした医療機関にほかの医療機関にない優位性というものがもしあるとすればどういうものか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) 特徴と言えるものかどうかでございますが、設立の経緯が一つの特徴ではないかと思っております。 現在、先ほど申し上げました六十二の株式会社病院がございますけれども、一つは、専ら従業員の福利厚生の目的として設立されたものが一つのグループでございます。それから、もう一つのグループは、JRやNTTなど旧公共企業体のものであったものが、それが民営化に伴いまして株式会社立となったものでございまして、それから、そういうものが元々職域の病院でありましたけれども、その地域住民の要望などによりまして地域全体の住民のための病院というような形で発達をしてきた。あくまでも、病院事業が主体ではなくて、その株式会社の付随的な事業で発達してきたと。これが特徴と言えば特徴だと思います。
○小池晃君 そういう病院にはほかの病院にない優位性、優れた点があるのかということを併せてお聞きしたんですが。
○政府参考人(篠崎英夫君) 六十二それぞれ経緯がございますので、他の株式会社立病院以外のものと比べて何か特別な優位があるかと言われれば、一つはやっぱり、元々の本社からのいろんな支援がある病院が多いというようなところが一つの特徴かと思います。
○小池晃君 要するに、この間の経緯を見ても企業立病院というのは急減しているわけですね。株式会社によって経営すれば非常にその経営手腕が良くてうまくいくかというと、決してそうではないというのが私は実態だと思うんです。 我が国有数の企業立病院を運営している麻生セメント社長の麻生泰さん、これは麻生政調会長の弟さんですか、がこう言っているんです。たとえ企業参入が解禁されたとしても、医療分野に営利企業はそれほど参入してこない。大臣、ちょっとお聞きいただきたいんですが、こうおっしゃっているんです。企業参入解禁されても営利企業はそれほど参入してこないんだと言っているんですね、麻生セメントの社長さん。麻生セメントというのは有数の、九州に飯塚麻生病院って結構企業立病院としてはよくやっているんじゃないかなというような病院をやっているんです。労働集約型産業で人件費率が五割にも達するという費用構造、そして利益率が三%や五%などという産業は、利益追求という側面だけでいえば余りにもリスキーですとおっしゃっているんですね。しかも、昨今の診療報酬の大変厳しい対応があるわけですね。 大臣にお伺いしたいのは、こうした条件にある株式会社立病院どんどん減っている、経営環境極めて厳しい、メリットが余り営利企業にはなさそうだ、こういう中で果たして株式会社が病院経営にどんどん参入してくるというような状況になるんだろうか。この点、どのように大臣はお考えなのか、お聞かせ願いたいと思うんです。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 小池委員はお医者さんのお立場でもございますので、私どもよりもいろんな意味で御心配のところも深いところがあろうかと思います。 ただ、どんどんどんどん株式会社として参入してくる可能性があるかどうかというのは私は分かりません。分かりませんが、一つのパイロットケースとして、先行的に株式会社、特に、例えば今回提案がございました丸の内という場所で株式会社をやる、あるいは港区という場所で株式会社の病院を試みにやると。株式会社をすることによって資本が多く集まる、それによって最先端の医療機器、器具を整えることができる。そういったメリットを考えた場合に、私は一度はこういうことを試みてみる必要があると、このように思っております。 営利を追求するだけの目的と申請の理由には書いてございません。それも、何度も申し上げますように、その株式会社でやりたいというところは土木建築業でもございませんし銀行でもございません、あるいは商社でもありません。医師がこれをやってみたいという、そういう意思、これはあれじゃありませんが、強いそういう思いがあるということを私は絶えず申し上げておるところであります。
○小池晃君 今、大臣が言われたのは、丸の内医療特区であるとか、あるいは神戸の医療特区ということもあります。想定されているのは先端医療的なものが多いと思うんです。この先端医療、高度医療というのは、これは非常に経営的には今の医療保険制度では大幅な赤字になるというのが常識だと思うんですね。しかも、補助金が入らなければどうやってそれを賄うかといえば、これはやはり患者さんから多額の保険外負担を取るということになっていかざるを得ないと思うんです。 大臣の地元の神戸の経済特区の研究会の議事録を見ても、神戸市医師会の代表はこう言っているんです。そんな特区のそうした病院を造っても、一日何万円もするような個室に入ってくれるようなお金持ちの患者さんの方を当然優先して入院させるということになるだろうと。 私は、たとえ少なかったとしても、こういう株式会社が参入するような先端医療を手掛ける病院というのは、今までにないようなやはり多額の差額を取るような病院になっていくんじゃないか。こういう病院が参入してくる、増えていくということは、私は医療の在り方をゆがめる危険性があるんではないかということを大変に危惧するわけですが、大臣、その点いかがですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) そういう方向での考え方もあろうかと思いますけれども、私はそればかりではないと思います。やはり患者の選択というものが大変大きなファクターを持つんではないかと思いますし、また、そんなに高くして患者さんが来てもらえるかどうかということを、やはり株式会社という一つの自由経済社会の中で考え得る部分であるというふうに思いますので、株式会社化にすると極めて高度な医療のいわゆる診療対価として高価なものが支払わなければならないということを今決め付けるわけにはまいらぬことではないかと思います。
○小池晃君 しかし、大臣は小泉内閣メールマガジンでこうおっしゃっているんですね。「構造改革特区って何」というので、「世界屈指の優秀な専門の医者に診てもらえ、最新の機器があり、その上サービス満点の看護婦さんもいる、なんて場所が日本にあれば素晴らしいじゃありませんか。」と。こういう病院になれば必ずやはり多額の差額ということになりかねないと、私、非常に危惧する。 しかも、これ議論としてやはり外国からの影響というのが私、無視できないんではないかと思いますので、その点をお伺いしたいんですが、外務省、お見えになっていますか。 医療分野での市場開放を求める動きであります。WTOのサービス交渉が行われておりますが、医師や病院の部門について日本は現時点でどのような約束を対外的に行っているんでしょうか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) お答え申し上げます。 先生御承知のとおり、WTOの交渉は、前のウルグアイ・ラウンド交渉というのがございまして、それに引き続きまして今、新しいいわゆる新ラウンドの交渉というものが行われているわけでございますが、現時点まででリクエストについて各国が出しております。まだこれに対してオファーをするという段階に至っておりませんが、そういう状況に今あるということでございますが、現時点までのところ、医師サービスに関しては何ら約束を行っているということはございません。 それから、病院サービスに関しても、今の行われている交渉については約束を行っているということはございません。ただし、前のウルグアイ・ラウンドの交渉におきまして、我が国は患者が外国人で医療の提供を受けることができる、すなわち日本人が外国に行って外国から医療のサービスを受ける、あるいは我が国の国内、領域内での法人に外国の資本が参加すること自身について制限がないということは前の交渉のラウンドで約束はしております。ただし、今の交渉のラウンドでは、先ほども述べましたように、まだリクエストの段階でございまして、何らオファーも行われていないと、そういう状況でございます。
○小池晃君 前のラウンドの約束というのは、これは私は日本の国内法から見ても当然だと思うんですね。この約束に、今は次のラウンドでリクエストが来ている段階だということなんですが、医療、医師部門、病院部門にどの国からどのようなリクエストが来ているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) サービスの貿易交渉におきましては、これは慣例、交渉上の慣例と申しますか、ウルグアイ・ラウンド以降、加盟各国あるいは地域からのリクエストについては公表しない、公開しないということが交渉上のもう慣例になっているわけでございまして、これは我が国のみならず、ほかの国も同様でございます。 したがいまして、このような慣例あるいは関係国各国の対応を踏まえまして、基本的にはリクエストの内容については公表をしておらない、公表しないということについて是非御理解を得たいと思います。
○小池晃君 その内容は言えなくても、医療部門、病院部門にリクエストが来ているかどうか、このことぐらいは答えていただきたいんですが、これはいかがですか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 医師や病院のサービスにつきましては、限られた数でございますが、我が国に対するリクエストがあるということは事実でございます。
○小池晃君 これはアメリカからは当然、アメリカがやはり一番この問題では熱心ですから、当然要求来ているんじゃないかと思うんですが、それはいかがですか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 特定の国については、先ほど申し上げましたとおりちょっと御了解いただきたいと思いますけれども、必ずしも先生がおっしゃっているふうに断定はできないんではないかというふうにも思います。むしろ、周辺国の辺りに関心が強いところがあるということを御参考までに申し上げさせていただきたいと思います。
○小池晃君 これ、十一月一日に在日米国商工会議所のヘルスケア・サービス小委員会、ここが「医療法人経営への株式会社参入実現を」という意見書を出しています。日本の企業のためにわざわざアメリカが株式会社参入を求めるはずもない。これは、世界で唯一株式会社の病院経営を認めているのはアメリカですから、やっぱり自分たちの、自国の企業が入れるようにするための提案なんだろうと思うんです。 私はこれは、アメリカからは恐らくリクエスト来ているのではないかと思うんですが、厚労省にお聞きしたいんですけれども、前回ラウンドでのWTOサービス交渉での約束表の中身、私はこれ以上の譲歩を日本はすべきでないというふうに考えるんですが、厚労省としてはどのように考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 私どもの考えで申し上げますと、医療の提供につきましては、それぞれの国においてそれぞれの状況に応じて医療施設あるいは医療関連資格などについての制度が設けられているわけでございますから、基本的にはそれぞれの国の責任で行われるべきではないか、このように考えております。 先ほど来お話のことにつきましてでありますが、現在でも外国の資本の日本国内への参加については制限がないところでありますが、株式会社への参入については認めていないというところでございます。 また、医師などの人的サービスにおきましては、日本の資格を有していない外国の医療従事者を受け入れることについても現時点では慎重な検討が必要なのではないかと、このように考えております。
○小池晃君 鴻池大臣にお伺いしたいんですが、これも、WTOサービス交渉は再来年末までに結論を出さなければいけないと、今議論したように、こういう門戸開放を求める動きがあるわけです。一方で大臣も、特区の医療というのは、外国のお医者さん呼んで、最新の医療を受けて、そのためには株式会社を作ることが必要なのではないかというふうにもおっしゃっている。 私は今回の法案というのは、やはり外国企業が日本に、外国といっても株式会社の病院を持っているのはアメリカだけですからアメリカということにこれはなっちゃうわけですけれども、アメリカが日本に株式会社の病院を作れるようにするため、それだけが目的だとは言いませんけれども、今回の法案というのはその条件作りの一つということもあるのではないかと考えるんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 小池委員の質問は大変無礼であり、そして鴻池祥肇に対して失礼な表現であります。 真摯に、医療に関する最先端の技術を入れる、そういう思いの提案をまじめに受け止めて、これを厚生労働省と調整をしているところであります。
○小池晃君 いや、私は鴻池大臣だからこそ言っているんです。 大臣の、個人のホームページですけれども、私、拝見しました。これはいいこと書いてあるんですよ。これは、何と書いてあるかというと、規制緩和の大合唱は気に食わない、緩和されるべき規制もある、維持されるべき規制もある、守るべきものは守らなければならない、大資本がすべてやることはない、日本の文化の背景が破壊されるとおっしゃっている。私、そのとおりだと思う。しかし、今進んでいる動きというのは果たしてそうなんだろうか。 私は大臣にお伺いしたいのは、こういうふうに株式会社に医療の場を提供する、あるいはアメリカによって日本の医療を食い物にされる、こんなこと許さない、絶対そんなことは認めない、これが鴻池さんの政治信念なんじゃないですか。そのことを私、お伺いしたい。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私は、私の政治信念の一つとして、日本の国柄を守らなければならない、日本の歴史、文化、伝統というものを守り続けたい。私が政治家にしていただいておる一つの原点というものはそこにございます。そういう意味で、いつも私はいろんなところで表現をしております。小池委員も今私の表現をなぞっていただきましたけれども、守るべき規制は守らなければならない、外すべき規制は外さなければならない。その守るべき規制というのは、日本の国を共産主義国家にしない、そのためのもの、私は……(「問題発言だよ、それ」と呼ぶ者あり)あなたが聞くから言っているんですよ。日本の国の風景というもの、文化、伝統を守るための規制というものは絶対に私は大事だと思っております。 そして──答弁やめましょうか。
○委員長(小川敏夫君) もうよろしいですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) あなたが、外圧に対して鴻池が屈して、それで進めているんじゃないかと、そういう質問をするから私も同じレベルの答弁をしているんです。何かあったら言ってください。
○小池晃君 だから、私は、そういう条件作りと。屈して、外圧に屈して鴻池大臣がやっているという言い方はしていませんよ。こういう法律を作るというのはその一つの条件作りじゃないですかというふうにお聞きしているんで、冷静に聞いていただきたい。 今の答弁は極めて私は問題だというふうに思いますので、ちょっと後でこれは問題にしたいと思います。ちょっと、じゃ、止めていただけますか。
○委員長(小川敏夫君) 後刻協議する、検討するとして、質問を続けてください。
○小池晃君 じゃ、引き続き、福祉の問題、特別養護老人ホームの株式会社による運営についてお聞きをしたいと思います。 これ、小泉総理は、有料老人ホーム等については既に株式会社の参入を認めているということを踏まえて、今回、特養ホームに株式会社参入認めるとおっしゃった。厚労省として、簡単に、簡潔にお願いしたいんですが、有料老人ホームの実態、現状についてどう評価しているか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(中村秀一君) 有料老人ホームについてのお尋ねでございますが、有料老人ホームとは、まず第一に、昭和三十八年にできました老人福祉法で有料老人ホームというものが定められております。有料老人ホームの定義についてでございますが、常時十人以上の老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上の便宜を供与することを目的とする施設であって、老人福祉施設ではないもの、老人福祉施設とは特別養護老人ホームなど老人福祉法で定められている福祉施設でございますけれども、そういうものではないものが有料老人ホームというふうに老人福祉法で定義され、その施設を設置する方はあらかじめ都道府県知事に一定の事項を届け出ると、こういうふうにされているものが有料老人ホームでございます。 したがいまして、先生から今御指摘がありましたように、設置主体は限定がされておらず、補助金による助成も元来、昭和三十八年にこの法律ができましたときからないという、民間の創意工夫で作っていただく施設というふうに認識しております。 現状は、平成十三年七月一日現在で全国で四百施設ございまして、入居者が二万九千百二十六名、高齢者の住まいと食事等のサービスを提供しております。 このうち、平成十二年の四月から介護保険制度がスタートいたしました。介護保険制度では、一定の基準を満たしております有料老人ホームにつきまして、特定施設入所者生活介護という長い名前ですが、指定を行いまして、その施設に対しては介護保険の方から介護給付費を支給しております。この施設が三百二施設、全体の入居者が二万五千三百七十八名でございますが、この入居者のうち約一万人の方が要介護認定などを受けておられ、介護をしていただいているということでございます。 位置付けはこういうふうに民間の多様な施設でございますので……
○委員長(小川敏夫君) 答弁は簡潔にお願いします。
○政府参考人(中村秀一君) 介護につきましても一定の役割を果たしていただいているというふうに認識しております。
○小池晃君 この介護保険の特定施設の指定を取らない有料老人ホームの問題なんですね。もちろん、全体としては立派なケアを提供している施設もあるんですが、そういう指定を取らないところが増えていると。なぜそんなところが増えているかというと、特定施設を取った場合の介護報酬は要介護五の場合でも月二十六万円なのに、指定を取らずにマンションに在宅介護をやっているという形態にすれば、要介護五で支給限度額は三十五万円です。しかも、施設基準も人員基準も何もないわけです。だから届出しないケースが増えていると。 例えば、神戸製鋼の子会社の神鋼ケアライフ、これはフォセッタ摩耶というのが特定施設の届出していないんですね。それなのに、併設しているシニア住宅のエレガーノ摩耶というのがあるんですが、ここの広告では、「同一敷地内に併設した介護専用の施設「フォセッタ摩耶」で終身にわたる介護をお約束します。」と書いてある。 あるいは最近増えているのは、リストラで会社の独身寮が必要なくなって、それを有料ホームに転用する例が増えている。最近、立川市内でできたホームは元銀行の女子寮だった。これは特定施設でないんですね。ところが広告を見ると、要介護認定を受けている方のため、あるいはその退院後の生活に不安のある方にというようなことが書いてある。何の施設基準も人員基準も満たしていないのに、あたかも十分な介護を受けられるというような宣伝がされているわけです。 公正取引委員会にお伺いしたいんですが、消費者保護の観点から、こうした実態には問題があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(楢崎憲安君) 有料老人ホームにつきましては様々な御指摘等があるところでございますけれども、いったん入所すると容易にほかのところに変えられないという特性がございますので、入所するときに正しい表示がなされるといったことが非常に重要なことであるというふうに考えているところでございます。 したがいまして、私ども、平成九年度以降、消費者の方々に体験入所等をしていただいて、表示と実態がどうなっているかという調査をしてきたところでございますし、また、その調査の一環として、景品表示法上問題のあるような不当表示が行われている場合には、平成九年以降十四件にわたって警告をする等、所要の改善措置を講じているところでございますし、また、関係の団体に対し、表示の適正化の一層の徹底といったことを要請しているところでございます。
○小池晃君 鴻池大臣にお伺いしたいんですが、有料老人ホームってかなりいろいろと問題があるわけですね。これ、企業参入の先行例なんです。やはり、こうしたことを放置したまま特養ホームを株式会社に門戸を開放すると、私は様々な弊害が予想されるのではないかと考えるんですが、その点についてどうお考えですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 従来は、経営主体というのは自治体または社会福祉法人に限定をされておったようでございます。 しかしながら、今回、特区に関し、自治体からの提案もございました。有料老人ホームについては既に株式会社の参入が認められていることなどを踏まえて、私からも厚生労働大臣に要請を行いました。その結果、特区において試行的に株式会社による特別養護老人ホームの経営参入が図られたものと認識をいたしているところであります。 このような老人福祉の分野への株式会社の参入は弊害を生ずるのではないかということでございますけれども、利用者の保護に配慮して地方自治体が十分関与できる方式としたものであるということも御承知をいただきたいと思います。むしろ、この特例措置により、特別養護老人ホームが不足している地域での整備促進の効果を期待しており、地方自治体が地域のニーズを踏まえて計画を策定してくるものと考えております。
○小池晃君 私は、この分野で規制改革、規制緩和というのであれば、何をなすべきかといえば、やはり特養ホームが足りないと。地域ではその参酌標準というのがあって、やはりこれしか作れないという、そういう規制があるわけですよ。そういう規制こそ取っ払うべきだと。 それで介護保険料が上がっちゃうという問題があります。それに対して厚生労働省は、介護保険料を引き下げるために自治体がいろんな取組をすることにも規制している。こういう規制こそ取り外すべきだと。私は、そういうことが本当に今求められている規制緩和だというふうに思いますよ。 そのことはちょっと、今日は厚生労働委員会ではないのでこのくらいにしておきますが。 最後に大臣に、先ほど、これは自分の信念でやっているんだと、国民の医療のために、福祉のためにやっているんだとおっしゃった。だとすれば、私が言いたいのは、構造改革特区の提案を行っている内閣府の総合規制改革会議、議長は宮内義彦さん、これはオリックスの代表取締役会長です。オリックスグループというのは、御存じのように、これは生命保険、がん保険を商品としている。混合診療になれば、非常に民間医療保険の巨大市場で期待できる企業なんです。あるいは議長代理は鈴木良男さん、この方は旭化成の子会社の旭リサーチセンターの社長だと。旭化成というのも、やはり医薬品・診断薬の製造を手掛けているし、子会社では透析のダイアライザーなんかを作っている会社もあるんですね。 やはり総合規制改革会議のトップの二人ですよ。これが二人とも、医療への企業参入が進めば非常にビジネスチャンスとしては期待できるという人たちなんですね。 私は、大臣がおっしゃるように、本当に日本の医療の未来、福祉の未来を考えるための構造改革だというふうにおっしゃるんだったら、私からこんなことを言われないように、こういう関係があるような、医療分野への参入をねらっているような企業の幹部、こうした人はやはりきっぱりと総合規制改革会議の議長とか議長代理から外すべきじゃないですか。そのことをきっぱりやるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 総合規制改革会議の人選につきましては全く私の承知いたさないところでございますし、また、特区を担当する閣僚といたしましてもタッチのできない部分ではなかろうかと思います。また、宮内氏、鈴木氏がどういう御商売を営んでおられるかというのは私は全く存じませんし、関与しないところでございます。 先ほど大変大きな声を出しました。これはまずおわびを申し上げますけれども、ただ、小池委員が、鴻池は外国の指示に従って動いているのではないかというふうに私が取ったものでありますから、ですからそれは極めて無礼な話であると、このように申し上げました。 ただいまの御質問につきましてもそれに近いところであろうかと思います。
○小池晃君 もう質問しませんが、どんな商売をしているかというのは大事ですよ、これ。やっぱりこういう企業のトップがやっているとなれば、これはやはり何をねらっているか。 結果として、医療分野、福祉分野の規制緩和、企業参入が進んだら一番喜ぶ企業の人たちが検討している。あるいは一番喜ぶかもしれないアメリカの企業から要求が来ている。そういうのを見れば、私は、構造改革特区のこのやり方というのは、正にだれが一番喜ぶのかということを言いたい。 こうした構造改革特区を幾ら推進しても、私は、日本経済の再生にはつながらないし、医療や福祉の公共性をゆがめて、やっぱり金の切れ目が命の切れ目というような状況を作り出しかねないという危険があるということを改めて申し上げて、私の質問を終わります。
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康です。 一九九四年二月に閣議決定されました「今後における行政改革の推進方策について」の中で、規制改革に関しては、経済的規制は原則自由、社会的規制は必要最小限という原則が打ち出されて以来、今日まで経済的分野の規制を中心に一定の成果は上がっているとのことですけれども、どのような成果が上がっているのか、規制緩和の効果について概要を説明してください。
○政府参考人(坂篤郎君) 委員御指摘の閣議決定に基づきまして、そのままずっと、規制改革というのはずっとやっておるわけでございますが、まず最初に、九五年三月に最初の規制緩和、当時は緩和というふうに言っておりましたが、規制緩和推進計画というものが策定されました。その後、九八年には規制緩和推進三か年計画、それから二〇〇一年からは規制改革三か年計画というふうに累次計画が策定されておりまして、またこの二〇〇一年の規制改革三か年計画につきましては、今年の三月でございましたか、に計画の改定作業というのが行われております。 この七年間の間に、こうした計画におきまして、当然その計画を作るときにはいろいろな議論が行われた結果でございますが、その計画におきまして、競争政策でございますとか、法務でございますとか、金融、情報通信、運輸、エネルギーあるいは雇用、労働、教育、それから先ほど来御議論がありましたような医療とか福祉分野と、非常に広い分野にわたりまして様々な、物すごいたくさんの項目の規制改革が盛り込まれて実施されてきております。 一、二、割合有名な例を若干申し上げますと、運輸の分野では、例えば航空運賃が自由化されまして、これで例えば観光とかそういったことには随分な刺激効果があったんだろうというふうに思います。それから、タクシー運賃も弾力化ということが行われております。 また、金融分野では、証券会社が免許制から例えば原則として登録制に移行するでございますとか、あるいはこれも有名な例でございますが、株式の売買委託手数料が、これは完全に自由化をされております。御承知のように、例えばインターネットを通じて売買をするというような場合は非常に低廉な手数料というのが今実現しておるわけでございます。 それから、エネルギーの分野では、電力の大口の顧客向けの小売値段が自由化された。これはまだただいまも進行中でございまして、更にもっと小口のところまで行ったらどうかというような御議論が今も行われていると。 それから、ごらんになったことがあるかと思いますが、ガソリンスタンド、セルフサービス方式のガソリンスタンドといったようなものの開設も認可されたといったような具合で、非常にたくさんの規制改革が行われておりまして、十年前に比べますと規制という意味では随分世の中が変わったという感じになっているんじゃなかろうかというふうに思います。 以上でございます。
○島袋宗康君 今説明のとおり、大変な規制緩和したというふうなことでありますけれども、十年前と世の中が違ったというふうな意味では、どういうところが違ってきたのかということを具体的に何か説明できるものありますか。
○政府参考人(坂篤郎君) なかなか具体的には、まあ一つ一つというのはなかなか測り難いところがあるんですが、例えば十年前と比べますと、携帯電話、これは当時は電話器というのは買取りというのが許されていなくて、貸付け、貸す。それでございますと、恐らく今のような携帯電話の普及とか、あるいは今のような非常に小型のものが普及するとか、今のようなあるいは携帯電話が随分値下がりもしておりますけれども、ということはなかったんだろうと思います。 これは実は若干古いんでございますけれども、昨年、平成十二年度時点で、それまでの規制改革でどれくらい国民経済的に意味があったかというのを試算した例というのがございまして、これでございますと、電気通信とか国内航空とかそういったもので、今ちょっと申し上げたようなことで十五兆七千億円程度の効果があったんではないかと。これはほんの試算でございましてあれでございますが、国民一人当たりだと十二万円余りというような試算もございます。
○島袋宗康君 我が国の少子高齢化や経済のグローバル化など、急速な環境変化に対しては、依然として十分な速さで対応できないという問題があります。また、規制改革の必要性が長く叫ばれていながら、依然として改革の遅れが目立つという分野があると言われておりますけれども、それはどのような分野で、なぜ改革が遅れているのか、その辺の理由を御説明願いたいと思います。
○政府参考人(坂篤郎君) 遅れているというふうに完全に言い切れるかどうかはなかなか難しいところかと思いますが、先生、先ほどの御質問で経済的規制というふうにおっしゃいました。経済的規制につきましては、ただいま申し上げましたように、随分改革がいろいろ進んでいると。これもまだ、これからも改革すべき分野というのは当然あるわけでございまして、一〇〇%進んだということではございませんけれども、昔に比べれば随分変わったと、こういうことだろうと思います。 他方、よく言われておりますのが、例えば労働でございますとか医療とか福祉とか教育だと。こういう単純に言わば経済の論理だけで片付けられないような世界、言わば市場原理だけで事が決まるというわけではない、それだけではやっぱりうまくいかぬのだという、こういうことが言われているような社会、世界、こうした分野の規制改革というのは遅れているといえば遅れているということかと思います。 御承知のように、今申し上げたような分野というのは、生命とか身体とかあるいは個人の権利といったもの、あるいは例えば、御承知のように、労働でございますと民法とか商法の上に労働法という特別の世界が作ってあると。それは、そういう理由があるから作ってあるわけでございまして、そういった中で、だけど極力合理的な規制というのはどういうのだろうかというようなことを考えなきゃいかぬということで、いろいろ、何といいましょうか、多面的な検討を要するというか、考えることが多いと申しましょうか、あるいは議論の種が多いといいましょうか、そういうこともございまして時間が掛かっているというのは現実にあるんじゃないかと思います。 ただ、昨年来、実は総合規制改革会議では、こうした社会的な規制が、非常にルールがいろいろしっかりできているような分野、こういう分野につきましても規制改革というのを言わば重点的に検討してまいったということはございまして、これからも努力がなされるものというふうに考えております。
○島袋宗康君 我が国では、従来、国主導のモデル事業的な地域振興策が繰り返し実施されております。近年、そのような政策の有効性の低下が顕著になってきたと言われております。それはなぜなのかという問題もありますが、ここではそのような状況を踏まえて、今回の特区法案ではどのような対処をされようとされているのか、御説明願いたいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) お答え申し上げます。 これまでの地域振興策というのは、国があらかじめモデルを示して全国の均衡ある発展というものを目指すという制度であったために、地方の自発性が発揮されなかったということがございますが、今回の構造改革特区におきましては、地方や民間がそれぞれの地域の特性に合わせて自発的に立案し、構造改革を進めていくというものでございます。 また、特区制度におきましては規制全般を対象といたしまして、また、かつ、内閣総理大臣の一元的な認定ということを行うこととしているとともに、地方公共団体の自発性を最大限尊重するという観点から、総理の計画認定の際の関係大臣の同意というものも、法令上の要件に適合した場合は、関係大臣は裁量の余地なく同意するといったこと等、国の関与は極めて限定的にしているところでございます。 さらに、構造改革特区においては、地域の自助と自立の精神を生かすために、国としての従来型の財政措置というものは講じないというふうにしているところでございます。 このように、地方公共団体が自発的に作成する計画に基づいて特定の地域において構造改革の成功事例を示すということによって全国的な構造改革へ波及させて、我が国全体の経済活性化というものを図られることを期待している制度でございます。
○島袋宗康君 国からの補助金を獲得するために各地域が画一的な政策を立案して、地域の実態やニーズに必ずしもマッチしない投資が行われたという非効率的姿勢も拡大していったというふうなことがあります。 今回、構造改革特区にするべき各地方公共団体等から提案された規制改革策においては、各地域の特性が発揮されたものとなっているのか、それとも相変わらず画一的な発想と見るのか、その見解について御説明願いたいと思います。
○政府参考人(中城吉郎君) 繰り返しになりますが、従来の地域振興策というのは国があらかじめモデルを示した全国の均衡ある発展という目標があったわけでございますけれども、今回の構造改革特区におきましては、国は基本方針というものを閣議決定しまして、地方はその基本方針を見て、地方や民間というものがそれぞれの地域の特性に合わせて自発的に立案して構造改革を進めていくという点で従来のものと全く異なるというふうに考えております。 このため、特区制度においては、まず全国から特区制度についての提案を求めて制度構築の基礎といたしました。また、特区において地域の特性を踏まえて特例措置を設けることが可能な規制についてはあらかじめ幅広くリストとして明示して、地方公共団体が構造改革特区の立案をするために、そのリストの中から選択することができるようにしているということでございます。 以上のような特区制度の趣旨を生かしまして、来年四月一日以降の計画申請については、地方公共団体が地域の特性を生かした独創的なもの、たくさん出てくるということを期待しているところでございます。
○島袋宗康君 規制改革を、これまでのような全国一律の実施ではなく、可能な地域から規制改革を行い、その成功事例を示すことで全国的な規制改革を進める契機としようというのが今回の構造改革だというふうなことであります。 今回、地方公共団体等から提案のあった九百件余の規制緩和の要望に対して、全国的に対応するとの理由で退けられております。これは法案の趣旨とちょっと矛盾するのではないかというふうに思いますけれども、全国的に対応とされたのはいつまでにどのような形で措置されるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(中城吉郎君) 今回、地方公共団体から要望のあった規制項目は九百三項目ございまして、その中で、現行で対応可能あるいは特区として対応するのに適さないものを除きますと三百四十五件ございましたが、その中で全国で実施するというふうに整理したものが百十一項目ございます。これは、関係省庁と調整の中で、特区でやるというよりもむしろ自分たちとしては全国でやりたいといったものでございまして、これらは原則として十五年度中に実施されるもので、しかも規制改革の内容が明確なものでございます。 構造改革特区の趣旨は、議員御指摘のとおり、特区で行うということでございますけれども、特区ではなく、むしろ全国的な規制改革として対応する事項が短期間にこれだけ出てきたということは、むしろ構造改革特区の推進が全国的な構造改革に向けた推進力になっていると、そういうことで歓迎すべきであるというふうに考えているところでございます。
○島袋宗康君 いつまでにどのような措置を講ずるのかということについて説明がありませんけれども、どういうことですか。
○政府参考人(中城吉郎君) 百十一項目については、十五年度中に実施するということが明確なものということでございます。
○島袋宗康君 内閣府政策統括官による地域経済レポート二〇〇一年においては、九〇年代に地方圏への公共投資が大幅に拡大されたものの、それが短期的な需要創出効果しか生み出さなかったことを指摘しているとのことだが、地方圏の公共投資はどのような程度拡大されたのか、そしてそれがなぜ短期的な需要創出効果しか生み出さない結果となったのか、その理由をどのように分析しておるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(岩田一政君) ただいま島袋先生の方から御指摘がありましたように、私ども、昨年発表いたしました地域経済レポート二〇〇一というレポートにおきまして、公共投資の地域における配分の効果というようなことを分析いたしております。 それは、九〇年代、このレポートでは、関東、東海、近畿以外の地方圏で公共投資がどのくらい行われたのか。大まかに申しますと、その三つの都市圏を除いた地方圏におきましては、約十年間で二倍にこの額が増えた、具体的には六・八兆あったものが十三・五兆ということで、約二倍に実は地方圏に重点的に公共投資が行われた。しかも、中でも産業基盤を整備するような投資を中心に地方圏に公共投資が行われたということであります。 ところが、それが中長期的な生産力を拡大するような効果をどうも持たなかったんではないかということも同時に指摘をいたしています。具体的には、民間の企業がその地方にどのくらい誘致されたか、この額とこの件数とそれから地方におけます産業基盤の投資というような関係を調べてみますと、九〇年代にはその関係がほとんどなくなっておりまして、工場の立地件数が実は十年間に四千件あったものが実は一千件に縮小してしまっているということでありまして、全国的に見て、そもそも工場の立地が、国内における工場立地の数が四分の一になってしまっている。しかも、その中身を見ますと、地方圏の方が実は産業基盤投資をたくさんしたんですが、実際は地方圏のシェアが減ってしまって、むしろ関東近辺とかそういうところの立地のシェアが高まっているということでありまして、こうした数字から見ますと、どうも地方圏に産業基盤投資をやったんですが、必ずしも民間がそれで工場を増やすというようなことにつながっていない。 その一つの大きな理由は、やはりアジアでもって投資をする場合も、むしろ賃金が安いとかその他の費用が低いということで、地方圏で投資するよりもアジアで投資するというような件数が飛躍的に伸びておりまして、それから、工場の立地の件数全体が小さくなっているということは、言い換えますと民間企業の活動が九〇年代を通じて設備投資とりましても絶対額でむしろ減少してしまっているということでありまして、言わば経済が拡大しないで縮小しているという、こういうところに基本的な問題があるというふうに考えております。
○島袋宗康君 その流れを踏まえて、これはバブル崩壊というものが大きな要因だと思いますけれども、あるいはまた産業の空洞化といったものが東南アジア方面に盛んに行っているというふうな関係があると思いますけれども、一体そういうふうなレポートによって、これからまた日本の産業、経済社会をこれどうまた新たに構築していくか、発展させていくかというふうなことについては何か構想ございますか。
○政府参考人(岩田一政君) 特に地方を含めまして日本経済をどうやって活性化するかと。活性化のプログラムというのはこれ坂統括官の方の担当ですけれども、今年の予算におきましても三十のアクションプログラム、経済全体を活性化して企業活動をもっと活発にする必要があるんじゃないでしょうか。 地方圏ということにつきましては、先ほどから御質問ございます経済特区というような、地方の公共団体のイニシアチブに基づいてその地方を活性化するというやり方が、やはり非常に有力な地方をもう一回活性化させる上で重要な手段ではないか。 それから同時に、いわゆる公共投資というのでないとすれば、新しい産業といいますか、特にサービス関係、これは社会サービスでありますとかあるいは家庭サービスですとか、サービス分野でやはり雇用を拡大する余地が日本には、潜在的に言いますと私、六百万から六百三十万とか、そのぐらいの拡大する余地があるというふうに考えております。今年の地域経済レポートでは、そういう新しい分野でどのくらい地域別に新しい雇用が作られているかというふうなことを分析いたしております。 以上でございます。
○島袋宗康君 二〇〇二年六月に施行された都市再生特別措置法による都市再生緊急整備地域の指定が進められております。この制度においては、都市開発事業者からの都市計画の提案の制度、既存の都市計画をすべて適用除外する新たな都市計画制度の創設、期限を区切った都市計画決定等を内容とするほか、公的施設整備支援、事業立ち上がりの金融支援等の支援策が盛り込まれております。 それらに反し、構造改革特別区域法案においては、単に認定構造改革特別区域計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な助言とその援助を行うというふうに努めなければならないというふうになっておりますけれども、これはその助言その他の援助には情報提供等が想定されておりますけれども、財政上の援助は含まれていないものとされておりますけれども、都市再生特別措置法の支援策に比べ、いかにも見劣りのする弱い援助策と言うべきであります。 それだけで構造改革特区がうまく立ち上がるということになるのかどうか、大変疑問に思いますけれども、その辺はどうですか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 繰り返しの答弁で恐縮でございますけれども、この特区法案につきましては、従来型の財政措置は講じないという基本的な下敷きを持って進めさせていただいておるところでございまして、ただいま委員の、都市再生特別措置法に基づくものにつきましては、支援措置を含めまして、自発的に各省庁の予算を効率的に御利用いただくということは、私どもとしては否定するものではないということを申し添えたいと思います。
○島袋宗康君 中国の経済特区では、政府の資金によってインフラが整備され、企業に対する所得税の減税等の優遇措置が取られた。その結果、特区は成功し、改革・開放が全国的に拡大され、WTO加盟を経て中国経済が全面開放の段階に入ったことにより、特区は歴史的使命を終えようとしているとのことであります。また、アメリカの各州におけるエンタープライズゾーンの指定地域においても投資を行い、雇用を創出した企業に対して州政府は税の減免、補助金の給付等を行っているとのことであります。 このように、特区を立ち上げるためには、どこの国でもそれなりの支援を取っているということがあるわけであります。しかし、今回の我が国の構造改革特別区域法案では、国によるバックアップ体制が不十分ではないかと思いますけれども、その辺については御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 先日、大阪の経済団体と、この特区につきまして構想も御説明申し上げ、また御意見を聞き、対話をする機会を得ました。その折にも、ただいま島袋委員の御発言のように、これを成功させるためにはパンチが必要である、財政措置が必要ではないかと、こういう御意見も出ました。 これに対しましては、同じ答弁で恐縮でございますが、今回の特区の構想につきましては、従来型の財政措置というものはやらないということを下敷きに進めさせていただいた、あくまでも地方の知恵、また地方の民の力、知恵というものを出していただいて、そしてそれがその地域にプラスになれば極めて幸いであり、それが飛び火すればより結構なことであり、また燎原の火のごとく広がっていくことが目的とされておるというお答えをしてきたところでございます。 諸外国におきまして、いわゆる経済特区という例も承知をいたしているところでございますが、今回のこの特区法案につきましては、ただいま私が申し上げました度々の答弁で恐縮でございますけれども、そういう下敷きの下に進めさせていただきたい、このように思っております。
○島袋宗康君 前にも申し上げましたけれども、こういう特区を設けることによって、地方の財政がやはり長年の、自主財源というものを求めていかなくちゃいけないというふうなことになると思いますけれども、その辺のことを勘案して、財政を地方に分譲していく、移行させていくというふうなことも念頭に置いてこの特区を進めておられますか。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 地方でいろんな財政措置を講じられる、予算を効率的にこの特区と連動していただくと、こういうことにつきましては我々は拒むつもりは全くございません。そういうことで、この特区の取組とは別に、現在、政府としては国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分の在り方を三位一体で検討しているというところでございます。
○島袋宗康君 是非、そのことについては真剣に考えていただいて、地方財政、非常に今困窮しているというふうな状況というのは政府もお分かりだと思いますので、是非こういった特区を設けることによって地方財政に圧迫を加えるようなことであってはならないと、むしろこれ疲弊していくんじゃないかというふうな懸念もありますから、是非そのことについては政府としては十分に対処していただきたいということを要望しておきたいと思います。 それから、本法案の目的は、特区の設定を通じて経済社会の構造改革を推進し、地域の活性化を図るというものである。そこで、地域の活性化という問題の観点から、沖縄関連の施策について若干お尋ねしたいと思います。 沖縄県の今年九月の完全失業率は、先ほどもありましたように、過去最悪と並ぶ九・四%に達し、雇用情勢は極めて悪化しております。内閣府は、去る十一月二十七日に、自民党沖縄振興委員会において、沖縄の産業、雇用対策と二〇〇二年度補正予算要求の概要について報告したということであります。緊急対策として、雇用対策、産業対策、政策金融、公共事業を、そして補正予算要求として、地場産業振興に向けた産学共同研究の推進、沖縄振興開発金融公庫のベンチャー企業向けの出資金の積み増し等について説明したようであります。 以下、順次お尋ねいたしますけれども、まず雇用対策について説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(安達俊雄君) 雇用対策でございますけれども、この九・四%と似たような数字が四年前にも生じておったわけでございますけれども、この四年間を比較しますと非常に大きな変化がございます。月間有効求人数はかつては四千七百人、現在一万人を超えると、二倍以上になっていると。にもかかわらず、この高い失業率はなぜ生じるのかというところでございまして、雇用対策の基本は雇用のパイを拡大することでございますけれども、併せてやはり相当のミスマッチが生じておるということを考えざるを得ないわけでございまして、今般の対策といたしまして、一つはミスマッチに重点を置いた対策を打ち出してまいりたいと考えているところでございます。 このための幾つかの工夫といたしまして、実習就業を通じた常用雇用化を図るための緊急ジョブマッチング特別事業。まず一、二か月仮に就業していただいて、そしてできればそのまま常用雇用につなげていくというような試みを重点的に行いたいと思っておりますし、またミスマッチの一つは、専門人材のミスマッチでございまして、優れた企業に人材を派遣して、その研修を進めるといった戦略産業分野における人材育成事業についても強化してまいりたいと考えております。 また、いろいろな出会いの場ということで、これは厚生労働省が中心になりますけれども、ハローワークの臨時窓口の新規設置等々、そういった対策も強化をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 以上でございます。
○島袋宗康君 沖縄は御承知のように産業が余り誘致されていないという面がありまして、そういったいわゆるIT産業というものが非常に沖縄に進出していると。そういう状況の中で、非常に雇用の問題がいろいろミスマッチ状況というものが非常に顕著であるというふうなことが指摘されておりますので、その辺の対策として十分に対処していただきたいというふうに要望しておきます。 それから、政策金融について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(安達俊雄君) 沖縄振興開発金融公庫の関係でございますが、さきに政策金融全般といたしまして、「改革加速のための総合対応策」というのを政府としてまとめているわけでございまして、沖縄におきましてもこの政策金融の活用ということがポイントになってまいります。 その一つとして、雇用の中心を成します中小企業者への資金供給の円滑化あるいは中小企業のセーフティーネットに万全を期すといった取組の強化が必要となっておるわけでございまして、そのための種々の対策でございますけれども、特別の相談窓口につきましては、既にこれは十一月の五日に設置しておりますが、今後、小規模事業者の融資に係る保証人要件の緩和でございますとか、あるいはセーフティーネット貸付けの強化、こういったことについて取り組んでまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、できれば補正金融におきましてもこういった面での強化のための所要の出資の強化も図ることができればというふうに考えているところでございます。
○島袋宗康君 産業対策についてはまたどのように考えていますか。
○政府参考人(安達俊雄君) 産業対策につきましては、各分野別の諸計画ということで、沖縄県観光振興計画あるいは情報産業振興計画等々、この諸計画に基づいて総合的な取組を行っているわけでございますが、この諸計画の着実な実施ということがまず第一でございますが、あわせて、追加的な対策ということで幾つか検討をし、十一月の六日の沖縄政策協議会で取りまとめ、了承を得ることができればというふうに考えております。 その一つは、昨今非常に沖縄において急成長しております健康・バイオ関係の産業でございまして、これが五年間で五倍増という非常に元気のいい発展を、産業規模の拡大が生じておりますけれども、現在、昨年度の補正を通じてバイオの研究センターを立ち上げているところでございますが、その研究開発体制の整備に必要な機器類について、調整費を活用して整備するといったことも一つの対応として検討中でございますし、また観光、基幹産業としての観光でございますが、昨年のテロ事件後、非常に落ち込みを見せたわけでございますが、今年になりまして、幸いに前年度比五%増ということで、特にこの秋口非常に伸びてきておるわけでございますけれども、ややデフレ的な状況もございまして単価ダウンといったことも生じております。そういった面で、付加価値の高い観光、目的型観光に焦点を当てた観光キャンペーンも追加的にこの年度末に向けて実施していきたいというように思っております。 また、もろもろの地場産業の振興につきましても取組を更に強化していきたいというふうに考えておるところでございます。
○島袋宗康君 公共事業についての御説明もいただきたいんですけれども。
○政府参考人(安達俊雄君) 公共事業につきましては、沖縄における構造改革の加速に合わせ早急に措置する必要がある所要の事業ということで洗い出しを行っておりまして、一定規模の事業規模を確保したいということで、現在鋭意検討を進めておるとともに、もう一つ、今年度でございますけれども、沖縄の場合は上半期、台風等がございまして、やや執行に遅れが見られる部分がございますので、下半期についてはしっかりとやっていくということで今後とも取り組んでいきたい。 それから、地元の中小・中堅企業への受注機会の増大を図るための所要の措置を具体的に取りたいということで、今最終的な検討を行っているところでございます。
○島袋宗康君 公共投資がこの三十年間で七兆円という莫大な投資をしておるわけでありますけれども、現実にはいわゆる公共投資そのものが沖縄県内に落ちるのが約三〇%、大半の七〇%は本土に還流しているというふうなことが指摘されております。むしろそれ以上じゃないかというふうなことが指摘されておりますけれども、地元の中小企業のそういった育成のためにいろいろ論議をされていると思いますけれども、具体的にはどのようにこれを逆にするということを考えておるのか、お願いします。
○政府参考人(安達俊雄君) ちょっと正確な御理解のために数字を申し上げますと、国から公共事業予算として流れておりますのはいろいろございます。国直轄事業あるいは県等自治体が事業主体となる公共事業がございます。国直轄事業の地元受注比率が大体五割という、五〇%ということでございます。 ただ、県の事業あるいは市町村事業ということになりますと、これは優に八割を超えておりまして、私たちの推算では、国からお金が流れる公共事業の全体の地元受注比率は大体八割ちょっと切るところということでございまして、二割強が地元でないという数字が最も最近の数字でございます。 ただ、地元からはできるだけ受注機会を広げてほしいということがございまして、現在その入札の仕方につきましていろいろ工夫ができないかどうかということで、もうしばらくお待ちいただきたいと思いますが、六日には、抽象的ではなくて、もう少し具体的なこういう取組をするということを発表させていただけるのではないかということで、今最終的な検討をさせていただいているところで御勘弁願いたいと思います。
○島袋宗康君 是非そのことを期待しております。よろしくお願いします。 次に、地場産業振興に向けた産学共同研究の推進について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(安達俊雄君) 沖縄の産学官共同研究でございますが、昨年度補正予算以来、沖縄における産学官共同研究ということで進めておるわけでございますが、昨年の例を見ますと、六十件以上の応募がございました。 それなりのレベルの提案でございまして、沖縄の県内の企業と琉球大学等県内大学との連携もございますし、また沖縄の企業と本土の大学との連携、こういったものも含めて非常に活発な提案がなされておりまして、この予算につきましては非常に沖縄のこういった前向きの新しい産業を生んでいくような産学官共同研究の推進に寄与してきたところございまして、来年度においても予算要求を行っておりますが、補正予算におきましてもその一定部分を前倒しして、できるだけ早期執行を図っていくということで取り組んでおるところでございます。 どういう分野がということで申し上げますと、バイオとか健康食品とか環境、情報通信、こういった分野での提案がこれまでの例を見ますと多い状況でございまして、いずれも前向きのものでございますので、私ども予算の確保に精一杯努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○島袋宗康君 沖縄振興開発金融公庫のベンチャー企業向け出資金の積み増しについて説明を願いたいと思います。
○政府参考人(安達俊雄君) 先般の通常国会におきまして、沖縄振興特別措置法がおかげさまで成立いたしました。この沖縄振興特別措置法におきまして、沖縄振興公庫が言わばエクイティーファイナンスの機能を持つということで、新規事業創出に向けた出資機能を持つことを認めていただいたわけでございまして、これまで八億円程度の出資原資を既に予算的に確保したところでございますけれども、今後さらにこういった活動を行うための追加の出資というものを得たいということで、現在鋭意折衝を進めておるところでございます。 以上でございます。
○島袋宗康君 安達統括官の御説明で非常に勇気が出ましたので、本会議で申し上げましたように、失業者が九%以上、そして一人当たりの国民所得が七割というふうな状況を何とか変えていきたいというのが県民の大きな願いでありますので、それにこたえていただくように政府として努力していただきたいということを要望して、終わります。
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。 大臣、喜んでください。私の出番ということはあと三十分ぐらいで委員会終わりますから、あともう少しの辛抱。どうかお付き合いください。本日は、太田農水副大臣、そして厚労省の木村副大臣にもお付き合いいただきます。よろしくお願いいたします。 前回、私、大変総論的なことで大ざっぱなことを聞きました。本日は、ちょっと細かなことを聞かさせていただきます。農水省、そして厚労省、そして最後に文科省にお聞きして、政府参考人の方で結構でございますから細かなことをお聞きいただいて、そのほか各副大臣に省としての所感聞きまして、一番最後に鴻池大臣にそのやり取りについて御感想を求めますので、おぼろげに聞いておいてください。 まず、農水省にお聞きいたします。 私の出身地である新潟県には多くの中山間地域があります。そして、小さな棚田が広がっているわけです。この棚田というのは大変に農業生産条件が悪いわけです。したがって、耕作をしようにもなかなかできない、そういう農家の方もいらっしゃるわけです。結果として、耕作放棄による農地の遊休化が進んでいます。 そこで困るのが防災面です。棚田というのは、実は自然のダムであり、そして治水ならず地すべりの防止にもつながるという、そういう機能を備えているわけです。ですから、こういう農地の遊休化というのは、単に農業生産が行われないということが問題ではなく、防災上大変重大な影響を及ぼす、そういう大問題なわけです。 農水省の皆さんに言うのも釈迦に説法ですけれども、今、農業は多面的機能、この非常に多面的機能というものが重要視されているわけです。それは、今申し上げた防災機能であり、治水機能であり、そのほか温暖化防止機能と。CO2も民間部門の実際半分ぐらいを農林業が賄っているわけです。そのほか、食の安全という意味では、ともすれば医療費負担の分野まで農業が担っているという、こういう重要な部分、ここをまず根本的なこととして押さえて話をちょっと進めさせていただきます。 この中で、こういうような状況で、新潟県の方からは、中山間地域産業連携特区という、この特区の提案がなされました。これは新潟県の東頸城郡地域を想定しての特区の提案なんですが、この東頸城郡というところは全国有数の豪雪地帯です。大変急傾斜農地の割合が高い地域なんです。この地域で是非農地取得の要件緩和、具体的に申しますと、市町村による農地の保全を目的とした農地保有をお願いしたわけです。そういう提案をしたわけです。しかし、今回の法案では、農地の貸付事業を目的とした保有は認められましたけれども、保全目的では駄目だということになりました。多面的機能という、こういう大変重要な機能を農水省も認めておきながら、なぜ保全目的の農地保有というのは認められなかったのか、その理由をお聞かせください。
○政府参考人(林建之君) 地方公共団体の保全目的での農地所有がなぜできないかと、特区で認められなかったかという御質問でございます。 〔委員長退席、理事長谷川清君着席〕 先生御指摘のように、農地が持っております多面的機能につきましては、私ども農林水産省としても極めて重要な機能であるというふうに認識しておりますけれども、今回の、地方公共団体の農地保有について一般的な考え方をまずお話しさせていただきます。 地方公共団体の農地保有につきましては、現行制度の下におきましても、公用でございますとか公共用としての取得は認められております。具体的にいいますと、例えば市民農園を開設をするとか、あるいは景観作物等を植えて農業公園として市民に開放すると、こういった形での公共目的というのは一般的に行われておりまして、これは特区を待つまでもなく現行制度において認められておるところでございます。 ただ、保全そのものを目的とした市町村の農地保有ということにつきましては、公共用、公用という必ずしもその用途がはっきりしない、何のために保有するのかというところが必ずしもはっきりしない面もございまして、その意義付けが必ずしも明確でない面もございましたので、今回、特区に関連しての措置は講じなかったということでございます。
○黒岩宇洋君 それで、農水省の見解では、今回の保全目的というのは今申し上げたいわゆる公共、公用のものではないと、そういう見解を私は承っております。 今、審議官の方から出なかったんですけれども、書面では、この農地保有合理化法人制度を活用することが合理的という、これは何度もうたわれているんですけれども、これはちょっと具体的にどういうことか、分かりやすく御説明いただけますか。
○政府参考人(林建之君) 農地保有合理化法人が行います農地保有合理化事業について御説明申し上げます。 これは規模縮小農家から農地を借り入れたり買ったりいたしまして、この農地を規模拡大農家に貸し付けたりあるいは売り渡したりする、そういうことによりまして担い手が農業経営規模の拡大を行うということを助けるというのがこの農地保有合理化事業の目的でございます。 こういったことを本来目的といたします農地保有合理化法人でございますので、農地保有合理化法人が自ら耕作するために農地を取得するということは、法人の行う事業の性格上、自ら耕作するための農地を取得するということはあり得ないということになるわけでございます。 事業の概要について御説明申し上げました。
○黒岩宇洋君 ちょっと今終わりのところは大変分かりづらかったんですけれども、これは少なくとも、今まで書面のやり取りとかでは、要は、地方公共団体自体が手を挙げてこの合理化法人になりなさいという表現で出ているんですよ。ですけれども、お聞きしたいのは、今、全国に十三市町村が自らこの合理化法人となって、合理化法人は管理耕作というのができると書いてあるんですね。要は、この目的自体は農地の流動化です。だから、一回買い取ってどこかに売るんですけれども、その間に管理するということで、そこはもしかしたら保全として認められるかなという期待があったんですけれども。 これで一つちょっと聞きたいんですけれども、実は新潟県は、粟島という、これは佐渡島の上のちっちゃな島以外は、もう既に市町村単位で合理化法人ができているんですね。この場合、新たにじゃこの東頸城のどこかの市町村が手を挙げて、自分は合理化法人になりたい、なって保全をしたいんだと言ったときに、手を挙げたときに、この市町村は合理化法人になれますか。
○政府参考人(林建之君) 同一市町村におきまして、同じ区域を対象として複数の合理化法人がといいますか、合理化事業を実施するということは、農地の流動化あるいは農業経営規模の拡大をかえって混乱を来しかねないということがございますので、重複して複数の農地保有合理化法人が同一市町村で合理化事業を行うということは、行わないようにというふうに指導しているところでございます。
○黒岩宇洋君 そうですよね。できないんですよね。できないんですよ。これは平成五年の局長通達でできないと出ているんですよ。にもかかわらず、今回、回答の中では何度も合理化法人で対応と、しかも市町村が合理化法人となってという、そういう表現になっているんですよ。 私、これはこの後ちょっとこういう状況だったということで鴻池大臣にもお聞きしますけれども、非常に問題だと思うのは、これは再々回答まで出しているわけですよね。要するに三回推進室から要請を受けているわけですよ、このことでどうにかしてほしいと。要するに、やっぱり保全目的でもいいんじゃないかという答えに紋切り調で、この合理化法人制度でできますという、そういう表現を使っているんですけれども、今ふたを開けてみれば、現実にできないわけですよね。 今回の私は特区の目的としては、何度も申し上げていますけれども、国から地方へ。ですから要は市町村単位のきめの細かな対応ということになるわけですよ。現実に今、合理化法人というのは余り機能していませんし、新潟県ではそう聞いております。 だから、自分から能動的にどうにかこの棚田の地すべりを抑えたいとか、とにかく、棚田というのは不透水層というのがあるんですけれども、こういうものが壊れちゃうともう田んぼとしても機能しないし、治水機能もなくなるわけですね。だから、そういうところを能動的にというのはやっぱり市町村が判断するんですよ、何とかそういうところに自主的に農政にかかわってほしいという、私、これは特区の願いだと思うんですね。にもかかわらず、できもしないことで何度も市町村とか、今回は新潟県ですけれども、提案上げても門前払いだと。 このことについて、こういうような姿勢では、私は特区構想というのは進まないと思うんです。だから、この一点、非常にこだわるようですけれども、たまたま新潟県でこういう例があったんで、こんなことでは私もう間違いなく二次募集でも同じことが行われると思うんですね。このことについて、ちょっとまず副大臣、副大臣も福島県ですから多分棚田たくさんあると思いますし、保全しなければ本当に自然のダムも壊れてしまう。そういう状況で、これについてどうにか対応ができないか、ないしは今申し上げた農水省としてやはり規制改革をしていくんだ、規制緩和をしていくんだと、このことについてどういうお考えか、副大臣、お願いいたします。
○副大臣(太田豊秋君) 今の先生が御指摘になっておられました農地合理化法人による特区としての役割、そういったことについては、これは法制上なかなか難しいものだというふうなことで私も理解をいたしております。 ただ、今、先生のお地元も全国的にも棚田につきましては第一位というふうなことで、棚田の面積も二万三千三百三十六ヘクタール、これは全国の全棚田の面積からいいましても約一〇%ぐらいを占めておるわけでございますから、この棚田は、今、先生がおっしゃったように、多面的機能、洪水防止だとかあるいはまた景観維持だとか、そういった役割を非常に大事にしなければならない、そういった地域であることは私も承知をいたしております。 そういった意味で、これらの棚田につきましては、国民的な理解とか関心も非常に高まってきておりまして、各地域におきましてもNPOだとかあるいは棚田のオーナーだとか、こういった制度が行われているところでございまして、これらの皆様方の御協力をいただきながら、こういった棚田の維持はしていかなければならないなと、そんなふうには考えております。 しかしながら、棚田を含む中山間地域におきましては、過疎化と高齢化の進行だとか、あるいは担い手の減少だとか、耕作放棄地の増加などによって地域の活力や多面的機能の低下が懸念されておりますので、このために、農林水産省といたしましても、中山間地域において農業生産条件の不利益を補償するために、御承知のように直接払いを実施するほか、棚田の保全を推進するために、日本の棚田百景、実際には百十七市町村で百三十四地区が今認定を行っておるところでございますが、こういった棚田地域の立地条件に配慮をいたしまして、農業生産基盤の整備を行っているところでございます。
○黒岩宇洋君 今、いみじくも副大臣は直接払いの所得補償のことも触れましたけれども、所得補償をするぐらい多面的機能というものを農業政策の中では重要視しているわけですよ。だから、これは、鴻池大臣はこの部分は聞きませんけれども、要するに農業政策の中でも大変重要視しているという、こういうまず理念があるわけですね。その次に、構造改革特区でいえば、第一条の目的で「地方公共団体の自発性を最大限に」とあるわけですね。これも大きな特区の理念ですね。 こういう理念と理念がありながら、じゃ、今の運用上のところで見ると、これは私読んで、本当に合理化何とか基盤整備法だとか、いろんなもので現行制度でいいじゃないかという答えになるんですけれども、これは私違うと思うんです。現行制度で対応できようができまいが、元々私は規制というものはないのが原則で、でもやむにやまれぬ規制は掛けましょうよと、残していてもいいでしょうですから、現行制度でできるから云々じゃなくて、目的、理念にかなったことなら、それだったら私は規制というものは取っ払っていいと。これは私、大臣、基本的な考え方だと思いますし、鴻池大臣もそう考えていると思います。 今のやり取りの中で、やはりなかなか農水の副大臣としても苦しい言い回しになったと思いますけれども、こういうやはり行政機関と、ないしは行政機関の長がある意味立ちはだかってくるかもしれない。これは繰り返しになりますけれども、そういう中で大臣、何とかこの特区の理念を実効性を持たせる、そのためのまた決意になっちゃうんですけれども、改めて今のことでお聞かせください。 〔理事長谷川清君退席、委員長着席〕
○国務大臣(鴻池祥肇君) 黒岩委員のただいまの御発言の中で、特区構想の第一番の理念はいかがかと、こういうことでありますれば、正に私はそのとおりであると思います。 私は、農林大臣、大島大臣とも、また副大臣は参議院議員でいらっしゃいますし、極めて近い仲でございます。そういう中で、今回の農業分野における株式会社の参入問題につきましては、私はこれは一歩前進したと、御理解をいただいて一歩前進しているというふうに考えておるわけでございますが、ただいまの委員の局部的な、大変失礼な表現ではありますけれども、そこまで実は承知をいたしておりません。委員の御発言を十分拝聴しながら、今後も農林水産省とこの件につきまして調整に当たりたいと、このように思っています。理念につきましては賛同というか、当然、ただいまの御発言のとおりに私も思っております。
○黒岩宇洋君 大臣、御賛同いただきありがとうございます。 農水の方、もうこれで終わりますので、お戻りになられて結構でございます。済みません、お忙しいでしょうから。済みません、副大臣もおいでいただいて。 次、厚労省について御質問いたします。 今回の特区法案で、十八条で、今回、特別養護老人ホームについて民間事業者のいわゆるPFI方式又は公設民営化方式への、これは十九条ですけれども、参入が認められました。しかし、特養自体を民間事業者が所有し、経営することは認められていません。その理由をお聞かせください。
○政府参考人(中村秀一君) 特別養護老人ホームにつきましては第一種社会福祉事業と、こういうことで、基本法であります社会福祉法においては、社会福祉法人以外の設置主体も事業を行う場合、都道府県知事の認可を受けて認められると、これが社会福祉法の基本の立て方になっております。ただ、特別養護老人ホームにつきましては、第一種社会福祉事業ではございますけれども、老人福祉法においてその設置主体を地方自治体、社会福祉法人に限定していると、こういう法制が取られてまいりました。 基本的な考え方としては、非常に社会福祉事業の中でも事業量が、例えば事業の規模が大きい事業であり、また入所者の方が常時介護が必要な方を多数入所させる施設であるということで、利用者保護の観点から長期間安定した形での介護サービスを提供する必要があると、こういうことで、老人福祉法ではその経営主体を地方自治体又は社会福祉法人に限定してきたんだというふうに私ども認識いたしております。 厚生労働省としては、こういった事情のほかに、株式会社につきましては憲法上の制約もありまして施設整備費を交付できない、直接交付できないと、こういう事情にもございます。また、他方、現行制度でも、株式会社については、同じ高齢者介護の分野でございますが、先ほど小池先生からも御指摘がありましたように、有料老人ホームという形で参入することができ、介護報酬を受けることが可能な状態になっているということでありますので、非常に資金力のある株式会社については、むしろ日本全体の介護のことを考えれば、こうした分野の方にまず優先して出ていただくことが必要じゃないかと、こういうふうに私ども申し上げてきたところでございます。 ただ、今般、特区において地方公共団体からの御提案もあり、できる限り特別養護老人ホームについても、それこそ先行的に、実験的にやるということでございましたので、特区において株式会社が行うことについて、PFI並びに公設民営という形で、これは地方公共団体も基本的には関与の度合いが深いということでありますので、そういったことから、まずこの特別養護老人ホームの設置主体を株式会社に拡大するということについて実証的な先行事業としてやっていただき、その成果を見て考えたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○黒岩宇洋君 今の長期間安定したサービスということは、すなわち経営基盤が損なわれてつぶれちゃったらどうなるんだ、入所していた方はという、そこはよく理解できるんです。ただ、私、これPFI方式でやっても、同じくこの経営母体、株式会社がつぶれれば、同じ問題が起きると思うんです。PFIだとよくて所有が駄目だという辺りが、ちょっとそこの長期間安定したサービスという意味では、私にはこの違いがよく分かりません。 それと、この経営基盤についていえば、これ十八条の二項で「経済的基礎があること。」ということで、一つ条件を付けているわけですよね。そうすると、じゃ、この条件は一体何なのかと。PFIまではいいけれども所有まではできない条件というのは、PFIぐらいは、どうなんですかね、これ。ちょっと私、だから、PFIやるぐらいはいいけれどもというので、ちょっとこれ基準を設けているにもかかわらず、基準についてはこの後またちょっと細かく聞きますけれども、どうしてもこのPFIと所有についての、この分けるちょっとメルクマールが分からないんですけれども。御説明ください。
○政府参考人(中村秀一君) 一番、株式会社が入ってきていただくときの問題点の一つとして、安定した経営、例えばほかの事業で失敗された場合で倒産してしまった場合、その余波が特別養護老人ホームの方にも及んで、入所者の方が不安定になるということが懸念材料の一つなわけでございます。 公設民営方式というのは、御承知のとおり、例えば東京二十三区でいえば、渋谷区なら渋谷区が自分で特別養護老人ホームをお持ちになり、現在そういう形態、二十三区ではよく行われておりますけれども、社会福祉法人に運営を委託しているという形態がございます。その運営先の一つとして今回株式会社という選択肢を広げようとするものでございますが、そういった場合、所有者が二十三区、地方公共団体でございますので、そういった場合には非常に安定性があると。仮に委託を受けている株式会社が倒産した場合には、また委託先を別に選ぶと、こういうことになるんだと思います。 PFI方式につきましても、まず所有権を、いろんな方式がありますが、基本は株式会社がお立てになって、それを一度その地方自治体に所有権を移転し、株式会社の方が運営された場合に定期的に賃借料とかそういったものを自治体に払うという形、自治体が株式会社に貸し付けるというような形でございます。その際、自治体との間でいろいろ事業について協定を結んでやっていただきますので、そういった意味では安定性が高いと、こういうふうに考えておる次第でございます。 黒岩先生の御質問の趣旨にうまく答えられたかどうか分かりませんが、公設民営とPFI方式について解説させていただくと、今言ったようなことだと存じます。
○黒岩宇洋君 分かりました。 そうしましたら、じゃ、PFIへの参入というのが今回十八条で、公設民営化は十九条ということなんですけれども、私、先ほど申し上げたこの二号の認可基準、これを読むとちょっと要するに余りに抽象的で理解に苦しむんです。ここのまず二号なんですけれども、二項の二号ですね、「経営者が社会的信望を有すること。」とありますが、この信望のあるなしというのをどうやって図るのか。 三号には「幹部職員が社会福祉事業に関する経験、熱意及び能力を有する」とあります。経験、能力はともかく、この熱意というのはどういう判断基準なのか、非常に私には分かりません。熱意がないからといってはねられることがあるのかどうか。これもちょっとお聞きしたいんですけれども。 ここの五号に至っては、「脱税その他不正の目的で特別養護老人ホームを経営しようとするものでないこと。」とありますけれども、これは当たり前ですし、しかも、どうやるとこの経営者が脱税目的があるかないか分かるのか。問われて、自分は脱税目的で経営したいと思っているという経営者はいないと思うんですね。 やはり問題なのは、要するに昭和二十六年施行の、もう五十年以上前の社会福祉法の六十二条の四項、これを丸写ししているんですよね。ですから、そういう意味で、私、今回、特区って、この辺ちょっと鴻池大臣にも本当聞いていただきたいんですけれども、新しいものへの挑戦だと、二十一世紀の挑戦というときに、民間会社の参入条件を五十年以上前の法律をそのまま丸写しにしているという、私、これを見たときに、工夫が足りないというより、特区構想に対してやる気がないのかなと、ちょっと失礼な言い方なんですが、疑ってしまうんですが、この認可基準についてもうちょっと具体的に分かるように御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君) 何点か御指摘がありましたので申し上げたいと思います。 まず今の五つの基準、先生具体的にお引きになった条文、特区法の条文で五つの基準、十八条第二項で引いておりますが、これは御指摘のとおり社会福祉法で規定している基準と同じでございます。五十年前の法律という御指摘でございましたけれども、社会福祉法は、社会福祉基礎構造改革ということで、平成十三年に全面的に、母法はございましたけれども、改正した法律でございまして、そういう意味では五十年前の規定ではないということでございます。 それから、基準が相当抽象的であるということでございますが、確かに審査基準については抽象的でございますが、これは、基本を申し上げますと、この出てきた法人を認可するのは都道府県知事の自治事務でございますので、都道府県知事に御判断していただくというふうになっております。私どもの方は、そのときに厚生労働大臣の方は技術的な助言を行うということで、国の方では技術的な助言として、先生から御指摘のありましたことについて具体的な助言をさしていただくと。 先行例としては、これは法律通りました後、私どもよく考えさしていただいて基準を決めたいと思っておりますが、類似の施設でケアハウスについて既にこういう技術的助言がされております。例えば、必要な経済的な基礎については、証券取引所に上場されているというようなこと、社会的信望を有するということにつきましては、これまでの社会福祉事業への関与や事業活動の実績、これは総合的に勘案さしていただくということで、具体的には都道府県知事の方において判断していただく。それから、サービスの経験、能力、熱意等につきましては、外形的な基準しかございませんので、社会福祉士とか介護福祉士、国家資格のございますそういった方、そういった資格を取られた職員の方をどういうふうに配置しているかというような問題。それから、経理状況につきましては、主たる目的であります特別養護老人ホームの事業と他事業との経理区分がされているかどうかなどなど。 そういったことを具体的な技術的助言として法律が通りましたらお示ししたいと考えておりますが、ケアハウス、似たような高齢者の方が二十四時間利用していただく、ずっと住んでいただく施設としてはそういうものがございますので、特別養護老人ホームはこの基準よりは緩くなることはないと、重度な介護の方が入っておりますので、そういうふうに考えておるところでございます。
○黒岩宇洋君 分かりました。 重ねて今ちょっとこの部分をお聞きしますけれども、私、厚労省の方とのお話の中で、やはりこの社会福祉法で基準を設けたのは、要は既存の社会福祉法人に見合った民間事業者にしか認定はしてはいけないだろうという、こういう視点だということをお聞きしています。それで、じゃ、社会福祉法人の設立要件はというと、私読みまして、これはもう説明しませんけれども、これ見る限りにはどこにもやはり熱意とか脱税目的なんていうものは触れていないんですね。 ですから、私は、要は、これは言いたいのは、社会福祉法人ならやっぱり要件がどうあれいいんだという、よく言えば性善説で、やっぱり民間企業は悪だから相当条件を付けなきゃいけないという、これが本当、透けて見えるというよりはもう全面に出てくるぐらいに私には思えるんです。 今、局長おっしゃったそのケアハウスのこれもPFIの参入の条件で、上場企業という表現がございました。これ、二部以上だと聞いているんですけれども、その上場企業数というのは今、日本では約二千五百です。それに対して、社会福祉法人の数というのは十三年三月末で一万七千百三、一万七千法人を超えているわけですね。そう考えると、どうしても民間会社にとってこの条件、上場という条件は余りにも酷なハードルという気がします。 私は、実は前職で店頭公開準備室というところにいたんです。ただ、この不景気の時代、証券会社の幹事会社を取っ替え引っ換えしたりして何とか店頭公開を図ったんですけれども、いまだできていない。だから、そのぐらい企業にとってはこのハードルというのは結構大変なんですね。逆に、実は私の実家は自ら出資をして社会福祉法人を作ってケアハウスを経営しているんですね。結構、いとも簡単にできたという記憶があるんです、これは表現は適切でないかもしれませんけれども。ということは、やはり社福法人さえ作ればいいんじゃないかという、こういったことが実態として私には見えてきます。 ですから、この社会福祉法人性善説、民間事業者性悪説が透けて見えるような設立要件、社会福祉法人の設立要件ですね、この設立要件で本当に今法案の十八条の二項のような認可基準が担保されているんでしょうか。それをお答えください。
○政府参考人(中村秀一君) まず、社会福祉法人との比較のお話になるわけでございますけれども、社会福祉法人は、元来、社会福祉事業を専門にやろうということで設立されているものでございまして、つまり社会福祉事業を民間でやるためには公の支配を受ける法人でなきゃだめだと、こういう言わばストライクゾーンを絞った中で、非常に言葉が過ぎるかもしれませんが、ある意味でははしの上げ下ろしまで正に規制がされている状況の中で社会福祉事業をやっている法人であります。そういった意味では、その事業計画についても毎年毎年監督官庁の事前の許可を受けてやっているということで、非常に道を踏み外すリスクは少ないんじゃないかと。そういうような制度の上に乗って作られている法人であるということ。 それから二つ目に、例えば事業が成りいかなくなった場合にその財産は類似の法人に、類似の目的をやっている法人に承継するか、そうでなければ国庫の方に引き取るか、そういう厳しい規制があるということ。また、そういう社会福祉法人をやるために、先生の御実家も社会福祉法人設立されているということですが、そのための土地なり財産なりは全部寄与して、それは黒岩家のものではなくなっていると。こういう状況であるという点が株式会社と違うわけです。 株式会社は、むしろこういう経済の中でリスクを冒して果敢に利益を獲得するという経済目的、これは私は善悪を言っているわけじゃなくて、そういうリスクを冒すという側面を持っており、そのリスクをどうやって抑えるかというのが福祉事業なり医療の方の問題であり、その兼ね合いをどう取るかが非常に社会的に大事なことだと、こういうふうに考えて、ある意味では規制と助成、社会福祉法人の場合は規制を受けている代わりに助成もかなり受けている、株式会社は自由である代わりに助成も受けないと、こういうものが混じり合って介護事業をやっていただくという状況でございますので、そういった複雑な側面があるということを是非御理解賜りたいと存じます。
○黒岩宇洋君 今の部分は私も理解はしておるつもりでございます。 民間事業者が参入してくることに対して、非常に今申し上げたように多くのハードルが存在しています。これらを乗り越えて審査の結果が基準に適合していると認められると、ようやく十八条三項で都道府県知事は認可を与えなければならないと、こうして認可を下してもらいます。しかし、めでたくここまで来たにもかかわらず、次の四項を見ると、さらに四項で都道府県知事は認可を与えるに当たって必要と認める条件を付すことができるとあります。 ここまで来てまだ条件かと思うんですけれども、この条件というのは具体的にどういうものを想定しているのか、それをお答えください。
○政府参考人(中村秀一君) 具体的には、都道府県知事が事業の実施状況について、例えば定期的に報告していただきたいと、そういうようなこと、あるいはもし都道府県知事の方から事業運営についてお願いをするようなことがあればそれを尊重していただきたいなどの条件、それから万一撤退する場合にも入居されている方の転居先の確保などそういったことについては努力してくださいねと、そういう条件になるというふうに考えます。
○黒岩宇洋君 お待たせしました。木村副大臣にお聞きしますけれども、今の議論の中で、今回、特区構想でPFI、そして公設民営化に民間企業を参入させましょうと、これは大変私はいい発想だと思います。 そこで、副大臣は以前たしか党のPFI推進調査会長ですか、務めていたわけですね。PFIの推進でございますよね。その中で、今の副大臣という立場もありますけれども、やはり民間というものが入っていくんだ、そういったことで活性化していくんだと、正に民間活力導入というわけですから、この視点で今のこの議論についてどうお考えか。今後、この特区に対して厚労省としてどういう形で理解を示していくのか、そういった辺りをお聞かせください。
○副大臣(木村義雄君) PFIについて御理解を賜りまして誠にありがとうございます。なかなかPFIの方もようやくこういう国会の場で議論の対象になってきたわけでございまして、これも先生始め皆さん方の御理解のたまものだろうと、こういうふうに思っております。 確かに、PFIの観点からするとまだまだ進んでいないんです。PFIのそもそもというのは、これはもう社会福祉事業にも非常に似ているんですけれども、例えば、本来、国が予算があり余っていて人もあり余っていればそういう福祉事業も、これは全部国にやってもらったらというのはそれは当然出てくるわけでありましょうけれども、ところが、やはり財政の制約、もちろん公務員の制約といろいろあるわけであります。 そういう中で民間の篤志家が、ある意味で自分の財産をなげうってまで、それで特殊法人を寄附行為によって設立していただき、そして事業に取り組んでいただくというのは、これは非常に民間の方も決断が要ることだろうと、こう思うわけでありまして、やっぱりそういう方々と営利企業とはやはりある程度、当然そこの間に距離があってしかるべきなのかなと。それを余り一緒くたにするのはいかがなものかなと。 私は、まずその辺は踏まえた上で、PFIというのはもう先生も御承知のように、これは正に民間の力でもって公共事業をやっていこうということでございまして、昔はどういうのかといいますと、例えば優秀なお殿様がいまして、河川の防波堤の事業なんかを本当は公共事業でやりたいけれども、やはり予算がない、お金がないと。そこで民間の人たちにその土地を切り分けたんです。それで、おまえの庄屋の土地はここだ、おまえはここと、こう分けていって、その代わり堤防事業はおまえがやれと、こういうようなことがある意味で発祥でございまして、PFIというのは横文字でありますけれども、そもそもは日本のルーツじゃないかと、私はそのように思っておるような次第でございます。 そこに、一番PFIで肝心なのは、やはり最少の費用でもって最大の効果を上げていく、予算をできるだけ、そこは民間の方々の言ってみれば資金、正にプライベートファイナンスでありますから、民間の方々の資金を活用していただいて公共事業を行っていこうという性格でございまして、この中でも、民間の方々に建てていただいて、それを市町村が所有をしてもらって、そしてまた更に再委託をするとか、あるいは民間が建てて、それを市町村が借りていただいてそれで事業を行っていこうとか、そういうようなことが十分考えられるわけであります。だから、それはPFIはあくまでも経営形態の一つと。 それで、営利企業と完全に違うところというのは、そこはスペシャル・パーパス・カンパニーというのを間に入れますから、そこは民間の株式会社の営利と一線を画しているところはある、それは法人形態として一線を画しているところがあるというのは御理解をいただきたいと思います。 その中で、厚生労働行政は今後、特区に対してどういうふうにかかわっていくかという先生の一番のメーンの質問でございますけれども、厚生労働行政というのは医療とか福祉の分野が非常にメーンな分野でありますけれども、サービスの内容が国民の皆さんの生命、命や生活と大変密接にかかわっているものでございます。それで、サービスの大半が保険の財源あるいは公費、皆様からいただいた保険料や税金で賄われているわけでございまして、他の何か物を作って売るような分野と非常に異なる性格を有しているわけであります。このため、規制改革を進めるに当たりましては、サービスの質の低下を招いたり安定的な供給が損なわれてしまってはこれは大変なことなので、そういうことがないようにしなければなりません。 そして、逆に自由競争によって過剰なサービスの供給が生じますと、保険料や公費にとって大変な負担を与える。保険料をどんどんどんどん上げていかなきゃいけないとか、さらには、何か人によっては消費税を導入しろとか、そういうような意見が出てくるのはこれはまた大変な問題になるわけでありますので、こういう視点に立ちまして、今後とも基本的な視点、これを踏まえていただきまして、サービスの質の向上や利用者の選択の拡大がつながる規制改革については、構造改革特区における検討も含めまして積極的に取り組んでまいりたいと、こう思っております。
○黒岩宇洋君 大変、PFIについては、これは日本のルーツだとか本当勉強になってうれしかったんですけれども、ちょっと私、厚労省の立場としては、姿勢としてはいま一歩踏み込んでいないなというところで、鴻池大臣も心なしか、ちょっと機嫌悪そうに聞いていたような気がするんですけれども。 ちょっと時間ですので、民主党の方々が何かそわそわしているので、済みません、次回に今の所見についてちょっとまた大臣に、厚労省の今のこういったことについて冒頭に聞きます。それで、文科省の皆さん、済みません。五問も通告しておいて一問もできなくて、次回ちゃんといたしますので。私いつも最後なので、ダブりを恐れてたくさん通告する癖が付いたので、次回に聞かせてもらいます。 本日はどうもありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後五時散会