内閣委員会 第2号
- 発言数
- 266 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/11/05
会議録
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、内閣官房内閣参事官井上進君、同村上康聡君、行政改革推進事務局行政委託型公益法人等改革推進室長小山裕君、内閣府大臣官房審議官加藤裕己君、同政策統括官大熊健司君、同山本繁太郎君、同男女共同参画局長坂東眞理子さん、同沖縄振興局長武田宗高君、外務大臣官房審議官渥美千尋君、同参事官齋木昭隆君、環境省総合環境政策局環境保健部長南川秀樹君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) この際、米田内閣府副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。米田内閣府副大臣。
○副大臣(米田建三君) このたび、内閣府の副大臣を拝命いたしました。一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。 私は、内閣府本府の事務のうち、規制改革、総合科学技術政策、防災、男女共同参画、また沖縄北方対策、青少年健全育成、栄典並びに国際平和協力業務などの政策を担当するとともに、内閣府に係るIT関係の政策を担当してまいります。 関係大臣を支え、全力を尽くしてまいる決意でございますので、委員長始め、委員の諸先生方の御指導をよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(小川敏夫君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿部正俊君 自民党の阿部正俊でございます。 今日は、内閣委員会の一般質疑ということで、関係大臣の皆様方においでいただきまして御質疑をさせていただきたいと思います。 大変忙しい中での貴重な時間ですので要領良くやりたいと思いますが、何せ関係する大臣が最大ですと六人もおられますものですから、なかなか十分な審議にならないかもしれませんけれども、どうか御勘弁をいただきたいと思います。 最初に、何といいましても、最近の日本の話題の主でございます竹中大臣にお尋ねを申し上げたいと思いますが、必ずしも所管ということに、役所流で言えば所管事項にこだわらずに少し、言わば財政、経済のプロとしての竹中先生とも言える竹中大臣の御見解というようなことでお話をちょうだいできれば有り難いというふうに思います。 最初に、非常に形式的なことでございますが、最近話題といいましょうか、テーマになっています、いわゆる不良債権の処理及びいわゆるデフレ対策と言われる各般のテーマに及んだ対策といいましょうか、というものの性格でございますけれども、最終的にはどういう手続で内閣全体の意思決定になるのか、閣議決定だとか、あるいは法律案とかいうような形になるのか。その辺について閣議決定ならばいつごろだとか、あるいはそれなしでいくんだとかいうこともあろうかと思いますけれども、それについて一言だけちょっと大臣のお考えといいましょうか、今のところの予定というのをお聞きしたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 十月の三十日に金融再生プログラムとそれに合わせて改革加速のための総合対応策というのを同時に発表をさせていただきました。その全体の成り立ち、位置付けについての御質問だというふうに存じます。 小泉内閣は、改革なくして成長なしの理念の下で、構造改革についての様々な議論を積み重ねてまいりました。昨年の骨太の方針、今年六月のいわゆる骨太第二弾、その間にマクロ的な中期ビジョンを示した改革と展望というのが示されております。骨太第二弾の中で明示されていたと思いますが、改革にはやはり四つの柱がある。骨太第二弾だけではなくて、一連の議論の中で出てきた議論でございますが、構造改革を進めるためには四つの柱がある。 一つは歳出の改革、これはきちっとした財政赤字のコントロールも含めた効率的な予算を作るということ。歳入の改革、これは税制の改革でございます。そして金融システムの改革、不良債権の処理加速は正にこの部分に当たります。そして規制改革、特区等がこの中心でございます。これをしっかりと進めるというのが小泉内閣の基本方針であり、さらに、現下の厳しい状況の下でこれをより早くやる、より大きくやる、そしてそれをより分かりやすく国民にお示しする、そういう方向で一貫して政策を進めております。 その中で、今般、総理の方から、この金融システム改革に関して十六年度には不良債権問題を終結させるように、よりこれを強化するようにという非常に強い御指示をいただきました。それを受けまして、金融再生プログラムが作られているわけでございますけれども、議論の性格上、この金融再生プログラムというのは規制監督当局である金融庁の基本的な方針ということに相なります。それを受けまして、しかし、セーフティーネットの強化、中小企業対策等々、総合的な対応策も全体として強化させる、その強化させる方向を示したものが三十日に発表された対応策、総合的な対応策ということになります。 これらにつきましては、既に今ある政策を強化するものでありますので、各省庁の責任において行い、それを総合的に取りまとめて、姿として皆様に見ていただく、これは閣議に対する報告をいたしました。既に閣議報告をしております。今後、これをより具体的にどのような形で行っていくのか、政策には予算が付いて回るということを考えますと、これは予算編成の中でこれは正式に内閣としての方針として決定をさせていただく、さらにはこうしたことを織り込んで、総合的な改革と展望の見直しというのも年末から年初に掛けて予定されております。これらは昨年どおり閣議決定ということになろうかと思います。 したがいまして、今の段階ではこれまでの四つの政策を強化して、それを現状時点で取りまとめて、それを閣議に報告した、今後さらにそれを予算ないしは改革と展望という形で具体的な、より具体的な政策として内閣全体の方針として決定していくということになると考えております。
○阿部正俊君 ありがとうございました。 今更言うまでもなく、竹中大臣、むしろ竹中先生と申し上げた方がいいのかもしれませんけれども、言わば小泉病院で外から招聘された執刀医といいましょうか主治医さんと、こんな感じじゃないかなというふうに思います。 日本は今いろんな意味で、金融システムだけではなくて、いろんな病気が慢性疾患的に顕在化しつつあるという中でどう再生をするのかということでございますが、今、竹中大臣からお話のあった中で、言わば総合対策というふうに言いますと、言わば正にそのとおりなんだと思うんですが、一面、何か焦点がぼけるような感じがしないでもありません。 日本の再生というのは言われてもう久しいわけでございまして、今ここでしなきゃならぬところはどことどこだというふうな言わば疾患の中心ポイントといいましょうか、というものは何なのかということを、何か少しぼけてくるような感じもしないでもないんです。 いわゆる不良債権という問題について、小泉総理も就任のときから申されておられましたし、特に最近それを強調されてきたわけですが、金融システム、これはシステムというより具体的に言えば不良債権の早期処理ということだと思うのでございますが、そこが大きなポイントの一つなんではないかと思いますけれども、一方でデフレだとか規制改革とか様々な今までやってきたことの延長線上でありますけれども、どうもあれもこれもといいますと、どうしても焦点がぼけてくるような気がしますし、卵が先か鶏が先かみたいな話になりかねないなというような気がするわけです。特に、小泉病院に入院し、かつ竹中執刀医を招聘し、日本の何を竹中大臣に頼むのかということは、どうもはっきりしなくなってくるんじゃないかなという気もしないでもないんです。 そういう意味で、私とすれば、特に金融システム、中でも不良債権の早期処理というふうなところの名医だからこそ竹中執刀医、大臣にお願いし、かつ力を発揮してくれということで総理が申されておるんじゃないかと、こんなふうに思うんですけれども、あるいは竹中大臣の能力からすると余りにも狭い範囲でございましょうか。むしろそこのところをポイントにして日本の未来を考えていくと。大変つらいことでございますけれども、見るべきものはきちっと見て、診断書を書いて、治療方法を示した上で、それを余り悪影響のないような方策をそれぞれ考えていくというふうな順番かなと、こんなふうに思うんでございますけれども。 私は全くの素人ですが、どうも不良債権というのは日本経済、日本再生の足かせになっているんじゃないかと。これをこのままではどうしてもやっぱり立ち上がれないということであるならば、痛くてもそれを切り落としてそのままというわけにいきませんけれども、そこをまず根治させる、あるいはそれはそれとして代替措置を考えるとか、そこのところをポイントに、物を考えていく順番というのを間違えないようにしてもらわなきゃいかぬのじゃないかと。 あれもこれもということになりますと、何となく総花的になってまた元のもくあみみたいなことになってしまいやせぬかというふうな感じもするんでございますが、執刀医竹中大臣の御見解といいましょうか、御苦労されたこの一か月余り、本当にもみくちゃにされながらよく頑張ってこられたと思うんでございますけれども、本当の心といいましょうか、どこにあるのかという辺りをちょっとお聞かせいただければ有り難いなと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 阿部委員の御指摘になったポイントは、大変重要なポイントであると同時に大変難しいポイントであるというふうにかねてから思っております。いろんなことをやらなければいけないというのが正直な気持ちでございますが、それによってなかなかその政策のめり張りというか焦点が分かりにくくなっているのではないかという御指摘も、うなずける点多々あるというふうに思います。しかし、同時にまた振り返って考えると、これをやれば、これをやりさえすれば日本の経済は良くなるという一つの打ち出の小づちのようなものがあるかと聞かれると、それは実はなかなかないということもやはり厳しい事実ではなかろうかと思います。 今般、正に委員御指摘のように、この金融について、やはり経済の根底を成しているのはマネーであって、そのマネーがうまく増えてうまく回るような形を作らなければいけない、その意味で不良債権処理の問題を更に強化、思い切って強化しなければいけないというのは、大変強い総理の思いでもございますし、我々の思いでもございます。 その点について一歩を踏み出せたのではないかというふうに思っておりますが、しかし同時にまた振り返って、それによって短期的に生じるかもしれない問題に対しては、やっぱりこれは規制改革等を更に進めて需要を作っていかなければいけない、そういうところに立ち至るということも事実でございます。 その意味では、当面はこの不良債権の処理の加速ということに大きな重点を置きながら、やはりそこは合わせ技で、政策を総動員するという体制は引き続き必要なのではないかというふうに思っております。
○阿部正俊君 ありがとうございました。 それでは、もう一つの問題でございます歳入の改革というふうに表現されましたけれども、いわゆる累積債務の存在、それをいずれどうにかしなきゃいかぬというふうなことを、逃れざる問題が、大きな越えなきゃならぬ山があるわけでございますけれども、これについて一つだけお尋ねしたいと思います。 言わば不良債権が足かせとしますと、累積債務というのはいろんな意味で日本の行財政というものを縛っておる手かせではないかなと、こんなふうな気がするわけです。三十兆円を超える支払、返済のための支出をしなきゃいかぬというふうで、日本の歳出の最大の歳出は借金返済という哀れな姿がそこにございます。と同時に、累積債務七百兆円余ということでございますが、率直に言えば、いわゆるプライマリーバランスも取れずに、言わば日常の生活にも足らぬ歳入しかない、歳入と日常の生活とのバランスを失した家計にも例えられるんではないかと。 それで、プライマリーバランスも維持できず、将来の債務は七百兆円から、うっかりするとといいましょうか、累増を更にしていかざるを得ない状況というのは非常に情けない感じがするわけでございます。それは、経済的な問題というふうなこともさることながら、何か日本人としての誇りがどこへ行ったのかなというくらいむしろ思うわけでございます。ヨーロッパ諸国のEU統合へ向けての営々たる努力を比べましてもちょっと恥ずかしいなと、率直な気持ちでございます。 と同時に、御存じのとおり、累積債務といいますのは償還期限が六十年でございますので、六十年先の子供たちの分まで私どもは、政治の責任かもしれませんけれども、むしろその債務を、子供たちの分を今の大人たちが、飲み食いと言ってはなんですけれども、使っておると言われても仕方ないのではないかというふうに思います。 今、少子化というふうなことをよく言われますけれども、言わばまだ生まれてもこない子供たち、将来の日本が膨大な累積債務と悪い環境しかないということでは、多分、神がそんな世の中じゃ駄目だねということで数も少なくなってくるということも、私は、大人としてはそれ以上何とも言えぬじゃないかと。本当に少子化対策なり日本の未来を考えるならば、借りた借金は返すというふうな最低の論理を、倫理を実行していくシナリオというのを私ども持たなきゃいかぬのじゃないかというふうな気がします。 現実問題としてプライマリーバランスさえ回復していない現状の中で、さらに累積債務の返済というものを具体的な政治日程、あるいは小泉内閣でよく表現される工程表に載せるには余りにも厳しい現実があるのかもしれませんけれども、でもやっぱり、うちから借りたんだからいいじゃないかというようなことで事を済ますわけにいかぬだろうと。世代間のバランス、日本の未来を考えれば、やはり累積債務は、ゼロにはできませんけれども、返還していくというふうなスケジュールを立てなきゃいかぬのじゃないかと、こんなふうに思っております。 そういう中で、それをはっきりしていただきたいということと、だから、端的に言えば返すのか返さないのかというふうなことをはっきりさせていただきたいということが一つ。それは歳入増加か歳出削減か、どちらかしかないわけでございますけれども、そのどちらをいずれかの時期に、近々のうちに実行しなきゃいかぬということも現実だろうというふうに思いますが、これについての御見解をひとつお聞きしたいというようなことが一つ。 あともう一つは、国債というのは六十年償還ということでやっているわけでございますけれども、六十年というのはむしろ借金ではないんだろうと思うんです。個人では六十年借金というのはあり得ませんので、せいぜい三十年でしょう。六十年というのは、むしろ支払先延ばしというふうに言った方がいいんじゃないかというふうに思います。言わば将来の価値が残るから何十年か先の債務という形で現在歳出してしまうということが許されるというならば、価値が残る期間に合わせて償還期限というのはあるべきじゃないかというふうに思います。 例えば、道路なら五十年なら五十年、建物ならば三十年なら三十年というふうな、一律に全部六十年、建設国債であれ赤字国債であれ全部六十年ということは余り根拠がない話でございまして、むしろこれから国債発行をするならば、価値の存在する常識的な期限を切った国債の発行ということも考えていいのではないかなと、それなら僕は理屈が合うと思うんでございますが。何でもかんでも六十年ということでやってしまうということは少し、言わば財政倫理というか、それを超えて何か大人としての、現世代の倫理として少し欠如しているんじゃないかなと、こんなふうな気がしますけれども。 こうしたふうな意味での償還期限のいろんな様々なスタイルの国債の発行ということについて考えてもいいんじゃないかと思いますが、この両点につきまして竹中大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 財政の健全化に向けたシナリオの問題と、それと六十年の国債の管理の問題、二点の御質問かと存じます。 まず、このシナリオでありますけれども、これは当然のことながら、今日のような財政状況を続けますと国債残高がGDPに対して無限大まで拡散、発散していく危険があるわけで、今日の財政状況が明らかに持続可能な状況にはないという非常に強い危機感を我々はやはり持たなければいけないと思います。 そうした観点から、今年一月に発表いたしました「改革と展望」、これは正しく閣議決定されたものでありますけれども、この「改革と展望」の中に内閣府の参考試算も付けておりますけれども、これはやはり十年程度でいわゆるプライマリーバランスを回復していく、そのためのスタート時点としての今年度の国債三十兆の問題を含めた様々な歳出の適正な管理、健全な予算の編成の問題が出てくるわけでございます。この「改革と展望」は、毎年その時々の状況に合わせてローリングといいますか改定をすることになっておりますので、本年もまた、今申し上げたようなしっかりとした財政健全化に向けたシナリオを明示するような形でこの姿を示したいと思っております。 大変微妙なのは、借金を返すという、借金はやはり返すべきだとは思いますけれども、借金を返すというところまでなかなか行くのは至難の業であるということなのだと思っております。借金を返すということになりますと、かなり大幅な財政黒字をかなり長期にわたって続けなければいけないということになります。責任ある運営としてそういうところを当然目指すべきでありますけれども、当面はプライマリーバランスを回復させるということを目指して、しかも、それを急激な変化を避けながら十年程度で行うということを目指してこのシナリオを今作っておりますし、またこれを毎年見直していきたいと考えているところでございます。 二番目の国債の期限、建設国債は六十年。これは御指摘のように、基本的な考え方は、その対象となる資産の耐久性と見合う形でそこの資産から受けるサービスがどのぐらい期間続くかということを前提として組まれているはずでありますけれども、それについては今後更に様々な検討が必要になるのではないかという御指摘かと存じます。 この国債の管理そのものは非常にトータルな国債管理政策、これは今御指摘のような視点に加えまして、マーケットにおける期限、マチュリティーをどのように管理していくかという点も踏まえて総合的な国債管理政策として、これは財務省の方が当然担当でございますけれども、様々な観点から議論がなされているというふうに認識をしております。御指摘のような点も踏まえながら、この国債管理政策を充実させていくことは大変重要であるというふうに思っております。
○阿部正俊君 ありがとうございました。 これは私事でございますが、竹中大臣は、竹中先生と申し上げた方がいいのかもしれませんけれども、平成十年だったか九年だったか、私のセミナーにおいでいただきまして、先生のお話をお伺いしたことがございますけれども、そのとき唯一覚えているのは、先生は、これからはスピードも大事なんだと、こんなことをおっしゃられたような気がするわけでございます。質が幾ら良くても後の祭りではどうにもならぬ、スピードこそがこれからの日本が再生し、かつ世界の中で生き残っていくための必要な条件なんだということを申されたような気がしますので、どうか先生、正に今置かれている立場は大変しんどいと思いますけれども、何とか早く事を決断して進んでいくということが必要ではないかと思いますので、これからもひとつしっかりお願いしたいと思います。 ありがとうございました。 じゃ、次に、日本再生のための決め手の一つではないかなというふうに思っておりますが、科学技術についてお伺いしたいと思います。 今日は、細田大臣、わざわざおいでいただいておりますし、しかも私の御要望を受け入れていただきまして、資料をカラー刷りで、言わば科学技術の未来を、多少無理でもいいですから夢を語ってほしい、そこに日本再生の決め手があるんじゃないか、頼みの綱ではないかと思いますので、余りあれこれ質問を、どうだということを申し上げません。幾つかポイントだけ申し上げますが、まず一つは、こうしたふうな科学技術を進めるためには、今までのマンマンデーの日本の開発研究予算の配分ということはどうにもならぬのじゃないかということで、それの重点化とか、あるいはそのシステムをどうするかとかいうようなこと。それから、あわせまして、これからのまずどういったようなことが夢というふうに可能性としてあり得るのかということにつきまして、ナノテクとかバイオとかITとか等を中心にしながら、この図表を例示しながら大臣から、短い時間で恐縮ですが、ポイントをひとつまず指摘していただきたいと思います。 よろしくお願いします。
○国務大臣(細田博之君) 阿部委員の御質問でございます総合的なところからまず申し上げますと、科学技術基本計画は一次、二次と、まずは予算的充実、日本は二十一世紀においてまず科学技術が発展をし、このたびも二人のノーベル賞受賞者を出しましたけれども、どんどん五十年で三十人ほど輩出するぐらいの実力を持たねばならないという目標も定めておりますし、また予算も、例えば来年度におきましても一一・七%増の科学技術関係概算要求をいたしており、また予算的にも増やしていくという方針を決めておるわけでございますが、問題点が幾つかございまして、一つは、関係各省の予算要求がたくさん重なっておりますが、例えば厚生労働省とか経済産業省、農林水産省、文部科学省、環境省、総務省、国土交通省というように、順不同で申し上げましたけれども、いずれも七つの省が関係をしているわけですが、予算上のめり張りをきちっと付けなきゃならないということで、これは総合科学技術会議で高度な技術について識見のある井村元京都大学総長を始めノーベル賞の白川先生とか八人の先生方で審査をいたしまして、そしてその中でランク付けをしようじゃないかと。やっぱり本当に将来にわたって要るものから順番にランク付けをして、各省庁が重なって要求しているものもありますし、もうそろそろおしまいにした方がいいものもありますし、要求といってもまだ時期尚早のものもあるんですね。言わば事務的に財務省の方に提出して査定をするというやり方だけでなくて、総合的にやっていこうと、これが第一。 それから第二が、一つの枠で付く予算というのがたくさんあるんです、予算の中には。大学に付いたり、研究所に付いたり。しかし、その中でプロジェクトを評価する仕組みが日本ではまだない。これは、アメリカ等では非常にいい評価をして、その中での予算付けをきちっとする仕組みがありますので、これはこれから制度を確立していかなきゃならないんです。これが第二点でございます。 そして第三は、分野別に非常に重要な分野を重点化していこうということでございまして、これが阿部委員の御要請によりましてお配りしております関係資料に出ているものでございまして、やはり今後の課題としては、ナノテクノロジー、ライフサイエンス、いわゆる情報通信技術、IT、環境技術、エネルギー技術というふうに、重点四分野と申しておりますけれども、それぞれに二十一世紀に大変な進歩をしそうだということで掲げてあるわけでございます。 例えば、テーラーメード医療というのが一ページ目にございますけれども、個人個人の遺伝子がそれぞれ少しずつ違うもので、同じ薬を作っても、アレルギーが出てきたり、とんでもない副作用が出たりすることもあるんで、これらを全部克服していこうということでテーラーメード医療、洋服を体のサイズに合わせて作るような医療面での将来を形作っていこうということであり、再生医療につきましては脳神経細胞とかあるいは骨粗鬆症とか、あるいは血管、心臓等の回復、臓器の回復等についても再生医療をやれるようにだんだんなってきたなということでこの技術をやろうと、あるいは半導体デバイスを更に微細化、高集積化しようというのが三ページ。 四ページが量子コンピューター。これが、一年掛かる作業を数秒でできるようになるということで、薬を作るときなどのいろいろフィードバックのための計算は飛躍的に高度化されるという、迅速化されるということで量子コンピューター。 あるいは、今後、情報、IT分野においては、国会図書館を角砂糖のサイズにしてしまえるほどの集積ができるということで、これらを、もちろん国会図書館を角砂糖サイズにすることが目的じゃありませんけれども、例示でございまして、そのくらい高度な情報処理ができて、言ってみると、IT革命というものは進んでおりますが、もっと個人の生活、国民生活をより便利により豊かにしなきゃならないし、様々な企業、官庁、許認可も含めまして非常に後れておりまして、一々時間を掛けてやっておるのを完全に高速化をして国民の生活向上に役に立てようという思想でございます。 それから燃料電池。これは環境、御存じの地球温暖化対策にも役に立つ内容でございまして、燃料電池ができますとCO2が一切発生しない形でエネルギーが取り出せるということでございますし、あるいは準天頂衛星システム等も救命・防災、高速移動体通信、高精度測位等に非常に役に立つということで資料を作らしていただきましたが、そういうあらゆる分野において新しい方向を探っていこうということで、これが今アメリカに一歩も二歩も後れを取り始めておりますので、科学技術予算の増額だけでなく、それを交通整理して重点化をして、そして競争的な原理を導入して発展させていこうと、こういうことでございます。 お答えになりましたかどうか分かりませんが、以上でございます。
○阿部正俊君 ありがとうございました。 できるだけ皆さんに、国民みんなの支持を得られますように、できるだけ、分かる人だけ分かるんじゃなくて、できたら夢を持って国民が元気付けてもらうように、一般の方への、少し無理な面があるかもしれませんけれども、夢を描けるようなPRというか広報といいましょうか、ということを心掛けていただきたいと思います。 あわせまして、ちょっと一つ簡単にお聞きしたいんですが、そうなってきますと、従来のいろんな意味での横並びの思想というのが日本というのはあるんだと思うんでございますが、言わばチャレンジする精神といいましょうか、そういう風土といいましょうか、というものを作っていくことも大事だし、チャレンジした人をいろんな意味で、そのチャレンジの結果得たものをちゃんと保護してあげるとか、あるいは逆に言うと、一度失敗してもそれで終わりじゃなくて、再チャレンジへの道筋を付けていくように、いろんな意味での言わば周りの状況も変えていかなきゃいかぬのじゃないかなというような点が一つ。 それからもう一つは、大学というのはやはり大事な人的資源の宝庫だろうと。宝庫、潜在的な意味でですね、というふうに思いますけれども、大学の活用といいましょうか、別に今日明日の役に立てるということだけじゃないんですけれども、本当の意味で生き生きと活躍できる条件作りというのがやはり必要なんじゃないかというような気がしますので、その辺で、独立行政法人も一つの一歩だと思いますけれども、もっと進んで、もっと自由に活躍できるような場ができないのかなと、こんなふうな気もしていますけれども、その辺について御所見がおありでしたら、一言お願いしたいと思います。
○国務大臣(細田博之君) まず、大学等の研究開発システムにできるだけ競争原理を導入しようということがございます。それは、何となく今までは講座制になっておって、予算が付くとみんなで、言葉は悪いけれども山分けして、それで人件費を使ったり研究費を出して、何となく若手の研究者まで金が及ばないんじゃないかという批判がありました。そうでない大学もたくさんありますし、有効なものも多いんですが。それを、やはり若手に、ノーベル賞受賞者が、大体三十五歳までの研究で取っている人が多いなんということがあるんですが、大学の幹部というのはかなり中高年になっておりますので、その辺をうまく活用して、言わば老壮青の融合も必要なんじゃないかということで、若手の研究者の能力が発揮されるためには、競争的資金でどれが客観的にいい研究であるか、テーマであるかということから、これまでの流れにこだわらない、あるいは年功とかそういうものにこだわらないような分け方をしようというような非常に大きなテーマでございまして、競争的研究資金は第二期の科学技術基本計画では倍増をしようと、三千億から六千億円に増やそうということがございます。 それから、いわゆる国立大学の独立行政法人化ということは、いろいろな人事の面あるいは給与の面で大きな改革につながりますし、公募の適用あるいは人材の流動化等々ができるようになりますし、また大学の研究成果であります知的財産につきまして、権利が大学に帰属するような知的財産本部というものも設けまして、TLOという、そういう組織も作っておりますけれども、個人にも特許権は帰属しなきゃいけないんですが、うまく特許を取って、管理もして、大学と研究者がうまく協調して管理体制を取るためのより理想的な体制整備をしていこうじゃないかということを言っております。 また、ベンチャーの育成が日本では非常に後れておりまして、ベンチャー全体については、経済産業省でいろんな目標を定めて新しい新規創業を増やそうということは別途ありますけれども、研究開発の面では、どうも研究開発の芽が出ても、これに資金の供給や専門家による支援というようなことになると、いま一歩それが進まない。いわゆる死の谷などと言われておりますけれども、これを乗り越えるための政策を出していかなきゃいけません。 そこで、今、総合科学技術会議にも研究開発型ベンチャーのプロジェクトチームを設置いたしまして、年度内に具体的な方策について検討を進めておりますが、そのほかに既にベンチャーに対する税額控除、今までいろんな制約があってなかなかベンチャーにお金を出すということがそれほど進まないんですね。たんす預金はするけれども研究開発にお金を出すことをしないという個人とかあるいは企業もあるんです。それが出しやすいようにするために、税額控除を中心とする新しい、出したときにもう税額控除するんだという制度の創設を是非ともこの十二月末までに実現をして、来年度からこれを実施してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○阿部正俊君 ありがとうございました。 本当に、技術立国日本という表現もございますし、小泉内閣の一つの看板ではないかなと、こんなふうに思います。幸い、ノーベル賞、お二人、小柴さんと田中さん、出られたと。何かの因縁めいたようにも思うんでございますけれども、何とかこれをお二人の名誉というふうに終わらせることなく、日本の国全体、日本の技術全体がノーベル賞に受けられるような状況をお作りいただくように、ひとつ御努力をお願いしたいと思います。ありがとうございました。 あと、それじゃ、食品行政につきまして、谷垣大臣、言わば特命事項でもあるようでございますので、一言お聞かせいただきたいと思うんでございますが。 いろんな問題が出ました、食品については。農林省、厚生労働省を始め、ある種の縦割り的な部分もありましたし、手法そのものも旧来型の基準を作って規制をするということで終わっていたような面もあります。というふうなことで、今度は、言わば第三者といいましょうか、というふうな位置付けを持ちながら、委員会方式の機構ができると、こういうことでございますが、そうしたふうな全体の組立てをされるのが谷垣大臣のお役割だろうというふうに思うんでございますけれども、まず、いろんな意味での行政改革の枠の中、難しい中での厚生労働省、農林省という役所、あるいはそれのバックにあります様々な規制の秩序、団体等々もございますので、そういう中で新しい食品行政をどういうふうに切り回し、再編成していくのかということについての基本的なまず視点について一言お伺いできたらと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 食の安全を確立するために行政がやらなきゃならないことはこれはたくさんあるんだと思うんですが、しかし、行政が規制や何かを強化していけばそれで食の安全が確立できるというようなものではないんだと思うんですね。 この分野は、供給事業者、生産者を始めとする供給事業者と、それから消費者、そして国や地方団体、行政と、三つのプレーヤーがあるんだと思うんですが、この三つのプレーヤーが適切に役割を分担し合ってやっていくというのが一番私は大事なことではないかなと、こう思っております。 それで、私が着任する前ですが、六月十一日の関係閣僚会議でこの三者の基本的な役割で整理をしていただいておりまして、まず食品の安全性確保の第一次的な責任はやっぱり供給事業者にあるんだと。正確かつ適切な情報を提供する、そして安全なものを作って供給していく、これは第一次的に供給事業者にあると。その上で、国及び地方公共団体、行政は、その食品の安全性の確保に関する施策を作り、実施していく責務を負っているんだと。そして、消費者は食品の安全性に関する知識、理解を深めていただいて、意見の表明等の機会等も活用していただきたい、こういうふうに整理をしていただいて、私はこれでよろしいんだと、こう思っております。 これを踏まえまして、現在、食品安全基本法案の検討を行っているところですが、規制や取締りの強化ということもこれは必要な部分がございますが、食品安全に関する科学的なリスク評価を行う食品安全委員会、これはまあ仮称でございますが、これを既存の省庁と独立して新たに内閣府に作る、そして委員会を中心に行政、消費者、生産者等、幅広い関係者との間で食品安全に関する意見や情報の交換を充実させていくと。科学的な知見を共通の基盤にして、事業者、行政、消費者がそれぞれの責務、役割を果たしていく、こういうことを中心に据えて体制を作っていきたいと、こう思っております。
○阿部正俊君 今、谷垣大臣申されたとおり、規制強化をすれば事が済むということではないんだろうというふうに、そのとおりだと思います。極論すれば、規制強化で食の安全ということになりますと、昔、よく話なり歌舞伎なんかにも出てまいりますが、お殿様の食を、毒味役がいて、実験してから食わせるというふうなことにもなりかねないんで、それじゃやっぱり食文化というのはあり得ない話でございますので、そういう意味で改めてちょっと二点だけ感じを申し上げてお聞きしたいと思うんですが。 担保できないところはむしろ規制なり、役所として責任が持てない、ここまでは責任持つと。持つならばきちっと持ってほしいと。持てなければ、何か持つのか持たないのか分からないような形で持つような格好だけするというのはしないでもらいたい。むしろ、消費者としてのやはり自主判断なり責任ということもあるんだということを前提に組み立てていただく必要があるのではないかというのが一つでございます。 と同時に、もう一つは、安全とはいいながら、いろんな意味で不都合が出てまいることもあるんだと思うのでございます。それを前提、前提と言っちゃ何ですけれども、出ないことを前提にするんじゃなくて、出ること、どちらかといえば出ることを、いろんな意味での不祥事、不祥事といいましょうか、安全でないような事態ですね、が出ることを予想したときのある種のリスク管理といいましょうか、対応の仕組みといいましょうか、というものを持つというのも大切な仕掛けなんじゃないかというふうに思いますので、その二点について簡単に御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) できることは責任を持って、できないことはできないくせにできるできると言うなと、まず第一点はそういうことだと思いますが、先ほど申し上げた、それぞれこの場に登場する供給者、それから消費者、行政がそれぞれやるべき役割を分担していくというのは、今多分、阿部先生がおっしゃったことを念頭に置いているというふうに御理解をいただきたいと思います。 それから二番目、これはいろんなことが起きてくるぞということでございます。やっぱり食の場合、食の安全性を科学的に確立するといいましてもなかなか難しゅうございまして、ある方にとっては大変おいしくて栄養になる食品も、ある方にとっては例えばアレルギーの原因になるというようなことがあったりいろいろ難しいことがあると思いますが、私はやはり一種の、何というんでしょうか、個々の最終段階で取り上げて検査をして安全だ、安全でないというだけでは多分安全性は確保できない、一種のシステムでもってやっていかなければいけないんではないかなと、こう思っております。 この観点で、FAOとWHO合同食品規格委員会というのが国際的にございまして、もう阿部委員もよく御承知のことでございますが、コーデックス委員会と言われておりますが、ここでHACCPという手法が、要するにシステムでもって安全性を確立していくという手法が確立して、日本でもこういった手法を取り入れながらその安全性を確立していこうという試みがございますが、日本においてきちっと取り入れられるべきところは取り入れて、こういう手法も大いに取り入れながらやっていきたいと、こう思っております。
○阿部正俊君 谷垣大臣、ありがとうございました。 最後に、今わざわざお駆け付けいただきました福田官房長官に一言だけお尋ね申し上げたいと思います。 大変、私ども国会もかかわらなきゃいかぬことでございますので、国会といいましょうか政治家といいましょうか、かかわらなきゃいけないことでありますので、共同作業だと思いますので、あるいは天につばをするような話かもしれませんけれども、御所見をお伺いしたいと思います。 それは、いわゆる、一つは内閣機能の強化ということを行政改革の柱の一つだったはずでございますけれども、従前と比べて内閣機能の強化がうまくいっているのかいっていないのか、この判断が一つお願いしたいということ。これはむしろ内閣の問題かもしれません。 それからもう一つは、それと並行的に、並行してといいましょうか大きなテーマとして、国会、いわゆる政治家が内閣にたくさん入り込みまして、閣僚及び副大臣及び政務官というふうな形で七十数名になるのかなと思いますけれども入って、それの主導で行政というのを進めていこうじゃないかと、一方でいわゆる政府委員制度というのは廃止すると、こんなふうなことがさきの行政改革での大きな柱の一つだったように思うんでございますけれども、この点につきまして、内閣の方の立場から見て副大臣、特に副大臣、政務官がうまく機能をしているかどうなのか、あるいは国会との関係では何かお伺いすることがございますれば、御注文いただければ考えなきゃいかぬことじゃないかなと思いますので、その二点についての御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま阿部委員から御質問ありましたこの二点につきましては、これは昨年一月初めの省庁改革において目指したものが何であるかと、こういうことではないかというふうに思います。その目的にかなっているかどうかということだと思います。 その点につきまして若干申し上げますと、まず内閣機能の強化ということでありますけれども、これはこの二つ目の質問と同じでございますけれども、この省庁改革の趣旨は何かと申し上げれば、やはり政治主導ということが当時叫ばれておりまして、その政治主導をいかにしたら具現化することができるかどうかということで、そのことを中心に考えた場合にこの内閣機能が強化されたかどうか、これは、言ってみれば政治主導というのはこれは政治家主導であると、若しくは、もっとはっきり申し上げれば総理主導、首相主導、若しくは官邸主導と、こういうような意味合いにも取れるわけでございまして、そのことによって国民に政治が見えるようにしようと、こういう趣旨ではなかろうかと思います。そしてリーダーシップがどこにあるかということが国民に明らかにされて、そしてその政策決定過程等が、これがよく見えるようにする、こういうことであろうかと思います。 そういう意味におきましては、この改革におきまして、閣議において内閣総理大臣が発議権を持つ、こういうことになりました。これは大変大きな意味があったと思います。内閣はその時々の重要課題に迅速に対処する、こういうことも内閣の存在を明らかにするという意味においても大変意味が大きいだろうというように思っております。この発議権を用いまして、例えば、いわゆる、昨年策定いたしましたけれども、骨太の方針というものがございました。これは今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針でございましたけれども、また特殊法人等整理合理化計画、これも閣議決定で行ったわけでございます。 こういう閣議決定はたくさんございます。例えば、ただいま申し上げたもの以外に、重大テロ事件等発生時の政府の初動措置について、また不審船への対処、また大規模テロ等のおそれがある場合の政府の対処など危機管理上の問題もございます。また、今申しました特殊法人等の整理合理化に併せて公務員制度改革大綱、これも閣議決定をいたしておるものでございます。また、その同じ行政改革におきましては、公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画、また公益法人制度の抜本的改革というものがございますし、また経済関係、経済財政でいえば、先ほどの骨太以外にも中期展望、そしてまた基本方針二〇〇二といったようなものがあるわけでございまして、こういうようなことを総理大臣の発議というような形でもって、総理大臣のリーダーシップを発揮してもらうという形で実施をしておるというのが現状であります。 また、もう一つ、内閣を直接支えます内閣官房の所管事務に内閣の重要政策に関する基本的な方針の企画立案、総合調整、要するに総合調整機能ですね、そういうようなことも明らかになっておるわけでございまして、この総合調整機能を発揮いたしましていろいろな問題を取り上げております。 例えば、情報セキュリティー対策の推進、これは内閣官房とか総務省、経済産業省、警察庁、防衛庁が参加しておる、合議をしているところでございます。また、都市の再生の推進、これは国土交通省を始めとして全省庁が対応いたしております。また、ただいま御説明ありました食品安全行政の構築及び食品安全の確保、また知的財産の創造、保護及び活用に関する施策の推進、ごく最近であれば、拉致被害者・家族への支援策の推進、こういったようなものがあるわけでございまして、こういうことは従来、総理主導というふうな形ではなかなかできなかったことでありますけれども、それが可能になったということは、これは大きな変化だというふうに思います。 そういうこと以外にも、定例的に内閣の重要政策に関する内閣事務を助けるという、私ども知恵の場というふうに申しておりますけれども、内閣府を新設いたしまして、経済財政諮問会議とか、それから総合科学技術政策等の重要政策の会議も持っておりまして、内閣の重要政策に係る企画立案に当たっておるわけであります。また、特命担当大臣もいらっしゃる、こういうふうなことで強力な対応をしておるということで、私はかなり従前とは違う対応というか、様相になっておるということは事実だと思います。 それからもう一つ、副大臣、政務官。これも政治主導というような形を、これを見えるようにというふうな形で導入したことでございますけれども、これは、副大臣も副大臣会議などにおきましていろいろと提案をしてくださるということがございます。例えば、市町村合併支援プランの作成とか、阿部かつては副大臣もそれに参画されていらっしゃったと思います。建設産業の構造改革に伴う円滑な労働移動に向けた対策、ワールドカップの実施のための各種施策取りまとめ、また、ごく最近では、観光立国へ向けての具体的な政策、施策といったようなことでもって、大変有用なる仕事をしていただいておるわけでございます。 副大臣、政務官には、そういうこと以外に、大臣に代わりまして国際会議に出席していただくということも大事なお仕事でございますけれども、従来の政務次官制度当時と比べて、この国際会議出席はかなり増えております。平成十二年が十一件、これは改革前であります、政務次官としてですね。ところが、平成十三年になりますと倍の二十二件になっております。今年ももう既に十六件ございます。これも恐らく二十件を超えることは間違いないというように思いますので、大変そういう意味においては活用されているというように思います。 あと、副大臣が国会答弁などもするわけであります。また、政務官も時として国会答弁をいたしておりますけれども、これもかなり活発に行われております。ただ、残念なのは……
○委員長(小川敏夫君) 国務大臣、質問時間が既に三分過ぎておりますので、手短にお願いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) はい。 残念なのは、大臣が国際会議にどうしても行かなければいけないというようなときに国会の都合で行けなくて、副大臣が国際会議に出る、こういうケースも間々あるわけでございますので、これは国会の方に御協力をお願いしなければいけないと思います。 しかし、こういう新しい体制で二年経過するわけでございますが、今まで反省すべきところはあるかといえばいろいろあると思います。今の副大臣のこともございますけれども、官邸主導はいいけれども官邸が独走してはいけないと、こういうこともあるわけでございますけれども、そういうことが、そういうそしりを受けないように、我々としても十分与党とも連絡をし、国会とも連絡をしながら、円滑なる政治主導を実行させていただきたい。我々の努力目標でございます。
○阿部正俊君 委員長、済みません。時間が参りましたので、終わります。
○岡崎トミ子君 官房長官、御苦労さまでございます。 先日の所信の発言の中で、「小泉内閣は、発足以来、聖域なき構造改革の断行に取り組んできた」とおっしゃいました。確かに、小泉内閣発足から一年半、この間に新しい経済政策が十本策定されておりますけれども、その間、経済情勢はますます厳しくなっております。そして、今回のデフレ対策でありますけれども、この発表に至る経緯にも表われておりますけれども、小泉改革は一体何を目指しているのか、そのビジョンが明確でありません。例えば、金融危機管理策についても骨抜きにされた内容になっておりますが、そこに至るまでには、与党の議員と銀行業界一緒になって、金融担当大臣に対して強い圧力を掛けました。 本来、国民の生活の安定化ということが大目標でなければいけません。大銀行の利害が優先されているという状況について国民も納得しない状況です。今朝の新聞でも、デフレ対策に関して国民は期待できないというのが八三%になっておりました。そして、ずっと必要性が言われ続けておりました不良債権処理をここまで引き延ばしてきたからこそ、改革の痛みが大きくなっているわけなんですけれども、これは本当は責任を負うべきは与党の政治家と銀行業界だと思いますけれども、自らその責任をずっと棚上げにしてきていたというふうに思います。で、やっと出てきた方針なわけなんですけれども、それが骨抜きになっているわけですね。もう政官業の在り方に改めて疑問を抱かせるというふうに思います。 それを見ながら小泉総理は何もしていない。これは昨日のテレビだったでしょうか、総理のリーダーシップを発揮していない、五八%というふうになっておりましたけれども、そんな目で国民は見ているわけなんですが、一番責任を負うべき人たちの利害が守られて、国民に痛みが押し寄せ、押し付けられる。小泉改革というのは一体だれのための改革なのか、福田官房長官と竹中大臣と、両方にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 小泉内閣は、一貫して改革なくして成長なしの下で構造改革を断行する、さらに、その構造改革を加速するという方針を貫いてまいりました。何のためにこの構造改革を行うか。これは、骨太、第二骨太、そして改革と展望を通して、一貫して様々な形で主張をされてきたかと思います。 言うまでもなく、これは国民のためである、ここはもう言うまでもない原点であろうかと思います。その目指すところは、経済の安定と発展であるということにこれは尽きているのではないかと思います。 委員御指摘の中に、金融再生のプログラムが骨抜きになっているのではないかという御指摘がございましたが、私は全くそういうふうには思っておりません。非常にしっかりとしたプログラムが作られたというふうに思っておりますし、その間、この難しい取りまとめを行うに当たって、総理が非常に強いリーダーシップを発揮されて、私の基本方針を貫けと大号令を掛けてくださって、かつ閣僚懇等々で、これは全内閣で取り組む問題であるということで全内閣を取りまとめてくださった、その結果が、金融再生に併せて産業の再生、企業の再生の機構まで作るんだというところにもつながったというふうに思っております。 委員御指摘のように、これやはり国民が主役でございますから、国民のためにこの改革をこれまでも行ってきましたし、これからも行っていく、目指すところは経済の安定と更なる発展ということでございます。
○委員長(小川敏夫君) 福田国務大臣、よろしいですか。
○国務大臣(福田康夫君) 今、立派な答弁いただきましたので。
○岡崎トミ子君 答弁ないんですか。──ないですか。ないということをとどめておきます。 今、リーダーシップを発揮したと。総理はそのように発揮したんだ、後押ししてくれたんだとおっしゃいましたけれども、銀行代表取締クラスの人たちを追放というふうに中間報告のときに出たということがあらわになっているのに、そんな言い方だとちょっとまた信用できなくなっちゃうんですが。田中眞紀子さん、今はもうお辞めになってしまいましたけれども、外務大臣として外務省の改革のときには総理にスカートのすそを踏まれたと言っていましたけれども、竹中さん、あなたはズボンのすそを踏まれていませんか。そういうふうにしか見えないんですよ。 不良債権問題ですので、小泉内閣発足前から触れざるを得ないんですけれども、九六年二月に住専の不良債権処理のために公的資金は六千八百五十億円投入された。当然のことながら、不良債権問題を解決するものとはなりませんでした。翌九七年十一月に北海道拓殖銀行と山一証券が経営破綻して金融システムが動揺すると、翌年三月に大手銀行を中心に約一・八兆円の公的資金を投入したが、失敗して、日本長期信用銀行と日本債券信用銀行がつぶれました。そこで、十月に金融再生関連八法を成立させて、六十兆円の公的資金投入の枠組みが整えられましたけれども、これ全部使ってはいなかったですね。 そして、竹中さんが大臣におなりになる前、中心メンバーでありました経済戦略会議の最終報告書、経営責任三年間棚上げという主張を受けまして、三月に銀行の自己申告で七・五兆円を投入しました。これで最後と当時の柳澤金融担当大臣が言ったわけですけれども、経営者の責任を問わないで、不良債権の額も明らかにしないで、中途半端な対応だったために、不良債権は解決するどころか、いよいよ悪化の一途をたどってきたというふうに思うんですね。 これやっぱり、経営責任の棚上げがずっとあった、不良債権がごまかされてきた、決定的な誤りだと思いますよ。竹中さんはこの誤りというものを認められますか。今回も、竹中大臣の原案は与党と銀行の猛反撃に遭って骨抜きにされたと私は思いますけれども、この銀行経営者の責任について、文章では、「責任の明確化を厳しく求める。」というだけで具体的なものはなかったんですね。 私たちは、国民の方に痛みが共有されるというふうに押し付けられるのであれば、この銀行の経営者をしっかりと責任を問うんだということは絶対前提条件だというふうに思うんです。今それは放棄しているというふうに思いますけれども、この銀行の幹部の皆さんたちの責任、どのように取っていくのか、追及していらっしゃるのか、その点についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 岡崎委員の御指摘、経営者の責任は重要であるというその点については、私は全く異論はございません。ただ、今の御指摘の中に幾つかちょっと事実関係の認識のギャップもあるのかなというふうにも思います。 まず、中間報告で云々、こういうふうになっていたけれども最終報告ではというふうにおっしゃいましたが、中間報告は発表しておりません。したがいまして、私たちはあくまでその最終報告を最初からずっと議論してそこに至ったということでございます。 さらに、その九八年の云々で、経営責任を棚上げしたというような事実はなかったというふうに、当時のこれは経済戦略会議の議論であるというふうに思いますが、認識をしております。基本的には、これは九八年の十一月ごろの緊急提言、あの二つ、提言を行っておりますが、その中で、経営責任がいかに重要であるかということはかなり明確に議論して記述したように記憶をしております。 しかし、その経営者責任が片付くまで公的資金を注入しないというような状況では当時はもうなかった。非常に差し迫った状況であったので、経営者の責任は経営者の責任でしっかりと追及しなければいけない、しかし、とにかく公的資金の注入を急げというような議論が当時なされていたものだと思っております。 今回の金融再生プログラムの中で、経営者の、万が一にも公的資金の注入に至るような場合は責任を明確化する、これはもう厳しくそれを求めるということを明示しているわけでございますから、この点については、私たちは非常に厳しくそういった際の経営者の責任を明確に求めたというつもりでおります。 何といっても、この問題の解決の主体は銀行であり、その銀行の経営者にしっかりとマネジメントをしていただかなければいけません。であるからこそ、この新しい金融行政の枠組みの中で、資産査定や自己資本の充実とともに、ガバナンスの強化ということで様々な議論をさせていただいているわけで、このガバナンスの強化を通して経営者がより大きな責任を果たしていくというような実効性が担保されているというふうに思っております。
○岡崎トミ子君 中間報告しなかったのだからというより、中間報告はできなかったのではないかというふうに私は思いますが、経営陣の責任というのはしっかり取っていただかなければならない。今後ともきちんと取り組んでいただきたいというふうに思いますが、もう政府は何回も最終解決だということを言っております。どうぞ、穴の空いたバケツに水をどんどん注ぎ込むような、そういうことにならないようにということをお願いしたいというふうに思うんですね。 政府の対策に決定的な問題点がございます。 中小企業を重視する立場からはおっしゃっておりますけれども、その中小企業を支えるための地域の金融機関、私どもは金融アセスメント法、地域金融をどのようにして支えていくのかということで、数千億円規模の金融機関ですとかあるいは数百億円規模の地域の金融機関ですとか、そういうところの信用組合ですとか信用金庫ですとか第二地銀ですとか、そういうところに対してもっともっと育成する、支援していく、そういう姿勢が大事だというふうに思っておりますけれども、私たちの出しております金融アセスメント法、本当に情報公開がされて、そして地域にどれだけ貢献しているかということがはっきりして、それを見た市民がチェックをできるという、こういうシステムになっていること。 小泉総理は、残念ながら、本会議でも明確な答弁をいただけませんでしたけれども、竹中さん、これは実際にお願いはしておりませんでしたけれども、いかがでございますか。是非、これは八十万人の中小企業の皆さんたちが望んでいる法案ですので、是非御協力をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今回の金融再生プログラムは、御承知のように、主要行を対象にしたものであります。まず、この主要行の不良債権問題にきっちりと決着を付けたいというのが私たちの強い思いでございます。 このことは何を意味するかというと、同時に、いわゆるリレーションシップバンキング、単に利ざやを稼いでもうけるということではなくて、地域に貢献する、その間柄を重視するという意味でのリレーションシップバンキングのメカニズムは、このグローバルなバンキングのメカニズムとは明らかに異なるということを前提にしているということも意味しております。 金融再生プログラムの一番最後に、このリレーションシップバンキングについては、別途少し時間を掛けて、日本の制度や風土に合った地域金融、中小企業金融はどのようにあるべきかということをじっくりと検討するということを明記してございます。その意味では、地域の問題に関しては、やはり単にグローバルな競争という次元を超えた別の観点からの新しい政策の取組が必要だという強い問題意識を私自身も持っております。 民主党提案の金融アセスメント法案は承知しておりますが、例えば、一つの例でいいますと、特定の項目に基づいて政府が各金融機関の活動を評価するということの是非については、これはメリット・デメリットをやはり慎重に検討しなければいけない項目であろうかと思います。 ただ、いずれにしましても、今、委員御指摘になられましたように、このコミュニティーに根差したリレーションシップバンキングの在り方につきましては、これは年度内ぐらいをめどに幅広く様々な多様な観点から議論を深めたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 今政府にとって必要なのは、政官業の癒着の構造、この硬直的な仕組みを改めること、社会の新しい変化に対応して新しいお金の流れを作り出すこと、三十兆円の国債発行額を超えるか超えないかという議論ではなくて、本質的な問題はそうした国債や税金から成る予算をどう使うかだというふうに思っております。よろしくお願いしたいと思います。 その構造改革に女性のチャレンジが不可欠という、この点で大変いい支援策が今回男女共同参画会議基本問題専門調査会で出されました。この「女性のチャレンジ支援策について 中間まとめ」を私は評価したいと思います。この中では、改革を通して実現できるものであるというふうに書かれてあるわけなんですけれども、その意味で、同じく中間取りまとめが挙げますチャレンジ支援実行委員会、この役割が非常に重要になってくると思います。これも作るだけでは駄目なんですね。いろいろとネットワークをこんなふうにしてということで図なども示されておりましたけれども、それがNPOを含めた現場の経緯とか意見とか、それから当事者たちのニーズが反映された組織でなくてはなりませんし、単なる情報提供を、上げるということだけではなくて、縦割り行政の弊害排除のためにリーダーシップを発揮できるような組織にする、あるいはこの支援実行委員会と一体となって政府がリーダーシップを発揮しなくてはならないと思います。 概算要求がされているというふうに聞きましたけれども、福田官房長官、このチャレンジ支援実行委員会、丁寧に設計して確実に設置してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘いただきました中間まとめにおきまして、具体的な支援策の一つとして、再チャレンジや起業したい女性が必要とする様々な関連情報を、これを体系化して一元的に提供することの必要性、こういうことが指摘されております。このような情報のネットワーク化などの検討の場として、チャレンジ支援実行委員会、これはまだ仮称でありますけれども、そういうものの設置が提言されているところでございます。今後も更に検討を進めまして、今年度末に最終報告を行う予定であります。 また、現在、内閣府としてこのチャレンジ支援実行委員会に関する予算を要求中でございまして、今後とも、女性のチャレンジ支援策が確実なものとなるように積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○岡崎トミ子君 竹中大臣にも伺いたいと思いますけれども、経済財政諮問会議でこの女性チャレンジ支援策、議論の対象とすることは当然と考えますが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済を活性化する、この社会が持っている広い意味での資源、これはそれぞれの方々の能力を最大限に活用をしていただくという観点から、女性の立場、特に女性起業家の立場をしっかりと確立していることは大変重要であるというふうに認識しております。また、創業・開業支援の重要性にかんがみ、今回の総合対応策についても様々な施策が織り込まれているというふうに認識をしております。そういった問題意識の下で、今後の議論の中では御指摘のような点も是非参考として議論を深めていきたいと思います。
○岡崎トミ子君 これは予算措置も是非竹中大臣にはしていただきたいというふうに思うんですね。六月二十五日に閣議決定しました骨太の方針第二弾の中にも、女性の能力活用、チャレンジ支援策を平成十四年度中に取りまとめるということで、企業に対しても積極的な取組、推進等を図るとしたそうした内容が盛り込まれてありましたので、是非予算措置をして体制を整えていただきたいというふうに思いますし、議論の結果を政府全体の施策に具体的に反映させていただきたいと思います。 そこで、女性チャレンジ支援策についてなんですけれども、有効な制度設計とか施策の効果のモニタリングの前提として女性起業家に関する統計整備、これ全国的にどのぐらいの人たちが起業しようとしているのかという統計は全くないというふうに言われておりますので、この整備をしていただきたいと思いますが、竹中大臣、いかがですか。
○政府参考人(坂東眞理子君) お答えいたします。 女性の起業家を含め女性が経済面でどういった役割を果たしているかについての正確な情報あるいは統計等がまだ未整備であるということで、私どもの男女共同参画会議の監視の専門調査会の方で女性にかかわる情報提供事業について今年度監視をする予定にしておりますが、その中で十分検討していきたいと思っております。
○岡崎トミ子君 是非統計を取っていただきたい。そうすると、どこにどういう支援をしたらいいのかということが具体的に挙がってまいりますので、よろしくお願いをいたします。NPOによる女性起業の側面支援ですとか環境整備も重要と考えております。 続いて、NPO支援税制についてお伺いしたいと思いますが、このNPO支援税制は民間非営利の活動を促進させようというものであり、雇用促進の面からも期待をされております。残念ながら、NPO支援税制の適用を受ける認定NPO法人は先月十九日にやっと九つになりました。つまり、今法人格を取得したのは八千三百十五法人ありますけれども、そのうち認定とされたものが九つですね。これ単純に割り算というのは官僚も嫌いますし、皆さんそうなさらないかもしれませんけれども、NPO全体の〇・一〇八二%、千に一つです。これは支援税制と言わないとNPOの皆さんたちは全員おっしゃっておりますけれども。 本来、このNPO支援税制というのは非営利の民間活動をいかに促進するかという観点から組み立てられるものであります。日本の支援税制は、いかに管理するかというこの点にとらわれたままになっているように思いますけれども。 竹中大臣にお伺いいたします。内閣府でもNPO支援税制の改正を求めておりますよね。どういう認識についてどういう実績を評価してどのような考え方で税制改革を要望したのか、お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) この認定NPO法人の問題は、以前もこの委員会でいろいろ御質問、御指摘を、大変貴重な御指摘をいただいたというふうに思っております。 これは、政策的に見ると、政策ニーズが多様化する中で、政策的な公的な仕事をやはり民の活力でやっていくことがどうしても必要になりますし、今度民間の、我々、国民の方から見ますと、非常に多様な価値観を社会の中で実現していく上で大変重要な位置付けが与えられている、これも強く認識しておりますし、そのことは骨太の方針以来ずっと一貫して主張しております。 その意味では、認定NPO法人が昨年の十月から稼働し始めたというのは一つの評価である、評価されるべき点であると思っておりますが、その認定要件については、正に創設の段階からこれを改善、改良していく段階に入ったというふうに認識しなければいけないと思っております。 今年の八月に税制改正として認定要件の緩和等を要望いたしました。当面これはいろんな観点を入れながら試行錯誤で制度を改良していくことが必要であるというふうに思っておりますが、基本的には、認定NPO法人へ寄附した者に対してその要件を緩和するような措置を取る、もう一つは認定NPO法人自身に対する措置、例えばみなし寄附金の適用でありますとか、その二つの大きな二点につきまして、我々としてはまずこれは税制を改革していただきたいということとして要望したつもりであります。さらに、これは経済財政諮問会議のその基本的な税制改革の方針の中にも、この面は強化するということを基本方針としてはかなり強く打ち出しておりますので、粘り強くこれは我々としては要求をしていきたいと思っております。
○岡崎トミ子君 その点、よろしくお願いします。 今後とも、非営利の民間活動が育つのを支援するためにはどういう税制であるべきかという観点から見直しを進めていくように強く要望しておきます。 続きまして、八月二日に「公益法人制度の抜本的改革に向けて(論点整理)」が発表されましたが、公益法人制度を新しい非営利法人に変革するというもので、NPO法も発展的に解消される可能性があるというふうに明記してございました。二十一世紀の社会をどのようなものにしていくかにかかわる非常に重要な改革だと思っております。 現在のNPO制度は、改善の余地はたくさんあると思いますけれども、しかし、行政の裁量を排除したもの、あるいは民間の自治を尊重したものになっておりまして、このNPO制度の精神というものが失われることがあってはならないというふうに思います。 そこで、石原大臣にお伺いしたいと思いますが、このNPOの精神が生かされた改革になるという理解でよろしいでしょうか。また、改革の過程で税制支援など民間非営利の活動を促進する制度を充実していく必要があるというふうに思いますけれども、現時点での大臣の基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員が御議論いただいております公益法人やNPO法人というもの、すなわち民間非営利法人については、非営利法人を行う担い手としてこれまでにも歴史的な評価、一定の役割というものは十分私は果たしてきたものだと思いますし、竹中大臣が御答弁されましたように、これからはますます我が国社会における役割、すなわち官から民という流れの中で重要なものになると考えております。 そんな中で、NPOはまた別なんですが、先行しております公益法人については、これまでもその運営とか指導監督、あるいはガバナンス、いろいろな事件も度々発生しておりますし、批判というものがあります。現在、そういうものも含めて、制度も含めて、その廃止も含めて検討すべきというふうに考えておるんでございますが、税制の問題なんですが、現行制度が公益法人、中間法人、NPO法人という形でいくとしましたら、やはり竹中大臣が御答弁されたとおりでありますし、岡崎委員のお考え方と私も一にする考えを持っております。 しかし、八月二日の「論点整理」の中では、やはり現行分かれておりますけれども、これをもう一度全体、すべてがやはり社会的に非常にためになることをやっているわけでございますので、大きく考えを直していかなければならない。そんな中で、中間取りまとめというか論点整理をしまして、パブリックコメントもいろいろいただいたんですけれども、やはり税に関する御意見というものが一番多かったように思っております。公益的な活動を支援するためには、やはり税制というものを優遇すべきだ、拡充すべきだとNPOについても意見がありましたが、一方で、民間企業でも類似のことをやっているようなところからは、公平性の観点から過度に優遇を受けるところは適当ではないんじゃないか、こういう意見も実はございました。 税制の方につきましては、先週の金曜日ですか、政府税調の中にも非営利法人課税ワーキンググループというようなグループが立ち上がり、本格的な議論が開始されたということでございますけれども、私どもといたしましても、委員御指摘のNPOというものは社会経済システムの中で積極的な位置に位置付けるというような今回の改革の趣旨を踏まえて、これから適切な税制はいかにあるべきか、制度設計の中で十分に委員の意見も参考にさせていただき、考えさせていただきたいと考えております。
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。 百年ぶりの公益法人制度改革ということですから、それはしっかりいろんな方々の御意見を求めなければならないと思いますけれども、二十一世紀に目指す社会の在り方にマッチした制度設計の必要、その認識、私たちも積極的に発言をしていきたいと思っております。 続きまして、DV法に関してお伺いしたいと思いますが、十月十三日でこの法律は一年を経過いたしました。数字で実績を見ますと、保護申立ても千件を超えました。やっと眠れるとか、今あるのはDV法のおかげだという、そういう被害者たちの声も聞かれておりますけれども、一方では具体的な問題点も見え始めております。二年後の見直しに向けて、国会におきましては共生社会調査会を始め関係委員会を中心に早急に議論を進めるべきだというふうに思っておりますが、行政としてもできるところから着手してほしいというふうに思います。 残念ながら、DVの結果として殺人に至った例があって、法律にかかわった女性議員たちみんな心を痛めておりました。福岡で女の子が殺された立てこもり事件が一つの例ですが、なぜ殺人に至ってしまったのか、途中で防ぐことができなかったのか、こうした最悪のケースがありますから、私たちはそのケースから学ぶべきだと思います。 そこで、谷垣大臣にお伺いしたいと思いますが、殺人に至ったDVの事例はどのぐらいありますでしょうか。政府はそこから何を学びましたでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) DV法、配偶者暴力防止法による殺人事件の件数という形での統計は、そのままぴたりという統計は実は取っておりません。ほとんど重なるとは思うんですが、配偶者による殺人の検挙件数というのは把握しておりまして、これは法が施行された去年の十月から今年の九月までの間、配偶者からの殺人の検挙件数は二百件でございます。これは施行が十月十三日ですから、十月十三日以降ということじゃなしに十月からということで、若干違うところがございます。 それで、これはこのところ大体百件台の後半から二百件というぐらいの感じでございまして、そして全体の殺人件数が千数百件から二千件の間、千数百件ということでございますから、殺人の大体一割強、二割には満たないけれども、配偶者からの殺人事件である、こういうふうに把握しております。
○岡崎トミ子君 何を学んだのか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 何を学んだのかと、大変難しいんですが、これは一つには、日本では比較的、全く顔見知りでない者から殺されるという事案は諸外国に比べてまだ少ないことがございます。やっぱり人間関係が濃密といいますか、人倫のもつれみたいなところでこういうものが起きているということだろうと思います。 それで、これは一つは家庭機能とか地域社会とかいうようなものの力が衰えてきたこともあるんだろうというふうに思います。今までで言いますと、例えば警察は余り家庭に、警察というか行政は余り家庭に入らない、それから家庭内暴力みたいな、殺人まで至れば別でございますけれども、近所や親戚でまあまあとさばいて、余り警察や何かに来なかったということがあると思いますけれども、やはりそういうものが地域の力の衰えとかそういうことによって警察に出てきている。 殺人事件までいけばもうこれはどうだって警察が出ないわけにはまいりませんけれども、そんなことがあるのではないかなと思っておりまして、ちょっと委員の今の御質問に十分的確にお答えできているか分かりませんが、そんなふうに思っております。
○岡崎トミ子君 結局、二百人以上も殺されているわけですからね。私は、そんな簡単に、今雰囲気的にこうとらえるということでは絶対駄目だと思うんですね。 仙台のシェルターの関係者の方たちからも、失敗から学ぶための事実調査を求めるということで意見が出ておりますが、その点に関しては、東北大学の沼崎助教授からもお話を伺いまして、私は賛成でございますが、これは元々はイギリスで一九七三年のマリア・コルウエル事件がありまして、この調査が社会的な議論と法改正につながりました。つまり、議論して法の改正までつながったということですね。専門家の人たちが物すごく一生懸命やっていたんです。もう限界まで一生懸命やった。しかし、熱心にやった、対応したのにもかかわらず、関係機関が十分に連携していなかったために全体像が把握されないで、それで結果として誤った判断が行われたことが分かったわけですね。 ですから、調査結果を受けて、イギリスでは新しい制度が導入された。今では事実調査に基づく法制度の見直しが義務化されているということなんです。 日本の中でも、これは厚生労働省ですけれども、児童虐待というところで、児童相談所に相談があったにもかかわらず十数名の児童が虐待で亡くなったということが報道されておりましたけれども、こういうことからも、やはり事実に基づいてきちんとやることが大事だということを厚生労働省も言っておりまして、こういうことが大事だと思います。 そこで、福田官房長官に、失敗から学ぶこと、失敗から学ぶことの制度化が必要だというふうに思っておりますけれども、いかがでございますか。
○国務大臣(福田康夫君) 本当に毎月のように殺人の記事が出ているんで、誠に、何というんですか、もう残念な思いをしているわけでありますけれども、こういう事件も含めまして、配偶者からの暴力については、被害者などへの対応が適切だったか否かなどについてきちんと検証して、そしてどういう教訓がそこから得られるか、そういう事項を蓄積するということがまず必要ではなかろうかと思っております。 そういう検証につきましては、実際に被害者に対応した機関、またこれを所管する省庁などにおいて行うということが事実関係の掌握という面からは効率的であると考えておりまして、その結果得られた教訓事項などにつきましては、今後の施策を立案する、そういう上で大いに参考にすべきであると考えております。
○岡崎トミ子君 私は、もう参考程度ではなくて、仕組みを作る、義務化する、そういうことが大事だというふうに申し上げているわけなんですが、警察の調書ですとか裁判記録ですとか、今出してほしいと言っても、ただいま裁判中ということでそういうことは出てこないわけなんですが、やはり専門的な、現場を知る方たちが参加した組織的な調査というのが必要だというふうに思っておりまして、これは、民間、行政、警察という点では谷垣大臣、警察としても協力というのを前向きに検討してほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 確かに、一つ一つの事件につきまして捜査を、その背景を含めて的確に捜査をしてその事件の全容を把握していくということは警察としても努めなければならない大事なことだと思いますし、今後ともこの種の案件についてはそういう丁寧な捜査をするように督励していきたいと思うんですが、他方、いわゆる家庭内暴力というようなものになりますと、その捜査資料というのは非常に当事者のプライバシー等にかかわる場合も、かかわる場合が多いというよりか、ほとんどがそういう案件でございまして、どういう形でこれを広く施策のための研究対象としていくかというには、プライバシーの観点からかなりの検討を加えませんと、今せっかく岡崎委員の御提案でございますが、どなたにもどうぞごらんくださいというわけにはまだいかないんじゃないか。ちょっとこの辺は十分勉強しなければいけないところだと、こう思っております。
○岡崎トミ子君 裁判などがすべて終わったものに関して出していただきたいこととか、調書も終わったものに関して参考にさせてほしいということで、いずれ、行政、民間、警察の連携の必要性、十分に皆さんには検討をしていただきたいと思っております。 加害者プログラムのことをお聞きすると言っておりましたけれども、私、戦後補償の問題について今日は十分にお聞きしなければなりませんので、大変申し訳ありませんが、質問通告ですので先に行きたいと思います。 さきの国会で、官房長官に何回か戦後補償問題、殊に戦時性的強制被害者問題について議論をいたしまして、幾つか興味深い御答弁もいただいております。 女性への暴力という視点でも十分問題をとらえてほしいというふうに思っておりますが、私は実は、フィリピン、韓国、台湾に閉会中行ってまいりました。 そこで驚きました。フィリピンの上院、下院に今、いわゆるこの従軍慰安婦問題についての決議案が何本出ているか、福田官房長官、御存じですか。
○国務大臣(福田康夫君) 存じません。
○岡崎トミ子君 八月二十八日に上院で、十月八日に下院で合同審査が行われたことは御存じでしょうか。──知らない。横に首が振りました。御存じないと思います。私も行って、行かなければ分からないということがよく分かりました。 それで、私は、韓国の方には一人で行きましたけれども、フィリピンには田嶋陽子議員と一緒に参りましたし、吉川春子議員はオランダに行かれて調査をされたんですけれども、結局、被害者の方たちに直接お会いする。今回の旅は、この戦時性的強制被害者解決促進法案の中身を被害者の皆さんにきちんとお知らせする、そして御意見も伺う。それから、それぞれの国においてもどのようになっているのかについてお聞きする、私たちの方も報告をする。既に韓国の方では百十名の国会議員の皆さんが、私たちの法案に対して、是非成立させてほしいという署名をくださっている。台湾でも百四十二名の皆さんたちが署名をしてくださっているという、そういう意味ではきちんと報告をする義務もございましたので行ってまいりました。 私は、びっくりいたしましたのは、ただいまの問い掛け、上院、下院に大体どのぐらいのものが出されているのかということで御報告をしたいと思いますけれども、フィリピンの国会議員では、ダディバス下院議員提出の決議案、これは昨年十二月に本会議で採決済みでございます。ロザレス下院人権委員長提出決議案、十月八日に審議に入りました。レガルダ上院院内総務、これは日本でいうと幹事長クラスの方ですね、三十八歳の女性でしたが、二本決議案を出しておりました。これも法案の支援決議を新たに提出することを約束をいたしております。合同審査は八月二十八日に行われております。グスマン下院議員提出決議案、これは七月三十一日に提出されました。それから、リサ・マサ下院議員、これも最近決議案を提出をしていると、こういう状況ですし、韓国では、生活安定支援法改正が成立をいたしました。ちょうど私が行っております九月九日に成立しました。真相究明法という法律も今出されております。 台湾では、私たちの法案の支援決議の提出を十月二日に行いまして、十月十六日に採択、十月十七日に議長署名で実現をしているという、こういう状況でございます。 官房長官、こういうことに至るまでには、被害者の皆さんたちをNGOの皆さんたちがしっかりと支えていらっしゃる。NGOとアジアの全体のNGOが連携をしてそういう人たちを支えていく、国会も動かした。私たちの国だけではなくて、各国で取り組んでいるという状況でございました。そして、そのおばあさんたちは一様に、是非とも謝罪をしてもらいたい。一人、韓国のおばあさんは、胃がんを患っていて本当に余命幾ばくもないという状況で、絞り取るような声を出しながら、一度日本が謝っている姿を私は見たいということをおっしゃっておりました。 こういうこと、決議も含めて各国がこういう対応をしているということも含めて、おばあさんたちが御高齢であるということも含めて官房長官の御答弁をいただきたいというふうに思っております。どのように感じられますか。是非、取組を進めていただきたいという観点でお願いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) この問題に対する日本の政府の対応というのは、これはもう委員もよく御案内のとおりでございまして、私も何回も実は委員会等でお答えをしているところでございますけれども、いわゆる従軍慰安婦問題については、これは政府はこれまでもおわびと反省の気持ちを様々な機会に表明をいたしております。 政府としては、アジア女性基金によって対応するということが最も適切な方法であると、そういう判断をいたしまして、これまで基金の事業に対して最大限の協力を行ってきたわけでございます。 これまで、基金の活動に対しましては、国民の多くの方々の賛同を得まして、多くの方々から募金等の分野で多大の協力を得てまいりました。また、基金の事業を受け取られた方々の中からは感謝の意が寄せられているというものと承知をいたしております。 政府は、今後とも、アジア女性基金の事業に表れた日本国民の本問題に対する真摯な気持ちの理解が得られるよう、最大限の努力を行っていきたいと考えております。
○岡崎トミ子君 今日は本当に時間がありませんので、アジア女性基金の問題についてどのような状況が各国で起きているかということについてはまた次回に回したいと思いますけれども、各国で決議案を上げた、この法案は是非成立してほしいというふうに願っている、そして様々な動きも行っている。 一度、私は官房長官に直接お話を伺ったときに、議会での答弁ではありませんでしたけれども、時代が流れて新しい対応が出てくる、国連などもそうなっておりますけれども、そういうときの時代の流れというものをとらえることが大変大事だというふうに官房長官自身がおっしゃっていらっしゃいますので、私は、このままでは済まされないというかつて答弁されたことも併せて、是非前向きに今後とも継続してこのことが審議されていくように心からお願いをしたいというふうに思っております。 戦後補償問題は、これはもはや先送りの許されない歴史的な不良債権というふうにとらえるべきと私は思いますけれども、新しい事実も明らかになりました。 先月二十八日に、学者や弁護士の皆さんが作っております朝鮮人強制連行真相調査団が、日本国内、アメリカ、韓国、北朝鮮で集めました二十三万人分の朝鮮人強制連行者名簿を公開しました。 また、朝鮮人の軍人軍属に対する未払賃金などが九千百万円に上って、現在の東京法務局に供託されているということも旧厚生省の示す資料で見付かっております。これは、台湾人に返済しました未払賃金と同じレートで換算しますと約百九億円に相当するということでございます。 国庫に納付されずに引き続き供託されているということの理由として、法務省は九二年に、北朝鮮との間で請求権の問題が決着していないためという趣旨の答弁をしておりますけれども、福田官房長官にお伺いしますけれども、初めに田嶋陽子議員が質問をされ、二回更にまた決算委員会でもされ、川橋幸子議員も追及しておりますこの戦後補償問題の窓口、官房長官はこれはもう設置の検討を明らかにしていらっしゃるわけですから、その検討状況について現段階でどのようになっているか、お知らせください。
○国務大臣(福田康夫君) この戦後処理問題、これは非常に多岐にわたるんですね。また、複雑な様相もございますので、この対応については非常に微妙なところもございます。 しかし、個々の戦後処理問題、具体的なことについては、これまで基本的には関係府省庁で各々の所掌に従って適切に処理を行うということでやってまいったわけであります。しかし、ただいま申しましたようなこの問題の複雑性ということから、これまでも内閣官房が必要な総合調整を行ってきたわけでございます。 今後どういうふうな窓口をと、こういうことになりますれば、これはやはり個々の具体的な対応、また方針が決まっていることについては各府省で担当すべきであろうと思いますが、全体的な観点、またこれから決めなければいけないそういったようなことについては、これはその内容の性質ぶりから内閣官房が必要な総合調整を行う、またその窓口になるべきであると、こういうことでありますが、これはもうそういうことで、今後その体制を考えてみたいと思っております。
○岡崎トミ子君 三回も似たような答弁で、田嶋さん、笑っていますよ。さっぱり前に進展しない。内閣強化とおっしゃっていらっしゃるんですから、やっぱりそのリーダーシップを取っていただかなければ困ります。いつまで検討していらっしゃるんですか。
○委員長(小川敏夫君) 答弁を求めますか。
○岡崎トミ子君 はい。
○国務大臣(福田康夫君) これは、私ども別にサボっているわけじゃないんですよ。しかし、最近いろいろな外交案件もございますし、また内閣官房もそれにかなりの手間が掛かるというような状況もございまして、それで遅れているというように御理解いただきたいと思います。
○岡崎トミ子君 だから直ちに作って、そういうことをきちんと解決することが大事だというふうに思うんですね。北朝鮮の問題でも、国交正常化というものをするためにも、北朝鮮政府に対して毅然とした態度を取る背景としても、これは必要ではないかというふうに思っております。 最後に一問、まだできるかと思います。一杯あったんですけれども、一問、二問という感じになってしまいましたので、最後に国民の安全という観点からですけれども、これは、有事に至らない仕組み、テロとか紛争とか、根本原因の解決に向けた努力が必要だというふうに思いますけれども、武力攻撃が予想される事態ですとか武力攻撃のおそれがある事態ですとか、そういうおそれの可能性を小さくするということ、なくす方策を機動的に取れる体制の整備が必要だというふうに思っております。これは優先的に取り組む課題だというふうに思いますけれども、官房長官、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) テロの、この原因を除去するという意味ですか。
○岡崎トミ子君 はい、そうです。事前に。
○国務大臣(福田康夫君) そういうことですか。 これ、例えばテロの温床となっているものが世界の各地にあります貧困である、こういうような視点もございます。そのために我が国は経済協力等の手段を用いましてその撲滅に取り組んでおるということでございます。これ、我が国のでき得る大きな貢献だろうというように思います。 そういうようなことでございますか、御質問の趣旨は。
○岡崎トミ子君 答弁は不十分ですけれども、時間がないので、最後に警察の方にお聞きしたいと思いますけれども、テロの未然防止、この間、石破防衛庁長官の、何かすみ分けの問題がちょっと気になっておりまして、そこをお聞きしたかったんですけれども、そういうことに着手していくときに、どうしても人々に警察の場合には対処しなければならない。大臣は、真に国民の信頼にこたえることのできる警察の確立、警察改革というふうにおっしゃっていましたが、警察は人権問題一番薄い。もう本当にその対処が十分じゃない。この改革の中に人権という問題についてきちっと組み込まれて、そしてそういうことをやっていただきたいと思いますけれども、決意をおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) やはり治安とか犯罪で脅かされる国民に対してきちっと安全を提供するというのが人権保障の一番であろうと思っております。私たちの立場からしますと、それが一番であろうと思っております。警察はそのために努力をいたします。 それから、また今いろんなテロや何かの関係で恐らく人権保障というものが危うくなるのではないかというような御心配からの御質問ではなかったかと思いますが、当然、いろんな策を考えますときに、人権保障というものを十分留意しながら施策を進めていかなければならないと、こう思っております。
○岡崎トミ子君 終わります。
○川橋幸子君 引き続き、民主党・新緑風会の川橋幸子でございます。 一般質問ということで、よろしくお願いいたします。 さて、拉致問題等、日朝国交正常化交渉につきまして国民の目がテレビにくぎ付けになり、そして被害者の方々の表情に国民自身が自分の問題として痛みを感ずる、こういう世論になっているかと思います。 そこで、注目された十月二十九、三十日のクアラルンプールで行われました日朝正常化交渉についてお伺いするわけでございますが、まず総括的に官房長官から今次交渉についての評価と今後の日本政府の方針についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 先月二十九、三十日にマレーシアで行われました正常化交渉の、今回の第一回目でありますけれども、この会談におきましては、拉致問題に関しましては、被害者の家族の帰国について日本側から繰り返し北朝鮮側の前向きな対応を強く求めました。しかしながら、具体的な帰国日程の確定には至らなかったということは残念に思っております。 また、核問題を始めとする安全保障上の問題も含めまして今回大きな成果は得られませんでしたけれども、日朝双方が互いの主張を明確に述べ合った上で日朝平壌宣言に従い解決に努力するということについては意見が一致をいたしました。 政府といたしましては、今後とも米国及び韓国と緊密に連携をし、また拉致問題については御家族の御意向を踏まえつつ、国交正常化交渉に粘り強く取り組み、諸懸案の解決を目指していくと、こういう考え方をいたしております。
○川橋幸子君 さて、その拉致問題でございますが、家族の問題といった場合に、二十四年前に子供を奪われた親の世代の家族の問題、それから今生存でお帰りになられまして、報道ではあんたらは生きているんだから良かったじゃないかという心ない発言があったと報じられておりますけれども、お帰りになった方々がまた家族別離という、非常に痛ましい場面が報じられているわけです。 初めのうちは、飛行機から、タラップから降りてくるときの本当に再会のあの感激的、感動的なシーンというところが、私たち、政府の努力も良かったなと思ったわけですが、今また別の問題に発展しているように思います。 そこで、お伺いしたいと思います。政府の方針が一時帰国から被害者五人の方の子供を含む永住帰国へと方針転換したやに思いますが、その理由をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) これは、生存者五名の帰国につきまして、政府は可能な限り早期の帰国を実現させるために北朝鮮側に働き掛けまして、そして先方との間では滞在期間を一、二週間とするということで調整をしたという経緯がございます。これは御案内のとおりでございます。 その後、生存者五名が帰国をしまして、家族とお会いになって相談される中で、御本人の状況とか御家族の御意向等を総合的に勘案すれば、五人の拉致被害者の方々が家族を含めて自由な意思決定を行うための環境を設定するべきであるということであります。特に、家族全員の日本への帰国は不可欠であると、こういう判断もしたわけでございます。 そういうようなことでもって、政府としては、御本人と御家族の今後についてはあくまでもこれら関係者の自由な意思決定にゆだねられるべきであると、こういうふうに考えた次第であります。
○川橋幸子君 先日の新聞では、衆議院の外交委員会でございましょうか、一時帰国、一、二週間から、それは約束があったのかなかったのかというような、そういう質疑がありまして、約束という言葉は外務省は使わず、調整ということで、何か意味の分からない御答弁があったようでございますが、重ねて、そのときの状況に対する総理のコメントでございますが、それは約束違反以前の問題、約束以前の問題だというふうに総理がコメントされたというふうに報じられておりますが、この総理の言葉の意味は一体何なんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) これが約束であったのかどうかということにつきましては、明確な約束をしたということはないというのが恐らく委員会における外務省の答弁だったと思います。私もそのように思います。 総理が申されたのは、それは約束とかそういうこと以前に拉致という事実があるではないかという、そういうことを言われたかったのではないかというように私は理解しております。
○川橋幸子君 そこで、総理が言われたこと、約束以前の問題、国家が犯罪を犯した、その犯罪国家に被害者を引き渡すのはおかしいではないかと、そのような趣旨の総理のコメントでいらしたわけですね。 そこで、私は非常に不思議な感じがするんです。それならば、なぜにこの拉致問題を以前メディアが取り上げたころに政府は積極的に取り組まなかったのか。外務省は、十人ぐらいの拉致と国交正常化といいますか安保協議はどっちが大事かと、このような暴言を吐いた人がいるやに伝えられてきておりますし、一つの疑問は、なぜ以前そんなに真剣に取り組まない人間が今になって、それは犯罪国家であると、こういうふうに変わったのかということが一つ疑問です。 もう一つは、先ほども申し上げましたように、二十四年前に子供を奪われあるいは子供は親から引き離された、その親子関係、人権侵害の問題と、その後に二十四年間というのがあったわけですね。この二十四年間は、きっと拉致された被害者の方々は本当に自分の身は自分で守るしかない非常につらい日々だったんだろうと思います。 その中で、結婚し、子供を産み、また別の関係が生まれている。この二十四年間、蓮池さんとおっしゃる方だったんでしょうか、新聞等で報じられておりますのは、僕たちの二十四年間は一体何だったんだろうかと。こういうことが報道されているわけでございますが、やっぱり日本に帰られて、自由な意思決定、自由な親子の会話ができるようにという、それならばもう少し被害者の御本人の方々の気持ちを聞いてあげるべきではないかという、そういう感じがするわけです。 以上、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) いろいろなことを申されたので、何をお答えすべきか、一番最後のことを申し上げれば、被害者の気持ちをもっとよく聞けと、こういうことでありましょうか。 その点で言えば、そのような、十分と言えないかもしれぬけれども、被害者の方々の又は御家族の方々の御意向と、またその置かれている状況とかそういうものはいろいろと考えて対応をしている、一生懸命努力しているわけでございます。ですから、そのために内閣官房に拉致被害者・家族支援室を今日五日付けで設置するということを決めたわけでございまして、そういう支援室がいろいろな立場の施策を必要に応じてやっていくと、こういうことになっておるわけであります。 相手のあることですから、ですから、交渉事でありますから、交渉事と申しますか、話し合って解決していかなければいけないことでありまして、それは大変な努力もしておりますし、私どもの要望がすべて一〇〇%通るというような状況にないんだということもよく御理解の上、御発言をいただきたいと思います。
○川橋幸子君 理解して発言して質問をさせていただいている、そういうつもりでございます。 いろいろなことを言ったのでなかなか受け止められないというような、そういう御答弁でございますが、それでは、こういう言い方をしたらどうでしょうか。 私は、十月三日の決算委員会で、国家と個人の関係というものは別次元の問題として考えるべきだと、国家間の政治決着と個人の生活、人権、人生というものは別次元で考えないと逆に国家が個人を犠牲にすることがありますと、このような趣旨から何点か質問させていただいたわけです。 いかがでしょうか、拉致事件と拉致被害者問題というのは次元が違うと思われませんか。
○委員長(小川敏夫君) 福田国務大臣ですか。
○川橋幸子君 ええ、そうです、官房長官に。
○国務大臣(福田康夫君) 拉致のあれですか、被害者の若しくは御家族の気持ちと国家の意思と、これは違うということを言っていらっしゃるんでしょうか。
○川橋幸子君 なかなか問題意識が伝わらなくてもどかしい思いがいたします。別に官房長官を糾弾しているわけではなくて、こういう問題意識で臨んでいただきたいということを申し上げているつもりでございます。 つまり、国家間の政治的な思惑で被害を受けた方々の問題を解決することは、うやむやにすることはやめてほしいと、被害を受けられた方々の問題はその方々の利益を第一に考えていただきたいと、このように申し上げているつもりですが、答弁お願いすると、また無理でしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 政府としては中山参与に被害者の方々の対応をお願いし、今申しましたように支援室を設けるというようなことをして、また、今日は安倍官房副長官並びに中山参与が被害者であります蓮池さんのお宅へ訪問すると、こういうことになって、御意見等を十分に聞いてまいると、こういうことになっております。一昨日もそういうことをいたしまして、明後日もそういうことをいたしますけれども、そういうような今努力もしているところでございますので、十分相談をしながら、御意向を体して、できることはやってもらいたいというように考えておるところであります。
○川橋幸子君 十月三日の決算委員会でも、私もまず、この生存者の方々の問題につきましては、坂口大臣の言葉も引きまして、まず心のケアが大事ではないか、それから、もし永住帰国を選ばれるんだったら生活の問題、仕事の問題、様々、何といいましょうか、日本社会への再適応の問題、こういうものに対するケアが必要じゃないかというようなことを安倍副長官に申し上げて、私、わずか一議員の発言がそんな影響力は持つとは思えませんが、その方向で、本日、援護室が設けられる、大変いいことだと思っております。 しかし、先日、これは十月三十一日の毎日新聞でございますが、斎藤先生とおっしゃる精神科医の方のコメントでございました。五人は二十四年ぶりの日本での生活にストレスを感じているはずだ、北朝鮮にいる家族と別れ別れの生活が長引けば、外傷体験、いわゆるトラウマですね、が出るだろう。中立的な立場で話を絶対に外に漏らさないという、そういう守秘義務を負わせたカウンセラーの方が何回か被害者の方々と面談して、そういうカウンセラーを用意する必要があるんじゃないかと、このコメントがありました。 私、今、政府の援護対策の中で一番欠けているのはこの部分ではないかと思います。安倍副長官が行かれて政府としての姿勢を示される、これは大変いいことだと思いますが、安倍副長官に向かって被害者の方がそうした気持ちを、偉い人に向かって率直に言えるという状況にはないと思います。やはり心のケアの問題、カウンセリングの問題、こういうものを、もし自由な意思決定をしてほしい、環境を作りたいんだとおっしゃるんなら、そういう点にも配慮すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 精神的なケアの重要性、これは当然十分考えなければいけないことだと思いますよ。中山参与はそういうことに対する配慮も十分しておられるというように承知いたしております。 いろいろ御心配いただくのは有り難いんでありますけれども、そういうことも十分頭に置きながら今後対応をしてまいりたいと思っております。
○川橋幸子君 中山参与の語り口等々を伺っておりまして、官房長官が就任を依頼されたという趣旨はよく分かるわけでございます。官房長官、分かってないのは、第三者がという意味なんですよ。政府の人間に対してどこまで本心が打ち明けられるか、こういう問題についての専門家のカウンセラーが必要じゃないか。専門家のカウンセラーが付くことによって、本人は自分の気持ちを整理し、そして意思決定していく。あるいは、日本の政府の要望どおりにするかもしれないし、あるいはやっぱりこの際は、やっぱり長引くようだったら、帰って子供と会い、夫と相談したいという方もいらっしゃるんではないでしょうか。第三者という意味を申し上げているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 今、この被害者の方々は特殊な環境にあるわけですね。ですから、そういう状況を配慮した上で対応しなければいけない。必要があれば、そういうことは被害者の方、もしくは家族の方もそういう御要望もあろうかと思います。第三者が入れば解決するという話でもないと私は思っております。
○川橋幸子君 少し、官房長官なら分かっておられるのか、分かってくださるのかと思いましたけれども、野党の議員の質問ではちょっと耳がかせないということでしたら、どうぞ専門家の御意見を聞いていただきたい。どんな立場に御本人たちがおられるか。生きて帰れたからよかったんじゃなくて、今や二次災害の危険すらあるのではないでしょうか。もうこれだけに時間を使っても仕方がありませんので、それでも数点伺わせていただきます。 曽我ひとみさんとおっしゃる方の件につきましては、夫の元米兵士の恩赦の可能性が報じられております。政府も努力する、米国に協力を要請するというような談話が載っておりますが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 質問通告ありましたか、なかったんだろうと思います。 ですから、最新の状況は分かりません。分かりませんが、政府も米国政府に対していろいろと相談をしております。また、強い要請もしております。いろいろな角度からいたしておるところでございます。
○川橋幸子君 具体的なことはなくてもオールラウンドにお尋ねの問いを通告しているはずでございますし、高度に政治的な、あるいは内閣こそが知り得る情報をお伺いしているはずでございますので、お答えできないならお答えできないで結構ですが、通告がなかったという、そういう言われ方は私は釈然といたしません。 さて、それでは最後にもう一点聞いて、その次に総合デフレ対策に移らせていただきたいと思います。 先ほども申しましたが、国家と個人の関係というのは、今回の国交正常化では非常に大きな問題、経済協力の中で出てまいるわけでございます。経済協力というのは、やっぱり政治決着でございます。個人の請求権は放棄する、その代わり経済協力でということになる。これで一番日本が痛い思いといいますか、私ども女性は国境を越えてシンパシーを感じ、あるいは心配しているのが元慰安婦の問題でございます。個人の尊厳を傷付けたことに対する謝罪、償い、この問題と経済協力とは、私は、ごっちゃにすることではなくて、それぞれがしっかり交渉すべきことではないかと思っております。 先日、十月三日の決算委員会で、外務省の田中局長でございますが、慰安婦の問題については北朝鮮側から既に要求は来ていると、そういう要求してきていることは事実あると、そういうことをお答えになられました。そして私が、もし経済協力を日韓並みの条件で話を進めるにしても、もし日韓並みであるにしても、それじゃアジア女性基金が果たしてきたような役割、機能というものは、当然日韓並みの中に入りますねとお尋ねいたしましたら、総合的、包括的に検討することなんだということをお答えになりまして、入るということをお示しになったと、答えたと、そのように考えております。 そこで一歩進めて、先ほど岡崎議員の方からアジア女性基金に対する韓国、フィリピン、台湾、それぞれの議会の動きがあり、それぞれ被害に遭われた方々の問題があり、そして訴訟が相次いでいる。こういうことから考えますと、今度こそ、慰安婦の問題についてはしっかりとした国の責任の下における補償、償いをむしろ日本から提案すべきだ、日本から提案することが日本の立場を強くすることだと。そうすれば拉致についても強く要求できる、そう思いますが、いかがでしょうか。 政治決着、過去の清算についての政治決着と個人の尊厳を傷付けたことに対する償い、これはしっかりそれぞれやっていくことによって、日本は国際社会、アジア諸国から評価され、名誉ある地位を占めるということになると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 平壌宣言では、「過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。」と、こういうことになっております。 北朝鮮に在住する元慰安婦の方々に対しましては、日本として何をこれから行っていくのかと、こういうことでございますが、これは拉致問題とは全く別の問題でございまして、日朝国交正常化交渉を始めとして、日朝関係全体の文脈の中で総合的に検討していくべき課題であると、こういうことであります。 そして、この今申し上げました日朝平壌宣言においては、双方が財産と請求権を相互に放棄すると、こういうような基本原則が明記されております。
○川橋幸子君 官房長官、先ほどサボっているわけではない、組織を設けることに、戦後補償、戦後処理の問題について、内閣官房において一体的に処理することができる組織の検討をサボっているわけではない、急ぐとおっしゃってくださいました。正に、そういう問題をこういうところで考えていただいて日本から提案していただくことを私は希望させていただきまして、これ以上伺いましても御答弁をいただけないと思いますので。何かうなずかれているのもちょっとがくっとまいりますけれども、でも大事な問題でございますので期待させていただきます。御検討をお願いしたいと思います。 どうぞ御退席いただいて結構です。 それでは、よろしいでしょうか。引き続き質問させていただきます。 それでは、総合デフレ対策について伺います。 既に同僚議員が何点か伺っていることでございまして、重複するかも分かりませんけれども、私もやっぱり意思決定プロセスというのは一体これでいいのだろうかということに疑問を持ちました。内閣主導の意思決定あるいは政治主導の意思決定、それによって機動的にずるずる先延ばしではなくて決断することができると、こういう意思決定機構は望ましいことだと思っております。今回のものに当てはめた場合にどうだったんだろうかということを伺います。 もう昨日、テレビ、新聞等で竹中大臣は余裕の大臣でいらっしゃるというような記事が載っているわけでございますけれども、もう一度、与党の反発が非常に大きかったこと、それから銀行側のそろっての、大手銀行の頭取とおっしゃる方々ががん首並べて与党に働き掛けてあれだけのパフォーマンスをやったことも国民の目にははっきりしている。それに対して竹中路線が挫折したのか、いや挫折じゃなくて、これは読み込み済みで予定どおり取れたんだというような様々なことが言われておりますが、そういうどうだったかということよりも、むしろこうした意思決定について国民にとっては分かりにくさというのが一番の国民に対する責務としては問題になるのではないかと思います。お伺いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 政策決定のプロセスがどうだったかというその中身の話は後から出てくるんだと思いますが、プロセスそのもののお尋ねであろうかと思います。 しかし、今回の問題は、非常に特殊なある意味で意思、政策決定であったということをまず御理解賜りたいと思います。これは、言わば金融庁が規制監督当局として独自にこれは決めるべき性格のものであるというふうに思います。金融当局というのは、これは日銀もそうでありますし、金融庁もそうでありますけれども、例えば日銀の場合も公定歩合を引き上げるか引き下げるかということを別に相談するわけではありません。金融当局として専門的な観点から責任を持って決めると、それが金融当局の基本的な役割であると思います。 今回の問題に関しても、その性格上、例えば非常に広範な法律改正をするということでもございませんし、金融当局の行政の責任と権限の中で行うというのがその大宗を占めているというふうに思います。しかしながら、同時にしかし今回の問題は非常に社会的な影響が大きい問題であるということから、これはやはり当事者である銀行の御意見も聞かなければいけませんし、やはり与党の皆様にも是非とも御理解をいただきたい、また御意見も伺わなきゃいけない、そういう性格であったと思っております。 そこで、まず金融庁としては今回の問題、どういう問題があるのかということを金融当局として徹底的に議論をして、その議論のプロセスがまた外に漏れますと、これは大変な憶測を呼ぶものですから、プロジェクトチーム等を活用して論点の整理を徹底的に行いました。論点の整理と、それと基本的な方向について我々なりの大まかな方向を固めた上で銀行との意見交換、与党の皆さんとの意見交換というものを行った次第であります。もちろん、これは規制する側と規制される側、監督する側と監督される側と、これは当然立場は違うわけでありますから、これは立場がむしろ違って当然だというふうに思いますが、その中でこの問題が非常に大きいということにのっとって様々な議論が行われたというふうに認識をしております。 ただ、結果的には、別に私は非常に泡食ったわけでもないし、かといって余裕を持ってやっていたわけでもございません。その論点整理にのっとって粛々と様々な方の議論も聞きながら、金融監督当局として責任を持てる政策を取りまとめたという次第でございます。 かつ、これを一か月という短期間で行わなければならなかったという点も踏まえまして、この問題の特殊性、性格というものも御理解賜りたいと思います。
○川橋幸子君 余り特殊ではないような感じはいたします。これから日本の経済をどうやって再生するかという問題については、こうした大きな問題はこれからも出てくることではないかと思います。タフな大臣でいらっしゃるようですので頑張っていただきたいということでございますが、さて、そのプロセスではなくてむしろ結果について伺いたいと思います。市場が全く反応しなかったことについてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) いや、むしろ途中では市場が非常に反応して何とかショックと言われたり、いろんなこともあったかと思います。その中で、市場の反応、市場の評価というのをどのぐらいの時間のスパンでとらえるかだということだと思いますが、三十日に発表した直後のマーケットそのものは、こういう政策が出るということを多分織り込んでいたのではないのかというふうに思います。 私としましては、これらの政策が着実に実行されることによって、これはどこの諸外国を見ても、諸外国の例を見ても、政策をいろいろ示してからそれが市場で正しく評価されるまで相当時間が掛かる例がございます。私たちとしては、着実にこれを実行する中で、この政策が正しい方向に向かっているということを是非マーケットに評価をしてもらいたいし、してもらえるというふうに思っております。
○川橋幸子君 もちろんスパンがある話だと思います。やはり市場の評価というのは、これは金融担当大臣としてだけではなくてむしろ経済財政担当大臣と、金融を一体的に対応される大臣の今回のいわゆる総合デフレ対策、金融再生プログラムもそれから企業再生プログラムも、それから一番問題のセーフティーネットの問題も全部含めた上での結果になると思いますが、スパンが要るとはいえ余りにも無反応なそういう感じがいたしまして、私個人は今回の総合デフレ対策については、やはり金融だけに、両輪だとすれば片方の車輪だけにしか力が入っていなかったのではないかなと、こんな気がするわけでございます。 デフレといわゆる言われているところのデフレ対策のところを見ますと、何点か挙げましたけれども、時間がございませんので、まず雇用に絞らせていただきたいと思います。 雇用のセーフティーネットについてでございますが、坂口大臣は厚生労働委員会でこんな答弁をされたそうでございます。雇用保険の三事業というのがあるわけですね。雇用安定事業、能力開発事業、雇用福祉事業というものがある、その中で様々の給付金、助成金を支給することによって雇用創出をする、こういう手法は今のような経済危機の中で失業者が大量に不良債権処理に伴って増える、完全失業率も五%台から七%ぐらいまで上がるかもしれない、このような危機的状況では給付金、助成金によって対応する話ではなくて、より大きな抜本的な雇用対策が必要なのではないのかと、このように話されたそうでございます。 私も同感でございます。厚生労働省にこの雇用のセーフティーネットを投げたところで従来の法律の枠組み、制度の枠組みの中でしか考えられないわけでございまして、ですから、この面、この新聞では、今回の雇用対策に至っては数年前に計上済みの予算の使い残しを転用するという奇策を出してきたということですね。やはりマクロ経済についてしっかり責任を持たれる経済財政担当相としては既存の雇用対策にとらわれない雇用対策を考えるべきではないか。 続けて、まとめて言わせていただきますと、現在の労働市場の状況はお分かりなのでございましょうか。失業者が増える、あるいは自殺が増えるということのほかに、正規従業員が減少してパート、派遣等の常用代替が進んでおりますし、なお正規従業員とそうしたパート、派遣等の方々の賃金格差はむしろ拡大してきているわけでございます。一方、正規従業員の方の労働条件も、長時間労働が増える、そして、例えば過労死、自殺などが若年層で増えている。正規労働自体も、今までの正規労働のように企業の終身雇用の中で守られているわけではない、そういう質的な変化が増えているわけです。 思い出しますと、去年の今ごろはワークシェアリングの問題が話題になりまして、総理がワークシェアリングの検討を厚生労働大臣に指示されたというようなことがございました。春闘過ぎればほとぼり冷めるで、そのまま話題に上らなくなってきていますけれども、今こそその雇用対策については従来の枠組みではない新たなビジョンを作るべきではないか、それから、今こそそうした中でワークシェアリングの問題をしっかりと検討すべきではないかと。 というような質問をいたしますと、批判するだけで楽だとおっしゃるかも分かりませんが、大臣の場合はいろんなブレーンを集められるわけでございます。現に、雇用保険の三事業、あれはもうやめてしまって、あれは企業内福祉を企業が保険料をちょっと上乗せして払うだけで給付金を作ると、そういう制度なんだから、それはもうやめて、失業対策あるいは失業給付にお金が足りないならそこにつぎ込むべきではないかと言っている若手の学者もいるわけでございます。 それから、質問を通告するときにたまたま目に付きました若手の学者の方のこれからの、何というんでしょうか、セーフティーネットの在り方、公共事業中心ではこれはもう行き詰まる、もう行き詰まっております。けれども、公共事業が今まで失業対策の役割を果たしていたとすれば、むしろそうした失業対策の在り方について環境と雇用と教育を連携することによって別のセーフティーネットが作れるではないかという、ちょっと、本当はお名前を紹介しなければいけないのですが、ぱっと新聞記事が手元に出てまいりませんので申し上げません。申し上げられなくて失礼ですけれども、若手の方のこういう提言がある。 今こそそうしたセーフティーネットについて、日本のマクロ経済の在り方について、人、物だけの目配りではなくて、人、物──ああ、人が入っていればいいんですよね。物、金だけの目配りではなくて、労働経済といいましょうか、人間の経済全般に目配りした、そうしたデフレ対策を作るべきではないか、検討すべきではないかということをお尋ねしたいのでございます。 長くて恐縮でした。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変重要な御指摘をたくさん川橋委員からいただいたと思っております。 まず、坂口大臣のちょっと別の委員会での御答弁そのものは、私は手元に資料もございませんし、存じ上げないんでありますけれども、委員の御指摘は、これまでの給付金、助成金にとらわれない、より抜本的な対応策。 実は、既存の政策にとらわれない、より包括的なという点に関しては、これは実は、先般、経済財政諮問会議で坂口厚生労働大臣においでをいただきまして、このときは社会保障、年金等々が中心でございましたけれども、労働、雇用の問題に関しましても、より根本的な問題を考えたいということに関して坂口大臣から意見の御表明がございました。 問題意識としては正に共有するものを経済財政諮問会議でも以前から議論されておりまして、ここは、実は坂口大臣のところでは、これから年金に関しての基本的な、抜本的なビジョン、考え方の案を十一月末か十二月最初に示されて、さらに、先般の諮問会議の坂口大臣の御発言を正確に申し上げますと、長期的な展望で雇用対策を考え、近いうちに総理にお示しをしたいと、そういう発言、坂口大臣はしておられます。これは諮問会議でも大変関心の以前から高いところでございますので、是非これは坂口大臣のイニシアチブを期待するとともに諮問会議でもしっかりと議論をしていきたいというふうに思っております。 その際、考える問題としては、決して、失業率にともすれば目が行きますけれども、やはり御指摘のように、その正規従業といわゆるパートとの比率、その格差、さらには、より大きな問題としては就業者そのものが減っている、つまり労働市場から退出する人が増えているといったような問題、こういった点も総合的にやはり視野に入れなければいけないと思います。当然のことながら、ワークシェアリング、また、いわゆるセーフティーネットではなくて、網で受けるだけではなくてそれをもう一度労働市場に戻してやるという意味で、セーフティーネットではなくてトランポリンだという言い方もありますけれども、そういった点についても、これは職業訓練とか人的資産の形成という観点から総合的なやはり議論が必要になってくると思います。 それに関して、環境や社会保障を組み合わせた総合的な雇用の創出というのは、これは恐らく千葉大学の広井先生の御指摘であろうかというふうに思いますが、そうした観点から、やはり総合的に社会保障の立て直し、ないしは社会保障分野でのアウトソーシングといいますが、民間にできるものを民間にするということは当然必要なこととなってまいりますし、この点に関しましては、実は特区の問題も含めまして我々としては非常に強力に公的な市場のアウトソーシング、これを通した雇用の新しい創出ということを期待しているところであります。 環境の問題につきましても同様の問題意識で、例えば環境政策についてエネルギー特会を地球環境に配慮したものへ改革するというのも、これは平沼大臣のイニシアチブで提起され、進みつつあるところでございますので、そのような問題意識は是非とも取り込んでいきたいと思っております。
○川橋幸子君 問題意識はお受け止めいただいたようでございますが、一点要望させていただきたいのは、坂口厚生労働大臣はそのような中長期の抜本策を考えているようだと、そこの部分に私は竹中大臣に要望したいことがあります。 私も旧労働省の出身でございますので、役所の壁、役所の今までの既得権という言い方もありますけれども、いわゆる言ってみれば役所の中の規制でございます。それを破るのは大変難しい。それを破ろうとすると、それぞれの役人は天に向かってつばをするような、おのが身に返るようなことをやっていかなければいけない。むしろそれは、それこそ経済財政諮問会議というのは内閣機能を発揮して言える立場にあるわけでございますから、その枠組みを温存したままの改革ではないことを会議の方で言っていただきたいということです。 いつも、そう申し上げますと規制改革やればいいんですねという話がありますが、ここで一例、これは質問通告してありませんから御紹介だけにとどめたいと思います。 今日の朝日新聞の社会欄でございます。中小企業総合事業団が臨時職員を不正雇用したということですね。つまり、臨時の方を名義を借りまして同一人物を形式上整えて期間延長しているという、こんな記事がある。これは民間でもよくやりますし、役所の中でも、多分中小企業総合事業団だけではなくて様々なところへ置かれている。要するに、派遣を柔軟にすればよい、あるいは有期雇用を柔軟にすればよいという規制改革だけでは駄目だということの私はこれが証拠、一番分かりやすい証拠だと思います。 経済財政諮問会議の場合は経営者の方が、経済界の方がたくさんおられまして、ともすれば規制改革に目が行くということでございますが、現実の労働市場、現実の雇用実態をよく見ていただきたい。これがない限り、やはり消費は上向かない、自分で自分の身を守るしかないという、そういう消費者心理が働く。ここのところにメスを入れていただきたいというのが私の要望でございます。 それじゃ、よろしいでしょうか、今の要望は受け止めていただけますでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 諮問会議がしっかりとして正に内閣主導の政策を果たすということでございますので、先ほども申し上げましたように、これは主として、大臣を直接お呼びして、その場で総理を含めて本当の決断をしていただくという、その大臣イニシアチブの仕組み等を活用しながら、今御指摘いただいたような問題意識は我々なりにもっともっと勉強して、しっかりと反映させていきたいと思います。
○川橋幸子君 ありがとうございました。 さて、それでは残り七分ばかりになってしまいました。この後は石原大臣に伺わせていただきたいと思います。NPOの話でございます。 これにつきましても、先ほど岡崎委員の方から基本的な質問があり、基本的なお話が、御答弁がありました。私もその方向で石原大臣に、NPOの問題については、これから発展する、これから日本の社会にとって必要な不可欠な分野になるんだという、そういう基本姿勢でお取り組みいただきたいと思っております。 一点確認させて、一点といいますか、二点確認させていただきたいと思います。 質問を通告する前に、小さなパンフレットを質問を取りに来られた方にお渡しして、是非石原大臣にこれを御紹介いただきたいと申し上げました。何かといいますと公益学、公益学のパンフレットでございます。 石原大臣は慶応の御出身でいらっしゃいますけれども、慶応で社会保障を専攻しておられた小松隆二教授が山形の酒田というところで何と東北公益文科大学という大学をお作りになりまして、そして公益学会という学会もお作りになられた。つまり、その小松教授が言いたいことは、市場原理をこれからグローバル経済の中で日本もより追求して強い企業を作らなきゃいけない、もしそういう経済政策を取るのなら、逆に一方において市場原理に相対する公益原理というものをその社会がしっかり持たない限り、大変その社会はモラルを失う、強者、弱肉強食といいましょうか、そういう社会になっていくだろうと、そのような志でそういうことをやられたわけでございます。 以上は前置きでございますが、小泉総理の官から民へというこの言葉を聞くたびに、私は、小泉総理の頭の中は官と民の二元論しかないのではないか、これが憂えられて仕方がないのでございます。 今回の公益法人改革はNPOを含めて改革するということのようでございますが、そういう二元論には立たない、公益を担う分野を育成するという、そういう趣旨に立っていらっしゃると伺いましたけれども、改めてもう一回、今申し上げましたようなことについてお答えを、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 今、委員が御指摘されました点は、今年の三月に抜本的改革に向けた取組という形で閣議決定いたしました中に、関連制度、すなわち公益法人だけではなくてNPO、そしてまた、今二元論に立つべしではないという委員のお考えに沿った形として誕生いたしました中間法人、更には広い意味での公益信託とか税制、そういうものをすべて含めた形で公益にかかわる制度全般について見直しを行うと前文で取りまとめさせていただいておりますので、委員のお考えと相違はないものと承知をしております。
○川橋幸子君 そこで、NPOの話が出てくるわけでございますけれども、同僚議員からも質問があったところでございますが、今回、総合デフレ対策の中にNPOの言葉が出てこないことについては何かお感じになることがありますでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 官と民という二元論に立たないという委員のお立場を進めていくならば、NPOの活用というものも経済対策の中に入ってくる一因ではあると考えております。
○川橋幸子君 前回、骨太方針以来、この委員会でもって竹中大臣には質問させていただいて、そのときには、むしろNPOに余り事業を委託するなと、前回は、地域雇用対策の関係でNPOにもお金を上げて、そこで雇用の受皿を作ってもらうというような話がありましたときには、私はむしろ反対の意味の質問をさせていただきました。 日本の場合はまだNPOが育っていない、そこに、弱体のNPOにお金を上げて、そのお金を消化することに体力をすりつぶすようなこと、行政の下請をさせて体力をつぶすようなことをさせたのではNPOはむしろつぶれていくばかりなんだというような、こういう話をいたしましたが、私は、むしろそれを担えるNPOを作るためにはどうすればいいかをこれから制度改革の中で、特に税制の中ではお考えいただきたいと思います。 先日、NHKの「クローズアップ現代」というものを見ておりましたら、アメリカでございましたけれども、職業訓練をNPOが所管している。食品会社の副社長さんをやっていた方が、もうけるだけが人生ではない、もっと世のため人のために働くことに生きがいを見いだしたいということでNPOを起こして、失業者を集めてきて訓練する。実業界が訓練するから、今どういう訓練をすれば求職があるかがはっきり分かるということで、求人と求職を結び付けるためのNPOをその方は組織して、それが成功したというような、こういう事例が報道されました。 ほかにも何か国かのNPOについての大きな実験が報道されていました。町づくりについて、NPOを参加させることによっていかにも生き生きとした市民参加型の町づくりが、行政がアウトソーシングして外注するよりもうまく実現するというようなイギリスの例とか、あるいは個人の税金の一%は自分が指定するNPO法人に寄附を、選択をさせるというようなことが、これはハンガリーだったでしょうか、各国の実験が出ておりまして、これはもう釈迦に説法で、大臣よく御存じのことであろうと思いますが、そうしたNPOをめぐる、経済のグローバリゼーション、市場経済のグローバリゼーションのもう一方でそうした大きな動きがあることについて日本はこれまで非常に鈍かったような気がいたします。竹中大臣はNPOの代表とは会って話をされたことがございますか。これは答弁要りませんけれども。 最後に、総括的にNPO問題について取り組む、NPOは、税制は大蔵省が取り組み、それから認証は竹中大臣のところが持つということではなくて、NPOについての総合的な政策を持てるような部署を作るような形で今回の制度改革、公益法人制度改革についてお取り組みいただきたいと思いますが、最後にこの要望に対する石原大臣の御答弁を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。 よろしくお願いします。
○国務大臣(石原伸晃君) 一番後段のところは、ちょっと突然の御質問でございましたのでこれから考えさせていただきたいと思うんですけれども、やはり国民の皆様方が行う社会貢献活動、今、委員は職業訓練、アメリカの例を出されましたけれども、そういう非営利的な活動の発展というものを日本でも阻害してはいけないし助けていかなければならない、それがすなわちNPO法の私は精神ではなかったのかと思っております。 それと、もう一点だけ付言させていただきますと、経済対策なんですが、日本は補正予算等々でどこにお金を流すかというと、公共事業等々に流れるわけですけれども、隠れた一面としては、パブリックカンパニーである特殊法人等々にお金が流れる、あるいは業務を委託している公益法人にお金が流れるという形で予算の消化というものが行われてきて、それが必ずしも経済に有効に機能してこなかった面もある。これからは、委員御指摘のとおり、やはり行政の側と離れたところにあるそういう非営利法人がそういう一翼を担っていってくれる社会になることが特殊法人改革、公益法人改革の一つの側面支援になるものではないかと考えております。
○川橋幸子君 ありがとうございました。
○委員長(小川敏夫君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十九分休憩 ───────────── 午後一時三十分開会
○委員長(小川敏夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川春子君 まず最初に、戦後処理問題で、その対応について伺います。 昨年の八月三十一日に国連人権規約委員会は、日本が締約国として提出した報告書に対して六十三項目の最終所見を発表しました。 従軍慰安婦については、まず二十六パラグラフで、戦時中の従軍慰安婦に対して主に民間資金によるアジア女性基金が提供した補償を当該女性たちが納得できる措置として認めていないことを懸念する、五十三パラグラフでは、委員会は従軍慰安婦を代表する組織と協議して被害者の期待に沿うような方法による補償の適切な方法、手段を遅くなり過ぎる前に検討することを勧告するとしました。 国連の勧告から一年以上たっているわけですが、政府はどんな対応をしたのでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 国連人権A規約のお話だと思いますけれども、いわゆる従軍慰安婦問題を含めまして、さきの大戦にかかわる賠償並びに財産及び請求権の問題につきましては、政府としてはサンフランシスコ平和条約、二国間の平和条約及びその他関連する条約等に従って誠実に対応してまいっております。 しかしながら、いわゆる従軍慰安婦問題につきましては、多数の女性の尊厳と名誉を深く傷付けた問題であると、こういう認識を持っておりまして、この問題への対応については国民的な議論を尽くした結果、既に高齢となられた元慰安婦の方々の現実的な救済を図るために、これら条約等の当事国間では請求権の問題が解決済みであるということからアジア女性基金により対応するということが最も適切かつ最善の方法であると、こういう判断をいたしまして、基金の事業に対しまして最大限の協力を行ってまいっております。 政府としては、今後ともこうしたアジア女性基金の事業に表れた日本国民の本問題に対する真摯な気持ちに理解が得られるように最大限の努力を行っていく、そういう考え方であります。
○吉川春子君 私、政府の対応についてはよく分かっておりますので、繰り返していただく必要は以後ありません。 それで、国連は、このアジア女性基金については当該女性たちが納得していない、もっと納得できるような措置を取りなさいという勧告を政府に出しました。これについて政府はどういう態度を取ったのかということを伺います。
○政府参考人(渥美千尋君) ただいま官房長官からもお話しございましたけれども、基本的には、日本政府といたしまして、元慰安婦の方々の現実的な救済を図るということで、サンフランシスコ平和条約等との当事国の間では請求権の問題は解決済みということでございましたので、アジア女性基金により対応ということでやってきておりまして、例えば……
○吉川春子君 そこはいいです。だから、どういう対応を取られたのかということを聞かせてください。
○政府参考人(渥美千尋君) その基金の事業でございますけれども、その後も引き続きやっておりまして、三つの国につきましては、韓国それから台湾等につきまして終わりましたけれども、あとインドネシアも残っておりますが、そういう事業をきちんと引き続き行ってきております。
○吉川春子君 国連は、アジア女性基金の提供した賠償を女性たちが納得できないと言っているからもっと納得できる措置をしなさいと言っているんですよね。その点について、全く国連の人権規約委員会の勧告を無視するつもりですか、そうすると。
○政府参考人(渥美千尋君) 無視という言葉ではございませんで、先ほど申し上げましたように、これまで基金の活動に対しまして国民の多くの方々、賛同を得ております。それから、多くの方々から募金をしていただく等々いろんな協力をいただいておりまして、政府としては非常に勇気付けられておりますけれども、いずれにしろ、事業を受け取られた方々の中からも感謝の気持ちも寄せられていると承知しておりまして、それなりに基金の事業を一つ一つ着実にやってくるということで対応しているつもりでございます。
○吉川春子君 納得できる措置と認めている人がゼロというふうに私は言っていないんですね。多くの女性が納得していないと、国連もこう言っているわけですが、それではアジア女性基金の基金を慰安婦として申告した方々の中で何人が受け取ったんですか。
○政府参考人(渥美千尋君) 基金につきましては、これまでフィリピン、韓国、台湾で合計二百八十五名の元慰安婦の方々に、一般からの募金を原資といたしまして一人当たり二百万円の償い金を届け、それから政府の拠出金を原資として医療福祉の向上を図るための財・サービスをお届けする事業を行っております。あとインドネシアについては別のやり方やっていますし、またオランダにつきましてもこれは別のやり方やっていますけれども、今のお話の関連でいいますと、二百八十五名の方々に償い金のお届け等を行っております。
○吉川春子君 制度の説明はいいですから、私もう熟知しているんですよ。時間の関係で私の質問に端的に答えていただきたいと思います。 二百八十五人が受け取ったという数字を政府は発表しましたけれども、何人の慰安婦の方が申請されて、二百八十五人というのはその中の数字ですよね、だから母数は何人になるんですか。
○政府参考人(渥美千尋君) 正確な元慰安婦の方の数というのは私どもも承知しておりません。ただ、基金の方での推定で三百数十人の方々というふうな推定に基づき、その後具体的な慰安婦の方々への事業を行ってきておると、そう聞いております。
○吉川春子君 多くの方々から喜ばれたとかなんとかと言っているんだけれども、二百八十五人という数字が、二百八十五人のうちの二百八十五人というのだったらばまあパーフェクトですけれども、何人を母数にしているのかというその数字をおっしゃらないと、多くの方に喜ばれているとかお礼の手紙を受け取っているとかいうことは根拠がないじゃないですか。一通もお礼の手紙来ないなんて私言っていないでしょう。
○政府参考人(渥美千尋君) 先生御指摘のように、反対されておられる方もいることは承知しておりますけれども、さっき申し上げたように事業を受け取られた方々の中から感謝の気持ちも寄せられているということで、私どもとしてはできるだけ当該の方々に理解をいただくようにという努力を続けてきているつもりではございます。
○吉川春子君 オランダについて具体的に伺いますが、オランダは成功裏にこのアジア女性基金が終了したと言っていますね。その成功裏という意味はどういう意味ですか。
○政府参考人(渥美千尋君) オランダについての御質問でございますけれども、オランダにおけるアジア女性基金の事業につきましては、九八年七月にオランダで設立されました事業実施委員会と基金の間に締結されました覚書に基づきまして、この委員会が慰安婦問題に関し実施する事業対象者の生活状況の改善を支援する財・サービス、この提供事業に対しまして三年間で総額二億四千百五十万円の支援を行っております。この事業につきましては、これまで七十九名の方が受け取られまして、二〇〇一年の七月、昨年の七月に終了しております。
○吉川春子君 どこが成功裏なのですかと私は聞いたんですけれども。私に提出したペーパーにはそうなっていますね。ほかは成功裏にという言葉はないんですが、オランダのところだけ成功裏に終了したと言っているんですが、成功裏という意味はどういう意味ですか。簡単にお願いします。
○政府参考人(渥美千尋君) お出しした資料に成功裏、確かに入っておるようでございますが、成功裏という言葉は、別にほかのところが失敗していたとかこれだけ完全な成功であったとか、そういうことではございませんで、ちょっと書き方は悪かったかもしれませんけれども、いずれにしろ、できるだけのことをやってこれを受け取っていただいたと、こういうふうに考えております。
○吉川春子君 私はこの夏オランダに行きまして、日本政府に捕虜虐待とか収容所、慰安婦などの賠償裁判を行っております対日道義請求財団の皆さんと会いました。日本がインドネシアを占領したときにインドネシアはオランダの植民地だったんですね。二、三百人の女性を慰安婦にしたわけなんです。この財団は、アジア女性基金のお金の受取を拒否しています。同財団の慰安婦担当者は、基金は慈善なので受け取れない、天皇の名において慰安婦とさせられたのだから政府が補償してほしいと言われました。また、受取を拒否している人も受け取った人以上にいるし、どっちにも加わりたくない人もいるということです。 オランダの政府はこのサンフランシスコ条約で決着済みだという立場なんですけれども、感情的な問題は残っているんだと私に言いました。実際の被害者たちは、日本の態度に納得していない人が多いわけですね。オランダにはアンネの家もアムステルダムにあって、ドイツ・ヒトラーの軍隊に占領されていた時期もあるんですけれども、このドイツに比較しても日本の政府の態度は納得できないということで、非常に反日感情が強いということに私は驚いたんです。成功裏にアジア女性基金で納得しているなどという結論は出せないという印象を受けました。 それから、先ほど来何遍聞いても、何人の慰安婦のうちに受け取ったのは二百八十五人かという、その母数については何にも言わないわけでしょう。千人の中なのか一万人の中なのか、二百八十五人という数字が。そういうことも言えない。国別の人数も明らかにできない。これはやっぱりアジア女性基金というものがなかなか受け入れられていない、決して成功していないんだということの一つの証拠ではないかと思うんですけれども、官房長官、お考えはいかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) この問題は、女性の名誉と尊厳を深く傷付けた問題であるということでありまして、今、委員も感情ということを言われましたけれども、感情も入っているかもしれぬ。そういうことでありますので、この問題を解決するというのは極めて困難である、すべての人が満足する方法は私はあるのかないのかと、こう思っております。 ですから、こういうことについては、我が国としてはアジアの女性基金というものを、この事業をしたわけでありますけれども、日本国民の問題である、全体の問題であるというような観点からこの問題についてはいろいろな議論もされてきたわけであります。その一つの解決方法としてそういう手段を取ったということであります。しかし、それでもってすべてが解決されるものではないということは、これはもうよく分かっております。 こういうことについては、今後とも日本国民のこの問題に対する真摯な気持ちに対する理解が得られるよう、やっぱりいろいろな方法で努力をしていくことだろうというふうに思っております。
○吉川春子君 二〇〇〇年の七月から八月十八日に国連人権小委員会の五十二会期で、マクドゥーガル最終報告へのアップデート、情報更新という中で次のように指摘されています。 いわゆる慰安婦に対して犯されたじゅうりん行為は大部分が救済されないままだと。被害者への補償はなされていない。公式賠償もなく、法的責任の公的承認もなく、訴追もされていない。日本政府は、第二次大戦における軍事性的奴隷制について謝罪する幾つかの措置を講じたが、それは法的責任を受け入れるものではなく、被害者に法的賠償を支払うものでもなかった。日本政府は国際法の下で義務を果たしていない。 このようにマクドゥーガル・アップデートは指摘いたしまして、そして奴隷制の現代諸形態に関する決議を全会一致で国連人権小委員会は採択をしているわけですね。マクドゥーガル報告書に深い感謝もささげています。 それで、私はここで伺いたいのは、マクドゥーガル女史がアップデートで、日本政府は慰安婦問題での法的責任の公的承認もないと、このように指摘しているんですけれども、官房長官がサンフランシスコ条約で決着済みとおっしゃる中には、日本は法的責任も、サンフランシスコ条約で慰安婦についての法的責任もそこで受け入れたんだと、認めてサンフランシスコ条約を締結したんだと、このように理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(渥美千尋君) 私ども、国連人権小委員会にマクドゥーガル報告が報告されたことを承知しておりますが、政府としては、やはりサンフランシスコ平和条約でこの問題は解決していると、請求権の問題ということで私どもとらえておりますので、解決しているということで、若干考え方が違うんじゃないかと考えております。
○吉川春子君 請求権の問題はまた別にやりたいと思うんですけれども、要するに、このサンフランシスコ条約を締結した時点で日本も慰安婦に対して法的責任を認めて、しかしそれは放棄よという形になったんですか。法的責任をこの時点で日本は認めたというふうに理解していいんですか。
○政府参考人(渥美千尋君) 当時の状況は詳しく分かりませんけれども、その時点で具体的にこれとこれとこれについての法的責任と、そういう形での議論はなされてなかったんじゃないかと思います。
○吉川春子君 そうすると、従軍慰安婦についての具体的な法的責任はサンフランシスコ条約でも決着はしているというものの、具体的には法的責任を明確には認めていないと、こういうことですね。
○政府参考人(渥美千尋君) しかし、従軍慰安婦の問題も含めまして請求権の問題としては解決済みということ、そういう意味では従軍慰安婦の問題も入っております。
○吉川春子君 請求権の問題は時間が掛かるので、この次じっくりやります。請求権に逃げないで。 法的責任をだから政府はどうも認めて、この時点で慰安婦についての法的責任を認めていないらしいということを私は今の答弁から分かったんですけれども、官房長官、慰安婦の方々は謝罪を強く求めているんですね、謝罪、謝ってほしい。つまり、PTSDといいますか、ポスト・トラウマ・ストレス・ディスオーダー、要するにその当時受けた心の傷が今なお苦しめていて、夜中に飛び起きたり、その話をすると失神したり、そういうことにすごく苦しんでいます。そしてまた、日本は官房長官談話で認めたことは認めたんですけれども、やれ商行為だとか、やれ教科書に載せるなとか、慰安婦はそもそも存在しなかっただろうかとか、そういう心ない発言も彼女たちの心をすごく傷付けているんです。 それで、謝罪ということはお金が掛かる問題じゃ取りあえずありませんので、とにかくそういうことは申し訳なかった、慰安婦の方々に責任がなくて、日本は政策としてやったんだと、本当に申し訳ないというその謝罪を日本政府は一人一人の慰安婦の方々に行うということを是非してほしいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(渥美千尋君) 謝罪の話につきましても、基本的に戦争の話につきましては九五年の村山総理の談話がございますけれども、それに加えて、従軍慰安婦の方々につきましては、実際に償い金をお渡しするときに総理のお手紙をお付けするとか、そういうような形で気持ちを表しているということはやってきております。
○吉川春子君 償い金を渡すときに手紙を渡していると、それは償い金を受け取った人たちだけでしょう。償い金を受け取らない人が何人いるのかということをもう絶対拒否して答弁しないんですけれども、受け取った人には百歩譲ってお手紙が渡っているけれども、二百八十五人だけですよね。インドネシアには一通も渡っていないでしょう。オランダもコック首相への小渕総理のお手紙のコピーは渡っているけれども、直接慰安婦だった方々にごめんなさいというおわびの手紙はコピーですら渡っていないでしょう。その点はどうですか。
○政府参考人(渥美千尋君) まだ不満の残っておられる方がおられるだろうということは、それは私もそう思いますが、いずれにしろ、そもそも、先ほどからおっしゃっておられます、そもそも慰安婦の方が何人おられるんだという話につきましては、先方のプライバシーの問題もございまして、なかなか本当に確認できないというところがあるところは御理解いただきたいと思います。 それを申し上げた上で、先ほど申し上げたように、一般的には村山総理の九五年の談話というのがあるわけでございますけれども、ほかの方々には必ずしも、実際に償い金を渡すというときにはさっき申し上げたように総理のをやっていますけれども、そのほかの方々については、例えばインドネシアにつきましては具体的な方々を特定必ずしもできないという事情がございますので、なかなかその辺は難しいというふうに考えております。
○吉川春子君 官房長官、少なくとも慰安婦で苦しんでいる方々に政府が責任を持って謝罪するということはできるはずですよね。そして、何人が認定されているか分からないとおっしゃったけれども、実際に日本にもたくさんの慰安婦の方がお見えになるわけですよ。総理にも会いたい、官房長官にも会いたいという意思表示もされているわけですよね。だから、分からない人は分からないで仕方がないと百歩譲ってしても、実際、謝罪を受け入れたい、謝罪してほしいと強く願っている人たちに対しては政府が謝罪をすると、そういうことはサンフランシスコ条約が何の障害にもならないと思いますが、どうですか。官房長官です、これは。
○国務大臣(福田康夫君) 今、外務省の方からお話ありましたけれども、我が国としてはいろいろな機会に謝罪の意は表明しているわけなんですね。一方、相手方の方の事情というものもあろうかと思います。プライバシーという問題もありますけれども、そういうことを申し出ない方もいらっしゃるんじゃないかと思いますね。そういうような方も含めて、我々は我々の気持ち、謝罪の気持ちを伝えなければいけない。それは村山談話とかまた総理の手紙とかいったようなもので、そういう機会をとらえてやっているわけでございますので、私は、十分とは言っているわけじゃありませんよ、今後もそのことについては、我々はそういうことがあったということは常に思いながらも、謝罪の気持ちを持ちながら、相手がどういう人だか分からないけれども、そういう問題があるということを承知して接していくということが大事なのではなかろうかというふうに思っております。
○吉川春子君 村山談話は、オランダ語とかあるいはインドネシア語とかフィリピン語とか韓国語、中国語その他、慰安婦がいる十数か国の言葉に翻訳されて、その慰安婦が望めば届くような形をされたんですか。そういうことしていないでしょう。ただ日本の新聞で発表しただけでしょう。その人たちはもしかしたら字も読めない人かもしれない、字が読めない地域にいる方かもしれない。そういう人たちに対して一片の村山談話、一片の官房長官談話で、日本のおわびの意思さえも伝わらないと思うんです。 それで、現に、官房長官、日本にいらして総理にお目に掛かりたい、官房長官に会いたいと言っている人について、それも拒否してきたじゃないですか。じゃ、今そういう人たちが望めば、プライバシーの問題ないわけですから、会いたいとおっしゃっているんだから、そういう人たちに対しては直接の会って謝罪をしますか。それと、そういう談話をすべての慰安婦がいた国の言葉に直して、そういう人たちに届くようにしますか。
○国務大臣(福田康夫君) 会えばいいということなのかどうか分かりませんけれども、そういう気持ちを我々持っているということは、これはあらゆる機会をとらえて表明しているわけであります。そのことをもって御理解もいただきたいと思いますけれども、今お話ありました面会の要求というのは、私は聞いてはおりません。
○吉川春子君 私が何で、補償もずっと今まで質問してきましたけれども、謝罪の問題に今日はこだわるかというと、もう心の傷が治らないわけですよ。ずっともう何十年も苦しみ続けているんです。その人たちに対してサンフランシスコ条約で決着済みだでは、とても日本の立場は伝わらないと思うんです。 それで、官房長官、今聞いていないとおっしゃったので、是非この次はじゃ直接会って、どういう状態だったのかということも政府は責任を持ってその人たちの話を、プライバシーはいいという人についてはそういう訴えも直接政府は聞く用意がありますか。それは約束していただけますね。
○副大臣(矢野哲朗君) 吉川先生、この問題について真摯に取り組んでいらっしゃるお姿、私何回も見ております。そして、今日私、副大臣という立場でありますけれども、与党の代表という一員として、少なからずともこの問題について私もでき得る限りの問題を共有したいなという思いの中で、内閣委員会でも、本来ですならばこの内閣委員会審議という一つの問題も与野党間で調整が付かなかった展開もありました。しかしながら、事が事だけに、内閣委員会で是非審議をしてもらおうというこの判断も、一部私も参加してその判断に加わってそういった意味での判断をさせてもいただきました。なおかつ御当人たち、吉川先生のお申出、なおかつ何人かのこの問題に関係する議員の方々の申出もあったものですから、私も真摯に受け止めてその方たちとお会いもさせていただきました。そして、私なりの誠意を持ったお話もさせていただいたつもりであります。 今後もそういう思いで我々も対処していきたい、このことは十分御理解いただけるものと考えております。
○吉川春子君 議長とか参議院の自民党の国対とかの代表者にはお目に掛かりました。政府は全然会っていないんですよね。
○副大臣(矢野哲朗君) 一員です。今、政府の一員ですから。
○吉川春子君 いやいや、これまでの話なんで、今後会うということであればそれはいいんですけれども。 それで、官房長官、私は国連の、このアジア女性基金では解決していないと、だから遅くなり過ぎないうちに何らかの手を打ちなさいと国連が日本政府に勧告をしているわけですよね、勧告を、去年の八月に。国連が何を言おうと耳をかさないという政府の態度というのは良くないと思うんですよ。正式に国連が人権規約委員会で、まだアジア女性基金では決着していないんだからきちっと被害女性の代表者と話合いを持って、そしてしかるべき措置を取りなさいと、こういう勧告をしているわけですから。今までもアジア女性基金でやってきたかもしれないけれども、それがだめなんだから、そのことについて新たな対応を是非取ってほしい。官房長官がこれで済んだとは思っていないとおっしゃったその中にも、一部そういうお気持ちがあるんじゃないですか。国連の勧告をきちっと受け止めて、これを無視するような、国連は何遍も何遍もいろんなことを言っていますけれども、規約委員会の勧告というのは重いものだと思うんですね。これを無視しないでもらいたい。そのことについて官房長官どうですか。
○国務大臣(福田康夫君) この国連のA規約のことについては、今のお話の件でどういうことに関係になるのか、これは検討させていただきます。
○吉川春子君 この後もう一つ質問があるものですから、私は引き続きやりたいと思うんですけれども、この国連の勧告についてどういう対応をするのかということをこの次の委員会でしっかりと答弁をいただきたいと、そのことを申し上げまして、総合デフレ対策に移りたいと思います。 竹中大臣にお伺いいたしますけれども、銀行の不良債権処理の加速で国民は大変な痛みを伴っております。直接的な政府の政策によって中小企業の倒産あるいは離職者数、これが大量に出るということは、私は政策としては間違っていると思うわけです。 いわゆるセーフティーネットについて、大臣に以下伺いたいと思います。 十月三十日の総合デフレ対策で、その中心は不良債権処理の加速であったわけですけれども、二〇〇四年までに主要銀行の不良債権を半減させると、そういう計画の中で、マスコミも指摘していますけれども、公的資金投入を受けず自己資本比率を維持することは貸出しを圧縮するほかはない、大銀行が貸し渋り、貸しはがしに急速に走るという懸念は強いと、このように指摘しているんですが、こういう不良債権処理の加速によって大規模な企業倒産、失業者が出るというこのことは、発生するということはもう避けられない、大規模に発生するということは避けられないと思いますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 不良債権の処理加速といいますのは、これは経済を良くするために行うものであります。したがって、その不良債権処理によって経済が悪くなるというような考え方につきましては、これはやはり少し違うのではないかということを是非申し上げなければならないと思います。 不良債権を抱えたままで今まで走ってきて、銀行が新たな貸出しができなくなることによって、その結果、経済は非常に苦しい状況が続いてきた。銀行に健全になってもらって、強い銀行になって、そこがしっかりと貸出しを行って、それによって経済を強くしていくということはどうしても避けて通れない道であるというふうに思っております。 わけても、今回特に強調させていただいたのは、これは企業を再生させるということを大きな目標にしているわけでありまして、したがって、再生の機構も準備する、銀行に対しては資産の査定をしっかりとしていただいて、収益力を高めるためのガバナンスの強化をしっかりとしていただいて、その中で、貸し渋りが起きないようにモニタリング、更には新規の参入者の促進等、様々な政策を組み合わせることによって金融機能を強化し、更に企業の再生を図っていきたいというふうに考えているわけでございます。 その過程で、しかしセーフティーネットに関しても当然しっかりと強化していかなければいけないわけで、当面、考えられるセーフティーネットについては、これは先般の総合対応策について織り込ませていただきましたが、一層の強化、活用を図るため、引き続き必要な措置については検討してまいる所存であります。
○吉川春子君 セーフティーネットについてはこの後伺いたいと思うんですけれども、今まで不良債権の処理をどんどんやってきて、そして景気がますます悪くなって、失業率も高いところでとどまっていると、こういうことだと思います。 そしてまた、再生もあるというお話でしたけれども、私が伺いました企業再生案件への取組状況について、RCCに送られた債権で企業再生実施率は四万件のうち八十七件、〇・二%、検討中の案件が百十七件というふうに伺いまして、再生ということに対しても大変絶望的であるという数字を私はそちらの方から伺いました。 それで、大臣、具体的に伺いたいのですけれども、今度の不良債権の加速処理によってどれだけの企業の倒産が生まれるのか、どれだけの労働者が離職、失業に追い込まれるのか、その数字を具体的につかんでいますか。つかんでいたら、是非明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 金融の問題、特にこの不良債権の処理によって、今回は特に更に資産査定を厳格にしてくださいということを申し上げているわけですから、それによって今後銀行の不良債権額にどのような変化が生じ、更にどれだけのペースでオフバランス化が進んでいくのかということにつきましては、まさしくきめ細かくその状況を見ながら把握していく以外に現実に今の時点で的確な予測をする方法はないというふうに思います。 さらに、それがオフバランス化されていく中で一体どのようなインパクトが労働市場等々に生じるのかということに関しても、先ほど申し上げましたように、これは企業についてはどのような形で再生が進んでいくかということにもよるわけでありますし、我々としては、委員、RCCの状況を御指摘くださいましたけれども、それを大幅に強化する必要があるという認識の下で別の再生機構を作るということを今考えているわけでありますので、その再生の仕組みをしっかり強くやっていけば、これは雇用に対するインパクトも大幅に違ってくる。 この問題の難しさにかんがみて、単純にどんな計量的な手法を組み合わせても明快な予測をすることは大変難しい。しかし、きめ細かくそれを積み重ねていくことによって、政策対応をすることによって、日本の経済をしっかりと再生させていきたいというふうに考えている次第であります。
○吉川春子君 そうであっても、具体的にどれだけ企業倒産が増えるのか、あるいは失業者が増えるのかということの試算はどうしてもしないと対策が講じられないのではありませんか。 平成十三年の六月二十八日付けの「不良債権の処理とその影響について」におきましては、不良債権の最終処理を強力に進める一方で、デフレ効果を最小限に抑えつつ雇用問題に適切に対処し、その政策遂行に関する市場の信認と国民の信任を同時に勝ち取らなければならない、そのためには不良債権の最終処理に伴うマクロ的な波及効果の把握を併せて行うことが必要だということで、試算をしているわけですね。それはどういう試算だったんでしょうか、具体的に数字をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(加藤裕己君) 昨年六月、内閣府の研究会では、主要行の破綻懸念先以下債権、当時十二・七兆円でございますけれども、を二営業年度以内に最終処理した場合にどの程度の失業者が出るかについて推計を行っております。 推計によりますれば、職を変えなければならなくなる人三十九万人から六十万人、失業することになる人十三万人から十九万人との推計を試算し、公表いたしております。 以上でございます。
○吉川春子君 この内閣の試算は、破綻先以下の不良債権処理だけで、貸し渋り、貸しはがし、リストラ圧力などは考慮されていませんけれども、これはなぜですか。こういうことも計算に入れないと、倒産や離職者の数が正確には把握できないんじゃありませんか。
○政府参考人(加藤裕己君) この貸し渋り、貸しはがし、新規に発生する不良債権等の問題は考慮してございませんけれども、これはあくまで本試算の目的が政府の進める不良債権処理についての影響を試算するためでございます。 なお、第一に、政府としましては、貸し渋り、貸しはがしという現象が発生しないように政策メニューを行っていくことにしております。第二に、またこうした現象は個々の銀行の経営に関するものでございますので技術的に把握が困難でございますので、前回は推計に入れておりません。
○吉川春子君 貸しはがし、貸し渋り等、これを全然推計から抜いた数字というのは非常に無意味だと思うんですね。 民間のシンクタンクが試算をしておりますけれども、日本総合研究所では、大手銀行で最大九十・三兆円の貸しはがし、三百三十二万人の新たな失業者、国内総生産六・四%押し下げるとか、UFJ総合研究所でも、二〇〇四年度までに離職者は百六十万人増えて、失業率は一、二%上昇、実質GNPは二〇〇二年度から年度累計で二%押し下げると、こういうような本当に恐ろしい試算をしているわけですよね。これはあながち過大な数字ではないということで、こういう離職者、倒産件数、こういうことをきちっと予測しないで、ただ希望的観測などでこういう経済政策をやられたのではたまったものではないというふうに私は思うわけです。 竹中大臣、こういうような民間シンクタンクを含めた予測数値についてどうお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 予測の数値は、前提を置けば非常に単純に出すことはできなくはないと思います。今挙げてくださった数値は、基本的には、銀行の子会社であるシンクタンクができるだけ不良債権の処理に対する厳格な金融行政を行うとむしろこういうことがあるということを言いたいがための、非常にバイアスの掛かった推計であるというふうに私個人は思っております。 大変重要なのは、しかし、そのときに銀行機能が正常化されることによって新たな貸出しが生まれてきて、それによって経済が活性化する、そういう非常にダイナミックな経済のメカニズムをやはり見越していくことであるというふうに考えております。 現実問題として、これまでの中でも信用が低下して大変厳しい労働市場の状況が続いてきているわけでありますから、そのトレンドを変えるために今回の政策を行うわけでありますので、他の条件を全部固定しておいて一つの条件だけを、ここの資本の比率が変わったらこうなるというような試算は、私は、やはり大変議論を混乱させて、その混乱をあおるための試算であると思います。 したがって、今の内閣府の試算にしましても、オフバランス化ということを前提に、それがどういうインパクトを及ぼすかというその部分だけに着目したものだということを限定して申し上げているわけで、そこはやはりトータルな経済がどのようになっていくかということをきめ細かく見ながら、パーツ、パーツの数字はそれはそれで重用しながら、利用しながら、総合的に迅速に判断をしていくというのがやはりこれは政策運営の基本的な姿ではないかと思います。
○吉川春子君 そういう数字を政府は今回はつかもうとしない。そして、民間のシンクタンクの試算については銀行が自分を有利にするための数値だというような今おっしゃり方でしたけれども、それは私は国民の立場からすると非常に無責任に聞こえると思うんです。本当に、これで失業、倒産に追い込まれる人が多大に出るわけですね。どれだけ出るかという見通しを、どれだけ出さないようにするかという見通しもなしに、こういうかなり過激な不良債権処理の加速というようなことをされたら、本当に日本の経済生活、国民の経済生活は大混乱に陥るのではないかということを私は大変恐れるわけです。 それで、以下三点について、セーフティーネットについてお伺いいたしたいと思うんですけれども、先ほど川橋議員の方からも質問がありましたけれども、雇用創出ということが非常に私は重要だと思います。今、完全失業率が、言うまでもありませんが五・四、男性五・八%で、過去最悪の状態です。そして、三百六十数万人という失業者が出ております。この上に更に失業が増えるわけでしょう、企業倒産による離職者が増えるわけでしょう。だから、もう本当に雇用創出ということを真剣に考えないととんでもないことになると思うんです。 それで、具体的な問題としては、緊急地域雇用創出特別交付金で二十万から三十万の吸収余地があると言われていますけれども、これは今まで労働省が実はやった対策の中ではかなり効果を発揮したものという評価もあるんですけれども、雇用期間が半年に限定されていたり、更新も認められない、再雇用できないわけですね、一回雇ったら。こういうようなことではなくて、失業者が継続雇用を望んでいるわけですから、こういう問題について抜本的に、民間の雇用創出、これももちろん必要ですけれども、政府自体の責任において雇用の創出、地方自治体であれ国であれ、こういう政策を推進するべきだと思いますけれども、この点について、政策を発表する立場にある竹中大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは厚生労働省の所管の政策についてでございますし、ちょっと特に通告もいただいておりませんので、その政策そのものについてどうこうということをちょっと申し上げられる立場にはございません。 厚生労働省におきましては、坂口大臣の方で、雇用の中長期の具体的な政策の在り方について今御検討の上総理にお示しするというふうに聞いておりますので、御意見のような点も踏まえて、様々な角度から検討をなされているというふうに考えております。
○吉川春子君 私は、民間の雇用創出だけではなくて、政府自身、あるいは地方自治体も含めて、雇用創出を抜本的にする手だてを行う、そこに予算も投入する、そういうことを真剣に考えていただきたい、そのことをひとつ要望をしておきたいと思います。 それから、失業給付の受給期間の延長について伺いたいと思うんですけれども、現在、雇用保険の失業給付を受けている人は完全失業者の二割しかいないわけですね。半分の失業者は無収入なんです。そして、失業期間が一年以上になる人は完全失業者の三割、百八万人に及んでいます、これは政府の数字ですが。 それで、失業給付の国際比較でいうと、日本はかなり低いんですね。例えば、九七年の数字で比べてみますと、日本が八十九万九千人なのに対して、イギリスは百五十二万、ドイツが三百五十万、フランスが二百二十八万三千。日本よりは人口が数分の一という国で、失業給付を受け取る絶対数は何倍もあるわけですね。こういうところからしても、日本の失業給付を受けている人は非常に、先進資本主義国の中でも極端に少ないわけです。 それから、失業給付を受け取れる期間も、イギリスは百八十二日と少ないですが、ドイツは三十二か月、フランスは六十か月、こういう期間、失業給付が受け取れるわけですけれども、雇用保険の給付期間を一年まで延長するとか、やっぱり失業者に対して手厚い保護をする、これがもうセーフティーネットだと思うんですけれども、こういう問題について、厚生労働省の担当だとおっしゃらずに、失業者についてこういう手厚いことをすることも必要ではないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) セーフティーネット策の強化の必要性については、私も経済全体を担当する大臣としてはより強化する必要があるという非常に強い気持ちを持っております。 ただ、お尋ねの制度の詳細につきましては、大変申し訳ありませんが、これはちょっと所管外でありますし、通告もいただいておりませんので今すぐ詳細にはお答えできないのでありますが、基本的にはその保険の対象者がやっぱり御指摘のとおり大変今低い、絞られているということ、それと、一人の離職された方が、失業された方が、その失業期間が大変長期化しているという点についてはこれは大変重要な問題だと認識をしております。 いずれにしても、次期通常国会にこうした点も踏まえて雇用保険法の改正案が提出されるというふうに聞いておりますので、そうした中で是非厚生労働省にはしっかりと議論をしていただきたいし、その在り方については経済財政諮問会議でも議論を深めたいと思います。
○吉川春子君 先ほど来、二度、通告を受けていないという御答弁でしたけれども、変ですね。私は、セーフティーネットについてきちっと質問するという通告は金曜日の段階ですけれども出しておりますので、何かのお間違いではないでしょうか。 それで、続けて伺いますけれども、先進資本主義諸国は、失業給付の受給期間が長い、数が多いということに加えて、失業給付の受給期間が終わった人、あるいは失業給付を受ける資格のない人に対する生活保障制度というのがあるんですね。これはやっぱり進んだ資本主義国の中では日本だけがないわけです。 例えば、アメリカでは今年三月、失業保険の給付を、これを十三週間延長する法律にブッシュ大統領が署名して成立したんですけれども、特別保険料の徴収、これは大企業から特別保険料を徴収して失業者の救済に充てるという方法も提出しております。また、フランスでは、失業給付期間が今申しましたように四か月から五年もあるんですけれども、これが切れた人、受給できない人に対する手当てがあります。これは支給期間が六か月なんですけれども、更新も可能で、支給期間の制限もないわけですね。老齢年金の支給開始までも継続が可能、このようにされております。また、イギリスでは、給付期間は原則六か月でありますけれども、それ以降は無期限で支給される新たな所得援助制度があります。 サミット諸国がこういう制度があるのに、日本ではこういう制度が全くない、このこと自体、大変問題ではないでしょうか。町を歩きますと、本当にホームレスの数が増えて、もう本当につらい思いをするんですけれども、やっぱり失業給付、それに当てはまらない人の生活援助、この点について抜本的に、セーフティーネットというんだったらば作るべきではないでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどの雇用保険との関連で、保険の対象になる方ならない方、そうした点を踏まえて、総合的な観点からこの社会保障、広い意味でのセーフティーネットを拡充していくということは大変重要なことであるというふうに私も思います。特に、先進工業国を見渡しますと、やはりどの国も経済が少し良くなった後もこの雇用の問題というのはなかなか尾を引いて、非常にどの国をも悩ませてきた問題である。その中で、今各国が様々な知恵を出している段階であるという点は認識をしております。 先ほども申し上げましたように、こうした点を踏まえて、今、厚生労働省、坂口大臣の方で抜本的な問題について御議論をいただいているというふうに認識をしておりますので、それを受けまして、経済財政諮問会議におきましても、今委員の御指摘の点も踏まえて是非しっかりと議論をしていきたいと思います。
○吉川春子君 時間なので、終わります。
○島袋宗康君 国会改革連絡会の島袋宗康でございます。 まず最初に、福田内閣官房長官にお伺いいたします。 今国会の冒頭のいわゆる小泉総理の所信表明演説の中に、沖縄の諸問題解決について一言半句も触れなかった点について、沖縄では非常に、相当の不満の声が上がっております。その点について福田内閣官房長官はどういう御感想をお持ちでしょうか。お伺いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 今回の総理の所信表明は、これは臨時国会ということでございまして、文章も極めて短く実務的な感じのするものになっております。沖縄の抱える諸問題の解決に向けて全力で取り組むというこういう方針は、これは小泉総理がこれまで幾度も繰り返して表明してきたところでございまして、内閣の重要課題であると、こういう認識に今後とも変わりありません。 この沖縄の抱える諸問題というのは、三次にわたる沖縄振興開発計画で総額七兆円の国費を投入したということ。そして、施設整備面を中心に次第に本土との格差は縮小していると、そういう成果を上げているということ。またその反面、現在、失業率、これが高いんですね。それから県民所得も低いと、こういう問題があります。この問題の解決のためには、産業の振興とか雇用の創出、こういうことが必要なんでありますけれども、こういうことにつきましては、情報特区、金融特区といったような、グローバルな企業を集積し、雇用を創出する、こういう手段とか、またITによる遠隔医療、遠隔教育の基盤を整備して離島とか過疎地域の不安を解消すると、こういったようなことも施策として取り上げようとしておるところでございます。また、世界水準の大学院大学を設置して、これを核とした知的クラスターの整備をする、これも委員よく御案内のとおりだと思います。 しかし、反面、反面と申しますか、あわせて、問題とさるべきことは米軍施設の問題でございます。米軍施設が沖縄の地域に全国の七五%が集積、集中しておると、このことでございます。このことが県民の皆様に少なからぬ負担感を与えていると、こういうことがございまして、このことにつきましては、負担軽減のために、整理、統合、縮小に向けて引き続き沖縄に関する特別行動委員会の最終報告の着実な実施に努めている、こういう考え方をしておるところでございます。
○島袋宗康君 官房長官おっしゃるように、沖縄問題というのは、復帰して三十年たっておりますけれども、いまだに政府が今日まで取り組んでいただいた格差是正については、御承知のように失業率もまだ九・四%、それから国民所得も全国平均の七〇%と、こういうものがずっと推移し、さらにまた基地問題の重圧に加えて、また最近の米軍演習によって非常に米軍の事件、事故が、被害が非常に多くなっているというふうな点で、今おっしゃったようなもろもろの解決のためにもっとやっぱり総理大臣自らがこういった施策を展開できるような方途を取っていただかないと、何にもなかったというふうな点では大変不満なようでありますから、やはりそういったことについて十分取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。 稲嶺沖縄県知事は、普天間海軍海兵隊の飛行場の名護市への移設問題について、十五年の使用期限問題が解決しなければ移設着工はあり得ないとの趣旨の発言をしております。沖縄は正に今、県知事選挙の真っ最中でありますけれども、この十五年の使用期限問題は稲嶺知事の四年前の選挙の際の県民への公約であります。この問題を政府はどのように解決されるお考えなのか、承りたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 普天間飛行場の代替施設の使用期限の問題につきましては、平成十一年の十二月でしたか、政府方針が閣議決定されましたけれども、そこにありましたとおり、政府としては国際情勢もあり、厳しい問題があるという認識を有しておりますけれども、沖縄県知事及び名護市長から御要請がなされたことを重く受け止めまして、これを米国政府との話合いの中で重ねて取り上げてまいったところでございます。去る九月の十七日の日米外相会談においても、川口外務大臣からパウエル国務長官に対しまして本件を取り上げたところでございます。 この使用期限の問題については、政府として引き続き平成十一年末の閣議決定に従って適切に対処してまいる所存でございますが、この問題の背景については平和を願う沖縄県民の切なる気持ちがございまして、政府としては、厳しい国際情勢があるとはいえ、こうした県民の気持ちを重く受け止めて、一歩でも二歩でも県民にとって理想の姿に国際情勢が肯定的に変化していくよう引き続き努力してまいる考えでございます。 また、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖縄米軍の兵力構成等の軍事体制につきまして、米軍、政府と引き続き協議をしてまいる考えでございます。
○島袋宗康君 私は普天間飛行場の移設の問題については真っ向から反対であります。ただ、十五年の使用の問題においては、稲嶺知事の公約ですから、それさえも日米両政府はなかなか答えを出さないという点では沖縄県民、大きな不満でありますけれども、やはりその点はしっかりとアメリカに対して物を申して、やっぱり沖縄県知事の公約ですから、そういったものを地域の、そういった知事の発言は非常に重いものがあると思うんですよ。それを、何といいますか、ないがしろにしているということは言いませんけれども、それに近いようなことでは県民は納得しないと思いますので、その点はやっぱり努力をすべきじゃないかというふうに考えます。 細田科学技術政策担当大臣、IT担当、沖縄北方対策担当大臣に対してお伺いいたします。 政府は一九九六年から二〇〇〇年までの第一期科学技術基本計画の五年間で総額十七兆円の研究開発費を国公私立大学や国の研究機関、特殊法人、民間企業などへ出したが、これは、我が国のGDP、国内総生産比で〇・八%程度で、欧米の約一%には及ばないとのことであります。この第一期計画の間には、ヒトゲノム、全遺伝情報解析や情報技術で米国に後れを取ったということであります。 また、基本計画の策定以前のことになりますが、八七年に小柴博士がニュートリノを検出したカミオカンデは国の予算で建設したが、田中耕一さんの受賞対象となった島津製作所のたんぱく質分子の測定技術の開発には国のお金は入っていないようであります。 このような状況を踏まえて、第一期科学技術基本計画の成果に対してはどのように評価しておられるのか、そして反省点があるとすればどのような点にあるのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(細田博之君) 島袋委員おっしゃいましたように、本年は二人の、自然科学におけるノーベル賞受賞者が二人同時に出た、受賞者が出たということで、大変自然科学界では、学会では喜んでおりますし、また国民世論も沸いたわけでございます。 しかしながら、どうも日本の科学技術の発展がいま一歩欧米に立ち後れている面が多いのではないかということはかねてから指摘されておりまして、平成八年度からの五か年計画が第一次、これで十七兆円という、これまでに比べれば非常な伸びの科学技術予算を確保しているわけでございますし、その中でやるべきことがもう非常にたくさんございました。今もまだあるわけでございますが、まずその目標は十分予算的には達成したと。 それから、いわゆる大学院でドクターを持っておるような人が十分な所得や仕事や研究テーマに携わっていないということで、ポスドク一万人計画という、支援計画という、いわゆる計画を実現すると、これもできております。 あるいは、任期付の任用制度というものを作りまして、法律を制定したり、研究評価の大綱的指針の制定、そのほかに様々な特許の関係の、今まではどちらかというと国立大学や研究所の先生方は特許に淡泊でありますし、なかなか実際に、田中さんのようにちゃんと特許を取って、それがまたGDPにも貢献するというようなことが少なかったわけでございますが、そういう体制を整備するというようなことは国会の御支援によりまして法律等を制定して進んではきたわけでございますが、今、委員おっしゃいますように、まだまだ次が必要だということで第二期の計画を策定したと、そういうことでございます。
○島袋宗康君 今、おっしゃっているように、第二期科学技術基本計画では、欧米並みの水準となる五年間で総額二十四兆円という目標を設定しているとのことであります。 しかし、文部科学省によれば、今年度の科学技術関係費は前年度当初予算比二%の伸びとのことでありますが、政府の二〇〇二年度科学技術振興費は三兆五千三百八十七億円であるとのことであります。厳しい財政事情の中とはいえ、この程度の予算額で五年間の目標は達成できるのでしょうか、御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(細田博之君) 二十四兆円のうち、今まで、平成十三年度及び十四年度の政府研究開発投資についての進捗率でございますが、本来ですと一〇〇のうち二年で四〇%ということでございますけれども、今のところ三六%を確保したところで、今までに確保しておるところでございます。 したがって、厳しい財政事情の中ではありますが、胸突き八丁でございますが、委員の先生方の御支援もいただきながら、何とかこの目標、国家的な目標を達成してまいりたいと思って、現在予算折衝中でございます。 また、補正予算等々、昨年度も補正予算で科学技術関係予算もかなりいただいておりますけれども、補正がありました場合には、そういった景気対策にもなるし、長期の科学技術振興にもなる予算というものがございますので、そういったことを考えていきたいなと、そういうふうに考えております。 それで、第二次計画におきましては、特に戦略的にライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料という重点四分野をやらなきゃならないという目標も掲げておりますので、その点を強調いたしたいと思います。
○島袋宗康君 政府は、生命科学、情報通信、環境、ナノテクノロジー、超微細技術といいますか、と材料の重点四分野を中心に戦略的重点化を進めて、予算を優先配分するとのことであります。 また、報道によれば、細田大臣は、総合科学技術会議が各省の調整をして予算の有効配分をするが、必要に応じて目的意識を変えながら、最も急を要するものに重点化することが大事だと同会議の役割を説いておられます。 総理を議長に閣僚六名、関係機関の長一名、有識者七名の計十四名の議員で構成される総合科学技術会議の中で、科学技術政策担当大臣としての細田大臣の役割が極めて大きいと考えます。原則週一回開催されるという大臣の総合科学技術会議有識者議員との会合は、細田大臣の御就任以来これまでに何回開催され、どのようなことが議題となって、どのような方針なり方向性が打ち出されたのか、お伺いいたします。
○国務大臣(細田博之君) 有識者の先生方も、井村京都大学名誉教授・元総長を始め、ノーベル賞の白川先生、東大の黒田教授、早稲田の松本教授、また日本学術会議の吉川会長、石井東大名誉教授、そして産業界から桑原、吉野両先生ということで、八人の先生でございますので、やはり週、できるだけ原則一日に集中させてということで審議をさせていただいておりまして、十月の三日、十日、十七日、二十四日の木曜日に定例で数時間ずついろいろな方針を御議論いただいておりますが、実は、この九月ないし十月は、非常にそれだけではなくて精力的に御議論をいただきました。毎日のように集まっていただいて、特にこのうち六人の先生方でございますが、関係各省から来年度予算要求を全部聞きました。 そして、その中で、省庁によっては縦割りになっておりますから、重なりがあったりすることがないかどうか、それから優先度のまだ低い未熟な段階のものが巨額に含まれていないかどうか、それから役割のもう済んだような山を越えたようなものでも何となく継続されているものはないかどうか、それぞれに分析をいたしまして、その結果、Sという一番重要な戦略的な部分と、A、B、Cのランク分けをしていただきまして、それも各省いろいろな議論もいただいて、そしてより大事なことは、私も同席しましてこの先生方と一緒に関係の大臣と、七大臣でございますが、厚生労働、文部科学、経済産業、農林水産、環境、総務、国土交通の七大臣には直接お会いいたしまして、こういうことで評価いたしましたということを申し上げ、そして総理大臣、官房長官にこのことをお話し申し上げ、そして財務大臣には、こういうことで技術の権威の先生方に判断をしていただきましたのでこれを尊重していただくように申し上げ、そしてさらにもう一つありまして、予算はやはり主計局の主計局長、三次長、主計官、主査、こういった人が一生懸命積み上げるわけでございますから、そのときのためになるように先生方に直接の意見交換をしていただきまして、これからも予算の最終決定まで、これはどうでしょうかと、やはり学問的に優れた先生方ばかりでございますので、それぞれ御相談をいただきながら予算編成をしてほしいと。これが、正に財政構造改革といいますか、予算の有効的活用に最もいいことではないかということで、そのようなことを進めておるわけでございます。 また、そのほかにも再生医療とか、いわゆる衛星、イネゲノム等につきましては、それぞれの評価等の問題について御議論をいただいており、非常に多角的に御活躍をいただいているところでございます。
○島袋宗康君 細田大臣は所信の中で、先般各府省の平成十五年度概算要求施策について優先順位付けを行ったと述べておられますが、聞くところによりますと、総合科学技術会議は一億円以上の事業について精査、検討し、優先順位をS、A、B、Cの四つのラインに分類したとのことであります。 この中で、内閣府沖縄関係部局の概算要求の中の沖縄新大学院大学整備推進事業、要求額十九億七千七百万円を、特に重要な研究課題等であり積極的に実施すべきものとする最優先のSランクに位置付けされたと承っております。 この沖縄新大学院大学の構想については、尾身前大臣が非常に熱心に取り組んでおられましたけれども、細田新大臣はこの構想に今後どのように取り組んでいかれるお考えなのか、まず御抱負を承りたいと思いますが、細田大臣は、本日の内閣委員会には沖縄北方対策担当大臣としてではなく科学技術担当大臣として臨んでおられるということですので、この沖縄新大学院大学の構想について米田建三内閣府副大臣にお伺いした後、Sランクにランク付けした理由については細田大臣から直接お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○副大臣(米田建三君) お答えをいたします。 沖縄新大学院大学構想を今後どのように取り組んでまいるのかというお尋ねでありますが、この構想は、今まで、学識経験者やあるいは地元経済界の代表者の方々から成る沖縄新大学院大学構想検討会、そしてまた今年度のノーベル生理学・医学賞受賞が決定したシドニー・ブレナー博士を始めとする十人のノーベル賞受賞者を含む内外の一流の学者の先生方等から成る国際顧問会議におきまして検討が着実に進められてまいったというふうに理解をしております。 既に島袋先生御案内かと思いますが、改めてこの構想の概要のポイントを申し上げさせていただくならば、まず第一に、目的は、沖縄をアジア太平洋地域の先端的な頭脳集積地域として発展せしめるということであります。併せて経済的な自立も図ってまいる、これが目的のポイントであります。また、その基本コンセプトは世界最高水準の大学を目指すということでありまして、加えて、産学連携等もしっかりと視野に入れてまいりたい、こういうことであります。そして、教育研究の分野でございますが、生命システムを中心的な課題とし、生物学、物理学、化学、計算科学、ナノテクノロジーなどを融合した領域を目指す、これが基本的な構想のポイントであります。 したがいまして、こういう大変すばらしい構想でございますので、この実現のためには、それにふさわしい優れた学長さんや教授陣の確保を始め、また学生さん方の、優れた学生の確保、募集も行わなければなりません。実に教職員、学生ともに過半数を海外からというふうな構想もございますので、そのためには、やはり施設整備、住環境など、正にそれらの優れた方々が沖縄を大変魅力的なところだというふうにお考えをいただく、そういう環境を整えることが極めて重大であるというふうに認識をしております。今後も、沖縄県知事を始め、県民あるいは産業界、関係省庁の御支援もいただきながら、本構想の検討を着実に進めてまいりたいと思っております。 また、本構想の具体的な施策として、十五年度予算で、専門分野の一流の研究者を対象とした国際セミナーやあるいはまた学生を対象としたワークショップの開催、そして内外の研究機関と連携した研究事業の実施を内容とする先行的事業等に係る費用、国費ベースで約十九億円になりますが、これを要求をしております。まずはこれをしっかりと確保し、これらの事業を着実に進めてまいることが本構想の実現のために必要不可欠なステップであるというふうに考えております。
○国務大臣(細田博之君) ただいま米田副大臣が御答弁申し上げたとおりでございますが、この新大学院大学構想は、科学技術という観点からも世界最高水準のライフサイエンス、いわゆる生命科学を中心とする研究を行う言わば日本のメッカにするとともに、アジアあるいは世界の中心的存在として国際的な研究陣と博士課程以上の学生を集めて、また世界からも集めて研究を行おうとするものであり、二十一世紀の重点分野でもございますし、これは非常に優れたプロジェクトであるということでSの評価をしておるところでございます。 そして、私自身も、今日は沖縄担当大臣として出ているわけではないんですが、あえてちょっとフライングで言えば、しかもこれは、沖縄に設置するということは非常に沖縄の発展のためにもいい、すばらしいことでもあるし、ただいま米田副大臣が説明したとおりであると思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○島袋宗康君 この沖縄新大学院大学をSランクに位置付けた理由として、総合科学技術会議の有識者議員のお一人であられる元京大総長で現在同大名誉教授の井村裕夫議員は、従来の日本にない分野をねらっている、理想的な大学にすることで日本のモデルになる、猛烈な発展を遂げている中国やシンガポールに近く、特区的な考えができると考えたと説明された上で、約八百億円と見積もられている建設費について、いろいろな意見があったが、沖縄振興なので沖縄の方で担当すべきだとし、将来的にも内閣府の沖縄関係予算で対応するのが望ましいとの考えを示されたことであります。 この点について細田大臣はどのようにお考えになるか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(米田建三君) お答えをいたします。 ただいま細田大臣からも御答弁ございましたとおり、この沖縄新大学院大学構想は、実現の暁には、単に沖縄のみならず、我が国の科学技術政策あるいは教育政策に大きな大きな発展の基になる重大なプランである、プロジェクトであるというふうに政府は考えておるところであります。したがって、その辺もしっかりと御理解をいただきまして、井村先生の御発言もございましたでしょうし、またいわゆるこの優先順位付けにおきましてもSの評価を受けておると、こんなふうに理解をしておるわけであります。新大学院大学構想を展開する上で大きな支えとなるものと考えております。 一方、今のお尋ねの予算の問題でございますが、この新大学院大学構想は、沖縄をアジア太平洋地域の先端的な頭脳集積地域として発展させることを通じて沖縄の振興に資するものであると、こういうふうに考えておりまして、その意味におきまして、予算措置につきましては、内閣府の沖縄振興局予算を中心に可能な限り幅広い財源の確保に努めてまいりたいと、こんなふうに考えております。
○島袋宗康君 時間が迫ってまいりましたので、内閣府は、この沖縄新大学院大学の開学時期を当初二〇〇六年としていたのを二〇〇七年九月というふうに一年遅らせたことになっておりますけれども、その理由は何か、また二〇〇七年九月の開学という点は確かなものなのか、お伺いいたします。
○政府参考人(武田宗高君) 事実関係にわたりますので、私の方から御説明をさせていただきます。 沖縄大学院大学の全体構想におきましては、段階的に推進をするということを基本といたしまして、二〇〇五年九月にまず研究所を設置いたします。その後、二〇〇七年九月に大学院として開学することを当面の目標といたしております。 御指摘のとおり、構想の初期段階では大学院開学時期を二〇〇六年というふうにいたしておりましたが、研究所設立後、学生の受入れの準備とかあるいは募集等に時間を要するということもございまして、構想検討会の委員の方々のアドバイスもございまして、その後、二〇〇七年開学ということに修正をいたしたものでございます。 今後、二〇〇七年九月の開学という目標に向けまして構想の着実な推進に努力することにいたしておりますけれども、まずは来年度予算の確保が喫緊の課題でございまして、大学院大学の実現に向けて一歩一歩段階的に努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○島袋宗康君 また、総合科学技術会議は、来年度の科学技術関係概算要求の優先順位付けで、沖縄産学官共同研究の推進、要求額四億五千五百万円をAランクとしているが、まずこの沖縄産学官共同研究の推進事業について、その概要を御説明いただいた後、それをAランクと位置付けた理由について御説明願いたいと思います。
○国務大臣(細田博之君) 御指摘の沖縄産官学共同研究の推進の予算につきましては、沖縄の公的、公設試験研究機関の能力を活用して基盤的研究開発の支援を行うことによりまして、科学技術振興、産業振興を行うものでございます。 従来、前年度は、つまり今年度のことですが、一億八千万円。しかしながら、非常に応募件数が多うございまして、六十数件出てまいりますが、予算的な制約もあって、絞って十件ないし十数件採択ということにいつもなっておりますので、三倍近い、二・五倍ぐらいの予算要求、これについて重点的にAとしたものです。 SとAの差というのは感覚的な違いですが、非常に大きなプロジェクトで、本当にこれが大きな目玉として出てくるものはSにしておりまして、このぐらいの規模で優先度が高いものはAとしておるので、御理解いただきたいと思います。
○島袋宗康君 時間が来ましたので終わります。 ありがとうございました。
○田嶋陽子君 無所属の田嶋陽子です。 私は、ずっと女性問題というのをやってきまして、それでやっぱり女性政策ということを真っ先にやっていただきたいなと考えているんですけれども、何かというと、やっぱり女、女と言うなというそういう言葉がすぐ出てくるんですね。でも、私が何で女性政策のことをやっているかといいますと、やっぱり日本という国が二十一世紀、真っ当な国として生き延びていくためには女性政策をきちんとやらないと駄目だという信念を持っているんですね。 今の日本という国は、私は、フラミンゴみたいに片足立ちの国だというふうに思っているんです。その片足は何かというと、男性であって、その男性が女性を背負って、家族を背負って、そういう国だというふうに思っているんです。元気のいい男性は、家族を背負って、子供を背負って、自分で立っていることを生きがいだと思っていると思うんですけれども、こうやって不景気になってきて少し国がかしいでくるような印象のときには、男性たちはもう非常につらくて大変で、よく言われているように、それに耐え切れなくて自殺する人もいらっしゃるわけです。 ですけれども、もし男性が背中から女性を下ろして、女性を独り歩きさせたら、この国は人間の資源はすごく豊かです。女性という資源は、私に言わせると、大学の教員やっていましたから分かりますけれども、社会に出るまではむしろ男性よりも優れた資源なんですね、そういう言葉を使うと申し訳ないかもしれないんですけれども。それなのに、社会に出るとやはり家族を背負う男性が優先的だといって、就職の世話も男性が中心になされます。そして、せっかく大学まで来た女性たちの能力が生かされないままに終わってしまっているんですね。 それに対して、今度、この間、所信表明で福田官房長官もおっしゃったように、女性の能力を生かすようなそういう施策をするということをおっしゃってくださったんですが、どうも私にはまだそれが絵にかいたもちのような気がして信じられないんですね。福田官房長官はそのときの所信表明で、現在直面する最重要の課題は日本経済の再生だとおっしゃっています。総合的な対応策を取りまとめたいともおっしゃっているんですが、私は、このままでは日本経済は幾ら再生させようといったって、へんぱでうまくいかないような気がするんです。 ということは、不景気対策というのは、やっぱり国民が生き生きと生きていないと不景気対策にはならないような気がするんですね。みんなお金使いません。しかも、年配の人たちが貯金の大半を持っているようなこの国で何でお金を使わないかといえば、皆さんも御存じのように、みんな将来が不安なわけですね。将来が不安なところで景気対策なんてできないというふうに私は思っているんです。 その将来の不安をなくすためには、何で不安かといえば、自分たちの老後をだれが見てくれるんだと。スウェーデンのように五〇%税金払っても、政府を信頼していれば、みんな税金払って、そして安心して老後を暮らせるとなれば、お金をみんなためなくてもいいんですね。でも、日本は、そう言っては福田官房長官を前にして悪いんですけれども、みんな政府を信頼していません。ですから、無所属も増えます、無党派も増えます。まあちょっと話は違います、違うかもしれないんですけれども。 ですから私は、景気対策のための何が一番大事かといえば、少子化対策だと思うんです。すなわち、女の人たちがみんな二人三人と子供を産むような、産めるような社会にすることが真っ先の景気対策の条件だと思うんですね。遠いようでありながら一番近い道がこの少子化対策だと思うんです。 少子化対策というのは、女の人たちの静かなストライキです。みんな仕事を持っても家庭を持てないとか、仕事を持って家庭を持ったら死ぬような苦しみをするとか、ましてや子供を産んだら、みんなひいひい言っているんですね。それでも均等法ができたおかげで、そしてみんな働くようになったけれども、男の人の三〇〇%働いている女性もいます。男の人も大変ですけれども、日本はみんなが大変になってきました。 そこで、きちんとした政策が必要だと私は思います。その一番大事な、遠くて近い政策が、近くて遠い政策のように見えるその政策は少子化対策です。少子化対策の抜本は、今申し上げたように女性の静かなストライキをやめさせることです。この静かなストライキというのは何かといえば、女性は子供を産んだら真っ当な人間生活ができない、家庭生活ができない、苦労がある、親や近所の人を見てみんなそう思うわけですね。それよりも今を楽しんだ方がいい、そういう考え方の人たちがたくさんいます。 ですから、女の人たちが、均等法ができた上に、今度、働きながらも家庭を持てて、そして子供も産めるようなそういう社会にしていく。これはみんなが言っていることですが、施策としてはなかなか実行されません。これが実行されない限り、私は日本の不景気対策なんか幾ら竹中大臣が頑張ろうと無理だと思います。 そしてこれを、少子化対策は私はちょこちょこつまみ食いの政策では駄目だと思うんです。総合的に一つ一つ円を描くようにリンクにしてやっていかなければ駄目な政策なんですね、これは後で説明しますけれども。そのリンクが描けていない、円が描けていない、ぼつぼつぼつぼつみんなぶった切りの縦割りの政策。これこそ、超党派でも何でもいいですから横つながりの政策ができなきゃいけない。 そして、その横つながりの政策をやるためには、私は、何回も話に出ていると思うんですが、まず男女平等省、省が無理なら庁でもいい、環境庁ができたんですから。女性省が嫌だったら、男が入れてもらえないと思って名前だけでも嫌だと思うのなら、男女平等省というものを作ってほしい、早急に作ってほしい、そして総合的な施策をそこで全体を見ながらやってほしい。 現在は、厚生労働省にどこどこの省にと、みんな政策は分散しています。それが統合されていないから、せっかくいい政策を作っても実行されないんですね。みんなどこか谷間に落ちてしまう、そして予算も取れない、そういう状況では私は少子化対策は駄目だ。すなわち、女性政策は実行できない、その結果みんなが元気にならない、老後が不安だ、そして景気対策は良くならない、私はそんなふうに考えています。 そしてまず、例えば私は、女、女と言うなと言う人たちはどういうことを言うかというと、政治評論家はこう言います。まず景気が良くなってから女の問題だよ、いつもそう言われてきました。女の問題は後回し後回し。それなのに、バイアグラが出たときは一年以内で許可されて女のピルは三十八年たって許可された、すべてこうですね。 そして、女性問題はずっとあるのに、環境問題が出てきたら、まず環境庁ができた。これは、環境問題というのはみんな人類にかかわることだからという言い訳ですが、私がさっき言ったように、女性問題というのは女性だけじゃなくて全部、男性も子供も老人も全部かかわる実は目に見えない重大な問題なんですね。それでも後回しにされてしまう。 そして、介護の問題も実はこれは女性問題なんですね。ですけれども、介護に関しては皆さんもう年配の方が多いし男性が多いからとっとっとっと進んでいっちゃった。たとえ、たとえ不備なことがいろいろあろうとも軌道に乗っている。だけれども、育児の問題は女と子供と決められているからなかなか先に進まない。本当は育児の問題が将来の日本を担う大事な問題なのに、そこを女の問題だからといって男の人たちは真剣に考えない。そして、ほとんどの政治家が残念ながら男性です。それでも今はいろんな施策を官房長官を始めとして出してくださっているんですけれども、実行ができていない。私は本気で日本という国を二十一世紀に向かって憂えているんですね、これでも。 私は、そこで、とにかく少子化対策としてそれが一番の抜本問題だとしたら、ここに女性省を作ってほしい。そして、もう一つ提案があります。女性省が嫌なら男女平等省です。 もう一つの提案は、今日たしか臨時国会に構造改革特区法案が出されるはずです。何で坂東さん、この構造改革特区のところに男女平等政策特区を作らないんですか。何でここにその優れた政策をこの特区で実験してみる地域に手を挙げさせないんですか。歯がゆくて見ていられないですよ。こここそ未来に向かっての日本という国を実験してみるいいチャンスじゃないですか、特区を。どうしてそういうアイデアを出してくださらないんですか。 ちっとも出してくださらないから私が言います。まずその特区でどういうことをするかというと、皆さんはそんな女のことをやったら経済は駄目になると言うけれども、違います。国民の半分の女の人にきちんと働いてもらうんです、税金を納めてもらうんです。 今の専業主婦の人たちは、自分の健康保険の掛金も年金も払っていません。ましてや税金も払っていないんですね。これを計算してもらいましたら、もし一千三百万人の専業主婦かもしれない女性たちが働いたら二・七兆円の収入がある。パートとそれから半々に働いても一・七兆円の収入がある。その特区でそんな収入はないですけれども、みんなに働いてもらって、そして国民、二十歳を過ぎたら、あるいは十八を過ぎたらみんなが税金を払う。 男の人たちは女の人を専業主婦一人抱えて便利をしているんじゃないですよね。そんなのよくないよ、もう。女の人にきちんと働いてもらって、その代わりワークシェアリングで男の人はもう十四時間なんか働かなくてもいい、一日に。きちんと八時間働く、あるいはワークシェアリングですから六時間働く、そして女の人も六時間働く。そして、スウェーデンのようにとは言わない、スウェーデンは皆午後三時に帰ってきます、男も女も。日本は午後四時でもいいです、早めに帰ってくる。そしてワークシェアリングをやる。そして、パートでもきちんと生きていけるようにパートの最低賃金を上げる。そして、同一労働同一賃金を実践する。それから、ポジティブアクションを実践する。 女性起業家にはきちんとお金を出す。そして、今ここにいろんなあれがありますが、女性起業家にお金を出しても、時間がたつと女性起業家たちは一年ぐらいでぽしゃっちゃうんですね。男の人たちなら商工会議所とか何かがあって支え合うけれども、女の人たちはそういうところに入れてもらえない。すなわち、せっかく起業を支援してもケアがないと企業は続かないんですね。あらゆるところがそういう途中で駄目になっちゃう施策ばかり。 それから、せっかく公務員の女性が試験を受けて昇級できるようにしようとしても、何と女性たちが試験を受けて昇級しようとしない。なぜかというと、やっぱり保育施設がきちんとしていない、育児に対する施策がきちんとしていない。だから、女の人たちはそんなに苦労をするんならといって試験を受けないから、女性の社会的地位も上がらない。もう一事が万事、施策はあってもばらばらということですね、さっき言ったことの繰り返しになりますけれども。 それから、今男の人たちが一生懸命育児をしようとしても、きちんとそういう教育を受けていない。女の子はおままごとをするというのは、子供のときから専業主婦になる練習をすることです。男の子がぶうぶう、自動車で遊ぶのは、大人になってから自分で給料を取るための仕事をするためです。すなわち幼児教育のときから性別役割分業をやっているんですね。それでは駄目なんです。子供のときから特性に合った遊び方をさせる。女の子だからピンク、男の子だからブルーという色差別もやめる、そういうジェンダーフリー教育、言ってみれば性別役割分業に反対した幼児教育から始めなければいけないです。 そして、みんな男の人も女の人も働きます。ですから、各地域に、私は今考えていることは、共同ダイニング作りです。みんなが帰ってきたら、仕事から帰ってきたら自分で御飯を作りたい人は作ればいい。でも、忙しい人はその地域の共同のダイニングに行けば、そこで近所のおじいちゃん、おばあちゃんたちが御飯を食べている。早く学校から帰ってきて、お父さん、お母さんがいない子供でもその地域のダイニングに行ったらどこかのおじいちゃん、おばあちゃんがいて一緒に御飯を食べてくれる。そこにお父さんとお母さんが帰ってきて、みんなでそこで、地域で一緒に御飯が食べられる。嫌な人はうちで作ればいいけれども、忙しい人はそうやって地域みんなで仲良くなれるような、そういう地域のそういうダイニング作りもしたい。そして、そういうおじいちゃん、おばあちゃんたちは、嫌でも自分たちの部屋に帰ればまた子供たちが、よその子、自分の血のつながりなんか関係ないです、遊びに来てくれます。そうやって大きな介護と育児の輪ができるような、そういう地域の共同体作りをしたいと思います。 私は、こうやって特区を作っていただきたい。そして、皆さんがぼつぼつ作っているその政策をその特区で実験してみてほしい。少なくとも、子供が生まれてから仕事を持つまでに三十年、いろいろあっても三十年というふうな時間を見ていたら、その間でどんな効果が上がるのか。その特区で、実験と言うと言葉は悪いかもしれないですけれども、やってみてほしい。 そして、そこは経済効果、例えば私が知っている鷹巣町、秋田県の鷹巣町は理想的な介護のシステムを作っただけでいろんな人が全国から来るわけですね。物すごく経済効果があります。それから、長野県の北御牧村もそうですね。ここも一生懸命デンマークやスウェーデンから習って、そして町づくりをしました、介護の。そしたら、いろんなところで、人たちが訪ねてきて、いろんな意味での経済効果もあります。この間訪ねたデンマークのコペンハーゲン市では日本語用のパンフレットまで作っています。ということは、介護に関しては日本人はみんな関心を持ってデンマークのコペンハーゲン市を訪ねていっているということですね。大変な経済効果があるわけです。 たった一つ取っても、一つその特区で特徴のあることをやって、男女平等、年功序列なし、子供大事にする、老人大事にする、みんなが働く、そういう町を取って試行錯誤で頑張っていったら、そこはみんなが集まってくるおもしろい町になると思います。そうやって私は特区を作っていただきたい。 この案に関して、福田官房長官、どうお考えでしょうか。女性省と二つについてお答えください。
○国務大臣(福田康夫君) 大変すばらしい提案だと思います。 特区もいろんな取組方ありますので、ですから、そういう中で過度にならぬぐらいの適当な取組方をするところがないかどうか。これは特区担当の大臣によく言っておきます。
○田嶋陽子君 できれば、お返事はいつまでにいただけるか。せっかく特区が始まったので、私としては市町村に早く声を掛けて、それを実験してみたいところがあるかどうか手を挙げてもらいたいと思うんですね。私は、いろんな政策をやっている市町村があるんです、あると思いますし、聞いておりますので、そういうところに声を掛けてやってみるかどうか、是非返事を欲しいんです。
○政府参考人(坂東眞理子君) 今のところ、私どものところへは男女共同参画あるいは男女平等の施策をする特区について御希望をされている公共団体があるという情報は得ておりませんけれども、できるだけ早くそういった公共団体がないか調べて、お答えするようにいたします。
○田嶋陽子君 いつもできるだけ早くというのは一年たったりとかありますので、できれば一週間以内とかあるいは一か月以内とか言っていただけるとお尋ねできると思うんですが、あるいはここでまた質問させていただくことができると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(坂東眞理子君) 地方公共団体の方でどのような準備が進んでいるかということが分かりませんので、いつまでというふうに期限を切るのは難しゅうございますが、一か月以内を目指して頑張ってみたいと思います。
○田嶋陽子君 ありがとうございます。 ですけれども、やはりこちらからそういう意図があるという広報とかそういうのがないと、そんな話がなかったからどこも考えていないというところがありますけれども、でもそういう話があるんならやってみようかというところも出てくると思うので、まずそういうことを全国に通達出してもらう、他の特区と同じようにここにある十九、二十の特区と同じようにやっぱり募ってほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○委員長(小川敏夫君) どちらですか。
○田嶋陽子君 それじゃ、福田官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) 男女共同参画担当といたしましては、是非これは試してみたいと思っておりますので、担当局で直ちに照会をしてみたいと思います。
○田嶋陽子君 本当ですね。では、お二人で相談なさって、是非じゃ二週間ぐらいでお返事お待ちしてよろしいでしょうか。よろしいですか。
○政府参考人(坂東眞理子君) 努力します。
○田嶋陽子君 ありがとうございます。 それでは、先ほど最初に申し上げた女性省のことについては、前にも省庁再編のときにこの話は出たと思うんですが駄目になりましたよね。どうして駄目になったのか、今回もう一度私は提案しますけれども、その経過をお話しください。坂東局長、お願いします。
○政府参考人(坂東眞理子君) 男女共同参画行政を推進していく上で、今、先生御指摘のとおり、各省縦割りではなしに総合的に進めていくことが必要であるということは一般的な認識になっていると思いますが、ナショナルマシーナリー、政府としてどのようにこの行政を進めていくかということについて、国連等、いろいろ専門的な委員会等での提案によれば、特別に女性問題あるいは男女共同参画関係の行政だけを担当する省あるいは部局を政府の端っこの方といいますか、周辺的な部分に設置するよりも、できるだけ政府の中心に近い部局で男女共同参画の視点を持ち、あらゆる施策に男女共同参画の視点を反映していくように努めることがより効果的であろうと。その周辺的なところでだけ行政を担当することになりますと、それはそこの仕事だからということで、他の省庁、他の部局が自分は関係がないということになりがちであると。むしろ、真ん中に近いところで総合調整、ジェンダーの視点をあらゆる部局に持っていただくようにというふうに働きを掛けていった方がより有効であるということでこういった新しい中央省庁再編の中での位置付けになったというふうに私は伺っております。
○田嶋陽子君 そういういきさつでできたということで、そのことは分かりましたけれども、それに対して、こうやって時間がたってみますと、坂東局長はどのような思いで今いらっしゃいますか。満足していらっしゃいますか。
○政府参考人(坂東眞理子君) 大変厳しいお問い掛けだと思います。 率直に申し上げまして、私どもはまだまだ力不足、大変、総理大臣、官房長官の御支援をいただきまして男女共同参画を推進するために努力をしておりますが、十分な成果を上げたかと言われますと、例えば仕事と子育ての両立支援策、閣議決定をいたしました。女子公務員の採用・登用の促進について、あるいは審議会の女性委員の登用について等々、努力してそれなりの効果は上がっていると思いますけれども、十分であるかと言われればまだまだなすべきことの方が多いという状況だと思います。
○田嶋陽子君 今、総理大臣、官房長官の支援ですか、助力ですか、助けをいただいてということをおっしゃっていましたけれども、本当にそうですか。
○政府参考人(坂東眞理子君) はい、そのとおりです。大変、総理大臣、官房長官からは、所信表明演説、施政方針演説、あるいは男女共同参画会議の議長として大変強い御指導をいただいております。
○田嶋陽子君 福田官房長官、本当にそうですか。官房長官は強い御指導をしていらっしゃいますか。私にはそう見えないんですけれども。官房長官は忙し過ぎます。少しアリバイ作りに精を出していらっしゃるように思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) これは、政府も今本当に、今、坂東局長も謙遜して言っていましたけれども、本当に力を入れてやっております。これがどういうように国民の間に普及していくか、波及していくかということになるんでありますけれども、これは国民の意識の問題ということがありまして、これはこれまでの日本人の慣習とか社会の在り方と、いろいろなものが絡み合っているわけで、これを変えていくということなんですね。この意識を変える、また制度とかそういうものも含めてすべて変えていかなきゃいけないということですから、これはせっかちにやってもいかぬことだと思います。しかし、政府が力を入れてやるということの効果というものはこれは必ず出てくると思っております。
○田嶋陽子君 意識改革ということは、政府がやってくださるのもとても有り難いんですけれども、でも、私たちみんな、民間人も意識改革ということではみんな頑張っているんですね。政府にやっていただきたいことは、やっぱり中途半端でないきちんとした男女平等政策を作って、そしてその政策を実行する人を援護してほしいということなんですよね。 例えば、千葉県で、この間、自民党の千葉県支部から注文が付いて駄目になりましたよね、男女共同参画条例の文章が削られました。どういう文章が削られたかというと、こういう文章です。県は、一般競争入札及び指名競争入札に参加するに当たっては、男女共同参画の促進に関する取組の状況を考慮することができる。すなわち、きちんとその会社で男女共同参画に関する取組ができていないところは、やっぱり一般競争入札に関しても不利だということですよね。 これ、例えばスウェーデンだったらそういうところは一般入札させません。ですけれども、日本では考慮できるというその言葉、あいまいな言葉ででも、それでもこういうことがきちんと中間まとめの中で、女性チャレンジ支援策の中にあるので、きちんとこうやって千葉では入れたわけですね。そしたら、自民党の千葉県支部からいちゃもんが付いて、結局は、堂本さんはこれを削ることになったんです。自民党です。これをやっぱり官房長官は支援しているとおっしゃるんですか。そこのところ、見解をお聞きします。
○国務大臣(福田康夫君) 地方公共団体が制定します男女共同参画に関する条例は、既に三十八都道府県において制定されております。男女共同参画社会基本法の趣旨を踏まえて、各地方公共団体において、その地域の特性に応じて、また住民の意向などを踏まえて条例案が作成されているというように認識をいたしております。 そういう意味で、ただいまの千葉県のこともございます。千葉県においてもいろいろな議論がなされた上で条例が制定されたと思います。しかし、男女共同参画の促進は一層進むことを当然我々としても期待をいたしております。 今この例示がございましたけれども、これをもって千葉県が男女共同参画形成に前向きでないというように断定することはできない。いろいろな方法があろうかと思います。そういうことを私もよく調べていないので言及できませんけれども、全体を見て判断すべきことだと思います。
○田嶋陽子君 千葉県が前向きでないということではないと思います。自民党が前向きでないわけですね。自民党が邪魔なさったわけでして、そういうことに千葉県は一生懸命そういう条文まで入れて頑張っているわけですけれども、それを何か千葉県支部の自民党の人たちがつぶしたということですよね。 これに対して福田官房長官は、同じ自民党の方として、しかも内閣にいらっしゃる方として何とかできなかったかなと。私は、支援していると先ほど坂東局長がおっしゃっているんですから、そういうことで何かできないのかなというのを非常に思うんですけれども、福田官房長官、お願いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 千葉県の中でこれは議論されたわけですね。ですから、自民党の仮に、私も事実関係はよく知りませんけれども、自民党だけということじゃなくて、千葉自民党支部もこれも県民ですから、ですから、そういう意見も有力な意見として取り入れたものということなのかどうか。いずれにしても、地方公共団体それぞれの特性、それから意見等に応じてこの問題を進めていくということであろうかと思います。
○田嶋陽子君 それでは、そのことに関してはもう少しこちらでも考えます。 それで、山口県の宇部市のことなんですけれども、今、日本全国で男女共同参画推進条例というものを作っているわけですけれども、この宇部市では、男らしさ、女らしさ、専業主婦を尊重する、そういう条例を作ったわけですね。これは明らかに時代錯誤といいますか、条例を作るに当たっては、これはむしろ先祖返りといいますか、これを日本の文化と言いますが、文化というのは言わせていただきますと、これはやはり力の強い人たちが作ってきたものであって、日本ではこれはやっぱり男文化ですね、男性を中心にした文化であるわけです。そこに舞い戻ってしまったときに、果たして内閣府にある男女共同参画推進の場所ではこれを基本法に照らしてどうか言う権利はあるんですか。あるいは言っていらっしゃるんですか。言えるんですか、言えないんですか。
○政府参考人(坂東眞理子君) 山口県の宇部市の男女共同参画関係の条例につきましては、文章の中に、男らしさ、女らしさ、一方的に否定することなくですとか、申し訳ありません、今手元にございませんので正確な文章ではないかもしれませんけれども、専業主婦の役割を否定することなくというような表現が入っております。 我々は、基本法の趣旨はもちろん一方的に否定することをしておりませんので、その条文自体においては矛盾することはない。そしてまた、地方公共団体が制定する男女共同参画に関する条例は、基本法の趣旨を踏まえた上で各都道府県公共団体におきましてそれぞれ特性に応じた条例を作っていただくということですので、一応辛うじてその範囲内かなというふうに考えております。
○田嶋陽子君 時間が来てしまいました。 私は、国会議員になった一年前ですけれども、どうして女性省というのができないかというのを聞いたら、女性省ができたら非常に弱い省になるから予算も取れないし何も政策はできないというふうに聞いて、そしてそれよりも内閣府の中にあった方がいいという話を聞きましたが、先ほどのお話も伺っていたり状況を見ていますと、やはり女性の問題に関することは、内閣府にあっても、幾ら官房長官のお力添えがあってもうまく進まない。どうもやっぱり片手間のことになってしまうような気がします。 そこで、私はやっぱり男女平等省。ということはなぜかというと、予算が取れないと、今地方でせっかく皆さんがいい政策を作ってくださっても、人件費もないということでいろいろ広がらないんですね。そこで私は、繰り返しになりますが、もう一度、男女平等省、そしてそれを実現する経済特区、男女平等政策特区を作ってくださるようお願いして、質疑を終わります。
○黒岩宇洋君 無所属の黒岩宇洋でございます。私は、無所属であるのは、田嶋先生の言うように政府を信頼していないからではなく、選挙の約束ですので、念のため。 それでは質問いたします。 まず、北朝鮮拉致問題について福田官房長官にお聞きします。 実は、私の伯母、私の父の姉ですけれども、戦前に朝鮮に渡りました。朝鮮人留学生と日本で結婚し、その後朝鮮に移り住んだんですけれども、朝鮮戦争後、運悪く伯母は北朝鮮の住人となってしまいました。私が子供のころまでは音信はありました。そのうち、手紙は届きますが、靴や傘など物品を送っても向こうに届かなくなりました。やがて伯父が他の女性と家から逃げたという手紙が私ども日本に届き、その後、手紙の内容がこちらから送った手紙の内容とそごを来すようになり、そして音信が途絶えました。私は、伯母は既に死んでいるのだろうと父から聞かされてきました。 私は、このたびの北朝鮮の拉致を認める発表を受けて、伯母は死んだのではなく殺されたのではないかという疑念に駆られて仕方がありません。そもそも移動の自由のない国で伯父が他の女性と家から逃げるなどということがあるのでしょうか。伯母の母親、すなわち私の祖母は、しようがない男に嫁がせてしまったと悔やんでいましたけれども、私はそうではなく、伯父すらもどこかに連行されたのではないかという気さえします。 今回の十三人の方の拉致事件は悲痛極まりないものですけれども、それ以外にも拉致の疑惑がある方々や、また戦後の日本人妻、そして私の伯母のように戦前朝鮮に渡った日本人まで含めると、まだまだ解明しなければいけないことが北朝鮮には多々あります。私の伯母の二人の息子と一人の娘、私の三人のいとこたちですが、彼らの消息も是非突き止めてもらいたいものです。 さて、私の出身県新潟では、横田めぐみさんを始めとして多数の方が被害を被っていることから、拉致事件には大変に高い関心があります。先週、私は新潟市で開かれました被拉致日本人救出新潟の会の幹事会に、そこの会長の小島さんのお招きで出席してきました。この会は全国初の救う会です。救う会の皆さんは、毎年、横田めぐみさんの連れ去られた日、十一月十五日前後に集会等を企画しています。その打合せ幹事会の終了後、私はお集まりの幹事の方、二十人程度の方お一人お一人から意見、要望をお聞きしてきました。 皆さんのお怒りは、北朝鮮に対してはもちろんなんですけれども、その一方、むしろ今までのこの問題への日本政府及び日本の政治家の取組、そして今回の首相訪朝後の決断やその後の対応への批判、大変続出しました。 まず、何であんな犯罪国家と国交正常化するのか、そんな必要性は我が国は全くないのではないかという意見が大勢を占めました。それには私は答えてきました。国交正常化というより、むしろ北朝鮮という国の正常化が求められているんだと。北朝鮮によって同じように苦しめられている北朝鮮の人々もいるわけですからと。そのために我が国のできることが我が国との国交正常化であると、私はこう答えてきました。そのほか、横田めぐみさんの小学校の校長先生、この方が副会長を務めているんですけれども、今まで拉致事件を認めてこなかった政治家に土下座して謝らせてくれとか、大変に厳しい御要望も受けてきました。まるで私が政府、政治家を代表するがごとく、ともすれば官房長官の身代わりのように、矢のように辛口の言葉を浴びせられてきまして、それらをすべて長官にお伝えしたいのですが、とても国会の委員会では適切ではない内容や表現もあるため控えさせていただきます。 それら要望の中でひとつどうしても長官にお聞きしたいのが九月十七日当日の長官の被害者家族への対応です。 救う会の皆さんは拉致被害者の御家族とも大変親密なお付き合いですので、随時連絡を取られ、御家族の方の生の声、批判をお聞きになっています。そのお話によれば、当日、九月十七日、御家族は、外務省の飯倉公館に移動後も随分待たされた挙げ句、長官から大変事務的な冷たい対応で被害者の生死を言い渡されたことに怒りを覚えているとのことです。特に、柏崎市の蓮池薫さんのお兄さんの透さんの話によれば、なぜこんなに待たされるのかという長官への抗議に対して長官は、あなたのところは生きているからいいではないか、黙って聞きなさいというこの趣旨のことを言われたと大変憤慨していたとのことです。 その後、御家族の小泉首相への五つの要望の中に家族と政府窓口を安倍副長官にしてほしいということが盛り込まれました。これは、安倍副長官への信頼ということもありますが、福田長官への不信感の表れではないかと私は考えています。 本日の委員会でも感情のこもった家族対応というものが議論になっています。そこで、あえて伺います。九月十七日の被害者の御家族への対応で長官自ら反省すべき点はなかったかどうか、蓮池透さんに対してさきに述べたような趣旨の長官の発言があったか否かについても併せてお答えください。
○国務大臣(福田康夫君) 今回、生存された方は本当に良かったと思いますけれども、同時に、生存が確認されていない方が大勢いらしたということは、これは我々にとっても非常に衝撃でございました。そういう意味で我々も、その日、九月十七日は、そういう事実を知って、知らされて、そしてそれをどうして、どうやって家族の方に伝えようかということは思い悩んだのでありますけれども、しかしそのことは極めて大事なことだから、これはもう是非私からしなければいけないと、こういうことで私が飯倉公館に出向いたわけでございます。 ただいま委員から言われたようなそういう言い方は、私はした覚えは全くありません。誠心誠意、私のできる限りの気持ちを込めて申し上げたということであります。 しかし、そういう中でも、生存が確認されなかった方については、それはいろいろ御不満もあったかと思いますよ、それは。それは御不満もあったかもしれませんけれども、しかし私どもの方としては、それはもう誠心誠意お伝えを申し上げたと、こういうことでございます。
○黒岩宇洋君 どうも私が救う会の方々から聞く御家族の反応等かんがみると、長官の誠心誠意というのは大変冷たい対応のことだと、私は今そう感じました。 それでは、次にお聞きいたします。 まず、十三人のお若い拉致被害者のうち八人が既に死亡、この北朝鮮の発表に不自然さを抱かない日本人はいないはずです。それでは、それがどのくらい不自然であるかを私はある数字を用いて一つの側面からですけれども解きほぐしてみました。日本統計年鑑で調べた毎年の我が国の年齢別人口がそれです。これは、五年ごとの国勢調査結果と、それを基礎とした推計人口によって成り立っています。 それによりますと、例えば横田めぐみさんの拉致された一九七七年、横田さんが拉致された日付は十一月十五日、そして当時十三歳でしたが、誕生日は十月五日ですので、基準日付の十月一日現在は十二歳。一九七七年十月一日に横田さんと同じ年の方は日本に百七十九万六千人いました。では、その同い年の方が、横田さんの亡くなられたとされる年、一九九三年に何人生存しているかというと、百七十五万九千人です。そうしますと、その十六年の間に死亡したと推定できる方は約三万七千人、全体の二%です。 他の方も同じようにこの比率を求めますと、例えば、田口八重子さんで亡くなったパーセンテージが〇・三二%、市川修一さんの場合ですと〇・一八%。横田さんは拉致後、死亡とされるまで十六年間ありますが、数値は高くなっていますが、他の方は皆さん一%未満。仮に一%と仮定しても、日本において無作為に今回の拉致被害者の拉致時の年齢の方十三人を抽出し、その十三人中八人が今回の発表どおりの年齢で亡くなり、そして五人が生存している確率は、零コンマの後にゼロが十四個付いてやっと何%という数字が出ます。すなわち、これは統計学上あり得ないという結果になります。漠然と不自然ではなく、科学的にこの結果はあり得ないということになるんです。 日本ならたとえそうでも、北朝鮮とは食糧事情等が違うだろうという反論もあるでしょう。しかし、日本人拉致者は招待所で不自由ない生活を送っていたと帰国された被害者の方々はおっしゃっています。また、先ほどの統計は、単なるある年齢での生死という事実に基づいたものです。今回の北朝鮮の発表による死亡原因を見ると、それは余りにも異常です。交通事故死が二人、石炭ガス事故死二人、溺死が一人、自殺者が一人と、病死はたったの二人という結果です。 先日、テレビで、田口八重子さんが交通事故死を遂げたと言われる町の映像を流していました。しかし、そこには恐ろしいほど全く一台も通行する車はありませんでした。石岡さん、有本さんが石炭ガス事故死を遂げたという町にもテレビは入り込んでいましたけれども、石炭暖房は使用していないということ。溺死に至っては、死亡日とされるのは九月四日ですが、北朝鮮では九月には海水浴はもうしません。これらの要素と先ほどの日本であるという条件を複合的に勘案しても、先ほど示した数字は、たとえ補正を掛けても零コンマ以下のゼロを幾つか取れるか否かというもの、すなわち北朝鮮においても今回のような結果は科学的にあり得ないと言えるんです。 そして、次に、逆にこの同じ統計から、被害者の方が拉致されずに日本にいたらどのくらいの確率で十三人の方が生存していたのかということも求めてみました。統計は二〇〇一年十月一日現在のものを使用しております。例えば、増元るみ子さんの場合ですと、拉致時の一九七八年二十四歳の方の、増元さんと同じ人口の方は百六十六万五千人。対して二〇〇一年、増元るみ子さんが日本にいれば四十七歳になっているわけですが、その人口は百六十五万四千人。実に九九・三四%の方が生存しています。有本恵子さんの場合で九九・五六%の方が生存。こうしますと、これら十三人すべての数字を掛け合わせますと、十三人全員生存している可能性は、日本にいたならば七九・五%に上ります。ちなみに、拉致時四十三歳と他の方たちより若干高齢な原敕晁さんを除くと、その他十二人の方の生存の確率は八七・六二%にも上ります。すなわち、十三人の方が日本にいれば、十中八九生存しているわけです。この事実を見ると、いかに拉致というものが悲劇であったか分かります。 今、私が申し上げた統計学的な数値も御勘案され、今回の北朝鮮の十三人中八人死亡という事実、そしてその死亡原因について、長官自らは事実であるとお考えですか。また、事実ではなさそうだとすると、真相はどのようなものであると考えられますか。長官の北朝鮮に対する知識と想像力をもって、真相として可能性のある事柄を述べてください。お願いします。
○国務大臣(福田康夫君) 先月二十九、三十日に国交正常化交渉を行いました。日本側から、生存が確認されていない拉致被害者八名の方々について事実解明を引き続き強く求めるとともに、拉致被害者の御家族から出された疑問点などを踏まえた追加証明事項を手交いたしました。そして、速やかで誠意ある回答を求めたわけでございます。 この事実関係がどうだったか推測しろといってもそれは無理な話でございますけれども、そういういろいろ疑問点があるということで、政府としても、そういう形でこの問題を取り上げて、そしてあくまでも徹底した真相解明を求めていくと、こういう考え方でおります。
○黒岩宇洋君 いずれにせよ、疑問点どころか、本当に統計学上あり得ないと、そういう数字も逆に日本側から突き付けていただきたいものです。 ちょっと時間の都合上、幾つか、何問か長官にあとお聞きしたいんですが、次回の一般質疑に回します。 それでは次に、竹中大臣に御質問いたします。 このたびの総合経済対策を拝見すると、金融政策の大転換と言えます。まず、大変唐突な印象を受けました。柳澤前金融担当大臣は、あくまで日本の金融、銀行の経営状態は健全であると言い切ってきました。そこで、銀行への公的資金注入に断固反対してきたわけですが、竹中案は公的資金の注入が触れられています。そうなりますと、この案が出てきた背景、現状認識として、そもそも今は金融危機なのか。そうであれば、国民の税金を使う以上、どういう危機が現に発生しており、だれがどう困っているのかをきちんと国民に説明すべきだと考えます。逆に危機でないとすれば、なぜ今公的資金注入の竹中案なのか。 いずれにせよ、不良債権処理は、切れば血の出る話です。処理の方向性は間違っていないにせよ、拙速は避け、国民、金融界、産業界に対する説明責任をきちんと果たすべきと考えますが、いかが御説明願えますでしょうか。大臣、お答えください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御承知のように、九月三十日の内閣改造のときに、改造に当たって総理からは、不良債権問題の処理を加速して、平成十六年度までにこの問題を解決するように、終結させるようにという強い御指示をいただきました。 大転換かということでございますが、不良債権の処理というのは、昨年四月の骨太の方針以来、一貫して構造改革の一丁目一番地として重要な問題として位置付けられてきた問題であるというふうに思います。今回、そうした問題をより強化するという、強化するようにというのが総理の指示であります。 前大臣がおっしゃってきたこととどのように違うのか。実は前大臣も、危機、金融危機においてはためらうことなく、必要に応じて公的資金の投入をするんだと。これは総理も前大臣も一貫して内閣として掲げてきたことだと思います。今回の金融再生プログラムの中では、万が一にも個別の金融機関について経営難に陥ったり様々な問題が生じた場合には、預金保険法百二条の措置を速やかに、必要に応じて発動して、金融面から経済の底割れを起こさせないようにするんだということを明記しているわけでありまして、決して公的資金を今すぐ使うんだとか、そういうことを前提にしているわけではありません。それは、一つの結果としてそういうことはあり得るかもしれないから、それはそれできちっと想定をしようということに尽きるわけでございます。 その意味では、今、経済危機か金融危機かというふうに言われますと、今は金融危機であるというふうには認識をしておりません。経済全体が様々なシステミックリスクに直面するような状況には政府としては責任を持って対応をする、しかし今はそういう現状にあるというふうには認識をしていないということです。 結局のところ、これまで過去一年ないし一年半、世界の経済が著しく悪化する中で、危機を防ぐために、危機に陥らないために様々な努力を前大臣、金融庁してきたわけでありますけれども、我々は更にそれを一歩踏み出して、構造改革に堪える、より強い金融システムを作っていくということを目指して、これまでの政策をより強めているというのが現状でございます。
○黒岩宇洋君 今おっしゃられたように、システミックリスクに対応するには預金保険法百二条に基づかなければいけないわけです。しかし、そのためには、金融危機対応会議を開いて、総理が特定の金融機関に対し例外的措置を講ずる必要がある旨を認定しなければなりません。これは、すなわち一国の総理の金融危機事態宣言と同じわけです。このような日本経済の信用を暴落させる手法を現実的に取ることができるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは現実の判断の問題でありますから、正しくシステミックリスクが生じるような場合には、これは速やかにそのような形を行って、金融から経済を底割れしないようなそういう措置を取る。これは法律に決められたことでございますし、現実にやはりそのようにするのが当然のことながら当局の仕事であるというふうに思います。 繰り返し言いますが、もちろん今そういうことが起こるということを想定しているわけではありませんが、万が一にもそういう事態が生じた場合には、金融から経済を底割れさせないようにしっかりとした対応を取るということ、このことは今回の金融再生プログラムの中にも書かせていただいております。しかしながら、より重要なのは不良債権に関する資産査定をより厳格に行うことであり、自己資本の充実を図ることであり、さらには銀行経営のガバナンスを強化することによってより強い金融機関を作っていくことである。その中で、企業の再生、このための再生の仕組みも活用して企業再生を進める。そうすることによって経済をより強くより安定的なものにしていくというのが今回のねらいであります。
○黒岩宇洋君 公的資金の投入で更に触れますけれども、既存の保険法以外で、要するに迅速な公的資金注入へ新法も含めた新制度検討とあります。ここは、どうしてもやはり現行の預金保険法では使い勝手が悪いということで、新法の制定の方にどうも傾きそうな気がしておるんですけれども、過去にも九八年、金融機能安定化法に基づいて公的資金を約一・八兆円注入し、そしてそれが結局足りず、直後に金融早期健全化法を制定して九九年に八・六兆円の公的資金を注入しています。計十兆円もの税金を投入してもまるで砂漠に水をまくがごとく全くの無駄に終わり、不良債権は減るどころか増加の一途です。新法の制定の目的が単に公的資金の使い勝手の良さなら、また同じことの繰り返しになることは目に見えています。迅速な公的資金注入というのが正にその使い勝手の良さだと私は思います。 預金保険法では余りにも公的資金注入が困難であるから、何か注入しやすい法律でも作ろうかでは駄目なんです。やはり新法の目的は、仮に新法を作るとすれば、不良と健全の銀行を見分けることです。過去の法律では、健全と認定した銀行に、申請主義とは言いながら事実上強制的に注入してきました。過去の轍を踏まず、不良債権処理につなげるためにも、これまでの大手銀行に対する公的資金注入をどう評価しているのか、なぜうまくいかなかったと分析しているのか、この二点と、そして今回は際限なき税金の投入に終わらないという展望をどう描いているのかと併せてお答えください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、現在公的資金を注入する必要が生じた場合には、これは預金保険法百二条の枠組みしかないわけでありますが、繰り返し言いますが、主要行においてそういった問題が生じた場合は、これは法律にのっとってしっかりとした判断に基づいて対応をしていくということが前提でありますが、しかし、法律の枠組みとして現状のままで十分であろうかどうかということについては、これはその必要性を含めてしっかりと、新法が必要かどうか必要性も含めて検討をするというふうにこの再生プログラムにはしております。 決してこれは、繰り返し言いますが、公的資金投入ありきの議論ではなくて、金融を安定化させるということは経済にとって大変重要な問題でありますから、法律的なその枠組みをどのようなものが好ましいかと、望ましいかということをしっかりと議論しようということでございます。 過去の公的資金の注入が無駄に終わったのではないかという御指摘がございましたけれども、これは当時の状況の中で、いわゆる危機的な悪化を食い止めるという意味でそれなりに大きな役割を果たしたというふうに私自身は思っております。しかし、これまた委員御指摘のように、銀行の中にお金を入れるだけですべてが解決するということは、これはあり得ないわけであります。経済は生き物であって、大変金融業というのはリスクの管理が難しい仕事であります。であるからこそ、常にこの資産の査定をしっかりと仕切るという仕組みを作る。自己資本を充実させるようなそういうガバナンスをしっかりと発揮させる。そういうものが総合的になって初めて、これは入れるお金にも意味が出てくるということだと考えております。であるからこそ、今回の金融行政の枠組みの中では資産査定、自己資本、ガバナンスという三つを同時に解決する必要があるというふうに考えているわけでございます。 我々、この十何年間、やはり多くのことを学んだと思います。銀行の情報の開示、資産の査定というのはやはり大変難しいものであって、これについては諸外国の事例も勉強しながら、よりしっかりと情報を把握していくシステムを作っていこう、その中で法律的な枠組みもしっかりとより強固なものにしていこう、それが今回のプログラムの趣旨であります。
○黒岩宇洋君 九八年から二〇〇一年にかけて三年間で九・三兆円、銀行の不良債権が増えているわけですから、私は失敗はともかく、不良債権処理については功を奏さなかったと思いますので、今後そういうことのなきようお願いいたします。 それでは、銀行の貸し渋り、貸しはがし対策についてお聞きします。 今も竹中大臣がおっしゃるように、今回の総合対策で銀行の資産査定、大変厳しくなりました。 まず第一番目のディスカウント・キャッシュ・フロー方式の導入により、このことによって要注意先企業への平均引き当て率一五%は相当引き上げられ、大手行だけでも数兆円の追加引き当てが必要との見方もあります。 二番目に、二〇〇四年度末までに主要銀行の不良債権比率を半減させるということは、現在の不良債権額二十六・八兆円、この八・四%を新規不良債権分も含めて半減させるということになりますから、これだけでも相当、引当金が数兆円膨らみます。 そして、三番目の金融庁による特別検査を年度内に再実施とありますけれども、昨年の特別検査だけでも不良債権が新たに四・七兆円見付かりました。今年度また新たに発見されるとなると、以上を合計しても大変膨大な引当金の増大となるわけです。今の銀行にこのような引当金の割増しを行う体力があるとは思えません。となれば、貸し渋りどころか、貸しはがしに入るのも私は当然だと思います。 その対策として幾つか政府案にも示されていますが、例えば中小企業貸出し計画未達先に対する業務改善命令の発出とありますけれども、未達先の重度や軽度の基準も不明確ですし、命令の遵守の担保もありません。また、借り手企業に対し金融検査マニュアル別冊の趣旨・内容の周知徹底とかモニタリング体制の強化とか、貸し渋り・貸しはがしホットラインの創設などに至っては、私から見れば、取りあえず盛り込んでみた、強いて言えば抽象的な努力目標くらいにしか思えません。 私は、貸し渋り、貸しはがしの一つの要因は、銀行の審査能力の低下又は欠如にあると考えます。私は議員になる直前まで介護福祉の中小企業に勤めていました。介護保険による福祉機器のレンタル事業の事業計画を立てていましたが、私にとっては大変収益率に自信のある計画を立てて銀行に何度も融資をお願いしましたが、結局は、福祉はもうからないというめちゃくちゃな理由で私の会社は融資を受けられませんでした。銀行はバブルのころは営業優位で審査もせず融資し放題、そして景気が悪くなると審査もせずにとにかく貸し渋り。つまりは、ろくに審査機能を発揮したことがないわけです。 銀行の融資は中小企業にとっては命綱です。貸し渋り、貸しはがしは中小企業の死活問題です。このたびの政府案の中小企業貸出しに対する十分な配慮による対策で、現実に貸し渋り、貸しはがしが防げるとお考えですか。また、銀行の審査能力の拡充策について何かお考えがあればお話しください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、今後金融改革を進める上で、貸し渋り、貸しはがしを絶対に起こさせないような行政をしていくことは私たちの大変重要な責任であり、経済政策運営上の言わば最も重要なポイントであるというふうに私も認識をしております。 まず御認識いただきたいのは、今回の措置は主要行を対象にしたものでありまして、地域の金融機関、中小金融機関等々について、いわゆるリレーションシップバンキングについては、これは今回の措置とは別の次元で枠組みを考えるということにしております。もちろん主要行も非常に多く中小企業に貸付けをしておりますから、この点については幾つかの重要な点を考えてみなければいけないと思います。 委員御指摘の、委員自身の御経験で、銀行はちゃんと、もうろくに審査能力もない、審査もしない。あえて言えば、銀行は不良債権を持っているから、抱えているからこそ、新たにリスクが取れなくなって前向きの融資をしなくなっているというのが現状であろうかと思います。 であるからこそ、この不良債権をしっかりと処理して、必要な手当てを行うことによって、本来貸すべきところにきちっと貸せるような銀行に生まれ変わらせたいと、これが私たちの政策の目指すところであります。その過程で、しかし、摩擦的な様々な問題が起こらないように、私たちは細心の注意と最善の努力をしていくつもりであります。 今、委員が詳細にプログラムを読んで御紹介いただきましたように、やはりこれに対するモニタリングが大変重要だと思います。貸しはがしのホットライン、貸し渋りのホットライン等々は始まったばかりでありますが、実は今日から金融庁だけではなくて地方の財務局でもこれが制度として取り上げられるようになりまして、これを検査にも生かすことによって問題が生じないように最善の努力をしたいというふうに思います。 また、大変地味ではありますが、そのプログラムの中に書き込ませていただいたのは、新しい、中小企業に対する新規の参入を積極的に促進したいということであります。新しい前向きの貸手がどんどん出てくるような状況を作りたい。あわせて、この間、政府系の金融機関の貸付けやいわゆるセーフティーネット保証等々にも、これは総合対策の中で充実を図りながら、全体をきめ細かく見ながら、是非このプログラムを成功して、結果的に銀行がしっかりと中小企業に貸せるような、そういった力と姿を見せてもらいたい、そのように政策を運営したいというふうに思っております。
○黒岩宇洋君 時間になりましたのでこれで終わらせてもらいますけれども、今回の竹中案の中でも、例えば税効果会計についても、やはり繰延税金資産、今、中核自己資本比率の四八%も占めているわけですから、これはどうにかしなければいけないと思います。ただ、二年間でそれを一〇%に圧縮と言えば、さすがに銀行業界もそこまでルールを変えるなというような批判は当然でしょうが、ある程度の数値目標も含めて私は入れられるべきではないかと思います。 今回見ても、ともすると銀行自体はやはりまだ聖域なのかという印象もあります。もう一つ、与党が果たして聖域なのかという印象もあります。どうか竹中大臣には聖域なき構造改革をますます進めてくださるよう期待申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○森下博之君 自由民主党の森下博之でございます。 私は、まず、このたび防災担当大臣に命ぜられました鴻池大臣にお伺いをいたしたいと存じます。 個別の問題につきましては災害特でお伺いをさせていただきたいわけでありますが、大臣はさきの阪神・淡路大震災では被災をされたお一人と承っておるところであります。 そこで、先日の所信表明におかれましては、鴻池大臣らしく、極めて簡潔なお話でございました。南海大地震、あるいは大震災が近い将来起こるのではないかということも言われているわけでございまして、後刻、大臣におしかりを受けるかも分かりませんが、防災問題に取り組む姿勢について、その決意のほどを改めてお伺いをいたします。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 委員ただいまお話しのように、六千四百三十五名の死者、行方不明者を出しました阪神・淡路大震災、真っただ中におりまして、極めて悲惨な状況が今も脳裏から離れないわけでございます。そういう立場を踏まえて、防災担当を命ぜられまして思いを新たにいたしておるところでございます。 我が国は、地震を中心として多くの自然災害がございます。昨日の毎日新聞に、阪大の研究グループがナマズを飼ってその予知をやろう、こういうネットワークを広げようというふうな、そういうことが毎日新聞の第一面に出ておりました。これも委員ごらんになったと思いますが、産経新聞の今日一面には、やがてやってくる巨大地震というキャンペーンの記事が第一部として出ておりました。何かせっつかれるような気持ちでその記事を読んだわけでありますけれども。 その前に何をするか、そのときにどうすればいいのか、そしてその後どうすればいいのか。この予測し難い状況下でお互い情報を共有をしながら、本来政治の目的であります、この国に住まいされる方々の命と財産をお守りするということに真剣に取り組んでいきたいと考えておるところであります。
○森下博之君 もう一点お伺いをさせていただきたいと存じます。 さきの阪神・淡路大震災を契機にいたしまして、国の防災関連の法整備も進められたわけであります。また、参議院の議員立法として、第百四十二回国会におきまして被災者生活再建支援法の成立を見たところであります。 私は、今後、内閣官房あるいは内閣府におきましては基本法的なものの立法が多くなるのではないかと思っております。基本法の制定に向けた国会の関与の在り方や議員立法の重要性につきまして、大臣にお聞きするのは誠に恐縮でございますが、大臣の参議院における貴重な経験を生かされまして、鴻池大臣の御所見を承れれば有り難いと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 委員御存じのとおり、ただいまのお話のように、被災者生活再建支援法というのができ上がりました。この七月に、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法というのができました。その他、古くは活動火山対策特別措置法、地震防災対策特別措置法等、議員立法にかかわる法案でございます。 我々政治家が、その地域地域で我が物としてこういった問題を肌で感じながら必要な部分について議員立法として推進していくことは非常に大事なことであろうかと思いますし、また、特に参議院におきましては議員立法の推進というものを強力に推し進めなければならないという、私もそういう持論を持っておるところでございますので、どうぞ委員始め先生方には、議員立法におきましてこの防災に限らず今後の推進役をお果たしをいただきたいということを、ともに考えていきたい、願いたいと思っているところであります。
○森下博之君 鴻池大臣、ありがとうございました。ますますの御活躍を心から御祈念をいたしております。 大臣、結構でございます。 次に、靖国神社問題につきまして数点お伺いをさせていただきます。 私は、靖国神社を政府としてどのように位置付けていくかということは大変重要な問題だと認識をいたしておるところであります。 このたびの北朝鮮による拉致問題について小泉総理は、拉致問題はいい加減にして北朝鮮との国交正常化はあり得ないと強い決意を表明をされまして、首脳会談におきましてもこの問題についてはいかなる妥協もしないといった一貫した姿勢を取られたところであります。 十月十五日に、帰国をされました拉致被害者全員の日本滞在の延長を決定をされたところであります。私は、日本政府として極めて当然の決定だと思います。政府が決断をいたしました背景を私なりに考えてみますと、何といいましても、四半世紀にわたる長い間、苦難の道をたどられました拉致被害者・家族の強い思いというものが今回の政府の方針につながったんであろうと考えております。 私は、拉致被害者の家族の心情というものと、今次太平洋戦争における戦没者遺族の思いも相通ずるところがあると思うわけであります。靖国神社の解決のためには、掛け替えのない肉親を失った遺族の思いというのを大切にすることがまず第一歩であると考えております。 確かに、終戦から五十七年という歳月が経過をいたしました。しかし、いかに時代が変わりましょうとも、国のために掛け替えのない生命をささげられた若者が顧みられないという国であり続けるとすれば、私は、やがて我が国はその歴史を閉じることになるのではないかと私なりに憂える者の一人であります。 そこで、お伺いをいたしますが、政府は、昨年の衆議院での靖国神社参拝に関する質問主意書に対して、政府として靖国神社は我が国における戦没者追悼の中心施設であると位置付けているわけではないという答弁をされたわけであります。しかしながら、小泉総理は今年四月の靖国神社の参拝後の所感におきまして、国のために尊い犠牲となった方々に対する哀悼の対象として、長きにわたって多くの国民の間で中心的な施設となっておる靖国神社に参拝をして云々と述べておられます。靖国神社は正に戦没者追悼の中心施設と位置付けられておると私は理解をいたしておるところであります。 念のため、政府における靖国神社の位置付け、また政府が考える戦没者追悼の中心的施設とは何を指すのか、御見解を参考人に承ります。
○政府参考人(村上康聡君) 政府といたしましては、靖国神社は宗教法人法に基づきます宗教法人でありまして、その施設は同宗教法人が戦没者等を祭神として祭る施設であるものと理解しており、靖国神社を我が国におけます戦没者追悼の中心的施設であるとは位置付けておりません。しかしながら、靖国神社につきましては国民や遺族の方々の多くが我が国の戦没者追悼の中心的施設であるとしていることにつきましては認識しております。 なお、平成十四年四月二十一日の小泉内閣総理大臣の靖国神社参拝に関する所感は、委員御指摘の部分を含めまして小泉内閣総理大臣の個人の真情を吐露したものであると承知しておりまして、政府の見解ではございません。 それから、委員がおっしゃいました戦没者追悼の中心的施設ということに関しましては、何人もわだかまりなく戦没者に追悼の誠をささげることのできるような施設のことと考えております。
○森下博之君 今、参考人のお答えに私も若干異議を挟みたいわけでありますが、内閣総理大臣は二十四時間内閣総理大臣であります。国会にいようと靖国神社に行かれようと、私は内閣総理大臣だと思うわけであります。この点、また改めて議論をさせていただきたいと思います。 総理の靖国神社参拝についてお伺いをいたしますが、内閣総理大臣の靖国神社参拝というものは、戦没者に対して国の正に儀礼、公的な儀礼を尽くすもの、私はそれ以上のものでもなければそれ以下のものでもないと考えます。 終戦記念日に参拝をされましたのは、古くは昭和五十年の三木総理であります。また十年後、中曽根総理も終戦記念日に公式参拝を行っております。また、一方で中国、韓国から戦争を正当化するものだとして強い反発を受けておるところであります。また先日、十月の二十七日、小泉総理と江沢民中国国家主席との会談でも、主席の方から、靖国神社に総理が参拝をすることは、はしょって申し上げますが、総理が靖国神社に行かれない方がいいと述べられたところであります。 総理は、就任後、八月十三日あるいは今年の四月二十一日に参拝をされております。その中で小泉総理は、参拝の目的を、明治維新以来の我が国の歴史において、心ならずも、家族を残し、国のため命をささげられた方々全体に対して、衷心から追悼を行うと参拝の所感を述べておられますように、靖国神社参拝というものは決して戦争を正当化したりあるいは賛美するものではないはずであります。 私は、諸外国に対しても、総理の言葉を率直に受け止めていただきたいと切に願っておる者の一人であります。今後、中国、韓国からの批判に対しては、誠意を持って、我が国が戦争という過去の過ちを繰り返そうとしているのではないこと、平和を祈念して戦没者を追悼しようとするものだということを粘り強く弁明することが唯一の解決策だと思っておるところであります。政府は、この問題が我が国の独自の問題であり、懸念には及ばない旨の説明を尽くしていくことが大切なことだと思うわけでありまして、この点につきましては要請にとどめさせていただきます。 次に、新しい追悼・平和祈念施設建設についてお伺いをいたしますが、当該委員会におきましては、何人もわだかまりなく戦没者等に追悼の誠をささげ平和を祈念するとのことである、記念碑等国の施設の在り方について幅広く議論をすることが趣旨として挙げられまして、官房長官談話におきましても、靖国神社に代わる施設は考えていないと答弁をされております。 しかし、私は、懇談会の率直な印象といたしまして、どうも靖国神社に代わる新しい施設について検討しておるのではないかとも思う次第であります。私は、新たな施設の設置ということは、いたずらにこの問題を複雑化させるということで何の解決にもならないのではないかという思いもいたしておるところであります。総理も懇談会の議論にかかわりなく四月には靖国神社に参拝をされましたし、また懇談会自体も総理の参拝とは関係なく検討を進めておられるようであります。 しかし、今年五月の二十三日に第六回の会合が開かれて以来、どうも会合が開かれていないようでありますし、非常に不透明であります。この点につきまして、これまでの活動の経緯、会合が六回開かれたと承っておりますが、議論のポイント、今後の方向性について簡潔にお答え願いたいと思います。
○政府参考人(村上康聡君) 今、委員から御指摘がありました懇談会につきましては、平成十二年十二月に、追悼・平和祈念のための記念碑等施設の在り方懇談会といたしまして、官房長官の下に開催することとされております。そして、その後懇談会が開催されまして、これは、追悼の対象をどうするか、それから国の施設の必要性も含めて、一体こういう施設を造るか造らないか、それから種類、名称、設置場所等につきまして検討が加えられているところでございます。 現在は、たしか、ちょっと私、手元に資料を持っておりませんけれども、五月の下旬までは懇談会が開催されておりました。その段階では、追悼の対象をどうするのかとか、国の施設の必要性についてどうするのかといったこと、それから、これまでのいわゆる戦没者追悼施設についての現在の現状がどうなっているのか等につきまして御議論いただいているところでございます。そして、この懇談会につきましては、当初の開催要領にもございますように、おおむね一年を目途として開催するということとされておりますので、この方向に従って現在議事運営が進められているところでございます。 ところが、五月末以降につきましては、官房長官の日程、それから座長であられます今井会長が道路公団の関係の委員長にも就任された等々のことでなかなか日程が付かないということもございまして、有識者の先生方にお集まりいただいております勉強会を開催させていただいております。 この勉強会につきましては、先生方の間で一応非公開という形で申合せがされておりますので、その内容につきましては私どもの方から申し上げることはできませんけれども、一応懇談会を開くことを前提にいたしまして、様々なことにつきまして委員の各先生方の方で事実あるいは問題点の認識を共通にさせていただいているところだと承知しております。 以上でございます。
○森下博之君 私事で誠に恐縮でございますが、私も今次大戦で父を戦場で亡くした者の一人であります。谷垣大臣と同じ立場でございます。 私は、この自分の人生の中で、私自身の父の死というものが本当に国の役に立ったのであろうかということと、また一方で、私の父の死というものは無駄な死ではなかったか、あるいは犬死にではなかったかという思いも一方ではいたしながらまいりました。しかし、父の死が国の役に立ち、決して無駄死にではなかったということを、政府にも、また多くの国民にも認めていただきたいと、そういう思いで今日までまいりました。今、全国に散らばる百万と言われる戦没者遺児の方々も、私と少なくとも同じ思いではなかったかと想像いたしておるところであります。 先亡の霊安からずして家門の繁栄なく、護国の英霊安からずして国家の発展なしと、その先哲の言葉を思い起こすまでもなく、私は終戦記念日、不戦の誓いを新たにいたしまして、八月十五日には内閣総理大臣が堂々と靖国神社に公式参拝をしていただくことができるように、その環境作りのためにあらゆる努力をしていただきたいということを最後に切にお願いを申し上げまして、質問を終わります。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。 各大臣におかれましては、長時間にわたってさぞお疲れのことと存じますが、私が最後の質問者でありますので、もうしばらくよろしくお願いしたいと思います。 まず最初に、鴻池防災担当大臣にお伺いいたします。 現在もなお被災状態が続いているという意味では、三宅島の災害というのは非常に大きな影響を及ぼしているわけであります。とりわけ、この災害には二つの特徴がありまして、一つは、避難勧告によりまして島の人たちが故郷を離れて遠く避難をせざるを得なかった、その余儀なくされたという要素であります。もう一つは、被災後、二年以上にわたって長く続いているということであります。こういった特殊性にかんがみたときに、特別な配慮が私は必要であると常々思ってまいりました。 そこで、三宅村としては、今後、帰島もそろそろ視野に入ってくるという現時点におきまして、帰島及びその復興について、三宅村復興基本計画の中間報告というのを四日に出したところであります。そして、今月下旬には最終報告がまとめられると、こう聞いているわけであります。 この復興計画、大臣も御承知かと思いますが、村の人たちが強調しておられたのは、村の外部のコンサルタントあるいは学者の方々に一任する、お任せするというのではなくて、被災を受けた村民あるいは村の関係者自らが多数参加をして議論を重ねて作ってきたものである、言わば手作りの計画であるということを強調されておられました。 この基本計画の中間報告について、大臣の所感をお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) ただいま山口委員のお示しいただいた復興計画、いわゆる中間報告につきましても私、拝見をいたしました。正に手作り、帰るぞという決意が正に表れているというふうに拝見をいたしております。 今お話しのように、今月末には総合計画というものを策定をするということも聞いております。これを拝見をいたしまして、国といたしましても、東京都また三宅村と十分協議をいたしまして今後の対策の検討材料としていきたいと、このように考えております。
○山口那津男君 この三宅村は、農林水産業及び観光業等に依存してきたところでありますけれども、元々は決して財政力の強いところではありません。なおかつ、二年間も手を加えていないわけでありますから、言わば島へ帰るに当たってもその生活基盤というものはもうほとんど破壊されているに等しいわけであります。したがいまして、帰島といいましても、自力でこれを復興、再建するということは到底不可能だと思います。しかし、だからといって、現行法の枠組みの中では個人の資産の補償的な部分も含めて容易に国が手を差し伸べられる状況でもないと思います。 先ほど申し上げたように、この三宅村の被災には二つの特徴、つまり避難を余儀なくされたという面と長きにわたっている、こういう面を考慮しましたときに、私はこの生活再建のためには特別な立法措置を取って、とりわけ財政的な支援をする必要があると強く訴えたいところでありまして、この点についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 私、十月十五日に三宅島の視察に参りました。上空から三宅島の現状を見、また降り立ってほぼ全島見てまいりました。極めて厳しい状況、私が想像していた以上の厳しい風景でございました。ガスで立ち枯れている木々の中に、ヤブツバキというんでしょうか、緑がほんの少し、この悪い環境の中に耐えているという姿が随分印象的でございました。 その前段に、東京都にございます三宅村の役場にも御激励に参りました。村長さんにもお目に掛かって、とにかく、先ほど申し上げました三千八百人が帰るんだという熱意の下にお仕事をなさっていらっしゃる。そういう職員の皆さん方にもお目に掛かって激励を申し上げたところでございます。 また、先ほどの話に戻りますが、ちょうど私が三宅を訪問、視察をいたしておりますときに一時帰宅の島の人々とお目に掛かる機会がありました。ちょうど港で集合されているときでございましたので一人ずつではございませんが、バス一台ずつ乗り移りまして御激励申し上げたわけでございます。 ただいま、山口委員の思いがじかに私にも伝わっておることも御披露申し上げる次第でございます。 この件に関しましては、いわゆる七月の中央防災会議において、現行制度の見直しも含めて新たな制度の創設が必要ではないかという答申も出ておるわけでございまして、私どもといたしましては、予算措置も含めて、今後の新たな制度創設というもの、総合的な検討を行ってまいらなければならないと、このように考えておるところであります。
○山口那津男君 さきの通常国会におきましても、衆議院の災害対策特別委員会、あるいは参議院の同委員会におきまして、この三宅復興あるいは支援に対する特別な決議も行われているところであります。島へ帰るまでの間はもちろん、それから、帰島のときを迎えるに当たって、その後の課題ももちろん、是非とも積極的に検討していただきたい、支援の手を差し伸べていただきたいとお願い申し上げまして、この点は終わります。 さて、次に、東海地震について、この地震対策強化地域を指定されたわけであります。この想定地域がやや西にずれたということはあるわけでありますけれども、東京都に関して言いますれば、新島あるいは神津島あるいは三宅島等を含む島嶼地域、これはこの強化地域に指定されているわけであります。 既に地震災害を受けている、まあ実績といいますか、そういう結果を踏まえて、これらの島々に対してとりわけ津波対策を中心としてこれからの対策を推進するとともに、また応分の財政措置も講じていただきたいと思うわけであります。特に、津波災害が南関東地域に及びましたときには大きな被害も予想されないわけではありません。 まず島、そしてまた南関東地域をにらんだ様々な支援策について大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鴻池祥肇君) 地震財特法によりまして津波対策事業その他の地震防災対策事業を推進してまいるところでございます。 特に、委員が今お示しになりました三島に関しましてもそのとおりでありまして、高い津波が押し寄せてくるそのときには、押し寄せてくるおそれ十分ありということでございますので、いわゆる避難場所への誘導の地図等の設置あるいは津波防災マップ等の作成というものも行っているところでございます。 強化地域におきましては、津波対策その他地震防災事業を知事が策定する地震対策緊急整備事業計画に基づいて実施する場合には、国の財政上の特別措置が講じられることとなっておるわけでありまして、今後とも関係各省庁と十分連携を図りながら防災に努めていってもらいたいと、このように考えておるところであります。
○山口那津男君 鴻池大臣には御退席いただいて結構でございます。 続きまして、防犯対策について国家公安委員長にお伺いいたします。 近年、都市部を中心に施錠、これは住宅のみならず、事務所等も含むわけです、それから車両にもかかわってくるわけです、こういう施錠を外して窃盗に至る、こういう犯罪が激増しているわけでありまして、この対策が急務であると考えます。 その防犯上の観点から、施錠技術の開発、これはもちろん必要なことです。それからまた、全体としてのセキュリティーシステムを確立するということも大事でしょう。と同時に、錠前の、何といいますか、情報や技術を管理する、そういう錠前に通じた人の面も重要だと思います。場合によっては、こういう錠前師と言われる人たちを、資格を与える制度を取るとか、あるいは何らかの登録制度によって管理すると、こういうことも今後重要なことではないかと私自身は思っております。 そういう窃盗犯、新たな窃盗犯の対応について、今後警察庁としてどのように取り組んでいかれるか、基本姿勢をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、山口委員がおっしゃいましたように、最近、ピッキング用具などを使いまして、特殊な用具を使って不正に錠を開けて侵入するという例が激増しておりまして、これを、都市部がやはり中心でございますので、犯罪に強い都市を作るという意味からも、この対策というのは急務だというふうに認識しております。 こういう犯罪を抑止していくためには、侵入犯罪の取締りの強化というものがもちろん必要でありますが、それと同時に、今おっしゃった防犯性能の高い錠前等の開発や普及を促進していく必要もあるかと思います。それから、こういうところに焦点が当たっていろいろ侵入盗が起こるという、そういうことを広く広報啓発活動をして、国民の皆さんにもそこら辺りがポイントだという防犯意識を高揚していただく必要もあるのではないか。それから、いろんな関係機関や団体との緊密な連携も必要であろうと。 そういうことを通じてこういう問題に対処していきたいと思っておりますが、犯罪に強い都市を作るというのはこれに限られるわけではございません。いろんなことがあると思います。今御指摘の錠前師の資格制度とか登録制度というようなことも都市犯罪の対策という中で今後一つの課題として検討していきたいと、こう思っております。
○山口那津男君 特に、大臣も法律実務家としてお仕事をされた経験がおありですからよく御存じかと思いますが、例えば裁判の強制執行の場面においてはこの錠前師というのはもう必要不可欠な仕事なわけですね。ですから、もう社会のシステムの中に組み込まれている仕事であるとも言えるわけであります。ですから、こういう言わば現場のプロの意見というものもよく、かぎのメーカーだけではなくて、こういう人たちの生の声も是非広く聞いていただきまして、新しい制度の確立、そしてまた犯罪の予防に努めていただきたいと御要望いたします。 さて次に、総合デフレ対策についてお伺いしたいと思います。 国家公安委員長、また後ほどちょっと別な質問をしますので、お残りいただきたいと思います。 総合デフレ対策、先ごろ発表になったわけでありますが、特に税効果会計と言われる部分につきましては、日本は国際的に見てむしろ国際的なルールの基本に忠実にやってきた、アメリカの方がむしろ例外的であるというふうに私は考えております。そして、この言わば国際社会で広く承認された会計ルールそのものを変更しようということは金融機関だけではなくて他の事業法人にも影響を与えていくわけであって、軽々に私は大きな変化はすることは好ましくないと、こう思っております。さらに、アメリカと比べた場合には、税制やあるいは間接金融としての金融機関の役割など、日本と異なる様々な社会基盤というのがございます。単にアメリカのルールを導入するというだけでは、いい影響ばかりとは限らないと思うわけであります。 よって、これを慎重に検討していく必要があると思いますし、仮にそのルールの変更を必要だというのであれば、金融機関や公認会計士等の専門家あるいは税務当局等関係部門と広く協議をして、コンセンサスを作ってこれを進めるべきであると、こう考えるわけでありますが、竹中大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) あの総合デフレ対策の中の一つの中心を占めました金融再生プログラムについて、とりわけ今、山口委員御指摘の税効果会計の在り方につきましては様々な議論がございました。これは言うまでもなく会計ルールとして確立された一つの考え方でありますし、我々の議論の中にも会計ルールそのものを変えるべきだという議論は全くこれはございませんでした。ただ、決められたルールにのっとって計上されているこの資産が、残念だけれども、マーケットの中からはこれは現実に資産性があるのかどうかについて厳しい評価があるということも、これは現実としては受け入れなければいけない事実なのだと思います。 この問題、突き詰めていきますと、結局のところ、今御指摘いただいたように、税制が違うと。有税償却をせざるを得なかったからこういう問題が生じているわけですから、税制の問題。それと会計基準の問題。それとBISに基づく監督の基準の問題、BIS基準の問題。この税制と企業会計とそれと金融の監督という、この三つの大きなルールが非常に複雑に過去の経緯も踏まえて交差しているところにこの問題があるというふうに思います。 結局のところ、こうした税制は税制についてやはり我々は要望しなきゃいけないことがありますし、しかし市場の評価が厳しいという点も踏まえてこれの在り方を引き続き検討しなければいけないと、そういうことで、今回の金融再生プログラムでは問題点を指摘した上で引き続き検討を深めるというふうに書かせていただいた次第であります。 その検討に当たっては、御指摘のように、幅広く専門家の英知を結集したいと思いますし、幅広く、かつ総合的な観点から、我々としては、企業会計の原則が云々ということではなくて、金融監督の在り方をどのようにすべきかという観点でございますので、そういう点から是非バランスの取れた、しかししっかりとした議論を深めたいと思っております。
○山口那津男君 今やデフレギャップはGDPの三、四%にも及ぶと、これは内閣府の資料でもそういうことがうかがえるわけであります。さらに、今般、不良債権処理を加速化しようというわけでありますから、常識的にはこのデフレギャップは更に拡大するのではないかと恐れております。 その点の御認識をまず伺いたいのと、その上で、今回の総合デフレ対策によってこのデフレギャップを言わば緩和できるのかどうか。特に、セーフティーネットを拡充する、あるいは需要創出策を講ずる等によってどの程度このギャップを緩和できるようになるのか。この二つの点についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 現実問題として需給ギャップは存在しているというふうに認識をしております。 昨年の経済財政白書でその規模は三ないし四%というふうに推計をさせていただきました。同じ、ちょっと時期は違いますが、たしか日経センター、日本経済研究センターの試算でも三・五%程度というふうな試算があったと思いますが、大体そのレンジのやはり需給ギャップは存在するということだと思います。これは評価がなかなか難しゅうございますが、この水準そのものは過去の不況期に比べてそんなに極端に大きい数字ではない。しかし、ここに厳然としてギャップが存在しておりますから、これはやはり様々に埋める努力をしなければいけない。 基本的な考え方は、日本の財政にはビルトインスタビライザーが働いておりますから、例えば不況のときはある種自動的に税収が少なくなって、税収が少なくなった分、結果的には税負担が軽くなることによって需要を刺激するというようなメカニズムが働いている、これをやはり活用する。これはどこの国でもそういうふうにしているわけですが、これがやはり基本であろうかと思います。 しかし、それに加えて政府としてできることはあるのかないのか。本来でありましたら、一つ財政による需要刺激を考えてみるというのは一つの可能性ではあろうかと思いますが、しかしこれはこれで今国債市場を、国債のマーケットを見る限り大変厳しい今微妙な均衡の上に成り立っていて、これに安易に依存することのリスクはリスクでまた非常にある。 結局のところ、我々としては、これは合わせ業で規制改革をしっかりと行う。さらには、来年度先行減税を行うことによって、その先行減税によって需要の刺激を適切に行い、一方で経済の活力を高めるための仕組みを取り込んでいく。こういう政策を組み合わせることによって、この需要の問題についても適切に対応をしていきたいというふうに思っております。
○山口那津男君 税制あるいは規制緩和等によりまして直接に需要が生まれるわけではありませんで、需要を引き出す間接的な効果は幾分期待できるかもしれません。しかし、やっぱりこの需要を政府が直接作り出すということも大きな選択肢の一つだろうと思っております。 その上で、今月、今年度の税収の見通しというのが発表されると思います。あるいは経済指標についても新たな発表があろうかと思いますが、既に言われるところでは、これが税の言わば歳入ギャップといいますか欠損が生ずるだろうとも言われているわけですね。そういった点から見ても、補正は必至だと思います。したがいまして、この補正の言わば機会をとらえて私は政府として直接需要を作り出す、そういう政策に一歩踏み込むべきであると、このように考えます。 先ごろ、私ども公明党の大会に来られた総理大臣は、時に応じて柔軟かつ大胆に政策を断行すると、こういう趣旨のことをお述べになっていらっしゃいました。これは必ずしも補正予算を否定している言葉とは受け止めておりません。この補正予算の必要性についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の委員の御指摘の前段の部分で、税の負担、税負担を軽くするということはやはり民間部門に利用可能な資金、資源を残すという意味で、これは需要に関してもやはり直接的な効果はあるというふうに私自身は認識をしております。 その上で、お尋ねの件でございますけれども、これについては今回デフレ総合対応策を検討する中でも、今後とも不良債権処理の加速に伴う雇用、中小企業への影響など、金融経済情勢を注視しつつ、雇用、中小企業のセーフティーネットの一層の活用を図るため引き続き必要な措置について検討する、引き続き必要な措置について検討するというふうにした次第でございます。 御指摘のように、中ごろ前に七—九のGDP統計も出されます。さらには、税収の見積り等々も出されます。どれを見てということではありませんが、こうしたことを総合的に踏まえながら、必要な政策の判断を行っていくということが必要であると思います。
○山口那津男君 竹中大臣には、どうぞ御退席いただいて結構でございます。 次に、東京大気汚染公害訴訟の判決が先ごろ出ましたけれども、これについてお伺いをしたいと思います。 この裁判では、警察庁も被告、国の中の一部門として訴えられているわけですね。しかし、この判決の結果、直接警察庁の責任を認めるものではありませんでした。ですから、警察庁が直接控訴するとかという立場にはないとは思いますが、まだ国がこの判決に対して控訴するかどうか確定はしていないと承知しております。 この判決を見て、大臣としてどう評価されるか。一つは国として控訴をどう扱うべきかという点と、それからもう一点は警察庁として道路交通政策等について今後どういう対策を取っていくべきか、どうお考えか、これをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今、山口委員がおっしゃいましたように、この訴訟で道交法の所管官庁として被告官庁に入っているわけですが、今度交通規制権限の行使の適否については直接的な判断をこの判決の中では触れておられませんので、この点について違法との認定はされなかったというふうに理解しているわけです。 しかしながら、警察としては、これまで交通安全施設の整備、高度化などによって、交通管理の最適化を図りまして、大気汚染の防止に努めてきたところですが、今後も引き続き関係省庁と連携して、大気汚染防止対策を強力に推進するよう督励していきたいと思っております。 具体的な施策については長々申し上げるのを控えますが、新たな対策としては、環境対応型交通管制モデル事業とか、それから道路交通情報提供事業に係る環境整備とか、VICSもスリーメディア対応型VICS対応車載機の導入、普及等、このような手段を通じて少しでも大気汚染というものに対応してまいりたいと、こう思っております。 判決の対応につきましては、十一月十二日が控訴期限なんですが、これは関係省庁と協議しながら対応していきたいと、こう思っております。
○山口那津男君 次に、環境省にお伺いいたします。 この判決では、いわゆる公害健康被害補償予防法に基づく認定を受けた方が、この認定が昭和六十三年で打ち切られておりまして、徐々にその人数は減ってきているわけですね。しかし、なおその後もぜんそく等の被害を受けたと主張して訴えている人たちも大勢いるわけであります。 ところで、法律上六十三年に打ち切ったわけでありますが、東京都は別途条例を作っておりまして、ぜんそく等の患者さんに対してその医療費を補助すると、こういう制度を作っているわけであります。この制度によりまして、国が打ち切って以降今日まで約二・五倍の認定患者の増加があるわけですね。同時に補助金の金額も増えてきているわけであります。 こうしたことを考えると、国が認定を打ち切った後も言わばぜんそく患者はこの東京都においては少なくとも増えている。ただ、それが大気汚染との因果関係があるかどうかまでは確定されておりませんけれども、私は少なからぬ関係はあると、こう思っております。そうした意味で、この大気汚染の被害者を救済する制度、これを国としても積極的にいち早く作っていく必要があると思うわけであります。同時に、東京都のそうした制度が、言わば国が認定を打ち切った分を補完するような役割を果たしていることになっているんではないかと思うわけでありまして、この東京都の制度についての評価も併せてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(南川秀樹君) 政府におきましては六十三年に新規の認定を打ち切っております。御指摘のとおりでございます。 片や、東京都におかれましては、都内に、これは島嶼部、奥多摩部含んででございますけれども、一年以上居住する十八歳未満のぜんそくのある患者さんに対しましては医療費の自己負担分を助成しておりまして、大体五万人を超える方が現在その助成を受けておるということでございます。現在、東京都では二万二千を超える方がいわゆる旧一種地域の対象の患者さんとして補償あるいは医療費を受けておるということでございます。 私ども、今回の判決でございますが、またかつての地域解除のときの国会の議論も受けまして、現在大気汚染と健康の因果関係、特に局地的な汚染と健康の因果関係につきまして詳細な調査をしております。それを踏まえまして、制度の問題についても検討していきたいというふうに考えております。
○山口那津男君 官房長官にこの点についてお伺いしますが、私は、かつて名古屋から所沢まで自衛隊の航空機で飛行したことがございます。高度、それほど高くないんですね。二、三千メートルだと思います。東海道沿線を上空から見ますと、ちょうど凸レンズのように東海道沿線がもう黒く煙っているわけであります。そして、海岸に行くに従って、あるいは長野県等山沿いに行くに従ってそれが晴れていくという状況がつぶさに見て取れたわけですね。 所沢に降り立ちますともう晴天でありましたから、下降するに従ってその黒い煙といいますか、濁りは感じられなくなるわけですね。地上に下りますと、もう本当に雲一つない快晴、すばらしい天候に見えるわけであります。しかし、もっと上空から見ると、まるで黒い煙の中に突っ込んでいく、そういうすさまじい姿であったわけであります。私は、日本の都市部、特に幹線道路の沿線というのはすべからくこういう状況にあるのではないかと思うわけであります。 また、私は地方の、茨城県の北部の育ちでありますけれども、東京に来たときにびっくりしたことがありました。ベランダをぞうきんでふきますと真っ黒くなるんです。田舎は茶色くなるんです、畑の土ぼこりで。東京は真っ黒くなるんです。これは何らかのすすなりなんなり、そういうものが原因だと。私は驚きました。 確かに、大気汚染の場合には、NOxとかSOxとか、こういう気体状の物質もいろいろ取りざたされます。また、ディーゼル車の排気ガス、その中に含まれるすす等も問題になるわけです。しかし、常識的には、道路は削られて、アスファルトやコンクリートが削られていくわけですね。車はタイヤが減っていくわけですね。これらは固体でしょう。どこへ消えてしまうんでしょう。やっぱりこれらもどこかに消えてなくならないで残っているわけであります。そうしたことを考えましたときに、この大気汚染というのはやはりゆるがせにできない重要な問題だと思っております。 私は、今、葛飾区に住んでおります。この国会へ通ってくるまでに水戸街道とか日光街道とか、あるいは首都高の六号線とかを利用するわけであります。とりわけ、首都高の六号線においては箱崎を起点にして慢性的な渋滞であります。これが長い間解消されておりませんので、やっぱり沿線の人は苦しんでいるわけですね。そして、このたびの訴訟の原告の中にもその地域の対象の方がいらっしゃいます。 私の住んでいる葛飾区の医師会の関係者にお伺いしますと、特にこの日光街道、水戸街道、あるいは環状七号線、あるいは首都高荒川線、こういう幹線道路が集中している地域でありますので、とりわけお子様、小さいお子様やお年寄りにはぜんそく患者が多い、他の緑地の多い部分と比べると非常に多いと、こういうことも指摘されたことがあるわけですね。そうしたことを踏まえたときに、この大気汚染に関する被害というものを、政府が積極的に取り組んで、これを救済する手だてを講ずる必要があると思います。 そして、この間の判決に対して、東京都石原知事は、控訴を断念する、判決の内容についてはいろいろと主張があるけれども、控訴は断念して被害の救済に全力を挙げたいと、こういう趣旨のことを述べると同時に、国に対しては、救済制度を国として早く作るべきである、そしてまた外環道等三環状道路、東京都関連のこういう道路の整備を進めるべきであると、こういう問題提起をいたしました。 この点について、まず私は、国として、七省庁に及ぶ官庁が相手になったわけでありますから、これを統括する立場にある、連携を取るべき立場にある官房長官として、まず国として、控訴を断念するか、あるいはいち早く和解を結ぶか、そういう方策を検討すべきであると思います。それからまた、総合的にどういう救済策を講じていかれるおつもりか、この二点についてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 今回の判決につきまして、控訴するかどうか、これは現在関係省庁間で協議いたしておるところでございます。まだ結論に至っておりませんので、ちょっとお答えは差し控えさせていただきます。 しかし、この道路交通環境の改善というのは、これは喫緊の課題であるという認識はいたしております。その改善に向けて今後とも関係省庁が連携して、発生源であります自動車単体の対策、これはディーゼル車などから排出される粒子状物質、窒素酸化物等の大気汚染物質を削減すると、こういうことでありますけれども、これは、二〇〇五年には世界で最も厳しい自動車排出ガス規制を実施すると、こういうことになっております。そういう問題とか、また、今、委員の御指摘にもございました公共交通機関の利用促進などの環境負荷の小さい交通体系の構築とか、環状道路、バイパスなどの道路ネットワークの整備とか、交差点立体化などのボトルネック対策といったような交通流対策、そういったようなことの取組を総合的に実施していくべきであろうかと思っております。 こういうぜんそく被害というか、ぜんそくに発症される方の苦しみというのは、これはよく分かります。私も子供のころぜんそくやってたものですからよく分かったんですけれども、これは、法律に基づく被害補償制度を検討する際には、まず大気汚染とぜんそくの因果関係を裏付ける科学的知見が、これが前提になるわけでありますけれども、これについては、いろいろ政府として大気汚染と健康影響についての調査研究を推進しておりますけれども、これまで得られた知見から見る限り、現在の我が国の大気汚染はぜんそくの主たる原因を成すものとは考えられないと、こういうことなんですね。 これはなお調査研究を進めなければいけないことでありますけれども、そういうようなことで、今現在、御指摘のような新たな被害救済制度の創設の要否というのは、これは判断できる状況にはないんで、まずは調査研究と、こういうことになろうかと思います。これは一層推進をしてまいりたいと思います。
○山口那津男君 今、明確な因果関係がないかのようにおっしゃいましたけれども、私は、その基礎となるデータ等については、もっと局地的な調査等を繰り返して詳細な調査が必要だと思っております。また改めて、私は実証的に質問させていただきたいと思っております。 それから、私が葛飾区から青梅市へ行くのには、この首都高や中央道は利用しないんですね。むしろ、外環道から関越道に出まして、そして圏央道を通って青梅インターで降りる方が時間は短くて済むわけであります。そういう意味で、この迂回路を足す、選択肢を作り出すということは、この渋滞緩和に大きな効果を持つと自ら実感をいたしております。 そういう意味でも、この三環状の道路の整備ということは、言わば今の渋滞地域の被害を緩和するということと、それからまた、新たに造ろうとする地域の環境やその他の不安を解消すると、この二つの面を両立する形で推進しなければならないと思いますが、この点について、都市再生本部を主宰する立場の官房長官として御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘のとおりでございまして、都市再生に当たりまして、大都市圏におきましては、都心部に用のない通過交通、これを適切に分散させ、そして自動車の流れを変革する環状道路の整備をすることによりまして、都心部の交通渋滞の解消とか沿道環境の改善等を図ることが必要と認識しております。 特に首都圏におきましては、交通の円滑化、それから環境負荷の軽減、さらには都市構造の再編などの事情がございまして、東京外郭環状道路とか首都圏中央連絡自動車道などの三つの環状道路の整備が必要でありますので、昨年八月に都市再生本部で決定された都市再生プロジェクトにも位置付けられておるところでございます。 この三つの環状道路は、計画延長に対する供用延長が約二割と、その整備が大変遅れております。ですから、これは投資の重点化を図りまして更なるスピードアップをしなければいけない。そして、未事業化区間についても早急に計画の具体化に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○山口那津男君 次に、日朝国交正常化交渉について伺います。 このほど、クアラルンプールで会談が持たれたわけでありますけれども、この点についてどのように評価をし、今後どう取り組んでいかれるか、これを伺いたいと思うんですね。 報告受けているところでは、今回の会談によって、安全保障の問題については別な協議の場を作ると、こういうことが決定されました。確認されました。そしてまた、北朝鮮側は十一月下旬にもう一度交渉の場を持ちたいと、こう言っているようであります。我が方といたしましては、国交正常化交渉に入る前提問題として、この拉致の問題と、そして安全保障の問題、とりわけ核開発疑惑についてきちんとただしてからという前提を置いていると思います。 そうしますと、今後、国交正常化交渉においては、拉致問題が当面大きな第一義的な問題として焦点が当たってくるようにも思われるわけでありますが、この安全保障協議の場と正常化交渉の舞台と、そしてまた拉致問題の解決と、これらをどのように取り組んでいかれるか、方針をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 先月末の正常化会談におきましては、拉致問題は当然でありますけれども、それと併せて核の問題ですね、安全保障上の問題ということで核の問題も取り上げました。大きな成果は得られませんでしたけれども、日朝双方が互いの主張を明確に述べ合った上で、日朝平壌宣言に従って解決に努力することについては意見の一致を見たわけであります。 政府としては、今後とも、米国とか韓国と緊密に連携しながら、また拉致問題については御家族の御意向などを踏まえながら、国交正常化交渉に粘り強く取り組む、そういうことでございますけれども、今お尋ねの安保協議ということにつきましては、これはまだ次回の交渉の日取りが決まっているわけでございません。その交渉の中身も決まっているわけでありません。しかし、安保協議と申しましても、基本的な大きな問題は正常化交渉のこの場で議論すべきものと思いますが、個別に、また何というんですか、具体的な問題についてそれを安保協議の場にゆだねる、ゆだねてもよろしいという判断がある場合にはそちらで討議をすると、こういうような形になるわけであります。 いずれにしましても、安保協議も正常化交渉の一つの場である、こういうことには変わりないわけであります。
○山口那津男君 国家公安委員長に伺いますが、この拉致問題、今でこそ一部が明るみに出たわけでありますけれども、しかし、拉致被害者の方々からは、政府も、我々国会、議会関係者も積極的に取り組んでこなかった、こういう非難、批判があるわけでありまして、我々は率直にこれを受け止めなければならないと思います。 ところで、この国会の場で、言わば拉致に関する容疑というものが初めて指摘をされ、そしてまた、警察庁としてこの容疑の存在を認めたというのは一体いつごろになるんでしょうか。その国会論戦の舞台がいつごろかについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 現在で言う拉致容疑事案ですが、初めて国会で取り上げられましたというか、警察庁が答弁いたしましたのは、昭和五十五年三月二十四日の参議院決算委員会でございます。そのときは、福井、新潟、鹿児島の各県下で発生した一連のアベック失踪事件、それから富山で発生したアベック拉致未遂事件についての御質問、これは公明党の和泉照雄議員からの御質問でございましたけれども、これに対して、当時の捜査状況を警察からお答えしたと。しかし、まだ当時はこれが北朝鮮の拉致に関するものであるかどうかということについては御答弁ができない状況で、まだそういう御答弁はしておりません。 その後、八年ほどたちまして、昭和六十三年の二月十七日、衆議院地方行政委員会、ここでは李恩恵拉致容疑事案についての御質疑があり、それから引き続きその年の三月二十六日の参議院予算委員会では、福井、新潟、鹿児島の各県下のアベック拉致容疑事案とそれから辛光洙事件ですね、これについて御質疑がありまして、それに対して、警察庁としてこれが北朝鮮による拉致の疑いがあるという答弁、そういう答弁ができたのはこのときが最初でございます。
○山口那津男君 今御指摘のありました昭和五十五年の和泉照雄議員の参議院の質問、ここでも言わば三つのアベック失踪事件とそれから一件の未遂事件、これが質問の対象になり、この点の関心を警察庁として示したということでしたね。 その三つのアベック失踪事件というのは、今で言うところのいわゆる地村さん、浜本さんのケース、それから蓮池さんと奥土さんのケース、そして死亡したと言われておる増元さんと市川さんのケースということになるわけですね。もう一点は富山の未遂事件というものも指摘されたわけでありますけれども、この点について、警察庁としてはその容疑の存在を認知した、そのとき認知したと、こう受け止めてよろしいわけですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 国会で初めてお答えをしたのがそのときでございまして、当時の議事録を読み返しますと、それぞれの時期の近接性だとか手法の類似性だとか、その辺りいろいろ比較して御質疑しておりますけれども、その辺りの全体像がはっきりまだつかめていなかったと。しかし、警察として比較をしたり何かしまして関心を示したと、こういうことであろうかと思います。
○山口那津男君 次に、テロ対策特措法についてちょっと官房長官にお尋ねいたします。 現在の基本計画における派遣期間というのは十一月の十九日で満了する予定となっております。しかし、当初の立法時と状況は変化してきておりますし、また我が国の様々な支援活動というものはどういう効果を上げたか、これを総括する必要もあると思います。片や、アメリカはイラクに対する関心を強めておりまして、今後のそれらの展開との関係ということも検討しなければならないと思っておりますが、これらの点を検討した上で今後どうされるおつもりか、官房長官にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘のとおり、自衛隊の部隊等の派遣期間は十一月十九日までとなっております。昨年の九月十一日の米国におけるテロ攻撃によりもたらされました脅威の除去のための諸外国の活動は依然として継続されております。我が国も引き続きこのような国際社会の取組に積極的かつ主体的に寄与していくことが重要であるというように考えておりまして、実施期間の延長をお願いすることになろうかと思います。 その際、十一月二十日以降の自衛隊の活動とか基本計画の変更などの可能性については、我が国として主体的にその必要性を判断していくことになりますが、現在検討中でございます。どのようなことをすべきかということについて検討しておりますが、時期も切迫していることもありまして、早急に対応につき方向性を出したいと思っているところでございます。
○山口那津男君 次に、武力攻撃事態法制、これは前国会では衆議院で質疑が行われた段階にとどまりました。そして、参議院の外交防衛委員会でこの法制を、扱いについてまだ法律として個別の整備分野が明らかになっていないところ、例えば国民保護の法制ですとか、あるいは国際人道法に関する分野ですとか、あるいは自衛隊の活動の円滑化、米軍との関係の円滑化と、こういった分野についての主たる所管省庁について御答弁をいただいたところであります。 私は、これらの法制を整備するに当たっては、やはり国民の皆様にこの検討状況、考え方というものをやっぱりオープンにした上でよく理解を仰ぎながら、また意見も仰ぎながら進めていく必要があると思うんですね。その意味で、まだ法律は成立はしておりませんけれども、しかし、国民の皆さんが不安に思いあるいは関心を持っているその言わば未整備の分野についても、私は逐次検討状況を、情報を与えていく必要があるだろう、こういうふうにも思います。 今後のこういった法整備の在り方あるいは国民への情報提供、理解の広げ方について、官房長官、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘のとおりでございます。 武力攻撃事態対処法制については、検討事項が大変多岐に及びまして、地方公共団体とか関係機関等の意見を十分に聴いて国民の理解と協力を得ながら整備を進めていく、こういう必要性があるわけであります。特に、国民の保護のための法制につきましては、国民の権利義務とも関係を持っているものでございますので、国会において十分に議論を深めていただく。そのために、政府としては、この臨時国会に法制の輪郭を示すということを考えております。 さらに、この国民の保護のための法制につきましては、今後、政府全体で法制の整備を推進して、広く国民の意見を求め、法案の策定作業に反映していくことが重要であると、このように考えているところでございます。
○山口那津男君 以上で終わります。
○委員長(小川敏夫君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時散会