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155回国会参議院2002/11/21

財政金融委員会 第6号

発言数
183
登壇者
15
会派数
5
開催日
2002/11/21

会議録

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十九日、岩城光英君及び浅尾慶一郎君が委員を辞任され、その補欠として上杉光弘君及び円より子君が選任されました。  また、昨二十日、清水達雄君が委員を辞任され、その補欠として段本幸男君が選任されました。     ─────────────

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。  ただいま議題となりました銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論を行います。  厳しい経済状況が続く中、私たち立法府に身を置く者には効果的かつ合理的な経済対策を講じていくことが求められています。そうした観点から今回の改正案の適否を検討した結果、以下の理由から、残念ながら反対せざるを得ないものと考えます。  まず第一に、そもそも銀行等保有株式取得機構が現時点で有効に機能していないことです。  発足以来の買取り額は千四百九十六億円にとどまり、特に直近の半年間に限ってみると、わずか百九十五億円という有様です。  過去十数年の間、補正予算を始めとする政府の様々な経済対策は、客観的に評価して余り有効に機能したとは言えないものが大半です。経済政策や経済対策の有効性は、きっと効果を発揮するに違いないという国民の期待に依存する部分が小さくありません。こうした中で、現に有効に機能していない銀行等保有株式取得機構に関する本改正案を成立させることは、かえって国民の期待を更に低下させることになりかねません。  効果がなくてもやらないよりはやった方がましという御意見もあろうかとは思いますが、経済政策、経済対策に対して国民がここまで失望している状況下、やらない方がよっぽどましというものもあります。本改正案は、残念ながら正しくそれに該当するものと言えます。  第二に、本改正案は、日本の間接金融機能、企業金融機能の回復に関して直接的には効果を発揮しないことです。  既に、本委員会の委員各位におかれましては、日本経済再生のためには、金融機関の健全化ではなく金融機能の健全化が焦眉の急であることは、党派を超えて十分にコンセンサスを得ているものと思います。  そうした観点から本改正案を考えますと、確かに金融機関のバランスシートから株式を切り離す効果は多少は向上するかもしれませんが、最も重要な金融機能の健全化、すなわち金融機関が企業融資を適切に行うことにどのようにつながっていくのか全く分かりません。単に銀行株が市場に放出されることを抑止するのみで、銀行株の買い支えを目的としていると誤解されても仕方ありません。特定業種の株価形成をゆがめる行為と言えます。  第三に、そもそも事業法人には株式保有制限が課されておらず、銀行等保有株式取得機構が事業法人から銀行株を買い上げる合理的必然性に欠けることです。  第四に、最も大きな問題は、銀行等保有株式取得機構の行為に利益相反、利害対立的な要素が加わることです。  事業法人株と銀行株の双方を保有すれば、当該事業法人と銀行間の融資交渉や債権・債務放棄交渉において、銀行等保有株式取得機構が極めて困難かつ論理矛盾した立場に立たされることは明白です。そうした事態は、銀行等保有株式取得機構が、相場操縦やインサイダー取引等、不公正取引の温床となる可能性を高めるかもしれません。  以上のような理由から本改正案に反対するものでありますが、本改正案が提出され、さきの国会で衆議院を通過して今日に至るまでの間に、御承知のように、日本銀行による株式取得方針の決定という大きな環境変化がありました。過日の本委員会での質疑で明らかにしましたように、日本銀行の株式取得には様々な疑義と懸念があります。機構よりも問題の根は深いと言わざるを得ません。  こうした状況下、仮に本改正案が成立した場合には、銀行等保有株式取得機構と日本銀行のそれぞれの利益相反的立場を解消し、かつ、両者の株式取得という行為が有効かつ適切に機能し、金融機関の健全化と金融機能の健全化につながるように、銀行等保有株式取得機構は事業法人株、日本銀行は銀行株の取得に特化する方向で更なる改善策の検討を進めていただくことを委員各位にお願い申し上げて、反対討論を終わります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 日本共産党の大門です。  本法案に反対の討論を行います。  まず申し上げたいことは、この法案の中身以前に、政府・与党の支離滅裂さであります。  先日出されました不良債権処理加速策、いわゆる竹中案は紛れもなく銀行の追い込み策であります。一方、この銀行株買上げの促進法案は銀行救済策であります。一体、政府・与党は銀行を追い込もうとしているのか、それとも助けようとしているのか、さっぱり分かりません。竹中案が本当にシナリオどおりドラスチックにやられれば、株はもっともっと下がって、こんな買取機構が機能する以前に幾つかの銀行はつぶれてしまうわけであります。銀行は今、株買取機構どころの話ではなく、この法案の行方などほとんど関心を持っていないのが現実であります。  通常、反対討論では法案そのものの問題点を改めて触れるものですけれども、既にそれは審議でも明らかになっていますし、この法案については改めて触れる気も起こらないほど稚拙、論外のものであります。  そもそも、この買取機構を創設した法案自体、損失を国民負担にしてまで株価維持、銀行救済を図ろうという動機が不純の問題法案でありました。しかも、当の銀行業界自身が最初から、別に必要はない、機構に売るかどうか分からないと言っていたものを、国会で長々審議させて無理やり通し、その挙げ句、ほとんど利用されなかったという、掲げた目標すら達成できない失敗法案であります。  今回のようにその失敗をあれこれ繕う改正など考えず、この際、買取機構そのものを閉店すべきであります。大切な国会審議の時間を二度とこのような法案のために使うことのないよう強く申し上げて、反対討論を終わります。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 国会改革連絡会(自由党)の平野達男であります。  私は、ただいま議題となっている議員提案の法案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。  私は、本法案の問題点をしつこく改めて明らかにしていきたいと思います。  本法案の組立ての考え方には不明確な点があります。  まず、持ち合い株の解消を政策目的に入れながらも、事業法人による銀行株の売却は市場の動向を見ながら行える仕組みになっており、事法の自由裁量の余地が大きく、市場における普通の株取引との間に大きな差異は認められないという点であります。これは、銀行による事法株の売却が法律によって一定量の株を一定期間に強制的に行わなければならないというのとは根本的に異なっております。  株式取得機構は、株の放出の強制性、それに伴う株の大量売却による株式市場に与える信用秩序の混乱を防ぐためのセーフティーネットとして設置されたものであります。事法の放出する株を購入することは、その設立の趣旨に反するものであり、単なる株取引への介入にほかなりません。  次に、売却時拠出金の考え方であります。  銀行等は株式取得機構の設置に当たって既に百億円の出資をしております。その上、同機構に株を売却するに当たって八%の売却時拠出金を納めることになっております。これらは株価変動によって負担が発生した場合の一次、二次の財源となるもので、その分、三次の財源たる国の負担を少なくするものであります。  しかるに、事法が売却するときには、出資金はおろか売却時拠出金の負担義務もありません。銀行とは異なり自由裁量で株を売却することができて、かつ、銀行等に比較して公共性も薄い事法が機構の抱える株価変動リスクを全く負担せず、結果として国の負担が多くなることにつながることは制度的に大きな矛盾であります。  さらに、事業法人からの株の購入は、銀行が機構に売却した事業法人株の価額の二分の一の範囲内と規定する根拠として、株価変動に伴う負担を少なくするための買入れ量に制限を設けたとの説明でありました。しかし、時価総額ベースで見ますと、銀行の保有する事法株と事法の保有する銀行株の比率は、これは相沢提案者の御説明のとおり十対四とされております。この点からすれば、マクロ的には何ら意味を持たないことは明白であります。二分の一は腰だめで設定したと言われていますが、この点で腰砕けになっております。  本法律は論理的にも十分な詰めがなされておらず、こういう法律がそのまま成立してしまうことは、立法府の権威にかかわる重大な問題があります。  日銀が銀行の保有する株の買取りを決めたようでありますが、本法案との整合性やそもそも株式取得機構との役割分担も不明確であります。  こういった点を詳細に検討した上で、必要な見直しを行い、どうしても本法案が必要であれば、再度審議するのが筋であろうかと思います。  以上、反対討論を終わります。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。    〔賛成者挙手〕

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に総務大臣官房審議官衞藤英達君、総務省人事・恩給局次長久布白寛君、財務省主税局長大武健一郎君及び中小企業庁事業環境部長斉藤浩君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行理事三谷隆博君及び日本銀行企画室審議役山口廣秀君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 おはようございます。民主党・新緑風会の櫻井でございます。よろしくお願いします。  まず最初に、本年度の税収の見込み額について大臣にお伺いしたいんですが、昨年度も税収は二兆七千億程度の欠損がございました。今年度も、二兆七千億なんでしょうか、二兆八千億ぐらいの見込みなんでしょうか、このような状況になってきているわけですが、その税収の欠損の原因をどうお考えなんでしょうか。

大武健一郎財務省主税局長

○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。  まず、十三年度の税収実績と補正後の数字というのを御説明させていただきますと、御存じのとおり、昨年の十三年度税収の補正は昨年の十一月九日に国会に提出させていただきました。それまでの課税実績、あるいは大法人の、大企業ヒアリングと言うんですが、決算見通しなどのヒアリングをいたしまして計上させていただいたわけでございますが、結果におきましては、法人税等の減少によって大きく補正予算を下回ったということでございます。  これは主として、御存じのとおり、九月十一日に米国の同時テロがございまして急激な景気悪化が起きたわけなんですが、その時点におきましてはその影響がどういうふうになるかということが必ずしも見通せなかった。さらには、企業の側の中間決算もまたそれを予測をできなかったものですから、大企業側の予測調査におきましても定量的把握ができないということがあったということは御理解をいただきたいと思います。  それからまた、今申し上げた来年度の予算にかけましても、その意味ではその土台減を前提にして予算を組んだわけでございます。さらに、今言いました企業の側の例えば中間決算におきまして、企業が見込んだ中間決算納付額が実際には落ち込んで税金がなくなっちゃうというようなケースが出てまいりまして、この場合には十四年度の還付金という格好で税金をお返ししなきゃならないというのが法人税でも更に四千億円ほどあるというようなことがございまして、トータルとして、十三年度の土台減と還付金の増というのが主たる要因として今年の十四年度予算もまた下振れをするということになってくるのかと存じている次第でございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうしますと、税収の減というものの最大の原因は、これはテロの問題ですか。大臣もそうお考えですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 十三年度から十四年度にかけまして、基本的にはやっぱりIT産業とかいうものの不況がずっと後を引いておったということは事実であろうと思いますし、その上に昨年のテロがございまして、このショックが相当強烈に一時経済界を冷やしてきたと。その冷やしたショックがずっと引き続いて年末まで続いてきたということは、私たちは、非常に残念ですが、そう認めざるを得ないと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ショックが引き続いたというのはどういう意味なんですか。そんなあいまいなことじゃなくて、ショックが引き続いているというのは一体どういうことですか。  なぜそんなことを申すかといいますと、今年このまま、今年の予算額の予定が当初は四十六兆八千億です。これがもし二兆七千億ぐらい欠損ということになれば四十四兆円ぐらいになるんです、税収が。昭和六十二年以降これは最低ですよ。昨年が四十七兆九千億で今年は四十四兆円ということになると、この決算で。税収がこれだけ落ちてきて、今、財政再建をやられようとしているんでしょうけれども、そういうことすらできないはずですよ。  ですから、これだけ税収が落ちてきているのが単純にテロのショックによって引き続いているからでしょうという、そういう、もう大変申し訳ないけれども、危機感のない答弁でよろしいんですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) しかし、テロの影響があることは事実でございますから、やっぱり私は事実として申し上げておるんです。  経済全体が悪い、だからこそデフレで大変だという議論が出てきておるわけでございまして、それに対しましてあらゆる面で対応しなきゃならぬということでございまして、原因は非常に複雑、多様なものが組み合わさって原因となっておりまして、これが決定的な原因だということではございませんけれども、先ほど言いました経済の空気を大きく変えた一つの要因、刺激というものが九月のあのテロにあったと、その影響が年末ごろまで非常に深刻に響いてきたということが経済に影響したということは申し上げておるんで、これだけが原因であるとは私は申しておりませんが、こういうことが非常に大きい要因であったということは事実だということであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 医者の場合、原因がはっきりしないと治療できないんですよ。この国も病んでいるんだとしたら、原因がはっきりしていなきゃ治療できないじゃないですか。治療する側にいらっしゃるんでしょう。原因がはっきりしていないなんて、こんなことで大臣務まるんですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) それじゃ、原因はどんなことを櫻井さんは考えておるのか、ちょっと教えてくれませんか。私たちは複合的なものでいろんな統計を取った上での説明をしておるんですけれども、こういうことが原因だろうとおっしゃることがあったら、教えていただいたら、私たち、十分それを参考にいたしたいと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それは結構です。  そうすると、じゃ、こちらからお話しします。  それは、今なぜ金融システムが不安定な状態になっているかということだろうと思うんですよ。それはあくまで、金融システムというのは、金融機関の健全性だけではなくて、企業が設備投資なりなんなりをしていけるのかどうか、個人消費がどうやったら伸びていくのかということなんだろうと思います。その意味においたときに、将来に向けてのビジョンが、残念ながら方向性がきちんと示されていないために、設備投資する側もどういうところに設備投資していっていいのか分からない、そういう状況なんだと思うんです。  私は、失われた十年というのが、よく公共事業だけにお金が使われて、それが予算の無駄遣いだということを言われていますが、決してそうだとは思っていません。それは景気の下支えをしてきたでしょう。  しかし、大事な点は、その十年間の間に、新たなる産業というものがどういう方向なのかということを示してこなかったことが最大の原因なんだと思うんですよ。その意味において、目先の雇用で、例えば森林の組合に行って何万人雇用だ、何か月雇用だとか、そういう目先の方向、目先のことだけをやり続けてきたことが大きな問題なんじゃないですか。田中角栄さんが土建国家をつくり上げましたよ。しかし、その土建国家をいつまでたっても引きずり続けていて、公共事業費の方がはるかに高い割合で税金が投入されているとか、いろんな問題があるじゃないですか。それこそ本当はそういった、将来はこの国はどういう方向に向かっていくのかということを明示しなければいけなかった。いまだに明示されていないから企業側が安心して設備投資できないんじゃないですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 櫻井さんがおっしゃるのも、確かにそういう原因はあります。私もこのことは認めて、十分に承知したいと思っております。  だけど、政治のその問題だけが現在の日本の経済のこの状況を作ってきたということは、それは余りにも一面的な見方ではないかと。私は、もっと大きい責任あるのは金融機関であり、企業自体にあると思っております。そういうことをおっかぶせて政治の責任を逃れるんじゃありません、絶対ありませんけれども、しかし、いかに政治が頑張ってみましても、企業がそれに応じていない。現に、金融機関がなぜ不良債権の整理が進まないんでしょう。その原因は、政治の問題でも、あるいは金融行政の問題もあるかもしれませんが、より以上に、銀行内における派閥争いが深刻だからじゃないですか。  こういうことを抜きにして、こういうことを抜きにして、企業のガバナビリティーを国民の目でやっぱり正確に認識することが大事であって、余りにもこういう金融機関、甘やかすばっかりじゃ駄目だと私は思うんです。そこに原因があると。こういうことをしっかりと国会でも議論をしていただきたい、私はそう思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今、信用収縮が起こってきているわけですけれども、それはそうすると銀行内の派閥の争いですか。それからもう一つは、その不良債権の処理が進んでいかないのもそれですか。じゃ、なぜ新規の不良債権がどんどんどんどんでき上がっていくんですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) だって、銀行が、金融機関が合理化をして不良債権整理が進んでいないということは事実じゃないですか。そうでしょう。  この原因はどこにあるかと。政治が悪いんですか。政治がどこが悪いんだか。我々、一生懸命金融対策をやってきています。しかしながら、銀行がそれに応じない。現に、見てごらんなさい、合併してからもう数年たつのに、駅前に同じ支店が三つも四つも並んで、同じ銀行が並んでいる。こういう実態を、これは国民が皆、金融機関の不勉強ということはもう承知していますよ。これを政治のせいばっかりにされるということは、私は非常に残念だ。こういう空気が、私は、実際国民の中によどんでおるということであるのならば、これをまず改正することが大事だと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それは、国民全体が、みんな一人一人が意識を持って、そしてその方向に向かっていくことは極めて大事なことですよ。それはその点でおっしゃるとおりだと思います。  しかし、だからといって、政治が責任をもう負わなくていいと言っているわけではないでしょうけれども、しかしその前に、じゃ、政治側の方もきちんとやってきたのかどうかということを検証しなきゃいけないじゃないですか。銀行側や国民の皆さんにこうだああだと言う前に、その前に、本当に我々はきちんとしたことを、対応できることをやってきたのかどうかという確認は私は必要だと思いますよ。どうぞ。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 直接タッチしてはございませんけれども、そういうことをおっしゃるならば、我々としてもやっぱり言いたいということがあるんです。それは何か。厳重な検査をやってまいりましたです。そして、不良債権に対する引当金の充当も十分さしてきた。これは私担当じゃございませんけれども、金融庁が責任持って発表しておりますし、そして公的資金もつぎ込んできた。何もほったらかしにしたんじゃない。公的資金も必要ならば更に入れようと言うんだけれども、銀行は要らないと言っているんです。それは何でかというと、派閥争いなんですよ、根底にあるのは。これをオブラートに包んだままで我々は現状を改革せいと言ってみたって、なかなか難しいということであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 大臣、派閥争いがそういうことをしているというのは、どこからその情報を得て今この場でお話しされているんですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 現に私らのところ、地元で駅前に同じ銀行の支店が三つも並んでおるんですよ、これ。これ、何で整理できないんだと言ったら、いや、本部の方ではちゃんとけんけんがくがく、旧銀行にこだわっていますからなかなかできない、行員がそう言っているじゃないですか。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、一度銀行業界の方をこの委員会にお呼びして、派閥争いをしているのかどうかということをまずお伺いすることが先かなと思います。  それでは、現場の今お話が出ましたけれども、銀行行政の中で、これは竹中大臣にお伺いしたいんですが、リスケジュールを行うと、リスケジュールを行って企業を何とか助けようとする、そう思って銀行側が努力をしても、これは条件緩和債権になってしまうんですよ、今の時点では。条件緩和債権になってしまうから引当金を更に積み増ししなきゃいけないんで、銀行が企業を助けようと思ったとしても助けられない現実があるんですよ。いかがですか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的に債権をどのように銀行が見るかというのは、正にこれはもう実態判断の問題だというふうに申し上げざるを得ないと思います。  償却・引き当てというのは、要するに、自己査定の結果に基づいて貸倒れ等の実態を踏まえて、債権等の将来の予想損失額から適時適切に見積もるというのは、これは原則でありまして、実際マニュアルにもそう書かれてあるわけで、金融機関が行う償却・引き当てというのは、商法、企業会計原則や公認会計士協会の実務指針に基づいてこれは行われているということであろうと思います。  いわゆるリスケが行われた場合でも、債務者の状況や当該貸出し債権に係る損失発生の可能性度合いが変わらなければ、それ自体が引当金の金額を増減させるものではないというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 現場はそうとらえていませんよ。金融庁の指導はそうではありませんよ。リスケジュールを行った場合には、条件緩和債権として、そして引当金を積み増ししなさいと。なぜそういう話になるのかというと、要するに条件を緩和しなきゃいけないような企業であるということは、元々危ない企業なんだから、だからそれは引当金を積み増ししなきゃいけないんですよと、そういうふうに指導しているじゃないですか。だから、現場の金融機関が助けようと思ったとしても、結局何の手だてもできない。そういう手足を縛られている現状があるじゃないですか。

伊藤達也自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(伊藤達也君) 今、そういう指導だということでございますけれども、検査マニュアルにおいては、債務者区分を判断する上で重要な要素である貸出し条件及びその履行状況の検証に関して、リスケなど条件変更を行ったことのみをもって債務者区分の判断を行わず、条件変更に至った要因等について十分検討することが必要である旨記述をいたしております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それでは、現場ではきちんとそういうことが行われていますか。つまり、マニュアルはそうなのかもしれません。しかし、現場は本当にそうなっていますか。自信おありですか。

伊藤達也自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(伊藤達也君) 私どもは、この検査マニュアルに従って現場がしっかりその対応をしているというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 北海道で制度融資がございます。その北海道での制度融資が元々あって、金利は安かったんですけれども、それでもなかなか企業が大変だということで、北海道で更に低利の融資を行うようなそういうシステムを作りました。しかしながらほとんど利用されていないんですよ。それは何かというと、借換えをしてくれという話をしたとしても、借換えをすることによって、条件緩和債権に当たってしまって引当金を更に積み増ししなければいけないから、ですからそのために制度融資がなかなか使われていない。少なくとも現場では、それをやってしまうと条件緩和債権になってしまう、そう考え、そう判断して、結果的には借換えができないような状況になっているんです。  是非、可能であれば、可能というよりも、ここの場でおっしゃっていただきたいんですが、そういう制度融資です、これは。制度融資に、少なくとも制度融資に関しては、それは条件緩和債権にならないので引き当ての積み増しをしなくて結構ですよと一言言っていただければ、それで借換えが進んで企業が再生されるところも大分出てくると思うんですよ。その点についていかがですか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 是非御認識いただきたいですけれども、リスケジュールしたことが即そのまま条件緩和ということでは全くございません。それについて現場はどうなっているんだという御指摘でありますけれども、これは、現場は個々の正に判断をしているわけですから、恐らく借り手から見れば、これはうちの、何といいますか、損失可能性は高くなっていないはずだというふうに考える場合でも、これは貸手から見ると違う判断をするということは、これはケース・バイ・ケースですから一律に言えないということは、これはお分かりいただけると思います。  要するに、そういったことが起こっていないかというその御懸念は、その櫻井委員の御指摘は分かります。それに対しては是非申し上げておきたいですが、それは検査の研修等々でも、リスケ即条件緩和ではないと、そういうようなことの徹底は行っておりますし、これは非常に厳格に厳しく現場で正にその損失可能性の判断をしているというふうに判断をしております。御指摘のような、形式的に何か行ったからそれで即条件緩和債権とみなしてどうこうするということは現実にはないというふうに認識をしておりますので、その点、そういった指導等も行っておりますので、これはこれとして御認識をいただきたいと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 その認識が間違っているんじゃないですか。もう一度調べ直していただけますか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 申し上げましたように、研修等々でそういった徹底を行っておりますけれども、この徹底はやはり更に厳しく続けなければいけないと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それは入口のところで例えば指導しましたということを言っているだけじゃないですか。指導したんじゃなくて、指導した結果、その人たちがどういうことをやっているのかちゃんとチェックしてくれと言っているんですよ、こっちは。入口のところでこの人たちにそういう話をしたからその人たちが本当にそうするかどうかなんか分からないじゃないですか。例えばBSEのときだって同じですよ。BSEのときには、肉骨粉を使わないようにと言っているにもかかわらず使っているところがあるとか、必ずしもそこのところで規制したから全部が全部そこがきちんと現場に伝わっているかというと全然伝わっていないわけですよ。  私がお願いしたいのは、現場がちゃんとそうやって実行しているかどうかのチェックをしてくださいと。これは大臣の務めですよ。そのチェックをしてくれと言っているんです。やってください。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) いえ、そのために、ですからモニタリングのシステム等々を作っているわけであります。これは御指摘のとおり、確かにやっております、入口でやっておりますと、それで済むものだとは思っておりません。実態に即してきちっとやっていかなければいけないものだということは、これはもう担当者としては肝に銘じております。  そのために、今般、ホットライン等々も含めて一つの制度を作りました。それを検査に生かすということもやりますし、それに基づいて必要な場合は行政的な措置も取るということを考えております。まずは、私たちとしては、今、中小企業向けのマニュアルの徹底を行うというようなこと、それを借り手の側にも是非御理解いただくための広報活動を行うということ、加えてホットライン等々を活用したモニタリングを行って、それに基づいて、それを検査結果にも反映していくということで、二重三重のチェックで御指摘のようなことが現実問題として起こらないように努力をしたいと思っているところであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 僕は金融政策不況だと思っているんですよ。要するに、実体経済に合わないような政策を打ってきているから、信用収縮がどんどん起こってくるような方向になっちゃうんですよ。もっと拡大していくような、例えば、企業を再生させるために今度組織ができるわけですよ。企業が再生できるための組織を何か公的に作って、そこに企業を、はい丸投げしてということじゃなくて、現場の金融機関が努力できるような最大限のそういう手法を作っていくべきだと思っているからこういう話をしているんです。  先ほど塩川大臣とちょっと議論しましたけれども、そのときに、行政がこれだけ努力しているのに何が悪いんだというお話がありました。私は、こういうところで一つ一つ詰めていくと問題があるわけですよ。ここで本当に、竹中大臣、リスケジュールの基本的な考え方から立ったときに、リスケジュールをやった場合には、まずそれだけでは条件緩和債権に当たらないとここで答弁していただきたいんですよ。それを答弁いただければ、もう一度改めて、いや、ここの部分だけ端的に言ってください、そうでなければ伝わりませんから。それがあれば、ほかの今金融機関の方が、特に北海道の方々なんかはそうやって困っていらっしゃいますから、是非その旨だけきちんとおっしゃっていただけますか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほどの答弁の繰り返しになるかと思いますが、リスケジュールだけで、リスケを行っただけで、リスケなどの条件変更を行ったことのみをもって債務者区分の判断を行わず、条件変更に至った要因等々について十分検討すべきであるという旨はマニュアルにも記述しております。  繰り返しになりますけれども、その償却・引き当てというのは、貸倒れ等の実態を踏まえて債権等の将来の予想損失額等から適時適切に見積もることでありまして、金融機関が行う償却・引き当ては商法、企業会計原則や公認会計士協会の実務指針に基づいて行われるべきものであるということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ありがとうございます。  もう一つなんですけれども、政府の、政府というか、信用保証が付いたものに対しても引当金を積むようにと、一般の貸倒引当金を積むようにという指導を金融庁はされておられます。いや、これ本当なんですよ、現場では。ところが──いや、そんなことないです、これ、現場でそうなんですから。ですから、ここの場ではっきり、ここの場ではっきりさせておいていただきたいんです、じゃなければ、本当にそうでなければ。  なぜならば、破綻懸念先になった場合に、破綻懸念先になってくると今度は引当金、個別の引当金を積まなきゃいけないようなときには、信用保証が付いているところに関しては引当金を積まなくていいようになっているんです。  ですが、これはもう本当に中小の金融機関の方に言われているんですけれども、要注意先の債権が余りに多いから、事務手続が煩雑になるから、ですからその引当金は全部一くくりにして、信用保証があろうがなかろうが全部に引き当てを積めと、積んでくれと言われているんですけれども、そういう指導はしていないんですね、じゃ。

伊藤達也自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(伊藤達也君) 信用保証協会の保証などの優良保証等により債権の全額について保全措置が講じられている場合には、仮に貸倒れが生じたとしても損失の発生はないものと見込まれることから、引き当ての必要はございません。このように考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それは考えられているんですけれども、現場では実際どうですか。現場でそれを、引当金積まされていませんか。

伊藤達也自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(伊藤達也君) 一般の引き当て、貸倒引当金は正常先や要注意先の債権全体に対する将来の予想損失額を見積もったものでありまして、信用保証協会の保証付き債権に対し将来の予想損失額を見積もったものではないというふうに考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、済みません、その部分全体を見てということになりますから、そこの全体の引き当ての引き当て率は信用保証の割合によってまた変わってくるということになるということですか。  つまり、全体のということは、全体を見ることになりますから、信用保証が、例えばですよ、例えば信用保証が極めて多い、七割から八割取っているような金融機関と、一割から二割程度しか取っていない金融機関とすれば、その要注意先に掛けてくる全体の引当金を変えているから、そこの部分で信用保証を取ってきているというところを勘案しているという判断をされているということですか。

伊藤達也自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(伊藤達也君) 貸倒引当金は実績率でありますので、そこに保証が付いているわけでありますから、そこは保証のところが付いているということで判断がされるということであります。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には今、副大臣が答弁しましたように、そういう保証付きの債権につきましては貸倒れを計上する必要はない、これはもう自明の理であるというふうに思います。恐らく多分誤解があるのは、全体に関しての貸倒れ実績の計算で、例えばこのように多分なっているようであります。  百の借入金のうちの十の部分に例えば保証が付いている、九十は付いていないと。そうすると、九十の部分に対して必要な貸倒れを計上するということにこれはなるわけですよね。ところが、実際の貸倒れ率というのは債権全体百に対してどれだけ、何%という形でこういうふうに計算しますので、それを言われた方が、何だ、その保証貸付けの方にも何か付いているじゃないかというふうに、と思っておられるのだと思います。  これはしかし、繰り返して言いますけれども、保証が付いているものについてはそういうことをやる必要はないわけでありますから、そこはきちっとしていると思います。  先ほどから櫻井委員の幾つかの御質問の中に出てくる一つの姿というのは、やはりこれは借り手の方が今の銀行部門に対して、残念だけれどもやっぱりちゃんとやってくれているのかという一種の不信感が非常に強いということなのだと思います。これは、その背後にある私たち金融行政に対してもやはりしっかりとやらなきゃいけないという非常に強いメッセージにもなっているんだと思います。  先ほど正に塩川大臣の御答弁にありましたように、そういった意味での金融機関、襟を正さなきゃいけない、しっかりと説明責任を果たさなければいけないところはたくさんあると思いますし、同じことは我々にも言えることでありますので、この点は、先ほど実は中小企業向けのマニュアルの周知徹底、その広報を是非しっかり今やっているんだというふうに申し上げましたが、そうした説明責任の中で、これは、金融の問題というのは今のちょっとした貸出金の割合の問題、平均的な貸倒れ率の話にしても技術的な問題で混乱する可能性があるものですから、我々としてはその辺の説明責任をしっかりと果たしていきたいというふうに思っているところであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ちょっと誤解があるようなんですけれども、これは決して借り手側からの意見ではございません、貸手側からです。つまり、貸手側からしてみれば、少しでも自己資本を増やして、引き当てとか積まないで、そのためにその部分で融資しやすくなるんじゃないかということと、それは特に信金や信組の場合にはほとんどが政府の信用保証付きの融資ですから、ですからその部分の引当金を減らしてもらえたらもうちょっと変わってくるんだと、そのお話があることと、それから──いや、そうなんですよ、実際は。これは金融機関側から聞いている話ですから。  それからもう一つは、リスケジュールを行って助けたいと思ったとしても、今のマニュアルどおりでは結局のところは自分たちのところで引当金を積み増ししなければいけないからできないんですというお話はいただいているということです。ですから、これはあくまで借り手側がそれを要望しているということではなくて、特に、だって金融機関の引当金の問題なんかは借り手側からの要望が出てくるわけではありませんから、貸手側としては何とかしていきたいのでそういうことを検討いただけないかということを私は要望されているので、この場で討論させていただいただけです。  しかし、整理とすれば、とにかく今のお話でも政府の信用保証が付いている部分は引き当てを積まなくていいということですから、これはその金融機関の方々にきちんとした形で御説明したいと、そう思います。  それからもう一つ、金融行政のことに関して前回の委員会で質問させていただいた中で、竹中大臣が、地域金融に関してなんですけれども、「今後お願いしようと思っております地域における再編、合併の促進に対するものも、取りあえず今、対応策」でと、そのように御答弁されているんですけれども、この間、要するに地域に対して融資していくような、中小企業に対しての金融の手当てというのはしっかりやっていくという中でこのことを例に挙げられています。  しかし、これは日銀からいただいた資料でしょうか、金融機関の資産の内訳というものを見ますと、例えば信金や信組の場合にはほとんどが一〇〇%中小企業向け、貸出しのうちほとんどが中小企業向け融資ですし、それから国債の保有高というのは総資産に対してのシェアで言うと五・三%、株式が〇・四%です。ところが、地銀や第二地銀になりますと、この国債のシェアが八・二%、株式が二・三%に上がる。ましてや都長信金になりますとそれが八・五と五・八%ということで、大きくなればなるほど国債の保有や株式の保有が増えてくるという実態がございます。ですから、もし地域に対してその地域のニーズにこたえるような形の融資を行っていくということになれば、むしろ形態とすれば小さい信金や信組の方が適していると私はそう思うんですけれども、いかがでございましょうか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 銀行がどのようなポートフォリオを持って資産運用戦略に特化していくのかということと、それと、ある意味では非常に単純にその金融機関の規模、資産運用の規模の間にどのような関係があるかということに関しては、私は異なった幾つかの見方があるのだと思います。ただ、単純に非常に小さな信組と都銀を比べて、規模が大きくなったら株式運用が増えるというような傾向は現実としてはあるわけでありますが、同じように地域に特化した金融機関の中でそういう傾向が見られるかどうかにつきましては、これはやはり少し慎重に考えてみなければいけないのではないかと思います。  私たちが今考え、これからお願いしようと思っておりますのは、やはり経営基盤をある程度強化、経営基盤を強く持ってもらわないと安心して銀行は貸出しはできないのではないのだろうか。経営基盤の強化によって、しっかりとした、その地域に根の付いた貸出し行動、金融を行ってもらいたい、そのために再編法も必要ではないだろうかというふうに考えている次第でありますので、これは規模が単純にどうこうということではなくて、実態に合わせた、今の地域に特化した金融機関の実態に合わせた経営基盤の強化という範囲でこれは考えるべき問題ではないのかなというふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 何をもってして経営基盤の強化ということになるんですか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) これはいろんな問題があろうかと思います。そもそも、異なる種類の経営資源が一緒になることによって相互が補完的に戦略的な力を発揮できる、これが正に戦略的な合併の意味でありますから、単純に一緒になればいいというものでは全くないと思います。それは、個々の金融機関がどのような経営戦略上の言わば戦略性を持つかだということだと思います。非常に単純に言えば、ある程度の短期的な規模の経済性というのも、これは私は間違いなくあると思います。  しかし、合併等々を考える場合は、非常に短期的な単純の規模の経済性だけを目指されては、これは不十分なわけでありまして、個々のケースにおいて、例えば貸出し、いろんな資産審査の得手不得手、業種別の得手不得手もありますでしょう。地域の展開の疎密の問題もありますでしょう。そういうところがお互いに補完的にその力を発揮し合うということが正に戦略的な意味で経営基盤を強化していくということであると思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうしますと、例えばサービス業に随分融資していたところがあったり、建設業に融資していたところがあったりとか、そういう分類ごとに違っているとか、地域でもいいです、ある地域、Aという地域が強かった、こちらがBという地域が強かった、そういうところが一緒になっていけば、そうすると経営基盤が強化されるということですか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) いえ、それは一概には言えないと思います。むしろサービスに強いところは本当にサービスに、それを強くする必要があるというのが一般的な考え方だと思います。  ただ、例えば今のサービスと建設のお話が出ましたが、サービスと建設の一体化、境界領域のような分野が今後非常にこの地域で発展するのではないのかと。その場合は、この分野が一緒になることによって物すごく大きな力を発揮できるでありましょうし、例えば建設の業界が今後サービス分野に出ていこうというふうに考えている場合に同じようなことが当てはまるでしょうし、そこは正に非常に個別の経営判断、戦略性の判断の問題であろうかと思います。  単純にこれとこれが一緒になれば良いということではもちろんないと思いますし、そういった意味で、やはり自主的な再編に向けての判断、自主的な戦略判断を期待したいというふうに考えているわけであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 中間のところがあってそこに対してこれから融資を増やしていくために、じゃ今まで二つあったところが合併したら、そこが今、基盤の強化につながるとおっしゃっていますよね。そういう内容でいいんですね。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 一つのパターンとして。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 一つのパターンとして。でも僕は、大臣、逆だと思うんですよ。それはなぜかというと、支店長一人の決裁権というのは大体小さいところだと三千万程度なんですよ。そうすると、今のところ、そういう間のところであったとすれば、もし仮にそういう本当にある分野に強い金融機関があったとすれば、あった場合には一つの金融機関から三千万、片側の金融機関から三千万の決裁が下りて六千万借りているというのがこれ中小企業の実態ですよ。それが一つになったら支店長が六千万の決裁権を持つかというと、持てないんです、大体。そうするとまた三千万の決裁権ですからね。合併を促進していくということが、その実態に合ったような融資ができていくとは私はとても思えませんけれどもね。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) そこは本当にケース・バイ・ケースなんだと思います。ですから、一般論として合併が良いというふうに思っているわけではありません。合併が良いというふうに自主的に判断しているところがあれば、それはそれとして、政府としてそういった行為を容易にするための政策的枠組みがあってよいのではないかというふうに考えているわけであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 先ほど塩川大臣が銀行内の派閥争いということをおっしゃっていました。合併していくとまた派閥争いが繰り返されるんじゃないですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) それは、政治団体でもなければ利益の団体ですから、追求する団体ですから、株式会社とか経済界の者は利益が価値観の中心でございますから、そのためには意思の統一というものは絶対的に必要でございます。そういう意味において、企業ほどガバナビリティーを要求するものはないと私は思います。  ですから、いろんなことを言いますけれども、対等合併だとか、あるいは同位合意だとかいうのでは絶対経営できません。どっちがどっちかを吸収するということでないと、経済界の団体、会社は経営がうまくいきません。その原則を銀行は踏み外しておるんです。そこに現在の銀行の無力がありまして、我々が、ガバナビリティーが必要だと、銀行のガバナビリティーが必要だと言うのはそこに原因があるということを、これも共々に、私はまだ研究する必要はありますけれども、私は、現代、銀行が病んでおる一番の病原はここにあると。変な対等合併だとかあるいは体裁のいい、お互い了解し合った合併だと、そんなことを言っていますけれども、あくまでも強い者が弱い者を吸収していって救済するということでなければ通らないと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 改めて竹中大臣にお伺いしたいんですけれども、本当に派閥争いが起こってくるようなことになれば、ただ単純に混乱するだけじゃないですか。  それから、先ほど申しました決裁権にしても、どんどんどんどん合併していって、一人の支店長が三千万までしか、僕はこれは地元の人たちに話を聞くとそうなんです。全員が三千万じゃないでしょうけれども、しかし、そういうことになったとき、二つ合わさって六千万まで融資できるかというと、そうはならないんですよ。  そういうふうな実態の中で、果たして合併を推進していくことがいいんですか。竹中大臣はここのところでちゃんと、この間の委員会の中で、今後お願いしようと思っておりますと、こう言っているわけですよ、お願いしようと。これは自主的、銀行法の中には本来自主的な判断に任せてと書いてあるにもかかわらず、お願いしようとも思っていると。これは行政判断でやるということですよね。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと今手元にありませんけれども、お願いしようと思っているというのは、この場で御審議をお願いしようと思っているという趣旨で申し上げたと記憶をしております。ちょっと議事録は確認いたしますが。  まず、合併は本当に良いか悪いかというのは、これは実は極めて重要な問題であるというふうに私も思います。これはあるシンクタンクの研究者が調べたことなんでありますけれども、合併はうまくいくかと。もう答えは簡単でありまして、うまくいく場合とうまくいかない場合がある。  うまくいく場合はどういうことかというと、経営理念が、つまり正に戦略性がはっきりしている場合だと。どの場合も、先ほど申し上げましたように、どんな合併でも短期的に一部の合併利益、規模の利益というのは少しは出る。しかし、それが出たってそんな大きな問題じゃなくて、要するにきちっとした経営理念に基づいて戦略性があるかどうかと。  先ほど塩川大臣が、だから結果的に見ると、やはりちゃんとしたところがほかのところをのみ込んだような場合の方がうまくいっている場合が多いのではないかというのは、正にこれは経営理念、戦略性がはっきりしているということなんだと思います。  逆に、経営理念のはっきりしていないところがのみ込んでも多分うまくいかないということにもなるんだと思いますが、この点は、ですから合併を促進する云々という問題ではなくて、そういうことを戦略的に自主的に合併するのが今いいということを判断している銀行がある場合は、その障壁になっているものは取り除こうではないだろうかと、これが政策のスタンスだということであります。  そういう観点から、我々はこの再編についてそういう姿勢を持って取り組んでいきたいというふうに思っています。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今、規模の利益というお話がございました、わずかではあるけれども。その規模の利益というのは一体何ですか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 恐らく、すごくいろんなことがあると思いますが、単純に言うと、経理部門が半分でいいとか、人事部の要員が半分とはいかなくても、一緒になったときよりも大分削減できるだろうと、間接部門の削減というのが当初は一番大きいのではないかと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、それは金融機関のメリットですね。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) それによって経営基盤が強化される、経営基盤が強化されることによって、そうした強い経営基盤に基づいて貸出し能力等々が高まっていく、結果的にそれが地域及び借り手にも及んでいくということが期待されるわけです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 サービスの内容は変わらないんでしょうか。  そういう合併して、恐らくリストラしなきゃいけなくなるでしょう。そのときに、今まで信金や信組の方々が地域を歩いていたと。これからはそうじゃなくなるでしょう。経営者の人たちにこっちに来いという話になると思いますよ、これは。それはそういうものでしょう、リストラされるということは。そうなってきたときに、本当に経営基盤、その規模のメリットというのはそういうことなんでしょうか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) いや、そこが正に戦略性の問題なんだと思います。  例えば、さっき間接部門で若干のコスト削減はできるのだと思うというふうに申し上げました。それをもって地域に対するよりきめ細かなサービスを充実させようという一つの戦略を持って金融機関が運営するならば、それはそれで一つの選択なわけです。いや、うちの金融機関はそういうことではなくて、少しきめ細かなサービスはできないかもしれないけれども、一種の例えば投資家に対してより大きな情報提供するように特化しようと。だから、調査部を強化しようというように選択されるんだったら、それはそれで一つなわけです。  それは個々の経営判断であって、繰り返し申し上げていますけれども、これは、したがって合併は良い悪いの問題ではなくて、良い合併をするかどうかということにもう尽きるのだと思います。そこは、ですから、正に自主的な経営判断でしっかりとやってもらいたいというふうに思うわけです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 最大の認識の差は、今のその合併の理念、合併する者同士の理念だと、これはもう全く否定するものではありません。これは正しくそのとおりです。  ただ、問題は、本当に現場から合併したいんですと、そういう声が上がってきている上で、じゃ、そのことを実現するための法律を作りましょうということであれば分かるんですよ。そうじゃなくて、むしろ経営基盤を強化していかなければいけないから、だから合併する方がふさわしいんだということを行政として押し付けていないかどうかということなんですよ。  そうすると、その行政で向かっていく方向性が、もしですよ、今言った後者の方であったとすれば、そこに大きな問題、金融行政の行ってくる間違いがあるんじゃないですかというお話をさしていただいているんです。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) まだ法案の御審議は始まっておりませんのですけれども、重要な問題あると思いますので繰り返し申し上げたいと思いますけれども、我々が考えるのは、その合併を、数の目標を決めてこれだけに合併しろというようなことでは全くございません。金融機関等が自主的な経営判断によって合併等の組織再編を選択する場合には、手続の簡素化、資本増強等のそういった特例を設けるような、そういう政策的枠組みを考えてはいかがかと、そのようなスタンスでやっているわけです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 こんなことしつこく聞いているのはなぜかというと、中小企業向けの貸出しが大きく減っているからなんですよ。その減らしてきている原因というのは金融行政の在り方にどこか問題がないんですかということをこちら側は問い掛けているんです。なぜ毎年毎年十兆円ぐらいの規模で中小企業に対しての貸出しが、じゃ、減っていくんですか。なぜ、その増やす方向の努力というのをどういう形で、じゃ、今のまま、今のその減っていることが当たり前というか、この融資額がふさわしいと思っているのか。それとも、本来であればもう少し中小企業向け貸出しが増えていてもいいとお考えなのか、じゃ、まずその点から教えていただけますか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 結果として、銀行の貸出残高がトータルとして減っている、特に中小企業向けが減っていると。その減り方がかなり大きいということに関しては、やはり政策の立場から見ても非常に大きく注目をしなければいけないというふうにかねてより思っております。  その要因は何なのかと、どういうふうに見越すのかということになりますが、これは非常に難しい幾つかの要因があると思います。  まず、日本の銀行貸出しの残高そのものがバブルのときに異常に膨らんだという事実があるということであります。以前はGDPに対してその七〇%だかの水準だったのが一〇〇%を超えた。それが一〇〇%から今九〇%とかになって収縮をしていっている。このプロセスをどのように見るかというのは、これはなかなか悩ましい問題であろうかと思います。バブルのときに膨れ上がり過ぎているんだと。それはまあ、マクロの統計ではそう言ってしまえばそれまでなんですが、これは実際に借りている方がいらっしゃるわけですから、それがある程度収縮していくというのはトレンドとしては仕方ないのかもしれないんだけれども、そこで、やはり実際に借りている人の立場から見ると問題がもちろん起こり得るということなんだと思います。  したがって、トレンドとしての修正があるとしても、それはできるだけマイルドに、実態的な問題ができるだけ少なくなるようなやはり手配をしていかなければいけないということなんだと思います。  もう一つ、バブルのときに信用残高が膨れ上がったのは、特に中小企業で膨れ上がっております。その反動が今、中小企業の部門に来ているというのは、トレンドとしては少なくともあるということも事実なんだと思います。  しかしながら、一方で、じゃ、これはトレンドだけかというと多分そうではない。その理由は、昨年の経済財政白書でかなり詳しく分析をさせていただきましたが、この間、銀行は、過去九〇年代を通して、利益率が低下していっている一部の業種に対してどんどん貸付けを増やしていったという事実があります。利益率が低下して悪くなっているところに貸付けを増やしたんです。その分、やはり本来きちっと利益を上げられているところにお金が回らなくなったのではないかという可能性は、これはやはりきちっと認識していかなければいけないんだと思います。  これはなぜそんなことになったかと。先ほども塩川大臣がやっぱり銀行もっとしっかりしてもらわなきゃ困るというふうにおっしゃいましたけれども、もう今私が申し上げた点にこのことが私は如実に現れているのだと思います。本来、銀行というのは、やはりちゃんとした利益が上がるところに貸し付けて、自分のところもちゃんと利益を上げていくというのが一つの運動メカニズムのはずなんですが、そうはやはりなってこなかったということが事後的に検証されている。だからこそ、資産査定をきちっとやる。つまり、収益率が悪くなって、悪いところには貸さないようにしていただく、結果的にきちっと必要なところにお金が回るような、コーポレートガバナンスを発揮できるような仕組みを作っていく、そうした思いから金融再生プログラムというのが作られているわけでございます。  中小企業の金融に関しては、しかしそこに現実にお金を借りて活動している生身の人間、事業がいるわけでありますから、そこに対してはやはり様々な手当てをこれは打っていかなければいけないと思います。先ほど申し上げたモニタリングというのは、そのうちのささやかではありますが重要な一歩であると思いますし、さらに、金融再生プログラムの中で述べましたように、新たな貸手が積極的に入ってくるような仕組みを作りたい、同時に、特にこれから二年半ぐらいの間のセーフティーネットについては、これは総合対応策で万全を期したいと、そのように考えて幾つかの政策を重層的に打っているつもりでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 これは金融機関側から見た理由だろうと思うんですね。二つ今挙げられましたよね、貸出しが多過ぎたということと利益率が低いところに貸付けを増やした。  今、貸出しができないというのは、新たな不良債権を増やしたくないからだと。そういうことは原因として考えられるんでしょうか。それからもう一点は、現時点で自己資本が足りないために、これ以上貸付けをすると自己資本不足に陥ってしまう可能性があるので貸し出してくれないんでしょうか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと二つとも大変難しい御指摘だと思いますけれども、一つはやはり、これは貸手にも借り手にも両方原因があると、要因があるということはまず申し上げなければいけないと思います。  貸手の銀行側から見ると、不良債権が増えるから貸せないのかという御質問だったと思いますが、もう少し一般的に言えば、既に不良債権がまだあるので、だからなかなか新たなリスクが取れないと。これ、貸付けするというのはやっぱりリスクを取ることに金融機関としてはなりますから、不良債権があるがゆえに新たなリスクを取りたくない。業務の立場でいうと、とにかく後ろ向きの仕事にばっかり銀行の業務が追われていると、そういうことになっているのが一つだと思います。  しかし、一部には、やはり借り手の方で、デフレが続く中で資金のニーズがなかなか従来ほどには上がってこないという要因もあるのだと思います。しかし、これは以前申し上げましたけれども、じゃ、ニーズが少ないことが本当に原因かというと、一方で貸し渋り、貸しはがし、もっと貸してほしいのにと言っている人がいるわけですから、これはやはり全体として考えると矛盾する側面も当面あるわけであります。  もう一つ、二つ目の自己資本云々のお尋ねでありますけれども、銀行は、当然のことながら、BIS基準の主要行は自己資本比率を一定に保つということを一つのメルクマールとして行動をしているわけでありますけれども、現時点で自己資本が著しく過少であるかということについては、これは必ずしもそういうことではないのだと思います。しかし、自己資本はしっかりと充実していってもらわなければ困るわけで、それについても、やはり金融再生プログラムの中でしっかりと資産査定を行って、収益力を高める中でそういうことは着実に実現してもらわなければいけないと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今の金融機関に対しての健全度の指標である自己資本が実態を表しているものなら、それはそれでいいことなんだろうと思うんですよ。そして、それが足かせになってしまっていて融資されないような実態があるとすれば、そこを変えていかない限り融資は増えていかないんだと思うんですよ。そこの原因をきちんと分析が果たしてされているのかどうか。その分析がされていないから対応策が違ってきているんじゃないかと私はそう思っているんです。  私はどう見ても金融の健全性だけを追い求め過ぎているがゆえに、前回も言いましたけれども、昨年の下半期だけで四十五も金融機関が破綻すれば、結局自分たちの金融機関を守るためには、自己資本維持に走ってくるというのはこれは仕方がないことなんだと思うんですよ。金融機関側だって会社ですから、自分たちのその職員を守っていくためには。ですから、本当にそういったところで問題がないのかどうかというのを是非検討していただきたい、そう思っています。  その意味で、今度は逆に中小企業を預かっている経済産業省の方にお伺いしたいんですけれども、現在のその融資状況について、どういうことが原因で融資が十分に行っていない、若しくはそれが、今がバブル期の反動で今が普通なんだと、そうお考えなのか、その辺について教えていただけますか。

斉藤浩中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(斉藤浩君) 中小企業庁の立場から、現在の貸出しの状況について御説明申し上げます。  二面性あると思います。一つは、御指摘のとおり、中小企業の経営状況あるいは経済状況の全般、低迷しておりますので、設備資金を中心にしますと、この資金需要は明らかに低迷いたしております。これは、私どもが直接所管しております中小企業向け政府系金融機関の融資の中身を見ましても、設備資金は正直に申し上げまして大変低調でございます。  それから、一方で、バブルの清算の観点から申し上げますと、もう大分たっているわけでございますが、そういう意味ではバブルということではございませんが、例えば、最近、手元資金が少しでも残っている、あるいは余裕のある中小企業におきましては、むしろ金融機関に対する今後のある意味では信頼性が十分でないということもあり、積極的に返済をしているという事実もございます。  ただ、一方で、金融機関に運転資金等を申し込んでも、少しでもリスクが企業側にあるという場合にはなかなか金融機関が貸出しに応じてくれないという意味で、やはり金融機関が今抱えております不良債権処理問題等、それに対する対応に厳しく迫られているために、中小企業、少しでもリスクのありますような貸出しに対しましては貸出しが抑制される、あるいは債権の回収が強化されるなどの実態になっているというふうに理解をいたしております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 このように、まず一つは信頼性がないからというので多分、いずれ貸し渋りなり貸しはがしでしょう、そういうことが行われる可能性があるから、とにかく無借金経営を目指して返済しようとしてきているとか、それから、運転資金をといってもなかなか金融機関がリスクを取って貸し出せないとか、だけれども、そのリスクを取って貸し出せてこないというのは、僕はやはり、去年四十五行も下半期でつぶされれば、周りで見ていればそういうところに走るのはこれは当然だと思いますよ。  ですから、そこら辺の金融行政の在り方とか、そこら辺に問題は本当にないのかどうかというのを是非検討していただきたいんですよ。何回も言いますが、金融機関の健全度と金融システムの安定化は違います。今の金融庁の求めているのは金融機関の健全性であって、健全になれば貸出しが増えていくという道理ですけれども、果たしてそこが本当にそうなのかどうか。その前に企業をどんどんどんどん切り捨てていくことになってしまうかもしれません。このまま融資額が減っていくということになれば、本当につぶれるべきところがつぶれていくということであればそれはいいのかもしれませんが、つぶれなくていい企業がどんどんつぶれていっていく実態もあるというところに問題があるのではないかという気がいたしております。  その意味で、もう一つちょっとこれは視点を変えてお伺いしたいんですが、資産査定を厳格にして、利益率というか、本来であれば破綻すべき企業がというお話がございましたけれども、そうだとすると、何も今のようにゼロ金利にして、本来、ちょっと金利が高くなってしまえば、淘汰されるべきと言った方がいいのか、市場原理に基づいてといった言葉の方が正しいんでしょうか、そういって破綻したかもしれない企業というのもあったんじゃないだろうかという気がするんです。  そうすると、今のゼロ金利の在り方というのはこのままずっと継続していくべきなのかどうか。一つは副作用がもう出始めていると思うんです。それは一番大きいのは生保です。その生保の逆ざやの問題があって、なおかつもう準備金を使い始めている生命保険会社もあるわけですから、そのことを考えてきたときには、構造改革ということを進めていく上においてこのゼロ金利のままでいいのかどうかということが私は一つ疑問なんですが、この点についてまず竹中大臣の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 言うまでもないことでありますけれども、ゼロ金利の政策、これは金融政策でありますから、これは日本銀行がマクロ的な観点から行っている政策であります。したがって、マクロ的に金利を低くして経済運営をせざるを得ない状況がそこにあるという判断を、これは中央銀行の方でしておられるというのが現実としてそこにございます。しかしながら、金利が低くなることによってミクロ的な影響が様々な形で及ぶということは、これは事実であります。  一つには、委員御指摘になりましたように、金利というのがあるから言わば資金の配分機能がそこにあると。そのリソースをここの金利負担ができるところにはちゃんとお金が行くけれども、金利負担できないところにはお金が行かないというような仕組みでちゃんと資金配分が行われる。しかし、これがゼロになってしまうと、その選別が行われないので、今御指摘になったように、ちょっと極端に言えば、どんな企業でも生き延びられるような逆のデメリットが出てきているのではないかと、そういう御指摘、これは一つあるのだと思っております。  もう一つのデメリットは、これは金融の商売というのは何で行うかと。いろいろありますけれども、基本的にはストックで行う。資産を運用してそのストックで商売を行っているところというのは、フローの売買で手数料を取るようなところに比べて非常に経営が厳しくなるという事実があるわけでございます。その典型が、ある意味で生保であり、フローで売買でというのは、証券会社なんか比較的まだ売買でやっている部分があるのだというふうに思いますけれども、そうした点については、そのゼロ金利のもたらす様々なインパクトが今出ているということは、非常に注意深く我々としては見守っていかなければいけないと思います。  ただ、繰り返しますけれども、これは金融庁がゼロ金利をやるかやめるかという問題ではなく、独立した中央銀行がマクロ的な観点から行っている政策でありますので、理想的に言えば、経済が活性化されて物価も上昇して、ゼロ金利にしなくてもよいようなマクロ環境に一刻も早くしたいということに尽きるのだと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 日銀にお伺いする前に、塩川大臣にちょっとお伺いしたいんですが、塩川大臣、先ほど国民ももっと努力すべきだということをおっしゃったんだと思うんですね、金融機関のことを通じて。私は医者で治療していたときに一番困ったのは、自覚症状のない患者さんに、手術をしてくださいとか、受けてくださいとか、もっともう少しきちんとした検査を受けてくださいとお願いするということが極めて難しいことでした。  今の日本の状況というのは、その自覚症状を出さないように極めてうまく治療してきたと思います。それは、増税しないで国債をどんどんどんどん発行させて痛みを先送りしました。ゼロ金利にして、本来であれば淘汰されたかもしれない企業が淘汰されないできた。これは政策としては、痛みを出さないという点では極めてうまかったと思うんです。しかし、その代わりどうなったかというと、患者さんは重症になってしまっているという現状がございます。  ですから、本来であればその期間に治療すればよかったんですよ。治療すればよかったものを治療しなかったところに、先ほども言いましたが、失われた十年というのは、下支えしてきたことではなくて、その十年の間に次の方向性を示さなかったということが一番大きなことなんだろうと、そう思っています。  その意味で、僕は今や財政再建は残念ながらこれだけ税収が落ちてきている中ではなかなか難しいとは思っているんですけれども、これまでの財政政策と、それからもう一つゼロ金利のことに関しても、ちょっと大臣どなただったか忘れましたが、日銀に行ってゼロ金利を解除するのをやめてくれとお願いに行った大臣もたしかいらっしゃったように思うんですけれども、その意味で、財政を担当される大臣として、現在の政策についてどうお考えでございましょうか。総合的に。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) この失われた十年の間、確かにもたれ合いの社会でやってきた、それのツケが集約的に現在に凝集しておるということは、これはもう櫻井さんのおっしゃるとおり、私もそのとおりだと思います。  そのときそのときで的確な厳粛な措置をすればよかったのに、これは政治家のポピュリズムがこういうことをしてきた原因の一つでもあると、ここはやっぱり認識してもらわにゃいかぬと思うし、また日本の社会の構成全体が、農村社会構成ですから、もたれ合いの社会ですから、なかなかそういうことの踏み切りができなかったという、いろんなことはございましょうが、それはあると。けれども、これを続けるわけにはいかない、これからの財政の努力によってこの弊害をできるだけ正していくということをしなきゃならぬと。しかし、経済界全体もやっぱりその意識を持ってもらわなきゃならぬと思っております。  したがって、我々現在持っておる意識としては、何としても財政の規律を保つということでございまして、その規律を保つ一番根本をどこにするかということでございましたが、それが実は国債発行を三十兆円に抑えるという財政のいわゆる締め付けということを考えたんですけれども、これは事実上、私たちの努力も足らぬかったこともございますけれども、なかなかそのとおりいかないような状況になってまいりましたけれども、しかし、この傾向をずっと維持することによって、少なくとも二〇一〇年においてプライマリーバランスをゼロにしようという一つの目標を我々持っております。これもいろんな批判があるでしょうけれども、財政の規律の一つの目標をそこに置いておるわけでございまして、それに向かって更に一層の努力をしていきたいと思っております。  もちろん政治家の中にも、そんなことよりも景気を良くすればそういう財政の改善もできるんだという考えはございます。しかし私は、それは当然でございますけれども、その前にやるべきものは、景気を良くするためにはやっぱり規制を緩和しなきゃならぬと思うんです。その規制緩和するということは、財政との関係で非常に重要なものがございます。  現に、国と地方との関係というものも、財政上の問題から来るところの言わば規制解除ということもございますし、規制解除することによって財政が改善されていくということもございますし、そういうようなものを総合的に考えて、やっぱりこの際に、私は財政で、つらいところはあっても乗り切っていくためのかじ取りをしっかりとやらなきゃいかぬなと思っておりますので、是非ひとつ応援していただきたいと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 じゃ、ここで日銀に、ゼロ金利政策について現時点で日銀がどのように判断されているのか、教えていただけますか。

山口廣秀日本銀行企画室審議役

○参考人(山口廣秀君) お答え申し上げます。  最初にお断りしておきたいのは、私ども今、量的緩和ということでやっておりまして、ゼロ金利政策と、もちろん金利をいろいろと念頭には置いておりますが、まずは私どもの当座預金残高にターゲットを設けまして、その拡大を通じて緩和効果の浸透を図っていくと、そういう形の政策を遂行しておるという点についてまず御理解いただきたいと思います。  その上で、先生も御承知のとおり、私どもはかなり思い切った緩和をこのところ続けてきておるわけであります。こうした緩和の効果というものについてでありますが、御承知のように我が国経済には様々なショックがこれまで加わってきたわけでありますが、金融市場の安定を確保するとかあるいは景気の下支えをきっちり行うと、こういうような面におきましては強力な効果を発揮し続けてきていることは事実かというふうに思っております。  ただ、その一方で、長引く超低金利の下で、先生案じておられるような副作用として幾つかのことが指摘されていることも事実であります。  一つにつきましては、例えば家計などの利子収入が減少しているというようなことですとか、あるいは年金とか生命保険などの機関投資家の運用が難しくなっているとか、それからさらには構造調整がなかなかやりにくくなっているというようなことなどが副作用として事実指摘されておるわけであります。  ただ、そうした副作用はありますが、実際に機関投資家の運用環境を今後改善していく、あるいは家計の収入を少しでも増やしていくということを実現するためには、私どもとしてはまずもって経済活動全体を活発化させるということが必要でありますし、それに応じて金利収入ですとかあるいは賃金が増加するような状態をまず実現すると、これが先決なのではないかというように思っております。  日本銀行としては、経済をできるだけ早期に持続的な成長軌道に戻す、それによって物価がマイナス基調から脱却できると、こういった状況を実現するために今後とも精一杯の努力をしてまいりたいと、このように思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今、最後に、経済を正常な状態に戻したいとおっしゃっていました。経済を正常な状態に戻したいということが日銀が株を買うということにつながるわけですか。

山口廣秀日本銀行企画室審議役

○参考人(山口廣秀君) 私どもが株を買うことに決めましたのは、これはあくまでも金融システム面への配慮からということであります。  それはどういうことかといいますと、具体的には、金融機関が持っております株式の保有リスク、こういうものを可能な限り削減し、それをもって金融機関が不良債権処理を進めていくと、そうしたことを少しでも容易にするような、そういう環境を作りたいと、こういう配慮からでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それは金融システムじゃないですよ、やっぱり。金融機関の健全性を担保するためにやっているだけの話じゃないですか。  竹中大臣がこの間委員会でこう述べられているんですが、収益性の低いところに資金が滞っていると。その分、ここに張り付けられている分、本来貸さなければいけないところに対してお金が回らないと。日銀のゼロ金利政策というのはこういうことを生んできていると、これまでですね。  こういうことを、つまり、今、小泉さんが進められようとしている構造改革というものを、本来であれば市場原理の中で実現できていたかもしれないものを、ゼロ金利とか、金融緩和政策と言った方がいいのか、超低金利政策が正しい言葉でしょうか、そういうことによってむしろ妨げてくることになったんじゃないだろうかという気もしますが、その点についていかがですか。

山口廣秀日本銀行企画室審議役

○参考人(山口廣秀君) ただいま先生の御指摘の点につきましては、先ほど私の方から申し上げましたが、私どもが行っております金融緩和というのは何がしかの副作用を伴っている面があると。その一つとして、構造調整を阻害している、その進捗を抑えているというような面があるんではないかというようなことを申し上げたわけでありますが、正にそうした理解という点では先生の御指摘と共有しているところがあることは事実であります。  ただ、一方で、私どもが行ってきました金融緩和策というのは、そうしたことによりましてむしろ企業がリストラとかあるいは事業の再構築、こういったものをより取り組みやすいような環境を整えると。言葉を換えて言いますと、構造改革をより進めやすくすると。そうした面でもむしろプラスの効果があったというようにも理解できるところがあるように思っておりまして、この辺り、両面をもって評価する必要があるんではないかというふうに考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 現在の経済状況で最大の問題はデフレなんだと思うんですよ。このデフレをどう脱却するかということです。この点に関して、量的な金融緩和政策というのはデフレから脱却できる、そのために必要な政策だと思われますか。

山口廣秀日本銀行企画室審議役

○参考人(山口廣秀君) なかなか難しい御質問ではありますが、先生も御承知のとおり、デフレというのは様々な要因によって生じておるわけであります。需要面、供給面、両方見ていかなきゃならないわけであります。  特に、昨今のように需要不足が景気低迷の中でかなり深刻になっているという状態の中におきましては、私どもの金融緩和、量的緩和措置だけをもってそうした状況を改善するというのはなかなか難しい面があるようには思っておりますが、ただ、そうした中で規制改革あるいは構造改革、それはもちろん金融機関の不良債権の進捗ということも含むわけでありますが、そうしたものを進めていくことによって企業あるいは個人の需要が引き出されるということにつながっていけば、私どもが今講じております量的緩和というものがより強い効果を発揮すると、そういうことにつながっていくんではないかというふうに理解しております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今年度の税収を調べてみますと、昨年度とどう違っているかといいますと、現在の進捗状況で申しますと、所得税が昨年と比較して現時点で七五・八%であると。法人税が五四・六%なんですよ。そうすると、今おっしゃっているようなことが全然実現できていないんじゃないだろうか、そう考えるんですけれども、そしてもう一つは、量的緩和はたしか昨年度と今を比較して、ちょっと正確な数字忘れましたが、二七%ぐらい積み増しされていて、しかし全体としての融資は三%程度しか増えていなかったんじゃないかと思います。  その意味で、なぜこんなことを申しているのかというと、今の政策というのが、確かに継続性というのは大事なことなんだろうと思うし、方向転換するというのはしにくいことなのかもしれません。しかし、我々医者の立場でいうと、患者さんは生きている、生き物なんですよ。社会も生き物なんですよ。刻々と変わってきている中で治療を変えるというのは当たり前のことなんですよ。そして、それが統一された方向で治療しなければ、今やこの国は助からないような方向に来ているんじゃないかと私は思っているんです。その意味で、行政から何から全部の知恵を出して解決していかなければいけないと思っているんです。  教科書どおりの答弁ではなくて、実体経済において日銀がこれからどうしなきゃいけないのか、どう判断されているのか、その点についてもう一度御答弁願えますか。

山口廣秀日本銀行企画室審議役

○参考人(山口廣秀君) お答え申し上げます。  先生も御承知のとおり、先日、今週の初めでありますが、私ども金融政策決定会合を開いて、そこで当面十五兆円から二十兆円という当座預金残高のターゲットを継続するということを決めたわけであります。ただ、その中でも、金融市場の状況を見ながら実際に金融調節を運営する上での具体的な目途として、これまでは十五から二十兆の中ほどということを目途にしてきたわけでありますが、それをできるだけ高い水準に引き上げようと、こういうようなことを一応決めたわけであります。  私どもとしては、そのような形で、元々十五兆から二十兆というターゲットの引上げ自体、十月末に決めたものでありますが、そうしたことも行い、それからさらに今申し上げたようなことも一応決めておりますので、こうした一連の効果というのがどのように経済実態に浸透していくのか、この辺りを私どもとしては当面のところ注意深く見守ってまいりたいと、このように考えている次第であります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 この国は同じことをやり続けて失敗しても余り責められないんですよ。新しいことをやってみて失敗すると物すごく責められるものですから、だからそのままのをずっと継続してくるんです。継続すりゃ何となく、これだって量的緩和は我々最大努力していますよと。量的緩和したって市場でお金が流通しているわけでも何でもないのに、それでも量的緩和をし続けているだけなんじゃないですか。本当に実際にきちんとした分析をされた上で、科学ですから、ただし難しいのは、社会科学というのは実験ができません。医療はある程度動物実験だ何だということを通じて人体にどういう影響が出てくるかということを実験することができますけれども、社会科学というのは実験ができないという点で極めて難しいんですよ。  ですが、少なくとも自分たちがやってきたことをきちんと振り返った上で、データを整理して、今後何かをやっていかなきゃいけないという議論をしなければ、永遠に解決しないと思いますよ。今の日銀の御答弁では、本当にそのデータを分析された上で、今後、これからのまた様子を見ていきましょうなんという、そういうのんびりしたことじゃ、この喫緊の経済危機というのを乗り越えられないと私は思いますけれども。私はそう思っています。  その意味において、もう一つ、先ほど大臣が、塩川財務大臣が財政規律が大事だと、そうおっしゃいました。それは確かにそうだと思いますよ。GDPで一四〇%も超えるようになったら、いずれやらなきゃいけないんです。しかし、じゃ、平成九年に財政再建をやろうとしたわけです。あのときに、財政構造改革法を平成九年に提出して、もう十年の十一月にはやめちゃっているわけです。じゃ、なぜあのときにやめざるを得なかったのかということ、このことがきちんと分析されているんでしょうか、大臣。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) あのとき、私は即答をなかなかできにくいんですけれども、あのときはアジア周辺には金融危機がございましたですね。それから、アメリカはあのときからIT産業の不況というものが始まってきた。思い違いがございましたですね。そういうふうなものもあって、私は、ちょうど非常に日本経済にとっては都合の悪い状態の中にあったと。でございますから、あの時分に山一証券の問題があり、北拓の問題があり、物価が平成九年から十年にかけてがたんと落ちてきた、ここがデフレの深刻化してきた始まりじゃないかなと思っております。  そのときに、その処置を、ちょうど財政再建の問題とかいろんなものとちょっとねじれがあったことは私も認めます。認めますけれども、しかし、その当時はやっぱりデフレの解消のためにと思って一生懸命やってきたものが、日本としてはある程度効果が出てきたんだけれども、国際情勢等から、やっぱり世界経済、グローバル経済の中にある日本としてはその影響を回避することができなかった。そこからデフレが深刻化していった。そこへ、さらに方向転換すると同時に、一層の言わば迎合的政策を取っていったということも、これも原因もあったんではないかなと思ったりしておりまして、そこらはやっぱりその当時としては経済の破滅を防ぐためにやってきたことでございまして、その意味においては十分な政策であったと思いますが、現在は、今、櫻井先生がおっしゃるように、状況が変わったら手当てを変えるのは当たり前じゃないかということでございまして、手当てを、財政の緊縮ということで手当てを変えていく、こういうところに来たと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、まず平成九年は財政再建、財政構造改革を行う時期ではなかったという御判断ですよね、そうすると。つまり、アジア経済やアメリカ経済や様々な点を考えてみると、そのときはそういう時期ではないと今は総括され、その時期にふさわしい時期ではなかったと御判断されているわけですね。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) いや、そうではなくて、バブル崩壊が深刻になって措置をして、ある程度、一九九五年、六年ごろからじっと直ってきて、そしてある程度、まあこの調子では何とか平常化するであろうということで、元へ戻そうということが考え方であったと思いますが。ですから、外的な条件がそこへ刺激を、衝撃を与えて変更をせざるを得なくなったんですけれども、日本経済の中の流れとしては、やはりあの時点で少し改革への積極的な踏み切りをすべき状況にあったことは事実です。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 しかし、全体で見たときに、今やグローバル社会の中で日本経済だけ、内需の面だけを考えて財政再建とか財政構造改革というのを進めていくわけにはいきませんから、結局、世界全体の中で見たときには財政再建を、財政構造改革をやれる時期ではなかったという御判断をされたということですよね。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) また、ちょっと端的に資料を言います。(資料を示す)こんなことになっていますね。ここでぐっとバブルが解消、不況が回復をしてきて、ちょうど平成八年ごろにぐっと経済が上向いていく、この傾向はあった。この傾向を非常に重大視して、ここで、いつまでも要するに特別措置じゃなくてここで平常化しようとした。平常化なんですね、あの改革というのは。そこで改革を、財政改革をしようとしたこの時期にちょうどいわゆる外的刺激がきついのが来たと。ここに集まってきたので、このときは非常に運が悪かったということでございまして、そういうことも長い歴史の中にはあるということであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 運が悪かったで片付けられる、先ほど申しましたが、社会科学というのは実験できないからこそ一つ一つきちんとした検証が必要なのであって、これが運が悪かったと軽く解決できるのも、ちょっと。  ただ、じゃもう一つお伺いしたいのは、小泉政権になって三十兆円の枠を作った、国債の発行額。要するに、また財政再建を行おうとしているわけですね。だったとすると、デフレ下の中で、デフレ経済の中で財政再建を行った国はあるんでしょうか。

小林興起自由民主党財務副大臣

○副大臣(小林興起君) デフレ下の方がむしろ、非常に財政も赤字になってきますから、何とかしなければならないということになることもあるわけでありまして、アメリカ経済の例を取りましても、アメリカでは八〇年代以降低迷状況に入って、九〇年初頭、九一年には九年ぶりのマイナス成長を記録して、正にデフレになっていくわけでありますが、しかしここに財政赤字が非常に拡大するということに危機感を持って、包括財政調整法を一九九〇年に制定しまして、各種の財政健全化策が実行されて、九二年度に約三千億ドルあった財政赤字が九八年度に黒字化したという例もあるわけでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 景気が悪ければみんなデフレなんですか、本当に。デフレの定義というのは何なんですか。そうして、本当にその定義にアメリカは当てはまるんですか。

小林興起自由民主党財務副大臣

○副大臣(小林興起君) ここでデフレにもいろいろな議論があろうかと思いますけれども、デフレを持続的な物価の下落というふうにとらえているわけでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 アメリカの九〇年代はそうだったんですか。

小林興起自由民主党財務副大臣

○副大臣(小林興起君) もう一度整理して申し上げますけれども、いわゆるレーガンの政権下ではアメリカの方は物価上昇率はプラスであったわけですから、そのときはデフレではございません。その後、九〇年代においてデフレの現象があったというふうに申し上げたところでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 デフレの現象というのは一体何なんですか、デフレの現象というのは。それで、もう一度じゃ改めてお伺いしますが、じゃ、デフレ経済下で財政再建を行った国があるんですか。そして、それでうまくいった国はあるんですか。

小林興起自由民主党財務副大臣

○副大臣(小林興起君) 具体的なマイナス成長というところでは別途ヨーロッパの例もあろうかと思うわけでありますけれども、御承知のとおり、EU経済が九〇年代初頭に、ドイツ、フランス、イタリアがマイナス成長を経験して、総じて景気は低迷してきたわけでありますが、御承知のとおり、通貨同盟をどうするか、ユーロ通貨同盟に加入するためには、GDPに対してマイナス成長ではいかぬという歯止めを御承知のとおり掛けられまして、各国において財政の赤字を止めなきゃいかぬ、財政健全化へ向けて努力しなきゃいかぬという、そういう御承知のとおりマーストリヒト条約が結ばれる中に、各国が努力をして、懸命に努力をして財政健全化を達成したのは御承知のとおりでありますが、当時もヨーロッパは非常な不況であったということが言えるかと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 デフレと不況は違いますよ、インフレ下でも不況はあるんですから。ですから、私がお伺いしているのは、デフレ経済下で財政再建をやった国があって、うまくいった国があるんですかということをお伺いしているんです。

小林興起自由民主党財務副大臣

○副大臣(小林興起君) 完全なデフレかどうかということについては御議論があろうかと思いますけれども、景気低迷下では明白に財政再建を果たしたということが言えるわけであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 答弁になっていません。答弁になっていません。答弁になっていませんよ、今の。ちょっと止めてくださいよ。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 速記を起こしてください。

小林興起自由民主党財務副大臣

○副大臣(小林興起君) 発言をそれでは厳密にする意味で訂正をさせていただきます。  不況下において財政再建を果たした例はあるということは明白でございますが、先ほど申し上げましたように、デフレの定義を物価がどんどん下落していくというような、そういう定義にいたしますと、我々としては承知しておりませんというのが正確な答えだと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、今まで前例がないわけです、こういうことが。前例がないところに今挑戦しようとされています。それがいいか悪いかというのはこれから答えが出てくることなんだろうと思いますけれども、しかし少なくとも、財政再建を行おうと思っていても、今年の予算が、当初が四十六兆八千億だったものが、二兆七千億減額されれば四十四兆円に減額されるような、こういう税収が落ち込んでいるような状況で果たして財政再建がやれるのか。財政再建の方向に向かっていくことが果たして正しい方向なんでしょうか、塩川大臣。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 同じデフレと言いましても、いろんなデフレがございまして、それは人間の体が違うがごとく、いろんな違います。現在の日本のデフレは非常にリッチなデフレなんですね。ですから、従来のような経済理論だけでいうところの、つまり十九世紀末に起こったあの深刻なデフレ状態のあの経済学から見たら、全く適用できない状況にある。  日本の現在のデフレの中において改正すべきは、私は行政改革と結び付いたデフレの解消になってくると思っております。そのことを考えまして、現在やっぱり財政上の、先ほども申しましたように、財政上の措置から構造を変えていかなきゃならぬという、そういうものと一体となった政策を展開しておるということでございまして、ただ財政の引締めだけでもって財政構造の改革だと取っていただいたら私は視野が狭いと思っておりまして、そうじゃございません、構造改革していく中の一環としての財政の措置であると思っていただきたい。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 じゃ、税収のこれ、今はとにかくいろんな政策打たれていますよ。じゃ、とにかく法人税で昨年度と比較して五四%であって、それから所得税で七五・八ということは、少なくとも景気が悪化してきているということはこれは確かなことだと思うんです。悪化しているから個人の収入が落ちてきている、それから企業の収益が落ちてきているということなんだと。これは、小泉改革の改革が始まったからその痛みの表れなんですか、それとも小泉改革はこれからが本番であって、これから更なる痛みが来るんですか、竹中大臣。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 数字だけで、税収が落ちて、それで予算の方の措置がどうだということをこの議論だけでされるということは、私は先ほど言っていますように一方的だと。税収が落ちてきておるけれども、それに対してそれじゃ国債を発行してその措置をすればいいということではあろうと思いますけれども、それをいつまでも繰り返しておったんでは日本の経済の根本的な体質の改善にならない。そこに、私たち非常につらいけれども、その税収が落ち込んだ現状の下において、財政の在り方、この在り方を通じて構造改革をしようということで、一体のものでございますから、ただ税収だけの問題を議論して財政を論じていただいたら、ちょっと私たちも困るということです。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みません、一言だけ。  税収は、社会全体を僕は反映していると思っています。それが一つの断面だということではなくて社会全体だと、そういう認識をしています。平成九年で財政構造改革をやろうとした。それを、まあ運が悪かったらしいんですけれども、それでおやめになった。そうすると、本当に今やらなければいけない時期なのかどうか、改めて考えていただきたい。  そしてもう一つは、先ほども日銀にも申しましたが、今の政策全体が、本当に各々取っている政策全体が整合性が取れていて、そしてこれが構造改革というか、とにかく何か構造改革をやっていかなきゃいけないんでしょう。しかし、それをやっていくために、今の手段で本当にこれでいいのかどうか、改めて担当各省に御検討いただきたい。そのことを御要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 日本共産党の大門です。  昼時間に食い込みますけれども、よろしくお願いしたいと思います。  私の方は、前回に引き続き竹中大臣に、なぜアメリカが日本の不良債権処理促進を、前回資料をお示しいたしましたけれども、執拗に求めているのか、求めてきたのかという点について質問をしたいと思います。  ただ、前回の質問で竹中大臣は、特にアメリカから要請があったりアドバイスがあったわけではないということをおっしゃいましたので、今日はその点、別に竹中大臣と論争したり詰めようということではございません。むしろ、アメリカそのものの考えをアメリカに詳しい竹中大臣に今日はいろいろ教えてもらう立場で質問をしたいというふうに思いますので、どうぞ気を楽にして安心して、学者の立場で分かるように説明、教えてもらえればというふうに思います。  私、いろいろ資料を調べてきましてもうひとつ分からないのが外交問題評議会、いわゆるCFRという有名な大変大きなシンクタンクがあって、大臣当然御存じだと思いますけれども、私が分かるのはもう、これは一九二一年に作られて大変歴史のあるシンクタンクで、四千人のスタッフがいる、大変大きい、アメリカ政府の委託事業もやっているという程度なんですけれども、これはアメリカ政府にとってどういうふうな存在のシンクタンクなのか、大臣御存じでしたら、ちょっと解説といいますか、教えてもらいたいと思います。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 余り気を楽にして答えられないような質問が一杯飛んできそうなんでありますが、外交問題評議会の存在は存じ上げておりますが、そんなに詳しく知っているわけではございません。そこに呼ばれてスピーチをしたこと等々数回ございますが、ニューヨークに本拠のある、外交問題と書いて名を売っておりますが、国際関係論、経済を含んで非常に幅広い活動を行っているところであるというふうに思っています。  それと連邦政府との関係がどうかというのは、これもちょっとよく存じ上げておりませんが、総じて一般的な認識だけ申し上げますと、この外交問題評議会とかランド研究所とか、政府が特に専門的な政策立案をするときに、これはかなりいろんなことを発注していろんな政策的なアドバイスを求めているということもあるのではないかというふうに思います。その意味では、非常に財政基盤がしっかりした有力なシンクタンクの一つであるというふうに思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。  大体位置付けが分かったんですけれども、このCFRのレポートを読んでいて驚いた文章があったのでどういうことなのかというふうに思うんですが、二〇〇〇年の十二月に、これはブッシュ政権が発足した後ですので新政権のための対日経済指針というのが出ているんです。  ちなみに、大臣、これはお読みになったことはございますか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 余り詳しく読んだ記憶はございません。そのたぐいのレポートというのは随分とたくさん出されていると思います。特に、大統領選挙がある前後には、これは自分たちを売り込んで、自分たちの売り込みも含めて非常にたくさんのそういった戦略物が出るというふうに認識しておりますので、その一つなのかもしれません。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 これは、どうも委託されて、先ほど言われましたけれども、日本問題という専門的なことを委託されて出した指針のようです。  中身は、前回も少し申し上げましたけれども、よくここまで言うのかなというのがあるんですけれども、少し紹介しますと、もちろんこれは対日経済政策全体に提言をしております。規制緩和から貿易問題、全部入っていますが、特に日本の不良債権問題に多くの誌面を割いておりまして、幾つかちょっと訳文ですけれども紹介しますと、今多くの日本企業や金融機関が倒産の瀬戸際に追い詰められていると。この中で、外国の資本や専門的な知識を求められるようになっていると。外国企業にとってまたとない参入のチャンスが到来していると。不良債権を外国企業が買い取ることで銀行危機が回避できるなら有り難いと官僚の一部からも支持されていると。外資が誘致されて、海外からの直接投資が増えている。中でもリップルウッドによる長銀の買収、新生銀行ですね、今の。必要に迫られての選択だったというふうなことをいろいろ書いていまして、日本政府に海外からの直接投資の受入れの環境の改善、金融市場の改革を求めるように提言していると。  つまり、経済政策というよりも、対日経済政策というよりも何かビジネス戦略提言みたいなものになっているんですけれども、さらに、ちょっとこれはどうかなと思うのが、アメリカなどの外国企業による直接投資が日本全体、日本経済全体を促す触媒の役目となる。これはいいんですけれども、アメリカの要求が日本の利益となるような場合には、ワシントンは日本側に改革を急がせるだけの影響力を持っているんだと。日本のマクロ政策について相当な要求を公然と突き付けても、日米安全保障関係を守るために、日本が拒否するとは考えにくいと。  つまり、ブッシュ政権に日本に圧力を掛けるようにというふうな提言もしているんですけれども、私は、外国にこんなことを言われる筋合いはないなというふうに、こう思ったりするんですが、竹中大臣はこういう、異様な感じがするんですね、日本のシンクタンクの提言とかと比べて何か非常に異様な感じがすると思いますが、この辺はどういうふうにお考えですか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) それちょっと全体読んでおりませんので全体としての正確な判断はしかねるのでありますけれども、これは、シンクタンクというものの質も量も社会的位置付けもやはり日本とアメリカでは非常に大きく異なっているというふうに思っております。  シンクタンクはシンクタンクとして、これはビジネスで非常に厳しい競争の中で行っております。ですから、例えば研究資金、調査資金を取るためにスポンサー探しを一生懸命やって、ですから、これ一般論ですけれども、アメリカ等々の研究者というのは非常に企業家精神が旺盛でありまして、そういうことを含めて資金を調達して、例えばそのスポンサー向けのアドバイス、サービス的なものもこれは非常に堂々とオープンにやりますし、その意味では、例えば、先ほど言いましたように、少し議論をオーバーに書き立ててそれで自分を売り込もうと、自分の名前を上げようと、そういう意味での競争も非常にありますので、その意味では、非常にクオリティーの高い研究もあれば、日本の週刊誌的にあおるようなものもある。正に玉石混交、非常に量も多く自由に好き勝手にやっているというのが一つのアメリカのシンクタンクの風土であろうかと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 私、最初にお聞きしたように、CFRというのはそんな軽いシンクタンクではないような気がいたしますし、この後ブッシュ政権の対日政策に非常に反映されていると。今日全部御紹介しませんけれども、強いて言えば、骨太方針にも、ここでそのまま取り入れたとは申し上げませんが、構造改革の方向がほとんど出ているんですね、日本に迫る構造改革と。骨太方針で出されているのとほぼ一致していますので、そんなに軽い話じゃないと、CFRの提案というのは。事実、この後すぐブッシュ大統領が森前首相と会談をやって、この中身と同じことを日本の森首相に求めているというのがありますので、私はそんな軽くないんじゃないかなというふうに見ていますが。  もう一つお聞きしたいのは、これも私ずっと調べているんですが、もう一つやっぱり位置付けが分からないんですが、IIEですね、国際経済研究所。これは、竹中大臣も八九年ごろですかね、フェローでおられましたのでよく御存じだと思うんですが、このIIEというシンクタンクですけれども、これはアメリカ政府にとってどのような存在なんですか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 所長は有名なフレッド・バーグステンという人で、バーグステン自身は、どの政権だったですか、一九七〇年代に、カーター政権だったんだと思いますけれども、そうですね、キッシンジャーの補佐官等々をして、その後、国務次官補か何かをやった人であると思います。彼は為替相場等々の予測等々で非常に名があって、彼の発言でいろいろ相場が動いたという時期もあったということだと思います。  しかしこれも、先ほど申し上げましたように非常にたくさんあるシンクタンクの一つで、非常に厳しく競争をしています。その中で、先ほどちょっと外交問題評議会の提言というふうにおっしゃいましたが、これは、組織のいろんな研究員が、さっきの話だと四千人いるという研究員の、それぞれの発言、行動に対する研究所組織としてのバインディングは物すごく弱いですから、これはまあ極端な話、外交問題評議会という場、IIEという場を使って自由勝手にやってください、その代わりお金も自分で引っ張ってきてくださいと、それがアメリカのシンクタンクの普通のやり方なんだと思います。  このIIEは、その中では非常に名前は有名なシンクタンクだと思いますし、ガット、WTOに関する提言とかそういうこともいろいろやってきたという意味でのそれなりの影響力はあるところだと思います。しかし、政府との直接的なつながりというのは、これは先ほど言いましたように非常に競争して、いわゆる研究所の一つである、ワン・オブ・ゼムであるというふうに思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 もちろんIIEだけじゃないと思うんですが、そうはいってもIIEの存在からいくと、IIEと競争できるようなシンクタンクというのはそんなに多くないと思うんですが、例えばブルッキングスとかその辺の、そんなにたくさんの中じゃないですね。相当主要なシンクタンクの一つではありますよね、IIEというのはね。  このIIEで、アダム・ポーゼンさんという方がどうも日本担当なんですかね、書かれているのがやはりかなり露骨なことなんですけれども、これは二〇〇一年の三月のアダム・ポーゼンのリポートによりますと、これは、決定的行動か金融パニックかと、日本についてですね。この中で、もう結論は省きますけれども、不良債権問題でいきますと、資産査定の厳格化と引当金の積み増し、債務超過に陥った銀行は破綻させて、過少資本に陥った銀行は売却又は合併させるか、公的資本を導入し資本強化を行うと。銀行の大幅な整理縮小、再編成が必要だと。  これも同じように、日本政府に圧力を掛けろというのをおっしゃっています。さらに重要なのは、今年の五月の方のレポートなんですけれども、これは不気味に迫る日本経済の危機というふうなタイトルになっていますが、ここで、これは二〇〇一年の三月に出したリポートで提案したように断固とした措置を日本は取らなかったと、もはや銀行閉鎖、自己資本注入などの総合政策の展開しかないと、日本にはないんだと。さらに、金融危機の処理は、通常、銀行の一時的な国有化を結果とすること。銀行ビジネスの大規模な外国資本の参加を伴う、これは何ですかね、ウイズ・ラージ・スケール・フォーリン・パーティシペーションですかね、そういう意味だと思いますが、米国モデルへの収れんを経ることで日本は金融システムの安定化を達成できると。公的資金の投入、国有化、外国資本の参加ということを非常に露骨に五月のポーゼンさんのレポートでは出ていますし、最優先課題がとにかくリアル・バンク・クリーンアップ、銀行の整理淘汰の実行であり、米国議会を満足させる唯一の改革であると。小泉自身の最優先課題が防衛問題であることに注目し、この点での日本の貢献度の低さを圧力材料にして、経済問題での米国の要求実行を迫るべきだというふうに述べています。  これも、あれこれの一つというふうには、非常にその後の、例えばハバードさんがいろいろ銀行そのものの改革というふうにおっしゃるようになりますけれども、そういうことに影響を与えると私は思うんですが、その辺はどう思われます。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) アダム・ポーゼンが影響力を与えているということは私は全くないと思います。彼とは何度も大激論をしたことがございます。彼は、先ほど言っているいろんな形で、私の観察によりますれば、常に非常に極端な議論をして自分を売り込もうとしているアメリカ型エコノミストの典型でありまして、今日このような場で彼の名前を取り上げていただけることは、彼にとっては涙が出るほどうれしいのではないかというふうに思います。  彼の議論は、要するに九〇年代の半ばぐらいまでとにかく非常に極端な財政拡大をやれと。GDP比一〇%を超えるような、失礼、十兆円、今で言うと十兆円、二十兆円のような大型の財政赤字をやれということを常に言って、そのようなことを主張して、でないと日本経済は沈没するぞというふうに言った。その後、財政再建の流れが出てきたときは、財政再建は必要だというふうに、金融の問題がクローズアップされてきたら、金融をこのまま行くと日本は沈没するぞと。よくある一つのタイプの議論なのだと私は思っております。  これはもちろん、彼は彼でその時々でエビデンスを提供はしておりますけれども、これはまあ、そういう人はほかにもいるわけで、そういういろんな議論をしている人の中から売り込みに成功した人がホワイトハウスに突如登用されるというのが、これアメリカの一つのシステムでありますから、彼もその中で一生懸命競争をしているということであろうかと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ポーゼンさんと竹中大臣が仲悪いのはよく分かりましたけれども。そうなんですね、おっしゃるとおりなんです。私も読んでいて、非常に極端なことを言うんですよね。むちゃくちゃなことを言うんですよ。本当に日本はもう、しかも経済の方向を間違ったりということを言いますよね。円安になって日本から資金が流出して大変になるから不良債権をやれと、前提が非常に極端な方だなというのはよく分かっているんですけれども。分かりました。  もう一つ、これ私ちょっと調べたんですが、大臣なら御存じかと思ってお聞きするんですけれども、米国に日本の金融問題に関する諮問グループというのがあるんですかね。デビッド・クックさんとかリチャード・ギルトンが入っている日本の金融問題に関する諮問グループ、これ国会図書館を通じて調べてもらったんですが、これでは探し当てられないんですけれども、つまり、要するにデビッド・クックさん、リチャード・ギルトンさん、クックさんというのは元RTCの業務最高責任者ですかね、が入っていられるような諮問グループというのは何か御存じですか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと存じ上げません。  恐らく、先ほど申し上げましたように、とにかく毎年毎年、数万人の人がアメリカでは経済学のPhDを取るわけですね。その人たちが自分たちのポジションをどこに求めるか。非常に実力があればアカデミックポジション、大学でいい大学に行けるわけですが、いろんなエコノミスト、企業に雇われたりする。その中で、やはり本当に企業家精神旺盛なんですね、愛企業家精神を是非日本の銀行も見習っていただきたいというふうに思うんですが、その売り込みたるややっぱりすごいものがあって、そういう中でいろんな、常にいろんな、特にワシントンやニューヨークではグループができていると思います。それで、そこのところが時々物すごく影響力を持ったりすることはあると思います。社会的にも影響力を持ったり、またホワイトハウスに直接影響力を持ったりすることがあると思います。  最近、アメリカに余り行っておりませんので、ちょっと今どういう状況になっているのか、このグループのことは存じ上げません。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。  これは週刊誌ネタで恐縮なんですけれども、そのギルトンさん、リチャード・ギルトンさんの方が、日本債権圧縮ファンド、JDFの設立、再建企業の債務と株式を交換する、いわゆるデット・エクイティー・スワップですけれども、これを求める書簡を十月十八日に竹中大臣に送ったというふうに、これは「東洋経済」ですかね、報じていますけれども、そんなの受け取られたことありますか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 今年の十月ですよね。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 はい、そうです。あ、ごめんなさい、去年の十月です。去年の十月です。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 去年の十月ですか。去年の十月ごろに、ちょっと十月だかどうか分かりませんが、何人かの連名でいろんな金融についてのレターをいただいたことはあったかもしれません。その中にギルトン氏がいたかどうかは記憶をしておりません。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 そうすると、先ほど、よく分からない諮問グループみたいな、自分を売り込みといいますか、そういうグループがアメリカに幾つかあると。そういうところは日本の大臣にどんどんそういうレターとか送り付けたりしているわけですか、ほかのグループも含めて。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) これは、例えば、この場でも議論になりましたけれども、ハーバード大学のフェルドシュタイン教授が、自説の、要するに消費税を段階的に変えろというような案を私に送ってきたりとか、割と面識のある人は結構レターなんかは送りますし、正にそれも、割とこう、そんな売名行為でやっているのではないと思いますけれども、彼らにとっては非常にアクティブな、自分が正しいと思っていることを伝える割と行為としてあるのではないかと思います。そんなにたくさん来るわけではありませんけれども、時々自分はこう考えているんだというようなレターを送ってくる方は、これはもちろん日本人にもそういう方はそこそこいらっしゃいます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 はい、ありがとうございます。  私は、こういういろんなシンクタンクがいろんなことを言ってきたというのはあると思うんですが、もちろん極端なことを言ったり売り込もうとしているとかいろいろあるんですけれども、採用するかどうかですよね、問題は、アメリカの政府が。やっぱり私、このアダム・ポーゼン、いろいろ極端ですけれども、やれということ、やるべきだということとか、あるいは外交問題評議会の対日経済指針を、全部そのままとは言いませんけれども、かなり米国政府は採用してきたんじゃないかなと、こう時系列に追っていくとですね。もちろんほかに意見を言ったこともあるかと思いますが、今紹介したような流れは、どうも採用してきたというふうに思います。  例えばハバードさんなんかが言っていることを、これもちょっと時間の関係で全部取り上げませんが、例えば、今年の三月十九日東京で講演されて、重要なことは、資産の買取りが行われて、それが政府以外の民間の市場参加者の手に入ることだと。つまり、不良債権を早く市場に出せということを主張されておりますし、これは九月十三日の日経の「経済教室」で、ハバードさんですけれども、「破たん寸前の金融機関を整理することこそ選択肢とすべきである。」と。また、九月の十三日、直近ですけれども、この前ですけれども、記者会見で、公的資金の注入は生き残れる銀行に限って行うべきであると。  つまり、全部本当いろいろ紹介したいんですが、簡単に言うとハバードさんが言っているのは、単に銀行を救済するような公的資金の入れ方じゃなくて、白黒はっきりさせろと、もう存続可能な銀行と可能でないところをはっきりさせて、もう言ってしまえば破綻して整理するところはしてしまって、存続可能なところに公的資金を入れろというふうな話だというふうに思います。これは実は竹中大臣が嫌いなポーゼンさんが言っていることでもあるんですけれども、このハバードさんはやっぱりいろいろこういう流れを踏まえているように思うんですが、いかがですか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) ハバード氏は今、CEA、大統領経済諮問委員会の委員長でありますから、向こうで閣僚に準ずるポジションにいらっしゃる方でありますが、ハバードさんの場合はちょっと少し事情が特殊なのかなというふうにも思います。それは、就任前まではコロンビア大学の教授をしておられて、正にこういう問題の専門家でもいらっしゃいましたから、そういう専門家としての意見を言うという部分が、例えば日経の「経済教室」なんかに書いておられるというのはそういう立場もあるのではないかと思います。したがって、彼の意見というのは非常にむしろ、何というか、政治的な薫りなんかがむしろ余り感じられなくて、非常に純粋に金融の専門家として言っておられる部分がかなりあるというふうに私は認識をしております。  繰り返しになりますが、だからといって、CEA委員長として私たちに対してこういうことをしてくれ、すべきだというような議論をされたことは一度もありません。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 もうお聞きしたいことは終わりましたので、続きは来週の予算委員会でやらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。    午後零時十九分休憩      ─────・─────    午後二時開会

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 国会改革連絡会の平野でございます。二十分という短い時間ですが、お付き合いをお願いします。  まず、日銀にお尋ねをしたいと思います。  十一月の二十九日からいわゆる株式の買入れを開始するということになっております。これは、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の今度は改正ということで、今日は実は午前中にこの法律が通ったわけですが、日銀の株式の買取りと同じ、似たようなスキームで株式の買取り機構があるということは御承知のとおりだと思います。前回の議論等も踏まえますと、日銀の株の買取りと保有機構の株の買取り、違いはあるんですが、根本的において私は大きな差はないんじゃないかなというふうに思います。買取り額は二兆円、他方は百二十七行、他方は主要、メーンだと言っていますけれども、ティア1を超える株式を買うという観点から見ればほとんどもうメーンだと、限られるということだと思います。  そこで、日銀さんがこれを、株式の買取りを決定するときに、昨年の百五十三回国会で成立した銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律、これに基づく株式の取得機構、これをどのように評価されたのか、これをまずお聞きしたいと思うんですが。

三谷隆博日本銀行理事

○参考人(三谷隆博君) お答えいたします。  当時、ちょうどこの株式保有制限ないしは株式取得機構の議論がなされましたのは昨年の春から秋に掛けての時期だと思います。当時は株価、昨年の三月中旬には一時、それまでの一万三千円台から一万一千円台に下がるというふうなことで、金融機関の株式保有に伴うリスクというものが非常に意識されたときでございまして、現実に日本の銀行は大手行を中心に自己資本対比でかなり多額の株式を保有しており、これは銀行の財務健全性の観点から何とかしなくてはいけないという議論が持ち上がったところでございます。  そういうものに対しまして私どもの基本的なスタンスは、そもそも金融機関というのはリスク管理、それをしっかりやるべきところであって、一つ株式だけではなくて、信用リスク、市場リスクその他のいろいろなリスクを統合的に管理するというのが本筋ではあるのではありますが、当時の状況ないしは株価の状況若しくは金融機関の株式の保有状況から見て、統合的リスク管理を超えた形での株式の一律の保有制限というのは当時としてやむを得ないものだというふうに考えておりました。  御質問の株式取得機構に関しましては、そうした金融機関に対する株式の保有制限を行うに当たりまして、市場との関係、株式の処理を円滑に進めるためのセーフティーネットとして設立されたものというふうに承知しております。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 そこで、日銀さんが株式の買取りを決定するに当たって、この取得機構のどこをどのように補おうということで株式の買取りを決定したのでしょうか。

三谷隆博日本銀行理事

○参考人(三谷隆博君) 現実に今年の初めに株式取得機構が設立されまして、その後、買取りをやっておるわけでございますが、私どもの掌握しているところでは、その買取りが思ったほどには進んでいない。  それに関連しまして、金融機関からいろいろ聞きますと、やはり仕組みがそもそも違うわけでありますが、拠出金の問題とか自己資本比率の計算上の扱いの問題であるとか、そういったことも支障になり、もう一方で株価は大きく下がっているということもあったわけでございますけれども、そういったことからなかなか進んでいない。このままではやはり日本の金融機関のリスク管理の問題というのは非常に大きな問題になってくるだろうと。現実に今年の九月にかけまして大きくまた株価が下がり、それが金融機関の経営そのものの問題としてもマスコミで大きく取り上げられるようになったことを背景にいたしまして、そういう判断に至ったものでございます。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 取得機構が創設されたけれども現実に株式の購入が進んでいない、そういったことを見て判断したというふうな説明だったというふうに理解したいと思います。  そこで金融庁にお伺いしますが、この株式取得機構に対しては、今日はこれは午前中の私の反対討論でも言いましたけれども、銀行等は既に百億の出資金を出しております。それから、売却時に八%の拠出金を出しております。取得機構は株を買ったときに、これは株価の変動にリスクを抱えますから、その株価が変動してもし負担が生じた場合に、一次的には八%の拠出金、次に出資金、最後は政府保証で買っていますから国が負担しますと、こういう仕組みになっています。つまり、株の取得についての、取得した場合の変動リスクに対して国が負担する範囲についてはかなりの制限を設けたというふうに理解したいんですが、こういう御理解でよろしいでしょうか。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のような制度になっております。  つまり、会員である銀行等に当初拠出金及び売却時拠出金を拠出させると。それで拠出金合計額を基準として、例えば、これは残余財産がある場合は二倍の額を会員に分配する分配限度額とする一方で、機構に損失が生じた場合には拠出金と当初拠出金がその補てん財源というふうにされるということでありますから、正にその変動に対するリスクを負う、これは利益が出るときもコスト負担になるときも両方あるわけですけれども、それについては会員である銀行が負担する、そういう形にもちろんなっております。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 そこで、日銀は購入時に八%の、出資金はおろか拠出金も取らないという仕組みになっておりまして、これは前回の審議のときにも言いましたけれども、逆に言えば、株価変動に伴うリスクは銀行には全くしょわせない、日銀にはしょわせる、しょうんだという仕組みになっているわけです。  他方、国会では、この株の取得に対しての購入に関する政策を導入するに当たって、この委員会でも議論したことですけれども、その株価変動に伴うリスクというのは、繰り返しになりますが、出資金と八%の拠出金をまずしょうんですよと、それを超える範囲については、これは買入れに伴う政府保証ですから国が負担するんだと、こういう整理になったんだろうと思います。  そこで、財務大臣、よろしいでしょうか。日銀は、株の買取りを決めるときに財務大臣の許可を取って決めています。そうですね。そのときに、株価変動リスクをなぜ日銀に全部負わせるというふうな決断をされたんですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) やはり日銀の独立性を尊重するという立場からです。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 財務大臣の立場からすれば、それは日銀は基本的には独立していますから、例えば日銀が独自の判断をしていろいろなリスクをしょうというのは、これは基本的には日銀の独立性ということからすれば自由かもしれません。ただ問題は、日銀がそういう形で株価の変動リスクを負って負担をするということは、これは最終的にはそれが日銀納付金にも跳ね返ってくるし、国庫の負担にも影響してくる話であります。  そこで、財務大臣とすれば、国とすれば、株価に伴う変動リスクの国の負担というのは、これは範囲を一応私はこの国会の中で議論して決めたと理解したいんです。それを越して日銀が独自で判断するのは、それは日銀の自由かもしれませんが、財務大臣はそこのときに、国会の審議を踏まえた上で、なぜ国が、最終的にリスクが国の国庫納付金に跳ね返ってくるような措置を、これは問題じゃないかとなぜ指摘しなかったのかというのが、これが不思議でしようがないんですが、これはどういうことでしょう。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 跳ね返ってくるおそれがあると考えましたから、私は条件を付けたんです。  それは、この前も申しましたように、一つは長期に保有するということですから、長期に保有すれば、これは逆にもうかる話なんです。決して、損ばかり考えていますけれども、損ばかりじゃないんです、これは。もうかることもある。そのときはやっぱり褒めてやらぬといかぬと思うんですね。それが長期に買うと。  それからもう一つは、基準を明確にせいと言いました。そうしたら、投機的なものは一切やりません、投資的な銘柄に対してやりますと。それはおのずから、BBBですか、これ以上になってくるんじゃないかと思っておりますが、そういう銘柄がやっぱり選定の基準には持っているということ、そしてその基準を明確に、客観性を持たせて判断するという。  ですから、相当私はこれは、リスク回避は心得てやっていると思っております。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 一点目のもうかるかもしれないという話は、これは発議者の相沢議員も言った話であります。それはそうかもしれません。全部それは織り込み済みで保有機構というのは作っているんです。  だけれども、やっぱり持ったときに株価が下落するリスクはこれは否定できないんです。できないからこそ出資金を取って八%の拠出金取ったんです。日銀がそれを取って長期保有すれば、じゃ絶対それは株価は下落しないと言えますか。このリスクは必ずあるんです。そのリスクに対して、これを日銀がしょわなくてもいいということは、これは繰り返しになりますけれども、国会等の議論からすればちょっと筋が違うんじゃないかというのが一つ。  それからもう一つ、株を買うときの、今の財務大臣の話ですけれども、トリプルBマイナス以上とか投機的なものを買わないというのは、全部それは保有機構と同じなんです、それは。  ということで、もう一度御答弁お願いします。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 恐らくこの銘柄につきましては配当金は付いてくるだろうと思います。ですから、長期に保有するということは、かなりそういう面から言うてもこれはリスクをカバーできるものであると思いますし、また、私らの現在の判断、これは政治的な判断かもしれませんけれども、現在のような経済状況の中において、これが十年以上たって更に悪化しているということになってきたら、日本の経済は一体どんなことになっているんでしょうか。  そう思いますと、私は、そういうことの言わば先々の不安におびえておるよりも、やっぱり積極的な考え方も持つべきであると私は思います。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 私は、日銀が株の買取りを決めたことについて反対しているんじゃないんです。プロセスの問題として言っているだけです。国会の議論の中で、株価が変わった場合にリスクが伴いますねと、それに対して国庫負担はどこまでするかということを決めたわけです。それに対して一言も触れないで、日銀のやることはいいことだいいことだというのは、これは財務大臣としての判断、個人的な判断はあるかもしれませんけれども、この中でこういう法律を出して議論をした経過を踏まえれば、これはちょっとおかしいのではないかということを言っているんです。  将来が要するに不安だとか不安視する必要がないとか、そんなものは全然次元が違うんです。手続のプロセスの問題として言っているんです。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、プロセスについても間違っていないと思うんです。きちっと法律に、特別の場合というか、ただし、法律に規定する日本銀行の目的達成上必要がある場合においては、財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受けたとき、この限りでないと書いていまして、国会審議に付せるということは書いてありません。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 私が繰り返し言いたいのは、銀行の保有株式取得機構があって、その取得機構に対しての、株を買った場合の変動リスクというものに対して国が負うと、負う範囲についてこれは限定を付けたわけなんです。  日銀がそのときに、株を買うときに、これは確かに日銀の独立性というのはあるんですけれども、国で決めてそれ以上のリスクはしょえませんということが、何で日銀にしょわせられるんですかというのを聞いているんです。それは独自性ということで説明付くんでしょうか。それをもし本当にやるということであれば、日銀はしょってでも銀行の株を買い取る意思があるという政策目的をしっかりもう一度国会等にかけて、国会ではリスク変動に伴うリスク負担の範囲を決めたけれども、日銀についてはそれはかけまいということについて、これはやっぱり手続踏んで、やっぱり法律の、法律というか、国会の審議にかけるべきではなかったかというふうに思うんですが、どうでしょうか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) これは政治判断ですね。それは、私らの政治判断は法律に基づいていないということ、基づいていない。平野さんは、いやそれは法律を超えて政治的に判断して国会に相談すべきであったろうと、こうおっしゃるわけでしょう。そうでしょう。私はその必要がないという、そういうことなんです。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 ここらに入りますと哲学論争に入ってしまうんですが、政治的決断というのは何かということなんですけれども、少なくとも塩川財務大臣もこの委員会で審議はずっと聞いていたはずです。法律の中身も知っていたはずです。  それで、繰り返しになりますが、国はリスク負担をここまでやるというふうに決めた。それを超えて財務大臣が自分の判断で、日銀にはしょわせない、場合によったら、株価が下落しても、国庫納付金が減ってもいいというふうに判断した。これは政治判断の域を超えるんじゃないかということなんですが、これは最後は多分見解の相違だということになるかもしれませんが、あえてもう一度、財務大臣の所見を伺っておきます。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) これは私が決断したということになって、形式はなっておりますけれども、これはやっぱり省議にちゃんと諮っております。省議って、正式の省議じゃございませんけれども。少なくとも財務省の主要な局長には、わしはこう思うんだよ、どうだと。副大臣にも相談、当時の副大臣そこにおられますが、とにかく諮っておりますしいたしますから、これはそれなりに私は政治的な配慮をしたと思っております。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 国会よりも何か省議が優先されるみたいな印象だったんですが、そうではないというふうに取って。  この点に関しては、やはり先般大塚委員からも指摘しましたけれども、趣旨、やり方は別として、日銀の株の買取りと保有機構の買取りというのは基本的に目指すところは同じなんですね。ですから、これは是非とも、本来であればやっぱり国会に法律改正という形で諮っていただきたかったと。これは私は、一番最初これが出たとき、私らが一生懸命で議論したことは一体何だろうかというあっけらかんとした感じに駆られてしまいました。そういう思いがあったものですから、今質問をさせていただきました。  それから、もう時間がないんですが、最後に竹中大臣にお伺いしますけれども、今回の銀行等の株式の保有等の制限に関する法律の一部の改正、これは不思議なことに今日の委員会で通ってしまいましたけれども、大変まずい、おかしな法律であると私は思っておりますが、通ってしまいました。  銀行株、銀行が保有する事法株とかあるいは事業法人が保有する株の買取りについては、今までの説明にも、今までのやり取りの中にもありますけれども、保有機構あるいは日銀がある。片方は出資金は出させる、八%の拠出金も取る、日銀は取らない。それから、保有機構が株式を買うときは、今度は持ち合い株の解消という政策もそこに入れている。目指すところは、よく聞くと、持ち合い株の解消は別として双方同じ。こういう政策がぽこぽこぽこぽこ出てきてしまいますと、何が一体正しい政策なのか、あるいは政策として一本通ったものがないという、こういう感想を持ってしまうんですが。  まず、竹中大臣、全体の今までの議論を踏まえての御感想と、これからこういった似たようなスキームが出てきたときに、出てきているわけですが、これを相互にうまく活用するような、あるいは重複しないような活用方策を考えると同時に、この政策はこういうことですよ、この政策はこういうことですよというきちっとした説明、分類ですね、これをすべきだと思いますが、その二点、ちょっと竹中大臣に。

竹中平蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 日本銀行、財務省等々のやり取りを踏まえて私なりの認識はいかんということであろうかと思いますが、基本的に目指すところは、究極的には株式の買取りというところで同じであろうという平野委員の指摘は現実問題として理解はできるポイントはあるんでございますが、実際の政策の立て方、政策のロジックといいますか論理からしますと、買取機構の方は要するに株式保有制限という一つの制約を付けたと。それによって株式処分の円滑化を図るための一種のセーフティーネットであると。これ、セーフティーネットであるという考え方なんだと思うんですね、一種の互助の。それに対して政府がどこまで関与するかという、そこに関しては一種の制限があるということなんだと思います。それに対して日銀の株式買取りは、むしろリスクを早期に軽減、株価変動のリスクを軽減させて信用秩序を維持するということでありますから、日銀の信用秩序維持の行動であると。  したがって、それに対して、財務大臣がおっしゃったように、やはりここは関与の仕方というのは当然のことながら違ってくるということなんだと思います。  ただ、委員の御指摘のように、結局はしかし株を買い取るんだろうと、マーケットからといいますか、一般国民から見るとそういう思いはあるかと思いますので、この役割分担、一種の役割分担といいますか、一種の政策の手段をどう割り当てるかということについては、しっかりと説明責任を果たしていって、補完的な役割を果たして、その二つの制度がですね、いってもらう。その選択は実は、どちらを利用、活用するかというのは金融機関にあるわけでございますから、そこはしっかりとよい方法を使っていってもらう、それが私なりの認識であります。

平野達男国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○平野達男君 時間ですからまとめますが、そういうふうに、今のは、日銀の株の買取りもする保有機構もできたということでの現状を踏まえた説明ということになると思うんですが、元をたどれば、日銀さんが現状に、保有機構を設立したけれども、株の買取りが進んでいないじゃないかという認識があるというふうに言いました。  なぜ、この時点で株の買取りが進まないのかというのを分析しなかったのか。これ八%が問題だったのかどうか。だから、日銀が買取りをするという以前に、この法律そのものに問題があるんじゃないですかと。この法律を、八%の拠出金をやめたらどうですか、こういったやっぱり提案が、真摯な提案があってしかるべきだったと思います。それをやった上で、しかしこの法律の改正じゃ駄目だから日銀の株の買取りを認めますよというのであればこれは理解のしようもありますけれども、そういったことも一切していない、したのかどうか分かりませんが。どうも塩川財務大臣の答弁ではそういう話、一言も出てきませんでしたから、やっていませんよね。  だから、そういった意味における政策の連携というんですか、ということも明らかに私はこれ欠如しているんじゃないかなという意味で、という点を最後に指摘しておきまして、私の質問を終わらせていただきます。

大渕絹子各派に属しない議員

○大渕絹子君 今日、私は、ちょっと財政金融委員会にはなじまない問題ではありますけれども、前回、先週になりますか、超党派の女性議員懇談会というのがございますのですが、その場所で旧日赤従軍看護婦だった皆さん方と懇談を持つ機会を得ました。  日赤の従軍看護婦だった皆さん方は、ずっと長い間、毎年、慰労給付金というのが出ているんですけれども、それの増額を求めて請願行動を続けてこられているんですけれども、なかなか思うように当初約束をされた金額になかなか到達をしないという状況の中で、自分たちも既に平均年齢が八十四歳に達していて、お会いをしたとき九十歳に近い方も来ておられたわけですけれども、もう体も非常に足腰も弱くなってきたし、介護を受けなければならない年齢になってきているのに給付金は依然として上がってこない、低水準に置かれたままということで、非常に生々しく切実なお訴えを聞きました。  そして、特に私が本当にびっくりしたのは、従軍看護婦にどういう形で参加をしていったのかというくだりになったときに、兵士と同じように赤紙召集によって召集をされるんだという事実を知りました。それは、もう女性たちが拒むことができない、日本赤十字社の看護婦として登録をした時点で戦地に召集されることがあることを了解をして入っているわけですね、それは拒むことができない状況。当時の戦中戦後の教育の中で、喜び勇んで戦地に赴いた女性あり、自分は内地で看護婦業をもっと積みたかったけれどもやむなく戦地に赴いた女性と、それぞれいろいろな事情を抱えておりまして、一人一人が違う状況に置かれていたというふうに思います。  そして、戦地で、彼女たちの言葉をして言えば、二十四時間体制で病院の勤務というのは兵士に劣らない仕事を自分たちはしてきたと、そういう自負を持っているということをいまだに胸を張って主張されておられました。  その状況を見ながら、昭和五十三年度に、お手元に皆さんにもお配りをしてありますけれども、その当時の六党の合意というのがございまして、この次の五十四年度からその慰労給付金というのが支給をされ始めるわけなんですけれども、そういう状況について、ちょっと今日は、もう少し改善方ができないのかどうかということを塩川財務大臣に最後にお聞きをしたいと思いますので、今日は総務省の担当の皆さんに来ていただいていますので、是非お聞きをしていきたいというふうに思います。  それでは、総務省にお聞きをしますけれども、五十三年の六党合意以降の経緯について述べていただきたいと思います。

衞藤英達総務大臣官房審議官

○政府参考人(衞藤英達君) 今、先生からお話ございましたように、旧日赤の救護看護婦、それから陸海軍の従軍看護婦さんたちが対象でございますが、まず旧日赤につきましては、お話しのように昭和五十三年八月の六党合意の趣旨を尊重して取られた措置で、お話しの慰労給付金という措置が始まったわけでございます。  この慰労給付金の措置の概要でございますが、お話しのように、女性の身でありながら戦地等におきまして戦時衛生勤務を遂行したという特殊事情を考慮し、また、その御労苦に報いるため、旧日赤の救護看護婦、それから旧陸海軍の従軍看護婦に対しまして、昭和十二年七月七日以降の戦地等での戦時衛生勤務等の期間が加算年を加えまして十二年以上の五十五歳以上の方、これは御本人に限られますけれども、御本人に対しまして慰労給付金を支給するということでございます。  それから、先生御指摘なさいましたように、これまで度々、この慰労給付金につきましては国会請願をいただいております。政府がどのように対応してきたかということでございますが、基本的に請願の中身は、一言で申し上げますと、兵の恩給と比べて格差が年々増大しているので慰労給付金を増額してほしいと、こういう内容でございます。先生のお話のとおりでございます。  当方といたしまして御理解いただきたいことは、この慰労給付金でございますが、先ほど申し上げましたように、女性の身でありながら戦地等で様々な御苦労をされまして、戦時衛生勤務に服したという特殊事情を考慮いたしまして、その長年の御労苦に報いるために支給するものであるということで、性格上は慰労金ということでございます。年々支給される慰労金ということでございます。したがいまして、恩給とのかかわりが問題になるわけでございますが、恩給につきましては所得の保障を図ることを目的とするということで、基本的にはこの慰労給付金とはどうしてもその性格が異なるということがございます。  政府といたしましては、この慰労給付金の実質価値の維持を図らなくてはいかぬということで、昭和五十三年以降、度々インフレ等ございましたけれども、六回にわたりまして額の改定を行っておるところでございます。  以上でございます。

大渕絹子各派に属しない議員

○大渕絹子君 そこへ座っていてくださいませんか。どうぞお願いします。  それで、六党合意を皆さん持っていていただけると思いますけれども、その二番に「恩給制度を準用し、戦地加算を考慮して、兵に準ずる処遇とする。」、この「準用」という言葉と「兵に準ずる処遇」というのはどういう意味でしょうか。

衞藤英達総務大臣官房審議官

○政府参考人(衞藤英達君) 今お話しの六党合意とのかかわりでございますが、具体的には、まず一点として、資格要件につきまして、実勤務期間に加算年を加えまして、先ほどもお話し申し上げましたが、この年数が十二年以上であること、また戦地又は事変地の区域、これは恩給法で規定されているものがございますが、この区域を恩給に合わせること、それから支給開始年齢を五十五歳とすること、これは恩給制度の準用、それから「兵に準ずる処遇」と、ポイントの額の水準の点でございますが、これにつきましては、慰労金給付水準につきまして、昭和五十四年の兵の恩給の金額を勘案して、当初、スタート時点で定めたということでございます。

大渕絹子各派に属しない議員

○大渕絹子君 資料二を見ていただきたいと思います。  スタート当時は兵の五十五歳のところと従軍慰安婦の慰労給付金の五十五歳以上というところはそう大差がございません。兵士の方は十一万六千六百円、看護婦さんの方は十万円という具合で、そう大差がない金額で決められているんですね。  それで、これを準用する、恩給制度を準用するということになれば、当然その次の年には、また年々上がっていく恩給制度と同じように従軍看護婦の慰労金も上がっていかなければなりませんけれども、三枚目の資料を見ていただきますと、平成十四年になりますと、五十五歳以上、もう兵士の方も従軍看護婦さんの方ももう全部八十歳以上になって、全部ではないですね、兵士の方はもう六十五歳以上──六十五歳ということはありません、八十歳以上になっているんですね。そういう中で今、六十五歳以上というところが適用されているんですけれども、兵士の方は五十六万八千四百円。にもかかわらず、従軍看護婦の方はわずかこの二十四年間でたった三万八千円しか上がっていない十三万八千円の支給額ということになっていて、これは著しく、兵の恩給制度に準用するというこの覚書から、合意からすると甚だしい格差であるというふうに思うわけですけれども、ここらについてはどのような認識をされていますか。

衞藤英達総務大臣官房審議官

○政府参考人(衞藤英達君) 度々申し上げて恐縮でございますが、基本論といたしまして、慰労の給付金という性格でございまして、恩給の国家補償に基づく生活を保障しなくちゃいかぬという観点と、これら従軍看護婦として御苦労された慰労金とは基本的にどうしても性格は異なるんじゃないかということが根本にございます。

大渕絹子各派に属しない議員

○大渕絹子君 恩給制度を準用し、準ずる処遇をするとなっているんですよ。そこをさっき聞いているんです。準用するとはどういうことですか。準ずる処遇とは、じゃ、どういうことですか、これは。皆さんの政府用語でこういう言葉を使われたときはどういうことなんですか。同様という意味じゃないんですか。

衞藤英達総務大臣官房審議官

○政府参考人(衞藤英達君) 五十三年の八月の六党合意の後、政府部内におきましてこれをいかに予算化するかという点でいろいろ検討ございました。そこで、制度をどう考えるか、まあ措置ということになろうかと思いますが、予算措置でやる場合の組立てといたしまして、先ほど申し上げたような、恩給に基づくような地域のような話、それから五十五歳というような年齢の話、それから本人に支給するというような点を準用して予算措置を組み立てたということでございます。

大渕絹子各派に属しない議員

○大渕絹子君 ですから、準用するというならば、恩給制度と同じように、赤紙で召集された看護婦さんについても兵士と同じように処遇されて当たり前じゃないですか。それがそういうことにはならなくて、スタートのときは恩給制度と同じ金額で設定をしておきながら、その後のことについてはもう全くそうではなく置いてきぼりを食っているという、こういう状況ですよ。  健康なときはいいですよ。若いときはいいですよ。でも、今もう八十歳、平均年齢八十四歳を迎えていて、結婚できなかった人たちが三分の一以上いるんですよ。だから、独りで暮らして、独りで暮らさなければならない女性たちが多いんですね。そういう状況の中でもう介護を、最期のみとりを受ける時代に入っていて、これでは非常に不十分だということで、何とか改定をしてもらいたいと、こう言ってきているわけですよ。  この準用するという言葉から、今度はあれですよね、三党合意、何年でしたっけ、変わりますよね。戦後五十年プロジェクトで、消費者物価の動向を適切に反映させる措置を講ずるべきであるという、このときは多分もう少し上げろということの、上げさせていくための合意だったというふうに思うのですけれども、この措置以後、それでも少しは上げ幅が上がってきているというふうに思うのですけれども、現在、それでは、平成十三年度ベースでいいですけれども、支給対象者が何名で、総額の補助金というのは幾らになっているのか教えてください。

衞藤英達総務大臣官房審議官

○政府参考人(衞藤英達君) 第一点目、先ほど先生お話しの三党合意でございますが、これは、平成六年当時の与党、自社さでございますが、戦後五十年問題プロジェクトチームなるものがございまして、平成六年十二月でございまして、ここでの検討の結果、特に物価変動につきまして、これを十分しんしゃくした上で措置を講じなくちゃいかぬと、そういう話でございました。  それから二点目の直近の数字でございますが、平成十三年におきましては、この支給対象人員を千七百二十六人と見込んで、予算額は約二億九千七百万円でございました。実際の支給の実績でございますが、実績の方は、千七百四人の方で、その実支給額は約二億九千万円でございました。  以上でございます。

大渕絹子各派に属しない議員

○大渕絹子君 そうすると、平成十四年度の対象人数は何名ですか。

衞藤英達総務大臣官房審議官

○政府参考人(衞藤英達君) 今年度の支給対象、これは予算ベースでございますが、千六百六十三人、額の方は二億八千六百万円ということでございます。

大渕絹子各派に属しない議員

○大渕絹子君 一年間でもうあれですよね、千七百四ということを、さっき実数おっしゃいました。  私いただいた表、二十六になっていて、その二十六で計算をしても六十三名の方が亡くなっていますよね。既にもう、さっき言いましたようにもう高齢の域に達しておられて、年々その減少の比率というのは高くなっているというふうに思うんですね。  当初スタートしたときの予算総額が二億一千九百三十四万円でしたかね、そうですね。そこから比較しても、この二十何年間の経過の中で総額はほとんど変わっていないという状況ですよ。これでは、本当に高度成長して物価がずっと上がってきて、今はデフレ状況ですから物価は下がっていますけれども、生活を補完をする、年額ですよ、年額ですからね、もらうのがね。だから、そんなに当てにする、できるほどの金額でないのは分かりますけれども、しかし、兵に準ずるということであるならば、もう少ししっかりと考えていただいて、そして請願も採択をされていることですから、上げていくのが当たり前だというふうに思うんですけれども、このままにされてきたことに私は本当に不思議でなりません。  それでは、その請願の状況ですけれども、昭和五十三年からスタートをした請願で、どのくらい出されてきて、そして採択がどのくらい委員会の中でされてきたのかというのを教えてください。

衞藤英達総務大臣官房審議官

○政府参考人(衞藤英達君) お話しの請願の採択状況でございますが、第百二十八国会、これは平成五年でございますが、衆議院におきまして四十一件、参議院におきまして三十五件、合わせて七十六件でございます。  最近のものですと、第百五十三回、平成十三年、昨年の九月でございますが、衆議院、参議院でそれぞれ三十二件、三十一件、合わせて六十三件でございました。

大渕絹子各派に属しない議員

○大渕絹子君 採択をされたんですよね。委員会で採択をしたということは、国民の意思が総意でそうしてあげなさいということだったと思うんですよ、委員会採択というのは。ところが政府はそれを実行しないということは、これは怠慢じゃありませんか。国民の声を無視した政策が行われていると、そういうことじゃないんですか。  実際に数値を申し上げますけれども、皆さん、資料三のところの五十五歳以上というところで、十三万八千円しかもらえていない方たちが実に全体の、千六百六十三名のうちの千百人がこの一番上の十三万八千円のランクのところなんですよ、千百名。そして、その次の六年以上九年未満、いわゆる十九万一千二百円の支給のところが二百三十二名、その下のところが二百四十六名、そして十二年から十五年の方が六十七名、その下の方が十四名、十八年以上で高額もらっている方はわずか四名しかいません。  こういう状況の中で、軍人恩給との差額を私は計算をさせていただきました。そうすると、全部を軍人恩給の皆さんと同じ金額を支給をしたとしても、総額八億百五十六万三千四百円、これだけ増額できれば兵の恩給と同じレベルで支給できます、八億円増額すれば。もう来年になればもっと人数減っていますからこんな人数ではありません。もっと金額は少なくなります。  例えば、じゃ兵士の恩給の半額にしてあげます、今、四分の一程度なんですよね。ですから、半額にしてあげましょうと言って、四億円あればそれがかなえられるんですよ。こんなことぐらい日本でできないはずはないと思うんですよね。是非ここは、もう総務省の方の判断ではとても答えていただけないというふうに思いますので、塩川財務大臣、ここは財務大臣の担当のところではないと思いますけれども、それはトップの大臣でございますので、こんな四億とか、四億から八億、最大出しても八億ですよ。それで本当に戦争で一生懸命日本のために、日本の国民のために頑張ってきた人たちの最後のときが納得させてあげられるのなら、それはやるべきじゃありませんか。私はそう思って今日これを取り上げさせていただきました。  是非、後ろ向きの駄目というような答えだったら要りませんが、多分、これから総務委員会とかあるいは内閣委員会等々で女性たちが、全部その場で私たちは陳情を聞いたわけですから、それぞれの議員がやることになると思います。財務大臣がノーということを言われたら、あとはもうノーになってしまうので、私は、それだったら答えは要らないわけですけれども、少しでも前進をさせるお考えがあるなら御答弁をいただきたいと思います。政治決断してください。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 大渕さんの話を聞いておったら、そうだなと思いますね。けれども、これはやっぱり審議官が言っていますように、慰労金という性格で出しておるということ、そこに問題があるんだろうと思うんですが、とはいえ、そう画一的に物を考えるべきではないと思います。  私も、従軍看護婦さんはよく、経験したし知っておりますが、私らの中隊にも薬入替えに来てくれましたよ。ですから、事情は知っておりますけれども、法律的な問題とかいろいろあって、何かそういうところがあるんだろうと思いますので、よく一回勉強させてもらって、なにしまして、相談してみます。  それは、私は事情はよく分かっていますけれども、といって、こういう方々は生活には、いろんなまた給付金とかもらっていると思うんですよね。だから、生活の状態はそんなに心配されるようなことじゃなくて、ある程度安定した生活を確保しておられるんだろうと、もうそれが崩れておったなら大変ですけれども。そこらをちょっと調べてみて、一回調査してみてなにいたしましょう。

大渕絹子各派に属しない議員

○大渕絹子君 法律でないのでなかなかできないというんですけれども、スタートしたときは、法律にすると難しいので予算措置にしたんですよね。予算措置であるならば、どこのところを削ってでも、予備費から削ってでもできるわけでしょう、予算措置であるならば。正に大臣決断で使える、大臣のポケットマネーとは言いませんけれども、自由裁量で使える枠の中から出せる範囲の金ですよ、たかだかこれだけのお金ですから。そこは是非、厚生労働大臣あるいは総務大臣等々と御協議をいただいて、よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 次に、電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び独立行政法人日本万国博覧会記念機構法案の両案を一括して議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。塩川財務大臣。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました二法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  特殊法人等改革につきましては、昨年六月に成立した特殊法人等改革基本法にのっとり、同年十二月に特殊法人等整理合理化計画を閣議決定し、内閣総理大臣より国会に御報告申し上げたところであります。  この特殊法人等整理合理化計画においては、特殊法人等の廃止、民営化等を定めておりますが、今般、この計画の実施の一環として、四十二の特殊法人等に関し、法人を解散し、又はその事業を徹底して見直した上で残る事業を独立行政法人に承継することとしたところであります。  本二法案は、これらの法人のうち、認可法人通関情報処理センターを解散して独立行政法人通関情報処理センターを、また、認可法人日本万国博覧会記念協会を解散して独立行政法人日本万国博覧会記念機構を、それぞれ設立するためのものであります。  以下、この二法案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、両独立行政法人の名称、目的、業務の範囲及び出資に関する事項を定めております。  第二に、両独立行政法人の役員として、理事長及び監事を置くほか、理事を置くことができることとし、その定数を定めております。  第三に、積立金の処分方法について定めております。  その他、両独立行政法人それぞれに固有の事項について定めるほか、権利義務の承継、所要の経過措置等について定めております。  以上が、この二法案の提出理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。  ありがとうございました。

柳田稔民主党・新緑風会

○委員長(柳田稔君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。  両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十六分散会

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