国土交通委員会 第7号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2002/12/03
会議録
○委員長(藤井俊男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、野上浩太郎君が委員を辞任され、その補欠として魚住汎英君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤井俊男君) 建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は前回終局いたしております。 本案の修正について大沢君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大沢辰美君。
○大沢辰美君 私は、建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正の動議を提出いたします。 その内容は、今お手元に配付されています案文のとおりでございますが、その趣旨について御説明を申し上げます。 本改正案については、二十八日の参考人質疑でも、また本委員会での質疑でも、建て替えの客観的要件の撤廃についてはその内容や手続に対して多くの批判的意見が出たのは御存じのとおりであります。 本法案には関係者が長年求めてきた切実な要求も盛り込まれていますけれども、重大な点は、一連の経過を見るならば明らかなとおり、マンションの建て替えをもうけの対象とする不動産・建設業界の意向に政府・与党がこれをこたえたものと言わざるを得ないことです。 我が党としては、建て替えか修繕かという判断については、建て替えの必要性について公平に調査し、情報を提供する専門家による第三者機関を設置して、最終的には居住者、管理組合の判断に任せるべきであると提案をしています。 しかし、今日の段階での当面の緊急措置として、次のように修正すべきであると考えます。 第一は、建て替えを行う場合、老朽、損傷、一部の滅失その他の理由により、建物の価額その他の事情に照らして、建物がその効用を維持し、又は回復するのに過分の費用を要するに至ったこと及び新たに建築する建物が主たる使用目的を同一とする建物であることと修正したことであります。今回の改正案が、過分の費用の要件を取り除き、多数決だけで建て替えを決議可能にすることは、区分の所有者間の紛争を逆に拡大し、また少数者の財産権を侵すものであるからです。 第二に、団地一括建て替え決議が有効となるためには、個々の棟ごとに五分の四以上の賛成を必要とすることにしています。 第三に、一括建て替えの決議要件の修正に伴い、建替組合の設立に関する決議要件を現行法どおりの要件である四分の三以上とする規定の整備を行っています。 以上、日本共産党の修正案の提案理由及びその内容でございます。 委員各位の御賛同をよろしくお願いし、修正案の趣旨説明とさせていただきます。 よろしくお願いいたします。
○委員長(藤井俊男君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に反対し、ただいま提案しました修正案に賛成する討論を行います。 原案に反対する第一の理由は、多数決の前提である客観要件の削除により、建て替えに賛成できない区分所有者の財産権を危うくするものだからです。 現行の区分所有法は、客観的に建て替えの合理性が明らかなときだけ財産権の制約を受ける制度になっています。法制審議会でも全国のマンション関係者も、今回の法改正に当たって求めていたものは客観的要件としての費用の過分性の内容の具体化と明確化であったはずであります。 ところが、政府は、この要望を踏みにじって客観要件そのものを削除しました。客観要件を取り去るならば、多数決によって他人の財産権を侵害することになります。これは、財産権としての区分所有権を変質させるものであって、到底認められるものではありません。 原案反対の第二の理由は、政府は、規制緩和や都市再生という点から経済効率のみで建て替えを促進しようとして、その結果、五分の四の多数決のみとするとの総合規制改革会議の答申を重視し、法制審議会の結論が出る九か月前には総合規制改革会議で五分の四の多数決のみということを決めました。その後、その尊重を閣議決定しています。これでは結論先にありきであり、法制審議会軽視も甚だしいと言わなければなりません。 また、団地の一括建て替えは、法制審議会答申にはなかったものを、法案提出の段階で急遽、政府の判断で入れたものであります。これでは法制審議会を設置した意味がないではありませんか。 このように、二重に法制審議会を軽視する政府の姿勢は改めるべきであります。 一千万人に及ぶマンション居住者の財産権を守ることは政治の責任であります。本来、今回の法改正に求められていたものは、公正な独立した第三者機関による公平な調査、情報提供及び費用比較など、客観性の充実であります。 政府提出の原案は、一部改正点があるとはいえ、区分所有者の財産権侵害や法制審議会軽視など、内容でも経過でも欠陥法案と言わなければなりません。 提出しました修正案は、区分所有者の財産権を守るための最小限のものであります。 以上、修正案に賛成、原案に反対する討論を終わります。 以上であります。
○委員長(藤井俊男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、大沢君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井俊男君) 少数と認めます。よって、大沢君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井俊男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、山下君から発言を求められておりますので、これを許します。山下八洲夫君。
○山下八洲夫君 私は、ただいま可決されました建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 区分所有建物、特に、マンションについては、社会・経済情勢の変化、国民ニーズの多様化の中で、都市住民の居住形態として普及・定着してきている。その反面、近時、マンションをめぐって諸問題が発生しており、建設・管理・建替え等に係る諸施策について、都市・住宅政策等の幅広い観点から、その一層の整備拡充が図られるべきである。 このような状況を踏まえ、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すとともに、マンションをめぐる諸情勢の変化に対応して、その制度の在り方の見直しを始め広範多岐にわたる視点から検討を加えるべきである。 一、共用部分の変更を実施する際の区分所有者の判断の参考に供するため、特別多数決を要することとなる具体的事例を集積し、その周知徹底に努めること。 二、区分所有者の利害の衡平を図る見地から、規約の設定・見直しが適切になされるよう、マンション分譲業者、区分所有者、管理組合等関係者に対し、十分な周知徹底を行うなど、特段の配慮をすること。 三、マンションの建替え及び大規模修繕に当たっては、居住者の意向が十分尊重されるよう努めること。 また、建替えに参加することが困難な高齢者等に対し、居住の安定のための方策を検討すること。 四、マンションの建替え及び大規模修繕に当たっては、その合意形成の円滑化を図るため、区分所有者等に対し極力早期の段階で的確かつ十分な情報開示がなされるよう努めるとともに、国、地方公共団体、専門家等による相談・情報提供体制の一層の整備に努めること。 五、団地型マンションの建替えについては、一棟建替えのほか、多様な手法の開発・導入を図り、円滑なマンションの建替え、従前居住者の居住の安定に寄与するよう工夫をすること。 六、社会・経済情勢や建物の状況に応じた的確な管理を実施することにより、マンションの有する効用が可能な限り維持・増進されるよう、管理組合に対する一層の支援を行うとともに、必要に応じ、中高層共同住宅標準管理規約等について見直しを行うなど、本法の効果的な運用が図られるようにすること。 七、環境保全、高齢者・障害者居住、良質なマンションストックの活用等の観点から、増改築等による既存マンションの再生手法の普及を図るなど、マンションの長寿命化が図られるよう積極的な取組を行うこと。 八、健全な中古マンション市場の育成に留意し、良好に管理され防災や居住環境の面で良質なマンションが適切に評価されるよう、マンションの劣化状況等に係る評価制度の普及を図るなど必要な措置を講ずるよう努めること。 九、新築又は既存のマンションの耐久性を向上させるため、スケルトン・インフィル住宅等の技術開発及びその普及のために必要な措置を講ずるよう努めること。 十、本法の施行に当たり、国土交通省は法務省及び関係行政機関との十分な連携を行うことにより、マンションの管理、建替え等に係るマンション法制の有機的な運用が図られるようにすること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(藤井俊男君) ただいま山下君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤井俊男君) 全会一致と認めます。よって、山下君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇国土交通大臣。
○国務大臣(扇千景君) 建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案、これにつきまして、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決しましたことを深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました建て替えに参加することが困難な高齢者等の居住の安定、合意形成の円滑化を図るための相談あるいは情報提供体制の一層の整備等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長始め各位の御指導、御鞭撻に対して心から御礼申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。 ありがとう存じました。
○委員長(藤井俊男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤井俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤井俊男君) 次に、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法案、独立行政法人国際観光振興機構法案、独立行政法人水資源機構法案、日本下水道事業団法の一部を改正する法律案、日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案、東京地下鉄株式会社法案、独立行政法人自動車事故対策機構法案、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の一部を改正する法律案及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の九案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
○国務大臣(扇千景君) ただいま議題となりました独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法案など国土交通省関係の特殊法人等改革関連の九法案について、その提案理由及び趣旨を御説明申し上げます。 特殊法人等改革につきましては、昨年六月に第百五十一回通常国会において成立しました特殊法人等改革基本法に基づき、昨年十二月に特殊法人等整理合理化計画を策定し、閣議決定したところです。 この特殊法人の整理合理化計画においては、特殊法人等の廃止、民営化等を定めておりますが、今般の計画の実施の一環として、国土交通省関係では、七つの特殊法人を解散し、その事業を徹底して見直した上で、残る事業を六の独立行政法人に承継するとともに、三の特殊法人の民営化等を行うこととしております。このため、新たに設立する独立行政法人に係る独立行政法人個別法及び関係法律の整備を行う必要があります。 このような趣旨から、このたびこれらの法律案を提案することとした次第です。 次に、これらの法律案の概要につきまして、順次御説明を申し上げます。 初めに、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法案、独立行政法人国際観光振興機構法案、独立行政法人水資源機構法案、独立行政法人自動車事故対策機構法案、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の一部を改正する法律案及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案ですが、これらは、七の特殊法人等を解散し、その事業について徹底した見直しを行った上で、残る事業を六の独立行政法人に承継するため、次のような事項を定めるものです。 第一に、独立行政法人通則法及び個別法案の定めるところにより、六の独立行政法人の設立を行うこととし、それぞれの個別法案において、その名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることとしております。 第二に、特殊法人等から独立行政法人への事業の承継に伴う権利義務の承継について定めることとしております。 その他、所要の経過措置に関する事項等を定めることとしております。 次に、日本下水道事業団法の一部を改正する法律案、日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案及び東京地下鉄株式会社法案ですが、これらは、三の特殊法人等に関し、それぞれ、地方公共団体が主体となって運営する法人、民間法人又は特殊会社とするため、政府からの出資、役員の選任等に係る政府の関与の縮小等について、所要の改正を行うものです。 なお、これらの法律案においては、特殊法人等の解散及び独立行政法人の設立並びに特殊法人等の民営化等の期日について、原則として平成十五年十月一日と定めることとしております。ただし、東京地下鉄株式会社については、特殊法人等整理合理化計画に基づき、平成十六年四月一日に設立することとしております。 以上が、これらの法律案の提案理由及び要旨でございます。 これらの法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。 ありがとう存じました。
○委員長(藤井俊男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 九案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時十九分散会