国際問題に関する調査会 第2号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2002/11/20
会議録
○会長(関谷勝嗣君) ただいまから国際問題に関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六日、広野ただし君及び山根隆治君が委員を辞任され、その補欠として田村秀昭君及び藤原正司君が選任をされました。 また、去る七日、山崎力君が委員を辞任され、その補欠として西銘順志郎君が選任をされました。 ─────────────
○会長(関谷勝嗣君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(関谷勝嗣君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に田村秀昭君を指名いたします。 ─────────────
○会長(関谷勝嗣君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国際問題に関する調査のため、本日の調査会に外務大臣官房審議官渥美千尋君、外務大臣官房参事官高田稔久君、経済産業大臣官房審議官成宮治君及び経済産業大臣官房審議官鷲見良彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(関谷勝嗣君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○会長(関谷勝嗣君) 国際問題に関する調査を議題といたします。 本日は、本調査会の調査テーマである「新しい共存の時代における日本の役割」のうち、東アジア経済の現状と展望に関し、東アジア地域の経済統合及び中国のWTO加盟等市場経済化と国内外への影響について政府から報告を聴取した後、午後四時ごろまでを目途に質疑を行います。 それでは、まず政府から報告を聴取いたします。 報告は、着席のままで結構でございます。矢野外務副大臣。
○副大臣(矢野哲朗君) 先ほど会長からお話がありましたけれども、東アジア地域の経済統合、この件につきまして、東アジアの経済の動向と見通し、東アジアにおける経済連携強化に向けた動き、日本・ASEAN包括経済連携構想、その項目で御報告を申し上げようと思います。 そして、第二の中国のWTO加盟等市場経済化と国内外への影響でありますけれども、中国のWTO加盟による中国国内への影響、そして中国のWTO加盟に対する東アジア諸国の反応、そして、去る十四日に党大会もあったものでありますから、補足して党大会の概要も報告をさせていただこうと思います。 それでは、報告をさせていただきます。 東アジアの経済でありますけれども、全般的に見ますと、一九九七年に起こったアジア通貨・金融危機によって深刻な打撃を受けた後、九九年以降、主に米国を中心とした輸出の拡大に牽引され、ほとんどの国で急速な回復を遂げたわけであります。その後、二〇〇〇年末以降は米国経済の減速等に伴い、総じて景気が減速していましたが、二〇〇一年九月の米国同時多発テロ事件の影響もありまして、東アジア経済の減速が再び顕著となりました。今年に入りましては、ASEANを中心とした東南アジアにも景気回復の動きが見られておりまして、また、米国経済の回復基調もあり、最近のGDP成長率の数値を見ていますと、東アジア経済は回復の傾向を示しております。とりわけ中国は積極的な財政政策や外需に支えられて高い成長を維持し、韓国においても堅実な内需と輸出拡大に支えられて高成長路線を回復いたしております。 今後の見通しでありますけれども、IMFが出している見通しによりますと、東アジア主要国では引き続き景気回復が見込まれることが予測されております。ただし、十月十二日のインドネシアの爆弾テロ事件、世界的な株安等による米国経済の減速懸念の高まり等を考慮しますと、外国投資の減少や外需の縮小により輸出の減少が見込まれ、特にASEAN諸国の景気が悪化する懸念があることから、今後の動向には注意を払う必要があると考えております。 なお、御参考でありますけれども、日本を除く東アジアにおいて、東アジア全体の名目GDPに占める中国の割合は四五%、韓国の割合は一六%、この二か国で六割を占めており、そしてこの二か国の二〇〇三年についての見通しでありますけれども、高い成長が見込まれている。このことから、東アジア経済全体で見ますと、おおむね今後も成長していくんではないかということが予測されます。 次に、東アジアにおける経済連携強化に向けた動きについて御説明を申し上げます。 一九九〇年代、全世界的にはFTA締結に向けた動きが顕著であり、WTOに通報されたFTAは現在約百四十あります。そのうち九十以上が九〇年代に、また三十近くが二〇〇〇年以降に実現しております。 東アジアにおける経済連携強化の動きについては、ASEAN自由貿易地域、AFTAということになると思うんでありますけれども、一九九二年一月に署名されて以降、しばらくの間は際立った動きはありませんでした。一九九九年に我が国とシンガポールとの間で開始をした日本・シンガポール経済連携に関する研究及び本年一月の小泉総理のASEAN訪問の際に提唱しました日本・ASEAN包括的経済連携構想を機会に、東アジアの経済連携強化の動きは大変活発になってきたと言えると思います。 お配りしている資料の四ページであります。その一でありますけれども、「経済連携強化のための何らかの国際約束が存在するもの」。このうち、国際約束が存在するものとして、一つは日本・シンガポールの経済連携協定があります。ASEAN自由貿易地域のこの二つがあろうと思います。また、中国・ASEANについては、枠組み合意と呼ばれる農産物の一部の自由化を中心とする国際約束が存在をいたします。 日本・シンガポール経済連携協定は、本年一月、小泉総理がASEAN五か国を訪問した際、シンガポールにおいてゴー・チョクトン・シンガポール首相とともに協定に署名され、さきの通常国会で国会の御承認をいただきました。今月の三十日に発効の予定であります。 そして、やはりお配りした資料の第二でありますけれども、四ページの第二、「国際約束は存在しないが経済連携強化のための取組が行われているもの」。その対象としましては、日本・ASEAN包括的経済連携構想、日本・韓国FTA研究会、中国本土と香港のより緊密な経済貿易関係アレンジメント、シンガポール・タイ間の経済連携強化構想の四つがあります。 日本・ASEAN包括的経済連携構想の一環として、日本・タイ経済連携、日本・フィリピン経済連携を現在進めているところであります。日本・ASEAN包括的経済連携構想については、我が国の包括的経済連携構想のところで改めて詳しく説明をさせていただきます。 また、配付資料にお戻りいただきたいのでありますけれども、その三ということで五ページの下段の方にあります「いずれか一方の政府・地域より提案があったもの」、この内容でまとめてみますと、日本・ASEAN包括的経済連携構想の一環として、日本とマレーシア間、日本とインドネシア間の二つがあります。また、他国間のものとしてはシンガポールと台湾の間で、シンガポールと香港の間で、そしてタイと中国の間でと、この三つがあります。 次に、日本・ASEAN包括経済連携構想の今後の取り進め方について御説明を申し上げたいと思います。 小泉総理の五つの構想の一つであります日本・ASEAN包括的経済連携構想については、この十一月五日の日本・ASEAN首脳会議において、日本・ASEAN包括的経済連携構想に関する共同宣言が署名をされました。そして、日本・ASEANの首脳によりまして、本構想の進め方に関する指針が明確な形で示されました。また、官房長官が主宰する日本・ASEAN包括的経済連携構想を考える懇談会からもこの十月十六日に中間報告も出されまして、極めて示唆に富んだ指針が提言をされております。 日本・ASEAN包括的経済連携は、単にASEANと我が国の双方にとって経済的利益となり、我が国にとっては国内の構造改革に資するだけではなく、日本とASEANの地域的連携を強めるという意味では、政治、外交上も極めて意義深いものだと考えております。また、現在、ASEANについては、中国、インド、米国、それぞれが経済連携を模索しておりまして、そのような中で独り我が国がこれらの動きに後れるということになりますれば、経済活動において我が国企業や投資家が大変な不利益を被る可能性があります。 したがって、我が国としては、むしろ先んじてASEANとの経済連携を進めることが、我が国の経済的、政治、外交的利益につながるのみならず、今申し上げたような危険を避ける唯一の方法であると考えております。日本・ASEAN包括的経済連携を進めるに当たっては、このような大きな視点をまずしっかりと持つことが重要だと考えております。 共同宣言は、この地域を先進的な地域に発展させるため、日本・ASEAN包括的経済連携を中核として、東アジア地域全体の経済連携強化につなげていくことを将来の方向性としてうたっており、共同宣言のポイントを申し上げるならば、次の五つの点に要約されると思います。 第一点としましては、日本とASEAN全体との包括的経済連携実現のための枠組みを検討する一方で、いずれのASEANの加盟国とも日本は二国間経済連携を確立するための作業を始めることができるという、四月にヤンゴンで開催された日本・ASEANフォーラムにおいて提唱されたアプローチ、デュアルトラック方式と呼ばれているようでありますけれども、このことに対して首脳としても承認を与えたということになると思います。 第二点としましては、二国間の経済連携と日本・ASEAN全体の経済連携との関係については、二国間経済連携が日本・ASEAN全体の経済連携を構築し、強化することが明記されたことであります。この点は、先ほど申し上げた官邸懇談会の中間報告にも、日本・ASEAN経済連携構想は、現実的には当面二国間の包括的経済連携の積み重ねをもってして具体化されようと指摘されている取り進め方を反映したと考えております。 第三点といたしまして、以上のような取組を通じまして、十年以内のできる限り早期に日本・ASEANの自由貿易地域を含む経済連携を実現することが決定をされました。 第四点としましては、対象範囲については、貿易・投資の自由化のみならず、貿易・投資の促進、税関手続、基準認証などの円滑化の措置及び金融サービス、情報通信技術、科学技術、人材育成、中小企業、観光、運輸、エネルギー、食糧安全保障その他の分野における、大変多岐にわたっておりますけれども、協力を含む広範囲にわたる経済連携を模索することになっております。 第五点といたしましては、包括的経済連携の対象・分野に責任を有する日本・ASEANの関係高級実務者によって構成される委員会を設置し、同委員会において日本・ASEAN全体の包括的経済連携を実現するための枠組みを検討、起草し、来年の首脳会議に報告することになったということであります。 日本・ASEANの包括的経済連携が実現されるならば、二〇二〇年までにASEANの対日輸出額は、一九九七年を基準年とするならば、その四四・二%に相当する二十億六百三十万ドル、二百六億三千万ドルか、失礼をいたしました、余りにも多額に及ぶものでありますから、その相当金額が増加することになっておりまして、日本の対ASEAN輸出額は、先ほどの基準年、一九九七年の二七・五%に相当する二百億二千二百万ドル増加するというふうに試算がなされております。 二国間の経済連携につきましては、四月のヤンゴンでデュアルアプローチの合意に従いまして、既にタイ及びフィリピンとの間で二国間の作業が進められております。 タイからは、四月にタクシン首相からの二国間経済連携の作業部会設置の提案を小泉総理が受け入れたことを契機にしまして、本年五月、七月の予備協議を経て九月に第一回作業部会を開催し、双方の関心事項、日本・シンガポール協定の枠組みがいかなる程度に受容可能なのか、どの箇所に変更の必要があるか等につき協議をさせていただきました。この作業部会は、双方とも関係省庁が多数参加し、双方の政府を挙げての作業となっております。次回の第二回作業部会は、期せずして明日、明後日、二十一、二十二日に東京において開催される予定になっております。 なお、十一月五日に開催された日本・タイ首脳会談においても、タクシン・タイ首相より小泉総理に対し、早期に交渉を開始していくことについて強い希望が寄せられました。 フィリピンとの間でも、八月の予備協議を経て十月十八日、十九日の両日に第一回作業部会が開催されました。やはり同じく日本・シンガポール協定のすべての分野を超える幅広い分野について協議を行い、この協議も双方の関係省庁がすべて参加する、全政府を挙げての取組でありました。 今後、タイ、フィリピンとの検討作業を精力的に続け、今後の政治日程などもにらみながら、協定交渉の開始のタイミングを考えていく必要があります。 マレーシアについては、マレーシア政府内で日本・シンガポール経済連携協定を参考とした協定案作成のプロセスが進んでおります。近く我が方に提示したいとの連絡を受けておりまして、十二月にはマハティール首相の訪日も予定されておりますから、その際、マレーシア側からも今後の具体的な動きがある可能性は高いと見ております。 また、インドネシアについても、先方の要望に応じ、六月に日本・シンガポール経済連携協定の内容を説明しており、先般のAPECの際、日本・インドネシア経済大臣会議において、リニ産業貿易大臣より、二国間経済連携についての提案がありました。その折、出席しておりました高市経済産業副大臣からも、前向きに検討するという、正式に外交ルートで提案するよう回答したと承知しております。 お配りを申し上げました統計資料の一ページをごらんいただきたいと思います。 ごらんいただけばお分かりいただけると思うんでありますけれども、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシア、既に協定のあるシンガポールの五か国間、ASEAN5と我が国との間の貿易額は、日本・ASEAN十か国全体の貿易額の九五%を占めております。また、我が国からの投資は、そのASEAN十か国全体の投資の九七%を占めており、ASEAN5との貿易額は米国に次ぐ第二位の位置を占めていることからも、これらのASEAN5との連携を進めることの重要性はお分かりいただけると思います。 世界の各地域において、地域協力、地域統合の動きが急速に進んでおります。米国も、本年の十月二十六日、ロス・カボスでのAPEC首脳会議の際に行われた米・ASEAN首脳会議においても、ブッシュ大統領から、ASEANとの間で自由貿易を推進するための構想を発表しており、ASEAN各国との間で個別に自由貿易協定を締結するとのことであります。当面、フィリピン、インドネシア、タイとの二国間協定に取り組む模様でもあります。 官房長官の懇談会中間報告においても、二〇〇六年までにできる限り多くの国とその二国間で二国間経済連携協定を締結すること、対象分野は包括的なものとし、速やかに達成することが目標にされております。 また、日本・ASEAN首脳による共同宣言において決定された委員会も近く立ち上げられ、その中で、日本・ASEAN全体の連携実現のための枠組みの検討、起草を行い、来年の首脳会議に報告することにもなっております。 今後とも、政府の関係全省庁と協力し、手を携えて、日本・ASEAN包括的経済連携構想の実現に努力をしていきたいと考えております。 それでは、中国のWTO加盟による中国国内への影響を報告を申し上げたいと思います。 中国は、一九八六年から当時のガットへ加入申請をしてまいりましたが、一九八九年の天安門事件、そして中国国内における貿易調整の問題等の理由によって加入交渉は遅々として進まない状況にありました。その後、九五年のWTO発足後、九九年十一月の米中合意、二〇〇〇年五月のEU・中国間の合意等、二国間交渉につき進展が見られたことから、加盟の機運が高まりました。我が国については、九七年の十一月、物に対して、九九年の七月、サービスに対して、中国との加盟交渉を終了いたしました。 こうした経緯を経て、二〇〇一年の十一月十日、カタールにおける第四回WTO閣僚会議において中国のWTO加盟が正式に決定されたことは御案内のとおりであります。その後、中国は、十二月十一日から正式にWTOの加盟国になりました。 中国のWTO加盟による中国国内への影響を紹介する前に、まず中国のWTO加盟の措置の主な約束事項について説明申し上げます。 これらは、議定書、作業部会報告書という法的文書の中でWTO加盟の際の条件として明記されておりました。その一に、七千品目にも及ぶ広範囲な分野における関税引下げ及び貿易制度等の全般的自由化、その二に、金融、流通を始めとするサービス分野における段階的自由化という二つの柱から成っております。 さらに、中国は、加入交渉を通じまして、国内市場の開放と国内法制度の透明性を確保する等、WTO協定上の義務の遵守を約束するとともに、国際社会に対しまして、今後、国際社会と密接にかかわり合いながら経済運営を進めていく旨を表明をいたしました。 こうした約束事項の中国国内経済への影響については、プラス、マイナス両面があろうと考えております。 プラス面としては、中国国内の改革が更に進み、国際社会と同じルールに基づく市場経済が一層定着することで、国内経済が一層拡大することが期待されるわけであります。また、中国が国際社会との相互依存関係を深めていくことは世界経済にとってもプラスの効果をもたらすものと考えております。特に、中国と深い経済関係を有する我が国にとっても大変重要な意義を有すると考えます。 具体的な中国経済へのプラスの影響としましては、繊維、食料品、軽工業品や家電といった労働集約型産業及び野菜や水産品等の農水産業が安価なる労働力を背景に比較優位を有しております。WTO加盟をきっかけに、更に成長していくものでないかと考えております。 一方、マイナス面としましては、穀物、大豆、トウモロコシ等の農業は、今後、海外より一定の範囲内で低廉良質な農産物の輸入が増加されることが見込まれ、厳しい競争を強いられることになると予測しております。それに伴い、農産品の価格が低下することによりましてこれらの農業に従事する農民収入も低下することが懸念されており、これらの農業の競争力をいかに向上させていくか、農村における余剰労働力をいかに他の産業で吸収するかが大きな課題となってくることと思います。 また、自動車、医薬品、化学品等の資本集約型産業は中国においては依然として国有企業が主体となっております。国有企業の実態は、国際競争力が低く、WTO加盟に伴い、今後外資企業が市場により一層参入してくるものと予測され、大幅な構造調整を迫られるものと考えております。その必然的な結果として、失業者の増加なども考えられるところであります。 中国経済は、WTO加盟に伴いまして、短期的にはそれぞれのプラス面、マイナス面があろうと思いますけれども、中長期的に見ますと、加盟時の約束事項を着実に履行していくことによりまして、貿易・投資の拡大が図られ、一層発展することになると考えております。 次に、東アジア対中貿易・投資は、中国のWTO加盟によって今後一層拡大することが期待されます。 十一月十三日に行われました中国共産党第十六回党大会における記者会見において、石広生中国対外貿易経済合作部長は、今後の五年間の中国の輸入額が一・五兆から二兆ドルに達すると予測しております。ちなみに、二〇〇一年の輸入額は二千四百三十六億ドルでありますから、大変な増加ということに相なります。そして、本年の一月から十月のASEANからの輸入額は、対前年比二七%増加したとも発表されました。 このように、東アジア諸国にとってもWTO加盟を通じた中国の経済発展はビジネス機会をもたらすものでもありますし、また、WTO加盟時の約束事項を中国が遵守することを通じた中国のビジネス環境の改善も大きなメリットとなると思います。 そのため、お配りしました資料、十三ページになりますか、WTO加盟に対する東アジア諸国の反応ということでありますけれども、中国のWTO加盟が正式に決定されたカタールにおける第四回WTO閣僚会議においても多くの国々が中国のWTO加盟に歓迎の意を表するなど、東アジア諸国はおおむね中国のWTO加盟を歓迎いたしております。 なお、今般提示がありました議題とも若干関連すると思うのでありますが、去る十四日に閉幕しました中国共産党第十六回党大会において胡錦濤総書記を筆頭とする中国の新指導部が発足し、今後の二十年間にわたる中国経済の目標が提示されたところであります。 今般の党大会におきまして、経済面での注目すべき点としては、中国経済の新たな中核を担いつつある私営経営者の共産党への入党が正式に認められたこと、また、今後の中長期目標としまして、二〇二〇年のGDPを二〇〇〇年の四倍増とすることが挙げられると思います。この目標は、今後約二十年間にわたりまして毎年七%から八%の高い成長率を維持していくことが必要とされております。また、国内経済の諸課題への取組とともに、対外経済関係の重要性が強調されておりまして、WTO加盟後の中国経済が今後一層外向きになっていく姿勢が顕著に打ち出されていると思います。今後、新たな指導部の下でこれらの目標をいかに実現していくかが注目されようと考えております。 以上で報告を終わります。
○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。 次に、高市経済産業副大臣、お願いいたします。
○副大臣(高市早苗君) 高市でございます。よろしくお願いいたします。 先生方のお手元にあります経済産業省の資料の二ページをお開きください。下に小さなページ項目が書いてございます。 まず、東アジアビジネス圏形成の意義ということでどうとらえているかということでございますけれども、我が国と相互依存関係の強い東アジアと経済的な一体化を進めて、その成長要素を活用した発展を目指すことが閉塞感の強まっております我が国経済の活性化策であるというのがポイントでございます。 どういう効果が期待されるかということですが、巨大な市場でございますから、この市場への優先的なアクセス、それから貿易投資の拡大を目指すということ、それから市場の一体化によりまして経営の効率化や収益改善と日本への投資拡大を期待したいということ、それから我が国の強みを生かす地域ルールの形成、そしてそれを世界に発信していくという営みが期待できるということ、それから我が国及びアジアの構造改革の加速につながるであろうということ、更には東アジアの経済発展がこの地域の政治的な安定にも貢献するんじゃないかということを考えております。 それで、東アジア経済と日本の関係につきましては次の三ページから五ページに図で書かせていただいておりますが、これは後ほどお読みいただきたいと思いますし、既に外務省から説明のあったところと重なりますので飛ばさせていただきます。 次に、六ページでございます。東アジアにおける経済連携についての基本的な考え方を申し上げます。 FTAを含みます経済連携は東アジアのビジネス圏を実現するために重要なツールであると。将来的には東アジア全体の経済連携を実現することを視野に入れてはおりますが、まずはASEANとそれから韓国との取組を先行して進めるということでございます。 マルチの取組、バイの取組ということについての考え方ですが、その下に説明してございます。 ASEANについては、ASEAN全体というマルチの取組と二国間のバイの取組を並行して進めるというのが政府の統一方針でございます。つまり、マルチの取組でASEANの一体化を促進してASEAN全体としてのビジネスの場を作ることは重要であるが、一方で、バイの取組というのも、マルチでの自由化などの範囲、程度の拡大、それからマルチでカバーされない分野の先行的な取組を図る上では有益であろうということです。 韓国につきましては、この丸ぽつの下から二番目ですが、地理的にも近いですし、経済水準においても近接しておりますので、経済関係の緊密化を図ることは非常にメリットがあるだろうと考えております。 それから、東アジアにおきます経済連携の推進に向けた各国の取組に乗り遅れることがあれば、我が国の損失は大変大きいと考えております。これは、先ほど各国の取組につきまして外務省の方から説明がございましたが、総括いたしますと、ASEANの一体化というのは、一体化ができて初めてそのポテンシャルが最大限発揮されるだろうと思います。一つ一つは小さいんですけれども、束になることで多様性を生かした非常に優位な規模の市場となる。それから、大国中国に対するバランサーとしてもASEANの一体化は重要じゃないかと。 それから、日本企業でございますけれども、これはASEANワイドで事業を展開しておりますので、ASEAN規模で調達をしたり生産をしたり販売をしたり、こういった体制を作ることで収益の最大化をねらっているものでございます。しかし、現在はASEAN内部での越境取引における障壁というのがそれを妨げておりますので、もう各国ごとにセグメント化された市場で生き残るという選択は困難だろうと。つまり、ASEANワイドの視点で経営効率化を進めていこうという日本企業を応援していこうというのが当省の考え方でございます。 それと、中国でございますが、ここはASEANを一つとして自由貿易圏を創設するために着々と手を打っておりますので、将来の成長市場への優先的なアクセスを含めて日本市場が不利な競争条件にさらされないように、我が国も乗り遅れないようにASEAN全体を網に掛けていこうということでございます。 七ページの図というのは、これは先ほど申し上げましたマルチとバイ、両方で相乗効果を出していこうということの説明ですが、この太線で囲んだ部分がASEANのすべての国が乗ってこれそうな、多くの国が乗ってくれそうな最低限の範囲でございますね、自由化の範囲でございますが、国によって格差がございますので、このDとかIとか非常に最低限の基準よりも大きく追加的に取組ができるようなところは残り全部のマルチな交渉を待たずに先行的に進めようということを図で示しております。 八ページは、もうこれは外務省さんの方から御説明いただいたことと重なりますので飛ばします。 九ページも、幾らか重複はあるんですが、ここは大切だと思いますので説明をさせてください。中国・ASEANのFTAでございます。 してやられたかなというような声も上がっておりますが、中国の方は二〇〇〇年十一月の首脳会議で中国・ASEAN・FTAを提案されて、それで二〇〇二年十一月の首脳会議で、先ほど御説明があったとおり、十年以内の中国・ASEAN・FTAの創設を含む包括的経済協力枠組み協定に署名されました。協定は来年、二〇〇三年七月一日に発効の予定でございます。 枠組み協定の主な内容については下に書いております。四ぽつ目で特定農産品に関するアーリーハーベストを実施すると。つまり、これは特定農産物と書いておりますが、原則はすべてに関してこういう形になっていくと思います。中国がこういう取組をしているということ。 それから、十ページ、アメリカのFTA戦略というものも日本に影響を与えると考えております。 アメリカは、北米自由貿易協定、NAFTAなどを別にして、NAFTAというのは早くから機能していたわけですが、基本的にFTAに消極的であったんですが、この姿勢を転換しております。 基本的には、貿易促進権限法、TPAというものが成立いたしました。これは簡単に言いますと、大統領権限を非常に強くするものでございます。議会は、その個別の、大統領が決めてきた個別のことについてノーとは言えないんですが、総括的にもうすべての案件に関してイエスかノーを決められるだけで、ほとんど大統領が決めてしまえるというようなものですが、こういうものを成立したことを契機にしてFTA交渉を積極的に展開するようになりました。 それで、安全保障やテロ対策の観点からも、FTAを同盟関係構築のツールと位置付けております。ASEANにも入ってきておりまして、今年十月にASEANとのASEANイニシアチブ計画ということで経済連携を進める方針を発表いたしております。 ですから、中国、アメリカの状況を説明させていただきましたが、中国はASEAN全体を対象に二〇〇四年の六月末までにFTAの交渉を終了したい、アメリカの方はASEANにくいを打ち込むかのような取組を開始している、インドなどもこういった動きに参入してきていると。ですから、もしも日本がこうやった他国の取組に遅れちゃいますと、例えば、中国・ASEAN・FTAができたら、ASEAN向けに日本で生産しているような部品とか製品の生産が中国にどっと移転してしまうかもしれない、要は製造業の空洞化を一層加速することになるであろうというので、乗り遅れるなというのが我が国の取組でございます。 東アジアとの経済連携に関する我が国の取組、十一ページに書かせていただいておりますが、これは外務省から説明ございましたので省かせていただきます。 それから、日本・ASEAN首脳宣言、これも外務省から大変詳しく説明がございましたので省かせていただきます。 十三ページ、十四ページに英文、和文、首脳宣言の抜粋を載せております。 このまま続きまして、中国のWTO加盟に対する我が国産業界の反応ということを説明させていただきたいと思います。 基本的に大まかなところは外務省さんの方から御説明があったんですが、この資料の十五ページをまずごらんいただきたいと思います。 中国のWTO加盟の意義ということですけれども、これは極めて大きいだろうということです。すなわち、世界の人口の五分の一を占める中国ですから、ここが加盟したことでWTOというものが一層普遍的な機関となるということ、これが多角的な貿易体制を強化する観点から大きな意味を持つものですし、日本も中国との経済関係を深めていく、それに資するものとして歓迎しているところでございます。 2ですが、有望な市場である、それからまた同時に生産拠点であるという中国でございますが、世界経済が減速している中で中国は着実に成長を続けておりまして、世界経済に占める比重もますます高まっております。中国は、今後とも高水準の経済成長を続けるかどうかということは断言はできませんけれども、少なくとも、約十三億人のすごい人口を背景にした巨大なマーケットでございますので、需要面でのポテンシャルは大きいだろうと思います。それから、最近は、アメリカ、ヨーロッパそれから日系を問わずに各国の企業は積極的に対中投資を進めております。WTO加盟によりまして投資環境の整備が進めば、中国は将来性ある有望な市場となるだろうということでございます。 数字書かせていただいておりますが、中国の国内総生産は世界で六位、ちなみに日本は二位でございます。世界貿易に占めるウエートも中国は四%、日本は七・六%でございます。 3ですが、WTO加盟による内外への具体的な影響ということで、これも外務省さんからメリット、デメリット、おっしゃっていただきましたが、世界経済、我が国経済にもたらす影響として三点整理しております。 一つは、市場アクセスが改善されることによって対中貿易・投資が拡大する。それから二番目は、様々な面で国際ルールに基づいた透明で無差別な制度が整備、運用されることで中国のビジネス環境、投資環境が整備される、改善されていく。それから三点目は、通商関係の問題が起こってしまったときに、共通の国際ルールの下で解決を図ることができるようになると。 在中国の日系企業に対するアンケート調査でも、中国がWTO加盟前の時期のアンケート、ここに載せているのはそうなんですが、もしもWTOに加盟したら経営に対する影響については、七割以上の企業が、明らかに経営にプラス、若しくはどちらかといえばプラスという肯定的な見方を示しております。 ちなみに、日本企業が肯定的である理由としましては、やはり制度や政策運用の透明性が高まると答えている企業が五七%、それから内国民待遇の推進によって外資に対する諸規制が緩和されるとしている企業が三〇%と目立っておりますし、輸出義務の撤廃などによって中国国内での販売がしやすくなるといった意見も多く見られております。 いずれにしましても、中国がWTO加盟時に約束いたしました事項の履行を注視していくことが何より必要だと思います。不透明な制度でありますとか運用、それから知的財産問題を始め、我が国企業が懸念する材料は少なくございません。 どういうところを懸念しているのかというのを説明したのが資料の十六ページからでございますが、まず貿易摩擦ということです。 中国は我が国にとって第二位、我が国は中国にとって第一位の貿易相手国でございます。一九九一年から二〇〇一年の十年だけでも日中貿易総額が約四倍となっております。それからまた、投資も増えております。最近減少傾向にありました対中投資も、二〇〇〇年から増加に転じまして、二〇〇一年には実行額で五割以上の大幅な増加となっていますので、これだけもう日中で経済関係が緊密化しちゃうと、貿易摩擦が増加すること自体は避けられないであろうと思います。 現在の主な懸案事項でございますけれども、一つは、知的財産権侵害問題でございます。 これは、こちらの参議院の方にも知的財産基本法ですね、御審議にかかっていただくこととなりましたけれども、とにかく中国に求めていかなければならないのは、WTOにも加盟したことですし、ルールを守っていただくということでございます。 知的財産侵害、すなわち模倣品、海賊版の問題、ここが非常に大きな課題であると考えております。この模倣品、海賊版ですが、国内での流通だけではなくて、中国で製造されました模倣品、海賊版、第三国に大量に輸出されるという量的な拡大、それから何が侵害されているかということですが、商標権の侵害、それから意匠権、特許権と、侵害されるものの質的な拡大も続いております。 このままこれを放置しちゃいますと、潜在的な市場の喪失、それからブランドイメージが低下してしまうということで、日本企業の活動には深刻な影響を与えかねませんので、中国に対しましては、現場レベルでの取締り、それから水際規制の強化、法制面での履行確保、こういったことをあらゆる場で要請いたしておりますし、来月一日から七日の予定で中国に官民合同ミッションを派遣いたしまして、この制度面、運用面の改善を要請することとなっておりますし、それと並行する形で、中国の地方の模倣品取締り機関の職員を対象としました模倣品対策セミナーを開催する予定としております。 それから、このほかの懸案事項でございますが、一つは、今朝朝刊にたくさん出ておりましたが、鉄鋼セーフガード問題がございます。 本日から鉄鋼輸入製品に係る確定セーフガード措置を発動する旨、昨日中国政府が公告をしたところでございます。我が国としましては、これまで二国間協議を通じて確定措置に移行しないよう申し入れてきたにもかかわらず確定措置が現実となったことは大変残念だということで、本措置のWTO協定との整合性、それから我が国産業にもたらす影響などを精査した上で、適切な対応を取ってまいりたいと考えているところです。 それからもう一つは、自動車の輸入割当てが適切になされていないのではないかという問題、それから写真用フィルムの関税の問題ですね、この税率が不当に高いんではないかという問題が挙げられております。 それから、3でございますけれども、通商問題に対する多層的なアプローチということなんですが、各種の二国間の協議を活用して通商上の問題点を指摘し対応を要請しているんですけれども、鉄鋼や化学といった分野では官民合同での対話も実施するなどしております。 それから、WTOに関しましては、中国の約束の履行状況を審査する経過的審査メカニズムというのがございますが、これへの積極的な参画、それから義務履行の能力を強化する、中国の方がその義務を果たしていただくための能力、これを強化していただくための応援、支援をしようと。それから、必要に応じてはパネルなどWTOの紛争処理の活用を検討するということで、先ほど申し上げましたような懸案事項に対応していこうと考えております。 資料の十八ページ、ごらんくださいませ。 近年、賃金や内外のコスト格差というものを踏まえまして、中国を始め海外に日本企業が進出、移転する動きが相次いでいることは事実でございます。 具体的には、十八ページの左上のグラフにございますように、我が国の製造業の海外生産比率は十年前の約二倍以上となっております。業種別に見ますと、左下のグラフにございますように、特に輸送機械、それから電気電子機械の海外進出が顕著となっております。輸送機械はアメリカやASEAN、それから電気電子機械については主に中国などアジアが主な進出先となっております。 それから、同じページの右のグラフのように、製造業の現地法人からの逆輸入額、これが十年前の約三倍以上の増加を見せております。特に、アジアの製造業現地法人からの逆輸入は十年前の約五倍に増加をいたしております。 それから、十九ページでございますが、これは我が国の対外直接投資ですけれども、大型投資の有無で変動はあるんですが、中期的には上昇傾向にあると言えます。十二年度については、左上若しくは右上の図からも分かりますように、製造業の対外直接投資は減少する中で、左下の図にありますように、中国向けの投資、特に電機において増加が目立っております。 このような動きの中で、二十一ページをごらんいただきたいんですが、二十一ページの右の図の方にありますように、海外の現地法人数はここ五年間で約三割の増加となっております。 このほかにも、最近の中国では比較的新しい高付加価値商品の生産機能の移転が進みつつあると。デジタルテレビとかデジタルカメラ、半導体といったものまで移転をしつつある。それから、日本企業へのアンケート調査でも、約四割が中国への生産シフトを検討しているということでございます。 それから、問題視をすべきは移転の動きそのものではなく、そのものも心配ではありますが、中国への移転を補完し得るだけの高付加価値分野の国内における生産の維持拡大、これがまだ達成されていないということでございます。このまま改革が進められずに移転が進んでしまいますと、国内の雇用に悪影響を与えることが非常に大きな問題だと思っております。 二十一ページの左の図をごらんいただきますと、我が国の製造業の事業所数なんですが、十年間で二〇%も減少いたしております。それから、二十二ページの左の図を見ていただきますと、我が国製造業の雇用者数でございますが、これはずっと九〇年代を通じて減少傾向にありましたが、平成四年から平成十三年の十年間で二百八十五万人も減少してしまっているということでございます。つまり、中国などの巨大マーケットの出現というのはチャンスであり、これを最大限生かすことができるようにしていかなきゃいけないんですが、我が国産業の競争力強化に向けた改革を進めていくことが大変必要です。 そのために何をしているかということですが、昨年秋から、喫緊重要な課題と対応策の検討、これを進めてまいりました。その結果、先般、経済活性化に向け、資料の二十三ページにございます六つの戦略というものを提言させていただいたところでございます。 この六つの戦略の中で最大のポイントは、資料の左上の戦略1にございますように、産官学の資源を集中させて、我が国を世界最先端の研究開発拠点化して技術の発信基地とするということです。これによって、二十一世紀をリードする最先端産業を生み出すということがまず重要であろうと。そのかぎとなるのが、コア技術から実用化、市場化まで一貫した技術戦略でございます。環境・エネルギー、それからIT、バイオ、ナノテク・材料の四分野を中心にしまして、思い切って政策資源の集中投入を図っていく。世界最先端の研究開発拠点を創出するということが必要だと考えております。 もう一つのポイントは、資料の戦略2にございますように、競争力のある企業を伸ばしていくということです。非常に大きな産業構造の転換点、転換期に差し掛かっておりますので、国民経済レベルの選択と集中を行う。企業レベルの選択と集中から国民レベルの選択と集中というものを行って、国内外の優秀な人材や資本を強みのある分野に集中させることは必要であろうと考えております。 いずれにしましても、日本に残された時間はそう長くありませんし、非常に今の日本の経済が置かれた厳しい環境を克服するために、今申し上げましたような戦略をきちっと実行していくことが重要であると思います。 最後に申し添えますが、中国に対しまして、それからアジア各国に対しましてですが、先般、先月、十月のAPEC閣僚会合、メキシコで開かれました。この場では、特に中国の模造品、海賊版対策などにつきましてAPECの二十一エコノミー全体で取り組んでいける対応を取れるようなスキームを日本側から提案いたしました。最初は幾つかの国が反対をしていたんですが、最終的にはほとんど、二十エコノミーの賛同を得たんですが、最後に中国一国、石広生さんでございますが、加害国なものですから強硬に反対をされまして、取組そのものは皆さんの賛同を得たものの、実施が一年延びるといったようなこともございました。 しかしながら、その先月のAPECでも、それから今月シドニーでありましたWTOの非公式閣僚会合、これも行ってまいりましたけれども、こういった場で、あらゆる場で、とにかく中国の模造品対策、海賊版対策、これはもう何とかしなきゃいけないと、信頼できないよという話は強く申し上げておりますし、それから十月に涙をのみましたIPRサービスセンターの件も、先週、石広生大臣に取りすがって、もうとにかく来年絶対賛成してくれなきゃ承知しないというようなことで強く強く求めてまいりましたし、また、我が国の演説の内容、外務大臣、私共々、とにかく投資ルールをきちっと確立しようよと。それは、農産物の数値目標、もういろいろ皆さんおっしゃるけれども、そんなことよりもまず投資ルール、これをきちっと確立すること、それからアンチダンピング、これの乱用はけしからぬというようなこともかなり強く申し上げてきたようなところでございますので、追加的に御報告をさせていただきます。 以上で、時間となりましたので、失礼いたします。
○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。 以上で報告の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 本日は、あらかじめ質疑者を定めず質疑応答を行いたいと思います。 質疑を希望される方は、挙手の上、私の指名を待って質疑を行っていただきたいと存じます。 できるだけ多くの委員の方々が質疑を行うことができますよう、一回の発言時間は五分程度でお願いをいたします。 また、質疑及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。 なお、理事会の協議の結果でございますが、まず大会派順に各会派一人一巡するよう指名をいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。 それでは、まず加納時男君。
○加納時男君 加納でございます。 お話を伺ったことに関連して三点伺いたいと思います。五分以内で終わるようにします。 第一点は、デュアルトラック方式についてであります。 先ほど外務省の矢野副大臣からお話がありました。また、高市さんからもお話がございましたけれども、本年十一月五日の日本・ASEAN首脳会議で日本が提案し、共同宣言に入ったデュアルトラック方式です。 これはもう抽象的に考えるとおっしゃるとおりでありまして、例えば、バイも大事だけれどもマルチも大事だと。それで、先ほど、高市さんの資料の七ページでいくと、コア部分はマルチで、そして飛び出した部分、突出した部分、先端分野というか先行部分はバイでやっていく。非常に抽象的にはよく分かるんですが、具体的にやっていく場合に非常に悩むことが多いわけですね。 例えば、今、バイでいうと、日本とシンガポールの間で、これは国際約束になりますけれども、十一月三十日たしか発効だと思います。これは実現しました。あとは国際約束がまだできていなくて、どこの国とやっていくか、いろいろな可能性が今あって、話合いが始まっているというふうに承っています。 そういった場合に、一体、例えばバイで選んでいくものとして、日本・シンガポールの次は日本・タイなのか、韓国なのかとか、物すごく具体的には差が出てくると思うんですけれども、この辺りはどのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。 もうちょっと言い換えると、バイとマルチの光と影といいますか、長短をどのように考えて進めていくのか。私は抽象的には書いてあるとおりでいいと思いますけれども、具体的にはどういうところが悩みがあるのか。 これに関連して、その一日前ですから十一月四日の日に、日本、中国、韓国の首脳会談で、この三か国、日中韓のFTA、自由貿易協定を結んだらどうかということは中国の首脳から提案があったと私、聞いておりますけれども、これについて今日特に触れられなかったようですけれども、お二人の副大臣はどのようにお考えか、伺えればと思っています。 第二の質問ですが、地域協力体制の問題であります。もうちょっと言葉を簡単に言うと、ASEANデバイドの話であります。 地域協力体制、例えばEUですとかNAFTAとか、私も現地に行っていろいろ見てまいりましたけれども、非常に進め方が難しいんですね。一つは、ワイドゥンと言いまして、参加国を増やしていくワイドゥンという拡大の方向。もう一つは、ディープンと言っていますけれども、協力を深化、深くしていく。このワイドゥンとディープンというのは、正にこの進め方での一番の調整の悩みどころだと思っています。ASEANも六か国からスタートしたのが、CLMVというんですか、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムと入ってASEAN10になったわけです。 こういうワイドゥンをしていった場合に、例えばNAFTAだとかそれからEUの拡大と全然違うのは、内部に非常に異なる水準というか異なる要素が一杯ありますね。文化の話であるとか、例えばキリスト教を共有しているかしていないかとか、もう全然違う宗教が一杯入っているわけですし、それから所得、それから経済の発展段階の違い、それから、ちょっと言いにくいんですけれども、人権だとか民主主義に対する認識とその実現度の違いとか、それから政治的、経済的安定性とか、こういったようなことからASEANの中でのデバイドが起こるのではないだろうかという議論がありますが、これについてコメントをいただけたらと思います。 あと一分半ぐらいですが、三点目でございますが、中国の問題が出ております。 中国については、知的財産権の侵害であるとかセーフガード、それから自動車の輸入割当て等が今出ておりました。それから空洞化の話が出ていましたが、私、この間も中国に行きまして痛感したのは、何か日本の手足が中国に奪われるという危機感があるんですけれども、そうだろうかと。もっと大切なことは、頭が奪われるんじゃないかという危機感を持ったわけです。 簡単に言いますと、例えば中関村科技園という中国のシリコンバレーと言われているところへ行ったわけでありますが、ここでは、三十万人の学生、それから三十九の大学、教育機関、二百を超える研究機関が集中しているわけです。経済特区にして、政府も徹底的に税制でも何でも優遇しまして、所得税も優遇する。そこへ世界じゅうの企業がどんどん進出してくる、日本からもアメリカからも進出してくる、こういうことを通じて新しい企業がどんどん起きてくる。低利融資だとか大幅な減税だとか、それから情報の共有だとか、こういったことが起こって、中国で実は模倣品が出るとか言っている間はまだまだいいので、一番先端分野が中国に集中していく、投資も中国に、人材も中国に行った場合の日本の危機感を非常に感じて、今、税制改正でも、何といっても研究開発投資の根こそぎ税額控除を提案しているわけでありますが、こういったことについて触れていただけたら。 以上、三点でございます。
○副大臣(矢野哲朗君) 今、ASEANのバイとマルチの進め方、それからASEAN諸国と韓国とのプライオリティーの、優先順位というふうなものがまず第一の質問だったと思うのでありますけれども、考え方としまして、この政策を我が日本として外交政策として取り入れるという政策決定は、私は決して早くなかったというふうに理解しています。ですから、今後、それこそ国を挙げて国家的施策として展開していかなければいけない。 そのためには、何回かお話し申し上げた対タイ国、対フィリピン、対マレーシア、要するに各省庁、協力を得て細部の協議に当たっている。その辺に一つの考え方の表れがあるのではないかと御理解いただきたいのでありますけれども。 そして、先ほど申し上げたように、ASEAN五か国でASEAN十か国の大宗を占めるということからもしまして、なおかつ、既にフィリピン、タイ、マレーシアも具体的な展開が考えられるこの十二月だと。ですから、今、その諸国と本当に詰めて、速やかにバイの協定を締結する最大限努力をしていかなければならない。 そして、韓国とどちらがプライオリティーということにも、先ほど委員御指摘のとおり、その件では非常に意味があるということが御指摘あったけれども、その辺の意味を私は教えていただきたいんですけれども、双方努力し合いつつ細部にわたっての詰めをしていく。韓国においては、御案内のとおり、民間レベル、学識者レベルの検討は終わりました。そして今、政府間等々の協議にも入っております。ですから、そういった意味ではかなり熟度が高まってきたかなというふうな思い、その状況下で最大限の努力をしていくというふうなことになろうと思います。 それから、日中韓のFTAの枠組みはどうなんだろうというふうな話ですけれども、韓国とは今申し上げたような状況であります。なおかつ中国とは、先ほど申し上げたように、昨年、WTOに実際加盟したということで、その後の協定の履行事項並びに中国経済の動向、日中経済関係全体の状況等々、もう少し確認する必要があるんじゃないかなと。ですから、その辺を確認した上でそういった意味での実務的な展開を図ると。 ですから、当面はWTO加盟下における中国の姿勢を確認していくというふうな状況だと考えております。
○政府参考人(渥美千尋君) 副大臣のお話しになられましたことに一言だけ補足させていただきたいと思います。 バイとマルチの話がございました。それから、ASEANの中のデバイドという話もしておられました。 最初の御説明のときに矢野副大臣からの話にございましたけれども、日・ASEANの共同宣言におきましては、一方で、日本とASEAN全体との包括的経済連携実現のための枠組みを検討する、他方で、すべてのASEAN諸国と二国間の連携を確立するための作業を始めることができると、両方あるわけでございますが、一つには、先生も今御指摘になりましたとおり、全体とやると結構大変かもしれないという話はあります。例えば、ASEANの中でも国によって経済の発展段階が違うございますし、それから、ASEANの中でまたコンセンサスを作るとなりますとそれにもまた時間が掛かるということで、そういうことで難しい問題があるのは事実でございます。 他方、もう一つ、先生自身も言及されておられましたけれども、ASEANというもののまとまりというか統合というもの、これが大事にしていかなきゃいけないということでもありますので、そういうことから考えますと、バイ、二国間だけでやるとASEANの中の統合は崩れるかもしれない、そういうようなところがバランスとしてどう考えるのかということが大変大切な問題かと思います。 そういう意味で、マルチ、多国間の方は、今回の共同宣言におきまして、来年初めにも実務者の委員会を作って、そして枠組みを来年の首脳会談に出すということで基本的な原則とかやり方を進めていくと。それと、二国間ではできるところからということで、もう既にタイと、それからフィリピンとはやっておりますけれども、そのほか、場合によってはマレーシアとかあるいはインドネシアとか、そういうような国とやっていくと。 この場合に、シンガポールと既にできておりますので、それをモデルにすればある程度同じようなものができてくるということかと思います、もちろん国によって非常に違うと思いますけれども。そうすれば、ある程度同じものが幾つかの国とできれば、それが一つの、同じものであれば、似たようなものであれば多国間のものにもつながっていくということで、二国間と多国間、双方が相まって、日本とASEANとの経済連携が進んでいくと、そういうことになるんじゃないかと期待しております。
○副大臣(高市早苗君) 加納先生からの御質問ですが、まず、バイとマルチの光と影ということでございますけれども、やはり説明させていただきましたように、相互補完的なものだと思います。 元々、日本はガットやWTOを中心とする多角的な貿易体制でもう十分な恩恵を受けていると考えていて、余りバイの方は熱心じゃなかったんですけれども、でも、どんどんどんどん世界的にそういう動きが進みまして、結局取り残されつつあるかなと。つまり、世界のGDPの上位三十か国及び地域のうち、いずれのFTAにも属さない五か国地域、つまり日、中、韓、台、香港という中に取り残されてしまっておりますので、非常に変化の早い時代ですから、マルチでの体制の維持強化、これを補完するものとしてやはりバイが必要なんだと思います。 確かに、例えば、ASEANにおきましてはタイやフィリピンと議論を行っておりますけれども、それぞれの国の貿易構造とか相手国の制度も違ってございます。例えば、タイの場合ですと、農産物のシェアが日本の輸入の二割を超えておりますから非常にセンシティブな問題もありますし、国ごとにやりやすさとかやりにくさとかあります。それから、相手国の熱意というものも非常に重要なんですが、これもまた違ってくるわけでございますので、ASEAN全体が日本とのFTAを進めたいという意欲を持っていただいておりますので、これは、大変な問題もあるけれども、尊重しながら進めていきたいと考えているところです。 二番目の日中韓の問題ですけれども、小泉首相が、今は、現場で今は韓国とのFTAに力を入れて取り組んでいるんだ、中国に関しては長期的な課題であると。つまり、WTOに加盟したばかりでありますし、それから、先ほど申し上げました義務の実施状況、こういったものも見守らなきゃいけないと、これが首相の御発言でございますので、そういうことになるかと思います。 それから、文化や所得や発展段階の違い、これは一問目ともちょっとダブりますけれども、例えば今回のWTOでも、マレーシアのラフィーダさんが、私の方から余り投資ルール投資ルールという発言をしつこくやっちゃったものですから、最後に怒り出しまして、うちの国にも投資ルールはあるわよ、あるんだけれども、国内の経済政策との整合性からそうじゃないように見えるかもしれないけれども、あるわよなんてたんかを切ったりして、なかなかやっぱりそれぞれの国の価値観や法制度が違うという点もありますし、中国も模造品対策、例のAPECで駄目になっちゃった話ですが、あのときも、最後は、この案に乗ってもいいけれども、加害者のくせに、案に乗ってもいいけれども協力してほしけりゃお金を出せというような発言もありまして、経済産業省の交渉担当が完全に切れておりましたけれども、そういったいろんなやっぱり価値観とか文化とか法制度、発展段階によって違うんであろうなということが分かります。だからこそ、やはりバイの話合いというものは非常に大事であると思いますし、マルチの場では、一番最低限折り合える部分だけからのスタートになるんじゃないかな、そういう位置付けだと思っております。 それから、中国の知的財産権の問題で、海賊版、模造品以上に人材が奪われていくんではないか、知恵が奪われていくんではないかということですが、何とかそうならないように、税制改正、それから先ほど御説明いたしましたような研究環境、それから投資環境、こういったものを整えるためにみんなで力を合わせていかなきゃいけないときだと思います。非常に危機感は強く持っております。 以上です。
○会長(関谷勝嗣君) 次に、大塚耕平君。
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。 多岐にわたるお話を外務省、経済産業省両省からお伺いしまして、大変参考になりました。途中で、どちらがお話しになられたか記憶しておりませんが、要は、ASEANのマーケットをアメリカ、中国、そしていずれはインド、こういったところと言ってみれば取り合わなきゃいけないと、こういうような表現がおありだったと思うんですけれども、インドは分かりませんけれども、アメリカとか中国というのは、こういう通商交渉やあるいは国家間の交渉をするときの戦略というかベンチマークが割とはっきりしているわけでありまして、日本のASEANマーケットを取り込むための今後の戦略というかベンチマークは何かということをちょっとお伺いしたいと思うんですが、何を申し上げているかといいますと、御承知のように、アメリカ、それからヨーロッパも含んでですけれども、過去十五年を振り返ってみると、日本の経済は、御承知のとおりのBIS基準と、それから会計基準を基にいろいろ攻め込まれて、今、日本は経済苦境に立たされているわけであります。 一方、中国は、これは私の私見でありますけれども、例えば為替相場に関してかなり有利な水準ないしは制度を維持するというようなことなどを現下の状況においてはかなり通商交渉の武器にしているような気はするわけなんですけれども、そういう観点で考えると、確かにこれからASEANを日本の経済界が、あるいは日本がうまくタイアップしていくような環境を作らなければいけないというときに、今るる御説明いただいた手法ないしは制度、二国間のいろんな取決めに加えて、日本は一体どういうことを本質的に求めていくのかということが、正しく日本の国家としての戦略として問われていると思うんですね。 どういうことかと申しますと、例えばASEANを、これはヨーロッパやアメリカが取り込みたいと思ったらどんどんどんどん攻め込まれちゃうわけですけれども、日本は、ASEANをうまく日本とリンクさせるためには、ASEAN諸国との貿易において円による、円建ての決済比率をどうやって高めていくかというようなことをどのようにしてやるのかとか、あるいは、これはあめにもなるしむちにもなるんですけれども、例えば中国の農産物がいい例ですけれども、農薬とかいろんな添加物で大変安全基準上問題があると。これは工業製品についても同じようなことが言えると思うんですが、そういうことについて、やはり日本と経済関係を密にしていくためにはそういう基準についてイコールフッティングのものを達成してくださいよというようなものを一つの交渉のカードとして、押したり引いたりしながら、いろんなものを引き出していくというような戦略が要ると思うんですが、私自身は、今申し上げましたような、どのように円ペグの経済を相手側にお作りになっていくのか、そしてもう一つは、特に安全という観点で、それをどのような交渉のカードにしていくのかと、この二点について何がしかお考えがあれば是非聞かせていただきたいというふうに思います。 あと、細かい質問かもしれませんが、ASEANをマルチとバイで両方でうまく取り込んでいくということだとすると、ASEANの域内各国と早くバイラテラルなFTAを結んでいくということを優先するべきであると思うんですが、外務省さんから過去に御報告を受けた記憶によると、メキシコなんかもターゲットにしておられるわけですよね。優先順位としてどうしてメキシコがこの時期に出てくるのかと。やはりシナジー効果を考えたら、ASEAN域内とやるんだということを対外的に意思表示するのが合理的であって、内々メキシコと進められるということは全然問題ないんですが、ASEANの人からしてみたら、シンガポールの次はメキシコかと、ASEAN重視と言いながら何か優先順位が違うなというふうにも取れるわけでありまして、三点目の質問として、FTAの対象としてなぜメキシコということをこの時期に大きくうたわれたのかということをお伺いしたいと思います。 あと一分ちょっとありますので、もう二点なんですが、もう一つ、今日は経済産業省さんと外務省さんが御説明いただいたわけですが、国と国との交渉ですから、この後やれ農産物だ、あるいは金融商品だということになってきますと、またほかの省庁もかかわってくるわけですが、日本の国内で今の日本の構造問題の大きなネックの一つであります縦割り行政というのを、どのようにその弊害を回避しつつASEANとの経済関係を構築していくかという意味で、今日おいでになっている両省以外の省庁も含めた横の連携をどのように取られるおつもりなのか、これを四点目にお伺いしたいと思います。 最後に、極めて細かい質問なんですが、高市さんの方から御説明いただいた資料の十八ページなんですけれども、製造業の海外生産比率ということで、ちょっと分かればグラフの意味を御説明いただきたいんですけれども。 海外進出企業数が三四・九%、そのうち製造業が一三・九%ということなのか、表題が海外生産比率ですから、もしこれが製造業全体の中で海外に進出した企業が三四・九だとすると、このグラフの意味がちょっと分からないということと、恐らく鉱工業生産高でどのぐらいが海外にシフトしているかということが一三・九という数字の意味だと思いますので、三四・九というのは何を意味しておられるのかというのを御説明いただければと思います。 以上であります。
○副大臣(高市早苗君) じゃ最後の、ちょうどページ開いておりますので、十八ページのグラフでございますが、これは先生が最初におっしゃっていただいたとおり、三四・九が海外進出企業すべて……
○大塚耕平君 製造業以外も含んでですか。
○副大臣(高市早苗君) そうです。一三・九%がそのうち製造業ということでございます。
○大塚耕平君 これは生産比率ですから、製造業のところは生産高でおっしゃっておられるということですか。
○副大臣(高市早苗君) 海外で生産している比率でございますね。
○大塚耕平君 企業数ですか。企業数、生産高。
○副大臣(高市早苗君) はい、生産量ベースです。
○大塚耕平君 生産量ですね。分かりました。ありがとうございます。
○副大臣(高市早苗君) それから、メキシコでございますが、これもちょうどAPECのときにデルベス大臣と私も会いました。これは何で優先するかというと、メキシコの場合はNAFTAとかそれからEUとの間でFTAを結んじゃっていて、それによって何か我が国の企業が非常に不利益な扱いを受けているということで、もう一刻を争う状況になっているということがメキシコとどうしても急がなきゃいけない理由でございます。 それから、戦略的なことで冒頭に御質問ありましたけれども、やはりWTOの場でもそうなんですけれども、アンチダンピングにしても投資ルールにしても、それから関税率にしましても、それぞれの国の国情とかそれから理屈によりまして相当価値観が違っておりますから、これはああいうWTOのような包括的な場でも、それからバイラテラルの交渉でも相当言っていかなきゃいけないと思います。 それから、安全性、これは確かに大きなカードになると思います。これはもう日本の消費者の大きな声でございますし、確かに戦略的なカードということになると思います。 それから、日本企業は今ASEANワイドで先ほど申し上げましたとおり事業を展開しておりまして、この越境取引のコストを下げて日本企業の利益を最大化するということ、これが最大のねらいでございますので、将来的には東アジアワイドで共通の通貨というようなことも含めましてASEANプラス3で検討していくことになると思っております。 そんなところでございます。補足ありますか。
○政府参考人(鷲見良彦君) 今、高市副大臣の方から御説明ございましたように、ASEAN戦略という意味では、これはFTA、今般の包括的連携構想のマルチあるいはバイの議論が始まるよりずっと前からASEANの経済大臣会合プロセス、AEMと言っておりますけれども、こちらの方で様々な分野での日本からの協力、これはODAという意味だけではなくて、実際の制度面でのハーモナイゼーションですとか政策ノウハウですとか、こういうものについて協力を進めてきたところであります。 基準の問題を特に取り上げられましたけれども、鉱工業製品におけるJISのような基準認証の制度ですとか、あるいはITにおきます技術者の資格試験ですとか、それから政策という意味では中小企業の関連の政策、これはなかなか欧米の国にはできない、政府が余り自分で手を染めてやっていない分野でございますので、中小企業関係の政策、あるいはその関連ですそ野産業の育成のためのサポートの仕方、それからより広く人材育成にかかわる問題等々、貿易・投資の円滑化、自由化に加えまして円滑化の問題、あるいはその制度構築の問題につきまして、ASEANとは様々な分野で議論しておるところでありまして、そういう意味ではアメリカのような例えばグローバルスタンダード、今御指摘のございましたような会計基準ですとか、一つのキーワードで決められるようなものはなかなかないんでございますけれども、いろんな形で多岐にわたりまして経済政策についてのノウハウ伝授その他でASEANとのお付き合いは進めておるところでございます。 一点だけ、円建て決済の話がございましたけれども、財務省は今日はいらっしゃっていないんですけれども、財務省の方でも円の国際化というのはある意味では二十年来あるいはそれ以上の期間の長い間の一つの課題として出てきておるわけでございますが、どちらかというと通貨、ここにおける通貨が、通貨取引の自由化に伴いましてある意味では無色透明なものにだんだんなってきてしまったということで、現実問題としては日本がASEANから輸入するものというのはほとんどがドル建てでございますし、御案内のように、それから輸出の方は一部の日本の非常に強い競争力のあるものについては円建てというものが二割、三割ございますけれども、全般的にはやはりドル建てということが非常に有力になっていまして、これについても財務省は引き続き円の国際化を進める方策ということで、財務大臣会合プロセス等で検討しているところでございます。
○副大臣(高市早苗君) 申し訳ありません。おわびがあります。 十八ページのグラフですけれども、これは「我が国製造業の海外生産比率」と書いてあって、その下に「海外進出企業」と書いてありますよね。それと、「製造業」と書いてあります。この書き方がちょっとまずうございました。海外進出製造業企業であるということです。上の方のグラフ、三四・九%は海外に進出をしている製造業の中で海外で生産しているもので、下の方は海外に進出していない企業も含めてすべての製造業の中での海外生産比率ということです。本当に申し訳ありません。ごめんなさい。
○大塚耕平君 これは生産高なんですね。分かりました。
○副大臣(矢野哲朗君) 大塚委員にお答えしたいと思います。 なぜASEANなんだというふうな話でありますけれども、こういったFTAのマルチの展開を図るということは、これひとえに政治的な安定性も図っていくんだと、この、事経済的な連携を強化するということではなくて、そういった意味で外交上の非常に重要な指針であるということも言えると思うんですね。 しかしながら、そういった経済的に緊密な関係を有するにしても、現在、貿易障害、例えば関税が高いとか、そんな実態、障害が、なり得るような問題がある。なおかつ、先ほど指摘された農業問題もあえてそんな対象になり得るかなというふうな、私はこのASEANのそれなりの国々だと思うんです。 ですから、そういうふうなことを乗り越えて、より一層政治的な、なおかつ経済的安定性を確保するんだというふうな思いからすれば、私は、この東アジアというところにまずこのネットを広げようというふうなこの戦略は御理解いただけるかなと、こう思います。 そして、なぜメキシコなんだということでありますけれども、御案内のとおり、NAFTAでもって既にカナダ、アメリカ、メキシコの一つの連携が取られております。EUともFTAを締結をしております。しからば我が国、大変関税的に見て障害があるということ、財界からも指摘されまして、この障害をやはり排除しなければいけないなということでメキシコと、こんなことで御理解をいただきたいと思います。 いずれにせよ、先ほど申し上げたんでありますけれども、もう少しピッチを上げて私はこのFTAの世界的な戦略を考えてもいいんじゃないかということで、それなりの幅広くというふうな考え方も考慮しつつ、このASEANという一つの当面の問題を解決すると、こんな思いを御理解をいただきたいと思います。 それから、各省の協力等々の話がありました。官房長官の下で、民間レベルの審議会が先ほど中間報告をされたというふうな報告をさせていただきましたけれども、各省局長レベル、外務省、経産省、農林省、財務省等々の局長が官房長官の下にこのFTAの今後の展開ということで随時協議をされております。 それから、先ほど申し上げたように、今回のフィリピン、そしてタイにおいても、全省庁挙げての一つの協議に当たっておりますので、乗り遅れちゃ大変だというこの思いの中で、国を挙げてやっていこうという体制作り、連携強化を事進めたいと考えています。
○大塚耕平君 一点だけ確認させていただいていいですか。
○会長(関谷勝嗣君) どうぞ。
○大塚耕平君 先ほど高市さんの方から、円建て決済比率を高めるという質問に絡んで、共通の通貨というものも志向していくというようなお答えがあったと思うんですが、片や事務局からは、やはりそれは円の国際化ということを目指すんだというようなお話があったわけですが、二者択一ではないと思いますけれども、大きな方向として、今、日本国政府はユーロのような共通通貨を志向しているのか、それともドルのようなキーカレンシーとして円を育成していくことを志向しているのか、その点だけ確認させてください。
○副大臣(高市早苗君) 将来的には、かなり長期的な課題としてはやはり共通の通貨と。これは相手が大いにあることでございますから、EUの場合も相当な紆余曲折を経て時間も掛かったことでございますので、そういう意味では長期的にはそういう検討もASEANプラス3であり得るということをお答えいたしました。 現実的には、やはり円の扱いというものですね、円の存在感というものを高めていくことの方が私は短期的で現実的だと思います。
○大塚耕平君 ありがとうございました。
○会長(関谷勝嗣君) 次に、高野博師君。
○高野博師君 二、三お伺いしたいと思いますが、今、同僚議員から、なぜメキシコかという質問がありまして、その答えも聞きまして、これは本質的な私は問題があるなと思っているんですが、なぜメキシコかということにつきましては、NAFTAとの関係で日系の企業が困っている、だから急いでいるんだと。それは現実的にそうだと思うんですが、もっと外交通商戦略上の発想があっていいんではないか。 〔会長退席、理事山本一太君着席〕 アメリカは、南北大陸というのは米州自由貿易圏を作るという構想があるわけです。したがって今、日本がメキシコと風穴を開けておかないと、ほとんど入り込めなくなる。チリも是非日本とと、こう言っているわけですが、チリの場合も、韓国はもう結んでいるんです、FTAを。アメリカもEUも、中国も今結ぼうとしている。なぜかというと、中南米で一番安定しているのはチリだと、したがって戦略上の拠点として確保する、そのためにFTAを使うということをやっておるわけですね。したがって、日本はここにもやっぱり風穴を開けておかないと、日本は本当にこの自由貿易圏から取り残されると。この間、外交防衛委員会でもやりましたので若干繰り返しになりますが、米州自由貿易圏にも入れない、ASEANも中国に取り込まれる、EUも日本は入っていけない、日本は本当に取り残されるんではないかという私は危機感を持っておりますが。 そこで今日は、農水省が来ていないというのが大変私残念でありますが、この正に農業問題というのがFTAを結ぶための最大のネックでありまして、シンガポールとのFTAを結んだということでモデルケース云々と言っていますが、これはモデルにならないと思うんですね。二千品目以上の農産物、これは無税化から排除しているわけです。中国もアメリカも、日本はこの農業分野の問題があってFTAは結べないという政治的な、政治的にも結べないという読みがあって、ASEANを取り込んじゃおうと、アメリカも入ってこようと、こうしているわけですね。そこで、日本の農業分野、この国際競争力というのは非常に弱いと。ウルグアイ・ラウンドの関係で六兆円のお金をつぎ込んだ、しかし全く競争力が高まらなかった、このままでいいのかというところがあるわけです。 私は、質問はちょっと二つありまして、このFTAの意味というのは、FTAを結ぶという構想を打ち出しただけで民間の企業が動き出す、これが非常に重要な意味があると思うんです。ですから、中国が二〇一〇年にやる、結ぶという、あるいは二〇一五年と。この目標を出しただけで民間企業が最適の生産地、販売ルートを求めて動き出していると。ここがFTAを結ぶという外交戦略上の大きな意味があると思うんですね。 そこで、一つは農業関係で、日本は農業の自給率をアップするという目標があります。この食糧安全保障上、これは自給率を確保しておかなくちゃいけない、しかし農業関係の構造改革もやらなくちゃいけない、その矛盾はないのかどうか。私は、競争力を高めることによってある程度確保できると私は考えておりますが、したがって、このFTAとの関係で、やり方によっては障害にならないと見ていますが、どのように副大臣、見ておられるのか。 それから、これも私の持論なんですが、もうODA外交からFTA外交にシフトすべきだと。少なくともODAというのはFTAとリンクさせるような外交政策を打ち出すべきではないか。私は、日本の再生というか生き残り、あるいは国の在り方も懸かっている。これは私は一つのかぎとしてFTAがあるんではないかと見ておりまして、大きな通商外交政策というのをきちんと日本は位置付けをやるべきではないか。中国も韓国もアメリカも、明らかにこれはもう外交の武器として、先ほど高市副大臣おっしゃったように、外交の武器として、ツールとしてFTAを使うという明らかな戦略があるわけです。日本はそういう意味ではかなり後れていると思うんですが、その辺の認識はどうお考えか。二点お伺いいたします。
○副大臣(矢野哲朗君) 高野委員の御指摘、私も頭を大変悩ませているところでありますし、なおかつ、先ほどから繰り返すようでありますけれども、我が国として、FTA戦略が先行まではしていないと思うんですね。ややもすると、後手を踏んだというふうな状況かもしれません。その最大の原因は今国内事情にあるんではないかなと、私も同感であります。 さりとて、その問題だけにプロットして問題ありきということになれば、この戦略は進まないという現状認識もしっかり持たなければいけないと思います。 ですから、先般も外務省内部で、次官をトップにして今後のFTAの取組方の本部をスタートをいたしました。各局長から意見を聴取したのでありますけれども、まずその農業問題の大変調整が厳しいというふうな指摘もありました。しかしながら、私も、局長レベルの話だったものでありますから、実務的にはそういう問題が多々あるかもしれないけれども、少なくとも基本的な方針決定ということになればひとつ目的を明確にしようと。その目的を明確に、それをまず最初にしないと、障害をある程度考慮してしまうと目的がどこかに飛んでいってしまうというふうな話の中で省内に私のような考え方を述べた経緯があるんでありますけれども、ですから、その辺は今後の努力だと思います。 それで、世界の中での限られたところとFTAをというふうな考えではなくて、ですから、広く我が国の外交戦略の中でFTAを世界にどうやって広げていくんだと、そんな中にいろんな調整でき得る条件も加味されていくんではないかなと、こんな思いであります。
○政府参考人(高田稔久君) 高野先生からメキシコとチリについて御指摘がございました。 メキシコにつきましては、今そういうNAFTAそれからEUとの協定があるということで大変な不利益を被っているというのが直接的な理由でございますけれども、基本には、恐らく先生考えておられるように、メキシコ一億人の人口ということで、それからそのGDPはASEAN10に匹敵するものでございます。したがいまして、メキシコそれ自体として、やはり我が国から見て米州への入口といいますか、そういうものだろうと思います。そういう基本の上に現在我が国の企業も大変な不利益だということで、これは緊急の課題として今般交渉に入っておるということでございます。 それから、チリについて御指摘がございました。チリにつきましては、優等生といいますか、中南米で安定している国でございますし、貿易政策も、ガット、WTOも遵守をし、さらにまた自由貿易協定の方も遵守をしていると、そのような国でございます。 他方、チリの例えば関税構造でございますけれども、一律に現在七%、来年には六%ということでございます。そういった問題等を総合して考えますと、今直ちにということではございませんけれども、そういう意味では、私どもの優先順位が東アジアそれからメキシコということなんですけれども、このチリとのまた関係をどういうふうに強化していくのか、そういったことは当然これはいつも注意して考えていくべき問題であると思っております。
○副大臣(高市早苗君) まず最初の戦略的なFTAということでございますけれども、外務省さんが我が国のFTA戦略といった書類をまとめておられますけれども、こういった個々の省庁が出しているものに加えまして、やはり経済界の考え方なども踏まえながら政府全体の考え方を戦略的に考えていくということは、御指摘のとおり非常に大事だと思います。 ただ、我が国がこれからどういう戦略でどういうふうに計画して交渉をしていくかということを相手側と交渉に入る前に何もかも明らかにするのがいいかどうかというのは、これはまた別の問題として、国として戦略的な視点でということ、これは大いに賛同をいたします。 それから、農業ですけれども、これも、確かにメキシコなんかの話がかなり進んでいるところとの話であっても、やはり農業というのはセンシティブな分野でネックになってきております。自給率をアップさせることと開放による競争力強化、むしろ体質を強化するということが両立するという面もありますし、一方で、むしろ付加価値の高い農産品を売り込んでいく市場としてのお考え方はできると思います。 台湾の方では、台湾産より値段が倍高い日本産のナガイモの消費がここ数年で急増しているといいますし、あと、カキやリンゴ、温州ミカン、ナシ、これがアジア市場に輸出されているというので、一つはチャンスの面もあると思いますが、一方で、先日のWTOの非公式閣僚会合でも多くの国の御意見として議長も言及されましたが、農業というのはやはりセンシティブな問題であるという認識は世界的に共通した認識であると思います。 特に、アメリカなどに関しましては、自由化自由化と言って、とにかく市場開放市場開放と各国に言うくせに自分の国はアンチダンピング措置を乱用するという意味では大変私たちも問題視しており、抗議をいたしました。 〔理事山本一太君退席、会長着席〕 アメリカなんかは、八〇年代でもさんざん自分の国の農業を保護して補助金付けて育てておいて、自給率もうんと上げて、日本に買え買えと。日本やヨーロッパに関しては、そういう国内的な保護措置についても口を挟んでくる。そういう意味では、私たちの生存権にかかわる食糧の部分は、これは闘いになるんだろうと思います。 非常にセンシティブな分野ですけれども、どんなケースに陥っても私たちがきちっと食糧を確保していけるという道は作っておかなければ、特に外交交渉でもめたときに、ほかの問題でもめたときにすぐ食糧禁輸という措置を打ち出すようなやり方をアメリカの場合取りますから、過剰な依存体質というものは困るんじゃないかと私は考えておりますし、この間もそういう観点で発言をさせていただきました。 ニュージーランドのように、日本に対して農業をもっと開放しろ開放しろと言っている国の大臣ですら、やっぱり供給国が何かほかの案件で腹が立ったからといって食糧禁輸をするような、こういうことはさせるべきじゃない、そういうルールをもっとWTOの中でも話し合っていこうよ、こういう話が出てきておりますから、センシティブな問題であるということでは共通していると思います。 ODAに関しては、やはりFTAや経済連携に資するものに優先的に順位を付けていくということはとても重要だと考えます。
○高野博師君 ちょっと一言だけ、私、メキシコに最近行ってきたばかりなものですから。 十四、五年前、メキシコとアメリカの関係というのは、非常に主権とか独立とか内政干渉とかという言葉がいつも紙面の第一面に出ていたんですが、今は全くそれは影を潜めた。メキシコの経済がもう完全にアメリカに組み込まれている。したがって、それと同時に政治的にも外交的にも対米依存度を強めさせるというのがやっぱりありまして、このFTAというのは、経済的な問題だけではなくて、正に外交戦略で取り込んじゃうということができる、一体化していくと。経済を一体化させながら政治的に取り込んでいくということができると思うので、これは是非、外交通商政策の重点戦略として考えていただきたいと思います。 以上です。
○政府参考人(渥美千尋君) ODAの関係、今のお話もありますけれども、一言だけ補足させていただきますけれども。 正に、例えばASEANとの関係でございますが、今年の一月に総理がシンガポールに行かれてスピーチがありましたけれども、そのときにASEANとの関係を、援助国、被援助国ということではなくて、ともに歩みともに進むということで、パートナーとしてやっていこうと、こういうことを強く打ち出されました。 これは正に、単にODAを出す方、出される方ということではなくて、いかに経済も一体になり、ひいては政治的にも一緒になって仕事をしていくか、一緒になっていろんな問題に立ち向かっていくかということをやっていくと、そういう日本の外交の考え方を示したものですが、先般、また十一月の日・ASEAN首脳会議でゴー・チョクトン・シンガポールの首相からも、正に先方も、日本とASEANの関係は援助国と被援助国ではなくてパートナーとしてやっていきたいと、こういう強い希望が出されております。 ただ、ASEANの中にも進んだ国と後れた国がございます。進んだ国については、そういうことでパートナーということで一緒になってやっていくということでODAということもだんだん違った形になってくるかと思いますけれども、後れた国につきましては、これはやはり、例えばFTAの話をするにしても、彼らを少し底上げするというか、もっとほかのASEANの国々に追い付けるようにして、ASEANの一体性を、統合を助けて、そして日本としてASEAN全体と仲良くなっていく、一緒になって繁栄していくと、こういう考え方に基づいてやっていきたいと思っております。
○会長(関谷勝嗣君) それでは、次に田村秀昭君。
○田村秀昭君 矢野副大臣、高市副大臣から立派なブリーフィングいただきまして、ありがとうございました。 私、この内容じゃなくて、矢野副大臣には、改革の必要な外務省の副大臣に十月二日になられて、外から見ていたのと中に入られたのではどういうふうに違うのか、改革は進んでおるのか、改革は本当に進んでおるのかどうかという点についてお話を伺いたい。 それから、高市副大臣については、私、かつて自民党におりましたころに、高市さんがまだ国会議員になる前に自民党の中で熱っぽい、アメリカの上院のスタッフを経験されて、今の日本の政治状況はなっていないというようなことを情熱を込めて言われたことを非常に印象的に私は覚えているんですが、その後ずっと国会議員おやりになって、副大臣にもおなりになって、日本の政治は良くなっておるんですか、どうですか。お尋ねします。 以上です。
○副大臣(矢野哲朗君) 田村委員からの御指摘であります。 昨年来から、そういった意味では大変不祥事が矢継ぎ早に起こり、なおかつ国民の皆さんから非難の対象になった外務省でありまして、外から見るのと中から見るのということで、今実際に良しあしを肌で感じておるのでありますけれども、ここしばらくは、例えば変える会、民間の方々の御意見やら、それから各会派のPT等々いろんな改善策が提案をされています。 そういったことを逐一謙虚に耳を傾けて、一つ一つ実行に移していこうというふうな今段階だとは思うんでありますけれども、並行して、その事柄の連続により、外務省全体が自立機能がなくなって自信がなくなってというふうなことを招いたんでは大変だなというふうな非常に心配もしております。ですから、それなりの政策立案について、取りあえず省内だったらどういうふうに判断するんだというふうなことも踏まえて、こういう指摘を受けた、しからばというふうな一つの話し方を今、毎日やっている、努力をさせていただいているつもりであります。ですから、私は改革も緒に、緒に就いたということを表現するならばちょっと早いかなと。しかしながら、それなりに取り組んでやっていかなければならないなというふうな意識は十分手ごたえが出てきたと思います。 一例でありますけれども、改革協でもって中間報告をいただいたとき、私は国対にいたんでありますけれども、その取りまとめの冒頭、お互いにあいさつを交わそうというふうな一つの中間取りまとめの冒頭だったと思うんです。それを見て、私はどこかの小学校のテキストなのかなというふうに思ったこともありました。しかしながら、現実、私が数日、外務省通った結果、廊下、エレベーター等々でそれなりの幹部、つまり私の顔を知っている人たちと相当お互いに擦れ違っていると思うんでありますけれども、残念ながらあいさつもなかったわけであります。その点を私なりに指摘させていただきまして、そういう面では本当に変わってまいりました。 本当に、最近ですと笑みを作ることも覚えてくれましたし、そういうことで、──いや、本当、笑うぐらいの話が現実だったんですから。でも、そういうふうな改善の緒に就いたというような思いがレスポンスで感じるという状況になってきたことだけは事実だと思う。ですから、冒頭申し上げたように、ここで緩めることなく、全員の努力を一つ鼓舞してみよう。 もう一つは、いいのか悪いのか私もまだ判断付いていないんでありますけれども、外務省というのは組織でもってやっていこうという一つの元々体質がないというかもしれませんね。ですから、非常に個人プレーが多い。その結果のいろんな展開になってくるというのが過去の歴史だったような感じがいたします。ですから、一部はそれも評価されてしかるべしとは思うんでありますけれども、反面、組織なんでありますから、その組織としてどうみんながやっていくんだ。例えば、今回の北朝鮮の交渉についても、それじゃ大臣をトップにして政治判断できる立場の方々、全員一堂に会して、この件についてどう判断するんだというふうな一つの真剣な意見交換は私は必要だと、そういう体制も合意の下に作らせていただきましたけれども。ですから、そういう考え方も一部導入しなければいけないな、また新しい私は改革の一つになろうと思いますけれども、そんなことで日夜努力をさせていただいております。 まだまだだと思いますけれども、いずれにせよ、各委員の御指摘をいただきながら、正に島国、貿易立国日本でありますから、外交展開がしっかりしなければいけないという思いの中でやっていきたいと思いますので、引き続きの御指導をお願い申し上げたいと思います。
○副大臣(高市早苗君) 田村先生に初めてお目に掛かったのは私が二十八歳のとき、まだ大変美しく、やせていたころでございましたが、そのころに党本部の勉強会にお招きをいただいたことを思い出しております。 当時、私がお話ししましたのは、アメリカでの本当に短いささやかな経験でしたが、その間に出会った言葉として、アズ・ア・タックスペイヤーという言葉についてお話をしたと思います。納税者が非常に権利意識を強く持って、何かあると国会議員のところにアズ・ア・タックスペイヤーという書き出しで手紙が殺到し、また、国会議員も政策秘書がとても公設で多いので、本当に十人以上、政策関係のことに携わるだけでも十人以上、合計下院でしたら十八人の秘書が力を合わせて政策課題別に手紙の返事を返したり、非常にうまくキャッチボールができている。そういう権利意識が日本にもそのうち出てこなきゃ政治はドラスチックに変わらないんじゃないかなと。また、国会議員の方にも納税者の声に敏感に反応する意識が出てこなきゃ変わらないんじゃないかな、そういう話をそのころはしたんですけれども、随分良くなったと思います。 まず、納税者意識、オンブズマンなどの存在もありますけれども、非常に情報公開をしろという、物に対する権利意識、これ行き過ぎると大変なんですが、非常に納税者としての意識は強くなった。例えば、公設秘書の給与のスキャンダルがございましたけれども、ああいったことも一昔前だったら出てこなかったかもしれません。ところが、そういう税金の使われ道ということに対して非常に皆さん意識が高くなった。決算行政監視委員会などでの国会での議論も非常に興味を持って注目されるようになったし、国会議員も税金の使われ道に対して非常にセンシティブに今活動していると思います。それから、政治資金規正法なども厳しくなりまして、意識的には改善されたと思います。 それから、小選挙区制になりましたことで、やはり納税者と非常に身近なところで政策のキャッチボールを衆議院の方ではやっているように見受けられますが、ただし、これからの改善点として、小選挙区制と地方分権というものが同時に進行しなければ、結局、市議会、県議会と同じ仕事をして駆けずり回っているんじゃないかという意識が非常に強くございますので、地方分権の進行というものはまだ不十分であると。アメリカも小選挙区制ではございますけれども、しかしながら、州がやる仕事のところが割と日本よりも幅広くございますので、今私たちがやっているような、国が半分、県が四分の一、市町村が四分の一というような予算の配分の仕事の聞き取りやそれの獲得に走り回るといったことに関しては、向こうの方が仕事が少ないんじゃないかなと思いますし、組閣の仕方も、当時はアメリカのポリティカルアポインティー、大統領制度と議院内閣制は違いますが、そういう話をしていたかと思うんですけれども、これも小泉内閣の組閣の仕方を見ていますと、割と年功序列とか、長くやっていれば大臣になれるとかいう時代は過ぎ去ったかなと。政府委員制度も廃止されたんで、そういう意味では、私たちが切磋琢磨していかなきゃいけない時代になったなと。 改善されてきていると思いますし、議員同士の政策討論の場も増えました。選挙でも昔は候補者の立会討論会、禁止されておりまして、それに代わるものがなかったですが、今はそういう意味では討論会なども出てきていて、改善された点も非常に多いし残された課題もまだあると、そのように今感じています。 ありがとうございます。
○会長(関谷勝嗣君) 次、大田昌秀君に戻りますが、今日は経済の問題でございますので、田村さんのは特別な質問を許しましたが、経済に戻っていただいて、あと一時間論議をしたいと思います。 それでは、大田昌秀君。
○大田昌秀君 社民党の大田でございます。 簡単な質問を四点ばかりさしていただきます。 去る十月十七日付けの朝日新聞は、外務省と経済産業省のFTA交渉方針にずれがあるということを指摘されて、外務省が二国間での締結を優先する考え方なのに対し、経済産業省はASEAN全体との交渉を重視しているとして、日本には現在FTAの総合戦略を協議する司令塔はないということを報じておりますけれども、この点は間違いないでしょうかというのが一点でございます。 二点目は、中国の経済の実態についてはいろいろと意見が分かれておりますけれども、アメリカのピッツバーグ大学のトーマス・ロースキー教授というのが昨年の五月に中国の経済の実態について疑問を提起しておられます。ロースキー教授は、エネルギー消費量に着眼して、経済成長率が毎年七、八%アップしている一九九八年から二〇〇一年の間のエネルギー消費量を見てみると、九八年が対前年比マイナス六・四%、九八年から二〇〇一年の累計でもマイナス五・六%となっている事実を指摘して、成長率の統計というのは経済の実態を反映していないという趣旨のことを指摘しているわけでございますが、この点についてどのようにお考えなのか。 それから関連しまして、台湾との貿易関係の現状、それから将来の見通しというのはどういうふうにお考えなのか。と申しますのは、大前研一さんが二〇〇五年に中台統一というような本を出していまして、「中華連邦」というような本を出しておりまして、非常に興味のある問題です。その点について、簡単で結構ですので御意見があれば教えてください。 それから三番目に、先ほども似たような御質問がありましたけれども、日本経済研究センターの報告書によりますと、将来、韓国や中国との交渉では農業分野が課題になるというのは避けられないと言っております。そして、今月の十日付けの読売新聞によりますと、日本とオーストラリアとの経済連携協定の準備協議において、オーストラリアの方は農産物に関してこのままの態度では日本のFTAなんか期待できないと日本の対応を非難したという記事が載っておりますけれども、先ほど高市副大臣がセンシティブな問題だということはおっしゃったんですが、農業問題についての日本政府のもう少し具体的な対応をどのようになさろうとしておられるのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。 最後の質問は、ちょっと手前みそになりますが、沖縄県はこれまで経済問題で一国二制度というのを絶えず政府に要求してまいりましたけれども、経済産業省にお伺いしますけれども、日本国内で一国二制度的なこと、かつて梶山官房長官が盛んにおっしゃったことなんですが、それは可能性があるのかどうか、その点。 それから、関連しまして、今年の四月に沖縄で金融特区が始まったわけですが、これに対しては不徹底だという批判が強く出ております。去る十月十九日付けの朝日新聞に、国際金融論を専門になさっている近藤健彦教授が、沖縄の金融特区について、特区内の法人税の実効税率を四〇・八七%から二六%に引き下げたといっても、香港と比べたらそれでも一〇%も高いと、法人税が香港より不利な沖縄に資本が入ってくるだろうかという疑問を呈しておりますが、この点について御説明いただけたら、あるいは御見解をいただけたら有り難いと思います。 よろしくお願いいたします。
○副大臣(矢野哲朗君) 大田委員から朝日の記事の指摘があったんでありますけれども、先ほど申し上げましたように、この十一月の五日ですか、ASEAN首脳会議でもって共同宣言が発せられましたけれども、とにかく日本・ASEAN包括的経済連携を中核として、この地域を先進的な地域に発展させようというのは私は基本的な考え方だと思います。ですから、我が外務省はバイでもってその後にマルチだと、経産省はその逆だというような指摘なんでありますけれども、我が方として今の基本的な考え方に基づいて当然包括的な一つの連携を強めていくと、これが究極な目的だと思うんです。ですから、並行的にバイとの努力もやっていかなければいけない。 ただし、具体的な話として、先ほど申し上げましたように、フィリピン、タイ、マレーシアも近々具体的な話になっていくだろうと、こういうふうな現実があるものでありますから、それはそれとして、要するにひとつ検討し、正式協議に入っていってもいいんではないかという一つの考え方であります。 それから、我が方としては、台湾とのFTAという一つの御指摘があったのでありますけれども、FTAがもたらす経済的効果、合理性、この辺を考えたときに、大変台湾という地域が重要であるということは共通の認識だと思うんですね。しかしながら、先ほど申し上げたように、対中国とのFTAとの考え方、WTOに加盟してまだ日が浅い、なおかつその辺での台湾としての姿勢が今後どういう展開になるのかと、まずその辺を一応確認をしつつ、その合理性、経済性等々を判断しつつその辺は考えていきたいと考えております。 先ほども答弁を申し上げたのでありますけれども、農業の問題、日本としてのFTA戦略がややもすると多少後れぎみかなというような指摘を受けても致し方ない現実があろうと思います。今後は、シンガポールとの協定等々、一つのテキストになるようなものがありますから、それをもってして、じゃ何が対応できるんだ、何を削除すればいいんだと、今後の手続が速やかに私は進むと思うのでありますけれどもね。そういう中で、国内的ないろんな障害になった事柄として農業問題もその一つだったということは事実だと思うんです。 しかしながら、私としては、今回すべてのFTAの協議、関係省庁すべて入っていただいて、それなりにマレーシア、フィリピンとも、タイとも、この問題はないかというようなことで作業を進ませていただいています。ですから、現実の話として、障害だということだけで避けるのではなくて、現実的な解決策が何だというふうな一緒に問題の中に入ってもらって、その問題を解決しつつこのFTAの展開をしていくというふうな今後の進め方になろうと思います。
○副大臣(高市早苗君) まず、新聞記事、朝日新聞でございますね。外務省と経済産業省との間でずれがあるのかという話なんですが、この新聞記事は、外務省が発表された「我が国のFTA戦略」というものを受けての話でございますが、外務省が発表されたものに関しましてはFTAに対する議論を喚起するために外務省の一部部局が独自にまとめたものであると解釈しておりますので、あれが日本政府全体のFTA戦略として確立されたものとは考えておりません。今後、関係省庁間で十分に論議して検討していく必要があると思っております。 一致している点というのは、例えば、FTAを重要な外交戦略ツールとして活用するとか、それから当面は韓国やASEANなどの東アジアとプラスアルファ、メキシコとの交渉を最優先するというのは外務省も経済産業省も一致した方針であると思いますし、ASEAN全体との取組と二国間での取組をともに進めていくというのも関係省庁間の共通の認識であると思います。 新聞記事には結構国別に双方の立場のずれを書いてありましたが、ある意味では当たっているところも多いかなと思いますので、今後はこのずれをなくすために各省庁、それぞれの専門の中で主張があるでしょうから、これはもう早急にすり合わせて、政府としてのやはり見解というものを確立すべき時期であると、率直にそう思います。 それから、中国のエネルギー統計ですけれども、エネルギー統計と経済統計の間にそごがあるという主張があることは認識しておりますし、中国で今七%の成長しているのにマイナス〇・三から〇・四というデフレも生じているということで、これについても同じような主張があるということは承知しております。統計そのものの精度向上というものについては、OECDなども協力を実施中でございますので、統計分析については更に精査が必要なんじゃないかなと思います。 それから、農業でございますが、私も何度もセンシティブという表現を使いました。実際にWTOやAPECの場でセンシティブという発言は我が国だけじゃなくて各国からも出てきております。これ、FTAの検討においては農水省も参加されております。WTOルールとの関係でも農業分野だけ除外したFTAなんてものは元々あり得ない、ここのところは覚悟しているんですけれども、メキシコとのケースでは、メキシコ側からは農産物の自由化なきFTAはあり得ないと、こういう強い主張をいただいておりまして、交渉に入ってはおりますけれども、じゃ具体的な自由化の品目をどうするかということは交渉の中でぎりぎりの議論が行われていくことになるものと承知しております。 以上です。
○会長(関谷勝嗣君) 以上で各会派一人一巡いたしましたので、これより自由な質疑に入っていきたいと思っております。
○今泉昭君 大変参考になる報告をいただきまして、ありがとうございました。 私、三点ほどお聞きしたいと思います。 一つは、ちょっと先ほど同僚の議員の皆さん方から触れられておりましたけれども、戦略性の問題でございます。 私が思うには、中国がASEANに接する戦略性というものと、アメリカがメキシコやあるいはASEANに接する自由貿易協定に対する戦略性というのは、日本の立場と全然違うもう一つの大きな一面があるんじゃないかと思っております。それは、片手で剣を持ちながら片手でパンを持っているようなものでして、要するにそれぞれの国の政治的な安定やあるいは治安の維持や防衛問題やらを絡めまして、併せてそれで経済という問題を両方からからめ手でやってきているという交渉の仕方が内面に私はよく見えるような気がしてならないんです。 特に、冷戦が崩壊いたしまして、今テロの問題で世界どこの国も大変な心配をしているわけでありまして、そういう意味で考えてみますと、日本の場合は大変優等生な国でありまして、経済といえば経済を中心とした戦略性が目立つばかりでありまして、アメリカや中国が持っているそれらの国々に対する、表面には出さないけれども、その下に持っている影響力をいかにして行使していくか、将来的に。 そういうものとの絡みで自由貿易協定を結ぶ国と比較をしてみますと、我が国はある意味では大きなハンディを背負っているような気がしてならないわけですね。一時的には大変我が国にとって有利な協定になるかもしれないけれども、いずれそれらの国々が横合いから入ってくれば、我が国の、それは全然前に比べてマイナスになるはずはないわけですけれども、優位性というのはだんだん低下をしていくという運命にあるんじゃないかと思うわけですが、そういう点につきまして、日本の持つ交渉のハンディというものを、今日は外務省と経済産業省ですから、その立場で感じられることがあるかどうか、それらの問題について我が国は別な形から考える必要があるかどうかということを考えてみたことがあるかどうかということをお聞きをしたいと思うんです。 確かに、イーコルパートナーという建前はきれいですよ。それはあくまでも外交の言葉であって、実質的には相手の国をいかにして影響力に置いていくかというものが水面下にどうしても私としては見え隠れするわけでして、その点でお感じになったことがあったらお聞かせ願いたいと思います。 それからもう一つは、たまたま今日、我が国の中国進出による産業空洞化の実態と対策という表を出していただきました。これまで我が国はASEANにしろ中国にしろ大変な経済力の違いがありましたから、どちらかといえば産業上の優位性がございまして、これまでそういう協定を結ぶための殿様の余裕が一面あったんじゃないかと思うんですが、ところが、考えてみますと、日本がこれまで経済大国になった大きな柱である製造業というのがどんどんどんどん空洞化をしていっている。恐らく、大半が中国に行きASEANに渡るというこれは宿命じゃないかと思うんですね。 ところが、考えてみますと、資源が全くない我が国にとりまして最も付加価値の高い分野と言えば製造業か、あるいはそれ以外の新しい分野の、第四次産業と言ったらいいかどうか知りませんが、情報通信関係だろうと思うんですが、これらの分野は金融、証券も含めましてアメリカにすっかり押さえられている。そうすると、これから日本が東アジア地域におきまして経済的な主導権を取れるメーンの軸になる柱が経済的になければ、私は影響力を与えていくということが非常に不可能ではないだろうかという危惧をしているわけですが、そういう意味で、経済産業省としては一体これから先に我が国の経済の柱を何に置いていくのか。よくサービス産業ということが言葉に出ていきますけれども、一番付加価値の少ない産業ですよ、これは。 そういう意味で、どういうそれについての戦略性を描いていらっしゃるのかというのを二点目にお聞きしたいと思います。 それから三点目は、WTOはとにかく自由貿易推進のために大変必要なことでございまして、大いにこれが世界に広まっていくことが望ましいわけでございますが、どうも地域協定というのはマルチにしろバイにしろ、ある意味では差別というものを別な意味で作り出すという宿命を持っているわけです。しかし、考え方から見ると、そういうものを方々に作っていくことによって全体的なフリートレードのレベルが上がるというふうに考えれば、これは問題ないわけですが、世の中は必ずしもそうではないんじゃないかと。むしろ差別化というものがブロック的に広がっていく危険性も同時に併せ持っているこれは制度ではないだろうかなという危惧もするんですが、その点についてちょっとお聞きしたいと思います。
○副大臣(高市早苗君) 政治的な安定ですね。国際政治的な戦略も含めてということでは確かにこれは重要なポイントであると思いますし、説明資料の中ではほんの一行、アジア全体の経済が良くなっていくことがアジア地域の政治の安定につながるという書き方をさせていただいただけですが、確かに通商交渉の現場では、例えばアメリカが、今テロ対策だと、これはテロ対策だと言えば、いろんなことに各国は賛同せざるを得ない状況というのはございますね。ところが、そこで、これはテロ対策だからこういう対応を各国取ってくれというような主張の中に、それは実は流通の円滑化を阻害するようなものもあります。 例えば、アメリカに向けて船で出すものに関して、全部積み込むときに通報してこれだけの検査をしてくれとか、そういう各国に対して非常に負担が掛かり、なおかつ流通の円滑化、自由化という流れには逆行するようなものもあるけれども、でも、政治と絡めてそういう交渉をしてくるというような手法が随所に見受けられますので、確かにこのFTAということ、それから経済連携全般に関しましても、この安全保障や国際政治的な視点での戦略というものを日本政府がしっかり持っていて、やはり押すところ引くところを見極めなきゃいけないなというのは、私自身まだ新米ですけれども、つくづく痛感したところでございます。 それから、時間がたってくると優位性が少なくなってくる分野も確かに存在してくると思いますが、今のところ、まず不利になっているところをどう克服するかというのが非常に急がれる課題であると思いますので、時間がたっても優位性が減っていかないように、これは産業政策の分野でどんどんどんどん競争力を高める、研究開発や投資の環境を整えたり税制で対応したりして競争力を高めることをしなきゃいけませんし、不利な点といいますと、典型的なのは先ほどのメキシコの例なんですけれども、もうこれ、本当に日本の企業だけが今一六%も関税を掛けられていて、あとは、EUとかNAFTAとか、こういったところはメキシコと先にやっちゃっていますから、そちらの方は関税が掛からないと。著しく日本企業が不利だという、不利な条件をまず急いで解消しようという順番になると思います。 それから、コア産業に関しましては、もう本当に申し訳ございませんが、まず私の資料でいいますと、九ページで御説明をいたしました。一番下の8になります。ページ数間違えました。ごめんなさい、二十三ページです。二十三ページの環境・エネルギー、IT、バイオ、ナノテク・材料と、こういったところに政策資源の集中投入を図ると。物によっては必ずしも日本一国でリードできる産業ばかりではございませんけれども、政府の方針としては、この四分野をコアとして政策資源の集中投入を図る、それを支援するための税制、投資環境を整えるということに今の時点でなっております。
○副大臣(矢野哲朗君) 今泉委員から御指摘があったんでありますけれども、るる我が外交上FTAを展開していく上で確かにいろんなハンディキャップもあろうと思いますけれども、じゃ日本として何が戦略として、カードとして使えるんだろうというようなことになろうと思うんでありますけれども、私は、事ASEANと的を絞ったときに、確かに地域的に東アジアというようなところでもって一つのくくりができるかもしれないけれども、宗教も違う、文化も違う、非常に複雑多岐な私はASEANの十か国だと思うんです。 そこで、日本が、例えば一九五〇年代からスタートしたODA、そんなことでかなり私は信頼の醸成ができたとも思います。二国間の理解もかなり、文化も含めてかなり理解度が高まってきたということも言えると思うんです。ですから、先ほど高野委員からも御指摘があったように、その辺でのODAを展開によってはすこぶるFTAの展開と連動させることができるんじゃないか、今後も。なおかつ、アジアの同志として、お互いに信頼醸成を十分なお互いの努力の中で醸成してきたというふうな状況が現在あろうと思います。 そして、究極の目的は、この東アジアをひとつみんなの力で一つの高いレベルに持っていこうというふうなことが共通の私は認識になってきているんではないかと。その辺で私は非常に優位性があるんではないのかなと理解させていただきたいと思います。
○政府参考人(高田稔久君) 先生からもう一点、ガット、WTOとそれから地域貿易取決めについてのお話がございました。 先生御指摘のとおり、WTO、これは世界全体での自由貿易の維持強化ということで、それを目的にやってきておるところでございます。それから、地域貿易協定につきましては、WTOの大原則であります最恵国待遇の例外というものをこの当事国の間で設けるということでございますので、確かに先生おっしゃるとおり、差別という面はございます。 そういう面があるからこそ実は条件が設けられておりまして、例えばガット二十四条でございますけれども、そういう地域的な取決めというのは実質的にすべての貿易をカバーしなければいけないということでございます。それは、ですから、都合のいいところだけをそっくり抜いたりということではなくて、実質的にすべての貿易をカバーしなければいけない。その上でそういう差別の面があるんですけれども、全体として、ひいてはやはりそういう地域貿易取決めも経済の活性化ですとか貿易の全体としての拡大を通ずることによって全体の世界経済の公正に役立つと、そういう考えの下に認められておるということでございます。
○小林温君 時間も押し迫って、重複する部分があるかと思うんですが、確認の意味で二つほど質問をさせていただければと思います。 一つは、先ほど来出ております戦略という話でございますが、FTAの、この前のASEANの会議で、翌日の新聞報道、一斉に、中国がイニシアチブを今回の東アジアFTA交渉で取った、日本は後手に回ったという一様に各社の報道があったわけでございます。 今、高市副大臣お帰りで、矢野副大臣のみ残られたんですが、その戦略という意味で、かつて日米間で経済摩擦が頻発しました八〇年代後半まで日本版USTRの創設ということがかなり言われたわけでございますが、その後、目に見える摩擦がなくなりまして一時鎮静化しておりました。ただ、ここに来て、やはり先ほど来お話に出ておりますような、一つはヘッドクオーターの不在をどうするかと。もう一つは、今、外務省と経済産業省がリードをする形でFTAの交渉も進めていただいておるんですが、一つには、例えば農作物の問題を考えた場合に、その報復関税に例えば電化製品、情報機器が来た場合に、経済産業省の場合は一方では交渉の窓口であると同時にその商品なりの当該省庁にもなるという、こういう矛盾も生じているわけでございまして、この解決策には多分二つぐらいしか方法はないと思います。 一つは、USTR的な独立した通商交渉を担当する、しかも権限を与えられた機能なり組織を編成するか、もう一つは、外務省がその部分を独立して担うことによって、例えば農産物交渉で農水省あるいは経済産業省は外務省にその交渉をすべて託すと。ただし、その責任は外務省が負うということになると思うんですが、こんなことがあるんじゃないかと思うんですが、今ここに来て日本版USTR、私はこれ必要だというふうに強く思うわけでございますが、この件についてお考えをお聞かせいただければと一つ思います。 もう一つは、今のUSTRの話とも絡みますが、私はかつてワシントンの法律事務所で通商の関係の実務をしておりました。私のいた事務所はNAFTAのメキシコ側の代表をしておりまして、十人ぐらいのチームでメキシコ側の利害をアメリカ側と交渉していたわけです。通常の料金をチャージすると一日三百万ぐらい、当時で三万ドルぐらい掛かったんですが、実はこれ三分の一ぐらいの値段でやっておりました。というのは、そのチームのトップが前の商務省の次官だったということもあって、つまりこれはどういうことかというと、アメリカはメキシコと自由貿易協定を結ぶためにメキシコ側のバックアップを非常に強くしていたということの表れなんだと思うんですね。ですから、アメリカ型のいわゆるNAFTA、そして米州自由貿易協定、最近アジアにも手を出してきて、シンガポールと先日自由貿易協定で合意したと、こういう今シナリオがあるわけですが、当時からこういうことは、まず北米、次に米州、そして米州を固めたところで外に出ていくという戦略が実はアメリカ側にはあったんだろうと私は思うわけです。 そういう状況を見て、アメリカがアジアに目を向けた場合に、多分このままいくと日本の頭越しに米中なり米・ASEANという自由貿易協定が結ばれる可能性が十分にあると。日本はもう既にアメリカとかなり成熟した通商関係がありますので、得ることはないけれども失うところはかなり多いと思うんですが、そういう状況の中で、TPAの権限が大統領に付与された部分も含めて、アメリカのアジアに対する視線について御見解をもう少し詳しくお聞かせいただければと。二点お願いいたしたいと思います。
○副大臣(矢野哲朗君) 今月の、十一月の五日に取り決められた包括的経済協力のための中国・ASEAN枠組み協定の御指摘だと思います。 確かに、報道では注目が集まったかのように思われますけれども、その内容をかみ砕いて読ませていただきますと、極めて限られた物品の関税撤廃とその後の交渉の進め方に関する原則を定めた取決めと理解してもいいと思うんです。 ですから、我が方として、先ほどから繰り返し申し上げたフィリピン、タイ、マレーシア、インドネシア等とのそれなりに進められたワーキングチームでもって協議をされている内容、かなり私は熟度が高まっていると思います。ですから、そういった意味では決して私は焦ることはないんではないのかなと。そういう中で、正に自らの利点を最大限利用しつつも、自らの方針に沿って実質的に意義ある協定を着実に作っていく、そういうことで対応していきたいと考えております。 なお、一つの、この米通商に見られるような体制を整えたらどうなんだということでありますけれども、現時点では、先ほど申し上げたように、官房長官の下に外務省、経産省、財務省、農林省等々の局長レベルでもってこの件の展開について十分検討がされているというふうなことでありますから、その体制の下に今後進めていきたいなと、こう考えております。
○政府参考人(鷲見良彦君) 二番目の御質問の、アメリカのFTA戦略、それと日本との関係でございますが、アメリカは御案内のように、NAFTAは別にいたしまして、従来、FTAとの関係では大変消極的だったんですが、戦略を転換して、安全保障あるいは反テロというふうな観点からも世界あちこちに声を掛けまして、今、FTAを一種の同盟関係のツールという形で位置付けて、シンガポール、チリに続きまして来年はオーストラリアですとかあるいはアフリカの国ですとか、こういうのともやっていくと、こういうような話でございます。 ASEANについては、確かに日本はASEANとの間で、経済大臣会合で、昨年の十一月以降ずっと議論をしてまいっております。今年ずっと議論してまいっておりまして、そういう意味では、ある意味では地に着いた検討作業というのをずっとやってきておりますので、ある意味ではアメリカにしましても先を越されたということで外交的な動きをしているんだろうと、こう思っておりますけれども、私ども、日本は日本の優位性を生かしながら、従来のこの経済面あるいはODAも含めました様々なASEANとの交流ということを念頭に置きながら包括的な経済連携を進めていくというこういう当初の方針はそのまま堅持をしていきたいと、こういうふうに思っているところでございます。 アメリカがインドネシア、フィリピン、タイとのFTAということを言っておりますけれども、こう言うとなんですが、日本の方がはるかに経済投資、貿易投資ともに関係は非常に深い。そして、アジア通貨危機のさなかにおいても大変、日本はこれらの国の苦渋を十分理解して非常に深い関係を続けてきたわけでありまして、そういう積み重ねというのは、これはまた日本の一つの優位性ということであるかと思いますので、アメリカとの関係では、それほど張り合うということは必要ないかと思いますが、日本は日本のやり方で、日本のペースでやっていくべきかなと、こう思っておる次第でございます。
○森元恒雄君 私、まず一点は、先ほどからいろいろ説明をお聞きし、あるいはやり取りをお聞きしていまして、マスコミの報道はともかくとして、日本はやっぱりFTAの取組に後れを取ったことは間違いないと思いますし、なおかつASEANとの関係の今までの合意、構想を見ましても、いま一つ腰が引けているんじゃないかなと、こういうふうに印象を持っております。 それはなぜかということになれば、これも話が出ましたように、日本のやっぱり農業問題というものが一番の大きな課題であって、そこを含めた総合的な戦略がなかなか立てられにくい、立てにくいという点にあるんじゃないかなと思います。 国の中で利害がなかなか一致しない、あるいは意見の一致を見ないことについて、国の政策として一つの目標をはっきりと定めるというのは、これはなかなか容易なことではないと思うんですね。国家戦略の必要性ということは分かっておっても、どういうふうな戦略を立てていくのかというのが、そこが一番難しい点だろうと思うんです。私は、思いますのには、やっぱり日本は、かねがね外圧でもない限り国の方針が決められない、よう決めないというふうなことを言われますが、それはやっぱり国民の間のコンセンサス作りに対する手法に少し足りない点があるからじゃないかなという気がしてなりません。 このFTAについても、例えばですけれども、今後、世界じゅうがどういうような、各、各々の国がどういうふうな戦略、戦術でもってこれに取り組んでいくのかということをやっぱり複数のケースというものを設定して、その場合に我が国がどういうふうな影響を受けるのかということをまず国民の前に明らかにするということが非常に大事じゃないかな。 せんだっても、アメリカの外交戦略の話のごく一部として、例えば今後、対東アジア外交政策をアメリカがどう取るべきかという長期戦略を立てるときに、日本がもしインドと同盟関係を結んだと想定したらというふうなことまで、我々の、今、日本人でそんなことはおよそ考えられないわけですけれども、そういうようなケースもさえ想定して、自国はその場合どういう行動を取るべきかということを議論をしている、明らかにしているというような話を聞いたところでありますけれども、例えばこのFTAについても、今申し上げたようなやっぱり国民の間のコンセンサス作りというものについて、政府としてやっぱりもっと手法を変えて、工夫をして努力をすることが大事じゃないかなと、今日もお聞きしていてそういう気が改めてするわけですが、御意見があればお聞かせをいただきたい。 一点に絞りましてお聞きしたいと思います。
○副大臣(矢野哲朗君) 森元委員の御質問に答えさせていただきたいと思うんでありますけれども、自主的に外交戦略が判断できない、顔が見えない等々の御指摘がありました。正に外務省改革のまず第一がそこにあると思います。ですから、そんなことがないようにということで、よくぞ私はこのFTA戦略というものをまとめ上げた外務省だなと、こう考えております。 ですから、先ほど、いなくなっちゃったんだけれども伝えてください。これは外務省の決めたもので政府の決めたものじゃないというふうな話がありましたけれども、少なからずともこの主導性を私ども外務省として持ちつつ、確かに御意見もちょうだいしながらFTAの戦略を我が国としての政府方針を定め、なおかつそこにおける外務省の位置付けというものは少なからずともこの外交という主たる一つの位置付けとして対応していきたいと、そんな思いでやっていきたいと思います。 改革も緒に就いたと先ほど申し上げましたけれども、各委員の先生方の応援がなければ改革もとんざしてしまいます。是非ともそんな意味でもって応援方もよろしくお願い申し上げたいと思います。
○舛添要一君 質問というよりちょっと意見になるかもしれませんが、最近FTA絡みで二人お会いして、一人はチリの外務大臣来られました。チリとの間は、お魚のサケですね、それの、日本が養殖技術を教えて今非常にサケの輸出国になっている。そうすると、日本の水産業者が非常に困りますという問題がございます。 それから、先ほどタイの話も出てきましたけれども、タイのタクシン首相とも私、お話ししまして、非常にタクシン首相自らの戦略としてFTAを推進しているわけですね。そうすると、これはシンガポールと違ってタイとの間はいろんな農産物の問題があります。だから、ほかの委員の先生方からもお話がありましたように、要するに農林水産業との絡みをどうするのか。今、矢野副大臣、外務省が一つの戦略のキー的な省としてやるということをおっしゃいましたけれども、結局はこれは政治的リーダーシップの問題で、総理をトップとして政治判断で解決しないといけない問題だと思います。 依然としてそこの調整能力が欠けている。私は、昔よりももっと調整能力は今の政治家に欠けているんではないかなという気がしてなりません。例えば我が党の中を見たときに、じゃ、だれがどういうふうにしてまとめるのか。チリの外務大臣とお話ししたときも、もうサケの話になったらそれで終わりということですから、これをどうするのかということは一つ大きな問題だと思います。これは、コメントあれば後でいただければと思います。 それから、もう一つの問題は、したがって、これは構造改革との絡みで政治戦略でもってやるという視点がなければ絶対できない話だ、そういうふうに思っています。 それから、今日は財務省来ていませんけれども、要するに為替レート、例えば金融の問題との絡みというのも非常に大きいわけですから、これもとてもじゃないけれども外務省だけでやれるという話でもない。ですから、極論すれば、中国との話にしたって、為替レートが変わってしまえば、元のレートが変わってしまえば全く様変わりする話であって、その問題を欠落させて産業の空洞化というそっちばかり。これももちろんありますよ、産業空洞化もあるけれども、産業の空洞化ばかり言っても駄目なんで、そういう問題もありますから、私はやっぱりもちろん外務省も経済産業省も一生懸命やらないといけないと思いますけれども、非常に大きな政治的な判断が要る。わざわざチリから外務大臣やってきて、韓国とは話を進めているけれどもまだ日本とはできない。それから、中国もちゃんとしたタイムスケジュールを作ってやっていく。だから、焦る必要はないんですけれども、やっぱり政治的リーダーシップということが非常に問われているので、我が参議院を代表して副大臣に矢野先生はなられているので、是非、政治の役割ということを強調されると有り難いなと。 そういう感想を込めて、それともう一点言いますと、国別にいろんな戦略を立ててというんですけれども、これもプラス、マイナスありまして、あなたの国にはこの戦略でやりますよ、タイとは例えば鶏の肉の問題があるからこうしますよ、シンガポールとはこうしますよ、メキシコとは豚肉の問題があるからこういうふうに処理しますよと、そういうアドホックなやり方も一つあるんですけれども、しかしそうすると外からたたかれて、何だあのやり方はという面もあるので、やっぱり一定のルールでやりますという、その手法とか手順の問題も実は細かい問題じゃないというふうに思うんですね。 だから、国別戦略というのも非常に結構なんだけれども、そうすると、いや、どことでもやりますというタイのタクシン首相みたいなやり方とか、中国も全部一気にやりますというのと、それは迫力からいって全然違うと思うんですね。だから、是非、国別だけではなくてトータルなそういうやり方ということも考慮いただきたいと。希望と感想とですので、何かお答えがあれば、外務省も経済産業省もお願いいたします。
○副大臣(矢野哲朗君) 舛添委員のお答えになるかどうか分からないのでありますけれども、私、まだこの職に就いて一回も日本を離れていないんです。そして、今の計画ですと、国会閉会後、ASEAN諸国、正にFTAを視野に入れた中での訪問をしようと考えております。そんな中で実際どういう問題がどのぐらいの熱を持って存在するのかと、是非とも現地でもって私なりに問題を把握させていただきたいと思います。しからば、それを持ち帰りまして、どんなやり方があるのかなと。そのときにはまたいろんな知恵も拝借したいと思いますし、是非御協力もいただきたいと思います。 そして、今正に御指摘いただいたように、余りアジャスト、アドリブが先行しちゃうと規律がなくなってしまうという御指摘、もっともだと思いますので、その辺を十分踏まえた上で一つの基本的な姿勢というものも併せて考えつつ、FTAの世界戦略の展開というものを当然考えていきたいと思います。
○政府参考人(鷲見良彦君) 今、矢野副大臣がおっしゃったことに尽きるわけでございますけれども、このFTAを進める上での国別のめり張りの付け方ということにつきましては、確かに御指摘のように、そう事細かに国別にプライオリティーを付けるということは、そもそも外交的な観点からもこれが公になるということが望ましいかどうかというのは確かに問題としてあるかと存じます。 私ども、FTAの戦略を立てる上で、やはり一番お客様といいますか、クライアントとして考えておりますのは産業界でありまして、貿易投資の実際の担い手である産業界が様々な国といろんな関係を結んでいるわけでありまして、そういうものを十分踏まえながら国民的なコンセンサスを作り、そしてまた二国間で産官の研究会などをしながら更に交渉に進んでいくというのが手順でございますので、余りアドホックに順番はこうだというふうなことを最初から決めてしまうのもいかがかなと、こういうふうに日ごろ感じておるところでございます。
○会長(関谷勝嗣君) ありがとうございました。 あと十分ございますが、質疑のある方は挙手をお願いします。
○海野徹君 最後になると思いますが、一つだけ矢野副大臣にお聞きしたいんですけれども、台湾とのFTA。 過日、私は台湾へ行ってまいりました。李前総統ともお会いしたりあるいは陳水扁総統ともお会いして、向こうの行政院、立法院のそれぞれ幹部クラスと話をしてきました。大変、日本とのFTAに対する希望が強いんです。非常に強いんですね。どこへ行っても話が出るんです。我々もそれを進めたいという思いはずっと二、三年前からありまして、ただ私たち政権を取っておりませんから。 彼らの話では、もう既に経済産業大臣あるいは与党・自民党の皆さん方とこれについては実務レベルで進めていこうという話がある、だから非常に期待をしているんですよという話があったんですが、戦略的に、副大臣、その辺についてはどういうようなお進めをされているんでしょうか。
○副大臣(矢野哲朗君) 海野委員が大変台湾の理解者におなりになられたこと、私も大歓迎したいところでありますけれども、昨日からの審議についても大変私は感謝を申し上げる一人であります。 今の御意見でありますけれども、先ほどその指摘がございました、台湾とどうするんだということでありますけれども、日中の考え方についても、WTOに加盟してまだ日が浅いということからして、WTOに加盟する際の約束等々、それが速やかに十分履行されるかどうか、その辺の見極めも必要なんではないかなというふうな指摘もさせていただきました。やはり、そういった意味では、対台湾に対してもその思いでもっての見方も必要なんではないかなと、こんな私はタイミングだと思います。 そんな中で、私は、正に隣国でありますし、というふうなことからしての対応は、この一つのエリアでもっての台湾というふうなことでのとらえ方をしないと、なかなか実際的にはこういう考え方が展開していかないと思うんですね。ですから、そういう一つの枠組みをどうやって形成しつつそこに組み入れていくかというふうな、ひとつ応用問題も加えて残っていると思うんです。ですから、その辺は真摯に今後検討していきたいと思います。
○会長(関谷勝嗣君) 最後に、西銘順志郎君。
○西銘順志郎君 終わると思いました。 矢野副大臣、大変御苦労さまでございます。 先ほど大田先生からお話あったように、経済産業省にちょっとお聞きしたいと思うんですが、一国二制度という話が出てまいりました。 産業の空洞化とかいろんな今話が出ているんですが、経済産業省、こういう今一つの事例があるんです。例えば、中国の企業が沖縄に進出してきて、沖縄でオートバイを組み立てて東南アジアに持っていくというような企業が今出てきているんです。 こういう発想というのは僕は大変面白いなというふうに見ているんですが、メード・イン・ジャパンの方がはるかにメード・イン・チャイナよりも価値があって売れるんだ、高くても売れるんだというような話があるわけでございまして、これがひとつ参考になれば、この一国二制度的なものが、経済特区みたいなものが日本でも十分活用されていくのかなというような思いがあるものですから、大田先生の話があったものですから聞かせていただきたいなというふうに思いました。 それから、矢野副大臣、もう耳の痛い話ばかりで大変申し訳ないと思うんですが、大変すばらしいことがありまして、実は太平洋・島サミット、これ来年の六月、沖縄で開催するようになっております。外務省は余りいいことないので、しょっちゅう怒られてばかりいますから、たまにはこういうことで褒めて、是非そういうミクロネシアとかこういう近辺の国を大事にしていくというようなものを先取りしてやっていくお考えがあるのかどうか、ひとつ決意を聞かせていただければ有り難いなというふうに思っています。 以上、二点です。
○政府参考人(鷲見良彦君) 先ほど大田委員、それから西銘委員からも御質問ございました一国二制度、特区の問題、お答えをしておりませんでしたけれども、今も御質問をいただきました、できるだけ地域の特性を生かして経済特区のようなものをもっと進めていってはどうかということは、これは当省だけではございませんで、政府全体で今、特区の推進をしていこうということで、様々な法改正も含めまして検討がなされているところでございます。 なかなか国内の法制度のそれなりの事情がございまして、思うように成果を上げていないんじゃないかという御批判があることも事実でございますけれども、沖縄県というのはそういう意味では大変そういう特区的な発想というのが生かせやすいところだという御指摘には同意できるところがありまして、私どもも、引き続き、関係省庁の一つとして、御指摘、御意見を参考にこれから進めてまいりたいと思っております。 ただ、言えますことは、日本が本当にビジネスをしやすい、そして国際競争力のある国になる、その競争力の回復ということをやっていくためには、特定の地域だけ規制を変えるというやり方ではやはり駄目である。基本的には、規制緩和を国全体のレベルで進めていかなければいけないわけでありまして、その一つの途中段階として、実験的にある地域を特定して規制を緩和をし、そこに優先的に、国内の資源あるいは海外からの投資を優先的に誘致をしていくというのも、これも一つの方法ではあるかと思いますけれども、国全体の規制緩和と特区的な発想というのを並行してやっていく必要があるかな、こういうふうに考えているところでございます。
○副大臣(矢野哲朗君) 島サミットの件でありますけれども、沖縄県には大変お世話になります。 今回、三回目の島サミットでありまして、沖縄サミットのときにスタートした島サミットというふうに私も理解しておるんでありますけれども、そういった意味では、日本が毎回主催国になりまして、私も耳にしたんでありますけれども、横の連携等々、いったんあらしが来る、いったん自然災害があるということになると、かなりそういった意味では交通の遮断、情報の遮断もされるというふうな、実際非常に生活に支障が生じてしまうような実態が多々あるようでありまして、そんなことを一つ一つ解消するがためにも非常に有意義な島サミットだと私も理解しています。 ですから、繰り返すようでありますけれども、沖縄県民の皆さんの御協力を賜りながら、二回目よりも今回、それなりの成果を上げるべくの最大限の努力をしたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。
○会長(関谷勝嗣君) 予定の時刻も参りましたので、本日の質疑はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十八分散会