厚生労働委員会 第7号
- 発言数
- 252 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/11/21
会議録
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十九日、円より子君及び福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として浅尾慶一郎君及び朝日俊弘君が選任されました。 また、昨二十日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美君が選任されました。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に浅尾慶一郎君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) 次に、母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案について六名の参考人の方々から意見を聴取することといたしております。 参考人の方々を御紹介いたします。 財団法人全国母子寡婦福祉団体協議会会長黒武者キミ子君、明治学院大学社会学部教授・ボランティア国際年推進協議会代表山崎美貴子君、愛知県立大学文学部助教授須藤八千代君、会社員小山田智枝君、「ハンド・イン・ハンドの会」大阪世話人渡部梢君、神戸学院大学人文学部教授神原文子君、以上の方々でございます。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。 参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。 次に、議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様からお一人十分で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。 なお、意見の陳述、委員の質疑及び参考人の答弁とも、発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず黒武者参考人から御意見をお述べいただきます。黒武者参考人、お願いします。
○参考人(黒武者キミ子君) 全国母子寡婦福祉団体協議会会長の黒武者でございます。 今日は、法案に賛成する立場から意見を申し上げさせていただきます。 私どもの会は、昭和二十五年十一月に、戦後の混乱と窮乏の中、精神的にも経済的にも極めて困難な状況に置かれていた母子家庭の福祉の向上と生活の安定を目的として、全国未亡人団体協議会として結成されました。そして、一昨年には、皇后陛下をお迎えして創立五十周年記念大会を開催いたしたところでございます。 この間、時代は大きく変化してきており、死別母子世帯中心であった私どもの会も、離婚や未婚の母の増加により、現在は多くの生別母子世帯が入会しておられます。 また、この間に母子福祉対策も大きく進展いたしまして、昭和二十七年に議員立法で母子福祉資金の貸付等に関する法律が制定されたことを始めといたしまして、昭和三十六年の児童扶養手当法の制定、昭和三十九年、ついに結成当時からの私どもの宿願であった母子福祉法が制定され、母子福祉施策がこの法律に一本化されました。その後、昭和五十六年には母子福祉に寡婦が追加され母子及び寡婦福祉法となるなど、多くの改善が図られてきました。 こうした一つ一つを地道に積み上げて今日の母子寡婦福祉施策が築かれてきたわけでございますが、これもひとえに議員の先生方のお力があったればこそと感謝申し上げております。 私どもの会は、現在、各都道府県、市に五十六団体ございまして、三十四万人の会員がおります。各団体がそれぞれ財団法人、社団法人、また社会福祉法人としての認可をいただいております。各団体は、母子福祉センターを拠点として、行政が母子福祉対策として実施している介護人派遣事業や各種の相談事業、また技能習得講習会事業などたくさんの委託事業の受託や、また母子生活支援施設、保育所、児童館、老人福祉施設などの福祉施設の運営を受託したり、清掃業務を受託したり、公共施設内での売店の設置などのいろいろな活動をしておるところでございます。 また、金沢市におかれては、訪問介護事業の事業主として事業を展開し、福岡県の大牟田市の母子会でも小中学校の清掃事業を受託することから事業を開始したり、母子家庭の方を直接雇用し、積極的な事業展開を図っているところでございます。 各団体の重要な課題として、個々の母子家庭の就業をいかに支援するかがあります。都道府県、指定都市、中核市ごとに受託事業として技能習得講習を実施しているところでございますが、ホームヘルパー二級資格取得講習、IT講習などは大変人気が高いものの、母子家庭の母親の雇用にどう結び付けていくかが課題となっております。このため、札幌市母子寡婦福祉連合会や大阪府、栃木県、大阪市の母子会などでは、無料職業紹介所の認可を得て直接求職相談に応じ、就職のあっせんを行うなどの活動を開始いたしました。 また、この際の大きな問題として、子供を抱えた母子家庭は講習への参加そのものが難しい面がございます。このため、母子家庭の就業能力を向上させるための支援については、子育てをしながら、家庭におりながら知識や技能が習得できるような御配慮をお願い申し上げたところでございます。 その一つの試みとして、最近、札幌市母子寡婦福祉連合会のように、在宅でコンピューターの入力講習を受講した上で企業から電子地図の作成を受注するなどの活動を開始したところもございます。小さな子供を抱えた母子家庭の母親が在宅就労によりある程度の収入を得られるようになることは価値のあることであり、このような取組が普及していくために御支援を是非お願いいたします。 二十一世紀を迎え、家庭や子供を取り巻く環境が大きく変わり、長引く景気低迷が母子家庭、寡婦に与える影響は大変厳しいものがございます。 今年三月には、厚生労働省から母子家庭自立支援対策大綱が示されて、保護から自立への施策が展開されようとしております。また、私どもが長年要望してまいりました子育て支援策、就労支援策、養育費の確保、母子寡婦福祉貸付金の拡充が盛り込まれた母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案がこの臨時国会で審議されておりますが、是非この法案を一刻も早く成立させていただきたく、要望いたします。 このことにつきましては、去る十月二十日に行いました全国母子寡婦福祉研修大会において、全国の会員が千八百名集う中、特別決議したところでございます。 このような状況の中で、全国母子寡婦福祉団体協議会も大きな節目を迎え、母子寡婦の生活基盤の一層の充実強化を図るために、団体の果たすべき役割を認識し、時代に即応し組織活動の展開を積極的に進めなければならないと感じております。 母子及び寡婦の福祉の向上並びに自立の支援に向けて、今後とも先生方のお力添えを何とぞよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。 次に、山崎参考人にお願いいたします。
○参考人(山崎美貴子君) 山崎と申します。 本日は、意見を陳述させていただく機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。 私は長年、一人親家庭、特に母子生活支援施設で暮らしておられるお母さんと子供の問題を研究してまいりました。そうした立場から御発言をさせていただく機会を得られましたことを感謝申し上げます。 本日の法案につきましては、総合的に母子福祉施策を推進するという総合性につきまして、大変私は感謝を申し上げております。就労とか父親の養育費の問題など盛り込んでいただきましたことに心から感謝を申し上げています。 この一年余り、母子家庭施策が大きく見直されていますが、母子家庭をめぐる状況と施策の動向につきまして少しお話をさせていただきたいと思います。 まず、母子家庭をめぐる状況あるいは課題についてでございます。 母子家庭は増加しております。五年ごとに実施しております全国母子家庭等調査がございます。平成十年に行ったものを参考にいたしますと、母子世帯は九十五万五千世帯であり、前回の平成五年の調査と比較いたしますと二割ほど増えております。 母子世帯になりました理由でございますが、離婚が七割を占めております。離婚件数は、明治、大正、昭和、平成と比べてみましても、現在が最高を更新し続けております。平成十三年の離婚件数は二十九万件、離婚率二・三と、フランス並みと言われております。一分五十秒に一件離婚が進みます。離婚が発生いたしますと、その半数は母子家庭でございます。 母子家庭のお母さんの八割以上、つまり八四・九%でございますが、職に就いておられます。しかし、近年の不況の問題もございますが、正社員、つまり常用の身分を得られております方は五割程度でございます。パートや臨時の勤め、あるいは土日のような休日の出勤など、母子家庭になる前に就職している割合が半分程度でございましたので、離婚等の直後に、生活のために取りあえず身近なところで子供さんの養育と一緒に併せて就労ということになりますので、近い職場で、臨時の職場で働かれるケースが多いことが影響しているのではないかというふうに考えられます。 母子家庭の経済的な基盤という意味では、別れたお父さんからの支払われる子供の養育費の問題が私は大変重要と思って、現在その調査をさせていただいております。 離婚の際の養育費の支払状況を見ますと、取り決めている割合が三五%、しかし実際に養育費をもらっている割合は二一%。前回の調査は一四%にとどまっておりました。欧米諸国では、離婚は裁判で決められて、その中で子供の養育あるいは養育費の支払が決められます。残念ながら、我が国では、離婚は当事者の協議という場合が九〇%でございますので、これまで養育費の取決めが非常に不十分というふうに認識しております。この問題が今回の法案でも触れていただいておりますことを感謝申し上げます。 ここで児童扶養手当について少し申し上げたいと思いますが、児童扶養手当に相当する手当は二つタイプがあるように思われます。アメリカあるいはイギリス方式という側面、つまり所得制限が課されて就労義務が負わされているというようなやり方とか、あるいはドイツとかスウェーデンのような養育費の立替えという制度がございます。お父さんは養育費を借りて、自治体が手当を支給して、親からの取立て権を取得するという仕組みでございます。 我が国の児童扶養手当は、国民皆年金になるときに、黒武者さんなどの団体のところが、死別母子世帯を対象とした母子福祉年金制度が創設されたときに、生別世帯にも同様の社会保障を図るべきということで創設されたもので、どちらにも属さないという特徴がございます。 我が国における養育費に対する認識を深めて、子供の幸せのために取決めをするのが当たり前という社会的な機運をやはり作っていくことが何よりも大切と存じます。お父さんは別れてもお父さんです。我が国における養育費に対する認識を深め、子供の幸せのために取決めをするのが当たり前だという社会的な機運の醸成を私は図っていただきたいと考えるわけです。 母子家庭については、これまでも母子及び寡婦福祉法と児童扶養手当法に基づいて相談や生活指導、あるいは就労支援、あるいは養育、家庭の支援、施設・住宅関連の支援、児童扶養手当の支給、あるいは母子福祉資金の貸付けその他の施策が行われてまいりました。特に児童扶養手当は現在七十六万世帯が受給しておられます。 母子福祉対策は、戦後、貸付金を中心として実施され、近年において、離婚とかあるいは非婚のお母さんの増加によって児童扶養手当を中心としてこの対応が行われてきました。経済的な支援策を中心に戦後五十年の歴史を持っているわけでございますが、母子家庭の自立というものを促進していくためには生活全般にわたる総合的な展開が必要だというふうに認識しておりまして、今回の母子寡婦対策を見直して、そして新しい時代の要請に適切に対応できるような母子寡婦福祉対策として展開することが必要だというふうに認識しております。今回はその緒に就いて前に前進してきている様子をうかがうことができて、有り難いと思っております。 母子家庭対策の見直しでございますが、今回の母子家庭対策の見直しは、これまでの児童扶養手当に大きくウエートが掛かっている対策から、子育てとか生活面での支援、あるいは就労の支援、養育費の確保、それから児童扶養手当あるいは貸付金というふうに経済的な支援を総合的に実施することで母子家庭の自立を促進しようというふうに理解しております。 この法案は、五年後に実施する対策として、母子家庭対策を、離婚などの生活の激変を一定期間内で緩和して自立を促進するという趣旨で、細かに配慮しながら、支給期間と手当の額の関係を見直して、受給期間が五年を超える場合は手当の一部支給停止ということが盛り込まれております。母子家庭にとってはこれは大変厳しい側面を持っていると思います。就労支援、子育て支援、生活支援、養育費の確保をしっかりと講じていただきながら、きめ細かくトータルで母子家庭の自立が図れるようになることが必要と思います。 八月から児童扶養手当の支給事務が都道府県から福祉事務所が設置される市に委譲されます。これを機会に、母子家庭の自立支援が支給主体であります自治体で総合的に展開されることになります。それぞれの家庭の事情に応じたきめ細かいものができると思います。これからの地方自治体の役割は大きいと思います。 これまで児扶の支給と就労・子育て支援の対策が必ずしも総合的に、特に市部におきましては母子家庭対策を総合的に進めていくことを特にお願いしたいと思います。その辺りがつながっていなかったような気もいたします。例えば、児童扶養手当の窓口と母子家庭対策の窓口が別々で両方に行かなければいけないというようなことなどもございました。それらが一緒になったり、あるいは利用者にとってもう少し利便性が図られたり、あるいは施策の効率化が図られるような対策を講じていただきたいと願うところでございます。 今回の改正法案では、身近な地方公共団体で母子家庭の自立支援のための施策を実施することになっております。新しい制度も始まります。施策が実を結ぶためには、母子家庭自身の努力も当然でございますが、関係団体あるいは当事者組織あるいは民間のそれぞれの団体が連携しながらこの施策の展開をしていくことが大切と思います。そうした意味で、国が母子家庭対策の基本方針を定めて、地方公共団体に基本方針に即した関係者の意見が反映できるような自立支援計画というものの策定を促し、一人親家庭に対して、家事とかあるいは保育サービスを提供する事業とか、就業あるいは自立支援事業を計画的に推進されることがとても大切だと思います。 子育て支援をしていくためには、お母さんの就労あるいは住宅の問題、様々な、父親の養育費の問題など、前進が進められますように、先生方の心からの御支援をお願い申し上げます。 本日は大変ありがとうございました。
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。 次に、須藤参考人にお願いいたします。須藤参考人。
○参考人(須藤八千代君) 私は、三十一年間、横浜市で社会福祉職として仕事をしてまいりました。最近、二年前に愛知県に移っております。その両方の経験を踏まえて、今日、四点について私の意見を述べさせていただきたいと思っております。 まず一点目は、自立支援、生活支援というものと現実ということですね。 この法案、自立支援、生活支援、このキーワードがちりばめられております。しかし、教護院も児童自立支援施設に変わり、母子寮も母子生活支援施設と名称変更されました。そして、今回、法改正では、母子相談員は母子自立支援員という、支援という言葉がちりばめられておりますけれども、私は、愛知県で今起きている、昨日、名古屋家裁での審判が出ました愛知学園の問題、こういった問題、それから愛知県の母子生活支援施設という、支援施設というものの言葉と現実との大きなギャップに関して大変問題を感じております。 愛知学園の問題で言えば、極めて懲罰的、管理的、そして厳重なかぎ管理というような中で起きてくる事件。そしてまた、母子生活支援施設も、横浜から愛知県の各施設を回ってみますと、例えば働かない日ですね、日曜日はシャワー、入浴施設は使わせないとか、それから授産施設としてクリーニング工場を付設しているところがあるんですけれども、入所した四十名の母親、女性はすべてこのクリーニング工場で働く以外の就労選択はないとか、極めて、正に支援という言葉と遠い現実があるということですね。 私は、生活を支援するとは、少なくともその人が望んでいる生活の形がまずあり、そしてその人の暮らし、その人らしく生きる空間と生活、その場というものを、必要とされるときに必要なサービスを適切に供給する、提供する、これが支援であって、今日、法律で支援施設と改正されたところの社会福祉施設の現場の現実は正にこの支援というものから余りにも遠いという、この現実をやはり私たちは見詰めなきゃいけないというのが第一点です。 それから二点目は、この今言った母子生活支援員という職種の専門性。第八条に関連しているんですけれども、今回の法案も、社会的信望があり、かつ、必要な熱意と見識を、識見を持っている者というこういう、そして非常勤でいいという形になっているんですけれども、私は、この母子相談員、あるいはこういう内容の例えば婦人相談員、こういうような非常勤、嘱託採用の職員が組織の中で、行政の中で、福祉事務所の中で、一体どれだけのことができるかできないかということを三十一年間じっと見てまいりました。 このようなある意味ではバックグラウンドしか持たない嘱託職員というのは、例えば私たち専門職のように職場を開拓したり、各関係機関とカンファレンスを持ったり、様々な調整をしたり、そして適切な援助を考えてダイナミックに動いていく、そしてシステムを持ったサービス提供の方法を推進していく、そういった、そしてスーパービジョンを受けていくというような、そういったものがないところでやっている。このような母子相談員、かつての母子相談員というのはほとんど、ただ福祉事務所の片隅で母子の貸付けをしているのみ。 そして、実際に私は千葉や各地で母子相談員の研修に行きましたけれども、その研修と、母子相談員として採用された女性たちが、自分たちはこんなに何にも経験がなく、何の認知もされない中でこういう仕事をしていていいんだろうか、組織はただ私たちが座っていることを望んでいるだけなんだというような当人たちからの嘆きも聞こえたほど、この専門職の仕事の難しさ、そして能力の必要さ。 そして、こういった自立を支援する仕事を実現するソーシャルワークの上では、どうしてもその人の身分保障とその人のポスト、この権限なしにこの仕事が実現できていないということ、このことは非常に重要なことで、幾らうたっても現実はその身分とその体制によって決まってくるということが重要なポイントで、この八条のことに関しては、このような人材、人材の、発想のパターンに私は実は大変辟易としております。 それから、三番目。今回の経済的自立を非常に強調する流れ、これは今日の流れでありますけれども、時代の経済の流れとの交点で考えれば非常に困難な状況になってきた。かつての状況では、女性たちの仕事探しは非常に可能性も高かった。今、非常に困難ですね。 しかし、この自立支援、経済的支援をこれだけ母親に推し進めるということは、私自身も三人の子供を育てながらフルタイムで働きましたけれども、極めて結果的には子供に大変なしわ寄せがある。母親は疲労といらいらで、子供とほとんど向かい合う時間がありません。もう日本の働き方の厳しさ、そういった構造の中に母親がほうり込まれたときに、夫がいる家庭でさえそれはもう実に綱渡りで、健康と精神的健康と日々の生活、これを破壊しつつ進んできたというのが私たちのここの二十年、三十年だったと思うんですね。 これがもっと弱い層になりますと、名古屋の母子生活支援施設なんかを見ますと、全員働くように指示される。とすると、夏休み、子供たちの昼食はカップヌードル一個ずつなんです、母親が置いていくのは。このような生活を子供たちが強いられていく。結局、次世代に極めて大きな損失を残していくだろう。ここにきちんとした子供の成長、そして家族の生活というようなものに対する十分な目配りなしにこのような言葉が繰り返されることは、母親と子供にとって、現状、経済的自立という目先の利益、目先の目標だけを追い掛けることによって、私たちは大きな損失を得ていくだろう。社会は次の問題を抱え込んでいく。もうこれは大変目に見えております。 それからもう一点、この法案のことなんですけれども、アメリカではAFDCの後、TANFという新しい公的扶助制度に変わりましたけれども、ここにFVOという、ファミリー・バイオレンス・オプションというのを入れたそうです。こういうものを入れて、例えばドメスティック・バイオレンスに関して様々な問題を持っている、その後の調整が要る、あるいはカウンセリングが要る、子供の問題、子供も大変傷付いている、そういった配慮の要る家庭に関しては、受給期間の延長、制限とか、自立助長に向けた就労準備プログラムへの参加条件の適用を延期するというオプションを作って、三十三ぐらいの州でそれを適用したというような様々な取組を私は目にいたしました。 今回、この問題も、現在非常に全国的に動いております。母子寡婦という総合的な福祉政策というときに、障害者、知的障害者とか身体障害者とか精神障害者とか、様々なハンディキャップを持った女性が現場にはたくさんおります。もちろん、そういう問題だけじゃなく、より広くこういったオプションに関しても検討していく必要があると、私はそう考えております。 私は、この一年くらいの間に、名古屋に行きまして、未婚の母親、未婚の女性が子供を餓死させた、あるいは母子生活支援施設のすぐ近くで新生児を産んだ女性が家に子供を放置して、乳児を放置して餓死させた、そしてある近くの私のゼミに来た病院のソーシャルワーカーが、退院しようとする未婚の女性がこの子を連れて帰ったら私はこの子を餓死させてしまうと訴えてきたと。ほんの短い時間にこういう三ケースを三つも聞きました。 こういうことは、やっぱり女性が未婚で子供を産む、あるいは母子家庭になる、このことに対する社会的な偏見の壁の前に非常に自分の人生選択に関して弱い、その重圧に結局めげてしまってSOSを出せない、相談というようなところにつながってくることができない、援助を求めることができないというような、社会的な大きな力になってしまっている。そういうことも含めて、大きな社会的な考え方を変えていかなきゃいけない、そういうことがもう一つ大きなテーマとして私たちにあると思っております。 どうもありがとうございました。
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。 次に、小山田参考人にお願いいたします。小山田参考人。
○参考人(小山田智枝君) 私は、今現在、母子家庭の母で一人の子供を十年近くずっと一人で育てています。 子供が二歳半になったとき保育園に預け、何社か面接を受けたものの、お子さんしょっちゅう熱を出すころだよねと言われたり、お母さんしかいないから子供さんに何かあるとお母さんが休まなくちゃならないよねと言われ、なかなか仕事が決まりませんでした。実際のところ、夫婦で働いていても何かあると休むのはお母さんが多いと思います。母子家庭ということで差別があるということは、母子家庭の友達、皆感じています。 取りあえずでも仕事をしていないと、せっかく入れた公立の保育園を出されてしまうので、いつまでも就職活動をしているわけにもいかず、時給六百五十円の五時間のパートに就きました。それしか仕事がありませんでした。月七、八万の収入で、当時支給されていた手当約四万を足しても月十一万です。これだけの収入でどうやって子供一人育てていけるというのでしょうか。子供の将来のことを考え、夜は親に子供を預けてコンビニのお弁当を作っている会社にアルバイトに行きました。深夜一時、二時まで働きました。 ところが、今から五年前、児童扶養手当の所得制限が大幅に引き下げられたとき、私は一部支給になりました。毎日三、四時間の睡眠で、それでも子供のことを思って頑張って働いていたのに、どうして手当を減らされなければならないのでしょうか。子供の将来のことを考え、寝ずに働いていたのに、毎日寝不足で頭がぼうっとして、それでも子供の話には耳を傾け、必死でした。必死に働いて、必死に子育てをして、なのになぜ手当を減らされなければならないのか分かりません。友達はそのとき全額支給停止になりました。児童扶養手当がカットされるということは、それと所得制限を同じくする医療費の助成も受けられなくなります。友達は、手当もカット、医療費の助成も受けられないし、そんな中、子供が肺炎で十日間入院しました。約七万掛かったそうです。 子供が小さければ小さいほど、医者に掛かることも多いし、肺炎にもなりやすいのに、医療費の助成が受けられなかったら医者に掛かることもできなくなります。私は、手当を減らされて、寝ずに働いている意味がないんじゃないのと思いながら、一部支給、納得いかないと思いながらも、昼夜の仕事を続け、一万でも二万でも多くお金が欲しいから、もちろん、日中、正規雇用での仕事があれば寝ずに働く必要はないわけですから、昼夜働きながらずっと就職活動は続けていました。約五年、百社余りの面接を受け、ようやく子供も小学二年生になったとき正規雇用での職が決まりました。 しかし、私の会社でも不況のあおり厳しく、この春、賃金カットになりました。そして、児童扶養手当の大幅な減額です。私も半分以下になりました。たったの一万二千円だけです。この前の国会で減額が決定されたとき、今回支給額が減ることは覚悟していましたけれども、こんなにも減らされるとは思っていませんでした。これでどうやって子供を高校、大学へと進学させればよいのでしょうか。それとも、母子家庭の子供は進学しなくてもよいということでしょうか。学費が免除になるという支援策があるわけでもないのに手当がカットされたら困ります。ずっとパートだった友達は、子供を修学旅行に参加させてあげることができませんでした。友達は悔しかったと思います。私たちは、私たちの子供をほかの子供と同じように育てることができないのでしょうか。ほかの友達は、非常勤だし来年仕事があるかどうか不安だそうです。 私も、今回減額になる前ですら生活が苦しく、少しでも収入をと思い、毎日八時、九時まで残業しています。子供が寝る前に家に帰れるのは週に一、二度です。そうまでして働いているのに、再び大幅な減額です。自分は服や下着を擦り切れて穴が空くまで着れますが、子供はそういうわけにはいきません。小さくなって着れなくなってしまうから、シーズンごとに買い足さなければなりません。それでも、少ない枚数の服を洗濯しては着せ、洗濯しては着せ、たんすに入っている暇がないくらいです。 うちの子は、学校まで三・三キロの道のりを毎日歩きます。靴底がすぐに擦り減ってしまい、毎月のように靴を買い換えなければなりません。これ以上生活は切り詰められないのに収入は減るわけですから、やっとの思いでほんのちょっとためた貯金に手を付けざるを得ない状態です。子供の将来のためにとためたお金です。本当は崩したくないです。母子家庭は貯金をすることも許されないのでしょうか。たとえ貯金に手を付けたとしても、近い将来すぐに底をつくでしょう。足りない分を補うために、今の仕事にプラスして働かなければならなくなります。子供との時間が減ってしまいます。 そもそも、近年、離婚が増えているのだって、この不況が大いに関係していると思います。友達の元夫は、リストラされて再就職先がなかなか見付からず、酒を飲んでは暴れるようになったということです。現代社会のひずみで心が成長し切れていない元夫は、子供に対して愛情がなかったり、職を転々として、自分が遊ぶお金は親に小遣いをもらって妻子を養う意識が全くなかったり、私が離婚した元夫も、仕事に行かなくなり、遊ぶ金欲しさに借金をして、気に入らなければ私に暴力を振るいました。このままでは子供が虐待されてしまうと思い、私は家を出ました。どうして私たちが離婚を選ばなければならないのかも考えてほしいです。子供を守り、健やかに育てるため、私たちシングルママは日々奮闘しています。寝ずに働かずとも、子供としっかり向き合う時間が欲しいです。 不況や現代社会のひずみは政府の責任だと思うのです。そして、国は青少年の健全育成という義務がありますよね。直ちに母子寡婦福祉法を見直してほしいです。確かに少子化対策も重要なことですが、今現在ここに生きている私たちの子供、全国に何万といる私たちの子供の将来のことも考えてください。お願いします。
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。 次に、渡部参考人にお願いいたします。渡部参考人。
○参考人(渡部梢君) 「ハンド・イン・ハンドの会」という離婚女性のネットワークの世話人をしております渡部と申します。よろしくお願いします。 私自身は、昭和五十八年十月に、やはりDVが理由で当時三歳の娘を引き取って調停離婚いたしました。現在は民間企業で正社員として働いています。「ハンド・イン・ハンドの会」の活動は、そういう離婚に際して情報がない女性たちのために法律や公的扶助、就労、生活支援などの情報を提供するための講座と参加者のネットワーク作りを目的として活動しています。 自己決定をするときに、情報というのは非常に判断に大きく作用しますし、ともに支え合える仲間がいるということはエンパワーメントに役立つという思いで二十年近くこの活動を続けてきた中で感じたことを今日は三点に絞ってお話ししたいと思います。 まずは、生活設計を立てる上で重要な要素となりますのが支出と収入のバランスです。幾ら収入を増やしても支出を抑え切れなければどうにもなりませんが、その支出の中で最大のネックになりますのが住居費だと思うんです。持家があれば家賃の負担というのがないので、支出の何割も削減できます。大阪では、現在で新たに住宅を借りようと思えば六万円を下ることはないと思います。パートならフルに働いても賃金月額が十二万円程度、せいぜい十五万円止まりで、その中での可処分所得は多い人でも十二万円程度です。その半分が家賃に費やされるのです。 法律の中には、公営住宅の母子枠での優先入居がうたわれています。しかし、抽せん制です。抽せんというのは当たらなければ入れません。私が知る京阪神の在住メンバー六十人ほどの中でも、母子枠で入居できた人は二人だけです。私自身は、別居中から文化住宅と言われる二Kの木賃住宅に住んでいました。そして、離婚してすぐに申込みを開始して、落選を重ね、実際に市営住宅に入れたのは離婚から十五年たった一九九八年の八月です。十一回以上の多数回落選者優先入居制度というのを利用させてもらったので、母子枠でもなく、当せんでもない入居です。 それまでの住宅は、おふろはありませんでした。日の光が一年じゅうたったの一分も部屋の中に差し込むことはありませんでした。裏にガレージが近接していましたので、排気ガスが止めどなく入ってくるので、時間帯によっては窓を開けることもできませんでした。市営住宅に引っ越したときに、ベランダから入ってくる自然の光と太陽の光に私は涙が出るほど感激しました。そして、感激と同時に幸福感を感じましたけれども、そのときに感じたのは、すべての頑張っている母と子供に対して、これくらいのささやかな幸福を保障してほしい、何とかしてほしいと、自分のことだけじゃなくて、ほかの仲間のためにも切に思いました。 何で十五年間も待ち続けたのか、そう言われるかもしれませんけれども、学齢期の子供を抱えているために、子供が学校を替わるとかお友達が替わるという環境を変えたくないことと、近くに生活の支援を頼める友人が何人かおりましたけれども、その人たちを失いたくない、失ったらまた一からスタートしなきゃいけないということと、仕事場と家庭が近いというのは小さい子供を抱えて一人で頑張っているお母さんにとっては物すごく大事な要素なんです。それを失いたくなかったんです。 大阪市では、今、ドーナツ化現象を避けるために民営賃貸住宅に家賃を補助するシステムがあります。公営住宅が足りないんだったら、母子家庭には補助額を増やすなりなんなりして、できるだけ具体的な、そして有効な対策を講じてほしいと思います。 非常に恵まれた人は持家を持っていて、離婚のときに財産分与でそのまま住み続けられる人もいます。けれども、現在の状況としては住宅ローンのない持家の人はほとんどいませんし、住宅ローンがある場合は、債務者変更をしなければならないような名義の変更というのはほとんど不可能です。それと、もし処分をしてもオーバーローンの負担をどうするかでいつも問題になります。ちなみに、母子家庭の持家率は一〇%台、今日いただきました資料の中でも、九十二ページにうたわれていますが、生別家庭と死別家庭では全く率が違います。十何%しかありません。そして、だんだん減ってきている傾向にあります。 住居というのは労働力の再生産の場であり、次代を担う子供たちの健全な育成にとって必要不可欠な要素だと思いますし、離婚に際して住むところがないというのは一番高いハードルになっています。私たちの願いは、離婚や別居をしたいというときに、自分が望む地域に申請をすれば、そのときにだれでも入居できる住宅が提供されるというシステムができることを心から願っています。 あと、さきにもいろいろ出ましたが、就労支援ですが、経済的自立というのは母子家庭にとっては当たり前のことで、みんな必死で仕事を探しています。でも、就職の厳しさは御存じのとおりです。自立に対する自助努力を求められていますが、努力をすれば何とかなる状態なんでしょうか、今は。この状態でむちを打たれるのは非常につらいことです。パートだったらせいぜい十五万くらい、身分保障も将来の生活設計も何にもありません。 二十一世紀職業財団という政府関連の、行政関連の機関で働く人がいます。この人も離婚しています。勤務日数を月十五日以下と制限されているために、仕事を二つ持っています。また、将来のためにと看護学校に通う人がメンバーの中に三人います。でも、生活の支援は全部親掛かりです。でないと学校へはとても通えません。母子家庭高等技能訓練促進費の給付期間は全期間の三分の一以内で十二月以内というふうに盛り込まれていますが、せめて修学期間の全期間を対象にしてほしいと思います。 それと、教育訓練の機会が確保できるようにもっと拡充してください。大阪市に住んでいる母子家庭の母が、先般ホームへルーパー二級の取得講座に申込みをしましたが、母子家庭枠での競争率、要するに掛かる費用とかが違うんだと思うんですが、競争率は十二倍で受講できませんでした。というような厳しい状況です。 もう一つ、最後に申し上げたいのは、母子には今スポットライトが当たっているようですが、寡婦に対してはかなり厳しい状況がこれからも予想されます。それは何でかというと、年金法によって、これから先、生活設計のめどが立たないのに、働けなくなった年代のときに年金給付を受けられる額は、とてもじゃないけれども、自立できる、生活権が保障される金額ではありません。 女性というのは途中で仕事を辞めて子育てをしたりしている人がほとんどです。そのために、年金権が確立できても給付額で生活はできないんです。こういう年金法の不備によって、今後の生活のめどが立たない人に離婚後の年金分割などの法整備を、この福祉法だけでなくて年金法改正審議にまで続けて持ち越していただきたいと思います。でなければ、私たちのメンバーの中でも、将来に対する不安から心療内科の治療を受けている人あるいは薬に頼らなければ生きていけない人がこのところ際立って増えてきています。非常に憂慮すべきことだと思っています。 どうかこの法律が本当に総合的に実のあるものになるように。私は、今日大阪からこうして発言させていただく機会を与えられたことに感謝しています。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。 次に、神原参考人にお願いいたします。神原参考人。
○参考人(神原文子君) 神戸学院大学人文学部神原です。 私自身も十三年前に夫が亡くなりまして母子家庭をしてきました。私は、一応大学の教員として働きながら、家事も子育ても全部一人でやってきました。そういう思いもありまして、単に収入だけの問題ではなくて、もう本当に体もがたがたです。そういう立場で、九八年から大阪府や大阪市の母子家庭自立支援検討会議という、そういう会議にかかわりを持たせていただきまして、様々な調査等も行ってきました。 今回の法案改正につきまして、母子及び寡婦福祉法改正案の例えば第五条ですね、扶養義務の履行について挙げられているんですけれども、この扶養義務の履行というのは、こういった母子寡婦福祉法に掲載するということよりも、もっと実際には、例えば民法で、子供の父親と母親は子供が成人するまで扶養の義務を負う、子供の父親と母親はたとえ離婚しても子供の扶養義務は履行しなければならない、親が子供の扶養義務を履行しない場合は遺棄とみなすといった、そういう扶養規定を明記することがまず必要なんではないかと考えます。その上で、離別した親から養育費を徴収する制度を整備すべきではないかと考えます。 次に、就労支援策につきましては、今日事前にお手元に九八年に大阪府で行いました母子家庭自立支援検討会議のためのアンケート調査の抜粋を用意しておりますので、ごらんいただきたいと思います。これは大阪府の母子福祉連合会や大阪府下の同和地区の母子父子連合組合等の協力を得て行ったものです。 この中では、とりわけ母子家庭の生活実態をできるだけ詳細に把握すること、そして経済的自立を中心とした自立の意味を考察し、その可能性と課題を明らかにすることを目的として調査をいたしました。分析はすべて私が行いました。 そんな中で、例えば経済的自立ということに関していいますと、まず最初にお手元の資料の六ページを見ていただきたいと思います。 そもそも自立をどう考えるかということだと思うんですけれども、母子家庭のお母さん方が考えている自立というのは、やはり普通の当たり前の生活をするためには一か月二十万円程度は欲しいと実際には考えています。まあ二十七万円というのは、例えば預貯金も入れてということかもしれませんけれども、でも、それでも例えば経済的自立を就労によって母子の生活費を稼ぐこととみなすならば、一か月最低二十五万円程度の収入が必要なんです。年収三百万。年収三百万で母親と子供一人、二人で生活するということはぜいたくでしょうか。私は決してぜいたくだと思いません。就労支援というならば、これぐらいの金額を目標とした政策を打ち出すべきではないかと考えます。 そして、お手元の資料に戻っていただきたいと思いますが、二ページの表の五をごらんください。母親の就業実態なんですが、母子家庭になる前に常勤で就労している母親は一二・五%、臨時・パートの母親二六%、無職だった母親四九%です。現在は八五%が就労しています。しかし、就業しているうちの常勤は五割、臨時・パートは五割。常勤だった人の七割は常勤で働いていますが、臨時・パートの人は四割程度しか常勤には就けていません。無職だった人は三割しか常勤には就けていません。 そして、平均月収、どのくらいかといいますと、三ページの表の六、表の七をごらんいただきたいと思います。自営業で十九万六千円、常勤で十九万三千円、パートでは十万六千円です。常勤の場合は勤続十年以上でようやく月収が二十万円以上になります。しかし、臨時・パートの場合は、どれだけ長く働いても月収は十一万程度にしかなりません。月収二十万円以上を得ることのできる仕事の条件というのは、何よりもまず常勤であることです。そして、一般事務やホームヘルパーや調理員でも、常勤であれば勤続五年ぐらいで二十万円ぐらいの収入になります。そして、月収二十五万円ということになりますと、常勤の専門・技術 職ということになります。でも、専門・技術職、例えば保母ですとか栄養士ですとか調理師ですとかホームヘルパーの資格を取っているとかの場合でも、パートや臨時であれば月収二十万円にはとてもなりません。 なぜこういう安定就労を困難にしているのかといいますと、何も母親たちが働く意欲がないからではありません。必死に働きたいと思っています。でも、離婚した当時、資格や技能がない、あるいは就職口がない。特に四十歳以上になりますと、ほとんど常勤には就けていません。それから、乳幼児がいるために仕事を断られる、そういうのが現実です。しかも、日本は性別役割分業で、そして三歳までは母親の手で育てやということで、母親が家事、育児に専念することが奨励されてきました。そのために、離婚するときに半数の母親たちが無職の状態です。そして、無職であった人は有職の人よりもはるかに就労困難です。 しかも、一生懸命働いて、そしてようやく安定した仕事に就くころ、八ページの表の二十六、九ページの表三十を見ていただきたいんですが、母親の健康問題です。疲労が蓄積し、そして体のあちこちが故障を来し、四十歳以上で健康だという人が二割程度しかおりません。しかも、たとえ職場で定期検診などがあっても、時間がなかったりして定期検診も受けることができません。しかも、病気になれば医療費がかさみます。そういう状況では、ようやく子供が大きくなったころに、もう自分の体ががたがたになっています。是非、総合的な自立支援というんであれば、健康問題も入れていただきたいと思います。 就労支援の課題は、就労支援策というなら、繰り返しのようになりますけれども、常勤の仕事に就けるような、そういう保障をしていただきたいと思います。さらに、そういった仕事に就くための職業訓練、資格取得というならば、就職率が良くて良い収入になるような、そういった資格、技能の取得をサポートしていただきたいと思います。 やはり、母親が努力しても安定就労が困難だという認識の下で、児童扶養手当の問題、それから養育費徴収の意義をきちっと押さえていただきたいというふうに考えます。 次に、それともう一つ付け加えますと、母子家庭の総合的な自立支援策というのは、仕事、保育所あるいは公営住宅と、ばらばらに施策がされても役に立ちません。そういったものが全部セットでないと実際には自立支援にはつながりません。そこのところも押さえていただきたいと思います。 それから次に、児童扶養手当の改正案についてですが、やはり児童扶養手当というのは、母子家庭の子供の健全育成を支えるということが本来の目的だったはずです。離婚が増えることを理由に削減される筋合いのものではありません。先ほどもおっしゃいましたけれども、児童扶養手当の削減によって子供の健康の面とか、あるいは進路変更を余儀なくさせるというのは、これはそういう事態をやっぱり招いてはいけないと考えます。 さらに、細かいことかもしれませんけれども、第二条に、自ら進んでその自立を図りという、そういう一文が入っています。母親たちは自立しようとしていないようなニュアンスで書かれています。多くの母親たちは生活を支えるために必死で頑張っています。あえてこんな一文を入れる必要はないんじゃないでしょうか。 それから、改正案にあるような、手当の受給開始後五年を経過した後にその一部を支給しないという文言です。先ほどもデータでお示ししましたように、どんなに一生懸命働き通しても収入が増えない母親たちが少なくありません。そんな母親たちに、五年たったからといって児童扶養手当を削減するんでしょうか。 さらに、第十四条の四項に、受給資格者が正当な理由がなくて求職活動その他厚生労働省令で定める自立を図るための活動をしなかったときにも削減するという、そういう文言が書かれています。やっぱりこの辺りも母親たちの、母子家庭の母親のスティグマを助長しかねません。総合的な母子家庭の自立支援策について言えることは、やっぱりまず保育所が確保される、安定就労確保がされる、それから養育費の徴収が確保される、その後で児童扶養手当などの経済的支援策の見直しがなされてこそ福祉的な改正と言えるんではないんでしょうか。今回の改正は、まず児童扶養手当を切ってから就労支援をしましょうというのは本末転倒だと考えます。 さらに、文言の中で、母子家庭の母親がすべて母子福祉団体等に対して情報提供するとか、あるいは委託費を支給するという、そういう箇所が何か所もあるんですけれども、母子家庭の母親がすべて母子福祉団体に加入しているわけではありません。しかも、加入が義務付けられているわけではありません。そういう場合、やはりたとえ母子福祉団体に加入していなくとも母子家庭の母親が不利益を被らないような、サービスが十分受けられるような情報提供やあるいは支援をしていただきたいと思います。と同時に、NPO法人等、母子福祉団体と認定されていない、そういう母子団体も支援をお願いしたいと思います。 いろいろお願いしたいことがあるんですけれども、母子家庭に対するやはり様々な差別や人権侵害が人権擁護法の中にも盛り込まれていません。現状を把握するとともに、そういった対策が是非必要だと考えます。 それから、法案改正に関しまして、一応基礎データとして平成十年度の全国母子世帯等の実態調査が参考資料になっているようですけれども、この資料が、平成十年度に調査されながら実際の概要版が十三年三月に出ただけです。最終的な報告書も出されていません。しかも、お読みになられた方も少なくないかと思いますが、非常に、言葉は悪いですけれども、ずさんな調査分析しかされていません。このような調査結果だけで果たしてどれだけ母子家庭の生活実態をつかんだと言えるんでしょうか。自立の課題が見えてきたと言えるんでしょうか。やはり法案作成に当たって、財政難を切り抜ける、急いだそういう法案作成じゃなくて、母子家庭の生活実態を詳細に調査、分析した上で、実態に即した施策を作っていただきたいというふうに考えます。 私が申し上げたいこと、以上です。 ありがとうございました。
○委員長(金田勝年君) ありがとうございました。 以上で参考人の方々からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○南野知惠子君 ありがとうございます。 本日、六人の方々のお話をじっくり聞かせていただきました。それぞれの人生があるんだなというふうに思っております。その人生の中で、人生の価値観又は生き方、暮らし方への対処の仕方、さらにまた父親としての役割、母親としての役割、さらに女、男としての生活の中でどのように自分らしく生きていくのかというようなことをじっと考えさせていただいておりました。 私も満州から引き揚げてきました。戦前の問題点もございます。また、戦後の母子寡婦の方々の問題点、さらに、長い歴史を経ました今日、死別、生別の方々の苦しみ、悩み、そういうことも伺わせていただきました。その中で、どのように生きていったらいいのかな、これからの課題を我々は見付けていかなければならないと思っております。 その中で、このたびの法の改正という問題に我々ぶつかっているわけでございます。我が国の在り方を考える中で、国民一人一人の生活を考える中での国においても苦慮の政策ではなかろうかなと。私もこういうことを簡単に行う法律というのはない方がいいというふうに思いますが、それでは、一人一人の生き方、国の中でどう生きるかという生き方が見失われてしまうということは困るわけであります。そこでお互いが自立して生きるということは何なのかなということを考えていかなければならない課題が山積しているというふうに思っておりました。 そういう中で、全国母子寡婦福祉団体協議会の黒武者会長様は、長年にわたって母子寡婦の方々、又は時には父子寡夫の方々、父子の方々を見てこられた、またその方の生活の御支援を直接してこられた過去の貴いお仕事に対して敬意を表するものでございますが、その黒武者会長様の御意見の中にもいろいろ拝聴すべき価値観、私は見いだすことができました。その中で、二つほど質問させていただきたいと思います。 一つは、どのような就労支援がこれから必要になってくるのかな。お話の中にも触れておられましたが、そこら辺、端的に教えていただきたい。 さらに、このたび改正します法案、それの評価をどのようにしておられるのか。賛成のお立場ということをお伺いしました。こういうことだから賛成よということのお話、又はもう少しこれをこうした方がいいんじゃないのというようなお話があれば、この法案の評価について教えていただきたいと思います。
○参考人(黒武者キミ子君) 黒武者でございます。 私は、長い間この会に携わっておりますが、かねがね考えておりますことは、やはり私たちの団体は会員の皆さんの心のよりどころとなるということと、もう一つは、この人たちの頼りになる会でなければいけないということをかねがね考えております。 そこで、先ほど各々の方々いろいろ御発言がございましたが、そのような切実な声は、私たちもいろんな研修会とかそういう場で承っております。そこで、私たちはこれからどうしていったらいいかということを考えますときに、そういう方々も皆さん自分で働いて、仕事があったら自分で働いて子供を育てたいとおっしゃることは皆さん共通しております。 そこで、そのようなことでどう対応したらいいかということを考えますときに、先ほどから申し上げますように、お母さんたちが就業できるような支援と保育の問題と、それから養育費の問題、こういうことを政府としては更に力を入れてお考えいただいて、そして私たちといたしましては、各々の母子家庭の人たちもそれなりの自分の努力もして、また会としてそういうことに対してどのようなお手伝いができるかということと、それと、私たちの力で及ばないところはどうしても政府の、行政の方にお願いしなければなりませんので、そのような考え方で私はこの法案は是非とも成立させていただかなければ前に進めないと思いますので、よろしくお願いいたします。
○南野知惠子君 ありがとうございました。御意見いただきました。 座って質問せよということでございますので、座らせていただきます。 では、引き続きましてお願いしたいのは山崎参考人でございますが、学者のお立場からお尋ねしたいと思っております。 もうこの会が始まりましてから一時間七分ぐらいたっております。その間でも、一分五十秒の間に一件の離婚が発生している、そうするともう六十何人かは離婚をしているというケースが統計上出てくるのかな。そういうことを考えますときに、両親は各々の立場で御離婚される、だけれども子供はどのようにやって守らなければならないのか。離婚の発生ということについては、もちろん子供を中心に私は考えていかなければいけないのではないかな。そういうときに、少しお触れになっておられました、今、父子家庭という問題もございます。そこら辺もお含みいただき、どのような対策が保てるならば子供がそう不安にならないように生きていけるのか、施策を一言教えていただきたい。
○参考人(山崎美貴子君) 発言させていただきます。 先ほどもちょっと触れさせていただいたんですけれども、日本の場合には子供さんを連れて離婚される場合に、父子家庭になるか母子家庭になるかということでございますが、父子家庭よりも母子家庭になるという割合が強くございます。 そのことに伴いまして大きな問題は、やはり別れた父親でございます。別れた父親の責任という問題がございます。今回も、この法案の中に入りますが、養育費の支払についての問題でございます。別れた親の養育費の支払の責任の明確化ということをやはりはっきりさせる必要があるだろうと思います。 それから、そのことについては、先ほどNPOやあるいは当事者組織がございますが、そうした母子福祉団体あるいはNPOの関係団体がこの養育費の支払についていろいろなことをしてまいりましたが、やはり積極的にこのことについてお父さんは払う必要があるんだという、やはりそういう風土がきちんと出てこないと、別れたらばそれで子供さんについての責任もということを放棄してしまうということではならないと思います。 そのためには、養育費についての取決めをやはりきちんと促進していただきたい。そのためには、養育費のガイドラインの作成ということが今後出てきておりますが、養育費が円滑に支払が確保できるようにすること。 それから、先ほど須藤委員からも少し触れてございましたが、各種相談制度をやはりもっと充実させるということで、今回も特別相談事業として法律相談の実施回数を増やすということとか、あるいは福祉事務所の中に、今までの母子相談員を母子自立支援員というふうにされましたけれども、養育費の取得について経験を有する者が相談に応じる仕組みということが母子福祉団体の養育費相談体制の中に始まると伺っています。このことも大変大切だと思います。 それからさらに、やはり情報提供、相談の窓口の支援について行政の方でも情報提供活動を更に進んでやっていただきたい。 そして、最後にお願いは、やはり民事執行制度の強化ということにあるのではないかと思います。権利実現の実効性について一層高めるための民事執行制度の見直しの一環として、養育費の定期的な少額債務の履行確保に向けての制度の見直しを図るというふうにうたっておられると思いますけれども、この辺りをやはり是非実現をしていただきたいというふうに願っております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 我々にも大きな示唆を与えていただきました。これからの母子の方々の、又は父子の方々の幸せに一歩でも近づいていければと、努力したいと思います。 ありがとうございました。
○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾慶一郎です。 今日は、参考人の皆様方、大変ありがとうございました。時間の関係で二点になると思いますが、皆さんに伺っていきたいと思います。 一つは、今話が出ました養育費についてです。 私はある程度国が関与するべきではないかなと。それは、先ほども議論が出ましたけれども、民法上にそれを規定することによって、規定があれば、国が関与するということは当事者間の自力救済よりははるかに容易に養育費を受けられるんではないかというふうに思いますが、そうした民法に規定をしていくことについて、もし、それぞれの方々に伺ってまいりますが、御意見があれば簡潔に、賛成か反対かも含めてお伺いできればなと思います。皆さんに伺いたいと思います。
○参考人(黒武者キミ子君) このことにつきましては、私たちも今年、養育費のこのことにつきましてアンケートをしたり、どうして取り組むかということを、補助事業で支出することにいたしておりますので、そのようなことでございます。これに取り組んでいるところでございます。まだ結果は出ておりませんけれども、どうしてもこれが、スムーズに養育費の取立てができるような環境作りに取り組んでいるところでございます。 以上でございます。
○参考人(山崎美貴子君) 私も今、父親の養育費の問題について調査を、二千五百事例ぐらいを調査をしたいというふうに設計をして今考えている最中で、具体的に進めております。 実際に幾つかのプリテストをさせていただいておりますが、権利実現の実効性というものを一層高めていくためには、民事執行制度の見直しとしてやはり養育費の問題については定期的に少額債務の履行をきちんとできますような制度を作るということは、これは厚労省の問題というよりも法務省の問題かもしれませんが、そのような方向をきちんとしていただきたい。スウェーデンとかオーストラリアとかいろんなところでその前例もございますけれども、その辺のところについては是非お進めをいただければ、司法手続へのアクセスの確保という問題が必要と思っております。
○参考人(須藤八千代君) 一九七〇年代、私がケースワーカーとして働いたときに、ある母親は弁護士のところに法律相談に、この件に、行って、弁護士から、そんなはした金と、こういうふうに言われて泣いて帰ってきたことがありました。 八〇年代、私の福祉事務所に厚生省の監査がありました。母子家庭がたくさんいる、そして養育費を私たちに取り立てなければ駄目なんだというふうに言ったんですけれども、実際、こういった制度がないところでこの間の取立てはできないというふうに私は言って、それを早急に法的に解決できる方法をするのが優先なんだというふうに、それで初めて私たちはそれができるというふうに答えて、それからもうこれだけの時間がたって私は今回この議論がされていることに大変残念な気がします。 同時に、その年代は九〇年代ですね、札幌で母子家庭の母親が餓死しました。これのやり取りも、結局もう離婚して十年近く請求しても何の支払もしていない父親に対して、福祉事務所の面接員が、もう一回、あんた、それもう一回養育費を取り立てなきゃ駄目なんだと言って帰して、母親はそのまま次の相談に入らずに餓死していった。これは、そのとき母親はこうつぶやいたというふうにルポに書いてありますね、それはもう前にそっちで調べたでしょうがと。それほどこの問題は当事者にとって難しい問題だった。余りにもこの問題に関する解決、踏み込みが遅過ぎる。 この時点になって児童扶養手当の額を切り下げることを優先し、そのときになってこの問題を議論しなきゃいけないということが私は大変残念に思っております。
○参考人(小山田智枝君) 済みません、私、ただの会社員なのでそんな立派な返事はできないんですけれども、養育費というのを聞いてまず思うのは、そういう養育費を払ってくれるような男だったら私たちは離婚なんかしていませんということです。 あと、今のこの不況で元夫もリストラされていたり、必ずしも就労しているとは限らないので、必ずしも養育費をもらえるとは限らないと思います。
○参考人(渡部梢君) 私も実際に取決めをしましたが、一銭ももらっていません、くれませんでしたので。 徴収の難しさ等を考えると、民法上の規定ももちろんですが、その上に国による立替払制度、あるいは支払う夫にも扶養の税控除を適用するというような総合的な判断をお願いしたいと思います。 以上です。
○参考人(神原文子君) 私、先ほど、民法改正をお願いしたいと申し上げました。 まず一番は、原則は、民法で扶養義務規定を明確にする、それに基づいて、親が離婚しようとも、父親、母親どちらも養育義務を負う、それを明確にする、そしてそれに伴ってその徴収制度を作成する、それが原則だと思います。 それから、先ほど、離婚をしたときの子供はどうなのかという御質問があったかと思います。それに関して言いますと、やはり親は離婚しても、子供の立場からしますと、親は自分を捨てないと思えることが非常に大きいわけです。ですから、そういう意味でも、たとえ両親は離婚しても親はきちんと自分の養育に責任を持ってくれるという、そういうことを子供自身が確認できる上でもそういった法改正が非常に重要だと思います。 ちなみに、どうも父親たちは、親権の場合は七割ぐらいが母親が親権を取っておりますが、親権を得なくなったらもう養育義務がないんだと思っているんじゃないかと思われる節があります。親権とやはり養育扶養義務は別だと。親権はあくまでも子供の健全な育成を親として保障する権利、親としての権利ですね。扶養義務はあくまでも義務です。そこのところを明確にすべきだということ。 それから、今すぐというのは非常に難しいかと思うんですけれども、もう一つは、場合によっては、親が離婚しようが、例えば共同親権のようなことも今後検討していく必要があるんではないかというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 ありがとうございました。 養育費については、先国会に私どもは民法の改正案、提出させていただきました。今議論がありましたように、恐らく、これは養育費とは関係ありませんが、手形訴訟的な、公権力がその回収、徴収に簡単に参加できるような枠組みも作っていくべきだというふうに考えております。 時間の関係で、次の質問は本法案の改正に賛成というお立場のお二人の方に伺っていきたいと思いますが、五年間たった後の削減条項について、今までのいろんなケースから考えますと、実際に収入が増えていない場合もあるだろうなと。そうすると、五年後に果たして本当に削減ができるのかどうか。その段階で複数の当事者団体と十分協議をしていくべきではないかというような附帯決議、衆議院段階では付いておりますが、そのことについて、あるいはその附帯決議について、お二人、黒武者さんと山崎さんはどのように思っておられるか、お伺いしたいと思います。
○参考人(黒武者キミ子君) 今おっしゃるとおりでございます。私たちもそのように考えております。 これが施行されましたら、五年間の間にいろんな結果とか要請が出てくると思いますので、またその時点になってしっかり考えていかなければならないのではないかと思いますけれども、一応この際は法案を成立させていただきたいと思っております。
○参考人(山崎美貴子君) この法案に対する附帯決議の中に、児童扶養手当の受給期間が五年を超える場合の手当の一部支給に係る政令を定めるに当たっては、改正法施行後における子育て・生活支援策、就労支援策、養育費確保策、経済的支援策の進展状況及び離婚の状況などを十分に踏まえて制定すること、その際には母子福祉団体等関係者の意見を幅広く十分に聞くことというふうに、で、今後とも社会情勢や母子家庭の状況等を勘案しながら適切に設定することと、慎重にここを図るようにという附帯決議が出ましたことを私は心から感謝申し上げております。
○沢たまき君 参考人の皆さん、本当にありがとうございました。御苦労さまでございました。 皆さんのそれぞれの話を聞いて、本当にそうだなというふうに感じました。私も母子家庭でございましたから皆さんのお気持ちはよく分かるつもりです。 私も先般のこの委員会で養育費のことを触れましたけれども、手前みそで大変申し訳ございませんけれども、我々女性議員が養育費を絶対に取るんだと、逃げ得なんかさせるかという思いで養育費の項目を入れさせていただいたことをまず御報告をさせていただきます。 それから、皆さんがおっしゃったように、民法の改正がまずあるべきではないかと。これも、私も与党ですけれども質問をさせていただきました。 私も養育費を取り立てるその難しさ、よく存じておりますので、決めても面倒くさいので、毎月毎月払ってくれないその月に請求するのは面倒くさいですから、働いて自分で糊口をしのげるならやめてしまうケースが多いわけですね。しかし、そうであってはいけないと。 これからは、この法案ではどのように取り組むかといいますと、その分かりにくい強制執行をもう少しスムーズにやるという御返答をいただきました。一括してではなく、いわゆる給料の天引きという、こういう差押さえのような、外国にあるようなことも伺ってみたんですけれども、法務省は、毎月毎月ではなく一年なら一年と、それを強制執行、一回の手続でできるようにするという御返答もいただきましたので、どうぞその点は評価をしていただきたいと思っております。 さて、それでは皆さん、山崎参考人、それから皆さんに伺いたいんですが、本当に黒武者会長がおっしゃいましたように、戦争が終わって戦争未亡人というような時代から、今日離婚の背景は様々でございますね。そしてまた、結婚をしないで子供を産むという方もありまして、母子家庭、寡婦といっても様々だと思うんでございまして、それだけ女性の生き方のライフスタイルが多様になったんだろうと思いますが、しかし離婚が大変増加をしている、こういう社会背景をどのように皆さんお考えになっていらっしゃるでしょうか、まずお伺いをしたいと思います。
○委員長(金田勝年君) どなたに。
○沢たまき君 全員の方です。一言ずつよろしくお願いします。
○委員長(金田勝年君) 黒武者参考人、どうぞ。順次お願いいたします。
○参考人(黒武者キミ子君) そうでございますね。私ももうこの会に三十数年携わっておりますけれども、私がこの会に携わったときにはほとんどが戦争未亡人の方でいらっしゃいました。それに私たちのような死に別れが入ってきまして、交通事故で亡くした人とか。そうしたら、最近、先ほど申しましたように、母子家庭の八割は離婚の方でございます。 そんなような中で、非常に私たちの会といたしましてもいろんな会員さんを抱えております。離婚の方もおりますし、それから死に別れもおりますし、もう戦争未亡人はおりません。その人たちのことを勘案しまして、今、児童扶養手当が非常に予算的に母子寡婦福祉の九六%をこの児童扶養手当で占めるということもお聞きしまして、私たちは本当に、若い母子家庭の人たちは、先ほどから出ます、非常に切実な声が聞こえてきますけれども、このままおいたらこの児童扶養手当の制度が維持できるかどうかということもいろいろ検討いたしまして、どうしても維持するには、やはり生別であれ死別であれ、それからまた結婚しない人であっても子供は大事な子供でございますので、そのようなことを考えまして、そして子供のためにこの児童扶養手当のことも考えなければいけないということの考えに立っております。 そして、片や、私たちの会には母子家庭でなくて寡婦の人もおります。昔は子供さえ育てておったら自分の老後は心配ない時代でございましたけれども、老後の年金のこともございまして、この児童扶養手当のこともございますし年金のことも気掛かりなことでございますが、その中でも、まずこの児童扶養手当のことに今私たちの団体としては取り組んでいるようなことでございます。 以上でございます。
○参考人(山崎美貴子君) 離婚が発生しますことについてマイナスに考えるかプラスに考えるかということがいろいろなお立場によってお考えがあるだろうと思いますけれども、一人一人がやはり幸せになるということを前提に、そしてその上で子供たちがそのことによってしわ寄せを受けないということがとても大切なことだというふうに思います。 特に家族の個人化という状態が進んでまいりまして、多様な家族をやはり受け入れていくという社会、先ほど須藤委員もおっしゃいましたけれども、多様な家族ということになると、母子とか父子とかあるいは非婚のお母さんたちがいろんな社会的な差別だけではなくて道徳的な差別までも受けてしまうということに対しては、やはりはっきりとそのことは社会的に大きな間違いであることを社会の中できちんと認識していただかないと、母子家庭のお母さんたちはそれだけでなくても大変な事態になっておりますのに、そうしたスティグマを浴びせられるということは、懸命に頑張って、先ほどお話の中にありましたけれども、懸命に生きておられる、そして必死に。普通の家庭でしたらば、両親家庭ならば二馬力ですからお父さんとお母さんがおられます。しかし、一人で就労もし、そして子育てもし、家事もし、何もかも背負っている母子家庭のお母さんたちに対してはやはり特段の支援が必要だと考えます。 それから、現在の離婚の背景でございますが、平成十年度の調査の離婚申立ての動機というのがございますが、それを見ますと、やはり男性の場合と異なりまして、母子家庭の場合には五三・七%が夫の暴力等によって離婚に至ったという、約半数ぐらいのお母さんたちがそうした事態を体験していること、それから経済的な、生活費を渡さないというふうな理由で一人親になられた方々が二二%というふうに、経済的な問題それから暴力の問題と、離婚の問題における女性たちの受けている問題をやはりきちんと対応していくことが必要だと思います。しかし、離婚によってほっとしたというふうな御家庭も決して少なくない。 その辺もよく御理解をいただきながら、私は、一人親家庭という言葉を、今全国的に使っていただくようになりましたが、これは欠損家庭とかあるいは崩壊家庭というふうに言われたり、片親家庭と言われたスティグマを廃して、親が一人だということによって差別をされたりあるいはそういう偏見にさらされない多様な家族がこれから存在するということをやはり御理解いただくことがまず大事であるというふうに思っております。
○沢たまき君 時間がないので須藤参考人で。三十分までなので。
○委員長(金田勝年君) それでは、時間の関係がございます。それでは、須藤参考人に引き続いて。簡単にお願いを申し上げます。
○参考人(須藤八千代君) 私ももう善し悪しは別にして、私たちの家族観、そして男女の生き方、これはもう非常にグローバル化してしまっております。ですから、今まで死別であるとか生別であるとか未婚であるとか、こういったカテゴリーの中に価値観を潜ませたり、離婚が増加してきた、今回のことにも盛んに書かれるように、このフレーズを社会問題視する視点というのはもう既に大きく変わりつつある。これを社会問題視した視点ではもう既に問題は前に進まないというふうな感じがしております。 ですから、今週、厚生労働省が何かお見合いの結婚仲介業に補助金を出すというトップニュースを見ましたけれども、正にこの視点で結婚を基軸に問題を考えると、こういう問題について私たちはもういい知恵が浮かばないと、そんな感じがしております。
○沢たまき君 ありがとうございました。
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。 私は、今日、参考人のお話を伺いながら、本当に今の長期になっている不況の中、リストラやそしてまた失業、倒産、いろいろ起きているんですけれども、この荒波という、そういうところに母子家庭として船出をさせられているわけなんですけれども、そういう中で頑張ってきておられるというその姿を一人一人の陳述の中でお聞きすることができました。改めて今日における母子家庭に何がどのように必要なのかということを強く感じております。本当にお忙しい中をおいでくださいましてありがとうございます。 私は今度の法案の中で一番重要なところというのは何だろうかというふうに思うんですけれども、皆様方がどのようにお考えになっているのか。若干は出ておりますけれども、児童扶養手当の支給額を五年後に最大半額まで減額をするということ、これはやはりこれまで十八歳の年度末まで保障されていたわけですから、五年で見るということについてどうなのかということを私は思っております。 まず、私は小山田参考人にお聞きしたいんですけれども、小山田さんは当事者であられて、そしてかなり参考人として御自分のことも含めながら周りの母子家庭のお話が出されました。小山田さんが今感じておられる中で、五年先に半減させるということ、減額させるということ、このことについてどういうふうに考えておられるのかということを一つお聞きしたいんです。 もう一つは、小山田さんにはやはり今どうしてもこれはやってほしいというのがあるんじゃないかというふうに思うんですね。だから、それがあればそれもお聞きしたいというふうに思います。 順次お聞きしていきたいと思います。どうぞ小山田さんに。
○参考人(小山田智枝君) まず、さっきも言いましたけれども、私たち女性がどうして離婚しなくちゃならないのかという部分も考えてもらいたいです。養育費という問題も出ていますけれども、そういう養育費を払ってくれるような男だったら私たちは離婚はしていません。だんなさんに扶養してもらっていればもちろん楽ですよね。でも、それを捨ててでも子供を守り、健やかに育てるために私たち女性は離婚を決意しているんです。 あと、井上さんからありましたが、五年後の削減をどう思うかということですけれども、今ですら、さっきも言いましたけれども、一万二千円です。一万二千円、何の足しになるんでしょうか。これが五年後にはまた更に削減。削減する金額でもないと思うんですけれども、これ以上削減されたら、そのころ私の子供も高校へ行くころになります。きっとお金が掛かると思います。それなのに削減というと、どうでしょうかね、子供を進学させられるでしょうか。 あとは、今どうしてほしいというお話があったので、それを言わせてもらえれば、手当の支給額をまず元に戻してもらいたいです。そして、児童扶養手当の対象者ではなくても医療費の助成が受けられるようにしてもらいたい。今、現行四か月に一度の支給になっているんですが、私たちは日々生活が大変なんです。だから、毎月支給されるようにしてくれるか、せめて二か月に一度の支給にしてもらいたい。第二子、第三子の分も数千円ではなくてもっと増額してほしいです。私は子供一人ですけれども、友達は二人、三人と抱えている人もいます。子供が二人いればランドセルも二つ必要だし、体操着も二つ買わなくちゃならないし、そういう生活です。
○井上美代君 須藤参考人にお聞きしたいと思います。 私は、やはり一つは五年後の減額ですね。やはり十八歳まで支援を受けている人がかなりいらっしゃるわけです、今現在。そういう状況の中で、しかも社会全体は不況の中で非常に大変になっている中で、五年後減額ということをどのようにお考えになるのかということと、そしてこの法律というのが母子家庭の生活の安定、子供の成長のためという、そういう目的があるんですね。その部分から、やはり児童扶養手当のそもそもの趣旨とこれ反するのではないかというふうに思っているんですけれども、その辺どのようにお考えになりますでしょうか。
○参考人(須藤八千代君) 毎年の夏に横浜の旭福祉事務所で七百から八百という児童扶養手当の現況届で面接をしたことがあります。ですから、この児童扶養手当を離婚して受ける母子家庭の五年後というのは、逆に大変、今のお話に、小山田さんのお話にあるように、子育てにお金が掛かる時期というのがその五年後ぐらいに実際掛かってくるわけですね。 ですから、政策の流れとしては、正に母子家庭に対して非常に厳しい負担を強いる政策になってくる。五年後にもっと子供の養育費用が少なくなるという流れが日本社会にあるというふうなものであれば、またそれはいいと思うんですけれども、逆に五年後、高校、大学という今の子供たちの教育の現状と住宅の問題の困難さを考えれば、正に日々の生活を支援していく流れの方向に展開するんではない、そういう感じがいたします。
○井上美代君 渡部参考人にお聞きいたします。 今、非常に就職も大変で、失業者も過去最大になっておりまして、大変なことなんですけれども、五年後に今自立の施策が出されているんですけれども、五年後にきちんと自立できる女性たちがどのようにいらっしゃるかということをお考えになるのかということをお聞きいたします。 時間がありませんので、神原さんにお聞きしたいんですけれども、法案の中で求職活動その他自立を図るための活動をしなかったときなどを手当を全部又は一部支給しないことの理由とするというのがあるんですね。私はこれはいろんな意味で大変じゃないかなと、これからの中でと思っているんですけれども、そこのところをお答えいただければ大変うれしいというふうに思います。よろしくお願いします。
○参考人(渡部梢君) 私がお答えをするのは、五年後の削減についてのことでよろしいですね。
○井上美代君 自立できるかどうかです。
○参考人(渡部梢君) 自立できるかどうか。はい。 先ほどの神原レポートもごらんいただいたら分かると思うんですが、いかに常用の労働者になるのが難しいか、厳しいかということはこれで十分お分かりいただけると思います。常用労働者とパート労働者の間での賃金格差も明らかです。 常用労働者になって五年、十年とキャリアを積めば何とか自分で生活できる、経済的自立をできるという見通しは立ちます。ただし、全部が全部ではないです。大都会で暮らしていてキャリアアップができるという人を前提としていますので、全部が全部ではないと思います。だから、状況に応じて五年後削減というのは非常に配慮をいただきたい問題だと思っております。 自立ができるかできないかの答えにはなりませんが、まずは就職ができる、就職しても常用労働者として雇用される、そしてきちんと生涯自分が働く気力があって働こうという意欲があれば勤められるという職場が確保できるかどうかに懸かっていると思います。 以上です。
○参考人(神原文子君) 御質問いただきました第十四条四項の、受給資格者が正当な理由がなくて求職活動その他厚生労働省令で定める自立を図るための活動をしなかったときに支給を廃止するということに関して言いますと、これをどうチェックするのかということが非常に大きな問題だと思います。 もしこれが児童扶養手当法の中に明記されましたときにだれがどうチェックするのか。母親たちが求職活動をどのようにしているのかとか、あるいは自立を図るための活動をしているのかどうかというのはだれがチェックするんでしょうか。それは、そうしますと母子相談員ですか、その母子相談員がチェックするんでしょうか。母子相談員というのは本来相談とかあるいは援助をする役割のはずなのに、チェック機能になるんですか。プライベートな領域まで踏み込んで、あなたはどういう活動をしていますか、どういう求職活動をしましたか、全部チェックするというんでしょうか。 これは、私はこの文言が認められると、非常に人権侵害になりかねないというふうに考えます。
○井上美代君 ありがとうございました。 時間になりましたから、終わります。
○森ゆうこ君 参考人の皆さん、今日は本当にありがとうございます。 皆さん、同じように母子家庭、一人親世帯をいかに支援していくかということで、基本的に皆さん同じお立場だと思うんですけれども、その中で、今回の法案に対して賛成の立場の方と反対の立場がいらっしゃるということで、これはなぜなのかなと私は今考えてみました。 そこで、賛成の立場のまず黒武者参考人に伺いたいんですけれども、先ほどの御発言の中で、扶養手当の制度の維持という御発言がありました。 私は、正しく今回の法改正というのは、まずこの扶養手当制度の維持ということが最初にあって、つまり財政的な面ですね。予算の枠があり、その予算の枠の中で扶養手当の制度の維持を図ると、そういう考え方がまず第一にあって、そのためにどうやって法改正をするかと、このような考え方で出てきたものだと思われますが、仮に、黒武者参考人、この予算枠全体をやはりこういう需要に応じて広げるということがむしろいいのではないかと思うんですけれども、その点についていかがでしょうか。
○参考人(黒武者キミ子君) 先ほどから申し上げますように、私たちの会が立ち上がるときには戦争未亡人の人が全部会員でございました。五十万でございました。ところが、今はもう年を取ったりして脱会されまして、児童扶養手当をもらっていらっしゃる方々が会に入っていらっしゃる方は非常に少ないわけでございます。例えば、鹿児島県におきましては一万五千人の人が児童扶養手当を受給しておられます。その中で会に入っている人は四千人でございます。一万数人の人は会に入っておられません。 そのようなことで、私たちとしましては、やはり会に入って、そして皆さんの切実な声を聞いて、そうしてこういうところでも代表として発言したいのがやまやまでございますけれども、各県がそのようなことでございます、お調べいただいたら分かると思いますけれども。そのようなことで、その母子家庭の人たちの心掛けと、それから昔の人は違うわけでございます。 ですから、これで、今おっしゃるように、非常に離婚が多くなりまして、予算もたくさんになりました。私が国の財政のことを云々する必要はないかもしれませんけれども、そのようなことも勘案しまして、片や、またその母子家庭の方々の切実な声もお聞きしまして、この児童扶養手当の改正はやむを得ないのではないかと考えております。 そうして、そこで……
○委員長(金田勝年君) 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔にお願いをいたします。 よろしいでしょうか。
○参考人(黒武者キミ子君) はい。
○森ゆうこ君 ありがとうございました。 ということは、母子寡婦福祉団体は、実際に児童扶養手当を受けている、この対象になっている母子家庭の意見を代弁、代表していないというようなお話に私はちょっと承りました。 それで、教育費について伺いたいと思います。 今ほども各参考人からお話がありました。まず、住居費、そして教育費。特に、教育費は本当に大変だということですけれども、特に渡部参考人に伺いたいと思いますが、教育費につきましてはいかがでしょうか。
○参考人(渡部梢君) お答えいたします。 まず、育英会の無利子貸付けが所得制限額が増えましたために、母親が必死で努力をして経済的自立を果たしたという二人の子供を持った母がいるんですが、平成十三年度の所得が制限額を超えて、二人子供が今年の春入学したんですが、一人は国公立大学に、一人は高校にした母は無利子貸付けが受けられなくなって、結果として有利子の育英会の貸付けしか受けられなくなりました。 あと、児童扶養手当が五年後に更に削減されれば、先ほどから何度も出ていますように、大学はもうとてもじゃないけれども学費を準備できない。今の生活だけで精一杯なのに、大学入学のためには、受験料とか当初払い込む入学金を含めましたら、私も準備しましたけれども、やっぱり七、八十万から百万くらいのお金を持たなければ、大学を受けさせて、好きなところへ行っていいよ、勉強していいよとはとても言えませんので、無理だと思います。 それどころか、五年後の状況によりましては高校進学もできなくなるんじゃないかなと思っていますので、こういう教育格差というのは貧困の再生産につながり、母親と同じことを繰り返すというと離婚が悪いように聞こえますが、決して離婚が悪いという意味ではなくて、母親に苦労を掛けたくないために低学歴のまま就労をしたりして身分が不安定な生活を送る中で、将来の設計が立てられない子供ができてくるんじゃないかと思います。 一つには、貸付制度があると言われますが、貸付けということは、借りたら返さなければいけない。返すために、今だけではなくて、今でも精一杯苦しいのに、将来もこの返済のために、子供が学校を出て一緒に返すといっても、私も育英会の返済を子供と二人でやっていますが、ずっと厳しい状況を続けなければならないという状況で、借入れの必要があっても借りることもできない人も一杯います。保証人に対する条件も非常に厳しいです。 ということで、子供の教育費については非常に大きな課題だと思っております。
○森ゆうこ君 ありがとうございます。 先ほど須藤参考人からも、社会に対しての将来の大きな損失であると。正しくおっしゃるとおりだと思います。 子供は社会の宝、次の世代を担う大事な子供を育成するという観点で、この養育費等に関しましても、子供の権利という視点でしっかりときちっと確保しなければならないと思いますけれども、その現状、協議離婚がほとんどでございますけれども、これには裁判の長期に掛かるとか様々な問題があると思いますが、その協議離婚の現状、そして養育費の取決めにつきまして法制度ということで今後何を望むか、山崎参考人そして神原参考人にそれぞれお答えいただきたいと思います。
○参考人(山崎美貴子君) 先ほどもちょっと繰り返して申しておりますけれども、やはり養育費の問題につきましては、単なる出してくださいというような環境だけの問題ではなくて、やはり法務省を含めたこの問題に関しての適切な対応というものをしていかないと、実際には実効のあるものになりにくいのではないかというふうに考えております。 それから、就労のことに関しましても、様々なことをきめ細かく自治体単位でということと、それからもう一つは、生活の基盤ということになると、働くことの条件整備が雇用機会の創出のための支援、それから所得の増大に結び付くような、いろいろ常用雇用の転換奨励金の創設とか特定求職者の雇用開発助成金の活用とかいろいろな、母子家庭への起業資金の助成とかいろいろなことを、今度は出てくるようですけれども、母子家庭の就業支援センター事業というのがございまして、相談から就労までのことを含めた様々な形での弾力的で機動的に実施できるような、そういうきめ細かな対策というものが前に進んでいかなければならないというふうに考えます。
○参考人(神原文子君) まず、離婚に関して言いますと、これからまだまだ離婚件数は増えると予想しております。 それはなぜかといいますと、今結婚する人の九割が恋愛結婚しています。愛情重視で結婚していますから、当然、愛が冷めれば離婚しても不思議ではありません。 それから、寿命が延びています。五十年、六十年、一緒に夫婦をする人もいます。でも、他方、寿命が延びたからこそ、例えば十年ぐらいだったら我慢できても、三十年、四十年、我慢できないということは起こって当然です。 そういったこともありまして離婚は増えます。ただ、離婚は、私は一面では、離婚は離婚できるからいいと考えています。それは、先ほどありましたように、DVのケースなどは離婚できるから救われます。そうでなかったら殺されるかもしれません。 もう一方では、離婚の在り方、協議離婚の実態を調べてみますと、協議離婚とは名ばかりで、内実は、例えば夫が一方的に遺棄する、あるいはもう追い出しをしてしまう、そういった離婚も実際には起こっています。それはなぜかといいますと、まだまだ現実のところ夫婦の関係が社会的に平等になっていない。それから、密室の中では実際のところ夫が経済力を持っていますし、それから身体的な暴力的な力も持っています。ですから、妻に無理やりに離婚届に判を押させるということも実際には起こっています。そういう意味では、協議離婚というのは、やはり夫婦対等な関係であって初めて協議離婚が実際の合意離婚になり得るものだというふうに考えています。 ただ、私は、それでもなおかつそれ以上共同生活がもうできないという人には離婚ができやすいということが人生やり直す上では救いだと思っています。 それから、もう一点付け加えますと、子供の、子育ての調査をやってきまして、子供にとってやはり一番不幸なことは、もう父親と母親が非常に家の中でけんかばかりしている、そういう関係が子供にとっては一番つらいんです。まだ、まだしも親が離婚をしてどちらかの親と新しい生活をする方が子供にとっては、親が離婚したときは確かにショックも大きいんですけれども、生活の安定につながります。
○委員長(金田勝年君) 時間が限られておりますので、簡潔によろしくお願いします。
○参考人(神原文子君) はい。 そのことだけお伝えしたいと思います。
○森ゆうこ君 ありがとうございました。 終わります。
○大脇雅子君 今日は、貴重な意見どうもありがとうございました。 神原参考人にお伺いしたいんですが、母子家庭あるいは一人親家庭に対する様々な人権侵害とか、あるいは偏見ということが何人かの参考人の方から言われておりますけれども、例えば、具体的にどのような差別、人権侵害があるか、お述べいただけるでしょうか。
○参考人(神原文子君) 大阪で先ほど調査をしましたが、自由回答のところに様々な差別や人権侵害的な例が一杯出てきます。 少なくとも、母子家庭の母親の二人に一人が例えば近所のうわさ話で、あそこは母子家庭だからとか、あるいはあの男が来ているとか言われたということが挙げられています。それから、母子家庭の子供も学校でいじめに遭ったりしています。 それから、先ほども話ありましたように、就職のときに小さい子供がいるからということで、それだけで就労意欲があってもはねられてしまう、それから民間のアパート等も母子家庭だからという理由だけで貸してもらえない、そういったことはもう珍しいことではありません。 それから、母子家庭のお母さんが、離婚をして、そして児童扶養手当の申請に行ったら、福祉事務所の窓口で、もう何でそんな離婚をしたんだ、わがままだという、そういう暴言を吐かれたということも後を絶ちません。 それから、母親がせっかく仕事に就いた、だけれどもそこの上司にセクハラに遭う、だけれども仕事を辞めるわけにいかない、そういったケースも事例としてはもう後を絶ちません。 具体的な数値は、母子家庭の母親に対するそういった差別だとか人権問題に関しても実はまだまだ調査さえもされていません。ですから、私は、自由回答とかあるいは個人的に聞いた話でしか今お答えはできません。
○大脇雅子君 そういう中で、ともかく常勤で勤めを持つということが非常に困難な状況がある中で、今度改正法の十四条に四号が追加されまして、正当な理由がなくて求職活動その他厚生労働省令で定める自立を図るための活動をしなかったときに受給資格の要件になっていると。これがそうした差別の中で作用して運用されると、非常に深刻な結果を受けるのではないかというふうに思います。 先ほど神原参考人は母親のスティグマを増加するという御提言がありましたし、須藤参考人は、例えばファミリー・バイオレンス・オプションなんかで延期のオプションが必要ではないかとおっしゃったわけですが、両参考人に、この規定の運用について、その御意見と気を付けるべきことをお話しいただきたいと思います。
○参考人(神原文子君) 今の御質問に対して明確になかなかお答えできないんですけれども、やはり離婚そのものが決してわがままで離婚するわけじゃないわけです。そこのところに対して、やっぱり社会的な了解を得るということが大きいと思います。 それから、そのことに関して言いますと、そういった福祉の現場、窓口にいる人たちに対するやはり人権に対する研修などを是非きちんとしていただきたいと、それだけは思います。 お答えになったかどうか分かりませんが。
○参考人(須藤八千代君) 常勤で働くというこの働き方の構造そのものが、男も女も含めて、日本の場合、余りにも厳し過ぎる。そして、だから働くということにこういう形で焦点化させて相手にある条件を押し付けていく、これは本当に母子支援と言うことはもう全くできません。 そして、こういったチェックを、こういった指導管理を受け付けられない、ノーと言えない抵抗できない弱い層をますます抑圧していく、こういった発想をやはりもう長年私は現場で見てきましたけれども、こういうことの問題性をもう一回明確に見てじっくりと考えていく必要があると私は思っております。
○大脇雅子君 今度の法案には自立支援策というものが織り込まれて、私も、その五年後の削減というと、みんな高校、大学へ子供たちが育つころに当たるということで非常に危惧するものでありますが、例えば一人親家庭の中でどんな資格や技能の習得が期待されているのかと。具体的なところにサポートがなければ法律も生きないわけで、この点について神原参考人と渡部参考人にお尋ねします。
○参考人(神原文子君) 今、就労支援ということで、例えばホームヘルパー二級の資格ですとか、それからパソコンの研修とか行われていますが、実際には安定した収入になるようなそういう職種、職にはなかなか就けていません。 例えば医療職、例えば先ほども話が出ましたように、看護職であるとかあるいは栄養士であるとか、あるいは先日もあるお母さんが大型の運転免許の資格が取りたいねという話もありました。だけれども、大型の運転免許の資格を取るのに、そんな三か月ぐらいの研修とかあるいは三十万円ぐらいの補助があっても運転免許取れないねという話がありました。 ですから、お母さん方の中で、実際に本当にもう必死で働きたい、資格を取って、そして自立したいという方の中には、もう今は男女共同参画の中で男性と同じ仕事をやっていきたいんだという方もいらっしゃいます。ですから、肉体労働も辞しません。そういう方々にその研修の機会をやはり保障していただきたいというふうに思います。
○参考人(渡部梢君) 今、神原参考人の方から出ましたが、同じような内容です。やっぱり自立のためには確実に仕事に結び付くということで看護師を選んだ人が三人います。でも、その三人はそれぞれ親が生活を面倒見てくれるという状況ですので、自分で働きながら資格を取って将来の常用労働者としての地位を確保し収入を確保するためには非常に難しい状況にあると思いますし、看護師を取れば看護師として働くだけじゃなくて将来的にはケアマネとかいろんな形で、あるいはまた学校へ行けば助産師とかいろんな形で先に進展が望めるということできちんと学業を重ねたいという希望者は一杯いますが、残念ながら、生活のためにそれも断念せざるを得ないという状況が一杯あります。 以上です。
○大脇雅子君 終わります。
○委員長(金田勝年君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。
○参考人(黒武者キミ子君) 済みません。
○委員長(金田勝年君) はい。
○参考人(黒武者キミ子君) 誤解があったらいけませんので。 先ほど私たちの会に児童扶養手当をもらっている人の加入率が低いと申し上げましたけれども、私たちは、いろんな講習とかそれから母と子の集いとかお祝い品とか、それは会員にこだわらず皆さんに呼び掛けてしておりますので、そのときに皆さんの声もお聞きしております。 以上でございます。
○委員長(金田勝年君) はい、承りました。 改めて、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしましてお礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手) それでは、午後一時まで休憩といたします。 午後零時二分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君外二名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) 休憩前に引き続き、母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本孝史君 御苦労さまでございます。 午前中のこの法案に関する参考人の意見陳述を聞いておりまして、私、初めて交通遺児家庭にお会いをしました三十年前のその姿とほとんど変わっていないと思いまして、思わず涙をしてしまいました。とともに、山高しげりさん、あるいは守田厚子さん、鯉渕鉱子さん、そして今日の黒武者会長、大阪の羽間会長と、ここに幸あれと願いながら、母子家庭の福祉の向上のために尽力されてこられた皆さん方のそのお姿を思いつつ、時代の流れとして離別家庭にどう対応していくのかということが政策的に求められている、そのことも大いに痛感をしたところでございます。 今日もう一度、岩田局長に御確認のこともあってお聞きをしたいと思いますが、百三十万円でこの全額支給の上限をセットした。私は、この法案の衆議院段階の審議の冒頭、我が党の水島議員からの質問で、百三十万円に設定した根拠は何かと、こう問われたときに、岩田局長は、それは母子家庭の平均的な所得水準を考慮いたしまして、それ以下の方には全額支給をしますと、こうお答えになったんです。私は、この答弁の非常な不確かさからその後の議論が非常に空回りをしたんだというふうに受け止めております。 再度お伺いしたいんですが、全額支給の限度額を百万でもなく百五十万でもなく百三十万円に設定した、その根拠、考え方というものをもう一度御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今回の所得制限の見直しに当たりましては二つの観点がございました。 一つは、母子家庭が増加を続ける中で、そして財政事情が大変厳しい中で、児童扶養手当制度自体を将来に向けてどういうふうに維持することができるような制度にするかという点。そして二つ目には、従来は児童扶養手当が金額的に二区分、二段階でございましたので、ある収入を超えると就労による収入と手当を合算した総収入が逆に減少するという逆転現象が生ずるという不都合がございました。 これをどういう形で解決しようかということで検討を始めたわけでございます。そして、今回の政令改正、八月の政令改正によりましては、ある水準までは全額児童扶養手当を支給し、その一定の水準を超えると就労による収入が増えることに従いまして手当を段階的に逓減させるという、こういう仕組みにするということが適当ではないかと判断したわけでございます。 その上で、全額を支給をして逓減方式に入るその分岐点となるそこの水準をどう考えるかということでございますが、これについては衆議院でも答弁申し上げましたように、母子家庭の平均的な所得水準を考慮して、政策的に、母一人子一人で、その母が給与所得の場合には百三十万円というふうに判断したわけでございます。 そのときに参考にいたしました統計データは、一つには平成十年度の全国母子家庭調査で、母一人で家計を支える離別母子家庭の年収の中央値百八十万円、これは児童扶養手当も含めた金額でございますが、約百八十万円程度であったことということでございます。補足的に参考にいたしましたのは、平成十三年度に日本労働研究機構の調査がありましたので、その調査結果でパート、アルバイトで就労している母子家庭の母の平均年収、これは児童扶養手当は含まれておりませんが、就労による平均年収が約百三十万円であったといったようなこと、これらを参考にいたしまして百三十万という水準を決めました。
○山本孝史君 御自分で御説明されておられて、その矛盾にお気付きになっておられるんだと思いますが、今日は資料を配付をさせていただきました。 局長は、母子家庭の平均的な所得水準を考えて、そこから下の人は全額だと、こうおっしゃる。その中で、日本労働研究機構の調査についてはパート、アルバイトをしておられる方たちの勤労平均収入が百三十三万円ですと。なぜそこだけパートを使うんですか。そんなの全体で使わないと意味がない。 だから、今日お配りしましたように、全国母子世帯等の実態調査の離別母子家庭の中央値は百八十万円、これと、今の御説明にあるように日本労働研究機構の勤労収入、パート、バイトによる勤労収入は百三十三万円、この間に五十万円の差額があったら一緒じゃないかと。違う働き方をしている人を比べ合って、しかも平均値と中央値を使って、同じ百三十万円だから百三十万にしたんだと。この説明は何ら説明になっていない。そのことの不思議さに気付かれずに今日もそうやって同じ答弁を繰り返されているということが私、非常に不思議なんです。 児童扶養手当の今回の改正を議論するために特別にこの日本労働研究機構に調査を委託したと、こういうことでございました。そのような政策意図を持った調査でありながら、なぜ調査結果報告書に死別あるいは離別世帯別の集計結果が載っていないんですか、こう私はお聞きしました。昨日の夜、質問取りに来られた方におかしいじゃないかと、母子世帯の実態調査だって、十年十一月に行われている実態調査でも、我々に報告されている部分は全体としてしか書いていない。しかし、それを局長は御答弁のとき手持ちで、実は離別と死別と分類したらこうなっていますというお手元の資料だけ持っておられた。そんなことするなと、委員会に出せということで資料を出していただいた。ここだけやって、なぜ日本労働研究機構の就労形態別のデータを作らないんだ、こう昨日申し上げて、すぐに出ましたよ、今朝までに、コンピューターすぐ回されて。で、こういうことになっていますと。こういう話で来たんです。 そのデータが今日お配りした私の資料の中に整理して載せておりますけれども、日本労働研究機構の離別母子世帯の勤労収入、平均値二百四十五万円、こう書いてあるんですね。常勤の場合には三百三十八万円。そしてパート労働者の場合は、度々引用されるように百三十五万円となっている。 今日の午前中の参考人のお話を聞いていても、この数字は明らかに私は高いと思うんです。私は、この調査の信頼性は非常に疑われているんです。 局長、御答弁されたように、母子家庭全体の平均値を使うというのであれば、この二百四十五万円を使わなきゃいけない。都合の良いところだけパートの労働者の百三十五万円だけ持ってきて、それで御説明をされたことが、私は非常に厚生労働省として誠実さに欠けると、こう申し上げざるを得ないというふうに思っております。 当然だと思いますが、先行される厚生省、当時ですが、大臣官房統計情報部人口動態社会経済面調査、こういう社会経済面調査をやっておられることは御承知だと思いますが、離婚家庭の子供ということに焦点を当てて平成九年十月に調査をされた。その結果が、その資料の下に述べてありますようなこういう数字になっている。これは全国母子世帯等の調査とほとんど数字は一致しております。 当然、局長、この調査には目を通されたんでしょうね。局長、この調査ごらんになりましたか、人口動態面調査。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 私自身は人口動態調査については、この数字自体については勉強しておりませんでした。
○山本孝史君 自分たちで重要な政策決定をしようとするときに、外の特殊法人に頼むんじゃなくて、自分たちの組織の中で先行している調査があるんだから、その調査に目を通すというのは政策担当者として当然じゃないですか。私はそういうふうに思いました。 それともう一つ、これは後々で結構でございますが、この日本労働研究機構の調査書の中には自由記述欄が実は設けられています。この自由記述欄は、「あなたが今もっとも悩んでいること、仕事を続けていくうえで困っていることなどについて、行政、企業、社会一般への要望や意見を含めてご自由にお書きください。書ききれない場合には裏面にもお書きください。」、こうなっている。多分これ、裏面にまで書き切れないほど一杯お母さん方の声が詰まった自由記述があったと思う。多分それもお読みになっていないでしょう。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 読みました。
○山本孝史君 こういうところが、じゃ、私たちのところになぜ、今日、参考人にも聞きましたけれども、この代表的な意見が出てこないんだろう。これ、調査票をもらった人たちは、これで何とかこの手当制度が維持できるだろうと思って書いたら、何のことはない、反対の結果になったんだから、私は、国から送られてくる調査票にまともな答えが出てこないんじゃないかと、そういう心配も逆にします。 いろんな調査結果の答えをあちこち持ってきながら、都合のいい数字の百三十万円に飛び付きながら、要は予定の範囲内、予算の範囲内ではこれだけしかないんで、大臣にお聞きしますが、結局はこの制度の改正というのは、これだけのお金しかないんですと、その中で限られたお金をどの方たちにどう配ればいいかということを考えてみたら、百三十万のところで筋を引いて、そこから下は全額支給、上は減額支給ということにせざるを得なかったんだと、なぜそういうまともな説明をされないのか。そうしたら、もっと議論はそこからスタートするじゃないか、そう思うんですけれども、大臣、御答弁ください。
○国務大臣(坂口力君) この問題は、先日も山本議員からあって、お答えを若干したように記憶をいたしておりますが、やはりこの母子家庭にとどまらず、あらゆる高齢者なら高齢者の問題、障害者なら障害者の問題等をやっておりまして、そういたしますと、その分野が、例えば高齢者でありますと、高齢者医療を受ける人が増えてくる。同じように、母子家庭におきましても、その皆さん方が増えてくる。これは事実でございます。そういたしますと、事実、増えてまいりますと、その皆さん方の必要な予算額というのはどんどんとこれは膨らんでいくわけであります。 したがいまして、そこは膨らましながらも、しかしその中の皆さん方にもある程度御協力をいただかなければならないことが出てくる。高齢者医療の場合にも、全体として高齢者が増えていきます以上、全体の額はどんどんと増えていく。その中で、全体それを増やしてはいきますけれども、ある程度やはり高齢者の皆さん方にも御辛抱いただくところをしていかざるを得ないという全体の状況がありますことは、山本議員御指摘のとおりでございます。 しかし、さはさりながら、全体として、先日もお答えを申し上げましたように、今まで金額的な支援を一元的にやってまいりましたけれども、それではやはり支援はいけないと。もう少し多元的な支援をこの際にやっていくということにそこはしなければならないというふうに思っておりまして、先日、山本議員からは、そこは変質をしたのではないかという、こういう御質問があったわけでございますが、私は、変質といいますよりも、一元的な言い方ではなくて、もう少しいろいろのことを様々な角度からやっていくということにつきましてはそれは変わったかもしれませんけれども、しかしこの趣旨というものは変わっていないということを先日も御答弁を申し上げましたが、今日はまたそこは同じことを申し上げざるを得ない、こういうことでございます。
○山本孝史君 限られた財源しかないので、こういうふうに、変質したことではないとおっしゃるけれども、こういうふうに制度を変えましたというときに、私は、これは財政上厳しい状況の中でやる話ですから、そのことがいいかどうかと言われれば、私は、違うところからお金を持ってこれるんじゃないかと、こう思いますけれども。しかしながら、当初五年で打切りを打ち出しておられたことからしても、ということは十八歳の年度末まで支給するということを言っているのではなくて、支給期間も短くなる、金額も少なくなる。 そういう中で考えますと、私はどういうわけか、突然ですけれども、スフィンクスの話を思い出しまして、財政難に悩んだスフィンクスが、通り掛かりの旅人である小泉総理大臣にどうしたらいいかと聞いたんですよ。そうしたら、顔はそのままでいい、体はライオンのようになってしまえと。自分がライオン丸と言われているからかどうかは知りませんけれども、そう言ったと僕は思うんですね。 何でかというと、これは、法律名は母子寡婦福祉法ですとかいろいろ書いてありますけれども、父子家庭もその対象にするということにしてきますし、あるいは大幅に減額率を支給しても今そのような形にする。でも、児童扶養手当のこの法律の目的は、「父と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するため、」と、こう書いてあるんです。児童のということになれば、当然十八歳の年度末までと、こうなるわけですね。だから、結局、変わっていないとおっしゃるんだけれども、これは制度的に明らかに変わったんだと私は受け止めています。 その意味で、本来やるべきは、これはやったら怒られるというか、波乱が大きいからできないと思ってこういう道を取られたんだと思いますが、本来やるべきは、児童扶養手当法を廃止して、離別した一人親家庭の自立の促進の支援に関する法律というものを新たに作って、それこそ大臣おっしゃっているような総合的な施策を全部盛り込んだような総合的な法律体系を私は作るべきだというふうに思います。 大臣、もう一遍聞いても同じ答えしか返ってこないと思いますけれども、こういう考え方の方が正しいんじゃないですか。
○国務大臣(坂口力君) そういう考え方もあるいはあるかもしれませんけれども、しかし、そういうことになってしまいますと、それこそ今ここに提出をいたしておりますものとは全く異質のものになってしまいますから、我々はそこまで変える必要はないというふうに思っておりまして、それよりも、現在まで積み重ねてまいりましたところを中心にしながら、しかし支援をしていくその中身は更に拡大をしていくということの方がより大事ではないかというので、こういう形にさせていただいたわけでございます。 山本議員が御指摘になりますようなその考え方というのも、それは選択肢の一つとしては私はあるのかもしれないというふうに思います。あえて全体を否定するつもりはございません。
○山本孝史君 その百三十万の限度額というのも大変厳しいと、こういうことで申し上げておりますけれども、今国会、この法案審議の中で議論になりましたのは、五年を経過した後の減額について、大臣は、これは減額ともう規定しているので一%であれ減額せざるを得ないと、こういう御答弁もされました。「法施行後における子育て・生活支援策、就労支援策、養育費確保策、経済的支援策の進展状況及び離婚の状況などを十分踏まえて制定したい」と、こういう御答弁もございました。 でも、この前提条件は、支援策、確保策という策ですから、この策にかかわる予算は当然それらは付くし、思っておられるように増額はされていくんだろう。しかし、予算枠で増額をされたとしても、私は前も指摘しましたけれども、実際の生活ぶりが良くならないことには、それは支援をしたって支援をしている意味がないんですから、当然のごとくにその先支援をすることは当然だけれども、さらに、減額率を判断する際には実際の母子家庭の就労状況ですとかあるいは養育費の受取状況を勘案した上で決めるべきだと、こう思っています。 今、うなずいておられます。私たちはその趣旨を盛り込んだ修正案をこの委員会にお出しを先ほどさせていただきましたけれども、修正案に御賛成いただけるかどうかはいろいろございましょう。賛成していただけるものと当然思っておりますけれども、修正案に対する大臣の御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 修正案につきましては、まだ私、すべて拝見をいたしておりませんし、私はここの採決に加わるわけではございませんので、そこは差し控えさしていただきますけれども、今御指摘になりました、その五年後にどういう状況になっているかということは大きく影響するではないかというふうに御指摘になりますところは、私はそのとおりというふうに思っております。 これから先五年間、いろいろの努力をいたしまして、そして現状の改善を重ねていかなければならないというふうに思います。改善を重ねていきましたその結果、様々なことをやりましたけれども現状とは全く変わりませんでしたと、あるいはまた経済状況等のことも加味すれば、かえって悪くなりましたというようなときに、そのときに五年たったら減額しますからといって、そうするわけにはいかないんだろうと。それはやはりそのときの政治判断というものが私は必要になってくる。この法律として見れば、法律にはそういうことになっておりますけれども、しかしそのときの判断というのは当然のことあるんだろうと。 それからもう一つは、平均値で上がったといたしましても、しかしそこから漏れてくる人たちがいる、やはりそれに付いていけない人たちがいる。健康の問題もございましょう、あるいはお子様のいろいろの条件にもございましょう、そういう人たちも出てくる。その付いていけない人たちに対してそれをどうするかということがもう一つ残るわけでありまして、その人たちの範囲をどのように取っていくかということが大きな課題として残ると私は思っております。それらのことをやはり解決をしなければならないということではないかと思います。
○山本孝史君 私たちが主張しております母子家庭の就労状況や養育費の受取状況、すなわち生活状況をよく勘案して決めなければいけないんだと、そういう御認識をお示しをいただいたんだというふうに思います。 五年間に大変重い責任をしょい込んだと、こういう御発言もございました。五年間というのは非常に限られた時間でございますので、その間にしっかりとした対策を取っていただきたいというふうにも思いますし、また次回考えるときに、この日本労働研究機構、私は独行法人として廃止していいと思っておりますので、ここに調査を更に依頼することはないと私の立場では思いますけれども、この調査がどれほどずさんな調査をやられて、その数字によって決められるのではたまったものではありませんから、この調査も、もう一度御指摘申し上げますが、その調査の信頼性について是非考えていただきたいというふうに思います。 口にはされませんけれども、要は、厳しい財源の中でどのようにそれを配っていこうかとするとパイの切り方はこうなってしまうと、こういう御説明なんだと思いますが、私は、子育て支援の観点からは、扶養控除をなくして児童手当と児童扶養手当を一本化して、基本的にはすべての家庭に定額で支給をして、さりながら、母子家庭の母親の就労状況、収入状況の非常な厳しさを考えれば、一人親加算をその上にしていくというような形に、諸外国に倣いながら私はやっていくべきだというふうに思うんですね。 財源が足りないからということで逃げてしまうのではなくて、本当に財源が必要だというのであれば、国民にその理解を求める説明をして、そして負担をお願いをするということもあってしかるべきだと思うんです。その手だてを捨てておいて、要は離別の母子家庭の方たちに更に厳しい生活をしろということをおっしゃるのは、私はちょっと順序が逆だと思いますので、そうした財源の確保策というものもしっかり打ち出していくべきではないか。 大臣もいろいろと構想をお出しになっておられますけれども、この点についてお考えを、大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 全体の財源の問題につきましては、私の範囲をかなり超えた問題でもございますから、トータルで私が申し上げるのはいかがなものかというふうに思いますけれども、しかし、厚生労働省というこの省をお預かりをいたしております以上、ここで必要な額を最大限確保していくというのは私に課せられたこれは使命だというふうに思っております。そのためには、やはり何をどうしていったらいいかということについて、これは、厚生労働省は厚生労働省としてのやはり意見を言わせていただかなければならないというふうに思っております。 税制問題につきましても、今一例をお挙げをいただきましたけれども、そうした考え方も我々も主張もしているところでございまして、そうした考え方も主張をしながら、しかし全体としてどうしていくかを考えていかなければならないことも事実でございます。 いずれにいたしましても、三十兆円という大きな負債をしょい込んでの財政でございますから、そう多くを言うことはでき得ませんけれども、しかし現在のこの制度の改革によってその中身をどう変えていくかということは大変大事なことでございまして、我々の立場といたしましては、その内容を改革をすることによって、そうしてこの社会保障費なるものをやはり確保をしていかなければならない、そんなふうに思っている次第でございます。 税の問題とそしてこの保険料の問題と自己負担の問題ございますが、とりわけ税と保険料のどちらを重点的に国民の皆さん方にお願いをしたらいいのかということも判断をしなければならないときに来ている。その社会保障の中でもまた年金、医療、介護、福祉と様々あるわけでございますから、それらを一律にしていくのではなくて、やはりその中でどこを重点を置いて、そしてどこを税によりゆだね、そしてどこを保険料にゆだねていくかといったような、そのアクセントの付け方というものもやはりあってしかるべきだというふうに思っている次第でございます。 一般財源の方からいただくというのはなかなか、毎年毎年トータルで見ますと、いただきにくい感じになってまいりますと、どうしても保険料でちょうだいできたらという気持ちに傾くわけでございますけれども、しかしそれは安易に考えてはいけないことだというふうに思っておりまして、その辺のバランスを十分に考えながらやっていかなければならないというのが現在の私の立場ではないかと思っております。
○山本孝史君 御指摘になりましたように、一般財源から持ってくるには財源は非常に厳しい、全体を考えなければいけない。高齢者の方にシフトしている、できるだけ子供の方にも持ってきたい。子供の方の予算というと、でも半分は保育で取られてしまう、児童扶養手当でがっさり持っていかれる。残った中で政策的に考えようと思っても、ほとんど動かない。こういう、言わば進むにも進めずという形になっているんだと思いますね。 それから、介護保険制度を作るときに、十年以上掛かっていろいろと考えてきました。やはり社会的に必要な資産というものは、私は、本来は新たな負担を求めるということではなくてやるべきだと思いますけれども、しかし厳しい財政状況を考えれば、子供保険という、保険の事故に当たるのかどうか知りませんけれども、大臣が御提唱なさっておられる年金制度の中での問題であれ、様々であれ、やはり私は国民に理解を求めていくべきなんだということを思います。社会保険料やあるいは税金をどうするかという話もさることながら、そういう思いが今回の中でしております。 時間になってしまいますので、最後、御意見だけ申し上げておきたいというふうに思いますけれども、私は、やはり今回の改正の議論をずっと読み返しをしておりまして、どう考えても限られた財源をその対象者の中でどう割り振りをするかということを考えたにすぎない。そのときに、たまさか百三十万円という金額にセットすると、半分の方はそのままもらえるけれども半分の方は我慢していただくというようなところが、ちょうど分岐点がその辺にあって、それでいろんな調査をやってみたら百三十万という数字があったものだから、その数字に飛び付いて説明をしてみたら、それがうまく整合性の取れない話になって今日ここまで来ているというのが、私はこの議論を振り返っての感想でございます。 それはやはり元々無理がある。そのことによって私は明らかになってきたことは、子育ての社会的支援ということをにしきの御旗のように格好よく掲げながら、実は、国営のお見合い場を作るという話も先ほどございましたけれども、産ませることには一生懸命だけれども子供を産み育てるということは知らん顔で、後は私的に子育てはしなさいと、こう言っているという国のメッセージしか私には受け取れません。 そういう意味で、要するに、与党の皆さんも、あるいは今厚労省も考えていることは、子育てだとか子供の人権だとか男女共同参画社会の実現だとか、口ではいいことを言うけれども、それを実際にやろうとはしていないと、政策、やっていることは全く反対のことをやっているというふうに思います。 せめて、修正案としてお出しをさせていただきました五年後の減額率の設定について、厳しくそこに歯止めを掛けるということの御賛成を皆さん方からいただくことを心からお願いをしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこでございます。 まず、先日の審議の中でもずっと問題になってまいりましたこの五年の問題ですね。受給期間五年、この根拠について伺いたいと思います。 所得制限で支給が停止された者の受給期間の状況の平均が五・五六年、そして児童扶養手当を受給している者の受給期間の状況、平均期間が五・〇一年、それをいずれも丸めて五ということでお出しになったそうでございますけれども、まず、私は、どちらの数字でも結構なんですが、平均受給期間を基に支給をストップする、その根拠になるということについて、どうもそれは合理的な理由にはならないのではないかと思うんですが、なぜ五年なんでしょうか。大臣、お願いいたします。
○政府参考人(岩田喜美枝君) このたびの児童扶養手当の見直しは、母子家庭が大変増えている、そしてこれからも増え続けるだろうという状況の中で母子家庭対策はどうあるべきかということを総合的に厚生労働省として見直しまして、方針を検討したわけでございます。そして、離婚などの時期の後、できるだけ速やかにその混乱期といいましょうか、その時期を乗り越えていただいて、子育てに対する支援ですとか就労支援ですとか、別れた夫からの養育費の確保対策など、そういった自立支援を集中的に行う、そういう期間としてどういう期間を考えればいいだろうかという議論をした結果でございます。 〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕 これからの母子家庭の自立支援対策としては、離婚後のなるべく早い時期、例えば五年くらいに集中的な就労支援策を講じまして、その期間に母子福祉手当については言わば所定額をお支払いし、そしてその後は、それまでの自立支援策の効果を見ながら一定額減額をしようということにさせていただきたいと思っているわけでございます。 そして、その減額をする時期といいましょうか、離婚などの母子家庭になった事由が発生した後の集中的な自立支援策を講ずるべき期間としてどの程度の期間が適当かということを判断いたしましたときに、様々な要素を総合的に勘案いたしましたけれども、そのときに参考にした統計の一つは、児童扶養手当を現に受給している方の平均受給期間の約五年という数字ですとか、所得が増えて所得制限を超えて手当の支給が停止されたそういう方について、言わば自立して児童扶養手当から脱却したといいましょうか、そういう方たちの受給期間の平均年数が約五年であったというようなこと、そういうことも考慮いたしまして五年間を集中的な自立支援の期間というふうに考えているわけでございます。
○森ゆうこ君 どうもやはり合理的な説明とは私は受け取れません。 というのも、これ確かに平均は丸めれば五という数字なのかもしれませんが、この分布状況を見ますと、やっぱり七年から十年の方、それから十年から十五年未満という方、まだ非常に多くいらっしゃるということで、先ほど、午前中の参考人質疑の中にもありました。特に子供の教育費というものが、むしろ五年を過ぎたころから、子供が大きくなって掛かってくるんだと。そういうときに一生懸命頑張って仕事をやって自立しようとしても、また更に支出も増えていくということで、その時期にまた切られるということについて納得がいかないというお話もありました。 この五年ということについて、私は甚だ、ここで支給停止という、又は支給の大幅な削減というようなことについてやはり納得できないということを申し上げておきたいと思います。 それで、次の質問なんですが、そもそもこの子育てについてなんですが、先ほども質問ありましたけれども、世代間扶養という意味で考えますと、高齢者の介護と子育て支援ということは同じだと思うんですが、介護保険が導入されまして、元々、介護保険というものは介護の社会化という、もう本当に大変なところを家族だけで取り込んで見ているんではなくて、介護の社会化というふうな基本的な考え方があって介護保険も導入され、高齢者介護については社会化が進んできていると思うんですが、この点で、子育ての社会化というものがまだまだ、子育ての社会化というよりも単なる支援ということの域を出ていないというところだと思います。 いまだに、本来子育ては親の仕事で、余裕があれば国や自治体が支援するという現在の仕組みそのものが現代社会の現状を見ますと不十分じゃないかと。現在は、親であれ子供であれ、扶養の一次的義務者は当然家族、親族とされていますけれども、子育てについても一次的義務者に、国や自治体、公が一次的義務者というところにあると定義し直すべきなのではないでしょうか。一言で言ってしまいますと、扶養概念の再定義の必要性というものを私は感じるわけですけれども、この点について、坂口厚生労働大臣のお考えをお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 子育てに対する考え方がかなり変わってきたことは私も率直に認めるわけでございます。かつては、子育てというのはこれはもう親あるいは家庭がすべてすべきものという形で進めてまいりましたけれども、最近のように、両親そろっておりましても、やはりお母さん方がお勤めになることが非常に多くなってきた。そういうことになってまいりますと、やはり社会的な支援というものが必要になってまいりまして、それに対応をしなければいわゆる子供を産み育てることができ得ないという状況が生まれてきていることも事実でございます。 そういう方向性は私も認めますものの、ただ、子供を社会が見るのを第一義と、そういう考え方には私は至っていないし、私自身もそこまで考えるのはどうかというふうに思います。やはり親あるいはまた家族というものが第一義的には扶養をする、しかしそうは言いますものの、それは全部そういうふうにはでき得ないということから、やはり子育ての社会性というものも必要になってきているという理解でございまして、そうした意味で、保育所をどうするか、あるいはまた一時的なショートステイのように子供さんを預けるようなときにどうするかといったようなことの整備が今叫ばれているわけでございますし、あるいはまた児童手当等の問題につきましてもそうしたことが叫ばれているわけでございます。 しかし、それはあくまでも社会が第一義的に子供は育てるものだという考え方とは少し違うと思いますし、私もそこまではなかなか考えるべきではないのではないかというふうに思っております。
○森ゆうこ君 この点についてはまだまだ議論が必要だと思うんですけれども、世代間扶養という観点で考えますと、今までのそういう考え方、根本から捨てて、この時代に合った考え方というものを確立していかないと、そこから施策が始まるわけですから、そうすると、この基本の考え方が現代社会に適応していませんと、そこから考え出された政策というものは結局現状に合わない、実効性を有しないということになるのではないかと思います。 現在は、扶養義務ということがあいまいゆえに、結局女性にしわ寄せが来ている。もちろん女性だけではないかもしれません、父子家庭の方もいらっしゃいます。特に、でも女性にしわ寄せが来ていると。結婚、そして出産、そういった本来幸福であるべき事柄が、ことごとくそういう意味で女性にとってリスクになっているんですよね。そのことが結婚ということに女性をためらわせる原因だと思うんです。 先ほども出ました、先日も言いましたが、結婚奨励事業、もうこれを考え出すこと自体、そういう結婚、そして出産、育児、子育てということが女性にとって今どういうものになっているかという現状認識が十分でない、間違っているということの最大の象徴的なものだと思うんですが。 それで、一つだけ大臣に確認しておきたいんですけれども、今回のトワイライト事業やショートステイなど子育て支援、ほかにもありますけれども、例えばそういう事業を例に取ったとき、児童養護施設の現状というものをこの間お話しいたしました。 〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕 そういうことで、子育ての社会化の観点から、子供にとって生きる権利が全うできるような適切な環境が整えられる、そういう人員配置に見直すべきではないかと考えますが、児童養護施設についてはいかがですか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 児童養護施設は戦後の戦争孤児の対策から始まりまして、親がいない、あるいは親がいても親に育てられることができない子供たちの生活の場を保障するということで、大変大きな役割を担ってきていると思います。特に近年では、児童虐待の問題が残念ながら急増しておりまして、そういう子供たちを保護する場ともなっております。 その体制整備は大変急がれるところでございますけれども、例えば、かつては経済的な問題で入所をするお子さんが大半でございましたので、衣食住が足りれば大方の問題は解決したということがございましたけれども、今日では、やはり心に問題を抱えている子、傷を抱えている子というのが増えておりますので、例えばそういった心理的なカウンセリングができる機能をどういうふうに強化するかということで、専門家を配置をするとか、それから、なかなか虐待を受けた子供たちの心身のケアというのは、マンツーマンで一人が一人に付いて時間を掛けてやるという必要がございますので、そういった個別対応の職員を通常の職員の配置基準に加配して行うなど、最近の児童養護施設の困難さ、現状に対応して必要な職員の加配をやってきているところでございます。 これからも児童養護施設はハード面も、それから職員の配置、質、様々な面で充実をしていきたいというふうに考えております。
○森ゆうこ君 大臣にも一言お願いしたいと思います。もう現状が違うわけですね。特に児童養護施設、今のところは六対一という人員配置基準だそうですけれども、これそのものを見直して、私、公的雇用をどんどん増やすのが必ずしもすべてがいいとは思いませんが、こういう状況の中で様々な雇用の助成金もやっておりますが、雇用の確保、雇用の場を提供するという意味でもこういう必要なところに人員配置を増やしていくということが求められると思うんですが、坂口大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 私も先日、先日と申しましても少し前になりますが、児童相談所を幾つか拝見をさせていただきまして、そして、その職員の皆さん方の御意見もいろいろ聞いたわけでございますが、最近とみに、年々歳々、倍々ゲームになっている。とにかく、入ってくるお子さんの数が毎年倍になってきている。職員の数も現実問題として増やしているんですけれども、その増えてくるのよりも子供の、そうしたところに入ってくる子供の数が増える方が更に多いと、こういうお話でございまして、しかも、その中で、いわゆる家庭内におきます家庭内暴力によって入ってくる人たちが非常に多いといったようなお話も伺ってまいりました。 一体どうしていくかというような問題をお聞かせをいただいたわけでございまして、私も真剣に今取り組んでいるところでございますが、いずれにいたしましても、家庭崩壊と言われるような現象が多く続いておりますことも事実でございまして、一方におきましては、こうした家庭崩壊等をどう抑制をしていくか、予防をしていくかという、一方におきまして予防策が必要であり、そして一方におきましては、そうは言いますものの、起こってしまったそのお子さん方に対してどう対応をするか、現在のこの人数で足り得るかといったことがあるわけでございます。 既にもう起こって増加をしてまいりますお子さん方に対応するためには現在のこの職員数では足らないということになれば、ここは増やすことにする以外にないというふうに思いますし、しかし、一方におきまして、そういうお子さん方が増えてこないようにどう対応するかということとこれはセットでやっていかなければならない問題だと思っております。
○森ゆうこ君 ありがとうございます。ということで、前向きに対応していただけるという御答弁ということでございました。 しかし、家庭崩壊の予防策ということを今、大臣おっしゃいましたけれども、今回の実は児童扶養手当の削減ですね、これが家庭崩壊の予防策ではなくて、逆に助長策になる可能性があるということについて是非認識していただきたいと思います。 午前中の参考人質疑でも、日本の今の働き方の厳しさ、この中に自立支援ということで母親たちを追い込んでいくということが子供の健全な育成の妨げになると。そうやって厳しい仕事の働き方に追い込んでいけば、結局母子家庭、その家庭の崩壊につながっていくという御指摘がございました。目先の利益にとらわれて、結局、社会としては将来、社会の将来にとっての大きな損失になる可能性があるという御指摘もあったことを申し上げておきたいと思います。 それで、自立支援の環境整備ということがうたわれていますけれども、手当の給付水準の減額の前提として自立支援の環境整備ということは本当にまずやらなければいけないと思いますが、この点、厚生労働省とそして法務省とはどう連携されているのでしょうか。厚生労働大臣並びに、法務副大臣おいでいただいているようですけれども、伺いたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) それでは、まず厚生労働省の方からお答えさせていただきたいと思います。 法務省との関係でございますが、母子家庭対策の在り方をめぐって様々な機会に意見交換をさせていただいております。特に、母子家庭の父親がいる場合ですけれども、これらの者が扶養義務者としてその責務をしっかり果たしていただく必要があるというふうに思っているわけですけれども、我が国の場合には、離婚の大多数が訴訟ではなくて、裁判所が関与しないということ、協議離婚が圧倒的に多いというようなことで、その中で、別れた父親にどのように扶養義務を負わせることができるかといったようなことについて、いろいろこれまでも何回か法務省の方と意見を交換させてきております。 最近では、法務省の方で、養育費を含めた少額定期債権給付の履行確保のために民事執行制度を改正するという方向で検討されておりますけれども、その法制審議会の検討の場には厚生労働省の方も幹事の一人として参加をさせていただき、議論に加わっているという状況でございます。
○副大臣(増田敏男君) 森委員さんにお答えをしてまいりたいと思います。 まず、子の養育費は、ただいま厚生労働省の方から御答弁がございましたが、連携は十分に取っております、父母の離婚後の子供の生活にとって重要なものでもちろんありますので。 そこで、法務省といたしましても、子の養育費の確保について、これまでも厚生労働省と意見交換するなどの連携を図ってきたところであり、現在も、養育費の履行確保のための制度の導入を検討しているところであります。 新たに昨年一年を振り返りましても二万二千件、十二年、十三年の間で離婚が増えました。したがって、十三年の統計が二十九万四千八百十八件離婚数があるわけであります。そのようなことをしっかりと踏まえながら対応してまいりたい、このように考えております。
○森ゆうこ君 ここで一応確認しておきたいんですけれども、養育費というものは特殊なものだというまずお考えが必要だと思います。これは、子供の生きていく権利を確保する上で非常に子の養育費というものは特殊であると。 現在、親の資力等を勘案して決めていますけれども、そもそも、子供の生きていくための権利と考えれば、他の金銭債権と同様に処理するのは問題ではないかと思うんですが、この点につきまして法務省の御見解をお願いいたします。
○副大臣(増田敏男君) 子供の父母が離婚した場合における子の養育費債権は、父母の離婚後の子供の生活のために、お話のとおり大変必要なものであり、重要であります。その確保は特に重要であることから、法務省といたしまして、その確保の方策につき、現在、法制審議会の担保・執行法制部会において検討を行っているところであります。
○森ゆうこ君 そして、今、子供の生きていく権利ということでとらえられて審議会で協議中ということですけれども、養育費の算定につきましては、子供のそもそも生きていく権利の確保という点で考えれば算定も容易ではないかと思います。いったん養育費を定型的に決定することが重要であると思います。この点について法務省の御見解をお願いいたします。
○副大臣(増田敏男君) 額を決めて、それで支払うような制度を考えられたらどうかと、このようなお話であったと思います。 お答えを申し上げてまいりますが、現行法におきましても、夫婦の離婚に伴う子の養育費の負担につきましては、権利者から相当な額の支払を求める旨の申立てを家庭裁判所に対して行えば、家庭裁判所は適正な額を算定した上で義務者に支払を命ずることとされております。 また、申立てに要する費用は九百円という低額であり、容易に債務名義を得ることができますし、もちろん、そういう方法によって現在は請求をしてもらうというふうなことになっております。
○森ゆうこ君 先日もその話を伺ったんですが、現在の離婚調停、そしてまた養育費の算定制度の利用状況というものはこれで十分というふうにはとても思えないんですね。 それで、協議離婚が多数なのは、別にみんな円満協議離婚だということじゃなくて、裁判というものが大変だということもあって、渋々協議離婚もあるわけですよね。それで、養育費の算定というか、その確定というものは義務ではないということもありますし、その点についての現状認識を伺いたいと思いますが。
○政府参考人(房村精一君) 基本的には、協議離婚の場合にも離婚後の子の監護について取決めをしていただくということにはなっておりますが、実際上、合意が成立いたしませんと養育費等について取決めができないという場合もございます。 そういう場合に備えまして、ただいま副大臣から御答弁申し上げましたように、家庭裁判所に申立てをすれば簡易な審判という手続で、取決めといいますか養育費の支払義務が確定できると、こういう制度は用意しております。 調停とか裁判所を利用していただく場合には、当然、離婚の話合いと同時に子の養育に関する取決めもできるわけでございますが、協議離婚の場合には、なかなか、養育費の支払ができないと協議離婚もできないという具合にしてしまいますと、かえって協議離婚を望む人たちの離婚の自由を制約するということもあるものですから、協議離婚はできる、しかしそのときに合意ができなかった養育費等の取決めについては家庭裁判所を利用してできるだけ容易な手続で義務を確定することができると、こういうことで現行法は考えております。
○森ゆうこ君 現行では、先ほども申し上げました子供の生きていく権利をすぐに確保する、離婚時点で、それ以前の離婚前の別居状態とかいろいろありますね、DVの問題も、もうそういう時点で子供の生きていく権利を確保するという観点から考えますと、そのような現状では私は不十分なのではないかと思います。 子供の生きていく権利がもう本当に簡単に確定される、そしてそれについて、例えば政府の立替払とか、他国でもあるとお聞きしましたけれども、政府が立替払をする、そのような行政措置でなし得る、大いにほかにも参考になる制度はあると思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。厚生労働省、そして法務省、両方に伺いたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) アメリカ、イギリス、フランス、ドイツについて調べておりますけれども、それぞれ離婚は裁判離婚だけという制度の国でございます。そして、養育費の確定も、原則、裁判所の判決の中で確定するという仕組みの国々です。 それらの国々におきまして養育費が約束どおり払われないといった場合に、例えばアメリカは州政府が、イギリスは児童扶養庁が、フランスは家族手当金庫、ドイツは州が、州政府がという具合に、請求権をそちらに移転いたしまして、例えば母親に代わって元の夫に対して請求をし、強制的に徴収するような仕組みを設けております。
○政府参考人(房村精一君) 子の養育費をめぐる問題につきましては様々な問題がありますので、それは総合的な対応が必要と思っております。 そういう中で、私どもといたしましては、先ほども申し上げましたが、厚生労働省始め関係するところと連携をしながら、法務省が所管しております民事法の分野におきまして、私人間の権利義務関係あるいはその実行のための手続、こういった部分について、子の福祉を念頭に置きながら法律の整備を進めてまいりたいと考えております。
○森ゆうこ君 最後に申し上げたいと思いますけれども、まず、そのような整備、法整備、そして立替払制度、そのような子供の生きる権利を確保するための養育費をきちんと確保する、そのような環境整備をすることがまず最初であって、そして、その環境が整備された後に、整備されれば扶養手当もそんなにたくさん必要でなくなると思いますが、まずそういうことが初めに来るのではないかと最後に申し上げておきたいと思います。 特に、この環境整備につきましては、今回の法改正では国は努力義務規定ということになっておりますが、私は、この努力義務規定では国は傍観者にすぎない、この少子化、そして子育て、厳しい状況の中、政府はもうまず第一に子育て支援だと言っておきながら、まさしく相変わらず傍観者にすぎないのではないかということを意見として申し上げまして、質問を終わります。
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。 私は、この法案の先日の本会議におきます代表質問でも、民主党・新緑風会を代表いたしまして質問をさせていただきました。そして、その前後の衆参の委員会の質疑等を踏まえまして、特に本会議質問で触れられなかった問題や、あるいはまた今日までの委員会で出されたいろんな問題点の中で更にもう少しそれを深くお答えをいただきたいということ、こういうことについて改めて御質問を申し上げたいと思っております。 まず最初に、母子家庭の、母子世帯の生活水準と申しますか、平均年収の問題、それからそれに関連して、児童扶養手当の減額の問題についてお伺いをいたしたいと思います。 これはもういろいろと議論が出ておりますが、児童扶養手当のいわゆる全額支給の対象を母子二人世帯で年収二百四万八千円から百三十万円に大幅減額をするということ。それからもう一つは、所得の関係でいいますと、養育費の八割を算入したり、寡婦控除も撤廃した、いわゆる所得制限の状況というものを考えますと、大変この百三十万円への大幅な減額というのはいろんな意味で過酷な影響を与えているというふうに考えております。 実は、私の手元に資料がございまして、これは皆様方のお手元にも配付をさせていただきました。若干古い資料なんですが、お目をお通しいただきたいと思いますが、平成五年度の全国母子世帯等調査結果、そして平成十年度の全国母子世帯等調査結果、この二つの資料がございます。 特に、この平成五年に調査をした内容というのは前年度の、二ページ目に見ていただきますが、「平成四年の年間収入状況」ということでありまして、上から三段目の平均収入金額は二百十五万円と、こういう数字が出ております。これは厚生労働省から資料としていただいたものでございまして、念のためそれを申し添えておきたいと思います。そして、二ページめくっていただきまして、平成九年の、つまり平成十年度に調査した時点での内容は、前年の平成九年の年間収入状況は、三段目、平均収入金額は二百二十九万円と、十四万円実は金額が上がっております。 ところが、もう一ページ戻っていただきまして、どういうふうな調査方法でこれを調査をしたかということでありますけれども、このページの上に問いの十八というのがありますが、あなたの世帯の平成四年の年間収入について当てはまるものから丸を付けてくれと、こういうことで年収五十万円未満から八百万円以上まで十七段階の刻みで丸を付けさせております。この結果、先ほど言っていた二百十五万円という平均値が出てきたんだと思うんです。 そして、一番最後のページをめくっていただきますと、平成九年に調査をしたときの調査票、設問の十五に出ておりますけれども、この欄の一番下にあります。すべての収入、括弧して生活保護や児童扶養手当、就労収入、養育費、仕送り等々を含んで答えてくれと、こういうふうになっておりますね。 そうすると、この数字をちょっと比較すること自体が大変難しいことになるわけなんですが、これは平成四年のこの数字というのは、これは平成九年のこの結果の欄の下に書いてある、いわゆる生活保護以下、こういう数値は平成四年のときにはこれ入っているんですか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 委員が今御紹介いただきましたように、調査票の中には、平成五年の調査の調査票の中には、年収の中に何を含むか何を含まないかといったような記載はございませんでした。ただ、この調査は、統計調査員が個々の御家庭を訪問しまして、それで調査をやると。調査票を郵送して自由に記入していただいて返していただくというのではなくて、調査員がこの調査票を持って、それで調査をするというやり方でございました。 それで、ですから、調査員の調査マニュアルというものがあるわけでございまして、古いマニュアルをちょっと昨日引っ張り出して確認したんですけれども、その中では、収入の中に入れてなかったのは生活保護、生活保護については入れてございませんでしたけれども、それ以外の児童扶養手当ですとか養育費ですとか、そういうものについては平成五年の調査にも含めるということで調査をいたしておりました。
○谷博之君 ということは、この数字は、平成四年も平成九年も生活保護は抜けているという話ですが、それ以外は同じだったということですか。 といいますと、そういうことになりますと、五年間の刻みということになりますけれども、この数字上からいうと、厚生労働省の見解は、この母子世帯の年間収入というのは五年間で十九万円上がったと、こういうことでいっていいんでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今申し上げましたように、若干の収入の範囲に差がございますけれども、傾向を見るには決定的な違いはないというふうに思いまして、この五年間で微少ではございますけれども、母子家庭の平均収入は増加をしたのではないかというふうに理解をしております。
○谷博之君 そうしますと、その言葉をそのまま受け止めさせていただいたとして、その後の、平成九年ですから、現在は平成十四年ですからかなりまた五年ぐらいたっていますが、少なくとも、微増ではあるけれども母子世帯は年収が増えてきているというふうな御説明だと思いますが、それと先ほど申しましたような児童扶養手当の支給の対象を百三十万円減額するということ、この関係は結局、母子世帯の収入が増えているから、本当であればどうなんでしょうか、ここまで落とすということは相当それは数を絞り込むというようなことにつながっていくんじゃないかと思うんですね。 実は、今もこちらの委員席で話をしていたんですが、百三十万円のその根拠、これは山本委員からも質問がありましたけれども、これはくしくも、最低賃金が、どうもこれも各県によって最賃制がありまして金額が違いますけれども、時給例えば六百円ぐらいの最賃だとすると、それを週五日ぐらい働いて、月二十二日間、いろいろ計算すると、月十万ちょっとぐらいの収入の掛ける十二か月で、大体百三十万ぐらいの金額になるのかなというふうに考えているんですが、そうすると、おっしゃるように母子世帯の金額は、年収は増えているにもかかわらず、この限度額を落としたということは、私はかなり児童扶養手当という対象を思い切って絞り込むような考え方が省内にあったんじゃないかなという気がするんですけれども、そこら辺はどうなんでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 実は、前回の制度の見直しが平成十年だったかというふうに思いますが、そのときにもやはり似たような状況にございまして、片や母子家庭が大変増えていく、そして財政事情は大変厳しいという中で制度改正が当時行われたわけですが、当時は所得の最上限を引き下げるということをいたしております。記憶によりますと、約年収が四百万程度の方が最上限だったのを三百万程度に引き下げたということがございました。 そのときに様々な御意見がございまして、一番大きな御意見は、児童扶養手当はもちろん生活にとって不可欠な収入ですけれども、それに連動して地方自治体から様々なサービスを受けている、例えば医療費についての助成ですとか公営住宅への優先入居ですとか保育料の減免ですとか、様々な附帯的なというんでしょうか、自治体独自でやっていただいている事業があって、それが一挙に受けられなくなったというそういう方が出まして、そのことに対する大変苦情をいただいたということがございました。 その経験もありまして、今回、制度改正については早い段階から母子寡婦団体などと意見交換をしてまいりましたけれども、対象者が狭まる、今もらっている方がもらえなくなるということはもう是非避けてほしいという、それが最大の優先の基準だということを強く聞きましたので、そういうことがないようにということで、今もらっている方が引き続きもらえるように、しかしながら限られた財源の中で、そして自立促進に資するような仕組みにするにはどうしたらいいかということで八月の改正を行わせていただいたわけです。
○谷博之君 その点についてちょっと言いますと、これは私どもの地元の県の話なんですが、先ほども午前中参考人の意見陳述がありましたけれども、全国母子寡婦福祉団体協議会、これは県でいいますと母子寡婦福祉連合会でしょうか、この関係者の話を聞いていますと、黒武者会長さんの午前中の御意見は御意見として私も拝聴させていただきましたが、この児童扶養手当については、依然として、やはり会員の一般の人たちの中には、もちろん新たな就労支援とかそういういろんなことについての経済的な対応をするということについてはそれは有り難いことだけれども、この問題については十分理解をしそして同意をしたというふうには思っていない人がやっぱり若干いるようですね。そういうふうなことで、今の局長の答弁、いろいろありますけれども、どこかで見切り発車をするということで今日のようなそういう動きになったんだろうと思うんですが。 私は、そういう意味で重ねてお伺いをしたいわけなんですけれども、じゃ、これからどういうふうな法律を改正をしてどういうふうな具体的な取組をしていくのかということについては、これからいろいろ検討するんだという御答弁をしていただいています。例えば、就労支援とかあるいは特に経済的な母子家庭への支援の問題とかということについてはこれから検討していくということなんですけれども、しかもその際には当事者の関係者、団体との十分な協議も行うというふうに言っておりますけれども、今回といいますか、今度の八月の改正でいろんな問題がありましたけれども、こういう問題の経験から具体的に最終的にどのような改善策を取っていくのかということについては、これは多分答えが出ないと思うんです。 そこで、私、一つだけ是非約束をしてもらいたいことがあるんですよ。これからのそういう大事な自立支援の様々な課題があると思うんですが、これを立案をしていく過程に、今申し上げましたように、財団法人の全国の協議会等を含む、あるいはそれ以外のNPOのいろんな団体があると思うんですね、こういう人たちの声を必ず入れてほしいんですよ。ただ聞くだけじゃ駄目ですよ。少なくとも、そういう立案過程にそういう人たちを参画させるべきだと思うんですよ。こういう具体的な担保する保証の答弁をしていただけますか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今回の改正法が成立をしましたら、その後、具体的な対策に入っていくわけでございますが、今、委員がおっしゃいましたように、重要な施策については、母子福祉団体のみならず、様々な関係するNPOの皆さんになるべく早い段階から御意見を聞きながら企画をしてまいりたいというふうに思います。
○谷博之君 是非、それはひとつ取組をお願いしたいと思っています。 それで、続いて、午前中の参考人の意見陳述の中にも出ておりましたが、第十四条の四号の問題ですね。まれなケースの話です。この支給制限の話がありまして、もう一回おさらいをしたいと思いますけれども、児童扶養手当の全部または一部を支給しないことができる事由として、十四条の四号に「受給資格者(母に限る。)が、正当な理由がなくて、求職活動その他厚生労働省令で定める自立を図るための活動をしなかつたとき。」、これが付け加わりました。 実は、これについては十一月の六日と八日の衆議院の委員会でも質問をされておりまして、いろいろ局長お答えになっております。具体的に、じゃ、どういう形でこれを判定するのかということですね。それに対して局長は、例えば窓口で聞くのかというような質問に対して、日常的には母子相談員に聞くんだとか、あるいは現況届のときに聞くとか、こういうふうにお答えになったというふうに私は議事録から拝見しておりまして、しかも、これは非常にまれなケースで該当する人は少ないと思うというふうに答えていますね。そして、能力があるのに努力をしていない人のことなどを言うんだというふうに答弁しております。 実は、こういうことがもしこのまま進んでいったらいろんなことが危惧されるんですよ。例えば母子相談員、これは今回からは母子自立支援員でしょうか、こういう方々に当事者であるお母さんが相談をするということになりますと、これはむしろ相談員というよりは判定員か監視員みたいになっちゃうんじゃないですか、これ。しかも、その相談員の、言うならば、先ほども午前中の参考人の意見陳述なんかにもありましたけれども、どこまでそれは権限が与えられているかということを考えたときに、これは率直な、その当事者が自分自身の気持ちでありのままの事柄を相談するということになったときに、この相談員の方が勝手にそこでそういうふうな相談を選別したり判定をするということがもし出てきたら、これは正に相談員じゃなくて判定員になっちゃうわけですよ。そういうふうなことが、ある意味では私は心配されると思っています。 そこで、こういう現況届のときに一体何をどのように聞くんでしょうか、そしてまた書類、書面等を用いてそれを聞くのかどうか、そしてもし書面で、書類を使うとすればどういう書類を使うか、これをひとつお答えいただきたい。 それからもう一つは、非常にまれなケースで該当者は少ないというのなら、例えば具体的にはどのような範疇のケースを想定しているのか、答えていただきたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) お尋ねの件についてでございますが、まず、この判定と母子自立支援員の関係について御説明させていただきたいというふうに思います。 今後、市などに配置することとなる母子自立支援員は、従来の母子相談員の生活相談的な業務に加えまして、職業能力の向上ですとか求職活動に関する支援ですとか、あるいは養育費の確保についての相談、そういった母子家庭が自立に向かえるように総合的な支援を行うというのがその役割であるというふうに思っております。ですから、基本的には自立を支援する立場の者でございまして、その母子家庭の母親の活動を監視するというような役割ではございません。 具体的に、十四条の四号の確認の仕方ですけれども、基本的には一年に一度受給資格が継続しているかどうかということを確認するために現況届というものを提出していただくことになっております。これは、書類に一定のことを記入していただいて、それを窓口に持ってきていただきまして、市などの窓口でお話を伺いながら確認をするということでございますが、基本的にはこの機会をとらまえまして母子家庭の母親の皆様から実情を、お話をお伺いをするというのが原則になるというふうに思います。そのときに特別の書面、書式を使うかどうかということについては、現時点では特別のものを使うということは考えておりませんで、母子家庭の母親から口頭でお話を、状況を伺うということでございます。 それでは、このまれなケースといわれる四号というのはどういうケースが該当するかということでございますけれども、ここで言う「求職活動その他厚生労働省令で定める自立を図るための活動」というのは、これから法律の成立後、省令で定めますけれども、具体的には求職活動をしているとか職業能力の向上のための教育訓練を受講しているとか、そういう場合がこれに当たるわけでございますが、正当な理由がなくそういった自立を図るための活動をしていないというのは、例えば考えられることとしては、この児童扶養手当の支給要件の中には資産要件を課しておりませんので、例えば資産が十分おありで働くつもりが全くないといったような方の場合はあるいはこれに該当するということがあろうかというふうに思いますけれども、いずれにしろ日常的によくあるケースというふうには思っておりませんで、まれにはこういうことがあるだろうということだと考えております。
○谷博之君 そのことに関連をして、ちょっと大事な問題が一つあると思うんですが、例えば市区町村の窓口でそういう現況届を出してもらって、そこでいろいろ話合いをするということなんですが、俗に言う、関係者の中で話を聞いている中で、窓口ハラスメントという言葉があるんですよ。つまり、市区町村の窓口でそういう対応をしている職員の方々の問題なんですけれどもね。これは、全部がそういう対応じゃないということだけひとつ前提に聞いてもらいたいんですが。 中にはこういうケースがありまして、東京都のある区の話なんですけれども、この区でひとり親家事援助制度というものが行われておりまして、これに該当している、その該当者の母子家庭のお母さんが行って、いろんなその制度を適用を受けているということに、そういうときに担当の職員が、まだ体悪いんですかとか、うちの区は非常に財政的に厳しくてこの制度というのはなかなかこれからは積極的に勧められないんですよなんということで、いかにもその制度を利用しているのがちょっと問題があるような、そういう対応をされたというふうなことが、私どもの事務所にもそういう話も伝わっております。 それからもう一つ、事実婚の話ありますね。これは、事実婚というのは一九八〇年、こういう事実婚についての一定の見解が出されております。俗に言う母子家庭ではあるけれども、しかし実質的な配偶者がいるという、こういうことの見分け方ですね。 これについての事実婚の見解ということで、それが児童手当との関係が出てまいりまして、一九八〇年の六月の二十三日に出された各都道府県局長あての厚生省の児童家庭局企画課長通知というのがありまして、ここで定義されているのは、原則として同居を要件とするが、頻繁に定期的な訪問があり、かつ、定期的に生計費の補助を受けている場合、これに限られるというふうに書いてあるんですね。 にもかかわらず、いろんな、そうではない一般的な男性の方が自宅に訪問をする、そのことによってあたかもそれが事実婚であるというようにとらえられたり、それから個人のプライバシーにかかわる問題ですから、恋人と言えるかどうか分かりませんが、そういうふうな、いろんなお世話になったり、お付き合いをしているというような人が中にはいるかもしれません。だけれども、それが、どこまでそういう事実婚の規定としてこれを見るかということについては非常にこれ難しいと思うんですよ。 そういうことに対して窓口の職員がかなり突っ込んだ対応をするというふうな事例も聞いておりまして、非常にそういう意味では私は、母子家庭の特にお母さんたちの、そういうある意味では窓口における偏見といいますか、そういう対応でえらいこれは迷惑をしているというか、大変な私はハンディを受けているというふうな、そういうふうに私は考えているんですよね。 ですから、そういう意味で、こういう窓口の職員の、このプライバシーを守る問題、そういうものについて、これは当然、都道府県ではなくて、やっぱり市区町村の窓口の職員にもしっかりそういうものは理解してもらわなきゃいけないと思うんですよ、そういう対応について。これについては今後どういうふうに対応しようとしているか。 それから、特にそういうことについては、実際その影響を受けているといいますか、被害者であるところのそういうふうな母子世帯の方々の、そういうNPO団体とかいろいろあると思うんですが、そういう人たちの実際のそういった体験を通しての生の声をしっかりやっぱり聞くという、こういう場もこれからしっかり持っていってもらいたいと思うんですが、それについてはどう思いますか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今、委員が引用されました窓口の二つの例でございますが、いずれも大変不適切な対応であるというふうに思います。 特に、後者の事実婚の解消の確認というのは大変難しい作業でございます。法律上の婚姻が解消されて離婚しているということは書類で確認できるわけですが、事実婚であった状態からそれが解消して事実婚でなくなっている状態を確認するというのは、なかなか担当者は事実確認に苦労しているということは事実でございます。 しかしながら、事実婚というのは、法律上の手続を経ていないけれども、社会通念上、夫婦として共同生活を送るという意思を持ってそのような生活を送っていたという、そういう事実があったかどうかということでございますので、単に恋人がいるだけというだけでは事実婚としては取り扱ってはいないはずでございます。 児童扶養手当の支給の窓口が従来は都道府県でございましたけれども、今年の八月は福祉事務所が、設置している市等に移管されております。それを機会に私どもも、今年の七月でございましたけれども、窓口でプライバシーの問題に必要以上に立ち入らないように、そして職務上知り得た秘密を漏らすことは地方公務員法によっても禁止されているということをもう一度念のために文書で関係自治体の方に通知をしたところでございます。今後とも、窓口の職員が適切に対応するように、そしてプライバシーの尊重ということに十分意を用いてくださいますように、関係職員の会議ですとか研修の場で徹底してまいりたいというふうに思います。 そして、母子家庭の母親の関係者、NPOなどいろいろグループを作っておられますから、そういう方たちと頻繁に、これまでも今回の改正に当たりましては職員挙げて地方にも出向きましたし、中央でも私自身も何回かお会いしましたけれども、各自治体もそういう形で関係者とお会いいただいて、関係者が今どういう困難なことを抱えておられるのか、窓口の対応についてどういう苦情を持っておられるのかということはよく吸い上げるように努力をすべきであるというふうに思います。
○谷博之君 この問題と、もう一つ、実は具体的な問題でお聞きしたいんですけれども。 衆議院のやっぱり厚生労働委員会でも大臣、局長、御答弁されていると思いますが、不正受給四億円の問題ですね。これは、御答弁の中では、不正受給が分かった分だけでも四億円という答弁を行っておりますね。また、非常に不正受給が多いんですよというようなことが行政の窓口辺りでもやっぱり言われる。いかにもそれが、当事者が不正受給しているようなかに取られるような、俗に言う、そういう発言も出てくる。そのことをNPO団体の人たちが問いただすと、いや、それはちょっと言い過ぎたことであってということで謝るというような、そのことの繰り返しが結構あるようですね。 それで、もちろん私も不正受給というのはこれは絶対あっちゃいけないと思っています。このことをやっぱり認めるわけにはいかないわけなんですが、しかし、これまた不正受給であるかどうかの判定といいますか、そういうものは、見極めというのは私は非常に難しいんだろうと思うんですよ。 大体試算すると、四億円というと、全額この数字を当てはめてみると大体八百人の人の年額に当たるというふうなことで数字が出ておりますけれども、どうもその中に、貧しい母子家庭といいますか、この言葉はちょっと言い過ぎかもしれませんが、あたかも不正受給というふうな形で見て、その受給を故意に、何というんですか、厳しくやろうといいますか、そういうふうな傾向が強いとこれは非常に私は偏見につながるし、母子家庭に対する対応というのは物すごく厳しくなってくると思うんですよ。 したがって、こういう問題について局長が不正受給が多いかのような答弁をされているように聞いているんですが、その多いという根拠、どこを根拠にそういうふうに言っているか。不正がもし、誤っているかどうか、そのことについての区別をどうするか、そしてその不正の中身というのは具体的にどういうようなことが考えられるか、ちょっと答えていただけますか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 衆議院では御質問に対しまして数字をお答えいたしました。私の方からは多いというような評価は一切申し上げなかったと思います。 数字ですけれども、平成十二年度に新たに発生した債権額、債権額というのは地方自治体が持っている債権額ですけれども、延べ人数で、これは延べの月人数ですね、マンマンスですが、九千八百五十一件で、金額で約四億二千万円でございました。これは平成十二年度中に発生した債権額でございまして、都道府県から報告を受けて集計した金額ですけれども、この中には、不正による支給と、それから過誤払も含まれております。この不正受給と過誤払を区別するような集計は現状では手元にはその数字がございませんので、区別はせずに申し上げました数字でございます。何らかの形で支給が不適正であったということでございます。 どういう不正あるいは過払いが多いかということについてでございますが、統計的なものはありませんが、現場の声を聞きますと、一つは、公的年金を受給している場合には年金と併給調整がされますけれども、その年金の支給の実態がよく把握し切れずに支給してしまったというケース、それから、もう一つ多いケースは、受給者が実際には婚姻していたということ、そのことが把握できなかったので支給をしていたケース、こういったケースが多いというふうに聞いております。 やはり不正受給というのはあってはならないというふうに思っておりますので、厚生労働省としましては、全国の担当者を集めた会議や、それから厚生労働省として地方自治体に対しまして事務指導監査というのもやっておりますので、そういう監査を通じてお話をしてまいりたいというふうに思います。 関係機関や関係部局との連携をよくすれば防げた事案もあるというふうに思いますし、様々な公簿、何というんでしょうか、公式の帳簿ですね、住民票ですとかそういった公簿をチェックすれば確認できたであろうということもあろうかというふうに思いますので、そういった不正な支給が、不適正な支給がないように、これからも、さっき申し上げましたような機会をとらまえまして市などに対して指導してまいりたいと思います。
○谷博之君 実はここで私、この委員会でも取り上げられましたけれども、岡山県倉敷市の母子の、十一歳の女の子が餓死して亡くなった事件。ちょうど私の地元の栃木県の宇都宮でも、昨年の二月、三歳の女の子が餓死をして亡くなった。二十八歳のお母さんがもうほとんど衰弱しちゃってどうにもならない状態で助けられたというふうな事件がありました。 今申し上げたことは、いわゆるそちら側から答える答弁としてはそうなのかもしれませんけれども、私は、この不正受給と全く表裏一体の形で、本来こういうふうな命が亡くなってしまうようなケースでそれを支えられていないという事実がぽつぽつ出てきているわけですね、これ。本当に氷山の一角だと思うんですよ。私は、随分ほかにも、そういう大変御苦労して明日をどう生きようかというふうな母子家庭、母子世帯もあると思うんですね。 これらのことについて、どうも今の御説明だと、画一的に窓口で受け付けてそういうふうな対応をするということだけでは、私は、本当にそういうふうな相談を持ち掛ける当事者の人たちの本当の姿は私は分からないんじゃないかと思っていまして、結論から言うと、窓口では把握し切れていない、あるいは窓口に来てもそれが十分対応し切れていない具体的なケースというのは私、潜在的に相当あるというふうに思っていますけれども、この点は大臣、どうですか。
○国務大臣(坂口力君) 今お話しになりましたようなケースは時々マスコミ等で出てまいりまして、そのたびに胸の痛む思いをするわけでございますが、確かにそういうケースは散在するというふうに私も思って、散在すると申しますか、あちこちにそういうケースが存在するというふうに私も思っております。 それは、そういう御家庭がいろいろなところに御相談に行かれて、なおかつそういう状況にある場合というのは比較的少なくて、やはりいろいろの御相談にもう行けないような状況になっている。お体のこともございましょうし、そうしたことがあるということではないかというふうに思いますが、それぞれの地域の例えば民生委員の皆さんでございますとかあるいは市町村の担当者でございますとか、そうした皆さん方に御相談をしていただいた上でそういうことが起こるということになりましたら、これは大変なことだというふうに率直に私もそう思います。 一度、愛知県の方でもそういうケースがございまして、これはほとんどどこにも御相談をなさらずに御自分で努力をされておみえになったというケースでございましたが、そういうことを是非御相談をいただくという、そういうシステムを早く完璧にしないといけないんだろうというふうに思っております。 その御相談をさせていただくシステムを整理をして、そして特に母子家庭の方々でありますとかあるいは身体障害者の方々でありますとか、あるいはまた生活保護の方もあるいは当てはまるのかもしれません。そうした方々に率直に、こういうケースのときにはこういうところで是非お話をしてほしいということを、それは徹底をやはりしなければいけないんだろうというふうに思っております。 したがいまして、そういう組織を作り上げていくこと、これもうできてはいるわけでございますけれども、そこを更に充実をしていくことと、そしてそのことを、そういう起こることが可能性のある御家庭によくそこを徹底するということが大事であるというふうに、私、いつもそういうことが起こりますたびにそういうことを思いまして、関係局にもそういうことを言っているところでございます。
○谷博之君 ずっと今まで、特にそういう窓口の問題を取り上げてまいりましたけれども、もう一つ実はお伺いしたいことがありまして、いわゆる未婚のお母さんの認知された子供の遡及支給の問題です。 これは、九八年六月の施行令の改正によって、九八年の八月以降について、母が婚姻によらないで懐胎した児童が父から認知された場合も児童扶養手当を支給する、こういうふうな改正になりました。 実は、これはもう具体的な名前を出していいと思いますが、にもかかわらず東京都の東村山市、つい三週間前まで九八年以前のお知らせをホームページに入れていたんですよ、これ。だから、東村山市の市民は、これはもし未婚のそういう該当者がいたとすると、知らないでずっと来ちゃったということなんですね。こういうふうな、何といいましょうか、具体的な窓口の対応というのは、私はやっぱり随分問題があるところもあるんじゃないかというふうに思っています。 この点については、今年の一月、最高裁で判決が出まして、結論からいうと国に厳しい判決が下りました。これは、未婚の母で認知前まで児童扶養手当を受けていたが、九八年の政令以前に認知を受けたことによって資格を喪失した方がその喪失処分の取消し訴訟を起こして、結果、最高裁で今年一月に九八年以前に遡及すべきという判決が下りたと、こういうことですね。法律のあれですからちょっと読ませていただきました。 しかも、これが今年の四月に家庭福祉課長の名前で都道府県にその通知が出ておりますけれども、具体的にその資格を、九八年以前に資格を喪失した方々にちゃんとこうした内容が伝わっているのかどうか。また、住居を転居された方が当然たくさんいると思いますけれども、こういう方々に対して、役所には資格喪失の段階の資料が一定程度保管されているはずで、きちんと個人一人一人に、対象者に対してこういう周知徹底が図られているかどうか。こういう問題も実は起きてくると思います。 そういうことで、結果、こういう方々に対して今後どういうふうな対応をするかをどのように考えておられるか、お答えいただきたいと思うんですが。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 東村山市の具体的な事例につきましてですけれども、認知した子への対応について、誤った内容をホームページに掲載していた事例があったということはそのとおりであるというふうに確認いたしました。そして、東村山市の方と連絡を取りまして、東村山市の方では、今日、問題提起をなさったNPOに対してEメールで東村山市長の名前で謝罪と今後の対応について回答をしておりますので、これからの市の対応を見守ってまいりたいというふうに思っております。 メールを発信したのは今日ではなくて、昨日よりも以前だったようです。そのところは訂正させていただきます。
○谷博之君 ずっと今まで、特に市町村の窓口対応等を中心に質問してまいりましたが、いろんなそういう具体的な問題があることも先ほど申し上げたとおりでございまして、これらのことは、例えば今度の法改正がどういう結論になるか分かりませんが、もしもそういういろんな問題が起きたときに、やっぱりこれは国が都道府県に指導するということと同時に、その住民なり一番の関係者と接点にあるところの、そういうふうな市町村や区の担当者の方々に対してやっぱり十分な指導や理解をしていただくということがこれ何よりだと思うんですよね。そこを中心に当事者の方々はいろんな制度を受けたりいろんな相談をしているわけですから、こういう点のひとつ、これは結論ですけれども、国の指導なり責任というのは非常に大きいと思いますので、是非ひとつ力を入れていただきたい。 と同時に、こういう問題は、今NPOのお話が出ましたけれども、いろんな形で多分情報を私は受けておられるんだと思うんですよ。それをしっかり受け止めていただいて、やっぱり問題点があればそれを是正するための努力をお互いにするということが必要だと思いますので、この点については是非今後の前向きな取組をお願い申し上げたいと思っています。 それから、先ほど出ておりましたけれども、母子自立支援員の問題でありますけれども、これは時間がありませんからもう結論めいた話からお聞きしてまいりますけれども、この自立支援員のまず財源の問題ですけれども、これは地方交付税で手当てをするということになっておるようですね。特に見えない地方交付税で、ますます地域間の格差が広がってくる心配が考えられます。そして自立支援員の活動費、これは私は個別の補助金で出すぐらいのことを考えるべきだと思っていますが、この点についてはどうでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子相談員の配置に要する経費につきましては、昭和二十九年から地方交付税によって措置されてきております。 また、最近の動きといたしましては、地方分権推進計画、平成十年だったと思いますが、その計画におきまして、国庫補助金の整理合理化の中で、特に人件費の補助に関するものについてはこれを一般財源化を進めることとされております。そういう流れの中で、この母子自立支援員の人件費を国庫補助化するということは難しいのではないかというふうに考えております。 一方で、従来は母子相談員でございましたが、都道府県等に置かれておりましたが、今回、これを市など福祉事務所設置自治体に配置をしていくということにしておりますし、また、自立支援のための業務も増大するということから、是非これを増員していただく必要があるということで、地方交付税での措置について今、総務省の方に対して要望しているところでございます。是非総務省の方にしっかりお願いしてまいりたいと思います。
○谷博之君 是非それはひとつ御努力をいただきたいと思っています。 それで、一つ具体的な、これは私の地元の方から出てきた話で、一点お伺いしたいんですが、家庭生活支援員の関係ですね。 これは従来、都道府県において、日常生活支援事業というのは、特に居宅介護事業ということで、例えばの話、親の病気などによって、介護人として寡婦の方々などが派遣をされて実際今まで行ってきていましたですね。そういうふうな事業が今度家庭生活支援員という形でスタートしていくわけですけれども、これらの対象になる支援員の方々ということで、里親とか児童員とか、あるいは母子家庭のお母さん、母親を積極的に登用していくというふうなことも御答弁いただいています。 そういう中で、たまたま現実に今までそういう活動に取り組んできた私どもの県の連合会の会員の中で、これを機会に介護ヘルパーの要するに講習と資格を政令で義務付けるというふうな話がありまして、二級、三級というような資格の問題ですが、年輩のそういう母子寡婦のお母さん、女性の方々は大変これはちょっと荷が重いというふうな話も聞いているわけですけれども、ここら辺のこういう資格の問題について、現実にそういう声があるとすれば、具体的にどのような対応を考えられるでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子生活支援員の要件を政令で規定するということは考えておりませんけれども、やはり何らかの講習を受講していただくことは重要ではないかというふうに思っております。 母子家庭の母親が安心して子育てをしながら働き続けられるために、場合によっては、自分が仕事で残業で遅くなる、あるいは出張でいなくなるといったようなときに、あるいは自分が病気で寝込んだときに、家事をやってもらう、そして大事なことは子育てをやってもらう、自宅でやってもらうということですから、それについてやはり専門的な知識や技能というのは求められるというふうに思っております。 したがいまして、一定の講習を受講していただくということがやはり必要ではないかというふうに思っておりまして、受講の機会はしっかり準備をして、希望する方が広く受講していただけるように考えてまいりたいと思っております。
○谷博之君 それでは次に、母子生活支援施設、従来の母子寮ですね、この問題に次に移らせていただきますが、母子世帯の重要なこれからの課題の一つ、いわゆる住居の問題ですね。 そういう意味では、この母子生活支援施設、これは全国にも現在五千六百二十世帯が入る施設があると、こういうふうに我々は聞いています。私どもの県でもこの施設が三か所ございまして、宇都宮市とそれから足利市とそれから烏山という町にございまして、それぞれ二十世帯の定員で、二十掛ける三で六十世帯、県内にあります。これはいずれも社会福祉法人が運営主体になって運営しておりますけれども、実は現在、これ入っているその充足率といいますか充足数といいますか、これは五十五世帯ですね。充足率が約九〇%ということになります。これを全国に数を移してみますと、五千六百二十世帯に対し入所世帯数は四千三百七十三、充足率は七七・八%と、こういう数字が出てきています。 それで、これは公営住宅への優先入居という話も出ましたが、実際、公営住宅への優先入居と同時に、母子自立支援の施設というのは、これは大事なやっぱり私は生活をするまでの拠点だと思っていますが、何でこれはこんなに低いのか、少ないのかということですね。 これもいろいろ私どもの県の関係者などに聞いたんですが、現実に私の住んでいる地域の中にも施設があります。毎年、私はお正月とお盆、盆踊りなんかにはいつも呼ばれていっていろんな話を聞きますが、確かに、天井がおっこちたり、それから住む部屋が一部屋であったり、昭和四十年代後半の建物ですよ、木造の。三十年以上過ぎている建物の中で、しかも四人で生活しているという世帯もあるんですよ、母子世帯で。これ、とてもじゃないけれども、六畳一間に四人生活するというのは、これは大変なことだと思うんですよ。そういうふうなこととか、あるいはおふろが共同であったり、どうしても集団生活ですね、そういうことで集団生活上のいろいろの問題もあるでしょう。しかも、比較的私どもの施設は町の中にあるものですから、逆にそれがプライバシーの侵害になるというケースも実は出てきたりしておりますけれども、こういうふうなことがあるものですから、実際この運営はどうなっているんだろうというふうにちょっと私も調べてみました。 そうしたら、いわゆる母子支援施設への措置費ですね、費用負担は、国が二分の一、県が四分の一。これで特に、事務費が定員に対して支払われているのに対して、事業費については入居世帯数に応じて出ているということですね。 それからもう一つは、こういう建物が古いということでこれ建て替えをしようとしても、経営の苦しい法人には自己負担分も出せないんですよ。 こういう実態があるということを見たときに、こういう建物の改修とか、それから、例えば事業費はいわゆるそこに入っている入居世帯数ではなくて定員に対して行うとか、こういうことはできないんでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子生活支援施設は、特に都市部は母子家庭が増えておりますし、また近年ではドメスティック・バイオレンスの被害者が増加しているということもあり、そのニーズは高まっているというふうに思っております。 施設整備についても、確かに老朽化している、施設内容が十分ではないという施設もあるようでございますので、厚生労働省としては、予算的には対応できるように準備しておりますので、新設、増改築、進めていただければというふうに思います。自己負担分の四分の一につきましても、社会福祉・医療事業団から融資もございますから、そういうものも使っていただいて施設整備の方はお願いしたいというふうに思っております。 それから、事業費、事務費の関係でございますけれども、母子生活支援施設の措置費についての国の考え方につきましては、人件費、管理費、これは事務費と言っておりますけれども、これは定員払い、施設の定員に応じてお支払をしております。一方、事業費、これは言わば入所者の食費などの生活費でございますが、事業費は現員払い、実際に入っていらっしゃる人数に応じてお支払をするということになっております。したがいまして、こういう区分でやっておりますので、入所者の食費などの生活費を見る事業費の部分まで定員払いにするというのはなかなか理屈上も難しいかなというふうに考えております。事務費の方は、重ねて申し上げますと人件費、管理費ですが、これは定員払いというふうになっております。 また、さらに、施設の中における処遇を改善するために、従来の事務費に追加して最近対応していることですけれども、例えば心理の専門家によってカウンセリングができるようにといったような形で心理療法担当職員を配置したり、また夜間の警備体制を強化するための手当てをしたりということで、施設の処遇の改善につながるような予算の拡充についてはこれからも努力していきたいというふうに考えます。
○谷博之君 大臣、ちょっと通告していなかったんですがお答えいただきたいんですけれども、私、今さっき数字挙げましたけれども、これからのこの法改正の後、就労支援とかいろいろこれを取り組んでいくということですが、そこの全く重要な柱の一つに住まいの問題があるわけですね。答弁の中でも公営住宅への優先入居も、さっき言いましたように出しております。 私は一番、母子世帯にとっていわゆる母子生活支援施設というのは、これは正に先ほど申し上げましたように、大事なやっぱり生活のためのそういう拠点だと思うんですよね。これがこういう実態にあるということについて、私は余りにも現状は厳し過ぎるんじゃないかというふうな気がするんですが、これに対して大臣、これからのそういう検討課題の中でどういうふうなこれ考えを持っていますか。大臣として答弁してください。
○国務大臣(坂口力君) この住まいの問題というのは大変大事な問題、あるいは母子世帯になられたときに一番先に問題になりますのは住まいの問題なのかもしれません。この住まいの問題をやはり決着をしなければいけない。 今御指摘になりました母子施設の問題も、これは大事な一つの住まいの場でございますから、余りにも古くて現実に合わないような状況になっているとするならばそれは建て替えをしなければならないでしょうし、改修をしなければならないというふうに思いますが、もう少し広い角度から見ました場合に、それじゃそういう施設がどこにでもあるかといえば、これ非常に遠隔で、ないところも現実問題としては存在をするわけでございます。 そうしたときに、多くの皆さん方にお住まいをいただきますときに、それじゃ一番先に優先的にできるかということでございまして、これは都市部とあるいは農山村、地方都市によりましていろいろ違いはあるというふうに思いますが、それぞれやはりこの住まいの問題というのは一番先に必要なことはもう間違いがないわけでございますので、衆議院段階でもお話をちょっとさせていただいたんですが、ここは国土交通大臣ともよく話をさせていただきまして、住まいの問題をひとつ優先的に、そして可能な金額で是非対応できるように私からもお願いをしたいというふうに思っておりますし、その積極的な取組をしたいというふうに思っている次第でございます。
○谷博之君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、最後に一点だけ要望させていただきます。 母子世帯の子供たちの育児の問題、そして当然、その中のいろんな動きの中に、児童養護施設、先ほども質問も出ましたけれども、そういう問題も当然関連をしてくるわけですけれども、残念ながら、この施設の入居が、基本的に言うと十八歳でその施設を出るということでありまして、そういう意味で、私はいろんな施設の関係者からこれを何とか十八歳から二十歳ごろまで施設に入所できるような形にならないかと、こんなような要望もいただいておりますが、時間が来ましたので、これらのことについてまた機会がありましたら質問させていただくということにしまして、以上で私の質問をすべて終わります。 ありがとうございました。
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。 ただいまも住宅、いわゆる住まいの問題での質問があったわけですけれども、全国母子世帯調査でこの問題についても調査をされています。これは一九九八年の調査ですけれども、お母さんたち、母子世帯の方が今一番困っていることは何ですかという問いに対して、第一が家計、第二が仕事、第三が住宅と続いているわけですね。でもこれは一体のものですから、第一の家計をちゃんとするためには仕事、住宅が安定すればできるわけですから。 そこで、私は今日は仕事と住宅の問題でお尋ねしたいと思います。この住宅支援がどうなっているかという点で、今、大臣は、本当に一番先にこれはやらないといけないことなんだと、国土交通大臣にも可能な金額でお願いできないのか、そういう今答弁があったわけですけれども、じゃ実態はどうなっているのかという点なんですけれども、これは先ほども参考人で来られていました全国母子寡婦福祉団体協議会の調査の、一九九九年された中で、一か月の家賃の平均が三万三千五百十一円となっていますね。家賃一か月四万から七万の方が大体二七・三%だそうです。そして七万円以上の家賃の人が七%という回答がありました。ですから、本当に家賃の負担が大きいということがこの数字一つとっても明らかだと思います。 その中の、自由に要望を書かれているその意見を読みましたら、本当に公営住宅に入居したいがなかなか当たらないというのが悲痛な声として非常に強く出されているというのが状況ですね。 政府は、この支援策で出されたこの法案の中で住宅支援の内容も明らかにしているわけですけれども、こうした声にどのようにこたえるものになっているのか。まず最初に、母子家庭の皆さんの住宅支援策についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。 母子家庭の居住の安定を図るということで大変重要な課題であると認識しております。このため、従来から、地方公共団体と連携を図りながら公営住宅の供給を促進するとともに、母子世帯に対する公営住宅の優先入居制度を設けているところでございます。 具体的には、公営住宅の入居者の募集に当たって、母子世帯については特に住宅困窮度の高い者であるということから、一般公募による入居のほか、優先的な取扱いができることとしております。この結果として、現在、一般公募による入居も含めまして、九十五万の母子世帯のうち一六・六%に相当いたします十六万世帯が公営住宅に入居されているところでございます。 これらの制度がより一層活用されることにより、母子家庭の居住の安定が図られるというふうに考えております。
○大沢辰美君 公営住宅の優先入居ということは国交省も考えているという現状なんですけれども、今、十六万世帯の方がそこに入居できていると。だけれども、本当に借家で困っている人たちは約二十四万、約二十五万に近い世帯の方が困っているわけですね。そういう私は受皿となるべき本体ですね、公営住宅のやはり建設戸数が圧倒的に少ないんだと思うんですが、それで、できましたら、一九九五年ごろからですか、公営住宅法の改正直前ですか、ここ七年間ぐらいの数字で結構ですので、何年に何戸建設されているのか、今後の建設計画も、はっきりしていましたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) 全国の公営住宅の建設戸数でございますが、過去十年間、各年度ごとの建設実績戸数及び来年度の建設予定戸数をお答えいたします。 平成四年度が三万九千八百十五戸、平成五年度が四万九千百七十八戸、平成六年度が四万五千五百五十九戸、平成七年度が五万一千三百三戸、平成八年度は四万一千四百六十一戸、平成九年度が二万六千四百三十三戸、平成十年度が三万三千百六戸、平成十一年度が三万二千百九十六戸、平成十二年度が二万六千五百七十四戸、平成十三年度が二万七千八百二十一戸でございます。 平成十四年度予算の建設戸数、それから平成十五年度の予算概算要求の建設戸数はそれぞれ三万三千戸となっております。
○大沢辰美君 そういう数字の中で、非常に平成七年度ですね、そこをピークに公営住宅の建設戸数がずっと下がってきているわけですけれども、そこでちょっと具体的に教えていただきたいんですが、特に都市部、首都圏、そして近畿圏ですね、この内容について、都営、県営、市営になるわけですが、この募集戸数と応募者数、その倍率ですね、その現状はどうなっていますか。
○政府参考人(松野仁君) 公営住宅の応募倍率でございますが、平成十二年度のデータがございますけれども、全国の募集戸数合計は十四万五千戸でございます。それに対応する応募者数の合計が八十一万三千件でございまして、平均応募倍率は五・六倍でございます。これは全国のデータでございます。 このうち、首都圏、埼玉、千葉、東京、神奈川につきましては、募集戸数の合計約二万二千戸に対しまして、応募者数の合計は二十六万八千件でございます。平均応募倍率が十二・〇倍。近畿圏、大阪、京都、兵庫、この三府県でございますが、募集戸数合計二万三千戸に対しまして、応募者数は合計十九万八千件でございまして、平均応募倍率は八・八倍となっているところでございます。
○大沢辰美君 本当に都市圏が全国比例にして高いということは数字で見て明らかだし、母子家庭の世帯数もそういう、比例すると言うのはおかしいんですけれども、やはり都市部に集中しています。その結果、非常に母子家庭の人たちの優先入居という、制度じゃないですけれども、今、推進をするという住宅支援の発表があったわけですけれども、実際にはこれが、該当する、希望する人たちが入ることができないという実態にあると思うんですが、こういう公営住宅の新規戸数が増えない中で、全体も高い、東京圏も高い、大阪圏も高いと。そういう中での優先枠というのは、もちろん障害者の方も優先枠を取らないといけないし、もちろんお年寄りの方も大事だと思うんですが。 そこで、今日は、母子家庭に絞ってですけれども、優先入居の枠というのは、全国的と東京圏、首都圏ですね、そして近畿圏ではどれぐらいの比率になっていますか。
○政府参考人(松野仁君) 公営住宅の母子世帯の応募倍率でございますが、公営住宅の母子世帯の応募倍率につきまして、特に一般向け募集の内訳としては、母子世帯だけを抽出するということは困難でございますので国土交通省としては把握しておりませんが、母子世帯の優先入居制度につきましては、全世帯の応募倍率よりも低くなっていると。例えば、首都圏では七・一倍、近畿圏では七・二倍というような数字になってございます。
○大沢辰美君 確かに一般とは少ないんですけれども、七・一倍、七・二倍というのは、それは四年掛かって、五年掛かって、六年掛かって入居できるのかどうかという数字に近いと思うんですね。いわゆる新規の建設が上がっていないわけですから、そこにこれも反映してきていると思うんです。今朝、参考人の方が、大阪の方でしたけれども、自分は十五年待ったと、公営住宅に入居するため、そういう訴えもありましたけれども、そういう事態がここにあると。 もう一点で、この母子対策の住居の問題で、民間住宅を公営住宅への借り上げの制度というのを推進したいということが出されていましたが、この実績ですか、どういうふうになっていますか。
○政府参考人(松野仁君) 借り上げ公営住宅制度についてのお尋ねでございます。 平成八年度に公営住宅法を改正いたしまして、従来は公共団体が公営住宅を自ら建設、管理する方式でございましたが、民間事業者の建設しました賃貸住宅を地方公共団体が借り上げる制度を更に付け加えたという経過がございます。その借り上げの供給戸数でございますが、平成八年度から十三年度まで、合計、累積で一万二千二百五十七戸となっているところでございます。
○大沢辰美君 非常にこれはいい制度だと思うんですが、この一万一千戸というのは、先ほど十年間で建設戸数をお聞きしたんですが、この中に数字として含まれているんでしょうか、含まれていない別格でしょうか。
○政府参考人(松野仁君) 先ほど申し上げました建設戸数の中に含まれている数字でございます。
○大沢辰美君 ですから、私はいい制度だと思うんだけれども、結果的に最初に報告していただいた建設戸数は余り伸びていないと。こういう借り上げというのは、別枠で、本当に必要に応じて民間の賃貸住宅を公営に借り上げると。それは地域によって考慮してやれることなんですよね。ですから、本当に別枠でやれるならば、これはすばらしい制度だと思いますが、これが建設戸数に入っているとなれば、本当に建設戸数というのが、やはり新設が少ないという実態を言わざるを得ないし、これでは母子家庭の皆さんが入居できる条件が非常に狭まってくるということを指摘せざるを得ません。 そこで、大臣にお伺いしたいと思うんですが、これも先ほども申し上げましたけれども、公営住宅に確かに十六万の世帯の方が入っていらっしゃいます。だけれども、まだまだ民間の借家に約二十五万世帯の方たちが苦しんでいらっしゃると。もちろん払える方はいいけれども、圧倒的な人は公営住宅に入りたいと希望しているわけですね。だから、絶対数が足りないということはここではっきりしているんですが。 私は、先日、神戸市の例なんですが、二〇〇〇年度の全体の応募倍率は一八%で、母子家庭は配慮されてやっぱり八倍なんですね。これは関西圏で同じような数字が出てきていると思うんですが、長田というところに母子家庭の方のアパートをちょっと伺ってみました。そこで、四人の子供を育てていらっしゃるお母さんですが、そのアパートの面積というのが、それは六畳の間が二部屋で、炊事場があるだけです。今、母子寮の実態を言われましたけれども、本当に母子寮もひどいし、四人の子供を抱えてこういう状態に住んでいるという。だけれども、一か月六万五千円要るんですよね。高いと思うんですけれども、実態はそういう状態なんです。だから、家賃でこの問題をやはり解決しようと思ったら公営住宅に入居をする以外にないけれども、申し込んでもやはり入れないと。 今、大臣は最初に、先ほどの答弁の中で、一番先に解決せぬといかぬということをおっしゃっていました。私もそう思います。住宅は福祉だと私は思っているんですが、今回、母子の自立支援の中に生活支援、生活の場の整備ということでうたわれている中で、やはり安心して子供を育てられる環境を作る住宅対策が本当に求められていると思うんです。 もちろん、今、国土交通省に働き掛けていくことを答弁はされました。でも、その中身が欲しいんですけれども、本当にこの母子家庭の人たちを公営住宅に希望するその戸数に入居できるための対策を、ただ国土交通省と連携をしてやりますと言うんじゃなくて、こういう状況で作り上げていきたいという実態を大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 住宅問題といいますのは、これは地域による格差というのが非常に大きいと思います。したがいまして、今お話がございましたように、特にこれは都市部において大変なんだろうというふうに思います。母子家庭の皆さん方の数も多いでしょうし、それから住宅の方はなかなか足りないという状況は都市部において非常に厳しいんだろうと思います。地方におきますと住宅状況は非常に楽になってきておりますから、その差は大きくなってきているというふうに思います。したがいまして、問題はこの都市部をどうするかということに集約されてくるというふうに思います。 したがいまして、この都市部に対します対策を、一つは、今お話がございましたように、公営住宅でこれをできるだけ母子家庭等に回していくということにしなければならないわけでございますが、しかしこれにも限界がある話でございまして、すべて母子家庭の皆さんだけにというわけにはなかなかいかないんだろうというふうに思います。 そのときに、民間の中でできる限り公の機関がそれを確保できるようなところをどう造るかというのはその次に考えなければならないことでございますが、全体として、特に東京都辺りは、特にこの都市部におきましては厳しい状況であるというふうに聞いております。新しいのはできてきておりますけれども、大変高いものが多いわけでありますので、余り高いものは、できましてもこれは用を成さないと申しますか、お勧めができる状況ではございませんから、その辺のところをもう少し地域的にきめ細かく見て対策を立てないといけないというふうに思います。 地域的に見ましてその対策を立てることをやはり国土交通省にもお願いをしなければならないし、我々の方の厚生労働省の方もそこを頑張らなければいけないというふうに思っておりまして、したがって、地域割りで見た対策、地域別の対策というのをどう細かくやはり見ていくかということが今後の課題としまして一番大きいことだというふうに認識をいたしております。
○大沢辰美君 問題点は把握されているようですけれども、その解決の見通しというのが私は今、大臣の答弁では伺うことはできませんでした。だから、私は、都市部、確かに大変だということを私も認識を持っていますけれども、なぜ数字を示していただいたかというと、やっぱり東京周辺が十二倍、そして大阪圏が八倍というのは、そこにあるわけですが。 それで、もう一度局長にお伺いしたいと思うんですが、公営住宅の優先入居も限界があると、そして公営住宅の借り上げは建設、新設の中に入っているから枠が広がっていないという実態がある中で、これを本当に大幅に増やさない限りこの解決はできないと思いますが、そこをただ連携するだけではこれは解決できませんので、国土交通省としての計画というんですか、決意をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) 私どもとしても、母子家庭の居住の安定ということのために事業主体でございます地方公共団体と連携しながら、母子世帯につきましては優先入居制度も活用いたしましてここの安定を図っていきたいと考えているところでございますが、全世帯の一般的な世帯に比べますと、かなり母子世帯の入居の割合というのは高くなっている、これは公共団体も努力をしているということだと思いますが、ただ、やはりまだまだ倍率も高いということも事実でございます。したがいまして、十分な戸数だとは言えないということは確かに御指摘のとおりだと思います。 いずれにしましても、公営住宅の整備、住宅建設五か年計画に基づきまして、公共団体によります計画的な整備が進められるわけでございますが、国といたしましても必要な財源措置の確保により、できるだけ引き続いて公共団体の取組を支援していくというつもりでございます。
○大沢辰美君 何回も答弁同じような内容になって、その数字の見通しが私たちには見えないわけですが、こういうことはやっぱり五年後も、いえ、十年たっても母子家庭の方の居住の安定というのは図れるとは思えないんですよね。だから、そこは本当に建設戸数を増やしていく、借り上げ、地域ごとにやっぱり増やしていくという点を私は提案をさせていただき、本当にこういう見通しも希望もない中で、五年たてば母子家庭の皆さんの児童扶養手当の削減を決めるというこの法案に対して、私はこういう改悪は撤回すべきだということを強く指摘をして、次に就労の問題について質問したいと思います。 これまでも何回か就労の問題については質問がございました。そして、母子家庭の方の収入が低いという点、そしてパートで働かざるを得ないという実態、そしてパートで働く方の平均収入は年間百三十万円だという実態。そういう中で、本当に就労支援をどう強化するかという点で、一応今回提案をされています。この法案の土台となっている自立支援という、この就労支援についての全体ですか、まずお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子家庭の母親の就労支援についてですが、四つの柱があると思います。 第一は、入口のところですけれども、どういう仕事に就くか、そのためにどういう能力開発が要るか、あるいはどういう就業の機会があるかというようなことについて情報提供いたしましたり、職業相談に乗ったりという、言わば就業相談がこれが第一の柱だと思います。二番目は、能力を高めることによってより高い収入が得られる就業機会に就けるようにということで、職業能力開発が大変重要ではないかというふうに考えております。三番目が、実際に母子家庭の母親が就職をするときの就職のあっせんのサービスをどのくらい手厚くできるかという点。そして四点目は、雇用機会がなかなか十分じゃない中で、自立ができるような雇用の機会をどういうふうに作り出していくか。民間部門それから国、地方自治体の役割それぞれあろうと思いますが、この四つの柱で就労支援対策は拡充していきたいというふうに思っております。 そのための体制ですけれども、都道府県、政令市、中核市に、今申し上げましたような四つの柱につきまして一貫して総合して支援できるように、母子家庭等就業・自立支援センター事業というふうに名前を付けておりますけれども、こういう事業を創設をするということが一つ。そしてもう一つは、本格的な職業能力開発をしようというふうに考えますとやはり費用が掛かるということがありますので、職業能力向上のための教育訓練受講に対する経済的な援助も新たに始めたいというふうに思っております。 これらのことを通じまして、母子家庭の母親が今よりもより収入が得られるような安定した職に就くことができるように、就労支援をしっかりやってまいりたいというふうに考えております。
○大沢辰美君 その職業を自立するために技術を身に付けるという内容の一つに、講習を行っていくとか、様々な制度を作り上げていかれるんだと思いますが、ちょっと人数をひとつお伺いしたいのは、よく介護のヘルパーさんの養成だとかそういう、何か月間で取得をできるようなそういう人たちをどれぐらい一年間に皆さんは考えていらっしゃるのかが一つ。 ちょっと時間がありませんので、もう一つ同じ職業訓練の問題で、母子家庭の高等職業訓練促進事業というのがございますね。これは資格を取るのに三年ぐらい年数が掛かるような看護師の例などが挙げられているようですけれども、この対策の内容を御説明もひとつしていただきたいと。 と申しますのは、私はこの事業は本当に期待をしていました、本来。本当に母子家庭の皆さんが職業を身に付けて、そして仕事、子育てをやっていけるというのはすばらしいことだと思います。だけれども、これは本当に二年以上修学する場合に限って十二か月を限度に月額十万三千円ですか、給付するということになっていますけれども、私は今年の初めに医師会の看護学院を見学してきたんですけれども、一つのコースで三分の一がそのクラスのお母さんなんです。その半分がまた母子家庭なんですね。 だから、すごいなと思ったんですが、この人たちの生活実態というのは、月にパートで八万円で働きながら、週に三日間学校へ行って、三日間病院でパートしているんです。ですから月八万ぐらいしかないんです。児童扶養手当入れて月十二万円なんですよ。この人がもし生活保護を受けていたならば、子供二人抱えていますから、一か月二十二万八千五百八十円になるんです。だから、生活保護以下で生活をし、学び、働いているんですね。 こういう実態を御存じだと思いますけれども、この人の部屋も六畳と二畳のアパートに子供二人を抱えて、風呂もなく生活をしているという実態なんですね。ですから、もう仕事も住宅も学ぶことも困難な状態にいるその母子家庭の方を救済、救済というか、自立支援をする制度なんですけれども、この制度の内容と、どういう人たちを対象にしているのか、そして何人ぐらいを考えていらっしゃるのか。ちょっと前後二点一緒に聞きましたけれども、お願いします。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 講習会の方について、ちょっと今数字を探してもらっておりますので、後ほどお答えしたいと思いますが、従来は都道府県が中心になりまして、またそれはしばしば母子寡婦福祉団体に事業自体を委託しておりましたけれども、自立のための講習会をやっておりました。やはり二つ問題があったと思います。 一つは、講習会の内容でございますが、それがやはりどちらかというと軽易な講習といいましょうか、ヘルパーですと三級の資格を取るといったような講習が多うございましたので、やはり本格的な自立になかなか結び付きにくかったということなどがございます。また、地域の実際の雇用需要にどれだけ結び付いた講習科目の科目が設定されていたかという、その講習の内容の問題があったというふうに思います。 また、そういった講習会は一回で二十人程度をグループにして年間何回か実施しているわけでございますけれども、その対象となる人数も十分ではなかったということで、しっかりした十分な人数が受講できるような予算の手だてをしたいというふうに思っております。 具体的な数字はちょっと手元にないようでございまして、申し訳ございませんが、人数については申し訳ございません。 それから、今お尋ねのもう一つの点、高等技能訓練促進費については、これは新たなものでございまして、おっしゃいますように、自立した収入が得られるだけの職業に就こうというふうに思えば資格が非常に有効であるということがあります。今、委員が引用なさいました看護婦もそのいい代表的な例だと思いますし、ほかにも保育士ですとか介護福祉士ですとか、様々な資格がございまして、これらは二年あるいは三年、大変長期の期間教育を受けるということが必要になります。 そういった母子家庭の母親をどういうふうに支援するかということでございます。生活費については、今、母子寡婦福祉貸付金の中で教育訓練を受講中の生活費をお貸しするという制度がございますので、そういう貸付金制度もお使いいただければというふうに思っておりますが、それにプラスして、こういった高度の技能訓練を取り組んでいただいて、そして受講を修了していただけるということでしたら、それを促進する意味で、受講の取得に掛かった期間の三分の一くらい、三年間の訓練ですと十二か月ということだと思いますが、その間、一月十万円ちょっとの金額をお支払いする。百数十万、百二、三十万でしょうか、というまとまった金額になるわけでございますので、これを活用していただいて、是非訓練を終了し、資格取得、就職に結び付けていただければというふうに思っております。 この新しい高等訓練促進費は、御自分がそういう訓練施設を見付けて自由に行かれるということを想定しているわけではございませんで、母子自立相談員などの相談の過程で、是非この方はこういう教育訓練を受ければ自立ができるといったようなときに使っていただくということを想定いたしております。予算、今概算要求で要求しておりますが、約二千人分の概算要求をいたしております。
○大沢辰美君 私は一けた違う数字じゃないかなという思いもいたしました。 本当に、この高等技術訓練を受ける人たちは二千人、そしてパートの人たちをより収入を増やすために講座を設ける制度も恐らく一定の人数があるんじゃないかと思いますが、やはり今、パート労働者三十一万人ある中で、いかに全体の収入をアップをしていくかという制度に、支援に照らしたならば、やはりほど遠い私は内容じゃないかと思うんです。もちろんこの制度は必要だと思うんですよ。ですから、本当に全体の収入をアップをする、そういう私はパートタイム労働の賃金水準を大幅に上げていくという政府の政策、それもきちっとやっていただきたいと。 私は以上で、この就労問題と住宅の問題が、今の現実と、そして皆さんが出された提案とが余りにも乖離しているのではないかなと、解決に至らないということを指摘せざるを得ません。 ですから、この法律が本当に母子家庭の児童の福祉の増進を図る、それを目的とし、本当に子供たちの心身の健やかな成長に寄与することを趣旨としているに照らして、この児童扶養手当である問題を五年で支給減額をするということはこの法の趣旨にも私は反する内容だと思います。 そのことを撤回することを厳しく指摘をして、私の方からの質問を終わらせていただきます。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、森ゆうこ君が委員を辞任され、その補欠として大江康弘君が選任されました。 ─────────────
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。 私は、まずこの法案をめぐる厚生労働省の情報公開に対する姿勢について質問をしたいと思います。 この法案の大きな焦点となっていますのは、手当の額を五年後に減額するという、こういう問題であると思っております。私どもの立場というのは、五年だろうが十年だろうが、期限で区切って減額するなどということは制度の目的に反していると考えております。十八歳まできちんと支給をすべきだと考えているのです。 その上で、なぜ五年で減額なのか。とりわけ、この問題で生活が直撃される母子家庭の皆さんにとっては重大な関心事で、要望が来るのもこの部分が皆書いてあります。ところが、厚生労働省はこの五年の根拠になった重要な資料を一昨日の厚生労働委員会での私の質問のときまで公にしていませんでした。 この五年の根拠になったのは、二〇〇〇年に厚生労働省が内部的に行った調査です。二〇〇〇年八月の現況調査で、本人の所得が引き上がることで所得制限を超えたために手当の支給が停止された人が一万人ほどいて、そしてその一万人の受給期間の平均が五・五六年だということで、これが五年の根拠になったということです。五・五六年という数字というのは一部の議員だとか政党、マスコミにしか明らかにされてこなかったということも答弁で明らかになりました。私は一度も聞いていないんですから、とんでもないということです。もう一年近くもこの数字を追い掛けておりました。 そして、なぜ五・五六を出さなかったかというと、別の五・〇一という数字がありまして、これは受給中の人の受給期間の平均ですけれども、こういった別の数字もあって、幾つも数字があると混線するから出さなかったと、このように局長は答弁されました。たった二つの数字を混線すると思われるのは甚だ心外であります。私は、私に向かって言われたのかどうか分かりませんけれども、混線などしておりません。 しかも、私がどんなことがあっても絶対に許されないというふうに思いますのは、大体五年程度なので丸めて五年にしたと答弁されました。また、五・五年を五年程度と説明してきたとも答弁されました。五年程度とか丸めたとかそんな、もう本当に大ざっぱであるというふうに思うんですよ。ずさんであるというふうに思います。このような数字の出し方というのは間違っているというふうに思います。 もし五・五六という数字がきちんと公にされていたら、もしかしたらいろいろ違ってきたかもしれないというふうに思ったりするんですよ。減額までの期間について、むしろ六の方に近いから、だから六年にしようではないかという、こういう意見も出たかもしれないわけです。それでなければ、そのまま五・五にしようという選択だってあり得たのではないでしょうか。母子家庭にとって半年、そしてまた一年が大変な、もう本当に時期になると。短いといってもその時期が大変だということがあるわけです。これは午前中の参考人の質疑でももうはっきりいたしました。 そういった生活の実情に心を寄せることなく、こんな貴重な数字を丸めたとは一体どういうことでしょうか。だんごの話じゃありませんよ。母と子の命が私はこの数字にかかわっている、非常に重要な問題だと思っています。勝手に丸めるなと、私は本当に声を大にして言いたいんです。午前中も随分胸を痛めながら参考人のお話を伺いましたけれども、私は、そうした声に皆さん耳を傾けておられるのだろうかと、本当に疑問に思います。 厚生労働省は、昨日、この五・五六のベースになった詳細なデータを私のところの部屋に持ってきてくださいました。これは全く初公開です。情報公開の点でも丸めの問題でも、やはりこんな悪法というのはないと思いますよ。それを裏付けにしてこの法律を出してきているなんということは、もう本当に許されないことだというふうに思っております。 私は、この点につきまして、やはり情報公開の問題としても責任を取ってこれからやってほしいというふうに思いますので、大臣に御答弁をお願いしたいと思います。大臣、御答弁願います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) まず、事務的な御説明を私の方からさせていただきたいというふうに思います。 今回の改正は、五年間で児童扶養手当の支給を停止するという改正ではございません。所得制限はございますけれども、子供が十八歳の年度末まで児童扶養手当制度は継続して支給するわけでございます。 それを前提といたしまして、母子家庭が増えている、財政事情が厳しい、こういう中でいかにしてこの児童扶養手当制度を維持できるかということを考えましたときに、やはり母子家庭の母親の皆さんに自立支援のための対策を強化をしまして、離婚後のなるべく早い時期に自立していただくという方向に、そういった対策に重点を置くべきではないかというふうに考えた次第でございます。 そして、離婚後の一定の時期に集中的な自立支援策を講じて、その間は児童扶養手当は所得に応じて満額支給し、その後は、そのときまでの自立支援策の効果などを見てどれだけ減額することができるかということを政令にゆだねていただいているという、そういう仕組みでございます。 その一定の期間を何年にするかということについては、様々な要素を総合的に勘案したわけでございますが、主として私どもが念頭にありましたのは、平成十一年の三月現在で児童扶養手当を現に受給していた、その当時は六十二万人でございましたけれども、この六十二万人全数の受給期間を平均しました五・〇一年ということを参考にいたしました。これを補完する資料といたしましては、今言われましたように、平成十二年八月現在の現況届を基にいたしまして、所得制限によって手当の支給が停止された、そのときには約一万人が支給停止になっておりましたけれども、この一万人について、支給停止になるまでの間の受給期間の平均を事務的に都道府県を通じて把握していた数字を集計いたしまして五・五六という数字もございまして、そのことも念頭に置いて判断をいたしたわけでございます。 ですから、平成十年の統計は統計法に基づく承認統計でございましたけれども、もう一つの五・五六などを出しましたものは事務的に把握したものでありましたので、集計結果については、統計法に基づく統計のような積極的な公表やプレス発表といった手続を経てこなかったものでございます。 今後は、事務的に把握した結果についても諸方面から御関心が高いということが今回委員の御指摘でもよく分かりましたので、集計したものについてはできる限り、事務的な統計についても公表する方向で努力したいと考えております。
○井上美代君 大臣、御答弁お願いします。
○国務大臣(坂口力君) 今、局長の方から詳細につきましては答弁をしたとおりでございますが、先生に御指摘をいただきましたとおり、衆議院の段階で約五年というふうに私、答弁をいたしておりました。そのときには、五・〇一の数字を中心にして私は答弁をしていたわけでございまして、後で、また別の統計を作ればこういうことになるということは後で聞いたわけでございます。 したがいまして、いずれにいたしましても、五年間というのを決めたわけでございまして、決めましたこの五年間に、一番問題になりますのは、この五年間にどれだけ支援対策ができるかということが一番大きな問題になる。先ほど山本委員にもお答えを申し上げましたとおりでございまして、この支援対策がどこまでできるかということが、取りも直さず五年後のことにこれは表れてくるわけでございますから、そのことが第一。 それから、もう一点は、平均値でかなり上がったといたしましても、しかし、上がれない人たち、いわゆる平均では上がったといたしましても、そこに付いていけない人たちというのは必ず存在するわけでありまして、その人たちの問題をどうするかという問題、この二つが今後の、いわゆる五年後の課題として、大きな課題として残ると思っております。 それは、この法律の中で書かれている部分もございますし、その時点で政治決着をしなければならない問題も私は含んでいると考えております。そうした意味で、五・〇一という数字を私は認識をいたしております。
○井上美代君 私は、この五・五とか五・五六だとか、それを局長は五年程度と説明をしてきたと。私、もう一度見てみたんですけれども、そういうふうに答弁をされているんですよね。やはり、五年程度で説明をしてきたということですけれども、そういうものじゃないんじゃないですか。 だから、私は、何かいろいろと、五・五六で物事が済むような御答弁のようにも聞こえますけれども、やはり平均受給期間五・五六、この数字というのは、所得オーバーの人を平均しているんですからね、だから、やはりこれは本当に母子家庭のためには現状には合わないということだというふうに思っております。だから、五年五年というふうに言われますけれども、この五・五六が五年の根拠にはならないんだということを思っております。 厚生労働省は、受給開始から停止になるまでの平均受給期間が五年だから五年で減額するのだと、こういうふうに説明してきたというふうにおっしゃるんですけれども、受給が停止になる理由というのは様々ありますよね。それは所得が上がる場合もありますし、子供が十八歳になり高校を卒業していく年になったということもありますし、また結婚をした場合、いろいろいろいろあります。 しかし、厚生労働省の説明は、受給停止になる理由にかかわらず平均受給期間が五年だということを説明してこられているんです。所得が引き上がることで受給停止になる人の平均が五年だということはどうしても納得いきません。その証拠に、今年二月、水島議員との大臣のやり取りというのは、今、大臣も言われましたように五・五六ではなかったんです。そのことは非常に明らかになったというふうに思います。 だから、いずれにしましても、一つは、資料が隠されていた、幾ら言っても幾ら言っても持ってこなかったという、ここにとどまらないで、私は法案の五年の根拠というのが全く崩れ去ったのだと、そのように思うんですね。これが一番法案の大事な部分ですから、だから、もう私は撤回しかないというふうに思っておりますので、大臣の答弁を求めて、先へ進みたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この五年の問題は、先ほどから局長からもるる説明のあったところでございますし、私も答弁をさせていただいたところでございます。 したがいまして、この五年というこの間にどこまで支援の輪を拡大ができるかということに一に掛かっている、その年限もさることながら、その間にどこまでできるかということが問われている、そのことの方がより大事と私は思っている次第であります。
○井上美代君 五年の自立の問題が言われておりますけれども、それもなかなか困難な課題であるというふうに思いますが、今日、傍聴に来られている母子家庭で苦労しておられる皆さんと併せて歴史の証人として五年間を見ていきたいと、約束どおりやってくださることを願っています。 私は、別の角度からお聞きをいたします。 本人の所得が引き上がることで受給停止になる人は年間どれぐらいいるかということを、参考人、お願いします。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十二年八月の現況届によりますと、本人の所得が所得制限限度額を超えたために手当の支給が停止された者は約一万人となっています。
○井上美代君 それでは、子供が十八歳になって受給が停止になる人というのは年間どのぐらいいらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十二年度についてですが、資料の基になっておりますのは社会福祉行政業務報告書でございます。 児童が十八歳になって児童扶養手当の資格を喪失した方は約四万人でございます。
○井上美代君 何月でしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) これは平成十二年度中、一年間でございます。
○井上美代君 この今までの数字を見てみましても大体四万世帯前後だということなんですけれども、これだけの母子家庭で子供が十八歳になるまで受給を受けなければなかなか生活できないという現実があるということは認めてくださると思います。 今回の法案は、これらの母子世帯に、受給開始してから五年以上たてば無条件で容赦なく支給減額となりますということが書いてあるわけですね。 本人所得が引き上がって停止となる人たちは数にしてもまだまだ少数派だというふうに思うんです。午前中の、この実態を参考人の方々からお聞きしても、それはもう時給というのは六百五十円だとか、パートがもう本当に多いとか、今も大沢議員からありましたけれども、仕事、住宅、収入といろいろいろいろやはり大変な現状があるというふうに思います。 こういう母子世帯の切実な声にこたえるためにも、五年減額というのはこれは認められないと、私は。何で、こんなふうにしてまで五年を通そうとされるのかということは本当におかしいというふうに思っております。 私は、もう一つお聞きしたいんですけれども、この五年減額の問題で、法文の解釈について質問をしたいんです。 それは、受給開始から五年で減額するということは書いてあります。そして、この場合、例えばですけれども、また例えば受給開始から二年目で所得が上がったと、その母子家庭のお母さんが、そうしたら受給停止となりますね。その四年後、つまり受給開始から六年後になるわけですけれども、この六年後に所得が今度は下がった、また下がった。そして受給可能な所得、申請もした。申請するわけですけれども、この手当の金額というのは減額されたものになるのか、それとも減額されない金額であるのか、そこのところを御答弁願いたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今、委員がおっしゃいました条件のケースについては、減額された率の児童扶養手当が支払われるということになります。
○井上美代君 減額されるということですが、もうこれは本当に二重、三重に大変な不合理だと思いますが、どのようにお考えになるか。 一生懸命働いているんです、母子家庭は。もう今日の参考人が言いました、寝ないで働いております。所得が上がって、もういったんは受給が停止になった場合、その受給が停止していた期間が、五年、減額のその五年の中にカウントされてしまうということ、もうこれは大変なことではありませんか。 自立支援という制度の目的からいっても、苦しいときこそ支えるべきなのに、そのときに減額では、まるで上に上げておいて柱を外してしまうのと同じじゃありませんか。私は、これまでも、今の法律の中で今まで私が申し上げたところでも、ずっとずっと大変なことを押し付けておられるんですよ。その上に、また困ったときに助けてくれといったときに減額ということは、余りにもひどいと思うんです。 だから、この点、私は今後のこの検討の中で配慮をしていかなければいけないというふうに思いますけれども、何か配慮をする、そういうおつもりがあるのかどうか。私は、配慮をしなければいけない課題であるというふうに思います。私は大臣に、政治家としての大臣にお聞きしたいと思います。大臣、御答弁願います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 委員が言われていることについての生活の困難さということについては同感できるものがございます。 しかしながら、この今回提案させていただいている児童扶養手当制度については、離婚などによって生活が激変した、その直後の一定期間に集中的に資源を投下をして自立を支援しようというものでございます。ですから、その期間に自立できていったん支給が停止なさった方については、自立できるだけの力は付けていただいたということではないかというふうに思います。 それで、その後、雇用失業情勢の問題もございますので、例えば失業する、あるいは所得が大幅に落ちるというようなこともあるかもしれません。それは、例えば先般の母子寡婦福祉貸付金で、もう改正いたしましたが、失業した方には生活資金を貸付けするとか、児童扶養手当だけではなくて母子家庭対策全般で支えていきたいというふうに思っておりますので、御理解を賜ればというふうに考えます。
○井上美代君 本当にこれは大変な御答弁ですけれども、私は、母子家庭の方たちがどんなにやっぱり凸凹がありながら人生過ごしていくかというのは、皆さん方だって分かっておられると思いますよ。だから、これは自立支援にはつながらないと思うんです、こういうやり方というのは。もう自立支援にはつながらない。本当に困って、困って、助けてくれと言っているんですよ。それを助けないで、減額するんだと。そして、もう力は五年間のうちに付いたと、そういうふうに言われるというのは、女性のこのずたずたになっている人生を考えてもらっていないということにはなりませんか。大臣、大臣、御答弁をお願いします。
○国務大臣(坂口力君) これからの具体的なことにつきましては、これは局長の答弁に尽きているというふうに思いますが、今、先生が例を挙げられましたけれども、それも内容もいろいろだと思うんですね。例えば、二年間お受けになっていた、その後例えば結婚をされた、そしてまた離婚をされたというようなケースと、一人の人がもう離婚をしたままで、そして以後二年間なら二年間で所得が上がった。そして、再び、しかし上がったけれども、また下がったといったようなケース、いろいろのケースが私はあるだろうというふうに思います。そうしたことにつきましては、局長のところでよく整理をしてもらいたいというふうに思っています。
○井上美代君 私は、やはり現状に合わせて配慮をして、検討してほしいというふうに思います。やはり大臣は、結婚、離婚はどうもお嫌いのようだからそういう御答弁だったのかと思いますけれども、やはり所得もこういう不況の中ではオーバーしたり本当に少なくなったりするわけですから、きちんと配慮をして検討を願いたいと思います。 最後の質問になりますけれども、次に物価スライドの問題について質問をいたします。 物価スライドによる厚生年金だとか、そして国民年金の年金額の引下げが大きな問題になっております。消費者物価が昨年で〇・六%、そして物価スライドを凍結してきたこの三年間でいいますと合計で二・三%下落しているということです。〇・六%の引下げにするか二・三%の引下げにするかが今問題になっているということですけれども、私どもはこの不況下でどっちも認められない、このように主張してきておりますけれども、児童扶養手当についても、法律上は物価スライドが適用されており、同様の問題が起きているわけなんです。それで、児童扶養手当の場合は、年金と違うのは、この八月の見直しで多くの人が既に手当額を引き下げられているんですね。だから、来年に児童扶養手当について物価スライドを適用して、そして手当額をまた引き下げるというのはやめてほしいというふうに思います。私はこれも大臣に御答弁を願います。
○国務大臣(坂口力君) この年金の問題、なかなか悩ましい問題でございまして、今まで三年間、物価は下がっておりますけれども、しかし据置きということで出させていただきまして、これはこれなりにまたいろいろと御批判をいただきました。下がったときには下げるように、上がったときには上がるようにというふうにこの法律を決めておきながら、なぜ下がっても下げないのかというのでかなり御指摘をいただいた経緯もございます。しかし、今までのこの三年間は、物価は下がってはおりますけれども、そのままにさせていただいたところでございます。 しかし、昨年の後半からでございますけれども、掛金をしていただいておりますいわゆる勤労者の所得そのものが下がってまいりまして、そうしたことを考えますと、掛金をしていただいている皆さん方の所得が下がったのに年金を受ける方の皆さん方の年金額が同じというわけにはいかないというようなこともございまして、今年の〇・六%につきましてはお願いを申し上げたいということを今言っているところでございます。 しかし、まだこれは決着をした話ではございませんで、財務省の方は二・三%ということを言っておみえになるわけでございますが、過去三年間の問題は私はもう決着済みの話だというふうに思っておりまして、もしもあるならばこの〇・六%だけだということを主張をしているところでございます。 したがいまして、年金に付随をいたしまして様々な問題も起こってくることは今御指摘のとおりでございますが、そういう状況にありますことを御理解をいただきたいと存じます。
○委員長(金田勝年君) 時間が参りましたので、質疑はこの辺で終わらせていただきたいと思います。
○井上美代君 私は、是非この年金の問題、母子家庭の問題に物価スライドというのはやはりやめてほしいというふうに思います。年金のいろいろな横のつながりもあると思いますけれども、大臣の努力と決断を期待して、質問を終わります。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、大沢辰美君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。 ─────────────
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。 本日、私の方からは、まず就労支援策についてお伺いをいたしたいと思います。 〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕 これまでの政府側の御答弁をお伺いしておりますと、五年間、就労支援をしっかり対応していく、そして、少しでも多くの母子世帯にとって所得増につながるように取り組んでいくというふうに伺っているわけですけれども、特に厚生省と労働省が一つになって、厚生側の母子福祉と労働側の就労支援が一つの役所で対応ができる、こういうわけですけれども、冒頭、改めまして、まず大臣にお伺いしたいと思います。 今後の就労支援策に取り組む厚生労働大臣といたしましてのお考えを改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 母子家庭のお母様方の就労の問題につきましては、今まで、母子家庭になられます前に就労をしておみえにならなかった、初めて就労をされるという方もおみえだと思いますし、元々もう何らかの職に就いておみえになったという方もあるだろうというふうに思います。 そうした状況によってかなり事態は違うというふうに思いますが、特に問題なのは、今まで就労しておみえにならなかったけれども、しかし、離婚あるいはまた死別といったようなことによりまして、どうしても働いていただかなければならなくなったお母さんに対してどうするかということが最大の課題になるだろうというふうに思っています。 そのお母さん方に対します問題は、今まで働いてはいなかったけれども、いろいろの手に技術をお持ちの皆さん方もおみえでございましょう。その皆さん方にはその技術を活用していただくことが一番近道でございますけれども、そうした技術もないという皆さん方もおみえでございます。いわゆる専業主婦としてずっと来たという、そういう皆さんも多いわけでございまして、その皆さん方に一番どうするかという問題が大きくあるんだろうというふうに思っておりまして、その皆さん方が職に就いていただけるための手だてというものをまず真剣に考えていかなければならないというふうに思っております。そこは、先ほどから局長の方からも答弁ありましたとおり、いろいろの職についての問題も提起をしているところでございます。 もう一つは、職には就きたいんだけれども、しかし、お子さんが小さいがためになかなか職に就けないという問題も、これは存在するというふうに思います。この場合には、お子さん方をいかに保育所等でお預かりをするかということが大事になりますし、また、その働き方によりましては、普通の八時間労働ではなくて、もう少し時間帯が違うといったようなことも起こる可能性もございます。 そうしたことも含めて、お子さん方をどうお預かりをするかという問題が出てくると思いますので、この保育の問題につきましては、最優先をして母子家庭の皆さん方のお子さんをお預かりをする、あるいはまたショートステイ等につきましても積極的に御利用をいただけるようにするということを今提案をさせていただいているところでございます。 余り多くを申し上げても時間がなくなると思いますが、そうしたことを中心にしまして、そして、今後更に、お母さん方がパートではなくて本当に正規の職員になっていただけるようにどうしたらいいかといったことにつきましてもひとつ努力をしていきたいというふうに思いますし、そのためには、特にやはり公の機関がやはり率先をして範を示さなければいけないというふうに思っておりますので、そのことを厚生労働省の中におきましても話をしているところでございます。
○西川きよし君 どうもありがとうございました。御丁寧に御答弁をいただきまして。 それでは、就労支援につきまして具体的にお伺いしてまいりたいと思いますけれども、今回、新たに創設をされました自立支援教育訓練給付制度、まず政府参考人の方からよろしくお願いいたします。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 雇用保険制度の中に教育訓練給付という仕組みがございます。これは、働く人たちの自発的な職業能力開発を推進するために雇用保険の被保険者が五年に一回得られる権利でございますけれども、母子家庭の母親の多くはこの雇用保険制度の教育訓練給付の受給資格がないと思われます。そこで、母子家庭の母親の自発的な職業訓練を促進する、そしてそれを就業に結び付けていただくというために、新たに今回、法律に基づいて設けようとしている給付金でございます。 具体的には、市などで職業相談を行いますけれども、その職業相談を通じて必要があるというふうに思われた母子家庭の母親に対しまして、指定された講座の中から選択をし、その講座といいましょうか職業訓練のコースを終了した場合に支給をする、そういう給付金でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 この給付金制度については、雇用保険においても同様の制度があるわけですが、この雇用保険による給付制度については、これは度々新聞でも報道されておられますけれども、例えば趣味的な講座については削除するとか、そしてまた八割給付の部分を大幅に削減をするといったことも伝え聞いております。この点の現在のお考えをお聞かせくださいと。「と」ということが付くんですけれども、こういう問いを私といたしましては予定をいたしておりました。 この問いについては職業安定局が所管をされているわけですけれども、今回この質問を取りに来られた方ですけれども、もう正直にお話をさせていただきますけれども、この問いは職業安定局長の答弁になりますが、その方がおっしゃるのには、この問いは職業安定局長の答弁になりますが、一問だけで国会に呼ばれますと業務が全部止まってしまいますので、そちらの演説の中でお話をしてもらえないでしょうかと、平然とこういうふうに。 僕らは無所属で一人といいますか、最終的には判断も、もちろん今まででもお話をさせていただきましたが、いろいろ経験を、やはり国会は数の力だなというのはもう思い知らされるほどこの丸十六年間いろいろ経験をさせていただいたんですけれども、今回の法案はこれはやはり、特に子供さんからお年寄りまでの福祉のことをきよしさんはと、おやりに行っているんでしょうと地元の人にも言われるんですけれども、やはり母子家庭のお母さんやとか子供さん、これは大変な痛みですよと、大阪は痛みでっせというふうに言うんですが、実際に、何でそういう弱い者いじめするんでっかとよう言われるんですけれども、そういうふうに言われたときに、誠につらいんですけれども、いろんな法律のときにはできるだけ分かりやすく説明をさせていただくんですけれども、しかし政府側のお考えもしっかりお聞きして勉強させていただいて、そして最終的には、今言いましたように、最終的に判断をしなければいけないわけですけれども、そんな中で、その法案を提出される厚生労働省がこういう姿勢といいますか、何度か体験はいたしておりますが、今回また久しぶりにそういう目に遭ったわけですけれども、どれほどそうした痛みを分かっていらっしゃるのかなという。 今日、最終的に参考人の方々にもお越しいただいてお話もお伺いしました。いろんな方々の立場でいろいろ御意見もお伺いしました。理解にも苦しみました。また例えばこういった問題が、例えばそういうふうに質問を取りに来られる方は局長さんがそのような指示を出されるのか、それとも官房からの指示なのか、私自身はよく分かりませんけれども、余りこういう大切な法律を、そしてまた痛みを伴う改正案を出すにしては余り、真剣に本当に考えていらっしゃるのかなというふうなやっぱり疑問を持ちます。 そこで、副大臣にお伺いしたいんですけれども、国会の対応について、私たちは本当に細かいことは分かりませんけれども、省内におけるそういったような事情、一問ぐらいでは行けないとか、少数派だったら行かなくてもええとかいうようなことを、何回か体験あったんですけれども、そういうことをここで改めてお伺いしておかないと、次また質問を取りに来られたときに、ここを外せ、ここをカットしろいうのが最近物すごく実は多いんです。ですから、はっきりやっぱり、与党の先生ともお話をさせていただいたんですけれども、ああそれは西川さん、僕ら相談に行くところがないもんですから与党の先生にも御相談を申し上げたら、それは是非委員会で御自身でおっしゃりなさいということで、今日は勇気を持ってこうして質問にさせていただいたんですけれども、是非御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 副大臣御指名でございましたけれども、大事な問題でございますので、私からお断りを申し上げたいと存じます。 これは、今御指摘をいただきましたようなことが事実あったとすれば、誠にこれは失礼な話でございまして、代表いたしましてそれはおわびを申し上げたいと存じます。今後一切そういうことのないようにさせていただきます。 局長そんなに偉いことないんですから。それは一問であろうと二問であろうと、それは御質問をいただいたらそれはちゃんと出てくるのが筋でございます。私でも一問だけの御質問というのはこの委員会でもございますし、行きましても一問もなしに終わることもこれあるわけでございますけれども、その時間きちっと座らせていただきまして、そしてそのお話を伺っているわけでございますから、どうぞひとつそれはお許しをいただきたいと存じます。
○西川きよし君 かえって、副大臣にお伺いをしようと思ったのも、実は皆さん方が大臣ばかりになりますしお疲れになりますので副大臣にしてくださいというふうにほとんどの方がそうおっしゃるわけで、僕ら余りそう、何と申しましょうか、ならそれで結構ですと、お疲れですし、大臣にはお休みいただいて政府参考人、副大臣の方で結構ですからというふうにいつも四分六か七、三ぐらいで譲らせていただくんですけれども。 そして、資料だけ置いて、演説の中に入れてくれということでございましたんですけれども、資料を置いていかれて、先ほど申しました内容では削減の方向で検討されることは間違いないようですけれども、確かに雇用保険財政は厳しい。この場合、その方向性には理解をするわけですけれども、そこでお伺いしたいのは、雇用保険の対応と連動させてこれも引き下げると、いわゆる自立支援ですけれども、そういうことはないと思うんですけれども、それを是非確認したいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 母子家庭の自立支援教育訓練給付は初めて創設する給付金でございますので、今、財務省に対して十五年度の概算要求の中に盛り込んで要求を出しております。 年末の予算編成の中で検討されることになりますが、率直に申し上げまして、雇用保険制度の教育訓練給付金を代替するような、そういう制度設計にいたしておりますので、雇用保険制度の方が仮に制度的に縮小する方向で改正するということになった場合については、その影響を排除し切れるかどうかということについては、今の時点では排除し切れるというふうには言い切れない、そういう状況でございます。
○西川きよし君 じゃ、この場所では下げるとか下げないとかということは申し上げられないということでございます。よろしいんでしょうか。 じゃ、もう余り気を遣って委員会をやるべきではないというふうには思うんですけれども、これ以上しつこくお伺いすることは、じゃ差し控えます。 次に、これは通常のように一般の方々が、例えば英会話を勉強するとか、全く違うと思うんです。生活を懸けて勉強されようとするわけですから、講座の内容も限定されるでしょうし、そこは、たとえ雇用保険の制度が削減をされたとしても、この制度については八割給付を守っていただきたいということだけをお願いして、再度大臣にお伺いしたいと思います、これは。
○国務大臣(坂口力君) 今、御質問をいただきましたのは、雇用保険による教育訓練給付金制度と今後の自立支援教育訓練給付制度の違いと申しますか、そういうことをお聞きをいただいたんだというふうに思います。 母子家庭のお母さん方への自立支援教育訓練給付といいますのは、雇用保険制度の教育訓練給付の受給資格のない人、ない者を、人を対象に、母子家庭の母の就業を促進するためのものであります。ちょっともう一度申しますと、母子家庭の母への自立支援教育訓練給付と申しますのは、雇用保険制度の教育訓練給付の受給資格のない者を対象に、母子家庭の母の就業を促進するためのものでございます。 具体的には、市町村、市などにおきます就業相談を通じまして、指定された講座を受講し職業能力の開発を行う母子家庭の母に対しまして、当該訓練終了後支給するものであります。雇用保険制度の教育訓練給付を参考とした制度になっているわけでございます。 したがいまして、雇用保険制度の見直しの動向も検討しつつ、母子家庭の自立支援教育訓練給付の在り方としてどのような形が望ましいかということを今後検討をしていかなければならないわけでございますが、先生のお申出もございますので、その点十分踏まえて検討させていただきます。
○西川きよし君 ありがとうございます。大臣、どうぞおトイレに行かれてください、どうぞ。 次にお伺いしたいのは、先ほど大沢先生の方からも少しお話が出ましたが、高等職業訓練促進給付金についてお伺いしたいんですけれども、この制度を拝見いたしますと、介護福祉士、保育士などの資格取得は就職には有利であって、母子家庭の経済自立に効果が高い。しかし一方で、昼間の受講がやっぱり多いわけですね。多くて、また就労、修業の両立が非常にまた困難であるというふうにございますけれども、一昨日も円先生の方からも御質問がございましたけれども、二年間という長期にわたって修学をすることは非常に困難なことであると思いますし、この修業期間の三分の一の期間、先ほども出ましたが、月十万三千円の支給、しかも修業期間の最終年度に申請を受けて支給をすること。この制度が現実的なのかどうかは非常に疑問を感じるところでございますけれども、この制度創設に当たりまして、どのようなニーズ調査といいますか、されたのか是非お伺いしてみたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十三年に実施しました日本労働研究機構の調査によりますと、母子家庭になってからどういう資格を取得したか、その資格が働く上で役に立っているかどうかといったようなことを調査をいたしております。 例えば、その中で介護福祉士資格が上がっておりまして、介護福祉士資格を取っておられる方はその九割を超える方が実際の就業に結び付いて役に立っているというふうにお答えになっております。また、同じ調査で、一般的に職業能力向上のためにどういう支援策が大事かということをお尋ねしておりますけれども、半数以上の方が、やはり教育訓練の受講には経費が掛かりますので経済的な援助をしたいといったようなことを回答なさっておられます。 〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕 こういった調査を通じて、母子家庭のお母さんたちのニーズを把握いたしましたり、また関係団体から様々な機会にヒアリングをいたしておりますけれども、その中で近年、介護福祉士、看護師、保育士、そういった資格取得に向けて努力なさっておられる母子家庭のお母さんが増えているというようなこともお伺いいたしておりますので、現実のニーズに即した助成金にしたいというふうに考えております。
○西川きよし君 私は思うんですが、例えばこの介護福祉士の資格の取得の場合を考えますと、ヘルパーとして実務経験を積まれまして、例えばこの資格試験を受験するという方法の方がより現実的ではないかなというふうにも思うわけですけれども、この場合ですと、例えば働きながら、働きながら収入も確保できますし、むしろそこには最低限必要となるホームヘルパーの二級の取得時に更に手厚い支援をすることの方が給付期間も短く済むんではないでしょうか。それの方が現実的ではないかなというふうにも思います。 今お伺いした教育訓練ですけれども、給付ですけれども、例えば大手の事業所では二級の研修費用を事業所負担をしているところも少なくありません。かなりのところもやっておられます。むしろ、その二、三か月間の生計の部分、ただ土曜日とか日曜日をスクーリングで通学するとしても、ウイークデーはある程度の就業は可能ですから、その負担を少し軽くしていただければよりスムーズに二級が取ることができる。そして、ヘルパーとして就職をしながら介護福祉士の受験資格を待つという方が、私はより資格取得が進むのではないかなというふうにも考えます。 こうは言いましても、そちらサイドからいたしますと、その間はまた貸付金もあるではないかなというようなお話にもなると思うんですけれども、こういった点について、これをもう時間的にも最後の質問にしたいと思うんですが、副大臣、是非御答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(鴨下一郎君) 今、先生の御指摘は、実務経験を経て資格を取得するケースについては、入口になるホームヘルパーの資格取得のときに手厚くしたらどうかと、こういうようなお話だろうと思いますが。 今、先生質問の中でも、いやそういうところには貸付け、自立支援教育訓練給付において手当てをさせていただきますと、こういうようなことを答えるだろうとおっしゃっているんですが、誠にそういうようなことでございまして、そういうようなことも含めてですが、ある意味で都道府県の開催される就業支援の講習会等を大いに利用していただいて、まずヘルパーの資格を取っていただくということは非常に重要なことだろうというふうに思っております。 ただ、先生がおっしゃる高等技能訓練促進費については、介護福祉士だけではなく、例えば看護師さんだとか保育士さんだとか、そういうようなことの資格も含めてあらゆる資格の中で適用されるわけでありますので、実務経験経て取れないような資格の場合もございますので、この制度はこの制度として使わせていただきたいと、こういうふうに思っておりまして、できるだけ入口は、例えばヘルパー二級の方にはそれを資格を取れるような言ってみれば支援を、さらに高等の様々な資格についてはまた別の制度としてこれを使っていただきたいと、このように考える次第でございます。
○西川きよし君 どうもありがとうございました。 終わります。
○大脇雅子君 まず、前回の質問と関連して確認をさせていただきたいと思います。 前回の局長答弁では、市町村は保育所の入所に関して母子家庭等に対する特別な配慮をしなければならないことの具体的内容として、求職中の母子家庭の母親も保育所に入所させることができるということでございました。しかし、現在求職中の場合で子供を保育所に入所できる期間は二か月というふうに言われておりまして、それを過ぎると退所しなければならないということで、場合によっては不本意な条件でも就職せざるを得ないという事実も指摘されております。 求職中の子供の入所期間についてどのような基準を設定しておられるのか、具体的な運用について弾力的な運用が図られているのかどうかについてお尋ねします。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 保護者が求職中の場合であってもその子供を保育所に入所させることができるのは、前回御答弁申し上げたとおりなんですけれども、厚生労働省としては、こういった求職中の子供の保育所への入所期間について例えば二か月といったような期間を、制限を設けているというようなことは全くございません。 委員からこういう御質問があるということで、早速幾つかの自治体の状況を聞いてみましたけれども、自治体の中には入所期間の目安として例えば二か月とか三か月という一定の期間を設けているところがあるようですけれども、事情を聞いてみました幾つかの自治体はすべて言っておりましたけれども、これは入所期間を制限するという趣旨ではなくて、求職活動が続いているという状況を把握するために定期的に状況をお伺いしているという形で運用しているというふうに言っておりました。 厚生労働省といたしましては、母子家庭の母親が求職活動を安心してできるように、保育所の入所の問題については運用がなされるべきであるというふうに考えております。
○大脇雅子君 その点については分かりました。でき得る限り現場で間違った認識のないよう、徹底をしていただきたいと思います。 さて、児童扶養手当制度について、受給資格の認定についてお尋ねします。 現行の六条二項の請求期限五年間の規定を削除することによって、受給資格の認定が閉ざされていた母子家庭の救済が図れるということについては、前回、一定の評価をいたしましたが、十三条の二、一項では、「手当の支給要件に該当するに至つた日の属する月の初日から起算して七年を経過したときは、政令で定めるところにより、その一部を支給しない。」とされておりますが、具体的に運用はどのようになるのでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 受給開始五年経過後、又は離婚などの支給要件に該当してから七年経過後における手当の一部減額の割合とその適用に当たっての配慮など、具体的な内容は、法律の施行後、自立支援のための様々な施策の効果がどの程度上がっているかとか、母子福祉団体、NPO団体、その他関係者の御意見をお伺いしながら今後検討することとしたいと思っております。 なお、この減額措置により減額となった後に、例えば障害だとか疾病などで自立が困難であるというふうに認められる状態になった場合についてはこの減額の措置は適用されない、したがって手当が全額支給になるというふうに考えております。
○大脇雅子君 「その一部を支給しない。」ということについて、例えば減額支給された母子家庭に、就労先の倒産等の事由によって収入が低下して経済的な状況が悪化した場合には早急に母子家庭の困窮を救済する必要があると考えますが、この場合、経済的な状況に応じて手当の増額等、何らかの救済策というものは考えておられるでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 先生、大変失礼しました。御質問の趣旨を誤解をいたしまして、適当ではない答弁を先ほど申し上げましたので、先ほどいただいた、答弁に対しましては、法律の施行後に、離婚などによって手当の受給資格を取得したけれども、そのとき既に離婚等の支給要件に該当してから七年以上経過していたという、そういう場合については、十三条の二の第一項によりまして一部減額された金額の手当が支給されるということになります。 今いただきました御質問に対しましては、これからの政令を検討する過程で、就労支援策などの自立支援策の効果がどういう形で出るか、また関係者の御意見も伺いながらこれから検討してまいりたいというふうに思っております。
○大脇雅子君 そうしますと、要するに支給要件に該当するに至った日の属する月の初日から起算して七年を経過したときは、すべて一部減額というふうに運用されると。そして、その一部を支給しないという場合には、その母子家庭が困窮に陥ったという場合には、減額支給された場合の回復ということは考えられないと、こういうことですか。それとも何らかの形で救済策は図られるのでしょうか。削減率というのをゼロから五〇まで考えておられるわけですが、その率で検討されるのか、状況で検討されるのでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 五年が経過いたしまして児童扶養手当の額が一定の率で減額された後、経済的な状況が変わり困窮に陥るということも予想されることではございますけれども、今考えております制度改正では、そういったような場合についても児童扶養手当としては減額した率の手当を支給させていただく。貸付金、その他の対策、全体として何らかの御支援はしたいというふうに考えますけれども、児童扶養手当についてはそのような形で運用させていただきたいと思います。
○大脇雅子君 そうすると、減額率については前年度の収入というものが検討されます。その翌年からはまた回復があり得ると考えてよろしいわけですか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今、委員がおっしゃっておりますのは、五年経過後のお話でございましょうか。五年経過後につきましては、所得が変動するということがあろうかと思いますけれども、それによって減額の率の適用がまたなくなり、元の全額適用になるというようなことは想定いたしておりません。
○大脇雅子君 そうしますと、非常に硬直的な結果で、どういう事情があれ削減ありきということになってしまうのではないかということになるというので少し問題で、少しじゃない、問題ではないかと思います。 次に質問は移りますが、十四条に追加された四号で、「正当な理由がなくて、求職活動その他厚生労働省令で定める自立を図るための活動をしなかつたとき。」の認定作業で、プライバシーの侵害がないように確認作業を行うという御答弁をいただきましたが、その認定確認作業においては、例えば離婚だとかあるいはドメスティック・バイオレンスが原因の別居や、就労先での人間関係、セクハラ等様々な精神的なショックを受けているような場合にはどうしても求職活動が積極的にできない場合が多いというふうに考えられるわけですが、その場合、一定の基準を設けて、公正な適用を図るということは必要だと思いますけれども、当事者の事情に配慮して確認認定作業を行われるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今回の改正案の第十四条第四号についてのお尋ねですが、「受給資格者が、正当な理由がなくて、求職活動その他厚生労働省令で定める自立を図るための活動をしなかつたとき。」に、児童扶養手当の全部又は一部を支給しないことができる旨、規定をいたしております。 したがいまして、今のお尋ねについては、そういったケースが正当な理由がなく自立のための活動をしていないというふうに判断されるかどうかということでございますけれども、例えば、離婚ですとかドメスティック・バイオレンスが原因になって非常に精神的に傷を負われて自立のための活動ができないといったようなケースについては、自立のための活動をしないことについて正当な理由があるというふうに、その場合に該当し、したがいまして、本条の本号は適用されないというふうに理解をいたしております。 それらのことは、いずれ通知その他で明らかにしていかなければならないというふうに考えております。
○大脇雅子君 養育費の問題についてお尋ねします。 平成十年の統計では、離婚母子世帯で養育費を現在も受けているというのはわずか二〇・八%、受けたことがあるのは一六・四%、受けたことがないというのが六〇%になっています。 今回の改正案で見ますと、児童扶養手当法九条の二項では、当該児童の養育に必要な費用の支払を受けたときは、受給資格者が当該費用の支払を受けたものとみなすとありますが、具体的に、子の養育に必要な費用の支払の内容などはどういうものと考えられているのでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今年の八月の政令改正で、受給資格者も母親の収入の中に母親が受け取った養育費が含まれるという改正をさせていただいたわけですが、今、委員が読み上げられました条文は、父親から支払われる養育費が、子供に対して子供名義で支払われるような場合についても母親の収入の中に算入をして、その収入に基づいて児童扶養手当の額を決定しますということを明らかにするための条文でございます。 具体的には、受給資格者が支払を受けたものとみなされるものは、受ける者が受給資格者の監護する児童であること、そして支払う者はその父から、そしてその養育に必要な費用として支払を受けた場合でございます。 この受給資格者が支払を受けたとみなされる養育費としては、具体的には、父が児童に払った食費、被服費、教育費といったような費用あるいは児童が居住している住宅の家賃、こういうようなものが考えられると思います。
○大脇雅子君 例えば、進学のための教育ローンを組んだ場合はどうなるでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今回、養育費として整理をしたいというふうに思っておりますのは、受給資格者である母親が監護する児童が、その父親からその養育に必要な費用の支払を受けた場合でございまして、この場合、現金の移転を伴うものということで整理をしたいと考えております。したがいまして、債務の肩代わりなどについては、現金の移転を伴わない経済的な利益でございますが、こういったものは含めないこととしたいと考えております。 したがいまして、御指摘のケースでございますが、例えば別れた父親が児童の進学のために教育資金を積み立てているという場合ですとか、あるいは母親や児童が積み立てている教育資金の返済の支払を別れた父親が肩代わりしているようなケース、こういったケースについては、現金の直接的な移転ではありませんので、母親の所得とみなして、その所得に算入することとしている養育費には含めないというふうに整理をしたいと考えております。
○大脇雅子君 また、そうしますと、病気や事故等による緊急入院に掛かった費用の立替えなどは、これは現金の移転を伴う場合もありますけれども、現実の生活支援ではないと考えますが、これはどのように位置付けられるでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 子供が急に病気になったり事故に遭ったりして入院したときの費用を父親が病院に払うといったようなケースについては、養育費に含めないということで整理したいと思います。
○大脇雅子君 高校や大学へ参りますと、父親が授業料だとかあるいは入学金を支払う場合がありますが、これは教育費に入ると思いますが、これは含まれないと考えてよろしいでしょうね。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 教育費として父親が母親あるいは子供に対して支払ったものは養育費としてカウントをするということにしたいと思いますが、父親が直接大学等に授業料として支払をするといったようなものについては養育費としてカウントしないというふうにしたいと考えております。
○大脇雅子君 そうしますと、父親が養育費を支払った場合に政令によりカウント率が勘案されるわけですが、これについてはどのような割合を考えておられるでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 養育費の取得のためには様々なコストが掛かっているということも勘案いたしまして、養育費全額ではなくてその八割を所得としてカウントし、その所得に基づいて児童扶養手当の額を算出するというふうにしたいと思います。
○大脇雅子君 諸経費を払ってその八割を算入されるということになると、例えば諸経費が三〇%掛かった場合はどうなるのでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 新しい制度、今年の八月から始まっておりますけれども、八月から始まった制度は、一律に、諸経費が幾ら掛かったかということの証明も求めず、一律に養育費の八割を収入にカウントするということにいたしております。 なお、この八割がいいのかどうかというのはいろいろな御意見があるかもしれませんけれども、制度をしばらく運営させていただきまして、また必要であれば再検討したいと考えております。
○大脇雅子君 この八割というのは、余りにも履行を求めた、それを受ける母親側にとっては厳しい金額だと思います。そのような八割算入されるとするならば、しない方がいいということも現実にあり得て、やはり私は、これは五〇%あるいは三〇%が問題であれば少なくとも五〇%の率で行わないと、履行確保をするためのインセンティブが絶対掛からないというふうに思うのですが、その八月から行われている実績から見て、局長はどう考えられますか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 制度は八月からスタートしておりますが、実際支払われるのは十二月からでございますので、具体的な状況はまだ把握をいたしておりません。 八割も収入に入れると養育費確保のインセンティブを阻害するのではないかという委員の御指摘につきましては、この取得した養育費の八割を児童扶養手当から直接その金額を引くということではございませんで、収入の中にその八割をカウントする。ですから、養育費をたくさんもらえばもらうほど現実に手当も含めてやはり確実に総収入は増えるという仕組みでございますので、こういう仕組みにしたことが養育費確保の努力を鈍らせるということにはならないというふうには考えております。 なお、先ほども申し上げましたけれども、しばらくこの仕組みで実施をいたしてみまして、不都合があるかどうか検証したいと思います。
○大脇雅子君 是非その点の検証は慎重に配慮、現実を見ながらやっていただきたいと思います。 それから、ちょっとこれは前に質問をいたしましたことと関連して、ちょっと通告はしてございませんが、今回の改正では、母子家庭自立支援給付金とか母子家庭日常生活支援給付金というものがありまして、これは本人のところへ行ったり、事業主のところへ行ったり、あるいは母子福祉団体に行ったりするわけですが、先回のお話では、要するに児童扶養手当を削減をして、そして様々なこうした自立支援策に予算を投入するということになりますと、このところへ投入される予算ということを考えた場合に、全体総額でどういう財政的な削減効果があるのか、あるいはそれは考えておられないのかについてお尋ねします。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 今手元に数字はございませんけれども、一つは、母子家庭の母親が人数が毎年約五万人ぐらい増えておりますので、その分の予算の増が必要になります。 また、今日御議論いただきました自立支援策についても、従来の予算に八十億ぐらい追加をして自立支援策を講じたいということで、今、財務省の方に概算要求をしているところでございます。 そういう意味で、トータルで見て、母子家庭対策の予算は対前年度とほぼ同額でございます。
○大脇雅子君 さて、児童扶養手当の支給内容については、子供の人数による加算というのは、第二子には五千円、第三子からは三千円となっています。児童手当の支給額の設定と比べますと、第三子からの支給額あるいは第二子からの支給額というのが低過ぎるのではないか。少子化対策の政策として、国、地方自治体の財政事情というのは厳しいとはいえ、これは生活実態から、それからまた次代を担う子供の健全育成のため何らかの改善が講じられるべきだと思いますが、大臣いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 多子養育世帯に対する手当の加算額についてのお尋ねというふうに思います。 基本的には、児童扶養手当制度が母子福祉年金の補完として発足をいたしましたし、子供の数による加算額につきましても、当初は母子保険年金に準拠していた経緯がありますこと、また複数の児童を養育する際の共通経費的要素も勘案していることなどから、現行の加算額となっているものでございます。 しかし、多子養育世帯に対する手当額の在り方につきましては、他の制度などとの関係も考慮をしまして、今後検討すべき課題だと受け止めております。
○大脇雅子君 終わります。
○委員長(金田勝年君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について山本君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本孝史君。
○山本孝史君 私は、ただいま議題となっております母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 本法律案に対しましては、当委員会におけるこれまでの質疑の中で数々の問題点が指摘されてまいりました。中でも最大の争点となったのは、改正案の児童扶養手当法第十三条の二第一項の受給資格者に対する手当は、支給開始月の初日から起算して五年を経過したときは、政令で定めるところにより、その一部を支給しない旨の規定についてであります。この児童扶養手当の減額規定に対しては、与野党問わず、多くの同僚議員からその趣旨と妥当性について厳しい追及がなされ、また全国の母子家庭の母からも不安の声が上がっています。 この規定は、政府の自立支援策等によって母子家庭の自立が図られ、経済的支援が不要になることを前提にしていると思われます。しかし、働く母子家庭の母にとって現実は非常に厳しい状況にあります。母子家庭の就労の実態を見ますと、パートタイムで働く方が四割近くを占め、その収入も平均で百三十万円程度にすぎません。この金額は、今年八月に改悪された、児童扶養手当が全額支給される所得の上限と同水準という低いものであります。これで経済的自立が可能と言えるのでしょうか。現在の深刻なデフレの状況、失業率等の経済情勢をかんがみると、私には五年後にこうした状況が改善されるとは到底思えません。 このように、現実は母子家庭の自立とはほど遠い状況にあることを考えますと、政府が児童扶養手当の一部支給停止を行うに当たっては、政府が行うとしている各種支援策の実効が真に上がっているかどうか、その結果、母子家庭の経済状況が現実に改善されたのかどうか等を十分見極めた上での慎重な対応が必要であります。 そこで、本修正案は、児童扶養手当法第十三条の二第二項として、児童扶養手当の一部支給停止措置を行う際の政令を定めるに当たっては、婚姻を解消した父の児童に対する扶養義務の履行の状況、受給資格者の就職の状況等を勘案しなければならない旨の規定を追加することとしております。この修正により、母子家庭の母の自立の実態を十分把握した上で、現状に即した法の運用が行われることが期待できるものであります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。
○委員長(金田勝年君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 大臣は、政府案について、離婚後の激変緩和と自立を促進する制度に改めるものであり、児童扶養手当の趣旨を変えるものではないと答弁しましたが、それこそが趣旨の変更なのであります。政府案は、母子家庭の児童の健やかな育成に必要な条件と、母親の健康で文化的な生活の保障を明記する母子寡婦福祉法の趣旨に明確に反する改悪であることを最初に指摘しておきます。 政府案に反対する理由の第一は、児童扶養手当の支給期間が五年を超えた場合に手当を最大で半額まで減額するということとしていることです。政府はこれまで、五年目以降に手当を削減する根拠として、平均受給期間が五年だからと説明してきました。ところが、一昨日の委員会で、この数字は調査時点で手当を受けている人の平均受給期間であり、受給終了までの平均期間でないことが明らかになりました。つまり、平均五年で受給が終了するので手当を削減するというこれまでの説明は全くのごまかしであったわけです。大臣も間違った認識で答えていたことを認めました。法案の中心部分の根拠が崩れた以上、法案は当然撤回すべきであります。 厚生労働省は、一昨日になって所得制限に達して受給を終えた人の平均受給期間は五・五六年だとこれまでと違う説明を始めましたが、この数字は所得制限を超えたわずか一万人、一・四%の世帯の平均であり、全体の状況を示すものではありません。平均的な母子家庭は、必死に働いても一般世帯の三分の一程度の年収にとどまっているのです。午前中の参考人質疑でも、母子家庭の生活の厳しさが浮き彫りになり、五年目以降に子供の教育などの費用が一層増えるのになぜ削減なのかとの厳しい指摘がありました。五年目以降に手当を削減することは、生活が困難な母子家庭を更に追い詰め、子供の教育を受ける権利まで阻害するものであり、断じて認められません。 反対する第二の理由は、母子家庭に対する自立支援策が全く不十分なまま自立自助を押し付けていることです。母子家庭の母親は、言うまでもなく自立の道を必死で探っていますが、現在の雇用情勢の下では最も厳しい状態に置かれています。法案では就労事業については行政の努力義務規定にとどまっております。実効性の保証が全くないことは、大臣が衆院でどれだけの就労が見込めるかやってみないと分からないと答弁しているとおりで、これではとても母子家庭の皆さんの不安を解消することなどできません。 反対する第三の理由は、養育費を確保する努力義務を事実上母親に押し付けていることです。一方で、国は広報その他の措置に努めるとしているだけです。親の扶養義務や養育費の支払義務を明記することは当然ですが、多くの母親にとって別れた夫に養育費の支払を請求することは大変な負担です。養育費の支払義務が履行されない場合の救済などの制度的保障こそ必要であります。 政府は既に今年八月から児童扶養手当の所得制限を大幅に引き下げ、受給者の約半数、三十三万人が減額になりました。本法案は更に将来にわたって手当を削減する仕組みを作るものです。これは母子家庭の生活を保障する国の責任を放棄し、母子家庭の希望を奪うものであり、到底認められません。 なお、民主党・新緑風会提出の修正案は、受給五年目以降の児童扶養手当減額という政府案の根本問題の解消にならないので賛成できない旨申し上げ、反対討論を終わります。
○大脇雅子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、内閣提出の母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案及び民主党提出の修正案に対し反対の立場から討論を行います。 高齢化社会において、介護の社会化が図られつつある現在、改めて子育ての社会化を併せて実現すべきだと考えます。そして、基本的に生き方と働き方の多様性が確保される社会、国がそれを強制すべきではなく、自己決定の権利保障が確立すべきだとの基本的な視点に立ち、今回の改正案に対し反対する理由は次のとおりです。 まず、この改正案が成立し実施される、受給五年以降の減額措置が取られていることであります。五年の経過の後、子供たちは高校、大学に進学する時期となり、生活費や教育費の増大時期を迎えます。この五年が、これまで平均受給期間あるいは離婚後の激変緩和期間等様々に根拠付けられておりますが、その根拠付けは薄弱であり、五年に合理性は見られないと思います。 さらに、自立支援が効果があるのかどうか。現在、多くの母子家庭の女性が就労しているパート労働は、低賃金、不安定な雇用で、複合就労も多い中、常用雇用が安定のためには不可欠であります。しかし、景気低迷の中で、正規社員がパート等不安定雇用で代替されていく中で、正規常用雇用への確保が五年以内に図られるとは思えないからであります。 さらに、八月より実施された児童扶養手当の所得制限に係る施策は、母子家庭に深刻な不安と苦痛を与えています。削減は五〇%を上限としておりますが、政令委任で内容が不透明であり、母子家庭の将来に不安をかき立てています。 また、十四条四号の正当な理由がなく求職活動その他の厚生労働省令で定める自立を回復するための活動をしなかったときの認定要件の運用に心配がございます。 また、養育費の履行確保を母親の一方的な努力義務ということであれば、精神的、物理的な苦痛が母親の自己責任において課せられるおそれがあります。離婚に際する協議も当事者間では非常に難しく、額も低額であり、合意しても不払が多いと。履行確保には、立替え制度等公的援助が必要不可欠であります。 さらに、八割を所得とみなす規定は現実に過酷であります。 本法案は、まず先に財政事情から児童扶養手当の減額ありきということであり、児童扶養手当は現実に母子家庭の命綱であるということを看過し、基本的に恩恵的な施策とみなすという考え方に立っている福祉政策であり、本法案の改正に反対するものであります。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、狩野安君及び鴻池祥肇君が委員を辞任され、その補欠として荒井正吾君及び西銘順志郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、山本君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(金田勝年君) 少数と認めます。よって、山本君提出の修正案は否決されました。 それでは次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(金田勝年君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本孝史君。
○山本孝史君 私は、ただいま可決されました母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各会派及び国会改革連絡会の西川君共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。 一、母子家庭の経済的自立を図るため、母子家庭の母の状況に応じた職業能力の開発や就業あっせん等の就労支援策を、就職に結びつくよう効果的に進めるとともに、母子家庭の母に対する雇用の場の創出に努めること。 二、母子家庭の母を含め、いまだ不十分な女性の就業環境の整備を図るため、男女の雇用機会均等の確保のための施策を充実するとともに、保育所の一層の整備等、職業生活と家庭生活の両立支援策を更に拡充すること。 また、パートタイム労働者等に対する公正な処遇を行うためのルールの確立に向けて、法制化も含めた早急な検討を進めること。 三、母子家庭等の児童に対する扶養義務の履行を確保するため、養育費支払等に関する広報・啓発活動の促進、養育費に関するガイドラインの策定等必要な措置を講ずるとともに、扶養義務の履行を確保する施策の在り方について引き続き検討すること。 また、民事執行制度の見直しにおいては、少額定期給付債務である養育費について、母子家庭の実情を踏まえ、簡易な手続きで将来発生する債務の差押えが行えるよう配慮すること。 四、児童扶養手当の受給期間が五年を超える場合の手当の一部支給停止に係る政令を定めるに当たっては、事前に母子福祉団体など幅広く関係者の意見を聞くとともに、改正法施行後における子育て・生活支援策、就労支援策、養育費確保策、経済的支援策等の各種対策の進展状況、離婚の状況、扶養義務の履行の状況及び受給資格者の就職の状況などを十分踏まえて行うこと。 また、児童扶養手当の所得制限についても、社会経済情勢や母子家庭の状況等を十分に勘案しながら、適切に設定すること。 なお、児童扶養手当に係る認定の請求及び現況の届出等に際して、請求者等のプライバシー等人権に配慮した対応がなされるよう、関係職員の研修等に努めること。 五、母子家庭の居住の安定の確保については、地方公共団体と連携を図りつつ母子家庭に対する公営住宅の優先入居を推進する等、公営住宅の積極的な活用が図られるよう努めること。 また、賃貸住宅に入居する場合の家賃保証については、民間の家賃保証サービスの実施状況等を踏まえ、必要な施策について検討すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(金田勝年君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(金田勝年君) 全会一致と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂口厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
○委員長(金田勝年君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) 次に、独立行政法人労働者健康福祉機構法案、独立行政法人福祉医療機構法案、独立行政法人労働政策研究・研修機構法案、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法案、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案、独立行政法人雇用・能力開発機構法案、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構法案、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案及び社会保険診療報酬支払基金法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) ただいま議題となりました独立行政法人労働者健康福祉機構法案など九件の厚生労働省関係の独立行政法人個別法案等及び特殊法人の民間法人化に関する法律案、すなわち厚生労働省関係特殊法人等改革法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 特殊法人等改革につきましては、第百五十一回通常国会において昨年六月に成立した特殊法人等改革基本法に基づき設置された特殊法人等改革推進本部において推進しているところでありますが、同基本法にのっとり、同本部では昨年十二月に、特殊法人等整理合理化計画を策定し、内閣総理大臣より国会に御報告申し上げたところであります。 この特殊法人等整理合理化計画においては、特殊法人等の廃止、民間法人化等を定めておりますが、今般、この計画の実施の一環として、厚生労働省所管の八つの特殊法人等に関し、法人を解散し、その事業を徹底して見直した上で残る事業を独立行政法人に承継するとともに、一つの特殊法人の民間法人化を行うこととし、このため、新たに設立する独立行政法人に係る独立行政法人個別法を制定するとともに、関係法律の整備を行う必要があります。 以上が厚生労働省関係特殊法人等改革法案を提案した理由であります。 次に、法律案の内容の概要について、順次御説明を申し上げます。 初めに、八件の独立行政法人個別法案等についてであります。 これらは、すなわち、独立行政法人労働者健康福祉機構法案、独立行政法人福祉医療機構法案、独立行政法人労働政策研究・研修機構法案、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法案、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案、独立行政法人雇用・能力開発機構法案、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構法案及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案であり、八つの独立行政法人に関し、次のような事項を定めるものであります。 第一に、八つの特殊法人等に関し、法人を解散するとともにその設立根拠法を廃止し、その事業について徹底した見直しを行った上で残る業務を担わせるため、独立行政法人通則法及び個別法案の定めるところにより、八つの独立行政法人の設立を行うとともに、それぞれの個別法案において、その名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めております。 なお、各独立行政法人の業務の範囲につきましては、それぞれの個別法案において、融資業務の廃止など特殊法人等整理合理化計画に盛り込まれました見直し措置を講じております。なお、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案におきましては、現在、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構が行っております副作用被害救済業務及び研究開発振興業務を引き継ぐとともに、薬事法に基づく承認や命令を始めとする各種の行政措置等については引き続き国において実施するという基本的な考え方の下、審査等業務につきましては、国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センター及び財団法人医療機器センターが行っておりますものも併せて行えるようにするほか、安全対策業務については、医薬品の安全性等に関する情報の収集、整理、提供等の業務を行わせることとしております。さらに、生物由来製品の製造業者等からの拠出金を財源とする感染被害救済制度を新たに創設し、生物由来製品を介した感染等による疾病、障害又は死亡につき、医療費、障害年金等を給付することとしております。 第二に、独立行政法人の役員につきまして、理事長、理事、監事等を置くこととし、監事を除く法定の役員数を、現在の特殊法人等と比較をして三割近く削減することとしております。 第三に、個々の独立行政法人を所管する主務大臣は厚生労働大臣であることを定めております。 第四に、特殊法人等から独立行政法人への事業の承継に伴う権利義務の承継について定めております。 その他、積立金の処分方法、所要の経過措置等に関する事項を定めております。 次に、特殊法人の民間法人化に関する法律案である社会保険診療報酬支払基金法の一部を改正する法律案についてであります。 これは、特殊法人である社会保険診療報酬支払基金を民間法人化するため、政府の拠出を含む基本金規定の廃止、役員の選任等に係る政府の関与の縮小について所要の改正を行うものであります。 なお、これらの法律案においては、その施行期日を定めておりますが、特殊法人等の解散又は民間法人化及び独立行政法人の設立の期日については、平成十六年三月一日としている独立行政法人雇用・能力開発機構法案並びに平成十六年四月一日としている独立行政法人労働者健康福祉機構法案及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案を除き、平成十五年十月一日と定めております。 以上が厚生労働省関係特殊法人等改革法案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いを申し上げる次第でございます。 ありがとうございました。
○委員長(金田勝年君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 九案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十七分散会