厚生労働委員会 第4号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/11/07
会議録
○委員長(金田勝年君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告をいたします。 昨六日、朝日俊弘君が委員を辞任され、その補欠として辻泰弘君が選任されました。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保険労務士法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長松崎朗君外六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(金田勝年君) 次に、社会保険労務士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。 前国会までは厚生労働委員会に所属させていただいておりましたけれども、今臨時国会から総務委員会に参りまして、いささか寂しい思いをしておりましたが、今日は質問させていただきましてうれしく思っております。大臣におかれましては、うるさいやつがいなくなってせいせいしたと思っていらっしゃるのじゃないかと思いますが、戻ってまいりまして、恐縮でございますが、五十分お付き合いをいただければ幸いでございます。 さて、冒頭ちょっと大臣の御所見をお聞きしておきたいのでございますけれども、昨日、木村義雄厚生労働副大臣が、東京都内で開かれた日本精神科病院協会の全国集会で、社会保障の大切さが叫ばれているが、社会には市場原理主義者がいる、三十兆円の医療市場を虎視たんたんとねらっているユダヤ人のような我利我利亡者がたくさんいると、このような発言をされているようでございますが、この点について、大臣、どのように受け止めておられるでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今朝、木村副大臣訪ねてきてくれまして、話を聞きましたところ、このユダヤ人のような亡者という言葉は適切じゃなかったので取消しをいたしましたと。その他のことを新聞にいろいろ出ておりますけれども、言ったこと、言わないことがありますと、こういうことでございまして、慎重に発言してもらうように言ったところでございます。
○辻泰弘君 注意をされたということでございますか。
○国務大臣(坂口力君) やはり、いろいろのところであいさつをしなきゃならないわけでございますから、そのときには慎重に話をしてほしいということを言ったまででございます。
○辻泰弘君 これについてはもうこれで終わりということになりますか。
○国務大臣(坂口力君) これで終わりでございます。
○辻泰弘君 国会でもそういう指摘があったということで改めて御注意をいただきたいと思いますが、いつも優秀な副大臣に恵まれられて御同慶の至りでございます。 さて、恐縮でございますが、社労士法の改正に入る前に、大変恐縮ですけれども、この場で私、大臣に幾つかの点で御質問をし、お願いをしていた点がございますので、恐縮ですけれども、その点についてちょっと簡単で結構ですので、コメントを賜りたいと思います。 一つは、無年金障害者対策について、七月に大臣私案を出されたわけですけれども、これについてその後どうも消えてしまったような気がしております。決算委員会でも、私質問しましたとき、大臣は「財政上誠に厳しいときではございますけれども、厳しいときであればこそ、やはり分かち合うという精神が必要」だと答弁されております。この決着をどう図っていかれるのか。 二つ目、透析医療、短時間透析で医療の質低下という指摘をしました。すべて二段階の制度にすべきだと思います。この点についてどうか。 三番目、医薬品副作用被害救済機構、〇・〇八という両眼の矯正視力は大変厳しい基準、これの見直し。 四番目、大臣も前向き答弁いただいたスティーブンス・ジョンソン症候群のこと。 五番目、施行後三年で見直す予定だったにもかかわらず五年経過した臓器移植法。十五歳未満の提供に道を開く方向での見直し。 また、小児救急医療……
○国務大臣(坂口力君) ちょっと、ちょっとそのぐらいでちょっと。
○辻泰弘君 以上についてちょっと簡単にコメントいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 無年金障害者につきましては、先般、私案を出したところでございますけれども、いずれにしてもかなりの財源が必要でございますし、現状がよく把握されておりませんので、早速現状を一遍ちょっと確認をしてもらいたい、現状の調査をしてもらいたい、現実問題として大体何人ぐらい困窮しておみえになるのかというようなことも明確でありませんので調査をまずやってもらいたいということで、その段階に入っているところでございます。 それから、透析の話につきましては、診療報酬改定を、見直しを行いましたが、これは透析の期間が四時間未満の人もあるし四時間から五時間の人もあるし、あるいは五時間以上の人もあるし、それぞれによりまして今まで点数が違ったわけでありますけれども、今回その真ん中のところを取りまして千九百六十点というふうに点数を一律にした。これは、点数を一律にいたしましたけれども、患者さんによりましては長く必要な人もあるし、短くていい人もあるわけでありますから、それは医療行為上の問題でございますので、責任を持って医療機関でお願いを申し上げたいと、こう思っております。 それから、医薬品の副作用被害救済につきましては、これは現在も、御承知のとおり、副作用につきましての救済措置はあるわけでございますが、これができましたのが昭和五十五年でございましたか、それ以前の人が残っていて、その人たちの問題が現在もなお残っている。しかし、ここもなかなか難しいところでございまして、過去の人をどうするかという問題、これは法律におきましてもそうでございますけれども、そうした問題がございまして、ここは非常に難しいところ、なかなか名案が浮かばないというのが現状でございます。 それから、スティーブンス・ジョンソン症候群の方々につきましても、これもやはり五十五年五月一日以降の皆さん方につきましては、これは救済措置もあるわけでございますが、それ以前の人たちをどうするかという問題、ここにもまたあるわけでありますし、それからこの副作用をお受けになりました皆さん方の場合には、その救済措置があるなしにかかわらず、なかなか障害が厳しくて、とりわけ目の障害が厳しくて、ここをどうするかという問題でございまして、そこで一つは、角膜疾患でございますので、それを克服するための基礎的な研究を急がしているところでございます。 一つは、目が、角膜が乾くわけでございますので、それで点眼をして、それによって治すという方法があるということでございまして、今それができれば、一日に数回点眼をすればもつのではないかというふうに言われておりまして、その研究を今進めていただいているところでありまして、早くこれを実現できるように、今もう実験段階、実験といいますか、人に対しましても使用段階に入ってきているというふうに聞いておりますので、早くこれが販売されるようなことにならないか、そうしたことで今進めているところでございます。
○辻泰弘君 恐縮ですけれども、臓器移植のことと小児救急医療のこと、ちょっとだけ、一言これコメントいただけますか。
○委員長(金田勝年君) 質問者にお願いしたいと思います。 本日は社会保険労務士法の一部を改正する法律案を議題とする審議でございますので、その趣旨に沿って御質問願いたいと、お願いしたいと思います。
○辻泰弘君 社労士法本体についての質問に入らせていただきます。 昭和四十三年に成立した社会保険労務士法は、成立以降五回の改正を重ね、今回が六度目となっているわけでございます。前回の平成十年の改正は政府提案でなされたわけでございます。今回の改正は議員立法で措置されることになったわけですが、その理由はどうしてかということを提案者の御見解を伺いたいと思います。
○衆議院議員(長勢甚遠君) お答えを申し上げます。 そもそも社会保険労務士法は議員立法として制定された法律でございます。そういうことでありますので、従来から議員立法として改正も何度か行ってまいりました。お話のとおり、前回、平成十年の改正は試験事務を全国社会保険労務士会連合会に委託するという内容でございまして、これだけが例外的に議員立法でない形で行われました。 今回の改正につきましては、全国社会保険労務士会連合会から是非このあっせんの代理業務等を追加をしてほしいという強い要望がありまして、それを含めて今回の改正をするということで我々議論をし、提案をさせていただいた経過でございます。
○辻泰弘君 今回の改正案の概要を拝見させていただきましても、三つの柱のうちの社会保険労務士法人制度の創設というところは本年三月二十九日閣議決定の規制改革推進三か年計画に記された事項でございます。また、その他の改正事項の中の懲戒申出制度の創設、報酬に関する事項の削除もその規制改革推進三か年計画に基づくものでございますし、また社会保険労務士会連合会の財務公開は昨年十二月十九日閣議決定の特殊法人等整理合理化計画に基づくものでございます。 このように見ますと、今回の改正が何ゆえ政府提案によってなされなかったのか不思議に思われるわけでございます。何ゆえ厚生労働省は今回の改正を政府提案で行われなかったのか、御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど御説明がありましたとおりでございますが、この法律は最初議員立法でされているわけでございまして、最初から議員立法でずっと来たものですから、過去の例を見ましても、大体議員立法でスタートをいたしましたときにはいろいろの改正案が出ますときにも議員立法で行われることが多いわけでございます。 たまたま前回は政府提案ということになっておりますけれども、今回も初期の状況も踏まえまして議員立法でお願いをしたわけでございまして、理由につきましては先ほどお話のあったとおりでございまして、いずれにいたしましても、今回の改正内容を要望いたしました全国の社会保険労務士会連合会の御趣旨も踏まえてそうさせていただいた、こういうことでございます。
○辻泰弘君 先ほど申しましたように、三つの柱のうちの二つが閣議決定に基づくものであるときに、その一つが閣議決定ではないわけですけれども、そのときに政府提案でなくて議員立法にするというのは、私は率直に言って腑に落ちないものがございますけれども、このことを突っ込んでいっても余り生産的ではないかもしれません。 次のテーマに移らせていただきますけれども、今回の改正に当たりましての一つの大きなテーマは、労働争議に対する不介入を定めた社会保険労務士法第二十三条の見直しだったわけでございますが、これが最終的に改正案に盛り込まれなかったということの理由を、経緯、背景について提案者の方から御説明いただきたいと思います。
○衆議院議員(長勢甚遠君) この社労士法二十三条の削除は社会保険労務士会連合会の方の長年の強い御要望でございます。我々としても、この削除という方向で是非改正をしたいということで努力をしてまいりましたけれども、特に弁護士法第七十二条との関係などもありまして、関係者の了解が得られないという状況でございましたので、引き続き議論するということで今回の改正には盛り込まないということにした経過でございます。
○辻泰弘君 平成十年の前回の法改正に際して、当時の労働省の渡邊官房長は、同年四月十日に、社労士法第二十三条の見直しについては、できれば次期の法改正時にもその実現が図られるよう、労働省として努力してまいりたいと述べておられます。 今回の法改正でこの見直しが実現しなかったことに対して、厚生労働省はどのように考え、評価されているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(松崎朗君) 社労士法の第二十三条、これは御案内のように労働争議介入禁止の規定でございますけれども、この削除の問題につきましては、確かに前回の改正のときに政府委員からこういった答弁をさせていただいております。 この問題につきましては、今回の改正におきまして措置されますよう厚生労働省といたしましても協力をいたしまして進めてきたわけでございますけれども、やはりその結果として、この問題につきましては労使を始めとして関係者の理解がある程度進むといったことはあったんじゃないかというふうに考えております。 しかしながら、今回は、先ほど提案者からも御説明がございましたように、弁護士法第七十二条との関係もございまして、いまだにそういった関係者の了解が得られないといった状況もございまして、今回は改正できなかったということと理解しております。
○辻泰弘君 そういたしますと、厚生労働省としては、この点について今後再び見直しの方向で取り組んでいかれるということでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) この問題につきましては、御案内のように、現在、司法制度改革推進計画の中にも盛り込まれております。ちょっと御紹介いたしますと、「ADRを含む訴訟手続外の法律事務に関して、隣接法律専門職種等の有する専門性の活用を図ることとし、その関与の在り方を弁護士法第七十二条の見直しの一環として、個別的に検討した上で、遅くとも平成十六年三月までに、所要の措置を講ずる。」ということがこの計画の中に盛り込まれております。 そういったことから、現在、司法制度改革の中で検討されているわけでございますが、そういった十分な検討がなされまして、早期に実現が図られますよう厚生労働省としても適切に対応していきたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 今回の改正におきまして、個別労働紛争解決促進法の紛争調整委員会における個別労働紛争のあっせんについて、紛争当事者の代理を行うことが社労士の業務と認められるわけでございますけれども、紛争調整委員会における個別労働紛争のあっせん代理に合わせて地方労働委員会におけるあっせん代理も業務に認めてよいのではないかという議論があるわけでございますが、これに対する見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 現在、御案内のように、個別労使紛争のあっせん関係につきましては、地方労働局で行っております制度、それから各都道府県が自治事務として行っております地方労働委員会を活用しての事務がございます。 特に地方労働委員会におきます個別的労働関係紛争のあっせん代理につきましては、御案内のように、今回の法改正に盛り込まれておりませんが、これはまず地労委の問題でございますが、地労委は主として集団的労使紛争を解決するために公労使三者構成という格好で構成されている機関でございます。また、労働局にございます紛争調整委員会でございますけれども、これは個別的労使紛争のみを取り扱うということでその構成も学識経験者だけから成っているということで、非常に性質が異なっております。そういったことから現段階では同列には扱えないんじゃないかといった点が一点ございます。 また、先ほども申し上げましたように、司法制度改革の中におきましても、訴訟手続外の法律事務におきます専門職種の活用を検討しているところでもございまして、まずは限定的に新しい業務をできるところから実施していくということが適当ではないかというふうに考えられたのじゃないかというふうに理解しております。
○辻泰弘君 もう一点、男女雇用機会均等法における個別紛争の調停についても社労士に代理を認めてよいのではないかという意見があるわけですが、これについても御見解をお示しいただけますか。
○政府参考人(松崎朗君) 男女雇用機会均等法に基づきます機会均等調停会議、ここにおきます代理という問題がございます。これにつきましても今回の改正案には盛り込まれておりません。 これにつきましては、一つは調停でございますが、調停というのはあっせんと違いまして、いろんな紛争について調停者、こういった方が両当事者の間を仲介して調停案を作成して、これを受諾するように双方を説得するといったことがございます。一方、あっせんというのは、どちらかといいますと、双方の意見を取り次ぐといったことで、調停につきましては、非常にあっせんに比べまして当事者を拘束するといいますか、ある程度力が強いといった比較がございます。 それからまた、繰り返しになりますけれども、司法制度改革の中におきましても訴訟手続外の法律事務におきます専門職種の活用といった点を検討されておりますので、まずはできるところからというところで男女雇用機会均等法に基づく調停代理につきましては今回盛り込まれなかったというふうに承知しております。
○辻泰弘君 この点については今後の検討課題としては考えられているんでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) この点につきましては、繰り返しになりますけれども、司法制度改革の検討、そういった動向を踏まえながら、特に担当といいますか主体でございます全国社会保険労務士会連合会、そういったところ等の意見も聴きながら対応していきたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 昨年十二月十九日閣議決定の特殊法人等整理合理化計画におきましては、全国社会保険労務士会連合会について、「独占禁止法上問題となるおそれのある広告規制は行わないことを明確化する。」と指摘されております。現行の都道府県社会保険労務士会倫理規程準則には、第六条に広告の制限として、「会員は、社会保険労務士としての品位をそこない、若しくはその良識を疑われるような広告・宣伝等を行ってはならない。」と規定しているわけでございますが、この規定が独禁法上問題となるおそれがある広告規制に当たるのかどうか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(松崎朗君) 委員御指摘のとおり、現状を申し上げますと、この全国社会保険労務士会連合会、これが作成しております都道府県の社会保険労務士会倫理規程準則というのがございますが、そこにおきまして、「会員は、社会保険労務士としての品位をそこない、若しくはその良識を疑われるような広告・宣伝等を行ってはならない。」というふうに規定されておりまして、各都道府県の社会保険労務士会もこれに従って倫理規程にその旨を規定しているというのが現状でございます。 こういった広告規制につきましては、政府の規制改革委員会におきまして、「広告は、利用者が自己責任において資格者を選択するに当たっての資格者に関する情報提供として考えるべきであり、虚偽・誇大広告以外は規制する必要はない」というふうにされまして、今の社労士の関係のように、会則により広告規制が行われております社会保険労務士につきましても広告規制の自由化について検討すべきであるというふうにされているところでございます。 こういったことを踏まえまして、社会保険労務士会連合会の倫理規程準則、またこれに基づきます各都道府県の社会保険労務士会の倫理規程につきましては見直す必要があるというふうに考えているところでございます。 現に、厚生労働省からは、この連合会に対しまして、各都道府県の社会保険労務士会の倫理規程の当該規定を虚偽・誇大広告等必要最低限の規制へと転換するよう指導しておるところでございまして、今年度中にも措置されるというふうに聞いております。
○辻泰弘君 この準則の文言というのは、私は、一般的といいますか、規制なのかというのはちょっと疑問に思うようなことなのでございます。そうすると、今の、先ほどの六条の広告制限の規定はやはり独禁法上問題となるおそれのある広告規制に当たるという認識だということですか。
○政府参考人(松崎朗君) 基本的にはそういう認識でございます。
○辻泰弘君 そういう認識なんですね。
○政府参考人(松崎朗君) はい。
○辻泰弘君 その倫理規程の改定の見直しということをお願いされて、今それが進行中だということですね。
○政府参考人(松崎朗君) 今年度中には措置されるというふうに聞いております。
○辻泰弘君 今年三月二十九日閣議決定の規制改革推進三か年計画において指摘された事項のうち、いまだに措置されていない事項がございます。 それは、第一点、社会保険労務士試験において、再受験の場合に既に合格した段階の試験を免除する措置について検討するということ、二つ目が、社会保険労務士試験において不合格者に対する成績通知を行うという指摘、三つ目が、社会保険労務士を対象として、資格者団体が行っている自主規制の実態を把握し、その結果に基づき所要の改善措置を講ずるの三点でございます。この三点目は今の広告規制のことも該当するのかもしれませんけれども、いずれにしましても措置済みとはなっていないのがこの三つでございます。 この閣議決定された、しかしながら未措置であるこの事項についてどう対処されるのか、御方針をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(松崎朗君) 規制改革推進三か年計画におきまして指摘されました事項のうち、今回の改正法案の成立によってもまだ未措置となるものが三点ございます。これは、順序はあれでございますけれども、一点が、試験で不合格者に対します成績通知を行うといったこと、二点目として、試験の再受験に当たり、既に合格した段階での試験を免除する措置について検討せよということ、三点目としまして、連合会及び社会保険労務士会が自主規制として行っております社会保険労務士の顧客に関する活動についての規制のうち独禁法上問題になるものについての対応と、この三点でございます。 まず、この未措置事項でございますけれども、まず一点目の不合格者に対する成績通知につきましては、今年度の受験者から全受験者を対象に成績通知を行うということにしております。 また、二点目の再受験に当たっての試験免除措置でございますけれども、これは試験のやり方が択一式と選択式、これを一体として実施、評価しておりますので、既に合格、一部合格しているからといって免除を行いますと、試験によりまして評価すべき能力につきまして十分な評価を行うことができなくなってしまうと、そういった問題点がございまして、現時点では非常に難しいんじゃないかというふうに考えております。しかしながら、ほかの士業におきます試験の実施状況、そういったものを踏まえながらこれは検討していきたいというふうに考えております。 なお、最後の連合会及び社労士会が実施しております顧客に関する活動についての自主規制でございますけれども、これは公正取引委員会等から今後具体的な指示がなされるものと考えておりますので、その指示を踏まえて検討していきたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 今の再受験の場合に既に合格した段階の試験を免除する措置についてということですけれども、これは閣議決定のやつに入っているわけですけれども、非常に難しいというのは、その説明は分かりますけれども、しからばその閣議決定される段階でどのようにかかわられたんですか。
○政府参考人(松崎朗君) これにつきましては具体的にちょっと資料を持っておりませんけれども、実態というものを説明いたしましたけれども、それはその点できないできないではなくて、やはりまだ検討はしろということだと理解しております。
○辻泰弘君 個別労働紛争解決促進法施行後一年を迎え、十月二十二日に厚生労働省が施行後一年の実績を発表されております。それによりますと、総合労働相談件数は五十四万四千六百八十七件、民事上の個別労働紛争相談件数八万九千九百七十一件、助言・指導申出受付件数千九百十一件、あっせん申請受理件数二千百十五件と、このようになっているわけでございます。その発表の文書には、個別労働紛争解決制度はリストラ時代におけるセーフティーネットだと指摘されているわけでございますが、この位置付けは大変重要であり、今後この制度の充実が必要だと私は考えます。 厚生労働省はあっせんを行う紛争調整委員会委員の増員等を概算要求でもなされているようでございますが、今後この制度の充実をどのように進めていかれるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木直和君) ただいま御指摘がありましたように、個別労働紛争、相当な数に上っておりますし、それから増加の傾向にございます。大事なことは、そういった個別紛争の解決、これを迅速かつ円滑にするということが大事だろうと考えております。 そのため、相談に当たる相談員の方の資質の向上を図る、あるいは今御指摘のありましたあっせんに対応する紛争調整委員会、その調整委員の増員等の体制の充実を図る、そういったことを行って、こういった個別紛争が迅速かつ円滑に解決できる、そういった環境を整える、これが大事だろうと思っておりますので、そういったことに向けて努力していきたいと考えております。
○辻泰弘君 この総合労働相談コーナーの相談員の増員だとか、あるいはそもそもこのコーナーを設置した全国二百五十三か所ですか、これを増やすということもあり得ると思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木直和君) 相談コーナー、これは現在でもかなり設置されておりまして、全国で二百五十三か所ございます。そこでの相談に対応する方、これ総合労働相談員と言っております。その相談員、これについても実態を踏まえて必要な増員を図る。それから、先ほど申し上げました調整委員会、これが具体的にあっせん等を行うわけでございますから、その紛争調整委員会の増員を図る、そういった意味で体制の整備を図っていきたいというふうに考えております。
○辻泰弘君 今回の改正案の底流にあるのは、やはり労働問題等に、社会保険ももちろんですが、社会保障もそうですけれども、やはり現場に精通された社会保険労務士の方々に今の時代の下でより責任を持ってやっていただこうという精神だと思うんですけれども、その紛争調整委員会などの増員、今の問題に当たっては、労働の実務や経験を有する社会保険労務士の資格を持たれた方々の増員というものをやはり積極的に進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木直和君) 紛争調整委員会の委員、これにつきましては、個別労働紛争解決促進法の七条二項におきまして、「学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が任命する。」ということになっております。 この学識経験を有する者ということで、現在、具体的に言いますと、弁護士の方あるいは大学の先生あるいは社会保険労務士、それから民間企業のOBの方等が選ばれております。 既に現在でも社会保険労務士の方にもいろんな面で御協力いただいておりますが、今後、やはり労働問題に精通しておられる社会保険労務士の方の知識、経験、これを十分に活用していければと、そんなふうに考えておりますので、努力してまいりたいと考えております。
○辻泰弘君 先ほども申しました十月二十二日厚生労働省発表の個別労働紛争解決促進法施行一年を迎えたというときの調査結果を拝見させていただきますと、民事上の個別労働紛争に係る相談内容の内訳を見ますと、解雇が二八・五%と段トツとなっているわけでございます。 そこで、これに関連してお聞きしておきたいんですけれども、解雇ルールの法制化、現在検討中と聞いておりますけれども、これにどのように取り組んでいかれるのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 解雇ルールにつきましては、最初このことを発言しましたときに、前回にも申しましたけれども、これは労使から反対意見が出ました。しかし、その後、労使にもいろいろ話合いをしてもらっておりまして、やはり私は解雇ルールが必要だという点ではお認めをいただいてきているのではないかというふうに思っております。ただ、まだ完全に意見が一致を見ているわけではございませんで、現在、年末に向けまして意見の一致に向けて今お話合いを進めていただいているところでございます。 この解雇に関しますルールにつきましては、あらかじめ明確になっておりますことが紛争防止のためにも望ましいとの観点から、判例上確立しております解雇権の濫用法理を踏まえて検討を行っているところでございまして、年内にこの取りまとめを行いたいと、こういうふうに思っております。
○辻泰弘君 そういたしますと、整理解雇の判例に基づく四要件が、それ自体が法律に入るということも視野に入っているということでございますか。
○政府参考人(松崎朗君) 解雇ルールということで、これは整理解雇だけでなくて、例えば懲戒解雇等を含めた広い解雇全体の話でございまして、そういった具体的な要件とかというものは、ただいま大臣からお答え申し上げましたように、解雇権濫用の法理という、そこのところに行き着くんじゃないかと思っております。
○辻泰弘君 ということは、四要件まで法律上明示するということはちょっと視野に入っていないということですね。
○政府参考人(松崎朗君) 現段階では私たちはそこまでは考えておりません。
○辻泰弘君 社労士の方の質問に、直接的な質問に戻りますけれども、近年の社会保険労務士の合格者数、合格率というものを拝見いたしますと、近年大変伸びているという状況がございます。五年間の状況を例えば見ますと、平成九年は合格者数千九百九十一人、合格率七・一%、平成十年、二千三百二十七人、七・六%、平成十一年、二千八百二十七人、七・九%、平成十二年、三千四百八十三人、八・六%、平成十三年、三千七百七十四人、八・七%と、このようにかなり伸びているんじゃないかというふうに私は思いますけれども、これ伸びているわけですけれども、それだけ人材を供給するといいますか、合格者を出しているわけですが、それに見合った需要といいますか、実際の仕事に結び付くということの判断の上でのこのような対応になっているんでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 御案内のように、社労士試験、これは毎年一回実施しておるわけでございますけれども、この合格点、合格ラインでございますけれども、これは毎年の試験問題、これは年によって難易度といいますか、これが若干変わってまいります。そういったことから、毎年の試験問題の難易度を勘案しながら、原則として総合点、それから各試験科目の点数、そういったものが一定水準の方を合格者ということでしております。その結果として、大体、今示されましたように合格率も七%から九%ぐらいといったところを維持しておると。維持しているというか、結果的にそうなっておるということでございますけれども、受験者数が増えていることから合格者が増加しているという状況でございます。
○辻泰弘君 そういたしますと、ある程度の点数を先に決めてそれに合格された方、それ以上の点数を取られた方を自動的に合格者にしているという理解ですか。それとも、ある程度、何千人とか何%で考えるということを一応持っていて、それに合わせて点数も若干その場に応じてやるということもあるということなんでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 原則的には絶対評価でございます。
○辻泰弘君 社労士試験についてお伺いしたいと思うんですけれども、そもそも労働法のうちの中心になるのが労働三法であることは言うまでもございません。その三法は、労働基準法、労働組合法、労働関係調整法の三つでございます。ところが、意外なことに、社会保険労務士試験の試験科目には労働組合法、労働関係調整法の二法が入っていないわけでございます。それらは労働の一般常識というところで対象とされているというのが現状のようでございます。 倒産、リストラが横行して、個別労働紛争が多発する今日、社会保険労務士の方々にも労働法をしっかり勉強していただかなければならないと思うわけでございます。とりわけ、先ほどの議論でもございました労働争議に対する不介入の見直しというものを行っていくならばなおさらのこと求められると思うわけでございますが、この二法を試験科目に入れるべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 御指摘のように、現在の社労士試験の科目といたしましては、今御指摘の労働三法のうち、労働基準法は入ってございますが、組合法と労働関係調整法は入っておりません。ただ、この組合法及び労働関係調整法につきましては、この法律、これは集団的労使関係に関する法律でございまして、この集団的労使関係に関します事項につきましては、現在のところ、社会保険労務士の日常的な業務とは必ずしも言えないという点がございます。また、加えることによりまして試験時間の増加等、いろんな試験の実施体制といったものについても影響を及ぼすのではないかといったことがございまして、慎重に検討する必要があるというふうに考えておりますけれども、当面は、御指摘のように、労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識の中で出題していくということで対応していきたいと考えております。
○辻泰弘君 今回の改正で社会保険労務士の方により責任を持って貢献していただこうという精神があるわけですから、そういう意味においては、その中において、やはりレベルアップといいますか、スキルアップといいますか、そういうものが必要だと思うわけでございます。そういう意味で、二十三条の見直しも視野にあられるならば、当然のこととして、しっかり勉強していただくといいますか、そういう部分が伴うべきだと思いますので、私はこれは要請をしておきたいと思います。 さて、次に、法務省の方にも来ていただいておりまして、そちらの方をちょっと関連してお伺いしたいと思います。 現在の司法試験制度でございますけれども、試験科目ということになるわけでございます。 戦後の司法試験、一貫して平成十一年までは選択科目の中に労働法、破産法が選択科目として決めておられたわけでございますけれども、これが平成十二年から破産法、労働法というものが選択科目からも外されてしまっていると。これは民訴、刑訴が必須科目になったということで、そのときの理由を拝見しますと、受験者の負担を増大させることのないように法律選択科目を廃止したと、このように出ているわけでございます。負担ということももちろんあるんでしょうけれども、必要なものはやはり勉強していただくべきだと思いますし、やはり選択科目として位置付けていることによって勉強されるということで、その厚みといいますか、すそ野が広がるという部分があると思うわけでございます。 現行の司法試験制度においては六つが必須科目となっているということでございまして、現在の国会で審議されている新しい司法試験法もございますけれども、これのみに移行するのは平成二十二年からということでございますので、二十三年でございますか、二十二年まではまだこれから一時移行期間は両方の試験が併用されるわけですけれども、現行の試験制度が二十二年までは続く、まだ八年間続くということでございます。前回の平成四年から平成十一年の科目の時期がございましたけれども、この時も八年あったわけでございますけれども、それと同じ時期だけ今の試験制度でいくということになるわけでございます。 これだけ倒産、リストラ等々、個別労働紛争等多発する折柄、やはり破産法、労働法というものもしっかりと位置付けていただいて、必須にするということはないかと思いますけれども、選択科目というようなことで位置付けていただくべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) 現在の司法試験でございますが、ただいま委員から御説明がありましたとおりでございまして、とりわけ中心になります論文試験、短答、論文、口述のうちの論文試験は、おしゃったように六科目で成り立っております。六科目になりましたのも、ただいま議員から御説明ありましたとおり、平成十年の法改正によりまして、それまで民事訴訟法、刑事訴訟法のいずれか一科目が必須になっていたのを、両方ともなければやはり法律家としては一人前ではないという観点から両方とも必須にしました関係で選択科目を一切試験科目から除外したと、そういうことでございます。 私どもといたしましては、現在もその事情は変わっておりませんので、今後試験科目というものに更に新たに破産法、労働法を付け加えるということの見直しをする予定はございません。 ただ、試験科目についてはそのとおりでございますが、法曹養成制度全体にとりまして、やはり、弁護士がとりわけでございますが、破産法制あるいは労働法制についての専門家を養成する必要というのは当然のことながら非常に重要なことだろうと思っております。現に、試験が終わりました後、司法修習というのが一年半現在ございますが、その一年半の間におきましては、破産法制あるいは労働法制についての特別の講義、セミナー等が用意されているところでございまして、法曹養成全体にとって、労働法あるいは破産法の重要性を軽視しているものではないということにつきましては十分御理解を賜りたいと思います。
○辻泰弘君 現行の試験制度についても是非その分を加味していただきたいと思いますけれども、同時に今の国会にかかっている司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案、この中に新しい新司法試験のことがあるわけでございますけれども、その中で、「専門的な法律の分野に関する科目として法務省令で定める科目のうち受験者のあらかじめ選択する一科目」という規定があるわけでございまして、ある意味で選択科目が復活するというようなことになるわけでございます。 昨年十二月十九日の司法制度改革推進本部が出されている調査結果を拝見いたしますと、法科大学院を設置するということに向けてのアンケートですけれども、調査対象の大学百十七大学のうち九十一大学が回答したと。その中で、労働法を講座として開設する予定だと答えた大学は七十八大学、倒産法を開設する予定だと答えた大学は同じく七十八大学でございまして、九十一分の七十八と見るべきか、百十七分の七十八と見るべきかは分かれますけれども、いずれにいたしましても七割、八割の大学が開設する予定をされていると。そのこと自体は喜ばしいといいますか、結構なことだと思うんですけれども、それだけやはり大学としても重要なものだと位置付けているということになろうと思うわけでございます。 そういう意味におきまして、この新しい司法試験制度の中の選択科目の中、これは法務省令で定めることになりますけれども、やはり破産法、労働法というものをしっかりと位置付けていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるとおりでございまして、ただいま政府の方から御提案申し上げております司法試験法の改正案におきましては、基本的に選択科目を一科目設けることにいたしております。 これは、全体といたしまして、法曹養成の中核を法科大学院というところに置きまして、法科大学院の卒業という者の能力を前提といたしまして司法試験を行い、さらにその後に司法修習を従来よりは期間を短縮して行うと、こういう仕組みに変更するからでございます。 したがいまして、その新しい選択の試験科目は省令で定めることはおっしゃるとおりでございますが、どの科目がそれに当たるかということは、当然のことながら社会におけるニーズがどういうところにあるか、あるいは現実に法科大学院においてどういう科目が教えられているかという動向を見て私ども決めるということにいたしております。 ただ、現実を見ますと、委員も御指摘のとおり、非常に多くの大学が破産法あるいは労働法というような科目を開設される予定と伺っておりますので、そういう動向というものは当然私どもの考慮の上で反映していくということになろうかと考えております。
○辻泰弘君 新たな司法試験には当然ですけれども、現行の試験にも是非そういうことを考えていただきたいと御要請申し上げておきたいと思います。 司法制度改革推進本部の方からも来ていただいておりまして、二点お伺いしたいと思います。 今年三月十九日閣議決定の司法制度改革推進計画の中で、裁判外の紛争解決手段、いわゆるADRの拡充・活性化という項目がございまして、その中で明記されている二点、お伺いしたいわけでございます。 一つは、訴訟、ADRを含む紛争解決に関する総合的な相談体制を充実させるという指摘があるわけですが、どのような方針で充実させていかれるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘の点、私どもの重大なテーマでございます。 特に、ADRに関しましては、情報提供面あるいは担い手の確保面等で、関係機関との連携を強化するということが大変重要になってきているわけでございます。 そこで、本年の六月十三日に関係省庁等から成りますADRの拡充・活性化関係省庁等連絡会議というものを設けました。ここで、現在、各種のADR機関、あるいは弁護士会、消費者団体等からヒアリングを行っております。 今後、関係省庁等と横断的な、あるいは重点的な取り組むべき施策、これについてもっと検討を深めたいということと、今度は各種のADR機関を含みます関係機関との連絡協議の場といたしまして、関係諸機関連絡協議会というものを設けて、その体制の早期整備を図る検討を行っていきたいということでございます。 今後、十分に検討してまいりたいと思います。
○辻泰弘君 もう一点ですけれども、閣議決定の司法制度改革推進計画の中に、隣接法律専門職種など法曹以外の専門家のADRにおける活用及び弁護士法七十二条の規制対象の予測可能性の確保について必要な対応を行うと、こういう指摘が、指摘というか方針が示されているわけですが、これはどのように今後具体化されていくのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(山崎潮君) ただいまの点につきましても、私どもの大きなテーマでございます。 これに関しましては、ADR検討会というものを設けておりまして、そこで検討を行っております。 まず、隣接法律専門職種を含みます様々な専門家からADRへの関与の現状とそれぞれの専門性を踏まえました今後の関与の可能性についてヒアリングを続けているところでございます。また、ADRの主宰者あるいは代理人として関与する者についてはどのような資質とか能力が求められるかという基本的な論議を現在行っているところでございます。 このようなことを踏まえまして、今後、法曹以外の専門家の活用を図る上で、弁護士法七十二条等との、現行制度との関係でどのような整理が必要となるかということを更に深めてまいりたいと思います。遅くとも十六年の三月までには所要の措置を講じてまいりたいということでございます。
○辻泰弘君 時間の関係上、最後の質問になると思いますけれども、私、この場で月ごとの都道府県別失業率を提示すべきだという主張をさせていただきまして、それは総務省の方に伝えようと大臣からも答弁をいただいていたわけでございます。 私、総務委員会に行きまして、総務大臣に先般その問題を聞きましたところ、統計にも使えるように厚生労働省に今度言っておこうと、こういうことでいささかキャッチボールみたいなことになっているわけでございますけれども、やはり三月に発表された都道府県別失業率、年ごとのは出されたわけですけれども、月ごとの統計というものが、やはり地域の雇用情勢を的確に把握して、その中で対応を講じていく上でやはり必要なものだと思うわけでございます。 前にも申し上げましたように、有効求人倍率も都道府県ごとに出されている、家計調査報告も消費者物価指数も都道府県庁所在地のものが出されているということでございまして、生活に密着した身近な統計というものが都道府県別に出されているという中で、失業率だけそれが出ないということは、私はちょっと奇異に思うわけでございます。 この統計に所要の額が十八億ということでございますけれども、それを充実する、例えば倍にしたとしても数十億のことでございまして、少し暴論かもしれませんけれども、緊急地域雇用特別交付金は三千五百あるわけで、一年にすれば一千何百になるのかもしれませんが、それの活用というのはルールになじまないのかもしれませんが、例えばそんなことも含めて考えていただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 我々の方の雇用統計は毎月々出しているわけでございますから、これはいろいろの調査をしなきゃなりませんので大変時間の掛かることではございますけれども、できれば月々出していただけることが私たちといたしましても望ましいというふうに思っております。月々難しければ年四回なら四回というふうにしてでもお出しをいただければというふうに思っているわけでございますが。 特別交付金のお話も出まして、それは地域でそれを使うということを考えていただくということになれば、それはそれで可能だというふうに思っております。しかし、これは二年なり三年なりという期限付の話でございますので、一時的にはそれを使うけれども、今後その調査を続けていくためにはこういうふうにその間に考えていくという将来性のことを加味をしていただいてお使いをいただくというのならば、それは一つの方法かもしれないというふうに思っている次第でございます。
○辻泰弘君 雇用の安定、雇用の確保は大変国民の切実な願いでございます。どうか、今後とも雇用労働問題、全力で取り組んでいただきますよう改めて御要請申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 社会保険労務士法の改正案について、これは我が党賛成の立場から確認のための質問を行いたいと思います。 今回の法改正で、社会保険労務士が個別労使紛争の調整委員会における紛争当事者のあっせん代理業務ができるようになるわけでありますが、最初に政府参考人にお聞きをしたいと思います。 現行のこの社労士法第二条、二十三条におきまして、社労士が労働争議に介入することを禁止をしておりますけれども、この立法趣旨はどういったことになるんでしょうか。
○政府参考人(松崎朗君) 社労士法の第二十三条、労働争議介入禁止の規定でございますけれども、これは社労士法ができました昭和四十三年当初から、初めから入っている条文でございます。 この条文につきましては、労働争議という労使の集団的な対抗関係が生じているときに、社労士という公的資格を持っておる人、社労士でございますけれども、そういった人が公の信用、そういったものを背景としてそういった争議に介入するということになりますと、その社労士の公平性を疑わしめ、本来自主的に解決されるべき労働争議をかえって複雑化するおそれがあるんではないかといったことが懸念されたということが理由だというふうに理解しております。
○小池晃君 了解いたしました。 そこで、提案者にお聞きをしたいんですけれども、今回の法改正によりまして、今御説明のあった社労士の労働争議不介入の原則、ここには変わりがないということを確認をさせていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(長勢甚遠君) 今回の改正案におきまして、第二条第一項第三号及び第二十三条は改正をいたしておりませんので、現行どおりでございます。
○小池晃君 ということは、要するに今回の改正は個別労使紛争のあっせん、紛争調停委員会の手続ということであって、集団的な労使紛争の対象にするものではないということでよろしいですか。
○衆議院議員(長勢甚遠君) そのとおりでございます。
○小池晃君 分かりました。 引き続き社会保険労務士に深くかかわる雇用保険の問題についてお聞きをしたいんですが、給付の問題なんですけれども、現在、審議会で雇用保険制度の見直しが議論されております。今、提示されている給付の削減額というのは総額で一体どれほどになるんでしょうか。
○政府参考人(戸苅利和君) 五日の日に厚生労働省の方からお示しした給付の検討のたたき台に沿いまして、それが実現したといたしますと、平成十五年度、これは初年度ベースでありますが、三千億円弱、それから平年度化いたしますと五千億円強と、こんな感じだと思っております。
○小池晃君 ということは、今の数字で見ますと、当面五年間だけでも二兆円を超える、二兆五千億円近い削減ということになるわけであります。先ほど同僚議員からもお話があったように、失業率の問題もありまして十八か月ついに連続で増加をしていると。 失業手当というのは命綱だと思うんですが、なぜこうした給付の削減ということを行う議論がされているんでしょうか。
○政府参考人(戸苅利和君) 雇用保険の財政状況を申し上げますと、ここ七、八年赤字が続いておるわけであります。毎年積立金を取り崩して対応してまいったわけでありますが、積立金の残高が平成十三年度末で約五千億円ということになっております。このまま推移いたしますと、平成十五年度中には積立金が底をつきまして、資金不足ということで財政が破綻し、雇用保険の失業給付の財政が極めて危機的な状況に陥るという厳しい状況にあるわけであります。 このために、現在、関係審議会において給付、負担の両面につきまして見直しの検討が行われておりまして、今お話しの十一月五日の審議会にお示ししたたたき台等々、こういったものを踏まえまして審議会の御議論が行われるわけでありますが、たたき台でお示ししたところを申し上げますと、一つは求職者給付の基本手当の日額と再就職時の賃金、これが逆転している人が多い高年齢層、この辺りにつきまして逆転現象を解消するということによって再就職の促進を図っていこうというふうなこと。それから、所定給付日数の見直し。それから、最近パートタイマーの方が増えるなど多様な働き方が増えておりますので、そういった多様な働き方に雇用保険制度も合わせていこうと。さらに、再就職困難な方への給付の重点化、そういったことを図っていこうというふうなことで検討を行っているというところであります。
○小池晃君 その再就職時意欲の喚起という問題、非常に私これ引っ掛かるんですね。逆転現象が起きているというふうにおっしゃった高年齢層、これは、逆転現象起きているのは厚労省の資料を見ても、大体基本手当の日額が八千円から九千円ぐらいの方たちであります。 こうした人たちの基本手当というのは離職前の賃金の六割保障というふうになっているわけですから、つまり逆転しているということは、離職前の賃金の六割よりも低い賃金で再就職しているということになるわけですよね。そういうところにしか再就職できないという実態だと思うんですよ。それよりももっと失業手当下げようと、これが逆転現象の解消論ということだと思うんですね。 逆転現象が再就職意欲を減退させているというふうに審議会でもおっしゃっているんですが、何かそれを証明する資料をお持ちなんでしょうか。そのことが何か客観的に証明できるんでしょうか。
○政府参考人(戸苅利和君) 雇用保険の受給者の方の再就職の状況を調査しておりますけれども、これによりますと、離職してすぐ就職される方、こういう方が非常に多いわけですが、その後はずっと再就職する方の割合が減りまして、雇用保険をもらい終わってから再就職する方がまたどっと出てくると、こういった状況でありまして、先ほど先生から六割というお話ございましたが、雇用保険の求職者給付は非課税になっておりまして、そういった意味で課税後の可処分所得と非課税の雇用保険の給付との逆転現象というのが高賃金層にかなり多く見られる、この辺りが先ほど申し上げたようなことの原因になっているのではないかと、こういうふうに考えているわけであります。
○小池晃君 支給終了後ちょっとしてから、大体厚生省の資料を見ても一か月以内に再就職する人がどっと増えている。これは言ってみれば当たり前のことで、一生懸命長期不況の中で頑張って職を探しても希望する条件の職はなかなか見付からないわけですから、手当が切れたらもうやむを得ずその条件を大幅に引き下げて再就職しているんだと思うんですよ。そのことを証明しているにすぎない。 私が聞いたことは、要するに、逆転現象があるから再就職意欲を減退させているというふうにおっしゃるけれども、何かそのことを証左するというか、こういうアンケートがありますとか、そういう資料はあるんですかということを、ちょっとそのことを単純にお伺いしているんです。
○政府参考人(戸苅利和君) 所定給付日数別の支給終了までの期間の再就職率というのが更にございます。これを見ても、所定給付日数の短い人の方が早く再就職する人が多いと、こういうことになっていまして、そういう意味では雇用保険を長くもらえるとなかなか就職しないということもここから言えるんではないかというふうに思っています。
○小池晃君 それもおかしいと思うんです。所定給付日数が長い人というのは、これはどういう人かというと、やっぱり賃金高くて正職員なんです。そういう人が多いわけですよ。そうなれば、やっぱりそれなりの賃金、安定的な雇用を求めるわけですから、やっぱりそういった人たちほど現在の求人状況では希望する就職先を見付けにくいわけですよね。だから再就職率低くなっている。私、何度も聞いているんですが、要するに、逆転しているから再就職しないなんということは証明できないと思うんです。 そもそも、私、再就職意欲がないんだと、こういう言い方というのは、大臣、ちょっと私、これは大臣にもお聞きしたいんですが、私これは労働者に対する冒涜じゃないかと思うんですよ。だって、再就職しようにも、意欲がないんじゃない、求人がないわけです。中高年の有効求人倍率、ただでさえ低いわけです。住宅ローンを抱えている、あるいは大学生、子育て。離職前の条件に近いところを一生懸命探しても、必死になって探してもなかなか見付からないと。働きたくとも生活を支える働き口見付からないと、これが正に実態だと思うんですね。それなのに、失業手当の方が高いから再就職の意欲がないんだと。 私、こういう考え方はきっぱり改めるべきだと思うんですが、大臣、こういう考え方は私間違っていると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 中高年の方の再就職、それは雇用先がないというわけではないんですけれども、合意のできる就職先がなかなか見付からない、こういうことなんだろうというふうに思います。 それにはいろいろの条件もあって、それはいわゆる所得の問題、賃金の問題もあるでしょう。賃金が合わないということがあるいは一番大きいのかもしれませんし、それはあるでしょう。しかし、仕事の内容等につきましてもありますし、今お話しになりましたように、中高年になってまいりますと、それぞれの今まで役職にも就いておみえになった、例えば企業の課長さんでありましたり部長さんであったりというようなこともある。ですから、そういう役職のところがあるかといえば、初めからそう役職が付くというわけではないという、そうしたことも私はあるんではないかというふうに思っております。 したがいまして、初期には、企業を替わられましたときに、初期には下がるかもしれないけれども、一年なり二年なり三年なりそこで辛抱をしてもらえば、それはまたそれなりに考えていくという経営者もあるわけでありますから、すぐに前と同じ額のところでなければ、それはないからそれは雇用先がないという単純な考え方では私はいけないんではないか。やはりもう少し長い目で、新しい職を求められるときにはそうしたことも必要でありますし、キャリアカウンセラーの場合にもそうしたことも十分に配慮をして企業の動向というものも聞いてやはり決めるべきだということを今言っているわけでございます。
○小池晃君 いや、大臣おっしゃるとおりのやっぱり状況があると思うんですよ。そういう事情があってなかなかやはり高年齢層、高所得層は就職できないという実態があるわけですよ。それなのに、厚労省の言い分というのは、失業手当の方が高いから再就職意欲がないから、それを逆転させることで再就職意欲を喚起しようと。私は、これは本当に労働者の気持ちを逆なでする言い方だと思うんです。だから、それを改めるべきだと言っているんです。 そもそも、雇用保険法の第一条を見るとこう書いてあるんですね。第一の目的は、労働者が失業した場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進すると。所得の保障というのは、生活を支えるだけじゃなくて、安心して職探しできるようにしようと、これが目的である。にもかかわらず、失業手当の額を下げるとか、あるいは日数を削減するとか、こういうやり方で生活不安をあおって再就職へ再就職へというふうに駆り立てていくようなやり方というのは、私はこの法律の第一条の目的そのものに照らしても反しているのではないか。 私は、こういうやり方は撤回すべきじゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 雇用保険でありますから、一人でも多くの皆さん方が必要なときにはお受けをいただく、そして一人でも多くの皆さん方にそれが行き届くようにするということが大事でありますから、それは一人の人に高ければ高いにこしたことはありませんけれども、しかしそうもいかない。 今お話しになりましたように、雇用保険の額が、税との関係もありまして、可処分所得と比較をしたときに雇用保険の方が高いということになれば、それはそんな意図があるないは別にいたしまして、少しゆっくり探そうということになる可能性はそれはあるというふうに思っております。 ですから、そのことが雇用保険を終わられた直後に急に就職者が高くなるということに結び付く可能性としてはあるわけでありますから、できるだけ、これはみんなの雇用保険でありますので、お互いに一人でも多くの人たちがそれを受けていただくようにするためには早く就職をしていただくということが大事でありまして、そういう意味で、お互いにこれは考えていこうということを我々は言っているわけでありまして、別に無理なことを言っているわけではありません。
○小池晃君 いや、私、結局大臣おっしゃることは、非常に言い方は柔らかいけれども、失業手当下げてできるだけ早く就職させようというふうに駆り立てるということをお認めになっているわけですよ。これはやっぱり失業保険の本来の趣旨に私は反すると思う。 しかも、五日、つい二日前には保険料の引上げ提案されました。既に今年十月から一・四%に引き上げられて、これに加えて来年から今言われたように一・六%となると、これは保険料の国民負担というのは引上げ前と比べて年間でどれだけ増えるんでしょうか。
○政府参考人(戸苅利和君) 平成十五年度予算要求ベースにおきます数字で申し上げますと、保険料〇・一%当たりの保険料収入でありますが、約千四百五十億円でございます。これを前提に試算いたしますと、仮に保険料率が一・六%になるといった場合に、御質問の一・二%からどれだけ増えるのかということで申し上げますと、労使合わせて合計で五千八百億円ということであります。
○小池晃君 既に昨年四月に一・二%に引き上げられて、来年度一・六%となると、去年の四月までは〇・八だったわけですから、二年余りで二倍になっちゃうわけです。私、十月二十五日のテレビも入った予算委員会で大臣にこの問題御質問して、やはり負担増はこの景気が悪いときにやめるべきだと。大臣はあのときテレビの前で、一・六に引き上げるかどうかはまだこれからで、そんなこと決めていないというふうにおっしゃいましたよね。ところが、わずか十日でこれ引き上げるということになってきている。 これ、大臣にお伺いしたいんですが、これだけ景気が悪いときにこの保険料の引上げ、これは労使ともに係ってくるわけですから、新聞なんか見ても、これはとんでもないという報道続いていますよ。これはやはり今の景気の現状を考えれば、この保険料の引上げ、私は断じてやるべきでないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) これは景気が悪いから雇用保険を上げなきゃならなくなってきたわけでありまして、景気がいいときだったら別に上げる必要ないんですよ。下げてもいいわけです。雇用保険というのは、労使がお互いに負担をしながら、そして職をなくした人たちのためにどうそれをネットとして受け止めていくかという、そういうことでありますから、それは雇用状況が悪くなってきたからこうせざるを得ないということであります。 先ほどの五千億円下げるというような話も、これをもっと内容を充実をしていくということになればまた上げ幅を更に上げなければならないということになっているわけであります。もちろん、国庫負担も中に入っているわけでありますから、国庫負担もそれに合わせてそれは多くなっていくということであります。ですから、そこは御理解をいただかなければならないことだと私は思っております。
○小池晃君 これは全く理解できないですよ。景気が悪くなったから財政が悪くなった、それはおっしゃるとおりです。これは数ある社会保険の中でも景気の悪化がダイレクトに財政悪化に結び付く、私は医療保険だってみんなそうだと思うんですけれども、雇用保険というのは、もう失業者が増える、失業者が増えれば保険料収入減る、景気が悪くなれば必ず財政は悪化するわけです。だからこそ何があるかといえば、国庫負担があるわけです。そして、しかもですよ、雇用保険法の第六十六条にはこうありますよね。保険料収入が失業給付の四分の三切った場合には国庫負担を四分の一から三分の一に引き上げる規定が置かれています。この根拠、趣旨について簡潔に御説明いただきたい。
○政府参考人(戸苅利和君) いわゆる高率負担のお話であります。 これ、雇用保険法のコンメンタールによりますと、雇用保険の保険事故である失業は経済変動に敏感に反応するものであり、急激に不況が到来した場合などには予想を超える数の失業者が発生し、雇用保険財政が赤字となることが予測されるが、このような事態に対処するため、保険収支が赤字となった場合、すなわち日雇労働求職者給付金以外の求職者給付に要する費用の四分の三相当額が一般保険料徴収額から日雇、ちょっと長くて恐縮ですが、日雇労働被保険者に係る一般保険料徴収額及び三事業率に応ずる額を減じた額を超える場合には、国庫負担率を最高三分の一まで引き上げて、その超過額を国庫が負担することとしていると、こういう考え方です。
○小池晃君 正に景気が悪くなったときには、これは財政が、失業というのは正に経済変動に敏感に反応するものであるから、そういうときは国庫負担を引き上げるという規定まで置かれているわけです。コメンタール、ほかのところを見ても、失業というのは個々の使用者又は労働者の責任を超えた政治的、経済的、社会的な諸要因によって発生するものであって、個々の使用者あるいは労働者のみの問題ではなく、高度の国家的な課題として考慮されるべきだと、今の本にはそう書いてあるんです。 大臣、景気が悪くなったんだから仕方ないんですと、給付も下げます、保険料を上げますじゃなくて、やるべきことというのは、景気が悪くなったんだから、しかも今の景気の悪化というのは、失業者の増加というのは、これは間違ってこうなっちゃったわけじゃないでしょう。小泉内閣というのは、構造改革やるんだと。小泉さんは、総理は構造改革が順調に進んでいることの現れだというふうに言っているわけですよ。正にこれは確信犯として、今の構造改革をやれば失業率増えるというふうに言っているわけじゃないですか。だとすれば、私は、この事態に当たって何よりもまずなされるべきことは、雇用保険法の本旨に照らしても、今の失業者が増えているという実態に照らしても、真っ先にやるべきことは、国庫負担の額を増やすのは当然ですよ、全体として増えているわけですから。国庫負担率を増やして保険料の引上げを抑える、あるいは給付のカットを抑えると、これこそ正にやるべきことじゃないですか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 経済に対する考え方は意見を異にいたしますが、いずれにいたしましても、こういう雇用状況が悪くなってまいりましたときに国が出動をしなければならないことはおっしゃるとおりだと思います。しかし、それは雇用政策全体の話でありまして、雇用保険だけに国の出動というものが向けられてはいけない。むしろ、現在の雇用を回復せしめるためにどうするか、そしてトータルとしての雇用を維持していくためにどういうふうにしていくかといったことに対して、それは国が出動する可能性はありますけれども、雇用保険に限定をして、雇用保険だけに、もしも国の雇用政策というものが雇用保険だけを支えるということになってしまえば、それは失業者が増えていくだけでありますから、それではいけない。やはり、この失業者を減らしていくための雇用政策として何をなすべきか、そこをやはり考えながら国は財政的な出動をしていくべきだと、私はそう思っております。
○小池晃君 それはもう全体としてやっていただくのはもちろん必要ですよ。でも、雇用保険というのは正に失業者に対する最大のセーフティーネットじゃないですか。そこのところを支えなくて、ほかをやりますからという議論は駄目ですよ。 大臣、やはり、今日話していることは私、自分でも筋通っているなというふうに実感しますけれども、これは正にやっぱり今こういう情勢の下でやるべきことですよ。しかも、もう時間ないんで言いません、やめますけれども、しかも、しかもこの財政見通し見ても、本当、でたらめなんですよ。 これ、言うだけにしますが、これ、五年後の財政見通し、こうなっているんです。今年度は失業給付の受給者は一〇・七%増える。来年は一倍なんです。増えないという。再来年以降は五%ずつ増えていくというんです。これ、説明聞くと、要するに、今年はGDPの伸びはゼロ%だった。だから、今年から来年にかけて失業給付の受給者はゼロなんです。伸びないと、そういう財政試算をしているんです。突然再来年からは過去十年の平均を取って五%ずつ増えると。こういうでたらめな試算をやって、それで五年間は財政もちますよといって、それで今回の給付の切下げやろうというんですから、私、こんなことをやったら必ずもう来年になったらまた引き上げると。その証拠に、弾力条項をまた幅広げると、こんなことまで出されてきている。 これは、ちょっと引き続き議論を是非させていただきたいと思いますけれども、大変重大な問題だということを指摘をして、質問を終わります。
○西川きよし君 おはようございます。よろしくお願いいたします。 まず、今回の法案が提出に至るまでの背景についてお伺いをいたしたいと思います。この法案につきましては、七月の十七日の衆議院の厚生労働委員会で提出されたわけですけれども、そもそもこの法律案が起草されるに至った経緯についてお伺いをしてみたいと思います。 当日の議事録を読ませていただきますと、各会派において協議をされたということでございますが、どのような協議が行われたのか、まず提出者にお伺いをいたします。
○衆議院議員(長勢甚遠君) 今回の社労士法の改正につきましては、全国社会保険労務士会連合会から御要望がありまして、自由民主党の中で議論しておりました。自由民主党から与党内に議員立法を行いたいということを申出をいたしまして、与党の手続を経まして、その中で野党にも提案をして一緒に議論しようということにさせていただきました。こういう経過から、この改正法案について自由民主党から各野党にも御説明をさせていただきまして、各党では内部で御議論をいただきまして了承されたということで成りました。 そういう経過を踏まえまして、七月十七日の厚生労働委員会におきまして一般質疑の中で本法案の起草をも念頭に置いた質疑を行うということにいたしまして、その上で各党の賛同を得まして委員長提案という形で提案をさせていただいたという経過でございます。
○西川きよし君 短い時間でございますので細かいところまでは突っ込むこともできないんですけれども。 次に移りたいと思いますが、その改正の内容の中から個別紛争関係についてお伺いしたいと思うんですけれども、紛争の当事者を代理する、このことを業務に加えるという点についてでございますけれども、一つには、社会保険労務士会からの御要望ということも先ほどからもお伺いをいたしました。存じ上げておりますけれども、その一方で、提案理由説明にもございましたように、「国民の利便性の向上」ということが言われております。 当然、相談当事者なり事業者側の利便性が図られるということになると思うわけですけれども、今回法案を提出される過程におきまして、相談者なり当事者の要望であるとか、社会保険労務士に代行してもらいたいという声というものをどういうふうに把握をされておられるのか、再度提案者にお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(長勢甚遠君) 紛争の当事者であります事業主あるいは労働者の方々から具体的に直接そういう要望があったということは把握はいたしておりませんけれども、社会保険労務士の方々は日ごろからこういう方々と接触をされておられるわけでありますので、それらの声を受けて御要望があったものと認識をしておる次第であります。 また、現実に民事上の個別労働紛争相談件数あるいは紛争調整委員会に対するあっせん申請というものが増えておりますし、そういう場合に関係者が代理人を伴ってこういう場に出られるということも多くなっておるわけでありますので、そういう場合に代理人として認められる範囲というものも可能な限り増えていくということが紛争当事者のニーズに合致するものと私どもは考えて提案をさせていただいた次第であります。
○西川きよし君 この法律案が成立をいたしますと社労士の方々には大変な役割を担っていただくことになるわけですけれども、一年間に民事上の個別の労働紛争の相談件数が約九万件ですか、あっせん申請が約二千件というようなことですけれども、現行制度におきましてこうした方々がどのような部分で御不便をお感じになっておられるのか、そこのところの把握と申しましょうか、その不便を取り除くための方策が今回の対応ということになると思うわけですけれども、この部分の実態も是非政府参考人にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(松崎朗君) これは、個別労働紛争解決制度につきましては、今御紹介のように非常に相談件数等増えております。これは、現在のこういう厳しい情勢の中で、個別労働紛争の解決を援助する制度としてこれは労使双方に大いに利用されているという結果ではないかと思っております。 特に、この制度の中のあっせん制度でございますけれども、これは紛争調整委員会の委員があっせんの委員として当事者の間に立ちましてあっせん案を作って仲立ちをするということで、言わばこの制度の中核といいますか、非常に重要な制度でございます。 ただ、そこで重要なことは、当事者がやっぱり自分の主張というものをきちんと行うということが非常にポイントになってまいります。特にあっせんの事案につきましては、解雇問題、整理解雇、懲戒解雇も含めまして解雇問題が半数近く占めておりますように、非常に法律問題でございますとか判例の解釈、そういったことも関係してきておりまして、この主張を行うに当たりましてやはりそういった専門知識が必要な場合も出てきております。 そういったことで、そういう場合にはもちろん都道府県労働局の職員でございますとか、またあっせん委員自身がいろいろ援助したりするわけでございますけれども、やはりそういった知識を持った専門家に代理をしてもらった方がやりやすいといったような場合もあろうかと思います。そういったことで、この改正によりましてこういった制度ができますと、個別紛争の解決援助制度というものが、特にあっせんの制度というものがやはり利用しやすくなり、より活用しやすくなるんじゃないかというふうに考えております。
○西川きよし君 そしてまた、今後、社労士さんの代行をお願いするという方々がいらっしゃる一方で、これまでのように御自身が対応されるということをやっぱり我々は心配もするわけですけれども、そうした場合の例えば情報の提供だとか手続の面で不利益があってはならないというふうに思うわけですけれども、そういった場合、なお一層の逆に配慮をしていただくということが大切ではないかなというふうに思うわけですけれども、この点、厚生労働省としてはどういうふうにお考えなのか、再度政府参考人にお伺いします。
○政府参考人(鈴木直和君) 今回、社労士の方があっせんの代理ができるようになるということになりますと、制度の利用がしやすくなるという効果が出るだろうと思っております。ただ、一方で本人自身が対応される場合もかなりの部分を占めるだろうというふうに考えております。 現在どういうふうにやっているかといいますと、現在は総合労働相談コーナーにおきまして手続に必要な情報を提供し、御本人の主張を十分伺いながら解決を図ってきたところでございます。今後も都道府県労働局の職員、それからその相談コーナーの相談員、こういった方の資質の向上を図りまして十分な相談ができるような体制を作っていきたいと考えております。
○西川きよし君 ありがとうございました。 いつも最終的には一人で私の場合は判断をさせていただきますので、随分今回も勉強させていただいたり悩んだりもいたしました。今回は賛成させていただくんですけれども、これからもまた僕もしっかりと勉強させていただきたいと思いますし、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 最後に、大臣にお願いをいたします。 構造改革特区に関連をいたしましてお伺いしたいと思うんですけれども、十一月の五日に閣議決定されたわけですけれども、一昨日、構造改革特区法案が提出をされたわけですけれども、その中で、東京都足立区でございます、社労士業務に労働契約の締結、変更及び解除の代理の業務を追加という内容が提案されておられるわけですけれども、せっかくの機会でございますので、今日は是非この内容について厚生大臣の御見解をお伺いして、最後の質問にしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 確かに、東京都の足立区からこの社労士業務に労働契約の締結、変更及び解除の代理の業務の追加を行いたいと、こういう要請がありますこと、そのとおりでございます。 社会保険労務士というのは、御存じのように、労働関係法令でありますとか労務管理の実務など労働問題についての専門家でありますし、また社会保険労務士法によりその信用や品位が担保されているというようなことから、構造改革特区においてこの労働契約の締結等の代理業務を社会保険労務士の業務に追加することは適当であると考えております。 したがいまして、十一月五日に提案されました構造改革特区法案、この法律の中に社会保険労務士法の特例措置を規定したところでございまして、これはこの足立区のお申出をお受けをしたい、こういうふうに思っております。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○森ゆうこ君 まず、社会保障制度が複雑になり過ぎているのではないかという問題意識で質問させていただきます。 会計検査院にお伺いいたします。 老齢年金の不適正支給が平成十一年十二億六千五百万、十二年約九億、そして十三年度、昨年度は七億という御指摘をされておりますけれども、なぜこのような不適正な支給、受給が行われるのでしょうか。会計検査院、お答え願います。
○説明員(増田峯明君) ただいま先生の方から十三年度の決算検査についての言及がございましたけれども、これにつきましてはただいま検査の結果取りまとめ中でございますので御容赦を願いたいと思いますけれども、今お尋ねの件は、私どもこれまでの決算検査報告におきまして、厚生年金保険の老齢厚生年金及び国民年金の老齢基礎年金の支給が適正でなかったものということで掲記をいたしておるものでございます。 その指摘の内容ですけれども、特別支給の老齢厚生年金の全額を受給している方々などが厚生年金の適用事業所に常用的に使用されておりまして、こういう方々につきましては、制度上、年金額の一部又は全部の支給を停止するということになっておりますのに、事業主からこれらの方々について被保険者になった旨の届出がなされていなかったということなどのために年金の支給停止の手続が取られていなかったというものでございます。 こうした届出漏れの発生原因といたしましては、年金受給者やこれらの方々を使用する事業主におきまして、厚生年金保険等の制度についてなお十分な理解が得られていないということなどが考えられるところでございます。 〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕
○森ゆうこ君 そうしますと、制度の理解が労使ともに十分ではないということで、特にこの制度、実際に代理で手続をしたりするのは社会保険労務士ということになるわけですけれども、そこで大臣に伺いますが、このように最近は制度そのものが継ぎはぎで理解されない、そしてまた雇用形態も多様化していて完全に終身雇用ということも崩れてきている、このような状況の中でやはり間違いが起きるのではないかと思いますが、この点で、この複雑な年金制度の理解を助けるため社会保険労務士に対しての最新の情報がフォローできる体制があるのか。 そして、もう一つは、国民一人一人も自分の年金について、常に自分が将来幾ら年金を受け取れるのかという点について把握しておく必要があると思うんですけれども、その点についての支援体制、そういう環境作りについて努力をされているのか、この点について伺います。
○国務大臣(坂口力君) 一番最初のお話は、今も会計検査院の方からお話のあったとおりでございまして、とりわけ事業主がこの制度というものをよく理解をしていないといけないわけでございますが、ここは制度といいましてもそれほど複雑な制度ではなくて、新しく雇用者を迎えましたときにその年金をどうするか、あるいはお辞めになったときにどうするかという最も基本的な問題でございますから、御本人も注意をしていただかなければなりませんが、しかし経営者という立場にある以上は、そこは最も基本的なことでございますから、御理解をいただいて、そして対応をしていただかなければならないというふうに思っております。 しかし、私たちの方も、そこを十分にやはり理解をしていただいて、そして対応していただけるように、それは十分に我々も広報というものをやっていかないといけないわけでございますから、研修会等を各地域でできるだけ頻繁に持って、そこでお話を申し上げてよく理解をしていただくようにしていきたい、こういうふうに思っている次第でございます。 それから、社会保険労務士とのかかわりの問題でございますが、労働社会保険諸法令の主要な制度改正がありました場合には、全国の社会保険労務士会連合会にもその情報を提供いたしまして、同会から社会保険労務士に対しまして、それぞれの労務士に対しまして積極的に周知を図っていただいているところでございます。 〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕 社会保険労務士に対しまして、社会保険事務にかかわります研修でありますとか、社会保険労務士会が開催する講習会への講師などの派遣も行っているところでございます。 それから、個人が年金の掛金をどれだけ払って、将来どれだけ受け取れるかということがもっと簡単に分かるようにしろというお話はよく言っていただく話でございます。確かに、今までの制度、今までの在り方ですと、なかなかその場にならないと自分がどれだけあるかということが分からないということでございますので、ここは次の年金の改正に合わせて、自分でも計算ができるようにしたいというふうに思っております。 これ、なかなかいろいろのことがありますから、それぞれの企業にも御協力をいただかなければならないというふうには思いますけれども、御自身の給与の状況というものさえよく把握をしていただければ、それによって簡単な計算式をお示しを申し上げて、そして分かるようにしたいというふうに思っている次第でございます。
○森ゆうこ君 これからまた社会保障制度の改革等も進むということで更に複雑になってくると思いますし、また雇用形態も、先ほども申しましたが、終身雇用制度から、本当に個人がライフスタイルに合わせて多様な雇用形態を選んでいくという社会になっていくのではないかと思われます。 そのような二十一世紀型雇用の中で、今後社会保険労務士の役割というものは、勤労者が働くということに付随して発生する様々な権利、年金受給、失業保険、そして健康保険などが適正に確保できるかという観点から、勤労者、つまり働く一個人の代理人たるべきではないかと考えます。 今までは社会保障関係の、表現は余り良くないんですけれども、代書屋さんという立場にすぎないというようなイメージがあったと思いますが、これからはある意味では弁護士的な仕事もするべきではないかと思いますが、この点につきまして、今後社会保険労務士がどういった立場で活動するのか、又はするべきなのか、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 社会保険労務士の皆さん方は大変貴重な存在であり、そして重要なお仕事をしていただいているわけでありますから、現在おやりをいただいておりますそのお仕事にかかわりますところの周辺のお仕事ということにつきましても、これから他の職種との合意を得ながら、拡大できるところは拡大していきたいというふうに思っているわけでございますが、やはり周辺の関係する職種の皆さん方もおみえでございまして、特に弁護士さんとの間等、様々な方がおみえでございますから、そうした団体ともよくお話をさせていただいて合意をこれはしていかないといけないわけでございますので、そこは十分な合意を図りながらやっていきたいというふうに思っております。 先ほど勤労者の権利確保の代理人という立場、御主張をいただきましたが、それも当然中には入るというふうには思いますけれども、しかし勤労者の側だけの代理人というわけにもいかない。これは広く経営者の側の皆さん方のお立場もございましょうし、いろいろのことにやはり対応していける社会保険労務士であるべきだというふうに思っている次第でございます。
○森ゆうこ君 ありがとうございました。 次の問題に移りたいと思います。 国民年金の二〇〇一の納付率が七割との発表がありました。未納者への対策を更に強化しないと制度への信頼感というものが更に損なわれるのではないかと思いますが、未納者への対策についてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 確かに、国民年金の納付率、二〇〇一年でございますが、七〇・九%と非常に下がってまいりました。大変心配をいたしております。とりわけその中で二十歳代の皆さん方、二十歳代前半の方は五四・〇%、二十歳代後半の方が五六・八%というふうに低くなっている。半数近くの人が納付していただいていないというこの実情は大変危機的な状況だというふうに思っております。 さて、どういう人がそれじゃ払う払わない人の特徴かということも意識調査等もさせていただいておりますが、トータルで見ますと、経済状況というものは、払う方、払わないというふうに言われる方、経済状態にはそれほど大きな差はございません。しかし、考え方がやはり違う。とりわけこれは若い方に多いわけでございますが、将来のことは考えていないというふうにお答えになる方、それから将来のことは自分でやっていくというふうにお答えになる方、こういうお答えの人が払っておみえにならない方に特徴的に多いというようなことでございます。 しかし、年金というのは、自分自身のためでありますと同時に、これは社会の連帯の問題でございまして、お互いにこれは助け合うという立場もあるわけでございますので、そうしたこともよく認識をしていただいていくということが大事でございますので、これからそうしたことについてどう皆さん方に理解をしていただくようにしていくかといったことが大事だと。そのためには、先ほども御指摘をいただきましたように、単純明快なやはり形にしていくということも大事だろうというふうに私も思っているところでございます。
○森ゆうこ君 特に若年者の年金の納付率が悪いと。若い人たちは世代間の不平等感が強くて、これがまた新卒の無業というものにもつながっているというような指摘もございますが。 年金物価スライド制について最後に伺って終わりにしたいと思いますが、年金物価スライド制の特例につきまして、前回、この厚生労働委員会で反対したのは私一人だったと思います。今度はどうなさるんでしょうか。私は、一度決めたルールは守るべきであって、そして三年も、そして今年もまた、次も特例というようなことであれば、そもそも物価スライド制を廃止するべきではないかというふうに思っております。とにかく制度への信頼感を取り戻すことが大事だと思いますが、年金物価スライド制についての大臣の御所見を伺って、質問を終わります。
○国務大臣(坂口力君) 確かに、前回のときに森議員がそう主張されまして、そして反対をしていただいたということも記憶をいたしております。 今までの物価の状況を勘案をしてまいったわけでございますが、最近は物価が下がるというだけではなくて、去年の後半から特に若い人たちの賃金の低下も見られるということでございまして、やはり掛金をしていただきますお若い皆さん方の賃金が下がり、そしてその皆さん方が御苦労してその中から保険料をお払いをいただいているというこの現状を考えましたときに、経済状況だけを考えて対応するということには限界が来たというふうに思っている次第でございます。 そうしたことを勘案いたしまして、今年の物価スライドにつきましては国民の皆さん方にも御理解をいただきたいというふうに今思っているところでございます。
○大脇雅子君 社会保険労務士改正法案につきまして提案者にお尋ねをいたしたいと思います。 あっせん代理業務が追加されまして、指導・助言と称して争議屋的に労使紛争に介入し、労働者や労働組合の権利侵害に至る事例が発生する心配はないか。除外規定はございますが、この法案は対応策としてどのように考えておられるでしょうか。
○衆議院議員(長勢甚遠君) 最近、個別労働紛争が増加をいたしておる状況から見まして、社労士にあっせん代理業務を追加することは紛争の解決等に大いに役立つということ、そういう意味で国民の利便性にもかなうものと考えております。 ただ、今回の改正では都道府県労働局の紛争調整委員会におけるあっせんの代理に限定して業務を拡大するものでありますので、御懸念のような社労士が争議屋的に労使紛争に介入をするということを認めるものではないというふうに思っております。 仮に、そうした問題を生じた場合には、社会保険労務士法第十六条の「社会保険労務士は、社会保険労務士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。」という規定に違反することになりますので、その社会保険労務士は懲戒処分の対象になると、こういうふうに考えております。
○大脇雅子君 今回、社会保険労務士試験の受験資格が緩和されます。登録者の絶対数を増やして社会的なニーズにこたえるということは意味があると思いますが、実際上サービスの面から考えますと、必要な地域に必要な数を確保するという点も重要だと思います。 弁護士もこのところ過疎地対策ということに弁護士会が取り組んでおりますけれども、社労士会としてはそのための対策をどのように考えていかれるおつもりか、提案者と政府参考人にお尋ねします。
○衆議院議員(長勢甚遠君) 実務経験の受験資格を五年から三年に緩和いたしますので、これによって多様な人材が確保されるんじゃないかということを期待をいたしております。 先生おっしゃるように、各地域にきちんとそういうサービスができるような社労士が確保されることが必要ではないかという点は誠にそのとおりでございます。今回の改正を踏まえて、社労士制度のPRも含め、意欲を有する方々が全国各地で受験され登録をされてサービスができるようになることを期待しておるわけでありまして、この制度の周知、また社会保険労務士制度の役割というもののPRに努力をしてまいりたいと思います。
○政府参考人(松崎朗君) 御指摘のような受験資格の緩和、これが行われるわけでございますが、こういったことの内容も含めまして社会保険労務士制度のPR、そういったものに努めまして、都会だけではなくて日本各地でいろいろ、いろんな方がこの社労士試験にチャレンジして、社労士として仕事をされるといったことを通じまして国民のニーズにこたえていくことができるようにということに努めていきたいと思っております。 ただ、必要な地域に必要な数を確保するということにつきましては、元々、社労士さんの事務所の開設というもの、こういったものが各社労士さんの判断によるということになっておりますので、まず社労士会でございますとか社労士会連合会におかれて、実情把握でございますとか各社労士さんに対する情報提供の在り方、そういったものについて検討されるべきものだというふうに考えておりますけれども、私ども厚生労働省といたしましても、連合会等と意見交換をしてまいりたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 今回、社会保険労務士会や全国社会保険労務士会連合会の会則の記載事項から報酬に関する事項を削除するというふうになりました。この意味はどうとらえたらいいのでしょうか。 利用料金が不明であるというために顧客とのトラブルが発生するという可能性はあるのではないか、利用者に対するサービスの透明性、不安感の除去ということについては後ろ向きのような気がします。何らかの対応策は考えておられるでしょうか。提案者と政府参考人にお尋ねします。
○衆議院議員(長勢甚遠君) 今回の改正は、資格を持っている方々の競争を活性化をするという観点から改正をすることとしたものでございます。 先生おっしゃるようなトラブル等、あるいは安心した利用という面からの問題はないようにしなければならないわけでございますが、今回の改正は、他の士業においても同じような改正が行われておりますので、他の士業における取扱い等も踏まえて、そういう問題のないように社労士会連合会等を通じてきちんとした対応策を考え、講じていただきたい、このように考えております。
○政府参考人(松崎朗君) この報酬に関する規定の削除でございますけれども、これによりまして利用料金が不明になるといったようなトラブルの防止、そういったことも考えなきゃいけない問題でございますけれども、この点につきましては公正取引委員会も過去の報酬に関する概括的かつ客観的な統計の公表については独禁法上も問題にならないというふうに言っております。 それからまた、他のいろんなサムライ業、士業における取扱い等、こういったものもございます。例えば、弁理士法とか税理士法におきましてはこの代替措置、今のような代替措置については法律上で特段の手当てをしていないといったことで、法律上の問題はないかと思いますけれども、今御指摘のような点も含めまして、どういった措置が適当か、特に全国社会保険労務士会連合会と相談をしながら検討していきたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 厚生労働大臣が命ずる戒告とか業務停止又は解散について、運営が著しく不当と認められるときには、法人として具体的に、あるいは社会保険労務士として具体的にどのような場合を想定されているのでしょうか。 また、当該法人の社員は無限責任を負うというふうにされていますが、その他、刑法上、行政上の社員の責任というものは当然並列すると思うわけですけれども、この点について提案者と大臣はどのようにお考えか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(坂口力君) お話をいただきましたように、その運営が著しく不当と認められるときについてはどうかということでございますが、社会保険労務士法人の設立の目的あるいはまた社会通念に照らしまして具体的事例ごとに判断されることではありますが、例えば労働社会保険諸法令違反がありましたり他の法令違反がなされますような場合、社会保険労務士法人が組織として業務を適正に行っていない状況等を指すものと考えております。 このような運営が著しく不当と認められる場合には、法人格を与えて、そして法人自体に社会保険労務士業務を行える資格を付与するという趣旨に反しますことから、社会保険労務士法人に対しまして戒告、業務停止及び解散を命ずることができるというものと考えております。 また、仮にこの違法行為等によりまして依頼者に損害を与えたような場合には、社会保険労務士法人の社員は無限責任社員とされていることから、当該債務に対しまして直接に連帯をして無限の責任を負担することとなります。 社会保険労務士法人が処分される場合におきましては、社員であります社会保険労務士につきまして懲戒処分に該当する例があるときには、当該社員に対しまして懲戒処分を併せて行うことを妨げるものと解してはいないと、こう法律に書かれておりますので、そのように理解をしたいと思っております。
○衆議院議員(長勢甚遠君) 今、大臣から御答弁のあったとおりであります。
○大脇雅子君 それでは、若年の雇用対策について、残りの時間、二、三、お尋ねをしていきたいと思います。 失業の状況というのは、このところ年齢の格差と地域間の格差が拡大しつつあります。若年者の雇用対策が非常に薄いということは、他国の雇用対策と比較してそうした傾向があるということはずっと指摘させていただいておりますが、在学中からの職業体験の機会を充実するということが必要であると。その点で教育カリキュラムとの関係でどのような位置付けをされているのか、文部科学省にお尋ねをいたします。 あわせて、職業体験を有意義にするための施策としてどのように厚生労働省は考えておられるのか、お尋ねをします。
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。 学校教育において働くことの意義や目的、職業と職業生活などについて指導し、将来にわたって望ましい職業観、勤労観を身に付けさせることは大変重要なことと考えております。 このため、学校教育におきましては職場体験や就業体験、いわゆるインターンシップの積極的な推進を図るなど望ましい職業観、勤労観や職業に関する知識技能及び自己の個性を理解し主体的に進路を選択する能力、態度を身に付けさせるキャリア教育を推進しているところでございます。 具体的には、中学校の特別活動や総合的な学習の時間などにおきましては職場体験や技術者など社会人による職業講話、高等学校におきましてはこれらに加えインターンシップなどが行われているところでございます。また、文部科学省では、近々、児童生徒の発達段階に応じた体系的なキャリア教育の推進方策等について総合的な調査研究を行うための有識者会議を発足させる予定といたしております。 今後とも、学校教育において児童生徒に望ましい職業観、勤労観を身に付けさせるため、職業体験機会の充実に努めてまいりたいと存じます。
○政府参考人(戸苅利和君) 委員御指摘のとおり、就職を希望する若い方が円滑に就職できるようにするためには、在学中から、在学中の早い段階から職業体験機会を充実するということが大変重要だろうというふうに考えています。 文部科学省と連携いたしまして、都道府県単位で申しますと各労働局と教育委員会とが連携いたしまして、職業意識の啓発ですとか就職支援等についての計画を作成した上で様々な事業を行おうというふうに考えておるところであります。 総合的な学習の時間でありますとか、あるいは夏季休暇等を活用いたしまして、企業訪問による情報収集、あるいは実際の仕事に触れ合う機会の提供、それからインターンシップの推進、さらに企業の経営者の方あるいはハローワークの職員が学校へ出向きまして職業講話を行うとか、さらに夏季休暇を利用して高校の進路指導の担当者の方に対する研修、これを労働局で行う、そういったようなことをいろいろ検討をしているところでありまして、厚生労働省としては、在学中からの職業体験機会の充実を図るために、文部科学省、学校とより一層連携の強化をしまして、体系的、効果的な実施に努めてまいりたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 若年者のトライアル雇用について高止まりの失業対策として、この諸政策はどのように今後展開されていくのでしょうか。
○政府参考人(戸苅利和君) 若年者のトライアル雇用事業でありますが、昨年の十二月から開始をいたしました。 実績を申し上げますと、今年の九月までに二万八百三十一人がトライアル雇用を開始いたしまして、そのうち一万二百七十人が終了しております。一万二百七十人のうち七六・三%がトライアル雇用から正規雇用に移行したということで、若年者の正規雇用の実現に相当の効果が上がっているものと考えております。 今後とも、若年者トライアル雇用をより効果的に実施できるように、例えばトライアル雇用期間中、それからトライアル雇用が終わった後の職場定着、あるいは正規雇用への移行、こういったものが円滑に行われるようにということでのきめ細かな若年者との連絡、相談、指導、こういったものも充実しつつ、更に若年者雇用対策、若年者のトライアル雇用の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 新規学卒者に対する求人確保というのは、求人が低迷しているという状況をどのように把握して、その要因についてどのように考えておられるのでしょうか。若年者トライアル雇用のほかにいかなる政策をお持ちでしょうか。
○政府参考人(戸苅利和君) 来春の卒業予定の高卒者の状況でございますが、現在の状況では求人倍率が〇・五〇倍と過去最低ということで、非常に厳しい就職環境が続いているところであります。この要因といたしましては、ここ数年の経済情勢が非常に厳しいということを反映いたしまして、企業の新卒者の採用抑制が深まっている、それから、あわせまして企業の即戦力志向、それから大卒者への求人のシフト、そういったことが高卒の就職状況の厳しさの原因になっているのではないかというふうに思います。 一方で、そういった高卒者の方が社会人として初めて第一歩を踏み出すときに、一番生活の基本であります就職がスムーズにいかないということになりますと、その後の人生を考えた場合にも深刻な影響を与えるということでございまして、我々としては一人でも多くの人々が職に就けるようにすることが重要だろうというふうに考えておりまして、具体的に求人の確保に取り組んでおりますけれども、一つは、文部科学省と連名で百五の経済団体に求人要請を行っております。 さらに、求人開拓推進員、これは一般の求人開拓を行っておりますが、その一部を学卒求人専任にいたしまして、学校の担当者の方と一緒に事業所を訪問するなどして求人開拓の積極的な推進に努めているところであります。 さらに、文部科学省と共同で先月の二十三日に高等学校就職問題検討会議というのを初めて持ちました。一人一社制の就職慣行ですとか、あるいは文書募集の開始日ですとか、そういったことについてより効果的な対応を考えてまいりたいというふうに取り組んでおるところであります。 先ほどの在学中の職業体験機会の充実、それからトライアル雇用の対策ということを申し上げましたが、そういった対策と相まって、若年者の雇用対策の一層の充実をし、一人でも多くの求人を確保いたしまして、一人でも多く高卒者が円滑に就職できるように全力で取り組んでまいりたいと思います。
○大脇雅子君 時間が参りましたので終わりますが、一九六〇年代ぐらいからアメリカでは、就職教育というものとそうした現場の職業体験を取り入れていくという試みがなされてきたと。したがって、そこの中で、またジェンダーのバイアスといいいますか、職域に男女が平等に進出していくための施策を併せ行われたということがございます。警察官にこのごろ女性も進出しております日本でもそうですが、例えばアメリカでは消防夫という最も男性の職域にも女性が進出していっているということでございますので、また別途この点については御質問させていただきたいと思います。 終わります。
○委員長(金田勝年君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようでありますから、これより直ちに採決に入ります。 社会保険労務士法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(金田勝年君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金田勝年君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時六分散会