決算委員会 第1号
- 発言数
- 223 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/12/09
会議録
○委員長(中原爽君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、林紀子君、朝日俊弘君、池口修次君、辻泰弘君、ツルネンマルテイ君、風間昶君、山本保君、泉信也君、北岡秀二君、田浦直君及び三浦一水君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美君、佐藤雄平君、山本孝史君、山根隆治君、榛葉賀津也君、山下栄一君、荒木清寛君、月原茂皓君、山内俊夫君、常田享詳君及び田村耕太郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(中原爽君) 理事の辞任についてお諮りをいたします。 谷博之君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨のお申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 理事の辞任及び委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名により御一任をお願いしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に佐藤雄平君及び八田ひろ子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(中原爽君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中原爽君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求め、その説明を聴取することとし、この手続については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(中原爽君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(中原爽君) 平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総括的質疑第二回として、午前に内閣総理大臣、午後に各省大臣に対する質疑を行います。 それでは、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 まず、決算委員長として私が若干の質疑をさせていただきます。 最初に、決算の早期提出について総理大臣にお尋ねをいたします。 決算審査の意義は、国の予算執行を検証し、それをもって分析、評価するとともに、できる限り早く後年の予算編成に反映させることにあります。決算重視が本院、すなわち参議院の総意となっておりますが、決算審査を予算に反映させるためには決算の早期審査を行う必要があり、そのためには決算自体の早期提出がポイントの一つになると考えます。 決算の早期提出問題は、過去、国会において長らく論議されてきたところでありますが、政府は財政法を改正しなくても常会前の決算提出は可能と言われるものの、実際には常会冒頭の提出が続けられてきました。 この状況に対し、会計事務処理の迅速化、関係会計法規の見直し等を行った上、財政法等の改正をしてでも決算の早期提出を実現すべきであると考えますが、このことについての小泉総理大臣のお考え、御意見をお伺いいたします。 さらに、会計検査院の充実強化についてお尋ねをいたします。 近年、国際的に見ても、先進国においては公会計、すなわち公の会計の改革が行われ、我が国でもこれら会計改革の進捗により、独立行政法人において企業会計的基準が導入され、また特別会計等においてもその導入に向けての取組が進められている状況であります。 このような情勢を踏まえますと、会計検査院としては、従来の検査活動だけでは対応できず、時代や環境の変化に対応していくために検査等についての改善を行ったり、また政策評価に関する新たな検査手法を研究、確立させる必要があるのではないかと考えます。 これらのことをかんがみて、納税者たる国民の期待にこたえるためには、会計検査院の検査活動が前にも増して重要になってくると思われます。 今後、更に実効のある会計検査を行うためには、会計検査院の予算、人員を始め、検査体制の充実強化を図るとともに、法的権限の強化をも検討すべきであると考えますが、この点に関しての小泉総理大臣の御所見、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。お願いをいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ただいま委員長の質問に対しましてお答えいたします。 決算の国会への早期提出につきましては、決算結果を予算編成に反映させる見地からのみならず、決算の効果的な審議をお願いするためにも望ましいことと考えております。 このような観点から、政府としては、従来より、決算提出前に必要となる会計検査院への送付についてその時期を可能な限り前倒しするなど、できるだけ早期に決算を国会に提出できるよう努力してきたところであります。 決算を常会よりも前に提出することについては、現行財政法の規定においても可能であり、財政法の改正の必要があるとは考えていないところでありますが、いずれにせよ、決算の重要性を踏まえ、今後とも決算事務の電算化を進めるなど工夫を凝らし、会計検査院とも協力しつつ、決算の早期提出について努力を続けたいと思います。 また、会計検査院の検査活動についての御質問でございますが、国民の負担に値する質の高い小さな政府の実現に向けましては、内閣から独立した外部監査機関である会計検査院が適切に予算の執行状況などについて検査を行い、その結果を踏まえつつ、各省庁において会計規律を維持するとともに、事務事業の在り方について不断に見直しを進めていくことが重要と考えております。 殊に、最近の検査院においては、検査の領域や観点、手法についてその充実を図り、限られた人員の下で、従来型の違法、不当な事態の指摘のみならず、無駄なコストが掛かっている事態や投資効果が発現していない事態などを幅広く指摘したり問題提起をしたりしているところであり、今後とも積極的な指摘や問題提起を行っていただくことを私どもも期待しております。 政府としては、会計検査院の検査活動が円滑かつ厳正に行われ、その機能が十分発揮できるよう、必要な人員の確保などに引き続き十分配慮するとともに、その検査活動に対して最大限協力していきたいと思います。
○委員長(中原爽君) ありがとうございました。 以上で委員長の質疑を終わります。 続いて、御質疑のある方は順次御発言を願います。
○中島啓雄君 おはようございます。自由民主党の中島啓雄でございます。 本日は、総理始め早朝から御出席をいただきましてありがとうございます。決算委員会の審議もいよいよ大詰めを迎えて、おかげさまで会期内に議決ができるような運びになりましたことを厚く御礼申し上げます。 まず、当面の経済政策について伺いたいと思いますが、最近のGDP統計で見ますと、七ないし九月期のGDP成長率は実質で年率三%ということで、恐らく二年度を通算してみても〇・四%以上の成長になるのではないか、こういうことでございますので、昨年十二月、予算に際して発表されました経済見通し、これは〇・〇%でございましたから、これを上回っているわけでありまして、小泉内閣としては予定以上の成果を上げておられる、こういうことになるわけでございますが、どうも実感としてなかなかそれが伴わないと。 その原因は、やはりデフレとか雇用不安とか金融不安とか株安とか、いろんな要素があると思いますが、特にデフレの進行というのがかなり大きな影響を与えているのではないかと。七ないし九月期のGDPデフレーターは前年比でマイナス一・六%でございますし、九三年のピークから比べますと一〇%ポイント以上下がっていると、こういうことでございますから、資産価格の低下とか債務の実質増加とかいうことが非常にやっぱり先行きの見通しに暗い影響を与えているのではないかと。 それで、そのことに関して十二月二日のイギリスのフィナンシャル・タイムズに面白い論文が載っておりまして、これは財務省の黒田財務官と河合副財務官が共同で執筆されたものでございますけれども、簡単に申し上げますと、デフレスパイラルを避けるには日米欧が協調してリフレーション政策と、こう言っておりますが、要するに、インフレに至らない段階での景気刺激策が必要ではないかと。残念ながら、今まで財政支出の拡大あるいは日銀の金融緩和もデフレ克服に成功していないけれども、デフレの環境の中で価格に対する期待を思い切って変えない限りはなかなかデフレが克服できないと。したがって、日銀は例えば三%程度の安定した低レベルのインフレターゲットを設けると。三年以内に達成するとか、長期国債の買入れ等によって恒常的にベースマネーを増加してより多くの流動性を供給すべきではないかと。それから、中国のいわゆるデフレの輸出政策は、日米欧と協調してもう少し改善をすべきではないかと。 そんなことが述べられておるわけでありまして、日銀の方は余りそれに賛成ではないようでありますが、政府、日銀が一体となってインフレターゲットとか大幅な金融緩和に取り組んでデフレ克服を目指すべきではないかと思いますが、これに対する総理の御見解を承ればと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) デフレの克服は、経済の安定的な発展のために私自身もやはり大変必要なことであるというふうに思っております。その手段として金融政策の役割が重要であるということも痛感しております。とりわけ、今、名目金利がほとんどゼロであると。しかし、経済に影響を与えるのは、名目金利から物価上昇率を引いた実質金利である。その実質金利そのものは、気が付いてみると決して低いとは言えないのではないだろうか。その意味では、期待インフレ率を変えて、そうすることによって実質金利を下げるということが経済を実体的に刺激することにもなる。そういった問題意識は強く持っております。 インフレ目標、これは上昇率なのか物価の水準なのか、そういうことについてもいろんな議論がございますし、期待インフレをどのように変えられるかというような問題もございます。さらには、そもそも日本銀行の独立性、これは政策目標における独立性、政策手段の選択における独立性をどのように考えるべきかという問題もございます。 そういった総合的な視点も踏まえて、私自身もその物価安定目標について議論をする必要があるというふうに思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。是非前向きに御検討をいただければ有り難いと思います。 次に、公共投資の問題について若干伺いたいと思います。 公共投資については、無駄が多いとか主要先進国に比べて高水準であるとかいろいろな批判がございまして、十四年度の予算では一〇%減だと。それから、十五年度は三%を上回るということで、新聞情報では四%というようなことも書いてございました。無駄な公共事業を削るというのは、これは当然の話でございますけれども、現在のような景気情勢からすると、やっぱりケインズ政策としては不況のときに公共事業を少し増加させて景気を下支えすべきだと、こういうことになりますし、財政の健全化という点から見た場合は公共事業のレベルというのはかなりいいレベルに来ているんじゃないかと。十四年度の国債発行額三十兆円のうち赤字国債が二十三兆円、それから建設国債は七兆円弱でございますが、この七兆円という建設国債の水準は赤字国債がゼロであった平成三年度と同じ額でございます。 そういう意味で、財政赤字の原因というのは、むしろ公共投資以外の一般の歳出増なりあるいは税収の減ということにあるのではないかということで、公共投資については、当然費用便益がどうなるかというような政策評価を十分した上でなければいけないわけですが、最近の政策評価の指標を見ても一よりも上というのは幾らでもあるわけで、もう少し研究開発投資とか経済活性化のためのインフラ投資などは力を入れてもいいのではないかということで、年度の予算編成に当たって、例えば公共事業予備費を設けるとか、あるいはPFIによって民間資金を活用し、それに例えば保証を付けるとか、そういった少し弾力的な方策で経済情勢に対応をすべきではないかと考えておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 公共投資の投資額でございますけれども、我々も、公共投資が今先進諸国に比べましたならば依然として高い水準にあるということ、これは中島先生御存じのとおり、今、大体六%か七%程度ございますが、これをヨーロッパ並みの二前後にいたしたいと思っておりますけれども、その代わり、ヨーロッパ等を調べますと、先ほどおっしゃったように民間資金をうんと使っておるんですね。その方法をやっぱり考えるべきだと。それはやっぱり、PFIをうまく活用するということがあると思っておりますが、そういう方向に持っていくということ。 それと同時に、公共事業の中で公共的施設の方が最近非常に増えておりますので、そちらの方に対しては、できるだけ民間の資金と同時に民間の経営を入れていくという手法を取っていきたいと、こう思っております。 いずれにいたしましても、公共投資を景気対策の一つとして考えていくことは、これは当然我々もいたしておりまして、それを努めてまいりました。最近で見ましたら、若干の数字でございますが、今日も政府発表すると思うんでございますけれども、GDPの方を見てまいりますと、民間の方が少しようなってきて、公共の方は少し抑えぎみになってきた、その兆候が顕著に出てまいりましたので、これを私は持続的なものにしたいと思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 ヨーロッパに比べて公共投資の比率が高いというのは確かにあるんでございましょうが、日本は日本として、どの水準が適切かということはやっぱりもっと深める必要があるんじゃないかと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。 次に、経済財政の中長期展望について少し伺いたいと思いますが、日ごろちょっと疑問に思っておりますのは、十四年一月に発表されました経済財政の中期展望においては、二〇一〇年代初頭においてプライマリーバランスを黒字化することが望まれると。それが大きな目標になっておって、十五年一月にも改定されるんだと思いますが、同じような論調になっていると思います。 しかし、プライマリーバランスを均衡させるということは、借金の元利払いを、もう一回借金をしていいと、こういう話になるわけで、決してこれは望ましい水準ではないと。本来はやはり財政法四条にあるように建設国債原則ということで、建設のための本当に有効な投資については、これは借金をしてもいいけれども、やっぱり毎日毎日の米の飯といいますか、経常的な経費、これは利子も経常的な経費でございますから、それに対しては自前の収入の中で賄うというのが本来ではないかと思うのでございますが、その辺について御見解を聞かせていただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のとおり、実はその「改革と展望」では二〇一〇年代の初頭にプライマリーバランスを回復させたいというふうに述べているわけでありますが、財政の健全化という観点からは、正直言いまして非常に控え目な目標であるというふうに私たちも考えております。 プライマリーバランスを回復させるということは、言わば借金が膨脹していくのを止めるという意味では意味があるわけでありますけれども、それ以上のものではございません。納税者、将来の納税者の受益と負担のことを考えるならば、御指摘のように、建設国債、赤字国債を議論するということも将来的にはやはり考えなければいけないのであろうというふうに思っております。しかしながら、日本の財政、やはり相当追い詰められておりまして、まずはこのプライマリーバランスを回復させてマクロ経済的な安定をもたらすということが当面の重要課題であるというふうに思っております。 いずれにしましても、「改革と展望」の見直しを行わなければいけない。さらにその先に、財政の健全化を目指すために、その中期の目標、今、それと緩やかな歳出のキャップという手法で財政の健全化を図ろうとしておりますが、それだけで十分かという問題もございます。財政の健全化を目指した財政の手法、予算のプロセス等々に関しましても経済財政諮問会議で引き続き包括的な議論をしていきたいというふうに思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 もう一つお聞きをしたいのは、国民負担率という問題であります。 今、何となく将来が不安であるという大きな要素は、もちろん財政の、財政といいますか税制の問題もございますが、高齢化社会を迎えて、年金、医療等の社会保障の負担がどうなるのか、年金はもらえるのかというようなことだと思いますので、やはり財政だけではなくて国民負担とその給付の将来像というのを、ある程度コンセンサスを得るような仕掛けを作って、こういう負担ならばこういう給付なんだということで、国民に安心感を与えるという必要があるのではないかと。 現在の国民負担率は、平成十四年、三八・三%ということで、潜在負担率も合わせると四六・九%と、こういうことでございますが、スウェーデンは七五%とかフランスは六八%とか大変な数字で、ここまで行くのはとても国民のコンセンサスを得るには至らないだろうと。まあやっぱり四〇%台ぐらいかなと思っておるのでございますが、その辺について御見解を承れれば有り難いと思いますが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国民負担率につきましては、どの程度の給付が必要かということと同時に、その給付を支える負担はどうあるべきかと、切り離せない問題だと思います。 今のところ日本は五〇%以下でありますが、将来の人口等を考え、高齢者がどんどん増えていく、出生率が低くなっていくということを考えると、この給付が現行の制度のままにおいて上昇していく場合にその負担をどうするのかということを考えると、これはもう高まらざるを得ない。 そこで、今後は当然、もっとサービスを、もっと負担を軽くしてくれという要求は強くなると思いますが、国家財政に金のなる木はないのでありまして、結局、それじゃどういう負担が必要かということになるもので、この辺はどの程度が望ましいかと一概には言えませんが、日本としては五〇%以下に抑えていきたいなと。国会の議論ではスウェーデン並み、デンマーク並みという給付のよさを目指してもっとサービスをという声が強いわけでありますが、デンマーク、スウェーデンのあのような消費税が二〇%を超えたというのは、今の日本の国民からすればなかなか理解は私は得られないと思います。 そういう点において、給付要求に対して負担はどうあるべきかという議論は常に表裏を成す問題でありますので、国会の議論はもちろん、国民にも分かりやすく説明し協力を求めることが必要だと思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。
○佐藤雄平君 民主党・新緑風会の佐藤雄平でございます。 新緑風会でございまして、地方出身というふうなこともあり、民主党の政策とは若干違うところはあります。しかしながら、総理と自民党よりは違いがありません。 通告していないんですけれども、土曜日と日曜日、総理、地元へ行ってきました。そうしたら、もう本当に、金曜日の四公団民営化推進委員会の正に不測の事態、この話で実は持ち切りでございます。私は福島県出身、地方出身ということもあり、私は高速道路の推進派でございます。一連の状況を私が見ている中で、本当に今井さんが、むしろ何のための委員長だったのかなと。この半年間様々ないろんな意見を聞きながら、私は、まとめようと思って一生懸命頑張ってきたのだと思いますけれども、最後、私は、その委員長に対する不信任が出るということ自体が、やっぱりあの委員会そのものが私はおかしい、そんな気持ちで一杯でもあります。 そんな実は前提の中で四つほど質問させていただきたい、四項目。 それはもう小泉内閣の最大の看板というのは、私は、郵政とこの道路公団の民営化ということで、小泉さんの私は支持率も多分に上昇している要素が相当あると思いますけれども、その中で、あの委員会のあの状況の中で、私は一つは、正に不測の事態の中で委員長が報告できないような状況をもたらしたあの報告には正当性があるんだろうかという、一つこんな疑問を抱きます。 それと、任命権者として、私は、むしろ今井委員長よりも今井委員長に対して不信任を出すような委員を選んだ総理の私は責任はないんだろうかと。また、石原大臣の責任はないんだろうか。 さらにまた、インタビューの中で総理は、あの答申に対して、十分意向を踏まえてというか、尊重してという話をなさっておりますけれども、あの答申の中のどの部分をどれぐらい尊重して、法案を作る際にお持ちになっていくのかなと、入れていくのかな。この三つ。 さらにまた、これは私は福島県の出身で、福島県の今、浜通りの東京電力の問題が出ておりますけれども、あそこを通るたびにもう本当にこの高速道路は早く造ってもらわないと正にセーフティーネット、逃げ出す場所がない、そんな思いを実はしております。そういう意味でも私は、九千三百四十二キロというのは、ある意味では選挙をするにつけて、自民党の皆さん、保守党の皆さん、我々も含めて一部そうでありますけれども、高速道路は造るんだというふうなことを言って当選して、その自民党の皆さんが小泉内閣を作っているわけですから、ある意味で私はこれは国民との約束と、九千三百四十二キロという約束だと、そんな思いをします。 それは、先ほどからのいろんな、プライマリーバランスのいろんな話ありますけれども、非効率性のところだから道路を造んないなんというふうなことであれば、私は、国としての役割、非効率性なところだからこそやっぱり国が関与しなきゃいけない、そんな思いをしているところでありますけれども、今の四点についての総理の所感を、一つは不測な事態でのその報告についての正当性があるんだろうかというのと、今井さんを解任するような委員を選んだ総理の任命責任はどうだろうと、さらにまた、その報告の中での今度の法律案に対して尊重するというのはどの部分を尊重して入れていくのか、あと、九千三百四十二キロについての国の責任、造る責任というのはないのかと、この四点についてお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 随分たくさんの質問でありますが、まず、推進委員会の正当性でございますが、私は、今井委員長始め七人の委員の方々はこの半年間、実に熱心に、精力的に、真剣に議論をしていただいたと思います。政治家に勝るとも劣らない使命感を持って、民間人でありながらよくやってくれたと、心から敬意を表しております。 正当性という、については、責任持って私が人選したのであって、国会で委員会設置が認められたということでありますので、十分正当性があると思っております。 その中の議論につきましては、各委員が判断してされたことでありますから、私がとやかく言うべきものでもございません。この委員の任命責任はどうかということにもつながっておりますが、私は、各人が自らの見識を持って議論していただいたというふうに考えておりますし、結果的に全会一致ということにならなくても、結論は結論として出たわけでありますので、それは重く受け止めていきたい、そう思っております。 そして、一部ではまとまらなかったということも言われていますが、かなりの部分で大きな成果は出ています。それは、債務の返済、そして建設コスト削減、それからファミリー企業の在り方は問題だと、これについてはもう共通した認識が出ているわけであります。若干、対立した点、まとまらなかった点、これを今後いかにまとめていくかというのが政治の責任でありまして、私は、その委員議論の最中になぜ口出ししないのかという御批判を受けましたけれども、口出ししないのが当たり前であって、任せた方に議論をよくしてもらう。それぞれ詳しい方、あれだけの膨大な資料を持ち込んで、連日、合宿までしてある期間においてはやっていただいたのであって、最初の時点から、結論出てから私は考えます、結論を尊重していきますということを言っておるんですから、むしろ議論の最中に総理の意向はどうかなんというのはおかしいのであって、その議論については私は賛同できません。 私の意向について沿って議論するのだったら、人選したかいがないんですよ。何のために私は委員会を設けて見識のある人を選ぶ必要があるのか。見識があるから皆さんで十分議論をしてくれている。私よりもいろいろ勉強している方々、知恵のある方ばかりであります。 そういう点から見れば、今言ったように大きな成果が出ているものも随分あります。今後いかに国民負担を少なくしていくか。三十年先、四十年先、道路ができたとしても、この建設費、負担するのは後の世代です。おれたちは造ればいいんだ、後のツケは子や孫が払えということでは余りにも無責任ではないかということから、できるだけ税金を少なく、負担を少なくしていこうというのが民営化の必要性が叫ばれてきた一つの理由でもあります。なおかつ、必要性の高い道路は当然造っていかなきゃならないし、必要性の乏しい道路については、これはよく地域の人々についても国も考えていかなきゃならない。 国の関与ということでございますけれども、民間会社でできる道路、民間会社が設立されれば当然採算性も考えなきゃならない。民間会社ができる道路と民間会社が造らない道路も出てくるでしょう。民間会社が造らなければ、どうやってだれが負担して造るのか、これが正に大事な点であって、いずれにしても税金ですから、国が負担するのか地方が負担するのか。おれたち負担しなくていいよと言ったら、だれだって造ってくれと言いますよ。そういう状況だから、公団はこれまで異常な債務を作ってきた。これを直そうというのが民営化の一つの方法でしょう。 ですから私は、今後、この意見を尊重して、まとまらなかった点、対立した点をどうやって、できるだけ国民の理解を得ながら、国民の負担を軽くして必要な道路を造っていくかということについて、これは政治の責任で考えていかなきゃならないと、そういうふうに思っております。
○佐藤雄平君 いずれにしても、国の財政のバランスというのも当然大事でありますけれども、しかし私は、国の役割というのは、採算性の合わないところでも必要なところはあるので、それは総理、そういう意味で国がやらなきゃいけないことだけはきちっと分かってもらってやっていただきたいと。 これに、次に参りますけれども、連動します。 一つの最近の風物といいますか、私も地元と行ったり来たりしていますと、地元の後援者の方を訪ねていくと、そうするともう空き家になっているんです。せっかく今まで一生懸命やってくれた人のところへ行くと、またいなくなっている。そういうのが随所で毎週行くたびに感じて、何か毎週票数が減っているような気がしてしようがないんですけれども。また、今度逆に東京に来ると、秋葉原から始まっていろんなところでビルラッシュになっている。 私は、この三年間でたしか東京は人口十六万人が増えております。そしてさらに、この十年間で関東地方で百五十万人、人口増えているんです。しかも、東京を中心にしたところの出生率というのは一・一、全国的に一・三三ですから、出生率の低いところが増えているというのは、これはもう一極集中しているなと。 そんなことを考えて、国土交通委員会でも、先国会と今国会で法案が二十数本出ている中でほとんどが都市政策なんですよ。これは財政諮問会議の中で、小泉内閣のある意味では骨格となるまくら言葉が特色ある日本とそれから都市の再生ということになって、むしろ特色ある地方、地域というよりも日本再生というのがおもしが置かれているのかなと。そんな思いをすると、このままほうっておいたら本当いいんだろうかと。 たまたま、私は先月まで沖縄北方の委員長を実はさせてもらっておりまして、択捉島に行く機会がありました。あそこはもう世界の三大漁場でサケ、マスの宝庫であります。択捉島に行きましたら、ずっと河川十七本実はありまして、その河口にゲートがあるんです、門があるんです。何でここに門があるんですかと言ったら、サケとマスが遡上し過ぎて堆積して腐ってしまうというんです。 正に私は、今のこの一極集中の人口の状況というのは東京の状況じゃないかなと思って、これ、東京の人はいずれ腐っちゃうんじゃないかなと思うような感じがしますので、そういうふうなことを考えると、ある意味で、私は二十一世紀の日本の国土保全という前提から考えても、バランスのある国土、ある意味では人口も含めたバランスのある配分というと、ちょっとおこがましく強制的な話になっちゃうかも分からないですけれども、そういうふうな国土形成というのは必ずこれはもう来る時代。やっぱりこのままで行くと何か禍根を残すので、そういうふうな意味合いから、私は今までの全総の中での均衡ある日本の発展、人口も含めた四軸作りというのも大事なこれから日本の課題ではないかなと、そんな思いをします。 そういうふうな中で、私はあえて総理に申し上げますけれども、小泉内閣総理大臣は東京とか神奈川県の総理大臣じゃなくて、日本の総理大臣ということをひとつ認識して行政に邁進していただきたいと思います。 今の質問について、副大臣、答弁お願いします。
○副大臣(中馬弘毅君) 国土交通省でございますが、今、委員御指摘のとおり、東京への一極集中、大変また進んでしまっております。 御承知のとおり、東京圏への一極集中が非常に進みまして問題になりましたのはバブルが最盛のころでございました。一九八七年がピークであったと思います。そういうことから、首都機能の移転とかこういったようなことまでも国会で決議したようなことでございました。それを受けて、東京が地価が非常に高騰してしまったということもあったんですが、地方にかなりの工場が移転したことは御承知のとおりでございます。ですから、そのころからずっと一九九三年ぐらいまで東京圏への首都集中が減りまして、地方の方に移りました。しかし、それからバブルがはじけたのと同時に、中国が大変な興隆をしてまいりました。地方に移したそれらの工場の生産物がかなり中国で生産されて、安いのがどっと入ってくると。 そういったこととたまたま軌を一にしておったのかもしれませんが、ともかくそれからずっとまた東京への人口集中が始まりまして、今御指摘のとおり……
○佐藤雄平君 だから、どうするんだということです。
○副大臣(中馬弘毅君) はい。 そういう状況の中でございますから、もう地方に仕事場がなくなっているわけでございますから、そうしますと従来どおりの形では私は到底できないと思います。 そうしますと、国土交通省として、それぞれの……
○佐藤雄平君 だから、結論は。
○副大臣(中馬弘毅君) 結論は、私ども国土交通省といたしましては、これは一つは観光、魅力ある都市をつくっていくことだと思います。イタリアにおきましてもベニスはベニス、フローレンスはフローレンスとしてといったものがありますが、そうした魅力ある国土のためには観光だと思いますよ。観光に対しましての力を入れていくこと、これは私は非常に大きな、それぞれの特色ある地方をつくっていくことのためにもそういうことを私たちは意を用いているところでございます。
○佐藤雄平君 では最後に。 中馬大臣、全く事実経過の報告だけなんですけれども、本当。 あと今、来年、再来年で二千の全国の部落がなくなっちゃうんです、集落が。そうすると、これは保水も涵養も何もできないことになる。今、CO2の問題だって、一生懸命地方は酸素を出しているわけですからね。この辺も十分考えていただきたいと思います。 今日はたまたま雪が降って、東京は大混乱だと。こんな雪は、もう我が地方では一か月前からどんどん降って、こういうふうな中で一生懸命生活している北海道から会津の山の中も、いわきの方の一生懸命電力の産地も、こういうところもあるということだけ、総理、是非頭の中に入れて進めていただきたいと。 ありがとうございました。
○海野徹君 民主党・新緑風会の海野徹であります。 総理に御質問させていただきたいんですが、デフレが四年目に突入した、歯止めが掛からない、先月の二十九日発表の十月の完全失業率が過去最高水準、消費者物価も下落が止まらない、サラリーマンの世帯の消費も伸び悩んでいる、こういうような状況の中で、総理が経済の現状及び見通しに関する認識はどういうふうになっているか、ちょっとお聞きしたいんですが。 六月二十五日に閣議決定した経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二、ここに、「悪化傾向を続ける経済と財政のトレンドに、一定の歯止めをかけることに成功した。」と、そういうふうにあります。これに対する認識をちょっとお聞きしたいなと思うんですが、それとまた、一月二十五日に閣議決定した構造改革と経済財政の中期展望には、「景気は厳しいながらも回復に向けて動き出す。」「こうした動きを受け、デフレも克服され、物価上昇率はプラスに転じると見込まれる。」と、こういう文言がありますが、これに対しては大変な自信を持っていらっしゃるんですか、今現在の状況において。 そのことをまずお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、今の不況状況の中で、不況だからどんどん国債を増発して事業を増やせということばかりを考えてはいかぬ、やはり財政規律というものも考えなきゃいかぬと。そういう中で、一時的な経済成長だけでなくて、持続可能な経済成長にどう持っていくかと。そのためには、民間の活力をいかに引き出すかということは大事だということを常々言っているわけであります。そういう観点で、十四年度予算編成におきましては一つの、三十兆円の枠という財政規律の一つの重要性の指標を設けました。 五、六月時点、これは四、五、六にしても七、八、九にしても、実質経済成長率は予想していたよりも若干いいわけであります。しかし、物価の、名目成長率、物価下落が続いているということと、それから税収が落ち込んできた、やっぱり見通しが違ってきたということはそのとおりだと思います。 そういう点も踏まえて、今後、経済の状況あるいは雇用情勢等、よく踏まえながらその時々の対応策を取っていかなきゃなりませんが、基本的に、中長期的を眺めますと、これは単なる財政支出、一時的な需要喚起策だけでは今の経済状況を好転させるのは難しいのではないか。言わば行財政計画、もう無駄な支出を、あるいは無駄な税金を投入していく機構、制度そのものを改革していくという行財政改革。さらには、予算の歳出配分、公共事業を増やしていけば景気が回復するのかと、そういう状況じゃないということで、歳出の見直しも一律に減らすというんじゃなくて、減らすべきところとやっぱり増やすべきところをよく見ていかなきゃならない。かといって、財政を膨脹させるというような状況にはない、歳出改革。同時に税制改革、あるいは今最も必要性が叫ばれております不良債権処理等に絡んだ金融システムの改革、これについては当然雇用対策、負の部分をいかに和らげていくかという点も含まれるわけでありますが、そういう金融システムの改革、さらに日本の活力を阻害しているんじゃないかと言われている様々な規制、こういう改革を総合的にやっていく必要があると。 現時点におきましてはなかなか好転が見られませんが、二、三年後には持続可能な成長に向けての素地を作るために今必要な改革をやらなきゃいかぬというのが私の認識でございます。
○海野徹君 私は大変経済厳しい状況にあると思います。ある意味では経済危機宣言のようなものをやって、これから国民の協力を得るということが今求められているんではないかなと思うんですが、デフレあるいは不良債権処理あるいは財政赤字、これら個々の要するに部分的最適というものを求めるんじゃなくて、相互依存関係、非常に要するに深く入り組んでおりますから、全体最適につながるような政策的な調整役というのは私は総理の役目だと、それを担うのは。 だから、総理のリーダーシップは大変必要だと思うんですが、今おっしゃったような延長線上にある、要するに国家のビジョンあるいはそのための戦略性というのは総理の言葉からなかなか我々要するにイメージが浮かんでこないんですが、その点についてどうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は既に、将来のビジョンにしても、一歩一歩進めていくよう、戦略的にも既に示していると思っております。 それは、示す示さない、分からない分かるというのは別の問題として、今言ったように、将来持続可能な成長軌道に持っていくために、今までのような財政出動について、国債を増発してどんどん、歳出を余り考えないで、財政を考えないでやっていけという一方の景気拡大策、これは取っていない。むしろ、即効薬がないから、万般の今言ったような改革を進めていかなきゃならない。金融政策、これだってもうゼロ金利ですから、もう下げようがない。しかし、金融緩和という点については日銀と一体としてやっていかなきゃならない。 将来できるだけ国民負担率、先ほどの話にもありましたけれども、五〇%以内に収めるのがいいところじゃないかと。社会保障、年金にしても医療にしても介護にしても、この必要性は十分認識するけれども、どの程度の給付とどの程度の負担というのが必要かと。 できるだけ税負担を少なくしながら民間の活力をどうやって伸ばしていくかという観点から、今、日本においては役所がやらなくてもいいことをやっている面が多いんじゃないかと。民間の活力を公共事業にも生かしていこうという方向を示しているということの改革を進めているわけでありまして、私は、多少痛みは伴っても将来の発展を期すために今しなきゃならない改革をするということでありまして、具体的にどういう点が分からないというのか、私はその方が分からないんです、実際に。 皆さんのいろいろ言われている意見、じゃ皆さんが言っているのはどういう展望なのかと、答弁ですから余り質問することはありませんけれども。具体的に、私ほど具体的に言っている政党はありますか。党首選を今見ていますけれども、どんな党首選やっても小泉内閣ほど具体論言っているのはないと思いますよ。その辺はやっぱりよく見ていただきたいと思います。
○海野徹君 ストックホルムで田中さんと小柴先生がノーベル化学賞あるいは物理学賞をもらったと。非常に、ノーベル化学賞、二人を輩出したり、世界経済フォーラムによると、二〇〇二年の世界競争力報告では、企業の革新性で一位なんです、特許の取得で二位なんです、技術洗練度で四位なんですね。民間活力はあるんですよ。だけれども、何となくずるずるずるずるいっている。 だから、底力はあるし活力はあるんだけれども、ずるずるいっているというのは、これは合算の不利益性、コングロマリットディスカウント、こういう状況に日本はあるんではないかという指摘があります。正にそうだろうなと。それを突破していただくのが総理のリーダーシップだと思うんですよね。そのためには安心社会を要するにつくる必要があるだろうと、安心社会。その安心社会をつくるためにやっていただかなくちゃならないことはたくさんあるんじゃないかなと。その全体最適性のための調整役をやはり総理に担っていただきたいなと私は思うんですが。 では、不良債権処理、加速させるということですが、不良債権処理の加速をすることによって具体的にどういうような状況が出てくるのか、失業においても、あるいはGDPにおいても、その辺は具体的な要するにシナリオというのは総理の中におありになるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 不良債権処理を加速する、これは言うまでもありませんが、日本の政策上必要であるということは御理解いただけると思います。それがどのようなインパクトをもたらすかというのは、まず技術的に非常に予測が難しいという、その困難性があるという点は一点御承知を賜りたいと思います。 例えば、オフバランス化を進める、不良債権をバランスシートから除去する場合に、それが例えばですけれども証券化でなされるという場合には、これは実体経済にはほとんど影響を与えないと思います。しかしながら、そのときに企業の清算のようなことが伴うのであるならば、これは失業の増大等々を伴うであろうと。 そういった意味で、我々政策当局として、そうした非常に仮定に仮定を重ねるような問題に関して何か厳密な数字を出すということは、やはり非常に難しいという立場にあるというふうに考えております。 しかしながら、今、委員御指摘の正にビジョンの問題、将来の展望の問題、これに関しましては、委員も御紹介してくださいました「改革と展望」というのを出しております。この「改革と展望」は毎年毎年ローリングをする、したがってあと一か月以内ぐらいに次の数字を出すことにしております。その中に、一つのめどとして、不良債権処理を進める中でどのようなマクロ経済の推移、労働市場の推移が見込まれるかという想定される姿については何らか示したいというふうに思っておりますので、そうした中でまた我々としては議論をさせていただきたいし、それに基づく議論を賜りたいというふうに思っております。
○海野徹君 それでは、個別の問題でちょっとお聞きしますけれども、総理、不良債権の処理の加速化の中で、欠損金の繰戻し還付金制度、この問題を議論されるやに思います。これは私はある意味で大変有効な手段だと思っています、自己資本の充実のために。この辺の今後の展望は、今どういうふうになるんでしょう、あるいは検討状況をちょっと教えていただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 繰延べ税金資産というのは、いわば税額を有税償却することによって前払した分が資産に立っていると。しかしながら、この資産性は、将来どのくらい税金を払う能力があるかによってその資産性にいろんな声がマーケットからはあるということで、御承知のように政策上もこれを真正面から見据えなければいけないということになるわけでございます。 もしこれを還付した場合、過去に払った有税分を還付した場合は、繰延べ税金資産という資産が何であるかによって、キャッシュとかいろんな資産という確実な資産になるわけでありますから、一つの有効な手段にはなり得ると思われます。現実にアメリカでは銀行部門に対してそのようなことを行ったことがございます。 しかし、同時にこれは、我々は、金融庁としては、そういうものは有効な手段であるということで、税当局に対してこれは要望を今行っているところでありますが、一方で、これは財政全体の中で考えなければいけない問題であるという制約もございましょう。 そういう観点から、この問題を正面からとらえて、それぞれの立場で今議論を開始して議論を進めているところでございますので、我々なりの立場で是非議論を深めていきたいというふうに思っております。
○海野徹君 日本が特殊なのは、一九七〇年代後半、九十五か国でこの金融危機の問題があるんですね、その問題を要するにほとんどの国が、特に先進国は五年以内に解決している、しかしながら日本はまだ十年たっても解決できていないと、こういう問題がありますから、今、竹中大臣がおっしゃったような形で、これずっと九二年から凍結してきた。それを解除して十五年にというような要望が出ていますね。アメリカも一九七六年から九三年の間、十年間欠損金の還付が認められて処理してきたと。計算によると九兆五千億円とか約十兆円とかと言われている。大変いろんな意味で議論があるかと思うんですが、有効性は大変な私は有効な手段だと思うんです。それについては特に真摯な議論をお願いしたいなと思います。 それと、私はやはり、今の危機というのは地方経済、中小企業が大変な危機を迎えている。私も地元へ帰っていろいろ話をしますと、わずか百万円のお金を借りるにしても、金融機関が何言うか。信用保証協会から保証を取ってくれと言うんですね。これ一律で要するに金融機関の指導がいっていますから、そうなっちゃった。もう、とにかくにっちもさっちもいかないというような状況なんです。 だから、そういうことを考えると、私は、かねてから我が党が提案してきた中小企業あるいは地域金融の中で有効性を持つだろうという金融アセスメント法、これについては早急に制定の方向で私は要するに政府は検討すべきだと思いますが、総理、その点についてどうですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今、中小企業をめぐる金融環境のお話、御指摘がございましたが、我々も日本経済を支える中小企業、そこに対する金融がこの不良債権問題の中で非常に厳しい状況に置かれているということを非常に重く受け止めております。 であるからこそ、今回の不良債権処理、金融再生プログラムは、まず主要行を対象にするということ、リレーションシップバンキング、地域、中小企業を中心としたより関係性を重視する世界はグローバルな世界とは違うだろうということを前面に押し出しまして、それについては年度末までに新しい一つの枠組みを作りたいというふうに思っているところでございます。 その中で、民主党が提案している金融アセスメント法案についての位置付けでございますが、これはいろんな議論があろうかと思います。地域金融機関がニーズを、地域のニーズを把握してきめ細かなサービスに努力する、これはもう当然のことながら必要であるわけでありますけれども、金融機関の融資業務等については、これは同時に、やはり各金融機関の自主的な経営判断、我々が言っている正にガバナンスを発揮していただくような仕組みも必要である。したがって、例えば特定の項目に基づいて政府の一機関が個別金融機関の業務内容を評価し公表するということについては一面でやはり慎重であるべきであるというふうにも考えるわけでございます。 いずれにしましても、今申し上げましたように、リレーションシップバンキングの枠組み作りの中で幅広い議論をしていきたいというふうに思っております。
○海野徹君 それでは、為替政策について御質問させていただきたいと思いますが、デフレを加速させて、とりわけ中小企業、非常に大変な要するに厳しい状況、空洞化で厳しい状況にさせてしまった原因はやはり実力以上の円高があるんではないかなと。そういった意味では、円安誘導論みたいな話がいろいろ要するに政府の中で議論されているという話を聞きます。 私どもも前から郵貯、簡保、年金等の公的資金をもっと要するに為替政策の中で有効に使えないかというような提案をさせていただきました。私、この場で二度議論させていただいたんですが、対外証券投資に向ければいいんじゃないかなというような私も考え方を持っているわけですが、この点について、今の検討状況、お考えを要するにお聞かせいただきたいなと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねのいわゆる公的資金の為替政策への活用ということでございますが、これは私たちは一切考えておりません。といいますことは、これはやはり制約がございまして、一つは審議会の議を経なきゃならぬということと、それともう一つは、公的資金でもって為替に介入しておるということをもしもやってまいりましたら諸外国から物すごい不信感を買うということになりまして、といって、それじゃ全く公的資金の活用を考えないのかといったら、いろいろ一般経済界の金融操作の中で考えていくということは考えられますけれども、直接、為替政策との関連で考えることはできないということであります。
○海野徹君 それでは、朝銀の問題について御質問させていただきます。朝銀ですね。 これ、数多くの同僚議員がいろいろ総理にも質問させていただいておりますが、総理が、調査するというような御答弁もありました。これはアメリカ政府も大変な関心を寄せているというようなことも聞いております。全体で一兆四千億円ほどの公的資金を朝銀に注入すると、国内の金融機関と比較しても余りにも巨額な、率的には大変な大きな率の投入額になるわけなんですが、この点について具体的に今調査をしていらっしゃるんでしょうか。もう相当な、数か月以上のものがたちましたし、日朝首脳会談を経て、いろんな問題が、更に厳しい条件が出てきたんではないかなと。 これは単なる行政判断じゃなくて政治判断のものだというふうに思いますし、先ほど言いましたように、アメリカ側からの要請もあるやに聞いておりますが、総理、その点どうなんでしょう。
○国務大臣(竹中平蔵君) 朝銀の問題につきましては何度か御議論させていただいておりますけれども、基本的には、金融行政の立場から見る限り、そこにはやはり善意の預金者がいるということなのだと思います。様々な問題が指摘されているということは我々も承知しておりますけれども、朝銀信組は中小企業等協同組合法、国内法に基づいて設立された預金保険法上の金融機関であって、そこの預金者保護はやはり法律にのっとってやらなければいけないということであろうかと思います。 もちろん、他方で、この朝銀につきましては、平成十二年四月に都道府県から国へ信用組合の監督権限が移管されているわけでありますが、その以降、厳正な検査、監督を行っております。厳正な検査、監督に基づく破綻認定、金融整理管財人の派遣による責任追及への取組がなされて、その責任追及に関しては民事で二十件、刑事の告訴、告発で五件の実績が上がっていると。また、この後も、RCC等々によっての預保の調査権等々で引き続き責任の追及というのは当然のことながら行っていかなければいけないわけでございます。 調査云々というお話がありましたけれども、今申し上げましたような枠組みが機能して、その受皿組合の経営の独立性、透明性が確保されて、経営の健全性が維持していけるように、これは引き続き厳正な検査、監督に努めていくつもりでございます。
○海野徹君 二次破綻、三次破綻の懸念もあるわけですし、それと理事長がまた交代すれば、もうそれに対して対抗策はないんですね。その点についてはよく考えていただきたいなと思う。 最後なんですが、いろいろ通告させていただいて質問できなかった問題があります。誠に申し訳ございません。最後の質問なんですが、朝鮮総連が主導した帰国事業がありました。その損害賠償を求めた裁判があったわけなんですが、これは確かに法的には一応の決着を見ました。消滅時効等の主張を受け入れて原告の訴えは認められませんでしたが、これは司法の判断だけじゃなくて、十分対策を講じなかった国会や行政の責務があるんではないかなと思いますが、その点について総理の御見解をお願いしたいと思います。
○副大臣(矢野哲朗君) 今、委員御指摘の帰還事業でありますけれども、御案内のとおり、戦後約二百万人いた在日朝鮮人の方々でありますけれども、直後、約百四十万の方々は帰国されたわけでありまして、六十万人の方が残りました。 そして、昭和三十年の初めのころ、在日朝鮮人の一部から北朝鮮への帰還運動が起きたわけでありまして、日本赤十字社と朝鮮赤十字社会との協議の結果、昭和三十四年の十二月から在日朝鮮人等の帰還事業が開始されたわけであります。政府は、その実施に当たりまして、昭和三十四年の閣議了解でもって、本件事業が移住地選択の自由という国際通念に基づいて処理されるべきだということを確認させていただきました。なお、帰還を希望する者の意思の確認等がきちんと行われますよう、赤十字国際委員会に必要な仲介を依頼した経緯があります。 このように、帰還事業はあくまでも帰還希望者の意思を尊重する形で行われました。また、帰還事業の実施過程においては、当時、様々な団体等が本件事業に関する見解を表明して、そしてその援助活動を行ったと承知しております。ですから、政府としてはこれら一つ一つについて責任を問う考えは今のところ持ち合わせておりません。
○海野徹君 これで終わります。
○山下栄一君 公明党の山下でございます。 十一年度、十二年度の決算の今日は最終の審議行うわけですけれども、私は行政改革中心にちょっと質問させていただきたいというふうに思います。 今国会、たくさんの法案が今も審議中でございますが、その内閣提出法案の半分以上が特殊法人改革、認可法人も含めてですけれども、にかかわる法律でございます。特殊法人を独立行政法人にするということなんですけれども、先ほども道路公団の民営化の問題、またそれより前から郵政事業の民営化、全力を挙げて取り組んでおられて、国民の期待も非常に高いわけですけれども、この独立行政法人になって本当に実効性ある計画ができるのかという、そういう不信感もまだまだ残っているというふうに思います。 私は、既に独立行政法人としてスタートしている、特定行政法人中心の研究所等がスタートしているわけですけれども、今国会で四十を超える特殊法人等が独立行政法人化されるわけですが、私、特にトップの方がだれになるかということが、非常に人事が大事ではないかなというふうに思っております。これが、今までの特殊法人時代と同じ方がそのまま横滑りで任命されるというふうなことでいいのかということでございます。 制度導入の大きな目的として、ねらいとして行政サービスの向上、効率化という観点が打ち出されておりますし、また計画を立てて中期目標等をチェックする、そして財務、特に財務ですけれども、組織も弾力的に運営する、事後チェックする、こういうことなんですけれども、こういう観点のためには、やはり霞が関の方のOBを中心とする、そういう人で大丈夫なのかという、そういう感覚は余り効率化とか弾力的運営とかいうふうなことに適していないのではないかという観点もしますし、国民に分かりやすい形で独立行政法人というのは変わっていくなと、こういうことを示すためにも、私は、この理事長の、トップの人事、これを思い切って、民間会社等で経験のある、そういう方を任命すべきではないかということを思っております。 ところが、現実は何となくそうでないような雰囲気がしますもので、この点についての、もちろん各府省大臣が任命されるんでしょうけれども、このトップをだれにするかということ、郵政公社の生田さんなんかの例を見ても、非常に新鮮ですし、実際改革を行われようとしておりますし、そういう観点から民間人を積極的に登用するということについて、トップを、総理のお考えをちょっとお聞きしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、今、山下議員の指摘された点、共通している点多いと自分でも思っております。今までの特殊法人等のトップは、その役所、管轄した役所の事務次官等OBが、ほぼ自動的と言ってはなんですけれども、もう慣例になっちゃっている。そういうことから、新しい独立行政法人等に対しまして、いわゆる天下りではない、適切な人物をどのように任命するかということを真剣に考えなきゃならないと思っております。 そういう点から、今後どういう人になってもらうかということもこれは大事な点でありますが、こういう独立行政法人に、民間から我こそはという方が出てきてくれればいいんですけれども、いざ具体的に当てはめてみますとなかなか苦労するんです。公的な関与とかあるいは給料が安いとか、いい人に限って民間ではいい給料取っているんですよね。それが独立行政法人のトップになると急に給料が減っちゃうという点もあります。 なかなか、私は、独立行政法人トップは事務次官以下でいいんじゃないか、給料は低くていいんじゃないかという点を申していた手前、そういう民間人の発想もあるのかということを考えておりますが、いずれにしても、私は、自動的に、惰性的に役所のOBが独立行政法人のトップに座っていいという時代じゃないと、積極的に民間の優秀な人を起用すべきだという点については同感でございます。
○山下栄一君 給料も大事なんですけれども、志が非常に大事だと思いますので、総理の幅広い人脈とリーダーシップで、是非これは積極的な、各省大臣が所管なんでしょうけれども、取組をお願いしたいと思います。 次に、公務員制度改革、抜本改革についてでございますが、私、去年の十二月二十五日、大変忙しい時期に予算そしてこの公務員制度改革大綱が出されておるということを、中身につきましても、出されてから大分たちましてから知りまして、非常に透明性がない形で非常に大胆な中身のことが提案されてしまっているというふうなことを思っておりまして、これ、私は、抜本改革のねらいが、内閣による国民本位の行政にするんだと、国民本位の行政になっていないという認識がおありだと思うんです。もうちょっとコスト意識とか、先ほど出てきました弾力性も、弾力性、機動性も大事な観点だと思います。行政サービスの向上。 しかし、私、それよりもっと大事な原則があるんではないかと。この基本原則がおろそかにされていないのかという、そういう非常に心配がございまして、今日、総理のお考えを直接お聞きしたいというふうに思いまして、取り上げさせていただきたいというふうに思っているんですけれども。 それは、人事行政の中立性、公正性ということでございます。これは、公務員制度改革するかしないかの前の、公務員制度そのものの大原則だというふうに思っております。憲法第十五条の要請もそうだと思いますし、国家公務員の人事院を中心とする行政の仕組みもそういうことだというふうに思うんですけれども、このことの、大事なことだと思いますので、大事なことだけれどもおろそかにされておらないかということの心配がございますもので、その基本原則でございます人事行政の中立性、公正性の確保、担保するという、これをなしに公務員制度改革はあってはならないと思いますので、この点の総理の御認識をお伺いしたいと思います。
○副大臣(根本匠君) 今回の公務員制度改革でありますが、今回の公務員制度改革のねらいから申し上げたいと思いますが、平成十三年一月に実施されました中央省庁改革と車の両輪を成すものであって、中央省庁改革が行政改革の第一弾として組織の抜本的な見直しを行う言わばハードの改革であるとするならば、今回の公務員制度改革は組織を支える人の問題に関する言わばソフトウエアの改革と位置付けられていると思っております。この趣旨は、平成九年十二月の行革会議の最終報告においても明記されておりますし、さらに平成十年の中央省庁等改革基本法においても、公務員制度改革の推進、内閣と人事院の機能分担の見直しについて明確に規定されております。 今回の改革は、平成十二年十二月に閣議決定された行政改革大綱におきまして、二十一世紀型行政システムに対応した行政組織、制度への転換を目指す観点から抜本的な改革をしようというのが趣旨でありまして、特に今回の改革について趣旨が十分理解されていないのは、今回の改革がどういう改革なのかという点だと私は思います。 今回の改革におきましては、国民に対して行政運営の責任を有する内閣及びその構成員である各府省の主任大臣などが、行政運営を支える公務員の人事行政についても主体的に責任を持って取り組んでいく枠組みを構築するとしておりまして、内閣主導の理念が十分に発揮される制度の構築を目指しております。その意味では、内閣と人事院の機能の今までのこの在り方、役割の分担の見直しになるものですから、ここのところが先生のおっしゃられたような点の意見が出てくるポイントだと思います。 やはり大事なのは、今回の公務員制度改革の理念であります内閣が主体的に責任を持って取り組む、この点が私は一番大きなポイントだと思うんですね。 今回の考え方の基本、新たな枠組みを構築する、私は六点あると思うんですが、人事管理権者としての主任大臣の主体的な責任と権限の明確化、内閣の人事行政の企画立案機能、総合調整の強化、この辺が内閣や主任大臣が責任を持つところでありますが、一方で人事院の中立性、公正性につきましては、人事院による職員の利益の保護、人事行政の中立性、公正性の確保、これもうたっておりますし、人事院の救済機能の充実強化、これもうたっておりますし、さらに財政民主主義及び勤務条件法定主義の下で勤務条件に関連する事項については人事院が適切に関与すると、こういうものを公務員制度改革大綱のところで示しているところでありまして、これらを踏まえて人事院の中立性、公正性の確保にも十分留意した改革の内容になっております。
○山下栄一君 人事院の中立性、公正性を確保するということを書いてあるんですけれども、書いてあるけれども大事にしていないということだと思うんです。 そして、私、何のために人事院ができたのかということがちょっと、認識がちょっと違うんですけれども、根本副大臣とね。これ、内閣からも距離を置くということが公正、中立性ということではなかったのかというふうに思うんですね。 人事行政の根幹の部分、特に人事院そのものの権限を縮小させるようなことを内閣が提案したりたたき台作るのはそれはいいけれども、一番大事な部分を、内閣から距離を置くべきこの人事行政、公務員行政をその内閣が根本にまでさかのぼってやってしまうというようなことは、これはちょっと憲法にまでかかわる問題ではないかなというふうに思うんです。 だから、人事院の中立、公正性じゃなくて、公務員制度の中立性、公正性だというふうに私は思うんですけれども、ただ、そういう内閣から距離を置くために人事院という人事中央行政機関を憲法の要請の下に国家公務員法作ったというふうに思うんですね。それがちょっとおかしなことになっているなと思うんですけれども、総理から直接この点について御認識をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 公務員というのは、これは政治から中立でなくてはならない。同時に、公務員が使命感と意欲を持って働けることができるような制度をどう整備していくかという問題で、必ずしも、今までの行き方で問題あるのじゃないか、いいという点ばかりじゃないということから、今公務員制度の改革が言われているわけでありまして、そういう点は、いろいろな意見に耳を傾けながら、新しい時代にふさわしい、いい人材が公務員として集まる、また公務員となった場合には使命感を持って公平に、政治から中立という点も十分認識して活躍できるような素地を作っていくというのが私は必要ではないかと考えております。
○山下栄一君 大綱、公務員制度改革大綱の中に、例えば天下りに関する大臣承認制というのが書いてあるわけですけれども、これは行革の精神に反するのではないかという指摘もマスコミその他では言われております。私もそのように思います。それを、人事院が中心にやっていたのを大臣にということだと思うんですけれども、この点についても、天下りに関する問題、これはもう国民物すごく関心あるし、総理も大変な御関心の下に今特殊法人改革等進めておられると思いますのでね。 ところが、衆議院の今回の特殊法人等改革特別委員会の議論でも、石原担当大臣と人事院総裁のお考えが全く違う、激しい議論がやり取りされているというふうなことがございます。また、参議院では、行政監視委員会でも、内閣主導型というよりも行革事務局中心のやり方で、特に人事院の権限そのものについての縮小にかかわることが法律に出てくるようなことになった場合には、総裁自身が国家公務員法二十三条に基づく意見を国会、内閣にも申し上げる場合もあり得るというふうなことまでおっしゃっているわけで、非常に公正、中立性にかかわる分野そのものが今大きな問題になっているというふうに思います。 そういう意味で、今、総理おっしゃったように、改革の進め方なんですけれども、行革石原担当大臣の下で行革事務局中心に企画立案されて、それが閣議決定になり、今内容が法案化されようとしているわけですけれども、できるだけ多くの方々の意見を聴くということが非常にされていないのではないかと。本来、公務員制度調査会があったけれども、これももう今なしで、役所主導型で、役所主導型で役所のことを、公務員のことを抜本改革されようとしていること自身も非常に私疑問を感じますし、そういう意味で、広く国民の意見を聴く形で、大綱は出たけれども、法案化するに当たって、そういう識者の意見を聴いたり、もちろん組合の意見もお聴きになっているということを一部聞いておりますけれども、人事院も、専門家の意見をちょこちょこ聴くということじゃなくて、そういう在り方でなくて、改革大綱に基づいて法案化していく作業の中で公正、中立性にかかわる、触れる、場合によっては抵触する、そういう問題も提起されていることを踏まえて、もっと幅広い方々の意見を聴きながら、場合によっては大綱そのものも見直す、修正するということがあってもいいというふうに思うんですね。 この点の総理のお考えをお聞きしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今いろいろな問題点を指摘されましたけれども、そういう問題があるということをよく認識しながら、各方面の意見を聴いて法制化作業を進めていかなきゃならないと思っております。
○山下栄一君 どうもありがとうございました。 以上でございます。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。 今日は長時間労働とサービス残業について総理に質問します。 昨年七月にトヨタ自動車におけるサービス残業が摘発されて、新聞報道を契機に豊田労働基準監督署、ここが管内のサービス残業、長時間労働の実態について調査、これは自主点検の実施ということで、摘発はしないので正直に回答してほしい、こういう要請を企業に行ったわけであります。その結果、驚くべき実態が明らかになりました。 お手元に今資料をお配りをしたんですけれども、その二枚目、②と書いてあるところをごらんください。ここの一番上の表ですね。年間実労働時間というふうに書いてありますけれども、最大労働時間、普通勤務のところですね、最大労働時間数と書いてあります、ここが三千六百五十時間。一年は三百六十五日しかありませんから、毎日じゃ十時間働いているのかと。平均でも、済みませんね、三枚目で②と書いてあるところですね、平均でも二千四百三十四時間です。 ですから、この三千六百五十時間というのは、年間一千八百時間を国際公約されているんですけれども、その約二倍です。調査をした労働基準監督官も一体いつ寝ているのかと、信じられないと、これほど驚いたそうなんです。いつ寝ているのか。一年間に三千六百五十時間も働いているということだと、土、日を除いたら十時間では利かないんですよね。だから、もう、いつ寝ているんだろうか。私も長時間労働は聞いていますけれども、これほどだとは思わなかったんですね。 調査対象は、ここにもありますけれども、トヨタ自動車それから関連企業が大半なんですね。トヨタといいますと、総理、日本のトップ企業です。奥田会長は日本経団連の会長、正に財界のリーダーです。ここでこんな奴隷的とも言える長時間労働そしてサービス残業、はびこっている。総理、これはどう考えても異常だし、直ちに是正すべきだというふうに私は思っているんですけれども、どう思われますでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) サービス残業の問題、よく議論されまして、これはなくしていかなきゃならないなということで、厚労省も指導徹底していくよう今努力していると思います。しかし、現実に、今御指摘のとおり、なかなかなくなっていないというのが実情だと思います。政府としても、いろんな場を通じて改善に向けて各企業、サービス残業をなくすように、今後より一層指導していきたいと思っております。
○八田ひろ子君 今、総理、長時間労働がすごい、三千六百五十時間、このお話をちょっと聞いているんですけれども、その次のページ、めくってくださいますか。③と書いてあるところ。 これもやはり豊田の労基署の資料なんですけれども、これ一番上を見ていただくと、これ相談や訴えがすごく、サービス残業の摘発があって多くなって、それの一部だそうです。 「息子の帰りが毎日遅い。深夜二時、三時になることもある。息子の体が心配で、私も眠れない。」、これはお母さんでしょうか、お父さんでしょうか。その次の次、「夫は毎日、午後十一時前に帰ることがない。裁量労働者ということで残業手当も付いていない。手当はつかなくてもよいが、今のままでは、夫は過労で死んでしまうのではないかと心配である。」、手当は付かなくてももう死にそうだという訴えですよ。その次のところですね。夫の帰りはいつも真夜中、残業時間は、残業だけで一年間千五百時間、「いつ倒れてもおかしくない状態が続いている。何とか助けて欲しい。」、これが労基署に来たのです。 その次は御本人でしょうね。毎日残業が続いている、週二日程度、週二日程度は残業せずに帰りたい。そこから三つ目のところを見ていただくと、「夫の残業が毎日続いており、帰りの車の中で、「このまま死んでしまえばどんなに楽か」と考えたとか、自殺を仄めかすことをしばしば口にする。過労自殺をするのではないかと不安である。」、家族や労働者の悲痛な叫びです。 これでは過労死が起こるのも当然です。経営者の責任を問う声もこの後ろに続いているわけなんですけれども、総理、企業や経営者の責任、こんな長時間労働、これ責任は重大だと思いませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この長時間労働、過労をいかに防止していくか、それは企業の経営者としても当然考えてもらわなきゃなりませんし、むしろ元気に仕事に就いてくれるということが企業の業績にも、向上につながるんじゃないかというような意識転換をしてもらわないとゆゆしきことになると思っております。 そういう点からも、日本としては、労働者のこの長時間労働あるいはサービス残業問題について、今後、経営者に対しましても改善措置を講ずるように、より一層努力をしていきたいと思っております。
○八田ひろ子君 本当に深刻なんですよね。 それで、大臣告示というのが出されまして、残業の問題ですね、一か月に四十五時間、一年間に三百六十時間、こういうのが告示であるんです。 ところが、この④、次のページの資料を見ていただきますと、これは厚労省の調査です。一年の特別延長時間の定めがある事業場のこれ残業時間ですね。三百六十時間以下というのは一三・二%。八六・八%、九割近いところがこの大臣告示をオーバーしています。 ちなみに、トヨタ自動車はこれ年間七百二十時間です。新日鉄は六百五十時間で、NTTは一千時間。日本を代表する大企業が軒並み大臣告示をはるかに上回っています。次のページを見ていただきますと、これは今年三月の決算委員会に提出させていただいた資料なんですけれども、事実上、大企業だけ挙げてありますけれども、政府の基準などどこ吹く風で、全く無視をされている。 なぜこうなっているかというと、労働基準法では、特別協定さえ結べば何時間でもいい、残業の上限が定められていないんですよね。だから、どんな、さっきの三千六百五十時間でも、詳しいことは私は知りませんけれども、労基署が発表していますけれども、違法でないかもしれない。 総理、労働者の命と健康、家庭生活を破壊するこういう長時間労働は直ちに改善をしなければならない。労働基準法で、いわゆる青天井と言われていますけれども、労働時間の決めがないという、これ何とかきちんと時間外労働の上限、これはもう駄目ですよという、こういうことが明記されていないとできないんじゃないか、抜本的対策を取るべきだというふうに私はとても思うんですけれども、総理、どうでしょう。
○副大臣(鴨下一郎君) いわゆるサービス残業につきましては、その多くが労働基準法の、先生御存じの三十七条に規定する割増料金が支払われていないもの、こういうふうなことで労働基準法に違反するものであります。
○八田ひろ子君 サービス残業聞いていません。労働時間のことしか聞いていません。
○副大臣(鴨下一郎君) それで、また、長時間労働については、時間外労働の実効ある抑制を図るため、これは労働基準法の第三十六条に基づき時間外労働の限度基準を定め、時間外労働協定の内容がその基準に適応したものになるよう指導を行っている、こういうようなところでございます。 先生がおっしゃっているように、例えば一か月四十五時間、一年で三百六十時間、こういうようなことで限度時間を守ることが基準である、こういうようなことでありまして、それを超える時間についてまで更に上限を決めるというのは果たしていいものであろうかどうかと、こういうようなことであります。 また、特別な事情がある場合には、三十六協定で、いわゆる三六協定で例外を定めることができるが、できる限りそのような事態が起こらないように努めることが大切である、このように考えている次第でございます。
○八田ひろ子君 私、副大臣を呼んでいませんが、今、事務方みたいに御説明をいただいて、それで上限を決めるのはいかがかというふうにおっしゃったんですけれども、私、総理、政治家として、今、長時間労働の実態を実際に労基署が調べた中身、これはマスコミにも出ていて、地域の人もみんな知っています。大会の中で、トヨタ自動車も出てきてやっているところでこれ言われている数字で、どうしようかというふうなんですよね。 こういうふうに残業時間の上限を決めない、こんな国はないんじゃないですか、今のG7とかいろいろ行かれても。こんな長時間労働をやっているところも私は先進国では知らないと思うんですよ。 だから、そういう、この時間外労働は上を決めるのはいかがかって、じゃ、助けてくださいという、こういう人たちにどういうふうにこたえたらいいんですか、総理、お答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、政府としては、年間総実労働時間千八百時間という目標に向かって進めているわけであります。今のところ、その千八百時間に収まっていないと、千八百三十時間ですか、平均してみますと。そういうこともありまして、年間千八百時間に収めていくように、各企業に対してこれを進めていくように今後更に努力していかなきゃならない。 さらに、所定外労働の削減、これは年次有給休暇制度等もきちんと取ってもらうということも含めてでありますけれども、これも進めていくように更に改善に取り組んでいきたいと思っております。
○八田ひろ子君 総理、本当に深刻に受け止めていただいていますか。 平均とかそういう問題じゃないんですよ。三千六百五十時間も働く事態、最初お話ししたとき、ちょっとどうもお分かりいただけないみたいだったんですけれども、過労死して助けてと、大変だというときなんですよ。だから、私はきちんと上限を決めて、そんなふうにならないように。 有給休暇も取得どんどん減っているんですよ、厚労省の資料によりますと。だから、大変だというやっぱり深刻な受け止めがないと私はいかぬというふうに思うんですね。 あと、時間がないので、サービス残業のことも一つ聞きます。 これ、ただ働きで当然法律違反ですよね、二十四条、三十七条の労基法違反です。サービス残業をなくせば九十万人の雇用も増えるという調査もあるわけですよね。どうしてこれがなくならないかというのを私は今日聞きたいんです。 今、労働者が告発していますね。これ、昨年、厚労省が通達を出されたんです。私、これ大変評価しているんですけれども、この通達を出されるものですから、例えば大阪では四億一千万、東京では十五億、愛知では五億二千万。労働者が訴えていく、これほとんど労働者が訴え出たということで、ただ働きをしても泣き寝入りの人の方が多いんですよ。払ったのは氷山の一角なんですけれども、こういう勇気を出さないとただ働きは是正されない。こういう違法状態を私は蔓延をさせていることが政治の責任だというふうに本当に自分自身も思いますし、そういう認識を持っていただきたい。 そこで、どうしてこんなふうにただ働きがちっともなくならないかというと、私、少なくとも通達はとても評価できるんですけれども、残っている問題があると思うんです。 それは、一つは自主申告を今、労働時間やっているところが多いものですから、例えば今月の目標を残業二十時間といいますと、五十時間やっても二十時間と、申告できない実態があるんですね。成績や能力のノルマでプレッシャーを掛けている。ここを改善する。これは企業の責任で始業や終業を記録や保存する、不正を許さないために労働者のチェックをするとか、あるいはやり得にさせない。 今さっきサービス残業の話を最初にしまして、トヨタ自動車は一千万払ったんですけれども、一千万払えばそれでいいんですよ、だったらいいじゃないかということになりかねない。こういう問題を解決をしないと、サービス残業の蔓延はなくならないと思うんですけれども、その点ではどうでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは最近の雇用情勢の厳しさもあると思います。また、それぞれの会社によって事情も違うだろうし、仕事に就いている方々の意識の問題もあると思いますが、サービス残業というものの解消に政府としてもできるだけ今後努力をしていかなきゃならないと思っております。
○八田ひろ子君 時間が終わりましたのでこれで終わりますが、違法状態が野放しにされて、政府の方針が無視されていても、本当に打つ手がないようなこういう状況、私は、深刻に受け止めてまだいただいてないんじゃないかと、総理に。これ、本当に深刻に受け止めて手を打っていただきたいとお願いをして、終わります。
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。 まず、特殊法人改革について伺わせていただきたいと思います。 これは、総理が言われるように、官から民へ、そしてまた民間にできるものは民間にと、こういう、また日本の活力を引き出す、こういう考え方の下に特殊法人改革は行われていると、こう思うんですが、昨年来から独立行政法人が雨の後のタケノコのように一杯できてきておるわけですね。もう今年、今国会でも三十八法人ができる、その前に六十ほどありますから、大体百ほどの独立行政法人ができてきていると、こういうことです。昨年、百六十三の特殊法人等を対象にして改革をすると、こう言ってやってきておられるわけですが、言わば独立行政法人のオンパレードという形でできていると。 これ、独立行政法人がそんなにいいものなのか、切り札になるのかと、こういうふうに私は思うわけなんですが、結局、特殊法人と一緒で、親方日の丸と、こういうような体質を、無責任な体質、役所的な体質を抜け切れないんじゃないかと私は思っております。 そういう中で、結局、監督官庁というのはあるんですね。監督官庁というものはあります。そして、トップも監督官庁の大臣が任命することになっているんです。法律で縛られている法人なんですね。そうしますと、どうしても、本来国民の皆さんに向かって行政サービスをすべき法人が役所に向かってやっていると、こういうことになりがちなんですね。 ですから、結局、最終的に赤字が出た場合、赤字が出た場合にどうするのか。国は一切面倒を見ないと、こういうことを是非総理にお約束をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 特殊法人改革は、言わば不必要な部分に税金を使うのをやめようという趣旨から改革を行っているわけでありまして、今、民間でできるものは民間に、廃止できるものは廃止と。しかし、民営化も廃止もできないものは独立行政法人になって、より経営の透明性、合理性を確保していこう、責任体制を明確にしていこう、企業会計原則にのっとって財務等をやっていこうということでありますので、これで終わりということではございません。常に見直しが必要だと思っております。 この趣旨に沿うように今後やっていかなきゃならぬし、赤字が出た場合には、当然これは、存続の必要性はどうか、あるいは廃止の必要性はどうか、あるいは役所自身がしなきゃならない問題か、民間に委託できるのかという再点検が不断に行われていかなきゃならない問題だと思っております。
○広野ただし君 赤字が出た場合は国は負担しない、こういうことを明確にしていただきたいと、こう思います。 そしてまた、この特殊法人改革に伴って総理は、昨年は特殊法人等に対しては五兆二千億円の国費が投入されていました、それを一兆円切ったんだと。十四年度予算のとき、一兆円削減したと、こう言って胸を張られたわけです。この赤字、借金体制の国の財政に負担を掛けない、その面では非常に大事なことでありまして、このことについて、十五年度以降も更に削減をするということを是非お約束をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、一般会計に対する厳しい歳出の見直しと同時に、独立行政法人あるいは公益法人等に対してより厳しい見直しを不断にやっていかなきゃならないというのは、私は当然だと思っております。
○広野ただし君 それと、会計検査院報告では、二〇〇〇年度に財投の対象になっておる四十五法人、これの長期債務が二百三十七兆円、債務全体でも三百六兆円と、こういうことに報告をされております。これを具体的にはどういうふうにして処分をするのか。このことについて、石原大臣に伺います。
○国務大臣(石原伸晃君) 一義的には財務大臣の範疇でございますが、御指名でございますのでお答え申し上げたいと思うんですけれども、財投改革の意義というものはもう委員が既に御承知のことだから割愛させていただきますが、やはり全体規模の縮減というものに努めますけれども、この経済状況の、特に金融機関の状態を考えますと、真に必要なもの等々への資金需要には的確に対応していくというのがございます。 そんな中で、ただいま委員御指摘の四十五法人向けの財投融資残高、十二年度末で二百五十九兆円、十三年度末で二百五十三兆円と減少しておりますので、この方向性というものは維持をしていかなければならないと思いますし、今後とも減少させていくことが大切だと考えております。
○広野ただし君 続きまして、イージス艦のことについて伺いたいと思います。 昨年来からアフガンでのアルカイーダ掃討作戦ということで、アメリカを中心にしてアフガンで大変な戦いが行われたわけであります。そのときにはイージス艦は派遣はされませんでした。今回どうしてイージス艦を派遣することになるのか。その理由について、総理のお考えを伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 一年間支援活動をしてまいりまして、その活動の状況を見ますと、イージス護衛艦というものの持つ性能等を考えますと、この一年間の経験を見ましても、更に支援業務を円滑にするためには必要ではないかと。そして、護衛艦の交代期にも当たります。 総合的に考えまして、私は、一口に言えば、支援活動を円滑にするという点からこのイージス艦の派遣というものは適切ではないかという判断で政府として決めたわけでございます。
○広野ただし君 総合的に考えて円滑な支援活動と、これはちょっと全然分からないんですが、まずアメリカから要請があったということなんでしょう。このことについて伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本が主体的に決めたわけであります。別にアメリカの要請があったということではございません。日本が主体的に決めたということであります。
○広野ただし君 じゃ、アメリカは全く要請してこなかったんですか。アーミテージ国務副長官は、非常に歓迎をすると、こうおっしゃっていますけれども、そのことについてはどうなんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、今までの護衛艦よりもイージス艦の性能がいい、支援業務が円滑になる、歓迎すると。その声明を私も歓迎しております。
○広野ただし君 私は、アメリカの防衛活動について日本がどこまで付き合っていくのか、こういうことだと思うんですね。歯止めがなくてずるずるずるずると付き合っていく、こういうことになれば、結局、戦前のあの歴史の反省を一つも踏まえないことになってしまう。やはりきちっとした歯止めが必要なんだと私は思うんですね。 ですから、原理原則、やはり自衛隊を海外に派遣するということは、何といっても極限の、究極の国家の活動なんですね。実力行使なんですね。ここのところに原理原則というのがはっきりしていませんと、軸がぶれますと結局ずるずるずるずると踏み込んでいく、こういうことを恐れるわけですが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イージス護衛艦の派遣はテロ特措法の範囲内で、テロに対する支援活動をするとはっきりしています。これが何で武力行使と一体するのか、その方が私は理解できない。はっきりテロ特措法の範囲内で護衛艦を派遣しているわけです。
○広野ただし君 ですから、昨年、アフガンのときには派遣をしないで、今になって派遣をしている、ここのところが分からないんですよ、もうひとつね。ここをしっかりと言ってもらいたいということと、もう一つは、じゃ、イラク攻撃が始まると。イラクの場合は、今度は核兵器開発あるいは生物化学兵器の開発のおそれありということでアメリカはこうやるわけですね。そのときは、じゃ、イージス艦はどうしますか、戻すんですか。どういうことになるんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラク攻撃、始まっていないでしょう。
○広野ただし君 始まった場合。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 始まった場合、その時点で国際情勢を考えながら日本が主体的に判断すべきことであります。
○広野ただし君 結局、原理原則がはっきりしていませんから、その時点時点で考えなければいけない。こういうことですと、アメリカの要請、国連からは何の要請もない、そういう段階でアメリカの軍事行動にどこまで付き合っていくのかということがやはり国民の皆さんは非常に心配をすると、こういうことなんですね。これは、やっぱり究極の総理の意思決定なんですから、やはりしっかりとしてもらいたいと思うわけです。 それともう一つ、それにも増して大きいのは経済の問題です、この経済の問題です。 もう小泉政権が発足してもう一年半になります。失業者がもう五・五%、男性の場合は五・九%にまでなっていると。倒産はもう二万件以上、そしてまた自殺者もおると、こういう事態。総理は、結局、打つ手打つ手が失敗していると、こう思われませんか。この一年半、どうなったんですか、これは。このことについて伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はやるべき改革をやらなきゃいかぬと、二、三年の経済の低成長、ゼロ成長、これは耐えて将来の持続的発展に備えなきゃいかぬということでやっているわけでございます。だからこそ、痛みに耐えて明日をより良くしようということで、当面の多少の痛みは耐えてもらわなきゃならないということで改革を断行しなきゃいけないと思っております。
○広野ただし君 これは多少の痛みじゃないんですよ。もう劇薬みたいなものを飲まされているわけですね。ですから、しかし、総理の言われる米百俵の精神、国民もある程度理解をするから我慢をしているわけです。本来だったら、これはもう一揆が起こるぐらいの話なんですね。ですけれども、我慢をしている。しかし、そのときにはいつになったら良くなるのか、いつになったら経済復活するんだと、日本はこの構造改革を経てしっかりとした路線に戻るんだと、このことをちゃんと示してもらわなきゃいけないんです。いつ良くなるんですか、これは。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 二、三年は我慢してほしいということでやっておりますが、二〇〇三年、二〇〇四年度にはプラスの成長が望めるように今努力をしているわけでございます。
○広野ただし君 いろいろと学者の理論で、これは政策転換だとか政策強化だとかいろんなことを言う人たちがいます。しかし、最終的には政治は結果責任なんですね。ですから総理が、発足されてから、小泉政権が発足してもう一年半、総理はまだ一年半だとこうおっしゃいますが、既に一年半を経過した、そこから二、三年でということなら、本来であれば総理の小泉政権が発足してから二、三年でなければならないものを、今ごろまた二、三年ということになったら、二〇〇四年というのはそういうことじゃないんですか。ですから、私は結果責任というものをしっかりとやっていただきたいとこう思うんですね。 だから、私はもう経済政策、これだけひどい状況になっているわけですから、小泉さんのの経済政策は失敗した、ですから責任を取ってもらいたい、こういうふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 就任してから二、三年たてば私の任期も参ります。そのときは国民が判断してくれるでしょう。
○広野ただし君 もう既に市場の信認は失われております。ですから、小泉さんが発足されたときは株価は一万三千円。一万四千円ぐらいまで期待して上がりました。しかし、どんと下がってきて、九千円前後だ、場合によっては八千円近くまで行くと。結局、市場の信認が失われているということなんですよ。 そして、もう一つ……
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 世界もそう。
○広野ただし君 いやいや、それは世界のことと、また世界の中でも伸びている国だってあるんですよ。ですから世界に任せちゃいけないんですよ。世界のこと言っちゃいけないんで、きちっとした、やらなきゃいけないんですよ。 ですから、やはり私は、最終的には国民の審判だと思いますが、もう既に小泉政権の経済政策は失敗だということを市場が明確に示しているということを申し上げて、終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 私は、七月の十日の予算委員会で総理に日朝国交正常化の打開についてただしました。そのとき総理は、北朝鮮との国交正常化に真剣に取り組んでいくことが日本の平和と安定のためにも大変重要であるし、朝鮮半島のみならず、あの地域、世界平和にとっても大変重要なものであると、こういうふうに答えられて、自ら打開に動く決意もむしろ示唆されて、やがて九月十七日に訪朝されて平壌宣言の調印になったわけですね。 総理の今回の決断は、宣言の中に我が国の長い朝鮮支配の歴史の反省も盛り込んだことを含めて正常化に向けて大きなものであって、私は深い敬意を表したいと、こう存じます。 一方、その過程で拉致の事実も判明をしてまいりまして大変に騒ぎになっているわけですが、確かに拉致はもう許されざる国家的な犯罪でありますし、これは解明、解決をされていかなきゃならぬ、こう思います。 また、核疑惑の問題も出てきたわけでございますが、疑惑でなくて、むしろ明確にそれを開発をやっているという趣旨のことが出てまいりました。大変にこの問題もしっかりと解決を図っていかなきゃならぬということだろうと思います。 と同時に、この平壌宣言で始まったこの両国間の関係全般の改善というものは、総理自身がおっしゃったように、日本を始め北東アジア全域の平和と安定のためにも大変重要な課題でありますから、着実にこの交渉というものは進められていくべきだろうと思いますけれども、この点について、まず現在の総理の基本的な考え方について伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この日朝間の不正常な関係を正常化していきたいということで日朝平壌宣言署名したわけでありますが、この問題は当初から、拉致の問題、それから核を含む安全保障上の問題、日朝間にかかわる過去の問題、現在の問題、将来の問題、包括的に取り上げて正常化したいというのが趣旨であります。 その中で、拉致された方々が今日本に帰国された、そして帰国された方々の家族がいまだ北朝鮮に残っておられるという状況で、この拉致の問題一つ取っても解決していない。と同時に、アメリカと北朝鮮との交渉におきましても、核の疑惑に関してアメリカが不信感を持ち、なおかつ北朝鮮が核開発計画に対しまして国際社会に対する疑念を晴らしていないという状況にあることから、なかなか交渉が難航しているのは事実であります。 しかし、私としては、こういう状況を打開すべく今後も粘り強く交渉していかなきゃならないと思っておりますので、この日朝間の問題というのは単なる日朝間だけの問題ではない、韓国やアメリカ、さらには中国、ロシアを含めまして、IAEA等はEU、国際社会とも連携、協力して、何とか北朝鮮が今の方針を変えて、国際社会の中で責任ある一員になることが北朝鮮にとっても最も利益になるんだという働き掛けを通じまして、今の日朝間の不正常な関係を正常化に持っていきたい、努力していかなきゃならないと思っております。
○又市征治君 確かに、拉致やあるいは核の問題は現在の日本の国民にとって最大の関心事でありますけれども、だとすればなおのこと、今、総理がおっしゃったように、包括的な国交正常化というのは着実に進めなきゃならぬことだろうと思います。 例えば、元外務官僚である岡本行夫さんは、我が党とは全く政治的には立場は違いますけれども、去る四日の朝日新聞で、要旨、このように述べられています。クアラルンプールに行った外務省の人が、今回は机をたたいてどなればいいから楽だったと言っていた、しかし、それで妥結の見通しは一層遠のく、そういう意味で奇策はないんだと、こんなふうなことを述べておられるわけですね。奇策はないという点は私も全く同感ですし、総理もおっしゃったんですが、この奇策という問題について、総理はどう受け止められますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 奇策というものがどういうものかは分かりませんが、私は、日朝平壌宣言に盛られた項目を誠実に日本と北朝鮮が守っていく、これしか日朝の国交正常化はないと思っています。 だから、奇策というのがどういう意味を持つものか、今、私はとっさに浮かばないんですが、奇策というものはあり得ないんじゃないかと思っております。
○又市征治君 そういう意味で、私もこの奇策はないという点は同感だと、こう申し上げたんで、総理とも確認をいただいたわけですけれども、今のマスコミを含めた一部の動きは、五人の家族や生活を無視した扇情的あるいは民族排外主義的な主張が非常に目立つような気がしてならないんです。中には、テレビで日本は戦争したっていいと言う知事までおいでになる、こういう格好にあるわけでありまして、拉致、人権問題はもちろん重要ですけれども、これを安易な国家至上主義に結び付けたり、あるいは両国民の対立をあおるのは極めて私は危険だろうと、こんなふうに思います。週刊誌には自衛隊のピョンヤン制圧計画までも躍っているようなこのような有様というのは、もう本当に憂うべき中身ではないかと、こう思うんです。 これでは、せっかく総理のイニシアチブで踏み出した北東アジアの平和と友好への大きな一歩が台なしになってしまうんじゃないかと、こう思います。まして、在日の数十万人と言われる韓国人あるいは朝鮮人への嫌がらせや差別問題も広がっている。これはお聞きのとおりであります。 総理はお好きかどうか分かりませんが、作家の高樹のぶ子さんは、せんだっての毎日新聞で、政府はもっと遠くのあるべき未来を見よと、こんな格好で切々と説いておられるわけですけれども、今申し上げたような奇策ではなくて、平壌宣言のすべての課題を並行して両者が誠実かつ冷静に交渉を進めていく、そして十年後、二十年後を見通しての歴史の審判に堪え得る選択をすべきなんだろうと思いますし、今ほど総理からもそういう御答弁をいただいたというふうに確認をいたします。 そこでもう一つ、具体的にお伺いをしますけれども、当面、拉致被害者とその家族や北への帰国者の家族などについて、両国間の自由往来を双方が広げていくということが国民レベルの和解への契機になると思うんですけれども、この点については、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自由往来できればいいんですよ。できないから苦労しているんです。でき得るような状況に持っていくのが今回の交渉の中でも大事なんですが、これがなかなかうまくいかないと。家族の立場もあります。家族もそれぞれ事情が違います。日本にいながら言えないこともたくさんあると思います。そういう点もおもんぱかって政府は交渉しなきゃならない。家族それぞれのお気持ちというものを大事にしながら、一日も早くこの拉致問題が解決するように努力していく必要があると思います。
○又市征治君 先日、北に在住する日本人配偶者の第四回の里帰り事業が延期をされてしまいました。日赤は、国内の反北朝鮮感情が強く実施が困難になった、こういうふうに説明をしている、こう報道されているわけですね。 こうした状況はやっぱり一日も早く解消されるように、あるいは本当に、今、家族が拉致をされた方々が日本にいる、その子供たちが北朝鮮にいる、こういう格好で何か親子の腕の取り合いをしているような形で見えるような、このことを本当に早く解決するために全力を挙げてやはり取り組んでいただいて、本当にこの拉致問題、核問題含めて包括的に総理が結んでおいでになった平壌宣言、これが全体的に前進をするようにより一層の御努力を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(中原爽君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(中原爽君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件を一括して議題とし、これより、総括的質疑のうち、各省大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○月原茂皓君 私は、会計検査院に主としてお尋ねしたいと思います。財務大臣、ひとつ話をよく聞いていただきたいと、こう思います。 外務省職員による報償費とかあるいは裏金等の不祥事は、内部監査体制にも、その整理ができていなかったという点にも私は原因があると、こういうふうに思います。この間の報道では、昨年の十一月には、外務省が内部で調査したのは二億円だったと、裏金について言えば、会計検査院が調査したら四億六千万だったと、こういうようなことが言われている、指摘されておるわけであります。 こういうことを踏まえて、内部監査の必要性、どういうところが足らなかったか、そして今後どうあるべきかということについて検査院のお考え方を説明していただきたいと思います。
○説明員(円谷智彦君) 十一月の二十九日に平成十三年度の決算検査報告を内閣に提出いたしましたが、その報告の中で、国の機関の内部監査の問題というのを取り上げております。 最近の検査報告を見ましても、今、先生御指摘のように、今年の外務省の問題を始めといたしまして、基本的な会計法令が遵守されていないといったようなことで、旅費あるいは物品や役務の調達等におきましていわゆる合規性にかかわる問題が数多く掲記されております。こういった合規性というのも会計検査の観点では非常に大きな観点の一つではございますけれども、会計検査院がすべてをチェックするというのは大変困難でございまして、各省庁等の内部監査に期待するところが非常に大きいというふうに認識をいたしております。言わば、会計検査院と国の機関の内部監査機構とは車の両輪みたいなもので両方相まって初めて国の会計経理の適正を期することができるというように考えております。 その意味では、もう委員御指摘のように、内部監査というものが非常に大きな役割を果たすべきであろうと思っておりますし、私どももそれをより充実させるべきであるという認識をいたしております。 そこで、行政機関の再編が行われましたのを機会に、各省庁等の内部監査機構がどうなっているのか、その現状と問題点あるいは改善すべき点というものがどうなのかといったことを分析いたしまして検査報告に記述をさせていただきました。 具体的に申し上げますと、各省庁等の六百二十五の監査機構すべてを検査の対象といたしたわけでございますけれども、そのうち三十七の中央監査機構について見ますと、組織令等で一定の独立性が確保されておりますのは一四%で、監査対象である会計担当課内に設置されているものが八六%と、現状では組織上の独立性が必ずしも十分でないところが多いというのが実態であります。 しかし、会計担当課内に設置されている会計監査機構におきましても、いろいろと工夫をいたしまして会計監査の実施面での独立性を確保している例もありまして、要は内部監査に対する当該組織の認識の問題が非常に大きいのではないかというように考えております。 会計監査の有効性を高めるための方策について見ますと、まず的確な監査計画や監査報告を作成しまして、それを組織の長に報告することなどによりまして一定の独立性を確保したり、実用的な監査マニュアルを作成することなどによりまして監査内容の標準化、明確化を図ったり、監査結果を有効に活用するためにその情報を組織全体に周知する、いわゆるフィードバックすると、こういった監査の基本ともいうべき点をきちんと実施することが大変重要ではないかと考えておりますけれども、この点ではまだまだ十分ではないというところが見受けられました。 今回の分析を参考にしていただきまして会計監査の実効性をより高めまして、国の会計経理、事務事業の執行等を適切に評価し、また不適切な事態の是正とその再発防止に努めるという会計監査が本来備えるべき機能を十分発揮できますよう、会計監査の実施体制の一層の整備が望まれるということを実感いたしました。 会計検査院といたしましては、その内部監査の充実のために従来から講習会等を年一回開いておりますが、会計監査体制の整備や運用の状況につきましても今後とも注視をしてまいりたいというふうに考えております。
○月原茂皓君 今お話しの、車の両輪だと、おっしゃるとおりだと思います。 私があえてお尋ねしたのは何かといったら、外務省が内部監査したこと自身は、事件が起こってからですけれども、それはそれとして、さらに会計検査院が行ったら更に二億六千万増えたと。私は、そういうところに、権限はほとんど変わらないはずです、外部に対する、外務省の内部監査の人たちが持っている権限と会計検査院が持っている権限は、対外的に言えばそんなに変わるものは私はないと思う。そういうところから、あえて私はこの例を出しながら、どう指導していくんだということをもっと、抽象的な話ではなくてお願いしたいと。 今のお話でも、独立しているところは何%ですか、三%だと、一三%ですか、それで全部合わせて三〇%ですよね。その内部という、内部で独立しておるものと同じ課の中で班とか室とかといって独立しているもの、それを合わせて三割ですよね。そういうようなことから考えて、独立するということはやっぱり大事なことだと思います。そういう意味で冒頭に財務大臣にお願いしておったんですが、そういう点も、組織上、検査院の方はわざわざ検査してこういうことだということで十三年度、これちょっと一年後の話ですが、十三年度のものに、ついこの間総理に出したものの中には精緻に分析したものがあるんですが、やはり私は組織だと、こういうふうに思うんです。そういうことで、財務大臣にもその点をお願いしておきたいと思います。 私は、この内部監査というものの重要性というのは、かつて鉄建公団事件があったですね。これは、行政に対する不信だけでなく政治そのものに対する不信にまで発展したんですよ。そう言うといかぬけれども、選挙では大変な影響を与えたというようなことからいって、やっぱり検査院を始めとする内部監査の牽制する力というものは大変大きいものがあるだけに、私は機構の整備についても、わざわざ調べられたわけですからちゃんと、内閣総理大臣が院長からお渡しされたのをテレビのニュースで見ましたが、しかし、ただ出すということだけでなく、ここに財務大臣もうなずかれておりますから、組織の点についてはせめて、課というのはいろいろな行政があるとしても、課の中における室ぐらいの独立したものには早く持っていくというふうにしなければいけないんじゃないかなと、私はそのことを強くお願いしておきたいと思います。 そこで次に、これ外務省の、例を挙げて悪いんですが、外務省の裏金プールの事件で、会計法の例外である随意契約を特定のホテルと長い間やっておったと、だから、こういうところからいってリスク管理というものも必要でないかなというようなことを前の検査院長が新聞に投稿されておりました。要するに、違法や不当が発生してから指摘、批難するのではなくて、事態が発生する可能性がある、そういうときには予知して防止を図るような検査をすべきでないかなと、こういうふうなことを金子前院長は新聞に投稿されていた。 正に私は、これも一つの検査院にとって大切なことだなと、こういうふうに思うわけでありますが、会計検査院はこのスピードの時代に既に過ぎ去った古い過去の事項を、そう言ってはいけませんが、そして、細かい会計法規に合ったかどうかというようなことをやっておるのと違うかというふうに国民の多くが見ておるわけです。そして、会計職員間のキャッチボールでないかなと、こんなことを一般の国民は思っている方も多いわけです。そうであってはならないわけです。 会計検査院の院法から始まって規則も見せてもらいましても、ちゃんと常時検査するんだという、現に進行中のものでも検査できる権限が与えられておるわけです。更に言えば、観点でも、合規性ということじゃなくて、経済性、有効性、そういうようなものも含めて、そういうところの観点からも検査する権限が与えられておるわけでありますから、そういうことを積極的に、手段というものが与えられておるわけですから、今申し上げたリスク管理の問題も含めて、真剣に国民の負託にこたえるような方向で考えていただきたいと思うんですが、現に今度の報告にもそういうことの端緒が見えるわけであります。ですから、国民の関心についてのホットなことをぱっと示して、そして国としてもこうやっておるんだということを、憲法で保障されておる、私の友達がかつて検査院におった、おまえたちのところは行政府だから駄目なんだ、おれのところは憲法で保障されている役所だ、唯一だと、こう言って、それだけの大変な権限を与えられておるわけですから、しっかりしてもらいたいと思います。 そして、私が今申し上げたように、リスク予見性の問題、それから最近のホットな問題について、こういうふうな検査をしてこういうふうに国民に訴えておるんだということを、ひとつ現在の段階のものをお話し願いたいと、こういうふうに思います。
○会計検査院長(杉浦力君) お答え申し上げます。 月原先生、大変、検査院の中身に対して御造詣深うございますので、細かい御説明をする必要ないかと思いますが、差し当たって基本的な話をちょっとさせていただいて、その上で今年の中身についても申し上げたいと思っております。 御案内のように、会計検査院の仕事のやり方でございますが、検査院法二十条というところに検査の在り方、仕方がちゃんと書いてございます。その中に、特に先生おっしゃったように、会計検査院は常時、国の会計を検査して、そして経理を監督し、適正を期し、問題があればその是正を図るということになっているわけであります。 したがって、そういう検査をいたしておりまして、違法不当な経理等がございましたらそのときどうするかという点も、これも院法の中にきちんと整理がございまして、先ほどお話がございましたのですが、院法の三十四条というところに、直ちに是正改善の処置を要求することができるということになっております。 私どもといたしましては、この職責を果たすために、いろいろな、違法不当な会計経理を見、指摘するだけでなく、そうした事態をもたらすような遠因、こういったものも含めまして御指摘をさせていただいている状況でございます。 また、先ほどお話のございました国民の関心のある中身、これについても積極的に対処させていただいております。その結果、改善を要するものがございましたら、先ほどのような法文、あるいは決算検査報告におきましてその中身をお示しいたしまして問題を提起したり、あるいは情報提供という格好で御説明申し上げているところであります。 先ほど、その例を挙げて説明していただきたいというお話でございますので、最近の例でございますが、申し上げますと……
○月原茂皓君 簡単に。
○会計検査院長(杉浦力君) はい。 例えば、BSE関連の問題につきましては、昨年実施されました問題点につきまして、国民の関心が大変高かったということから、今年の一月から検査に着手いたしまして、そしてその結果を七月に農水省等に対しまして、BSEの関連に関係なしに凍結された肉、これにつきましても冷凍格差を支払うことになっておると、こういうような点が分かりました。したがいまして、そういった点は是正しろということで、たしか七月に処置要求をお願いしてございます。 そして、昨年でございますが、昨年につきましても、報償費、先ほど話がございました報償費の関連でございますが、これも九月に内閣官房とそして外務省に対しまして処置要求をいたしております。 このほかいろいろやっておりますが、今年もITだとか、あるいは中小企業向け政府機関の資金の滞留の問題というふうなものにつきまして、ホットな対応として検査報告に書かせていただいております。 まだいろいろございますが、また御質問ございましたら御説明申し上げます。
○月原茂皓君 今、院長からお話ありましたが、ホットな問題についても積極的に取り上げられているということが分かりましたが、とにかく国民に対して存在感のある検査院になっていただきたい。そのような方向に進んでおることは私、分かっておるんですが、より強く進んでいただきたいと思います。もう手段はすべて与えられているわけですから。 以上をもって私の質問を終わります。
○川橋幸子君 民主党・新緑風会の川橋幸子でございます。本日は、雇用のセーフティーネットの在り方と男女共同参画という視点からお尋ねさせていただきたいと思います。 このテーマにつきましては、十一月二十六日の参議院の内閣委員会、国民生活センターの独立行政法人化の法案のときに質問させていただきまして、その際の担当大臣は竹中大臣でいらっしゃいまして、各省の方は事務方からお答えいただいたかと思います。本日は、要求大臣すべておそろいいただける決算の締めくくりということでございますので、各大臣おそろいのところで改めて伺わせていただきたいと思います。 さて、失業情勢は最悪でございます。男子の失業率は六%に達しようとしておりますし、また失業のリスクを回避するために妻の就業が増加している。正規従業員が絶対数で見て減少して、パートタイマー等の非正規従業員が増えるという常用代替、正規従業員代替といいましょうか、そういう雇用構造の変化が進んでおります。また、新規学卒の就職戦線を見ても、今、高卒の就職内定率は二、三割でございましょうか、ちょっと数字が正確でなくて申し訳ございませんが、異常に低い状況でございます。大卒を含めてフリーターが増加するとか、女性の大卒の場合は派遣登録という形で就職という、こういうような状況さえ伝えられているところでございます。連合の調査によりますと、働く人の二人に一人が今の仕事を失うかもしれないという失業不安を現に感じているということでございます。 ですから、サラリーマン家庭の夫婦といいますのは、失業の不安はもちろんでございますけれども、職を失った後、更に引退後の年金不安というものを抱えていると。また、子供たちに対しましては、親も学校の教師も、どのような生活、生涯が持てるのかという、そういう進路の指導がなかなかできない、こういう悩ましい状況にあるわけでございます。もう寄らば大樹の陰という言葉は死語ではないでしょうか。自己責任、自立を求められておりますけれども、自己責任、自立を求めたいと思っても、日本の雇用がどうなるのか、日本の社会がどうなるのかという情報が与えられないままに非常に不安に陥っているという、これが今の日本の状況でございます。 現在、不良債権処理の加速化に伴いまして更に失業の悪化というものが予想され、それに伴いまして、雇用のセーフティーネットをどのように講じていくかが国政の大きな課題となっているわけでございますけれども、そうした雇用のセーフティーネットの在り方に関して、かねて男女共同参画の視点からは、性中立的な制度にする、税も年金もあるいは雇用システムも性中立的であることによって安定的で持続的な日本の社会システムが構築できるんだと、こういう視点の下に主張してきたわけであります。 そこで、まず第一点目でございます。 配偶者特別控除の廃止が今話題になっております。先行減税の財源として話題になっております。これに関しては、税制の性中立的な視点も加わっているんだというようなことが言われますが、果たしてそうなのでしょうか。まず、財務大臣にお伺いさせていただきます。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、現在取ってまいります所得税、法人税、すべての税制につきまして、度重なる改正をそのときそのときによる都合によって恣意的に改正してきた点が多々あると思っております。ですから、思想的に一貫して説明しにくいようなものも随分出てきております。 その一つの問題として、現在、所得税をめぐりますところの空洞化現象が起こってまいりました。これは、やっぱりこの際に一つの考え方に基づいて訂正していきたいと思っておるのが今度の税制改正の一つの考え方であります。
○川橋幸子君 財務大臣、大変正直にお答えいただいたと思います。先日の内閣委員会では、男女共同参画社会の形成にも資するものだという事務方の御答弁がありましたけれども、私はそうではない、やっぱり少々場当たり、ちょっと言葉は違うかも分かりませんけれども、恣意的な制度改正も今のように苦しい状況の中ではやむを得ないこともあるのだという非常に正直なお答えだったと私、今受け取りました。しかし、そのときそのときの税制改正はその税制状況によって左右されるにしても、国の展望というのはそういうものであってはならないと私は考えるわけでございます。 さて、そこで経済財政担当大臣にお伺いしたいと思います。 先日、内閣委員会の御答弁ですね、記録を読み直してみましたらこのように述べておられます。 政府税調の議論は、税収を確保して国庫の基礎を築かなければいけないというより現実に近いところの制約の中の議論でありますと。この点は諮問会議と政府税調の間ではいろんな意見の相違もございまして、ある委員が政府税調の議論は志が低いのではないかという発言をして話題になったと、このように述べておられます。 「我々としては」ということは、その諮問会議としてはということだと思いますが、これから数年掛けて本格的な税制改正をしていくと、本年度はまあその初年度であるという点を踏まえて御理解いただきたいというようなそういう御答弁がありました。 さて、将来について竹中大臣、この配偶者控除の問題はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 諮問会議では、この一月から中長期的なあるべき税制の姿ということにつきまして、集中的に議論をしてまいりました。その中で、一国の税制の基礎として広く薄く、そういう税制を作るべきである。さらには、その徴税等々、納得のいく徴税システムであるべきである。それと同じような意味で、重要なものとして国民のライフスタイルをゆがめないような税制でなければいけないということを強調してきたつもりでございます。 その中に、いわゆるその特別控除、配偶者の控除、いわゆるその控除の見直しというものも、これは広く薄くという観点からも、またライフスタイルをゆがめないという観点からも入ってきている重要な問題であるというふうに思っているわけであります。 前回も申し上げましたように、それを制度設計するに当たって、これは政府税調の方で、ないしは与党の方でいろんな制度設計の議論を、今最終段階でございますけれども、その中でいろんな制約条件の中で議論をして煮詰めていかなければいけないわけですが、我々としましては、その広く薄くという観点からと、ライフスタイルをゆがめないという観点から、やはり中長期的には是非とも実現しなくてはいけない改革だというふうに思っておりますので、来年度の税制改革を初年度として引き続きどのような改正が進んでいくか、どのような改正をなすべきか、諮問会議でも議論をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○川橋幸子君 私も竹中大臣のお考えに賛成の立場でございます。是非その方向でしっかりと御議論いただきたい。都合のいいところだけつまみ食い、恣意的にされるというのでは個人の生活設計も立たない、ライフスタイルに中立的であるどころか将来展望が描けないという、こういう社会になることを危惧するわけでございます。 そこで、男女共同参画を担当の官房長官にお伺いしたいと思います。 性中立的な税制ということを考えますと、配偶者特別控除ではなくて、むしろ配偶者控除そのものの問題というのが大きいのではないかと思います。 民主党の場合は、税によって世帯の支出を配慮するんではなくて、むしろ手当によって充実していくと。税そのものは、働くか働かないかによって、あるいは子供が何人いるかによって左右されるような、そういうシステムであってはいけないということを言っているわけでございますけれども、男女共同参画会議を主管される担当大臣の方から、将来的に見てこの問題をどのようにお考えになられるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま財務大臣、それから竹中経済財政政策担当大臣からも答弁がございましたけれども、税制調査会でも、個々人の自由なライフスタイルの選択に中立的な税制、そういう観点から取り組むべきものであるという、そういう考え方を答申の中に示しております。 そこで、男女共同参画会議でも、女性のライフスタイルの選択等に影響が大きい諸制度について検討を行ってきたのでございますけれども、御案内のとおりでございます、本年四月の中間報告におきまして、配偶者控除と配偶者特別控除については女性の就業に関して非中立的になっているとして、その見直しを提言していると、そういうようなことがございます。 そういうことで考えますと、今回の税調の答申はその方向に沿ったものではないのかなと、こんなふうに考えておるところでございます。
○川橋幸子君 政府税調の中には、それほど明確な思想は私は打ち出されていないと思います。 元々、配偶者特別控除の方は、通称パート減税と言われますけれども、かつて労働力不足の時代に家庭の主婦がパートで、駆り出されるというと言葉が悪いですけれども、労働市場に出てくる。そのときの賃金が余りに低いというところにむしろ配慮するという格好で出てきた税制でございます。それに対して、今政府税調の方が言っているのは、むしろ二重に配偶者控除を取っているのではないかと、二重取りを返せと、こう言わんばかりの叙述が多いと、そのように女性の方が感じてしまうわけでございます。 もう少ししっかりとした将来展望を立てまして、これは女性だけではなくて男女両方に影響するものでございます。しっかりとした展望をこれから御検討いただきたいと。税制改正というなら、そのような抜本的なものを、システム改正を考えていただきたいと思う次第でございます。 さて、次の問いは社会保険の適用でございます。多くは、その中心は厚生年金の問題でございますけれども、これも性中立的ではないのではないかという、こういう問題意識があって、様々なことが男女共同参画の視点から言われているわけでございますが、今般、厚生労働省の方からは年金改革のたたき台のポイントが示されておりまして、保険制度の財政基盤を強化して持続的なシステムにしたいと。それに付け加えまして、そのためにも、パートタイム労働者等の厚生年金の加入拡充、加入の拡大ですか、を図るとされているわけでございます。そして、具体的な点としまして、今、今の適用拡大を図るためにその適用条件を緩和すると、週二十時間以上働いており、年収六十五万円以上の収入があれば年金の適用拡大を図りたいという、こういう説が有力だと言われているわけでございます。 そこで、まずその将来の方向に入る前に、現行制度の下で、現在、労働市場の変容が様々進んでおりますけれども、現行制度の下ではどのような適用関係になるのかを伺いたいと思います。 どういうことを伺いたいかといいますと、これもさっきの内閣委員会で紹介したのですが、雇用形態が多様化するだけじゃなくて、複数事業主、複数事業場で働く掛け持ち、細切れパートという、こういう表現をいたします。そういう労働者が大変増えている。特にその典型として、国公立の大学や私学の大学で非常勤講師という方が増えております。 この非常勤講師の組合を作っておられる方々の調査によりますと、私学の半数ぐらいは、講座の半数ぐらいはこういう非常勤講師が受け持たれる講座になっていると。大学も大変経営困難というところで、こういう雇用形態が増えていると。非常勤講師にも様々な方がいらっしゃると思いますけれども、主としてこの細切れ掛け持ちをしながら生計を立てているという方々が約二万人というふうに推計されているそうです。 こういう方々に対して、現行制度では雇用保険は適用されるのでしょうか。まず、雇用保険の方から伺わせてください。
○国務大臣(坂口力君) 大学等にお勤めになっております先生方の中で、掛け持ちをしておみえになる先生方が非常に多いということは御指摘のとおりだというふうに思っております。この先生方の社会保障をどうするかという問題はかねてからお話ございますし、私学等の大学側の意見と我々の意見とは必ずしも一致していないわけでございまして、大学側の方の御意見としては、雇用保険等には入らないんだからそこから我々は除外をしてほしいという、こういう御指摘があるわけでございますけれども、我々の方といたしましては、いかなる職業であろうともやはり雇用保険には全部入ってくださいということをお願いをしているわけでございます。 その前提の上ででございますが、掛け持ちをされますときに、生計を維持するに必要な主なる賃金を受けておみえになります雇用関係、そこがどこかということだろうと思うんです。掛け持ちも、同じ時間数各学校に配分をして行っておみえになるということは困るわけでございますが、どこかに少し拠点を置いて、そして他の学校にも行っておみえになるといったときには、その主な大学、例えば所定労働時間が二十時間以上であると、そういうのが一つあって、それでほかのところに行っておみえになるというときは、二十時間お勤めになっているところでこれは要件を満たしておりますので、そこで雇用保険もお掛けをいただく、被保険者になっていただくというのが現状でございます。
○川橋幸子君 主たる雇用主が特定の大学であるということがはっきりすれば入れる、これもちょっと問題でございますが、少なくともそれは制度上可能だということでございますね。 大学側の言い分は、働いている人たちが入りたがらないと、このような言い分だったとおっしゃいますけれども、現にこの組合の方々は入りたい、加入したいと言っておられるわけです。是非、加入の道筋があるとすれば、それは事務手続は大臣から指示していただきまして、手続ができるようにしていただけますね、要件さえ整えば。うなずいていただくだけで結構です。──うなずいていただきましたので、現行制度はちゃんと適用できるということを事務的に詰めていただきたい、指示していただきたいということを申し上げたいと思います。 まず、その次は厚生年金でございますが、こちらの方はいかがでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) 厚生年金の方でございますが、どの程度の使用関係にある者が適用対象となるかの判断といたしましては、これは個別の事業所と労働者の関係ごとにこれは行うという前提があることは今更申し上げるまでもありません。そこで、現在の厚生年金の適用基準は、労働時間がその事業所の通常の就業者のおおむね四分の三以上である人をその適用とするということになっているわけでございます。 この条件を少し引き下げると申しますか、もう少し引き下げてはどうかといったようなことで今議論をしているところでございまして、週二十時間あるいはまた年収六十五万、そのどちらか、そうしたことが条件にならないかというようなことも今、今まだ決まったわけじゃございません、次の年金改正に合わせて議論をしているところでございます。 そういう現在状況にございまして、先ほど御紹介いただきましたその短時間労働者に対します厚生年金などのこの社会保険の適用の在り方と含めてこれは決定をしたいと、こういうふうに思っております。
○川橋幸子君 非常勤講師の方々によりますと、本当に五つ六つの大学を掛け持ちすることがあると。その通勤時間やら、あるいは授業の下調べのための時間というのも労働時間、通常の労働者ならばカウントされるわけですが、それを除いたにしても、その講座の時間だけを足し上げたにしてもその四分の三、四分の三でなければ駄目なんですよね。 ですから、何というんでしょうか、雇い主が一定していれば要件が十分達せられるにもかかわらず、一つ一つで四分の三の要件を掛けられるとすると、一・五倍以上の労働時間がなければ、講座時間がなければ適用にならない。四分の三足す四分の三で一・五倍になるわけでございます。これは差別なんじゃないでしょうか。同じ労働者性がありながら、ただ多数事業主があって特定できないと、こういう状況でございます。差別だとお感じになりませんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 厚生年金、私どもは厚生年金を基準にして言っているわけでございますが、厚生年金の場合にはそれは雇用者との関係で考えているものでございますから、雇用関係が成立をしないということになるとなかなか難しいということになるわけでありまして、ですから雇用関係が成立をして全体の中のある程度の時間はその一つのところにおって勤めていただくということになれば、それはそことの関係と言うことができ得ますけれども、五つも六つも同じ時間数でばらばらっと行っておみえになるというときには、なかなか、そうですね、どうするかというのは難しい判断だというふうに思わざるを得ません。 そういう皆さん方を、厚生年金ではなくて国民年金なりなんなりにお入りをいただくということにならざるを得ないというふうに思っておりまして、そこはもう少し、しかし私たちも、現在のいわゆる基準というものをもう少し引き下げてもう少し入りやすくして差し上げるということが大事だというふうには思っておりまして、その議論をこれからしたいというふうには思っているところでございます。
○川橋幸子君 雇用関係は成立しているわけですね。使用従属関係にあり、この講座はあなた勝手にその時間つぶしてくださいよというそういう指揮命令ではなくて、これこれしかじかのカリキュラムに従ってこれこれしかじかの教育内容をしっかりと教えてほしいと。雇用関係は成立しているわけでございます。 坂口大臣、いつも医療改革にしろ無年金障害者の問題にしろ、心の中ではきっと前向きにこの問題も考えていてくださるんだと思います。確かに、週二十時間以上、あるいは年収六十五万円以上、今の適用条件の半分ぐらいまで緩和すれば、ハードルを下げれば救われる方がかなりいると私も思います。 しかし、ここでちょっと竹中大臣の方に伺ってみたいと思います。今、雇用の規制緩和が、有期雇用の年限を上げるとか派遣労働の上限期間を上げるとか、あるいは販売、事務だけじゃなくて今度は製造現場にも派遣ができるとか、様々な規制緩和がなされるわけですけれども、こういう規制緩和がなされたときにどのような雇用市場の実態になるかというと、それはむしろ短期間の繰り返し更新の雇用が増えるというのが今までの経験則で、私たち働く女性たちの現場からの声ではこういう情報が非常に多く上がってきているわけでございます。多様な形態だけではなくて、多就業時代というふうに申しているのはそういう意味でございます。 例えば、大学の非常勤講師、それは例外的な例でしょうとおっしゃるかもしれませんけれども、これは典型として申し上げているだけで、これからサービス業の中でこうした雇用が増えることということを考えますと、スーパーやコンビニのフリーターの方々というのは正にこういう短期間の更新、幾つかの働き口を掛け持ちする、こういう者が増えてくるわけですね。 こういう多就業時代のセーフティーネットの在り方というのはどうなんでしょうか。労働時間を合算する。労働者性がちゃんと証明されるわけです、細切れか合算されるかの差なんです。しかも、事業主がフリーライドするんじゃなくて、本人は払いたいと、こういう人たちもいらっしゃるわけです。そういうところで保険料収入をちゃんと取ってその保険料に見合った給付をするというのが私はセーフティーネットだと思いますが、多就業時代の働き方に対して、雇用のセーフティーネットあるいは年金のセーフティーネットというのは、平等に、条件さえ合えば平等に適用されるべきではないでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 川橋委員の問い掛けは極めて今後の行政、政策に対して本質的な問い掛けであろうかというふうに思います。 先ほど坂口大臣とのやり取りの中でもございましたですけれども、例えば一つの例として、この業種、大学の講師は準備の時間が要るはずだと、それをどのように考えるのかと。しかし、ここで難しいのは、確かにそうかもしれないけれども、ある科目については一時間しゃべるのに二時間準備しなきゃいけないかもしれない、ある科目については四時間かもしれない。
○川橋幸子君 それを言っているんじゃない。
○国務大臣(竹中平蔵君) 存じ上げております。 そういう、つまり多業種というのは、今の例にも見られますように、実は実態把握ないしは一律の枠を掛けることがほとんど不可能になってくるということをも意味しているのだと思うんです。 そういう意味からいいますと、規制緩和とともに、やはり自由な契約をベースにした、これは年金にしても何にしてもそうですけれども、そういった枠組みを思い切って作るということがやはりベースになってこざるを得ないのだと思います。 ただし、ここで重要なのは、自由にすればするほどやはり働く側と働かせてもらう側での立場の差というのをどのように考えるのかという一種の立場、だからこそ団結権というのがどの国でも憲法で認められているわけですけれども、それとの兼ね合いで枠組みをどのように作るか。一方で、思い切り自由にしていかなければいけないというニーズと、何らかのしかし枠組みを作っておかないと、全く自由に任せられない労働市場の特性があるということの兼ね合いをどのように付けるかということであろうかと思います。 オランダ等々では、そういった中で新しい試みをいろいろしているわけでありますので、今我が国もそういうことを試行錯誤しながら、少しずつ制度改革していく途上にあるというふうに思っております。
○川橋幸子君 オランダの例をおっしゃられましたので、オランダのワークシェアリングというのは、もう釈迦に説法でございますけれども、労使の間でしっかりとした社会契約を結ぶ、労働時間、各職場の中で職務を再設計して、再編成して、どのような労働時間を選択できるかというその仕組みの合意からしっかりやっているわけですね。そうした場合に、もし労働時間が少なくなった場合の事業主の保険料負担が増える部分については国で補助してもよいと、このような、移行的な措置かも分かりませんけれども、そういう大ざっぱに言うと、そうした国の政策判断があるわけです。 塩川大臣笑っていらっしゃいますけれども、今回、雇用保険料の引上げについて、塩川大臣は反対なさいました。むしろそれは国庫で持つべきだと、新基金という構想の中で(「そんなに簡単じゃない」と呼ぶ者あり)そのように受け取られる発言をしていらっしゃるわけです。 さてどうでしょうか。景気動向と個人の負担、そういうバランスを考えて、一家言お持ちの財務大臣として、何か伺ってもいい返事が返ってこないような感じがしますけれども、それこそ将来を見据えていただいて、日本の国の在り方を見据えていただいて、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、私は、すべての社会保障関連すべて、一度国民的会議の中でやっぱりきちっとした議論の中で決めてもらいたいと思うんです。それは、結局、こういう社会保障は増えていく傾向にあることは当然だろうと思っておりますが、一方において経営の問題もございますので、そういう点でいろいろと問題が解決しなきゃならないものもあります。それと同時に、ワークシェアリングの一つの方法として、そういう小刻みの労働ということがこれからも左右されていくとするならば、それに対してやっぱりセーフティーネットもやっていかなきゃならぬ。 そこで、医療、年金あるいは雇用関係全部合わせまして、一体そういう社会的コストというものはどのように制度で負担したらいいのか。保険という形でやっていいのか、あるいは国民のそういういわゆる必須的な行政の責任としてやっていくのかというそこらの根本問題を一回きちっと議論して決めて、方向を決めてもらいたいと。それによって私たちの取扱いが全部決まってくるように思っておりまして、そのことのチャンスは、私は、十六年度に年金が改正されますね。あの改正が、来年からというか、もう早々議論が始まると思うんですが、このときが一番大事な、日本の社会保障の方向付けを決める大事な年ではないかと思っております。どうぞ積極的な意見を出していただきたいと思います。
○川橋幸子君 ほかにも予定している質問がございますので、たくさん通告した割にはエッセンスだけのお聞きの仕方になったかも分かりません。でも、もう一回、取りまとめ的にお伺いしたいと思います。 まず一つは、保険というせい、保険制度というせいもありますけれども、組織労働者の意見は入るんですが、例えばパートとか派遣とか契約とか有期雇用とかといった非常に、フリーターの方々も含めて、本当に未組織の方々の意見というのがちゃんと審議会の場で検討されているのか。あるいは、諮問会議の中でも学者の方々はそうした組織労働だけではない情報をお持ちだと思いますが、あえて言わせていただければ、そうした声を直にヒアリングしてもらうと、こういう機会を設けていただけないか。やはり私は、一つは社会保障、社会保険における均等待遇原則というものをしっかりと確立する、これがセーフティーネットとしての命だろうと思いますし、また現役中の賃金についても均等待遇ということを確立してほしいと思っております。 先日、性中立的という言葉の意味をめぐって、ジェンダーフリーという英語はないというような御指摘もございましたので、ジェンダーニュートラルというふうに申し上げましたけれども、あれから考えましたら、多分ジェンダーフリーというのはジェンダー・ディスクリミネーション・フリー、こういう言葉なんだと思うんですね。 人についても、もし市場原理を貫徹させるとすれば、それは一物一価で、人についてもその価値を平等に計ると。人については様々な制度、慣行が絡むのでそれが難しいということは分かりますけれども、少なくともそれが原則なんだという、原理原則を打ち立ててほしいと、このように思うわけでございます。 実施は、小泉総理がおっしゃるように、大胆に柔軟にで結構です。ただ、表看板がぐらっぐらっとしない、日本の社会もちゃんとそうした原理原則を持つ、言わばこれはヒューマンライツといいますか、人権という、そういう物差しになるのかも分かりません。こういう原理原則をしっかり立てていただきたいと思いますが、代表して坂口労働大臣から一言お伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今お話をいただきましたように、雇用が非常に多様化してまいりましたし、これから一層多様化するものというふうに予測されます。また、その雇用の中身もまた多様でございまして、そうした雇用に対しましてどういう社会保障を確立をしていくかということがこれから問われることは御指摘のとおりでございます。 今までの社会保障制度は、どちらかといえば終身雇用を中心にした雇用体系の中で社会保障をどうするかということであったわけでございますが、そうした体系の中からはみ出るというとちょっと言葉は悪いですけれども、その中に当てはまらない雇用の仕方の人たちが増えてきている、あるいはまたそういう雇用を望んでいる人もおみえになることが事実でございます。 したがいまして、これから社会保障の問題を考えてまいりますときに、我々も、終身雇用の団体の皆さん方の御意見だけではなくて、もう少し幅広くいろいろの角度からの検討をしなければなりませんし、そうした皆さん方の御意見も伺っていかなければならないというふうに思っております。 先ほど財務大臣から御答弁がございましたとおり、いよいよ来年一年掛けまして年金の議論をしていただくわけでございますが、この年金こそ、やはりそうした中で今後どうしていくかということを本当に真剣に議論をしなければならないというふうに今思っているところでございます。
○川橋幸子君 ありがとうございました。 残る五分でございますけれども、外務省の方にお伺いしたいと思います。 まず、ODAについてお伺いしたいと思います。 決算委員会でも無駄なODAというお話がいろいろ出てまいりましたし、また不景気になると、なぜODAを供与しなければいけないのか、こんなに苦しいときには中小企業対策に充てる方がむしろ必要なのではないかと、このような議論があったわけでございます。 さて、ODAとは何のためにやるのでしょうか、外務大臣にお伺いします。
○国務大臣(川口順子君) 大変に基本的な、そして大変に重要な御質問をいただいたと思います。 まず、ODAというのは、日本の外交政策、外交目的を達して、果たしていく上で重要なツールであるということだと思います。 それでは、何が日本の外交目的かということですけれども、これは日本の、そして日本国民の安全を守り、繁栄をしていくことが重要であるということであると思います。特に日本のように世界の中にあって資源も少ない国にありましては、日本の安全とそして繁栄は世界の安全と繁栄に懸かっているということだと思います。また、特に近隣のアジア諸国の安全と繁栄、平和に懸かっているということだと思います。 それで、したがいまして、そういった外交目的、外交課題を達していくためにODAはどういう役割を果たすべきかということで言いますと、大きく三つあると思いますけれども、一つは、アジアの安全と繁栄を果たしていくということで、現にODAの六割はアジア向けです。 もう一つは、テロとか大量破壊兵器とかそういったことについて、新しい外交課題にこたえていく。この観点では、平和の定着と言いまして、アフガニスタンや東チモールやそしてスリランカ、あるいはアチェといったようなところで様々なことをやっております。 それから三つ目は、人間の安全保障といいますか、エイズですとか様々な、環境もそうですけれども、そういった問題に対応していくということで、このためにODAは戦略的に使われるべきでありますし、また、効率的に使うということで外務省としてODAの改革を進めているところでございます。
○川橋幸子君 ということで、ODAは国益のために使われる、外交のツールであるということを明言していただいたわけでございます。 今回、総理の私的諮問機関でございますか、正式名称は存じ上げませんが、タスクフォースというところから日本の外交、国家戦略について指摘があるわけでございますが、残念ながらODAについては指摘がなかったように拝見いたしました。 しかし、官邸外交のリーダーシップの下、官房長官はアフガニスタンの女性支援についても報告書をまとめられたわけでございますけれども、こうしたODAについてこそショー・ザ・フラッグが必要だと思いますが、官房長官の方からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) まず、ODAにつきましては、基本的には外務省が中心となって、各省にまたがるものですから、省庁間の連携を取っていくということが必要でございます。そして、その戦略的な活用に努めるということになりますけれども、日本国全体の国益の増進という、そういう高い視点から考えていくということも必要でございます。そういう意味で、官邸としても十分関心を払っていきたいと考えております。 ただいまのタスクフォースですけれども、これは俗称岡本対外関係タスクフォースと、こういうふうに申しておりますけれども、この答申が出ました。答申と申しますか、報告書がついせんだって出まして、この中身の中でODAに言及する部分が少ないということでありますけれども、これは実は、この七月に同タスクフォースでもってODAについて報告を出しております。そこに書いてある方針と変わらないと、こういうようなことをその報告書で、最終報告書で書いてあると思っております。
○川橋幸子君 ということで、ミレニアムサミットの合意でございますか、一日一ドル以下の最貧国を支援することが国連の目標になっているわけでございます。しかも、それは持続的でなければ相手国に非常な打撃をもたらすわけでございますね。ということで、来年度予算要求の中で、もちろん質、量の問題があると思いますが、ODAは余り影響がないんだからカットしてもよいという、こういう考え方というのは、日本としてはむしろ国益を害する。むしろ、一日一ドル以下の最貧国、ここがテロの温床になるということで、アメリカは倍増し、ヨーロッパもかなりの倍増に近いところでその国の国益を主張しているわけでございます。 もう時間がありませんので、こちらから要望させていただきますが、無駄なODAの指摘はいろいろありますが、ODAがこんなに役に立って喜ばれていて、これだけ相手国の支援に役立っていると。行くと様々感謝の言葉を聞くわけでございますけれども、そういうPRが外務省から一言もないように私は感じるのが問題ではないかと思います。是非必要な、国益を守るODAについてのPRをしっかりしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○荒木清寛君 国土交通省にかかわります問題を何点かお伺いいたします。 本年九月に名古屋市内で、高齢者の運転する自動車が運転操作ミスによって保育園の屋上駐車場から車止めを乗り越え、鉄さくを突き破って転落をし、庭にいました三歳の女の子を始めとする園児が死傷するという大変痛ましい事故があったわけであります。 この保育園におきましては、実は二月にも車が同じ駐車場の鉄さくに衝突をして、これを壊してしまうという事故がありまして、遺族の方は、しかるべき安全対策をやっておれば、施しておれば今回の事故は未然に防ぐことができたと思うと訴えておられますし、また、市当局に対しましても、安全対策の強化を求める要望書を一万四千五百人の署名とともに出しているわけでございます。 そこで、まずお伺いしますが、この種の駐車場につきましての建築基準法上の安全基準というのはあるんですか、どうなっておるんでしょうか。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。 昭和五十一年に当時の建設省から通達いたしました立体駐車場における自動車転落事故を防止するための装置等に関する設計指針というのがございます。この中で、自動車の衝突による衝撃力を処理することのできる装置等につきまして、設計の指針として、衝撃力の大きさ、衝突する位置などを示しております。本指針の適用範囲につきましては、立体駐車場の直下の地面が公共の用に供する道路、広場等の場合は高さ二・一メートル以上、その他の場合につきましては高さが五・一メートル以上のものについて適用範囲としております。
○荒木清寛君 昭和五十一年ですか。
○政府参考人(松野仁君) 六十一年。
○荒木清寛君 六十一年。 そこで、今話がありました指針の適用が本件についてはないというふうに解釈をされているんです。といいますのは、高さはもちろん二・一メートル以上ありますけれども、公共の用に供する道路、広場に面していたわけではありませんでしたので、プライベートな保育園の中庭であったわけでありまして、しかし、危険性においてはもう道路上に面している以上の危険性があったわけです。その下にいるのは正に自己防衛能力のない幼児であったわけでありますから、こうしたケースにこの指針が適用されないというのは私は極めて不当であると思いますので、見直しをしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○副大臣(中馬弘毅君) 九月十八日でしたか、大変痛ましい事故でございまして、園児が一人亡くなっております。 委員御指摘のように、ただあの場所が立体駐車場という規定にはまらないとか指針に適合しないということではなくて、駐車場そのもののいろんな問題があります。そういう地形のところもございますからね。国土交通省といたしましては、これまでの設計指針の見直しやその周知徹底等、駐車場での一層の安全対策につきまして、幅広く駐車場というそのものに対しましての安全性につきまして検討し、またそれの改善に努力してまいる所存でございます。
○荒木清寛君 そうした指針の見直しは是非早急にしていただきたいと思いますし、あわせまして、こうしたケースにおける安全確認調査というのを全国的に実施をする必要があると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(松野仁君) この事故は、言わば急発進という高齢者の方の事故ということで、今までも起きた事例は既にかなりのものが分かっておりますので、改めて全国調査をするという必要まではないのかというふうに思っております。
○荒木清寛君 次に、環境ロードプライシングにつきまして若干お尋ねいたします。 これは、有料道路の料金に格差を設けまして、住宅地域に集中する交通を湾岸部に迂回させまして、住宅地域の道路環境を改善をするというシステムでございます。 現在の環境ロードプライシングの実施状況と、また、今後拡大をしていく見通しはあるのか、お答え願います。
○政府参考人(佐藤信秋君) 環境ロードプライシングは、料金の需要調整機能を活用しまして、弾力的な料金設定を行うことにより交通の転換を図り、沿道環境等の改善を図る施策であります。現在、首都高速道路及び阪神高速道路において試行を行っているところであります。 具体的には、首都高速道路につきましては、神奈川県内の横羽線から湾岸線への交通の転換を図るため、昨年の十月二十三日から、湾岸線の川崎浮島ジャンクションと大黒ジャンクションの間を通行するETC利用の大型車及び川崎線を利用するETC利用の大型車につきまして、料金千二百円のところ九百五十円に割り引いております。それから、阪神高速道路におきましては、阪神地区の神戸線から湾岸線への交通の転換を図るため、昨年の十一月一日から、湾岸線の阪神西線を通行するETC利用車の大型車、それから湾岸線の阪神西線と東線を連続して現金で利用する大型車につきまして、料金千円のところ八百円に割り引いているものであります。 首都高速道路及び阪神高速道路の環境ロードプライシングにつきましては、両公団において学識経験者等による試行状況等の調査分析を行っているところであります。この結論を踏まえて、今後の方針を検討してまいりたいと思っております。 また、環境ロードプライシングの他の道路への拡大につきましては、この首都高速道路や阪神高速道路の環境ロードプライシング試行の結果を踏まえて今後検討してまいりたいと思っております。
○荒木清寛君 それほど悠長に検討している段階ではないと思うのです。といいますのは、これも若干地元の話で恐縮でございますが、名古屋市南部を走っております国道二十三号線というのがありますけれども、慢性的な渋滞でありまして利用者から不満が出ております。しかも、そのことに伴いまして深刻な大気汚染の原因となっているわけです。そもそも名古屋南部公害訴訟におきましては、国は環境基準を達成することを約束をして和解をしたはずでございますけれども、いまだにいわゆるSPM、浮遊粒状物質につきましてはこの環境基準が達成される状況ではありませんで、周辺住民は大いに憤っているわけであります。 ところで、この国道二十三号線の代替路として期待されているのが伊勢湾岸自動車道でありまして、元々、第二東名の一部となることで建設をされた路線であります。しかしながら現在は、多額な建設費が掛かったことを理由に一般有料道路としましては高速道路の倍以上の料金設定がなされておりまして、片側三車線でございますけれどもがらがらでございまして、地元の人は何で造ったんだというふうにみんな言っているわけです。その一方でもう二十三号線は渋滞で公害の原因になっているわけでありますから、正に私はそうした実態を目の当たりにいたしまして、この地域でも環境ロードプライシングをやってもらいたいと考えます。 大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(中馬弘毅君) 委員の御地元のことでございますけれども、各地でそういうところがなきにしもあらずでございます。 この件につきましては、現在でも八百五十円を七百円に下げてはおりますけれども、今言ったような状況であることは十分に認識をいたしております。裁判でも国が負けるような形になりましたが、今後、湾岸道路の方に移していく施策といたしましてロードプライシングの方を、今、局長の方から説明しましたように、阪神高速や首都高速の例に倣いまして今検討しているところでございます。これはETCを使いまして、ETCを利用して通ったものにつきましてはかなり大幅な割引も考えられることになりますし、時間帯等その他によりましてこれをこちらに移し替える方法、これをひとつ考えてまいりたい。検討しているところでございます。具体的に近々発表したいと思います。
○荒木清寛君 是非、良い回答を期待をしております。 そこで、午前中の質疑では総理に対しまして、先週の民営化推進委員会の最終報告についての所見、取組等の質疑が行われました。扇国土大臣にも改めてお尋ねいたしますが、先般のこの最終報告についてどうした所感をお持ちなのか、そしてこの最終報告にあるとおりのスケジュールで新会社発足に向けて取り組んでいかれるのか、その考え方をお尋ねいたします。
○国務大臣(扇千景君) 先週、あれだけ真剣に御論議いただいたにもかかわらず委員長が辞任、退席されるという、ああいう事態になったことは私は、大変見識のあるしかも有意義な論議をしていただいた割には何となく後味が悪い気がしないではございませんけれども、公開されておりましたので、多くの皆さん方が道路に関する情報をたくさん得られました。そういう意味においては、私は大変効果があったと。 そして、国の道路の在り方をみんなで検討するということが私は大変意義があったことだと思っておりますし、今日もお昼、政府与党連絡会議で総理からは、あの委員会の答申を尊重し、なおかつ、決まってできること、それから合意できなかった部分は今後政治的に決着をしなければならないということを改めて総理からの御発言もございましたけれども、私は道路担当としまして、国土交通省としては既に昨年も、私たちは、諸井委員会で十二月に答申も出しました。けれども、そのときは三公団民営で、本四は、私、別にいたしましたけれども、総理が改めて四公団という宿題を出されて、あの委員会が八条委員会として設置されたわけですけれども、私は国土交通省として、少なくとも私は、第三条委員会の国幹会議というものがあって、一万一千五百二十キロ決まっているわけでございますけれども、その三条委員会を中止するのか中止しないのか。今でも生きているわけですから、三条委員会が。ですから、それであれば、やっぱり工夫をして、四車線は三車線にしようではないか、三車線も二車線にして、少しでもできるところがある方がいいのではないかと。もうどの知事さんにお伺いしても皆さん道路を造れ造れの大合唱でございます。けれども、果たして、先ほどからお話ございましたように、その道路が果たして地元に予定どおりの台数が走るか走らないか、こういうことも含めて採算性というものは考えないで造ることは二十一世紀はできない。 そういうことに立って、私は今後あの答申を有意義に生かしながら、なおかつ足らざるは国会であるいは皆さん方で議論をしていただき、国土交通省もそれなりの意見を出し、そして、ただ私は心配しておりますことが一点ございますのは、あそこに三分割、道路公団三分割は全員の総意と、こう明記してございます。けれども、私はあの全員総意の分割が道路公団を全国三分割にして果たしてどうなるかと、しかも上下分離と書いてございます。三分割しますと、今道路公団の役員は九名でございます。JR、旧国鉄をお手本にしてみますと、旧国鉄は役員というのは十八名でございました。それが七JRに分割されまして、今、七JRの役員というのは百二十四名になっています。ですから、分割すれば分割するほど役員が増え、これを上下にすればもっと増えるわけですね。 ですから、私はあの中で、全員が合意されているという分割案の中で果たしてこれがどのように生かされていくのか。真に国民にはっきりと見えて経費節減になるかならないのか、役員はしばらくは給料いただかないとか何かあるのかないのか。その辺も我々は真剣に詰めて、真に国民のためになる道路行政という基本的な考え方を私たちは改めて皆さん方と国会でも論議して、二十一世紀、私たちは有意義な道路造りというものを基本的に考える一つの指針の材料にさせていただきたいと思っています。
○荒木清寛君 先ほど申し上げました湾岸道路も、確かに片側三車線が必要であったのかという意見はあるにせよ、つながっていないからがらがらだということもあるわけでありますから、そうしたことも踏まえて有意義な結論を出してまいりたいと思います。 最後にもう一つだけお尋ねいたしますが、マリンレジャーにおきますスキューバダイビングの事故が毎年発生をしておりまして、尊い命が失われております。平成十三年は、事故者数三十名、死亡・行方不明者数十名、これは前年に比べると減少しているとはいうことでありますけれども、しかしこの事故に対する死者・行方不明者の数、これは依然として高いわけでございます。 レジャー大国の日本でありますので、今後は子供や高齢者にも親しまれるレジャーとして普及をすることが期待されるわけでありますから、行政としてもより安全に楽しめるような施策の推進が一層必要であると思います。こうしたレジャースキューバダイビングの安全対策についてはどうなっておりますか、また今後どう充実していくのでしょうか。
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明を申し上げます。 マリンレジャーにおきますスキューバダイビングの事故につきましては、先生ただいま平成十三年の数字をお示しいただきましたけれども、ここ数年減少傾向にはございますが、御指摘のとおり後を絶たない状況でもございます。 そうしたことから、こうした事故に対する安全対策につきましては、海上保安庁といたしましては、愛好者やダイビングショップ、こういった人たちに対する安全指導、これを徹底していくとともに、安全意識の普及あるいは啓蒙、こういったことのために、それぞれスキューバダイビングの活動が活発な地域、こういった地域におきましてはスキューバダイビング安全対策協議会というふうなものを立ち上げておりまして、いわゆる合同の訓練でございますとか、研修会でございますとか、そういったことをやりまして、言わば民と官と一体となった安全対策、これに取り組んでいるという状況にございます。 また一方で、万一事故が発生したような場合の対応につきましても、御案内のとおり、海上保安庁では一一八番という緊急通報用の電話を二十四時間運用しておりますけれども、そうした体制とともに、潜水技術、それから救急の救命能力、こういったものを併せ持った機動救難士、海上保安官でございますが、こういったものを全国各地の航空基地に配置をしておりまして、いったん事あった場合の救助即応体制、こういったものも取っておるところでございます。 一方でまた、さらには、私どもの所管団体でございます財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会というのがございますが、ここではそうしたスキューバダイビングの愛好者に対する安全講習会でございますとか、あるいは二十四時間体制の緊急の場合のホットライン、こういったことの体制も取っております。 海上保安庁といたしましては、こういった講習会の講師の派遣なども含めまして、この同協会の活動を側面、あるいは積極的に支援しておるところでございますが、いずれにいたしましても、海上保安庁といたしましては、今後ともこうしたスキューバダイビング、これが安全に楽しくやっていただけるようにということで、今申し上げましたような施策も含めまして安全対策の充実強化に努めてまいりたいと、かように思っております。
○荒木清寛君 終了します。
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。 坂口厚生労働大臣にまずお聞きしたいと思うんですが、大臣は、十月三十一日の参議院厚生労働委員会で、十月一日から実施された高齢者の窓口負担の増大によって受診抑制がどれだけ起こっているのかということについて、我々もこれを注意していかなきゃならない問題であるということはそう思っておりますが、現在のところ、はっきりとした数字を我々も得ているわけではございませんと。そして、全体として、必要だけれども、それが医療を受けられないといったようなことがないようにしなければならないのは当然でありますと。その辺は十分考えていきたいというふうに思っておりますと答弁されています。 その後、一か月余りが過ぎました。既に十二月の半ばに入ろうとしていますが、高齢者の受診抑制の状況を大臣はどのように把握されているのでしょうか。まずお聞きします。
○国務大臣(坂口力君) 御承知のように、医療の制度が変わりましたその内容につきまして、十月一日から変わりました分につきましては、保険等の整理がまだ上がってまいりませんので、現在の段階のところで全国的なレベルでどうなっているかということの把握はできておりません。大体、診療報酬の方の整理ができますのは三か月ぐらいやっぱり掛かるんですね。それで、そうしないと上がってこないものですから、現在の段階では私の手元にまだありません。 先生から御質問いただくということで聞きましたけれども、現在のところ、まだ上がってきていないということでございます。
○大沢辰美君 確かに、まだ三か月たっていないわけですから把握するのは困難だとは思いますけれども、やはり十月一日に政府が出した改正をして、その結果、お年寄りの皆さんがどういう治療の状態に置かれているか、そして治療をしている中断はないか、診療抑制はされていないかという調査を私はできるだけ早い時期にやっていただきたいということをまず要請をしておきたいと思います。 そこで、もう既に調査をされたところがございます。それは、全国の保険医団体連合会というところが十一月五日から十五日の間に千二百五十医療機関、そして高齢者の患者さん千五十九名を対象にアンケート調査を行っています。その内容を見てみますと、十月の外来患者数が昨年の同じ月に比べて減少したという医療機関が六四・一%になっています。歯科では六一・四%になっていますね。しかも、その減り方は尋常じゃないんですよ。医科の場合は、医学の医の科です、医科の場合は、減少した医療機関六〇%弱は一割以上、そしてほとんどは二割とか三割という減り方なんですね。受診回数に至っては、増えたという医療機関はほとんどなくて、六四・三%の医療機関が受診回数が減少したという回答をしています。 その中のチェックをしてみますと、治療中断があったということが医療機関から回答されている。その件数の私は多い順にちょっと調べてみたんですが、高血圧症、高脂血症、糖尿病、胃潰瘍、肝炎、慢性気管支炎など、本当に軽視していたらとても危険な状況が生まれるという病名が並んでいます。そして、患者負担増によって診療内容にどのような影響を受けたというと、投薬の日数や薬の種類の変更があったと。そして検査の減少や変更もあったと。往診や受診日日数の減少もその中に含まれています。 大変深刻だったのは、慢性気管支炎などの患者が受けている在宅の酸素療法なんです。この治療中断がとても深刻に出ています。九月までは月に八百五十円から三千二百円という負担だったわけですけれども、一挙に約一万円に跳ね上がっているんですね。ですから、酸素療法をやめた人や酸素濃縮器という器械、そして酸素ボンベを使っている人、このお金を減らすために結局ボンベを外してほしいという要望が寄せられたという実態があるんです。 このような病気の患者さんが受診を減らしたり、また治療を中断するというのは、私は必要な受診、必要な医療が抑制されていることになるのではないかと思いますが、厚生労働省は調査していないと言いますが、この団体の皆さんはもう既に調査されてこういう結果が出ているという中で、大臣はこの結果についてどのように思いますか。
○国務大臣(坂口力君) 私も、個別的には、いろいろの病院の皆さんやあるいは診療所の皆さん、おやりになっている皆さん方から個別にはいろいろお伺いをいたしておりますが、個別にいろいろお伺いをいたしましても、それはもう少し統計的に処理をしてどうなっているかということを見ないといけないというふうに思っております。 したがいまして、本格的なデータを基にしながらどうするかということを私も考えなければならないし、また中医協等でも積極的な御議論になるだろうというふうに思っております。確かに、医療費の上がった部分もございますが、しかし低所得者に対する配慮等もしたところでございまして、そうしたことが総トータルとしてどういうことになってきているかということをよく、結果が出次第、調査結果を見て判断をしたいと思っております。
○大沢辰美君 統計的に見ることはもちろん大事だと思っていますが、既にこういう形で短期間ですけれども統計的な数字が出されています。私は、これは本当に圧縮された形で一つのバロメーターとして出てきているということも参考にしていただきたいと思います。 なぜ必要な医療が抑制されたり中断されたりしているのかという点で、高齢者の窓口負担がちょっとだけ増えただけということじゃなくて、十月一日からの高齢者の窓口負担、それが定額負担から定率負担になったことが私は大きな大本にあると思うんですね。だから、その結果、在宅医療や高額な薬剤を使用する患者が一万円を超える負担が生じて、重症であればあるほど重くなっているという結果ですね。この重い負担に堪えられない高齢者はどうなっているかといいますと、先ほど具体的に述べましたとおりですけれども、通院では月に一万二千円。また、住民非課税の方たちは月八千円になっていますけれども、今、受診や治療の中断が問題になっている方たちは、医療費を捻出している中で、大体月六万前後の年金者の方が多いんですね。こういう人たちが深刻な状態になっているわけなんです。だから、所得に応じて応能負担ということをよく言われますけれども、私は、この病気の重さに比例した負担増になっているのではないかと指摘せざるを得ません。 ですから、窓口負担を私は定額制から定率に変えたのは、病気の重い人、重症の人ほどしっかり負担していただくというふうな老人保健法を変えた私は本当のねらいがあったのではないかといって本当に腹が立って仕方がなかったんですけれども、金のない国民が医療を受けられないのはやむを得ないということになるんでしょうか、大臣。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申しましたように、いろいろの配慮もしながら改革を行ったわけでありまして、例えば低所得の皆さん方の範囲を今までよりも広げたり、また金額を下げたり、そしてまた今お話にございましたように、今まで三千二百円だったものが一万二千円になるというお話、確かに一般の皆さん方はそうでございますけれども、その代わりに今までは幾つもの病院を渡り歩けば三千二百円ずつちょうだいをしていたわけでありますから、今回は幾つ病院に替わられてもそこは一万二千円なり八千円ということでありますから、そうしたことも十分考慮をして一体どうなるかということだろうというふうに思っております。 一時は御負担をいただかなければなりませんから、後で返還をするわけでありますから、そうしたことが落ち着いたときに一体どうかといったことをよく見据えて、そして次の判断をするということにならざるを得ないというふうに思っております。
○大沢辰美君 配慮したと言うけれども、現実はこういう厳しい状態になっているということをまず認識を新たにしていただきたいと思います。 小泉総理は、今までも医療問題を語れば、持続可能な国民皆保険制度を守るんだということを言ってきましたけれども、私は、今この国で起こっているこの状態は、必要なときに必要な医療が受けられない、必要な受診や治療を受けることができないということが増えているという実態なんですね。私は、これでは持続可能な医療保険制度とは絶対言えないと思うんです。 多くの高齢者や医療関係者から、高齢者の窓口での一割負担、二割負担の制度を元に戻してほしい、定額制に戻してほしいという意見が当然の要求として出ています。来年の四月からサラリーマンの窓口負担を二割から三割に引き上げようとしていますけれども、今度は働き盛りの人が病気になっても必要な医療が受けられないという事態が生まれてくるわけですから、三割負担の中止も強く求めて、私はこの医療問題についての質問を終わらせて次に移らせていただきたいと思います。 もう一点、私は食肉の産地の偽装問題についてお聞きしたいと思うんですが。 この間、大阪で重大な内部告発の証言をいただきました。それは、農水省のBSE全頭検査の検査済証明書を悪用した牛肉の産地偽装をやっていたという重大証言です。この間、問題になっているハンナングループの会社であるハンナン食肉と、そして、それと事実上一体となった牛肉卸会社のサノチューですね、サノチューは百貨店なんかの食肉売場でも営業する高級ブランドの食肉業者です。何をしているかというと、私たちの調査団に対して内部告発者の方が証言したところによりますと、この産地偽装が始まったのは昨年の全頭検査が始まった十月ですね、それ以後、下旬からこの作業をやったという人なんです。ハンナン食肉、商品の管理物流課でやられたということです。 そのやり方は、本来、一頭一枚の検査済証明書、これを高級ブランド産地、これはまあ関西では佐賀とか宮崎とかこういう九州産のものが好まれますから、この検査証明書を大体五十枚から六十枚と増す刷りするんだそうです、コピーをして。そのブランド産地と無関係の出荷箱、ケースにこれを四つ折りにして付けて出荷をしたというんですね。元々このケースには、倉庫の管理番号であるロット番号ですね、ロットナンバーが付いているんですが、そこには原産地は書いていないというんです。 もう一つは、ハンナン食肉のこのロット番号というのは、一頭ごとでなくて、産地をごっちゃ混ぜというんですか、十頭とか複数頭数にして肉がどこの産地の肉か分からないように置かれていると。だから、本当に納入伝票の産地の記入に合わせてブランド産地の検査済証明書を張り付けていったというんですね。 それから、更に悪質なことに、他の社から納入されたケースの場合、元々付いていた産地の表示、こういうものは外して、元々付いていたのを外して、外箱もまた中の包装の分もわざわざはがして、コピーした検査済証明書を張り付けて納入したというんです。こういう内部告発を私たちはいただきました。 証拠となる書類の提供を受けるとともに、その後の我が党の独自の調査で、ハンナン食肉の作業を指示する立場にあった人からも、そういうことは一部あったかもしれない、こういう上部の指示がないとそういうことはできないという証言も得ました。 大臣、これは私は重大な犯罪行為ではないかと思いますが、まずその点についてお聞かせください。
○国務大臣(大島理森君) 今、先生が様々な具体的な名前を挙げてこういう事例はどうか、こういう事例はどうかという御質問でございました。私ども、今質問をちょうだいして、それらを今すぐに検証するということはできません。 したがって、そういう情報が、本当に精査をし、また分析をいたさなければなりませんし、今様々な情報をちょうだいするのでございますが、その情報というものも、どういう方がそういうことを提示され、どういう確かなものであるかということも確かめないと、具体的なことについて評価をして、それはけしからぬことでございますとか、それはいけないことでございますとは一概に言えないものですから、なかなか、どうですかと言われましても、大変申し訳ございませんが、評価はちょっと差し控えさせていただきます。 ただ、そういう事例があったとすれば、それは精査をしなきゃならぬのは、そういう分析しなきゃならぬとは思いますが、評価まで、おまえ今どうだと言われても、申し訳ございませんが、お許しいただきたいと思います。
○大沢辰美君 是非、精査をして分析をしていただきたいと思います。後で資料をお渡しさせていただきたいと思うんですけれども。 もう一つ、証拠なんですけれども、私、ここにあるのは、ちょっと見えにくいかもしれないんですけれども、この五月四日、今年の五月四日のサノチューの納品書なんですね。(資料を示す) この番号は、ロットナンバー八六九四五と書いてあるんですけれども、この番号は複数頭数の食肉をまとめた管理番号なんですね。その肉をこの五月四日に、上の欄は神戸という店に発送をしています。下の欄は天六という店に発送をしているんですが、これもロット番号が八六九四五なんですね。同じロットのナンバーで上は神戸に、そして下は大阪の天六に発送しているわけです。これは本当に考えてみたら、同じロット番号が北海道のこれは十勝の産になっているんですね。下はこれは九州の佐賀産になっているわけです。これは考えられないことなんですね。 ですから、この作業をした内部告発者の方は、こういうロットの番号でまとめたところで、どこの産地か分からない、判別できる状態ではないものからなぜ二つの産地に張って出荷しているのかという、こういうことが非常にやっていながら不思議で仕方がないと、大変なことだということで私たちは告発を受けたわけですね。 ですから、本当にこの告発者の聞き取りも含めて、大臣、調査をしていただきたい。今、精査をします、分析もしますとおっしゃいましたが、そのことをやっていただきたいと思いますが、確認できますでしょうか。
○国務大臣(大島理森君) その資料をまだ見ていないので何とも言えないんですが、仕入れ書か何かみたいなものじゃ……
○大沢辰美君 納品書です。
○国務大臣(大島理森君) 納品書でございますか。ですから、相当これは具体的な件名について公の場で議論するに当たっては、本当に確かなものでないと私どもはああだこうだということはなかなか評価は難しいんですが、お渡しいただけるというお話でございますから、精査はしてみたいと、こう思っております。
○大沢辰美君 一言だけ。 どうも、この資料を後で届けさせていただきますけれども、やはりこの内容を見たらJAS法違反にも値します。本当にBSEで困った全国の畜産農家の皆さんは、この一年余り大変でした。そういうことも含めて、こういうことが、産地偽装がやられていたという私たちは証拠を提示したいと思いますが、しっかりとその調査をお願いして、質問を終わります。 ─────────────
○委員長(中原爽君) 御質疑の途中でございますが、委員の異動について御報告いたします。 本日、榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として大塚耕平君が選任されました。 ─────────────
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしです。 今日、午前中に総理に、現下の経済情勢、誠に厳しく、本当に中小企業は倒産をする、そしてまた、たくさんの失業者が出る、そしてまた自殺者も出ている。このことで、小泉政権発足してからもう一年半になりますが、総理はまだ一年半だと、こうおっしゃいますが、小泉経済政策は私は失敗だ、失敗していると、こういうふうなことを申し上げたわけでありますけれども、そのことについてもう一度、中小企業の、特に中小企業のことについて、今日は日銀総裁に来ていただきたいということでお話ししていたんですが、ちょっと御用事があるということであります。 全国銀行ベースの貸出し残高、これ全体的にもう四十四か月もの減少しております。これは、言わば三年以上、四年近くにわたって貸し渋りがまかり通っていると言っていいと思うんですね。もちろん日銀は、日銀当座預金、これを、元々十兆円だったものを十ないし十五兆円、そしてまた先般、デフレ対策ということで二十兆円近くにまでする、こういうことでありますが、当座預金残高をそのところに維持をしても、実際のところは貸出し残高、ここのところなわけでありまして、特に中小企業金融は物すごく締まっていまして、ここ五年間の間に五十五兆円、一五、六%もの言わば圧縮が行われている、こういうことであります。ですから、平成九年の末では三百四十兆円ちょっとだった、それが今二百八十五兆円だと、こういうことで五十五兆円以上も圧縮されている。これでは中小企業はやっていけるわけがないということであります。 元々、中小企業の活力を引き出して日本経済をがっちり上昇をさせるということが根っこにあるのに、中小企業にお金が回らない、このことについて、まず日銀当局から伺います。
○参考人(白川方明君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、中小企業向け貸出しは現在減少しておりますけれども、その背景は、資金の需要面、それから供給面、両方にあるというふうに考えております。 まず、需要面でございますけれども、景気回復への明確な動きが見られない中で、中小企業を含めまして、企業の設備投資意欲が高まってこなくて、どうしても改善しましたキャッシュフローも、これを債務の返済に充てるという傾向が今強うございます。これが第一の要因でございます。 それから、供給面でございますけれども、金融機関が不良債権問題への取組を強める中で、信用力の相対的に低い企業に対して貸出し姿勢を慎重化させているという面もございます。このため、中小企業の資金調達環境も全体として見れば厳しい状況が続いているというふうに認識しております。 こうした中で、今後、不良債権処理が加速されていくというわけでございまして、私どもとしては、これが企業金融に及ぼす影響につきましては注意深く見ていく必要があるというふうに思っております。 日本銀行の方の対応でございますけれども、先生御指摘のとおり、日本銀行は現在思い切った資金供給を続けておりまして、金融市場の安定を確保しまして、少なくともその流動性の面から金融機関が貸出しをしにくいという環境にはしないように今努力をしているということでございます。先生御指摘の日本銀行当座預金、現在、今二十兆円でございます。 それから、日本銀行から出る資金全体ということで申しますと、これのGDPに対する比率というのは実は日本銀行百二十年の歴史の中で現在、第二次大戦直後の水準を除きますと、現在が今一番高いという水準ぐらいまで日本銀行から出る資金は増えております。それが最終的になかなか企業の方に回っていかないというのが現在の問題でございますけれども、日本銀行としましては、量を潤沢に出していくということと、それから同時に、企業金融が円滑になるようにどういう工夫があり得るのかということを今後とも検討していきたいというふうに考えております。
○広野ただし君 中小企業の資金需要がないなんてそんなことはないんで、中小企業はもうどこへ行ってもだれも助けてくれぬ、銀行へ行ってももうひじ鉄を食うくらいの話で、どうにもならない状況なんですね。 特に、最近はしにせ、何十年も続いたしにせがつぶれてくる。このしにせというのは、地方では言わば食の文化、味の文化、そして伝統美というものを維持しておる、言わば地域の特性を担っている大事なものなんですね。ここのところが全部今ばたばたと倒れてきていると、こういうことであります。ですから、じゃぶじゃぶにしているんだと、こうは言うものの実際の根っこのところには一つも来ないと、こういう実態であります。 ですから、私は、かつて日銀さんは窓口指導というのをやられたんですね。これは今はあれですが、それくらいやらないと、これはなかなか中小企業の貸出しのところへ行かないと、こういうふうに思いますが、日銀当局にもう一度伺います。
○参考人(白川方明君) 先生御指摘のとおり、日本銀行、かつては窓口指導をやっておりまして、これは全体に金融の自由化が進む中で一九九〇年の前半にこれを廃止をしたということでございます。 自由な市場経済の下で日本銀行が行いますことは、潤沢に資金を供給して、その上で金融機関がどういう先に貸出しを行うのかというのが市場経済の原則だろうというふうに思います。そういう意味で、まずは日本銀行としては、資金を潤沢に出すことが出発点だというふうに思います。 それから後、資金がどうやって回っていくのかということを考えますと、例えば担保の面で工夫はないのかということで、実は今年の三月から企業に対する貸出し債権、こうしたものが担保になっていますコマーシャルペーパー、これを日本銀行の例えば担保に受け入れるというふうなことも実は行いましたけれども、側面からどうやったら潤沢な資金が企業の方に回るかということも併せて検討して、できるものからこれを実行しようということでございます。 ただ、実際に、日本銀行自身がこうした先に貸出しを出しなさいというふうな形で指導を強めていくということは、なかなか市場経済の中で今、日本銀行がやっていくということが難しいかなという感じがしております。
○広野ただし君 平時であればそういう答弁でいいと思います。しかし、公的資金の入った銀行もあって、金融庁の方はそれなりの指導をしている。ですから、ある面でそれと歩調を合わせるような形でもっと強力な指導をしてもらいたいなと、こう思っておりますが、それについては答弁は求めません。 ところで、特別信用保証、これも平成十年十月に創設されて二十九兆円もの特別保証がなされました。これは本当にそれで息をついた中小企業はたくさんあったと思います。しかし、これがもう既に十八兆円返済させられているということなんですね。これは何でこういうことになっちゃったのかということを是非、平沼大臣にまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 広野先生にお答えさせていただきます。 特別保証制度というものは、これは銀行の非常に厳しい貸しはがしあるいは貸し渋り、こういうことに対応するために、ある意味じゃ異例、特例の措置として、無担保無保証、そして可及的速やかにやらなきゃいかぬということでほとんど無審査に近い状況でやらせて、最初は二年間二十兆でやらせていただきました。しかし、二年経過するその経過を見ておりますとなかなか依然として厳しいということで、一年更に十兆上積みして三十兆でやらせていただいたわけです。 結果的には、これはもう皆様方よく御承知の数字ですけれども、十兆上乗せをして良かったなと思っているんですが、百七十二万社、約中小企業者の三分の一強が利用していただいた。そして、保証額も、二十九兆とおっしゃいましたけれども、二十八兆九千億させていただきました。 その中で、今、中小企業の皆様方は非常に厳しい中で一生懸命返済に努力をしていただいています。しかし、代位弁済率というのは当初一〇%想定をしておりました。しかし、最近、やっぱりこういう状況でございますから、本当に皆さん厳しい中で歯を食いしばって頑張っていただいておりますが、この代位弁済率というのは非常に上がってまいりまして、五%を超えるような状況になってきたのも事実です。 そういう中で、私どもは条件変更にも応じさせていただきまして、厳しい中で皆さん頑張っていただいているんですから、極力条件変更にも応じさせていただいていまして、決して無理にそういうことで取り立てる、そういうことじゃなくて、皆様方はやっぱり、これは私は日本人のすばらしいところだと思うんですが、厳しい中でも歯を食いしばって返そうと、こういう形で、我々は強制するというような、そういうことはしておりませんけれども、御指摘の数字は、そういう形の中で皆さんが頑張って返していただいたと、こういうことだと私どもは思っております。
○広野ただし君 そういう面では、本当に中小企業、何も無責任なことをやっているんじゃないんですね。大企業のように借金棒引きになるようなことは全くない、そういう中で必死になって返したりしている。そういう中で、もう少し、信用保証のものをもちろんしっかりとやってもらいたいし、平沼大臣には中小企業金融全体をよく見ていただきまして、そこが物すごく締まっているんだということを是非よろしくお願いをしたいと思います。 それと、日本経済の空洞化に伴う大きな課題として対中国問題ということがあります。 この間、私の友人で大手の会社の幹部をやっている人が、もう行け行けどんどんだということなんですね。中国については、子会社が八十数社あって全部もうかると、だからもうどんどんやれということで各事業部やっているんだということなんです。これでは、これ当面はいいかもしれません、でも私はある意味で、みんな各社がそんなことをやれば正に対中国バブルに陥っているんだと、こういうふうに思うんですね。 しかし、中国というのはやっぱり共産党の独裁国家だと、しかも軍事費はどんどん拡大している、二けたで拡大をしている、GDPの伸びよりももっと倍近い軍事費の拡大をしている、しかも核保有国だ、ミサイルは持っていると。こういう国に対して、ちゃんとした、前のめりな政策ではなくてきちんとした政策を展開してもらわないと私はいけないんじゃないかと、こう思っているわけであります。 川口大臣、通産省時代の同期で大変尊敬をしておる女性であるんですが、これは国のために、国の将来のためにやはり対中政策というものをしっかりと見直してもらわないと、これはもうどんどん対中バブルというのにはまっちゃって、後で大変なことに日本がまたなるというおそれを私は考えております。いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 通産省時代から御尊敬を申し上げました広野先生のお言葉でございますので、きちんと受け止めさせていただいております。 中国について、委員がおっしゃったような、確かにミクロの企業のベースでの判断と国としてどうかということとのバランスというのは常に問題になり得る話ではあると思います。国といたしましては中国は、経済面でも今非常に伸びている、安全保障面、国際政治の面でも安保理事国の常任理事国の一つであると。非常に大きな国になってきておりまして、その意味で我が国と中国との関係はますます複雑になってきているというふうに思います。 その中で、中国とは二国間同士の関係としては友好的な協力関係を発展させていく必要があると思いますし、また地域の問題や地球レベルの問題についても意見の交換をしていく必要があると思います。軍事費につきましては、これは中国にやっているODAとの関係でも透明性を高めるようにということを機会あるごとに言っておりまして、私もこの前中国に行きまして銭其シン副首相とお話をいたしましたときにも、その重要性について申し上げさせていただきました。 中国との関係については様々考慮すべきことがありますけれども、今申し上げたようなことを念頭にやっていきたいと思っております。
○広野ただし君 中国はもう既にGDPで日本の四分の一の規模に達しております。そして、世界で第六位の国になっておるわけです。私は中国を何も敵視するということではありません。二十一世紀、やはり中国とイコールパートナー、対等の立場でやっていくということが大事であって、このところを是非考えてもらいたいなと思います。 アメリカは対共産圏だということで中国に対してはODAを出しておりません、人道援助以外ですね。イギリスも年間大体五千万ドルぐらい、だから百億円ぐらいまで行かないんですね。ですから、ここのところは、官房長官、是非、対中政策しっかりと一回見直していただきたいなと、こう思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 対中政策を見直すかどうかと、こういう話は、これは私は、見直すというか二国間の関係を今後どうするかということでございまして、そういうことで、中国が急速に発展しているというそういう現状はよく踏まえなければいけないということは考えております。 しかしながら、中国とは、これは今、外務大臣から答弁ございましたように、最も大事な二国関係の一つだと、こういうふうに思っておりますので、中国が国際社会の建設的なパートナーとして立派に役割を果たしていくようにこれを促していくと、こういう立場ではなかろうかと思います。そして、国際社会における日中間協力を一層深めてアジア地域、また世界の安定に、そしてまた繁栄にともに協力をしていくと、こういう関係でなければいけないのではないかと思っております。 そういう観点から、今後の日中関係を進めていくというべきだと思います。
○広野ただし君 特に対ODA、対中のODAについては大いに見直しをすべきだ、このように思います。 それともう一つ、先ごろ日本外交協会、ここが北朝鮮に対して四十万食の食糧支援をしたということであります。新聞報道によれば、それに毎年この協会に機密費、報償費から数百万円ずつ出ていたという報道であります。 私は、やはり対北朝鮮政策はしっかりと一元化した考え方のもとにやってもらいたいと、こう思っております。核を一、二個持っている、そしてまた武装工作船を日本に持ってくる、そしてまたミサイルあるいは生物化学兵器、こういうことでありますから、一方で非常に対北朝鮮に対して強い態度を取ろうとすると、片一方から食糧援助をやっている、こういうことであっては何のための外交政策なのかという思いがいたします。一方で対朝銀、朝銀のハナ信組ですとかミレ信組ですとか、そういうものに対するものもございます。これも国内銀行だからといって、信組だからといって出している。これではもう相手の術中にはまっているということしか思えないわけでありますが、時間が参りましたが、最後に外務大臣の御意見を伺いまして、おしまいといたします。
○国務大臣(川口順子君) この外交協会の件につきましては、私といたしましてもこの時期にもう少し配慮があってもよかったのではないかというふうに思っているわけでございます。
○広野ただし君 終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 今日は、厚生労働省に雇用問題についてちょっとお伺いをしたいと思います。 厚生労働省は、補正予算で七千五百億円を要求するなど雇用対策事業を拡大、新設をしてきていますけれども、実績や実質はどうだろうか。実例を二、三挙げてみたいと思います。 まず一つは、中小企業雇用創出人材確保助成金ですが、実施は特殊法人の雇用・能力開発機構ですけれども、会計検査院で、十二、十三年度に不当支出がされた部分がありまして、受給した企業が実は山口組系暴力団のペーパーカンパニーだったというものであります。原因はどこにあったというふうにお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(三沢孝君) お答え申し上げます。 委員御指摘の中小企業雇用創出人材確保助成金でございます。委員御指摘のように、会計検査院から平成十二年度、十三年度にわたって不適正の指摘を受けてございます。 不適正の指摘を受けましたのは、既に雇い入れた者を新たに雇い入れたこととして申請した事業主に支給したもの、あるいは新たに事業を起こした際に設けた施設や設備に掛かる費用、これは三百万円以上でありますけれども、の支払について虚偽の申請をした事業主、あるいは親会社といった資本関係の強い企業などからの雇入れ、これは対象外になっておるんですけれども、それにもかかわらず支給申請をした事業主に支給したもの、こういうものが不適正な支給として挙げられたところでございます。 これらの原因でございますけれども、主として事業主が誠実でなかったと、そのために支給申請の記載内容が事実と相違していたということがございまして、こういう事実と相違していたにもかかわらず支給業務を行った雇用・能力開発機構都道府県センターにおける調査確認が十分でないまま支給決定を行っていたと、こういうことによるものであると承知しております。
○又市征治君 金額が少ないように見えますけれども、検査院の調べた十五の府県分だけの不当支出ですから不適正の比率は高いんだろうと思うんですね。実地に調べたのは大変少ないんじゃないか、こう思います。 検査院は、今ありましたように、機構の都道府県センター側の調査確認が不十分だった、こういうふうに明記をされています。何とか事業を拡大しようという善意かもしれませんけれども、暴力団かどうかは知る人ぞ知るなわけで、地元の市町村に聞けばすぐ分かったはずなんですね。機構のこの府県センターで書類審査だけやったからこんな格好になったんではないかと思えるんですけれども、どうも政府系法人にありがちなこの無責任体制が原因ではないか、こう思えてしようがありません。 本当に必要な人に届くためには、この際、同種の事業を含めて市町村との連携を取って行うように改めたらどうかと、こう思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(三沢孝君) お答え申し上げます。 この助成金でございますけれども、いろいろな不正受給が横行している、数多いと、こういうこともございまして、雇用・能力開発機構におきましては、従来から行っておりました書類審査に加えまして、電話を活用しまして雇い入れた労働者に対する直接の確認を実施する、あるいは都道府県労働局で雇用保険データを持っておりますので、これは実際に雇い入れたかどうかというものを確認できるデータでございますけれども、その都道府県労働局が持っております雇用保険データの活用による要件の確認の徹底、こういうことで審査の厳格化に努めるとともに、悪質な事案が発生した場合には警察に直ちに告発を行うと、こういうふうな厳正な対応を取ってきたところでございます。 ただ、いずれにしましても、引き続き事案が発生していると、こういうことでございますので、可能な限り今後現地調査を行う、こういうことで審査の厳格化に取り組んでいきたいと、こう思っている次第でございます。 それから、地域の、地方公共団体の関係でございますけれども、地域における事業所の情報につきましては、私ども現地に、全国にハローワークを置いております。このハローワークでも可能な限りの把握ができるところでございますので、今後は都道府県労働局と支給事務を行っております雇用・能力開発機構都道府県センター、これとの連携を十分図っていきたいと、こう思っている次第でございます。
○又市征治君 何か縄張意識がえらい見え見えみたいな感じがしてならぬのですね、ハローワークとその機構との調査でいきますとかあると。市町村と何で連携取るのが都合悪いのか、ここのところをもうちょっとしゃきっとやってほしいと、こう言っているんで、やっぱりもうちょっと、本当にせっかくのお金をちゃんと適正に使い合えるようにいろいろな行政機関が協力をし合うということでやってほしいと思います。 次に、緊急離転職者委託訓練についてですが、これは技術専門学校での直営と民間専門学校への委託とでやっていますけれども、全国及び私の調べた富山県や東京都、大阪府の実績だと、委託と直営では、委託の場合の定着、つまり事後の就職率が非常に悪いわけですね。その理由、またアドバイザーの設置等、厚生労働省がその後取っている対策は効果を上げているのかどうか、お伺いをいたします。
○政府参考人(坂本由紀子君) 平成十三年度の離職者訓練につきましての受講者の訓練終了時の就職率を見ますと、先生御指摘のとおり、全国平均では都道府県の職業能力開発校が約六〇%に対しまして、民間に委託をしているものにつきましては、雇用・能力開発機構への委託も含めたサンプル調査でございますが、約四〇%と低いものになっております。 この理由といたしましては、一般的に、民間の教育訓練におきましては都道府県校に比べて離職者に対する就職支援のノウハウが不足していることによるものと思われます。このため、本年四月より都道府県に巡回就職支援指導員を配置いたしまして、これら民間機関に対する就職支援についての指導でありますとか求人情報の提供等を行っているところであります。この結果、委託先の民間機関の担当者が就職支援への意識をより強く持つようになったというような報告を受けているところでございます。 今後、委託訓練につきましては、就職実績を的確に把握した上で、その実績を踏まえた委託契約を締結するというようなことを行いまして、委託訓練の効果がより高いものとなるように努めてまいりたいと考えております。
○又市征治君 これも対象人員を急増しているのはいいんですけれども、どうも委託はITばかりですよね。専門学校の一般コースを短期の詰め込みに変えただけで、生徒も学校経営側もベルトコンベヤーで一丁上がり的にこなしているという、こういう傾向になっているような気がしてならぬのです。直営部分の方が丁寧である分効果が上がっているのに、財政難を理由に直営事業を減らして委託ばかりが増えているという、こんな格好ですよね。 現場からの改善の声は、ITばかりでなく介護なども加えること、あるいは中高年者向けは若者と違うプログラムにすること、東京都のように委託契約に就職支援業務を含めること、各校へ、各学校へ訪問調査をすること、事前のキャリアカウンセリングをすることなどが挙げられております。中でも、国費は委託費だけで指導員の分は出ていないと。 そこで、大臣、緊急と名前は付いていますけれども、もう常態化をしてる状況ですよね。直営分や各県が工夫した分も少し国費でカバーをしていくということを考えられないのかどうか。例えば、後で見ます緊急地域雇用創出特別交付金では、直接雇用の人件費以外に一五%内外を込みで認めているわけですよね。是非その点をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 都道府県に依頼をいたしますもの、すべて国が交付をいたしますものと、都道府県にお願いをし都道府県が主体的に行っていただいて二分の一を助成するものと両方あるわけでございますが、それはそれぞれ特徴がございまして、都道府県がやはり自分たちのものに合ったものを自分たちの意思によってやっていただくということに助成をするのも一つの私は方法だというふうに思います。どちらがいいとか悪いとかということを申し上げることはでき得ませんけれども、それによってできる限りその地域に見合った雇用というものが達成されるということが大事でございまして、それを私たちももっと重視をしていかなければならないというふうに思っております。 御指摘いただきますように、そこを全部見るということができればそれにこしたことはないんだろうというふうに思いますけれども、なかなかそこまで行かない面もございますので、そこはひとつお許しをいただくとして、しかし効率的にそれが運営されるというようにしなければならないことだけはもう御指摘のとおりでございますので、我々ももう少し注意を集中してそれらのことに当たりたいというふうに思っております。
○又市征治君 ありがとうございました。 それじゃ三つ目に、緊急地域雇用創出特別交付金についてお伺いをしますが、これは私、昨年の九月、補正で創設する前と、四月にも実は取り上げさせていただきました。これも大幅に増やしているのはいいんですけれども、前回も指摘をいたしましたように、六か月の緊急雇用がその労働者のその後の常勤定着に結び付いているかどうか、これは残念ながら、どうもよく分からないという格好になっているようですね。 したがって、この事業についても就職アドバイザーなどをやっぱり張り付けて、労働者が定職に就けるようにより一層の努力をしてもらいたい、こう思いますし、それがどうしてもそうしたアドバイザーなどを付けるのは難しいということであるならば、六か月を延長するというこういう方法もあるんではないかと思うんです。 そういう点で、大臣、是非実態に基づいて地方の声を踏まえて見直しをやったりやはり改善をすべきじゃないか、こう思うんですが、この点についても御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 特別交付金につきましては、都道府県あるいは市町村辺りからも非常にいろいろのお声をいただいておりまして、そしていろいろあります雇用関係の予算の中では比較的地域に見合った、地域によって、地域の自由意思によってでき得る一つの非常にいいこれは制度であるというお褒めをいただきます反面、今御指摘をいただきましたように、その使い勝手が少し悪いという御指摘もいただいているわけでございます。できる限り皆さん方の地域の意見を聞かせていただきたいというふうに思います。 ただ、これは、これによって将来の全部の雇用が生まれるというのではなくて、一つのつなぎでございますから、このつなぎを将来の本当の雇用に結び付けていくようなひとつお使い方をいただきたいということを、これは私の方がお願いをしているところでございます。
○又市征治君 終わります。
○委員長(中原爽君) 他に御発言もなければ、平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認めます。 これより平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件について討論に入ります。 平成十一年度決算及び平成十二年度決算の議決案はお手元に御配付のとおりでございます。 なお、理事会において協議の結果、議決案は両年度決算を一括して作成することとし、また、内閣に対する警告については、お手元に配付の案文のとおりとすることに意見が一致いたしました。 それでは、警告の案文を朗読いたします。 内閣に対し、次のとおり警告する。 内閣は、適切な措置を講じ、その結果を本院に報告すべきである。 (一) 航空自衛隊の新初等練習機の調達に関しては、平成十二年八月に総合評価落札方式による入札が行われたが、同入札に関するスイス政府の問い合わせに対して、防衛庁が当該調達に関する会計検査院の検査報告及びその要約を付して回答を行った際、その要約において検査報告の内容等を適切に反映していなかったことは、遺憾である。 政府は、このような不適切な事態を招かないよう事務手続の適正化を図るとともに、総合評価落札方式を採用する場合には、会計検査院の検査結果をも踏まえ、入札及び契約事務の透明性、公正性をより一層高めるよう対処すべきである。 (二) 郵政官署に支給される渡切費の執行に当たり、一部の特定郵便局において不適正な経理が行われ、また、証拠書を亡失していた事態等もあったことが、郵政監察の調査により明らかになったことは、誠に遺憾である。 政府は、かかる事態が郵政官署における予算執行、ひいては郵政行政に対する国民の信頼を損ねたことを厳しく受け止め、平成十四年度から渡切費の廃止に伴い採用された新たな会計手続を適正に行い、同種事案の再発防止に万全を期すとともに、平成十五年度に発足する日本郵政公社においても、同様に適正な経理を期すべきである。 (三) 外務省が各種行事で使用したホテル等の取引先への支払の際に、本来の請求額を上回る金額を不適正に支払い、この差額を当該企業等の内部にいわゆる「プール金」として留保し、職員間の懇親等の費用に充てていたことは、極めて遺憾である。 政府は、このような不適正な行為が長年外務省内で広く行われていたことを重く受け止め、同省の更なる綱紀粛正に努めるとともに、公金の使用及び管理に対する基本的認識を周知徹底させるなど、この種事案の再発防止に厳然として取り組むべきである。 (四) 核燃料サイクル開発機構において、主務大臣の承認を得ない人件費の流用、認可予算に計上されていない地元協力金の支払、固定資産税や消費税の過大納付等の不適正経理が行われてきたことを、平成十二年度決算検査報告で掲記されたことは、遺憾である。 政府は、平成十年十月の動力炉・核燃料開発事業団から同機構への改組後も、これらの不適正な経理が引き続き行われていたことを厳しく反省し、予算執行に係る内部統制及び指導監督の充実強化を図る等により、同種事案の再発防止に万全を期すべきである。 (五) 健康保険及び厚生年金保険の保険料に関しては、毎年度決算検査報告において多額の徴収不足が指摘され、また、平成六年度決算に対する本院の警告決議でも両保険の適用の適正化を求めているにもかかわらず、平成十一年度及び十二年度の決算検査報告において、それぞれ五十九億円及び五十四億円の保険料の徴収不足を指摘されたことは、遺憾である。 政府は、社会保険の公平・適正な適用の重要性にかんがみ、社会保険事務所等における調査確認の強化及び事業主への説明会の実施等制度の周知徹底を図るなど、健康保険及び厚生年金保険の適用の適正化に、より一層尽力すべきである。 (六) 雇用保険三事業に係る助成金をめぐり、佐世保重工業株式会社及びその関連会社による虚偽の申請に対し、県及び雇用・能力開発機構における審査及び調査が不十分であったこと等により、結果として四億円を超える助成金の不正受給が行われ、また、制度上の不備により不適正な支給が行われていたことは、遺憾である。 政府は、雇用失業情勢の悪化に伴い雇用保険の重要性が増している中、このような多額の不正受給等が発生したことを重く受け止め、審査の厳格化、実地調査の充実、適切な制度設計等により雇用保険三事業の適正な実施に万全を期すべきである。 (七) BSE(牛海綿状脳症)問題に関し、BSE感染牛の国内発生を防げず、また、その後、行政対応等の不備から、消費者、畜産農家等に大きな混乱を招いたほか、BSE関連対策予算の執行においても、買入れ基準等の事業要件の周知徹底が不十分だったことなどもあって、輸入牛肉を国産牛肉と偽装する等の事件が頻発したことは、極めて遺憾である。 政府は、BSEの感染源の究明に努めるとともに、検査体制等の充実を図るほか、食料・食品の安全確保に万全を図るための行政の体制整備及び施策を推進し、生産者の経営の安定の確保と国民の食の安全に対する信頼回復に全力で取り組むべきである。 (八) 東京電力株式会社を始めとする電気事業者の原子力発電所において、自主点検作業記録を改ざんする等の不正により、炉内構造物のひび割れ等が長期間にわたって隠ぺいされ、また、この問題に関する申告案件について、経済産業省が申告を受けてから公表まで二年を要するなど、政府の対応が不十分であったことは極めて遺憾である。 政府は、かかる事態が周辺住民を始めとする国民の原子力の安全対策に対する信頼を大きく損ねたことを厳しく受け止め、事態の全容解明に全力を尽くすとともに、検査体制の見直し、組織的不正に対する厳罰化、情報公開の推進等により、この種事案の再発防止に万全を期すべきである。 以上であります。 それでは、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○川橋幸子君 私は、民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました平成十一年度決算及び平成十二年度決算に対し、その是認に反対するとともに、平成十一年度国有財産関係二件及び平成十二年度国有財産関係二件の是認に賛成、委員長提案の警告決議案に賛成する旨の討論を行います。 平成十一年度決算及び平成十二年度決算に反対する第一の理由は、野方図な借金財政の結果、我が国の財政がかつてない深刻な状況に至ったことであります。 平成十一年度予算は、財革法に基づき編成された十年度当初予算から百八十度方針を転換し、公債発行予定額が三十一兆円余と当初比で倍増、その後二度の補正予算を経て、決算では公債発行額は三十七兆五千億円余、公債依存度は四二%と、いずれも過去最高に達しました。 十二年度決算でもこの傾向は続き、公債発行額は三十三兆円、公債発行残高は実に三百六十八兆円に達したのであります。地方と合わせた長期債務残高は十二年度末で六百四十六兆円に達しており、我が国の財政状況は限界に達していると言って過言ではありません。 反対する第二の理由は、借金財政と大規模な経済対策にもかかわらず、我が国経済が自律的な回復軌道に達していないことであります。 十一年十一月の十八兆円規模の経済新生対策、十二年十月の十一兆円規模の日本新生のための新発展政策に伴い大規模な補正予算が編成されましたが、我が国の経済成長率は十三年度に再びマイナス成長に陥るなど、十二年度の政府の経済運営の目標であった民需主導の本格的経済回復の実現は未達成に終わったのであります。膨大な債務残高と併せ政府の経済失政は明らかであります。 反対する第三の理由は、十一年度、十二年度に講じられた経済対策の多くが従来型公共事業の踏襲に終始し、我が国経済の構造改革に資するものとなっていないことにあります。すなわち、公共事業関係費の事業別シェアはほとんど変わらず、経済対策に基づき編成された補正予算や十一年度、十二年度予算において計上された公共事業等予備費の多くが整備新幹線、道路整備、関空二期工事、ウルグアイ・ラウンド対策費などの従来型事業に割かれており、公共事業の見直しも全体の一部にとどまっているのであります。一方、雇用対策や少子化対策は極めて不十分であり、介護保険導入をめぐる混乱と併せて総花的なばらまき予算という悪弊は一向に改まっていないと言わざるを得ません。 第四の理由は、本決算審査でも指摘された郵政官署の渡し切り費問題、外務省のプール金問題等、官庁における不正経理が依然として後を絶たないことであります。特に外務省のプール金については、その後の会計検査で外務省の当初の調査結果を大きく上回っていることが明らかになっており、外務省の自浄能力のなさが改めて浮き彫りになっております。 以上が十一年度決算及び十二年度決算の是認に反対する理由であります。なお、十一年度及び十二年度の国有財産関係二件については特段の問題が見られませんので賛成であります。委員長提出の警告決議案については適切な内容であり賛成いたします。 最後に、政府が決算審査の成果である警告決議を今後の財政運営に的確に反映させることを希望するとともに、参議院改革の重点でもあります決算審査の充実、とりわけ総括質疑への総理出席時間の十分な確保、決算審査日程の促進に積極的に協力されることを強く要望いたしまして、私の討論を終わります。
○佐々木知子君 私は、自由民主党・保守党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件に対し、いずれも是認することに賛成するとともに、委員長提案の警告決議案に賛成の意を表するものであります。 是認することに賛成する理由の第一は、我が国経済情勢の現状に即した適宜かつ適切な経済運営が行われたということであります。 平成十一年度におきましては、十年度第三次補正予算と一体的にとらえる十五か月予算で対応し、不況の環を断つとともに、景気の回復基盤の強化を図るため、所得税、法人税の恒久的減税の実施、公共事業を中心とした積極的な財政運営、金融システムの安定化、預金者保護などの諸施策を推進いたしました。また、雇用情勢の悪化に対処するため、第一次補正予算により緊急雇用対策を強力に実施したほか、第二次補正予算におきましては、経済新生対策を実施するための総額十八兆円に及ぶ経費を計上し、本格的景気回復への道を開きました。 次いで、十二年度におきましては、経済新生対策の着実かつ円滑な実施を図るとともに、前年度当初予算と同額の公共事業規模を確保し、適切な執行を図るとともに、民間投資の促進に資する税制措置等を講じました。さらに、補正予算においては、総事業規模十一兆円の日本新生のための新発展政策を実施するための経費を盛り込み、その実施に遺漏なきを期しました。 賛成の第二の理由は、当面する厳しい景気・雇用対策に万全を期するとともに、中長期的観点からの構造改革、行財政改革、諸政策を積極的、果敢に推進したことであります。 十一年度では、財政構造改革の基本的な考え方を維持しつつも、めり張りの利いた予算配分を行ったほか、二十一世紀型社会実現のための構造改革を掲げ、そのための諸施策を展開するとともに、公共事業につきましては重点化、効率化、透明化の一層の徹底を図りました。十二年度におきましては、揺るぎない構造改革の推進を図るとともに、情報化の飛躍的進展や新千年紀における経済フロンティア拡大の礎を築くためのミレニアムプロジェクトを強力に進めました。また、二〇〇一年一月には中央省庁の再編が行われ、行政組織のスリム化が実現されました。 賛成する第三の理由は、経済運営を始めとする諸政策の成果が上がったことであります。中でも、十年度以来続いた経済、金融の危機的状況から脱却させ、景気をその後の回復基調に導いた意義は極めて大きいものと評価いたしております。その最終結果である十二年度決算においては税収が三年ぶりに大台の五十兆円に乗るとともに、十二年度の実質国内総生産は三・二%の増加を記録いたしました。 以上、賛成の理由を述べてまいりましたが、なお、予算の執行過程等において数々の不適正な事実があったことは遺憾であります。その一斑は本委員会でも取り上げられ、また委員長提案の警告決議案にも盛り込まれたところでありますが、政府の真摯な反省と適切な対応を求めるものであります。 最後になりましたが、参議院においては、現在、参議院改革協議会を中心に改革の検討が進んでおります。その中で、決算重視と審査の在り方が大きなテーマとなっております。我々が直接の当事者として国会開会中の開催など決算審査の充実に一層努力することは当然ではありますが、政府におきましても、決算の早期国会提出や総理を始め関係大臣の決算委員会への出席など、積極的な御協力を要請し、私の賛成討論といたします。 以上です。
○八田ひろ子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました平成十一年度、平成十二年度決算外二件を是認することに反対、平成十一年度、平成十二年度国有財産増減及び現在額総計算書を是認することに反対、平成十一年度、平成十二年度国有財産無償貸付状況総計算書を是認することに賛成、内閣に対する警告案については賛成の態度であります。 一括でございますので、それぞれ主な理由を述べて討論を行います。 平成十一年度決算外二件に反対する理由は、不況の激化と財政危機の中で中低所得者への増税、ゼネコン型公共事業の大幅拡大、銀行への六十兆円の税金投入、弾道ミサイル防衛計画など国民の期待に逆行する無責任で破滅的なものであったからであります。 平成十二年度決算に反対する理由の第一は、財政危機と環境破壊をもたらす無駄と浪費の巨大なゼネコン型公共事業や大銀行への公的資金投入などのばらまきを続けていることであります。ゼネコン型の大型公共事業が有効な景気浮揚策とならないことは今や明白であります。 第二は、こうしたばらまきを進める一方で、厚生年金の支給年齢の繰延べや給付の五%削減に見られる年金の改悪、さらには医療費自己負担の増額など、国民に二兆円もの負担増を押し付け、国民の将来不安を増長させていることであります。 第三は、世界第二の水準となっております我が国の軍事費を世界的な流れに逆らって一層拡大していることであります。SACO、沖縄に関する特別行動委員会関連など五兆円の軍事費は、アメリカの世界戦略への貢献を中心としたものであります。軍事費拡大は、平和外交が力を発揮している現在のアジアと世界の流れに逆行するものと言わざるを得ません。 第四は、ばらまきの結果、平成十二年度末の国と地方の長期債務が六百四十五兆円となり、世界に例を見ない借金急増を押し付けていることであります。 以上の理由により、平成十一年度、平成十二年度決算外二件を是認することに反対であります。 次に、国有財産増減及び現在額総計算書について申し上げます。 国有財産の純増加額には軍事費拡大による艦艇や航空機などの増加額が含まれており、また政府出資には大企業本位の大型公共事業の推進のための出資が含まれています。このような国有財産管理の在り方を示す本計算書を是認することはできません。 なお、国有財産無償貸付状況総計算書につきましては、国有財産を公園、緑地等を使用する目的で地方公共団体に無償で貸し付けるものであり、制度の意義から全体として是認するものであります。 最後に、内閣に対する警告案については賛成するものであります。 以上で私の討論を終わります。
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表いたしまして、本決算委員会において採決を求められている平成十一年度及び十二年度一般会計歳入歳出決算外三案の是認に反対、平成十一年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに平成十一年度国有財産無償貸付状況総計算書の是認に反対、平成十二年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに平成十二年度国有財産無償貸付状況総計算書の是認に賛成、内閣に対する警告決議については賛成する立場を明確にして、討論を行うものであります。 以下、反対の理由を申し述べます。 近年、企業の不祥事が相次いでおりますが、中でも地元住民の信頼を大きく裏切った東京電力による原子力発電所の運転管理の虚偽報告は許し難いと言わなければなりません。 既に二年前に内部告発があり、原子力安全・保安院においても東京電力による虚偽報告が行われていたことを承知していたにもかかわらず、報告をそのまま認めていたのは、保安院が東京電力とぐるになっていたとしか思われません。 しかも、東京電力が全面的に非を認めたその翌日、保安院が安全であるとの報告書を作成したことは、地元住民のみならず全国民を欺くものであり、そのようなことが平然と行われたことは信じ難く、承認できません。 また、企業による不祥事のみならず、中央省庁の官僚による不祥事も正に目に余る状況でありました。 昨年初め、国民を大きな衝撃に陥れた外務省の報償費流用事件と裏金作りによるプール金事件は、国民が額に汗して納めた税金とその尊い精神をじゅうりんした許し難いものでありました。 元要人外国訪問支援室長の報償費横領事件は、報償費の使途が一切明らかにされない秘密のベールに包まれており、その使途や管理がいかにずさんなものであったかを示すものでありました。しかも、外務省は、その事件が元室長の個人的な犯罪であったとして、すべての罪を元室長に押し付けておりますが、長い間にわたってずさんな使用、管理が行われてきたことは明らかで、個人的な犯罪であったとの説明だけでは到底納得できず、是認できません。 これまでに幾つかの外務省改革に関する報告書等が出され、水増し請求によってプールされた裏金が返納されることになったことは当然でありますが、特に報償費については、国民の血税がどのように使われたのか、その使途を一定期間を経た後には国民の前に明らかにするような改革が行われない限り、地に落ちた外務省の信頼の回復はないことを警告しておきたいと思います。 以上、申し上げた点について政府に強く反省を求めるとともに、各案に対する態度とその主な理由を申し述べ、私の討論を終わります。
○委員長(中原爽君) それでは、他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。 まず、平成十一年度一般会計歳入歳出決算、平成十一年度特別会計歳入歳出決算、平成十一年度国税収納金整理資金受払計算書、平成十一年度政府関係機関計算書及び平成十二年度一般会計歳入歳出決算、平成十二年度特別会計歳入歳出決算、平成十二年度国税収納金整理資金受払計算書、平成十二年度政府関係機関決算書の採決を行います。 第一に、平成十一年度決算は、これを是認することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(中原爽君) 多数と認めます。どうぞ御着席ください。 第二に、平成十二年度決算は、これを是認することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(中原爽君) 多数と認めます。 第三に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(中原爽君) 全会一致と認めます。よって、平成十一年度決算及び平成十二年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決いたします。 次に、平成十一年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。 本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(中原爽君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。 次に、平成十一年度国有財産無償貸付状況総計算書の採決を行います。 本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(中原爽君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。 次に、平成十二年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。 本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(中原爽君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。 次に、平成十二年度国有財産無償貸付状況総計算書の採決を行います。 本件につきましては、これを是認することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(中原爽君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中原爽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、内閣に対する警告について関係国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。まず、石破防衛庁長官。
○国務大臣(石破茂君) ただいま御決議のありました事務手続の適正化につきましては、御決議の趣旨を踏まえ、一層努力してまいりたいと存じます。 また、今後、総合評価落札方式を採用する場合には、会計検査院の検査結果をも踏まえ、入札及び契約事務の透明性、公正性をより一層高めるように対処してまいりたいと存じます。
○委員長(中原爽君) 次に、片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) ただいま決議のありました渡切費の不適正経理につきましては、平成十三年度をもって渡切費を廃止し、厳正かつ透明性の高い手続としたところであり、御決議の趣旨を踏まえ、再演の防止に万全を期すとともに、日本郵政公社においても適正な経理を行うよう、指導監督に努めてまいります。
○委員長(中原爽君) 次に、川口外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) ただいま御決議のありましたいわゆるプール金の問題につきましては、御決議の趣旨を踏まえ、調達の一元化など会計手続の見直し、会計研修の充実、監察・査察制度の強化等の改善措置を着実に実施するとともに、省内の更なる綱紀粛正や公金に対する認識の周知徹底を図り、このような事態の再発防止に努めてまいる所存です。
○委員長(中原爽君) 次に、遠山文部科学大臣。
○国務大臣(遠山敦子君) ただいま御決議のありました核燃料サイクル開発機構の不適正な経理につきましては、御決議の趣旨を踏まえ、文部科学省として、核燃料サイクル開発機構に対し一層厳正に指導監督を行い、再発防止に努めてまいる所存でございます。
○委員長(中原爽君) 次に、坂口厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) 厚生労働省といたしましては、ただいまの御決議の趣旨を踏まえ、健康保険及び厚生年金保険の適用の適正化により一層努力するとともに、今回の佐世保重工業株式会社及びその関連会社にかかわるような事案が再び起こることのないよう、雇用保険三事業に係る助成金について、審査の厳格化等により、適正な実施に万全を期してまいる所存でございます。
○委員長(中原爽君) 次に、大島農林水産大臣。
○国務大臣(大島理森君) ただいま御決議のありましたBSEの感染源の究明につきましては、今後とも専門家の協力を得ながら全力を挙げて取り組んでいくとともに、BSEの検査体制等につきましては、BSE対策特別措置法に基づく二十四か月齢以上の死亡牛全頭のBSE検査を実施するための体制の整備等、その充実を図ってまいる所存でございます。 また、同法に基づく基本計画を踏まえ、畜産農家、関係事業者等の経営の安定を図るため、必要な措置を講じてまいる所存でございます。 さらに、食料、食品の安全確保に万全を図るため、リスク管理部門を産業振興部門から分離・強化する等の行政の体制整備や、食品安全基本法、(仮称)でございますが、の制定を踏まえた関係法令の整備等の施策を推進し、国民の食の安全・安心の確保に全力で取り組んでまいる所存でございます。
○委員長(中原爽君) 次に、平沼経済産業大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいま御決議のありました原子力発電所の不正記録等の事案の再発防止に関しては、経済産業省としても申告案件の処理に不適切な点があったことを反省し、所要の改善策を講じており、また再発防止策に係る法案を本国会に提出し、現在関係の委員会で御審議いただいているところですが、今後とも御決議の趣旨を踏まえ、再発防止策の確実な実施を図り、国民の信頼回復に努めてまいる所存であります。
○委員長(中原爽君) 以上をもちまして関係国務大臣の御発言は終了いたしました。 この際、審査の終了に際しまして一言ごあいさつを申し上げます。 平成十一年度決算及び平成十二年度決算は、本日ここに審査を終了することができました。この間、委員の皆様方には熱心に審査を進めていただき、また、政府、会計検査院、政府関係機関等の皆様には格段の御協力をいただきましたことに改めて感謝を申し上げる次第であります。ありがとうございました。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十三分散会