経済産業委員会 第12号
- 発言数
- 219 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2002/12/10
会議録
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五日、加藤修一君が委員を辞任され、その補欠として鶴岡洋君が選任されました。 ─────────────
○委員長(田浦直君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び独立行政法人原子力安全基盤機構法案の審査のため、本日の委員会に原子力安全委員会委員長松浦祥次郎君、原子力安全委員会事務局長小中元秀君、警察庁警備局長奥村萬壽雄君、文部科学大臣官房審議官広瀬研吉君、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長細川昌彦君、資源エネルギー庁長官岡本巖君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長迎陽一君及び資源エネルギー庁原子力安全・保安院長佐々木宜彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(田浦直君) 電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び独立行政法人原子力安全基盤機構法案の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○木俣佳丈君 おはようございます。民主党・新緑風会の木俣佳丈でございます。 今日は、二法案といいながら三法案だと思いますけれども、この審議ということでございますけれども、本会議で質問をさせていただきましたように、例えば原子力の推進というものと、つまるところ、推進というものとそれから安全規制というものは表裏一体というか、表裏一体というよりも、結局規制をきっちりしていくことが、これが安全性をはぐくんで原子力を推進を更にしていくんだということを結論で申し上げさせていただきました。 とかく我が国というのは、規制の方は何となく、規制といっても経済的規制、社会的規制がございます。社会的規制と言うと言いにくいので安全規制だと思いますけれども、経済的規制はかなりあるということでありますが、安全基準というもの、安全規制というものが非常にいびつな形でしかないというような国に今なっているんではないかなと。経済的規制はとにかくなるべく早く取り除いていくということがこれから日本では大事な一方で、結局、安全基準というものをどのように構築していくかということが、重ねて申し上げますが、原子力またほかの産業を育成するものになるんだろうと。 私も代表質問の中で申し上げさせていただきましたように、例えばアメリカは規制が少ない国であるというのは間違っておりまして、例えばファインケミカル、医薬品の業界等挙げさせていただきましたが、これは大きな規制がある。つまり、かなり強い規制と、それからあと市民の目がある。こういうことが非常に世界で最強に強い医薬品業界を作り上げているという現状があるという例えをさせていただきましたけれども、日本の場合には、結局、経済的規制が残りながら安全基準というものが非常に弱いということで、ちょっとした危機になりますとすべてがパアになってしまう、パアというか、すべてが駄目になってしまうという、こういう脆弱性のある産業界が現在国内に残っているというのが非常に問題でありまして、とかく国内に残っている産業というのは弱くて海外に出ていった産業は強くて、アメリカでは逆でございまして、国内に残っている産業は強くて外に出ていくのは弱いものが出ていくと。このような構図を見ても、やはり日本のこれからの産業の政策を占う意味でも、この原子力の推進体制というものがどのようになるかというものが非常に大事であると思っておる一人でございます。 冒頭、我々もエネルギーの基本政策というものをこの八月にまとめさせていただいて、二十一世紀、やはり産業の米であるエネルギーの問題、それからやはり食糧の安全問題、この二つは国民生活になくてはならないものだという観点からまとめさせていただきました。マクロモデルを使ったりいろいろしながら定性的ならず定量的にも解析をさせていただいて作り上げた自信の作品でございますけれども、いずれにしてもその中にも、例えば原子力の安全委員会について八条委員会ではなくてやはり三条委員会にしていくべきだ等々の意見を述べさせていただき、今国会、若干間に合わないかもしれませんけれども、来国会にでもやはり続けて出させていただきたいと、かように思っておる次第でございます。 それで冒頭、我々が本二法に対して修正を掛けておりまして、この修正の意義について冒頭、修正の提案者から御意見を伺いたいと思っておりますが、まずダブルチェックの体制につきまして、一連の事件の後、原子力安全委員会というのは設立、七八年でしょうか、一九七八年設立以来初めて勧告を出したと。このような、公正取引委員会でもよく言われる言葉でありますが、いわゆるほえぬ番犬と言われておりますけれども、これを作り出してしまった原因というのは、やはり安全委員会が八条委員会であって弱い権限しか持たなかったんではないかと、こういう推測がされております。さらには、安全委員会自体の人員も百名ということで非常に少ないんではないかと、こういう話もありまして、この辺り、今後どのようなことをお考えになっているか。そしてまた、今回の法案の修正案によってこういった弱点がどのように改善されたのか、説明いただけますでしょうか。
○衆議院議員(田中慶秋君) 木俣先生の御質問に答弁をさせていただきたいと思っております。 まず、今回、衆議院で修正案を出させていただいた中には、原子力安全委員会の権限の強化の観点からダブルチェックをするという、こういうことでありました。今まではどちらかというとダブルチェックになっておりませんので、ある面では一方通行、こういう形だったものですから、ダブルチェック、これを取り入れた、これが一つであります。 次に、原子力安全委員会の報告を政府原案は年に一度という、こういう形になっておりましたけれども、私どもは四半期ごとにこの報告の頻度を上げることによって原子力委員会のダブルチェックの実効性を上げるようにしたものであります。 次に、政府原案では工事計画の認可及び変更等を限定列挙された報告事項が、修正案ではそれを拡大しながら、この法律の施行状況に当たって、原子力発電工作物にかかわる保安の確保という観点から、検査の結果だけではなく検査のプロセスをしっかりとこれを今回キープしよう、あるいは電気事業法及び原子力等の規制の施行全般にわたって原子力安全委員会は報告を聞くことができるという、こういう形で規定しているわけであります。今までは報告も聞くことができるということではなかったわけでありますので、その辺も明確にさせていただきました。 あるいはまた、原子力安全委員会では、平成十一年に発生したウラン加工施設の臨界事故を踏まえて、十二年度から許可設置後の建設及び運転段階での安全規制を把握するために、その確認を目的とした調査活動、いわゆる規制調査というものを実施しているわけでありますけれども、しかしそれだけでは私たちは足りないと思っておりまして、今回の修正案では、原子力安全委員会の調査に対し、事業者は全面的に協力を義務規定としているわけであります。そればかりではなくして、この調査の実効性を上げるためにもしっかりとしてこのダブルチェックを行い、そして今のような規定を行うことが安全に対する信頼も高まっていくだろう、このように考えております。 さらに、今、問題になっております申告制度の問題、すなわち内部告発の問題でありますけれども、今般の東京電力にかかわる申告が二年間も掛かった理由は、その申告が主務大臣だけであったということも原因の一つであろうと私たちは考えているわけであります。修正案では、この申告先を主務大臣に加えて原子力安全委員会に対してもこの申告を認めることとし、原子力安全委員会は調査の権限を付与し、かつまた関係機関に対して勧告をできる権限を今回与えたことによって申告制度の信頼と充実を図ったものであります。 以上でございます。
○木俣佳丈君 続きまして、過去に行われました自主点検結果の見直し作業というのが各電力で行われたわけでございますけれども、この中間報告が、先々月ですか、発表されました。この結果、国に対して、報告すべき事項ではないかもしれませんけれども報告していないというような傷が発覚したりしておりまして、この辺りも後に大臣に答弁をしていただくわけでございますが、報告すべきではないものも含めて発覚をしておりまして、これが結局は周辺住民の方々、そしてまた一般の国民の皆さんの不安をかき立てているというのはこれは間違いないと思っております。 もちろん、安全性という意味で、運転の安全性という意味ではこれらは問題はないということがされておりますけれども、こういった傷の報告ということがなかったということが、国の検査体制に対する根本的な不信感というものをやはりはぐくむというか、出してしまっているということで、今回この新法がこの国民の不安に対してどのように、特に修正を加えたことによってこたえているのか、田中代議士からお願いします。
○衆議院議員(田中慶秋君) 先生御案内のように、原子力の設置というものに対する設置基準は法律的に大変厳しくなっているわけでありますけれども、維持基準というものあるいは点検基準というものが今日まで法律で規定されておりませんでした。今回、そのような問題も私たちは原因の一つであろう。法的欠陥がやはり今回のような問題を大きく拡大された。しかし、今回の政府原案では一歩前進とも言えるべき罰則の強化、あるいは記録の保存を義務されているわけでありますけれども、しかしこれだけでは十分でない、私たちはそんな認識に立ちながら、修正案では、保存だけではなく省令で定める事項について更に報告をする義務を課しているわけであります。 そして、それによってひび割れのその兆候や、物には皆さんも御承知のように経年変化というものがあるわけでありますけれども、その経年変化についての技術基準に適合しなくなるおそれのある部分が発見された場合、すなわち制度への疲労とかあらゆる問題について発見された場合、経済産業大臣に報告をする義務を事業者に課すことによって、常に、傷などの進展状況やそれぞれの問題等について国が把握できる体制を作ってきたわけでありまして、このような対応によって修正案は検査体制に対する国民の不信を解消するものと私は思っているところであります。
○木俣佳丈君 ありがとうございました。 続きまして、我が党では、一応、衆議院において原子力安全規制委員会設置法案、仮称でございますが、これを提出しております。今回の修正案に加えてこの法案を成立させることが求められていると、当然思って出しておるわけですが、この辺りについての御意見を最後に伺います。
○衆議院議員(田中慶秋君) 今回の臨時国会は御案内のように短い期間でもございました。原子力の信頼性を確保するためには、やはり何といっても、この原子力安全規制委員会設置法というものが民主党から野党協力で提出をされているわけでありますけれども、すなわち、これは経済産業省と規制機関であります保安院、これは今は経済産業省の中に置かれているものですから、そういう点では制度的には別だということを言われておりますけれども、やはりどうしても同じ大臣の所管の中であるわけでありますから、そういう点では三条委員会と同じような形で内閣府に置くことによって、区別することによって、私どもは、この原子力安全行政に対する新しい機関の創設をすることによって、日本の原子力に対する推進とあるいはまたこの規制機関とが分離することによってこれで初めて日本の信頼できる原子力安全管理体制が確立できるんではないか。 これは、恐らく与党の皆さんも、この日本の今の原子力設置されております地元の皆さんのいろんな考え方や地方自治体の長の考え方も、それぞれ今のような発言がされておりますので、私どもは、少なくてもこのことを実行することによって日本の原子力に対する信頼というものが確保できるんではないかな。これは、私は少なくても国家戦略としてこのことを実現することが望ましいんだろうと、こんなふうに思って今提案をさせていただいているところであります。よろしくお願いいたします。
○木俣佳丈君 では、答弁者の田中先生は結構でございます。ありがとうございました。 続きまして、大臣に何問か質問をさせていただきたいと思っておりますけれども、まず初めに、ちょっと順番変えてよろしいでしょうか。済みません。 今、原子力発電所がかなり止まったり止めたりしておるところが多いわけであります。一昨日も相当冷え込んでおりまして、冬場では最大の多分電力消費発電量になったという話を伺いました。今、五十二基ですね、ありますこの発電所の十、違いますね、今何基でしょうか、ちょっと済みません。いずれにしても、この原子力発電に対する全体のエネルギーの依存度というのは約四割、三十数%、なっておりまして、これ再開をいつするかということが非常に待たれるわけでありますが、当然ながら、その再開を、例えば今止めておるものを再開するに当たっては先ほどから申し上げておりますような用意万端整ってやはり再開しなければいけないと思っておりますが、この再開の条件というものを例えば大臣はどのようにお考えになっているか、冒頭伺いたいんですが。
○国務大臣(平沼赳夫君) 再開の条件でございますけれども、今御承知のように、一連の不祥事、それから定期検査、こういうことで東京電力では九基停止をしております。さらに、これが全体十七基でございますけれども、更に年を越しますとまた定期検査を含めて四基更に追加をされると、こういうことになりまして、冬場、特に二月がピークでございまして、木俣先生御指摘のようになかなか厳しいそういう局面が想定をされます。 そこで、やっぱり電力というのは基幹的なエネルギー源でございますので、東京電力サイドでも、休止中の火力発電所を立ち上げる、あるいは電力会社間で融通し合うという形で現時点では何とかこの一番厳しいピーク時でも切り抜けることができると、こういうことでございます。 やはり、そういった立ち上げにつきましては、やはり総合資源エネルギー調査会の小委員会でまず専門家の意見を聞いて、それを評価をすることも大切でございます。そして、我が省の評価結果につきましては、原子力安全委員会の更に評価を受けまして、そしてまたさらに地元の皆様方に説明をまず行って深い理解を得ることも必要でございます。当省としては、現時点で原子力発電所の運転再開についてはまだ具体的な見通しを持っているものではございません。 そういう中で、私どもとしては、運転再開については、定期検査終了時までにこれらのトラブル対策を含めた点検でございますとか保守管理の再確認についても終了していることが必要でございまして、やはり地元の皆様方の理解を得ながら私どもはこれを慎重にやっていかなきゃいけないと、こう思っておりまして、やはりすぐに再開をするということよりも、やっぱり十分に点検をしながら、そしてその結果をオープンに地元の皆様方にも公表する、そして原子力安全委員会等とも連携を取りながらしっかりとやっていく、こういう基本姿勢で私どもはやっていきたいと、このように思っております。
○木俣佳丈君 また後にこの関連の質疑はさせていただきたいと思っております。 何問か確認のための答弁をいただきたいと思っておりますが、一のところで、検査全体の制度設計ということから大臣に伺いたいと思っております。 総合エネ調の中の原子力安全・保安部会の検査の在り方に関する検討会の中間取りまとめによりますと、やはり施設の、原子力は、その巨大なシステムの中で発生する軽微なものも含めたすべてのトラブルを防止するために、あらかじめ規制当局が個々の施設の健全性をくまなく確認することは現実的ではなく、かえって本来着目すべき安全上重要な検査項目を確認する際の制約にもなりかねないということを示しているわけでございまして、言ってみると、どちらかというとハードに偏りがちというんでしょうか、部品部品ということを、私なども専門家ではございませんけれども、どうしても見てしまう。逆に言うと、その縛りが余りにも強過ぎて、結局その全体性をなくしてしまうと。 経済でいっても、部分部分を見過ぎて全体をまとめるとかえってマイナスになるというのを合成の誤謬なんという言葉にありますけれども、こういうことが原子力の中でも発生する可能性もあると。コスト的なものもやはり考えたときに、全体の監査的な形で点検をしなければいけないんではないかと私は思っておるわけでございます。 こういった制度全体、施設検査というものを、従来、今言ったような部品部品ということでありますけれども、ハードの検査をもちろん残さなければならないんですけれども、今回、監査型の制度が付加されたということは若干の進歩はあると私も見ておりますけれども、しかし全体で見た場合に、もっと監査型に移行をさせることはできないんだろうかと非常に強く思っておるわけでございます。つまり、もっと事業者の保安活動の適正、適切性に重点を置くというようなことでは十分じゃなくて、この不祥事を踏まえて検査制度の弱点を補うことに主眼を置いた、過渡的な制度ではないもっと抜本的な改め方ができないだろうかと思っておるわけでございます。 そういった意味で、定期検査に、今回、事業者検査ということでありますけれども、もっと一本化した形で検査制度全体を監査型に移行することが適切ではないかと思うんですが、どのようにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 定期検査は、格納容器や非常用炉心冷却系など安全上特に重要な機能を有する設備を対象にしておりまして、国がその健全性を確認をするものでございます。 今般の保安に盛り込まれた定期事業者検査は、法令に基づく技術基準が設けられまして、健全性の維持が必要な設備全般が対象になっております。また、事業者が自ら設備の健全性を確認することを義務付けるものでございまして、国と独立行政法人は事業者による検査の組織体制や実施方法など実施体制を審査することといたしております。 御指摘のいわゆる監査型検査と申しますのは、事業者が施設の検査を行いまして、それが適切に行われているかを国が監査することを意味する、このように理解をしておりますけれども、事業者検査の実施体制に対する国の審査がこの考え方に近いものと私どもは考えております。しかしながら、現状では、安全上重要な機能を有する設備の健全性を国自ら確認する定期検査について、我が国においては国が確認することに対する国民の根強い要請があることから、経済産業省といたしましては当面定期検査を維持することが必要ではないかと、このように考えています。 なお、今回の見直しにおきましては、定期検査におきましても、施設の健全性に関する試験の結果だけではなくて、事業者の試験手続順等が適切であるかについても確認をする、そういう考え方を導入をしているところでございます。
○木俣佳丈君 今のお答えの中で、国が施設の健全性を確認することへの国民の根強い要請とありますけれども、これはどういったものを意味するわけでしょうか。つまり、何をもって国民の根強い要請があるというふうにお思いかなと。
○国務大臣(平沼赳夫君) やはり国民の皆様方は原子力の安全性に関して非常に問題意識を持っておられます。特に、日本というのは戦争の最末期に原子爆弾を二発も落とされた、そういう形で核に対する大変御心配があるわけです。 そういう中で、国民の皆様の意識としては、個々のいろいろ重要な機器の部分についてやっぱり国が本当に責任を持って検査をしているのかどうか、このことをやっぱり国民の意識として非常に強いものがあると、こういうことでございまして、そういう国民の皆様方の原子力に対する、安全性に対するそういう問題意識、そのことを私どもは今申し上げた、そういうことを申し上げたわけでございます。
○木俣佳丈君 何というんでしょうか、国が確認することへの国民の根強い要請というのがどれほどあるのかなということだと現状では思うんですね。 私は代表質問の中でも挙げさせていただきましたように、やはり結局、何というんでしょうか、国民というのはある意味でいろいろパターン、パターンというか、地域住民を国民と言う場合もある、それから又はマーケット、市場というのを国民と言う場合もある。いろいろ国民というのは実は存在していまして、一様の分類になるような国民というのはなかなかないと思っております。 今、むしろ市場が発電業者、電力業者を排除するというか、という傾向がかなり私はあるんではないかというふうに思っておりまして、例えば東京電力の株式も二割実は下がっておりまして、これは今までにない落ち方でございます。あるほかの電力会社以下になっているというのは、債券で言うとまだトリプルAを多分維持していると思うんですが、結局そういうものがこれからより発生するんではないか、そしてまた、それが歯止めになるんじゃないかというふうに私思っておりまして、やはり国のもちろん検査も大事ではないとは私も言い難いと思いますけれども、むしろやはり国民の目というか市場の目、もっと言うと、それを着目して事業者自身がやっぱり律していくという態度がこれからの業界に大事なものになるんではないかと私は思っておる一人でございます。 次の質問へ行きまして、この法律を一法、二法、先ほども三法の審議であると私申し上げましたが、運転段階、建設段階、設計段階見ましても、結局二つの、炉規制法と電力事業法、この二つで規制を掛けているわけでございます。 要は、私が申し上げたいのは、将来的にはやはり一本化して一つの法律で整理をした方がよいんではないかと私は思うわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 事業者は施設の運転方法や保守の方法など、操業時の安全確保のルールとして保安規定を定めることとされておりまして、国は保安検査においてその遵守状況を確認をしているところでございます。 御指摘のように、今回の教訓を踏まえれば、事業者が安全確保活動について品質保証体制を確立することが重要であることから、保安規定におきまして事業者の品質保証体制を定めることを求めることといたしております。国はこれを保安検査において確認することにいたしております。 一方、電気事業法の定期検査は国が、今回新たに導入される定期事業者検査は事業者が、それぞれ施設の健全性を確認するものでございまして、施設の健全性については国民の強い関心があることから、これらの検査制度は当面維持する必要があると考えております。 しかしながら、今回の教訓を踏まえまして、定期検査においても、施設の健全性に関する試験などの結果だけでなくて、事業者の試験手続等のプロセスを抜き打ち的に確認することなどによりまして、合理的で実効性のあるものとすべく見直しを行ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
○木俣佳丈君 次の質問へ移りたいと思いますけれども、今の法律の一本化も含めて、先ほどの答弁と重ね合わせて、基本的にはより自主的な検査が増える、そしてまた、よりハードからソフトというか、全体の中での安全性というんでしょうかね、つまり一個一個のパーツが安全というよりも、このシステムが安全であるという、いわゆる監査型というんでしょうか、こちらの方に移行するというのは、この二つの点は確認できますでしょうか。
○副大臣(西川太一郎君) 基本的には委員のおっしゃるとおりだろうと思います。今、大臣が御答弁申し上げましたとおり、ハードの部分を、どこを調べるかということが最初から分かっていて、そこをスケジュール的にいくというのでは緊張感に乏しく、抜き打ち的なものを行うということがどうしても今回付け加えざるを得ないということでもございますし、自主的に事業者を信頼してきちっとしていくという監査型に移行していくというのはごもっともな御意見であるというふうに思っております。
○木俣佳丈君 次の質問に参りますが、報告基準や記録の保存等というところでございますが、今回の電気事業法の改正案において、技術基準に適合しなくなると見込まれる時期その他の省令で定めるところにより、評価を行い、その結果を記録し、これを保存しなければならないと、このように書いてあります。この記録し、保存というところが問題というか、重要でありまして、すべてを記録したり保存をしたりということは非常に難しいと私は当然ながら思います。 そういった意味で、特に報告されるべき事象や保存されるべき記録について、重要性に応じてこれを区分を、区分けですね、するべきだと思っております。つまり、先ほどの監査型であり、そしてまたハードからソフトということも含めて、やはり設備一個一個のものというよりもそれぞれの機器トータルとしての、ある意味での全体性の重要性、それから安全性、安全度というものを考慮したルールを作る必要があると思いますけれども、大臣、御答弁いただけますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘の検査結果の事業者による記録及び保存は、安全確保上重要なものとして現行法により技術基準が定められている機器の点検や修理、ひび割れ等の評価の結果などについて行うことを考えております。 また、定期事業者検査において事業者がひび割れ等を発見し、健全性評価を行った場合、省令で定める事項につきましては国に報告する旨の修正が行われたところでございますけれども、国への報告対象については、これらの評価結果のうち、安全性に影響を与える可能性が見込まれるものについて仕分けをきちんと行いまして、これを求める方向で今後検討をしていきたいと、このように思っております。
○木俣佳丈君 今御答弁ありましたように、仕分けをきちっとするということで、重要なブレーキとかハンドルは非常に重要であると。しかし、何が大事ではないか分かりませんけれども、バックミラーのちょっとした傷とかということはそこそこにというようなことだと思います。 続きまして、このルールですね、重要度のルールをどのように設定するかというのが大事だと思いますけれども、これを具体的にどのように設定をされるかお答えいただくんですが、特に、やはりリスク情報とか機器の信頼度というようなものをもちろん使っていくと思うんですけれども、大臣からお答えいただけますでしょうか。
○副大臣(西川太一郎君) 私から御答弁をお許しいただきたいと思います。 健全性評価結果について、事業者の社内での取扱い、国への報告の在り方でございますとか、定期事業者検査というのを今度の法律で盛り込むわけでありますが、これの点検、修理、記録等の保存の在り方につきましては、事業者の品質保証体制の一環としてとらえることが大事であります。 その適切な在り方を検討することが先生御指摘のように重要でございまして、こうした品質保証体制の在り方については、今後、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会において、専門家の方々や学識経験者による綿密な議論を行った上で検討していくことといたしております。 検査の対象の範囲や健全性の評価を行うべき対象などにつきましても、各種機器に不具合が生じた場合の安全性に与える影響、機器の信頼度のデータなどのただいま御指摘のリスク情報を活用することによりまして、設備や機能の安全上の重要度を評価し、これを考慮するというリスク評価の手法について、今後御意見を十分踏まえて検討してまいりたいと思っております。
○木俣佳丈君 ありがとうございました。 続きまして、今後、事業者から公表される情報が増えてくると期待をもちろんされるわけでありますが、国はその情報の安全性への影響度を公平、適切に評価して、結果を遅滞なく、これまで以上に明確に国民へメッセージを発信する必要があると思っておるんですが、国の責任について大臣からお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 国といたしましては、これまでも事業者の事故あるいはトラブル情報につきましては、安全性に対する影響を客観的に評価してランク付けを行う国際的評価の尺度、INESによる評価を行った上で公表してまいりました。今後、事業者から公表される情報が増加した場合にも、事故、トラブル情報に関しては、これまでと同様に、安全性への影響を分かりやすい形で発信していくこととともに、それが持つ安全上の意味などについて正確な理解が得られるよう十分な説明、解説に努めていかなければならないと、このように思っております。
○木俣佳丈君 ありがとうございます。 ここは非常に重要なところでありまして、やはり国民の皆さん、これがどういう意味を持つのか、これが重要なのかどうなのかとかいうことが分からないというか、分かりにくいと思いますね。私でも、新聞の見出しで活字が大きく出ればこれは重要なのかなと、こういうふうに思うわけでございまして、もちろん新聞記者もまたテレビのニュースのキャスターも重要だと思うから大きな活字にするわけでありますけれども、案外それがそうでないことがあったりすると。さらには、保安院の方々の、又は省の有力な方々のやはり発言自体も、報告をすべきだったのかどうであったのかみたいなところがやはりニュアンス的に分からないものがあったりして、事業者の方も非常に当惑をするというようなこともあると。さらには、当然事業者自体も対応が非常に良くなかったなんということで大きないわゆる共振をしてしまって、小さなトラブルがさも一大事で、原子力発電所が溶けるような意味合いを感じてしまっておるというのが今現状ではないかと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 次のところへ行きますが、先ほどの在り方に関する検討会の中間取りまとめによっておりますけれども、「事業者の保安活動をより充実させるために保安活動全般を検査対象とするには、まず、事業者が実施すべき保安活動の内容を明確化するとともに、規制当局が用いるべき判断基準」、これを定めることが必要であると明言しておるわけでございます。 今回の、事業者検査という言葉に我々も直させていただきましたけれども、それをまたしっかり見るように独立行政法人が新しく新設するということでありますが、検査の間隔とか時期などが、事業者の保安活動内容を省政令で余りにも細かく規定してしまうということになると、やはり技術の進歩がありまして、四十年前の原子力発電の技術と現在ではかなり違うということを伺っております。 こういった意味で、今までの日本の原子力の問題というのは、安全性の基準というのを変えないことによって技術開発、技術革新というのを止めてしまったというようなことが実際にあったわけでありまして、こういったことがないようにしなければならないと。先ほども何度も申しますように、やはり市場がもう反応して、その業者を締め出す時代になっておりますので、そういった意味で、そこを注意しながら安全基準というものをやはり設定しなければならないと思っておる次第でございます。 そこで、国と事業者が両方、信頼性確保の面から、重要な点をきちんと押さえた上で、事業者が定めたルールにのっとって保全活動を行って、新しい知見、そしてまた運転経験を踏まえたものを入れて改良、改善を行うようにしていくべきだと思うわけでございますけれども、どのようにお考えかお答えください。
○大臣政務官(西川公也君) 御指摘いただきましたように、国の安全規制につきましては、技術の進歩や経験、知見の蓄積等によりまして的確な見通しや改善が行えるような柔軟性を持った制度を目指すべきとの点は重要なことだと認識をしております。 今回の法案でも、国による定期検査のほか、事業者の自主検査を定期事業者検査、こういうことで法定化したわけでありまして、事業者の安全確保の責任を明確にしましたが、その実施体制については事業者にゆだねるとともに、国はその実効性を確保するための体制を確認しまして評価する制度としました。技術進歩や知見、経験を反映させやすいものとしてまいりたいと、こう考えております。 また、健全性の評価でありますけれども、最新の知見が反映されまして明確なものとなるよう、国の規制基準の整備に当たり民間規格を活用してまいります。 このように、安全規制については、技術進歩等を踏まえて、的確に規制内容の改良、改善を行うことができるような制度運用を目指してまいる所存です。 以上です。
○木俣佳丈君 最後のところで、民間規格を活用するというのは非常に大事でございまして、機械学会とかいろいろな基準がございます。これは衆議院の方の答弁であったわけでございますけれども、同様な御答弁いただきましたが、例えば民間の方で一年掛けてこれなら安全であるという、例えば一つのルールを作ったとします。それを国の方に報告したら、同じように独立行政法人の方でもまた一年掛けてこれをまた検証するなんということでは、二年掛かってしまって非常に意味が薄くなりまして、その辺り、やはり民間の技術を信用して、国の方では書面で、例えば一年掛かったものを三週間ぐらいでチェックをして、そしてオーケーだよと、こういうふうにしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(西川公也君) 国で整備基準を整備するといっても、民間の規格であります日本機械学会等、ここでの意見を聞かなければできないわけでありますが、最も権威あるものでありますので、なるべく早く結論が出るように努めてまいりたい、こう考えております。
○木俣佳丈君 次の質問に参りますが、今、若干申し上げたアメリカでも機械学会等で、決められた頻度で検査する保全方法から、信頼度実績に伴う統計的手法も用いた方法、あるいは運転中に常時安全への影響をモニタリングをしていく運転中保全ですか、こういったものに移行する傾向にあると聞いておりますけれども、こういった技術の進歩の取り入れについてお考えをいただきたいと思っております。
○大臣政務官(西川公也君) 今御指摘がありましたように、運転中の検査に重点を置く、これがアメリカ型で、検査方法でありますが、これも一つの在り方として検討の対象としていく、こういう必要性があると考えております。 我が国では、保安規定にそのような運転中の点検について規定しておりますし、国の保安検査により実施状況を確認しております。その一方で、我が国においては、定期的に設備を停止して国自らが設備の健全性を直接確認をする、現行の国による定期検査制度に対しての国民のニーズがあることを念頭に置き、その実効性について検討していくと、こういう必要性があると考えております。
○木俣佳丈君 今言われました国民のニーズというのは当然安全ということだと思いますが、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほどの答弁の中でも触れさせていただきましたけれども、やはり国民の皆様方が特に原子力の安全性について大変な関心を持っておられる。そういう意味では、国が責任を持ってそういう肝心なところはしっかりやれと、こういうことでございまして、そういう意味でのニーズ、こういうふうに私どもは考えているところでございます。
○木俣佳丈君 確認の答弁で最後になりますけれども、五十二基ある原子力のプラントですね、定期検査というのは十二か月プラス一か月ということで大体やるそうでありますけれども、プラントによってやはりできふできというのがあるんではないかと思うんですね。これを一括で十二プラス一か月ということでやるというのはいかにも私はお粗末ではないかなと。あるものは、もっと短いというとちょっとこれは、何か定期検査ごとにタービンを分解するとタービンが壊れるというような笑い話がありますけれども、十二か月は最短だと思いますが、やはりもう少しアドバンスのものは長くするというのがやはり今の市場のというか、事業者の向かうべき方向だと思うんですが、この辺りはどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたしますけれども、これは事業者の安全確保に向けた改善努力を促進する、そういう仕組み、インセンティブが必要じゃないか、こういうことだと思いますけれども、原子力施設の安全というのは一義的には施設を最もよく知る立場にある事業者の責任において確保されるべきものであると思っております。 事業者は、国の規制によるインセンティブの有無にかかわらず、常に安全確保のための改善努力を行いまして自律的に安全確保を図っていくことが必要であると考えています。しかしながら、規制の実効性を向上していくためには、画一的な規制を行うよりも、事業者による安全確保努力が十分でない施設など、より必要性の高い部分に集中的に規制資源を投入して厳格に規制を実施することが適切であると思っておりまして、これが事業者の更なる改善努力につながることも期待されております。 このような考え方に従いまして、今回は、不正問題を起こした東京電力に対して特に厳格な定期検査や特別な保安検査を実施しておりまして、他の事業者よりも厳格な規制上の対応を取っております。 本年六月に取りまとめられました総合資源エネルギー調査会の答申においても、過去の運転経験やトラブルから施設ごとに安全確保の水準を評価をしまして、その結果に応じて検査内容を変えることにより規制資源を効率的に利用するとともに、事業者の改善努力を促すような仕組みを導入することの必要性についての御提言もいただいているところでございまして、経済産業省といたしましては、今後、検査の実効性向上のための検討を行っていく中で、御指摘のようなそういった仕組みの導入についても検討をしてまいりたいと、このように思います。
○木俣佳丈君 今のところをもう一回確認をしたいんですけれども、今、定期検査というと決まりの年月でやっておるんですが、それはやはりこれからは、物によってはそれを長くしたり、いわゆる規制緩和でございますけれども、そういうことも含めて検討をしたいということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) そういうことも含めて今後の検討の対象に私ども加えて検討していきたい、こういうことでございます。
○木俣佳丈君 済みません。最後のところは突然の質問で難しい御答弁だと思いますので。 先ほどのところにもう一回戻りまして、今、大臣から御答弁がありました十七基が止まっているという状況で、三分の一が止まっているということだと思います。炉を停止するというのはかなり費用的にも掛かるという報道等ございます。 東京電力だけでも石油火力に切り替えていくことで月二百億以上の負担増となるんではないかというような見通しも出ておりまして、五兆円の東京電力、売上げが大体あります。電力全体だと二十兆ぐらいでしょうか。二百億月にあるというのは大変なことだと思いますけれども、この辺り、どのようにお考えになるか、大臣からお答えいただけますか。
○副大臣(高市早苗君) この原子力発電所の一部停止に伴いまして、東京電力の火力発電所のたき増しなどによる影響、費用面でございますが、年度では千四百億円程度、下期で月平均二百二十億円程度と聞いております。それから、先般発表されました、十一月なんですが、中間決算のときの年度予想によりますと、東京電力の経常利益そして当期利益は、当初の予想をそれぞれ三〇%弱、二七%でございます、下回る水準に下方修正しているということでございます。 影響がどうかということですが、配当などの利益処分の額は十分賄える利益水準ですので、料金改定を必要とするような企業経営への影響はないものと考えております。
○木俣佳丈君 今の最後のところが非常に大事だと思うんですが、基本的には料金的なものへの影響はないと、国民の負担は極めてないということでよろしゅうございますか。
○副大臣(高市早苗君) 今の段階ではそうでございます。
○木俣佳丈君 地球温暖化対策というのは、先ほどの我々のエネルギーの基本政策、そしてまた環境政策の中でも第一の重要度ということで考えておりますけれども、一応二〇一〇年までに原子力発電所を十から十三基、二〇〇一年ベースで造るということで、これがベースになってCO2削減を、CO2というか温暖化ガスを削減するということであります。 計算いたしますと、例えばエネルギー起源のCO2というのをゼロ%というふうに考えますと、ステータスクオ、そのままいきますと、要は四千万トンCレベルで増加すると。これを経済産業省の試算では二千万トンC分を原子力発電で補うということで、半分を原子力発電が担うというような計算にざっというとなっておるかと思います。しかしながら、例えば、ここから一年間十数基、十七基といえば三分の一でございますので、約、これが止まった状況でいくと設備利用率も、一応計算上は八〇%ということで、何とか八五%ぐらいに持っていけないかというのが恐らくエネ庁の思いだったと思うんですが、恐らくはそれが三割マイナスぐらいになった稼働率になると。 そうしますと、これは二〇一〇年での目標、第一約束期間での二〇一二年ということを考えたときに、到底これはうまくいかないんではないかと思っております。としますと、この大綱の書き直しというのか、第一ステップの最終年が二〇〇四年ということなんでしょうか、ここでの評価、見直しをするという声もちらほら聞こえておりますが、この見直しを二〇〇四年ではなくて来年辺りに前倒しをするという考え方はございますか。
○大臣政務官(桜田義孝君) 本年三月に策定された地球温暖化対策推進大綱においては、ステップ・バイ・ステップのアプローチにより二〇〇四年に大綱の内容の評価、見直しを行うということになっておりますが、現時点では第一ステップの対策に真摯に取り組むということを考えておりまして、地球温暖化対策の見直しということは現在のところ考えておりません。大綱では、二〇一〇年度までの間に原子力発電電力量を二〇〇〇年度と比較して約三割増加することを目指した原子力発電所の新増設が必要とされております。 今回、東京電力における自主点検記録に関する不正等の問題により、原子力発電の安全性に対する国民の信頼が揺らいでいる中、原子力発電を取り巻く状況は以前にも増して厳しくなっていると認識しているところでございます。現時点では、本大綱におきまして、目標達成に向けて原子力発電の安全性に対する信頼の回復に全力を傾注いたしてまいりたいと思っております。その上で、地元を始め国民の皆さんの理解が得られるよう、最大限の努力を続けていくことが肝要ではないかと考えているところでございます。
○木俣佳丈君 ちょっとまた来年、いろいろ伺いたいと思っております。 次に、最後の質問でございますが、手短に行きますが、来年というか、大体自由化の方向が部会の方で大体方向性が出てまいりまして、そうなりますと、自由化と原子力というのがどのようにバランスが取れるのかなということでございます。 大臣も御案内のとおり、英国、米国でも自由化が進んでおり、特に英国の場合の原子力というのは、ちょっと目を覆うような状況になっていることは御案内のとおりであります。ですから、やはりバックエンドコスト等、やはりよく政府の方でしっかりした基準を打ち出しながら自由化を進めないと大変なことになる、つまり国民負担というのは実は増すだけであるということではないかと思うんですね。 本来自由化というのは、自由化をしながら効率化、健全化、そしてまたコストの削減ということが非常に重要なポイントだと思いますが、かえってこれがそうでなくなるという可能性がやはりあるということでありまして、大臣自体はどうでしょうか、自由化と原子力というのが今の体制の中で十分に両立し得ると、又はその妙案は現在お持ちだということで認識してよろしゅうございますでしょうか。最後の質問です。
○国務大臣(平沼赳夫君) 電力の自由化ということに関しましては、既に大口の需要家に対しての自由化を実施しまして、それがインセンティブとなって電力料金が下がったことは事実です。ですから、そういう意味では消費者というものの立場を考えれば、自由化ということはやはり一つの流れだと思いますけれども、しかし同時に考えますと、例えばカリフォルニアにおきます電力のパニックということの中で、過度な自由化を進めたときにその大きな弊害がございます。 ですから、電力というのはやっぱり安定供給ということが非常に大切な側面を持っております。ですから、その中でしっかりと吟味をして私どもは考えていかなきゃいかぬし、また原子力発電の場合は今バックエンドと、こういうことを言われました。そういう中で、やはり総合的に国の支援の在り方等も含めて、総合的に私はこの自由化ということをやっぱり考えていかなければならないと、このように思っております。
○木俣佳丈君 終わります。
○藤原正司君 藤原でございます。木俣委員に続きまして質問させていただきたいというふうに思っております。 このたびの原子力発電所の不正にまつわる問題というのは、国にとりましてもあるいは事業者にとりましても、国民の信頼性の失墜を始めたくさんの犠牲を払ったということが言えると思います。と同時に、このことを通じて大きな教訓も得たというふうに思っておりまして、この教訓をどう今後原子力の安全行政に生かしていくのか、あるいは事業者の安全維持活動に生かしていくかということは、今後の原子力の信頼回復をこれから再スタートするんだという意味において大変重要な意味を持つというふうに思っております。 この点から、今回の法律改正、法案というものはどういう形でこれが生かされているのか、簡潔にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回の一連の事案といいますのは、御指摘のように、原子力の安全確保に対する国民の皆様方の信頼を大変損なうものでございまして、その反省の上に立ちまして、抜本的な再発防止策の実施が必要である、このように考えているところでございます。 今回の一連の事案が発生した企業側の要因といたしましては、その安全及び信頼確保についての認識が、一つは薄かったこと、それから国側の要因といたしましては、自主点検の位置付けが不明確であったこと、こういったことが挙げられると思っております。 このような今回の事案の背景を踏まえまして、総合資源エネルギー調査会原子力安全規制法制検討小委員会において、再発防止策について検討を行いました。中間報告を取りまとめていただいたところでございますけれども、今回の法律案は、このような再発防止策のうち、法律上の措置が必要なものについて手当てを行ったところでございます。 具体的に申し上げますと、一つは、事業者が自主的に行う点検を法律上明確に位置付けさせていただいた。二つ目は、ひび割れ等があった場合には、科学的、合理的な根拠に基づく手法を用いてこれを評価することを事業者に義務付けることにした。三つ目は、事業者による組織的な不正を防止するための罰則を強化することにいたしました。 こういった手当てによって、やはり国民の皆様方の信頼を大幅に損なったそういった問題に対してやはり再発を防止する、そういった形の趣旨でお願いをしているところでございます。
○藤原正司君 そこで、安全規制の在り方という点についてお尋ねをしたいわけであります。 先ほどの木俣委員の質問の中にも、今回の反省を踏まえて規制がどういうふうに加わってきたかという中で、例えば機構による審査の導入であるとか、従来とは少し異なったような規制の在り方も入れられたということになっておりますが、全般的に今回規制がどう変わったのかということを見ますと、現行の規制の上に更に上乗せされると。ただ、その従来どおりの規制を上乗せするか、少し変わった、質的に変わった規制を上乗せするかというのは別にしても、今までの上に更に規制を上乗せすると、こういう形になっているというふうに思うわけであります。 私は、こういう原子力をめぐる国民の批判が大変厳しいときに、規制という問題についてもっと国がしっかりして規制をどんどんやりなさいという声は当然高まるのは、これは十分理解はできるわけでありますし、その方向で国も検討されたんだろうというふうに思います。ただ、冷静に判断してみたときに、規制の上に更に規制をどんどん上乗せしていくというやり方が本当にうまく機能していくのかどうか、幾ら机の上でいい規制をどんどん作っていったとしても、それが現場の中にマッチしないでうまく機能しなければ、結局絵にかいたもちであり、結果としてそれは失敗だということになりかねないんではないかというふうに思うわけでございます。 実は、先般も参考人の先生にその辺についてお尋ねをしたわけでございまして、余りにも規制が多過ぎますと、事業者はその規制というものに頼ってしまうといいますか、規制の中で動けばいいんだという極めて消極的な対応ということになって、結果としてもっと能動的に、自主的に新しい安全文化を作っていくというか、安全を確保するための対策を自らが講じていくということにどうしてもなりづらいという面があると。 それと、これは原子力の設備は重要度に、安全重要度に応じて様々な設備があるわけでありまして、その設備に対して、重要度に応じてどういう点検の仕方をするか、規制の仕方をするかということについて明確な差別化をしないと、何もかもが規制の対象になってしまう。何もかもがチェックしなければならないということになると、本当に大事にやらなければならないところが逆に制約を受けたり、あるいはそこへの関心が薄まったりしてしまって、結果として安全ということにつながることが難しいというケースも考えられるわけでありまして、実はこういう点について参考人の先生の御意見をお聞きすると、そのとおりだというお考えをいただいたわけであります。 今回はそういう間接手法といいますか、そういうものが導入されたというのは、たまたま現在の原子力をめぐる厳しい環境の中で上乗せされたというふうには思いますけれども、むしろこの間接手法というものが新しい今後の安全規制の在り方の端緒になるといいますか、芽になるというふうに理解をしたいわけであります。 国の法制検討小委員会の中間報告においても、今回の対応というのは法制面で緊急を要するものに限ってとにかくやりなさいと、しかし、今後の規制の在り方についてはもっとしっかりと検討していくべきであると、こういう考え方も出されているわけでして、この点、今回はたまたま規制が上乗せという形になっているんだけれども、少なくともそういう間接手法を入れていくとかいうことを通じて新しい規制の在り方へ一歩を踏み出そうとするものであるのかどうか、改めてお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今般の法案というのは不正事案の再発防止を目指したものでありますけれども、その考え方といたしましては、原子力の安全確保は第一義的には事業者の責任である、このことを基本にいたしております。国は事業者の取決めをチェックする立場として対策を立案をしたところでございます。このため、事業者には定期事業者検査や健全性評価の実施を義務付けまして、国はその適切性をチェックすることにいたしております。このように、事業者の責任と国の役割を明確化することによりまして、それぞれの立場において安全性の向上のための努力がなされることとなっております。 原子力の安全規制につきましては、御指摘のように、設備についての安全上の重要度を明確にして、事業者の保安活動の適切性に重点を置きまして、事業者が緊張感を持って改善努力を行わなければならないような仕組みとすることによりまして、実効性ある規制制度にしていきたいと思っております。 ですから、私どもとしては、方向としては、委員おっしゃるように、やはりこの重要度というものをしっかりやりまして、事業者が主体に行う、それに対して国がしかるべくチェックをさせていただくと。こういう形で、今は大変国民の皆様方も非常に厳しい、そういう不安を持っておられます。そういう中で、私どもというのは、しっかりとしたこういう体制を作りながら、そういう方向で国民の理解を得られるような、そういう形で今御指摘の点も踏まえて私どもは今後検討していくべきだと、このように思っています。
○藤原正司君 次に、電気事業法五十五条の三項、設備の健全性の評価、いわゆる維持基準、維持基準と言われている点についてお尋ねをしたいと思います。 何か維持基準といいますと、現在の技術基準と同じような同類のものとして理解される面もあるので、あえて健全性評価基準というふうに申し上げたいと思うわけでありますけれども、この点につきましては衆議院でも相当論議をされました。しかし、今回、この健全性評価というものを入れていくということは、単に一つの評価方式を導入するということだけではなくて、我が国の原子力の安全行政にどれだけ科学的な合理性を持ち込むかという大変大きな意味を持っているというふうに思っておりますし、悪く言えば、ひいては我が国の原子力の安全神話というところからいかに我が国がこれを決別して、本当に科学的、合理的な尺度を持ってこれから安全を進めていくのかと、そういう意味においても大変大きな重要な意味を持つものだと。少しこの点についてこれから時間を掛けてお尋ねをしたいわけであります。 まず、健全性評価の導入について、この健全性評価基準というのは一体どういうものなのか、お考えを聞かせていただきたい。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今般の法案におきましては、事業者に対して定期的な検査を義務付けた上で、仮にひび割れを見付けた場合には設備の健全性に問題がないかどうかについて評価をさせることにしております。また、これらの検査や評価の結果は、事後でも確認ができるよう記録の保存を義務付けるとともに、一定のものについて国に報告を義務付けるものでございます。 これは、原子力設備において経年に伴ってひび割れ等が発生することがありますことから、事業者自らがこのひび割れ等の進展が安全性に与える影響を評価し、その評価結果に基づいて当該設備が有すべき安全性を維持するために必要な対策を講じさせることが必要である、そうした考え方に基づくものでございます。原子力設備が今後運転期間が長期化していく中で、経年に伴う変化に対応した安全確保対策を科学的、合理的な根拠に基づいて的確に講じることによりまして、原子力の安全確保に万全を期していきたいと考えておるところでございます。 具体的には、省令で規定する事項として考えておりますのは、まず第一に、設備の健全性評価を行うべき設備を規定したいと考えております。当面、評価の手法に関する民間規格が策定されております原子力圧力容器等の原子炉冷却材の圧力バウンダリーを構成する機器、通常第一種機器類と申しておりますが、あるいは炉心シュラウド等の炉内構造物といったものを中心に検討してまいりたいと考えております。 第二点は、設備の健全性評価を行うべき事項といたしまして、技術基準に適合しなくなる時期、ひび割れの大きさや深さなどから不具合の進展などの予測すべき事項について定める必要があると考えております。 第三には、設備の健全性評価の手法を規定するものでございまして、不具合の進展等を予測する計算方法の考え方などを国が定め、具体的な規格については民間規格を活用したいと考えているところでございます。
○藤原正司君 この健全性評価という考え方は、現在あります技術基準といいますか、安全性を維持するための絶対値としての技術基準、これをどうきちっと確保していくのかというための一つの手法であって、現在の安全基準といいますか技術基準といわゆる維持基準というのは一体のものであって、ダブルスタンダードを設けてそれぞれ別々のものではないんだということがまず大事な一つの理解だというふうに思っているわけであります。 そこで、先ほど木俣委員の質問の中でも、この考え方を導入するに当たって民間の知見の取り込みということが極めて大事な問題として言われております。正直言いまして、私は、こういう基準だとかあるいは試験だというと、いまだに官尊民卑といいますか、そういうものが非常に強いと。 私も、昔、電気工事士の試験を受けると。一生懸命試験のために習ったやり方というのは、碍子を木ねじでがんがん打ち付けて電線を留めると。ところが、社会に入ると、VAケーブルでぽんぽんぽんと留めていけば終わる。そうすると、いかに実際の資格を取るための検査と社会とがずれているかと。木ねじを一生懸命締めることの技能が上がったからといって実際上何の関係があるのか、こういうふうなことがかつてはあった。それは国がという意識と、技術の変化に即応していないという、この二つの現われではないか。 その意味で、今回、民間の知見というものを導入するということは、これは極めて正しいわけですし、問題はそういう、どういう形で、どういうスキームでこれを導入していくのか、あるいは先ほど木俣委員から話がありましたように、民間の規格を設定するに当たって国はどういうかかわり方をしていくのか、そういうことも含めて民間の知見の取り込みというのは具体的にどういうことになってくるのか、お聞かせ願いたい。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今後、具体的に設備の健全性評価の基準の策定に当たりましては、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会において御検討いただくこととしております。そのメンバーは原子力の専門家や学識経験者を選定することを考えておりますけれども、この部会におきましては公正中立を旨として、例えば機械学会で策定された規格につきまして、その技術的妥当性の検討をしていただき、その結果をパブリックコメントに付して幅広く国民各層の御意見を承っていきたいと考えております。さらに、原子力安全委員会におきましても御議論いただきまして、地元の関係者の方々にも説明を行ってまいりたいと考えております。 このようなプロセスを経ることによりまして、効率性、透明性を担保し、国民の皆様の御理解を得つつ、拙速とならないよう慎重に検討してまいりたいと考えているところでございます。 私どもも規制の立場から、最新の科学的知見といったことを規制の枠組みの中に取り入れるためには、こうした学会等での最新の知見を反映した技術策定を迅速に規制に反映することが必要であると考えております。今後、私ども行政の立場からも、こうした学会における規制策定の段階から参画をしていこうというようなことも考えております。 また、省令の段階では、いわゆる性能規定化といいますか、基本的な考え方というものを策定し、具体的な規格については、私どもの行政上の執行判断をするときに、こういうものを使って私どもは判断をいたしますということを世の中に公にすることによって、学会規格等が規制の中にきちんと取り入れて執行されているということをきちんと説明をさせていただきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○藤原正司君 そこで、もう少しこの健全性評価と現在の技術基準の関係についてお尋ねをしたいと。 先ほど申し上げましたように、これはダブルスタンダードを作るものではない。技術基準で圧力保持のために最低三センチの厚みが必要なんだというふうに仮に決まった場合に、それは二センチでもいいですよということを作るものではなくて、製作したものが三センチまで劣化をしていく、機械もあるいは材質も必ず劣化するわけですし、そしていずれ寿命が来る。この過程をいかに正しく推測し、そして、その安全基準を守るために手だてが打てるかということであって、決してダブルスタンダードではない。むしろ、この技術基準、安全基準を守るために、今までちゃんとした評価方法が確立していなかった方がむしろおかしいと言うべきだというふうに思っています。 結局は、材料も機器も必ず劣化をするんだ、そして寿命が来るんだということをまずきちっと言った上で、いかに科学的にそれを安全を担保していくのかと、こういうことの対応を余り真正面からやってこなかったということに私は大変大きな責任があるというふうに思っています。 と同時に、この評価というのは、単純に運用に供している機器の安全を保持するということだけではなくて、一体この材質が、この機器がこの環境で、この条件で使われていったときにどういう劣化をしていくのか、そういうデータ、知見というものをきちっと積み重ねていって、新しい機器の設計だとかそういうものに生かしていく。こういうことも大変大きな意味があるわけでして、私は先ほど、今回、その健全性評価という方式を入れたというのは、単に一つの評価方法が入ったということのみならず、我が国の安全規制というものを根本的に科学的な発想から見直そうという、大変重要な意味があるということを申し上げたのはそこにあるわけでございまして、そういう点を踏まえて、言うならば、私は率直に言って国の対応というのは大変遅いというふうに申し上げざるを得ないわけですが、この点について見解がありましたら。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 安全規制が科学的、技術的な根拠に基づいてなされるべき一定の合理性を有するものでなければならないということで、保安院発足後も一生懸命取り組んできたつもりでございます。 現在、原子力の安全規制におきます技術基準は省令で定められておりますけれども、設備の維持について一定の強度など所定の水準を要求しております。現在でも、小さなひび割れがございましても十分な構造強度を有しておれば、直ちに技術基準に適合しないということになっているわけではございません。今回の改正におきましては、この技術基準自体を変更するものではありませんが、設計の建設時に適用すべきものと運転時に適用すべきものを明確にすることによりまして、誤解を生じさせないようにすることとしております。 また健全性の評価は、ひび割れ等が生じた場合に、それが十分な構造強度を有すべきとの安全水準を満たしているかどうかを評価する方法を明確に規定することとするものでございます。したがいまして、これまでの技術基準が定める安全水準を引き下げるものではなく、規制をより合理的に、明確にさせていただきたいということでございます。
○藤原正司君 現在の技術基準、いわゆる告示五〇一という分厚いものがありまして、読ませていただいて私、全然よく理解をしていないんですけれども、言われたように、個別対応というのは今でもあるというふうにおっしゃっておりますけれども、きちっとした、前面に出した、例えば特認だとか、そういう個体のケース、個別個別のケース判断ということになっておりまして、これは事業者側から見ると一体どういうことで判断されるのか皆目見当が付かない、そのときになってみないと分からないということにもなるわけでございます。 そこで、なぜ今回、この大きな問題が起きるときを契機にしてこの問題がクローズアップされ、そして具体的に制度化をされようとしているのかという観点の中で少し申し上げたいわけでありますけれども、我が国の事業用の原子力発電所が稼働してから四十年弱たつわけでございます。 先ほども大臣も言われましたように、唯一の被爆国ということで大変国民が苦い経験を持っていると。さらに、安保闘争の鎮静化とともに、極めて政治色の強い市民運動あるいは労働運動の運動目標の変化、こういう中で、あたかも原子力発電所と原子爆弾というものを同一視して、原子力をイデオロギー闘争や政争の具としてされてきた大変不幸な歴史があるわけで、さらに、相も変わらず科学的合理性を欠いた、さらに冷静性を欠いた、誠に申し訳ないけれどもマスコミ報道、あるいはエネルギー問題について余りにも無関心であり続けた教育現場など、様々な社会情勢が背景にあったというふうに思っておりますし、こういう背景の下で安全神話など、これはだれかが口にしたとかしないとかいう問題ではなくて、そのようなものをベールにまとって原子力行政をスタートさせざるを得なかった背景というものは理解できなくもないわけであります。 しかし、神話であるとか絶対安全の絶対ということは、そのことを口にした途端、科学と無縁のものになってしまう。四十年近くたってもまだなおこの安全神話から完全に抜け切れていない、あるいはこのベールを脱ぐという勇気を持たぬまま、この科学的非合理の道を歩んでこざるを得なかったというところに我が国の安全規制の大変不幸な問題があるというふうに私は思っているわけでございます。 これまでの衆議院の答弁をお聞きしましても、何かやろうとしたけれどもトラブルが発生して出ないと。しかし、そういうことではなくて、本当の科学の真理は一つであり、そのことに基づいたきちっとした対応というものは、これは片側の国民感情でありますとか、そういうものもこれは極めて大事ではありますけれども、しかし科学性を抜きにして、ただ情の世界だけ、政治、社会の世界だけで物事を考えていくということになると、結局一番大事な本質を失ってしまうということになってきたのではないか、こういうふうに思うわけですが、この点について見解がございましたら。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、藤原先生から非常に原子力の安全性の在り方について、戦後ずっとたどってきた歴史的な考察、私は非常に感銘を持って拝聴させていただきました。 確かに、日本の原子力というのは、神話という表現をおっしゃいましたけれども、全く完全無欠なものでなければならないという、そういうものが根底にあったと思います。私は決してそれは否定するものじゃございませんで、原子力というのは、やっぱり安全性をいかに確保するかということはいずれの時代においても第一義だと思います。しかし、それが正に完全無欠で全く誤謬を許さないというようなことじゃなくて、おっしゃるように、科学的な合理性に基づいてしっかりとした基盤に立ってやるということは、私はこれは非常に必要なことだと思っています。 そういう中で、確かに国も、こういう維持基準等に関しましても、例えば欧米では原子力発電が稼働した時代からそういう科学的な正当性、そして科学的なやっぱりいわゆる根拠に基づいて確立をされてきましたけれども、我が国におきましては、そういう中でずっとそこのところは整備されてこなかった。こういうことは非常にそのような背景があった、こういう私は御指摘のとおりだと思っておりまして、しかし安全性をしっかりと私どもは担保しながら、今回のそういったことも踏まえまして、やはり科学的な根拠に基づいて、国民の皆様方が納得できる形で、そして国民の皆様方の信頼を損なわない形でしっかりとしたそういった形も取り入れていかなければならない。 そういう意味で、今回もこのいわゆる健全性評価の基準というのも私どもは考えに入れさせていただいて、そしてそれを第一歩としてやらせていただく、こういうことにさせていただいたわけであります。
○藤原正司君 次に、報告基準とかあるいは公表の在り方とか、先ほど木俣委員の方からの質問でかなり出てきたと。今回の改正の一つの考え方の柱としては、できるだけあいまい性というものを排して分かりやすくする。それは規制を受ける事業者はもとより、国民の皆さんから見ても分かりやすくするということが一つのキーポイントではないかというふうに思うわけでございまして、今回、様々な報告が必要になってきておりますし、その点についてもきちっと省令でできるだけ定量的で分かりやすい基準、そして各法律、例えば電気事業法、炉規制法等、あるいはその他省令以下の問題とか、ここらの問題についてもきちっと整理をして分かりやすくするというふうに先ほどお聞きをしたと思うわけですが、それでよろしいですね。
○政府参考人(佐々木宜彦君) いろいろ設備のトラブルあるいは不具合に係ります報告基準でございますとか、軽微な事象にかかわる報告あるいは公表の在り方ということにつきまして、今、先生御指摘のとおり、私どもこれを明確にしていきたいと考えております。 今回、原子力発電設備のトラブルあるいは不具合につきましては、電気事業法及び原子炉等規制法の二法に基づき国に対し報告を求めるとともに、法律上は報告の必要のない事象につきましても、通達に基づき一定の報告を求めてまいりました。今後は、原子力安全規制法制検討小委員会の中間報告の御指摘も踏まえまして、電気事業法に基づく報告については、供給支障事故に至ります等、同法の施行に必要なものに限定することとしたいと考えております。 一方、原子炉等規制法に基づく報告につきましては、安全確保上の重要度を勘案し、報告対象を見直すこととしておりますが、法令に基づく報告と通達に基づく報告を二本立てにすることは望ましくないと考えておりまして、両者を一本化しつつ、報告基準についても定量化を図り、明確化を図ることとしたいと考えております。 なお、軽微な事象でこうした報告の対象にならない事象につきましても、こうした情報については公開の下で共有化を図るという考え方を取ってございます。そしてまた、こうした情報の収集につきましては、今後保安規定の中にも、こうした軽微な事象を含め、トラブルの情報収集、整理する体制を保安規定の中に位置付けるなどの対応を取ってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○藤原正司君 今のお話をお伺いしまして、今私が申し上げた方向でできるだけ簡潔に分かりやすいものにしていきたいというふうにお伺いをしましたので。私は何も報告をすることが駄目だと言うんではなくて、先ほどの健全性評価のようなものでも、そういう何か小さいことでもトラブルがあって、そういうデータを共有することによって、それもきちっとした科学的なデータを共有することによってさらに安全性のサイクルを回していくという意味にも使えるわけで、むしろ能動的なものとしてこれを受け止められるようにやっていく必要があるというふうに思っているわけであります。 そこで、いわゆる情報公開と言われる公開の問題は、これはきちっとした報告義務の課されたものは当然公開ということにつながっていくわけですし、さらにそれに至らないものでも事業者が積極的に情報公開をしていく、これは原子力の信頼を高めていく上でも必要なことだと思うわけですけれども、問題は軽微なトラブルといいますか、そういうものについて、事故について、これは一体どういうレベルの問題なのか、安全上どういうレベルの問題なのかということをはっきりとしていかないと、何でも情報が漏れるたびに事故だ事故だ、そこはたくさん情報を流すから一杯事故が起きているのではないかと。結局、積極的に安全文化の問題として、情報を公開することが逆になってしまうおそれがある。それは、結局、例えば圧力容器のように極めて重要な機器もありますし、あるいは周辺のパイプのようなものもある。それらもこれらもひっくるめた形の中でこれまで社会的に取り扱われてきた感じもありますし、あるいは国なども結局、外部への影響はない、この一言だけで、大変重要な機器に何かトラブルがあって結果として外部に影響がないのか、元々どっちでも、どっちでもいいと言えない、極めて軽易な、安全重要度から見たらほとんど無視できるような機器にトラブルがあって影響がないのか、ここら辺が全然分からぬわけですよね。 そうすると、例えばこれABCと付けるのか、何か分かりやすい基準を設けて、そしてそれに基づいて情報を公開しランクを理解してもらうというふうにでもしていかないと、積極的に情報公開することが国民の皆さんの安心、信頼につながらないようでは全然意味がない。この辺について国としてどういうかかわりをされるのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 先生の今の御指摘については、私どもも十分今の御指摘に沿った形で今後いろいろ制度運営も考えていきたいと考えておりますけれども、現在、私ども保安院におきましては、業務の実施状況あるいは規制の考え方につきまして積極的な情報発信を行うことによりまして国民の皆様の理解と信頼を得るとともに、更なる規制の実効性向上につながることを目的に広報も実施してまいりました。 今回の事態を踏まえれば、まず安全規制について、その考え方について、具体的に定めた基準や、あるいは個別の事案に関する規制当局の評価が安全確保の観点からいかに科学的、合理的なものかといった点を分かりやすく説明していくことが必要であると考えております。 いわゆる事故、トラブル等の評価には国際評価尺度といったものもございますが、現在のいわゆる日本の原子力発電所におけます事故、トラブル等は評価レベルがほとんどゼロといったものでございますので、なかなか国民の皆様にはこのゼロというものの意味が分かりにくいというようなことも私ども考えております。 そうした意味で、先生今御指摘の、ゼロの中でもさらにこういうレベルだというような御説明の仕方もあるかとも思っておりますが、今後いかに分かりやすく御説明していくかということについては十分検討していきたいと考えております。 そうした意味で、規制の透明性を向上していくことも重要でございますとともに、規制を分かりやすいものにするとともに、自治体あるいは事業者に対して、こうした仕組みを作る上で積極的に対応あるいは意見交換を行ってまいりたいと考えております。
○藤原正司君 先ほど国際評価基準の話がございましたように、我が国で起きているトラブルあるいはひび割れ、実際はトラブルを対象にしているわけですけれども、ゼロプラスだとかゼロマイナスとか、国際尺度にいえばほとんど掛からない問題なんです。 だからといって、私は情報をオープンにする必要はないということを言っているわけではなくて、むしろ信頼を高めていく上でそれをオープンにする必要はあるけれども、しかし、これはこういうものなんです、このレベルの問題なんですということについて分かりやすい広報の在り方、公表の在り方というものを考えていく必要がある。原子力というのは難しい、技術的に難しいからもう分からぬ、なかなか理解が得られないということではなくて、分かるところはどこまでなんだということを考え、どういうレベルなら分かっていただけるのかという、そういうことを含めたやっぱり公表の在り方ということが大事で、国がそういうふうに言うんだったら分かった、安全なんだなと、こういうふうにつながっていかないと、私は幾らやっても意味がない、意味がないとは言わないんですけれども、なかなか難しい問題になってくるというふうに思っております。 問題は、今回のことを通じまして、先ほど言いましたように、いかにあいまいさを排して国民の目から見ても分かりやすい規制というものにしていくのかということ、あるいは国自身が国民に対して原子力の安全とは一体どういうものなのかということについて分かりやすく伝えていく、そういうことが大変大事なのではないかというふうに思っているわけでございまして、これは原子力に携わる者の共通の責任ではないかというふうに思っているわけでございます。 あるところだけがいい子になって全体が進むということはあり得ない。それぞれが、規制は規制側の立場として、事業者側は事業者側の立場として両方安全を進めていくということが必要ではないか。だから、望ましいとかなんとかそんな表現なんというのは本来規制当局の発すべき言葉ではない。プラスかマイナスか、ペケか丸かしかない中で、望ましいというふうな表現がぽろぽろ出ると、それは何か一人だけいい格好しようと、いい子になろうとしているふうにしか理解できないような部分もある。 その意味からも、様々な問題について、先ほど、できるだけ分かりやすいはっきりした基準という問題が必要だということを申し上げているわけでございまして、国の安全推進に当たっては、今二つ申し上げたようなことについて十分意を用いてやっていく必要があるというふうに思っておりますけれども、ただ、正直言って、先ほども言いましたように、この問題は決して経済産業省だ、保安院だという狭い問題だけではなくて、国民の原子力に対する理解ということが極めて大事なことでございます。原子力がいいかどうかというその賛否を言う前に、客観的な根拠に基づく知識とか理解度というものが十分ない中でそれを問わなければならないという今日の状況というのは、大変不幸なことであり、決してそれは経済産業省だけの責任だとは思っておりません。文部科学省の問題あるいは原子力安全委員会、原子力委員会、そういうところがやっぱり十分責任を感じながらやっぱりやっていく必要がある。政府全体として進めていくということが極めて大事なことではないかというふうに思っているわけでございます。 先ほど我が党が出しました安全規制に係る三条委員会の話もございましたけれども、それ以前の問題として、政府がどうするんかということをきちっと、基本的に推進するなら推進するに当たってどういう安全に対する理解活動をやっていくのかという、そこのところの基本は横に置いて論議、話はできない問題ではないかというふうに思うわけです。この点について。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変重要な御指摘だと思っておりまして、やはり国民の信頼をいかに原子力に対して得るかということが私は非常に大切なことだと思っています。 そういった面で、私どもは原子力安全・保安院において、業務の実施状況でございますとか規制の考え方について積極的に情報発信を行うことによりまして国民の皆様方の理解と信頼を得るとともに、更なる規制の実効性向上につなげることを目的に広報を実施をしてきたところでございます。 今回の事態を踏まえれば、まず安全規制についての国民の信頼を回復するためには、原子力安全規制の考え方について、具体的に定めた基準や個別の事案に関する規制当局の評価が安全確保の観点からいかに科学的であって合理的なものかといった点を分かりやすく説明をしていくことが御指摘のように私は必要なことだと思っています。 規制の透明性を向上していくことも重要でございまして、規制をできるだけ分かりやすいものとするとともに、自治体や事業者などに対して制度についての積極的な説明や意見交換を行って、更なる改善に結び付けていくことが私は必要だと思っております。 また、安全文化を高めていくための啓発活動を行うことも当然重要でございまして、被規制者である事業者に対しても、第一義的な安全確保の責任は事業者にあって、規制当局は安全規制を通じて事業者の取組を促進していくことが基本であることなど、安全規制の考え方を十分に説明していくことによりまして事業者の意識を高めて、規制の実効性の向上につなげていくことも必要だと思っています。 そういった取組のほかに、御指摘のございました、やっぱり幅広く国民の皆様方の理解を得るということは、これは非常に私大切なことでございまして、今までも、例えばリレーションシップマネジメント、こういったことを実施して、ホームページでございますとかあるいはパンフレットなどによる積極的な情報提供を行ってまいりました。また、積極的な報道の発表もすることも必要でございますし、それからマスコミのことをさっき藤原先生おっしゃいましたけれども、やっぱり定期的にマスコミの皆様方と懇談会を開催をして理解を深めていただく、こういうことも必要だと思います。 かつて、敦賀でございましたか、原子力の発電の問題が起こったときに、新聞の一面に放射線漏れ十億キロピコキュリーと、こういうすごいことが出て、国民は十億も出たかということで心配しましたら、ピコという単位がこれ入っておりますとほとんど問題のないことであったと、こういうことですから、マスコミの皆さん方とやっぱりそうやって意思の疎通を図って、そしてそういう中でやっぱり皆様方の理解をいただくということも大事ですし、これまでも非常に努力はしておりましたけれども、まだ足らなかったと、そういうことは言えると思いますけれども、自治体あるいは住民の皆様に対する、私どもは、業務説明会、こういったこともやらしていただいて、常に国民の皆様方の理解をいただく、そういう意味でこれからもやっていかなきゃいけませんけれども、例えば原子力の必要性について小学校を対象にして副読本というものを無料で配付をすると、こういう形で大変な大部を用意してやっています。そういうことも通じまして幅広い理解を得られていく、得ていくということを私どもはしていかなきゃいかぬと、このように思っています。
○藤原正司君 次に、原子力安全委員会にお尋ねをしたい。 先ほどダブルチェックの問題は修正案を提案された方に対して木俣委員の方から質問ございましたが、原子力安全委員会の方にお尋ねをしたいというふうに思っております。 今回の事案を通じまして、ダブルチェック機能が働いたのか働いていないのかと、原子力安全委員会というのは何をしていたとか、様々な論議が出ているわけでございます。 ただ、私が考えますのに、安全委員会と保安院のダブルチェックというのは同じことをやればいいということではないというふうに思っております。同じことをやるんだったら、むしろ要らないとさえ私は思っているところでございます。 むしろ、言うならば、一つは、安全委員会というのはここぞというところで神の声を出す。これは正しい、正しくない、安全、安全でないという神の声をきちっと出す。それだけの信頼と権威を持たなければならないというふうに思っております。 もう一つは、そういうためには、個々の事案に対してどう対応するのかということではなくて、個々の事案から何を酌み取って基本的な安全政策を立案するのか。あるいは、原子力基本法には企画、審議、決定と、こうなっておりますけれども、個々の事案から何をエッセンスとして酌み取って、我が国の原子力安全を推進する上で何の骨を作っていかなければならぬのか、こういうところにこそ私は原子力安全委員会の役割があるというふうに思っておりまして、保安院と同じようにばたばたばたばた動いていればいいという、保安院がばたばた動いているというんじゃない、ただその活動が目に映ればいいというもので私は決してないというふうに思っております。 そういうふうに私は個人的見解を持っているわけでありますけれども、安全委員会の委員長として、安全委員会に求められている役割、機能というのは一体何だとまずお思いでしょうか。
○政府参考人(松浦祥次郎君) 原子力安全委員会、松浦でございます。 今の御質問にお答えをさしていただきます。 原子力安全委員会の重要な機能のまず第一は、原子力安全確保に関する規制についての基本的な考え方をお示しするということだと思います。第二に重要な役割は、ダブルチェックという言葉に代表されますように、専門家による厳格な調査審議を通じた安全審査を実施するという、そういう役割を持っているというふうに認識いたします。 さて、その今申し上げました安全規制についての基本的な考え方を示すという、そういう機能に関しまして、今回の不正等に関しましては、十月十七日に、最新の知見や技術基準への反映等、再発防止のための基本的な考え方を示させていただきました。また、十月二十九日には国と事業者の責任分担の明確化などにつきまして、経済産業大臣に対して内閣総理大臣を通じて勧告をさせていただいたところであります。 一方、安全審査を実施するという、そういう機能に関しましては、現在は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づきまして、原子炉等の設置などに関しましては一次規制庁が許可をされるという場合に対して、原子力安全委員会が関連分野の専門家を結集いたしまして、客観的、中立的な立場から厳格な安全審査を行うという、そういう役割を果たしております。 さらに、原子力安全委員会は、原子力施設の設置許可後の安全確保に関しまして、その安全規制の状況を把握、確認するという役割がございまして、現在それは規制調査と呼んでおりますが、その規制調査を実施しております。これにつきましても、規制行政庁の結果の単なる追認になるんではなくて、客観的、中立的調査分析を行いまして、安全規制の重要事項に関して主体的な意見を申し上げると、このような役割を果たしていくべきだと考えております。
○藤原正司君 今お聞きしたことは、私も書類を読めば大体分かることなんです。問題は、私が申し上げたかったのは、そういうことを通じて何を基本に持って安全委員会は対処する必要があるのかという、むしろそういうことがお聞きしたかった。 先ほど勧告について言われました。私は、安全委員会というのは、有事のときにきちっとした最後の番人としてのチェックをする、これも大事。しかし、安全委員会は平時も大事。平時の中でいかに原子力の安全を推進していくのかという点について大所高所からその在り方を絶えず検討しておく必要がある。 例えば、今回の健全性評価の考え方についても、確かに勧告の中で触れておられます。しかし、こういう問題はずっと以前からあったのであって、今回の事案が発生してどうだというのではなく、あるいは保安部会の中で検討が始まったから言うんではなくて、もっと以前から大所高所、専門的な立場で科学的合理性に基づいた評価の在り方というものを導入すべきだと、本来もっと早くやるべき。安全委員会はたしか昭和五十三年にできているわけでして、私は検討するに十分な時間はあったというふうに思っているわけでございまして、むしろそういうところに安全委員会は機能を果たしてこそ権威ある安全委員会ということでございまして、一々細かい事務の在り方まで私は聞くつもりはなかったと、そういう意味で申し上げたわけでして、その点について御見解があればお聞かせ願いたい。
○政府参考人(松浦祥次郎君) 今御指摘の点は、正に重く受け止めさしていただきたいと思います。 今までも、確かに先生御指摘のように、この長い時間の間にどうして今の問題になっていることを指摘しなかったかということは明らかに反省いたしまして、今後はこういうことはないように、先を見た形で安全委員会の果たすべき役割を実施していきたいというふうに考えます。
○藤原正司君 是非よろしくお願いしたいと思います。 最後に、今回の不正の事案につきましては事業者に対して様々な厳しい指摘があり、それはそれぞれもっともなことであるというふうに思っております。しかし、原子力現場で働く者にとりましては、先ほども申し上げましたように、我が国特有とも言えます原子力をめぐる大変厳しい環境の中でいかにこの安全を守り供給責任を守っていくかということで懸命に努力していることも事実でございます。 私、ようおやじに、気遣わんと頭使え、こういうことをよう言われました。今回の事案の背景には、やっぱり余りにも多く複雑な規制、これは文章化されているとかされていないを問わず、裁量行政も含めて余りにも複雑な規制、そして科学的合理性を否定するかのごとき風潮、こういう中で、ともすれば安全確保への自主的な対応というよりも、むしろ役所や対外対応に想像を絶するような緊張の中でより多くの神経と労力を費やさざるを得なかったと、こういうことも背景にあるんではないかというふうに思うわけでございます。 決して、不正をしてそのことでコストを下げるとか、そういうことが動機になっているものではない、何とか今日一日を無事に送りたい、何とか今日一日を周りから、新聞に載ったりテレビに載ったりしないで送りたいと、そういう、ただし、そのことを念じる余り、そういう気持ちから今回の不正ということも起きてきた一つの背景ではないかというふうに思っておりまして、こういう問題が起きれば、規制をどんどん強化してもっと監督責任を明確にしてという話が出てくることは事実でございますが、現状の原子力職場が様々な点から多くの規制とそして監視とを受けていると、そういう中で運転せざるを得ないという点についても是非御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。 その上であえて申し上げますならば、科学的合理性を欠いた規則は場合によっては有害ですらあるということ、あるいは規制だけに頼り、現場の実態から遊離し、従事する者の安全に対する自主性を否定するような制度は結局長続きしないということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(田浦直君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(田浦直君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び独立行政法人原子力安全基盤機構法案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加納時男君 委員長、右足負傷のため、座ったまま質問することをお許しいただきたいと思います。
○委員長(田浦直君) どうぞ。
○加納時男君 ありがとうございます。 それでは、午前中の質疑に引き続きまして、なるべく重複を避けつつ伺いたいと思います。 初めに、原子力発電所における不正記録事件でございます。 八月三十日、それから十月二十八日までに掛けまして、数次にわたり経済産業省原子力安全・保安院から各社に対して自主点検作業等の総点検を指示され、その結果が、中間報告が十一月十五日にあったと聞いております。その結果について、まず概要を伺いたいと思います。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 十一月十五日に原子力事業者十六社から中間報告が提出されました。この中間報告は、原子炉圧力容器、その内部構造物及び圧力バウンダリーを構成する機器を含め、過去三年間までさかのぼった自主点検作業について確認を行った結果が取りまとめられたものでございます。 中間報告におきましては、すべての事業者から不正のある事案はなかったとの報告を受けております。なお、複数の事業者から、誤記等の記録上の不備や故障、修理等について国への情報提供を行うことが望ましかったとする事例があった旨の報告がなされております。 現在、原子力安全・保安院といたしまして、提出された中間報告の内容につきまして、事業者からのヒアリングや原子力保安検査官による現地での確認等により精査を行っているところでございます。現在までのところ、法令違反に当たると考えられるものは見いだされておりませんが、その結果取りまとめ次第、速やかに公表したいと考えております。 なお、今年度末までに各事業者から同様の過去十年間にさかのぼりまして、ただし東京電力に関しましては過去十四年にさかのぼった自主点検作業を含む調査結果を最終報告されることとなっております。これにつきましても、原子力保安検査官による現地での確認を含め、総点検の結果について確認を行ってまいりたいと考えております。
○加納時男君 分かりました。 ということは、二つ確認したいと思うんですが、一つは、原子力の安全確保上最も重要な原子炉圧力容器、その他の内部構造物及び冷却材、圧力バウンダリーについても今の御答弁で全部含まれていると、現在のところ法令違反はないということでよろしいかどうかが一つ。 それからもう一つは、福島第一原子力発電所の一号機については明らかな法令違反だということはこの国会の席でも申し上げてまいりましたし、また保安院もその認識で、原子炉等規制法、電気事業法違反で一年間の運転停止処分を受けており、これは当然だと考えております。この件を除いては明らかな法令違反はなかったということを確認していいでしょうか。 以上、二点伺いたいと思います。
○政府参考人(佐々木宜彦君) まず、前段の過去三年間にさかのぼっての中間報告におきまして私ども現在の状況で確認をしておることは、法令違反はなかったということでございます。 第二点の問題でございますが、東京電力からも中間報告が出されておりますが、また近々格納器に関する報告書も提出されると聞いておりますが、私どもの現在までの調査では、その他に不正はなかったということを確認をいたしておりますが、なお、格納容器の問題につきましては東京電力からの報告書が出た段階でまた精査をさせていただきたいと考えております。
○加納時男君 福島第一の一号機のPCV、原子炉格納容器については詳細な報告が出たところで見解を述べるということでございますので、それを待ちたいと思っております。 この件について、十月三十一日のこの参議院経済産業委員会で集中審議が行われたわけですけれども、そのとき三つポイントがあったと思います。何が起こったのか、要するに空気注入して漏えい率測定を不正操作した、だれがどのようにしてやったのか、なぜそのようなことを行ったのか、どの程度安全上の問題があったのかということを伺ったんですが、ただいまの御回答ですと、これらについてもなお調査結果を待ってということだと思いますので、それを待ちたいと思っています。 ただ一つだけ、再確認でありますが、前回も質問したんですけれども、これがなぜ起こったのかと。これは、新聞情報等によりますと、格納容器の漏えい率テストを事前に行って本番に備える、国の本番に備えるというために事前に測定したところ、保安規定で定めている値、〇・五%未満、〇・三八だったですか、一号機の場合、パーセント一日当たりといったその値をどうも超える値が出ていたので、このままでは定期検査を通らないというので隠した、操作をした、空気を注入したというふうに新聞で報じられております。そういうことがまたギルティーであるというか、それは罪があるというふうに事業者も認めているわけであります。 今日確認したいのは、どのくらいの数字が漏れていたので〇・五%未満、〇・三八%未満にしようとしたのかということなんですけれども、それはその後分かったでしょうか、まだ分からないでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) これも正確には報告書を待ちたいと考えておりますけれども、私どものいろいろな事情聴取の過程では、二・数%程度の漏れがどうもあるようであるということが事実としてあったようでございます。
○加納時男君 そうしますと、例えばその数字を二・五%としまして、ということは要するに保安規定の約五倍強の漏れがあったと。それは、漏れていても平常はいいわけですけれども、常に測定されているわけですから。そのときに冷却材が喪失されるような事故、LOCA、ロカと言っていますけれども、そういう現象が起きた。例えば、再循環ポンプにつながっている配管ですけれども、これが破断をして中の水が漏れてしまった、放射性物質が外へ出ようとする、そのときに二・五%の漏えい率のままで外へ出たときに本当に安全であったのか危険な状態だったのかというのは、例えば安全評価指針に定めている事故評価基準では、敷地境界線で五ミリシーベルト・パー・イヤーというのがあるんですが、それから見て、これにはるかに下の数字なのか、これを超える危険な状態であったのか。危険かどうかというのは非常に大事なポイントだと思いますが、ここを是非聞きたいと思います。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 福島第一原子力発電所の原子炉の設置許可申請書では、格納容器設計漏えい率〇・五%パー日を前提として、冷却材喪失事故の敷地境界における被曝評価の結果は、実効線量当量で〇・〇一一ミリシーベルトとされております。 今お尋ねの仮に格納容器の漏えい率を二%パー日あるいは二・五%パー日とした場合、正確には詳細な評価が必要でございますけれども、漏えい率の比から考えますと、敷地境界における被曝線量を試算しますと、おおむね〇・〇五ミリシーベルト程度となります。 今、先生御指摘の原子力安全委員会の発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する審査指針におきましては、事故時の安全設計評価の判断基準である周辺の公衆に対し、著しい放射線被曝のリスクを与えないことの具体的な基準につきましては、発生の事故当たり五ミリシーベルトを超えないこととしております。したがいまして、御指摘の冷却材の喪失事故が発生した場合の被曝線量はこの五ミリシーベルトを超えないものと考えられます。
○加納時男君 ありがとうございました。 五ミリシーベルト、実効線量当量といった基準に対しては、今のお話ですと、〇・〇五ミリシーベルトというと約百分の一といいますか、かなりけたの小さな値だったということは確認できると思います。このことと倫理的な責任、企業にとっての社会的な責任とは全く別だというもちろん理解はしておりますが、安全かどうかということは非常に地域にとっても国民にとっても大事なポイントでありますので、確認をさせていただきました。 午前中の質問と重複するところは飛ばしまして行きたいと思いますけれども、次は原子力安全委員会の勧告への対応についてお伺いしたいと思います。 前回のこの委員会でも質問させていただきました。これは原子力安全委員会初の勧告が十月二十五日になされて、三つポイントがありまして、国と事業者の責任を明確化すること、それから運転段階の安全を重視した規制制度を整備すること、特に維持基準といいますか、運転維持に関する技術基準を整備すること、三つ目は情報の透明化と。前回のこの委員会ではこれについての考え方を伺いました。今日は、この考え方に基づいてどのようにこの考え方が法制化されたのか、簡単に御報告いただけたらと思います。
○政府参考人(佐々木宜彦君) まず当省といたしまして、原子力安全委員会の勧告を重く受け止めております。そして、この法案を提出させていただいたほか、制度の的確な運用によりまして、勧告の趣旨を踏まえて、今後の原子力安全に対する国民の信頼を回復するよう努力をしてまいりたいと考えております。 勧告された諸点について、今回の法案における具体的な対応の主なものを申し上げます。 まず、国と事業者の責任の明確化については、これまで法令に位置付けられていなかった事業者の自主点検につきまして、定期事業者検査として定期的な検査を法的に義務付けることとしているわけでございます。 第二に、運転段階の安全を重視した規制制度の整備についてでございますが、ひび割れ等があった場合、事業者による健全性評価の実施を義務付けることとしており、その評価手法も、学会などが定めた民間規格を活用することによりできるだけ明確化することとしております。 第三に、情報の透明化については、経済産業大臣など一次規制庁に、原子力関係規制法の運用について公開の場で行われます原子力安全委員会に報告し、必要に応じて意見を求めることを義務付けることとしております。この原子力安全委員会の報告については、衆議院においてこれを更に強化する旨の修正が行われたところでございます。 さらに、軽微な事象についても勧告を踏まえて積極的に公表するよう事業者を奨励していきたいと考えております。この原子力安全委員会の報告につきましては、衆議院においてこれを更に強化する旨の修正が行われたところでございます。
○加納時男君 ありがとうございました。前回述べられた考え方が法律の形で反映されているというふうな御説明、理解をしたいと思っております。 ところで、今の御説明の二番目にあった件でありますが、供用開始後の原子炉の安全性を評価する基準が今まで日本になくて、今回それを明確にしたというのは私は大きな前進だと思います。大きな犠牲を払ったけれども、一つの前進が得られたと思っています。 アメリカでは、連邦の規制のやり方を見ていますと、アメリカ機械学会、ASMEと書いておりますが、のセクション11においてこれに準拠するべきだというようなことを連邦規制では言っているわけですけれども、日本でこのような基準を今回取り入れることにしたんですが、これまで遅れた理由は何でしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) いろいろの諸事情もあったかと思いますけれども、米国におきましては御指摘のとおり、アメリカの機械学会規格が策定されまして、一九九〇年代から米国の安全規制を担当しております原子力規制委員会の規制の基準として取り入れられてきたわけでございますが、我が国では米国と異なり、学会等におきます規格に係る活発な議論が行われるようになったのは最近でございまして、民間規格として制定されたのは二〇〇〇年になってからでございます。現在、二〇〇二年版の最新版が策定されております。これを受けまして、私ども保安院におきましては、昨年十二月から総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会におきまして、供用期間中の技術基準として検討が開始されたところでございます。 今般の不正事案の要因の一つは、ひび割れ等の不具合が発生した場合に、事業者が取るべき措置が不明確なため、十分な対応が取られていなかったことでありました。この反省に立ちまして、今回の法案ではひび割れ等の進展評価を義務付けるとともに、その手法として、学会等において策定された民間規格を国の規制基準として活用することとしたものでございます。 健全性評価の具体的手法につきましては、電気事業法第五十五条に基づきます省令において定めることとしておりますが、専門家等によります十分な議論を行いまして、国民各層の十分な理解を得るため、十分説明を行いつつ、対応をしてまいりたいと考えております。
○加納時男君 原子力安全・保安院が長年懸案であったこの問題に二年前から取り組んでこられ、今回、寸前のことで間に合わなかったわけではありましたけれども、実現に向けて努力されたことは評価したいと思っております。 さて、先週十二月五日に行われたこの委員会の参考人質疑の中で、健全性評価基準は事業者検査に適用するのはもちろんだけれども、国の定期検査にも適用するのか、すべきなのかという議論がありまして、参考人からは当然適用するべきだという意見がありました。これについては今度の法令ではどのようになっておりますでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 結論から申し上げますと、国の定期検査にもこの維持基準は当然適用されるものでございます。 この維持基準につきましては、事業者が法令上、定期事業者検査時に発見したひび割れ等の不具合について健全性の評価を行うことを義務付けております。その中で、安全性確保の確認の観点から、特に重要な設備については国が自ら定期検査により設備の健全性を確認することとなりますが、その際、国は事業者の行った健全性評価の妥当性を確認することとなります。 定期検査の対象設備にひび割れ等があった場合でも、事業者が行った健全性評価が妥当なものであれば、国が行う定期検査においても、その内容を確認した上で問題がないものとして取り扱われることになります。その意味で、国の定期検査でも維持基準が適用されることとなります。
○加納時男君 私は、今の回答で結構だと思います。 ただ、なぜ質問したのかといいますと、法案をすっと読んだときに、電気事業法第五十五条のところにこれが書き込まれています。五十五条は事業者定期検査のことでありまして、五十四条は国の定期検査のことでありますので、あれ、五十四条に入っていないなと思いましたけれども、今の御説明を聞くと大変よく分かりますし、これは今後省令を整備していく段階、あるいは我々もいろいろこれから議論ができると思いますけれども、是非、今の回答で結構ですから、進めていただきたいと思って、この質問はここまでにしておきたいと思いますが、なお補足があれば伺います。
○政府参考人(佐々木宜彦君) いわゆる傷等があった場合に、安全の評価をすべき対象設備につきましては、これは五十五条の省令に基づいて定めるわけでございます。その対象設備の中で特に安全上重要で、国が直接検査をすべきものを更にその中から選ぶことになると、こういう考え方でございます。
○加納時男君 非常によく分かりました。ありがとうございました。 さて、この間、読売新聞を読んでおりましたら、東大の名誉教授で現在慶応義塾大学の先生をやっていらっしゃる原子力保全工学の宮健三さんが「論点」に投書しておられました。そこで、ポイントは、故障があるから構造物の安全性は向上するんだという逆説の論理を唱えておられます。故障というとどうしてもとかく、今日午前中に同僚の藤原委員からも御指摘があったように、大事故のように報道されがちであります。これも午前中の議論の延長になりますけれども、故障こそ実は安全に向かっての大切なシグナルであると、警告を発しているんだと。熱があるよといって体に信号を送っているのと同じように信号を送っているんで、この信号を大切にして健全性を評価し、対策を講ずる等のアクションに生かすべきではないかと、こういうことを言っておられます。 それから見ていきますと、この故障というのと、それから事故というのは明らかに違う、まして大事故とは全く違う。故障をあたかも大事故のように扱うのはいかがかというのがこの宮先生の御指摘だったようですけれども、これお読みになっていたら感想を一言、院長お願いします。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今後行います健全性評価の結果あるいは原子力施設に関する軽微な事象を含めまして、事故、トラブルに関する情報を事業者、原子炉等のメーカー、大学、研究機関、規制当局あるいは国民の皆様などで共有し、安全確保対策に活用していくことは非常に安全性の実効性を向上させるとともに、より大きなトラブルの予兆を察知し、これを未然に防止する上で重要なことだと私どもも考えております。 また、事業者におきましても、これらの軽微な事象が運転管理上の安全確保に適時的確にフィードバックされる品質保証体制の充実が重要であることから、今後事業者の定める保安規定の中に品質保証体制について規定させることとしたいと考えておりますが、国はこれを保安検査によって確認していきたいと考えております。 さらに、設備や機能の安全上の重要度を評価し、これを考慮するというリスク評価の手法についても、こうした情報の蓄積を活用することでその検討を進め、より質の高い規制活動を行っていくことは可能だと考えているところでございます。
○加納時男君 ありがとうございました。その方向で是非進めていただきたいと思います。 大臣にひとつ伺いたいと思います。今日午前中に藤原委員から御質問があり、また松浦委員長答えられた原子力安全委員会と原子力安全・保安院の関係あるいはそういう組織の在り方についての考え方でございます。ベースとしては、これまた午前中に木俣委員が質問されたことでありますけれども、事業者から保安院、それから原子力安全委員会とはどういう関係になるのかという中での質問と是非考えていただきたいと思います。 安全の確保は、私は第一義的に事業者が負うべきだと思っております。その上で、その事業者のやっている検査が適切であるかどうかを言わば監査するのが原子力安全・保安院、その原子力安全・保安院の検査、監査が妥当であるかどうかというのをもっと高い立場から見るのが原子力安全委員会であると。だから、委員会と保安院とは全く同じことをやるダブルチェックというか、二重チェックというのは非効率なチェックであって、違った観点でやるべきではないだろうか。つまり、同じことを二度やるんじゃなくて、原子力安全・保安院が事業者検査をしっかりと国の立場で検査、監査をした、そのやり方がいいかどうかを原子力安全委員会は大きな高い立場から見て、それで指摘をし、あるいは指導をしていくと、こんなふうなことを、今日の午前中の議論、松浦安全委員長の回答を伺いながら考えていたんですけれども、大臣の御所感、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 原子力安全委員会と原子力安全・保安院が同じことを二回行うものではなくて、原子力安全委員会は監査的な立場からチェックを行うべきだ、これは先生の御意見だと思いますけれども、私どもも同感でございます。今般の一連の不正事案に関連いたしましても勧告をいただくなど、原子力安全委員会からは原子力安全の確保について、規制の在り方や運用について監査的な立場から御指摘をいただいた、このように私どもは理解をしております。 今回の法案というのは、ダブルチェック体制の強化のために規制を直接行う当省などの行政庁が、一つは原子力発電所に関する工事計画の認可、二つは定期検査や定期事業者検査の実施体制の審査などの各種の規制の実施状況について原子力安全委員会に報告をさせていただいて、そしてその意見を聞かせていただいて、保安の確保のために必要な措置を講ずることを盛り込んでいるわけでございます。 さらに、原子力安全委員会においては、規制当局だけではなくて事業者からも情報収集を行って、規制当局がその任務を適正に遂行しているかを確認をいたしまして、必要な場合には改善を指示することによりまして監査的な体制をより強化させた形で発揮させるものと考えております。 また、私は、加納先生おっしゃるようにやっぱり一義的には事業者が行う、こういうことでございまして、そしてその上でしっかりぴちっと分かれた形のダブルチェック体制、原子力安全委員会がより監査的な立場でしっかりと行うと、こういうことで安全を担保していく、こういうことだと思っております。
○加納時男君 非常に明快にありがとうございました。 一義的に事業者が責任を負っている、その上に今度は国が見るときはただ事業者がまじめに検査をやったかどうかだけ見るんじゃなくて、物によっては国が自ら乗り込んでいって、抜き打ちでダブってもいいから検査をするということはあるし、もちろん定めている検査のほかに、そういうことも今回の法律で読めると思います。そういう意味では非常に強化されたと思っています。 その上で、安全委員会がそうやっている原子力安全行政が的確かどうかというものを見るし、場合によったら直接原子力安全委員会が状況を聞くこともあるというので、非常に今の大臣の御説明分かりやすかったと思います。ありがとうございました。是非その方向で進めて再発防止を願いたいと思っております。 最後になりますけれども、少し政策的なことを大臣に伺いたいと思います。 十一月の二十八日に核燃料サイクル協議会が開かれたと伺っております。大臣も御出席かと思いますので、これについてお伺いしたいと思っています。 この協議会には関係閣僚、それから青森県知事、電気事業連合会の代表などが出席して、この席の前に、木村知事からは三点ほど要望が出ていたと思います。 つまり、今回の不正事件を契機として原子燃料サイクル、核燃料サイクル政策に、政策に変更があるのかどうか。二つ目は、安全管理体制の改善を図ってほしいけれども、それはどうか、安全管理。三つ目は自治体の立場、原子力立地自治体の立場を尊重することという大変厳しい要求が木村知事から出ておりまして、これに対して回答されたというふうに新聞で拝見しましたけれども、どのようにこの要望について回答されたのか。そして、その回答を知事はこんなのじゃ困るよと言ったのか、評価されたのか、これ一番知りたいところでありますので、お願いいたしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お尋ねの第六回核燃料サイクル協議会、これは御指摘のように十一月二十八日に開催されました。私と木村青森県知事に加えまして内閣官房長官、それに細田科学技術政策担当大臣、さらには遠山文部科学大臣、そして事業者の方々等が出席をしまして、知事からの要望について協議をいたしました。 知事からの御要望の一つである原子力安全・保安院の経済産業省からの分離・独立、このことを知事は言われました。これに関しましては、私から、一つは現在のダブルチェック体制が最も有効である、二つ目は国の安全体制の強化が重要であるとの観点から、審議中の法案に盛り込まれている自主検査の法律的な位置付け、さらには原子力安全委員会の充実強化策等を説明をさせていただきました。そして併せて、木村知事のお考えやその後の国会での審議等を踏まえて幅広く議論をし、国民の原子力行政に対する信頼の回復を図っていくことが大切であるとの考え方を述べさせていただいたところでありまして、それからまた、もう一つの御要望である原子力立地道県と国との立場を原子力基本法等に位置付けることに関しては、細田科学技術政策担当大臣から、原子力立地道県と国との相互理解と意思疎通を図りまして、幅広く検討していく場を設ける旨述べたところでございます。 もう一つは、エネルギー政策、原子力を含めて不変かどうか。この基本方針は全く変わらないと、こういうことで述べさせていただきました。 こういったことに対して、木村知事からは、こういった国の対応については評価をされまして、今後とも政府一体として真摯に検討を続けてくれるように要望がされたところでございます。また、国への協力については、国が真摯に取り組んでいる限り青森県からは無用の混乱を起こすことは回避すべきとして、今回の回答を了としていただきまして、このことについては約束をすると、こういう力強いお言葉をいただいたところでございます。
○加納時男君 大臣ほかの回答を評価し、それから真摯にこれからも検討を一緒にやっていこうということ、そして回答を了とするというお話をしっかりと承りました。ありがとうございました。 今の関連でございますけれども、今度は大臣のお考えを伺いたいんですが、今回の事件があった、こういうことからエネルギー政策が変わるのではないかということを盛んに言われております。今の青森県知事への回答では変わらないよということでありますが。 今後のエネルギー政策と原子力について、エネルギー政策基本法が今年の六月に議員立法で成立したわけでありますが、これに基づきどのようにお考えになるのか、それがこの不正記録事件による変更があるのかどうか、ここを是非伺いたいと思っております。いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 政府といたしましては、エネルギー政策基本法において明らかにされた「安定供給の確保」、「環境への適合」、それから「市場原理の活用」という基本方針にのっとりまして、今後のエネルギー政策を長期的、そして総合的かつ計画的に推進をしてまいりたいと、まずこのように考えております。 原子力発電につきましては、燃料供給の安定性に加えまして、その発電過程においてCO2を排出しないという環境特性から、基本方針にのっとったエネルギー政策を遂行する上で不可欠な基幹エネルギーとして、その導入を積極的に進めていく必要があると認識をしております。 しかし、今般の事案により、原子力政策を推進する上で前提となる原子力の安全に対する信頼が損なわれたということは大変遺憾であると私ども思っておりまして、今後は、地元の方々を始め、原子力行政に対する信頼の回復のために万全を期していかなければならない、このように思っているところでございます。
○加納時男君 おっしゃることは極めて大事なことだと思っております。 エネルギー政策基本法は、もう大臣もおっしゃったとおりでございますが、政策の基本は、何となく安全保障と環境と自由化が並んでいるんじゃなくて、安全保障と環境を揺るぎなき前提としてベースに置き、その上に市場原理を発揮させて自由化を積極的に推進しようということが国会での意思でございますので、そういった方向でこれから原子力以外の分野でもエネルギーの政策のかじ取りを是非よろしくお願い申し上げたいと思います。 最後になりますが、ごらんになっているかどうか、十一月十二日付けの東京新聞なんですけれども、の一面にびっくりするような見出しがありまして、電力会社の五分割を何か検討しているということ。だれかが検討しているらしいんですけれども、だれかというと、恐らくどこか官庁ではないかと普通思いますよね。その後、何か大臣が記者会見で、こんなのは聞いたことないとか否定されたというふうな記事もちょっと拝見したんですけれども。 これは一体何なんでしょうか。これはいろんな雑誌に後、取り上げられておりますので、大臣が、これらについて、そういうことも実は考えているとおっしゃるのか、考えていないとおっしゃるのか、是非伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御質問にありましたような、当省から東京電力に対して五分割案を打診したという事実は一切ございません。 電気は経済社会活動の基盤でございまして、その効率的な供給と同時に安定供給の確保が求められておりますが、これまで我が国におきましては、東京電力を始めとする垂直統合型の一般電気事業者が主体となって電力供給設備の整備あるいは原子力発電の推進等を通じて電気の安定供給という社会的責務を担ってきた、こういうふうに考えております。他方、小売自由化の進展に伴いまして、送配電部門の中立性の確保も重要な課題となっておりまして、これについては、まず情報遮断など適切な措置により十分その確保が図れるかを検討すべきものと考えております。 いずれにいたしましても、我が国の電力供給システムの在り方については、総合資源エネルギー調査会電気事業分科会で精力的に御審議をいただいているところでございまして、その結論も踏まえて適切な制度設計を図っていかなければならないと思っておりまして、私どもとしては、この十一月十二日付けの東京新聞の記事というのは全く事実無根と、こういうことでございます。
○加納時男君 事実無根である、考えていないというふうに理解いたしました。 実は、これはアンバンドリング、発送、配電をばらばらにしちゃって無責任体制、系統一貫の責任体制から無責任体制を作り、ハゲタカファンドとは言いませんけれども、外国系の企業に切り売りをして、そして日本を壊滅させるんだというようなシナリオが某国でのっているということを「財界展望」だとか「選択」という雑誌が取り上げておりましたので、その引き出しにこの記事も使われていたので確認をしました。 私はもう、そんなことは大臣考えているなんて全然思っておりませんし、あくまでもこのベースはエネルギー政策基本法の原則、セキュリティーと環境の原則、その上に立っての自由化というところでしっかりやっていくんだというさっきのお話ですべては解決していると思いますので、大臣を御信頼申し上げ、責任のあるエネルギー行政をやっていただきたいと思っております。 御質問したい事項たくさんあったんですけれども、実は午前中の同僚の木俣委員それから藤原委員が非常にいい質問をしていただきましたので重複を避けまして、若干時間は残しましたけれども私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○近藤剛君 自由民主党の近藤剛でございます。 引き続きまして、電気事業法及び原子炉等規制法の改正並びに原子力安全基盤機構法案に関連し、質問をさせていただきます。 この法案の提案の御説明に当たりまして平沼大臣が述べられましたとおり、原子力発電所の自主点検作業にかかわる不正な記載や原子力格納容器の定期検査における不正な操作は、これまでの原子力の安全確保に関する国民の信頼を大きく損なうものでございました。今後、原子力の安全性に対する国民の信頼回復には、国と事業者の責任分担の明確化、そして運転段階の安全を重視した規制制度の整備、加えて情報の公開と透明性の向上がまず必要であると考えておりますが、原子力の安全性に対する国民の信頼回復に向けての平沼大臣の御決意を改めてここに総括的にお伺いをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回の東京電力によります一連の不正の事案に関しましては様々な点で問題点が指摘されたところでございまして、当委員会でもその点の大変強い御指摘があったと思っております。 一つは、自主点検にかかわる部分において虚偽の報告、データの改ざんあるいは捏造、こういうものがありまして、これが国民の原子力行政に対する大変信頼を損なったと、こういうことは非常に私どもは遺憾に思っておりまして、国といたしましてもそういったことをしっかりと見抜けなかったと、こういうことは大いに反省をしているところであります。 また、当件に関しまして、御承知のように申告がございました。その申告があってから二年という期間が経過をいたしました。そのことに関しましても大変、申告制度というものが、その準備をされながら二年も掛かってしまったということも行政として非常に反省すべき点があったわけでございまして、こういったことを総括をいたしまして、実は今回のこの法案も、二法お願いをしているところでございまして、私どもとしましては、国民の信頼を回復することが第一義だと思っておりまして、そしてこの法案を含めて、そしてまたこの国会の場で御審議をいただいて、そしていろいろ御意見もちょうだいした、そういったことをすべて総合的に勘案をさせていただいて、これからの安全体制というものを更に一段と強化をして、一日も早い国民の信頼回復に努めていかなければならないと、このように思っております。
○近藤剛君 よく分かりました。 大臣のそのような御決意に沿いまして、今般の二法案に基づいて諸施策が効果的に実施に移されることを大いに期待いたしたいと存じます。 しかし、今回の措置によりましても、原子力の安全性が必ずしも完璧に確保されるわけではないということも、我々としては同時にしっかりと認識しておく必要があろうかと考えます。例えば、技術的にも安全面で一層の改善の余地があろうかと思いますし、また素材的にも更なる研究が必要だろうと思います。 そこで、お伺いをいたします。 去る十一月二十九日に閣議決定をされました新年度予算編成の基本方針におきまして、IT、ナノテク・材料などを含めました科学技術の研究開発を重点的に推進されることとされております。当然、原子力の安全性向上に関連する研究開発もその対象となっているものと考えますが、具体的に来年度以降の展望も含めてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 科学技術振興策につきまして、本年六月十九日に、総合科学技術会議に政府全体の戦略が検討され、同会議で決定されました「平成十五年度の科学技術に関する予算、人材等の資源配分の方針」において、原子力の安全性向上のための施策は、いわゆる重点四分野には含まれておりませんが、特に重点的に推進すべき領域事項として取り上げられているところでございます。具体的には、「エネルギーの安全・安心のための研究開発」の中に、原子力利用の安全対策技術の調査研究及び開発が挙げられております。 こうした安全分野での研究については、日本原子力研究所や核燃料サイクル開発機構などのほか、原子力安全・保安院においても、原子力発電施設についての検査手法や検査技術の高度化、耐震設計評価手法の高度化、高経年化対策、原子力施設の安全性の向上に向けた技術的知見の収集や安全性の実証等を推進しておりまして、今後は、今回、設置法を提出させていただいております原子力安全基盤機構がこれらの実施に当たることとしております。 また、原子力安全・保安院の原子力安全実証解析関連予算額は、平成十四年度は約百六十八億円となっておりますが、今回の問題を踏まえまして、今後検査技術の実証などを強化すべく、予算要求等、検討を行っているところでございます。
○近藤剛君 分かりました。 平成十五年度以降も踏まえた、より戦略的なアプローチが必要だろうと思います。よろしく御検討をお願いをいたします。 さて、原子力の安全性の確保は、また別の角度からの対策も必要であろうと思っております。 昨年の九月の十一日、私はたまたまアメリカの首都ワシントンに滞在しておりました。当時、原子力発電所へのテロ攻撃の可能性も予測されておりまして、アメリカ政府の関連機関、特に原子力規制委員会、NRCなどが大変緊張した状態だったということを現地で知りました。 テロ防止の観点から、我が国におきましても、原子力施設についての防護についていろいろな対策が立てられていると思いますが、具体的にどのような取組を行っておられるのか、その現状、それから、これからの施策につきまして、できるだけ具体的にお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 前半、私からちょっとお答えさせていただきます。 九月十一日のあの同時多発テロが起こりまして、私どもも原子力発電所の安全について大変、担当大臣として問題意識を持たせていただきまして、閣議の中の閣僚の懇談会の中で私は問題提起をさせていただきました。 従来は、原子力発電所というのはその警備というのは民間が主体的にやっていると、そして防護さくがあって監視カメラがあって、そしてそういう形で万全を期しているわけでございますけれども、もし大変高精度の武器を持ってそこに突入をしてくるようなことになりますと、結局、それまでの体制ですと、大体、原子力発電所というのは海岸べりで人口が稠密でないところに所在しております。そうなると、まず最寄りの警察署に電話をする、そうすると警官がそこに駆け付けてくると、こういう形になっています。 ですから、そういう現状を申し上げて、やはりテロの対象になるのでここは何とかすべきである、こういうことで、機動隊が原子力の発電所、そこをしっかりと安全を確保すると。それから、沖合には、大体、海岸に立地しておりますので、海上保安庁の巡視艇が常時警戒の、そういう一つの体制をしく、こういう形でとりあえずはやろうと。こういう形で、危機管理の担当大臣も協力をしていただいて、そういう体制を組ませていただいたところです。 それから、機動隊の方のいわゆる装備に関しましても、これはやっぱり向こうが重装備で来るとそれに対抗すべきことが必要であるという形で、小型の自動小銃、これも携行するようにしようと、こういう対策を講じさせていただきました。 私は、九月十一日の後、そういう形でそこまでの体制を一応しきました。そしてさらに、現状については政府の委員の方から御返事があると思います。
○政府参考人(奥村萬壽雄君) 議員御指摘の昨年のアメリカでの同時多発テロ事件以降の国際テロ情勢の高まりを踏まえまして、警察では各種の重要施設の警戒強化を行ってきておりますけれども、なかんずく原発等の原子力関連施設につきましては、これが破壊されました場合の重大性にかんがみまして特に強化を行ってきているところでございます。 具体的には、今、大臣からお話がありましたように、機関拳銃やライフル銃を装備いたしました機動隊の銃器対策部隊、これによりますところの原子力関連施設の警戒隊を編成をいたしまして、原発等の施設管理者とも必要な連携を十分に取りながら、二十四時間体制で今は警戒警備を実施しているところであります。 今後とも、情勢に応じまして体制の強化あるいは装備資機材の充実を図りながら、原発の警戒警備には万全を期してまいりたいと考えております。
○近藤剛君 ありがとうございました。 情報面も含めまして、是非、他省庁との連携も深めて、総合的に対応を検討していただきたいと思います。 また、最近は、イラクや北朝鮮の核開発疑惑に加えまして、アルカイダも核物質を所有していると、そのような報道もございます。核拡散防止の観点から、我が国の輸出管理体制がどのようになっているのか、この際、念のためお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(細川昌彦君) 委員御指摘の核兵器の拡散防止の観点からの、我が国では外為法に基づきまして厳正な輸出管理を実施しております。 内容としましては二つございます。一つは、従来より、関係国の国際合意に基づきまして規制品目というのが合意されております。原子力の専用品あるいは汎用品につきましての規制品目でございますが、このリストに基づきまして輸出許可体制をしいております。二つ目は、委員御指摘の、昨年九月のアメリカの同時多発テロを契機にいたしましてテロによりますリスクが高まったということで、今年の四月から原則すべての品目につきまして、大量破壊兵器の開発に用いられるおそれがあるという場合には輸出許可の対象にするという言わばキャッチオール規制というものを導入いたしております。 今後とも、こういう規制を通しまして実効ある規制を実施してまいりたいと、かように考えております。
○近藤剛君 ありがとうございます。 今、キャッチオール規制のお話がございましたが、またこれは一方では民間企業に大変な負担を掛ける話でもございます。是非、情報データの整備あるいは国際的な連携を深めるというようなことによりまして、できるだけ窓口を一元化をして効果的な管理体制がこれからも更に整備されるように御努力いただきたい、そのように存じます。 それでは次に、今いろいろと安全面についてのお話をさせていただきましたが、そのような原子力の安全性確保を前提としたこれからの原子力行政の在り方につきまして総括的にお伺いをしたいと存じます。 エネルギーをめぐる世界の情勢は近年大きく変化しつつあることは御承知のとおりでございます。先ほどもお話がございましたように、その第一は環境問題であろうかと思います。我が国は、本年の六月、京都議定書を批准をいたしました。九月に行われましたヨハネスブルグ・サミットで、他の参加国とともに京都議定書の早期発効努力を宣言をしてもいるわけであります。地球温暖化を防止するためのCO2を主体とする温室効果ガスの排出削減を実現するための取組を強化する必要性は一段と高まっております。そして、エネルギー消費国としての我が国のそれに対する努力は当然の責務であろうかと思っております。 第二は、先ほどもお話しございましたように、エネルギー安全保障の問題でございます。我が国の原油輸入の中東依存度は九〇%近くまで上昇をしております。近隣アジア諸国の中東石油への依存度も上昇を続けております。流動的な中東情勢にかんがみまして、全面的な資源外交の見直しもある意味では必要ではないか。そして、更なる供給源の多角化も当然のことながら必要であろうかと思います。 また、地球温暖化対策、そしてエネルギー総合安全保障の両面から、原子力推進の必要性はますます増大をしていると考えております。原子力発電開発投資は非常に巨額であり、また投資回収期間の長いものでございます。しかしながら、長い目で見て、我が国にとりまして必要不可欠な投資でもあろうかと、こう思います。 一方で、日本の産業の高コスト体質を改善するための方策の一つとして、エネルギーコストの低減が強く経済界全体から求められております。経済合理性の更なる追求をねらいとした電力自由化の推進が必要とされているわけであります。 このような観点から、電力分野におきます原子力発電の推進、そして自由化の推進、この二つを両立させる上でどのような施策が必要と考えておられるのか、大臣のお考えを是非、プルサーマルの問題等も含めまして総合的にお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 非常に本質的な、また広範囲にわたる御質問でございました。 地球温暖化、京都議定書、これを日本はもう批准したわけでございますけれども、これはやはり日本は国際的に公約をしたことですから、これを守っていくということは非常に大切なことだと思います。そういう中で、やはりCO2の排出量というものを削減をしていかなきゃいけない、こういう観点からエネルギーを考えますと、これはもう近藤委員御承知のように、百三十万キロワットの原子力発電所一基で二酸化炭素の排出量を〇・七%削減できると、こういうことでございまして、そういう意味からも、安全をいかに担保しつつ国民の信頼を回復して、そして国の基本計画にのっとって原子力発電の推進をしていくということは、これは地球温暖化の面からいっても非常に私は大切なことだと、こういうふうに考えているところでございます。 また、エネルギーの安定の供給と、こういう面から考えますと、今、一次起源のエネルギーの五二%は、これは石油に依存しておりまして、そのうち八八%が中東に偏っていると、こういうことでございます。 原子力発電は、今の段階では大体一二%ぐらいでありますけれども、やはり将来的には原子力を推進をしながら、やっぱりエネルギーを安定的に、そして非常に翼を広げてしっかりとエネルギーを確保するということは大事でございまして、我々としては原子力の推進、さらには新エネルギーを含めてとにかくたくさんの入手ルートを確保して、そしてその安全性、安定性を確保すると、こういう形でございまして、新エネルギーに関しましても、私どもとしましてはこれは予算を大変つぎ込みまして、毎年毎年予算の要求額を増やして新エネルギーの拡大に努めているところでございますし、また、やはり分散という面では天然ガスということも重要なことでございますので、今回のエネルギーの一つの基本的な政策の中で特に天然ガスということにもやはりこれから軸足を置いてやっていこうと、こういうことにさせていただいたわけであります。 そういう中で、プルサーマルについてもお話がございましたけれども、我が国は、御承知のように、天然エネルギー資源のない国でございますから、いわゆるこのプルサーマルということをやっていくということは我が国のエネルギー事情に非常に合致することでございまして、そういう中で、我々としてはプルサーマル計画というものも、これを国民の信頼をしっかりと得ながら安全性を担保して私どもはやっていかなければならないと、こういうふうに思っているわけです。 そしてまた、自由化という問題についてもお話がありましたけれども、先ほどの御答弁でも申し上げましたけれども、やはり消費者ということを考えますと、自由化をすることによってやはり高コスト構造と言われている日本の中でコストを下げると、こういうことも私どもは重要な視点だと思っています。そういう意味で、既に大口の需要家に対するいわゆる自由化というものをやりまして、その結果として、これは電力料金というものが下がってきたことは事実です。 しかし、この自由化を考えるに当たっては、安定供給ということを考えますと、極端に自由化に走りますと、他山の石とすべき事例というのは諸外国にあるわけでありまして、例えばアメリカのカリフォルニアの電力クライシスなんということで、結果的には大変消費者に迷惑を掛けますし、コストが高いものに付くと、こういうこともありますから、そういうことを含めて私どもは自由化というものは考えていかなければならない。 ですから、消費者のニーズというものも踏まえながら、ドラスチックな形ではなくて、やっぱり国民の理解を得つつ、そういったところを原子力政策と合わせて私どもは総合的に考えていかなければいけないんじゃないか、こういうふうに思っておりまして、いろいろたくさん御質問いただいたんですけれども、そういう基本的な考え方で私どもはやってまいりたい、このように思っています。
○近藤剛君 いずれにいたしましても、いろいろな意味でこれからバランス感覚がより一層重要になってくるんだろうと存じます。ありがとうございました。 それでは次に、原子力発電推進の視点から、法定外普通税の核燃料税についてお伺いをいたしたいと思います。 つい最近、法定外普通税であります核燃料税にかかわる福島県の増税案に対して、地方税法の手続に従って総務相は同意を与えました。地方税法第二百六十一条第三号には、道府県法定外普通税について、国の経済施策に照らして適当でないことと認める場合を除いて、総務大臣は同意しなければならない、そのような規定がございます。 本件福島県の増税条例は、国の経済施策に照らして適当でないと私には思えるわけでございます。少なくとも原子力エネルギー行政の主務官庁である経済産業省に事前協議があってしかるべきであったと思われますが、この点を含めまして、経済産業省の見解をお尋ねいたします。
○副大臣(高市早苗君) 今般の核燃料税の増税につきましては、経済産業省といたしましては、納税者の納得を得ないままに大幅増税を行うことの問題点、それからこうした動きがほかの原子力立地地域に波及するおそれを指摘いたしつつ、エネルギー政策の観点から強い懸念を表明してきたところでございます。 地方税法その法律自体には、総務相が同意する、そして不同意という決定の際に、経済産業省に相談をしなさい、協議をしなさいという規定はないんですけれども、ただ本音のところを言えば腹を立てております。当省といたしましては、やはり様々な、先ほど申し上げましたような懸念をあらゆるレベルでお伝えしてきたわけでございますし、また地方財政審議会の場でもその考えを表明してきたところでございます。 ただ、福島県の条例案に対する同意に際しまして、総務大臣から福島県に対して、納税者である東京電力に対し十分な説明を行うことと、それから条例の妥当性について検証を行い、必要に応じて見直しを含め検討することについて強い要請があったと聞いておりますので、今後、福島県と東京電力の間の協議を注視してまいるといったところでございます。
○近藤剛君 お考えは分かりました。 我々としても、エネルギー政策の基本が今後、特定地域の財政事情によってゆがめられることがないように、国と地方の税源にかかわる関係、そして要すれば地方税法二百六十一条の見直しについても検討してまいりたいと思っております。 それでは最後に、原子力発電の運転停止の状況と影響についてお尋ねをいたします。 先ほど、午前中もお話がございましたように、今般の一連の不正問題に関連する行政処分、あるいは定期検査その他の事由によりまして運転停止している原子力発電機はたしか十二月五日現在二十基に達している、合計して千七百万キロワットに及んでいる、そのように聞いております。 この影響は、電力需給バランスだけではございません。CO2の排出量、あるいは最近では重油、石炭等の国際商品相場にも大きな影響を与えていることは御承知のとおりであります。これら影響に対します経済産業省の考え方と国の対応についてお答えをいただきたいと存じます。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 炉心シュラウドあるいは再循環系の配管のひび割れが確認されました原子力発電所の健全性につきましては、総合資源エネルギー調査会の小委員会で専門家の意見を聞きつつ評価をしていくことにしておりまして、昨日までに二回開催をいたしまして、今後の点検、調査の進め方あるいは設備のひび割れに対する米国原子力規制委員会の対応について、米国から来ていただいて審議等を行ったところでございます。 現時点ではこれらの原子力発電所の運転再開について具体的な見通しを持っているものではございませんが、今後、当省の評価結果について原子力安全委員会の評価も受けまして、さらに地元に対しても十分説明を行い、理解を深めていただくことが必要と考えております。 電力の需給バランスでございますけれども、現時点におきましては、東京電力の全原子力十七基千七百三十一万キロワット中九基八百六十三万キロワットが行政処分による運転停止のほか、定期検査や点検のために運転を停止をしております。さらに、この冬場におきまして、四基の原子力発電所が定期検査に入る予定となっております。これらに加えまして、残りの四基につきましても、格納容器漏えい率試験を行う日程を現在東京電力が検討中と聞いております。 私ども原子力安全・保安院といたしましては、資源エネルギー庁からお聞きしているところによりますと、この冬場の電力需給については、停止している火力発電施設の運転の再開、定期検査時期の調整などにより、必要な供給力を確保をする予定と聞いております。これらの対策を講ずることによりまして何とか安定供給が確保されるということでございますけれども、厳冬によります電力需要の増大等の不安定要因もあることから、引き続き需給の動向を注視していくことが必要だ、かように聞いているところでございます。
○近藤剛君 今お答えございました需給関係だけではございませんで、温暖化ガス排出量の問題あるいは国際商品への影響等もあるわけであります。これからの原子力行政にありましては、是非、そのような点も含めまして総合的な判断をお願いをしたいと存じます。 これで私の質問は終わります。ありがとうございました。
○松あきら君 よろしくお願いいたします。 午前中から各先生方がすばらしい御質問をなさいまして、私が伺おうと思っていたことは全部質問で出ちゃったという形でございます。多少か、あるいはもう少し多いかもしれませんけれども、重なる部分はお許しをいただきたいというふうに思います。 今回、東京電力の原子力発電所における二十九案件の問題に始まりまして、一連のトラブル隠しなど、正に、点検、検査をめぐる不正、不適切な事案の発生は、原子力の立地地域の住民の皆様を始め国民の原子力に対する信頼を著しく失墜をさせたわけでございます。 言うまでもございませんけれども、原子力問題は単なるエネルギー政策の一環にとどまらず、国の危機管理に対する姿勢にもかかわっております。原子力の技術はほかのハイテク技術に比べましてその破壊力は圧倒的であり、独自の危険性も秘めております。 かつて、旧ソ連の生物学者でありますZ・A・メドベジェフ氏は、その著書「チェルノブイリの遺産」の中で、一九八六年四月のチェルノブイリ原発事故がなぜソ連で起きたのか、この問題について興味深く書かれているんですけれども、それによりますと、ソ連の政治・経済体制が過度に官僚的、硬直的体質に染まり、民主政治とは縁遠いシステムにあったからであると、こんなふうに述べておられるんですね。今回の不祥事の背景には、その官僚的あるいは硬直的な体質というのがやはりあったのではないかなという気が私はするわけでございます。 原子力技術を始めとして現代の科学技術は高度に専門化をし、また自己増殖化し巨大化していく中で、国民にとっては容易に理解をできず、ますます縁遠い存在になっております。今回の電力会社の一連の不祥事で浮かび上がった根本的な問題は、国民と原子力事業者の間にやはりこれは断絶が生じていたからではないでしょうか。今なすべきことは、原子力という科学技術、そして行政、そして国民の三者の接点をどのように創出するかということではないかと思います。これにつきまして、改めて大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 松先生から非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。 今までも非常にこの三者の意思の疎通、そして信頼関係を高めるという努力はしてきたことは事実です。しかし、それがやはり不十分であり、その結果、今回のような事態が起こったと、こういうふうに思っています。 これまでもやはり国民の皆様方によく知っていただかなきゃいかぬということで、文部科学省の御協力をいただきながら、百万部というような副読本を作って、そしてそこを採用してくださるところには学校の現場で教えていただくと、こういうこともしてきましたし、また事業者も事業者で一生懸命努力をしてテレビ等を使う広報活動も、先生もごらんになったと思いますけれども、原子力というもののいろんなこともテレビでは流してきておりましたし、また定期的に見学会等を設けて、そして幅広く国民が原子力発電所の実際現場に行ってそこで説明を聞くというようなこともやってきました。また、政府も一生懸命広報に努めてきたわけでございますけれども、しかしやはりこの三位一体となってというような形で考えますと、まだまだ不十分だったような、そういう反省もあります。 そういう意味では、いかに国が基本的なこのエネルギー政策の柱でございます原子力に対して国民の皆様方のやっぱり本当の理解をいただく、こういう努力はもっともっとやらせていただかなければ私はならないと思っておりまして、これからもそういう形ではしっかりとやっていきたいと思っています。 また、立地の方々についても、私どもとしてはその立地の皆様方にこれまでも随分説明をしてきたと思いますけれども、しかし今回の事案が起きますと、立地の方々が上京されてきて、今までやったことは全く我々は何だったのかと、全く信用できないというようなお言葉もありました。ですから、これも原点に立ち返って、そういういわゆる立地の方々との意思の疎通もしっかりやらせていただくこと。 それから、やっぱり国民的なレベルでは、立地地域とそれから消費地域というものが非常に遊離をしてしまっている、そういう実態があります。そこで、私どもとしては、まだ一回しか開いておりませんけれども、例えば立地地域の知事さんを始めその関係者と東京のような最大の消費地の知事さんを始めとして、そういう対話、そして一般の市民が参加していただいてそこで原子力を考えるというような対話集会も一回やりましたけれども、これからもそういうことをやっぱり精力的にやっていく。 そういう形で、私どもといたしましては、御指摘のように、国とそして立地の地方と、そして国民の皆様方、ここがやっぱり三位一体となってお互いの共通の意識が生まれてくれば、私はこの信頼というものが醸成されてくる、こう思っておりますので、そういう大切なことでございますので、これからそのことは更にしっかりやっていかなきゃいかぬ、このように思っています。
○松あきら君 ありがとうございます。 私も、実は立地地域の皆様とそして消費地域ですね、都市部の皆様、この接点、先ほど大臣この接点をいかに作っていくかということを、一度会合を持たれたということですけれども、やはり私は利益を得ている消費地域、都市部に住んでいる私たちが、立地地域の皆様は御苦労をしながら立地をしてくださっているという事実をこれやっぱり分からせないと。ですから、例えばテレビなどでもそういう、あ、自分たちは非常に恵まれているんだな、立地地域の方たちの御苦労があって自分たちがあるんだなと分かるような、何かそういう広報活動もすべきであると、これは以前に政務官のときに申し上げたこともあるんですけれども、是非その点もよろしくお願いを申し上げたいと思います。 今回のこの問題は、これを放置すればやはりエネルギーの安定供給確保という面からも国民生活に重大な影響を及ぼすおそれがあるというゆゆしき事態であり、我が国の原子力政策、さらにエネルギー政策の根幹を揺るがす極めて深刻な状況にあるというふうに思います。 先ほど来、十七基だ、二十基だ、やれ何基だというふうに出ておりましたけれども、先ほど院長のお話では、現在止まっているのは点検も含めて十七基で、これからあと四基点検も含めて止めることがあるというようなお答えだったというふうに思いますけれども、それにしましても、やはりこの代替には火力などで代替しているということでございますけれども、先ほど高市副大臣の御答弁の中に、国民の料金負担には今のところ変動はないということで少し安心をいたしましたけれども、やはりエネルギーの安定供給は国民経済と生活の基盤であるわけでございます。原子力発電は二〇〇〇年度実績で全発電電力量の三四・三%を占めておりまして、安定供給及び発電過程ではCO2を出さないという、こういう点からもエネルギーの無資源国日本といたしましてはこれをもう利用していかなければならないのはやはり私は当然であるというふうに思っております。その大前提が国民の理解と信頼であるというふうにも思っております。 その意味で、今回の一連の電力会社によるトラブル隠しは国民の信頼を裏切る行為であったと、これはどうしても言わざるを得ないというふうに思います。今後、国民の信頼、なかんずく発電所の立地の自治体との信頼をどのように取り戻すかというのが大きな問題です。 実は、今日の新聞に木村知事がこんなことをおっしゃっておりました。国と地方との関係はどうあるべきかということで、両者はもっと話し合うべきだ。国に面会を求めても会わないということがしばしばあった。国は、地域の不安の度合いなどを肌で受け止める力が足りない。立地自治体のあいまいな立場と権利を法律に明記し、国との正式な協議の場を作ってほしい。政策の節目節目で地元に意見を聞いたり、調整したりする場だ。そうすれば、地元は明確な責任と権利を持って原子力政策にかかわれると。 私は、やはり大事なことかな、やっぱり肌で知ってほしい、まだ国は肌で感じていただいていないというのがやはり私は立地の自治体の皆様のこれは正直なお気持ちじゃないかなというふうに思います。 確かに、原子力というのはまた高度な科学技術によるもので、一般国民にはなかなか分かりにくいと。しかし、国民に分かりやすく説明するというこの点でこれまでその努力がかなり欠けていたんじゃないかと私は思うんですね。先ほど午前中の藤原先生の御質問もいい御質問だったんですけれども、情報公開という点について藤原先生は、安全上どのレベルかをはっきりさせるべきではないかというようなことを御質問なさったんですけれども、私もそれは大賛成で、それは当然だなというふうに思います。大臣も、情報発信をします、そしてこれから十分な解説や説明をしていかなければならないというふうにもお答えになっていらっしゃいますけれども、やはりその意味で安全性の確保に関する技術的、科学的説明能力を高めていくことが今後是非とも必要であると考えるんですね。 ちょっとあれなんですけれども、日本は地震立国というか地震国ですよね。プレートというのが挟まれていまして、日本はそこのプレートの上に日本という国はある、これはよく分かっている。そして、分かっているけれども、詳しいことは分からないけれども、いったん地震が起こると、テレビなどをぱっとつけると、今どこそこで地震があって、震度幾つで、マグニチュードは幾つで、どこそこ地域は例えば津波の心配はちょっとあるかもしれない、でもどこそこにはないとか、あるいは全面的に津波の心配はありませんとか、こういうふうに出るわけですよ。国民の皆様は、だから地震は物すごく起こりやすい国だという不安はあるんですけれども、でも、何かあったらすぐNHKなりあるいはほかの放送局なりが、つければ教えてくれるという、やっぱりここに安心感があるんですね。 ですから、私は、科学的に情報公開しろ、説明しろ、何をしろ。やっていますよと言っても、国民の皆様には、例えばシュラウドという言葉は私も実はこの問題が起きるまで知りませんでした。テレビでシュラウド、シュラウドとよく使っているんですけれども、見ている方はだれもシュラウドなんて分からないんですよ。だから、そういうこともきちんと、国民の皆様のレベルというと変ですけれども、だって分からないのは当然です、専門的にそんなの勉強していないのは当然なんですから。 ですから、ちょっと頭のスイッチ切り替えていただきたい。何も私は、どこかの原発で傷が入ったから、どこそこ原発で傷が入りまして、これは保安院の定める漏えい率の〇・五%未満を下回っていますから心配ありませんと言う必要はないけれども、仮にそこまでしてくれると、ああ、何か物すごく努力してくれているなと、そして国民に分かりやすい情報公開をしてくれるなと、取組についても何か前向きだなとも思ってくださるでしょうし、あるいは立地自治体との新たな信頼もこうした努力によって築くことができるのではないかなと思いますけれども、雑駁ですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほど藤原先生のときの審議のときにも出ておりましたけれども、情報を公開してきめ細かくやるというのは、それは必要なことだとは思いますけれども、過度にやりますと、それはまたマイナス作用があることもこれは御指摘のとおり事実だと思います。 要は、いかにしっかりと、国も事業者もしっかりとやっているかという根本姿勢が国民の方々に分かることが私は一番大切なことだと思います。ですから、確かに、シュラウドの例を出されましたけれども、それはもう一般の国民の方は知りません。そして、シュラウドのひび割れが入ったときに必ず新聞には図面入りでシュラウドというのはこの部分にあって傷がこうだというけれども、そこまで読む人も非常に少ないわけですね。ですから、要は、やっぱり万全の体制をしいていて、そして事業者も国も本当にシステマチックに、そして科学的な合理性に基づいてちゃんとやっているよという安心感を持っていただく、そういう基礎を作ることが私は大切だと思っておりまして。 もちろん、細かいことも知っていただくことは大切ですけれども、なかなか細かいことまで、格納容器ですとか、そういうところまではなかなか無理ですけれども、私はそういうことを構築するということは、やっぱり学校教育の中にもそういうものをしっかりと入れていただく。もちろん、原子力のある意味では危険性もしっかりと認識していただいて、しかし、同時にその有用性だとか、こういうふうにして安全を担保すればこういう非常に大きなメリットもあるとか、そういったところをやはりしっかりと私どもは、国も事業者もそして国民も総合的に理解していくという、そういう体制を作るということが大切だと思いまして、私どももそういう中でこれから文部科学省等とも連携をしながら、今までもやってきていることですけれども、更にその辺をしっかりやっていかなければならないと、こういうふうに思っております。
○松あきら君 ありがとうございます。 今回の法律案では、三つの公益法人への委託事業を移管しまして、独立行政法人原子力安全基盤機構、これが設立をされたわけでございます。これに事業者検査に係る事業者の実施体制の審査を行わせるなど原子力安全規制の実施体制の強化のための役割を担うこととされております。 そこで、独立行政法人を設立する、この機構を設立する意義、メリットあるいは必要性について、まず保安院の説明を求めます。
○副大臣(西川太一郎君) 保安院という御指名でございますが、私からお答えをさせていただきます。 独法の原子力安全基盤機構は、本年三月の閣議決定、すなわち公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画におきまして、原子力安全規制の効率的かつ的確な実施を図るため、国が行っている原子炉等の検査の一部を担当させるとともに、国が原子力安全規制に関連して公益法人に委託しておりました事務を当該独法に移管をし、実施するために、設立の方針を決定し、今回の法案をお願いをさせていただいているものでございます。 本機構には、これらの業務を行うために、原子力に関する専門知識に精通した専門家を中途採用も含めまして確保育成することによりまして、いわゆる専門家集団を形成することといたしております。その活用により、原子力安全規制の効率的、効果的な実施に資すると考えております。 また、公益法人への委託をいたしておりました業務の機構への移管に際しましては、類似業務の整理統合、共通業務、管理業務の合理化、こういうことを図ることによりまして、既存の公益法人における実施体制をより効果的なものにしていくことができると、これがメリットであるというふうに考えております。 また、今般、原子力発電所における不正記録等の問題に対する再発防止策といたしまして導入を提案をさせていただいておりますいわゆる定期自主検査の体制に関する審査等につきましても、専門家集団である本機構におきまして行うことで実効性を確実にしていけると、このように考えております。
○松あきら君 その機構の人員規模はどの程度を想定していらっしゃるんでしょうか。先ほどもちょっと出ましたけれども、保安院との業務の仕分はどのようになるのか、具体的に説明をお願いいたします。
○政府参考人(佐々木宜彦君) まず、国と機構との具体的な業務の仕分でございますけれども、機構は、現場に精通した専門家集団として専門性を生かした業務を担当することといたします。 例えば、国の行う使用前検査でございますと、例えば材料、機器のスペック、あるいは検査のデータの妥当性の確認、あるいは安全審査に際しての安全解析などを担当します。一方、国は、国民の安全に責任を持ち、法令判断を行う立場で、重要な法令判断に直結する業務を中心に担当いたします。このように、国は機構を活用することによりまして、原子力施設の安全機能の総合的な確認に人的資源を重点配分し、全体としての原子力安全規制体制の強化を図ることとしております。 また、今般の原子力発電所における不正記録等の問題に対する発生防止のために導入を提案させていただいております定期事業者検査の制度化におきましては、原子力に関する知識に精通した専門家集団である本機構を活用することとしておりまして、これによる行政の肥大を防ぎつつ、再発の防止策をより有効に実施することができると考えております。 機構の人員につきましては、再発防止策の一環として、検査体制の強化を図る観点から検査員の増員を要求、検討しているところでございます。厳しい財政事情の中での予算面の制約や行政組織の効率化の観点を踏まえつつ、早急に関係機関との調整を行い、最終的には平成十五年度の予算編成に対して具体的に定まるものと認識しておりますが、私どもとしては四百数十名規模を確保したいと考えているところでございます。
○松あきら君 安全規制につきましては、検査能力等の向上が求められております。やはり四百数十人ということで、私は多い方がいいというふうに思います。しかし、その有能な人材というのはどのように確保を行っていくんでしょうか。私は、以前、大学の原子力の科が少ないということで人材養成をしていかなければ、もう抜本的にそこからしなければ有能な人材がなかなか出てこないという、増えないということを申し上げたんですけれども、その有能な人材確保はどのように行っていくのでしょうか。 また、三つの公益法人は業務を移管させられたわけです。その後の業務は今後どのような業務をその公益法人で行っていくのか、それも教えていただきたいと思います。
○大臣政務官(西川公也君) 私の方からは、前段の部分の有能な人材をどう確保するかと、こちらの方をお答えをさせていただきます。 先生御承知のとおり、原子力安全機構の組織体制、人員構成、これから決めるわけであります。先ほども西川副大臣がお答えしましたように、中途採用で有能な人材を採用していくと、こういう考え方を持っておるわけであります。 景気が比較的低迷しておりますので、人材難で絶対数は少ないのかと思いますけれども、通常に比べては確保しやすいのではないかと、こう思っております。 これからは、公益法人に現在委託し、実施している業務を移管して行う業務に関しては、現在の当該業務を実施している者の採用も検討していくと、こういうことで、現在やっている人も来てもらえればやっていきたいと、こう考えています。 採用した職員につきましては、専門技術、知識を深めるとともに、法令知識や倫理観、職務に対する使命感など職員としての資質向上を図ると、こういうことを通じまして人材の育成を考えていきたいと、こういうふうに考えております。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 三つの公益法人の今後の見通しにつきまして御説明申し上げます。 まず、財団法人原子力発電技術機構、NUPECと申しておりますが、これにつきましては、業務の移管によりまして事業規模の縮小は避けられず、今後どのような規模で、どのような業務を行っていくか等につきましては理事会の場で検討を行っているところでございます。このNUPECを監督する私どもといたしましても、適切な助言、指導を行っていく必要があると考えております。 一方、財団法人発電設備技術検査協会につきましては、移管される原子力安全関連委託業務のほか、従来から火力発電設備に係る安全管理審査業務やISOの審査業務を行ってきたところでございまして、引き続きこれらの業務はこの法人において行う予定であります。 また、財団法人原子力安全技術センターにつきましては、文部科学省が所管しておりますが、移管される原子力安全関連業務のほか、従来から放射線障害の防止法の関係の業務あるいは原子力安全確保に関する講習、出版業務等を行ってきているところでございまして、引き続きこれらの業務を行う予定と聞いておるところでございます。
○松あきら君 一つのNUPECですか、これは今後考えていくということで、あとの二つはしっかりともうやるべきことがあるということを伺いました。ありがとうございました。 次に、この法律案では、従来事業者によって任意に実施されている事業者による自主点検を法令上明確に位置付けて、検査結果の記録保存を義務付けるとともに、その検査に係る事業者の実施体制が適切なものかどうかを独立行政法人原子力安全機構が審査をし、国はその審査結果を評定することとされております。 一方で、例えば東京電力は、今回の事案の発生を受けた再発防止策といたしまして、原子力発電の品質監査に関し、社外の人材を登用するなど改善策を発表しております。そうした事業者における第三者による監査とその機構の審査とはどの点でどのように異なるのか、御説明をよろしくお願いいたします。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 先生御指摘の東京電力が導入するとしている第三者による品質監査は、同社が自主点検結果の不正問題についての公表に際して、補修部門と発電部門の適切な関係の在り方、協力企業との関係などについて問題があったとの認識に基づき、再発防止を図るためいかなる体制が適切であるかどうか、こうしたことを含めて社外の有識者から成る第三者に評価してもらい、同社の安全確保についての品質保証体制の向上に役立てようとする取組であると聞いております。 私ども、国の検査あるいは独立行政法人による定期事業者検査そのものにつきましては、こうした事業者におきます品質保証の体制の確立は極めて重要であると考えておりますが、そこは、国あるいは独立行政法人による検査と、電力会社が自らの品質保証の体制を第三者にチェックしてもらう体制とはおのずから違うものでございますけれども、規制の立場からいえば、こうした東京電力の取組に対しましては一定の評価を行うべきだと考えております。
○松あきら君 今しっかり伺わせていただきましたけれども、先ほど来出ております、ただ単に二回やったというようなことだけは是非ないようによろしくお願いを申し上げます。 先ほどもちょっと木村知事の、今日の新聞に載っておることを申し上げましたけれども、去る十一月二十八日に政府は青森県との核燃料サイクル協議会において、知事に対して独立行政法人の地域検査本部を青森県に設置するという方針を示したとされておりますけれども、この地域検査本部というのはどのような使命を担われるのでしょうか、御説明をお願いいたします。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 実は今後、法案成立後検討を進めていくことでございますけれども、現場重視という考え方から、大型核燃料サイクル施設のほとんどが立地する青森県に核燃料サイクル施設検査本部を設置すべく最大限の努力を行っていくということで、大臣からも青森県知事に示されたわけでございます。 この本部が行う業務といたしまして、核燃料サイクル施設に関して国から切り出される定期検査や使用前検査の一部、これまで公益法人が実施してまいりました溶接検査あるいは廃棄物の確認等の業務、核燃料サイクル施設に関する防災の支援業務などを担当することを念頭に置いております。 人員の規模につきましては、核燃料サイクル施設の安全確保の重要性を十分認識し、今後予想される具体的業務量を踏まえて業務委託に遺漏なきを期すべく検討してまいりたいと考えております。
○松あきら君 この地域検査本部に関しましては知事も評価をされているというふうに伺っておりますし、是非先ほどの国は肌で知ってほしいと、自分たちの気持ちを、これを踏まえて是非よろしくお願いを申し上げます。 次に、実はダブルチェックの体制について三問用意していたんですけれども、先ほど来出ましたのでこれはちょっとカット、済みません、させていただきます。同じことをまた伺ってもあれなので三問飛ばせていただきます。申し訳ありません。 次に、今回の契機となりました従業者からの申告制度について伺いたいと思います。 今回、東京電力の事案では、点検作業を請け負ったGEII社ですね、この元社員から申告がありまして、これが問題発覚の発端となったわけでございます。 この申告制度につきましては、ジェー・シー・オー臨界事故の発生を受けて、平成十二年の六月に原子炉規制法の改正によりまして、原子力事業者は申告をしたことを理由として従業員に対して解雇、そのほか不利益な取扱いをしてはならない旨の規定が新設をされたところでございますけれども、今回のような請負事業者の従業員に対してもこの規定が直接に適用となるのかどうか、まずお伺いをいたします。
○政府参考人(佐々木宜彦君) まず、申告者の保護についてでございますけれども、先般取りまとめられました評価委員会の中間報告においても、より多くの者からより容易に申告を行えるような環境を申告する者の立場に立って整備することが重要である、請負事業者及び請負事業者の従業員からの申告についても申告者の保護に努めるべきの旨が指摘されております。 私ども原子力安全・保安院といたしましては、申告者の保護やプライバシー保護等を考慮して申告制度の運用改善を図ったところでございますけれども、請負事業者の従業員や外国にいる従業員からの申告につきましても、申告者の保護の安全に注意を払いつつ、申告案件の適切な処理に努めてまいります。
○松あきら君 ちょっと余り意味が私分かんなかったんですけれども、今回の東京電力の事案に係る申告者の保護については、評価委員会の中間報告でも反省すべき点が示されております。この際、請負事業者の従業員が申告する場合の保護について、今回の法改正と併せた法律改正により法文上明確にしておくことも考えられたのではないかと思いますけれども、今運用改善とおっしゃいましたけれども、それはいかがでございましょうか。 また、原子力安全・保安院における今後の調査機能の充実策、また体制整備の具体的な内容と併せて御所見をよろしくお願いいたします。
○副大臣(西川太一郎君) ただいまの法文上明確に請負会社の従業員の保護も書くべきだと、こういう御指摘でございます。原子炉等規制法の第六十六条の二項にございます「従業者」という言葉を使っておりますが、これは必ずしも直接原子力事業者に雇用されている者に限らず同じような、ケース・バイ・ケースによるんでございますけれども、業務を請け負った者に従事をしている請負会社の従業員につきましても、保護の対象となる場合もあるというふうに読めるわけでございまして、この「も」が、私も答弁しながらこれはどういうことかということをさっきからずっと考えているんでありますが、これはケース・バイ・ケースでございまして、したがいまして、先生の御指摘を十分踏まえて、具体的事案に即して検討を重ねながら成熟化をして、いずれの日にかそういう必要があれば明文化をしていくことも必要なのかなというふうに思っておりますが、現時点ではその六十六条の二項によって保護されているというふうに申し上げられるというふうに思います。
○松あきら君 ケース・バイ・ケース、なる場合もあるということでございますけれども、是非この「も」を生かしていただいて、次のまた更なる法改正もあるかもしれませんけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 今回、いろいろな事案がありまして、検査官の増員あるいは資質向上のための取組など山積みと、山積とされている問題多々ありますけれども、こうした中でその規制当局が単に焼け太りしちゃいましたよと、つまり人員だけ増えました、何か反対に得しちゃいましたと、こういうふうに決して国民からは思われないようなやはりきちんとした検査体制、また規制体制の構築が必要だと思います。いかがでございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 まず、今回の法案におきましては、事業者による自主点検を定期事業者検査として義務付ける一方で、規制当局はその実施体制や方法などを審査、そして評定することを定めているわけであります。このように事業者の果たすべき責任と安全確保の義務を明確化をいたしまして、国は事業者が安全確保の義務を適切に果たすことを確保する仕組みを作ることによりまして、安全確保に向けた効率かつ実効的な仕組みを構築することにしております。また、そのほかにも、今回の法案におきましては、罰則の強化などによる不正行為に対する抑止力の強化も図ることとしております。さらに、検査の運用面においては、抜き打ち的手法の導入といった対策を講ずることによりまして、安全規制の実効性を強化することとしております。 こうした規制の効果を高めるための措置を前提として、なお必要な検査官等の増員など、体制面での強化について現在関係機関と調整を行っているところでございますが、このような安全規制について実効性を確保するための多面的かつ総合的な取組を行っていることについて国民の皆様方の御理解をいただいて、委員御指摘のように、焼け太りというようなことを御指摘を受けないように体制面での強化についてもやっぱり理解をしていただくように努力をしていかなければならないと、このように思っております。
○松あきら君 真摯なお答えありがとうございました。 去る二日、世界で初めての燃料電池市販車の納車式が総理官邸で行われまして、小泉首相がこれ試乗されているのを私もテレビで拝見をいたしました。 我が公明党は、地球規模でのエネルギー・環境問題に取り組みまして、二〇二五年までに二〇%のクリーンエネルギーをということで自然エネルギー大国、太陽・水素系経済社会というものを目指しております。 新エネルギーとして期待をされます燃料電池につきましては、民間調査会社の試算では二〇一〇年に四千億円規模の市場になるということです。別のシンクタンクの試算もありまして、そこでは国内市場規模が同年に四、五兆円、二〇二〇年には三十兆円ぐらいに膨らむ可能性がある、こういうふうにしているわけでございます。このように、最近燃料電池をめぐる話題が沸騰しているわけでございます。 燃料電池は、水素燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに交換するため、自動車で四八%程度と発電効率が高いんですね。これガソリンでは御存じのように一六%と、かなり違うんですね。化学反応の過程で発生する熱を利用するコージェネレーションシステムにも最適であるわけでございます。こうしたことから、公明党は二〇〇一年二月から二〇二五年を目指して燃料電池を含むクリーンエネルギーの比率を二〇%まで引き上げるという、こういう提言を発表するなどいたしまして、燃料電池の開発、普及促進を強く主張してまいりました。 国は、燃料電池につきましては二〇〇五年ごろまでに実用化、普及への基盤整備を終え、一〇年までに実用品レベルの製品の市場導入が加速化し、公共施設や関連企業での率先導入などで燃料電池搭載の自動車を五万台、家庭向け定置用が約二百十万キロワット普及というシナリオを描いておられます。二〇二〇年の導入目標は自動車で約五百万台、定置用、家庭用ですね、これで約一千万キロワットとしているんですね。 実は私、これ作ったときには、でも規制の壁が立ちふさがっているんです、これ書いたんですけれども、今日の新聞に、読みましたら、読売新聞に、今日の新聞で「燃料電池車認定を緩和」という、大きく載っておりまして、まあ私がこういう、残念なことにこういうこともありますというものを、正にこれを見ましたら「燃料電池自動車の大量販売を促進するための認定制度の緩和や、家庭用燃料電池を普及するため関連規制の緩和を盛り込む」ということが明らかになったということで発表されていまして、現行では一台ごとに行っている車両認定を見直しまして通常のガソリン車と同様の型式認定制度の導入を求めている、それから家庭用燃料電池が発電設備に相当する場合は、現行では消防法で設置の届出が必要とされているけれども、この普及を図る観点から見直すと。 このように私は、もうこういう高圧ガス法、消防法、道路運送車両法などもがんじがらめだと、こう言おうと思ったんですけれども、かなりこれ考えていただいて、そうすると今後、今経済産業省の敷地内に移動式の設備が一定時間置かれている、これも今に変わっていくのかななんというふうにも思いますけれども、やはり水力、火力、原子力に次ぐ第四の新しいエネルギー源として注目をして是非応援をお願いしたいと思います。さらに、風力、太陽光などの自然エネルギーの推進とともに産業競争力の強化や新たな雇用創出など、我が国の将来の発展基盤の形成にも資する燃料電池の実用化、普及に今後政府としても国策として力を入れていただきたいと思います。 最後に、平沼大臣の御決意とこれからの取組を伺って、質問を終わります。
○国務大臣(平沼赳夫君) 十二月の二日に世界で初めての市販の燃料電池車を政府が五台導入をいたしまして、そのうちの一台は経済産業省に入りました。 私の私用車にしようと思ったわけでございますけれども、市販の車で四WDのスポーツタイプのそういう車種でございますし、それでも航続距離は三百五十キロでございます。私も総理と一緒にその場で試乗をいたしました。非常に、市販車にそのまま載せておりますから、ほかの車と比べては非常に加速がいいという、そういう実感があります。結局、最初から何か百六馬力で無段変速ですっと行きますから、ですから扇国土交通大臣がハンドルを握ってすいすい運転されていたのが印象的でございましたけれども、そこまで来ております。 ただ、まだいろいろ規制がございまして、当省の中庭に移動式でしかまだスタンドが設置できないということですから、これはやはり消防法ですとかいろんなことをクリアをして、常設のそういうスタンドというものを全国展開をしていかなきゃいかぬし、またやはり水素ということでございますから、やはり急激な反応で非常に大きな爆発に結び付くおそれもありますから、そういう安全性をいかに担保するかと、こういうことでございます。しかし、もうほぼ技術的にはここは解明をされています。 そういう意味では、二十一世紀、環境の時代と言われておりますけれども、これは、無限にある水素をいわゆるエネルギー源としまして、そしてCO2を全く排出をしないと、こういう利点もございますので、私どもは国を挙げてひとつこれの普及促進を図っていかなければなりませんし、またその他の新エネルギーもこれは重要でございますから、私は、新エネルギーも含めてエネルギーの多様化、そして安定供給、そういった形で努力をしていかなきゃいかぬと、このように思っています。
○松あきら君 ありがとうございました。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 私は、十月三十一日には、東電側の不正事件の責任の所在について質問をいたしましたし、また申告制度がなぜ二年間機能しなかったのかということにつきましては、大臣の責任についても質問をさせていただきました。十一月七日には、検査体制、報告体制の問題を通しまして、経済産業省保安院の原発の安全確保の能力及び責任にかかわる問題を質問をしてまいりました。 今回提案されております法案の趣旨説明を大臣はこう述べていらっしゃいます。「原子力発電所の自主点検作業に係る不正な記載や、原子炉格納容器の定期検査における不正な操作は、これまでの原子力の安全確保に対する国民の信頼を大きく損なうものでありました。 本法律案は、これらが生じたことへの反省に立ち、原子力の安全確保に万全を期し、国民の信頼が得られるよう、関係の法律において所要の措置を講ずるものであります。」と、このように述べていらっしゃいます。今度の東電などの事件の反省の上に立って、国民の信頼を回復するためにこの法案を出したというふうに述べていらっしゃるんですけれども、まず私は、こうした法案を出す大前提の問題につきまして、大臣の認識なども含めて三点、まず最初にお聞きをしたいと思います。 その第一は、今、雪印だとか日本ハムなど食品の偽装工作なども国民の厳しい批判を買っておりまして、会社の存在にかかわるような事態になっている企業も出ているわけでございます。今回の東電などの不正は、正に放射能被害にかかわるという非常に重大な問題でございます。それにいたしますと、例えば東電の二十九基につきましては、大臣は厳重注意で、ほとんど私たちから見ますとおとがめがなしであったかなと。格納容器の不正は原発の運転停止となったわけですけれども、非常に甘いというふうに私は思っております。 そもそも、原発の安全にかかわる検査をごまかしたり、原発の安全に関して国民をだます、こういう事業者は危険な原発を扱うそもそも資格はないんだと、このように私は考えるんですけれども、大臣の御認識をお伺いいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今般の一連の問題の背景といたしまして、事業者には法令の遵守の重要性、それから業務実施に当たっての公正さ、それから説明責任の重要性についての認識不足などの問題があったと私どもは重く受け止めております。 また、原子力部門の他部門からの監査が不十分である、現場限りで判断を行うことが慣習化していた、保守点検作業などの記録やその保存が適切に行われていないなど、会社内部の体制や安全確保活動についての品質保証体制上の問題があったものと考えております。 このため、十月一日に、東京電力に対しましては、厳重注意を行う際、組織風土の改革と真の安全文化の醸成を図ることについても強く求めたところでございます。また、今後、当面の間、同社に対する保安検査や定期検査の実施に際しては、保安規定の遵守状況や設備の健全性を見るだけではなくて、検査の準備過程でございますとか、社内における検討、意思決定の状況など、品質保証活動についても確認をすることといたしました。 また、当面におきましても、今回の問題についての反省の上に立ちまして、今回のような事態を防ぐために、法案では、定期事業者検査や設備にひび割れ等がある場合の設備の健全性の評価の義務化など事業者の果たすべき責任や義務を明確化するとともに、罰則の強化など、不正発生に対する抑止力の強化も図っているところです。 当省のこうした取組の下で、電気事業連合会においても、情報公開の促進など具体的な行動を検討するために、信頼回復委員会を設置するなどの取組を講じていると私どもは承知しています。 お答えでございますけれども、今回の事態というのは大変遺憾でございます。そして、東京電力のデータの改ざん、そして虚偽の報告あるいは隠ぺい、こういったことは本当に国民の皆様方の原子力に対する信頼を大きく損なったことでございまして、私も言語道断であると、こういうことを申し上げたところでございますけれども、当省といたしましては、今るる申し上げましたようなそういった取組によりまして事業者の適切な安全確保活動と安全文化の向上を促して、今後こういった事態が二度と起こらないようにしていきたいと、こういうことで私どもも全力を傾注していきたいと、こんなふうに思っております。
○西山登紀子君 十二月五日の当委員会での参考人で、河瀬参考人は、私が、こういう原発を扱う資格はないんじゃないか、そんなふうに立地住民はお考えじゃないでしょうかと聞きますと、気持ちとしてはそうだというふうにお答えになったわけですね。 第二に、この法案を出す場合の前提条件としての真相の解明の問題です。 東電などの今回の事態は国民に大きな衝撃を与えまして、あれから三か月半がたったわけですけれども、十四の原発立地県の知事さんの要望書がここに出ています。十一月の二十日なんですけれども、十四県の知事が原発団体協議会というものを作っていらっしゃる、要望書なんですけれども、この十一月二十日の要望書も、私見てみますと、やはりこの東電の不正記載、格納容器漏えい率の検査における偽装工作の事実関係については徹底した調査を行って、責任の所在を明らかにしてほしいと、こういう要望がやはり大きなスペースを割いて出されているわけですね。 原子力倫理委員会の方でこのほど提言があったわけですけれども、その提言でも、やっぱり東電の実行者自らの行為のどこに問題があったのかというものをきちっとやらないと、そしてまたそれを公表しないと再発防止はできない、責任の所在を明確にすべきだということを提言をしていらっしゃいます。 十一月二十日の衆議院の参考人質疑では、平山新潟県知事は、原因の究明が非常に第一だと、なぜ今維持基準の導入なのかというようなことも言っていらっしゃるわけでございます。 私は、十月二十八日の評価委員会の中間報告、それから十月三十一日の原子力安全規制法制検討小委員会の中間報告、それから原子力安全委員会の勧告を見ました。やっぱりこれは身内のかばい合いじゃないかと、あるいは、言葉は厳しいかもしれませんが、国民の前に取り繕うためいろんなプレーはしている、しかし肝心のところの責任の所在は見えてこないということで、大臣にお伺いしますけれども、今後こうした批判や提言にこたえて、責任の所在をはっきりさせる真相の究明のための調査はどのように行われるのか、お聞きをいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えいたします。 今回の事案については、立入検査の際の関係者からの事情聴取でございますとか資料の入手などによりまして、会社における意思決定の仕組みなどの問題点を明らかにすることはできました。それらを分析した結果、不正が生じた要因としては、品質保証を含む東京電力の全社的な組織体制の問題点や、事業者が行う自主点検が適正に行われることを確保するための仕組みが十分でなかった、また組織的不正に対する罰則等が軽かったことなどがあったものと、このように分析をしているところでございます。 今回は、このように要因を分析しました結果、再発防止策を検討いたしまして、本法案に法人重課を含む罰則の強化や自主点検の法定化を盛り込むことにしたわけでございまして、格納容器の問題に関しましても、これは停止という形で厳しい形でやらせていただきましたし、一連の事案についても、東京電力でも経営陣が退陣をする等、いろいろそういう形で責任の所在がある意味では明らかになったことであります。 さらに、今後、こういった問題は一回という形じゃなくて、やはりしっかりと、こういう問題が起こった、なぜ起こったかということについてもやっぱり継続的に、しっかりと私どもは調査は継続をしていかなければならないと、こういうふうに思っているところでございます。
○西山登紀子君 調査は継続をしていくということなのでございますけれども、この間の参考人質疑のところで、評価委員会の委員長をしていらっしゃる佐藤委員長は、私の質問に対して、この評価委員会というのは事実を究明する委員会ではございませんと、保安院がやってきたのが適切であったかどうかというものを見てきた委員会だということを言われまして、さらに私が、この保安院が申告隠しをしているということも国民の批判の的だというふうに言いますと、いきなり佐藤委員長は色をなして、保安院は申告隠しはしていないというふうに反論をされまして、何か、参考人の質疑なんですけれどももろに保安院をかばうというような、感情的にも私はそう受け止めたんですけれども、発言をされる方が委員長の評価委員会では私は真相の究明は大変難しいだろうなというふうに改めて実感を持ったようなわけなんですけれども。 私は、やっぱり第三者機関としてきちっとした権限を持った調査委員会でメスを入れなければ、これはやはり国民が求めている責任の所在、きちっとした真相の究明と再発の防止策というのはなかなか得られないじゃないかなという実感を今持っております。 質問を続けます。 第三は、法案提出の背景についてなんですけれども、今回の法案というのは、むしろ東電の事件の前に東電の幹部の皆さんなどが意見を述べてこられたような中身を盛り込んで準備がされてきたものじゃないかというふうに思います。二〇〇一年の一月ぐらいから基本的に検討、準備がされてきたものではないでしょうか。御説明をお願いします。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今回の二法案に盛り込まれております事項の一部には、今回の一連の事案が発覚する以前から検討されていたものが含まれております。 まず、電気事業法及び原子炉等規制法の改正は、今回の不正にかんがみ、その要因分析の結果を踏まえて、再発防止のために、一つは事業者が自主的に行う点検を法律上明確に位置付けること、またひび割れ等があった場合に科学的、合理的根拠に基づく手法を用いてこれを評価することを事業者に義務付けること、そして事業者による組織的な不正を防止するために罰則を強化することなどとしているものでございまして、このうち、ひび割れ等の評価に際しまして、その評価手法を明確化するに当たって、以前から実施してまいりました、また検討してまいりました技術基準に関する成果も活用をいたしますが、今回の電気事業法の改正はあくまでも再発防止のために行うものであると考えております。 また、あわせて、独立行政法人原子力安全基盤機構法の制定につきましても、既に本年三月の閣議決定を受けまして、原子力安全規制の更なる効率的かつ的確な実施を図るため独立行政法人を設置するものでございます。
○西山登紀子君 そういう経過だと思うんですけれども、この東電の不正事件の中間報告というのは十月の三十一日に出されているわけですけれども、この法案が出されたのは十一月の五日でございます。ですから、東電問題を深く反省して再発防止のための最良の法案と言えるかどうかといえば、これは時期的にも大変無理があります。もちろん、何も含まれていないとは言っておりません。最良の法案かどうかということで言えば、これは時期的にも非常に無理があります。 それから、昨年一月二十九日の原子力安全・保安部会の第一回部会の議事録を見て大変驚いたんですけれども、その時分から維持基準の導入というのはもう既に議論がされているわけです。今年二月十二日の検査の在り方検討小委員会では、特別委員に当時東京電力の榎本副社長・原子力本部長が特別委員として出席をして、検査の在り方云々かんぬんということで発言もしていらっしゃるし、そこで提案されております維持基準の導入のイメージ図などはほとんど今回の内容の改正案に重なっているので、大変びっくりしているところです。 また、独法化の問題について言いますと、公益法人改革というのは二〇〇〇年の十二月に閣議決定されているんですけれども、これはまあ行政のスリム化というのが方向でございまして、既定の方針でございます。 というようなことで、経過を振り返ってみますと、法案提出の時期との関係を見ましても、背景を見ましても、東電の不正事件を深く反省をして教訓化したものかどうかということについては、私はやっぱり懸念するものがあるというふうに指摘をさせていただかなければなりません。 次いで、法改正の内容について御質問をさせていただきたいと思うわけですけれども、今回の改正の中心、一つの目玉になっていますね、今度、定期事業者点検という、名前が改まりましたが、この事業者点検について電気事業法の第五十五条では、「記録し、これを保存しなければならない。」と明記がされているわけです。これはまあ一つ前進だと思います。しかし、これも含めて、それからひび割れなどの不具合など健全性評価の結果についても記録保存をすると、こうなったわけですけれども、これはやっぱり何で記録と保存だけにとどまったのか。やはり経済産業省への報告を義務化する、そして公表を明確にする、こういう文をなぜ法案に入れなかったのでしょうか、お伺いをいたします。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 御指摘のとおり、政府原案では、定期自主検査の結果及び健全性評価の結果についてこれを記録し、保存することについてのみ規定しておりました。 しかしながら、これは国が一切関知しないとか、一切報告する必要がないということを意味するものではないと考えております。例えば、定期事業者検査の実施に係る体制について独立行政法人が審査することとされておりますが、この審査では事業者の行った検査の結果あるいは健全性評価の結果についても国がチェックすることを考えておりました。また、国の定期検査の対象となる設備については、この定期事業者検査の結果及び健全性評価の結果の報告も受けることを考えておりました。 さらに、必要な報告については、一般的には報告徴収規定に基づいてもこれを求めることを念頭におりましたので、政府の原案として提出させていただいたわけでございます。
○西山登紀子君 東電の不正事件から国民が教訓を学んだ点は、今求めればできるんだとおっしゃったけれども、求めてこなかったわけですよ、保安院は。だから、ずっと表に出てこなかったわけですから、そこのところやっぱり反省が足りないというふうに、原案がそこにとどまっているということについて私は思いますし、この間の参考人のときに、河瀬さんは、私がやっぱりすべて公表するのが望ましいんじゃないですかと言えば、やっぱりすべて公表は望ましいというふうにもお答えになっているんですね。 それじゃお聞きしますけれども、記録をする、保存をするということなんですけれども、その保存期間というのは何年を考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) いろいろ設備等によっても異なると思います。原則として、当該記録がなされた年から、この記録に係る設備が取り替えられるという事態に至るまでの期間プラス三年から五年程度の期間を加えたものとして考えることが適切ではないだろうかと、今検討を始めたところでございます。
○西山登紀子君 東電の格納容器の例の捏造の問題でも、九一年とか九二年とかなりさかのぼったものでございます。やっぱり非常に長い期間きちっと保存をしませんと、せっかく記録し、保存というふうに決めても、短い時間だと、いやもう発覚したときには時効だよというようなことになるわけですから、これはやっぱりかなりきちっと、それが廃棄になるぐらいまではきちっと保存をさせるということが必要だと思うわけです。 今度の法案では修正がされております。そこで、修正の提案者の方にお伺いをしたいわけですけれども、五十五条の三項の修正で、今度、経済産業省令で定める事項については経済産業大臣に報告を義務付けているわけですが、この省令で決める範囲というふうになっておりますが、具体的には何を想定していらっしゃるのかということを一点お伺いしたいのと、それから、私は、やはり五十五条の一項もそれから三項も含めましてすべて報告をさせ、公表させるべきだというふうに考えますけれども、その点についての御意見をお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(田中慶秋君) 西山先生の御質問にお答え申し上げたいと思います。 衆議院における修正については、まず、この法案の健全性の評価の結果について客観性を高めることを目的としたものであり、経済産業大臣にその報告を義務付けました。そして、原子炉の安全状態に対する国が常にそのことを把握しなければならない、こういうことも目指しておるという、目指さなければいけない、こういう形でこの修正をさせていただきました。 二つ目は、安全上の重要な問題について直接経済産業大臣が原子炉の安全状態の確認を行うこととしているわけであります。定期事業者検査の結果全般について原子力安全基盤機構が行う実施体制の審査や国の定期検査を通じて適正な確保がなされるものと考えております。 また、一項等の問題等については、これから省令の問題を十分検討させていただくことになるわけでありますが、議論の中で、経済産業大臣の報告を義務付ける事項は、国が原子炉の安全状態を把握するために必要な十分な事項について事業者に対する過重な負担を強いることのないように、設備の安全性確保、事業者の負担とバランスの考慮などを含めながら、特に具体的には経済産業省省令の内容を今後詰めるということを原則にのっとって決定をされるものと理解をしているところであります。
○西山登紀子君 私は、事業者の負担となるかどうかということよりも、やっぱり国民の安全の確保がどうされるかということが大前提でありまして、すべて公表するということは私は事業者の負担というふうに思わないんですよね。調査に参りましたら、すべて出してくださいと言ったら、西山先生、こんなにたくさんになりますよといって関西電力の方が言われましたけれども、私は、それを全部見るというのは、それは大変な負担だと思いますよ。だけれども、それはやっぱり国民に、世界じゅうにそれこそ公表して、しかもベテランが精査をするということであれば全部出すということが、これは出さないでこれは出そうかというふうに思う方がむしろ負担でありまして、私は、すべて出すというふうにきちっと決めた方が事業者にとっても非常にすっきりするんじゃないかというふうに思います。 次にお伺いしますけれども、先ほども質問がありましたけれども、十一月十五日まで中間的な報告を求めていたんですけれども、その報告がマスコミなどではいろいろ言われておりまして、点検記録の記載漏れなど含めますと千二百件ぐらいあるかなというふうに報道されているんですけれども、これは全体でトラブルの件数はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 十一月十五日に十六社の原子力事業者から私どもに提出された総点検の中間報告におきまして、すべての事業者から、不正のおそれのある事案はなかったと報告を受けております。複数の事業者からは、記録等の誤記あるいは不備、あるいは故障、修理等に係る国等への情報提供を行うことが望ましかったとする事例等があったと報告を受けております。 議員御指摘の千二百件とは、新聞報道にもありましたが、全事業者のすべてのものを足し上げたものでございまして、誤記等のそうしたものもすべての合計件数であると承知いたしております。 現在、私どもは、提出された中間報告の内容につきまして事業者からのヒアリングやあるいは原子力保安検査官によります現地での確認によりまして精査を行っておりまして、その結果まとまり次第、速やかに発表したいと考えております。
○西山登紀子君 誤記も含めてということですけれども、かなりの数が報告されていると思います。これは、私もせんだっての質疑のときにこういうグラフを作りまして、七七年の通達とそれから八八年の通達で報告が上がったり下がったりするということで、やっぱり行政の裁量に任せておけばこういうことにもなるということで資料を出させていただいたわけですけれども。 やっぱり今回新聞も見ますと、未公表が恒常化しているという、こういう表題を見ますと、今いきなり出てきたというか、千二百件ほど出てきた、誤記も含めてということなんですけれども、ざっと概算してみれば、これを例えば大体年間六十件から二百件ぐらいの、幅はありますけれども、まだこれから精査されると言っているんですけれども、ざっと見てそれぐらいのトラブルがあるんじゃないかと。六十から二百件ですね。 私は、トラブルが多く公表されるということが問題ではなくて、それがいけないことではなくて、むしろたくさん隠されているということの方が国民にとっては危険なんですね。この前のグラフで言ったように、軽微なものまできちっと報告するようにといったときには年間四十五件か四十一件ずっと出ていたのが、うんと、余り出さなくてもいいよという通達になった途端にぐっと隠されて、隠されて、私はそう思いますけれども、報告されなくなってしまって、年間もう一けた台になってしまって、原発は倍ほど増えているのにトラブルの報告は一けた台に落ちてしまう。こういうふうにむしろ隠されていることの方が危険だと。 ですから、今、未公表が恒常化しておりますけれども、これはやっぱり安全神話というものによる今までの原発行政のなせる業でありまして、原発は未確立な技術だし危険なんだよ、だからきちっとしなきゃいけないということで、トラブルも公表していきながら説明責任をきちっと果たしていただくということがむしろ国民の信頼を回復する上では非常に大事なことじゃないかなというふうに、私は、立場は違いますけれども、そういうふうに思うわけです。 それで、大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、各社のこの報告を見ますと、国への報告は、法律や通達に基づく国への報告は怠ったということではないと。むしろ適切な情報提供の在り方からすれば提供すべきだったかなというふうな形になっておりまして、今ある状況というのはやっぱり意図的に隠したのではありませんという業者に口実を与えるような状況になっていると思いますので、この際、法律で報告の義務を明確化する、最低限、定期事業者点検というふうなものだとかそういうことについてはきちっと報告もさせるし、公表もしなさいねということを法律で義務化する必要があると思うんですけれども。
○副大臣(西川太一郎君) 従来、事業者の自主点検につきましては法的な位置付けがございませんで、点検で確認した結果の保存や報告についての義務付けはございませんでした。 しかしながら、今回の自主点検記録等の不正を踏まえ、今般の法案におきましては、定期事業者検査によって、例えばひび割れなど技術基準を満たさなくなる可能性のある場合には健全性評価の実施を義務付けることとしております。また、その結果についてはこれを記録し、保存することを義務付けることといたしております。さらに、評価の結果、国の技術基準を満たさず設備の健全性に問題がある、こういうことが判明した場合などは、一定の場合には報告を求めることといたしております。 こうした対応を通じて、定期事業者検査の実施状況についても国において確実に把握できると、こういうふうに考えております。
○西山登紀子君 その点は意見の違う点ですけれども、次に移りたいと思います。 今回の不正事件の中で、シュラウドというのが非常に問題になりました。シュラウドですね。シュラウドとは一体何かというようなことから国民の皆さんも、私も含めてですけれども、勉強をしたところでございます。 お聞きしますけれども、元々このシュラウドというのは沸騰水型の原発のこういう言わばスカートのひだのようなものなんですけれども、原発の建設時にそのシュラウドの交換というのは想定されていなかったのではないかというのが一点。 それから、今二十九基ありますが、沸騰水型の原子炉は。このうちシュラウドを取り替えた数は何基ありますか。また、その理由は何でしょうか。また、掛かった費用は幾らでしょうか。さらに、一基当たりシュラウドを交換する日数、それは当然止めているときにやるわけですけれども、そのときの定期点検の掛かった日数ですね、これを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 我が国におきます炉心シュラウドの交換につきましては、平成九年以降に六基の原子炉で行われております。具体的には、東京電力の福島第一原子力発電所一号機から三号機及び五号機、中国電力株式会社島根原子力発電所一号機、日本原子力発電株式会社敦賀発電所一号機で行われております。 この炉心シュラウドの交換に係ります工事計画認可の申請理由は、いずれの原子炉も応力腐食割れに対する予防保全とされておりまして、交換に当たって応力腐食割れ性により優れた材料に変えますと、こういう申請でございました。炉心シュラウドの交換につきましては、事業者の自主的な判断で実施されたものでございます。原子力発電所の建設当時に事業者が炉心シュラウドを交換することを想定したか否かについては、規制当局としては承知しておりません。 また、炉心シュラウド交換に掛かる費用につきましては、一基当たり約百億円程度であると聞いております。 また、炉心シュラウド交換を行った定期検査の期間については、前に申しました六基における例で申しますと、定期検査の開始日、これは発電機の解列日でございますが、それから定期検査の終了日までの期間の実績を述べますと、福島第一の三号機では四百七十四日間、福島第一の二号機については三百五十八日間、敦賀発電所一号機については五百七十四日間、福島第一の五号機については三百二十五日間、島根原子力の一号機については三百五十二日間、福島第一原子力発電所一号機については三百五十六日間という実績でございます。
○西山登紀子君 先ほど私がお聞きしたことについて、ちょっとお答えがよく分かりません。シュラウドの交換というのは原発建設時に想定がされていなかったのではないかということについて、事業者ではありません、通産省なり経済産業省がどうだったかということです。
○政府参考人(佐々木宜彦君) どうした時点でそうした交換があり得るかということは、いろいろな海外の例によりますトラブル例でありますとか、いろんな技術的な判断が必要になるわけでございますけれども、建設の当初からこれはいずれ交換するものだということを確定的に、規制当局も事業者も特定のこうしたその期間だというような情報は持っていなかったと思います。
○西山登紀子君 シュラウドが問題になり出したのは世界的にも九三年ごろからなんですよね。ですから、七〇年代、八〇年代、日本の原発は元々創設当時からシュラウドを交換しなきゃならないなんということは毛頭考えてはいなかったはずでございます。 私は、九月二十七日に日本原電の敦賀原発を調査をいたしました。鶴田所長代理が代表で会っていただきましたが、これについても、シュラウドについて非常なちょっと問題を感じましたが、こういうふうに定期検査をずっとやったという、こういう資料はその目の前で公開をしていただいて説明を受けたんですけれども、これは報告がずっと保安院にあるいは通産省にはなされていなかったものが改めて出てきた、インディケーション、数が多く出てきたということなんですけれども。 問題は、九六年の第二十四回の定期検査で、シュラウドのH4という部分ですが、インディケーション二十八か所、最大長さは三百六十四ミリといいますから、三十六・四センチの傷が見られる、深さは十七ミリですね、こういう傷も含めて四十七か所全体として見付かっていたんですけれども、これは報告をしなかったと。九八年の第二十五回点検では、長さが四百三十ミリに広がっていたんですが、次の二十六回でシュラウドを交換するからまあいいかということで、二十四回の結果に基づいてそのときも異常なしと報告をしております。九九年の二十六回の点検では、新品に交換したため元のシュラウドの状況は全くチェックせずに廃棄物のプールに切り刻んでしまってしまうという状態です。 保安院にお伺いしますけれども、このシュラウドが予防保全の対策で交換しなければならないほど危険な状態であったと、そのような状態を把握していたでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) お尋ねの日本原子力発電株式会社の敦賀一号機のシュラウドの交換につきましては、交換する前のシュラウドがどういう状況であったのか、非破壊検査におけるインディケーションがあったということは私どもは承知しておりませんでした。
○西山登紀子君 なぜ承知していないのでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 当時の工事計画の認可の申請に当たりましては、当該取替えの工事そのものが技術基準上の適正さを判断するものということで、取替えの理由は予防保全という理由ということのみを審査の対象としていたものと思われます。
○西山登紀子君 予防保全だと。しかし、百億ですよ。そして、替えるための定期検査というのは日数が最大でもそれこそ一年以上、十六か月の場合もありますよね。シュラウドを交換するというのはそれほど大仕事です。大事業でございます。百億円以上の仕事です。 しかも、先ほど保安院の院長は、このシュラウドというのは確定的に最後までもつかどうか分からなかったものだというふうな話をされましたけれども、それであるならばなおさらのこと、なぜ交換するんだろうと疑問を持って当たり前じゃないですか。なぜ把握しなかったんでしょうか。報告を求めなかったんでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 元々、工事計画の認可の対象範囲ということは今申し上げたとおりでございますけれども、原子炉内の構造物でありますシュラウドの点検については、これは事業者が自主的に点検をするという対象物になっていたということによるものと考えております。
○西山登紀子君 極めて保安院の、安全性に対する関心も持たないし報告も持たないというのは、これは監督能力問われると思いますよ、こんなこと。 しかも、敦賀の原発だけではないでしょう。ほかに取り替えた五基についても、交換したときの危険な状況、クラックの状況、インディケーションの状況、把握をしているでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 原子力安全・保安院、一月設立されて以来、私どもの現在の行政で申し上げたいと思いますが、確かに六基の交換前のシュラウドの状況について前の状況は把握しておりませんけれども、今回の一連の調査によりまして原子力安全・保安院としては次のように承知いたしております。 まず、福島第一原子力発電所一号機につきましては、平成五年から平成九年にかけて、定期検査期間中に一つの縦方向溶接線近傍及び二つの周方向溶接線近傍にインディケーション又はひび割れが確認されていたと承知しております。 福島第一原子力発電所二号機については、平成六年に開始された定期検査期間中に四つの周方向溶接線近傍にインディケーション又はひび割れが確認されていたと承知いたしております。 福島第一原子力発電所三号機については、平成六年に開始された定期検査期間中に五つの周方向溶接線近傍にインディケーション又はひび割れが確認されていたと承知いたしております。 福島第一原子力発電所五号機については、平成六年に開始された定期検査期間中に二つの周方向溶接線近傍にひび割れが確認されていたと承知いたしております。 敦賀発電所一号機については、平成六年から平成十年にかけて、定期検査期間中に四つの周方向溶接線近傍及び一つの縦方向溶接線近傍にインディケーションが確認されていたと承知いたしております。 島根原子力発電所一号機については、平成六年に開始された定期検査期間中に一つの周方向溶接線近傍にインディケーションが確認されたものの、中国電力は当時、ひび割れによるものではないと評価していると承知をいたしております。
○西山登紀子君 何だかそういうふうなことを少し把握していたんだというようなことなんですけれども、実際のクラックがどれほどあったのか、非常に幅も大きいとか、深さもどれぐらいであったとかというのはこれは極めて重要なものでありまして、シュラウドが何年たったらこんなふうになるんだぞということは、もちろんその原発の安全性にとっても大事ですけれども、水平的な知見の共有ということで、いわゆる原発というのは未知のもので、未知のものを今ずっと使っているわけですから、どんなふうになるのかということについてやはり科学的にもきちっと把握をしながら、危ないぞ、危ないことが起こりそうだぞといったらすぐにぱっと全部の原発に手を打つ、その役割をするのがやっぱり政府であり保安院というふうに私たちは思っているわけですけれども、やはりそういうことができないということは事業者側との非常に甘い関係があったんじゃないかというふうに思わざるを得ないわけですね。 大臣にお伺いいたしますけれども、このシュラウドにつきましては、衆議院でも吉井議員が十一月の二十七日に質問をいたしまして、世界の方から、NRCの方からきちっと文書で危ないぞという警告が九三年に来ていたのにもかかわらず、日本の場合は全電気事業者についての文書による点検計画の指示はなされていなかったということが明らかになりまして、大臣の御答弁では、やはりそういう指摘を受けてきちっと管理体制、安全体制やっていきたいというふうな御答弁も、衆議院ですけれども、吉井議員の質問にお答えをされています。 私もいろいろ調べてみましたけれども、本当にこれは保安院の甘い体質といいますか、本当に規制監督機関としての私は姿勢もさることながら、能力も疑いたくなるような事態だと思います。 シュラウドの応力腐食割れについて保安院が通達を出したのは二〇〇一年でございます、九月の六日です。それで今調査をやっているわけですけれども、NRCから通達来たのは九三年でございますから、これでは本当に余りにも対応が遅過ぎると。 しかも、今申し上げました二〇〇一年九月六日の通達というのも、応力腐食割れが起きやすいSUS304というのがあるわけですが、304から低炭素化したSUS304Lや耐食性の優れたモリブデンを配合したSUS316Lを採用するようにしたんだけれども、昨年の七月にはそのSUS316Lを使用している東電福島第二原発の三号機でシュラウドの亀裂が発見されたというようなことになっていて、これは非常に材質の問題としてももっときちっと調べなければいけない大きな問題が起こっています。 そこで質問ですけれども、一つは、今私は通産省、経済産業省のこのシュラウドに対するあるいは事業者に対する甘い対応と検査や監督能力にも疑問を持たざるを得ないということを申し上げましたけれども、七〇年代に運転を開始した原発でシュラウドが304Lのものが五基交換されないまま運転されています。安全性が大変心配です。どう対応するのかというのが一点です。 それからもう一つは、福島や中電の浜岡原発で応力腐食割れを起こしているSUS316Lなど、八〇年代に運転を開始した原発が九基あります。これも心配です。どうなさるのかということ。 それから、全体としてシュラウドについて、検査方法の充実も含めて国の定期検査の対象にこのシュラウド、今一番注目を集めておりますこのシュラウドにつきましては、もうあいまいなことは許されないと思います。国の定期検査の対象にしてきちっと見ていくということが必要ではないでしょうか。
○政府参考人(佐々木宜彦君) 今、先生御指摘でございましたが、七〇年代に運転を開始し、シュラウドが行われていない原子炉は、東海第二発電所、福島第一原子力発電所四号機及び六号機、浜岡原子力発電所一号機、それから浜岡原子力発電所二号機の五基でございます。 八〇年代に運転を開始してシュラウド交換が行われていない原子炉は、女川原子力発電所一号機、福島第二原子力発電所一号機から四号機まで、柏崎刈羽原子力発電所一号機、浜岡原子力発電所三号機及び四号機並びに島根原子力発電所二号機の九基でございます。 これらの十四基の原子炉におきまして、現在シュラウドにインディケーションやひび割れが確認されているものは、福島第一原子力発電所四号機、福島第二原子力発電所二号機及び三号機、女川原子力発電所一号機、柏崎刈羽原子力発電所一号機並びに浜岡原子力発電所四号機の合計六基でございます。 これらのひび割れ等が確認されているシュラウドにつきまして、現在、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の原子力発電設備の健全性評価等に関する小委員会において、技術的に学識経験者等の意見を聞いて、どういう方向で今後これに対応していくかという方策、それから評価の方法について御検討いただいておりまして、この結果を踏まえて、我々対応いたしたいと思います。 また、現在行われているシュラウドの点検の結果を踏まえて、ひび割れが発見された箇所からのサンプルを採取いたしまして、傷の進展、原因の究明が、言わば福島の第二の三号機と同じようなパターンであるかとか、あるいは違う要因があるか、いろんな原因究明にかかわる情報をもう少し詳細に調査をした上で今後の必要な対応を検討していきたいと、このように考えている次第でございます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 我が国では、御指摘のように、平成六年六月に福島の第一原子力発電所の二号機のシュラウドでひび割れが発見をされまして、この対策といたしまして、当時の資源エネルギー庁は事業者によるシュラウドの点検計画を取りまとめました。また、十三年七月に、これも御指摘ありましたけれども、第二原子力発電所三号機において、応力腐食割れに強いとされていた種類のステンレス鋼、これはSUS316Lを用いたシュラウドについても加工方法を原因としたひび割れが生じたことから、原子力安全・保安院は、同年の九月、同様のシュラウドを有する事業者に点検の実施及び報告を指示をいたしました。このように、当省としては新しい知見が明らかになったときなどに随時対応を取ってまいりました。 しかしながら、今回、東京電力の自主点検記録に係る不正の事案の中で、シュラウドのひび割れを発見したにもかかわらず対策を行わないまま放置し、技術基準適合義務違反の可能性があったもの、インディケーションが見られたにもかかわらず異常なしとして処理し、その理由を記録しないなど不適切な取扱いを行ったものがあったことも判明をしました。そのため、今般の法律改正によりまして、シュラウドなどの技術基準が適用される設備について定期事業者検査を義務付けることを提案をさせていただいたところでございます。 なお、定期検査と、こういうことでございましたけれども、定期検査は安全上極めて重要な設備を対象として国が検査するものでございまして、シュラウドはその損傷によりまして原子炉冷却材喪失事故のような重大事故を引き起こす可能性が極めて低いものであることから、これは定期検査の対象にしない、こういうことに相なっております。
○西山登紀子君 大臣最後に、低いとおっしゃったけれども、百億円も掛けて、しかももう一年以上の時間を掛けて交換をしなければならないほどにこれはほうっておけないものなんですよ。 ですから、これはやはり安全を第一優先にして国の定期検査にきちっと入れて、安全確保に全力を尽くすということが今国民の信頼を回復する上では私は不可欠な最低のものだと思いますけれども、最後にもう一度大臣のお答えを伺って終わりたいと思います。
○委員長(田浦直君) 簡単にお願いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 安全性を担保するということは原子力にとって非常に大切なことでございます。ですから、西山先生のおっしゃる意味も分からないわけではございませんけれども、先ほど御答弁させていただきましたように、これは炉心のところでカタストロフィーに結び付く、そういうものではないという判断の中で定期検査に入れていないと、こういうことでございまして、私どもといたしましてはそういう今見解の中でやらせていただいている、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○広野ただし君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の広野ただしでございます。 今日もしんがりでございます。お疲れでしょうが、重要な問題でございますのでよろしくお願いを申し上げます。 今度の東京電力始め代表的な電気事業者による事案につきましては、私はまあやはり日本全体が非常に病んでいるなと、こういう思いがいたすわけです。政界は政界で、鈴木宗男議員の不祥事を始めいろんな問題がある。そして、官界はプール金、外務省のプール金のような、あるいは過剰接待といったようなことでいろんな問題を抱えている。そして、経済界は特に日本の企業を代表するような企業の方々、そしてまた経団連の会長にも擬せられるような方、こういうことでありますから、経済界においても遵法精神といいますか、あるいは企業倫理と申しますか、そういうことからいってこれはやはり非常に問題がある。正に日本の病の一つの表れかなと、こういう思いがいたすわけであります。 一方で、現場ではもうこの安全のために地道な努力をやはり積み上げていると思うんですね。しかし、その中でどうもやはりその企業風土といいますか、そういうところに問題があるんだ、こういうふうにやはり思うんですね。 日本の場合は、この間参考人からも言われたんですけれども、隠す、あるいはうそをつくということに対しては日本人は非常に厳しいと。そういう遵法以上に、法を守る以上にそこのところがありますともう許せない、こういう話になってしまうわけですね。そういうときに私は、今まで、じゃなぜこの原子力において隠さなければならなかったのか、うそをつかなければならなかったのか、そういうところがやはり一つ大きな問題があった。何か安全ということに、今日午前中もありましたけれども、もう絶対安全なんだと、絶対安全と。人間が作るものに絶対なんて付くものが果たしてあるのかと、こういうことなわけですね。 そういうところに、まあしかしこの間も敦賀市長に来ていただいてお話を聞きましたけれども、地元民はそれなりに分かっておられる。国民の皆さんはある程度非常に賢いですから、人間の作ったものに絶対なんてあり得ないと、こう思っておられるんですから、そこのところを分かりやすく本当によく説明を、また分かりやすい、役所の言葉じゃなくて、分かりやすくやっていくということが非常に大切だと思うんですね。 ですから、この間も参考人にも申し上げたんですけれども、まあ例えば車に例えれば、いや、これはこすってペイントが取れた、はがれた、これはバンパーが壊れたんだと、これはワイパーが壊れたんで、しかしやっぱり運転には問題がある。バックミラー、先ほどバックミラーの話が出ましたが、バックミラーもちょっとだけこすったものであれば大丈夫でしょう。だけれども、バックミラーが破壊したと、こうなれば運転に問題がある。ですから、そういうことを分かりやすくランク付けをして、この以上になったらやはりこれは運転を止めなきゃいけないんですよというようなことをやっぱりやっていくということが非常に大切だと思っておるわけですが、日本全体のこの病の問題と、もう一つ安全神話に関することについて、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) やはり、戦後半世紀以上たちまして、ある意味ではいろんな面で制度疲労といいますか、日本も大変そういう意味では問題点が露呈してきていることは事実だと思っています。それはいろいろな原因があると、こういうふうに思っておりまして、やはりそういう延長線上の中で今回のこともやはりその淵源をたどるとその原因の一つになっているんじゃないかなと、こういう気がしております。 また、いわゆる安全性神話のことについてお話がありましたけれども、この安全性神話に関しましても午前中の御質疑の中でも同じ御意見が出ました。 私も、やはり人間がやるものにはそれは完全無欠なものはない、したがってそれを早目早目に手当てをして、そしてより良いものに近づけていくということが我々人間に課せられた一つの大きな使命だと思っておりまして、そういう意味では、やはり今回のそういうことを教訓として私どもとしては足らなかったところをしっかり補っていくと、そういう面でもいわゆる維持基準というようなものも今回の法案の中で導入をさせていただく。 しかし、繰り返しになってあれですけれども、原子力に対してはやっぱり安全ということが一番大切ですから、そのことを中心に据えてそういうものを体系付けていく、こういうことが私は必要だと思っておりまして、先生の二点に関する御意見については私は非常に同感でございます。
○広野ただし君 この間、東京電力の社長が見えましたときも、信用を積み上げるのはもう非常に長きを要する、しかし信用を壊すのは一瞬にして壊れると、こういうことでございました。 そういうことで、その中で私今回のことをもう一度やっぱりやり直しをしていくということは本当に大切な、原子力にとって大事なことだと、こう思っておりますし、東電の幹部の人たちが責任を取ってあっという間に潔く辞められたということも、ある意味では非常に責任感の強いやり方でありますし、ここから再生の道が始まってきているというようにやっぱり期待したいと思っておりますし、そういうことでないと日本のエネルギー事情、やはり非常に厳しいものがありますから、そういう面ではこれからやり直していかなきゃいけないと、こういうふうに思っておるわけでありますけれども。 この中で、今度の法律の中でダブルチェック体制ということをよく言われるわけでありますけれども、ここのところももう一つ分からないんです、素人には。要するに、二重行政ということであれば行政効率の面からこれはとんでもない話なんですね。しかし、何か役割分担が行われておるということであれば、それは国民の皆さんも、おおなるほど、そういうことでダブルチェックになっていて非常に安心だと、こうなるわけでありますので、国民の皆さんに是非そこを分かりやすいことで御表現、御説明いただきたい、こう思いますので、大臣と原子力安全委員長、それと文科省の副大臣ということでお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 原子力安全・保安院と原子力安全委員会は同じことを重複して行うものでございませんで、原子力安全委員会というのは一次規制行政庁たる保安院を監査的な立場からチェックすること、こういうふうになっております。 今般の一連の不正事案に関連しても、勧告をいただくなど、原子力安全委員会からは原子力安全の確保について規制の在り方や運用について監査的な立場からの御指摘をいただきました。 今回の法案には、ダブルチェック体制の強化のため、規制を直接行う当省などの行政庁が、まず原子力発電所に関する工事計画の認可、それから定期検査や定期事業者検査の実施体制の審査、こういった各種の規制等の実施状況について原子力安全委員会に報告をさせていただいて、その御意見を聞いて、そして保安の確保のための必要な措置を講じることを盛り込んでいるわけであります。 さらに、原子力安全委員会におきましては、規制当局だけではなくて事業者からも情報の収集を行って、規制当局がその任務を適正に遂行しているかを確認をし、必要な場合には改善を指示することによりまして、御指摘のような監査的な体制をより強化させた形で発揮させるものと考えております。 当省としては、規制当局として原子力安全委員会からのチェックを受けながら、緊張感を持ちながら安全規制行政の質を高めていくことが必要だと、こういうことでダブルチェック体制を完全なものにしていきたいと、このように思っております。
○政府参考人(松浦祥次郎君) 原子力安全委員会の松浦でございます。 今、平沼大臣からお答えありました趣旨と似ているところがあるかも分かりませんが、お答えさせていただきます。 原子力安全委員会では、現在、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づきまして、原子炉の設置許可の段階においてダブルチェックを行っております。 このダブルチェックと申しますのは、今もお話ありましたように、一次規制庁が行うことをそっくりそのままなずるということではございませんで、原子炉安全専門審査会の審査委員が自ら自分たちの審査をする安全審査の指針を作りまして、それに基づいて審査をするわけでございます。すなわち、専門家の立場から客観的な視点で審査をしているわけでございます。 それからもう一つは、実は実用発電用原子炉等の主要な原子力施設の設置の場合には、実はその審査、再審査に係りましては客観性を高めるということと、それから地元の住民の方々の御意見を参酌するということで、地元で公開ヒアリングを行います。これは、その原子炉の固有の安全性に関するヒアリングを行うということでございます。これを参酌して審査を進めております。 このように、原子力安全委員会は、独自の観点あるいは独自の物差しといいますか、それからチェックしているわけでございまして、言わば安全委員会は一次行政庁が行われました安全規制に関する問題に対して監査的な立場からチェックをすると、このようにしているわけでございます。 さらに、今回の法律の改正案におきましては、原子炉の設置段階だけでなくて、運転段階におきましても規制行政庁による規制の実施に関して原子力安全委員会のダブルチェックを行うと、こういうことでダブルチェックの機能が強化されるわけでございます。これは、今までも実は実際に行っていたわけでございますが、これが法的にきちんと位置付けられるということでございまして、これにつきましても単に一次規制庁のなされた規制活動を追認すると、そういうことではなくて、専門家によります客観的な中立的な調査分析を行うと、こういうことで、安全規制上の重要事項に関していろいろな意見や見解を述べていくと、このようにして、一次規制庁のなさったことを後からちゃんと監査、監視するという、そういう機能で行っていきたいというふうに考えているわけでございます。
○副大臣(渡海紀三朗君) 基本的には我が省も一次規制庁でございまして、主に科学技術に関する実験炉等を我々は責任を負っておるわけでございますが、やはりこの同じダブルチェックでより信頼なり安全というものが高まるというふうに考えておるところでございます。 私は、この話を聞いていて、一番大事なことは、やっぱり客観性と中立性があるか、そういう意味で、今、安全委員会の委員長がお答えになったわけでありますけれども、やっぱりこの一次規制庁とは違ったところにそういった組織がきちっとあってチェックをされるということは大変重要であるというふうに考えておるところでございます。
○広野ただし君 私は、この日本の場合、どうしてものど元過ぎれば熱さ忘れるということで、エネルギー危機が二回にわたって日本経済を襲った、日本の社会を襲った、そのことをすぐ忘れてしまうと、こういうところにやはりちょっと問題があるなと思っておりますが、やはりしっかりとしたこのエネルギー体制というものを作っておかないといけない。 そのときに、どのエネルギー、燃料につきましてもそれぞれ長所短所があるわけです。石油でも石炭でもLNGでも原子力でも一長一短のところがある。その中でベストミックスという形でやっていかないと責任あるエネルギーの供給はできないということだと、こう思っておりますが、原子力の場合はやはり三つ問題があるということだと思います。安全の問題と、もう一つは廃炉の問題、最後に処理をする廃炉の問題、そしてまた核燃料の最終処理といいますか、その使用済み燃料の最終処理の問題、この三つが問題なところだと思いますけれども、やはり安全ということについてはしっかりとしたことをやっていかなきゃいけない。 これが、アメリカがスリーマイル島の、七九年ですか、あれがありましてから、原子力に対する信頼が非常に落ちて、二十年前ですと、原子力支持派が四九%、反対派が四六、七%ということで、ほぼ拮抗するくらいになったわけですね。ところが、それから二十年ぐらい、もう非常に安全の問題に力を注いで、今では原子力支持派が六七%、三分の二以上の支持を得て、そして反対派が二六、七%というふうにまで低下しているわけです。 いずれにしても、長い間、安全の問題について信用を積み重ねてきたことがこういう原子力支持派というものがもう非常に多くなったということだと思いますので、ここのところをやはり日本ももう一回、これを奇貨としてやっていかなきゃいけないんじゃなかろうかと、こう思っておるわけです。 そういう中で、この間、参考人もおっしゃっていましたが、科学的合理性を持った規制の仕方ということがおっしゃっておりましたけれども、私は、何でもかんでもがんじがらめにするというのはやはりちょっとそれは問題だろうと。もう分厚い規制ハンドブックみたいなものがあって、だれも読まないくらいのものがあって、規制がんじがらめということではあってはならないので、やはりそこにある程度インセンティブが働く。良好な運転を続けた事業者については、その実績を見て、規制の負担が和らぐというようなものにやはりなっていないと、みんな一律に、ある程度問題が起こした事業者とそうでない事業者と一律にしてやっていくのはそれこそ護送船団のような話で、これは何のインセンティブも働かないんだと思うんですね。 ですから、やはりよう頑張ったというところについては、もちろんその重要な部分の分解、点検ということはやらなきゃいけないですけれども、そういう良好な実績というものを十分評価されるようなそういうものを作っていかないと、がんじがらめの規制はどうかなと、こう思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) がんじがらめの規制というのは、これは非常に硬直化して、そしてインセンティブが働かないと、こういう御意見だと、こういうふうに思います。 ただ、日本の場合には、原子力というものに関しては非常にその安全性について国民の皆様方の心配があります。したがいまして、私はインセンティブを与えると、こういうことで規制をどんどん成績のいいものから外していくということに関しては、やはりある意味ではしっかりと見据えて慎重に私はやらなきゃいかぬと思っておりまして、むしろそういう事業者に対しては、もしインセンティブを与えるとしたら、規制ということよりも事業の意欲がわくようなそういうインセンティブを与える方が、この安全という、日本の今の国民の皆様方の安全に対する心配を考えたときにはそういう形でのインセンティブの方がいいのではないかなと、私は個人としてはそんなふうな感想を持っているところでございます。
○広野ただし君 今はこういう事案が起こったばかりですから、そういうことはなかなか言えないんではないかと思いますけれども、やはりそこが科学的合理性という問題だと思うんですね。決してがんじがらめにしていいものではないと私は思いますので、例えば三年ごとに見直しをしていくとか、そういうことをやってインセンティブが働くようなものにしていっていただきたいなと、こう思っております。 それと、今度の事案も、正に申告といいますか内部告発というようなことで明らかになってというようなことでございますけれども、日本の風土で内部告発をしますと、和をもって貴しとなす国でありますから、正に周りから冷たい目で見られると、こういうことでありますから、やはり内部告発者といいますか申告者を守る、守ってあげるという、そういう体制を事業者が作っていないといけないと、こう思うわけであります。 実は、今日、私は事業者に来てもらいたかったんです。どうやって考えているんですかということを、来てもらいたかったんですが、どうも恐れをなされて来られなくなっちゃったんですが、是非そこいらもよくやっていただきたいと思いますが、もし事業者にそういう保護体制がないときに、経済産業省として、そのことについてここはこういう体制を直すべきではないかということを指導あるいは改善を勧告するとか、そういう措置はないんですか。
○大臣政務官(桜田義孝君) そういうことができるようになっております。 今回の東京電力の不正問題の発生を踏まえまして、電力会社においても申告に対する重要性を認識しているところでありますし、社内における申告を制度化したり、今後制度化を検討する動きがあると聞いておるところでございます。 その制度におきましては、各事業者においては、申告者を保護する観点から、イントラネットや電話によって申告を受け付ける際に申告者が特定できないシステムとしたり、申告の検討結果を公開するに当たりましては申告者の了解がなければ氏名を公開できないというようなことで十分配慮がなされておるところと聞いておるところでございます。 また、なお原子炉等規制法に基づきまして、国に対する申告を行った従業員の保護が義務付けられているところでありますし、事業者がこの法律を遵守すべきことは当然であると考えております。
○広野ただし君 先ほど松議員からもお話ありましたが、そこで一応、非常に問題になりますのは事業者の範囲であります。ですから、請負業者、メーカーがいろいろと入って、修繕等もやります。更に大変なのは、そのメーカーの下請になっている人たちですね、これがやっぱりみんなお客さんですから、あるいは大手のところから言われたら申告したくても申告できないというのが日本の風土なんですね。 ですから、ここのところを、単なる電気事業者だけをやるんじゃなくてそういう幅広いものを是非考えてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(桜田義孝君) 先ほど西川副大臣がお答えになりましたように、従業員の中には、電気会社の従業員のみならずその下請に入るような働き手の方々も従業員という認定をして保護の対象となっているということでございます。
○副大臣(西川太一郎君) 時間が限られているところ恐縮でございます。簡単に追加をさせていただきますと、これは法文を読むとなかなかそのように読めないですね。「も」というところでケース・バイ・ケースで、先ほども御注意がありました。しかし、これは判例があるんです。 したがって、将来、先ほども御答弁申し上げましたように、法改正をする余地が残されている、このように理解しております。
○広野ただし君 じゃ、そういう指導を是非やっていただきたいと、こう思います。 それと、この申告とか内部告発というと、またこれもよく分からないんですね、私なんかの考え方では。非常に単純に分かるのは、これは何といいますかね、原子力安全一一〇番というようなものを原子力安全委員会にも設ける、そして保安院にも設けると。原子力安全一一〇番なら、何か頼りになるかなというような形でいろいろと連絡もあるんではないかと、こう思うわけなんですね。だから、申告とか何かこういう難しい言葉を使わないで、是非そういうことも考えていただきたいというふうに、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 申告制度を実効性のある制度として運用するためには、この制度の内容が広く一般に認識されるとともに、申告を行おうとする者が申告しやすい環境を整備するということが非常に大切だと思っています。 このため、原子力安全・保安院におきましては、申告制度の趣旨について広く一般に周知するために、原子力安全・保安院のホームページにおきまして、申告者の個人情報の保護も含めまして保安院における申告処理の方法を開示するとともに、申告者が申告を行う際の手続等に関する情報も掲載をさせていただいているところでございます。また、申告しようとする方の便宜を図るために、申告は電話、ファクス及び電子メールにより受け付けております。さらに、申告者がメッセージを録音できる専用電話を開始をいたしまして、これにより夜間、休日を問わず二十四時間受け付ける体制を取っているわけでございます。 原子力安全・保安院といたしましては、以上の取組に加えて、今後につきましても申告者が申告しやすい環境を整備するため、申告制度について更に広報を行って周知徹底を図るとともに、申告制度の運用について充実をさせていこうと、このように思っているところでございます。
○政府参考人(松浦祥次郎君) 今、原子力安全委員会にも安全一一〇番を設けてはどうかという御提案がありましたので、お答えをさせていただきたいと思います。 この原子力の安全を確保するという点では、私は常々一番重要なのは、現場の作業をする人、技術を持っている人が高い誇りを持って作業をするということが一番重要だと思います。そういう方々は、実のところは現場で妙なことがあったとすると、それはその誇りを傷付けられるわけでありますから、何とかはっきり言いたいというふうに思っておられるのが普通だと思います。 そういうことですので、現場のそういう方が物を言いやすい、そういう雰囲気を作るというのが何より大切だと思います。ただし、そういう方々が現場の中、職場の中で言いにくい、それから行政庁にも何か言いにくいという、そういう気分があるようでしたら、安全委員会の方では是非そういうのを受け取りやすいようなことを考えないといけないというふうに考えております。 この点で、実は私は昨年の夏ごろから各現場を順番に回っておりまして、現場の方々と安全文化といいますか、安全を保っていく上で一番重要なのは何かということで意見交換をやっております。この中で一番強く申し上げておりますのは、いつもこれでいいのかなという聞き直す態度といいますか考え方、これは国際原子力機関の安全文化の文章の中ではクエスチョニングアティチュード、物を聞く態度というふうに言っておりますが、これが一番重要だと思います。ここで変だなと思ったときに、それをちゃんと伝えていただくということが大事だと思います。 こういう点で安全委員会がそういうことを受け取る雰囲気を持っているんだということを皆さんに知っていただくために、これからも原子力安全委員会は現場へ出ていって、規制庁とは違った形で現場の方々と意思疎通ができるように図っていきたいと思います。その中で今御提案のありました安全一一〇番というようなことについても、具体的にどういうことがあり得るかということを考えていきたいと思います。
○広野ただし君 正にそのとおりで、やはり現場の人たちは非常に真摯に誇りを持ってやっていくという、そういう雰囲気にならなきゃいけないと思いますし、そこのところが企業の倫理でありますし、遵法精神あるいは社会正義の問題だと思うんですね。ここのところをしっかりとやはりやっていってもらいたいなと、こう思っております。 それともう一つ、先ほど原子力の短所と申しますか、そこのところで廃炉の問題です。 日本原子力発電でいよいよ廃炉のことをやっていくわけでありますが、廃炉についてはやはり放射能の問題ですとか、あるいはコストがどれぐらい掛かるんだろうかとか、あるいは技術的なやはり不安というものが国民の皆さんの中にあると思うわけです。そこのところについて分かりやすく、海外ではかなりやっておるわけでありますから、どういうところまである程度分かっていて余り不安がないんだというようなことなのか、いや、これからやってみないと分かりませんと、こういうことなのか、お話しいただきたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。 原子力発電所の廃止措置を円滑に行うためには、廃止、廃炉に要する費用をあらかじめ積み立てておくということが必要かと思います。廃炉についての技術的な基準というものと併せまして、そのための準備をしっかりやっておくということが肝要かと思います。 そのために原子力発電施設解体引当金制度を創設いたしておりまして、日本原子力発電を含みます十の電気事業者においては、十三年度末で九千八百八十九億円の引当金を積んでおります。これは今現在、向こう四十年にわたって費用を積むということで、総見積額としては約二兆五千億円必要というふうに見ておりますが、これまでの運転開始からの期間を勘案しまして、引き当て率としては平均しますと三八・五%ということで、総額では約九千九百億円の引き当てを現にこれまで積んでいるところでございます。
○広野ただし君 技術的なことで。
○政府参考人(岡本巖君) 実績という点では、実際にこの引き当てを取り崩しました額は十三年度でまだ三十一億ということで、実際、この引き当ての取り……
○広野ただし君 技術的なその、ここはこうとか。
○政府参考人(岡本巖君) それは東海の廃炉というのが真っ先にあるわけですが、今の各電力会社の廃炉というものはまだしばらく、これから約十年弱ぐらい先ということに早いものでもなろうかと思います。
○広野ただし君 私のいろいろと聞かせていただいたところでは、文科省のやっておられるJPDRでの廃炉の技術、あるいは海外でも廃炉のいろんな事例が出てきていますので、自信を持ってやっていけるというふうに聞いておりますが、これは日本でもそれだけの技術があるかどうか、これから実証していかなきゃいけないことだと、こういうふうに思っております。 ところで、今度、原子力安全基盤機構ですか、こういう独立行政法人が作られるということであります。今まで民間の三法人、公益三法人で、これは原子力発電技術機構ですか、あるいは発電設備技術検査協会、原子力安全技術センターということで、民間でやれたんですね。それをなぜ独立行政法人というものを作って、私はもうこれこそ焼け太りだと思うんですね。そういうことではなくて、政府がやるべき、行政がやるべきことがあるならば、それを決めて、それをアウトソーシングでやると。そのために、そのときには、契約ですとか機密保持ですとか、そういうことをきちっと決めて契約をするということが非常にスリムな行政を作っていく意味で非常に大切なことだと思っておるんですが、結局、問題が起こったらば何か新しい組織を作って焼け太っていくと。これがもう一番日本の悪いところで、行政改革に逆行をしていると、こう思うわけですが、その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 原子力基盤機構のような独立行政法人を作ると結局焼け太りになるのではないか、こういう御質問だと思います。その前に、アウトソーシングということもおっしゃいました。 原子力安全基盤機構というのは、行政改革、公益法人改革の一環として、本年三月に閣議決定が行われたことを受けて設立をしようとするものでございます。公益法人改革は民間にゆだねられるものは民間で行うことが原則でございますけれども、原子力安全規制に関する業務のように、国民の生命保護等の観点から、これにより難く、国の強い関与が不可欠なものについては、既存体制の合理的再編成を行った上で、国又は独立行政法人においてこれを実施するとの考え方で検討が行われたものであります。 原子力安全基盤機構が行う業務のうち、これまで国が公益法人に委託して実施していた業務は、安全審査に際して行われる解析作業、各種安全性実証試験、防災用の事故進展予測システムの設備運用などであります。これらの業務は、国民の安全確保を使命とする原子力安全規制や防災業務の主要な要素であることから、ただいま申し上げた公益法人改革の考え方に沿って独立行政法人原子力安全基盤機構において実施をすると、こういうことにしたものでございます。 また、国から公益法人に対する委託等につきましては、平成十二年十二月に閣議決定された行政改革大綱に基づいて、官民の役割分担等の観点から見直しが行われました。その際、原子力安全規制のように今後とも国の関与が必要な分野については、公益法人ではなくて、むしろ国又は独立行政法人において直接実施することが適当であるとの基本的な考え方が取られたわけであります。 今回の独立行政法人原子力安全基盤機構は、このような行政改革の流れの中で設立されることが決定されたものでございます。また、業務の移管に当たりましても、共通業務の合理化でございますとか管理事務の抑制等を徹底的に図りまして、既存の公益法人の体制よりスリムな組織として一層効果的かつ効率的な事業の遂行を図ることとしております。 さらに、今回の原子力発電所における不正記録等の問題が発生したことから、定期事業者検査の制度化など再発防止策を提案させていただいておりますけれども、国との適切な役割分担を図りつつ、専門家集団である機構を活用することによりまして、原子力安全規制の効率的かつ実効的な実施が可能であるものと考えております。 今後とも、御指摘のような批判を受けることのないように、これらの行政改革の理念に沿った設立趣旨を十分に踏まえつつ機構の業務実施状況の評価等を行いまして、効率的な運営が行われるように努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○広野ただし君 公益法人改革のことを例に取られますが、それはまた別の考え方なんですね。この三つの三法人で今までやっていて今回の問題が起こったということでは全くないわけです。法体系に何らかの問題があった。この三法人は一生懸命やっていたんですね。 ですから、これを三つ束ねて、一つだけはがっと全部吸収するようですけれども、それでやるんじゃなくて、私、かねがね独立行政法人というのは、最終的には国の悪いところと民間の悪いところが出て、親方日の丸主義で無責任なものになっていく、そこに赤字がたまったら結局どうするんだということなんですね。ところが、公益法人でこうやって、民間法人、あれを見ますと、そこが赤字になろうがそれは国の責任じゃありません。 ですから、何かやっぱり全部丸抱えしていくことの方が私は非常に問題があって、独立行政法人をこうやって作ってやるよりも、国のやるべきことはこうなんだということで、それをアウトソーシング等でやれば非常に効率的なことがやれるんではないかと、こう思うんでありますが、大臣の本音を伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) おっしゃることも私どもは理解できないわけじゃございません。 独立行政法人制度というのは、国の関与を最小限にして自立性を高める一方で、経営責任を明確化しまして、具体的な目標の設定や管理を行うとともに、厳格な外部の評価、この実施によりまして、状況によりましては、廃止を含めまして組織や業務を定期的に見直すことになっております。 また、会計面におきましても企業会計を原則といたしておりまして、財務諸表を公開するなどの透明性を向上させているわけでございまして、やはりそういう意味では、例えばトップの交代も含めて、私どもとしてはそういう開かれた運営をしていくと、こういうことでございまして、御指摘の点も私どもは理解できますけれども、今回、この原子力にかかわる、やはり国民のいわゆる生命、安全、そういうものにかかわるものでございますので、開かれた形の独立行政法人の中で効率的に、そして国民の皆様方が納得いただくような、そういう体制でやらせていただきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○広野ただし君 終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(田浦直君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、小林温君及び片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として後藤博子君及び山下善彦君が選任されました。 ─────────────
○委員長(田浦直君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べいただきます。
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、電気事業法及び原子炉等規制法一部改正案並びに独立行政法人原子力安全基盤機構法案に対する反対討論を行います。 東京電力などによる原発の自主点検記録の改ざん、原子炉格納容器の漏えい率偽装などが発覚し、原子力に対する国民の不信が高まっています。二法案は、この反省の上に国民の信頼を回復するために提出したとされていますが、二法案の骨格は昨年より既に準備されてきたものであります。しかも、一連の事件の全容解明が不十分なままで、実効性ある再発防止策が取れるはずがありません。 電気事業法等改正案に反対する理由は、いわゆる維持基準の導入により、技術基準の適用が不明確だったことが不正事件の要因だとする原子力事業者と規制当局の責任を免罪することにつながるからです。 今回の東電等の不正事件は、国の原子力安全文化、安全神話なるものが全くの虚構にすぎないことが明白になった事件であります。質問でも明らかにしたように、軽微な損傷も法律で報告を義務付ける徹底した改善が求められています。原発立地市町村、知事会など国民が求めている徹底した透明性の確保と情報の公開を保障することこそ今取るべき道であります。 原子力安全基盤機構法案に反対する理由は、本来国が実施すべき検査を非公務員型の独立行政法人に任せることは、国の検査部門を現場から遠ざけ、原発の安全確保に対する国の責任を後退させるものだからです。 原子力業界が設立した財団法人の業務を独立行政法人に移管し、業務だけでなく原子力事業者とのなれ合い、癒着まで引き継ぐことにつながり、原子力安全規制の被規制者からの独立性、中立性の確保を図ることに逆行することは明白です。 今、国民が求めているのは、保安院と原子力安全委員会によるダブルチェックがあるかどうかではなく、原発を推進する責任、権限を持っている経済産業省から原発の規制部門を切り離し、独立した権限を持つ機関による規制を確立することだからです。 日本共産党は、原発損傷隠ぺい事件を踏まえて、第三者機関による事故隠しの全容の徹底的な究明を行うこと、安全確保のために独立した原子力規制機関を確立すること、原発増大路線に根本的なメスを入れること、プルトニウム循環方式政策、核燃料サイクル施設の総点検、計画の中止を図ることなど、国民の安全のための措置を実施することを求めて、反対討論を終わります。
○委員長(田浦直君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 平田健二君から発言を求められておりますので、これを許します。平田健二君。
○平田健二君 私は、ただいま可決されました電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 原子力発電所における事業者の自主点検作業記録に係る不正や国の定期検査において偽装が行われていたことを踏まえ、原子力事業者に対して原子炉の安全性について行っている調査の結果を速やかに報告させるとともに、総点検結果を厳正に審査し、結果を公表すること。 二 今般の問題が、今後の我が国のエネルギーの安定供給及び京都議定書の目標達成に支障を及ぼさないよう、原子力エネルギーの位置付けを含め、エネルギー政策全般について検討を行うこと。また、自然エネルギーの開発・導入をさらに推進し、自然エネルギー利用の促進を図ること。 三 当委員会における議論及び参考人の意見等を踏まえ、原子力安全規制の信頼性を回復するため、原子力安全・保安院がより独立した役割を果たすよう、その在り方について検討すること。さらに、原子力安全・保安院と原子力安全委員会とのダブルチェック体制の強化の方策についてさらに検討すること。 四 事業者検査に係る審査結果に対する評定に当たっては、原子力事業者の事業者検査に係る社内体制や不正防止体制の確立状況について厳格に評定すること。また、その評定は、科学的合理性に基づき、原子力事業者にインセンティブを与えるなど、原子力事業者の自助努力を引き出すような方式とすること。 五 原子力安全・保安院は、規制機関としての信頼性をより一層高めるため、検査官の人員の充実、技術評価能力の向上に努めること。 六 維持基準の意義については、国民や原子力施設立地地域の住民の理解が得られるよう十分に説明を行うこと。また、維持基準の作成に当たっては、作成過程の客観性、透明性を図り、最新の技術的知見を反映した国際的規格が合理的、迅速に活用されるような措置を講ずること。なお、民間基準を活用するに当たっては、国によるその承認・審査過程が柔軟性を欠いたものとならないよう留意するとともに、国の行う定期検査においてもこの活用に配慮すること。 七 事業者点検結果における故障、トラブルに関する報告の判断基準や保存されるべき記録については、設備・機器の安全上の重要度を考慮した上で、できるだけ明確・具体的に原子力事業者に示すとともに、それに基づき報告された内容については、国はその安全上の影響度を公平・適切に評価し、その結果を遅滞なく、これまで以上に明確に国民へのメッセージとして発信すること。また、報告の対象とならない軽微なトラブルについても、原子力事業者において情報を公開し、国がそれをより大きなトラブル防止に活用するよう努めること。 八 申告制度は、社会的な監視により国の原子力安全規制行政を補完する重要な制度であることにかんがみ、原子力事業者及び従業員に対し本制度の趣旨、申告手続について周知徹底を図ること。また、申告制度の運用については、原子力事業者のみならず、請負事業者及びその従業員からの申告についても、申告者のプライバシー保護を図り、円滑に情報提供が行われるように環境整備に努めること。 九 原子力発電所の安全確保においては、原子力施設立地地域の住民や地方公共団体との信頼関係が重要であることにかんがみ、国及び原子力事業者は、国民、原子力施設立地地域の住民及び地方公共団体に対し積極的に情報を公開して説明責任を果たし、原子力安全確保に対する透明性を確保すること。 十 将来の検査制度の在るべき姿として、原子力事業者の保安活動の適切性の確認に重点を置き、原子力事業者が常に改善努力を行わなければならない仕組みを作るために、検査制度全体を監査型体系に移行することを含め、検討を進めること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(田浦直君) ただいま平田君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、平田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、平沼経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平沼経済産業大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、これらの法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。 ありがとうございました。
○委員長(田浦直君) 次に、独立行政法人原子力安全基盤機構法案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 平田健二君から発言を求められておりますので、これを許します。平田健二君。
○平田健二君 私は、ただいま可決されました独立行政法人原子力安全基盤機構法案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 独立行政法人原子力安全基盤機構法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 独立行政法人原子力安全基盤機構(以下「機構」という。)の業務については、経営の一層の合理化、効率化と経費の削減に努めること。 二 機構の役員及び職員については、原子力安全分野に造詣の深い適切な人材を起用するよう十分配慮するとともに、原子力施設の検査等の事務に従事する職員については、原子力安全規制の被規制者からの独立性・中立性の確保を図る観点から、原子力事業者等からの出向者を充てないようにすること。 三 機構の役員の報酬及び退職手当については、独立行政法人通則法の趣旨を踏まえ、機構及び役員の業務の実績を的確かつ厳格に反映させること。また、経済産業大臣は、機構の役員の報酬及び退職手当の水準を、国家公務員及び他の独立行政法人の役員と比較できる形でわかりやすく公表し、国民の理解を得るよう努めること。 四 機構が所期の成果を挙げるためには、的確で厳正な業績評価が重要である。このため、明確かつ具体的な中期目標や評価基準を設定することとし、また、公正で客観性のある厳格な評価を確保するよう、評価者の人事及び評価の方法には細心の配慮を払うこと。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(田浦直君) ただいま平田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田浦直君) 多数と認めます。よって、平田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、平沼経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平沼経済産業大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、これらの法律の実施に努めてまいりたいと考えております。 ありがとうございました。
○委員長(田浦直君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田浦直君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十一分散会