国土交通委員会 第5号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/11/15
会議録
○久保委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省住宅局長松野仁君、総務省自治税務局長瀧野欣彌君、法務省民事局長房村精一君、厚生労働省大臣官房審議官阿曽沼慎司君及び資源エネルギー庁電力・ガス事業部長迎陽一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久保委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○久保委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅義偉君。
○菅(義)委員 自由民主党の菅でございます。 早速質問をいたします。 今回の区分所有法の改正案が成立をしますと、適正化法、建替え円滑化法と、いわゆるマンションに関する当面の重要課題と言われるものが大体めどがつくのかなというふうに実は思っています。約一千万人の人がマンション生活をしておるわけでありますけれども、私もその一人として、こうした新しい制度に期待をしているものであります。 この三つの法律というのは、これはすべて扇大臣のもとで成立しているわけですけれども、まず大臣に、今の心境みたいなものを簡単にお聞かせいただければありがたいと思います。
○扇国務大臣 昨今の日本の状況を見ましても、根本的にはそれぞれ一軒家を持ちたいというのが希望としては一番おありになるだろうと私は思います。ところが、諸般の事情でどうしてもマンションに頼らざるを得ないという状況の中で、マンションの居住者が多くなった。今菅議員がおっしゃるように、一千万人という居住者がおります。ところが、今、老朽化するマンション、バブル期にばんばん建てたものもございますけれども、十年後にはこれが百万戸になるというような恐ろしい数字が出てまいります。 マンションをお買いになったりマンションに賃貸で入っている人たちも、それぞれの権利は、一戸住宅を持っている方と同じような権利がなければ、共同住宅だからといって権利が主張できない、また保障されない、そういう不安があったのでは、社会現象としてもう本当に大変心配なことが起こり得るという想定のもとに、私は、この区分所有法、円滑化法、そして管理法、この三つがそろって、マンションに対する、私は、できれば三種の神器というくらいになればありがたいなと思っております。 法律のことでございますから、一〇〇%行き届いたものができるわけありませんので、それぞれその時代に応じて大胆かつ柔軟にという、小泉総理のお話ではありませんけれども、変えていくということも時代の流れであろうと思います。現段階でそれを整備する上では、一応皆さん方の御了解を得られ、安心して住めるということにぜひお役立ていただきたい、またそれを利用する方法を我々はぜひ普及させていただきたいと思っております。
○菅(義)委員 私も、マンションの居住者の一人として、ある意味ではこの制度ができて安心しているなというふうに実は思っております。 とはいえ、今大臣が言われましたけれども、これからもいろいろな問題が出てくるというふうに思います。例えば耐震だとかいろいろな問題があると思いますけれども、今後の参考に、これはぜひ局長に、どんなものがあるかお答えいただけますか。
○松野政府参考人 今大臣から今後の考え方、基本的な構え、お話がございました。委員からお話がございましたような耐震改修の問題も含めまして、建てかえあるいは修繕に係ります合意形成、あるいは建てかえの際の転出者に対する居住安定措置、耐震改修の支援方策など、地方公共団体、民間事業者、マンション管理士等の専門家の方々を含めた連携体制を整えまして、制度が有効に機能するよう、努めてまいりたいと思います。
○菅(義)委員 これからもマンションはますますふえていくと思いますので、そうした問題を解決できるよう、ぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。 今回の区分所有法の改正で、建てかえ決議の要件は、五分の四以上の賛成という特別多数によって決まることになりました。当然これは既に完成をしているマンションにも遡及的に適用されるわけであります。しかし、実際にマンションに住んでいらっしゃる人からいえば、当時はこれにまだいろいろな条件がついていましてね、それと違って新しい法律で建てかえをするようになるわけでありますね。その辺についてはどのような感想を持っているのか、お尋ねをします。
○房村政府参考人 マンションの場合には、一つの建物を複数の人で事実上共有しているという関係にありますので、その権利の行使等に当たって、どうしてもお互いの制約がございます。それぞれの人が一人で一つのものを持っているように自由にその権利を行使するということはできません。これは建てかえについても当てはまるわけでありまして、民法の原則のとおり全員一致を要求いたしますと、実際上建てかえが不可能になってしまう。したがいまして、いずれ建てかえが必要となる建物でございますので、合理的な建てかえの制度というものをつくりませんと、結局は区分所有権そのものの維持ができなくなってしまう、こういうことになります。したがいまして、区分所有建物の建てかえに関して区分所有者がこうむる制約というのは、それぞれの権利の内在的性質に基づいてこうむるものであるというぐあいに考えております。 当初出発した時点では、この区分所有法では全員一致を要求していたわけですが、それではとても建てかえができないということから、昭和五十八年に五分の四の特別多数決と過分の費用要件、こういうことで建てかえができるようにしたわけでございます。 ただ、この五分の四プラス過分の費用という、過分の費用要件につきましては、非常に明確性を欠いて、実際に建てかえを行おうとするとその円滑な実施の妨げになる、こういう御指摘を強く受けたところから、今回この見直しを行いました。そして、実質的に区分所有建物の建てかえが円滑に行えるように、合理的な解決が図られるようにということから、明確性に欠ける過分の費用要件は廃止し、五分の四の多数決のみにする、しかし同時に、その決議が合理的なものとなるように、集会等、決議に至る過程を整備いたしまして合理性を担保する、こういうことを考えたわけでございます。 そういう意味では、全体的に、今回の改正法案でお願いしております建てかえ決議の制度というのは、区分所有建物について合理的な建てかえの制度を整備するという内容になっていると思っておりますので、そういう意味では、現在の建物にこれを適用するということに法律的には問題はないものと考えております。
○菅(義)委員 今局長が言われました過分な費用というのが神戸の地震の後も問題になって、余りにもあいまい過ぎる、そういうことで廃止をされた。ただ、今も言われましたけれども、今度は建てかえ決議を予定する場合、二カ月前に理由などを通知する、こういうことであります。これは、ある意味では、過分な費用要件を外したから、バランス的にこれをつけ加えたのかなという思いもしないわけじゃないんですけれども、これについてはどうでしょう。
○房村政府参考人 そういう意味では、昭和五十八年当時、過分の費用要件を要求した趣旨としては、多数決による建てかえ決議について最小限の合理性を担保しよう、こういう趣旨であったと理解しております。 ただ、その合理性を担保するための要件が、かえって建てかえの妨げになってしまっているという御指摘があって見直したということから、これにかわるような合理性担保の手段を講ずる必要があるだろう。こういうことを考えまして、委員から御指摘いただきましたような、今まで一週間前に発すれば足りた集会の通知を二カ月前にしなければならない、また、その通知に、従来であれば建てかえの要領だけで足りたものを、その建てかえについての情報のみならず、建物を維持するとした場合にかかる経費であるとか修繕計画、修繕積立金、こういうような、建てかえるかそれとも建物を維持するのかということを区分所有者が合理的に判断をするに必要と思われる情報を必ず通知するように、こういう制度を設けまして、合理的な決定をしていただけるような仕組みにしたつもりでございます。
○菅(義)委員 さらに、この通知事項には、建てかえをしない場合でも建物の効用の維持または回復に要する費用、これは修繕と建てかえの費用を比較することができるよう、このようになっておりますけれども、一つの管理組合にとって、この費用を積算するというのは、これまた大変な問題であって、費用もかかることですよね。 これについては住宅局にお尋ねをしたいんですが、例えば、兵庫県の住宅供給公社ですか、これは計画を総合的にコーディネートする中で管理組合をサポートする、こういうことを聞いておりますけれども、こうしたことを全国的に広げていくことも必要ではないかなというふうに私は思いますけれども、これについてはどうでしょう。
○松野政府参考人 委員御指摘のように、今後、建てかえの際に、修繕すべきかどうかということも含めまして、その判断あるいは工法の選択、あるいは工事費の積算のチェックなど、関係権利者間の合意を進めていくということは、民間事業者の活動だけでは確かに困難な面があります。したがいまして、この場合、中立公平な公的セクターの役割も重要なのではないかという、御指摘のとおりだと思います。 お話のございましたように、兵庫県では、阪神・淡路大震災で被災しましたマンションのかなりの部分について公社が支援に入ったという実績がございます。こうしたことも、私どもも念頭に置いて考えていきたいと思います。 いずれにしても、地方住宅供給公社のあり方、国及び地方公共団体におきましてその見直しをしてまいりますけれども、今の御指摘の点を踏まえて検討させていただきたいと思います。
○菅(義)委員 ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。 さらに、管理組合の法人化についてお尋ねします。 今回の改正では、四十七条で定める、三十人以上という管理組合の法人化の要件を撤廃している。私もマンションに住んでいて、管理組合が生きた組織としてこれから機能していくためには法人化というのは必要だと思っていますし、これについて、私はよかったなというふうに実は思っております。実際に、この要件を撤廃した場合、法人の活用という点についてどんなことがあるのか、答弁をいただきたいと思います。
○房村政府参考人 現行法が三十人という要件を法人化に課しておりますのは、やはり法人化するメリットというのは相当大規模なところに限られるのではないか、このようなことからそういう定めをしたわけでございます。 ただ、その後マンションが普及するに従いまして、区分所有者が三十人に達しない比較的小規模なマンションにおいても、管理組合の活動を強化するために法人化したい、こういう要望が出てまいりました。 今回、それを受けまして、管理組合法人の設立について、人数要件を定めるということを撤廃いたしまして、それぞれのマンションの実情に応じて、法人化することにメリットを感ずるところは自由に法人化していただける、こういう仕組みにいたしました。そういう要望が来ていたくらいですから、私どもとしては、今回の改正によって制約が撤廃されたことに伴いまして、ある程度は法人化が進むのではないか、こういうぐあいに考えております。
○菅(義)委員 マンション管理組合というのは、委任状によって決まることが結構多いわけですけれども、そういう意味では、やはり管理組合の人の意識を向上するためにも効果があるというふうに私は思っております。 さらに、私の選挙区は横浜でありますけれども、ワンルームマンションで一人で生活をしている人、あるいは投資のためにマンションを購入している人、結構いらっしゃるんですね。こういう人たちというのは余り組合の会合に参加したりしない、こういう人が多いですね。しかし、この規定で、五分の四なければならないということでありますけれども、例えば、何回催促をしてもこの決議に参加をしない、こういう人たちに対しての対応というのは何かあるのですか。
○房村政府参考人 現行法の要件は、区分所有者の絶対数あるいは絶対的な持ち分権を基準としておりますので、集会に出席しない方についても反対の方にカウントされる、そういうことになっております。 通知をしても出席をしてこない人に対する特別の扱いが現行法に定められているかということになりますと、そういう議決権の数え方に関しては特段の定めはございません。 ただ、集会の通知をするということに関しては、届けられたところに通知をすればいい、あるいはそういうところを届けもしないような人については、どこにいるかわからない場合には、そのマンションの中に掲示をすれば通知をしたことになる、こういうようなそれなりの配慮はいたしてはおります。
○菅(義)委員 これは所有者不明の場合についても同じ扱いになると思いますけれども、これからは、例えば五分の一以上の人が反対であればできないわけですね。逆に、賛成の人が五分の四以下では、何としても熱心にやりたいといってもできないわけですから、例えば、何回通知したらいいんだとか、いろいろなことを検討していく必要性というのはあると私は思いますので、意見として申し上げます。 さらに、不在所有者の多いマンションへの対策として、区分所有関係を解消するという方法も、これは一つの方法として考えられるのではないかなというふうに思いますけれども、これについてはどんな見解を持っておりますか。
○房村政府参考人 現行の建てかえ制度というのは、現在のマンションを壊して、そこに同じ区分所有者で新しい建物を建てる、こういうことを前提とした制度でございますが、そういう新しい建物を建てるということなしに区分所有関係そのものを解消してしまう、その方法としては、代表的なものは、区分所有者の多数決で、区分所有建物とその敷地権を一括して第三者に売却してしまう。そういうことによって区分所有者は区分所有関係を離脱して、一括して売却した代金をそれぞれ持ち分に応じて配分する。このようなことが区分所有関係の解消の代表例だろうと思います。 実は、法制審議会の審議の中でも、建てかえもそうだけれども、そのような区分所有関係の解消ということも選択肢として検討すべきではないかという御意見もございました。ある程度議論もしたわけでございますが、ただ、区分所有建物について、各専有部分に担保権であるとか用益権であるとかさまざまなものがついた場合に、その処理をどうするかという、非常に複雑な関係が生ずる可能性がございます。そのようなことから、今回は、やはり緊急性の高い建てかえ決議そのものの検討を優先すべきではないかということから、区分所有関係の解消制度についてはそれ以上取り上げないということといたしております。
○菅(義)委員 今の問題も、これは将来的にまたぜひ検討していただきたいと思います。 そして、今回の改正で、団地の一括建てかえの場合は、全体には五分の四を満たした上で、各棟については三分の二以上を要する、そういうことになっています。民法では全員一致が共有物を処分する場合の原則でありますよね。しかし、今度の改正によって、区分所有法は、二分の一、三分の二、四分の三、五分の四と、いろいろ要件が定められておりますけれども、それにはそれなりにしっかりとした理由があるものと思っておりますので、その辺について御説明いただけますか。
○房村政府参考人 民法は、共有物の変更をしようと思うと、全員一致でなければいけない、こういう極めて厳しい制約がかかっております。ただ、共有者の間で意見が一致しない場合、そうすると行き詰まってしまうわけですが、そういう場合に備えまして、民法は共有物分割請求というものを認めております。これは共有者一人でできる、そして、その共有者の一人が共有物の分割請求をすると共有関係を解消してしまう。現実に物で分けられれば物で分けますし、現実に物で分けることが不可能であると、そのものを競売して第三者のものにしてしまう、その代金を分け合う。こういう形で、民法は、共有関係に基づく制約から離脱したいという人の意思を尊重する仕組みをつくっております。 区分所有建物も共有に係るわけでございますが、共有とはいえ、自分たちの住居として確保している建物ですから、民法の一般原則のようにそのうちの一人がもう区分所有関係をやめようと言えばそれでやめられるという性質のものではございません。これはどうしても共有として使い続けなければならない。そうなりますと、全員一致ではそれはもうとてもうまく運営できないことは明らかでありますので、多数決で物事を決めていかざるを得ない。その場合に、多数決で決めるべき事柄に応じて、その多数決の割合を変えていくということになったわけでございます。 最も基本的な管理、こういうものについては二分の一を超えるということで足りるであろう。もう少し重要な、例えば共有部分の変更であるとか、最も根本規範である規約の変更であるとか、こういうものについては四分の三の加重した多数が必要であろう。そして、さらに重大な建物そのものを取り壊してしまうという建てかえ、こういうものについては五分の四を要求する、こういう考え方で来ていたわけでございます。 今回、団地管理組合による一括建てかえ決議を設けましたが、これについても、そういう重大な事項でございますので、建てかえ決議と同じ五分の四ということにいたしました。今回の一括建てかえ決議の各棟ごとの要件として三分の二というものを要求して、これはまた新たな数字にはなります。これは、全体として五分の四という非常に高いハードルを要求しましたが、しかし、各棟ごとに見ると、各棟ごとの所有者の多数が反対しているのに建てかえを強制されるのはやはり不合理だろう、そういう意味で、大きな影響をこうむる各棟ごとについて見ても賛成者が相当多数いるということを確保すべきである、こういう観点から考えたわけであります。それと同時に、一括建てかえ決議という団地全体の要望を、ある一棟の少数の人が反対したからといって、全部がだめになってしまうということになるわけですので、一種の拒否権でございますから、余り少数の人で拒否できるようにするというのも一括建てかえ決議を設ける趣旨に反するだろう。このようなことから、賛成者が反対者の倍はいるということで三分の二というものを各棟ごとに要求いたしました。以上のような考え方で、かなりいろいろな数字が出てまいるわけでございます。
○菅(義)委員 多数の人を考えれば少数の人からの批判が出る、少数に配慮すれば多数の人から批判が出る、そういう中で、今の局長の説明は非常に説得力のある説明でございました。 以上で終わります。
○久保委員長 津川祥吾君。
○津川委員 民主党の津川祥吾でございます。 区分所有法及びマンションの建替え円滑化法の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。 まず、私の認識といたしましては、現実に発生している問題に対して対応するという意味では、こういった法案はまさに必要なことであろうということをマンションの建替え円滑化法のときも申し上げました。そういった意味では必要なものであろうかというふうに認識をいたしますが、同時に、中長期的な、マンションはどうあるべきか、あるいは住宅政策はどうあるべきかというような視点も常にやはり持っていかなければならないんだろうな、こういった認識を持っておりまして、そういった思いを持ちながら質問させていただきます。 まず、この建替え円滑化法の議論をしたときもそうでありましたが、こういった法案を議論するときに、大変多くの方から御関心が寄せられることがあります。なぜか。まさに今紛争が起こっている部分というものもあろうかと思いますが、もう一方で、分譲マンションに住んでいらっしゃる方々にとって、自分の帰るべきところが自分の意思に反して失われるかもしれない、大変深刻な不安があるということがその理由の一つでもあろうかというふうに思います。つまり、生存権にかかわる部分の問題であります。マンション建てかえに賛成しようが反対しようが、安心して生活することが侵されてはならないということであろうかというふうに考えます。 具体的に言えば、例えば、建てかえに参加することが困難な高齢者等の社会的弱者に対して、居住安定のために必要な措置をしっかりととっていただきたいということでありますが、このことに関しては、さきの国会の中で議論をしていた中でも、大臣にも、これははっきりと、しっかり対応するという旨の御発言があったというふうに記憶をしておりますので、これはぜひよろしくお願いをいたします。 そして、もう一点は、当然のことでありますが、所有権にかかわることだからであろうかと思います。 所有権というのは、一度発生すれば、基本的には永久に続くもの、つまり、一たんこれは自分のものであると言えば、この権利を手放したりしない限り、このものが消滅しない限り、少なくともだれか、私でないかもしれませんが、だれかの所有権というものが常に発生をしているということであろうかというふうに思います。 まさに、なくならなければというところが重要なところでありまして、民事局長もちらっとおっしゃったかなというふうに思うんですが、これはちょっと質問通告していないんですけれども、このものが消滅しない限り所有権というものは続く、つまり、所有権というものは、これが消滅してしまえばそこで所有権もなくなるものだという認識でよろしいでしょうか。ちょっと確認させていただけますか。
○房村政府参考人 御指摘のとおりでございまして、所有権の目的物がある限りは存在します。
○津川委員 ですから、マンションがなくなってしまうというのは、生存権としてはまさに大変な問題ですが、所有権という考え方からすれば、なくなるのは当たり前の話でありまして、百年、二百年もてば自分の方が先に死ぬかもしれませんが、どこかでなくなるということは、失うこと自体が実はそんな大きな問題ではないんだと私は思うんです。 そこは整理しなければならないと思うんですが、例えば、これが比較的安いものであれば、これを買った、すぐに壊れてしまった、別のメーカーのものを買った、少し長もちをした、では今度からこっちのメーカーのものを買おうと判断できますが、マンションのように、大きな、高価なものに関しては、そういう判断はなかなかできない。一回買って何千万というものであれば、これはだめだったから今度こっちにしようというようなレベルの話ではない。 そういったことから考えると、大臣にこれは伺いたいんですが、これは現実論というよりは理想論かもしれませんが、マンションを買うときも、これは何年もつんだということが購入、契約の際にはっきりと明示されるべきなのではないか。理想論でありますが、そういうことであれば、契約するときも、これはまさに六十年だとか、あるいは三十年でもいいわけですよ、三十年だと思って買うわけですから。本来であればそういうふうになるべきだというふうに思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○扇国務大臣 津川議員も今まで論議なすっておわかりになっていると思いますけれども、耐久年数を何年か明示しろというのは一番難しいことでありまして、人間の体もそうでございますし、健康診断を受けたからといって、健康診断で十年の保証があるわけじゃなくて、健康診断を受けて翌日ぐあいが悪くなる人もあります。 我々は、家というものがなるべく長もちするようにメンテナンスを図り、そのために管理組合をつくり、そして、私が、これは長い間論議しておりますから、言いますように、まず自分の所有権のあるところを完全に長もちするように保管する、修理する、メンテナンスをやる、それが自助である。次は、共助というのは、そのマンション全体の所有者が共同して共用部分もメンテナンスを考えていく。それによって、同じ時期に建てたマンションが、こんなにまだ新築同様だというのと、同じ時期に建てたのにどうしてこんな汚いのという、本当にまるで違いますね。 それと同じように、それぞれのマンションのメンテナンス、あるいは心がけ、そして何のために組合が——一年たったら防水を見直そうとか、三年たったら外壁を直そうとか、組合では全部そういうスケジュールを立てます、そのための管理組合ですから。その管理の仕方によってまるで耐用年数が違ってまいりますから、今津川議員がおっしゃいましたように、百年もつというのを目標に百年マンションというのを今やっておりますけれども、それが完全に、意を尽くして、そして全部できたから百年もつという保証というのがなかなかできないというのが現実でございますから、なるべく長い耐用年数を明示できれば、私もこんなうれしいことはないと思いますけれども、なるべく長くなるようにそれぞれが努力するということで私は御了解いただけるものと思っております。
○津川委員 契約のときに何年とは明示できないけれども、なるべく長くしようというお話であったかと思います。 先日の参考人の方々の御意見ですとか、あるいは各委員の先生方の御意見も大体これは共通するところだと思いますが、なるべく長もちをさせようと。資源の問題、環境の問題、あるいは国富の問題、そういった観点から見て、マンションはなるべく長寿命化をさせるべきだということに関しては余り議論の余地がないかと思います。 しかし、何年を目標にするかというのも実はちょっと問題かなと思います。例えば六十年なのか百年なのか、これは、しっかりとした中古マンション市場を整備するという観点から見れば、大変重要な数字になるわけであります。実際に海外では、アメリカ、イギリスは例えば百三年だとか百四十年だとか、向こうはマンションじゃなくてアパートメントとかフラットとか言いますが、同じようなもので、大体そのぐらいもつ、日本のは短くてしかも高いというような言われ方をされています。 家を持つサラリーマンの多くが住宅ローンを払うために働いているんじゃないかと言われているような日本の住宅事情を変えていかなきゃいけない、こういう考え方からすれば、一戸建てももちろん、マンションもそうでありますが、優良な中古住宅市場の整備というのは不可欠だと思います。そういう住宅政策を実現するためには、マンションに対して、例えば目標とする耐用年数がどのくらいかというのは、これは数値として重要になるはずであると思います。 大臣も日本のグランドデザインと、私、何度も委員会で質問をさせていただきましたが、大臣が描いていらっしゃるグランドデザインの中で、住宅に関しては、多様なライフスタイル、ライフステージに応じてゆとりある豊かな質の高い住生活を実現するために、良質な住宅・宅地ストックの形成を図るとともに、質の高い住宅ストックを活用しつつ、円滑な住みかえを促進するというふうに書いています。これは当然優良な中古住宅市場の形成というものをお考えのことだというふうに思いますが、その中でマンションの耐用年数はどの程度を目標とすべきかというお考えをお持ちか、お伺いをしたいと思います。
○扇国務大臣 先ほどからお答えしておりますように、津川議員も御存じのように、日本は世界一の長寿国になりました。ですから、なぜ我々は長寿国になったかということを考えれば、あらゆる条件が整った、医療的な進歩もあるでしょうし、食糧もよくなったし、あるいは環境もよくなったしということがあるかもしれません。 それと同じで、鉄筋コンクリートは大体六十年と言われました。ですから、鉄筋でマンションを建てた場合は、本来六十年もつという保証がなければおかしいはずでございますけれども、今は、法制審議会でも随分御論議なすったということですけれども、大体三十年ぐらいで一応見直そうではないかということも出てくる。あるいは粗雑な、変な話ですけれども、バブル期にワッショイワッショイと建てたものは、人手も足りなかった、あるいは材料も粗悪なものを使った等々で、十年たってもうおかしいなんというのもなきにしもあらず。 ですから、マンションを買うときには管理を買うと私が言い続けておりますように、いかに管理が行き届いたマンションであるか、それが長もちさすということの一番基礎ではないかと。それから、先ほど申しましたように、一戸住宅を持ちたいというのが原点ですけれども、一戸住宅を持ったときの責任感、これが自分の家だというその責任感を、共同住宅になれば、全員がその責任感を持つことによってうんと長もちして、こんなによく長もちできているマンションはというぐらいにもつものだと私は思っていますので、人間の寿命と同じように、世界一の長もちをするマンションだというものが日本にできれば一番いいと思っています。
○津川委員 わかりました。世界一を目指すということですが、実際、もちろんこれはそう簡単にはできないのではないかという大臣のお考えはわかります。 ただ、これが、例えば三十年ぐらいだあるいは四十年ぐらいだというのが、百年ぐらいだということであれば、相当数、住宅全体のストックの構成が随分変わるはずです、つまりフローの量も変わるわけですから。そこがまさに政策的に大きく変わるところで、どんどんつくりながらどんどん長もちさせてしまうと、これはどんどんふえてしまって、多くなり過ぎてしまう。そこで、どんどん安くなればいいということで、例えばそれでもいいかもしれませんが、それがいいはずはないわけでありまして、やはり適正な量をある程度目標にするというのも、これは実際にできるかどうかは別として、大変重要なポイントではあろうと思います。 さらに言うと、私、さきの国会でも若干申し上げましたが、いつまで続くかわからないマンションをこの期間だけ所有するという所有権を持つこの区分所有のあり方よりも、期間を区切った定借の方が、私はこれは議論は非常にしやすくなるんじゃないかと。マンションというものはいつかは建てかえられるという話をしましたが、私、いつか建てかえられるとは思わないんです。いつかは壊れるかもしれませんが、建てかえるとは限らないですよ。建てかえることを前提にしないとはまさにそういうことでありまして、だから、なくなるかもしれないものの所有権、これが三十年か六十年か百年か百二十年かわからないというよりも、例えば五十年という定借の方が契約は非常にしやすいんじゃないかという思いが私にはありますので、この長さというのは実は重要だと思うんですが、そうではなくても、マンションにはそれぞれ固有の条件がある、整備そのもので変わるといいますが、実は私は、ある程度これは技術的に定められるものだというふうに思っております。それをちょっとお話をさせていただきます。 今回、いろいろと各委員から指摘がございますが、今回の法案の改正の中でありますけれども、建てかえ決議の客観的要件について法務省の方にお伺いしますが、法制審議会の部会と総会ですかの中で、その一連の議論の流れについては、我が党の阿久津委員なんかに対しても大変懇切丁寧に説明をしていただきましたので、理解をいたしました。結論としては私は大変よくわかります。あいまいな部分をなくして不要なトラブルを回避する、そのために五分の四要件のみという大変シンプルな条件に行き着いたということは、私も最初は驚きました。驚きましたが、先日来の説明を伺う中で、ある意味で大変妥当な結論なのかなというふうにも思っております。 実は、私は、四月のこの建替え円滑化法案の議論の中でも指摘をしたところでありますが、法制審議会で客観的要件を出すこと自体に私は無理があるんじゃないかと思っています。まあ、非常に言い過ぎかもしれませんが。 例えば、三十年と四十年の両論併記とありました。これはおかしい。 私が前に指摘したやり方は、いろいろな法律を参考にしましたというんですね。例えば、公営住宅法を根拠にして、あれでは耐用年数七十年だ、その二分の一の三十五年。これを一つ。それから、都市開発法から四十七年、これの三分の二。三分の二で幾つか書いていませんでしたが、三十一・三年ですか、大体。 これらの数字を見て、いろいろな法律から引いてくると、建てかえが始まるあるいは建てかえの議論を始める年は、大体三十年から四十年の間にあるという結論ですね。三十年から四十年の間のどこかにあるんです。三十年と四十年の間のどこか以降に建てかえの議論が始まるはずなんですから、三十年に始まるというのはおかしいんですよ、明らかに。四十年ならまだわかります。だから、その前倒しで三十年というのが出てくること自体私はおかしいと思ったのです。 それから、実態が、三十年より前に建てかえているのもあるじゃないかと。それはありますよ。等価交換なんかできれば、もう二十何年たったけれども、これはただで建てかえられるなら、ただでというのはちょっと違うかもしれませんが、安く建てかえられるということであれば、それならやろうかなと思いますよ。それは、どちらかというと特異な例でありますから、普通は、もう少し長もちをさせなければならないということから考えれば、三十年という数字はどう考えても短過ぎる。 それとか、あとは、実態調査の中で、物理的老朽化というものと社会的老朽化というものを余り区別していないんじゃないか、何かまざっているんじゃないのかなという感じがしてなりません。機能的老朽化という言い方もできますけれども。例えば、一部滅失その他、損失その他の事由による場合というところの基準のつけ方も、価格を基準にしている。価格というのは、まさに社会的要因ですよ。そうですよね。社会的要因で、それを客観的要件にするというのは非常に無理があるわけです。 また、今もいろいろな議論がありますが、修繕か建てかえか。これは、費用を比較するということは、所有者にとっては大変重要な関心事だと思います。ただ、どういうものを建てるかということによって全く変わってくるわけです。つまり、その所有者の方々が何を求めているかによって変わるわけです。ですから、この修繕か建てかえかということの費用の違いというのは、まさに主観的に考えたときには重要な基準でありますが、客観的な基準になり得るはずがないんです。 そういったことから考えれば、このまま議論がいったら、これはちょっとどうかなと思っていたんです。思っていた中で、五分の四だけになったというのが、ある意味で、なるほどなというふうに、私は、これを聞いてからですが、思ったというところであります。 民事局長にお伺いしますが、この一連の議論の中で、物理的老朽化に限定して客観的要件を設定するという議論がなされたかどうか。 これは、例えば、先ほど副大臣もおっしゃったことかと思うんですが、旧建設省時代に、建物の長寿命化に関する研究というのをしっかりやっているわけですよ。RC造に関して、このぐらいやれば六十年、このぐらいやれば百年もつだろうというものを出しているわけです。これは、昭和五十五年ですよ。 今からずっと前にこういったものをやっているのに、今、法制審議会で三十年か四十年かという議論をやっているというのは、これは国土交通省としてもっと言うべきじゃないかということを言ったんです、これは技術的な問題として。どうですか。技術的な議論、物理的な老朽化に関した議論というのはどういったものがあったのでしょうか。
○房村政府参考人 非常に厳しい御指摘でございまして、実は私ども、御指摘のように、法制審議会の中で、客観要件を明確化するために、年数というようなことをいろいろ考えたのですが、その年数について批判をされる方の中に、御指摘のように、まさにそういう技術的観点が法制審議会では弱いのではないか、学会でセミナーをやったところ、技術者の方々は口々に三十年、四十年という基準はおかしいということを言っていた、こういうような意見もございました。 また、そこは技術系でない私どもの弱さでございまして、従前の過分の費用要件というものが、どうしても費用というような、まさにおっしゃるような社会的な評価、これを含んだ基準になっておりまして、これをできるだけ客観化するということは考えましたが、やはりどうしても、建てかえの相当性を判断するための要件だということを考えますと、おっしゃるような純粋に技術的な要件というものにはなかなか持っていきにくいのではないか。それをできるだけ明確化するということで、年数を考えたわけですが、その年数がある意味で非常に評判が悪い。個別的な状況が一切反映しないとか。 そういうこともありまして、そういった純粋に客観的な要件は難しいのではないか、いわば個人ごとに違う効用関数を持っている人たちが集まって決議をする、そこを客観要件で縛るということは無理だ、こういうことを幹事の方がおっしゃいましたが、最終的にはそういう考え方で、合理的な手続をつくることによって合理性を担保する、客観的要件では無理だ、こういう結論に達したということでございます。
○津川委員 まさに、この個人の効用という考え方からいけば、これは非常に難しくなるんですが、技術的にいけば、これは私はできるんじゃないかということを申し上げたいんですが。 ですから、技術的なことはできないから、それは国土交通省に投げたということでよろしいですか。その点、ちょっと違いますか。
○房村政府参考人 そういう意味で、この基準というのは、建てかえ決議をする合理性、いわば社会的な合理性を担保するという観点でもともとできているものですから、おっしゃるように、建物の物理的な状況というものですと、比較的客観的ですが、それだけで建てかえの合理性は判断できないだろうというのがそもそもの出発点になってしまっているものですから、私どもとしては、やはりそういったものを取り込まざるを得ない、こういうことで考えたわけでございます。
○津川委員 投げたとは言えないかもしれませんが、まさに皆さん方の守備範囲ではなかったということです。 ただ、守備範囲ではないからこそ、それはなくてもいいという議論ではないと思うんですね。区分所有法上の規定に、何十年というものはなかなか盛り込みにくいということであって、それはやはり技術的に検証することはできるはずなんです。つまり、それは、参加されている一級建築士さんですとかそういった方は、大体こんなものだよと言っているはずなんですよ。それは、診断もできるはずなんです。 そこで、今度は住宅局長の方にお伺いしますが、では、物理的な老朽化に関して具体的な数値を示すというのが、国土交通省が今後示すということになっております建てかえと修繕に関する技術的指針の内容であろうかと思います。これが大変に重要なポイントになってくると思いますが、機能的老朽化に関しても、例えば後づけのエレベーターをつけたり、新築であれば、何度も大臣もおっしゃっていますスケルトン・インフィルのような状況の技術、こういったものを使うということもできます。 ただ、社会的老朽化に関しては、技術じゃ対応できない部分ももちろんございますが、ただ、社会的老朽化に関しては、これは実は急を要しないものだと思うんです。これは何とかしたいな、でも、少し時間をかけて議論してもいいはず。 ただ、急を要するものは、まさに物理的老朽化であります。これは倒れるかもしれないということに関しては、余りいつまでものんびり議論しては、これは時間切れになってしまう。壊れてしまう。だから、これに関しては、具体的な数値が出る必要があろうかと思いますし、これは出さなきゃいけないと思います。だから、それが私が言うところの技術的な部分に関する客観的要件と言えるのではないのかなというふうに思います。 そこで、どういったものが使えるかということですが、二点伺います。 建築学会の「建築工事標準仕様書・同解説」の鉄筋コンクリート工事に関するJASS5の中で、RC造、一般、標準、長期と三分類していますが、最近建てられたマンションの中で、これは九七年改正ですから、それ以降になりますが、最近建てられたマンションの中で、一般、標準、長期、どういった分類、比率があるのかというのを教えていただきたい。それからもう一つは、住宅品質確保促進法、品確法の中の劣化対策等級、一等級から三等級の中の一、二、三の割合というものもお示しいただければと思います。
○松野政府参考人 二点御質問がございました。 JASS5、建築工事標準仕様書、これは日本建築学会が策定しました任意の技術指針でございます。したがいまして、建築されたマンションがJASS5における耐久性のレベルのいずれに該当するかの割合につきましては、現在のところ国土交通省では把握しておりません。 また、もう一点でございますが、住宅品質確保促進法におきます劣化対策等級、この一から三等級、三が一番すぐれているわけですが、三というのは、おおむね通常の維持管理をした場合に、三世代、七十五年から九十年ぐらいはもつだろうというものでございます。これが八四・六%の実績になっております。それから、等級二というのは、およそ二世代、おおむね五十年から六十年、通常の維持管理を前提として、もつのではないかというものが一三・三%。その他、等級一、通常の建築基準法レベル、これは二・一%という結果となっております。
○津川委員 ただ、今、品確法で言うところの三等級、七十五年から九十年が八四・六%とありますが、これは任意ですから漏れているマンションも当然たくさんあるということですね、前提としては。すべてのマンションがこれに入っているわけじゃありませんよね。そうですよね。違いますか。
○松野政府参考人 住宅品質確保促進法に基づきます性能評価、これは任意の制度でございますから、すべてのマンションでこれが表示されているわけではございません。
○津川委員 つまり、どちらかというと、多分、自信のあるところがやるんですよ、悪いと思うところはこれをやらないんです。 ただし、先ほどのJASS5に関しては、局長も専門家ですから当然わかっていらっしゃると思いますが、現場では一般的に使われていますよ。この中にしっかり規定でこの建物は一般であるか標準であるか長期であるか明記しなければならないと書いてあります。コンクリート強度、大体、建築基準法で十二ニュートンですか、そうですよね、一般で十八、標準で二十四、長期で三十ですよ。 これはどういうことかというと、例えば一般であると、大規模補修不要期間として約三十年、大規模補修をしなくていい期間が三十年で、供用限界期間として約六十五年。大規模補修不要期間というのは、腐食鉄筋やコンクリートの劣化が生じないことが予定できる期間。供用限界期間とは、鉄筋が腐食し始めても補修せずに放置していた場合、鉄筋の腐食がかなりの割合で進行し、修復不可能になるまでの期間。これは一般で六十五年ですよ。標準だとすると、大規模補修不要期間は六十五年、供用限界は百年。長期であると、大規模補修不要期間が約百年。 実際に、コンクリート強度から見ると、一般に今ディベロッパーから注文が来るのは大体二十四以上ですよ。つまり、これでいくと標準以上なんですよ。つまり、これは乱暴な言い方ですが、普通の手直しさえしておけば、大規模補修しないでも六十五年もつ。これを九七年の建築学会は言っているんです。旧建設省が言っているのも大体同じ数値です。 これからいけば、例えばかぶり厚がどのくらいかとか、幾つかポイントありますよ、こういったものをチェックすれば、これはJASS5の規定に基づいても、このマンションはどのくらいだと言えるはずなんです。それを、すべて、では保証するか、瑕疵担保期間とするかというのは、またこれはちょっと別な問題かもしれませんが、例えば、大きな地震がないとか、しっかりとした管理をするということをすれば、大体これであれば六十五年はもちますよ、百年はもちますよということは、言ってしかるべきだと思います。それが、この法律の、区分所有法の中の法律ではありませんが、マンション建替え円滑化法の中の技術的な指針として、重要なものとして、私はこれは示さなければならないと思うんです。 ただ、これまで国土交通省の言い方として三十年三十年とよく聞くものですから、これは誤解を招く。築三十年マンションが今どのくらいあって、十年後には何棟になる、きのうちらっと伺いましたが、では六十五年はどのくらいありますかといったら、集計していないというんです。四十年は、推定はしたけれども集計はしていない。だけれども、集計はできるんですよ。 それから、先ほどのJASS5を使ったチェックに関しても、建物を実際に確認するとき、建築確認の際の構造計算書の中に書いているわけです。建築基準法をクリアしているということしか今は確認をしていないから数字が出ないということでしょうけれども、そこでチェックをすれば今のやり方だけでできるんです。品確法をもう少し広げようという考えもあるかもしれません、それはそれでいいんですが、今やっていることだけで、構造計算書だけでチェックはできる。 もう時間ですから終わりますが、今検討されている技術的な指針の中に、私は最後に確認をしたいのは、間違っても築三十年なんというものを出さないでいただきたいということを最後に念を押して、終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○松野政府参考人 三十年というような数字を使うというようなことは考えておりません。
○津川委員 はい。ありがとうございました。
○久保委員長 井上和雄君。
○井上(和)委員 民主党の井上和雄です。 火曜日に引き続きまして、本日もまた質問をさせていただきますので、よろしくお願いします。 この三日間の当委員会での議論を振り返ってみましても、とにかく、マンションをすぐ建てかえるんじゃなくてまずは長くもたせなきゃいけない、そしてまた、建てかえる場合も本当に長もちして社会的なストックとなるものをつくらなきゃいけないということは、ほとんどの方がおっしゃったことだと思います。私の議論というのはこの各論部分にきょうは入っていきたいと思います。 何で長くもたせることができないのか、また何で長くもつマンションをつくることができないのか。先ほど、私の前に質問した津川議員が、いや、本来はもっともつものだというふうにおっしゃっておりますけれども、恐らくそうだと思います。しかし、もたない部分が大きな問題になっているんじゃないかなということでお話させていただきますが、火曜日に使いましたパネルをもう一回使わせていただきます。 私は、火曜日、皆さん方にこのパネルをお見せしながら、特にマンションの排水管の取りかえの問題について議論をさせていただきました。きょうもまた同じ議論をするんですね。トイレの水とか台所の水、何かそういうことばっかし好きなのかというふうに思われるかもしれませんが、私もいろいろ勉強してみますと、実はこの排水管の問題がマンション建てかえの問題の本質的なものだということがわかってきたんです。 つまりは、この前の委員会でも申し上げたように、私は何人もの方、設計士とかマンションを建てるディベロッパーに聞いたんですけれども、現在つくられているマンションの設計思想、つまり排水管に関する設計思想でいけば、取りかえるのは不可能だということを私は聞きました。前に、時々聞いていたのは、マンションはまだ躯体はもつけれども結局排水管がだめなんです、取りかえができないから建てかえ直した方がいいでしょう、何かそういうことをたしか私も聞いた覚えがありますね。躯体はもつんだけれども、トイレの水が流れなくなったり台所の水が使えなかったら、これはお話になりませんね。ここがだめになっちゃうから、つまりここをかえる設計思想でマンションができていないから、やはり建てかえなきゃいけない、そういう話なんじゃないか、私はやっと三日間の議論を通じて気がついてきたんです。 例えば、電気製品もありますよね、十万円ぐらいするステレオがあって、ほんの一部が壊れちゃった。そこの部分は一万円か二万円なんだけれども、電気屋さんに聞いたら、いや、これはもう外せないものなんです、取りかえられないんです、全部買っちゃった方がいいですよ、どうしても取りかえるんだったら、ここのところが出っ張っちゃって見ばえが悪くなっちゃいますよ、だからお客さん、ぜひ買ってくださいよと。そういう話なんじゃないでしょうかね。だからこそ、いろいろな区分所有法上の矛盾が出てきちゃっているわけですよ。火曜日にも言いましたね。 つまりは、マンションの専有部分の中を排水管が通っている。民事局長は、いやいや、パイプは共有部分ですというお話でした。私は、いや、壁は違うでしょうという話をしましたよね、覚えていらっしゃると思います。きょうは、議論をわかりよくするために模型をつくってまいりました。つまり、これが排水管ですよね、これは共用部分。これがマンションの中でこういうふうになっているわけですよ。民事局長のお話だと、いやいや、これは中側も共用部分ですと、そうですね。 では、この表はどうなんですか。普通、表は壁ですよね。クロスが張ってありますね。これも説明しました。これは専有部分です。個人の財産です。私が火曜日にお伺いしたのは、では、とにかく、こういう排水管を大規模修繕、今回二分の一に緩和することになったわけですよね、かえることになったと。二分の一でできるから、当然反対する人も、四九%いたとします。そういう人が立ち入りを拒否した、おれのところには絶対入らせないぞといった場合、どうするかということを私が民事局長にお伺いしたら、いや、それは入れます、これは区分所有法第六条で入れるとおっしゃった。その後、私、ちょっと突っ込みが足りなかったんですね。きょうその突っ込みをさせていただくんですけれども。 では、この壁を壊すのをできるかということですよ。つまり、ここは専有部分であり私有財産です、壁紙が張ってあっても、それは幾らぼろい壁であったって。例えば、そのマンション、大規模修繕が決まりました、この持ち物の所有者は反対している、ところが、もう決議されているから、この配管を取りかえましょうということでこのマンションに入らなきゃいけない、入った。ところが、これはベニスの商人みたいな話で、おれの壁を一つたりとも壊したらただじゃ済ませないぞというふうに言った場合どうなるのかと、そこを私はきょうちょっとお伺いしたいんです。それが第六条の、つまりは区分所有者の権利義務等の共同の利益に反する行為になるかどうかということをお伺いしたい。 民事局長、お願いします。
○房村政府参考人 御指摘のように、区分所有法の六条では、共用部分を保存し、または改良するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分等の使用を請求することができる。これは、区分所有建物がやはり多くの人の共有にかかっている、その共有部分、全体の人のための保存あるいは改良のためには、自分の所有権の支配下にある専有部分についても使用を承諾しなければならない、こういう義務を課しているものでございます。今お示しになられた例のように、専有部分の中に、柱といいますか、ありまして、そこの中にさらに共用部分の配管が通っている、こういう場合、当然、修繕のためにはその専有部分に立ち入らなければなりません。それは当然できるということは、前回申し上げました。 さらに、いわば壁紙を破って穴をあけて修理をしなければならない、こういう事態のときにどうかということでございます。 これは、考え方からいえば、他にとり得る手段がない、そういう排水管を直すためにはどうしてもそこに穴をあけて直さざるを得ないんだと。ほかに容易にできる手段があるのに穴をあけさせるというのは、これは法律上無理です。しかし、ほかにとり得る手段がなくて、そういう共用部分である配管を直すためにはそこに穴をあけざるを得ないということであれば、この条文の「使用」に当たる。これは、区分所有者としては、自分の専有部分だということで拒否はできないということになります。 ただ、もちろん、それによって損害をこうむった者に対しては賠償をしなければなりませんので、お金を払うなりあるいは原状回復の工事をするなりということで、損害がないようにすることは必要でございますが、それは工事はできる、こういうぐあいに考えられます。
○井上(和)委員 つまり、法律上はできるということは、強制執行をやればいいという……(発言する者あり)何ですか、違うんですか。済みません、私、法律の専門家じゃないので。
○房村政府参考人 常識的には、それは同じ区分所有建物ですから、話し合いで任意に解決できると思いますが、ただ、どうしても御本人が嫌がる、法に訴えてでもと言われれば、それは裁判所の判決をとって、住人に義務があることを確認していただいて、それを執行するという形にはなります。ただ、常識的には、そこまでいかないだろうと思いますけれども。
○井上(和)委員 私はあくまでも法律の議論をしているので、あくまでも架空の話でして、それはあるかもしれない、それはわかりません。 しかし、ただ一つはっきりしたのは、そういうふうに法律を解釈してやればできるんだけれども、やはりそれは、どうしてもほかにとり得べき手段がない場合ということなわけですよ。あくまでも例外的な状況であると。つまりは、やはり、それが本来は避けるべきものであるということは確かであるわけですね。大臣、違いますか。だから、私はもっと問題の起きないようなものを今後つくっていくべきじゃないかというふうに思うんです。 今度、国土交通省にお伺いしたいんですけれども、また排水管の交換の問題です。 品確法を、ここにあるんですけれども、私、読んでみたんです。品確法では、維持管理に対する配慮ということで、その構造物が、特にこの排水管及び給水管に関し維持管理がしやすいかという等級ができているんです。それは当然評価されるべきだと思うんです。しかし、そこに書いてあることは、「この性能表示事項において評価すべきものは、配管の全面的な交換が必要となるまでの期間内における専用配管の維持管理の容易さとする。」というふうにあります。交換するまでは評価しましょうと。では、交換に関しては、この建物が配管の交換をしやすいとか、そういうことに関する評価というものが抜けているんじゃないか、ないんじゃないかなと思うんですが、住宅局長、いかがでしょうか。
○松野政府参考人 御指摘の住宅性能表示制度では、維持管理のしやすさということで等級が決められております。 特に給排水管につきまして、全面交換に至るまでの点検、清掃、補修という維持管理を容易とするために必要な対策についての基準でございます。三が一番グレードが高いということでございますが、例えば、適切な補修のための開口や人通孔が設けられていること……
○井上(和)委員 住宅局長、済みません。 私がお伺いしているのは、交換することに関して、何で……
○松野政府参考人 つまり、点検、清掃、補修という維持管理を容易とするための基準ということで、全面交換そのもののしやすさというものの等級づけではございません。
○井上(和)委員 それはないわけですね、つまりそれに関しては。
○松野政府参考人 そういうことです。
○井上(和)委員 とにかく、この委員会でも、長くもつものを、修繕して使えるものをつくりましょうというお話が、ほとんど、英語で言いますとコンセンサスというんですか、そういうものになってきていると思うんですね。 やはりそうなると、当然、維持管理のしやすさ、またこういう配管の交換のしやすさというものが品確法にも入ってくるべきじゃないかと思うんですよ。 どうでしょうか、住宅局長。
○扇国務大臣 井上議員のお話を聞いておりまして、また配管の説明も、わざわざ段ボールを持っていらして、よくわかるんですけれども、メリット・デメリットがあります。もともと、なぜこういう品確法をしなければいけないか。今の井上議員の、配管をこういうふうにして一本にすれば、だれも迷惑しないし、かえやすいとおっしゃるけれども、それは無理があるんです。 それは、日本と外国と比べるのは、これは無理というものですけれども、なぜ日本の場合はこのような問題が起きるかというのは、階と階の間がないんです。ですから、上の音が下に聞こえるとか、下の音が上に聞こえるとかという、一階と二階、二階と三階の、この階と階の空間がないんです。これが一番の欠点なんです。 これは諸事情で、建築法ですから、これはやむを得ませんけれども、外国の場合は、階と階の間に人間が入れるだけのゆとりを持っているんです。そこに配管を全部入れてありますから、今のような、井上議員がおっしゃったような共通の配管があるということは、部屋の間取りを変えられないという大欠点があるんです。 ですから、一本の配管で、上から下まで同じ配管というのは、子供が大きくなったからここを部屋にしたいというのは一切できない。外国の場合は床と床の間にそういうものが全部入っていますから、部屋の間取りの変更ができるというゆとりがあるんです。 ですから、建築法自体が、日本は限られた土地で限られたものを建てていて、しかも安くしようということで、そういう外国のマンションと日本のマンションの根本的な、建築法的な差があるということから無理無理になっているということで、その中で品確法をつくって、できれば保持したいという根本的なものがありますから、本来であれば外国のように、ゆとりを持った、各階各階が個々に自分たちで自律ができるような建築法というものがあるべきであるけれども、根本が違うということで、残念ながら、品確法をせめて守っていこうということでございます。
○井上(和)委員 これまではそうだったかもしれないんですけれども、やはりこれからは僕は違うと思うんですね。だから、ちょっと今の御答弁は、僕は大臣らしくないなというふうに思うんですね。 とにかく二十一世紀の日本ですから、やはり経済大国らしい、これは諸外国並みのものをつくるというのが私は国土交通省の政策の中心にならなきゃいけないんじゃないかなというふうに思うんで、品確法も結局は等級ですから、別にそれはできなければ一でいいわけですよ。だから、あくまでも目標としていいものを目指すというのが私は今の国土交通省の政策に大きく欠けているものだなというふうに思います。 また、今の大臣のお話にちょっと関連するんですけれども、これは「マンションの修繕計画 作り方の実際」という、要するに管理組合の役員の皆さんのためにあるマンションの修繕計画のための本なんですよ。これは、編集しているのはJSですね、日本総合住生活株式会社。住都公団の関連会社で、亡くなった石井紘基議員が指摘してさまざまな問題が明らかになった、いわゆるJSです。 これにおもしろいことが書いてあるんですよ。これは、台所のお水の話ですね、台所用排水管なんだけれども、「定期的に管の清掃をしていても管の腐食を防止することはできないケースもあります。その場合、管を全面的に取替える必要があります。」と。しかし、排水管は、本来「隠蔽されたパイプシャフトや室内のコーナーに配管されているのが普通ですから、」つまり私がさっき示したように、「普通ですから、新しい管をベランダや外壁に沿わせて施工する方法が、主に取られます。」と。つまり、排水管は交換できないから、外に、ベランダに新しい管を通せ、それが主にやられているんだと。「止むを得ず室内に配管する場合には、費用と工期が掛かり、住民の負担も大きくなります。」室内に配管する場合には、例えば部屋のこういう、廊下に配管が出ちゃうとか、まさしくさっき大臣がおっしゃったように、二重床になっていない場合には、なっているものも最近ありますが、なっていない場合にはそういうふうに出ちゃう。部屋の中に排水管が通っている。それをまた何かカバーをかぶす、そんなような設計思想らしいんですよ。そんなようなことが書かれています。 汚水用の排水管に関しては、「修繕周期が三十年以上と長く、取替えの費用と住民の負担が大きいため、部分修繕で対応しているのが現状です。」と。つまり、修繕周期が三十年以上と長いから、当面はまずは部分修繕だけでやっていて、つまり取りかえということに関して一切触れられていないんですよ。これはおたくの特殊法人である住都公団の子会社。だからこの執筆者の方も、恐らく国土交通省の方も入っているでしょう、天下りされている方も入っているかもしれないんです。 つまり、議論がもとに戻るんだけれども、結局は、長くもたせるとか、配管を交換して長く使う、そういう思想が全然抜けているんじゃないかというのを私は言いたいわけです。ぜひこの考えを本当に根本から変えていただけなければ、この三日間議論したことがまるっきりむだになるというふうに私は思います。 例えば、こういった交換のマニュアルというのをつくったらどうでしょうか、住宅局長、いかがでしょうか。
○松野政府参考人 先ほどの交換の容易さということをちょっと誤解のないようにしておきたいんですが、今の品確法の基準の等級一、二、三、これは部分的に補修が容易になるというやり方をとる、そのグレードづけをしているわけですが、給排水管といえども、その部分によって耐用年数が異なりますので、例えば、十年が来たときにその部分を取りかえる、もうちょっと長いものは別の時期に取りかえる、そういう意味でそれぞれの補修が容易にできるという意味の設計に、そういう維持管理のしやすさになっているかどうかという意味の等級ということで、一遍に全面交換するという等級になっていないというのは、そういう意味ですから、部分的な補修を繰り返して、結果的に全面改修になっているということがあり得るということですから、それはそれでかなりいい基準になっているわけです。 それと、今マニュアルのことが出ましたが、これはおっしゃるとおりJSのつくっている本でございますが、これはどちらかというと、管理組合の役員の方々のための本という副題がついております。つまり、用語から始まって、わかりやすく解説するということで、実際のかなり詳しいマニュアルというのは別途つくっていかなければいけない。そういう意味では、建築・設備維持保全推進協会というのがございますが、ここではしかるべき技術的な手引を既に、「マンション補修・改修の手引き」というものをつくってございます。こういったものを今後情報提供していきたいというふうに考えております。
○井上(和)委員 次に、建物を長くもたせるための話にちょっと移りたいんですね。 建物を長くもたせるための建築工法に外断熱工法というのがあります。これはもう何回かこの委員会でも出ているんですね。一応、皆さん、特に委員の方なんかにわかりやすいようにパネルをつくってまいりましたけれども、基本的にはヨーロッパ、アメリカでは、ほとんどがもうこの工法でマンション、ビルが建てられているわけです。 ところが、日本では本当に数えるほどの建物しかこの工法では建てられていません。つまりは、日本の今の、従来の建築構造というのは建物の内側に断熱材を張るわけですね。ところが、ヨーロッパ、アメリカではほとんどこういう構造はないんです。つまり外部に、コンクリートの外部に断熱材、ロックウールというんですけれども、これを張るわけですね。その外側にまた壁をつくるわけです。二重壁みたいなものなんですね。 これは素人が見てもわかると思いますが、お手元に資料をお配りしてあるんですけれども、つまり、まず断熱、省エネという観点では、これはもう見ただけでもおわかりになると思いますが、こういう外断熱の方が当然すぐれているだろう。また、コンクリートの耐久性に関しても、これも同じですね、コンクリの周りに断熱材張って守っているわけですね。つまり、冬であっても夏であってもコンクリートの温度というのはほぼ一定なわけです。だから非常に躯体の長寿命につながってくるのがこの外断熱工法なんですね。また、健康にもいいんですね。 私、ちょっと調べてみたら、お茶の水女子大学の生活科学部に田中辰明教授という方がいらっしゃいまして、その方が文献を発表しています。「千葉県の総合病院におけるコンクリート建築の外断熱工法とカビの調査」、これは衛生工学会という学会の論文集に出ているんですけれども、やはり同じ病院でも、外断熱と内断熱の部分を比べたら、真菌、真菌というんでしょうか、カビとかそういうのが少ないというのが学術論文として発表されているんですけれども、厚生労働省は、何か病院建築に関してこういうことを御存じですか。もう、知っているか知っていないかの一言でいいですから御答弁してください。 〔委員長退席、栗原委員長代理着席〕
○阿曽沼政府参考人 存じ上げております。
○井上(和)委員 それでは、ぜひ病院建築に関してもこれから研究していかなきゃいけないと思いますよ。特に院内感染とかいろいろな問題が出ていますから。 それで、最後に、もう時間がないので大臣にお伺いしたいんですけれども、私が国土交通省の方と議論をしたときに、また国会答弁を見ても、国土交通省、どうもこの外断熱工法に関して余り積極的じゃないんですよね。いや、何か、暖めにくいんですよとか技術的に問題があるとか、そういうことをおっしゃっている。しかし、私は話は逆じゃないかなと思う。これからそれを思い切って変えていかなきゃいけないんじゃないかと思っています。 なぜかといいますと、まず、今マンションの売り上げ自体もかなり落ちつつあります。これは昨日の日経新聞ですけれども、「首都圏の新築マンション 在庫一万戸突破」。つまりは、マンションの売れ行きが非常に悪くなっている。しかし、国土交通省としては、やはり景気を回復させるためにも、本当に国民の欲しいマンションを普及させるような政策的な誘導をするべきだと僕は思います。 何でマンションを買わないかといったら、個人消費が伸びないのと同じで、やはり将来が不安だと。その将来の不安の一つに、買ったマンションが一体いつまでもつかわからない不安が私はあると思いますよ。まして、我々がここで三日間、四日間、マンション、三十年で建てかえなきゃいけない、四十年で建てかえなきゃいけないという議論をしているわけですね。国民の人が新聞を見て、何か、やはりマンションって大変なんだ、三十年、四十年で建てかえが出てきちゃうんじゃない、三十年ローン組んでとてもそんなもの買えないと。つまりは、我々、ここで一生懸命議論をして、日本の景気を冷やす方向に持っていっているんじゃないか。 だから、それを思い切って変えなきゃいけない。つまりは、これまでマンションというのはやはりついの住みかだから余り買わないと思っているような方に、いや、こういう外断熱の工法、新しい技術で、欧米では使われている、日本では今まで使われていない技術でつくれば非常に長くもつマンションだし、健康にもいいし、省エネにもなるんだ、そういうことをはっきり国民に提示して、これを日本は今新しく取り入れて、新しいものが出てきますよと言ったら、私は結構多くの人が買うと思うんですよ、特にお金を持っている方は。 だから、私は、国土交通省は、これまでの外断熱に対する姿勢をちょっと変えて、政策転換を図るべきだ、それこそが今の非常な経済的な難しい状況に関しても景気刺激策になると思うんですが、いかがでしょう、大臣。
○扇国務大臣 本来であれば、今回のようなマンションの建替えの円滑化法の改正というものは、私は、多くの皆さんが賛成と言って一日で終わるくらいいいことだと思っています。ところが、こんなに熱心に御論議なさるということは、いかに今マンションに個々の関心が集まっていて、また、今一千万人のマンション居住者というものがいかに関心を持っていてくださるかということが長時間御審議いただいた大きなあかしであろうと。 私は、外断熱がいい、内断熱がいいということだけに限ってマンションがよくなるとは思いません。それは、なぜならば、私のところへもよく回ってきます。外壁を、新しい工法ができました、これを塗ったら十年間は保証しますから、テストにお宅の壁を全部塗らせてください、こうおっしゃいます。壁は十年もっても、屋上の防水が十年もつかもたないかわからなくなっている、そういうアンバランスもあるんですね。 それから、例を挙げれば、私、三世帯同居しておりますから、子供のところに孫ができています。同じ洗濯機を一緒に入れても、頻度によって、子供のところはもう洗濯機を買いかえなきゃいけない、子供がいますから。私たちのところはまだもっている。そういうように、世帯あるいは生活条件、あらゆるもので個々の条件が違います。 環境ということから考えれば、外国では自分のうちのごみを自分で処理しようといって台所もディスポーザーになっています。ところが日本ではディスポーザーが使えない。そのように、環境面においてもあらゆる選択肢がこれから出てくると私は思います。 井上議員が外断熱ということを熱心におっしゃることも私は一つの案だと思いますけれども、じゃ、外断熱をつくるときのそのメンテナンスあるいは工法の複雑さと値段が高いものをだれに転嫁するのか。家賃に転嫁したのではなおだめだ。内断熱より外断熱の方が値段が高いです、今現実的に。ですから、そのように全体的なことを考えて、その土地その土地、日本のように春夏秋冬、四季がある地域と、あるいは一定の温度がいつも保てる地域とは、これまた変わってまいりますので、それぞれに適した案を採用すべきである。 先日も私、冒頭に言いました。日々新しい材料ができ、日々新しい工法もできておりますので、二十一世紀型の環境を加味した新たな建築法というものは、次々と材料も出てくるし、技法も発達するということに適応するように、私たちは指導していきたいと思っています。 〔栗原委員長代理退席、委員長着席〕
○井上(和)委員 私は少しでも景気をよくしたいという思いで、やはり新しい技術を国民に広く宣伝したり、そういうことによって日々新しい需要が生まれるということを申し上げていて、私は決して悪い案じゃないと思っているんで、ぜひ検討していただければと思います。よろしくお願いします。 どうもありがとうございました。
○久保委員長 一川保夫君。
○一川委員 私も、このマンション関係の最後の質問になろうかと思います。 いろいろとやりとりをさせていただきました。午前中の連合審査の折にも、法務省関係の皆さん方に、マンションにおける災害に関するいろいろな法整備のことをちょっと確認いたしましたけれども、今度は国土交通省側に。 今ほどの議論にも関連するかもしれませんけれども、建築防災といいますか、要するに建築の計画、設計段階あるいは工事中、まあ工事完成後も当然そうですけれども、災害が発生しないように未然に防止するためのいろいろな技術的な開発というのは当然進んできておるというふうに思います。また、災害が万一発生した後の対応策としてのいろいろな建築上の配慮とか、そういうようなことも当然あろうと思います。 マンションといえば中高層の建築物ですから、上の方に住まいをしておる方々はそう短時間に下までおりてくるというのは非常に難しい構造になっております。また当然ながら、今少子高齢化社会の中での高齢者の方々が特に住まいされておる場合には、いろいろな面で大変な事態があるわけです。そういった、災害に対応するようないろいろな施策というものは、最近どういうふうな進展があるのかというところの状況を、また、いろいろな取り組み方針、そういったところについてお話を聞かせていただきたいと思います。
○松野政府参考人 マンションは、特に高層マンションにつきまして建築防災対策がどうなっているかというお尋ねでございます。 特に高層マンションになりますと多数の方々が居住するわけでございまして、安全性の確保というのは大変重要でございます。 建築基準法では、構造の安全性あるいは防火の安全性などにつきまして技術基準を設けております。これを、地方公共団体などにおきまして、事前に建築確認ということで建築計画のチェック、それから、工事完了しましたときの完了検査を行うということで安全性の確保を図っております。 特に、この中で超高層マンション、これは六十メートルを超えるものというのを考え方としてとっておりますが、まず、構造安全性につきましては、大規模な地震を想定した時刻歴応答解析という大変高度な検証方法がございます。これは、コンピューターを駆使してやりますが、そういう方法によって、安全性を検証するということ。 それから、火災あるいは避難、救助への対応につきましては、特別の対策を講じまして、いざ火災が起こったときの避難のための特別避難階段の設置あるいは救助のための非常電源を備えた非常用エレベーターの設置などを求めてその安全性の確保に努めているところでございます。 今後とも、公共団体等とも連携して、マンションの安全確保に努めてまいりたいと考えております。
○一川委員 今ほどそういう話なんですけれども、例えば、高層マンション等建築物が、万一倒壊するなんというようなことは今の技術からするとないのかもしれませんけれども、いろいろな面で二次災害的なものにつながる危険性というのははらんでいると思うんですよね。中高層マンションというのは、直接そこに住まいしている人だけじゃなくて、その周辺の地域にいろいろな面で被害を及ぼす危険性というのはあるわけですね。 そういう面の防災対策といいますか、それはまあ建築物のみならず、やはり地域の土地利用なりそういう計画段階からの配慮が当然必要なわけですけれども、そういったことに対して、最近新しい対応策というのは何かとられているんでしょうか。
○松野政府参考人 周辺の地域も含めた防災対策という意味では、建築基準法の枠を超える話でございまして、大規模なマンションあるいは公的住宅団地の建築の際に、防災用の倉庫だとかあるいは防災用の貯水槽といいますか、そういったものをその団地の中に設けるということを自治体が条例のような形で進めているようなケースがあるやに聞いております。
○一川委員 最近の東京、この近くでもそうですけれども、臨海部も含めて、大変高層の建物が目立ってまいりました。これは、すべてがすべてマンションじゃないと思いますけれども。 ああいう状況を見るときに、平常の折には大変すばらしいと思いますけれども、万一のときにどうなるのかなということがえらい気になります。そういったことは住宅局長だけの範疇じゃございませんけれども、都市部の再生ということでは大事なことでございますので、ぜひ国土交通省を挙げてそういう防災対策ということもあわせて、当然検討されていると思いますけれども、しっかりとした対応をお願い申し上げたいというふうに思います。 さて次に、今回の議論の中でもう一回確認させていただきたいことは、マンション建てかえの議論がその中に出てきた折に、いろいろな検討作業、説明会等が頻繁に行われる可能性というのがあるわけですけれども、管理組合としてはその管理運営をするための維持管理費なり建てかえの積立金的なものに対する責任が当然あろうと思いますけれども、マンションを建てかえるというような議論が出始めれば、それに対する必要経費というのは当然出てきますよね。専門家の意見を聴取したり、あるいはまたいろいろな図面をつくったり、場合によってはどこかに調査をさせるということもあるかもしれませんけれども。マンション建てかえの構想を練る、計画を立てるという段階で、管理組合にいろいろな経費がかかるといった場合に、その経費に対する支援というのは、できるだけ公的に支援するような制度を私は完備すべきだと思いますけれども、どうもそのあたりがすきっとしていませんので、現状、そういった経費についてはどういう対応策が最も望ましいのか、そのあたりをちょっと説明願いたいと思います。
○松野政府参考人 委員の御指摘は、通常の維持管理の段階の次のレベルで、建てかえの話がいよいよ出たときに、その検討費用というものはどういう援助があり得るかということでございます。 私どもとしては、建てかえの決議の以前でありましても、その建てかえの計画の検討が始まった段階では、その検討費に対して優良建築物等整備事業というものを持っておりまして、それに対して補助を行っていこうというふうに考えております。
○一川委員 ぜひ、そういう方向で具体的な対策を検討していただきたいというふうに思います。 今回、五分の四の多数決というのが手続の合理化の一環として取り入れられております。午前中にもお話し申し上げましたように、そのためのいろいろな説明なり区分所有者に対する説得といいますか、そういう理解を求めるためのエネルギーというのは相当大きなものがあるだろうというふうに思いますし、また、それに見合うコストがいろいろな面で当然かかってくるということでございます。そういうものは、前にもちょっと議論しましたように、通常の住宅地域の場合には割と公的にいろいろな面で支援するケースがあるわけですけれども、集合住宅といった途端に、戸数としては大して変わりがないんだけれども、割と限られた地域に高層で建っているものだから特殊事情があったりいろいろな歴史的な経過があるんだろうと思いますけれども、都市再開発とかまちづくりのいろいろな制度の中では、割と支援策が手薄じゃないかなという感じが私はしております。そのあたりも、局長がおっしゃったような部分については、できるだけいろいろなやり方で支援していくという方法を考えられたらよろしいんではないかなというふうに思います。 さて、次に、また話題を変えますけれども、マンションは鉄筋コンクリートの構造物ですから、割と殺風景な感じがいたしますけれども、しかし、そこで生まれ育った子供さんは、当然大きくなって大人になるわけです。では、生まれ故郷はどこかといったようなときに、マンションが生まれ故郷になるわけですけれども、私はそのマンションというものが自分たちの本当のふるさとだというような感覚を持っていただけるような、そういう居住空間にすべきだというふうに思います。 しかし、我が国の高度成長期の過程の中で、土地利用が高度化される中でのマンションの建築というのは、割と機能本位にずっと来ていると思うんですよね。そこにある一定の面積の住まいがあればいいという感じでずっと来ていると思うんですけれども、御案内のとおり、今日はそういうことにプラスしてのいろいろなニーズがたくさんあるわけでございますので、ぜひマンションを一つの核としまして、その地域が本当に自分たちのふるさとと思えるような、豊かさを感ずるような、そういう政策というのがこれからの一つの課題として残っているんではないかな。 それは、当然ハード的にはいろいろなものを考えなきゃならぬでしょうし、そのハードを活用してのソフト施策というのは、今いろいろな町おこしといいますか、そういう中ではそれぞれそういう地域の人たちが創意工夫を凝らしてチャレンジしているわけでございますけれども、そういう魅力あるマンションづくりということがある程度ビジョンとして描けていけば、私はマンションの建てかえの合意形成も割とやりやすくなる時代だなというふうに思います。 やはり、建てかえることによって、従来以上に何か魅力が出てくる、後世の人たちにも、自分の子供、孫にもちゃんと喜んでもらえるというものがあれば、多少負担がかかったとしても決断できるということもあるわけでございますので、ぜひ扇大臣、そのあたり、いろいろな面でいろいろなお考えをお持ちだと思いますけれども、大臣として、都会、都心部の集合住宅であるマンションというものを、本当にふるさとと思えるような、そういう住宅として再生していくという面では、一つのチャンスでもございますので、ぜひ、そのあたりに対する思いのほどを大臣の方からお聞かせ願いたい、そのように思います。
○扇国務大臣 先ほども申しましたように、マンション居住者が一千万人という数になりました。二十年前に、マンションというものは六十平米で二DK、それが現段階では、昨年ですけれども、大体七十七平米、それで三LDKと広がってまいりました。これはもう多くの皆さん方の要望でそういう形になってきたんですけれども。 ただ、今までは、一戸建てを将来持つけれども、その中間的なものとして、まず働いている間はマンションという考え方だったんですけれども、今三LDKということになりましたので、皆さん、ついの住みかというふうに意識が変わってまいりました。そういう意味では、私は、今、一川議員がおっしゃいましたように、マンションのあり方自体も、生涯自分のふるさとと言えるようなマンションをつくるということは大変大事なことでございます。 また、日本が世界一の老齢社会を迎えるわけですから、最初にマンションを買った人たちが老齢になって、一軒家だったら階段があるけれども、マンションだったら平らだからマンションに住んでいるという方もいらっしゃいます。 そういう意味では、今おっしゃいました、マンションの中に集会所があったり、あるいは共用部分の充実があったり、また団地のバリアフリー化、そして子育て施設もあるし、福祉施設を併設している、そういうマンションが必要になっているというのは大事なことだと私は思います。 私、今例を一つ持っていますので。 例えば、これは横浜の港北ニュータウンなんですけれども、ボナージュ横浜というのがございまして、そこには、団地内にマンションもあるし、シニア住宅ボナージュ横浜というのもあるし、あるいは提携の介護施設、これもできています。そして、多世代がコミュニティーを形成できるという、もう、一つの町全体が新都市住宅と言えるようなものができています。 また一方、東京都内の大田区ですけれども、これはまた大変特徴がございまして、天然温泉が出たんです。天然温泉を利用して、フィットネスルームがあったり、アクアウエルネスプールがあったり、託児所とかコモンハウス、いわゆる共用棟ですね、子供からお年寄りまでが利用できるという、大変温かい、もうここに行ったら帰りたくないというような、遊びに行くだけでもうらやましいと思えるようなマンションの施設のまちづくりも、これは民間でございますけれども、できています。 我々が今回、小泉総理のもとに、都市再生本部というのを直轄でつくりましたのも、コマーシャルに東京砂漠なんというのがありますけれども、それを何とかゆとりのある、ふるさとと言える都市づくり、新しいマンションづくりに適用するために、新たな都市再生本部というものの活用と、そして、特区というものを制定いたします。それも含めて、私は、鉄筋コンクリートの冷たいマンション街ではなくて、心温まる、やはりすばらしい、新しい都市だと言われるものをつくるために、国土交通省は総力を挙げて頑張っていきたいと思っております。
○一川委員 これで私の質問を終わらせていただきますけれども、きのうですか、文部科学省の関係の、教育基本法の改正に向けての何か答申めいたものが出されたと言われておりますように、私は、高層、中高層マンションに住まいする、特に子供さんたちですね、これからの人材育成ということを考えてみた場合、家庭と地域社会、そして学校というものがうまく連携をして、しっかりとした子供さんたちを教育していくということはやはり地域社会全体の責任という時代に入っておりますので、特に都心部に住まいする子供さんたち、皆さん方、将来をしょって立つ大きな人材でもございますので、そういう面でも、私は、今大臣もおっしゃったようなそういう空間として、しっかりとした対策をぜひよろしくお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○久保委員長 瀬古由起子さん。
○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。区分所有法等の改正について、二回目の質問をさせていただきます。 マンションでは、電気、水道のような基本的な公共サービスを受けるにも、変電室、ポンプ、貯水槽などの設備が必要になってまいります。また、団地基地内にはガス管が埋設されております。このような公共的な設備や施設の維持管理は、戸建て住宅との負担の公平性を考えても、安全管理を徹底するためにも、自治体やガス、電気会社などの責任を果たすようにすることが必要だと私は考えております。 例えば、団地内道路下に埋設されているガス管の取り扱いについて、私たち日本共産党はたびたび国会でも取り上げてまいりました。それは、管が老朽化した場合には、その取りかえ費用が住民負担になる場合がしばしば起きるからです。ガスの供給については、ガス供給規程などに基づいて、ガス管など施設についても、安全に敷設する、老朽ガス管についての取りかえを円滑にする責任がガス会社にあります。住民負担を軽減して取りかえをスムーズにするためにも、団地内道路下に敷設している管についてはガス会社負担で敷設がえをすることは、私は当然だと思いますが、いかがでしょうか。 例えば、団地内であっても、不特定多数の人が通行する道路の場合などは管設置はガス会社の責任というふうに考えていいかと考えますが、いかがでしょうか。
○迎政府参考人 お答えを申し上げます。 団地内に敷設されておりますガス管でありまして本支管として扱われるものにつきましては、老朽化に伴い敷設がえをする場合はガス事業者が負担をするということになるというふうに考えております。 本支管と申しますのは、ガスの導管のうち、公道、国または地方公共団体が管理する道路、それから、団地内道路のような私道でございましても、不特定多数の人が通行をする、それから、普通自動車の通行が可能である、こういうふうな団地内の私道に埋設をされるものについては本支管ということでございまして、これはガス事業者が管理をし、あるいは老朽化をした場合には取りかえをすることになっておるということでございます。
○瀬古委員 例えば、不特定多数の人が通行する道路の場合でも、団地によっては自動車が通行できないようなところもございます。しかし、そこに多くの人たちが行き来する、そういう場合などは、当然、ガス会社が本支管として敷設することが必要だと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○迎政府参考人 これは、敷設する場所、要するに、今申し上げましたように、自動車の通行が可能というような条件の場合には、私道の場合でも、ガス会社が敷設をし、かつその資産はガス会社の保有の資産であるということで、その取りかえをやっているわけでございまして、そうでないような需要家資産、導管がガスをお使いになる方の資産である場合については、基本的には、これは需要家の皆さんの御負担によって取りかえをしていただくというふうなことになっておるということでございます。
○瀬古委員 戸建て住宅の場合などは、例えば、普通自動車が入れないようなところ、ある意味では通行どめになっているようなところも、一定そういう本支管としてガス会社が敷設するということがあるわけです。 団地の建設にはいろいろな経過がございまして、例えば、建物を建てたときに、道路を通らないで芝生の下に管が入っているという場合もございます。それから、実際には、大きな団地の場合には、車は入らないけれども多くの人たちが行き来している、こういうケース・バイ・ケースが私はあるんじゃないかと思うんですね。そういう場合に、ガス会社などと管理組合、住民の皆さんとが話し合って、一定はガス会社の負担にする、こういうケースも私は出てくるということがあると思うんです。 そういう意味では、特に、戸建てと違いまして、ガス管の敷設などといいますと、それぞれの戸建ての場合は、一戸一戸の事情を見てやるという場合もあるんですけれども、マンションの場合、一括してやるということになりますと、特に今高齢化している中で、管理費そのものも滞納が今ふえているという状況もございますので、そういう中で、莫大な負担が一気に、とりわけ敷地が広くて実際には本支管として扱われない部分が多いという場合には、なかなか負担も大変になる。しかし、これは取りかえなければ、ガス管ですから危険性が伴うということになってまいります。 そういう意味では、私は、今それぞれのマンションでも行われておりますけれども、やはりガス会社と住民がよくその状況を配慮して話し合って決めていくということも当然あるというふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。
○迎政府参考人 ただいま、戸建てとの間の扱いということがございましたけれども、ここにつきましては、戸建ての場合は、公道を通る部分までをガス会社が敷設をし、敷地内に入りましたら需要家の方の所有財産としてその管を敷設していただくという点では、先ほど申し上げました団地の扱いと同様であるというふうに考えております。 それで、実際の老朽化に伴います敷設がえについては、作業等に当たって、負担については、先ほどの原則に基づいた上で、ガス事業者と需要家がよく協議をしながら進められているというふうなものであるというふうに認識をしております。
○瀬古委員 戸建ての場合は、戸建てのおうちの中に入って人が行き来するわけではないわけですから、マンション、団地の場合には、団地の中を住民が行き来するということもあり得るので、そういう点でも、よく状況も配慮して、ぜひ敷設の負担についても無理のないような設定をするような御指導もお願いしたいと思います。 それから、マンションの集会室とか通路ですね。一般の住宅街では町内の集会所とか多数が使う私道に当たるものでございますけれども、こういう集会室だとか通路についても減免措置を行っている自治体が今どんどん出てきております。 というのは、一定の条件を満たすマンションの中、例えば集会室を地域の人たちに開放するということもありますし、また、公園など、これはプレーロットといいますけれども、こういうところの固定資産税の減免なども今各自治体が取り組んで行っております。 こういうところも、地域の子供たちが遊びに来るということもありますし、また、それだけの大きなマンションですと、やはり自治体でいえば、本来なら、それだけの住戸があれば、集会室を自治体の負担でつくらなきゃならないとか、公園をつくらなきゃならない。しかし、実際にはマンションの居住者がそれを持っているということになりますと、そういう固定資産税の減免なども行うということをうんと広げていく必要があると思うんですが、その点いかがでしょうか。
○瀧野政府参考人 固定資産税についてお答えいたします。 地方税法におきましては、地方の実情に応じまして課税が行えますように、公益上の観点からの不均一課税とか課税免除、あるいは個別的事情を考慮しましての減免ということができるような規定になっておるところでございます。 御指摘のような場合におきましても、それぞれの地域の実情に応じまして、各地方団体がこれらの規定を活用いたしまして自主的に判断されているものというふうに考えております。その際には、税負担のあり方も含めまして、各地方団体の議会で議論を十分していただきまして、適切に対応されているものというふうに考えております。
○瀬古委員 これは、もちろん自治体の権限でもありますが、自治体によってまちまちなんですね、東京方面と大阪方面は全然違うとか。でも、少なくとも基本的な考え方でいえば、マンション居住者も、やはり戸建て住宅とは違った、ある意味では共同のそういう部分についての負担軽減というのを私は大いに図るべきだと思うんです。 そういう意味では、まちづくりといいますか、自治体が本来まちづくりとしてつくらなきゃならないこういう負担を減免させていくということは大いに重要だと思います。総務省としても、一体どういうように今減免措置が講じられているのか、全国的にはどういう状況なのかというのをぜひ調査していただいて、そして、マンションの住民にとってこういう共通の部分の負担が戸建てと比べて不公平な形にならないような措置をぜひ講じてもらいたいと思うんですが、そういう調査をぜひしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○瀧野政府参考人 ただいま、減免等の状況についての調査というお話があったわけでございますが、先ほども申し上げましたように、地方税法におきまして、それぞれの団体におきまして実情に応じて課税の減免等行うということでございまして、まさに地方分権の観点から、それぞれの地方団体が自主的に判断するというところに根幹があるわけでございまして、そういう意味で、調査ということよりは、それぞれの地方団体が課税自主権を発揮するべき問題だというふうに考えてございます。
○瀬古委員 実態を一定調査していただけませんかと言っているんです。今、どういう状況になっているのか、それぞれ、公園だとか、廊下だとか、集会所だとか、変電室だとか、水道メーターの取りかえとか、いろいろな問題が一つ一つ違ってくるんですが、それをどういうふうにするかということは、もちろん総務省のいろいろな御意見を持っていらっしゃると思うんですが、実態を一度調べていただけませんか、余りにもいろいろな違いがあるので。その点、いかがですか。
○瀧野政府参考人 ただいま御指摘がございましたように、それぞれ、通路、公園、集会所等、使い方もそれぞれの地域によって千差万別だというふうに思うわけでございまして、まさにそういったことを地域の実情に応じて個別に判断して固定資産税等の対応をしていただくというところにこの眼目があろうかというふうに考えますので、それぞれ課税自主権の中でやっていただくということが重要だというふうに思います。
○瀬古委員 調べてくださいませんかと言っているんです。それはどうかということです。いろいろな状況があるけれども、例えば廊下についてどうか、変電室についてどうか、それから遊び場についてどうかというのを、実態を一度調べていただけませんかということを聞いているだけなんです。いかがですか。調べたくないんでしょうか。
○瀧野政府参考人 先ほどもお答えいたしましたとおり、それぞれの実情はさまざまだというふうに思いますので、これは調査することも非常に難しいかというふうに考えておるわけでございます。
○瀬古委員 全然難しくないですよ。実際には本気になれば調べられます。ぜひ検討していただきたいと思います。 大臣、ちょっと聞いていただいたと思うんですけれども、やはり、戸建て住宅と比べてマンションの住民に課している特別な一定の負担というものがあるわけですね。そういう意味では、それぞれ自治体はうんと苦労して軽減措置を組んでいます。そういう点では、やはり自治体だとか電力会社だとかガス会社だとかがこういう特別の負担の問題について軽減措置が図られるようにうんと進めていただきたいと思うんですが、その点でのお考えはいかがでしょうか。
○扇国務大臣 今、総務省に調査したらどうだという瀬古議員のお話ですけれども、これは、民間も公的なものも、少なくとも一千万人が住んでいるわけですから、そういう意味では、今総務省が調べにくい、まして変電所とかあるいはそこの埋設した共同溝だとか、そこまでとなると難しいという方ももっともだなと。地方分権と言っておりますので、それぞれの地方自治体がそれぞれの方向で進んでおりますから、それは各地方自治体に要望すれば出ることかもしれません。 ただ、マンションという共同住宅ということから考えますと、今瀬古議員がおっしゃいますように、一戸建ての住宅と違ってやはりメリット、デメリットは当然あるわけですね。ですから、そういう意味では、特別の負担がある、マンション特有の負担があるよというかわりに、逆に、共同住宅だからと一概に言わないで、メリットもかなりあると私は思います。ただ、今回御議論いただいておりますように、建てかえという段階になりますとこれはこれでまた新たな、さまざまな年齢層があったりさまざまな職業があったり、あらゆる生活形態、あるいは経済状況が違うものですから、そういう意味で、合意を図っていくということは、これは大事なことだというのが今回御議論いただいても出てきていることだと思っております。 マンションという共同住宅という困難な側面も今回はっきり出てまいりましたけれども、少なくとも、行政がこういう制度を利用してあらゆるものを支援していくということに関しては、マンションの建替えの円滑化等に関する法律、通常国会において通していただいて、この中でも、マンションの、建てかえ住宅を問わず、すべての住宅について、良質な住宅のストックをする場合にはできる限り、購入、建設に対する融資でありますとかあるいは税制上の特例措置によって支援を行えるようになっておりますので、今瀬古議員がおっしゃったようなことに関しては、最大限の配慮をしていくべきだと私は思っております。
○瀬古委員 当面、耐震性の強化とかバリアフリー化、エレベーターの設置など、社会的な要請にこたえる改善を修繕費用に加えるときには、それに対応する助成制度が必要だと思います。 十三日の参考人質疑で陳述された千代崎さんも、既存の制度でいえば公庫のマンション共用部のリフォームローンを全国どこでももっと使いやすくしてほしい、東京都では利子補給制度を行っているが公庫に限られている、民間の融資も利子補給の対象にしてほしい、足立区の共用部工事への助成、板橋区や浦安市のバリアフリーへの助成制度、神戸でのエレベーター設置助成制度など、部位ごとへの支援策も含めてさらに充実した制度を全国で広げるために法律化してほしいと言っておられます。私もそのとおりだと思うんですけれども、さらに助成制度を充実すべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○松野政府参考人 マンションの共用部分の改修でありますとか、そういったことにつきましては、基本的に補助制度というようなことではなくて、むしろ自助努力といいますか、それを前提としておりますので、公庫融資も低利になっておりますので、それを活用していただきたいということが基本でございます。また、共用部分のリフォームが耐震改修を伴うといった場合には、その耐震改修に対する助成制度はございますので、それを活用していただければというふうに思います。
○瀬古委員 今の現状では大変困難だというふうに千代崎さんは言っていらっしゃるわけですよ。もっと本当に快適にそこで住み続けられるようなそういう援助を法律化する、そのぐらい本格的につくってほしいということなんですね。そういう点でも、今提案はともかく建てかえというのが中心で、実際には、本当に維持してそこに住み続けようと思うと、今までの制度でぜひお願いしたいという程度では、私はやはり問題だと思うんです。 今回、参考人質疑でも、三人の参考人の方がいろいろな議論をされて、建てかえ要件の客観的削除、また団地の一括建てかえが、全体で五分の四クリアできれば棟の建てかえは三分の二でできる、こういうような唐突な、法制審議会の議論も不十分なまま出されたことについても大変厳しい批判もされておりました。 私は、ぜひこの法案はもう一度精査して見直す必要があると思いますが、最後に法務省の見解を伺いたいと思います。
○増田副大臣 お答えをいたします。 建てかえ要件の関係でございますが、法制審議会における審議におきまして、建てかえ決議の要件について、中間試案では、五分の四以上の多数決に年数要件を加えた案が掲げられておりましたが、最終的な答申では、五分の四以上の多数決のみとし、年数要件は削除されております。これは、中間試案について行った意見照会に対する意見や、規制改革会議の委員に対するヒアリングの結果等を踏まえ、法制審議会において慎重な審議をしていただいた結果であると考えております。 法務省といたしましても、建てかえ決議の要件を五分の四以上の多数決のみとすることが相当であると考え、本改正法案を提出させていただきました。国会において十分御審議いただきますよう、お願いを申し上げます。
○瀬古委員 これで質問を終わりますが、本当にもっともっとこの問題については議論をしていただきたいと思うんです。参考人質疑の中でも、法制審議会の性格も変わってきたんじゃないかと。本当に住民の声を聞いて、そしてそれを反映した法案の提出になっていないということを強く指摘をしまして、私の質問といたします。ありがとうございました。
○久保委員長 原陽子さん。
○原委員 社会民主党の原陽子です。よろしくお願いします。 このマンションの法案をずっと審議してきておりまして、前回、まちづくりの観点を中心に質問をさせていただきましたが、最後の質疑となりますので、きょうは居住者の権利について質問をさせていただきたいと思います。 まず法務省にお伺いをしたいのですが、建てかえに同意しなかった居住者の私有財産は区分所有法の中でどのように位置づけられているか。今回五分の四で建てかえ決議ができるというふうになれば、実際上、最大五分の一の人の私有財産が強制的に権利変換させられることになってしまいます。憲法二十九条に基づく正当補償が必要ではないかという指摘の声も聞いておりますが、法務省としてこの点をどのようにお考えになっているか、お願いします。
○房村政府参考人 御指摘のように、区分所有法で建てかえ決議が成立した場合、それに反対した人については、売り渡し請求が行使されますと、その区分所有権を失ってしまう、こういう大きな制約を受けております。ただ、これは区分所有建物という特質に基づく制約であります。 区分所有権というのは、一つの建物を複数の人が共同で所有しているという実質がございます。したがいまして、その所有権の行使に当たりましては、相互にどうしてもおのずから制約がある。 一人で一人のものを持っている場合であれば、これを建て直すのはその人一人で決められる。狭くなったから大きいものにしたいと思えば、自分でこれができるわけです。ところが、区分建物についてはそういうわけにはいかない。自分の専有部分だけを広げるということは不可能ですので、建物全体を建てかえようと思いますと、民法の原則ですと、全員一致でやらなければいけないということになります。 ところが、全員一致でやらなければいけないということになりますと、事実上建てかえがおよそ不可能になってしまう。不可能になるとどういうことになるかといいますと、建物がスラム化するのを手をつかねて見過ごすしかない、最終的にはその権利自体が存立の基盤を失ってしまうということになります。したがいまして、この権利を適正に行使しようと思えば、何らかの形で多数決を取り込むしかない、こういう制約があります。 多数決制度を取り込めば、これは当然、多数意見を形成しない限り自分の意思が通らないという制約がありますし、また、逆に少数になった場合には、自分の意に反してでも多数に従わないといけないという制約があります。 ですから、区分所有の場合には必然的に、一つの建物を共同で持っているということから、権利の行使がお互いに制約をされる。一方に対する制約を弱めれば他方に対する制約が強まる、こういう関係にあります。まさにそれが典型的にあらわれるのが、この建てかえの場合でございます。 今申し上げましたように、最終的に建物について建てかえということを考えないと仕方がない、いずれ建てかえる時期があるわけですから、そうなりますと、必要なことは、いかにして合理的な建てかえの制度をつくるか。 そういう合理的な建てかえの制度に伴う権利の制約というのは、まさに憲法二十九条で言っております権利の内在的制約、こういうことになります。そして憲法上、権利の内在的制約については補償は要らない、こういうことが一般的な理解でございます。何らかの政策的目的に応じて個人の権利を制約する、例えば公益の目的のために使うということで、土地を土地収用で収用する、こういうような場合には当然、補償が必要となります。しかし、権利の内在的制約に伴うものについては補償は要らないというのが一般的考え方でございます。 この今回の制度につきましては、私ども、合理的な制度であるということを考えておりますので、憲法上の補償の問題は生じないと考えておりますが、なお、念のために申し上げますと、反対者に対する売り渡し請求権、このときの時価というのは、建てかえが可能になったという、自分たちが反対していた建てかえが可能なことを前提として、より高い価格での売り渡しが可能になるようにして、経済的に損失が生じないようにという配慮もしておりますので、その面からも、別途補償の問題が生ずるおそれはないと考えております。
○原委員 もう一点法務省さんにお聞きをしたいんですが、今回建てかえをすることになったマンションに、家主から借りて住んでいる世帯というものがある場合、こうした世帯の扱いはどのようになるのかという点で、そういう人たちが、例えば建てかえをすることになったときに、意見を言う権利というものは保障されているのかという点のお答えをお願いします。
○房村政府参考人 マンションの専有部分を賃貸している場合、賃借人との間で賃貸借契約を結んでいるわけですが、その貸し主が建てかえ決議によって建てかえることになった、これはあくまで貸し主の側の事情でございますので、そのことによって賃貸借契約が直接的に影響を受けるということはないというのが法律的な扱いでございます。したがいまして、当然に賃借権はありますので、その賃貸借契約を合意を得て解消するなり何らかの手段をとらない限り、建てかえ決議をしても、それだけでは建てかえができないというのは原則的な区分所有法の考え方でございます。 ただ、それだけではなかなか進みませんので、この夏の国会で成立しましたマンションの建替えの円滑化法等におきましては、そういう賃借人等がいる場合に、建てかえ建物の上に権利変換という形でその権利が保全できるというような仕組みをつくって、建てかえの実施が円滑に進むようにしているという配慮をしておりますが、区分所有法上は、そういう権利を消滅させるというような仕組みをしておりませんので、賃借人は、建てかえに対しても十分法律的には保護されるという形になっております。
○原委員 済みません、今、マンションの建替えの方では意見を言う権利が保障されているということでしたか。
○房村政府参考人 そういうことで、法律的な影響は直接的にはこうむらないということになりますので、特に集会決議に出席して発言を認めるというような規定は置いておりません。
○原委員 そうしたら、ちょっと国土交通省さんに、突然で済みませんが確認をさせていただきたいんです。 こうした、借りている人が意見を言う権利というものは、マンションの建替え円滑化法の中で保障されていますでしょうか。済みません、確認だけさせてください。
○松野政府参考人 マンション建てかえ事業の中では、区分所有者から借りている借家人の方は、原則として、権利変換によって、区分所有者が所有する従後の床の中に借家権を位置づけする、それから、そうでない、つまり区分所有者が出てしまうというケースがあり得るわけですが、そのときは施行者の所有する床に位置づけるという、権利変換ではそういう扱いになります。権利変換に関しては、この借家人の方の同意をとるということになっております。
○原委員 前回の審議のときにいただいた、マンションの建替えの円滑化等に関する法律案についてのこの冊子の、多分これは十一条関係の項目だと思うんですが、「担保権者や借家人は建替え合意者に含まれないことから、これらの者に対し意見書の提出の機会を付与している。」という項目が書かれているんです。これは、ここに書かれている意見を言う権利というものは、間違いなく保障はされているんでしょうか。突然で済みません。
○松野政府参考人 十一条の事業計画、これは、マンション建てかえ事業によりまして実際に直接的に影響を受ける権利者の方々に対して意見を求めるという、事業計画の縦覧をして意見書を求めるというような手続をとるということになっているわけです。
○原委員 余りここにこだわってもいられないのですが、借りている人が不利にならないような徹底というものは、ぜひしていっていただきたいということを要望させていただきます。 次の質問なんですが、これは国土交通省さんにお聞きをします。 まず、この法律を施行していく上で、区分所有者である家主さんやマンションを借りている人に対する相談窓口や支援措置についてはどのようにお考えになっていますでしょうか。
○松野政府参考人 区分所有者の方の床を借りておられる借家人とその家主に対する相談窓口あるいは支援措置ということでございますが、これは大変に重要なことでございます。公共団体とも連携いたしまして、公共団体にその相談窓口を設置していただく、あるいはインターネットを活用した情報供給体制の整備を行うということにしております。 まず支援措置でございますが、そもそも、マンション建てかえ事業のコストを安くするということが全体の権利者のいわば利益につながるということもございまして、事前の調査設計計画費、除却費等、それから本体の共同施設整備費等の補助を行うということがございます。 それから、高齢者の方々につきましては、区分所有者につきまして、その不足資金について、住宅金融公庫融資によって死亡時一括償還という特例制度も設けております。 さらに、借家人の方につきましては、転出される場合は、公共賃貸住宅への優先入居、あるいは従前居住者用賃貸住宅に入っていただく、その際の家賃対策補助も行う。あるいは移転料、つまり引っ越し代ですが、この支払いについても補助を行うというようなことを考えております。
○原委員 次に、マンション建てかえの円滑化等に対する基本的な方針、まだ案の段階だと思うんですが、についてちょっとお聞きをします。 今回、この方針案がパブリックコメントにかけられてあったと思うんですが、そのパブリックコメントの中でどのような意見が上がっていたか、件数と内容の概要を簡単に御説明ください。
○松野政府参考人 この基本方針案のパブリックコメントを実施いたしましたが、七十八の意見が寄せられたところでございます。 主な意見といたしましては、都市再生と良好な居住環境の確保に至る方法が建てかえであるというのは短絡的過ぎるのではないか、つまり、修繕、改修等も大変重要ではないか、これは当然の御意見だと思います。それから、管理費等の建てかえ検討費用への充当に関する考え方あるいは総会での決議の方法、規約への規定等の取り決めの仕方、このあたりを明示してほしいという御意見。それから、国、地方公共団体が技術情報及び相談体制を充実させることが重要であるという御意見。バリアフリー住宅などの設置など、高齢者世帯への対応が必要だ、再建マンションの管理規約の作成にマンション管理士が関与すべきといった御意見が寄せられたところでございます。 これらの意見については、おおむね我々としては取り入れていくつもりでございます。
○原委員 次に、マンションに関する情報というものはさまざまあると思うんです。私が思うに、そうしたマンションに関するいろいろな情報を最も必要としている人はマンションを買う人であって、マンションを買うときにいろいろな情報があることが望ましい、知ることができることが望ましいと私は思うのですが、行政として、この時期にどのような情報提供ができると考えておられるか、お聞かせください。
○松野政府参考人 新築あるいは中古のマンションの購入をされる方について、この法律によります建てかえの制度、あるいは大規模修繕を選択する場合もあります、そういった修繕の道を選ぶときのいろいろな仕組みについて広く周知を図るべきではないか、これは当然のことでございます。 このために、建てかえの場合につきましては、建てかえに関する相談、情報提供体制の整備を国土交通大臣が定める基本方針にも当然盛り込みますし、実際に公共団体と連携いたしまして相談窓口を設置する、あるいはインターネットを活用した情報供給体制の整備を行うというようなこと、それから、専門家の方々の知識の活用が図られるような環境整備に努めてまいりたいと思います。 また、修繕等につきましては、昨年施行されましたマンション管理適正化法に基づきまして、マンション管理センターあるいは地方公共団体の相談窓口等におきまして、管理組合等に対して長期の修繕計画あるいは修繕積立金等に関する情報提供、必要な助言を実施してまいりたいと考えております。
○原委員 ちょっとここで大臣にお聞きをしたいんですが、私はマンションを買った経験がないのでちょっとわからないんですけれども、大臣はマンションにお住まいになっていらっしゃるというお話なんですが……(扇国務大臣「マンションに住んでいない」と呼ぶ)マンションではない。済みません。では、例えば、個人的なお考えでいいので、もし大臣がマンションを買うとしたときに、多分、一生の買い物ということでマンションを買う方がほとんどだと思うんです、この時代。そのときに、マンションというものは建てかえられる可能性があるよとか、大規模修繕計画や積立金の仕組みとかについて、販売者の方からそのような情報の提供があったら、私は非常に親切だなとも思うし、もし自分がマンションを買う機会があれば、そういうことも教えてもらえると非常にありがたいなと思うのですが、その辺、大臣の個人的なお考えをお伺いしたいと思います。
○扇国務大臣 個人的でなくても大事なことですから。これは一個人の問題ではありません、今既に一千万人がマンションに住んでいるわけですから。 私は、マンションを何度も買ったことがございます。それは私の両親も主人の両親もございますから。マンションというのは、今業界はすごい売り込みです。原陽子さんが将来お買いになるというときには各会社がどっと参ります。あらゆるパンフレット、そして説明、懇切丁寧でございます。もう売り込み合戦でございますから、そういう意味では本当に、過大広告しているんじゃないかと思うぐらいな売り込みが参ります。その中から、今日のような議論を頭に入れながら、いかに賢明なものを選ばれるか。そのための御論議ですから、私は、今後マンションをお買いになる方には、この三日間の論議を通じて大変勉強になられ、これを生かされて買い損ないがない、お役に立つと思って、確信を持った御審議だったと思っています。
○原委員 そのような機会がもしあれば、ここで議論したことをちゃんと勉強して私もマンションを買わなくちゃいけないのかなと思うんですが、ただ、ここでの情報というのは本当にすべての人のところまで伝わっているということは少ないと思う。それなので、行政ができる情報提供の中に、私個人としては、マンションは建てかえられる可能性があるんだよということも丁寧な説明の中にあると非常に親切だなとも思うので、販売者にそうした説明をするよう考えさせるというような行政としての情報提供のあり方もひとつぜひこれからお考えになっていただきたいと思います。 これで質問は終わるんですが、この間ずっと審議をしてきて、マンションや一戸建ての住宅に暮らす個人の私有財産とまちづくりや公共の場との関係について、考え方を共有できなかったことが反省点で、私個人としてもそうなんですが、残念なところだと思います。平成十三年度に出された規制改革の推進に関する第一次答申に端を発した法案だったためもあるとは思います。 今回、審議を通して、なお解決されない点が幾つか残りました。一つ目が、適正管理や修繕による長寿命化が優先される中で、建てかえもあるという位置づけが法案の中で明確ではなかったこと、マンション紛争のもとになっている総合設計制度の積極的な活用を促進するメニューがふえたということ、不適格マンションへの対応策になっていないこと、電磁的方法による決議に問題があること、そして参考人の質疑の中であった意見なんですが、参考人の意見が反映されなかったこと。このような問題点の中から、社民党としては、今回、この法案には反対の立場というものを明確にしたいと思っておりますということを述べて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○久保委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○久保委員長 この際、本案に対し、瀬古由起子君外一名から、日本共産党提案による修正案が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。瀬古由起子さん。 ————————————— 建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○瀬古委員 私は、建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されています案文のとおりです。 その趣旨について御説明申し上げます。 本改正案については、十三日の参考人質疑でも、また本委員会や法務委員会との連合審査会の質疑でも、建てかえの客観的要件の撤廃についてはその内容や手続に対して多くの批判的意見が出たのは御存じのとおりです。 一連の経過を見るならば、関係者の長年の切実な要求も盛り込まれていますが、重大な点は、マンションの建てかえをもうけの対象とする不動産・建設業界の意向に政府・与党がこたえたものと言わざるを得ません。 我が党としては、建てかえか修繕かという判断については、建てかえの必要性について公平に調査、情報提供する専門家による第三者機関を設置し、最終的には居住者、管理組合の判断に任せるべきであると提案しています。 しかし、改正案が現に審議されている現在、当面の緊急措置として、次のように修正すべきであると考えます。 第一に、建てかえを行う場合、老朽、損傷、一部の滅失その他の事由により、建物の価額その他の事情に照らし、建物がその効用を維持し、または回復するのに過分の費用を要するに至ったこと及び新たに建築する建物が主たる使用目的を同一とする建物であることとしたことであります。過分の費用の要件を取り除き、多数決だけで建てかえを決議することは、少数者の財産権を侵すものであるからです。 第二に、団地の一括建てかえの場合の決議数要件についてです。団地一括建てかえ決議の場合、団地全体でも個々の棟ごとにも五分の四以上にすることです。 一括建てかえ決議要件の修正に伴い、建替組合の設立に関する決議要件を現行法どおりの要件である四分の三以上とする規定の整備を行っています。 以上、日本共産党の修正案の提案理由及びその内容です。 委員各位の御賛同をお願い申し上げ、修正案の趣旨説明とさせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○久保委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○久保委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。大幡基夫君。
○大幡委員 私は、日本共産党を代表して、建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に反対し、ただいま提案されました修正案に賛成の討論を行います。 原案に反対する第一の理由は、建てかえ時における老朽化等及び費用の過分性の二つの要件を削除したことであります。 この問題は、本案審議の過程でも、その内容や手続に多くの批判が出たものであります。マンション関係者が求めていたものは、基準の明確化であります。 今回の改正は、その経過から見て、不動産・建設業界の意向があったと言わざるを得ません。 個人の財産を、老朽化等及び過分の費用という客観的な要件のないまま、五分の四の多数議決のみで事実上奪ってしまうことは、現在の財産権としての区分所有権を変質させるものであり、到底認めることはできません。 第二の理由は、団地一括建てかえ制度における各棟ごとの決議は三分の二の多数決とするものであります。このこと自体、少数者の財産権を侵すものであります。 しかも、この改正点は法制審議会の決定にも盛り込まれておりません。財産権に大きな制約を加える改正を審議会の議を経ずに立法とすることは大きな問題です。 本案の残余の改正点には、不十分さを持ちつつも関係者の要望を反映した改正も盛り込まれておりますが、本法案にはさきに述べました重大な問題点を含んでおることから、反対するものであります。 修正案は、これらを是正するための最小限のものであります。 以上、申し上げ、修正案に賛成、原案に反対する討論を終わります。(拍手)
○久保委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○久保委員長 これより採決に入ります。 建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、瀬古由起子君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久保委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久保委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○久保委員長 ただいま議決いたしました本法律案に対し、栗原博久君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び保守党の五会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。阿久津幸彦君。
○阿久津委員 ただいま議題となりました建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び保守党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 案文をお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。 建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。 一 環境保全、高齢者・障害者居住等の視点から、マンションの長寿命化を図るための必要な措置を講ずるよう努めること。また、マンションの長寿命化や再生に関する調査研究を促進すること。 二 マンションの劣化状況等の客観的な評価を行う評価制度の普及に努めること。 三 新築又は既存のマンションの耐久性を向上させるための技術開発及びその普及のために必要な措置を講ずるよう努めること。 四 健全な中古マンション市場の育成に留意し、良好に管理され防災や居住環境の面で良質なマンションが適切に評価されるよう必要な措置を講ずるよう努めること。 五 マンションの建替え及び大規模修繕に際して、居住者の意向が十分尊重されるよう必要な措置を講ずるよう努めるとともに、建替え及び大規模修繕に参加することが困難な高齢者等の社会的弱者に対し必要な支援を講ずるよう努めること。 六 マンションの建替えが良好な市街地環境の形成に資するよう必要な措置を講ずるよう努めること。 七 社会・経済情勢や建物の状況に応じた的確な管理を実施することにより、マンションの有する効用が可能な限り維持、増進されるよう本法を運用すること。 以上であります。 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○久保委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久保委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。扇国土交通大臣。
○扇国務大臣 建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただきまして、ただいま可決されましたことを重ねて御礼を申し上げます。 今後、審議中に賜りました多くの委員各位の御高見、また、ただいまの附帯決議で提起されましたマンションの長寿命化、あるいは建てかえに参加することが困難な高齢者への居住の安定等につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長初め各委員の御審議に心から敬意を表して、御礼申し上げます。 ありがとう存じました。(拍手) —————————————
○久保委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久保委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○久保委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十分散会