予算委員会 第21号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/07/10
会議録
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、これより経済、外交、防衛に関する集中審議を行います。 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。 それでは、質疑を行います。日出英輔君。
○日出英輔君 自由民主党の日出英輔でございます。こういった機会をいただきまして、大変ありがとうございました。 私は、全国比例という立場でありますので、全国をずっと回っていろんな人の話を伺っておるわけでありますが、この正月以来といいますか、去年の暮れ以来、予算委員会に、おまえは委員だろうけれども、どうも余り経済、財政の話をしないではないかということを厳しく言われたり、またしみじみと言われたり、やるせない思いをしていたわけであります。今回、こういった機会をいただきまして、大変有り難く思っている次第でございます。 では、早速質問に入らせていただきたいと思います。 この間の七月一日、日銀が短観を発表いたしました。大企業の景況感改善ということで、景気回復という意味で一つのポイントに来たという記事がございました。これにつきまして、まず竹中大臣に、今回のこの改善というのはどういったように解釈しているのか。新聞によると、どうも循環的な一つの回復局面だけではないかというかなり厳しい話もありますけれども、そこら辺につきましてどういうふうにごらんになっているか、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済の現状の認識でございますけれども、経済を見るときに幾つかの見方があろうかと思いますが、基本的にはやはり経済の根本にある生産動向がどうなっていくのかというのが重要であろうかというふうに思っております。生産に関しましては、底を打って持ち直しの動きも一部に見られている。その要因をどのように解釈するかということだと思うんですが、大きくは二つ。一つは、対外的な要因としての輸出がアジア向けを中心にして増加しているということ。国内的には、やはり在庫が一巡して、在庫調整が終えて循環的な意味での自律回復の局面がかいま見えているという状況ではないかと思っております。 委員御指摘のように、その意味では循環的な意味で今底入れをしていて、さらに今後の可能性をうかがうということでありますが、幾つかの厳しい状況の中で、やはり経済のトレンドとしての成長力を高めることが必要である、そう持っていけるかどうかは、正しく構造改革をどのように強力に進めていけるかどうかに係っていると、以上のように認識をしております。
○日出英輔君 今そういうお話をいただいたわけでありますが、在庫調整の議論あるいは輸出の話、回復の話がございました。これは、昨年来小泉内閣が言ってこられました構造改革あるいはデフレ対策といったものとの関連で見ますと、例えば企業の投資行動とかそういうものが活発になってきたのかどうかとか、あるいは消費者の購買活動がやっぱり活発になってきたかどうかという面で見ますと、そういった兆候は全くないということなんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 構造改革というのは、やはり長期的なトレンドとしての経済成長を高めるためのものでなければいけないというふうに思います。そのために、不良債権の処理というのをまず一丁目一番地として、民間でできることは民間に、更には挑戦者を支援する、そして財政が中長期的に持続可能で、国民に安心を持って消費・投資行動ができるような体制に持っていくと、そういった内容で政策を進めてきたわけでございます。 不良債権の処理に関しましては、今日は金融担当大臣お見えでございますけれども、危機を起こさないで様々な難しい問題に対処してきた状況であるというふうに思いますし、さらには、財政に関しましてもこの赤字が野方図に、無限に拡大することのないように、十年でプライマリーバランスをおおむね回復できるんだというような改革と展望のシナリオを示しました。さらに、民間でできることは民間にということで、経済の活力を高めるための政策を今着実に取りつつあるというところだと思います。 その意味では、こういった効果が出るのにはまだ時間を要することでありますけれども、政策の方向は明らかに変わっているわけで、財政が野放図に拡大しないというような安心感がやはり消費をそれなりに底堅いものにしているというふうに認識をしておりますし、その効果がじわじわと現れつつあるという段階ではないかというふうに思っています。
○日出英輔君 今、竹中大臣がお話しになられた、この構造改革の効果がじわじわと現れているかどうかというところを実は伺いたかったわけです、具体的にですね。 どうも、やっぱり地方を回ってみますと、これは東京の中でもそうだと思いますが、いわゆる比較的短期的に効果の上がるようなデフレ対策、こういったもの、今政府は何を一体やっているんだろうかということについて、一方でやっぱり倒産だとかあるいは経営者の自殺だとか、余り大きな声では申し上げられませんが、そういった大変いら立ちがございます。 今現在、それではデフレ対策として、構造改革というのは八年とか十年とか掛かるかもしれない、しかし、もう少し短期に経済を活性化させるような対策を今現在小泉内閣は取っているんだろうかという質問をされますと、実は私は、ちょっと専門家でもないせいもありますかもしれませんが、よくうまく答えられません。 二月の二十七日、最後に、何かこのときは金融の問題で、不良債権処理の問題でありますとか三月対策のお話で、早急に取り組むべきデフレ対応策なんというのが政府から出ておりますが、これはこれとして、経済といっても金融の問題からの接近でございました。 今現在、竹中大臣が最後におっしゃったような、じわじわとどういう芽が出ているんだろうかと、あるいはこのデフレ対策として今一体政府は何に力を入れているんだろうかということを聞かれたときに、全国民にこういうことなんですよということを是非お伝えをいただきたいのでありますけれども、再度御答弁願います。
○国務大臣(竹中平蔵君) デフレに対する政策がどのような構造になっているのかということに関しては、確かに見えにくいのではないかというような御質問を受けることがございます。 基本的なデフレに対する考え方というのは、やはり中長期的な経済活性化を実現することが何といってもその根幹にあるというのが小泉総理始め我々の基本的な考え方であります。 その意味でいいますと、先般も骨太の第二弾の中で活性化のための税制、更には活性化戦略のための幾つかの仕組みを議論させていただきましたが、そのような中長期的な活性化戦略を取っていくことがやはりベースであると。これは地味ではありますけれども、やはり経済の源泉は、間違いなく発展の源泉はそこから生まれてくるというふうに思っております。 それに加えて、いわゆる第一次のデフレ対応策においては、金融面でこれをもう少し後押ししようということで金融的な現象に焦点を当てた対策を取らせていただきました。不良債権の一層の処理、そのための検査等々がその中の中心でございましたけれども、更に加えて中小企業に対する金融の仕組みの改善、更には当面の資産市場対策としての空売りに対する厳然な規制の強化ということもやらせていただいたわけです。 こういったものは、特に空売り規制等々については短期的にも効果を上げたと思っておりますし、今申し上げた新たな、失礼、中長期的な活性化策というのは、やはりこれはボディーブローのように経済を、消費、投資を私は支えているというふうに考えております。 さらには、先般の第二次のデフレ対策では、この活性化、中期的な活性化策の中で、更に早くできるものについては早くやろうではないかということで、税制の改革の年度内での遡及の問題も含めて対応策を積み重ねているところであります。 そういった中長期的なもの、金融的なもの、さらにそれを早期に実施するもの、そういう三つの段階で御理解いただければと思います。
○日出英輔君 何かこううまく景気が底入れしている過程で、つらい話も含めてといいますか、痛みを伴った構造改革を進めていくというのは一つの、紙の上では議論があると思うんですが、一方で、やはり何か常に小泉総理を始め各閣僚の声が、国民にもう少し頑張れと、こういうことをすると先が見えてくるというメッセージが欲しいわけであります。 そこで、構造改革の成果というのを首相官邸のホームページで見ました。これは経済財政諮問会議のところで作っているものでありますが、これは、「これだけ進んだ構造改革 見えてきた小泉構造改革の成果」という、これ二枚紙のやつ。これは竹中大臣もごらんになっているかと思いますが、十項目ばかりこの小泉構造改革の成果として上がっております。 ただ、私はこれ見た限りで、何かこうばらばらな感じもいたしますし、今お話しのような中長期ともう少し手前の話が入っていたり、あるいは構造改革に伴う痛みをセーフティーネットの形でするものもあったり。実はちょっと、これは作ったのが少し前だったようでありますが、構造改革の姿というのが全く実はこれではなかなか国民には伝わってこないような感じがいたします。 私も、昨年、小泉内閣が発足いたしましたときに、大変新鮮にこの構造改革というのを伺いました。竹中大臣は何百回と答弁しているんだと思いますが、最初に、構造改革なくして成長なしという、そういうメッセージをかなり強烈に小泉総理もまた竹中大臣もなさったと思います。これは、今、先ほど伺いました、何か当面のデフレ対策的なものと中長期の本当の構造改革みたいなものと、これを何か一緒にしたような感じがあるわけです。 ○○建設がたしか倒産をしたときに総理が、これが構造改革の成果だと言ったようなことが伝えられたように、正確じゃありませんが、ちょっと覚えておりますが、何かデフレ対策としての当面の対策は余りしないで、中長期の対策をするんだというふうなメッセージがどうも国民に伝わったような感じがするんですけれども。 私は、そういう意味で、その後に矢継ぎ早に、工程表とかかなりきちっとした政策、こういうのを出しましたけれども、最初のメッセージが、何かそこら辺が、経済に対して当面の対策について余り力が入らないんだというようなニュアンスのメッセージを送ってしまったんではないかという感じがするんですが。 これは私の聞き方というか感じ方がおかしいのか、あるいはどうなのかという辺りを竹中大臣と官房長官に、その辺の国民の受け止め方についての感想といいますか、考え方を伺いたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 構造改革そのものは非常に幅の広い総合的なものでありますので、それを短い時間、短いスペースでお伝えするのが大変難しいという問題にいつも直面をしております。 その上で、やはり経済の基本というのは中長期的な日本の基礎体力を強くすることであって、それなくして目の前のことだけやってもこれはやっぱり駄目なんだというのが小泉総理の非常に強いお考えでもあるし、やはり構造改革を進める基本であろうかと思っております。 しかし、もちろん短期にできることはあるわけで、それに関しては昨年の工程表等々でもできることを掲げて、これ実は昨年度で四百五十の項目を掲げて、かなりの部分これをもう実現しているわけでありますけれども、そういった短期的なこともそれなりに行ってきたつもりでございます。 ひとつ、この機会に是非とも御理解をいただきたいと思いますのは、我々、最近こういう言葉をよく使うんでありますけれども、政策には入口と出口があると。入口というのは、例えばやはり税制をこういう方向で改革しなければいけない、骨太の方針に書かれたような方向を目指さなければいけない、改革と展望で書かれたようなシナリオに沿わなければいけない、そういう方向に向けて我々の意識と資源を集約していく、そういうのが政策の入口論なんだと思います。 それを具体的な制度、形にするのが政策の出口論なんだと思うんですが、今の段階といいますのは、基本方針を二度出しました段階で、税制を含めてかなりの政策の方向、考え方は出そろってきた、これを具体的な形にしていくことである。これは税制の形にすることであり、また構造改革特区を具体的な制度にすることである。このやはり出口の議論をきちっとするというのが構造改革の非常に重要な局面になってきた。この出口論が進む段階ではかなりはっきりと国民の皆さんにも構造改革の姿というのを見ていただけるのではないかなというふうに思っております。 今まで入口の議論を割と広くやってきましたが、その意味では出口の議論をしっかりとして形にしていくと、そういうふうな形で経済財政諮問会議も運営したいというふうに思っておりますので、この点を是非、段階をひとつ御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 小泉内閣の看板は構造改革でございます。そういうことでございますので、その方向性を見失うことなく、内閣として全力を挙げて、今、短期、中長期、そういうような将来的な課題に取り組んでいるということでございます。 今、道路公団の民営化とか住宅金融公庫の廃止などの特殊法人改革とか、それからこれ今国会で御審議をお願いしています郵政事業の改革など、これまで不可能だったというように思われていたそういう改革が着実に進展しているというように考えております。今後とも、改革なくして成長なしと、こういうような考え方の下でもって不良債権処理とか規制改革、また税制改革などの構造改革に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 なお、先ほど御指摘ありました官邸ホームページでございますけれども、御指摘のとおり、正にちょっと古いんでございまして、これは更新を今要請しておりまして、もうじきでき上がるということでございますので、これ、もっと分かりやすいものができ上がるということを考えておりますので御理解いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○日出英輔君 今、官房長官と竹中大臣からお話を伺いました。 それはそれで分かるんですね。お話の向きは分かるんですが、さっきデフレ対策のときも伺いましたように、国民は、確かに入口と出口があります、しかし今この問題はどこに、どの場所にあるのかというのは分からないんですね。いや、出口はそのうちあるからちょっと待っていてくださいよという話はあろうかと思いますが、例えば先ほど官房長官そういうふうにおっしゃられたんで、私、次は余り言わないでおりますが、もう規制緩和だって幾つかやっております、どんどん民の力を出すための、いろいろやっていますね。ですから、こういう話でないものがもっとたくさんあるはずなんです。 私は、竹中大臣のお話、ちょっと少し不満なのは、今、入口と出口論をおっしゃいましたが、真ん中の話について、やはり国民に対して今こういう問題で取り組んでいますよということを、メッセージを伝えて、常に国民に、この改革に立ち向かっていくのは政府だけじゃなくて国民自体なんですから、やっぱり士気を鼓舞してもらわなきゃいけないと思うんですね。 ところが、どうも私の印象というよりも、国民一般の、あるいは今日おいでの同僚の皆さん方もそうかもしれませんが、聖域なき構造改革と言った途端に、前向きの議論と、それからやっぱりつらい、財政改革というか財政の合理化といいますか、財政改革、これは一緒に入っておりますね。で、いろんなところで三位一体の議論が出ます。そうしますと、国民とするとつらい話の方だけが入ってくるわけですね。 私は、つらいけれども先は明るいよと、明るいものは出るはずだということを言うためには、真ん中のところのいろんな今政府が考えている途中のことを伝えていっていただく。確かに、ホームページ等で見ますと、竹中大臣の経済財政諮問会議終わった後の記者会見なんか丁寧に載っております。しかし、見る人はそう多くはないかもしれません。私は、そういう意味でいいますと、常に、政策を作った後でなくて、その過程をやっぱり伝えていっていただきたいというふうに実は思っております。 特に、この構造改革についてのちょっと感想だけ申し上げますと、これ以上申し上げませんが、いろんな問題が入っております。先般の骨太第二方針、これ一つずつちょっと先にやってみようかと思いましたが、これまた大部なものでありますので今日は申し上げませんけれども、税制の問題でもそうですし、歳出の合理化のところもそうでありますが、いろんな問題がありますけれども、何かそれをえいっと聖域なき構造改革でくくり過ぎると、前向きのやつと後ろ向き、あるいは温めるやつと冷たくするものが一緒に出ているんじゃないかと。そうすると、国民としては一体温かい方を考えるのか冷たい方を考えるのかみたいな議論がありますので、私は、やっぱりそういう目線をもう少し下げていただいて、そういう御主張もされるし、政府の考え方も伝えていっていただきたいと思っております。 そこで、本当は「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」、これを少しずつ聞きたかったんですが、余り時間が今日はありませんので、誠に残念でありますが、これちょっと、これの全般の話は伺いませんが、この中に構造改革特区というのがございます。これがまた、なかなかにおもしろいという方と、これは何じゃいと、こういう方とおられます。私は、これは総合規制改革会議でありましたですか、去年の暮れからこういった新聞報道で出ておりますので、大変興味を持っておりました。 特区自体の構想について私は否定するものではありません。ただ、どうも、この特区というのは一体何だろうかと。今どういうような考え方でこの特区というのは検討されているのか、この基本方針に書いてある何行かではちょっとよく分かりませんので、今こういう考え方で特区という考え方を進めているんだということを、先ほどちょっと竹中大臣お触れになりましたが、もう少し詳しくお話をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 特区の、構造改革特区の考え方といいますのは、今回の第二骨太の経済活性化の中でもある意味で私たちが最も力を入れて期待している政策であります。 規制改革についてはこれまでももう何度も重ねて議論をされてきた。しかし、規制ができたのにはそれなりの理由もあるわけで、一つ一つ解きほぐしていこうと思うとなかなか進まないというのが現実でありました。そうであるならば、特定の目的、特定の地域で思い切って規制を緩和してみて、その中で一つの成功事例を示していこうではないか、そうすることによって規制改革に一段と弾みを付けようではないか、それが基本的な特区の考え方。 それと裏腹にあるもう一つの視点は、それぞれの地域に非常にその個性を発揮していただいて、それぞれの地域が考える地域の活性化にその特区をつなげるような、規制緩和という、規制改革という観点と、それと地域の活性化という観点が同時にあるというのが今の規制改革の考え方でございます。 しかし、これをどのように制度化するかという問題は、これは法律論も絡めて非常に難しい問題があるというふうに認識をしております。そうであるがゆえに、実は既に内閣官房に特区推進室というのをもう設けていただいておりまして、これは官房長官が、したがって直々その先頭に立たれるということになりますが、その特区推進室で法律論の問題、さらには地域との対話、それを制度として実現するための仕組みを今考え、スタートさせたという段階であると認識しております。 総合規制改革会議でも同じようにこういった議論を進めているというふうにも聞いておりますので、それと連携を図りながら、しっかりとした制度に是非したいというふうに思っているところであります。
○日出英輔君 まだ議論が余り進んでいないという段階でまた更に伺うのはちょっと恐縮なんでありますが、この特区を、手を挙げた、例えば市町村とか都道府県とかいう地方公共団体が、これは基本的には規制緩和という手法だろうと思いますが、例えばこの特区でいろんな仕事をしたいので税制を手直しを、ちょっと一部緩和を認めてくれとか、あるいは補助を付けてもらえないかと、こういったような支援策といいますか促進策といいますか、こういったものをこの特区というのは否定するものでしょうか、それともこれも一部入り得るということなんでしょうか。ちょっと、もしそこまで議論していなければ結構でございますけれども、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) これはまだ推進室ができたところでございますので、どのような制度にするかの議論は特に進んでいないというふうに聞いております。 ただ、この骨太方針をまとめるまでにどのような意見があったかということを参考までに若干申し上げますと、やはり基本的には、これはいわゆる振興策というふうに考えるべきものではない、規制改革の突破口にするべきものであるので、それに特別のまた財政的な措置を付けるというようなものではないというのがやはり多くの考え方であったというふうに思います。しかし同時に、例えばですけれども、これは地域の議論でありますので、各地域がいろんなアイデアを出して様々なことを考えるとすれば、これはそれそのものを全部排除するというものでもないのではないだろうかと、これは一部参考意見でありますけれども、そういう意見もございました。 こうした中で、しっかりとした制度を作っていくべきであるというふうに思います。
○日出英輔君 伺っておってもやっぱりよく分からないんであります、これからよく詰めていただかなきゃいけませんが。 例えば、A県のA町ではいいけれどもその隣のB町では駄目だ、特区の導入は駄目だと。いやいや、A町とB町は同じような自然条件、社会条件であれば、いやA町のほかにB町もいいよということになりますと、全国同じような自然条件なり社会条件のあるところではそれはいいということになります。これは特区というよりは、一般的に規制をしている中で、一般的にある種の基準に合ったところは例外として一つの別な行動を認める、それは特区でも何でもなくて、私は何か規制を一部緩和をする手法の一つだというような気もしておりまして、どうも特区という概念がいまいちよく実は分かっていないわけであります。 さらに、この特区の中で規制を緩和したときに一定の行為が行われます。例えば、土地の売買であるとかいろんなことがあります。資本のやり取りとかあります。しかし、この特区が何かどうもうまくいかないなということがだれの目にも分かりましたときに、じゃ特区をこれやめようかという話になるのかなというふうに思いますが、なった途端に、実はその中の土地の売買を無効にするわけにもいかないし資本のやり取りを無効にするわけにもいかないし、元に戻らなくなってしまう。 実験として私はなかなか壮たるものがあるように思うんでありますが、これは実験室の中でやるときにはよろしいんですけれども、社会的なことになりますと、これは私はどうも、私見で恐縮でございますけれども、特区という議論ではなくて、少し時間がやっぱり掛かるかもしれませんが、規制改革の中で真っ正面からこれをどうすべきかという議論を一つ一つの分野でしていくという方がどうも何か正攻法ではないのかなという気持ちがございます。ただ、経済活性化の手法として特区ということを否定するつもりはございませんので、大いなる御検討を御期待をしたいというふうに思っております。 それからもう一つ、これも閣僚の皆様方にもお聞きいたしたいと思いますし、全国で、行きまして聞かれますのが、経済財政諮問会議って一体何という話であります。 昨年から大分、連日新聞に載らない日はないほど経済財政諮問会議というのがあるわけでありますが、一番聞かれますのが、総理が諮問をする、総理が主宰する経済財政諮問会議がある、主宰する経済財政諮問会議が総理に答申するという、こういうようなこともこの設置法といいますか、内閣府設置法なんかで見ますとあり得ますし、現実にあるわけであります。これは一体、何か変だなという感じが国民一般にあります。端的に言えば、一人で物を書いて、一人で芝居を打って、一人で興行して歩くというように見えるわけであります。 私は、やっぱり何か経済財政諮問会議の在り方として、内閣府設置法で総合企画あるいは企画立案又は総合調整と書いてありますね、これは経済財政諮問会議としては、総理がそういう立場でおられるのだとすると、一体この総合企画型に合うのか、企画立案型に合うのか、総合調整型に合うのか、ちょっとこれもいまいちよく分かりません。ちょっとこの辺につきまして、国民は何か提案をしているのかまとめているのかよく分からないところがあります。 是非、竹中大臣とそれから、恐縮でございますが、官房長官にもその辺について御感想をお述べいただきますと大変有り難く思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 感想を述べよということでありますので、まあちょっと本当、感想かもしれないのでありますが、御指摘のとおり、諮問会議の議長は総理でいらっしゃいます。総理自身が議長を務められるのは、実は総合科学技術会議なども総理が議長をしておられるということですので、こういう組織はほかにもあるということはまず申し上げたいと思います。 その上で、実は内閣府全体が総理の知恵袋として、総理と一緒にいろんなことを相談しながら政策の方向を調査審議しなさいということでありますので、やはりそこは総理を中心にいろいろ知恵を出し合って政策の方向を議論するというのが我々の重要な役割。したがって、企画、立案、調整、そういったものを総合的に助けるための場であるというふうに思っております。 それが政府の方針、総理が議長をしているということで政府の方針となるかどうかというような趣旨のお尋ねも入っていようかと思いますが、であるがゆえに我々は、その重要な事項についてはそこで決められたことを閣議決定するという手続を取ってまいりました。これは、諮問会議で決めたから政府の方針になるのではなくて、閣議決定したから政府の方針になっているということなのだと思っております。 諮問会議の役割というのは、その意味では、あくまでも総理の知恵袋として調査を審議して、その中で総理のリーダーシップを強力に発揮していただくということであろうかと思っておりますので、それぞれ、閣議決定するものはする、しないで総理にアドバイスするものはアドバイスすると、そのようなめり張りを付けて今後とも是非運営をしていきたいと思っているところでございます。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま竹中大臣が御説明をされたとおりでございますけれども、内閣機能を強化すると、こういうことを目指したあの中央省庁の再編、これは昨年の一月の初めでございますけれども、そのときから総理を議長とする経済財政諮問会議が内閣府に設置されたわけでございます。 正に、総理のリーダーシップを発揮する仕組みと考えてよろしいのではないかと思いますけれども、この経済財政の運営の部分につきましても、今までのこの一年間の実績を見ていただければ十分にお分かりだと思いますけれども、総理の指導の下に総理官邸がその政策を決定するということについて大きな指導性を発揮していると、そういう場であるわけでございまして、今後ともこのやり方を行うことは、政治主導という、そういう名の、名前を実現する上で極めて有効なものであるというように考えております。
○日出英輔君 私は、昨年来から、この経済財政諮問会議の仕事を、最初の基本方針から始まりまして、改革工程表でありますとか、読ませていただきまして、大変そういう意味では、日本の知恵のある方が集まってきて議論され、まとめたということについては敬意を表するわけでありますが、ただ、私も長らく行政の方に携わっておりますと、やっぱり総理というのは、政府の中の総理大臣でもあるし、内閣府の頭でもありますけれども、一方で与党の総裁でもあるわけであります。 この諮問会議に何を諮問するかということを通常考えますと、これは、ここにこういうことを諮問してこういう議論をしてもらいたい、必ず思惑があります。会議を主宰する人は、自分はこういうふうに思う、人もこういうふうに思うけれども、多数じゃなくて、自分がこうしたいということがやっぱり入ると思います。それから、自分が答申を受けます。 そうしますと、今、竹中大臣は、そのものが閣議決定そのものじゃなくて、閣議決定をしたから政府の方針になるんだと、その前は政府の方針と言わないんだというふうな御趣旨のように聞こえましたけれども、やっぱり実質的には政府の方針になってしまう。 私は、やっぱり総理がいろんな幅広い、いろんな方々の意見も聞いて、最終的に政府の方針に本当にしていくんだとすれば、やっぱりちょっと今の体制、無理があるんではないかという、何となくそういう感じはちょっといたしております、これはちょっと余計なことかもしれませんが。いろんな幅広い議論を入れて、やっぱり全体としての、実際に動く政府の方針を作っていただくように、なお一層の御奮闘をお願いするものでございます。 今までの話は経済財政諮問会議とか経済の運営の関係でありますが、ちょっと旧聞に属しますが、アメリカの格付会社ムーディーズの日本国債の二段階引下げの話につきまして、ちょっと財務大臣に伺いたいんでございますが。 いろいろとこれは参議院の財政金融委員会で四回にわたって議論されておりますし、衆議院の方もちょっと調べてみましたが、途中までで、ちょっと多過ぎてできませんでしたが、六月十二日にこのムーディーズの日本代表の方が参考人となってしっかりとした議論をしております。私、それを蒸し返しする気はありませんが、どうもこれを見ておりますと、ムーディーズとスタンダード・アンド・プアーズの格付の仕方が、考え方が違うようであります。 ムーディーズの方は、日本の総債務、これだけ大きくなったので大変だというふうに言っているようでありますが、スタンダード・プアーズの方は、日本国債につきましては、総債務から総資産引いたいわゆる純債務ですね、これをベースにして物を見ている。これは明らかにこの二社の格付の見方が違っているように思うんですが。 私は、更に申し上げれば、どうも財務省が反論なさったこと、これは大変結構なことだと思います。どんどん私は反論すべきだと思いますが、どちらかというと、このスタンダード・プアーズ型の方の純債務をベースにして財務省が反論したのかなというふうに思うんですが。 余り専門的でなくてもよろしいんですけれども、そういう印象を持ちましたけれども、これは間違いでしょうか。
○副大臣(尾辻秀久君) もう今までの多くの御議論お聞きいただいておりますので、繰り返しの御説明は申し上げません。 そこで、基本的な格付会社と私どもの主張の違いは、今も先生お触れになりましたけれども、格付会社が日本の財政赤字のみに着目しておるのに対しまして、私どもは日本の経済力全体を見るべきだ、そこで判断すべきだろうと、こういうことを言っておるところでございます。 そうした中で、ムーディーズ社について言いますと、その傾向が極めて強く、そして私どもがこれまで問題点、疑問点いろいろ提起したんでありますけれども、そうしたものにほとんど答えずに、御指摘のように五月三十一日に更に格下げをいたしました。大変遺憾だと考えております。 そこで、今後でありますけれども、二つあろうかと思います。一つは、今、先生お話しのとおりに、丁寧にもう一回、私どもの主張を説明する必要がある。これは格付会社に対してもそうでありますし、市場全般に対してもそうであります。また、一方、指摘されておる財政赤字につきましては、財政構造改革始め、構造改革を真剣に進める必要がある、このように考えております。
○日出英輔君 私は、純債務と申し上げたのは、これは御答弁は要らないんですけれども、どうもやっぱり日本の国の財政力を世の中に話をしますときに、余りにも総債務だけで話をしておられるんじゃないかと。ムーディーズへの反論になった途端に、いやいや、対外純資産も百四十兆もありますよとか、こういう話が出てまいります。国際的には、OECDで既にこれは純債務という考え方で国際比較も完全にしております。 私は、何か悪いんだ悪いんだと、日本は本当に経済状況が悪いんだ悪いんだというだけのPRを一生懸命何かしているような、余りいい言葉ではありませんけれども、自虐的なことだけ言っているんではないだろうか。経済運営をそれによって緩めていく気は、もちろん緩めろと言うのではありませんが、正確にやっぱり伝えていく、国際的にも通用するような考え方で正確に伝えていかなければならないので、私は、その意味で今度のムーディーズへの反論というのは大いに結構であったというふうに私は実は思っているわけであります。 是非ともこれは、黙して語らず、沈黙は金だというわけにはまいりませんので、是非ともこういう形のものは大いに反論をしていただきたいし、さらには国民に対しても、やっぱり純債務で日本はこういう状態になっていますよというふうなPRもやっていただきたいというふうに思っております。 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、次に移らせていただきます。 政府の機関で地方分権改革推進会議という会議がございます。先般、中間報告を行っておられるわけであります。私は中間報告を、これは六十ページにも及ぶ中間報告を読ませていただきました。 なかなかにいろんなことを書いておられまして、時間が掛かったし大変だったろうなというふうに思っておるわけでありますが、ただちょっと、私は、この地方分権改革推進会議で議論されたことが地方分権の議論ですべきなのか、あるいは国の仕事の仕方、あるいは財政の投資の仕方という議論ですべきだったのかということについてはちょっと問題が残るような気がいたしますが、あえて地方分権改革推進会議のペーパーとして申し上げますと、この中で、実はナショナルミニマムはもう既に達成されているという記述がございます。これは実はつい二年ぐらい前までは、政府の各省のペーパーにはまだまだナショナルミニマムは達成されていない、今現在書いておられるところもありますし、政府の平成十一年ごろのペーパーには既に、まだまだ残っておりました。 私は、地方分権改革推進会議でそういう議論をなさって、まとめて世の中に問うとすれば、実はナショナルミニマムが達成されているかどうかというのがこの後の各論に全部響いていくわけであります。実に各論は社会保障から始まりまして、各論が響いてまいります。 各論の大前提として、この地方分権改革推進会議のペーパーで大変惜しいなと思いますのは、どの分野が達成されているのか、どの分野が達成されていないのか、あるいは達成されていない市町村というのはどうするのか、こういった辺りが一切材料として触れられていない。判断できません。別に皮肉を言うわけではありませんけれども、小泉内閣のスローガンの中にやっぱり姿の見える政策立案過程とかございましたですね。私は、この推進会議の中でそういった具体的な材料がなくて、それを大前提にしてすぐに各論に来るというのは、やっぱり政策を立案していく仕方としていささかいかがなものかという気がいたしておるわけであります。 実はこれにつきましてそう長々の御答弁は結構でございますけれども、これにつきましての担当として、官房長官でございましょうか、それから国土交通大臣、農水大臣、それから恐縮でございますが総務大臣と、一言ずつで結構でございますが、今のようなことで非常に心配している多くの市町村がございますので、そこに伝えるメッセージということで御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 地方分権改革推進会議の事務・事業の在り方に関する中間報告、ここの中にあることでございますけれども、国の地方への関与、規制が必要な理由としてナショナルミニマムの達成が挙げられていることが多いということにかんがみまして、国と地方の役割分担の適正化の観点から、今後、地域住民のニーズにこたえて、地域が選択する、また地域ごとの最適状態を目指すことを行政上の目的とすると、こういうようにすべきではないかという、こういう提言であったものと考えております。
○国務大臣(扇千景君) 今、日出議員がおっしゃいましたように、この地方分権改革推進会議で言われました答申の中に、仰せのとおり、ナショナルミニマムを達成しているということ、それから、社会資本整備につきましてはその水準の多くはおおむね達成されたと、こう明記してあります。 その辺にかんがみますと、私は日本の国土というもの、これ、国民の皆さんに分かりやすくちょっと事例を挙げさせていただかないと分からないと思うんですけれども、少なくとも我が国の社会資本整備、欧米先進国に百年後れているのはもう言われたとおりでございます。 じゃ、何が後れているのか。例えば、環状道路の整備率、これ見ますと、諸外国ではベルリンが九六%、あるいはパリは七四%でございますけれども、東京はまだわずかに二〇%です。これは世界水準に達成しているとは思えません。また、電線の地中化、この率を見ますと、ロンドン、パリがこれ一〇〇%電柱の地中化、けれども東京二十三区ではわずかに三%。これで達成していると言えるのかどうか。あるいは、下水道の普及率につきましても、諸外国がおおむね九〇%を達成しておりますけれども、我が国では六二%でございます。これも達成率がどう見るかということです。それから、水をきれいにします高度処理、これがスウェーデンが八七%ですけれども、ドイツも七二%であるのに、我が国の水質をきれいにする高度処理ではわずかに八%に止まっていると。 こういうことで、私は根本から見直すということではなくて、今の現状を達成しているかどうかと見る国民の認識の物差しをどこに持っていくかということを私は論議しなければ、私は、達成しつつあると言われてしまったのでは身もふたもないと思っておりますけれども、私は国土交通省として少なくとも、我が国の公共事業の八割を所管しておりますので、少なくとも国民の皆さん方にやっぱり安心してそして住みやすいと言われるような日本にするためには、私はこの報告の中の言葉だけでは、大まかな言葉で達成しつつあると言われるだけでは何が達成しつつあるのかということが国民にはもう一つ分からないと思います。 先ほど経済財政諮問会議の話が出ました。経済財政諮問会議で、欧米先進国では社会資本整備が三%だから、日本の国の社会資本整備もGDPの三%でいいのではないかとおっしゃいますけれども、そうなると今の数字はどうなるのかということも私は今後論議していただきたいと思っております。
○国務大臣(武部勤君) 農業生産基盤整備については地域的に偏りがあります。中山間地域は低水準でありますし、また、例えば汚水処理施設、農山漁村の生活環境施設を申し上げますと、都市はほぼ一〇〇%になっていると思いますけれども、町村部はまだ二八%に満たない。 したがいまして、内容によってはナショナルミニマムの達成というわけにはいかない、かように認識しております。
○国務大臣(片山虎之助君) この中間報告は、書いた人に聞かないと本当は分からないんですが、恐らくこういうことなんですよ。今までナショナルミニマム確保ということで各省が一生懸命それぞれの分野で投資を奨励したり指導してやってきたんですね。それは同時にミニマム確保と言って口を出したんですよ。ところが、もうここまで来たんだから、社会資本の整備もいろんなサービスも世界でも有数の水準に達成してきたんで、上は幾らでもありますよ、もうここまで来たら余りミニマム確保ということは口を出さぬで、地方の自由にしたらどうか、自律性を高めたらどうかと。均衡ある発展じゃなくて、これからは個性ある競争だと、こういうことを私は言いたいと思うんですよ。だから、そういう意味で、なるべく関与や基準を示すのはもうそろそろ卒業したらどうかという意味だと思いますよ。 それから、ナショナルミニマムというのは言葉だけで中身ないんですよ。こんなものは時代によって変わるんですよ。ミニマムよりスタンダードの方がまだましだと私は思っておりますが、恐らく分権改革推進会議の意図はそういうことだろうと私は思っております。
○日出英輔君 私は、このナショナルミニマムという言葉がふわふわしていて、経済なり社会構造が変わってきますとどんどん移ってくるものだと思いますが、ただ、今まで非常に大事にしてきた価値観であります。やはり具体的にどの分野でどうだという議論をしないで価値観の標語を変えていくというのは、やっぱりこれは政策の策定のプロセスからしますと大変分かりにくい、分かりやすい政治をねらったのが分かりにくい政治になっているんではないかという、そういうような気がいたしているわけであります。 時間が大分なくなってまいりましたので、農林水産大臣にちょっとお伺いをいたしたいと思っております。 骨太第二の基本方針の中に農業関係、随分と、食料産業といったような、聞いたことないような言葉で書かれておったり、いろんなところ触れておるわけであります。先般、大臣は、四月の十一日だったでしょうか、「「食」と「農」の再生プラン」というのをお出しになったわけでありますが、この基本方針の中には、食と農のうちの食の部分じゃなくて農の方の部分がほとんどしっかり入っているというわけで、今日は経済集中ということですが、この基本方針に入っているのでちょっと私は聞きやすいわけでありますけれども。 この中で、今いろいろと世の中で心配をしているのは、一つは消費者に軸足を移した農林水産行政という言い方をされておられる。今までは生産者なり食品産業が安全で安心な食料を供給するというところが一つの重点でありましたが、消費者に軸足を置いていくというふうに議論されている。 それから、経済財政諮問会議に大臣が御説明するときの材料で、農協の部分のところについて、この経営をきちんと確立するための農協の活動というものを期待するという意味での言葉だと思いますが、改革か解体かといったことがちょっと言葉で出ておったり、あるいは近時でいいますと株式会社論といった議論が出ております。 ちょっと農林大臣の御真意が、ちょっとその辺のところが全体的に基本方針との関係を含めてどういうことであるのか、大した時間ございませんけれども、関係者の方は心配しておりますので、是非とも分かりやすく御答弁を賜りたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 平成十一年に食料・農業・農村基本法が制定されまして、それに基づいて食料・農業・農村基本計画を策定いたしまして、食料の安定供給、自給率の向上という基本法の理念に基づいて私ども農林水産省の仕事に取り組んでいるわけでありますが、御案内のようなBSE問題の発生等々、いろんなことが起こりました。そこで、こうした問題克服に向けて「「食」と「農」の再生プラン」というものを公表したのでございます。 この中で、農林水産省の改革を断行していこうと。どういうふうに改革していくかというのは、今までは生産者とはよく相談してまいりましたけれども、需要者である消費者とは余り話合いもしていなかった、消費者に軸足を置いて農林水産行政を進めていきましょうと。つまり、生産者のみならず消費者も政策策定のパートナーとして重視していきましょう、生産者と消費者が車の両輪として考えて今後の食と農の政策策定に努力していきましょうと、こういうことでございます。 それから、農林水産省、重大な失政というようなことで、例のBSE問題に関する調査検討委員会の報告書を受けたわけです。私はこれを厳粛に受け止めましたが、これには、改革断行しなければ農林水産省の必要性はないぞという警鐘を受けたと、このように受け止めているわけでございます。 一方、生産者サイドでは、生産者は大変な苦しみの中に今あります。こういうときに、生産者の団体であります農協が原点に戻って農協改革というものに真剣に取り組んでもらいたい、我々農林水産省と同じように改革ができなければ、これは存在価値すら必要性が疑われる、解体が迫られると、そういう危機感を持って生産者や農協組合員のメリットというものを生かし得る農協になってもらいたい、こういうことを私は考えて、経済財政諮問会議の中でもそのようにお話をさせていただきました。 「「食」と「農」の再生プラン」は、生産者と消費者がそれぞれ我々のパートナーであるという考え方でこれからも取り組んでまいりたいと、かように思います。
○日出英輔君 たくさん時間をいただいたつもりでございましたけれども、あっという間に実は時間がなくなりました。本当はいろいろともう少し伺いたかったわけであります。 私は、今の武部大臣のお話はそれなりに理解ができるわけでありますが、ただ、何をするかということを、どういう手法でやっていくのかということを、なるべく政策の策定過程を分かりやすくしていく、これがやっぱり行政の姿だと思っております。そうしませんと、どこかの知事の脱ダム宣言と同じように、最初に思いありということになってしまってはやっぱりいけないのではないだろうかというふうに思っております。 大変、経済財政その他、難しい状況でありますけれども、竹中大臣に頑張っていただきたいと思っておりますし、官房長官には全体をまとめていただき、また農林水産大臣には農林水産行政についてきちっとした位置付けになりますように御奮闘を御祈念申し上げまして、御質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で日出英輔君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、草川昭三君の質疑を行います。草川昭三君。
○草川昭三君 公明党の草川であります。 最初に、官房長官にお伺いをしたいと思います。 去る七月四日、外務省は、五月に起きました瀋陽の亡命者連行事件の対応の不手際のあった関係者十三人の処分と、緊急事態に省内の連絡調整役となる危機管理官を置くということを柱とする事件の再発防止策を発表しました。しかし、中国との間で合意したと言われる再発防止に向けた作業の方は進んでいないようでありますし、再び同じような事件が起きた場合、適切に対処できるのか、私は懸念をするものであります。 そもそも今回の事件の背景には、難民の方々や亡命希望者が我が国の在外公館に飛び込んできたときの対処方針があいまいなところに原因があるのではないでしょうか。問題は、在外公館に飛び込んできた人物の目的をどのように見極めるのか、その上で何らかの理由で庇護を求めてきた者、こういう方々にどう対処するのかということを、これは率直なことを申し上げまして、外務省ばかりではなくて法務省もありその他の関係省庁もあるわけでございますが、一日も早く政府として結論を出さなければいけないのではないか、いろんな情報が今錯綜しておりますから。それを強く要望しながら、第一の質問を行いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 難民やいわゆる亡命希望者への対応につきましては、瀋陽総領事館事件を受けまして、内閣官房におきまして関係省庁を集めた協議を行っております。早急に手を打つべきものから中長期的に検討を要するものまで、幅広い課題を整理しまして検討を進めております。 このうち、庇護を求める者が在外公館を訪れた際の処理要領の明確化、体制の整備などにつきましては早急な対応を必要とするものでございまして、これはもう既に在外公館に対しまして指示を徹底いたしたところでございます。この点は今、委員御指摘の七月四日の外務大臣の発表した瀋陽総領事館事件に関する改善策の中にも明らかになっておるとおりでございます。 他方、難民受入れの問題は、言語とか文化、宗教、習慣等の異なる人々とどのような、ともに暮らしていくかといったような我が国社会の在り方に関する根本的な問題もございます。 このような中長期的な課題につきましては、内閣においても必要な調整を行いつつ検討を進めていきたいと考えておりますけれども、あわせて、与党における検討結果なども参考にさせていただきたいと思っております。御党からは、政務調査会から先般御提言をいただきました。大変実現性の高いものがございますので、大いに参考にさせていただきたいと思っているところでございます。
○草川昭三君 是非、公明党からも今御答弁がありましたようなかなり具体的な要望をいたしておりますので、一刻も早く答えが出るよう強くこの際要望しておきたいと思います。 第二番目の問題でございますが、これは関係省庁いろいろとまたがりますが、私は、昨年の十一月の十五日、当予算委員会において、医療費の削減のために薬価の安い後発医薬品を国立病院や国立大学附属病院が率先して使用すべきではないだろうかという質問をいたしました。 我が国の一年間の国民医療費は、平成十一年度で約三十一兆円。これは対前年度比で一兆一千億円余り増加をしております。そのうち、薬剤費、薬代ですけれども、これは約六兆円と言われております。そこで、年々伸び続けている医療費を少しでも抑えるために安い薬を使ったらどうだろうということを具体的に提案をしているわけです。 改めて言うまでもございませんけれども、病院などの医療機関で使用する薬は国によって価格というものが決められています。これがすなわち薬価であります。すなわち薬の価格ですが、医療機関は患者に薬を出すとこの薬価に従って健康保険に薬代を請求することになります。 ここで問題になるのが同一成分同一効能。中身は同じですよ、そしてまた効能も同じですよということが同一成分同一効能になるんですが、そのような薬でも薬価の違うということを繰り返し繰り返し私は国会で取り上げてきました。すなわち、先発品と後発品の話です。事実上同じ薬なのに価格に違いがあるというのは、これはもう言うまでもありませんが、研究開発費というのは、十五年とか二十年掛かるわけでありますから、先発の開発をされた薬価というのは高いわけであります。これが、特許が切れるわけでありますが、大体二十年で特許は切れる。更にまた延長して切れる。その後にいわゆる製造を始めた後発品、ジェネリックメーカーと、こう言うんですが、後発品が安い、こういうことになっております。薬価が安ければその分だけ患者の自己負担分が少なくなるわけでありますし、反対に、高いものを使用すれば患者の支払も増える、当たり前のことですがね。当然、保険から医療機関に支払われる金額も多くなり、保険財政に負担を掛けることになるわけです。 そこで、幾つかの具体的な事例をここに挙げてみたいと思うんです。 私が調べたところでは、脳血栓障害や血液が流れにくい血流障害の治療によく使われている薬で塩酸チクロピジンという先発医薬品があります。これは去年の一年間で約五億六千万錠の使用があったんです。ここが今日の具体的な提案でございますのでよく聞いていただきたいんですが、この薬の五億六千万錠の使用があったんですが、この薬は一錠、薬価が七十九円なんです。年間でこれは四百四十二億円使われているんです。これを後発に切り替えますと、七十九円のものが十七円七十銭になるわけですから、これで年間九十九億円。この差額は、一つのこの薬だけで三百四十三億円違うんです。先発品というものは、これをすべて後発品に切り替えたとするならば、三百四十三億円浮くわけですから、これはもう具体的な問題としてしっかりとこれ聞いていただきたいんですよ。 また、高脂血症の治療に使うフィブラート系薬剤であるところのベザフィブラートという先発医薬品があるんですが、これは一年間に約二億八千万錠使用されているんです。細かいことを言って悪いんですけれども、二億八千万錠。これは薬価が五十四円二十銭ですから、先発で、年間約百五十二億円。同じくこの薬、同一効能同一薬効ですが、後発は十二円五十銭ということになりますから、十二円五十銭で使えば年間三十五億円になり、その差額は百十七億ということの数字になるわけです。 さらに、この中にもたくさんお見えになると思うんですが、高血圧の方がお見えになると思うんですが、血圧降下剤として非常によく使われている薬ですが、ACE阻害剤であるアラセプリル製剤の先発品は一年間に約九千三百万錠使われております。薬価が、これも先発では四十五円十銭ですから年間では四十二億円。同じく同一効能同一薬効の同じ薬ですが、後発の場合は薬価が十一円八十銭ということになりますので年間十一億。差額は三十一億になります。 もう一つ例を申し上げますが、さらに、これも狭心症だとか高血圧なんかによく使われているカルシウム拮抗剤であるニフェジピン製剤という薬がありますが、これは先発品は一年間に約四億錠使われております。薬価三十九円五十銭の先発の薬価で計算をしますと、年間百五十八億が保険組合から払われることになりますし、これを後発品に置き換えますと、薬価は十円八十銭、年間で四十三億になる。差額は百十五億円になるわけです。 この四つの品目だけで約六百六億もの差額が出るわけでありますが、わずか四品目を後発品に切り替えただけでも一年間に六百億円を超える薬剤費の節減になるわけでありますし、医療費の削減が可能ということになります。 前回も指摘をいたしましたが、薬価の安い後発医薬品を使えば、年間六兆円の薬剤費と言われておりますけれども、少なくとも数千億円は浮きますし、あるジェネリックメーカーの広告なんかを見ますと一兆円差額が出るというようなことも言われております。 そこで、厚生労働省にお伺いをいたしますが、こうした状況の中で、後発医薬品の積極的な導入に向けて厚生労働省における取組は、特に薬価基準の診療報酬上の取組もあるわけですからお伺いをするわけですが、また昨年の十一月、この予算委員会の席上、坂口大臣は、全国二百三の国立病院などに対し、後発医薬品の使用状況について実態調査をする、こういう答弁をされました。 その後、調査結果に基づき後発品の積極的な導入に向けて指導されているとお伺いをいたしますが、後発品の導入状況及び今後の取組について、厚生労働省の方から答弁を願いたいと思います。
○副大臣(宮路和明君) 草川先生には日ごろから後発品の使用促進問題につきまして大変御懇篤な御指導をいただいているところでありますが、私どもといたしましても、先ほど先生御指摘のように、医療費の効率化の観点からも、これは後発品の使用促進をできるだけ図っていくことが、これは大変大切であると、このように思っておるところであります。 このため、例えば平成十四年度の診療報酬改定におきましても、後発品のより積極的な使用促進を図るという観点に立ちまして、一つには、後発品を含む処方を行った場合にその処方せん料を高く評価する、それから二つ目は、薬局におきまして後発品の調剤を行った場合や、あるいは後発品の品質や価格に関する情報提供を患者に対して行った場合に調剤報酬に加算を行うといったような措置を講じたところでございます。 一方、国立病院等におきます後発医薬品の、後発品の使用状況でございますが、昨年の御指摘を受けまして、私ども平成十二年度における国立病院等におけるその使用状況を調査いたしました。その結果分かったわけでありますが、〇・七%、これは品目数における割合でありますけれども、〇・七%と、これはいかにも全国平均と比べても極めて低水準であるということが分かったわけでありまして、このため、先月、国立病院等に対しまして通知を発しまして、今後、国立病院等におきまして医薬品の新規採用をやるという場合には後発品の採用に関して検討をやるようにと。それからまた、ナショナルセンター等を含めました他の国立病院等において採用している後発品があるわけでありますので、その採用にそういった後発品の採用をまたやるようにということについて検討するようにというようなことを指示をいたした次第でございます。 なお、今年の五月現在でこれらの使用状況を国立病院等につきまして同じく把握をいたしましたところ、先ほど十二年は〇・七%というふうに申し上げましたが、その後改善が若干図られまして四・二%という伸びを、伸びているという状況にあります。しかしながら、まだまだ道は遠いというふうに思っておるわけでありまして、今後とも御指摘を踏まえて積極的に、果敢にこの点取り組んでまいりたいと、かように思っておるところであります。
○草川昭三君 昔の答弁と随分前進したと思うんです。私も随分この問題、長くやっておるものですから。 そこで、今、厚生労働省の方からの答弁をいただいたわけですが、この件については政府一体となって取り組んでいただきたいと思うんです。特に、国立大学の附属病院を所管する文部科学省、あるいは全国の自治体病院、たくさんあるわけでありますが、直接は関係ないわけでございますけれども、所管をする総務省に現在の後発医薬品の導入状況及び今後の取組についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 本件につきましては、昨年十一月十五日の当委員会で草川委員の方から御質問がございましたが、当時は我が省といたしましても調査をしていなかったところでございまして、東京大学医学部附属病院におきます二品目の採用例について答弁を行ったところでございます。 その際、議員の方から、医療費抑制の観点等から後発医薬品について積極的に採用すべしという御指摘がございました。それを受けまして、直ちに昨年十一月三十日付けで各国立大学附属病院長に対しまして後発医薬品の適正な利用についての通知を発出いたしました。そして、安全性を第一に考慮して、適切かつ積極的に検討するようお願いしたところでございます。 国立大学病院におきます医薬品の採用状況につきまして、今年四月三十日現在で早速調査をいたしましたところ、四十二大学すべてにおきまして後発医薬品が採用されております。四十二病院で採用されております後発医薬品は二千四百二十六品目でございまして、全医薬品に対する割合は三・一六%となっております。 今後とも、国立大学におきましては更なる採用を検討しているところでございまして、私どもといたしましても後発医薬品の積極的な採用について今後とも指導をし、促してまいりたいと考えております。
○国務大臣(片山虎之助君) 私どもの方が関係しております自治体病院ですね。これは、大変経営が難しゅうございまして、赤字が多いんですよ。そこで、経費の節減だとか合理化ということは常々総務省の方でもお願いしているわけでございますが、今のお話を聞くと大変な差ですね、価格差。 そこで、直接我が省が調査したものはありませんが、全国自治体病院協議会が調べたものによりますと、採用品目でいうと三・四%なんですよ、三・四%。そこで、今全国自治体病院協議会の中に経営改善委員会を作ってもらいまして、この医薬品の使い方、後発品等お話しでございますけれども、そういうことを含めて更なる経営の合理化を我々の方で助言、指導いたしておりますので、いいことを聞きましたんで、私も先頭に立ってやかましく申し上げます。効き目が同じなんです、安い方がいいに決まっている。ありがとうございます。
○草川昭三君 厚生労働省の方からも答弁がございましたが、厚生労働省としては今年の一月から二月に掛けて全国の国立病院などで後発医薬品採用品目の調査を行っております。後発品採用比率は〇・六四という低い数字だったと聞くわけですが、その後、先ほどの答弁にもありましたように、各病院に使用促進を図るという指導をしたところ、本年五月末現在で四・二%まで伸びたということであります。こういう努力は私ども率直に評価をしたいと思うんです。 いずれにせよ、薬価の安い後発医薬品を国立病院や国立大学附属病院、全国の自治体病院が率先して使用することで薬剤費を少しでも抑制していただきたいことを要望したいと思うんです。 塩川財務大臣、大変お疲れのようですが、今からちょっと聞いていただきたいんです。 これは、塩川大臣の方も、国家公務員共済病院やその他の財務省関係の医療機関にも、たくさん持ってみえるわけですから、今のようなお話を是非とも流していただきたいということを特に要望を申し上げておきたいと思います。 では、この薬の問題は以上で取りあえず終わりまして、今度は柳澤大臣あるいは財務省の方に幾つかお伺いをしたいと思います。 これはもう時間の限りですから若干行ったり来たりになりますけれども、大変申し訳ございませんが、まず最初に財務省の方に、これは一昨日になりますが、私どもの神崎代表が政府・与党連絡会議で主張しておるわけですが、今の経済情勢では、十五年度予算のいよいよ概算要求に入っているんだけれども、シーリングの設定ということになるわけですが、このシーリングについては固定的に考えるべきではないと、柔軟な対応を求めるということを、これはたしか野田党首の方からも御発言があったと思うんですが、この点について見解を賜りたいと思います。
○副大臣(尾辻秀久君) 先日閣議決定されました経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二においては、十五年度予算につきましては、一つには、改革と展望に示されました政府の大きさは現在の水準を上回らない程度とすることを目指すとの方針を踏まえまして、一般歳出及び一般会計歳出全体について実質的に平成十四年度の水準以下に抑制することを目標とする、これが一つでございます。 それからもう一つにつきましては、国債発行額につきましては、平成十四年度の国債発行三十兆円以下の基本精神を受け継ぎ、三十兆円からの乖離をできる限り小さくする、これが二つ目でございますが、こういうことを言っております。 そこで、今お話しの、じゃ、概算要求基準どうするのかということでございますが、この姿につきましては、現時点においてはその内容に関して具体的に申し上げる段階にはございません。このことを申し上げざるを得ません。今後、この方針に沿って引き続き検討を進めてまいる所存でございますので、今後ともの御指導をよろしくお願い申し上げます。
○草川昭三君 これは、塩川大臣、十分その席上にもたくさん、ずっとおられたわけでございますが、やっぱり私どもも連立を組んでおるわけでありますし、率直なことを申し上げまして、また後で柳澤大臣にもお話を聞かなきゃいかぬのですが、現場というのは、あるいは国民の皆様が生活をしてみえる経済情勢というのは、これは新聞に出ている以上に深刻ですわ、それは。非常に深刻です。 それから、別に大企業、中小零細というような区分けはいたしませんけれども、そして国民の多くの方々は、一体いつになったら景気が良くなるんだろうかという心配を持ってみえるわけです。そしてもう一つは、このデフレ対策、デフレ対策とは言いながらも、一体何が具体的に出てくるのだろうかという心配を持ってみえる。 ですから、私どもの神崎党首もあるいは連立与党の他の党首の方々も、もう少し来年度予算の在り方というものは、小泉総理が言われるように三十兆という大きな大目標はあるんだけれども、そこは柔軟にやってくださいよということを強く言っているんです。 だから、今、副大臣の答弁は私はそれはよく分かります。そのとおりだと思うんですよ、今。しかし、そういう点についてもう少し、シーリングという問題について今までのような考え方で相変わらずシーリングで締め付けていくんですよというのか、もう少しその言葉の中でほとばしるものがないと国民は納得できかねると思うんですよ。 その点、塩川大臣、どうでしょう。
○国務大臣(塩川正十郎君) シーリングはあくまでもシーリングでございまして、個々の問題について絶対に締め付けなんていたしておりません。 いろんな考え方があると思いますけれども、しかし国家の予算も言わば税の歳入と歳出の関係は一つの枠にはまってきたようなことでございますし、そうしますと、これをどう配分するかということについて各省にある程度めどというものを、これが私たち言うシーリングというやつはそういうことなんですよ。めどというもの、これを渡してやらぬと各省の中はかえって困っちゃうだろうと思うんです。 したがって、各省はうちの省はこの程度でやるんだということの中で、その中で思いっ切りめり張り付けて、こっちを削りこっちを増やそうと、それは省内でやっていただいて結構だと思っておりますし、私ども、そういうことは素直に、多少の誤差はあってもそれは受け入れていくつもりでちゃんとしておりますから、ですから私はむしろシーリングを作る方が各省の予算が組みやすいと、そしてめり張りを付けやすいと、そう思うてやっておることでございまして、決してシーリングで締め付けて政策そのものをコントロールしていこうと、そんな気は更々ございませんね。
○草川昭三君 本当に更々ないのかどうかというのは、実際また現場は現場で違うんですよ。それは更々やっているわけですよ。それでみんなが、各省庁が頭を悩ませているわけですから。このことは柔軟かつ大胆に、本当に日本の景気をどのように誘導するかということは、事財務省のリーダーシップというのは非常に、大き過ぎても駄目ですけれども、ブレーキを掛け過ぎてもらっても困るわけです。そういうことをちょっと申し上げておきたいと思うんですが。 ちょっと、私、けちを付けるようで悪いんですが、今年度の予算を編成したわけですけれども、二〇〇一年度の一般会計が概算とはいえ四年ぶりに歳入不足に陥ったと。これはもう報道されているところですが、約一兆六千七百億を超すんですか、そういう数字が出ております。これはもう景気が悪かったとか様々な理由があると思うんです。どうしたらいいんだろうかという話があるんですが、いわゆる不用額もあるじゃないか、あるいは歳出カットした分もあるじゃないかというような話があるようですけれども。 一方、これは私はある程度、旧大蔵省財務局を褒めなければいかぬと思うんですけれども、フォローアップということをやっていますよね、行政評価方法というのをやっていただいておるわけですが、いわゆる実績評価書、こんな厚い本が出ました。あれを見ていきますと、十三年度は四年ぶりの歳入欠陥となることが確実になっているんだけれども、実績評価書の評価では、歳入は「ほぼ達成した。」というふうに書いてあるんですよ。これはだれが見たって、子供が見たって、一方じゃ歳入欠陥が出ているということ、しかしこんな厚いいわゆる行政評価書の方では歳入は「ほぼ達成した。」と書いてある。これはちょっとおかしくないのかねというのが私の率直な意見なんですが、その点、どういう答弁になりますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃるように、確かに素人が見ればおかしいと思いますね。私、そう思います。玄人の人が見ておったら、ああ、これはうまいこと操作しておるなと、こういうことだと思っております。 私は、数字はきちっと合っておるんですね。要するに、歳入欠陥が大きく出ましたのは、一兆七千億円近く出ましたが、一つは、もう説明するまでもなく預金、貯金の、郵便貯金の利子が思い切り落ちてしまったというところですね。これはある程度予定はしておりましたけれども、それ以上に加速して落ち込んだということです。 その代わりに、一方、未使用の方、その分が六千億か七千億だろうと思っていたやつが九千億ちょっと超えたと。ここで助かってきたということが多少あるんですけれども。そういう歳入欠陥というよりも収入欠陥という方が、収入ではなく税収欠陥、税収欠陥というふうに、私は重点を置いていただいたら分かりやすいと思っております。
○草川昭三君 私が野党だったら、ここで予算委員会止めまっせ、本当に。ただ、私は与党だからはっきり申し上げるけれども、今のそれは、大蔵大臣の答弁というのは、国民をばかにしていますよ、それは、と私は思いますよ。 しかし、財政というのは非常に厳しいということも我々は承知をしていますから、打ち出の小づちがないということも承知をしていますから、知恵を絞っておるわけですよ、知恵を。一生懸命知恵を絞っておるわけで、それで、一方では一兆七千億にも近い歳入欠陥があり、たしか今まだ答弁がないんですが、日銀の納付金があるんでしょう。だから、日銀の納付金等もこれあり、それから不用額もこれあり、それから支出を削るというものを込み込みにするならば、五十億か六十億でとんとんになるんじゃないかと、言っておることも分かるので、分かるならそういう答弁をしてくださいよ、ここで。そうでしょう。そうすれば国民の皆さんも、ああ歳入欠陥があったのかと。だけれども、一方、行政評価、フォローアップの方では、ほぼ達成したということも、それならば了解をしましょうということになって、政府のその資料というものが私はこれから生きてくると思うんですよ。 そこは強く、塩川大臣、これはしっかりしておいてくださいよ。ここは基本の問題ですからね。もう一回、答弁。
○国務大臣(塩川正十郎君) だから、私は最初に申し上げたと思うんですが、玄人の方が見たらこれはなるほどうまいこと組みよったなということになりまして、その点は、要するにつじつまを合わせたということはこれは事実でございます。けれども、一般の人が見たら、ああこういうふうになっておるのかということで了解しておられるけれども、我々はその点は非常に厳しく見ておりますから、先ほど言っておるように、その中身を十分に精査して組み込んできたものであるということで、おっしゃるように、この手のこういう、この数字をきちっと指摘されたということは、草川さん、なかなかよく勉強しておられると私は思うております。
○草川昭三君 何かもう最初にばかにされて、素人だと言っておきながら最後にそういう御答弁ですから、もうやめておきましょう、この程度で。 それで、最後に、もう一分前でございますから、柳澤大臣にペイオフの延期の問題について、記者会見では、柳澤大臣は今はという答弁をしているんです。だから、この今はというところが非常に、玄人的に言うならば、玄人的に言うならば、それは非常に重要な話だと私どもは受け止めたんです。ところが、今はどういうお考えか、お伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ペイオフは、かねてから申し上げておりますように、構造改革の一環なんです。ペイオフをするということによって預金者が金融機関に対して厳しい目を向ける。だから、金融機関の経営者はもう真剣に自分たちの金融機関の健全性に努力をしなきゃいけない。預金者の信頼も得なければいけない。こういう努力が正に金融機関の構造改革だし、日本の金融システムを強くするゆえんだと、私はもう固く信じています。それで、それだから我々は、構造改革はもう厳しくて嫌ですよ、やっぱり親方日の丸でつぶれないように預金者を保護して、どんな経営をやっていても預金者が私の金融機関に預金してくださいよ、絶対認めるわけにいかないというのが私の信念なのでございます。 そこで、それではこの金融の難しさというのは、そういうことをどんどんどんどんやっていって、システムがおかしくなるようなことをやっていいかというと、これは絶対避けなきゃいけません。ですから、我々は、預金者の預金の動向等をじっと見て、それで一つでも二つでも金融機関が強くなるように持っていくというのが我々の政策なんですよと、ペイオフが構造改革の一環だということは全く変わっていないんですということを、今も変わっていない、ちっとも変わっていない、このことを申し上げさせていただいている次第であります。
○草川昭三君 時間になりましたので。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で草川昭三君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、谷林正昭君の質疑を行います。谷林正昭君。
○谷林正昭君 民主党・新緑風会の谷林正昭でございます。 まさか、一生のうちに一度こういう場があるかないか、私は思ってもみなかったこういう機会を今日与えていただきました。いつもでしたら扇大臣と相当の議論をさせていただいておりますが、今日はもう心臓が破れそうな気持ちでございます。 でも、「宗男の言い分」という本が出ました。売れているそうです。読みました。最近は小泉総理も、小泉の言い分、こういう思いで何か我を張っておいでになるような気がしてなりません。そういう意味で、今日は国民の言い分を言わせていただきながら、少し質問をさせていただきたいと、こういうふうに思います。 びっくりしました。週刊誌でありますけれども、「「外務官僚百人」事情聴取」、あるいは今日の新聞に、漁業交渉関連の支出に支援委員会のお金が使われている、こういう報道もされております。そういう中にあって、非常に心配するわけでございますけれども、今日の本会議答弁で、総理は、支持率の高い低いに私は左右されない、私の思ったことは私で頑張る、こう答弁をされました。しかしながら、今日の報道では、「政治「信頼せず」」、こういう世論調査の結果が出ております。正に森内閣時代の末期的症状を国民は見据えている、こういうふうにも解説がしてあります。 そういう意味で、今日はそういうものをしっかり浮き彫りにさせながら、政治の信頼回復こそ景気の回復、あるいは総理がおっしゃる構造改革、こういう思いで質問をさせていただきますので、端的にお答えをいただきたいと思いますし、国民に分かりやすく御答弁をいただきたい、このように思います。 そこで、まず質問をさせていただきます。 今日は、経済問題、財政問題、そして外交防衛ということでございます。そういう意味では、私は、その基本にあるのは政治信頼の回復だというふうに思いながら質問をさせていただくということでございますので、まず、その今根幹にあるのは、三井物産が四十億円の北方支援事業でディーゼル発電の事業をやったと、そういうふうなことが今一番マスコミ、国民、注目するところでございますが、ちょっと気になるのは、財務省が何の懸念もなくそういう予算を付けているのかということであります。 平成十年の十二月にこの北方三島ディーゼル発電を四十億の予算をそのまますんなり付けたというのは、これはどういうことなのか非常に懸念するところでございますが、何を根拠にこの四十億を予算付けをされたのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、平成十年度予算の補正予算でございますが、ここにおきまして、平成九年十一月のクラスノヤルスク合意及び平成十年四月の川奈合意などを踏んまえまして、領土問題解決に向けて、ロシアの改革支援と北方四島住民支援を強化する観点から、外務省の要求を受けて約百二十億円の支援委員会拠出金が追加されました。その中の一つといたしましてディーゼル機関等が、発電ございまして、外交交渉の結果まとまったものでございまして、財務省、当時大蔵省でございますが、その予算を計上したということであります。
○谷林正昭君 外交交渉の結果に四十億円の金額を付けたと、こういうことですね。間違いないですね。 じゃ、なぜその四十億円という金額がそこに出てくるんですか。私が言いたいのは、そこにもう既に鈴木宗男衆議院議員の関与があったのではないかという懸念を持ちながらこういう質問をさせていただいておりますから、その辺をはっきり答えていただきたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは当事者、工事をいたします当事者等が、ディーゼル発電機の調達及び据付け経費、及び供給施設の建設、事前調査費等、総額四十億七千万円が見込まれるという見積書も提出し、それに基づいて計上したものであります。
○谷林正昭君 見積書に基づいて四十億円を付けたと、関与はなかったと、こういうことですね。
○国務大臣(塩川正十郎君) 財務省といたしましては、そういう方法でありました。
○谷林正昭君 調査されましたか、鈴木宗男衆議院議員の関与があったかなかったか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 平成十年でございますから、その当時は、外交交渉で決まったものですから、鈴木調査とかいうようなものは、そういうようなことを想定全然ございませんでした。
○谷林正昭君 当時はしなかった。じゃ、今はどうですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 調査しておりませんが、これは財務省の調査は必要ございませんで、むしろ今後の予算編成のときの査定の資料にすべきものである、これは当然でございますが、当面の調査は関係省庁並びに会計検査院等でやっていると思っております。
○谷林正昭君 調査する必要ないということですね。 そうしたら、この予算執行に当たって非常に不自然な流れが出てきている。結論を申し上げますと、四十億円使い切りたいというような魂胆が見え見えの中での最終的な国後島の入札、落札になっている、そういうことを一つも不思議とは思いませんか。
○国務大臣(塩川正十郎君) こういうような問題は、財務省自身の問題というよりも、むしろ交渉いたしました窓口となりました当局、並びに、現在そういう問題等がいろいろな調査あるいは検察をされておると思っておりますけれども、そういうところの結論を待って批判すべき問題だと思います。
○谷林正昭君 今、国民は四十億円というお金が使われたということに対して非常に疑義を感じているんですね、その使われ方に対して。その出どころは税金なんですよ。それについて、そういうような御答弁で国民が納得すると思いますか。これは外務省に渡したんだから、外務省の責任だと、こういうことですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 直接、財務省は責任ございません。
○谷林正昭君 それは、私は普通の執行をされているんならこんな質問はしません。分かっています。ところが、疑義のある執行がされているというように今世間が騒いでいるんですよ。そうしたら、元に戻って、その予算、補正予算を組んだときに戻ってやはり調査をするのが筋じゃないですか。どうですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、起案した当局が調査すべきでしょう。
○谷林正昭君 それでは、こういうやり取りをしておりますと時間がございませんので、じゃ、なぜ調査が必要かということをこれから明らかにさせていただきます。 まず、色丹島にディーゼル発電を造ろうと、こういうことになりました。色丹島の入札価格、このときに、当日に最低価格を決めようということになりました。伊藤忠商事がその最低価格に引っ掛かって失格になりました。 事実はどうなんですか、外務省。
○政府参考人(齋藤泰雄君) 色丹島のディーゼル発電施設工事の最低価格設定のお尋ねでございますが……
○谷林正昭君 そうです、端的にお願いします。
○政府参考人(齋藤泰雄君) これは平成十一年二月五日に決定されました。入札当日でございます。これは、支援委員会事務局によりますと、この最低予定価格は昭和六十二年二月の建設省通達を準用して採用したというふうに聞いております。
○谷林正昭君 入札当日に最低価格を決めたということですね。間違いないですね。じゃ、その根拠、その根拠は何ですか。根拠。(発言する者あり)
○委員長(真鍋賢二君) 御静粛に願います。
○政府参考人(齋藤泰雄君) 入札当日に決めたということでございます。 この根拠といいますか、支援委員会事務局に問い合わせましたところ、この最低予定価格は、昭和六十二年二月の建設省通達、予算決算及び会計令第八十五条の基準についてというこの通達を準用して決めたというふうに聞いておるところでございます。
○谷林正昭君 どうして当日なんですか。どうして当日に最低価格を決めなければならないんですか。
○政府参考人(齋藤泰雄君) どうして当日になったかということにつきましては、ちょっと私、確たるお答えを申し上げることできないと思いますが、事務局の決裁によりますと、その同じ日に書面で決裁されていたということでございます。
○谷林正昭君 これは、当日に最低価格を決めるというのは普通ありませんよ。しかも、その最低価格を決める根拠、建設省の何とかとおっしゃいましたね。 国土交通大臣、おいでになりますが、国土交通省としてそういう基準あるんですか。
○国務大臣(扇千景君) 谷林議員はもう既に御承知だと思いますけれども、最低入札価格の設定というのは、国の機関ではこれは会計法令上実施することができないとなっております。それは御存じのとおりでございます。 そういう意味では、低入札の価格調査制度を、手続上、契約するときに、その最低の金額で契約して契約上の執行が間違いなくできるかどうかということを、それを調査するときに、最低入札価格の設定のための基準を定めたものではないものですから、そういうことは国としてはできません。
○谷林正昭君 国のお金を使うときに最低価格を決めるということはないんですよ。なぜそういう話が出るんですか。 ここに七月三日にマル秘解除になった資料がございます。これは正に二月五日当日に決裁をされて、入札当日に決裁がされております。どうしてそういうふうな話になるのか。今度は責任ある立場の人、お答えください。大臣、お願いします。
○国務大臣(川口順子君) 入札価格、最低の予定価格を当日決めたということにつきましては、ぎりぎり言えば恐らくその入札のときまでに決まっていればいいということではございましょうけれども、余り常識的ではないだろうというふうに思います。
○谷林正昭君 根拠は。
○国務大臣(川口順子君) 根拠については、先ほど齋藤欧州局長が御説明を申し上げたとおりだと私どもは支援委員会から聞いているわけでございます。
○谷林正昭君 そういう全く根拠のないものを根拠として伊藤忠を排除をした、そういうふうに言わざるを得ません。 次に行きますが、国後島の発電は補修でいい、こういう調査報告が出ていると思いますが、間違いございませんか、
○政府参考人(齋藤泰雄君) パシフィックコンサルタンツインターナショナルの調査報告にそのような記述があることは、御指摘のとおりでございます。
○谷林正昭君 そのときの試算金額は幾らですか。
○政府参考人(齋藤泰雄君) この報告書によりますと、既存発電所の建屋改修の費用を、もし作業員が陸上で宿泊する場合ということで試算いたしますと約二億六千六百万円、作業員がもし船上で宿泊する場合ということで試算いたしますと約三億三千万円という二つの試算が報告されているところでございます。
○谷林正昭君 約三億前後の金額で国後島の発電は十分だという報告が一方ではありました。ところが、それが十一月の十八日の起案の、これは六月十七日解除になりましたマル秘資料でございますけれども、その中では、鈴木宗男衆議院議員が、ゼーマさんという方、これは国後島の地区の方だと思いますが、この方の要請を受けて、国後島にはディーゼル発電が必要なんだと、だからという働き掛けがあったような、こういう報告書が、決裁書が出ております。これは間違いないですね。
○政府参考人(齋藤泰雄君) 御指摘の書面におきまして、平成十一年十月、鈴木議員を含む我が方支援団が国後島を訪問しました際に、ゼーマ地区長から同支援団にそのような要請があったということでございます。
○谷林正昭君 一方、サハリン州の課長さんは、ロシア連邦やサハリン州の方向性としては、施策としては地熱発電をやるんだと、こういう方向性を出していたという報告も付いていますね。
○政府参考人(齋藤泰雄君) このサハリン州、さらにロシア連邦政府が地熱発電を希望していたということは、御指摘のとおりでございます。それで、調査を行いました結果、地熱開発につきましては課題が多く、開発に踏み切るには更に詳細かつ長期の調査を必要とすると、こういう結論であったというふうに聞いております。 ゼーマ地区長は、地元の要請ということで、かねてから国後島の方から要請のございましたディーゼル発電施設を要請し、同席しておりましたノーソフ氏というサハリン州政府の職員は連邦政府の計画に基づいて意見を述べたと、こういうふうに理解しております。
○谷林正昭君 この決裁書の起案者のところが黒塗りにつぶされているんですね。ところが、情報公開になっている、こういう種の決裁書はすべて起案者は黒塗りにつぶされておりません。なぜこれだけ黒塗りにつぶされているんですか。
○政府参考人(齋藤泰雄君) 情報公開法の趣旨によりますと、六級未満の職員につきましては個人名を控えさせていただくということでございますので、六級以上の場合には名前が出ている、それ未満の場合には消させていただいているということでございます。
○谷林正昭君 六級未満というのはちょっと、済みません、私分かりにくいものですから、どういう立場の方ですか。
○政府参考人(齋藤泰雄君) 課長補佐ではない担当官というふうに御理解いただければと思います。
○谷林正昭君 そういう担当官がこういう起案書を作るということはあるんですか。起案を作るということはあるんですか。
○政府参考人(齋藤泰雄君) そのようなことは間々あると思います。
○谷林正昭君 非常に、私が指摘したいのは、この国後島の三億前後でそれこそやれるというような事業がなぜ二十億近い金を掛けてやるのかというところに問題があるというんです。それで先ほど、最初に財務大臣に、予算の使い方の問題がそこに出てくるんですよ。非常に不自然である。そこには当然、鈴木宗男さんがそこのゼーマさんと話をした資料がこの決裁書に付いているということは、鈴木宗男さんの関与があったんではないですか、大臣。
○国務大臣(川口順子君) ディーゼル発電機に関連いたしますことにつきまして、外務省は今までに二度調査をいたしました。 一回目は外務省の参与の方に調査をしてもらいまして、そしてその結果としまして、これは任意の調査であるということで制約はございますけれども、鈴木議員との関与は、鈴木議員の関与は認められなかったということでございました。 二回目は、外務省が新しい、ある監査法人でございますけれども、そこに委託をいたしまして、調査を再度お願いをいたしました。そこで全面的に資料をお渡しして調査をしていただきましたけれども、そして再びこれは任意の調査であるという制約がございますけれども、この段階でも鈴木議員の関与はなかったという、鈴木議員の関与は、きちんと申しますと、確認されなかったということでございます。 ということでございまして、今、この件につきましては司法当局の手でお調べをいただいておりますので、外務省といたしましては、これに全面的に協力をいたしまして、事態、事実関係が解明をされるように、外務省として全面的に協力をしていきたいと考えております。
○谷林正昭君 検察に対して全面的に協力をしている、していきたい、こういう今答弁でございますが、私が最初に申し上げましたように、この国後島問題を、最終的な四十億を仕上げるという意味で、十九億円は年をまたいで、補正予算のその年をまたいで四十億円を使い切っている。大臣、財務大臣、そういうことなんですね。そういうことも、一方では支援委員会にはどんどんお金がたまってきている。 先ほど、最初おっしゃったように、要請があったからそこへ補正を組む。そしてそれが正に鈴木宗男さんが、宗男衆議院議員があたかも自分の財布のように使えるような金になっていたような気がしてなりません。それはなぜならば、イスラエルに出張するときも、そこから出せとか、あるいは、今日の新聞にもありましたように、本来農水省の交渉事に、四億数千万を、トラックを買ってやれ、重機建設機械を買ってやれ、こういうことで、三井物産がそこに入札をして、正に三井物産が落札をして、四億七千万の重機類をすとんと渡してしまう。正にそこに大きな問題があると指摘をせざるを得ません。 そういう意味では、私は、先ほど冒頭申し上げましたように、この支援委員会の、国のお金をつぎ込んだ支援委員会のお金の使い方、これについて、渡してしまったらそこで終わりだということではなくて、こういう不祥事が起きているときに、なぜ財務省として調査をしなかったのか、予算付けをするときの関与があったかなかったか、そういうものをしっかり私は調査するべきだと思いますけれども、もう一遍、財務大臣、お答えください。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは政府内の権限のいろいろふくそうがございますしいたしますので、私先ほど申しましたように、こういうものは、他山の石とすることなく、今後の予算の編成のときに十分に査定を要するに働かせていくという資料にしか使えない。現在、さかのぼって財務省がそれを調査する権限はございません。
○谷林正昭君 私が言っているのは、鈴木宗男衆議院議員の関与があったかなかったかの調査をしていただきたいということを言っているんですよ。
○国務大臣(塩川正十郎君) 権限はございません。だからこそ、検察が今調査しているんじゃないですか。
○谷林正昭君 検察は検察の立場でやっています。自分たちの役所の自浄能力といいますか、正に政と官と業、癒着の問題が今出ているときに、そういう調査をするという約束をしても、私は国民は納得すると思いますよ。 次に移ります。 外務省の自浄能力、これが今一番問われているというふうに思います。 一方では、三月七日の予算委員会で、民主党の先輩議員であります直嶋議員の質問に答えて、総理は、北方支援、この疑惑に対して、再調査をする必要があるなら、この園部報告書、こういうものに限らずもう一遍再調査をする、こういう御答弁をされております。 今、私、時間がありませんから、もっともっと本来やりたいんですけれども、これだけの議論を聞いていて、再調査をする必要があるんではないかと感じられたかどうか。感じられたら再調査をせよという御指示を出されるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 既に、この問題が委員会でいろいろ議論されてから、外務省内部におきましても調査をし、そして外部でありますけれども、監査法人に委託をして調査していただいております。そして今、司法当局の手が入っております。私は、そういう状況において、改めてという必要はないのではないかと思っております。
○谷林正昭君 改めて調査をする必要はない、こうおっしゃいましたね。そしたら、園部報告書あるいは新日本監査法人の報告書、この信憑性が問われることになります。組織ぐるみに隠ぺいをして、そして報告書を作った、こういうことに国民は取ります。それでもいいんですか。
○国務大臣(川口順子君) 外務省が行いましたこの二度の調査でございますけれども、先ほど申しましたように、任意の調査であるという限界はあるわけでございますけれども、そこで、利用可能であった調査をベースに園部参与に調べていただき、あるいは総理の御答弁の後、新日本監査法人に調べていただいたということでございます。 調査のスコープは若干違いがございますけれども、それぞれの状況において任意調査という限界の中で最大限をやって調べたということでございますので、隠ぺいがあったと、そういうことではございません。
○谷林正昭君 五月十四日に佐藤分析官が逮捕されました、前島課長補佐。そして鈴木宗男衆議院議員が逮捕、六月十九日にされました。そして、新しい事件が、事案が出てくる、そのときに必ず報道関係のコメントに出てくるのは、外務省中堅幹部が、いや、昔からこういうことはあった、うわさは聞いていた、本当は知っていた、こういうことがマスコミを通じて国民に流れます。 三月段階では、鈴木宗男衆議院議員のしっぺ返しや報復があるかと思って口をつぐんでしまっている。それが、いよいよ逮捕されたし、佐藤さんも前島さんもいなくなったから、もうそろそろしゃべってもいいだろうというような話が出てきているという、私はそういうふうに感じているんですよ。国民もそう思っていると思うんですよ。そうしたら、もう一遍調査するのが筋じゃないですか。
○国務大臣(川口順子君) 正に今、司法当局で強制権を持ってお調べいただいているわけでございますので、外務省としては全面的にそれに御協力を申し上げると、そういうことでございます。
○谷林正昭君 そしたら、この通称園部報告書、新日本監査法人の信憑性というのはどうなりますか。限界があるから出てこなくても仕方がないということですか。これが間違っていても仕方がないということですか。
○国務大臣(川口順子君) それぞれの調査は、それぞれの時点で最大限の努力をして調査をしたということでございます。
○谷林正昭君 私は、先ほど、最初に言いました、国民の言い分、国民の言い分ということからいえば、是非再調査をしていただきたいと思いますし、小泉総理として再調査をするべきだという指示も出していただきたいというふうに思います。 そこで今度は、金と政治の関係に入らせていただきます。 最初に、三井物産から自民党の政治資金団体である国民政治協会に三井物産からどれだけの政治資金が入っているか、ちょっと調べさせていただきました。今、資料を配ります。 〔資料配付〕
○谷林正昭君 よく見てください。 平成九年、二千二百四十万、鈴木宗男衆議院議員は北海道・沖縄開発庁長官です。第二次橋本改造内閣。それから、十年も二千二百四十万、十一年も二千二百四十万、十二年に千八百七十万、この四年間で八千五百九十万円が自民党の政治資金団体に入っております。一方、この丸下請をしたと言われている北海道電気工事、ここへは平成九年には政治献金はされておりません、ここからはされておりません。ところが、事業を下請したその年から七百万、七百万、七百万、これだけ、二千百万が自民党の政治資金団体に入っております。正に事業の見返りと言われても仕方がないような状況が今あります。事業の見返り性が極めて私は強いと思います。 そこで、法務省にお尋ねをいたします。 こういうことを、事業の見返りに政治献金をするということになれば、正に第三者収賄罪に当たる可能性があるのではないかと私は思います。法務省として、こういうことに対して重大な関心を持って今後調査をするか、あるいは関心を持つか、そこら辺りが必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの件につきましては、捜査機関におきまして様々な資料や証拠等に基づいて判断すべき事柄でございますので、法務当局としてはお答えは差し控えたいと存じます。
○谷林正昭君 現象ははっきりしているんですよ。八千五百万近くの金が自民党に入ってきている、それは事業の見返りであると思われると。一方では、その三井物産の下請したところも事業を始めてから献金が始まっている。 そういうことになると、やはり私は重大な関心を持つべきだと思いますが、どうですか。法務大臣、どうですか。
○国務大臣(森山眞弓君) 今、刑事局長が申し上げましたように、お尋ねのことにつきましては、捜査当局におきまして様々な資料や証拠等に基づいて判断すべきことでございますので、法務大臣としてはお答えを差し控えさせていただきます。
○谷林正昭君 国民の言い分というのはなかなか聞いてもらえないということなんですね。 私は、最初に言いましたように、国民はこのテレビを見て、本当にこういう問題に政府としてメスを入れるのかというところを私は見ているというふうに思います。再調査もしない。あるいは、今、国民はそこを一番見ているというふうに指摘をさせていただきまして、総理にお尋ねいたします。 正に、今、農水省の問題や外務省、そして財務省も、全くないとおっしゃいましたけれども、私は疑わしい。そういうことになったときに、この鈴木宗男衆議院議員の疑惑は芋づる式に広まっていくんではないかというふうに私は感じます。芋づる式に正に検挙者が出る前に、自らの自浄能力をしっかり各省庁省庁で私はやるべきだというふうに思います。 そういう意味では、総理のリーダーシップを発揮するいい機会だというふうに思いますし、正に、総理が昨年の四月に、自民党をぶっ壊してでも構造改革をやるんだ、新しい政治を作るんだとおっしゃいました。その自民党をぶっ壊すというなら、今、この政官業癒着というのは自民党体質そのものなんですよ。それをぶっ壊さなくて総理の方針、貫けるわけありません。是非、再調査をやるかやらないか、お答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 調査は、さきに答弁いたしましたように、外務省としても内部調査をし、そして監査法人に調査を委託し、なされているわけであります。 任意調査と司法当局の強制調査とは違いがあると思います。今、司法当局が入って厳正なる調査が行われている最中でありますので、その点につきましては、外務大臣が答弁されましたように、外務省も協力すると言っているわけであります。 こういう点につきましては、政治家が関与して疑惑を持たれるというのは非常に残念でございますけれども、私は、その捜査が今後とも行われまして、全容が解明されるであろうということを期待しておりますし、そういう点も踏まえて、この問題を教訓として、予算の執行面においても、あるいは使途の面におきましても、予算編成の面におきましても、あるいは政治家と役所とのかかわり合いについても、反省すべき点は反省しなきゃならないと思っております。
○谷林正昭君 鈴木衆議院議員は、離党はしましたけれども、議員を辞めると言っていないんですね。無実をまた主張しているんですね。 私は、自民党の北海道比例の一位で当選をしてきた、やはり自民党総裁としてけじめを付けるべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 鈴木議員は、既に自民党を離党され、そして衆議院で辞職勧告決議案が出されて、その辞職勧告決議案は可決されているんです。 御本人が判断すべき問題であります。
○谷林正昭君 本人が判断するのは当たり前ですよ。だけれども、判断をするような世間の状況だとか、自分の気持ちだとか、総理がおっしゃって、そこで総裁として、総裁としてね、自民党比例区一位、そういう判断を私はするべきだというふうに思います。 次に、防衛庁リスト問題に入りたいと思います。 防衛庁リスト問題、非常に──大臣、よろしゅうございます。済みません。 防衛庁リスト問題で……(発言する者あり)ちょっと委員長、静かにさせてください。
○委員長(真鍋賢二君) 御静粛に願います。
○谷林正昭君 防衛庁リスト問題で、組織的違法行為ではない、あくまでも個人の違法行為だったという報告書が出されております。私、あの報告書を全部読ませていただきましたが、非常に誠実に調査をし、誠実に報告されているというふうに私は感じました。 ところが、よくよく感じますと、余りにも誠実さがにじみ出ているものですから、裏を返せば、組織的違法行為を隠そうという、そういうものがまた一方ではにじみ出ているんではないか、そういうふうに私は感じました。 そこで、防衛庁長官にお尋ねをいたしますが、誠実に調べたものがなぜ、国民の前に明らかにしたい、する、それに対してちゅうちょされたのか。どこかのだれかがこれは出すなと言われたから出さなかったのか、それとも自分でこれは出さない方がいいと思われたのか。正に誠実に調べたということが後にしっかり足跡としてあります。それを国民の前に出すのをちゅうちょした。なぜちゅうちょしたとかいうことをしっかりお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 今般の調査につきましては、総理の方から徹底的に調べろという指示に基づきまして、徹底的に包み隠さず調べろということで調査をいたしました。 この発表の仕方につきましては、四つの資料を準備をいたしまして、総理からも、国民に分かりやすい形で説明するようにという指示をいただきました。 その後、午後ですけれども、与党の方に説明に行きました折に、概要と調査報告書というのがございましたが、概要は法理的によく整理をされているが、記述については、証拠隠しに係る記述については、証拠隠しを行っていないと言うなら誤解を受けないような表現にする必要はないか、記述は情緒的で回りくどいので、法理に照らしてどうなのか、もう少し明確な表現にする必要はないかといった意見が出ました。 私なりに最終的に考えて判断したことでございますが、報告する文書といたしましては報告書と概要がございましたが、量的な違いはありますが、質的には結論とその記述等については簡潔明瞭で分かりやすく、また法理的に端的な表現で書かれておりまして、発表用の資料を調査報告とするといたしましたものの、その内容については報告書に基づいてきちんと口頭で丁寧に分かりやすく説明をすればいいのではないかと判断をしたわけでございます。 しかしながら、記者団等につきましては事前に報告書の存在、また記者会見等の打合せもいたしておりましたし、また委員会の方からも報告書の提出を求められたわけでございまして、それに基づいて報告書を提出をしたわけでございますが、今振り返りますと、それが良かったかどうかという点につきましては、結果として大変な混乱を来したものでございまして、この御批判は私なりに謙虚に受け止めまして、今後国会の審議の中で誠実にお答えをしてまいりたいということでございまして、このような判断をしたわけでございます。
○谷林正昭君 私は、誠実に調べたんなら誠実に自分の判断でやるべきだったというふうに思います。これは責任問題だと私は思います。 そこで、総理にお尋ねいたします。 このA海幕三佐というのは調査課出身でございまして、情報収集の専門家です。その情報収集の専門家が、昨年四月から新しく公開法に基づきましてそういう部屋を作って、そこで情報公開をやった。まるで羊の番をオオカミにさせたような、そういう人事異動なんです、人事なんです。正に、正に組織ぐるみで、組織ぐるみでこれからこういう情報収集をしていこうというようなものが見え見えなんです。 そういうときにあって、今、住民基本台帳全国ネット化、こういうようなことも言われておりますけれども、総理の考えはどういうところにあるのか、お聞かせいただきたいと思います。 私は、個人のプライバシーが守れない、あるいは組織的にそういうようなことが行われるのではないか、そういう懸念があるときに、住民基本台帳のネット化ということについて非常に危惧をしておりますが、総理はどうでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この住民基本台帳ネットワークシステムというものは、電子政府、電子自治体の基盤をそろえていかなきゃならないと、住民の利便、向上させようということで今取り組んでいる重要な課題でありまして、小渕内閣、森内閣以来の問題であります。 私どもとしては、この住民基本台帳システムを遺漏のないように執行しなければいけないと考えておりまして、今その準備を進めている状況でございます。
○谷林正昭君 済みません、時間がありませんから。私の質問は、こういう状況の中でネット化をするんですかと。準備を進めているということは分かります。総理の考えを聞かせてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 八月までに施行できるように今準備を進めているということでございます。
○谷林正昭君 私は、プライバシーが守れない今のような状況の中で進めるべきではないということを指摘して、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。小宮山洋子君。
○小宮山洋子君 民主党・新緑風会、小宮山洋子でございます。 本日は、帝京大学の寄附金疑惑等の問題と外交問題について伺いたいと思っております。 経済と教育費の負担というのは非常に関係のある問題だと考えております。帝京大学医学部が入試の合格発表前に寄附金を受け取っていた問題、その寄附金を裏金としてプールして別の法人の口座に入れ、後で戻して使っていると報道されていることなど、帝京大学をめぐる問題について伺っていきたいと思います。 お手元に資料をお配りしてありますが、親族で経営している巨大な教育のコンツェルンとも言える概要、これは時間の関係で私の方から簡単に最初に紹介をさせていただきます。 帝京大学は、板橋区に医学部、八王子市に経済学部、法学部、文学部、神奈川に薬学部、栃木に理工学部の六学部のある総合大学で、冲永荘一氏が総長です。そのほか二つの四年制大学、冲永荘一氏が理事長の帝京平成大学、冲永氏の長男、荘八氏が理事長の平成科学大学があります。また、幼稚園から短大まである帝京学園は、所得隠しで東京国税庁に告発されている荘一氏の弟、嘉計氏が理事長を務めていました。また、幼稚園から短大と専門学校もある冲永学園は、次男の佳史氏が理事長、この次男は帝京大学の理事長もしています。こうした短期大学が全部で五つあります。このほか多数の専門学校、予備校、高校、中学校、幼稚園、病院、老人ホーム、そして海外にも三つの大学、高校などを持っています。 また、冲永荘一氏や親族が理事となっている公益法人は、妻の惠津子さんが理事長をしている帝京育英財団など多数あり、出資している会社も多数ありまして、数え切れないほど幅広く親族を中心に経営をしております。 これだけの仕組みの中で、多くの授業料、寄附金を保護者から集め、国からの補助も受けているわけですが、以前から様々な疑惑が指摘されてまいりました。 特に、帝京大学医学部で少なくとも過去七年間にわたって巨額の事前寄附が行われていた疑惑があるわけですが、昨年の十一月以来冲永荘一総長から事情聴取をされたりしていると思いますが、何がどこまで分かったのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 昨年十一月に帝京大学医学部の入試にかかわりまして、適切でない寄附金の収受があったのではないかという報道がなされて以来、御指摘のように冲永荘一当時理事長、学長を始めとする大学、学園の関係者から事情聴取をしてまいりました。 これまで関連して分かったこと、どういうことかということでございますが、一つには医学部の入試の日程でございますが、午前中に筆記試験を行い、午後には面接を行いまして……
○小宮山洋子君 済みません。簡潔にお願いします。
○政府参考人(工藤智規君) 同日のうちにその成績ごとに合否を決定していたということ。その合否の判定は教授会で行われているものの、合格発表まで一週間ほどの時間を掛けているということ。さらには、あっせんしたのではないかと疑惑が報道されております理事長の親族については、帝京大学とは無関係な立場であって、また同人からの聴取の努力を続けているものの、連絡が取れない状況が続いているということ。さらに、先般、国税当局の調査の結果が出ましたことを平行して調べましたところ、医学部入試において一部合格発表前の寄附金の収受があったこと、それはこの三月に亡くなりました前事務局長の判断の下に行われていたものと思われるということなどが判明しているところでございます。
○小宮山洋子君 最初は否定していたわけですけれども、今お話があったように入試の発表前に寄附金を受け取っていたということは今の事情聴取でも明らかになっているのだと思います。 命を預かる医師を養成する医学部で不正入試の疑惑が持たれていること、これは重大ですし、昭和四十九年以来、五十二年、五十六年と再三にわたって出されている局長通知が無視されていることだと思いますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
○委員長(真鍋賢二君) 岸田文部科学副大臣。
○小宮山洋子君 大臣、大臣にお願いします。
○委員長(真鍋賢二君) 指名した人に願います。
○副大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、昭和四十九年、五十二年、そして五十六年、通知を発出しまして、合格発表前の父母との接触、そして合格発表前の寄附金の収受、これを禁止するなど適切に求めたわけでありますが、今般、その帝京大学におきましてこの趣旨に反する事実が判明したということ、これは大学入学選抜の公正さを疑わしめ、また大学の社会における信頼性を損ねるという行為に当たると考えまして、誠に遺憾に考えております。 これに対しまして、この七月十五日をもって口頭ではなくして書面をもって報告書を求めているところでありますが、この報告書を待って、文部科学省としましても、この補助金の不交付、さらには過去にさかのぼっての返還要求等、厳正に対処したいと考えております。
○小宮山洋子君 帝京大学医学部では、その合否判定前に多額の寄附をして入学して、何年も留年をさせている。中には毎年六百万円の授業料を十三年も納めて留年した上、卒業できなかったという人もいるという、そういう内部告発もございます。 また、指定推薦枠、特別ルートというものがあって、毎年三十人、入試の成績によっておよそ四千万円から一億円寄附をして入学が許可されるという話もございます。また、一口百万円で五口以上、つまり五百万円以上の学債を在学中の学生の保護者に買わせ、買わないと留年させるという、こういう内部告発もございます。 このような金にまつわる疑惑がたくさんあるのに、なぜこれまで何も調査をされず放置されてこられたのか、これは大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 御指摘のような指定推薦枠あるいは特別ルートと呼ばれる特別な入学ルートや、学生を留年させてそのたびに寄附金を納めれば進級させるというようなことにつきましては、我が省としては逐一帝京大学に対し事情聴取を行い確認を行ってきておりますが、帝京大学からは全くやっていないとの回答を受けております。 また学校債は、他の私学で行っている例は承知しておりますが……(発言する者あり)
○委員長(真鍋賢二君) 御静粛に願います。
○国務大臣(遠山敦子君) 帝京大学では、昭和五十九年を最後に発行されていないことを確認しております。 我が省といたしましては、このように疑惑が指摘された場合には、その都度帝京大学に対し、法令上我が省が行使できる権限の最大限を行使して事実の確認を行ってきているところでございます。我が省としましては、帝京大学に対し、入学試験等寄附金受入れに関する一連の疑惑について、社会が納得できるような徹底した調査を実施するようかねてより要請をしておりまして、七月十五日までに報告書を提出するよう求めたところでございまして、今後その結果を踏まえて厳正かつ適切に対処してまいりたいと考えております。
○小宮山洋子君 逐一調査されたということですが、調査をされて大学側がやっていないと言ったらそれで済むわけですか。そういうことでは、とてもその事実は明らかにならないと思います。 この大学には、私学で、補助金が出ております。これは国民の血税が入っているわけです。ちょっとお手元の資料、そしてこのフリップごらんいただきたいというふうに思います。(資料を示す) 帝京大学には、この直近の十年間でこれだけ、経常費補助金が九十一億九百万円、そして装置・設置補助金が十七億五千六百万円入っております。そのほかずっとあるんですが全部書き切れませんので、帝京大学短期大学、帝京大学福岡短期大学、この三つを合わせただけで十年間に百十五億百万円のお金が入っているのです。ですから、これは当然、監督官庁である文部科学省はきちんと調べる責任があるのだというふうに思っております。 その使い道だけではなくて、この中のこの経常費補助金というのは、一般補助金、特別補助金がありまして、一般補助金というのは教員の数、学生の数によって支払われることになっております。ところが、帝京大学では教員の名簿も学生の名簿も一切作っていません。そして、教員は、ホームページを見ますと名前だけ出ております。ほかの大学は、名前があって、その後顔写真があったり、どういう経歴のある人でどんな論文を発表したということが出ているのですが、帝京大学のところは、名前だけがずっと出ておりまして、その後、この欄は全部空欄でございます。何にも書かれていません。 こういう中で何を基準に適正に補助金を出されているのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 私立大学に対しましては、私立学校振興助成法に基づきまして私立大学等経常費補助金を交付してございますが、今お話ありましたように、教職員の人数や学生数に応じて補助するのが一般補助でございます。これは予算額の約七割を占めてございます。それから、特色ある教育研究の実施状況に応じて補助するのが特別補助ということでございます。 補助金の申請に当たりまして、一般補助の補助金額の基礎となる教職員数、それから学生数とともに、教職員につきましては、個別に氏名や発令あるいは採用の年月日、担当の科目、それから職務内容等についても併せて書類を作成いただいて、この補助金を算定、交付いたします日本私立学校振興・共済事業団に提出いただいているところでございます。 私ども補助金の執行に当たりましては、そのような書類に基づきまして適正に行われてございまして、なお、国庫補助金を受領した学校法人に対しましては、会計検査院の調査対象になっておりますほかに、今申し上げました事業団においても実地調査等を行ってございまして、その際には、教職員数や学生数について、申請された人数と源泉徴収簿あるいは学籍簿等を照合しながらチェックしているところでございます。
○小宮山洋子君 今のような説明だけで見ていらっしゃる国民の方も納得したとは私は思いませんが、いろいろな問題がありますので、また次のことを指摘させていただきたいと思います。 帝京グループの大学の役員は冲永総長の親族を始め、同じ人が理事や監事をいろいろなところで務めています。そしてまた、この監査をしている法人がすべて加藤事務所という一か所が行っております。このようなことで正しいチェックができていると思われるでしょうか。 この役員がどういう人なのか資料請求をしていますけれども、情報公開のプライバシーの問題で職業や履歴は出せないというお答えをいただいております。だけれども、それはないのではないか。今、手元にありますのは、例えば帝京大学役員の女性が二人いらっしゃるんですが、その横の説明としては、帝京学園監事、帝京学園理事長と書いてございまして、帝京学園のところを見ると、同じ人がこの帝京科学大学の理事と書いてありまして、これでは何の説明にもなっていないと思います。 是非、その資料を出していただきたいと思いますが、これできちんとチェックができているのかという点と併せて、遠山大臣に伺います。
○国務大臣(遠山敦子君) 私立学校法におきましては、学校法人の「役員のうちには、各役員について、その配偶者又は三親等以内の親族が一人をこえて含まれることになつてはならない。」とされております。また、同一人が余り多くの学校法人の役員を兼ねることは好ましくないと考えられますことから、我が省といたしましては、他の学校法人の理事又は監事を四つ以上兼ねることのないよう指導いたしております。 帝京グループの各学校法人につきましては、この基準は満たしている状況にございます。しかしながら、今回の事案につきましての調査報告の結果などを踏まえまして、今の経営体制でいいのかどうかということも含めまして、必要な改善、指導を検討してまいりたいと考えています。 また、同一の監査法人が幾つかの学校法人を担当することにつきましては、特段の制限は法令上ございません。したがいまして、どの監査法人に監査を依頼するかは各学校法人が自主的に判断すべきことと考えますが、大切なことは、公的な資格である公認会計士によって厳正かつ適切な監査が行われることであります。 今、帝京大学の役員の職歴について資料として提出するようにというお話でございます。 役員の職歴につきましては、情報公開法で非公開、非開示の対象となっております個人に関する情報にどこまで該当するかなどを十分勘案した上で適切に対処してまいりたいと、対処させていただきたいと思います。
○小宮山洋子君 委員長に申し上げます。 これは公的な立場の人でありまして、問題になっているわけです。それで、前科を明らかにしろと言っているわけではなくて、職歴、履歴を明らかにしろ、だから、そういう犯罪とかでしたら、プライバシーにかかわることがあるかもしれませんが、職歴を明らかにするように言っているわけですので、資料の提出を要求したいと思います。
○委員長(真鍋賢二君) この件に関しましては、理事会で協議して処理をいたします。
○小宮山洋子君 そして今、一つの監査法人が全部やっても構わないというお話がございましたし、先ほど岸田副大臣の方から七月十五日の調査結果を待つというお話がございましたが、その特別調査委員会なるものが十一月からずっと七か月間も、中間に一つあったようですけれども、最終報告が出ない。この間、文部省は一体、文部科学省は一体何をしていたんでしょうか。 この特別調査委員会の結果を待つという御答弁がこれまでも委員会審議の中でたくさんされてきているわけですが、特別調査委員会の八人のメンバーのリストをいただきましたところ、八人のうち学識経験者はたった一人です。あとは学内の人たちと顧問弁護士、それと先ほどの監査法人の加藤三郎公認会計士、身内ばかりでほとんどやっています。そして、冲永総長がこれだけ強大な権限を持っている中でこのような調査特別委員会に七か月も任せっ放しにしていたんでしょうか。 その辺りのことを、是非これは遠山大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほども申しましたように、私どもは法令上の権限で与えられている範囲の中で最大限この問題について対処をしてまいっております。 帝京大学では、一連の疑惑報道を受けまして、学内に特別調査委員会を設置して調査を行っておりますが、この委員会は入試や寄附金業務にかかわらない教職員や、公正な職務執行を求められる外部の弁護士、公認会計士などを構成員とするものであると承知しております。 また、調査報告につきましては、これまで十八回にわたり私どもは厳正なこれの督促を行ってきてまいっているわけでございますが、六月二十七日の事情聴取の際には七月十五日までの提出を厳しく求めておりまして、期限までに報告書の提出があるものと考えております。 また、我が省内では事務次官の主宰の下に帝京問題対策会議を設置いたしまして、本件の事実関係の解明、あるいは再発防止等の検討を進めますとともに、私どもで通常、私学関係者や有識者から成る委員会におきましていろいろ私学の問題について御検討いただいておりますが、その学校法人運営調査委員会を開催いたしまして、再発防止策等について既に意見を求めたところでございます。 この委員会では、私学関係者の中からも本件について厳しい態度で臨むべしとの意見が多数出されたところでございまして、私どもはこういうことも十分勘案しながら、今後大学側の調査報告等を踏まえて、私立大学等経常費補助金の不交付や返還も含めて、厳正かつ適切に対処してまいる所存でございます。
○小宮山洋子君 この特別調査委員会から十分な調査結果が出るとはちょっと、皆さんお考えにならないのではないかと思うんですが、この内容が不十分であった場合、しっかりと対応を取るということ、それから返還請求をするということ、そうした対応を、もう一度改めて決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 大学という非常に大事な社会的存在であり、良識のある組織であると思っておりますから、恐らく七月十五日には調査報告書が出るものと思っておりますが、仮に期限内にしかるべき報告書が提出されない場合、又は報告が不十分な場合には、私どもといたしましては学校法人調査委員会の委員の方々の御協力も得まして、大学への現地調査を行うことを含め、速やかな報告書の提出を求め、あるいは事実関係の解明に向けて更に厳しい態度で臨み、かつその後に厳正な対処をしてまいりたいと考えております。
○小宮山洋子君 次に、帝京大学グループと政治家の関係について伺いたいと思います。(資料を示す) この表は、帝京大学の問題を長年調べてきました民主党の木下厚議員が作成したものですが、平成七年から十二年までの六年間に、亀井静香衆議院議員に千二百九十九万円、そして松島みどり衆議院議員に給与も含めて三千万円、合わせておよそ五千二百万円もの献金があります。 学生や保護者から授業料や寄附を受け、国民の税金から補助金が出ているこうした学校から給与をもらっている経営者がこのように多額の献金を特定の政治家にすることについてはどう見ておられるのか、伺います。
○副大臣(岸田文雄君) 国から補助金を受けている学校法人は、政治資金規正法によりまして国会議員に政治献金をすることはできません。 一方、その当該学校法人の役員等につきましては、その個人としての立場での寄附である限り、政治資金規正法上特段の制限はありません。それ以外、法令上禁止する法文はないというのが現状であります。
○小宮山洋子君 それは、政治資金規正法上はそうかもしれませんけれども、今申し上げたように、この教育費の負担というのは親にとってはとても大きな負担です。そうした負担を不正にも加えて巨額に集めている、しかも先ほど申し上げたように多くの血税が使われている、そこから給与をその役員はもらっているわけです。その人がこのように特定の政治家に献金することについては、国民の皆さんはやはり疑問を持つと思うんですけれども、それで、亀井議員は冲永荘一総長と東大の経済学部と医学部をほぼ同時期に卒業している学生時代の友達だということです。そして、総長と夫人から毎年百万円、百五十万円というこのような寄附があるほか、平成元年には総長とお母さんから千八百万円の寄附があったということも分かっております。 そして、先ほど申し上げたように、名簿は作られていないのですが、卒業生同士が横の連絡を取って自主的に作った名簿などを見ますと、なぜか広島出身者が非常に多いと言われております。亀井議員の地元の広島県東城町には帝京大学の福祉センターが五億円の予算で作られております。 また、様々指摘されておりますが、亀井議員の事務所が帝京大学の関連会社である帝京サービスが所有しているパレロワイヤルの九階にありまして、一九九三年にただで借りていると指摘され、それは直ちに家賃を払ったそうですが、現在もそして三十万円払っているということなんですが、これは相場よりかなり安い、五十万円以上はする場所だと聞いております。しかも、家賃を払ったというのに政治資金報告書には載っておりません。 こうした帝京グループ、亀井静香議員の不透明とも言える関係について調査をする必要があると思いますが、いかがお考えですか。
○副大臣(岸田文雄君) まず、亀井議員と冲永総長、あるいは同夫人との個人的な関係につきましては承知しておりませんが、総長及び総長夫人が平成十二年度に同議員、資金管理団体にそれぞれ百五十万円の寄附をしていること、同議員が帝京大学の関連会社である株式会社帝京サービス所有のパレロワイヤルを借り受け、月額三十三万円の賃料を支払っていることにつきましては、官報あるいは帝京大学からの報告等で承知しております。 また、地元に五億円の福祉センターという御指摘がありましたが、これは帝京広島健康福祉センター東城ふれあい村のことであると思われますが、この施設は、冲永荘一氏が理事長である広島県知事所管の財団法人広島健康福祉振興会が設置したものであります。文部科学省としては直接関知をしていない団体であります。 そして、帝京大学に広島出身者が多いということにつきましては、直接承知しておりません。
○小宮山洋子君 そして、松島みどり議員には平成八年から十二年の初当選まで四年間に給与としておよそ三千万円が支払われております。これは、東京国税局の指摘によって雑所得として修正申告していたと報道されております。 ところが、松島議員には勤務実態がほとんどなく、これは架空給与なのではないかという指摘があります。また、その後も個人の限度額一杯の百五十万円が寄附されておりますし、関連会社のパーティー券購入もあります。 この松島議員と帝京大学グループの関係についても調べていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○副大臣(岸田文雄君) 松島議員に対しまして、平成八年二月から平成十二年六月まで帝京大学の関連会社とされます株式会社帝京サービスから支払われていた給与について、東京国税局から松島氏の勤務実績を認めることができない旨の指摘がされ、松島氏が給与分を雑所得として修正申告したこと、このことにつきましては新聞報道やそして帝京大学からの報告を通じまして承知をしております。 また、平成十二年度に冲永総長が松島みどり議員の資金管理団体に百五十万円の寄附をしていたこと、松島議員のパーティーに際して帝京大学の二つの関連会社から合計三百万円の対価の支払があったこと、これにつきましても官報に掲載されてあり、承知しているところであります。
○小宮山洋子君 先ほどから申し上げているように、教育費というのは親が子供を教育するためにいろいろな苦しい事情の中から出しているものです。そうしたもののお金の取り方、使い方、疑惑が持たれておりますので、これはきちんとやはり調べて、資料を提出をしていただきたいと思いますので、委員長、お願いいたします。
○委員長(真鍋賢二君) 後刻相談をいたします。
○小宮山洋子君 今日は国税庁にもおいでいただいています。 この帝京大学と亀井静香議員のビルの事務所の賃貸の問題、松島みどり議員の三千万円の給与の問題などについて国税で調査されているようですが、調査の状況と事実関係について伺います。
○政府参考人(村上喜堂君) お答えいたします。 先生御指摘のように、帝京大学をめぐる種々の税務上の問題につきましては、昨年来、マスコミで種々の報道がなされておるようであります。 帝京大学、学校法人でございますが、帝京大学のような学校法人につきましては、収益事業を営む場合にのみ、その収益事業から生じる所得が法人税の課税の対象になるということでございます。 最近、また六月ごろにいろいろ報道がございましたが、その報道によりますと、あくまで報道内容の引用ということで御理解いただきたいと思いますが、財団法人帝京育英財団が帝京大学医学部の受験生の父兄から受け取った金員については、収益事業に当たるとして課税されたというものであります。また、帝京大学グループの関係者が所得税法違反の疑いで東京地検に告発されたといった内容の報道もございます。しかしながら、これらは、今、先生の御質問も含めまして個別の問題でございますので、我々、守秘義務が課された関係上、具体的にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。 いずれにしましても、一般論でございますが、国税当局といたしましては、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなどして、適正な課税の実現に努めているところでございます。
○小宮山洋子君 今、まだまだこれだけでは足りないほどたくさんの疑惑があるんですが、時間の関係でこれ以上指摘することができません。 これだけいろいろな問題があって、文部科学省の調査もどうも靴の上からかいているような、隔靴掻痒の感もございますので、冲永荘一総長を参考人として呼んでいただきたいと思います。
○委員長(真鍋賢二君) 後刻理事会において協議をいたします。
○小宮山洋子君 厚生労働大臣に伺いたかったんですが、今、委員会中だということなので、副大臣に伺います。 このような、保護者の弱みに付け込んで、命を預かる医師の養成をする機関でこのような疑惑が持たれていることについて、厚生労働副大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(宮路和明君) 医科大学あるいは大学の医学部、ここは医師としての必要な基本的な知識、技術を習得させ、あるいはまた医師として必要な人格の涵養、こういうことを行っておる、そういう大学であるわけでありまして、したがって大変重要な役割を担っていると、こう思っております。したがって、こうした大学におきまして、将来の医療を担う、そういう大切な人材の選抜あるいは育成、そういうことに関連して不正が行われるということはこれはあってはならないことだと、このように考えているところであります。
○小宮山洋子君 小泉総理、お休みにならないで聞いていていただきたいんですが、今のようなこういう事情が、帝京大学グループをめぐっていろいろな不透明なことが行われているようでございます。早急に厳正な調査をして国民の納得のいくような対応をしていただきたいと思いますが、総理としてはそのリーダーシップを取っていただけますね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 御質問を伺っていまして、帝京大学、いろいろな問題を抱えているなと。担当省庁、文部科学省を始め、しかるべき疑惑をただして、納得できるような調査が必要だと思っております。
○小宮山洋子君 この問題につきましては、また関係の委員会で引き続き追及をさせていただきたいと思います。 次に、外交問題について幾つか伺いたいと思います。 先日、鳩山代表を始めとする民主党の訪中団で中国を訪れました。そのときに、もう江沢民総書記を始め、お会いした要人が口を開けば言われたのが、小泉総理、あなたの四月二十一日の靖国参拝の問題です。これは日本で受け止めているよりもずっと深刻な問題だということを実感してまいりました。 昨年の参拝の後、中国で抗日記念館などを訪問されて、それが反省の意を表されていると中国側では受け取っていたようですが、それなのに今回四月に参拝されたことで、例えば江沢民総書記は、小泉は約束を守らない男だと、そのように言われております。 このことについて総理の御見解を伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、昨年靖国神社を参拝し、今年四月靖国神社を参拝し、二度と戦争を起こしてはならないと、また、心ならずも、戦場に行かなかった方々、御本人はもとより、御家族、御遺族、さぞ無念だったろうなという思いは私の心の中にいまだに強いわけであります。今日の平和と繁栄もそういう方々の犠牲の上に成り立っているんだという気持ちから、戦没者に対して敬意と感謝の意を込めて、昨年も今年も参拝いたしました。そのことについて外国の方がどういうことを言われようとも、私の気持ちには変わりありません。
○小宮山洋子君 私が申し上げたいのは、やはりアジアの中で日本がきちんと信頼醸成をしてリーダーシップを取っていくということが日本の外交にとってはとても大切なことだと思っております。そういう点からしましても、瀋陽の総領事館の事件、処分で幕引きとはいかないと思います。 十二人の処分が発表されましたが、総領事を除いては、国家公務員法に基づく処分ではない、経歴に傷の付かない処分でございます。その不可侵である総領事館に立ち入って連行したことについて、事実は一つなのですから、事実を明らかにすることがこれからの信頼関係の上では重要だと思いますが、この点についてはこれからどういうふうにされていくのでしょうか。中国に対してだけ、不利になるとして二回拒否をしている領事条約の提案も持ち出されていると。譲歩し過ぎなのではないかというふうに思いますが、この点は、外務大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(川口順子君) 六月の十九日にタイで私と唐家セン、中国の外交部長と話をいたしました。その場で、私の方からは、この瀋陽総領事館事件において不可侵の侵害があったということについての我が国の立場には全く変わりはない、双方の立場が異なるということではありますけれども、我が国の立場に変化はないということを申し上げておりますし、併せて我が国の国内にはこの件については強い意見があるということをきちんと認識をしてほしいということもお話をしているわけでございます。これに対しまして、中国の唐家セン外交部長の方からは従来の立場についての話があったということでございます。 いずれにいたしましても、双方は、この件につきまして日中関係の大局を踏まえて冷静に対応していくことが大事であるということを確認をいたしました上で、再発防止のために何をするかということで、領事条約、協定を締結することの可能性も含めまして再発防止のために外交当局間で議論をしていこうということになったわけでございます。 したがいまして、私どもとしては、我が国としては、中国側によって我が国の総領事館の不可侵が侵害をされたということについての主張は毅然として貫いていくと、この立場に変化は全くございません。 いずれにいたしましても、この件については冷静に対応をしていきたいと考えております。
○小宮山洋子君 また、警備を非常に強化をする、そのためのいろいろな予算措置もするということが言われておりますが、警備を強化して門を閉ざせばいいということではないと思います。 外務省の見解でも、北朝鮮からの脱出者、北京だけで何千人かはいるというふうに言われております。その人道的な配慮あるいは難民の受入れ、こういうことについて全く日本の考え方が示されていないのではないかと思いますけれども、総理はこの点はどういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(川口順子君) この点について警備というふうにおっしゃいましたけれども、その点も含めて、先ほど、先日、処分をいたしましたときに改善策を発表させていただきました。一つが外務省の職員の意識の改革でございます。二番目に危機管理体制の整備。そして、三番目に警備の点ということでございまして、この三つを柱にして、今後こういうことが起こらないよう強靱な外交ができるような体制を作りたいと考えております。 それで、警備を強化をすればいいということだけではないだろうという御指摘でございますけれども、外国人が我が国の公館に庇護を求めてきた場合にどのように扱うかということで申しますと、これは、その人の人定等の事実関係を確認する、あるいは希望を聞く、この人の身体の安全確保の人道的な観点、関係国との関係というのを総合的に勘案をいたしまして具体的に対応していくということが大事だと思います。 この瀋陽総領事館の根底にある問題というのは難民受入れの問題でございまして、言葉や文化や宗教が違う国の人が、どのように我々がこういう人たちとともに暮らしていくことができるかということについては、これは我が国の社会の在り方の根本にかかわる問題でもあると思っております。幅広い視点で、国全体として国民の皆様とともに議論をしていくことが大事だと思いますし、これには関係の省庁が多いわけでございますが、外務省としては人権それから人道上の観点からこれに貢献をしていきたいと考えております。(「同じ」と呼ぶ者あり)
○小宮山洋子君 総理も同じということでございますけれども、先ほど官房長官から中長期的問題として難民の問題を考えているという御答弁が前の質問者のときにございましたが、中長期的といっても、もうそこに難民がいるわけですので、是非この人道的な問題についてもしっかりと早急に取り組んでいただきたいというふうに思います。 また、小泉総理、アメリカでサミット出席されました。ファッションでは非常に評価をされたようですけれども、ワーキングランチでも余り目立った発言はなかったという報道もございます。 ブッシュ大統領にも真の友人であれば耳の痛いこともきちんと言うべきだ。例えば地球温暖化防止のための京都議定書にしましても、十年間掛けて国際社会が作ってきたものを最大のCO2排出国のアメリカが一抜けたと勝手に離脱をしている、こういうことに対してもしっかりと私は、これはほんの一例ですけれども、物を言うべきだと思っております。 日本の報道の中には、ブッシュ・アメリカに対して小泉さんは借りてきた猫なのかというような報道さえされております。もう少しきちんと言うべきことをアメリカとの関係で言うべきだと思いますが、総理はどのようにお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本の新聞の中には非常に偏った、誤解に満ちた報道が随分散見されますよね。 私が何だって、借りてきた猫みたいだって、とんでもないですよ。大体サミットは、八人、言うべきことは言う。静かにしているときは静かにしている。しょっちゅう手を挙げて言って、どういう感じを与えます。いい加減にしろという雰囲気にもなるんですよ。そこへわきまえてやるのが会議の重要性なんですよ。何を言って何を言わないか。言うべきは言い、私が言わなくても言っていることは、ああ、これはおれが言う必要はないなと判断してやるのが会議の重要な点なんです。臨機応変、アメリカに言うべきことも言い、ロシアに言うべきことも言い、世界各国首脳に言うべきことも言っているんです。これは私の基本方針ですし、そういう方針で今まで国際会議に臨んでまいりました。アメリカに協力するというときに、追随すると言うのは野党の言うことであって、それは全く間違いであります。 今、新聞の報道においても、会議の中におきましては、パレスチナとかイスラエルの問題、新聞ではブッシュ発言の批判が多かったと言いますが、実際の会議はそうじゃないです。会議の中、よく見てみれば分かりますけれども、結局、イスラエル・パレスチナの問題は、イスラエルやパレスチナの当事国だけではもう解決できないんだと。だから、アメリカを中心に国際社会で関心を持って平和づくりに協力していこうということは、それぞれの首脳が、アメリカ抜きのこのイスラエル・パレスチナ問題の解決はないということをすべての首脳は認めているんですから、決してアメリカ追随でも何でもない。アメリカを十分国際社会の問題に関与してもらわないとあらゆる地域の不安定要因というのはなくならないということについては、サミット首脳国一致した、共通した認識であります。
○小宮山洋子君 言うべきことは言ってきたというお話ですが、日本のメディアだけではなくて海外のメディアからもそういうものは聞こえてまいりません。 私が申し上げたいのは、アメリカにきちんと言うべきことは言う。アメリカ一辺倒ではなくて、ロシアの正式参加のことも、ヨーロッパへのパイプが細かったので読み切れなかったのではないかと、そのようなことも言われております。ヨーロッパ戦略もしっかりと今練り直しておいでと伺っておりますけれども、きちんとヨーロッパの方にもアンテナを張ってバランスよく、そして中国のことも含めてアジアの中でも信頼醸成をして、そうした在り方が必要だと思いますが、小泉総理、パフォーマンスはあるんですけれども、ビジョンが見えてまいりません。小泉さんの外交のビジョンをお聞きしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はパフォーマンスなんかやっていませんよ。報道が勝手に言うだけであって、今まで何回も、やるべき改革、発言しております。 私は、外国へ行って、野党の悪口も言ったことはありませんし、わきまえて、日本国の首相としてわきまえて、日本のやるべき改革に全力を尽くしているんだということを言っていることを御理解いただきたい。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で谷林正昭君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、富樫練三君の質疑を行います。富樫練三君。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。 長期の不況の下で日本の経済は大変深刻な事態に陥っています。これに拍車を掛けているのがBSE問題。消費と畜産業に重大な打撃を与えています。 まず、BSE対策に関連して、国産牛肉の買取り事業について伺います。 福岡市の食肉販売会社日本食品が、在庫牛肉買取り事業で輸入牛肉のアキレス腱を国産牛と偽って申請し、補助金を受け取っていた。一月に実施された農水省の検査直前に、偽装発覚を逃れるために、倉庫で保管していたアキレス腱を国産牛に入れ替えていた。 〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕 報告によると、倉庫保管の全量百二十二トンが輸入牛のアキレス腱、いわゆるすじ肉だったというひどいものであります。 ところが、この報告を受けた全肉連の幹部、全肉連というのは全国食肉事業協同組合連合会、この幹部や農畜産業振興事業団、農水省には報告しないで、口止めをしていた。振興事業団や全肉連はこの買取り事業の中心団体であります。これで公正な事業ができるのか、任せておいていいのか、農水大臣、どうですか。
○国務大臣(武部勤君) 日本食品の事件は誠に言語道断、遺憾に堪えないことだと、このように考えております。 雪印食品の詐欺事件が発覚いたしまして、この牛肉保管事業、そして更に隔離事業に変わっていったわけでありますが、これは、十七日以前の牛肉を十八日以後の全頭検査後の牛肉と消費者の方々がきちっと判別できるために、急いで一気に隔離する、保管するという、そういう必要性があったわけでありまして、当時としては、私ども、通常の商取引という、そういう考え方で協力を要請し、この事業を始めたわけでございます。 しかしながら、雪印食品の問題が明らかになりまして以後、私は、性善説という立場から性悪説、こういうことが他にもあり得るべしと、そういう考え方で全品、全箱検品という体制を取るように指示いたしました。 今般の問題につきましても、いわゆる全肉連あるいは農畜産事業団には報告があったということを聞いておりますけれども、農林水産省に全くの連絡、通知もなかったということについては遺憾この上ないことでありますし、私ども厳正に対処すべく、事務当局にこの事実関係を調査するように指示しているところでございます。
○富樫練三君 実は、この問題だけではないんですね。今年の三月十五日、農水省は、買取り事業実施主体の団体名と企業名、それから買取り料、これを発表しました。その中で、日本ハム・ソーセージ工業協同組合などは買上げ対象となる企業名を公表しておりますけれども、そういうはずですけれども、間違いありませんか。
○国務大臣(武部勤君) 間違いありません。
○富樫練三君 ここに資料がございます。これは農水省が出した資料でありますけれども、買上げ団体は全部で全国の六団体であります。ハム・ソーセージ工業協同組合、それから全酪連、これは全国酪農業協同組合連合会、さらに全国開拓農業協同組合連合会、全開連、それから全畜連でありますけれども、全国畜産農業協同組合連合会、さらに全国農業協同組合連合会、全農であります。 ところが、先ほどの全国食肉事業協同組合、全肉連でありますけれども、この全肉連だけは、連合会、県レベルの連合会の名前は出ておりますけれども、個々の企業名を公表しておりません。なぜですか。
○国務大臣(武部勤君) 牛肉在庫緊急保管対策事業で保管された牛肉については、検品を終え、焼却処分されたものから、順次その対価として補助金を支払っていくことになるわけであります。その際、中間の団体に補助金がとどまることなく末端業者へ適切に支払われることを担保するために、それを証明する書類を求める仕組みとなっているのでありまして、その手続により末端業者名等をきちんと把握して公表することになっているわけでございます。 しかしながら、それまでの間においても、納税者の観点に立って事業の透明性を確保する観点から、委員御指摘のように申請の段階で原則公表することができないかということを検討させまして、その結果、本事業については、BSE検査前の牛肉を確実に隔離する観点から、事業実施主体が対象牛肉を買い上げて所有権を取得し、保管することを要件としたため、事業実施主体の買い上げ先が報告される仕組みとなっていなかったわけでありまして、そのことから、事業実施主体に牛肉の買い上げ先について報告を求め、公表することへの同意を得た上で三月十五日に公表したものでございます。 このうち、直接の買い上げ先が県レベル等の団体である場合には、事業実施主体も末端の業者等を把握する仕組みになっていないわけでありまして、そのために、現在、末端業者ごとの申請数量について、公表を前提とした調査報告をお願いしているところでございます。 しかしながら、現時点では、本事業に対する厳しい評価もございます。事業に参加しているだけとはいえ、末端業者の名称等が公表された場合に、マスコミ等の取材等を受けて、特に零細な業者は地域において顧客離れを生じたり経営困難に陥るなどの影響を受けることが強く懸念されるようなことから、その事業実施主体、つまり全肉連及び全農等からもいまだ報告が提出されていない状況にあるという次第でありまして、今後、事業の透明性確保のために、個別業者の同意を得て、早期に公表できるよう事業実施主体の努力を引き続き促してまいりたい。 いずれにいたしましても、冒頭に申し上げましたように、最終的には補助金の支払の手続の中で末端事業者をきちんと把握し公表してまいりたい、こういうことでございます。
○富樫練三君 私は、なぜ全肉連だけは個々の企業名を公表できないのかと、こう聞いているわけなんで、限られた時間ですから、質問したことにきちんと答えていただきたい。委員長もよろしくお願いします。 その上で伺いますけれども、この公表していないところ、この全肉連だけでありますけれども、ここは国が全体として買い上げる総量一万二千六百二十六トンのうち約半分の六千百七十トン、このぐらい占めているわけなんですね。全国の半分を占めているんですよ。金額でいえば、申請でいうと二百六十二億円の約半分がこの全肉連を通じて国民の税金が支払われる、そういう仕組みになっているわけなんですね。 〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕 概算払では既にもう七十六億円がこの全肉連に、国民の税金が支払われているんですよ。お金は支払ったけれども、国民の税金で金は支払った、概算払で。しかしながら、だれにそのお金を渡したかが分からない、そんなでたらめな話ありますか。国民の税金ですよ。中身もきちっと国民に明らかにするというのは当たり前のことじゃないですか。どうなんですか。
○国務大臣(武部勤君) でたらめなことをやっている考えは全くありませんで、丁寧に御答弁申し上げていることを御理解いただきたいと思います。 六月二十八日現在、検品を終了して焼却処分されたのは約四千トンでございます。焼却処分されたものについては、申請があれば概算払を行うことができることになっておりまして、現在のところ、五月下旬と六月下旬の二回に分けまして、全肉連に対して約四十四億円の概算払が行われているわけでございます。 これを受けまして、今後、中間の団体に補助金がとどまることなく末端業者へこの補助金が適切に支払われることを確認するため、それを証明する書類を求めていることとしているところでございまして、これらは、先ほど申し上げましたようにきちっと明らかになるわけでありますので、明らかになった段階で、末端業者等もきちんと把握して公表してまいりたいと、こういう次第でございます。
○富樫練三君 既に焼却されたのが四千頭だというふうに今お話がありました。 もうちょっと伺いますけれども、全肉連の中で、扱っている肉の量が三百トン以上の買取り、これを申請しているところが全国で六つの団体ありますね。その中で、最も量が多いのが大阪です。大阪同和食肉協同組合が千百四十五トン、大阪府食肉協同組合が五百七十三トン、合計しますと千七百十八トンが大阪であって、これが全国最大であります。この二つの連合会の肉は、現在だれが保管、保有していますか。
○国務大臣(武部勤君) これは焼却がほぼ終わっております。
○富樫練三君 私は重大だと思うんですね。千七百十八トンといえば、計算をしますと三十九億五千万円の税金が支払われる、この対象になるわけです。 私どもが入手した農水省の内部資料によりますと、生産局食肉鶏卵課が作成したものでありますが、この資料によれば、この千七百十八トンというのは、大阪府同和食肉協同組合が出資、設立した大阪食品流通センター、ここが保管しています。これは配付いたしました資料の一ページであります。これの下の方に大同食・大阪食品流通センターというのがあります。これが千七百十七・六四六ということになっていますけれども、これがいわゆる千七百十八トン、ぴったり一致するわけであります。 問題は、これを今、保有、管理しているこの大阪食品流通センターというのはどういう会社なのかという問題であります。 この流通センターの取締役浅田満氏は、大阪同和食肉協同組合の会長であり、かつ大阪府食肉協同組合の副会長でもあります。元々、阪南畜産という会社の経営者で、今はハンナングループの総帥であります。部落解放同盟の役員もしていました。かつて輸入牛肉の利権をめぐって畜産業振興事業団との収賄事件に関与した札付きの人物であります。大阪食品流通センターなどは正に全部ハンナングループであります。こういう企業だから名前の公表を控えたのではないか、こういうふうに考えられます。 同時に、重大なことは補助金の支払方であります。七十六億円といういわゆる概算払のほとんどこれは全肉連だけであります。しかも、この支払の多くはごく一部の抜取り検査しかしていなかった四月二十五日以前の検査に基づいて、いわゆる全箱検査の前の段階、これに基づいて支払われているわけであります。 この抽出検査、これこそが日本食品などの偽装を可能にした。だから、四月二十五日以降、全箱検査に切り替えたわけでありますけれども、ハンナングループの肉に輸入肉は絶対混じっていない、こういうことを大臣、言えますか。
○国務大臣(武部勤君) 一月十一日、当初の抽出基準に基づきまして対象箱数四ロット、一万二千八百八十三箱のうち八十五箱を抽出し検品を実施したところでございまして、二月十四日には全ロット検品に移行したことから、対象箱数五ロット、九万九千五十六箱のうち二百三十二箱を抽出し検品を実施したところでございます。 当初から申し上げておりますように、私ども最初から全箱検品という体制を取っておりません。雪印食品の事件発覚後、徹底した検品をすべきだということを私が指示いたしまして、この時点で全箱検品ということには相なっておりません。 なお、焼却は地方公共団体の設置による公共施設で行われておりまして、二月二十二日には倉庫内で焼却施設へ搬出する際の取り回し状況、運送状況、焼却施設への搬入状況等を確認するため、検査員を派遣し、確認をしているところであります。
○富樫練三君 先ほどの焼却とそれから概算払の関係についてちょっと確認をしておきたいんですけれども、既に七十六億概算払で払っていると、全肉連の方にですね。それで、一方で既に四千トンが焼却されていると、こういう報告が今答弁ありましたね。そうしますと、既に四千トン焼却されている中に、七十六億円既に支払われた、この全肉連の保管していた肉ですね、これはどのぐらい入っているのか、全部がそうなのか、ここの関係はどういうふうになっていますか。
○国務大臣(武部勤君) 千七百トン余りのものはほとんど四千トンの中に含まれております。
○富樫練三君 千七百トン余り入っているということは、先ほど私は大阪の関係を言いましたね、千七百十八トンが大阪の二つの連合会の合計の肉の量だと。ということは、これは既に全部焼却されたということではありませんか。そこはどうですか。
○国務大臣(武部勤君) ほぼそういうことであります。
○富樫練三君 これは大変なことだと思うんですよ。この千七百トン余り、全部焼却したと言いますけれども、この中に輸入肉などが絶対入っていなかったという検査はやりましたか。
○国務大臣(武部勤君) 絶対ということは、全箱検品しているわけでありませんので言えないということでありますが、先ほど申し上げましたような全ロット検品という厳しい検査体制で検品をしているという次第でありまして、それは絶対という、お話のことについては絶対ということは言えないと、このように思います。
○富樫練三君 これは、全額でいいますと、千七百トンといいますと三十九億幾らですか、約四十億ですよ。国民の税金が四十億最終的には支払われると思うんですね。そういう中で、実は検査もしないままそのお金を支払い、その肉はもう既に焼却された、調べようがないと。しかも、そのお金はだれに支払ったかということも明らかにしない。重大な問題じゃないですか。既に焼き捨てたというんであれば、どこの企業に幾らのお金を払ったというのを公表するのは当然じゃないですか。公表したらまずいという事情があるんだったら、それを明確にしてください。
○国務大臣(武部勤君) これは、末端まで確認して公表する予定でございます。
○富樫練三君 大体、今の段階で明確にできないということ自体が重大問題だと思うんです。 ちなみに言いますと、このいわゆる大阪の流通センター関連でありますけれども、調べてみました。こういう関係になっているんですね。(図表掲示) 先ほどの千七百トン余りの牛肉の関係ですけれども、それを提供したのは大阪食品流通センター、ここが大阪府同和食肉連と大阪府食肉連、この二つに提供したと。浅田満という大阪府同和食肉事業協同組合の連合会の会長であります。ここですね。会長でありますけれども、この人は、先ほど言いましたように、同時に協同組合連合会の副会長もやっていると、これは大阪府の方ですね。同時に、大阪食品流通センター、肉を出した方のこれの取締役をやっていると。これがハンナングループの元ハンナンの会長になっていると。こういう関係になっているんですよ。役員はここにこう書いてありますけれども、副会長とか、これはこういうふうにみんな役員を兼ねているんです。共通しているのはどこかというと、ここはハンナングループと、ここは共通しているわけですよ。こういう関係になっているということですね。ここが大事なところだというふうに思うんです。 この大阪食品流通センターでありますけれども、こういうことが分かっているんですね。これらの役員が共通していますけれども、取引先はほとんどハンナンとそれからハンナンロイヤル、二つの業者であります。しかも、ロイヤルというのはロイヤルハンナンミートパッキングというハンナン系の会社であります。内々で肉をずっと回しているわけなんですね、という格好になっています。大阪のこの千七百十八トンというのはほとんどがこのハンナングループからのものだということもはっきりしました。ハンナングループと、問題なのは、鈴木宗男、松岡利勝議員らの親密さは、もう既に御存じのように有名であります。鈴木議員の高級車はハンナンマトラスというハンナングループのものだったということもはっきりしました。グループの一つ十勝ハンナンから鈴木議員の資金管理団体である二十一世紀政策研究会へ政治資金が出ている、このことも明らかになりました。 総理、BSE問題で国民は甚大な被害を被りました。対策として講じられた今度の買取り事業であります。これは対策だったはずなんですよ。ところが、この対策が実は食い物にされる、こういう許し難い問題が起こっているということだと思うんです。買取り事業の実態を洗いざらい明らかにして、透明にして、徹底究明することは当然だと思うんです。これは政府の責任であります。総理の見解を伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 税金が適正に使われているかどうか、今御指摘のような疑惑に対しましてしっかりとした対応、調査されるように指示をしたいと思います。
○富樫練三君 この問題については、極めて重大な問題ですので、今後も引き続き実態を明らかにしながら、しっかりと追及をしてまいりたいというふうに思います。 次に、国民の暮らしと経済の問題について伺いますけれども、今、日本の経済にとって社会保障、これによる将来不安を解消していくということ、社会保障を充実するということ、これは最も重要な課題の一つになっております。 福祉に関連して伺います。 実は、徳島県にある健祥会という法人グループ、特別養護老人ホームを始め、五十を超える施設を擁している大変大きな法人でありますけれども、全国的にも異例な社会福祉法人であります。この法人はこの間急成長を遂げているわけであります。これがそのグラフでありますけれども、(図表掲示)二〇〇〇年度の徳島県内の特別養護老人ホームの補助総額十九億円でありますけれども、このグループに対する補助が十一億円を超えて実に県全体の五四%を占めています。このグラフにありますように、発足当時の資本金は九千四百万円でありましたけれども、現在では九十八億五千二百万円、実に百倍以上になっています。この緑色の青い四角、これが資本金であります。赤いグラフの方は、これは施設の数がこのように増えてきたということを表しているわけであります。 厚生労働大臣に伺いますけれども、このように、一つの県の中で一つの法人だけが補助金の大半を占めてしまう。その法人だけが急成長する。どう見ても異常だと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 全国の福祉関係の状況を見ましたときに、非常に多いところもございますが、その中におきましてもこの県は特に多いというふうに思います。
○富樫練三君 多いというのは私が言ったんですよ。多いということについてどう思うかと私は聞いたんだけれども、それじゃ答弁にはならないんですけれどもね。 この健祥会というのは、地元では評判が悪いんですよ。これは、例えば地元の徳島県の川島町議会、ここ町議会ですよ、町の議会が、健祥会グループの運営する福祉施設の厳格なる指導監査を要望する決議というのを町の議会で行いました。そして、総理大臣と厚生大臣に要望書を出しているんです。こういうことをやるというのも、普通からいえば余り考えられないことですよ。 私どもが調査をしました。恐るべき実態が明らかになってまいりました。例えば、常勤の施設長が配置されていないこと、基準どおりの職員の配置もしない、監査を逃れるためには架空の看護師を作ったり、病気で二週間欠勤してもタイムカードが押されているとか、あるいは実際にはいない調理員がいるように報告されるとか、基準違反が横行しています。つまり、人員などの大規模な操作によって架空の人員や、あるいは給与明細など、これも架空で作っているということなんです。架空の職員を使って介護報酬を受ければ、これは不正受給ということになるのは当然であります。これじゃ福祉を食い物にしていると、こう言われても弁解の余地はないと思うんです。 それだけではありません。超過勤務をしても、超過勤務した部分についてはこれは福祉時間だと、奉仕の時間だということで手当を支払わない、こんなことまで行われている。福祉会という会まで作って、会費が給料から天引きされるんだけれども、その説明も使途も明らかにされない、こういう実態が明らかになってまいりました。 つまり、指摘したように、これは介護保険法やあるいは老人福祉法、そして労働基準法違反、この疑いが非常に強い。特別な監査を早急に行って指導監督をするべきではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘いただきましたように、川島町の決議につきまして、私の方にもいただいております。 その内容は、今御説明のありましたとおりで、施設長がほとんど施設に出勤しておらず、管理者は常勤の者でなければならないという基準に違反している。もう一つは、職員の勤務実態と反する事務の取扱いがされており、実態として必要な人員配置基準を満たしていない疑いがある。この二つのことがその中で述べられているところでございます。 介護保険法におきましては、施設が運営基準を満たしているかどうかについての指導監督は都道府県の自治事務とされておりますところから、御指摘の決議は徳島県知事に対しても提出されているというふうに承知をいたしておりまして、徳島県に対しまして、その決議を踏まえて適切な指導を行ってほしいということを言っているところでございます。また、徳島県から、実態を調査をしていただきましたことにつきましては厚生省の方にも連絡をいただくことになっております。
○富樫練三君 ところで、この健祥会グループを率いております理事長の中村博彦さんという人がいますけれども、彼は、かつて、総理大臣が主宰します社会保障構造の在り方について考える有識者会議、このメンバーになっていました。この人選については、鈴木宗男議員などからの強い後押しがあったということが本人が言っております。例えば、このメンバーになれたのは当時の自民党の野中広務幹事長代理や鈴木宗男総務局長の進言に負うところが大きいということをこの中村氏は自分の著書の中で言っているわけなんです。委員会の方で厚生労働大臣も、そういう要請があったというふうに聞いておりますと答弁しましたね、ということで。 この人というのは、全国老人福祉施設協議会の会長として福祉の現場からの代表ということであったわけですけれども、福祉の分野というのはこの老人福祉施設だけではありません。例えば全社協、全国社会福祉協議会、ここの下での福祉関係の団体というか組織というのはこのくらいあるわけなんですね。(図表掲示)十四もあるわけですから。じゃ、この中の一つから代表を選ぶと。それよりもやはり全体を理解している人が選ばれるということの方がより適切であろうというふうに思います。 ところが、実際にはこの福祉の現場からということで全体のメンバーの中ではこの人、中村さん一人しか選出されなかったと。これはかつての厚生省がこの人しか推薦しなかったんじゃないかと、こういうふうにも言われているわけなんですね。 中村氏と鈴木宗男議員とは特に深い仲だと、こういうことも言われています。例えばかつて中川一郎議員の秘書であったこと。中村氏の元秘書の結婚式には鈴木議員が仲人になったり、あるいは中村氏がその法人が作った施設、このオープンでは鈴木議員の秘書という例のムルアカ氏ですね、彼がテープカットに代理として参加をすると。
○委員長(真鍋賢二君) 富樫君、時間でございます。御協力願います。
○富樫練三君 こういう親密さがよく分かります。こういう人が政府の中心の審議会の委員になるということについて、やっぱり福祉がゆがむというふうに言わざるを得ないと思うんです。 この点について、総理の見解を伺っておきたいと思います。
○委員長(真鍋賢二君) 時間でございます。小泉内閣総理大臣、時間を厳守してください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 平成十二年一月に発足した社会保障構造の在り方について考える有識者会議のメンバーの選定に関する当時のいきさつというものを私は詳細には承知しておりません。もっとも私、当時まだ総理大臣じゃありませんから。どのような経過かというのは定かではございませんが、こういう有識者会議のメンバーには福祉分野の代表として適切な見識を持った方が選ばれるのが望ましいと思っております。 今のいろいろな御意見を踏まえ、人選についてはより慎重でなければならないなということを感じております。
○富樫練三君 終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で富樫練三君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、平野貞夫君の質疑を行います。平野貞夫君。
○平野貞夫君 時間が極めて少のうございますので、冒頭に、最近二つの外交問題について意見を述べておきます。答弁は要りません。 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の平野でございます。 まず第一は、先般のサミットでロシアがG8の完全なメンバーになることが決まりました。これで北方領土問題の解決は見通しが付かなくなったと私は思います。国際法上、ロシアの占有は不当であります。この問題に何も留保条件を付けずにロシアをサミット正式メンバーにすることを認めた小泉首相は、国益を放棄したものに近いと私は思っております。 また、瀋陽の亡命者連行事件での関係者処分の政府の姿勢は、我が国の主権を放棄するに等しい行動を取ったという、そういう認識を持っていない、大きな問題があると思います。 小泉内閣の外交は、主権国家としての我が国の尊厳と誇りについての思想がないということを冒頭に申し上げて、次に入りたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 答弁は。
○平野貞夫君 答弁要りません。 まず、健康保険法改悪に関して、関連して、経済財政問題という立場からお尋ねしてみたいと思います。これは答弁をいただきます。 私は、この医療問題、医療制度というのは、国民の人間としての安全保障制度だというふうに思っております。極めて命を大事にする大事なものだと思っております。 そこで、小泉総理、小泉医療制度改革というのは、どうも抜本改革を先送りして国民に一兆五千億円の負担増を先に丸投げするという、こんなものじゃないですか。これが小泉構造改革ですか。いかがでございますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これはもう何度も委員会でも御質問が出て答弁している問題でありますけれども、二割負担から三割負担になるということは、確かにいわゆる健保組合に入っている方にとりましては負担であります。しかし同時に、国民健保は元々三割負担なんですから。そして、この医療費というものをだれが負担するかということは常に考えていかなきゃならない。患者負担を引き上げたから痛みであるというばかりには言えないんです。 結局、患者になっていない健康な方の保険料も毎月いただかなきゃならない。同時に、今医療費においては税金が投入されております。この多額の税金も、これは病気になっている方も払っているでしょうし、あるいは全く病気にならない、病院にも行かない、お医者さんにも診てもらわない方々も税金の面で負担していると。 こういうことを考えますと、それでは今後どんどんどんどん高齢化が進んで若い世代が減っていくという状況になれば、医療費が、経済成長のプラス、マイナスにかかわらず医療費がどんどん増えていくというのは明らかであります。しかも、高齢者ほど病気にかかる割合は多いんです。また、病気の種類も何種類も、一種類には限りません。それは高齢者になればなるほどそうです。 ということで、私どもとしては、このまま今の状況をそのままにしていけば、じゃ、患者負担を引き上げませんよというとなると、結局、税金投入、保険料を今よりももっと引き上げよう、当然、薬価の問題も診療報酬の問題も出てまいります。そういうのを総合的に考えて、一部の三割負担だけを取って、これは痛みだ痛みだと。じゃ、三割負担しなければ痛みは来ないのかといったら、私はこれは大間違いだと思います。結局、これは先送りにしようと言ったら、借金も痛みなんですよ。 私は、そういうことから考えて、今の問題について、患者負担も保険料負担も税金負担も、だれかがどこかで給付を受ける限り、サービスを受ける限り、必ずどこかで負担しなきゃならないと。それは診療側もそうです。お医者さんも今までどおりにはいかぬということを考えて、今までも、薬価の問題も、同じ効能があるんだったらば余り高い薬を使わないで安い薬を使うようにしなさいという御指摘を受けて、順次もうそれは進んでおります。 そういう面において、私は一部だけを取ってこれは痛みだと言うのはいかがなものかと。しかも、三割負担といっても、百万円の負担を三十万円払えというわけじゃありません。今まで六万三千六百円という上限があります。ある面においては、今一千万、月一千万円掛かる医療費もあるんですよ。これ、全部国民が負担しているんです。 そういうことを考えると、一定の上限を設けて高齢者にも一割程度の負担をお願いする。同時に、今までの二割負担を三割負担に引き上げる。そういう総合的な見方からこの医療費の在り方を考えるということでありまして、一部を取って国民全体に痛みを与えると。たとえ三割負担を二割負担に下げようと一割負担に下げようとも、痛みはどこかで受けている。これを改革しない限り、国民皆保険制度が維持できないということも理解いただきたいと思います。
○平野貞夫君 ちょっとお答えがローテーションぎみになっておるんですが。 私、当然、国民の人に負担してもらわなきゃならぬ部分も当然あると思います。様々な根本的改革をしなきゃいけない問題も当然あると思います。しかし、これだけの国民負担をこの大事な経済の時期に何で行うかと、やるかと。しかも、抜本改革の目途もなしにというところに疑問を持っているわけです。 そこで、竹中大臣、坂口大臣がおっしゃっている一兆五千億円の国民負担増が経済全体にどう影響するか、そのシミュレーションをあなたは国民に説明する義務があると思いますが、お願いいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 医療、年金の制度を含む広い意味での財政が、マクロ経済とどのようにかかわっているのかと。このマクロ経済と財政の問題の関係を整合的に議論するというのが御指摘のとおり経済財政諮問会議に与えられた大変重要な役割であるというふうに思っております。 もちろん、医療の制度そのものは大変細かいですから、その細かいことを全部織り込んで計量的に算定するというのは技術的には無理なんでありますが、あえて申し上げれば、それでも今回の二割から三割への負担につきましては既にシミュレーションを行って公表しておりますということを是非申し上げておきたいと思います。これは、今年一月に発表しております改革と展望の参考資料として、内閣府のマクロモデルを使ったシミュレーションを行っております。 ラフに申し上げますと、一・五兆円というのはGDPの〇・三%程度でございますから、短期的にそのぐらいの圧力は受けるわけでありますが、それでも二年の集中調整期間を経て、日本の経済は本来の二%近い成長軌道に持っていくことができるというようなことを確認しております。同時に、そうしたことを通して、約十年で財政の基礎的バランス、プライマリーバランスを回復することも可能になるということを確認しております。
○平野貞夫君 非常に理論的に説明されましたんですが、私、これ国民感情として、国民の気持ちとしてあるいは国民の論理として納得できないですね。率直に言いまして、今、竹中大臣の御説明になった説は、権力のために真理を曲げるという、吉田茂さんが昔言いましたね、曲学阿世の徒、この論理だと思いますよ。 生活者の立場から、政治家としてのシミュレーションを私がしますと、私はエコノミストじゃないから細かいことは分かりませんが、医療費負担増の影響を受ける人数というのは今回約八千万人ですよ。その八千万人の人が一年間で、およそ三回旅行に行っているのを一回にするとか、そういう支出を抑えることによって年間十万円抑えたとしまして八兆円の消費抑制、支出抑制が起こる。それが第二次、第三次として波及していきますととんでもないことになりますよ。 それから、中小企業の負担増による設備投資抑制、そのほかいろいろな影響が大きいと思いますよ。しかも、極めて微妙で大事なこの経済の、曲がり角とは言いませんが、もっと悪くなるかも分かりませんけれども、そういう状況の中でますます消費を、消費不況、冷やして深刻化すること。不良債権の問題だって、商社の不良債権というのは特別検査の対象になっていないんでしょう、今まで。どんどん増えてくると思いますよ。アメリカの景気悪化も、これは心配の要素ですよ。 私は、この今の時期の国民負担増は国民生活を直撃して社会保障体制そのものを壊す可能性があると、私はそういうように申し上げておきます。これも反論要りませんから、時間がもう十四分しかありませんから。 そこで、坂口大臣、仮に一年間国民負担分を予算措置で対応するということになりますと幾ら掛かる計算でございますか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどお話がありましたように一・五兆円、これは掛かると思いますし、それによりまして、今度はこの改正を行うことによって影響するところもありますから、約二兆円ぐらいの影響と思います。
○平野貞夫君 一兆五千億円という数字はもう既に分かるんですが、影響するところがあって調整が要るので、あと、約二兆円といいますから、五千億という数字ですね、これはそうすると、この法案が成立すればこれは要らないんですか。
○国務大臣(坂口力君) 成立すればの話でございます。
○平野貞夫君 例えばどういうところに要るんですか。
○国務大臣(坂口力君) よく御存じでお聞きいただくわけで困るわけでございますが、やはり医療制度を改革をいたしますと、それによります影響というのは当然一時的には出てまいります。二割から三割というふうになりますと、一時的な抑制効果というのは当然起こってくる。ずっと続くというものじゃありませんけれども、一時的なそういう影響はあるだろうというふうに思います。
○平野貞夫君 坂口大臣の数字について私、意見を言いたいんですけれども、いずれ所管の委員会で精査した議論をしていただくことにします。 そもそも保険料率の引上げというのは、実質的に税金だと思うんですよ。したがって、増税と同じだと思うんですよ、これを上げるということは。 となりますと、骨太方針の第二弾では税制改革と社会保障制度改革というのは整合性を取るということを書いていますね、あれはなかなかいいこと書いておるんですが。ならば、やはり税制改革をやる、そういった総合的なものとまって、負担を、国民の理解を得て負担を求めるなりどうなり、それまで待つべきじゃないですか、坂口大臣。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどからも総理がるるお述べになりましたとおりでございまして、医療制度改革というのはどうしてもやらないと、これはそれだけだんだんだんだんと赤字がたまってくるわけですから、これはやらなきゃならない。全体の経済の中で医療というのは、社会保障と言ってもいいと思うんですが、これはちょっと格別だと思うんですね。 中には、非常にデフレだからこの経済の動向と合わせて医療の額も小さくしろ、大きな乖離のないようにしろと、こういう御意見もあるわけです。あるいは、インフレだから今度はそれに合わせていってもいいという意見もありますけれども、私は、インフレだからデフレだからといって、この医療に要ります額を大きくしたり小さくしたりは、これはなかなかできない。これは少し別のところに置かれたものであって、そのときそのときの経済の動向に合わせて大きく小さくはでき得ない、そう思っています。
○平野貞夫君 坂口大臣、私は、基礎的社会保障にかかわる医療の分は税金で賄ってもいいという論なんです。たしか大臣もそうでしたよね、新進党のときに。平成九年、二割負担を大臣は盛んに反対した。御立派でしたよ。しかし、今度はこれ提案者でしょう。私は政治家の良心というものを疑いますよ。問責に値しますよ、これは。 それから、ここのところ報道もあるんですが、もう七月の二十五日には厚生労働委員会で強行採決するなんという話がもう出ているでしょう。それから、正直言って参議院にも緊張感がない。この法律がいかに国民生活にどんな打撃を与えるかというのは分かっていない。国民の皆さん、これを成立させようとしている政党の人たちに大いに抗議してほしいと思いますよ。テレビはこっち側でございますから。 そこで、塩川大臣、仮に健康保険法の中に、附則にある二年間、約二年間で抜本改正をしようということなんですが、仮に二年間、現在のままで、財政措置で賄うということはできないんですか。税金で賄うということはできないんですか、この法案は廃案にして。
○国務大臣(塩川正十郎君) この問題は、概算要求のときに、去年の八月でございますが、厚生省、厚生大臣とは随分とこれはやり合った仲でございます。当然増をどうして賄うかということ、非常に苦況な状態でございました。したがって、そこの当然増は、もう初めからそこで七千億円を負担しよう、その上において一兆五千億円のどうしても当然増の負担をしていただかなきゃならぬ。それは一兆が保険料で五千億円が患者負担ということになって落ち着いたんでございます。そのときの議論の中でもございましたように、これは結局、保険制度を維持するためにはやむを得ない、もちろん全部税金でやれというんだったら話は別ですけれども。 この問題については、過日、もう十日ほど前でしたが、参議院の本会議で民主党の今井先生が質問されましたよ。私からもお答えをいたしました。でございますから、できるだけ予算の削減をして、不要なものを削減して福祉に回せ、これはもう我々もよく心得ております。努力いたしますけれども、当面、現在のところは、この制度を維持するためには、これは今回法律を通していただいて、後日の問題として、どの程度公的資金を注入していって当然増を抑えていくかという問題に議論をしていただきたいと思っております。
○平野貞夫君 いや、そこで、しょせんは財源の問題だと思うんですが、今日も出ていましたね、食肉連の補助金だとか薬価の問題とか、それから福祉なんかの補助金の在り方の問題。結局、先に、今の政権がずっと続けてきたこの予算の無駄遣いといいますか、あるいは不正、不法なものに対するチェックを先にやらなければ、私、いいアイデアは出てこぬと思うんですよ。 そこで、総理にちょっと乱暴な意見を申し上げますが、逮捕された鈴木宗男議員が国費、公費を党や派閥や個人に渡す。そのために口利き、丸投げ、談合などで結局国の予算を還流させていくわけですよ。今回、この実態が国民の目に、前に明らかになったわけですね。しかも、朝日の社説によると、私たちも反省しなきゃだめなんですが、国会、とりわけ自民党が犯罪者の巣と思われて恥ずかしくないのかという社説を書かれている。自民党と朝日でもめているみたいですけれども。 そこで、大胆に推定して、この鈴木宗男方式を中心に、予算の合法、非合法、不適正な使い方、私は一〇%は下らぬと見ているんですよ。一〇%はそういうものに結局は還流されておると思うんですよ。総理、どんな感覚ですか。今年の一般会計は八十一兆二千億ちょっとあったようなんですが、私はそういうふうに予算というものを見ているんですが、どういう御所見でしょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 小泉内閣の方針は、増税ではなく歳出削減で無駄な税金の使い方を徹底的に直すということであります。だからこそ、この不景気に歳出削減まかりならぬという大合唱の中で、昨年も予算削ってまいりました。今回もほっておけば、不景気だからもっと借金して公共事業やれという声が、既に聞こえてきますけれども、我々としては、増税よりも歳出削減が先だと、無駄な税金の使い道、これを徹底的にやるのが先だという方針で臨んでまいります。
○平野貞夫君 何だか結論が、小泉総理と私の結論が同じようになって、私ちょっと困るんですが。 ちょっと本質的に違うことを申し上げたいと思います。 塩川大臣、私、大臣にこんなことを申し上げるのは大変生意気なんですが、具体的に今にでもできる財源の捻出というのはあると思うんですよ。それを是非実行して、臨時特例としてこの健康保険関係のフォローをしていただきたいんですがね、一年なら一年、二年なら二年と限って。 それは、まず第一は公共事業の口利きをやめることです。本年度の公共事業費は約十九兆円。政治家の口利きリベートが五%が常識でしょう。これを計算すれば約一兆出ますよ、これやめさせれば。これ冗談の話じゃないですよ、やろうと思ったらできるんですよ。 それから第二、物価下落に伴う公共事業のコストを合理化すること。平成七年から十四年の四月まで建設資材は一〇・八%下落しているんですよ。これが公共事業の執行予算査定で生かされていない。民間に比べて極めて割高な公共事業が行われていると。例えば、二〇〇〇年発注の三重県内の、北川知事のいる三重県内の公共事業の、これは国と県の、国も入っていますが、公共事業の単価を民間の単価と比べた資料、情報があるんですが、何と約二倍、公共事業の単価が高いそうですよ。こういうのを一々チェックしてくださいよ。 それから、現在、公共事業で十五ぐらいの長期計画があります。その計画は、発足時、総投資額というのを決めて、物の高いときに、それを前提にして予算付けているんですよ。多少は変わるでしょうけれども。必要以上に経費を使い過ぎていますよ。こういうことが政治家の口利き、腐敗の原資になっておるんですよ、悪いけれども、今。これを是正するだけでも数兆単位の節約ができるはずなんですよ。 私は、決して公共事業を削減しろという方じゃないんですよ。それは現行を認めた上で、その適正化を、適切化を言っているわけなんですよ。必要な公共事業はやるべきだと思います。 小泉総理の言うのは、ここから違うわけですが、要するに自由党はそのために、一括交付金の交付に関する法律というので事業補助金の一括交付金化の法律を衆議院に出している。これは補助金を二割削減するのを目標にしていますが、現在やっても、今すぐやっても一割程度のものはできると思うんです。事業補助金約十七兆円としますと、一・七兆円ぐらいの削減ができるんですよ。歳入不足にもこういうことは断行しなきゃ駄目なんです。 ただ、これを断行するためには、公共事業のコスト高、補助金による陳情政治、こういうものを結局やめさせなきゃ駄目だ。となると、昭和三十年から四十年ごろまでは自民党はいい政策をやって国民を豊かにしたんですよ。ところが、ここ十年、何のことはない、国民の税金、国債という借金までしたものを還流させて、ピンはねして、自由民主党を中心に政治支配を続けていっていることをやめなきゃいけない。これが最大の問題ですよ。これらを改革することが私は本当の構造改革だと思います。 是非こういうことを断行して、健康保険の、これは国民の皆さんが困っている、その面倒を見てやってくださいよ。そして、その間に断行すればいいじゃないですか。ということを、総理、国民に訴えて、終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で平野貞夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、又市征治君の質疑を行います。又市征治君。
○又市征治君 社民党の又市です。 総理、あなたが重要法案だと位置付けた有事法制が、四十二日間も大幅に会期を延長してもなお、国民の反撃に遭って、衆議院で今、立ち往生の状況です。 なぜか。それは、これがやっぱり時代錯誤の、憲法停止をして戦争を準備する法制であるということ。そして、不況あるいは雇用問題の無策に加えて、今ほどもありましたが、国民に負担ばかりを押し付ける健康保険法の改悪が出されてきているということ。にもかかわらず、鈴木宗男氏や総理の盟友加藤紘一さん、そして前参議院議長の井上裕さん始めとした政治家の相次ぐ汚職にも残念ながらほとんどメスが入れられる、あるいはその腐敗をただしていくということに対して無策であるなどということに対して国民の不信や怒りが非常に高まっている、こういうことなのだろうと思うんです。今朝の新聞でも、そういう意味では、国の政治が不信だという人が八七%に達して、森内閣末期と同じレベルだというふうに伝えているわけです。この点については答弁は要りませんが。 そこで、一問目、総理は、今度の延長国会の際に当たって、政治倫理の問題も重要課題だと、こんなふうにおっしゃいました。今、参議院で与野党のあっせん利得処罰法の改正案、審議中であります。四野党は一致をして、政治公務員のすべての秘書をこの対象に加えるなど、九項目の改正を求めて今審議をやっているわけですけれども、今ここで一定の立法的な前進がなかったらば、本当に国会には政治腐敗の自浄能力というのは全くないんだ、こんなふうに宣言するにも等しいことになってしまうんだろうと思うんです。 総理として、また与党自民党の総裁として、この改正にイニシアチブを発揮する考えはおありかどうか、まずその点をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治不信を招くようないろいろな不祥事が噴出して、多くの国民もこの政治に対して不信感を持っている世論調査、私も憂えている状況でございます。 今回、今、委員が言われたようなあっせん利得処罰改正法案も今審議中でございますし、今までよりも一歩進んだ形でこの法案を成立させようということで努力しているわけであります。官製談合防止法、あるいは政治資金の在り方について一歩進んだものを出さなきゃいかぬと。 同時に、政と官との癒着の問題、本当に国家公務員、地方公務員が選挙運動なんかしていいんだろうかという、実際は政治的に中立であると、選挙運動はしてはいかぬということにもかかわらず、かなりルーズに扱われているんじゃないかという面もあります。これはもう与野党を通じてであります。与党だけじゃない。野党だって国家公務員、地方公務員に選挙運動させていいのかと、国民はおかしいと思っています。 そういう点も含めて、一歩でも二歩でも前進させるような方策を講じなきゃならぬということで鋭意、今検討し、努力をしているところでございます。
○又市征治君 私、今お聞きしているのは、あっせん利得処罰法の改正の問題を話しているんですよね。自分の都合のいい格好で、余りすり替えをなさらぬように。 特に、今、やはりあっせん利得処罰法、与野党の案を出し合って、そして今出ているのは、残念ですが、単に国会議員の私設秘書だけを今度の場合に増やそうと。この間、この場所でいろいろと参考人お呼びしました、与党側推薦人、野党側推薦人、委員長推薦人の。皆さん一致して、こんな秘書の問題について言うならば、地方議員や首長の私設秘書も全部これは加えるべきだ、こういう御意見ですし、一緒にそういうものが、幾つも一致したものがございました。 そういう点を、今、もうメンツにこだわっているときではない。そういう意味で、今、私申し上げているのは、総理がしっかりと、このあっせん利得処罰法を今度の国会でしっかりしたものが立ち上がるように是非イニシアチブを取ってほしい、このことを申し上げているわけです。 次に、時間がありませんから、移ります。 有事法制の問題ですが、まず初めにお聞きをいたしますけれども、冷戦時代よりもどこの国が一体攻めてくるおそれが増大をしたというのか。武力攻撃事態だとか有事だと、こう騒いでいるわけですが、そのことがまず明らかにされなきゃならぬと思います。唯一国交のない北朝鮮もその一つだというふうにお考えなのかどうか、これがまず第一点目であります。 ここに、私、実は六月二十九日の朝日新聞の切り抜きを持っているんですが、長年、日朝議連、そして拉致議連の会長をなさっておりました中山正暉議員の投稿がここに載っております。中山議員はこの中で、特に日本にとって何よりも今肝要なことは北東アジアの平和と安定だと、こう断言をされて、日朝の国交正常化を急ぐべきだ、こう明快に答えておられます。 そこで総理、戦争の備えをすれば戦争になる、平和外交の備えあれば有事の憂いがない、これは正に歴史の教訓、古今東西の歴史の教訓だろうと思います。それに伴って、平和外交こそが最大の備えだろうと思うんですが、この観点から、特にアジアの中における日朝国交正常化を最優先の外交課題にする考えはおありでないかどうか、お聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本としては、北朝鮮との国交正常化交渉に真剣に取り組んでいるということを常にいろいろなルートを通じて先方に伝えております。これは、拉致問題を取り上げていることにつきましても、国交正常化したいからこそ北朝鮮側も誠意ある対応をしてほしいというメッセージなんです。拉致問題を取り上げる、相手の気に食わない問題を取り上げるからこれはもう国交正常化なんか無理だよと言う方もおられますが、私はそう思っていない。むしろ、お互い嫌な問題も乗り越えて平和の道を探ろうじゃないか、対話の道を探ろうじゃないかということで、私は今いろいろ努力している最中であります。 今回の北朝鮮と韓国における漁船、艦艇の銃撃戦におきましても、私は先週、金大中大統領とも会談いたしましたけれども、金大中大統領も憂慮しておりますが、これは決して、北朝鮮を対話の場に引き出そう、国際協調の道を取ることが北朝鮮にとっても日本と韓国の上においても世界にとってもふさわしいんだということで、いわゆる金大中大統領が掲げている太陽政策、この原因によって銃撃戦が起きたのではない。確かに太陽政策という、支持する者にとってはこの太陽政策が傷付いた一面がある。しかしながら、太陽政策というもの、包容政策というもの、北朝鮮との対話路線はこれからも続けていくという金大中大統領の考え方に私も賛意を示しております。 そして、この問題は単に日本と北朝鮮だけの問題ではありません。韓国と米国といろいろな連携協力を取りながら北朝鮮との国交正常化に真剣に取り組んでいくことが日本の平和と安定のためにも大変重要であるし、北朝鮮半島のみならず、韓半島、あの地域、世界平和にとっても大変重要なものであるということを認識しております。
○又市征治君 一つ目の答えがなかったんですが、冷戦時代にあっても、戦争放棄を宣言をした日本が有事法制を検討すること自体が仮想敵国を刺激をして戦争になりかねない、招きかねない、こういう格好でタブーだったわけですね。これを変えるべき情勢や環境はどうなったのかということを先に聞いたわけです。 私は、その有事法制の準備よりも、日朝国交正常化を始めとした北東アジアの平和外交の推進を図って、そして、やはりこんな有事法制要らない、こういう方向に持っていくよう、まず撤回を求めて、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で又市征治君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて、経済、外交、防衛に関する集中審議は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会