予算委員会 第20号
- 発言数
- 236 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/05/27
会議録
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、これより外交問題及び政治倫理等に関する集中審議を行います。 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。 それでは、質疑を行います。野沢太三君。
○野沢太三君 自由民主党の野沢太三でございます。 小泉内閣が発足以来、一年余りを経過いたしたところであります。この間に、内外、実に多端でございまして、昨年の九月の同時多発テロ、さらには不審船事件、国内的にはデフレ不況の中でBSE問題等も発生し、また、今回は瀋陽の総領事館に五人の男女が侵入し、これが中国側に連行されるという事件が発生しているわけでございます。また、本国会開催中には政治と金にかかわる問題が生じまして、複数の国会議員の秘書が逮捕され、目下、司法当局によって調べが続いている、誠に残念な事件も出てきているわけでございます。 本日は、このうち外交問題と政治倫理にかかわる問題について集中討議を行うものでありますが、初めに、小泉内閣一年間の取組について振り返ってみたいと思います。 構造改革なくして成長なしの旗印の下に取り組んだ改革は、財政、金融、行政改革、社会保障等々多方面にわたっているわけでございますが、この予算委員会におきましても、国債の発行枠を三十兆の枠内に収める、これを堅持して改革断行予算を組むということができまして、三月二十七日ということで、年度内にこれを成立させることができました。ここで財政規律を維持しながらのめり張りの利いた予算が組めたということは有り難いことと考えております。 また、金融面につきましても、引き続きの緩和政策を徹底しまして、貸出しの資金枠を拡大し、ペイオフにつきましても、大変な議論がありましたが、これも乗り切ってきたところでございます。 五月の月例経済報告によりますと、「景気は、依然厳しい状況にあるが、底入れしている。」と、久しぶりに明るい宣言も打ち出されたわけでございます。確かに、先行指数八〇%というレベル、さらには一致指数が五六%と、統計上では明らかに改善が見られますが、これが更に消費の拡大を呼び起こしたり、我々の実感が伴うような雇用の改善等につながる改善を期待するところでございます。 特殊法人の改革につきましては、廃止若しくは民営化、さらには独立行政法人へ移行する等の改革が着々と進められまして、差し当たり補助金を一兆円減額してこれを予算化するということもできたわけでございます。 しかし、小泉改革もいよいよ総論から各論へ、一般論から具体化へと進めるときに差し掛かっておりまして、改革を実現するためには、重要法案が山積の今国会でございますので、あとう限りこれが実りあるものとなるために、与党として引き続き努力を重ねてまいりたいと思うわけでございます。 それでは、本委員会の本日のテーマでございます外交問題に議論を進めてまいりたいと思います。 去る五月八日に発生しました五人の男女の瀋陽総領事館に駆け込みがございました事件につきまして、日中の当局が交渉を重ね、関係各国の協力をいただきまして、五月二十二日、中国を出国し、フィリピン経由で韓国に入ったということでひとまず決着をしたわけでございますが、この間、大変な反響が日本のみならず全世界に及んだことは御案内のとおりでございます。 五人の関係者に対する人道上の配慮を最優先に交渉を重ねた結果として評価されるものでありますが、ここでしかし、交渉に当たりました外務当局の御苦労は並々ならぬものがあったと察するところでありますが、この事件は多くの課題を残したままになっております。あのビデオをごらんいただきましても、泣き叫ぶ婦人、そして立ちすくむ一人の幼女、この映像を見たときに、だれが見てもこれは納得ずくで、同意ずくできた話ではない。やはりこのことからいたしましても、しっかりとこれから外務省には取り組んでいただかなきゃいかぬ。 これまでの交渉経緯の中でどのような主張をなさったのか。当初は主権侵害並びに陳謝要求と、こういうことで臨んだはずでございますが、その交渉経緯について要点を御説明いただきたいと思いますが。
○国務大臣(川口順子君) 我が国といたしましては、この瀋陽総領事館事件が発生をいたしました直後から中国に対しましては、中国側の武装警察が総領事館に立ち入り、そして五名を連行したことに関しまして現地当局に対しまして抗議を行うと同時に、外交ルートにおいても様々なレベルで、私も行いましたけれども、中国側に抗議をいたしました。その後、その過程で我が国の立場というものを毅然として説明をし、主張し、抗議をしてきたわけでございます。 その上で、中国側との協議の過程におきまして、まず関係者五名に対しての人道上の要請が満たされるということが最優先であるという考え方を中国側に伝えました。そして、問題の早期解決を目指したわけでございます。 中国側はその決定をいたしまして五名の出国ということをしたわけですけれども、それに関しましては、日本側からの申入れ、中国の国際社会に対する配慮、また国際社会の様々な動き、そして、そういったことに配慮があって中国は第三国へ三人を出国させるという決断をしたのだと思います。これは、今まで中国は大使館に入っている人たちを第三国へ出国させるということはありましたけれども、中国側の官憲が捕捉をしている人を第三国に出すというのは実に初めてのことでございます。 また、さらに、事実認識の問題につきましては、これは日中間で立場に相違がございます。中国側によって我が国の総領事館の不可侵を侵されたということにつきましては、我が国の主張を毅然として貫きながら、日中間の大局を踏まえて、引き続き冷静に対処をしていきたいと考えております。
○野沢太三君 あのビデオを見た人はひとしく、これが決して同意を得て行った連れ出しだとはだれも恐らく思わないと思います。そして、この問題は、明らかに総領事館、領事館立入りについては当事者国の同意必要というウィーン条約三十一条違反であるということは明々白たる事実だと思うわけでございますが、人道上の解決を見たことは一応ここは一安心とはいうものの、この点については今後とも引き続き粘り強い交渉をしていく必要があると思います。 ただ、一部報道によりますと、この問題については棚上げをしてしばらくは触れないんだというような話もあるわけでございますが、やはりこれは折に触れ、また機会を見て、どのような形であれ我が方の主権がしっかりと担保される交渉の仕方を工夫していただきたいと思いますが、これからの交渉についての御意見、お願いしたい。
○国務大臣(川口順子君) この点につきまして、ウィーン条約三十一条に基づいての我が国の不可侵が侵されたということはおっしゃるとおりでございまして、この点について中国との認識が違うということになっておりますけれども、中国に対しては我が国の主張を毅然として貫きながら、日中の関係の大局を踏まえて冷静に対処をしたいと考えているわけでございます。
○野沢太三君 五人の皆さんに対する身の上調査、事情調査等がどうしても現地でできなかった。結局、韓国に入ってから寺田大使があいさつ程度の聴取をしたということですが、今後ともまだ機会はあろうかと思います。工夫、努力を重ねていただきたいわけでございます。事前通告だけは向こうも守ってくれたようでございますが、まだまだこの問題についてしっかりと我が国の立場を主張する必要があろうかと思うわけです。 そして同時に、少なくともあの地区、瀋陽地区につきましては数万人とも言われる脱北者が存在しているという報道もございます。今回もNGOの皆さんはそれを事前に察知して援助をしたり、あるいはプレスがカメラを構えたり、こういったことであの映像が出てきたわけでございます。もし仮にあの映像がなかりせば、一体この五人はどうなったか、肌にアワの立つ思いがするわけでございますが、こういった事態を踏まえまして、今後、再発防止としてどのように取り組んでいかれるのか、この辺についてのお考えを聞かせてください。
○国務大臣(川口順子君) まず、韓国に対しましては、この五人の方とお話をしたい、関係者から話を聞きたいということで、先ほど委員おっしゃられましたように、空港で寺田大使が短時間お会いしたということに加えて、韓国政府には話を聞きたい旨申し入れてございまして、時期を見まして、関係者の方がまだ落ち着いていないという環境、身の回りの環境上の問題もございますので、時期を見まして話を聞きたいということで韓国側と現在調整をいたしております。 再発を防止をするというのは、本当に、今回様々学ぶところが多かったこの事件の中で今後に生かすべき最大の点は、その再発をどうやって防止をするかということでございます。この点については既に幾つかの措置を取っております。 まず、公館の警備について万全を期すとともに、十分な人道的な扱いが行われるように、今後の対処ぶりについては広く在外の公館に、関係の公館に広く指示をいたしております。ただ、この対処ぶりの具体的な内容につきましては、関係者の安全あるいは公館の警備にかかわることでございますので、恐縮ですが公表は控えさせていただきたいと思います。 それから、再発防止策といたしまして、まず意識面でございますけれども、今回の在瀋陽総領事館においては、危機意識が、ああいう状況であるにもかかわらず、あるいはあったがゆえにかえって慣れがあって、意識面で危機意識が非常に希薄であったと、これは言わざるを得ないと思います。外務省といたしまして、この点については猛省をいたしておりまして、具体的な措置を取っております。 それから、今回のような緊急事態にありましては、何よりもその在外公館の長が責任を持って率先して陣頭指揮をしなければいけない、これは当然のことでございますけれども、この点につきまして改めて訓令をいたしました。 それから、在外公館の館員あるいは職員において、一人一人が危機意識を持って、館長の下で、指揮の下で相互に連携をして対応するという、これも当たり前のことでございますけれども、そういった意識や認識を持つように必要な改善の措置を講じております。 その一環といたしまして、種々の研修、これは外務省の人間、それから他省庁から来た者も含みますけれども、において、在外公館に勤務するに当たって必要な知識、特に外交関係ウィーン条約及び領事関係ウィーン条約についての研修を更に充実する、及び今回の事件のケーススタディーなどを導入しまして、緊急事態の対処について周知を徹底をするということを考えております。 それから、警備面、連絡体制についてですけれども、今回の事件の反省を踏まえまして、瀋陽総領事館等の関係の公館に対しましては、警備員の増員、監視カメラの増設及び録画装置の設置を含む警戒態勢の見直し、拡充を指示いたしました。 また、全部の在外公館に対しまして、警備マニュアルの見直し、緊急時の指揮命令系統及び連絡体制等を点検をするとともに、ハードの面、設備面につきましても、監視カメラ、録画装置を適切に装備をする、配置をするということ。それから、国際電話に、携帯の電話の国際通話機能につきまして、発信も受信もともに装備をするということを着手いたしております。及び、在外の公館が連絡面で緊急時に適切に対応できるように、在外公館で訓練を実施していくということも検討をすることといたしております。
○野沢太三君 我が党内でも再三にわたって外交関係の合同会議を開きまして、この事態にどう対応するかと。その中で大きなやはり意見として出てきておりますのが、対中国に対する我々の付き合い方、特にODAについて大きな意見が出てきておるわけでございます。 これまで中国には第一級のODA援助をやってきたわけでございますけれども、これはもうこの事態に至れば削減すべしとの強い意見がございます。確かに、客観的に見た場合に、軍事大国、あるいは核兵器を持って、ミサイルを持っているような国、しかも途上国に対して多額の援助を既に自らやっているということになってまいりますと、私どもの有しておりますODAの運用大綱についてももう当てはまらないんじゃないかと、かように私も感ずる次第であります。 しかも、最近の経済発展の状況を考えますと、もう中国に対しては、援助よりもむしろ民間投資へ切替えを進めまして、市場を共有するパートナーとしての付き合い方があるんじゃなかろうかと。ただ、奥地その他、実態を現地で見聞をいたしますと、環境問題とかあるいは人道上のテーマについてはまだまだ必要性もあろうかと思いますので、そういった点につきましては、選別をする中で、基本的にこのODAについては見直すときが来ていると、かように思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) 中国に対するODAの供与の在り方につきましては、実はかなり前から問題意識を持っておりまして、今までのところ、これから申し上げるようなことをいたしております。 まず、中国の援助の需要、経済社会の状況、日中の二国間関係を総合的に判断して対中経済協力を実施するということでございますけれども、昨年の十月に、中国のそういった事情、それから我が国国内の様々な意見を踏まえまして、対中国経済協力計画、経済協力計画というものを策定いたしまして、現在、対中国ODAはこの計画に基づいて実施をしていくことといたしております。 平成十三年度の中国に対する円借款につきましては、この計画の趣旨を踏まえまして既に慎重に検討をした結果、前年度比約二五%の減と、減らすという措置を取っております。中国につきましては、ありとあらゆる機会をとらえまして、中国側がODAの大綱、我が国のODA大綱についての理解、認識を深めてもらうように努めるということとともに、軍事費の問題を含めた国防政策の全般及び第三国援助に関する透明性を向上させるように引き続き働き掛けていきたいと考えております。 それから、委員御指摘の民間投資へのシフトの件でございますけれども、対中国経済協力計画は、一つの重点分野といたしまして民間活動への支援を挙げております。我が国の企業が中国において円滑に企業活動を展開していくことができますように環境整備が重要でございますので、その環境整備のための支援を行っていくということが大事だと思います。 具体的には、例えば、中国はWTO加盟をいたしますけれども、知的所有権の保護政策の強化が重要でございますので、こういった中国側の基盤整備の努力を支援していくということが日本の企業の円滑な中国における企業活動の展開につながるということで、この支援を行っていくことが一つの例でございます。 それから、円借款において我が国の優れた技術が活用される、そういった案件の積極的な発掘に留意をいたしておりまして、そのために主契約を原則日本タイドにいたします本邦技術活用条件、これを効果的に運用していきたいと考えております。
○野沢太三君 しっかりとやはり私どもは中国との付き合い方を時代に応じ、経済の発展、そしてまた、こういった政治的な事件を見ながら固めていかなければならないと思いますが、当面、とにかくこの事案、在外公館の警備、有事の状態、これに対して適切な対応をするということが何よりもやはり大事だと思います。 今回の事件の経過を見ますと、隣にアメリカ大使館があり、そして隣に、そこに隣り合って日本の大使館がある、どうも警備が日本の方が手薄なようだ、入り込みやすいということで、三日前に予定を変更して飛び込んだ、こんな報道もあるわけでございまして、これを考えますと、やはり有事のときにどう対応するかというふだんからの備えが何よりも大事と思います。 扉が開いていたとか、あるいはあのビデオの中にもございますように、出てきた副領事の皆さん、誠にのんびりとしている。もう目の前で泣き叫ぶ女性や子供がいるのに何とかそれを体をもって守ってやるとか、引き離すとか、話合いに持ち込むとかいうことがなぜできなかったのか。これはもうふだんからの結局訓練ができてないんじゃないかと思います。 今度、ウィーン条約というのを私もつぶさに拝見しますと、七十七条を超えるこの条約、これをどれだけあの館員の皆様が理解し、それについて備えておられたのかと誠に疑問を感ずるわけでございます。 そして、更に申しますと、総領事若しくは大使等の指揮官の存在感が誠に手薄といいますか、存在感がない。一体何をしておられたのかな。これに対するやはり外務本省からの御指示も含め、これからの公館の在り方について、もう一度ひとつ大臣からお話を聞きたいと思いますが。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃったこと一つ一つ、正におっしゃるとおりだと私は思っております。ビデオなかりせばというふうにおっしゃられましたけれども、本当にビデオがなかったらば、そういった状況を例えば私が自分の目できちんと確認するということも恐らくなかったわけでございますので、これは外務省猛省の上、私としてはできるだけの改善策を講じていきたいと思っております。 細かい具体的なことについて先ほど申し上げましたので繰り返しませんけれども、やはり公館の警備について万全を期するということ、それから十分な人道的な扱いがなされるように今後の対処ぶりをきちんとしていくこと、この二つをきちんと踏まえて今後の対処をするということが重要だと考えております。
○野沢太三君 そういう意味で、是非ひとつこれからも、まず自らが姿勢を正すというのと同時に、在外公館ですから在留邦人なりあるいはNGOなりプレスなり、そういった皆様との情報交換を密にしていただきまして、NGOについてはパートナーとしての役割を十分発揮していただくようにしていただくことが極めて重要だと思います。 どうもこれまでの外務省の対応を見ますと、NGOについては必ずしも自分たちの仲間だというんでなしに、どうも付き合い方がいま一つ十分でない。これはアフガニスタンのときの例もございますけれども、今後のやはり行き方としては、諸外国の例を見ましても、十分この皆さんの立場あるいは情報、そして能力を活用していると拝見をするわけでございます。よろしくお願いをいたします。 続きまして難民問題に入りたいと思いますが、今度の阿南大使の発言等の状況からいたしましても、日本の国の全体としての難民対策、難民政策がどうも少し時代にもう合っていないんじゃないかと、こういう印象を受けるわけでございます。 そこで、今、日本が難民条約加盟してから二十年近くなるわけですが、この中でこれまでどのように対処してきたか、その実績等について森山大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) お答えいたします。 昭和五十七年に我が国の難民認定制度が条約に基づいて発足いたしましたわけでございますが、以来、平成十三年までの難民認定申請者の数は合計二千五百三十二人でございまして、難民認定数は合計二百九十一人となっております。 平成十三年について見ますと、申請者は三百五十三人でございまして、認定数は二十六人でございますが、難民として認定されなかった者でも人道的な配慮から在留を認めるということをいたしておりまして、その数が六十七人ございました。このように、平成十三年の場合、難民と認定した者と実質的に庇護した者の合計は九十三人に上っております。 このほかに、我が国は昭和五十三年以降、インドシナ難民の定住受入れを継続的に行っておりまして、これが今も続いております。平成十三年にも百三十一人を受け入れておりますが、平成十三年末までにはこの枠では定住受入れをいたしましたインドシナ難民が合計一万七百九十七人に上っております。
○野沢太三君 よく分かりましたが、相当慎重にやっておられるというイメージでございます。これは、やはり法律あるいは申請された証拠に基づいての審査と思いますが、いわゆる国連に関係しております各国、特に先進諸国等の実績等に比べるとけたが一つ二つ少ないように思われますが、国際的な比較で見たらいかがなものでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 難民認定の申請につきましては、従来から国際的な取決めであります難民条約にのっとりまして個別に審査をし、難民として認定すべき者は適正に認定しております。 我が国の難民認定状況につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございますが、平成十二年におきます我が国の難民認定率、申請者の中でどのぐらいが認定されたかという割合でございますが、これは約一四%でございます。これは、イギリスの一二%、ドイツの一五%、オランダ七%、スウェーデン二%などと比較いたしましても決して低いものではございませんで、現に国際機関でありますUNHCRからも、UNHCR及び国際的な基準によっても満足のいくレベルに達していると評価をされております。 ところが、諸外国に比べて我が国の認定基準のハードルが高いとよく言われるわけでございますが、この点につきましては、我が国におきましては難民の出身国とのかかわりが歴史的に乏しい、あるいは言葉が違う、あるいは我が国が難民の出身地域とは大変遠いところにあるというようなことから、我が国への交通手段が海とか空とかに限られておりますことから難民認定の申請者がまず少ないということが基本的にございます。 したがって、日本が特にハードルが高いというわけではございませんで、そのような御批判は必ずしも当たっていないと思われます。
○野沢太三君 確かに、先進三十八か国で申請の一二%という数字もここにありますが、それに比べたときに、率で見ればそこそこの数字になっているけれども、けたがとにかくもう全然違うということでございますが、日本の難民受入れ対策、体制というものが難民鎖国日本とか、あるいはかたくなに門を閉じているとか、こういう批判なり意見がどうしても出がちになっている。それに加えて、この間の阿南大使のような発言が出てきて、引きずり出せというようなこと言ったか言わぬかこれよく分かりませんが、こういうことではやっぱり日本自身が難民に対して、誠に後ろ向きだというふうに言われる原因になっているんじゃないかと思うわけでございます。 その意味で、これ、難民は国内での査定というのが基本になっているようですが、在外公館にこういった申請が来た場合どういうふうにしていくのか。これについては、これは法務大臣、よろしいですね。
○国務大臣(森山眞弓君) 亡命者ということがよく言われますけれども、亡命者というのは難民のように確立した定義があるわけではございませんが、一般論として、当該在外公館で我が国にいわゆる亡命を希望しました者が、渡航証明書等の渡航文書を得まして我が国に入国いたしました場合にはその上陸を許可した上で、その者が難民認定申請をした場合には個別に審査の上、その者が難民に該当する条件に当たっているかどうかということをよく審査いたしまして、該当する場合は難民として認定するということになりますし、それ以外の場合でも、さっき申し上げましたように、人道的な観点から適宜の在留資格を付与するべきものと認められるときには日本での在留を許可するということにもなるわけでございます。 なお、我が国の在外公館におきまして、その人が直接第三国への亡命を希望した場合には、基本的に法務省が関与することではございませんが、仮に我が国を経由して第三国へ赴くときには、必要に応じてその上陸を許可するという所要の措置を取っております。
○野沢太三君 UNHCRの難民白書によりますと、日本の難民政策につきましては、庇護申請に大変厳しい時間制約、六十日条項というのがございますね、六十日以内に申請しなくちゃいかぬ。しかも、並外れて高水準の立証責任が伴う。迫害されている状況を分かるような資料を出せと、これはなかなかそう簡単にいくものじゃない。 そういった事態からいたしましても、私どもとしては、この際、国際社会並みの評価水準なり審査基準というものに見直していく必要があるんじゃないかと思いますが、これはやはり相当各方面の御意見をいただく必要もあろうかと思います。これについての御意見をひとつよろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 国際水準並みのというふうに今おっしゃったんでございますけれども、最近の国際水準あるいは国際的なやり方といたしましては、どちらかといえば今までよりも厳しい方向に向かいつつあるように感じております。最近、いろいろな国際政治情勢の変化から、難民の申請をする人が特にヨーロッパ諸国には多うございまして、その中には難民を偽装して申請を行うという者が増えておりまして、それがかえって的確かつ円滑な難民認定制度の運用を阻害するというような問題が出ておりますので、このような者を排除するために、法律改正を含め厳格な対応が取られるようになっていると私は感じております。 例えば、英国におきましても、一九九九年に法律改正が行われまして、虚偽申請とか虚偽申請の幇助等に対する罰則の厳格化が行われ、また、ドイツなんかにおきましても、移民の申請に、特別な場合を除いて、難民・庇護申請を行った者が就労を目的とする移民申請に変更することを認めないなどの措置が盛り込まれました。イタリアにおきましても、不法入国を犯罪化いたしまして、逮捕後四十八時間以内に追放するというようなことが決められておりますし、一般的に、その国の政治情勢あるいは失業情勢、犯罪等の社会問題などによりまして、今までのやり方をもう少しきちんと厳しくしようという傾向でございます。 それらの傾向に比べますと、日本の、今、比較的きちんとまじめにやっているわけでございますが、そして、そのほかに人道的な見地から特別在留を認めるというようなことも併せ考えますと、決して日本の基準が特別に高いとか難しいとかいうことはないというふうに思っておりますが、しかし、先生御指摘のように、この国際化の時代、非常に国際的な交流が大きく、多くなっております現在でございますので、昭和五十七年以来やってまいりましたこのようなやり方がこのままで必ずしもいいというふうに断定はできないと思いますので、これからの未来を見据えた今後の入国管理の在り方というものを検討していかなければいけないというふうに思いまして、たまたま法務大臣の諮問機関として、私的な諮問機関としてございます出入国管理政策に関する懇談会というのがございますので、その場をおかりいたしまして、特に専門部会を設け、新たな検討をしたいというふうに考えているところでございます。
○野沢太三君 ヨーロッパは、戦後、労働力不足等を補う意味で相当大幅に難民を受け入れてきたこの経緯がございますが、その結果が、今回、フランスの大統領選挙に見られますような極右の台頭というような政治問題を引き起こしている。そういったこともこれは響いているかとは思いますが、経済難民はむしろ締め出して、政治亡命なり政治的な迫害を受けるおそれのある方は受けるんだと、あるいは技術のある人については配慮すると、こんな動きが出ていることは私も伺っておるところでございます。 ドイツ辺りでは、基本法まで改正してそういった傾向を法的にも裏付けるというような状況にございますが、何しろ四十万人も年間受け入れていたような国でございますから、そういったことからいたしましても、これはまたやっぱりやむを得ないのかなと思いますが、是非ひとつ経済難民、それから政治亡命、これらについての判定を前向きな形でしっかりひとつ取り組んでいただく、これがやっぱり大事ではないかと思うわけでございます。 小渕内閣のときでございましたけれども、外国人が日本に住んで働いてみたいと、そういった二十一世紀日本の構想というのを打ち出してきておるわけでございます。この中でいろいろ議論がございますが、最近出ました国連の報告書によりますと、今、先進国、特に日本で進んでおります少子高齢化の対策といたしまして、日本の十五歳から六十四歳、いわゆる生産年齢人口をこのまま維持しようとするならば、百万人当たり五千百人ほどの移民を入れなければそれが維持できない、これは計算すると年間六十万人に相当する数字になるわけでございます。 過日、一・五三ショックというのがございましたが、今、日本の合計特殊出生率は更に落ち込んで一・三とか四、そこまで行っているわけでございますけれども、この一・五三の段階である学者が試算をいたしますと、百年たつと日本の人口が半分になる、更に八百年たつと東京ドームの中にみんな入ってまだ余席が出ると。これは全く仮定上の計算ではございますけれども、この少子高齢化時代の労働人口に対して、これから国民合意を得ながら、移民なり難民なりということで対応できる部分があるんじゃないかと。これはしっかりひとつ取り組んでいただきたいと思いますが、お考えありましたらひとつお聞かせください。
○国務大臣(森山眞弓君) そのような考え方があるということは私もよく承知しておりますが、一方におきまして、日本に入ってきた、あるいは不法にそのまま滞在を延長している人々の中に、日本の治安について大変心配なことをする人たちが少なくないということも実情でございまして、日本の労働問題あるいは人口問題の解決も非常に大事なことであることは確かでございますけれども、だからといって、ただ数を増やせばいいというものでもなかろうと思います。 日本の社会の治安、あるいは安心して暮らせる社会の保持ということも、また別の意味で大変重要な課題でございますので、その両方の必要性を満たしていくにはどうしたらいいかということは、これは単なる入国管理の政策だけではなくて、政府全体として考えるべきことではなかろうかと思います。
○野沢太三君 確かに、最近の犯罪の発生状況等を見ますと、大変外国人による犯罪が多発しているということもこれまた否定できない事実でございます。そういった事案も考えながら、なおかつ外に向かって開かれた日本ということは避けて通れない課題であろうと思いますので、しっかりひとつ取り組んでいただきたいと思います。 それではもう一つ、今度は外務大臣にお伺いをいたしますが、北方四島に対する支援委員会の在り方についての御議論が進んでいるわけでございます。 この北方四島の支援委員会というのは、今回、不祥事の大きな母体といいますか問題を引き起こす原因を作っているというふうにも言われておるわけでございます。この委員会の在り方について、既に外務省におきまして作られた専門家会議におきましては廃止してやり直すと、こういった方針も打ち出されているというふうに伺いますが、北方四島そのものはこれからも付き合いとしては大事にいたしまして、特に今、尾身大臣も現地に行っておられますけれども、やはり人道支援措置、さらには必要なインフラの援助も含めて続けなければならない。北方四島が返ってくるために何よりも大事なことは、やはりあそこに住んでいる皆さんが日本と一緒になってもいい、あるいは返してもいいんだという気持ちにならない限り、なかなか本国が動かない、あるいはサハリンが動かない、これがあろうかと思うわけでございます。 中山大臣のときに始められましたビザなし交流が着実にその意味で効果を上げていることもこれまた事実でございますので、この北方支援委員会のやっておりました仕事を何とかひとつ継続していく方向で何らかの機関がこれを受け持ってやる必要があるんじゃないかと思いますが、どこでやるのが適切なのか、これについて、大臣、お考えありましたら聞かせてください。
○国務大臣(川口順子君) 支援委員会の在り方につきまして様々な問題があったということは全くそのとおりだと思います。 この新しい姿につきまして、どういう形でやっていくのがいいかということを、委員も今おっしゃられました専門家会議、この場で御提言をいただきました。それによりますと、支援委員会を廃止をするということが出ているわけでございまして、私としても支援委員会は廃止をするべきだと考えております。 そのときにどういう形で事業をやっていくかということでございますけれども、これは今考えているところでございまして、検討の段階であるということで、今こういう形でということは申し上げられないのですけれども、支援委員会については、これを国際協定でロシアが合意をしてくれる、ロシア、ほかの締約国が合意をするということも必要でございますので、その作業も廃止の前には必要だと思います。 支援委員会は、北方四島の人道的な支援に加えまして、ロシアの市場経済化のためのその支援、それからロシアの人道上の支援ということをやっております。したがいまして、そういったことをどういう形でやっていくのがいいかということは正に今検討中でございますが、いずれにしても、十分に透明性を持った、問題が再発しないような枠組みを作るということが大事であると考えております。
○野沢太三君 いずれ、いずれかの機関でこの仕事を継続することになろうかと思いますが、その際、是非ひとつ配慮していただきたいことは、今回問題が出た中身を見てみますと、ほとんどこれノーチェックで仕事が出ている。内部監査も外部監査もほとんど行われた形跡がない。この状態では、だれがやってもこれ間違いが起こるかと思います。何としても、その意味で、内部監査、外部監査を含めまして、これを、仕事を適切に行うんだという体制を組み込んだ委員会システムにしなければならない。 国際機関であるとすればODAの場合についてのやり方もあるわけでございまして、私どもも現場で仕事をしていたころは、会計検査院が年に一遍来るというだけで書類の作成から積算の仕方から契約の在り方までもう非常に気を遣って、いつおいでいただいてもきれいに説明ができると、こういうつもりで取り組んできた記憶がございます。その意味で、是非、今回もそのような仕組みを付けたシステムにしていただきたいと思いますが、御意見いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 正に今、委員が御指摘になった点が新しい制度を考える上で一番基本にあるべき点であると私は思っております。きちんとした監査制度があるということはもちろんでございますし、それ以外にも可能なチェック体制というのを組み込むということが、そして十分な透明性を確保することが一番の根幹の部分だと考えております。
○野沢太三君 それでは、今国会で最も問題になりました政治とお金の問題について議論を進めてまいりたいと思います。 衆議院におきまして私設秘書の口利きによります脱税事件に端を発しまして、秘書の給与や政治とお金の在り方をめぐり多数の関係者が司直の手を煩わしているわけでございます。参議院におきましても、最高権威たる議長が辞任をされ、また議員辞職の状況に立ち至ったということは誠に痛恨の極みでございます。 過去においても、ロッキード事件あるいはリクルート事件等々、幾つかの不祥事が発生し、その都度我々は襟を正し、政治改革を進めて今日まで来たわけでございますが、いまだ私どもの取り組んだ政治とお金にかかわる改革は道半ばであったと言わざるを得ない状況でございます。 私ども、今ここで改めて事態を直視いたしまして、必要な改革に取り組み、信なくば立たずの原点に立ち返りまして、政治に対する国民の皆様の信頼を回復しなければ未来はないと考えるわけでございます。この改革は、どのような痛みや困難がありましても、政治がやはり自ら率先して取り組まなければ解決の道はない課題でございまして、どんなに批判を受けましょうとも、まず我々自身がその気になることが第一であると、かように思うわけでございます。 これまで金の掛からない政治を目指しまして、サービス合戦をやめるために公職選挙法を改正しまして小選挙区を導入する、あるいは支出を減らすためにも寄附行為を禁止するとか慶弔の費用を縮減する、虚礼の廃止を行う等々の改革をやってきたわけでございます。また、入る方の規制といたしましては、企業献金に上限を設ける、あるいはこれを透明化するようにきちっと制限を付ける、個人に対する企業献金を禁止する等の措置も講じてきておるわけでございます。 また、連座制を強化いたしまして、運動の責任者の行き過ぎを抑える、こういった点でも相当なこれ効果が上がっているんじゃないかと。今国会には、あっせん利得に関する私設秘書の在り方について、これがどうも落ちていたんだということで、これが既に議員立法で衆議院には提出されておるわけでございまして、これについてもどうしても通していく必要がある、これは大きな課題と考えておるところでございます。 これまで効果が、まだまだ途中段階とはいうものの相当多くの改革をやってきておりますが、我々自身にしましても、資産公開を始め、あるいは我々自身の政治の進め方についてできるだけオープンにしようということで進んでまいったわけでございますが、その一つの成果が、明るい金の掛からない選挙を目指してということで、平成二年以降、公職選挙法あるいは政治資金規正法で取り組んできた課題がたくさんございます。 これら一連の出入りの規制と腐敗防止に対する効果、相当効果が上がっているかと思いますが、いまだ道半ばということで、今後引き続きの努力をしなければならない。担当のひとつ片山大臣に御感想を伺いたいと思いますが。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、野沢委員が言われましたように、あれ、リクルート事件というのは昭和六十三年なんですね。あれから今日まで十五年間見ましても、今言われましたように、いろんな金の掛からぬ選挙で選挙制度や政治資金制度を直していますね。 平成元年が出の規制ということで、例のいろんな寄附をやめたり、年賀状も出せなくなったり、そういうことをやりました。平成四年に今度は入りの規制と透明化ということで、今言われましたように、政治資金パーティー等のいろんな規制をやりましたですね。それから、平成六年に政治改革四法案通しまして、衆議院の方は小選挙区比例代表並立制を導入いたしましたし、政治資金規正制度でも、例えば公開基準を大幅に引き下げるとか、上限を設けるとか、連座制を設けるとか、いろんなことをやったわけでありますが、政党助成制度もあのときできたんですね。それから、その後も、平成十一年には例の政治家個人の資金管理団体に対する企業献金を禁止しましたし、十二年はあっせん利得罪と。 こういうことで、私は、この一連の十五年の改革を見ていますと、相当そういう意味では金の掛からない政治、選挙を目指して変わってきたなと、こういうふうに思っておりますけれども、それじゃ、そういういろんな問題が一切ないかというと、そんなことはないのが大変遺憾でございますが、今後とも、委員の言われるように、引き続いてみんなで努力していくと、こういうことが必要だと考えております。
○野沢太三君 今お話がありましたように、とにかく問題が起こる都度私どもは一つ一つ解決する以外にない、抜け穴があればそれをふさいでいく、落ちがあればそれを加えていくと、こういう必要があろうかと思いますので、何としても今国会で提出されておりますあっせん利得処罰法についてはこれを通しまして、国民の皆様に我々も一生懸命やっているんだというあかしを立てる、これが大事だと考えるわけでございます。 そこで、総理もお見えでございますが、今日は千鳥ケ淵への御参拝、誠に御苦労さまでございました。今日は予算委員会、外交問題並びに政治倫理についての集中審議をやらせていただいております。そこで、是非総理にお伺いしたいために、外交問題一問、大事なことを取ってございましたので、これをひとつさかのぼりましてお伺いをいたしたいと思っております。 瀋陽総領事館に五人の男女が駆け込んで、これについては人道的配慮を優先した当面の解決ができたわけでございますが、何としても、やはり主権を損なったという点は問題が残っておると思いますので、これについては毅然とした交渉を今後ともやっていただくということがどうしても必要だということを先ほども御指摘させていただいたわけでございます。 しかしながら、一番大事なことは、日本の本来の難民政策の在り方がやはり十分今の時代に合っていないんじゃないかと、この点も申し上げたわけでございます。難民政策をこれからどうするかという点については、外務省におきまして有識者を交えた懇談会等を開きまして広く国民の皆様の御意見を聞けと、こういう総理の御方針に沿っての準備が既に始まっておるわけでございますが、もう少し長い目で見た難民政策の在り方といたしまして、総理、この間、東南アジアに行かれまして、日本、ASEANの包括的経済連携構想というものを提唱されたわけでございます。 この中で、ASEANと日中韓が一緒になって東アジアの開発イニシアチブと、これをひとつやろうじゃないかということで、大変これ各国から好評をもって受け入れられたわけでございます。昔、福田先生がインドシナとASEANの発展をという呼び掛けをしたことが、今ここに来て具体的に動き出しているのかなと、こういうイメージを受けるわけでございます。 ヨーロッパに目を向けますと、EUが今十五か国というグループが一緒になり、更にはそれに多数の参加希望もあるということで、第一次・第二次大戦の舞台になったヨーロッパが今一つの市場として、また一つの国家としての機能を果たし始めている。通貨も既にユーロとして共通の通貨を持つに至っておるわけでございます。 アジアにおきましても、日本、韓国、中国は恐らく同じ祖先を共有する民族ではないか。そして日本の文化というのは、漢字といい仏教といい儒教といい、みんなこれ大陸から渡ってきたものでございます。 そういった立場に立ちますと、この地域は正に一つの国としてあるいは連携をできる地域としてやっていかなきゃいかぬだろうと。EUに倣えば、いわゆるAU、アジア連合というような形で、人、物、金が移動が自由だと。国境の垣根はできるだけ低くしまして仲良くやっていこうということが背景として、五十年、百年というスパンで見れば可能ではないかと私は考える次第でございます。 ちょうど今アフリカの皆さんが大勢お見えになっておりますが、いわゆるOAU、アフリカ統一機構というのは三十九年目になりまして、独立という目標はほぼ達成できたということから、これをアフリカ連合、AUというものに統合を今年からやりまして、正に今度は連携を取ろうという動きが出てきているわけでございます。 今年のカナナスキスのサミットでもこの問題は取り上げていただけるように今外務省も働いていただいておりますが、この点を含めまして、今後の難民政策の在り方等について、総理、御見解いただければ幸いでございます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 難民問題についてはそれぞれ各国の状況も違います。受入れ体制あるいは難民を申請する側の体制、事情、それぞれ違うわけでありまして、特に、日本というのは島国でありますから、海という陸続きとは違った国情もあります。こういうことから、ヨーロッパ各国に比べれば、今まで難民の問題に対して日本国内において深く議論をする必要もなかった点もあると思います。また、難民を受け入れるという事情につきましても、ヨーロッパ諸国とは事情も違います。しかし、今回の瀋陽総領事館の事件を契機にいたしまして、この難民に対してどういう対策を取ったらいいかということについて、国会議員のみならず多くの国民も関心を持ってきたと思います。 私どもとしては、それぞれ、今回の瀋陽の問題については、北朝鮮の問題、韓国の問題、中国の問題、そして日本の問題という複雑な事情が絡まっております。また、政治亡命と経済難民という違いもございます。そういう点について私は、幅広く多くの議論を深めていって、今までの難民に対する日本の対応について改善すべき点がないかどうか、よく各界の識者の意見を伺いながら、日本としても改めるべき点は改めていく必要があるのではないかと、そう思っております。
○野沢太三君 終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で野沢太三君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、齋藤勁君の質疑を行います。齋藤勁君。
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。 総理に、まず冒頭伺います。 先週二十三日、東京地検特捜部、政治資金規正法違反、虚偽記載の容疑で鈴木宗男議員の自宅や議員会館事務所などが家宅捜索をされました。国会開会中に議員の自宅あるいは議員会館事務所が家宅捜査を受けるというのは、これは極めてゆゆしき事態だというふうにだれもが認識をすると思います。 まず冒頭、このことについての総理としての認識、所感を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 議員として国民から信頼を得れるような活動を平素からしていくことが必要だと思っております。
○齋藤勁君 先週、衆議院でも外交問題あるいは、等につきまして集中審議がございましたが、翌日の報道を見ますと、総理はどうも疲れているんじゃないかと、答弁がかみ合っていないと。与党の委員の方からも、与党の議員から、総理、言っていることと答弁違うよというのがあったんですが、今一問目からそういう答弁なんだけれども、疲れていないですか、総理。大丈夫ですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) よく最近疲れているんじゃないかというような話聞きますが、去年の今ごろと今を比べてみますと、心身ともに今の方がはるかに元気なんです。面白いなと。支持率が高かったころは、疲れていても、絶叫調の演説をしても元気があるなと受け取ってくれるんですね。支持率が下がってくると、非常に静かに穏やかに冷静に答弁していることが元気がないと取られるんですよ。 去年に比べると、肩の力が抜けたなと、今までの実績に自信を持ってきたなと。そういう点から、余り気負わずに冷静に対応していくのがいいなということで、静かな穏やかな質問にはこちらも穏やかに答える。ちょっと激しい質問にはこっちも激しく答弁しようと。もう私は、今が一番心身ともに元気で、冷静に慎重に毅然と対応できる状態であると思っております。
○齋藤勁君 元気であることは、これだれもが結構なことなんですけれども、この間の政治を見ていて国民はそう思っていないですよ。そのことが支持率になって表れるわけであって、瀋陽領事館の問題の対応も表れるわけであって、景気、経済、深刻な状況というのが、頭はもうそういうことで一杯でしょう、総理。だから、危機に瀕してお疲れになっているんじゃないですかというのが私どもの見解であります。 さて、法務大臣、国会開会中に今申しました議員の自宅、議員会館事務所が家宅捜索を受けたというのは極めて大変問題だと思いますが、過去にこういったケースというのはあったんですか。あれば具体的に御事例を示していただきたいと思います。
○政府参考人(古田佑紀君) 現職の国会議員の方々の事務所等への捜索は、これは過去にもあるものとは承知しておりますけれども、その具体的な内容、件数等について特に今そういう観点から把握はしておりませんので、詳細はお答えいたしかねます。
○齋藤勁君 自らの秘書を、自らの秘書を対象に容疑で、私は、国会開会中にそのいわゆる上司と申しますか、議員の自宅、議員会館事務所が家宅捜査を受けたというのは過去に余りないんではないかというふうに思いながら指摘をさせていただきました。 さて、総理、自民党は、鈴木宗男議員に対するいわゆる議員辞職勧告決議案本会議上程、衆議院、過去二回にわたって拒否をされました。先日は衆議院の議運委員会で議運委員長の裁定によってこれは否決をされた。 総理自身も冒頭の答弁で、何か余りどうも今回の私の質問に対しても、これまた本人の問題だという答弁が出てくるのかなと思うんですけれども、本人の問題だ本人の問題だと、こう言ってきているんですが、この家宅捜索で事態は新しい局面に入っていませんか。政府・自民党がこれまでこのような無責任な態度では、私は国民から強い批判をより一層浴びている、これからも更に浴びるだろうと、こういうふうに思います。 今国民が求めていますのは、鈴木宗男議員というのはやはり速やかに議員を辞職すべきだ、そして国会、とりわけ衆議院、再度の証人喚問、あるいは議員辞職勧告決議案の速やかな本会議上程だというふうに私は思っているんではないかと思います。 総理・総裁としてのリーダーシップ、大変重要だと思いますよ。総理の所見、改めて伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 議員の出処進退については、かねがね申しておりますように、本人自身が決めるべき問題だと思っております。これは今でも変わりありません。諸般の状況を見極められないような人が議員になっているとは私は思いたくないんです。 そして、これから国会のいろいろな状況もあると思います。重要法案を抱えて会期も残り少なくなってきたということから、各党のそれぞれの考え方もあると思います。そういう点を判断に入れながら、いかに重要な法案を成立させるかというのが今私どもの責任でありまして、国会の状況につきましても、私が口を出すべきところ、あるいは口を出さない方がいいんじゃないかというのを見極めながら判断をしていきたいと思っております。
○齋藤勁君 残る会期での重要法案の精査については、また後ほど伺いたいと思います。 本人の問題に終始をする総理のその答弁なんですが、自民党のこの比例区の鈴木宗男議員は、この選出で当選されている方なんですね。自民党を離党したからそれでいいということでは済まないというのが、国会のみならず私は国民の声だと思うんですね。この比例区選出、自由民主党という政党名を書いたことによって当選した。私は、総理大臣そして自由民主党総裁としてのリーダーシップが正にそこにあるんじゃないかと思いますが、再度お尋ねいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、元々比例代表に賛成していなかったんです。比例代表制度というものに対して、余りいい制度だとは思っていないということは事実であります。しかし、制度ができたからには、比例選出議員と選挙区選出議員と法律上差別すべきでないという議論があるのも承知しております。 確かにそうでしょう。だからこそ、国会議員として自由に活動できる、待遇も全く同じであるということでありますが、そういう点も考慮して、比例代表の議員の行動の在り方についてはそれぞれ各党も意見をお持ちだと思いますが、今後問題点というものを指摘しながら、離党した場合にはどうしたらいいのかという議論もありますが、今までの例からいいますと、政党自身がなくなっちゃう場合もあるんですね。 かつて、新進党という政党がありましたけれども、それがなくなっちゃった場合に、新進党で当選してきた議員はどうするのかという議論もありますから、私はこういう点も含めて、政党を離党した場合のその扱い、政党がなくなってしまった場合に、かつてその政党で当選してきた場合の議員の在り方、こういう点についても私は今後議論をしていく必要があると思いますが、いずれにしても、比例代表選出議員にしても選挙区選出議員にしても、やはり議員としての行動というのは、私は責任なり使命感なりは同じように持っていると思っております。
○齋藤勁君 今日は片道じゃないんです。往復なんで、たっぷりあるようなんで、ひとつよろしくお願いいたします。 その議員の違いはもう当たり前ですよ、比例であろうと選挙区であろうと。比例の制度の中で自由民主党と書いてもらった数のたくさんある中で当選した方なんですよ、北海道の鈴木宗男さんという方は。そのことを言っているんで、どうも替えちゃうんですよね、総理お得意の。 それで、官房長官、先週の家宅捜査を受けた後、官房長官は記者団の質問に答えて、辞めるべきだというニュアンスで記者会見に応じられたようですが、総理と違うなと、福田官房長官は物をはっきり言うなというふうに思ったんですが、そういう記者会見、コメントされましたか。
○国務大臣(福田康夫君) はっきり覚えていないんですけれども、私は、一般論として、この選挙制度、比例代表の扱い、今のような事例が起こったときにどうするか、そのことについて選挙制度のやはり不備なのではないかということを申し上げた。そういう状況の中で、今回のような事例のときにどうするかということで、断定的に申し上げたわけじゃないけれども、非常に難しい問題だといったようなことで、そのようなニュアンスのことを言いました。断定的に申し上げたわけじゃありません。
○齋藤勁君 せっかくあの官房長官の発言がテレビにも出、翌日の新聞にも出ているんですよ。重大な発言ですから、今までもずっとやっているので、何か今話すと、そのとき言ったのはもう違うことを言ったようなことで、どうも何か。 総理ね。それから、総理は神奈川県横須賀選出、横須賀ですよね、十一区。私は神奈川県全県ということで、先週の二十二日に神奈川県議会で、鈴木宗男衆議院議員の議員辞職を求める決議というようなものが全会一致で可決をされまして、御案内のように、この神奈川県議会というのは総理の所属する自由民主党が多数で、私も神奈川県議会議員にたくさんの友人がいますけれども、これ、野党といいましょうか、民主党やそちらの方のメンバーからと言ったら、いや、これは自由民主党の議員の方から議員辞職を求める決議案を議運の方に出したんだという話をしました。すばらしいですね、この神奈川県議会は、総理。神奈川県議会は、内外の重要課題の解決に向けた国会審議の正常化、政治に対する国民の信頼の回復を図るため、鈴木宗男衆議院議員の速やかな議員辞職を強く求めると。どう思いますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは神奈川県議会の一つの意思でありまして、そういう点もいろいろ勘案しながら鈴木議員というのはその状況を判断されていることと思います。
○齋藤勁君 この話をずっとしますと、ずっと時間がなくなりますので、今、答弁、やり取りを多分、今日はNHKの中継等をごらんになっている有権者の方々が、国民の方々が総理の答弁について受け止めると思いますよ。 さて、先ほど総理からこの残る国会の会期、六月十九日の会期末、重要な法案精査といういろんなことに関して答弁出ました。私は、この鈴木議員問題というのが今後の重要法案審議に当たりまして、当然、今、影響も与えているだろうし、引き続き与えるというふうに思いますが、改めてこの重要法案審議に鈴木宗男衆議院議員問題が影響を与える、与えない、総理の所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、この鈴木議員の問題が重要法案に支障を来さないように対処するように自民党にも与党の皆さんにも話をしておりますし、特に会期残りわずかになった場合には、今、私の立場としては全法案、今会期中に成立を期すよう全力を尽くすという立場でありますので、是非ともこういう本筋の話でない、法案とかかわりない問題がほかの法案の審議に影響を与えないようにしてほしいと、今、執行部に要請しているところであります。
○齋藤勁君 総理の口から会期延長なんというのは全く考えていないということを、私は当然そういう発言が出るんじゃないかと思います。そういう前提で、残る約三週間、重要法案を上げたいということですよね。会期延長なんというのは全く考えていないよということでよろしいですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現時点では考えておりません、まだ一か月近くありますから。しかしながら、今会期中に全法案を通すということが最重要課題でありますので、その点は御理解いただきたいと思います。
○齋藤勁君 会期延長、私だけではなく、私ども、そして会派、そしてすべての多分、野党会派、昨日の討論会でもそうでしたし、この間、(「与党もだろう」と呼ぶ者あり)この間、今、仲間から与党もそうじゃないかという声がありましたが、百五十日間の通常国会というのはこれはもう法律で決められて、それで与党の方が提案され、政府が出された。これは、この間でやっぱりきちっと百五十日間、通常国会で終わる、あとはまた出直していただくというのが、これが憲政の常道じゃないですか。このことについて、はっきり申し上げさせていただきたいというふうに思います。そうじゃなきゃ、駄目でしたということで、総理、解散を打たれたらどうですか。解散やりましょうよ、どうぞ。これは衆議院の話ですけれども。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 解散は全く考えておりません。解散せずにできるだけの法案を成立させていくと。改革路線を軌道に乗せて、構造改革を進めていくと。まだ任期満了までには衆議院は二年でしたっけ、まだ二年以上ありますし、その間できるだけ実績を積んでいくということが私にとっては大事だと思っております。現時点で衆議院の解散・総選挙は考えておりません。
○齋藤勁君 瀋陽総領事館事件に関しての質疑に入らさせていただきます。 先ほどもやり取りがございました。この事件は、いわゆる北、朝鮮民主主義人民共和国、いわゆる通称私ども北朝鮮というふうに申してもおりますが、北朝鮮住民であることの確認もあえて行われないまま、連行された五人の亡命希望者は、中国政府により第三国であるフィリピンに出国し、そのままマニラ経由で韓国に入国するという結果に終わったわけです。人道的観点からの解決を最優先する日中両国の、何となく思惑が結果的に一致した結論となったのかなという感じがしないまでもありません。 がしかし、今回の事件によって我が国の人道面における国際社会の信頼は、私は地に落ちた。終始中国ペースで事が運ばれていたんではないか。我が国外交の脆弱性、そして事実上の全面譲歩となった日中間の国際法上の問題等々、決してこの問題が解決をされたということには今日至っていないと思います。 そして、そこでまず、総理、この五人の方々、中国出国が実現したところでの率直な感想を伺いたいと思います。そして、国民の間ではこの問題に対する首相の指導力が余り示されなかったんではないか、こういう批判もされております。御自身、この問題について、我が国外交が十分機能したのか、しなかったのか、忌憚のない見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、中国側に連行されたあの五名の方が解放されたということは、日本側の譲歩でも何でもありません。むしろ日本側の主張、人道上配慮をして解放すべきだという主張を中国側が重視した結果だと思っております。そして、領事館に対する不可侵権の問題等、いろいろ中国側と日本側の主張には開きがありますが、今後、そういう点については更に中国側と交渉を進め、このような事件の起こらないよう、再発防止策等についても話し合っていく必要があると思っております。
○齋藤勁君 かねがね総理は強気のところがありますから、余り強がりは、でもこういうときは言わない方がいいかなと、やっぱり。ここは国会ですから、冷静に、やっぱり私どもは国益考えています。国益と国益ぶつかり合うでしょう。人道上、人道上は解決した。しかし、外交上の問題はやっぱりこれは、私は、その外交上十分機能したのかというお尋ねで、これは十分答えていませんが、私は、答えていない。総理だって先週、外務省に何かどなったんでしょう、新聞に書いてありましたよ。それやると、また長くなるからやりませんけれどもね。 次に、今回の出国に至るまでの経緯等事実関係、今後の国際法上の問題、対処方策、人道上の問題等について外務大臣の見解、伺います。 二十二日、中国政府による北朝鮮住民五人の出国に関しましては、二十一日深夜に中国側から事前通報が行われたこと、だれからだれにありましたか。通報の具体的内容、また、その通報、その際、通報をただ受け入れただけなのか、我が国の関与はどの程度行われたのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 通報でございますけれども、二十一日の夜、北京時間の十一時ごろに中国の外交部から北京にあります我が国の大使館に対してございました。そのときの内容でございますけれども、これは、関係者五名を二十二日中に第三国に出国をさせるということと、その手配が韓国政府によって行われるということの二点でございました。 それで、政府といたしまして、我が国政府といたしましては、この中国からの事前通報を受けました後で、中国、韓国及び最初の出国先とされていましたフィリピンとの間でこの五名の移動のために必要な連絡や調整を行ったわけでございます。
○齋藤勁君 韓国に五人が着かれた際に寺田大使が接触を持った、四分というような報道もあるんですが、これはいかなる対応をされましたか。
○政府参考人(田中均君) お尋ねの寺田大使でございますけれども、関係者五名は二十三日の午前の四時前に韓国の仁川空港に到着をいたしました。その場には寺田在韓国大使が五名を出迎えをいたしました。これは非常に慌ただしく到着をしているわけでございますから、寺田大使からは、無事韓国に到着をされたことをねぎらい、安寧な生活を送られることをお祈りすると、日本政府としてのねぎらいということでございました。
○齋藤勁君 ここで、この間も、ここまでで日本政府は身元確認とかいろいろやろうということを中国にいるときに発言をしていたんですね。今の対応で、もう実際韓国にいられます五名の方の身元確認、亡命意思の確認に、これは我が国ができなかった。日中間で残る課題は、私は、この間の政府の言っていることですと、中国側の陳謝、あるいはまた、これは当然のことながら再発防止の保証になるんですが、これとて対中交渉の極めて、この間の状況を見たら、厳しいと言わざるを得ない。 総理は、首相を訪れた外務省の幹部に対し、最近、毅然、毅然というような言葉がはやるんですけれども、毅然とした対応が重要だと、これは叱咤をしたんですが、これからどういった交渉をされていくつもりですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の瀋陽の総領事館の問題についてでありますが、これは日本の不可侵権の問題、そして再発防止策の問題、さらには日中友好という大局的見地、冷静に慎重に毅然と対処していく必要がある、しっかりやってくれという指示をいたしました。
○齋藤勁君 その言葉はずっと何回かいろんなところで聞いているなと。具体的な点というのはなかなか難しいのかも分かんないけれども、非常に抽象的過ぎます、率直に言って抽象的過ぎる。我が国の主体的な外交というのがどうも見受けられません。 さて、何点か改めて外交上の問題、加えて人道上にも関しますが、お尋ねいたしますが、いわゆる武装警察に連行された北朝鮮住民と思われる五名のうちの一人が警察詰所において亡命希望のメモを示した。しかし、副領事が亡命の意思を確認することなくその場で返却をした、これが外務省の調査結果に記載されないまま、中国側から報告をされた。これはその後の中国と我が国の交渉の中でどれほどマイナスになったのか、私は計り知れないと思います。 そして、特に中国課長、このことを、事実を受けておりますけれども、上司に報告することもなく、結果的に握りつぶしたということになっていますが、その後この点について、外務大臣、省内でいかなる事実調査が行われましたか、伺います。
○国務大臣(川口順子君) お尋ねのその英文の手紙でございますけれども、私は、このことについては本来は受け取った方がよかった、受け取るべきであったと私は思います。 その当時の状況からして、このときに一人で五人の連行を両手を広げて阻んでいた副領事自身は、非常に混乱をした、また非常に一触即発という感じのところにいたと思いますので、それなりに大変な状況であったということではありますけれども、そうではありましても、やはり受け取った方がよかったというふうに私としては思っております。 ただ、このことが日本と中国との間の交渉で問題になったかというと、私はそういうことではないと思っておりますのは、これは中国に対して我が国が言っておりますのは同意があったかどうかということに関してでございまして、私どもの主張は一貫して同意がなかったということを言っているわけでございまして、手紙については受け取った方がよかったと思いますけれども、仮にこの手紙が受け取られていたとしても、あるいは受け取られなかったとしても、同意の有無ということについてはこれは揺らぎがない、同意はしなかったということには変わりはないわけでございますので、そういう意味では、本来我が国がずっとしていたウィーン条約関係の主張には影響はないということでございます。 それで、この英文メモの件でございますけれども、これは、私が承知をいたしておりますのは、調査結果を発表した当日に現地から担当課に対して報告があったということでございましたけれども、先ほど申しましたような報告書について言いますと、これは同意があったかどうかということについて記述をしている、いくということでありましたので、これは担当課長のところで報告に含める必要はないというふうに考えたということでして、これを隠そうという意図はなかったというふうに聞いています。 しかし、このことが上司に報告されなかったということについては、私は遺憾であったと思いますし、強く反省を促したいと考えております。
○齋藤勁君 私は、今、中国との我が国の交渉の中で重要なマイナスになっていないというふうに言いましたけれども、私は重要な点であると思いますよ。 それから、メモを、これはまあ英文ですけれども、私は、英語を読めない方、話せない方というのは、私は大使館にはいないというふうに思うんですが、いかがなんですか、大使館には。
○政府参考人(田中均君) このメモを見せられたときに、それを十分そしゃくすることなく返してしまったということが事実でございます。 本人は英語を十分理解できなかったということでございます。同人は中国語の研修を受けた方であります。ですから、全体として、全体として英語が、全部がきちんと理解できなかったということのようでございます。
○齋藤勁君 外務省、いわゆる在外公館に私は何回か行かれたことはありますが、相当語学はやっぱり達者ですよね、当然のことながら。最低でも英語はもう堪能な方々ばかりなので、私は、参事官でも、見て即決する、そういう方々が大使館やあるいは領事館にいるんではないかという、そういうある意味では先入観というのは、当然国民は持っているんではないかと思います。大変私は本当に不満足で、国民は恐らく多分その点について私は納得がいかない点ではないかというふうに思います。 さて、本質的な問題、三十万にも及ぶんではないかという、いわゆる北朝鮮の難民問題、先ほど再発の、前の先生の議論の中では、警備の問題とか、いわゆる意識面だとか、そういうことは外務大臣答弁されたんですが、この難民問題は地域的な問題としてやはり大きくとらえていくということが私は大切だと思います。 長い歴史的なスパンで言えば、これ南北統一問題にもなっていくわけですけれども、決して今回の事件というのは偶発的ではない。この北朝鮮の難民問題の急増というのは、私は、ある意味では、こういう今、国内的状況、国際的な状況の中で必然的問題である。したがって、今後発生することが十分私は予想されると思います。事実、起きています。 中国、日本、韓国、この地域問題に発展する可能性もあり、この対応について、二国間、三国間、真剣な対話を私は行っていかなきゃならないと思いますが、このことについて、総理、外務大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 中国のこの地域には北朝鮮から逃れてきた人が多いと言われているということは全くそういうことでございまして、この逃れてきた北朝鮮の住民に対してどういうふうに対応していくかということは、中国、韓国の関係国などの考え方あるいは立場が異なりますので、この国々と国際的な対話の枠組みを作っていくということは必ずしも容易ではないかと思います。 それから、北朝鮮から逃れてくる人々の個人個人は様々なケースがあるわけでございますので、対応していくためには個々のケースを踏まえて、個別具体的に考えなければならないという点もございます。 他方で、おっしゃるような問題、おっしゃる問題は、北東アジア地域全体にとって重要な問題であると私は思います。関係国との間で、二国間で話をしていくということも重要でございますし、それから場合によっては、委員がおっしゃられますように、集まってこの点について議論をしていくということも有益ではないかと思います。
○齋藤勁君 今後の対応になったんですが、これちょっと一点、いわゆる総領事館の不可侵の範囲だけちょっと一、二点、ちょっとお尋ねさしていただきます。 この総領事館と大使館の不可侵の相違というのが、これ、外務大臣、二十日の衆議院の特別委員会で、主権は領域主権を有する中国にあり、我が国の公館はその中で不可侵権を享有するとの答弁がございました。 かつて不平等条約の下で、在外公館はいわゆる領事裁判権などの広範な治外法権を持っていましたけれども、現在では、在外公館は我が国の領土の延長ではない、あくまで任務の能率的な遂行のための不可侵権等を享有しているものと考える。そして、その不可侵の内容は大使館と総領事館とでは異なるようでございますけれども、その場合どのような違いがあり、それらの違いというのはどのような考え方に基づくのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(海老原紳君) お答えいたします。 大使館と領事館の不可侵権の違いでございますけれども、大きく分けて二点あると思います。 一つは、この不可侵権の対象でございますけれども、これが大使館の場合には制限がないということで、大使館全体ということになります。それから領事館の方につきましては、ウィーン条約の三十一条に明記されておりますけれども、専ら領事機関の活動のために使用されている部分ということで、そうではない部分があり得るということだと思います。 それからもう一つは、正に問題になっております官憲等の立入りでございますけれども、これは大使館の場合には、いかなる場合においても大使館の長、通常大使でございますが、この同意が要るということになっております。領事館の場合には、長等の同意ということが原則にはなっておりますけれども、火災というような迅速な保護措置が必要な場合ということについては同意があったものとみなされるということがございます。 それでこの、今、齋藤先生がお聞きになりました、考え方でございますけれども、これは一言で言えば大使館と領事館の任務の違いということだろうと思います。 大使館の場合には、これは国を代表してその政府と、相手国の政府と交渉を行うということが一番の任務でございます。これに対しまして領事館の場合には、このような交渉は行えないということになりまして、主として自国民の保護あるいは通商上の利益の増進というようなことで任務が言わば限定されておりますので、そのような任務の違いに応じまして不可侵権の内容も異なっているということだろうと思います。
○齋藤勁君 今、ウィーン条約三十一条ですね、領事関係。で、中国側当局は、我が国の「領事機関の公館で専ら領事機関の活動のために使用される部分に立ち入つてはならない。」と規定をされておりますけれども、この新聞報道、五月一日付けですけれども、公館不可侵の原則は、物理的に敷地内に、敷地内に足を踏み入れたのかどうかではなく、領事業務の遂行を阻害する行為の有無で判断するという外務省関係者の発言が、報道で発言を掲載されています。 総領事館の建物や敷地のうち不可侵となっている部分というのは、中国側当局が我が方の同意なしに立ち入ってはならないという範囲は具体的にどこまでなんですか。今回、武装警官が立ち入った構内のいわゆる査証、ビザ待合室や正門付近は不可侵となるのか、この二つの場所に何らかの区別があるのかどうか、敷地すべてが不可侵なのか、このことについてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(海老原紳君) お答えいたします。 この不可侵権の対象となる部分がどの部分であるかということにつきましては、これはそれぞれの個別的な例に沿うわけでございまして、一概にこういうものはこうで、ああいうものはこうだというようなふうになかなか言えないわけでございますけれども、少なくとも先ほど先生がおっしゃいました正門とか土地、構内というようなものにつきましては、ウィーン条約の一条の1によりまして、「建物又はその一部及びこれに附属する土地であつて、専ら領事機関のために使用されているもの」というものも不可侵の対象となるというふうに書いてございますので、この領事館の土地、それから正門、これはもう建物の一部ということが言えると思いますけれども、このようなもの。 それから、査証の待合室というものでございますけれども、これは査証発給業務という典型的な領事業務を行っている場所ということから考えますと、この条約の不可侵権の対象となっているところというふうに考えられます。 この点につきましては、中国側との間で相違はないというふうに考えております。
○齋藤勁君 総理、是非、人道上の問題は解決をしましたけれども、このいわゆる北朝鮮の国情問題、そして亡命問題というのは私は後を絶たないと。先ほど外務大臣が話されましたけれども、この地域的、外交的な問題、政治的な問題で、是非私はそういう意味での根本問題をやっぱり外交にきちんと照らしながら、そして日中間、こういうことでの冷静かつとか何か、冷静とよく使いますけれども、その冷静の前にそういうことがあるわけですよね。そういうことをきちんと踏まえた上でやり取りをしていく、そのことが大切ではないかと思います。いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのとおりだと思います。
○齋藤勁君 大変率直に答えていただきました。ただ、率直に答えていただくときと率直に答えていただけないときがあるんですね。 私は、先週の二十一日に外交防衛委員会で、安倍晋三副長官に、我が党の海江田そして中川衆議院議員が調査に行って、そのときに安倍晋三副長官は、あれは何だ、中国側の拡声機じゃないかと。我が党の調査団に対して拡声機、さすがにこれは取り消してもらいましたけれども。 この翌日、衆議院の予算委員会の集中審議の際に、海江田議員が総理に対して、いわゆる自虐的じゃないかということについて、これは問題ではないかと相当やり取りをしていましたね。これは、でも総理は、いや、政治家同士、自分の気に食わない発言、撤回、あきれていると。日本は自由な国だと、何を言ってもいいんだと、私は感じたままを言っている。ずっとこのままだったんですが、今もそのままですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、私が自虐的だと言っていることに対して民主党の議員が批判するのは自由だと思っているんです。結構ですよ。 しかし、いかに総理大臣といえども、政治家としてけしからぬと言われるのはいいけれども、その発言を撤回しろと言うことは、言論の自由というのをどう考えているのか、不思議でしようがないんです。人を批判するのは自由だけれども、自分が批判されたら怒って、その発言を撤回しろと言うこと自体、考えられないんですよ。あきれちゃっているんですよ。
○齋藤勁君 そうですかね。 私は、改めるのは改めた方がいいんじゃないですか。言葉が、撤回というのが嫌だったら、改める。改めるべきは改めていくというのが、私は、当然の姿でしょう。政治家であろうとだれであろうと、人間であれば。 今回の我が党の調査団について、どういうメンバーと調査をしたのか、どういうことをしたのかというのを聞かない時点で発言された。その時点で材料がなかった。それはそのときの判断で、私は、感じで言われるのはあるかも分からない。しかし、その後、この前の衆議院の集中審議の際には、どういうメンバーでどういうことをということを、我が国の国益の立場に立って、国際的な友好の立場に立って調査をしてきたというふうに言っている。 しかし、今そういうような発言でまた言われるということについて、私は、改める、自分の言ったことについて、その後、ああ、そうじゃなかったんだなと改めるというのが、政治家や、特に総理大臣の姿勢じゃないですか。いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私が言っていることはしょっちゅう批判されていますよ、けしからぬだの、資質がないだの、いい加減だのと。私がその発言を改めろと言ったことありますか。 私は、中国と今大事な交渉をしていると、中国の言い分が正しくて日本の言い分は間違っていると言うことは、大事な交渉の最中、慎んでもらいたいという意味で、これは自虐的、自虐主義じゃないかと言ったのであって、それについてけしからぬと言うのはいいですよ、これは政治家の言論の自由ですよ。どんなに私を非難しても結構です。私を非難した皆さんに対して、けしからぬからその発言は撤回しろなんて一度も言ったことありません。私は、そういう意味において、今までの発言、撤回する気は全くありません。
○齋藤勁君 総理、この前もそうだったんですが、行ったことが問題だったのか中身が問題なのかと言ったら、いや、行くことについては別に問題にはしませんよ、中身ですよと。中身の話をしているんですよ、中身。 大変、私は、二十二日の衆議院の海江田議員の、ずっとやり取りを聞いていまして、いや、ちょっとこれはなと。今日、また水曜日に続いて、今日の月曜日のこの参議院の予算委員会の質疑のやり取り、またこれも私は、鈴木宗男衆議院議員に対する自民党総裁、総理大臣としての答弁、今も含めてですが、そういう考え方だというのは、私は、国民の方々が、ああ、小泉さんというのはそういうふうに思っているんだなということが支持率に行くんですよ、総理。 さて、次に項目移ります。 非常にこれも長い間の、私は、我が方にとって国際的な懸案でございます、いわゆる戦時性的強制被害者問題に関する問題です。 これ、二、三点にさせていただきますが、今月一日、アジア女性基金の償い金支払事業の申請受付が終わりました。この直前、四月二十九日、台湾でアジア女性基金の事業に対する抗議行動が行われました。最後の最後までアジア女性基金が受け入れられなかったということだと思います。 お尋ねいたします。今日、このアジア女性基金を受け取られた方々の人数等についてお尋ねいたしたいと思います。
○政府参考人(田中均君) お尋ねのアジア女性基金でございますけれども、委員が御指摘のとおり、申請そのものは、申請受付、事業の申請受付は五月に終わっております。 具体的に何名の方が受け取ったかというのは、現在、女性基金において集計中でございます。まだ支払が行われていないケースもございます。今の段階では、確定的な数値については把握をいたしておりません。
○齋藤勁君 私は事前にお話をして答弁を求めていたんですね。それで、私は政府から、三月三十一日現在、国別は言えないけれども二百十三人というふうに聞いていますが、そういう数字はございませんか。
○政府参考人(田中均君) 国別の内訳ではございませんけれども、三か国地域で約二百七十五名と。ただ、今後支払が行われてまいりますので、今後増える見込みでございます。
○齋藤勁君 ここで何人が何人ということを別に論争するために立ったんではないんで、これはまた別にしますが。 二〇〇〇年十二月に六十四人、八か国の被害者を招いて女性国際戦犯法廷が我が国日本で開催されました。この場で、世界的に著名な法律専門家である裁判官の方々が、日本政府には国際法違反によって賠償をする国家責任があると判断をしております。五月三日、四日には、国際会議には韓国、北朝鮮、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、アメリカ、日本から多くの関係者が集まり、国際的な関心は高まっております。 アジア女性基金の償い金の支払事業の終了を受け、今後政府はどのように戦時性的強制被害者問題に取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(福田康夫君) いわゆる従軍慰安婦問題は、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷付けた問題であると認識しておりまして、政府といたしましても、これまでもおわびと反省の気持ちを様々な機会に表明するとともに、国民及び政府のこの問題に対する真摯な気持ちの表れでありますアジア女性基金の事業が所期の目的を達成できるよう最大限の協力を行ってきております。 基金は、インドネシアにおける事業を除きまして元慰安婦の方々を対象とした事業の申請受付を終了いたしておりますけれども、いずれにせよ、政府としてはこの問題について、各国の国内の状況も十分踏まえつつ、今後とも大きな関心を持って対応してまいりたいと思っております。
○齋藤勁君 今月の十七日に、我が党のネクスト・キャビネットというのがございまして、人権問題を担当している石毛衆議院議員が外務省を訪問させていただきました。アジア女性基金の償い金を受け取ったフィリピンの被害者から、償い金と一緒に渡された総理の手紙を受取を拒否をするので返してほしいと預かった手紙を佐藤審議官に渡しております。 この被害者は、家族の治療のためにやむなくお金は受け取ったけれども、国家としての責任を認めた謝罪を伴わない償い金は本来受け取る筋合いのものではないんだと、こういうふうに言っております。こういう考え方での意思表示です。被害者本人たちが日本の取組を受け入れていない、こういう事実をどう受け止めるんだろうかというふうに思います。 そして、これは国会内、我が参議院のこの継続審議になっております戦時性的強制被害者問題解決促進法案、法案を提出しています民主党、共産党そして社民党、野党三党は、被害者の方たちを招いての参考人質疑を求めております。極めて残念ですけれども、与党は消極的だと当該の委員会のメンバーからも聞いております。 筆舌に尽くし難い性的な虐待を受けた被害者たちに、戦後、放置をされました、被害が始まって六十年、今も苦しみの中に人生を生き抜いている彼女たちが今七十歳を超え、緊急に解決することが私は必要だと思います。政府も率直に被害者本人たちの声を聞かなくてはならないんではないかということで、さきの私のお尋ねは、被害者本人たちが日本の取組を受け入れていませんよということ、さらには、政府も直接、率直に被害者本人たちの声を聞かなくてはならない、このことについてお尋ねいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 基金の事業につきまして十分な理解を得るに至っていないところもあるということは承知をいたしておりますけれども、アジア女性基金の事業は、これまで、おおむね着実に実施が進められて、事業を受け取られた方々の中からは感謝の意が寄せられているということもまた事実でございます。 政府といたしましても、この問題に対する我が国及び国民の誠意が得られるよう、今後とも引き続いて最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。
○齋藤勁君 いわゆる、先ほど、この拒否をする女性の声というのが私は切実であるし真実だというふうに思います。国家としての責任を認めた謝罪を伴わない償い金というのは受け取る筋合いのものではない、是非この私は声を受け、本当にある意味ではもう月日がないです。是非これは、政府にも私は求めておりますが、国会として、私は与党の皆さん方にも再度お伝えしているのは、これは当該委員会のものではない、国民の総意を代弁する私たち国会議員として早急に取り組むべきだということを申し上げさせていただきまして、次の質問項目に移ります。 次の問題は、三月二十七日、参議院予算委員会の私は締めくくり総括で後半、最後半に、後半、質問をし、更に四月の十六日、厚生労働委員会でこのことを中心に発言をし、まあ総理はもう御記憶にないかも分かりませんが、坂口厚生労働大臣にはこの四月の十六日の質疑の際、御答弁をたびたびいただいていますので、十分御記憶あると思います。いわゆる徳島県の社会福祉法人健祥会、緑風会、健祥会通称グループと申しましょうか、そういう問題です。 この後、四月十六日以降、衆議院あるいは参議院、衆議院の厚生労働委員会でも、与野党それぞれの委員からこの健祥会問題での質疑がされております。今日初めて聞かれる方々は、またメディアを通して聞かれる方は一体何なんだということだと思うんですが、これを話しますと大変長くなります。長くなりますけれども、今日持ってきました若干のボードとそれから配付資料を基にしまして、私の結論は、是非、厚生労働省としてこの健祥会グループに対し是非きちんとした調査をしてほしいということでございます。 言ってみれば、この健祥会、緑風会、私の調べている範囲で、委員会でも、若干重複をしますが、国、県、補助金を受ける中で福祉施設が非常に急成長しています。何でこんなに急成長していくんだ。理事長であります中村博彦さん御自身の著書や様々なところで人脈を言われております。冒頭、今日、私が質疑、総理とやり取りさせていただきました鈴木宗男代議士との人脈を強くうたいながら、そしてさらには、この健祥会グループの施設が不当労働行為、残業代未払などをしながら、あるいはまた政府審議委員など要職を就かれています。非常に地位が上がってきている。 大変、私は、この背景を調査すれば調査するほど、灰色が灰色でなく、どんどんどんどん濃い灰色になっていくわけでございますけれども、今日改めてお示しさせていただきますのは、このボードでございますが、(図表掲示)「社会福祉施設等施設整備費補助金等支出状況(平成八年—平成十二年)」、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホーム、介護老人保健施設、徳島県からの調査で私は作成をいたしました。それぞれの部門ですべて健祥会グループがトップの補助金の支出を受けております。全国広しといえどもこういうのはない。大変特徴的なグラフでございます。 厚生労働大臣はこのことに対しまして、不当労働行為についても承知をしていると、指導するところは指導していますということ、さらに、こういった特定の法人が急成長するということは好ましいことではないと、こういう答弁もされています。 いかがでしょうか。私は、徳島県も調査をさせていただきましたけれども、こういう話もあるんですね。年間五つも六つも施設をできるというのは理事長できませんよ。君、何を言っているんだ、徳島県の役人さんに対して、もう国と話が付いているんだよと、そうですかと、国に聞いてみろと。国に聞いたら、確かにそういうことだと。逆なんですよ。県から申請、国がそれを認める。この場合そうではない。もう国が、話が付いている。 私は、非常な人脈があって今日の地位を築かれ、逆転な構図になっているのではないかということ。さらに、この方が県の役人に対し灰皿を投げ飛ばして、県の役人のところに灰皿がぶつかり、その傷が今でもあるという机が県庁内にある。そのほか、いろんな実は事例が枚挙にいとまがございません。時間がありましたらどんどんたくさん御披露したいんですが。この方と、中村博彦理事長と鈴木宗男さんとの人間関係で、御自身の著書に書いてあるんで明確ではあります。 それから、審議会の委員になったことについて、私的懇談会の委員になったことについても、この四月十六日の厚生労働委員会の中で、そういう、鈴木さんから御指摘があったことは事実だという答弁もいただいております。 私は、老人福祉施設をめぐる、この現地におけます、徳島県におけます大変灰色の問題につきましては、是非政府としても積極的な解明を求めるつもりで再度、度々の質問をただしてもらっているつもりでございますので、厚生労働大臣からの御答弁を求めるものでございます。
○国務大臣(坂口力君) 先般も御質問いただきましたし、また衆議院の社会労働委員会におきましてもほかの方からも御質問をいただいたところでございます。 私もこの徳島県の内情につきましてはよく存じませんが、多くの人がこういう施設を作りたいと、たくさんの人がそう思っているのに、ほかの人はできなくて、特定の人だけができていくというのであれば問題あるんではないかという趣旨のことを私申し上げた記憶がございます。 御承知のとおり、これは県の方でお決めをいただき、補助金もお出しをいただき、そして国の方に上げていただくわけでございますので、一義的には県の方でこれはおやりいただいていることというふうに思っておりますが、しかし、徳島県も知事さんもお替わりになったことでございますし、いたしますので、今後のことにつきましては県の方ともよく相談をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
○齋藤勁君 私の持ち時間終わりましたので終わりますが、今日、今、ボードで見せましたのは平成八年から十二年までの補助金支出状況でございまして、ボードにしませんでしたけれども、県福祉予算に占める健祥会グループへの県補助金割合というのも資料で配付をしております。 今、坂口大臣から答弁もありました。円藤前知事の時代に民生費は増えました。増えた、確かに福祉民生費増えたのは結構です。しかし、その中で、この健祥会グループが突出をしているということについて、極めてこれはもう異常な姿だと思います。そして、度々お話ししましたように、非常に労働問題あり、そしてまた、私はお話ししていない問題もなかなか徳島県から、実は調査中で非常に不明朗な部分がございます。是非、適切な調査をお願いいたします。 今、鈴木宗男衆議院議員の秘書の方の家宅捜査等が入りました。北方支援、支援委員会の問題であるように、今、国民はそうかも分かりませんが、この方が、実は中村博彦さんというのは中川一郎さんのかつて書生をされていた方なんですね。非常にこの鈴木宗男さんとの人脈があるんですよ。そういう中で非常に、自分はこの社会福祉の中での分野で、今日までのたまたまな地位に来たのもそういう引き合わせがあったからだということを言っています。その部分について、だれが紹介を受けてどういうふうになるということは私は別に結構なことだと思いますが。 こういった現実の例とか、現地、本当に実際徳島県へ行きますと、非常にもう聞くに聞けないことがたくさんあります。是非、これはもうメスを入れていただく、徹底的にメスを入れていただく、こういうことをやっぱりしていただかないと、今度は福祉事業にかかわる、福祉事業にかかわる国会議員、有力政治家とまた福祉施設に関係する人、こういうことが私は出てきておりますので、今、厚生労働大臣の答弁もございましたが、是非、総理、今、前回の予算委員会ですから御記憶にないかも分かりませんが、もう厚生大臣十分承知しておりますので、よく内閣も連携取っていただきまして、いわゆる、もしあれでしたら疑惑解明で結構なんですよ、政府は政府の中で。齋藤議員が言っている、それはそうじゃないんだと言うなら結構ですが、徹底調査をしていただくということをお約束していただけますか。総理、最後に。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 調査いたします。
○齋藤勁君 終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。高嶋良充君。
○高嶋良充君 高嶋良充でございます。 総理は、先ほど、昨年よりはまだ元気だというふうに言われましたけれども、確かに昨日はダービーに行かれて上機嫌だったようでございますけれども、しかし、昨年よりはやっぱり元気をなくしておられるのではないかと。もっと昨年は元気があったのではないかと。 昨年のちょうど今日、覚えておられますか。大相撲の千秋楽、貴乃花に対して、痛みに耐えてよく頑張った、感動したと絶叫されたんですよ。あれから貴乃花はどうなったでしょうね。総理は元気だけれども、貴乃花は六場所連続休場ですよ。引退の危機さえ言われているわけです。 どうですか、総理、元気な総理から、今落ち込んでいる、正に地獄の苦しみを味わっている貴乃花に対して、何か一言ございますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 昨年の五月場所、貴乃花関が優勝した場面に、私も実際見ておりまして、本当に心から感動したんです。 というのは、あのとき私だけでなく、あの観戦したすべてが、自分も、右ひざだと思いますけれども、自分もけがしているという気持ちになったと思うんですね。本割であっけなく、まわしを取ることもなく敗れた。そして優勝決定戦、これまたひじから、ひざから血を流している。恐らく、あの観客全部、貴乃花と似たような、けがしている中で優勝を争わなきゃならない、横綱同士の戦いに臨まなきゃならない、だれもがこれは負けるんじゃないかと、痛々しいという気持ちを持ったと思います。また、相手の武蔵丸関も、本割で簡単に勝ったものですから、これはやはり横綱相撲を取って勝ちたいと思ったかもしれません。 しかしながら、そういう中でがっぷり四つで見事な勝ち方をしてあのように多くの皆さんが感動したんだと思いまして、私も率直にそういう言葉が本心から出たわけであります。 現在、貴乃花関は休場されておりますけれども、過去二十回以上も優勝されて、私は大横綱だと思っています。早く、治療に専念、回復されまして、また強かった当時の雄姿を見せていただきたいと。今、一番苦しんでいるのは貴乃花関だと思います。温かく見守ってあげたいと思っております。
○高嶋良充君 総理、貴乃花の再起、みんなこれはしてもらいたいというふうに思っています。横綱は再起できる可能性がやっぱりあるわけですよ、幾ら休んでもその地位から落ちないわけですから。セーフティーネットが完備しているんですね。 総理、国民に対しては痛みに耐えろと言う以上、やっぱり貴乃花のようなセーフティーネットを完備をすることが大切だということを、答弁要りませんが、申し上げておきたいというふうに思っております。 そこで、川口外務大臣にお尋ねをいたします。 ここに資料もあるわけですけれども、外務省改革の目玉と言われました民間大使の登用について伺いたいんですが、浅井新ガーナ大使について、やみ金融に人脈があって企業の株価操作に関与した疑いがあるのではないかというような、こういう報道をされておりますけれども、事実関係を調査されましたか。
○国務大臣(川口順子君) このことについては、御本人を含め聞かせていただきましたけれども、そういう事実はないということでございます。
○高嶋良充君 浅井氏はどのような経緯で登用されたんですかね。私は、聞くところによりますと、杉浦副大臣の推薦があったとか、あるいは中谷防衛庁長官の叔母様だということがあるんですが、これでは縁故採用だというふうに言われても仕方がないんじゃないですか。
○国務大臣(川口順子君) ただいま外務省は他省あるいは民間の方、要するに外務省外の方を大使に登用する、あるいは本省の幹部に登用するということで、この夏をめどに約十名ということをお話をさせていただいておりまして、既に何名か発表させていただいております。 いい、適材適所の人材を登用する必要がございますので、あちこちにアンテナを張り巡らしておりまして、いい方をできるだけ御信頼の置ける方に御推薦をいただいた上でその方々を外務省として大使あるいは本省のポストにふさわしい方かということを精査をさせていただいております。 大使につきましては、この浅井弁護士は高校時代に留学をしたこともおありになるということで語学も堪能でいらっしゃいますし、国際関係の弁護士をずっとやっていらっしゃって国際経験も豊富である、アフリカにも行ったことがあるということでございます。大使としての適性を考えました上、最終的に私が決定をさせていただいたということでございます。
○高嶋良充君 どうも、今聞いておりましても選考が不透明なようですね。 私の手元にこういう資料もあるんですけれども、これから夏までに、先ほど言われましたけれども、民間大使を十人程度登用されるということですが、今検討されている中で、チリの大使にさきの総選挙で落選をした元代議士を起用するのではないかというふうに言われていますが、そんな事実はございますか。
○国務大臣(川口順子君) 今、十名、これは大使及び本省の幹部のポジションということで考えております。今、様々な人材について検討をさせていただいておりますので、所要の手続を経て、ということは外務省が推薦をし、内閣で決定をするということでございますけれども、手続を経ました上でそれぞれそのお一人お一人について発表できる段階で発表したいと考えております。
○高嶋良充君 採用が不透明、選考が不透明だから聞いているんですが、私が今聞いたような落選をした代議士を南米方面の大使に登用する、起用するというような検討はされていないんですか、されているんですか、どちらですか。
○国務大臣(川口順子君) まず、採用の、どういうやり方で採用しているかということですけれども、不透明であるかどうかと……
○高嶋良充君 検討しているかと聞いているんです。
○国務大臣(川口順子君) 不透明かどうかということにつきましては、私は不透明なことがあってはいけないと考えております。適材適所ということで考えるべきだと思っておりまして、どういう方が大使ということでふさわしいかという幾つかの基準を設けまして、それに基づいて選考をいたしております。 それから、先ほどお尋ねがございました特定の方につきましては、これは先ほど申しましたように、現在様々な検討を行っている段階でございますので、検討をし、所要の手続を経ましたところでそれぞれの方については発表をさせていただくということで考えております。
○高嶋良充君 全然答弁になってないですよ。 あのね、もう既に資料等あるいはマスコミも含めて、若干のマスコミですけれども、記事も出ているわけでしょう。民間大使として、名前は一応伏せましょう、前衆議院議員の起用を検討していることが明らかになったと、南米などスペイン、ポルトガル語圏の国と見られると、この方は宮澤喜一元首相のいとこだと、そういうことが載っていますよ。どうなんですか。
○国務大臣(川口順子君) お話をさせていただいておりますように、大使というのは日本の顔でございますので、適材適所ということを外してはならないと私は考えております。 という観点で、先ほど申しましたように、幾つかの基準から検討をいたしておりまして、所要の手続を経て、その上で、個人個人、お一人お一人発表をさせていただくということでございます。
○高嶋良充君 私が質問したことに対して、その事実を否定をされないということは、検討をされているんでしょう。そう理解させていただきます。 大臣、外務省改革の目玉が落選議員の再就職口になるというのは、本当にあきれますね。天皇陛下が認証される大使ですよ。その選考が決して情実や政治に左右されてはならないと思うんですよ。だから、慎重の上にも慎重を期して、公正に選考されるべきではありませんか。 改めて、さきの新ガーナ大使の問題とか、あるいはこの問題の事実関係を調査をしていただけませんか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、ガーナの大使、駐ガーナ大使として既に認証も済んでおります浅井弁護士、浅井大使につきましては、先ほど申しましたように、御本人も含め聞かせていただいて、そういう事実はないということでございますので、この上調査をする必要はないと私は考えております。 それから、先ほどまた更に申しましたように、幾つかの基準で、正に適材適所ということで選考をするということでございますので、その上、選考された方につきましては、所要の手続が終わりました時点でお一人お一人公表をさせていただくということで進めたいと考えております。
○高嶋良充君 ガーナ大使の関係も調査をしないと、こういうことですけれども、一般常識的に考えて、この仕手に参加するような会社の監査役であるという、監査役であるということは経歴に載っているわけですから、ということは、仕手に参加するような監査役というのは財務を違法に処理するというような汚れ役だということで大体分かるわけですから、やっぱり本人に聞くだけじゃなしに、きちっとした調査が必要だというふうに思います。 予算委員長、予算委員長に申し上げますけれども、今私が申し上げました二点について、外務省に調査をさせて本予算委員会に報告するように求めてください。
○委員長(真鍋賢二君) その件につきましては、理事会におきまして皆さんの御意見を承って結論を出したいと存じます。
○高嶋良充君 次に移りますが、井上前議長の秘書が公共工事の入札に絡んで業者から六千四百万円を受け取ったという入札妨害事件についてですけれども、当初、井上前議長は、業者に脅迫をされたといううその弁明を行って、国会の権威の失墜と、それと政治不信を、国民の政治不信を増大をさせたということは、私は非常に遺憾なことだというふうに思っています。 ただ、この件については、参議院の代表者会議にお呼びをして事情説明を受けるということですから、今日は法務省に事実経過だけ簡単にお尋ねをしたいというふうに思います。 井上前議長が記者会見で、四月二十四日に半田秘書が私に自白をしたので翌日の四月二十五日に地検に出頭させたと、こういうふうに述べられておりますけれども、半田秘書は地検に自首をしてきたんでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの件につきましては、半田秘書が弁護人に付き添われて、ただいま御指摘の日に自ら千葉地方検察庁に出頭をし、検察官の取調べを受けたことがあるということは承知しておりますが、その内容や出頭するに至った経緯につきましては、これは、恐縮ではございますけれども、現在、公判係属中の事件に関する事柄でありまして、立証に必要な範囲で公判において明らかにされるべきものでございますので、詳細のお答えは差し控えたいと存じます。
○高嶋良充君 検察が任意で呼んで出てきたのか、あるいは正に自首という、自ら出頭してきたのかというのが今の答弁では不透明なんですけれども、いずれにしても、捜査上のことで言われないんでしょう。私は、それまでに事情聴取があって、当然のこととして半田秘書が捜査が身辺に及ぶことを察知をして出頭したのではないかというふうに思っているんですが、これは独り言にしておきましょう。 そこで、今後の捜査の関係ですけれども、五月二十二日に入札妨害で半田秘書は起訴されましたが、保釈されていないということは、引き続いて他の容疑で捜査継続中であるというふうに理解してよろしいですか。
○政府参考人(古田佑紀君) 個別の案件につきまして、どのような捜査をしているかとか、そういうことにつきましては、これは捜査機関の活動にかかわることでございますので答弁を差し控えたいと存じますが、一般的に申し上げますれば、捜査当局におきましては、様々な証拠等から刑事事件として取り上げるべきものがある場合には、これについて捜査を遂げて厳正に対処するものと考えております。
○高嶋良充君 坂口厚生労働大臣に伺います。 私が、去る三月十五日の予算委員会で国立病院工事の談合疑惑についてこの資料を示して追及した際に、坂口大臣は、入札を全部白紙撤回をする、やり直すと、そういうふうに強い決意を示されましたけれども、約束どおり、白紙撤回して入札をやり直ししていただけますか。
○国務大臣(坂口力君) この件につきましても、先般、御質問をちょうだいをしたところでございます。私もその時点まで詳しく知らなかったわけでございますが、しかし、御指摘をいただくことがそのまま事実であるとするならば私は白紙撤回をさせていただきますとそのときにお答えをしたわけでございます。 以後、関連いたしました各業者の皆さん方、あるいはまた我々の方の職員、それから現在は職員ではございませんが元職員であった者たち等々、多くの人間に全部この調査をいたしましたし、各業界の人たちは七十数社に及びましたが、すべて調査をいたしました。しかし、そこからはっきりしたものは出てまいりませんでした。すべて聞きましたけれども、どこからも出てまいりませんでした。 しかし、今年の一月というふうにお聞きをしておりますが、お示しをいただきました出回っておりますそのペーパーと、そして全部ではありませんが、七、八割もう契約が、契約ではなくて入札が終わっているわけでございますが、その結果とが余りにも一致し過ぎているということをもちまして、前例のないことだそうでございますけれども、白紙に撤回をさせていただきました。 そして、現在、その関連の企業の皆さん方にもそういうふうにしたいということを今理解を求めているところでございます。
○高嶋良充君 調査は灰色だったけれども工事は白紙撤回をして入札をやり直すと、こういう御答弁であります。 大臣、この談合の手数料は、こういう資料によると一%だというふうに言われているんですね。この件の工事総額は十件で六百億円、一%で六億円ですね。ということは、六億円もの血税が食い物にされるかもしれなかった、こういうことなんです。是非、このやり直し入札をされるときにはさきに疑惑落札をした全業者は外していただく必要があるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほども申しましたとおり、現在、その関係しました業界の皆さん方に今そのことを申し上げている最中でございまして、更に今後どうするかというところまでまだ現在考えておりません。 いずれにいたしましても、その額、いわゆる工事の額でありますとか、あるいはまた、これからのその方法、電子入札等を応用しまして新しい方法で今までのようなことが起こらないようにしたいというふうに今思っておりますが、今それは、そういうことはこれからのことでございまして、これからいろいろ検討したいと思っております。
○高嶋良充君 告発文書では厚生省OBや政治家の秘書の名前が取りざたされているんですよ。 そこで、厚生省、明らかにしていただきたいんですが、国立病院部からゼネコンにどれぐらい天下りを行っていますか、簡単に人数だけお答えください。
○政府参考人(河村博江君) 国立病院関係で現在、建設会社に在職しております営繕技官OB、十三名でございます。
○高嶋良充君 十三人も天下っているということなんですよ。私の資料、ここにありますけれども、この資料によると、十三人全員が大手建設会社の営業本部長か営業部長など営業担当の幹部になっているんですね。技官がですよ、営業をやっておる。 坂口大臣、この際、営繕技官のゼネコンへの天下りを禁止されるおつもりはありませんか。
○国務大臣(坂口力君) 厚生労働省からそうした、今までの役職に就いていた人たちを、天下りと申しますか、そういう職に世話をするということは絶対にいたしません。
○高嶋良充君 絶対にしないということでございます。 総理、総理にも決意を伺っておきたいんですが、天下りというのはキャリア官僚の特権なんですよね。その特権が今、国民から大きな批判を受けているというのはもう御承知のとおりです。更にそこへ、政官業癒着につながっているとしたら、これはゆゆしき問題なんです。 そういう意味では、天下りの禁止なり規制を一層強化をする、総理の考え方を聞かせてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 公共事業に関する天下りが有利に働くか働かないか、こういう問題についても、これは、天下りしても意味がないんだと、不正などもう働きようはないと、こういうシステムを作る必要があると思います。それは個人の自由で、どこの職業に就こうが勝手ですけれども、それをやったとしても、公共事業、特別な働き掛けによって利益を得ることができないようなシステムを作ることが私は必要だと思っています。 もちろん、今、私が特殊法人等改革に一生懸命取り組んでいるのも、これまでの天下りの慣習を抜本的に見直そうという視点からやっているのであって、この問題については今後も積極的に対応していきたいと思います。
○高嶋良充君 総理、そこで具体的にお聞きしたいんですが、五月の二十日に二十一世紀臨調が政府の公務員制度改革の問題点を指摘をして、国民の立場からの改革案を総理に提言をされましたね。その際、総理は次のような発言をされています。官僚の早期退職慣行は見直していかねばならない。局長になりそうもない人を公務外に出して三角形の組織を維持することではなく、台形型の組織に切り替え、公務内に残るシステムに切り替えることが大切だと、そう述べられていますけれども、それは事実ですか。事実か事実でないかでお答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、今言ったとおりとは言えませんが、そのような趣旨の発言をしたことは事実でございます。
○高嶋良充君 ということは、早期勧奨退職をなくすということは、先ほど総理も言っておられますように、その結果として天下りもなくすんだと、そう受け止めてよろしいですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、五十代そこそこでどんどん早期退職を勧めていくと、そのために特別な就職口を作らなきゃならないという点について見直したらどうかと、何もトップに立つ人が一人でなきゃいかぬ、二人でなきゃいかぬというのじゃないと、同期がたくさんいたっていいじゃないかと、今の時代、六十なんというのはみんな元気だと、六十まで働いてもらえる人は働くようにしてもらった方がいいんじゃないかというようなことを含めて言ったわけであります。 この趣旨については、私はそういう点での見直しが必要だと思っております。
○高嶋良充君 私も総理の言われるとおりだと思いますよ。しかし、総理、政府の決定と矛盾があるわけですよ。この間決められた公務員制度改革大綱ではこの早期勧奨退職の廃止には全く触れていないんですね。そして、逆に、天下りを容認をしているわけですよ。 この際、この大綱を見直すということが必要なんではありませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、今の私の発言について、今後も改善していけると思っております。
○高嶋良充君 私は、大綱を見直さないで今の総理の言っておられることを実現するのは非常に難しいと思いますよ。それをやればまただれかに独裁者というふうに言われますよ。まず、閣議決定した大綱の見直しを担当大臣に指示されたらどうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これ、大綱をよく読んでいただきたいんです。今ちょっと読ませていただきます。この公務員制度改革大綱、抜粋しますが、時間の関係上。 「今般の改革は、能力・実績主義の徹底による年功によらない実力本位の処遇の下で、キャリアパスの多様化を図り、個々の職員の持てる能力を最大限に発揮させる人材活用を行うことを基本としている。」と。「我が国が高齢社会を迎えている中、政府においても、専門的ノウハウの蓄積を必要とする分野などにおいて中高齢者の人材活用を図っていくことが重要である」、「いわゆる「天下り」問題として国民の強い批判があることを真摯に受け止め、再就職が、権限・予算等を背景とした押し付け的なものであったり、特殊法人等の公的部門を再就職の安易な受け皿とすることがないよう、国民の信頼を確保し得るルールを確立することとする。」。 これに沿って行うというのが私の趣旨であります。
○高嶋良充君 最後に一言申し上げておきますが、今、総理が言われたことは、基本的には今の制度よりも天下りの規制を緩和をすると、そういうことをうたっているというようにどこのマスコミも行政学者もとらえて批判をしているわけです。だから、この間の提言が出たわけですから、是非この大綱を見直しをしていただくように総理の決断をお願いをして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で齋藤勁君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、魚住裕一郎君の質疑を行います。魚住裕一郎君。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 今日は政治倫理、また外交問題という集中になっているわけでございますが、今もずっと政治倫理、政と官、いろいろ質問になってきたわけです。我が党も政界浄化ということを掲げてずっとやってきたこともあるわけでございますけれども、この一月からずっといろんな事件が次から次へ起きて、そしてもう週刊誌見るのも嫌になるといいますか、そんなような状況が続きました。 〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕 国民の皆様の思いはもううんざりだというような思いも強いんじゃないかなというふうに思っております。この問題は与党だけではなくして、野党の中でも著名な方が議員辞職されたり、そういうことに発展してきたところでございますが、総理、今年の頭の方で、包括的な政治腐敗防止法、こういうものを検討したらどうかというような御提言あったというふうに承知をしておるんですが、その具体的中身について若干教えていただけますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは今、自民党、公明党、保守党、与党三党で協議をし成案を得るよう努力しておりますが、言わば今まで議論されてきたあっせん利得罪にかかわる秘書の定義の問題、更には公共工事に関する不明朗な点、どうやって正すか、またあっせんによって利益を得ることがないような対応、そして今後、政治献金の在り方等に対する問題について、今までのままでいいということではなくて、もう一歩踏み込んだ対応をすべきではないかということで、今協議をしている最中でございます。 今国会中に今よりももう一段踏み込んだ処置をするつもりで、鋭意努力中であります。
○魚住裕一郎君 今、総理おっしゃった与党の政治倫理確立に関する協議会、私も参加させていただいて種々議論させていただいておるんですが、前に総理の方からは、公共事業を請け負っておる企業から政治資金、政治献金を禁止したらどうかとか、あるいは政党支部への献金があった場合のその使途の規制を図ったらどうか、そういうようなお話もあったというふうに記憶するわけでございますが、この点はいかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ただいま御指摘の点も含めて、今議論を深め、協議しているわけでございます。
○魚住裕一郎君 先般、その協議会で成案を得まして、あっせん利得処罰法の改正案というのを衆議院の方に提出をさせていただいたところでございますが、しっかり与党の協議の中で成案というものを作って、この政治浄化、政界浄化、やっていきたいと思っているところでございます。 我が方では、やはり公共事業というふうに考えた場合には、我が党提案いたしました、いわゆる談合も、企業同士の談合ということもございますが、いわゆる官製談合というような、要するに談合の指示とか受注予定者の意向を表明したりとか、いろいろ手段をもって官の方が関与していくというような、これをどうやって防止できるか、そういう観点から提案をさせていただいておりますが、この点につきまして総理のお考えはいかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今言った具体的な問題については、今、専門家等の、協議会の中で与党と詰めておりますので、その結論を待ちたいと思っております。
○魚住裕一郎君 やはり、発注する側からもきちっと押さえておくということが非常に大事なんだろうなというふうに思っておりまして、成案もできて、提案を是非成立をさせていきたいというふうに思っているところでございます。 また、先般、政治改革協議会その場でございますけれども、我が党の神崎代表が今年三月に、連絡会ですかね、政治家の行政に対する不当な圧力を禁止するような規定を政治倫理綱領に入れたらどうかとか、種々そういう提案がございまして、私どもの方で具体的に今の事態を受けて検討をしたものを提案をさせていただきました。 それは、政治倫理綱領という形ではございますけれども、行政への不当な政治からの圧力を禁止する、そういうことを盛り込んだらどうか。 あるいは、議員本人だけではなくして秘書もいろいろ、今回かなり逮捕されておりますけれども、この秘書の疑惑等についても議員本人の疑惑としてとらえてしっかり解明していく責任というものがあるんではないか。 そして、三点目といたしまして秘書の待遇改善。あっせん利得処罰法、私設秘書も処罰対象に含めようという形になったわけでありますが、いわゆる私設秘書については法的な位置付けというものが全くなくて、結局処罰対象という形で今回提案されたわけですね。ところが、いろんな方の状況を見ますと、公設秘書のみではなくして私設秘書もかなり重要な役割をされている。ただ、身分が不安定であるとか、そういうことが指摘されているわけでありますが、その雇用主としての立場であるわけですから、社会保障あるいは労働法規等についても待遇改善もやはり図っていくべきではないか、そういうような提案をさしていただきました。 また、資金収支の報告書、これは会計責任者というそういう方が記入するわけでございますけれども、これにもきっちり政治家本人が関与するような、そういう責任というものがあるんではないかと、こういう観点から政と官の改革案という形で提案をさしていただいた次第でございますけれども、この点につきまして、総理の御見解は、御所見はいかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 公明党の皆さんからは、政治改革等につきまして積極的な、具体的な提案をいろいろいただいております。そういう点を踏まえて与党としても協議すべきではないかということで、その意見というものを参考にしながら、それぞれの政党によって、よって来る資金の収集の仕方、使途等、違いがあると思います。そういう点を調整しながら、より実効ある措置を取れるような対策を講じていきたいと思っております。
○魚住裕一郎君 確かに、今、総理がおっしゃるように、例えば秘書という一点とらえても、やはり各政党の成り立ちによってその立場が違うというんでしょうか、そういう実感をいたします。一律には言えないなということもあるわけですが、ただ、不安定な立場というものもまた特に私設秘書の場合あるんではなかろうか、そんなことで提案をさしていただいたところでございます。 さて、これに関連いたしまして、総務大臣、今年の春ですか、アメリカの方の政治資金規正法の改正があったようでございまして、いわゆる政治資金というのはソフトマネー、選挙資金というのはハードマネーというふうに言われております。全国組織の政党に対するソフトマネーは全面的に禁止をすると。逆に、ハードマネーの方は上限を上げるというような、実態にかなったような改正がなされている。あるいはテレビフィルムですか、コマーシャル、政治広告というようなものも一定の期間内はもう禁止するというような提案になっているようでございますが、今まで冒頭申し上げたような政党支部に対する政治献金の使途の制限というようなことを考え合わせますと、やはりそういう政治資金規正法も我が日本においても再度検討していく必要があるんではなかろうかというふうに思うところでありますが、この点は、総務大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、魚住委員言われましたように、アメリカの政治資金規制制度は、これはややこしいんですね。ハードマネーを中心に規制すると、こういうことですね。しかし、これは大統領と連邦の上院、下院の選挙なんですね。しかも、特定の金融機関の口座を規制するんですね。そこからしか支出できないと。ソフトマネーはそれ以外のマネーで、州の選挙なんかはそっちでやるので、その辺をうまく利用してかなり、脱法じゃないんだけれども、法の際どいところをくぐるようなあれがあるものですから、今お話しのようなソフトマネーを規制をしてハードマネーを少し緩めると、こういうことにしたようですね。そういう名前を付けているんですね。その規制を受けるというような意味が少しあるのかもしれませんね。 そこで、日本の場合には、この政治資金規制制度はもう長い歴史の中で今の制度になってまいりまして、しかもだんだんだんだん厳しくなってきまして、例えば企業献金なんというのはもう個人だとか資金管理団体は一切駄目だと、こういうことですね、政党の支部は許されるということなんですけれども。そういう意味では、私は相当政党本位、政策本位にはなっていると、こう思いますが、いろんな議論がありますね、例えば公共事業の発注企業のあれをどうするとか。 こういうことがあるんですが、基本的には、私は、これは政党活動に本質的に絡む問題でございますし、各党各会派で国会において十分議論していただいて合意に達するのがいいと思いますし、現に野党四党の案も国会に出ておりますし、与党の方も、今、総理の答弁にもありましたけれども、与党三党の党首の合意で政治倫理に関するいろんな議論も大いにしてみようと、こういうことでございますから、我々は、そういうことを参考にしながら事務方としてどういうフォローができるか考えてまいりたいと思っております。
○魚住裕一郎君 そういう議論の中で、やはり今回ずっと問題になりました秘書の制度の問題、名義貸しとかいろいろありました。それで、それは政治家本人の詐欺ではないかという観点から問題になったわけでございますけれども、やはり立法活動をしていく上で、あるいは政治活動をしていく上で、やはり適切なといいますか、そういう補助機関というものが私は必要だと思うんです。 〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕 日本では、政策秘書、そして公設秘書二名と、そういう形で制度化になっているわけでございますが、やはりアメリカ等を見ますと、多くの秘書を抱えて適切な活動をしているというふうに承知をしております。そしてまた、アメリカの議会等を見ますと、いわゆるロビイストというんですか、何かロビイストって非常にダーティーなイメージもありますけれども、しかし、在ワシントンの日本大使館も大物のロビイストのクライアントになっているということがございまして、やはりきちっと適切な規制を加えながらやっていけばロビイストというのも本当に生きてくるんではないのかなと。 もちろん、議会制度の各国の発展等によって違うと思うわけでありますけれども、やはり議員と国民、それだけではなくして、いろんな補助する立場の人が、適切に位置付けていく必要が今後の日本の政治のために必要ではないか、そういうふうに思うところでございますが、こういう、私の私見かもしれませんが、総理、そして総務大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) この秘書の在り方というのはなかなか難しいですね、いやいや本当に。日本は今、第一、第二に政策秘書と、こういうことになりましたけれども、しかし、私の場合を含めても、それだけでは足りないわけですよ、東京にも必要ですし、地元にも必要ですしね。どこまでどうやらせるのか、かなり難しい問題です。 日本にアメリカのようなロビイストが私はあるとは思いませんけれども、しかし、いろんな団体があることは事実ですよね、圧力団体と言うのか言わないかは別にして。そういうものも、我々の意思決定、政策を決めていく上でどういうふうに位置付けてやっていくかというのは大変難しい問題でございまして、これはやっぱり極めて高度な政治マターでございますので、各党各会派において十分議論していただいて合意をひとつしていただくのが一番いいんではなかろうかと思っております。
○魚住裕一郎君 いや、大臣おっしゃることは分かるんですが、ただ、事実上いろいろなプレッシャーグループがあって、今は現実には議員とプレッシャーグループの中でいろいろ協議されていたりするわけでありますけれども、やはりそこはある意味では密室みたいな世界になってしまうわけですね。そこに潤滑油的な立場の人がいればもっと合理性がある、必要悪とは言わないけれども、やはり必要な機関ではなかろうかな、そんなふうに思うわけで、今ちょっと提案というか、お考えをお聞きした次第でございます。 続きまして、外交問題の方、若干質問させていただきます。 瀋陽の問題、詳しくは関連でお願いをしたいと思っておりますが、先般、五月の九日の日に、事件の翌日ですが、東京国際フォーラム、ホールAというところで日中友好文化観光交流式典というのがございました。私も行って総理の祝辞を拝聴してきたところでございますが、胡啓立さんの次に立ったわけでございます。 私は、国交正常化三十周年ということで、本当に歴史的な年であるなというふうに思っております。高碕達之助さんあるいは松村謙三さん、大先達、また我が党も大きな貢献ができたというふうに自負をしているところでございますが、残念ながらこの式典の前の日に例の瀋陽問題起きてしまったわけであります。 もちろん、主権を侵害されてといいますか、そういう思いも、やはりこれはきちっと、ふたをしろということは毛頭もなくて、しっかり議論を詰めていかなきゃいけないなとは思いますけれども、やはりあの不幸な過去のこともあったけれども、数千年にわたって日本、中国の関係あるわけですね。その辺を踏まえて、今後、総理として、この一年間、半年と、もっと先もあるかもしれませんが、どういうふうに対処していこうかとお考えなのか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日中。
○魚住裕一郎君 はい、そうです。よろしくお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、日中友好、日中国交正常化三十周年という大きな節目を迎えまして、日中友好の重要性は日本側も中国側も十分認識していると思っております。これは単に日本と中国だけの友好関係の発展のみならず、世界全体にとっても日本と中国が友好関係を増進していくということは大変重要なことだと思っておりますし、今回の瀋陽の事件起こりましたけれども、この問題について意見の対立はあります。しかしながら、この対立については、今後の交渉におきましても、それぞれお互いの立場というものをどうやって理解してもらうかということに努力を続けてまいります。 さらに、今後の日中問題につきましては、私は、あの五千人の中国の方々が今、日本を訪問しているさなかにあって、友好親善はもちろん、日本をできるだけ見てもらいたいと。そういう中で、前日に瀋陽の事件が起きたわけでありまして、この瀋陽の事件が起きたから、前から出席が決まっている、せっかく五千人の中国の方々がお越しいただいている大会で、様々な分野で交流を広げていこうと、これから四十七都道府県、全国、日本を見てもらおうという中にあって欠席するのはいかがなものかと。対立は対立として、意見の違いはあるにしても、その立場というものを乗り越えて、日中友好の重要性をお互い認識していこうということで出席したわけでありまして、私は今もこの考えには変わりありません。 確かに意見の相違、対立はあります。しかし、日中友好という大局的見地に立って、私は、今お互いの立場が違っている問題も解決に導いて、今後とも日中友好のきずなを深めていきたいと思っております。
○魚住裕一郎君 瀋陽の問題、一般的に、一般国民が受ける印象は、しっかりやってもらいたいという思いがあると思うんですね。お母さんが叫び、そして子供が、女の子が茫然としているあの映像が何回も出てきている。 で、感じることは、国益というのは非常にもちろん大事なんだけれども、人権というか人益というか、その人をどうするかというその思いが余りにも感ぜられないというか、冷淡だといいますか。アメリカは、アフガンに爆弾を落とすときに、一緒に何か食糧か何か一緒に落としました、爆弾だけじゃなくて、食べられない人のために。それは、タリバンとかとんでもない、だけれども、一方で大変な窮状あるというところで、また食糧とか落としているわけですね。 だから、今国益ももちろん大事なんだけれども、今一般的には、もう個々人もしっかり見ていかなきゃ国益も害していくような、そういう時代に入ったんではないのかなというふうに思うんですね。結局、各国のメンツは別にして、とにかく人道上ということで今回韓国まで行ったわけでございまして、今意識改革等ということが外務省改革、変える会の中で出てきておりますけれども、やはりこの人権的な発想というものが外務官僚にも必要になってくるんではないかというふうに思いますけれども、総理、そして外務大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) 今、委員が、もう少し血の通った人間性を感じる反応というふうにおっしゃいましたけれども、全くそのとおりだと思います。多くの国民のあのテレビを見た人がみんなそう思ったであろうと私も思います。 今度の事件は、外務省の意識改革という面で、今までよりもはるかに深く、はるかに広く、そして恐らく長く改革をやっていかなければいけないということを痛いほど感じさせたわけでございまして、しっかりと改革をやっていきたいと考えております。
○魚住裕一郎君 関連。
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。山本香苗君。
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。 中国瀋陽の亡命者連行事件について、小泉総理に質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 先週、五名の亡命者の方々が無事中国を出国され、一応の人道的な解決が図られたわけなんですが、ここで改めて総理にお伺いいたします。 今回の事件におきまして、我が国の不可侵権の侵害があったという御認識は今なお変わっておりませんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 考えに変わりはございません。
○山本香苗君 この不可侵権の侵害があったかなかったかについては日中間で大きく意見が食い違うわけですけれども、今後、この問題について中国側とどういった話合いをなされますか。また、どう日本側の主張を通していかれるのですか。
○国務大臣(川口順子君) この点について、中国側と我が方と考え方は、考え方といいますか、事実認識が異なるわけでございます。 これにつきましては、私どもは、中国側によって我が国総領事館の不可侵が侵されたということに関しまして、我が方の主張を毅然として貫き、日中両国の大局を踏まえまして、冷静に話をしていきたいと考えております。
○山本香苗君 では、平行線でいくんですか。
○国務大臣(川口順子君) 我が方の立場をきちんと中国に伝えるということは大事でございまして、それを毅然として行いながら、中国とともにこの問題についての対処をしていきたいと考えているわけです。
○山本香苗君 大変膠着状態だということで、この事態を打開するために総理特使を派遣するということも一つの手として考えられるわけですが、現時点においてもまだそのような予定はございませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今の現時点では考えておりません。
○山本香苗君 時は得難くして失いやすしと言います。時を逸しないような対応を総理に是非ともお願いしたいと思います。 今回の事件発生によって我が国の難民、亡命の受入れ方針の在り方というのがあいまいじゃないかといったことが指摘されておりますが、この従来の方針を変えるというお考えがございますか。
○国務大臣(川口順子君) この難民の問題、亡命者の問題が今回の問題の一番根本のところの問題として存在をしていると私は考えております。 今この点について法務省で、この難民の問題の扱い方というのは法務省の専管でございますけれども、難民の問題については法務省の、法務大臣のところで懇談会を開いていただいて御議論をいただけるというふうに聞いております。ということで、その結果を私としては見守らせていただきたいと思いますけれども、この問題について、私といたしましても、広く国民の方も含めて御議論をいただくことが大事だと私は思っています。
○山本香苗君 次は総理に是非とも答えていただきたいんですが、先日のあの委員会での御答弁の中で、この質問をした、同様の質問があったときに、新しい国内問題が引き起こるといったことをおっしゃっていらっしゃったわけなんですが、この新しい国内問題とは具体的には何を指すのでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 外国人を自国に受け入れるということについて、ある一定の人数が増えると必ずどこの問題でも国内問題を引き起こしています。社会問題、政治問題。 少数である場合は、その国民というのは割合寛容になることができるんです。ところが、ある人数を超えていきますと、やはり言葉も違うし文化も違うし宗教も違う、日ごろの慣習も違う。まして失業者が出ますと、お互い自国民と外国人との職場の問題もある。そういう問題がどこの国でも、外国人を多く受け入れるとそういう問題は私自身も外国へ行って幾つか見ておりますし、そういう点も含めて考えなきゃいけない。 どんどん受け入れるべきだという方もおられますけれども、果たしてそういう場合に日本国民との関係をどう友好的に維持することができるかということも考えなきゃいけない。そういう点を含めまして、私はこの難民受入れという問題については新たな問題が起きてくるということも考えなきゃいけないということを言ったわけでございます。
○山本香苗君 その新しい国内問題が起きると、その後に、深く国民の皆様方に議論していただく必要があると御答弁されたんですが、この御答弁の趣旨というのは、小泉内閣として何か改めて国民の皆様方に何か問題提起をするといったことでございますでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今まで、日本政府としても、専門的あるいは特別な技術を持った方については多くの外国人を受け入れております。しかし、一方、一般的な労働者としてどんどん門戸を開放していこうかという場合については、今言ったような賛否両論がございます。 一度こういう問題が国内問題として社会問題化、政治問題化しますと、非常に難しいいろいろな問題を提起してまいります。そういう点も含めて、それでは今までの難民受入れ体制、あるいは各国等の状況、人道上の問題、国際間、国際法上の問題、あるいは国際社会での考え方、いろいろな点について私は識者の意見を聞く必要があるのではないか。今までのそれでは不備な点があったならどういう点か、反省すべき点はどういう点か、人道上と経済上の問題どういう点かということを、私は幅広く議論をしてもらう必要があるのではないか。そういう議論を経た上で、それでは今の難民問題について日本はどういう対応をしようかということを考えるべきであって、今直ちにどんどん受け入れるとかいう状況にはないと思っております。議論が必要だと思っております。
○山本香苗君 一般論といたしまして、国が違えば意見も違い、国と国との間では当然のことながら議論とか論争といったものが生じます。こうした議論や論争を経ずして初めから友好ありきといったことは決してあり得ないと思っております。 今年は日中国交正常化三十周年で、中国はいろんな意味で日本にとって重要な国にますますなってきているわけなんですが、日中両国の間に真の友好の金の橋を架けるためには、中国側と対等にまたオープンに議論していく必要があると思っております。 最後に、総理は、今週末、ワールドカップ開催のために韓国に行かれるそうですが、その際に金大中大統領の首脳会談は行われるんでしょうか。行われないのであったら、その理由を教えてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の私の韓国訪問は、初めての日韓共催のこのサッカーワールドカップ、成功させようということで、サッカーの成功が主目的であります。サッカーの大会を盛り上げようというのが大きな目的であります。そういう点で、あえて首脳会談ということを行うよりも、開会式でお会いするわけですから、そしてまた、金大中大統領は、決勝戦、閉会式に日本に来られるわけですから、その時点で考えてもいいなと。 今回は、まずは開会式にちなんで、サッカー主体に、サッカー盛り上げ、そして日韓共催、このサッカー大会を成功させたいという気持ちで行くということを御理解いただきたいと思います。
○魚住裕一郎君 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で魚住裕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、緒方靖夫君の質疑を行います。緒方靖夫君。
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。 まず、瀋陽総領事館の事件について尋ねます。 五人の皆さんが韓国に無事到着したことを本当に喜んでおります。 この事件は日本の外交が鋭く問われた問題であり、総理に総括的にお伺いしたいと思います。 一時間にわたる事件の展開で決定的な場面、それは、最後に総領事館の外の詰所で副領事が五人と対面したけれども、そのときに亡命の願いを書いた手紙を突き返したこと、このことにあると思います。これは、日本政府代表と亡命を願う五人が唯一対面したときでした。しかも、手紙には、五人の身分、身柄の保護を嘆願する旨が切々と書かれておりました。この対面を中国側は妨害しておりません。 この唯一の政治的接点で、北朝鮮から来たと確認しながら一度は受け取った手紙を突き返した。総理、このことの意味をどうお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) これにつきましては、そのときの当人のいろいろな事情、非常に緊迫した情勢の中で一人で五人の連行を止めるために対応していたという事情はあったにせよ、やはり受け取るということが適切であったと私は考えております。 そこで、そういうことができなかったのは非常に残念でございますけれども、この問題につきましては一連の様々な初動の段階からの反省することが多々ございまして、外務省としては、こういった問題について厳しく反省をし、今後そういうことが再び起こらないように再発の防止策を講じておきたいと考えておりますし、既に一部については、特に国際電話ですとかといったことについては既に講じております。
○緒方靖夫君 そういう問題じゃないと思うんですね。私は、この行為の持つ決定的な意味というのは、国際常識でも、また国連の専門機関の解釈でも、日本政府が亡命受入れを拒否した、このことにあると思うんです。手紙を突き返した行為は、亡命希望者を失望させただけじゃありません。中国との交渉でも重みを持つ事実であったわけですけれども、総理が川口外務大臣から報告を受け、了承した報告の中には含まれておりませんでした。そして、中国側からこの事実を指摘され、総理もその後に初めて承知された、そして外務省はこの事実を追認された。 仮に中国が不可侵権を侵害したと言うならば、事実に立脚しなければ正々堂々と外交はできない、そう思いますけれども、総理、いかがですか。総理、お答えください。総理です。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 正々堂々と訴えております。
○緒方靖夫君 正々堂々としていませんよ。隠し事をするとか、あるいは大事なことを報告しないとか、それが正々堂々とした態度か、そう思いますよ。そして、私は、事実に立脚しなければ、国民の支持、信頼を得た外交にとって一番肝心なそうした活動ができるわけがない、そう思います。そして、その点で、公館の不可侵権が侵されたか否か、この点は正に非常に重要な事実が何だったかを明らかにする上での大前提だと思います。 総理に端的にお伺いしたい。二点あります。 第一点。二人の男性が査証室から連行されるときも、抗議、不同意の言葉を発していない。この報告書、これを見ても、言葉を発する間がなかった、そう書いてあるんですよ。しかし、駄目だと一言言えば済むわけですから。駄目だ、二秒も掛からないですよ。そしてしかも、事件が起きた午後二時から三時までの一時間の間、領事館員がほとんどの時間立ち会っていながら、抗議も不同意も明確に表明していない。こうした事実があって、同意していなかったと国際的に本当に通用されるのか、そう考えているのか。それが第一点。 第二点。外務省が瀋陽から連絡を受けたのが午後二時半、抗議する方針を決めたのが二時五十分。検討と言うけれども、この二十分間、一体何を検討する必要があったのか。主権侵害の認識があったならば、すぐに指示ができたはずだと思います。 総理、お答えください、どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現地での対応に不適切な点があった、反省すべき点があったということは私も認めます。しかし、事実の認識して、正式に不可侵権の問題があると抗議しているわけであります。
○緒方靖夫君 現地ももちろん大きな問題があります。しかし、本省で何を検討するんだか、二十分間。現場で一人でいたって、一人の外交官が、こんな事態になったら、それは即座に判断して、駄目だ、出ていけ、そういうことだって言えるわけですよ、その認識さえあれば。それを一切発していない。私はこのことが本当に重要な点だと思います。 その点で私つくづく思いますのは、やはりこうした問題に対してきちっとした形で政府として本当に真剣に対応しているのか、この問題が本当に肝心な点になると思います。ですから、そうした問題、これは本当に明らかにされる、そのことが肝心だと思います。 大体、総理、世論調査でも国民の七割が、この外務省が発表した、そして総理が了承した報告書、七割以上の方が信頼できない、そう述べているわけですよ。私は、この報告書というのは、正に外務省の保身、事なかれ主義、これを象徴していると思います。 ちょうど今日の読売新聞に、元外務省の欧亜局長の兵藤さんがこんなことを書いている。外務省の事なかれ主義が今日の惨状を招いていると。このことを言うのは私だけじゃありません、外務省のOBがこう述べている。 私は、正に今、外務省、こうなったらえらいことになる、そして国民みんなが、こんな外務省でいいのか、これでいいのか外務省、そう言っているときに、私は、総理がこの問題に対してきちっとした態度を取る、その点で私は、総理が一度は了承されているこの報告書、今の外務省の本当にていたらくな事態を象徴していると思います。 こういう、国民が信用しない、そう言っている報告書について、もう一度やり直すとかそういう指示を総理として出される必要あるんじゃありませんか。──総理ですよ、総理に聞いている。いいよ、あなた。
○国務大臣(川口順子君) この点につきまして、先ほど申しましたように、この副領事一人でできるだけ両手を広げて連行を止めようとしていた中でこの手紙が手渡されて、返してしまったということは、受け取った方がよかったと私思いますけれども、そういった点について、先ほど申しましたように、外務省として反省すべき点もたくさんあると思います。猛省をした上で改善すべきことをしていく、それをこれから一生懸命にやりたいと考えていますけれども、その話と、それからこの外務省の調査について、この点も盛り込まれるべきであったと思いますけれども、結果的には盛り込まなかったのは、これが同意をしたかどうか、これは正に中国との間の事実関係についての争点であるわけでございまして、外務省の調査というのは正にそこに焦点を絞って出したということでございます。それと、それから改善を何をするかということでございます。 したがいまして、この手紙については、これはなぜ載らなかったかということについては、これは事情があって特に隠すというつもりは全くなかったということでございますけれども、その同意をしたかどうかという、中国に対しての論点についてそれを揺るがすものではない、載っからなくても揺るがすものではないということだけは申し添えさせていただきたいと思います。
○緒方靖夫君 長々と答えられましたけれども、この報告書というのは別にそこに争点を当てたものじゃないですよ、いろんなこと書いてあるじゃありませんか。 総理、総理にお尋ねしているんですよ。この報告書、国民がこれほど不信を持っている報告について、しかも外務省を改革する、その点で、私は、これをきちっと内部的にもはっきりさせていく、そのことが非常に大事だと思いますけれども、総理として、これをこんな報告、自分にした、全く恥ずかしい、そういう立場から、やはりこの問題についてきちっとした形で調査をやり直す、そのことを指示されるお気持ちないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、今、日本の立場として中国に抗議しているわけであります。同意はなかったと。 あと、外務省改革の中で、反省すべきは反省するという中で、私は、再発防止策、そういう点について進めていきたいと思います。
○緒方靖夫君 いや、総理、全く情けないですよ。私は、そんなことでは、外務省、これだけ不信を招いている外務省、その改革を進めるということは大変難しい、無理だと思います。 結局、こうした事態というのは、現場でもそうだし、本省だって即時に判断しない、その問題というのは、結局、日本政府が亡命者を受け入れない、難民を在外公館で受け入れない、そのことに問題があるわけです。これがすべてに現れているわけですよ。ですから、結局、あのやれやれといって帽子を拾うあの姿に、そしてまた、手紙を突き返す、そういう行為に私は今の日本政府の姿がそのまま現れている、そう思います。ですから、そうした、総理がそのような形で、この問題に対してきちっとした形で調査をされるということを指示されない、そういう態度は全く問題である、私、そう思います。 そして、ここには真実がいろいろ隠されている、私はそう思います。肝心なことが言われていない。ですから、真実と道理に立ってこそきちっとした外交ができる、このことを私、強調いたしまして、次に移りたいと思います。 さて、先日、東京地検特捜部は、鈴木宗男衆議院議員の自宅や議員事務所など五か所を家宅捜索いたしました。いよいよ鈴木氏本人に司直のメスが入った。重大局面を迎えたことを示していると思いますけれども、総理、この期に及んで自民党総裁として自民党が自浄能力を発揮して鈴木氏に議員を辞めよ、そういうことは言われないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何度も言っておりますように、鈴木議員は自民党を離党されております。諸般の事情を考え、政治家の出処進退というものが本人が判断すべきものと思っております。
○緒方靖夫君 これも全く情けないですね。 では聞きますけれども、九二年、佐川急便事件などで国民の批判に自民党がさらされたときに自民党が作った「政治改革の基本方針」というものがあります。(資料を示す) ここにありますけれども、この中には何て書いてあるかというと、「党の自浄能力を強化する。」、そう打ち出して、「党所属国会議員による国民の疑惑を招いた事柄については、党自らがその解明にあたる。」、そう書かれているんですよ。これを、つまりこれは自民党の公約ですよ、これを掲げながらなぜやらないんですか、自らの調査、自浄能力を発揮されないんですか。 私は、それではこれが空文句になる、そう思いますが。総理、やらないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 党としては党の調査をして対応しているわけであります。そして、鈴木議員は離党されたわけです。
○緒方靖夫君 やってないじゃないですか。調査をやっているのは野党ばかりじゃないですか。野党が共同して……(「政倫審でやったじゃないか」と呼ぶ者あり)とんでもない、そんなの調査にならない。 ですから、調査は野党ばかり。そして成り行き、世論任せ。私は、これこそ自民党の無責任さを象徴していると思います。 その点で、私は特に述べたいと思いますのは、鈴木氏は今でこそ自民党を離党しておりますけれども、自民党議員として要職を与えられ、その地位を悪用して、政治力で行政をゆがめ、外交をゆがめ、ひどいことをやってまいりました。その見返りとして、企業・団体献金を得て利権をむさぼってきた。本当にひどいことが行われてまいりました。 さらに、我が党の最近の調査で新たな重大な事実が分かりました。資料の配付をお願いいたします。 〔資料配付〕
○緒方靖夫君 これは、宗男の宗、そして建設業者の建から一字ずつを当てた宗建会という組織の関係資料です。 鈴木氏の地元選挙区の釧路・根室管内に出先事業所を持つゼネコンだけで組織されたものです。宗建会は、鈴木氏が北海道開発長官に就任する一月前、つまり一九九七年の八月に結成されたものです。 資料二枚目、三枚目も見ていただきたいんですけれども、これを見ますと、組織の構成を見ると、鈴木氏の地元選挙区の釧路・根室管内に出先事業所を持つ土木建設、港湾、舗装関係のゼネコンが軒並みに限定され、加盟数は全部で六十二に上がっております。メンバーを見ると、アフリカのODA事業を受注した五洋建設や清水建設、東亜建設工業のほか、国後島の桟橋改修工事を受注した島田建設、国際協力事業団帯広センターを受注した萩原建設工業など、一連の鈴木氏の疑惑に登場するゼネコンがずらりと名を連ねているんですよ。この宗建会という組織が恒常的に鈴木氏の金を集め、選挙になると票を取りまとめている、そうした実態があるわけです。 国土交通大臣、大臣はこのような組織があったことを御存じでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 緒方議員にお許しをいただいて、お答え申しますまでに一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。 それは、昨年の十二月の三十日でございましたけれども、明石市の大蔵海岸におきまして、人工の海浜の陥没事故がございました。当時四歳でございました金月美帆さん、本当に長い間私も御回復を祈っていましたけれども、昨日、午後七時三分に亡くなられまして、本当に私は心から申し訳ないと思いますし、そして二度とこのような事故の起こらないように全力を挙げて原因を究明し、万全を期していきたいと思いますけれども、国土交通委員会でもいろいろ御指摘ございましたので、心から御冥福と、そして本当に御両親に対して心からお見舞いを申し上げることを一言申し添えさせていただきたい。 答弁に関しましては、今、鈴木先生の何ですか、宗建会と申しますか、これは今初めて私、資料をいただきました。今までも鈴木議員に関しての、北海道開発庁、開発行政というものに対して、何かしていないかと、何かかかわりがあったであろうという御指摘がたくさんございましたので、今まで調べましたけれども、この宗建会というのは、今初めて存在を知りましたので、改めて調べます。
○緒方靖夫君 この宗建会の会員のゼネコンは、釧路開発局建設部が発注する地元の公共事業の多くを受注しております。例えば、同建設の釧路港湾建設事務所が二〇〇一年度に発注した一億円以上の公共工事、十五件ありますけれども、その八〇%の工事を宗建会のメンバーが受注している。これだけでも異常ですけれども、更に驚くのは、資料の四枚目を見ていただきたいと思うんですけれども、釧路市で総事業費の五百億円を超える最大級の公共事業である釧路港西港工事に関する入札では、入札参加業者のすべてを宗建会の会員のゼネコンだけで独占しているんです。しかも、これらの工事の予定価格に対する落札率を調べてみますと、九九%を筆頭に、限りなく予定価格に近い落札が行われております。 このことからも、宗建会は鈴木氏と地元建設業者による利権談合組織ということではないか、私はそういうふうに考えるわけですけれども、初めてお聞きになったと思いますけれども、国土交通大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 今初めてこの宗建会を拝見しておりますけれども、少なくとも、鈴木議員の北海道行政に対する関与があったか、なかったかというようなるるのお話ございまして、これは私が北海道開発局に厳重に検査をし、またそれを国土交通省に報告するようにというふうに連絡をいたしまして、これも今年ですね、三月の二十七日に委員会を作って、その報告を受けました。その報告の中では、この宗建会というのは入っておりませんけれども、公共工事に対する関与があったか、なかったかとかいう審査に対しては、一応我々は、その報告書によりますと、関与があったとは認められないと、影響が強くなったことは認められるけれども、影響があったとは認められないという報告だけは受けています。
○緒方靖夫君 これから私の述べることをよく聞いていただきたいと思います。 実際、入札に関してはこんな証言があるんですよ。宗建会に加盟していないあるゼネコンの役員が公共事業発注元の事務所を訪れました。そうしたところ、おたくは宗建会に入っているのか、いないのか、それを聞かれて、開口一番ですよ、そして発注側は宗建会の会員以外には仕事を回したくない、そういう露骨な態度を示したわけです。 総理、いいですか。鈴木氏の宗建会に加盟しているかどうかを役所全体が公共工事の発注の基準として、事実上、そういうことにしているとしたならば、行政をゆがめる私は重大なことだと思います。──総理、総理と言いました。
○国務大臣(扇千景君) まず私の方から、直接、北海道の国土交通関係でございますので、これは申し上げておきますけれども、宗建会に入っているから入札資格があるとかないとかということではございませんで、一昨年の入札と契約に関する適正化法ではきちんと入札基準というものを公にしておりますから、宗建会に入っていても資格がなければこれは入札に参加できません。そういうことはきちんと、契約とあるいは法律にのっとって参加しているわけですから、あなたが入っているか、入っていないかということは入札には関係ございませんので、そういう意味で、国土交通省の行政としては一切そういうことに惑わされずに法律にのっとって行っているということだけは私は申し上げておきたいと思います。
○緒方靖夫君 私は、現地で起こっている事実を今ここで述べております。ですから、その問題についてはそう言われるんだけれども、しかし私は、実際に起きている事実、このことをここで述べて、そしてこれでいいのかということを述べているわけですね。 問題はそれだけじゃありません。まだあります。 鈴木氏は、公共事業を受注した宗建会の会員のゼネコンから毎年多額の政治献金を受け取っているわけですね。同会設立後の九七年以降の政治資金を見ますと、会員六十二社のうち三十六社が鈴木氏の資金管理団体や政党支部に献金していて、この総額は四年間で三千五百万に上っております。また、先ほど指摘した釧路西港工事では、受注した約六割のゼネコンが工事着工後の九八年以降の三年間に鈴木氏に五千二百万円もの献金をしている、しかもこの多くが宗建会の会員になっている、そういう事実があるわけです。 総理、こういうことを私述べてまいりましたけれども、鈴木氏は、宗建会が結成された直後に北海道開発庁長官として同庁が発注する公共事業の最高責任者の地位にありました。この鈴木氏が所管官庁の発注する公共事業を受注したゼネコンから多額の献金を受け取る、そればかりか、受注したゼネコンを自らの選挙活動に動員している、こうした実態、私は、こうした問題については、今これだけ大きな問題になっているわけですから、そして宗男疑惑としてあらゆる問題が出ているわけですから、やはり総理として、こうした問題についてきちっとした形で、何が起こっているかということを把握される必要があるんじゃありませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、扇大臣が答弁されたように、宗建会に入っているから工事を受注できるということがあってはならないし、公共工事に対しましてはきちんとした基準があるはずであります。 今後、この公共工事に対してもっと透明性を深めていく、あるいはまた、あっせん利得がないような処置をどうやって整備していくか、それを今議論しているわけでありまして、私は、法的な問題、不正があったかどうかということまで一々言及することはできませんが、この問題については、疑問の抱かれないように政治家自身が気を付けていかなきゃならないと思っております。
○緒方靖夫君 総理、あってはならないことが現に起きている、そして私たちがそれを調査して、そしてこういう事実があるということを、ここでその一端を紹介いたしました。 ですから、実際にあってはならないことが起きているわけで、したがって、そういう疑惑が抱かれないようにされると言いましたけれども、私はその点を、やはりきちっと政府、また自民党として進めていく、このことが肝心だと、このことを申し上げております。
○国務大臣(扇千景君) 緒方議員に申し上げますけれども、私は別に、だれを、何をかばうわけでもございません。 我々国土交通省としては、少なくとも国民の税金を正しく、なおかつ地元の皆さんがお喜びいただける、また地元の皆さんから上がってきた企画に基づいて国土交通省はそれを認めているということですから、私は、今回、少なくとも改めて法律を徹底するということで四つをしております。 それは、一つは、予定価格を事前公表しようということで既にやっておりますし、そういう意味では、公共工事のところからこれは正しくやっても、献金を出す出さないというのが問題であって、公共工事は正しく行われているけれども、入札も正しく行われているけれども、そこから献金をもらうということを厳に慎むべきであるということを全建築業界に私は通達を出しておりますので、私はそういうことも、出す方も悪いけれどももらう方も悪い、両方、私は、今回は気を引き締めて改めるべきだと思っています。
○緒方靖夫君 業界が献金を慎む、これは当然のことだと思います。そして、もらってもいけないと思います。 しかし、私は、この事態というのは、ムネオハウスで多くの問題がありました。業者の選定に際して、地元の特定の業者に工事が受注できる、そういう手法が取られました。私は、今述べたこと、大規模な公共工事ですよ、五百億とか、その地域ではですね。そこでこうした問題が起きている、これが重大だと思います。 ですから、大臣、そういうことあってはならないこと、これが起きている、そういう疑いがあるわけですから、私は、こうした問題について、正に扇国土交通大臣の在任中に起こっている問題でもあり、これについてはきちっと調べる、このことを約束していただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 私の在任中に起こったことではございません。以前のことですけれども、私は、改めてこれを全部見直そうということで、今申しましたように、予定価格の事前公表であるとか、あるいはペナルティーの厳正化でございますとか、地方公共団体によります電子入札を行うとか、あらゆる手だてをしておりまして、ただ、私は、一般の皆さんが見て、政治家が全部こうだと思われることは、お互いにバッジを付けている人間としてこれは慎むべきことであるということだけは、仕事をすることと献金をもらうこととは別でございますから、私たちはそれを確実に……
○緒方靖夫君 調査してください。
○国務大臣(扇千景君) 調査もしておりますので、ただ、司直の手でなさることに関しては、私どもは、司直というものがあって、既にもう、テレビで拝見しておりましたら、あれだけ資料をお持ちになったんですから、何かがあれば、私たちももう一度、今、問い合わしておりますから、厳正に対処すべきであろうと思っております。
○緒方靖夫君 よろしいですね。
○国務大臣(扇千景君) はい。
○緒方靖夫君 じゃ、扇大臣、そのきちっとした形で、大臣の責任で……
○委員長(真鍋賢二君) 挙手をして質問願います。
○緒方靖夫君 大臣の責任で、きちっとした形で調査していただく、このことはよろしいですね。お願いいたします。 そして、こうした鈴木氏の利権・談合組織、これは宗建会だけじゃないんですよ。一生と書いてイッセイ会と読む、そういう組織があります。鈴木氏と一生付き合ってくれ、そんな意味なのかよく分かりませんけれども、そういう組織が様々ある。 そして、そのある組織の幹部はこんな証言しているんですよ。鈴木さんは自ら強く望んで北海道開発庁長官になった、小選挙区比例代表並立制になってから比例代表として当選しているだけに、比例名簿上位の地位を不動のものにするために、道内全域こうした組織を張り巡らして、長官就任をてこに猛烈な組織拡大を始めた、こういう証言があるわけですよ。そして、この証言からも明らかなように、鈴木氏は長官の地位を最大限文字どおり利用して、公共事業を牛耳りながら、自らの支持基盤を、集金力そしてまた集票力を強化していった、こういう流れがあるわけですよ。 公共事業を食い物にしたこうした腐敗が横行して、政治と金の問題が大問題になっているときに、私は、総理、国民の税金で行われる事業を受注した会社から献金を受け取る、このことは禁止すべきだと思います。 野党四党は、この決まりを含めた政治資金規正法改正案を国会に提出しておりますけれども、端的に伺いますけれども、総理は、こうした国民の血税である公共事業の受注の企業から政治献金を受け取る、そうした禁止を含む野党四党のこうした法案に対して賛成か反対か、しかとこの場でお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政党についていろいろ考え方があると思いますが、今、野党は野党で案を出してきていると思いますし、与党は与党として、この公共工事をめぐる不正が起こらないような対応はどうしたらいいか、検討している最中であります。 私は、企業献金というのは全面的に悪であるとは思っていません。しかし、一定の制限がなされてしかるべきだと思っております。そういう点も含めて、公共工事に、だれに頼んだら受注できるとか、どのような働き掛けをしたら受注できるとか、あるいは多額に献金したら受注できるとか、そういうことは改めなきゃいかぬと。もっと透明性を深めて、不正がないような措置を講じなきゃいけないという点を、今、どういう方法がいいかということを検討している最中でありますので、今までよりも一歩踏み込んだ対応が必要であるというふうに認識しております。
○緒方靖夫君 野党案についてはいかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 野党案について、いろいろ拝見して議論をするのにはやぶさかではございません。
○委員長(真鍋賢二君) 緒方君、時間が参りました。
○緒方靖夫君 私は、やはりこの問題が根本問題だと思います。鈴木氏の問題もそうだ、加藤氏の問題もそうだ、そしてまた、この参議院の前議長の井上氏の問題もそうですよ。 ですから、この問題をきちっとする、このことが肝心です。それをしっかりやる、このことが、私は、政治と金の問題、今国会で大きな問題になっておりますけれども、これをきちっとやる、そのことを主張し、そしてまた、野党四党のこの法案が今国会で通るように全力で私たち力を注ぐ、この決意を申し上げまして、時間になりましたので質問を終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で緒方靖夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。
○松岡滿壽男君 自由党と無所属の会で構成しております国会改革連絡会を代表いたしまして、松岡が質疑をさせていただきたいというふうに思います。 まず、総理にお伺いしたいんですけれども、三権の長の一人であります井上前参議院議長が、秘書の逮捕を受けて議員辞職をされました。誠に残念な事態であります。同じ三権の長として、総理はこの問題をどのように受け止めておられるのか、まずお伺いをいたしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 三権の長であれだれであれ、国会議員が疑惑に包まれ、そして責任を取らざるを得ないというような状況というのは極めて残念であり、このようなことが起こらないような日ごろの自らを律する行動、そして法的な対応、両面が私は必要だと思っております。
○松岡滿壽男君 前議長の辞任を受けまして直ちに、議長が不在では国会開かれませんので、従来の慣例によりまして与党第一党から議長と、野党第一党から副議長という体制ができたわけですけれども、このような異常な事態を受けて、やはり参議院自体も改革の立場から議長の在り方を見直したらどうかという意見も実は私は申し上げました。この国会改革連絡会という名前自体が、やはり従来、総理とも予算委員会で何回かお話をさせていただいたんですけれども、例えば十人以上でないと会派として認めないとか、五十年前のルールがずうっと通っているわけですね。国民に変われということを期待しながらも、我々国会自体が変わらない。 これを何とかしたいという思いでやっておったんですけれども、総理はそれは国会で決めることであるという御答弁だろうというふうに思うわけでありますけれども、この参議院が政党化が進んでいるというところに一つの問題が私どもはあるんだろうというふうに思っておるんですが、この参議院、衆議院の限りないコピーだと言われ、しかもこういう事件を起こしている、去年の村上さん、小山さんに引き続いて。 こういう問題について、やはり我々は真摯に国民の期待にこたえる改革をしていかなきゃいかぬと真摯に我々は思っているんですけれども、こういう問題についての総理のお考え、それは君たち国会でやるべきであるという御答弁だろうと思うんですけれども、やはり一歩進んだお考えをお示しいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 民主主義ですから、人それぞれによって、政党それぞれによって議論もあり、それが違うのは不思議なことではないと思います。 当初、参議院、戦後、全国区制度等ができまして、かなり当選されてきた議員は政党に所属しないで、無所属的な意識を保とうということで緑風会とかいう名前を付けて、非常に大きな勢力を保った時期があったと思います。しかし、その後、民主主義で好ましいのは政党政治なんだ、政党が主体的責任を担うべきだということで、だんだんだんだんその無所属議員の集まりである緑風会が、政党に参加する議員が多くなって自然消滅するような形になってまいりました。この十数年間の政治改革議論を見ても、政党本位の政治を確立するべきだというのが世論になりました。そして小選挙区比例代表制度が導入されたわけでありますが、こういう事態を見ても、無所属議員の良さと政党政治の良さ、時代によって変わってくるし、その勢力の伸長によっても見方が違います。 私は、この問題というのは一概にどちらがいいかとも言えませんが、やはり民主主義制度においては政党の力はかなり強くなっている、また政党が責任を持つと。そういう中で、国会議員個人の見識なり意見がどういうふうに生かされていくかというのは政党が考えるべき問題でもあるし、また議員個人個人が考えるべき問題であると、両面あると思っております。
○松岡滿壽男君 ところが、政党化が進みますと個人の判断より政党が優先される。参議院の役割は衆議院に対して抑制、補完、均衡というものがあるんですけれども、党議拘束によって縛られてしまうわけですよね。こういう改革自体がやはり第一党である自民党さんが腹を据えて取り組まない限り、今年の参議院改革協議会、発足しているんですよ、井上議長から我々はその諮問を受けまして。しかし、これもやはり第一党である自民党さんが腹を据えてそこまでやろうかという決意をされぬ限り進まないので、あえてこの問題を出させていただいたんです。 さて、今、政治不信が渦巻いておりまして、私ども地元の市長選挙が昨晩あったんですけれども、もう投票率は最低になりました。前回より一一%も下がる。このところの地方の選挙もほとんど投票率下がっているんですよね。なぜかというと、解説は、やっぱり中央における政治の不祥事が続いている、その政治不信が背景にあるという解説になってしまうんですね。一種の政治不信スパイラルに入っているんじゃないかと。だから、要するに政治はダーティーなものだ、だから軽べつすべきものだ、だからかかわりたくないと。だから、かかわらないから余計投票にも行かないし、政治が良くならないから更にそれを軽べつしていくと。 こういうところから脱するためには相当思い切った、先ほどいろいろ包括的な防止腐敗策、公明党さんとのやり取りを聞いておりましたが、私は、やはり過去においていろんな過ちをしてきている、例えば私設秘書の問題とかあるいは企業献金の問題とか、いろんなものについて避けながら来ている。だから、ここはかなり思い切った対応策をしていかないと、そういう口利きについては断固排除するとか、企業・団体献金についてはこれももうきちっと整理するとか、そこまでやらぬと私は、今回の国民の政治不信スパイラルは解消しないと私は思うんです。 これはやはり、最高責任者としての総理、どのようにこの状態を眺めておられるのか、どう対応されるのか、お伺いをいたしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治改革の面につきましては、制度の面と、個人の使命感といいますか責任感といいますか倫理観、両面重要だと思っております。どんなに法的整備をしても、個人個人の使命感なり正義感なりがゆがんでいたら、これは正されないと思っております。 民主主義の国ではどこもそうでありますが、政治家については多く批判されております。それは欧米でもそうです。投票率の低い高いによって政治に対する信頼感があるなしというのは一概には論じることはできないと思っておりますし、これから今までの不祥事をなくすにはどうしたらいいかという議論を現在真剣に協議している最中でありますので、そういう点を踏まえながら、一歩でも二歩でも改善すべき方策を探っていかなきゃならないと思っております。 要は、政治は汚いと言いますけれども、選挙運動をやれば、候補者になれば分かると思うんですね。世の中一筋縄ではいかぬなと、きれい事だけでは済まぬなと。支持者、言うことを聞かないと票は入らない。言うことを聞くためにはどうしたらいいかと。これにみんな候補者は苦労しているわけですね。選挙区の住民の要望は多岐多様であります。それに熱心にこたえようとすればするほどお金も掛かる、能力も費やす、勉強よりも選挙運動に費やさなきゃならないということをほとんどすべての国会議員は経験していると思います。 そういう中で、投票所に足を運んで、自らの名前なり政党を書いてもらわなきゃ国会議員に当選することはできない。きれい事では済まないし、あの選挙運動、厳しい、つらい。一挙手一投足を批判され、家族まで犠牲にしなきゃならない。そんなことまで、国会議員やりたくないよという方がたくさんいるのも事実であります。もっと本来の政策勉強をしたいといっても、選挙に当選するためには嫌な仕事も、選挙運動もしなきゃならない。いろんな陳情にもこたえなきゃならない。そういう厳しい仕事でありますが、それを支えるのは、やっぱり政治家として何をやりたいのか、使命感、責任感だと思っております。 そういう苦境を乗り越えながら、国会議員となったからには初心の使命感、責任感、正義感を忘れないで、少しでも国に尽くすんだという誇りを持って進んでいかなきゃならないのが政治家だと思っております。
○松岡滿壽男君 私は、当初、小泉総理に対する国民の期待というのは、自民党をぶっ壊してもというお話がありました。やっぱり、古い政治のそういう岩盤を断ち切る、言うなれば織田信長のように、鳴かざれば殺してしまえホトトギスという期待が私はあったと思うんですね。 ところが、ここでのやり取りを聞いておりますと、やはり鈴木問題一つ取ってみても、それはお立場はよく分かりますよ。そして、自民党も随分変わってきていることも私も分かっております。しかしながら、やはり本人が決めることだということになると、豊臣秀吉を通り越して徳川家康になっちゃったのかなと。鳴くまで待とうホトトギスという印象がないことはない。しかし、ここは非常に大事なところに来ておりますし、相当な決意を総理も持っておられますから、それを私は期待していきたいというふうに思っております。政治倫理はそれで終わりたいと思うんですけれども。 外交問題です。 大変なビデオが流れて、あれがすべてを物語っていると私は思います。それがやはり今の日本の、残念ながら外交力のない実態だろうというふうに国民は大方見たと思います。しかしながら片方で、主権とは一体何なんだと、あるいは人権とは何なんだろうかと、国家とは何だろうということを、外交は何だということを国民がやはり気が付いた。これはやはり一つ大きな問題であったと思うんですね。 ここで、この瀋陽の一連の事件を振り返って、総理の方から、この問題について現時点での御感想といいましょうか、総括と申しましょうか、その辺をちょっとお伺いいたしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の瀋陽の事件に関して言うならば、これは日ごろからこういう難民問題と不審者の問題、あるいはテロ等の問題、有事に対してどう対応すべきかという危機意識といいますか、緊急事態に対応する心構え、こういう点については私は反省すべき点が多々あったと思っております。今後、そのような対応のまずさというものを反省しながら、日本として政治亡命、難民の問題に対してどう対応すべきかということを、よく国際関係、人道、そして国内の難民受入れ等、総合的に勘案しながら対応していかなきゃならないと。 同時に、今回中国でこの事件が起こりました。そして、この問題は北朝鮮、韓国、中国、日本と複雑に入り組んだ関係を持っております。本来は難民を出さないように、難民を出す国がよその国に逃げ出したくないというような体制を取ってもらうのが私は一番望ましいことだと思っております。 こういう点も踏まえて、総合的に考えなきゃならない問題だと。いい教訓として、今後、日本外交のあるべき姿を展開していくべきだと思っております。
○松岡滿壽男君 今、総理おっしゃいましたように、総合的に政治亡命の問題と経済難民。それと、やはり今、我が国に実はもう外国人労働力が、不法滞在者も含めると七十万プラスアルファなんですよね。もう既に外国人がそれだけ入ってきている。 しかし、これから少子高齢化が進んでいくと、例えば台湾が生き残り策として、自分のところの組立て加工はやはり全部外国でやらせるわけにいかぬから安い労働力を連れてこようと。五%まで、要するに三十五万人入れているんですよ。日本も、やがてそうなる可能性もある。そうすると、総合的な対応をやっぱりしていくということが、国際世論は確かにあのビデオでざあっと作られていったわけですけれども、その辺は慎重に対応すべきであろうというふうに思います。 さて、今回の問題ですけれども、事前にいろんな情報が私は入っておったんじゃないかと思うんですね、率直に言いまして。昔は、旧満州国、いわゆる五族協和、要するに朝鮮族と満州族と漢民族、この三つがあの辺はずっといるんですよ。歴史的にずっとそうなんですね。それで、今回も先行議員からいろいろ話が出ておりましたけれども、恐らく数十万人、北朝鮮から遼寧省とか黒龍江省とか吉林省に行っているわけですよ。だから、日常的にそういう情報はたくさん取っているはずなんですね。それを取っていなければ、外務省、怠慢ですよ、それはむしろ。だから、予測された事件じゃないかと。 しかし、さはさりながら、難民保護の国際条約には締結しているけれども、国内法がないと、一切、受入れの。というところからああいう事態を招いたんだろうと思うんですけれども、実際の現地での情報収集その他は一体どうなっているんでしょうか、その辺をちょっとお聞かせください。
○国務大臣(川口順子君) 最近になりまして北朝鮮からの脱出者が非常に増えてきておりましたので、外務省としては情報収集の点について努めてきたわけでございますけれども、この件については事前に知っていたということはございませんでした。ちなみに、韓国政府もそれから米国政府も、この件について情報が事前にあったわけではないということのようでございます。 ただ、委員御指摘のように、こういった地域で、問題がある中で、危機意識は本来もっと持っていなければいけなかった、そして情報収集もきちんとやっていなければいけなかったということは全くそのとおりだと私も思います。危機意識があったにもかかわらず、それが恒常化することによって一種の慣れ状態になっていたということについては大いに反省をすべきであると私は考えております。 今後、NGOの方々とのお付き合いを更に深めるということも含めまして、情報の収集には十分に気を付け、改善を図っていきたいと思っています。
○松岡滿壽男君 今回の件でいろいろ不思議に思うことがあるんですけれども、例えば、阿南大使の発言に対してそれぞれの方々が全部違う受取方をしているという部分、それからもう一つ、非常にゆゆしいことだと思うんですけれども、全部その発言内容が筒抜けになってきていると。国益という面から考えると、大使の発言が全部外に漏れちゃう、漏えいしてしまう、こういうことはいかがなもんだろうかと思うんですね。 これは、外務省の川口大臣が出された十の改革、二月に出されましたね。それと、皮肉なことに、事件の八日の翌日、九日に、外務省を変える会の中間答申がありました。その中に、口裏を合わしたように、秘密保持の徹底ということがあるわけです。これはもう非常に私は重要なことだと思うんですね。 どうしてそういう秘密が漏れてしまうのか。どういう事態なのか。それに対してどう対応しておられるのか。こういう公開の場でそれを話したら、おまえ、けしからぬじゃないかと言われるかも分かりませんけれども、やはり我々が安心できるようにひとつ御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) この点についても非常に問題があると思っております。阿南大使の発言自体はいわゆる機密ということではございませんけれども、内部の会議での発言がああいった形でいろいろ漏れてしまうということは、中で自由な意見の交換ができないといったことにもつながりますし、問題だと思います。 いろんなことで、私は、その秘密保持ということが十の改革で重要なことの一つとして挙げさせていただきましたし、引き続き変える会でも御議論いただいておりますし、外務省自体として機密保持を、あるいは内部の会議での情報を出さないという規律の問題でもありますけれども、そういったことを徹底するように、これからますます改革に努めていきたいと思っています。
○松岡滿壽男君 是非、その辺は毅然としてやっていただきたいとお願いをいたしたいというように思います。 さて、他国の難民の話ばかりでしたが、今度は自国の難民といいましょうか、かつての残留孤児、残留婦人。今日は坂口大臣に、済みません、お越しいただきまして。 結局、私も実は残留孤児になり損ねた方なもんですから非常に身につまされておりまして、今、二万人近く帰ってきているんですよ、永住帰国で。それで、一時帰国が約一万近く、これはまあ向こうに帰っているわけですね。そういう方々が帰ってこられたら、一、二年は言葉もできないし、仕事もないから生活保護を受けている。現状でも六五%が生活保護ですよ。その方々ももう年を取ってきておられる。老後の生活、一体どうなるんだというところに来ているんだけれども、なかなか、国会に請願をしたり、生活保護の運用を変えてもらえぬかとか、あるいは援護金制度を制定してほしいとか、そういう叫びを上げておるんですけれども、なかなか前進をいたしません。 それで、そういう戦争の傷跡をしょいながら祖国にたどり着いて、育ててくれた人とか連れ合いと一緒に、あるいは子供たちと日本で暮らしている人たちが惨めな思いをしている。これは私は、何とか温かい手を差し伸べることがやはり日本国民として必要なことだろうと思うんです。是非、それについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) お話にございましたとおり、この皆さん方、お話を聞けば聞くほど私もお気の毒だという気は率直に言ってするわけであります。 中国残留孤児と言われる方が二千四百人、そしていわゆる中国残留婦人も、もう少し大きかった方ですね、年齢がいっていた方、その人たちが三千七百人おみえになる。そして、向こうで結婚なさって、そして御家族、お子さんなんかが一緒におみえになる、そういう人たちを合わせますと全体で一万九千八百人、今御指摘になりましたように二万人近い方がおみえになる。 私は、若い皆さん方には何とか自立をしていただけるようにこれは最大限手を差し伸べる方法を考えなきゃならないというので、今いろいろなことを実はやらせていただいているわけです。問題は、いわゆる残留孤児と言われた人、あるいは残留婦人と言われた皆さん方、かなりな年齢でもございますし、そしてなかなか、何かを身に付けてとか、こう言いましても、もう日本語一つ、そんなに、なかなか身に付けるという方法にもいかないといったような皆さん方に対して一体どうするかという問題がございます。 総論的に申しますと、私は、もう自立をしていただけるための最大限の手を差し伸べるということ以外にないのではないかというふうに思っています。もちろん、年金も一部、掛金はしていただいておりませんけれども、しかし、その三分の一をお渡しするとか、そういうことはやっておりますけれども、それではなかなか、全部それで生活をしていただくというわけにはいかないわけでございますので、その辺のところを一生懸命やらせていただいておりますが、極力、中国帰国者支援・交流センターというのを昨年も開設をいたしまして、そしてそこで、もうとにかく自立をどうしたらしていただけるかということに最大限の手を差し伸べさせていただこうということでやらせていただいているというのが実情でございます。 名案も正直なところないものでございますから、そうしたことをやらせていただいておりますが、これからもひとつ努力をしたいと思っております。
○松岡滿壽男君 外交問題、もう少しあれしたかったんですけれども、時間が参りました。 最後に、英国の碩学トインビー博士が、国家や文明の最も核心的な衰退の要因は自己決定能力の喪失にあると言い残しておられますね。我が国の政治、経済、安全保障、教育の危機的状況を打破するためには、戦後のやっぱり体制をきちっと見直していく。そして、日本国民の心、精神のよりどころ、新しい国家意識の醸成が急務だと思うんですね。それをばねにしてやはり改革を進めていく。やっぱり改革のためには推進力がなきゃいかぬ。それが、肝心なものがないということが非常に私は残念に思います。 そういう点で、総理がそういうことを踏まえられてこれから頑張っていかれることを期待いたしまして、時間が参りましたので質問を終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、大脇雅子君の質疑を行います。大脇雅子君。
○大脇雅子君 社会民主党の大脇でございます。 瀋陽での事件は、私たち日本の人権外交のありようを白日の下にさらしたと思います。今後、私どもは、難民認定の制度の見直し、それから難民の国内における、そして外国人労働者の国内における共生の在り方、そして、そうした難民が今全世界で二千二百万と言われておりますが、そういう人たちを発生させないための平和の外交というものをきっちりと考え直すことが必要だというふうに教えてくれていると思います。 今日は、その平和外交についてお尋ねをいたします。 カシミールをめぐって、インドとパキスタンの関係が緊張しております。インドのバジパイ首相は、決戦のときが来た、犠牲になる覚悟をせよと国民に向かって言っておられますし、パキスタンのムシャラフ大統領は、戦争は望まないが準備はできていると、まるで戦争の前夜のような状況を呈しております。そして、連日、ミサイルの実験をパキスタンが行い、核弾頭搭載のミサイルということで全世界が非常に危惧をしております。 日本における外交は、今、被爆国として、こうした二つの国の緊張関係を緩和するためにどうしたらいいのか、外務大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) カシミール問題をめぐりまして、インドとパキスタンの間の緊張が特に最近高まってきているわけでございまして、私も非常に危惧をしております。 この点につきまして、どういうふうにするかということですけれども、パキスタンには、カシミールへの過激派の、テロリストの侵入を止める、そこでの活動が抑止されるということが非常に大事だと思っております。また、インドに対しましては、国際社会の要請にこたえて外交努力を尽くすということが大事であるということを言う必要があると思っております。 先週の金曜日の時点で、私はパキスタンのサッタール外務大臣とこの点について電話で話をいたしました。それから、今晩、インドのシン外務大臣とまたこの問題について電話をする予定にいたしております。談話を出すということもやっております。また、明日にも杉浦副大臣をこの両国に派遣をして、自制を促したいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、我が国として、今後、引き続き国際社会と連携をいたしまして、両国に緊張の緩和、それと対話の再開に向けて働き掛けていくことが重要であると思います。 また、核兵器のない平和な世界ということが非常に重要でございますので、この点についての外交努力を一層進めていくということも必要でございまして、インド、パキスタンに対しては、CTBTの署名について更に働き掛けたいと考えております。
○大脇雅子君 安倍官房副長官にお尋ねをいたします。 五月二十一日の外交防衛委員会におきまして、副長官は、憲法上、大陸間弾道弾、あるいは原子爆弾も小型であれば認められるというふうに発言をしておられますが、この趣旨について御説明願います。
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 先般、大田委員から御質問があった件だと、こう思うわけでございますが、週刊誌に、私が過日早稲田大学において講演をしたわけでございますが、その講演が週刊誌で報道されたわけでございます。 まず、質問にお答えをする前に、本来静かな学びやであるべき大学の教室にサンデー毎日が盗聴器とまた盗撮ビデオを仕掛けて、そしてそれによってセンセーショナルな話題にするということは、私はそれは学問の自由を侵すことにはならないかと、強い私は危惧を持つものでございます。そして、事実、早稲田大学は、サンデー毎日に対しましてそのことを強く今抗議をしているということでございます。 私の下にも、多くのそのときの学生から、大変有意義な議論であったにもかかわらず、そのことが週刊誌のセンセーショナリズムによって汚されたような気がするという、幾つかの私は手紙を受け取っておりまして、私も大変残念に思うわけでございます。 私があの講演で述べた内容でございますが、今、委員が御質問になった点でございますが、私はそこで政府の従来からの解釈を紹介したものでございまして、すなわち、我が国が自衛のための必要最小限度を超えない実力を保持することは憲法第九条第二項によっても禁止されていない、したがって、そのような限度の範囲内にとどまるものである限り、核兵器であると通常兵器であるとを問わず、これを保有することは憲法の禁ずるところではないとの解釈を政府は取っているということでございます。 それと同時に、そのときに岸答弁を紹介したわけでございまして、その岸答弁というのは、これはこの憲法上の、核兵器に関してはこの憲法上の解釈の問題と実際上の政治上の問題と二つある、つまり、法律の解釈問題と実際に政策としてどうあるかという二つの問題があるということを述べた上で、憲法上の解釈として、核兵器と名が付けばいかなる兵器もこれは憲法違反として核兵器は用いることができないんだという解釈は憲法の解釈としては適当ではない、今後どういう発達をするかも分からないが、いかなるものであっても核兵器と名が付けば憲法上持てないんだ、憲法違反だということは、憲法の解釈としては私どもは取らないという趣旨のことを私の言葉で紹介したわけでございまして、これはあくまでも学問の場で憲法論あるいは法律解釈論として述べたものでございます。 当然、その前に私は、政策論としては、従来から政府が唯一の被爆国としての立場として政策としては非核三原則を堅持しておりまして、これは我が国が主体的意思に基づき、我が国においては核兵器の存在を許さないことを内容とするものでございまして、したがって、一切の核兵器を保有しないということはもとより、核兵器を作らず持ち込ませずというその原則については、これを内外に言明し堅持をしている、そのことを私は講演では二回申し上げているわけでございます。 つまり、私は大変遺憾なのは、憲法論と政策論をごっちゃにしてセンセーショナルに報じる、しかもそれは学問の場でそういうことが報じられたということは極めて遺憾であるということでございます。
○大脇雅子君 私は、学問の自由の場における発言を問題にしたのではなくて、五月二十一日の外交防衛委員会における発言の趣旨をお尋ねをしたわけであります。 核拡散防止条約に日本は加入しているわけですから、第二条によって保有が禁止されております。ハーグ国際司法裁判所の勧告的意見も、核兵器による威嚇とその使用は国際法違反だということを明確にメッセージを発している。そして、たとえ小型の原子力爆弾であっても、近時は非常に精度が進んでおりまして、無差別な殺りくの兵器だということになっておりますので、憲法上の問題だけではそれは解決できないというふうに重ねて申し上げたいと思います。 首相におかれましても、でき得る限り対話の促進で反核、そして核兵器の廃絶に向けてのメッセージを世界に発信していただきたい、お願いいたしまして、時間が超過しておりますので、終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で大脇雅子君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて外交問題及び政治倫理等に関する集中審議は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十一分散会