予算委員会 第17号
- 発言数
- 337 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/03/26
会議録
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 この際、御報告いたします。 本委員会は、平成十四年度総予算三案につきまして、内閣委員会外十一委員会にその審査を委嘱いたしておりましたが、各委員長からそれぞれ審査概要について報告書が提出されましたので、お手元に配付しております。 つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十四年度総予算三案審査のため、本日の委員会に明治大学客員教授・農政ジャーナリスト中村靖彦君、東京大学大学院農学生命科学研究科教授小野寺節君及び全国農業協同組合連合会代表理事専務堀喬君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 平成十四年度一般会計予算、平成十四年度特別会計予算、平成十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、参考人の方々に対し質疑を行います。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただき、ありがとうございました。 当委員会におきましては、目下、平成十四年度総予算三案の審査を行っておりますが、BSE問題を始め食品安全に関し広範な質疑がなされております。当委員会といたしましては、この問題につきまして更に有識者の方々から御意見を伺う必要があると判断し、本日御出席いただいた次第であります。参考人におかれましては、忌憚のない御意見をお伺いしたいと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○郡司彰君 おはようございます。民主党・新緑風会の郡司でございます。 今日は三人の参考人の方においでをいただきまして、それぞれについて質問をさせていただきたいと思いますけれども、まず冒頭、皆様方から思いのたけを最初に語っていただくという時間がございませんので、恐縮でございますけれども、お許しをいただきたいと思っております。 まず最初に小野寺参考人の方にお聞かせをいただきたいと思いますが、検討委員会の委員もなされているということでございまして、既に九回ほど会合が持たれ、報告の案というものが二十二日には発表されております。これまでの九回の会合を振り返ってみて、現在のところの率直な御感想からお聞かせいただければと思いますが。
○参考人(小野寺節君) 東京大学農学部の小野寺と申します。 今までもう九回、今度で十回ぐらいの委員会になりますけれども、今まで大体半数ぐらいが過去の行政の責任問題に対する検証で、これはかなり長い文章になるんじゃないかと思います。それで、あとの後半がこれからそういう問題をどう解決するかということなんですけれども、なかなかこれ、いろいろ全部調べるのもなかなか大変だったということなものですから、今まだ文章が、いろいろでき上がって大分いろいろプレスにリリースされているんですけれども、まだまだちょっと今、練っている最中で、まだ結論がなかなか出にくいと、そんなところなんですけれども。 こんなところでよろしいでしょうか。
○郡司彰君 今、小野寺参考人の方から、これまで責任問題の検証にかなり時間を費やしたということでございまして、これは最終のものではございませんけれども、二十二日にいただいたものを読ませていただきますと、確かにイギリスその他、EUからのOIEを含めての忠告といいますか、そのようなものが生かされていなかったというようなことが随所に散見をされるわけでありまして、そのようなところから最終的には重大な失政というような言葉が出てきたんだろうというふうに思っております。 その責任の所在の前に、これまでそういうような忠告その他が生かされなかった、日本において安全神話というものが独り歩きをしてきた、これはどういうことによってでき上がってきたんだろうというふうにお考えですか。小野寺参考人の方に。
○参考人(小野寺節君) これに関しては、まだ文章をよく練っている最中なんですけれども、恐らく最終的には高橋委員長の方からいろいろ細かい説明があるかと思うんですけれども、今のところいろいろと、たしかEU委員会とかそういうところからいろいろ勧告があったということは我々も十分承知しておったわけですね。それに関して余り生かされなかったということもあるんですけれども、やっぱりどうしてもそれに関しては何かヨーロッパ対アジアという関係が若干あったみたいで、やっぱりアジアはほかの国との横並び的な発想がどうしてもあったので、恐らく周りの国を見ながら一応答えていたからそういうことになったのかなという気は僕個人は持っていますけれども。
○郡司彰君 私もいろいろな資料を読まさせていただく中で、例えば昨年の六月を境にして、いろんな勧告が出されて日本がそれを断った。三月から続いていたわけであります。そのときの、農水省からEU等に送った、このイギリスの政府に送った文章をずっと読まさせていただきますと、かなりちょっと高圧的だなという感じがするんですね。今、小野寺参考人優しくおっしゃっていただきましたが、日本は違うんだぞと、お前たち何が分かっているんだ、もう最後は、そんなことを言うんなら貿易をもう止めちゃうぞというような中身だろうというふうに読めるんですね。 そういうようなことがあったけれども起こってしまった。私は、普通の大人の感覚からすると、あのとき忠告いただいたけれども結果としてこんなことになってしまった、いや、大変恐縮をいたしましたというような日本側からの文書が改めて向こうの方に届いてもいいような気がするんですが、そのようなものはちょっと私、目にしておりません。 日本では、九月以降、改めてEU、イギリスあるいはOIEに対して、忠告いただいたのに大変申し訳なかったな、そんな文章は出されたということは、御存じなんでしょうか。
○参考人(小野寺節君) 一番最後の六月の文章ですね。それに関しても初めて委員会の場で知ったものですから、こちらもちょっと、半分ぐらい驚いているところなんですけれども。その後、我々が、やっぱり若干問題があったんじゃないかということで、その後改めてEU委員会にステータス評価をお願いしているわけですね。ですから、そのときの文章が何かあるんじゃないかと。恐らく、ただお願いするんじゃなくて、いろいろこの前はどうもということがあっただろうと僕は思いますけれども、その文章に関してはまだ見ておりません。
○郡司彰君 私も目にしていないものですから、もしそういうものがなくて行っているということになると、これは、日本の国というものはどういう国なんだろうということにこれ、日本人もちろんでありますけれども、世界の中からも見られるような、そんなことになってくるのかなというちょっと心配をしております。 そして、この報告の中では、また、実際に起こってしまった、そのときの対応するマニュアルが、厚生労働省の方は一九六四年のころから、一九九四年のころから一定程度作られてきて今回もそういう対応ができた、しかし農水省については全然作られていなかったということが明らかになってまいりましたが、これも安全神話のなせる業なんでしょうか。参考人、小野寺参考人。
○委員長(真鍋賢二君) どちらの方。小野寺参考人ですか。
○参考人(小野寺節君) 農水省の方がどれだけ資料を持っていたか、例えばマニュアルを持っていたかというのは、恐らくまだいろいろ、農水省の方がいろいろまだ反論しているんじゃないかと僕はまだ理解しているんですね。まだ、一応来月、四月の二日に最終的な文章が出ると思いますので、それまでちょっと、もう少しこちらとしては農水省の意見を待ちたいなと僕は思っているんですけれども。実際に、最終的には四月二日にですか、すべての文章が一応出されると思いますけれども。
○郡司彰君 私は、結果としてはマニュアルが作られていなかったということでございますから、実は日本の国は、私、茨城に住んでおりますけれども、二年前にもジェー・シー・オーの事故を起こしました。同じようなことの議論を別な省庁でしたんですね。これは、一つの省庁じゃなくて、日本という国がそういう体質というものを持っているとすれば改めなくちゃいけない、危機管理に対する能力というものを発揮できるようなシステムがなければそれを作らなければいけないということで議論をして、結果として、省庁が飛び火をして別なところに来てみるとまるっきりなされてなかった、そういうことだろうと思いまして、この辺については私どもも十分に意を使っていかなければいけない。 そして、重大な失政があったというその後段のところに私は非常に重要な文章が見えると思うんですけれども、実は、行政の不作為ではなかったかというような記述がございます。私は、行政の不作為というのは、そもそも分かりやすく言えば、これはもう責任問題だぞというふうに理解をしたいなというふうにも思っているんですが、そのようなとらえ方でよろしゅうございましょうか。小野寺参考人。
○参考人(小野寺節君) まだ、そういう行政の不作為という文章がたしか原案というか原文であったと思うんですけれども、それに関してどう最終的に文章を決めるかというのは、まだ今やっている最中なものですから、恐らくこれもまだ審議の途中だということだと私も理解しておりますから、後で、審議が終わった段階で高橋委員長の方から詳しく説明してもらえればと思うんですけれども。
○郡司彰君 私どもは、行政の不作為ということをただ単に使うだけではなくて、それは立法府の不作為であったのかもしれないという自省の念も持たなくてはいけないんだろうと思うんですね。その場合に、私どもがそういうことの判断に立てるような立場に立てる、それは、日常、ふだん個人個人の努力もそうでありますけれども、情報の公開ということがきちんとなされていたかというふうなことにもつながってくるんだろうと思うんです。 この辺は、ジャーナリストとして活躍もされておりました中村参考人の方にお聞きをしたいと思いますけれども、情報の公開ということ、これはまた最後のところでの安心、安全ということにもつながってくるんだと思いますが、御意見をお聞かせいただければと思いますが。
○参考人(中村靖彦君) 今の御質問に関連して申し上げれば、今までの、特にBSEに関しての情報の公開というのは決して十分ではなかったというふうに私は思います。それは、実は行政においても危機感が非常に薄かったということと、それから情報を伝えるべきそのメディアにおいても、私は長いことメディアで仕事をしておりましたが、そのメディアにおいても必ずしもその危機感がなかった、危機感がなかったというか基本的な実はその知識もなかったと。 ですから、九六年にWHOが肉骨粉の牛への使用をやめなさいという勧告をしたときに、行政の対応は確かに甘かったんですけれども、実はその甘さをつくだけのメディアに力量も実はなかった。これは大変に、私は自分自身、当時はまだ現役の解説委員でございましたので若干の自戒を込めて申し上げれば、それが実は現実でございまして、それはしかも、私でさえと言うと変ですけれども、解説委員という仕事をやっていた人間でさえそうだったということは、本当に第一線の記者とかライターの人においてはなおさらその知識もない、勉強が不足していた。それで、結局そういうことが全部併さって情報の提供が不足したというふうに言ってもよろしいのではないかと思います。
○郡司彰君 小野寺参考人、これまでスクレイピーを始めとしていろんな研究をされてきたということをお伺いをしておりまして、そうしたところについて若干、二、三質問をさせていただきたいと思いますが。 まず、日本の技術レベルということについての記述がございまして、私ども、九月の二十日の日に特別に、国会の会期外でございましたけれども委員会を開かせてその問題も話し合いました。八月の六日あるいは九月、そして九月の二十一日というふうにかなりの時間が掛かった。これは、今のところまあ間違いなくクロだと思うけれども、イギリスの方に問い合わせをしているんですよ、ほかのところに行くともっと時間が掛かるんだけれども、急いでもらってもやっぱりそのぐらい掛かるんですよという説明がございました。 そのときに、これ、日本の国というのはそういうものを調べる能力があるのかないのか、いつもイギリスというところに頼って最終的なお墨付きをもらわなければいけないのか、そういう思いがあったんですが、この報告書を読むと、実はそうではないんではないかということがありまして、その辺の日本の技術のレベルについて、これまで研究なされてきました小野寺参考人からお聞かせをいただきたい。
○参考人(小野寺節君) これはBSEの初発例だったものですから、そういうことがあって、EUの中でも、例えばドイツでも初発例というか、随分昔ですけれども輸入の牛でBSEが出たということがあったり、そのときイギリスに第一例だけ一応お願いをしていたということがあったものですから、そういう周りの、EUの中での一種のそういうしきたりみたいなものがあるものですから、それに日本もある程度やったらいいんじゃないかと思ったわけです。 そのなぜ時間が掛かったかということなんですが、本当はもう少し、こちらもイギリスの方に材料を送って、恐らく二、三日でできるんじゃないかと思っていたんですけれども、何かどうもその後、例の同時多発テロか何かあって、飛行機が材料を送ってくれないとかいろいろあって、何かそういうことで時間が掛かったと思います。 あと、イギリスに要するにそういうお願いをしておったというのは、私個人が昔いわゆる農水省の家畜衛生試験場で室長をやっていたときも、何かいろいろ、やっぱり分からないような牛の材料みたいなものはちょっとイギリスの方の意見を聞いたりしていたものですから、そういう今までの流れで同じようにやっていたと、そのつもりでおりました。
○郡司彰君 私は小野寺先生の本も読まさせていただいたりしまして、技術的に問題はないんだろうというふうなことで思っておりますし、これからもそのような形で認識をしていきたいなというふうに思っておりますが、今お話に出されました家畜衛生試験場時代からそういうような研究をなさっていた、またこの報告を読んで私これもびっくりしたのでありますけれども、その予算は農水省ではなくて、科学技術振興調整費というんですか、科技庁から出ていたんだというようなことを読んで、なるほど、これは日本のそういう研究に携わる方に対して国の予算の在り方含めて問題なのかなというちょっと思いをいたしましたが、先生の実感としてはどのようなことでございましょうか。
○参考人(小野寺節君) 科技庁の予算というのはかなりまとまった予算なものですから、それによってかなりこういう難しい病原体を扱えるようないわゆる施設とかそういうものが整えることができたという、少なくともBSEとかスクレイピーがある程度出る前にということはあったと思います。 しかしながら、やっぱりこれも昨日の委員会で一応向こうの農林水産技術会議の方から返事がありましたけれども、一応向こうの方から、科技庁から予算を取るよりも、農水省の当時の農林水産技術会議の連絡調整課ですかの協力が必要だということがあったものですから、それで、一応そういうことに関してまとまった予算が科技庁から来ていると、そういうバイオテクノロジー来ているというのがかなり助かったことは確かです。でも、一応、農水省の方でも全く予算がゼロだったというわけじゃなくて、多少、余りお金の掛からない仕事ですから、自然材料を集めるとかそういうことは農水省の予算でも多少はできたかと思いますけれども、スクレイピーについてですけれども。
○郡司彰君 これまではいずれにしましても起こり得ないというようなことが前提だったのかもしれませんが、このような形になった以降、予算の在り方としてこれまでどおりで良かったというふうにはならないんだと思うんですね。農水省も今回の予算の中では考えているかと思うんですが、大変難しい病気だろうと思うんですね。いつまでにというようなことを想定しての研究ということにもなりませんし、あるいは世界の中で風土的な問題があるやもしれない、いろんなことが出てくると思うんですが、どのような予算を取るということが望ましいというふうにお考えか、もう一度お聞かせいただけますか。
○参考人(小野寺節君) そういう予算のことに関してはかなり、絶対、かなりこういう難しい病気でしかも取扱いの難しい病原体であるということもあって、かなり普通の施設じゃなかなか難しいということになりますから、僕個人としては、やっぱりこういう難しい病原体を扱ったり難しい要するに病気ということだったら、それなりのやっぱり施設を整えるとか、そういうことに関しては、かなり重点的な予算が必要なんじゃないかなと僕は思っていますけれども。
○参考人(中村靖彦君) 予算について申し上げれば、私は行政の人間ではありませんけれども、日本ではBSEを実際に実験の段階で感染させてそれで研究をするというような経験はございませんでした。やっぱりどうしても、病原体をきちんと究明して一体どのくらい例えばプリオン入りの肉骨粉を与えれば発病するのかというようなことは、どうしても何頭か何十頭かの牛を使って、牛はちょっとかわいそうでありますが、実験をしなければ真相は分からないと思います。 その点について、恐らく十四年度の予算で足掛かりができたと思います。これは非常に潜伏期間が長い病気でございますので、一年二年ではどうにもなりません。少なくとも五、六年の期間は全く症状が出ない牛を管理しながら研究しなければいけないというようなことになると思いますけれども、やっぱりそういう面での配慮も私は今後必要になってくるのではないかと思います。
○郡司彰君 後ほどまた中村参考人、その辺もお聞きをしようと思っておりましたが、小野寺参考人には最後の質問にさせていただきたいと思いますが、この中で読んでいて私、非常に自分の感覚と違ったなというふうなものがございました。それは、昨年から三百頭に増やしてサーベイランス調査を行っていこうということで、これは一つ危機感を持ったということなのかなという認識でございました。 ところが、この報告を読みますと、それはそうではないんだと。これは日本が清浄化ということの証明のためにやっていたんだというような文章がございまして、これは私も大変にびっくりいたしました。もし、この報告が大臣も含めて一定程度ごらんになって、いいんではないかということになった、そういうことの前提の上に立って、ここに書いてある文章を読ませていただきますと、農林水産省側は清浄性を証明するという立場での対策であり、危機意識に差が感じられると、そういうような文章が二、三か所出てまいります。 これは、私、本当にびっくりしたのでありますが、委員の立場からなかなか発言しづらいのかもしれませんけれども、そんなことでよかったといいますか、そんなことだったんでしょうか。
○参考人(小野寺節君) 恐らく、それはEU委員会との交渉の中で、日本が清浄化であると、清浄国であるということを示すために、とにかく向こうはただ口で清浄国であるということを言ってもなかなか説得力がないものですから、少なくとも清浄国であるということを証拠を出しなさいという話になったと思います。 それで、じゃ、そういう証拠を出すということですと、まあ何頭ぐらい牛を見ればいいんですかという話になって、それは一応神経症状を起こした牛を三百頭ぐらい見たらという話があったんだろうと思います。それならばということで、その三百頭ですか、とにかく見ようということで見たわけですけれども、残念ながらその中に一頭いたということになったわけですね。 ですから、それは、清浄化ということは、向こうのヨーロッパのEU委員会との交渉の中で出てきた言葉かと思いますけれども。
○郡司彰君 委員のお話として承っておきたいと思いますが、私はこれまでもいろんな委員会でも、増やしたということは一定の取組を前進させたのかなというような思いがありまして、そういった感覚でもって質問をしましたところ、大体これからもうそういうことで日本も実は危機意識を持ってやろうとしていた矢先だったんだみたいな説明があったんですね。これを読んで、何だというような思いを持ったことだけちょっとお伝えしておきたいなというふうに思っております。 それから、中村参考人の方にお尋ねをしたいと思いますが、ジャーナリストとして日本の発生以前からこの問題に着目をされてきておりまして、とうとう起こってしまった。発生前にジャーナリストとして日本の現状、どんなふうに見ておられましたでしょうか。
○参考人(中村靖彦君) 正直言いまして、頭の片隅に日本も、どのぐらいの先かというのは分かりませんけれども、BSEが発生するであろうという予感はありました。その予感を踏まえて、去年の三月にイギリスとフランスに取材に参りまして、それで、これは本を書くために取材に行ったんでございますが、その後、もうほとんど本を書き上げた段階でBSEの第一号が出たということで、予感が非常に不幸にして、予感といいますか、何となく感触が的中したということで、非常に複雑な思いでいろんなその後の推移を取材したり見守っていたというのが実情でございます。
○郡司彰君 また、いろいろな報告書などを読ませていただきますと、これまで、この肉骨粉を含め、いろいろなルートで日本に入ってきたことについても大分検証されているかと思うんですが、お書きになっている以外のことで、実は、起こってからいろいろやってみたらば、今まで想定をしていなかったようなルートというものもあったんではないかとか、言わば考査といいますか、コンタミの関係も含めて、今までの頭の中と実際に起こってからのことで差異がありましたらちょっとお知らせいただきたいと思います。
○参考人(中村靖彦君) 全く発生してからの後の動きというのは新しい動きでございまして、発生する前に私が抱いていた問題意識とは大分違っております。 特に何が違っているかといいますと、肉骨粉の日本への流入が、これがやっぱり一番私はなぞでございまして、いろいろもう考えてみましたけれども、なかなかどうもこれが一番怪しいというところまでたどり着きません。個人的に言えば、恐らく、恐らくというのもちょっとそこまでの確かさはないんでございますが、イタリアで肉骨粉を製造して日本に輸出をしていたときに、いわゆる国際基準に満たない年が若干あったと。そのときに製造された肉骨粉について、日本で何かの形で混ざったと。その混ざったという候補は、一つは同じメーカーが作っている代用乳、これが共通しているんでございますが、代用乳の中には、イギリスで私が取材した範囲ではかなり肉骨粉を重点的に使っております。これはカロリーが高いものですからそういうことで使っているわけですけれども。 私が本当に素人的に推測すれば、この辺が一番怪しいかなというふうに思っておりますが、いかんせんまだ発生が三頭でありまして、しかも、委員御承知のとおり、まだ五万四千頭の廃用牛が農家に滞留していて、恐らくその中に何頭かのBSEがあるだろうと思われますけれども、そういうBSEの牛を順調に出荷させて、それでBSEがもしあったらそれをきちんと検証していくという作業がないと、なかなか感染ルートの特定も難しいのではないかというふうに思っております。
○郡司彰君 今、最後のころに、やっぱり全部調べるべきだという話がございまして、そのことも大事なんですね。そのことも議論をしたいんですけれども、そのさらに後段で、日本の場合にはそれが思うに任せない現状は、受け入れる施設がないのが一つありますけれども、出す方の側に風評というものを非常に恐れるということがございます。 これは、先ほど中村参考人からも話がございましたけれども、私も中村参考人の本を読ませていただいて、随分その辺にも言及をしていただいている。今後の公表の在り方、その他について何か示唆になることがあればお話をいただければと思います。
○参考人(中村靖彦君) 私も地方に行きまして、特に畜産農家の方とお会いしますと、今おっしゃったような言葉をよく聞きます。なぜ出荷しないのか。それは、一頭出荷すれば、今まで三頭の例で見ても分かるように大騒ぎになる、新聞がみんな一面のトップみたいなところで書く、だから出せないんだと、こう言います。 それは確かに分からないことはないのでございますけれども、やっぱり、そういうときに私は、半分は農家の方々に慰めるために言うんですが、マスコミというのは、やっぱり最初のころは非常に騒ぐけれども、それが例えば仮に五頭、六頭となったときにはもうそんな一々大騒ぎしませんよと。そういうことは極めて客観的、事務的に運んでいく方がいいのであって、それが、それからもう一つは、やっぱりこれは接触して感染するものではありませんし、空気で感染するものでもないということを、やっぱり生産者側を指導する立場の方とか、それからもちろん私たちの責任でもありますが、やっぱり徹底して周知していくということが風評、いわゆる風評的なことを最小限に抑える道ではないかなというふうに思っております。
○郡司彰君 発生をした、そしていろいろな対策が立てられてまいりました。私は、かなりEUと比べて差異があるような気がするんですね。例えば、被害、消費の停滞というのがいつぐらいまで続くんだということの見通しについてもほとんど出されていないで、その都度対策を立てながら更新、更新ということで、今進めているような気がいたします。 そして、全体に、価格政策、それから生産抑制、そして生産者への所得補償ということがヨーロッパの場合には主流になってきているわけでありますけれども、どうもその点から考えると、価格政策は一定程度やっているような感じはするけれども、生産抑制まではとても打ち出せない、それは所得補償が一方でないからだというふうにも思っておりまして、全体のこの取組がどうも一つ一つの対症療法だというふうに思えてならないんですが、その点についてはどうでしょうか。
○参考人(中村靖彦君) やはり、発生してからが極めてどたばたでありまして、それがやっぱり今おっしゃったような対策に表れているんだろうと思います。確かに、おっしゃるように次から次へと対策が出ていって、だんだんだんだん金額が膨らんできたというのが実情だと思います。 ただ、私は、一つ評価していいのではないかなと思うのは、EUとの違いのところで、去年十月十八日以降、いわゆる処理場での全頭検査というのが行われて、それがまだ今非常に着実に進んでいるというところは、しかもこれは、EUの場合には一応三十か月以上の牛において行うというふうになっているものを、当初は日本もそのくらいでやろうと思っていたらしいんですけれども、結局全頭やろうというふうになったと、ここはこの対策の中でも評価してよろしいのではないかなと。 ただ、私は、やっぱり一番、今おっしゃった中で、生産抑制はなかなか難しい、それから所得補償も、一応緊急の対策はありますけれども、必ずしも十分でないというようなところは確かにおっしゃるとおりではないかなというふうに思います。
○郡司彰君 改めてお聞きをしたいと思いますが、中村参考人に。先ほど来からの議論も踏まえて、この報告書の、案ではございますけれども、重大な失政があった、行政の不作為があったと、このことについて率直な御感想をお聞かせいただければと思います。
○参考人(中村靖彦君) 私もまだ、ゆうべまで議論をされていたようでありまして、その報告書の第一の素案の要旨を見ているだけでございますから、細かな表現というのはこれから変わっていくんだろうと思いますが、私は、私のずっと考えていることで申し上げれば、重大な失政というのは、農林水産省はイギリスなりフランスなりの最初の発生以降の何年かの大混乱を学ばなかったと、それが私は最大の農水省の失政だと思います。 というのは、日本でも農水省の対応が後手後手だというふうに批判されましたけれども、イギリスの、一九八六年に最初の一頭が確認された後の十年間、十年たってこれは人間に感染したと思われるという発表があった、その後の対応を見るとやっぱり後手後手なんですね。後手後手が頭数を増やしたんです。それを取材に行って痛感しました。そのことを農水省はなぜ学ばなかったのか、全く同じ混乱を繰り返しているというところが私は非常に残念であると。その中にもちろん九六年の肉骨粉についての勧告について対応も含まれるし、そこのところが、私の立場で言えば、重大な失政というのはその点だというふうに考えております。
○郡司彰君 読まさせていただきまして、学ぶべきだ、それは後手後手に回った歴史を学んで繰り返さないためにするべきだということでございましたので、誠にそのとおりかなというような感じがしております。 また一方で、中村参考人のお書きになったものの中で、これは多分イギリスか何かの報道の引用だったかと思いますけれども、日本の中でこれまでそういうものがうまくいかなかったのは、これは農業団体というふうな言い方だったでしょうか、そういうところの圧力に屈したというふうなものが向こうの方では報道されているというようなことがございました。このことについての御感想をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(中村靖彦君) 今、私が書いたものをお読みいただいたのは、本の多分後だったか、何かの雑誌か何かだったのかもしれませんが、去年、EUが日本のBSE発生についての確率のリスク評価をしたときに、それを日本は押し返したと。それは、さっき委員が小野寺参考人とのやり取りでお話しされたそのことですけれども、その事実をイギリスの新聞が、日本はリスク評価を求めてきたのに、そういうレベル3という評価を示したら押し戻してよこした、それは多分日本の中で生産者に非常に強い影響力を持つ農業団体の力を懸念したためではないかというふうに書いていた、その記事を実は私が引用したのでございます。 私もやはりそういう側面は否定できないというふうに思ったものですから、そういう引用をしたということでございます。
○郡司彰君 私も今の側面が非常に強いと思うんですね。 今回の報告が最終的にどのような形になるかまだ分からないわけでありますけれども、案として出された中には自民党あるいは農水族というふうなことが書かれてあった。私は、その側面もまた否定できないのかもしれませんが、私は正直言って、それだけなのかなと。これまでの畜産以外の関係でも、いろんなところで私自身は主張してまいりましたけれども、いわゆる生産者、農業団体と、それから自民党の部会といいますか、それと農水省というものは、これは一体で物事を進めてきたんだろうと思うんですね。ですから、一つ取り上げて自民党の族議員がという言い方をするというならば、もう少し農水省自身の反省があってしかるべきだというふうに思うんですね。そこのところがないというのが私自身は不満でもございました。 それから、農業団体ということに言及をしているところがまた別なところでありましたけれども、私は三位一体の構造がこれまでのあしき慣行ではなかったのかなというふうに思いを持っておりますが、そのことについては御意見いただけますでしょうか。
○参考人(中村靖彦君) 私は前に「農林族」という本も書いておりまして、そこの中では、今おっしゃったような三位一体の部分を、かつての生産者米価の闘争、それから最近では公共事業における動き、それを代表として書いたつもりでございます。 それで、国会議員の方々がもちろん農業とか農村に関心を持って、そしてそこにいろいろ発言されるというのは私は当然だと思います。それはもう当たり前の話なんでございますが、そこで私は実は、時には、時には生産者側に対しても国会議員の先生は耳に痛いことも、耳障りの悪いこともやっぱり言わなければいけない。それをただ言い分を聞くだけじゃなくて、時にはその全体のバランスを見ながらそういう発言をし、サジェスチョンをするということが本当の農林族ではないかと。特に、最近のような状況の中ではそれが求められるんではないかということを書いたんでございますけれども。 今の御質問に関して言えば、やはりそういう全く三位一体の形ではなくて、やっぱりその中でお互いに摩擦をし合って、そしてやり取りをしながらやっていくということが本当の意味での本当の姿ではないかなというふうに思っております。
○郡司彰君 この議論は、三位をそれぞれに分割をした形で改善をしなければいけないし、自浄の問題もございますから、この場ではなかなか結論を得るということにはならないと思いますが、私は、少なくともこの報告の中で何か一つだけ取り上げて、それ以外は免罪符になるようなことがあってはいけないなというふうなつもりでございます。 それから、時間がもう余りございませんので、中村参考人に、消費者の問題、これがいつも一番大事でありながら、なかなかどういうふうな対応をすればいいかということに今度はなるわけであります。多分、中村参考人のおっしゃっていた中にも、長期的ではなくて短期的に言うと、そのことをこういうふうにした方が消費は収まるかもしれない、しかし長い目で見ると、そのことが結果として消費離れを引き起こしたんではないか、そういうような指摘もあったかと思いますけれども、この問題を教訓とするために、行政の一本化の問題、トレーサビリティーの問題等いろいろございますけれども、何が一番早急になすべきだというふうにお考えでしょうか。
○参考人(中村靖彦君) 私、今あちこちにBSEについての正しい知識を提供しようということで、専門家の方々などと一緒にセミナーをやっております。そのときに消費者の方の不安とか心配を御質問でいただいて、それで感じますことは、消費者の、何といいますか、感受性といいますか、懸念のレベルがもう非常に離れています。非常に高級なレベルの方は、安全だと言うならばその根拠をなるべく科学的に示してほしいというふうに言います。普通のレベルの方は、本当に今のその全頭検査というのはこれから先も続くのかと、本当にあの全頭検査のこれが検査済みという表示は最近の傾向を見て信用できるのかというような開きがありました。 ですから、私は、消費者への今の訴えというのは、文字どおりただ一点、その全頭検査は極めて厳密にやっていてこれからも続けるということ、それから危険部位はどんな牛であっても焼却するということ、焼却していますよということを徹底的、その一点に絞って、そこが一番の説明のよりどころとしてやっていくのが消費を戻す近道といいますか、即効薬にはならないかもしれませんが、近い道ではないかというふうに思っております。
○郡司彰君 これはジャーナリストとしての参考人にちょっとお聞きをしたいと思いますが、サビリティー効果という言葉がございますですね、反復して出すことによって効果を出すようなことというのがありますけれども。 私は、いろいろ生産者とか消費者の方とこの間いろんなことでお話をすることが多くて、結局、消費を回復するのに一番何がいいんだということを言うと、おおよそほとんどの方が大臣に辞めてもらいたいと言うんですよ。これは一生懸命やっているというふうなことが伝わらないのかもしれませんが、残念ながら、映像でその顔を見ると、どうもBSEじゃなくて狂牛病という言葉を連想してしまうんだと、そういうふうなことを言う方がいらっしゃるんですね。これは私は、大臣にとっては非常に残念なことだろうと思うんですが、こういうふうな声が大きいということが現実だというふうなことも分かっていただきたいなと思いますが。 最後に、中村参考人に対しては最後にお尋ねをしたいと思いますが、ヨーロッパでもこのことを機会に食の行政の一本化も図られました。しかし、それと同時に、経済、工業優先の、最高のリサイクルと言われた、やっぱり反すう動物に自分の体と同じものを食べさせる、そういうことに対しての反省もあったかと思うんですね。しかしながら、日本の場合には、今回の教訓の中でこれからの畜産の在り方というものがなぜか議論として余り出てこない、その辺のところについてお考えをお聞かせいただければと思います。
○参考人(中村靖彦君) それは正に私が今一番問題意識として持っているところでございまして、もう最初の発生以来六か月たちます。六か月たちますが、これはメディアにも大変大きな責任があると思うのでございますが、この六か月の推移を見ておりますと、メディアのBSEについての取組は、極端なことを言えば農林水産省に対する批判一色でありました。私はそう思っています。それは当然、批判されるべき部分が多々ありましたからそれは当然構わないんですけれども、それは当然やるべきなんですが、どうも見ておりますと、そこから今度一歩も出ていかない。 今、本当はやらなければいけないのは、委員おっしゃるように、これからの日本の畜産、なかんずく牛の飼い方、それで特にえさの問題、これを一体どうするのかということが最大の課題だと思います。これは、将来的に日本で本当に安全な食肉、安全な牛乳を供給するために、あるいは消費者から見れば供給してもらうために、生産者だけではなくて消費者も巻き込んだ議論をしなければいけないんですね。 ところが、そういう視点がない。それは恐らくメディアの側にそういった勉強の蓄積がないところにとんでもないことが起きちゃって、そっちの方の対応に追われて、行政の批判はやりやすいから、やりやすいからやります。ところが、本質的な畜産のことは蓄積がないから分からない、だからいろんな発言ができない、これが真相だと思います。ここは誠に私自身も今の御意見と同じような危機感といいますか、心配をしております。
○郡司彰君 済みません、先ほどトレーサビリティーとごっちゃにいたしました。サブリミナル効果でございました。 それでは、お待たせいたしました。堀参考人の方にもお尋ねをしたいと思います。 系統の、そして生産者団体として大きな力をこれまでも持ってこられたわけでございますが、不幸にしてというような事件が起こってしまいました。事のてんまつはおおよそ分かっているつもりでございますけれども、そのことについてのまず御感想をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(堀喬君) お答えする前に、冒頭、国民の皆さん方におわびを申さなきゃいかぬと思います。 全農の子会社であるブロイラー会社、全農チキンフーズが表示偽装という、そういう我々生産者団体にあってはならない不祥事が発生したということに対しまして、心から、消費者の皆さん方、生産者の皆さん方におわびを申し上げたいと、こう思います。 今、ちょうど外部の識者による調査委員会、弁護士、公認会計士を含めた約二十名の調査委員会を立ち上げまして、今調査をしております。これの結果を待って、その責任の所在なり要因なり分析して、二度とこういった不祥事が発生しないようにやっていかなきゃいかぬだろうと、こういうように感じております。
○郡司彰君 今の気持ちを率直に受けたいとは思います。 しかしながら、過去のことも含めて今後のことの問題が出てくるわけでありまして、実は昨年の一月にも余り芳しくないことが起こっておりまして、その後も同様の言葉を口になされ、しかもそれに対応するような組織が作られていたと思うんですが、そのことについて簡単にお話しいただけますか。
○参考人(堀喬君) 昨年、切り干し大根の、またこれも表示の件で不祥事を起こしたということで、昨年の八月からコンプライアンス体制というものを確立しなきゃいかぬ、そういう観点で専門部署を作りまして、いわゆる役職員も含めた行動規範、いわゆる消費者の立場に軸足を置いたそういった形での社員、職員の教育、そういうものを手掛けた矢先にこの問題が発生したということで、非常にざんきに堪えないということでございまして、まだまだそういった面でのコンプライアンスの体制が十分浸透していないという反省を現在しているところでございます。
○郡司彰君 全農と、それから今回起こした子会社といいますか、関連会社というんでしょうか、どのぐらいの数、全農はそういう会社というものを抱えていらっしゃるんでしょうか。
○参考人(堀喬君) 今、私たちは、全農と県段階の経済連と合併を進めておりまして、この四月で三十三県との合併が成立いたします。旧全農の子会社については三十七ございまして、今言った三十三県が合併してまいります、その三十三県の県本部、これは県本部と今申し上げておりますけれども、県本部のものが約二百強ということでございまして、二百五、六十の会社を擁すると、こういう事態になっております。
○郡司彰君 私はかなり肥大をしたんではないかなというような感じがしておりまして、特に全農の方から見ると、実は子会社のことの実態はほとんど分からないんじゃないかと思うんですね。子会社の方々にしてみると、全農の方々は私たちの何を知っていてくれるんだという、そういう思いもあるんだろうと思うんですね。 こういう中で、会長が責任を取ってこの後お辞めになるということを表明をされ、副会長も同様の発言をされておりまして、そのこととこの問題の本質的な体質が改まるかということはまるきり別な問題だろうと思うんですが、先ほどのその委員会を立ち上げる全農の中に意識の問題としてそれをやっていく、このことで本当に改まるというふうにお考えでしょうか。
○参考人(堀喬君) 御指摘の点でございますが、我々としては、そういったコンプライアンス体制というものをきちっと確立して今後これを浸透させるということで、現在、この事件を契機に、各会社それから我々本体の事業につきましても総点検を実施しておりますし、また、これからこういった事件が再発しないように、関連会社の管理の在り方、特にその監査体制、外部者による監査体制、こういったものも構築をして実施しなきゃいかぬということと、もう一つは、二百数十社という会社が、擁するようになりますけれども、この会社についてはかなり機能的にダブっている会社がございます。したがって、今までは県本部独自で、県でやってきたものを、全国段階にもあり、また隣の県にも同じような会社があるという、そういった体質でございますので、こういったものを再編をいたしまして、少なくとも半分ぐらいの会社の数に統廃合をしていって更にその管理の強化を図っていく必要があるのかなと、こういうように今取り組んでおるところでございます。
○郡司彰君 問題の質は二つぐらいにあると思うんですね。 一つは、例えば、この問題が、偽装ということが業界全体の中でそう大したことではないんだというような認識があったのかどうかですね。だとすると、この制度そのものがまずかったということにもなるわけでありますから、そこのところをどうするかという議論が一つ出てくる。 それと別に、やはり自分たちの中で自浄作用というものをどのようにするかというふうなところになってくると思うんですが、その一番のところは、私は、まず最初に全農さんがこの問題があったときにおわびというものを出した。これはどこに出されましたですか。
○参考人(堀喬君) これは、四大紙を通じまして、消費者の皆さん、それから生産者の皆さんにおわびをしたということでございます。
○郡司彰君 正しくその両方が今回の事態によって大変なダメージを受けております。 一方、生協の方も、全農さんだからこそ信用して扱ってきたものに対して裏切られたという思い、これは非常に強い。これは食の安全に対する不信になっているんだろうと思うんですね。先ほどのBSEの問題とこの食の安全に対する不信というものが相重なり合って今回の事態を深刻かつ長引かせている、そういうふうに思うわけであります。 そういうふうなところからすると、このBSEの問題についても全農は独り無関心というわけにはいかないだろうと思うんですが、今回のことはそういうような形でもって改めるものを作った。 BSEに関しても、実は系統の中でも肉骨粉を扱っていたという、これは実績といいますか、そういったことがあるわけでありまして、その辺のところの反省も含めて、消費者に対する信頼回復、安全の問題に対しては、全体、どのような取組になりますか。
○参考人(堀喬君) 肉骨粉の件でございますが、先ほどちょっとお話がありましたように、今回の三頭の発生した牛に共通の人工乳が使われていたというお話がございましたけれども、正しくこれは全農の子会社の科学飼料研究所という会社が作ったものでございます。 この問題については、一つは血漿たんぱく、これが使われておるということでございますし、それからもう一つは、粉末油脂が使われる。それからもう一つは、タローという、これは食用にも使われますが、タロー、獣脂、牛脂が使われていたということで、これらについては規定の純度を保ったものでありますし、特に豚の血漿たんぱく等は、今は使用を禁止されてございますけれども、当時は豚でございます。したがって、豚のラインと牛のラインは別々にこれは作ってありますから、この問題については私は問題はなかったんだろうという確信をしておりますが、ただ、調査結果の中では必ずしもシロとは言えないという御判定でございますので、そこはそれとして、今後どうしていくかということでございます。 それからもう一つは、肉骨粉について、牛用には使っていないんです。これは、私どもの記録から見ますと、平成二年以降は使っていないということでございまして、二年以前のものについてはデータがありませんのであれですが、したがって、牛用には使っていませんが、またこれも御指摘のように牛用のえさを、豚用なり鶏用のものには肉骨粉が入っていますから、それを作った後に牛用のえさを作った場合にコンタミがなかったのかというまた問題がございます。これもいろいろ検査しまして、我々、どれだけの量が入ればBSEになるのかという、その辺りの知見が分かりませんが、顕微鏡で見た場合においては、ここは従来の製造方法ではシロであるということでございますので。 ただ、これからはラインを別々の、牛、豚それから鶏、このラインは、牛は牛としてラインを別にするとか、それからもう一つは、牛専用のえさ工場に転換するとか、そういうことをやって安全ということを確保してまいりたいというように考えています。
○郡司彰君 今回のことが起こりまして、実は皆さんが口にするのは、雪印と全農さんとどちらがどうなんだという話をされまして、事の本質からすると、消費者に与えたイメージからすると、これは全農さんの方が非常に本当はインパクト強いわけじゃないかと。しかし、マスコミの扱いは、ややもすると三分の一、四分の一ということになっているわけでありまして、その扱いの量と問題の質は全然違うんだということを認識をいただきたいと思いますし、それから最後に、農水省の先ほどの問題と同じように、全農もこれだけ大きくなってまいりますと、協同組合の在り方でありますから、会長、副会長、その他はいろんなところから来て、なって、またどこかにお戻りになる方がいる。しかし、ずっと全農で一生涯を暮らそうという人たちの中に大きな反省がなければならないというふうなことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 今日はどうもありがとうございました。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。 今日は、三人の参考人の皆さん、来ていただきまして本当にありがとうございます。時間も限られておりますので、早速質問をさせていただきたいと思います。 いろいろEUの、BSEが発生しまして、EUの取組等学ばせていただきますと、やはり消費者が真剣に問題に対して発言をし、取り組んでいると。先日、公述人の方からも御意見を聞きまして、京都大学の新山陽子教授からもお話を聞いて、これから食の安全を確保するためのそういう品質等、あるいは規格等、こういうものはもう消費者がやはり決めていくような時代になってきたんではないかと。やはり消費者を重視する、大切にするという、そういう思いがなければ、食の安全、食の安心というものは確保できない。 そういうことで、今回のBSEの発生を考えてみましても、やはり消費者に対する目が少し足りなかったのかなという思いもありますし、また、BSEが他国で発生しておったことに対する危機意識がやはり十分でなかったのかなという思いがあります。昨今、また表示の問題も、表示の偽装の問題も出ておりまして、またこれも消費者に対する思いがやはり足りないのかなということを感じているわけです。これはもう当然ながら早急に改善をしなければならない、そういう思いです。 それで、最初に堀参考人の方にお伺いをしたいんですけれども、先ほども御質問ありましたJA、全農の方は、法令遵守や経営倫理というような意味で使われておりますコンプライアンス体制を確立するということで昨年から取り組んでおられると。このコンプライアンスには、規定の整備、役職員への周知徹底、報告制度の確立、モニタリング体制の確立、あるいは罰則規定の整備、そういうポイントがあるわけですが、今回の偽装事件はどういうところに一番問題があったのか、そのように反省されているか、お考えになっているか、その点をお伺いしたいと思います。
○参考人(堀喬君) 今回の件でございますが、第一には、やはり役職員を通じてコンプライアンス、法を守るという精神が一般職員まで行き渡っていなかったのかなという反省をしております。 それが第一でございますが、たまたま今回の事件の要因についていろいろ分析をしておりますけれども、やはり仕事の仕組みにかなり無理があったのかなという感じがしております。我々、今、産地直送、産直とか、いわゆる差別化商品という形で生協さんの辺りとお取引をいただいておるわけでございますが、当初のやはり設計した商品設計、これが必ずしもそのとおりに、現場に浸透した形が不足していたのかなということが反省の中にあります。 したがって、欠品というような問題に対する対応の仕方が、いろいろ競争の中でございますのでそれぞれ立場の違いによってあるいはあると思いますが、基本的には、全農自体が欠品に対して基本的な、何といいますか、姿勢、こういったものを出すことがこれからは大事なのかなというように反省をしております。
○渡辺孝男君 堀参考人にもう一つ質問をさせていただきたいんですが、今のBSEの反省を踏まえまして、発生の反省を踏まえまして、事後対策として、食品表示をきちんと消費者が分かるように、スライス肉になった段階でもこれはどこの生産地で生産されたものでどのような飼育を行って出てきた肉なのか、それが分かるようにということで、トレーサビリティーの確立が大事だということであります。 それに関しまして、現場の方はやはりどのようなお考えなのか。私は、やはり法的、EUに倣いまして、法的義務化でもうみんな、牛は全部もうはっきりその出所が分かるというふうにすべきである、法的に義務化すべきであるという考えを持っているんですが、この点、現場の皆さんはどのようなお考えを持っていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。堀参考人、よろしくお願いします。
○参考人(堀喬君) 御指摘の点につきまして、今、我々も、牛につきましてはトレーサビリティーを実施することで、大体今、全農で扱っている牛の九〇%がこのトレーサビリティーで対処できるような仕組みになってございます。 今後、こういったものを、牛だけにとどまらず、ほかの畜種なり野菜とか、そういうものにも含めてトレーサビリティーが浸透できるような仕組みを考えていかなきゃいかぬなという思いでございます。
○渡辺孝男君 BSEの発生を許してしまった一つの原因としまして、一九九六年のWHO勧告に対して行政指導でとどめてしまった、法的な強制力をもって義務化しなかったという点が反省点になっております。 そういうことを考えても、このトレーサビリティー確立のためにはやはり牛に関しては全頭義務化をすべきであるという考えを持っているんですが、もう一度、堀参考人、その点ちょっと聞き漏らしたものですから、よろしくお願いします。
○参考人(堀喬君) そこの部分が、法的にきちっとやるのがいいのか、問題はやはり本当にできる体制を作ることが私は大事だろうと思いますので、余り法的にやって、何といいますか、非効率であったり、本当の意味のトレーサビリティーができなかったということであってはいかぬと思いますが、法的にした方がいいのかどうなのかという面については、十分な私自身考えを持っておりませんのでお答えできないと思いますが、これはやはりやる人がその気になってやらないと余り意味がないという感じをしております。
○渡辺孝男君 もう一点、堀参考人ばかりで申し訳ないんですが、やはり日本の農業者、一生懸命自給率を高めるために頑張っておられるわけです。世界の各国でも農業者の方、頑張っておられて、消費者の信頼をかち得るためにいろいろな工夫をされている。有機農法をしていこうとか、農薬を使わないようにしていこう、なるべく使わないようにしていこう、そういう試みもあるわけです。BSEに関しましても、やはりEUの方では大変な問題になって、いろいろ生産現場の方々もこれを危機感を持ちながら対応してきたと思います。 そういう声を日本の農業者の方も聞いておられて意見交換等をもう十分されていたのではないかというふうに思うんですが、BSEのEU諸国での発生に関しまして生産現場の方々が意見交換、日本の全農さんとか、意見交換をして、どういう対応をすべきか、そういう話合いがあったと私は思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○参考人(堀喬君) 私の知る限りは、具体的な形でそういった交流があったという理解は持っておりません。 ただ、若い生産者、この人たちはよく海外視察等をやっておりますので、そういう面でのものはあったのかもしれませんが、私、ちょっと承知していないというところでございます。 失礼しました。
○渡辺孝男君 そういう意味では、やはり生産現場の方も危機意識が足りなかったのかなという思いをします。もちろん行政の対応、より以上に危機感を持って対策を取らなければいけないということでありまして、今後、消費者の信頼を回復するために頑張っていただきたいなと、そのように思います。 それでは、小野寺参考人にお伺いをしたいんですけれども、これから、日本もBSEの発生国になってしまいました。非常に残念な思いです。そういう意味で、これから清浄国に復帰する対応、対策といいますか、それが非常に大事になってくると思うんですけれども、小野寺参考人はプリオン病の非常に大家でございますし、これから日本の国が清浄国に復帰するためにどのような対策を取るべきか、お考えございましたらお伺いをしたいと思います。
○参考人(小野寺節君) いろいろ対策がたくさんありまして、一言で言うのはなかなか難しいんですけれども、やはり大体四つぐらいにありまして、一つ、農場段階でのサーベイランスですね。ですから、いわゆる獣医さんがしっかりと農場でよく診断ができる、牛一頭一頭をちゃんと見落とすことがないように見るということですね。あと、屠畜場での当然サーベイランスですね。これ、日本は全頭検査をやっていますけれども、これはやはりこれからもうしばらく必要だろうと思うんです。三番目は、当然、SRMというか、特定危険部位ですね。そういうやつは必ず除去しなきゃいかぬと。これはやっぱり食の安全の問題でやっぱり必要かと思いますね。あと、当然、肉骨粉の給与防止ですか。これは、かなりしっかりと法的な規制とか、あとこれからの、かなり皆さんがこういう、せっかく法律を作っても、守らないとえらいことになりますから、そういう多面的に肉骨粉の給与防止に関してやらなくちゃいかぬと。四つぐらいが必要かと思うんですけれども。
○渡辺孝男君 特定危険部位をきちんと除いていく、食に供する場合、それをきちんとやっていくということで、最近、スクレイピーの関係でしょうか、羊の方の特定危険部位も外す方向にあるわけですが、この点は、私も余り今までそこまで進めるべきかどうか迷っているようなところもあったんですが、これは小野寺参考人、こういう方向に動いてきたのには何か理由があるのでしょうか。そこをお聞きしたいと思います。
○参考人(小野寺節君) これは特にEU委員会で科学委員会の人と話をしていたときに、やはり日本のスクレイピーが例えばBSEの原因とは、そういう証拠はないけれども、やはり肉骨粉を日本の牛が食べていたというのは確かなようだと。したがって、同じ肉骨粉を日本の羊が食べているかいないかということは、これも否定するまだ材料はないということで、したがって、BSEをもし完璧に撲滅したとしても、羊にもし病原体がまだいるんだったらこれはまた牛に戻ってくるんじゃないかということを、科学的な、一応あれですね、一つの仮説ですけれども、そういうことも一応ある程度ブロックするために羊の特定危険部位の除去及び羊の、たしか十二か月以上ですか、それに関してサーベイランスを屠畜場で行う、そういうのが必要だということになっていると思いますけれども。
○渡辺孝男君 国民の皆さんも食の安全、安心を確立するためには、やはり予防原則といいますか、分かってしまって、後で危険だったというのが分かってしまっても、もうそれによって病を起こしてしまったら大変だということで、やはり予防原則というのが非常に大事でありまして、今そういう科学的なリスクに関してはそれほど高くはないのかもしれませんけれども、可能性があるものについては、やはり予防的原則に基づいていろんな対処をしていくことが大事だというお話を聞きましたけれども、そのとおりであるかなというふうに思います。 では、中村参考人の方にお伺いをしたいんですが、今いろいろこれまでのBSE発生国になったことを反省をし、これからこういうことが起こらないように、いろいろ法律の面でも、あるいはリスクの評価等、あるいは管理をする、そういう面に関して法整備をもう一度し直したらどうか、あるいは機構も、チェック体制を整えるための機構も改革をしていくべきではないか、そういう声が多く、大きくなってきたわけですけれども、日本における法整備あるいは食品の安全を評価し、管理する体制、どのようにしていったらいいのか、参考人は、中村参考人の方から御意見を賜れば幸いです。
○参考人(中村靖彦君) 幾つかあると思いますが、その中で非常に大事なことは、今リスク評価のことをおっしゃいましたけれども、科学者の方が独自に客観的に一つの事柄についてリスク評価をして発言をする場を常に設けておくということが大事なことではないかと思います。 例えば、一九九六年に、WHOの勧告に対しても、その段階で科学者の方が例えばそのことについて一体どのくらいリスクがあるのかということを評価をして発言したというようなことはないし、それからその場もなかったわけですね。二〇〇〇年ぐらいになってイギリスからヨーロッパ大陸の方へBSEがどんどん増えてきて、イギリス、フランス。で、これは日本もちょっと心配だぞというような恐らく声は、気持ちは科学者の方にもあったと思うんですよ。それを発言する場がない。またそういうところで、ただ場もないのに発言をしてしまうと、生産者とか何かに、消費者に無用の心配を与える、で、卸売価格が下がったりする心配もある、だから心配でうまく発言ができない。ただ、そういう何か常設の場があればそういうことはちゃんと可能だと思います。 そして実際に、たしか二〇〇〇年のもう末の方だったと思うんですけれども、小野寺先生が座長になって技術検討の小委員会というのができました。それでそういう技術的な検証がある程度行われるようになったと思うんですけれども、そういう場をもうちょっときちんと整備をして、余りいろんな思惑に左右されない発言がそこで行われるということが必要なんじゃないかなというふうに思っております。 ほかにももちろんいろんな体制整備で、先ほどのトレーサビリティーについても、農場から食卓までという掛け声でいろんな食材について整備していくことは必要だと思いますし、幾つかはあると思うんですが、根本的なことを言えば今申し上げたようなことではないかと思います。
○渡辺孝男君 風評被害を防止するためには、やはり科学的な根拠というものを基にしていろんな対策を取っていかなければならない、そのように思います。 その科学的な根拠を出していただけるのはやはり専門家の学者の方々であろうと。また、それ、学者の方々のデータをそのまま、いろんなデータがあると思うんですね、その中で重要なもの、重要でないもの、消費者が分かりやすいように判断できるような形で消費者に提供してもらうのが一番有り難いと思うんです。風評被害の防止のためには、もっと科学者が科学的根拠で国民に対していろんなデータを教えていただけるのが一番よろしいのかなと思うんですが。 そこで、小野寺参考人にお伺いしたいんですが、非常に、BSEが伝達病と言われて、人にも発症するんではないかと、イギリスでそういう、元は否定をされておりましたが、そういう疑わしいということになっているわけですけれども、実際上、今までの科学的知見ではどの程度人に発症するリスクがあるのか、この点はいかがなんでしょうか。最近、少し何か昔の見込みよりも発症の可能性が低くなってきたんじゃないかという、そういう新聞報道からのデータがあるようなんですけれども。
○参考人(小野寺節君) これは人の問題はなかなか難しいというか、非常に難しい問題がありまして、一つは、やっぱり実際、個人のリスクというのと国民全体のリスクというのは結構別々の側面がありまして、国民全体のリスクというのは、その国にどれだけBSEがあるかということであるわけですが、そうすると、英国の場合ですと、大体五百万人に一人ぐらい発症するんじゃないか、あれだけ、もう十八万頭もBSEがあるからということなんですね。日本の場合ですと、今三頭だからということで、それに関しては、大まかな計算ですと三千億分の一ぐらいになるんですけれども、ただ、これとはまた別に、個人のリスクというんですか、本人が別にそういうことを気にしなくて、どこかあちこちに外国に行って危ないものをどんどん食べるということになると、どんどんリスクは一応高まるということなものです。 あともう一つ言えるのは、最近、特にヨーロッパの方ですけれども、伝統的に、何ですか、屠畜場以外のところで牛をさばいてそれを食べると。そうすると、何か脳をさばいたナイフで一応肉を結局さばくからそれで汚染があるということは、別にイギリスに限らずほかのヨーロッパの国でもあるみたいですから、そういうのはまた別に、それは個人のリスクとしていろいろ考えなければいけないと思いますけれども。
○渡辺孝男君 では、最後に日本の畜産再建のために、これは非常に自給率向上のために大事なんですけれども、堀参考人から、日本の畜産を再建するためにどういう取組をしていこうとお考えなのか、あるいは政府に対して要望、どういうものがあるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○参考人(堀喬君) 今、畜酪運動のさなかでございます。我々、日本の畜産、きちっと成り立っていくという前提の下にいろいろ要求しておるわけでございますが、やはり消費者に対して安全な畜産物であるということをきちっと訴えていけるようなそういうシステムを作る必要がある、それが言ってみれば畜産物の消費につながっていくという思いでございます。 また、生産者段階においてもいろいろ課題がございますが、今我々一番苦しんでいるのは輸入物に対する苦しみが一番多いわけでございますので、その辺りを、今後この自由貿易の中でどう生産者を守っていけるのかという視点からの御指導を是非お願い申し上げたいというふうに思っております。
○渡辺孝男君 どうもありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 今日は参考人の皆さん、本当にありがとうございます。 それでは、早速、最初に小野寺参考人に御質問したいと思います。 それで、九〇年当時の問題からですけれども、九〇年の二月の十四日付けにイギリスから反すう動物への肉骨粉の使用禁止を行ったということで書簡が送られてきた問題、それから、OIEの専門家会議が開かれて、そこでBSE非発生国におけるBSE防止のための勧告がされていた問題で、このBSE問題に関する調査検討委員会の委員長メモ、このスケルトンですね、この中で、九〇年当時の農水省の対応について小野寺参考人は極めて理解に苦しむということをおっしゃって指摘されているわけですけれども、そのことについてお聞きしたいと思います。具体的にお聞きしたいと思います。
○参考人(小野寺節君) 九〇年問題は、実はもう大分、BSEの調査検討委員会が大分話が進んで、もう過去の検証が終わって、その後に出てきた問題で、何か余りそれに関する資料がちょっとこちらの方に届いていないということで、委員の中でも九〇年問題は一応検証が終わったのかと言われて、いや、それに関してはいろいろ意見の分かれるところなんですね、したがって、こちらももうちょっと資料をたくさん出してくれた方がいいんじゃないかということを含めて、それに関して言ったわけです。 それは、やっぱり九〇年問題はいろいろ、OIEの問題が、一応BSEに関してはいろいろもう少なくとも一九八〇年代の後半にもう日本に随分情報が入っていましたから、それに関する農水の対処、九〇年の農水の対処をもうちょっと知りたかったなと、そういうことでそういう書き方にしましたけれども。
○紙智子君 じゃ、続きまして、九六年当時の問題ですけれども、WHO勧告をまともに受け止めていたならばやはり当然肉骨粉は法的禁止をすべきだったのではないかというふうに思うわけですけれども、この点まずどうですか。
○参考人(小野寺節君) 九六年問題は、したがって、あそこの恐らくあの原案にある行政責任の問題ですね、「失政」という言葉が使ってありますけれども、それに関して何ゆえに失政であるかということに関しては、やっぱり調査検討委員会で一応いろいろ議論がありまして、それに関しては、やっぱり失政ということの一応根拠は、やっぱり肉骨粉を禁止しなかったことだということを恐らく委員の人は全員そこに関しては意見が一致しているので、その九六年問題はあくまでも肉骨粉を禁止しなかったということに尽きると思いますけれども。
○紙智子君 WHOの勧告を受けた検討会を行いながら法規制を行わずに行政指導にとどめた問題で、農水省は、海綿状脳症に関する検討委員会で専門家の意見を聞いて行政指導を行ったということで、説明を続けてきたわけです。 しかし、検討委員会の議事録読ませていただきましたけれども、専門家の中からも法的禁止をすべきだということが繰り返し出されていたわけです。ところが、農水省がまとめた会議の発言要旨、この中にはそのことが紹介されていないんですね。そして、農水省がまとめた、紹介されていなくて、結論として国内の反すう動物の内臓等については国内の反すう動物の飼料として利用されることがないように指導することが重要だということで結論付けているということなわけです。 検討委員会のその発言要旨ということの中で、そういう形で違った結論となっていると。検討委員会の意見を本当に尊重するならば、当然これは法的禁止の措置が取られてよかったと思うんですけれども、その結論は行政指導なんだということが言えるのかどうかということなんですね。 この点で、実際に検討委員会に参加をされていた委員のお一人として御意見を伺いたいと思います。
○参考人(小野寺節君) これも恐らく調査検討委員会の傍聴の記録の中に恐らく現れると思うんですけれども、検討会、一九九六年の検討会ですね、それに関しては、委員の方は皆さん、指導というのはかなり禁止に近いものだと理解していたけれども、行政の方は指導というのは行政指導であると。ですから、日本語の指導というのと行政指導というの、意味は随分内容が違うんじゃないかというようなことで、その辺の意味の取り違えが多少はあったのかなということは、何か恐らくそれは、あれです、皆さん、恐らく昨日かおととい辺りの調査検討委員会の中の議事録にもそういうことは書いてありますけれども。
○紙智子君 専門家の皆さんの意見を本当に受け止めてやるということでは、そうならない結論にしてしまったということを私、やっぱり農水省の責任、この点がとても重大だというふうに思うんですけれども、その点はどうでしょうか。なかなか言いづらいと思いますけれども。
○参考人(小野寺節君) 結局、そこは一番最初に言いましたように、九六年問題はもう一にも二にも肉骨粉を禁止しなかったのが一応一番問題であるということになりますが、結局、そこに結局尽きると思うんですね。 ですから、指導ということを我々はどっちかといえば要するに禁止に近い方に考えていたけれども、聞いた方は行政指導ということに取ったという、その辺の問題がいろいろ恐らくお互いの意見の要するに聞き違えもあるのかなと僕は思っていますけれども。
○紙智子君 次に、農水省それから厚生労働省の行政対応を検討する、第五回BSE問題に関する調査検討委員会ということがやられていて、そこに報告されている農水省それから厚生労働省のその関連、関係者の方がいろいろアンケートに答えて書いておられて、この調査票というのが集められています。 この中身を見ますと、農水省の何人もの担当者の方が当時どうして法的規制に行かなかったんだろうかということの中で、外側からも内側からも圧力が掛けられている状態だった、あるいは規制緩和の強い流れがあって、これは家畜衛生の分野にも同様に押し寄せていて、これに逆らって新たな規制を行うことは大変難しいという証言などもされているんですね。 これを受けて、何か思うところがあれば。
○参考人(小野寺節君) 規制緩和の流れは、それはもう流通の側での規制緩和はあるかもしらぬけれども、言わば病気の問題の規制緩和というんですか、要するにこれに対する、病気に対するコントロールというのは、年々難しい病気が増えていますから、それに関しては、かなり国が要するに全力投球をしなきゃいかぬと僕は思うわけですね。 したがって、そういう流通の側の規制緩和と、病気の要するに撲滅ですか、予防の側の規制緩和というのはまた別問題だと思いますけれども。
○紙智子君 それから、肉骨粉についてなんですけれども、当時、肉骨粉の牛用配合飼料への使用状況というのが九五年度で二百四十七トン、配合率で一%から二%ということなんですけれども、三月から四月で、禁止する前の段階ですけれども、そのところで四十二トン、八トンそれぞれ使われていて、大体このとき、一%ぐらいの配合率ということになりますと、飼料としては五千トンぐらい製造されていたことになるんですね。 それで、先日、テレビの報道で、農水省が行政指導を出したのが四月十六日、当時、なんですけれども、その十六日以前に業界に相談をしているというか、そして、在庫を回収せずに使用禁止になることを知らせたということが駆け込みでその後ぐっと広がったんじゃないかということなどが報道されているんですけれども、このあたりの経緯なんかは調査検討委員会では報告されていたでしょうか。
○参考人(小野寺節君) 使用禁止の前のそういう細かいことは、恐らくまだ、調査検討委員会もちょっと回数が、今まで十回ぐらいやったんですけれども、そういう過去の検証はそのうちの大体五回ぐらいですから、それで、一回に用いる時間も、二時間と最初は予定されても延長がありますから二時間半か三時間ぐらいになりますけれども、恐らく、その時間で果たしてどれだけ全部網羅できたのかなということは、やっぱり将来の問題としてかなり残っていると思います。 そういうことはまだ聞いておりません。
○紙智子君 次に、EUのステータス評価をめぐる問題ですけれども、この問題をめぐって、ほぼそこで言われていた評価が日本の対応の問題点などを的確に指摘されていたんじゃないかというふうに思うわけですけれども、政府がそのとおりに受け入れて対策を取っていたら発生時の混乱は避けられたんじゃないかと思いますが、その点についての見解をお述べください。
○参考人(小野寺節君) EU委員会のいろいろ提案ですね。いろいろ、何となくEU委員会のステータス評価の問題は、文章だけ見ると、日本がカテゴリー2か3かと、その辺の方に話が行ってしまって、どうもその全文に書かれているいろんな勧告案が結局皆さん忘れられてしまっていると、僕もついそう言っておるんですけれども。 そういうことで、割合こういうのは、自分の国が自分を見るよりもよその国に自分を見てもらった方がよく分かるという側面もあるものですから、やはりそれに関しては、こちらとしてもある程度少し聞いた方がいいんじゃないかということはあって、したがって、それに関して、全面的には実行できなかったんですけれども、ある程度あれですが、サーベイランスをやりましょうと、これは農水省に関しても厚生省に関しても。あと、えさの規制もちょっともう少し法律的にやりましょうと。 そういうことは少しずつ準備をしていたことは準備をしていたんですが、しかしながら、もう我々が予想するより早くBSEが出てしまったということで、かなりそういう、予想より早かったということで多少の混乱はあったかもしれませんけれども、できるだけ混乱がないように、少なくとも半年ぐらいの準備期間は我々としてはあったのかなと。半年の準備期間はちょっと若干足りなかったかなという気もしますけれども。
○紙智子君 農水省は、我が国が未発生国であるということで、OIEとの基準が違うことをEUステータス評価の拒否の理由にしてきたんですね、EUの方が厳しいというか。だけれども、そもそもその基準が違うと思うんですけれども、評価を断る理由にしてきたというのは妥当なものと言えるのかなということなんですけれども。
○参考人(小野寺節君) OIEの基準とEU委員会のSSCの基準がちょっといろいろ、多少違うと。それに関しては、実際これもこちらの調査検討委員会の方でいろいろ発言していたんですけれども、OIEというときは動物の病気ということを予防するということであります。ところが、EU委員会の場合の、特にSSC、科学運営委員会は、やっぱり予防原則といって人の病気を予防するという側面が非常に強いということがあるわけですね。 したがって、多少EU委員会のSSCの方が、かなり細かいというか、かなり条件がきついということはあるわけですけれども、今回、問題はEU委員会とのやり取りの方がずっといろいろ問題になっていたみたいですから、小生の考えとしては、やはり予防原則に立った方がよかったのかなと僕は思っていますけれども。
○紙智子君 指摘されている中で、これから日本で改善が必要だと思われること、いろいろあると思うんですけれども、特にこういう点が大事だということについてお聞かせいただきます。
○参考人(小野寺節君) 指摘されることでこれが大切だということで、例えばEU委員会で一番問題になるのはやっぱりえさの一応はいろんな品質の問題ですね。食品に関する品質に対しては、特定危険部位をあそこで外していると、一応屠畜場で外しているということがありますけれども、まだえさに関しては、まだいろいろ、いろんな規制とか、あとえさの品質管理とか、例えば今あるえさに例えば牛の材料が入っているか入っていないかという、そういうサーベイランス問題、そういう問題はまだまだ特に残っていると思うんですね。ですから、それに関してはこれからも更に強くやらなければいけないと思っています。
○紙智子君 調査検討委員会の報告要旨の中でも、政策決定過程が非常に不透明だという指摘がされています。 それで、この調査検討委員会のメンバーとして、九〇年代の当時の対応、それから九六年当時の農水省の対応、それからEUのステータス評価に対する対応と、その政策決定過程や責任の所在や経緯、調査検討委員会に対して農水省が十分明らかにしたというふうに思われますか。
○参考人(小野寺節君) 調査検討委員会、現在、あと七月の二日に答申書を出す調査検討委員会のことですね。 あれに関しては、やっぱりまだ、一応それで十回、あといろんな懇談会を入れれば十数回やっているわけですけれども、これからまたいろいろ問題も、いろいろ新しい問題も出てくる可能性もありますし、まだまだ結構持続的にやった方がいいと僕は個人的には思っていますけれども。
○紙智子君 ありがとうございました。 それじゃ、次、堀参考人にお願いいたします。 まず一つは、偽装問題についてなんですけれども、今回の。 この偽装問題というのが、いきなりぱっと出てきたというよりは、やっぱり恒常的になされていたのではないかと。通常、産直で欠品が出るような場合は、どのような対応をすることになっていたでしょうか。
○参考人(堀喬君) 欠品の場合は、お得意さんによって欠品を許していただけるところと、欠品はまかりならぬというやはり二通りがあるんではなかろうかと思っています。当然、農産物でございますので欠品が発生するのは当たり前なのでということでお許しをいただくという、そういうこともありますし、また欠品が、いわゆる生協の場合は特に購買、いわゆる組織購買といいますか、そういった形で注文を取っておるので、欠品については、一遍約束したものについて欠品があるという場合は駄目だということがあるので、その場合はやはり多めの、多めの在庫を持って、それを回転させていくという、そういう方法を取らないとどうしてもそういった需要の変動に対応できない、そういうことでございますので、少し多めの在庫を持って対応しているというのが通常でございます。
○紙智子君 牛肉の在庫緊急保管事業の検品の中で、全農分から対象外のものが二・二トン出たわけですけれども、事業者側に作為が認められなかったということで、事業者名の公表についてはやらないということなんですけれども、対象外だった牛肉というのはどういうものだったんでしょうか。
○参考人(堀喬君) 一つには、賞味期限が切れたものがあったということで報告を受けております。
○紙智子君 十月十七日以前に賞味期限が切れたものが結局紛れ込んでいたと。事業の趣旨からいって、それが本当に作為がなかった、意図的ではなかったというふうに言えるのかなというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(堀喬君) 当時は、非常にBSEが発生して市場が混乱しているさなかでございました。したがって、こういった十七日以前の肉の扱いをどうするかということを農林当局といろいろやり取りがあって、我々としては元々安全だという前提で、これは買戻し付きといいますか、そういう条件で買い入れたということでございまして、当時非常に混乱をしていて、本来なら一つ一つ検品をしてやるのが筋だったかと思いますが、いずれにしても、要領ができて申請するまで十日というそういうせっぱ詰まった中での作業であったということでございますので、それが悪意であったということは思っておりませんし、当局の方もそういう認定をしていただいているということでございます。
○紙智子君 関係者の間からも、やっぱり何よりも売上げ第一の成果主義の中で、欠品となれば昇給や昇格にも影響するから正直なことが言えないような状況もあったんだというような指摘もあるわけですけれども、食の安全、安心よりも売上げ第一とか成績主義がなかったのかどうかと、そういう点では、協同組合の原点を忘れてしまったために起こった問題じゃないのかということもあるわけで、その点についてどうなのか、そして今後どうする必要があるのかということについてお聞かせください。
○参考人(堀喬君) 御指摘の点、全く否定するものではございません。やはり現場で働いている人間はそれなりのやはり何といいますか、欠品に対する何といいますか、恐怖心といいますか、そういったものがやはりあったということは否定できないと思います。 したがって、これは現場の個々のそういった担当者にゆだねるのではなくて、それについてはちゃんと役員がそれを受けてどうするか、そこをきちっとやっていないためにこういった不祥事が私は発生したと思っておりますので、これは会社それぞれの在り方につながるわけでございますが、ここはやはり全農として、販売事業に対する姿勢、これをもう一遍これ反省し直して、我々の関連会社である、子会社であるそういった第一線に浸透させていかなきゃいかぬだろう、こういうふうに考えております。
○紙智子君 ちょっと時間がなくなってしまって、最後、中村参考人に質問しようと思っていたんですけれども、一言だけ、BSEについてイギリスを始めとして各国を取材されて、やはり今本当に日本が教訓として生かさなきゃいけないというふうにお考えの点、ひとつお願いいたします。
○参考人(中村靖彦君) なかなか一言では言いにくいのでございますけれども、やはりEUそれから特にイギリスですね、そのイギリスからドイツ、フランス、それぞれ大混乱の中でいろんな規制をしてきました。そのマニュアル的なものを私は日本でやっぱり、本当はもうちょっと早めに準備をしておくべきであったというふうに思います。ただ、不幸にしてそれがうまくできなかったということで、これから先はやっぱり日本におけるBSE対策のマニュアルを、それこそ農場から食卓までという中で作っていくことが非常に大事ではないかというふうに考えております。
○紙智子君 どうもありがとうございました。
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本荘太でございます。今日は、どうも参考人の皆様、大変ありがとうございます。 いろいろ質疑も尽くされてまいったようでございますが、私は、ここでひとつ一末端生産者といいますか、そういう視点からちょっといろいろと教えていただきたいかなと思っております。 まず第一点なんですが、もう昨今、この食の安全ということで出てきておりますBSE問題あるいは偽ラベル問題等、一連の事件といいますか、事柄を見ておりますと、すべてその中間業者といいますか、生産者と消費者を両末端とすればその中間で起こっていることでございまして、被害者は常にその両端にあると。偽ラベルについてはこれは消費者かもしれませんし、私は、BSEというのはこれは本当の生産者が困っている、依然として困っている問題だと認識しておるわけでございます。 それで、中間業者といいますか、中間におる方々が起こしているということは、これは一つは、私なりの分析をしますと、戦後の金もうけ主義といいますか、こういうものがここまで成熟したのかなというような皮肉な見方もできるわけでございますが、これを安全な対策としてどういうふうに対応をしていくかということでは、これは金もうけ主義と対抗するというのは容易なことでないと。これからはそういうことでやっていかなきゃいけないというふうに思っております。 それで、BSEの生産者の問題、生産者が一番困っているということに戻りますけれども、最近どうも、中間報告にも、新聞の見出しでは見たような気がするんですが、あるいは武部農林大臣なんかも、いわゆる今までは生産者重視過ぎたというような表現を非常にされている。私も委員会で何度かそれ指摘させてもらったんですが、私はあえて言うんなら、生産者団体と言うんならまだ分からないでもないけれども、生産者というのはどうも当てはまらないんじゃないかと。私もそういう農林水産業の行政に携わったことがございますけれども、端的に申し上げまして、生産者の意向と生産者団体の意向というのは必ずしも一緒じゃないんですね。その辺を農林行政としてもしっかりとらまえてやっていかなきゃいけない。 これから、したがっていろんな対策がなされると思いますけれども、このいわゆる両極端の生産者、消費者というのが一番の被害者であると。こうした人たちをどう助けるかといいますか、こうした人たちに対してどういう重視したことを、政策を立てなきゃいけないかということがポイントだと私は認識しておるわけですけれども、この私の認識に対して、今日おいでの三人の参考人の方々、大変横着で申し訳ないんですけれども、お一人お一人ですね、私のこういう認識について何か御感想があればお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(中村靖彦君) 私も今御指摘のようなことを最近特に表示の偽装事件なんかをきっかけに感じておりまして、それは何かといいますと、最近は、食、食べる方の現場と、それから農、農業の生産の現場が距離がすごく遠くなっちゃったということが実はこの偽装事件の底流にあるのではないかというふうにかねがね思っています。 それはどういうことかといいますと、やっぱり今の消費者の方は、農産物生産の現場についてほとんど知りません、知識がありません。ですから、生産される農産物の原材料の名前もよく知らないという状況の中で、恐らく食品産業の人は、それはモラルの問題は当然ございますけれども、モラルの低下というのは戒めなければいけないことですけれども、まあ、このぐらいのことをやっても分からぬだろうと、消費者にはですね、そういう意識がどこかやっぱり片隅にあったのではないかと思っているわけです。確かに、そのとおり消費者は分からなかったんですね。 ですから、そこのところはこれから先、さっき言われたその中間の部分をいかにして縮めて、お互いがなるべく近く顔が見えるような形、一番顔が見える形というのは今各地で広がっているファーマーズマーケット、地産地消みたいなところですけれども、それを全部というわけにいきませんから、そういう形のものをやっぱり広めていって距離を縮めるという努力をすることが、表示違反なんかについても防ぐ手だてになるのではないかというふうに思っています。
○参考人(小野寺節君) 生産者の意向ということと生産者団体の意向ですけれども、これはやっぱり一種の食品のトレーサビリティーの問題だろうと思うんですね。やっぱり今、中村参考人が言われましたように、やっぱり一応スーパーマーケットとかそういうところで物を買って、それで結局生産者の顔が見えるかと。結局、特に欧米では、農場から食卓までということでちゃんと、トレーサビリティーがちゃんと分かるようになって、そういう具合にもうある程度一本化されているわけですね。 しかしながら、そういうことでしたら消費者と生産者がある程度一体化するというんですか、分かると思うんですけれども、現在はなかなかそうはなっていないということで、どうしてもその間に生産者団体が入ってしまうということで、そこでちょっとお互いワンクッションあると、ワンクッション、もっとたくさんあるかもしれませんですが。 ですから、そういうことで、やっぱり将来ちゃんと、どういう例えば農場で、どういう例えば牛が飼われていて、それがどういうところで、どういう飼い方をして、どういう例えば屠畜場、食肉処理場に行って、それで、その後は百グラム単位でもちゃんとこういう処理の仕方で一応この牛肉が作られましたと、こういうのがちゃんと分かれば、そういう生産者の意向と生産者団体の意向というのはそれほど乖離せずに済むのじゃないかと僕は思っていますけれども。
○参考人(堀喬君) 御指摘のように、我々生産者団体でございまして、非常に耳の痛い御指摘でございますが、我々はこういった生産者団体でございますので、常々生産者の立場に立った物の考え方、これがやはり基本でございますが、昨今のこういった表示の問題を見てみますと、やはり今の法体系といいますか、そういったものがやっぱりかなりのスピードで消費者の視点に立った施策が展開されているのかなと、こういうように考えておりますので、やはりそれのスピードに乗り遅れないようなことをやっていかなきゃいかぬのかなということでございまして、言ってみればコンプライアンスをきちっとやることがむしろ消費者の視点に立った行動につながるのかなと、そういう思いでもっておりますので、生産者と消費者をきちっと安全な、また安定供給という面でおつなぎするのが我々の役目かなというように感じております。
○岩本荘太君 ありがとうございました。 先ほど申し上げました金もうけ主義にどう対抗するか、その一つの手段として消費者と生産者を近くするという、なるほどという思いがいたします。 また、それと、私なりに申し上げれば、その中で一つ、最近、科学といいますか、それにちょっと頼り過ぎているような、科学的な分析とかそういうものがなされているんじゃないかというようなことで信頼し過ぎているような面もあるんじゃないかと、何も調べていないで言うのもなんですけれども。そういう気が一ついたしますし、さらには、生産者の生産性というのはほかの産業に比べて低いですよね。したがって、ほかの人と同じようになるためにはほかの中間部門まで入っていかないと対等な所得が得られないというものがあると思うんです。そういうことを農家の方々皆さん知っているわけですけれども、なかなか一個人の農家ですと、そこまでのノウハウを蓄積するのも使うのも非常に無理な点がいたしまして、私はそういう点は、そういう点こそ、今日は堀参考人お見えになっておりますけれども、農業団体といいますか、そういうものが取りまとめてやるやり方というのが一ついいんじゃないかな、これはちょっと余計なことまで申し上げましたけれども、そんな感じがいたします。 それと、狂牛病問題なんですが、今、いわゆる十月十八日の検査によって少なくとも、信用するしないは別として、消費者の安全は守れたわけですし、それから買取り制度とか、いろいろ生産者の買取り制度とか生産者の当面の対策は私はなされていると思うんですが、やはり生産者からの身にすれば、最終の目標は昔と同じ、言うなれば去年の八月ですか、これは八月ではもう既にあったわけですからそれと全く同じということじゃないですけれども、生産者の身にしてみれば、あのときに生産した状態、そういうものに戻してもらいたい、これが切実な願いであろうし、これが今回の問題に対する最終的な決着の姿だと私は思うんですが、その辺が一つ疑問に思いますのは、そういう状態に戻るということが可能かどうかですね、これは小野寺先生、ひとつ教えていただきたいと思います。
○参考人(小野寺節君) 九月十二日の問題というのは、もうBSEが全くない状態ということ……
○岩本荘太君 八月。
○参考人(小野寺節君) 八月。例の見付からなかった前の話。あれはなかなか、これからずっとサーベイランス、ずっとやるわけですね。仮に今、ですから、去年の十一月の例が最終例だとして、それでずっと、一応OIEとかそういうところの規定ですと八年間はやらなくちゃいかぬということになるわけですね。それで一生懸命サーベイランスをしたり検査しなきゃいけないわけですけれども、それでもし全くそれで病気が出なければ、それであといろんな国際機関がそれで納得すればですよ、清浄国であると、納得すれば元へ戻ることにはなると思いますけれども、ただそれが、ちょっと今のところ、いつのことになるかというのは余り予想付かないですけれども。
○岩本荘太君 日本の国の問題だけじゃないですから大変だと思いますけれども、少なくともそういう点で、生産者には情報公開といいますか、どういう段階に来ているのかということを知らしめていただけるのが私は非常に有り難いと思うんですね。生産者は決してその起こっちゃったことに対してどうだったということをそう長くは言っているわけじゃない。要するに、自分の生活がしっかり元に戻ればいいと。そういう意味で、例えば今回のこの狂牛病、BSEにしましても、生産者が期待しているのは原因究明じゃないと思うんですよ。要するに、先ほど言いました十三年八月の状態に戻ればいいと。 私が言うまでもなく、こういう大家畜の飼育をしている方々というのは、本当に自分の子供を育てるような気持ちで育てているわけですね。それが今の状態ですと、その牛を一生懸命自分が育てても、屠場に行って検査したら駄目だったということがあり得るわけですよね。それがもう本当にたまらない状態だと思うんですね。 したがって、一〇〇%全く、全く可能性のない状態でなきゃいけないのか、あるいはどこかのチェックポイントを、もっと簡単なチェックポイントを置いても、生産者がまあほとんど大丈夫だというような牛を飼えるような状態、こういう状態にならないと、私は、日本の畜産業界といいますか、酪農業界そのものに後継者が出てくるかという心配があると思うんですね。 今の人たちはもう設備投資していますから恐らく簡単にはやめられない。これからの人は、今の状態であれば本当に出てくるかどうか非常に僕は心配な気持ちで一杯なんですが、この辺、堀参考人、生産者の立場に近いお方としてひとつ御意見をお聞かせください。
○参考人(堀喬君) 全く同感でございまして、今本当に農家は塗炭の苦しみを味わっているわけでございまして、一日も早い発生前の状況に返ってほしいという願いが強うございます。 今、関係当局の方もいろいろな面で手当てをされておりますけれども、今やはり問題なのは、言ってみれば老廃牛の処理の問題辺りがどうしてもやはりネックになっていて、それを出すことにおける、何といいますか、今度仮に発生したということにおける恐怖感といいますか、一遍やはりこういうものが出てきますと、今いろいろな手当てはされておりますけれども、六十万ですか、手当てされておりますが、それは農家が手塩に掛けて育てた牛には代えられないと、そういうことでございますので、なかなか、何といいますか、これといった決め手はありませんけれども、一日も早いそういった状態に返ってほしいなという願いがございます。 以上でございます。
○岩本荘太君 これ、生産者個人の気持ちでしょうから、どう変わるか。やっぱり離農しちゃいかぬということは言えないわけですから。ただ、日本の国からいえば、それが外国品に代わればそれはまた自給率の問題にも関係してくるでしょうし、やっぱり栄養の面からしっかり日本で畜産、酪農というのを育てなきゃいかぬ。 こういう今の場になって、それはそういう生産者に一番近い堀参考人のお立場、あるいは研究をされている小野寺参考人のお立場、あるいはそういう両方向を統括されているジャーナリストとしての中村参考人の、そういう皆さん方のお力があって初めてそういうことが成り立つと思いますので、その辺、私どももしっかりやるつもりですけれども、よろしくその辺の、要するに起こったことはしようがないと言っちゃ問題ですけれども、これはこれとして、一つの災害といいますかとして、それをどう前向きに進んでいくかというのが今一番僕は大きな課題ではないかなと思いますので、お願いをよろしくいたしたいと思います。 まだ準備したんですけれども、これ入りますと時間オーバーしちゃいますので、一分を残しましたけれども、これで終わりにさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○大渕絹子君 三人の参考人の皆さん、今日は貴重な御意見、本当にありがとうございます。最後の質問者でございますが、よろしくお願いを申し上げます。 まず、中村参考人にお伺いをいたします。 BSE問題調査報告書案の中には、食の安全の確保のためには独立した行政庁も必要なのではないかというようなことが書かれております。当然、このたびのBSEの発生問題を見るに当たりまして、農水省の問題あるいは厚生労働省の責任問題というのは非常にクローズアップをされてきているわけですけれども、この縦割り行政の中でこれから将来の食の安全について本当に守ることができるのかどうか。もしできると、やるとすれば、農水省はここをこうしなければ駄目、厚生省はここをこうしなければ駄目という御提案があったらお聞かせをいただきたい。そして、調査報告書が出しているように、完全に独立したものが必要なんだということであれば、そこの御主張もお願いをいたします。
○参考人(中村靖彦君) 独立したそういった安全を管理する機関というのは、恐らく今度の調査報告書が公になれば更にその議論は加速するだろうと思います。私も、やっぱり究極的にはヨーロッパで既に設置されているような食品安全庁みたいなものが日本にもある方がいいのではないか、それからアメリカであるようなFDAという、食品医薬品局ですか、そういうようなものはやっぱり存在して全体を管理するということが必要だと思います。そして、そのときに同時に、そういった独立した機関と提携するような形で、科学者が客観的に、第三者的に、全く行政とか何かの思惑に、行政とか政治に思惑を持たずに発言をする、そういう場をやっぱり一つの機関として常設の形で置くということが必要なのではないかと思います。 ただ、御承知のとおり、今、農林水産省、厚生労働省、それぞれの幾つかのその中の部分がこの安全問題、特にやっているわけでございまして、そこがこれまでの行政の縦割りをどこまで排除してそういったところに力を結集できるかどうかというのは、正直言ってかなり難しいかなという気はいたしますが、一つの方向として私は検討の価値があるというふうに思っております。
○大渕絹子君 小野寺参考人にお伺いをいたします。 参考資料を見させていただきましたら、小野寺参考人は、ヨーロッパで狂牛病が発生をしてから以後、多くの著作等を通じて狂牛病の現状あるいは科学的な分析等々、警鐘を鳴らしてこられたというふうに思いますけれども、十年遅れて日本がこういう状況に陥ってしまったことに対して大変無念な思いもありなさるだろうというふうに思いますけれども、日本がこの狂牛病発生を防げ得なかった原因はどこにあるのかということをお聞きをし、そして、そこが行政の責任なのか、私たち政治家も、もちろん国会も問われるというふうに思うのですけれども、その防げ得なかった原因と同時に、その農林水産行政の責任について参考人のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(小野寺節君) 防げ得なかった点ということですが、これは結局、肉骨粉を使っていた、使っていたことに気が付かなかったということに尽きると思うんですけれども、これは一つは、こういうヨーロッパの、本来ヨーロッパの病気で、これが日本にいつの間にか入っていたということなんですけれども、そうしますと、やっぱり対策もヨーロッパ方式でやらざるを得ないということになると思うんですね。ですから、そういうことで、責任というか、ということになるかどうか知りませんけれども、やっぱりあれですから、いろんなそういう対策に関して一応一本化されなかったというのが一つの問題かなと僕は思っています。 したがって、責任ということに関しては、今調査検討委員会の報告書が四月の二日に出ますから、あれにかなり細かく書いてあることなものですから、できればそちらを読んでいただきたいんですけれども。
○大渕絹子君 ありがとうございました。 堀参考人に。 御苦労さまでございます。私も新潟県の農業地域に暮らしておりますので、畜産農家、酪農農家の悲痛の声というのはもう身にしみて感じております。 それで、先ほど参考人は、消費者が安全なものを提供していくことが信頼回復につながっていく、そのことが必要だと強くおっしゃってくださいましたけれども、全農として、この消費者に安全なものを提供していくための畜産農家やあるいは酪農家に対する指導とかあるいはガイドラインとか、そういうものについてこれからどんなことで取り組んでいかれるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(堀喬君) 一つは、牛肉については、先ほど申し上げましたけれども、トレーサビリティーをきちっと確立していきたい。たまたま今我々の方が扱っている九〇%はそういう形で、いつでもその牛がどういう状況で飼われてどこの産であるか、どういったえさを食べたのか、そういうものが分かるようなシステムを作っておりますので、これからもそういったものを畜種に広げて取り組んでまいりたいと、これがやはり信頼につながるものではなかろうか、こう思っております。
○大渕絹子君 ありがとうございました。 参考人のそれぞれの御意見がこれからの行政の場所に、あるいは政治の場所に生かされますように努力をしてまいります。ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人の方々に一言お礼を申し上げます。 本日は有益な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時八分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十四年度総予算三案を一括して議題といたします。 これより食品安全及び医療問題に関する集中審議を行います。 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。 それでは、質疑を行います。南野知惠子君。
○南野知惠子君 自由民主党の南野知惠子でございます。 まず、総理、お帰りなさいませ。二十一日から三日間の韓国公式訪問は、両国相互理解に大きな足跡を残されたことと思います。サッカーワールドカップの日韓共同開催などにより、更に両国のきずなが強まるものと信じております。 さて、総理の訪韓に影響されましたのでしょうか、北朝鮮の話題が新聞で取り上げられております。日本政府が認定しております十一人の日本人拉致問題に関する総理の今後のお取組について、正式な質問に入ります前にお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の韓国訪問に際しまして金大中大統領と会談をいたしましたが、日韓友好協力のほかに、この北朝鮮の日本人拉致問題もいろいろ率直な話合いをいたしました。 日本としてはこの拉致問題を放置することはできないと、日本国民の生命、安全にかかわる大きな問題であるので北朝鮮側に誠意ある真剣な対応を求めていくというのが日本の姿勢であるということを金大統領にもじかにお話いたしました。その中で、韓国政府の北朝鮮に対する太陽政策といいますか包容政策、これを私も日本政府も支持すると、何とか北朝鮮を国際社会の場に出るような話し掛けも必要だと。 北朝鮮、韓国そして日本、アメリカ、大きな今かかわり合いを持っておりますけれども、この北朝鮮の問題については対話の重要性、そして平和的解決というこの重要性を認識しつつも、日本政府としては拉致問題をしっかりと取り上げていくつもりであると、その際には北朝鮮側に、日本のこの姿勢というもの、誠意ある北朝鮮側の対応を望むということも、機会があったらば韓国側からもお伝えいただきたいということで金大統領も理解をいただいたわけであります。 今後、北朝鮮との国交正常化交渉を粘り強く進めていきますが、私は、北朝鮮側にとっても、対話、平和的解決こそが北朝鮮国民にとっても北朝鮮政府にとってもプラスになるんだと、そして、ひいては韓半島、朝鮮半島のみならず、両国の安全はもちろん、アジア全体、世界平和にも資するものだということを理解してもらうような二重三重の働き掛けが北朝鮮側に対して必要だなということで認識が一致したわけでありますので、その線に沿って拉致問題も日本政府としては、正常化交渉の中で北朝鮮側の誠意ある対応を期待したいと思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 地球上の人々がしっかりと手を握れる日がいつかやってくればいいなと、そのように思っております。 次の質問でございますが、先日やっと合意を見ましたサラリーマン本人の医療費自己負担、これの三割への引上げの実施時期が平成十五年四月と健康保険法等の一部の改正に、法律案に明記されました。総理の主張されるとおりに実現いたしましたことは小泉構造改革のエポック的な出来事として位置付けられていると思います。それを私は高く評価したいと思います。これに関しましては、自由民主党を始め与党の間でもかなり厳しい意見がございましたが、総理のリーダーシップの下、将来を見据えての方向決定へと粘り強く説得され、合意を得ることができたものと思っております。 しかも、法案には、将来の抜本改革としまして、保険者の統合、再編を含む医療保険制度体制の見直し、新しい高齢者医療制度創設、診療報酬体系の見直しなどが盛り込まれました。二十一世紀を通じ、持続可能な我が国の医療制度を構築することになると期待いたしております。 そこで、成案をまとめられました総理に、現段階でどのようなグランドデザインを描かれているのか、大まかな御認識をいただきたいと思っております。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、これから高齢者がどんどん増えていく、また若い世代が減少していく中で、医療皆保険、国民皆保険制度をどのように効率的に運営し、維持していくかと。国民にとりましては、病気になればできるだけ軽い負担でお医者さんに行きたい、あるいは病院に診てもらいたいという気持ちは当然だと思います。同時に、お互い病気になった人も病気にならない人も、それぞれ負担しながらこの医療保険制度を守ってきているわけであります。 そういう中で、どの程度患者さんに負担してもらえばこれが適正なのか、また、病気になっていない人に対してもふだんから保険料を負担していただく、これもどの程度だったらいいのかと。さらに、保険者だけで医療保険賄えませんので、税金も投入しております。いわゆる公費ですね。この公費、税金と、病気になっていない人もなった人も負担していただく患者負担と保険料負担、この組合せをどう適正に考えていくか。さらに、今の医療提供体制とかあるいは診療報酬の問題あります。 今、すべて治療しても検査してもその出来高によって医療費を決めていくという問題と、この診療報酬体系を見直してもっと効率的な診療報酬体系ができないものかという見方もあります。いわゆる慢性的な病気だったらば大体額が分かるだろうと。その中でお医者さんの裁量に任せると。そうすると、不必要な検査もしないんじゃないか、不必要な投薬も少なくなるんじゃないかという議論もありますが、これはいろいろ見方もあるのは御承知のとおりだと思います。何よりも基本的にはお医者さん自身の良心とか腕前とかあるいは見識にも懸かっているところが多いと思いますけれども、ともかく全体的にもっと診療報酬体系でも改善の余地がないものかという点もあります。 あるいは薬価差の問題、実際に仕入れる価格と公定価格の差がある。これもっとなくしたら、詰めたらもっと医療費は安く上がるんじゃないかという問題もあります。 さらに、日本はどうも高い薬を使いたがるんではないかと。同じ成分で同じ効き目があるんだったらば、高い薬使うよりも安い薬使った方がいいじゃないかと。しかしながら、人によってはブランド志向というのがありますから、何事にも。同じものでも有名な方がいいとか、中小企業よりも大企業が作った方が信頼できるからという気持ちを持っている人も多いわけであります。そういう点ももっと、同じ効き目があるんだったら、同じ成分があるんだったら、高い薬よりも安い薬を使ってもらうような奨励策がないものか。いろいろあるわけです。そういう点も含めて、いろいろ改革すべき点はあるなと。 そういう中で、十五年四月から二割負担から三割負担、お願いしますけれども、要は、国民皆保険制度というこの制度を国民の皆さんの協力によって維持していこうと、そのためのいい改革は何かという観点から、より良き改善策、改革策を講じていきたいと思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 総理のお話を今テレビで皆さんがお聞きになっていられるだろうと思い、その三割負担の問題についても十分御理解いただけたのではないかなと思っております。 私の考えといたしましては、やはり診療報酬につきましても、そこら辺は医療、治療だけにとどまることなく、予防の分野にも是非範囲を広げていただきたいと、そのように思っております。 現在、診療報酬につきましては、中央社会保険医療協議会、これで論議がされていますが、自治体病院のドクター又はナースにとりましても参画させていただいていない現状がございます。広く国民や関係者の意見を反映しているとは言い難いのではないでしょうか。 例えば、看護職は医療機関で最大の数を持っております。またさらに、全国には五千か所以上の訪問看護ステーションを管理しておりますが、当協議会には参加できておりません。診療報酬は単なる点数問題だけでなく、医療機関の機能分化の在り方や医療の質、評価の基準も定めているところであり、極めて重要な指標でもございますから、審議に当たってはできるだけ窓口を広げて多くの方々からの意見を聴くことが必要ではないかなと思われます。 中医協の在り方を現代的に抜本的に見直すことを提言いたしますが、厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。厚生労働大臣、先日はヤコブ病で亡くなられた方々を訪問されましたこと、大変お疲れさまでございました。併せて御返答いただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今、南野先生からございましたとおり、この中医協と申しますのは、いわゆる診療報酬の支払を受けます保険医療機関あるいは保険薬局の代表者、そしてその費用を負担しますところの保険者、被保険者の代表者、それに公益の代表者、三者構成になっておりますことは御存じのとおりでございます。この内容がこれでいいかどうかというお話はいろいろの方面からもあるわけでございますが、いずれにいたしましても、この診療報酬にかかわります関係者の意見調整の場になっているわけでございます。 もちろん、医療の世界におきましては、看護婦さん方が大きな役割を果たしておみえになりますし、そして今お話しのように最も人数的にも多いということも十分に理解をしているところでございます。この中医協の中でいろいろ御発言をいただきたいというお気持ちは前々から南野先生からもお聞きをしているところでございますが、私はその前に、いわゆる看護婦さんの立場、看護婦さんがどのような、看護婦さんじゃない看護師さんですね、失礼しました、変わりましたので看護師さんでございますが、看護師さんがどのようなお仕事をしていただくか、医療の場においてどういう範囲を分担をしていただくかということのここのすみ分けということの方が私は先ではないかというふうに思っている次第でございます。 もう少し、私は看護師さんがやっていただく範囲というのは拡大していいのではないか、看護師さん御自身が御自身の意思によって行っていただきます医療の分野というのはあるのではないかというふうに考えております一人でございまして、そうしたことを先に手掛けていって、そして全体の場でどういう発言をしていただくような立場を取っていただくかという手順の方が私はいいのではないかというふうに考えております一人でございます。 もうこの中医協だけではなくてほかの審議会におきましては、様々な審議会におきまして看護師さんが代表として御出席をいただいていろいろの御発言をいただいておりますことに感謝を申し上げているところでございます。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 次は、医療事故に関することでございますが、医療事故の報道はなかなか減少することがありません。政府としても取り組んでおられるようですが、医療防止事故対策は急務の課題であると認識いたしております。医療事故防止には、医療者個々人の注意や医療機関の体制の整備、また十分なる人員の確保が必要であろうかと思います。 しかし、今年の医療報酬改定によりますと、一部の医療機関では、特に看護職を減らそうとする動きがあるやに聞いております。今回の診療報酬改定で医療安全対策未実施減算が新設されました。医療事故防止への取組が診療報酬からも強化されようとしておること、これは安全対策の観点から一見良さそうに見えるんですけれども、逆行するのではないかと心配いたしております。看護職員を増員し、今、大臣がお話しになられました看護への権限または委譲の拡大、そのようなことをしていただくことが、また治療成績が向上すると思われますし、患者さん方の満足も増すのではないかと思います。これらのトータルコストが下がるという研究も近年多く見られているところでございます。 このような厳しい財政状況だからこそ、看護職員の充実を図るべきと思いますが、厚生労働大臣、お伺いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 看護師さんの働いていただきます場をどのようにしていくか、そしてその中で患者さんに対して看護師さんの人数をどの程度にしたらいいかといった問題は、もう言われてから久しい問題でございますし、できる限りこれはもう看護師さんの数を増やすにこしたことはないというふうに私も思っておりますが、しかしこれにも限界があることも事実でございます。そして、医療費全体を抑制をしていく、医療費全体を一つの枠の中に入れていこうということになりますと、そこに、医療に従事する皆さん方をどれだけ確保するかという問題と、両方がそこで正面衝突するわけでございます。できる限り看護師さんにその職に就いていただくようにすべきであるという、トータルで私もそう考えているわけでございます。 今回も、特に小児医療等につきましては、一・五対一、患者さん一・五人に対しまして一人の看護師配置を評価することにいたしておりますし、これは小児の入院医療についてでございますけれども、夜間におきます手堅い看護体制を評価するといった措置も講じているわけでございます。全体にそれが広がれば一番いいわけでございますが、まだそこまで至っておりません。今後、看護師さんが落ち着いて仕事をしていただける体制をやはり作っていくということは最も大事なことだというふうに思っております。 その人数と必ずしも医療事故というものが並行するわけではないというふうに思っておりますが、しかし余り忙し過ぎますと、人間のことでございますから間違いを起こすということもなきにしもあらずでございますので、そうしたことも私たち十分に配慮していかなきゃならない。人を減らさずに、そして効率ある医療をどう確立をするか、大変大きな課題でございますけれども、それに対して私たち真剣に取り組んでいきたいと思っているところでございます。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 次は、在宅医療のことでございますが、百八十日以上入院している長期療養の患者さんに対する入院基本料、これの特定医療費が決定いたしました。今後、このような患者さんの自己負担が増えるのではないかなと思っているんですが、この結果、施設から在宅医療へとシフトが進むでしょうが、残念ながら在宅医療の受皿がまだ十分整っていないのではないかなと思われる節がございます。 例えば、これも訪問看護ステーションの件ですが、平成十二年に五千か所を超えました。しかし、依然として全国の町村の五八・七%に訪問看護ステーション、更にはそれのサテライトもないというところでございます。つまり、医療、在宅医療の受皿としての訪問看護ステーションの伸びがなかなか見られておりません。 在宅医療の充実しない高齢者は安心して退院することができないと思われます。高齢者の不安を解消するために訪問看護ステーションなどをどのように対策されるか、厚生大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(坂口力君) この訪問看護の問題は、これは看護師さんがこれから活躍をしていただきます非常に大きな、今後も期待のできる分野であるというふうに思っているわけでございますが、しかし、介護制度というのもできましてからまだ日が浅いものでございますから、いろいろの御批判もいただいていることを十分に承知をいたしております。 今回の診療報酬改定におきましても、この急性の増悪期の頻回な訪問診療の評価の充実、これは診療でございますから看護師さんだけの話ではございません、お医者さんも含めての話でございます。それから、在宅において行われるターミナルケアの評価の充実などを図ってきたところでございますが、この訪問看護につきましても、難病患者等につきましては二か所のステーションからの訪問看護というものを評価することにいたしました。今まで一か所だけということになっていたものでございますから、いろいろの御批判をいただいていたわけでございますが、二か所から派遣をしていただいてもいいということにしたわけでございます。 十分ではございませんけれども、一歩一歩そうした皆さん方の御批判にもおこたえをしていきたいというふうに思っているところでございます。
○南野知惠子君 ありがとうございます。 さらに、もう一つ大臣にお願いしたいんでございますが、四月の診療報酬改定で特定機能病院の包括評価が導入されました。手術をしましたら何点、検査をしたら何点と加算していく方式ではなく、医療機関ごとに、また疾患ごとに一日の入院料を決める方式となります。従来の診療報酬では、医療機関の職員配置を患者さんに対して職員何人ということによって評価をしておりましたが、この評価の仕方も同時に廃止されることになります。これによりますと、職員の配置を増やすことで高い診療費を算定できるという医療機関側のインセンティブが働かなくなり、医療機関によっては人数確保を怠り、医療の質の低下を招くということも懸念されております。 医療の質の低下を招かないように、包括評価の導入の際には是非質の評価をしっかりしていただきたいと思いますし、質を評価する指標といたしましては、看護に関して見ますと、看護の必要度や、また看護師の能力を評価していただくことが有効であると考えております。 大臣の御所見、いただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 特定機能病院の包括評価というのを今度は導入したわけでございますが、今までのように出来高払だけではなくて包括的に評価をしていこうという、こういう組合せ、これから大事だというふうに思っている次第でございますが、出来高払は出来高払でいろいろのまた欠点もあるわけでございますが、しかし、この包括の方は包括の方で、これまたいい点とそしてマイナス面もあるわけでございますので、双方のマイナスがより少なくなるように十分組合せを行っていきたいというふうに思っているところでございます。 そうした中におきまして、質の高い医療が行われますようにしていかなければなりませんし、そのためにはやはり看護師さんが大変その中で大きな力を発揮していただける、その大きな力を発揮していただけることをできるだけ評価をするような仕組みというものを作り上げていかなければならないというふうに思っております。 よく言われますように、褥瘡を作る病院もあれば褥瘡を治す病院もあるということでございまして、褥瘡を作るようなところよりもそれをきれいに治していただけるようなところというのはそれなりに大きな評価をされなければならないというふうに思いますし、そして、関節でありますとか手足でありますとかそういう、硬直等をよく来しますけれども、そういう手足、関節等の硬直が起こらないように看護していただけるところというのはやはりそれなりに大きく評価をしていかなければならないというふうに思っております。 それらのことを十分に念頭に置きながら、ひとつ我々も努力をしたいと思っております。
○南野知惠子君 医療の問題は大変難しい問題であり、看護の問題も我々自身努力する方向にも持っていかなければならないと思っております。いろいろとありがとうございました。 次に、BSEの問題に移らせていただきます。 昨年九月、我が国で初めてBSE感染が確認されましたが、自由民主党におきましては直ちにBSE対策本部を設置し、政府と一体となってこの難局の打開に取り組んでまいりました。発生後直ちに、主たる感染原因と考えられます肉骨粉の輸入及び使用を停止し新たな感染経路を断ち切るとともに、屠畜場におけるBSE全頭検査の実施、全頭検査導入以前の牛肉の市場隔離、焼却処分の決定など、消費者の皆様に安全な牛肉を食べていただくための施策を講じてまいりました。 また、影響を受けておられる生産農家の方々や関連事業者の方々に対しまして、その経営の継続を図るための必要な対策を講じてきておられます。しかしながら、このような対策が講じられているにもかかわらず、残念ながら牛肉の消費は依然として回復していないのが現状であります。 そもそも、BSE問題がこれだけ大きな問題となり、国民の不信を招いてしまったことの背景には、今回のBSE感染牛確認に至るまでの長い農林水産行政の対応に対する国民の批判、不信というものがあったのではないでしょうか。 現在、行政の、過去の行政対応上の問題につきましては、武部農林水産大臣と坂口厚生労働大臣の諮問機関でありますBSE問題に関する調査検討委員会で熱心に論議が行われていると聞いております。伺うところによれば、先週末から今週初めに掛けましていよいよ報告書案の起草に取り掛かられるようですが、国会におきましても、過去の行政対応の在り方を議論し、食の安全を確保する万全の取組に向けて展開していくことは有意義であると考えられますので、これらの点に絞りましてポイントだけ武部農水大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のとおり、昨年の九月十日に我が国で初めてBSE患畜が発生いたしました。その当時、私は、どうして我が国にこのBSEが侵入してしまったのかと、さらに、ゼロリスクということがなかなか難しいとしても、どうして危機対応マニュアルというものを構築していなかったのかと。このことを考えますと、行政に構造的な問題があるということを直観的に感じまして、これらの問題については、過去の行政対応の問題も含めまして、科学的な知見あるいは客観的な検証が必要だということで、今、委員お話しのとおり、第三者委員会におきまして大詰めの御議論をいただいているところでございます。 その中で、やはり肉骨粉ということが非常に大きな問題になっておりますが、一九九六年四月にWHOの専門家会合の勧告を受けまして、直ちに行政通達によりまして、反すう動物に給与する飼料に反すう動物の組織を用いた飼料を使わないようにという通達を発しました。しかし、今にして思うと、なぜ法的規制をしていなかったのかということは極めて残念であります。 当時の判断としては、英国からの肉骨粉の輸入を禁止していたこと、あるいは牛用飼料への肉骨粉の使用はほとんどなかったこと、当時〇・〇五%でございました、国内においてBSEの発生が見られなかったこと等から、行政指導の実効が確保される、かように考えていたのだろうと、かように承知いたしておりますが。さらにはまた、九七年の家畜伝染病予防法の改正時に、衆参両院の農水委員会におきましても、今後とも指導することとの附帯決議が全会一致でなされております。当時の判断としては、直ちに法的規制が行わなかったものと、かように考えるわけでございます。 しかしながら、今、徹底究明が必要であると。特に、消費者の皆さん方、国民の皆さん方の間に、食の安全という問題について非常に厳しい御批判をいただいているわけでございまして、問題究明に全力を尽くし、執念を持って取り組んでまいりたい、かように考えている次第でございます。
○南野知惠子君 次、総理大臣、お願いしたいんでございますが、過去の反省を踏まえました新たな行政組織の構築ということについてでございますが、過去いろいろな問題点の反省に立った上で、二度と同じようなことを繰り返さないということが肝要であろうかと思っております。 例えば、縦割り行政の弊害の問題、また危機管理意識の問題、そういったことが生じないような仕組み、枠組みというものを行政組織の中に取り入れて、食の安全を守る新たな行政組織を構築していかなければならないと考えておりますが、大臣の、総理大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回のBSE問題に対しまして、農林水産省また厚生労働省の連携が不十分ではなかったのかという御指摘もございます。そういう点も踏まえまして、各省庁、食品の安全に関する縦割り、縄張行政を廃した機構が必要じゃないかという意見も出ております。 今回、BSE問題に関する調査検討委員会の提言出ましたら、今までの不十分な点、反省すべき点は反省しながら、国民の食を守る、食の安全を確保する、消費者に対する食の信頼をどう回復するかという体制を検討していく点も必要じゃないかと思いまして、調査検討委員会の報告、提言を待って、必要な機構の再編なり対応が必要でないかという点も十分に検討をしていきたいと思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。皆さんに顔の見える行政が展開されることを期待いたしております。 さらに、BSE関連に関する消費者、それと流通関係の方々には大変今御不自由をお掛けしていると思います。経済産業大臣、出荷や販売などが著しく減少している業種への対策について、何かございましたら簡潔に教えていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 確かに、中小企業に対して甚大な被害が出ていることは事実であります。十月四日に、農林水産省からの連絡がございまして直ちに全国に相談窓口を設置する、そして別枠の運転資金を創設する、そして更には信用保証制度を充実するということをやらせていただきました。 簡単に具体的なことを申し上げますと、相談窓口は、政府系三金融機関、ここに相談窓口を設定する。さらに、全国の信用保証協会、商工会議所、それから商工会連合会、それから我が省に、全国九か所ございます経済産業局にそれぞれ窓口を設定して、積極的に相談に乗らせていただきました。 三月二十二日現在までで、約、中小企業の皆様方一万一千件から御相談を受けたところであります。具体的に更に申しますと、いわゆる別枠の運転資金、これを政府系三金融機関で用意をさせていただきました。商工中金、中小企業金融公庫は八千万、そして国民生活金融公庫では四千万の別枠を用意いたしまして、これも三月二十二日、直近の数字でございますけれども、約、融資をした実績が三千件、総額で二百五十六億円でございます。 さらに、これだけでも十分ではないということで、いわゆるセーフティーネット保証の別枠を作らせていただいて、これも積極的に中小企業でお困りの方々に対応させていただきました。これは、現時点での実績は、約、御相談をいただいて、そして別枠を設けて保証させていただいた方が五千百件を超え、総額六百一億円に相なっています。 そして、このセーフティー保証ネットの期限が今年度内と、こういうことになっておりましたので、これを更に延長しようと、こういうことで延長の手段も講じさせていただきまして、いろいろな面で力一杯やっております。 以上であります。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 中小企業の方々も元気が出るのではないかなと思っております。大臣、お忙しいようでございますので、よろしゅうございます。 次は、商品の表示に関してでございますが、農水省が所管するJAS法と厚生労働省が所管する食品衛生法など、いろいろと表示が複雑に入り乱れております。 また、一月末の現地産虚偽表示の事件に始まりまして、輸入鶏肉を国産名として虚偽の表示、又は消費期限の延長など、食品虚偽表示の事件が多発いたしております。消費者は商品の表示を見ながら食品を購入しているということを考えれば、悪意を持って表示を偽る行為は消費者の信頼を裏切る許せない行為であろうかと思います。 このような事件が次々と明らかになるのは、食品の表示を監視するJAS法の体制が不十分だからではないでしょうか。私は、この監視体制を強化すべきであると考えますが、野間農林水産副大臣、御意見をお伺いしたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 雪印食品事件を始めといたしまして、食品表示を偽る事案が次々と明らかになっておりまして、私も、監視体制を強化をする必要があると考えております。 このため、既に二月の十五日から、食品表示一一〇番を開設をいたしまして、昨日までに千八百四十六件の情報が寄せられております。また、二月末からの食品表示に関する全国的な緊急調査の実施などの対策を講じているところでありまして、このような中でスターゼンの偽装表示が明らかになってきたところであります。また、監視体制を更に強化をするため、平成十四年度からは、消費者の協力を得て監視を強める食品表示ウオッチャー七百名の設置を進めることといたしております。 今後とも、消費者保護を第一に、消費者サイドに軸足を置いた農林水産行政を展開をする観点から、消費者や生産現場の皆様方など、関係者の方々の御意見をしっかりと受け止めまして食品の表示に対する信頼回復に向けまして全力かつ迅速に取り組んでまいりたいと思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 消費者の方々に是非そのような方策を展開していただきたいと思っております。 時間が参りまして最後になりますが、やはり消費者の中に、独り保育所でお食事をする子供たちがおります。二十一世紀の宝でございますが、この食の安全の観点から、保育所の給食の在り方についてお尋ねしたいと思います。 最近、保育所における調理業務に関して外部委託にすることが議論されておると聞いております。保育所におきます子供とのかかわりは、できるだけ家庭生活に近い子供の主体的な環境が望まれているところでございます。中でも給食は大切な課題であり、お仕着せの食事ではなく、子供の健康状態や成長に合わせたものであり、子供の健康な心と体をつくるために、おやつや遊び、睡眠などとともに十分な配慮が求められております。このことは幼児保育期の基本となるものと思われております。 したがいまして、外部委託の食事ではなく、保育所の手作りの食事が心を通わせる適切なものであろうかと思われますが、厚生労働大臣の御意見をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 現在、保育所におきましては、保育所内の調理室を使用する場合に限りまして業務委託が認められているわけでございます。したがいまして、これからもこうした、やはり業務委託とはいいますものの、同じように、そこで職員の皆さんと接し、あるいはお子さん方と接し得るというような形で認めるという形が私も望ましいというふうに思っております。 とりわけ、最近はアレルギー等も、食品アレルギー等も非常に増えてまいりまして、お子様一人一人に対しまして気遣わなければならないような問題も起こってきておりますので、そのお子さんとやはり接するということ、お子さんのやはり顔を見ながらということが大変大事になってくるというふうに思いますから、御趣旨十分尊重しながら、これから考えていきたいと思っております。
○南野知惠子君 いろいろとありがとうございました。 私の持ち時間終わりました。 以上、次は……。
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。三浦一水君。
○三浦一水君 南野知惠子先生の関連の質疑をさせていただきます。自由民主党の三浦一水でございます。 まず、BSE問題についてお尋ねを申し上げたいと思います。行政責任についてであります。 昨年九月十日、ちょうどそのころは、小泉総理に大きな力をかしていただきました参議院選挙、それでも厳しかった参議院選挙、その余韻をまだ残すその時期でありましたが、国内第一頭目のBSE患畜牛発生のニュースを聞きまして、正しく我が耳を疑った次第であります。なぜ、本当になぜかと、率直にそう思いました。イギリスで発生しましてヨーロッパ各地に拡大されたBSE被害、それまでも重大な関心を寄せてきたところでありました。一方、農林水産省からは、我が国では大丈夫です、再三再四その言葉を聞きながら来ていたという背景があったからであります。 三月の二十二日に、本年三月の二十二日でありますが、第九回目のBSE調査検討委員会が開かれたと聞いております。昨日も追加してあったやに聞いております。四月の二日、間違いがなければ二日だと思いますが、最終報告がなされると聞いております。それを前に、先週その第二次の報告骨子案が示されました。先ほど来お話があっておりますように、九六年のこの肉骨粉の給与禁止措置を取らなかったという点等を始めとしまして、新聞によりますと、重大な失政を指摘といったような報道がなされております。 本当に、先ほど大臣もお話しになりました、BSE調査委員会の最終的な報告の目前ではありますが、この第二次骨子案と、そして行政責任というものを改めてどう受け止めるか、大臣のお話を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 今大詰めの御論議をいただいているわけでございまして、報告書が出される以前の現時点でコメントをすることは差し控えたいと思いますが、私どもがなぜこのBSE問題に関する調査検討委員会を私的諮問機関として厚生労働大臣とこれを設けたかという背景は、先ほども申し上げましたように、今、委員お話しのとおり、なぜ日本にBSEが侵入したのか、なぜきちっとした行政対応がなされなかったのか、とりわけ厚生労働省と農林水産省あるいは都道府県とのいわゆる連携のまずさということ等々、私は本件について行政上の構造的な問題があると、とりわけ危機管理意識の希薄さ、それが検査体制の甘さにつながり、今日国民の皆様方に大変な御迷惑をお掛けしている次第でございまして、私ども、大きな責任を感じながら、問題の究明、そして解決へ向けての対応はいかにあるべきかということを今真剣に考え取り組んでいるわけでございます。 一言で申し上げまして、農林水産省、生産者サイドに軸足を置いて農林水産行政を進めていたということは率直に言って否めないと、かように思うんです。したがいまして、消費者サイドに軸足を大きく移して、消費者の皆さん方に歓迎されるものを生産者が供給するということによって自給率も上がってまいりますし、生産者も立ち行くわけでございます。 そういうようなことに向けて、食品問題の安全性ということについての在り方、行政組織を含めたシステム作りということを私ども今真剣に取り組んでいる次第でございますが、最終報告をちょうだいいたしまして、それに基づきまして更なる真剣な取組によって国民の皆さん方の信頼回復に全力を挙げてまいりたいと、かように決意をいたしている次第でございます。
○三浦一水君 この発生以来、本当に国民の消費生活というのは混乱の極みであります。同時に、生産者におきましても、何か自分たちは悪いことをしてきたのかという思いでこの苦境を乗り越えるべき努力をなされているところであります。是非、そのような国民の心情というものを受け止めながら、この責任問題も取り組んでいっていただきたいと思います。 次に、BSEに関します報道の影響について総理にお尋ねをしたいと思います。 行政責任と同時に、BSE発生初期におけます、特に初期におけます報道の在り方に対しまして、本当に国民の多くが疑問を持っているんではないかと思います。 この写真は私の地元で撮らせていただいた写真で、全く健康な乳牛であります。ホルスタインであります。(資料を示す)しかし、これと似たような、英国で撮られた画面が、全くこのように注釈なしに、ばたばたと、立とうとしても立てないホルスタインの写真が再三と繰り広げられたわけであります。 実は私も、本当にテレビを見るに当たりまして、随所に、もう一つの写真でありますけれども、(資料を示す)記録用の写真、資料用のVTRというものはこういうキャプション、タイトルを付して行われるのが報道の一般的な在り方であるということを日々目にしております。なのに、なぜ全くこれがこのBSEの報道において、英国、何年というのが示されなかったか、これは大きな問題であろうというふうに感じております。 そこで、本当に私はこの報道というものは当然正確さが求められる、それがまた報道の倫理の一つであろうというふうに思っております。その常識的なことが全く今回示されなかったということは、恣意的にこれは問題をあおったと言っても、言われても仕方がない状況ではないかというふうに考えております。時折、別の問題でありますが、批判されておりますやらせ番組、こういうものにも、報道が過剰に商業主義に走ったものとするならば、本当に決して社会の利益にならないどころか許されないことであるなと痛感をしております。 小泉総理の御所見を是非賜りたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現代社会において報道機関の役割というのは非常に大きくなっていると思います。多くの方が新聞、テレビ、ラジオ等から情報を得るということが非常に多いと思います。そういう際に一番心しなければならないのは、正確な情報を伝えるということだと思います。そういう面において、これは報道機関側の一つの姿勢として十分私は注意してもらわなきゃいけないのではないかと、また役所にとりましてもいかに正確な情報を国民に伝えるか、また報道機関に対しましてそのような正確な情報を伝えてもらえるような理解と協力を求めるかということも必要だと思います。 いろいろな過去の経緯も踏まえながら、行政側も報道側もより正確な情報を国民に伝えるということは特段の努力が大切でありまして、それについて十分気を付けなきゃならない問題だと理解しております。
○三浦一水君 ありがとうございました。総理共々にそのようなことを期待してまいりたいと思います。 次に、BSEの基本的な感染性とそのリスクについて、厚生大臣にお尋ねをいたしたいと思います。失礼しました。その前に、農林水産大臣に感染の原因について現状をちょっとお伝えをいただきたいと思います。 BSEは、本来、病気として、自然界に生きる牛同士では全くお互いに感染するおそれはない病気だと言われております。人が肉骨粉という形で人為的に伝達してしまった、ある意味では人が作り出した病気ということも言われております。 今あるBSEの対策において、肉骨粉の給与禁止が先発国英国で大きな実績を上げて、当初の推測を上回る勢いで今その被害が減少しつつあるということであります。我が国おいても、この汚染の急速な減少にといういい結果に私は現在の対策はつながっていくものだと確信します。大臣にその点をまず、御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のとおり、私ども人の命と健康に影響を与えない全頭検査体制ということをまず優先いたしました。厚生労働省と協力して、十月十八日以降は安全を証明した牛肉以外は屠畜場から流通しないということになったのでありますが、もう一つ、BSEの侵入を完全に遮断するためには、肉骨粉の輸入の禁止、製造・出荷の禁止、これを十月四日以降実施しております。さらには、やはり感染源の究明ということなくして本来的な安全とか安心というものを確保でき得ません。そこで、今このことについては、迷宮入りさせないという決意で努力しているわけでございますが、先般、三月十五日に第二次中間報告を出させていただきまして、今後、更に調査の必要な事項をある程度明らかにすることができたと考えております。 少し簡単にそれぞれ説明させていただきますが、まず肉骨粉については、四工場において同じラインで鶏、豚用の飼料を製造しておりまして、牛用飼料への肉骨粉の混入の可能性は完全に否定できない。それから、九八年六月以前に輸入されたイタリア産肉骨粉は加熱処理が不十分である可能性が高い等、汚染された輸入肉骨粉が何らかの経路を経て発生農家で使用されていた飼料等に混入していた可能性が排除できないと、このように考えておるわけであります。 また、三例に共通する代用乳の原料に使用されたオランダ産の動物性油脂については、牛の脂身となること、また当該動物性油脂は純度の高いものである可能性が高いことから、三例に共通する飼料、原料のこの感染源というものの究明に全力を挙げようということで努力をしているわけでございます。 さらに、香港等から輸入された肉骨粉の内容との確認、また魚粉工場が仕入れていた食品残渣等の確認を行っているところでございまして、ただいま申し上げましたように、迷宮入りさせないとの覚悟で、引き続き今申し上げました諸点についての確認、究明を掘り下げて調査してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○三浦一水君 次に、厚生労働大臣にお尋ねをしたいと思います。BSEの基本的な人に対する感染のリスクについてであります。 一般的に、BSEの人に対する感染性は、先ほど申しましたように、他の感染病と比較して、まずウイルスやそれが細菌ではないということ、そして人が伝達する病気だということから、非常に低いと言われております。厚生労働省としましては、その感染リスクそのものについてどのような分析と整理をなされているか、お伺いをしたいと思います。 なかなか、これまで私もいろんなお話をさせていただきましたが、このことにつきまして厚生労働省としての、厚生行政としての見解が聞かれないような気がいたしております。是非、坂口厚生大臣のお答えをお願いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘いただきましたこの感染につきましては、一つは牛から牛への感染、それからもう一つは牛から人間への感染という、この二つがあるだろうというふうに思っております。 牛から牛へという問題につきましては、先ほどお話がございましたとおり、これはえさ、いわゆる牛に与えます人工的なえさというものが非常に中心でございますから、そこを注意をすれば、これは感染が防げるものだというふうに私も思っております。 そして、一番我々にとりまして問題になりますのは、いわゆる肉か、肉を始めとします、内臓も含めてでございますが、そうした牛から人へという面が一番大事でございますが、この牛から人へという問題につきましては、ヨーロッパを中心にいたしまして今までから多くの研究がなされてまいりました。 現在もなされている最中でございますけれども、現在までの研究成果というものを総合的に見てみますと、いわゆる牛の中で感染するといたしましても、その部位というものが明確になっている。どこを食べても感染するというわけでは決してない。感染しないものとして、肉、それから牛乳、あるいはまた、内臓におきましても、特殊な非常に感染しやすい場所が二、三ございますけれども、そうした部分を除きましては感染をしないということが明確になってきております。 危険な部位といたしましては、脳でありますとか、脊髄でありますとか、あるいはまた、腸の中でも回盲遠位部と申しますか、いわゆる人間の盲腸に当たりますその近辺のところ、そうしたところ、それから目というようなところが非常に危険性が高い。それ以外のところからは感染がしないということが明確になっておりますので、我々といたしましては、屠畜場におきまして屠畜いたしました場合に、いわゆる脳だとか、あるいは脊髄でありますとか、目ですとか、あるいは小腸遠位部でありますとか、そうしたところにつきましては、危険部位は全部これは焼却をする、一切外には出さない、この部分は牛そのものが感染しているしていないは別にして外に出さないと、そういうことをいたしているところでございます。 それから、もう一つ我々が注意をしなければならないのは、薬、化粧品、その他。これは、食品の中にも薬なのか食品なのか分からないようなところのものもございますので、いわゆるそうした分野、薬などに使われております材料そのものが感染源になってはいけないわけでございます。したがいまして、もう一昨年の十二月でございますか、ヨーロッパ等の発生国からのそうした危険部位を使用することは禁止をいたしております。薬の材料としてそういうものが使われないように手を打っているところでございますし、化粧品につきましては、化粧品からうつったという報告はないわけでございますけれども、粘膜から感染をするということになれば、皮膚からしないという、このまた理由もないわけでございますので、化粧品業界の皆さん方には大変御協力をいただきましたけれども、非常に、ここは明確ではございませんけれども、化粧品の材料といたしましても使用することを禁止をさせていただいているところでございます。 そうした、いわゆる現在研究によりまして明確にここは危ないと言われているところは全部そこはカットする、そこは我々の体に入ってこないようにするということをもちまして、人間への対策というものを作り上げているところでございます。 以上、大略でございますけれども、御報告を申し上げた次第でございます。
○三浦一水君 一般にこのBSEが人為的な発生の要因を持つということで、その感染はしにくいということは再三言われているとおりでありますが、その対策自体は国際的にも本当にそんなに困難な難しいことではないんだというふうに私も聞いております。 ただ、今、日本の我々のこの周りで最も国民が関心を持っているのは、自分に対して、人に対してどのくらい危険か、どのくらい危険かということじゃないかなと思います。それが、現在の日本の対策、これは十分なものがあると思います、と国民の意識の中の乖離というものがあるんではないかなと思います。そこを一歩踏み込んで、是非、厚生労働省には、ここまで危ないんだ、このくらいしか危なくないんだ、ゼロか一〇〇か、いわゆるもうゼロに限りなく近いものでも危険はあるとしてしまうならば、それは無限の対策を打たなければならないことになるかと思います。そういう整理をお願いをしたいと思うわけでございますが、坂口大臣、もう一度、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) ゼロか一〇〇かという分け方が果たしてどうなのか、よく分かりませんが、我々といたしましては、現在のこの研究成果を踏まえまして、少なくともここはゼロだというふうに言われるもののみを皆さん方に提供するということにしたい、中間的なものもこれは排除をするということにしたいというふうに思っています。化粧品等に対します材料につきましては、これは一〇〇ともゼロとも言えないわけでございますけれども、そうしたところは排除をするということをいたしているところでございまして、ここならば大丈夫というところだけに我々は絞っているということでございます。
○三浦一水君 そのことだと思います。今、厚生省、農林省で準備をされておるという資料をちょっと見させていただきました。資料としてお手元に配付させていただきたいと思います。 〔資料配付〕
○三浦一水君 その三ページに「ヒトの感染」という項目がございます。これだけのボリュームであります。十行程度。この中にいわゆる人の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病とBSEの関係については、大臣が言われたような内容のほどのものでもない、関連があるという一言で終わって、あとは人におけるヤコブ病の四種類の、失礼しました。海綿、人における海綿状の脳症の四種類の説明だけであります。実は、本当はここが一番国民は知りたいんじゃないかということを痛切に感じるわけであります。 今、政府広報、あるいは農林水産省、厚生省、総額で相当の予算になっておると思いますが、広報活動が続けられております。私が聞いたところでは二十三億七千万、これは既に消化した額でのということでありますが、見てみますと、スポットのコマーシャルというものは、安全ですという一言、大体長さは七秒から十五秒程度であります。私も見てみました。そして、JリーグになぞえてJビーフと、これはいいことかもしれません。ワールドカップ、もう近くあります。 ただ、言っていることは、消費拡大、安心してくださいの一言なんですね。本当にどこまで安心かということが伝わらない内容、これは短過ぎて、スポットでは、コマーシャルでは無理かもしれない。しかし、政府がトータル、提供をしております番組が十本ほどありました。平均二十四分の長さであります。しかし、時間帯は早朝であったり深夜であったり、なかなかゴールデンタイムにありません。これらのことを決して、この感染性そのものが今、現段階で、確かになぞめいた病気ではありますけれども、どこまであるのかということについては、これは厚生労働省に私は正面に立って国民にできるだけの情報を開示してもらいたい、そう思うわけでありますが、そのことがどうももう一つできていない。このことは私は重大な意味があると思います。 危険度を、一〇〇%を意味していくというならば、先ほど言いましたように、対策も無限のものにならなければならない。国民の不安と不信というものは、そういう中では増大せざるを得ないんではないかということを思うわけであります。行政として、感染性に対して一切のリスク分析を放棄していると言われてもしようがないんじゃないか。一〇〇じゃなければもう出さない、書かない、言わない。 私は、過去の行政責任、過程の中での行政責任は行政責任として、今重要なことは、それを本当に国民に知らせて、この対策は立派なものがあります。しかし、これも、財務大臣いらっしゃいますが、本当に大きな量の対策であります。来年も再来年もその次も続けていけるのかということも現実的に我々は、過程の中があるように、そう考えなければならないという思いがするわけであります。是非、一歩を踏み込んだ厚生労働省のそのようないわゆるリスクアナリシス、リスク分析というものを進めていただきたい、そしてその情報を国民に開示していただきたい。 もう一度、坂口大臣の御答弁をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘そのとおりというふうに私も聞かせていただいたわけでございますが、先ほど一〇〇かゼロかというふうに言われましたときに、一〇〇は大丈夫というふうに言いましたが、それは一〇〇%大丈夫のものだけというふうな意味で私は一〇〇と申していましたので、あるいは先生が言われたのと逆だったかもしれません。お許しください。 今このリスクというものを考えて、そして国民の皆さん方に的確にそこをお示しをしなければならないということは、私もそのとおりというふうに思っております。今これちょっと見ましたときに、こういう病気の種類がありますということが書いてありますけれども、これはもう病気の種類がどうかということではなくて、現在出回っておりますものがいかに大丈夫かということをやはり強調しなければならないんだというふうに思っておりますし、ここに書いてあります、こういう病気はどういう、書くのならば、これはどういうときに起こったもので、それ以外は起こらないということを明確にしなければならない。少し言葉足りないかなというふうに思っております。 全体としまして御指摘いただきましたことは十分に理解できますし、いたしますので、我々も更に努力をしたいと思っております。
○三浦一水君 是非期待を申し上げたいと思います。 BSEに関する広報の在り方でありますけれども、それとまた消費のかかわりについて、消費回復のかかわりについてちょっとお尋ねをしたいと思います。 我が国はもう既に最も水準の高い全頭検査を確立しております。屠畜場からは安全を証明された牛肉以外は絶対に流通しないシステムであり、肉骨粉の問題も大臣が申されたとおりであります。また、その広報も、先ほど来申しましたように、相当行われたとは思いますが、私はこのコミュニケーションが、国民とのコミュニケーションがいまいち足りないんだろうというふうに感じております。私が最大の関心を持ちますのは、メディアの中でもやはりテレビであります。最大のメディアであると言えます。今、先ほど申しましたように二十三億七千万、まだ私はこれはボリュームが足りないんじゃないかという感じがいたします。 官房長官にお尋ねしたいんですが、情報提供、更に国民とよくリスクコミュニケーションを図っていくという視点で、これをよりボリュームを厚くしていくお考えはないか、お尋ね申し上げたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) この狂牛病についての広報については、これは、このことを発生して以来、広報について大変大事な分野であるということで随分注意をしてきたつもりであるんでありますけれども、政府全体としては、この問題だけで二十数億の予算を使って広報に励んできたと、こういうことなんであります。 私が直接担当しております内閣府では、政府広報予算としてこれも扱っております。これは、ただし金額的にも、金額だけで言うのはどうかと思いますけれども、金額で言えば二億五千万とかそういう程度でございます。それよりも農水省で扱った広報が多いと思います。 いずれにしても、この安全性の問題とか、このいろいろな、どういう経緯でこういうことになったのかといったようなことについて国民に熟知してもらうということは極めて大事なことであり、これは今後ともこの面につきまして厚生労働省、農林水産省と協議をしつつ、有効なる広報に努めてまいりたいと思っております。委員が目に留まらないというような感じで受けていらっしゃるというのであれば、より工夫する必要があるんではないかというようにも思っております。
○三浦一水君 東京大学農学部生命科学研究所の吉川教授によりますと、我が国の人口を一億二千五百万と想定、基礎とした場合に、日本での発生率を、その肉骨粉の日本への輸入量を細かく調査した結果、国民の数に対しまして〇・〇一七人から〇・〇四五人であるという見方を、一人になることはまずあり得ないんだという言い方をされております。私は、そのことをここで言ってもいいですかと言ったら、結構ですというお話がございました。 また、鹿児島大学の院長の納先生は、プリオンが感染牛肉を食べただけでも作られる可能性はほとんどゼロだということを言われております。英国のように、脳や脊髄等の危険部位を食べる習慣のない我が国では感染は起こり得ないと断言をされておる医学関係の方もいらっしゃいます。また、北海道大学の名誉教授の近藤喜代太郎先生は、その日本での人的発症の確率は六千億分の一だということを言われております。 いずれも、我が国において一人発生することはないんじゃないかという見方で共通している点は、私は一つの受け止めができるんではないかと思っております。是非そういう点も考慮して、分析をして、政府として出せるものを考えていっていただきたい、そのように再度要望を申し上げておきたいと思います。 ちょっと中国野菜の問題について農林水産大臣に聞かしていただきたいと思います。 中国の農薬汚染野菜問題であります。昨年の十一月から十二月に掛けまして、中国共産主義青年団の機関紙であります中国青年報という新聞がございます。これに連続して中国野菜の農薬汚染問題が取り上げられました。大きな社会問題と中国国内でなっております。中国政府の政策研究機関、国務院発展研究センターの陳錫文副主任は、十二月十七日付けの同紙で、中国国内で中毒患者が年間十万人に上るということを明らかにされております。 まず厚生労働大臣にお尋ねをしたいんですが、これらの事実は厚生労働省としては確認をなさっておりますか。簡潔にお願い申し上げます。
○国務大臣(坂口力君) 私の方も確認をいたしておりまして、そしていわゆる中国の中で伝えられましたことが本当かどうかもお聞きをしているところでございます。 中国の中で伝えられておりますことは、やはり事実であるということが確認されておりますので、本年の一月の四日から中国産の野菜検査強化月間というふうにいたしまして、そして中国から入ってまいりますすべての野菜につきましての農薬検査を行っております。 全体で二千五百十五件ございましたけれども、この中で農薬が基準値を超えておりましたものは、オオバ、パクチョイ、ニラ、サイシン、ケール、ブロッコリー、この九件でございました。基準値を超えたものがそこに見られました。そして、この月間を二月の十八日まで延長いたしまして、そしてやっておりましたが、現在は、その出ました違反の非常に高かったものにつきまして現在も検査を続けているという状況でございます。 また、モニタリング検査の方も強化をいたしておりまして、通常は五%のところを現在一〇%から五〇%ぐらいにそこを強化しているところでございまして、検査を現在も継続をしているところでございます。 こうしたことを踏まえて、今後の対策を講じていきたいと思っております。
○三浦一水君 EU、EU委員会は一月三十日に、これは野菜ではありませんけれども、抗生物質それから殺虫剤の残留濃度の問題で、食用、飼料用の中国産の動物性食品を全面的に輸入禁止措置に決定をいたしております。一月の三十日であります。それから、アメリカ食品医薬局は、昨年の八月から今年の一月までに、中国食品の輸入差し止めの回数は六百数十回になるということであります。 今、大量の中国産野菜は我が国に輸入をされております。我が国の国民生活を支える一つの大きな要素でもあるわけでありますが、これは本当に、このBSE問題と同様に、国民の食生活、健康に直接直結する問題であります。坂口大臣、また武部大臣にはもうお答え求めませんが、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。 食品の表示問題につきまして、JAS法の関連でお尋ねをさしていただきたいと思います。 私は、先ほど来議論になっております食品の虚偽表示、この原因と申しますのは、第一にいわゆる食品流通業者のモラルの低さだと。これは今回発覚したところだけではないんではないかという感じもいたしております。 第二には、より具体的に、JAS法の抑止力が決定的に不足をしていることだというふうに考えます。告発を受けて、立入検査、指導あるいは勧告、そして業者氏名公表、罰金でありましたか、それが一つ一つ段階を踏まなければ先に進めないことになっております。告発は何か九百件、一月ぐらいまでであったそうでありますが、そのうち指導まで行ったのは三十件程度で、全く、雪印を除けば、雪印事件の以前までは、その業者名の公表と、それから罰金刑もしたがってなかったという状況であると聞いております。全くこれでは抑止力にならないという実態であります。 JAS法の抑止力を高めて、いわゆる食品流通業界のモラルハザードを防止するためにも、公表の前倒し、罰金の強化、JAS法の改正を早急に行うべきと考えます。大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 食品の安全性の問題につきましては、私ども最も今意を尽くして努力して取り組んでいる問題であります。 動植物検疫また輸入食品の安全対策本部も遠藤副大臣を本部長に設置いたしましたし、食品制度対策本部は野間副大臣を本部長にして設置して、今食品表示の問題についていろいろ努力しているわけでございます。 御案内のとおり、食品表示一一〇番を設置して、三月二十五日までに千八百四十六件の問い合わせがございました。また、全国五百か所程度を対象とする食肉の緊急的な表示実態調査も実施いたしております。こういったことがいろいろ昨今、テレビや新聞でいろいろな事件が明るみになっている背景であることを御理解いただければ有り難いと思います。 しかし、御案内のとおり、JAS法にいたしましても、違反した事業者について公表したり罰則を強化するという考え方について、私も同感でありますが、現在の法体系ではそれが難しいと。 したがいまして、食品衛生法等の、との連結といいますか、一元的な考え方も私は必要だと思っておりますが、まず、JAS法の改正だけでも今国会でできないかというようなことで取り組んでいるわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、消費者サイドに軸足を大きく移して、そして消費者の皆さん方に歓迎されるものを供給する農業というものが生産者も成り立っていくと、共存共栄の道だという考え方に立ちまして、食品の安全問題については総理からも厳しく御指示いただいておりますので、なおまたBSE問題に関する第三者委員会においても御議論いただいておりますし、与党でも御議論いただいております。そういったものを受けて、しっかり安全と安心の距離をいかに縮めていくかということがこの食品安全問題のポイントでもあろうかと思います。 リスク分析、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーション、その組合せについて真剣に取り組んでまいりたいと、かように存じます。
○三浦一水君 現在、国民の食品に対する不安や行政に対する不信感の大きなことを考えますと、様々な対策を講じていくことはもちろんでありますが、欧州あるいはフランス、ドイツのような食品についてのリスク評価を行う独立した組織体制を作っていくことも非常に大事ではないかと思います。 我々自民党におきましても、特命委員会というところで現在党内の活発な議論も進めているところでありますが、いわゆる食品安全庁の設置ということも大きな国民の安心につながる期待があるところではないかと思います。 最後に総理の御所感を賜りまして、質問を終わりたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 食品の安全を確保するためにどのような機構あるいは組織が必要かという点につきましては、自民党でも今議論をしていただいております。また、ドイツ、イギリス、フランス等の今までの例を参考にしながら、あるべき組織はどういうものかという点につきましては、与党内におきましても、またBSE問題に関する調査検討委員会においても御議論をいただいているようであります。 それらの提言を踏まえて、どういう機構の改善が必要か、また新たな組織を作るならどういう組織がいいのかというものも含めまして、食の安全を確保するための体制を考えていきたいと思っております。
○三浦一水君 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で南野知惠子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、江田五月君の質疑を行います。江田五月君。
○江田五月君 BSE、いわゆる狂牛病問題について集中して質問をいたします。 BSE問題で、消費者あるいは生産者、流通事業者、食肉関連事業者、飲食店の皆さんまで含めて、すなわち日本国民全体に計り知れない損害が生じた。生産者は何も責められるところないんですね。畜産農家も責められるところは何もない。一部の業者で不心得者がおりました、雪印食品とか。しかし、多くの業者も何も責められるところない。焼き肉屋に至るまで、皆さん本当にまじめにやっている。ところが、これだけの損害が生じた。さあどうするんだと。行政というのが一番やっぱり責任が重いわけです。 その行政は、いや、まじめに取り組みますといったって、それはまじめに行政に取り組むのは皆当たり前のことなんで、それだけでは責任ということに、責任を取るということにならない。やはり私は、これだけ国民に損害が生じている、恐らく損害二千億というんですね、いや、もっとかもしれませんよ。そういう事態になって国民みんながこれだけ苦しんでいるのに、だれも責任取ろうとしていないというのはおかしいじゃないか。 私たち野党一致して、武部農水大臣、あなたの辞職あるいは更迭、これを求めております。しかし、なかなか自ら責任を取ろうとしない。 小泉さん、田中眞紀子外務大臣については三方一両損とかいう訳の分からぬ理由で更迭に踏み切られましたが、武部大臣についてはどういうわけかかばい続けておると、誠に残念であります。 そこで、今日は改めて武部大臣の責任を追及をしたいと思いますが、まず最初の質問ですが、三月十五日にBSEの感染ルートの調査の第二次中間報告が出されました。担当者の説明では、九六年十一月の三菱商事がイタリアから輸入した百五トンの肉骨粉、それが一つ。群馬県高崎市の株式会社科学飼料研究所の代用乳、製品名ぴゅあミルクですか、これは原料がオランダから輸入された動物性油脂、この二つが感染源として危険性が、感染源として完全に排除できない。そのほかに、香港のこととか魚粉のこととかあるけれども、これは今関係ないということの確認の作業中だということですから前の二つに絞り込まれたという、そういう担当者の説明だったんですが、農水大臣、それはそれでよろしいんですか。さっきもちょっとありましたが、簡単に答えてください。
○国務大臣(武部勤君) 今、委員御指摘のようなことがまだ可能性として排除できないということで、今後、感染源としての可能性を排除できない事項について更に調査を深めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。 今のこと全部述べる必要は……
○江田五月君 いえ、結構です。
○国務大臣(武部勤君) よろしいですか。 いずれにいたしましても、BSEの感染経路の究明に当たりましては、BSEの潜伏期間が二年から八年と長いわけでありまして、調査対象期間が数年前にさかのぼること等から、かなりの困難が予想されますけれども、その見通しについてどうかということについては今直ちにお答えすることはできませんが、迷宮入りにはさせないとの覚悟で、全力を挙げてこのことに農林水産省としても最大のエネルギーを費やして努力してまいりたいと、かように考えております。
○江田五月君 今日は、我々の言葉で往復と、こう言うわけですが、質問と答弁と合わせた時間ですので、ひとつ答弁の方もよろしくお願いをいたします。 私が聞いた以外のことも既にお答えになったんですが、これは、何、長い期間掛かっているから、つまり食べたときから発症したときまでが長い期間掛かっているから解明も時間掛かる。迷宮入りにさせないというのは分かりました。しかし、いつごろまで、めどは立たないんですか、全然。
○国務大臣(武部勤君) 先ほども申し上げましたように、第二次中間答申、報告におきまして、そういう質問であれば一つ一つお答えしなくちゃならなくなってくるわけでございますが……
○江田五月君 立つか立たないか。
○国務大臣(武部勤君) それは今もう、私ども、もう今日、明日にでも究明したいと思っておりますが、しかしかなり絞られてきたことも事実だろうと、このように存じます。しかし、今申し上げましたように、迷宮入りはさせないとの覚悟で、体制も増強して、今全力を挙げて取り組んでいるという次第でございますので、御理解くださいということです。
○江田五月君 要は、めどが立たないということのようですね。 我が国のBSE感染牛、患畜、三頭、これは一九九六年の三月から四月のほぼ同時期に生まれた。そして、三頭ともこの株式会社科学飼料研究所の代用乳ぴゅあミルクを飲んでいたんですね。この時期、このぴゅあミルクを飲んでいた牛をすべて調べましたか。農水大臣。
○国務大臣(武部勤君) オランダ産の動物性油脂につきましては、その原料は牛の脂身等であると、率直に言って感染源となった可能性は、純度の高いものである可能性が高いこと等から低いと、こういうふうに言われております。 しかし、三例に共通する飼料であるということは委員御指摘のとおりでありまして、この可能性は完全に排除できないということで、現段階ではこれを一つの重点に絞って究明をしているわけでございますが、現段階で、単にオランダ産動物性粉末油脂を含む代用乳を起用されたことのみをもって検査のために強制的に殺処分するということは適当ではないと、かように考えているところでございます。
○江田五月君 要するに、疫学的に言えば、この三頭が全部同じものを飲んでいたわけですよ、高崎のぴゅあミルクというのを。ですから、それを飲んでいる牛は全部でどのくらいいたのか。しかも、時期も限られているわけですから、その間に飲んでいた牛はどのくらいいたのか。それを全部調べる、それはやっていないという話です、今の話は。 なぜかというと、全部調べたら、これ、調べるということは、その牛、かわいそうですが、殺すわけですから、それはかわいそうだからやれていないと。こういうことですか。いいですか。それでいいんですね、武部さん。
○国務大臣(武部勤君) 今のいわゆる三頭と同じ当時に、一九九六年に生産された現在飼養されている乳牛の頭数は約十万頭でございます。一九九六年に生産された牛で、現在飼養されている乳牛の頭数は十万頭です。当該代用乳のシェアは約三〇%、したがって推定頭数は約三万頭ということでございまして、これは、搾乳牛の場合は、委員御承知のように、廃用になりますと当然屠畜場に出荷されまして全頭検査を受けるわけでございますね。そういうようなことで、私どもは、今搾乳している牛ですから、これはこれで非常に貴重な資源でもございます。しかし同時に、あと何年もこの牛が搾乳を続けるということでないことも御理解いただけると、こういう次第でございまして、大部分は一、二年のうちに出荷され、屠畜場においてBSE検査を受けることになると、このように考えているわけでございます。
○江田五月君 じゃ、確認しますが、今はもちろんまだ全部調べるところまでいっていない、なぜなら乳を搾っている最中だからと。しかし、お乳を搾るというのは生まれてからどのくらいですか。何年かまで、七年とか八年とか、そこまでいくかな、ぐらいに限られるから、もう大体六六年ですから、生まれたのが。ほぼ終わりの時期に来ている。全部把握をしていると考えていいんですか、三万頭は全部一頭残らず把握をしていると考えていいんですか。
○国務大臣(武部勤君) 死亡牛、既に死亡している牛もございます。既に死亡している牛は確認はできておりません。
○江田五月君 しかし、ある時期以後の死亡牛は確認できるんじゃありませんか。
○国務大臣(武部勤君) 今、サーベイランスの強化をしておりまして、二十四か月齢以上の牛については、今、各都道府県に協力をお願いしておりますが、大体平成十四年度でいろんな機材といいますか、キットが準備される、こういうことでございますので、だからといって、機材がそろったから全部直ちに死亡牛についても全頭一気にいくというふうには、なかなか困難なことがあろうと思います。 いずれにいたしましても、私どもは、二十四か月齢以上の牛については都道府県の協力をいただくように今お願いをしているところでございます。したがいまして、順次そういった牛についても、死亡牛についても全頭検査に近い形に整備されていく、こういうことで御理解いただけるのではないかと、かように思います。
○江田五月君 ではないかと、かように思いますという、何か人ごとじゃないんですから。死亡牛、これについても私は全頭検査すべきだと思いますよ。今その体制を整えつつあるというお話ですが、じゃ、ちょっと近いうちにというのじゃやっぱりちょっとはっきりしない。いつごろまでに死亡牛全頭検査体制を取れるんですか。
○国務大臣(武部勤君) 二十四か月齢以上の死亡牛のうち年間四千五百頭を対象にしてBSE検査を行いつつあるわけでありますが、このような中で、我が国におけるBSEの早期根絶を図るために、御指摘のように死亡牛の検査体制の強化を急がなきゃならない、かように考えておりますが、ただいま申し上げましたように、各県、各都道府県の協力を得るということと、それから検査システムというものについて一日も早く準備するというそういう努力をしているわけでございまして、予算、人員を含めた体制作りを整える、急ぐ必要がある、このように考えております。現在、都道府県等と調整を行っているところでございます。
○江田五月君 いや、私もそんなにいらいらする方じゃないんですけれども、それはテレビでごらんになった国民の皆さんも今のような答弁だとやっぱりいらいらされると思いますよ。やっぱり、いや、難しいのはよく分かりますよ、都道府県の協力も得なきゃならぬ、農家の協力も得なきゃならぬと。 しかし、例えば屠場での牛については全頭検査、これは一か月ですか、ちゃんと整えられたじゃありませんか。なぜ一体死亡牛の全頭検査が、早急に早急にと言いながら、いつまでかというのが全然分からないということになるんだか分かりません。まあ、いいです、それは。 なぜ全頭検査というのは行うんですか。その目的は何ですか。
○国務大臣(坂口力君) 全頭検査につきまして、なぜするのかという御質問でございますが、これは学問的に言えば先生の御主張の方が僕は正しいのだろうというふうに思っておりますけれども、しかし、二十四か月を過ぎました牛で屠畜時に病気を持っているもの、又は三十か月齢以上のものにつきましてはこれはやるということを諸外国、特にヨーロッパもやっているわけでございまして、そこへ区切ってもいいわけでございますが、日本の牛はそれが二十四か月なのか三十か月なのか三十五か月になるかということが外から見て分からないわけですね。これ、二十四か月だと言われたらそうかなということでは済まないだろうと思うんですね、年齢が外から分かりませんから。だから、ここは全頭検査をして皆さん方に御理解をいただく以外になかったということでございます。
○江田五月君 厚生大臣に出られたらどうも困っちゃうんですが。私のあれを、説の方が学問的には正しいとおっしゃられると困っちゃうんですが、要するに私が疑問なのは、よく分からないんですが、全頭検査をやるから安全だと。小泉さんも、もう全頭検査を始めたから全頭検査で安全を確認できたと、こう言われたと、こう私にある人からメールが来たんですが、総理、全頭検査をやったから日本の肉の安全は確保できたと、こう言われましたですかね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 安全な牛しか市場に出回らないということを申し上げたんです。
○江田五月君 ところが、そうじゃないんだと思うんですね。つまり、いいですか、全頭検査をやっても、今の坂口大臣のお話のとおり、二十四か月より未満ですか、あるいは二十四か月を若干過ぎてもあるのかもしれません。異常プリオンが体内にあってもまだ危険部位、延髄とかにそれが凝縮されていないから分からないですよね、若い牛は。全頭検査をしたって分からないんです、それは。しかし、全頭検査で陽性と出ないものですからこれは当然出ていきますよね、市場に。出ていくことになるでしょう。だって論理的にそうなる。 いや、だけれども、それはそうじゃないんだと。それは食肉や牛乳やそういうものは安全なんだからと。私もそう思って私も牛肉食べています。そう思います。思いますけれども、全頭検査をやっているから安全だと言われたって、全頭検査と安全性の連関、論理的にそうちゃんと付かないんですよ。いやいや、それはそうじゃないんだと、目とかなんとか危険部位は全部除去してあるからと。除去してあるんだったら全頭検査やらなくたって安全だということになっちゃうじゃないですか。何のために全頭検査。 私、全頭検査やれという主張ですよ。だけれども、全頭検査をやったから安全だという論理はないじゃないかということを言っている。どうです、小泉総理。
○国務大臣(武部勤君) これは、英国におけるデータによりますと、三十か月齢以上で感染する確率が、九九・九五%ということですから、それは若ければ若いほど確率は低くなるわけであります。しかし、今、委員も全頭検査賛成だと、こうおっしゃいましたね。やはり一番大事なことは、安全と安心の間の距離を埋めるということが私は一番必要だったと思うんです。 したがいまして、安全を証明するということが私ども非常に大事なことだと、こう考えておりまして、全頭検査によって一頭残らず検査する、そして安全を証明したもの以外は牛肉として流通しないという、そういう体制を作ったわけでございますから、これが全頭検査やったから安全でないというその論理、全頭検査やったから安全だと。じゃ、二十四か月でも三十か月でも安全だ、同じじゃないかという理屈にはならぬじゃないか。〇・〇五%といえども感染の確率があるという、そういう知見になっているわけでございますので、私どもとしては、我が国で初めて発生したBSEでございます。そのときに、もう世界に類例のない体制を作ろうということで、そこに向けて全力を挙げているわけでございまして、そのことを多としていただきたいと、かように思うわけでございます。
○江田五月君 全頭検査やって引っ掛かったものが危ないと、それは分かりますよ、当然。それはだから排除すると。しかし、全頭検査やっても引っ掛からなかったものが全部安全だという、そういう説明は論理的に成り立たないですねということを言っているんで、そうじゃなくて、そうじゃなくて、死亡牛も全部全頭検査して、そして日本の牛については、とにかく全頭検査をやって、そして次第次第に、今のプリオン感染状況どうなっているか、そのルートはどうなっているか、そうするとどこを直したら、どこを排除したらちゃんとプリオンがなくなっていくか。 ですから、例えば、例えば、何でもいいや、井戸水が何かちょっと入ったと。急のときには、それはその汚れたところだけ取る。しかし、一遍何かが入ると、それはなかなかきれいにならない。きれいにならないけれども、飲めるところまではきれいになった。だけれども、それはずっと検査をしながら、水の今の水質を管理しながら、次第次第に年月を掛けて新しい水をその中に入れて、古い水は出ていって、そうすると次第に井戸水は元のきれいな、ピュアな水になっていくわけですよ。 そういう日本の畜産体制の管理のために全頭検査をきっちりやって、日本の牛を元の安全な牛にしていく。そのためには全頭検査欠かせないから、だからやるのは私は賛成だと言っている。だけれども、全頭検査をやれば安全だという、そういうことを言ってやるから国民が信用できないというわけですよ。今、武部大臣の問題点、一番問題は信用されていないということなんですよ。(発言する者あり)何で意味が分からないんですか。 いいですか、私のところにこういうメールが来ている。総理大臣までが全頭検査で安全を確保できたと豪語したので今となっては絶対やめられないが、その後、全頭検査を高く評価しているのは国会だけだと、そう言って畜産農家が私のところへメールをよこしている。これが正しいかどうかは別として、そこははっきりと認識をしておいていただかなきゃいかぬ。 さて、私は、むしろこの死亡牛についても全頭検査、あるいは場合によっては、いつもすべての場合とは言いません。しかし、場合によっては生きている牛も買い上げてでも検査をして、そしてむしろ積極的にBSEの感染牛を見付け出して感染ルートを徹底的に解明して、一方で肉骨粉の使用を法律で禁止をして、この体制を数年以上徹底する。そのことによって日本の畜産体制から異常プリオンを完全に排除する。この気迫を持ってBSE問題に対処しなきゃならぬと思うけれども、残念ながら、武部大臣の言葉の端々からは、その気迫じゃなくて、むしろどうやってうまい具合に糊塗していくかという、そういうことしか感じられない。(「おかしいじゃないか」と呼ぶ者あり)おかしくないんだ。 次に、四月二日に発表される予定のBSE問題に関する調査検討委員会報告書の内容、これはもちろんまだ中間段階ですが、内容が明らかにされていますが、その中に、自民党農水族議員がBSE問題のあらゆる局面で陰に陽に影響を及ぼした、また、農林水産省は産業振興官庁として抜きがたい生産者偏重の体質を農水族議員と共有してきたと書かれているが、どうも、そこの自民党農水族とかいうような表現が改められるとかという話ですね。これもどうも、どういう経過で改めることになったのか。まあ、いいでしょう。 しかし、新聞報道によれば、例えば昨年十月十六日、自民党BSE対策本部、先ほどどなたかお作りになったと言って大変胸を張っておられたが、その対策本部の会合で、松岡利勝議員とか鈴木宗男議員や江藤隆美議員などが大声を張り上げて主張した。江藤隆美議員は何と言ったか。この報道によればですが、今年二月に、おれなんか役所に圧力どころか命令するもんと、こう言って胸を張ったというんですね。ちょっとむちゃですよね。新聞記者団に語ったという。 こういうことからも明らかなように、BSE問題も、やっぱり族議員と官僚、政官癒着の問題なんです。 武部大臣、江藤隆美さん、松岡利勝さん、鈴木宗男さん、この三人の議員のBSE問題への関与、そして農水行政全般への関与の事実、これを調査して当委員会に報告していただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(武部勤君) 農林水産行政の実施に当たりましては、私ども、国民の皆様方から幅広く聞きながら推進しているところでございまして、議員の皆様からも与野党それぞれいろいろな御意見を拝聴しております。そして、謙虚に耳を傾けるべきことについては耳を傾けておりますし、そうでないものについては毅然として対処しているわけでございまして、具体的な御指摘が問題としてあるのであれば内容に応じて適切に対処したいと、かように考えておりますが、今の御質問では、私の方から調査して云々ということには相ならないと思います。ですから、具体的なことを申していただきたいと。 それから、先ほどのことで、これは大事なことですから国民の皆さん方に知ってもらいたいのは、全頭検査で安全ということだけで全頭検査をやっているんじゃありません。やはり、サーベイランスということも大事なんです。ですから、死亡牛も二十四か月以上全部検査しようというのは、全部検査することによってデータが出てくるわけです。我々の願いは、迫力を持ってと、こうおっしゃいましたから申し上げますけれども、一日も早く清浄国にしたいと、そのためにはデータが要るんだということでございますので、全頭検査の目的は、安全なものしか流通しないというそういう一面と、それから、そういう全頭検査することによってサーベイランスをやろうという、そういう意味があることも御理解いただきたいと思います。
○江田五月君 全頭検査に話を戻したくないんですが、私も、十月十八日に全頭検査始めた、これで日本の牛肉は安全になったとおっしゃるからそうかなと思ったけれども、よく考えたらどうもそうじゃないんだ。安全なものにしていくためにデータが要る。それは私は認める。そのために、農家の皆さんにも多少いろいろ苦労を掛けてもやらなきゃならぬということだと思うが、まあ、それはいい。 さっき私が言ったのは、新聞報道なんですが、例えば十月十六日のBSE対策本部の会合、そこで大声でやられておる、そこへは農水省の幹部も出ておられる、そういうことを調べてほしいと言ったんですが、どうも調べる気がないようですが、委員長、これは理事会で協議をしていただきたいと思います。
○委員長(真鍋賢二君) 後刻協議いたします。
○江田五月君 ついでにといいますか、川口大臣に来ていただいていますが、ついでと言うと申し訳ないんですが、一月二十四日の夜、一月二十四日の夜、松岡議員の宴席に外務省の当時の小町官房長、重家中東アフリカ局長、長時間出席云々ということがあった。そこで、川口大臣、このことを大変怒って、官房長、局長を更迭したということですが、松岡議員が外務省に持っていた影響力、これは相当に大きなものだったということにもどうもびっくりするんですが、川口大臣は、政治家の不当な圧力排除に一生懸命努力しておられると思いますが、そこで、この鈴木宗男議員だけでなく、今のこの関係で松岡議員の外務省への関与、これについて調査をして、当予算委員会に報告していただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 具体的な何か御指摘、こういうことについて調べてほしいということがございましたら、おっしゃっていただきましたらそれについて調査をさせていただきたいと思います。
○江田五月君 一月二十四日夜の松岡議員の宴席に小町官房長、重家中東アフリカ局長呼ばれて、遅くまで話した、その事のてんまつです、非常に具体的。
○国務大臣(川口順子君) それにつきましては、今まで国会で御質問ございまして、そのたびにお答えを申し上げているわけでございますけれども、一月の二十四日、重家当時の中東アフリカ局長、当時の小町官房長が松岡議員の駐日シリア臨時代理大使との夕食会に急遽招かれて出席をしたというふうに承知をしております。 この会合では、在京シリア大使館が賃借権を有すると主張していた建物を競落した民間会社が、東京地方裁判所の引渡命令に基づきまして、平成十三年十二月十九日、この建物の引渡しを受けた件について、求めに応じてその経緯及び事実関係を説明したと報告を受けております。ということで、この関係についてはそういうことだということです。
○江田五月君 要するに、松岡利勝議員がそのようなことまで外務省の行政について関与をしているということだろうと思いますが、この点も私は調査をしていただきたいということを、後に理事会で協議をしていただきたいと思いますが、いかがですか、委員長。
○委員長(真鍋賢二君) その件につきまして、理事会で相談をいたします。
○江田五月君 先ほども触れました調査検討委員会の報告書、四月二日に発表される。 資料を配ってください。 〔資料配付〕
○江田五月君 今日、私、ちょっとパネルを作ってまいりました。字がちょっと小さいので申し訳ないんですけれども、このBSE委員会の指摘、もちろんまだこれから四月二日に向けて推敲がされると思いますが、「農水省の「重大な失政」」と、「重大な失政」という言葉が入っているんですね。「政策判断の間違い」という言葉も入っている。 この私が書いた一と二、黒ですが、これは武部大臣が就任される前の話。一九九六年四月のWHOの肉骨粉禁止勧告に対して行政指導で済ませた。二が、九七年、米国、オーストラリア、肉骨粉禁止を、法的に禁止したときに適切な対応を怠った。 しかし、三以後、この赤のところは、三から八まですべて武部大臣になってからのこと、あるいは武部大臣になった後もずっと続いていることと、そういうことなんですね。 さらに、八まで、これは私が今の報告書の、先日の委員会に出されました参考資料、これを、要旨ですが、読ませていただいて私なりにまとめたもので、ステータス評価のこと、あるいは第一号牛の遅れ、あるいは虚偽の記者会見、記者発表、消費の低迷は行政不信と表示不信が重なった結果だと、こう明確に書いてある。あるいは、危機管理の考え方の欠如、情報非公開、専門家の意見の無視、JAS法の罰則、軽い、犯罪抑止効果がない、こういう言葉で書いてある。自民党を中心とする農水族議員と農水省が生産者偏重の体質を共有しているという、自民党とか農水族という言葉は変わるようですが、そして、そのほかに武部さん、あなたの責任として、熊澤前事務次官のこと、あるいは消費者無視の業者行政、感染ルートはまだ解明されない、全頭検査以前の食肉のずさんな買上げ事業、これもいろいろございます。こうしたことが既にもう出されているわけですよ。 こういう失敗、間違い、不祥事、変わらぬ体質、私は、武部農水大臣、あなたで今後の食品安全行政を構築したり日本の畜産体制を再生させたりする、それは無理だと。やっぱり消費者の信用というもの、信頼されていて初めてできるんですよ。 私は、これ小泉さん、先ほどもちょっとおっしゃっていた、いかに行政体制、食品の安全行政の体制をちゃんと作るか、これはこれから今本当に早急に考えなきゃならぬし、今の調査報告書でも議論されるし、後、小川勝也議員から引き継いでいただきたいと思いますが、聞いていただきたいと思いますが、小泉総理に聞きたいんですが、一つ感覚といいますかセンスを聞いておきたいんですけれども、その報告書の中に、この肉骨粉というのは工業化の申し子なんだと、近代畜産の陥穽、落とし穴なんだということが書いてあるんですよ。つまり、どんなに工業化されていったって、我々人間というのはこれは生物ですから、やっぱり生き物というある種の、あるでしょう、生き物というのはこんなもんだよというのがね。機械じゃないんですから、油を差して動かすというわけにはいかない。部品を取り替えればいつまでも続くというわけにいかない。そしてそれは、体の中で異常な細胞が出てくることがある。傷付いた細胞も出てくる。それがだんだんだんだん淘汰されて、もう小泉さんにしても私にしても六十年生きて、生まれたときの細胞とは全然今の細胞は違いますよね。十年前とも五年前とも細胞は違うんですよ、全然。そうやってずっとやってきて、そしてある年になったら土に帰るわけですよ。土に帰るわけで、しかし、個体としてはDNAか遺伝子か何かを通じて次の個体にずっと伝わっていく、そういうある種のルールといいますか、つながり方をしているわけ。 それが、肉骨粉というのはそうじゃなくて、そうじゃなくて、同じ種の中で、牛なら牛の中で共食いさせてリサイクルしてという、この発想はいいのかどうかという、これはセンスの問題だと思うんですが、どうお考えになります。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 大変大事な問題を指摘されたと思うんです。 要するに、牛も動物、人間も動物、動物の健康を作るのは食物、食べ物だと思うんです。自然界の世界を見ても、草食動物を肉食動物が捕らえて、野菜なんか食べなくても生きていけるんですよね。人間と違う。 この今回のBSEにつきましても、牛は本来草食動物ですよ。それを肉骨粉という違うものを食べさせたわけでしょう。食べ物が原因で病気になっている。私は、いかに食べ物が大事かと、人間においても動物においても食べ物こそ健康の基本であると。自然への恐れといいますか、食べ物によく気を付ける、大事にする、食物こそ人間の健康、動物の健康を作るんだということを一面では教えたのじゃないかと思っています。これは、自然を大事にする、そして健康に気を付けるという点にも深くかかわりのある問題だと認識しております。
○江田五月君 もう一点、小泉さんに伺っておきます。 さっきも言いましたとおり、全頭検査は必要だと。それは、データを集めて、一遍プリオンに日本の牛が汚染された、しかしそれをもう一遍汚染されていないものに戻すためにいろんなこれからことをやっていかなきゃならない、そのときにはやはり畜産農家に大変な努力もお願いしなきゃならない、それはちょっと検査のために必要なんだから、あの飼料を食ったこの牛をちょっと検査させてくれと。 検査をするということになれば、その牛を殺さなきゃいけないわけですから、それはその畜産農家に大変な犠牲も強いることになる。しかし、それをやって日本の畜産というものをもう一遍元へ直していかなきゃならぬ。そのためには、私は、やっぱり例えば三年なら三年、五年なら五年、この間にこれだけのことはやる、政治の責任で。その代わり畜産農家の皆さんには苦労を掛ける。それならその分ちゃんと所得補償しましょうというようなことを一つやること。 もう一つは消費者ですよ。消費者こそが安全な食品を欲しているわけですから。消費者はその思いがあるわけですから。消費者は選ぶんですから。選ぶときに、これは安全だという肉が選べるように、今のこの耳に付ける耳票、これは、屠殺してそこから出ていくともう耳票がなくなって全部肉ということになっちゃうんです。そうじゃなくて、あそこの牧場から来た牛がここで売られているという、そういう連関を付けて消費者に選んでいただく、そうすると、消費者の方が安全なものを選ぼうということになってきて、安全な畜産体制を作ることに消費者が参加できるんですよ。そうした発想でこの畜産行政取り組むつもりはありませんか、どうですか。──あなたにはできない。信用されない。
○国務大臣(武部勤君) 私どもは、委員が今いろいろ御提起されましたようなことを一つの大きな目標にして今真剣に取り組んでいるわけでございます。影響を受けた方々たくさんおられます。生産者の皆様方にも真剣に耳を傾け、消費者の皆さん方の、方々の意見もしっかり受け止めて、トレーサビリティーの問題も、やはり農場から食卓までということを目標にして今真剣に取り組んでいる次第でございまして、あなたにはできないという厳しいお話でございますが、私は、私でなければこの困難を克服できない、そういう決意で職責を全うしてまいりたいと、かように決意をいたしておりますので、御鞭撻を賜りたいと存じます。
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。小川勝也君。
○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。 残余の時間、江田議員に引き続きまして食の安全の問題について質疑をさせていただきたいと思います。 先ほど江田議員が使用しましたパネル、私もこの報告書の原案を非常に感銘を受けながら読ませていただきました。大体、省庁の審議会からの答申というのは、大体その省庁の局長さんとか偉い方の顔色をうかがいながら、文字を抑制して、表現を抑制して書かれるのが普通であります。私たちにとっては余り楽しい読み物ではありませんけれども、今回の報告書原案は非常に思い切った表現も使われておりました。 新聞の見出しには、「肉骨粉規制に「重大な失政」」あるいは小見出しに、「農水省は生産者偏重 族議員との癒着言及」と、こうなっているわけであります。私たちがいろいろな委員会やこの予算委員会で主張してきたこととほぼ表現を一にしているものであります。 四月二日が最終答申であります。残念ながら、どういういきさつかは分かりませんけれども、表現が少し弱まるのではないかという報道がありますけれども、そのことについてはまた後で触れることとし、また今回のBSE問題については、いわゆる武部大臣の御就任以前あるいは就任してから、様々な形で大臣御本人や農林水産省の責任を追及してまいりました。そのたびごとに、大臣が自身や役所としての責任をどのように受け止めておられるのか答弁を求めたわけでありますけれども、実はその調査検討委員会に様々な検討をゆだねているのでちょっと待ってほしい、こういうお話もございました。 四月二日の答申が明らかになるにつれて、多分重大な決意をされているんだろうというふうに思います。今、江田さんには、しっかり頑張りたいという旨の発言があろうかと、あったと思いますけれども、もう一度確認のため御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 何度も申し上げておりますし、小川委員からはこういった場で厳しい御叱正も賜りましたが、お互い政治家として、九月十日のBSE患畜が初めて発生したときに、私どもはこれは行政上に構造的な問題があるということを直感いたしまして、これは役人任せにできないと、政治主導で徹底究明しようと。そこから始まって、私どもは厚生労働大臣とこの私的、農林水産大臣の私的諮問機関としてこの調査検討委員会を設置したわけです。 正直に申し上げますと、最初はなかなか役所内に抵抗がありました。もう少し早くスタートできなかったのかなというふうに反省もしておりますが、したがいまして、この委員会の運営の在り方は、もう四千ページから五千ページに及ぶデータを全部出しています。さらには全部公開でやっています。そして、この報告はその委員の方々が自ら執筆しております。ですから、この報告がまだ出ていない段階でコメントはできませんけれども、私どもはここでいただく報告につきましては厳粛に受け止めて、これに盛られている今後の行政対応の在り方ということについて真剣に取り組んでまいる所存でございます。
○小川勝也君 考え方が異なりますけれども、私どもの考え方、次々に御質問させていただきたいと思いますが、まず一番と二番につきまして、これは残念ながら大臣御就任以前の話であります。 原因究明に非常に熱心な大臣であります。そんな中で、私どものこの参議院の予算委員会といたしましても、できる限りその情報を公開してもらいたいという要求がございます。この予算が仮に成立した後でも、この委員会でBSE問題の究明に当たりたいということで熊澤前次官の参考人招致の話合いを進めているところであります。国会には様々な慣例があって、前事務次官の参考人招致というのはなかなかハードルの高いことでありますけれども、委員長や与党理事の高い御理解もあって話が進んでいるようでございます。 武部大臣、原因究明に御熱心であります。熊澤前次官の参考人招致について御協力をいただけないでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 参考人招致に関しましては、これは院の問題だと、かように思いますので、私からコメントすることは差し控えたいと思います。
○小川勝也君 総理は外務省の様々な問題解明、疑惑解明にリーダーシップを発揮されました。今、食の安全は非常に重要な問題だというふうにおっしゃられた総理でございますので、そのリーダーシップをこの場で発揮していただき、その熊澤前次官の参考人招致についてのコメントをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) だれであろうと、調査に必要だったらば、委員会でしかるべき人を呼んでいただいて結構だと思います。
○小川勝也君 委員長はただいまの総理の重い発言を受け止めていただけたと思いますが、よろしいですね、委員長。
○委員長(真鍋賢二君) 委員長の立場でコメントするわけにはまいりません。
○小川勝也君 それでは、今、永田町で一番得をしているのはだれかという、こういうなぞ掛けがあります。今一番かわいそうな立場にあるのは辻元清美さんだと。その前は鈴木宗男さん、そして加藤紘一さんでありました。この通常国会が始まるときには、大きなテーマは雇用、経済の問題とBSEの問題だというふうに言われていました。そして、その後出たのが外務省疑惑の問題であります。だんだんそのテーマがずれていくに従って武部さんのことが風化されているんではないかというふうに武部さんが得をしているというのが、これは国会関係者や政府関係者の偽らざる気持ちだったように思います。 武部大臣の顔色もだんだん良くなっているように私は思うわけでありますけれども、そんなときに、この予算委員会で食の安全という本当に重要なテーマを議題にしていただいて、本当にうれしいなというふうに思っています。 今も議論がありましたけれども、元来日本人は水と安全はただだと思っているなんというふうに言われ続けておりました。いつの間にか水をペットボトルでお金を出して買うようになったのに、安全のことについてはまだ関心が薄いかもしれません。 今回このBSE問題で農林水産省の役所の方とお話をしたことがあります。イタリア産の肉骨粉の輸入で、いわゆる国際基準をクリアした薫蒸した肉骨粉を輸入していますということをやっておったのに、実は調べてみたら当該工場にはその薫蒸の施設がなかったと、こんな話もあります。国際的な相対の取引なので、こちらからも信頼してもらうんだから向こうも信頼しなきゃいけない、こんな話でありました。安全に対する意識が非常に低いということだろうというふうに思っています。 そんな中で、この委員会の中で様々な議論をさせていただきたいと思いますが、このBSEは、この私たちの国が二十一世紀になって、少し遅くなったかもしれないけれども、食の安全というのを本当に大きなテーマとしてとらえていかなきゃいけない重要なサジェストだったというふうに思うわけであります。先ほども議題になっていた、特に中国からの輸入野菜の残留農薬の問題、それから化学物質、遺伝子組換え食品あるいは水産物の薬品や抗生物質の問題など、食をめぐる安全の問題は大変大きなテーマだろうというふうに思っています。先ほど申し上げましたこのBSEの調査検討委員会の報告書の中でも、抜本的に食の安全の行政システムを変えなければいけないというような記述もありました。 そのことは別の機会に譲るといたしまして、総理は、やはり食の安全を確保するために、今の制度を変えたり行政の中身を変えたり、大きく改革しなければならないと御認識しているでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 食の安全を確保するためにどう対応が必要かという点につきまして、今回のBSE問題を契機にいたしまして、より一層体制の強化を図っていかなきゃならないと思っております。 現在、BSE委員会の調査報告、あるいは提言というのが近いうちに出されると思います。その報告、提言を踏まえ、あるべき食の安全確保策について多方面から必要な施策を検討していきたいと思っております。
○小川勝也君 簡単にお答えいただきたいと思います。武部農林水産大臣にもそのお気持ちがおありになるでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) そもそも、BSE問題に関する調査検討委員会の目的というのは、過去の行政対応上の客観的な検証と畜産・食品衛生行政の一元的な在り方、食品安全問題についての抜本的な見直しということについていろいろ御提言を賜りたいと、それが目的の一つでございますので、是非御報告をいただいて、そういう決意で取り組んでまいりたいと、かように存じます。
○小川勝也君 私も江田委員と同じことを申し上げたいと思います。幾らお気持ちがあっても、武部農林水産大臣の御指導の下にはそれが不可能だということを申し上げたいと思います。 先ほども話題になりました、政策決定に族議員が関与しているという問題をお伺いしたいと思います。特に、牛肉在庫緊急保管事業についてお伺いをしたいと思います。 生産局長、おいでであると思いますが、この事業にはどのぐらいの予算が使われることになりましたか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) この事業、二つの事業から成っておりまして、最初が市場隔離の事業でございまして、これが約九十億、その後焼却をするという事業が加わりまして、これが約二百億でございます。
○小川勝也君 先ほど江田議員も取り上げました朝日新聞には、「牛肉処分 理屈は消えた 半端な制度に数百億円」という見出しが付いています。「族議員「枝肉も買い取れ」「焼却しろ」」、こういうサブタイトルであります。 これは、御承知のとおり、私もこの牛肉処分の施策がすべて間違っていたと言うつもりはありません。しかし、この食肉団体関係者でさえ、こういうふうに言っております。肉も牛乳も安全と言いながら買い取って焼いてしまう、理屈も何もないままこの制度になったと、我々業界は助かったけれどもと、こういう話であります。 当初、農林水産省はこの事業に消極的だったと思いますけれども、武部農林水産大臣、いかがでしょうか。牛肉の買取り保管事業。
○国務大臣(武部勤君) 当初の構想は、十七日以前の牛肉も元々安全なものであるには違いありませんけれども、しかし、十八日以降、全頭検査以降の牛肉に照らして、消費者の皆さん方の間にはやっぱり不安が残ると、念には念を入れて不安払拭が必要だということが第一にありました。 もう一つは、十八日以降、全頭検査になったにもかかわらず、これが円滑に流通しないということでは困るわけでございます。したがいまして、十七日以前の牛もできるだけ速やかに一気に市場から隔離しようということでありまして、いずれ落ち着いたらまた流通させることもあり得べしというのが当初です。しかし、その後、なかなか不安解消に至らないということで、私どもは政府の責任で流通させませんと、こういうことを申し上げていたのでありまして、その後のことについてはじっくり時間を掛けて考えたいと思いますというようなことを申し上げていた次第でございます。
○小川勝也君 これは、農林水産省はこの制度はやりたくなかったんであります。 農林水産省は、一貫して枝肉は、牛乳は安全と主張してきた。それなのに枝肉を買い取り、まして焼却処分することはできない相談だと書いてある。そして、この部会が十六日に開かれたその次の日の農林水産省の対策本部で岩永政務次官が、安全だと言ってきたのを信じ、学校給食で牛肉を使い続けてくれている教育委員会、先生がいる、信頼は裏切れない、肉自体は安全ですと、こう訴えているんですね。それよりも何よりも武部大臣御本人が全頭検査の前に肉を皆さん、カメラの前で食べて、おいしい、安全だと言っているんですね。安全な肉を買い取って焼却する。それに二百数十億円使ったので半端な制度だと、こう言っているわけです。 そして、その制度をどういうふうに使った人たちがいるのか。雪印食品、それ自体は悪いと思う。しかし、この制度にどこか節穴か抜け道か欠陥点があったんではないか。それもそのはずであります。本来、役所というのは、農水省もそうでありましょう、しっかりしているところであります。自分たちが温めてきたプランであれば、もう瑕疵がないように、漏れがないようにしっかりとこのルールを作るはずであります。 ところが、自分たちが予期せぬ、抵抗してきたことをやろうとしたから、そこに問題点が出てきたんじゃないか。今回、自分たちはやりたくなかったのに、今回、局長、君に責任を取れとは言わぬよと、政府の責任で買い上げる、焼却するかは後で考えればいいなんていうふうに脅されて、どなられてこの政策が決まっていったんです。いつの間にか、前の当時のこの当該の局長は今そこに座っていません。小林局長はもう替えられているということであります。 そして、これ農林水産省の人はこれ何て言っているかというと、買上げはのまされてしまったけれども、恐れていた焼却は盛り込まずに済んだと、こう肩を若干なで下ろしたわけであります。それは安全な牛肉を焼くなんということはこれはできないことなんです、役所にとっては。ところが、自民党側はあくまで焼却するための保管だと考えていたというんです。これがこの半端な制度ということであります。 この中身についてはいろいろ言いたいこともあろうかと思いますけれども、この雪印食品を始めとして虚偽制度が出ました。これはこの政策決定にいろいろ問題があったんじゃないですか。この辺、御答弁を短くお願いします。
○国務大臣(武部勤君) この最初の事業は、私ども市場を隔離をして、そして落ち着いた段階でまた流通することもあり得べしということで取り組んだのでありますが、しかし、二頭目、三頭目が出たわけですね。そのことによって国民の間には不安が更に高まり、牛肉の消費が一段と落ち込んでいったということでございます。 したがいまして、私どもとしてはこれはもう野党の皆さん方も挙げて国会等で早く焼却すべしと、そういう強い声がございました。そこで、私といたしましては、念には念を入れて消費者の皆さん方の不安を払拭しなくちゃいけない、それから、どんどん出ていく全頭検査による安全を証明された牛肉の流通の円滑化も進めなきゃならない。年末になっておりました。 そこで、私どもはやむなく焼却を決断した次第でございまして、これは党の特定の人の圧力によってそういうふうになったわけではございませんので、このことを御理解いただきたいと存じます。
○小川勝也君 そのことによって、どういうふうになったかちょっとパネルを上げていただきたいと思います。(資料を示す) ここに六番に書いてあります。消費の低迷は行政不信と表示不信が重なった結果だと、これは私が言っているんじゃない。調査検討委員会が指摘しているわけであります。 最初安全だと言ってみんなの前で食べた武部大臣が、次から次へと屋上屋を重ねた、その苦渋の気持ちは私は一%も理解しないわけではありません。しかしながら、国民の、消費者の皆さんのマインドというのはそのことによってはっきり冷えてしまったのが、ここに主張されている内容であります。やったことは間違いでないかもしれないけれども、結論として残念な結果になってしまったというのはお認めいただかなければならないというふうに思っています。 牛肉の消費、先ほど江田議員から食肉の安全の問題、いろいろありました。私も一〇〇%信頼している。安全だと思って食べています。しかし、この消費者の中の皆さんの不信というのは、これは人の心の中までは変えられないわけであります。お金を使ったから食えって言っても食えないわけであります。こういうふうに、度重なるこの失政とか不信とか行き違いとか、苦渋の選択が積み重なって今の状況になってしまったのではありませんか。 さらに、この族議員との関係でいうと、今回、この朝日新聞のペーパーの中に、武部農林水産大臣の文字はどこにもありません。というと、これはどうか分かりませんけれども、農林水産族の、いわゆる農水族の皆さんは、大臣を通さなくてもおれたちが決めれば、局長に通達すれば政策は実行できるというふうに考えている節があるのではないかなというふうに思っています。これはなぜかというと、武部農林水産大臣は、小泉総理から大変この重い責任を持って農林水産大臣を拝命した人だと私は認識しているからであります。 仄聞するところによると、このパネルにあります八番のところを小泉総理が非常に懸念をしておる、日ごろから。そして、自分が内閣を構成するとき、小泉構造改革内閣を作り上げるときには、族議員の中から農林水産大臣をやってもらうのではなくて、気骨のあるそれ以外の武部さんにやってもらいたい、これが小泉総理の御意向だったやに伺っています。 その辺は総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 農林水産大臣というのは非常に大事な役職でありまして、国民の食料安全確保、言わば政治にとって、古今東西、古来から国民に安全な食料を確保するというのは、政治で最も大事なことだと言われているぐらい大事な仕事であります。そういう際に、これから二十一世紀にふさわしい体制を取っていかなきゃならないと、今まで見直さなきゃならない点もあるでしょうということで、武部さんだったらば気骨のある改革意欲に富んでいる人であろうと。そういうところを見込んで私は大臣に起用したわけでございます。
○小川勝也君 結局、この小泉さんは、その農水省の今までの体質、あるいは族議員との関係を変えてほしいと思って武部さんを起用したんだと、今のお言葉でも私は理解をいたしました。 しかし、今、武部農林水産大臣はどういう状況に置かれているのか。野党からは辞めろ辞めろと言われている。私も何回も言っている。消費者も、武部さんが大臣の間は牛肉は食いたくない。今日の午前中の参考人質疑でもありました。辞めてくれたら牛肉を食べるよなんという人もいるぐらい、こういう午前中の質疑でもありました。国民も今回の様々なこの不信が募っている。総理には任命をいただいたけれども、若干四面楚歌に近い。 そんなときに手を差し伸べているのが、農林水産省の役人の一部の人たちと、自民党の族議員の人たちだと思います。農林水産族がこれは反発って書いてあるんですね。これは何を反発したかというと、今回のこのパネルの中で、いわゆる族議員のところはやっぱりやめてくれと言ったんですね。その記事が載っているわけでありますけれども、農相更迭論が一応は鎮静と書いてある。どういうことを書いてあるかというと、与党内の農相更迭論が一応鎮静化している、今後も予断を許さない状況だと。いいですか。総理に任命されたけれども、野党に辞めれと言われている、国民から支持されていない、そしてここで与党からの支持が切れたら、武部さん、どうなってしまうのか。 今、農林水産大臣として食の安全の仕事がしたいという決意もありました。もしその仕事がしたいということになると、今議題となっているこの族議員の人たちの意向をそんたくして行政をしていかなければ、自分のステータス、存在が保たれないという状況に置かれているのが武部さんなんであります。ですから、食の安全が本当に大事であれば、私は、任命したときの総理のその発想は非常に良かったと思いますけれども、今本当に食の安全を大事にしようとするときに、今その人選はミステークになっていると言わざるを得ないと申し上げたいわけであります。 さて、農林水産省の族議員体質というのは巷間いろいろ言われているところであります。例えば、土木工事が多いとか、予算は多いのに肝心の生産者の暮らしは苦しくなるばかりだ、組織団体の幹部と一部議員が何かつながっているんじゃないか、役人が関係団体に天下っている、これが私たちが持っている印象でもありますし、国民の皆さんもそう思っているかもしれない。小泉総理も、一部そのことに気付いて武部大臣を指名したんだろうというふうに思っています。 今、本当にこの食の安全ということを大事にしながら農林水産行政を変えようとするならば、本当に大変なエネルギーが要るんだろうというふうに思います。国民から信頼を失っていたり、様々な重大な失政だというふうに指摘されている大臣で、野党から早く辞めた方がいいというふうに言われている大臣にそんな大事な改革ができるのか、小泉総理、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 武部大臣に対してそれぞれ御批判があるということは、この委員会等、今までの委員会の御指摘でも分かっておりますが、これからの農林水産行政におきましても、変えていこう、体制を立て直していこうと、不当な圧力に屈しないでやっていこうというためには、よほどの胆力がないとできない仕事であります。多少の辞めろ辞めろの声にたじろいで辞めたいと、自らの責任を放棄するような人だったらとても務まらない。 不当な圧力にも屈せず、断固として安全を確保するための体制整備をするんだという決意に燃えているからこそ私は武部さんを農林大臣にし、武部大臣の責任の取り方は、今までの行政、不備な点は反省して、これからの新しい食品安全確保のための体制を作ると、そういうことに向かって全力を尽くすべきだと言っておるわけでありますので、私は武部さんならその方向で断固と構造改革に向かって邁進してくれると思っております。
○小川勝也君 いや、そう思っているのは、これ、総理だけだと思いますね。族議員の方々は、自分たちの意向を反映してくれる大臣だったら守りたいと思っている。しかし、本当にその族議員の利益が奪われるような改革をするならば、あっさりと手を引くでしょう。今一番味方に付けなければならないのは、小泉内閣の誕生のときを思い出してください、私は国民の声だと思います。国民がどんな思いで今牛肉を見詰めているのか。 もう一回パネルを上げてください。「消費の低迷は行政不信と表示不信が重なった結果」だと。先ほど指摘したとおり、この表示不信だって様々な圧力に屈した結果、適用された政策の結果、こういうふうになってしまったということであります。 このことを変えられないということがもう一つと、そして一番大事な点を申し上げたいと思います。 この全部がこの検討委員会の指摘でありますけれども、そしてまた被害総額が二千億円を超えているんだといいます。そんな中で、今回このBSEが日本に発生したという問題について、だれがどのように責任を取ったということであります。多分、雪印食品の社長も辞任をされました、全農の会長もこれは辞職をすることになっています。 それでは、農林水産省、あるいはこの食の安全をめぐって、あるいはBSEの発生をめぐっては、だれがどのように責任を取るのか、取ったのか、総理、もう一回答弁お願いします。
○国務大臣(武部勤君) 先ほど来申し上げておりますように、九月十日に我が国初めてのBSE患畜が発生して、私は、これは行政に構造的な問題がある、何でBSEの侵入を防げなかったんだろう、ゼロリスクとは言わないまでも、何で危機対応マニュアルがなかったんだろう、更には縦割り行政の問題も感じました。 したがいまして、これは役人任せにせずして、政治主導で執念を持ってこの問題を究明していこう、そのためには客観的な検証も必要だ、科学的な知見も必要だと、いろいろ抵抗はありましたけれども、BSE問題に関する調査検討委員会を立ち上げて、今大詰めを迎えているわけでございます。もう何度もお話ししておりますように、オープンで、データも四千ページも出して、公開の下にやっておるわけです。それを受けて真剣に取り組んでいく。どんな圧力にも屈しません。国民、消費者、そして消費者のために一生懸命頑張ることが生産者につながると、そういう考え方でこれからも真剣に取り組んでまいりたいというのが私の決意でございます。
○小川勝也君 トーンを少し落としまして、総理は韓国から帰ってこられたばかりだったと思います。 この食の安全というテーマは農業と非常に密接に結び付いておりまして、非常に重要なテーマだと思います。金大中大統領は、この食の安全ということに非常に大きな強いリーダーシップを発揮して、いわゆる民間学者の農政部長、いわゆる農業大臣を起用いたしました。そして、日本で言うところの有機農業というのでしょうか、韓国では環境に親しむということで親環農業と言うんだそうであります。この人を起用して、非常に強く持続型の農業政策を推進したというふうに言われています。そして、この例えば金成勲という大臣のほかに何人かがその任に当たったのでありますけれども、異口同音に同じことを言っているというふうに言っています。農政を転換するのに大変強い行政の力、圧力、抵抗を感じたということであります。 そして、日本に置き換えてみると、例えばこの食の安全を実施していこうとすると消費者保護に省益の壁という、こういう指摘もあります。農林水産省の役人が自分たちの利益を守ろうとする力も非常に強い、そして族議員と呼ばれる人たちが自分たちの権益やシステムを守ろうとする力も非常に強い。そんな中、先ほど小泉総理は、武部さんにやってもらいたいというふうにおっしゃっていましたけれども、本当に手負いの武部さんで大丈夫なのか、国民から信頼を受けていない武部さんで大丈夫なのかというふうに、私は党利党略を超えて心配をしているところであります。一日も早くこの食の安全を確立するという大きなテーマに向かって私たちの国がかじを切らない限り、大変なことになってしまうと思います。 最後にもう一度だけ、小泉総理、御答弁をお願いいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 一年近く大臣を経験されて武部さんもよく、今まで以上にこの困難な問題を理解してきたと思います。また、なさなければならない改革というものも分かってきたと思います。今までの御批判を謙虚に受け止めて構造改革に農林水産分野においても邁進していただきたいと、武部さんならできると私は思っております。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で江田五月君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、沢たまき君の質疑を行います。沢たまき君。
○沢たまき君 公明党の沢たまきです。 私は、食品の安全についてお伺いいたします。時間がありましたら、医療改革についても若干伺わせていただきたいと思っております。 その前に、私も国会議員をさせていただいておりますが、社民党の政審会長辻元さんの、辻元議員の政策秘書給与搾取の疑惑について一言触れさせていただきたいと思っております。 政治資金規正法の第二十二条などには、寄附の量的制限の違反などについては寄附をする者と寄附を受ける者両者について一年以下の禁錮又は五十万円の罰金等々がございますが、国会議員あるいは政治家は当然この規正法を知っていなければならないと考えておりますが、この政治資金規正法のその趣旨を御説明、まずいただきたいと思います。
○副大臣(若松謙維君) 委員の質問にお答えいたします。 政治資金の収支の公開は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるものでありまして、政治活動の公明と公正の確保を図る上で大変重要な意義を有するものと理解しております。 〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕 政治資金規正法第十二条に違反して会計責任者が収支報告書の提出を怠ったり、あるいは収支報告書に記載すべき事項の記載をせず又は虚偽の記入をした場合には、五年以下の禁錮刑又は百万円以下の罰金に処することとされておりまして、政治資金規正法では最も重い罰則となっております。
○沢たまき君 お答えいただけなかったんですが、国会議員はこの規正法を当然知っているべきだと思います。そうですね。(「そのとおりです」と呼ぶ者あり)そうですね。ですから、これに違反した場合には、もう厳しく処罰をされなければならないということでございます。 そこで、法務大臣にお伺いしたいんですけれども、だまし取ったお金を、その使い方によって詐欺罪が成立したりしなかったりするでしょうか。詐欺罪の構成要件を伺わしていただきたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 刑法の二百四十六条というところに規定されておりますが、詐欺罪というのは、人を欺いて財物を交付させた場合及び財産上不法の利益を得、又は得させた場合に成立するというふうになっております。
○沢たまき君 人を欺いて不当に利益をですから、どう考えても私は立派に詐欺罪が成立するんではないかなというふうに思っております。 辻元議員は、国会議員側いわゆる辻元議員に政策秘書を雇用する意思があり、秘書側に勤務する意思があったので詐欺罪は成立しないと、マスコミに釈明文書では言っておりますけれども、幾ら意思があったと主張したところで実際に勤務実態が伴わなかったわけですから、国民の税金をだまし取ったということには変わりはないわけであります。国と国民が、欺いて血税をだまし取った、これだけでも立派に私は詐欺罪の立件は成り立つと思っております。 お帰りになったばかりで済みませんが、総理に伺います。 私は国会議員の資質、私はこの辻元議員の釈明を見ても、三月二十日の否定会見から一転して二十四日には、五万円以外は事務所で流用し、通帳も預かっていたと安易に見解を変えました。また、自分の責任を逃れるために、ありもしない根拠のないまま他党を批判をいたしました等々、いろんなものがありますが、このようなうそにうそを重ねるといいましょうか、詭弁を弄するといいましょうか、こういう行動は政治家としての資質に欠けるものだと思います。 こういう方が国会議員をやっているなんというのはちゃんちゃらおかしいなと思うのでありますが、国会議員のあるべき姿について総理のお考えを伺わせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国会議員は選挙の試練を経て議員として登場してくるわけでありますので、多くの国民の支持に堪え得るような活動をしていかなきゃいけないと思ってます。また、政治家は常に出処進退というものを考えておられると思いますが、その基本はやはり出処進退というのは御自身が判断すべきものであって、私は説明する、特に疑惑があったならば自分がその疑惑に対してきちんと説明していくべきものだと思います。 いずれにしても、多くの国民から信任を受けて国会議員となったわけでありますので、その国民に対してどう自分の行動を説明するかと、それをきちんとわきまえておくことが必要だと思っております。
○沢たまき君 ありがとうございました。 私は、国会議員あるいは公務員、国民に奉仕する者として、人格も磨き常識豊かにしなければいけない、殊に国民を欺くということはもうしてはならないことだと思っております。また、私は自分で日ごろから自分に律していることがございますが、スペインのラス・カサスさんという大変有名な学者がいらっしゃいますけれども、その不正を見逃すということは、己も、それを黙して見逃すということは、己も共犯を重ねていることになるというふうに言われております。私はそれを信条にしてやらせていただいているつもりでございます。国民の皆様に奉仕する者として一生懸命頑張らせていただきたいと、このように思っています。 それでは次に、本題の食の安全について伺います。 まず、雪印乳業に始まった一連の食品スキャンダルの事件は全く目に余るものがありまして、今も止まっておりません。しかも、今まで国民から信頼を受けてきた大手の企業によって引き起こされていることは全くゆゆしき問題であります。食の安全は直接国民の命と健康に及ぶもの、何回も皆さんおっしゃっております。特に国の安全の管理は万全を期さなければいけないと思っております。 まず、総理に伺います。一連のこの食品のスキャンダルについての御所見を伺わせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 食べ物については、これは生命にかかわる、健康にかかわる問題でありますので、国民も非常に関心を持っている問題だと思っております。そのために、まず業者にしても安全な食品を国民に提供する、また行政もどの食品が安全であるかという体制というものに対して国民に正確に情報を伝える、しっかりした体制を取る、そういうことについて幾ら注意してもし過ぎることはないということを今回のBSE問題は教えていると思います。 そういう点について、私どもも今回のBSE問題を契機にいたしまして、食の安全確保に対する問題については、今までの経緯もいろいろ御批判というものを真剣に受け止めて、今後のあるべき体制というものを考えていかなければならないと思っております。
○沢たまき君 ありがとうございました。 本当に、衣食足りて礼節を知ると昔は言われましたけれども、衣も食も足りているのに、何ですか、うそばっかりやっているというのがもうどうも腹立たしくて仕方がありませんが、次に進ましていただきます。 食品衛生法の目的は衛生上の危害の発生を防止すること、JAS法は消費の選択に資することにあります。したがって、不当表示によって不当な利益を得た場合、消費者が損失を受けたとき、消費者は民事で損害賠償請求をするしかありません。しかし、これは本当にもう非現実的であります。例えば、国産だと言われて、本当は五百円の輸入を千円で買わされた、五百円損したなと思っても、このたかが五百円のために民事訴訟、裁判なんか絶対起こしませんから、こんな非現実的なことはないわけです。 しかし、こんな中で、一連の中で、生協と三越は消費者に全額返済をしております。この姿勢はもう本当に私は偉いなと思いましたし、消費者や、殊に主婦の方は本当に喜びました、一年分さかのぼって返ってきたわけですから。こういう姿勢は信頼を回復するための第一の手段だろうと思っておるんですけれども、不法な行為によって不当な利益を得た場合、返還するよう御指導をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 また、法的に規定することは可能かどうか御検討いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のことは、本当に正直者がばかを見るようなことがあってはいけないという意味で全く私同感でございます。 〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕 ただ、消費者の受けた損害を業者に返還請求することは、今お話ありましたように民事上の問題でありまして、この問題に行政が関与することは非常に難しい問題だとは思います。 しかし、例えば購入者と購入金額が特定できる場合に、当該購入者に代金を返済するなどの措置を講じることは販売者にとっても顧客の信頼回復のための有効な方法の一つであるということは、今、三越等のお話にあったとおりだと私も思います。 いずれにしましても、消費者保護第一、消費者サイドに軸足を置いた農林水産行政を展開してまいりたい、そういう強い決意を持っておりまして、御指摘の点についてどのようなことが可能か、いろいろな立場の方々の意見もしっかり聞いて勉強してまいりたいといいますか、そういう道を開いていけないかということについて努力してまいりたいと、かように存じます。 なお、雪印食品の問題以後、信頼失墜しております。私は、あえてこの場で申し上げますが、今、全箱検品体制を一年以内で取るようにという、洗いざらいうみを出すといいますか、問題を徹底究明するということで全箱検品体制を指示している次第でございます。是非信頼を回復したいと、かように存じます。
○沢たまき君 ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。 我が国の法律では業者の自主的な表示に基づいて食の安全を規制している、ここに限界があるのではないかなと思っております。農場から食卓まできちんと品質の管理、品質認証が可能なシステムを作って、その上でリスク管理をする、するべきじゃないかと思います。このような基本的な考え方の改革をしなければ食品のスキャンダルはなくならないんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 私どもは当初、農場から屠畜場までのトレーサビリティー、個体識別システムを考えておりましたけれども、今、委員御指摘のとおり、やはり農場から食卓までのトレーサビリティーの導入が私は重要だと、こう思っておりまして、そういう方向に向けて、今、委員が御指摘ありましたような、消費者が自ら食品の生産方法等に関する情報を引き出すことにより安心して食品を購入していただく、万一食品事故が発生した場合にもその原因の究明を容易にする、そういう仕組み作りに積極的に取り組んでまいりたいと、かように考えている次第でございまして、食品の生産履歴等の情報が消費者に正確に伝わる仕組みの制度化について、食品表示制度の改善強化のための見直しも今検討中でございます。
○沢たまき君 いずれにいたしましても、リスク管理の部分につきましては独立機関とするのが妥当ではないかと考えております。 また、農水省が今度のスキャンダルを通して本年の二月の十四日から食品一一〇番をやっていただいております。やっていただいたんだけれども、もうちょっと早くやってもらいたかったなという気がいたします。食品の安全を確立するために消費者に直結した食品の行政が進められなければいけないと大臣もおっしゃってくださいましたけれども、農水省の部分だけではなくて、すべての食品に一一〇番を広げていっていただきたいなと思うんです。そこでいただいた国民の声を吸収して対応できるシステムを構築していくべきだと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) ちょっと、総理に答弁いただく前に、多少私どもの所管でございますので申し上げますと、食品一一〇番は、これはすべての食品について実施しておりまして、一か月間で千六百件を超える情報が集まりました。 しかし、これは立入検査、指示、公表、罰金ということで、この強化をしていかなきゃならないわけでございますが、消費者の声を直接受け取り、それを食品行政の対応に生かしていくことは消費者の信頼を得る上で極めて有意義であり、大事なことだと思いますので、今後、消費者の声が関係省庁に伝わり、農林水産省に限らず的確な対応ができるような連携を強めていく必要があるのではないかと、かように考えている次第でございます。
○沢たまき君 食品の中で、ダイオキシンですとか成長ホルモンですとか遺伝子組み換え食品ですとか、いろんな問題がございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 トレーサビリティーシステム、いわゆる追跡可能性等履歴情報遡及システムが拡充されなければなりませんが、例えばBSE問題にいたしましても、結局は追跡可能ができなかったものですから瀬戸際でやるっきゃなかったと。それが精一杯で、根本的な対策というのは伺っていてもなかなか今日でもなされていないなという感じでございますので、国民から見ますと、政府が安全と言ってもこれ大丈夫かなと一抹の不安があります。 その結果、どうなるかといいますと、牛肉は下がって、単価は下がって消費も回復しないということで、農家の方も、それから食肉販売の方も焼き肉専門店も、いろんな方が、計り知れない方がその被害を被っているわけなんで、これが食品管理認証制度で追跡の可能性が確立されれば、飼料から肉の流れから短期間のうちに解明がされて即座に手が打てることになりますから、被害も最小限に食い止められると思うんですね。食品の危機管理も可能となります。業者の自主的な表示から食品管理、品質保証システムにこれは改めるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。 それともう一つ、水産省がこの間、この国会でJAS法の改正の意向を大臣は示されていらっしゃいますけれども、それはそれといたしまして、食の安全に対しては予防、危機管理、国際的信用、消費者が安心できる、これらの要素を可能とする抜本改革を目指すためには、いろんな省にまたがりますので、総理大臣が陣頭指揮を執っていただいて、政治主導で組織の再編も含めて進めていただきたいと思うんです。というのは、消費者は、これは農水省かな、ダイオキシンは環境省かなと思いませんので、総合的な組織の再編も含めてやっていただきたいと。 これをしていただかないと、消費の低下は続くでしょうし、GNPにも響くんじゃないかなと、かように思っておりますので、総理のお考えを、やっていただけるかいただけないか、お答えいただきたいと思っております。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回のBSE問題も、農林水産省と厚生労働省の連携についてもっと改善の余地がなかったんだろうかという御指摘もいただいております。 今、BSEに関する調査検討委員会、近日中に報告また提言、是正すべき点等、識者による報告が出ると思います。その報告を見ながら、今後、あるべき組織あるいは機構、どういうものがいいかということを真剣に検討をすべき必要があるかなと思っております。
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。 私は、原産地表示の食品は大変重要だと思っております。なぜかといいますと、原産地表示は、先ほど申し上げました品質の管理、品質保証という点から大変大事だと思います。昔から、健康で、それから栄養価も高いと言われておりますのは地場のもの、いわゆる一里四方で取れたものを食べろ、旬のものを食べろと。笑わないでください。そう言ったんですよ。一里というと分かりませんか。──分かりますよね。お分かりで安心しましたが、そういうのがありました。 これはやっぱり少しずつそういう傾向に戻りつつあるように思います。これは原産地が大事だといって、フランスなんかではワインとかチーズを、原産地呼称証明制度というのがあって、高級品として認証されております。ですから、生産者にとっても大変喜ばしいこととして受け止められていますよね。 ようやっと我が国でも、十四年から十六年まで、地域食品総合認証事業、これが実施されましたね。これは、是非この事業を成功させていただいて、輸入品に負けない我が国の農産、国産の農産物の普及を結び付けていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(武部勤君) 私どもは、生産者と消費者の顔の見える関係というものを構築するというのが今取り組んでいる我々の目指すべきところでございます。 この間、テレビを見て感動しましたけれども、長野県でトレーサビリティーによってメールが来た、あなたのところの肉をいただきました、頑張ってくださいと、本当に力付けられたという話を聞きました。 最近は地産地消という言葉も随分耳慣れてまいりました。私どもは、我が国もボルドーのワインなどフランスの原産地呼称のように地域の特有の気候風土や特徴的な原材料を生かし、地域の伝統的な製法や生産された多くの食品がございます。 これらの振興を図ることは、私どもの国の食文化、あるいは食育という言葉がこのごろ使われるようですね。知育、徳育、体育、食育と。私は、人の命と健康を守るだけじゃなくて、もう一つ、食文化ということについての国民の関心、非常に高まっていると、かように思うわけでございまして、地域食品総合認証事業において、いろいろ御提言を含めて御指摘ございましたが、委員の御提言を踏まえて更に積極的な努力をしてまいりまして、国産農産物やそれを利用した食品の一層の普及発展を図ってまいりたいと、かように存じます。
○沢たまき君 期待をしておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 少し時間がございますので、次に、小児医療制度の体制についてお伺いをいたします。 女性の小児科医師の問題についてお伺いをしたいと思います。 小児科医における女性の比率が大分上昇しておると伺いました。したがって、女性の医師の方々が十分その力を発揮して医療に当たれる環境の整備が大変必要になってきております。そうしないと、小児救急体制も含めた小児医療は成り立たなくなってきております。 先日、開業医をなされております小児科の女医さんにお話をちょっと伺わせていただきました。その女医さんは、まず子育ての支援を是非よろしくお願いをしたいとおっしゃっておりました。 女医が結婚をすることについてはハンディはないと、しかし妊娠をし、出産をし、子育てになりますと、なかなか働き続ける雰囲気が、雰囲気というか働きにくくなると。大きな病院で保育所があるところがありますが、ほとんどは看護師さんのためのものでございますので、外の保育所に預けますと。そうしますと、ほとんどお給料がタクシー代とベビーシッター料で消えてしまうんですというお話をされていらっしゃいました。 研修医中にもし出産をするとなると、一番勉強をしたいときに勉強もできず、辞めてもらいたいなというような医局の雰囲気になると。是非、子育ての支援、それを、女性の小児科医のための子育ての支援、自分は子供が好きだから小児科医になった、自分の子育てはこの小児医療にも大変役に立つと。このようなお話で、是非とも大臣に訴えていただきたいとお願いをされてまいりました。 坂口厚生労働大臣、女医さんの子育ての支援を是非お願いをしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) 確かに女医さんは増えておりまして、特に小児科の先生、増えておりまして、昭和六十三年には全体の医師の中で、小児科全体の中で二四・四%でございましたが、平成十年、十二年には二九・二%、約三〇%は女医さんということになっております。 したがいまして、特に小児科の場合には女医さんにお願いをしなければならないわけでございますし、全体として小児科の医師が非常に少なくなっているということもございます。この少なくなっております小児科の医師に夜間の当直等もございますし、あるいは小児救急などの問題もございまして、小児科の先生不足というのが大変大きな問題になっているわけでございますが、あわせて女性の皆さん方が増えてくるということになれば、その皆さん方に夜間もあるいは緊急時にも働いていただかなければならないわけでございますから、その職場環境というのを整えていかなければならないことも事実でございます。 病院内の保育所につきまして、今までは看護職員の人のために作っていたわけでございますが、今年から、これは看護職員だけではなくて先生も、これは女の先生も男の先生も僕は入る場合もあると思うんですが、先生もそれから病院職員の人もみんな利用できるということに改めさせていただいたわけでございます。 是非ひとつそういうところを利用していただきたいと思いますし、全体といたしましては、育児休業や看護休業等の問題も整備をしているところでございますが、そうした働きやすい職場環境というものを作っていくようにこれからも努力をしたい、これは急いでしたいというふうに思っているところでございます。
○沢たまき君 ありがとうございました。きっとお喜びになると思います。 今日、少子高齢化社会に突入した我が国にとりまして、子供のヘルスケアは今後ますます重大な課題になってまいります。一方、患者やその家族を中心とした総合的、継続的医療が求められております。これらのニーズにこたえるために、胎児から小児へ、それから思春期を経て出産に至るまでのリプロダクションサイクルを対象とした総合的そして継続的な医療を目指していかなければならない。そのために成育医療が極めて大事でございます。 この三月一日から国立成育医療センターがスタートいたしました。二十一世紀最初の高度専門医療センター、いわゆるナショナルセンターでございますが、大いに期待をしているところでございます。坂口厚生労働大臣、その将来像についてお伺いをしたいと思っております。
○国務大臣(坂口力君) 今回、小児病院の全国的な中枢と申しますか、一番中心的な役割をしていただく場所として国立育成医療センターが、成育医療センターができ上がりました。なかなかこの成育という言葉が私も出てまいりませんで、つい今も総理に直されましたけれども、育成と言ってしまうんですね。成育という言葉がなかなか身に付きませんで、先日もお邪魔しまして、なかなか成育というふうに言いにくいですがというふうに言ったわけですけれども、そうでしょうと。初めてこの成育という言葉を使って、そしてこの病院を作りました。 成育というのは、先ほどお話しになりましたように、小児医療から思春期に至りまして、思春期から更にいわゆるお子さんを産む可能性のあるお父さん、お母さんの心身の健康問題まで、この辺まで併せてここで治療を行い、あるいはまた指導を行う、あるいは予防的なことも行う、こういう病院でございまして、今までのお子さんだけというのとは大分違いまして、新しい行き方だというふうに思っております。 高度先進的な医療の実施でありますとか臨床研究の実施、医療従事者の育成、情報の収集及び提供等々、これらの問題をこれから中心にしながらここは大きな活躍をしていただけるものと期待をいたしているところでございます。
○沢たまき君 大変、伺いましたら、高度の医療が展開、広範でまた高度の医療が展開されておりますね。これが子育てに必死になって取り組まれているお父さんとお母さんには希望の明かりとなってもらいたいと強く期待をしております。 次に、小児医療について最も困難なのは、小児科の先生がいらっしゃらない、少ない。しかし、これはある雑誌に掲載されていたものですけれども、小児科のドクターに小児科医になったことを後悔したことがありますかと聞きましたら、八〇%がいいえとお答えになりました。外国では牧師さんの次に尊敬されるのが小児科医と、こういうふうに言われておりますので──もう駄目ですね、済みません。 今後、小児科のお医者さんを、この下がっている中で診療報酬を上げていただきました。このことで厚生労働省はどのようなインセンティブが働くとお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) もう時間がありませんから簡単に申し上げますが、まだ全面的な支援にはなっておりませんけれども、今回、全体として診療報酬が下がります中で小児科の問題につきましては手厚くしたつもりでございます。今後も引き続いて行いたいと思います。
○沢たまき君 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で沢たまき君の質疑は終了をいたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 私は、医療保険制度の改革で負担が大幅に増える、このことに不安と怒りが今広がっております。今日はこの問題に絞ってお聞きをしたいというふうに思います。 今回の医療改革で老いも若きも大変大幅な負担増がやられようとしていると。今年の十月からは高齢者の負担が引き上げられます。来年の四月からは現役世代の健康保険本人の負担や家族の入院の負担、それから退職者の医療の負担が、三割に引き上げよう、これが政府の計画であります。 こうした負担の引上げがすべて出そろう二〇〇三年度には、患者負担は総額で一体幾ら増加するか、数字をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 平成十五年、二〇〇三年でございますが、今般のこの改正案によります患者負担への影響額は四千三百億円の増加と見込んでおります。
○小池晃君 四千三百億、すごい負担増なんですね。高齢者の負担増で千八百億、健保本人三割にすることで三千六百億、それら合わせて差引きで四千三百億。しかも、この数字は、負担が増えることによって病院に行くことをあきらめる、受診をあきらめる、いわゆる受診抑制の分というのは差し引いたものであります。 もう一度お聞きしますが、二〇〇三年度、患者負担が増えることが原因となって全体としてどれだけ病院に行かなくなるのか、受診抑制が起こるのか、受診を控えるようになるというふうに厚生労働省として推計をされているか、お示しいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これはなかなかどうなるかということは、これから実際問題に直面しないと本当は分からない問題でございますが、一つの試算、いろいろのことを中心に試算をしたものがございますが、それは五千四百億、医療費としては少なくなると申しますか、低下すると申しますか、そういう試算でございます。
○小池晃君 負担が増えるために五千四百億円分の受診抑制が起こる。つまり、これだけ病院に掛かることをやめてしまうわけですね。そういうふうに見込んでいるわけであります、厚生労働省としては。これだけの医療が全部無駄であるとは私は到底思えない。必要な治療をやめてしまう患者さんだっているだろうと思うんです。深刻な影響が出てくることは明らかではないでしょうか。 さらに、今度の制度改定では、窓口での医療費の負担が増えるだけではなくて、サラリーマンの健康保険の保険料も増えるわけであります。ボーナスまで保険料を徴収する総報酬制になるわけです。その上、中小企業の労働者が加入する政府管掌健康保険、政管健保、この政管健保では保険料率が引き上げられます。 二〇〇三年度の政管健保の保険料の負担は今回の改定でどれだけ増えるんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 平成十五年度、二〇〇三年より保険料率は総報酬ベースで七五パーミルから八二パーミルへ引き上げられる。これは、保険料総額にいきますと五千六百億円の増加となる予定でございます。
○小池晃君 これは、今までの数字まとめるとどういうことか。窓口での負担、患者負担が四千三百億円増えると。それから、保険料が更に五千六百億円増えると。合わせて九千九百億円、約一兆円の負担増なんです。以上の数字をお聞きいただいて、私、総理にお伺いをしたい。 九七年に橋本内閣が消費税の増税と併せて健保本人を二割負担に引き上げる大改悪をやりました。これで景気が急激に冷え込んだわけであります。総理はこれはもちろん覚えていらっしゃると思うんですね。総理はそのとき厚生大臣だったわけです。この二割負担を行った当事者だったわけであります。あれから五年、景気は明らかに九七年よりも悪化をしている。しかし、にもかかわらず、この一兆円にも上る負担増、こういったことを強行すれば、私は、正にデフレを加速をする、景気の足をますます引っ張る、こういうことになるのは明らかではないかと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) デフレの問題は医療費だけではないと思っています。当時は消費税も引き上げました。そういう経済の循環的な問題もかかわってまいりますし、また財政状況、あるいは医療費だけでなくて全体の税負担問題もかかわってくると思います。 今回も、医療費を来年四月からサラリーマンの皆さんについては二割から三割に引き上げることになりますが、これは同時に三割引き上げないと保険料をもっと上げなきゃならないという問題も出てまいります。あるいは、医療皆保険制度を維持するためには、じゃ税金をもっと投入しようということになります。 患者さんの三割負担が適正かどうかという問題はあるのは承知しております。患者さん、病気になったときの患者さんの負担と、病気にならない人も日ごろから負担している若い方々の保険料負担と、それと税金の投入をどの程度にするかというこの組合せしかないわけですから、そういう中で、医療提供体制あるいは診療報酬の在り方、出来高払制度あるいは包括払い制度、どちらがいいか。質ですね。 この問題は総合的に考えないと、患者の負担が上がるからすべてデフレになる、ほかの負担は軽くなるとは私は取り得ません。もっと総合的な視点が必要ではないでしょうか。
○小池晃君 あなたのやっていることはこれだけじゃないんです。不良債権の処理にしたって、失業者を増やす、中小企業を倒産させる、デフレ促進要因なんです。そういうデフレ促進要因、一杯やっている中で更に医療費まで引き上げるということを私は指摘をしているわけです。あなたは、患者負担を上げなければ保険料上げなきゃいけないと、そんなことをおっしゃいます。私たちは、患者負担を下げて、その代わりに保険料上げろとか税金増やせなんということは言っていないんです。税金の使い方を変えて、医療に対する国庫負担を増やして、そして患者負担も保険料も低く抑えなさいというのが我々の立場です。 しかし、私、ここでまず議論したいのは、そもそもこの患者負担、バランスを取ってとおっしゃるけれども、今までもこれからも患者さんの負担というのは余りにも引き上げられ過ぎてきたんじゃないか、余りにも尋常ではない状態にあるんじゃないかということなんです。 私たちの下にこんな声が寄せられています。東京の方ですけれども、本人負担ゼロ、本人負担一割、本人負担二割を経験させていただきました。二割負担で病院へ行くのをためらっているのに、三割では手持ちのお金を見てからとせざるを得ません。また別の方は、保険料にとどまらず、窓口、入院、差額ベッド料の保険外負担が次々重なって増える仕組み、とてもたまりません。弱い者いじめはやめてほしいです。また別の方は、ボーナスも出ないのにこの時世で唯一主人が二割なので、何かあったら病院に行ってと言えるのに、三割になったら主人の体よりも生活費のことを考えてしまう、そんな自分になりたくないですと。 何でこんな悲鳴が上がっているのか。これは正に九〇年代に医療費の患者負担が激増しているからであります。今日はパネルを持ってまいりました。(図表掲示) これは各医療保険別に医療費の一人当たりの一年間の患者負担がどれだけ増えているか示したものであります。これを見ると、政管健保では九〇年には年間一万七千三百七十七円だったのが九九年には二万九千八十五円、一・七倍です。組合健保では一万二千四百六十八円だった負担が二万三千三百十二円、一・九倍であります。そして、老人医療は一万九千九百八円が六万九百四十三円、実に三・一倍になっているわけです。健保も今これを三割にしようとされているわけですけれども、もし三割になれば、老人医療のように三倍を超える、激増することは必至であると。その証拠に、既に三割負担の国民健康保険では年間の患者負担は九九年で四万六千二百四十八円になっている。この九〇年から九九年の間、同じ時期に公共料金はどれだけ上がったか、六・七%です。それと比較しても、医療費の患者負担というのが九〇年代いかに激しく上昇したか、私、これ見ていただけると思うんですね。 総理、九七年に、この間何があったかというと、総理が九七年に厚生大臣のときに健保本人を二割に引き上げたわけであります。さらに、毎年のように高齢者の負担を引き上げてきたわけです。その結果がここにまざまざとはっきりと現れているんだと思うんです。 そもそも、いざというとき、病気になったら安い費用で掛かれるようにふだんから保険料を払い込んでおく、これが医療保険の役割です。それなのに、病気になったら、いざとなったらこんなに負担が重い。これは年間平均ですから、もう払っている人はもっと払っているわけですね。大変な人だってもっといるわけです。年間平均で二万円、三万円、六万円、こんな負担が掛かっていると。いざというときこれほど負担が重いのでは、私は、保険制度の意味成さないのではないか。 総理、あなたはこれでも、この数字を見ても医療費の患者負担をもっと引き上げないといけないと、そういうふうにおっしゃるんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、高齢者がどんどん増える、若い世代がどんどん減っていく、三割負担というのは適正だと思っています。しかも、今医療費は月百万円どころじゃありませんね。月額だけで一千万を超える患者が出てきましたね。これは出来高払制です。それでも、高額、上限がありますから、百万円の三割だったら三十万払えというんじゃない、低所得者には三万五千四百円でいいですよと、百万掛かろうが二百万掛かろうが、上限が設けられております。 私は、そういう意味において、もしこのままどんどんどんどん医療費が増える、高齢者が増える。若い人、病気にならない人も保険料を負担しなさい、それが嫌だったら共産党は公費を負担しろと。公費を負担しろということは税金投入しろということですよ。来年度でも、医療費だけで八十一兆の一般会計の中で七兆四千億円、税金を投入しているんですよ。防衛費は四兆九千億円です。このまま医療費はもうどの項目よりもどんどんどんどん医療費増える、高齢者増えるから。これを保険料、病気にならない人も保険料を上げなさい、税金を投入しないといったら、どこまで負担しなきゃならないのかということがありますから。 私は、今まで国保に入っている方は三割負担なんですよ。やっているんですよ。そういうことから考えて、私は三割というのは適正な負担であり、これから医療保険、介護保険制度、どこへ行ってもお医者さん診れる、上限がある、低所得者には格別の配慮をしているということを考えれば、私は、これは医療の提供体制とか診療報酬の在り方も改善していきますけれども、同時に、国民の皆さんに三割程度の負担はお願いしなきゃならない時代に来たのではないかなというふうに思っております。
○小池晃君 三割負担で、国保は三割だと言うけれども、うまくいっているというふうに思っていらっしゃるんですか。中小業者は大変な悲鳴を上げているんですよ。 そもそも政府はどういう方針を持っていたかというと、八四年に健保本人自己負担導入したときには何と言ったか。厚生省試案は、昭和六十年代後半には給付率八割に統一すると言っていたんです。八七年の国保問題懇談会の報告では、国保は八割にすると言っていたんです。以前は、健保を二割に上げる代わりに国保を三割から二割に下げて制度を統一しようと言っていたんです。それなのに、今度は国保三割だから健保も三割に引き上げよう、こういうやり方を私は御都合主義と言うんだと思いますよ。国保が三割だから健保も三割にするんだというんじゃない。矛盾が、国保で三割、大変なこと起こっているんですから、かつての方針どおりに国保を二割にするということこそ、私、先決だというふうに思います。 あなた、高齢者が増えるから持続可能にしなくちゃいけないというふうにおっしゃるけれども、もちろん医療保険制度というのは将来にわたって持続可能じゃなきゃいけないと思います。私ももちろんそういうふうに思います。しかし、患者負担を増やすというやり方が何で持続可能になるんですか。むしろ医療保険の財政は悪化するでしょう。制度を持続不可能にするだけじゃないですか。 だって不況の中で医療費の患者負担を増やせばどうなるか。体の不調があっても病院に行くのを我慢するようになる、我慢すれば病気は悪くなる、病気が悪くなれば医療費というのは増えるんです。結局、医療保険財政は悪化するんです。正に悪循環なんですよ。しかも、もう一つの悪循環が起こるんです。現在の医療保険財政の悪化は、高齢化の影響もありますけれども、景気が悪くなっている、これが大きいんです。保険料収入が減少しているんです。 例えば、健保組合はリストラの影響で四年間で十五万人も加入者が減っているんです。こういう中で負担を増やせば景気が悪化する、リストラが進む、賃金のカットだと。そうすれば医療保険の保険料収入というのは更に減少する。 私は、あなたのやり方は保険制度の基盤を掘り崩していくだけだというふうに思うんです。あなたのように負担増でこの危機を乗り切ろうというふうにすれば、私は、かえって医療保険財政は悪化をしてそして持続が不可能になる、どうしてこんなやり方で持続可能な制度だというふうに言えるんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 患者負担の増えるのが負担増と言いますけれども、減ってもそれで保険料負担を上げるか税金をもっと多く投入するか、負担増には変わりないんですよ。しかも、今医療も進歩しています。私は、医療保険制度だけが健康を守ると思っていません。ふだんからの健康作り、暴飲暴食して医者へ行けばいい、薬飲めばいいという時代じゃない。やっぱり日ごろから正しい健康作りに励んでもらう、予防が大事だという観念もよく国民に持っていただかなきゃならないと。 まず、基本的に健康は自分で守るんだと、守れない場合にお医者さんに掛かろう、薬を飲もうと。そういう日ごろの生活習慣もいろいろ改めることによって健康は維持できると。そういう長い目で見た意識の転換も必要でありましょうし、そして日本には世界に冠たるこの国民皆保険制度があります。お医者さんを自由に選べる、替えることができる。これを日本国民は当たり前と思っていますけれども、世界の中でこれほど進んだ国民皆保険制度はそんなにないと言ってもいいぐらい、むしろ外国の専門家も日本の在り方を見習いたいと言ってくるぐらい、私はそんな卑下したものとは思っておりません。 この国民皆保険制度を多くの国民の支え合いによって維持していくという観点が大事であって、患者負担だけが負担増というわけではない。そうすると、保険料負担と税金投入等も考えなきゃならない。その点を我々はよく考える必要があるんじゃないかと思っております。
○小池晃君 あなたの言っていることには根本的な矛盾があると思います。国民皆保険制度を維持しなきゃいけないと。世界に冠たる国民皆保険制度、何でそれが成り立っているか。いざとなって病気になったとき、安い負担で掛かれるからこそ保険制度が成り立っているんです。 あなたは予防が大切だとおっしゃいました。それはもちろんそうです。私どももそこに力を入れるべきだと思っています。しかし、やっていることは正に早期発見に逆行することなんですよ、三割負担にするなんということは。 私、そもそもこの三割もの自己負担を強いている医療制度が世界にあるだろうか調べてみました。そうすると、イギリス、イタリア、カナダ、ギリシャ、スペイン、デンマーク、外来も入院も無料であります。アイルランド、オーストリア、オランダ、ドイツは外来は無料、入院は定額の負担であります。 何で窓口の負担をこうやって低くしているかといえば、その方が早く受診して、総理がおっしゃるように早期発見、早期治療をする、そうすれば病気が重くならないうちに治療ができる、医療費が安く付く、これが世界の常識じゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ところが、今例を挙げた国は消費税何%だと思っているんですか。もう二〇%近いんじゃないですか。今、日本の消費税を二〇%実施になったら、もう患者負担なんか恐らく一割でも結構でしょう。その負担している点を見てもらわなきゃ困る。一方的に負担だけの問題じゃない。中身を見てもらわなきゃ困る。
○小池晃君 もうあなたはこの議論をすると必ずそう言うんですよ。消費税、消費税だと言うんです。私は税金の取り方の問題を言っているんじゃないんです。税金の使い方なんです、問題は。税金の取り方の問題にしたがるけれども、その取り方を云々する前に、私は使い方を根本的に見直すべきだと。 例えば、ヨーロッパと比べるならば、税金の使い方はどう違うか、ちょっとお示ししましょう。国民が支払った税金と社会保険料のうち、一体どれだけが社会保障に使われているか。年金や医療、介護など、社会保障の給付に使われているか。 九六年のデータで日本は四七・九%、五割切っているんです。ところが、フランス六〇・二%、スウェーデンは六三・三%、ドイツは六六・六%。要するに、払った税金や社会保険料、それがきっちり六割以上社会保障に使われている。日本は五割切っているわけです。ここに違いがあるんです。 もし日本もヨーロッパ並みに税金と社会保険料の六割を社会保障給付に充てれば、医療や年金に充てれば、八兆円以上給付費が増やせる。ドイツ並みの水準にすれば十二兆円給付が増やせる。こうすれば全く増税などすることなく持続可能な社会保障制度を作れるじゃないですか。私はこれをやれば、これをやりなさいというふうに申し上げているんです。 今回の予算を見ても、この税金の使い方に、私、大変問題あると思いますよ。 例えば、公共事業費は九兆二千五百二十五億円、昨年度二次補正と合わせて十五か月予算で、昨年度予算より六%増えている。関西新空港二期工事、国費三百二十一億円。神戸空港も作ろうというんでしょう。一体飛行機どこに降りればいいんだという話になりますよ。川辺川ダム、総事業費二千六百五十億円、来年度予算で百十億円です。それから、こんな計画もある。東京湾、伊勢湾、和歌山と淡路島の間の紀淡海峡、愛媛と大分の間の豊予海峡、関門海峡、天草海峡、この六つの海峡に橋架けるそうです。その調査費が五億五千二百万円付いている。今、世界最長の橋は明石海峡大橋です。今言った六つの橋は全部明石海峡大橋より長いんです。ということは、世界第一位から第七位までの橋が日本に勢ぞろいするということになるんですよ。こんな途方もないことにお金を使おうとしている。十兆円の軍事費も聖域だ。米軍の駐留経費六千七百億円、思いやり予算は二千五百億円だ。銀行支援、宗男問題で問題になっているODA、北方支援、政党助成金。 私は、無駄なものはないのか、本当にもっとメスを入れるべき場所があるんじゃないかと、これ国民の当然の疑問だと思います。 総理は、国民に痛みに耐えろとおっしゃるんであれば、その前にやるべきことがあるんじゃないですか。税金の使い方を徹底的に見直す、私はこれをやるべきだというふうに申し上げているんです。はっきりお答えいただきたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) はっきりお答えしましょう。 税金の構造を変えたんです。来年度、十四年度四月から執行されます総額一般会計八十一兆円程度の、約、予算を組んでおりますが、その中で、公共事業費は一〇%減らしたんですよ。今、この国民の中で、どの項目に日本政府は一番税金を投入しているか、社会保障費ですよ、社会保障関係ですよ。公共事業は一〇%減らしました。社会保障は増やしました。社会保障費、何と十八兆円を社会保障費に使っています。公共事業、八兆四千億円です。私は、むしろ公共事業を減らして、必要な社会保障関係は付けるということをはっきり今回めり張りの付けた予算を組んでいるつもりであります。
○小池晃君 公共事業を減らしたなんて、とんでもない話ですよ。二次補正と比べ、付け加えれば、二次補正で前もって前倒しで付けているんですから、トータルで見れば増えているんです。 しかも、あなたは何か社会保障を増やした、増やしたというふうに胸を張っておっしゃるけれども、例えば一般歳出予算の中に占める医療費の国庫負担の割合、見てみるとどうか。一九八〇年には一一・七%だった。一九八〇年から高齢者はどれだけ増えたか、二倍以上ですよ。それなのに、一般歳出予算に占める医療費の国庫負担、来年度予算で一五%しか付いていない。高齢者は二倍に増えているのに医療費、四%しか増えていない。 私、医療費が大きい、社会保障給付が増える、その割合が大きい、当然ですよ、高齢者が増えているんですから。二倍に高齢者が増えているにもかかわらず、医療費に対する国庫負担はわずか四%しか増えていない。だから、これだけ一人当たりの医療費が削られて、みんな大変な思いをしているんじゃないですか。ここに最大の問題があるんです。 総理、私たち日本共産党は、これをごらんに。(資料を手渡す)これは、三月十四日に医療制度改革の提案を行いました。この中で私ども何を言っているか。 まず、削られた医療保険に対する国庫負担割合、これを計画的に戻すべきだということであります。 これは、もう八〇年代を通じてばさばさ削ってきているんですよ。老人医療は一三%。国民健康保険は八〇年には五七・五%国庫負担だった、それが二〇〇〇年度には三六%。政管健保も九二年に国庫負担、削りました。こんなことをするから、窓口での負担も増えるし保険料も上がるわけです。私ども、これを元に戻すべきだ、そうすれば患者負担も保険料も引き下げることができる、先ほど言ったような無駄を削れば十分できるんだというふうに考えます。 第二に必要なのは、高い薬価そのものを適正な価格に引き下げることであります。ヨーロッパに比べて高過ぎる薬剤費を適正化すれば一兆五千億円の医療費が削減できる、これが経済産業省の試算です。これだけでも今回の改悪はストップできるわけであります。 そして第三に、先ほども総理おっしゃった、国、自治体を挙げて病気の予防、早期発見、早期治療、これを保障する体制を作ると。長野県は一人当たりの医療費が全国で最低であると、老人医療費が。これで有名です。国保の医療費を軽減していること、保健師さんが多いこと、こういったことが原因だと言われている。あなたも以前、国会答弁で長野県を参考にしなきゃいけないというふうにおっしゃった。こうした取組に政府が本腰を入れて取り組むということが、そしてこれを全国に広げれば私は持続可能な医療制度を作ることができる。 一番大切なのは、でも総理、国庫負担を増やすことですよ。私はこのことは、この道に今こそ足を踏み出すべきではないかというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 長野県の例を見ましても、医療費を増やせば健康な人が増えるか、長生きできるかというものではないということはよく分かる思います。我々も、医療費が一番少ないのになぜ長野県は長生きできて健康なお年寄りが多いのかということについては、よく参考にし、見習わなきゃならないと思っております。 と同時に、国庫投入を増やせということは、もっと税金を入れろということでありますから、これは、日本は今まで先進国の中で税負担は一番低いんです。この際、この間、いろいろ減税もしてまいりました。そういう中で私は、税金を投入することによって別の負担が多くなる。そして、このまま医療費が上がるにつれて税金を投入していくことになると、医療費は必ず国民の経済成長率よりも国民所得よりも上がってきますから。高齢者の人口構造見てもそうであります。そうすると、病気にならない人の負担も多くなるということを考えなきゃならないという点を考えますと、私は、今言った健康作りも同時に大事です。そして、御指摘の薬価の引下げ、これについても、これまでも進めてまいりましたけれども、更に薬価の問題、節約のために直さなきゃならない点があるということは認識しております。 そういう質の点も含めて、いかにこの国民皆保険制度を維持して、多くの国民がいざ病気になったらばできるだけ軽い負担でお医者さんに診ることができる、診てもらうと。あるいは、健康作りにそれぞれが意識を持って取り組んでもらうということによって、戦後かち得た世界で最も長生きできる国になったという、この問題について私はもっと多くの国民に認識持ってもらって、どうせ世界で一番長生きできる国になったんだから、長生きを喜べるような社会にしていきたいと思っております。
○小池晃君 あなた、言っていることとやっていること全然違いますよ。あなたの言っていることを実践しようとしたら医療費の窓口の負担安くするという結論しか出ませんよ。全く言っていることとやっていることと違う。 しかも、薬剤費下げたというふうに自慢するけれども、実態見てみるとどうか。最近十年間で確かに薬剤費は、額は減っています。ただ、十年間で六兆四千四百億円から六兆七百億円、三千七百億円しか減少していない。その一方で何が減っているかというと、薬剤の公定価格と実際の医療機関の購入価格の差額、いわゆる薬価差額ですね、これが十年間で一兆円減っている。薬価が下がったといってもそれ以上に薬価差額が減少している。つまり、差額による医療機関の収入が減っているわけです。 製薬企業の売上げは逆に増えている。十年間で六千以上の増加。その証拠に、製薬大手十五社の今年三月期の連結経常利益は九千八百三十六億円、前年と比べて一〇・六%増えている。武田製薬と藤沢薬品、前年度比で三二%増益ですよ。こんな業種はほかにありません。薬価が高過ぎる最大の原因はこういう構造です、新薬の承認過程、価格決定過程。ここにメスが入っていないから製薬企業大もうけ続けている。私はここにメスを入れるべきじゃないかというふうに思いますけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 各企業が利益を上げてもらうと税収も増えますから、これは歓迎すべきことでありますが、薬価の問題についてはいろいろ政府としても直す必要がある点はあると思っております。現に、薬価差益の減少にも努めてまいりましたし、これからもこの問題については更に改善策を講じていきたいと。 さらに、どうも高い薬を使いたがるというこのお医者さん、病院の姿勢ももう一歩踏み込んで、同じ効き目のある同じ成分だったら患者さんに対してもあるいは薬剤師さんに対しても安い薬が使えるような体制について、もう一歩踏み込んだ改善があるのではないかという点を含めて我々は不断の改革を続けていかなきゃならないと思っております。
○小池晃君 今日の議論ではっきり分かりました。あなたは、口先では改革と言うけれども、本質的なところには一切メス入れないということですよ。製薬大企業はぼろもうけを続けている。そこにはメス入れられないんですよ。 なぜなら、二〇〇〇年の政治資金収支報告書によれば、製薬産業政治連盟から自民党議員に一億一千万円の献金が渡っている。小泉総理には四百万円です。このほか、製薬企業から国民政治協会への献金が約八千五百万円。合計二億円ものお金が製薬企業から自民党に流れている。こんなことをやっていれば、薬剤費にメス入れるなんということはできない。私は、あなたは恐れずひるまずとらわれず、既得権益を恐れずやるというふうに威勢のいいことを言うけれども、自民党を変えると言うけれども、あなたのやっていることはどうか。 例えば、鈴木宗男氏からのムネオマネーは……
○委員長(真鍋賢二君) 時間です。
○小池晃君 自民党、公明党から五十八人のこれ政治家に渡った。
○委員長(真鍋賢二君) 時間です、小池君。
○小池晃君 加藤マネーは七十四人の政治家に渡っている。それなのに知らんぷりをして、トカゲのしっぽ切りと。あなたのやり方は今までの自民党政治そのものだということを私申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたします。(拍手) 他の日程がありますので、時間を守ってください。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、岩本荘太君の質疑を行います。岩本荘太君。
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本荘太でございます。 本日は、食の安全並びに医療問題についての集中審議ということでございますが、総理にも御出席いただきましたので、また私、国会改革連絡会という会派に所属しているという立場からも、と同時にまた、三年前に選挙に出たときに、政治を見えやすいようにしたい、一般国民と政治との間の橋渡し役をやりたいというようなことで、それをスローガンにして当選してまいりましたけれども、なかなか難しいわけでございますけれども、今回は、そういう立場からいいましても、やっぱり地元に帰りますと、どうして国会というのはこんなことやるのというようないろんな疑問をお聞きします。 そういうことについて今日はちょっとお聞きしたいと思うんですが、この国会改革とか、こういうことになりますと、総理に御質問するのが本当にいいかどうか、私も非常に迷うところでございますけれども、じゃ、だれにしたらいいのかというとなかなか難しい。しかし、総理は、これは行政府の長でもございますし、また最大与党の総裁という政党人でもございますし、さらに国会人ということでございますから、その総理のお考えということは非常に尊重しなきゃいけないということでございますし、また、この国会改革というのはなかなか国民の目から見づらい面がございますので、今日はこういうテレビで放映するという立場もございますので大変場がいいということで、その点をちょっと触れさせていただきたいと思っております。 まず、今やっておりますこの予算案の審議でございますけれども、三月六日に衆議院で通過したわけでございますが、そのときの翌日の新聞なんかを見ますと、これは四月四日には成立する、暫定予算の必要なしと、ほぼ予算は通ったかのような報道もございました、まあ新聞がそう書いたからそうだということじゃないかもしれませんが。 この参議院で予算を審議するということが一体どれだけの価値があるかというのが非常に私疑問に思うわけでございます。こういう審議の場でいろんなことを議論する、これは結構なことですよ。ただ、事予算案について見ますと、参議院が異論を出して例えばひっくり返ったとしても、それが憲法とか国会法と、両院議員、両院協議会なんかのこの規程を見ますと、とてもひっくり返せるような状況でない。したがって、ほぼ衆議院で決まったらもう予算は決まり、予算についてはですね、そういう状況にあると。そういうことは、私自身一人の参議院議員として非常に寂しいことではありますけれども。 そこで総理に、行政の府の長として、参議院にこの予算案を審議を、予算案を提出するというその心構えといいますか、おつもりというか、その辺はどういうふうなお考えで出されておるのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、二院制の問題から衆参両院で審議するということが必要でありますし、たとえ、予算というのは衆議院通過すれば三十日たてば自然成立だから参議院必要ないという意見もあるかと思いますが、必ずしも私はそう思っていません。審議するということによっていろいろな問題点が浮き彫りになってきますし、三十日たてばどのような審議をしても無駄だと思うのは早計じゃないでしょうか。やはり議論というのは大事ですし、予算が自然成立したとしても、関連法案というのは衆議院と参議院両方、国会議員の過半数以上の支援がないと成立しないわけですから。そういう点を考えれば、私は決して参議院は無力じゃないと、むしろ衆議院と同等の権限を持っていると、いい場面がたくさんありますから。私は、そんなに無力を感ずる必要ないと思うんです。 これはいい例ですが、よく小選挙区制度は一票差でも当選者は一人と、あとは死票になると言っていますが、イギリスではそう取っていませんね。たとえ、死票になった人は、全部声が反映できないけれども次の選挙に生きてくるんだと、無力と思っちゃいかんと、次は勝とうと思う、少数意見を大事にすることによって、勝った政権政党は、少数意見、負けた意見も参考にしているはずだと。だから、負けたから自分たちは無力だと考える必要はないと思うんです。 私は、参議院として、たとえ衆議院通過すればあと三十日たつから自然成立だといって無力感を感ずることは少しもないと、むしろこれから自分たちの意見は将来生きてくるという自信を持って私は議論をしていただきたいと思います。
○岩本荘太君 総理の御意見は憲法の規定だからということが一つあると思うんですけれども、それもそうだと思いますし、私もこの議論、別に無駄だとは言っておるんじゃないですけれども、予算案成立のための、成立に対して参議院の意見とか何かがその場では反映されていないんじゃないかという指摘なわけで、それはそれでいいんですけれども。 総理、いいことを言ってくれまして、無力じゃないと、次に反映すればいいと。これは、私次に質問することと関連するんですけれども、よく言われていることに、それだったら翌年の予算に一番反映できる決算委員会を参議院で充実したらいいんじゃないかと。 今もありますけれども、御存じのとおり、平成十二年の決算がまだ審議もできていないですよね。やったとしても平成十五年に反映されるかどうか。十二年が十五年。決算というものの性格がありますからそんな早くはできないんでしょうけれども、一つの案として、案としますか、要するに、やっぱり今決算というのはもう否決されようが何しようが決算は通っちゃう。そういうことから一歩脱却して、やっぱり決算によって責任を問うというような、責任の取り方はいろいろあると思いますけれども、そういうような真剣味の持った決算を、今の財政危機の状態ですから、やっぱり決算をしっかり締めくくるということは国民も期待していると思うんですね。 そういうことを、例えば今の現状を見ますと、会計検査院、十二月、例えば平成十二年のやつが十二月に出てきていると思うんですけれども、それは最終的な決算じゃなくても、例えば政策的な物の判断、政策事項の判断とか、そういうものを中間報告的に秋ぐらいにやるというような手も一つあるんじゃないのかな。そのときに、総理にはできるだけ出てきてもらって、必要な閣僚も出てきてもらって、それを参議院でやるということによって物すごい参議院の独自性といいますか、そういうものが増すんではないのかなと、こんな意見を、考えを持っているんですが、それのためにはいろんな解決しなきゃいけない問題があると思うんですけれども、こういう考え方について、総理はどんなお考えか、御答弁を願います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私はその考え方はいいと思っています。 衆議院予算通過したらば、じゃ参議院はその分決算をやろうということを決めていただければ、そういう慣例になっていくんじゃないでしょうか。
○岩本荘太君 御賛同いただきましてありがとうございました。 それともう一つ、国会改革とまでは言えないかもしれませんが、私も三年間、当初国会で政府の四演説というのを聞かせていただきました。それで、今年になって気が付いたというのもおかしいんですが、総理以下四大臣、同じことを朗読されているんですね。 今年の二月四日、これ午後一時から衆議院、午後三時から参議院と。これ、同じことであって、どこが違うのかなと、こう半ば斜めから見ますと、一つは所要時間が短くなっているんですね。衆議院というのは一時ちょうどから始まって二時四十四分、これ議事録から拾ったんですけれども、一時間四十四分。参議院は三時一分から四時二十五分、一時間二十四分。さすがに大臣とあろうものは一回朗読されると次は早いのかなと、そんな感じをひとつ持ちましたのと、それから、聞いておりまして、非常にいいタイミングにやっぱりいいやじが飛んでくるんですね。これはやっぱり二回やっている一つの効用かなというような感じがするんですが、これは余談なんですが、やっぱり総理は恐らくこういう同じことを二回も繰り返すようなことはほかの場でやっておられないんじゃないかと。これはある意味じゃ、これはところが国民の方々知らないんです、やっているということ。新聞が報道されない。だけれども、言うと驚くんですよね。非常に僕はこれは何かこれでいいのかなという気がするんですが、総理はどんなお気持ちでこれ二回やっておられるんですか、ちょっとお話を願いたい。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、総理に就任する前から、その問題を提起していたんです、参議院の皆さんに。なぜ施政方針演説ぐらいは衆参一緒にできないのかと、強く主張していたんです。なかなか実現できないから、不思議に思っているんですよ。余りメンツにこだわらないで、私は、そういう国会改革の一環として、施政方針演説四演説ぐらい、同じことを衆議院、参議院全く同じことをやるんですから、一堂に会して、座る人がいなくなっても立ち見でも出て結構ですよ、どっちでやっても、私は一緒にしていただけたらいいなと。聞く方も話す方もかえっていいと思うんですけれども。
○岩本荘太君 ちなみに、外国の例をちょっと調べてみましたら、アメリカではいわゆる一般教書、これも一回ですね。それで、イギリスもフランスも、やる人が違いますけれども、みんな一回ですので、この辺のことを、この辺を審議することによって、やっぱりいろんな問題の解決もこの辺を改革することによって良くなると思うんです。大臣のお話を伺いまして、私もある程度安心をいたしました。 そこで、農業問題といいますか、食の問題といいますか、入らしていただきますが、いわゆる今、畜産業を始めとして農業を取り巻く環境というのは、前から言われていることですけれども、大変な状況にあるわけですね。いわゆる畜産業以外でも、米の問題、これはもう価格がずっと下がっていて、米の経営農家というのは本当にこれでいいのかなというような、やっていけるのかなという気持ちあるんですね。総理の言われる百俵ですと、恐らく今、七、八年前から比べるともう百俵で七十万ぐらいもう減収になっている、そんな状況でございます。 それで、そういう環境の中で、やっぱり国政として農業というのを重点を置いていただくと、これ大変結構なんですが、今年の総理の施政方針演説の中で大変いい言葉を私はお聞かせ願ったんですが、「農山漁村の新たなる可能性を切り開いてまいります。」と、こういう言葉がありまして、これは、この言葉というのは生産者の方々に非常に期待感を持たせると私は思っておるんですが、施政方針演説ですから、哲学を述べられたんでしょうけれども、もし、今まで農業農業といいながらなかなか後退を続けているものですから、もしもう少し具体的な方策とか総理のお考えがあれば、ひとつここでお聞きさせていただきたいと思っております。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) よく、一部の方から、農村と都市が対立するような意見する方がおられますが、私はそうとは思っていません。都市と農村というのは共存共栄していくべきものだと。農村党、都市党みたいなのがあっていいんじゃないかという議論をされる方もいますけれども、私は、農村には、農山漁村にはその良さもありますし、都市にはまた快適さもあります。いろんな施設も農山漁村に比べれば整っております。そういう点が都市の魅力なんでしょう。 その両方を生かすような形の国づくりが必要であるということから、都市と農山漁村の交流をいかに図るかという発言をしたわけでありますけれども、都市の方だって、田園風景ということについては一種のあこがれといいますか安らぎというものを感じるんじゃないでしょうか。また、農山漁村に住む方も、たまに都会に出るというと、また浮き立つ気分も出るんじゃないでしょうか。 両方の、都市の良さ、農山漁村の良さ、決してこれは対立するものではない、共存共栄してお互いの人間生活を豊かにしていこうという発想が都市と農山漁村の交流であるというふうに受け止めていただければ有り難いと思います。
○岩本荘太君 それを聞いて安心したんですが、一つ心配になりますのは、いわゆる中山間地域というのが、条件不利地といいますか、そういう地域が農村の中に多くあると思うんですね。そうしたときに、そういう地域の在り方なり、何か投資をするときに、やはり今の日本の国ですとどうしても効率主義になっちゃう。効率主義になったとき、やっぱり人口、いろんな要素があるんでしょうけれども、人口が多いか少ないかによって、どっちが効率的かというと、どうしても人口の多いところになっちゃうんですね。 そういうことで、そういう中山間地域というのが見捨てられちゃうということが、見捨てられるというのは言い過ぎですけれども、どうしても都市部に投資が偏っちゃうということがあり得るんですが、その辺、効率主義といわゆる過疎地域といいますか、そういうものとの関係について、総理はどんな御見解を持っておられますか。
○国務大臣(武部勤君) もう岩本先生の得意の分野でございまして、私も、岩本哲学を何度も聞かさせていただきまして、いつも共鳴しているんですけれども、やはり農山漁村というのは多面的な機能を持っていると思います。とりわけ、中山間地域というのはおいしい水を支えているんですね。おいしい水、きれいな空気、美しい自然、これは掛け替えのない私は宝だと、こう思います。都市の住民にも提供し得るライフラインを支えております。国土の保全、ヒューマンセキュリティー。 そういう意味で、中山間地域というのは、これはもう、これをお金に換算すると大変な大きなものがあると、こう思いまして、総理も、経済財政諮問会議の中でいろいろ議論された際に、美しい日本の維持創造だと、こうおっしゃられまして、総理もやっぱり農山漁村、中山間地域のことについて分かっているなということと同時に、あこがれを持っているなというふうに感じた次第でございまして、私は、そういう意味で、岩本先生がいつもおっしゃっておられるようなことは非常に貴重なことだと、こう思って、それを体して努力していきたいと、こう思っております。
○岩本荘太君 ありがとうございます。 農林大臣にはいつもいい御答弁をいただいて有り難く思っているんですが、実は、要するに今回は、やっぱり中山間地域というのは農業だけじゃ解決できない、そういう面があるものですから、今回、総理が御出席になるという機会をとらえて是非お聞きしたいと思ったんですが、先ほどの都市と農村は変わらないということで、恐らく、その中には必ずしも効率主義だけでないということが含まれているんだろうと推察させていただきまして、あえてそこまでは追及させていただきません。 ただ、それともう一つ、これはいわゆる狂牛病の議論をしたときに、昨年だったと思いますけれども、いわゆる狂牛病というのも、狂牛病というかBSE、肉骨粉というのも、本当は安全かどうかというのは最初分からなかった、途中ではいろいろあったんでしょうけれども。 そういう、ただ、一つの科学の進歩といいますか、そういうものによってどんどんどんどんその材料、食糧なり飼料なり何かを拡大していくわけですね。そういうもので、科学の進歩によって、新しい食品を作る一つとしてクローン牛ですか、これも盛んに研究されているわけですけれども、私はこれがいいか悪いか分からないけれども、少なくともこういうものをいわゆる生産して実用化させるまでは相当追跡調査をしなくてはいけないんじゃないかということを昨年の委員会で指摘させていただきまして、大臣からそれはやるというふうなお言葉をいただいていたんですが、その後、もう半年ぐらいたっておりますので、どうなったか、この場でお知らせを願います。
○国務大臣(武部勤君) クローン牛には受精卵クローン牛と体細胞クローン牛があるのは御存じと思いますが、このうち、受精卵クローン牛についてはこれまで六百二十頭出生しておりまして、百七十九頭が出荷されております。受精卵クローン牛由来の食肉については、小売段階において受精卵クローン牛とかCビーフの表示がなされるように指導しているところでございます。体細胞クローン牛については、より多数のデータから安全性の裏付けを得る必要がありますことから、体細胞クローン牛の由来の生産物については出荷自粛しております。その生産物が市場に出回ることはないと、かように考えます。 いずれにいたしましても、クローン牛はもとより、我が国におきまして飼養するすべての牛を対象にしまして、生涯唯一の番号が付いた耳標を装着して、家畜個体識別システムを確立すべく今取り組んでいるわけでございますので、そういたしますと、移動情報等を一元的に管理し、また知り得るという、そういう、追跡できるということになるわけでございます。
○岩本荘太君 それともう一つ、これは先日の農水委員会でもちょっと指摘させていただいたんですが、いわゆる今回のBSE牛の発生によって生産農家は二束三文で買われているにもかかわらず、小売価格が相当それに追随していないぐらい高い。畜産局から、畜産局って、今、生産局からお聞かせ願ったのでは、いわゆる廃牛とか、廃牛というか、乳用牛とか交雑牛、これは去年の八月から比べて四割、三割に落ちているんですね。ところが、それは小売では九割ぐらいにしか下がっていない。これは非常に生産者と中間業者との間の不公平があると思いまして、その辺の追跡調査を実は農水省にお願いしたんですけれども、その点の御回答をお願いいたします。
○国務大臣(武部勤君) この問題につきましてはいろんなことが言われております。しかし私は、やっぱり実態を徹底的に調査すべきだということを申しておりまして、しかも安くなれば需要が回復するわけでございますから、今後、消費拡大キャンペーン等に対する支援を行いまして、消費者の牛肉購買意欲の喚起を図ることができるように、より安い価格での販売が可能となるような環境作りに努めていかなきゃならないと、かように考えております。
○岩本荘太君 終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で岩本荘太君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、大渕絹子君の質疑を行います。大渕絹子君。
○大渕絹子君 総理、私たちは、こうして予算委員会の場所で政府の失政を問うたり議員の疑惑事件を追及すれば自らの政治生命が危ういところに置かれるということを承知をしながら、野党としての立場で常に追及をしていかなければならない、そう思っています。今日も真剣勝負でやらせていただきます。 総理大臣、農水省というのは何をするところですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 農林水産業を保護育成すると同時に、国民に対して食糧安全確保、そして森林にしても豊かな環境を維持する多面的ないろんな役割を持っておりますが、まず一番国民が関心を持っているのは、安全な食糧を国民に提供するということが農林水産省のみならず政治として極めて重要なことだと認識しております。
○大渕絹子君 その農水省の責任において狂牛病が発生をするという事態が起きました。狂牛病は発生されてから六か月間、この間の農水省の対応について一々聞かせていただきます。 EUの警告を否定して、ステータス評価などの拒否をするというような、こうした調査を中断させた責任はどこにありますか。──総理です。いいえ、通告していません。
○国務大臣(武部勤君) 具体的なことでございますから、私から御説明させていただきます。(「委員長、委員長」と呼ぶ者あり) EUステータス評価の取りやめについては、昨年六月、事務方から説明を受け了といたしましたが、これは七月にEUもOIEの基準に照らして…… 〔大渕絹子君「委員長」と述ぶ〕
○委員長(真鍋賢二君) ちょっと、答弁しています。答弁中ですから。
○国務大臣(武部勤君) 新たな評価基準を作るということでございましたので了としたわけでございますが、BSE発生後に改めて事務方より説明を受けまして、危機意識が薄いことを痛感し、厳重に注意した次第でございます。
○大渕絹子君 責任の所在を聞いています。それでは、根拠がないままに安全宣言をし、テレビの前で焼き肉を食べまくった農水大臣の責任はどうですか、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) なぜBSE問題が発生したかという点を含めて、原因究明、食の安全確保についてしっかりした対応を取る、これが現在、農林水産大臣に与えられた責務だと思います。
○大渕絹子君 食の安全予防対策をたった五行の通達一回のみで置いたこの責任はいかがですか、どこですか。──総理。
○国務大臣(武部勤君) これは行政指導により対応したということについては、いろいろな審議会とかいろいろな意見を聞いたんだろうと思いますが、私はなぜ法的規制にしなかったのかなという思いを強くしております。これは私どもも反省しなければならない農林水産省の大きな責任の一つだと、このように考えております。
○大渕絹子君 感染牛を肉骨粉に加工して流通させていたというこの責任はいかがですか。──総理。
○国務大臣(武部勤君) これは農林水産大臣が答弁すべきか、しかし、委員は私の責任と、こういうことで御質問でしょうから私が答弁します。 これは、御案内のとおり、屠畜場で敗血症という診断をしてしまった…… 〔大渕絹子君「委員長、委員長」と述ぶ〕
○委員長(真鍋賢二君) 委員会は委員長の御指名に従ってください。
○国務大臣(武部勤君) BSEを疑わなかったということが大きな問題でございまして、これは縦割り行政の問題の一つと思います。また、都道府県ともきちっとした連携を取って危機対応マニュアルがなかったという意味で大きな責任だと、このように思っております。
○大渕絹子君 予算委員会の在り方に異議を申し上げます。 理事会で決定をし、時間の範囲内で議員が質問通告をした人に答弁をしていただくというルールになっていると思います。私は、今日、総理以外に質問通告をいたしておりません。 それでは、BSE対策費の不正入手事件を発生させた責任、雪印や全農に象徴されるこうした国民の税金が不正にだまし取られていくというこの構図を生んだ責任はどこにあると思いますか、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 原因究明と今後の対策、しっかり今、農林水産大臣に指示しておりますので、その点について農林水産大臣から答弁させます。
○国務大臣(武部勤君) 委員は、農水省の責任と分けて、私は農林水産省の責任と分けて考えるべき問題だと、このように思っております。 なお、雪印食品に関しましては助成金は交付しておりません。
○大渕絹子君 そうした制度を作り上げたのは農水省そのものでございます。責任はございます。また、前責任者であった熊澤前事務次官や畜産前部長を勧奨退職をさせ、退職金を満額払ったという最高責任も、これは農水省に起因しているものと私は断ぜざるを得ないというふうに思っています。 そしてさらに、BSE問題に関する調査検討委員会報告で指摘されていることの責任を問わせていただきます。 同僚議員の中からも何度も指摘がございました。農水省の重大な失政であると。WHOの勧告を無視をし、一九九六年には肉骨粉の禁止勧告があったにもかかわらず、また二〇〇一年にはBSEステータス評価を拒否、があったにもかかわらずそれを拒否をするというようなこと、そしてまた、国会の場所において法律や制度をその時代にマッチをしたものに改正をしてこなかった、これは私たち国会議員の側にも大変大きな責任があったというふうに思いますけれども、それを監督をしていたのはすべて農水省でございます。ここの責任は断じて問われなければならないと思います。 さらにまた、自民党の族議員の関与、あるいは生産者偏重、食の安全予防対策については、農水省そして厚生労働省の縦割り行政の中からチェック機能が不在のためにこうした狂牛病の発生というようなことが起こってくる。こういうことが敢然として指摘をされている。正に農水省の失政が明らかにこの報告書の中でもきちっと指摘をされているわけでございます。 これらの責任について、どうこたえていくのですか。──総理ですよ。
○国務大臣(武部勤君) 九月十日に我が国で初めてBSE患畜が発生したその時点で、私は、行政上構造的な問題がある、これは役人任せにはできない、徹底究明を政治主導でやろうということで取り組んできたわけでございます。 そして、そのためには客観的な検証が必要だ、科学的な知見も必要だと。国民の命や健康に影響を与えない全頭体制が整った次の大事なことは、そういった第三者委員会による調査検討委員会を設置して徹底究明することだと。その報告が近く出るわけでございますから、私どもはその報告を受けて、報告に記されている、つづられている提言、そういったものについてしかと受け止めて真剣に今後の行政対応について生かしていきたいと、かように決意を新たにしている次第でございます。
○大渕絹子君 小泉総理、あなたは衆議院の予算委員会で、法的措置を取らなかったことに対して手抜かりがあったことを認めていますよね。そして、国民の命と健康にかかわることで、狂牛病が発生してから六か月間、大変重大な過失があった武部大臣がこのまま食の安全を確立できるというふうに考えておられるかどうか、私は極めて危惧をするものでございます。 武部大臣の顔を見てくださいよ、総理。額にまで疲労のこんぱいの跡がしっかりと出ているじゃありませんか。このままこの厳しい状況の中で、人間の耐えられる限界というのは私は六か月ぐらいしかないと思いますよ。正に寝食を忘れてこのBSE対策に頑張ってきた農水大臣が、更に新しい発想の中で、調査報告書を踏まえて、食の安全について新たな体制を作っていかなければならないこの重要な日本の農林水産政策の重要な節目のときに、新しい新鮮な大臣で発想の広がりのある対策を作っていくことこそ、今最も大事な時期であると思っています。 私たちは、そのことをしっかりと総理大臣に踏まえていただき、内閣改造をやるのか、農水大臣に辞職をしていただくのか、どっちかの選択を今日してもらわなければなりません。御答弁をお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 近日中にBSE問題に関する調査検討委員会の報告、提言が提出されます。その報告を真剣に検討して、今までの御指摘の点も踏まえて、反省すべき点、また行政の怠慢の点、いろいろ御指摘されておりますので、そのような点を踏まえて今後あるべき体制を取ってもらう、それがまた武部農林水産大臣の責任であろうかと思っております。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で大渕絹子君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて、食品安全及び医療問題に関する集中審議は終了いたしました。 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十分散会