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154回国会参議院2002/04/22

本会議 第19号

発言数
64
登壇者
18
会派数
6
開催日
2002/04/22

会議録

本岡昭次各派に属しない議員副議長

○副議長(本岡昭次君) これより会議を開きます。  日程第一 議長辞任の件  去る十九日、議長井上裕君から辞任願が提出されました。  辞表を参事に朗読させます。    〔参事朗読〕    辞 任 願  今般参議院議長を辞任致したいのでよろしくお  取り計い願います    平成十四年四月十九日           参議院議長 井上  裕   参議院副議長 本岡 昭次殿

本岡昭次各派に属しない議員副議長

○副議長(本岡昭次君) 議長の辞任を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

本岡昭次各派に属しない議員副議長

○副議長(本岡昭次君) 御異議ないと認めます。  よって、許可することに決しました。      ─────・─────

本岡昭次各派に属しない議員副議長

○副議長(本岡昭次君) これより議長の選挙を行います。  投票は無名投票でございます。議席に配付してございます無名投票用紙に被選挙人の氏名を記入して、白色の木札の名刺とともに、御登壇の上、御投票を願います。  氏名点呼を行います。    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕

本岡昭次各派に属しない議員副議長

○副議長(本岡昭次君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕

本岡昭次各派に属しない議員副議長

○副議長(本岡昭次君) これより開票いたします。投票を参事に点検させます。    〔参事投票及び名刺を計算、投票を点検〕

本岡昭次各派に属しない議員副議長

○副議長(本岡昭次君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百十八票    名刺の数もこれと符合いたしております。  本投票の過半数は百十票でございます。   倉田寛之君         百八十票      〔拍手〕   吉岡吉典君          二十票      〔拍手〕   松岡滿壽男君         十四票      〔拍手〕   斎藤十朗君           一票     大田昌秀君           一票     白票              二票    よって、倉田寛之君が議長に当選せられました。    〔拍手〕     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔参事 議長倉田寛之君を演壇に導く〕

本岡昭次各派に属しない議員副議長

○副議長(本岡昭次君) ただいま議長に当選せられました倉田寛之君を御紹介いたします。    〔拍手〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○倉田寛之君 一言ごあいさつ申し上げます。  ただいま、皆様の御推挙によりまして、参議院議長の重責を務めさせていただくこととなりました。  誠に身に余る光栄であり、かかる情勢の中においては、その責任の重大さを痛感いたしております。  微力ではございますが、公正無私を旨として、議院の正常かつ円満な運営を図り、もって本院の権威の高揚と使命達成のため、全力を尽くす覚悟でございます。  何とぞ、皆様方の一層の御支援と御協力を心からお願い申し上げまして、就任のごあいさつといたします。  ありがとうございました。(拍手)    〔議長倉田寛之君議長席に着く〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) これにて休憩いたします。    午後二時一分休憩      ─────・─────    午後三時三十一分開議

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、日程に追加して、  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。片山総務大臣。    〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕

片山虎之助自由民主党・保守党総務大臣

○国務大臣(片山虎之助君) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法については、平成九年の一部改正法の附則第五条において、政府は、法施行後五年経過後に、事業支配力の過度集中を防止する観点から、設立等が禁止される持株会社の範囲、大規模会社の株式保有総額の制限の対象となる株式の範囲等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされております。  また、政府は、昨年三月末に閣議決定した規制改革推進三か年計画において、現行の持株会社規制、大規模会社の株式保有総額制限等について検討し、平成十三年度中に結論を得て、平成十四年度中に所要の措置を講ずることとしております。  今回は、これらの閣議決定等を踏まえ、会社の株式保有の制限に関する規定の改正を行うべく、また、これに併せて書類の送達規定等についての規定の整備及び法人等に対する罰金の上限額の引上げを行うため、ここにこの法律案を提出した次第であります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、大規模会社の株式保有総額の制限に関する規定を廃止することとしております。  第二に、現行の持株会社規制を、事業支配力が過度に集中することとなる会社の設立等を禁止する規制に改めることとしております。  第三に、金融会社による他の国内の会社の議決権保有制限の対象範囲を縮減することとしております。  第四に、書類の送達について、外国における送達規定である民事訴訟法第百八条の規定を新たに準用する等、書類の送達規定等についての規定の整備を行うこととしております。  第五に、私的独占、不当な取引制限等の違反について、法人等に対する罰金の上限額を五億円に引き上げることとしております。  なお、これらの改正は、一部を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上が、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。  御審議のほど、よろしくお願いいたします。(拍手)     ─────────────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。本田良一君。    〔本田良一君登壇、拍手〕

本田良一民主党・新緑風会

○本田良一君 私は、先ほど議長選挙におきまして新議長に選出をされました倉田議長の御指名によりまして、ただいまこの本会議場に登壇できましたことを光栄に思い、ただいまから質問をさせていただきます。  民主党・新緑風会、本田良一でございます。  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。  米国のハーバード大学教授マイケル・E・ポーター氏は、最近の著作の中で、戦後の日本においては、世界市場において激烈な競争にさらされた輸出企業と、そのような環境には置かれず規制に守られた国内企業が並列的に存在をしてきたという趣旨のことを述べております。このポーター氏の著作の題名「キャン・ジャパン・カンピート」をそのまま訳いたしますと、「日本は果たして競争できるのか」ということになります。今の日本の一番痛いところをついた言葉だと思います。  日本は自由主義経済の国と言いながら、戦後長く官と特殊法人による護送船団行政が行われてきました。その実態は統制経済であったのであります。その結果、激しい競争にさらされることのなかった生産性と効率の低い産業分野が温存をされました。日本経済全体の構造的な転換が遅れたことが、現在の日本経済停滞の根本原因であると考えます。日本における生産や生活のコストが諸外国に比べて高く、日本の国際競争力が年々低下しつつあるのもこの影響が大きいと考えます。  また、地政学的に見ますと、我が国周辺のアジアにはまだ三つの共産主義国家があります。日本のアジアにおける役割は大変大きい、これをまず自覚すべきであります。アジアにおける自由貿易を推進する旗手とならなければならない。そのためには、まず日本が真の自由主義経済の国にならなければなりません。  そのためには、経済活動に対する様々な事前規制を廃止し、官が独占している業務であっても、民でやれることは民に開放する自由な経済活動のグラウンドを広げることが重要であります。しかし、自由な経済活動は、しばしば独占につながり、かえって自由な経済活動を阻害するという自己矛盾に陥ることもあります。そこで、事後規制の必要性が生じます。ここに公正取引委員会の大きな役割があるのであります。  日本の独占禁止法は戦後にスタートしたにすぎません。欧米に比べて極めて歴史が浅く、しかも不徹底であります。建設談合一つ取ってみても、現在に至るまで全国に広く存在をしている。これは国民が広く知るところであります。  小泉総理は、昨年五月、第百五十一国会の所信表明の演説の中で、「市場の番人たる公正取引委員会の体制を強化し、二十一世紀にふさわしい競争政策を確立します。」と述べておられます。この全体的な趣旨には賛成でありますが、しかし、私は、言葉の揚げ足を取るわけではありませんが、公正取引委員会は理念なき番人であってはなりませんと思います。どこへでも出掛けていって、自由主義市場を貫徹するための先兵となるべきであります。自由競争を日本全国津々浦々まで行き渡らせる、そういう気概を持って職に当たるべきであります。市場の番人として公正取引委員会を強化するのでなく、市場の先兵としてそれなりの陣容と権限を与えるべきであると思いますが、官房長官、竹中経済財政担当大臣にお伺いをいたします。  今回の独禁法改正は、政府の規制改革推進三か年計画に基づいて、それにこたえる形で法改正されるものであります。同計画は、平成十三年三月三十日、閣議決定をされ、その後、今年三月二十九日に改定されたものであります。  この三か年計画は、公正取引委員会に対し、十数目にわたってその実施を求めております。今回の法改正は、その中のわずかな二項目についてこたえたものであります。一つは、いわゆる一般集中規制項目に対して、いま一つは、カルテル・談合に対する執行の強化という項目に対して、罰金の上限を引き上げるなどの若干の対応を取ったものであります。  私は、先ほども述べましたとおり、公取は市場の番人にとどまるべきではないという観点から、このカルテル・談合に対する執行の強化という内閣府の総合規制改革会議の指摘項目に対し、公正取引委員会がどこまで踏み込めるのかを大変重視をしております。今回の罰金額の引上げ程度の法改正では誠に不十分と考えます。  そこで、政府にお伺いをいたします。  このカルテル・談合に対する執行の強化に関して、政府は今回の法改正も含めて、現在までの公取の対応に満足しておられるのでしょうか。その評価をお伺いをいたします。  さらに、執行の強化に関連をして、公正取引委員会にもお伺いをいたします。  今回の法改正に間に合わずとも、来年以降の改正として検討されているものはあるのでしょうか。それとも、今回の法改正、すなわち罰金額の引上げでその対応はおしまいでしょうか。石原規制改革担当大臣、公正取引委員長にお伺いをいたします。  次に、罰金額の引上げについてお伺いをいたします。  今回の法改正は、従来一億円であった罰金刑の上限を五億円に引き上げるものであります。別に課徴金制度があり、違反企業は悪質なケースについて課徴金と罰金を払うことになります。脱税事件を例に取って粗っぽい比較をすれば、脱税分の税金を納めるのは課徴金であり、重課税などとして懲罰的に追加的に取られるのが罰金であります。課徴金のほかに罰金を科すことが違反企業にとって大きな戒めになり、市場に対する厳しい警鐘となるのであります。  ところが、現在、一億円の上限にかかわらず、一社当たり六千万円の判決が最高であります。このような実績、罰金の上限を五億円に引き上げても、果たしてどうなるのか、本当に企業に対する警告、制裁になるのか。課徴金を含めて、措置制度全体、司法も含めた全体の見直しが必要ではないでしょうか。公正取引委員長にお伺いをいたします。  やはり規制改革推進三か年計画において公取に求められた改革項目として、入札談合に関与した発注者側に対する措置の導入があります。いわゆる官製談合の問題です。  二〇〇〇年に起こった北海道庁における談合事件、日本下水道事業談合事件など、官製談合事件が大きな社会問題と化しております。公共工事入札などで国や地方の官公庁の発注担当者らが受注業者を割り振ったり予定価格を漏らす事例が日常的に行われているという実態が日弁連の調査でも明らかになっております。また、内閣が行った世論調査においても、半数以上の国民が入札談合の取締りが不十分であると答えております。  公正取引委員会の排除勧告については、これまで事業者のみが対象となっているために官製談合を防止する効果が乏しかったことから、発注者側であるべき官に対して公正取引委員会が改善措置命令を行えるようにすることが、独禁法を見直すべきと考えます。民主党では、こうした内容を含む官製談合防止法案を昨年国会に提出をしております。  政府としては、この官製談合の問題についてどのような対応を図るつもりか、官房長官にお伺いをいたします。  また、現実には、現下の厳しい経済情勢の下で苦しい経営を迫られている数多くの下請中小企業が存在をいたします。週末発注や不当な価格設定など、不公正な取引を放置をして公正な競争は決して成り立ちません。毎年、千件を超える下請法違反事件が起きておりますが、そのうちのほとんどが公正取引委員会からの警告にとどまっております。法律で定められた勧告処分はわずかな件数にすぎず、違反行為に対して十分な取組がなされているとは言えません。  民主党は、昨年の臨時国会で下請代金支払遅延等防止法改正案を提出し、その発議者に私もなっております。保護される下請仕事の範囲を映像、デザイン、プログラムなどの知的成果物や役務の提供に広げたり、罰金額を引上げをすることなど新たに提案をしております。今国会も再提出をしておりますが、これについて、経済産業大臣、公正取引委員長にお伺いをいたします。  日本が真の自由主義経済の国にならない、日本にはなかなか公正な競争社会が実現をしない大きな理由として、公正取引委員会の独禁法運用の甘さ、非力さを指摘する声があります。法律上では厳しい刑事罰が定められていても、実際に刑事告発するケースが極めて少ない。反競争的な行為に対する公取による刑事告発は、一九九〇年から二〇〇〇年までの十年間にたった六件しかありません。  日本の独禁法運用が弱体であると諸外国の指摘する理由の一つとして、訴訟による解決ではなく、行政指導あるいは処分に頼っているとする指摘があります。平成十二年度の実績を見ても、公正取引委員会が摘発したカルテルは二十五件ありましたが、刑事告発をされた事件は一件もなく、ほとんどが勧告あるいは警告などの行政的手段により処理されております。私は、現在の公取の対応は甘過ぎると思いますが、与えられた権限の問題もあるやと聞いておりますが、公正取引委員長、いかがでしょうか。  また、これに並行をして指摘できるのは、審査件数そのものがそもそも少な過ぎるのではないかという事実があります。公正取引委員会は、人員が足りない、その結果、違反を探知するのに十分な数の触手を持っていないことをその理由として挙げておりました。確かに、現在の公正取引委員会の人員構成は諸外国と比べると見劣りをしております。今年度予算では増員されましたが、これで人員的な問題は解決するのか、公取委員長にお伺いをいたします。  米国の通商代表部などについて指摘をされているのは、最初に違反行為を通報した企業に対して司法取引的な措置により処罰を減免する権限を日本の公取が持っていないという点であります。このような権限なしには、違反行為に加わっている企業から当局への通報の増加が見込めるとは思えません。規制改革推進三か年計画でも、調査に積極的に協力をし、かつ違法性の低い事業者に対する課徴金の減額措置の必要性、導入の可能性を指摘をされておりますが、この辺りはどう対処をされるのか、公取委員長にお伺いをいたします。  独禁法十一条の改正の中には、証券会社をいわゆる事業会社株式の五%ルールから除外するという趣旨も盛り込まれております。今や銀行、保険、証券サービスを融合したユニバーサルバンキングが世界の趨勢となりつつあります。近い将来、日本の証券会社が他の機能を共有するようになることも十分あり得ると思われますが、このような事態の出現にはいかように対応されるのか、公取委員長の御所見をお伺いをいたします。  最後にお伺いをいたします。  今後、公正な競争政策を一層強化していくためには、公正取引委員会に対して、より一層の独立性を与えることが大きな前提条件となると思います。公取を現在の総務省管轄下から内閣府に移行させるという考えについては、たしか昨年の国会で、小泉総理も答弁の中で、前向きに検討する旨を表明をされております。この実現の目途について、官房長官にお尋ねをいたします。  以上、幾つか論点を挙げてまいりましたが、最後に、公正取引委員会の機能を強化をし、公正な競争をより一層進めることは、日本経済全体の回復や国民の生活水準の向上のために不可欠でありますし、併せて国際社会における日本の立場を強化するものであることをここに改めて指摘させていただき、独禁法の一部改正法案に対する私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣福田康夫君登壇、拍手〕

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) 本田議員にお答えいたします。  まず、市場の先兵としての、公正取引委員会の陣容と権限の問題についてお尋ねがございました。  公正取引委員会は、入札談合等の競争制限行為を排除すると同時に、規制改革に係る調査、提言等、我が国経済における競争環境の積極的な創造に向けた様々な取組を行っているものと承知しております。  政府としては、先般改定された規制改革推進三か年計画において、独占禁止法違反行為に対する調査権限を含む措置体系全体の見直しを検討していくこととしており、必要に応じて公正取引委員会の機能強化を図ってまいりたいと考えております。  また、公正取引委員会の陣容につきましては、平成十四年度予算において四十人の増員が図られたところであり、今後とも所要の体制整備に努めてまいりたいと考えております。  次に、いわゆる官製談合の問題についてのお尋ねがございました。  国、地方公共団体等の職員が入札談合等に関与するいわゆる官製談合はあってはならないことであり、その防止を図ることは重要なことと認識しております。政府としては、与党三党における検討に協力してまいりましたが、その検討結果を尊重してまいります。  最後に、公正取引委員会の位置付けについてのお尋ねがございました。  公正取引委員会の位置付けについては、昨年閣議決定した今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針に基づき、政府としても、規制当局からの独立性、中立性等の観点からよりふさわしい体制に移行することを検討しているところであります。今後、体制移行について具体的検討を急いでまいります。(拍手)    〔国務大臣竹中平蔵君登壇、拍手〕

竹中平蔵経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 本田議員から公正取引委員会の位置付け等についてのお尋ねがございました。  我が国における最も重要なインフラの一つである市場、マーケットが機能するためには、参加者の競争状態を確保することが言うまでもなく不可欠であります。公正取引委員会は、市場における自由かつ公正な競争を担保、促進し、自由主義市場経済を徹底させる上で極めて重要な役割を担っております。  こうした観点から、公正取引委員会の位置付けについては、官房長官の御答弁にもございましたように、昨年のいわゆる骨太の方針においては、規制当局からの独立性、中立性等の観点からよりふさわしい体制に移行することを検討し、競争環境の積極的な創造や市場監視の機能・体制を充実させるとしたところであります。こうした方向に基づきまして、今後、公正取引委員会の在り方について議論が深まるものと考えております。  以上、お答え申し上げます。(拍手)    〔国務大臣石原伸晃君登壇、拍手〕

石原伸晃自由民主党行政改革担当・規制改革担当大臣

○国務大臣(石原伸晃君) カルテル・談合に対する執行の強化に関して、今回の法改正を含めた現在までの公取の対応に関する評価についてのお尋ねがございました。規制改革担当大臣としての所感を述べさせていただきたいと思います。  規制改革を通じ競争を促進していく上で、自由かつ公正な競争を担保するための新たなルール作りや市場監視機能の強化等の競争環境整備は極めて重要であると考えております。  御指摘のように、今回の独占禁止法改正法案は、本年三月末に閣議決定されました規制改革三か年計画に基づき、カルテルに対する罰金刑の上限額を大幅に引き上げるなどの措置を講じているものでございます。さらに、同計画においては、カルテルに関係する調査協力者に対して課徴金減額措置を導入するべきかどうかについての検討を本年中に行うことのほか、入札談合に関与した発注者側に対する措置の導入について、立法府における法整備の動きがあることを踏まえ必要な検討を行うなど、数項目にわたる指摘をさせていただいているところでございます。  競争環境の整備は極めて重要であるとの認識の下、今後とも、規制改革三か年計画に基づき、公正取引委員会において適切な措置が講ぜられるものと考えております。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕

平沼赳夫自由民主党経済産業大臣

○国務大臣(平沼赳夫君) 下請代金支払遅延等防止法改正法案についてのお尋ねがございました。  経済産業省といたしましては、従来から、公正取引委員会と相連携をいたしまして、下請代金法違反行為の未然防止のために強力に法執行をやっているところでございます。  平成十三年度で見ますと、約七万四千件の書面審査をさせていただきました。そして、約一千八百件の立入検査を実施した上で、違反事実が確認された一千四百件につき所要の改善指導を行うなど、厳正に対処をさせていただいております。  これに加えまして、下請事業者をめぐる現下の厳しい状況にかんがみまして、昨年十月には、緊急下請取引適正化対策、これを策定をいたしまして、電気機械、輸送用機器など、リストラの進展で相談が急増している業種、約百五十社ございますけれども、これに対しまして特別立入検査・指導を実施する等、取締りの一層の徹底を図っているところでございます。  御指摘の下請代金支払遅延等防止法改正法案でございますけれども、同法の対象に役務提供委託を加えることなどを内容とするものと認識しておりますけれども、役務の委託取引における下請中小企業に対する不当な行為につきましては、独占禁止法によりまして厳正に対処すべきものでございまして、当省といたしましても、調査に努め、不当な行為を把握した場合には公正取引委員会に対して措置請求を行うなど、厳正に対処することにいたしております。  これら不当行為防止の努力を一層強化するとともに、御指摘の内容に関しましても、公正取引委員会と連絡、連携を取りまして、役務委託取引などの実態を十分に踏まえた上で慎重に検討すべきものと、このように考えております。(拍手)    〔政府特別補佐人根來泰周君登壇、拍手〕

根來泰周公正取引委員会委員長

○政府特別補佐人(根來泰周君) 本田議員にお答えいたします。  まず、法執行の強化に関連して、来年以降の改正に係る検討についてのお尋ねでございますが、経済構造改革における競争政策の役割の重要性にかんがみれば、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の執行力の強化のための方策について今後も検討を行っていくことが必要と考えております。  例えば、改定された規制改革推進三か年計画におきまして、厳正な独占禁止法の執行を図る観点から、現在の独占禁止法の措置体系及び公正取引委員会に付与されるべき権限の在り方についての一体的な検討を行うなどとされており、また、二十一世紀にふさわしい競争政策を考える懇談会の提言におきましても、執行力の強化についての具体的な指摘がなされておりますので、今後、関係各方面の御意見をいただいて、これらの検討を早急に行っていきたいと考えております。  次に、罰金刑の上限額の引上げによる効果についてのお尋ねでございますが、法定刑の軽重は、違反行為に対する社会的非難の程度を表す指標の役割を果たすものでありまして、法人等に対する罰金の上限額を他の経済法令の中で最も高いものと同じ五億円に引き上げることにより、感銘力が高まり、違反行為に対する抑止力が向上するものと考えております。  独占禁止法違反行為に対して取られる措置制度全体、司法を含めた全体の見直しについてのお尋ねでございますが、この措置制度全体等の見直しにつきましては、さきに申し上げました規制改革推進三か年計画等を踏まえ、専門家の御意見を伺いながら、司法当局とも十分連絡を取りつつ検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の改正に関する民主党御提出の法案についてのお尋ねでございますが、下請法の規定については、経済情勢の変化等に応じ常に検討していくべきものと認識しております。  なお、役務の委託取引において、委託先の中小事業者に対し不当に不利益を与える行為については、現行の下請法の対象とはなっておりませんが、これに対しては、独占禁止法の優越的地位の濫用規制により厳正に対処していくとともに、下請法の対象とすることについての妥当性について、その取引実態を調査し、その結果を踏まえて、どのような対応が適当であるか判断したいと考えております。  また、発注書面の交付義務違反等に対する罰金の額が妥当なものかどうかは、違反抑止の観点から常に検討すべきものと考えており、民主党御提出の法案の内容については一つの御見解と考えております。  次に、刑事告発が少なく、行政処分や行政指導に頼っているという対応は甘過ぎるのではないかとのお尋ねでございますが、公正取引委員会としましては、これまでも独占禁止法違反行為に対しては、同法の規定及び平成二年に公表いたしました刑事告発に関する方針に基づき厳正に対処してきており、国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案等については積極的に刑事処分を求めて刑事告発を行っているところであります。  刑事告発が少ない背景には権限の問題もあるのではないかとのお尋ねでございますが、調査権限につきましては、措置体系全体の見直しの問題の一つとして今後検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、公正取引委員会の体制についてのお尋ねでございますが、公正取引委員会の体制につきましては、平成十四年度予算におきまして、独占禁止法違反事件に対する執行力の強化等に資するため、四十人の増員が図られたところであります。  公正取引委員会といたしましては、競争政策がますます重要となってきており、同政策の積極的な展開を図る観点から、関係当局等の御理解を得つつ、所要の体制整備に努めてまいりたいと考えております。  次に、調査協力企業に対する課徴金の減免措置についてのお尋ねでございますが、価格カルテル等による不当な利得を国家が徴収する趣旨である現行の課徴金制度を前提としますと、そのような減額措置を導入することには難しい問題があると考えておりますが、今後、措置体系全体の見直しを行っていく中で検討を行ってまいりたいと考えております。  最後に、証券会社を第十一条の規制対象から外すことに伴う問題についてのお尋ねでございますが、証券会社による株式保有によって巨大な企業グループが形成されること等により競争上の問題が生ずる場合については、第九条、第十条等、独占禁止法の他の規定によりこれに対処することができるものと考えております。  また、仮に証券会社が銀行や保険会社の機能を有することとなる場合には、銀行業又は保険業を営む会社に対する規定である第十一条を適用することが可能であると考えております。  以上でございます。(拍手)     ─────────────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 緒方靖夫君。    〔緒方靖夫君登壇、拍手〕

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、とりわけ本改正案の中心テーマである持株会社の解禁問題について、関係大臣並びに公正取引委員長に質問いたします。  今回の改正は、戦後半世紀にわたって禁止してきた純粋持株会社を解禁した一九九七年の法改正後、五年見直しの附則を受けて提出されたものです。  日本共産党は、当時、持株会社解禁が巨大企業グループ、多国籍企業の経済支配を著しく強めるとともに、経団連の弓倉競争政策委員長が持株会社の最大のメリットが新規事業部門への展開の促進と企業リストラクチャリングの円滑化にあると述べたように、大企業による大規模なリストラを遂行する体制作りを容易にし、そのてこになるものと指摘いたしました。その後の事態は、正に我が党が危惧し、指摘したとおりになっております。  この五年間に、みずほホールディングスを始めとする四大金融グループや、NTTグループなどの巨大企業が相次いで誕生し、株主利益最優先の純粋持株会社が多数生まれました。中でも、みずほは総資産額百七十二兆円、上場会社の二千三百のうち約七〇%の貸手となるなど、世界最大規模の銀行となりました。  しかし、みずほをめぐっては、営業初日から全国のATMで取引不能などのトラブルが発生し、二百五十万件の口座振替に遅れが出るなど、多くの国民に甚大な被害を与えております。金融機関の決済機能は、経済社会の資金の流れを支える銀行業の最も基本的な役割であり、そのトラブルは、国民の暮らし、営業に直結する重大問題であります。ところが、みずほの前田社長は、国会の参考人質疑で、企業などの金繰りがおかしくなったという話は聞いておらず、顧客に実害は出ていない、このように自らの責任と社会的使命を投げ捨てる発言を行い、ひんしゅくを買いました。みずほは株主の方ばかり見て消費者をないがしろにしていますが、ここにも持株会社の問題点が現れているではありませんか。総務大臣の答弁を求めるものであります。  ここ数年、日本列島にはかつてない大リストラのあらしが吹き荒れております。持株会社の解禁を受けて、政府は、商法、税制等の企業組織再編制度の整備、産業再生法など支援策を講じてきました。その下で、大企業はリストラを大規模に進め、グループ内の不採算部門の子会社の売却、工場、店舗の縮小、閉鎖など、企業組織を身勝手な切り売りと合併、買収、さらに、下請中小企業、関連協力企業の切捨てを通じて労働者の分社、分割会社への出向、転籍による賃下げ、首切り、労働条件の悪化と、一方的な不利益の強行を横行させてまいりました。  独禁法の第一条の目的では、「雇用及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進すること」と明確にうたっております。しかし、現在の持株会社が行っていることは、この法の目的に逆行することであります。この法に照らしても、持株会社に雇用を始めとする社会的使命をどう守らせていくのか、総務大臣の明確な答弁を求めるものであります。  持株会社化を真っ先に導入したNTTでは、九九年七月に二万八千人の社員を削減しました。今期、海外投資の失敗で二兆円という天文学的な特別損失を出しながら、持株会社と各会社の経営責任が不明確なまま、設備、サービス、総務系の子会社を全国規模で設立し、業務を東・西会社から移管し、今年度は十一万人を転籍、出向させようとしております。NTTは政府が最大の株主であります。持株会社の雇用に対する責任を株主である政府がどう果たしていくのか、総務大臣に答弁を求めます。  銀行グループでも大規模なリストラが計画されています。その数は、これまでの人員削減に加えて、昨年十一月末から今後五年間に、みずほ、UFJ、東京三菱、三井住友の四大銀行グループで全労働者十万八千人の二一%を削減する規模となっております。さらには、大手電機企業でも持株会社への移行再編がメジロ押しであります。  政府は、九七年の衆議院、参議院で採択された附帯決議でうたわれている労働者保護の法制度等の実施を怠ってまいりました。その責任は重大であります。本法案で大企業の組織再編の促進を一層容易にすれば、労働者の権利と雇用に更に重大な否定的な影響を与えることは明らかではありませんか。厚生労働大臣の答弁を求めます。  同時に、これは結局、労働者の暮らし、中小企業の経営を圧迫し、ひいては大量失業と国内産業の空洞化を加速させ、日本の産業に大きな打撃をもたらすものとならざるを得ません。その点、経済産業大臣の御所見を問うものであります。  持株会社化、とりわけ純粋持株会社化によって、なぜ企業再編、リストラが容易になるのでしょうか。それは、親会社が持株会社化することによって、グループの目先の株主資本利益率だけが至高の経営目標になるからです。事業子会社の事業内容は全く変わらなくても、本社は親会社として独立の会社、法律上は別法人扱いになるからです。そのため、例えば、事業子会社の労働者や労働組合が子会社経営陣と幾ら労使交渉しようとしても、実際の会社の支配権は親会社にあり、子会社の労働者の権利が踏みにじられる危険が増大するのであります。事実、富士通では、傘下にある高見沢電機の技術開発など基幹部門を別会社に移し、長野県須坂市の工場の閉鎖を計画した際、親会社であるにもかかわらず、労使交渉などに一切応じようとしませんでした。この一事を見ても、持株会社化は、事業子会社の雇用への責任の放棄、労働者の権利の侵害をもたらすものと言わざるを得ません。厚生労働大臣の責任ある答弁を求めるものであります。  ヨーロッパ連合の既得権指令のように、合併、経営譲渡、会社分割に伴って、トータルな労働者の権利擁護の制度が必要になっている、このように思いますけれども、この点についてもしかとお伺いいたします。  次に、改正案の具体的な内容について公正取引委員長に伺います。  第一に、大規模会社の株式保有総量制限を定めた独禁法第九条の二の廃止は、大規模な合併、買収にブレーキをかけているという経団連の撤廃要求にこたえるもので、巨大企業グループの資本集中を歯止めなく促進するものになることは明らかではありませんか。  第二に、第九条の二の廃止に伴う第九条の規制方式の見直しは、事業持ち株、純粋持ち株を問わず、何ら法的拘束力のない現状追随のガイドライン方式による、言わば持株会社の全面解禁総仕上げであり、第九条そのものを形骸化させるものではありませんか。  第三に、金融会社による株式保有制限の縮減は、この間、行政当局による裁量権を逸脱した立法行為にも近い運用解釈によって行われてきた金融会社の肥大化という既成事実を追認、合法化するものであるばかりか、巨大銀行グループによる地域金融、中小金融機関に対する金融支配を無制限に拡大するものではありませんか。  独禁法の第九条は、戦後の経済分野の民主主義の大原則と言われてきたものです。この根本的な改変は正に重大であり、許されるものではない、このことを指摘して、質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣片山虎之助君登壇、拍手〕

片山虎之助自由民主党・保守党総務大臣

○国務大臣(片山虎之助君) 緒方議員の御質問にお答えいたします。  みずほホールディングスの前田社長が、あれは衆議院の財務金融委員会ですかね、発言したことは私も承知しておりますが、あの発言が必ずしも適切であったと私も思いませんけれども、しかし、そうだからといって、持株会社の本質がおかしいということには、それはなかなかならないんですよ。持株会社というのは、これはもう法律も認めておりますし、事業、組織の再編のための一つの方法として、戦略的なグループ経営だとか、経営責任を明確化してやるとか、こういう様々な目的で利用されておりまして、しっかりと法律どおりにそれが機能していくと、私は、それはそれで結構なことではないかと考えております。  それから二点目の、独禁法一条にいろいろ書いておりますが、これも持株会社との関係での御質問でございますけれども、独禁法の目的は、釈迦に説法ですけれども、直接的には、カルテル等を禁止して、事業支配力の過度集中を防止して、公正かつ自由な競争を促進することですね。そういうことによって経済活動を活発にして雇用を増やして、一般の国民、消費者もそういうことで得をするというんでしょうかね、利益を確保すると、こういうことが目的でございましてね、そういうことで公正取引委員会ありますから、持株会社につきましても、公正かつ自由な競争を阻害しないように公正取引委員会が一生懸命これは監視してチェックしていると、こう思いますので、これはよろしく御理解を賜りたいと、こう思います。  それから、NTTの問題ですけれども、NTTも企業ですからね、これは生き残らにゃいけません。だから、必死の今構造改革の施策をやっておりますので、もし企業がひっくり返ったら雇用そのものが吹っ飛んじゃう。雇用の確保も大切ですよ。しかし、企業の維持発展というのも大切でございますからね、私はそこの見合いだと、こう思っておりまして、そのために今、リストラと言われましたけれども、リストラ化じゃなくて私は構造改革、施策だと、こう思っておりますが、それを労使協調で、労使協議して合意の下にやっていると。私は、これは労使の自決ですから、我々が介入すべき問題でなくて、労使の自由な合意に基づいてしっかりやってもらいたいと、こういうふうに思っております。  以上であります。(拍手)    〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 緒方議員から御質問いただきました第一問でございますが、平成九年の附帯決議を踏まえての対応についてのお尋ねがございました。  平成九年の独占禁止法改正時の附帯決議等を踏まえまして、労使及び学識経験者から成ります懇談会による検討を行いまして、平成十一年の十二月に中間報告が取りまとめられたところでございます。  同報告におきましては、純粋持株会社において、子会社の労働組合との関係において問題が生じることは一般の親子会社等の関係に比べて少ないと考えられ、問題となる場合があっても、これまでの団体交渉に関する判例の積み重ね等を踏まえた現行法の解釈で対応を図ることが適当であるとされたところでございまして、厚生労働省といたしましてはこれを踏まえて対処しているところでございます。  したがいまして、今回の改正によって労働者の権利と雇用に重大な影響を与えるものではないと考えております。  また、持株会社化により子会社の労働者の権利が侵害されるのではないかという重ねてのお尋ねがございます。  持株会社化しました場合における労使交渉上の問題につきましては、先ほど申し述べましたとおり、懇談会の検討結果では、純粋持株会社において、子会社の労働組合との関係において問題が生ずることは一般の親子会社等の関係に比べて少ないと考えられ、問題となる場合でありましても、これらの団体交渉に関する判例の積み重ねを踏まえた現行法の解釈で対応を図ることが適当であるというふうにされているところでありまして、先ほど申し上げたところでございます。  したがいまして、持株会社化により問題が生じた場合には、判例等を踏まえた現行法の解釈により対応することが適当であると考えております。  それから、合併、営業譲渡、会社分割に伴います労働者の権利擁護の制度につきましてお尋ねがございました。  会社分割につきましては、労働契約承継法が制定されております。また、合併あるいは営業譲渡につきましては、従来より、判例法理等によりまして労働者保護が図られているところでございます。  なお、営業譲渡等の企業組織再編に伴います労働者保護につきましては、労働契約承継法等に対する附帯決議に基づきまして、学識経験者から成る研究会において現在検討をいただいているところでございまして、この検討結果を踏まえまして対処してまいりたいと考えているところでございます。(拍手)    〔国務大臣平沼赳夫君登壇、拍手〕

平沼赳夫自由民主党経済産業大臣

○国務大臣(平沼赳夫君) 緒方議員にお答えをさせていただきます。  本改正法案は、労働者の暮らしや中小企業の経営を圧迫をし、ひいては我が国産業に打撃をもたらすものではないかとのお尋ねでございました。  本改正法案は、御承知のように、平成十三年の三月の規制改革推進三か年計画等を受けまして、経済実態の変化等を踏まえ、大規模会社の他社株式保有について、形式的な基準による規制から産業実態を踏まえた実質的な規制に転換するものであります。  具体的には、自己資本額又は自己の純資産額のいずれか多い額を超えた保有を一律に禁止する従来の規制を改めまして、事業支配力が過度に集中することを防止する方式に改めるものと承知をいたしております。  本改正案によりまして、事業支配力が過度に集中しない株式保有は規制の対象から除外され、企業の組織再編の一助になるもの、このように考えております。  なお、企業の再編による雇用の影響につきましては、会社分割に伴う労働契約承継法により労働者の保護のための措置を講じてきたところでありまして、一生懸命やっていかなければならないと思っておりますし、また中小企業の影響につきましても御懸念のような事態が生じませんように、中小企業の経営革新支援策を引き続き強力に展開をしていかなければならないと思っているところであります。  今後とも、我が国の企業が、機動的な組織再編を通じまして、国際競争の中で的確な企業経営を展開していくことを期待し、我々としてもいろいろな面で支援をさせていただきたいと、このように思っております。(拍手)    〔政府特別補佐人根來泰周君登壇、拍手〕

根來泰周公正取引委員会委員長

○政府特別補佐人(根來泰周君) 緒方議員にお答えいたします。  まず、第九条の二の廃止に伴う影響についてのお尋ねでございますが、株式保有等に関する我が国の経済実態の変化を踏まえれば、大規模会社による一般的な株式保有に対して一律、形式的な規制を課する必要性がなくなっているところから第九条の二は廃止することにしたものであります。  一方、今般の改正案におきましては、第九条の規定を整備することにより、大規模会社による株式保有の結果、巨大な企業グループが形成され、事業支配力が過度に集中することとなる場合につきましては引き続き規制することにしており、これにより巨大な企業グループの資本集中の歯止めとなるものと考えております。  次に、第九条の見直しについてのお尋ねでございますが、今般の改正案におきましては、第九条において事業支配力が過度に集中することとなる持株会社の設立等を引き続き規制することとしておりまして、第九条の規定を形骸化させるものではないと考えております。  次に、金融会社による株式保有制限の縮減による問題についてのお尋ねでございますが、金融会社による金融会社の株主保有については、金融業界での相互参入など金融自由化の動きを踏まえ、独占禁止法第十一条に基づいて個別事案ごとに検討し、競争上問題のないものについては認可をしているところであります。  また、改正法においても、事業支配力の過度の集中などの競争上の問題に対しては、第十一条の規定に加え、第九条、第十条等の規定を活用することにより、引き続き対処することが可能であることから、御指摘のような金融支配が拡大するというような御懸念はないものと考えております。  以上であります。(拍手)

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) この際、日程に追加して、  土壌汚染対策法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。大木環境大臣。    〔国務大臣大木浩君登壇、拍手〕

大木浩自由民主党環境大臣

○国務大臣(大木浩君) 土壌汚染対策法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  土壌が有害物質により汚染されると、その汚染された土壌を直接摂取したり、汚染された土壌から有害物質が溶け出した地下水を飲用すること等により人の健康に影響を及ぼすおそれがあります。  この土壌汚染につきましては、これまで明らかになることが多くありませんでしたが、近年、企業の工場跡地等の再開発や事業者による自主的な汚染調査の実施等に伴い、重金属、揮発性有機化合物等による土壌汚染が顕在化してきております。特に最近における汚染事例の判明件数の増加は著しく、ここ数年で新たに判明した土壌汚染の事例数は、高い水準で推移してきております。  これらの有害物質による土壌汚染は、放置すれば人の健康に影響が及ぶことが懸念されることから、これらの土壌汚染による人の健康への影響の懸念や対策の確立への社会的要請が強まっており、このような状況を踏まえ、国民の安全と安心を確保するため、こうした土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による人の健康被害の防止に関する措置等の土壌汚染対策を実施することを内容とする本法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の主な内容につきまして、御説明申し上げます。  第一に、この法律の目的は、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することとしております。  第二に、土壌汚染の状況を的確に把握するため、有害物質の製造、使用又は処理をする施設であって、使用が廃止されたものに係る工場又は事業場の敷地であった土地の所有者等は、その土地の土壌汚染の状況について、環境大臣が指定する者に調査させて、その結果を都道府県知事に報告すべきものとするとともに、都道府県知事は、土壌汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがある土地があると認めるときは、その土地の土壌汚染の状況について、その土地の所有者等に対し、環境大臣が指定する者に調査させて、その結果を報告すべきことを命ずることができることとしております。  第三に、土壌汚染の状況の調査の結果、その土地の土壌汚染の状態が一定の基準に適合しない場合に、その土壌汚染の管理を適切に図るため、都道府県知事は、その土地の区域を指定区域として指定及び公示するとともに、指定区域の台帳を調製し、保管すべきこととしております。  第四に、土壌汚染による人の健康に係る被害の防止を図るための措置として、都道府県知事は、指定区域内の土地について、土壌汚染により人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、その土地の所有者等以外の者の行為によって汚染が生じたことが明らかであって一定の場合には、その行為をした者に対し、それ以外の場合には、その土地の所有者等に対し、汚染の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができることとしております。あわせて、この命令を受けた所有者等は、その汚染が他の者の行為によるものであるときは、その行為をした者に対し、汚染の除去等の措置に要した費用を請求することができる旨を規定しております。また、指定区域内において土地の形質の変更をしようとする者にその施行方法等を都道府県知事に届け出ることを義務付けるとともに、都道府県知事は、その届出に係る施行方法が一定の基準に適合しないと認めるときはその計画の変更を命ずることができることとしております。  第五に、本法に基づく土壌汚染の状況の調査を行う者として環境大臣が指定する指定調査機関について、その指定手続、土壌汚染の状況調査の義務等の所要の規定を設けることとしております。  第六に、環境大臣は、指定区域内の土地において汚染の除去等の措置を講ずる者に対して助成を行う地方公共団体に対する助成金の交付等の業務を適正かつ確実に行うことができると認められる者を、指定支援法人として指定することができるものとし、指定支援法人は、その業務に関する基金を設け、政府から交付を受けた補助金と政府以外の者からの出捐金をもってこれに充てることとしております。  このほか、環境大臣及び都道府県知事による報告及び検査、国の援助、国民の理解の増進、必要な罰則等に関し、所要の規定を設けることとしております。  以上が、土壌汚染対策法案の趣旨でございます。(拍手)     ─────────────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。江本孟紀君。    〔江本孟紀君登壇、拍手〕

江本孟紀民主党・新緑風会

○江本孟紀君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました土壌汚染対策法案について、大木環境大臣に質問をいたします。  長い間懸案となっておりました市街地の土壌汚染に対する法案がようやく提出をされました。負の遺産である土壌汚染の防止と浄化が諸外国で進められる中で、我が国にとっても、もはや放置できない重要な問題となっております。  我が国の土壌汚染は、産業構造の変化に伴って、高度経済成長期の重厚長大型産業による六価クロム等の重金属汚染、昭和六十年代のハイテク産業等で、半導体の洗浄液で使用されたトリクロロエチレン等の揮発性有機化合物などによって汚染され、工場跡地を再開発する際に発見されるケースが目立ってきております。  しかし、我が国の土壌汚染を考える場合、このような汚染物質ばかりではなく、農薬や肥料散布による農地の土壌中にストックされた化学物質汚染、廃棄物処理場跡地から検出されるダイオキシン類等の汚染も広範囲に存在していることも深刻な問題として受け止めなくてはなりません。  現在、都市開発は郊外から再び中心地の再開発に重点が移り、工場跡地、廃棄物処理場跡地等が住宅地に生まれ変わるケースが多く見られてきておりますが、その結果、マンション建設の際であるとか、あるいは完成して住み始めてから汚染が発見されるケースが目立ってきております。  我が国の土壌汚染法制を構築するに当たっては、このような事態を真摯に受け止め、これに的確に対応できるものでなければならないことは論をまちません。諸外国の対応を見ましても、負の遺産を将来世代に残さないために、汚染地を調査し、完全浄化に向け、計画を立てて取り組んでおります。それに比べて、本法律案はとても十分とは言えない内容です。  また、立法化を促進させる契機ともなった総合規制改革会議の第一次答申では、土地取引の円滑化の妨げとなる市街地土壌汚染問題を解決するための制度を求めておりますが、そのことにも的確にこたえているとは思えないのであります。  そこで、以下の諸点についてお伺いをいたします。  まず第一に、この法案が土壌の汚染を防止するための法律案ではなく、対策となっている点であります。  例えば、東京湾臨海部等の汚染された土壌がこの法案に基づきリスク管理地に指定される前に搬出され、盛土として使用されることで汚染が内陸部までに拡散してしまうおそれが否定できないのではありませんか。この点、いかがでしょうか。  さらに、調査の契機が有害物質を使用する特定施設が操業をやめた場合と、都道府県知事が人の健康に対する被害のおそれがある場合となっておりますが、現在、既に更地となっている工場跡地、廃棄物処理場の跡地、さらに既にマンションが建ち、実際に人が居住している土地などに対してどの程度の調査が行われるのか大変疑問に思うのであります。一体、知事が調査を指示できる範囲をどのように考えておられるのでしょうか。お尋ねをいたします。  また、調査費用は都道府県が負担することとはなっておりませんが、工場の閉鎖などはほとんどの場合、企業の倒産に伴うものであり、場合によっては、土壌の浄化費用が土地の売買価格を上回ることも十分考えられ、企業側が調査に積極的になるとは思えないのであります。さらに、農薬や肥料系の化学汚染物質によって深刻な問題を抱えている農地等の汚染については、一部を除いて本法律案の対象外となっていることに大いなる疑念を抱いております。果たして、これで調査の実効性を確保できるとお思いなのでしょうか。大臣の御認識をお伺いいたします。  第二に、我が国は現在土地の流動化を図ると称して、都市再生を始めとする様々な措置を講じようとしております。そのことを考慮すれば、都市であれば用途変更や開発許可等の際に、農地の場合は地目の変更等の際に、土壌の調査を行う必要があると思うのであります。そのように調査の契機を広くとらえませんと、汚染の実態を正確にとらえることができず、たとえ一時的に土地価格への影響が避けられないとしても、土地全体の汚染状態が明確になり、その情報が透明になることによって、将来的な土地取引の安定化に資することが重要だと思いますが、いかがでしょうか。  第三として、不動産売買の際の土地履歴情報の通知と、汚染が発見された場合の賠償責任についてお尋ねをいたします。  まず、不動産の売買に当たって汚染の実情の通知、汚染対策として取った措置を売主の責任であるとして明確にしておくことが土地取引の安定にとって不可欠であると思いますが、いかがでしょうか。  また、本法律案でリスク管理地として登録された情報、そして措置済みとして登録を抹消された後の情報内容について、どの程度買主は信頼を置くことができるものなのでありましょうか。汚染が発見された場合の責任はどこにあるのでしょうか。とりわけ、産業廃棄物処理場の跡地についての台帳の整備は平成三年からであり、それ以前の状況は把握されていない状況にあります。  不動産取引において、土地の買主を保護する立場から、購入する土地がどのように使用されていたかの土地履歴の情報が必要となるはずであります。そのためには、不動産登記法の目的等を改正し、土地履歴情報や汚染情報及び措置の内容を知ることができるようにすべきであると考えますが、いかがでしょうか。  第四に、土地所有者の汚染原因者への求償は規定をされました。しかし、求償を求める場合に原告が立証するとなると、自治体からの情報提供も規定されていない中でどのようにして立証していくのでしょうか。土地の一時所有者の問題なども含め、規定は置かれてもそれを実効性あらしめるための措置、例えば挙証責任の転嫁などは規定されていないのは不十分と言えないでしょうか。お尋ねをいたします。  第五に、以上のような観点からこの制度を考えますと、土地汚染対策は、自治体を中心にして、住民合意に基づく調査と用途に応じたきめ細かな措置や積み立てた基金による地道な浄化を行っていくほかにないと思います。  諸外国の法制度の中でそれに最も近いのが米国のいわゆるスーパーファンド・イニシアチブのように思われます。スーパーファンドとは有害廃棄物信託基金のことで、浄化費用をこの基金から支出し、後から責任当事者にその費用の支払を求めることができるという仕組みであります。しかし、現在の我が国と同様に、スーパーファンドを導入した一九九〇年代初頭は米国が不況下にあったため、環境浄化の責任を負うことを懸念し、金融機関が不動産を担保とする融資について消極的になり、不況が一層深刻化したということも報告をされております。  そういったことを考えますと、本来、都市整備を担当する国土交通省と農地を所管する農林水産省を巻き込み、その上で各自治体がそれぞれの実情に応じて住民の合意を形成しつつ、計画的に実施する制度とすべきではなかったのでしょうか。大木大臣も問題点が多過ぎると発言されたようでございます。環境省は、財源や経済への影響など、将来これらの問題が生じないとお考えなのか、お尋ねをいたします。  第六に、この法律案の一番の問題点は、汚染の調査対象を使用が廃止された特定の有害物質を扱う特定施設のある土地に限定をしていることです。これでは現在操業している土地の汚染土壌をひそかに搬出しても調査する義務はなく、事実上の汚染拡散の黙認となるのではありませんか。しかも、そういった汚染土壌の行き先は、悪意がなくとも、最も汚染されてはならない農地や水の通り道でもある山間の谷間に不法に投棄されるケースが多いのです。  このように、調査を逃れる抜け道が多い、つまり正直者がばかを見ることになりかねない法案なのです。汚染の可能性のある土地は、廃業、操業を問わず満遍なく調査する必要があると思いますが、この法律案が規定している十年後の見直しでは手後れになるケースが十分想定できるのです。見直しの期間が長過ぎないか、調査逃れを防ぐ手段に環境省はどう対処するつもりなのか、お尋ねをいたします。  最後に、この法案については、数限りなく不満な点が出てまいります。しかし、法案によって市街地での土壌汚染対策の芽が出たと解釈し、これを大きく育てるという観点も必要かと思いますので、これから委員会で審査を行い、不十分な点については修正案を提出し、より良い制度としていきたいと考えております。  私も含め、いつかは皆さんも土に返る日が来ます。返る土が汚染されていては成仏できません。浄められた土と書いて浄土というではありませんか。土と自然と生命という原点に戻り、議員各位におかれましては、土壌汚染問題にそれぞれの立場で取り組んでいただきたいとお願い申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣大木浩君登壇、拍手〕

大木浩自由民主党環境大臣

○国務大臣(大木浩君) 江本議員から御質問の方は、たしか六つのパラに分けて御質問がありまして、その中には、一つのパラの中に複数の御質問がありますので、私が勘定しますと十ぐらいの御質問ということになっておりますので、御質問の順序に応じまして順番にお答えをさせていただきたいと思います。  まず、土壌の汚染を防止するための法律案ではないんじゃないか、リスク管理地に指定される前に汚染土壌が搬出されて汚染が拡散してしまうと、こういうような御心配を述べられたわけでございますが、土壌汚染の未然防止につきましては、既に水質汚濁防止法等の規制によりまして所要の措置が一応図られておるということでありまして、本法案ではこれまでに法制度化されていなかった汚染対策というものを定めるものであります。  また、指定区域に指定される前の土壌の搬出につきましては、処分のために搬出された汚染土壌について廃棄物として取り扱うというようなことも考えておりますから、廃棄物・リサイクル制度の一環として今後できるだけ実効ある制度を整備してまいりたいと考えております。  次に、都道府県知事が調査を指示できる範囲はどの程度だと、どういう範囲であるかというお話でございますが、本法案では、まず、有害物質を取り扱う工場等の廃止の場合に調査を行う、これが一つ。それから、これと同様に、汚染の可能性が高く、また、汚染があるとすれば健康被害のおそれがある土地を調査命令の対象とすることにしております。  このような問題を考えてみますと、御指摘の工場跡地や廃棄物処理跡地等についても、要するに考え方は、健康被害のおそれのある場合というときには調査命令ができると、こういうふうに申し上げてよいかと思います。  次に、工場の閉鎖あるいは農地の汚染についての調査の実効性について御質問がありましたが、有害物質を取り扱う工場等が廃止される場合の調査につきましては、一般住民に対する健康リスクの防止の観点から重要なものでありまして、その適正な実施が必要であることは当然でありますけれども、そういった面からの調査の義務をきちっと厳正にやっていただくというのがこの法律の趣旨でございますので、そういうふうに調査の義務を規定しております。  また、本法案におきまして、汚染の可能性が高く、汚染があるとすれば健康被害のおそれがある土地であれば、これは農地であっても調査命令の対象になり得るものであります。  次に、土地の開発許可、地目変更等の際に調査を行うべきであると、こういうお話がございました。  有害物質を取り扱う工場等が廃止されて用途変更される場合等には調査を行わせる、また、地下水モニタリング等により汚染の可能性が極めて高い場合には調査命令を行うこととしております。このように、健康リスクの高い一定の契機をとらえて確実に調査を行うと。そして、汚染が判明した場合には、その土地の対策や管理を次のステップとして行わせるということが適切であると考えておりまして、これが今回の法律の趣旨でございます。  次に、不動産売買に関して、不動産の売主責任について御質問がありましたが、本法案は、健康被害の防止を目的として、健康被害のおそれが生ずるという、先ほども申し上げましたが、健康被害のおそれが生ずるという契機をとらえて、汚染原因者又は土地所有者等に対し必要な措置を求めておることにしております。本法案によりましては、土壌汚染対策の制度化が図れることによりまして、結果としては、また土地取引の安定にも資するものと考えております。  次に、土壌汚染に関する情報の信頼性と、浄化後に汚染が発見された場合、その責任についてのお尋ねでありますが、本法案におきましては、指定区域内の土壌汚染の状況、リスク管理の状況等の情報について、まず都道府県において指定区域台帳として調製、保管することとしているところでありまして、指定区域台帳につきましては、本法案に基づいて適切に実施された土壌汚染の調査や汚染の除去等の措置の結果を基に必要な情報をこの台帳に記載することとしているところであります。  また、この台帳は、基準を超える土壌汚染が存在する土地の情報を記載するものでありますから、浄化措置が行われて、その状況を的確に確認した上で、指定を除去する状況がある場合には当然指定を除去すると、そして台帳から除去することとしております。仮に、その後新たな汚染が発見されたというような場合におきましては、本法案の規定に従いまして、また適切な措置、必要な調査ということは当然できることとしております。  次に、登記簿で土地履歴情報や汚染情報及び措置の内容を知ることができるようにすべきではないかというお話でございましたが、これはやっぱり指定区域台帳と不動産登記簿では制度の趣旨、効果等が異なるわけでありまして、土壌汚染に関する情報を登記簿に一元的に記載するということはいささか困難ではないかと判断をしております。加えて、指定区域台帳の閲覧に当たりましては、都道府県におきまして管理されて、必要に応じて土壌汚染に関する情報を適宜御説明できるような体制を整えていただくということが望ましいと考えております。  次に、土地所有者が汚染原因者に求償するに当たって、どのように立証するのかというお話がございました。  本法の実施に当たりましては、都道府県知事が過去の土地所有者等の関係者から聞き取り、水質汚濁防止法の届出の状況、それから土地の履歴調査等に基づいて汚染原因者を特定することとしているところであります。このような措置によっても汚染原因者が明らかにならない場合、明らかにならない場合は求償の実施に困難を伴うわけでありますが、都道府県においても関係情報の収集にできる限りの努力を行っていただきまして、土地所有者に助言をしていただく等の制度運営を図ってまいります。  次に、米国のスーパーファンド法に言及しての御質問がありましたけれども、諸外国の制度、いろいろございまして、米国のスーパーファンドも実施をした、なかなか必ずしも百点満点にはできなかったということは先ほどの御質問の中にもあったように理解しておりますけれども、いずれにいたしましても、どういう制度がいいかということは、その国のいろいろなほかの制度全体とのかかわりもありますし、また土地のいろいろな状況もありますから、欧州におきましては、例えば行政命令を中心とした制度というふうなことになっておりますから、今回の本法律案の立案に当たりましては、迅速な土地汚染対策の推進を図るために、調査命令や汚染の除去等の措置命令、要するに命令を適切に出すということによって結果を、いい結果をもたらしたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、先ほど、大臣は云々というお話もございまして、またこれから委員会でも御質疑があると思いますが、もちろんこれは、やっぱり実際にやってみましていろいろとまた問題が出てくれば、将来の問題として検討することは当然だと考えております。  最後に、第六に、汚染の調査対象に関しまして、どうも調査逃れが行われるおそれがあるんじゃないか、十年の見直し期間では長過ぎるんじゃないかというようなお尋ねもございました。  本法案に規定されております土壌汚染の健康リスクを防ぐための措置につきましては、これはやはりいろいろとこの法案は、やっぱり土地取引の現実でいろんな取引にも影響する面もありますから、やはりある程度、一つ法律を作ればそれが安定的にやっぱり実施されるという面も必要だと思っております。ということでありまして、一定期間安定的に実施し、ある程度社会に定着させる必要があるということで、見直し期間を十年としたのは私どもとしては妥当だと考えております。  ただ、いろいろと汚染の可能性のある土地から処分のために搬出された汚染土壌を廃棄物として取り扱うことなど、先ほどもちょっと申し上げましたが、いろいろと検討の課題はございますので、そういった問題につきましては、その法律とは別に十分に必要に応じてまた検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。(拍手)

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 日程第二 消防法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。総務委員長田村公平君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔田村公平君登壇、拍手〕

田村公平自由民主党・保守党

○田村公平君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、平成十三年九月に発生した新宿歌舞伎町ビル火災等を踏まえ、消防法令違反等の是正の徹底を図るため、消防機関による立入検査及び措置命令に係る規定の整備を図るとともに、防火管理の徹底を図るため、防火対象物の定期点検報告制度を設けるほか、避難上必要な施設等の管理の義務付け、罰則の引上げ等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、消防法令違反に対する、消防機関における迅速かつ効果的な是正の推進、予防事務を担当する職員等の体制の強化、立入検査等における他の行政機関との協力の重要性等について質疑が行われました。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数           二百三     賛成             二百三     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 日程第三 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。環境委員長堀利和君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔堀利和君登壇、拍手〕

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、最近における鳥獣の生息状況及び狩猟の実態にかんがみ、鳥獣の保護及び狩猟の適正化の要請への的確な対応を図るため、狩猟免許に係る障害者の欠格条項の見直し、水鳥の鉛中毒の防止、違法な鳥獣の捕獲等の防止、捕獲等をした後の報告等に関して所要の規定の整備を図るとともに、片仮名書きで文語体である鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の条文を平仮名書きの口語体に改めようとするものであります。  委員会におきましては、本法の適用除外となる鳥獣の定め方、平成十一年改正時の鳥獣保護法見直し規定への対処姿勢、生物多様性の確保の担保措置充実の必要性、鳥獣による農林業被害の状況と被害防止対策の現状、総合的な移入種対策の必要性等について質疑が行われたほか、参考人から意見聴取を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して岩佐委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数           二百六     賛成            百八十四     反対             二十二    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 日程第四 特定機器に係る適合性評価の欧州共同体との相互承認の実施に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長保坂三蔵君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔保坂三蔵君登壇、拍手〕

保坂三蔵自由民主党・保守党

○保坂三蔵君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告を申し上げます。  本法律案は、いわゆる日本・シンガポール新時代経済連携協定に含まれる、電気製品などの技術基準への適合性評価の相互承認に必要な国内措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、我が国初めての二国間貿易協定の意義、経済連携協定による国内産業への影響等につきまして質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  なお、本法律案に対して三項目の附帯決議を行いました。  以上、御報告を申し上げます。(拍手)     ─────────────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数           二百七     賛成             二百七     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 日程第五 漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案  日程第六 水産業協同組合法等の一部を改正する法律案  日程第七 漁業災害補償法の一部を改正する法律案  日程第八 遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出)  以上四案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長常田享詳君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔常田享詳君登壇、拍手〕

常田享詳自由民主党・保守党

○常田享詳君 ただいま議題となりました四法律案について、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案は、効率的かつ安定的な漁業経営の育成を図るため、漁業経営改善計画制度を創設するとともに、資源回復のための減船、休漁等の取組に対し、必要な資金を融通することができる等の措置を講じようとするものであります。  次に、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案は、漁業協同組合等の健全な発展を図るため、その事業、業務執行体制等の整備及び漁協系統信用事業のセーフティーネットの構築等の措置を講じようとするものであります。  次に、漁業災害補償法の一部を改正する法律案は、中小漁業者の経営の一層の安定に資するため、その共済需要の多様化に対応し、漁獲共済の加入要件を緩和し、新たな共済事業を創設する等の措置を講じようとするものであります。  次に、遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案は、遊漁船業の業務の適正な運営を確保するため、遊漁船業への参入について、届出制を登録制に改める等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、以上の四案を一括して議題とし、まず、静岡県で現地視察を行うとともに、効率的かつ安定的な漁業経営の育成方針、系統信用事業の再編強化とその課題、漁業共済の加入促進策、遊漁船業と漁業の共存の方策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、四案について一括して討論に入りましたところ、日本共産党を代表して紙理事より、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案に反対である旨の意見が述べられました。  討論を終わり、順次採決の結果、漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案、漁業災害補償法の一部を改正する法律案及び遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案はそれぞれ全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。また、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。  まず、漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案、漁業災害補償法の一部を改正する法律案及び遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。  三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数           二百八     賛成             二百八     反対               〇    よって、三案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 次に、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数           二百八     賛成            百八十九     反対              十九    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 日程第九 金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長山下八洲夫君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔山下八洲夫君登壇、拍手〕

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案は、テロ資金供与防止条約の的確な実施等に資する観点から、金融機関等の顧客管理体制の整備の促進を図るため、顧客等の本人の確認及び取引記録の作成・保存に関する措置を定めようとするものであります。  委員会におきましては、本法律案の罰則の考え方、マネーロンダリングの対策に必要な捜査機関との協力、連携等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数           二百四     賛成            百九十九     反対               五    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) この際、日程第一〇を後日に延期いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

倉田寛之各派に属しない議員議長

○議長(倉田寛之君) 御異議ないと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十分散会

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