法務委員会 第13号
- 発言数
- 315 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/04/25
会議録
○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十四日、高橋千秋君、木庭健太郎君及び山下英利君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君、浜四津敏子君及び青木幹雄君が選任されました。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、法務大臣官房司法法制部長寺田逸郎君、法務省刑事局長古田佑紀君及び国税庁次長福田進君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、大阪高等検察庁前公安部長の逮捕に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○市川一朗君 自由民主党の市川一朗でございます。 おとといの当委員会におきまして、森山法務大臣から本件事件につきまして概要の御説明をいただいております。したがいまして、本日、時間もございませんので、それを前提にして、二、三質問させていただきたいと思います。 まず、ずばりでございますが、本件につきまして検察当局が知ったのはそもそもいつごろだったのかという点でございます。捜査の端緒とその経緯につきましてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(古田佑紀君) 本件につきましては、三井検事が不動産取引に絡んで暴力団関係者から金員の提供や酒食の提供などを受けているという趣旨の情報が、今年に入ってからでございますが、大阪高検に寄せられたものでございます。そのような情報がありましたため、大阪高検におきましては慎重に内偵を進めていたところ、犯罪に問うべき行為があることが明らかとなり、大阪地検に指示して捜査を行わせることとなったものでございます。 本件につきましては、暴力団を取り締まる立場にある高等検察庁の現職幹部が、暴力団関係者と不動産取引を行い、不正な手段によって不動産登記に係る登録免許税率の軽減を受けるため虚偽の住民登録をし、これを利用して区役所からの税率の軽減を受けるための証明書をだまし取って、更には、暴力団関係者との交渉に利するため、職権を濫用して交渉相手である暴力団関係者の前科調書を不正に取得したということが認められる大変重大な事件であるということから、検察当局におきまして、ただいま申し上げました事案の内容にかんがみ、強制捜査が必要であるということで今回の逮捕に至ったものでございます。
○市川一朗君 現在取調べ中の事件でございますから刑事局長の立場でなかなか詳しくは言いにくい部分もあるかと思いますが、一応、今の程度でお伺いしたことにしたいと思いますけれども、いろいろ新聞報道等から見まして、この三井検事というのは大変問題のある人物なんじゃないかなということを、国民の皆さんも思っていると思いますし、私も思うわけでございます。しかも、それが高等検察庁の公安部長という要職にあるわけでございまして、監督責任の問題につきまして森山法務大臣はどう思っておられるのか、率直な御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 今回、幹部検察官が重大な不祥事を起こしまして、このことは大変重大なことだというふうに受け止めておりまして、全く残念だと言うばかりでございます。三井検事が、私的な分野とはいっても、このような行動をやっていたということについては、予想もできないようなことでありまして本当にびっくりいたしました。 三井検事の人事上の措置につきましては、強制捜査に着手しましたこの二十二日付けで大阪高等検察庁公安部長職を解きまして同総務部付としておりまして、捜査の結果を踏まえながら適正に対処したいと考えております。 この事件の監督責任につきましては、検察当局におきましてその全容の解明に向けて徹底的な捜査を遂げるものと承知しておりますが、その結果を踏まえて、このような事態が生じた原因や背景を解明した上で様々な角度から検討を加え、適切な措置を取ってまいりたいというふうに思っております。
○市川一朗君 この件に関しましては、本事件に関しまして報道機関によりまして様々な報道がされておるわけでございますが、その報道の中で、この三井容疑者は、たまたま四月二十二日に逮捕されたわけでございますが、その逮捕された二十二日に検察庁の調査活動費についてテレビ局のインタビューを受ける予定があったという報道もされておりますが、当局として、そのような事実があったのかどうか、お尋ねします。
○政府参考人(古田佑紀君) 三井検事がテレビ局を含むマスコミ関係者と接触をしているというふうな風評、これは承知しておりましたけれども、御質問のように、二十二日の日にテレビ局との面会約束があったとか、そういうような詳細については、これは全く承知しておりません。
○市川一朗君 本件逮捕につきまして、今の調査活動費に関する報道の問題が背景にありまして、三井検事に内部告発させないための口封じではないかといった報道もあるわけでございますが、私もある程度前々からいろんな報道を読んだり聞いたりした記憶はありますが、検察庁のいわゆる調査活動費の問題に関しましてこれまでどのような報道があったのか。 それと併せまして、今回逮捕するに至った経緯、言い換えれば、やっぱりさっきの話にもう一回戻りますが、なぜ四月二十二日に逮捕したのかといったような視点に答えられるような意味におきまして、調査活動費に絡む一連のこれまでの報道と、そして今回の逮捕に至った経緯、その辺のところを当局としてどういうふうに把握し、どう認識しておるかということにつきましてしっかりと御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(古田佑紀君) ただいま、お尋ねは二点にわたると思いますが、まず第一点の、いわゆる調査活動費の問題について従来どういうふうな報道があったかということでございますが、私どもの承知しております限りでは、一昨年のことだったと思いますけれども、全く実体不明なあるパンフレットに調査活動費について特定の検事正に関するいわゆる疑惑が登載された、その辺から始まったというふうに承知しております。その後、これは報道ではございませんけれども、ある総会屋集団と呼ばれているところのホームページにそれを簡略にしたようなものが載り、引き続きまして、ある月刊誌、更には、昨年の秋以降だと思いますが、一部の週刊誌について同様の話が掲載されていたというのが私どもが知っている限りのこの問題の報道でございます。 さて、この件につきまして、なぜ四月二十二日という日に逮捕ということになったのかというお尋ねでございますが、これは、捜査の内容を事細かく申し上げることは差し控えたいとは思いますけれども、できるだけ申し上げますと、先ほど申し上げましたとおり、この件につきましては今年に入ってから先ほど申し上げたような情報が寄せられたわけでございます。これは非常に重大な問題になる可能性があるということで大阪高検で内偵を始めたわけですが、まず御理解いただきたいのは、何分にも同じ職場の中に勤務している者についての内偵でございますので、察知などされないように非常に慎重に進めなければならなかったというところがあるわけでございます。 それから、もう一点の問題といたしまして、相手が暴力団の関係であると。しかも、この暴力団と認められる者が別名を使っていたりいたしまして、どういう人物か、そのいろいろ登場してくる人物がだれとだれが同一かとか、そういう点についての確定ということにこれもかなり時間を要したわけでございます。 そういうようないろんな慎重にやっていかなければならない手順を尽くしながらこの内偵を進めて、いわゆる先ほど申し上げたような犯罪行為と認められるような事案があるということが判明したわけでございまして、それに相当期間掛かっていたわけでございます。 そういうことから、一方、また強制捜査となりますと、もちろんのことではございますけれども、それに見合うしっかりした証拠の確保、そういう周辺のことを十分尽くしてからでなければならない。ただ、これも暴力団が絡むだけにそう簡単なことではないわけでございまして、そういう点でも慎重を期して捜査を進めた結果、結局四月二十二日に逮捕ということに至ったものでございまして、端的に申し上げますと、いろんな捜査上の困難、そういうものがあったためにその時点になったということでございます。
○市川一朗君 森山法務大臣に、先ほど基本的な点につきまして一つお尋ねしたのでございますが、改めて本件事件に関しましての法務大臣としての基本的な所見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 今報道されているようなことが事実だといたしますと、誠に言葉もないほどびっくりする話でございまして、にわかには信じ難いというのが最初の感じでございました。 他人の刑事責任を追及するべき検察庁の幹部である人がそういう人にはあるまじき不祥事を起こしたということで、本当に、残念といいますか悔しいといいますか、申しようもないような無念な気持ちでございます。 また、日本の安全あるいは治安の維持ということのために一生懸命に努力している検事がたくさん毎日懸命に働いているわけでございますので、それを承知している私といたしましては、この人一人のこのような行動のために全国の検事、また、ひいては法務省全体の名誉が甚だしく傷付けられたということが誠に残念であり、憤りを感じるところでございます。 このような事件につきましては、検察当局においてその全容の解明に向けて徹底的な捜査を遂げるものと承知しておりますが、その結果を踏まえて厳正な措置を取っていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫です。 今、市川理事から質疑がありました。重複しないように、むしろその質疑を前提として質問を進めていきたいと思います。 検察当局は、三井検事が当日、テレビインタビューの予定があることは知らなかったということですが、そのテレビインタビューだけではなくて、三井検事が検察首脳の調活費の問題についてマスコミにいろいろ情報を提供していたとか、そうした日ごろのことについてはどの程度把握していたんでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 先ほど申し上げましたように、この問題をめぐっての過去のいろんな記事等、そういうことからこの三井検事が何らかのかかわりを持っているのではないかということは、これはその可能性はあるというふうな具合には考えていたわけですけれども、それが実際、三井検事であるかどうかということについては確認はされていないという状況であったわけでございます。
○小川敏夫君 法務大臣にお尋ねしますが、今回、三井検事の強制捜査に当たりまして、直前に事前の報告があったと思うんですが、この三井検事に関しては、調活費の不正問題ということについて彼がいろいろ動いているということについての報告まで受けましたでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) そのような具体的な話は、私は直前まで、その前の日の晩まで存じませんでしたし、特に個人の名前までは全く知りませんでした。
○小川敏夫君 その逮捕の直前について、検事を逮捕する際に、当該検事がそうした調活費の問題について取り上げている人物であるということについては、その時点では報告を受けたわけですか。
○国務大臣(森山眞弓君) 逮捕の直前にそのようなことがあるらしいということを聞きました。そして、その人がそういう疑いが持たれているらしいということも聞きましたが、詳細についてはそのときは分かりませんでした。
○小川敏夫君 じゃ、質問をまた変えまして、この調査活動費なんですけれども、捜査に資するための情報を入手するために調査する活動の費用だと思うんですが、ただ、私、考えまして、検察庁というのは、事件のほとんどが──これは当局に、大臣ではなくて。事件のほとんどが警察で捜査した事件の送致を受けてそれを行うと。部屋の中で取調べを行うのがほとんどでして、何らかの捜査をすることがあればすべて警察を指揮して行うんで、検察庁というのは構造的に調査活動費はほとんど不要な機能だと思うんですが、その点はどうなんでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 御指摘のとおり、多くの検察庁で処理しております大多数は警察送致事件であることは、これは間違いございません。 ただ、警察送致事件にいたしましても、これを適正に処理いたしますためには、やはり各種の犯罪の全体的な状況、あるいは地域での特殊性、そういうふうな問題ということもいろんな角度で把握をしなければならないということも、これもまた事実でございます。もちろん、そういう情報は様々な形で入手はできるわけですけれども、中には非常に入手しにくい情報も現実問題としてはあるわけでございます。 また、一方で、検察庁におきましてはいわゆる独自捜査も、これも実行しているわけでございまして、こういうような場合につきましては、ある特定の事件の情報そのものをということは非常に重要になるわけですが、それと同時に、そういうふうな情報が得られるようなといいますか、端緒が得られるようないろんな周辺情報とか、そういうものも常々把握しておくということが必要でありまして、そういうような情報をできるだけ的確に、しかも言わば外に悟られないように入手しておくというのが率直に申し上げますと大変重要なことで、そういう意味では、おっしゃるとおり警察送致事件が大多数にいたしましても、やはり検察庁におきましてもそういう意味での調査等、活動等を行うという必要性は、これはあるということでございます。
○小川敏夫君 当局としてはそういう御説明になるのかもしれませんが、例えば東京地検ですと特捜部があって独自の捜査をするんでしょうけれども、そうした東京、大阪地検以外の地方ですと独自捜査というのはほとんどないんじゃないかと。そうであれば、今すぐではなくて後で結構ですけれども、各地検の、全体の検察庁の取扱件数の中の警察からの送致件数、警察以外の司法警察もありますけれども、それから、検察庁の独自捜査の取扱件数を後で教えていただきたいと思います。 特にこの調査活動費、いろいろこれまで報道なんかがされているのを見ると、地方の検察庁の検事正というようなことが出ておるんですが、地方ですと独自捜査、総論的に情報収集が必要だといっても、実際の実態は、検事はさっきも言ったように警察から送られてくる事件について庁内で取調べをする、必要があれば警察に指示して行うので実際にないんじゃないかと思うんですが。 更にその調査活動費についてお尋ねしますけれども、これは、調査活動費は検察庁の中のだれが使うようなシステムになっているんですか。
○政府参考人(古田佑紀君) 調査活動費の執行の責任者はその庁の長、つまり、地方検察庁であれば検事正、高検であれば検事長、そういうふうな、要するに各庁の長ということになっているわけでございます。
○小川敏夫君 それは、調査活動費の責任者が検事正なり検事長ということですか。そうではなくて、調査活動費そのものを使う人が検事正あるいは検事長、こういうことですか。
○政府参考人(古田佑紀君) 実際問題として、責任者は今申し上げたように各庁の長ではございますが、その執行についてはそれぞれの長の判断で様々なやり方があるわけでございます。ただ、基本的に申し上げますれば、調査活動費の支出に当たっては各庁の長が責任を持ってその要否を判断して支出をするというのが原則でございます。
○小川敏夫君 ちょっと、私の質問に余り明確ではなかったんですけれども、それは、責任を持つのは検事正か検事長ということだけれども、実際に使うのは、じゃ、検事正以外に実際に捜査に携わる検事がおるわけですよね、そういう実際に捜査に携わる検事も使うわけですか。ただその責任を検事正が取るということですか。
○政府参考人(古田佑紀君) これも先ほど申し上げましたように、実際にどういうふうな情報をどういうふうに入手してそれについてだれが判断するかというのは、ある程度各庁の長の裁量に任せられているところがあるわけでございまして、そういう意味で、一律に全部こうだというふうにはなかなか申し上げにくいところではございますけれども、基本的には、調査活動費の場合には定期的に情報を提供をしてくれるいわゆる協力者、こういうふうな方を複数確保いたしましてという形態がかつて非常に多かったわけでございます。それが通常だったわけでございます。したがいまして、そういう意味では、定期的な情報提供者、それから入手された情報、それをそれぞれの庁で執務の参考として利用していたということでございます。
○小川敏夫君 どうも抽象的過ぎて分からないんだけれどもね。 実際に検事正、検事長、これは大変に偉い方でして、実務では実際の捜査なんかはやらないですよ。実際の検察庁の、地方検察庁ですと実務の指揮者は次席検事、ナンバーツーの方がやるので、検事正は実際にそうした捜査実務にタッチしないんだから本来、調査活動費というのはほとんど要らないんじゃないかと。もし使うんであれば、実際に実務に関与する次席検事以下の部門だと思うんだけれども。 ただ、そうした実際に取り扱うところにしたって、事件の圧倒的多数が警察から来た事件について捜査しているので、ほとんどの情報は警察を指揮すれば足りるんであって、どう考えてもこの調査活動費を使う部門が今の検察システムの中にないように思うんですけれどもね。それで聞いているけれども、余りこれに使うという明確な御返事がないので、ひとつ納得がいかないんですけれども。 質問を変えますけれども、調査活動費が毎年各検察庁に予算として割り当てられる。これが余って返ってくることはあるんですか。大体予算どおりみんな使っちゃうんじゃないですか。
○政府参考人(古田佑紀君) 各年度の執行状況を現時点で詳しく私、記憶しておりませんけれども、基本的には、調査活動費、多少の執行残が出るようなこともあろうと思いますけれども、おおむね配賦された額を使用しているものと承知しております。
○小川敏夫君 では、これも今じゃなくてもちろん結構で、事後で結構ですけれども、各地方検察庁の調査活動費の予算とそれの消化状況について、資料をまた後ほど提供してください。 この調査活動費についてこれまでも様々なマスコミが、どうも検察幹部の遊興費に充てられているようだという指摘があると、中には検察庁の職員がそういうふうに証言している部分があるという、そういう記事もあるんですが、これについて、そういったことがあるかと言えば当然ないという答弁が来るでしょうから聞きませんけれども、この調査活動費が実際に調査活動費として使われる場面がどうも私には思い浮かばないし、また、あるとしても、それは必要に応じて必要なだけ使えばいいんだけれども、毎年予算を消化しているとなると、どうも記事が書かれるような背景的な状況はあるようにも思えてならないんですけれども、どうでしょう、そういった私の意見に対して局長の御意見をお伺いしたいんですが。
○政府参考人(古田佑紀君) 先ほど申し上げましたとおり、調査活動費の場合は、いろんな犯罪に関する、犯罪そのものではなくても、当然それについての警戒が必要なことに関する情報等を検察庁として収集して、それによって執務の参考とすると、こういうことでございまして、何か特定の事件だけでお考えになっているようにもちょっと伺えるところがございますが、必ずしもそういうわけではございませんので、そういうことで、調査活動費というのがやはりそれなりに必要だという部分があるということはもう間違いないというわけでございます。
○小川敏夫君 長期的な情報収集といっても、例えば地方ですと検事は大体二年ぐらいで転勤しちゃうんで、そんなに地域で腰据えて情報を収集をするというのがどうも余りないような感じだと思うんですがね。 例えば、その情報収集の方法ですけれども、情報収集として飲食店に行って話を聞くとか、そんなような在り方の情報収集もあるんでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 個別のその執行の具体的方法ということになりますと、これはいろいろ差し障りがございますので余り詳細を申し上げるということは御容赦いただきたいわけですが、調査活動費の執行方法につきましては、基本的には、先ほど申し上げましたような定期的な情報提供者を言わば確保いたしまして、そういう方から定期的に情報をいただくというのが基本だった時期がかなり続いていたわけでございます。その後、調査活動の目的あるいは主たるウエートの部分が、時代の変遷あるいは犯罪情勢の変化によりましてこれが変わってきて、それに伴って調査活動費の執行の方法も変わってきたという面はあるわけでございますが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げたようないろいろな意味での情報を言わば得ているということが、だれから提供されているかとか、そういうことも含めて、これが明らかになりますと大変そういう人にも御迷惑を掛けるということもございますので、具体的にどういうふうな執行方法をしているかということは、今申し上げたようなことは申し上げられますけれども、余りにも詳細にわたって方法を申し上げることは御勘弁いただきたいと思います。
○小川敏夫君 私は一般的なことについて聞いているんで、実質的な答弁がないとちょっと納得できないんですけれども。 次の質問に行きますが、この三井検事の本件逮捕、それから捜索、押収等のことなんですけれども、この三井検事について家宅捜索をして様々な資料の押収をしておるわけですけれども、そうすると、三井検事がそうした調査活動費の問題について収集した資料、多分、三井検事は当然持っておられたと思うんですが、これも押収してしまったのではないかと思うんですが、その点は答えられますか。
○政府参考人(古田佑紀君) 具体的にどういうふうなものを押収してどういうふうな捜査の内容になっているかということは、特に押収したものでどういうものがあるかということについては、私どもとしては承知しておりません。
○小川敏夫君 大体、一切合財持っていってしまうから押収されている可能性が強いと思うんですけれども、ただ、この三井検事の犯罪の証明にはそうした調査活動費のことに関する収集資料は余り関係ないと思うので、もしそういうものが押収してあれば、これは還付するなりして三井検事あるいはその弁護人の方に任せるべきだと思うんですが、そういう考えはどうですか。
○政府参考人(古田佑紀君) 仮定のお尋ねでございますが、もちろん一般的に申し上げまして、関連性がないものにつきましては、これは当然押収すべきではありませんし、仮にそういうものがあれば、これは還付すべきものになるということと思います。
○小川敏夫君 私は、検察当局が三井検事のそうした批判を封じるために逮捕したと別に断定しているわけではありませんけれども、タイミングが余りにもいいのでそういう疑いを持たれていることも一つの事実だと思うわけです。ですから、そうしますと、三井氏が収集した資料の取扱いもある意味では非常に検察庁の姿勢を問われることになると思うので、是非その点の取扱いについては疑いを持たれることがないようにしていただきたいと思っております。 それから、この三井検事なんですけれども、どうもこの一件限りが突然起きた犯罪ではなくて、大分以前からそうした不動産に関する投資というのか事業というのか、実態が分かりませんから言いようがないんですけれども、かかわっていたようですけれども、検事であっても不動産を購入することは一つの自由かもしれないけれども、その限度を超せば、これは不動産業を営む、あるいは宅建業法に違反するとか、可能性が出てくるんですけれども、日ごろの三井検事のそうした行為についての把握状況、あるいはそれに対してどのように監督していたのか、そこら辺のところをちょっと説明していただきたいんですが。
○政府参考人(古田佑紀君) これが言わば職務行為に関連することでございますればもちろん把握というのは可能であったわけでございますけれども、何分にも個人の私的な分野での取引でございますので、検察庁といたしましても、そういうふうな個人的に行っている取引でどういうようなものがあるかとか、そういうふうなことについては把握は困難であったというのが実情でございます。
○小川敏夫君 ただ、何かちょっと混ぜっ返しみたいだけれども、調査活動費を使って様々な情報を収集していれば検事のそうした行動も耳に入ってくるんじゃないかと思うんですが、把握していなかったというのは、何か調査活動をやっていたのかなとも思いたくなりますが、まあ答弁は要りません。 この三井検事の逮捕事実なんですけれども、住民基本台帳に虚偽の住民登録をしたと。これは別に逮捕しなくたって証拠隠滅される可能性も少ないと思いますし、それを基に登録免許税の減免を受けるための証明書を取ったということも、これ、証拠隠滅のもう余地はないんじゃないかと。それから、部下に命じて前科調書を取得したといって、部下も検察庁職員ですから被疑者となった三井に言われて口裏合わせもすることもないと思うので、何か逮捕しなければならないような証拠隠滅の可能性もないし、逃亡しちゃう可能性も少ないように思うので、逮捕の必要性というものがどれだけあったのかなという観点から見ますと、たまたま、検察庁はたまたまだと言うけれども、四月二十二日のテレビインタビューの日だったということも考えると、またそれを防ぐために強引に逮捕したんじゃないかという考えもちょっと及ぶんですが、ここら辺の逮捕の必要性、強制捜査についての必要性等についてはどのように説明していただけますか。
○政府参考人(古田佑紀君) 具体的事件の捜査当局の判断でございますので本来余り詳しく申し上げるのもいかがかと思いますが、このような事件であることにかんがみ、その概略について御説明申し上げますと、まず第一点は、これはやはり、先ほども申し上げましたけれども、暴力団、これと共謀の上で、しかも私的な利益を図るために虚偽の住民登録をすると。このこと自体、それが軽い行為というふうには、特に検事にある者の立場として考えた場合、到底これは思えない。また、暴力団員との関係で、三井検事と非常に密接な関係ができており、その間でどういうふうな、だれがどういうふうにやったかとか、そういうことについてのいろんな通謀のおそれ、こういうようなものが非常に高い状態であったわけでございます。 さらに、事件の内容といたしましては、部下から前科調書を出させたということも、これも私的な利益のための行為と認められるということになりますと、これも決してそう軽いと言えるような性質のものではなく、むしろ、そういうようなことが検察庁の中で行われるということになりますれば、これは大変信頼を傷付ける問題でもございます。 そういうことから、端的にいわゆる逮捕の必要性ということについて申し上げれば、事案の重大性と暴力団員とのそれまでのいろんな関係から通謀による罪証隠滅等のおそれ、これは非常に高いと判断されると、そこに尽きるということになるわけでございます。
○小川敏夫君 個別の事件で、逆に逮捕しないでやれば身内に甘いという批判も受けるかもしれないから苦しい立場もあるでしょうけれども、いろんな見方があるということも踏まえて適切に対処していただきたいと思います。 最後に、法務大臣にお尋ねしますが、この三井検事の件に関しては、調査活動費の問題、これを三井検事が情報を公開して批判行動を始めるというような動きがあって、それに対する報復というか、あるいはそれをやめさせるための強制捜査ではないかという批判があるのも事実でございます。ですから、そうした批判あるいは疑問について、これは検察庁として積極的に、そうではないということでしょうから、そういう説明責任を果たして、国民に疑惑の念が解消されたというような積極的なこれから行動を取っていただきたいと思います。そうした面で、法務大臣のその姿勢を最後にお伺いしたいと思いますが。
○国務大臣(森山眞弓君) この事件は、先ほど来お話しのように非常に重大な問題でございまして、この三井検事の行った行動、犯罪ということになれば、それを徹底的に解明しなければいけませんし、それにまつわる様々な疑惑がほかにも国民の間に持たれているということであれば、それをはっきりと解明して国民に明らかにしていくということが非常に大事だと私も思っております。そうすること以外に検察及び法務省の名誉を回復し、信頼をもう一度いただくということはできないと思いますので、そのようなことに努力をして、是非明らかにして御報告も申し上げたいというふうに思っています。
○日笠勝之君 公明党の日笠勝之でございます。 本日は、大阪高検の前公安部長の逮捕に関する集中審議ということでございますが、私も、四月二十二日のテレビを見ておりますと、速報のテロップでこの逮捕の件を知り、正に驚天動地の感がいたしました。正に検察始まって以来の前代未聞の不祥事と言っても過言ではないかと思います。 私は、検察に対してはもう本当に公正無私に業務をされておるというふうに信じておった者でございます。かつて、伊藤栄樹元検事総長の「秋霜烈日」という本も読み、大変感銘したこともあります。この秋霜烈日というのは、秋に降りる霜と夏の厳しい日差しのことで、刑罰や志操の厳しさに例えられるものでありまして、厳正さを求められる検事の理想像とが重なり合い、秋霜烈日のバッジというのが検事のバッジと、こういうふうなことだそうでございます。それにしても、今回の事件は正に暴力団との関係があるという、検察の信頼を根底から覆すような正に重大事件と、このように認識をしておるわけでございます。 そこで、まず、今回、三井前大阪高検の公安部長の逮捕されましたその罪名といいましょうか容疑といいましょうか、これを並べていただきたいと思いますが。
○政府参考人(古田佑紀君) 罪名につきましては、電磁的公正証書原本不実記録・同供用及び詐欺、それから公務員職権濫用でございます。 その事実の概要は……
○日笠勝之君 いいです、罪名だけで。
○政府参考人(古田佑紀君) よろしいですか、はい。
○日笠勝之君 三つの容疑、罪名というふうに聞いておりますが、それでいいかと思いますが、しかし、ここに来まして、いろんなマスコミの報道を見ますと、それ以外にもいろんな容疑があるんではないかと。 例えば、家賃収入の確定申告をしていない、つまり所得税法違反の疑いもあるのではないかとか、また接待を受けておったとか、香典も非常に高額な、十万円ですか、香典をもらったことがあるとか、それからまた転売等の所得の報告の義務を怠っておったとか、いわゆる国家公務員の倫理法違反の疑いがあるのではないかとか、細かい話ですが、通勤費の過大の支給を受けておったんじゃないかとか、ほかにもいろいろと容疑があるかと思いますが、それらのことも視野に入れて取調べをしておるんでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 検察当局といたしましては、本件の不動産取引等に至る経緯、背景、そういうふうな本人の行動がどういうものであったのか、そういう点につきまして全容をすべて明らかにし、その中で犯罪として問擬するべきものがあれば、これに厳正に対処するという姿勢で臨んでいるものと承知しております。
○日笠勝之君 さらに、暴力団組長と共謀し、暴力団関係者の居直り続けておった物件について競売の妨害をした、安値で購入した疑いもこれあり、また、神戸市の中央区の今回のマンション以外にも、偽装転入等で住宅家屋証明書を詐取したり、登録免許税の軽減を受けた疑いもこれありと、たくさんのあの三つの罪名以外に容疑が次から次にと今報道されておりますが、是非ひとつ、これらも視野に入れながら一つ一つ国民が納得するような解明、究明をお願いしたいと思いますが。 特に、この解明、究明をする中で、一つは暴力団との交際の全容の解明であるとか、それから暴力団との癒着の経緯とか、また暴力団関係資料だとか捜査情報などが漏えいしておったんではないかとかいうこともいろいろ言われておりますが、それらのことも併せて取調べをすると、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) いずれにいたしましても、この事件をめぐりまして、暴力団関係者とどういうふうな交際状況であったか、それをめぐって何らかの問題はなかったのか、どういうふうな問題があるのかと、そういう点も含めて全体を明らかにするということで臨んでいると御理解いただければ幸いです。
○日笠勝之君 さらに、この三井検事は何か三井不動産と言われるぐらいの財テクをやっておったということでございますが、一体全体この方は、どのぐらいの物件を購入したり、また競売で落札購入したり、また転売したりとか、その利益はどうだったのかとか、いわゆる資金の流れ、取引経緯、こういうものもこれは税と非常に密接に関係をしておるわけでございますが、これらのこともきちっと全容を解明すると、こういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 先ほども申し上げましたとおり、競落したのはこのマンションだけというわけでもないようなことでもございますし、多数の不動産の取引を行っているというふうな話もございますので、この事件をめぐる全体像の解明という観点から様々な取引等についても必要な限度で捜査を尽くすものと承知しております。
○日笠勝之君 今私が申し上げたことは、後日、きちっと当委員会等々で御報告いただけるものと期待をしておきます。 それから、今日は国税庁にも来ていただいておりますので、ちょっと税のことでお聞きしたいと思います。 不動産購入の際は、税務署から「お尋ね」というのが行くようになっているかと思います。私も小さな家を買ったときに、きちっと税務署の方から買入れ資産についてのお尋ねという、まあ事細かに、支払代金の調達方法については、預貯金からいつ、何月何日に幾ら引き出したのか、どこの金融機関かとか、借入金はいつどこから借りたのか、相手の名前、住所、売却をもしした資産があれば、それはいつでどういう種類のものか、まあ事細やかに痛み入るぐらいの「お尋ね」が来るわけですが、この三井検事もたくさんの物件を購入したと言われておりますが、こういう「お尋ね」というのは行っているんでしょうか。
○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。 今、日笠先生御指摘の買入れ資産についてのお尋ねの文書でございますが、土地建物などの資産を取得されました個人のうち、買入れ資産の価額、購入者の収入等の諸条件を勘案いたしまして、贈与税の申告の要否を検討する必要があると認められる方に対しまして実施させていただいているものでございます。したがいまして、必ずしもすべての方に送付しているものではございません。 今、個別の方のお話が出ましたが、誠に申し訳ございませんけれども、個別にわたる事柄につきましては、守秘義務が課されている関係上、具体的に御答弁することは差し控えさせていただきたいと存じます。
○日笠勝之君 そうだとは思いますが、該当すると思われればこの「お尋ね」というのが行っているものと思いますので、まさか相手が検事さんだからお尋ねはしないと、こういう差別はないと思いますので、よく今捜査をされているところと連携を取りながら、きちっと税は税として、国民の信頼をかち取るように、公平にこれもやるべきでありますから、連携を取っていただければと思います。 もう一点、国税庁、お伺いいたしますが、何か新聞報道では住宅ローンが残っていると、こういうふうに報道がありました。これ、住宅ローンが残っておれば、場合によっては、いわゆる住宅借入金等の特別控除という制度がありますね、ひょっとすればそういうふうな控除もうまくやっておられるのかなと、こう勘ぐるわけでございますね。なぜならば、弁護士及び弁護士資格を有する方は登録さえすれば税理士の業務もできるわけですね。それぐらい弁護士資格を有する方は税にも詳しい方でございますから、ひょっとすればひょっとするかなと思いますが。 住宅借入金等の特別控除、いわゆるマイホーム取得控除、これは中古住宅も該当するわけでございますが、こういうことについても国税庁は国税庁として粛々と調査をされると。一般論で結構でございますが、いかがですか。
○政府参考人(福田進君) お答え申し上げます。 今、日笠先生御指摘のような報道がなされたことは承知しておりますが、これも、誠に恐縮でございますが、個別にわたる事柄につきましては、守秘義務が課されている関係上、具体的に答弁することは差し控えさせていただきます。 ただ、一般論として申し上げますと、私ども国税当局といたしましては、あらゆる機会を通じて課税上有効な資料、情報の収集に努めさせていただいております。そういった資料と納税者から提出されました申告書等を総合検討し、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなどして適正な課税の実現に努めさせていただいているところでございます。 調査対象者を選定する際には、これは当然のことではございますが、その方の社会的な地位、経歴等により区別することはございません。
○日笠勝之君 次に参ります。国税庁さん、御苦労さまでした。結構です。 検察庁法を見ますと、第二十三条に適格審査会と罷免という条項がございます。これを見ますと、「すべての検察官について三年ごとに定時審査を行う場合」と、こういうことでございまして、検察官適格審査会の審査に付されると、こうなっておりますが、三年ごとに検察官の場合は審査をすると、こういうことだと思います。それだけ厳正にチェックをしておるよと、だからこそ高い給与と身分保障もきちっとあるんだと、こういうことだと思います。 この方は、この三年ごとの定時の審査を行うごとに何もなかったんでしょうか。先ほども同僚議員から質問がありましたように、突然ここに来て、今年の一月か二月に高検の方へ投書があって云々という以前に、もう何年も前からこういう財テクのような物件購入をしているというようなことでございましたが、この定時審査というのはその都度きちっとこの方はクリアしておったんでしょうか。どうでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 現在、刑事事件として捜査中でございますが、事実関係が明らかになった時点で判断することになると思いますけれども、第一義的には、この人の場合は、もしそういうことが事実だとすれば懲戒処分、国家公務員法第八十二条の規定によって免職等の懲戒処分に付すべきであるという、それに該当するんではないかということが第一義的に考えられます。 おっしゃいました検察官適格審査会の審査というのは、検察庁法第二十三条によりまして、すべての検察官について三年ごとに行う定時審査と、法務大臣の請求によって、あるいは検察官適格審査会の職権で各検察官について行う随時審査と二種類ございます。 定時審査につきましては、平成元年以降では、平成元年三月、同四年二月、同七年二月、同十年三月及び同十二年十一月の五回、審査をいたしておりますが、三井検事については、いずれも検察官の職務を執るに適しない旨の議決はなされておりません。また、随時審査については三井検事が対象となったことはございません。
○日笠勝之君 ですから、今まで全然そういうことがなかって突然ここに来て出てくるということで、この定時審査とか随時審査ですか、きちっと行われているのかなという疑問を呈しておることでございます。これからも厳正にやっていただければと思います。 時間も大分来ましたので、調査活動費について若干お伺いしたいと思います。 調査活動費の平成五年から十四年までの歳出予算規模と決算額の一覧表をいただきました。資料としていただきました。見事なまでに、本当に予算と決算がこんなにうまく使えるものかなと。こういうふうにうまくやれるなら、もう国家の予算、決算をすべてやっていただいてもいいんじゃないかなと。こんな見事な予算、決算でございます。 何をお伺いしたいかというと、この十年ぐらいの間で一番ピークは、平成十年の五億五千二百六十万というのが一番歳出規模としては多かったわけでございますが、平成十四年度は八千五百八万ということで、がくんと四十数億円ぐらいの規模で落ち込んでおるわけでございますが、どうしてこんなに、数年間でこんなにまで歳出予算が減るものなんでしょうか。原因は何だったんでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 平成十一年以降、調査活動費の額が大幅に減少をするに至りましたのは、根本的には、犯罪情勢の変化等に伴いまして調査対象の重点、したがって、それに応ずる調査の方法の見直し、これが行われたということが最も大きい理由でございます。 先ほども若干申し上げましたけれども、かつては、外部協力者に言わば定期的に謝金を支払う、情報を定期的に寄せていただいて謝金を支払うという、主としていわゆる公安情報を入手するというやり方であったわけでございますが、公安情勢が大きく変化した一方、検察庁には、いわゆる経済事犯などの対応、それというのが非常に強く迫られてきた。そうなりますと、そのための情報収集あるいは分析の手段、こういうような問題もおのずと変わってまいりますし、一方で検察庁の事務の全体の効率化というようなことから、コンピューターの導入、そしてそのネットワーク化というのが検察庁の言わば体制の上で非常に重要な課題となったわけでございます。これに加えまして、独自捜査のための内偵捜査等の経費というのもこれまで以上に必要になってきたところがあるわけでございます。 こういった事情を踏まえまして、平成十年にそれまでの調査活動費の考えあるいはその執行につきまして再検討を加えまして、それを踏まえまして平成十一年度以降の予算要求をしているわけでございまして、平成十年に調査活動費の活動対象及びそれに伴う調査方法の変更等に伴って見直した結果の減額ということでございます。 具体的には、その多くの部分はコンピューターネットワークの整備経費の方に、これはシーリングという問題もございますし、振り替えていくということにしたものでございます。
○日笠勝之君 先ほどは済みません。平成十年から平成十四年、四十数億減額と言いましたが、四億数千万の減額でございました。 最後に、責任問題でございますが、検察首脳等の責任問題もあろうかと思いますが、いつの時点でその責任問題については対処されますか。それから、今後の二度と起こらないということでの方針、これについて法務大臣にお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 事実関係が明らかになりました上で、それを踏まえて適正な措置をしたいと思います。 また、再発防止につきましては、今までもあらゆる機会をとらえまして職員の綱紀粛正を徹底するように指示してきたところでございますが、今回は、特にこのような幹部検察官が重大な不祥事を起こしたことを重く受け止めまして、この内容にかんがみ、特にそのようなことが二度と起こらないように厳重に綱紀粛正を徹底いたしまして、再発防止に努力していきたいというふうに思います。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 巨悪は眠らせないという検察幹部の有名な言葉がありました。国民は、この言葉に拍手を送ったときに社会正義の実現という期待を込めたと思うんですね。その期待を裏切るとんでもない事件でありますし、強大な権力を持つ検察幹部が暴力団と手を組んで悪事を働くというのは、絶対にあってはならない事態であります。 同時に、先ほど来ありますように、いわゆる機密費の不正を暴く口封じではないのかという疑惑があるわけです。昨日も本会議でお尋ねいたしましたが、大臣は関係がないという御答弁でありましたけれども、これでは私は国民は納得しないと思います。 そこで、今、平成十年以降、検察全体の調査活動費が激減をしたということが示されまして、その理由も言われました。それで、幾つかのマスコミでもこの問題は取り上げてきたわけですが、どれを見ましても、例えば私、週刊文春を持っておりますが、法務省刑事局総務課の答弁は、平成十一年以降の減額は情報収集でコンピューター利用を充実させたためと、これしか答えていないんですね。今のお話とちょっと私は違うなと思うんですが、途中から理由が変わったんですか。
○政府参考人(古田佑紀君) 特に違ったことを申し上げているつもりはないわけでございまして、コンピューターネットワークの整備に振り替えるということにし、そのこと自体は、先ほどそれが非常に大きいところということを申し上げたわけでございますが、それのそうするに至った理由について先ほどここで御説明をしたということでございまして、結論において別なことを申し上げているわけではないと、こう考えております。
○井上哲士君 犯罪情勢が変わってきたということも言われておりましたけれども、少なくとも当委員会でこの間、議論をしてきましたのは、むしろ犯罪情勢が悪化をしている、そのためにどういう方策を取るかということをずっと議論をしてきたのに、全く逆のことを言われるわけですね。到底納得ができないんです。 平成十年度に見直しをされたと言いましたが、いわゆるこの機密費の告発が始まったのが平成十年度の末なわけですね。どうもこれを受けて見直しをしたのではないかと私は思うんです。 例えば、そういう調査対象が変わるとかコンピューターネットワークを大いに活用するということであるならば、公安調査庁の調査活動費も減ったっていいと思うんです。ところが、資料をいただきますと、同じ時期に公安調査庁の方は、十九億百二十五万円から十九億二千五百五十五万円に増えているわけですね。これはどう説明されますか。
○政府参考人(古田佑紀君) 先ほど私が犯罪情勢に変化があったということを申し上げましたのは、先ほど来御説明いたしましたとおり、かつてはいわゆる公安事件の問題が中心であったと。しかしながら、公安事件、この公安の犯罪情勢、これは落ち着いてきて別な面での犯罪情勢が問題になるようになった、そういうことで申し上げたわけでございます。 それから、ただいまお尋ねの件につきまして、各局といいますか、それぞれの調査活動の方法、考え方というものはそれぞれの独自の立場で判断するということになるわけでございまして、公安調査庁のことについて私が何らかのコメントをすることは、これは差し控えたいと存じます。 なお、一点申し上げますと、いわゆる調査活動費につきましては、これは平成十一年度の予算要求、これに反映させるための検討と申しますのは平成十年のかなり早い時期から行わなければ当然間に合わないわけでございまして、ただいま委員御指摘のような、言わば内部告発かどうかよく分かりませんけれども、出所不明の文書が出回ったことがあるわけですが、これはそのずっと後のことでございまして、そういう問題とは、そういうような文書が出たということとは全く関係がないものでございます。
○井上哲士君 公安調査庁と検察で、私、調査活動費の考え方等、非常に似ていると思うんですね。 この問題で、仙台の市民オンブズマンの皆さんが情報開示請求をされております。平成十三年の十月三十日に出されました準備書面を今、手に持っておるんですが、調査活動費の非開示処分の取消しを求める訴訟を仙台地検、高検を相手取って仙台地裁に起こしています。 仙台地検はこの準備書面で、仙台地方検察庁における平成十年度の調査活動費は、主に組織的な犯罪に対する動向を目的として検察庁の協力者に秘密裏の調査活動を委託し、当該協力者にその対価としての報酬を払うために使用されていたと、こう述べているわけですね。例外の記載はありませんので、全額がこのように使われていたという主張だと思うんですが、そして、こうやって、相手がいることなので使い道を明らかにしたら迷惑が掛かるということで開示を拒否していたということです。 かつ、この検察側の準備書面の中では、主として組織的な犯罪に関する調査活動に使用されており、個別具体的な事件を離れての犯罪組織等の調査対象者の動向など、基礎資料を収集する、地下に潜行した集団の犯罪行為、厳格な情報統制が行われている集団あるいは密室性のある犯罪に係る刑事事件を挙げるというふうにあるわけですね。 これ以降、オウムの問題、蛇頭の問題、いわゆる地下に潜行した集団の犯罪行為というのはいろいろあるわけですから、平成十年で急に情勢が変わった、使い方が変わったという御説明は、これ一つ見ても私は理屈に合わないと思うんですけれども、もう一度答弁を求めます。
○政府参考人(古田佑紀君) もう一つの理由は、ただいま御指摘のいわゆる組織犯罪、こういうふうなものも、当然ながらそれをめぐる犯罪組織の問題とかその動向、これは調査の対象とすべきことは当然ではございますけれども、先ほど申し上げましたように、従来のといいますか、それ以前の言わば公安事件を中心とする犯罪情勢、それとは相当趣を実はやはり異にする面もあるわけでございまして、かつてと同じような考え方、やり方がそういうものに必ずしも適当であるというわけではない、そういうことでございます。
○井上哲士君 納得いかないんですが、先ほど同僚議員の質問にもありましたけれども、元々検察は特捜などの一部の例外を除いては独自の情報活動を大規模にするということはなかったんではないかと。そして、そういうことで情報提供者への報酬などに使われることもほとんど聞いたことがないという証言もいろんなところで出ているわけです。それを裏金にしていたんじゃないかという疑惑が持たれているわけですね。実際には、こういうような告発を受けて、そういう今までの不正常な使い方をやめるということの中で順次減額をしていったんではないかと推測もされるわけですね。 コンピューターネットワークなどで替えることができるようなものであれば、私は別に秘匿をする必要もないんではないかと思うんですが、それじゃ、この間減ったものについて、国民の前に改めて削減された中身について明らかにできるんじゃないでしょうか。その点どうでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 私、ただいまの御質問の趣旨を的確に把握できたかどうか心もとないわけでございますが、もし調査活動のその成果ということでありますれば、これは先ほどから申し上げていますとおり、秘匿を要するものも非常に多いわけでございますが、それは秘匿を要するものでございますので、その点については詳細を申し上げることは御容赦いただきたいと思います。
○井上哲士君 秘匿を要するものがこの間で四億円も減って、それで調査活動に検察側から言えば支障がないというのは、私は全然納得できません。 それで、先ほどあったのは、告発との関係ではないかという点でもう少し具体的に聞きますが、調査活動費の中で弁当費等という項目があろうかと思うんですが、これは平成十年度にそういう支出があった地検がどこで、平成十一年度はどういうふうになっていますか。
○政府参考人(古田佑紀君) 先ほどあるいはお答えが漏れたのかもしれませんけれども、その点、若干補充させていただきますが、前にも申し上げましたとおり、いわゆる内部告発文書ではないかというようなものが出回ったと申しますのは、これは平成十一年の四月であったろうという記憶でございまして、これは、平成十一年度の予算要求という意味から申し上げますと全く関係のないものでございます。 それから、ただいま弁当代ということでございますが、これは、平成十年度に弁当代が支出されておりますのは、東京、甲府、大阪、神戸、名古屋、福岡、佐賀の各地方検察庁でございます。
○井上哲士君 平成十一年度はどうなっていますか。
○政府参考人(古田佑紀君) 平成十一年におきましては、ほぼ全国の検察庁で同様の支出が行われていると承知しております。
○井上哲士君 これも仙台の市民オンブズマンの皆さんが詳細に調べ上げておられるんですが、今ありましたように、平成十年で弁当代という項目が挙がっているのは七地検だけですが、それは全部、平成十年度の三月なんですね。そして、平成十一年度からは全庁でこれが計上されるようになったと。 先ほど言われましたが、実際に告発文が出回っているのは平成十一年の一月だと承知をしているんです。ですから、そこからこういうことはちゃんと見直しをしなさいよというのが、一部、平成十年度の三月から見直しがされて、全国的には十一年度から見直しが徹底した結果ではないかというのをこの仙台のオンブズマンの皆さんは指摘をしているわけです。この点どうですか。
○政府参考人(古田佑紀君) 私どもの承知しております限り、いわゆる内部告発ではないかと言われている文書が出回ったのは平成十一年の四月で、一月ではないと承知しております。 それから、この弁当の増加というのは調査活動費の執行の在り方とも多少絡むわけではございますが、一方で予算がいろんな意味で減額をされておりまして、その中で、調査活動費の中で支出が補えるもの、こういうものについての執行方法の範囲を広げたと、こういうことでございます。
○井上哲士君 じゃ、もう一点聞きますけれども、先ほどありましたように、この調活費の総支出額というのがきっちり受入額と合っていると、おかしいじゃないかというお話がありました。 この仙台高検の場合も、平成十年度は九百六十万円ちょうどで、年間の受入額、全部使っているわけですね。消費税が課税される時代に一円単位まで一致するのはあり得ないという指摘があったんですが、これ、平成十一年度からは四百七十九万九千九百二十五円と一円単位までの端数が出てきているんですね。これも告発を受けて見直しをしたんではないかとオンブズマンは指摘していますが、この点どうですか。
○政府参考人(古田佑紀君) 調査活動費の執行につきましては、先ほど来御説明しておりますとおり、従来というか過去は、調査の協力者に対する謝金、これを定期的な情報の提供を受けて支払っていくと、こういうことでございましたので、おのずと端数が出るということもございませんでした。また、非常に計画的な執行もできたわけでございまして、その結果でございます。 ただいま、平成十一年度からは一円単位の端数まで出ているではないかということでございますが、これは、先ほど来申し上げておりますとおり、調査対象の重点の変更及びそれに伴う様々な調査活動の方法、それを言わばいろんな幅を広げた面がございまして、その結果として端数が生ずると、そういうふうな執行が行われるようになってきたということでございます。
○井上哲士君 平成十年度までが報酬などが主だったとしても、一〇〇%そうだったわけじゃないはずなんですよ。今のは、端数が出ないことの説明としては全然理由になっていないと私は思うんです。 平成十一年の三月に、こういう調査活動費の在り方の見直し、私は告発を受けたと承知をしているんですが、会議等も行われて、何らかの改善のための文書を各地検等に出されていると思います。この中で、こういう関係機関との情報交換での弁当代等の支出がこれまではいわゆる特例払いだったけれども、今度はちゃんと請求書等を添付せなあかんと、こういうようなことが言われて計上がされるようになったんではないかと、こういう指摘もあるわけですね。 逆に、いかに不明朗な使い方がされていた証拠かと思うんですが、こういう内部で徹底した文書があると思うんですけれども、それ、是非出していただきたいんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 法務省におきまして、調査活動費の取扱いに関して、当時そういうふうな一般的な執行方法のガイドラインと申しますか、そういうようなものを作成したことはございません。 ただ、平成十一年度から、先ほど来申し上げておりますとおり、調査活動の内容を大幅に変更するということとしたことに伴いまして、各検察庁からのいろんなニーズも踏まえまして、より効果的に執行方法を見直すということとしたことから、平成十年秋から平成十一年春に掛けて、法務省、検察庁との間で調査活動費の執行方法について様々な機会に様々な形で意見の交換を行ったことは事実でございます。 そして、その過程でいろんな意見について取りまとめたメモとかそういうものはあると思いますけれども、それはそういう過程の、言わば意見交換の際の資料でございまして、そういうものは現時点では残っていないものでございます。
○井上哲士君 五億の予算が順次八千万になるような大転換があって、しかも、年が替わったら端数が全部出る、弁当代が地検にも出ると。これだけの全国的な統一をしたことをやっていながら文書も何もないというふうなことを検察がやるとは私は思えませんし、ますます国民の不信が募る答弁だと思います。 きちっと明らかにしていただきたいということを改めて申し上げまして、質問を終わります。
○平野貞夫君 法務大臣、三井容疑者の逮捕を知った時刻は何日の何時何分ですか。
○国務大臣(森山眞弓君) 四月二十一日の夜、何時までは正確に覚えておりませんけれども、かなり深夜に近い、十時過ぎか十一時ごろだったかなと思いますが、本件犯罪事実の概要と検察当局が三井検事を逮捕する方針であるというような概略の報告を受けました。
○平野貞夫君 前の日の晩ということでございますね。
○国務大臣(森山眞弓君) はい。
○平野貞夫君 そうすると、刑事局長、検事総長も事前にこれは知っていたわけですね。
○政府参考人(古田佑紀君) 検察当局におきましては、本件のように検察の幹部職員にかかわります重大な事案については、これは上級庁にも報告をして協議するというのが通常でございまして、本件におきましてどのような報告があったか等については、詳細は別といたしまして、検事総長においても強制捜査で臨むという方針、これは了承していたものと承知しております。
○平野貞夫君 率直に言いまして、森山法務大臣もそれから原田検事総長も立派な方で、近来にない見識を持っている人だと私は個人的には思っておるんですよ。そういう人たちの就任しているときにこういう事件が起こったというのは、本当に私、不幸だと思っています。それから、この問題は展開の仕方によってはこの人たちの責任問題にもなる問題なんですよ。だから、私は本当に複雑な思いで今質問させてもらうわけなんですが。 三井容疑者の犯行を、容疑としてこれはもう確実なものだと検察が確認して大阪地裁に逮捕状といいますか、これを請求した時刻と、それが許可になった時刻を教えてください。
○政府参考人(古田佑紀君) 誠に恐縮でございますけれども、逮捕状の請求あるいはその発付の時刻については、現在捜査中の事件の正に捜査機関の活動そのものにかかわる事柄でございますので、その点についてはお答えは差し控えたいと存じます。
○平野貞夫君 ここのところが問題なんですよね。要するに、口封じなのか口封じでないのか。鳥越さんも、私もよく知っているんですが、彼のインタビューとのかかわり、私も余り追及したくないんですけれども、ここがやっぱり、決して口封じではないと、当然のことを検察はやったんだということの証明になると思いますがね。駄目ですか、時刻は言えませんか。
○政府参考人(古田佑紀君) 繰り返しになって誠に恐縮ではございますけれども、具体的な日時までは御容赦いただきたいと存じます。 ただ、極めて一般論を申し上げますれば、検察庁において逮捕して強制捜査を行う場合には、いろんな事件情報等についての漏れとか、そういうことを防止するために、言わば逮捕状の請求から実際の逮捕状の執行までそう長い間間を置かないというのが、これが通例であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○平野貞夫君 いや、あなたは本当に立派だよ。そこまで言っていただければ私はこれ以上追及しませんが、私は口封じでないと信じていますよ。 昨日もある先生から、国連、自由党はもっとそこのところを突けと言われたんですけれども、私は多少遠慮しておるんです。もうそれは分かりました。それ以上は言いません。 それでは、約一月ぐらい前に三井容疑者が自民党の野中先生と京都で会ったという報道が今朝あったんですが、そのことについては法務当局としては確認されていますか。
○政府参考人(古田佑紀君) そのような報道があったことは私も承知しておりますけれども、野中議員が三井検事と会ったかどうかについては私どもとしては承知しておりません。
○平野貞夫君 これは、あれだけの報道がありますから私は事実だと思いますが、野中先生から法務当局に、三井からこんな話があったというふうに連絡というか、そういうものはありましたか。
○政府参考人(古田佑紀君) この問題に関しまして私の承知している限りでは、そういうふうなお話は承知しておりません。
○平野貞夫君 刑事局長としては承知していないということは分かりましたが、刑事局長以外の人がそういう連絡を受けたかどうかということは、これは分からないということですわね。これは刑事局長さんが答弁できる問題ではございませんわね。その可能性も私はないとは限らぬと。そこら辺も一つの問題。 要するに、三井容疑者逮捕について純粋な法的、証拠的理由で、その根拠で行われたのか、あるいは何らかのそういう第三者、特に政治家のサジェスチョンとか、そういうものがあったかどうかということが私は問題の一つだと思っております。これは政府の方に聞いても答弁できないと思いますので、問題として指摘をしておきます。 次に、調査活動費のことを各先生がお聞きになったんですが、平成十年から十一年に掛けて約四二%減、それから平成十三年度から今年、約五〇%ちょっと減というもう大縮小をやっておるわけなんです。 先ほど、刑事局長の理由だと、犯罪状況の変化とか、捜査方法の見直しとか、外部協力者への謝金の見直しとか、公安情勢の変化とか、事務の効率化という非常にそれらしい理由。そういうことの努力もあったと思います。しかし、半分近く従来の慣行的な予算を削るということは、これはよっぽどのことだと思います。同時に、半分ぐらい増やすということもよっぽどなことでございまして、今いろいろ問題になっている内閣機密費の場合、外務省の機密費の場合、昭和四十一年で五〇%から六〇%増えているんですよ、両方とも。こういうときには何かおかしいことがあるものなんですよ。 そこで、私は今、先ほどの説明では納得できません。ちょうど平成十年から十一年に掛けて、やっぱり検察内部、法務省内部で内部告発の事件とか、いろんな怪文書が出された時期なんですよ。御存じでしょう。特に、平成十年の五月には、東京の検察幹部の自宅に差出人不明の脅迫状とナイフが投げ込まれたという事件が起こっているんですよ。これは結局はうやむやになったんですが、当時の検察関係者は、本当は犯人は分かっているんだ、うちの関係者だ、人事異動に対する不満だと。そして、この十年の暮れから十一年の春に掛けて、法務・検察組織の不正義、不正経理を暴く告発というので、いろんな、各党にも来ているんですよ。私もこれ、見たことあります。内容は、ここでは今は申しません。いろんな批判が、特に内部からじゃないか、内部じゃないと分からぬような話が出ている。こういうことが十年から十一年に掛けてあった。 それから、今回、特に去年から今年に掛けて、私は高知県の生まれなんですけれども、高知県の地検をめぐって、香川県にある右翼団体あるいは関西の暴力団関係の様々な怪文書とか、いろいろなものが流れ出た。かなりいろいろ言われた。こういうもののやっぱり影響があったんじゃないですか、この四二%減、五一%減というのは。 私は必要な調活費は使うべきだと思いますよ。それから、決して犯罪の状況なんか良くなっていませんよ。それから、公安の情勢だって良くなっていませんよ。覚せい剤だって、あるいは武器の密輸入だって大変なことなんですよ。予算なんか削らずに大いにそういうものに対応する施策というかをやるべきだと私は思うんですが、こういう内部告発的あるいは怪文書的な大きなものに影響されているんじゃないですか。
○政府参考人(古田佑紀君) 私の承知しております限り、いわゆる内部告発ではないかという疑いが持たれる怪文書と称するものは平成十一年の四月であると記憶しております。それ以前にはそういうふうなものは私自身はなかったと承知しております。
○平野貞夫君 それでは、私どもはもう平成十年ごろからそういう情報を持っていましたし、かなりいろいろな話を聞いていたんですが、十一年四月と言われる、内部告発と言われるいろんなものに対して法務省としてはどういう対応をなさったんですかね。
○政府参考人(古田佑紀君) いずれにいたしましても、出所不明の、どういう性質の文書かということも分かりませんし、また、先ほども申し上げましたとおり、我が庁、いろいろ当時新しい考え方等で検討をしていた時期でございますので、その文書について特別の、それがあったからといって対応したことはございません。
○平野貞夫君 そこのところが、多くは私はやっぱり人事に対する不満というのが一つはあって内部告発というのが行われると。そして、批判されるような調活費の使い方も、それはあったと思います、その批判され方の度合いというのはいろいろあると思うんですが。 これはなかなか難しいんですが、内部告発をしようとする人を褒めるわけにもいかないし、また責めるわけにもいかないという事情があるわけですが、一部には、内部告発する人を保護する法律を作ろうじゃないかという動きも今あるわけですからなかなか難しいわけですが。 それから、私も決して三井さんのやったことをいいとは思いませんが、やっぱり三井さんがだんだんだんだんそういうふうにおかしくなっていった。優秀な人だったと思いますよ、実際会ったことありませんから知りませんが。そういう人事管理といいますか、やっぱり優秀な人たちが競い合って一つの仕事をして出世していくというプロセスの中で、やっぱりちょっと野方図といいますか、危機管理が足りない部分があったんじゃないかと思いますが、その辺は、これ、だれに答弁してもらった方がいいかな、本省の担当局長として刑事局長、今までの人事管理のやり方とか人事査定のやり方とか、特に検察の、そういうのは相当反省せにゃいかぬと思いますが、いかがでございますか。
○政府参考人(古田佑紀君) この人事評価、人事考課をいかに適正なものにするかというのは、もうこれ、委員御指摘のとおり大変難しい問題でございまして、その方式等について、これまでもいろんな角度から検討をして改善すべき点は改善をしてきたところでございます。 しかしながら、そういう考課体制というのがより的確に行われるようにしなければならないということは、これは御指摘のとおりでございまして、いずれにいたしましても、本件につきましてはまだ捜査中でございますので、それと直接の関係で申し上げることはまだいかに何でも時期尚早とは思いますけれども、常々そういうことで、今後とも改善の努力はしていかなければならないと考えております。
○平野貞夫君 ひとつ調査といいますか、これは逆に検察官の名誉にもかかわることでございますので、調査して後日報告していただきたいんですが、やはりこの三井容疑者の一つの問題として、財テクですね。その財テクの方法が競売物件を入手するということでございますね。やっぱり検察とか裁判所とかという人たちは、そういう情報が早い、あるいはその入手する手段を普通の人より知っているということですので、検察官あるいは検察事務官ですか、事務官が競売物件を入手している実態といいますか、これをちょっと調べてくれませんか。 そして、それは、公正に公平に入手されることについては何も文句は言いませんが、やはりこういう形で検察官の疑惑というのが問題になっている以上、そういったものを明らかにして、ないならないでいいですから、報道によると、まだ検察官で当たっているという人を、というような報道がありますから、そこら辺をひとつお調べいただきたいと思います。 それから、最後に申し上げたいのは、この三井容疑者の問題も、それから、先般、井上参議院議長が辞められたんですが、これが、政策秘書の半田さんが中村という元社長を千葉地検に告発している、恐喝で。ところが、この問題もいずれ、係争中の事件だということで与党は、この法務委員会は委員長、理事さんが非常に話せますからこういうふうにやっているわけですけれども、予算委員会では係争中の事件だというのではね付けられている。私、確かに係争中の事件、両方そうですが、これは普通の係争中の事件じゃないと思うんですよ。ですから、国政調査権の限界として、十分法務大臣もそこら辺は、社会的役割というか、やっぱり法務・検察の、あるいは国会の権威という意味からいっても、これはひとつ多少柔軟に対応してもらいたいということを申し上げておきます。 それから、あと一分ありますから申し上げますが、実は、この調活費及び大阪地方における検察当局と暴力団とのかかわり合いについては、昨年秋辺りからいろんな話があって、今年の総予算審議のときに、私は党の首脳から予算委員会で取り上げるような指示を受けたんです。しかし、検察の権威をやっぱりこれは失うわけにいかないんですよ。検察の権威を失うわけにいかない。めったなことで予算委員会等で取り上げてはいけないというので、私は党で抑えたんですよ。その代わり、法務省の幹部には、そういうことがないように、ないという、そういうことでいましたら、何と現職の公安部長がこういう事件を起こすという、誠に私はざんきに堪えない思いでございます。 ですから、これはやっぱり根本的な病巣があるという前提で我々は臨まなきゃ駄目だと思っていますので、法務大臣、そういう意味ではしっかりと受け止めていただきたいということを要望して、終わります。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 まず、調査活動費についての予算の組み方はどうしていらっしゃるのか教えてください。
○政府参考人(古田佑紀君) 調査活動費も、これ予算要求のやり方ということかと思いますけれども、これは、検察庁に関しましては、その予算要求についてはその時々の犯罪情勢とかあるいは当該年度における重点事項、過去の出自、実績や検察庁全体としての予算事情、こういうふうなことを総合的に勘案いたしまして法務省で予算要求を決定しておりまして、検察庁の調査活動費につきましても同様の方法で行っているものでございます。
○福島瑞穂君 お手元に各検察庁における調査活動費、年度別というのをお配りいたしました。先ほど小川敏夫議員の方からもありましたが、検察庁でなぜ調査活動費がそもそも必要なのかという質問がありました。 最高検は、一九九六年、平成八年度は三千百八十万円調査活動費を使っております。最高検は調査活動などしないというふうに思いますが、なぜ三千百八十万円、このように必要なのでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 御存じのとおり、最高検察庁と申しますところは、高等検察庁以下全国のすべての検察庁につきまして、刑事事件の捜査及び公判、これを指揮監督する立場でございます。そういうことから、最高検におきましては、特に広い範囲でのいろんな犯罪及びこれをめぐる様々な情勢ということを常に全国的な意味で把握しておく必要がございまして、そういう意味での指揮監督権を十全に行使するために最高検においてもそういうことが必要であると、そういうことでございます。
○福島瑞穂君 東京高検も一九九六年、二千七百万円なんですが、なぜこのように必要なのかちょっと分からないんですね。そして、この表を見ていただくと、非常に奇妙なことは、一九九六年、一九九七年はいずれも、どの地検も末尾に端数が全く出ていないわけですね。例えば、一番下の松山地検ですと四百七十万円というふうにどこも、高知地検が四百万円、徳島が三百八十万円というように全く端数が出ていない。突然、平成十年、一九九八年になって、先ほど井上委員からもありました七つの地検で初めて端数が出てきます。どうして一切、端数がこのように過去はなかったんでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) これも先ほどからお答え申し上げているところでございますが、その当時の調査活動費の執行につきましては、情報提供者に対して謝金を払うということでございまして、したがいまして、おのずとそういう謝金というのは丸い数字になるわけでございます。また、こういう性質のお金でございますから消費税とかそういうことの問題も起こらないわけでございまして、そういう点から端数が出るという状態ではなかったと、そういうことでございます。
○福島瑞穂君 しかし、こんなにきれいに全く端数が出ない使われ方というのは、現実に買物をしたり食事をしたりすると不自然だと思うんですが。 そして、一九九八年に七つの地検で、東京、甲府、大阪、神戸、名古屋、福岡、佐賀、これで初めて端数が出てきます。先ほど井上委員の方から一九九八年度三月分の弁当代、三月末に初めて弁当代が計上されているというのは、この七つの地検で初めて出てきたんでしょうか。つまり、端数が出ている地検と三月の弁当代を初めて計上している地検は、この七つは共通でしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 今直ちに確認はできませんが、弁当代の支出ということで端数が出るようになったところはあると思います。
○福島瑞穂君 週刊朝日の記事によると、これはなぜこんな、一九九七年までは一切端数がない、一九九九年以降は全部端数が出てくる、しかし、一九九八年だけは、七つの地検で端数が出てきて弁当代が計上されているのは、さっきのマニュアルの徹底が不均等に行われたからだという記事が載っております。この表を見ると、やはり非常に不自然ではないかと。 もう一つお聞きいたします。 一九九八年は五億二千五百九十五万二百二十一円だったのが、平成十一年度は三億二千二百三万二千八十一円というふうになっています。どうして五億が三億に急に減少したのでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) これは、先ほどから何度も申し上げておりますが、要するに、かつて公安事件、いわゆる公安事件と呼ばれていた事件でございまして、そういうような事件がターゲット、それをめぐる犯罪情勢及びそれをめぐる情報収集、これが中心になっていたわけでございますけれども、その後、そのような事件というのがこれは徐々に減ってまいりまして、むしろ経済事件でありますとかその他の事件、そちらの方について重点を、これについて重点を置いていくと、そういうことを考えなければならない。そのための調査活動の在り方あるいは情報収集の在り方、そういうことを十分検討いたしまして、そういう面からの情報収集ということになりますれば、例えばインターネット等からのいろんな情報の取得等が非常に重要であると、そういうふうなこともございまして、調査の方法というのを大きく見直していった。 その結果、調査活動費という費目ではなくて、先ほど来申し上げておりますとおり、コンピューター及びそのネットワークの整備、これを中心として進めていくということから、そちらの方に予算を基本的に振り替えていったという、そういうことでございます。
○福島瑞穂君 この前公安部長の内偵はいつから始めていらしたんでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) この点につきましては、今年に入りましてから、具体的な日付等は御容赦いただきますが、三井検事が暴力団員から酒食の提供あるいは金銭の提供を受けていると、こういうふうな情報が外部から寄せられまして、それから内偵を開始したものでございます。
○福島瑞穂君 メディアと接触していることも、では御存じだったわけですね。
○政府参考人(古田佑紀君) 本三井検事がいろいろ接触をしていたのではないかと、かつて接触をして、その当時としてということでございますと、かつて接触をしていたのではないかというふうな可能性ということは認識しておりましたけれども、それは確認していたわけではございません。
○福島瑞穂君 今年一月から内偵を始められたということですが、今年内偵をした後、メディアと接触しているという事実は把握していらしたでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) これも確定的にそういうふうに把握しているというわけではございませんけれども、三月ごろから、またメディアと接触をしているのではないかというふうな風評等には接しております。
○福島瑞穂君 取材に応じたという話も報道によってなされていますし、先ほどから出ているように、テレビの直接のインタビューも受ける予定ではなかったかと言われておりますが、内偵をしていてそういうことを風評でしか知らないというのは、捜査能力としてちょっと、検察の優秀なる捜査能力からしてちょっと、極めて有能でいらっしゃるので変だなというふうにちょっと思いますが。 ところで、調査活動費のチェックについて会計検査院はどうしていらっしゃるでしょうか。
○説明員(石野秀世君) 検察庁の会計実地検査につきましては毎年十か所程度の地方検察庁等に対して行っているところでございまして、その際には、物品購入、役務契約等々、経理を中心に実施しております。 当然、調査活動費につきましてもその中で検査をしておりまして、調査活動費に関しましては、関係の書類の提示を受けるあるいは説明を受けるというふうなことで、適正な手続にのっとっているか、必要な書類はあるのかどうか、目的に沿って適正に使用されているかと同時に、予算の執行体制あるいはチェック体制がどうなっているのか、そして、そういった体制が十分に適切に機能しているのかどうかというふうなことについても検査を実施するということで対処してきているところでございます。
○福島瑞穂君 領収証は全部チェックをしていらっしゃるんでしょうか。
○説明員(石野秀世君) 今申し上げましたように、関係書類の中に当然証拠書類というものが含まれるということでございますので、そういう書類は、提示を受けて確認をし、検査をしておるということでございます。
○福島瑞穂君 領収証のあて名書きは上様になっているんでしょうか、それとも個人名になっているんでしょうか。
○説明員(石野秀世君) そこの部分につきましては、調査活動費の具体的な使われ方の内容ということになろうかと思いますので、私の方からはちょっと答弁を控えたいと思います。
○福島瑞穂君 例えば、領収証五万円となっていますと、その相手に当たって、果たして払われているかどうかについてチェックをしたことは会計検査院としてあるのでしょうか。
○説明員(石野秀世君) まず、そういったもの、証拠書類でございますけれども、それがどういう状況で出てきておるのかということにつきましては、検察庁におきましてありまする関係の書類というふうなこと、証拠書類以外の部分につきましても整合性があるのかどうかということで見ておるという状況でございまして、今お尋ねの証拠書類を出した、まあ情報提供者ということになろうかと思いますが、そこに当たっておるのかどうかということでございますが、これは、その点につきましては、いわゆる調査活動に及ぼす影響あるいは情報提供者の人身保護といいますか、そういった面も勘案しまして、これまでは、そういった直接情報提供者に当たるということについては様々な困難な面があるのではないかなということで、当たっておらないところでございます。 今後、そういった実地検査におきまして更にその使用状況については十分な説明を受ける、あるいは今お話しの検査方法に関しましても、どういったところまでが可能なのかということを考えながら創意工夫して検査を実施していきたいなというふうには考えております。
○福島瑞穂君 調査活動費に関して高知県警と最高検と兵庫県警に告発がされているのですが、いずれも不起訴処分になっております。 この点について、帳簿についてきちっと調査に当たったのでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 具体的な事件の捜査内容そのものでございますが、一般論として申し上げれば、告発に関してその事実の有無を確認するために必要な資料については捜査をしたものと考えております。
○福島瑞穂君 今、会計検査院にも聞きましたが、領収証について、本当にそれに払われたのか、調査のために使われたのかという点について捜査は行われたのでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) また同じような答弁の繰り返しになって恐縮でございますが、告発事実の存否を確認するために必要な捜査を行ったものと承知しております。
○福島瑞穂君 公安部長の逮捕と勾留について、先ほど小川委員の方からもありました。 例えば、逮捕の要件が果たしてあるのかどうか。逮捕されたばかりですが、勾留の要件が果たしてあるのか。これは電磁的公正証書原本不実記載などですから、割と、微罪とは申しませんが、逮捕されたのが、詐欺も入っていますけれども、果たしてその勾留の要件、逮捕の要件がそれぞれあるのか。被告人が定まった住居を有しないとは言えないし、罪証隠滅のおそれもないだろう、逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由もないので、例えば勾留の要件はないと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 勾留の要件の有無自体の判断は、これは裁判官の判断によることでございます。これは、勾留状が発付されていると承知しておりますので、裁判官におかれては勾留の要件があると判断されたものと考えます。 ただ、一点だけ、逮捕と先ほど御質問もありましたので申し上げますと、これも前に申し上げたことではございますが、暴力団員と非常に緊密な関係になって、それと通謀して各種の犯罪行為に及ぶ、その一方で、その暴力団員に、自己の交渉を有利にする目的と認められるわけですが、それに関する前科調書を取得するなど、暴力団員に言わばプレッシャーを掛けるという可能性ということもこれは十分考えなければならない事情があったわけでございます。 そういう意味から、やはり逮捕も必要性が十分あったと考えているわけでございます。
○福島瑞穂君 二つあると思うのですが、今日も質問が出ていますが、なぜ今まで、放置ではありませんけれども、もし報道されていることが事実であれば、なぜこういうことが放置されていたのかという面も思いますし、もう一方で、だがしかし逮捕や勾留の要件が今あるのかどうかということについてもちょっと疑問を感じています。 ところで、先ほど前大阪地検検事正の不起訴に関して検察審査会が行われましたけれども、どう行われて、どういう説明がされて、いつ結論が出たのか教えてください。
○政府参考人(古田佑紀君) 検察官は、検察審査会から要求がありますときは、審査に必要な資料を提出し、あるいは会議に出席して意見を述べるというふうな協力義務を負っているわけでございます。 本件につきましては、不起訴処分を行った各高検におきましては、それぞれ担当の審査会からの御要請によりまして捜査記録、立件記録を検察審査会に提出したと承知しております。ただ、会議への出席や意見の陳述等につきましては、検察審査会の御要求がなかったので、そういうふうなことはしていないと承知しております。 なお、検察審査会の議決につきましては、神戸地検に関する事件につきまして、平成十四年二月二十日、大阪第一検察審査会におきまして不起訴相当の議決、高知地検に関する事件につきましても、同年の四月十二日、高松検察審査会におきまして不起訴相当の議決がなされたと承知しております。
○福島瑞穂君 終わります。
○委員長(高野博師君) 本日の調査はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時六分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 商法等の一部を改正する法律案及び商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に法務省民事局長房村精一君及び法務省刑事局長古田佑紀君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 商法等の一部を改正する法律案及び商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○柏村武昭君 皆さん、こんにちは。自由民主党の柏村武昭でございます。 本日は、商法等一部改正法案につきまして幾つか質問をさせていただきたいと存じます。 今回、審査の対象となっております商法等一部改正法案は、近年の社会情勢の変化に応じ、株式会社等の経営手段の多様化と経営の合理化を図るため、主に会社の機関関係を中心にいたしまして会社法制の全般にわたり、具体的には、商法、有限会社法そして株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正するものと了解いたしております。 その主要な改正点は、第一に、会社の機関関係では、大規模株式会社に委員会等設置会社制度の選択を認め、また株主総会の手続についてはその大幅な簡素化と合理化を図る。第二に、株式関係では、取締役又は監査役の選任と解任を種類株主ごとに行う形の株式の発行を認め、また株券を喪失した株主が発行会社に喪失登録をする制度を創設して喪失株券の再発行のための手続を整備する。第三に、会社の計算関係では、大規模株式会社に連結計算書類の作成と定時株主総会での株主への報告を要求し、また会計基準の変更に迅速な対応をするために財産の価額の評価方法等に関する規定を法務省令で定める。 以上の改正点について、これより質問をさせていただきます。 私は、今から十九年前に初めて小さいながら自分の会社を設立しまして、以来、取引先の皆様方の温かいお力添えのおかげをもちまして、どうにか、好不況の荒波にも持ちこたえ、今日まで経営者の務めを全うすることができました。私の会社はもちろん大規模株式会社ではないんですが、今回の改正点につきましては一経営者としても大いに関心を持っておりますので、法務大臣始め法務当局におかれましては、どうぞ分かりやすく簡潔にお答えいただきたいと存じます。 まず、会社の機関関係では、大規模株式会社につきまして監督と執行を分離した委員会等設置会社の制度の選択を認めることとなっております。 これまでの我が国の企業経営というものを振り返ってみますと、経営者と取締役との役割分担が余り明確に意識されていなかったように思います。そして、経営の責任者が取締役を兼ねることで監督と執行の両面にわたりまして責任を負う形となっていた、それがまた監督と執行の両面にわたる無責任を助長してきたというわけですが、その背景には現行商法の規定による問題点があったと言えます。 近年、コーポレートガバナンスをめぐる議論が盛んですが、企業が株主のために効率的に経営されるための組織や運用をめぐって各方面において様々な努力が積み重ねられております。今回の商法改正もそうした時代の流れに対応するものであると考えております。 ここで、このような委員会等設置会社の制度を設けることとした理由とその背景について法務大臣にお伺いします。
○国務大臣(森山眞弓君) 現行の商法におきましては、取締役会で決定しなければならない事項が多岐にわたっております。しかし、取締役の員数が多くて、中には外国で勤務する取締役もいるというような大規模会社の場合には頻繁に取締役会を開催することは困難でございます。それで、現在のような世界的な大競争の時代におきましては、国際的な競争力を確保する方策といたしまして、取締役会の決議事項を減少させ、業務執行を担当する役員による迅速果敢な業務決定を可能にするべきであるとの御指摘がございました。 しかしながら、現行の取締役会制度は、業務執行と監督の分離が必ずしも十分ではなく、先生が御指摘くださいましたように、事実上、代表取締役に権限が集中していることが多いために、その監督機能の大幅な強化を図ることなく業務決定権限を大幅に業務執行者に委譲することには問題がございます。 したがいまして、新株発行や社債の発行なども含めた業務決定権限の大幅な委譲を可能にするためには、取締役会の監督機能の大幅な強化を伴う必要があると考えられます。そこで、新株や社債の発行の決定も含めた取締役会の決議事項を大幅に業務執行役員に委譲することを可能にしながら業務執行役員に対する十分な監督を実現することができる制度といたしまして、委員会等設置会社の制度を設けることにいたしたものでございます。
○柏村武昭君 どうもありがとうございました。 次に、この委員会等設置会社の制度は、大規模株式会社につきまして、取締役会の中にメンバーの過半数を社外取締役とする指名委員会、監査委員会、報酬委員会の三つの委員会を設けるとともに、業務執行を担当する執行役という機関を設けるものでございますが、このような三つの委員会と執行役という機関をセットで導入するのはどういう理由からなんでしょうか、法務当局にお伺いします。
○政府参考人(房村精一君) まず、会社の意思決定を迅速に行う、業務執行を迅速化するという観点から、執行役に大幅な権限を委譲できるようにということで、従来にない新しい機関としての執行役というものを設けることといたしております。 しかしながら、同時に、業務決定権限を大幅に委譲を受ける執行役に対する取締役会の監督権限を強化する、こういう観点から、取締役会の中に御指摘の指名委員会、監査委員会、報酬委員会という三つの委員会を設けるということをこの法案では定めているわけでございますが、その理由といたしまして、現在の取締役会における業務の監督について、権限が代表取締役に集中し過ぎて十分な監督機能が果たせないのではないかと、こういう問題点が指摘されているところでございます。 その理由としては、代表取締役が取締役を選任するに当たりまして、事実上、部下の中から言わばおめがねにかなった人を候補といたしまして株主総会に提案をして取締役になっていく、あるいは取締役の報酬について、株主総会で総額は定められておりますが、個々の取締役等への報酬の分配は事実上、代表取締役に一任されている、あるいは監査役についても、かつて部下であった者たちが監査役になるということによって必ずしも十分な監査ができないおそれがあるというようなことが指摘されているわけでございます。 そういうことから、今回は、この取締役会の中に、まず取締役となる候補を選定する指名委員会というものを設けまして、その指名委員会の構成を社外取締役が過半数を占める、こういうことによりまして業務執行に当たる者からの独立性を高めた指名委員会で取締役候補を選定して株主総会に掛けると。こういうことによって、取締役会の構成メンバーの独立性を担保するということを考えたわけでございます。 また、報酬につきましても、やはり社外取締役が過半数を占めます報酬委員会において各人ごとの報酬を決めていただく、この報酬を決める方針もその委員会で決めまして、それに従って各取締役についての報酬を決めると。こういうことによって、現在のような代表取締役が一存で各取締役への報酬を決めるということを変えていくということを考えたわけでございます。 また、監査につきましても、現在は監査役がやっておりますが、取締役会全体の監督機能を強化するという観点から、監査役に代えまして取締役会の中に監査委員会を設けて取締役が監査に当たる。ただ、この監査委員会も独立性を担保するために社外取締役が過半数であると。こういうことによって、監査の独立性を保ちつつ、かつ、その監査委員のメンバーは取締役として取締役会における議決権も行使できますので、そのことによって、業務執行に当たる執行役等への監督権限も十分に行使できると。 こういう三つをセットにして取締役会全体の監督機能を強化するということを考えたものでございます。
○柏村武昭君 ありがとうございました。 続きまして、この三つの委員会のうち、監査委員会なんですが、一般の会社における監査役の役割を果たすものと思うんですが、委員会等設置会社の監査委員会やそのメンバーの権限について、一般の会社の監査役や監査役会の権限とどういう点で異なるんでしょうか、法務当局に伺いたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) 委員会等設置会社は、商法特例法上の大会社、いわゆる資本金五億円以上の会社を対象としておりますので、そのレベルでの比較で申し上げますと、基本的には、一般の大会社における監査役あるいは監査役会の権限と同等の権限がこの監査委員会あるいは監査委員には与えられております。 そういうことでありますが、具体的に細かく見ますと幾つか違いがございまして、まず監査役には取締役等に対する報告を求める権利あるいは調査をする権利が与えられております。これも委員会等設置会社においては監査委員に与えられているわけでありますが、監査役の場合には個々の監査役がそういう報告徴収権、調査権限を持っておりますが、この委員会等設置会社の監査委員会におきましては、各監査委員会が指名する監査委員がそういう権限を行使するということとしております。 これは、委員会等設置会社になるようなところは非常に規模の大きな会社が多いであろうと。そういうことになると、監査の方も個々の監査委員が単独にばらばらに行うということでは効率的な監査が行えないと。こういうことから、監査委員会で監査についての統一された方針を立て、その下で各監査委員が分担をして調査、報告の徴収等を行うと。こういうことを考えまして、監査委員会が指名する監査委員が報告徴収権等を行使するという具合にしております。 ただ、執行役が違法な行為をした場合に差止め請求ができるという権限がやはり監査委員会にも与えられておりますが、この点につきましては、違法行為を差し止めるために緊急の必要性があって監査委員会を開いているいとまがないというような場合もあり得ると思われますので、この差止め請求権等につきましては、現行の監査役が個人で行使できるのと同じように監査委員会に属する監査委員の方も個人で行使できると、こういうことにしております。 それから、もう一つ違う点は、この大規模会社で会計監査人を選任あるいは解任する場合、その株主総会に提出する議案の内容について監査役会の同意を得るというのが現行の大会社の扱いでございます。委員会等設置会社になりますと、この権限を更に強めまして、監査委員会自体がこの会計監査人の選解任に対する議案の内容を決定すると。これは、本来は取締役会の権限に属することでありますが、この監査委員会は取締役会の内部組織機関として作られ、かつ取締役によって構成されておりますので、従来の大会社の場合と比較して更に強めた議案の決定権自体を監査委員会の権限としております。 以上でございます。
○柏村武昭君 一般の会社では、取締役の報酬というのは株主総会で大体決定することになっているのに対して、委員会等設置会社では報酬委員会が取締役と執行役の報酬を決定することになっている点を問題視して、取締役のお手盛りのおそれがあるんじゃないかという、そういう指摘がこの間の衆議院の審議におきましても出ましたけれども、この点については法務当局の御所見を伺いたいと思いますが、どうでしょう。
○政府参考人(房村精一君) 現行の制度におきましては、取締役の報酬については株主総会でその総額を定めれば足りるとされておりますので、その総額は株主総会で決められますが、個々の取締役への具体的な報酬額、これは、先ほども申し上げましたが、事実上、代表取締役に集中しているということが多いと聞いております。このことが取締役会の監督機能を低下させている原因の一つだという指摘もございます。 そこで、この委員会等設置会社におきましては、この取締役会の監督機能を高めるために、独立性の高い社外取締役が過半数を占める報酬委員会が個々の執行役及び取締役の報酬額を決定しなければならないと。しかも、この場合に、報酬委員会では報酬額の決定の基本的方針を定めて、それを明らかにして、その方針に従って個々の報酬額を決めるということを予定しております。 そういうことで、独立性の高い社外取締役が構成員の過半数を占める報酬委員会によって個々の役員の報酬を公正に決定することができる体制を整備したということからお手盛りの弊害は生じないものと考えられますので、役員報酬の総枠を株主総会で決定することを要求しないこととしたものでございます。
○柏村武昭君 ありがとうございました。 今回の改正法案について私なりに勉強させてもらいまして、またこれまでの法務省からの御答弁をお伺いいたしますと、委員会等設置会社の制度が適切に機能するためには社外取締役の独立性が一番のポイントとなるんではないか、その人選というものが大変に重要になってくると考えるんですが、委員会等設置会社の社外取締役にはどのような者が就任することができるのか、また就任すべきであるのか、この点について法務当局にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、今回の委員会等設置会社におきましては、その社外取締役の果たす役割というのは非常に大きなものがあるだろうと思いますので、その社外取締役に適任の方を得るということが非常に重要であろうと思っています。 この法律では、その社外取締役の要件といたしまして、当該委員会等設置会社の業務を執行しない取締役であって、過去にその会社又は子会社の業務を執行する取締役、執行役又は支配人その他の使用人となったことがなく、かつ、現に子会社の業務を執行する取締役若しくは執行役又はその会社若しくは子会社の支配人その他の使用人でない者であって執行役を兼任していない者をいうと。いささか長い定義で申し訳ないんですが、簡潔に申し上げれば、その会社あるいは子会社で現在も過去も業務執行に当たっていない、そういう人を社外取締役として選任するということを法律で要求をいたしております。 そういう条件の中で、独立の立場から、高い識見に基づいてその会社について監督権を行使する、あるいは意見を述べる、こういう方を選任していただきたいと、こういう具合に考えております。
○柏村武昭君 ありがとうございました。 我が国の会社経営の実情を見ますと、会社の実権を握っている者の知人など、現経営陣に極めて近い間柄の者だけしか社外取締役に選任されず、その結果、社外取締役による取締役会の監督機能の強化が十分に果たされていないんじゃないかと、そういう指摘もあるようです。この点について法務当局はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 先ほども申し上げましたように、この社外取締役は、業務執行に当たる者から一定の独立性を持ってその業務執行を監督するという役目を担っておりますので、それにふさわしい人を選ぶということが非常に重要でございます。経営者の知人などが選ばれるということですが、これは知人であるということで直ちに適正な監督ができないというわけではありませんし、また法律でその親交の程度を区別するというのも非常に困難でございます。 そういうことから、今回の法案では、特に知人であるかどうかというようなことについては社外取締役の要件としては定めておらないわけでございますが、基本的に、この委員会等設置会社の制度を採用する会社というのは、かなり国際的な活動をし、機動的な会社経営を図ろうとする大規模な会社、ほとんどの場合は公開会社ではないかと思われるわけでありますが、そういう会社であると、社外取締役としてどのような人が選任されるかということについても市場の評価にさらされるということになるだろうと思います。 さらに、選任された取締役につきましても、委員会等設置会社の場合は任期を一年として、その一年間の業績を評価して毎定時総会ごとに株主の信任するかどうかという判断を受けると、こういうことにしておりますので、株主の利益を代表しない不適切な社外取締役ということであればその機会に排除されるという制度的な手当てはされております。 そこで、法律の要件としては特段定めてはおりませんが、今のような仕組み全体を通じてこれにふさわしい人物が選任されるということを期待しております。
○柏村武昭君 ありがとうございました。 去年の臨時国会を始めとしてこれまでの累次にわたる商法改正において監査役制度の機能の強化が一貫して図られてきたわけですが、現時点における監査役制度全般に対する評価につきまして今度は法務大臣にお伺いしたいと思いますが。どうぞ。
○大臣政務官(下村博文君) 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。 今回の改正法案における委員会等設置会社の制度はあくまで選択的な制度として創設しているものでございまして、この制度を選択しない会社にとりまして監査役制度による会社経営の適正な確保が必要でございます。 このような観点から、今御指摘いただきましたように、監査役制度についても、昨年の秋の臨時国会での改正を含む数次の改正によりましてその監督機能が強化されたわけでございます。具体的に監査役の取締役会への出席及び意見陳述が法律上によって義務化されたり、あるいは監査役を三人以上選任するときには社外監査役を半数以上とするような強化策でございます。 このような形で監査役制度におきましても企業統治の実効性を十分確保できるものとなったと考えております。
○柏村武昭君 では、引き続きお伺いします。 法務省は、今後、我が国の会社に対して委員会等設置会社制度を選択するよう積極的に指導し、この制度の採用を促していく御意向でしょうか。どうぞ。
○大臣政務官(下村博文君) 今回の改正によりまして委員会等設置会社の制度を導入するのは、適切な企業統治を実現するための機関の在り方について会社の選択の幅を増やそうというものでございまして、個々具体的な、会社に対しまして委員会等設置会社の制度の導入を促進することをお願いしたり、意図するものではございません。 各会社は、改正法の成立後もその実情等に応じまして、委員会等設置会社となることもできますし、これまでどおり監査役設置会社のままでいることもできるものということでございます。
○柏村武昭君 ありがとうございました。 次に、株主総会招集手続の簡素化と合理化に関しまして。 今回の改正では、株主総会招集通知の発出期間の短縮を認めておりますが、その理由を法務当局にお伺いします。
○政府参考人(房村精一君) 現行法は、株主総会を開催する場合には、会社は株主総会の会日の二週間前までに各株主に対して招集通知を発出しなければならないと定めております。これは、株主に対しまして、株主総会に出席する機会を保障するということと、その株主総会において議決権を行使するための準備をする期間を与えると、こういう趣旨でございます。 今回、発出期間の短縮を認めようとしておりますのは株式につきましての譲渡制限がされている会社でございます。一般に、こういう譲渡制限会社においては株主数も限定されておりますし、その異動も少ないということでありますので、この株主総会の招集通知の発出期間を二週間よりもある程度短縮することとしても、株主の出席する機会の保障とか議決権行使のための準備ということについて法の求めている趣旨を害することはないと考えられます。 そこで、この法案では、株式につきまして譲渡制限がされている会社につきましては、機動的に株主総会を開催することができるように、定款をもって招集通知の発出期間を株主総会の会日の一週間前まで短縮することを認めるということとしたものでございます。これは、一週間前という最低限の期間を確保することはやはり株主の保護のために必要であろうということで、最低限は法律で決めますが、そこまでの間は定款で、会社の自治で決めていただくということといたしました。 なお、株式の譲渡制限をしていない会社につきましては、株主数が多数に及ぶ場合が多いということ、特に公開会社につきましては、最近は外国人株主が増えたということもありまして、逆に招集通知の発出期間の伸長を求める要望も出されていると、こういう事情もございますので、譲渡制限をしていない会社については短縮を認めることは相当でないと考えまして、今回は譲渡制限会社に限って短縮を認めることといたしたものでございます。
○柏村武昭君 今の答弁にもあったんですが、株主総会招集通知の発出期間の短縮が是認されるとした場合に相手方である株主の利益が侵害されることが多々あるんではないか、これは私のうがった見方かもしれませんが、この点につきまして詳しく法務当局、もう一度御答弁を願います。
○政府参考人(房村精一君) 先ほども申し上げましたように、招集通知についての発出期間を法が求めている趣旨は、出席の機会の保障と議決権行使のための準備ということでございます。 今回、短縮を認める対象といたしました株式の譲渡制限がなされている会社の場合には、通常、株主の数も比較的少なく、かつ、その異動も少ないということで、株主も会社の事情をかなりよく御存じの方が多いというようなことがございますので、今回の改正法で予定をしております最低一週間の期間が確保されればその権利が侵害されるという事態は生じないであろうと思っております。 また、そういう短縮をするかしないかは、そういう株主の状況、会社の状況等を判断していただきまして株主総会で定款変更をして行うということになりますので、そういう意味でも株主の意思も反映されるということになります。 そういうことで、私どもとしては今回の改正で株主の利益が害されるというような事態は生じないと考えております。
○柏村武昭君 ありがとうございました。 経営の効率化を追求する余り、企業の所有者である株主の権利がないがしろにされてはならないと思います。法務当局には、この点についてくれぐれも御留意いただきますようお願いをいたしておきます。 次に、株式関係についてなんですが、今回、種類株主総会における種類株主の取締役等の選任と解任につきまして内容の異なる数種の株式の発行を認めることとした理由について、法務当局にお伺いします。
○政府参考人(房村精一君) 今回、取締役等の選解任について内容の異なる種類株式を認めるということといたしたわけでございますが、これは、例えば合弁会社を設立する場合に、Aという会社とBという会社が共同で出資をいたしまして合弁会社を設立する。その場合に、合弁会社の運営についてそれぞれの出資者である会社の意向を確実に反映する手段として、例えば一定の割合で取締役を出し合いたい、A社が六人、B社が四人と、こういうような要望があるわけでございます。あるいは、ベンチャー企業の創業者が外部から出資を受け入れると。しかし、ベンチャー企業の創業者でございますので、正にその人の判断が企業の命運を担っていると。そういうことから、出資は受け入れるけれども、自分が取締役になって会社の基本的な方針はやはり自分が決定したいと、こういう要望もございます。 そういった要望にこたえるために、現在は株主間契約という、例えば合弁の関係で申しますと、合弁企業を設立するA社とB社との間で契約を結びまして、それぞれが例えば、先ほど言ったような六人対四人という割合で取締役をそれぞれ選出するという約束を結ぶ、あるいはベンチャー企業の創業者とその出資をするベンチャーキャピタルとの間で契約を結んで取締役に就任するということを認める、それに従ってそれぞれ株主総会で議決権を行使するというようなことが行われております。 ただ、これは商法上、特にこういった株主間契約について法律の手当てがされているわけではありませんので、この契約に反しまして株主総会で多数派が自分の気に入った取締役を選んでしまうという場合には、商法上、その取締役選任は有効にされたということになってしまいます。したがって、そういう約束違反がありますと少数株主のニーズが達成できないということになります。こういうことから、今回の改正法案では、そのような取締役等の選解任に関する株主間契約によって達成しようとする株主の利益を法律上、保障しようということを考えたわけでございます。 そこで、例えば合弁のときに、Aという株式、これは取締役のうち六人を選べる、それからBという株式、これは四人を選べると。こういう株式を発行することといたしまして、A社がその六人を選べる株式を、B社が四人を選べる株式を取得すれば、それぞれの株式を取得した種類株主総会でそれだけの人数の取締役が選べるということになりますので、合弁企業あるいはベンチャー企業を起こそうとしている人たちの要望にこたえることが可能になります。 そういうことから、今回、取締役等の選解任に関する種類株の制度というものを設けることといたしたわけでございます。
○柏村武昭君 ありがとうございました。 同じく株式関係についてなんですが、今回、株券失効制度が導入されることになります。この株券失効制度においては、現在の公示催告手続をやめて官報公告のような公告を行わないこととすると株券を取得した者の権利が侵害されることにならないか、若干心配なところもあるわけです。 そこで、改正法案における株券失効制度の意義と内容について法務当局にお伺いします。
○政府参考人(房村精一君) 現在、株券を例えばなくすというようなことがあります。株の場合には、その株券を信頼して譲り受けると善意取得ということがあり得ますので、株券をなくした場合に、放置しておきますと他の第三者にその株券を取られてしまう、こういうことになりますので、そのなくした株を無効なものにしたい、こういう要望がございます。 そのための制度といたしまして、現在は公示催告、除権判決という制度が設けられております。株券を喪失した者は裁判所に公示催告の手続を申し立てます。そうしますと、裁判所は裁判所の掲示板それから官報に、こういう株券が喪失の公示催告の申立てがされた、これを持っていて異議を申し立てる者があれば一定期間内に異議を申し立てろという形で公示催告をいたします。この六か月間の期間が経過してそういう申立てがない場合には、その公示催告の申立てのあった株券を失効させるという除権判決を裁判所がいたします。この除権判決をして、これを更に公告をいたしますと、この株券が無効なものになる。したがって、それ以後、その株券を譲り受けてもその株券を善意取得することはできない。除権判決をもらった人は会社に申出をして株券を再発行してもらえる、これが現在の仕組みでございます。 ところが、この現在の仕組みについては問題点が指摘されておりまして、まず第一に、期間が相当掛かるということ。それから、公告を二回するというようなことで費用もそれなりに掛かる。最大の問題点は、裁判所で公示催告手続が進められておりますが、これと株券を発行した会社の名義書換手続と何の連動もされていない。したがって、会社としては公示催告がされたかどうかということも全然知り得ませんし、公示催告がされて、自分はこの株券をなくしたということを申し立てている人がいても、その一方、取得した人が会社に名義書換を請求してきますと、会社は、もちろん普通は知りませんし、たまたま知っていても名義書換に応じなければいけない。こういうことで、公示催告を申し立てる人の権利が必ずしも保護されない面もありますし、また逆に、株券を信頼して取得しているのに、自分が知らない間に公示催告が申し立てられて、除権判決が出て株券が無効になってしまうということも起こり得るわけです。 そういう点でいろいろ問題があると指摘されておりましたので、今回、株券につきましては、この公示催告、除権判決の手続によらない無効とする制度を作ろうと。 その場合に、通常、株券の場合には、これを譲り受けますと、その権利を行使するためには会社に株券を提出して名義書換を受けます。これによって議決権を行使したり配当を受ける、こういう仕組みになっておりますので、株の所持者、株をだれが持っているかということは会社に情報が集中する仕組みになっておりますので、それを利用いたしましてこの喪失株券失効制度を作ろうということで、株をなくした人は会社に喪失登録の申出をする。そうしますと、会社は、喪失登録の申出がありますと、株主名簿に株主が書いてありますので、その株主のところに通知を発する。そうしますと、仮に無権限の者が勝手に申し立てた場合には、株主は、ちゃんと会社から通知が来ますので、その段階で喪失登録の申立てに対して異議を言って自分の権利を保護することができる。 さらに、そういう株主以外の人が仮に持っている、株主名簿に載っていない人が持っている場合、その人は通常は定時総会前に株券を会社に提出して名義書換を行いますので、会社に株券が提出された場合には、会社はそういう喪失登録がされているということをその人に通知をする。そうすると、その人は自分は現に持っているんだから喪失登録はおかしいということで異議を言える。こういうことによって、現に株券を持っている人の保護を図るということを考えたものでございます。 この制度によりまして、そういう意味で、喪失登録をした人も従来に比べれば費用が低廉で済む、そして株券等を持っている人も自分の知らない間に株券が無効にされる心配がなくなる、こういうメリットがあるだろうと思っております。
○柏村武昭君 次に、会社の計算関係についてですが、最近、米国のエンロン事件を契機に企業会計に関する注目度が国内外に高まってきておりますが、今回の改正では、大会社につきまして連結計算書類の作成を義務付けることになったわけですね。その意義と内容について法務当局に、余り時間がないので、簡潔にひとつお願いします。
○政府参考人(房村精一君) 近年の大規模会社は、企業グループを形成して一体となって営業活動を行うということが通常でございますので、この連結計算書類によって企業グループについての情報開示を充実させようということを考えたものでございます。具体的な計算書類といたしましては、連結貸借対照表と連結損益計算書というものを想定しております。
○柏村武昭君 同じく会社の計算関係に関して、財産価額の評価方法についての規定を省令に委任することとしていますが、この点に関しては立法権の侵害ではないかという指摘もあるようです。 そこで、こうした批判を念頭に置きながら、財産価額の評価方法についての規定を省令に委任することとした理由について、法務当局、お願いします。
○政府参考人(房村精一君) 現行の証券取引法の適用を受けている会社は、証券取引法による会計と商法による会計の両方の適用を受けまして、例えば財務諸表と計算書類と二種類作らなければならないということになっております。この内容が異なりますと、そういう意味では会社の負担が非常に大きくなりますので、証券取引法の適用のある会社につきましては、商法会計がそれと矛盾しないように調整をするということが必要となります。 証券取引法の会計の基準といいますのは、内閣府令、それから企業会計審議会で決められる会計基準にのっとって行われることになります。この国際的な動向に合わせて迅速な改正が今求められておりまして、商法もそれに対応を可能とするために、従来、法律で定めておりましたのを省令に委任して、証券取引法の改正内容に合わせて商法の会計内容も決めていきたい、こういうことでございます。
○柏村武昭君 ありがとうございました。 今回の改正法案につきまして、衆議院の法務委員会での附帯決議においては、「計算関係規定を省令で規定する際は、証券取引法に基づく会計規定等の適用がない中小企業に対して過重な負担を課すことのないよう、必要な措置をとること。」という内容が盛り込まれておりますが、この附帯決議については今後どのような対処をなされる御意向であるのか、法務当局にお伺いします。
○政府参考人(房村精一君) 現在、商法の会計に関する規定の仕方というのは、一つの会計基準を定めているということではなくて、複数の基準を定めております。例えば、株式等の金融資産については取得価額と時価のいずれかを選択できると、こういう形としております。その結果、証券取引法の適用を受けて時価評価を義務付けられている会社は時価評価を行う、そうでない中小企業の会社は取得価額の処理もできると、こうしております。 これは省令に委任をしても全く同じように複数の会計の基準を定めまして、それぞれそれに合った会社がその中から選択できるようにと、こういう方針でおります。
○柏村武昭君 ありがとうございました。 私は、去年の臨時国会におきまして民事法のIT化について質問をさせていただきました。その際、法務大臣より、商法の抜本改正はいよいよ大詰めを迎えているところであるとの御答弁をちょうだいしたのを覚えておりますが、今回の改正も正にその締めくくりとなるものと考えますが、グローバル化したビジネス環境は日夜、変転窮まりないものでございます。そうした状況を踏まえて、今後の商事法体系に、整備における課題について、おしまいに法務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 今後、法制審議会におきまして、次のような三つの課題について検討を進めるということを予定しております。 まず第一は、株式会社がその選択により株券を発行しないことができるものとする株式のペーパーレス化を認めるかどうか、及びこれを認めるとした場合における株券の交付に代わる株式移転の手続でございます。第二は、株式会社が行う公告を電子的な方法によって行うことができるものとするかどうか、及びこれを認めるとした場合における電子的な公告の内容であります。第三は、商法、有限会社法、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律に分かれて規定されております会社法制を平仮名口語体表記の一本の法典にまとめて規定するとともに、会社法制全体の整合性を図ることなどを内容とする会社法制の現代化でございます。
○柏村武昭君 ありがとうございました。 片仮名に私も苦労しましたので、ひとつ平仮名をよろしくお願いしたいと思います。 本日は、商法等一部改正法案につきまして、主に会社の機関、株式、そして計算の三分野についてお伺いしてまいりました。法務省におかれましては、IT社会にふさわしい商事法体系の整備に今後とも万全の対応をされまして、経済界のみならず、国民各層の期待にこたえていかれるよう、しっかりと頑張っていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫です。 今、柏村委員の方からありました一連の商法の改正ですか、今後の展望等につきまして私も質問を予定しておりましたので、引き続いてまた、もう少し時間を掛けてお尋ねしたいと思いますけれども。 先ほどの柏村委員の質問の中で、今回のこの商法改正が言わば商法改正の大詰めであるというような部分もございましたが、まずこれまでの改正を踏まえて今回の改正が商法改正の流れの中でどのような位置付けにあるのか、法務大臣、お答えいただければと思いますが。
○国務大臣(森山眞弓君) 我が国の商法におきましては、企業の国際的な競争が激化する中で、平成九年以来、組織の柔軟な再編成によって企業がその経営の効率性や企業統治の実効性を高めることを容易にするために企業の組織再編成のための法整備を行ってまいりましたが、平成十二年の会社分割法制の創設によりましてそれらの法整備は一応終了いたしました。 今回の改正は、それを機会に新しい時代の要請に適合した会社法制を整備するべく、一、企業統治の実効性の確保、二、高度情報化社会への対応、三、企業の資金調達手段の改善及び企業活動の国際化への対応の四つの視点から大幅な見直しを行うことといたしたものでございます。
○小川敏夫君 ありがとうございます。 以下、法務当局でいいんですけれども、商法改正は非常に大どころは終えてしまって、今回は何か残った技術的な部分を全部総ざらいしたような感じもするんですが、商法改正の目的、もちろん経営の効率化、統治の実効性というようなことがメーンでございますが、私の感想から言いますと、今回の改正のその前、株主代表訴訟の問題とかストックオプション等の問題などを考えますと、どうも最近の改正は経営の効率化という面に大変重点が行っているんではないか。 確かに、激しい企業間の競争、あるいはそうした経営の効率化、合理化の必要性を考えると、もちろんそういう方面の改正が十分に必要なことはこれはよく分かっておるんですけれども、ただ会社法というものは、やはり経営の効率化というだけでなくて、経営者の犯罪等の不正の防止、それは株主や債権者の保護という側面があると思うんですが、またそこで働く従業員、労働者の保護の問題もあるという観点もあると思うんですが、そうした経営の効率化だけではなくて、不正防止や株主、債権者の保護、労働者の保護という観点における商法改正についての取組の在り方はいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、会社経営に当たりましてその効率化ということは非常に重要でありますが、全く同様に、経営を適正に行う、業務執行を適法に行うということも重要でございます。今回、委員会等設置会社の制度を選択的な制度としてお願いしておりますのは、正にその経営の効率化と経営の適正化、その二つを調和した制度としてこういったものを考えてきたわけでございます。 経営の効率化ということになりますと、やはり何といってもこの変化の激しい時代に経営判断を迅速果敢に行えるような、そういう意味で業務執行に当たる者に大幅な業務権限の委譲を行う必要があると。しかし同時に、そういう強大な権限を持つ者に対する監督権の行使、これは株式会社においては取締役会が当たるわけでありますので、その取締役会の監督権限を強化する、そのことによって会社の運営を適正ならしめると。 こういう観点から、取締役会の強化を考え、その取締役会の内部組織として指名委員会、報酬委員会、監査委員会という三つの委員会を作って、それぞれ独立性の高い社外取締役の方が過半数を占めるということを要求しているわけでございますし、さらにそういう委員会等設置会社につきましては、単に取締役会のみならず、会社の組織として会社の内部に監査委員会を組織するための体制を整備してもらう、それを省令で定めると、こういうことも考えているわけでございます。 御指摘のように、やはり効率化、適正化の一方に偏るということではなくて、正にその調和をした姿としてこの委員会等設置会社というものを考えてきたわけでございます。
○小川敏夫君 また、柏村委員の質問に引き続いてでございますけれども、商法改正の今後の課題と取組について、今、大臣より、株式のペーパーレス化、公告の電子化、会社法制の現代化という点を御説明いただきました。 法務当局で結構ですけれども、もう少し具体的にこの進捗状況とか実現する見通しの状況とか、もう少し具体的に詳細に教えていただければと思います。
○政府参考人(房村精一君) まず、株券のペーパーレス化でございます。 これは、金融庁と共同して株式の振替のための新たな制度を設けるというようなことも必要になりますので、今鋭意検討を進めているところでございますが、できれば平成十五年度中には改正法案を提出したいということで考えております。 社債等については、この国会で短期社債を社債一般あるいは国債も含めたものに広げるという形での法改正がお願いをしているところでございますが、株券につきましても、そういった延長としてできるだけ早く実現をしたいと考えております。 それから、電子的な公告制度、こういうことにつきましては、電子官報制度の内容がどのようなものになるか、あるいは電子公告についての民間の取組がどのようなものになるかということも見定めないと具体的な内容が確定できないものですから、その進捗状況にもよりますが、可能であれば平成十五年度中に改正法案をということも考えております。 それから、会社法制の現代化につきましては、これは会社法全体についてもう一度見直すということで、作業量も非常に大きなものになるだろうと考えられております。そういうことで、これは何とか平成十七年にはと思っておりますが、相当大規模な検討作業が必要になると考えているところでございます。
○小川敏夫君 この商法の片仮名を平仮名にするだけで大変な国民が喜ぶ改正が実現するとも思うんですが、そうすると、これは会社法制の現代化という大作業と併せてということになるんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) やはり、商法の改正も従来たくさん積み重ねてきて、条文も非常に分かりにくくなっておりますので、これは会社法として一つのものにくくって分かりやすくしたい、現代語化もそれに合わせて一時に実現したいと、こう考えております。
○小川敏夫君 それで、中小会社のことについてお尋ねしますけれども、今の株式会社、会社法は株式会社、正に日本のトップクラスの大規模会社ももちろんありますけれども、家族会社的な非常に小規模なものもやはり同じ株式会社になっております。どうも同じ会社法の中で一つにまとめて法制度とするのがある意味じゃもう行き詰まっているんじゃないかとも思うんですが、そうした制度、今回の改正でも委員会制を大規模会社について設けるということで、全部の会社に適用しないで今の会社法の中で分けなければならないというような状況も出ているんですが、そうした今後の会社法制、現代化という中に、そうした規模において株式会社を大規模会社にしていくとか、あるいはそうした非常に小さな小規模会社の株式会社をどうするかと、そういったことも含めて検討されておるんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、大体、株式会社は全部で百二十万社程度ございますが、非常にもう世界的な大きな会社から本当に小さな会社まで様々でございます。そういうことから、例えば現在の商法特例法におきましても、資本金を一応の基準として、五億円以上の大会社、それから一億円以下の小会社、その間の中会社というような区分をして、監査その他についてそれぞれの会社の規模にふさわしい規制をしているところでございます。 商法を見直す場合に、やはり株式会社として共通に絶対必要な規制と、それからやはり会社の規模に応じた異なった取扱いが要請される場面もあるだろうと思います。今後、会社法の見直しを行うときにはそういった点も十分踏まえて検討をしていきたいという具合に考えております。
○小川敏夫君 まだ煮詰まってもいない案で議論しても始まりませんので、具体的なこの法案について中小会社の件でちょっとお尋ねしますけれども、会計原則を証券取引法と整合性を持つというような内容の改正点がございました。 証券取引法は言わば大会社、上場会社について適用されるものでして、そうではない中小規模の会社については適用されないと。ですから、証券取引法上の義務は課せられていないわけですけれども、ちょっと証券取引法に合わせるというと、証券取引法に課せられた義務が今は中小会社にはないのに新たに課せられるかのような、そうした誤解というか、そういうふうに思ってしまうような要素もあるかとは思うんですが、そこの点はいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、会社の中には証券取引法の適用を受けるものとそうでないものがありますので、当然、証券取引法の適用を受けない中小会社は証券取引法で要求されているような会計基準を満たさなくても、現在、商法で認められている範囲のもので足りるようになっております。 これを省令委任した場合にも考え方は基本的に同じでございまして、省令で定める会計基準というのは、いわゆる国際会計基準一つを省令で定めるということではなくて、その選択肢の中に、そういう国際基準に沿った証券取引法の適用のある会社が採用しなければならないものと、それからそういう必要のない中小企業の実態に合った会計基準と、そういったものを選択的に規定をいたしまして、この中から会社に選んでいただくということを考えております。 また、商法の方で証券取引法の適用のない会社にも証券取引法の会計基準が採用できるという具合に定めておきませんと、上場しようと思う会社は上場前に事実上、証券取引法に定める会計基準の処理を何年間か行わなければなりませんので、そういった要望を考えても、商法で選択的に幅広く用意しておくということが必要だろうと思っておりますので、省令ではそういう形で定めるということを考えております。
○小川敏夫君 そうすると、今回の商法改正でそうした会計原則を証券取引法と整合性を持つということは、証券取引法の適用のない小会社について新たな会計処理の義務を課すということではないんだということですね。
○政府参考人(房村精一君) そういうことではございません。 従来どおりの省令の中で選択的に認められる中から、自分の会社に合ったものを選んでいただければいいという形の省令にするつもりでございます。
○小川敏夫君 今回の改正ではなくて前回の商法改正の中で、貸借対照表等の公告につきまして、公告の内容、まあ附属書類ですか、その公開する書類の範囲が事実上広くなったんじゃないかというような点が指摘されました。 そうしたことも踏まえて、このところの商法改正はどうも大規模会社の都合に従って改正が中心になって、中小会社に視点が当たってないんじゃないかというような意見もあります。計算書類の公開につきましても、大会社につきましては非常にやりやすくなったかもしれないけれども、中小会社についてはむしろ負担が増えたというような意見もございます。 そこら辺を踏まえて、商法における中小企業に対しての考え方についても、大企業中心ではなくて、様々考えていらっしゃるんでしょうけれども、そこら辺のところの方針を御説明いただければと思うんですが。
○政府参考人(房村精一君) もちろん、今回、改正をお願いしております委員会等設置会社のように、大会社を念頭に置いた改正も商法改正の中で大きな部分を占めておりますが、しかし同様に、中小会社にとっても必要な改正ということは私ども力を入れているつもりでございます。 例えば、インターネットによる計算書類の公開ということにつきまして、もちろん大会社、従来の公告に代わる選択肢としてホームページに掲載するということが認められるわけでございますが、これは、法律上は全く同じように中小会社についても法律上、公告の義務が課されておりますものが、このインターネット公開をする場合には公告をしなくていいというメリットがあるわけでございます。また、費用の点でも、今ホームページを開くというのは、大体プロバイダーに登録しますともう各人ごとに何メガバイトかのホームページの割当てがございますので、ほとんど費用を要さずにその公開が可能になります。 そういう意味では、ある意味では中小企業にとってこそそのメリットが大きいのではないかと思っているわけでございます。 それからさらに、中小会社のための法整備ということに関しますと、今回の改正法案で、例えば株式譲渡制限会社について、二週間から一週間へ定款で通知期間を短縮するということを認めておりますし、あるいは議決権を行使することができるすべての株主の同意がある場合に株主の総会招集手続を省略できるということとしたり、決議の目的となる事項について取締役又は株主から提案があった場合に、議決権を行使することができる株主の全員が書面又は電磁的方法によってその提案に同意したときは、その提案を可決する株主総会の決議があったものとみなすというような、比較的株主総会の議決が簡易に、かつ迅速にできるような方法を考えておりますが、これらは事実上適用があるのは株主数の比較的限定された中小会社が中心になるのではないかということも考えられておりまして、そういう意味では、私どもとしても中小会社がその実態に合った適切な運営を容易に行えるようにという観点で取り組んできたつもりでございますし、今後もそういう観点を忘れることなく商法の改正に当たっていきたいと思っております。
○小川敏夫君 そこのところ、心構えといいますか方針を法務大臣に重ねてと思いますが、今後の改正の中で会社法制の現代化、もちろん大会社についてそれを機動的で有効な改正をすることも必要でございますけれども、今の議論で、中小会社についても中小会社の実情に即した会社法制度の実現に取り組む必要性があると思うんですが、そうした方向性について法務大臣のお考えをいただきたいんですが。
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、中小会社の実情に即した会社法制度が重要であることは当然でございまして、法務省といたしましては、今後の会社法改正の検討におきましても中小会社の実情等に適切な配慮をいたしてまいりたいと考えております。 我が国の会社と称するものの中には数では圧倒的に中小企業が多いわけでございまして、その動向、その意向を反映して初めて日本の会社法制もちゃんとした整ったものになるというふうに思いますので、その点を重要視いたしてこれからもやってまいりたいと思っております。
○小川敏夫君 ありがとうございます。 以下、法務当局にお尋ねをします。 まず、商法改正も含めて一般的なことをお尋ねするんですが、法務省の方でこうした法律改正をする際には、この商法改正でいえば、やはり関係する経済界とか関係する様々な分野から要望なりがあってこうした改正の動きになるんでしょうけれども、そうした関係団体、関係業界、そうした様々な分野の要望というのは、そもそもどういう形で当局が吸収するというか、受け入れているんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 様々な形、直接、要望書を法務省に持参されることもございますし、あるいは法制審議会で法案の審議等を法務省行っているわけでございますが、そこの委員には、経団連であるとか日弁連であるとかあるいは労働団体であるとか、そういうところから推薦をしていただいた方が委員に入っておられますので、そういう方がそれぞれ推薦をした団体の意向を踏まえて発言をされることもございます。 また、審議の過程でヒアリングをして、そういういろいろな要望を直接聞くということもございますし、いろいろな形でそういった要望を受け止めまして、そういったものを踏まえて検討を進めているということでございます。
○小川敏夫君 具体的に、今回のこの商法改正について見ますと、これは会社を経営の経済界が一番関心をお持ちでしょうけれども、それだけに限らず、現物出資の検査では弁護士や税理士、計算関係ですと公認会計士、あるいは様々な分野でそこで働く役員や労働者といった人たちが密接に関連してくるとも思うんですが、そういった人たちの意見を事前に集約するといいますか、取り入れるという場面は具体的にどういうふうになされているんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) まず、法制審議会で審議をいたします部会の委員として、そういった関連する団体、あるいは関係機関の推薦を得て委員に入っていただくということがございます。また、委員ではなくても幹事あるいは関係官、関係人というような形で審議の場に臨んで必要な発言等をしていただくという形がございます。 また、そういう審議をしておりますと、それぞれの団体からそういった改正事項につきましての要望書が提出されることが多うございますので、こういったものはその審議の場で資料として委員にすべてお配りをして参考にしていただいております。 また、ある程度意見が集約されますと、大体、中間試案というような形で改正の方向について幾つかの案をお示しして広く意見を伺うということを行っておりますが、この中間試案を取りまとめますと、当然こういう各関係団体、あるいは法律家の団体であるとか裁判所であるとか官庁等には直接お送りをして、その御意見を求めております。また、ホームページに載せて広く一般の方からも意見も求めておりますが、そういう中間試案を公表して意見を求めまして、その意見につきましては集約して整理した結果を資料としてやはり各委員にお配りをする、更に重要なものについては意見書そのものを資料とするということもございます。 そのような形で、法務省で検討過程にできるだけ多くの声を反映し、かつ、それを踏まえた審議をまた法制審議会でしていただくということで努力をしているところでございます。
○小川敏夫君 この商法に関しては、米国の商工関係からもこの日本の商法改正について改正の要望があったとも思うんですが、それをとらえて人によってはアメリカの言いなりだというような意見も言う人もいるんですけれども、言いなりということはないとは思うんですが、そこら辺の米国関係の出されている要望についてのこの取り入れ方といいますか、あるいはその応対ですね、これについてはどのような状況で来ているんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 商法改正に当たりまして、米国の商工会議所等から要望書も出されております。その中には、アメリカ型のこういう委員会設置会社のようなものを日本でも採用してほしいというような要望も当然含まれております。 ただ、私どもといたしましては、法制度というのはそれぞれの国の実態に合ったものでなければなりませんので、そういう要望があったからそれに従うということではなくて、やはり日本の企業の実情としてそういう迅速な経営判断を可能とするための制度が求められているという、正に日本国内の事情に応じてそれに適切に対応できる制度を構築するという観点から検討を進めたわけであります。 ただ、そのときに、今世界的に見まして、その業務執行と監督を分離をしていくという形での取締役会の監督権限の強化というのが、米国がもちろん典型例でございますが、イギリス等においてもそうでございますし、そういう世界的な動向を踏まえて今回の制度を考えたものでありまして、米国から要望があったからそれに従ったというわけではもちろんございません。
○小川敏夫君 どうも私が表面的に感じたところだと、この委員会制について絞って聞きますと、この委員会制の導入について一番強い意見は言わばアメリカ側のそうした要望であって、日本の実際の経済界といいますか実業界ではそんなに強い要望があったのかなと。私もそんなにアンテナがあるわけじゃないから何とも言えないんですけれども、だから現象的に見ると、何か米国の要望を受け入れてアメリカ型の統治機構を日本の会社に採用するというような形にも見えてしまうんですけれども、この委員会制について、米国の商工関係が要望しているということを抜きにして、日本の、我が国の財界が実際にこうした委員会制の導入を強く希望しているんだと、こんな状況はあったんでしょうか、あるんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 基本的に、業務執行役員に大幅な権限を委譲して迅速な経営を可能にしたいというのは、それは非常に強い要望がございました。 じゃ、具体的に今この法案で出ているセットで考えております委員会等設置会社というような形で最初からそういう強い要望があったかというと、これはいろいろな意見がございました。こちらも大幅な権限の委譲を可能にするために監督権限を強化するための仕組みとしてどういうものが考えられるかということをいろいろ議論しながら煮詰まってきたのでございますので、最終的には、経済界においてもこの委員会等設置会社を選択的な制度として設けるということについては御賛同をいただいております。
○小川敏夫君 ちょうど企業統治に関して日本が商法改正を進めているときに、そうした要望もしていたアメリカでエンロン社の破綻という大変皮肉な事件が起きておるわけです。幾らそうしたアメリカ型の統治機構があったとしても、会社ぐるみの大変な不正が現実にあって大きな被害を出しているというような状況を見ますと、果たしてどれだけこの委員会制というものが有効性があるのかなと。害があるとは私は余り思わないんですけれども、どれだけそうした有効性があるのかなとも思うんですが。 実際、この委員会制度について、これが導入された場合にどの程度これが採用されて、実際の経営の効率化あるいは統治の実効性等について有効性があるのか、法務省の見通しといいますか、お考えを披瀝していただきたいんですが。
○政府参考人(房村精一君) 今回の制度は選択的な制度として考えておりますので、どの程度の企業がこちらを選択するかということになりますとなかなか予測が難しゅうございますが、ただ、制度の仕組みといたしましてはアメリカとかイギリスとかそういう先進諸国で共通に見られる方向性に合った制度でございますので、国際的な活躍をしている企業であれば、ある意味ではそういう委員会等設置会社になじみやすい企業体質ということもあろうかと思いますので、そういったところで採用を考えているところもあると聞いております。 基本的に取締役会の権限を強化して十分な監督権を与える、その代わりに業務執行役には思い切って経営判断ができるように大幅な権限をゆだねるというのが現在の先進諸国の流れでございますので、この委員会等設置会社、その趣旨に沿った人を選んで活用していただければ業務の適正化と効率化というものを達成できるのではないかという具合には考えております。 ただ、御指摘のように、アメリカにおいてもエンロン事件も起きたわけでございまして、どのような制度であっても制度を作れば万全ということはございませんので、これはその制度を担うやはり人、そういった人たちの意識というものも重要でございます。そういう意味で、各会社、この制度を生かす人材を得て適切に運営していただきたいと、こういう具合に考えております。
○小川敏夫君 この委員会制度の導入というもの、社外取締役、社外監査役というものもこの委員会制度が非常に機能するためには重要だと思います。あるいは、委員会制を取らない会社でも、これからますます社外取締役や社外監査役の重要性が増していくとも思うんですが。 この社外取締役の要件、先ほども柏村委員の方から質問がありましたけれども、自社及び子会社の役員、従業員ですか、ということですが、どうも狭過ぎるんじゃないかという議論が前からあったと思うんですが。今回の商法改正の中でもそこら辺のところ、もう少し社外の取締役の理念を実効性あらしめるために何らかの見直しがあってもよかったんではないかと私は思っているんですが、そこら辺、今回改正についてこの言わば社外取締役等の社外性について、特に改正部分がないんですが、ここら辺についての当局のお考えはどういうことになっているんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、委員会等設置会社においてはもちろんですが、それ以外の会社におきましても、今後、社外取締役というのは、その会社について高い立場から監督をし、あるいは会社の取るべき道筋について意見を述べていただくということで非常に重要な役割を担っていくことになろうかと思います。したがいまして、そういう方に適切な人を得るということが極めて重要でございます。 法律で社外取締役の要件として定めておりますのは言わば最低限の要求でございまして、自らその業務についての監督を行う立場の人間がその業務を自ら執行していたのでは適切な監督は、少なくとも社外取締役に期待される適切な監督はできないだろうということから、その会社あるいは子会社で業務執行に携わり、あるいは携わっていたという人を除外したものでございます。 もちろん、これだけで、これを満たしさえすれば社外取締役として十分かといえば、それは必ずしもそうではないだろうと思います。ただ、それ以外の要件を法律で定めるということになりますと、これはなかなか明確な基準というものを設けることが難しいという面もございます。余りに厳しい基準にしてしまいますと、本来、社外取締役としてふさわしい人なのに、たまたまそういう形式的なところに該当してなれないという場合も出てこようかと思います。そういうことを考えまして、法律の規定としては明確なこの最小限の規制にとどめているわけでございますが、社外取締役の趣旨を十分考慮していただいて適切な人を選んでいただく。 特に、役割が重要な委員会等設置会社におきましては取締役の任期一年ということで、会社にふさわしい人であるかどうかということを毎年、株主総会で信任を受けるというようなことも予定されておりますし、そういった他のいろいろな制度と併せて適切な人が社外取締役として活躍していただけるということを期待しております。
○小川敏夫君 この社外取締役、社外監査役の制度ですか、要するに、平たく言えば、社長さんがやっていることを社長さんのお世話になった人が監査するのは難しいじゃないかということであると思うんですね。特に、欧米型のドライな、職務に、何というんだろう、職務に忠実で、余り情実を挟む傾向が薄いというところと反対の日本型の人情、お世話になった方に報いるというような人情社会の風土がある我が国では、どうも法律で要件を厳しくし過ぎるとやりにくい、法律で要件を厳しくし過ぎると厳し過ぎるという考えではなくて、むしろ法律でそのように厳しくしないとこの制度が実現しないんじゃないかと思うんですが、そこら辺のところはいかがですか。
○政府参考人(房村精一君) その点はいろいろ御意見のある点かとは思いますが、私どもとすると、やはり最小限この業務執行に直接という方を排除すれば最小限の要請は満たせるのではないか。ただ、あとはこの要件の下でいかにして適切な人を会社、それこそ委員会等設置会社であればその指名委員会で適切に選んでいただけるかということではないかという具合には考えております。
○小川敏夫君 適切な人が選任されれば何の問題もないわけでして、そこが非常に難しい。 例えば、顧問弁護士とか顧問税理士、そうした顧問ですとこれは当然、社外の要件に当たるわけで承認できると思うんですが、例えば顧問弁護士ですと、実際には社長さんに選任されて、ずっと社長さんやあるいはその会社の利益を擁護するためにずっと顧問関係にあったということで、言わば会社あるいはその経営者の利益を守る立場でずっと長くやってきた方が、雇用関係がないということで、社外性があるということで社外監査役になっても、やはりどうしてもお世話になった方のということで、職務に忠実になり切れるかなというふうにも思うんですが、どうなんでしょうか。 もう少し大胆に、社外性というものの要件を厳しくして監査の実効性をあらしめた方が、あるいはその社外取締役のあるべき職責を思う存分に発揮できるようなシステムを法律で規制した方が、同じ議論をしているわけですけれども、いいようにも思うんですが、あるいはその会社、子会社だけでなくて、じゃ、その会社の親会社はどうなるかとか、様々な問題があるんですが、この点についてはもう議論はしないんで、法改正のための作業はしないで決着済みということなんですか。あるいは、更にその点は実情を踏まえて検討していくということなんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 先ほども申し上げましたように、今回の委員会等設置会社、新しい仕組みでございますが、どのような制度であってもそれで万全ということはないわけでございます。 多分、アメリカにおいてもエンロン事件をきっかけに様々な見直しが行われると思いますし、私どもとしても、そういう諸外国での検討状況であるとか、あるいは日本で導入したところの実情というものは、それは十分見ながら、絶えず改善のための努力は積み重ねていきたいという具合には思っております。
○小川敏夫君 是非、社外監査役、社外取締役、その在り方、理念としては非常に積極的に評価できるんですが、それを十分機能できるような方向性で更に鋭意努力、検討していただきたいと思います。 大分、総論的な議論をしてまいりましたけれども、今回の改正、非常に多岐にわたって、細かいところの、まあ残務整理というような言葉が語弊があるでしょうけれども、積み残しになっていた細かいところを一気に処理するような部分があるんですけれども。私、ぱっと見まして、ちょっと一つだけその中で納得し難い部分がありましたので、ちょっとその部分の議論をさせていただきたいんです。 というのは、細かい点かもしれないけれども、所在不明の株主の株式を会社側が処分できるという点でございます。これについては、議論をする前に、じゃちょっとこの法改正の趣旨を説明していただけますか。
○政府参考人(房村精一君) 今回、所在不明株主の株式の売却制度というのを新しく設けました趣旨でございますが、株式会社の場合、株主に通知をいたしましてもその通知が到達せずに戻ってきてしまう、そういうことが相当数あるということがかねてから指摘されております。 その場合に、必ず通知を何年たってもしろということでは会社の負担が重いということから、現行法におきましては、五年間その通知が到達しない株主については以後、通知をしなくてもいいという制度にしているわけでございますが、しかし通知はしないものの、株主としての管理、これはしておかなければならないということからそれなりの管理コストが掛かっております。その管理コストはだれの負担になるかといいますと、結局は他の株主の負担に最終的にはなっている。そういうことから、実務界からも何とか抜本的にこの管理コストを削減する方法を考えてほしいという、そういう要望がございました。 そういうことから、五年にわたって通知が到達しない、あるいは配当も一切受けていない、したがって株主としての権利、議決権もあるいは配当の受領権も全くそういうものも行使していないという、こういう場合には、その株主の持っております株式を売却をいたしまして、その株主にはその売却代金の請求権を与えると、こういう形で株主としての管理コストを削減をするといいますか、解決をするという、そういうことを考えたのが今回の所在不明株主の株式売却制度でございます。
○小川敏夫君 今御説明いただきまして、その御説明の範囲では私も特別異論はないんですけれども。 その一番最後の部分なんですけれども、株式を売ってしまって、その代金の請求権に代わるということですけれども、元々、所在不明の株主ですから、売却代金を請求に来るケースというのはむしろ少なくて、ほとんどが来ないと思うんですね。来ないままだと、このお金はどうなってしまうんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 会社が売却をした場合、その株主はその代金の返還請求権を持ちますが、これは民法の一般原則に従いまして、十年の消滅時効に掛かるという具合に考えられます。
○小川敏夫君 私が不満だというのはそこにあるわけでして。ですから、株を売っ払っちゃったまでは実務上やむを得ないとしても、売っ払っちゃった金の代金が事実上この会社の取得になっちゃう、なってしまうんですよね、実際上。 ただ、それはどうかな。これは本来、供託をさせて、もちろん権利者が現れれば当然、権利者に引き渡されるけれども、現れなければこれは供託の原則に従って国庫に帰属すべきものじゃないかと私は思うんですが。
○政府参考人(房村精一君) 会社が所在不明株主の株式を売却した場合に、その代金を自分で持っていて請求されたらいつでも払うと、そういう体制でももちろんよろしいわけですが、御指摘のように、弁済供託をする、債権者不確知で弁済供託をするということも可能でございます。 ただ、その場合に、弁済供託をいたしますと、株主の方はその供託された金員に対する還付請求権を取得しますが、これも十年の消滅時効に掛かります。一方、供託をした会社は、供託金に関する取戻請求権を有しておりまして、この取戻請求権の消滅時効は、弁済供託と対象となった債務が時効消滅をした時点から開始するということに、昨年の暮れの最高裁判決で確定しておりますので、会社の方は、株主の請求権が時効消滅した後に供託をしている場合には取戻請求権を行使して取り戻せるということになりますので、その取戻請求権を更に十年間、会社が行使しなければ国庫に帰属しますが、会社が取戻請求権を行使した場合には、最終的には会社に金員は帰属するということになります。
○小川敏夫君 それは民法の一般原則を適用して供託をさせればという話で、別に取戻し、供託の取戻請求権を会社で認めない、認めるというか、与えなければ、別に解決する問題ですから、立法技術的には何の問題もないと思うんですね。 私が思うのは、例えば相続人がいない財産はこれは国庫に入るわけで、あるいは寄託物の寄託者がいなくなって預かっている人間が困るんで自助売却権で売却したという場合、これは供託をするわけですけれども、そうすると、今回のこの株式、あくまでも所在不明ではあっても、他人、株主という他人の財産を会社の事務処理の都合上売っ払ってしまうわけですけれども、その売っ払った金が結局、会社の利益になってしまうという構造が私は納得できないんで、これはむしろ最終的に国庫に帰属すべきようなそうした法制にすべきじゃなかったと私は思うんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) いろいろな考え方があろうかとは思いますが、基本的に株式を売却して、その売却代金に対する請求権を所在不明株主が持つという構成にいたしますと、その請求権は時効消滅をするというのが民法の一般原則でございますし、一般原則に従って時効消滅をした場合には、反射的に債務者が利益を得るという形になります。その原則を供託においても適用している結果、取戻請求権が一般的には認められているわけでございますので、そういう法的構成を取って、なおかつ国庫に帰属させるというのはなかなか考え方としては難しいのではないかなという具合には思っております。
○小川敏夫君 そうかな。立法技術と考え方を何か一緒に議論しちゃって何か難しいんで、考え方は簡単なんですよね。行方不明になっちゃった他人の財産、それを会社の都合で売った、その利益を会社に帰属させるか国庫に帰属させるかという考え方ですから、これは難しいかどうかじゃなくて、どっちかにするか。 私は、どうも会社の都合で売っ払っちゃうまではいいけれども、売っ払っちゃった金が事実上、会社の利益になるのはおかしいんで、相続人がいない相続財産と同じような考えで国庫に帰属させるべきじゃないかと思うんです。これ、売っ払っちまったら会社の利益になるというと、会社の利益がしたいがために無理なことをするケースも出てくるんじゃないかとも思うんですね。 だから、くどいようですけれども、考え方として、私は他人の財産を会社が売っ払っちまった金が会社に入るというのはどうも正義感にも少し外れるんじゃないかと。それよりは国庫に帰属する方が一番正当な考え方じゃないかと私は思うんですが、その考え方でいいです。
○政府参考人(房村精一君) 一般的に言いまして、時効消滅をした場合に、時効に掛かるような期間、権利が行使されなかったときに国庫に帰属させるという考え方というのは一般的には取られておりませんので、構成として、所在株主の請求権という形に構成をして、かつ、それが十年の消滅時効に掛かるという法律構成を取った場合には、一般の請求権と同じように弁済供託はもちろんできますが、弁済供託した債務が時効消滅した場合には取戻請求権が行使できるということが法の一般的な考え方だろうと思います。 それから、不正が行われるのではないかという点ですが、少なくとも五年にわたりまして通知がおよそ到達しない、それから株式の配当も受け取っていないという、こういう場合であって、更にこの売却をしようとする場合には改めてその通知をし公告をしてやるという形になるわけでございますので、そうこの制度が不正が行われるという可能性は非常に少ないという具合に考えております。
○小川敏夫君 ちょっと二つのことが一遍になったんだけれども。不正が行われると断定するわけじゃないけれども、会社が自分の利益になるんだったら早くやってしまおうという考えにもなるんじゃないかと、なりやすいんじゃないかという考えをちょっと示しました。 前段の方ですけれども、じゃ、更にマニアックというか細かい議論になっていきたいと思うんですけれども、しなくちゃいけないかとも思うんですけれども、会社の事務都合上、売却するというその必要性は分かるんですけれども、この法理論ですね。つまり、会社から見れば他人の財産物を、ただ所在が分からないからといったって他人の財産物を会社側が売っ払っちまうというこの法律構成は、これは何なんでしょう。会社側が所有者の株主の代理人という代理権の付与なんでしょうか。それとも、代理権の付与じゃなくて何か別の処分権限を与えるんでしょうか。その法律構成はどうなるんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 基本的には、他人の物を処分する権限を法律が与えているということになろうかと思います。 類似の例といたしましては、民法、商法で供託をする場合に、例えば保管に適さない物、これを競売に付して、その代金を供託するというような、他人の物について売却権限が与えられるというのは法制度としてございます。
○小川敏夫君 そうすると、この法律によって代理権が付与されたんではなくて、特別にこの商法のこの規定によって売却権限が与えられたと、こういうことになるわけですね。 そうすると、その代理権が、法定代理権が発生したのなら代理人として売却した代金を本人に引き渡すべき債務が発生するんですけれども、この法律が売却処分権を与えたというだけであるならそれは売却処分をしてもいいけれども、その売却処分して得た代金、これをまた本人に引き渡すべき債務となるのかどうか。やっぱり立法の趣旨としてダイレクトに、その売却は認めたけれども、その金は供託しろと、それで供託取戻し権も認めないというような立法的配慮は可能だったんじゃないでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 基本的に、売却をしたものの代金についてはその所在不明株主の権利に属するわけでございますが、その所在不明株主がその権利を行使しないときにそれを国庫に帰属させなければならないという理由が、なぜ国に帰属させなければならないのかということだと思いますね。一般的に言えば、売却権限を与えて、その代金について支払の義務を負っている会社に、時効消滅の場合には利益が生ずるということに司法上の原則からいえばなるはずだろうと思っておりますが。
○小川敏夫君 だから、ちょっとその法律技術的な問題を先に持ってきて、だから当然、会社に帰属すべきだというのじゃなくて、初めにどちらに帰属させるべきかという考え方があって、その考え方を実現するために立法技術を駆使するというのが考え方だと思うんだけれども、どうも局長さんの答弁を聞いていると、初めに立法技術があって、こういうことだから、だから会社が利益を帰属するしかないんだみたいにちょっと聞こえるんで、ちょっと議論がかみ合っていないかとも思うんですけれども。 例えば、株主が所在不明になると。それは様々なケースがあるでしょうけれども、あるいは株主の相続関係で相続人が不明だとか、そんなことによって生ずるケースもあると思うんですよね。そういうケースを考えれば、相続人不明の、相続人不存在ですか、の財産が国庫に帰属すると同じような考え方で国庫に帰属するということでもよかったんじゃないかと思う。よかったんじゃないかというんじゃなくて、そういうふうにした方が、国庫に帰属するような原則にした方がよかったんではないかと思うんですが、どうなんでしょうね。 立法技術の問題はもういいですから、債務が消滅する時効というんじゃなくて、立法技術が先に来て会社に帰属するんだからやむを得ないという考え方じゃなくて、初めに、行方不明者の株券を処分した金は、行方不明者が取りに来なければ会社がもうけるんじゃなくて国庫に帰属するんだという考え方を決めて、その考え方を実現するような立法技術を駆使して立法したらよかったと思うんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) もちろん、株主権というのは債権ではないわけですが、基本的に株主が会社に出資をいたしまして、その出資に対応する権利として株主権というものが考えられております。最終的には、会社を清算する場合には残余財産の分配請求権という請求権にまで最後はなるような権利でございますので、基本的には株主権というのも私人間の会社と株主との間の権利義務関係でございます。その権利義務関係を変容させたものが今回の売却代金に対する株主の返還請求権でございますので、やはりそういう私人間の権利義務関係が消滅した場合には、それは私人間で解決をするということが基本的な考え方だろうと思っています。 相続財産のように、どこにも持っていき場がないものであればこそ国庫に帰属するということになっているわけですが、それだって特別の縁故があればそちらにということで、国に持っていくのは最後の最後に、ほかに持っていき場がないからという性質だろうと思うんですね。 そういう意味からいいますと、会社と株主との間というのは基本的には私人と私人との間の関係でございますので、それを法律技術を使って株主権を売却代金の請求権に変換をする、そしてそれの処理としては、やはり私人間の一般的な原則である消滅時効に掛かった場合には、それは反射的に債務者が利益を得るということで、基本的にはおかしくはないという具合に考えておりますが。
○小川敏夫君 おかしくはないって、こういう立法の仕方が憲法に反しているとか、そんな考えは持っていないんですけれども、ただ、社会一般の考え方からいって、どうも釈然としないと。 つまり、株主と会社との法律関係と言われるけれども、会社は株主の株を売っ払っちまって、新しい株主との間にそういうこれまでと同じ全く法律関係を作ってしまうわけですね。ですから、これまで所在不明だった株主を、株式を売却という形で法律関係を全部清算しちゃう。その清算しちゃうのがそもそもその債権関係だといえばそうなのかもしれないけれども、どうもそこのところが、最終的にそうした論理で、会社の都合で売却してしまって時効論理で会社に帰属してしまうと。これ売却しなければ、これ株式というのは時効で消滅しないですよね。 だから、どうも何か、会社の都合で売却してしまうのに結果的に会社がもうかってしまうというのが釈然としないので、結果的にもうかってしまうのは会社じゃなくて、じゃ、国庫がというのがふさわしいんじゃないかというのが私の考えなんですけれども、余り議論していても始まらないけれども、私はそういう疑問を感じているということを指摘しました。 その点を述べて、また、それ以外のことについては日を改めて質問いたしたいと思います。 今日は終わります。
○井上哲士君 法案に入ります前に、午前中の問題、大阪高検の元幹部の問題にかかわって二、三質問をいたします。 国民が非常にやはり驚いたのは、突発ではなくて、この間やはりいろんな警察関係の不祥事が相次いできて、そしてここまで来たのかということだろうと思うんです。 昨年、福岡の地検の前次席検事による捜査情報漏えい問題というのも起きました。そのときの調査結果というのを私も読ませていただいたんですが、この中で、「今回の事件を契機として、国民から検事に対し、市民感覚からずれて独善に陥っている、被害者の心情に対する理解が十分でない、警察等の捜査関係機関に対する理解が十分でない等の厳しい批判がなされているが、これらの批判を真しに受け止め、検察官の意識改革を図る」と、これが法務省の報告書なわけですね。 三つ言っています。一つが、「検事を一定期間市民感覚を学ぶことができる場所で執務させることを含む人事・教育制度の抜本的見直しを検討すること」というのが一つ目です。この間行われました司法制度改革推進本部の第二回の法曹検討会を見ておりますと、この検事を民間などに派遣をする制度をこの四月から始めるということが明らかになっておりますけれども、実際、何人がどこに、どれだけの期間、派遣されることになったんでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 四月二十四日現在の状況を申し上げますと、三名、合計でその研修に派遣しております。 派遣先は、一つは社団法人被害者支援都民センター、これは期間は六か月の予定でございます。二つ目は財団法人さわやか福祉財団、これは一年の予定でございます。それから、東京電力株式会社、これは一年の予定でございます。
○井上哲士君 三名ということで、非常に規模がまず小さいと思うんですね。かつ、派遣場所が今三つ出たわけですが、このさわやか福祉財団というのは元検察幹部がやっていらっしゃる福祉団体だと承知しておるんですが、言わばかなり身内的色彩が強いなと私は思いました。 それから、東京電力ですが、これはいわゆる思想差別問題で時間的にも人数的にも最も大規模な労務管理を行いまして、東京高裁で和解をしたというところなんですね。こういうところに検察官が行って、ここで言われているような市民感覚を学ぶことができる場所だというふうに言えるのかと私は思うんですが、ここに行って市民感覚が分かり、独善から外れ、被害者の心情に対する理解が十分になると、こういうふうに判断してこの三つを選ばれたんですか。
○政府参考人(古田佑紀君) もちろん、派遣先によって、言わば被害者問題とかそういうことをタッチしていないところもあるわけでございますが、この研修のねらいは、実際にいわゆる民間で活動をしている、そういう場で検察を外から眺める機会を作り、かつ、そういうところでの業務、そういうもののやり方とか、そういうことに触れることによって、一種のカルチャーショックと申しましょうか、そういうふうな、検察官として健全な社会人としての常識を養う一つの契機とするということに主たる目的があるわけでございまして、そういうことからいろんな場所を選んでいると。 もちろん、検察官の身分のまま派遣するわけでございますので、これまた派遣先については慎重な選択というのも必要になってくるわけでございまして、そういうようなことも考え合わせながら、様々な場所でできるだけ広い範囲で研修ができるようにしていきたいと考えているところでございます。
○井上哲士君 今おっしゃった目的からいえば、もう少し派遣先を検討すべきではないかということを申し上げておきます。 それから、この報告書で二つ目には、「幹部を含む検察官が犯罪被害者の心情や捜査現場の第一線で汗を流している警察官の活動等に対する理解を深めるための具体的方策を検討していくこと」と、こうあります。 今回、正に幹部の事件であります。大変大事だと思うんですが、これはどういう方策が現在検討をされているんでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) これにつきましては、検察官については様々な研修の機会があるわけですが、幹部検察官等の研修の機会におきましても、警察等からの外部講師の派遣などを積極的に依頼いたしまして、それぞれの立場からの検察に対する物の見方、あるいはその立場からの考え方、そういうふうなことについてお話を承り、いろんな意見の交換をすると、そういうことを中心に現在実施しているところでございます。
○井上哲士君 まあ一般的な研修とどこが変わらないのかなという気は私はします。 それで、三つ目には、「部内研修等の充実強化を通じて、検察官が独善に陥ることを防止するとともに、検察官としての基本的な在り方を徹底すること」と、こうあります。 こういうことも含めまして、本当に検察に対する国民の信頼を回復をするという点でも、午前中議論になりましたけれども、改めて私は調査活動費、さかのぼって調査もするし、こういう研修も、既に始まっているものも、もう一回今回の事件を契機に見直しをして進めていくべきだと思うんです。その点で大臣の所信をお伺いいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃるとおり、大変な事件でございまして、このようなことが二度と起こらないように、あらゆる手段を講じて努力をしていかなければいけないと思います。 先生が例に引かれました福岡の高検の問題、それの反省に立っての研修、外部研修等の話は、これは業務の上にかかわる話でございますが、このたびのことは、業務にかかわることというよりは、むしろその自分自身の人間性というか、人格の問題だと思いまして、必ずしも、外部研修をしっかりやって被害者の心情がよく分かるようになったというようなこととは直接関係ないんではないかという気もいたします。当然それは業務上心得るべきことでありまして、これもしっかりやらなきゃいけないということはもうよく分かっておりますし、この面でも努力いたしたいと思いますが、今回の事件は、大変残念ながら、そのようなこと以前の本人の人間性の問題なのではないだろうかというふうに思いまして、更に深刻な感じを受けている次第でございます。 いずれにいたしましても、再発防止のために最善を尽くしたいと考えております。
○井上哲士君 そういう人物が大幹部になっておるということに対して国民の目があるわけですので、是非よろしくお願いをいたします。 では、商法について質問をいたします。 我が国のコーポレートガバナンスに関する商法改正は、この間、基本的にはこの監査役の強化を中心に進められてきたと思います。言わば、今回大きく転換をしてアメリカ型の企業統治の在り方も選択肢として加えられることになったということですが、この間、マスコミ等でも、我が国企業は、雪印やそごうなどの事件を見ても、企業統治の仕組みに欠ける企業が多い、こういう指摘もあるわけです。 我が国の企業統治の在り方のどこが問題だったというのが今回の商法改正のベースになっているのか、まず大臣、よろしくお願いします。
○副大臣(横内正明君) 我が国の企業統治の問題点という御質問でございますけれども、言うまでもないことでありますが、現在のような世界的な大競争の時代には、企業は迅速果敢な意思決定が必要であることは言うまでもないわけでございます。しかしながら、現行商法では取締役会で決定をしなければならない事項が大変多岐にわたっておりまして、取締役の員数が多い大規模会社の場合にはなかなか頻繁に取締役会を開催することが実際問題として困難である、そういう結果として、迅速果敢な意思決定というものがなかなか困難になるというような問題が指摘されております。 それから同時に、もう一点でありますけれども、現行の取締役会制度は役員の人事及び報酬についての決定権限が事実上、代表取締役、社長に集中をしているという場合が多いがために、なかなか取締役会の監督機能が果たされない。それがゆえに、いろんな不祥事だとか会社の私物化というような問題点が起こってきているというような問題点が指摘されております。
○井上哲士君 その裏返しということになると思うんですが、それと対比して、では、この米国型のどういうところが利点だと判断をされたんでしょうか。
○副大臣(横内正明君) 今回の改正法案で、米国あるいはヨーロッパの企業統治の制度を参考にしてこの委員会等設置会社というものを選択的に導入できるということにしたわけでございますけれども、この制度は、会社の業務を執行する執行役にこの業務の決定権限を委譲する、他方で取締役会は監督に徹することにいたしまして、取締役会には社外取締役が過半数を占める三つの委員会を設置をするということによって取締役会の監督権限を強化をするということにしております。 この委員会等設置会社制度を採用することによりまして、一方で業務執行役が迅速果敢に意思決定をする、しかし他方で株主の立場に立って取締役会がしっかりと監督をして執行役の業務を適正に行わせるようにするということで、現在のそういった企業統治の問題点に対する対応方策として考えておるものでございます。
○井上哲士君 先ほどからもずっとエンロンの問題が出ておるんですが、そういうアメリカにおいてでもこのエンロン問題が起きて、アメリカ型のコーポレートガバナンスについての議論というのが今いろいろ再検討が加えられていると思います。 社外取締役が十四人もいたけれども全く機能していなかったんではないかとか、経営陣と社外取締役が余りにも緊密で取締役会の独立性を保てなかったんではないかとか、いろんなことが指摘をされていますが、言わば米国型を利点として今回導入をしていくわけですが、このエンロン事件を受けて、改めてこの法案の方向というのを見直すという点というのはないということでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) エンロンのケースにつきましては、現在、米国においても破綻に至る経緯等について調査等が行われているという具合に聞いておりますので、現段階で具体的なコメントは差し控えたいと思いますが、一般的に、いかなる制度であっても、それだけで会社の不祥事を完全に防止するということは、これはできないわけでありまして、その運用に当たる者の使命感、倫理観というものが極めて重要でありますし、また、より良い制度を構築するための不断の見直しというものも必要なわけであります。 そういう意味で、私どもとしても、今回お願いしている委員会等設置会社につきましても、今後も、アメリカのエンロンの調査結果等も踏まえて、あるいは日本における、これが御採用いただけた場合には、日本におけるその活用状況も見て、更に工夫をしたいと思っておりますが、現在お願いしておりますこの制度は、一応、先進諸国の企業統治システムの大きな流れの中で、米国だけではなくて、例えばイギリスにおいても今求められております経営の監督と業務執行を分離する、そして取締役会の監督権限を強化するという、そういう方向に沿った形で制度を考えたものでございまして、今回、現時点において直ちにこの制度そのものを見直しをしなければならないとは考えておりません。
○井上哲士君 アメリカでも市場の信頼を取り戻すために監査委員会の権限強化に乗り出すであるとか、ニューヨークの証券取引所が報酬・監査委員会の独立性強化とか、会長と最高経営責任者の機能分離を検討しているなど、こういう報道も行われております。三井物産の戦略研究所の寺島実郎さんが、日本では、ここ十年間、アメリカ型ビジネスモデルが透明性に優れており、学ばなければいけないと議論されてきた、エンロン事件をきっかけにそれらの議論がすべて吹っ飛んでしまった、もう一度企業統治なるものを真剣に考えなければならないと、こういう指摘もされております。 今、あえて見直しをする必要はないということでありましたけれども、やはりああいう教訓を見たときに、このほか日本でも雪印の問題、マイカルの問題とかあるわけで、今回の改正によって、ああいう日本でも起きてきたいろんな不祥事や破綻というものがこの企業統治の在り方で防ぐことができるんだろうかと思うわけですが、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) もちろん、この委員会等設置会社を行ったら絶対に防げる、完全に防げるということはそれは難しいかもしれませんが、しかし現行の制度と比べまして、この委員会等設置会社、取締役会の独立性を高めておりますし、また監査委員会につきましてもそれをサポートする社内体制を整備するということも求めております。そういう意味で、従来の会社に比べてこの委員会等設置会社が監査において劣るということはあり得ないだろうと思っております。 現に、例えば雪印につきまして、これは新聞報道によるところですが、社外取締役を入れ、かつ、このような問題についての取締役による委員会制度を作って違法な行為を根絶するということを会社において検討されているということですが、正にこの委員会等設置会社で社外取締役を入れ、監査委員会等の過半数をその社外の取締役に占めるということにしている、あるいは社内の監査体制を整備するための体制を整えていただくというようなこともこの法案で定めているわけでございますが、そういう意味では、正に現に起きた不祥事に学んで会社が取ろうとしている方向性に合ったような改正内容になっているのではないかと思っております。 監査委員会の独立性ということでいいますと、例えば新聞報道でこのエンロン事件に関して、監査委員会が監査法人の選定、交代について経営陣に提言する権限を強めるというようなことが検討されていると報道されておりますが、この監査委員会は、会計監査人の選定はこの監査委員会の権限で行うというのが今回の法案になっております。 そういう意味で、私どもとしては、日本の実情も踏まえて、できるだけ監査委員会の独立性あるいは取締役会の監督権限の強化という点について配慮をしたつもりでございます。もちろん、これで完全ということはありませんでしょうから、今後も常に見直しということはしていくつもりでございますが、現段階においてはそれなりに配慮された仕組みになっているという具合に思っております。
○井上哲士君 先ほどの答弁で、仕組みとともにやはり役員の倫理、人間の問題だということが言われました。私、それは非常に大事だと思うんですが、それもやはり制度的に担保をしていくということが非常に必要だと思うんです。 この間、あるものを読んでおりますと、元日産の常務がこの四月に専務に就任した仰天人事なんという記事がありましたので、いろいろ調べておったんですが、この元日産常務というのはインサイダー取引で処分をされている人なわけですね。平成十年の五月二十九日に証取法違反の罪に該当するとして告発をされたわけですが、日産自動車の取締役で当時あって、日産自動車が所有していたトーソクというところの株式を日本電産に売却する株式譲渡の契約締結業務等に従事をしていて、この契約の締結に関して、日本電産がトーソクの株式を発行済株式総数の五%以上を買い集めるという公開買い付けに準ずる行為の実施に関する情報を知り、当該事実の公表前にトーソクの株式を買い付けたということで告発したというのが出されております。 要するに、この日本電産というのは買い付けをしようとした相手なわけですね。ところが、この元常務、元取締役が、この証取法違反で罰金五十万円の略式命令を受けたその二か月後にこの日本電産に入社をして、そしてこの四月から専務になったということなわけですね。 インサイダー取引などで刑事事件を起こした人物が、その当事者である会社に再びこの経営責任を問われる取締役に選ばれるということが果たして適当なのかと思うんですが、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 具体的な問題につきましては、ちょっと事実関係を承知しておりませんので、コメントは差し控えたいと思いますが、一般的に申し上げますと、商法の二百五十四条ノ二では取締役の欠格事由を定めておりまして、そこでは商法あるいは有限会社法等の会社法に規定する犯罪を犯した者というものが欠格事由に定められております。また、それ以外の犯罪を犯して禁錮以上の刑に処せられている者というふうなものも欠格事由に該当することとなっておりますが、インサイダー取引について特段そういった規定は商法上は設けられておりませんので、その会社の判断でということになろうかと思います。
○井上哲士君 アメリカでは、こういうインサイダー取引というのは言わばこれは証券詐欺だと、こういう扱いで上場企業の役員から排除をするような仕組みが作られております。 一九三三年証券法というのは、このSECの申立てに基づいて証券の募集又は売り付けについて詐欺的行為を行った者を期限付又は無期限で取引所法の登録証券の発行社の役員又は取締役から排除する命令を裁判所が下すことができると、こういう規定を持っております。 それから、取引所法では、同法の規則に違反した者を登録証券発行社の役員又は取締役から排除する命令を下す裁判所の権限を定めておりまして、インサイダー取引というのは正に証券詐欺だということで、こういう役員から排除をしているということになっているわけですね。 ですから、個人の倫理の問題だということで言われましたが、あるんですが、そういう処罰をされても実際には全部ほとんど、これ見ましたけれども、罰金二十万から五十万円ぐらいの略式命令になっておりまして、実際にはこうやって関係したところの企業の役員にもなれるということになっておるわけですね。これは倫理が低いということで嘆くのではなくて、やはり仕組みをきっかり作っていくということが必要かと思うんです。 ですから、今回、こういうアメリカ型の企業統治というものを導入をするということであるならば、こういう厳しさということも倣うべきだと思うんですね。そういう点で、日本でもこういう規定などを検討していくということの点ではいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のような点も含めて諸外国の実情も調べ、今後も必要があれば検討してまいりたいという具合には考えております。
○井上哲士君 この間、ずっと繰り返されてきた商法の改正でも、どうもやはりアメリカ型の一部だけを取り入れるという、ある意味で都合のいいところだけを取り入れるような改正が目立ってきたと思うんですね。ストックオプションの解禁でも、アメリカのSECの約三千三百人と比べて日本の証券取引等監視委員会が二百六十五人の貧弱な体制で、これでいいのかということもここでも議論になってきたと思うんです。株主代表訴訟の改悪ということもあったわけですが、こういうやっぱり都合のいいところだけを取り入れていくというやり方はいかがかと私は思っておるんですが、今回、社外取締役は、アメリカの場合は取締役のメンバーのうち過半数ですけれども、日本は委員会の過半数ということになっていますね。これはどうしてでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) アメリカの実情として大規模会社であればほとんどの会社において取締役会の過半数は社外取締役が占めているという具合に聞いておりますが、これは法律で強制されているわけではなくて、運用としてそれぞれの会社がそういう取締役を選んでいるという実情にございます。 日本においてこの委員会等設置会社を導入する場合に、その取締役会全体について社外取締役が過半数を占めるということを法律で要求するということになりますと、現在、社外取締役へのふさわしい人材が非常に足らないということが言われているわけでございまして、社外監査役の、大会社における社外監査役を過半数以上という改正を前の臨時国会においていたしましたが、それも人材の点も考慮して三年間の期間が施行まで定められているわけでございます。そういう日本の実情からしますと、取締役会の過半数ということを法律で要求するというのは非常に実現が難しいであろうということがございます。 また、取締役会全体の機能をどう考えるかというのは、やはり会社が自主的に判断することが望ましいということも言えようかと思います。 そこで、取締役会の中に内部機関として重要な役割を担う指名委員会、報酬委員会、監査委員会というものを設けまして、ここについては過半数が社外取締役であるということを要求するという形にしたものでございます。
○井上哲士君 その社外取締役というのはその委員会それぞれを兼務できるんですかね。これはどうですか。
○政府参考人(房村精一君) これは兼務は禁じられておりません。
○井上哲士君 そうすると、実践的には、実際的には大変少ない社外取締役の人数で、少なくて済むということになるわけですね。 ですから、なかなか人材がいないというお話もありましたけれども、どうも、こういう点から見ましても、一部のみを取り入れているようなやり方になるんではないかなという気がしております。 そういう点で、やはり本当に公開の問題等を全面的に見据えた改正が必要なのではないかなということまで指摘しておきまして、時間ですので、終わります。
○平野貞夫君 商法の改正というのは、ここ、おととし辺りから閣法、議員立法、入り乱れて提案されまして、専門家の人たちはそれはよくお分かりでしょうけれども、私のような頭の悪い、緻密な議論のできない人間にとっては、これ何をやっているのかさっぱり分からぬ。結構、商法の改正というのは根っこの改正のようでして、経済構造改革の基盤になるものじゃないかと思うんですよ。それを、何か次から次へとこうやられる。 今回の改正も結構重要な部分じゃないかと思うんですが、今後、どういう問題が残っていて、それをどういう手だてでやるつもりか、局長さん、お答えください。
○政府参考人(房村精一君) 商法の改正といたしましては今回の改正で一応一段落という具合には考えておりますが、今後に残っております課題としては、まず当面、緊急に取り組まなければならないのが株券のペーパーレス化だと思っております。これは経済界からも非常に強い要望がございますので、この株券のペーパーレス化に早急に取り組みたい。 これについては、既に短期社債のペーパーレス化は法律が成立しておりまして、この国会においてこれを改正いたしまして、社債、国債等についてもペーパーレス化をいたします。それをベースに更に進めまして株券についてのペーパーレス化を実現していきたい、こう思っております。 それから、大きなテーマといたしまして商法のうちの会社法関係、これが現在、商法本体、有限会社法、それから商法特例法と三つに分かれておりまして、準用あるいは条文そのものも片仮名であったり枝番が幾つも付いていたりと非常に分かりにくくなっていますので、これを全部をまとめまして一つの会社法として、用語も片仮名、文語文というものを現代語化いたします。そうした会社法全体の現代化と、こういうことも早急に行いたいと思っております。 また、会社の公告でございますね。これを電子的な方法で行うということも考えておりますので、以上のようなものが次の商法の改正の課題であろうと考えております。
○平野貞夫君 そうすると、その根本問題にかかわるものは一応今回でというお答えだったと思いますが、大臣、こういう商法の段階的改正、これはやむを得ない部分もあったかも分かりませんがね、こういうことをやるとどういうことが抜けるかといいますと、理念的なものが抜けるんですよ、非常に技術的なことばっかりの話になって。やはり、経済構造の改革の基盤になる法制度の改正というのは理念というものがないといかぬと思うんですよ。 ですから、アメリカ型になるのか、あるいは中間型になるのか、選択型になるのか、全く私らのような素人には非常に理念的な方向性が分からぬという問題点があるということを申し上げておきます。 そこで、今回が抜本改正の一つの山を越えるものだということでしたのでお伺いしますが、これ、大臣が諮問したのは、この問題で、これはいつでしたか。
○政府参考人(房村精一君) 平成十三年に法務大臣から法制審議会に諮問が出されております。
○平野貞夫君 何月ですか。
○政府参考人(房村精一君) 一月でございます。
○平野貞夫君 たしか中間案といいますか中間試案は出されている。それはいつごろですか。
○政府参考人(房村精一君) 平成十三年の四月に中間試案を公表しております。
○平野貞夫君 それで、最終答申案というのはいつなんですか。
○政府参考人(房村精一君) 今年の二月でございます。
○平野貞夫君 そうしますと、中間案が四か月ぐらいで、三か月ぐらいですかね、実質三か月ですね。それで、最終答申案が十か月ぐらいになりますかね、実質。 そのバランスが取れないと言ったらおかしいんですが、問題は、私が知りたいのは、国会の審議も大事でございますが、そこの答申案にやっぱり基本的に拘束されますのでね。その答申を審議した法制審議会のあれは、会社法部会ですか、それの構成員、メンバー、どういう人たちが審議されたのか教えてください。
○政府参考人(房村精一君) その前に、まず平成十三年一月に諮問をして四月に中間試案で、非常に早いという御指摘でしたが、実はこの平成十三年一月に法制審議会の組織改革を行っておりますので、改めてここで諮問しております。ただ、実質上といたしましてはその前から法制審議会としての検討は続けてきておりますので、実際はもうちょっと、もっと相当期間を経て試案にまとめておりますので。 それから、会社法部会のメンバーでございますが、もちろん商法の学者の方が多いわけですが、そのほかの方といたしましては、中小企業団体の代表の方、それから公認会計士協会あるいは税理士会それぞれの代表の方、それから企業経営に携わっておられる方が経団連から推薦を得て二名入っております。そのほか、日本証券経済研究所主任研究員という方にも入っていただいております。あと、実務家といたしましては裁判官それから弁護士それから法務省の担当者、こういったメンバーで構成されております。
○平野貞夫君 これだけの大改革をするということならば、法制審議会のそのパートでは、当然、日本の資本主義といいますか市場経済のシステムですか、これの動向、あるいは将来どうあるべきかという議論がなされたと思いますが、局長はその部会に入っていたと思うんですが、そういう日本の市場経済のありようについての議論というのはあったんですか。あったらどんな議論があったか紹介してください。
○政府参考人(房村精一君) 私自身は昨年十二月に民事局長に就任したものですから、それまでは議事録等で議論の状況は承知しているにとどまりますが、日本の市場主義をという大上段の議論ということはそれほどなかったかもしれませんが、少なくとも、これだけ企業間の国際的な競争が激化している、その中で日本の企業法制をどうすべきなのかということはそれぞれ念頭に置いた議論がなされているわけでございます。 そういう点でいきますと、やはり今後ますます企業活動のボーダーレス化が進展していくだろうと。そういうような中では迅速果敢な業務決定がこれは絶対必要になると。また、それと同時に、市場による監視の目が厳しくなるということから、企業統治に失敗した会社は市場から退場を迫られることになるだろうと。そういう意味で、正にコーポレートガバナンスがますます重要になると。こういうことはこの部会等でも様々な形で議論されております。
○平野貞夫君 余りにも専門家というか、あるいはその会社の企業経営の当事者ばっかりで構成されていると。こういうやっぱり基盤になる法改革には、私はもうちょっと、博学の士といいますか、全体の世の中を総合的に観察する人たちの意見も、当該部会での意見もあるべきだと思います。 そこで、これは意見ですが、今お話しになりましたコーポレートガバナンス、これを確保するというのが最大の今回の改正の目標だと思うんですが、恥ずかしい話なんですけれども、コーポレートガバナンスというのは何ですか。
○政府参考人(房村精一君) 一般に企業統治と訳されておりますが、株主等の利益を最大化するために会社の事業活動を統制していくと。その統制の在り方としては、まず企業経営の適法性を確保するということと、企業経営の効率性を確保すると、この二つを大きな柱として企業全体を正に統治していく、こういうことを考えられております。
○平野貞夫君 そこなんですが、私は誤解していたんですが、コーポレートガバナンスというのは、株主と社会といいますか、あるいは国民ですか、そのために企業統治というのが、コーポレートガバナンスがあると思ったら、ちょっと本読んでみると、株主だけのためという概念ですね。今も、答弁もそうですよ。もうちょっと社会的な意味があるんじゃないですか、コーポレートガバナンスというのは。
○政府参考人(房村精一君) もちろん、企業統治に当たっては、株主、これが一番大きな地位を占めることは間違いありませんが、決して企業統治の中身として株主の利益のみを考えるということではないわけでありまして、特に、近年のように企業の社会的責任がいろいろ言われる段階になりますと、企業の在り方としてそういったものにも配慮した、何が企業にとって最適であるのかという判断をするということが企業統治でございますから、それは必ずしも株主に多くの配当を与えることが企業統治としてベストということではなくて、その企業の社会的役割あるいは従業員との関係、そういったものもすべて含めながら適切に企業の経営の効率化と適法性の確保、そして社会的責務の追求、こういったことをバランスを取って判断していくということになるのではないかと思いますが。
○平野貞夫君 分かりました。 勉強させていただいて有り難いんですが、そういう理念というか考え方を、会社法規といいますか、商法の中に規定していくべきじゃないですか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘の点も考えられなくはないわけですが、基本的には民法、商法というのは私人間の権利義務の関係を定める、あるいは商法については会社の組織を定めるというような司法法規としての役割がございますので、そういう中にどんな形で理念というものが入れられるのか。基本的にはそういう理念を追求するための仕組みを作るというのが商法の役割、この商法が規定する組織を使ってそれぞれの会社がその理念に沿った運営をしていただく、あるいは自分の理念を追求していただくということになるのではないかと思っておりますが。
○平野貞夫君 今回、一連の改正というのは、戦後の中で最も大きな改正です、GHQが作ったベース以来の。そのくらいなことは私にも分かるんですが、ならば、実務法だというだけじゃなくて、これだけの大きな改正をしていますから、商法の目的なら目的の中に今後の商法規の運用に当たってはこういう考え方でやるんだということはあってしかるべきじゃないですか。商法、民法は実務的なことだからそういう理念的なものは要らないということではないと思いますが。そういうものがないからおかしなことが起こるんだと思うんですよ。その点についてはどうですか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のような考えもあろうかとは思いますが、一つには、基本的に商法の役割というのは会社が適切に運営されるための枠組みを作る、そしてその枠組みの中でそれぞれの会社が最も最適と思われる企業活動をしていただく、そういう意味で、何が会社にとって最適かということはやはり社会の変化に応じておのずから変わってくるんだろうと思います。例えば、環境に対する配慮というようなことも現在重視されておりますが、これはやはり時代とともに変わってきた考え方だと思います。そういう社会の変化に応じた、それぞれの会社が考えていただく、それを実現するための枠組みを商法は用意するということが商法の基本的役割ではないか。 また、今回でも例えば、委員会等設置会社を選択制ということで法改正をお願いしておりますのは、やはり商法としてはそういう会社が取り得る手段を、できるだけ実情に合った手段を取り得るようにそのメニューを用意する、その中で正に理念を見付け、実現していくというのはそれぞれの会社が担っていただくということではないかと思っておりますが。
○平野貞夫君 日本人の構成する会社で、ゼロとは言いませんが、理念を求めて会社経営する人はほとんどいないと思うんですよ、それは、雪印を見たってどこを見たって。それから、余り頭にきて物を言うと良くないんですけれども、三月にやった政府のデフレ対策、株価対策、あれは政府のインサイダー取引ですよ、悪く言えば、空売り禁止の。そういう国ですから、そういう人たちが政権を作っている国ですから、それは企業に理念を要請するのも無理かもしれませんが、まあ余り過激なことを言うのはやめましょう。 そのコーポレートガバナンスを確保するために、そういう目的で作られたと。しかし、内容をちょっと見ますと、例えば社外取締役、一人入れろと、大きな会社には、という義務化の話が中間試案にあった。しかし、答申には抜けている。これなんかやっぱり、コーポレートガバナンスの精神を最終的に審議会が外したということになるんじゃないですかね。その点はどういう言い分ですか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、中間試案では社外取締役の選任を義務化するということを検討項目として掲げていたわけでございますが、最終的には義務付けを見送るということにいたしたわけでございます。 もちろん、経済界の反対もございましたが、私どもとして単に経済界が反対したからこれを見送ったということではなくて、実情として、社外取締役についてすべての大会社に義務付けるということになりますと、実際上の問題として人材の確保が困難であるという指摘が強くされたわけです。 この点は、昨年の臨時国会において社外監査役の増員、監査役会の半数以上ということになりましたが、このときにも社外監査役の人材が確保するのは非常に困難だということから、施行まで三年間の猶予期間が置かれたわけでございます。これは、監査役と取締役の違いはございますが、やはり会社の監督役として機能を果たしていただくという意味では人材も相当部分ダブっているだろうと思います。 したがいまして、社外監査役の増員について三年の猶予期間を置かなければならないような実情において、大会社に一律に社外取締役の選任を義務付けるということになりますと、これは非常に困難、ある意味では形だけの社外取締役ということを招きかねませんので、そういう点も踏まえましてこの社外取締役の選任を義務付けるということは困難であろうということを考えたわけでございます。
○平野貞夫君 分かりました。 それからもう一つ、今度の改正案の中で株主総会の場合の特別決議の定足数の引下げ、やっていますね。これもコーポレートガバナンスの確保に逆行する考え方じゃありませんか。
○政府参考人(房村精一君) 今回、特別決議の定足数を、定款によりまして過半数であったものを三分の一まで下げることを認めております。 これは、要するに定足数が厳しいがために株主総会がそもそも成立しないという事態があるということからでございますが、コーポレートガバナンスのやはり最終的なよりどころは株主総会、そこで株主の意思に従って会社の基本的事項が決せられるということがやはり最後のよりどころでございます。ところが、定足数が足りないがために株主総会が開けないということはどういうことかといいますと、その会社の基本的な決定をしようという意思を持って集まった株主の方々の意思が最終的に反映できないということになるわけでございます。 そういうことから、定足数を緩和をいたしまして株主総会の成立を容易にして、そこで株主に会社の基本的な事項を決めていただくという、正に株主の決定権をある意味で実質的に確保するために定足数の緩和を行っているわけでありまして、決してコーポレートガバナンスを骨抜きにするようなものではありません。
○平野貞夫君 これはやっぱり考え方でして、会議体の定足数というのは大事なんですよ。この委員会でもこれ定足数欠けているんじゃないですかな。それは、やっぱり参加する人間の意識の問題なんですよね。だから、余り理屈は言いませんが、理屈は言いませんが、株主になるなら株主になるだけの株主さんのコーポレートガバナンスも要るんですよ。 今日は、ちょっと散会後、理事懇もあり、私も時間の都合がありますので、これで終わりますが、次回またやらせていただきます。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 私も社外取締役についてまずお聞きをしたいと思います。 今日、かなり様々な委員から質問が出ましたけれども、済みません、私もちょっと初め同じ質問になるかもしれませんが、この中間試案では、二〇〇〇年四月に発表された中間試案では大会社には社外取締役の設置が義務付けが盛り込まれていたと。ニューヨーク証券取引所は上場企業に社外取締役を二人以上置くことを義務付けていると。御存じ、韓国も改革が非常に進んでいて、二〇〇二年三月二十一日、日経新聞では、例えば、「資産規模二兆ウォン以上の上場企業は取締役の半数を社外から起用することを義務化」というふうになっています。 諸外国でできることがなぜ日本ではできないのか。済みませんが、先ほどから人材難だとおっしゃっているんですが、鶏と卵の関係で、人材難だと言い続けているうちは人材難が続くわけですから、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 社外の取締役あるいは社外の監査役という点で一番期待されるのは、会社からの独立性ということだろうと思います。そういう意味ではやはり、もちろん今回の委員会等設置会社では監査委員会以外の委員会についても社外取締役が過半数ということを要求しておりますが、一般的に、会社でまず社外の方に期待されるのは監査的な役割、これを担うということがまず期待されるんだろうと思います。そういう点でいいますと、昨年の秋の国会の改正で、基本的な、失礼、大会社につきましては監査役について半数以上の社外監査役ということが求められております。 今回は、そういう意味で、大会社で基本的にはそういうことで社外の方が監視の目を持った仕組みはできておりますので、それと並んで、そちらを採用しない場合に、委員会等設置会社を採用したときに社外の人が確保できるようにということで、委員会等設置会社について、各委員会について社外取締役を過半数ということを要求したわけでございます。 長期的な方向としては、取締役についても社外の取締役の役割というのは今後重要になっていくだろうと思っております。そういうことから、中間試案の段階ではその義務化も検討したわけでございますが、その後、社外監査役が人数が増えるということもありまして、これと併せて取締役についての義務化までするということは実際上の供給源を考えると非常に難しいのではないかということから、義務化は見送っておりますが、義務化されていない現状においても社外取締役を採用する会社は徐々に増えてきておりますので、そういう実績を踏まえつつ、社外取締役の方々の充実を図っていただきたいと思っております。
○福島瑞穂君 今回の改正で選択の幅を広げるということになるわけですが、現在、社外取締役を採用している企業はどれぐらいあるのでしょうか。新聞報道などだとかなりあるというふうに、今も房村さんはかなりあるというふうにおっしゃったんですが、もし現状が分かれば教えてください。
○政府参考人(房村精一君) これはアンケートの結果ですが、上場企業の三八%の会社において社外取締役を任命しているという具合に聞いております。
○福島瑞穂君 三八%が多いか少ないかですが、今、三八であれば、将来的に社外取締役の義務化をすればこの比重はどんどん上がっていくと思うんですが、長期的に見て、法務省としては社外取締役の義務化についていかがお考えでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) その点は、社外取締役の果たす機能というようなものも見ながら、かつ給源がどうかということも含めて、今後とも検討をしていきたいと考えております。
○福島瑞穂君 例えば、新聞の社説などにもあるのですが、社外取締役がいることを上場の、証券取引所の上場の条件とするとか、将来的にはこの点の義務化を是非お願いします。 ところで、委員会等設置会社なのですが、この制度を設けることによって、がらりと変わる感じもしますし、意外と全然変わらないんじゃないかという、ちょっとどっちだろうという、あるいは非常に変わる面と実は余り変わらない会社もあるのではないかと思っています。 と申しますのは、取締役会の中から選任されて指名委員会と報酬委員会と監査委員会に分けられると。でもこれは、変な言い方をすれば、ワーキングチームを作って、元々みんな取締役会に属しているわけですから、そうしますと、取締役会の中から選ばれた指名委員会、報酬委員会、監査委員会はそれぞれある意味でワーキングチームのようなものですから、取締役会と余り対立するとか、取締役会のメンバーなわけですから対立関係や拮抗関係というのは出てこないんではないかとも思われるのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) もちろん、基本的には取締役会の中で選ばれた各委員会の委員ですので、根本的に対立するということは余りないだろうとは思いますが、しかしその三つの委員会、指名委員会、報酬委員会、監査委員会、それぞれの委員会に属する権限については取締役会と独立してその委員会で行使するということになっておりますので、そういう意味では、やはり相対的にはそれなりの独立性が確保されている。しかも、メンバーの過半数は社外取締役ということになっておりますので、そういう点で全く取締役会と同じということではないわけでございます。
○福島瑞穂君 取締役会とは別に報酬委員会が設けられるわけですが、取締役会の中のメンバーから選ばれた報酬委員会が各報酬の決定をするわけですから、変なことを言えば、自分自身の報酬も決めるわけですよね。そうしますと、この報酬委員会の妥当性の担保ということはどのように行われるのでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 基本的には、まず社外取締役が過半数いるということで相当の独立性を持っていると。それから、報酬を決めるに当たっては、基本的な考え方を定める、その基本的方針に従って個別の取締役についての報酬を決めるという決め方をしていただきます。そして、基本的方針については、営業報告書にこれを記載して明らかにするという、不明朗なお手盛りということを避けるような仕組みをそういう具合にしているわけでございます。 なお、ちなみに、報酬委員会に属する人の報酬を決めるに当たって、自分の分については、それは議決権がありませんので、少なくとも自分の分については議決権を行使しないという最低限の担保はされております。
○福島瑞穂君 今、社外取締役が報酬委員会の中に過半数は入っているということだったんですが、その社外取締役も元々は取締役会に属しているわけですから、自分の点について議決をしなくても、要するに取締役会の中から選任された人間が報酬委員会になるわけですから、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 基本的に現在の仕組みが、総額が株主総会で決まった後、代表取締役が一人ですべての額を決めてしまうというのがほとんど実情だという具合に聞いておりますので、それとの比較で申し上げれば、やはり委員会を構成いたしまして、そこで基本的方針を決め、その基本的方針を当てはめた場合に個々の取締役について幾らになるかということを委員会として議論をした上で決定していくという決定過程の透明性が確保されているわけでございます。そこの議論は取締役会でも分かるわけでございますので、そういう形でやっておりますので、胸先三寸で決める場合と違って、お手盛りということは非常にしにくくなっているだろうと思っています。
○福島瑞穂君 指名委員会、報酬委員会、監査委員会は兼務が可能ですので、例えばそれぞれ三人ずつとして、社外取締役が二名入っていると。そうすると、これは、要件である過半数は社外取締役であることを要するということを満たすのですが、この社外取締役が兼務をしますと、結局、取締役会の中で、例えば二人いれば可能であると。そうしますと、社外取締役をせっかく入れながら、取締役会の中では社外取締役は例えば二人しかいないと。要するに、イニシアチブは取れないということもあるんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 仮に、御指摘のように二人の社外取締役で、取締役会全体として見ると少数ということにはなりますが、その取締役として期待されている役割のうち、取締役候補の選任あるいは報酬の決定、そして監査、こういう極めて重要な役割についてはその二名の方が多数派になるわけでございますので、そこは、全体として少数であっても、その担っている職責の重さを考えれば、それなりに大きな役割を果たせるということだろうと思っております。
○福島瑞穂君 逆に、思い切って取締役会の中における社外取締役の割合、例えば韓国の例、先ほども申しましたが、取締役会改革、取締役の半数を社外から起用することを義務化、これは資産規模二兆ウォン以上の上場企業ですが、取締役会の中でも社外から起用することの義務化をやっていますが、これぐらいやるとかなり風通しが良くなるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 何といっても取締役会というのは会社の中で非常に大きな役割を果たしているわけでございますので、そこに適任の人を得るということが会社にとっては非常に重要なことだろうと思います。 そうなりますと、社外の方を過半数ということを法律で強制をするということになって、適任の社外取締役が得られないということでは、ある意味では元も子もなくなってしまうわけでありますので、やはり会社の実情に応じてその会社が取締役としてふさわしいという方を社外の方の中から見付けて、それが次第に増えていくということであれば、それはそれで望ましいことでありましょうし、アメリカにおいても社外取締役が過半数を超えているのが通常だと申しましても、これは決して法律で強制しているわけではなくて、それぞれの企業が企業のコーポレートガバナンス上、そういう取締役構成にすることが会社にとってベストだということで選んでいるんだろうと思いますので、日本においてもそういう形で運用をしていただければと思っているわけでございます。
○福島瑞穂君 社外取締役の選任あるいは独立性担保について、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 法律上は、社外取締役の要件といたしましては、会社のあるいは子会社の業務執行に当たっている、あるいは当たったことがないという、そういう要件で決めております。その要件の満たす方の中で、会社にとって独立して貴重な助言をし、あるいは監督をするというような人を会社が選任し、株主総会で任命していただくということになろうかと思います。
○福島瑞穂君 先ほど小川委員の方からもありましたが、顧問弁護士も社外取締役になれると。顧問弁護士は、やはり会社の代理人として会社の利益を守るという形で仕事を大体主にするわけですから、顧問弁護士は社外取締役にはなれない。他の、弁護士がいいかどうか分かりませんが、弁護士ならなれるとする方が独立性担保としてはいいと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) もちろん、顧問弁護士の方は会社の利益のために自分の能力を使っているということだと思いますが、その場合の会社の利益というのは、会社の言いなりになるということではなくて、やはり職業人、法律の専門家である弁護士から見て妥当な会社の利益を擁護するというために自己の能力をフルに発揮されているんだろうと思います。それは取締役になった方々も同じでありまして、取締役も会社と対立しているわけではなくて、正に何が会社の利益になるかということを取締役会が的確に判断すると。そのためにいろいろなメンバーの人に入っていただくということだろうと思います。 顧問弁護士の場合は、会社の言いなりになるということではなくて、当然、法律の専門家として独立した立場から助言を与えてきたはずでありますし、それは社外取締役になっても全く同じだろうと思いますので、顧問弁護士の方が社外取締役になるということ自身、法律上、何ら問題はないと思っております。
○福島瑞穂君 取引関係にある企業の役員はどうでしょうか。あるいは子会社、先ほどもちょっと出ましたが、子会社の役員はなれないのだけれども、親会社の役員であればなれるわけですよね。なぜかというのがちょっと、それがなぜ、子会社の役員はなれないんだけれども、親会社の役員ならなれるのはなぜか。 先ほど、取締役が会社の利益と対立しているわけではないとおっしゃって、それはそのとおりなんですが、なぜ今、社外取締役を入れるということでコーポレートガバナンスを実現しようとしているかといえば、どうしても取締役といえば、サラリーマンの人たちが出世のすごろくの上がりじゃないですけれども、そうしますと、どうしても会社の中で育ってきて、会社の中で育てられて会社の中で生きていて、すごろくの一番上がりで取締役になるというよりも、それももちろん重要なんですが、社外から新しい風を入れてチェック機能を働かそうという意味であれば、例えば取引関係にある企業の役員や親会社、子会社の役員ではなくて、やはり独立性の担保という趣旨を貫いた方がいいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) まず、子会社の関係でございますが、これは親会社の経営者からの影響力が当然及ぶということが考えられるわけであります。 そもそも、業務執行についての監督が必要であるということの大きな理由は、業務執行に当たる者が株主の適正な利益を無視して独走してしまうというようなことを防ごうということがやはり基本にあるわけでございます。そういう点で、子会社の役員では、正に業務執行を行っております親会社の役員の影響下にありますので、独立性の点で問題がありますし、監査が十分期待できないということは言えようかと思っております。 逆に、親会社の者ということになりますと、これは親会社は子会社に対する株主でありまして、ある意味では、正に株主の意向を反映するという点では子会社の役員とは全く性質が異なりますので、これは除外していないということになります。 取引先ということになりますと、これはまたいろんな問題があろうかと思います。契約関係にある場合には、取締役になることによって利益相反の状態になるということもあり得るでしょうし、ですから、どういう関係に立つかによって扱いも当然異なってこようかと思いますので、これは一律に法律で規定することではなくて、やはり会社が判断をすることだという具合に思っております。
○福島瑞穂君 取引関係にある企業の役員はちょっと微妙かもしれないんですが、親会社の役員は株主である、親会社は株主であるから、株主の利益とおっしゃったんですが、それは違うと思うんですね。株主としての立場と、それから親会社としての支配権、コントロール権はやはり別物ですから、親会社は純粋な株主というよりは、コントロール権は働かないでしょうか。 私が思っているのは、コーポレートガバナンスの考え方は、例えば日本の企業は多くは系列がある。それから、メーンバンクがある。それから、組合は企業内組合である。そして今までは、ごく最近までは年功序列型で、企業内で育った何とかマンとか何とか人みたいな形で育ってきているので、内部の価値、会社の中の価値と社会の価値がずれたりすることになかなか無自覚だったり分からないということから、これを導入しようとしているわけですね。そうしますと、親会社の役員が入っても、それは親会社の利益を社外取締役としてやろうとしていて、本当の意味でのコーポレートガバナンスになるのか、逆に系列を強化するだけじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 親子会社、基本的には親会社としては出資をして子会社を作って、そこでの経営について期待するところがあるわけですので、支配権の元は、やはり出資株主であるという地位に基づいて生じている。もちろん、親子会社の認定に当たりまして、出資割合だけではなくて、人的なつながりというようなものも要素に入りますが、やはり基本には親会社、子会社の関係は、株主であるかどうか、そして株主たる親会社として、株主として子会社にどういうことを期待するかということは当然あるわけでありますので、やはり子会社の人間が入るのとは性質が違うだろうと思っております。そういうことでございますので。
○福島瑞穂君 いや、何か論争になって、済みません。株主としての立場と親会社としての立場というのはちょっとやっぱり似て非なるものというか、済みません、これはまた私も考えてみますし、また子会社の役員は駄目で親会社の役員が良いということについてはまだちょっと、今後も私も考えてみますし、実はやはりすっきり社外取締役、独立性の担保という方がすっきりするのではないかということをちょっと申し述べたいと思います。 社外取締役の、さっきからの、人材不足というふうにあるんですが、研修や人材の養成等についてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) これは、取締役の任務の重大性を考えますと、そういういろいろな研修とかそういったものというのがなされることは非常に望ましいとは思っております。取締役協会というような団体もできているようでございますので、自主的にそのような試みがされるということであれば非常にいいことだという具合には思っております。
○福島瑞穂君 監査委員会というものが新しくできて、取締役による自己監査になるという点も非常に大きいと思います。いい面もあるだろうと思う反面、ちょっと繰り返しになりますが、取締役会から選ばれた取締役は監査委員会を構成するわけで、取締役による自己監査になるという、これはこの監査がうまくいかない場合は非常に大問題になる、癒着になるんじゃないかとも考えられますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 基本的には、監査の中心というのは業務に対する監査、適法に業務が行われているか、あるいは会社の基本方針に沿った業務執行がなされているかということを見るのが中心でございます。そういう意味では、委員会等設置会社におきましては、業務の執行については権限が大幅に執行役に移されておりますので、取締役あるいは取締役会が業務執行に関するということは非常に少なくなっております。そういう意味で、監査委員会の主たる対象はやはり執行役の業務執行ということでございますので、そういう点ではおよそ自己監査ということにはならないだろうと思います。 御指摘のように、取締役会の職務執行についても監査委員会が監査を行うということになっておりますが、取締役会の職務執行ということであると、取締役会で決定をする事項、これは非常に限定されております。しかも、取締役会での決議でございますので、取締役相互にどういうことをやっているかということは分かるわけでございますから、そういう点について監査委員会としても監査を行うということで、現在の仕組みに比べて特段に監査機能が劣るということはないようには思っております。
○福島瑞穂君 この委員会等設置会社のその代表執行役と執行役のイメージなんですが、今までの従来の商法の頭だと、取締役会があって代表取締役が選ばれて、代表取締役が、変な言い方をすれば、会社の中で一番偉くていろんな力を持っているというイメージなんですね。この代表執行役と執行役のこのイメージはどういう形で、今までの従来の代表取締役とどこがどう違ってくるんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) イメージで申しますと、アメリカのいわゆるCEO、チーフ・エグゼクティブ・オフィサーですか、最高経営責任者と訳されておりますが、そういうことですが、やはり代表執行役は業務執行についての最高権限を持ちますので、対外的に会社を代表しますし、業務執行については決定権限もその人は持っているわけでございますので、従来の代表取締役に匹敵する地位に就く方であろうという具合には考えております。 ただ、従来は取締役として株主総会で選任され、取締役会の中で代表取締役に選任されていたものが、今後は、執行役に選任されるのは取締役会においてでありますし、代表執行役にするかどうかも取締役会が決めるという意味では、取締役会の直接の監督権限はやはり従来に比べれば強くなるということが言えようかと思います。
○福島瑞穂君 何かイメージ的なことを聞いて申し訳ないんですが、先ほど、この委員会等設置会社を作るとがらっと変わる面と、実は余り変わらない面とあるんじゃないかということと共通するんですが、例えば、済みません、さっきの、今年の三月二十一日付けの日本経済新聞にやはり韓国の企業のことが書いてあるんですが、「若手の登用 取締役予備軍である執行役員に四十代を積極的に登用。サムスン電子で六七%、SKテレコムで八〇%が四十代に」というふうになっているんですね。そうしますと、この執行役というのが、まあ、ばりばりというか、三十代、四十代で、要するに機動的にばっと動いていくという、こういうイメージなんですね。 今までの商法の代表取締役のイメージだと、取締役の中では一番功成り遂げた人が代表取締役になって、もっと偉くなると名誉会長になるみたいな、そんなイメージなんですが、今回の商法改正でのこの執行役、代表執行役のイメージはどのようなものなのでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) これはもう法律上は何の規定もございませんので、会社の考え方次第、若い人に思い切って任せるということを取締役会が決めれば非常に若い代表執行役あるいは執行役が誕生することもありましょうし、やはり経験を重んじて、それなりに経験を積み、知識を持った人をということであれば老練な方を選ぶということもありましょうし、これはもう企業の選択ということになろうかと思います。
○福島瑞穂君 コーポレートガバナンスということで一つお聞きをしたいんですが、従業員、労働組合との関係です。労働組合は経営に対する有力なチェッカーであると、チェックをする人であるということでいえば、コーポレートガバナンスと従業員について、あるいは労働組合についてどうお考えでしょうか。 例えば、コーポレートガバナンスと会社法制ということでいいますと、ドイツは資本や従業員数が一定規模以上の株式会社では監査役会のメンバーの半数を従業員が選任する、監査役会は株主代表のメンバーと従業員代表のメンバーから成るという。 なぜこういうことを申し上げるかというと、例えば雪印などは倒産して従業員の人たちが本当に失職して明日からの生活に困ると、どういう株式会社でありたいかということは、従業員は実は極めて密接な関係を持つと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 従業員の方は、その会社とのかかわりでは非常に重要な地位を占めていることは間違いありません。そういう意味では、コーポレートガバナンスを考えるときにその従業員をどう考えるかということも当然念頭に置かなければならないとは思います。 ただ、会社の経営の意思決定の仕組みを考えるときに労働者の意思をどういう形で反映するかというのは、それはそれぞれの国における実情によるんだろうと思います。御指摘のように、ドイツは監査役会に従業員代表という形で入っておりますが、英米では別にそういう形は取られておりません。 我が国でも、会社経営に直接、意思決定過程に入るということではなくて、会社側と組合との交渉という形で組合の意思を会社経営に反映するという仕組みが取られているわけでありまして、どのような形で取り込んでいくかということは、他の多くの利害関係者がいるわけであります、取引先であるとか債権者であるとか。そういったものとの関係も含めつつ、会社の意思決定の在り方を考える中で慎重に検討していくべきものではないかと思っております。
○福島瑞穂君 衆議院の附帯決議の第四項は、「委員会等設置会社制度の運用にあたっては、社外監視機能が充分発揮されるよう、社外取締役要件等の周知徹底を図ること。」というのがあります。法務省としてこの周知徹底をどのように考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) これは、もちろん社外取締役の法律上の要件ということについて御理解を求めるということも当然でありますが、同時に、社外取締役に期待されている事柄というようなものも含めてできるだけ周知をしていきたいと考えております。
○福島瑞穂君 終わります。
○委員長(高野博師君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時十分散会