法務委員会 第12号
- 発言数
- 173 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/04/23
会議録
○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十九日、渡辺秀央君が委員を辞任され、その補欠として平野貞夫君が選任されました。 また、昨二十二日、片山虎之助君及び三浦一水君が委員を辞任され、その補欠として倉田寛之君及び山下英利君が選任されました。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案の審査のため、お手元に配付の名簿のとおり、三名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、日本司法書士会連合会会長北野聖造君、日本土地家屋調査士会連合会会長西本孔昭君及び日本弁護士連合会弁護士制度改革推進本部副本部長児玉憲夫君でございます。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。 参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお聞かせいただきまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 議事の進め方でございますが、まず北野参考人、西本参考人、児玉参考人の順に、お一人十分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 なお、念のため申し添えますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いしたいと存じます。 なお、参考人の方の意見陳述及び答弁とも、着席のままで結構でございます。 それでは、北野参考人からお願いいたします。北野参考人。
○参考人(北野聖造君) 日本司法書士会連合会会長の北野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 着席してしゃべらせていただきます。よろしくお願いします。 参議院法務委員会におかれましては、参考人として御招致いただき、意見を申し述べる機会をお与えいただきましたことに対し、冒頭、厚くお礼申し上げます。 また、司法書士及び司法書士制度に対しまして格別の御理解を賜り、今次の司法書士法一部改正法律案につきまして慎重なる御審議をいただいていますことに対しまして、重ねて心より感謝を申し上げる次第でございます。 私ども司法書士は、明治五年に公布されました司法職務定制に職能としての起源を有しております。当初はいわゆる裁判事務のみを行い、明治二十三年に公布されました裁判所構成法により登記事務を区裁判所が扱う非訟事件とされたことに関連しまして登記申請手続を行うこととなり、以後、営々と二つの事務を中心にこれを遂行し、百三十年の歴史を持って今日に至っております。 私どもは、国民の皆様の身近に発生する様々な法律問題に対応することを大事な職責としてきたことにより、全国的に存在して、その事務所を有しております。 私ども司法書士の職務範囲は、国民の皆様の日常生活に起因する多くの法的事象を含んでおります。現在におきましても、依頼者たる国民の皆様の要望に沿った多様な事務を懸命に遂行し続けております。特に、司法過疎地域ではなおさらのこと、そうではない地域におきましても司法書士業務に対する国民の皆様の御期待が現にありますし、それにこたえなければならない責任を実際に肌で感じてまいりました。 したがいまして、日本司法書士会連合会は、このたびの司法制度改革論議の中で、職能としてのエゴに決して陥ることのないように十分に注意しながら、法律専門家による充実した法的サービスの提供を可能とする制度改革をお願いしてまいりました。 昨年六月の司法制度改革審議会最終意見は、身近な司法の実現を重要な視点とされ、全く同様の視点を有する私どもの意見にも特段の御配慮をいただくことができました。 本改正案には、私どもがその実現をお願いしてまいりました事項が数多く盛り込まれております。特に、司法書士に対する簡易裁判所の訴訟代理権などの付与は、いわゆる法曹資格を持たない者に対し、業として訴訟代理を認めようとすることでありまして、明治以来の我が国の近代社会の中でも特筆すべき画期的な出来事であると申し上げることができると考えております。かかる方策を決定され、更にこれに御同意をいただいた諸先生並びに関係各位に対し、心からの敬意を表するものであります。 国民の平穏な日常生活の営みにとって、実質的に保障された裁判を受ける権利の存在が必要であることは論をまたないものであります。この権利は、第一義的に、いつでもどこでもだれでも司法にアクセスできなければならないとの、国民の司法へのアクセス権の確保充実の問題であり、それは、国民生活の現場における法律専門家の相談窓口の確保充実の問題でもあるわけであります。 本改正案における司法書士による相談業務の明示は、国民に身近な司法の再構築に資するものとして確信いたしております。この点におきましても、このたびの司法制度改革に関する具体的実施方策として本改正案をその第一番目として御論議いただいておりますことに、法律専門職能として大きな意義を見いだしております。 御審議いただいております簡易裁判所における訴訟代理権等の新しい職務は、司法書士が従来行ってまいりました裁判書類の作成に関する業務の、ある意味では延長線上にあるものと言えなくもありません。しかしながら、訴訟代理人として依頼者の権利義務に直接かかわる訴訟行為などの行為主体となることの重大さを考えますと、代理人に必要な能力を習得するための研修やトレーニングの充実に職能団体として全精力を傾注し、真剣に取り組んでいかねばならないものと改めて強く自覚いたしております。 本年二月に実施いたしました全国会員に向けた意識調査、お手元に資料として配付させていただいておりますが、これによりますと、一万人を大きく超える会員がこの新たな法律事務に従事するための能力養成の研修に参加することが見込まれております。したがいまして、私ども日本司法書士会連合会は、総力を挙げて、その適正確実な実施に向け、これに取り組んでまいる所存でございますが、この研修は、その規模、内容ともに我が国においても恐らく前例のないものであります。その実施に当たりましては、裁判所、弁護士会を始め、法律実務家の皆様の絶大な御指導と御協力を賜りますよう、この機会をおかりし、切にお願い申し上げる次第であります。 また、今後の司法書士職務の更なる重要性に伴い、従来にも増して職能倫理が厳しく問われるものと自覚いたしております。司法書士職務の透明度を高めてまいると同時に、自らを適正に律するための諸方策を活用し、職業倫理の確立のために格段の努力を重ねてまいる所存でおります。 さらに、本改正案により、司法書士職務の継続性、専門性の向上を図り、国民の皆様の利便性に資するべく、司法書士法人制度を創設していただくことになりました。司法書士法人制度にあっては、法人化の実態が一定程度進み、国民の皆様への利便性を更に向上させることが求められる状況となれば、法人形態などに関し、更なる御議論をお願いできるものと考えております。 一方、本改正案では、従来からの司法書士の重要な職務であります登記事務にも相談権が明定されました。今後も不動産等に関する国民の権利保護のため、更に充実した法的サービスの徹底に努めてまいりたいと存じます。この観点から、現在行われております不動産登記等のオンライン申請の問題に関しましても、これに重大な関心を持ち、日本司法書士会連合会として国民の皆様の権利を十全に保護するための意見を積極的に申し上げていく所存であります。 加えて、私どもが新しい職務を適切に果たし、国民の皆様からの御信頼をいただくことにより、司法制度が国民生活にとって更に利用しやすく身近なものとなりますよう、また家事事件や民事執行事件においても、将来、代理人としての役割を担わせていただきますよう、精一杯の努力をしてまいります。 終わりになりますが、国民の皆様にとって身近な法律家としての司法書士の存在を不変のものとするために、今後も最大限の努力をいたしてまいることをお誓い申し上げます。 御列席の委員の諸先生におかれましては、司法書士制度に対する引き続きの御支援と御指導を賜りますよう心よりお願い申し上げ、私の陳述の言葉といたします。 ありがとうございます。
○委員長(高野博師君) ありがとうございました。 次に、西本参考人にお願いいたします。西本参考人。
○参考人(西本孔昭君) 私は、日本土地家屋調査士会連合会会長の西本孔昭と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 このたびは、司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案の審議に当たりまして、本委員会委員の先生方におかれましては、私ども土地家屋調査士の地図と境界の専門家としての業務につきまして格段の御理解と御配意を賜り、また本日、このような機会をお与えくださいましたことに厚く御礼申し上げます。 また、国民に理解され、より利便性を高める新しい司法制度の将来を構築するために設置された司法制度改革推進本部に参画させていただけるようお取り計らいくださった国会議員の先生方並びに法務省を始め関係機関の皆様方に御礼を申し上げます。 さて、私ども土地家屋調査士は、昭和二十五年に議員立法によりまして土地家屋調査士法を制定していただいてから五十年余りを、主として法務省の御指導を得ながら、広く国民から、そして国や自治体の理解と期待にこたえて、表題部の登記にかかわる仕事を通じまして、地図と境界の専門家として精進してまいりました。不動産の表示登記に対応する地図、現地と登記と地図の一体化を目指すことによって境界紛争を予防したいというのが土地家屋調査士の業務を通しての願いでございます。 明治初期に作成されました地図には、官有地は道路が赤、水路が青などと着色され、その平均幅員、延長距離の記入のあったものも、後に作られるときは色も数値も省略され、さらに昭和三十五年、不動産登記法の一部改正によって、いわゆる登記簿と台帳の一元化に際しては、国民に義務を課している表示登記について、固定資産税を課さない土地にあってはこれを免除することとし、今、一括譲与として所有権の帰属するところを国から自治体へ登記上何の手だてもなく移転していることに大きな憂いを覚えるものであります。 区画整理や都市部の国土調査が近年に実施されたところを除けば、現地と登記と地図が符合していない事例は余りに多く、公共事業を計画していただいても、地図の整備を行わないと全体設計に差し支えることがありますし、何か道路、橋、あるいは大きな建物を造ることには情熱を傾けられる民間の事業者も、自治体や国の出先機関も、後始末としての登記や境界標の復元に対する熱心さに欠けることが多く、次に何か行うとき又は隣をどうかしようとするとき、更に同じ悩みを抱く例に遭遇しております。このため、個人としての土地家屋調査士も公共嘱託登記土地家屋調査士協会もともに、街区全体の調査や古い資料の収集と調査、近隣の測量を通じて、後に発生するかもしれないトラブルを未然に防ぐための努力をしています。 国民の皆様方から信頼されながら、このように財産の保全、産業基盤の形成、公平な税の対象たる物件の明確化に当たっているわけでございますが、私たち土地家屋調査士には、依頼に応ずる義務を負うと同時に、不動産登記法には、国民に義務を課す登記、更にこれを怠ると過料に処すとまで書いてあります。このような業務に関する報酬を会則から削れというおさたに対しては、全国の会員から、公共の料金に準ずるようなものの報酬基準を削ることは利用者に不便を掛けるだけではないかとする悲痛な声が続々と届くのであります。 また、平成七年の民事行政審議会の答申に基づいて全国の登記所の統廃合が行われてきました。司法書士さんほどではないとしても、隣接法律職とされた多くの資格士業者が登記所もなくなった市や町から出ていけば、ゼロワン問題はここにも発生し、現場と登記所、事務所と登記所は遠くなり、競争相手もなくなってしまうのに、競争の原理もへったくれもあり得ません。報酬の基準もなければ、結局、困るのは利用者たる国民であることを御存じないのでありましょうか。利用くださっている人たち、しかも多くは一生に一度の機会を迎えた人たちにどのように対応したらよいのか悩んでいるわけでございます。国民に理解され、利便に供してきたことが、形だけの画一的なお達しで済まされないのが現場の実情でありますので、いま一つ心と知恵の御援助を渇望しているところでございます。 ただ、最初に申し上げましたように、土地家屋調査士に関しまして政治家の先生方にも法務省民事局にも深い御理解を賜りつつありまして、より国民に分かりやすく、より利便性を高める新しい司法制度のありようを求めて御検討いただいている司法制度改革推進本部に嘱託調査員とオブザーバーの参加をお認めいただきました。改正法で対応すべき調査士会員の業務に関する紛議の調停に土地境界の問題が絡めば、全国五十の調査士会は既に一種のADRに近い役割を担わねばなりません。地域によっては、既に弁護士の先生方のお力をもおかりして境界相談センターを立ち上げて、裁判外境界紛争の初期の形を試行しております。 これから様々な局面において、国民に分かりやすい司法制度の中でお役に立てることがあるよう積極的に研究と研修を深めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げまして、結びとさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(高野博師君) ありがとうございました。 次に、児玉参考人にお願いいたします。児玉参考人。
○参考人(児玉憲夫君) 最初に御紹介いただきました日本弁護士連合会弁護士制度改革推進本部副本部長の児玉憲夫でございます。 まず、日弁連を代表して、本日、司法書士法及び土地家屋調査士法の改正につき意見を述べる機会を与えられたことに対して感謝を申し上げます。 本日は、今次の改正案のうち、土地家屋調査士法については特段の意見はありませんので、主として司法書士法の改正につき意見を述べさせていただきます。 弁護士法七十二条は、一定の資格要件と厳しい職務規律を求められる弁護士以外の者が、法律事務に介入し、それを業とすることは、当事者及び関係人の権利、利益を害し、国民の法律生活の円満な維持発展を妨げますことから、これを禁ずるために設けられたものであり、決して弁護士の職域確保のためのものではありません。したがって、この原則は今後とも基本的に維持されなければならないと考えます。 ところで、我が国ではこれまで先進諸国に比べて十分でない法曹人口、弁護士の地域偏在と少額事件関与の消極性、弁護士の執務体制の在り方や業務に対する規制により、弁護士の主たる業務分野である訴訟代理業務については必ずしも国民のニーズにこたえてきたとは認め難い現実がございます。その中で、隣接法律専門職種から弁護士法七十二条の見直しの声が強まってきたわけであります。 司法制度改革審議会は、最終意見書において、国民の権利擁護に不十分な現状を解消する利用者の視点から、当面の法的需要を充足させるため、司法書士につき、信頼性の高い担保能力措置を講じた上で簡易裁判所訴訟代理権と簡裁事物管轄の範囲内の調停・即決和解事件の代理権を付与すべきと指摘いたしました。 日弁連は、これらの要求に対し、平成十二年九月十四日の理事会において基本指針というものを決議しております。 その内容は、これら隣接法律専門職種が行政事務の補完という面を持ちつつも、現実的には市民の間で全国にわたり法の担い手としての役割を果たしていることを率直に認め、本来的には弁護士人口の大幅な増加と過疎地の解消、専門性の強化、法律相談センター、公設法律事務所の拡充により弁護士が担うべきものであるけれども、増員の進展過程もあり、隣接業種に一定の法的関与を許容することを認めざるを得ないとして、司法書士については簡易裁判所の通常民事事件に業として補佐人になるということを認めておりました。今次改正のように訴訟代理権を認めなかったのは、司法書士の資格取得につき、代理人としての訴訟を遂行するに足りる能力を求められていないことと、国家試験によらない法務大臣認定の資格者が三分の一おられるということを挙げております。 他方、日弁連は、国民の弁護士に対するアクセスを容易ならしめ、権利擁護の不十分な現状を改めるために今日まで鋭意努力を重ねてまいりました。平成十二年十一月一日には、国民の必要とする質と量の法曹人口を認める総会決議を行いましたし、これを受けて改革審の意見書は、平成三十年には実働法曹人口を五万程度にするということを提言しているわけであります。また、日弁連は、過疎地対策として、いわゆるゼロワン地域に公設事務所、公設法律センターの設立を進め、平成十二年四月には七十一か所であった未設置ゼロワン地域を現在あと一か所に残すのみに迫っております。さらに、広告の解禁も行いました。 しかし、これらの努力にもかかわらず、いまだ十分であるとは言えない状況であります。したがって、司法書士に簡易裁判所に限定した訴訟代理権を付与することは、現段階では弁護士過疎地や少額事件における国民の権利の擁護のために役立つものと認めます。 以上の諸事情を踏まえ、日弁連としては、改革審意見書の基本方針を尊重して、以下に述べるような四点が充足されることを条件に、今次の司法書士法の改正案に賛成いたします。 その条件の第一は、法務省令で定める能力担保措置の内容についてであります。 改正法案三条二項は、簡裁訴訟代理関係業務について省令の定める法人が実施する研修であって法務大臣が指定するものの課程を修了し、申請に基づき同関係業務を行うのに必要な能力を有すると法務大臣によって認定されなければならないと規定しています。具体的には、百時間の研修を受けた後の法務大臣の認定が予定されておりますが、法務大臣が指定する課程の中身も確定しておらず、かつ、認定する基準や方法もいまだに定まっておりません。 日弁連は、弁護士が受任している事件に限り代理権を認めた弁理士法改正案十五条の二が、経済産業省令で定める訴訟代理人になるのに必要な学識及び実務能力に関する研修を修了した者に対し、当該学識及び実務能力を有するかどうかを判定するため、論文式による筆記の方法によるという規定を置いているのと同一の方法が司法書士法においても取られることを求めます。 さらに、弁理士法改正案二十七条と同じく、これら研修と試験に合格した旨を資格に付記し、付記された事実を公表し、それを関係裁判所及び弁護士会に送付する方策が取られるべきであると考えます。 第二の条件は、簡裁訴訟代理関係業務を遂行するに当たっての執務上の倫理を確立し、会員に徹底されることであります。 双方代理が認められる登記関係業務と異なり、これら業務は利益相反受任は認められませんし、あわせて、非弁提携業務を行ってはならない。このことは、弁護士にサラ金整理業者の提携問題があるように、大半がクレサラ会社を当事者としている簡易裁判所でも司法書士において同様な事件が発生するおそれがあるのであります。 第三は、司法書士に関する適切な綱紀・懲戒手続の確立であります。 改正法案は、何人も懲戒請求をなし得ると規定されていますが、懲戒権者が法務局長ないし地方法務局長であって、司法書士会及び同連合会がこれら手続にどうコミットするかが明らかではありません。調停・即決和解事件の代理と裁判外の相談交渉の業務は、簡裁の事物管轄の範囲内に限定されておりますところから、今後、紛争案件に伴う非違行為が生ずる可能性は高いと思われます。その場合、これら非違行為の通知とそれに対する調査の手続や具体的措置が迅速的確になされることが不可欠であって、この点に関する法務局ないし司法書士会の手続の整備が必要であります。 第四は、これら懲戒手続が適切に行われるためにも、司法書士会の独立性に向けた努力がなされなければなりません。 その前提として、国家試験によらず、別認定による資格付与がなされていることを廃止、縮小することが肝要であります。訴訟代理や裁判外相談交渉は、それを担当する者の職務の独立性なくしては国民の権利、利益の擁護に反する結果を生じるからであります。 続いて、将来における代理権の範囲拡大について申し上げます。 司法書士会は、今次改正の範囲に加えて、家事調停、同審判事件、民事執行事件と上訴提起の代理権の付与を求めておられますが、日弁連はこれらに賛成いたしません。これら事件は、例えば家事調停及び審判の内容につきまして申し上げますと、専門的な高度な判断を必要とし、執行事件は異議や抗告など複雑であって、簡易裁判所の対象事件と同一に取り扱うことは問題であります。また、事件を九十万円で区切るということも困難であります。上訴提起も、時間的制限はありますけれども、司法書士の援助の下、当事者本人が行うことで対応可能であります。 よって、これらは今次改正の訴訟代理関係業務の今後の実績と諸般の状況を踏まえて改めて検討する課題であって、現時点では尚早であります。改革審意見書も慎重に審議をされた結果、これらについての拡大は認めておりません。 日弁連は、以上の条件が充足され、又は充足されることが確実と認められるならば、前述した担保能力のための中央及び地域における研修につき、講師の派遣、模擬裁判への参加、指導などの協力を惜しまない覚悟であります。また、法律事務所での実務研修や司法書士会の非行監視システムへの助力も考えたいと思います。 日弁連と司法書士会及び土地家屋調査士会との関係は、ほかにもADRやワンストップサービスの協働など多くの課題があります。弁護士の人口が増加し、例えば五万人時代を迎えた場合の両者の関係は今後、別途、検討されなければなりませんが、弁護士と司法書士は、競い合う隣接職種としてではなく、国民の権利擁護の拡充のためにともに協働する関係に向かわなければならないということを申し上げ、意見陳述を終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(高野博師君) ありがとうございました。 以上で参考人の意見陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩井國臣君 まず、北野参考人にお伺いしたいと存じます。 今、児玉参考人の方からるるお話を伺ったわけでありますが、その中に、将来の話ですけれども、家事調停、同審判事件、民事訴訟事件についてはいろいろ問題があるという御指摘であったかと思います。そういう点について今ここで論ずるのは、将来の問題としていろいろ検討するとして、今日はそれは触れないで、あえて触れないでおきたいと思いますが、簡易裁判所における訴訟代理につきましても、やっぱり私は弁護士さんと司法書士さんを同列に考えるわけにはやっぱりいかない。それは、多少、境目のところでダブるような話はありますけれども、やはりきっちり役割分担というのがあるわけで、今、児玉さんも最後のところで、協働関係で、お互いの役割というものを考えながら協働してやっていくというふうな、要するにシステムというか体制を整えていくべきではないか、そういうお話であったわけだと思います。ですから、私はやっぱり役割分担というのがあると思うんですね。 簡易裁判所における私は本人訴訟というものを私自身は重視しておって、私の身近なところにもそういうのはあるんですよ。いや、金が惜しいからとか弁護士さんがいないからじゃないんです。弁護士さんはおるんです、私は京都ですけれども。おっても、自分の信念というか考え方で、法廷に立って自分で堂々とやりたいという人はそれはおるわけです。ですから、そういう本人訴訟をサポートしていくと。しかし、本人が出れない場合がありますからね。それは時々あるんです。ですから、そういう場合に代理で出席してやるというのは、これは私、そういう応用動作というのがないと、全然代理できませんというわけにはいかない。 ですから、私は、訴訟代理という、簡易裁判所における訴訟代理というものは前向きに考えるべきである、今回の法律改正についてはそういう点で極めて高い評価が与えられるんではないか、こう思っているんですけれどもね。ですけれども、本質的に言いますと、やはり弁護士さんと同列に考えるわけにいきませんで、おのずと限度があるんじゃないかと私自身は思っておるわけでありますが、そういったことにつきましてどのようにお考えなのか。将来のこの問題はまた後ほど議論するとして、これ、難しいですからね。ですから、今、私の言ったことについてひとつお考えを述べていただきたいと思います。
○参考人(北野聖造君) 私ども、裁判所へ提出する書面作成という形で本人が訴訟を継続することの支えとなってまいりました。もちろん、その場合も司法書士制度に対して大きな制限がありましたので、いろんな工夫や努力や困難もありました。しかしながら、基本的には本人を主体とする訴訟支援を行ってきたわけであります。この方向性は今後も変わらない、維持すべきだという考えでおるわけであります。すなわち、本人訴訟、民事訴訟は特にでありますが、本人訴訟に関しましては、本人の意思を尊重し、本人の考えを基にした裁判が行われるのが原則であろうと思うわけであります。 しかしながら、この訴訟支援をやってきました過程におきまして、どうしても裁判所に行くことができない方、病気もありますし、答弁といいますか陳述能力という問題もあります。こういうこともありまして、それを支援する方策が私どもにはなかったわけであります。 したがいまして、今後は利用者の選択によって、例えば本人訴訟したいということであれば十分にその支援にこたえていきたいと思いますし、万一、代理が必要であればそれにもこたえてまいれるようになるわけであります。すなわち、依頼者の方の選択の範囲と、私たちを利用する範囲が広がったものと自覚いたしております。 弁護士制度とどう変わるかというと、私は一概に大きく変わったものはないと思いますけれども、本人支援、訴訟代理という点では同じだろうと思いますけれども、スタンスについてそのような形で今後も私たちは努力してまいりたいと思っているところであります。
○岩井國臣君 もう一点、先ほど児玉参考人が四つの条件を御指摘になりながら今次の改正案に賛成だと、こうおっしゃった。私、大変御見識だなと、こう思ったわけでありますが、その四点の問題につきましてどのようにお考えになっておるのか、余り時間ありませんから、ごく簡単におっしゃっていただきたいと思います。
○参考人(北野聖造君) すべてお答えできるかどうか分かりませんが、やはり倫理に関しましては当然、訴訟代理を行う職能になるわけでありますから、今以上の倫理性を確保したい。さらに、双方代理ということがございますので、双方代理についてはもっと厳しく私どもは職務制限をしていきたい。そして、訴訟遂行に何ら支障のない形を持っていきたいと思っておるわけであります。 そしてまた、研修等につき、特別研修でありますが、これは私どもは裁判書類を作成するということ、それから二か月間にわたる新人研修も行っておりますこと、こういうことについて基本的な能力は備わっていると自覚いたしているところであります。したがいまして、私たちが未知の部分であります法廷弁論とか法廷内の活動について十分な研修をしながら、今次の新しい職務に対応してまいりたいと思っているところであります。 非弁提携と同じく、私たちもそれを十分に警戒してまいります。会則等にそのような、入れながら、司法書士の独立性、専門性、それから責任性を十分高めてまいりたいと思っているところであります。 以上、感じたところでありますけれども、そのような形で、新しい職務を遂行するための大きな自覚と責任を持って今後対応してまいりたいと思うところであります。
○岩井國臣君 次に、西本参考人にお尋ねしたいと思います。 先ほど報酬規定の話をなさいました。今回、報酬規定が会則から削除されるということになろうとしているわけでありますが、そもそも報酬規定を会則から削除するというのは、規制計画の方で、政府としてはですよ、政府側としては規制計画の方で決まっておって、去年のたしか三月でしたでしょうか、あの規制計画の中にも明記してある。逐次もうやっているのも、弁理士さんとかやっているのもあるわけです。 小泉さんの一つの考え方として、民間でやれるものはどんどん民間でやればいいじゃないかというのが実はあるわけですよね。土地家屋調査士さんの場合には、国家資格ではありますけれども、別に国そのものではない、民間側におられるわけでありますから。そういう趣旨からいって、これ独禁法とのいろいろ関係もあると思いますけれども、私はそういう報酬基準を、報酬規定を会則の中で明記するのではなくって、何か、しかし国民にはやっぱりどういうことをやったらどれだけコストが掛かるんだということは分からにゃいけませんから、それはいろんな工夫が要ると思うんですけれども、そういう御検討は去年の三月の閣議決定以降、いろいろおやりになっておるのではなかろうかと思うんですが、これも一切反対でということなんでしょうか。その辺、ちょっと教えていただけませんでしょうか。
○参考人(西本孔昭君) 御指示をいただいてから公正取引委員会にも何度も通いまして、おおよそやはり公共料金に準ずる業務だということは御理解をいただくようにはなっております。 その中で、やはり具体的に各事務所に掲示をしても、いろんなところへ探しまして、ここが幾らだった、ここが幾らだったというようなことを比較できないんですね、一般的には。そんな人はほとんどいません。それよりもむしろ何をすれば、少なくとも法律的に義務としているような表示登記、地目変更登記といったようなものについては、おおよそこれこれで済ますことができるという安心感が国民にあった方がいいのではないかということでございまして、各調査士会では様々な努力をしております。 会則から削ることはそんなに簡単ではございませんが、先ほど申し上げましたように、それでは余りにも利用者たる国民に不便だということに対して、私どものどの程度までカバーしてやったらいいかということが、ある程度やはり国のお墨付きがございませんと、無防備にまた、会で情報提供しましてそれが指導を受ける、新たな指導を受けるというようなことはしたくございませんので、この辺までは大丈夫だという明確な御指針がいただきたい。あるいは、法務省自身が十七条地図の作業については発注者であるわけですから、そういったときのおおよそのガイダンスもないのでしょうかというようなこともいろいろと研究をしておるところでございます。 実質的には、各会員が困っておる、各会員が困っておる、依頼人たる国民に言われて困っているというのが実情でございます。
○岩井國臣君 ちょっと時間がなくなったんであれですけれども、最後に児玉参考人にお聞きしたいと思うんですが。 私は、これから日本における法文化の確立ということを考えたときに、できるだけ底力のある自立した個人というものを作り出していくようなシステムをいろんなところで考えていかないといかぬのじゃないか。この司法制度の中でも、ですから本人訴訟というものを積極的にサポートしていくような仕掛けというか仕組みが望ましいのではないかというふうに考えておりまして、弁護士さんの数が足らないからというんじゃなくて、そういう意味で司法書士さんの役割というものを私自身は見ておって、今回の法改正を積極的に大賛成と、こう言っておるわけでありますけれども、そういう本人訴訟それから法文化というふうなことについて、もう時間がございませんから、ちょっと簡単にお願いしたいと思います。
○参考人(児玉憲夫君) 今回の改正につきまして、本人訴訟を前面に出して先ほどから質問なり議論をされているということに対して、大変敬意を表したいと思います。 簡易裁判所というのは、日弁連が従来考えておりますのは、やはりおっしゃいますように本人がやる裁判所と、本人が弁護士等の助力を得ながら、本人が中心にやってどこへでも簡単に出掛けていってやる裁判所という位置付けをしておりまして、正にそのことが、おっしゃいますように自己責任に立脚した、確立した自分を持った人たちを成長させることにつながるんだと思います。そのこと自体は、今回の司法改革の審議会が最終意見書で述べました、いわゆる統治客体であった人たちが統治主体にならなければならないという法の支配の確立ということに通じるんではないかと思います。 そういう観点から考えますときに、弁護士はその本人訴訟に対して代理人型関与というのをやるわけですけれども、司法書士さんはどちらかというと書類作成という形の援助型関与を今までされてきたわけですが、それが代理人型関与では十分機能しない面が、弁護士の数が少ないということがあるので、少しその辺を境界線上で一緒にしようというのが今回の改正ではないかと思いますが、本来的には、やはり司法書士さんが関与される援助型関与と弁護士がやります難しい複雑な事件についての代理人型関与というのは分けて考えるということを前提に今後の弁護士と司法書士の関係を考えていかなければならないというふうに私は考えておりまして、そういう意味で、先生の問題提起に賛成、大いに賛同したわけでございます。
○岩井國臣君 時間がございませんが、ちょっと誤解のないように言いますが、その代理関与も私は積極的に認めるべきであるという点がちょっと違いますので、誤解のないようにお願いしたいと思います。 終わります。
○角田義一君 今日は、三人の先生方、お越しいただきまして、ありがとうございます。 民主党・新緑の角田でございますが、若干お尋ねをいたしたい。 過般のこの法案の審議でも大問題になった問題が三つほどあるんですが、一つは、司法書士さんに今度、簡易裁判所における訴訟代理権を付与するということになりまして、これは非常に画期的な私は法案の改正だと思います。そのときもいろいろ議論いたしましたけれども、御案内のとおり、従前の司法書士さんの業務はどちらかといえば登記だとか供託だとかいうことで、例えば登記のときには御案内のとおり双方代理ということを認めておりますけれども、今回は訴訟代理人ですから正に戦う司法書士さんということになるわけで、今までとは全く違ったお仕事をされることになると思うんですね。しかも、訴状、準備書面、証拠申請、更には弁論、証人調べというような形で全く新しい業務にお入りになるわけですから、相当真剣、深刻に、言うところの能力担保の実を上げてもらわないと国民の期待に沿えないというふうに思うわけであります。 そこで、来年の四月一日からこの法は施行されるわけなんですけれども、依頼者にしてみれば、もう来年の四月から司法書士さんのところに行けば簡易裁判所の代理をやっていただくんだというふうにみんな思うと思うんですね。しかし、行ってみたらまだまだ準備中で、あと半年ぐらい先にならないと御期待に沿えないというんじゃ、これは国民サイドに立ちますとどういうことなんだということだと思うんです。 したがって、二つお尋ねしたいのは、これからいろいろまたこの法案審議で問題になっていくと思いますけれども、私は、やはり四月一日からきっちり受任ができるような体制というものを作るのが、これはもう我々にとっても責任があるというふうに思いますし、特に研修を委託される司法書士連合会とすれば一種の非常事態でもあるわけですから、相当意気込んだ、しかも緻密で、しかも濃密な研修体制というものを組んで、これは総力を上げてやってもらわないといかぬじゃないかというふうに思うのでございますけれども、会長さん、その辺のことはどうでございましょうかな。
○参考人(北野聖造君) 法律では来年四月一日からということになっております。私どもは、その関係を余り考えることなく今から研修準備に入っているところであります。そして、会が負担する金員についても去年から手当てもいたしてまいりました。したがいまして、可能な限り早い、四月一日以降可能な限り早い時期にこの特別研修が実施できる体制を今鋭意検討しているところであります。 私どもがこの研修の指定団体には四月一日に指定されるようでありますけれども、それを待っておったんでは非常に遅れるわけでありますから、当然されるものとして万全の体制にし、研修教材であるとか場所の確保であるとか、それから研修の方法であるとか、こういうものを司法書士総体、全体のものとして今鋭意取り組んでおりますので、私どもは間に合わすことができるだろうと思っているところでありますので、運営方法等につきまして、また先生方の格段の御尽力をいただきたいと思っているところであります。
○角田義一君 会長さんを私は批判するつもりは全くありませんけれども、なぜ私どもに対して、私どもも責任があるかもしれないけれども、要するに、その指定をするのを四月一日過ぎに指定をしてもらうんじゃなくて、法の公布は、もうこれ通れば公布されるんですよ、この法律は生まれるんですよね。だから、生まれたらすぐ、やはりそれは法務大臣が指定ができるようにやってもらいたいと、なぜそうおっしゃらないんでしょうかな。 私、日弁連より先へ進んじゃっているんですね、日弁連じゃなくて、日本書士さんより先へ私は進んじゃっているんだと思うんですよ。 だから、国民の立場にすれば、さっさと指定をさせてもらって、そして正式な手続に入って、これは弁護士さん、こっちにおられますけれども、弁護士さんや裁判所の協力をいただいて正規なルートに早く乗せて、そして四月一日からもうスタートできるというふうにするというちょっと意気込みというか、欲しいね、僕は。どうなんですか。あなた、遠慮しなくていいんですよ、ここは。国民の立場に立ってやってくださいよ。
○参考人(北野聖造君) 言われるとおりでありまして、その意気込みは十分持っておるわけであります。 しかしながら、法律施行の四月一日というものを私たち自身がどう解釈すればいいかというところだけの悩みがございます。 したがいまして、我々は四月一日に実施する体制は当然準備する予定でありますし、その予定の中には、やはり全国規模になりますし、いろいろな準備がございます。講師も多くの方をお願いしなくちゃいけませんから、ある程度緻密なきちっとした体制を整えるにはかなりの、四月一日までに相当の時間が、労力が掛かるだろうと思っているところでありますから、いつ、すぐということが非常にお願いしにくいところでもあるわけであります。
○角田義一君 参考人と議論するんじゃ申し訳ないからあれですけれども、私はその省令、この法律なりのちょっとここのところは不備だと私は率直に思っているので、これを公布したら指定はすぐにできるようにするというのが一番いいんじゃないですか。一番いいと思うでしょう。どうですか。
○参考人(北野聖造君) はい、思います。
○角田義一君 誘導尋問しているわけじゃないので。
○参考人(北野聖造君) 済みません。 一刻も早いお願いをしたいところでありますけれども、法律施行が四月一日ということでありますので、我々はこれをやはり法律が通りますと大事にしなければならない。運用等で何かいい便法があればひとつよろしくお願いしたいと思っているところであります。
○角田義一君 ちょっと児玉先生にお尋ねしますが、先ほどの御意見を聞いていまして、司法書士さんに強制執行の代理権を与えるのは現時点では早いというようなお話でございますが、強制執行の代理権を一般的に司法書士さんに付与するというのは私はまた慎重に考えなきゃならないと思うんですが、少なくとも先生も当然のことです、私も弁護士ですけれども、受任をされて依頼者の立場に立ってみると、例えば、釈迦に説法ですけれども、五十万円の判決をもらってそれを神棚に祭っておる人はいないので、それをいかに現ナマに換えるかと、ちょっと言葉はきついですけれども、それで正に要求を実現させてやるというのが弁護士さんのお務めだと思うんですね。 それは、司法書士さんも訴訟代理権を、少なくとも例えば金銭債権等については受任の事件について、受任の事件についても代理権を与えないんだというのは、私は国民のサイドに立つと、利用するサイドに立つと、そのときは弁護士さんに言ってくださいというのはいささかどうかなと思うんですよ。現に、サラ金の会社のお兄ちゃん、どんどん平気で悪いこと、悪いことと言っちゃちょっとあれだけれども、相当なことをやっていますわな。これは、相当今度は勉強された司法書士さんが個々の事件についての強制執行の代理権は私は与えても、それは国民の立場から見たら結構な話だと思うんですが、弁護士会はどうもその辺も御理解いただけないんでしょうか。一般にはでないんですよ、私は一般論を言っているんじゃないんですよ。その個々の受任の事件について与えたらどうかと、弁護士会、理解してやったらどうかというふうに思うんですけれども、どうなんですか。
○参考人(児玉憲夫君) 今議論されております執行事件への関与というものは、必ずしも簡裁の対象物九十万円以下という限定は付いていないんじゃないかと思うんですが、仮にそれが付いたとして議論をしましても、確かに先生がおっしゃいますような、自分で訴訟代理権に基づいて五十万円の判決を取りながらそれが執行できないのはおかしいんじゃないかというのは確かにあると思います。 しかし、あくまでも今回の改正は簡易裁判所を対象とした活動範囲ということになっているんじゃないかと思いまして、御承知のように執行事件は地裁の管轄でございますので、地裁に行かないといけないというようなこともあって、もう少し今の段階では早いんじゃないかということが出ているんじゃないかと思います。 それから、たとえ五十万の執行にしましても、先生御承知と思いますが、例えばその人のものだと思って財産差し押さえたら、動産差し押さえたら実は息子のものであった、妻のものであったとかというような第三者異議の問題とかいろいろあるわけでして、そういう意味では決して簡単なものでないという点から、もう少し慎重に検討した上でないと駄目なんじゃないかというふうに考えているわけであります。
○角田義一君 これは私、弁護士会に要望しておきますけれども、例えば今言った請求異議だとか配当異議だというのは、そんなにべらぼうにその総体から見たら数は私は多くないと思うんですよ。そういうまあちょっとややこしいなと思う事件があれば、それは弁護士さんのところにお願いに行ってもいいと思うんだけれども、通常の場合の執行するまで私は代理権を与えないというのは、依頼者の立場から見るとややおかしいのではないかという気持ちを私は持っておりますので、弁護士会としても是非御議論いただきたいというふうに思うんですが。
○参考人(児玉憲夫君) そういう面の解決方法としては、現段階では、司法書士さんが個別的に許可を得てやられるという方法が残るんじゃないかと思います。その点、現段階では、運用上、司法書士さんの場合はそういう許可代理をしないということがあるようでございますけれども、その辺の運用を変えて、個別の部面ではそれができるんだ、しかし業としてはできないんだというふうな形で当分は推移させるべきだと私は思います。
○角田義一君 分かりました。 最後に、もう一遍、北野先生にお尋ねしますけれども、報酬の規定が会則から外れるということなんですが、これは、せっかく訴訟代理権を付与されて依頼者が門をたたくわけですけれども、私も委員会で質問したんだけれども、悩みを持ってまず門をたたく、今度は幾ら取られるか分からぬというまた悩みで夜も寝られないというのが依頼者の気持ちなんですよ、本当の気持ち。そうすると、競争原理、競争原理ばかり持ち込んで何でも規制緩和すればいいというのは、私は守旧派だから大反対なんだけれども、大反対なんだ。それは、やっぱり依頼者の立場に立ってみれば、目安ぐらいのものはちゃんと置いてやるのが親切だと思うんですよ。どういうふうにしますか、これ。
○参考人(北野聖造君) このたびの報酬については会則から外されるということになりました。私どもは、このことについて戸惑いも感じているのは事実であります。 今までを見てみますと、大臣認可による報酬基準でありました。これは私どもは利用者にとって分かりやすく、信頼しやすく安心できる報酬だという考えの下に、会員にこれを守るといいますか、遵守すべきことを指導してまいった経過がございます。 今回、この基準、目安がなくなるわけであります。しかしながら、利用者にとって安心して信頼してだれでも利用できる方策は、今度は我々自身が考えていく必要があります。今、はっきりとした方策は思い付かないわけでありますが、今まで、従来と同じような効果をもたらすような報酬の運用の仕方をしたいと思います。 それは全国的に、あるいは司法書士会ごとになるかも分かりませんが、報酬の項目といいますか、仕事の項目を踏まえて、それに対するアンケートを取り、最低、最下限、中間というような数字をお示ししてこれを国民の皆様に分かりやすくしたいと思いますし、これを司法書士会にとっても利用するような形で持っていきながら、不信のない、あるいは利用しやすい、そしてまた、司法書士がサービスが報酬に特化するサービスでは非常に権利の保護になりませんので、このことも注意するよう、いろいろな指導をしてまいりながら、この穴を埋めていきたいと思っているところであります。
○角田義一君 時間ですので、終わります。
○日笠勝之君 参考人の皆さんには大変貴重な御意見、ありがとうございました。公明党の日笠勝之でございます。 早速お伺いいたしますが、三人の参考人の方々にお伺いしたいと思いますが、いわゆる事務所の法人化でございますが、弁護士法人の方は、これは既に法律が通っております。このたびの法律改正で、司法書士、土地家屋調査士の皆様も法人化ができる、こうなるわけでございますが、この法人化、この二、三年ぐらいにこの法人化がどのぐらい進むのかという予測と、それから法人化になるに当たっての、メリットは結構でございます。デメリットがもしあるとすれば、どういう問題点があるのか。 以上、それぞれ参考人の方からお伺いしたいと思います。
○参考人(北野聖造君) 法人化について、私どもはメリットと思いますのは、やはり……
○日笠勝之君 デメリットだけでいいです。メリットは分かっていますから。あればということで。
○参考人(北野聖造君) 法人化のデメリットといいますと、特に利用者の意思に従って、利用者といいますか、司法書士個々の意思に従って、継続性とか、それからサービスを充実さすという前提で利用することに対して法人化を私たちは認めておるわけでありますので、恐らくデメリットになる形での法人化というのは、司法書士個々がそれを利用しないんだろうと思っているところであります。特に調整をしているわけではないわけでありまして、サービス等の一つの選択の範囲というふうに考えているところでありますから、具体的なデメリットということが今のところ想定できないということであります。
○日笠勝之君 二、三年ぐらいにどのぐらい進むかというやつは、法人化が。
○参考人(北野聖造君) それも非常に予測が難しいわけであります。 私どもが法人化と言うのは、継続性とかサービス向上、あるいは複雑多様化なものに対して分業化しながら対応できるということを考えておりますけれども、私どもは地域に密着した仕事が非常に多いわけであります。よしんば、法人のメリットと考えられるかもわかりませんが、主たる事務所等の設置につきましても、地方にサービス提供をするということでありますから、その従たる事務所が果たしてどこまでの範囲で必要なのかということもまだ分からない状態であります。 したがいまして、どの程度の方がこの法人制度を利用するかということもまだはっきりしたものは持っていません。
○参考人(西本孔昭君) 私どもも、将来の展開の予測は付かないのが実情でございます。 デメリットと申しますと、最大のものが、従たる事務所が管轄区域を越えて設けることができるという部分でございます。これは盛んに民事局にも申し上げまして、例えば境界標設置に関する地域差、あるいは公図のできましたときの地域差、時期の違いによる精度の差といったものが非常に多くございます。それから、地域の習慣のほかに、自治体によりまして明確に利用上の制限を設けております。 様々なことから、特に公図の差が余りにも大きい。それから、全国五十の法務局、地方法務局によって表示登記事務取扱要領が若干違うものが制定されているというようなことからも、安易に他地域に進出をして業務をする危険性が非常に大きい。それらのことが判明するにはある程度の時期がたたないと判明しないというようなことから、国民に必ずしも利便に供しないのではないかなというふうに思われます。そこで、研修の義務化ということを強くお願いを申し上げました。今、規制緩和の時代ですから、義務化はできないけれども、かなり義務に近い努力規定として研修について明文化いただいたのは有り難いと思っております。 ちなみに、公図はどうしてそんなに差があるかといいますと、例えば二線引き畦畔の問題、あるいは図面の中に余白が一杯あります。なぜかといいますと、根深石ということで岩盤が露出しておるような部分といったような、私の御説明申し上げました、昭和三十五年に固定資産税を課さない土地については表示登記をしないでもよいと言ったばかりに、それはどこのものなのか、何なのか、さっぱり分からないものが公図の中に一杯あるわけでございまして、これは地域特性を知らない者が手を出しますと大変大きな問題を発生いたします。 地券之證というものもごらんになっていただきますと、ただし六尺ざおとか、六尺五寸ざおとか、一間の基本となる長さの異なる地域まであるわけでございます。それらのしっかり研修をしてからそれらの地域に進出をしてもらいたいものだというふうに思っております。 デメリットをカバーするのはちょっと大変かなと思っております。
○参考人(児玉憲夫君) 御承知のように、弁護士会は既に法人化の法律ができておりまして、この四月一日から施行されました。いろいろな議論の中で、弁護士法人の場合は一人法人も認めていただいておりますし、また従たる事務所も割合、設立しやすくなっておりまして、全体的には大きなデメリットは今のところ見受けられないという状況でございます。 現実の実績の方でございますけれども、四月一日から二十日までの間に既に約二十の法人が届出を済ませております。その中には、鹿児島の一人法人が鹿児島県の過疎地に従たる事務所を設けるという意味で、先ほどから問題になっておる過疎地対策になるものもありますし、さらには、今、法人の、特に中小企業以上の会社の場合、本店を東京に移す企業が多いんですが、そういうこともありまして、大阪の弁護士法人が東京に従たる事務所を出すというようなこともありまして、こういう状況から見ますと、今後とも一定の範囲で増加していくものというふうに考えております。 ただ、いつごろにどのくらいになるかというのはちょっと分かりませんので、御勘弁願いたいと思います。
○日笠勝之君 私は、事前にアンケートでも法人化について取っておられたのかなという観測を持ちまして申し上げた次第でございます。 次に進みます。 インターネット登記情報提供サービスというのがございます。一件当たり利用料が九百八十円ということでございますが、全国で二万社ぐらいの方が御利用、登録して御利用されているようですが。一説にはちょっとこの利用料が高いんじゃないかという説もございますが、実際に登記のことをやっておられる司法書士と土地家屋調査士の御両人の参考人から、この提供サービス料とかについて、今後、要望等がございますればお聞かせ願えればと思いますが。
○参考人(北野聖造君) 今の情報サービスでありますけれども、ほかの公共料金と比べますと確かに高いと思います。そして、私どもはお客様にそれを転嫁するわけでありますから、その費用はやはり大変なものだろうと思います。可能な限り、これは国民サイドに立った料金設定をしていただきたいと思うところであります。 また、私どもが一つのミスによっても同じお金を取られるということにもなりますので、非常に私ども慎重に、あるいは余り利用したくないというときもございます。ここはやはり十分利用できる体制を国民利用者のために設定すべきだというような気で今これに対応しているところであります。
○参考人(西本孔昭君) 土地家屋調査士は、なるべく法務局へ行って自分の目で閲覧しております。といいますのは、必ずしも土地の地番が順番に隣接しているとは限りませんし、公図を見ませんと、いつか分筆したことがあるかどうかといったようなことで、一度に調査しようと思えば法務局へ行くのが一番だというふうに思っております。 それから、登記情報は解析しないと意味がありません。公図でも、いつできたもので、どの地域のものかといったようなものをきっちり認識しないと意味がないということから、土地家屋調査士の業務では、おおむね自分で法務局へ行って登記情報は取っておる。それから、一部にはコンピューターで取っておる者もおりますが、これは若干高いと思いながらも承知して取っておるんではないかというふうに、人ごとですから思っております。
○日笠勝之君 いわゆる利用が思ったほど伸びていないということらしいんですね。今お聞きしてよく分かりました、なぜ伸びていないかということ。これは対応を考えなきゃいけないと思います。 さらに、次に進みますが、ワンストップサービスということで、今後、協働ということで、これからワンストップサービスということで、恐らく国民の利便性から見れば、あっちに行きこっちに行きじゃなくて、一か所で法律的なことがすべてクリアできるというのは非常に有り難い、正に利便性が向上するわけですが、このワンストップサービスについて最後に、もう時間がありませんから簡潔に、どういうふうに今後対応されようとしているのか、三者の参考人にお聞きしたいと思います。簡単で結構です。
○参考人(北野聖造君) 専門家間の協働というのは非常に大事だと思いますし、依頼のすき間ができなくていいだろうと思います。ただし、専門家としての責任がございます。その形によっては専門家の自主性とあるいは責任性を放棄することにもつながりかねない部分があると思います。したがいまして、そういうお互いの専門性を尊重しながら、そして専門性を生かしながら協働体制を組んでいくことが大事だと思います。 ワンストップサービスもその一つでありますけれども、協働体制はほかの方法でも考えられるんではないか。司法書士そのものは、他の業種とのほかの協働体制を実践しているところがほとんどであります。
○参考人(西本孔昭君) 画一的な業務におきましてはワンストップサービスは非常に大きな力を発揮するだろうと思われますが、現時点でも専門士業間のネットワークというのはかなりできております。この地域のこの部分に得意な人はこの人だという人と十分にふだんからネットワークできていると思います。その点、ちょっと御参考までに申し上げます。
○参考人(児玉憲夫君) 専門性を尊重しながらできる範囲のところで協働していくという意味ではワンストップサービスには賛成でありますけれども、一つだけ、お二方がおっしゃらなかったことを言いますと、やっぱり利害相反する場合が生じてくるわけですね。公認会計士と弁護士、それから税理士と弁護士ということになると、同じ会社の場合に一緒に当たるというようなことができない場合も生じてくるということがあると思いますので、その辺のコンフリクトをどうするかという問題が残っていると思います。
○日笠勝之君 終わります。
○井上哲士君 今日は、三人の参考人の皆さん、ありがとうございます。日本共産党の井上哲士です。 まず、北野参考人にお伺いをいたします。 今回の簡裁での訴訟代理権を認めることは、司法書士の皆さんが非常に地域に分散をされ、地域に密着をしてきたということに非常に注目をした改正だと思います。しかし、統計によりますと、司法書士の分野でも都市集中型が進んでいるとお聞きをしております。例えば、神奈川などでは増えている、同じ時期に福島では減っているとかということも見ました。しかも、地方の方はどちらかというと高齢化をしているということもお聞きをしております。 一つの要因に、いわゆる法務局の統廃合があろうかと思うんですね。インターネットが進むので、必ずしも法務局に、今後は近くに事務所を構える必要がないんだということを法務省などは説明をされるんですが、先ほどのお話を聞いておりますと、やっぱり随分違うなということを感じました。今後、こういう都市型が、集中型が進行していくんでは、一層なるんじゃないかと思うんですが、その辺の現状の認識。 それから、お聞きしますと、例えば奨学金制度なども検討されているようなんですが、やはり地域に密着をした司法書士であり続けるための会としての方策について、まずお願いをいたします。
○参考人(北野聖造君) 人口の動向に応じまして司法書士の増減はやはり少しずつ変わってはおるわけであります。しかしながら、私どもが把握したところによりますと、すべてが都市型ではなくて、各地域によって増えたところと減っているところがある実情があります。もちろん、都市に多く増えているということは間違いありませんけれども、すべての地域が減っているということではないわけであります。また、資料等をここに持っておりますが、またお目通しいただきたいと思います。 そして、都市に集中するという前提で法務局等の統廃合があるということでありますが、私どもは、その法務局の統廃合というのは今までは大きな要素でありました。しかしながら、近いうちにオンライン申請システムもできますし、登記所に必ずしも近くなくても執務はできるだろうという感じで、そのような体制を、組織充実を図っていきたいと思っているところでありますし、さらに、私どもが地域での国民の皆様といろいろ接点を持つについて、司法書士の職務の制限がございました。これをどうしてもなくしたいというのが今次の法改正の運動であります。ここに、一番基本になりますが、やはり法律相談権というものが必要だったわけであります。これによって、入口のいろんな悩みをお聞きし、そこで解決方策を国民の皆様とともに二人三脚の形で解決できる方法が一つ整いましたので、これで、地域に大きく密着し、地域に貢献する司法書士という一つの形を求めて、今後、制度充実を図っていかなければならないと思っているところであります。
○井上哲士君 奨学金とか、地方で仕事ができるようにということでの努力をされているともお聞きしたんですが、その辺ももう少しお願いできますか。
○参考人(北野聖造君) 奨学金というのは、研修等を受けるについて、それも今検討の視野に入れております。私たちの自費でもって自分たちの組織を守り、職務を充実さすという大前提として、新しい力を養成し、全国に存在させるようにしたいというのが司法書士会の役目だろうと思っておりますので、そのことも十分検討してまいりたいと思っておるところであります。
○井上哲士君 次に、西本参考人にお伺いをいたします。 先ほどの御意見の中でも、不動産登記法の附則第五条の問題がございました。いわゆる国や都道府県などが所有しているものについては、当分の間、これは登記を義務付けないという問題ですが、会としてはこれをかねてから撤廃すべきだという御意見があるとお聞きをいたしました。その辺の理由についてもう少し詳しくお願いをいたします。
○参考人(西本孔昭君) 基本的には、公図というものは字界でできております。字界って実はどこにも見えていません。これは道路とか水路ではございません。そもそも、地域界が明確でないところに無番地のものがあるということが、実は国民から見まして、管理者が一体どこなのかということを大変迷うわけでございます。 それから、実際問題としまして、今回の法定外公共財産の一括譲与ということで多くの国有地が自治体に所有権の帰属を変えます。いよいよ、どこが国有地で残って、どこが県のもので、どこが市のものか、町のものかが明確でなくなるばかりでございます。 それからもう一つは、何らかの事業をするとき、区画整理であれあるいは国土調査であれ、道路を外してそこから地域を決めたりします。そうしますと、地域ごとの公図は消されますが、道路だけ残ったりという異常な状態も現地で残っております。そうしますと、利用者は、新しくできた公図にも道路ができた、この古い公図の中の道路がまだ生きている、現実には一本しかないというようなものがたくさんございまして、これは附則五条で決めたことによって、どうも多くの官公署が登記に対する責任といいますか、重要性をすべて失ってしまったんじゃないかなということで、それは何かやるたびにいつも問題になるにもかかわらず、物ができれば忘れてしまったかのような扱いが多いというふうに思っております。 特に、以前は、公共嘱託登記土地家屋調査士会ができる以前は、何らかの公共的な測量をしたりしますと、後の分筆登記はまるでサービスとして行われて、付随業務として簡単な手続が行われていたのが実情でございます。そういう弊害がずっと残っておりますので、今やはり撤廃をしていただきたいと切に願うところであります。
○井上哲士君 次に、児玉参考人にお聞きをいたします。 司法書士の皆さんの訴訟代理権が認められるということで、今後、それぞれの代理人に弁護士と司法書士さんがなられるというケースも出てくると思います。その際に、お互いに同じ条件で裁判をするということを考えますと、今、弁護士会に認められております照会制度をやはり司法書士の皆さんにも認めるべきではないかと私は思うんですが、その辺、弁護士会としての御意見をお願いをいたします。
○参考人(児玉憲夫君) 弁護士法二十三条の規定による照会のことをおっしゃっているんだと思うんですが、これは、実際、弁護士会でこの二十三条をどのように取り扱っているかという実情を御存じでない方もおられるか分かりませんが、実際にはこれは、現に申請が出て、弁護士会の会長名で照会を出して、そして現実にそれについて答えをもらうというために相当な時間と労力を掛けているわけですね。しかも、それは訴訟上利用できる証拠の収集方法として認められておりますので、弁護士にとっては一定の効果のある手段になっていることは間違いありません。 簡易裁判所の訴訟代理をやられる司法書士さんも簡易裁判所の事件についてそういう必要が全くないとは言いませんけれども、やはりこれは複雑難解、複雑で非常に難しい事件等の場合の証拠収集ということになるんじゃないかと思いますので、今の段階でやはり弁護士法二十三と同じようなものを設けろと言われるのはちょっと時期尚早ではないかと。これも先ほどの拡張される代理権と一緒で、もう少し実績を踏まえられて、その中で検討していくという方法を取られる課題だと思います。
○井上哲士君 もう一回、北野参考人にお伺いをします。 気軽に国民が司法にアクセスできるという点でいいますと、お金の問題で、民事法律扶助の問題が非常に大事だと思っております。 民事法律扶助法ができまして書類作成援助という新しいサービスができましたので、かなり司法書士会の皆さんがこの普及にも努力をされているとお聞きをしております。今後、この訴訟代理権の付与という中で一層この民事法律扶助への希望も増えるかと思うんですが、そういうものにどのように司法書士会として対応をされようとしているのか、これをお伺いします。
○参考人(北野聖造君) 民事法律扶助の新しい法律ができたときに、私どもは、書類作成援助の中に司法書士を必ず入れていただきたいという強い要望を出しました。おかげでこれは実現したわけであります。今度は簡易裁判所における訴訟代理等ができるわけでありますし、又は法律相談もできることになりました。これも民事法律扶助の対象になってしかるべきだと思っておりますし、これに対する責務に十分こたえてまいりたいと思います。 ちなみに、私たちは、この国民の裁判を受ける権利、あるいは司法アクセス支援をするということについては非常に重要なことと考えておりますので、連合会、組織として、民事法律扶助に対し一定の金員を寄附もいたしながら、協働体制を組んでいきたいと今思っているところでございます。
○井上哲士君 もう一点、西本参考人にお伺いをいたします。 今年の一月に参考人が有馬先生と行われている座談会を読ませていただいたんですが、この中で、土地家屋調査士というのは法律家であり、かつ技術者だけれども、監督官庁である法務省というのは法律家集団なので、かえって技術的な面では指導力が弱いんではないかというようなことを、これは有馬先生が言われておるのでありますが、現実にどういうことを感じられ、どういう強化を求められていらっしゃるのか、その辺をお願いをいたします。
○参考人(西本孔昭君) 例えば、測量法の改正がございました。今、測地成果二〇〇〇という数値は、従来の数値と国家座標でも大幅に違っておるわけです。この変換ソフトが発売されております。それにつきまして、全国の登記官に向けて取扱いを発信していただく文書を取り決めていただく中にも、ソフトの監修に当たった国土地理院が、そのソフトが持っている誤差、実は非常に、人工衛星からの電波をキャッチして絶対値をつかむというものでございますが、観測数値は常に微動しております、ぶれがございます。そういったようなものの御説明、あるいはソフトの持っている誤差といったようなものを十分に勘案していただきたいというようなときに、確かに文書にして指示をしていただくというのは難しかろうと思うんですが、やはりなかなか議論がかみ合わないということは、これは役所はどこでもじゃないかなと思いますが、やはり文系のところの最高峰へ理系の最高峰の話をすることが無理かなと思うんですが、私ども、残念ながら接点の部分が多いものですから、そういった点では日常苦労をしております。 例えば、測量とか図面とか座標、データといいますのは、その都度新しいものなんですが、やはり基本的には法律であり、役所の取決めというものは、決めたものはずっと正しいと、これは基本的な考え方でしょうから、常にずれがあるのは当たり前だろうというふうに思っております。
○井上哲士君 終わります。
○平野貞夫君 国会改革連絡会という会派の中で、自由党に所属しております平野貞夫でございます。 弁護士と司法書士が協力関係を深めることが国民のためになるということ、先ほど児玉参考人、大変貴重な御意見を聞かせていただいたんですが、そこで、現在どのような協力関係で行われているか、それを今後どのように深めるつもりなのか、またそのために国や政府や国会が何をすべきかということについて、児玉参考人と北野参考人、御両者にお聞きしたいと思います。
○参考人(児玉憲夫君) 現在、どういう協力関係を持っているかということですが、先ほどどなたかの質問なり回答に出てきておりましたように、弁護士の事務所というのは、ほとんど司法書士の方とネットワークを組んで仕事をしております。さらには、土地家屋調査士の方ともネットワークを持っております。というのは、境界確定の訴えが必ず弁護士にはありまして、そのときにはやっぱり土地家屋調査士の方々の、先ほどから西本さんがおっしゃっているような非常に専門的な見地からの検討というものが必要ですので、そういう助力を得ながら裁判を進めていくという形でネットワークを持っています。しかし、同じ事務所で、ワンストップサービスのような形で事務所を持っておられるというところは、ないことはないようですけれども、そう多くないんじゃないかというような関係だと思います。
○参考人(北野聖造君) 私の経験からでありますが、阪神・淡路大震災がございました。そのとき、私は兵庫県会の会長でありました。そのときには、職能を問わず、その被災者のための大変な運動がなされました。そして、非常に大きな成果を上げることができました。その中に弁護士と司法書士の振り分けというのは十分できたように思います。このような形がやはり社会を作っていく原点ではないかなと思うところであります。 今も私はそう思っておりますし、児玉参考人がおっしゃいましたように、個人的な弁護士、司法書士というのはいい協調体制をしいてはおります。これを制度として、あるいは職能官として、国民の利用者サイドに立ったいろいろな協調関係を今後結んでいきたいと思います。その点で私どもは、国民の生活に密着した法律関係とそれから登記事務を行っておりますので、ここを十分守っていければ立派な協調体制ができていくんであろうと思っておるところであります。
○平野貞夫君 先ほど来、お話が出ていました司法書士さんの都市集中の問題なんですが、弁護士過疎という言葉があるわけなんですけれども、私、出身地、高知県でございまして、高知県の西の方は弁護士過疎どころじゃなくて司法書士過疎なんですよ。そこで、もちろん高齢化の現象もございます。 やはり、弁護士さんに比べればそれは司法書士さんの数は多いんですが、何とか、率直に言いまして、やっぱり国民生活の中で司法、広い意味の司法に関して住民の生活相談に触れている、生活の実態に触れている人はやはり司法書士さんの方が圧倒的に多うございますので、上手にやっぱり分布していただく。これは、国が強制的に法律を作って分布するわけにもいきませんので、司法書士連合会なりそういうところが自主的にやっていただくと非常に有り難いと思うんですが、そういう方策についてはいかがでございましょうか。
○参考人(北野聖造君) 今、高知県のことが出ましたので今数字を見ております。十年で百四十七人から百三十四人に十三人減ってはおるところであります。 連合会はこういうことにも着目しながら、今個々に無料法律相談でありますとか、法律相談体制を整える努力もいたしているところであります。さらに、個々のいろいろな相談権であるとか簡裁訴訟代理権であるとか、こういうものを十分に発揮しながら、行政ともタイアップした形で地域住民の方にこたえていきたいという努力をしてまいりたいと思っています。
○平野貞夫君 率直に言いまして、この法律で司法書士さんや土地調査士さんの業務を拡大しましても、やがてもう十年来ないうちに、大々的に弁護士さんを増やしても仕事の業務というのは拡大するし、国民からの要望、業務に対する要望というのはどんどん増えていくと思います。これは経済社会の変化といいますか、進歩といいますか、それに対応するものだと思うんですが。 大胆なことを申し上げて非常に恐縮なんですが、率直に言いまして、資格だけ取って勉強しない弁護士さんより、まじめに一生懸命勉強している司法書士さんの方が、実際、国民の気持ちといいますか、生活感というものを持たれておると思うんですよ。ですから、私の意見としましては、近い将来、司法書士制度というのを抜本的に改革して、司法書士という名前の書を取って司法士ぐらいの名前にして、弁護士先生方の準弁護士といいますか、これもちろん資格とか研修というものをやってもらわないけませんが、そういうようなことにでもして司法書士さんのグレードアップと生活に密着した今の良さというのを発展させるべきだという意見でございますが、北野参考人、いかがでございましょうか。
○参考人(北野聖造君) ありがとうございます。私もそのように思っておるところであります。 さらに、我々は、司法過疎等で頑張っている司法書士ほど、国民の皆さんと本当に身近い接点を持ちながら、二人三脚の形でいろいろな相談を受け、いろいろなことを悩み、苦しみ、解決していっている状態であります。これを充実させることはやはり国民生活に大きなプラスになるだろうと思いますので、司法書士もそこを起点にしてどんどんどんどんと専門性を上げていく努力をしたいと思いますし、弁護士さんと比較したら非常に悪いわけでありますけれども、さほど司法書士過疎が進んでいる状態ではないわけであります。不毛のところから一が生まれるよりは一から十を生み出す方が非常に戦略としてはいいんだろうと思うところでありますから、こういうことを含めながら、制度の構築あるいは進展をひとつ御支援いただきたいと思っておるところであります。
○平野貞夫君 日本の場合、明治時代は弁護士さんのことを代言人、それから司法書士さんのことを代書、こう言ったわけです。代言人と代書というのはそんなに変わらなかったんですよね、何といいますか、社会的位置付けも。それが大正、昭和と進むにつれて非常に大きな格差が出た。 それで、弁護士先生はやっぱり司法試験という難しいものを通っていますので、なかなか過疎あるいは一般のそういう住民の中に入っていくのは難しいと思いますが、是非ひとつ、今、一般の市民、国民の生活、それの実態の中にいる司法書士さんを向上させることによって法的な処理といいますか、日本の法の支配というのはかなり貫徹するんじゃないかと思っておりますので、ひとつ頑張っていただきたいと思います。 それから、西本参考人に、これは西本さんにお聞きする話じゃないと思いますが、土地調査士というのは境界の、境をどうするかという仕事だという非常にユニークな発想をされたんですが、実は、私の高知県なんかでは、山の場合は現在でも、長宗我部地検ですか、長宗我部さんの時代、戦国時代の測量といいますか、これが売買とかあらゆるものの基盤になっているようなんです。これ、衛星からの写真で大分誤差があったり正確だったり、いろいろ面白い話があるんですが、私は、特に土地調査士の方たちが今後、土地境界をめぐっていろいろ調停に入ったり、そういう仕事が増えてくると思いますが、日本の持っておる異常な土地に対する感覚ですね。 私は、明治四年の地租改正、あそこで政府に金がないために絶対的、排他的所有権を日本人に認めた。それがある意味では土地政策の崩壊のおかしくなったもとだと思っておるんですが、土地というのはもうちょっと個人のものであっても公共的なものであると。地球のものである。イギリスでは女王陛下のものであるという観念があるようなんですが、日本ではなかなかそうはいかぬでしょうから。 私は、土地に対する日本人の発想の転換といいますか、特に義務教育からの教育といいますか、土地というのはこういうものだと。日本のバブルの崩壊後、不況がなかなか直らぬというのも、私は一つは日本人の土地に対する心理状態、異常な心理状態が一つの原因だと思いますが、そういう日本人の土地の感覚について、何か御意見があれば聞かせていただければ有り難いんですが。
○参考人(西本孔昭君) 制度、政策にかかわる歴史的な背景について申し上げる時間はないと思いますが、特に山間部にありましては、ほとんど人の手が入っていないというところについては根拠となるものがそもそも存在しないのではないか。それで、例えば尾根、谷といったようなものにつきましてはかなり意識がどんな山奥に行ってもあるのではないかな。それから、森林組合というものがございまして、その施業図、この沢からこの沢まではどの班がだれの依頼でやっているかといったような、これまた別の資料がございます。 とはいいましても、細かい筆界についての根拠というのは、別に先生の御存じの山ばかりでなくて、例えば今、徳山ダムというのが岐阜県に造ろうとしておりますが、その分筆線を一体どこに入れたらいいのか。この大きな土地の境界がおよそ沢筋とか尾根を反映しておるところはいいんですが、国土地理院が発行しております地形図とも全く合わないものもございます。 それから、一概に公図といいましても、図面を広げますと畳六畳間ぐらいあるような大きな図面も地域によっては今でもございます。これはやはり国土調査等の手を入れませんと、少なくともその土地について課税さえどうなっているか分からないわけですから、これは国としても大変まずいのではないかというふうに思っております。それらにも調査士が協力を申し上げるような体制になっておりますし、国土交通省からもそのように言われておりますので、お力をいただきまして参加したいと思っておりますので、何分御支援をよろしくお願い申し上げます。
○平野貞夫君 ありがとうございました。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 今日は三人の皆さん、本当にお忙しいところありがとうございます。 まず、懲戒権についてお聞きをしたいと思います。 弁護士会は、御存じのとおり主務官庁がなく、懲戒についても原則として独立してやっていると、これは戦前の反省を踏まえてこのようにしていると思います。 ところで、簡裁代理関係業務に関する懲戒を法務局長が相変わらず行うと、これはおかしいのではないかと思っているんですね。といいますのは、法務局は登記についてやるかもしれないけれども、簡易裁判所の訴訟代理権については権限や職能はないわけですから、司法書士会、そして土地家屋調査士会がむしろ自律的懲戒手続を確立をしていくと。会自身が、何というか、地位向上と言うと変ですけれども、独立して懲戒手続も、訴訟代理権、簡裁の代理関係業務をやるのであれば、そこで例えばお金の問題や様々なことが起こり得るわけで、それを法務局長が懲戒処分を持つというのはやはり論理的には合わないと。 そういう懲戒権の問題に関して、司法書士会あるいは土地家屋調査士会は、将来の展望でも結構ですけれども、どのようにお考えか、教えてください。
○参考人(北野聖造君) 今次の法改正の中でやはりこの懲戒の問題は、私たちは、自治権の確立の問題あるいは懲戒の在り方、国民サイドに付いてどのようにあるべきかということを検討を加えながら、法改正の中には、懲戒権についても司法書士に限りなく自治権を与えていただきたいということと、法務局長でなくて、最低でも法務大臣にしていただきたいというお願いをしてまいりました。それは一方、私どもの主張でありまして、今ここでこのままになりましたのは、やはり司法書士そのものをよく知っているのは法務局であるという大前提がございました。 しかしながら、私ども、この自治権というのはやはり職能団体として確立すべきだと思っておるところでありますから、今後いろいろな実績を踏まえ、専門家としての意見を持ってこの自治権獲得には活動してまいりたいと思っているところであります。
○参考人(西本孔昭君) 土地家屋調査士会としましても、ほぼ同様な考え方を持っております。特に、会員の中では、試験者が法務大臣、法務大臣の指定する試験を受けて資格を認定されているのに、懲戒権が法務局にあるいは地方法務局長にあるのはおかしいのではないかとする議論は以前からございました。 実務的にはほとんど法務局に関与する業務が多いのでやむを得ないかなとしてきたところがあるんですが、調べてみますと、量刑が随分、処分する法務局によって違うということが分かりまして、これはやはり私たちも研究が足らないせいだなというふうに反省しておるところでございます。
○福島瑞穂君 前回の法務委員会で特認制度についてお聞きをしました。そうしますと、試験ではなく特認で司法書士になられる方が三〇%以上を超すという答弁でした。 これについては、実は様々な考え方があるでしょうし、どちらがいいという議論は両論あって難しいかもしれません。しかし、司法書士会が今後どうあるべきかという問題についていえば、あるいは土地家屋調査士会の今後どうあるべきかということを考えたときに、この特認制度については会としてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
○参考人(北野聖造君) 先に数字の訂正をさせていただきたいと思います。 司法書士全体は今一万七千二百名おります。そして、特認と言われる大臣認定の方でありますが、三千九名ぐらいの数字になっております。したがいまして、三分の一でなしに一八%ぐらいに今なっているところであります。そして、大臣認定の方が私たちに、司法書士会に登録される方は、年々この率は減ってきておるという現状がございます。 そして、大臣認定の問題でありますが、いろいろな供給源の多様化という規制改革の流れもございますし、供給源の多様化ということを否定することはできないと思うわけでありますけれども、何せ私ども司法書士は、いい悪いは別にしまして、合格率が二・六から七%推移しているところであります。そうすると、大きな認定の差が出るんではないかという危惧も持っておるわけであります。 お願いしたいのは、この大臣認定の方にも明確な基準と客観的な評価を与えられるような形を是非ともしていただきたい。そして、それも透明性のあるものでなければ、やはり私どもとしても、国民の皆様にとっても了解といいますか理解を得られないんだろうという気でおりますから、このような形でその制度を充実させていただきたいと思っているところでございます。
○参考人(西本孔昭君) 土地家屋調査士では、近年、申し上げますと、平成十年が八人、十一年が三人、十二年が三人、十三年が六人というような少人数でございます。 特に問題にしたことはないのですが、実務のやはり研修をなさいませんと業務ができないという、書類だけの問題ではございませんので、そういう弊害もあるようで、実際に資格を得た方は苦労しておられるようです。
○福島瑞穂君 国家試験導入前に司法書士になった者も含む全司法書士の資格取得事由別割合ですと一八%なんですが、済みません、国家試験導入以降の司法書士資格取得者の事由別割合が三一・六%ということで、どうも私の質問がちょっと言葉足らずで不正確で済みませんでした。 次に、報酬の点についてお聞きをいたします。 土地家屋調査士会の方に聞きたいのです、済みません、西本さんにお聞きをしたいんですが、今回、報酬のことについての基準の明確化が逆に必要ではないかというふうに思うのですが、この点についての御意見を教えてください。
○参考人(西本孔昭君) 国民に義務を課している登記を中心としまして明確な基準を出しませんと、例えば遠隔地の人に頼む場合にもどれだけ要るだろうかという不安を招きます。それから、申し上げましたように、常時その必要があればかなり知識としてはあろうかと思いますが、めったにございません。中には一生に一度ない人も一杯いるわけです。そういう人に対して、例えば何年も前にやった人の例は参考になりません。 そういう意味では、今、しかも細かい業務に対して目安が知りたいというのは、これは利用者の声ではないかというふうに思います。
○福島瑞穂君 西本参考人に再びお聞きをいたします。 今回の調査士法の改正がちょっとやはり分かりにくくて、登記制度の問題についても適用条文の読み方が読みにくいという質問が法務委員会の中でも出てきております。調査士法改正法六十八条における六十四条一項の援用規定が三条の業務そのものを指すかどうかとか、この前の法務委員会では議論になりました。その点について意見を教えてください。
○参考人(西本孔昭君) 実は、この背景には、各土地家屋調査士会あるいは会長が、従来、非調査士の業務をされる人たちに対しての取締りで随分苦労をしてきたという経過があるわけでございます。 条文だけ読みますと、さっぱりそれらに対して効き目がないのではないかと、公職の業務だけ取り締まれるのではないかといった様々な憶測を呼びまして、全国の会の会長、副会長から相当、一体何をしているのかという強いおしかりを受けましたので、これは国民のみんながみんな法律家ではございませんから、もう少しだれが見ても分かりやすい条文であったら良かったなという気がいたします。スマートでなくても、繰り返しがあってもいいですから、分かりやすい方がいいというふうに私は思います。
○福島瑞穂君 先ほど児玉参考人の方から、信頼性の高い能力担保措置などの条件についてということで意見を述べていただきました。 司法書士会としては、この能力担保について本当に全力で努力をされると思うのですが、研修の、例えば神奈川司法書士会が書面を出しているとか様々な書面を見ますと、将来の司法書士像のイメージについて内部でいろんな議論があることがよく分かります。 それで、例えば能力担保の問題に関して、研修でいくのか、試験でいくのか。研修としてもどういう研修でいくのか。あるいは、現在の司法書士法の試験がこのままでいいのか、例えば憲法などを入れたらどうかとかいろんな議論がありますが、その能力担保の確保についてどういうふうに考えていらっしゃるのか、教えてください。
○参考人(北野聖造君) 私は、司法書士養成ということは非常に大事だと考えます。そして、法曹三者については法科大学院という養成制度があって、その中にいろいろな試験も入り、いろいろ入ってきたわけであります。司法書士も、専門家養成についてはプロセスを重視した中に試験制度があるんだという形を取っていくべきだと思っているところであります。 そして、司法書士は、オールマイティーといいますかフルパワーではなくして、何回も申し上げておりますように、国民生活に密着した法律問題とそれから登記問題を重点的に処理したい、対応したいということであります。その中には、社会事象に対して、成年後見の問題でありますとか消費者問題でありますとか、こういう法律的な社会的課題に対しても敏感な職能でありたいと思うわけであります。それを十分にこなせる司法書士が全国に存在する養成制度が必要だろうと思います。 このたびは憲法を試験の科目に入れていただきました。これとともに、そのような形の専門家養成するための養成制度と試験制度を今後考えていき、意見を申し述べていきたいと思っているところであります。
○福島瑞穂君 司法書士・土地家屋調査士人口についての考え方と試験の合格者数との関係などについてはどう考えていらっしゃるでしょうか。それぞれお願いします。
○参考人(北野聖造君) 司法書士の人口が現時点でこれで十分だと思っていないわけであります。 現在まで、しかしながら、司法書士の大きな職務制限がございましたので、その職務制限の中でこなす人数はどうかと、今後、簡裁代理等を含め、あるいは将来的に家事調停、審判あるいは執行事件等を担う司法書士として今の人数がどうかというと明らかに足りなくなってくるんだろうと思うところであります。したがいまして、この職務拡充を含めながら人口問題を考えていきたいと思っているところであります。
○参考人(西本孔昭君) 土地家屋調査士は全国で一万八千七百人ほどでございますが、意外に、東京が千六百名ぐらい、大阪が千三百、愛知が千七十ぐらいですか、これが事件数あるいは取り扱います報酬額の総計等比較しますと、意外に東京が少ない、そして愛知が厳しいと、私一人が貧乏しておるわけではなくて、どうも厳しいという不思議な分布になっております。 試験につきまして、やはり先ほど役所の話で申し上げましたが、文系、理系ともに履修しておる必要がございまして、例えば人工衛星から電波をキャッチして現在地を割り出すような非常に高度な数学も必要な技術的なものから、それからADR、境界紛争の予防あるいは相談を受けるといったような、あるいは事務所で利用者たる国民の方がいらっしゃれば様々な相談をお受けしなければなりません。そして、その上でこの部分は司法書士のだれだれに、この部分は弁護士のだれだれにというふうにお願いをするわけでありますから、かなりの相談を受けなければなりませんので、幅広い意味の試験、研修が必要になるというふうに思っております。
○福島瑞穂君 時間ですので、終わります。
○委員長(高野博師君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、大変お忙しいところ貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。当委員会を代表して厚く御礼申し上げます。(拍手) 午後三時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後三時三十分開会
○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、江田五月君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君が選任されました。 ─────────────
○委員長(高野博師君) この際、森山法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森山法務大臣。
○国務大臣(森山眞弓君) 昨日、大阪地検におきまして、大阪高検公安部長であった三井環検事を、暴力団関係者らとの共謀による電磁的公正証書原本不実記録・同供用及び詐欺並びに公務員職権濫用の被疑事実により、共犯者である暴力団関係者ら三名とともに逮捕したとの報告を受けました。その概要について説明させていただきます。 なお、三井検事については、昨日付けで大阪高検公安部長の職を解き、大阪高検において総務部付としております。 逮捕事実の概要は、第一に、三井検事が暴力団関係者と不動産取引を行い、その過程で、暴力団関係者らと共謀の上、不正な手段により不動産登記の登録免許税率の軽減を受け、登録免許税約四十八万円相当の納付を免れようと企て、自ら虚偽の住民登録をし、これを利用して区役所から登録免許税率の軽減を受けるために必要な証明書をだまし取ったというものであります。第二に、三井検事が、暴力団関係者との不動産取引交渉が難航するや、その交渉に利するため、自らの職権を濫用して、交渉相手である暴力団関係者の前科調書を不正に取得したというものであります。 本件については、三井検事が不動産取引に絡んで暴力団関係者から金銭の提供や酒食等の接待などを受けている旨の情報が大阪高検に寄せられたことから、大阪高検において慎重に内偵を進めたものでありますが、犯罪に問うべき行為があることが明らかとなり、捜査態勢の問題から大阪地検において捜査を行うこととなったものです。 大阪地検としては、本件が、現職の幹部検察官が暴力団関係者と共謀し、あるいは検察官の職権を濫用したという事案であって、極めて重大かつ悪質である上、暴力団関係者との通謀による罪証隠滅のおそれがあることから、強制捜査が必要であると判断し、裁判所から令状の発付を受けて、三井検事及び共犯者である暴力団関係者らの逮捕に踏み切ったものであります。 今回の事件は、他人の刑事責任を追及するべき検察庁の幹部としてあるまじき不祥事で、誠に遺憾であります。 本件については、大阪地検において今後全容の解明がなされるものと考えますが、人事上の処分等については、その結果をも踏まえつつ、適切に対処してまいりたいと思います。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、法務大臣官房司法法制部長寺田逸郎君、法務省民事局長房村精一君及び法務省刑事局長古田佑紀君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 休憩前に引き続き、司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○千葉景子君 今日は、午前中に司法書士法改正等につきまして参考人から御意見をいただき、私たちもいろいろな勉強を改めてさせていただいたところでもございます。今日は、あと残された時間で、法律につきましての何点か問題点、そしてまたこれまで疑問が呈せられていた部分について確認などをさせていただきたいと考えておりますが、冒頭、一点改めてお尋ねをしておきます。 それは、今、森山法務大臣から御発言がございまして、大阪高検の公安部長三井検事が逮捕されたという事実でございます。 私もまだ詳細をお聞きをするというところまでには至りませんので、改めて問題点、御質疑をさせていただく機会が当然あろうかというふうに思いますので、それに譲らせていただきたいというふうに思いますけれども、改めて本当に愕然とするといいましょうか、あきれ果てるような今回は事件だったのではないかというふうに思います。 このところ、検察関係で不祥事が続いております。一九九九年の四月には東京高検の検事長が、女性問題、これが取りざたをされまして厳重注意を受け、結局は辞任をされると、こういうことがございました。これも私たちにとってもそう記憶に遠いものではございません。また、つい先般ですと、二〇〇一年の三月、福岡地検の次席検事が福岡高裁判事の妻に対する捜査情報を漏えいしたということで、これまた六か月の停職処分を受け、結局はこれまた辞職に追い込まれると、こういうことがございました。 その間も多々事件が起こっている、こういう状況で、本来、本当に公正な捜査を行い、そして社会の正義を全うするその職責にあるこういう検察の関係者がこのような事態を起こすことを本当に私はゆゆしい事態だというふうに思います。 まるで、今回の事件は暴力団と手を組んで、競売屋のような、そんなことを行っていたと言わざるを得ないような内容でもございます。ただ、こういうことを見ますと、この一件だけなんだろうか、本当に検察と暴力団との関係というのは後ろめたいことはないんだろうか、こういう疑念を起こさせてしまう、こういうことにもつながります。 また、一方、私はこれが事実かどうかまだ定かではございませんけれども、情報収集活動に使う検察の調査活動費を検察幹部が私的に流用しているのではないか、こういう疑惑が指摘されておりまして、この逮捕された高検の公安部長がこの問題を批判をし内部的な告発なども行っていたやな報道等もされております。これをもみ消す、あるいは口封じをする今回の逮捕だったのではないかなぞと指摘をする向きもございまして、私はそうでないことを願いますけれども、ただ、これだけやっぱり疑惑あるいは疑念が起こっている。こういう事態はやはり、今、森山大臣がこれから十分に捜査をしてそして解明をしていくと、そう簡単に事が片付くものではないんじゃないかと、こういう気がいたします。 やはり、指摘をされているような調査費の問題なども十分に明らかにし、そして、それと今回の問題が一切関係ないのだということなどもやはり事実を積み重ねて明らかにしていただいてこそ初めてこの疑惑が晴れ、そしてまた検察の信頼というものも取り戻すことができる、こういうことが言えるのではないかというふうに思います。 そういう意味で、今日は私はこういう事態について、刑事局長もおいででございますので、今後本当にどう対処されるのか、今の時点で、その一点だけをお聞きをしておきまして、またこの問題についてそれぞれ皆さんの御疑念もあろうかというふうに思いますので、それをやはりこの委員会などできちっと解明をさせていただくようなそんな場を作ることを私からも今日御出席のこの委員会の皆さんにもお願いをさせていただいた上で、是非、刑事局長から今日の段階での一言、今後の対応などをお尋ねをして、今日の段階ではこの問題、この一点にさせていただきたいと思います。
○政府参考人(古田佑紀君) 事案の概要等はただいま大臣の方から御説明申し上げたとおりでございます。 いずれにいたしましても、現在、本格的な捜査が始まったばかりでございますので、これから先のこれの、こういうことになるに至った経緯、その他、ほかの点についての問題がないか、そういう点も含めて検察庁において十分捜査を尽くすものと承知しております。 様々なことが言われているわけでございますが、この方がいわゆる近時、内部告発と呼ばれているようなそういうことをされた人かどうかと。これはまだちょっと私どもとしては確認はできておりませんけれども、いずれにいたしましても検察当局といたしましては、今回の事件の内容が暴力団員との緊密な関係の上で様々な違法行為をしたという大変問題である事案ということで、そういう観点で捜査を開始したものでございまして、御指摘のようなそういう内部告発との関連というものではございません。その点は御理解いただきたいと思います。
○千葉景子君 関連はございませんということでございますけれども、それだけでそうですかという話ではなかろうというふうに思います。今日はこれ以上申しませんけれども、是非これからきちっと調査をしていただき、法務大臣にもそのリーダーシップもきちっと取っていただくようまずお願いをして、本題の法案の関連についてお尋ねをしていきたいというふうに思います。 今回の改正案で、司法書士会、そして土地家屋調査士会につきましても、紛議の調停についての規定が新設をされたところでもございます。 この紛議の調停ですけれども、調停ということですから調停をやるんだろうというふうに思うんですけれども、普通、調停といいますと、それに並んで、あっせんとかあるいは仲裁というようなことも並んで言われる解決手段でもございます。この紛議の調停というのはその辺りについてははっきり、ちょっとよく分からないんですけれども、どの程度の紛争解決手法を用いて行われるのでしょうか。ちょっとその点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、今回の改正によりまして、司法書士会それから土地家屋調査士会、いずれにも会則の記載事項として会員の業務に関する紛議の調停に関する規定というものを設置できることとしております。 ここで、その調停としてどの程度のことが会としてできるかということでございますが、調停というのは、当事者の互譲によりまして、最終的にその合意によって紛争を解決するということを目指すものでございます。御指摘のあっせんといいますと、紛争当事者の間に第三者が入りまして、双方の主張の要点を確かめ、双方に働き掛け、場合によっては両者が取るべき具体的なあっせん案を提示するというようなことを通じまして、紛争当事者間の調整を行うことによって自主的な解決を促進するということでございますので、調停を行う場合には、その一環あるいは前提としてそのようなあっせんの行為がなされることは当然あり得ることであろうと思っております。 一方、仲裁ということになりますと、仲裁人が当事者の主張を聞き、場合によれば事実関係を探知した結果に基づきまして仲裁判断を下す。この判断に当事者が拘束されるということになりますので、判断内容は当事者双方の合意によって確定するというものではございません。そこで、調停と仲裁とは性質が相当異なりますので、ここで言っております紛議の調停には仲裁は含まれないものと理解しております。
○千葉景子君 今お答えをいただきましたように、今回のこの紛議の調停ということは、新しいそれぞれ会としても取組になろうかというふうに思います。そういう意味では、それぞれの会の方で今後、この調停のための組織あるいは運営方法、こういうものをいろいろ整備をなさっていくことだというふうに思っております。 こういう整備をするに当たりましては、例えばこの調停の場合に、土地家屋調査士あるいは司法書士の方が申立人とかあるいは被申立人のそれぞれの代理人になることができるのかとか、こういう問題もありますし、それから今、あっせんということはあり得るのだ、仲裁というのはちょっと性格を異にすると、こういう御説明もありましたし、なかなかこの組織を組み立てたり運営方法を確立をしていくというのは、初めての経験になるだろうというふうに思います。 そういう意味で、これは、法務省の方で指図をするとか何かする、指示をするという問題ではない、自主的な組織作りということになろうかというふうに思いますが、慣れないことゆえ、いろんな意味でサポートをしていく、あるいは相談に乗る、こういうことがあるのかなというふうに思いますけれども、この制度をうまく運用し立ち上げていくための法務省としての助力といいますか、そういうことについてはどんなふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 今回、このような会員の業務に関する紛議の調停という制度を設けることといたしましたのは、司法書士会あるいは土地家屋調査士会というところは、そのそれぞれの会員の業務について専門的知識を有しておりますし、会員について業務の指導及び連絡を行うというようなことになっておりますので、そういう中立的立場を、及び専門的知識を生かしまして所属の会員の業務に関する紛議を調停するということを期待したわけでございます。そういうことから、この調停の具体的な手続については、まずはそれぞれの資格者団体が自主的にお決めいただくということが法の趣旨だろうと思っております。 ただ、私どもといたしましても、適正なそういう手続ができますように、相談を求められればもちろん相談に乗りますし、必要な助言ということであればできる限りの協力をして、適正なその調停に関する手続ができるようにしていきたいと考えております。
○千葉景子君 それから、ちょっと試験、それぞれの試験についてお尋ねをしたいんですけれども、土地家屋調査士の試験につきましては法務省令へ、それぞれの詳細については委任されております。この委任された法務省令において試験の内容というのが定められているんですけれども、非常に漠とした記載になってございます。 先ほど参考人のお話も伺いました。大変、その業務の内容というのも、理科系の知識も必要であれば、あるいはやっぱり一番土地の境界を定める等に関与する、こういう意味では民事的な、民法的な素養、こういうものも必要になってくる。試験を受けまして合格するとすぐ職務に就けるということになりますので、やっぱりこの試験において、十分に業務のできる知識あるいは技能、こういうものが試されるというのが最もふさわしいのであろうというふうに思います。その後の研修等もありますけれどもね。 そういう意味では、今後、やはりこの漠とした規定を、少し例示等も含めて、試験を受ける側もそれに即したやっぱり勉強ができるように、準備ができるような、そしてその試験自体もやっぱり職務にふさわしい内容を含めた試験であるように、こういうことをもう少し明確にすべきではないかというふうに思いますけれども、その点について今後少し改善をするというおつもりはありませんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、現在、土地家屋調査士の試験の細目につきましては土地家屋調査士法施行規則が規定しておりまして、調査士に関する事項、不動産の表示に関する登記に関する事項、平面測量、作図というような規定ぶりになっております。 この不動産の表示に関する登記に関する事項の具体的内容といたしましては、不動産の表示に関する登記に必要な不動産登記法あるいは民法というものを必要な部分を試験をするという形で行っておりますが、御指摘のように、やや表現がこれだけで具体的にどういう科目が出るかということが分かりにくいという点もあろうかと思いますので、現在、省令において、この不動産の表示に関する登記に必要な不動産登記法や民法の知識を問うものであることを明確にするというような点を含めまして省令の規定ぶりについては検討をしているところでございます。御指摘を踏まえて更に検討していきたいと思っております。
○千葉景子君 さて、先回の質疑におきまして、同僚の角田委員の方から何点か大変重要な指摘がございました。ここで改めて確認的に御答弁をいただいておきたいというふうに思うんですけれども、三点お願いをいたしたいと思います。 一点は、今日も御議論、参考人との御議論になりましたけれども、簡裁の訴訟代理権業務を付与する前提となる研修ですね、これをやっぱりできるだけ早く実施をして、四月、どんと取り掛かれると、こういうことが必要ではないかと、こういう指摘が盛んになされました。法務省としては、この問題についてどう具体的に配慮をし、そしてスムーズに研修を開始し、そして資格が取得できるようにしていくというふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 司法書士に簡易裁判所の訴訟代理権を付与するのは、簡易裁判所における国民の権利擁護に不十分な現状を直ちに解消する必要性があるためということですので、法務省としても、司法書士ができるだけ早期に認定を受け、簡易裁判所の代理人として活動し得るようにしたいという具合に考えております。ただ、訴訟代理人という極めて重要な職務を担うということになりますので、訴訟代理人として必要な能力を十分に身に付けていただく必要がありますので、その能力を身に付ける研修は十分充実したものでなければならないということが言えると思っております。 そこで、現在、その研修の実施主体として想定されております日本司法書士会連合会においては、裁判官、弁護士、学者等から構成される司法書士特別研修制度検討会を設けてそのための準備を進めていると聞いておりますが、初めての試みであり、また全国的に司法書士が受講できる体制を整える必要もあるため、具体的な研修計画の策定のための検討、これを実施するために必要な弁護士会や裁判所等の関係機関との協議、研修教材等の作成、講師や研修会場の確保などの準備を行わなければならず、十分な研修体制を整えるためにはなお相当の期間を要するという具合に聞いているところでございます。 そのような準備期間を考慮してこの法律の施行日を平成十五年四月一日としたものでありますが、法務省としても、それまでの間に日本司法書士会連合会が十分な準備体制を整えて法施行後できるだけ早く研修が実施できるようにその準備に万全を期したいと、法施行後直ちに省令でその研修を実施する法人を定めまして、その法人の実施する研修の指定、これも行えるように十分な協力をしていきたいという具合に考えております。
○千葉景子君 それから次に、報酬基準の問題も指摘をされました。報酬基準を会則で定めることを認めるということは問題があるということでございましたけれども、やはり利用者が不便を被らないように、不利益を被らないようにするためにはやっぱり何らかの配慮が必要ではないかと、こういう指摘でございましたけれども、この点について改めて、どういう形でこの利用者の便宜、そして不利益の回避、こういうことを考えていかれるのか、その点について改めて確認させていただきます。
○政府参考人(房村精一君) この資格者の報酬規定の削除の点は、資格者間の公正な競争を活性化するという観点から、昨年の三月に閣議決定されました規制改革推進三か年計画において定められているところでありまして、今回の改正においてもこの閣議決定にのっとりまして、報酬規定をそれぞれの会の会則記載事項から削除するということとしたものでございます。 ただ、御指摘のように、会則に報酬基準額が定められているということ、これを見ることによって国民が司法書士、土地家屋調査士を安心して利用し得るという点で利用者の利便に寄与してきたということは否定できない事実だろうと思っております。そういう点で、今回、会則記載事項から報酬規定が削除されることによって利用者が報酬に関して不安を感ずることのないような十分な措置が講ぜられる必要があると考えております。 具体的には、それぞれの資格者が報酬基準を各自設定をいたしまして事務所に掲示し依頼者に明示すると。それとともに、そのような報酬基準を広く利用者に知ってもらえるように努める。また、資格者団体においても、これらを集計いたしまして資料としてインターネット等を通じて公開をする、あるいは報酬額算定の基本的な考え方を明らかにするというようなことが必要と考えております。 これらによりまして、利用者が資格者に依頼する前にあらかじめおおよその報酬額を知り、資格者における平均的な報酬額と比較するということによって利用者の利便に寄与できるということになるのではないかと考えております。
○千葉景子君 もう一点、これも指摘をされた問題でございますけれども、簡易裁判所の代理権を付与された司法書士の皆さんが訴訟代理人として勝訴判決を得たという場合に、強制執行の代理権がないということは極めて利用者にとっては不便ということになろうかというふうに思います。 そこで、今後このような場合にどういう手だてをしていくおつもりがあるのか、その点について改めて確認をさせておいていただきたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) 司法制度改革審議会においては、その司法書士に付与すべき代理権の範囲につきまして種々議論をした結果、強制執行事件には、例えば売却のための保全処分の申立てであるとか配当異議の申出など相当高度な法律知識を要するものもあることから、現時点においては簡易裁判所の訴訟代理権、調停・即決和解の代理権を付与することとし、司法書士に対する強制執行の代理権については将来的な課題として位置付け、昨年六月十二日にされた最終報告には盛り込まなかったものと承知しております。 今回の法案は、この司法制度改革審議会の最終意見を実現するための改正であることから、司法書士に付与すべき代理権には簡易裁判所の訴訟代理権、調停・即決和解の代理権といたしまして、強制執行の代理権は盛り込んでおらないものでございます。 ただ、御指摘のように、簡易裁判所の代理権を付与された司法書士が訴訟代理人として勝訴判決を得た場合に、その勝訴判決に基づく強制執行も可能となれば依頼者の利便に資することは間違いのないことだろうと思っております。そこで、今後、国民のニーズ、司法書士の訴訟代理権行使の実績及び代理権付与の前提となる研修制度の実施状況などを踏まえまして、司法書士が今後、一層取得するであろう専門性を最大限に活用する観点から、御指摘の強制執行の代理権付与についても検討をしていきたいと考えております。
○千葉景子君 三点確認をさせていただきました。必ずしもそれで十分業務が全うできるかどうかという問題点もあろうかと思いますけれども、前向きな答弁等もいただいたかと思いますので、是非、質疑の内容、その趣旨をこれから生かしていただくようにお願いをしておきたいというふうに思います。 さて、こうやって司法書士の皆さんが新たなる権限を踏まえて法曹の一翼をこれから担い、頑張っていこうとされておりますが、やはり一番大本になっておりますのは、登記実務をやっぱり全国ネットワークをして担ってきたと、こういう部分ではないかというふうに思っております。 そこで、今後進められていこうとする登記申請のオンライン化でございますけれども、この際に、やっぱり実務的によくこれまで全国で実務を経験をし、十分にその問題点やあるいはその中身を熟知をしている、こういう皆さんの意見も踏まえながら、国民の権利保全ということに怠りのないようなオンライン化というものを進めていく必要があるだろうというふうに思います。 そういう意味で、こういう実務経験などを十分に生かしながら進めていかれるのであろうというふうに思いますけれども、その辺についての今後の進め方といいましょうか、計画、こういうことについて御答弁をお願いをしたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、現在、オンライン化、検討を進めているところでございますが、オンライン化に当たりましては、国民にとって利用のしやすい制度であるということと同時に、やはり登記に対する信頼が揺らぐことのないような、例えば成り済ましを防ぐような十分な手当てを講ずる必要があると思っております。 そういう点で、この検討に当たりましては、実務に関して非常に詳しい知識をお持ちの関係団体あるいは関係機関の意見も十分伺いながら検討を進めたいという具合に考えております。
○千葉景子君 最後になりますけれども、今回のこの法案で司法書士の皆さんに一部の訴訟代理権が与えられ、これからこういういろんな職種の皆さんの能力あるいはこれまでの経験等も生かされた司法改革というのが進められていくものだろうというふうに思っています。 ADRの活用、あるいはこれからワンストップサービス、市民の、利用者の側に立って使い勝手の良いこういう司法ということも盛んに言われているところでもございまして、今回は司法書士、そして土地家屋調査士の皆さんについての法改正ではございましたけれども、こういう多くの職種の皆さんのお力も生かしながらの司法改革に向けた大臣としての考え方をお聞かせをいただきまして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 千葉先生御指摘のとおり、司法制度改革を進めるに当たりましては、司法制度改革審議会の御意見にもございましたが、利用者である国民の視点から、使いやすい司法制度ということでADRの活用というのは非常に重要なことでございます。先般、閣議決定されました司法制度改革推進計画に従いまして、引き続き所要の措置を講じてまいりたいと思うわけでございます。 また、ワンストップサービスを推進することは国民の利便性を高めるという観点から極めて重要なテーマでございまして、司法制度改革審議会意見におきましても、ワンストップサービス実現のために、弁護士と隣接法律専門職種などによる協働を積極的に推進するための方策を講じるべきであるというふうにおっしゃっていただいております。 今後、先般、閣議決定されました司法制度改革推進計画に従いまして、弁護士及び各専門職種の活動状況や法人制度の動向等を踏まえながら、積極的に検討してまいりたいと考えております。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 冒頭、大臣から大阪高検の幹部逮捕の問題について発言がございました。大変重大な問題だと思います。今日は時間もございませんが、別途この問題で集中的な議論をする場を持っていただきたいということを私からも要望をしておきます。 さて、まず土地家屋調査士の皆さんの報酬の問題についてお尋ねをいたします。 今朝の参考人の御発言の中にも、この問題が、土地家屋調査士には依頼に応ずる義務もあるし、国民には過料に処してまでの申請義務がある、事実上の公共料金に準ずるものであるし、自由競争にはなじまないのではないかと、こういう御発言もありました。大変これは私も理解もできますし、実際、ほとんどの人は一生に数回しか掛からないということがあるわけであります。 やはり、本当に利用者の皆さんが不安にならないような対応をする必要があるかと思うんですが、この利用者の中には地方自治体や国も入るわけであります。例えば、法務省も発注をする側になるわけでありますが、この法律によってこれまでとどうその対応が変わっていくのか、この点、まずお願いします。
○政府参考人(房村精一君) 各種の公共事業に際しまして登記の嘱託等を行うという場合、その報酬をどう当局の側で算定するかというお尋ねだと思いますが、基本的には、その事業の実施主体が現地の状況、作業内容の難易度、求める測量精度、あるいは報酬の実勢価格、平均的にどの程度の価格が支払われているのかというようなことを調査勘案いたしまして、予定価格を定めた上で入札に付す、あるいは事情に応じて随意契約を締結するということになるものと考えております。
○井上哲士君 そういう公共の契約についてはこれは大きな一つの目安に私はなっていくかと思うんですが、そういう個々の契約についての中身については、これは公表されていくわけですね。
○政府参考人(房村精一君) 現在、落札又は随意契約の結果は官報に公示されるものを除いて公表はしておりません。 なお、官報に公示されるものは、予定価格が一千四百万円以上のものということになっております。
○井上哲士君 官報に公示されない規模のものであっても、こういうようなことで契約が行われたということを例えば会の方が例示をすると、これは構わないわけですね。
○政府参考人(房村精一君) 受託をした調査士の方がその実績を公開するということはもちろん自由でございます。
○井上哲士君 こういう公共工事などは大変やっぱり目安になっていくものですから、こういう形も一つの知恵として、国民に安心できる報酬体系というものを出していくということでお願いをしたいと思います。 次に、不動産登記法の附則第五条に関連をしてお尋ねをいたしますが、まず国にとって登記の意義、目的というものを今日どのようにとらえられているのか、大臣の御所見をお願いいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) 不動産登記制度というのは、国民の重要な財産である不動産の権利関係を公示することによりまして、不動産取引の安全と円滑を図り、もって国民の権利の明確化と権利の保護に資するためのものであるというふうに理解しております。
○井上哲士君 国民の権利を明示をして明らかにしていくということと言われましたけれども、常に言わば国民のものと、それから公のものも境界を接するものが幾つもあるわけであります。 この不動産登記法の附則第五条では、昭和三十五年の改正時に、国や地方公共団体等には、当分の間、表示に関する登記の申請義務についての規定を適用しないということとなっております。しかし、どうも、言わば課税の対象にならないので、お金も掛かることだし、取りあえず登記は先送りにしようじゃないかと、こういう発想があるんではないかというふうに思うんですね。やはり、国民の権利の問題、それから今日こういう登記という問題が行財政の施策の基礎資料になっているということを考えますと、今、この附則第五条というものも改めて見詰め直して、こういう非適用を外していくということも考えられるんじゃないかと思うんですが、その点での御所見をお願いします。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、昭和三十五年の不動産登記法改正に当たりまして、一般的に表示登記については申請義務を課したわけでございますが、この附則の五条で国有地等につきましては申請義務を負わさない、当分の間、課さないということとしたわけでございます。 この経緯でございますが、元々この不動産登記法、三十五年改正する前、土地につきましては土地台帳で一般的に管理をされていたわけでございます。ところが、国有地につきましては国有財産台帳で国がこれを管理をするということになっておりましたので、国有地については土地台帳に登載しないという扱いがなされておりました。不動産登記法に一本化するときに、国有財産についても登記の在り方とすれば登記をすることは望ましいということは言えますので、そういうことから一般的に登記の対象としたわけでございますが、これを表示登記の義務を課すということになりますと、膨大な国有地について測量いたしまして、すべて表示登記の申請をしなければならないということになるわけでございます。それは相当の手間であり、また費用の負担も相当大きなものになることが予想されると。 一方、国有地につきましては、一般的には直ちに取引の対象となることはありませんので、その土地の管理が国有財産台帳においてきちんとされているのであれば、直ちに登記申請義務を課して不動産登記簿に記入をしなくても、国民の取引の安全等の観点からするとさして問題はないだろうと。このようなことから、経過措置として当分の間、国有財産等については表示登記の申請義務を課すということを見送ったわけでございます。 将来的な形とすれば、登記簿に国有地についても記載があるということは望ましいとは思いますが、それはやはり徐々に状況を見ながら漸進的に進めていただくということではないか。直ちに義務を課すというのは、やはりまだ現段階においてもなかなか難しいのではないかという具合には考えております。
○井上哲士君 確かに、義務を課すということになりますと、おっしゃるように莫大な費用が掛かるわけであります。しかし、望ましいということでありますから、例えば今、地方分権一括法に基づいて官公間の財産移管があります。それから、いわゆる十七条地図を作成する地域でその中にこういう官有地がある場合がある。こういうところに言わば限ってこういう登記をやはり順次進めていくということは必要だと思うんですが、その点ではどうでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) これは、現行法はもちろん申請義務を課していないだけでありまして、登記に適するような状態で費用負担等を考えて管理のために登記をした方がいいということを御判断いただければ、それはもちろん登記していただける、申請をしていただければ登記をするわけですので、そこはそれぞれ土地を管理している部署で、登記をするに適しているか、そのための費用負担等を考慮して必要に応じて進めていただければという具合に考えております。
○井上哲士君 地方自治体などと等価交換で国のものに土地がなる場合がありますが、そういう場合などは、これは正に国の判断でありますけれども、率先して登記を進めるべきだと思うんですが、その点どうでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) ちょっと具体的状況にもよると思いますので、私どもとすれば、もちろん登記を所管するところとしてはできるだけ登記を利用していただければとは思いますが、具体的な状況にもよると思いますので。
○井上哲士君 当分の間と言って四十年たち、本来、国有地でも登記は望ましいということでありますから、これは是非積極的な対応をお願いをしたいと思います。 それから、これ幾つか確認になるんですが、法人化の問題であります。 司法書士会などからも一人法人ということの要望もあったかと聞いておるんですが、弁護士には認めております。それから、少し分野は違いますが、商法などでも一人法人というものがあるわけですが、今回、司法書士や土地家屋調査士にはこの一人法人を認めなかったというその理由についてお願いします。
○政府参考人(房村精一君) 専門資格者の事務所を法人化するというのは、複数の資格者が協働して利用者に良質で多様なサービスを提供するということを可能にすることを主な目的としております。そういうことからしますと、その設立には本来、二人以上の社員が要るというのが考え方としては自然でありまして、実際にも、監査法人は五人以上、それから特許業務法人、税理士法人はそれぞれ二人以上の社員を必要としております。 御指摘の弁護士法人は一人法人が認められておりますが、専門資格者の法人化の中では、言わば弁護士法人はかえって逆に例外ということでございまして、この弁護士法人になぜ一人法人が認められたかということにつきましては、弁護士事務所の形態の特殊性、すなわち一人の経営弁護士が数名の勤務弁護士を雇用する、いわゆる親弁型事務所が多数あると、そしてこの親弁型事務所についても将来の協働化等をにらんで法人化を認める必要があるということから、特に一人法人が認められたという具合に聞いております。 その点、司法書士等につきましては、他の特許業務法人あるいは税理士法人と同じように、弁護士のような特殊事情が認められないということもありまして、原則に戻りまして、二人以上の社員を要するということにしたわけでございます。 将来、この点をどうするかということについては、今後の司法書士事務所の在り方等を踏まえて検討していきたいと考えております。
○井上哲士君 最後に、ちょっとまた報酬の問題に戻りますが、司法書士さんなどの報酬について事務所に明示することなどの御答弁がありました。私も一度だけ利用したことがあるんですが、実態としますと、仲介業者の方とか金融関係の御紹介ということで、たしか仲介業者の事務所でお会いしたかと思うんですが、こういうケース非常に多いかと思うんですね。ですから、事務所に掲示をしても必ずしも利用者には見えないという問題があるんですが、その明示の仕方は、契約する場合の時期とか方法とか、これはどういうふうに考えるんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 事務所へ掲示をするというのは典型例でございますが、できるだけ利用者にその契約をする前にどういう報酬なのかということを分かってもらうということでございますので、できるだけ、例えば、会の方でそういう多くの報酬規定を表示するとか、個人で広告をする方もいらっしゃるでしょうし、そのような形でできるだけ知らせる努力をしていただきたいということと、やはり契約をするに当たっては、当然、報酬についての考え方であるとか基準であるということを説明していただきたいという具合には思っております。
○井上哲士君 終わります。
○平野貞夫君 先ほど法務大臣から、昨日の大阪高検前部長逮捕の報告がございました。誠に残念なことでございますが、いずれ集中的な質疑をする機会があると思いますが、参議院のこの法務委員会で積極的に大臣から御説明、報告があったことは私、多といたします。これ聞かれて言うようでは、これはやっぱり姿勢が問われます。衆議院では聞かれておっしゃったようなんですが。 そこで一点だけ、私、昨日から新聞見ていてお伺いしたいことがあったんですが、大臣及び検事総長が記者会見で反省の弁を述べられておる。当然だと思いますが、検察の不祥事あるいは検察の信頼を失ったと、こういう言葉になっている。 私は、法務省の権威、法務省の信頼を失ったという問題だと思うんですが、その点いかがでございますか。
○国務大臣(森山眞弓君) 検察は法務省の重要な部分を担っているわけでございますので、大きく言えば、先生がおっしゃるようなことになると思います。大変残念なことでございます。
○平野貞夫君 私、これ、検察の不祥事、検察の権威を逸したという、そういう矮小化した問題でとらえるべきじゃないと思います。法務省全体の問題として、これはなぜこういうことが起こるか、そして今後こういうことを起こさないようにするためにはどうするべきかということを、私たち国会としても当然真剣に議論していくべきだと思いますが、本日はこの問題はこれでとどめておきます。 さて、議題となっております司法書士法及び土地家屋調査士法の改正案、待ちに待ったといいますか、当然な一つの改革だと思います。 そこで、ちょっと翻ってお尋ねしたいことがあるんですが、昨年、たしか弁護士法を改正して、弁護士さんの都市集中をなくする、過疎の方にも法律上の相談、対応ができるようにということをやって、たしか四月から、今年の四月からそれが施行されたと思うんですが、どうですか、まだ四月なんですが、その弁護士過疎というものが解決する、あるいは新しい状況に対応して弁護士さんの業務が非常にうまく機能するという、この弁護士法人化に伴う実態あるいはこれからの見通しは、どういうふうに当局は理解されているでしょうか。
○政府参考人(寺田逸郎君) ただいま御指摘ございましたように、弁護士過疎の問題は大変深刻な問題でございます。御承知のとおり、地方裁判所の管轄区域、本庁、支部合わせまして二百五十三ございますが、そのうちの六十四、約四分の一が弁護士が一人あるいは全くいないという、こういう状況でございます。先ほどこれも御指摘のとおり、弁護士法人の法改正が成ったわけでございますが、その法改正をした一つの機縁もこの問題でございます。 根本的には、私ども、最終的に弁護士の数、法律家の数が増えるということは非常に重要だと考えておりまして、これは、これも御案内のとおり、司法制度改革審議会の意見でもございますとおり、二〇一〇年に約三千人ということをめどにこれから法曹のメンバーを増やしていこうと、こういう計画でございますが、制度的な工夫といたしまして、先ほどの弁護士法人もこれに役立つだろうということで考えているわけでございます。現在のところ、まだ弁護士法人として届出があったものは約二十四にとどまっておりますので、それほど大規模なものでございませんけれども、いずれこれが育っていくということを期待しているわけでございます。 そのほかに、弁護士会の独自の御努力といたしまして、公設事務所でございますとか、あるいは法律相談センターというようなことを努力されて進められておられます。 こういうことにも期待をしたいと考えておりますが、もちろんこれ、全体といたしまして、私ども法曹世界全体の問題でございますので、私どもといたしましても、今後、あらゆる観点からこの問題について努力を払っていきたいと、このように考えているわけでございます。
○平野貞夫君 弁護士さんを増やすということも大事ですし、それから法人化によってそういう過疎地、弁護士過疎問題を解決していただかなきゃなりませんが、少々増やしたって私はなかなかこれは解決しないと思っています。 今朝の参考人質疑でも申し上げたんですが、例えば高知県の西部、中村市、宿毛市、土佐清水市、それから周辺に五つぐらい町村があるんですが、ここで弁護士さん一人です。それも八十近いおじいさんで、非常に立派な人なんですが、私も一回会ったことがあるんですが、もうやはりお年を召されていて、もうとてもやっぱり業務をするにはなかなか難しい。しかし、それでもやっぱり一人いてくれるというだけでも安心しているわけなんです。 そこで、突拍子もないことを申しますが、例えば自治医科大学だったら、自治医科大学を卒業した人を何年か過疎地に、無医村に派遣するという制度があるんですが、簡易裁判所のあるところには、何かいい知恵を出して、三人なら三人、五人なら五人常置してもらう。常置してもらうというような方法でも取らぬ限り、これ、人口は減っていますが、法律的な、法的な処理する話というのは増えているんです、人口と余り関係ない部分がありまして。そういうことを、何かいい知恵はございませんですかね。
○政府参考人(寺田逸郎君) おっしゃるような問題もかねてから一つのアイデアとして主張されているところでございまして、私どもも、検討に値するところがないわけではない、そういう性格のものだというふうに受け止めておりますけれども、いろいろ営業の自由等の問題もございますし、慎重に検討してまいりたいと、このように考えております。
○平野貞夫君 これは国がやることじゃないかも分かりませんが、弁護士連合会だとかそういうところで、やっぱりそれだけの地位の高い、教養の高い、しかも知識の高い人たちの社会への活用というのはやはり地域的にも平等であってほしいという面から、何かやっぱりそういう連合会等ででも特別な配慮をしていただくような、そういう要望を持っております。 それから、法案の内容についてはもうほとんど賛成でございますから細かいことは申しませんが、今回、司法書士制度の業務の拡大ということに一歩踏み込まれた。評価するものなんですが、今後これで終わるのか、今後更にこの司法書士制度、司法書士さんの業務を国民的な要求あるいは社会の変化に応じて更に拡大していくつもりか、その点はどんな方針をお持ちですか。
○政府参考人(房村精一君) 今回の司法書士に与えられる権限は、簡易裁判所における訴訟代理権と調停それから即決和解に限られておりますが、しかし国民に身近な法律家として、司法書士の方々に更にゆだねることを検討すべき代理権というものは、例えば強制執行であるとか家事事件に関するものというものもございます。こういうものにつきましては、この今回与えられた権限を司法書士の方々がどのように行使するのかという実績あるいは国民のニーズ、研修体制、こういったものを踏まえながら検討をしていきたいという具合に考えております。
○平野貞夫君 是非、積極的にそういう分野を拡大していただきたいと思います。 私、弁護士さんと司法書士さんとを見てみますのに、この制度の背景に日本人の法意識の矛盾といいますか、あるいは問題点があると思います。 日本が近代化したときに、英米法でいくか、大陸法、ドイツ法のようなものでいくかという、いろいろあって混ざり合って、その英米法的な傾向が戦後強くなっていますが、英米法でいくと、やっぱり法律関係というのは実務的な面にウエートがあると思います。法律を実務的な面にウエートを置くということになれば、私は、現在の司法試験のような大変難しい試験あるいは様々なハードルを越えて資格を取る、資格を取った人が詐欺罪の共犯で捕まるようなことじゃ、これはどうしようもない。 そういう意味で、午前中も申し上げたんですが、司法書士制度を抜本的に改革して、いわゆる実務面の弁護士さんというような、まあ準弁護士さんと言うのにも異議ありますが、私は司法書士という言葉を変えるべきだと思っていますがね。 そういうことも踏まえて、司法書士になられる方は様々な学歴、様々な職歴を経てなるわけでございまして、そういう社会的な実績というものをやっぱり評価して、実際どれだけ世の中にお役に立つか、貢献するかという部分の判定をして、是非、司法試験だとか弁護士を増やすとかという、また検事さん、裁判官というような問題と絡むと大変問題が多くなりますので、そういう意味での実務的な面の法律の専門家というものをやっぱり是非増やしていただきたいということを要望しておきます。これ大臣の感想をお聞きしたいと思います。 それから、やっぱり法律は有り難いものだとか、何か日本人というのは法律をお経のように感じる人もいまして、正義は法から出るというようなことを習ったこともあって、私は逆だと思っていますが、もうちょっと法律というものに対して気軽く生活の中で、あるいは教育の中で国民の意識に浸透させる努力も必要じゃないかと思いますが、そういったことについての御所見を伺って、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 法律がもっとみんな、国民みんなにとって身近なものであってほしいと、それは正に今の司法制度が抱えている問題点でございまして、そのような問題点を非常に重要視されまして、司法制度改革審議会でもそのような問題をクローズアップして改革の一つの大きな目玉として、これからその方向に向かって司法制度を身近な分かりやすい、頼りがいのあるものにしようということで努力しているわけでございます。 正に、先生がおっしゃいましたようなことが、我が国が百年以上持ってまいりました今のこの司法制度の最大の問題点であるというふうに思いまして、全く先生の御意見に同感でございます。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 私も他の党と同じで、前大阪公安部長の逮捕の件には、新聞報道でしかまだ存じ上げていなかったんですが、大変ショックを受けました。インタビューに応ずる直前に逮捕されたという報道もあり、一体何が事実なのかということを強く思っております。是非、この法務委員会できちっとした審理が行われるように是非よろしくお願いしたいと考えております。 では、今日の質問に移りたいと思います。 法人化の点について議論がありました。事務所法人化のメリットなんですが、依頼者、司法書士、土地家屋調査士、特に従業員にとってのメリット、従業員にとってのメリットというものはあるのでしょうか。御説明をお願いします。
○政府参考人(房村精一君) 法人化のメリットということでございます。 これは、法人化した場合には、当然、司法書士あるいは土地家屋調査士の場合には、協働して分業をし専門化ができるという意味で質の高いサービスを提供できるようになりますし、また経営基盤も安定するということになります。 利用者の側からしますと、そういう質の高いサービスの提供を受けられる、それから担当者が万一死亡した場合であっても法人として業務を引き続き処理してもらえると、そういう意味でその地位が安定、強化するということになります。 従業員の場合ですが、これは法人と雇用契約を結びますので、そういう意味で雇用契約が非常に安定する。個人の方と雇用契約を結んでいる場合には、その方が亡くなった場合どうするかという問題が常に起きるわけですが、法人になりますとそういう点で契約の安定化が図られる。また、法人の財政基盤が安定することによって、その従業員の地位も反射的に安定すると。 そういう意味で、それぞれメリットがあるという具合に思っております。
○福島瑞穂君 簡裁の管轄とされている九十万円を超える民事調停事件、即決和解事件及び合意管轄により簡裁で処理される九十万円を超える訴訟事件について、代理権を付与しない理由を教えてください。
○政府参考人(房村精一君) 基本的に、司法制度改革審議会で司法書士に与える代理権の範囲を議論をいたしましたときに、簡易裁判所の訴訟事件というものをまず与えるということにいたしたわけでございますが、併せて簡易裁判所における調停事件あるいは即決和解事件、これについて検討いたしましたときに、訴訟事件でありますと裁判所法によりまして簡裁の事物管轄が定められておりますので、上限が九十万ということに定められておるわけでございますが、調停事件、即決和解事件についてはそういう事物管轄の定めがございませんので、極端な場合、一億円の事件であっても簡裁に係属すると。そういう多額な事件について、この段階で直ちに司法書士の方々に代理権を与えることについてはやはり問題があるのではないかというようなことから、調停事件、即決和解事件につきましては、簡易裁判所の事物管轄を基準としてその事件について代理権を与えることとするということが言われたわけでございます。 そういう判断を審議会がしたということは、逆に考えますと、訴訟事件につきましてもその合意管轄によって事物管轄を超える、九十万を超える事件も係属することが可能でございますが、やはり調停あるいは即決和解事件について事物管轄の額を基準にしたということは、訴訟事件についても当然暗黙のうちにその額の範囲内ということを考えておられたのであろうと。そういうことから、今回、訴訟事件につきましても同じように事物管轄の九十万というものを限界とさせていただいたわけでございます。
○福島瑞穂君 今回、委員会で何度も出ておりますし、午前中の参考人質疑の中で能力担保措置について議論が出ました。改めて確認で御質問をいたします。これは、法務大臣の認定の方法について、法文上、試験ではなくて法務大臣の認定とした理由について改めて教えてください。
○政府参考人(房村精一君) 基本的に、この法務大臣の認定は、簡易裁判所において訴訟代理人となるための能力を身に付けていただくために研修を受けていただく、その研修でその能力がきちんと身に付いたかということを見るためのものでございます。 基本的には筆記試験によって判断をするつもりでございますが、今回、研修等で身に付けていただく能力の中には、例えば弁論能力であるとか尋問能力であるとか、あるいは法曹倫理、心構えというような問題も入ります。そういう極めて実務法律家として必要な諸能力を身に付けていただくということでございますので、筆記試験によってそのすべてが判断できるかどうかという問題もございますので、場合によれば、その研修での成績等も考慮して総合的に認定するということも可能にするということで、特に試験と言わずに認定と言ったわけでございます。ただ、中心はもちろん筆記試験であることは変わりございません。
○福島瑞穂君 ちょっと細かいかもしれませんが、筆記試験もするということで、試験の科目、方法、難易度などについては、ごめんなさい、ちょっと細かくて、どのように考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) これは修習と密接な関係がございます。したがいまして、修習で力を入れたものについて、その修習で要求されている能力を身に付けたかということを判断できるようなものと、極めて抽象的な言い方で申し訳ないんですが、現段階ではそういうことでございます。
○福島瑞穂君 話がちょっと別のテーマになって済みませんが、この間、ずっと司法書士、公認会計士や様々な資格の問題に関しての議論が出てきました。それで、この委員会で公証人について以前お聞きをしたことがあるんですが、公証人は試験をするというふうになっておりますが、現在、公証人の試験等についてはどのようになっているか、教えてください。
○政府参考人(房村精一君) 公証人法では試験をするという定めがございますが、この条文のすぐ次に、法曹資格を有しております、裁判官、検察官、弁護士の資格を有している者については、試験、研修なしに公証人に任用できるという規定が置かれていることから明らかなように、ここで要求されております試験で判定する能力は、基本的に法曹として能力を有しているかどうかという試験と実質的に同じ内容になるであろうと。したがって、実施するとすれば司法試験と同性質のものにならざるを得ない。一方、現実に法曹資格者の中から現に公証人を任命できているということから、この試験を実施はしておりません。
○福島瑞穂君 今回、司法書士の改正法が議論になっているのですが、例えば将来的に公証人になる人たちをもっと間口を広げるということもあり得るというふうに思います。そうしますと、今は実質的には裁判官を辞めた方などがなっていることが多いのですが、将来的にはもう少し門戸を広げて、例えば試験をもっとオープンにやるとか、そういうことはお考えになられないのでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 公証人の資格といたしまして、例えば今、法曹資格を有する者を任命する以外に、十三条ノ二で、そういう資格のない方について公証人に任命する場合もございますが、こういったものにつきましては、現在も検討を進めまして、できるだけ幅広い人材を登用すべきであるということから、民間の企業法務経験者等を任用することについても検討をしているところでございます。
○福島瑞穂君 民間の企業の人を任用すればだれをどういう基準で選ぶかということが起きるので、やはり公証人法が試験によって選ぶということを原則としている意味ということはあると思います。それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 基本的に、その十二条で定めております「一定ノ試験ニ合格シタル後六月以上公証人見習トシテ実地修習ヲ為シタルコト」というこの「試験」は、先ほど来申し上げておりますように、法曹となる資格を判定する司法試験とほぼ同じ内容にならざるを得ないだろうと。したがって、司法試験と別にこの試験を実施する必要はないと考えているところでございます。 ただ、十三条ノ二で、「多年法務ニ携ハリ前条ノ者ニ準スル学識経験ヲ有スル者」と、こういう部分につきましては、現在、民間の方等についてもその任用を検討しているということでございます。
○福島瑞穂君 この委員会で様々な資格についての試験の方法や認定の方法などが議論になりました。公平性あるいは透明性ということから、今後も様々な、今も資格を求めて人が難しい試験に殺到している状況ですので、透明性や公平性を高めるという観点から、また是非御検討をよろしくお願いします。 ちょっと今日のテーマと、少し関係あるんですが、ちょっとずれるテーマで申し訳ないんですが、今、司法制度改革の議論の中で、行政裁判の見直しについては現在どのような状況なのか教えてください。
○政府参考人(山崎潮君) 政府におきましては、去る三月十九日に司法制度改革推進計画を閣議決定しております。この中で、「行政事件訴訟法の見直しを含めた行政に対する司法審査の在り方に関して、「法の支配」の基本理念の下に、司法及び行政の役割を見据えた総合的多角的な検討を行い、遅くとも本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。」とされております。 これを受けまして、それより前からでございますけれども、私どもは行政の見直しの検討会を設けまして、現在まで三回、会議を開いております。現在は、各方面の方々からヒアリングをしている状況でございます。
○福島瑞穂君 では最後に、これはお願いなのですが、選択的夫婦別姓のテーマで、今いろんなところに行きますと、是非、別姓も選べるようにしてほしい、結婚を控えていますという人に会うのが非常につらくて、申し訳ないというふうに思うのですが、是非、構造改革ということであれば、こういう構造改革を是非やっていただきたいというふうに思いますが、法務大臣は女性のパイオニアとして本当に頑張ってこられた方で、是非、今国会の決意をお聞かせください。
○国務大臣(森山眞弓君) 選択的夫婦別姓という言葉で皆様にいろいろと御心配いただいてまいりました民法の改正でございますが、いろいろなところでいろんな御意見がございまして、特に与党の中の自民党の法務部会等が大変難しい状況で一時あったのでございますが、その中でも真剣に議論をしていただいておりまして、何とか結論を出していただきたいというふうに私も見守っているところでございます。 世の中、大変変わってまいりましたので、若い方々、これから結婚しようという方々にとってはそんなに身構えるような大ごとではないというふうに受け止めている方もたくさんいらっしゃるようでありますので、結婚生活というものが法的に安定して、法に守られるものであってほしい、そして女性や子供が不利益にならないようにしなければいけないというような様々なことを考えますと、何らかの結論を出していただいて、できるだけ早く御審議をいただきたいというふうに考えているところでございます。 ありがとうございました。
○福島瑞穂君 以上です。
○委員長(高野博師君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(高野博師君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、浜四津敏子君及び青木幹雄君が委員を辞任され、その補欠として木庭健太郎君及び三浦一水君が選任されました。 ─────────────
○委員長(高野博師君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高野博師君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、千葉景子君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子君。
○千葉景子君 私は、ただいま可決されました司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係機関は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一 司法書士による簡裁訴訟代理関係業務については、国民の期待と信頼に応えるものとなるよう、当該業務を行う司法書士の能力担保措置を適切かつ円滑に実施するため、関係諸機関の支援協力体制に万全を期すること。 二 司法書士の簡裁訴訟代理関係業務の適切な遂行に資するよう、司法書士照会制度の導入、受任事件に係る強制執行代理権の付与について適切な方策を検討するとともに、家事事件の代理権付与等についても、司法書士の簡裁訴訟代理実務の実績及び研修の成果等も踏まえた上で速やかに検討すること。 三 司法書士及び土地家屋調査士の業務に係る報酬規定が会則から削除されることに伴い、適切な報酬設定が行われるとともに、利用者に分かりやすく明示されるよう、その周知徹底を図ること。 四 司法制度改革に関する検討を踏まえ、国民の権利保護及び利便性向上の観点から、司法書士及び土地家屋調査士の有する専門的知見を、裁判外紛争解決制度に積極的に活用すること。 五 公共嘱託登記制度については、その目的に照らし、行政部局の独立行政法人への移行等も踏まえ、当該制度の対象となる官公署等の範囲を随時見直すこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(高野博師君) ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高野博師君) 全会一致と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、森山法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森山法務大臣。
○国務大臣(森山眞弓君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○委員長(高野博師君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 商法等の一部を改正する法律案及び商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を一括して議題といたします。 両案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。森山法務大臣。
○国務大臣(森山眞弓君) 最初に、商法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、最近の社会経済情勢の変化に伴い、株式会社等の経営手段の多様化及び経営の合理化を図るため、会社の機関関係を中心に、会社法制の全般にわたり、商法、有限会社法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正しようとするものでありまして、その要点は次のとおりであります。 第一に、会社の機関関係では、まず大規模株式会社につきまして、監督と執行を分離した委員会等設置会社の制度の選択を可能とすることとしております。この制度におきましては、取締役会の中に、メンバーの過半数を社外取締役とする指名委員会、監査委員会、報酬委員会の三委員会を設けて、取締役会の監督機能を強化するとともに、業務執行を担当する執行役を設け、取締役会が執行役に対して決議事項を大幅に委任することができるようにし、機動的な業務決定を可能としております。 また、従来型の大規模株式会社につきましても、機動的な業務決定を可能とするため、社外取締役を選任している場合には、取締役会がその中に取締役三人以上で組織する重要財産委員会を設け、これに重要な財産の処分や多額の借財等についての決定権限を委任することができるようにすることとしております。 さらに、株主総会の手続につきまして、議決権を有するすべての株主の同意がある場合には招集手続を省略することができるようにし、また株式の譲渡につき取締役会の承認を要する会社については、定款により、招集通知の発出から総会期日までの期間を一週間を限度として短縮することができるようにするなど、その簡素化、合理化を図ることとしております。 また、定款変更等の場合に必要となる株主総会の特別決議の定足数について、個人株主など議決権を行使しない株主が増加している反面で、安定株主が減少している状況にかんがみ、その下限を定款により議決権総数の三分の一まで緩和することを許容することとしております。 第二に、株式関係では、まず一定の株主が議決権の比率にかかわらず一定の数の取締役又は監査役を確実に選解任することができるようにし、ジョイントベンチャーとして合弁会社を設立することや、ベンチャーキャピタルによるベンチャー企業への投資を行いやすくする観点から、取締役又は監査役の選解任を種類株主ごとに行うこととなる株式の発行を可能とすることとしております。 また、株券を喪失した株主が発行会社に喪失登録をする制度を創設し、喪失株券の再発行のための手続を整備することとしております。この新たな手続は、裁判所に公示催告手続の申立てをすることを要しない簡便な手続で、かつ、名義書換制度との連携を図ることによって、喪失株券の善意取得者の正当な利益も十分に確保されるものであります。 第三に、会社の計算関係では、まず大規模会社につきまして、株主への情報開示の充実を図るため、連結計算書類の作成と定時株主総会での株主への報告を要求することとしております。 また、会計基準の変更への迅速な対応を可能にし、商法会計と証券取引法会計との整合性を確保し続けるため、財産の価額の評価方法等についての規定を法務省令で定めることとしております。 このほか、現物出資等の際の検査役調査に代わるものとして、弁護士等の専門家による財産の価格の証明制度を拡充することなどの措置も講ずることとしております。 続いて、商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、商法等の一部を改正する法律の施行に伴い、非訟事件手続法ほか百一の関係法律について規定の整備を行うとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。 以上がこれら法律案の趣旨でございます。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決くださいますようお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(高野博師君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十六分散会