法務委員会 第3号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2002/03/20
会議録
○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 昨十九日、予算委員会から、三月二十日の一日間、平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管について審査の委嘱がありました。 本件を議題といたします。 ─────────────
○委員長(高野博師君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に警察庁長官官房長石川重明君、警察庁長官官房審議官芦刈勝治君、警察庁生活安全局銃器対策課長小風明君、警察庁刑事局長吉村博人君、法務省民事局長房村精一君、法務省刑事局長古田佑紀君、法務省矯正局長鶴田六郎君、法務省人権擁護局長吉戒修一君、法務省入国管理局長中尾巧君、外務省欧州局長齋藤泰雄君、外務省中東アフリカ局アフリカ審議官小田野展丈君及び厚生労働大臣官房審議官鈴木直和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 平成十四年度裁判所及び法務省関係予算につきましては、去る十四日に説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。 今日は、鈴木宗男衆議院議員の私設秘書のムウェテ・ムルアカ氏ですか、そのことの質問から先にさせていただきたいと思いますが、法務省の方にお尋ねしますが、このムウェテ・ムルアカ氏は一九九四年五月十六日に公用ということの在留資格を取得をしておるようですが、これはそのとおりで間違いないんでございますね。
○政府参考人(中尾巧君) そのとおりでございます。
○小川敏夫君 公用の在留資格が出るということは、この表によりますと、日本国政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又はその家族ということになりますが、そうすると、この時点で公用の在留資格をムルアカ氏が取得したということ、つまり日本政府が与えたということは、これはムルアカ氏が日本国政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者と認めたと、こういうことになりますね。
○政府参考人(中尾巧君) そのとおりであります。
○小川敏夫君 一般的な手続でいいんですけれども、今の外国政府や国際機関の公務に従事する者と認めるのはどのような資料によって認めるんでしょうか。
○政府参考人(中尾巧君) 公用への在留資格の変更手続は、在留資格変更許可申請書の二通を出すわけでありますが、その際に資料として私どもの方で要求しているものといたしましては、口上書その他外国政府又は国際機関が発行した身分及び用務を証する文書の提出を求めております。通常は口上書が在京の大使館から出されますので、その口上書の内容によって審査をして公用として認めているというのが実情でございます。
○小川敏夫君 参考までにお尋ねしますけれども、このムルアカ氏ですが、公用の在留資格を得る直前はどのような在留資格をどのような日時に、どのような日時じゃないですね、いつからどのような内容の在留資格でいたのか、これは分かりますか。
○政府参考人(中尾巧君) 一九八五年に入国をいたしまして、その後、幾つかの在留資格に変更になっておりますが、公用の直前の在留資格は人文知識・国際業務、こういうことになっております。
○小川敏夫君 その人文知識・国際業務の在留資格の取得が一九九〇年八月二十三日というふうに事前にお伺いしているんですが、この在留期間は一年でございますね。これは取得してから一年たった後、公用の在留資格変更まで四年あるんですが、これはきちんと在留期間を満了した後に正当な手続を経ているんでしょうか。
○政府参考人(中尾巧君) 在留期間は一年ですが、期間更新が可能でありますので、一年ごと適正に更新されておるわけであります。
○小川敏夫君 その後といいますか、公用の在留資格を取得した後、これは手続的なことをお尋ねしますが、二〇〇一年に日本人の配偶者等のということで在留資格の変更がなされておりますが、その間のムルアカ氏が持っている旅券に関して入管当局がそれを調査するとか、あるいはそれを何らかの形で確認するというようなことは、機会は、これはあるんでしょうか。
○政府参考人(中尾巧君) この期間は、出入国をした折に、そういうときに提出を求めているEDカード上に旅券番号を書く手続になっておりますので、出入国をした際に、その限りにおいてEDカード上、私どもでは確認するだけでございます。
○小川敏夫君 そうすると、それは出入国の際に適正と判断される旅券を所持していたということの確認に止まるということですね。 今度は外務省の方にお尋ねしますが、昨日の江田委員の質問にもありましたが、一九九九年ですか、ムルアカ氏の在留資格のことに関して中東アフリカ局長が入管局長に相談をしたということがありましたが、この相談の内容についてもう少し具体的に説明していただけますでしょうか。
○政府参考人(小田野展丈君) 御説明申し上げます。 当時の中近東アフリカ局長は、ムルアカ氏の求めに応じまして、同氏の在留資格外活動が可能か否かにつきまして法務省に相談したものであるというふうに承知しております。
○小川敏夫君 ムルアカ氏は衆議院議員の私設秘書ですから公務員でもないわけですし、また外務省の何らかの業務に関するわけでもない、言わば一個人だと思うんですが、中東アフリカ局長というしかるべきポジションにある方が一個人のムルアカさんのためにどのような理由で相談するに至ったんでしょうか。
○政府参考人(小田野展丈君) 御説明申し上げます。 ムルアカ氏は、鈴木議員の私設秘書であったとはいえ、ムルアカ氏個人のために外務省の幹部が法務省に相談に行くということは、社会通念に照らしまして適当ではなかったのではないかというふうに思います。 なお、当時の中近東アフリカ局長が法務省に対しましてこのような照会を行った背景には、ムルアカ氏が我が国とアフリカ諸国の草の根レベルの友好関係の促進に活発な活動を行っているというふうに当時の中近東アフリカ局長が認識していたということがあったというふうに承知しております。 一方で、ムルアカ氏の主張する在留資格及び大使館との関係は法的にも疑問を感じさせるものであったにもかかわらず、そのような相談を法務省に対して中近東アフリカ局長が行いましたことは極めて不適切であったのではないかというふうにも認識しております。
○小川敏夫君 ちょっと今の答弁の中で、ムルアカ氏の在留資格に関して疑問を持つべきではなかったかと、こういうことですか。もしそういうことであれば、どういうことで疑問を持つべきであったのか、もう少しちょっと具体的に説明していただきたいんですが。
○政府参考人(小田野展丈君) 御説明申し上げます。 ムルアカ氏がまず大使館で働いているというお話があったようでございますが、これはきちんと確認すべきであったんだろうと思います。 それから、一般的に言えば、大使館で働いているということですから、収入を伴う活動はできないんではないだろうかということにすぐに思いを致すべきであったのではないかというふうに思います。
○小川敏夫君 少しずつ聞いていきますが、ムルアカ氏が中東アフリカ局長と、そうするとムルアカ氏が積極的にそうした地域の活動をしていることで直接面識があったということですか。
○政府参考人(小田野展丈君) 当時の中近東アフリカ局長は、ムルアカ氏とはその意味では面識があったというふうに聞いております。
○小川敏夫君 余り遠回しな言い方、議論をしていても始まらないんだけれども、普通に考えますと、ムルアカさんが直接局長にというよりも、やはりムルアカさんを秘書として使っている議員がこの局長さんなりによろしくということで紹介なり口添えをしたんじゃないかと思うんですが、ムルアカ氏がこの相談をする件に関して鈴木宗男氏が何らかの口添えをしたというようなことはなかったんですか。
○政府参考人(小田野展丈君) 本件に関する限り、鈴木氏からの関与はなかったというふうに承知しております。 むしろ、ムルアカ氏は遠くアフリカから離れまして日本で一生懸命生活をしている、そういう中で、日本とアフリカの関係がだんだん緊密化していくという中で、やはりどうしても草の根の活動について活発化しなきゃいけないというのが当時の中近東アフリカ局長の意識でございまして、その意味で、本人の生活を助けてあげなければいけないというような意識があったというふうに聞いております。
○小川敏夫君 何か、ここに物的証拠があるからそうじゃないだろうと言っても始まらない、押し問答になってしまう話かもしれませんが、どうも何か釈然としないような感じがするんですが。 相談するならムルアカ氏が直接入管に行けば、行って相談すればいいわけで、何でわざわざ中東アフリカ局長が口添えして、ムルアカ氏のために局長がわざわざ入管局長に相談するのか、ちょっとそれだけの事情もないように思うんですがね、そこら辺はどう思いますか。
○政府参考人(小田野展丈君) 正に、今御指摘ありましたとおり、ムルアカ氏個人のためとはいえ外務省の幹部が法務省に相談に行くというのは、社会通念に照らしまして適当ではなかったというふうに思います。
○小川敏夫君 適当じゃなかったことは確かに適当じゃなかったと思うんですがね。どう考えても、やはりこれは衆議院議員の鈴木宗男さんから何らかの口添えがあったから局長というしかるべきポストの方が相談したように、ムルアカさんのためにそういう相談をしたように思うんですが、でもそうじゃないと答弁するから、それ以上押し問答してもしようがありませんけれども。 何か先ほどの話の中で、その局長がムルアカさんのために一肌脱いだ事情として、ムルアカ氏がアフリカ地域に関して日本との友好な関係に資するような活動を一生懸命されていると、ちょっと言葉の表現は違いましたけれどもね、というようなことがありましたが、ムルアカさんは、じゃ、具体的に日本とアフリカ地域の友好のためにどのような活動をしていたということなんでしょうか。
○政府参考人(小田野展丈君) まず、アフリカにつきましては日本におきましてはなかなか情報も少ないわけでございますし、例えば庶民レベルの、あるいは草の根レベルの件につきまして今アフリカがどういうふうになっているかというようなことにつきまして、天江局長の方には説明があったということでございます。 もう一つは、やはり日本におきましてアフリカの人たちも、数は多くはございませんけれども、いろいろこちらに来て仕事をしたり生活しておりますので、そういう人たちの話も聞いているということでございます。
○小川敏夫君 一九九九年時点といいますと、ムルアカ氏は公用の在留資格を得ているわけですが、先ほどの法務省の答弁にもありましたように、公用の在留資格を得ているということは、すなわち外国政府か国際機関の公務に従事している者というふうに法務省が認めているということだと思うんですが、この相談を受けた時点で、外務省としてはムルアカ氏がそのような公用に従事しているというふうな認識でおったんでしょうか。
○政府参考人(小田野展丈君) 御説明いたします。 現在の法制の下におきましては、一般的に、日本に滞在している外国人がどのような旅券を有しているか、外務省として把握するようなシステムにはなっておりません。 この九九年二月の時点で公用旅券を有していることがたまたま分かりましたのは、同氏が在留資格の相談を当時の中近東アフリカ局長のところに来たものですのでその公用旅券の内容を知ることができたということでございまして、その意味では、当時、本人が主張しておりますといいますか説明しました、大使館で働いているという説明はございましたけれども、天江中近東局長においては本人がどういうステータスがあるかについて明確な認識はなかったのではないかというふうに推測いたします。
○小川敏夫君 相談に来る以前のことは知らなかったというと、知っていたんじゃないかという証拠もこちらないわけですけれども、相談に来たのが正にその在留資格のことで相談に来ているわけですから、その相談に来た時点では公用の在留資格を得ているということはもちろん分かるわけで、ということは、すなわちムルアカ氏が外国政府若しくは国際機関の公務に従事している者だと、このように認識しなくちゃいけないわけですが、そのように認識したんですか。
○政府参考人(小田野展丈君) そのように認識したという証拠といいますか、その辺については今つまびらかにいたしませんが、恐らくなかったんではないかと思います。その意味では、認識に欠けていたんではないかと思います。
○小川敏夫君 何か、直接の御本人じゃないですからね、推測なんでしょうけれども、まあちょっと納得いかないわけですよね。 すなわち、公用の在留資格であれば、今言ったように外国政府の公務若しくは国際機関の公務に従事している者だと、こう当然認識しなくちゃいけないわけで、その方から個人的に在留資格の相談を受けて局長がいろいろ相談するということが果たしてどうなのか。元々不適切だったと認めているわけですからね、不適切だということを更に追い打ち掛けてもとは思いますけれども、でもやっぱり不適切だと思いますがね。 その時点でムルアカ氏の実際の勤務実態が、これは鈴木宗男衆議院議員の私設秘書であり、それから先ほど言われたように、収入を得るような仕事もしているということの実態で相談を受けたということですが、そうすると、これは公用の在留資格がそもそもおかしいんじゃないかと、そういうような見方はこれはしなかったんでしょうか。
○政府参考人(小田野展丈君) 当時の中近東アフリカ局長は、むしろ公用の在留資格で適用除外が認められないだろうかという観点から法務省の方へ相談に行ったというふうに承知しております。
○小川敏夫君 公用の在留資格を得ていますと、例えば日本で働いて収入を得ても納税義務がない、あるいは一般の滞在者と違って外国人登録証を常時携帯する義務がないと、こういった特典がありますよね。 それで、公用の在留資格を持っているムルアカさんが就労していると。しかし、納税義務の特典があるんだから、逆にそのままの方が個人的にはいいんじゃないかと思うんですが、なぜそれをほかの在留資格にというような相談があったのか、そこら辺の事情は分かりますか。
○政府参考人(小田野展丈君) なぜかという部分については私も分かりませんが、今お話ございました納税義務等の件でございます。技術的なことは私は詳しくは存じませんが、本人は外交官として我が国が接受した人物ではございませんので、その意味では外交官ではない。それから、それに伴う特典、免除とか、そういったものもないというふうに理解しております。
○小川敏夫君 いや、もちろん外交官だとは言っていないので、外交官じゃなくて公用の在留資格を得ている者と、これは外交官とは違うわけですから。別に外交官のことは聞いていないので。 ただ、公用の在留資格を得ていると納税義務がないと、これはそういうことなんでしょう。これは外務省じゃなくて法務省に聞いたらいいんですか。外務省ですね、やはりこれは。すなわち、公用の在留資格を得ていると納税義務がない、それから外国人登録証を常時携帯する義務がないと、このような恩典があるというふうに私は理解しているんですが、どうですか、その点は。
○政府参考人(小田野展丈君) そこについては至急調べてまいります。 一方におきまして、我が国はムルアカ氏が在京コンゴ民主共和国大使館の構成員としても理解しておりませんでした。通常であれば外務省の方には、どういう技術職員が派遣されているかというのは通報があるわけですけれども、調べた限りにおきましてはそういった通報は来ておりませんでした。
○小川敏夫君 今の点は、これは法務省は答えられますか。
○政府参考人(中尾巧君) 私どもの方は、公用の在留資格を与えた折には、口上書等の当該大使館、在京の大使館からしかるべき書類を得て公用という在留資格を付与しているわけであります。 先ほど一九九九年の二月の関係で、私どもの当時の竹中入国管理局長に対し天江中近東アフリカ局長から相談のあった折に、外務省からその相談に係る内容のペーパーをちょうだいしております。そのペーパーによりますと、ムルアカ氏は在京コンゴ大使館に勤務しておりというふうに明記されておりましたので、私どもの方といたしましては、しかるべく局長からしかるべく局長のところに手渡したペーパーにその旨記載してありますので、当初は与えた公用の在留資格どおりの活動が行われているものと、その当時、承知しておったということでございます。
○小川敏夫君 ちょっと、そうすると外務省の認識と違うんですね。外務省は何か大使館員、大使館で、ちょっと言葉の表現は正確、忘れましたけれども、大使館で勤務する者ではないというような認識だというようなさっき答弁いただいたんですが、ペーパーでは大使館に勤務するというペーパーが中東アフリカ局長から法務省の入管局長の方に、そのような記載がなされて相談が行ったということですが、そうすると、これ中東アフリカ局長はうそを書いてきたんですか。 大使館で勤務している者じゃない者について、大使館で勤務している者だということで入管局長に相談をしたような、何かちょっと虚偽の事実を書いて相談に回したというふうに思えるんですが、どうですか、そこは。
○政府参考人(小田野展丈君) どういう理解の下にメモが書かれたかについては必ずしも私も承知いたしませんが、先ほど私が御説明させましたところ、お答えしました中に触れたとおり、もし本人の申立てが働いているというのであれば、まず事実関係を確認すべきだったと思うんですが、それを怠っていたということを私は先ほど申し上げたつもりでございます。
○小川敏夫君 何かちょっと話がぴりっとしたところに行っていないんですけれども、要するにムルアカ氏が在京コンゴ民主共和国大使館で働いていたかどうかということについて聞いておるわけで、外務省の方の認識は働いていなかったという認識だと先ほど答弁いただきました。 ただ、法務省の方は、中東アフリカ局長から来たメモにはムルアカ氏が大使館で就労しているという内容が記載してあったということなんで、そうすると、中東アフリカ局長はムルアカ氏が大使館で就労していないのに就労しているといううその内容の事実を書いてメモを入管に渡したというふうになるんで、そこをちょっと聞いたわけですが。
○政府参考人(小田野展丈君) 通常、技術職員も含めまして、大使館でどういう人が働いているかというのは連絡が来るわけですが、先ほど申し上げましたとおり、コンゴ民主共和国大使館の構成員として登録はされていないというのが一つでございます。 それから二つ目には、天江、当時の中近東アフリカ局長が、先方の主張に対しまして、先方の主張といいますのは、働いている、勤務しているというのに対しまして、その時点で調べなかったというか、確認しなかったということについては不適切であったのではないかというふうに思います。
○小川敏夫君 確認しなかったというよりも、働いていないという認識の人を働いているというふうにメモに書いたということが問題なんで、確認とはまた違うと思うんですが。その点は大変疑問が残るので、私は納得したわけじゃないけれども、時間の関係があるので次の質問に行きたいと思います。 警察庁の方にお尋ねしますが、日本の国内で在日している外国人がいわゆる諜報活動を行っているということがあり得ると思うんですが、当然、警察庁の方としてはそうした諜報活動を行っている者に関して、そういう諜報活動が行われているのかどうかについて、当然日常的に調査活動を行っていると思うんですが、これは当然行っていますよね。
○政府参考人(芦刈勝治君) 警察はその責務を全うするために、法に基づき必要な情報収集活動を行っております。
○小川敏夫君 そこで、そうした調査活動を行うに当たって、政治家、国会議員というふうに限定してもいいですが、国会議員が個別な案件について何らかの意見を言ってくるというようなことは、これはあるんでしょうか。
○政府参考人(芦刈勝治君) 先ほど申しましたとおり、必要な情報収集活動を行っておりますけれども、先生おっしゃいますとおり、その具体的内容にかかわる事項につきましては、私ども警察活動に支障が生ずるおそれがありますので、答弁を差し控えたいと思います。 また、併せて、このような警察の情報収集活動に関しまして、いろいろな方々からの働き掛けがあったか否かにつきましても、当該情報収集活動の中身に触れますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○小川敏夫君 何か全然納得できないんだけれども、私は別に調査活動の具体的な中身とか調査の対象の諜報活動について具体的に聞いていないんで。ただ、警察がそうした調査活動を行うについて、その調査活動に関し、個別の調査活動に関し国会議員が連絡をしてきたりあるいは関与することがあるかと聞いているわけで、別に具体的な調査活動の内容なんか一切聞いていません。
○政府参考人(芦刈勝治君) いろいろな方々から警察活動に対しまして様々な意見をお伺いしておることはございます。いずれにいたしましても、しかしながら警察といたしましては、その責務を全うするために、法に基づき必要な活動を行っておるところでございます。
○小川敏夫君 いろんな方から様々なということは聞いていないんで、国会議員からあったかということを聞いているわけです。
○政府参考人(芦刈勝治君) 国会議員の方々も含めまして、警察活動について様々な御意見をちょうだいすることはございます。
○小川敏夫君 今言われた、警察活動にということで言っていましたが、それは要するに諜報活動が行われているかどうかについて警察が調査活動を行う、その調査活動についてという意味と聞いていいわけですね。
○政府参考人(芦刈勝治君) 警察活動、すべての警察活動、大変幅広くございまして、その中身はおっしゃるようなものも含まれております。
○小川敏夫君 鈴木宗男衆議院議員からそうした調査活動について、個別の案件に関して連絡が入ったりあるいは意見が述べられたことはありましたか。
○政府参考人(芦刈勝治君) 先ほど申しましたとおり、警察法に基づき必要な警察活動を行っておりますけれども、ただいまおっしゃる具体的な方からの事項につきましては、今後の警察活動に支障を来すおそれがあるので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。 先ほど申しましたとおり、情報、警察活動につきまして政治家の方々から働き掛けがあったか否かにつきましても、その中身に触れることになりますので、答弁を差し控えたいというふうに存じます。
○小川敏夫君 別に警察の調査活動の中身も聞いていないし、具体的な件名も聞いていないわけで。ただ、答弁ですと、国会議員も含めて様々な方からこの諜報活動に対する調査活動も含めて様々な意見が寄せられるというから、具体的に、鈴木宗男衆議院議員からそうしたこの諜報活動に対する調査という警察の活動に関して、個別の案件に関して意見が寄せられたことがあるかと聞いておるわけで、別にそのことが警察の調査活動に支障を与えることには何にもならないと思います。
○政府参考人(芦刈勝治君) 特定の議員の方々からの、方からの問い合わせにつきましてでありますけれども、諸般の状況から、私ども、特定の警察活動が推測されることを危惧をいたしますので、答弁を差し控えたいと言っておるわけでございます。
○小川敏夫君 だって、私は別に特定の活動なんか指摘していないわけですよ。特定していないわけですよ。それで、鈴木宗男議員から何らかの連絡なり意見が述べられたかということを答えることが何で特定の調査活動を推測させて支障を起こすのか。ただ、要するに答えたくないから答えないというようなふうに思うんですけれども。 ただ、鈴木宗男議員に関しては、例えば外務省の方では様々な資料要求に応じてこれを提出しておるわけで、これはそれなりのやはり国民の関心事あるいは国会にある国政調査権、そうしたもの、あるいは国政調査権そのものじゃなくても、そうしたいろんな様々な行政に関する情報を把握して、これを精到に論議しなくちゃいけない、そのために聞かなくちゃいけないことだから聞いておるわけで、少なくとも特定の活動に調査があるというような事項は聞いていないんで、これはやはりきちんと答えてもらわなくちゃいけないんですが。
○政府参考人(芦刈勝治君) 特定の情報活動についての御質問でありませんけれども、諸般の状況にかんがみまして、特定の議員からの意見、述べられたかどうかにつきましてお答えすることにつきましては、特定の情報活動を行っているのではないかという推測を生む危惧があるからということで申し上げたことでございます。
○小川敏夫君 諸般の事情からということだから、その諸般の事情をちょっと全部言ってくださいよ。
○政府参考人(芦刈勝治君) 現在のそれぞれのマスコミの報道その他につきまして諸般の状況と申し上げております。
○小川敏夫君 時間が来たので質問は、私の質問は終わりますけれども、今の答弁には納得できないということを述べて、終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。労働債権の保護の問題についてお聞きをいたします。 昨年の全国の倒産件数は一万九千四百四十一件、負債が十六兆二千百九十九億八千五百万と、いずれも戦後二番目という記録になりました。このうち、不況型倒産が一万四千六百八十七件で史上最悪を更新をしておりまして、失業率は史上最悪。こういう中で賃金の未払という問題も大きな問題です。 厚生労働省、来ていただいていますが、賃金不払の事案の件数、その対象労働者と金額、五年前と現在でどうか。そして、最近の数のうち、未解決になっているものはどれだけか、お答えをお願いします。
○政府参考人(鈴木直和君) 賃金不払の状況でございますが、直近と五年前という御指摘でございますが、現在、平成十二年のデータを把握しておりますが、平成十二年において監督署等で把握しております賃金不払事案につきましては、件数としては二万二百二十五件、対象労働者数が六万二千七百四十二人、金額では二百三十八億八千八百四十一万円でございます。その中で、事業主等がもういなくなってしまって解決が見込めないというような解決不能事案につきましては、件数が八千百七十三件、労働者数が三万三千三百九人、金額は百五十八億四千八百五十八万円でございます。 これが五年前がどうかといいますと、これは平成七年でございますが、賃金不払事案の件数で一万一千三百三十二件、対象労働者数で三万八千六百七十四人、金額が百六十九億八千二百九十五万円。同様に、解決不能事案につきましては、件数が三千九百十八件、労働者数が二万七百五人、金額が百二億九千六百六十八万円となっております。
○井上哲士君 五年で約倍に急増しております。賃金不払の救済で立替払制度がありますが、その申請状況はどうでしょうか。件数と金額、これも直近と五年前でお願いをします。そして、この制度の限度額が今どうなっているのか、併せてお願いをします。
○政府参考人(鈴木直和君) 未払賃金の立替払制度でございますが、最新時点、これも平成十二年度が出ておりますが、立替払の件数として五万一千四百三十七件、金額としては二百八億円でございます。この五年前、これも平成七年度になりますが、件数として二万一千五百七十四件、立替払額が約八十四億円となっております。なお、ごく最近ですと、十三年度は出ておりませんが、二月までの件数で見ますと、五万一千四百九十四件、金額が二百二十八億円となっております。 それから、立替払の上限額がどうかということですが、この立替払制度の対象となる賃金の限度額、これは年齢階層別に決まっておりますが、三十歳未満の者が百十万円、それから三十歳以上四十五歳未満が百七十万円、四十五歳以上の者が三百七十万円となっております。
○井上哲士君 倒産の激増とともに、未払賃金の件数も非常に増えております。そして、立替え制度はありますけれども、今の限度額をお聞きすれば、実態から見ればまだまだ救済に手が届いていないという現状だと思うんです。 この中で、今、労働債権の確保というのは極めて重要かつ切実でありますが、一層この確保が困難になっているというのが現状であります。 その原因は、銀行による融資の打切りなどにより突然倒産をするというケースが増えているということ、これは不良債権の早期処理やこの間の信金、信組つぶしなどで加速をしておりますし、あわせて、バブルの崩壊や株価下落などによる企業資産の減少、不動産価格以上の抵当権設定によるオーバーローン等々があります。これに加えて、この労働債権の保護が現行法制上極めて弱いという問題が指摘をされております。 ILOが一九九二年に使用者の支払不能の場合における労働者保護に関する条約、いわゆる百七十三号条約を採択をしております。 すべての被用者及び経済活動のすべての部門に対し、労働者債権は、使用者の支払不能の場合には、特権によって保護をされ、その順位は、特権を与えられた他の大部分の債権、特に国及び社会保障制度の債権よりも高い順位の特権を与えると、こうしておりますが、日本はこの百七十三号条約に対してどういう対応をしているのか、その理由も併せてお願いをします。
○政府参考人(鈴木直和君) ILO百七十三号条約、内容は今御指摘があったとおりでございます。 これの批准の問題でございますが、我が国におきます各種債権の優先順位、これは国税徴収法とか民法等の一般実体法により定められておりますが、この条約におきましては、三か月以上の労働債権の優先順位が国税あるいは社会保険料より高いものになっております。我が国の法律では、そういった形になっておらないわけでございます。 それから、倒産等の場合には、先ほども話がありました未払賃金の立替払制度、これによって救済を図っているところでありますが、この条約が求めているものは、倒産の場合に限らないすべての労働債権について保証機関による保証ということがうたわれております。 このように、この条約につきましては、我が国の法制度と異なる点が見られることから、現在、批准はしていないところでございます。
○井上哲士君 今の理由にも、特に一つ目の問題ありましたけれども、日本の労働債権の保護の現行法制が国際水準から比べて非常に遅れているというのがやはり批准できていない問題だと思うんです。 二〇〇〇年の十二月に労働債権の保護に関する研究会報告書でも指摘をされまして、今、法制審でも具体的な審議がされております。労働組合でも、全労連が一月二十四日に法務大臣や法制審議会の会長に要請書も提出しておりますし、連合等も同様の要求をしております。 こういう労働債権の保護という問題についての大臣の現状への認識、それから法制審での審議の経過と今後の予定等についてお答えをお願いします。
○国務大臣(森山眞弓君) 給与債権等のいわゆる労働債権につきましては、民法、商法でその全部又は一部について一般の先取特権が認められておりまして、他の私法上の債権に対する優先権が与えられておりまして、また破産手続におきましては、手続に必要な費用や租税債権が属する財団債権に次ぐ優先順位とされ、一般の破産債権に優先するものとされております。 現在、法務省におきましては、担保・執行法制の見直しと倒産法制の見直しを行っておりますが、いずれにおきましても労働債権の保護を拡充するかどうかが重要な課題とされております。 今後の予定といたしましては、担保・執行法制の見直し作業につきましては平成十四年度中に、破産法等の見直し作業につきましては平成十五年中に、それぞれ改正法案を提出することを目途として検討が進められております。
○井上哲士君 労働債権の保護が重要な課題として議論をされているということでありました。 具体的な課題についてお聞きをするんですが、まず労働債権と租税債権との関係です。 私の地元の京都でもいろいろな倒産が相次いでおりますが、最近、ある従業員二十人程度の運送会社の例でいいますと、いわゆるマイカルの倒産に関連をして印刷、袋物の会社が民事再生の手続を申し立てると。このあおりでこの会社も破産に追い込まれております。破産財団の現状は、預金口座に保管中で三百七十一万円、これ以上余り見込みがないと。これに対して公租公課で交付要求がなされているものが二百九万ですから、ほとんど残らぬということになります。一方、労働債権は千二百二十八万ということなわけですね。ですから、元々わずかな資産のところに税金が優先をされるとほとんど労働債権に回らないという困難な状況があります。 これまで、現行法制で労働債権より租税債権が高順位に位置付けられてきたと、その理由はどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、現在、我が国の法制におきましては租税債権が最優先ということになっております。 この理由につきましては、租税等が国家等の財政の基盤であって公益性が高く、公平かつ確実に徴収されるべきものであるということが理由であるという具合に説明されております。
○井上哲士君 公租公課の重要性というのはだれもが認めるものでありますが、様々な形での補てんは可能なわけです。 しかし、労働者にとっては企業からの収入というのは唯一の道でありますし、企業が倒産をいたしますと、賃金だけじゃなくて、その後の暮らしを支えるはずであった仕事も所得の源泉をも失うということになります。しかも、大体多くの場合はちゃんと天引きをされているわけですね。そういう点では、労働者は義務を果たしているのに言わば二重取りをされるということになるわけです。 元々税金というのは国民の暮らしを支えるためにあるわけですから、こういう働く人々の暮らしを守ることにこそ公益性の高さを認められるべきものだと思うんですね。そういう点では、先ほどのILO条約などが指摘した水準でやはり日本も改定をすべきだと思うんです。 この労働債権を租税債権より高順位に位置付けるということで議論もされていると報道もされていますが、具体的なその議論状況など、お願いします。
○政府参考人(房村精一君) 現在、破産法の全面的な見直しを法制審議会で行っておりますが、その中で御指摘のように租税債権と労働債権の関係も取り上げられております。 現状で申し上げますと、破産法においては租税債権が最優先の地位である財団債権とされております。労働債権はそれに次ぐ順位である優先破産資産債権とされているわけでございますが、今、法制審議会で検討されている案としては、租税債権の優先順位を一定の場合に引き下げるとともに、労働債権の優先順位を一部引き上げるというような考え方が取り上げられているところでございます。
○井上哲士君 一部というのは、何か月分とかそういう一部でしょうか。
○政府参考人(房村精一君) はい。御指摘のように、破産宣告前の未払給料債権について、破産宣告前の一定期間内に生じたものを財団債権とするというようなことはどうかということが取り上げられておりますし、また退職手当の請求権については、退職前の一定期間の給料の総額に相当する額、又はその退職手当の一定割合に相当する額のうち、いずれか多い額を限度として財団債権とするというようなことが検討課題として取り上げられております。
○井上哲士君 次に、抵当権等の被担保債権よりも労働債権が劣後するという問題でありますが、これも京都の染織関係で破産した企業の例でありますが、管財人の報告によりますと、資産が三億四千九百万円、うち不動産が二億九千九百万円だと。これはもう金融機関の別途権の対象になっております。売掛金の回収可能分は一千万円弱ということですので、実質的に財団を構成するのは千四百万円程度と。一方、負債総額が十四億四千七百十一万円で、うち税金、社会保険料など財団債権に服するものが一億五千三百万円。労働債権が四億円余りあるわけですが、今のところほとんど見込みがないという状況になっています。 労働債権の確保のために管財人や裁判所への上申、主要金融機関への債権放棄の要請を繰り返しておるわけですが、実際、今の多くの倒産事件の場合、資産売却しても労働債権に充てるというのは非常に困難だという状況がありますし、最近は売掛金まで金融機関が担保で押さえているという例も少なくないわけであります。 やはり、抵当権の放棄ないし削減ということが労働債権の保護のために必要かと思うんですが、この抵当権と労働債権の関係、フランスではどういうふうになっているでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) フランスでは、労働債権の一部を抵当権等の被担保債権より優先させる扱いがされているという具合に聞いておりますが。
○井上哲士君 六か月分については最優先ということになっております。 日本でも、個別には破産事件や任意整理の事件で抵当権を四〇%程度放棄したり削減をするという事案もありますし、制度的に日本でも労働債権の一定部分を例えば特別優先債権とでも位置付けましてすべての債権に優先をするようなものにするべきでないかと、こういう要望も出されているかと思いますが、この点での議論はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 現在、法務省で進めております担保・執行法制の見直し作業、これも法制審議会でやっているところですが、その中では、御指摘のように、労働債権の保護の強化の観点から、労働債権の一部を抵当権等の被担保債権より優先させる制度を導入すべきであるという意見も述べられております。 ただ、この問題につきましては、抵当権等に優先をするということになりますと、他の債権者の利益を不当に侵害するおそれも当然出てくるわけでございますので、慎重な検討が必要であるという具合に考えております。
○井上哲士君 そういうこともありますので、一定額ということの要求がされていると思うんです。特に、今問題になっているのはやはり金融機関が押さえている抵当権でありまして、金融機関は、実際、融資に当たっては経営状況を、情報を深く持っていますし、経営に直接参加もしている。しかも、今は経営改善に金融機関に公的資金も投入をされておるわけですから、大変恵まれておるわけですね。 神奈川県の工作機械メーカーの池貝が昨年、民事再生手続をしましたが、二十一億円の退職金が未払状態で、主な資産である工場にはすべて金融機関の抵当権が付いて払えないと、こういう状況になっております。これに関して、任命をされた監督委員である清水建夫氏が昨年の八月に、再生計画案に対する意見書というのを出されておりますが、大変重要な中身だと思うんですね。 この任意の売却代金について、金融機関のみが全額を回収をするということは公平公正を欠くという指摘をされております。従業員の退職金債権は退職後、とりわけ老後の生活資金として重要なものであり、これが支払われないときは老後の生活に深刻な影響を及ぼすことは必然であり、現に、本件において多額の未払退職金を有する労働債権者は、四十年前後再生債務者に一筋に働き、退職金を退職後における最大の蓄えとして生活設計を立ててきたと。五十歳を過ぎて突然解雇をされ、再就職もままならない状況である。再生債務者の再雇用の対象からも外されている。解雇された以降に死亡したり病に倒れた労働債権者もあり、家族は途方に暮れていると。こういう指摘をした上で、ある金融機関から昭和三十年代より昭和五十九年まで役員が派遣をされてきた。多くの労働債権者はこれら役員の在任期間中にその指揮下で働いており、この時期に退職金債権の保全策が施されていれば今日の事態は回避することが可能であったと。主たる金融機関に限らず、一般に金融機関は再生債務者の財務状況を把握できる立場にあって、適宜担保設定を行い保全策を講じることができたが、労働債権者は自らの退職金債権を保全するすべがなかったと。こう述べた上で、資産の売却代金を金融機関のみに配分するのは公平公正でないと。 こういう指摘をして、大変すばらしい私は指摘だと思うんですが、法務省はこの意見書については承知をされているでしょうか。また、例えば法制審の論議などでの参考にされていますか。いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) ただいま御指摘の意見書は、法制審の部会資料として委員の方々にお配りして議論の材料としていただいております。
○井上哲士君 正に生きた事例で、こういう状況を是非把握をした議論と具体化をお願いをしたいと思います。 次に、保護すべき労働債権についてですが、商法など適用の株式会社の場合は、全額が先取特権になっていますが、個人事業主や中小零細企業等々は過去六か月分ということになっております。企業の形態が違うから労働債権の保護の度合いが違うというのが、やはりこれも公正公平の観点から見てどうかという指摘もされております。こういう保護される労働債権の範囲について、統一をすべきという点ではどういう議論になっているでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、民法で保護される先取特権の対象は、雇人の給料で、しかも最後の六か月間ということになっております。それに対して商法では、会社と使用人との間の雇用関係に基づき生じたる債権ということで、身元保証金も含め相当幅広くなりますし、月の限定もございません。 そういう違いが果たして合理的かということで、現在、法務省において行われている見直し作業におきましては、その差をどう、解消するかどうかという点が検討課題に取り上げられているところでございます。
○井上哲士君 これは是非、低きに合わすのではなくて高い方に合わすということでの統一をお願いをしたいと思うんです。 次に、じゃ保護すべき労働者の範囲をどこまで考えていくのかという問題です。 さっきの研究会報告書では、労働債権の保護が必要な理由として、労働者は自らと家計の、家族の生計を賃金に頼っていること、交渉力が乏しい、使用者が唯一の債務者である、企業の財務形成に参加している、企業に関する情報を得ることが困難であると、こういう五つの理由を挙げております。 これは現行法上は、請負や委託などの契約に基づいて労務を提供する労働者が含まれておりませんが、今の理由は全くこういう皆さんも合致するわけですから、いわゆる労働組合法の三条に定める「労働者」の範囲に労働債権を含めるべきではないかと思うんですが、この点はどうでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘のように、特に民法の先取特権については、非常に狭い雇用契約に基づく給与債権ということになっておりますが、その労働者の範囲につきましても、実質に着目してもう少し広げるべきではないかということが現在検討されているところでございます。
○井上哲士君 今、労働法制の変化で労働形態が大変変わっているという状況がありますし、職場でいいますと、正規の者がほとんどいないとかいう職場もあるわけですから、本当これに合わせた形で改定を必要だと思います。 それから、現行法では未払、破産の場合に未払給与は他の債権者と同一の配当手続で行われますから、非常に時間が掛かるという指摘があります。その間、非常に暮らしは困るわけで、この点でも迅速に払われるような改善の検討がされているはずですが、この点どうでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 御指摘の点についても検討が進められておりまして、現在、その配当期日に配当として支払うしかないわけですが、これを配当期日の前に労働債権に対する配当見込額につきまして裁判所の許可を得て弁済するというような制度を検討しているところでございます。
○井上哲士君 研究会報告書では、いろんなやっぱり労働者の未払賃金の問題で解決手段を知らない、特に中小の場合、これが問題だと指摘をされております。様々な相談体制の確立が重要だということも報告にあるわけですが、これを受けまして、国としての相談体制や制度の周知策、厚生労働省、どうなっているでしょうか。
○政府参考人(鈴木直和君) 賃金不払があった場合には、御指摘のように、解決手段として例えば監督署に相談に行く、申告する、あるいは立替払制度を活用する、あるいは債権を確保するために一般先取特権に基づいて差押えを行う、様々な手段がございます。 ただ、御指摘のように、個別の労働者がそういった紛争解決の手段とか手続について必ずしも十分に知らないということもあるというふうに考えております。 したがいまして、従来やっていた窓口での対応、これもしっかりやっていくというふうに考えておりますが、さらに新たに十四年度早々には労働債権の確保に関するパンフレットを作成して、そういったものの情報提供、周知を図っていきたいというふうに考えております。
○井上哲士君 パンフ作っても監督署に置いておくだけではなくて、現実にやはり労働者に渡って周知をするという点での方向をお願いをしたいと思います。 最後に、二〇〇〇年十二月の当委員会でも民事再生法の成立に当たって附帯決議を付けております。特に、労働債権について、特に再生手続から破綻手続に移行した場合に、その優先権が維持されるようにするなど、特段の配慮をすることという附帯決議も付いているわけで、一層厳しい経済状況の下で労働債権の保護を国際水準並みに引き上げていくという点での大臣の所信、御決意を最後にお伺いして、質問を終わります。
○国務大臣(森山眞弓君) 現在の厳しい経済情勢にかんがみますと、労働債権の保護の在り方というのは非常に重要な課題でございまして、見直しが必要があるということは今、委員御指摘のとおりだと思います。 私も、身辺に、地元で中小企業の方々とお付き合いがございまして、大変苦しい思いをし、つらい気持ちであるということをおっしゃって訴えられたことがございまして、同感でございます。 法務省におきましては、現在、担保・執行法制及び倒産法制に関する見直し作業を行っておりますが、この作業の中では労働債権の保護をより一層強化するかどうかが重要な検討項目の一つとなっておりますので、引き続き鋭意その検討作業を進めてまいりたいと思います。
○平野貞夫君 先般、森山法務大臣は、大臣所信の中で、人権の世紀と言われる二十一世紀にふさわしい人権尊重社会を実現していきたいという趣旨の所信を述べられております。誠に結構なことでございますが、大臣の人権についての認識みたいなものをちょっとお聞かせいただきたい。基本的人権というものを大臣はどういうふうにとらえられているか。
○国務大臣(森山眞弓君) 非常に基本的な問題で、また哲学的な御質問かと思いますが、人が人として尊重されて、お互いにその立場を認め合い、思いやりのある温かい社会ということにつながるんではないかというふうに思います。
○平野貞夫君 この二十一世紀が人権の世紀と言われるというのは、何か二十一世紀に人権について特別な問題というか、二十世紀とは違った二十一世紀の人権にかかわる特殊な問題があるという御認識でしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 最初にどなたがそうおっしゃったか、私もちょっと、今はっきりいたしませんが、よく二十一世紀は人権の世紀だという言葉を聞くのでございます。 私なりに考えてみますと、二十世紀はその百年の間に戦争が度々あったり、また産業の振興あるいは工業開発ということに力が入ったりいたしまして、一人一人の気持ちとか一人一人の人間の権利とかいうことは、尊重するといいながら、実際にはなかなか必ずしも現実に尊重されるようなことが十分ではなかったという反省に立っての言葉なんではないだろうかと思います。
○平野貞夫君 いつも尊敬しております森山大臣にこんなことを申し上げるのは失礼かと思いますが、私、二十世紀の人権と二十一世紀の人権、決定的に違う要素があると思うんですよ。それは、情報化社会の人権をどういうふうにルール化するかという問題が現代の我々の課題じゃないかと思うんですよ。 要するに、産業社会から情報化社会への文明の転換が行われておると、様々な文明の転換期における混乱が今我が国を始め文明諸国で行われている。その中でどう規制するか、どうあるいはそれを活用するかという、そこの問題だと思いますが、ちょっとそこの、そういう観点で時間の間、議論してみたいと思うんですが、いつも私、泥縄の質問して誠に申し訳ないんですが、ちょっと方向を変えて、まず各論的なことを申し上げたいと思いますが。 三月の十九日に司法制度改革推進会議というのが閣議決定されております。その中に犯罪者の改善更生、被害者の保護という項目があって、(1)として、「犯罪者の矯正処遇及び更生保護に関わる制度及び人的体制(保護司制度に関わるものを含む。)の充実に配慮し、所要の措置を講ずる。」という言葉がありますが、具体的にもうちょっと、どういうことを検討テーマ、改革テーマにしようとしているのか、政府参考人の方でも結構ですから。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 司法制度改革審議会のたしか答申だったと思いますが、その内容ですが、ちょっと私の方から責任持ってお答えできないと思いますけれども、矯正の立場から申し上げますと、矯正の仕事は、刑の執行とともに被収容者の改善更生を図るということを使命として行っておりますので、そういった観点で、収容者も増えている最近の状況をかんがみますと、人的、物的の充実、体制の充実強化というのは必要であろうというふうに私どもは考えております。
○平野貞夫君 現在の矯正あるいは更生のシステムというか考え方に何か問題があって、これをやっぱり改善していかなきゃ駄目だと、こういう意識があるんですか。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 若干繰り返しにはなるかと思いますけれども、矯正の使命につきましては、先ほども申し上げましたように、刑の執行、あるいは少年院でありますれば少年院送致された少年を収容すると。ただ収容して身柄を確保するというだけではなくて、それを通じましてそれぞれの被収容者の改善更生を図って社会復帰させるということですが、これはもう基本的な理念でありまして、常にそういう点においてその改善更生がすべきものがあれば不断の努力を続けていかなければならない、そういった仕事の内容だというふうに心得ております。
○平野貞夫君 実は、ちょっと私、ショックを起こした報道といいますか、ものがあったんですが、サンデー毎日の三月三十一日号の山本集さんという人のコラムですね。コラムの中に、「日本の刑務所は決して受刑者を更生させる施設にはなっていない。むしろ、さらに悪い人間を作るところだ」という、こういう指摘があるわけなんです。 これは私、非常に深刻に思うんですが、これだれに聞いたらいいですかな。こういう指摘をされるということは非常に私は、我々法務委員会としても非常に反省せにゃいかぬ部分もあるのかなと、こういう感じを持つんですが、当局はどういうあれですか。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 ただいま御指摘になりました点につきまして、どういう根拠でそういうふうなことになっているのかちょっと分かりませんので、何ともお答えしにくいわけですけれども、刑務所あるいは少年院等で日々現場で働いている職員にとりましては、ただ単に収容、確保するというだけではなくて、何とか彼らに立ち直ってもらおうという気持ちを持って、非常に地味で地道な努力を続けているわけでございまして、そういう立場から申しますと、非常にちょっと残念な見方だなという感じはしております。
○平野貞夫君 率直に申しまして、私も余りこういう世界に経験がないんですけれども、例えば、これは教えてもらいたいんですが、受刑者でも基本的人権というのは持っているんでしょう。
○政府参考人(鶴田六郎君) そのとおりであります。
○平野貞夫君 ちょっと基本的なことを教えていただきたいんですが、受刑者が、面会ですか、面会をする場合の今のやり方というのはどういうやり方でしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) 御説明させていただきます。 受刑者の面会、それと信書の発受についても併せて申し上げたいと思いますが、その回数につきましては、監獄法及び監獄法規則というのがありまして、それにより定められております。 それによりますと、刑務所の場合、累進処遇の制度というものを取っておりまして、その階級ごとに一番上の者が一級ということになりますが、その者につきましては随時、二級の者は週一回、三級の者は月二回、四級の者等につきましては月一回と、そういうふうに定められておりますが、ただ、刑務所長が個別具体的な状況に応じまして教化上その他必要があると認めた場合には、これらの制限を超えて面会とかあるいは信書の発信を許可することができるという取扱いになっております。 なお、付け加えますと、信書の受信回数については特段の制限はありません。ただ、面会及び信書の発受の相手方につきましては、原則として親族、保護者関係に限られておりますが、これにつきましても、教化上等その他必要がある場合については刑務所長が柔軟に対応できると。 大ざっぱに申し上げまして、今のような取扱いになっております。
○平野貞夫君 分かりました。 私どもは知っておかにゃいかぬことだったと思いますが、ただ、その監獄という言葉もいかにも人権を無視した用語だと思うんですがね。これは明治時代に作られた言葉でしょうが。 受刑者が病気になった場合にどういうような対応をされていますか。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 受刑者が疾病に罹患した場合、原則としてそれぞれの施設に医師がおりますので、診療に当たります。ただ、どうしても専門的な医療を要するという場合には、全国に四つですけれども、医療刑務所というのがございますので、そこに移送いたしまして治療するほか、緊急を要する場合などで外部の専門医師の診療を受けさせ、又は一部外部の病院に入院させるというような場合についてはそういうふうな取扱いをしておりまして、できるだけ誤りなきようにしているところでございます。
○平野貞夫君 この程度でこの問題はやめておきますが、人権の世紀と言われる二十一世紀でございますので、罪を犯したということに対するそれは責任は取ってもらわにゃいけませんですが、社会復帰して立派に生きていってもらうためにも、刑務所の中の様々な処遇の在り方というのは大事な問題だと思います。私は、この問題について今後関心を持つということを申し上げて、次に進みたいと思います。 森山大臣、私は基本的に野党ですが、大臣のやっている法務行政にはほとんど賛成してきたんですが、今回提出されたこの人権擁護法案、どうもこれは納得いかない部分があるわけなんです。 そこで、この人権擁護法案というものが提出、これは法案が付託になって審議すれば、そのときに申し上げてもいいんですが、なるべく付託にならぬ方がいい。そこでこの機会に申し上げておきたいと思いますが、提案の根拠ですね、それは人権擁護何とか審議会の答申があったんですが、それだけですか、根拠は。
○政府参考人(吉戒修一君) お答え申し上げます。 実は、今回の人権擁護法案でございますけれども、これは非常に長い経緯がございます。平成八年の五月に地域改善対策協議会というのがございまして、そこが、これは同和問題の解決を目指した調査審議をしておった審議会でございますけれども、そこが意見具申をしております。その意見具申の中で、昭和四十年代以降、過去三十数年にわたって続いてきた同和対策を総括いたしまして、同和地区の物的な改善については相当図られた、残っておるのは同和関係者に対する心理的な差別である、これの解消が大きな問題であると。その中で、「二十一世紀は「人権の世紀」」という言葉も意見具申の中に出ておりますが、同和対策に関連いたしまして、これは一般的には、人権一般の救済制度というものも確立すべきであるという提言がなされております。 それを踏まえて、平成八年の十二月に人権擁護施策推進法という五年間の時限の法律が作られまして、この法律は、人権擁護推進審議会、これは法務省に置かれた審議会でございますけれども、この審議会の設立をする根拠法でございますが、その審議会の中で、人権の教育・啓発の在り方と、それから人権救済制度の在り方、特に二十一世紀における人権救済制度の在り方というものが議論されました。 昨年の五月に人権救済制度の在り方に関する答申が出されまして、その中で、従来、戦後五十数年続いてきておりました人権行政を抜本的に改革して、二十一世紀にふさわしい、人権尊重社会にふさわしい新しい人権救済制度を作るべしということがございましたので、この答申を踏まえて今回の法案をお出ししたということでございまして、法案の中身、三月八日に閣議決定いただきました後、各界からいろんな御意見いただいておりますけれども、内容をよくごらんになっていただきますと、十分、二十一世紀にふさわしい内容ではないかなというふうに考えておりますので、よろしく御理解をお願いしたいと思います。
○平野貞夫君 国連の人権委員会というのがございましたね。あそこが日本の人権擁護の在り方について意見を出していましたですね。これの影響は受けていますか。
○政府参考人(吉戒修一君) これも先生よく御存じのとおりですけれども、国連に経済社会理事会の下にいわゆる人権委員会と、それからいわゆる人権規約について数年置きに各国政府から人権の状況についての報告書を出させて、それを調査審議する規約人権委員会と二つございます。 今おっしゃいましたのは恐らく規約人権委員会のことだろうと思いますけれども、規約人権委員会の方が、数年置きに日本政府が出しました人権状況の報告書につきまして審査しておりますけれども、ちょっと正確ではございません、平成十年ころの規約人権委員会の勧告書の中で、日本においてもしっかりした国内人権機構、独立性の高い、そういうものを作るべきであるというふうな勧告もございました。この勧告と、それから先ほど申し上げました人権擁護推進審議会の答申と、この二つをひとつ参考にさせていただきまして今回の法案に至っているということでございます。
○平野貞夫君 私も十年間法務委員会をやらされていまして、この同和問題から来る人権問題というようなことは多少知っているんですが、どうもそのときの話と様子が違っておるという印象を持っておるわけなんです。 私どもはそのころ野党で、人権擁護の推進審議会のようなところに同和問題を一般化することは反対だと言いました。それは同和対策基本法でやるべきことであって、これは一種の政治的談合で方向を変えたものだというふうな認識を私は持っていました。 それはしかし多数決ですから、それで人権擁護問題として座ってきちっと整理されるならそれでいいんですが、二十一世紀の人権云々というのは、要するにこの人権擁護法案、それから個人情報保護法案、それから青少年環境対策何とか法案ですね、基本法案ですか、要するに人権三法案ということで情報化社会に新しい官の規制を作ろうというたくらみを感ずるわけなんです。 私は通信傍受法案に積極的に推進、賛成した方ですからね。これは私はやっぱり犯罪の防止として、今でも、福島先生には批判されるんですが、今でも正しかったとは思っておるんですが、この人権三法案というのは、人権という美名の下に二十一世紀の情報化社会の人権である、これを何かねじ曲げようとしている、すなわちメディア規制にねらいがあるんじゃないかと、こういうふうに僕らは思っておるわけですよ。 この人権擁護法案も、このメディア規制の部分、丁寧に書いていますね。しかも、何とこの間、朝日新聞に報道されていましたが、ストーカー規制法、いわゆる報道の人たちの取締り対象、ストーカー規制法と同じ言葉で書かれているという、これどうかしているんじゃないかと思いますが、大臣、メディア規制という部分はないですか。
○国務大臣(森山眞弓君) この法案を提案させていただきましたときにいろいろ最初の提案理由の説明も申し上げるつもりでございますが、今、手元にたまたまその法案がございますので、これを繰ってみますと、その法案の第四十二条の四というところに、「放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関又は報道機関の報道若しくはその取材の業務に従事する者がする次に掲げる人権侵害」とありまして幾つかのことが書いてございまして、その問題について、被害者、その被害に遭った方々の人権を大切にしなければいけない趣旨のことがるる書いてございます。
○平野貞夫君 人権は守らなきゃ駄目です。それから、人権侵害に対してはきっちりとしたやはり国家のルールがあっていいと思います。しかし、事報道、マスコミということになりますと、やはりその社会の自由性といいますか、とのかかわりができてくるわけなんですよ。 たしか国連の勧告にもメディア規制までは書いていないと思うんですよ。言っていないと思うんですよ。本来、メディア規制というのは、私は、ヨーロッパの国にあるように報道オンブズマンというようなもので自主的に規制されるべきものだというふうに思うんですよ。それを法務省の中の、法務省というのは非常に強い権力を持っているところですから、そこの人権委員会ですか、そこでメディア規制の対象にしようというやり方は、私は日本の民主主義の根っこの問題にかかわるんじゃないかという考えを持っていますが、大臣、いかがでございましょうか。
○政府参考人(吉戒修一君) ちょっとこれも経緯がございますので、御説明させていただきます。 メディア規制の法律じゃないかなというふうな御意見がございますけれども、およそそういうものではないというふうに考えております。何らかの報道あるいは取材についてルールを作ろうとするものではございません。いわゆる誤報道被害に遭われた被害者の方の救済のための法律でございます。 具体的な根拠、提案の理由でございますけれども、これは一つには、先生もよく御存じのとおり、数年前に東京電力の女性社員の殺人事件がございましたけれども、その方の全裸写真が週刊誌に掲載されたという事実がございます。このときには、私ども人権擁護機関におきまして、当該発行者に対しまして、これは人のプライバシーを完全に暴露するものであって相当ではないということで、何とか善処してほしいということを申し上げましたけれども、私ども全然今のところ任意の権限しかございませんので、それ以上のことができませんでした。そういうことがございました。 それから、数年前に、ある弁護士さんの奥様が自宅の玄関前で暴漢から刺殺されたという事件がございました。これにつきましても、その方が奥様の通夜あるいは告別式を自宅で行われようとしましたところ、報道陣が家の周りを取り囲んで、ライトをこうこうと照らしてカメラを回して、弔問客はその報道陣の間をかいくぐって通夜に出られ弔問されたということがございます。そういうふうな非常に深刻な報道被害の訴えがございました。 これを先ほど申し上げました人権擁護推進審議会の場で議論いただきまして、こういう報道被害の中の非常に深刻なもの、つまり犯罪の被害者、犯罪の被害に遭って第一次的なダメージを受けたが、更に報道によって被害を受けている、そういうふうな場面に限っては何とか救済をいたそうということで今回の法案に至ったわけでございまして、決してメディア規制とかいうふうなことを考えている法案ではないことは条文をよくごらんになればよくおわかりになることであろうと思います。
○平野貞夫君 犯罪被害者だけを対象にしているんですか。
○政府参考人(吉戒修一君) これは、条文がお手元にあるかどうか分かりませんけれども、四十二条の四項という規定がございますが、ここにございまして、「特定の者を次に掲げる者であるとして報道するに当たり、その者の私生活に関する事実をみだりに報道し、その者の名誉又は生活の平穏を著しく害すること。」ということで、その特定の者として三つ挙げてございます。 一つが犯罪行為により被害を受けた者、二番目が犯罪行為を行った少年、三番目が犯罪行為により被害を受けた者又は犯罪行為を行った者の配偶者、直系若しくは同居の親族又は兄弟姉妹ということでございまして、犯罪の被害に遭われた方本人、それからその御親族、それから少年、犯罪を行った少年とその家族、それから犯罪加害者の家族、そういう言わば非常に弱い立場の方の報道被害を救済しようとするものでございます。
○平野貞夫君 時間がありませんからこれで終わりますが、これを拡大解釈した場合に、やっぱり政治家の行為というものに拡大される。要するに、ひところありました政治家の様々ないろんな報道をこういう、この法律だけじゃないですけれども、いわゆるメディア規制に使われる、乱用される可能性があるということを申し上げておきたいんですよ。 あと一分ありますから申し上げますが、既にこういう法律が作られなくても権力による報道規制というのは行われているんですよ、恐ろしく、知らないうちにこの情報化社会の中で。 具体的に言いますが、この間の日曜日にNHKの放送討論会があったんです。そのときに、最初に出されたテーマは外務省問題とこれからの国会だったんですよ。そして、行ってみたら、政と官の問題だということになっているんですね。おかしいじゃないかということを言いましたら、ここはそういうことでやってくれということで、私は非常に理解できなかったんですが、よく調べてみますと、官邸の、ちょっと固有名詞を言うといけませんが、裏方をやっている人がメディアのしかるべきところに行って、鈴木宗男問題、加藤問題の本質を報道させるなと、そういう番組で、いわゆる政と官の制度問題に切り替えたテーマで議論をさせろということで根回ししているんですね。これは一種のメディア規制なんですよ。もう既にそういうものが行われているんですよ。 ですから、こういう法律ができたら、これは知らず知らずのうちに我が国の自由と民主主義というのはおかしくなるということを申し上げて、終わります。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 昨日に引き続いて、過剰拘禁の問題、それから盗聴法における仮メールボックス、それからECHELONや養育費の取立てについてお聞きします。 まず、過剰拘禁の問題ですが、犯罪白書によると、刑務所などに新たに収容された受刑者数は二万七千四百九十八人で、受刑者の収容率は一〇三・六%になっております。無期懲役囚についてなんですが、今、平成十二年で千四十七名。出していただきましたが、仮出獄がなった者はわずか七名、割合は〇・七%です。つまり、一般的には無期懲役は簡単に出てしまうというふうに思われていますが、わずか〇・七%、千人以上無期懲役囚がいて人員はわずか七人です。実は、犯罪白書等いただいたペーパーの人数が、犯罪白書ですと十二年は六人になっていて、ちょっと数字が違うんですが、ただ〇・七%になっています。 それで、お聞きをいたします。無期懲役の仮出獄数はなぜこんなに減っているのでしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 ただいま比率で御指摘いただきまして、その比率が〇・七%というふうになっております。これが実際の仮出獄の減少ということに結び付くかどうかということなんですが、非常に分母になっている総収容者も多く、それに対して非常に仮出獄になる数も少ないということでありますし、それに最近無期受刑者の数も増えておりまして、無期受刑者、最初の場合は十年間は仮釈放が許されないという法的な建前になっておりますので、そういったそれぞれの状況を考えますと、どういう理由になっているのかということは、そういった統計的な数字から何とも申し上げられないということでございます。
○福島瑞穂君 平成三年は年末人員が八百七十人中、人員は三十四人、仮出獄になっています。割合からいうと三・九%、それが平成十一、十二になると、もう一けた、千人以上いるのに本当に七人、九人といったすごく極めて少ない数になっております。この割合でいくと、余り、五十年掛けても三百五十人しか出ていかないわけですから、無期懲役囚がどんどんどんどん増えていくというふうに思います。 何かこういうふうに、かつては、例えば平成三年三十四人というふうになっていたのが、今本当に一けた台、六人、七人となっているのはなぜでしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) 平成三年に確かに御指摘のような数値になっておることは事実ですが、その前後におきましては一%台とか二%台、あるいは最近の〇%台というようなことで、顕著な増減という、つまりその原因を特定できるような顕著な増減があるというふうにはちょっと断定しにくい部分がありますので、これらの数値からその原因と申しますか、その理由ということを明確に申し上げることはちょっとできないと思っています。
○福島瑞穂君 終身刑の導入や無期刑についての重刑化ということが言われたりします。しかし、実際きちっとデータを調べると、むしろほとんど仮出獄にされないという実態が出てきています。この点は改善の必要があるのではないか。 無期懲役刑に関して検察が仮釈放について制限をするという通達が出ておりますが、この中身について御説明ください。
○政府参考人(古田佑紀君) まず、前提として申し上げますが、検察官において仮出獄について制限を加えるというものではございません。これは、御案内のとおり、更生保護委員会の方で決定する話でございます。 ただ、仮出獄に当たりましては、これは検察官の意見も求められるということになっておりまして、検察官としては犯情等を考慮して仮出獄の適否についての意見を述べなければならない立場にあるわけでございます。そういう意味で検察官としての意見を述べているわけでございますが、非常に重大凶悪事犯あるいは再犯のおそれが非常に高いと思われるような事案につきましては、検察官としてそれについてそういう点を十分考慮した意見を述べると、そういうことを趣旨とするものでございます。
○福島瑞穂君 この通達は、「下記1記載の対象者に対して刑の執行を指揮し、求意見に対する意見を作成するに当たっては、下記のとおり行うこととしたので、その運用に遺憾のないようにされたい。」と、仮出獄についての要件を出しています。この通達の要求をしているのですが、出していただけません。外務省のように法務省ももう少し情報公開をしていただきたいんですが、いかがですか。
○政府参考人(古田佑紀君) 意見をどういうふうに付けるべきかということについて、これは各検察官それぞれ個別の判断ということになりますと、そこにばらつきが生じ不公平が起こる等の問題があると、そういうことからそういう手続を定めるということにしているものでございます。 その内容につきましてはただいま申し上げた趣旨のことでございますが、これを詳細に明らかにいたしますと、受刑者にとりましては、自分がそれが該当するのかどうかとか、あるいは該当するというようなことなどから、更生意欲をなくし、あるいは疑心暗鬼になって更生を阻害する等々、種々弊害があるということで、詳細な内容についてはこれを明らかにすることは御容赦いただきたいと考えている次第です。
○福島瑞穂君 仮出獄が認められるかどうかは受刑者にとっては大問題で、むしろ透明化をした方がいいのではないか。 日本の場合は、一回懲罰を受けるともうほとんど仮釈放が認められないようになると。欧米は善時的仮釈放、善い時の的と書きますが、仮釈放が認められていて、つまり時間をためていくというか、判決で決められた刑期の一部を服役した受刑者が釈放を認められ、残りの期間を無事に過ごせばその部分の刑の執行が免除されると。当事者にとっても、自分は一体どうなるんだろう、本当に認められるんだろうかと思わずに過ごせると。 そういう意味では、仮出獄の制度、その運用についてはもう少し日本も透明化すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 私の方から、刑法で仮出獄決めておりますので、その観点から申し上げますと、委員御案内のとおり、改悛の情、そういう本人の状況を個別に判断して、本当に改善更生の情が著しい者については仮出獄を認めると。一方、そうではない者については仮出獄というのは許すべきではないという考えになっているわけで、それがなかなかそう一律にある一定の基準で判断をするということは、これは場合によっては難しい問題があろうかと思っております。 ただ、矯正当局では、これは矯正局長から御説明を申し上げることになると思いますが、いわゆる累進処遇制度等がございまして、一定のそういう目安のようなものを設けているというふうには承知しております。
○福島瑞穂君 通達を、これは通達として正式に出ているもので、黒塗りが返ってきておりますので、済みません、情報公開、それから今後仮出獄の制度についての透明化を強く要求したいと思います。 犯罪社会学会の報告書がありまして、現役の刑務所で働いている人が論文を書いています。これには、例えば、「犯罪にはもともと多くの暗数のあることが知られており、犯罪が増加しなくても、人々が増加したと信じて、警察力を増強し、より多くの犯罪者を検挙し、刑事司法機関が彼らをより厳罰に処せば、刑務所人口は増加するのである。」としています。 過重収容を引き起こす要因についての分析なんですが、結論としてこういうふうに分析をされています。「結論としては、起訴率の上昇及び公判請求件数の増加が、新確定受刑者を増加させていること、また、言渡し刑期、特に覚せい剤の言渡し刑期の長期化が、収容期間の長期化をもたらしていることが明らかとなった。言渡し刑期は、検察官の求刑を受けて決定されるもので、執行猶予率に大きな変化が認められないことから考え、刑務所人口の増加の大きな原動力となっているのは、検察庁の姿勢の変化にあると考えられる。ただし、検察庁が何の理由もなく突然厳罰化することはあり得ず、世論の動向に検察庁が敏感に対応した結果生じたものと考えるのが自然である。」というふうにあります。 検察庁の変化ということで量刑基準は変わったのでしょうか。例えば、具体的には覚せい剤一グラム所持の量刑などが内部の基準で変わったということはあるのでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 委員御案内のとおり、一般的に事件はそれぞれ個性がありまして、一般的な意味での量刑基準と、求刑基準というものはなくて、一つの目安というような意味でのものは、それは考えられるところでございます。 ただ、その目安が変わったのかどうかというお尋ね、今あるわけでございますが、これはやはり、刑事司法と申しますのはその犯罪のコントロールと、これをどうしても考えなければならないことは事実でございまして、そういう観点から、一般予防という問題、さらには何回も繰り返してやっているような常習的なものについての対応をどうするかと、そういう点を考慮して、その犯罪情勢によりまして検察官の求刑もおのずと変化するというところがあることを御理解いただきたいと思います。
○福島瑞穂君 量刑基準が重く変わったのかどうか、それについて端的に、はいそうですか、いいえ違います、どちらでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 先ほど申し上げましたとおり、求刑基準というのがそういう何か拘束力を持ったようなものはないわけでして、事件について求刑をするときの言わば目安みたいなそういうふうなもので、その目安自体は、やはり犯罪情勢、それから反復しているものが多いのかどうか、そういうことによって変動するということはあり得ると。しかし、一般的にそうしているというわけでは必ずしもないということでございます。
○福島瑞穂君 新受刑者の割合を見ますと、初犯の人間が物すごく、非常に増えています。刑務所で初犯がなぜこんなに、これはどちらに聞けばいいかな、初犯がなぜこのように増えているのでしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) 御指摘のとおり、現在、刑務所等においては過剰収容になってきておるわけですけれども、その収容者の中の新受刑者というものの数がかなりその要因になっていることは事実であります。新受刑者の、つまりその年度に確定、実刑の確定判決を受けて、しかも前に刑務所に入ったことがないと、いわゆる前に、繰り返しになりますけれども、前に刑務所に入ったことのない初入の新受刑者というのが増えていることは事実でございます。
○福島瑞穂君 これは予算の委嘱ですから、ちょっとまた先ほどの論文、続けて読み上げますと、「失業率は、それが犯罪発生率を増加させることによって、刑務所人口を増加させるのではなく、犯罪率とは独立に、失業率が市民や刑事司法機関の犯罪不安や厳罰化を促進することで刑務所人口を増加させることが知られている。また、米国での興味深い指摘としては、刑務所人口と福祉の充実度が反比例の関係」にあると。つまり、福祉が充実すれば受刑者が減っていると、統計上。 この人の論文では、「最近、さつま揚げ一個の万引で初犯の高齢者が受刑している姿を見ると、」、具体的に接しているわけですから、「福祉の手から漏れた人々にとって、刑務所が最後の受け皿になっている気がしてしかたがない。」というのがあります。 ですから、これは法務省だけの問題ではもちろんないのですが、過剰拘禁を生み出す要因、これは起訴率かもしれないし量刑かもしれない、判決かもしれない、社会の要因かもしれない、福祉かもしれない。ですが、その様々な点で法務省が過剰拘禁を、受刑者数がどんどん増えていくことを是非、再犯率の低下も含めて、取り組んでくださるように強く要望したいと思います。 刑が長期化しているという報告がたくさんありますが、これはいかがでしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) これも、刑務所に収容される新受刑者についての刑期でございますけれども、確かに御指摘のとおり、十年前に比べましてその平均刑期が約四か月分ばかり長い二・四か月というふうになっております。
○福島瑞穂君 その点もいろんな事情で長くなっているのか、ただ長期化という傾向の中で長期化していてそれが問題なのか、是非検証をよろしくお願いします。 次に、捜査のための通信傍受法、いわゆる盗聴法の関係なんですが、仮メールボックスというボックスをパソコンに付けていわゆる盗聴するということがされるというふうに聞いております。ただ、電子メール捜査は、従来はプロバイダー業者に依頼して対象者のメールを提供してもらう方法を取っていたと思いますが、なぜ警察自前の傍受装置が必要になったのか。いかがでしょうか。
○政府参考人(吉村博人君) 委員御承知のとおり、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律では、電話による会話のみならず、インターネット上で送受信される電子メールも傍受の対象となっております。 従来、受信サーバー内の受信のメールボックスにおきまして、傍受すべき通信が行われるか否かを言わば見張る格好で、メールが傍受された場合、直ちにこれをコピーをして傍受をするという方法を考えておったわけでありますが、この方法では通信事業者等のメールサーバー内に傍受用のメールボックスの領域を確保していただく必要がある、あるいはメールサーバーの操作を要請するというような通信事業者に相当の負担を掛けることになります。 したがいまして、今考えております、現在既に今年度予算で措置をしておりますが、仮メールボックスというものを装置をしております、設備を持つことにしておりますが、この仮メールボックスは、もちろん傍受令状、通信傍受令状に基づきまして電子メールの傍受のために用いる装置でありまして、具体的には通信事業者等の立会いの下にその電気通信設備に接続をしてもらいまして、傍受令状に明記をされた対象メールのみを機械的に選別をしてその電子メールを記録媒体に記録する装置ということで、今年度予算で措置をしたところでございます。
○福島瑞穂君 そういうことは立法段階では一切議論になっていません。 仮メールボックスは、それをくっ付ければ本当にブラックボックスなわけですから、何を傍受しているか分からない。つまり、プロバイダー側にすれば、警察が来て仮メールボックスを付けますと付けて持っていくだけなわけですね。立会人と言われても何が行われているかさっぱり分からない。これは立法、委員会の中で一切議論されていませんが、なぜこういうのが出てくるんですか。
○政府参考人(吉村博人君) 通信傍受法の第十二条は、これも御承知のとおり、傍受の実施の際に立会人による監視を義務付けているところであります。この仮メールボックスを設置をいたしました場合には、令状に記載をされましたメールアドレスと仮メールボックスに入力されたメールアドレスの同一性を確認することができるような仕組みになっておりますから、これによりまして傍受が適法に行われることが立会人の目によっても担保をされるということがまずあります。 当然、その傍受の実施終了次第に当該メールボックスは撤去するものでもありますし、加えて、傍受をしましたメールの原記録となる記録媒体は立会人による封印を経て裁判所に提出をされるわけでありますので、事後的に確認し得るところでもあり、これにより傍受が適法に行われることが担保されるものであります。
○福島瑞穂君 先ほど容量を超えた場合とおっしゃいましたけれども、私は、この仮のメールボックスはいわゆる何か郵便局の前に別の郵便ポストを置くようなもので、そこを経由していかない限り使えないわけですよね。 しかも、こういう議論は、私たちは捜査のための通信傍受法、いわゆる盗聴法のときに、一体どういう手段でメールの盗聴をするのかというのをかなりしつこく聞きました。一切こういう議論がなく、これを出すというのは、改めて聞きますが、おかしいというふうに思いますが、いかがですか。
○政府参考人(吉村博人君) 繰り返しで恐縮でございますが、技術的に今申し上げましたような仮メールボックスの装置を使った方が通信事業者に掛ける負担も少なくて済むと、かつ、立会人もきちんとしたチェックができるということでありますから、そのようなボックスを、仮メールボックスを使わせていただくこととした次第であります。
○福島瑞穂君 確かにプロバイダー業者は負担です。だけれども、プロバイダー業者は何が起きているか、あるいはチェックができるわけですね。仮のメールボックスは確かに見える、何をしているかというのは見えるかもしれませんが、それをぱっと設置をして最後にそれを取っていくだけですよね。何が起きているかというのがプロバイダー側にとって極めて分かりにくいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(吉村博人君) これは、設置は当然物理的にはプロバイダーが設置をされることになると思いますし、こちらがセットして終わったら黙って取っていくというものではもちろんありませんで、その過程でフロッピーディスクを抜いて、それは封印になります。どういうものがフロッピーディスクに入ったかということは、仮メールボックスに当該傍受対象のメールが今届いたということをはっきりそこで目で照合できる部分としてフロッピーディスクに収めるわけでありますから、それはチェックは十分になされるものと思います。 加えて、この方式を使いますと発信メールの傍受を行うにも技術的には容易になってまいりまして、これまでは発信メールの傍受を行うということを考えますと、非常に通信事業者のシステムについて大きな変更が必要であったわけでありますが、この方式で今申しましたようなやり方でチェックもでき、かつ適法にメールのフロッピーディスクへの収容ができるということで、この方式を使いたいと考えております。
○福島瑞穂君 立法過程の中で出てこなかったことが突然いろんな予算で出てくるということに非常に疑問を持ちます。 大体、そういう方法だと、なぜそれが犯罪要件、条文に満たした要件であるかの確認がそもそもできないというふうに思います。 納入業者はどこでしょうか。
○政府参考人(吉村博人君) 一般競争入札の結果、三菱スペース・ソフトウエア株式会社が納入業者となったと承知をしております。
○福島瑞穂君 立法当初は緊急性があるとして盗聴法を強引に成立させましたが、二年連続で令状請求ゼロです。結局、不要な法律なのではないですか。
○政府参考人(吉村博人君) 確かに、お尋ねのとおり、平成十二年と十三年中の傍受の実施件数は既に国会に対し報告をしておりますが、実施はなかったところでございます。 その理由につきまして、これは正にこの通信傍受法が非常に厳格な要件、手続が定められておりまして、国民のプライバシーあるいは通信の秘密を不当に侵害することのないように適正に運用する必要があるということで定められておるところでございますので、対象事件の選別、あるいは傍受の要件該当性の検討等を慎重に行いました結果、十二年、十三年については令状の請求にまで至らなかったということでございます。 ただ、立法のときにも議論になっておりますが、薬物事犯、あるいは銃器関連事犯、あるいはまた集団的な密輸入、そして組織的な殺人等々、現下の国内外の厳しい情勢にかんがみまして、組織的な犯罪の処罰法等と併せて通信傍受法が制定をされたわけでありますので、今後ともその組織的な犯罪と戦う上で極めて重要なものと私ども考えておりますので、今後適正な法の執行を通じてこの種の犯罪の検挙、摘発に努めてまいりたいと思っております。
○福島瑞穂君 もちろん、令状請求はゼロである方がもちろんいいのですが、ただゼロであるにもかかわらず、予算や様々な装置、当時議論しなかったようなものがどんどん出てくることに非常に疑念を持っております。 警察庁生活安全局銃器対策課作成のけん銃事犯捜査ハンドブックというのは実在するのでしょうか。
○政府参考人(小風明君) けん銃事犯捜査ハンドブック、こういう名称の資料はございます。
○福島瑞穂君 令状請求せずに通信事業者に内密に協力させて通信の内容を傍受させる意図はないでしょうか。
○政府参考人(小風明君) およそ銃器事犯の捜査につきまして、警察庁といたしましては、関係法令に従って適正に行うように指導しております。したがいまして、通信傍受を行う際にも通信傍受法等の定める要件、手続に従って実施するところでございます。
○福島瑞穂君 ECHELONについて、昨年の欧州議会ECHELON特別委員会の報告書に日本に関する記述があります。日本語訳が出ておりますが、通産省をCIAが盗聴、日本車に関して米国政府が盗聴という記述があります。これらについては確認をしているでしょうか。
○政府参考人(齋藤泰雄君) 御指摘の報告書は昨年九月に欧州議会本会議に提出されたものであると思いますけれども、御指摘のような記述があることは承知しております。 ただし、ECHELONにつきましてはその存在が公式に確認されているわけでもなく、欧州議会報告書において情況証拠を積み重ねてECHELONの存在を推論しているというふうに承知しております。 我が国政府としましても、我が国においてECHELONによる通信傍受活動が行われたという事実は確認しておりません。
○福島瑞穂君 欧州議会が報告書を出して、日本がいわゆる産業スパイなどの対象になっていると報告書がきちっと日本についてあるわけですから、今後これについてきちっと確認及び調査を強くお願いしたいと思います。 養育費の取立てですが、今国会で母子家庭に対する児童扶養手当の削減が提案をされております。養育費について審議会が開かれておりますが、動向についてみんな非常に強い関心を持っております。今どういう動向なのか、教えてください。
○政府参考人(房村精一君) 子の養育費につきましては、一般に月ごとの月額を決めて定期給付とするということが通常でございます。したがって、支払を怠った場合に、毎月その都度、強制執行の申立てをしないといかぬということになって非常に不便であるという御指摘がありまして、現在、法務省において担保・執行法制を検討する中で、この養育費のような少額定期給付債務についての履行確保をどうするかということも検討課題となっております。 支払を求める側からいたしますと、弁済期が到来していない部分も含めて一括して強制執行の申立てができるということにするのが便宜であるわけですが、一方、債務者の側からしますと、まだ弁済期の到来していないものについて、その期限の利益を有しているわけでありますので、それも尊重しなければなりません。その両者の利益調整を行う必要があるとして、現在種々検討を進めているところでございます。
○委員長(高野博師君) 時間です。
○福島瑞穂君 はい。 是非、パブリックコメントを求めるなどして、養育費の取立てについて努力をしてください。よろしくお願いします。 以上です。
○委員長(高野博師君) 以上をもちまして、平成十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三分散会