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154回国会参議院2002/03/14

法務委員会 第1号

発言数
12
登壇者
5
会派数
2
開催日
2002/03/14

会議録

高野博師公明党

○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、法務及び司法行政等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高野博師公明党

○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

高野博師公明党

○委員長(高野博師君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題といたします。  まず、法務行政の基本方針について、森山法務大臣から所信を聴取いたします。森山法務大臣。

森山眞弓自由民主党法務大臣

○国務大臣(森山眞弓君) 委員長を始め委員の皆様方には平素から法務行政の運営について格別の御尽力を賜っておりまして、ありがとうございます。  改めて申し上げるまでもなく、法務行政の基本的使命は法秩序の維持と国民の権利の保全を通して国民生活の安定と向上を図ることであり、この使命を果たすことは、国民が安全に安心して暮らせる社会を築くために欠くことができません。この激動する時代にあって、法務行政が国民のニーズに的確にこたえ、その役割と責任をより良く果たすためには、改めて国民の視点に立って、何がその利益にかなうかを十分に念頭に置いて制度の運用を行うとともに、司法制度改革や新たな人権救済制度の創設を始めとする諸改革を進め、人的・制度的体制の整備を図っていくことが不可欠であると考えております。  私は、このような認識の下に、新しい時代の要請を踏まえつつ、国民の期待にこたえる法務行政の実現に全力を尽くしてまいりたいと考えております。  それでは、法務行政に関する当面の重要施策について申し述べます。  第一は、司法制度改革等についてであります。  司法制度改革は、社会経済構造の改革を進め、明確なルールと自己責任原則に貫かれた自由かつ公正で活力にあふれる社会を実現し、日本経済の再生と活性化を図るとともに、国民が安心して暮らすことのできる社会を構築する上で不可欠の前提となるものであり、重要かつ緊急の課題であると考えております。  昨年十二月一日、司法制度改革推進法に基づき、改革を総合的かつ集中的に推進するため、内閣に、総理大臣を本部長とする司法制度改革推進本部が設置されました。今後、同本部が中心となって、司法制度改革審議会意見の趣旨にのっとって改革を実現すべく、司法制度改革推進計画を策定した上、個別の問題点を検討し、具体的な法令案の立案作業等を進めていくこととなります。私は、同本部の副本部長として、また司法制度を所管する法務省の責任者として、我が国の社会の将来にとって極めて重要な課題である司法制度改革の実現に向けて全力を挙げて取り組んでまいる決意でございます。  まず、司法制度改革の一環として、隣接法律専門職種の活用の観点から、司法書士について、研修等の能力担保措置を前提に簡易裁判所の事件に関し訴訟代理等を行うことを可能とすること、また規制改革を推進するため、司法書士及び土地家屋調査士の事務所について法人化を可能とすることなどを主な内容とした司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしました。  また、今国会においては、民事法の分野で、会社の機関、株式、計算など会社法制の全般にわたり、経営手段の多様化、経営の合理化を図ることを可能とするために多項目の改正を行うべく、商法等の一部を改正する法律案等を提出いたします。この法律案におきましては、大規模株式会社について監督と執行を分離した委員会等設置会社制度の採用を可能とし、また当該制度を採用しない大規模株式会社について、取締役会決議事項の一部を少人数の取締役で構成する委員会に委譲することを可能とするなどの措置を講ずることとしております。  いずれも速やかに成立させていただきますようお願い申し上げます。  第二は、国民が安全に安心して暮らせる社会の確保についてです。  我が国の治安はこれまで主要先進国の中にあって比較的良好な状態にありましたが、最近における犯罪情勢を見ますと、刑法犯の認知件数が増加する一方、検挙率が低下する傾向にあります。その中で、悪質な住居侵入強窃盗や自動車盗等が増加し続けているほか、強盗殺人、被害者が多数に及ぶ殺人、保険金目的殺人等の国民生活の平穏を脅かす凶悪重大事犯も少なからず発生しており、国民の多くが治安に対して懸念を抱く極めて憂慮すべき状況に立ち至っています。加えて、児童虐待や家庭内暴力、ストーカー行為などの家族間や知人間で起こる事件に対して積極的な対応を求める国民の要望も高まっております。  また、このような犯罪情勢を背景として、矯正施設においても近年、収容人員が急激に増加しており、特に法秩序の最後のとりでとも言える刑務所、拘置所等のいわゆる行刑施設においては、昨年来、三十五年ぶりに受刑者等が総収容定員を超過する過剰収容の状況が続いております。  一方、近年、目覚ましい国際化の中にあって、年間約四千三百万人に達する我が国への出入国者について厳正な入国審査に努め、不法入国者等の上陸を阻止するとともに、約二十六万人と推定される不法滞在者についても、関係省庁との密接な連携の下に積極的かつ効果的な摘発を推進することが国民から強く求められています。特に、これら不法滞在者はそのほとんどが不法就労活動に従事しているものと推定され、また、これらの者の一部による凶悪犯罪や組織犯罪も増加するなど、我が国社会に様々な悪影響を及ぼしている実情にあることから、その着実な減少を図る必要があります。このほか、本年五月から開催されるワールドカップサッカー大会を成功させるため、韓国政府とも協力しながら円滑な出入国の実現を図る必要があります。  以上のような状況を踏まえ、私としては、今、国民が安全に安心して暮らせる社会こそが求められていることを強く意識し、検察体制、矯正行政、出入国管理行政等について、より一層の創意工夫を重ねるとともに、その人員・組織体制の充実強化等を更に図ってまいりたいと考えております。  また、昨年、米国において、民間航空機を使用した史上類のない同時多発テロ事件が発生し、日本人を含む極めて多数の市民が犠牲になりました。この種の凶悪なテロ行為は市民社会に対する重大な挑戦であり、これに効果的に対処するには国際的な協力が不可欠です。先般のG8の共同宣言において早期締結が明記されたテロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約について、関係省庁とも協力してこれを早期に締結し、国連安保理決議一三七三号等のテロ防止のための国際約束の履行に努めることが我が国の喫緊の課題となっております。法務省においても、今国会に、同条約等の的確な実施を確保するための国内法として、同条約等で求められている資金の提供の犯罪化等を内容とする公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律案を提出したところです。  テロ対策の観点からは、公安調査庁においても国内外における情報網の整備拡充に努めているところですが、引き続き、情報収集体制の強化を図るとともに、近年、国際テロ団体による無差別・大量殺りく型のテロ行為が増加している状況を踏まえ、更なる法整備の可否をも念頭に置きながら有効なテロ対策の在り方について検討してまいります。また、かつてサリン等を用いて凶悪事件を起こしたオウム真理教につきましては、今後も公安調査庁において厳正な観察処分の実施に努めてまいります。  他方、近年、重大な犯罪に当たる行為を行った精神障害者の処遇の在り方について社会的な関心が高まっております。この問題につきましては、必要な医療等を確保し、不幸な事態を繰り返さないようにしてその社会復帰を図ることが重要であると考えております。このため、裁判官と医師が共同して入院治療の要否、退院の可否等を判断する仕組みや、退院後の継続的な治療を確保するための仕組み等を整備することが必要であると考えており、今国会において、厚生労働省と共同で、このような仕組みを整備するために必要な法律案を提出いたします。  今国会において、刑事法関連の法律案としては、そのほかに国際受刑者移送法案と更生保護事業法等の一部を改正する法律案があります。  受刑者移送制度は、外国で服役している日本人受刑者又は我が国で服役している外国人受刑者について、一定の要件の下に、その者を本国に移送して外国刑の執行の共助をすることにより、その改善更生及び円滑な社会復帰を促進するという刑事政策的観点から意義のある制度であるとともに、刑事司法分野における国際協力を促進する上でも早期導入の必要があるものです。  そこで、法務省におきましては、この制度を導入するため、欧州評議会の受刑者移送条約に加入することを前提に、条約の実施に必要な国内法として国際受刑者移送法案を今国会に提出したところです。  また、矯正施設における収容者の増加等により、出所後に更生保護施設における保護を必要とする者が増えております。さらに、近時の少年非行の凶悪重大化にかんがみ、非行少年の更生保護など社会復帰のための施策の重要性が高まってきております。このような近時の犯罪情勢に的確に対応して犯罪者及び非行少年の改善更生を実現するため、更生保護施設における処遇の充実強化を図る必要があると考えており、今国会において更生保護事業法等の一部を改正する法律案を提出いたしました。  いずれも速やかに成立させていただきますようお願い申し上げます。  第三は、人権擁護についてです。  人権の世紀と言われる二十一世紀にふさわしい人権尊重社会を実現していくためには、人権教育・啓発に関する施策を推進するとともに、現実に起こる人権侵害事案について、弱い立場にある被害者の実効的な救済を図るための人権救済制度を整備する必要があります。  そこで、今国会には、昨年五月に人権擁護推進審議会からいただいた「人権救済制度の在り方について」の答申等を踏まえ、現行の人権擁護制度を抜本的に改革して、独立性の高い人権委員会を法務省に置き、その下において、人権侵害の実効的な救済と人権啓発の推進を図ること等を内容とする人権擁護法案を提出いたしました。  そのほか、判事等を増加することを内容とする裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を提出いたしております。  これらにつきましても、速やかに成立させていただきますようお願いいたします。  今国会へ提出法案等を中心に所信の一端を述べさせていただきましたが、このほかにも幅広い法務行政の抱える課題は数多くあります。  選択的夫婦別氏制度の導入の問題についても、更に関係方面の御理解を得るための努力を続け、その実現に努めてまいりたいと考えております。  このような課題の多い時期に当たり、委員長を始め委員の皆様のなお一層の御理解と御指導を賜りまして、法務大臣としての重責を果たしていくことが私の使命であると考えております。横内副大臣及びこのたび新たに就任いたしました下村大臣政務官とともに今後とも全力を尽くしてまいる所存でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  ありがとうございました。

高野博師公明党

○委員長(高野博師君) 次に、平成十四年度法務省及び裁判所関係予算について順次説明を聴取いたします。横内法務副大臣。

横内正明自由民主党法務副大臣

○副大臣(横内正明君) 平成十四年度法務省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、法務省所管の一般会計予算額は六千九十九億八千八百万円であり、登記特別会計予算額は千八百三十六億六千九百万円でありまして、そのうち一般会計からの繰入れ額が七百六十四億八千六百万円でありますので、その純計額は七千百七十一億七千百万円となっております。  この純計額を前年度当初予算額七千百六十七億四百万円と比較いたしますと、四億六千七百万円の増額となっております。  次に、重点事項別に予算の内容について御説明申し上げます。  まず、定員の関係でありますが、平成十四年度の増員は、新規三百九十八人と部門間配置転換等による定員化八人を合わせ、合計四百六人となっております。  その主な内容を申し上げますと、一、検察体制の充実強化のため検事三十九人を含め百八人、二、出入国管理体制の充実強化のため百二十人、三、刑務所等保安業務、収容少年教育、観護体制等の充実強化のため百八十人、四、保護観察事務処理体制の充実強化のため九人、五、訟務事件処理体制の充実強化のため六人等となっております。  他方、平成十二年七月十八日の閣議決定に基づく平成十四年度定員削減分等として五百十三人を削減することとなっており、増員との差引きにより、前年度定員と比較いたしますと純減百七人となります。  次に、主要事項の経費について御説明申し上げます。  第一に、法秩序の維持確保につきましては三千八百四十八億一千七百万円を計上し、前年度当初予算額と比較しますと二十億八千万円の増額となっております。  その内容について申し上げますと、まず検察関係では、検察活動の充実を図る経費として千五十七億一千七百万円を計上しており、この中には、特捜・財政経済事犯対策経費、触法精神障害者関係対応経費等が含まれております。  矯正関係では、刑務所等矯正機能の充実を図る経費として二千七十三億二百万円を計上しており、この中には、過剰収容緊急対策として収容増に伴う諸経費が含まれております。  更生保護関係では、保護観察活動の充実を図る経費として百九十一億五千八百万円を計上しており、この中には、更生保護施設における処遇体制の充実、保護司活動の充実を図るための経費等が含まれております。  入国管理関係では、出入国管理業務の充実を図る経費として三百四十三億三千万円を計上しており、この中には、東京入国管理局新庁舎関連経費、不法滞在外国人対策の強化経費及びワールドカップサッカー大会特別対策経費等が含まれております。  第二に、国民の権利保全の充実につきましては、登記特別会計を含め二千七十九億八千百万円を計上し、前年度当初予算額と比較しますと二十二億七千万円の増額となっております。  その内容について申し上げますと、まず登記関係では、登記事務処理の適正迅速化のための経費として、登記事務のコンピューター化経費を中心に千八百三十六億六千九百万円を計上しております。  民事法律扶助関係では、法律扶助事業費補助金等の拡充を図るための経費として三十億円を計上しております。  さらに、人権擁護活動の充実を図るための経費として四十四億七千四百万円を計上しております。  第三に、施設の整備につきましては、東京入国管理局を始め、老朽・狭隘化が著しい法務省の庁舎及び施設を整備するため、法務省施設費として百八十五億八千四百万円を計上しております。  以上、平成十四年度法務省所管の予算の概要を御説明申し上げました。

高野博師公明党

○委員長(高野博師君) 次に、竹崎最高裁判所事務総局経理局長。

竹崎博允最高裁判所事務総局経理局長

○最高裁判所長官代理者(竹崎博允君) 平成十四年度裁判所所管歳出予算について御説明申し上げます。  平成十四年度裁判所所管歳出予算の総額は三千百七十一億四百万円でありまして、これを前年度当初予算額三千百九十七億八千五百万円と比較いたしますと、差引き二十六億八千百万円の減少となっております。  次に、平成十四年度歳出予算のうち、主な事項について御説明申し上げます。  まず、人的機構の充実、すなわち裁判官、書記官及び家裁調査官の増員であります。  司法制度改革を推進するに当たり、裁判所の人的充実が強く求められていることを踏まえ、増加し、かつ複雑困難化している民事関係事件等の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判官四十五人、書記官四十五人、家裁調査官五人、合計九十五人の増員及び振替による書記官二百人の増加をすることとしております。  他方、平成十四年度には四十三人の定員を削減することとしておりますので、差引き五十二人の純増となります。  次は、司法の体制の充実強化に必要な経費であります。  まず、裁判関係経費の充実を図るため百九十五億八千万円を計上しております。  その内容について申し上げますと、第一に、民事訴訟・調停事件の充実を図るための経費として六十三億七千八百万円を計上しております。この中には、民事調停委員手当、民事裁判事務処理システム経費等が含まれております。  第二に、刑事訴訟事件の充実を図るための経費として七十六億八千三百万円を計上しております。この中には、国選弁護人報酬、刑事裁判事務処理システム経費等が含まれております。  第三に、家庭事件の充実を図るための経費として五十五億一千九百万円を計上しております。この中には、家事調停委員手当、成年後見制度運営協議会開催経費等が含まれております。  また、裁判所施設の整備を図るため、裁判所庁舎の新営、増築等に必要な経費として百六億五千万円を計上しております。  以上が平成十四年度裁判所所管歳出予算の概要であります。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

高野博師公明党

○委員長(高野博師君) 以上で法務大臣の所信並びに平成十四年度法務省及び裁判所関係予算の説明聴取は終了いたしました。  法務大臣の所信に対する質疑は後日に譲ることといたします。     ─────────────

高野博師公明党

○委員長(高野博師君) この際、下村法務大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。法務大臣政務官下村博文君。

下村博文自由民主党法務大臣政務官

○大臣政務官(下村博文君) このたび法務大臣政務官に就任させていただきました下村博文でございます。  森山法務大臣、横内法務副大臣の下で、時代にかなった法務行政推進のために誠心誠意努力をさせていただきたいと思います。  委員長始め委員の皆様方の御指導をよろしくお願いいたします。(拍手)

高野博師公明党

○委員長(高野博師君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十一分散会

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