文教科学委員会 第15号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2002/07/18
会議録
○委員長(橋本聖子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六月二十六日、大江康弘君が委員を辞任され、その補欠として西岡武夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(橋本聖子君) 政府参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に総務省自治財政局長林省吾君、財務省主計局次長杉本和行君、国税庁課税部長村上喜堂君、文部科学大臣官房文教施設部長小田島章君、文部科学省生涯学習政策局長近藤信司君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、文部科学省高等教育局長工藤智規君、文部科学省高等教育局私学部長石川明君及び文部科学省スポーツ・青少年局長遠藤純一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(橋本聖子君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○有馬朗人君 皆さんおはようございます。有馬朗人でございます。 今日の質問をさせていただく機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。 四つの項目について順次お聞きいたしたいと思います。易しい問題でありますので御心配なく。 第一は義務教育における国の関与の仕方でございます。第二は高等教育について、第三は教科書の検定制度につき、第四は留学生について触れさせていただきたいと思います。 まず、義務教育における国の関与の仕方についてお聞き申したいと思います。 大分前、私の質問でも触れたことがございますが、今日お手元にそのデータをお配りしてございますので、御参考にしていただければ幸いです。 国際教育到達度評価学会というのがありまして、五年置きぐらいに全世界の四十か国ぐらいの算数と理科の力について調査をしております。その一九九五年のTIMSSと言われるもの及び一九九九年に行われましたTIMSS—Rによりますと、日本の小学校、中学校の生徒の算数と理科の学力は、世界約四十か国中五位以内に入っています。すなわち、最高水準の仲間に入っております。それに反して、一九九九年のTIMSS—Rでは、アメリカは算数が十九位、理科は十八位、イギリスは算数が二十位、理科は九位というふうに先進諸国が必ずしも振るっておりません。すなわち上位五位には、日本、シンガポール、韓国、台湾と、アジアの国々が入っていることは大変頼もしいことでございます。これらの国々は、発展途上国より近年先進国に変わった国々であります。一方、アメリカやヨーロッパ等の先進諸国のこのような調査における成績は芳しくありません。 TIMSSに参加した国々から、日本、アメリカ、ドイツを特に選びまして、中学校二年生の数学の結果を表にいたしてみました。三ページ目をごらんください。 それぞれの国の参加校は、日本は百五十一校、アメリカは百七十九校、ドイツは百三十二校の学校ごとの平均点の分布を図にしてみます。例えば、平均点十点から十二点取った学校の数は参加校の何%になるのかというような分布でございます。アメリカとドイツはほとんど変わりがありません。八点から十点という極めて低い点数から、三十二点ないし三十四点という高い点数まで広く分布しています。驚くべきことは、日本の学校では最低点が二十四点から二十六点である、最高点三十六点から三十八点を取った学校が一校あるということ。一方、アメリカやドイツに比べて、先ほど申しましたように、アメリカ、ドイツは非常に広く分布しているのですが、日本は大変分布の幅が極めて狭いのです。すなわち、どの学校を取っても教育の質が非常によく似ているということであります。 そこで、御質問申し上げます。 以上述べましたことで、日本の小中学校の生徒は、TIMSS及びTIMSS—Rの成績が極めて良かったということを御確認いただきたいと思います。 そして次に、日本の学校の質が極めてそろっているのに対し、ドイツ、アメリカはピンからキリまで広く分布する理由はどういうことでしょうか。私は、文科省が義務教育の教員の給料の二分の一を持つことによってどの都道府県に属する教員もほとんど同じ給料が与えられていることになり、したがって教員の質がそろうことによると考えておりますが、いかがでしょうか。 一方、アメリカやドイツは、地方自治体が大学も含めて教育の責任を取っております。したがいまして、経済的に豊かな地域の学校と貧しい地域の学校で教員の質に極めて大きな差が生じ、したがって教育の達成度にも大きな差が生ずるものと考えております。 以上、お伺いいたします。
○副大臣(岸田文雄君) 先生御指摘のIEAの調査、TIMSSでありますが、御指摘のように、ペーパーテスト、学力調査に加えてアンケート形式の質問紙調査、こういったものがあり、さらには授業をビデオ収録してそれぞれの国の授業の内容について調査研究をするという三本立てになっております。 まず、学力につきましては、我が国、国際的に見ても上位に位置しているというふうに考えておりますが、二番目のアンケート調査、質問紙調査という部分につきまして、学ぶ意欲が高くないという課題があるというふうに認識をしております。 加えて、今、先生御指摘になられましたように、教員の質にかかわる部分としまして、先ほど申しました三つ目の調査、日本、アメリカ、ドイツを対象としまして、中学校二年生の数学について実施されたビデオ調査を行っております。このビデオ調査、日本とアメリカとドイツの三か国の授業を比較しているわけですが、その比較の中で、アメリカに比べて高度な思考力を要求しているとか、あるいはアメリカの大学の数学教員グループが日本、ドイツ、アメリカの授業を評価した際にも日本が高い評価を得ていること等々、その授業の内容、非常に日本は高い評価を得ているということを把握しております。 この辺り、御指摘のように、日本の教員の質がドイツ、アメリカ等、各国に比べても大変高い水準にあるということではないかと思っておりますし、その原因としまして、今、先生が御指摘になられたような点、大いに資しているものというふうに認識をしております。
○有馬朗人君 ありがとうございました。 そこで、代表的な国々で義務教育の費用は一体どこが分担しているのか、どのように分担しているのか、お聞かせいただきたいと思います。 分かる範囲で結構でございますから、特に、国が直接かなりの部分を負担している国というふうなものがどういうところかなどについてお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(池坊保子君) 国立学校の教員給与について全額国が負担いたしておりますのは、フランス、シンガポール、韓国でございます。そしてまた、台湾は県が教員給与を負担しておりますが、中央政府が県の財政事情に応じて補助金を交付しております。イギリスや中国や、連邦制を取るアメリカあるいはドイツでは、地方や州が教員給与を負担しておりまして、国が負担又は補助する制度はございません。ただ、学力のことを考えますときに、確かに国がしなくてもアメリカもドイツでもしっかりと州がしておりますから、何らかの形で政府が関与しております。
○有馬朗人君 ありがとうございました。 今お教えいただいた中で、シンガポール、韓国というのが国が負担している、かなりの部分を負担している。重要なポイントだと思います。台湾は、実は中央政府に条件が付いているんですね。前年度予算の二一・五%だったと思いますが、かなりはっきりとした数字で各省が義務教育費を負担すると、こういうふうなことがあります。そういうことから考えますと、私の直観でありますが、やはり国がしっかりと負担をしている国々の成績はいいんじゃないかと私は思っているわけであります。 次に、もう一つ重要な問題があります。それは、学習指導要領でございまして、学校の教育の質に大きな影響を与えていると思います。 例えば、アメリカでは、南部の幾つかの州では進化論は教えてならないということになっていたことがありました。多分、連邦の方の裁判所でこれはいけないということになって、最近は進化論をある程度教えるようになったと思いますが、このようにアメリカですと諸州でかなり教育の内容が違っていると思います。すなわち、アメリカやドイツでは国としての学習指導要領がないと思います。そういう点が成績がばらばらになる要因の一つであろうかと私はかねがね思っております。 そこで、お聞きいたしたいことは、ドイツ、アメリカ、シンガポール、韓国、もしできれば台湾等々の国で国としての学習指導要領が定められているのはどこでしょうか。この辺についてお聞かせいただければ幸いであります。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 学習指導要領、教育課程の基準のお話でございますが、私どもが知り得るところでは、例えば、フランス、イギリス、シンガポール、中国、台湾、韓国、こういったところでは国、台湾の場合は中央政府かと思いますが、教育課程の基準を定めているところでございます。また、先生おっしゃいましたように、連邦制を取るアメリカ、ドイツでは、教育課程の基準を国なり連邦政府は定めておらず、州が定めていると、このように承知をいたしております。
○有馬朗人君 今お話をいただきました中で、フランス、イギリス、シンガポール、韓国、台湾等は国として学習指導要領が決められているということをお聞きした次第でありますが、イギリスは、算数は割に成績が必ずしも振るわないのですが、理科の方は相当強い力を持っている。こういうことも学習指導要領がちゃんとしているからだと私は思っておりますし、シンガポール、韓国、台湾、日本というのがトップクラスであるということは、やはり学習指導要領というものがきちっと定められているからだと思います。 繰り返しになりますけれども、こうやって見てまいりますと、義務教育の質の確保のためには教育費の国庫負担と、最低限どこまでどう教えてみるか、どう教えるべきかという学習指導要領が必要だと思いますが、この点に関しまして、文部省のお考えがあれば、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 誠に義務教育がしっかりしているかどうかというのは、国の骨格の中の最も重要な部分でございます。 先ほどカラフルな資料でお示しいただきましたが、この上位のシンガポール、韓国、台湾、香港、それから中国も、とにかく日本を目指して日本の制度を取り入れて今大車輪で日本を追い越すべくやっているわけでございます。日本はかつて断トツだったんですね。これらの国々はずっと下だったんです。しかし、ほかの国が日本の制度を導入して、日本に今追い付いて、今追い越しつつあるんですね。これは大変な危機感を私、考えております。それからイギリス、それからアメリカも、ちょっと説明はありませんでしたが、州によっては教育課程基準を定めて、とにかく日本が二十世紀の後半に成功したのは教育制度であるということで、すべての国々が今、日本を目指してその制度を取り入れつつございます。 ということで、私は義務教育につきまして、国として全国において一定水準の教育を無償で受けられるようにする、質も確保する、これは国の大変重要な役割だと思っております。いったんそれを崩せば、修復することは大変難しいと考えます。 ということで、具体的には、国は、教育の機会均等あるいは全国的な教育水準の維持向上という観点から、一つは基本的な制度の枠組みを定めること、二つには学習指導要領などの全国的な基準を制定すること、三つ目には地方公共団体に対する必要な財政援助あるいは指導助言等の役割を担っているというふうに考えておりまして、この責務はしっかりと果たしていかなくては日本の骨格、基盤が崩れると思います。
○有馬朗人君 力強いお考え、ありがとうございました。 ところで、最近、地方分権を推進するという観点から、義務教育の国庫負担を地方へ移行するという考えがあるように聞いておりますが、実情はどのようなことになっているのかお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) その点につきましては、去る六月でございますけれども、地方分権改革推進会議におきまして、国と地方の役割分担に応じた「事務・事業の在り方に関する中間報告」が公表されました。その中で、教育につきましても幾つかの基本的な見直しの方針が示されているわけでございますが、特に義務教育につきましては、「義務教育に関する国と地方の経費負担の在り方の見直し」といたしまして、具体的には、現行の義務教育国庫負担制度を見直して、例えば何らかの客観的な指標に着目した交付金制度への移行について検討すべきであること、また将来的には義務教育国庫負担制度の一般財源化をも念頭に置きつつ検討すべきである、こういう趣旨の中間報告が取りまとめられたところでございます。そういう意味での政府部内における検討がなされている状況でございます。
○有馬朗人君 この点、私は非常に心配していて、慎重に検討していかなきゃならないと思っているわけでありますが、やや違った観点から御質問を申し上げてみたいと思います。 学校図書館の図書整備費もかつては文部省が負担していたと思いますが、正しいでしょうか。最近、地方交付税で措置されるようになったかと思います。 そこで質問でございますが、この学校図書館の図書整備費の現状及びその使用法が適切なのかどうか、さらに、学校図書館は以前より新しい方策によって充実したのであろうかどうであろうかということをお聞きいたしたいと思います。
○大臣政務官(池坊保子君) 公立義務教育諸学校の学校図書館図書の整備に要する経費につきましては、文部科学省が平成五年三月に設定いたしました学校図書館図書標準を達成するため、これまで地方交付税措置により整備が進められてまいりました。特に、平成十四年度から、公立義務教育諸学校について、新たに学校図書館図書整備五か年計画に基づいて、毎年百三十億、五か年の総額でございますから六百五十億が地方交付税措置にされておりまして、これは私、大変喜ばしいことだと思っております。 私も子供の読書の推進に大変力を注いでおりますのでこのようになってほしいと願っておりましたが、現実に、全国学校図書館協議会の調査によりますと、この平成十四年度の図書費の予算措置状況を調べてもらいました。ここが調べましたところによりますと、全国の三分の一の約千市町村からの回答によりますと、六五%の自治体が予算化していないという現状だそうでございます。これは、全国学校図書館協議会が自主的にいたしたわけでございまして、全部じゃなくて三分の一の千であるということ、それからまた、独立した項目として学校図書館図書整備費が計上されたかどうかについて尋ねたものでございますから、一般的な備品購入費の中で図書を買う場合にはこの中に入っていないということ等もございますので、文部科学省といたしましては、きちっとした、どのように使われているかを見なければならないと思っておりますので、八月中にこの予算措置の現状について調べたいとは思っておりますが、地方交付税で学校図書館図書といいましても、それぞれの地方のやはり財政状態だとかあるいはどれだけ教育に重きを置いているかによって、本当に図書に使われている場合もございますが、それ以外の施設、極論したら、もしかしたら道路に使われているんではないかと憂えたりしております。 これからもきちんとそれは図書館の蔵書の充実に図られるようにしていきたいと思っておりますが、これが現状でございます。
○有馬朗人君 図書費として使ってほしいというお金が場合によっては道路に化けてしまうと、こういうことが私は義務教育で起こってはならないと思うんですね。ですから、義務教育の今の文部省が分担されているというか負担しておられる三兆円、こういうものが地方の方に移るということが万が一ございますと、ちゃんとした県、ちゃんとした都はいいんですが、全般に何に使われてしまうか分からないというおそれが出てくると思うのです。そういう意味で私は、やはり文科省がしっかりと、教員の質を確保するために財政的な面でもしっかりした責任を取っていただきたいと思っております。 しかしながら、一方でやはり地方分権ということは進めていかなければならないと思います。既に教育委員会等々、委員長任命権等につきましては随分教育も地方分権を図ったと思います。そこで、しかしながら、更に教育に関して地方分権を促進することにするといたしますと、どんなことがあり得るのか、もし新たに計画中の方策がおありであれば、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 今お話にございましたように、これまでも教育の地方分権といいますか、地域でそれぞれ創意工夫してほしいということで様々な権限の移譲を図ってまいりました。 教育長の承認の問題もそうでございますし、今回の四月から行っております新学習指導要領に伴う新教育課程におきましては、それぞれの地域の創意工夫を随分取り入れられるようにいたしておりまして、これなどは大変な地方分権といいますか、制度上のものであるよりは、実質的に各地方、各学校、各教員が創意工夫できるようにしているという大変大きな変化がございます。そのほか、学級編制につきまして、標準という考え方を明確にして地域においてそれぞれ工夫できることはできるようにするとか、様々な地方分権の精神に基づいて制度化してまいりました。 今後は、例えば義務教育費国庫負担につきましても、その本質を守ることを揺るがせないで、しかしその中で工夫できることがあればできるだけ地方に移譲をしていくと。そういう精神で、これから十分に見直してまいりたい、そういう精神ではおりますが、先ほども申しましたように、根幹についてはしっかり守っていきたいというふうに考えているところでございます。
○有馬朗人君 大変力強いお考えで、ありがとうございました。やはり文科省としても地方分権できるところは進めていかれることをお勧めいたしたいと思います。 次に、高等教育についてお伺いいたします。 一九九二年、私がちょうど東京大学の総長のころでありましたが、十八歳人口は二百五万人でございました。現在は百五十万人、数年後には百二十万人になります。昨年生まれました子供の数は百二十万人を下回ったと思います。最近、学力低下が指摘され、ゆとり教育が原因と言う人が非常に多いのですが、しかもその主張者の大部分が大学の先生たちです。私は、初中教育に全く原因がないとは申しませんが、最も大きな理由というのは、十八歳人口の人口であり、それに伴う大学進学率の急増であると思います。 もう一つの理由は、大学の入試科目を減らし過ぎたことだと思います。私は長年、入試科目を減らすなと主張してまいりましたが、ほとんどの大学で入試科目を減らし、所によりますと一芸型が導入されました。かつては剣玉で入学した人がいるそうです。入試にないと思えばその科目を高校生が勉強しなくなるのは人情だと私は思います。もしそれでも勉強する人がいたら、よっぽど自己規律のできる人だと思います。 私は、大学人にどうして入試の科目を減らしたのかと聞きますと、私立大学は、科目を増やすと受験生が減るからと答えます。しかし、国立大学の人に聞くと、文部省が入試科目を減らせと指導したからと答える人が多いのです。また、大学設置基準の大綱化の際に教養部がほとんどの大学でなくなりました。その理由を聞くと、やはり文部省に指導されたと言う人がいます。私は、各大学がもっときちっと自分の方針を立てて自主的に判断すればよいことではないかと思います。 そこで、ちょっと意地の悪い質問をさせていただきますのでお許しください。 教養部をなくせという指導をされたか、入試の科目を減らせというような指導をされたか、お聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 一般教養の問題につきましては大変な誤解がございます。 私自身は大学審議会を創設するときに仕事をしておりましたし、その一番最初のテーマが大学設置基準を大綱化しようということでございました。それは、各大学におけるカリキュラム設定とか、それから教育の充実と特色を出してもらうという精神でありまして、その一つが、その当時まで決まっていた人文科学何単位、社会科学何単位、自然科学何単位という、ああいう決め方をむしろしないで、それぞれの大学において一般教養と専門教育というものを十分にらんでカリキュラムを充実すべしということで大綱化したんですね。正にそれを機に、各大学は教養教育を充実し、そしてそれの上にこそ専門教育をしっかりしていただくはずでございました。 しかし、私もその担当を外れてしばらくしてから高等教育局長に戻りましたら、教養部がほとんどなくなっているんですね。私はもう本当にびっくりいたしまして、つまり何らかの制度を変えると、それを極端に解釈をして、楽な方に楽な方に行くという姿勢が、これが大学であっていいのかとつくづく思った次第でございます。 今日、一般教養の重要性が言われ、教養教育の重要性が言われて、正にこれから最も望ましい方向になっていくと思いますが、当時の文部省が教養教育を軽視するようなことを促したということは全くないわけでございまして、これは不作為ないし自ら取るべき方途を取らなかった大学人の一つのエクスキューズではないかと思っております。 入試のことにつきましても、それぞれの大学が工夫をしてということでございまして、文部科学省が科目を減らすようにというようなことを指導したことはないと私は承知いたしております。
○有馬朗人君 私がこういう意地の悪い質問を申し上げたのは、今の大臣のお考えのようなことがぴしっと省全体に通じているといいんですけれども、その辺がやや、必ずしも下の方が十分理解されていたかどうか、心配をしております。 何でこの質問を今申し上げているかというと、今回の国立大学の法人化におきましても同じような問題が起こることを私は恐れて、誤解が起こることを恐れているわけであります。やはり各大学の自主性を大切にしていただきたい、そしてまた文部省、現在は文科省でありますが、かつての文部省が非常に大切にしておられた、今も大切にしてくださっていると思いますが、ボトムアップの方針を教育に関しては大切にしていただきたいと思うわけであります。 さて、十八歳人口の問題に戻ります。 第二次ベビーブームによる十八歳人口の増加に対応して、一九八五年から臨時定員を導入し、入学定員を急増いたしました。そのため、大学の学力低下が既に一九九二年ごろに見えたわけであります。東京大学の工学部で数学の試験をいたしましたところ、がたっとそこで落ちた。総長が悪いから落ちたという人もいましたけれども。しかし、やはり学生を三千人の台から三千五百まで学生数を増やしたことが大きな原因だと私は思っているわけです。 しかし、もっと大きな問題は、十八歳人口の最大の年、一九九二年以降の問題であります。十八歳人口が急激に減少していきました。そこで、国立大学は臨時定員を減らしましたから、現在は一九九二年の入学定員の五%減になりました。しかし、十八歳人口は一九九二年の二百万強から二〇〇一年、百五十万人になっているわけですから、二五%減らさなければ学力は維持できないわけです。しかし、五%しか減らしていないわけでありますから、国立大学といえども学生の質が相当低い人が入ってくるようになった。驚くべきことは公立大学でありまして、何と一五〇%に増やしているわけです。そしてまた、私立の大学も一一八%に増やしています。七五%に減らさなきゃいけないのに、国立大学でも九五%だし、公立は一五〇%、私立大学は一一八%も取っているわけです。 これだけ学生数を増やしたら大学生の学力は低下するに決まっていると私は思うんですね。東京大学も、約六百人、パーセントにして二〇%多過ぎると思うんです。これだけ余計に取るなら、学力低下を人ごとと思わずに、もし学生数をそれだけ取りたいならば、大学で一年、二年のときに徹底的に基礎教育をやるべきであると思います。アメリカ流にやるべきだと思います。そして、教育に重点を置くべきであります。 そういう面で、このごろ大学が随分教育に熱心になったということを聞いて喜んでおりますが、先ほど大臣からもお話がございましたように、誤解に基づいてかつて教養部をつぶしてしまったことは大変残念なことだと思っているわけであります。産業界も省庁も、よく新入社員あるいは新入公務員の学力が低くなった低くなったと言われますけれども、このように大学進学率が急激に上がっていることに注目してほしいのです。しかし一方では、高等教育を受けた一定の数の若い人が必要だと思います。 そこで、御質問申し上げたいことは、今後の高等教育の規模について文部科学省はいかにお考えでおられるか、お聞かせいただければ幸いであります。
○副大臣(岸田文雄君) 今、先生の方から十八歳人口についていろいろ御指摘がございました。 平成五年から十八歳人口が減少しているわけですが、大学進学率ということを見てみますと、平成十一年度まで年平均一%から二%伸びを示しておりまして、最近三年間だけ取りますとほぼ約四九%で推移しているというのが大学進学率の状況であります。 こうした進学意欲の高まりはしっかり受け止めなければいけないわけですが、一方で、やはり御指摘のように、大学の多様性とかあるいは質の向上、こういったものをしっかりと果たすことによってその教育責任を果たしていくこと、これは大変重要なことであります。 ですから、大学審議会答申でも指摘してありますように、全体規模につきましては基本的には抑制的に対応しているところであります。そして、今後のその全体規模の在り方等を含めまして、今、中央教育審議会の方で御審議をいただいているところであります。この全体規模と併せて、質の保証についても、今、中教審において、国際的通用性も含めた質の保証の在り方、あるいは事前規制から事後チェックへの規制改革の流れ等々を踏まえたいろいろな議論が行われているところであります。新たな質の保証システムが検討されているところであります。このように、全体規模の在り方と質の保証をする、確保できるシステムの確立、この辺りをしっかりと両立していかなければいけないと思っております。 答申の方は、近々、七月末から八月初めごろにまとめられるというふうに聞いております。この答申を受けて適切に対応していきたいと考えております。
○有馬朗人君 入学定員につきまして、大学全体、国公私立全体について考えることは必要でございますが、私が大学審議会の副会長としての経験からは、入試にいたしましても定員にいたしましても、国公立大学と私立大学は別々の議論を積み上げなければならないと思います。建学の精神であるとか財政面で大きな違いがあるからであります。そこで、一括して議論するのではなく、やはりそれぞれの大学に対して少しきめ細かく御議論を賜りたいと思っております。 そこで、国立大学法人化に関係することになりますが、そのまず前に、国立大学で学生数に対する教員配置の予算基準というものはどのようなものになっているのでしょうか。もしお教えいただけることがあればお教えいただきたいと思います。
○副大臣(岸田文雄君) 現在、国立大学の学部、学科等につきましては、大学設置基準のほかに、予算措置上、入学定員及び自然科学系、人文社会科学系など、分野に応じて教員定数を算出するということになっております。 今、先生御質問の方は、学生数のお話でございまして、済みません。
○有馬朗人君 私が臨時定員のときの経験では、例えば二十人教養学部の学生を増やすと教員一人増やすというような、あるいは一講座何人の学生に対して教員を何人というふうなことが決まっていたと思うんです。その点をお聞きしたかったんですが、それはまた後ほどお聞かせください。 そこで、私の言いたいことの本意は次のようなことなんです。 ある国立大学では学生定員を減らしたいと、こういうふうに言っているところがあるんですね、学部の学生を。そこで、国立大学の法人化が実施されたときに、学生定員を変更するのは大学の自由なんでしょうか、増やすにしても減らすにしても。その際、学生定員を増やす、あるいは減らすとした場合に、国立大学で現在行われております教員配置の予算規模あるいは予算基準、それを適用しないで、仮に学生数は減らしても教員の数は減らさなくてもよいというふうなことが可能になるのでしょうか。この辺についてお伺いいたします。
○副大臣(岸田文雄君) 済みません。先ほどは失礼いたしました。 国立大学が法人化されたときに学生定数の在り方、変更が可能なのかという御質問ですが、三月に調査検討会議でまとめられた最終報告において、この定員につきましては、各大学・学部等の業務や教育条件を規定する基礎的な要素であるということから、運用費交付金等の算定の際の基本的な根拠となることから、あらかじめ中期計画に記載し、国の認可を得るという提言がされております。したがって、仮に法人化後国立大学において学生定員を変更しようとする場合には、この中期計画にあらかじめ記載して、これを文部科学大臣が認可するということになると存じます。 そして、それに対応して、教員の在り方でありますが、行政機関の職員の定員に関する法律等が適用されなくなるため、国による定員管理の対象外となり、大学の判断によりなされるものとなります。 ただ、これ人件費を含めて運営費交付金として措置されることになっています。大学の判断で教員の配置はなされるんですが、その運営費交付金の積算方法は、現在検討中ではありますが、やはり学生数を反映した形にならざるを得ないというふうに思っています。 ですから、学生数が教員の人件費を含めた経費、この運営費交付金に反映されることになりますので、影響はされるというふうに思いますが、ただ、国立大学というもの、やはり学術研究あるいは地域への貢献とか様々な役割が求められているわけでありますから、その辺りは教員の人件費措置においてやはり十分考慮する必要があるというふうに思っています。影響はあるものの、やはりそれがすべてではなくして、それ以外の国立大学の役割、これも勘案した上でその運営費交付金の積算もされるべきだというふうに考えております。
○有馬朗人君 ここで大学の質をどう保証していくかということについてお聞きいたしたいと思いましたが、先ほど副大臣お答えくださいましたので、これは省略をさせていただきます。 そこで、今回の帝京大学の入学金の不正な事件でございますが、大変心配でございます。特に、医学部や歯学部の入学試験の公正さをどう守るということが極めて重要な問題として起こっております。ちまたでは今回の事件のような話をよく聞きます。ほかの大学でも時々うわさ話を聞きます。文科省として、私学助成金の場合によっては停止なども含めて、こういう入学金にまつわる不正な事件に関しては厳正に対処していただきたいと思います。 そこで、帝京大学から出されました報告は信頼できるものでありましたでしょうか。それにどのように対処されるか、簡単にお聞かせいただければ幸いであります。
○副大臣(岸田文雄君) 帝京大学からの報告書、七月十五日を期限に書面にて報告書を求めていたところでありますが、十五日提出されました報告書、これにつきましては、まず基本的に、到底社会が納得するような徹底した調査というものにはほど遠いというふうに認識しております。 その内容、具体性においてもかなり期待していたものとはほど遠いというのが現状でありまして、報告書がこのような内容にとどまり、また、その報告書提出後に大学としての記者会見も行われないなど、公共性が高く社会的に責任を有する大学としての責任、これ十分果たしているとは到底思えないというふうに考えております。極めて遺憾な状況だというふうに認識しております。
○有馬朗人君 こういうことが起こりますのは、一つは、やはり高等教育への公的財政支援が弱いからだと私は思うわけであります。いつも同じことを申し上げますが、高等教育への公的財政的な支援をもっと根本的に改善していただき、それに従って私学助成も大幅に拡大していただきたいと私は思っているわけであります。 そこで、私学助成の仕方について御質問いたします。 我が国の学術研究、教育振興のためには、学生数によるものだけでなく、優れた私立大学への重点的支援が必要であると思います。私学助成の重点をそちらに移すべきと考えますが、いかがでしょうか。そして、どのような方策を実行されているでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) おっしゃるように、日本の高等教育の八割を担ってもらっております私学について、その優れたものを重点的に支援していくことは大変大事だと思っております。 それで、このような観点から、私立大学等経常費補助金におきましては、一つは、教職員数等に応じて補助する一般補助につきまして、形式的な配分ではなくて、大学等の努力に応じた傾斜配分を既にいたしております。それは、大学内での定員の水増しでありますとかあるいは教育条件なども勘案してということでございますし、また、むしろ特色ある教育研究の実施状況に応じて補助いたします特別補助を中心に最近では充実を図ってきているところでございます。 それから、特に平成十四年度からは新たに私立大学教育研究高度化推進特別補助を創設いたしまして、世界水準の私立大学づくりを目指すという観点から、意欲と可能性に富んだ私立大学への重点的支援を行うことにしているわけでございます。 また、私立大学におきます研究基盤、それから研究機能の強化を図りますために、先端的な研究プロジェクトを実施する優れた私立大学について、研究施設、装置、設備及び研究費に対する重点的な支援を行います私立大学学術研究高度化推進事業を平成八年度に創設いたしまして、年々その充実を図っているところでございます。 これは、平成十四年度では予算額百八十八億一千万円でございますが、そのように多様な工夫をしておりますし、もちろん、科研費等の競争的資金については、国公私を通じて優れたものに対しては行き渡るというふうな形で様々な工夫をしているところでございますが、先生がおっしゃいましたように、私立大学に対する補助、助成の在り方、更に充実をしていく必要があると私も考えております。
○有馬朗人君 ありがとうございました。 私のお願いが一つありまして、研究面で大変努力をする、そういうところに重点的に御支援賜ることはよろしいんですが、やはり教育という点でもひとつお考えいただきたいと思います。大変一生懸命教育を考えているところがあると思いますので、その点よろしくお願いいたします。そしてまた、金額を増やすということが必要であろうかと思います。 話題が大きく変わりますが、科学技術基本計画の第二次五か年計画二十四兆円のうち一・六兆円が国立大学の新設、老朽施設の改善等々に用いられることになり、私は心から喜んでおります。もっとも、私は一・六兆は少な過ぎるなと思っておりまして、せめて三兆円欲しかったのですが。 そのことはともかくといたしまして、御質問申し上げたいことは、国立大学が法人化されてもこの一・六兆円、これに基づく文教施設費は使えるのでしょうか。
○政府参考人(小田島章君) お答えをいたします。 国立大学の施設整備につきましては、昨年の三月、閣議決定されました科学技術基本計画を受けて策定しました国立大学の施設緊急整備五か年計画に基づいて施設の重点的、計画的な整備に努めているところでございます。 本計画の着実な実施に向けまして、平成十四年度、計画の二年目になりますけれども、も含めまして、これまで整備量としまして二百三十万平米、事業費にしまして七千九百十九億円の整備を行ってきているところでございます。 国立大学法人に移行した後の施設整備につきましては、去る三月二十六日にまとめられました調査検討会議の最終報告におきましても、国は大学全体の施設整備計画の策定及び実施などの業務を行うというふうにされておりますので、文部科学省としましては、引き続き、まずは五か年計画の着実な実施、施設の重点的、計画的な整備に努めてまいりたいと思っております。
○有馬朗人君 国立大学の法人化が大きく動いております。先ほどもお願いいたしましたが、各大学が自主的に判断し、最善の道を取れるように文部科学省が御援助していただきたいと思います。できるだけボトムアップで進んでいただきたい。これが先ほども申しました旧文部省の優れた伝統でございました。時間は掛かるかもしれません。でも、性急にトップダウン方式を取ることは、基礎学術の研究や教育の拠点の大学の将来のためには不向きの面が多いと思います。 日本の国公私立の大学、私は極めて努力をしていると思うんです。このように厳しい経済情勢の下で必死の努力を続けていると思います。まだまだ十分とは申しませんが、基礎的科学や技術の教育や研究で大いに活躍をしています。こういう事実をちゃんとお調べにならないで、世界で最低だなんというふうなことがよく新聞に出てくることを私は大変残念に思っています。 文科省におかれましては、国公私立の大学がいかに努力をしているか、いかなる成果を上げているかということについて、十分御理解を賜りたいと思っております。 そこで、このような点につきまして、日本の大学の優れているところを御評価いただきたいと思いますし、そしてまた、今後どうしていったらいいか、この辺のことにつきまして大臣のお考えをお聞きいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 有馬委員御指摘のとおりでございまして、日本における知の拠点としての大学の重要性というのはもう言うまでもないわけでございますが、各大学においては、それぞれの立場において努力が続けられていると思います。ただ、文部科学省もそうでございますが、大学自らも、自らの努力についてオープンに情報公開をしたり自己評価というものをきちっとやったり、それから、できれば第三者評価もきちっとやれるような国情になって、そしてあのような国際的な屈辱的な調査結果が行き渡るようなことのないようにやるべきだと思いますし、私もまた日本の大学における教育研究についての潜在的な力というのは十分あろうかと思っております。 私どもといたしましては、高等教育の重要性にかんがみまして、今後とも、法人化も一つの契機にしながら、これまで九〇年代からやってまいりました大学改革というのを十分にバックアップするその姿勢を崩さず、大学の自律性、自主性というものを尊重しながら、日本の知の拠点が更に伸びていくように力を尽くしたいと考えております。
○有馬朗人君 ちょうど十時五十二分になりましたので、終わります。 どうもありがとうございました。
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。 先ほども有馬先生から大学の質に関する御質疑がございまして、大変に私も勉強させていただきました。 大学の質という問題でございますが、それの私は非常に重要なポイントは、やっぱり入学者選抜の公正の確保ということだというふうに思います。この入口のところがきちっと行われなければ、いかにその後、私も、有馬先生始め大変に大学でお世話になりましたけれども、先生方に心のこもった、真心のこもった教育を本当にやっていただいていると思いますし、私も私立大学で教鞭を執らせていただいておりましたが、そうしたことが無駄になるといいますか、かいがないといいますか、というふうなことを本当に痛感をいたします。 そういう意味で私は、今日いただきましたお時間を、日本の国の入学者選抜の公正確保という観点から大臣始め皆様方に質問をさせていただきたいと思います。 この入学者選抜の公正確保という問題は、単に大学の質のみならず、私は日本の二十一世紀の社会の質を規定をするんじゃないかというふうに思います。今、恐らく日本にとって一番重要なことは、努力と能力がきちっと報われる社会をもう一回作り直すということだというふうに思いますし、戦後、日本は一生懸命頑張って、一生懸命勉強して、そのことがきちっと認められる社会でかなりあったと思います。 でありますからこれだけの活力に満ちた国だったんだと思いますが、この十年間そうしたことが損なわれていくとともに、この国の活力というものも損なわれ始めているんではないかという意味で、最近マスコミあるいは国会等で大変に話題、重大な問題として取り上げられております帝京大学の、しかも医学部でございますから、医学部は、先ほどの活力という問題に加えまして、今、日本の国民の皆様方が感じておられるいろんな不安、特に生命の不安ということがまた多くの大学関連病院でも起こっておりますけれども、そうした我々の一番大事な命を預かるお医者さんを正に育て、そして社会に送り出していくその本、根っこになる医学部の入学者選抜のことでございますから、いろんな意味でこれはこの国にとって極めて重要な問題だというふうに私は思っているわけでございまして、そうした観点から今日の質疑を始めさせていただきたいと思います。 まず冒頭に、先日の参議院の厚生労働委員会で明らかになりましたけれども、宮路厚生労働副大臣、前副大臣のいわゆる帝京大学医学部に対する口利きについて私は御質問をさせていただきたいと思います。 国会の質疑によりますと、宮路副大臣の政策秘書が今年一月三十一日に帝京大学の総長秘書室に電話をされて、後援者の御親族の方の受験番号を至急御連絡くださいとの指示を受け、ナンバー照会の上回答をすると。そして、その受験生の方は、この一月三十一日にそうしたやり取りがあって、二月四日、五日に行われた同大学の医学部の入試を受験し合格をされたというふうなことが国会の質疑の中で明らかになっておりますが、まず、大臣にお伺いをしたいのでございますけれども、こうした、まず、宮路副大臣の行動についてどうした御所見を持っておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 入学試験の実施による入学者選抜につきましては、公正かつ妥当な方法で実施することが原則でございまして、その原則は貫かれなければいけないと思います。 宮路議員がどのような形でかかわられましたかは、これは私のコメントするところでございませんし、その意味で、そのことについての更に深いコメントということはなすべきでないと思いますが、先ほど申したような、大学行政を預かる者としまして、その公正さが保たれるように、これは国民すべての者がそういう精神で大学とのかかわりについて厳正でありたいというふうに思っているところでございます。
○鈴木寛君 これは、宮路副大臣、国会での御質疑の中での御発言でございますから、大学行政を預かられる最高責任者として、文部科学大臣には、やはりこうした一連の行動について、コメントを差し控えるということではなくて、やはりきちっとした御答弁をいただきたいと思います。 さらに、宮路副大臣はこの質疑の中で、入試をめぐって、事前に受験番号を教えてください、じゃ連絡しましょうというようなことは、しょっちゅうというわけではないが往々にしてあるというような、これも国会での御質疑がございます。こうした宮路副大臣の御認識について、文部大臣は共有されるのか、それともそうでないのかということについて併せお伺いをしたいと思うわけでありますが。 もう一つ、七月十五日に帝京大学側からいろいろな調査報告書をお受けになったというふうに聞いております。それも先ほどの副大臣の御答弁、有馬先生への御答弁の中でありましたが、その席でこの宮路副大臣のいわゆる口利きの問題についてはお尋ねになったのか、お調べになったのか、そして、その御回答はどういうことだったのかということについても併せお答えをいただければと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 先般の七月十五日のヒアリング、大臣立ち会っていらっしゃいませんので私の方から御答弁させていただきますが、調査報告をいただいたんでございますが、その際、今のようなお話が新聞紙上等でありましたものですから私どももお尋ね申し上げました。そうしたところ、先方の方からは、宮路副大臣又はその秘書の方から、医学部の入学に関しまして、総長のみならずその秘書あるいはその他の幹部の方々を含めて、電話を直接お受けしたり、あるいは総長側から電話をお掛けしたことはありませんということでございました。 前段の先生のお尋ねでございますが、一番大事なことは、確かに冒頭、先生がおっしゃいましたように、それぞれの大学の見識の問題ではありますが、入試の公正確保が図られるということであろうかと思います。 私自身、子を持つ親としまして、受験生を持つ親御さんがわらにもすがる思いで親類縁者あるいは友人、知人を頼っていろんな可能性を探るというのは推測に難くはないのでございますけれども、一番大事なのは、それを受け止めるといいますか、それぞれの大学が毅然として、合格に至る、せっかく受験生が長い時間掛けて勉強しながら受けられたわけでございますので、その受験生の気持ちを受け止めて、公明正大な、しかも厳格な入試判定の下にしっかりした入試選抜をするということが大事なことであろうかと思うわけでございまして、一々のどなたからどういう話があったかというのは、なかなか私ども役所の立場で関与したりどうこうしたりというのはちょっと申し上げにくいところがあろうかと思うわけでございます。
○鈴木寛君 先ほども申し上げましたけれども、この入試の公正の確保というのは、本当にこの国の信頼を取り戻すという意味で極めて重要な問題だと私は思っております。恐らく与野党を問わず、特にこの文教科学委員会に所属しておられる委員の皆様方、同じ思いだと思いますが、その中で、さらに、副大臣という要職におありになる方が、まずはこの公正さについて十分な御認識がないと私は言わざるを得ないと思います。 こうしたことはしょっちゅうあることだと平然と国会の席で御答弁をされるというのは、もうこれは本当、言語道断という言葉がありますが、正に言語道断だと私は思うわけでございまして、私は、先ほどの遠山文部大臣あるいは工藤局長から、工藤局長のお立場でそれ以上申し上げられないというのは多少は御同情は申し上げますけれども、少なくともその最高責任者である大臣からその発言について何らのコメントがなされないということは私はやっぱり問題ではないかというふうに思いますので、再度、こうしたことは往々にしてあるというこの認識について遠山文部大臣はどう思っておられるのかということについて、そこだけはきちっと御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 私は直接宮路議員から伺ったわけではございませんので、軽々にそのことについて言えないという意味でコメントを差し控えているところでありますけれども、先ほど申しましたような信念を持っておりまして、大学入試というものは公正さというのが一番大事でございますので、その意味において私は、国会議員、特に要職にある者は良識を持ってこういう事案については対処すべきだと考えておりまして、宮路議員がおっしゃったようなことは大変残念だと思います。
○鈴木寛君 私が申し上げているのは、国会の席での正式な議事録にきちっとある話でございますので、その認識を是非共有をさせていただきたいと思います。 先ほど工藤局長からの御答弁で明らかになりましたように、宮路副大臣がこの国会の席でおっしゃっている事実と、それから工藤局長が十五日、帝京大学側から御聴取をされた事実とが、これ食い違っているわけですね、今の御答弁からいたしますと。行政ではこれ以上踏み込んで立ち入ることは難しいと、こういう御発言がございました。 であれば、ちょっと委員長にお願いをしたいわけでございますが、行政が難しいんであれば、国権の最高機関であります我々国会が、正にこの事実関係をきちっと調査をさせていただいて、明らかにさせていただいて、まず国民の皆様方に明らかにする。そして、こうした問題をどのように厳正に対応していくのかということを議論をする。そして、再発を防止をするということが私は筋だと思います。 その第一段階、大前提段階として、帝京大学のこの入試の公正さにかかわる、いわゆる寄附金からの影響があるのか、あるいは政治家からの影響があるのかといったことについて、冲永荘一氏を始めといたします帝京大学の関係者、そして正にこの口利きの当事者であります宮路前厚生労働副大臣を参考人としてこの委員会で、この委員会で、正に我が国の入学試験制度の公正の回復という観点から、招致をされて、我々が調査をさせていただくことを御検討いただくことをお願いを申し上げたいと思います。
○委員長(橋本聖子君) ただいま鈴木委員からの御発言に対しまして、その取扱いにつきましては、また後刻理事会で協議させていただきたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。
○鈴木寛君 それでは、そのようにお願いをしたいと思います。 では、七月十五日の帝京大学から報告された報告の概要について、先ほども有馬先生からのお話でございましたけれども、お時間の関係上、十分な、要するに中身についてもう少し詳しく、入試の公正が確保されたのかどうかという観点から内容を御紹介をいただけたら有り難いと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(工藤智規君) 十五日の夕刻、帝京大学側から、これまでの調査結果のまとめで報告書をいただきました。それと、入試の公正確保という観点からはこれまでもたびたび事情聴取してございますので、それも併せて今の入試の部分について加えながら申し上げますと、一つには、入学者選抜の実施というのは公平公正に行われておりましたと、それはちゃんと教授会で合否判定をして、点数の高い順にここまで合格にしましょうという合意形成がなされてやっておりますということでございます。しかも、その後の、合格者名簿といいましょうか、その後のプロセスも通じまして情報についても機密防止が図られていたというのが大学側の御主張でございます。 それから、残念なことに、国税の調査などもありまして、それを経て明らかになったのでございますけれども、大学側も医学部の入学手続の終了前に寄附金の授受が一部あったと。それは入学者総数の約一割で、過去五年の総数でございますけれども、過去五年間の一割に及ぶぐらいの不適切な寄附金の授受があったということ、それは事務局長の責任と判断で行われていたということでございました。 これまで、調査委員会等として、医学部の入学者、私どもかねがね要請したわけなんでございますが、大学学内だけではなくて、寄附をしたとされるその父母の方々にも是非調査をお願いしたいとしていたわけでございますが、医学部入学者の父母の方々への聞き取り調査の結果、父母の方々からは、大学から事前に寄附の申込みというそういう要請はなかったという御回答。ただ、いつごろ寄附したかということについては若干御回答された方によって違うとか、あるいは入学に関する紹介者がいたかいなかったかということについては、いなかったという方と、ノーコメントを貫かれた方とがいらっしゃるということなどがございました。 それから、今回また脱税で問題になっております総長の御親族である方については、これまでずっと連絡は取れないということだったのでございますが、やっと七月初めに連絡取れて、電話でのやり取りだったそうでございますけれども、事情を聴こうとしたところ、帝京大学から離れた身でもあるので今更何も話したくないという旨で、それ以上のことが明らかにならなかったということなどでございました。 さらに、今回のこういうこともありまして、大学側としては、今後、三点ほどの改善方策を検討しておると。一つには、寄附金の受入れについて私どもの通知等を厳重に遵守して適切を期していきたいということ。二つは、医学部の入試で合格決定日から合格発表日の間、約一週間ぐらい空いているのでございますが、この期間をできるだけ短くして疑惑のないようにするということ。三つ目には、自己点検を更に強化し、また外部の方の評価も受けて、公正で透明性のある学校運営に努めてまいりたいということでございました。
○鈴木寛君 そうした報告書の内容あるいは報告の中身について、先ほど岸田副大臣は不十分である、あるいは信頼に欠くという一般的な評価はいただきましたが、文部省としてどういった点が報告、要するに文部省が期待されたことに比べて不十分であるかということと、その今不十分な報告に対して文部省は更にどういったアクションを取るおつもりであるかということについてお話をいただければと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 先ほどのような、ごく概要でかいつまんで申し上げて恐縮でございましたが、先ほどお聞き及びいただきましたのでもお分かりのように、私ども、もっと詳細な報告書を期待しておりました。 残念ながら、例えば幾つか申し上げますと、入試について合格決定後の情報管理体制、本当に十分だったのかどうか。情報機密はなかったと言っているわけでございますが、他方で新聞等で報じられていますように親族の方があっせんに当たって寄附金を私して脱税問題で挙げられているということもあるわけでございますので、本当に情報を徹底したかということがあります。 それから、寄附金の受入れにつきまして、新聞等では七年間で約百五十億の寄附金があったと報じられているわけでございますが、私どもにお話がありましたのは五年間で入学者総数の約一割ということでございまして、年度ごとの件数あるいは金額についてはお話がございませんでした。 さらに、医学部だけについての調査報告書でございまして、他の学部も含めた大学全体として本当にあとは大丈夫なのかということについても疑念が残るなどを含めまして、裏付けとなる資料も不十分でございますし、私ども、到底このままでは、はい分かりましたと言える状況ではないわけでございまして、このため大臣も閣議後の会見で求められましてお話ししていますように、できるだけ早い機会に現地調査を含めて、専門家の方の御協力を仰いで、現地調査を含めて更に精緻な実態解明に努めてまいりたいと思っております。
○鈴木寛君 できるだけ早くといいますか、かつ詳細な、立入調査も含めた徹底したまず実態の把握と原因の解明に努めていただきたいというふうに思います。 それで、文部科学省は正に昭和五十六年の通知をお出しになっているわけでありますが、これに照らしてどういう疑義があるというふうに整理をされているのか。もちろんそのことが今まだグレーなわけでありますけれども、しかし今度立入調査をしていく、実地調査をしていくという中で、どこの点を見ていくのかということなわけでありますけれども、私、是非お答えをいただきたいのは、昭和五十六年に通知が出ているわけですね。この通知自体は重要な通知で、これがすべての大学できちっと守らなければいけないということでありますが、今前半に御質問したように、この通知違反がある蓋然性が極めて高いと、こういうことであります。しかも、七年間にわたってこの通知が違反状態にあったわけですね、あったことが相当蓋然性が高いわけですね。どうして七年もの間その通知違反の状態が放置をされてしまったのか、残念ながら。それはどのように認識をしておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 大変残念なことでございます。 五十六年、約二十年ほど前の通知でございますが、これは昭和四十年代、大変このように入試、特に医学部、歯学部の入試に絡みまして寄附金収受の事例が社会的な問題にもなりまして、私ども、度重なる通知で各大学を指導してきたのでございます。この五十六年を最後にして、その後落ち着いてきたかなと思っていたわけなのでございますが、今回このように思いも寄らぬといいますか、学校法人に直接ではなくて別の財団法人を経由して、かつ、私ども、経理面で事細かな寄附者の一件一件の事実まで確認するようなことを今までしていなかったわけでございますが、そういう盲点を突きながら実はこういうことがあったというのは、愕然としながら大変残念に思っているところでございます。 どうしてこうなったか、私どもの、おまえらの努力が足りないんではないかとおしかりを受けるのかもしれませんが、私どもなりに、例えば私学助成を交付している法人につきましては会計検査院の検査対象でもありますし、補助金を交付しております私学振興・共済事業団の方からも立入調査などをしているわけなのでございますが、なかなか盲点になってここまでの事実が明らかにならなかったのは大変申し訳なく残念であったと思っております。
○鈴木寛君 帝京大学は、平成十三年に理工学部の航空宇宙学科の新設をされていると思います。こうした大学の学科新設に当たっては、学校法人運営調査などを最大限活用しながら、大学の財務状況、経理状況、業務の執行状況などについてかなり詳細にチェックをされて、きちっと新設認可をされているというふうに聞いているわけでありますが、平成十三年に恐らく文部科学省はそれを行われた上できちっと新設をされていると思うんですけれども、そのときの調査などでもこのことは見抜けなかったのでしょうか。そして、それはなぜなんでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 大学等の設置に係る学校法人の寄附行為変更の認可申請という行為があるわけでございますが、これに当たりましていろいろな会計書類を御提出いただきます。その書類としまして、公認会計士が監査した財産目録でございますとか、申請の前年度までの、前年度の収支決算書でございますとかいろいろあるのでございますけれども、申請時に提出される前年度の収支決算書等でその年度の寄附金収入などの項目があるわけでございますが、それは総額は確認できるのでございますが、個々具体にどなたからどういう形でいつ入金したかということまではなかなか調べる処理になっていないのでございます。 私ども、当該収支決算書について公認会計士が会計監査をしていることもあるわけでございまして、その結果不適切な事例が指摘されていないということから、わざわざ個々具体のことまではなかなか立ち入りにくい。しかも、事務的にもそれぞれの大学、大変に膨大な数の多い申請があるわけでございますが、個々の寄附者の個別の件数までとなりますと、書類自体も大変でございますし、それを審査する私どもの体制もなかなか追い付かないというか、そこまで忙殺するいとまもないぐらい忙しいものですから、現実にはなかなか困難な状況でございまして、今後どういうむしろ改善策が取れるか、今回の事実解明を待ちまして、いろいろな検討をしてまいりたいと思っております。
○鈴木寛君 今日は会計検査院にもお越しをいただいております。御苦労さまでございます。 文部科学省によるそうした厳正な実態把握ということ、重要なわけでありますけれども、そのことが残念ながら今回の事件を発見することができなかったということなわけでありますけれども、我々は会計検査院に大変に国の税金の正しい執行の在り方、その確保という意味で期待をしているわけでありますけれども、帝京大学には多額な補助金、私立大学等経常費補助金など、年間、グループ全体を足しますと五十億にも上る税金が交付をされております。 その補助金の私立大学等経常費補助金取扱要領によりますと、第三条の(5)というところに「入学に関する寄附金の収受等により入学者選抜の公正が害されたと認められるもの」、これは補助の対象から外すと、こういうことになっておりまして、正に会計検査院はこうした取扱要領に基づいて、裏を返しますと、その入学者選抜の公正がきちっと確保されているということを検査され、確認をされるという任務を負っておられると思いますが、まず、会計検査院がこの帝京大学に対して、いつ、どのような検査を行ったのか。そして、にもかかわらず、今申し上げた入学者選抜の公正が害されている可能性が非常に濃厚なわけでありますが、そのことについて発見をすることがどうしてできなかったのかについて御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(重松博之君) お答えいたします。 検査院は、院法に基づきまして、私立大学等経常費補助金を対象といたしましてその経理について検査をしているわけでございますが、その一環として、直近では、平成元年、十年、十一年に学校法人帝京大学を検査しております。そして、元年の検査におきまして、補助金の対象とはならない専任教員等が含まれていたということで指摘をしているところでございます。 そして、どうして見抜けなかったかということでございますが、今問題となっております寄附金収入それ自体は、学校法人会計基準上では補助金の算定要素でございます授業料収入等の学生納付金収入には含まれないということになっておりまして、別の科目で整理されているということが一つございます。 それから、ただいまお話しございました入試に関する寄附金の授受等が公正であったかどうかということでございますが、これについては、私どもといたしましては、まず当局において大学の公正な管理運営の観点から判断されるべきものであろうかというふうに思っております。 現在、文部科学省においてその点において厳しく調査されるというふうに伺っておりますので、本院としても当面これを重大な関心を持って見守っているというところでございます。 その上で、今後、この補助金に関しまして検査の必要がございますれば、学校法人帝京大学を実地に検査するということもあり得るものというふうに考えているところでございます。
○鈴木寛君 今、必要に応じ更にきちっと検査をしていただけるという御答弁がありましたので安心をしたわけでありますが、若干、昨日の会計検査院からのお話だと、今年の検査計画はもう決まっているんでなかなか臨機応変にやれないんだということがあったんで、そのことをちょっと心配しておったわけでありますが、この問題は国民に大変に重大な、日本にとって重大な問題でありますから、文部省と連携して実態の究明、検査の適正化ということに是非努めていただきたいと思います。 それで、もう一度文部科学省にお伺いをいたしますけれども、先ほども検査院のお話の中にも少しありましたが、このいわゆる寄附金が帝京大学自体じゃなくて、帝京育英財団ですかね、に実態上行っていたということなので、文部科学省もあるいは会計検査院もその分については把握できなかった、把握しづらかったと、こういうことだと思います。特に会計検査院はそこまで見る権限がないと、こういうことだと思います。法理論上は、検査院の御答弁については致し方ないかなとも思うわけでありますが。 もう一度この五十六年通達に戻りますと、その一番最後に、入学者又はその父母等関係者からの大学の教育研究に直接、要するに充てるための寄附金及び学校債を募集する場合には、後援会等によらず、すべての学校法人が直接処理することという通達がありますね。ということは、今回、帝京大学がいわゆる迂回ルートでこの帝京育英財団をそうした寄附に使っていたということになると、明白にこの通知の一番最後の条項に違反すると思うんですが、そのことについてはそれでいいのかどうかということですね。 それと、であれば、やっぱり通知がきちっと実行されるかどうかについて、ちょっと言葉は悪いですけれども出しっ放しと、要するにこの通知のフォローアップはどうしていたんですかということをやっぱりお伺いをせざるを得ないわけでありますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 通知の趣旨からして、一つには入学手続以前に寄附金を収受していたという点、それから今お話がありましたように直接でない形での収受であった点、これは通知で私ども申し上げたことに明らかに違反することであろうと思ってございます。 今まで放置していたのかというのは大変心外ではございますが、私ども毎年国公私の大学すべてに通知を発しておりまして、入試の公正な確保というのはもう口を酸っぱくして言っているところなんでございます。一片の通知だけではなくて、いろんな会議でも言っているわけでございますし、大変残念なことだったと思ってございます。 先般、学校法人運営調査委員の方々の会議で意見を伺ったのでございますが、やはりもう一歩踏み込んだ指導が場合によっては必要かもしれないなと。例えば、各大学が、自分のところはそういう変なことをしていませんよというのであれば、募集要項の中に、もしだれかからそういう話があれば言ってくれと、そうするとうちじゃない話なんで、もう公明正大にうちでは入試手続終了前にはそういうことしていませんというのを明示してもらうとか、幾つかの改善策などの御示唆もいただいてございますので、今回の全貌が明らかになった段階で、更に大臣、副大臣等とも御相談しながら、指導の徹底に努めてまいりたいと思っております。
○鈴木寛君 是非、どういったまず実態解明をするのか、そのことは国会に是非きちっと報告を継続をしていただきたいと思いますし、それから正にこうしたチェック体制、公正の確保というものをどのように国会全体として作り上げていくか、政府全体として作り上げていくかについては、我々も引き続き議論をさせていただきたいと思います。 世の中に、私立大学は適当に建学の精神に基づいて入学者選考をやったらいいじゃないかという風潮があること、これに対しては、私はもちろん建学の精神に従って個性あるいろいろな入学者を入れるということはこれは当然だと思います。しかし、事我々の貴重な税金であります私立大学経常費補助金が入っている瞬間に、これはやはり何でもかんでも自由に入学者を入れたらいいということには全くならないということと、それからもう一つは、例えば医師免許とかあるいは教員免許というのは、大学でのそうした学士を取っている、あるいは修士を取っているということが非常に職業の自由の制限を解除するという極めて重要な免許制度の根幹に大学制度があって、そしてその大学制度の一翼を私立大学が担っているわけでありますから、そういう観点からどう考えてもやっぱり公器だと思うんです。 そうした公器にどういう人材を入れるかどうかということは、これは本当に社会のいろんな制度の根幹にある話でありますから、是非そうした観点から確実に実効のある入学者選抜の公正確保ということについて引き続き検討をしていただきたいと思いますし、ただもう一つ併せてお願いをしたいのは、こうしたいわゆる社会的な問題が起こりますと、お役所といいますのは焼け太る傾向がございまして、決して焼け太る方向での規制強化につながらないようにしていただきたいということも併せお願いを申し上げたいと思います。 その際に私が御提案を申し上げたいのは、パブリックプレッシャー、要するに社会全体がこの社会にとって極めて重要な、特に二十一世紀の本当に重要な社会主体になるであろう、なるべきである大学について、文部省ももちろんその一員ではあると思いますけれども、文部省のみならず、本当に世の中全体でこうした公正が確保されるように、そういうシステム作りといいますか制度作りということを十分に念頭に置いて新しい公正確保策というのも講じていただきたいと。決して私学の健全な精神の、自由濶達な私学運営ということが焼け太りによってそがれることもないように工夫をしていただきたいと思います。 最後に、こうした一連の入学者選抜の公正確保について今後文部省としてどのような具体的な制度的な改革をされていく御予定か、先ほどのパブリックプレッシャーも利用した、あるいは第三者機関の活用などもそういったメニューの中に入ってくるんだと思いますけれども、その中身とスケジュールについての方針をお答えをいただきたいと思います。
○副大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、大学の入学者選抜に当たってその本人の資質とか能力以外の要素で結果が左右されるということ、これは大学の信頼性あるいは公正性を疑わしめるものとして厳にあってはならないものだと認識しております。 そのために、この入学選抜の方法、スケジュールあるいはその判定方法等の仕組み等についてもいろいろ検討していかなければいけないと考えますし、あるいは大学の財務状況を始め、情報の公開、透明性を高めるというようなことも考えなければいけない。こういった点を今回、帝京大学に対してこれから厳しくまた調査を進めていきたいと思っておりますが、その中で問題点をしっかりと把握をして、どういった具体的なポイントがあるのかしっかりと整理をしていきたいというふうに思っております。その上でその調査結果を生かしていくということがまず重要だと考えております。 そして、さらに今回一部の外部からの圧力とか、そういったことによって公正さが損なわれたのではないかという疑いが出ております。この部分に関しましては、最後は私立大学、大学当局者の認識とか対応がこれは大変重要になってくると思っております。これに対しては、やはり今、先生が御指摘になられたように、こうしたことにかかわることがいかに社会的評価においてマイナスになるのか、この辺の認識が重要だというふうに思っておりますので、まずは今回の件で文部科学省としてもしっかりと厳正に対処する、そのことをまずしっかりと周知することが大切だというふうに思っておりますし、そのことが社会においてこういった事件に対する共通の認識を得ることになるのでありましょうし、そしてその認識の下に関係者がしっかりとした体制を内部にも作っていくということが肝要だというふうに思っております。 いずれにしましても、外部の制度、内部の認識等も含めまして、社会全体でこの問題に取り組んでいくということ、大変重要な指摘だというふうに認識しております。
○鈴木寛君 終わります。
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。 私は、今日は大きくは四点にわたって質問を用意しているんですけれども、その前に今同僚の鈴木議員がやりました帝京大学の問題について、私自身も、今回の問題は人間の生命にかかわるお医者さんを養成するその大学での不正ということで、大変に国民全体にも大きな衝撃を与えたのではないかと思っております。 元々、私立大学の許認可、それからその管理運営の監督、また法に基づいての私学助成といったようなことについては文部科学省としては大きな責任があるわけですけれども、なぜこのような不正がまかり通ってきたのか、そのことの原因究明を文部科学省の監督責任も含めてやらなければいけないんではないかというふうに私も思いながら今聞いていたわけですけれども、冒頭、遠山大臣が、宮路議員の発言に対して、直接聞いていないのでノーコメントだというような、それについてはちょっと私も正直びっくりいたしました。 やっぱりこの問題については、文部科学省がきちっと原因究明をやっていかない限り解決できない問題、再発防止できない問題だというふうに思っておりますが、これは一つ帝京大学だけの問題ではなくて、宮路議員がおっしゃったように、それこそ往々にしてあることだ、もうこれはそういう問題であるということを彼は図らずもというか正直にといいますかおっしゃったわけで、それについて私は大臣としてきちっと対応をなさるべきではないかということを思いましたので、これは質問とは直接関係ないんですけれども、まず冒頭申し上げたいと思います。 さて、質問についてですけれども、まず学校施設の耐震化について、この問題については私はもうずっとこの間こればかりやっていると言ってもいいんですけれども、この学校施設の老朽化対策と耐震化の必要性ということについてです。 言うまでもなく、繰り返し申し上げてきましたが、学校施設は子供にとって一日の大半を過ごすという大事な場であると同時に、また災害時においては、阪神・淡路大震災のときの、皆さんもう本当に御承知のように学校は避難場所として大きな役割を担ってきたし、あの場合も果たしてきた場でもあります。 その学校施設について、今年の四月発表されました消防庁の防災拠点となる公立施設等の耐震化推進検討報告でも現状が指摘されておりますし、さらに先日、七月一日でしたか、内閣府が発表しました全国調査である地震防災施設の整備状況に関する調査でも、一九八一年、新耐震設計基準が施行されるそれ以前に建てられたもので耐震診断がなされていない、あるいは耐震診断したけれども要改修というふうに診断された、その中で未改修のもの、合わせると学校校舎の約五四%が耐震性に疑問ありというふうに報告がなされております。 私は昨年からこの問題は言ってきていたんですけれども、こういう消防庁や内閣府の調査ということで出されてきて、私は地域の防災拠点としての学校に注目がなされてきたというふうに思っております。そこが子供たちにとっても安心、安全に学べる場所になっていない、この学校施設の耐震性の確保というのは今非常に喫緊の課題であるというふうに認識しております。 遠山大臣も、経済財政諮問会議で、学校施設リバイバルプランということで施設の耐震化の必要性を訴えられたというふうに聞いております。この公立学校施設の耐震化の促進ということで、もう何としてもこれは進めなければいけないというふうに大臣も共通の認識をお持ちだと思います。 耐震化推進のために、まず私は、一九八一年以前に建てられたすべての耐震診断をしていない学校については即もう早急に実施すべきだというふうに考えております。 そのためには、文部科学省の方としても、今調査中だとお聞きしておりますが、公立小中学校施設の耐震化の状況調査を七月一杯ぐらいにはまとめられるというふうにお聞きしておりますが、実施率、調査結果が出ましたら是非公表していただきたいというふうに思うんですが、この耐震化促進ということについて、まず大臣の御認識とその方法についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 公立学校施設につきましては、今お話しのように、児童生徒などの安全を確保しますとともに、非常災害時におきましては地域の住民の方々にとりましても応急避難場所として大変重要な役割を果たすところでございます。そのために、耐震性能をきっちり持つということは大変重要な課題だと私も認識しております。先生御指摘のとおり、学校施設の耐震化推進のためには、その前提として各学校ごとに必要な耐震診断を行って耐震性能を確認することが非常に重要でございます。 先般公表されました消防庁などの報告書によりますと、公立小中学校の耐震診断の実施率が三割程度ということでございます。このような状況は放置するわけにまいりませんので、私どもの省といたしましては、現在、公立学校施設の耐震診断状況等についての実態把握のための調査を行っているところであります。その結果の公表の仕方についても、御指摘の点を踏まえて検討してまいりたいと思っておりますし、現在、大変厳しい財政状況ではございますが、この点につきましては私どもも大変重要な課題と考えておりまして、今後とも必要な予算額の確保など耐震化の推進に努めてまいりたいという所存でございます。
○神本美恵子君 ありがとうございました。 都道府県単位に私は是非その実施率の状況を公表したらいいんではないかと思いますが、一方で、そういうどこの県は耐震診断が遅れているというふうなことが出ますと、自治体としては、それはやりたいけれども財政措置がなかなかというところが正直なところではないかと思います。 そこで、総務省に次はお伺いしたいんですけれども、この耐震診断、耐震補強の事業を推進するために、各自治体は大変やっぱり、その経費に関する財政措置が欲しいという要望が私の方にも来ておりますし、財政措置を充実してほしいというふうに思っているんではないかと思います。 それで、聞いてみますと、過去一九九三年から九九年までの間、七年間、普通交付税によって地方自治体に措置がなされていたというふうにお聞きしております。それは一応今、九九年で打ち切られているわけですけれども、それにもかかわらず、今回の消防庁の調査結果などを見ますと未実施の公共施設が依然としてあるというふうなことで、今後、公立学校等の耐震化を促進するためには、改めて耐震診断費、その補強、補修の費用は別としまして、まずは耐震診断費について各公共団体への財源措置が必要であり、例えば特別交付税等の何らかの財政措置を行うべきであるというふうに私は考えますけれども、総務省のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(林省吾君) お答えを申し上げます。 御指摘のように、文教施設の耐震診断と耐震化は大変重要な課題であると私どもも認識をいたしております。そのため、過去におきましても、先ほど御指摘ございましたように、普通交付税におきまして全国的な財政需要ということで一部措置をしておったわけでありますが、阪神・淡路大震災での建築物の倒壊の実情等を踏まえまして、各地方団体におきまして耐震診断の早急な実施が必要であると、こういうふうに認識をいたしまして、平成八年度から十一年度までの間、それまでの普通交付税の措置を大幅に拡充をいたしたところであります。大体、当時の文部省とも御相談を申し上げまして、一施設当たりの診断経費が約十万円程度と、こういうこともお聞きをいたしました。それを基に、それぞれの団体で耐震診断が実施できるよう、耐震診断が必要な施設については診断が実施できるよう所要の経費をその時点で措置をさせていただいたところであります。 また、その後におきましても、文部科学省におかれましては、耐震化のための改築事業と一体のものとして耐震診断費も国庫補助の対象にしておられると、こういうふうにお聞きをしておりまして、必要な対策が実施できるよう関係省庁に要請をしてまいりたいと考えております。 なお、総務省といたしましても、耐震診断の促進あるいは事業の促進は大変重要な課題であると考えておりますので、その促進を地方公共団体に働き掛けるなど、関係省庁とともに必要と考えられる措置を検討してまいりたいと、こう考えております。
○神本美恵子君 耐震化促進についての認識は共有していただいたということで、それは有り難いんですけれども、私は、やっぱり各自治体が、必要性は分かっているけれども予算が回らないというような理由で先送りされているというふうにも聞いておりますので、改めて、やはり特別交付税というようなそういった形ででも財政措置を行うべきであるというふうに考えておりますので、今後の検討のときには是非その点よろしくお願いしたいと思います。 次に、内閣府に同じ問題でお伺いしたいんですけれども、七月四日に中央防災会議地震対策専門調査会が開かれて、その中でも五四%程度の学校施設に耐震性に疑問があるということが報告なされているというふうに聞いております。繰り返しますけれども、この学校施設が防災計画上避難場所として非常に重要な役割を果たすということで、この耐震性に疑問ある率が高いということについて内閣府としてはどのようにとらえていらっしゃるのか。 また、「今後の地震対策のあり方について」の中で、具体化に向けた戦略的プログラムとフォローアップの中で、住宅や防災上重要な公共建築物の耐震化に重点的に取り組む事項として挙げられております。この重点的な事項として、より耐震化の促進が求められると思うんですけれども、この耐震化を推進していくために、例えば耐震化特別枠といったようなものを設定するか、あるいは新たな立法措置などを行うというような具体的な施策を提言していくべきではないかと思いますので、内閣府としてはこの耐震化促進ということをどのように取り組んでいかれるのか、お聞きしたいと思います。
○大臣政務官(奥山茂彦君) 先ほど文部大臣から御答弁がございましたように、小中学校の学校施設は、平常時には次代を担う子供たちが学ぶ場所であるとともに、非常時には、先ほどの話もありましたように、地域の避難場所として使用されるものでありますので、防災上特に重要な施設と考えているわけであります。ところが、調査によりますと、その半分以上が耐震性に疑問があると結果が出たわけでありますので、防災担当としても早急な改善が必要と認識をいたしているわけであります。 先ほどの七月四日の中央防災会議において住宅や公共建築物等の耐震化の推進を含む七つの戦略的プログラムを策定することが決定されたところでありまして、今後、所管省庁と綿密な連携を図り、学校施設等の耐震化を強力に推進する所存であります。 ところで、戦略的プログラムは今後重点的に取り組むべき事項のうちの早急に具体化していくためのものであって、いつまでにどのように具体化を図るか、目標、スケジュール、方策等を明確にしてまいりたいと思います。 耐震化に関する戦略的プログラムの策定に当たっては、学校施設を所管する文部科学省を始め、総務省、消防庁、厚生労働省及び国土交通省などの綿密な、かつ十分な連携を図って、きめ細かな地震ハザードマップの作成、公表などのソフト施策も含めた総合的な対策として、効率的、効果的な具体策を盛り込んで、住宅、公共建築物の耐震化に強力に推進をしてまいりたいと思います。
○神本美恵子君 ありがとうございました。 その戦略的プログラムをいつ、どのように、どこまでにやるかというような具体的な目標設定というようなことでお伺いしたんですけれども、私は、やっぱり耐震化を促進するためにはまず耐震診断を早急にやるべきだと、これはもうすべての公共施設、避難場所となるようなところは特に急いでやるべきだというふうに思っております。ですから、それを進めるためには、もう関係省庁、本当に、今日おいでいただいている内閣府、総務省、文科省はもとよりですけれども、そこだけでもまずは知恵を出し合って、どうやって財政措置をするかというようなことも含めて議論をしていただいて、早急に耐震診断をまずやる。そして、そのことで世論も喚起できると思うんですね。うちの学校は、耐震診断の結果、危険がある、早急に補強しなければいけないというふうなことになれば、住民意識も高まって、自治体を動かすことにもなるでしょうし、そうなると、財政措置ということで国からも一定の補助が出れば耐震補強ができるのではないかというふうに思いますので、是非そこは知恵を出し合ってやっていただきたいというふうに思います。 次に、義務教育費国庫負担制度についてお伺いしたいと思います。 これは冒頭、今日、有馬委員の方からも、大変に私はもうお話聞きながら共感させていただいて、うなずきながら聞かせていただいたんですけれども、やはり国の教育政策の根幹であるこの義務教育費国庫負担制度についてお伺いしたいと思います。 六月十七日に地方分権改革推進会議が中間報告をまとめまして、その中で、これまでの教育の充実のために国会審議を経て法律化してきた様々な文教政策を否定するような内容が含まれているというふうに思います。今回の中間報告は、教育の質的な議論をせずに、国の財政縮減という観点からのみ検討されたのではないかというふうに思わざるを得ませんでした。正にそのことを、有馬委員は教育の質の観点からこの重要性を御指摘されたというふうに思っております。 義務教育費国庫負担制度の見直しや学校事務職員、栄養職員の配置の見直しが提言されていますけれども、文部科学省もこれらの提言には会議に出られましてヒアリングで反対を表明されているというふうにお聞きしています。いずれも全国的な教育水準の維持にかかわる大事な問題ですから、まず文部科学大臣にこれについて改めて御所見をお伺いしたい。 それから、義務教育費国庫負担制度については、言うまでもなく、憲法の要請から、全国的な教育水準の維持向上、教職員の給与費の半分を国が負担するという制度です。これによって、地方の財政力に左右されることなく必要な教職員の配置がされ、教育の質が確保されるということは、有馬委員も御指摘にありました、極めて重要な制度であるというふうに私は思っております。 それがこの中間報告で抜本的な見直し提言ということになっております。そうなりますと、教育の地域間格差が生じるのではないかというふうに強く危惧しております。また、地方の声としても、学校事務職員や栄養職員を含めたこの義務教育費国庫負担制度の堅持を求める地方議会での請願採択がこの間もずっとされてきておるというふうに聞いております。 そこで、改めてですけれども、この義務教育費国庫負担制度は教育の根幹にかかわる不可欠な制度であるということについて、文部科学大臣の見解をお聞きしたい。そしてまた、併せて財務省の見解もお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほど有馬委員からの御質問のときに明快にお答えいたしましたように、私は、義務教育というのは一国の人材育成にとっての根幹でありますし、一国の、何といいますか、背骨の部分であると思います。それは、国が責任を持って全国どこにおいても一定水準の教育内容を確保することができるように、国としての役割、あのとき明快に申しましたけれども、必要な枠組み、それから一定水準を守るための質的な保証にかかわる行政上の責務、そして地方公共団体に対する財政上の援助と、これを国の責任としてしっかり守っていくということが日本の将来にとって非常に大事だと思います。 各国の情勢を見ましても、日本のいろんな諸制度を見習うために、国内の法制を整えて着々と義務教育等の教育制度の充実を図ってまいっている実情がございます。 というような前提に立ちましてもう一度申しますと、義務教育は国民として必要な基礎的資質を培うものでありまして、憲法上の要請として、すべての子供が全国どこでも無償で一定の水準の教育を受けられるようにすることが国の重要な責務であります。したがって、その制度の根幹である義務教育費国庫負担制度につきましては、今後とも堅持すべきものと考えます。もちろん、その内容あるいはその本質を揺るがさない範囲でできるだけ地方分権の精神にのっとって地方に移すべきものは移すという、そういう見直しはもちろん必要でございますが、中核部分については堅持すべきというふうに思っております。 事務職員、学校栄養職員に関しましても、これは教員、養護教員、教諭とともに学校の基幹的職員であると認識いたしておりまして、このことにつきましても義務教育費国庫負担法により国庫負担の対象とされているところでございます、それに要する経費についてですね。したがいまして、我が省としましては、今後ともこのような制度の基本は堅持してまいる所存でございます。
○政府参考人(杉本和行君) 義務教育国庫負担金についての財務省の考えについてのお尋ねでございます。 義務教育につきましては、全国の児童生徒が一定の教育水準を受けるようにするということで、その重要性については私どもも十分認識しております。ただ、その一方で、多様な個性それから創造性をはぐくんでいくという教育上の観点に立ちました場合も、自立した地方が地域の特性を反映させながら学校教育の活性化を図っていくという観点も非常に重要なことだと考えております。 義務教育国庫負担制度の在り方につきましては、こうした点を踏まえつつ、今後十分な検討を行っていく必要があると考えております。
○神本美恵子君 大臣から揺るぎない強い決意をお聞きしたというふうに私は今伺いましたので、是非ともその決意でこれからの義務教育費国庫負担見直しということについてはきちっと対応していっていただきたい、頑張っていただきたいなというふうに思います。 学校事務職員、栄養職員の義務教育費国庫負担制度の対象職員としては、これも引き続きということでよろしいですね。はい。 それでは次に、奨学金事業についてもこの地方分権改革推進会議の中で見直しが提言されているというふうに受け止めているんですけれども、そのことについてお聞きしたいと思います。 今、高校生に対する奨学金事業が今後地方移管となるのではないかということについて、学校関係者や生徒たちは大変不安を抱えています。地方移管後どのような形で奨学金事業を行うように考えていらっしゃるのか、もし今検討がされているんであればお伺いしたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 直接の所管ではないんでございますけれども、御案内のように、特殊法人の日本育英会の改組の方針が決まっているわけでございまして、そういう流れの中で、今現在、日本育英会が担当しております高等学校奨学金につきましても、地方移管の方向で具体的に検討が今後進められるということになってございます。 ただ、事業といたしましては、基本的には、私の承知している限りにおきましては、事業としては、もちろん日本育英会の事業としての手は離れるわけでございますが、地方に移管して高校生に対する育英事業を基本的には存続するという形での検討がなされているというふうに承知いたしております。
○神本美恵子君 これが地方移管というふうになりますと、やはり地方によっては財政上の理由できちっとこれまでのように保障できないというようなことも懸念されると思いますので、地方移管になっても私としては各都道府県で一定程度の額を確保できるように国の財政措置が必要ではないかというふうに考えておりますので、是非とも今後、そういった教育の機会均等という観点から、国の責務を果たすという仕組みを考えていただきたいというふうに思います。 ちょっと時間が迫ってきましたので、次に移りたいと思います。 次は、学校保健法に係る事項についてでございますけれども、子供の健康実態から見て、今、学校保健法の中にある事項が合わなくなっているという声を聞いております。そうした観点から、今日は一つだけお伺いしたいと思います。 学校保健法の第六条には、学校において毎年定期的に児童生徒の健康診断を行うということが規定されております。その七条では、健康診断の結果に基づき治療を指示するということも事後措置として規定されております。正に今、学校は健康診断が終わったばかりで、六月三十日までに健康診断が実施され、診断結果に基づき発見された病気に対しての治療を促すという事後措置が取られている最中でございます。 まず、お聞きしたいのは、学校で実施される健康診断で発見される疾病にはどのようなものがあるか、多い方から、幾つかで結構ですけれども教えていただきたいと思います。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 平成十三年度の学校保健統計調査によりますと、多い方から言いますと、虫歯、視力低下、副鼻腔炎等の鼻の疾患、それから中耳炎などの耳の疾患、こういったものが多いというふうに出ております。
○神本美恵子君 ありがとうございます。 御承知のように、準要保護の適用を受けている児童生徒については、そういった疾病にかかわる治療のための医療に要する費用に必要な援助を行うということが十七条で定められています。ところが、近年の経済状況の悪化によって、この準要保護の適用を受ける児童生徒が大変増えているというふうに聞いております。例えば大阪などでは学級の中に二割ぐらい準要保護の子供さんがいる、最近増えてきているということも聞いております。 そこで、お尋ねなんですが、現状で準要保護の適用を受けている児童生徒の数についてどの程度文部科学省が把握されているのか、お尋ねします。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 十三年度の準要保護の対象者ですけれども、医療費関係で言いますと九万九千人という数字が出ております。
○神本美恵子君 これは現場で働く養護教諭の方から指摘を受けたんですけれども、準要保護の児童生徒に対する医療費補助に係る政令等が現場の実態とかなり懸け離れているのではないかというふうに指摘されています。 それは、学校保健法の施行令第七条で法十七条の政令で定める疾病として一号から六号まで掲げられているんですが、その内容が、目の疾病としてトラコーマ及び結膜炎、二号では皮膚疾患として白癬、疥癬及び膿痂疹、これどんなのか私も教えてもらったんですけれども、三号で中耳炎、四号で慢性副鼻腔炎及びアデノイド、五号で齲歯、六号で寄生虫病というふうになっています。しかし、今どんな疾患が多いかということをお聞きしたら、それに当てはまらないものが幾つも、もう今やそういう病気はほとんど発見されないというようなものも含まれていると思います。 そこで、お尋ねなんですけれども、学校で行われている健康診断で実際にこれらの疾病がどの程度発見されているのか。現状としては、今言いました一号から六号以外にも、例えばアレルギー性の鼻炎、皮膚炎、結膜炎などの疾患が多いというふうに聞いておりますけれども、アレルギー性疾患は援助の対象にならないというふうに聞いております。この十七条で定められているものは現状で罹患が多く見られる疾病とそうではないものとあるのではないかと思いますが、それについての御認識をお伺いしたい。 もう一つ、そうした施行令では定められていないけれども実態として罹患数が多い疾病について、例えば適用範囲を広げるというような現実に即した見直しが必要ではないかと思うんですけれども、それについてどうお考えか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(遠藤純一郎君) アトピー性皮膚炎等のアレルギー性の疾患についてですけれども、確かに病気としては多いんですけれども、学校の健康診断ではそれがアレルギー性なのかどうかというところまではなかなか、例えば皮膚炎があっても、それがアレルギーによるものか慢性なのかというところまでの判断というのはやっぱりお医者さんに診てもらわないと分からないということで、学校健康診断でそれが発見される率というのは非常に低くなっているということでございます。 ただ、学校の方では児童生徒の既往歴などを調査いたしております保健調査で書かせておりますので、ああ、この子はそうなんだというのはそれで分かるような実態になっておるということでございます。 それから、援助の話でございますけれども、この医療費援助の対象につきましては、伝染性又は学習の支障を生ずるおそれのある疾病、そのうち虫歯とか中耳炎など早期発見、早期治療が有効な疾病ということで政令で現在指定をされていると、こういうような状況でございまして、御指摘のように、アレルギー性の疾患等についての、アトピー性の皮膚炎等については含まれていないと、こういう状況になっております。
○神本美恵子君 現実に即して適用範囲を広げていただきたいというふうに私は再度お願いをしたいと思います。学校で発見されて治療勧告受けても、その対象でないから準要保護の家庭の子供さんは治療費がなくて治療を受けられないというふうな実態もたくさん聞いております。是非とも適用範囲を現実に即して広げていただきたいというふうに思います。 もう一つお伺いしますので、そのことについても一緒に御答弁をお願いしたいんですが、例えば虫歯で、先ほど一番虫歯が多いというふうにお聞きしましたが、その虫歯の治療方法がこの施行令では制限されているというふうに聞いています。例えば乳歯では、治療は駄目で抜歯ならいい、それから永久歯については、アマルガム充てんとか複合レジン充てんというふうに、それしか駄目だというふうに限定されているんですね。ところが、現実、今、歯科医院では、アマルガム充てんというのは水銀が含まれているということでほとんど治療方法として実施されていないというふうに聞いております。そうすると、実際に歯の治療に行ってもアマルガムじゃないと適用が受けられないというような現状になっておりますので、是非、現実に即した治療方法、それも適用範囲に入れるというふうにしていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 援助の対象について見直したらどうかという御指摘なんですけれども、実は現在、文部科学省におきまして、近年の児童生徒の慢性疾患の増加あるいは環境の変化等を背景といたしまして、健康診断の基本的な在り方、健康相談の在り方、事後措置の在り方等々学校における保健管理の在り方につきまして様々な観点から幅広く検討しているというような状況にございます。 医療費援助の対象となる疾病につきましては、この検討結果を踏まえまして、その在り方についてもその後で広く検討していきたいと、こう思っておりまして、今、歯の問題も出ましたけれども、私どもいろいろ聞いております。そういったようなものも含めまして検討していくということになろうと思います。
○神本美恵子君 是非とも、学校現場といいますか子供たちの現状に即して、見直しを早急に進めていただきたいことをお願いしたいと思います。 最後に、完全学校五日制についてお聞きしたいんですけれども、時間が余りありませんので、もうまとめていきたいと思います。 学校五日制がいよいよ本格完全実施、この四月からされましたけれども、この学校五日制完全実施までには、本当に一九九二年に月一回の土曜休業を始め、九五年から月二回、そして十年掛けて段階的に様々な準備を進めてきて、ようやく今本格実施になったわけですけれども、ここに来て、本当に連日のように新聞報道で、学力が低下した、子供の生活が乱れたというようないろんな不安の声も出されてきておりますし、それに伴って土曜日に補習授業を行う学校が増えてきているというふうなことも報道されております。私は、そういう不安があるということは、始まったばかりですのでいろんな変化の中で不安があるのは仕方ないと思うんですけれども、やはり学校五日制の本来の趣旨、これを導入するというその本来の趣旨がやっぱりちょっと見失われ掛けているのではないかと。 そこで、十年掛けて文科省もやってこられましたし、そのことについての、改めて学校五日制導入の趣旨をもう一度ここで確認をさせていただきたいと思います。大臣、お願いします。
○国務大臣(遠山敦子君) この四月から導入されました完全週五日制は、お話しのように、長い時間を掛けて準備してまいったわけでございまして、突如土曜日が休みになったということではなくて、ついこの間までは月二回は休みであったわけでございますが、じゃ完全週五日制にした趣旨は何かということでございますが、申すまでもないことでございますけれども、子供は学校だけで預かるということではなくて、学校、家庭、地域が一体となってそれぞれの教育機能を発揮する中で育てていくと。特に、子供たちにとりまして、自然体験でありますとかあるいは社会体験などを行う場や機会を増やして、自ら学び自ら考える、そういう豊かな人間性、あるいは体力をはぐくむなどのたくましく生きていく力と申しますか、そういったものを身に付けさせる良い機会になるというふうに考えております。 ただ、不安があるというようなことも私ども承知いたしておりまして、それぞれの地域で学校あるいは地域の特色を発揮してこの問題に十全に対応してもらって、公教育に対する信頼も十分に確保しながらこの制度の定着に向けて努力をしていただきたいと思いますし、国としてもそれを可能にするような様々な政策を打っているところでございます。
○神本美恵子君 そういった趣旨を進める上でも、今、特に公立高校では七割が土曜補習をやっているというようなことも先日新聞にもありましたし、平日の方も、ゼロ時間から七時間目まで、一時間目が始まる前に一時間補習して、六時間目が終わってまたもう一時間補習をするというふうな学校が更にこの五日制になって増えてきているというふうなことも聞いております。 ですから、学力とは何かということについて、一方である学力低下論といいますか、そういったことに非常に全体が流されているというふうなことも私は大変危惧しているんですが、学校五日制の趣旨で、子供たちが本当に地域の中で様々な人とかかわりながら、その中で主体性や自立性や社会性を身に付けていくという、そういう学びの機会をこの土日、完全五日制の中ではぐくんでいくということがその趣旨だというふうに受け止めております。 それで、そういった観点から見ますと、文部科学省が三月四日にこの五日制に向けて出されました通知を私も読ませていただいたんですが、土日の過ごし方といいますか、週末活動に対する社会的支援の記述が非常に薄いように私は受け止めました。それから、予算も週末活動について付けられているようですけれども、これも含めて、是非とも社会的支援、週末、放課後の活動に対する支援をもう少し具体的に具体策を出していただきたいというふうに思いますので、これはもう時間が来ましたから要望ということで終わらせていただきますけれども、是非とも子供たちの生きる力をはぐくむという観点からの五日制であるということを文部科学省としても再度大きく各県への指導も強化していただきたいということをお願いしまして、時間超過して、委員長、申し訳ありません、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(橋本聖子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩といたします。 午後零時十五分休憩 ─────・───── 午後一時十一分開会
○委員長(橋本聖子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続きまして、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○風間昶君 公明党の風間ですけれども、午前中の帝京大学の問題について伺っておりましたけれども、率直に言って、まだ文部科学省の腹がぴしっと据わって決まっていないなという印象を若干受けました。まだこれから解明しなきゃならない部分が相当あるからだと思いますが、いずれにしましても、高等教育全体の資質あるいは資格について等、当該のグループが疑わざるを得ないような状況で、今週出されました報告書につきましても、疑惑解明の、自らの解明へのアプローチが十分でなくて、ある意味では、普遍的に言うと私大全体が抱えている問題ではないのかというふうに国民の側からも疑念があるわけでありますから、ここはしっかり文部科学省がやっていただきたいというふうに思います。 まず、今回の報告書、帝京大学からの報告書につきまして国税の当局も相当関心示しているようでありまして、追徴課税の動きを見せておりますけれども、このことは文部科学行政とは直接関係ないわけでありますけれども、この事態について文部科学省はどのようにまず見ているのか、教えてもらいたいというふうに思います。
○政府参考人(工藤智規君) 帝京大学の入試にかかわる寄附金の疑惑は昨年末に新聞等で報道されまして以来、私ども調査進めてきているわけでございますが、その前に国税当局の調査が入ってございまして、それに基づいて先般、新聞等で報じられているような脱税あるいは更正決定等の動きになったと承知してございます。 さらに、それに加えて新たな追徴課税等の動きがあるやなしやについては私ども承知してございませんけれども、いずれにしましても大学側の、私ども調査の結果、少なくとも不適正な寄附金の収受があったという事実がございますので、しかもそれが大学に直接寄附金を受けたのではなくて愛媛県所在の財団を経由したという、そういう経理の処理も含めまして、甚だいかがなものかということでございます。 そういう一端はございますが、まだまだ委員おっしゃいますように未解明な部分がございますので、私ども別に腰が引けているというわけではございませんで、厳正、適切に最大限の努力をして、この全容の解明に努めてまいりたいと思っております。
○風間昶君 仮定の話はすべきでないんでしょうけれども、仮に帝京育英財団が得た所得、収益事業の所得として認定された場合、財団は本来の目的の寄附行為に反して収益事業を行っていたということになるわけであります。この場合は極めて財団のというか帝京大学の責任は重いというふうに言わざるを得ないわけで、そうなりますと帝京育英財団は、国民の側から解散すべしというようなことも、声も出てこないとは限らないわけでありまして、そういう仮定の話で恐縮ですけれども、少なくとも帝京育英財団の調査が分かってからの話でありますけれども、処分について検討しなきゃならない時期が来るだろうというふうに思うわけでありますけれども、これにつきましても、旧文部省の官僚の方々が帝京大学グループに十人近く天下っていることの事実があるわけでありますから、そういう意味で、調査を行う際にもそこの兼ね合いを抜きにしてといいましょうか、調査が甘くなっては、生ぬるくなってはいけないというふうに思うので、十分な文部科学省の調査がなされるべきだというふうに私は思います。 火曜日の閣議後の遠山大臣の記者会見でのテレビ発表を聞いておりまして、早速現地調査ということを御発言があったわけでありますけれども、極めて迅速な対応であったというふうに私どもは評価したいと思いますが、問題は、これまた調査をしてからでないと分からないんですけれども、帝京大学からの分かっているだけでの返還するべき金額、つまり五十六年のこちら側からの、当局からの通達に違反して、先ほどは何か放置していたわけではないというふうにおっしゃっておったけれども、返還求めるべき金額の概算、今分かれば教えてもらいたいと思うんです。
○政府参考人(工藤智規君) 私学助成金の返還につきましては、事件の全容解明を待ちまして、精査しながら、交付に当たっております日本私立学校振興・共済事業団に置かれております運営審議会の議を経て決定されるものでございますけれども、少なくとも不適切な寄附金の収受がございましたので、その検討の結果でございますけれども、最大で過去五年間にさかのぼって返還を求めるとなりますと、学校法人帝京大学に対しまして、平成九年度から十三年度までの五年間で交付された経常費や補助金の総額は、これまで総額で申し上げますと六十三億八千五百万でございます。返還を求めるとなりますと、その返還額に加算金を加えて返還をお願いするということになるわけでございます。
○風間昶君 今お話の出ておりました学校法人運営調査委員会があるわけでありますけれども、この調査委員会の三十名以内というふうに定数を決めておるわけでありますけれども、法曹関係者、公認会計士を含めて何人いらっしゃるんですか。
○政府参考人(工藤智規君) 公認会計士の資格をお持ちの方が四人、それから弁護士資格をお持ちの方がお二人でございます。
○風間昶君 この方々は、任命になったのはちょっと分からないんですけれども、附則で任期が決まっておりますよね、附則でね。この附則を見ますと、「この規程の実施後最初に任命される運営調査委員の任期は、第四条の規定にかかわらず、平成十四年七月三十一日までとする。」となっているんです、この文部科学省参考法令の学校法人運営調査委員規程の中で。その四条は運営調査委員の任期は二年というふうになっていて、附則に任期が決まっておりまして、「第四条の規定にかかわらず、平成十四年七月三十一日までとする。」となっておりまして、そうすると来月、八月一日以降、調査の継続性をどうするのかということがあるわけですけれども、ここについてはどうしましょうかね。
○政府参考人(工藤智規君) 学校法人運営調査委員の方々については、これまでも置かれていたんでございますが、昨年末以来の帝京大学に係る疑惑などもございますので、この調査機能を強化したいということで三十人に増員させていただきました。 増員させていただくに当たりまして、他の委員の方々と任期をそろえるために七月末にしてございますが、八月一日から更新いただくように内諾を既にいただいてございますので、切れるわけではございませんで、継続して御活躍を賜りたいと思っております。
○風間昶君 この調査委員の方々の役割が、文部大臣の命を受けて任命されて、学校法人の経営について特に指定された事項に関する調査、指導、助言に当たるというふうになっているわけでありますから、この調査委員会の方々と文部科学省と、しかるべき機関となるとどこになるか分かりませんが、具体的に早速調査に掛かりたいというふうに先ほど午前中の答弁でもありましたけれども、何から手を付けるかということだと思うんですが、ここについては、国税に持っていかれている書類もあるでしょうし、聞き取り調査も、病に倒れていらっしゃるような方もおるようでありますし、なかなか大変かと思いますけれども、どのぐらいの規模で、いつから、何から手を付けてやるのかということを、今つまびらかにできるところで結構ですが、教えてください。
○政府参考人(工藤智規君) おっしゃるように、この運営調査委員の方々の御協力を得ながらと思っていますが、具体的には、調査委員の方々は結構、学校法人の関係者、他の私学でございますけれども、の方々とかいろいろ御見識のある方をお願いしているわけでございますが、今回の調査に当たりましては、帳簿等の経理書類等の精査もございますので、公認会計士さんの方々の中で御協力いただける方を今、日程を御相談しているところでございます。 そういう中で、私どもの担当官と御一緒させていただいて、一日二日で済むものではないとは思いますので、できるだけ私ども、これまでも大学側に申し上げ、かつこの間の調査報告書では十分解明できていなかった部分、例えば、入試について合格決定後の情報管理が本当に十分であったのかどうか、あるいは七年間で百五十億とされております寄附金につきまして、年度ごとの出入りの状況、件数、金額、さらにはその資金がどういう流れになっているのかということなども含めまして、調査報告書には具体的に記されてございませんので、そこを先方の担当の方々の方からお聞きすることも含めまして、できるだけ疑惑の解明に努めてまいりたいと思っているところでございます。
○風間昶君 私学は、国や自治体の機関ではないけれども、事業そのものは非常に公共性が高いわけでありまして、だから各種の助成金が受けられるというふうに理解しているわけでありますけれども、問題は、こういう同様の事件をどうやって再発防止できるかということも重要なんで、それがある意味では学校法人の適正な管理運営をどう担保するかということが大きな文部科学省としての役割の一つだというふうに私は思います。 それも重要なんだけれども、万一こうやって起こった場合に、迅速にチェックが行われるような法的根拠がないのも事実ですから、そこをどうするかということについて、例えば地方公共団体では財政再建団体という制度があって、総務省が自治体の運営の細部にわたって厳しくチェックするという制度があるわけですけれども、場合によってはこういうチェック制度を私学にも、きついといえばきついかもしれないけれども、必要でないかというふうに私は思っているんですが、その件に関して見解を賜りたいというふうに思いますけれども。
○国務大臣(遠山敦子君) 委員の御示唆は大変有益なものと考えますが、他方で、私立大学制度は私学の自主性を最大限尊重するということを前提といたしておりまして、公的な、何といいますか、組織であります地方公共団体のケースと私学とはやや違っているかなと思いまして、直ちに導入するということは難しいかなと思うところでございます。 しかし、大学の質の保証ということも大変重要でございますので、私立大学に対する文部科学省の権限の在り方につきまして、問題が起きたような場合に単に指導、助言と最終的な閉鎖命令しかないというのでいいのかどうかということも含めまして、現在、中央教育審議会において検討されております文部科学省の権限という角度での御議論というようなことも踏まえた上で、このことについては慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
○風間昶君 おっしゃるとおり、官僚の方々がこういうところにきちっと力を発揮するようにしてもらいたい。笑わないで聞いてよ。そう思います。是非、今後の事態打開のためのというか、きちっとした事実解明をした上での厳正なる処分ということをやっていただきたいというふうに思いますし、そのことをお願いしたいというふうに思います。 次に、フリースクール高等学校生についてちょっと伺います。 現在、相当数の方々が不登校に苦しんでいるということは、もうある意味で社会的にも深刻な問題と言えば言えるわけでありまして、子供たちの問題行動あるいは規範意識というか決まり、ルールを守るということの薄い感じ、それから過度な画一化、これもまた教員の側の今までのあれも影響なしとは言えませんけれども、いずれにしても個性、能力に応じた教育が軽視されているんではないかというふうに懸念があることは、この間の委員会でも大臣が問題意識として持っていらっしゃるということがありました。 学校に行かなければならないという心理的なストレスがかえってまた子供の健全な発達を阻害する場合もあって、だからそういう社会的な需要もあってフリースクールというのがあるんだというふうに思いますが、この間、東京シューレというフリースクールの皆さんから陳情を伺って、フリースクールの高等部生に通学定期を交付してほしいという内容でありましたので、まず確認ですけれども、小学生、中学生が不登校になったときに、学籍のある校長の承認で通学定期、これは何か実習用の通学定期というふうに言うようなんですが、実習用定期、この交付が行われているようです。小学生や中学生が不登校になった場合には、学校長が承認をしていただいて、どのぐらいの方々がこの定期利用しているのかというのを教えていただけますか、小学生と中学生と。
○政府参考人(矢野重典君) 後ほどの委員の御質問と関連があろうかと思いますので、恐縮でございますけれども、小中学生が不登校になった場合に、現在、御指摘のように定期乗車券が交付されているわけでございますが、その間の事情について少し御説明申し上げますと、不登校の小中学生の中にはフリースクール等の学校外の施設におきまして相談指導を受けて学校教育への復帰の努力を傾けている者もいるわけでございまして、こうした努力を学校として評価し支援するために当該児童生徒の通所に要する交通費の負担の軽減を図る、そういう観点から、平成五年からでございますけれども、平成五年度から一定の要件の下で、鉄道につきましては、先ほどお話がございましたが、実習用通学定期乗車券制度による通学定期乗車券というのが発売されることとなっているところでございます。 この通学定期乗車券の具体的な申請につきましては、それぞれの児童生徒が在籍する学校の校長が必要な手続を行うことになっているわけでございますが、文部科学省といたしましては、現在、この制度を利用している具体的な児童生徒数については把握をしていないところでございます。
○風間昶君 把握していないって、だってお金出しているんでしょう、国費で。違うんですか。
○副大臣(岸田文雄君) これは、この実習用通学定期乗車券ですが、在籍する学校の校長からの申請に基づき、当該事業者の判断により発売されるものでありますから、これは何らかの経費負担というものを文部科学省、国が行っているというものではございません。そういった負担はないということでございます。
○風間昶君 なるほど。 そうすると、国土交通省若しくはJRさんが認めてくれれば、予算措置として必要ないということで定期が交付されるということでいいんですか。
○副大臣(岸田文雄君) これは各鉄道事業者の判断により交付されるものであります。ですから、国としての予算措置を要するものではない、これはそのとおりであります。
○風間昶君 それでは、小学生、中学生、全体は分からないというふうにおっしゃったけれども、ちょっとそれはまずいなと思うんだけれども、一回やっぱり調査すべきだと思うんですね。 それで、要するに、小学生、中学生に定期の交付ができて高校生にできていない、できない理由というのは何なんでしょうか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 先ほど、初中局長からも少し説明を申し上げましたように、義務教育段階にあります児童生徒につきましては、学校復帰への努力を学校として評価し支援をするために、あくまで我が国の義務教育制度を前提としながら、一定の要件の下にこういった施設において相談指導を受けた日数を学校の指導要録上出席扱いとすることができる措置を講じておるわけでございまして、学校外の公的機関でありますとか、フリースクールを含めました民間施設で相談指導を受けた日数をその学校の出席扱いとすることができるとされた不登校児童生徒に対しまして、現在、通学定期乗車制度が適用されていると、こういう考え方でございます。 これに対しまして、高等学校段階にある生徒につきましては、一つには高等学校は義務教育でないということ、あるいは通信制高等学校など様々な教育形態が存在をしている、あるいはまた大学入学資格検定、いわゆる大検などの代替的な制度も整備をされている、こういったことから、義務教育段階と同様とはなかなか考え難い面があるんではなかろうかと。 こういうことから、フリースクール高等部に通う生徒に対しまして義務教育段階の児童生徒と同様の考え方で通学定期の適用を行う、これにつきましてはなかなか難しい課題があるなと、こんなふうに考えているところでございます。
○風間昶君 次に、僕が聞こうと思っていたのは、高校に行かないで中学卒業と同時に仕事をして、バイトでも何でもして、今度学校へやっぱり行きたいなといってフリースクールに通う場合には、学籍もちろんないわけで、義務教育も終わっちゃっているからもちろん校長の承認も得られないということになるんだなというふうに今答弁を伺って思ったわけでありますけれども、その特定あるいは一定要件の下でということの解釈をどうするかということだと、私はそれにつながっていくのかなというふうに思いますから、特定要件を備えていた場合はフリースクールの代表者の証明で通学定期を交付してあげられればいいのになと思うんだけれども、それはどうですか。
○副大臣(岸田文雄君) 中学校卒業後の子供たちについてですが、現在、例えばJR東日本の通学定期の対象となっているのは、高等学校等の学校教育法第一条に定める学校と、そして専修学校と各種学校であります。これら以外については対象外であるということになっております。これはJR東日本のケースですが、そのようになっております。 我が省としましては、まず、フリースクールを学校教育の一環として位置付けることについては慎重に考える必要があるというふうに思っています。また、フリースクールの関係者にしましても、学校教育の一環に組み入れられることについてはいろいろ議論があるところではないかなと思います。そして、高等学校段階については義務教育の取扱いとは異なること、先ほど局長の答弁にもあったところであります。そしてあわせて、通学定期の発行については、それぞれの鉄道会社の自主的な判断にゆだねられているということ、これは先ほどJR東日本のケースを御紹介しました。 この三つの点から考えますに、現状、通学定期の適用、中学校卒業後の子供たちに適用するということ、なかなか難しいというふうに認識しております。
○風間昶君 いや、学校教育の位置付けの中に入っていないということが大きな僕は壁になっているなというふうに思います。 それで、事業者の方の判断でやれるんだったら、むしろフリースクールを各種学校や専修学校並みに位置付けるような価値観を持つことも一つの画一式にならない個性を重視した教育の場を提供するという意味では私は考えてもいいのかなというふうに思うんだけれども、まあ、踏み込めない文部科学省に聞いてもしようがないけれども、どうですか。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 今、岸田副大臣も申し上げられましたとおり、フリースクールの関係者の方々にも、専修学校なり各種学校という制度の上に乗っ掛かって、その規制を受けると申しましょうか、やっぱりそういうことを好まないという部分もございます。
○風間昶君 分かりました。引き続き、いろいろ基盤整備、これにかかわる基盤整備をしてからまた議論したいと思います。 次に、午前中にも議論のありました学校の施設整備についてですけれども、非常に寒い結果でありまして、耐震性に問題があるという結果が出たわけでありますけれども、親の願いとしては、市役所だとか公民館だとかも大事だし、しかし何といってもやっぱり学校に、そうやって考えていらっしゃる方がいるかどうか分かりませんけれども、預けているという思いを持っていらっしゃる親も多いわけでありますから、学校を建て直してやりたいという意味で、きちっとしてほしいなという思いがあの阪神・淡路大震災をきっかけにして全国各地に起こっている。 災害からも、学校に対する施設に対する要求は高いというふうに思うわけでありますけれども、限られた予算、削減傾向の中でどうやって有効に投入するかということの判断、それから優先順位の決め方の判断あろうかと思いますけれども、先ほどもありましたように、耐震診断をやっぱりまずやって、耐震診断の結果が出なくても、学校自体が避難訓練をする。たしか僕の記憶でも、年に一回ぐらいは小学校のときにあったような気がしますが、昔の三十年、四十年前のあれと違いますから、避難訓練をやるような通達を出すとか、あるいは耐震診断のような科学的な根拠を基にして緊急学校改修事業の重点計画を私は文部科学省が、それは確かに中央防災会議で七つのプログラムの中に入っているけれども、文部科学省が率先してやっぱり重点計画を立てるべきだと思うんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のように、次代を担う子供たちに対して安全で安心できる、かつまた快適な学習環境を確保することは、第一義的にはこれは設置者である自治体の責任であると思うわけでございます。そういう意味では、まずは各自治体において耐震補強や改築などを進めていただくことが肝要であろうかと思うわけでございます。 その際、それぞれの自治体におきましては、先ほどお話ございましたけれども、耐震性能の状況等をきちんと踏まえ、そしてそれに応じた優先順位を考慮した整備を図っていくことが大事でございまして、そのためには各自治体において計画的な整備を進めていくということが何よりも重要であるわけでございます。 我が省といたしましては、各自治体におけるこのような取組を促す、これまでも通知等によりまして、通知や会議等によりましてこのような自治体における取組を促してまいりましたけれども、それとともに、私どもの責任といたしましては、各自治体における学校施設の計画的な整備に支障がないよう必要な予算を確保するということが私どもの大きな責任であろうかと思うわけでございます。
○風間昶君 おっしゃるとおり。自治体に任せるというならもっと文部科学省が学校施設整備費を予算を獲得しなければならない、こういうことになるわけでありまして、少なくとも児童数の減少率よりも施設整備費の減少率の方が大きいということはどうなのかなというふうに私は思います。すべての公立施設において学校をやっぱり第一優先順位に、「学校へ行こう」って今テレビでもやっているじゃないですか、あるわけでありますから、学校の改修をこの八月の概算要求でほかの公共施設よりも厳しい獲得になってはこれは断じて許されないわけでありまして、予算獲得についてもこっちはしっかり応援していくから是非頑張ってもらいたいと思うけれども、決意を。決意じゃなく、まあ決意だな。
○国務大臣(遠山敦子君) 私も静岡の出身でございますし、大使のときはトルコの大震災、現に体験した状況を見ておりますし、先般の中央防災会議でも発言いたしました。本当にこういう耐震の問題というのは非常に大事だということは、人一倍認識しているつもりでございます。 確かに大変厳しい財政状況の下でございますが、地震の起きやすい地域、そういうところの、特に体育館のようなみんなが集まってくるようなところ、これについては最優先で耐震構造に見合う施設整備をしてまいらねばならないと思っております。 それと同時に、今、風間委員もおっしゃいましたように、とにかく子供たちの訓練ですね。これも九月一日には大体全国の学校でやっておりますけれども、身を守るための訓練、そういうこともやりながら、やっぱり私どもとしては施設の充実についてできるだけのことをやっていきたいという覚悟でございますので、是非とも委員の皆様方の応援もお願いしたいと思います。
○風間昶君 安全性が確保されたら今度は中身の問題になっていくんだけれども、学校を本当に子供たちの発達の場としての環境整備の一つに、やっぱりIT化の問題があるというふうに思います。 今年三月末の内閣府の調査で世帯当たりのパソコン普及率は五七・二%というから、まあ十世帯に六世帯はパソコンが今普及されているわけでありますけれども、それに比べて学校の、やっと始まった総合経済対策、平成十二年のIT情報技術推進の中にもありますけれども、まだまだ後れている気がいたします。 そこで、コンピューター一台、今全国の例えば小学校で、中学校と合わせてもいいですけれども、児童何人に一台今コンピューターが整備されているか、現時点で、というのが一つ。 もう一つは、北海道では半分以上の市町村で高速回線の整備が後れていまして、光ファイバーが全然通っていないわけでありますけれども、現在のブロードバンドはADSLが主流でありますけれども、やっぱり本命は光通信かなというふうに思うんです。大容量のコンテンツが少ないわけでありますけれども、その大容量のコンテンツを利用した高速環境の中で育てば使い勝手がまた良くなるのかなというふうに思いますから、学校のインターネットの高速化について基本的に伺いたいというふうに思います。 この間、横須賀の教育研究所に行きましたら、四十六万人の中核市で、校外、LANも相当、文化施設、教育施設、それで教育研究所が介して学校インターネット、情報センターで百Mbpsの光ケーブルを通して、学校インターネット回線は一・五Mbpsでやっているところを見させてもらいましたけれども、説明長くなりましたけれども、一台当たり何人の子供で今学校はコンピューターを使っているのかということと、学校のインターネットの高速化についての所見を伺いたいというふうに思います。
○副大臣(岸田文雄君) まず、コンピューター一台当たりの児童生徒数ですが、平成十三年三月末の数字で十三・三人というふうになっております。今、新整備計画を進めておりまして、これを五・四人にまで縮めるべく努力をしておるところであります。 そして、インターネット接続の高速化でありますが、大変重要な点だと認識しておりまして、e—Japan二〇〇二プログラムにおいても明確に位置付けられておりまして、平成十七年度までにおおむねすべての公立学校が高速インターネットに常時接続可能な環境に置かれるようにするため、学校のインターネット接続の高速化を図るとされております。 これまで、平成十三年度までにすべての公立小中高等学校がインターネットに接続できるよう計画的な整備を進めていたところですが、そのインターネット接続について光ファイバーとかADSL等による接続への切替えをこれから進めることとしておりまして、所要の経費について地方交付税措置、あるいは私立学校におけるインターネット経費に対する補助、こういった支援を行っているところであります。こうした計画で高速化につきましても進めていきたいと考えております。
○風間昶君 それでもう一つ、インターネットの接続料金のことで、平成十二年のときの、森当時の内閣のときですが、IT技術の推進のところで、これ日経の記事ですけれども、教育現場では学校のインターネット利用料金が引き下げられ、授業などで本当にインターネットを使いやすくなりますというふうに書いてあるんですよ。 学校がこれに加入する場合に、法人契約となって割高になるケースも多いようでありまして、札幌の私立高校から陳情が来ているんです。学校がインターネットに安く接続できるように工夫してもらえないかと。名前は挙げませんが、いずれにしても私立高校から陳情が来ているんですが、料金、大幅引下げできるかどうか、はい、お答えお願いします。
○政府参考人(矢野重典君) インターネット接続にかかわります料金の低廉化につきましては、旧郵政省と連携をいたしましてその実現に努めてまいったところでございまして、その結果、まずインターネットの接続料金につきましては、平成十年の十二月以降から、また、通信料金につきましても翌平成十一年の九月から学校向け特別料金が導入されているというところでございます。 また、先生お話がございましたけれども、それぞれの学校が支払うインターネット接続料金につきましては、地域の実情で、各設置者が主体的にいろいろ工夫をしていただいているところでございまして、例えば、これ一つの傾向でございますけれども、それぞれの学校が接続するのではなくて、教育センター等に回線を接続いたしまして、そして教育センター等が各学校をまとめて、まとめて一括してプロバイダーと大容量回線で接続することをいたしますと、その分、接続料金が割安になるわけでございますので、そういう工夫をされている、そういう動き、そういう形で工夫をしているところが相当多くなっているような状況でございます。
○風間昶君 おっしゃるとおり、先ほど話を出しました横須賀市では、小学校四十八校、中学校二十五校、養護学校一校、聾学校一校、高校三校が市の教育研究所の中にある教育情報センターを軸にして情報ネットワーク基盤整備事業をやっているんですね。ですから、これをモデル的に各地でやはりもっと積極的にやっていくことが必要でないかというふうに思いますので、そうすることが災害の対策だとか、どうせ避難場所になるわけですから、学校が、それから市民サービスの向上にも、また土日の週休二日、学校五日制の谷間のときに活用できる。高齢者も来て遊べる。マージャンゲームでやるとか、やっているところあるんです、ゲームだけがあれじゃないですけれども。是非お願いしたいと思いまして、要望に代えて、質問を終わります。
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。 朝から議論になっております帝京大学の医学部の入学に当たっての宮路厚生労働副大臣の口利き問題が明らかになっております。現在は前副大臣ということになっておりますが、その宮路氏が、我が党の小池晃参議院議員の質問の中でも次のように委員会で答弁をされたわけであります。 通常も就職試験やあるいは入学試験についても、そういったことを国会議員にはいろんな方がいろいろ言ってまいりますよ。ですから、そういうことを、事前に受験番号もじゃ教えてください、じゃ連絡しましょうというようなことでやっていることは、しょっちゅうというわけでもないわけでありますが、これは往々にしてあるところでありまして、往々にして、就職試験についても…… それは、ですから別段そのことをとやかく言うようなことはないと思います。 このように答弁をしたわけです。 その答弁に至る経過は、先ほども当委員会でも紹介がありましたけれども、小池議員が、ある医療法人の理事長の御夫人が宮路事務所に電話を掛けてきた、自分の息子さんが二月の四日、五日に帝京大学医学部を受験するということをお話しになっている、そして宮路議員にこう伝えている、息子の帝京大学入学試験が近づいてまいりましたが、ごあいさつに伺った方がよろしいでしょうか、先生も大変お忙しいことと存じますので、御指示どおりにいたします、そうしましたら総長側から受験番号を至急御連絡くださいと要請があった、そこで一月三十一日に受験番号を冲永総長に通知をした、このように追及をして、その事実を宮路氏は委員会で認めました。 また、この事態を受けて福田官房長官が、報道の中で、記者会見を通じてこのように発言をしております。番号を教えたことが一体どんな意味があったのか、実態を考え、何ら利益がないことは国民にも理解してもらわなければならない。これは国民はとても理解できないというふうに私は思いますけれども、こういう発言を聞いても、事の重大性が全く分かっていない。政治家の口利きが今、今度の国会でこれほど大問題になった。それだけではなくて、公平であるべき入学試験で特定のコネのある受験生だけが便宜を受けるということは、機会均等を保障した教育基本法三条、「社会的身分、経済的地位又は門地によつて、教育上差別されない。」、このことにも反することになるわけですね。 こういった問題、一番分かっている文部科学省、これがきちっとこういうものを是正する。最も分かっている専門家の立場として、生命を預かる医師を養成する大学に政治家が口利きによって関与したということは極めて深刻な問題であるというふうに思いますけれども、遠山文部科学大臣の御認識はいかがですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 入学試験につきましては、これは公正を確保するということが基本でございまして、それを害するような第三者からのいろんな働き掛けということは厳に慎むべきであると私は考えます。
○畑野君枝君 この宮路副大臣のこうした問題も問題だということですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 今述べられましたようなことは、私としては大変残念なことと思います。
○畑野君枝君 この宮路副大臣の口利きにつきましては、先ほども、文部科学省が大学側に問い合わせたと、そうしましたら帝京大学はそうした電話をもらったりあるいは総長などから電話を掛けたりしたことはなかったということだったという御報告でございましたけれども、帝京大学が十五日に出しました特別調査委員会の調査、これを読みましても、片や宮路氏は、口利きをした、そういう連絡を冲永荘一総長と取ったということを認めている一方で、特別調査報告書やあるいは文部科学省が確認したところでは、冲永総長はそういうことはないというふうに答えていると。事実関係は全く食い違っているわけです。そして、ますます疑惑は深まっていくわけでございますが、文部科学省としては更にこの問題きちんと調査をすべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) 先ほども御答弁申し上げましたように、入試の公正な確保というのは大変大事なことでございまして、私どもかねがね通知を申し上げながら各大学に指導を徹底してきたわけでございます。 帝京大学におきましても、どなたからどういう口利きがあったかにかかわらず、入試の合否決定については教授会でしっかりやっておるというのが調査報告書に書いているところでございます。 今後、この件を含めまして、調査報告書、必ずしも十分と私ども受け取ってございませんので、その全容の解明に厳しく取り組んでまいりたいと思っております。
○畑野君枝君 そういう点では、委員長にお願いをしておきますけれども、やはり冲永荘一総長を是非当委員会としても参考人として招致をすべきだというふうに思います。厚生労働委員会でも参考人として招致をするということが求められていて、それは当然でございますが、当委員会としても大変なかかわりがあるわけですから、その点を求めておきたいと思います。いかがでしょうか。
○委員長(橋本聖子君) この件につきましての取扱いは、後刻また理事会で協議させていただきたいと思いますので、御了承ください。
○畑野君枝君 よろしくお願いをいたします。 さて、この政治家の口利き問題は宮路氏だけではないということなんです。宮路氏本人がだれでもやっているというふうに言い、また自民党の山崎幹事長も、入学、就職、結婚のあっせんまで、政治家はよろず相談所と述べている。とんでもないことだと思います。 資料をお配りいただきたいと思いますが、(資料配付)私たちが独自に政治資金調査報告書を調べてまいりました。 私学は学校法人ですので、補助金をもらっておりますから、政治献金は禁止されております。ところが、冲永総長は、自分の名前を利用し、あるいは自分が役員をしている関係会社を通じて政治家に献金をしている。正に迂回献金ではないか。 資料を見ていただきます。 一九九八年から二〇〇〇年の三年間でも、亀井静香衆議院議員広島六区に一千九十九万円、松島みどり衆議院議員東京比例区に九百万円、育英財団の所在地愛媛の塩崎恭久衆議院議員、一九九八年当時は参議院議員、愛媛選挙区に百万円渡されております。 この三人を含め、政治家から口利きがあったのかどうか、帝京大学から事情聴取を始め徹底調査することを求め、それを明らかにするよう求めます。いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) 今、先生の方からもお話ありましたように、国から補助金を受けている学校法人が特定の政治家あるいは政治団体に政治活動のための資金を供与するということは法律で禁止されているわけでございますけれども、個人のお立場での信条あるいは政治的な信念あるいは行動というのは御自由なわけでございまして、私ども、それ自体とやかく言う立場にはないわけでございます。 今御指摘の資料ございますけれども、私どもも一部、官報やあるいは政治資金報告書によりまして確認しているところでございますが、正規の手続を取られている案件かと思ってございますけれども、入試の公正確保という観点につきましては、先ほど申しましたように、寄附金の収受、お金のやり取り、あるいは口利きのやり取りにかかわらず、公正、適正に行われているかどうかというのは大変大事なところでございまして、その点については、更に今後の大学側の調査等を含めまして、解明に努めてまいりたいと思っております。
○畑野君枝君 是非、口利きがあったのかどうかということはこの調査の中でやっていただきたいと思いますし、そもそも政治資金規正法そのものが抜け穴だらけじゃありませんか。だから改正もしなくちゃいけない。ましてや、こうした原資がどのように使われているのか。いろいろな不正なことに使われている、そういう当の総長からもらっていると。これはもう政治的にも本当に重大な問題があるというふうに言わざるを得ないわけでありますから、そのことを指摘しておきたいと思います。 そして、そういうことが政治家とのかかわり含めてあいまいにされてきたということが、実は大変な問題をこの帝京大学作ってきたわけじゃありませんか。特に今回の問題で、寄附金にかかわる問題、本当に異常な問題です。まず申し上げたいのは、帝京大学、とりわけ医学部への寄附というのが量、質ともに本当に異常だということであります。 私も帝京大学の関係者から直接お話を聞きました。ある受験生は八千万円の寄附を納めたとか、それからある受験生は推薦入学でも不合格、一般入試でも不合格だったのに後になったら受かっていた、周りはびっくりした、そして、しかしその二年後に退学をして、本人は一億円をどぶに捨てたと言っていると。こういうような様々な話があるんですよ。 そして、今、国税庁の調査も入り、追徴金が二十七億円。膨大な追徴金が課せられた。脱税行為ということであれば、計算をすれば寄附で集めて年間二十億円、七年間で百四十億円の巨額な寄附の額ですよ。 こうしたことは異常だというふうにお思いになりませんでしょうか。この額、あるいはそうした中身、この点について見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 日本は一般的にアメリカなどと違いまして寄附文化が定着しているわけじゃございませんけれども、基本的に、入試に絡んで申し上げますと、かねがね通知など申し上げていますように、合格発表、合格手続前に言わば合格するか否かというその不安、受験生の不安といいましょうか希望にかこつけて寄附金等を収受することはいかがなものかということを考えているわけでございますが、それが決定した後、母校のために保護者等がどういう形で資金的な支援をするかというのは、それはそれぞれの当事者間のお話であろうかと思いまして、その額、私どもはとても手が届かない数字でございますけれども、その多寡によらず、それぞれ相対で御相談になる話ではないかと思ってございます。
○畑野君枝君 社会常識からすれば、正に手が届かないですよ。お金がない学生は入学できないということですよ。 私のところに私学の教職員組合、私教連の皆さんや父母の皆さんが、先日、私学助成と三十人学級の実現で御要請に来られましたけれども、そういう学校で調査したら、もう本当に授業料が払えないで中高生が経済的理由で退学者が年々増えている。社会全体がそういう状況ですよ。それが何千万、一億。それは後でまた不正かどうかという話はしますけれども、全体含めて百四十億と言えるような、そういう規模の額のお金が寄附として集められている。私はこれはもう異常だというふうに言わざるを得ません。 そして、私は、こうした、集めた巨額の寄附の中に文部省自身が出してこられた通達に反する不正な、不適切な寄附金が含まれていたということが明らかになった。そして、これは十五日の大学自身の特別調査報告書でも自ら認めているわけですよね。つまり、合格発表前あるいは入学手続前、寄附を取っていたという事実であります。正に不正裏口入学の疑いが濃厚でありますが、徹底した調査が必要と思いますが、いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) おっしゃいますように、先般の報告書の中で、これまでの五年間で約入学者の一割に相当する者から合格手続以前の寄附金の収受があったということを認めた報告書でございます。ただ、その内容、年度ごとの件数でございますとか金額でございますとか、その詳細について記されてございませんので、それらも含めて私ども徹底的な調査を今予定しているところでございます。
○畑野君枝君 その総額ですとかお金の流れとか、そういうのもきちっとこれから調査するということですね。確認しておきます。
○政府参考人(工藤智規君) そのように考えてございます。
○畑野君枝君 帝京大学の調査報告書の八ページによりますと、大学側も認めた不正な寄附というのは、今お話がありましたように過去五年間で入学者総数の九・九%、つまり一割とされておりますし、文部科学省に伺いますと、全体の額の二〇%、約二〇%に及んでいるということなんですけれども、これだと実際にそれぞれ何人かとか、それぞれがどういう寄附であったのかというふうなことは分からないわけですね。一般的にこれで単純計算をしたとしても、毎年百人の定員で計算したとすれば、少なく見ても五年間で五十人、総額二十億円が不正に寄附されているのではないかという計算になりますが、その辺はどうでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) ですから、その年度ごとの人数等が、私ども、書類の上でも、それから口頭でお尋ねしても明確ではございませんので、それも含めた全容を解明したいと思っております。
○畑野君枝君 きちっとした調査を求めます。 そして、この寄附金の問題で最も重大な問題は、今度の調査報告書が冲永荘一総長の関与は一切ないというふうにしてしまっていることだと思うんですね。つまり、今度の調査報告書は、その不正な寄附の責任者は事務局長にあったんだということで、総長の責任を一切回避している。これは私は大変この報告書の最も重大な点だというふうに思います。報告書では、事務長専管事務の業務として他に知らせることなく事務局長の判断と責任によるものだというふうになっているわけですが、しかしそんなことは実態調べたらあり得ないというふうになると思うんですよ。 私もいろいろ調査をいたしました。そうしましたら、ここではすべてのお金の流れというのは冲永荘一総長が陣頭指揮を取ってやっているということなんですよ。 私は、証拠として出しておきますけれども、一つは、帝京学園ですけれども、物品購入申請書というのがございます。ここに理事長以下ずっと決裁を、サインをすることになっているわけですけれども、その最後に園長決裁というのが、一番大きいのがあるんです。これは一万円以上の支出はすべて冲永総長の決裁になっている、こういうふうに言われております。一万円以上ですよ。本当にお金にうるさいというか、こういう状況。 それから、これは学校法人帝京蒼柴学園の願い書ということで、二十万円以上、会長決裁になっております。この会長はだれかといえば冲永荘一総長です。 それから、これは帝京安積学園高校労働組合員銃撃事件というのがございました。マスコミでも報道されました。検察庁の供述調書なんです、これは。この裁判というのは既に結審をしておりまして、この供述調書の中で安積学園高校の事務長は重大な発言をしております。 帝京大学の入学に当たり、私、つまり安積学園事務長ですね、私が、○○さんから、ここは名前を伏せておきます、○○さんから頼まれて学園の理事長から帝京大学の冲永総長に働き掛けをしてもらった結果、○○さんの次男は無事帝京大学経済学部に入学することができた。私はその謝礼として現金百万円をいただいた。また、帝京大学の冲永総長に対しては一千万円の謝礼をしたとのことでした。つまり、冲永総長に対しては一千万円の謝礼をした。この供述書はそのまま採用されて刑が確定しているわけです。つまり、調査報告書が、事務局長が一人でやったんだなんということは全くでたらめ、自ら総長が仕切っていると、知らないなんていうのは、これはとんでもないというふうになると思うんです。 こんな報告書が、文部科学省が十八回も調査、現地に行って、こんなものしかない。本当に冲永総長の責任は重大なんじゃないですか。徹底した解明が必要だと思いますが、この点、いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) 先生もお怒りのようですが、これ私どもが作ったペーパーじゃございませんで、報告書は、これを私どもいただきまして大変不本意に思っているわけでございまして、そのために、これまで余り例がないのでございますけれども、専門家の方々の御協力も得ながら、現地調査を含めて徹底的な解明に努めてまいるということを先ほど来申し上げているところでございます。
○畑野君枝君 更に重大な問題というのは、この百四十億含めた巨大な寄附がどのように流れて使われてきたかということだと思います。 この報告書の中では、過去五年間に五四%は帝京大学に、残り四六%はその他の学校法人と関連財団に行っているというふうに自ら言っております。医学部などに入るのに何で大学以外の財団に流れるのか。寄附金は学校協力費、建設協力金というふうにされております。しかし、これまたこの報告書が自ら語ったという点では私は大変注目をいたしましたけれども、九ページのところで国税局の指摘内容ということについて自ら明らかにしております。大変注目をいたしました。 国税庁の通知書の原本から確認したところ、国税局側の考え方と課税額というのは、帝京育英財団が大学から寄附金を集めることを依頼され、周旋業務を行ったものであると認定しているとされている。そして、周旋業は収益事業であり、つまり仲を取り持つというのは周旋業でありますが、それは収益事業であり、そして約二十七億円払えというふうになって、言われているんだというふうに自ら報告しております。 何よりもその二十七億円払えと、追加課税を国税庁から通知書が来ているということを認めているということだと思いますけれども、じゃ伺いますけれども、その元になっている所得というのは、国税庁の通知書原本には何億円というふうに書かれていたのでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 私どもはこの報告書をいただいただけでございまして、国税庁の方からの更正通知について原本あるいは原文コピー等を拝見させていただいたものではございません。 ただ、ここのレポートにございます、今御指摘の九ページで二十七億円の追徴課税があったということでございますし、その前の行で課税所得ということがございますので、課税所得は幾らなのですかとお聞きしたところ、課税対象額については約六十五億円であるという口頭での御説明がございました。
○畑野君枝君 今までは報道等ではいろいろと言われておりましたが、文部省が聞いたところ六十五億円というふうに言われたと。これはもう初めて私もここで確認をさせていただきました。 つまり、六十五億円もの所得隠しをしていたという事実が明らかになったわけです。しかも、それは医学部の学生のためじゃなくて収益事業に使われていた。もう二重三重の背信行為と言わざるを得ないと思うんですけれども、これ絶対許せないことだと思いますけれども、文部科学大臣、いかがですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 今回の一連の寄附金にまつわる、入試にまつわる寄附金の流れにつきましては、私どもも解明すべくこれから現地に職員それから専門家を派遣してやりたいと思っておりますけれども、今のお話にもございますように、医学部への入学にまつわる寄附金というものが正規に計上されなくて、大学外の財団というものを通じて言わば内々にいろんなところに使われていたということも、国税庁から直接聞いたわけでございませんけれども、そういう流れが明らかにされたというようなことも報道等を通じて承知いたしているところでございまして、そもそもそういう寄附金が入試にまつわって集められたこと自体大問題でございますし、その使われ方自体も私どもには納得のできない、大学という公的な存在であるところの設置者である学校法人のやることとしては、これは私どもとしては納得できないわけでございまして、その点も含めて全体を明らかにして、そして厳正に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○畑野君枝君 是非とも本当に厳しい態度で臨んでいただきたいと思うんです。 国税庁にはその件につきまして伺おうというふうに思っておりましたが、時間の都合でまたの機会に伺うことをお許しいただきたいと思います。今日はありがとうございます。 さて、その六十五億円が本来の目的と違うものに使われていたということになりますと、これは返還するということにもなってくるんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点はいかがになりますか。
○政府参考人(工藤智規君) これも更に精査しなきゃいけませんが、大学側の御説明では、寄附者が、寄附申込書というのがあって、大学側それから大学以外の財団法人等にそれぞれ別々の寄附申込みがあって、寄附者の意思に基づいた支出であるという御説明でございました。なかなか、本当そうかなということもありますし、その原本を確認しているわけでもございませんので、それは精査していかなきゃいけないと思っております。
○畑野君枝君 本当に精査しないと駄目ですよね。だって、出す人は、そのために使われているなんという、事業収益のために使われているなんて思っていないわけですから、それは目的外の使い方ということもきちっと立証していただいて、そういうことが分かれば強い指導を求めていきたいというふうに私は思います。 さて、帝京大学やあるいはその関連グループなんですが、創立以降、急成長してきた。今日は時間がありませんけれども、医学部創立の一九七一年以降の学園数というのは、海外にも進出し、とりわけ急成長しているわけです。そして、この異常かつ不正な寄附金を集めた巨大なお金が帝京グループの急成長を遂げさせてきたのではないかというふうに言えるんじゃないかと思うんですけれども、この帝京大学というのは、補助金をもらい、更に不正な寄附金を得て成長してきたということになるわけですから、当然こういうことが分かれば補助金の返還を求めることになるのではないかというふうに思いますが、いかがですか。それはどういうふうになりますか。
○政府参考人(工藤智規君) 私学助成というのは、せっかくの国会で通していただいた予算の中から差し上げているものでございますし、その適正な執行あるいは配分に努めているところでございます。 その中で、例えば今回のように不適切な入試に絡む寄附金収受等があった場合は元々補助金交付しませんよという取扱いになっているわけでございますので、それが判明いたしますと過去にさかのぼっての返還を求めてまいりたいと思ってございます。 ただ、事件の全容を解明しながらということになりますけれども、先ほどもお答えいたしましたように、最大限、過去五年間さかのぼってということになりますし、この平成九年度から十三年度までの過去五年間に学校法人帝京大学に対して交付されました経常費補助金の総額は約六十三億八千五百万でございます。これをベースにしていろいろ考えていかなきゃいけないと思っております。
○畑野君枝君 会計検査院に伺いますけれども、そうした問題で国民の貴重な血税が湯水のように投入されてきているということで、そういう点ではどのように対応されるのでしょうか。
○説明員(重松博之君) 今朝ほどもちょっと申し上げたことでございますけれども、会計検査院は、私立大学等経常費補助金の経理につきまして、主として補助金算定の妥当性ということについて着目して検査をしているわけでございますが、ただいま問題となっております寄附金につきましては、それ自体は学校法人会計基準の上では補助金の算定要素である学生納付金には含まれないということになっているものでございます。 また、入試に関して寄附金の授受の取扱いが公正であったかどうかということに関しましては、まず文部科学省当局において大学の適正な管理運営の観点から判断されるべきものと考えております。 今回の問題につきましては文部科学省において厳しく調査されるというふうに伺っておりますので、本院としても当面これに関心を持ちつつその推移を注視しているところでございますが、なおその上で、今後、この補助金に関して検査の必要があるということになれば、学校法人帝京大学を実地に検査するということもあり得るものというふうに考えております。
○畑野君枝君 重大な本当に問題だということが一層明らかになってきたというふうに思います。 それで、私、今回この報告書を読みまして、本当にいい加減な、ずさんな中身だということを先ほど御指摘してまいりました。 それで、普通、報告書を出すときには、十八回も足を運んだら本当にその場でいろいろと詰めた話もして、こういうふうになるときには、途中中間報告もあったわけですけれども、本当に国民が納得できるようなやっぱり誠実な中身にしていく。それがふたを開けてみたら全然駄目でしたというんじゃなくて、やはり文部科学省の責任の問題、これは私、重大だというふうに指摘しなくちゃいけないというふうに思うんです。本当に甘い状況、そして先ほどから言っている帝京大学と口利き問題、政治家を含めた関係。 そして、私、資料で二枚目に付けさせていただきましたけれども、天下りの問題ですね。帝京大学の要職に、文部省から、あるいは厚生労働省から、かつての労働省ですが、要職に就いているわけです。 例えば、資料でいいますと、佐藤義男氏は、帝京大学理工学部事務局長という今要職にありますが、前歴は文化庁会計課補佐、山梨医大事務局長とか、あるいは寒川英希氏は、元帝京平成大学顧問だけれども、前歴は文部省初等中等教育局特殊教育課長、千葉大事務局長。下川啓吉氏は、元帝京大理工学部設立準備委員会事務局長、前歴は文部省大学局高等教育計画課補佐、大阪外語大事務局長。田村嘉望氏は、元冲永文化振興財団常務理事、文部省官房会計課総務班主査、山形大事務局長。瀧澤博三氏は、帝京科学大学長を今やっておられますが、前歴は文部省管理局審議官、内閣審議官、東大事務局長。文部省の管理局というのは元々私学を担当していた部局ですよね。それから玉木正男氏は、元帝京科学大学法人・大学事務局長、元文部省体育局学校給食課長、横浜国立大事務局長。飛田真澄氏は、現在、帝京科学大学事務局長、元文部省生涯学習局学習情報課長、内閣審議官、鹿児島大事務局長。そして、この文教委員長もされていた柳川覺治氏は、現在、帝京科学大学理事、元文部省管理局長。私学担当の局長ですよね。こういう状況です。 今挙げただけでも八人の方の名簿を私たちもずっと調べて今日は資料として出させていただきましたし、また、その下には、関英夫氏、労働問題リサーチセンター理事、これも帝京関連ですが、労働省事務次官。高橋伸治氏、労働問題リサーチセンター理事長、労働省労働基準局賃金福祉部長。こういう状況にあるわけです。もちろん安部英氏は、元帝京大学医学部長で厚生省エイズ研究班初代班長。 こういうことを含めて、本当にこういう天下りの状況で余り調査はできないんじゃないかというふうに言わざるを得ないと思うんです。 時間が参りましたので、今後、文部科学省としては現地調査を行うというふうにされております。むしろ遅きに失したというふうに思います。今回、調査をやるに当たっては、やはり現場の教職員、事務員、保護者、組合、こういう方々から直接聴取をするべきです。それから、表面上だけでなく、裏の帳簿とか原本の資料、こういうものに当たる。私立学校振興助成法第十二条では、厳しい対応ができると書いてあるわけですね、権限がある。関係者に質問し、帳簿、書類その他の物件を検査させる、あるいは違反をしたら当該役員の解雇をすべき旨を勧告する。こういうことを含めてきちっと調査をする、このことを大臣に最後に求めたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私どもの方針といたしまして、今回の調査報告書が誠に不十分ということでありまして、これに対して、きちんと現地にも行き、実態を調査するという姿勢でいるところでございます。
○畑野君枝君 正に今、文部科学行政と政治に対する信頼が揺らいでおります。そういう点では、最初に申し上げましたように、正に教育基本法の立場に立ち戻ってそれを徹底させる、そのことが本当に今回の事件からも明らかになったと、そのことを重ねて申し上げまして、私の質問を終わります。
○西岡武夫君 前回に引き続きまして、国立大学の独立行政法人化について、それを中心として、それにかかわる文部行政全体の問題についても若干大臣に御質問をさせていただきます。 まず初めに大臣の御認識を承りたいんですけれども、私は、特殊法人というものはいったん全部なくして、どうしても必要であるというものはそこで考える、そうしないと特殊法人の廃止というような問題がいろいろ議論をされる中で議論が進まないということをかなり前から主張してきておりました。 ところが、ここに独立行政法人という新しい考え方が導入されて、全部そこに逃げ込まれるという感じになってきております。これは大きな誤りではないかと。独立行政法人化するということがあたかも大きな改革のように言われておりますけれども、私は、決してそうではなくて、むしろ場合によっては特殊法人よりも悪くなるというふうに私は思っているわけです。そういう中にあって、文部省のいろいろな組織がどんどん独立行政法人化していっているわけですけれども、大臣の御認識として、特殊法人というものと独立行政法人というものが、どこがどう違って、これが好ましい組織であるかと。特に、国立大学を独立行政法人化するということが望ましいというふうに本当にお考えなのか。 これは大臣が御就任になる前に大きな流れが決まっておりましたので、遠山大臣に私はこういう質問を申し上げるのは大変心苦しい感じがするわけでございますけれども、決して大臣の責任ではないわけですけれども、しかし、大臣はやっぱり、ここで私は文部科学省のこれからの役割というものが本当に決まっていくと思うんです。後から述べますけれども、義務教育についても、文部省は一体これからどう義務教育について責任を果たしていくのかということも真剣に考えなければいけないと私は日ごろから思っているわけでして、そういう中にあって、もうみんなが少しぐらい疑問を持っていても、時の流れとかそういうことがどんどん進んでいっているのだからしようがないやということであっては、特に教育行政については次の世代に対して責任を負うということを考えますと、真剣に考えて、疑問を持ったならば、きちっとそこで疑問を文部科学省としても公式に政府全体の方針に逆らってでも述べていかれるということが文部科学大臣としての役目ではないかというふうに思うわけでございまして、その点について大臣の御見解を承りたい。
○国務大臣(遠山敦子君) 特殊法人という特別の立法によって設けられた組織体を独立行政法人にしていくという流れにつきましては、これは文部科学省のみの問題ではありませんで、政府全体の大きな方針として今日動いてきているところでございます。どういうメリットかという面も十分に検討された上で今日の大きな制度改革が行われようとしていると思っております。 私自身はたまたま西洋美術館長でございましたけれども、このときに、国の行政組織の一つとしての立場から独立行政法人になったという経験をほんの二十六日間でございますがいたしております。二十六日間ではございましたけれども、私はむしろ、国の行政組織であるということにおける人事及び会計面等、マネジメントにかかわるかなり制限的な拘束された組織の運営よりは、独立行政法人ということで様々な工夫もでき、活性化した活動もできるというふうに思いまして、二十六日の間にもかなりの改革をしたところでございます。それによって職員の姿勢も意識も取り組み方も随分変わったなという感じを持ちながら過ごしていたわけでございます。 そういう個人的な経験は別といたしまして、私は、今回の、国立大学という一国の知の拠点というものをどうしていくかということは大変大事な、言わば一国の将来に大いに影響する事業だと思っております。これは、その流れは急に起きたものではございませんで、平成九年からの非常に長い、しかし慎重な検討の上で今日に至っていると承知いたしております。 平成九年の行政改革会議が最終報告を発表して以来、この中で、国立大学については、独立行政法人化は大学改革方策の一つの選択肢となり得る可能性を有しているけれども、これについては、大学の自主性を尊重しながら研究、教育の質的向上を図るという長期的な視点に立った検討を行うべきである等の、国立大学については別途の留意を要するという内容を盛り込んだ報告が今日の国立大学の法人化の流れの原点にあろうかと思っております。そして平成十一年度、閣議決定。それから平成十一年の八月、九月におきまして、それぞれ、国立大学協会における常置委員会等の中間報告の発表等、様々な経緯がございました。 そして、十一年の九月には、国立大学長・大学共同利用機関長会議におきまして有馬文部大臣が、独立行政法人化の問題の検討の視点、それから独立行政法人化の意義等について見解を表明されまして、併せて「国立大学の独立行政法人化の検討の方向」を公表されました。その後も、国立大学協会の動き、それから自由民主党の政務調査会における提言、そして中曽根当時の文部大臣が文部省としての考え方と今後の方針を、これはかなりきっちりと国立大学の特質を踏まえた内容であったと思いますけれども、五月にそれを国立大学長・大学共同利用機関長会議において発表されました。その後に、国立大学協会における検討、さらには、これは文部科学省において設置いたしました調査検討会議における検討等、様々な検討を経て、今日、私どもとしては、国立大学については、これまで進んできている独立行政法人としてではなくて、国立大学法人として、その機能あるいはあるべき組織の考え方、経営の在り方等も含めて、独立行政法人とは違った形の国立大学法人ということで法人化の課題にこたえていこうという決意であるわけでございます。 そこで、じゃ法人化というものはどうして国立大学法人ということでやるのかという御質問かと思いますけれども、大学の教育研究というものをより活性化をして、また社会の期待にこたえていくためには、これまでの行政組織の一部としての国立大学の位置付けでありますよりは、より独立をした、自律性を認めた、そういう国立大学法人として再出発してもらう方がいいという判断があるわけでございます。これは諸外国の例でも、それぞれ組織の形態、名称はやや違いますけれども、大学が公費をもって賄われる場合には法人格を持っているという先例等もございます。 そのようなことから、私どもといたしましては、新しい国立大学法人への移行は、正に国立大学改革の一環として、大学における教育研究をより活性化させていくという本来の機能をより発揮するために、設置形態を変えて、日本の知の拠点の中核たる国立大学、国立大学の名称は変えるつもりございませんけれども、そういう位置付けをきっちりして、それぞれの大学により努力をお願いをして、それぞれの大学が特色と魅力を発揮して国際競争力も持てるような、そういう大学に発展してもらいたいという願いの下に、今日、必要な準備を着々と整えているところでございます。
○西岡武夫君 重ねてお尋ねしますが、それでは大臣も、途中でこういう問題に、既定の事実がある程度でき上がった中で大臣に御就任になったわけですけれども、今この時点で遠山大臣としても、国立大学が、私は国立大学の今の制度の下でも、例えば評議委員会委員等々に地域の代表の方々に入っていただいて国立大学の運営に参画するという、当初の国立大学を各都道府県にそれぞれ設置をしたときに論じられていた方向で改革していくということも可能でありますし、人事院とも大分、私、お話ししたことが昔あるんですけれども、この前の委員会でも申し上げましたように、教育研究者については、公務員でもない民間企業の方でもない第三の身分というものも考えてはどうかということを私は提起したこともあるわけです。 そういう意味で、今の制度の下でそういう改革をすることも可能であったと思うんですけれども、今の大臣のお話を承りますと、独立行政法人化する方が今の国立大学のままであるよりはよりいいという、積極的に評価されたということでよろしいんですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 確かに、今日でも大学側が管理の在り方について民間人をもっと登用したり、あるいは運営諮問会議も既にございますけれども、そういうところにより強力な民間人の意見を用いるようにしたり、様々な工夫はできると思います。 しかし、今日、新しい国立大学法人で実現しようといたしております身分の新たな在り方、あるいは国家公務員法の枠組みから離れた身分制度なり、あるいは財政法といいますか、財政上のいろんな規制からもできるだけそこは自律性を保つようにしていく問題等、様々な新たな大学における教育研究及び運営の活性化ということを図ってまいりますには、現行の法体系の下における国立大学の在り方では決してそれは実現できないわけでございます。 その意味で、今日の状況の中で、もちろん教員の流動性を図りますとか外の意見を入れていくとか、様々な工夫というのももちろん可能でございますし、大学改革の一環としてそういうことを私どもも様々な機会を通じて助言をしてまいったということも確かでございますが、その行き方とはまた一段、自律性とそれから独立性を保ちながら国民の期待にこたえていくという角度から見ますと、私は国立大学法人として新たに出発する行き方がいいのではないかと、そういうメリットを大いに今感じているところでございます。
○西岡武夫君 大臣、昔、大分古い話ですけれども、中央教育委員会というのを作ろうという議論が国会でも一部ございました。党でも、何々党ということを申し上げませんけれども、政党の中でもそういうことを正式におっしゃった方もおられたわけでございます。 私はこれに対して反対の立場でございまして、これは大学の問題ではないんですけれども、義務教育は国の責任で行うべきであると。地方分権ということが今大きな流れで、私はこれは積極的に進めるべきだと思いますが、少なくとも義務教育に関しては国の責任でこれをきちっと行うべきであると。もっと突っ込んで申しますと、今の教育委員会制度を根本的に改めて、国が義務教育については全面的に責任を負うと。先ほど私はたまたまちょっと席を外しておりましたけれども、有馬議員の御質問の中にも、義務教育国庫負担について、これはきちっと確保すべきであるという御質問といいますか御激励があったやに聞いておりますけれども、そういうことではなくて、国が全部責任を負うと。小学校の先生も中学校の先生も国家公務員にして、今は地方公務員ですけれども、そして国の責任で義務教育のすべてを責任を負っていくということにすべきであろうというふうに思って元来いたわけでございます。 そういう観点からしますと、今、地方分権の中でどんどんどんどん、大学も独立行政法人化したと。文部科学省の責任というのは、独立行政法人で、大学の自主性とかそういうものをどんどん、学問の自由はもうこれは厳然として存在する、守らなければいけない基本的なところですね、それ以外のところでもどんどん大学は独立行政法人として自由におやりなさいと、そういうことでしょう。 そうなりますと、今のままでいくと、義務教育についても、例えばまずすぐ起こってきます影響というのは、国立大学が附属の学校を持っておられる、それで国家公務員としての小学校、中学校、幼稚園のそれぞれの教官がおられるものですから、その方々を対象として給与の問題についても人事院勧告がなされる、それに準じて教職員の給与の問題についても、国が人事院という制度の下でそれに準ずるという形で教職員の給与の問題も考えられると。ところが、これも人事院の勧告の対象でなくなりますね。 そうなると、給与そのものをどういうふうに、何を根拠に、大学もそうですけれども、義務教育の諸学校について、公立の、諸学校について給与をだれが決めるのか。それぞれの都道府県の人事委員会が決められるのか。そういうところまで全部波及するということを当然大臣はお考えだったと思いますけれども、その点をどういうふうに御認識ですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 西岡委員の多年にわたる大変御見識の高い御意見につきましては折々に聞かせていただいたところでございますが、義務教育につきましては、先ほども御説明いたしましたように、地域における地方の独自性、工夫というふうなこともできるだけ認めていく、そういう方向にあるわけでございますが、義務教育の根幹については私は国として堅持すべしという考えを持っております。 国立大学法人にかかわります様々な法制が変わりますと、確かに今日、人事院において作成されています給与表がそのままでは適用、国立大学法人における教授等の給与に反映されるということはなくなるわけでございますし、したがって、今お話にありましたように、各県における教員の給与等の問題についても影響が出るわけでございます。ここは、しかし、じゃ全くそれが自由であってもいいかということになりますと、これは義務教育費国庫負担との絡みもございますし、したがいまして、ここはきちんと詰めておりまして、そこのところ、人事院等との話合いも今進んでいるところでございます。 この具体的な進み方について、もし更に詳しいことが御必要でございましたら、今、局長からお答えをしたいと思います。
○西岡武夫君 私が申し上げたいのは、文部科学省という役所が本当に日本の教育、もちろん科学技術、科学と技術の問題、そして文化、体育、スポーツという非常に広範囲な、国民の基礎的な面での人間形成について大きな役割を果たしている、また社会的にそういう文化、芸術、体育、スポーツという面で大きな役割を果たさなければいけないという面があるわけですけれども、やはりその根幹は義務教育にあると思うんですね。 ところが、私も力不足で今日に至っているわけですけれども、大学の独立行政法人化をして大学の自主性にどんどん任せていくと。今まで義務教育について、私が、何か問題が起こると、文部省の皆さんが必ず、当時単独与党であった自民党の文教制度調査会とか文教部会に呼ばれて、いろいろと皆さんの先輩の皆さんがしかり付けられているのも私は当選一回、二回のころずっと見ておりました。 ところが、文部行政というのは元々指導と助言しかできない、命令することができないということで成り立っているわけですね。指導、助言しかできない。文部科学省は、事文部科学の行政について指導、助言する以外の手だては何にも持っていない。大臣、違いますか。
○国務大臣(遠山敦子君) 指導、助言という大きなくくり方をされますけれども、具体的に申しますと、例えば義務教育につきまして国の責務は一体何かという角度から申しますと、一つは、全国の義務教育の在り方について、無償であることを保障し、かつ一定の教育水準を保つという観点から、それに必要な制度、枠組みをきっちり作る責務がまずございます。それから、教育内容については、学習指導要領を定めて、それに基づく教育が展開されるように、その面では大きい意味での指導、助言でございますが、しかしそういうものを定める責務もあるわけでございますし、財政的な援助もしていくということでございます。 大学につきましても、基本的な制度、枠組みの形成ということにおきましては、その担当する分野についてすべて持っているわけでございまして、特に教育の場面では、設置基準でありますとか、あるいは設置についての、私学についても認可でありますとか、様々な責務といいますか権限といいますか、そういうものを持っているわけでございます。 その意味で、指導、助言だけというのは、まあ教育内容にかかわることは正に指導、助言が主でございますけれども、私は制度の根幹を定めていく、そしてそれが実際に現実に移されていくということをきっちりと見守っていく、そういう責務は非常に複雑な、かなり内容の深いいろいろな責務を負っているというふうに思っているところでございます。
○西岡武夫君 今、大臣がおっしゃっていることは、要するにいろいろな施策について予算、補助金とかそういうことを通じて、まあ言葉が適切かどうかは別といたしまして、事実上はある程度、まあコントロールという言葉は余りよくないんでしょうけれども、文部科学省の考え方を進めていくことができるということだろうと私は理解するわけですけれども、独立行政法人化した大学というのは、これに対する、交付されるお金というのは、事実上どういう積算根拠に基づいて、やり切りという形になるんですか。交付したままになると。もう自由にお使いなさいと。ある程度の金額、積算基準はもちろんあるでしょうけれども、それに基づいて交付されたお金は独立行政法人が自由に使っていいと。借金もできるわけですからね。 私が何を言いたいかといいますと、そういう意味で、今まで文部科学省としては国立大学に対しては予算の執行を通じて相当事実上の、コントロールという言葉が適切でないとすれば、文部科学省の一つの考え方というものを、何といいますか、公にすることができた。ところが、そういうことになりますと、全部自由にお使いなさい、借金も自由にできますよと、システムを作るということですけれども、そうなると特殊法人の二の舞になりかねない、将来。ということと、文部科学省の役割というのは一体何なのかと。 今日はちょっと余り時間がないものですから、大学と義務教育と両方、全部おしなべて申し上げるということはなかなか難しいんですけれども、私が申し上げたいのは、この前の委員会でもちょっと触れましたけれども、教育行政についても今の教育委員会制度で私はいいと思わないんです。だれも責任持たないんですから。知事が予算を持っているわけですね、知事が。ですから、議会でいろいろ、県議会でいろんな問題が、都議会で議論が起こっても、知事は答えないでいいわけです。教育委員会が、教育長がほとんど答えているようですけれども。 そこで、ところが、教育委員というのは、これはもう昔に、大昔に質問をしてなかなかうまくいかなかったんですけれども、そのときも私は野党でございましたが、昭和五十二年でございましたか、大体非常勤の教育委員にその地域の教育行政の全部を任せるというのは一体どういうことなのか、それで教育行政の責任が果たせるのかと。文部省はそれじゃそれに対して、今、大臣いろいろおっしゃったけれども、現に、具体的な県は申しませんけれども、大分時間がたちましたから申し上げるのは控えますけれども、ある県が長い間、知事の考え方によって第二の文部省と言われた長い時期があったわけですね、特定の県で。それは、やろうと思えばできたわけですね。 だから、文部科学省というのは、もう国立大学も独立行政法人化したと、義務教育についても今のままで、今度は義務教育国庫負担についても、先ほど有馬議員が心配されて御質問になったのはそこだと思うんですけれども、国庫負担金については整理統合していこうと。一番大口の義務教育の教職員の給与についての負担金をどうもねらっていると。そういうような状況の下で、文部科学省はじゃどういう意味で存在しているのかということになりかねないということを私は心配しているわけです。 ですから、義務教育についてはやはり国の責任としてきちんと全額国が責任を持つと。制度の面でも資金の面でも、財源の面でも責任を負うべきであると。大学についても、日本の本当に基礎研究をもっと大事にしていくということを考えれば、文部科学省の果たすべき役割は非常に大事だと。そのことを考えると、こういう大学の改革の仕方で本当にいいのかと、後で悔いを残さないのかということを私は恐れてあえて申し上げているわけです。このままだと文部科学省なんて要らないじゃないかということになりかねない。そうでしょう、大学は独立行政法人です。それで、義務教育はもう地方に全部任せると。これじゃ何やられるんですか、文部科学省は。
○国務大臣(遠山敦子君) 文部科学省の将来について大変御心配をいただいておりますが、義務教育につきましても高等教育につきましても科学技術の振興についても文化の振興についてもスポーツに関しても、私は国のなすべき役割というのはきっちりとあると。むしろ、二十一世紀を考えますときに、人間の知なり感性なりというようなものが非常に大事になってくるときに、全体の日本の国の重点の置き方等を考えるときに、文部科学省の役割というのは大変重要だと思います。 今義務教育のお話ございましたけれども、私どもは憲法上の要請というのをきっちりと守って国の責務を果たしていくというのは当然でございます。それを元にしまして、様々な法制度を私どもとして構築してきているわけでございます。 教育委員会制度を定めた地教行法の在り方、先生の御意見は一つ大変有益な示唆を持つ内容とは思いますが、仮にそういう制度を改めるとすれば、これは文部科学省自体が主体的に考え、もちろん全国のいろんな意見も聞きながらでございますが、法制化を図っていく必要もございますし、教員の制度の在り方、免許法の在り方あるいは義務教育に関する学級編制の在り方等、様々な基準も定め、そしてそれを実現するための指導そして財源措置、そういったことのトータルを通じて日本の教育を支えているわけでございます。 国立大学につきましても、先ほど来申しておりますように、国の行政組織の一部としての存在であるよりは、より独立をした法人格を持った上でその機能を発揮してもらうということでございまして、国が負うべき責務をすべて譲ってしまうということではございません。 御心配の運営交付金の算出方法について申しますと、運営交付金は、一つは学生数等客観的な指標に基づいて各大学に共通の算定方式によって算出される標準運営費交付金、それから客観的な指標によることが困難な特定の教育研究施設の運営や事業の実施に要する特定運営費交付金を合計したものとするものでございまして、国立大学法人になってもこれは国費を注入、投入するということは継続されるわけでございまして、そのことについての責任を持つのと同時に、競争的環境の醸成、それから各大学の個性ある発展を促進する観点から、中期計画終了後の各大学に対する第三者評価の結果等を適切に反映させていく、そういう責務もあるわけでございます。 大学という単に日本の高等教育の拠点というよりは世界の知にも貢献をしていくべき大変重要な存在につきまして、これは文部科学省といたしましては、科学技術も担当し、それとの関連で学術の振興も担当をしておりますし、今回の今進めようとしております国立大学法人化について、その大きな目的を更に進めるという方向でこそあれ、文部科学省自体の責務を減殺をしたり、あるいは各国立大学における取組自体の在り方をマイナスに持っていくようなことはしない、そういう考えの下に進めているということをお答え申し上げたいと思います。
○西岡武夫君 私が心配といいますか恐れておりますのは、今はそれでスタートを仮に、私は認めていないわけですから、仮の姿を、独立行政法人化した国立大学というのはすべきではないと思っていますから、すべきではないというのが実現した場合のことを想定して議論をするのは私は最も好まない議論の仕方なのでございますけれども、あえて申しますと、将来、私は日本の財政というのはこんな状態ですとますます悪化すると。今は義務教育国庫負担でさえ手を付けようと、文部科学省じゃなくて政府全体としては。これは補助金、国庫負担金を整理統合するという、もう一番目に付く予算でございますから、そこに目が付けられつつあるというような、私は元々、文部科学の予算編成に当たって、何か文部大臣が大蔵大臣といろいろ陳情したり何かしたような形で予算が決まっていくということはおかしなことだとさえ思っていたわけですから。 ところが、そういう財政事情が悪くなった、政権が変わったということで、いったん独立行政法人化したものがどういう扱いになるかというのは、将来のこと、だれも保証できない。だって、義務教育国庫負担金だって何とかしようと言い出しているわけでしょう。その事実ないんですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 地方分権に関する調査会議におきまして、そのようなことも含めた検討をという提言がなされていることは確かでございますが、まだ決定ではございませんし、私どもの義務教育に対する強い意思というものは、これは全うしていかなくてはならないと考えます。
○西岡武夫君 その程度の問題じゃないと思うんですね、この問題は。要するに、問題はそういう検討するテーブルに上がっていること自体が問題だと私は思うんです。そういう意味では、何か、冒頭に申し上げましたように、方向性がこうなると何でもかんでも流れていってしまうと。それはちょっと私は日本の将来のためには好ましいことではない。 週休二日制の、五日制の学校の導入についても多くの問題を実は抱えて、私もこういうことになっちゃってちょっと責任を痛感しているわけでございますけれども、阻止できなかったことに痛感を感じておりますが、責任を感じておりますけれども、とにかく次の世代のために、文部科学行政というのは取り返しが付かないわけですから、ほかのダムとか道路とかが最近問題になっておりますけれども、これやめたってみんなが合意しちゃえばそれで済むことかもしれませんけれども、子供たちの教育の問題については、途中で何か急にばっとやめたといったって取り返しが付くものでは決してないわけでして、ですから、例の第三の教育改革ということを銘打った森戸辰男先生の教育改革のときに先導的試行という言葉がそこで初めて出てきたわけですけれども、その同じ試みを行う場合でも普通の行政とは違うという意味でやらなければいけないと。 ですから、大きな流れの中で、文部科学省が是非そのときには、みんな応援団がおられるわけですから、毅然たる態度で対応をしていただきたい、そのためには文部科学省はどう考えるかということをまずきちんとしていただかないといけないということを最後に申し上げて、質問を終わります。
○委員長(橋本聖子君) 他に御発言もないようですので、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時十一分散会