文教科学委員会 第14号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2002/06/25
会議録
○委員長(橋本聖子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十一日、若林秀樹君が委員を辞任され、その補欠として鈴木寛君が選任されました。 また、本日、西岡武夫君が委員を辞任され、その補欠として大江康弘君が選任されました。 ─────────────
○委員長(橋本聖子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案及び文化財保護法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文化庁次長銭谷眞美君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(橋本聖子君) 文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案及び文化財保護法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大仁田厚君 おはようございます。自由民主党の大仁田厚です。 本日は、文化財の不法な輸出入の規制に関する法律案及び文化財保護法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。 この二つの法律案は、盗難に遭った美術品など文化財の輸出入を阻止するために、一九七〇年の第十六回ユネスコ総会で採択された文化財の不法な輸出、輸入及び所有権譲渡の禁止及び防止の方法に関する条約、いわゆるユネスコ条約批准を見据えて検討がなされております。 日本がユネスコ条約を批准しなかった理由として、条約中の返還規定と我が国の民法における善意取得に関する規定の不整合性及び国際的な盗難文化財に関するデータベース整備の立ち後れ及び税関業務など実務上の難しさなどが挙げられております。国内法との不整合性に関して民法に特例措置を設け、返還請求を十年に延長することでその整合性を見いだそうとしているわけですが、ほかの問題点についてはどこまで整備がなされているかという点を一つの質問としてお伺いいたします。 ここで質問なんですが、文化財の流出の元である発展途上国と我が国との間での文化財データベースの構築に向けたこれまでの整備状況と今後の方向性を具体的にお聞かせください。 また、ユネスコ条約が批准の寄託から三か月で効力を生じる点を考えると、二つの法律の施行までに特に猶予が与えられているわけではありません。衆議院において盗難文化財判別の方途を確立したとの答弁がなされておりますが、当然、従来どおりの税関システムでは流入を防ぐのは困難で、専門的知識を持った人材の登用が必要となると思います。特に税関に専門家を置くことなく、文化庁と財務省が協力の下、税関職員の教育に努めていくのが政府の方針のようですが、税関からの要請に応じてその都度専門家を派遣するという基本姿勢では、実際に特定外国文化財が持ち込まれた場合に対処するのがとても心配です。やはり判別の専門家を育成していくことも視野に入れるべきじゃないでしょうか。今の段階で特定外国文化財が持ち込まれた場合のシミュレーションがなされていなければならないと思うのですが、ここで二つ目の質問をさせていただきます。 実際に我が国の税関において特定外国文化財と判定された際の具体的な対応について、既存の批准国の例などを含めて見解をお聞かせください。 また、輸出しようとした者への罰則についてはどのようにお考えなんですか。 大臣、よろしくお願いします。
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいまたくさんの御質問をいただきましたので、順次御説明をさせていただきたいと存じます。 まず一つは、対象となるその文化財を把握できているのか、そのデータベースは整備されているのかというお話でございます。 いわゆる発展途上国などからの盗難文化財のリストにつきましては、現在までのところ、ユネスコや条約締約国におきましては、その整備はまだなされていない状況でございます。 しかしながら、先生今お話がございましたように、条約の趣旨を踏まえた場合に、盗難文化財の輸出入を効果的に規制をするためには、各国の盗難文化財リストの整備を図るということは大変有意義なことでございまして、ユネスコ等を中心に当該リストを管理するシステムを構築するということが基本的には望ましいことだと考えられるわけでございます。 我が国におきましては、当面、その条約の発効後に、締約国の博物館などから盗まれました文化財について締約国から通知を受けるということにいたしておりまして、その通知を受けた場合、その文化財を特定文化財として指定をすると。そして、輸入規制及び返還措置を講ずる文化財を指定をすることによってあらかじめ特定をするということで、我が国が対応すべき盗難文化財のリストは作成をしていこうと、こういうふうに思っております。法律施行日までの間にその手続等について今後定めていきたいというふうに考えております。 なお、その手続等につきましては、今後、省令などできちんと定めていくと。それから、実効性のある輸入規制を行うための関係省庁間での実務に関する調整も今後行っていきたいというふうに思っております。 それから、二つ目のお尋ねでございますけれども、税関等において文化財の判別ができる人材養成を図るべきではないか、税関にやはり専門家を置くべきではないかというお尋ねであったかと存じます。 まず、税関における文化財の判別に当たりましては、まず第一義的には、他の輸入規制を受けるものと同様に、税関の職員の方がその物件が輸入規制を受けるものであるかどうかを判別するということになるわけでございます。 文化庁といたしましては、こういった税関における判別が容易に行われるように、先ほど来申し上げております盗難文化財で連絡のあった特定文化財、この特定文化財の特徴とか形状等が記載されたリストを整備をし、あらかじめ税関に対して積極的な情報提供を行っていきたいというふうに思っております。そのことによって税関において文化財の判別が容易にできるようにしていきたいと、こう考えております。 さらに、その上で要請があれば、文化庁職員を含む専門家を税関に派遣をするなどいたしまして、専門的、技術的な立場から協力をするということを考えております。 なお、先生のお話にもございましたけれども、今後とも文化庁としては、財務省とも連携をしつつ、税関職員等に対して条約及び法律の趣旨について周知を図るとともに、十分な情報提供を行うなど緊密な連携に更に努めてまいりたいと、かように考えております。 それから、三点目でございますけれども、税関での特定文化財と判定された際の具体的な流れ、それから各国ではどういう対応をしているのかというお尋ねがございました。 各国の例につきましては、必ずしも手続の詳細がすべて明らかになっているわけではございませんが、例えばアメリカとかカナダとかスペインなどにおきましては、税関検査の際に、疑わしいものにつきましては税関で一時的に留め置き、文化財関係機関と連絡を取って照合し、規制対象文化財であると判断された場合には輸入を禁止する措置を取っているというふうに承知をいたしております。
○大仁田厚君 子供たちが古いものに触れ、またすばらしい文化を感じるというのはとても必要なことだと思います。僕もそういった文化施設に行っていろんなものを感じた、そういうことを覚えていますので、より良く推進していただきたいなと思っております。 私、そろそろ当選して一年が過ぎたんですけれども、参議院議員になりまして。この質問、済みません、この辺で切り上げさせていただきたいんですけれども、ちょっとその前に一つだけお話ししたいことがあります。 古いものをと言われますけれども、これは重要な文化財とかのものなんですけれども、この間たまたまうれしい記事が載っていまして、若い人たちが、若いオーナーが古い家具なんかを買い取って、それをまたリメークして売っているという、そしてまたその市場がどんどんどんどん広がっているという記事が載っていたんですけれども、それを聞いたときに、ああそうなんだと。そして、募集したら若い人たちが、その小さな家具屋さんに何百名という人たちが応募してきたという。まあ、この不況の時代に、リストラされる時代に募集したという人も、安易に募集したという人もいるかもしれません。だけど、その記事を見たときに、ああ、古い家具を、自分たちの生きてきた歴史、またそして古いおばあちゃんやおじいちゃんたちの歴史を感じながらリメークして新しいものに変えて、または修繕して、そして売って、そしてまたその買いに来る人たちがまた若い人であるという。その古い文化をもう一回見直して残そうじゃないか、本当に人間の手作りというものはいいものなんだというものを、何か若い人らは若い人なりの感覚で感じ取っているのかなと思いまして、すごくいい、心の温まるものを感じました。 この一年、参議院議員をやっていまして、非常に政治の流れというのはよく分からないなと思いました。先日、僕はこの部屋に入ってきたとき、ここに座って質問をしようかなと思ったら、だれもおられません。ずっと五分間待っていて、大臣も来なければ副大臣も来られないし、政務官も来なければ、教育関係の人たちがぽつんとそこにいて、あれ、今日だれも来ないのと聞きましたら、はい、今日は開かれませんのでと。それを聞いた瞬間に、僕は一瞬激怒しました。そこにいる鈴木寛先生にエレベーターの中でお会いしまして、どうしたの、いや、理事懇で決まったらしいんだ、おれに怒ってもしようがないよ、そういう話です。 だけど、僕はどうしても怒りが収まらず、僕は分かります、理論を言われれば、そこまで、いや、そこまでというと、ちょっとこれを言っていいのか言って悪いのか分からないんですが、そこまで、そのくらいの頭はあるつもりですので。 それで、言われた瞬間に僕は自分の頭の中で考えました。確かに理事懇で決めたことであり、そしてまた党の思惑やいろんなことはあるでしょう。だけど、僕らが論じているのは、ここでやっていることは何なんでしょうか、本質的なものは。こういう文化遺産、文化を残し、より良い文化を残し、また子供の未来のために何をやるのか。はっきり言って論点が違います。国会でもめていることと僕たちがやることは全く違います。僕はそのことに対して物すごく怒りを覚えました。 僕みたいな男が当選して、日本全国から票をもらい、ここの国会というものにやってきた。そういったものに対して、じゃ、私が、僕が何をできるのか、自分の中に問うじゃないですか。僕はいつも思います、この国会の中に入って自分は何ができるのか、何をここでやるべきなのか。寛先生、僕はそれを聞いたときに、僕はそれを聞いたときに何か寂しいものを感じたんです。この場でこうやってコミュニケーションが取れないのが物すごく寂しいんですけれども、あれ以来話は、あなたとの話は遠くなっているから。はっきり言って、僕は、文教委員会だけでも前向きに、超党派であり続けて、党の思惑、それやいろんな理事懇での会議にかかわらず僕は開いてほしかった。 大臣、そこで質問です。それに関して本当に大臣の真実の言葉を聞きたいんですけれども。 この文教科学というのは本当に地味です。予算もありません。いつも返ってくるのは予算がない。だけど、一番本質、いろんなこの社会状況、グローバルの世界において何を構築しなきゃいけないかというと、ここが一生懸命考えなきゃいけないところだと僕は思っております。 先日の委員会が開かれなかったことについて大臣の御所見をお聞きしたいんですが、よろしくお願いします。
○国務大臣(遠山敦子君) 私もここへ伺おうと思っておりましたけれども、理事懇も開かれており、しばらく待機するようにということで、いつでも飛び出せるように本省で待っていたところでございます。残念ながらと申しますか、それは正に国会の運営について国会議員の責任ある方々がお決めいただいて、その日はないということで、私どもとしては待機をしていたのでございますけれども、その日は開かれなかったということでございます。 私自身は選挙によって選出されてきた政治家でございませんので、今の大仁田委員の御質問にお答えするのに適格かどうか分かりませんけれども、私は、大仁田委員がお持ちのそういう非常に純粋で、要するに教育でありますとか科学技術でありますとか文化、スポーツという国民に夢を与えるような分野について責任を持っているこの委員会の役割について非常に重要視していただき、かつまた、そこにおいてはいろんな駆け引きとは別途にいろんな議論もしていくべきではないかという、そういう議員のお考えそのものにつきましては私は大変よく理解するところでございます、賛成、不賛成は別にいたしまして。 でも、どうぞ、これは私の真情でございますが、そういうすばらしい初心、どうぞお忘れなく、今後ともこの分野での先生の率直な御意見を委員会にも反映していただきたいものだなというのが、大臣といいますよりはここに座っている者の一人としてお願いをしたいところでございます。
○大仁田厚君 僕は大臣にお頼みしたいんですけれども、先ほど議員じゃないと言われましたけれども、逆に議員じゃない人が大臣になったということは、今までの、従来の型にとらわれず、僕は本当に改革的な革新的な教育を推し進めてもらいたいと思うんです。 皆さんも御存じのとおり、諸先輩も御存じのとおり、心の教育と言われます。今やっぱり子供たちが病んで、この社会が病んでいる状況の中で、僕は確かに心のノート、確かにいいものだと思います。読みました。読ませていただきました。すばらしいものだと思います、ある意味では。 ただ、僕は有馬先生とお話ししたときに、心の教育って何だろうかなと。そうしたら有馬先生が一言言う。土に触れたり木に登ったり、子供たちが単純に自然の中で触れるのも教育だよと。真の心の教育とは、僕は感じるものだと思います。感じなければ本当の心の教育には僕はならないと思います。 あるとき、ばあちゃんが僕に米を炊いてくれました。その米がめちゃめちゃうまくて、お焦げが入っていて、ああこれはうまいなと。焦げというものを初めて知りまして、やっぱり焦げはうまかねと言って。 ここに、手元に資料があると思うんですが、これはある企業がやっている学校みたいなものなんですが、不登校の生徒を今対象にやっておられます。企業の思惑とかそういったものも多少は僕はあると思いますが、すばらしい行いではないかなと思っております。 この学校を作るのに、こういう学校を作るのに、一万校作るのに一兆円から二兆円掛かるそうです、この企業が試算した。そしてまた、運営するのに一兆円ぐらい掛かるだろうという、ここの会社の会長の言う意見なんですけれども。多少会社の思惑とかが入っていますので、それを推進するかどうかは分かりませんが、この中で子供たちが土に触れ、自分たちの食物などを作り、よろしいですか、自分たちで農作物を作り、そこで炊いて食べる。その行為に関して僕は、物すごく推進しなければならない、こういうシステムを推進しなければならない一つの、一つの例ではあるかなと思っております。 僕は思うんですけれども、教育って何だろうかなと非常に思うんです、教育って何ですかって。僕らが学校を出て、僕らが学校を出て、そして確かに就職する。あっ、終わりましたね。済みません。すぐ終わります。あと一分で終わりますので、済みません。申し訳ございません。 十五歳のときに長崎をリュックサック一個で旅した少年が、どういうわけかこの国会にやってまいりました。はっきり言って、はっきり言って次の当選だとかそういったのは全く考えておりません。ただ、諸先輩がおやじと闘い、おやじと闘い、そしておやじを乗り越えようとして、おやじを乗り越えようとして一生懸命頑張った日々。そして、おれは、この中で諸先輩がたくさんおられます、そして諸先輩と意見を交換し合いながら、この中に、この日本に、僕がこのあと残された五年の中で何をやれるだろうか。それも僕は教育であり、自分の人生だと思っています。はっきり言って今のままでは何もできません。ただし、大臣も言われたように、初心貫徹、自分を忘れず、この五年の間、党やそういったものに振り回されず、自分の中で自分の信じるものを突き進んで一生懸命頑張りたいと思います。 もしよかったら、大臣、役所の中でいろいろあるでしょう。だけど、僕は、遠山大臣の中に物すごく純粋さを感じております。もしよろしかったら、やっぱり未来のこの日本のために、いろんな諸問題ありました。事なかれ主義だとかいろいろ言われます。ワールドカップの問題、いろいろあります。もうあと三十秒で終わりますので。七百枚残ったとかいろいろあります。いろいろありますけれども、おれたちって何だろうってもう一回取り戻さなければ、じゃ日本人というものは何だろうというものを、本質を取り戻さなければこの国は文化的にもいろんな意味でも取り残された国になってしまうのではないでしょうか。それを語って、質問とさせていただきます。 どうもオーバーして申し訳ございませんでした。どうも先輩、済みませんでした。どうも済みませんでした。 ─────────────
○委員長(橋本聖子君) この際、政府参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りいたします。 文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案及び文化財保護法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学省高等教育局長工藤智規君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(橋本聖子君) 順次御発言をお願いいたします。
○岩本司君 おはようございます。岩本司でございます。 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、本委員会にかかっております二法案、また関連しまして文化財全般に関する質疑をさせていただきます。 質問に入ります前に、今朝の新聞でも取り上げておられました、取り上がっております、「帝京系財団、六十五億円所得隠し」「入学前寄付 国税局、二十五億円追徴」と、これ、大きな見出しで、全国民の皆様方が朝この記事を見て出社されているわけでありますが、文部省が以前、私立大学全体に対しましてこういう問題に関しまして通達を出されているというふうに聞いております。 また、この問題は、入試前に父兄の約半数が、入試前、合格発表前までですね、寄附金を納めている、その所得を隠していたということですが。 また、そのお金ですね。これ、いわゆる私は裏口入学だというふうに感じるわけですけれども、寄附金、財団に寄附金ということでございますが、そのお金に対してまた二十五億円税金を掛けるということは、この六十五億円の中の二十五億円税金掛けるということは、この四十億円は国として認めているというようにも取られるんですが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○政府参考人(工藤智規君) 帝京大学につきましては、昨年、不正入試疑惑が報道されまして、昨年末以来私ども大学当局から事情聴取をしてきているところでございますが、今御指摘の昨夕のNHKの報道あるいは今朝の朝刊各紙の報道の事実につきまして、これは国税当局にも御照会を申し上げているんですが、今のところ正式に私どもに御連絡といいますか、お知らせいただける段階ではないという回答でございまして、報道の事実関係について私ども確認できない状況でございます。 ただ、御指摘のように、入試に絡んで保護者からの現金の収受等がありますとこれは入試の公正確保の上で大変ゆゆしい話でございまして、私ども、こういう事実を更に大学当局に対しまして問いただして、事実の究明に努めてまいりたいと思っております。
○岩本司君 ありがとうございます。 一言大臣に、この記事を見て悲しいとか、何でも結構でございます、一言いただければ幸いでございます。
○国務大臣(遠山敦子君) 私立大学に、医学部におきまして、合格発表前に父母に個別に接触したり、それから入学に絡んで公正を欠くようなそういった行為をすることは厳に禁止されているわけでございまして、今回報道されたことが事実であるとすれば、極めて遺憾だと思います。 大学というのは、私は社会的な責務を持つ大変重要な存在だと思っておりまして、その大学においてそのようなことがもし行われたのであれば、所得隠しというふうに明瞭に国税当局が判断をされて追徴をするということでございますから、そのような事態に立ち至ったということは極めて遺憾ということでございまして、私どもとしましても、このことについて更にどのように対処できるか、的確な対処を取っていきたいと思っております。
○岩本司君 大臣、ありがとうございます。 この問題は、二十一世紀、今からの日本の未来の医療全体にかかわる問題でございますので、積極的に力をともに注いでいきたいというふうに思います。 質問に移りますが、捏造問題、もうこの捏造ということでぴんとくると思いますけれども、前期石器の発見を積み重ねてきました東北旧石器文化研究所の藤村新一前副理事長による捏造事件、これは大きな衝撃を同じように日本の国民に与えました。このすべての藤村関連遺跡に関する検証作業の経過はどうなのか。藤村関連遺跡は幾つもあり、三十以上あるわけでありますが、それらについてどのような検証が行われているのか、また、今回の捏造事件発覚を受けて国としてこれまでどのような対応をしてきたのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 藤村新一東北旧石器文化研究所の前副理事長が関与した遺跡は、文化庁の平成十二年十一月の調査によれば百八十六遺跡ございます。昨年十月の日本考古学協会の大会において藤村氏が捏造を告白したことが明らかになった遺跡は、この百八十六遺跡のうち二十五遺跡でございます。さらに、この百八十六遺跡以外にも藤村氏が捏造を告白した遺跡が十七遺跡ございまして、合わせて四十二遺跡が藤村氏が捏造を告白した遺跡ということになっております。 この問題が発覚をして以来、地方公共団体や日本考古学協会などによって石器の検証でございますとか再発掘調査などの検証作業が順次行われております。これまでに三十の遺跡についてこのような作業が行われております。去る五月二十六日には、日本考古学協会の前・中石器問題研究調査特別委員会から、これまでに検証が行われた藤村氏関与の前・中石器時代の遺跡は学術資料として扱うことは不可能という判断が示されております。 文化庁といたしましては、平成十二年の十一月にこの問題が報じられて以来、ただいま申し上げましたように、藤村氏が関与した発掘調査の状況の調査を実施をし、その結果を公表し、さらに十二年の十一月十七日付けで文化庁長官通知を発出をいたしまして埋蔵文化財の発掘調査に関する事務の改善について指導を行っているところでございます。この点につきましては、その後も各種の担当者会議等を通じまして指導の徹底を図っております。また、地方自治体や日本考古学協会による再調査に対する補助等を行ってまいりました。加えて、こういった検証のための調査を行う際に、関係自治体との連絡調整といったことを行いまして検証を進めてきたということでございます。
○岩本司君 藤村氏関連遺跡の中で唯一の国の指定史跡であります宮城県の座散乱木遺跡の再調査が今月の九日終了しまして、国や日本考古学協会などの発掘調査委員会は同遺跡が捏造だったと断定する報告書を発表しました。この検証作業はどのように進められたのか。また、この座散乱木遺跡はまだ指定解除がされていないんですね。今後どのように指定解除の手続を進められるのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(銭谷眞美君) 国指定の座散乱木遺跡につきましては、今年の四月の下旬から日本考古学協会が中心となりまして、国その他の関係機関等が協力をいたしまして、その学術的価値を検証するための再発掘調査が行われてきたところでございます。去る六月九日に、調査の結果、この遺跡は前・中期の旧石器時代の遺跡とは認められないという見解が示されたところでございます。 その調査の結果でございますけれども、過去の調査において、前・中期旧石器時代の石器が出土したとされる旧第十三層上面及び旧第十五層上面出土の石器につきましては、石器の出土がなく、過去の出土の状況が極めて不自然であるというような結果が出ております。それから、この地層、層の辺りは火砕流が堆積していると判断をされておりまして、生活面が存在するとは考えにくいといったような結果が出ております。ただ、より地表に近い層では石器や土器、遺構が見付かっておりまして、座散乱木遺跡は後期旧石器時代ないしは縄文時代草創期から古墳時代の遺跡とは認められるという判断も示されたところでございます。 こういった調査結果を受けまして、文化庁としては、この史跡の史跡としての価値付け及びそれを踏まえた指定解除の可否につきまして、専門家や関係自治体から成る調査検討会議を設けまして行政的な検討を開始をすることといたしております。第一回会合は六月二十七日に開く予定にしております。その専門家会議の検討の結果、史跡指定を解除するという場合には文化審議会の文化財分科会に諮問を行うということになろうかと思っております。
○岩本司君 国指定の青森県の三内丸山遺跡、また九州の佐賀県の吉野ケ里遺跡のように、観光化されまして国や自治体から大変な額の出資があったと推測される史跡もあるわけであります。 国の指定ではありませんが、藤村氏のかかわりました前期旧石器秩父原人問題に関して、秩父市では原人祭りというお祭りを開かれたり、また遺跡にちなんだ秩父原人サブレですとか、これはおせんべいとかそういうものですけれども、あとパンやお酒、こういうものを売り出したり、遺跡を生かした町おこしが行われ、大変な騒ぎだったというふうに聞いております。ところが、捏造と分かったとき、この市民の落胆、計り知れないものがあったと。それどころかもう怒りですね、地域の方々は投資しているわけですから、この不景気なときに。純粋に、それだけではなくて、考古学を愛して古代のロマンに夢をはせていた方々もたくさんいらっしゃるわけであります。 今の日本考古学会、純粋な学問としての側面と、また、歴史を書き換えるような発見をする、そのことを通じて地域の人々に夢を与える、この側面があるのかもしれません。お国自慢を満足させるために歴史を書き換えるような発見を重視する風潮、これは大変悲しいことであります。 世界的な信用をなくしてしまいました日本考古学会、今後どのように信用を回復されるのか、大変疑問でありますが、こういったことをかんがみまして、座散乱木遺跡を史跡指定にした国としての行政責任をどうお考えになっているのか、大臣の御所見をお伺いします。
○副大臣(青山丘君) 御指摘の点は率直に受け止めて、誠に遺憾な事態だと思います。 この九日の日に前・中期旧石器時代の遺跡とは認め難いという見解が示されたことは今お答えいたしましたが、正に座散乱木遺跡につきましては、史跡指定は当時の学会の一般的な見解でございまして、学会の見解を尊重すべき立場にある行政の側といたしましては、その当時、その時点において、今回のような捏造の可能性まで想定することはおよそ困難であったというふうに考えております。
○岩本司君 困難であったというか、だからこういう結果が出たのかも分かりませんけれども、地域ですね、地方自治体も投資しているところもあると聞いております。また、地方自治体よりは、自治体ももちろん大変ですけれども、地元の住民の方々、こういう方々がやはり身を削って投資しているわけです、生活するために。国は、指定しなかったところはいいというような考えではなくて、やっぱり国としても何らかの指針を出すべきではないかというふうに考えます。 ちょっと時間の関係がありますので次に移りますが、文化財不法輸出入禁止条約が発効したのは昭和四十七年、一九七二年でございます。三十年以上たった今、今国会において締結することになった理由、これをお伺いします。 また、我が国としては条約の趣旨には賛同してきましたが、国内法の整備について慎重に検討する必要があったというふうに聞いております。今、締結に踏み切った理由としては、グローバル化に伴う文化的物流の交流の活発化の中で、文化財の不法取引等の防止のための我が国の積極的役割への期待が高まってきたことが挙げられております。具体的にはどのような状況が我が国への期待を高める要因となっているのか。一部には我が国が盗難文化財天国となっているとの指摘もあります。国内外の文化財の不法取引の現状について、具体的なデータつかんでいるのか、その点も併せてお伺いします。 時間の関係がありますので併せて質問させていただきますけれども、世界での不法取引は年間千二百億円に達するという報道もあるわけであります。この条約が発効して三十年経過しているわけでありますけれども、条約締約国の間で同条約に基づき輸入が禁止された事例、また盗難文化財が返還された事例はどの程度あるのかお伺いします。短めにお願いします。
○国務大臣(遠山敦子君) 私の方からは、三十年間なぜたったかということと、それから今回の法制の特色についてお答えいたします。 日本としましては、この文化財不法輸出入等禁止条約の趣旨には基本的には賛同して、締結に向けての準備を進めてきたところでございます。ただ、この条約につきましては、これをきちんと内実あるものとして国内的に対応しますためには二つの点の工夫が必要であったわけでございます。 一つは、条約に言う輸入規制において、盗難文化財をどのように判別して実効的な措置を取るかという点。それからもう一つは、日本国内に不法に流入した外国文化財の返還措置についてどこまで国内法で措置しなければならないかなど、幾つか実務的に検討する必要があったわけでございます。 そのようなことで、諸外国の制度を調べたり、また国内でどのように対応すべきかにつきまして関係省庁と連携を取りながらやってまいったわけでございますが、近年この問題について国際的にも関心が高まっていること、それから調査状況もある程度固まったこと、それからユネスコ事務局長に我が国から松浦前駐仏大使が就任したことなどを契機にいたしまして、これは本当にしっかりやらなければいけないということで、私どもといたしましても関係省庁間の協議を集中的に進めまして今日に至ったわけでございます。 そして、国内的な措置についての調整が整ったということで今回法律案を提出させていただいているわけでございますが、特色が二つございます。 一つは、外国の文化財について、入ってくる方への対応でございますが、盗取された、盗み取られた、盗取された旨の通知を受けて特定外国文化財として指定する仕組みを導入しました。これらの輸入規制と回復措置について法律上明確に示したこと、これが一つ特色として挙げられると思います。 それから、出ることに、出の方に関連するものでございますが、我が国の文化財について、輸出規制の規定を整備いたしまして、文化財が盗取されたときの各国への通報制度を設けたというようなことがございまして、条約実施への実効性を確保するために、諸外国には見られない工夫をすることができたわけでございます。 その意味で、今回、この法律を成立させていただきましたら、私どもといたしましては、こういう私どもの措置を諸外国に対しても周知いたしますとともに、各国における取組を促してまいりたいと思っております。
○政府参考人(銭谷眞美君) 簡潔にお答え申し上げますが、まず国内の文化財の不法取引の現状でございますが、総合的なデータというのは必ずしもないわけでございますが、過去十年間において重要文化財の盗難というのが九件ございまして、そのうち六件についてはいまだ行方不明ということがございます。 それから、外国の盗難文化財が我が国に流入したという事例については、平成七年に滋賀県内の私立美術館が英国の美術商から購入した仏像が盗難物ではないかと言われた事件、それから、石川県内の公立大学が所蔵する聖画像がやはりキプロスから返還要求があったといったような事例がございます。 また、この条約に基づきまして返還をされたり輸入規制された事例、これはユネスコの方においても必ずしも網羅的に把握していないようでございますが、例えばの例でございますが、イラクの博物館から盗まれたサウジアラビアにあると言われてきた五十四の高価な工芸品が平成十年にユネスコのカタール・ドーハ事務所においてイラク政府に引き渡された事例でございますとか、ボリビアから盗まれた、アメリカに輸入された儀式用の布地が平成四年にボリビアに返還されたといったような事例があると承知をいたしております。
○岩本司君 時間でございますので、最後に一言意見を申し上げて私の質問を終わります。 先ほど申し上げました捏造問題ですとか、もう世界の信用も失っているわけであります。批判するだけではなくて、じゃ、今から日本はどうするべきだと。 私は、世界の信用を回復するには、日本が文化を中心とした外交を広げていく。これは、文化は外交だというふうに私は考えておりますが、アフガニスタンの文化財が破壊されたり、私も去年の年末、アフガニスタン、またパキスタン、イラン、ウズベキスタン、行ってまいりました。そこで、様々な文化財の仏様の首が切られて、子供たちが売りに歩いている、そういう現状でございます。新たに予算をこの苦しい時期に削って、新たにその予算を使うということではなくて、工夫して、世界に対してアフガン復興で六百億円、今から日本はアフガニスタンのために使いますと世界にもう言っているわけですから、例えばその中からそういうところに使っていくとかというふうに私は工夫をして、世界の信用を取り戻す必要があるというふうに思います。 以上で質問を終わります。
○風間昶君 公明党の風間でございますけれども、質問通告外ですけれども、先ほどの帝京大学の事前寄附問題でありますけれども、七年間で百四十億円ぐらいの合格発表前の寄附金というふうになって、そのうち財団に流れた七十億円が今回事件になったわけでありますけれども、七年間の百四十億円の事前寄附というのが、文部科学省で毎年大学側に財務諸表を提出させていないのかどうか、それが分かっていなかったのかどうか、分かったからといって違法でなければ問題はないわけだけれども、その辺のところはどうですか、ちょっと教えてくれますか。
○政府参考人(工藤智規君) 先ほど申しましたように、報道の事実については、国税当局でもまだ私どもにお知らせいただける段階ではないので必ずしも事実関係はっきりしていないんでございますが、私どもには学校法人からの財務諸表の書類いただいてございまして、そこでこれまでの帝京大学関係の経理について調べた限りではこのような事実は把握できなかったものでございます。 それから、報道されておりますように、愛媛県所管、愛媛県の知事所管の財団法人を利用したお金の流れがあるやに報道されているわけでございますが、これは私どもの所管でないこともございまして、愛媛県所管の法人の財務状況については私どもそれを把握できなかったということでございます。 いずれにしましても、報道の事実関係を更に究明し、この事態の厳正かつ適切な処理に努めてまいりたいと思っております。
○風間昶君 はっきりしてから文部科学省が例えば帝京大学に私学助成金をやめるということになるんだと思うんだけれども、今この時点で大臣は、当局者を呼ぶなりなんなりしてきちっとやっぱり把握した上で、所掌大臣として記者会見なりなんなりするべきだと思いますが、いかがですか、大臣。
○国務大臣(遠山敦子君) おっしゃるとおりでありまして、この事実、報道されたわけでございますが、それが本当に事実であるかどうかということにつきまして早急に帝京大学の方から説明を求めたいと思っております。 その中身としましては、一つは、入試に関連しての寄附金収受が本当にあったのかどうか、それから関連財団から帝京大学への資金の提供があったのかどうか、そういう点を含めまして、事実関係についてまず明らかにした上で、私どもとしましては、この問題については、その後、的確に対処していきたいというのが現在の心境でございます。
○風間昶君 それでは法案について伺いますが、先ほど文化財の不正輸出入が二例あったように伺っていますが、要するに今回の法律案でそのような文化財の不正輸出入が歯止め掛かるというふうに考えられるわけでありますけれども、外国の文化財を輸入した場合についてまず伺いますが、善意取得の特則によって盗難後十年間は原状回復を認めておりますけれども、外国ではちょっと違うようでありますね。フランスは三年、スペイン三年、回復請求期間が、スイス五年というふうに、要するに外国と異なっているわけでありますけれども、全体として条約で統一期間を決めるということが私は大事なことではないかと思うんですけれども。 これは日本側がどういう立場を取っていたのかちょっと分かりませんが、なぜこうなっているのか、日本だけが十年間というふうにしたのか。非常に私は長いように思うんですけれども、これは文化財の購入を思いとどまらせるという効果もねらったのかななんというふうにも理解しているわけでありますが、それだけでないのかもしれませんが、そのことも含めて、私は統一的な期間を決めることができなかったのはなぜなのかを伺いたいと思いますけれども。
○政府参考人(銭谷眞美君) 条約におきましては、博物館から盗取された文化財であって不法に輸出された文化財の回復及び返還のために適当な措置を取るというふうに定められております。この適当な措置の具体的な内容については各国ごとに定めるということになるわけでございます。 そういう条約にいたしました趣旨としては、今、先生お話ございましたように、善意取得制度を設けている国と設けていない国があるなど各国における動産の権利関係にはその規定が区々であるということから統一的な期間を定めなかったというふうに考えられます。 今、先生からお話ございましたけれども、我が国では、民法上、盗品に係る善意取得者への回復請求期間は通常二年間と定めているわけでございますが、フランス、スペインについてはこれを三年間としているわけでございます。また、アメリカやカナダなどにおきましては、盗品について善意取得を認めていないわけでございまして、被害者はいつでもその返還を請求できることとなっているわけでございます。このように各国ごとに回復請求期間の規定が区々であることから条約においては統一的な期間を定めないというふうに考えられております。 なお、我が国におきましては、条約上の要請に基づき、盗難文化財について原産国への返還を容易にするための措置として、特定外国文化財の盗難の被害者については、代価弁償を条件として、民法で認められております善意取得者に対する回復請求期間を二年間から十年間に延長するというふうにしたものでございます。
○風間昶君 善意の取得の場合だと、輸入者が確定的に所有権を取得するのは善意だと十年。これは今おっしゃった不動産の善意取得の十年と並ぶわけで、特定外国文化財を不動産並みに保護しようということで理解できると思うんだけれども、悪意で二十年で時効を取得できるというのは、通常の動産の場合と変わらないんだけれども、この点はどのような、つまり善意と悪意とで違うわけでありますけれども、どのような議論をなされたのか、そういう議論があって十年というふうに善意はなったのか、ちょっと教えてもらいたいんだけれども。
○政府参考人(銭谷眞美君) やはり議論の中心は、善意取得者に対する回復請求期間をできるだけ、発見するまでに期間を要することから、発見が容易になるように十年間にするというところに主眼があったわけでございます。 それで、今お話のございました悪意の取得者につきましては、現行民法上、動産、不動産の別を問わずに、民法第百六十二条の第一項に基づきまして、取得時効が成立する二十年までの間につきましては原則として被害者はいつでもその返還を請求することができるということになっております。 今回の条約締結を受けて我が国においてこの特定外国文化財の回復請求期間について検討するに当たりましては、あくまでも原産国への返還を容易にするための期間としてどの程度がふさわしいかという観点で検討したところでございまして、この点、現行民法において、今申し上げましたように、既に悪意取得者に対しては二十年間にわたり返還請求できることとされていることから、原産国への返還を容易にするための措置としては十分と、こう考えたものでございまして、特定外国文化財について一般の動産に対する取扱いと差異を設ける必要はないというふうに判断したものでございます。
○風間昶君 次に、文化財が輸出されるケースについて伺いたいと思いますけれども、先ほども大仁田委員の方からデータベース化していないのかということでありましたけれども、全部でこれ資料を見ると一万五千ちょっとの日本の重要文化財、件数があるわけでありますけれども、何でデータベース化ができていないのかというのが不思議でしようがないんだけれども、所有者や保管者がそれぞれ別々であるからできないのか。所有者や保管者は自分のところの文化財は台帳で当然メモしている、メモというか、台帳を作っていらっしゃると思うけれども、何で、文化庁がそれを一括して、指定しているんであるならば、掌握してデータベース化しておかないのかということが非常に私は疑問だと思うんです。これ時間がないからできなかったのかどうなのか、これからやっていくというふうに思うんだけれども、是非やってもらいたいと思うけれども、一言お願いしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほどの私の答弁で誤解があると困るわけでございますけれども、データがないと申し上げたのは、諸外国の文化財、とりわけ諸外国で盗まれた文化財についてのデータはちょっとユネスコでも持っていないということを申し上げたわけでございます。 一方、国内文化財でこの法案が対象とする文化財につきましては、これは重要文化財、重要有形民俗文化財及び史跡名勝天然記念物、今、先生がお話しのように約一万五千件程度あるわけでございますが、これにつきましては文化庁として当然必要な情報は把握をしているわけでございます。国宝又は重要文化財台帳あるいは重要有形民俗文化財台帳、史跡名勝天然記念物台帳等におきまして、当該文化財の名称、所有者、所在地等の情報を文化庁としてはきちんと把握をしているところでございます。これらの情報については、文化庁内において文化財情報業務システム及び国指定文化財等検索システムとして、基本的には既にデータベース化されているところでございます。 さらに、今文化庁では、広く一般にも指定文化財に関する情報を提供するために、画像情報を含む情報を公開する文化財情報システムの整備に努めているところでございます。
○風間昶君 分かりました。データベース化されているというふうに理解していいわけですね、じゃ。 そうした国内の文化財が盗まれたというふうになったら、文化庁へ報告することになっていますけれども、これはどこが、当該者がやるんですか、届出は。
○政府参考人(銭谷眞美君) 文化財保護法の三十三条等において、重要文化財等が亡失又は盗取されたときは文化庁長官に届け出るものとされておりまして、この届出については所有者又は管理団体が行うということになっております。
○風間昶君 分かりました。 我が国の政府が、今度外国の場合ですけれども、被害の通知を行うというふうにこの法案にはなっていますよね。亡失又は盗難に係る届出の公示及び外国への通知に関する規定、この通知を行うのは九十何か国でしたっけね、二か国でしたか、締約国だけなのか、あるいは締約国だけじゃなくて我が国と国交のある国すべてにやるのかどうか伺いたいと思いますけれども。
○政府参考人(銭谷眞美君) 文化財の不法輸出入等規制法案の第五条の第二項におきましては、我が国の文化財が博物館等から盗まれたような場合には、外務大臣はその内容を遅滞なく外国に通知をするというふうに規定をいたしておりまして、この法律の第二条において、外国とは条約の締約国である外国というふうに定めております。 したがって、我が国において国内文化財の盗難等の届出があった場合に、その旨を通知する国は、法律上の義務としては条約の締約国ということになるわけでございます。
○風間昶君 そうすると、締約国でない未締約国でかなりの文化財を保存、保護、貯蔵、管理している、例えば大英博物館のようなイギリスとか、あるいはドイツには通知はなされないということになるんでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今申し上げましたように、この法律自体は、条約に基づいて輸入規制や不法な所有権移転に関し実効的な監視が行われることを期待するために連絡先は条約の締約国ということになっているわけでございますが、我が国の文化財を保護する観点から、必要性が認められる場合には、これは外務省とも御相談をしなければなりませんけれども、締約国以外の国に対しても通知をすることはあり得ると考えております。
○風間昶君 だから、通知をすることはあり得るという。現実に、例えば日本の浮世絵でも大英博物館に見付かったと、盗まれたということが分かってですよ、二年後ぐらいに。そうすると、通知は一応する、回復請求はどうするんですか。具体的に、想定問答で申し訳ないんだけれども、そうなった場合に、未締約国のイギリスの大英博物館にあった場合どうなるんですか。
○政府参考人(銭谷眞美君) これは条約でございますので、相互主義でございまして、条約がそれぞれの国に発効した後盗まれたりあるいは通知したものが対象になるわけでございますので、条約未締約国の場合は通常のこの法律に基づくものではない返還の請求ということにならざるを得ないかと思います。 ただ、ヨーロッパでまだ入っていない国々においても、むしろ私どもとしては我が国の条約締約を契機とし、我が国も働き掛けを行いますけれども、条約に入る国が今後増えていくということを私どもは期待をいたしております。
○風間昶君 回復請求の費用は相対ですよね。盗まれた人と持っている占有者との間で決めることで、国としては一切かかわらないという立場でいいんですか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 我が国の盗難文化財がほかの締約国において発見された場合、盗難の被害者は回復請求をすることになりますけれども、そのような請求は民事上の請求ということでございますので、その経費等を含めまして基本的には請求を行う博物館などの所有者が負担することになるわけでございます。 ただ、政府といたしましては、返還が容易に行われるように相手国や我が国の関係者に対して相互に情報の収集、提供を行うなど、外交ルートを通じて積極的にそのことに協力をしてまいりたいというふうに考えております。
○風間昶君 返還するための外交ルートの交渉は文化庁、国としてはやるけれども、お金は出しませんよと、こういうことですね。はい、分かりました。 それから、重要有形民俗文化財の輸出に関して許可制に変更するということで規制強化したものでありますけれども、これについて事務的にでありますけれども、今までの届出を怠って輸出された例はあるんでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 重要有形民俗文化財の輸出については、これまでは届出制ということになっていたわけでございます。それで、私どもとしては届出を怠って輸出された事例はないというふうに承知をいたしております。 なお、この届出を行って輸出をした事例は一件ございまして、これは海外における展覧会の出品のために届出があったというものでございます。
○風間昶君 最後ですが、法案と関係ありませんが、前回、三月に御質問をさせていただきましたが、平泉の中尊寺の件で、五つの日本の鎌倉、彦根城、紀伊山地、石見銀山、そして中尊寺が暫定リストに載って、これから地元のいろいろな教育委員会やあるいは地元の住民の方々の協力を得ながら文化遺産に、世界遺産登録のために推薦をしていく手続を行うことで、文化庁としてもこれを積極的に支援したいというふうに先般は御答弁いただいたわけでありますけれども、私は一つの考え方として、平泉の中尊寺には藤原三代のミイラやあるいは堂宇や、個別的に見て文化価値の高いものもあるんだけれども、そういう意味では個々の文化財を保護するということは非常に大事で可能なんだけれども、すべてが中尊寺に収まっているということを考えるなら、むしろ中尊寺を文化財全体として包括して保護していくということも大事なことではないかなというふうに私は思うんです。 そこで、大臣にそういう考え方もあることについて、またもう一つ、文化遺産への登録についての、この中尊寺の文化遺産登録についての大臣の、この間大臣から聞けなかったから、考えを伺って、終わりたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 御指摘のように、中尊寺を含みます平泉の文化遺産といいますものは、平安末期に藤原一族が都の文化を受容しながら独自に発展させた大変華麗な黄金文化の遺跡、遺産群であると考えます。日本の古代から中世への過渡期におきます地方文化の中で傑出した事例であると考えております。そのようなことから、既にお話しのように、世界文化遺産への暫定リストに記載されたところでございます。現在は、岩手県、それから平泉町におきまして、地元住民の理解、協力を得ながら、世界遺産登録推薦に向けて準備を進めているところでございます。 その準備といいますものは、その中心となる史跡の追加指定等のための準備も要りますし、それから周辺の景観保護のための、これはバッファーゾーンと呼んでおりますが、緩衝地帯の設定にかかわります条例の制定準備などが必要でございまして、そういう準備をしっかりと行いました上で、世界遺産に指定されるべく、私どもとしても諸手続を行うなど積極的に支援をしていきたいと考えております。
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。 まず最初に、各委員からも質問が出され、今朝のマスコミでも一斉に報道されております帝京大学の財団による六十五億円の所得隠しが東京国税局から指摘された問題について伺いたいと思います。 この問題につきましては、関係者に対しまして文部科学省としても調査をすべきだというふうに思いますし、あわせて、過去に通達が出されているわけですが、そうした問題にもかんがみて、全国の私立大学の医学部での寄附金の集めている状況や使途などについても調査をするべきではないかというふうに思いますが、どのように対応されるか伺います。
○政府参考人(工藤智規君) 先ほど来御答弁申し上げて、また大臣からも御答弁ありましたように、私ども、目下、帝京大学当局に対しましては入試の疑惑を晴らすべく事情聴取等を行っているところでございますが、報道されましたような新たな展開がございますので、更に入試に関連しての寄附金の授受、収受の有無、報道のとおりなのかどうか、また関連団体からの資金の流れなど、そのとおりなのかなども含めまして、事実関係を徹底的に究明してまいりたいと思ってございます。 全国の大学の調査をということでございますけれども、私ども、以前、大変前には幾つかの大学でそういう疑惑が報道され、私どもの方でその善処方を各大学に徹底してまいったわけでございまして、よもやこの報じられているような帝京大学の例が他にもぞろぞろあるとは思えないんでございますが、少なくとも帝京大学の案件につきましては徹底的に事実関係を究明いたしまして、先ほど風間委員からも御指摘ありましたように、私どもで把握している通常の経理書類では明らかでない経理処理がなされていたとすれば大変ゆゆしい話でございまして、そういう事実関係をしっかり押さえながら、他に波及する問題であればまた考えていかなきゃいけないかなと思っているところでございます。
○畑野君枝君 それにつきまして、遠山大臣からも、既に通達もこの間、過去に出されてきたわけですが、きちんとした対応、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 過去の通達もございますし、また今回のようなことが本当に事実であればゆゆしい問題でございまして、私どもとしましては、事実確認の上、適切に対処していきたいと考えます。
○畑野君枝君 それでは、今回の文化財不法輸入規制法案と文化財保護法改正案について質問をいたします。 今回、文化財不法輸出入等禁止条約締結のための国内法を整備するということでございまして、保護対象となる文化財の定義を重要文化財、重要有形民俗文化財、天然記念物として、今回の措置ですべての文化財の輸出が許可制になるわけでございます。 文化財保護の観点から規制を強化することは賛成できることであります。また、盗取された文化財の輸入を禁止することは、盗取された文化財の移転を防止し、原産国への返還を担保するために必要な措置でありますし、更に善意取得時効の期間を文化財に限って二年から十年に延長したということは、原産国への回復、返還のために当然必要な措置であるということで、賛成でございます。 こうした前進面を踏まえつつ質問をさせていただきたいのですが、先日、六月の五日に遠山大臣が文化審議会に対して文化芸術の振興に関する基本的な方針について諮問をされておられます。文化芸術振興基本法に基づくものでありまして、この振興基本法の十三条では、文化財等の保存及び活用ということで、修復、防災対策、公開等への支援その他必要な施策を講ずるというふうになっております。 今回、国内法の整備に伴う文化財保護法の一部改定なんですが、そこに関連して伺いたいのです。 現在、文化財保護法ではとらえ切れない範疇の文化遺産があるというふうに思います。有形・無形文化財、民俗文化財、記念物、伝統的建造物ということが文化財、るる定義をされているわけですが、それでは例えば近代文化遺産、戦争遺跡、映画のフィルム、写真のネガなどはこの範疇に含まれるのかどうか。定義の拡張が求められているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 昨年、先生方のお力添えによりまして成立いたしました文化芸術振興基本法は、文化芸術の各分野にわたって広くその振興を図りますとともに、支援を行っていくことを規定しております。あの法律の第十三条におきまして、有形及び無形の文化財等に関し、修復、防災対策、公開等への支援その他の必要な施策を講ずることとされております。 今御指摘の近代文化遺産などにつきましては、様々なものがありますので一概には申し上げられないわけでございますが、これらのうち、歴史上あるいは芸術上価値の高いもの、あるいは学術上の価値の高いものなどにつきましては、文化財として当然その保存・活用の対象になり得ると考えております。同法では、第八条で写真などの芸術の振興について規定しておりますし、九条で映画などのメディア芸術の振興について規定しているところでございます。
○畑野君枝君 それでは、時間的な制約がありますので戦争遺跡について質問をさせていただきたいと思うんですが、文化庁が一九九六年度から近代遺跡の全国調査を実施され、各県が調査票にデータを記入して、ABCの三つのランクで評価をして、その後、詳細調査を一九九七年から二〇〇三年度に掛けて行い、報告書が作成されるというふうに伺っております。 その調査のうち、Aランクになっているのが何件あるのか、また戦争遺跡のAランクは何件あるのか伺います。
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生からお話ございましたように、文化庁では、我が国の近代の歴史を理解する上で欠くことのできない明治から第二次大戦終結ごろまでの重要な遺跡について、平成八年度から全国調査を実施をいたしております。 それで、今お話のございました、各都道府県の方へ委託をしまして、その所在を把握するための所在調査はおおむね完了しているわけでございますが、その結果を申し上げますと、平成十年度までに、これは十一の分野がございますけれども、全分野合計で約六千件の調査票が提出をされております。 このものについてA評価、B評価、C評価をそれぞれの都道府県が評価をするわけでございますが、Aというのは日本の近代史を理解する上で不可欠な遺跡というふうに教育委員会が判断をしたものでございますが、これが六千件のうち、全分野合計で七百八十件ございました。 いわゆる軍事に関する遺跡というのはこの十一分野のうちの政治分野に区分をされておりまして、この軍事の関連の遺跡は、調査票の提出があったのは全部で五百四十四件でございます。そのうち百十六件がA評価ということになっております。
○畑野君枝君 世界遺産ということでは、戦争遺跡としてアウシュビッツと原爆ドームが登録されております。原爆ドームの丸い塔は将来起こり得る運命への警告を発しているということで、アウシュビッツも負の遺産を伝えるということで登録をされているというふうに認識しております。 ワールドカップの決勝戦が行われる横浜市の港北区には日吉台地下壕というのがございます。慶応義塾大学敷地の真下に連合艦隊司令部がありますし、別の場所には艦政本部が置かれている、そういうもので構成されているわけなんですね。 この地下壕司令部からは、調査によりますと、レイテ作戦、沖縄作戦、特攻隊出撃命令などの指令が出されているということでございまして、これは大岡昇平氏の「レイテ戦記」ですけれども、この中にも日吉という言葉あるいは司令部というのが出てくる、文学から理解する上でも実際に残されているところでございます。 この日吉台地下壕は、評価ランクはどのようになっているんでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 日吉台地下壕につきましては、神奈川県教育委員会の方から所在調査でリストアップをされておりまして、評価としてはAというものが付されております。
○畑野君枝君 そうしますと、Aランクという場合に国の史跡指定となるのかどうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) この近代遺跡調査は二段階の調査でございまして、先ほど来申し上げておりますのが全国にどのような近代遺跡があるかという所在調査でございます。これは都道府県の教育委員会に委託をして行い、都道府県教育委員会なりの判断でABCを付けていただいたというものでございます。 今後、必要になりますのは、更に、所在が明らかになりましたこれらの遺跡につきまして、遺跡の歴史的な意義等を検討する専門家による詳細調査というものを実施をいたします。この詳細調査は、専門家で構成をされる検討委員会を設置をいたしまして、所在調査の終わった分野につきまして順次、まずは詳細調査の対象とするかどうかというところから検討をいたしまして、詳細調査の対象とすべき遺跡を選定をした上で詳細調査を実施し、報告書を刊行するということにしております。 したがいまして、この日吉台地下壕につきましては、現在、詳細調査の対象とするかどうかも含めて専門家会議で検討がなされている段階ということになります。また、仮に詳細調査の対象とされた場合でも、更にその中で、全国的な視点から国として保護する必要があるかどうか、これの判断が必要になってまいりますので、そういう判断を経て史跡の指定をするかどうかが決められていくということになります。 いずれにいたしましても、現在、調査途上ということでございまして、現段階で明確にお答えをすることはできないというふうに言わざるを得ないと思います。
○畑野君枝君 私も日吉台地下壕、それぞれのところに入って調査もしてまいりました。非常に歴史的に重要なところだというふうに思いますが、横浜市だけでなく、神奈川県内にもそうした遺跡がいろいろありますし、また全国的にも歴史的な重要性を持つそういうものが老朽化によって安全度を保つ必要性が出てきているものがたくさんございます。戦争遺跡保存全国ネットワークの各県アンケートの結果では、近代戦争遺跡は約二百四十五件、うち四十件がAランクとして回答されているというような調査も既にいろいろと出されておりますし、国の方の調査では先ほどお話があったように更に多いという状況だというふうに思います。 そういう点では、最終結果を待つだけでなくて、あるいは自治体や民間任せだけでなく、暫定的な措置を含めた財政措置や保全等を含めて検討していただきたいと。あの振興基本法の十三条での保存と活用ということが言われておりますので、そういう点からも進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) お話しの文化芸術振興基本法第十三条では、文化財等の保存及び活用に関し国が必要な施策を講ずべき旨規定をしていただいているところでございます。文化庁といたしましても、これを受けまして、近代遺跡を含む文化財全般につきまして必要な施策を実施をしてまいりたいと思っております。 ただ、一般的に申し上げまして、遺跡につきましては、国としてその価値を判断した上で史跡指定をされた物件であればその保存・活用について財政的な支援なども行っているわけでございます。既に、近代遺跡の中でも、まだ若干ではございますけれども、史跡というわけではありませんが、言わば、例えば建造物といったような観点から文化財に指定されたものもございまして、そういうものについては財政的な支援を行っているわけでございます。 話題になっております軍事遺跡を含む近代遺跡については、現時点においてはまず調査が先決というふうに考えておりまして、早期に調査結果を得るべく努力をしてまいりたいと、こう思っております。
○畑野君枝君 次に、後継者育成、埋蔵文化財担当者の問題について伺いたいというふうに思います。 文化芸術振興基本法の十六条では、国が芸術家等、すなわち文化財等の保存及び活用に関する専門的知識及び技能を有する者も含めまして、養成及び確保を図るための研修やあるいはその他必要な施策を講ずるというふうになっております。 文化審議会が、東京文化財研究所や奈良文化財研究所における体制の充実やユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所をアジア太平洋地域の協力の拠点にしていくというふうに言われているわけですが、文化庁としては体制の充実や協力の拠点という点でどのように進めていかれるのか、人員配置の問題、研修など進められていくのかという点について伺いたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 御指摘の東京文化財研究所、奈良文化財研究所、それからユネスコ・アジア文化センターの文化遺産保護協力事務所、こういった諸機関は、アジア太平洋地域の文化財保護に関する協力の拠点として私ども整備をしてまいりたいというふうに考えております。 現実に、東京文化財研究所や奈良文化財研究所におきましては、敦煌の壁画でございますとかアンコールの文化遺産の保護のための国際協力、あるいは在外にございます日本の古美術品の保存修復の協力、あるいは文化財の保存修復に関する国際共同研究やシンポジウムの開催といったような事業を実施をいたしておりますし、ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所におきましても、文化庁が委託をいたしまして、アジア太平洋地域の文化財保護関連データベースの構築でございますとかいろいろな研修でございますとかの事業を行っているところでございます。 今後とも、文化財の保存修復に係る国際協力については、これらの機関を中核としながら、我が国の技術が生かせる分野を中心に一層推進に努めてまいりたいと思っております。
○畑野君枝君 あわせまして、埋蔵文化財専門職員なんですが、二〇〇一年度五月一日現在の資料で言いますと、三千二百四十九自治体のうち千六百五自治体、配置率が四九%しかないというふうに伺っております。二〇〇一年度の調査では初めて全国の職員数が減少しているということですが、いろいろな開発が進む中で埋蔵文化財が発見される確率がどの自治体でもあると思います。こういう点では、振興基本法の趣旨に沿って、専門職員を増やすための地方自治体での増員のための国としての条件整備が必要なのではないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 全国の埋蔵文化財の専門職員は、実はこれまでずっと毎年連続して増加をしておりまして、五年前に例えば比べますと、専門職員は約千名近く増えております。専門職員が配置をされている市町村も、五年前は全市町村の約四割だったわけでございますが、平成十三年度におきましては約五割にまで増加をしているという状況にございます。 たまたま平成十三年は、前年より初めて、これは初めてでございますけれども、二十一名微減ということになりました。これは、各種の開発事業が減少して、それに伴う発掘調査事業量が減少したことによるものと考えられまして、職員の配置転換が行われた結果と思っております。 私どもといたしましては、埋蔵文化財の専門職員は各市町村の文化財の数量や規模、開発事業量、財政規模などに応じて配置されるべきと考えておりまして、配置されていない市町村では都道府県が支援、協力しながら埋蔵文化財保護行政を推進しているところでございます。 文化庁としては、こういう専門職員の資質向上ということも大事だと思っておりまして、毎年、年二回程度講習会を実施したりして資質の向上にも努めているところでございます。
○畑野君枝君 それでは、最後に遠山文部科学大臣にお伺いをいたしますけれども、このような近代遺産が子供たちにも体験学習として有効に利用されるべきではないかというふうに思っております。既に国立博物館や美術館などでは子供たちが無料入館できるという措置がされておりますけれども、地方自治体でもそういうような措置、あるいはそれへの国としての支援が待たれているのではないかというふうに思います。 国連子ども特別総会で遠山大臣が未来への使者であり未来の創造者である子供たちの幸福のために働くことを呼び掛けられましたが、そういう点で是非進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 子供たちの未来のためにいろいろなすべきことがございますが、文化財に関してもその一つかと思います。子供たちに文化財についての理解や関心を深めてもらうためにいろいろするということは大変大事だと考えております。 近代遺跡に限らず文化財すべてについてのそういう機会を整えていくということは大変大事だと思っておりまして、我が省といたしましては、こうした観点から、史跡等の公開・活用のための整備事業などを実施し、子供たちの体験活動等に資する取組を積極的に進めているところでございます。こうした史跡等の公開・活用を図りますためには、まず地域での積極的な取組が重要でございまして、その際には、子供の安全確保、あるいは史跡の適切な保存についても十分な配慮が必要と考えているところでございます。
○畑野君枝君 終わります。
○委員長(橋本聖子君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(橋本聖子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、文化財保護法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(橋本聖子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十四分散会