文教科学委員会 第1号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2002/03/14
会議録
○委員長(橋本聖子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る一月八日、山下栄一君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君が選任されました。 また、去る一月十八日、亀井郁夫君が委員を辞任され、その補欠として仲道俊哉君が選任されました。 ─────────────
○委員長(橋本聖子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例によりまして、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に仲道俊哉君及び風間昶君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(橋本聖子君) 国政調査に関する件につきましてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(橋本聖子君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。 まず、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。小林元君。
○小林元君 去る一月十五日、十六日の二日間、北海道に委員派遣が行われましたので、その調査の概要を御報告申し上げます。 派遣委員は、橋本委員長、林理事、大仁田委員、亀井委員、後藤委員、中曽根委員、岩本委員、神本委員、風間委員、山本委員、そして私、小林でございます。 一日目は、まず苫小牧市科学センターを訪問いたしました。 同センターは、青少年の科学的知識の普及と文化の向上を図るべく、苫小牧市青少年科学センターとして昭和四十五年の開館以来、博物館、科学館としての幅広い活動を行っており、これまでの総利用者数は三百六十万人に上ります。 中でも、平成十年九月に設置されたロシアの宇宙ステーション「ミール」と実験モジュール「クバント」が広く関心を集め、センターの活動がより活性化されたとのことであります。設置された「ミール」は、十五年間の飛行実績を持つ一号機の予備機であり、世界で唯一現存している機体であります。これらの展示物には入館者が自由に触れることができ、機内も見学可能となっております。 同センターでは、学校教育との連携により、市内全小学校の五年生を対象として、「ミール」やプラネタリウムを活用した天文・宇宙学習を実施しており、平成十二年度は、五十五学級、千八百名ほどの利用があったとのことであります。 次に、苫小牧工業高等専門学校を訪問いたしました。 同校は、昭和三十九年四月に三学科から成る国立の工業高等専門学校として開校されました。その後の改組等により、現在は機械工学科、電気電子工学科、情報工学科、物質工学科及び環境都市工学科の五学科で構成されており、学生数は、各学科一学年一学級四十人、五学年合計で千人の定員となっております。 同校は、実践力のある開発型技術者の養成に加え、地域社会に開かれた高専を大きな柱に掲げております。平成五年度には技術開発相談室、平成十二年度には地域共同研究センターを設置するとともに、校内の施設等を利用した総合型地域スポーツクラブ構想への参画などを通じて、地元産業界を始めとする地域社会との交流、協力関係の促進に努めております。 卒業生の進路としては、三分の一が大学等に編入学、三分の二が就職をしており、うち四割は道内の企業等であります。就職希望者に対しましては九倍程度の求人があるとのことでありました。 同校では、教官や技官の自作によるテキストを使った鋳造や旋盤加工など機械工作実習の様子を視察するとともに、地域共同研究センターや学生寮等を見学いたしました。 現在、千人弱の在校生のうち、三分の一が学生寮から通学しておりますが、高専には中学校を卒業後直ちに入学することとなるため、同校の寮は、修学に便宜を図る厚生施設であるとともに、共同生活による教育目的を併せ持った教育寮であるとの説明がありました。 続いて、札幌市に移動し、北海道内の芸術文化団体等との懇談を行いました。 会場では、北海道教育庁から道の文化振興施策の概要説明を聴取するとともに、北海道文化団体協議会、財団法人札幌交響楽団、財団法人北海道演劇財団、パシフィック・ミュージック・フェスティバル組織委員会及び札幌インターナショナル幼稚舎から活動状況等を伺いました。 各団体からは、近年の経済状況を反映し、地域における芸術文化関連の企画が減少するとともに基金等の運用益が減少し、運営が厳しさを増している、さきの国会での文化芸術振興基本法の成立を契機として、公的支援の拡充、グランドデザインの策定等芸術文化の振興に関する幅広い施策が展開されることを期待するなどの意見が述べられました。 また、幼児教育の在り方、国内外の音楽家の育成、学校における芸術文化教育への各団体の参加などについて質疑応答が行われました。 翌二日目は、まず、北海道庁を訪問し、道の教育事情について説明を受けました。 北海道では、「心豊かに学び 新世紀のふるさとを拓く 人を育む」を基本理念とした平成十年四月制定の第三次教育長期総合計画に基づき教育施策を進めております。教員の資質向上のための研修プログラム、小学校低学年における少人数学級モデル事業、教職員の勤務状況、学校評議員の全道立学校への導入などについて説明がありました。 派遣委員からは、芸術文化団体への行政のかかわり、教職員の勤務体制への指導状況、少人数学級への取組、学校統合の進め方、長期社会体験研修の実施状況、学力低下対策、教員の性別及び年齢構成などについて質疑がありました。 次に、札幌市立福移小・中学校を訪問いたしました。 同校は、昭和六十年から小規模特認校として校区外より児童生徒を受け入れてきた小・中併置校であります。小規模特認校制度は、過疎化が進み、存続が危ぶまれる学校が増える中、自然環境に恵まれた小規模の小学校や中学校で心身の健康増進を図るとともに、自然に触れる中で豊かな人間性を培いたいという保護者の希望がある場合に、一定の要件の下に校区外からの通学を認めるものであり、公共交通機関を利用し、低学年で片道四十分程度までとするなどの条件が付されております。現在、在校生の約九割が特認入学となっており、豊かな自然環境に魅力を感じての応募とともに、自分自身が小規模校を経験している保護者からの応募が多いとのことであります。 同校では、各学年一学級、定員二十名の少人数学級の実施により家庭的な小集団が形成され、小・中合同で学校行事を行うなど異学年交流も盛んに行われており、小学校から中学校への移行もスムーズだが、高等学校へ進学後には少なからずギャップを感じることとなり、切磋琢磨の必要性という面から学校外との接点を増やすよう指導に努めているとのことでありました。 最後に、札幌ドームを訪問いたしました。 札幌ドームは、札幌市がワールドカップサッカー大会の開催地に立候補したことを機に市が建設したものであり、昨年六月に開業となりました。運営は、いわゆる公設民営の形を取っており、札幌市のほか道内外の企業等の出資による株式会社により行われ、プロ野球、Jリーグ、コンサート等での積極的な活用が期待されております。 ワールドカップサッカー大会開催に向けての準備状況、ドームの運営状況等について説明を聴取した後、ドーム内の各施設を視察いたしました。 以上で報告を終わりますが、今回の調査に当たりまして、関係の皆様方に大変お世話になりましたことに対し、この場をおかりいたしまして厚く御礼申し上げます。
○委員長(橋本聖子君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(橋本聖子君) 次に、文教科学行政の基本施策につきまして遠山文部科学大臣から所信を聴取いたします。遠山文部科学大臣。
○国務大臣(遠山敦子君) 第百五十四回国会におきまして各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。 我が国の社会経済情勢は、かつてなく厳しい状況の中にあり、あらゆる分野で二十一世紀を見通した抜本的な改革が求められております。今後、我が国が真に豊かで成熟した国として発展し、世界の平和と繁栄に貢献していくためには、国家百年の計に立ち、人材・教育・文化大国と科学技術創造立国を目指した改革を進めることが極めて重要です。 私は、教育、科学技術・学術、文化、スポーツの振興を未来への先行投資と位置付け、施策の一層の充実を図り、国民の大きな期待にこたえていくことが、今、文部科学省に課せられた使命であると考えております。 このような認識の下、以下のような事項についての施策を総合的に展開してまいります。 我が国が明るい未来を力強く切り開いていく、その担い手は、正しく人であります。日本人としての誇りと自覚を持ち、新たなる国づくりを担うことのできる、創造性や豊かな人間性に富んだ人材を育成することによってこそ、初めて我が国は二十一世紀に活力ある国家として発展し、世界に貢献していくことが可能となります。このため、私は、人材・教育・文化大国の実現が我が国の存立基盤の構築にとって極めて重要な課題であるとの認識に立って、初等中等教育の充実や大学の構造改革を始めとする教育改革に取り組むとともに、文化やスポーツの振興を通じ、心豊かで活力ある社会の構築に努力してまいります。 教育は国の根幹であり、一国の将来は教育に掛かっていると言っても過言ではありません。新しい世紀を迎えた今日、世界の多くの国々が真剣に教育改革に取り組んでいるのは、正にこのような認識によるものであると思います。 我が国ではこれまで、二十一世紀教育新生プランに基づき、学校が良くなる、教育が変わることが実感できるような教育改革を実現するため、必要な法改正等を行うとともに、各般の施策を講じてまいりました。これにより、それぞれの地域、学校等において様々な取組が展開されてきておりますが、引き続きその推進に努めてまいります。 また、昨秋、教育振興基本計画の策定と教育基本法の在り方について中央教育審議会に諮問したところですが、今後、教育の目指すべき姿とその実現のための施策や新しい時代にふさわしい教育基本法の在り方について、国民的な議論を一層深めてまいります。 国民の学校教育への信頼にこたえ、教育改革を推進していくためには、子供たちの確かな学力の育成と心の教育の充実が極めて重要です。 本年四月からは、全国の小・中学校において新学習指導要領が全面実施となります。確かな学力の向上のためには、少人数授業や習熟度別指導などきめ細かな指導により、基礎・基本や自ら学び考える力を身に着けさせるとともに、発展的な学習により一人一人の個性等に応じて子供の力をより伸ばすこと、学ぶことの楽しさを体験させ学習意欲を高めること、また、学びの機会を充実し学ぶ習慣を身に着けさせることが大切です。あわせて、確かな学力の向上のための特色ある学校づくりの推進が必要となります。こうした観点に立って、本年一月に「学びのすすめ」と題するアピールを公表し、新学習指導要領のねらいとする確かな学力の向上のための取組を学校等にお願いいたしました。 各学校や教育委員会においては、それぞれの学校段階の特性や学校・地域の実態を踏まえ、創意工夫を生かした取組を進めていただきたいと考えております。文部科学省としても、そのような取組を積極的に支援する観点から、新しい教職員定数改善計画を着実に推進するとともに、発展的な学習への支援や総合的な学習の充実、学力向上フロンティア事業や学校いきいきプランの活用を始め、読書活動の推進、教育の情報化等の各般の施策に取り組んでまいります。 次に、子供たちの豊かな人間性の育成を目指し、心の教育の一層の充実を図ってまいります。子供たちに、善悪の判断や社会のルールを守るなどの基本的な規範意識を身に着けさせるとともに、他者を思いやる心をはぐくみ、主体的に判断できる力を備えさせることは、子供たち個人の人生にとって不可欠であるばかりでなく、秩序ある心豊かな社会の実現のためにも重要であると考えます。このため、心に響く道徳教育の充実に努めるとともに、ボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動等の豊かな体験活動の推進、家庭や地域の教育力の活性化、完全学校週五日制の実施に向けた子供たちの様々な活動機会や場の拡大などに取り組んでまいります。 また、スクールカウンセラーの配置の拡充など子供たちの問題行動等への適切な対応を図ります。さらに、青少年の健全育成のための施策や、心のケアなど健康教育の一層の推進、厳しい就職状況を踏まえた進路指導の強化、幼児教育や障害のある児童生徒に対する教育の充実を図ってまいります。 教育の成否は教師に掛かっております。このため、教員免許制度の改善や十年経験者研修制度を創設するための法改正を始め、養成、採用、研修を通じた教員の資質向上を図るとともに、優秀な教員に対する表彰制度についての調査研究を推進します。一方、適格性等に問題がある教員については、分限処分や懲戒処分、教員以外の職への転職措置等を厳正に適用するよう、各教育委員会に対し強く求めてまいります。 また、保護者や地域住民の信頼にこたえ、地域に開かれた特色ある学校づくりを推進するため、学校における自己評価システムの確立や小・中学校の設置基準の明確化等を行うとともに、学校の取組を支え、地域に根差した教育行政が展開されるよう、教育委員会の一層の活性化を図ります。さらに、学校の安全管理の徹底等に努めてまいります。 今後の我が国経済社会の発展を図るとともに人材・教育・文化大国と科学技術創造立国を実現するには、知の創造と継承の拠点である大学の役割が極めて重要であります。 既に一九九〇年代以降、各大学において大学改革への努力が着実に進められてきておりますが、その流れを更に加速し、我が国の大学が、それぞれの特徴を生かしつつ、教育や研究等の上で、より活力に富み国際競争力のあるものになることが強く求められています。そのような前提に立って、昨年、大学の構造改革なくして日本の発展と再生はないとの認識の下、「大学の構造改革の方針」を明らかにいたしました。このうち、国立大学の法人化については、専門家の会議における検討結果を待って速やかに対応するとともに、国立大学の再編・統合については、各国立大学における検討状況を踏まえつつ対応を進めてまいります。また、第三者評価により国公私を通じた世界的教育研究拠点の形成を支援してまいります。 さらに、この方針でお示しした施策にとどまらず、これまで講じてきた様々な大学改革のための方策を引き続き推進するとともに、各大学の自律的な取組を支援しつつ、教育研究基盤の整備や教育機能の充実、法科大学院についての検討、育英奨学事業など学生への支援、私学助成の充実等の様々な課題にも、積極的に取り組んでまいります。 人々が生涯にわたり自己実現を図っていくためには、生涯のあらゆる時期に学習機会を選択して学ぶことができ、その学習の成果が適切に評価される生涯学習社会の構築が重要です。このため、生涯学習の環境整備や大学・専修学校等における社会人のキャリアアップのための教育を推進します。また、男女共同参画社会の形成、環境教育や人権教育の充実に努めます。 文化は、人々に感動や生きる喜びをもたらし、人生を豊かにする上で大きな力となるものです。昨年成立させていただいた文化芸術振興基本法等を踏まえ、文化を大切にする社会の実現に努めてまいります。このため、新たに文化芸術創造プランを推進し、世界トップレベルの文化芸術の創造、世界に羽ばたく新進芸術家の養成や子供の文化芸術体験活動の充実を図ります。また、国民が文化ボランティアなどにより自ら積極的に文化芸術活動に参加し、文化芸術を創造することのできる環境の整備や、地域における文化芸術の振興、伝統文化の継承・発展や文化財の保存・活用、国語施策の推進等に取り組みます。著作権制度については、情報通信技術の発達や国際的動向を踏まえつつ、その改善を進めてまいります。 明るく豊かで活力に満ちた社会を形成するため、国民のだれもが身近にスポーツに親しむとともに、競技者がスポーツに打ち込むことのできる環境を整備するべく、スポーツ振興基本計画に基づき、生涯スポーツ社会の実現や我が国の国際競技力の向上、学校の体育・スポーツ活動の充実に努めます。 また、五月三十一日から、日韓共催による二〇〇二年ワールドカップサッカー大会が開催されます。これは、アジアで初めての大会であり、世界じゅうから大きな注目と期待を集めているものであり、是非とも成功させなければなりません。政府を挙げて、その準備に万全を期してまいります。 続きまして、科学技術創造立国の実現についてであります。 科学技術は、日本経済の成長を支え、希望ある未来を切り開く原動力です。知の世紀と言われる二十一世紀において、高い科学技術水準は国力の枢要な源泉であり、我が国の将来の盛衰を決するかぎとなるものでもあります。 このような認識の下、文部科学省としては、国の科学技術関係予算の六割強を所管し、政府における研究開発の中核を担う立場にあることを踏まえつつ、科学技術創造立国の実現に向け、精力的に取り組んでまいります。 昨年の三月には、第二期科学技術基本計画が閣議決定されました。本基本計画の柱は、基礎研究の推進や国家的・社会的課題に対応した研究開発への優先的資源配分などの科学技術の戦略的重点化と、優れた成果の創出・活用のための科学技術システムの改革です。 文部科学省としては、この基本計画の方針を踏まえながら、科学技術及び学術の振興のため、創造性に富んだ世界最高水準の成果を生み出すための研究と開発を総合的に推進してまいります。 昨年、名古屋大学の野依教授がノーベル化学賞を受賞されました。一昨年に引き続き二年連続で日本人がノーベル賞を受賞し、我が国の基礎研究が世界から高く評価されたことは、大変喜ばしいことであります。 研究者の自由な発想に基づく基礎研究は、あらゆる分野の基盤となる重要なものであり、その成果は、新たな知を切り開くとともに、社会発展の基礎となるものであります。このため、大学等における基礎研究費の充実を図るほか、大学共同利用機関等を中心とした天文学、加速器科学等の先端的・独創的研究を着実に推進してまいります。 また、我が国が直面する国家的・社会的課題を解決し、経済や産業の活性化による経済発展を達成していくためには、重点分野への積極的、戦略的な投資を行うことが重要です。知的資産の増大や経済的・社会的効果への寄与が特に大きい、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料等の重点分野の研究開発を積極的に推進するとともに、その成果の社会還元を図ってまいります。具体的には、たんぱく質の解析研究における激しい国際競争をリードし、その成果を新しい薬の開発に活用していくためのタンパク3000プロジェクトへの着手や、産学官の研究活動をより効率的に行うためのナノテクノロジー総合支援プロジェクトの創設などに取り組んでまいります。 我が国の科学技術活動を高度化し、その成果の社会における活用を一層促進するためには、科学技術システムの改革を行うことが重要です。競争的な研究開発環境の醸成を目指して、科学研究費補助金を始めとする競争的資金の改革と拡充、研究開発に係る評価システムの充実を図ります。大学発のイノベーション創出を促進し、大学における創造的な研究成果を広く社会に役立てていくための産学官連携の抜本的強化、研究開発能力の拠点づくりを目指した知的クラスター創成事業など地域における科学技術の振興についても強力に進めます。また、国立大学等施設緊急整備五か年計画の着実な推進を始めとする大学などの研究施設の重点的整備にも努めてまいります。 さらに、科学技術の進歩を支える優れた研究者・技術者の養成・確保に努めるとともに、広く国民に科学技術に関する理解を深めていただくために、科学技術・理科大好きプラン等を通じた科学技術・理科教育の充実、昨年開館した日本科学未来館の活用などを図ってまいります。なお、生命倫理などの課題についても、適切に対応してまいります。 安心・安全で、質の高い国民生活を実現していくためには、国の存立にとって基盤的な分野における研究開発についても、積極的に推進していくことが必要です。 宇宙開発については、昨年八月のHⅡAロケット試験機一号機に続き、去る二月四日に試験機二号機を打ち上げました。これにより、人工衛星の打ち上げを確実に実施するための技術基盤を獲得できたものと考えます。引き続き、実績を一つ一つ積み重ねながら、信頼性の更なる向上を最優先に、ロケット開発を着実に進めてまいります。また、国際宇宙ステーション計画など種々のプロジェクトを推進するとともに、宇宙開発事業団等いわゆる宇宙三機関の統合により、宇宙の研究開発を一段と効率よく効果的に行う体制を構築してまいります。 原子力については、大強度陽子加速器等の大型加速器の先端的な研究開発を引き続き精力的に推進してまいります。高速増殖炉及びそのサイクル技術の研究開発についても、安全確保を大前提に、国民の皆様の理解と協力を得つつ進めてまいります。ITER計画については、核融合エネルギーの実現に向け、密接な国際連携の下、引き続き積極的に取り組んでまいります。 また、自然災害に強い社会を目指すため、地震・火山噴火等の防災対策に関する研究開発の充実・強化を図るとともに、海洋・地球・環境に関する研究開発を推進し、多様な資源・空間の更なる活用や、気候変動のメカニズムの解明を図ってまいります。 我が国が世界の平和と安定の確保のため積極的な役割を果たし、日本人の心の見える国際協力を推進する等の観点から、国際教育協力懇談会の提言を踏まえた開発途上国への教育協力、日韓、日中を始めとする国際文化交流の推進、留学生交流の拡大、科学技術の国際協力活動の展開、アフガニスタン復興支援など各分野の国際協力や国際交流を推進します。 以上のほかにも、特殊法人等改革、公益法人改革、規制改革等の行政改革や地方分権の推進など重要な課題が山積しております。国民の強い期待を真摯に受け止め、文部科学行政全般にわたり誠心誠意取り組んでまいる決意ですので、委員各位におかれましても、特段の御理解、御協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
○委員長(橋本聖子君) 次に、平成十四年度文部科学省関係予算につきまして、青山文部科学副大臣から説明を聴取いたします。青山文部科学副大臣。
○副大臣(青山丘君) 平成十四年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成十四年度予算の編成に当たっては、厳しい財政状況の下ではありますが、我が国が本当の意味での豊かな国として発展し、世界の平和と繁栄に貢献していくためには人材・教育・文化大国と科学技術創造立国を目指し、教育、科学技術・学術、文化、スポーツの振興を重点的に推進していくことが不可欠であるとの観点から、文部科学予算の充実に努めたところであります。 文部科学省所管の一般会計予算額は、六兆五千七百九十八億一千五百万円、国立学校特別会計予算額は二兆七千八百二十八億七千九百万円、電源開発促進対策特別会計予算額は一千五百三十九億五千六百万円となっております。 以下、平成十四年度予算における主な事項について、御説明申し上げます。 第一は、確かな学力の育成や豊かな心の育成などを図る初等中等教育の改革と充実についてであります。 子供たちに基礎・基本を確実に身に着けさせ、自ら考える力を育成するきめ細かな指導を目指す第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画を着実に推進することとし、その二年次分として五千三百八十人の改善を行うこととしております。 また、新たに学力向上フロンティア事業などを実施し、すべての子供たちに確かな学力の育成を図るとともに、幼児教育などの充実に積極的に取り組むほか、スクールカウンセラーや心のせんせいの配置、サポートチームづくりなどの生徒指導の充実や、社会奉仕・自然体験活動を推進することにより、心の教育の充実を図ることとしております。 さらに、学校運営の改善や教員の資質向上を推進するほか、公立学校の施設整備について、老朽化した校舎の改築・改造や安全管理対策施設の整備などを行うとともに、学校における安全管理の徹底に取り組むこととしております。 第二は、地域・家庭の教育力の再生と生涯学習の推進について、完全学校週五日制の実施も踏まえ、放課後や週末における子供の活動支援を行うとともに、学校内外を通じた社会奉仕体験活動など様々な体験活動の推進体制を整備するほか、子育て講座の全国展開など家庭教育支援の充実を図るとともに、青少年の健全育成を推進します。 また、高等教育機関において、キャリアアップを目指す社会人の受入れ体制を緊急に整備することとしております。 第三は、大学の構造改革の推進と二十一世紀を担う人材の育成についてであります。 我が国の大学が国際競争力を有する大学となるためには、大学の構造改革を一層進めることが重要であり、国立大学の再編・統合を進めるほか、第三者評価による国公私を通じた世界的教育研究拠点の形成のための重点的支援を行うこととして、百八十二億円を計上しております。 また、専門大学院の充実など、大学院を中心とする教育研究基盤の強化に努めることとしております。 さらに、育英奨学事業については、教育を受ける意欲と能力がある人が確実にこれを受けられるよう、事業費総額で四百三十四億円の増額を行い、貸与人員で四万五千人増員するなど、一層の充実を図ることとしております。 第四は、特色ある教育研究の推進など私学助成の充実について、教育研究条件の維持向上と修学上の経済的負担の軽減などを図るため、学術研究基盤の強化や教育改革の推進などに配慮しつつ、経常費助成を中心に総額で四千四百五十四億円を計上するなど引き続きその充実を図ることとしております。 第五は、留学生交流など国際教育協力の推進について、留学生交流の推進のため五百四十四億円を計上するほか、アフガニスタン復興のための具体的な教育支援の検討も含め、開発途上国への国際協力体制の整備充実を図ることとしております。 第六は、心身ともに健全な人材を育成するスポーツの振興について、総合型地域スポーツクラブを育成・支援する体制の充実を始めとする生涯スポーツ社会の実現、トップレベルの競技者の育成、学校体育の充実を図るなど、スポーツ振興基本計画を推進していくこととしております。 第七は、文化芸術による心豊かな社会の実現として、文化を愛し、文化の薫りに満ちた新世紀日本の建設に向けて、文化芸術創造プランの創設に百九十三億円を計上するほか、伝統文化・文化財の活用と次世代への継承、新たな文化拠点の整備などを図ることとしております。 第八は、未来を切り開く基礎研究の推進として、大学や大学共同利用機関が行う独創的・先端的研究分野における基礎研究の推進に六百三十億円を計上しております。 第九は、戦略的重要分野の研究開発の重点的な推進として、ポストゲノム研究の推進などライフサイエンス分野の研究に七百十七億円を計上し、また、先端的な情報科学技術の研究開発などに八百九十億円を計上しております。 さらに、地球温暖化などに関する研究開発など環境分野に五百七十六億円を計上するとともに、経済社会の持続的成長への寄与などが期待されるナノテクノロジー・材料分野の研究に二百四十九億円を計上しております。 第十は、国の存立基盤となる研究開発の推進についてであります。 宇宙開発につきましては、宇宙関係三機関の統合に向けた連携協力の下で信頼性の向上などを図りつつ、HⅡAロケットの開発などを着実に進めていくこととしております。 また、原子力の分野につきましては、大型加速器や核融合研究などの先端的研究開発を推進するとともに、安全確保と国民の理解を大前提として、高速増殖炉サイクル技術の研究開発などを進めていくこととしております。 さらに、防災対策に関する研究開発を着実に進めていくとともに、海洋の多様な資源などの活用を目指した研究開発などを一層推進することとしております。 第十一は、競争的研究開発環境の整備と科学技術振興基盤の強化についてであります。 競争的資金につきましては、科学研究費補助金を始めとした各種制度を拡充することとしております。 また、国立大学等の施設については、国立大学等施設緊急整備五か年計画を踏まえ、重点的整備を図り一千四百六十四億円を計上したほか、優れた研究者・技術者の養成・確保や科学技術・理科教育の抜本的な充実を図ることとしております。 第十二は、新産業創出に向けた研究成果の展開として、産学官の共同研究の促進や大学発ベンチャーの創出など産学官連携の強化を図るため、一千八百八十億円を計上するとともに、大学等を核として研究機関や研究開発型企業が集積する拠点である知的クラスターの創成を図っていくなど、地域科学技術の振興に二百十二億円を計上しております。 第十三は、情報化への対応として、高度情報通信ネットワーク社会の形成を目指し、情報化の影の部分にも配慮しつつ、学校の授業においてコンピューターやインターネットを活用できる環境の整備を進めるとともに、専門的かつ独創的な人材の育成や研究分野の情報化、情報通信分野の研究開発などを積極的に推進してまいります。 以上、何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 なお、これらの具体の内容につきましては、お手元に資料をお配りしておりますので、説明を省略させていただきます。
○委員長(橋本聖子君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。 次回は来る十九日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十九分散会