農林水産委員会 第9号
- 発言数
- 270 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/05/21
会議録
○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律案及び農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法案、両案の審査のため、文部科学大臣官房審議官坂田東一君、厚生労働省健康局長下田智久君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長須賀田菊仁君、農林水産省生産局畜産部長梅津準士君、農林水産省経営局長川村秀三郎君、農林水産技術会議事務局長岩元睦夫君及び水産庁長官木下寛之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(常田享詳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(常田享詳君) 農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律案及び農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法案、両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
○加治屋義人君 おはようございます。自民党の加治屋でございます。 農業の担い手が必要に応じて必要な資金を円滑に確保できるようにとの観点から、十四年度の政府予算に関連して、いわゆる農業金融二法の一部改正法律案が提案をされています。これらに関しての若干の質問をさせていただきます。 まず、農業近代化資金助成法などの一部を改正するに当たり、各種制度を分かりやすく使いやすい資金制度へ抜本的に見直したとしておりますが、どの法律のどこをどのように見直したのかについて、それらのねらいをお伺いをいたします。 次に、農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法について、法制度の整備を行うとなっておりますが、そのねらいと新たに講じようとする措置の概要を説明いただきたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 制度資金は、意欲と能力のあります担い手の経営改善に向けまして、その取組を支援する極めて有力な政策手法でありますが、今回の見直しは、こうした融資制度がより適切に機能しますよう、資金使途の拡大、保証制度の拡充・充実、手続の一元化等を図ろうとするものであります。 具体的に申し上げますと、農業近代化資金助成法に規定をいたします農業近代化資金につきましては、施設資金だけでなくいたしまして、賃借料の一括前払などの経営の改善を図るのに必要な長期運転資金を追加をいたしております。農林漁業金融公庫法に規定をいたします農林漁業金融公庫資金の経営体育成強化資金を土地利用型だけではなくいたしまして、施設園芸等を含めました全農業の種目に拡大をいたしたところであります。 また、農業改良資金助成法に規定をいたします農業改良資金につきましては、国が定めます特定の農業技術の導入のための資金から、農業の担い手が自らの創意工夫で加工分野へ進出、新作物への導入といったチャレンジをするための資金へと改めますとともに、都道府県の直接融資方式に加えまして、民間金融機関が都道府県から借り受け農業者に貸し付ける方式を追加をしました上で、農業信用保証保険法を改正をしまして、農業改良資金を農業信用基金協会による債務保証の対象に追加したものでございます。 農業法人円滑化投資法案は、地域農業の担い手となります農業法人の育成を支援するため、農協系統、地方公共団体等の出資によりまして農業法人投資育成会社を設立をいたしまして、この会社が、農業法人に対しまして自己資本の充実のための投資を行えるよう法制度の整備を行うものであります。 具体的には、農業法人に対します投資事業を営もうとする投資育成会社が農業法人の育成に資するよう適切な事業運営を行うことを担保するため、投資事業に関する事業計画を作成をいたしまして農林水産大臣の承認を受けること、大臣承認を受けた投資育成会社にありましては、農協系統及び地方公共団体がその議決権の過半数を有しているものは、農地法の特例といたしまして、農業生産法人に投資することができるものであります。大臣承認を受けました投資育成会社は、農業協同組合法の特例といたしまして、農事組合法人に投資ができること、農林漁業金融公庫は、その業務の特例といたしまして、農業法人に対する民間の投資を補完するため、大臣承認を受けた投資育成会社に対して出資ができることなどが定められておるものであります。
○加治屋義人君 ありがとうございました。改正しようとする内容については理解ができました。 もう少し具体的にお伺いしたいと思います。 まず、資金融資に関してですが、融資枠の設定に当たってどのようにしてその枠を決めているのかであります。 十四年度の予算のうち、農業担い手向けの制度資金の融資枠は、農業近代化資金で四千億円、公庫資金のうち農業経営基盤強化資金は九百五十億円、農業改良資金六百三十四億円となっています。これらは、十三年度の融資枠と全く同額。もっとも、公庫資金のうち経営体強化資金だけは十三年度の三百億円が十四年度には四百億円に拡大されておりますが、ほかの資金はすべて前年並みの融資枠であります。 そこで伺いますが、まず、毎年度の融資枠を決定するに際しては、資金の融資実績や需要見込額を調査されると思うのでありますが、これらについて農林水産省はどのような調査をしておられますか。そして、それらの調査の結果、十三年度の融資実績は幾らで融資枠の何%になるのか、さらに十四年度の需要見込額は幾らぐらいあったのかについて教えていただきたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 資金の融資枠についてのお尋ねでございます。 制度資金につきましての予算上の手当ては、農林公庫補給金あるいは近代化資金利子補給補助金といったような形で行っておりまして、融資額が即財政支出となるものではございませんが、制度資金の融資枠の決定に当たりましては、実績を踏まえることは当然でございますけれども、借入れの希望者が融資枠が不足しているため借りられないのではないかといった不安を感じることのないように、かなりの余裕を持って設定をしているところでございます。 実績の方でございますが、十三年度の貸付実績を見ますと、農林公庫資金は、融資枠は五千二百億円でございましたが、速報値でございますけれども、三千九百三億円ということで消化率が七五%。それから、農業近代化資金は、融資枠が四千億円でございますが、これに対しまして速報値で八百二十億円、消化率が二一%。農業改良資金は、融資枠六百三十四億円に対しまして速報値七十五億円ということで消化率一二%となっておるところでございます。 このように、融資実績、減少傾向にあるわけでございますが、これを回復していくという上では、全般的な農業対策あるいは投資意欲のわく環境を作り上げるということが必要であろうということで、また今回のように制度資金そのものを農業者にとって分かりやすく使いやすいものにしていく必要があるというふうに思っておりまして、そのための法改正をお願いしているところでございます。 こういう努力によりまして、十四年度の融資実績が融資枠にできるだけ近づくことで努力をしたいと思っておるところでございます。
○加治屋義人君 私は、農業県である鹿児島でございますので、農業、農村、農家の置かれている立場がよく分かるのでありますが、資金需要という面から見ると、今日では相当に落ち込んでいるのが実態であります。鹿児島では今、茶業農家の大型機械導入やBSE対策の資金需要が一巡したところで、農協などは資金が余っていて、貸したいけれども適当な借り手がないというのが実情だと聞いています。しかし一方では、借りたいと言って来る人には先行き不安で貸せないというのであります。 十三年度も相当な融資残があったことを考えますと、十四年度も需要見込みと懸け離れた枠を用意しているのではないかと思われますが、いかがですか。経営体育成強化資金の対象を土地利用型オンリーから全農業種目に拡大することで、本当に百億円の融資増が見込めますか。十三年度の三百億円を十四年度に四百億円に拡大する根拠を示してください。また、これに伴って、単品の農地など取得資金は整理する方針のようでありますが、その理由は何でありますか、お聞かせいただきたいと思います。 また、農業改良資金については、新規分野などのリスクの高い農業分野へ挑戦することを奨励しつつも、都道府県の直接融資に農協などによる転貸融資方式を追加しようとして更に機関保証を利用できるようにしようとしておりますが、このような改正案は保証機関からは早くも警戒、敬遠されているのであります。債務保証をする側が安心できるスキームでない限り、このような仕組みを作っても、それは制度を作った側の自己満足であって、必ずしも期待したような円滑な融資につながらない、私はそう思っています。保証機関は結局求償権だけを押し付けられることを警戒しているのではないでしょうか。 この改正案をどのようにして都道府県や融資機関に周知徹底させ、農業者に定着させていかれますか。その方策をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 融資枠の未消化が相当あるということは御指摘のとおりでございます。この要因はいろいろございます。 もう先生御指摘のとおり、景気の低迷等農産物需要の低迷もございますし、また輸入品等の競合等による価格の低迷といったようなことで投資意欲が低下しているということもございます。また、低金利下で新規の借受けよりも既往債務の繰上げ返済ということにシフトしていること等、いろんな理由が考えられております。 これも先ほど申し上げましたとおり、国産農産物の特質を生かすとか、需給バランスの回復に努めるなど、全般的な農業対策を的確に講じまして、投資意欲のわく環境を作り上げることが最も重要だというふうに考えております。また、今回のような制度改正によりまして、農業者の方にとって分かりやすく使いやすい魅力のあるものにしていくということも重要であろうということで、十四年度の融資枠の十分な利用が図られるように努力をしていきたいと思っております。 それから、経営体育成強化資金についてでございますが、これは従来は土地利用型農業ということでのみ対応しておりました。これを今回の改正によりまして全農業種目に融資対象を拡大するということをお願いしております。近い将来、認定農業者となり得る方々の長期資金ニーズについては、この対応が農地取得も含めて可能になるというふうに考えております。 それで、今回の経営体育成強化資金の拡充をしたその枠でございますけれども、従来の資金枠が三百億ございました。それから、今回、この経営体育成強化資金の拡充に伴いまして単品の農地等取得資金は廃止することにしておりますが、その分が百三十億あったわけでございます。今回の改正によりまして農地等取得資金を吸収する形で拡充をいたしますので、合わせますと四百億程度の融資枠ということで考えたところでございます。 これまでの融資実績、両資金で百六十億ほどありました。これと類似のスーパーLの利用状況等を踏まえますと、土地利用型まで拡大されたということを踏まえますと、四百億円程度まで増大する可能性は十分にあるということで考えておるところでございます。 それから、三点目の債務保証の充実ということで、今回も改正をお願いしたところでございますが、これにつきましては、農業近代化資金等の民間金融機関を活用いたしました制度資金の円滑な融通というためには、正に保証制度の充実が重要であるということでございます。特に、昨今の状況を見ますと、農地の価格の下落ということで担保力が低下をしておりますし、なかなか保証人のなり手も見つからないということを考えますと、やはり機関保証というものを活用していくということが極めて重要だというふうに考えておるところでございます。 今回の見直しによりまして、融資審査のときに経営改善の中身を十分審査をいたしまして、それがクリアできれば一定額、認定農業者でありますと千八百、法人では三千六百万円というところまで、物的担保あるいは第三者保証人の提供がなくても確実に機関保証が受けられるということにしたところでございます。 ただ、今御指摘がございましたとおり、債務保証機関におきましては懸念もないわけではございません。そういうことで、今回こういう転貸方式等で拡充するということもございますので、農業信用基金協会の方に通常の保証責任準備金とは別枠で専用の特別準備金を設けるということにいたしまして、これに必要な十四年度予算を計上したところでございます。 こういうふうに、制度面の改正もございましたし、また予算上の措置として保証機関の財務基盤の強化のための措置ということも講じております。新しい融資制度が円滑に実施できるよう指導等を行っていきたいというふうに思っております。
○加治屋義人君 それぞれの融資資金が是非有効利用できるように御努力をいただきたい、そういうふうに思っています。 次に、農業法人に対する投資の円滑化の件でありますが、先駆的な農業をしている一部の人々が法人化する事例が急速に増えています。鹿児島県では、法人化する動機を探ってみますと、多くの場合、節税対策という答えが返ってまいります。節税したくなるほどの農業経営ができているならそれは結構なことであると思っておりますが、しかし実態は、利益が上がるほどの経営になっていないようであります。利益が計上できるほどの農業経営体ではないものに出資をするような投資育成会社の設立を積極的に促進するような理由がどこにあるのか、私の疑問です。 法律を改正して農業法人への投資を促進しなければならない根拠をいま一度副大臣にお伺いをしたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 農業経営の形態といたしまして法人形態を取りますことは、家計と経営の分離によります経営内容の明確化が図られまして、対外信用力の向上や経営の多角化などによる経営発展も期待ができるものであります。さらに、新規就農の受皿となったり、経営の円滑な継承にも資する等の利点を有しているところであります。 さらに、税制の面におきましても、役員報酬、従業員給与の損金算入ができることなど、損金の五年間の繰越控除ができることなど、所得が一定水準を超える場合におきましては税率なども低くなるということなどのメリットがございまして、こうしたことを踏まえて法人化が進展しつつあるところであります。 しかしながら、農業法人の経営の更なる発展を考えました場合に、自己資本比率が中小企業に比べましても極めて低いといった問題点があろうかと考えます。 この理由といたしましては、現在の農業法人の出資構成はそのほとんどが法人の設立メンバーである役員等からの出資に限定をされておりまして、外部からの出資がほとんどございません。増資のための自助努力にも限界があることが挙げられておろうかと思います。 このため、今回、農業法人に対します投資を円滑に進めていくための措置といたしまして、民間会社による農業法人投資育成会社を設立をいたしまして、これを活用することにしたものであります。これによりまして、農業経営の法人化と法人経営の更なる発展を支援をしてまいりたいと考えております。
○加治屋義人君 副大臣、これは私の提案としてお聞きをいただきたいと思っていますが、今、鹿児島の農村で深刻に語られている話題に関連してお伺いをしたいと思います。 それは、農業用資産を売却して、それを退職金として農業を引退したいという希望を持った高齢者がたくさんおられるということであります。そして、このような農業用資産を子供や新規参入希望者や第三者が円滑にそっくり買い取るのに要する資金を無利子で融資する制度を国で創設すべきだと、その必要性をそういう中から感じております。 引退する農業者に対しては老後の保障、新規取得者に対しては長期無利子の資金返済というメリットの下での安定経営の実現が可能になると思っています。このような経営安定のための融資制度が用意されたとき、初めて抜本的な制度ができたと言えるのではないでしょうか。残念ながら、十四年度の制度資金見直しは抜本的と言うにはその効果は疑わしい、私はそう思っています。 今後の検討において、農業経営資源をそっくり買い取るに当たって、現在の制度資金の借換えのための融資やスーパーL資金による負債整理というような制度の範囲を超えて、もっと前向きな、文字どおりの抜本的な融資制度を創設するように提案したいのでありますが、副大臣の御見解をお伺いいたします。
○副大臣(野間赳君) お尋ねでございました。 農業の持続的発展を図るためには、高齢化してまいりました農業者から若年層への世代交代を円滑に進めていくことが極めて、もう先生おっしゃるとおり、重要なことであると思っております。 このため、子世代や第三者を含めました農業に取り組もうとする者の就農や経営の展開を支援するための無利子や低利での融資制度を設けているところでありますが、青年就農法に基づきます認定農業者制度は、子世代、第三者とも対象となりますが、この認定農業者は無利子の就農支援資金を利用できることとなっております。 その用途といたしまして、技術習得のための研修費や住居の移転等の就農準備活動のほか、機械・施設の買取りや農地の賃借権取得のためにも利用ができることとなっております。 このほか、認定就農者を始めといたします後継者世代の担い手は一般の制度資金の利用が可能でありまして、今回改正に係ります農業改良資金を活用いたしまして新作物や加工分野にチャレンジをする場合には機械・施設の買取り資金を無利子で借りることができることになっております。また、有利子ではありますが、農林公庫の経営体育成強化資金を活用いたしまして、農地の買取り資金を借りることができることに相なっております。 なお、子が親から農地を買い取る場合におきましては、その買取り代金が親に渡ってしまうことになりまして最終的に融資した資金が農業用に使われたかどうか分からなくなってしまいますため、これまで融資対象としてこなかったところでございます。平成十三年度から、親と子の生計が完全に分離をされておる場合又は生計が分離をされていないが親が経営権を完全に子に移譲をし、融資した資金の全額を親の営農負債の償還に充てる場合には融資対象としたところでございますので、ひとつよろしく御理解をいただきたいと思います。
○加治屋義人君 是非、この農業用資産の有効活用のためにも融資制度の充実に今後も御努力をいただきたい、そういうふうに思っています。 次に、「「食」と「農」の再生プラン」に関連して伺います。 さきのBSEに対する農水省の対応を生産者優先政策がもたらした「重大な失政」としたBSE検討委員会の報告を踏まえて、「「食」と「農」の再生プラン」が、先日、農水大臣より発表されました。食の安全と安心を最優先で確保すべく、食を支える農の構造改革を打ち出して、消費者に軸足を移した農林水産行政の青写真が示されたものと理解をいたしています。 食の安全と安心確保に向けてトレーサビリティーシステムを平成十五年度に導入するとともに、消費者に分かりにくい食品表示制度の見直しと表示違反に対する罰則強化、併せてJAS法の改正も検討されています。さらには、セーフガード監視品目を中心に生産者コスト削減に向けた革新的生産技術の導入、直接取引の推進、規格の簡素化を進め、生産、流通を通した高コスト構造の是正を図りながら、意欲的な経営体が躍進できる環境を整えるために農協系統組織の改革、米政策の見直し、農地法の改正など、日本農業の効率化を目指すことが鮮明にされておりますが、欧州では、BSEが大発生した背景には、中小農家が軽視され、大規模志向の効率化追求が原因の一つであるとも言われています。 特に、農家当たりの耕地面積が非常に小さな我が国では、中小農家が経営崩壊しないように、「「食」と「農」の再生プラン」は、中小農家を含めた形での安全な農作物の生産振興にもっと視野を広げるべきであると考えますが、日本農業の将来像を含めて副大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 先般発表いたしました「「食」と「農」の再生プラン」におきましては、効率的で安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担います農業構造の実現を目指しまして、食を支える農の構造改革を加速化することといたしております。そのためには、規模のいかんを問いませず、意欲と能力のある育成すべき農業経営に対しまして、農地の利用集積等の施策を集中的かつ重点的に講じますとともに、法人化等を推進をしていく必要があろうかと考えております。 一方、我が国の農業・農村の実態を見たときに、地域には、このような育成すべき農業経営以外にも、健康、生きがいのために農業を行う人を含めまして多様な経営が存在をしておりまして、これらの経営が地域の農業資源の維持管理を始めといたしまして地域農業において種々の役割を担っておるところであります。 食料・農業・農村基本法に掲げます四つの理念の実現のためには、地域に存在するこうした多様な農業経営がそれぞれの役割を十分果たしていきますことが重要なことであると考えております。このため、多様な経営のそれぞれの特色、役割に応じまして、農業経営関連施設、農村振興施策等を適切に講じていくことが基本的な考えでありまして、施策の今後とも推進を図ってまいりたいと、このように思っております。
○加治屋義人君 四月の十九日、JAS法を所管する農水省が消費者や専門家の意見を聞くために食品の表示に関する懇談会を開催されましたが、厚生労働省食品保健部企画課長が、食品衛生法とJAS法は食品表示問題で重複する部分が多々あるとして政策担当者として懇談会出席を求めたものの、出席を拒否されたとの報道がございました。 これまでにも縦割り行政体質が強く指摘され続け、行政対応の効率化が求められてきたことへの反省が全く見られておりません。せっかく農水省として再生プランを提案しながらこのような現状だとすれば、本当に食の安全が確保できますか、甚だ疑問に思えてなりません。 食と農の再生のために、行政の再生がますます重要であるということは言うまでもありません。行政が信頼を得なければ食と農の再生もあり得ません。この期に及んで、農水省所管のJAS法、公取委の景品表示法、厚生労働省の食品衛生法、経済産業省の不正競争防止法を整理し、効率的な監視・摘発体制を確立することが急務だと考えますが、現在どのように検討をされておられますか。副大臣に伺います。
○副大臣(野間赳君) 食品の表示制度につきましては、BSE問題に関する調査検討委員会報告での御指摘を踏まえまして、厚生労働省などとも連携をして、消費者も参加する検討の場を早急に設けまして食品表示制度の在り方を一元的に検討をしていくことといたしております。 農林水産省といたしましては、当該検討の場におきまして、監視の在り方を含め、食品表示制度につきまして御議論をいただきまして、その議論を踏まえ検討をいたしてまいりたいと思っております。
○加治屋義人君 次に、BSE問題について端的に伺います。 BSE発生以来、農水省においては全頭検査など、あらゆる対策を講じ、安全が確認された肉以外、食用としても飼料原料としても市場に出ることのないシステムが確立をされたため、最近、牛肉消費も上向き始め、枝肉価格も回復基調に転じ、連動して肥育農家の子牛需要が伸びつつあります。私の地元鹿児島の子牛市場でも、四月競り価格が三月競り価格を平均五万一千円上回る価格が付くようになって、久々に活気が戻りつつあります。 農水省においては、BSE問題調査検討委員会の報告を踏まえ、トレーサビリティーシステムの導入、全頭検査体制下における食肉処理・流通体制の整備など、万全に対応されていくとのことでありますが、私たちが最も心配しておりましたのが、万一、四頭目のBSEが発生したら一体どうなるのだろうかということでありました。四頭目につきましては、御承知のとおりであります。 せっかく消費回復の兆しが見えてきた今、政府としてもBSE対策特別措置法案の要綱を取りまとめておられますが、BSE発生地域の風評被害に対する対応をどのように進められるか、具体的に説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(梅津準士君) BSEが発生した場合のいわゆる地域対策についてお尋ねがございました。 BSEの発生地域対策は、BSEの発生によりまして、その地域の畜産物の売上げに影響が及びましてその回復に相当の努力が必要となるというふうな場合に備えて、その場合、地域の農協等が自主的に畜産物のイメージアップや販売促進活動、あるいは畜産物価格の低落等への対応に取り組むことに対して支援するものでございます。 ただ、先生御案内のとおり、BSEは元々接触感染あるいは地域の農畜産物に衛生面の問題を生ずるわけではございませんので、こうした風評被害が生じないことが何よりも肝要であるというふうに思っております。 今般の四頭目のBSEの発生に対して、全般的に見れば、今、先生御指摘のとおり、現在の状況は比較的冷静なものとなっておりまして、私ども、スーパーあるいは焼き肉業界等から状況を聞いておりますけれども、目立った影響は出ていないというふうに聞いております。また、今回、四頭目の発生した地域、北海道でございますけれども、この地域の農業は酪農中心の畜産地帯でありまして、当該農協を中心に冷静な対応をされておりまして、今のところ畜産物に対する影響は特に出ていないと聞いております。 いずれにしましても、北海道庁及び地元農協との連絡を密接に取りながら状況の把握に努め、地域の畜産物に対して影響が生ずるような場合には、その実情を勘案して機動的に対応をしていきたいと考えております。
○加治屋義人君 二点目に、敗血症による多臓器不全と診断された牛が三重県の屠畜場でBSE検査を実施せずに焼却処分されたとの報道がございました。屠畜場での検査漏れなどあってはならないことであり、風評被害を防ぐためにも全頭検査が万全に機能しなければならないと思っておりますが、御所見を伺います。 第三点は、屠畜場に出荷されない病死牛、病死の原因も解明されないまま処分されているようなことはないのか、すべての牛の検査の徹底を図るべきだと考えますが、今日の実態とその取組について伺います。 あわせて、四頭目の発生によって感染原因の究明に大きく前進できるのではないかと、そういう期待を持っておりますが、その取組について伺います。
○政府参考人(梅津準士君) まず、三重県のBSE検査が行われなかったケースでございます。 厚生労働省では、御指摘のとおり、昨年十月十八日から、屠畜場に搬入されるすべての牛についてBSE検査を要すると判断されるというふうにしております。しかしながら、今年の四月十五日、三重県下、熊野市営と畜場に搬入された十九か月齢の黒毛和種一頭が屠畜検査において敗血症と診断され、BSE検査を行わずに焼却処分されたことを厚生労働省及び三重県から確認しております。 三重県によりますと、屠畜検査を担当した検査員が、全頭検査が実施されていることは知っておりましたけれども、食用に回されず焼却処分される牛のBSE検査は不要であると誤認して、誤って認識していたということでございます。このため、三重県は検査マニュアルを見直して、検査員への徹底を図るとともに、県内のと畜検査員に再度適切な取扱いについて指示したと聞いております。また、厚生労働省でも四月十七日に、同様の事例が発生することのないよう、都道府県に対して情報提供するとともに、改めてBSE検査実施要領の徹底を要請したと聞いております。この件については、すべて焼却されておりますので、公衆衛生上問題はなく、また再発防止措置が適切に講じられたと聞いております。 それから、二点目の屠畜場に出荷されない病死牛の点でございます。 通常、病死牛は家畜共済の獣医師が死亡時に原因等を確認しまして、伝染病が疑われる場合には家伝法に基づいて家畜保健衛生所に届けられまして、家畜保健衛生所がその原因を調査することになっております。現在、死亡牛のBSE検査につきましては、これらの診療でBSEを疑う症状が確認された死亡牛はすべて、BSEを疑う症状がないものについても、二十四か月齢以上の死亡牛、年間四千五百頭を対象にサーベイランスを実施しております。 先生御指摘のとおり、今後、我が国におけるBSEの早期根絶を図るためには、二十四か月齢以上の死亡牛についての全頭検査の導入を目指して早期の検査体制の強化を図っていく必要がございます。この場合、現在の死亡牛のサーベイランス検査体制を更に強化するには、これを効率的に実施するための死体の一時集積場所、検査結果が判明するまでの冷凍保管施設、それから、検査の結果、陽性となった牛の焼却施設の更なる整備、こういった体制の整備が必要でございます。 こういった中、例えば離島が多いとか、あるいは死亡牛の発生頭数が非常に多いとか、そういった地域の実情に即して、周辺住民の御理解と御同意を得ながら、段階的に検査処理体制を整備していかざるを得ないという実情もあると考えておりまして、都道府県の協力もいただきながら検査体制の構築に向けた取組を推進しているところでございます。なお、三月から副大臣、大臣政務官が各都道府県知事を訪問しておりまして、その中で死亡牛の検査の推進についても御協力をお願いしているところでございます。 それから、最後に原因の解明状況でございます。 三月十五日に第二次中間報告で、三点、原因の解明状況を御報告申し上げました。一点は、配合飼料工場のうち四工場で、いわゆる肉骨粉のクロスコンタミネーション、混入の可能性が完全に否定できないということ。二点目に、一九九八年六月以前に輸入されたイタリア産肉骨粉には加熱処理が不十分である可能性が高いということ。三点目に、それまでの三例に共通して与えられていた代用乳にBSE発生国であるオランダ産の動物性油脂が含まれていたこと。こうした感染源としての可能性を完全には否定できない事項、更に確認を必要とする事項を明らかにしたところでございます。 今般、去る五月十三日に四頭目のBSE発生が確認されたところでございますけれども、直ちに北海道の家畜保健衛生所の立入検査によりまして、同居牛の追跡、飼料の給与状況の調査を進めているところでございます。四頭の生年月日が極めて近いこと、それから、四例に同じ工場で製造された代用乳が給与されていたことは感染源究明の調査を行う上で重要な情報であると考えておりまして、平成八年三月、四月生まれの乳用牛について、家畜所有者のプライバシーに十分配慮した上でこれをトレースすることなどを検討するとともに、代用乳について、製造時期の調査、給与された牛の追跡調査などを進めてまいる考えでございます。 しかしながら、予断を持たず、それらを含めてあらゆる可能性について徹底した調査を実施してまいりたいと思っております。
○加治屋義人君 病死牛の検査によってBSEの発生は当然これから増えるだろう、そういうふうに思っています。全頭検査こそ、生産者、消費者に真の安心、安全を与えることだと、この四頭目の発生に対する国民のそういう声だろうというふうに思っています。生産局長や畜産部長さん始め皆様のBSEに対するこれまでの御努力に感謝しつつも、これから発生するであろう、予測しておりますが、これらについても細かな対策を取っていただきますように強く要望をさせていただきたいと思います。 それから、最後になりますが、先日、「時の動き」という、五月号を読みました。これは内閣府の編集による雑誌でありますのでごらんになられたかと思っておりますが、その中に「自然こそが教育の場 「国民皆農」のすすめ」と題する記事がありまして、私、大変共感を覚えたところであります。私と同郷で、株式会社リコーの会長さん、元教育改革国民会議委員の浜田広さんの書かれたものでございました。趣旨を要約しますと、今、心とバックボーンの教育は必要だが、それには農作業を体験することによって学ぶしかないという考え方から国民皆農を提唱したいと、こういうものでございました。私も少年時代、農作業をした経験もございまして、この提言の趣旨がよく理解でき、すばらしいアイデアだと思っています。 この国民皆農は、すぐに導入することは、今すぐとは言わないまでも、私はもう少し現実的な提案として農業教育の充実を挙げたいと思っています。小中学校の課程にあっては、総合学習の中で、生活と農業のかかわりを教え、日ごろ口にする食物がどのように作られているのか、あるいは食の安全が大切であることなどを理解をさせる農業体験を取り入れることも望ましい。高校では、社会科の中で、農業の歴史と実態、農業の再生や自給率向上の必要性などを理解をさせる。大学では、国立大学の見直し・再編の中で、農業専門大学を設立し、例えば、防衛大学同様、官費による農業指導者の育成を行うとか、農学部や農業試験場などを拡充して農業分野におけるシンクタンク機能を果たすといった考え方もあります。 国民皆農の提唱者である浜田氏は、自ら市村自然塾を実施をされ、三十人の子供たちが農作業と同時に炊事、洗濯、掃除など家事労働を体験しているそうで、これを全国的に展開するにはこのような施設が二万か所も必要だと、そういうことを教育改革国民会議で提案をされているのであります。 以上述べましたことは、農水大臣の提唱される食の安全と農の再生プランの趣旨に合致するものと思いますが、これらの提言、つまり国民皆農の考え方、自然塾の全国展開、農業教育の充実、これらについてどのようにお考えになられますか、副大臣の御所見を伺いたいと思います。 時間もございますので、これで私の質問を終了させていただきます。
○副大臣(野間赳君) 加治屋先生、ただいま浜田広リコーの取締役会長、教育改革国民会議の委員をなされておりました先生であられるわけでありますが、「「国民皆農」のすすめ」ということで、全く私も同じような気持ちであります。 農業体験学習は、食べ物がどのように生産をされておるのかなど、子供のころからの体験により学ぶことを通じまして、食と農に対する理解を深め、食と農の距離を縮めて、将来にわたって生産者と消費者の信頼関係を築いていく上で、また自然や生き物に触れ合うことによりまして、子供たちの豊かな人間形成を図っていく上で重要な役割を持っておるものであると考えております。 このため、農林水産省といたしましては、文部科学省やJA等関係機関と十分連携をしながら、学校教育及び社会教育におきましても子供たちに対します農業体験学習の機会の充実を図っているところでありまして、今後とも関係機関と十分連携を強化をいたしまして、農業体験学習の取組に全力を挙げて推進をしてまいらなければならないと、このように思っておりますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。
○小斉平敏文君 自民党の小斉平でございます。 今回議題となっております金融二法案、この前にちょっと時間をいただきまして、マグロ漁業の振興、そして中国産ウナギの問題に関しまして質問を若干させていただきたい、このように思う次第であります。 まず、マグロ漁業の振興についてであります。 先月も私どもの太田理事が質問をされておりましたけれども、FOC漁船、いわゆる便宜置籍船、IUU漁業による乱獲でマグロの輸入の増加と価格の低迷が進んでおりまして、我が国の漁業関係者は大変厳しい状況に置かれておるところであります。 もちろんICCATの勧告にも続いた輸入禁止措置、あるいは日中、日台協議等々で大変な御努力をしていただいておる政府の取組、これは十二分に承知をいたしておるところでございます。しかしながら、現場の漁業経営者の声を聞くと、価格の低迷と漁獲量の減少、これで今年一杯もたないと言っているんです。廃業を考えるしかないぎりぎりのところに来ておると。港に戻ってきたらもう出港できない状況、このように言っておるのが現状なんです。 私の地元、宮崎県所属の所属船の場合、マグロの生産原価はキロ五百八十円、そして現在の生産者価格は四百円台まで落ち込んでいる。このままでは漁業経営は維持できないと、このように漁民が挙げて言っておるんです。しかも、FOC漁船のスクラップ化、これに対しましてもその費用負担、これは漁業経営者にも求められております。マグロ資源を守り、我が国への供給過剰を是正するためにも、資源管理措置の枠外で操業いたしておるFOC漁船、これを廃絶しなければならないと、このように思うんです。 そこでお尋ねをいたしますけれども、このFOC漁船、水産庁のホームページによりますと三百九十七そうリストアップをされておりますが、これらの漁船によって水揚げをされたマグロのほとんどが我が国に運ばれておるのは間違いがないと思うんです。この辺りの対策、調査、モニタリングなどはどのようになっておるのか。これらのFOC漁船が水揚げをしておる量はトン数にしてどの程度なのか。また、特別措置法第十条に基づく報告の徴収がなされておりますが、これで港からの輸入や輸送は市場を通さない相対取引のようなものでも完全に把握ができておるのかどうか、お答えを賜りたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、マグロ類の資源管理に資するため、まぐろ資源の保存及び管理の強化に関する特別措置法に基づきまして、私ども、日本市場に輸入されるマグロに関しまして、漁獲をした漁船の名称、漁獲の海域、運搬船名あるいは国内販売先等につきまして、輸入業者、運搬船業者から報告徴収を行っておるところでございます。 輸入業者からの報告によりますと、便宜置籍船、FOC漁船など、違法・無報告・無規制漁船として特定されております漁船の漁獲物の輸入量は、平成十二年で二万トン強、また十三年には一万五千トン弱というような状況でございます。 私ども、このような国際規制の枠外で操業を行っておりますFOC漁船につきまして、これを廃絶すべきという立場から、委員御指摘のとおりいろいろな場を活用しながら実施をしてきているところでございます。残念ながら、先ほど御説明申し上げましたように、現在、十三年度で一万五千トン弱の輸入水準があるわけでございますけれども、これを更に減少あるいは廃絶すべく日台間でも協議を行っているところでございます。 私どもも、できるだけ早期に、ほとんどその大部分を占めます台湾の漁業者が実質的に経営いたしておりますIUU漁船をスクラップあるいは台湾籍化することによって廃絶できるのでないかというふうに考えているところでございます。できるだけ早期にこのようなことが実現されるよう、あらゆる場を活用して対応していきたいというふうに考えております。
○小斉平敏文君 厳しい調査や監視によってFOC漁船の入港は今後も減少すると、このように思いますけれども、逆に、沖での積替え等によって、我が国も含めて諸外国の割当て漁獲量を上回る輸入や搬送が増加するということも考えられます。 二〇〇〇年漁期の豪州のミナミマグロの自主規制枠は五千二百六十五トンにもかかわらず、我が国へ九千二百トンが輸出されたというデータもあるわけなんです。この場合は蓄養ということもあるようでございますけれども。こういう事態は当然今後とも規制してくると。 また、マグロ資源保護に関しての漁獲の割当てを持たない国や地域からの輸入の現状、今後の見通し及びその対策もお聞きをしたい、このように思うんです。 世界最大のマグロの消費地として資源管理を主張しなければならない我が国にとって、日本の商社等の資本が他国に供給をされて乱獲につながっておるという指摘もございます。日本の立場いわゆる国際協力の問題をどうするのか、この問題は商業理念の問題であるという声もあるんです。この件も併せてお答えを、御答弁を願いたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 高度回遊性魚類でございますマグロにつきまして、海域ごとに設置をされております地域漁業管理機関がございます。例えば、大西洋まぐろ類保存委員会、ICCATと言っておりますけれども、また、みなみまぐろ保存委員会、CCSBTと言っておりますけれども、これらの管理機関では、委員御指摘のとおり、国別の漁獲割当てを導入しているという状況でございます。 それぞれの機関で割当てをしているわけでございますけれども、このような割当てをしている状況を持たない国からの漁獲がございます。これらにつきましても、私ども、それぞれの漁獲枠を持たない国からの輸入をモニターするための輸出証明制度も導入しているわけでございます。近々、この対象を更にメバチなりメカジキ等につきましても拡大をしていきたいというふうに考えております。 私ども、このようにあらゆる手段を通じまして、ICCATなりCCSBTの管理に属さない漁業活動を行っている国々からのマグロ類の輸入を極力減少させていきたいというふうに考えております。 また、商社等がFOC漁船等の違法・無報告あるいは無規制漁船との取引を継続するということによりまして、結果としてIUU漁船活動を助長するということがあるわけでございます。私ども、ICCATの決議に基づきまして、国内の関係業者に対し、違法・無報告・無規制漁船の漁獲物の取引自粛を要請をいたしております。 この要請に反して取引を行われた場合には、私ども水産庁のホームページで漁業者等の名称も公表をしているところでございます。この要請によりまして大半の輸入業者がその取引自粛を宣言するなど、一定の効果が出ておりますけれども、なお、先ほど御説明したように一万五千トン弱の輸入があることも事実でございます。 このような輸入を基本的に、根本的に根絶するという観点から、やはりその根元を絶つ必要があるだろうというふうに考えておりまして、そういう意味で、台湾の漁業者に対しまして、このような違法・無報告あるいは無規制漁船を廃絶するよう、台湾籍化あるいはスクラップにつきましても、できるだけ取決めの内容に従いまして実行できるよう、いろいろなチャネルを通じまして要求していきたいというふうに考えております。
○小斉平敏文君 さらに、今後、IUU漁業が廃絶されたとしても、やっぱり資源管理措置の枠内で大量のマグロが我が国に輸入されることには変わりがない。資源保護のために漁獲量を減らせば、我が国も削減を余儀なくされる。すると、減船に次ぐ減船という事態になることは目に見えております。 つまり、我が国の遠洋漁業の将来を政府はどのように考えられておるのか。漁業経営者は、高額な入漁料を払い、FOC漁船スクラップ化の費用負担も行い、担い手確保のための船員の待遇改善等も考えなければならない。とてもこれでは外国に経営面で太刀打ちできずに衰退する一方だと言わざるを得ないんです。 特に、マグロ価格につきましては、生産者価格がこれだけ低迷を続けていてはもう将来はないと言っても過言ではありません。もちろん消費者にも利益が還元されなければなりませんので、流通経路の問題等も含めて、どのような対策を講じるお考えか、お聞かせを願いたいと思います。 特に、苦境にあえいでおる遠洋漁業者に救いの手を差し伸べて、海洋国日本として今後の展望を示す必要があると思いますので、副大臣にお考えをお伺いをいたしたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 我が国マグロ漁業は、現在、魚価の低迷などによりまして誠に厳しい経営を余儀なくされておりまして、今後とも、国際的な操業規制の強化や外国漁船との競争など、厳しい状況になるものと考えております。 このような中にありまして、漁業生産の維持を図るために、国際漁業管理機関等における適切な資源管理の実現や、二国間の漁業交渉を通じました漁場の確保を図りますとともに、本年度から、洋上保管を含みます受託方式の水産物調整保管事業への導入、漁船リース事業の実施等、適正なマグロ魚価の形成や生産コストの削減等による国際競争力の向上のための取組を支援をしてきているところであります。 いずれにいたしましても、マグロ漁業は我が国遠洋漁業の主要な柱でありまして、今後ともその存続のため最大の努力を傾注をしてまいりたいと思っております。
○小斉平敏文君 先ほど来申し上げましたように、このマグロ漁業というのはもう待ったなしなんです。私は、今まで、長官、今までの対応が全く駄目だったとまでは言いません。しかしながら、今の現状を考えるときに、もうちょっと的確な、迅速な対応をしていかなければ我が国の遠洋漁業というものは大変な問題になる、こういうことを申し添えておきたいと思います。 次に、中国産ウナギについてであります。 厚生労働省政務官、大変御苦労さまでございます。 国内で販売しておる中国産ウナギから最高値一・七ppmという大量の水銀が検出されたという週刊誌の報道がありました。食の安全という観点から、この件についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず、この週刊誌の記事、ごらんになったかどうか、政務官。
○大臣政務官(田村憲久君) 読まさせていただきました。
○小斉平敏文君 その感想をお聞かせを願いたいと思います。
○大臣政務官(田村憲久君) 読まさせていただきまして、大変今、最近でありますけれども、非常に食に対する国民の不安というものが大きくなってきておる中で、このような記事というものが非常に各週刊誌含めて増えてきております。 先般、中国の野菜、輸入野菜でありますけれども、農薬の残留濃度基準を超えているという話でいろいろと問題になったわけでありますけれども、そういうことも含めて非常に厳しい目で国民の皆様方も、特に中国からという部分もあるんでありましょう、入ってくる食物、食べ物に対して厳しい目を向けておるんであろうな、そんなふうに思いまして、ただ、事実といいますか、事実関係だけ少し整理させていただきますと、国内といいますか、今現在、我が国の基準というものは、総水銀で〇・四ppmを超えたもの、総水銀が〇・四ppmを超えたもの、さらに、その上でメチル水銀というものに焦点を当てまして、これが〇・三ppmを超えるものに対して規制の対象といたしております。 今般の記事を見ますと、総水銀という意味では基準値、規制値を超えておりますけれども、メチル水銀の濃度がどうであるのかというのは、あの記事には書かれておりませんので、ここをしっかりと確かめた上で、我が国の規制値といいますか、基準値といいますか、それを超えたものであるかどうかというのを判断する必要があろうかな、このように思っております。
○小斉平敏文君 ちょっと私は驚いたんですけれども、昭和四十八年に厚生省環境衛生局長から各都道府県知事、政令市長あてに通知されたもので、「魚介類の水銀の暫定的規制値について」、これを読みますと、暫定的規制値は総水銀としては〇・四ppm、参考としてのメチル水銀〇・三ppm、今言われたとおり、このようになっておりまして、「ただし」が付いているんですね。ただし、この暫定的規制値は、マグロ類及び内水面水域の河川産の魚介類については適用しないものである、このようにありますけれども、この内容が現在も適用されておると考えてよろしいんでしょうか。
○大臣政務官(田村憲久君) 先生おっしゃられますとおり、四十八年、これは水俣病の例の水銀の問題で、その後このような形で規制といいますか、基準を作って進めさせていただいておるわけでありますけれども、現在もこの文言といいますか、条項は生きておるものであろうと思います。
○小斉平敏文君 とすれば、輸入物のウナギはもとより、国内産のウナギ、これも水銀等の重金属のサンプリング調査、これは法律上は実施を強制されていないということになるわけですね。 ここに私が持っておる資料で、東京都中央卸売市場に入荷をした国産ウナギの水銀調査結果というものがありますけれども、これは厚生労働省が指示をされたものではなくして、東京都が任意で行ったということであります。 もしこの週刊誌報道の調査が正確であれば、大変なことであると私は思うんです。いわゆる水俣病は言われるとおりメチル水銀、この場合は無機水銀かどうかそれは分かりませんけれども、いずれにしても国民の食の安全にかかわる大変重要、重大なことであると思います。既にサンプリング調査、これは開始されたのですか。 スーパー等で格安の値段、これが国民の食卓に上がる機会も非常に多くなってきたウナギでありますので、ここはしっかり調査をして国民の前に明らかにしていく必要があると、このように思うんですけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(田村憲久君) 今、先生おっしゃられました四十八年の、魚介類の水銀の暫定規制値についてというあれでございますけれども、実は、先生おっしゃられましたのは、多分この項目だと思うんです。魚介類の水銀の暫定的規制値は総水銀としては〇・四ppmとし、参考としてメチル水銀〇・三ppm、水銀、としたと。ただし、この暫定的規制値は、マグロ及び内水面水域の河川産の魚介類については適用しないと。ここが問題である、ウナギは入っていないんじゃないかというお話であろうと思うんですが、括弧書きで「(湖沼産の魚介類は含まない)」となっておりまして、ウナギは一応対象となっております。 どういうような検査をしておるかでありますが、これは都道府県の方にお願いをいたしておりまして、都道府県が魚介類の検査をされておられると。結果的に、ウナギだけ申し上げますと、ウナギでありますけれども、今まで検査をそれぞれしてきていただいております。例えば平成九年から平成十二年度まで、一部の自治体でありますけれども、四十八検体実施されております。結果はゼロから〇・〇七ppmということで、この検査の結果では基準値以内という話でありますが、そういう話をしますと、検体数が非常に少ないじゃないかという御指摘もあろうと思います。 御承知のとおり、水俣病以降の水銀の問題の中でこういうような取決めをさせていただいたわけでありますけれども、そういう意味を考えますと、比較的いろんな検体を検査をしてきたんですが、国内産のウナギに関しては、この水銀という問題では基準をオーバーをしていないということで、だんだんだんだん検体が少なくなってきておるんだろうと。具体的に申し上げますと、ほとんど東京がやっておりまして、東京都の方でそれぞれの各地域産のウナギ、これは国内産でありますけれども検査をされ、そしてその結果が今のように基準値以内で収まっておるという話であります。これが国内産のウナギであります。 それから、先生おっしゃられました、国外から入ってきておるものはどうなんだという話なんですが、おっしゃられますとおり、今もこの成り立ちといいますか、それがこの水俣病ということで国内を対象にしてきたというのが実は経緯としてあるんです。ですから、そういう意味からいたしますと、国外のものに対しては確かに今まで基本的には検査をしていません。 でありますから、今回、こういう報道、非常に、今も申し上げましたとおり、国民の皆さんがこの食べ物に対して危機感といいますかお持ちでありますから、これはこの週刊誌の報道を基にやはり我が国でも調査をするべきであろうということで、五月の二十日より今モニタリング検査の方を始めさせていただいておるというような状況であります。
○小斉平敏文君 五月の二十日から調査が始まっておるということでありますけれども、そうであれば、いつをめどに結果を出されるおつもりか。この調査の結果いかんによりましては様々な問題が発生をしてまいると思うんです。くれぐれもBSEの轍を踏まないように、国民の安全最優先ということで対応をお願いをいたしたいと思います。 そこで、政務官に決意のほどをお聞かせをいただきまして、この項目の質問は終わらせていただきます。
○大臣政務官(田村憲久君) おっしゃられますとおり、検査を始めるからには早くその結果を国民の皆さんに公表しませんとなかなか安心していただけないということで、今週か来週中には検査の結果というものを公表をさせていただきたいなと思っております。 同時に、そのような基準を超えるものがもしこの検査の結果出てきますれば、当該品に関しては輸入されないように指導をしていきたいと思っておりますし、また、中国政府に対しては、そのようなものが出てきた場合には、規制値を超えるウナギに関しては輸出しないようにというような申入れもさせていただきたいというふうに思っております。 さらに、国内産に関しましても、ウナギの検体が非常に少ないと、先ほども申し上げましたけれども。ウナギがこういう問題で、国内産の話ではありませんけれども、しかしながらウナギというものに対して大変消費者の方々が今注目をしておられるんだろうと思います。そういうことも考えまして、国内産のウナギに対しても、各都道府県に対して、是非とも検査の対象としてもう一度、非常に厳しいといいますか、その検体の中に入れていただいて検査をしていただきたいというふうに申入れをさせていただきたいというふうに思っております。
○小斉平敏文君 政務官、私、ウナギは特に、ウナギそのものも好きなんですけれども、特に好きなのがウナギの肝なんです。ところが、この週刊誌を読んでから以降、怖くて食べられません。ですから、どうか一日も早く調査結果を出していただいて、国民に安心感を与えていただきたいということを強く御要望申し上げたいと思います。 政務官、本日は大変御苦労さまでございました。ありがとうございました。 それでは、ここで今回議題となっております金融二法案に関しましての質問に入らせていただきます。 金融二法案は、食料・農業・農村基本法が目指す効率的で安定的な農業経営の確立に向けて、その中心的担い手たる認定農業者、あるいは将来それを期待されておる意欲ある農業者を中心に、制度資金の改善や農業法人に対する投資育成会社による投資の促進を行おうというものであると理解をいたしております。 私は、この法案の趣旨に基本的に賛成でありますけれども、農業者あるいは国民の目線に立ったときに疑念を持たれやすい若干の疑問点を明らかにしておく必要があると、このように思います。 まず第一点は、金融二法案における農協の役割、位置付けという点であります。 農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律案では、農業近代化資金、農林漁業金融公庫資金、そして農業改良資金という三つの主要な制度資金を見直しておるところであります。 まず第一に、農業近代化資金につきましては、認定農業者に対し長期運転資金も貸付けの対象とし、いわゆる農林漁業金融公庫資金におけるスーパーL資金並みにすること、またその予備軍たる意欲ある農業者にそれに準じた扱いにすること。第二に、その公庫資金に当たっては、認定農業者以外の意欲ある担い手を対象とする経営体育成強化資金を、米、麦等の従来の土地利用型農業に限定せずに全業種に拡大をすること。そして第三に、農業改良資金については、現行の特定の農業技術導入のための資金制度から、担い手の創意工夫による高リスク農業、つまりリスクの高い新作物、加工等への進出や新技術、新生産方式の導入への取組を支援するための資金として再構築しようとするものであります。 一方、こうした法律上の制度改正と同時に、制度の運用レベルにおいて、いわゆるワンストップサービスの実現という、使いやすい融資手続の確立を目指そうともしておられます。 そこで、制度改正の内容と融資手続の一体化、一本化という両者を通じて全面的に役割が増すと思われますのが農協、JAグループであります。すなわち、本法律案により近代化資金の総合融資化、農業改良資金における農協等の転貸しと保証の創設により、今後はこれら制度資金貸付けにおいて農協がほとんどの場合窓口になると同時に、貸付機関ともなるという点であります。 ところで、農協、JAグループは今大変大きな曲がり角に来ております。デフレや中国からの安い輸入農産物の急増等によって、購買・販売部門が伸び悩む中において、全農の子会社である全農チキンフーズの原産地偽装事件が発覚をいたしたところであります。また、信用事業においても信用農協の経営破綻が相次ぐなど、正に国民の信頼を損ねる事態に陥っております。 〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕 そうした中で、例えば信用事業においては、一昨年のJAバンク法の整備等を受けて、いわゆるJAバンクシステムを構築をいたしました。組合員等の利用者が全国どこでも良質で利便性の高い金融サービスを受けられるようにするなど、自己改革を推進をしようといたしておるところであります。 そこでまず、副大臣は、こうした農協の現状、それを取り巻く諸状況をどのように見ておられるのか、また、これら農協の事業改革とその一方で次々と生じる不祥事についてどう考えておられるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○副大臣(野間赳君) JAグループにおきましては、平成十二年十月のJAの全国大会での決議や、昨年六月に成立をいたしました農協改革二法を受けまして、これまで事業、組織の改革に取り組んできたところであると思っております。 こうした取組を行っております中で、生産者の組織であります全農の子会社であります全農チキンフーズによる虚偽表示事件に加えまして、単協におきましても製品の不適切なる表示に関する事件が発生をいたしましたことは、消費者の信頼を大きく裏切るばかりではなく、生産者の真摯な経営努力を無にしかねない、あるまじき行為でありまして、農協系統にとりまして今やその存在意義が問われており、抜本的改革が不可欠ということになっておると考えております。 このようなことから、農林水産省といたしましては、再発防止に向けまして、全農に対しては、四月十二日に農協法に基づきまして、体制の一新、全事業における総点検など、業務の改善命令を行ったところであります。また、単協に対しましては、農協法上の指導権限を有します関係県と連携を取りながら、的確に対応してまいりたいと考えておるところであります。 〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕 いずれにいたしましても、農協系統組織が一連の事件を真摯に受け止め、消費者、生産者から真に信頼をされる組織へ生まれ変わるよう自ら進んで系統組織の改革を断行をしない限りは、国民からの信任を失いかねない状況であることを認識をして対応することが不可欠であると考えております。
○小斉平敏文君 次に、今申し上げました本法律案による農業近代化資金の総合融資化、農業改良資金における農協等の転貸し等保証制度の創設等で、今後は制度資金貸付けにおいて農協がほとんどの場合、窓口となると同時に貸付機関にもなるということをどのように考えられておるのかという点であります。 こうした制度金融の手続の一本化が、実際には、農協が窓口になることで、非組合員への加入の強要、貸付けにおける農協系統からの資材購入の押し付け等を招くような事態を引き起こす可能性があるのではないかという懸念を若干持つんです。確かに、融資手続の円滑化と経営相談等サービスの連携強化の方向性は近年の政策の大きな特徴の一つになっており、これ自体は生産者にとって大変結構なことだと、このように思うんです。また、農協が今でも地域農業や生産者にとって重要な、大変重要な位置付けを有しておるということは言うまでもありません。 今回の融資制度における手続の一元化が、先ほど申し上げましたいわゆる抱き合わせのような事態を引き起こすことがあってはこれは大変な問題になると、このように思うんです。この点についての副大臣の御見解を賜りたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 経営感覚に優れております大規模農家や農業法人を中心に、農協を利用することに余りメリットがないことから、農産物の販売、生産資材の購入、資金の借入れ等の面で農協を利用しない農業者がかなり見られる状況になってきておると思います。このため、農協が農業者の協同組織としての原点に立ち返って、役職員の意識改革を進め、組合員であります農業者がメリットを実感できる改革を進め、組合事業運営の進め方を改革をしていくことが極めて重要であると考えております。 今回の制度資金の見直しに際しましては、こうした農協改革が農業融資の面で円滑に進むことを期待をしておりますが、見直しの最大の目的は、農業者の立場に立ってメリットが実感できるような、分かりやすく使いやすい融資制度にすることにあるのであります。このため、制度金融の手続の一元化を図ることによって、農業者に農協の組合員となることを強制をしたり、農協から生産資材購入をすることを義務付けたりすることのないよう十分留意をしなければならないと思っております。 また、制度資金の窓口といたしましては、農協だけではなく農林公庫や他の金融機関も利用できるようにする考えでございますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
○小斉平敏文君 今、副大臣の御答弁のとおりに、農協離れという現象が各地で起きておることも事実であります。このことについても改めて副大臣の御感想を聞きたいと思いましたけれども、ただいま併せて副大臣の方から御答弁いただきましたので、この問題はもう割愛をさせていただきたいと思います。 さらに、手続の一元化を実効性あるものにするためには、こうした一元化を円滑に実行し得る人材、本当にこれが確保できるのかどうかという点も非常に重要だと、このように思うんです。JAバンク構想においても、人材の育成の必要性、これがうたわれておりますが、制度資金については、金融実務の知識、これはもちろんでありますけれども、制度の仕組みや農業経営についての知識も必要だと、このように思うんです。 また、貸付けだけではなく、その後のいわゆる経営改善の着実な実行に資するよう、地域農業改良普及センター等の役割も強調をされておりますが、本当にこれらの指導機関が融資を受ける農業者の役に立つ指導を行っていけるのかどうか、私は自分の経験から非常にこのことには疑問を持っております。 さらには、都道府県の基金協会における保証業務、現在の人員で十分カバーしていけるのかどうかも、これも不安を感じます。ある県の基金協会の方が専門誌の中で、業務課が審査業務と企画推進業務を五名で担っておるけれども、現業の人員確保が優先するために企画推進業務との両立は限界に達しておる、さらに情報の共有化が継続をされず、ノウハウも失われており、人員確保が不可欠であると、このような訴えをなされております。 こうした制度貸付けにおける手続の一本化のための人材面での対応、具体的にどのように指導されておられるのか。最近話題になりました、みずほグループのシステム障害の例もございます。責任持って局長、御答弁をお教えを願いたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 今回、融資手続を一元化するということで窓口の一元化をするわけでございますが、先生が今御指摘のあったとおり、融資機関相互間の連絡調整、これをいかに円滑にかつ適切に行うかということが正に決め手になろうかと思います。 今回、こういった融資機関相互の調整が的確に行われますように、一つは、申込みを受けた融資機関の他の融資機関への連絡をどうするか、それから融資機関相互の調整をいかに行うか、また三点目といたしまして、申込みをした農業者への連絡方法、こういったものが重要なファクターになりますけれども、こういったことのルールを明確化するということがまず一点ございます。こうして、このルールを関係者に対しまして的確に伝達をしたいと思っております。 また、都道府県レベルにおきましても、その都道府県を始めといたします、先生おっしゃった信用保証協会も含めまして、関係機関の会議の開催等を、開いていただきまして、こうした手続、ルールが窓口の担当者に対しましても十分に徹底をされまして、円滑な運営が図られるように指導を行ってまいりたいというふうに考えております。 また、借りる側、借入希望者に対しましても、やはり今回の仕組みがよく分かっておるということがそういった関係機関に対して働き掛けをする場合にも有効だと思いますので、分かりやすいリーフレットを作成・配付するとか、農林水産省のホームページへの掲載等の措置によりまして、農業者が十分に知識を得られまして、不利益、不便を被ることのないように十分に配慮してまいりたいと思っております。
○小斉平敏文君 この農協関係、JA関係の方々にいろいろ話を聞きますと、いわゆる一番上の上部団体の方は大丈夫だと言うんですよ。もう的確に対応できると言うんです。ところが、一番下の下部に行くと、対応できないと言っているんですよ、はっきり。ですから、この問題はいい加減な問題では、もう現実に動き始めるんですよ、これが成立すれば。ですから、この問題は非常に大変なんですよ。私は、大丈夫かなという疑問を物すごく持つんです。 副大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 済みません、重ねて決意を申し上げたいと思いますが、そういう正に窓口が非常に重要だということは私ども肝に銘じて認識しておりますので、全力を挙げて頑張っていきたいと思っております。
○小斉平敏文君 さらに、人材育成確保ということでは関連することであるんですけれども、認定農業者の増加、法人化の進展の中で、これまでの営農指導を超えた先端的営農支援システムというべき体制を築いていく必要があると、このように思います。 経営面での指導もさることながら、特定の作物にいわゆる生産が集中をして豊作貧乏を起こすようなこういう事態とか、天候による影響を軽減する等のリスク分散を考える専門性、バイオ等の先端技術等々、営農者への最新の情報を提供し、広範な目配りができる人材を養成をして支援体制を拡充すべきと、このように思うんですけれども、局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 今後の日本の農業の持続的発展、なかんずく食料自給率の向上という目標を掲げておるわけでございますが、このためには、やっぱり農業の構造改革の推進、そして効率的で安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を実現するということは重要だということでございます。このために、認定農業者を基本といたします、意欲と能力のある育成すべき農業経営に対しまして、農地の利用集積でありますとか低利資金の融通等の施策を集中的かつ重点的に講じるということをまず図りますし、また農業経営の法人化も併せて推進をしていきたいということでございます。 そして、今御指摘もございましたように、正にこうした経営体がいかに効率的な、また合理的な営農をしていくかということにつきましては、そのバックアップ体制といいますか、営農支援の体制が必要なわけでございます。特に、今後は経営規模の拡大、更に経営の多角化、複合化、また農産物の付加価値化等、高度化し、かつ広範なものというふうになってきているということでございますので、正にその地域におきます各種の営農支援、先ほど御指摘のありました普及組織もございますし、市町村もございます、農業会議もございますし、そういった関係する機関が一体的、総合的に協議をして実施ができるというようなことの体制を整備をしたということがまず一点ございます。 これは、都道府県それから市町村段階に地域農業改良普及センター、今申しました農協、それから農業委員会、こういう連携の下に経営改善支援センターというものを組織をいたしまして、まずここを拠点に今申し上げたようなことを実行していこうということでございます。そして、経営の実態あるいは経営発展の段階に応じましてきめ細かな経営支援を行っていきたいということでございます。 こういう組織が発足して、まだまだ実の上がらない点もあるところはございますが、この拠点を中心に経営体からの要請に的確にこたえ得るよう取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○小斉平敏文君 それでは次に、農業近代化資金についてお尋ねをしたいと思います。 これまで、近代化資金の貸付実績、これが年々減少してきた原因の一つに、用途が制限されて使いにくいということが指摘をされておりました。ところが、本法律案では、いわゆる長期運転資金も近代化資金の対象となるようになっておりますし、大変いいことだと、このように思います。 しかし、改正法の法令等で、認定農業者は長期運転資金の貸付けの対象者とされているものの、その予備軍たる意欲ある農業者には一定の条件が付されておるとも言われております。なぜこのような総合資金化への道を認定農業者のみに限定する必要があるのかどうか。やる気のある農業者であれば、いわゆる認定農業者同様、長期運転資金貸付けの対象者にしていいと思うんですけれども、このような条件を付けられておる理由を局長、お伺いをいたしたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 今回の制度資金の見直しに当たりまして、農林公庫資金、それから農業近代化資金、それから農業改良資金の三資金、こういうものをできるだけ資金の用途とかそういうものの共通化を図ろうと、整理をしたいということでございますが、賃借権あるいは機械リース料の一括前払いを始めといたします長期運転資金、これにつきましてはいずれも対象にするということで、認定農業者以外の方もこの長期運転資金等につきましては対象になるということでございます。 ただ、認定農業者はより格上と言ってはあれでございますが、よりインセンティブを付けたいということで、今申し上げました長期運転資金のほかに、更に例えば調査・開発費でありますとか営業権、商標権等の取得、あるいは研究開発費なんかもこの対象にするということで、一般の方よりは広くなっているということでございますが、認定農業者以外の方も、先ほど言いましたように、借地権、あるいは機械のリース料の一括払い、あるいは農業技術をマスターするための研修費等、そういうものは運転資金であっても対象としているということで御理解いただきたいと思います。
○小斉平敏文君 次に、この農業改良資金の内容についての確認なんですけれども、これは先ほどの加治屋委員の質問とも若干重複いたしますけれども、これまでは特定の農業技術導入等のために、言わば農業機械の導入等のための資金制度として運用をされてきたところであります。ところが、本法律案では、新しい農業部門への進出等に必要な高リスク産業を支援するための資金として再構築をしようといたしております。 この場合、現行の制度で農業機械の導入を図ろうとする人たちがはじき出されることはないと思いますが、どうなんでしょうか。また、認定農業者ばかりが農業をやっているわけではありません。通常の農業にいそしんでおる人たちに対しても必要な資金は支援していく配慮が必要だと、このように思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 改良資金の内容の関係でございます。 今回の見直しにおきまして、農業改良資金については、国が定めた特定の農業技術等を導入するための資金から、広く農業の担い手が自らの創意工夫で行う加工分野への進出でありますとか新作物、あるいは新技術の導入といった高リスク農業へチャレンジをする、その支援のための資金に改めるということにしております。 高リスク農業へのチャレンジのために必要な機械の導入等につきましては、改正後においても農業改良資金の貸付対象となります。そして、機械の導入等は、先ほど言いましたように、特定の技術に対応した機械ということではなくて、広くチャレンジを支援する機械ということでございますので、より担い手の創意工夫を生かした対応は可能になるということで、従来に比べて取り組みやすくなるものと考えておりまして、この資金の対象等につきまして、認定農業者とそれ以外では区別をしてございませんので、御理解いただきたいと思います。
○小斉平敏文君 次に、農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法案についてであります。 本法律案は、農業法人の自己資本の充実を促進をし、その健全な成長発展を図るために、農業法人に対する投資育成事業を営もうとする株式会社に対し、農林漁業金融公庫からの出資、農事組合法人の組合員資格の特例等の措置を講じようというものであります。 そこで、まず、本法のねらい、目的についてお伺いをいたしたいと思います。 本法律案を目的どおりに率直に読めば、自己資本等に乏しい農業法人の財務基盤を強化するというものだと思います。この株式会社には公庫からの出資がなされますが、出資の条件として、配当の支払を可能とする利益の発生が確実であると認められる場合と、このようにされております。そうであれば、中小企業分野等で行われておるものと同様の、いわゆる農業分野におけるベンチャー企業の育成という意味付けでは全くないと、このように解釈してよろしいんでしょうか、局長。
○政府参考人(川村秀三郎君) この投資円滑化法案でございますが、地域農業の担い手となります農業法人の育成を支援するために、農協系統それから地方公共団体等の出資によりまして農業法人投資育成会社を設立すると。この会社が農業法人に対しまして、財務基盤強化に資するように、自己資本の充実のための投資を可能とする法制度の整備を行うものでございます。 このように、本法案は、リスクの伴うベンチャー的な農業法人を育成するというよりも、経営能力あるいはノウハウ等から見て、発展可能性が高いけれども自己資本が乏しい農業法人を幅広く育成するということを目的としておりまして、ベンチャー的な農業法人以上に広く対象にしたいということで考えております。
○小斉平敏文君 ベンチャー的な企業も農業分野において、ある程度必要とされる時代になってきておると私は思うんです。一方で、これは非常にリスクが大きく、投資が無駄になるという危険性も大変大きいと思うんです。そうであれば、やっぱり投資先の農業法人について、その法人の性格、いわゆる投資規模などについてある程度の基準、これを設けるべきではないかと思いますけれども、この点についての御見解を賜りたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 投資先の農業法人についての基準でございますが、現在考えております基準といたしましては、一つは、認定農業者であること。それから、二つ目としましては、複式簿記を行っている等、自らの経営内容を正確に把握ができまして、投資家に必要な財務情報を提供することができること。それから、三点目といたしましては、経営者の経営マインド、技術レベル等、経営能力が高く、今後の経営の発展が確実と認められること。それから、四点目といたしまして、自己資本比率が相対的に低位でありまして、資本増強が必要であること。五点目といたしまして、今後、内部留保によります自己資本増強計画や出資者の拡大などの方針を有しているといったことを今考えているところでございます。 いずれにいたしましても、当面の投資対象は、今後の農業法人の育成のモデルになるようなものが望ましいと考えておりまして、農業法人から見て、投資育成会社の投資を受けることが一種のステータスとなるようなところを想定しているところでございます。
○小斉平敏文君 次に、本法律案では、投資育成会社として出資二十億円、うち公庫出資分八億円、自治体出資分二億円、農林中金、全農等、農協系統出資分十億円という、農協系統を設立母体とするいわゆる株式会社の設立が予定されております。十四年度予算では、それを前提に公庫出資八億円、自治体出資への国の助成が一億円計上されておるところであります。 そこで、この会社設立の、新会社設立の目的と出資金の積算の根拠、そして設立時期の見通し、さらに、投資対象とする農業法人の具体的なめどの有無、あるのかないのか、これについてお伺いをいたします。
○政府参考人(川村秀三郎君) 農業法人投資育成会社の設立の目的でございますけれども、地域農業の担い手となります農業法人の育成を支援するために、農業法人に対して自己資本の充実のための投資を行えるようにするということでございます。そして、この農業投資法人につきましては、当面、農協系統が中心になりまして全国に一つ設立をするという予定を持っております。 そして、その資本規模でございますが、当面、農協系統それから農林公庫等の出資によりまして二十億円程度でスタートするということを想定してございます。この二十億円につきましては、今後数年の投資の見込みをベースにいたしまして、数年間これで対応できるという数字として組んだものでございます。この内訳といたしましては、先ほど先生がおっしゃったとおり、公庫が八億、都道府県が二億ということで、残りを農協系統の全国連等が十億円を出すということで、合計二十億円ということでございます。 また、設立の時期でございますが、今後、法案を通していただきまして、農協系統における出資手続あるいは諸規定の整備等が必要でございますので、この十月ぐらいになるのではないかというふうに予定をしてございます。 また、具体的な投資対象とします農業法人といたしましては、日本法人協会のメンバー、あるいは農林漁業金融公庫のスーパーL資金の融資先のうちの、経営能力が極めて高くて、また融資よりも出資を希望する法人が中心になるものと考えておりまして、年間数十社程度になるのではないかと思っております。 以上です。
○小斉平敏文君 また、さきにも指摘いたしましたように、いわゆる農協系統が主な出資者となる投資育成会社という点で、農協離れが進んでおるいわゆる農業法人へのJAの影響力強化、これを促進するんではないかという危惧も一方ではいたしております。こういうものに国が出資をすることについて、出資をすることの意義について分かりやすく、副大臣、お教えを賜りたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 農業法人投資育成会社が公正な事業運営を行い、農業法人の育成に資することを担保するために、経営者の経営マインド、技術レベル等の経営能力が極めて高いことや、自己資本比率が相対的に低位であることなどの投資先法人の選定基準を盛り込みました事業計画を作成をして、農林水産大臣の承認を受けることを義務付けておるのであります。こうした要件を満たせば、農協との取引が少ない法人につきましても投資対象となるものであります。こうした公正な運営方法を確立するため、農協系統では日本法人協会や農林公庫との意見交換を進めているところでありまして、事業計画にはこうした内容が反映されているものと考えております。 さらに、投資先法人の健全な発展を担保するため、投資育成会社に対しましては、農水省といたしまして、運営状況を定期的に把握をし、報告を求めたり改善命令を発する等を通じまして、適宜適切な監督を行ってまいりたいと考えております。 なお、国の直接の出資は行いませんが、農林公庫から出資をしますとともに、都道府県の出資に際しまして出資補助を行うことといたしております。 農林公庫の出資は、農業法人につきましての情報や融資審査のノウハウは、これまでのところ農林公庫に集中的に蓄積をされております現状を踏まえたものでありまして、出資により農林公庫の有する農業法人に関する情報や融資審査のノウハウの有効活用を通じまして、投資育成会社の事業を軌道に乗せる上で有益であると考えております。 都道府県の出資は、法人への投資が地域農業の振興に資する点を考慮したものであると考えております。
○小斉平敏文君 以上で終わります。
○委員長(常田享詳君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 農林水産に関する調査のうち、牛海綿状脳症問題に関する件を議題といたします。 武部農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。武部農林水産大臣。
○国務大臣(武部勤君) 四頭目のBSE感染牛の確認とその対応につきまして御説明申し上げます。 今月十日に北海道の屠畜場に搬入された一頭につきまして、BSEであるとの確定診断の結果を得られたところであります。このことは、昨年十月十八日以降のBSE全頭検査体制が引き続き有効に機能していることを示すものと考えています。 今回のBSE感染牛に係る屠体等については、確定診断を受け、一部試験研究用を除き焼却を行っているところであり、決して市場に出回ることがないよう措置されていますので、御安心いただきたいと考えております。 既に同居牛等の追跡調査や給与飼料の調査等に着手しており、疑似患畜の確定を急ぐとともに、感染原因や感染ルートの徹底究明に今後とも全力を挙げて取り組んでまいります。 今回、四頭目のBSE感染牛が確認されたことを踏まえ、今後、専門家の方々の御意見を伺いながら、BSEサーベイランスについて、中枢神経症状を現していなくても原因不明で起立不能となった牛を新たに検査対象牛とすること、四例の生年月日が近いことを踏まえ、平成八年三月、四月生まれの乳用牛について家畜所有者のプライバシーに配慮した上でトレースすることなどを検討するとともに、四頭目が過去三例と同じ代用乳が給与されていたことを踏まえ、代用乳に関する調査について、製造時期及びロットの特定、給与牛の追跡調査などを徹底して進めてまいる考えであります。 さらに、BSEサーベイランス、解体処理状況等について、家畜保健衛生所、食肉衛生検査所、農業共済組合等との間の連絡体制を一層強化してまいりたいと考えております。 また、BSE感染牛を出荷された農家のお気持ちを考えますと、大変胸が痛む思いであります。三頭目以来、約五か月ぶりでありますが、この間、発生農家への支援対策等を充実してきたところであり、当該農家が一日も早く経営を再開できるよう、互助システムの活用などを通じて支援に万全を期してまいりたいと考えております。 最後に、このたびの四頭目の生体検査を担当されたと畜検査員の方が亡くなられたことは誠に悲しく痛ましい出来事であり、心より御冥福をお祈り申し上げたいと思います。 今後とも、厚生労働省や都道府県と連携しつつ、食肉等の安全の確保と消費者の方々の不安の解消に全力を尽くしてまいります。委員各位におかれましては、引き続き一層の御理解と御支援をお願いいたします。 ─────────────
○委員長(常田享詳君) 休憩前に引き続き、農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律案及び農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法案、両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。郡司彰君。 なお、郡司彰君は体調の関係で着席のまま質問をしていただきたいと思います。
○郡司彰君 委員長の御配慮で着席のままさせていただくことに御礼を申し上げたいと思います。 民主党・新緑風会の郡司でございます。 今、大臣から言及がございましたBSEの四頭目が発生をしたということ、それから、昨日、大臣が下関の方においでになったということでございますので、それらも含めまして質問をさせていただきたいというふうに思っております。 まず、四頭目のBSEでございますけれども、今、大臣から言及がございましたような点がございました。私は、昨年の三頭と違いまして、マスコミもあるいは国民の方もということにもなるのかもしれませんが、冷静に受け止めていただいているのかなということでございまして、その意味ではこれからの解明についてもより良い流れになってきているのかなというような思いをしております。 さらに、厚生労働省の管轄とは申せ、お亡くなりになった方がいらっしゃるわけでありまして、その方にも哀悼の意を表したいと思うわけでございますけれども、ただ、全体で見ますと、それ以外の関連の方も含めて五名ほどの方がこの関係でお亡くなりになっているのかなということをも思うと、だれによらず、こうしたことを今後とも防いでいく、そのようなことも厚生労働省ということの枠だけではなくて農水省もお考えいただくことが必要なのかなというような感じもしております。 質問に入らさせていただきますけれども、四頭目が確認をされたということで、感染ルートの解明がより絞られてきているのかなというふうにも思いますし、更に解明の度合いも進んだのかなというような思いがしておりますけれども、この辺についてお聞かせをいただきたいと思いますが。
○国務大臣(武部勤君) まず冒頭に、この四頭目の屠畜場における検査に当たられました女性の獣医さんですが、鹿児島御出身の方でございます。日本の寒い北海道で大変な責任を感じて自ら命を絶たれたということは誠に痛ましい出来事でございまして、御冥福をお祈り申し上げますとともに、私どももそういう事態が起こったということについて重大に受け止めて今後の対応に努力していかなきゃならぬと、このように思います。 同時に、五月十三日の四頭目のBSE発生の確認によりまして、直ちに同居牛の追跡調査、飼料の給与状況等の調査を進めているところでございますが、一頭目、二頭目、三頭目と共通する共通項が幾つかあると思います。つまり、平成八年三月、四月生まれの乳用牛でございますし、代用乳を給与をしていたということも共通項でございます。したがいまして、この四頭目の対応というのは、私は今後のBSE対策の上で非常に重要だと、このように思っております。 一つは、感染源、感染ルートの究明のためにも、同時にまた、今、委員御指摘のとおり、比較的消費者も生産者も落ち着いているということではありますけれども、もっと明確に、今後更に五頭目が発生した場合でも不透明さを少しでも払拭して冷静に対応できるような諸対策というものを講じていかなきゃならないと、このように考えておりまして、今、共通する項目について重大な関心を持って、非常に大事な情報と受け止めてしっかり対応したいと、このように思っているわけでございます。 既に三月十五日に公表いたしました第二次中間報告におきましては、配合飼料工場のうち四工場については肉骨粉の混入の可能性が否定できないこと、また一九九八年六月以前に輸入されましたイタリア産肉骨粉は加熱処理が不十分である可能性が高いこと、そして、今般の代用乳にも関係いたしますが、BSE発生国であるオランダ産の動物性油脂が含まれていたこと等の感染源としての可能性を完全に排除できない事項や、更に確認を必要とする事項を三月十五日、公表させていただいた次第でございます。 以上でございます。
○郡司彰君 今、絞られてきているということの認識だろうというふうに思います。 実は、私、ちょっと心配をしておりますのは、九月の二十日に衆参で初めて、この問題について参議院で行われました。そのときに、私の方のそのときの認識では、大体五つぐらいそういう、済みません、五つぐらいルートとして考えられるんではないかというお話をいたしまして、その中でも今で言う代用乳、ミルクについてはどうなんだというお話をしたところ、当時の答弁は、ミルクはあり得ないですねというような答弁だったんですね。 その後、そのことも一つの大きなルートの一つだろうというふうになってきて、それはそれでよかったんでありますけれども、もう少し当初からそういう姿勢が欲しかったなというところが、思いがございます。 それから、今、大臣がおっしゃったほかに更にないのかというようなことで、私もその後もいろいろと現場等にも出向いてお話を伺っている中で、スポット的に薬という名前で与えているものの中にも血粉が入っていたとか、そういう事例も出されてきておりまして、絞り込んでいくということはもちろん大事なんでありますけれども、確定をしない段階では、より更に可能性があるところについては厳重にお調べをいただきたいなという思いがありますけれども、大臣の方から一言いただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 今、郡司先生お話しされたことは非常に重要なことだと、このように思っております。 私どもも、一頭目、二頭目、三頭目、四頭目に共通する事項が多いということで、これは重要な情報として、サーベイランスをやる場合に優先順位を付けるとすれば、一九九六年の三月、四月、あるいは一九九六年、それから代用乳の給与というようなことを考えていくのは、これは当然だとは思いますけれども、やはり大事なことは、予断を持ってはいけない、幅広にやはりいろんな角度から徹底検証するという姿勢は行政側としてはしっかり堅持してやらなきゃいけないと。 このように感じておりまして、私ども、事務当局には、事務当局は実際はっきり申し上げて慎重です。予断を持たず幅広にということでなかなか、一頭目、二頭目、三頭目、四頭目を優先して検査するということには、私の口から言うのもなんですが、慎重です。しかし、私ども政治的な立場を考えますと、やっぱりこれは全部サーベイランスを徹底してやるんだから、やるとすればやっぱり並び替えて順番を付けていかなきゃならぬのじゃないのかというようなことで、一九九六年三月、四月とか、代用乳とか、それからまだ、十五日に公表した、イタリアから輸入した一九九八年ですか、一九九八年六月以前の問題ですとか、そういった今まで調査した中でいろんな特徴的なものもあるわけですから、そういうことは十分注意して進めていきたいと、このように思っております。
○郡司彰君 大臣から事務方の方慎重だというお話がございまして、今日、たまたま日本農業新聞に同じような見出しの記事がございます。この見出しは、「BSE検査強化慎重に 農水事務次官」ということの記事でございまして、事務次官が昨日の会見で、九六年三月、四月に生まれた牛を対象にしたBSE検査の重点化について、原因究明のためのサーベイランスの集中をどうするか、もう少し専門家の意見を聞きたい、方法についてまだ絞り込んではいないと、慎重に検討する考えを示したという記事がございます。 大臣の方は逆に、その時期のものについて集中して検査をすべきだということをその前段で述べておられまして、やはり大臣、この前の保管事業の肉の関係についても、やっぱり思い切ったことをきちんとやってくれるんだなという思いをしていたら、今日の記事を目にして、これは大臣の威令が伝わらないということなのか、その辺のところを非常に危惧をしておりまして、私は大臣の発言を受け取って集中検査が行われるんだろうというような理解をしておりますけれども、大臣の方から御発言をお願いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 事務次官と私が多少ニュアンスの違いがあるということは、これはかえっていいことなんじゃないかと、このように思います、ある意味ではですね。ただ、最終的な決定は私が判断をするわけでございまして、私はやはり分かりやすく話をする必要があると思っているんです。 ですから、三月、四月、あるいは代用乳とか共通項目のあるものについては順番を並び替えて優先的にやると。しかし、やる場合に、これは生産者のプライバシーがあります。協力してもらわなかったらできません。強制的にはやり得ません。したがいまして、協力してもらうためには協力していただくような対策も立てなきゃなりません。 それから、三月、四月だけで二万六千頭です。これをやっているうちに、五月だとか六月だとか八月に出たということになると、何やっているんだという話になるでしょう。したがいまして、私は、専門家の意見を聞いたり現場の意見を聞いたり、そういったことはしなきゃならぬけれども、しかし、一遍に二万六千頭できるわけじゃありませんし、一九九六年だけでも十五万頭ぐらい、十五万六千頭いるわけでありますしね。 ただ、私どもが一九九六年のやつを一遍にやりますよと言ったって、十五万六千頭どこでやるんですか。これは屠畜場でやる考えでありませんで家保で、サーベイランスということになれば家保でやることになるわけですから、これは結構、それをやる体制づくりをしっかり作っておかなきゃなりませんし、またいろいろな制約条件あると思いますが、しかし私は、常識的に考えて、専門家の意見も聞いたり、生産者のプライバシーのことも十分考えたり、協力してもらうという大前提であります。 ですから、二万六千頭全部一遍にできるということは不可能なんだろうとは思いますが、そういう姿勢でやっていくように事務方には検討を指示しているという次第でございます。
○郡司彰君 としますと、前々から議論になっております、じゃ死亡したときはどうするんだというふうなことにもつながってくるんだろうと思うんですね。 この問題については四月の冒頭では、まだどうするか確定はしていないんだ、今後の検討だということでありますけれども、BSEの技術検討会の方では何か二十四か月以上で死亡した場合にはどうなんだという検討もされているということでありますけれども、今現在のまとまっている考え方、どの辺のところでなさっているのか、それから、方針として具体的に定められたようなところがあるとすれば、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 死亡牛のサーベイランスの問題でございます。これも検査体制の問題はございますけれども、現在、私ども、死亡廃用牛の中で中枢神経症状を呈しているものは全頭、それから二十四か月齢以上の牛については四千五百頭という目標を持って取り組んでいるところでございます。 しかし、今回四頭目が出たと。しかも、少し状況を勘案しますに、中枢神経症状ということで何か狭く解されているような節もありますものですから、原因が分からなくて起立困難、起立不能といったようなものも、範囲を広げて、このサーベイランスの対象にならないかということで対応するよう大臣から指示を受けているところでございます。 死亡牛自身の対応の問題につきましては、EUと同様、二十四か月齢以上の死亡牛については全頭検査をしたいという目標を持って取り組んでいるわけでございますけれども、年間、二十四か月齢以上だと七万六千頭ですか、おるわけでございます。そうすると、集積場所でございますとか焼却施設でございますとかいろいろ難しい問題があり、しかも腐敗した死体の処理場ということになりますので、住民の迷惑もいろいろございますので、いま少しその期間が要るという状況でございますけれども、できるだけ早く体制を整えたいというふうに考えております。
○郡司彰君 滞留しているところの牛がかなり流れ出しているという話も聞いておりますけれども、いずれにしてもそういう問題、年間七万六千頭というお話ですと、今、局長が言われたように、屠畜場でありますとか焼却場でありますとか、また人の手当てということも出てくるというふうなことなんだろうと思いますが、いましばらくというのはどの程度の期間で今見ていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) いましばらくというのは、まず今、委員お話しのとおり器材を整えること、それから人材を確保すること、そのほかに焼却施設、冷蔵施設等々そういったものを準備しなきゃなりませんので、私は全国の全都道府県でやっぱりいろんなばらつきがあると思います。早くできるところもありましょうし、少し時間が掛かるところもあるんだろうと、このように思います。 ただ、その中で、私としては、やはり優先的に急いでもらいたいと思うところというのも当然出てくると思います。あるいは、それは都道府県によって、急ぎたいということで、政府に支援措置を傾斜配分してくれというようなことも出てくるんじゃないでしょうか。そういう意味でも、私はこの四頭目の対応というのは非常に大事だと思っております。 代用乳の時期、ロット、それから九六年の三月、四月というようなこと、これはみんなに共通しているのは、そのほかにはっきり共通しているのは搾乳牛であると。言ってみれば老経産牛であるというようなことになりますと、数の上からいくと北海道が十万頭ぐらいですね、一九九六年産で十万頭ぐらいいるわけであります。二万六千頭の中でも北海道のシェアは当然多いわけでありますから。 そういうふうなことをやはり勘案しながら、我々として優先して早くやりたいところ、あるいはもう準備が整ってすぐできるところ、いついつ用意ドンで一斉に並んでやるということではなくてできるところからやる、それから急ぐべきところには特に優先的にいろんな対策を講じて急がせるようにしたい、こんな基本的な立場で、今、いつまでとは言えませんが、できれば十四年度中ですね、今年度中にすべて完備して、十五年度から全都道府県でスタートできればなと思っておりますが、これは私だからそこまで踏み切って言えるのかもしれませんけれども、やっぱりこれ、よく都道府県とも相談してみなきゃなりませんので、一応目安としてはそのぐらいでできないかなと。早くやりたいということでございます。
○郡司彰君 大臣の積極的な発言をいただいて、大臣に是非出ていただきたいという思いでお呼びをさせていただきましたが、よかったなという思いをしております。十五年度からということを、前倒しは私ども構いませんが、遅れることのないように、またお願いもしたいというふうに思っております。 次の質問に入らさせていただきたいと思いますが、三月の段階だったでしょうか、BSEの新法について、閣議の決定を経た法案として四月中ぐらいにはというお話がございました。その後、どのような動きになっていらっしゃるのかお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 政府としては、飼料安全法等の関係法の見直しについては、早く提出したいというようなことで検討を進めてきたところでございますが、政府提出予定法案の内容も盛り込んだ総合的なBSE対策の法案の検討を与党において進められておりますし、現在、与野党間で調整が行われていると聞いております。 したがいまして、このように立法府内で総合的なBSE対策の法案の制定に向けまして与野党で真剣に検討されているということにつきましては、BSE問題の解決に向けての立法府の皆様方の真摯な御努力を示すものと、このように受け止めておりまして、政府としては、立法府のこのような取組を見守っているという次第でございます。
○郡司彰君 そうしますと、必ずしも閣法という形ではないかもしれないというようなことなのかもしれません。 与野党の話合いということもございました。与野党の話合いということで、今、大臣の方から総合的なという話もございましたが、時限的なものというふうにとらえるべきなのか、恒久的なものとすべきなのかという議論もあろうかと思いますけれども、大臣のお考えはどのようなところにございますでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) これは正に与野党の協議が今大詰めであろうと、このように推測いたしますので、この場では、私からこうあるべきだと言うことは差し控えさせていただいた方がいいのじゃないかと、このように思います。 生産局長の方が少し現場詳しいですから。
○政府参考人(須賀田菊仁君) これも私の意見ではないんですけれども、与野党間の調整の内容を伝え聞いたところによりますと、やはりBSEの蔓延防止、予防のための例えば肉骨粉の使用の規制でございますとか、正に先生今言われた死亡牛の検査でございますとか、今後やはり恒久的に取らないといけないような措置を含んだものについては恒久的なものとすべきではないか。清浄化のために取るようなマニュアル的な部門、基本計画みたいなものについては期間を定めて対応すべきではないか、こういうようなお話合いが進んでいるというふうに聞いているところでございます。
○郡司彰君 私は、それは思いでもって中身が違ってくる、それを両方合わせてということになればより良いものが出てくるのかと思いますが、私は前々から、新しい新法を作る際には、これまでの畜産の在り方の反省と今後の畜産の在り方というものがあってしかるべきではないかというふうに常々言ってきたつもりなんでありますけれども、その関係は多分にこの間検討されている中には盛り込まれてこないのかなという感じがしております。 その辺のところについて、大臣、法律によらずとすればどのような形で、これまでの畜産の在り方の反省とこれからの畜産の進むべき道を示すようなものをどのような形でどのような場所で検討されるというふうになりますでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 法律によらずとも、これまでもいろんな諸対策講じて、先ほど委員の評価もいただいたように、四頭目が出ても出荷また消費その他平静が保たれているというのは、私ども厳しい御叱正や御指導をいただきながらそれに対応してきた一つの成果だと、こう受け止めているわけでございまして、今後私どもの政策、施策の中で、当然のことながら立法府の意見等も耳を傾けさせていただきながら対応していくということに相なろうと思います。
○郡司彰君 私は、今、大臣がくしくもおっしゃいましたが、法によらずとも対策も行ってきたし、法によらずともそのようなものを出せるというようなことがございました。私は、それはそれで、たまたまよく動いているときにはいいんだろうと思いますけれども、これはやっぱり法治国家でございまして、法によらずして行うという、対策は実際にはそれぞれの法に関係をしているということは十分理解をしますが、そういう形で、そういう感覚で行うことが危険性をはらんでいるんじゃないかなという思いをしております。 例えば、そういうことになりますと、国会での審議というものも十分に行われないというような可能性も出てくる。あるいは、関係をする議員の方や業界の方との話合いでもって決まってしまうんではないかというようなおそれも出てくる。私は、今回の対策についても、一つ一つこれが間違っていたというようなことをこの場で言うことではなくて、全体としてやはりきちんとした法に基づく形の対処をするというのがあるべき姿ではないかという意味でお尋ねをしたんでありますけれども、その点について、また更にございましたらお願いしたいと思いますが。
○国務大臣(武部勤君) 今般のBSEの我が国における初めての発生に関して言いますと、法律がないからといって法律の制定を待ってというわけにはいかなかったんだろうと、このように思います。 しかし、この経験に基づいて、やはりしっかりした法治国家として、立法府における法制定の裏付けということが私は大事なことだと、このように思っております。 したがいまして、今回のBSE法の今、与野党の折衝については私ども真摯に受け止めて、この場でしっかりした法案にまとめていただくことを我々心から期待をして見守っている次第でございますので、したがいまして、私が余り予断を持ってここで与野党の協議について意見を申し述べるべきでないということを申し上げているのも、そういう意味で申し上げているわけでございます。 必要があれば、私どもも国会にまた新たな法案を提出するという機会もありましょうし、立法府におきまして議員立法ということもあるのではないかと、このように思います。 また、食の安全にかかわる問題につきましては、今、包括法の整備を関係閣僚会議でやっておりますし、それは立法府と行政府、それぞれの責任や役割分担に応じてしっかりした対応をしていくことが必要じゃないかと、このように思っております。
○郡司彰君 生産局長にお尋ねをしたいと思いますが、四月の四日だったと思いますが、予算委員会の中で質問をさせていただきました。その中で、廃用牛対策事業の関係のやり取りの中で、この対策事業の中でもうけが出た場合には返納させますよというような意味の答弁があったかと思いますけれども、ちょっと全体理解しづらいなという思いをしておりましたが、改めて局長の方から真意というんでしょうか、発言をいただければと思いますが。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 四月四日の答弁、私も意味を十分理解せずに答えていた面がございますので、改めて申し上げたいというふうに思っております。 廃用牛流通緊急推進事業、BSEの発生により農家において出荷できずに滞留している廃用牛の円滑な出荷、流通を促進するということで農協等が買い上げるということでございます。そして、農協等が廃用牛を買い上げる場合に、農家への支払額が、乳用種については四万円、肉用種については五万円を下回ったときにその差額を助成するという基本的考え方でいきたいと。 もっと具体的な例示で言いますと、現在、老経産牛、規格で言いますとC1、C2という規格でございます、牛肉に直しますと。そうすると、生体に換算すると、一頭当たり一万五千円程度になろうかと思っております。一万五千円を農協が農家に支払いました場合は、四万円と一万五千円の差額を助成するという仕組みにしたいということでございます。 前回の答弁の中で返納云々といいますのは、例えば六万円で売れたのに、六万円で売れたのに四万円の支援をもらっていたような場合には返納をしていただくという趣旨でございます。基本的には、農協が農家に支払いました額と四万、五万の差額を支援すると、こういう仕組みにしたいというふうに考えております。
○郡司彰君 いずれにしても、生産者から所有権が都度変わるようなところが出てくるわけですね。それ以降の動きについては、一般的な商取引の中での行為については、一定程度のもうけが出てもそれは関知をしないといいますか、それは国が及ぶところではないと、そういうような理解でよろしいですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) その程度にもよると思うんですけれども、そんなにタイムラグというのがないし、そう価格大きく変動するものじゃないと思われますので、生体価格、例えば一万五千円農家にお支払いしたと、それ並みの牛肉価格で売れたということになれば、それはもう農協に、払った以上、農家に払った以上は農協がお取りになってもそれは結構でございます。
○郡司彰君 よく分かったような分からないような形なんですが、全体の事業として、この事業で言うと二百億ちょっとというような形だったろうと思うんですが、その中、全体の中で、あの時点では、例えばすぐにレンダリングに回るようなものがあるんだとか、あるいは冷凍で保管をしておいて、あるいは加工の方に回すとかといういろんな、三種類ぐらい道筋があるだろうと。それぞれどのぐらいの比率なんですかということについては、初めてのことだということもあったんでしょうが、おおよそどのぐらいか、そこまでは正直把握していないというようなことがありましたが、現段階ではどのような流れになっておりますか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 現在、私どもに上がってきている頭数、一万百二十三頭ということとなっておりまして、早いものは今週からでもお支払いをするということとしております。 この内訳、焼却の方へ回すのがどれで、屠畜場から食用に回すのがどれかという、ちょっとまだ把握はしていないわけでございます。
○郡司彰君 細かい数字じゃなくて結構なんですが、思ったよりも肉として加工の方に流れているというようなことは傾向としてあるんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 牛肉の消費の回復基調といいますか、回復度合いが進んできておるということでございまして、大半は食用に回るための屠畜に出されるんではないかというふうに推察をしております。
○郡司彰君 関連性についてはちょっと私の方も細かく分かりませんが、前に大臣が保管事業の関係でもって全部調べますよということになりました。それで、一定程度、思ったよりも保管をする期間といいますか、冷蔵庫に入っている期間というのが、冷凍庫に入っている期間というのが相当長くなってきているんだろうと思うんですね。そういうような関係があるのかどうか分かりませんが、この廃用牛の対策事業で冷凍にして保管をしておく事業というのは当初どのぐらいの見込みで全部さばけるというふうに思っていたんでしょうか。今現在、どのぐらいの保管期間ということに見込んでいらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) ちょっと手元に資料がないんですが、先ほど言いましたように廃用牛の買取りは約一万頭ということで上がってきております。私ども一方で、乳用雌牛の屠畜頭数というのを把握をしているわけでございますけれども、このところ、三月、二万四千、四月、二万七千というふうに流れておりますので、多くはそういうふうに流れているんじゃないかというふうに思っております。
○郡司彰君 余り前の話で現在の実態と合わないのかもしれませんが、大分、お聞きをしたときに、全体の予算が足らなければ充当をするからいいんだというようなちょっと説明を受けたんですけれども、全体この予算でこの対策はできるというふうに現在ではなっているんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 積算上は確かに肉用種七万頭、乳用種三十万頭で積算をしておりますので、それは一年間のそういう推定をいたしました老経産牛の頭数でございますので、私どもはこの予算で対応できるんじゃないかというふうに思っている次第でございます。
○郡司彰君 私は、初めての、突然の取組ですから、積算が振り返ってみて若干違ったなというのは、これは当然出てくるんだろうと思うんですね。しかも、レンダリングの関係あるいは冷凍保管の関係も、これちょっと予測できない期間かもしれないということですから、これは分かるんです。 ただ問題は、全体、この事業団の方にお任せをするというような形も取るわけでありますから、おおよそ、その都度チェックをしながら進捗状況をつかんでいくという形を取っていきませんと、終わってみて、振り返ってみたらばこうだったというのは、結果としてうまくいく、いかないとはまた別だと思いますので、その辺はきちんとお願いをしたいなというふうに思います。 次に、IWCの関係についてお聞かせをいただきたいと思いますが、昨日、大臣、下関の方に行かれて、テレビで拝見をいたしました。下関で開かれるというのも何年かぶりだというふうに思いますし、二十日からの総会以前に科学委員会でありますとか作業部会の方で種々議論がされてきたかと思いますが、まず総会の前段のそれぞれの委員会、部会でどのような議論がなされていたのか、お聞かせをいただければと思います。
○政府参考人(木下寛之君) まず、科学委員会でございますけれども、四月の二十五日から五月の九日まで開かれております。 この中で、海洋生態系に関連する事項といたしまして、鯨の捕食が漁業資源に与える影響の把握を主目的といたしました我が国の北西太平洋鯨類捕獲調査計画につきまして主として議論が行われております。 この中で、鯨が世界全体で二億五千万トンから四億四千万トン、海面生産漁獲量の三倍から五倍というような捕食をしているということにつきましては、数字自体につきましては、これまでIWCの科学委員会あるいはFAOの水産委員会で議論されてきております数字でございまして、それ自体につきまして特段の反論がなかったわけでございますけれども、鯨は有用魚介類ではなくオキアミあるいは深海性のイカなどを主として食べており、漁業資源に影響はないとの主張がなされております。それに対しまして、私どもが実施をいたしております北西太平洋の調査の結果によりますと、スケトウダラあるいはサンマなど有用魚種を捕食しているというような実態がある旨、説明をしているところでございます。 また、鯨類の捕獲調査そのものにつきまして、鯨の排せつ物あるいは鯨の皮膚の調査などによりまして、鯨を殺さずにやる調査によりまして調査目的が達成できるというような主張が反捕鯨側からあったわけでございますけれども、鯨がどの程度捕食をしているか、あるいは嗜好性はどういうものかということを把握するためには、現在行っております致死的調査が不可欠だというふうに説明をしているところでございます。 また、鯨の捕食が直ちに漁業資源に影響を与えるかどうかという点につきまして、反捕鯨側からは生態系は複雑で短絡的に考えてはならないとの主張がなされたところでございますけれども、私どもの方から、現在の海の生態系、決して単純なものとは考えていない、調査計画が最終的に目指している生態系モデルの構築であるというふうに答えたところでございます。 また、鯨の資源管理に関する問題で、南氷洋の資源状況について議論がなされております。私どもは七十六万頭というふうに推定をいたしておりますけれども、反捕鯨国側からは半減しているのではないかというような主張が行われましたけれども、資源量の推定量の上下の変動は調査方法の変更等の技術的問題によるのではないかというような議論が展開されておりまして、引き続き論議がされることになったところでございます。 また、科学委員会に引き続きまして、五月十二日から五月十八日までの間に作業部会が開催されております。 この作業部会におきましては、主として商業捕鯨再開の前提であります改訂管理制度につきまして議論が行われました。この制度の一環でございます監視取締り制度の在り方あるいは費用の負担などにつきまして各国の立場が大きく異なったところから、総会で更に議論になったと、そのような議論の経過でございます。
○郡司彰君 昨日から始まった総会で、今のような議論を受けて日本の主張、四点ほどあったかと思いますね、持続的利用の原則でありますとか科学的根拠重視の原則でありますとか、四点ほど挙げておりましたが、これらについて、日本側の主張ということで行われ、どのような結果にたどり着くのかはこれからでございますけれども、予測をなされていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 昨日、総会が始まったばかりでありまして、どういうところに落ち着くかというような結論について予断するのはちょっと早いんじゃないかと、このように思いますが、今、委員御指摘のとおり、下関におきます第五十四回IWC年次会合では、我が国としましては、持続的利用の原則、科学的根拠重視の原則、食料問題への長期的対策、文化の相互理解、この四つの原則の下に、資源的に問題がないことが明らかな鯨類については科学的根拠に基づく持続的な利用が認められるべきとの立場で対処することとしております。 主要な事項について申し上げますと、IWCの正常化については、持続的利用を支持する小国への反捕鯨国や反捕鯨団体による不当な圧力を排除するため、無記名投票の拡大を要求したところでありますが、残念ながら、昨日否決されているわけでございます。アイスランドでございます。 それから、我が国沿岸の小型捕鯨の要求につきましては、商業捕鯨再開までの暫定措置として、資源的に健全であることが科学的に証明されていることから、ミンククジラ五十頭の捕獲枠を要求しております。 いずれにいたしましても、農林水産省としては、持続的な捕鯨ができるだけ早期に実現されるよう、IWC下関会合において一層努力していく考えでございます。
○郡司彰君 大臣の発言の中で、沿岸小型、ミンククジラ五十頭というのがございました。 この枠を確保するということの主張は理解をできるのでありますが、先日のこの委員会で我が党の小川議員が魚のダイオキシンのことについて発言をいたしました。私も大変興味を持って聞いておりまして、この鯨についても大分、食物連鎖の関係で地域によっては体内に相当蓄積をされる汚染物質があるんではないか、そういう数字が相当出されているようなところもありますけれども、食文化として食べるというふうなことの主張をするのと、そういうものがあるとすれば、食べようとする国民に対して情報公開をし説明責任を果たすということもまた必要かと思うんですが、この点についてはどのような科学的な数値をお持ちでしょうか、お答えください。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、鯨類の問題でございます、鯨は生態系の中で上位に位置をしているということで、小型の魚に比べまして水銀の体内での量が多いというふうに私ども承知をいたしております。 今回、私どもが鯨類の捕獲調査を実施をいたしておりますけれども、この中で、販売に当たりましては、水銀の調査を行い、現在定められております基準値を超える、マッコウクジラがその例でございますけれども、それにつきましては販売をしないよう、実施主体でございます日本鯨類研究所に指導しているという状況でございます。
○郡司彰君 分かりました。 次に、農業金融二法についてお尋ねをしたいと思います。 まず、この法律の目的でございますけれども、担い手への支援策というふうに理解をしてよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(武部勤君) 食料・農業・農村基本法は、食料の安定供給の確保、多面的機能の十分な発揮、農業の持続的な発展、農村の振興の四つの基本理念を掲げまして、食と農の一体化の推進を図っているわけでございますが、特に農業政策としては、効率的、安定的な経営体が農業生産の大宗を担う農業構造を確立するということが極めて重要な課題であります。 今回の農業金融二法案は、正に意欲と能力のある担い手の経営改善に向けての取組を支援していくことが重要でありまして、そのための大きな政策手法と、かように考えているわけでございます。 各種制度資金を、担い手の経営展開にとって必要な資金が円滑に供給される、分かりやすく使いやすいものとすることを旨として抜本的に見直すとともに、農業法人の育成を支援するための自己資本の充実のための措置を講ずることを盛り込んでおりまして、今、委員御指摘のとおり、今回の農業金融二法案はこれらを踏まえて法案化したものでありまして、担い手に対する支援策を強化するものであると、正にそういう大きな目的を持っているものでございます。
○郡司彰君 理解をしたいと思います。 そこで、半面の部分をお聞きをしたいと思いますが、法人合わせて、個人も合わせて約四十万ぐらいの形を作っていこうということでございます。現在の農家人口からすると大半のところは兼業と言われるような形を取っているわけでありますけれども、この四十万以外への対応ということはどうなさるのか、どうなるのか。兼業農家というものに対する国の考え方をこの段階で示す必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 新しい基本法の下で農業の持続的発展、それから自給率の向上等を図っていくために、効率的、安定的な農業経営体が大宗を占める農業構造にしていくんだというのが基本方針でございます。 そういう中核となる認定農業者等を育てていく、それを構造展望では四十万程度を見込んでいるわけでございますが、それ以外の農家につきましては、それぞれ地域におきまして、地域の土地資源でありますとかいろんな環境でありますとか、そういうものの担い手にはなっているわけでございまして、役割もあります。ですから、そういう役割に応じた施策は今後とも講じていくということであろうと思いますが、力強い農業構造という意味ではその認定農業者を中心とした農業構造にしていくと、こういうことでございます。
○郡司彰君 私、四十万の担い手により効率的な形で支援をしていくということについてはやぶさかではございません。ただ、今言った、一方の、これまで支えてきた、これからも支えていってもらわなければならない、特に水の管理でありますとか共同的な作業その他のことを考えて、十分に相互に理解が得られるような手法をお願いをしたいなということでございます。 そして、この担い手の関係でございますが、規模の拡大でありますとか技術的な問題でありますとか、規模の拡大には農地の集積ということも当然含まれてくるんだろうと思うんですね。これまで戦後の流れの中でなかなかこの農地の集積ということがかなわなかった。今回このような対策を行うことについては、直接に農地の集積ということに結び付く対策ではないというようなことも理解をしながら、しかしながら四十万というものを目指すことについては、じゃどうしていくんだということが今回の対策のほかにあるとすればお聞かせをいただきたいと思いますし、連携といいますか、関連をして、この対策が引き続いてそういう農地の集積ということにも結び付くのかどうかということについてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 平成十二年三月に公表いたしました農業構造の展望におきまして、平成二十二年までに農地利用の六割程度、これは実数量として二百八十二万ヘクタールでございますが、これが効率的、安定的な農業経営に集積するものと見込んでおります。 現時点といいますか、平成十二年度末現在で二百十五万ヘクタールということで、目標の七六%ということで集積が行われておりまして、ただ、近年やや漸減傾向にあるということは否めないと思います。これは、農産物の需要低下等ございますし、担い手の規模拡大意欲が抑制されているということが一点ございます。それからまた、受け手の方から見ましても、その集団化等望ましい農地がなかなか集まらないということもございます。 こういった背景があるわけでございますが、今後その担い手への農地の利用集積を図ることは非常に重要なことでございますし、基本とも言える問題でございますので、今後の基本的な方向として四つほど考えてございますが、一つは、担い手のニーズに合った農地の集団化など効率化を重視しました農地利用計画の策定、地域の合意形成活動の体制強化ということで、これまではどちらかというと量的な集積が中心でございましたが、質を高めるというのが一点でございます。 それから、二点目といたしまして、これまで全国画一的な集積に努めておったわけでございますが、やはり加速化する意味では、流動化の推進、条件が整っている、つまり基盤整備事業が進んだところでの掘り起こしをより重点化した方がいいのではないかというのが二点目でございます。 それから、やはり農地の保有意識の高さというものも相変わらずございますので、農作業受委託ということでもその規模拡大を図っていくということも必要であろうというのが三点でございます。 それから、規模拡大の投資意欲を高める意味では、やはり売れる物づくりといいますか、そういう販路まで考えた取組というものが必要でございますので、生産、流通、加工と一体となった農地流動化対策というようなことで、四つの観点から取組を強化してまいりたいと思います。 今回、資金の内容を整理しまして使いやすいものにしたということもありまして、公庫資金の中では土地等取得資金もございますし、運転資金の長期の賃借権の一括前払というようなことにつきましても対象を拡大したということもございますので、これも一つの有力な支援策になるというふうに考えているところでございます。
○郡司彰君 公庫資金についてお尋ねをしたいと思いますが、特殊法人等整理合理化計画が出されておりまして、住宅金融公庫については五年以内の廃止、それからそれ以外については抜本的な見直しということで、民営化なり廃止への過渡的な段階措置かなというようなとらえ方をしているわけでありますけれども、この観点からいって、今の政策金融の見直しの議論、農林公庫についてはどのような議論がされているか、お知らせいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 農林公庫を含む政策金融八機関について、御案内のとおり、昨年十二月に閣議決定されました特殊法人等整理合理化計画におきまして、まず一つは民業補完、二つ目には政策コストの最小化、三つ目には機関・業務の統合合理化の原則の下に抜本的な検討を行い、公的金融の対象分野、規模、組織の見直しを行うこととされているわけでありますが、これを踏まえまして、経済財政諮問会議におきましては、政策金融について議論すべき点として、以下五つ挙げております。 まず第一は、経済社会の構造変化を踏まえた民間金融と公的金融の関係。二つ目には政策手段の選択、融資という手段が適切かどうかということであります。三つ目には公的金融の効果及びコストの評価。四つ目には現下の金融経済環境における公的金融の役割。五つ目には借り手側から見た公的金融の役割。こういった論点が提示されておりまして、こういった点の議論を踏まえて、本年後半には政策金融八機関の今後の在り方が検討されるものと承知しております。
○郡司彰君 財務大臣が、民間の方が今十分に機能を果たしていないということだから政策金融が必要だというような委員会での答弁をされているそうでありますけれども、逆に考えますと、民間が十分な機能を発揮するような状況になれば、これは政策金融機関というのは廃止をしてもよろしいというようなお考えでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 農林公庫が融資をしております融資は、通常、民間で対応できないものをやっているわけでございます。 これは、まず融資期間でございますけれども、民間はどうしてもその原資が限定されますので、長期のものにはなかなか対応できない。それから、資金規模といたしましても大型のものはなかなか対応できないということがございます。それから、農業の場合はやはり自然を相手にしておりますので、自然災害等に見舞われるということもございますし、それからその経営ノウハウというものを十分診断をしまして、物理的な担保等ではなくて、その人が持っておる経営能力、そういうものも評価をできるといったような農業の特質に対応した機能を持っております。 そういうことを考えますと、これは民間が対応できない部分がかなりあるということで、もちろん民間ができるところは民間ということで民業補完に徹しますけれども、民間で対応できないところを公庫は今後ともやっていかなくてはならないというふうに考えているところでございます。
○郡司彰君 長期ということについて今お話がありましたし、低利ということもあるんだろうと思うんですね。低利の問題については今おっしゃりませんでしたけれども、現行の状況ですともう低利ということに対してのメリットはほとんどないんじゃないかなという感じがいたします。長期ということについては確かにあるというふうなところもありますけれども、本当に政策金融機関というものがなければいいのかどうかという議論で、そこまで長期ということだけでみんなが納得するのかなという思いがあるんですが。 これはこの公庫についても、おおよそ単年度で見れば国からの持ち出しの方が続いているという状況だということで認識はよろしいでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 民間のあれに比べまして農業というのは極めて収益性が低いし、その回収に長期間を要するということがございますので、やはり低利の資金を供給していかなくちゃいけないという機能も必要でございます。そのためには、やはりその調達資金との間の、末端の金利との間の、逆ざやになっておりますので、そこを補給するということはやっておりますし、今後も必要であろうと思っております。
○郡司彰君 私は余りそのような感じはいたしませんで、逆にもう基盤整備の管理か徴収に特化をしてはいいんではないかなというような、極端に思えるかもしれませんが、そういう意見を持っております。こういうことが、私だけではなくて結構多くの方の意見としてそういうものがあるんだということも含めて、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 多少繰り返しになって恐縮でございますが、農林公庫資金、確かに金利は現在民間との金利差が極めて小さくなっておりまして、有利性が薄れてきているというのは事実だと思います。 ただ、農林公庫の融資は長期かつ固定金利でございまして、市場金利が上昇局面にあっても貸出し金利は上昇しないと。それから、農業の特殊性を踏まえまして、農業者の経営能力を重視した融資審査ノウハウを蓄積しているということもございます。また、これもちょっと繰り返しで恐縮ですが、自然災害等により返済に支障を来した場合には償還条件の緩和を弾力的に行っているといったようなことなど、民間の金融機関の融資とは異なる特質を持っているわけでございます。 それから、融資期間につきましても、農協等民間機関の場合は調達資金のほとんどが一年物の定期預金でございますし、それから民間の金融機関としましては十分な債権保全を必要とするというようなことがございまして、例えば償還期間が十五年を超えるような超長期の融資、それから機関保証の付かない融資というものはなかなか民間では対応が困難だということでございますので、そういうものについては公庫が対応していくということであろうと思います。 特に、担い手の育成という意味では公庫はこれまで非常に重要な役割を果たしてきておりますので、今後とも、民業補完に徹するということは当然でございますが、公庫が対応していかなくちゃいけない部分があるというふうに我々としては認識しておるところでございます。
○郡司彰君 それぞれ考え方が違うというような感じでございまして、十五年以上とか、それから一千八百万以上とかということも、必ずしも私は民間でそんなにできない話ではないなというような感じがしております。私の方は、改めてでありますけれども、先ほど言いましたように、基盤整備の管理あるいは徴収に特化をすべきではないかというような意見でございます。 近代化資金についてもお聞かせをいただきたいと思いますが、認定農業者向け資金のうちの確保資金というのがあるそうでありますが、どのような制度なんでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) この認定農業者育成確保資金でございますが、先ほど来申しておりますように、我が国農業の持続的な発展のために、経営感覚に優れた効率的かつ安定的な経営体を育成するということが急務でございます。こういう効率的、安定的な経営体の核となるのが認定農業者でございまして、この認定農業者に対する金融政策というのが担い手の確保のための大きな柱になります。 そして、経緯的に申し上げますと、平成六年に公庫の方にスーパーL資金ということが設けられたわけでございます。これは公庫でございますので、農協系統もこの認定農業者に対して積極的な資金供給を行っていくことが重要ではないかということで、平成十年にこの前身でございます認定農業者育成推進資金という資金が設けられました。これはウルグアイ・ラウンド対策の一環として行われまして、ウルグアイ・ラウンドの対策の終了とともに十三年度に衣替えをいたしまして、認定農業者育成確保資金ということで変更になっているところでございます。
○郡司彰君 これは具体的には農水省の中での検討で生まれたことなんでしょうか、それとも、どこかの地域でもって行われていたものを農水省で広げたということなんでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) これは、いわゆる公庫資金を使ってスーパーLが発足したということで、認定農業者を育成するというのは、単に公庫の問題だけではなくて、農協系統組織としても自ら取り組む必要があるということでございまして、その系統サイドからの要望等を踏まえてできたものでございます。
○郡司彰君 実は、たまたま私、茨城でありますけれども、茨城でもこういうものを作って今のような形になっているということもお聞きをしております。 お聞きをしたのは、いろんなメニューがあってしかるべきで、時代に合ったようなものを作っていくということもそうなんでありましょうけれども、この制度そのものも言わば現場の方からでき上がってきたようなメニューなんではないかなという感じがしておりまして、そういう意味で、農水省の方のこのメニューの選択といいますか、どういうものを作っていく、あるいはこれまであったもので絞ってもいいんではないかというような、そういうところももう少し民間の方にお任せしてもできるんではないかなというような意味でございます。 それから、近代化資金、先ほど午前中の質疑の中で、用途が制限をされているというところからなかなか使いづらいんだというようなお話がございました。それも当然あるんでありますけれども、実際に農家の方々とお話をしておりますと、近代化資金というのは結構嫌がっているんですね。嫌がっている理由は何だというと、簡単に言うと会計検査院が入るじゃないかと、そういうような話をする向きもあるんですね。これは余り芳しくない話かもしれませんが、現実問題としてそんなようなことがございます。 この会計検査院でありますけれども、例年いろいろな事業に対して指摘をしているわけでありますけれども、この農業金融についてここ数年来どのような指摘があったということか、傾向とそれから農水省が取ってきた対策についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) この農業近代化資金につきましては、利子補給等国庫が入っておりますので、会計検査院が検査に入るということはやむを得ないところでございますが、農業近代化資金につきまして最近の指摘といたしましては、取得した特定高性能農業機械の利用面積が、農業機械化促進法に基づき都道府県が定めた導入計画の下限面積よりもかなり低いものに利子補給をしていたものなどが見られまして、効果的な事業実施とは見られないものとして、平成元年度から十年度までで利子補給補助交付金の二億百七十万円、二千六百件が該当するとの指摘を受けてございます。 農水省といたしましては、都道府県の導入計画に即したものとなるように周知徹底を図るとともに、その趣旨を都道府県の農業近代化の融資取扱要領等において明確化し、適切な運営を行うように各都道府県に対しまして指導通知を発出して指導したところでございます。 今後とも、こういう会計検査院からの指摘を受けることのないよう十分留意をいたしまして、資金制度の運営に当たってまいりたいと考えております。
○郡司彰君 今の事例は、例えば十二年のA県のトラクター導入のことなんだろうと思いますが、下限が十五ヘクタールとされているのに実際は一・八ヘクタールだとか、余り乖離が激しいなというところがございますし、それから八年、九年度ぐらいからずっと読まさせていただきましたが、問題が起こっていることは少しずつ違うにしても、毎年のようにそういうものが出てきて、決まって指導をきちんと行うようにする、周知を徹底をするというような形でもって繰り返しをされているんじゃないかと思いますね。 この関係で、これは一般的に世の中というのは大体こういうものなんだと、毎年このような形で推移をするということが、世の中というのはそんなものじゃないかというふうな見方もあるかと思いますけれども、多年にわたって同じような指摘があり、同じような改善点が出され、農水省がそれを行うというような形だろうと思いますが、何かその辺について改めるべきところとか、あるいは根本的な問題があるんではないかという考えがございましたらば、お聞かせをください。
○政府参考人(川村秀三郎君) 誠に残念でございますけれども、確かに、毎年のようにこういう不当事例等があるわけでございます。 ただ、中身としましては、また同じことの繰り返しということでは必ずしもないわけでございますが、やはり基本的に、こういった基準といいますか、あるいはそういうルールをしっかり守っていくということが基本でございますので、本当に申し訳ないと思いますが、更なる徹底を図っていくしかないのかなということで、御理解をいただきたいと思います。
○郡司彰君 今の答弁にどうのこうのということではないんですが、私は、時によってはメニューの質の問題があるんではないかなという感じがしておりまして、例えば、こういう形で借りたけれども途中で行っている事業の作物が変わったとか、そういうこともこれはいかぬぞというようなことに含まれてくるわけですね。 そういうことを含めて、先ほどのような話だけではなくて、例えばメニューも考えれば何とかそういうものも防げるかもしれないし、使う方にとっても良くなるんではないか、そういう検討がなされているかということなんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 確かに、資金を借りられる方にとって資金がそれこそ分かりやすく使いやすいということで、ルール違反にもならないようなことが、資金の整理がされるということが重要だろうと思います。 これは正に、今回のこの資金の改正は、そういう観点を十分入れまして、かつまた借りられる方々のニーズを踏まえて、できるだけメニューを単純化するとか統合するとか、そういう努力をしているところでございます。
○郡司彰君 今のそのことについてはまた後ほどお聞きをしたいと思いますが、近代化を除く制度資金と生産調整の関係でありますけれども、現在、この関係はどのようになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(武部勤君) 生産調整と制度資金の関係でありますが、現在、通知上は、農業近代化資金、農業改良資金、農林漁業金融公庫資金のうち経営体育成強化資金等に関しては、生産調整実施者に対する融資を優先するよう配慮することにいたしております。 また、農林公庫のスーパーL資金の融資対象者は認定農業者であるが、通知上、生産調整が考慮されていない場合は認定要件に該当しないこととされております。 このように、現在は、制度資金は生産調整の実施を前提とした運用がなされておりますが、生産調整については現在、見直し、検討が進められているところでありまして、生産調整と制度資金の関係についても必要に応じ、この検討状況等を踏まえまして検討していくことになると、かように思います。
○郡司彰君 そうしますと、大臣、秋口から具体的に生産調整の話も出るんではないかということになっておりますが、そちらの方の話が一定程度落ち着いた段階では、自動的にといいますか、もちろん改正の必要がありますけれども、こちらの方もそれに合った形でもって再度改正をするということで理解をしてよろしいですか。
○国務大臣(武部勤君) 必要があればそのことを考慮に入れなきゃなりません。 また、先ほど来、委員と経営局長の議論を聞いておりまして、私ども今、「「食」と「農」の再生プラン」を発表いたしましたが、その中で、意欲ある経営体が、最初は発展するという文言だったんですけれども、躍進する政策の展開ということで、特にその中で私は、これから法人経営ですね、経営の法人化による農業構造改革というものが相当大きく前進していくであろうと思いますし、そういうもくろみを持って今計画を策定いたしております。 つまり、生産、流通、加工ですね、法人経営によればそういったことが可能になるわけでありまして、この金融二法についてもそういう新しい農業の構造改革ということを大前提にして今回、国会へ提出させていただいているということも御理解いただきたいと思います。 そういう意味では、より政策金融の重要性というものは私は増していくのではないかと。また同時に、一方において、民間金融機関が農業という、農村という新しいビジネスチャンスがここにたくさんあるんだということで注目してもらうような努力も当然していかなきゃならないと、このように思っております。
○郡司彰君 時間の関係で、幾つかまとめてお話をさせていただきたいと思います。 先ほど来からありましたように、制度としてあるけれども実際には余り使われていないような制度というのがあるのかどうか。 また、先ほど十五年という長さ、あるいは一千八百万という額の問題を超えて公庫というものがあるんだという話がありましたけれども、制度の中身としては、しかしながら、同じようなものを双方で持っているというようなことに結果としてはなっているんではないかと思いますけれども、そのような傾向が当然だというふうなことで理解をしていいのかですね。 先ほど話がありましたが、メニューの単純化もやはり議論をしているんだということでありますが、具体的にどのような議論をされているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) これまで制度資金につきましては、その時代の経過等に応じまして、またニーズの変化に応じまして見直しをしてきているところでございます。 例えて申し上げますと、農林公庫資金でございますが、平成六年度に、認定農業者制度の発足を踏まえまして、これまでございました総合施設資金を廃止をいたしまして、スーパーL資金を創設したというのがございます。また、平成十三年度に、実績が低調な土地利用型農業経営体質強化資金を廃止をいたしまして、経営体育成強化資金を創設をしたというのがございます。また、今年度は、ただいま御審議お願いしておりますように、実績が低調な農業構造改善推進資金を廃止をいたしまして、経営体育成強化資金の対象を全農業種目に拡大するといった等の見直しを行ってきております。 また、農業改良資金につきましても、これまで適宜、生産方式改善資金の対象技術の見直し等を行ったところでございますけれども、今回、経営規模の拡大資金や農家経営改善資金の実績が低調であるということも踏まえまして、全資金を、今まで五種類ありましたが、これを廃止をいたしまして、高リスク農業へのチャレンジのための資金を創設するというようなことをしたところでございまして、今後とも適切にこういった見直しをしたいということでございます。
○郡司彰君 次に、法人の関係をこれからもきちんとしていこうということの法案の趣旨にもあるわけでありますが、日本農業法人協会というのがございまして、私どもが先般訪れた農業法人もここに入っているんだというような話をされました。 そこで私は、農業法人協会の資料を取り寄せてみましたところ、全中でありますとかあるいは農業会議所とかという形のところが、これは正会員なんでしょうか、違うのかもしれませんけれども、加盟をしたような形になっております。 系統がいろんなところに絡みながら全体、日本の農業を考えていくということについては、いささかもおかしいというふうな思いを持つものではないんですけれども、これまでの流れからすると、ややもして、系統の中では株式会社の参入はどうしたものかなという議論が続いてきた。そして、今このような形を取っておりますけれども、法人の方からしても、系統が入ることによってどうなるのかなというような感じを持っているところがあるかと思うんですが、その辺のところについては、農水省としてはどのようなお考えでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 今お尋ねのありました日本農業法人協会でございますが、これは農業を営む法人の経営確立、発展のための調査研究、それから提案・提言、情報提供の活動を進めるということによりまして、我が国農業・農村の発展と国民生活の向上に寄与するということを目的としまして、平成十一年六月に設立されたものでございます。現在、今御指摘がございましたように、JA全中等が日本農業法人協会の賛助会員として入っておりまして、JA全中なり全農の役員が法人協会の理事、これは非常勤でございますが、務めてございます。 これはどういうことかといいますと、JAの全国大会におきまして、農業経営の法人化を支援するということで、JA系統も法人化というものは重要だということの組織決定をしているところでございます。そういう決定を踏まえまして、JAグループを代表して賛助会員になったということで承知しております。 ただ、これが賛助会員になっておりまして、また役員、非常勤にもなっておりますが、賛助会員でございますので、この法人協会の最高の意思決定であります総会、これについては正会員のみでございますので、議決権は、議決権を有しているわけではございません。また、役員会は多数決による議決がございますが、全役員数十八名のうちの系統の役員は二名ということでございますから、この本協会の実質的な運営が系統から圧力が掛かるようなことは、あるいはまた支障が生ずるといったようなことはないというふうに認識をしております。
○郡司彰君 民主党の部会で、三重県の農事組合法人のモクモクというところにお邪魔をいたしまして、いろいろ見させていただいて、聞かせていただきました。その方からいただいたものがあるんですけれども、その中で、系統に対してはどのようなお考えをお持ちですかという中で、これは系統だけじゃないんだけれども、農業全体でマーケティングの問題、それから金融の問題、人材、この三つが農業に不足しているんではないかなというお話をされておりました。 今回の金融の問題になりますと、先ほど言いました系統との絡みが必ず出てくるわけでありますが、それとは別にしましても、担保が根抵当になる、そして次の融資といいますか投資といいますか、運転資金を借りたいというときに、そういうものが邪魔になってなかなか借りられないという話がありました。 私は、先ほど大臣が、政策金融というものはやっぱりこれから必要なんだよというときの話、こういうときに何か知恵が出せるというところが、そうだなということになってくるんではないかなと思いますけれども、現状そのような現実の話として出されてきていることに関して、政策金融としてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 農業法人と農協との関係でございますが、これまでのあれでは、確かに農協と対立をしたり農協離れをしている法人というのが多々あったわけでございます。ただ、今後、地域での農地の集約化を進めるとか販売のシェアを広げるとか、そういうことではやはり連携をしていくということも模索をされております。そういうことで、いろんなケースがあろうかと思います。 ただ、金融面では、農協系統だけではなくて、公庫の活用というのも図られておりまして、特に法人系統は公庫の利用が非常に高うございます。そういう意味で、公庫資金は法人経営の育成にかなりの寄与をしているということが言えるかと思います。
○郡司彰君 今、担保が根抵当になっていて、そういうときでも公庫の方では貸してくれるのかというと、必ずしもそうはならないわけですね。そういうことで、結局は市中の一般の銀行に融資をお願いをするという形が今多いんです。 ですから、今答弁があったように、そういうときの公庫だというふうなところをより具体的に示していただいて、実際に融資が受けられるような、そういう体制を作っていただきたいと思うんですが、重ねてお願いしたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 正に公庫の機能といたしまして、物的担保とか人的保証で、それを得られなければ融資をしないというのが方針ではございません。その経営体の経営能力等を十分審査をいたしまして、物的担保なり人的担保がなくても融資を行うという、そのための融資のノウハウ、そういうものを蓄積してきているところでございます。そういうことを、今おっしゃったとおり、完全に機能していないという御指摘もあろうかと思いますが、ますますその機能を高めないと、ほかのところではそういうところに対応できないというふうに認識しておりますので、先生が御指摘のような方向で更に努力をしていきたいというふうに思っております。
○郡司彰君 それから、系統の金融関係がこれからまた大変重要な役割を果たすようになるわけでありますけれども、自己査定等については、これはほかの銀行等と物差しが同じであって当然しかるべきかなという感じがするんですが、それ以外の負債の質やその他が若干違ってくる、それから、地域に開かれた、今のおっしゃったような形の金融を目指そうとすると、ほかの銀行と物差しが同じでいいのかという議論が出てきているわけでありますけれども、これについて農水省はどのようなお考えでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) まず、今、経営局長が答えたことに関連して申し上げますと、先ほども言いましたように、今度の金融二法というのは農協改革と不離一体のものであります。 私は、午前中の衆議院における農水の質疑の中で、BSEに関連してでありますけれども、あの報告は、農水省解体か改革か、どっちを選択するんだと、このように宣言されたというふうに重く受け止めていると、こういうふうに申し上げました。正に農協も改革か解体かというようなことを迫られていると思います。 公庫資金について言うならば、農協が貸さなければこっちの道があるわけであります。私は、そういう意味では、農協も本当に原点に戻らなければ立ち行かなくなる、もう今までのように何かいろんな制約条件付けて引き止めようというようなことはもう当然できるような状況にないという認識でありますし、農林水産省としても、そういう考え方でこれから農協の改革というものを迫っていきたい、このように思っているんです。僣越な言い方かもしれません。 しかし、事ほどさように、私どもは、今回のこの金融二法の改革というものも、それを助長するためのインセンティブになる、あるいは牽引力になる、こう思っているわけでありまして、農協金融についても、他の金融機関と同様に自己査定を適切に行い、不良債権処理を的確に進めていくことがこれは不可欠でありますし、自己査定に当たっては、融資先の債務者区分についてもその状況等を総合的に勘案し、その経営実態を踏まえて判断するということは当然迫られるわけでございます。 なお、農協が農業者に対して融資を行う際には、適切な指導を行い、返済不能な状況に陥らないようにすることが大切でありまして、そのことも私どもしっかり指導してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○郡司彰君 大臣、負債という言葉がございましたが、ほかの金融機関と違いますのは、例えば農協の場合には、ほとんどが畜産がこれまでも多うございました。BSEの関連でこれからますますその関係の負債が増えてくるのかなという思いがしておりまして、これはもう責任がどこにあるというようなことと金融の問題はまるっきり別かもしれません。別かもしれませんが、多分にそういう傾向がこれからまた出てくるだろう。そのときに、ほかの金融機関と同じように負債という額だけで判断をするという物差しがどうなのかというふうなことでございまして、これについてはまた内部でもって検討をいただきたいなというふうに思っております。 それから、農協の改革が進んでいるかということについても言及がございましたので、細かくお話をさせていただきたいと思いますが、経営管理委員会を作ろうというようなことが昨年の農協二法の中でもうたっておりまして、実際はどうなんだということになりますと、なかなか実態が伴ってきていないんではないかなというふうに思っておりますが、現在、連合会あるいは単協の段階でどのような状態になっているか、把握をしていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 時間の関係もございますので、数字を申し上げます。 本年四月段階で経営管理委員会制度を導入している組合は三農協、それから二十三連合会の計二十六組合に増加をしております。それから、全農、全共連は来年の予定でございましたが、本制度を本年七月から前倒しで導入するということにしております。それから、また質的な話といたしまして、全農等におきましては、青年部、女性部代表を経営管理委員会の委員とするということも決定をしております。
○郡司彰君 県段階では半数近くできてきたと、しかし単協段階ではまだ三つだということだそうでありますけれども、これは、法に従いましてやはり作るということが好ましいということであれば、指導として今後どのような形を考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 正に昨年の農協改革二法でもいろいろ御説明したと思いますが、昨今の経済情勢の中で農協が生き残るためには、正に執行体制と経営管理委という役割分担等が不可欠でございますので、我々としては、これが迅速に普及するように更に力を入れてまいりたいというように思っております。
○郡司彰君 時間がありませんので最後にしたいと思いますが、今、執行体制という話がございまして、同じ二法の議論の中でも、兼業はどうしようかとか、それから定年制をどうしようという議論がございました。いずれも、兼業については大分良くなってきているという話は聞いておりますが、執行体制のその定年等については内部の判断にゆだねるというような形にもなったわけでありますけれども、これは今どのような中身として改革が進んでいるんでありましょうか。また、農水省としてはどのような関心をお持ちでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 昨年の農協法改正によりまして、農協の常勤理事三人体制の兼職・兼業規制の強化等、業務執行体制の強化を措置したところでございます。全農などでは青年部代表が経営管理委員となり、全国農協中央会では役員の定年制を導入したところでございます。 農水省としても、農協の運営に青年部、女性部や法人を含めた担い手の意向が十分反映されることが重要であると考えておりまして、業務執行体制の強化に向けて適切に対処してまいりたいと、かように考えております。
○郡司彰君 要は質をどう変えるかということだと思うんですね。ただ、年齢が若くなればとかということではないんだと思います。 そういう意味では、農水省が行おうとしている新しい農業への取組、躍進ができるような体制をやっぱり系統の方でも作っていただかねばいけない。それは、基本は自助の努力によらざるを得ないわけでありますけれども、今までの体質等を考えますと、そうそう簡単に変わるというような思いがなく、逆にそういうようなものが自助努力で変わっていれば、昨年の農協二法なんか別に要らなかったんではないかなというような思いもしておりますので、その辺は、任せるところは任せながらも、強い注意力を持って進んでいただきたいというふうに思います。 これで終わります。 ありがとうございました。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男です。 農業金融関連の二法案の質問に先立ちまして、二、三質問をさせていただきます。 まず最初に、武部農林水産大臣が四月下旬から五月の初めにかけまして、WTO農業交渉対策やあるいは食の安全性、栄養及び食生活に関する調査ということで海外出張されまして、帰国されていたわけですが、その後の初めての参議院の農林水産委員会ですので、その成果についてまずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 来年三月に予定されておりますWTO農業交渉のモダリティー確立に向けまして、ゴールデンウイークを利用してヨーロッパに行ってまいりました。 ムーアWTO事務局長及びハービンソンWTO農業委員会特別会合議長と会談いたしまして、日本提案についていろいろ説明もし、理解を求めた次第でございます。 ムーアWTO事務局長の印象は、やはり全体のバランスということを強調しておりました。しかし、私ども今回EUに参りまして感じたことの印象を一、二お話しいたしますと、新たにEUに旧東欧諸国が参加するというような動向を踏まえまして、従来のような直接補償といいますか、という考え方よりも、農村振興とか環境とか食料の安全というようなことについて非常に傾斜的に政策を展開していこうというような動きがあるように思いました。これはある意味では、我が国が主張しております農業の多面的な機能、多様な農業の共存、あるいは食料安全保障ということと符合するわけでございまして、その意味では意を強くいたしましたが、同時に、英国などは、環境・食料・農村振興省、農村地域省とも言うんですね。農業省とか漁業省とかというのは、もうヨーロッパでは余りそういう呼び方をしないぐらいに考え方というものは変わってきております。つまり、農業に対するあるいは農村に対する見方が変わってきているなという印象でありまして、たまたま英国でコッズ・ウオルズ地方の酪農地帯の視察をしてまいりましたし、肥料を使っているところでありますとか、耕地をまた森林に復元しようとしているその事例でありますとか、小さな池、池を見に行かないかと言われましたから行きましたら、まあこのぐらいの水たまりです。それを作って、そこにカモが来るようにするために百万円年間直接補償でいただいているというような話も聞きまして驚いたんでありますけれども、ハービンソンさんは英国の出身でありますので、そんな話をいたしまして、なかなか議長という立場で明快なお話がしづらい立場にある方であろうと思いますが、私どもに対しまして率直な意見を述べていただきまして、私ども非常に意を強くした次第でございます。 EU議長国でありますスペインのカニェテ農業・漁業・食料大臣との会談におきましても、今後、EUと日本とのスタンスというのは非常に近いんだというようなことで、これを更に強化していこうということを確認したところでございます。 英国の食品基準庁のクレブス議長ほかとの会談におきましては、食の安全性確保のための食品行政の在り方について率直な意見交換を行うことができたのでありますが、我田引水になるかもしれませんが、この食品基準庁というのは、閣僚や政治家を排除するということを一つの大きな看板に掲げて仕事をしているところなのでありますけれども、私どもとかなりの激論といいますか、中身の濃い議論をいたしまして、政治家の存在ということも認識を新たにしていただいたんじゃないかと、このように思っております。 いずれにいたしましても、今回の訪欧によりまして、今後のWTO農業交渉、非常に大変だという思いを強くいたしましたが、WTO関係者の我が国の提案内容に対する理解の促進でありますとか、日本とEUの関係の連携につきましても、今度行ってみてEUも変わってきているぞ、ある種去年とは違うぞという、そういう印象も受けましたが、なおかつ我が国も変わっているということが、BSEを契機に、「「食」と「農」の再生プラン」についても私どもいろいろ披露して、議論を深めさせていただきましたので、EUも、日本も変わってきているぞという、そういう、ともに変わってきているぞという認識の下に連携の強化ということが私は深まったと、このように認識しておりまして、大変有意義なものであったと、このように考えているわけでございます。 御質問にはございませんが、アメリカの新農業法の問題も、私は別の角度でもう少しこの中身を注目する必要があると思います。調査する必要があると思います。どういう考え方でアメリカが今度の新農業法に基づく保護水準といいますか、単なる保護水準なのかどうか。やはり農業の多面的機能とか、農村地域の振興とか、環境とか、食の安全とか、そういうふうなことが一つの流れになってきているような気がいたしまして、その中身をよく吟味した上で、今後、WTO交渉の場で私どもは話合いを、議論をする必要があるように思います。それも今度の訪欧で感じた一つの印象でございます。
○渡辺孝男君 今、大臣の御報告をいただきまして、日本の目指している多面的機能の評価あるいは食料安全保障等が少しでも理解していただけるような新しい状況も出てきたというようなお話を聞いて大変うれしく思っているところです。この点は、また後でこれからもいろいろ議論になることだと思います。 次に、先ほど大臣の方からBSE四頭目の発生に関して御報告があったわけですが、このBSEの問題について少し質問をさせていただきたいと思います。 第四頭目のBSEの発生で、牛の組織の一部を試験研究用に利用するということになったわけですけれども、これはどのような組織を試験研究用に使って、今後どのような研究を行っていく方針なのか、担当の部署が厚生労働省ということでありますので、厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(田村憲久君) ただいま先生からお話ありましたとおり、五月十三日、四頭目ということで、牛海綿状脳症の検査に係る専門家会議というところでクロだということで結論が出たわけでありますが、この中におきましても、この牛の部位を研究に活用することは重要だというような御意見をいただきまして、すぐに帯広畜産大学の方から申出をいただきました。そこで、当該牛の約二十四部位ですか、先生は御専門でございますからお分かりだと思うんですが、交感神経管でありますとか、又は腎臓、第八肋間神経と第八肋間筋等と脊髄神経節、更には筋肉、扁桃等、二十四部位を、これを検査といいますか、研究のために今回取ったと。 今までですと、流れ的には食肉のルートに流れるものでありますから、分かったときにはもう焼却といいますか、処分されたりとかしておったわけでありますが、今回は病畜ということでございましたものですから、病畜用の屠室の方に保管されておったということで、このような形で各部位というものが研究に使われるということが可能になりました。もちろん、使われた後はまた焼却処分ということで、要らぬ心配を国民の皆様方にしていただかないようにという配慮はいたしております。 それと、体内分布でありますとか、また蓄積時期など、そういう部分に関しての研究、これにこういうものを調査の対象として使用してまいりたいなと、こんなふうに考えております。
○渡辺孝男君 これからへい死牛の調査もするということになるわけですけれども、これまでもやっていたわけですけれども、万一、BSEがそういう中で見付かってくれば、やはり今後のいろんな治療あるいは予防等に貴重な試料となりますので、これからも大事な部分はきちんと調査をして、その後で焼却をしていただくということが大事だと思います。そういう意味で、今回のそういう調査をする、試験研究用にするというのは大事なことではないかと。私も前にそのようなことを質問させていただきましたが、しっかりやっていただきたいと思います。 次に、ちょうど昨年の六月十九日のこの農林水産委員会で、まだBSEが国内発生の前でありましたけれども、やはり診断法の向上、あるいは検査体制の充実というのが必要だということで質問をさせていただきました。農林水産省、それから文部科学省、それから厚生労働省に対してそういう研究の推進が必要だということで質問をさせていただきましたが、その後、BSEも含めまして、プリオン病の診断技術の向上、あるいは治療法の開発のための研究等がどのように進んできたのか、三省にお伺いしたい。また、今後、どのような研究を進めていくのか、その方針についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) まず、我が国におきます変異型のCJD、クロイツフェルト・ヤコブの診断技術の向上といった観点から、昨年の十一月に、十名の専門医を多数の患者が発生しております英国に派遣をいたしまして、実際に変異型のクロイツフェルト・ヤコブの患者の各種データ等に接していただきまして、その知見を広く公表するとともに、各都道府県に原則として一名以上のクロイツフェルト・ヤコブの専門的診断を行える専門医を配置をいたしまして、診断体制の強化に万全を期しているところでございます。 それから、診断技術等の進捗でございますが、微量の異常プリオンを検出する技術の開発といったものを進めておりますが、そのほかMRIを用いました画像診断におきまして、大脳の視床後方に位置します視床枕に両側性の高信号所見が見られるといったことが、変異型のクロイツフェルト・ヤコブの診断を行う上で非常に有用であるといった成果が出たというふうに聞いておるところでございます。 また、治療面におきましては、異常プリオンの生成を抑制する治療法についての研究といったことで、抗マラリア剤を利用した治療法の確立、こういったものを注目してやっておるところでございます。 こうした成果を十分に踏まえまして、厚生労働省としましても、引き続き研究に力を入れていきたいと、このように考えておるところでございます。
○政府参考人(坂田東一君) 文部科学省におきましては、先生御指摘の診断技術、それから治療法の開発に関しましては、主として大学を中心にいたしまして、例えば科学研究費補助金、こういった研究費を使いまして、基礎的、基盤的な研究に取り組んでいるというところでございます。 お尋ねの、この間どういった成果が出たかということでございますけれども、これは例でございますが、例えば診断技術の開発という面で見ますと、プリオンの異常型、いわゆる異常プリオンのみに特異的に反応する抗体たんぱくといったものが発見されております。これは先ほど名前が出ましたが、帯広畜産大学の研究成果でございます。 それからまた、検査法の開発でございますけれども、ヒトのプリオンたんぱく質を発現するための、発現をいたします特別のマウスというものが開発、作製されております。このマウスは特にプリオンの異常型の検出のために大変有効でございまして、実際、そのマウスではプリオンの異常型が脳よりも脾臓、こちらの方に早く蓄積すると、そういう特徴を持っております。こういったマウスの作製がまず行われております。 そして、このマウスを用いますと、例えば輸血用の血漿にプリオンの異常型が含まれているかどうか、これを検出する期間が非常に短期間になったと。これまで二百日ぐらい掛かっていたものが三十日ぐらいになりそうだと。あるいはまた、大変高感度にそれが検出ができる。従来の方法に比べまして約千倍ぐらいの感度を持ったような方法であると、方法になるということでございます。 それからまた、このマウスを用いますと、生体から採取をいたしました試料、脳の脊髄液でございますとか、あるいは血液でございますけれども、こういったものにつきましてプリオン病の感染の有無が検出されそうだということで、これらは、今申し上げましたのは、いずれも東北大学の研究成果でございます。こういった研究成果をベースにいたしまして、診断あるいは治療といったような面で方法論の早期の実用化が期待をされております。 したがいまして、我が省といたしましては、そういった面で更に研究の振興にこれ努めまして、どういった原因物質がプリオンを正常型から異常型に変えるのだろうかといったような点、それから今申し上げましたような診断技術、検査技術、こういった実用化に向けて更に努力を進めてまいりたいと思っております。
○政府参考人(岩元睦夫君) 先生の昨年の六月十九日の当委員会での御質問は、ネーチャーに異常プリオンを大量に増幅できる技術が発表されたと、これに対する見解いかんということでございまして、先生の御質問をいただいたその前の段階で私どもその情報をつかんでおりまして、動物衛生研究所でその追試を行いました。 その結果、当初の段階では、記載された方法では記載されたような増幅効果は得られなかったという形での御報告を昨年さしていただいたわけでございますが、その後、この手法を更に検討いたしました。ただ、結果的には約十倍ぐらいの増幅の効果はあったということでございますけれども、報告にございましたような数十万倍というような大台にはまだ達していないというようなことでございまして、引き続き検討を進めてまいりたいと。もしこの技術が開発されますと、生体試料であるとか、あるいは飼料なんかへのコンタミといったようなことの検査に非常に有効な方法だろうということでございますので、現地との連絡を取りながらこの手法を開発していきたいということが一点でございます。 それから、昨年、我が国でのBSEの発生以降、この間、科学技術振興調整費の中の緊急調査研究という費目の予算をいただきました。BSEの確定診断の標準化に向けて、厚生労働省それから帯広畜産大学との連携の下、研究に取り組んでまいりまして、まず、脳の材料の採取方法であるとか、あるいは保存方法あるいは輸送方法、そういった条件等の標準化をやったということ。それから、生化学的検査のための抗体の選定及びその診断手順の確立ということ。それから三点目は、免疫組織化学検査のための均一な検査用抗体の安定的な供給方法の確立といったようなことについての開発研究を行って、検査プロトコールという形でその取りまとめを行って、今現在、その手法に基づいて検査が行われているというふうに承知しているわけでございます。 また、我が国のBSE初発牛の脳組織、これは千葉で採取された脳組織、それと、英国から昨年供給を受けることができましたので、そのBSEの脳組織を比較したところ、プリオン遺伝子のDNAの塩基配列あるいは免疫組織学上に違いのないというようなことがはっきりいたしております。この意味が何なのかということについては、今後慎重に検討していくということで今準備を進めているところでございます。 また、今年度からは英国の獣医学研究所等との共同研究を開始しているわけでございまして、生前検査等々のことを中心に共同研究を開始しております。この夏以降、動物衛生研究所の二名の研究者を現地に派遣いたしまして、申し上げました共同研究を進めるという手はずを今整えているという状態でございます。 今後は、BSE問題調査検討委員会の報告にございました趣旨を踏まえまして、BSE発生メカニズムの解明、それから生前診断法の開発と、この二つのテーマを最重要テーマといたしまして、そのための研究体制の整備・強化を行い、一層強力に研究を推進してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○渡辺孝男君 今、三省からお話を聞きまして、大分研究の方進んでいると。今ですと、BSEに関しては、牛を残念ながら殺さないうちは診断ができないということでありましたけれども、将来、血液とか脊髄、まあ脊髄液となるとなかなか難しいかなと思うんですが、尿とかそういうものから生前に検査ができるようになれば、わざわざ屠殺しなくてもいい、あるいは殺さなくてもいいということになりますので、これは大きな進歩になるのかなと。廃用牛の心配も、ずっと心配しながらいるというよりは、もうすぐに検査ができて分かるというふうになれば非常にいいのかなということで、こういう研究も促進をしていただきたいというのが私の思いでありますけれども、今後、三省としましては、やはり研究も、どこかやはり中核施設をきちんと作って、そこの周りがネットワークを作って、世界とも結んで研究を進めていくということが非常に大事なのではないかと。 せっかくいい研究成果が出ておりますので、そういう今後の研究の進め方、特に中核施設をどういうふうにして研究を進めていくのか、その点に関して三省からもう一度お話をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) 厚生労働省としましては、一九七六年、昭和五十一年でございますけれども、特定疾患調査研究事業というのがございますが、その中で、スローウイルスを原因とする疾病の予防や治療を研究するという観点で遅発性ウイルス研究班というのを作ってございまして、その中でクロイツフェルト・ヤコブの研究を行っていたわけでございます。 その後、一九九三年、平成五年でございますが、クロイツフェルト・ヤコブの原因が異常プリオンたんぱくであるというようなことが明らかになったわけでございますので、その時点で、新たな概念といたしまして、世界の研究機関と協力しながら診断、治療等の研究を新たに始めたということでございます。 その中核となっておりますのが国立精神・神経センターでございまして、その中でプリオン病に関する病因、病態の解明あるいは治療法の開発といったものをやっておりますし、また、その国立精神・神経センターと併せまして、公募で選ばれた研究班というのが幾つかございます。そういったところとの連携を緊密に行いながら、プリオン病研究の中核機関として今後とも研究を進めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○政府参考人(坂田東一君) 我が省におきましては、大学等の研究機関につきましてその体制の整備を支援しているところでございますが、若干具体的に申し上げますと、まず畜産分野でございますけれども、これは国立大学として唯一こういう分野の単科大学でございますが、帯広畜産大学におきまして、昨年来のこのBSEの発生を受けまして、平成十三年度に、家畜のプリオン病の研究につきまして全学的な取組を進めるための言わばプロジェクトチーム、特別のチームが設置をされました。それを受けまして、これから、この異常プリオンの検出方法でございますとか、あるいは感染メカニズム、こういったような研究をしっかりとやっていく。治療方法、予防法、こういったものについてもしっかりと取り組んでいくというような体制整備を大学の方で行ったところでございます。これを受けまして、今年度、十四年度には、この特別なプロジェクトチームの活動の場といたしまして、畜産フィールド科学センターというものを帯広畜産大学に整備をしたところでございます。 それから、ヒトのプリオン病に関してでございますけれども、これにつきましては、東北大学が平成十年度に、WHOが進めますヒト・プリオン病診断検査のための国際研究拠点の一つということになっております。我が国以外には、イギリス、フランス、オーストリア、豪州、オーストラリアですね、それからアメリカ、アルゼンチン等にございますけれども、この東北大学におきまして、したがってヒト・プリオン病に係ります基礎的な研究を一生懸命今実施をしているところでございます。 したがいまして、今後とも私どもといたしましては、これらの研究拠点におきまして家畜あるいはヒトのプリオン病に関する科学的な知見を一層積み重ねていくと。これは非常に大事であるという具合に考えておりまして、農林水産省あるいは厚生労働省等々の関係の研究機関との連携の推進といったことも含めまして、今後とも研究の充実にしっかり取り組みたいと思っているところでございます。
○政府参考人(岩元睦夫君) 先ほどもお話し申し上げました、農林水産省では独立行政法人動物衛生研究所を所管しているわけでございますが、この動物衛生研究所は我が国唯一の動物の衛生専門の研究機関であるという視点から、BSE等動物プリオン病研究についての中核機関という形に位置付けまして、厚生労働省の研究機関であるとか、あるいは大学、民間、さらには海外の研究機関等との連携拠点として育成していきたいというふうに考えております。 そういった中で、先ほど申し上げましたBSEの発生メカニズム、それから生前診断法、これを最重要課題として研究を進めてまいりたいと考えておりますけれども、その際、現在、動物衛生研究所内に整備を進めておりますP3レベルでの隔離研究施設というものを有効に活用していきたいというふうに考えております。
○渡辺孝男君 早く研究が進んで、異常プリオンが無害化できるような方法を見付けていただければと思います。 もう一つ、最後になりますけれども、先ほど武部農林水産大臣からも、本当に残念なんですけれども、と畜検査員の方が今回お亡くなりになったと。前途有望な方がお亡くなりになったので、本当に残念な思いで私も心から御冥福をお祈り申し上げたいと思っておりますけれども、やはり大変なプレッシャーの中で検査を、BSEの検査をしていると思うんですね。そういうときに、やはり診断で迷ったりした場合には、仲間、獣医師の仲間の人とか、と畜検査員の方々のそういうネットワークがあれば、一人で悩まないで済むんではないかと。 今回の原因ってはっきり私はよく分かりませんけれども、そういうシステムをやはり作っていく必要があるんじゃないかということで、と畜検査員の研修あるいは情報交換、支援体制についてどのようになっているのか、改善すべき点があるのかどうか、その点を厚生労働省にお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(田村憲久君) 今、先生からお話ございました四頭目のBSE罹患の牛でありますが、この屠畜検査をした検査員の方がお亡くなりになられたと。本当に残念なことでありまして、まずもって心からお悔やみを申し上げたいと思うんです。 BSEに関しましては、今までの四頭、この罹患した四頭の診断結果から見ましても、なかなか定型的な臨床の症状というのは見られない。特色といいますか共通点がなかなか分かりづらい部分がございまして、生体検査の段階において確定といいますか的確にこれを診断するのは極めて困難であろうと、今のところそのように思っております。 今お話があった点でありますけれども、やはりお一人でと畜検査員の方が検査するというのは大変なプレッシャーが掛かってくるであろうと。そういうものを何とか避けるようなシステムは作れないかということで、いろいろと我々も議論をしておるんですけれども、基本的にはやはり複数の検査員でこれを診断していただけるような、そんな形にできないか。さらに、どうしても一人のと畜検査員で検査に当たらざるを得ない場合に関しましては、何とか他の検査員と、と畜検査員と相談をして最終的に判断できるような体制というものを組めないか。さらには、それも難しい場合には、例えば翌日にそういうものを一日置いてでも総合的に判断できるような、相談して判断できるような、そういうようなシステムというものは組めないか。いろいろと都道府県の方に今お願いをいたしておるような、そんな状況でございます。 いずれにいたしましても、この分野というのは、それぞれ疑われる牛の情報交換という意味では、例えば農場における場合には農業共済組合ということになりますでしょうし、また家畜伝染予防法に基づく診断に関しては家畜保健衛生所、さらにはいよいよ食肉処理前の診断に関しては食肉衛生検査所ということでございまして、それぞれ分かれておるものでありますから、これをいかに獣医師の方々、連絡を密に取っていきまして、うまく情報が流れて各段階で適切に判断できるか。農林水産省の方といろいろと相談をしていきながら一番いい方法を考えてまいりたい、このように思っております。さらに、と畜検査員の方に関しましては、その技術的な研修も含めて更にここを充実していきたいと、このように思っております。
○渡辺孝男君 よろしくお願いしたいと思います。 それでは、文部科学省、厚生労働省、次の質問になりますので、もう御退席で結構でございます。 本来の農業金融関連の二法について質問させていただきたいと思います。本質的にこの法律は農業経営の安定に資するものでありますので、賛成の立場でございます。しかし、確認のために関連の質問をさせていただきたいと思います。 食料・農業・農村基本法で示している農業の持続的な発展のためには、やはり農業資源という、農業を担う方々がしっかり頑張っていかなければならないということで、効率的かつ安定的な農業経営を達成することが非常に重要だ。そういう中で、やはり認定農業者の担う役割というのは非常に大きいんじゃないかと思いますけれども、まず、認定農業者を含めまして、効率的かつ安定的な農業経営を担うどれくらいの方を期待しているのか。相当部分という言葉で表現されておるんですけれども、この点について確認をしたいと思いますけれども、大臣、よろしいでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 平成二十二年における農業構造の展望によりますと、水田では六割、露地野菜で七割、果樹で七割、酪農で九割程度と展望しているわけでございます。 また、認定農業者の数の推移でございますが、平成七年三月には約二万経営だったものが十年三月には十二万経営、平成十四年三月には十六万経営と着実に増加しております。平成十六年度末約二十三万経営の目標の達成に向けまして、その数はおおむね順調に増加しているものと考えております。 〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
○渡辺孝男君 認定農業者の経営の目標というのがあると思うんですね、いろいろ。耕地面積あるいは年間所得あるいは労働時間等の目標というものがあると思うんですが、それにどの程度近づいてきているのか、その状況についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 認定農業者の経営目標というのは、他産業並みの所得、それから労働時間ということでございます。 個々の経営内容の実態は様々でございますが、主たる従事者が今申し上げましたような所得を達成している経営体数、これを二〇〇〇年のセンサスのデータを基に、一定の仮定が必要でございますが、計算をいたしますと、約十万経営程度が現在その水準に達しているというふうに見込んでおります。
○渡辺孝男君 それから、今回の金融二法案で、これら認定農業者の経営がどういう面で改善されることになるのか、その効果について大臣あるいは副大臣の方からお答えいただきたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 認定農業者が効率的で安定的な農業経営に向けまして具体的な経営改善に取り組む上での課題は、個々の経営実態によりまして異なるものであります。 経営改善のための方策につきましても、それぞれの経営実態に応じまして、経営規模の拡大が課題になっている経営に対しましては農地の利用集積や団地化による効率的な土地利用の促進を図り、経営の合理化が課題となっております経営に対しましては新たな作物の導入と栽培技術等の指導を行い、経営の多角化が課題となっております経営に対しましては加工・流通部門への進出のためのマーケティングの調査等のソフト面からの支援や、加工、流通に必要な施設の整備等、個々の経営ごとの的確な支援策を講じていくことが重要なことであると考えております。
○渡辺孝男君 経営の効果に、今回の二法案の効果についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) まず、農業金融二法案の措置についてでありますが、農業資金融通法案では、農業近代化資金について、施設資金だけでなく借地料の一括前払等の長期運転資金を追加いたします。農林漁業金融公庫の経営体育成強化資金について、土地利用型農業だけでなくて全農業種目に拡大いたします。 農業改良資金については、農業者が加工分野への進出、新作物の導入といった高リスク農業へのチャレンジを支援するための資金へと改めるとともに、民間金融機関による転貸方式を導入いたしまして、この場合には機関保証の対象とすることとしております。こうした措置によりまして、自ら創意工夫で前向きに経営を発展させようという担い手が必要とする資金がより円滑に供給されることになるものと考えております。 〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕 また、農業法人円滑化法案でありますが、地域農業の担い手となる農業法人に対しまして自己資本の充実のための措置を講じることによりまして、家計と経営の分離による経営管理の徹底、対外信用力の向上等の法人経営のメリットを生かした農業経営の展開を推進していくこととしておりまして、このような措置を講じることによりまして、意欲と能力のある担い手の農業経営の改善が着実に図られるものと、このように期待しております。
○渡辺孝男君 いろいろ質問を考えてきたんですけれども、先ほどのプリオン病の関係でいろいろデータをお示しいただいたので、その点について長く質問になりましたので、時間がありません。 質問を大分省かせていただいて、最後の質問になるんですけれども、宮城県の方の関係で、みちのく農協の解散命令というのがこの間出まして、それで休眠農協というのが改めてクローズアップされまして、休眠農協の現状と、今後それに対してどのような対処をしていくのか、この点に関して農林水産省にお伺いをしたいと思います、これが最後の質問になりますけれども。
○政府参考人(川村秀三郎君) まず現状でございますが、休眠農協は、十三年の三月末現在でございますけれども、総合農協で二十四組合、それから専門農協で二千二百五十三組合ございます。 これに対しまして、今後の指導なり対策でございますが、昨年の農協法の改正によりまして、行政庁の解散命令の通知を官報に掲載すれば効力が生ずるように措置をしたところでございます。このため、この休眠農協の整理マニュアルを我が方で作成をいたしまして、各都道府県に通知をしております。 そして、これらの措置によりまして既に各県でその作業が始まっておりまして、既に休眠の、先ほど御指摘がありましたような宮城等を始めとしまして既に動きが出てきておりまして、できるだけ早くこういった休眠農協の解消ができるように更に指導を強めてまいりたいと思っておるところでございます。
○渡辺孝男君 ありがとうございました。 私の質問は以上で終わらせていただきます。大分質問を残してしまいましたが、申し訳ありません。
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。 私も、金融二法の質問に先立って、まず初めにBSEの問題について質問させていただきます。 五月の十四日に四頭目のBSEが確認されました北海道の音別町に私参りまして、町長さんや農協の組合長さんの話を伺いました。このところ、ようやっと市場の価格も元に戻りつつあって落ち着いてきていただけに非常に残念だというお話でした。 一番心配しているのはやはり発生農家のことだと。発生農家は非常にやはり大きなショックを受けています。世間では四頭目ということですけれども、発生農家にとっては初めて当事者となって、それで、そういう中でもやっぱり酪農を続けたいというふうにおっしゃっていると。しかし、発生農家への補償や支援に時間が掛かれば、猿払の農家のように離農に追い込まれるということにもなりかねないと。できるだけ空白期間を置かずに代わりの代替牛を入れて経営再開ができるように強い援助をしてほしいと、そういう要望が出されました。 疑似患畜の認定とその殺処分ですか、こういう補償までに、これまで三回の例で見ても大体二か月から三か月掛かっているわけです。数か月経営できないと、将来に対する不安もあるわけですけれども、実際に生活についても困窮をすると。ただでさえ精神的なショックもあるわけで、それにマスコミなんかも報道されると、それから周りに対するいろいろなやっぱり気遣いもあるということで、その苦痛を考えますと、本当にお金で償えないといいますか、そういう計り知れないものがあるわけですが、できる限りやはり支払までの期間短縮をやって、そして同時に、概算払とか仮払とかいう形で早く経営が再開できるように国としても最善策をやる必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、まずこの点について伺います。
○国務大臣(武部勤君) 誠に痛ましい出来事でございますし、生産者の方も精神的にショックを受けておりまして、精神的に少し落ち着きを取り戻していただいた段階で、疑似患畜について認定をしてBSE検査を行うという運びになるわけでございます。 しかし、私ども、今、委員御指摘のように、一日も早く経営再開ができるようにということで、既に地域協議会において代替牛の導入の準備しております。これはもう予算措置は既にしておりますので、私は、今、委員御指摘のような三頭目までのようなこととは違って、一月以内に経営が再開できるようにと、五分の四の家伝法に基づく評価額の手当金の交付以外に、国と生産者の互助システム、これは大体その必要な額は全額出すわけですから、それに、経営再開維持資金は一頭につき十万ということもありますので、もう予算措置はしておりますし、今もう段取りに既に入っておりますので、一日も早く元気に経営再開ができるような最善の努力、準備をしたいと、このように思います。おおよそ一月以内ということをめどにやれるようにということを事務当局に申しております。道とも、地元ともそういったことで相談いたしております。
○紙智子君 近所の酪農家の方々にもお話を聞いたんですけれども、あそこは本当に頑張ってきたところだというお話と、それから、この辺の農家は、酪農家はみんなやっぱり家畜と一緒に生活をしているので、人ごとじゃないというふうにおっしゃっております。 それで、やはり、とにかく原因の究明と感染経路の究明を急いでほしいというのが、回った中で出されてきた共通の声でした。そのためにも重要になるのが、やはり廃用牛の検査の問題があります。音別町では、もう本当にこれは正直な声だと思うんですけれども、九六年の牛に集中しているということでは、九六年の牛は国が買い上げてほしいというふうにもおっしゃっています。心配されるのは、このことでますます廃用牛を屠畜場に出さなくなってしまうんじゃないかと。廃用牛の流通円滑化事業で乳用牛については四万ということになっているわけですけれども、市場の相場が四万ということでもって、それ以上の値が付かないというか、頭打ちになっちゃうという状況になっているんですね。 それで、生産者の方が、我々この牛飼いが忍びないのは、本当に屠畜場に出していったんBSEが出ると、子供のようにかわいがって育ててきた牛が全部持っていかれちゃうと。そして、もうそういう意味では酪農家は恐怖と背中合わせだという話をされていて、本当にそうだと思うんですね。それで、今やはり農家が牛を抱えられる限界のところにあると。一方では、やっぱり怖くてなかなか出せないということの中で、抱えて、えさを食べさせてという状況で来ていたわけですけれども、牛をやっぱり屠場に出して検査を受けられるようにすると、そこが大事なんですけれども、ここをやるためにもやっぱり国が廃用牛を発生前の価格で買い上げるというふうにできないものかということを、私はこれまでも言っていたわけですけれども、そこのところを検討できないのかということを再度お聞きしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 一九九六年の三月、四月に四頭が集中しているということでございまして、全頭検査という一つのサーベイランスをやっておりますから、廃用牛が円滑に出荷できる、その体制さえきちっと整えば、順次、高齢の経産牛というものがどういう状況かというのは分かってくるわけですけれども、私はやはりサーベイランスの方法も、先ほど厚生省からもお話しありましたけれども、共済の獣医さんが見てもだれが見ても、これはサーベイランスとして適当な個体だと分かるように、原因がよく分からないで起立不能、起立困難というようなものはもうサーベイランスの対象にしましょうと。これは当然、家保でやるわけです。当然、共済金の支払の対象になることも言うまでもありません。 同時に、そういったふうにサーベイランスを分かりやすく、幅を広げていくということと同時に、九六年三月、四月ということについて、私、早くやりたいんですね、この検査を。しかし、これは今、一生懸命酪農家は搾っているわけですし、これを強制するわけにはいきません。強制するわけにいきませんが、何とか協力していただけませんかということと、もう一つはやっぱり、何といいますか、やはりプライバシーの問題もあるんだろうと思うんです。 そういうことも考慮をしながら、今どういう順番でこの検査を進めていくかと。私は、九六年三月、四月のはやっぱり優先して早くやるべきだと。それには、生産者の協力ももらわなくちゃいけない。協力してもらうためには、今までの廃用牛の買上げだけではなくて、やっぱり協力してもらうときには協力をお願いする対策、対応策というものが必要じゃないかということで事務当局に指示をしているところでありますし、また、これの進め方についても、今、専門家の意見もよく聞きなさいということでやっているわけでございまして、今、委員御指摘のことについては私どもも大変大事な問題意識として持っておりますので、今、早急に検討させて、進めていきたいと思っております。
○紙智子君 国として、やっぱり屠場に出すために四万円ということで、肉用は五万ということなんですけれども、それで促進を図ろうということだったわけですけれども、しかし、やっぱりなかなかそこのところが重いわけですよ、現実は。 そして、実際に今度のようにまた発生すると、そのことによって受ける打撃ということがあるものですから、ですから私は、非常に酪農家の方はそういう意味では大変悩みながらやっている状況の中で、本当に促進をしていくということのためにも、やっぱりほかの抜け道に行かないようにするためにも、そこのところはもう一歩思い切って、せめて発生前の価格になるくらいまで補償する必要があるんじゃないかなというふうに思うんです。 それで、感染ルートの解明に重要なのは、先ほど来話も出ていますけれども、やはりへい死牛の検査の問題も非常に大事だと思うんですね。現在、このへい死牛の全頭検査が義務付けられていないですよね、やらなきゃいけないということは言われているけれども。それが抜け道になっているということも報道されていて、御存じだと思うんですけれどもね。 ですから、厚生労働省のBSEの専門家会議でも、二十四か月齢以上の死亡牛の全頭検査の早期実施が汚染度や感染ルートの解明にも欠かせないということで、とにかく急いでやる必要があるんだということで申入れされたというふうに思うんですけれども、私、去年以来、どうしてこの全頭検査、死亡牛のところの全頭検査ということがなかなかやれないのかなと、時間が掛かるのかなと、これもいろいろやり取り、午前中からありますけれども、再度そこのところをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 早くやりたいんです。ですが、離島でありますとか地理的状況でありますとか、死亡牛の発生頭数というのも地域によってかなり偏っていると思いますね。北海道辺りは相当、廃用牛だけ見ましても十五万頭以上、一九九六年で十五万頭以上、全国でありました。それで、北海道十万頭ぐらいあるんですね。 そういうふうなことになりますと、屠体を冷蔵庫に入れるとか焼却する施設だとかもろもろ考えますと、やっぱり地域によってすぐ対応できないところもあると。それから、人の問題もあります。それから、どこにどう集めるかということもありますね。 そういうことを考えますと、なかなか一遍にはいかないということは御理解いただきたいと思うんですが、しかし、私どもの今日の発言で現場は相当負担が掛かっていると思いますが、私どもとしては、十四年度中にすべての準備ができないかと、そして、十五年度中には実際に全頭検査、二十四か月齢以上、全頭検査できないかということを投げ掛けているわけでございます。 是非、そういう一つの目標を明示しまして、これはもう大変だと思いますけれども、そういう方向でやりたいと思っております。 それから、地域的に、今度のように、今、感染源の究明の話ありましたけれども、私は、一九九六年に、一、二頭、三頭、四頭まで三月、四月に集中しているから絶対その辺が危ないと的を絞りたくありません。予断を持って考えたくありませんが、やっぱりこの四頭目、どう対応していくかということで、例えば代用乳がどこの工場か、いつの時期か、ロットはどうだと、具体的に分かってきますと、絶対とは言えませんけれども、ある程度、この地域を先に検査する必要があるのではないかというような方向性も出てくるんじゃないかと、そんな気がしているわけです、これは素人考えですけれども。また、専門家に言わせればそんなものじゃないと言われるかもしれませんが。 いずれにしましても、死亡牛の全頭検査についても、優先順位の問題でありますとかそういったことも考慮に入れながら、できるだけ早く始められるように努力したいと思っております。
○紙智子君 今、できるだけ早くというお話がありまして、先ほども、郡司先生ですか、やり取りの中でも、整えながらできるところからやるという話をされていたと思うんですけれども、非常にやはり急がれるというふうに思うんですね。やはり国民の信頼を一日も早く回復するということからも、これは本当に急いでやらなきゃいけないというふうに思います。 それと、農水省がBSEの対策で酪農互助システム支援事業というのをやって、地域での影響、これに対しての、価格補てんも含めて発生地域に支援するということを対策として出されました。これは評価できるというふうに思いますし、私も本委員会で地域対策ということで求めてきたわけですけれども、いろんな影響の、何というんでしょうか、地域によっては、一つの地域もあるでしょうし、あるいは都道府県段階全体にかかわる影響もあるというふうに思うんですけれども、そういう意味では、発生地域の実情に合わせた、地域の裁量が生きるようにすべきだと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 地域対策については、これもう予算措置もしておりますし、支援措置もいろいろ政策的な枠組みはできているわけでございますが、実際、今回の場合に、ぬれ子、子牛の取引価格の動向を見ますと、いずれも発生前の五月九日の実績を上回っておりまして、四頭目の発生による影響は特段出ていないと。それから、牛肉の卸売価格の動向も、ゴールデンウイーク明けの在庫手当ても終わりまして、五月第二週から弱含みで推移しておりますが、BSE四頭目の発生の影響も特段なく、安定していると。それから廃用牛も、受入れを行っている屠畜場で受入れ制限等を行ったところもこれまたございません。 それで、道畜産公社の釧路事業所における屠畜状況でございますけれども、これも五月に入りまして、全体では八十頭ペースでございますが、十三日が八十八頭、十四日が八十六頭、十五日八十六頭、十六日七十八頭と。十七日は、何か十六日が家畜市場が開催される関係で配車手配ができないために三十八頭に減ったと言いますが、二十日になりますと七十三頭と戻っておりまして、今のところ大きな影響がありませんが、しかし、現地の皆さん方からすれば非常に不安が走っておるんだろうと、こう思いますので、北海道や地元ともよく連携を取って対応していきたいと思っております。
○紙智子君 私は、それに加えて、畜産だけじゃなくて野菜も含めて、ジャガイモやタマネギの価格も暴落していて、輸入の影響もあるんですけれども、確実にBSEの発生、三頭発生したそのときに価格が下がってなかなか元に戻らないということなんかもありまして、それ以外、畜産以外のものも、やはりそういう影響を受けたものを対象に入れるべきではないか、そういう対策を取る必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、これは、例えば地域が独自にそういうことをやるといった場合に国が支援するというようなことでやれないんでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 野菜は野菜の対策がございますので、BSEの発生と直接絡めてどうこうするという性格のものではないとは思いますが、特に北海道の場合、私どもの地元北見ではタマネギがキロ一円だというような話があるぐらいでありますけれども、しかし、これも制度によりましてかなり補てんされるというようなことも現地の皆さん方はまだ知らないことなどもありますので、情報交換しっかりやりながら対応していきたいと思っております。
○紙智子君 地域の裁量という範囲の中にこれも入れていただきたいということを、改めて検討いただきたいということを再度お願いします。 それから、音別町では、年間にすると百四十頭から百五十頭の初妊牛を販売しているんですけれども、酪農地域ですけれども、乳価が下がる中で酪農家の重要な収入源にこれもなっていまして、今回の発生でやはり初妊牛の価格が下がると。そうなりますと、やはり酪農家の経営が大きな打撃を受けるというふうに懸念をしているわけです。 それで、これまでも本当に農水省の「重大な失政」ということで指摘もされながら、実際に生産者や業者の方が受けた損害が補償されていないということでは、ここに対してのやはり損害の補償も行うべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(武部勤君) 今のところ、価格は下がっておりません。ぬれ子・子牛価格、それから廃用牛の出荷、それから初妊牛も含めまして、特段の影響がないというのが私どもの報告を受けた実態でございまして、これは非常に有り難いな、冷静に対応をしていただいているんだなと、このように思うわけでございますが、いずれにいたしましても、地域の方々や北海道とよく連携を取ってやっていかなきゃならぬと、このように思っております。
○紙智子君 初妊牛は下がっているということを聞きましたものですから、私、このようにお話ししたわけですけれども、いずれにしても、この間やはり受けている被害というのは大きいわけで、そういう意味では、やはり受けていないということではなしに、そういった影響が出た場合にちゃんとした国としての責任ある対応をしてほしいということで、このことをあえて言わせていただきました。 それで、次に移らせていただきますが、農業経営の改善に必要な資金の融通のための農業近代化資金助成法等の一部改正案について質問いたします。 この法案で、農林漁業金融公庫法が改正をされて、農地等取得資金と農業構造改善事業推進資金が廃止をされ、そして経営体育成強化資金に一本化することになります。この経営体育成強化資金は、そもそも負債整理資金を規模拡大のための前向きの投資資金と抱き合わせで貸し出すというもので、今回廃止する二つの資金との関係で言いますと、趣旨も要件も違うというふうに思うんですね。経営体育成資金は基準が厳しくてなかなか借りられないという声も聞いています。この二つ廃止に当たって、現行の経営体育成資金の要件を変更するということは考えていないんでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 農林公庫資金の見直しでございます。 今、先生御指摘のとおり、農地等取得資金、それから農業構造改善事業推進資金、この二つにつきましては、廃止をしまして経営体育成強化資金に吸収一体化するということにしておるところでございます。経営体育成資金の中に吸収をいたしますが、こういった農業種目を拡大するということでございますので、まず資金使途につきましては、土地利用型農業だけではなくて全農業種目に融資対象を拡大する、そういうことで、果樹の植栽でありますとか家畜の購入等に必要な資金というものがこの経営体育成強化資金のメニューとして入るわけでございます。 それから、償還期間につきましても、果樹の場合は長期間を要するということで据置期間の特例がございますが、この点は経営体育成強化資金の中で引き継ぐということで、その特例が同様に設けられます。 また、金利水準につきましても、従来の農業構造改善事業推進資金よりも低い水準になるといったようなことで、経営体育成強化資金に統合されることに伴う、今申し上げたような内容変更はあるわけでございます。
○紙智子君 この経営体育成強化資金は、借入れできる農業者の資格も厳しくて、融資の審査も、経営改善計画をまず作成して、そして融資機関や経営診断機関の二重の審査を受けなければならないわけですね。要件をそのまま適用すると、今まで借りられたのに必要な資金を借りられない人も出てくるということで、いろいろ心配も出ているわけですが。 例えば、今まで農地取得資金で言えば、小規模な投資、規模を拡大するわけじゃないけれども、飛び地なんかをやっぱり使いづらいということで条件の良い農地に集約するために買い換えるとか、こういったこともありますし、急遽必要になってくる場合とか、様々なケースにこれが活用できたといいますか、要件もクリアしやすくて使い勝手が良かったという使い手の話があるんですね。借り手の話があるんです。こういう部分が今回の改正で失われることにならないのだろうかということではどうですか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 経営体育成強化資金でございますので、担い手の育成という意味でのもちろん計画なりそういうものはやるわけでございますが、それは当然の内容でございます。そういう運用面で厳しくなるということではなくて、そういうクリアを当然していただくということは必要かと思います。もちろん、負債資金等々絡みますとその経営診断等も必要になるわけでございますが、そういうものとセットでない場合は経営診断等は課さないということになりますので、その点では変わりはないと思います。
○紙智子君 それからもう一つ、一番困るというのが新規就農者なんですけれども、無利子の就農支援資金は農地取得には使えないわけですね。それで、農地取得資金は新規の就農者でも農地取得のために低利で借りられる唯一の公的な融資だったわけです。今回、経営体育成資金に一本化したら、新規就農者にまで同じ要件でやはり経営診断や融資審査の条件を付けると新規就農者は締め出されることになるんじゃないか。この点はどうですか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 従来、農地等の取得資金につきましては、新規就農者のうち認定就農者につきましては、都道府県知事の認定を受けた認定就農計画に従って農地等の取得を行う場合にあっては、これを貸付けの対象としておりました。 今般、この農地等取得資金を吸収する形で経営体育成強化資金を拡充することにしているわけでございますが、もちろんこの資金を受けるには経営改善資金計画を作成する必要があるわけでございますけれども、認定就農者が農地等の取得を行う場合については、実際上、これまでどおり認定就農計画をもって対応できるようにしたいというふうに考えております。 ただ、先ほども言いましたとおり、融資機関が経営診断を行うということはあるわけですが、これは負債整理を伴わないで前向きな投資のみを行う場合はこれまでも経営診断は不要としておりましたので、新規就農者の場合は通常前向きのものだけでございますので経営診断は不要と、こういうことでございます。 いずれにいたしましても、この農地等取得資金の廃止に伴いまして、新規就農者の農地取得が従来に比べて困難となることのないように配慮はしてまいりたいと思っております。
○紙智子君 先ほどちょっとお答えいただいたのかと思うんですけれども、農地取得資金で、認定就農者については、経営開始時の経済的な負担軽減のために据置期間を三年から五年に延長するという特例措置が取られていた。これは今度のあれで引き継ぐというふうにさっきおっしゃったんでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 認定就農者の据置期間の特例がございますが、これは新しい資金制度でも引き継ぐことにしております。
○紙智子君 分かりました。 では、もう一つ心配な問題ですけれども、法改正後の資金の窓口が一本化されるということですけれども、今、窓口になる農協の実態というのはやはり非常に厳しい状態で、貸し渋りせざるを得ないような状況もある。 実は、私、五月の連休のときに北海道の農協を訪問していろいろ話を聞いたんですけれども、口々に出てきたのは、農業者の組織だからやっぱり頑張っている組合員を何とかして助けたい、しかし国際取引をやる金融機関と同じ検査マニュアルを使って指導されて、不良債権の処理とか経営責任を追及されるということになると、助けたいけれどもこれは判断しなきゃならないという話が出されました。負債整理のために経営体育成強化資金を申請しても門前払いされるということも話としては出ているわけですけれども、多くの農家に農協が離農勧告するような事態になっているわけですね。 窓口一本化になりますと、単に資金の整理ということにとどまらずに、融資対象が経営の拡大が可能な一部の担い手だけに限られて、それ以外の多くの農業者が借りたくても借りられないということになるんじゃないでしょうか。この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) そういう話は我々もよく地元では聞くんですが、しかし今大きな転換期だと思うんです。農協自体もそうですし、組合員一人一人もそうだろうと、こう思います。我々自身も、改革か解体か、それを迫られるような現状認識の下に今回の法案を提出しているわけでございます。 特に、農林水産省の系統金融検査マニュアルは、我が国系統金融システムの安定化を図り、預金者を保護する上で、他の金融機関と同様の基準により検査を実施することがやはり重要だと、このように考えまして、金融庁が作成した金融検査マニュアルとほぼ同一の内容のものとしているところでございます。 仮に、農協系統についてのみ独自のマニュアル、例えば銀行等、他業態と比べて緩やかな基準を作成、適用するということになれば、かえって農協系統の経営の健全性について疑義が生ずるのではないか、信頼性にかかわってくるのではないか、農協系統信用事業全体の信用にも悪影響を及ぼすことも懸念されるわけでありまして、適当ではないと、こう考えております。 しかし、その適用に当たりまして、農協等の各系統金融機関の規模や特性を踏まえまして、機械的、画一的な運用に陥らないよう配意をするということも大変必要でありますので、そういったことも明記しているわけでございまして、実態に即した検査を実施するということにしているわけでございます。
○紙智子君 今お話しされた点は先ほども議論になったことではありますけれども、やはり負債額が本当に大きくなってきている、そういう中で本当に実態は深刻な実態にあるというふうに思うんです。 先日、私は水産四法の問題のときにもこの問題についてやはり検討を求めたわけですけれども、農水省としても、やっぱり実態をよく調べていただいて、そして金融機関と同じ基準で、中身ですね、中身が同じ基準で一般の企業と同じような、そういうことではなくて、やはり本当に実情に合って、一戸一戸の構成している組合員といいますか、農家一戸一戸がやはり元気になってこそ全体が安定していくわけですから、そこに立って検討をするべきだというふうに思いますし、その立場で、今、画一的でなくというふうにおっしゃいましたけれども、その道を作っていただきたいというふうに申し上げたいと思います。 それから次に、農業法人の投資の円滑化に関する特別措置法案について質問いたします。 農業法人の経営が米や野菜など農産物価格の下落によって大変困難を窮めていると、これは多くの方が認めるところですけれども、経営体質強化のために対策が必要だと、これは言うまでもないと思います。しかし、今回の法案が本当にその発展に寄与するものなのかどうかということについては、これは懸念せざるを得ないというふうに思うんですね。 今回の法案は、農水大臣に事業計画の承認を得て農協系統と地方自治体が議決権の過半を有する投資育成株式会社、これは農業生産法人に農地法の出資規制を受けずに出資することができるというふうにしているわけですが、農水省は、当面、JAグループが中心となってこの投資育成株式会社を作って農業法人への出資を行うというふうに説明しているわけですけれども、農協や地方自治体ならば現行法でも、今のこの現行法でも農業生産法人への出資というのは出資制限に縛られることなくできるというふうに思うんですね。ですから、なぜ現行法でもできるのにわざわざこの新たな投資育成株式会社の枠組みが必要になるのかということについてお聞きします。
○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のとおり、現行制度においても農協や地方自治体が農業法人に対して出資を行うことは可能でありますが、日本農業法人協会の実態調査によれば、農協、地方自治体の農業法人に対する出資比率は二%程度なんですね。農協、農協連合会が構成員となっている農業生産法人数も三十三法人、これは平成十二年一月現在でありますが、このように極めて低い状況にあるわけです。 一方で、農業法人の現在の自己資本比率の水準は、認定農業者となっている農業法人の場合でも約一六%でありまして、中小企業の四割程度に比べまして極めて低い状況にあるというようなことから、農業法人の約三分の二が増資の必要性を感じているわけでありまして、資本増強のための本格的な制度の創設についての要望がかねてからございました。 このため、農業法人に対する投資を本格的に推進するために、JAグループが中心になりまして投資育成会社を設立するとともに、農林公庫等が有する農業法人についてのノウハウというものも活用しまして、より効果的かつ積極的な農業法人への出資ができるように考慮をして今回の法案提出に相なったわけでございます。
○紙智子君 この法案では、投資育成株式会社の株式の過半を農協や地方自治体が持てばあとは制限がなく一般企業にも門戸が開放となると、外資であってもこれは可能だということで、最大株主がその法人とは何の関係もない企業ということもあり得るわけですね。 結局、農地法に縛られないで農業生産法人への一般企業の出資を拡大できるようにするということが目的になっているんじゃないでしょうか。違いますか。
○国務大臣(武部勤君) そういうことを積極的に、私は前向きに考えていいのではないかと思いますが、そういうことが目的になっているとは考えておりません、全く。 何度も申し上げますけれども、今非常に大きな転換期にあるわけでありまして、私は農業の分野においても例外ではないと、このように思っておりまして、私もいろんな方々の話を聞きましても、株式会社にしましても三月から四月の間に二十四法人設立されたり、非常に大きな転換期と言うべき兆候もあるわけでございまして、今、委員御指摘のような、他から農業に参入させる、そういうためのものではありませんで、どんどん一千四百兆円の個人金融資産を農村に、農業の分野に、あるいは農業に関するビジネスの分野に私は導入することは結構なことではないかと思いますが、そういうような考えを持っておりません。 力のある、いや、そういうような考えというのは、今、委員が指摘したような、何かこれは民間に農業の分野を開く、門戸を開く、そういうような下心があるんではないのかというようなふうに受け止めましたけれども、全くそうではありません。本当に意欲ある担い手を育てていこうと、意欲と能力のある経営体が躍進できる、そういう農業経営体というものを育てていかなければと、そういう思いでありますことを御理解いただきたいと思います。
○紙智子君 今、そういうのはないというお話をされたんですけれども、これまでの経過の中で、農地法の議論がされたときに、企業による農業生産法人への出資は、その法人と継続的な取引関係にある法人に限って、一法人の出資は議決権の十分の一と、全体で四分の一に制限をしていますよね。これは、法人として唯一農地取得が許される農業生産法人が農外企業によって支配されることを防ぐということがあったと思うんです。 今回の法案によって投資育成株式会社という形を取れば、結局それが抜け道になって農地法の制限なしでどんな企業でも出資が可能になるわけで、農地法を空洞化するものになるんじゃないかと。このような形で適用除外を拡大していけば、農地法は意味を成さなくなってしまうんじゃないかというふうに思うんです。これ以上やはり緩和すべきではないというふうに思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 投資育成会社はどんな形でもできるわけでございますが、今回、農業生産法人への投資を認めております投資育成会社というのは農協系統が過半を占めるということの要件を課しておりまして、先生が御心配するような関係にはならないというふうに法制度上担保しているところでございます。
○紙智子君 これまでの議論の過程でも、例えば平成十二年のときの農地法改正の審議のときにも、歯止めがあるから大丈夫だということの繰り返しをされてきたわけで、今回のものというのはそれをやっぱり更に、何というんでしょうか、規制していた歯止めを外していくことになるんじゃないかというふうに思うんですね。 それで、今回の法案は、企業参入を拡大することで農業法人の資本力を強化しようという中身があるわけですが、そういう方法が法人経営を不安定にすることにならないかという懸念ももう一つ持つんです。 それで、投資育成株式会社に出資した企業が経営不振などを理由にして例えば出資金を引き揚げるというようなことが出てきた場合、農業経営に対する影響というのが出てくるわけで、これをどうやって回避するのか、回避できるのかということも思うわけですけれども、この点、どうですか。
○委員長(常田享詳君) 時間が来ていますので、簡潔にやってください。
○政府参考人(川村秀三郎君) この円滑化法案は、地域農業の担い手となります農業法人の健全な発展を支援するということが目的でございます。そのため、この投資事業を営もうとする投資育成会社は、適正な事業運営を確保するために投資事業に関する事業計画を作成しまして、農林水産大臣の承認を要するということにしております。 この事業計画の中には、出資持分の保有期間、それから持分の処分方法も記載するということになっておりまして、この投資会社が一方的に出資を引き揚げたり、法人経営に深刻な影響が出ることのないように事業計画の的確な審査を行うということにしております。 基本的に、その出資に際しまして、投資育成会社と農業法人が契約を締結しますけれども、自己資本比率が一定割合以上となるとか、あるいは投資から十年程度を経過した場合に、原則としてその地域内の他の農業者あるいは他の法人の構成員に譲渡するということを了解していくという形での運営になろうかと思っております。
○委員長(常田享詳君) 締めくくってください。
○紙智子君 時間がなくなりましたので、あと簡潔に言いますけれども、実際に企業が農業に参入しているという例が幾つかありますよね。そういう中でも、やっぱり必ずしもうまくいっていなくて、実際に北海道の千歳にできた、おさつフロンティアファームというところがあって、非常に、元々は電気機器のメーカーですけれども、実験的な取組で二十億円を積んで、そして大々的にガラスの温室を造ってトマトの、高糖質の生産をするということで、七億ですか、を目指してやったわけだけれども、最初は非常に注目されたわけですけれども、これがうまくいかなかったと。 そうした場合に、例えばこの、これはこの後引き継ぐところが出てきたから良かったんですけれども、しかし、そういう事態が必ずしもやっぱりうまくいかないといったときに、今経営の基盤を体質強化するといったときに、本当に企業の参入ということでもってそれを拡大するということだけに任せていいのかと。もっとやっぱり根本的には、大きくても小さくてもやはり価格が下がってきているということがあるわけで、そういった根本的なところにきちんと的を定めて対策が必要ではないかということを思うものですからこういう質問をさせていただいたわけですけれども、引き続きこれは必要な議論もさせていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本荘太でございます。 本日は、金融二法案と大臣から御報告のございましたBSEの経過が議題になっているようでありますが、皆さん、大体関心の的が変わらないというか同じようなところにあったようでございまして、私の準備しておりました質問も大分重複が多いものですから、その重複は避けてなるべく簡潔にと思いますけれども、一方、そういう状況ですので、通告いたしました質問とちょっとそれた質問になるかもしれませんけれども、その辺は大臣、局長とも、ふだんお考えになっているそのお考えをお聞かせ願えればそれで結構でございますので、よろしくお願いをいたします。 まず、金融二法案の前に私もBSEについてちょっと質問をさせていただきたいんですが、四頭目が発生したこと、それが見付かったということ、これは確かに全頭検査体制が機能していたということに間違いないわけでございまして、私もそのとおりだと思います。 しかし、これ前々から言っていることですけれども、これはいわゆる消費者に対する安全宣言といいますか、消費者はこれで安心しておれるということが実証されたということでございますけれども、やはりもう一つ考えなきゃいけないのは生産者に対する安全宣言。ということは、安全な牛を飼育できると。育てたら、育てて、しっかり育てても、屠場に行ったら殺されちゃうかもしらぬ。これは、そういう状況であれば生産者は安心して飼育できないわけですよね。 その辺をしっかりと生産者に対しましても安全宣言ができる状況にするというのがこの狂牛病問題の最後の解決であると私は思っておりますし、常々そういうことを言わせていただいておりますが、そのためにいろんな調査もされておられると思いますけれども、どうも私、不勉強なのか、あるいは理解が足りないのか、どうも何か感染ルートの解明といいますか、そういう面に集中されておるような格好で、生産者は感染ルートが解明されたら、じゃ生産、何でもいいのかなというような誤解も出てきちゃうというか、状況じゃないかと思うんです。 先ほど来、いろんな委員の先生からお話しされていましたことで、それだけじゃないということは私、分かりました。大変いろんなことをやっておられるというのは分かりましたけれども、これでひとつ局長、生産者に対して、あなた方は、今我々はこうやっているからこういうことで安全になるんですよという、そういう視点から今の調査体制、何をどうやっているのか、一度ちょっと御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 前回も御質問いただきまして、まず一つ、清浄国になるというのは時間が掛かることでございますけれども、私ども、農家の方に対しては、BSEの発生を恐れず安心して営農に取り組んでいただけるようにするという観点から、前回も申し上げました、感染経路の遮断を図る、生産された畜産物が安定的に消費するため安全なものだけが出回るシステムを構築する、三つ目に、万が一BSE感染にかかった場合の対策を講ずると、こういうことが現時点で取り得る対応じゃないかと。 何よりも国民の皆様方の冷静な対応というのを求めたいということでございまして、ひとつ、その感染経路の遮断というのは、BSE発生以降、もう感染源とされている肉骨粉の輸入・使用の禁止等を取っておりますし、屠畜場におけるBSE全頭検査体制ということで、対消費者に対して安全で安心なものしか食卓に行かない体制を講じているということでございます。そして、万が一BSEが発生した場合の経営の支援策といたしまして、BSE対策酪農互助システムということを四月から実施をしているということでございます。
○岩本荘太君 僕は、いや、確かに当面は局長の言われるとおりだと思いますよ。しかし、今、じゃ、この牛を育てたらBSEに絶対かからないと言えるんですか。僕はそれを心配しているんですよ。当面はこれでしようがないかもしらぬ。しかし、生産者が恐れているのはそれなんですよ。だから今は、局長も御存じのとおり、畜産経営というのは物すごい設備投資が要りますよ。今の人は、こういう状況になったらすぐにやめるわけにいかないから続けるでしょう。しかし、こういう状況が続いて、じゃ後継者が新規設備投資するかと、私はそれを心配しているんですよ。そのためにどういう方向に持っていっているのか、農林省はどういう努力をされているのかと、そういうことをしっかりと生産者にPRしてもらわなきゃいかぬ。その点、どうですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 来年からはもう絶対に出ないようになるんだというのは、なかなか先生も御存じのように難しいところでございまして、感染源とされている肉用牛の給与を止めて何年か掛かるというようなことがございますので、当面は、そのBSEの発生を恐れず営農に取り組めるような環境づくりという観点からしか私ども対策のしようがないわけでございますので、このところは御理解を。
○国務大臣(武部勤君) 生産局長、しようがないなんと言ったら、これは政治家はそれでは済まないんですね。先生は分かってお話ししているんだと思うんですけれども、であればこそ感染源、感染ルートというのを早く特定したいんですね。三頭目と四頭目、四頭目出て共通点があると。したがって、その共通項目に着目して検査すると。しかし、それだけじゃない、予断を持ってやっちゃいけないと。この間来、いろいろ御議論がありまして、イタリア肉骨粉の問題でありますとか、言わばその肉骨粉等の混入の可能性の問題だって否定できないわけですから、そういったことを究明していくということも申し上げているわけです。 それから、互助制度とか地域対策ということは、生産者からすれば、感染源、感染ルートが分かったら、自分のところの牛はいつの牛だ、いつ生まれた牛だ、何を食べさせていると、そういうのが分かってきますから、そうでないというものは、それとは違うということであれば安心感というのは増していくと思うんです。しかし、その後、全頭検査になりまして、それから肉骨粉の輸入、製造、出荷も禁止しまして、去年の十月四日以降生まれた牛というのは少なくともBSEに感染している確率はゼロに近いと、こう思うんですね。 互助制度というのは、もう万が一起こったときにはすぐ再開できるんだ、立ち上がれるんだと。ですから、これは大ざっぱに言いまして、私の北海道では、武部さん、一頭百万だなと、こう言うんですよ、私、ちょっと答えに困るんですけれどもね。それは、五分の四の補てん金、これが四十万、それから今、互助システムで考えているのは五十万、それから経営再開維持資金で十万、それで大体百万だろうと言われると、ちょっと困るところは、正確に言いますと、五十万というやつは代替牛を購入するときの金、満額出すという話なものですから、それを五十万として計算しているわけです。それより安い場合もありますし、場合によっては高い場合もあるかもしれません。 そういうようなことで、少なくとも北海道では廃用牛の出荷、もうどんどん並んでいるぐらいでした。ですから、廃用牛の出荷も、全国的なベースでいいますと、四月はもう二千頭、五万八千頭が五万六千頭になっています。ですから、二千頭ですね、もう滞留が、今出荷するものにプラス今まで滞留していたのが出荷されているということでございまして、先生が御指摘のように、そういったことを生産者に分かりやすく、今局長のように、いや、そう言ってもしようがないんだということじゃなくて、事実を事実としてきちっと伝えていくことによって、一つの政策、対策では完全にできないと思います、しかし、一、二、三、四、五、六、七、八、九、十というようなことを併せて見ていただくと、農林水産省もやれるだけのことはやっているな、国もやっているなと。それで、地域は地域で、県も、県段階もやっていると思います。それから、その地域もやっていると思います。その連携をしっかりやっていかなくちゃいけないなと、このように思っているわけでございます。
○岩本荘太君 是非局長にも分かってもらいたいんですけれども、要するに、前にも答えましたとおりというのが私、非常に心外であったわけですよ。前も理解されていなかったと私は思うんですけれども。 要するに、局長が言われているそういうことで今、酪農家なり畜産農家はやっているんですよ。しかし、これだったら、将来を見越したら、このままだったら酪農家も、酪農業も畜産業もなくなっちゃいますよという心配をして申し上げているわけですよ。事実、言い過ぎかもしれませんけれども、BSEにしたって見通しがちょっと甘かったわけでしょう。だから、そういう先々を読んで行政がきちっとやってもらわなきゃ困るということなんです。 それで、そうは言いながら、先ほど、今日いろいろお話を聞いていた中で、非常にいろんなことをやっていただいているのは分かります。先ほど、要するに私も、もし、例えば病気が根絶できなければ、生体のまま検査できればこれは非常にいいと思っていたら、そういうことを研究されていると。それから、大臣も言っておられた、今、四例を見ますと、乳用牛ですよね、出ているのが。肉用牛と乳用牛と差があるんじゃないかという一つの視点もあるわけですよね。それから、去年生まれた牛は大丈夫だと、大丈夫かもしらぬと。そうすると、この先何年たてば恐らく大丈夫だろうという、そういう研究といいますか、そういうことも必要だと僕は思うんですよね。そういうことを含めて、生産者に対して局長、何らかの方法でPRといいますか、情報公開をしてもらいたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 昨年の十月以来、感染源と目される肉骨粉の給与というのは完全に禁止になっているわけでございまして、これが、現在の牛が一新するということになれば完全に生産段階でも安全な体制ができるわけでございますけれども、それまでも、先ほど申し上げました発生地域対策だとか互助システムだとか、私ども、生前診断法の開発もしております。 そういうような体制にありますので、これ、先生言われましたように、畜産農家によく分かるように情報の伝達というものに心掛けたいというふうに思っております。
○岩本荘太君 是非、そういうことによって生産者の理解を得ていただきたいと私は思うんですけれども、ちょっと今気になりましたのは、一回転すれば大丈夫ですか、絶対。それも大丈夫なんじゃないんでしょう。これは私、一番最初に視察に行ったときに聞いたんですよ、試験場に行って。
○国務大臣(武部勤君) 垂直感染があるわけです。
○岩本荘太君 そうですね。生まれたとき、生まれた牛をそれから肉骨粉を使わずに育てたら大丈夫ですかと言ったら、そんなことも言えないと言っているわけですよ。その辺が、だからいいから加減に言わないでください、みんな分かっているんですから。その辺をよろしく、局長も大変でしょうけれども、頑張っていただきたいと思っております。 もう一つ、このBSEにつきまして、これも前に一回質問したんですが、いわゆる生産者価格と消費者価格の問題です。 前回、三月に私はこれ、この委員会でもやりましたし、予算委員会でもたしかやらせていただきましたけれども、その当時から比べると、昨日資料をいただきました、ちょっと回復しているかなというような感じがいたします。当時からですけれども、いわゆる和牛ですね、去勢和牛については、差があるとはいえ、大体生産者、枝肉価格の方が去年の八月から比べて大体九掛けぐらいで、生産者は九五プラスマイナスですかね、そんな感じがずっと続いておりますから、まあこれはこのぐらいかなというような感じがいたしますけれども、ほかの乳用種の去勢あるいは交雑種の去勢は、たしか私が前回質問したときは三〇、四〇だったような気がいたします。それが四五、五五に今なっているという数字をいただきました。 これは、農林省の指導が功を奏したとも言えるかもしれませんけれども、まだ足りないんじゃないかというような見方もできると思うんですけれども、この辺について農林省の御認識はどんなものでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 前回、御指摘をいただきまして、卸と小売が連動していないんじゃないかという御指摘をいただきまして、私ども、その後、四月の初めに量販店の方、小売業の方、Aコープ等々に聞き取り調査を行ったわけでございます。 その統計にはなかなか表しにくいことでございますけれども、小売業においてはその価格を下げないという方針の店もありましたけれども、例えば量販店では特売日を設けまして、通常の特売より価格を引き下げる。BSE発生前が二割、三割引きであったのを四割、五割引きにするでございますとか、あるいはその特売自身をタイムサービスあるいは土、日での実施というようなことでかなり下げているところがございまして、こういうようなことも奏功をして消費の拡大につながっているのではないかというふうに思っているところでございます。 この中でやはり下げていないのは、和牛専門のところでは小売価格は下げていない。それは銘柄牛の仕入価格がむしろ上がっているというようなこともございましたけれども、総じて特売等で努力をしているということが見受けられました。
○岩本荘太君 どうも局長には私の質問理解していただいていないんじゃないかと思うんですけれども、小売の価格が下がるとか需要が伸びるとか、今私が質問しているのはそれじゃないんですよ。 要するに、生産者が、こういうBSEという病気の発生によって消費者もいろいろと危機感を持ったと、そういう中で生産者の価格だけを抑えてそれで消費者の価格の方は元と変わらないという、これはBSE発病に対する負担を生産者だけが負っているんじゃないかと、こういうことで本当にいいんですかということを私は伺っているんですけれども、その辺どうなんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) したがいまして、先生のその御指摘を受けて聞き取り調査をしたわけでございます。多くの店舗において特販価格の引下げ率の拡大でございますとか特販の割合の増大が見られまして、実態上の小売価格はかなり下がっているというふうに、私ども、聞き取りの結果判断をしたところでございます。 それじゃ、何も農林省としてはしなかったのかというお話でございますけれども、やはり小売段階で行います消費拡大キャンペーン等に対する支援を通じまして、できる限り消費者の牛肉購買意欲の喚起を図るということで、より安い価格での販売が可能となる環境づくりというのに努めておるところでございまして、最近、その消費の回復が見られるというのは、こういうような双方の努力が相まった結果ではないかというふうに思っているところでございます。
○岩本荘太君 僕は、消費拡大は、今回のBSE牛問題、BSE牛に対して生産者に対する最大の対策だ、当面のですね、と思っていますから、それをよもやおろそかにするつもりはないんですけれども、今、だって局長、あれじゃないですか、大売りして値段が下がっているはずだって、私、これ畜産部からいただいたんですよ、この今言っている数字は。それ言った方がいいですか。いや、私はそれ行っていると思うんですけれども。要するに、私がこの前質問したときとほとんど変わっていないですよね。まあこれはいいんですけれども、ちょっとやっぱりこういう問題、いいんですけれどもというわけじゃないんですけれども。 要するに、大臣も前回、よく調べて、それでほかの省との関係もあるかもしらぬからその辺も踏まえてと言っておられましたけれども、私は、こういう対策の一つの、生産者に対する納得といいますか、そういうものはこういう、お互いに平等に分かち合おうということじゃないかと思うんですけれども、その辺について、この問題について、大変、前回三月にもして失礼なんですけれども、もう一度お気持ちをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) BSE発生時と比較しまして、遠藤副大臣のところの米沢牛などは、もう発生時よりもはるかに高い値段になっているんだそうです。飛騨牛もそうでしょうし。これは偽装表示を取り締まるというようなことの影響もあるかもしれませんが、松阪牛がえらい少なく、量が減っていると。減っているということは、需要と供給の関係で値段が上がるというような現象も出ているんだろうと思うんです。 いいものは、先生も御案内のとおり、卸売価格ももうすごく高くなっております。下の価格は、確かに卸売価格は安いと。しかし、焼き肉屋さんへ行っても肉屋さんに行ってもそんなに変わっていないと、デパートへ行ってもという、そういう評価もあります。しかし、実態をいろいろと聞き取りしますと、仕入価格が下がっている、総じて、これも間違いのない事実のようです。だから、上がっているのもあれば下がっているのもあるし、下がっていない、上がっていないのもあるという、そういうばらつきがあります。私の行った焼き肉屋さんに行きますと、もう最初から頑張って、小売価格は、正札は変えないんだと、なぜだと言ったら、上げるの大変だからその代わりワインを一本付けているんだと、こういう話でした。 ですから、いろんなところがあるんだろうと思いますが、やはり今、先生御指摘のように、消費の回復がすべての解決につながるわけでございますので、今後そのことについて最大限努力したいと思っておりまして、省令価格も三月の末は三百九十円だったのが四月中ごろでは九百五十円まで上がりましたから、今ちょっと七百円台でありますけれども。 そういうようなことで、少しずつ発生時以前に消費価格も卸売価格も接近してきているんじゃないかという認識でございまして、その点についても情報公開を徹底する必要があると、このように認識しております。
○岩本荘太君 どうもありがとうございました。 金融二法の方の質問が、時間がなくなりますのでそちらに移させてもらいますけれども。 まあこれ、皆さんいろんな質問をされまして大体理解したつもりではおるんですけれども、一つ、先ほどもこれちょっと質問がありました。加治屋先生ですかね、質問がありましたけれども、要するに、分かりやすく使いやすいですか。これ皮肉な言い方しますと、今までのが分かりにくくて使いにくかったということになるわけですよね。それは農林省としては、どういう反省でこういうこの改正案、今までの制度だと需要が減ってきたのか、実態とそぐわなくなってきたのか。その辺、局長、ひとつお願いします。
○政府参考人(川村秀三郎君) 今の御指摘でございますが、従来の制度資金でございます。資金種類ごとに借りられる農業者の範囲が異なっておったり、それから資金の使途が異なっているために、借りる側に立ちますと、なかなかどういう資金を借りられるかよく分からないというのがございました。また、特に農業改良資金については、国の方でこういう技術に対応する資金しか認めないといったようにかなり限定を加えておりましたし、それから保証の対象にもならなかったわけです、機関保証の。そういうこともありましてなかなか借りにくいという問題点がありまして、これは我々も反省をしているところでございます。 そういう反省に立ちまして、今回の農業資金融通法案でございますけれども、近代化資金につきましては、やっぱり運転資金の需要もあるものですから、運転資金の中でも特に借地料等の一括前払等の長期運転資金、こういうものをニーズにこたえて拡充をしたというのが一つありますし、また経営体育成強化資金、これは負債整理と前向きと両方セットでも借りられるという非常にニーズが高まってきたやつでございまして、今までは土地利用型しか認めていなかったので需要が限定されていたわけですけれども、それを全農業種目に広げることで需要も拡大するということもございます。 また、改良資金、先ほど言いましたように、もうこれとこれだけというふうにこちらが決め込んでおったのを、農業者の創意工夫で、こういうことにチャレンジすると、新作物を入れるとか、加工でやるとか、そういったものに対して幅広く応援をしていくという形にしましたし、転貸方式によって機関保証もできるということにしました。 そしてまた、手続面でも、これは法そのものではないんですけれども、融資手続におきましてもなかなか分かりにくいと。いろんな書類を書かされて、どこがチェックポイントなのか分からないということがあったものですから、様式をまず統一しようと。そして、自分が書き込みますと、こことここを金融機関が見て、ここがいいとか悪いとかというチェックがされるということで、ああ自分の経営がこういうところが悪いんだなということも、農業者にある意味で情報開示を自動的にやるといったようなこともやらなくちゃいけないだろうなということも考えておりますし、先ほど来も議論になりましたけれども、これまでのように各融資機関がばらばらにやるんではなくて、その相互の連携をできるだけ緊密にやってもらおうということで、ルール化というかマニュアルも作って末端の担当者まで浸透させていきたいと、こういった改善をしたいということでございます。
○岩本荘太君 今のお話の最後の部分にあったと思うんですけれども、要するに幾らいい制度があっても、よく聞きますのは、行ってみたらいろんな障害があって駄目だったとか、あるいはそういういい制度があったのかということが分からなかったとか、やっぱり新しい制度を作ったら、特に金融なんというのは分かりづらいでしょうから、十分生産者の方々に分かるような手段を講じていただきたい、そういう面のPRといいますか、それについてはどんなふうに考えておられますか。
○政府参考人(川村秀三郎君) 正に岩本先生おっしゃったとおりでございまして、我々も運用面の、正に浸透といいますか、PR、これが本当にこの制度改正の決め手になると思っておりますので、そこのところは力を入れて取り組んでいきたいと思っております。
○岩本荘太君 まだ通告した部分が残りましたけれども、ちょっと時間が参りましたので、またの機会にさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○中村敦夫君 牛肉の買上げ制度について質問します。 主に生産局長、大変でしょうけれどもずっとお願いします。 先日の報道によりますと、国がBSE対策事業で買い上げた国産牛肉約一万二千三百トンのうち、半数近い約六千トンの品種が判明していないということなんですね。この件について、農水省はこの事実をいつどうやって知ったのか、これまでの経緯を簡単に説明してください。
○政府参考人(須賀田菊仁君) もう先生御存じのように、処分事業に先立つ保管事業というのがあったわけでございます。この保管事業は、売り戻しということを前提とする保管だったということと、国産牛肉であるということを要件として、その旨を在庫証明書で確認するということとしておったわけでございまして、そういうこともございまして、在庫証明に品種とか性別を明記せずに、単に国産牛肉などと記載することが一般的に行われていたという経緯があるわけでございます。 その後、二頭目、三頭目の感染牛が発見されまして、与野党を始めとして各方面の強い要請を踏まえまして、国の責任において処分事業を実施するということになったわけでございまして、その際、品種別、性別を在庫証明で確認し、それに応じて評価額を決定することとしたわけでございますけれども、品種等が記載されていないものについてどのような評価額を適用するかということが検討課題にされたわけでございます。 このようなものについては、それぞれの団体は比較的同質な事業者の集まりであって、団体ごとに見て全体的な品種や性別の構成には一定の傾向があるんではないかというふうに考えられていたことと、他方、与野党を問わず在庫牛肉の早期処分が強く求められていた中で、在庫証明書の再提出を求めるということは処分の遅れとか行政コストの増大につながるおそれがあるということで、そういうことを総合的に勘案をいたしまして、各団体ごとに品種や性別が明らかとなっているものから求めた総加重平均単価を用いて評価額を決定することとしたところでございます。 この評価額の具体的な決定方法は三月七日に農畜産業振興事業団が通知したところでございますけれども、この時点では具体的な数量は把握できなかったわけでございます。その後、この通知を受けて、三月十五日に各団体から処分事業の補助金交付申請が農畜産業振興事業団に提出されまして、これを集計したところ、品種別、性別の区分が不明なものが五千九百五十八トンあるということが判明した、これが一連の経緯でございます。
○中村敦夫君 では、この事実を知ったのは三月十五日ということで了解しますが、農林水産省は、品種不明の牛肉について、現在実施中の全箱検査で種別の特定を進めているというふうに聞いております。しかし、肉だけ見て、雄和牛と去勢和牛の違いとか雌和牛と去勢和牛の違い、あるいは和牛と乳用牛の違い、雄乳用牛と雌乳用牛の違い、こうしたことは本当にこれ分かるんでしょうかね。分からないとすれば、どういうふうにしてこの種別の特定を進めるんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 保管事業によって市場から隔離された牛肉については、四月二十五日から全箱・全量検品を行っているわけでございまして、全部の箱を開封をいたしまして、その箱の外側や真空パックの表面に表示されている牛肉の品種等をチェック用紙に書き写しまして、それと中身が合致しているかどうかをできるだけ目視により確認するという作業を進めているわけでございます。 このような方法によりまして、在庫証明からだけでは品種の区分けができないものについて、単に目視だけじゃなくて、そういう外箱だとか真空パック表面の表示によりできる限り確認を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
○中村敦夫君 肉を見分ける達人というのは確かにいると思うんです。だけれども、日本に本当に一人か二人しかいないと思いますよ。だから、目視でこれだけの違いが分かるとは到底思えないわけです。 そうすると、どうしても箱の表示だと今言ったように言いますけれども、ここまでのいろいろな事件の経過から見て、こういう表示そのものがこの業界の道徳の崩壊ぶりから見ると信用できないと。 ですから、本当にこれが確かかどうか、やっぱり自信はないでしょう。どうでしょう。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私どもも事業を進めておりますので、そうは言いましてもできるだけ、全量・全箱検品というのはそのためにやっておりますので、できるだけ特定したいというふうに思っておりますけれども、どうしてもという部分は、やはり先ほど言いました総加重平均単価を用いまして評価額を決定するということとしたいというふうに思っております。
○中村敦夫君 牛肉の品種が明らかになっている分について、品種別にそれぞれ何トンあるのか、また買上げの平均価格が幾らなのか明らかにしていただきたいんですけれども。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 団体ごとでようございますか。
○中村敦夫君 はい。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 各団体ごとに品種別に明らかになっている数量を和牛と乳用種に二分して見ますと、まず全国農業協同組合連合会、いわゆる全農でございます、約二千六百トンのうち、和牛が約六百十トン、二三%でございます、乳用種が千四百六十トン、五六%でございます。それから次に、全国畜産農業協同組合連合会、全畜連でございますけれども、約百十トンのうち、和牛が約十トン、一一%でございまして、乳用種が〇・三トン、〇・三%でございます。次に、全国開拓農業協同組合連合会、全開連でございますが、約二百トンのうち、和牛が二トン、一%でございまして、乳用種が約二百トン、九九%でございます。次に、日本ハム・ソーセージ工業協同組合、いわゆるハム・ソーでございますが、約三千百四十トンのうち、和牛が約五百五十トン、一七%、乳用種が九百七十トン、三一%でございます。次に、全国食肉事業協同組合連合会、全肉連でございますけれども、約六千二百トンのうち、和牛が千五百九十トン、二六%、乳用種が約九百六十トン、一六%でございます。最後に、全国酪農業協同組合連合会、全酪連でございますが、約百二十トンのうち、和牛が一トン、〇・七%、乳用種が約三十トン、二七%でございます。 この品種別に明らかになっている数量と品種、性別ごとの単価から求めました総加重平均により、この処分事業におきます各団体の平均評価額を算出いたしますと、これ上限は千五百五十四円、平均単価にしておりますので、全農が千二百五十四円、それから全国畜産農業協同組合が千五百五十四円、全国開拓農業協同組合連合会が千百五十四円、日本ハム・ソーセージ工業協同組合が千二百六十五円、全肉連が千五百四円、全国酪農業協同組合連合会、全酪連が八百三十四円と、このような単価でございます。
○中村敦夫君 それでは次に、牛肉の品種不明分について、業界団体別のトン数を教えてほしいんですが。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 事業実施別の品種区分の不明なものの数量でございます。 各団体ごとに品種別に明らかになっていない数量は、まず全農でございます、全体約二千六百トンのうちの約五百三十トン、二割、二〇%でございます。全畜連では、約百十トンのうちの百トン、八八%でございます。全開連は、約二百トンすべて判明をしております。日本ハム・ソーセージ工業協同組合、約三千百四十トンのうちの約千六百二十トン、五二%。全肉連では、約六千二百トンのうち約三千六百二十トンでございまして、約六割でございます。全酪連では、約百二十トンのうちの約九十トン、七割でございまして、全体で約半数ということでございます。
○中村敦夫君 去年の秋に実施された当初の保管制度では、業界団体の買い上げた牛肉について、消費が回復したら食肉会社に買い戻させる仕組みであったという、そのために申請時に種別の記載を求めなかったというふうに聞いておりますけれども。一方、その品種ごとの買上げ価格を決めたのは今年の三月なわけですね。なぜ、申請時に品種ごとの記載を求めなかったにもかかわらず、後になって品種ごとの買上げ価格を決めたのか、その理由を知りたいんですが。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、保管事業から買上げ・焼却の事業に変えたわけでございます。そして、この買上げ・焼却の事業は、検品をしながら、チェックしながら、お金を交付をしていくというふうにしていたわけでございます。先ほど申し上げましたように、大体千五百五十四円というBSE発生前一年間の平均価格が均質にあるのではないかというようなこともございまして、千五百五十四円以内ということにしたわけでございますけれども、検品を進めていく過程で、やっぱり団体ごとに品種、性別による構成が違うということでございまして、この検品体制の進展とお金の交付する時期を勘案しながら、三月時点できちっとした対応をしたということでございます。
○中村敦夫君 やっぱりその説明は非常に分かりにくいんですよね。 これまで何度も私はしつこく追及しておるわけですけれども、再設定した買上げ価格は、業界団体と業者間で決めた当初の価格よりも大幅に上回っているんですね。さらに、毎度のことのように牛肉買上げに関する様々な疑惑や事件がどんどん出てきているわけですね。そうしますと、結局のところ、ほとんどの人が疑念を持っているとおりに、とにかくこれを決める際に業界団体に差益が出るように価格を見直す、そういう目的で買上げ価格というのがやっぱり再設定されたというふうにほとんどの人が考えるんですけれども、どうでしょう。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生御存じのように、この買上げ・焼却の段階では、その一年前の十の中央卸売市場の平均的な価格ということで設定をすると。それは適正な価格で買い上げるんですから、それまでのように保管の金利とかそんなのを積算するような仮の価格ではないわけでございますので、そういうことで、千五百五十四円を上限とする、平均を上限とするということを決めさせていただきまして、品種別、性別、団体ごとに適正な価格を決める、そしてちゃんと事業実施主体が買入れ先にお金を払ったということを確認をする書類を確認してからお金を払うということにしておりますので、そこのところは、団体に差益が生ずるとかそういうことは絶対にないようにしておるところでございます。
○中村敦夫君 これは国民的な不幸な事件ですよね。大変な悲劇だと思いますね。しかし、こういう悲劇を利用して業界が雪印のようなことをやったし、雪印だけではないということももうほとんど確実なわけですね。さらに、今度は買上げに際してやはりだれが見ても差益が出るようなそういう数字が出てきているということは、かなりもう道義的におかしいというふうに感じざるを得ないんですけれども、これはどうでしょうね、農水大臣、もうお役人レベルでは今の答えぐらいしか出ないんですけれども、政治家としてどうでしょう、大臣はどんな感想をお持ちですか。
○国務大臣(武部勤君) この事業は、当初は、十七日以前の牛肉を念には念を入れて急いで保管しなくちゃいけない、隔離するという必要に迫られていたわけでございます。しかし、これは八か月予算措置していまして、ヨーロッパの例を考えましても、大体元の消費に戻るあるいは値段に戻るというのに要するのは八か月なんですね、ヨーロッパの経験ですと。ですから、当初は、全くこれを焼却処分にするなどということは考えておりませんでした。少なくとも農林水産省はそういう考えはありませんで、早くこれを集めるということでないと消費者の不安は増すばかりなものですから、したがいまして、最初の事業は、これは買戻し特約というものを付けまして、買い上げた値段で返すというようなことにしたものですから、また、これは市場に流通させるという前提でありましたものですから、それに対する要綱といいますか要領が厳密になされていなかったということは否めないと、私はかように思います。 しかし、二頭目、三頭目が出まして、与野党挙げて早く焼却せよということで、私はもう本当につらい思いで決断をしたわけでございますが、事業が保管事業と処分事業と違うわけでございます。本当は、保管事業は保管事業でいったんそこで区切りを付けて、そしてそこでまた買戻しをして、そしてまた買い上げて処分事業に移さなきゃならない性格のものだと、かように思います。 結果的に今、国民の皆さん方の間にもいろいろな御批判、疑念が、特に偽装表示、雪印の事件を契機に広がってまいりました。私も厳しく事務当局に申したことは、納税者意識という考え方に立ってやらなくちゃ駄目だと。もっと厳密にきちっと対応しなきゃ駄目じゃないか。しかし、それはもう既に始まっている、過ぎている事業でございまして、でき得る限り全箱検品というようなこともやるんだから厳格に対応するように指示をしたところでございまして、このことは、本当に今までの農水省の体質、あるいはあえて申し上げますと畜産業界の体質ということにも私は言えるのではないかと。あるいは、我が国の流通業界の体質ということまで私は言及すべき問題だと、このように考えておりまして、私ども、そういった反省を踏まえて厳正に対処をしつつ、こういった問題も、BSE問題対策を進めていくだけじゃなくて、今度のBSEで、なおかつこの牛肉の保管事業、隔離事業、処分事業というものを通じて偽装表示の問題等も出てまいりましたので、ピンチをチャンスに、あるいは災い転じて福となすというようなことで今鋭意指導している所存でございまして、このことは国民の皆さん方に対しましても当初私は心からおわびを申し上げた所存でございますが、二度とこういうことがないように対処してまいりたいと、反省の気持ちを込めて申し上げたいと思います。
○中村敦夫君 いろんな体質のせいだという中で、ある種の政治家の体質だけが抜けていたんで、ちょっと不公平だなというふうには……
○国務大臣(武部勤君) それは私のことも含めてですか。
○中村敦夫君 いやいや、そうじゃないですよ、この価格の問題に関しましてね。 それでは、大臣は常々、牛肉の買上げ制度について、すべてオープンにすると答弁されています。そうした大臣の姿勢には敬意を払いたいと思いますけれども、しかし、どの業者からどれだけの牛肉を買い取ることになるのかという点について、一部の業界団体については依然として明らかになっていないんですよ。これは、はっきり申し上げますと全国食肉事業協同組合連合会、通称全肉連なんですね。この全肉連だけが買上げ先について、都道府県連合会単位でしか示していないと。個別企業ごとの買上げ量が不明のままになっていますね。私は、なぜだと。これを三月二十六日に農水省の国会連絡室を通して明らかにするように資料提出を求めているんですけれども、いまだに提出されていないというわけなんですよね。 それで、大臣は国会で、各食肉業者名についても明らかにするというふうに明言されているわけで、ほかの業界五団体は末端業者まで明らかにしているんですね。ですから、ここだけいつまでたっても伏せていくというのはおかしいわけなんですね。ですから、これはお願いという意味もあって、まだ、二か月も資料が提出されていないので、大臣の判断を求めたいと思いますが。
○国務大臣(武部勤君) 私は、すべてオープンにすべきだと、原則公表ということで事務当局には指示をしているわけでございますが、同時に、忘れてはならないことは、やっぱり同意、今言いましたように同意ということも必要なんだろうと思います。何か今ちょっと事務当局に聞きましたら、この全肉連の関係は一万人ぐらい対象者がいるということでございますが、可能な限りやはり同様に調べて公表できるように努力したいと、このように思います。
○中村敦夫君 これは、努力したいとかしたくないとかいう問題じゃなくて、税金の流れですし、別に不正がなければ出してもおかしくない。ただ、それが時間の問題であるというのであれば、それは待ちますけれども、出す気がないのであればちょっと困るという話なんですよ。
○国務大臣(武部勤君) これはお金払うわけですから、ですから相手側も、一万人といえども、多少時間は掛かるかもしれませんが、私は明らかになってくるだろうと、このように思いまして、それが基本的な姿勢でございます。 ただ、また一言付け加えますと、名前が出るだけで企業が参ってしまうというところもございます。この辺のところは、どういうふうに出していくかということも十分注意を払いながら原理原則にのっとってやっていきたいと、このように思っております。そのことは御理解いただきたいと思います。
○中村敦夫君 それはちょっと変な話で、ほかの五団体が全部末端まで出しているわけで、だれも不都合がないわけですから、ここが隠し続ければ、逆に何かがあるんじゃないかという疑いがどんどん深くなるということなんです。生産局長、どうですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) ほかの団体は会員が、例えばハム・ソーだと普通の企業が会員でございますので、数も少ないですし同意も取りやすかったわけでございます。今、先生おっしゃられたのは、会員の更にその下でございまして、小さな食肉の販売業の方もおられますので、今、会員の方にその先の同意手続というものを進めてもらっているわけでございます。 大臣が答弁申し上げましたように、ちょっと時間が掛かっているところでございますけれども、いずれにしても、お金が行くのはちゃんと発表できるようにしたいというふうに考えております。
○中村敦夫君 質問を終わります。 ─────────────
○委員長(常田享詳君) この際、委員の異動について御報告いたします。 榛葉賀津也君及び市田忠義君が委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子君及び畑野君枝君が選任されました。 ─────────────
○委員長(常田享詳君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律案並びに農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法案に反対の討論を行います。 本法案は、制度金融からの資金融通を大規模法人を中心とした一部の意欲と能力のある経営体に集中させ、農業改善改革推進のための経営政策に沿って、育成すべき経営体以外の農家を制度金融の枠組みから除外しようとする措置であり、賛成できません。 反対の理由の第一は、農業近代化資金助成法の一部改正の内容が、特にスーパーL資金の縮小方向を示していることです。これは、新政策以来の農業政策の破綻によって、多大な負債に苦しむ認定農業者への施策の縮小につながるという点で問題です。 第二の理由は、農林漁業金融公庫法の一部改正で、認定農業者以外の農業者が使える資金である農地等取得資金と農業構造改善事業推進資金を廃止し、本来、負債整理資金として創設したために貸出し要件が厳しくなっている経営体育成強化資金に一本化することで、認定農業者以外の農業者を公庫資金の枠組みから締め出すという点です。 第三の理由は、農業改良資金助成法の一部改正で、法律の目的から、農家生活の改善、特定の地域への対策、青年農業者への育成の助長などの規定を削除し、他の制度金融と横並びの資金に改変する点です。農業改良資金は、中小農業者や女性農業者を含む広範な農家に使われてきた資金であり、これを高リスク農業へチャレンジするための資金に位置付けを変え、担い手集中型の資金に改変することは、農業改良資金からの国の撤退方向を示すものであり、特に青年農業者育成確保資金の廃止は、日本農業にとって当面の重要課題である青年後継者育成対策を後退させるものです。今必要なのは、青年農業者等の後継者が安心して資金融通が受けられるような要件緩和や償還免除、就農時の資金給付など資金対策の充実であり、今回の法改正は、過疎化、高齢化が進み、深刻な後継者不足を抱える情勢下で許されない措置です。 次に、農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法案についてです。 第一に、本法案は、投資育成株式会社を創設すれば、農地法の出資制限の制約を受けずに農外企業が農業生産法人に出資することを可能にするものです。農地法は、あくまで耕作者主義に立ち、唯一農地の所有が許される法人である農業生産法人が農外企業等に支配権を握られることを防止するため、農業関係者以外の出資に量的制限を掛けています。 本法は、農外資本による農業生産法人の経営支配に対する唯一の歯止め策である出資制限を骨抜きにするものであり、農外企業による法人経営のコントロールを可能にするものです。さきの農地法改正で農業生産法人の要件は大きく緩和されており、これ以上緩和することは許されません。 第二に、本法案は、どのような企業でも投資育成株式会社を設立すれば農事組合法人の組合員になり、出資総額の二分の一まで出資できるようにするものです。これは、投資育成株式会社が資金面から農事組合法人の運営を握り、経営を支配することが可能になるものです。 米、野菜を始めとする農産物価格の下落が続く中で、農業所得は減少し、農業法人の経営が困難を窮めており、その経営体質の強化のための対策が必要であることは言うまでもありません。しかし、そのために農外資本によって法人運営が支配されることがあってはならず、本法にはその保障がありません。農業法人の安定的な発展のために、農産物価格引下げ、農業所得の減少をもたらした農政の転換を求めて、反対討論を終わります。
○委員長(常田享詳君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより両案の採決に入ります。 まず、農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(常田享詳君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、田中君から発言を求められておりますので、これを許します。田中直紀君。
○田中直紀君 私は、ただいま可決されました農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派並びに各派に属しない中村敦夫君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 農業を取り巻く諸情勢が大きく変化する中で、農業経営に関連する諸施策を抜本的に見直し、その強力な推進を図ることが重要な課題となっている。 よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に努め、制度資金を通じた農業経営の改善に万全を期すべきである。 一 今回の各種制度資金の見直しと融資手続の改善に当たっては、担い手向けにわかりやすく使いやすい資金制度とするという制度改正の趣旨が十分生かせるよう、最近における農業者の経営環境の悪化に対し十分配意するとともに、申請者の自主性の尊重及びその経営実態を踏まえた的確な融資に留意すること。 また、各種制度資金の融資を受けた者に対しては、着実な経営改善が図られるよう、農業改良普及センター等の指導に万全を期すること。 二 各種制度資金の融資枠については、担い手の資金需要の動向等を踏まえ、適切な水準とすること。 三 農業改良資金について、高リスク農業へチャレンジするための資金へと抜本的に改めることにかんがみ、従前、農業改良資金が担ってきた農家生活方式の改善、青年農業者等の育成については、農村現場の実情等を踏まえ、今後とも適切な措置を講ずること。 四 農業信用基金協会の保証については、制度資金の円滑な融通に資するよう、制度の充実に努めること。 五 制度資金の運営に重要な役割を果たす農協系統については、担い手のニーズに的確に対応し、地域農業の振興に積極的な役割を果たすため、生産資材コストの抜本的引下げ、適切な表示を前提とする農産物販売力の強化など、生産者及び消費者の信頼を高められるよう事業・組織の改革を強力に実行すること。 六 農林漁業金融公庫の在り方の検討に当たっては、その機能及び役割を損なうことのないよう政府系金融機関全体の在り方を議論する中で、しかるべき時期に改革の方向性を明らかにすること。 なお、その際、農業者の資金環境に支障をきたさないよう配慮すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(常田享詳君) ただいま田中君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(常田享詳君) 全会一致と認めます。よって、田中君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、武部農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武部農林水産大臣。
○国務大臣(武部勤君) ただいま法案を可決いただき、ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
○委員長(常田享詳君) 次に、農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(常田享詳君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたします。 この際、和田君から発言を求められておりますので、これを許します。和田ひろ子君。
○和田ひろ子君 私は、ただいま可決されました農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の各派並びに各派に属しない議員中村敦夫さんの共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法案に対する附帯決議(案) 農業を取り巻く諸情勢の変化に対応し、農業の持続的な発展に向け望ましい農業構造を確立するため、家族農業経営の発展の支援と併せ、農業経営の法人化を推進し、その経営基盤の強化を図ることが重要な課題となっている。 よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 農業経営の法人化に当たっては、専業的な家族農業経営とともに地域農業の核となる農業法人を育成する観点から、本法に基づく投資制度の適切な運営を始め、農業法人化の抱える各種経営課題の改善に資する政策支援の充実を図ること。 二 農業法人投資育成会社の農業法人への投資に当たっては、農業法人の実態や意向を十分に踏まえて投資基準を作成するなど、適切な運用がなされるよう留意すること。 また、農業法人による情報開示等、投資機会の向上に資する活動に必要な環境整備に努めること。 三 農業法人に対する投資育成事業の実施に当たっては、農業法人の経営の自立性を損なわないよう配慮すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(常田享詳君) ただいま和田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(常田享詳君) 多数と認めます。よって、和田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、武部農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武部農林水産大臣。
○国務大臣(武部勤君) ただいま法案を可決いただき、ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。 ありがとうございました。
○委員長(常田享詳君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(常田享詳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二分散会