農林水産委員会 第6号
- 発言数
- 229 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/04/16
会議録
○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 去る九日、大仁田厚君が委員を辞任され、その補欠として岸宏一君が選任されました。 また、昨十五日、松山政司君が委員を辞任され、その補欠として大仁田厚君が選任されました。 ─────────────
○委員長(常田享詳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案、漁業災害補償法の一部を改正する法律案及び遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案の審査のため、農林水産大臣官房長田原文夫君及び水産庁長官木下寛之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(常田享詳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(常田享詳君) 漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案、漁業災害補償法の一部を改正する法律案及び遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。 四案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○太田豊秋君 自由民主党の太田豊秋でございます。 我が国は四方を海に囲まれ、そして、そういった中では海洋国としても有数な海洋国でございますが、海の幸にも恵まれまして、また海に親しみ、それぞれ国民の皆さん方が資源を大切に保存、管理をして、枯渇されることなく現在まで持続的な漁業を営んでまいってきたところでございます。 しかし、近年、担い手が不足をいたしましたし、また各国においては国連海洋法条約の批准によりまして二百海里水域が設定され、我が国の遠洋漁業は多くの魚種で減船又は休漁という大変に漁業者にとっても困難な状況にならざるを得ない状況でございます。一方、沿岸とかあるいは沖合漁業にありましても、臨海地域の開発だとかあるいは家庭の排水等によって漁業環境が非常に悪化をいたしております。そういった中で漁獲量が激減し、漁業経営にも多大な影響を及ぼしておるところでございます。 そういう意味では、漁業への魅力を、だんだんだんだん国民の皆様方がこれを失ってきておる関係で、漁業の就業者数は昭和五十一年の四十七万人から平成十二年には二十六万人と減少いたしました。また、平成十二年の新規就業者は千三百七十人しかありませんでした。そういったことを考えてみましても、平成十二年の漁業生産量も前年に比べまして四%減少して六百三十八万四千トン、また漁業生産額も前年に比べますと六%減の一兆八千七百五十三億円と減少をいたしてきております。 そこで、平成十三年の六月に水産基本法を制定いたしまして、それに基づいて平成十四年の三月に、我が国が目標といたします平成二十四年度における持続的生産量の目標を水産基本計画で決定をいたしたところでございます。これは、魚介類全体では六百八十二万トン、うち食用分は五百二十六万トン、海藻類では六十七万トンとして、この目標が達成されるのであるならば資源が枯渇をしない、枯渇をさせることなく実現可能な水準だというふうなことで決定を見ておるところでございます。また、これによりまして、自給率目標は魚介類では六六%、うち食用としては六五%、海藻類では七〇%まで高めていこうというふうなことになっております。 この基本計画を達成させるためにも、今般提案されております水産四法の改正案が非常に大事であるというふうにも考えられますので、これら四法案につきまして、私から質問をさせていただきます。 まず初めに、今般の漁業再建整備特別措置法の改正でございますが、これに際しましては、この法案の名称そのものも、「漁業経営の改善」というふうな命題が、ここに「経営の改善」が入ったわけでございます。これまで二十五年間行われてまいりました中小漁業構造改善制度を廃止すると聞いております。具体的には、これまでは六業種についてのみ振興に特化した経営支援が行われてきたわけでありますが、今般の法律改正を見ておりますと、全業種にこれが広げられ、六業種を廃止して全業種というふうな対象になったわけでございますが、現行制度のこういったことについて何が問題であったのか、そしてその点を、問題点を踏まえまして、今後どのような仕組みを作っていこうとしているのか、まず、この問題についておただしをしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 今日も太田先生の御指導、御鞭撻を賜るべく、楽しみにして参りました。水産問題については、もう先生、大変御造詣が深いので、教えられること多々あると思いますので、よろしく、またお手柔らかにお願いを申し上げたいと思います。 私も北海道のオホーツク海の知床半島の玄関口であります斜里町というところで育ってまいりました。ひところは、みんな出稼ぎに行かなければならない、そういう宿命を背負いながら苦労していたのでありますが、サケ・マスの増殖事業でありますとか、あるいは資源を育て管理していくという、そういう仕組みを取りましてから、つまり、資源を育て、資源に見合った操業秩序を確立していくというその考え方に沿って、今は若い人たちもどんどん帰って、元気な漁業を営んでおります。 こういったささやかな経験からも言えることなのでございますが、今、先生御指摘のように、現行の中小漁業構造改善制度というのは、中小漁業六業種を対象に、業界全体として規模の拡大でありますとかあるいは生産行程の協業化等を進めまして業界の構造改善を進めようという、そういう仕組みであったと思います。 新たなる制度は、この中小漁業構造改善制度の法制定から二十五年を経まして、水産資源の悪化が進む中で業界一丸となって経営規模の拡大を進める制度は実情にそぐわなくなっているという背景、また、個々の漁業者がその経営を見直してコスト削減を進めるという視点がやはり弱いんですね。しばしば過剰投資につながってきたというような問題を背景にして、新しい制度への見直しを進めてきたわけでございまして、今般、本制度を廃止いたしまして、経営改善意欲のある個別の経営体に着目した制度へと転換することとしたわけでございます。 漁業経営改善制度においては、現行制度に関するこれらの問題点を踏まえまして、意欲のある漁業者であれば、漁業種類、経営規模等にかかわりなく広く施策の対象にするということが第一点。また第二点は、個々の漁業者による創意工夫を生かした経営改善を促すために、漁業者自身がその経営を踏まえて経営改善計画を作成するということとしました。そして三つ目には、計画の内容についても、施設整備に偏らない、計画の中で具体的な経営向上の目標を明らかにさせること等としているわけでございます。 このように、現行制度の問題点を改めまして、ただいま申し上げましたような方向付けをいたした次第でございます。
○太田豊秋君 ただいま、意欲ある漁業者の創意工夫というふうな、生かした経営改善の取組を支援するんだというふうなこと、また、計画の内容にとらわれることなく、いわゆる施設整備だけではないんだというふうなことでございますが、これらのことにつきまして具体的にそれではどういうふうな支援策を取られようとしておられるのか、この点についてお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 新しい制度の中での具体的な支援策でございます。 私どもは、改善計画の認定を受けました漁業者等に対しまして、まず第一点といたしまして、農林漁業金融公庫からの設備資金、それから長期運転資金の融通が第一点でございます。また、このほかに、漁協系統からの民間金融機関から短期の運転資金の融通、さらには、農林漁業信用基金によります保証保険のてん補率の引上げを考えているところでございます。このほかに、漁船の割増し償却、登録免許税の軽減、また、十四年度からの予算措置といたしまして、担い手育成推進対策につきましてもこれらの漁業者を対象として実施をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○太田豊秋君 ただいま、農林中央金庫からの問題とか、あるいは経営改善の資金だとか、あるいは長期運転資金とか、それからまた短期運転資金、あるいは税制などの改正とか、様々な支援策が今御説明をいただいたわけでありますが、これは、法律、法案で見てまいりますと、この法案は、公布の日から起算して三か月を超えない範囲において政令で定める日というふうなことで、施行日がなっておるようでございます。 私どもが先議で、参議院にこれが提案され、そして今ここで議論をさせていただいておるわけでありますが、今のように大変に漁業者にとって重要な、しかも期待のできるこういった法案の、改正というものが、私は、一日も早く成立をして、そして三か月を待たないでという、三か月の範囲の中でなんということではなくて、これが衆参両院で本当に成立したならば直ちに発効でき得るような、施行でき得るような、そういった魂を入れたひとつ施行日を決めていただければと、こんなふうに期待をいたしながら、水産庁としてどのような考え方でこれからこの施行日を決めていかれようとしているのか、お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 委員から大変貴重な御指摘をいただきました。 私どもも、漁業者からは一日も早く実施をしてほしいという要望を承っているところでございます。したがいまして、法案が成立いたしましたならば、できるだけ早く、御指摘のとおり、三月を待たない間にできるだけ早く施行したいというふうに考えているところでございます。
○太田豊秋君 できるだけ早くというふうなお答えでございますが、一日も早くこれが間を置かずに施行が決まりまして、そして今、大変に疲弊している、先ほど来も冒頭で申し上げたような事情で日本の漁業というものは大変に疲弊をしているわけでありますから、漁業経営者の皆さん方がひとつ希望を持って漁業に、経営に従事でき得るような、そういった体制を是非お作りいただけるようにお願いを申し上げるところでございます。 次に、水産業協同組合法の一部を改正する法律でございますが、今ほど申し上げてきましたように、我が国の周辺水域の資源状態の悪化というのが、これは漁業生産の減少、あるいは担い手の減少とか高齢化が進む中で、漁業者の協同組織である漁業協同組合に対しては、これらの水産業をめぐる問題に的確に対応されることが求められると思うわけでございますが、そういった中で、水協法等の一部を改正するこの法律案の目的とかそういったことについて、どういうことなのか、ポイントをひとつお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のとおり、数多くの漁協がございますけれども、現場は高齢化、過疎化といったような問題に直面いたしまして、漁協の基盤そのものに大きな格差も出てきております。そういう現状の下に、この法律は、資源状態の悪化、あるいは水産業をめぐる状況や近年の金融情勢の変化を踏まえまして、漁協が組合員のニーズに的確に対応し得る、そういう漁協の事業、業務執行体制の整備ということが必要になっているわけでございます。さらには、漁協系統信用事業の健全な運営の確保ということも、これは求められていることは言うまでもございません。 そのための措置を講ずるものでございまして、具体的には、漁協の資源管理の取組を促進するために、水産資源の管理を漁協の事業として明確に位置付けることとしているわけでございます。また、資源管理規程の対象として、組合員の営む遊漁船業を追加することとしているわけでございます。 また、漁協の事業実施基盤の強化を図るためには、まず第一に、信用事業を行う組合の最低出資金額を二千万円から一億円に引き上げることといたしました。また、二つ目には、信用事業を担当する常勤理事一人以上の設置の義務付けもいたしました。そして、三つ目には、経営管理委員会制度の選択的導入等の措置を講ずるということにいたしたわけでございます。 さらには、漁協系統信用事業の再編強化という問題に、現状、直面しているわけでございますが、これを図るために、農林中金による基本方針の策定と指導の実施により、問題組合の早期発見と是正を行うことができるようにいたしております。 また、万一の破綻に備えまして、漁協、信漁連等から農林中金への事業譲渡の道を開きまして、漁協系統全体としてのセーフティーネットを構築することなどを内容としているものでございます。
○太田豊秋君 大臣の方からただいま懇切丁寧に、種々のポイントについて、あるいは改正点について御説明をいただいたわけでありますが、一つ一つ御質問をしていきますと時間もなくなりますので、そこの中で、今、大臣からもお話がございましたが、確かに事業の実施基盤の強化とか、あるいはまたこういうことをやっていくために、非常にこれらのことについては重要な問題ではあると思うのでありますが、今、大臣がお話の中でも常勤理事の問題もあったわけでありますが、大方の漁協においては大体組合長さんが常勤理事というふうなことで兼務をしているというか、そういう実態にあろうかと思われるわけでありますが、今ほどもお話がありましたように、資源管理、そういったことで何とか漁獲量を増やしていこうとする中では、現在はしかし漁獲量の減少だとかあるいは魚価の低迷、それから漁業経営というのは大変な状態にあろうかと思われるわけでありまして、組合長以外に信用事業を担当する常勤理事を置くということは漁協の負担が非常に重くなっていくんではなかろうかなと心配をされるわけでありますが、そういったことについて、信用事業実施組合に常勤理事の設置を義務付けるというその必要性というか、そういったことについてはどういうことなのか、ちょっとお知らせいただければと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 御案内のとおり、本年四月一日からいよいよペイオフが解禁されたわけでございます。近年の金融情勢の変化の中で、貯金者からの信頼の確保は信用事業を行う上で不可欠の条件だというふうに認識をいたしております。 漁協につきましても、貯金者の信頼にこたえ得る最低限の業務執行体制を整備していく必要があるというふうに考えております。このために、信用事業を行う漁協につきましては、信用事業業務への的確な対応、それから相互牽制機能を確保する、このような必要性のために、組合長とは別に、日常の信用事業業務に責任を持って当たる常勤理事の設置を義務付けることとしたところでございます。 ただ、御指摘のとおり、直ちにこのような措置を講ずるということにいたしますと、非常に系統組織の負担が大きいという実情がございます。したがいまして、私ども、この措置の義務付けに当たりましては三年間の猶予措置を設けているというところでございます。
○太田豊秋君 今ほども三年間の猶予措置というふうなことで御説明をいただいたわけでありますけれども、これらのことについては、非常に漁協経営そのものが今大変な状況にあろうかと思われますので、指導の面におきましても万遺漏のないようにひとつお願いを申し上げておきたいと思います。 ところで、漁協系統というのは、信用事業の基盤強化を図るために、これまでに一県一信用事業統合体というふうな構想で信漁連の関係というのは事業譲渡を進めてきたわけでございます。こんな構想ももうかなりそれぞれ全国的にも実現化しているというふうに聞いておりますが、これをまたあえて今回農林中金への事業の譲渡の道を開こうとするというふうに、開くというふうに聞いておりますが、それは、開こうとするその理由というのは何なんでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) これまで漁協系統では、委員御承知のとおり、単位漁協の規模が零細であるということもありまして、系統信用事業の基盤強化対策といたしまして一県一信用事業統合体という構想を掲げまして、漁協から信漁連への事業譲渡等を推進してきたところでございます。現在、十府県で実現をするなど、この構想も徐々に現実化しているという状況でございます。 今後とも県単位で系統信用事業の基盤強化を進めていくというのが方針でございますけれども、仮に信漁連などの健全性に問題が生じた場合に迅速に事業の受皿となり得るものが存在しないという状況でございます。このようなことになりますと、地域の漁業金融にも適切な役割が果たせなくなるというおそれが懸念されております。したがいまして、今回の法改正におきましては、そのような万一の破綻に備えまして、漁協、信漁連などから農林中金への事業譲渡の道を開いたところでございます。このような措置を通じまして、漁協系統全体としてのセーフティーネットの構築が可能になるというふうに考えております。
○太田豊秋君 確かにこれは万一の備え、ある意味ではセーフティーネットというふうな考え方ということはよく分かるわけでございますが、しかし、やっぱり農林中金に移譲する道を開くということについては一つのそういったことで方策でしょうからそれはそれとして、やっぱり各県一信用事業統合体というふうな形が持続してそれぞれの各県の漁業者がお互いに信頼し合って漁業経営ができていくような、そういったやっぱり状況というものを、これは農林水産省の御指導の中でなるべくこういう形にならないような、そういった体制づくりを是非この機会にお願いをしておきたいと思うわけでございます。 次に、漁災法の関係でございますが、漁災法、不漁などによって漁獲金額が減収した場合だとかあるいは台風のような自然災害による被害を受けた場合だとか、その損失を補てんする漁業共済制度は、我が国漁業における災害対策及び安定的な経営対策としては、その役割は私も非常に重要であるというふうにも考えておりますし、私自身も、実は農業災害共済、農業災害にかかわる共済組合の地元で組合長もしておりますので、これは農業も漁業も同じ自然を相手にする業種でありますから、当然にしてこの充実ということは必要だと思います。 例えば、私どもが経験したものの中で、過般のあの有明海のノリの大不作のとき、被害総額で百四十億円ということにも及びながら共済金の支払というのは実質的には十八億円しかなかったと。このように実際の加入が、加入条件の制約などによってこれが思うように進んでいないというふうなことに私は考えられるわけでございますが、漁業共済事業の現在の加入状況などはどうなっているのか、あるいはまた加入促進の取組、例えばそれぞれの漁業者に対する啓蒙の仕方だとかそういった様々な問題があろうかと思いますが、これらのことについて、どういうことになっているのか、またどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 漁業共済の加入状況でございます。昭和三十九年の制度発足以来、増加傾向で推移をしておりますけれども、十一年度の加入実績が四三%という水準でございます。 私ども、この四三%という水準、まだ十分と言えない状況だというふうに認識をしておりますけれども、この理由といたしましては、一つには、現在の漁業共済制度が単年ごとの掛け捨て保険であるということで、漁業者サイドから見ますと掛け捨てに対する割高感が高いという点が一つ。また、二つ目、私ども非常に反省すべき点だろうというふうに思っておりますけれども、契約時の説明不足等によりまして補償内容が利用者に正確に理解されていないという面もあるというふうに認識をいたしております。このような点を踏まえまして、私ども、従来から加入促進の取組といたしまして、漁業共済団体を中心に、国、地方公共団体あるいは漁業系統団体が連携をしながら加入推進に努めてきたところでございます。 今般の制度改正におきましても、私ども、より一層の加入促進を図りたいと、このような見地から、利用者のニーズに沿ったメニューの創設等を行うということをしております。このような制度改正と同時に、この内容につきまして十分利用者に周知をし、関係団体とも協力いたしまして、制度の加入率が向上いたしますよう今後とも最大限の努力を払っていきたいというふうに考えております。
○太田豊秋君 ただいま、加入率が四三%ということでございますが、加入促進に当たっては、今もいろいろと御説明、単年ごとの掛け捨てだとか、そういったことで御説明をいただいたわけでありますが、いろんな課題もあろうかと思います。しかし、そのような現在の漁業共済の状況を踏まえまして、今回の改正では具体的にどのような改正をしようとしているのか、あるいはまた今回の漁業災害補償法の改正の内容、ポイント、この辺についてひとつお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 今回の法改正では、漁業災害補償制度について、漁業経営の一層の安定に資するために漁業者のニーズにこたえた幅広いメニューの創設ということをうたい文句といいますか、ポイントにしているわけでございまして、現在加入率が約四割にとどまっている現状を踏まえまして、漁業者の加入促進を図ることとしているわけでございます。また、併せて、漁業共済団体の運営基盤の強化等の措置も講じようとしているわけでございます。 具体的に申し上げますと、漁業共済事業については、漁業情勢の変化や漁業者の新たなニーズを踏まえまして、まず漁獲共済における加入要件の緩和、次に漁業施設共済の創設による養殖施設の加入機会の拡充、また予防可能な病害をてん補対象外として掛け金を抑える特約の創設などとともに、漁業共済団体について各都道府県単位で共済事業の規模が縮小している現状を踏まえまして、全国団体の漁業共済組合連合会と県団体の漁業共済組合との合併の制度を創設するなどの措置を講じようとしているわけでございます。 なお、法改正と併せまして、養殖共済の対象魚種、シマアジ、ヒラマサ等の追加、また掛金を抑えつつ大災害に手厚くてん補する特約の創設、これは有明海のノリ共済の例で御理解いただけると思います。 また、義務加入制度の運用の見直しについても措置を予定することとしておるわけでございます。 これらの改正によりまして漁業災害補償制度全体の充実を図ってまいりたいと、かように考えているわけでございます。
○太田豊秋君 大臣から、漁業者のニーズにこたえた事業の見直しというふうなことで御説明がありましたが、またそれと同時に、加入要件の緩和というふうな新しいメニューも創設するというふうなことでございまして、そういったことで、今回の制度の改正によって、そうであるならば、今四三%あるいは四割程度というふうなことの加入者であるようでありますが、どのぐらいの加入率になっていくのか、その辺のところはどういうふうに見込まれているのか、お知らせいただければと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、先ほど来御説明しているような制度改正を通じまして、できるだけ多くの共済加入を図りたいというふうに考えております。 具体的にどの程度の伸びが期待できるのかという点でございますけれども、改正後におきましては、未加入者の新規加入あるいは既に加入いたしております契約内容の充実という点を踏まえますと、全国漁業共済組合連合会の分析によりますと、現在の約四割の水準から五割以上に伸びるというふうに期待をしているところでございます。
○太田豊秋君 五〇%以上に伸びるんだというふうなことでございますが、これは全漁連その他の漁業者の関係の団体にも、現実的にはもう自分自身の経営の安定ということにもなっていく問題でもございますから、なお一層その辺のことについてもひとつ、五〇%と言わずに、これが八〇%、九〇%まで行って、そして安全な操業ができる、そして安心して漁業経営ができていく、そういった体制を是非日本の中でも作っていっていただきたいと、このようにお願いをしておきます。 ところで、制度の改正のもう一つの柱といたしまして、共済事業の規模が縮小している現状を踏まえまして漁業共済団体の組織再編を行うとのことでございますが、漁業共済組合連合会が漁業共済組合を合併する道を開く理由はどういうことなのか。あるいはまた、現行制度でも漁業共済組合同士の合併は可能にこれはなっておるわけですね、横と横との合併というのは。まずは組合間からのそういった意味では合併を進めるべきではないのかなと、こんなふうにも考えられるわけでありますが、その点についてお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 近年、水産物の資源状況の悪化等によりまして、一部の共済組合では共済の引受金額が著しく減少し、管理経費を賄うだけの掛金収入を確保できず、収入が著しく悪化してきている状況にございます。委員御指摘のとおり、このような場合に、まず近接している共済組合同士の合併というのが、ある意味では、非常に自然なんだろうというふうに私どもも考えております。 ただ、現行法上でも共済組合間の合併が可能でございます。しかしながら、漁業実態の条件が共通する組合間においてはこのように既に道が開かれておりますけれども、なかなか現実には対応が難しいというのが実情でございます。 したがいまして、今回の措置によりまして、従来の横の組合間同士の合併に加えまして、新たに組合と連合会との合併の道も開いたところでございます。したがいまして、従来の選択肢が組合と組合に加えまして、組合と連合会との選択肢が新たに加わったというふうに考えております。
○太田豊秋君 次に、遊漁船業の適正化に関する法律について、この改正について御質問いたしますが、昭和六十三年に発生いたしました大型遊漁船と海上自衛隊の潜水艦の衝突事故を契機にいたしまして、遊漁船業の適正化に関する法律によって遊漁船業が都道府県知事への届出制とされ、事業者や遊漁船の数あるいは営業形態などの事業の実態を把握できるようになったわけでありますが、しかしながら、残念でございますが遊漁船の海難事故は後を絶たない状況にあるわけでございます。 また、遊漁船業は漁業者とともに同じ水産資源とそれから漁場を利用しているというために、漁業者とのトラブルもしばしば発生しております。これは、それぞれ港へ行って漁業者の皆さんとお話合いをいたしますと、大変にこのことについては漁業者が不満を持っておるのもまた事実でございます。このように、現在、余暇時間の増加や海洋レクリエーションへの関心が高まることに伴いまして釣りなどの遊漁に親しむ人々が増える中で、遊漁船業については利用者の安全や漁場にかかわる問題が発生をいたしてきております。 そこで、まず遊漁船業の適正化に関する法律の改正を行うポイント、この点についてひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 今、先生御指摘のとおり、現在、遊漁船による事故が後を絶ちません。十分な安全対策が徹底していないということもあって事故が多発しております。遊漁船の海難事故は大体年間百件程度も発生しているという実情でございます。 また、遊漁船の利用者による採捕量が遊漁全体の六割を占めるに至っておるということも事実でございまして、こうした中、都道府県漁業調整規則等の漁業関係規制を遵守せずに利用者に採捕させている遊漁船業者もかなり多いという現状でございまして、漁業と遊漁の間の漁場をめぐるトラブルも数多く見受けられるのが実態でございます。 こうした状況を踏まえまして、遊漁船業を都道府県知事への届出制から登録制へ移行するということと、遊漁船業者に対する業務規程の届出、遊漁船業務主任者の選任等の新たな義務付けを行いまして、繰り返し事故を起こしたり漁業規制に違反する悪質な遊漁船業者を排除するとともに、その業務の適正化を図るということが今般の法改正のポイントでございます。
○太田豊秋君 これは確かに、遊漁者あるいは遊漁船業者と漁業者との共存というふうなものをしっかりと作っていかなければならない、そういった改正につながっていくんだというふうなことでございますが、そうであれば、今回の改正によりましてどのような効果が見込まれ、そして特に漁場利用面においてはどのような効果が見込まれていくのか、その辺についてひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) まず、今回の改正によりまして、一つは安全面でございますけれども、都道府県知事への届出制から登録制へ移行するわけでございます。また、出航の中止基準等を内容といたします業務規程の届出、また漁場での遊漁船特有の事故を防止するための講習を受けた遊漁船業務主任者の選任を義務付けることとしているところでございます。 これらの点から、一つは海難事故の減少が期待されますし、万一事故が発生いたしましても損害賠償が可能となるというふうに考えております。 また、御指摘の漁場利用面でございますけれども、遊漁船の利用によります遊漁の採捕量、遊漁全体の約六割というような状況でございます。今回の改正によりまして、先ほども申し上げました登録制の実施、また業務規程の届出、遊漁船業務主任者の選任、利用者への規制内容の周知を義務付けるということにしているわけでございまして、このような点を通じまして遊漁者による採捕量の相当な部分が適正化されるものというふうに期待をしているところでございます。このような点で適正な資源管理の一助になるというふうに考えております。
○太田豊秋君 今回の改正によりまして、今ほどの御説明ですと、漁場利用面でのトラブルというのは減少するんだということのようでありましたから、このことについては本当に御期待を申し上げるものでございます。 そして同時に、資源回復のために、実は漁業者は長期、例えば私どもの福島県の原釜とか、漁協では行っておりますことは、三十センチ以下のヒラメはこれを採捕しないとか、あるいは場所によっては自分たちで休漁地域を決めるとか、こういったことで資源管理をあるいは資源の回復をしていこうという努力をいたしておるわけでありますが、遊漁者はそのような中でも実はプレジャーボートだとか遊漁船によって採捕を行っているようなことも聞くわけでございます。 例えば、千葉県から三重県までの太平洋沿岸で遊漁船の利用者が釣る量というのは、マダイでは漁業量の八三%、イサキでは一〇二%、チダイ、キダイでは一九三%という、漁業と遜色のない、あるいはまたそれを上回るような採捕をしているのも現状のようでございます。このようなことでは、資源回復は、私は、幾らこの遊漁船法の一部改正を行っても見込めないんではないのかな、また漁業者の言うなれば資源管理意欲をも低下させてしまうんじゃなかろうかと、こんなふうに考えるわけでございまして、遊漁者も資源管理の対象に組み入れ、きちんと対応していくべきであろうと思います。 そこで、遊漁船だけではなくてプレジャーボートも含めた遊漁全体の管理についてどのように対応していかれるおつもりなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 遊漁によります水産動植物の採捕でございます。都道府県ごとに定められております漁業調整規則によりまして管理をされているというわけでございますけれども、現実の問題といたしましては、委員御指摘のとおり、遊漁者がこのような規制を十分に理解をしないというのが一番大きな点だろうというふうに思います。したがいまして、今回の制度改正の中で、遊漁船業者が具体的にそれぞれの遊漁者に対しまして規制内容につきまして十分周知をするように義務付けをしたところでございます。このような点を通じまして、適正な利用が図られるものというふうに期待をしているところでございます。 また、委員御指摘のとおり、関東周辺では遊漁者を含めました漁獲量が相当程度になっているという状況にございます。私ども、遊漁船業者それからプレジャーボートを含めます遊漁全体の管理につきまして、私ども、ガイドラインを作成いたしまして、このようなガイドラインの中で、各都道府県知事がきっちりと規制を行うような方向で検討していきたいというふうに考えております。
○太田豊秋君 そういう管理の中で、それらのことが厳に守られて、この海洋資源というものが回復させられていく、あるいは資源管理がされていく状況、そして遊漁者と漁業者がやはり共存できるような、そういったやっぱり状況というものをきちっと作っていく必要があるだろうと。そのためには、やっぱり相当の遊漁者の方々あるいはプレジャーボートの皆さん方にもこれらの実態を理解をしていただく、こういったものもこれから努力をしていっていただきたいなと、このように考えるわけでありまして、よろしくお願いを申し上げておきます。 ところで、漁業者は、皆さん御承知のように、漁協を通じまして費用を負担して積極的に増殖に今取り組んでおるわけであります。しかし、遊漁者は、そういった意味では、休漁しているところでも捕獲をするとか、そういったことをして、これらのことについて何ら、負担を全然していないわけでございます。 こういった、やっぱりこういうふうに一生懸命に漁業者が費用を負担しながら増殖漁業、稚魚の放流だとかこういった経費を、自分たちの海を守ろう、自分たちの資源をしっかりと管理して、そして次なる世代にやはり持続可能な漁業というものを残していこうという努力をしておるわけでありますから、こういったことについて遊漁者そのものもやはり私は負担をすべきだろうと。これはずっと、水産基本法を作っていく段階から私は部会の中で、自民党の部会の中でも主張してきておるわけでありますが、このことについて、負担の在り方についてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 種苗放流等の経費負担に対します遊漁者の負担の在り方につきましては、従来から二通りの考え方があるんだろうというふうに思っております。 一つの考え方といたしましては、遊漁関係者も栽培漁業の受益者であるという点で、放流資源の利用者から広く負担を求めるべきとの意見がございます。 一方で、放流魚につきましては、放流資源とそれから天然資源が混在をするという状況にございます。義務的に費用負担ができるのかという問題、また費用負担を求めるための明確な根拠となりますような放流の効果の実証が十分なのかというような点も問題としてあるところでございます。 ただ、神奈川県では既にマダイ放流費用の協力金というような点も実施に移されております。私ども、このような神奈川県におかれるような先進的な事例も参考にしながら、できるだけ広く負担を求めながら、放流事業を継続するのが基本的な考え方だろうというふうに思っております。したがいまして、放流効果の実証に努めながら、この効果に対しまして広く国民の理解を深めることがまず一番重要であろうというふうに考えております。
○太田豊秋君 確かに、放流したものなのかあるいは天然のものなのかという区別が付かないというふうなこと。まあある意味では、アワビでもそれからヒラメでもカレイでも、稚魚放流したものについては腹の部分とか、そういった色の違いがあるわけでありまして、私は海に住んでいますからそういうことは見分けは付くんでありますが。 ただ、一つ内水面なんかのことを考えてみましても、シラスウナギが遡上してきて、そしてウナギとして内水面の中で今度それが捕獲されるときには、これは漁業権を持っている例えばそれぞれの河川の漁業組合が、一日の入会というか鑑札といいますか、そういったものを発行しながら、皆さん、別にそれに不満を持ったり、これはおれは自然のものを捕ったんだぞとか放流したものを捕ったんだぞなんて、そんなことを言いながらあれをやっているなんという実情はないんでありまして、この辺のところについてはなおこれから御検討をいただければというふうにお願いだけをしておきます。 ところで、今、内水面の話をいたしましたが、遊漁というのは海だけでなくて内水面でも、これは河川だとか湖沼とかそういったところでも盛んに行われております。ただ、最近問題なのは、私は、ブラックバスだとかブルーギル、こういった外来魚ですね、これが、内水面漁業だけではなくて、言うなれば日本の生態系に対しても大変な悪影響を及ぼしているんじゃなかろうかなと、こんなふうに心配をいたすわけでありまして、その場合、これらの日本にいなかったものが突如として一つの湖沼とかそういったところへ出てくるわけでありますから、これはある意味では、自分のレジャーのために日本の生態系を壊して、そこに、自分がそこに釣りに行くために放流をしてしまう、そういったことは、私は国民のどんな場合でも許されるべき行為ではないというふうに、私自身は非常にこれは憤りすら感じておるものでございます。 そういったことに対しては厳しい対応が必要であるというふうに考えるわけでございますが、外来魚の問題についてどう取り組んでいかれるおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、内水面の在来の魚種等を食害するいわゆるブラックバスなどの外来魚につきましては、その生息数を減らしていくことが基本というふうに考えております。したがいまして、従来から、生息区域の拡大を防止するための移殖の制限、それから生息数を減らしていくための駆除に対する支援、またブラックバスなりブルーギルの効率的な繁殖抑制技術の開発等に努めてきたところでございます。ただ、委員御指摘のとおり、その生息状況について見ますと、なかなか減らすまでに至っていないという状況でございます。 私ども、今後、先ほど申し上げました対策を更に効果的に推進する必要があるだろうというふうに考えております。したがいまして、行政の取組、それから、あわせまして、国民的な理解の下で、遊漁者など幅広い関係者の協力を得ることが不可欠だというふうに考えております。このような点から、関係者の合意形成を図るべく、外来魚問題に関します懇談会の設置を準備をし、この問題についての幅広いコンセンサスを得たいというふうに考えております。
○太田豊秋君 やっぱりひとつ、日本自体の生態系をしっかりと、やっぱり日本は日本の環境に合った、そして日本は日本の生態系があるわけでありますから、この古来からあります日本の生態系というものを単なる一部の、自分のレジャーのためにだけ壊されてしまう、こういったことについては、罰則その他もあるようでありますが、見付からなければいいんだという、何か人間のモラルの欠如的なものすら感じるわけでございまして、こういったことについてなお一層の御努力をお願いを申し上げるものでございます。 ところで、次に、日韓・日中漁業協定についてちょっとお伺いをいたしたいと思うのでありますが、実は、私事で大変恐縮なんでありますが、私は日韓・日中漁業協定を新しく決める際に自由民主党で水産部会長をさせていただいておりました。そんな中で、日韓がなかなか決まらない、そしてなおかつ日中も決まらないということで、部会長を、異例でありましたが、二年連続で、日中漁業協定決めるまでやっていろということで二年間私は部会長をさせていただいて、そして日韓協定にも取り組んでまいったわけでありますが、あれから、日韓が決まりましてから三年も経過いたしたわけでありますが、あのときの話の中で、大和堆を中心にした暫定水域内については、日韓の漁業者が相互に入漁するということで、私は、話がまとまったというふうに今でも理解をいたしております。 しかるに、現状的に日本の漁船がほとんど締め出されて、そして日本海沿岸のそれぞれの漁港の方々からのお話、陳情をお伺いいたしておりますと、我々はあそこは危なくて全然入れないんだというふうなことすら言われております。そういったことで一方的に日本漁船の漁獲が落ちてきているならば、これは大変な問題であります。 大和堆では日本の漁業がなくなってしまうんじゃなかろうかと、こんなふうにすら心配をいたしておるわけでありますが、当該水域における日本漁船の操業にどういう問題が生じているのか、この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 日韓の暫定水域内でございますけれども、大和堆水域を含みます北部の暫定水域でベニズワイガニの漁業、それからイカ釣り漁業等行われております。特に、ベニズワイ漁にとりましては重要な漁場となっているところでございます。 北部暫定水域を主漁場といたします大臣承認のベニズワイガニ漁業の漁獲量について見ますと、日韓新しい漁業協定の発効以前三年間、平成八年から十年でございますけれども、大体平均一万六千トンの漁獲量があったわけでございますけれども、平成十二年には一万三千トンというふうに減少いたしております。また、北部の暫定水域につきましては、一万四千トンから三千トンというふうに大幅に減少しているというのが実情でございます。 このような要因といたしまして、協定発効以降、韓国のベニズワイガニ漁業が当該北部の暫定水域に進出いたしまして、資源状況の悪化に加え、漁場競合あるいは漁具被害などが多発したため当該水域から撤退をしたということがその主な要因だというふうに認識をいたしております。
○太田豊秋君 大和堆というのは元々、考えてみますと、非常に漁場の、何というんですか、魚種の多い、そして豊穣の、私は、大和堆で、漁場だったというふうに思っております。 そういった中で、お互いの日韓両国が資源管理をしながらここのところをしっかりとやっていかないと、私は、日本海そのものというのは、ある意味では大きな池のようなものだということを日韓・日中漁業協定のときにカウンターの、それぞれの国のカウンターの方々に申し上げたんですが、大きな池の中に無秩序に操業して漁獲をしてしまったならば、私は、将来、再生可能な漁業でありながら再生をしていくことができない漁場になっていってしまうだろう、言うなれば資源が枯渇してしまうだろうと、こういうことを申し上げたことを今でも覚えております。 そういった中では、日韓で協力して日本の資源、日本海の資源管理を行っていくことが非常に重要であると考えるわけであります。とりわけ、問題が山積をいたしております日韓暫定水域の資源管理に日本政府としてはどのように取り組むのか、また、これからどういうふうにこれらの資源管理について進めようとしているのか、水産庁としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 日韓暫定水域でございますけれども、資源管理措置を日韓両方の国が協議をいたしまして、双方で実施をしているところでございます。違反の取締りは双方が自国の漁船に対して実施をするということになっているわけですが、同水域には竹島が含まれていることから、特に韓国政府側におきまして協議の進展に多大な問題を抱えているという問題がございます。 したがいまして、現在、日韓漁業共同委員会の合意に基づきまして、日韓の民間漁業者団体間によります協議が行われております。既に、ズワイガニ漁業での分割利用、それからベニズワイ漁業の休漁期間の設定等、一定の成果が見られたところでございます。 政府といたしましても、このような民間レベルでの協議によりまして暫定水域の資源管理がより一層実効あるものとなるよう、我が国の民間団体を支援しますと同時に、韓国政府に対しても働き掛けを強めていきたいというふうに考えております。
○太田豊秋君 次に、日中漁業問題についてちょっとお尋ねをいたします。 東シナ海、尖閣諸島等々について、日中暫定措置水域だとか、あるいは中間水域といった、本来は我が国の水域に相当する海域であっても、我が国が中国漁船に対して取締り権限を行使できない広大な水域が設定されております。現在においても多数の中国漁船が無秩序な操業を行っていると聞いておるわけでございますが、このような状況が続けば、疲弊している我が国の巻き網漁船だとかあるいは以西底引き網漁船が、漁業が壊滅的な打撃を、私は、被ることになりはしないかというふうに心配をいたしておりますが、これらの水域の資源管理にどう取り組むおつもりなのかをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 日中の暫定水域でございますけれども、昨年の日中漁業共同委員会で資源管理措置に合意をしたところでございます。 合意内容でございますけれども、日中双方の漁船の隻数の抑制、それから漁獲量上限の努力目標値の設定、それから漁獲量あるいは漁船名簿の交換等について合意をしたところでございます。このような合意をしたところでございますので、今後の推移を注意深く見守りながら適切な資源管理に取り組んでいきたいというふうに考えております。 また、中間水域でございますけれども、まだ調整をする問題があるため、引き続き協議を行いたいというふうに考えております。早期に合意が得られるよう努力していきたいというふうに思っております。このため、昨年の日中漁業共同委員会で合意をいたしました資源専門家の小委員会をできるだけ早く開催をしたいということで、現在、中国側に申入れを行っております。このような会議を通じまして、資源に関します日中双方の専門家の意見交換を通じまして、両国の資源管理につきまして共通認識をまず醸成をしたいというふうに考えております。 科学的な知見に基づきます資源管理が行われるよう、今後とも引き続き努力をしていきたいというふうに考えております。
○太田豊秋君 次に、養殖漁業についてちょっとお伺いいたしますが、沿岸の資源が減少しているというのは先ほど来からずっと議論の中で大臣からも御説明をいただいておりますが、資源回復のために体長の制限だとか休業だとかいろいろやってきておるわけですが、積極的に資源を増やすための種苗の放流だとか、魚のすみ場所の造成だとか増殖などの作り育てる漁業を推進していくということが非常にこれから日本の沿岸にあっては重要だと考えておりますが、今後どのような推進策を考えておられるのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、我が国周辺水域におきます水産資源の維持増大と安定というのは、水産施策の中でも重要な課題でございます。したがいまして、的確な資源管理と併せまして、水産基盤整備事業あるいは栽培漁業、養殖業の施策を通じまして作り育てる漁業を推進しているところでございます。 具体的に申し上げますと、水産基盤整備事業や漁業経営構造改善事業を通じまして、魚礁の設置、それから増養殖場造成等の言わば海の畑づくりを推進しております。また、栽培漁業によります魚介類の種苗生産、放流等の海の種づくり、また第三点といたしましては、養殖業の振興、サケ・マス資源の的確な管理の推進等を図っているところでございます。 今後とも、新しい海洋秩序の下で、作り育てる漁業の積極的な推進に努力していきたいというふうに考えております。
○太田豊秋君 それでは、FOC、いわゆる便宜置籍船の問題についてちょっとお伺いしたいと思いますが、いわゆるマグロ類というのは大体もう過剰に漁獲されているとのFAOの指摘を踏まえまして、我が国のマグロはえ縄漁船については、政府とかあるいは県の補助、また漁業者の共補償などによって、平成十年に許可船の二割に相当する百三十二そうの漁船を減船したところでございます。便宜置籍船、FOC漁船についても、日台間の同意に基づきまして、FOC船のスクラップ、あるいは台湾籍化の実施によりましてその廃絶が進められてきたところでございます。 スクラップにつきましては、台湾のFOC船主に対しましても、社団法人の責任あるまぐろ漁業推進機構からスクラップ補てん金が拠出されている、これは約三十二億七千万円ぐらいだったと思いますが、拠出されておるようでございます。 スクラップが行われてきておりますが、しかし一方、沖積替えとかいろんなことでこのFOC船から日本の商社が輸入しているとか、いろんな風聞がございましたので、これらのことにつきましても、日本の大手商社との間でもFOCの船からは取引をしないという約束がされておりまして、今のところ一定の解決をされていたのかなと、こんなふうに思っておりましたところ、四月十一日に、私ども、委員長を先頭に静岡県の焼津漁協で組合長さん方あるいは県漁連の会長さん方との話合いを、懇談会をいたしましたときに、FOC船の問題をしきりに取り上げておったわけでございますね。 このように、現地では、私どもはもう大体一定の解決が見られたかなと思っておりましたことが、現地の漁業者の間ではFOC船への関心というのはまだまだ高いというふうな状況でございまして、これらはやっぱり法にかなわない、しかも資源管理がしっかりとしていけない、隘路になっていく、こういうFOC船の廃絶に向けた対策がなお一層私は強化すべきだろうと、このように考えておるところでございますが、どのようなお考えがありますか、お知らせ、お聞かせいただければと。
○政府参考人(木下寛之君) 我が国は、国際的な資源管理措置の枠外で操業を行っております便宜置籍船漁船の違法・無報告・無規制漁業を、私ども、IUU漁業というふうに呼んでおりますけれども、これを廃絶すべきという立場から、これまでも大西洋まぐろ類保存国際委員会などの地域漁業管理機関を通じて積極的な取組を進めているところでございます。 既に大西洋まぐろ類保存国際委員会におきましては、第一点といたしまして、資源管理措置を損なう漁業活動を行っている国からの数種のマグロ類の輸入禁止の勧告、また第二点といたしましては、違法・無報告・無規制、IUU漁船のリストの作成と、これらIUU漁船の漁獲物の取引自粛の決議等が行われております。我が国といたしましても、これらの勧告なり決議に従いまして、輸入禁止措置、また輸入業者に対しましてIUU漁獲物の取引自粛指導等の対応を行ってきておるところでございます。 私ども、一定の効果を上げてきているものと理解をいたしておりますけれども、ただ、これまでの対応の中でも、様々な形で依然としてIUU漁業の継続を図る動きがあるという指摘をされているところでございます。このため、IUU漁業に関与している漁業形態に着目いたしました対策を更に検討したいということで、ICCATの作業部会が本年五月にも東京で開催される運びとなっております。このような会議を通じまして、更に積極的に対応していきたいというふうに考えております。
○太田豊秋君 ICCATの会議が、今年、日本でというふうなお話がありましたが、カツオ・マグロ類に関する国際条約というのはいろいろな形でございまして、相当の数が、五つか六つぐらいの今、既に批准している、加盟している条約があるわけでありますが、これはマグロ資源の適切な管理を考えていきますときは非常に重要な問題だというふうに、条約だというふうに考えておるわけでありますけれども、今回、西部太平洋マグロ条約、いわゆるMHLC条約というものの問題が起こってきたわけでありますが、この条約の採択には日本政府としては反対であるというふうなことでございますが、その後の、そしてまた、と同時に、その後MHLCの関連会合にも日本は参加していないというふうに聞いております。 今後、太平洋におけるマグロの資源の適切な管理のために、このMHLC条約についてはどのように考えておられるのか、このことについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のMHLC条約でございますけれども、一つが、本条約につきましては、条約に関心のある国を排除して策定されたと、また第二点といたしましては、条約の内容そのものに幾つかの問題点がございます。このような点から私ども、この採択に反対をしたわけでございます。 MHLC条約の問題点につきましては、国際連合食糧農業機関、FAOあるいは多くの地域漁業機関の場においても指摘をされております。我が国といたしましては、本条約の問題点を認識している国等と連携を図りながら、条文の変更を含みます条約の問題の解決を図ることによりまして、太平洋地域におきますマグロ資源の適切な保存と管理が行われるよう努めていきたいというふうに考えております。
○太田豊秋君 次に、今年また日本でIWC、同じように、マグロと同じように今度はIWCの総会、国際捕鯨委員会が開かれることになっておりますので、ちょっとそのことについてもお伺いしたいと思います。 鯨、世界の海面漁獲量の大体三倍から五倍、量にして年間二億五千万トンから四億四千万トンの海洋生物資源をえさとして食べているとこれは推定されておるわけでありますが、漁業資源管理の観点から捕食の問題は私は大変に重要な問題だと思って見ておりますが、そういった中で、シロナガスクジラのようになかなか増えないあるいは増殖していかない種類はこれは別といたしまして、ミンククジラのように増えている種を間引くことは海洋生態系の上からも非常に私はむしろ重要な問題ではなかろうかなと、こんなふうに考えるわけでございます。 と同時に、日本の食文化の観点からも捕鯨の存続は私は重要だというふうにも思っておりますので、捕鯨問題の対応としては、我が国と同様に科学的根拠に基づく持続的利用を支持する国をIWCの中で増やしていくことが私は必要なんだろうと、このように考えられます。 冒頭申し上げましたが、IWCの年次会合が五月に行われるわけでありますから、そういった意味では日本としても、商業捕鯨の再開に至るほどの、三分の二以上のだったと思いますが、賛成を得るということは、これは難しいことはよく承知をいたしておりますが、ある程度の、恥をかかないところの、日本政府の体面が保てるところぐらいまでのひとつフレンド国づくりみたいなものについても御努力をいただいていかなきゃならないのかなと、こんなふうに考えますが、捕鯨の再開に向けた取組と現状と今後の見通しというふうなことについてお聞かせいただければと、お願い申し上げます。
○国務大臣(武部勤君) この捕鯨問題については、たまたま昨日、豪州のベール貿易大臣が農林水産省を訪ねてくれまして、いろいろ議論をしたところでございます。今、水産庁長官と御議論のありましたMHLC条約等のことなどについても様々な議論をいたしたわけでございますが、私どもが主張いたしましたのは、捕鯨問題に関しましては、我が国は従来から、持続的利用の原則、科学的根拠の重視、食料問題への長期的な対策、文化の相互理解の四つの観点から取り組んでいるということ等を申し上げたわけでありまして、資源的に問題がないことが明らかな鯨種については、科学的根拠に基づきまして持続的な利用が認められるべきであると、かように主張してきているわけでございます。 鯨類の年間捕食量は、委員も御案内のとおり、二億五千万トンから四億四千万トン。人間の海面漁獲量であります約八千万トンということからいたしますと、三倍から五倍にも上る捕食をしているわけでございまして、平成十三年三月のFAO水産委員会におきましても、鯨類と漁業との競合についてFAOが調査を行うということで全会一致で合意をされているわけでございます。 このように、近年、我が国の立場に対する理解が徐々にではありますが諸外国に浸透しつつあると、かように認識しておりますが、更に関係国の理解を得るべく努力をしてまいりたいと、かように存じます。このような取組によりまして鯨類の持続的利用を認める流れが強まりつつあると、かように認識しております。 今年の第五十四回IWC年次総会は山口県下関市で開催されるわけでございますが、我が国としては今後もこの流れを更に推し進め、海洋生態系の合理的利用の観点からも、持続的な、この捕鯨の問題につきまして早期に実現されるよう努力してまいりたいと、かように考えております。
○太田豊秋君 十四年、今年の三月二十六日閣議決定されました漁港漁場整備長期計画についてちょっとお伺いいたしますが、この計画は、昨年六月に制定をされました漁港漁場整備法に基づきまして、漁場あるいは漁港、漁村の整備を総合的かつ計画的に実施するために作成されたものだというふうに私は思っております。 この計画は、今後五か年間の漁港整備事業につきまして、水産動植物の増殖から、陸揚げ、流通、加工までの一貫した水産物供給システムの構築、あるいは藻場とか干潟の造成など漁場環境の保全それから創造、そして漁港とかあるいはその施設、漁港の施設、こういったものの、今、少子高齢化を迎えているに当たっての漁業者へのバリアフリー化。御婦人がやはり同じように港で、漁港で働かなければならない、あるいは高齢化していく中では、やっぱりこの漁港施設のバリアフリー化と同時に、環境の整備、言うなれば集落排水の設備の整備というふうなものが非常に、私は、漁港にとってもこれは大変に重要な課題だというふうなことで思っております。そういうことをすることによって安全で快適な言うなれば漁村の形成ということが私はできていくんだろうと、このように考えているところでございます。 事業を効率的に推進されることによりまして今後の事業の成果を期待をいたしておるわけでありますが、なかなか予算の配分等々あるいはABCランクの問題などもございまして思うような、まだ漁港への整備が十分ではないと思いますが、これからのこれらの漁港の整備等々についても水産庁はどのように考えておられるのか。 そして、これは当然にして消費者と国民の視点に立って、私は、具体的な成果目標を指標としているというふうにも考えられますので、これらの事業の今後の推移あるいは進め方、こういったことについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 今回の漁港漁場長期計画でございますけれども、委員御指摘のとおり、従来の総投資額を明示するものから、具体的な事業量を示す指標として地区数を採用したところでございます。 平成六年から平成十三年度までの第九次の長期計画でございますと、おおむね千二百の地区の整備を行っておりましたけれども、今次の新しい長期計画では、五年間でほぼ同水準の千百の整備を行うこととしております。 また、新たな措置といたしまして、藻場・干潟あるいは漁村の活性化のための整備につきまして、それぞれ今後五年間で五千ヘクタール、また四百三十地区で実施をするというようなことで、前回の計画に比べまして遜色のない事業量を確保することができたというふうに考えております。 また、今後の漁港漁場整備計画でございますけれども、やはり基本的には、計画段階からきっちりと費用対効果分析を実施するなど、やはり事業評価制度の厳格な適用等を行いながら、コストの縮減なり、あるいは水産施策におきますいろいろな資源管理だとか流通対策、あるいは担い手対策などの施策と適切に組み合わせることによりまして、より効果的な対策となるよう今後とも努力していきたいというふうに考えております。
○太田豊秋君 最後に、多面的機能、いわゆる漁業があるいは漁村が持っている多面的機能ということについてちょっとお聞きをさせていただきます。 水産業やあるいは漁村というのは、国民に対して水産物を供給するという役割以外に、言うなれば国の安全保障にかかわる重要な、私は、機能を持っているというふうに考えております。 例えば、沿岸において日常的に漁業生産活動が行われていることを通じて、密入国とかあるいは麻薬の密輸入あるいは領海侵犯の防止など、国境地域の監視の役割を私は果たしているものと考えておりますし、例えば、私の福島県の原釜漁港におきまして、ある国の密入国をしようとする方々が朝早く上陸をしたわけですね。それで、漁業者の家へ行って何か食べさせてくださいと。見慣れない人でもありますし、これはおかしいんじゃないかということですぐに警察に通報いたしまして、そして全員をその日のうちに逮捕することができたわけでありまして、私は、この一つの事例を見ましても、いかに国の安全保障につながっているかということを考えておるところでございます。 また、そのほかに、海難救助への貢献だとかあるいは沿岸域の環境保全、多面的な機能を有しているわけでございまして、この機能の更なる発揮に向けた施策の充実が私は喫緊の課題なんだろうと、このように考えております。 昨年六月に制定されました水産基本法の三十二条においては、水産業、漁村の有する様々な機能について、それらが適切かつ十分に発揮されるよう施策を充実させていくべきことが位置付けられているところでございますが、この施策の具体的な考え方、このことについてお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 水産業や漁村というのは、委員御指摘のように、国民に対して水産物を供給するという役割ばかりではありませんで、むしろそれ以上に、かなり未知の世界ではあるかもしれないけれども、我々にとって掛け替えのない様々な多面的な機能というものがあるのだろうと思います。そういう意味で、漁業者を始めといたしまして地域住民がそこに住んでいるということ、そして、そこで漁業生産活動を継続的に行っているということで私どもがどれだけ安んじて毎日を送ることができるかと。 私も海のある町で育ちましたし、いろんな体験を通じて感じますのは、昨今のような言わば国際化という時代について思いを致しますと、本当にこの問題、水産でありますとか漁業でありますとか海の問題というのはもっと真剣に積極的な取組が必要だと、このように思っておるわけでございます。 今日でも、健全なレクリエーションの場の提供、あるいは沿岸域の環境保全や海難救助への貢献、防災や国境の監視、伝統文化の伝承など、豊かで安全な国民生活を実現する上で様々な機能といいますか貢献をしてくれていると、このように思います。 森と海は命のふるさとと我々申し上げてきているわけでございますが、そういう意味では、森づくりでありますとか海づくりの問題、先ほどいろいろ負担の問題も、財政的な負担の問題も御議論ございましたけれども、私は、国民的な合意を求めてもう少し積極的な取組が、森林でありますとかあるいは海づくりについて考えなきゃならないと、このように思っておるわけでございまして、今後十分な議論や調査の積み重ねが必要でありまして、十三年度におきましても、水産業、漁村の有する多面的な機能について客観的な評価を行うための基礎的な調査を実施しているところでございます。 また、今後、WTOの日本提案の中におきましても、水産物にかかわる交渉の場で、やはり多面的な機能でありますとか食料安全保障の問題でありますとか有限天然資源の持続的な開発という問題等を踏まえまして、我が国の立場というものを説得力を持って主張していくことが必要だと、このように考えております。 都市と農山漁村の共生・対流ということによって農山漁村の新しい可能性を切り開いていくということで、今私どもも計画を練っている次第でございますので、水産業、漁村の有する多面的な機能の内容につきましても更に国民的な理解を深めていくことが喫緊の課題だと、かように認識しておりまして、十四年度におきましても、調査を拡充すると同時に、具体的な施策の充実の在り方につきましても真剣に取り組んでまいりたいと、かように存じますので、御指導をお願いしたいと思います。
○太田豊秋君 ただいまの御答弁と同時に、大臣からの将来の水産業に対しての情熱あふれる御見解をもお伺いいたしました。 どうぞ、日本の漁業者の皆さん方が本当に安全で安心して、そして国際的にも安全な操業ができ得るような、そういった漁村あるいは漁業経営が成り立つひとつ水産業というものについて、これからなお一層の御努力をお願いを申し上げまして、私からの質問を終わらさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(常田享詳君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時三十分まで休憩いたします。 午前十一時二十八分休憩 ─────・───── 午後零時三十分開会
○委員長(常田享詳君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案、水産業協同組合法等の一部を改正する法律案、漁業災害補償法の一部を改正する法律案及び遊漁船業の適正化に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言お願いいたします。
○榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。 本日は午前中からこの水産関連の四法を審議して、海の安全に関してこれからどのように我が国として考えていくかという議論がなされております。 私、冒頭に、同じく安全性の観点ということで、水産関係とは少し違うんですけれども、大変重要な問題ですので、先日のプレスリリースのことについて大臣に若干質問をさせていただきたいと思います。 一九九六年から九八年の六月までに、イタリアのメーカーから約六百トンの肉骨粉が輸入をされていると。その中で、メーカーの処理法が適正だったという証明書が付けられていたにもかかわらず、実はそうではなくて、BSE病原体の不活性化に必要な処理が全くなされていなかったというようなプレスリリースがありました。その説明に対して、イタリア側からは、これは印刷ミスだったというような回答があったんですけれども、まず大臣、このことについてどのような問題認識を把握されていて、またこれに対してどのような対処をされたんでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) BSE発生以来、私ども農林水産省は、感染源、感染ルートの究明に最も大きなエネルギーを費やしていると言っても過言でございません。これまでいろいろなデータをいただいて対処しているわけでありますけれども、私は、すべてゼロからの出発だと、すべて、全調査を改めてするようにというようなことで、海外に職員等も派遣いたしまして、肉骨粉を中心に感染源の究明に全力を挙げてきたわけでございます。 その中で、イタリアから輸入された肉骨粉につきまして、どうも疑いを排除することができないと。当初我が国が要求しておりました加熱処理条件等が満たされていないと。あるいは蒸製骨粉といいながら、これは薫蒸といいながらそういうシステムになっていなかったのでないだろうかというようなことで、専門家を派遣いたしまして再度調査をいたしたわけでございますが、今回、その調査結果をプレスリリースしたわけでございます。 この調査結果から、イタリア産肉骨粉と我が国でのBSE発生との関連はいまだ明確になってはおりませんが、イタリア産肉骨粉が何らかの経路を経て感染原因となった可能性は排除できないと、かように考えているわけでございます。今後、輸入された肉骨粉にどのような危険部位が含まれていたのか、他のBSE発生国から輸入された原材料に由来する肉骨粉が我が国に輸出された可能性等について更に調査することとしているわけでございます。 BSEの感染経路の究明につきましては、BSEの潜伏期間が二年から八年と長いという特徴がございまして、調査対象期間が数年前にさかのぼること等からかなりの困難が予想されますが、引き続き、迷宮入りにはさせないという覚悟で全力を挙げて取り組んでまいりたいと、かように存じます。
○榛葉賀津也君 印刷ミスとの回答にどのような対応をしたかというふうな質問をしたんですけれども、早く私も水産関連の本題に入りたいですから、是非簡潔に御答弁をいただきたいと思います。 大臣、これは本当に印刷ミスだというふうに御認識でしょうか。
○国務大臣(武部勤君) イタリア政府家畜衛生局に対しまして、記載ミス等再発防止とを求めているところでございますが、そのように言っているわけでございますので、そういう認識をすると同時に、やはりこのことも含めて確認する必要があるということを私は事務当局には申しております。
○榛葉賀津也君 使用されていた加熱器が気圧の上がる構造のものではなかったという現実を考えますと、私はどうもこれは印刷ミスとは考えにくいのではないかというふうに推測されるわけでございます。また、この証明書が本当に印刷ミスされやすいような証明書だったのかどうなのか。私は、是非、農林水産委員会の委員にはこの証明書のコピーを提出いただきたいと思うんですけれども、委員長、御用意はできますでしょうか。大臣、用意はできますでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) イタリア政府に問い合わせまして用意したいと思います。了解が得られればそうしたいと思います。
○榛葉賀津也君 ありがとうございます。 イタリア側は、九六年から九八年の六月までの間に日本に輸入された肉骨粉七件のうち、三件は豚由来のものである、そして残りの四件が牛由来であるというふうに主張しているわけでございます。その中の牛由来の肉骨粉でさえも当時の危険部位は含まれていなかったというような主張がされているわけでございますけれども、私は、このような問題が起こっていながら印刷ミスであったという言葉だけで答弁するような誠意のない問題では、この七件に関しても本当に前者の三件が豚の肉骨粉だったのか、若しくはその四件に関しましても危険部位が本当に入っていなかったのかどうだったのか、大変疑わしいことが考えられるわけでございます。 これは一歩間違えば重大な問題になり、下手をすると犯罪行為にもつながりかねないような重要な問題です。また、外交問題にも発展しかねない大変重要な問題だと考えておりますので、また大臣、この問題は一つ一つ可能性をつぶしていくような形で、今後とも是非原因究明に努力していただきたいというふうにお願いを申し上げたいというふうに思います。 それでは、本題の水産関連の審議に移りたいと思いますけれども、私はこの中で遊漁船の問題について質問をさせていただきます。残りの三法案につきましては同僚の小川委員から後ほど質問があると思いますので、私は、遊漁船業の適正化法の改正案について、大臣並びに水産庁長官にお伺いをしたいと思います。 まず、水産庁には、さきの第二十一回全国豊かな海づくり大会、大変な豪雨の中でございましたけれども、静岡県で開催をしていただきまして、地元の方々を始め皆様方の力を結集いたしまして大変すばらしい大会ができましたことを、改めて感謝とお礼を申し上げたいというふうに思います。 この遊漁船の事故の実態についてまずお尋ねをしたいと思うんですけれども、長官、今の遊漁船に関する事故の実態はどのように把握されているのか、都道府県別にデータがしっかり出ているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 遊漁船に関する海難事故でございますけれども、近年、増加傾向にございまして、平成十二年には百五件というのが全国の数字でございます。 この中で、県別の統計でございますけれども、平成元年から平成十二年、言わば現在の遊漁船業法が施行されて以来、都道府県から私ども水産庁へ報告している件数によりますと、一番多いのが長崎県でございまして、報告件数は三十四件ということでございます。これに続きまして、山口県が十七件、島根県が十四件、それから千葉県が十三件、そして静岡県が十三件というのが上位五県の数字でございます。
○榛葉賀津也君 今までに、悪質な遊漁船業者についてこれまではどのような対応をなされたのでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 現在まで、遊漁船業法に基づきまして、十九条でございますけれども、海難事故を起こした事業者、また利用者から苦情があった事業者、その他立入検査対象地域の事業者に対しまして都道府県知事が立入検査を実施をいたしております。平成十一年度におきますと、約十四都道府県が実施をしているという状況でございます。このような立入検査によりまして、法で定められました義務の遵守状況を確認し、必要に応じて行政指導を行ったところでございます。 具体的な指導内容でございますけれども、一つは、出航中止基準の作成、あるいはそれに基づく営業をするようにという指導、また損害賠償保険への加入、また問題となっております漁場におきます採捕規制を遵守するようにと、そのような指導をしているところでございます。
○榛葉賀津也君 次に、届出制から登録制へ移行した問題についてお伺いしたいと思います。 先ほど太田先生からも御指摘がありましたとおり、この法案は、昭和六十三年の海上自衛隊「なだしお」と遊漁船の第一富士丸との事故で約三十名が尊い命を落とされた、この事件を受けまして、議員立法でできたということは御承知のとおりだというふうに思います。人の命が絡む問題でありますから、これはしっかりと安全を確保していかなければならないということは言うまでもないというふうに思います。 今回、届出制から登録制へというふうに移行したわけでございますけれども、遊覧船等は現在許可制で、今回の遊漁船よりも厳しい対応というふうになっておりますけれども、許可制として利用者の安全や海上利用の適正さをしっかりと最優先していくべきではないかというふうに考えていますけれども、というふうにも取れるわけですけれども、大臣、これは登録制で十分だとお考えでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、昭和六十三年の「なだしお」の事故を契機といたしまして、従来、自由営業でございました遊漁船業につきまして、法律によりまして届出制という制度にしたわけでございます。 ただ、届出制の場合でございますと、都道府県に届出さえ出せばだれでも自由に営業ができるというような形態でございます。私ども、この十年間の法律の運用によりまして、やはり先ほど来申し上げているとおり、遊漁船業をめぐる事故が増えてきているという状況、また遊漁船と漁業との漁場利用をめぐるトラブルが絶えないというような実情にありまして、やはりきっちりと営業規制を行う必要があるだろうというふうに判断をしたわけでございます。 今回の登録制は、事業の参入につきまして一定の欠格要件を設けております。したがいまして、欠格要件に該当する者は事業に参入することができないというふうになるわけでございます。また、登録制で登録をし、営業している業者につきましても、例えば悪質な違反をした等々の場合、事業停止命令あるいは登録の取消しといった行政処分によりまして営業ができなくなるというふうに考えております。したがいまして、今回こういった措置によりまして、法令違反を行うような悪質な業者を排除することが可能というふうに考えております。
○榛葉賀津也君 大臣にお伺いしますけれども、大臣も、この登録制で悪質な遊漁船業者を排除して利用者の安全をしっかりと確保できるというお考えでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) この法律改正だけで悪質な問題解決というのはそう簡単にはならないんだろうと思いますが、しかし、この法律は、最近の遊漁船の事故がどういうケースがあるかということを分析いたしますと、漁場における衝突事故が三割、それから出航判断を誤って生じた転覆等の事故が約一割、不適切な操船によって生じた航行中の事故が約二割、船体の整備不良による機関故障等の事故が二割と、こういうふうになっているんだそうです。 今回の改正によりまして、遊漁船業を都道府県知事への届出制から登録制へ移行することによりまして、この法律や船舶安全法等で罰金以上の刑に処せられる者は登録が拒否される、また登録後において事業停止又は登録の取消しがなされるということ、これは一つの大きな制約になるでしょう。さらに、遊漁船業者に対して、出航の中止基準等を内容とする業務規程の届出、漁場での遊漁船特有の事故を防止するための講習を受けた遊漁船業務主任者の選任が義務付けられるわけでありますので、漁場での衝突事故や出航判断の誤りによる事故は私は大幅に減少するのではないかと、このように考えます。
○榛葉賀津也君 長官にお尋ねします。 この登録手数料は大体全国で一律でどれくらいになるんでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 遊漁船業法の登録の手数料でございますけれども、各県の都道府県知事が条例で定めるという運びになろうかというふうに思っております。その額につきましては、他の都道府県知事への登録制、例えば米穀の販売業だと九千円だとか、あるいは電気工事事業だと二万二千円だとか、いろいろ登録に際しての登録の手数料の水準がございます。私どもも、一万円から四万円程度の水準で定められることになるというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 次に、今回の法改正に際しまして、遊漁船業者に対する新たな義務付けが幾つかなされるようになると思いますけれども、そのことについて何点かお伺いをしたいと思います。 まず、業務規程の作成の問題ですけれども、今回の業務規程を個々の事業者が作成するというふうに変わると思います。農林水産省が、一定の水準を保つために、私は、ある程度のモデルを作った方がそれぞれの事業者が規程を作りやすいんじゃないかというふうに察するわけですけれども、長官、いかがでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 今回の法律改正で、遊漁船業者につきましては業務規程の作成を義務付けるわけでございます。委員御指摘のとおり、この業務規程につきましては、遊漁船業者の負担を軽減をする、また都道府県が遊漁船業者に対し適切な指導ができるようにするという点でございます。私ども、標準的な業務規程例の例を示したいというふうに考えているところでございます。
○榛葉賀津也君 遠くからお客様が見えて遊漁船業者も、しけになった、雨になった、天候が崩れてきた、多少首をかしげながらも、わざわざ遠くから来たんだから出してしまえというような判断をしかねない状況になるというふうに思います。私は、やはり一定の方向性を水産庁が出してあげる、これは大変重要なことだと思いますので、また是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。 次に、遊漁船の業務主任の選任についてお伺いをしたいと思います。 この業務主任に際してはどのような具体的な資格要件が必要なんでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 私どもも、今回の法律改正に際しまして、遊漁船におきます利用者の安全確保あるいは適正な漁場利用に関しまして利用者に対する十分な指導ないし助言がされていないということが、結果として事故なり漁場利用上のトラブルが発生しているというふうに考えているところでございます。 したがいまして、このような利用者に対しまして指導なり助言をするにふさわしいような遊漁船業者の主任者の選任の基準といたしましては、その業務を考慮して、一つは遊漁船を操船できる資格、国土交通大臣によります小型船舶の操船のそういう資格を有する者、これが第一点必要だろうというふうに思っております。また、第二点といたしましては、利用者の安全管理、また適正採捕のために必要な知識を習得できる講習の受講、それから第三点といたしましては、遊漁船業に対しまして一定の実務経験を有する者、このような三つの観点を満たす者であることを想定しております。
○榛葉賀津也君 この講習ですけれども、どれくらい頻繁になされるんでしょうか。年に一回であるとか、どのような頻度でこの講習をされるんでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、今回、遊漁船業者につきましてこのような業務主任者の設置を義務付けるわけでございます。したがいまして、法施行まではかなり頻繁に、このような希望する者がこのような受講機会を失うことがないよう措置していきたいというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 私がなぜこのような具体的な話をするかというと、現在、現場で実際に遊漁船業を営んでいらっしゃる方々の立場に立って、大変今不安に思っていらっしゃる方が多いですので、具体的な質問をさせていただいております。 この中で、主任者が必ず船に乗るというようなことになると思うんですけれども、これは必ず乗るということでよろしいんですね、主任者が。
○政府参考人(木下寛之君) そのとおりでございます。
○榛葉賀津也君 遊漁船業者によっては、何そうかの船を持っていらっしゃる方がいらっしゃいます。そのような方は、それぞれの船に主任者を配置しなければならないということになりますと、人的コストの心配がされるわけですけれども、それでもすべてに配置するということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 私どもが期待をいたしております遊漁船業務主任者の業務というのは、一つは事故を防止するための指導なり助言、あるいは安全に釣りをしていることの確認、また採捕規制の内容の周知、あるいは適正に釣りをさせるための指導助言、あるいは事故が発生した場合の営業所への連絡等々を想定しておるわけでございます。したがいまして、やはり各船にこのような主任が乗るということが必要だというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 それぞれの県で講習を行うような形になると思うんですけれども、漁場が入り組んだり、他県にまたがって当然遊漁をする場合があるというふうに思うんですけれども、他県の漁業情報なんかをどのように周知させるのでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、遊漁船の場合に、自県のみならず他県の海域に出漁して遊漁を行うということでございます。したがいまして、私ども、このような規制につきまして、一般の遊漁者ができるだけ分かりやすくするために、講習におきましては、想定される海域におきます規制につきまして講習を実施をしたいというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 ありがとうございます。 次に、採捕規制についてお伺いをしたいと思います。 改正案では、遊漁船業者が利用者に採捕の制限、漁場の使用に関する制限について周知を義務付けるということになっておりますけれども、それぞれ捕獲可能な期間であるとか魚のサイズであるとか種類であるとかいうふうなものが都道府県漁業調整規則ということで決まってくるんだと、規定をされてくるんだというふうに理解をしておりますけれども、具体的にこれをどのように遊漁船業者若しくは釣り人たちに周知をさせるおつもりでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 遊漁に関する規制でございますけれども、都道府県ごとに定めます漁業調整規則のほかに、海区の漁業調整委員会の指示など様々な形で行われている状況でございます。 したがいまして、今回の改正では、その周知方法でございますけれども、利用者への書面の配付、具体的にこの海域ではどのような規制が行われているのかという点、またそれにつきまして遊漁船での掲示を行うことを考えているところでございます。
○榛葉賀津也君 是非その中の周知のする際に、直接、釣る魚の種類であるとか魚のサイズであるとか釣りが可能な期間であるとかだけではなくて、どのようにして海の環境を守っていくか。当たり前のことでありますけれども、ごみを捨てない、切れた釣り糸を捨てないというような、海をみんなして守っていくんだというようなことも是非周知をしていただきたいというふうに希望をさせていただきたいというふうに思います。 その際に、遊漁船上で知らずに利用者がこの採捕規制に違反してしまった場合、この責任というのは利用者にあるのですか、それとも遊漁船業者にあるのでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 遊漁船利用者が採捕に関するいろいろな規制を知らずに違反をするということが間々あるわけでございますけれども、基本的にはその採捕した遊漁者に責任があるというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 次に、損害賠償保険の加入についてお伺いをしたいと思います。 現在の加入率が若干、四〇%程度ということですけれども、この法改正によって損害賠償保険への加入率は一〇〇%になるということですね。
○政府参考人(木下寛之君) 今回の登録に際しまして、損害賠償保険に入るということを義務付けるわけでございますので、登録をした遊漁船業者につきましては一〇〇%入るというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 損害賠償措置の基準については省令で定めるということになっているわけでございますけれども、具体的にどのような水準になるのでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 遊漁船と同じように人を乗船させる事業でありまして、旅客船業でございますけれども、損害賠償保険契約の金額が現在、最低三千万という水準になっているわけでございます。したがいまして、私どももその水準としては同じような三千万ということを想定しているところでございます。
○榛葉賀津也君 現在の中小の、零細の遊漁船業者にとっては、この保険の加入率、保険の料金というのが負担が重いというような声も挙がっているわけでございますけれども、これが万が一、一〇〇%、万が一ではなくて確実に一〇〇%になるんですけれども、当然、パイが大きくなるわけですから保険料というのはそれに伴って安くなるのでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、この保険につきましては、民間の損害保険会社の保険によるというふうに考えております。私どもも、具体的な水準につきましては、それぞれの保険会社でその損害率に基づいて算定をされるというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 これは、遊漁船業者として登録をすると五年間は登録期間があるわけでございます。しかし、保険は保険期間が一年ということで、五年間毎年更新をしてくれればいいわけでございますけれども、更新のときの一年間は入るけれども残りの四年間は入らないというようなケースも想定できるわけでございますけれども、この更新をきちんとするには具体的にどのようなことがされるのでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 御指摘のとおり、登録制では五年というふうになっているわけでございますけれども、損害賠償保険につきましては通常一年ということでございます。したがいまして、私ども、都道府県知事に対しまして、この法律の施行に必要な報告を遊漁船業者に求めることができるという規定を活用いたしまして、登録して二年目以降の保険の契約状況につきましては、その報告を求めるよう指導していきたいというふうに考えております。 仮に、遊漁船業者が、切れた後も契約の更新をしなかった場合には、業務改善命令あるいは登録の取消し等の対象となり得るというふうに考えております。
○榛葉賀津也君 次に、遊漁船業の位置付けについて、これは大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、この今の遊漁船業を、これは漁業と見るのでしょうか、それとも観光業あるいは第三の業と見るのでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 私は、徐々に境界領域というのは難しくなってくるだろうと、このように思います。 遊漁、遊漁船業は海面を利用した、委員御指摘のような国民のレクリエーションとして、それを提供する業として営む、そういう人もおりましょうし、しかし一つはっきり言えることは、海とか漁業への理解を深める機会になっていくと思うんですね。そういう意味では、私は、都市と漁村との交流、漁村の活性化に寄与する等の側面もあると、こう思っておりますし、水産基本計画では、遊漁等の海洋性レクリエーションの安全性の確保及び漁場の利用関係の調整を図るために、遊漁船業者に対する適切な規制とか、漁業者、遊漁者等の関係者による海面の利用に関する協議等を推進することとしておりますけれども、私はどちらにあってもいいと思うんですね。漁業者がこういう言わば遊漁にウエートを置いて多角的な経営をやることも結構でしょうし、あるいは、そうじゃなくて、レクリエーションを提供するという者が漁業に理解を示して、願わくば私は漁業者と一緒に会社を作ってやられたらいいんじゃないかと。 今後、農業とか漁業というものは単なる家族経営だけではないと思います。もっと多くの国民に広くいろいろなサービスを提供する、あるいは今お話しのとおり、海と接することによって自然の貴さというのを学ぶ非常にいい機会でもあります。特に子供たちにとってはいい機会になるでしょう。 ですから、これは業として考えることがいいのか、いや、単なる産業ということから一つの社会的な使命を帯びた仕事として考える場合もあり得ると、あるいはNPOのような形でこういう分野に入っていく人もいるので、これは余り固定して考える必要はないんじゃないかと。むしろ幅広く、先ほどもありましたようなきちっとしたルールというもの、そういったものはある種の規制になるかもしれません。そういったことをきちっとやれば、その辺のところを余り固定的に考える必要はないのではないのかなと。むしろ海にいろんな人を歓迎するという考え方、そして漁村とか漁業者との交流という、そういうことを拡大していくという意味で私は大事じゃないのかなと、このように思います。
○榛葉賀津也君 長官の御認識はいかがでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) ただいま大臣から御答弁したとおりでございます。
○榛葉賀津也君 世の中は規制緩和の方向にある、しかしながら、事安全を確保していく、人の命を守っていくということに関してはしっかりと規制をして安全を守っていく。これは、狂牛病しかり、薬害エイズ問題しかり、シックハウスの問題しかり、そして有事の問題しかりであるというふうに思います。 この遊漁船業の問題を考えましても、いかに地域の漁業振興を図っていくかという観点と、遊漁船をいかに適正化していくかというこのバランスが私は大事になるんだろうというふうに考えているんです。 ずっと様々な方々から話を聞いていると、この遊漁船業をどうも今までは観光業の枠の中でとらえているような流れにあったというふうに感じ取れるわけでございます。現在、同じ遊漁船業者というふうに言いましても、ビジネスの視点でこの遊漁船業に参入してきた方と、業者さんと、元々漁師さんが兼業でやっているという、同じ遊漁船業者でも大変異なったバックグラウンドを持っていることがあると思うんですね。それぞれの意識ですとか経験の違いによって問題が生じるわけでございますけれども、この遊漁船業というものを、やはり漁業とそして観光、海の上でどのように共存していくかというような観点、正に大臣が御答弁していただいたとおりの問題が私は大事になってくるんだろうというふうに考えています。 特に私の地元である伊豆半島においては、正にもう漁業イコール観光業なんですね。正に漁業と観光業がくっ付いている。そして、現在の遊漁船業における、これは静岡の例ですけれども、例えて言いますと、遊漁船業者が千五百八十五業者あるんですね。その中で漁業者との、漁業との兼業が千三百八十四業者。正に八七%が漁業を営みながら、その副収源として、副収入の源として遊漁船業を営んでいる。遊漁船の専門業者は二百一社にしかならないということなんですね。遊漁船の船の数が千八百六隻あって、うち漁船として登録しているのが千四百六十二、遊漁船として登録している、漁船以外の登録をしているのは三百四十四隻しかないということを考えますと、正にこういった現実も漁業と遊漁船業が大変密接にリンクしているというような現状ではないかというふうに考えています。 是非これらの問題を、一つの漁業のカテゴリー、そして漁業と観光業をこれからどのように結び付けていくのかというような新たな漁業の育成の場としても、また国民が海に親しむ場としても、是非これを有効にとらえていただきたいというふうに考えております。 次に、先ほど太田先生も御指摘をされましたけれども、今回の法改正に当たりまして、例えば漁業規制の中に捕獲量の報告義務というものを入れるようなことは考えていらっしゃいませんか。
○政府参考人(木下寛之君) 考えておりません。
○榛葉賀津也君 先ほどの委員からの質問、質疑もあったんですけれども、意外とこの遊漁船業者若しくはその利用者の捕獲量というのが侮れない現状にあると思うんですね。 これも静岡の例で恐縮ですけれども、静岡県のマダイの捕獲量が、ある時期、年間五十トンにまで落ち込んでしまいました。従来ですと三百トンから四百トンあったんですけれども、これが五十トンに落ちてしまいました。しかし、県の水産資源室の調査で、最近この推計でまたこの数字が上がってまいりました。なぜ上がったかというと、年間百万匹にもわたる稚魚を地道に漁師さんが、漁業経営者が稚魚を放流しているんですね。そして現在、これがまた四百トン台にまで上がってきたんですけれども、しかし現在、捕獲量の数字を見ますと、漁業者による漁獲は約八十トンなんですね。そして、遊漁船業者による漁獲量は三百五十トンなんです。正にこれだけの差があって、遊漁船業者がマダイのほとんどを釣り上げているような状況なんです。しかし、この稚魚の放流、マダイを海の資源として保とうというその負担はいわゆる漁業経営者、漁師さんたちがやっている。この現状を見ますと、やはり地元においてはそれに対する不公平感が私は生まれてくるんではないかというふうに思うんですね。 こういった放流費用等について、一般の利用者からもしっかりとその応分の負担を求めていくという方法が大事かと思うんですけれども、長官のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 私の地元ではアキアジの一本釣りというのがあるんですね。これは大変なだいご味があるそうであります。私は、そのアキアジも、これはお金を掛けて漁業者も負担して、あるいは税金もつぎ込んでいますが、それでこの養殖、増殖に基づいて稚魚を放流して帰ってきた結果なんです。 私は、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、森づくりとか海づくりということについては、一匹当たり幾らという考え方じゃなくて、森づくりとか海づくりということについては、やはりこれはその恩恵を受けている国民といいますか我々が何らかの形で負担をするという考え方というのが大事だと思います、今後。したがいまして、長官の答弁を遮って私が答弁に立ちましたが、そういう自然再生あるいは環境創造という一環として、森づくりとか海づくりとかいうことについては、国民合意の下に私は新たなる負担の方法ということは検討すべきときではないかと、これは国民に率直に訴えれば理解してもらえるのではないかと。私どもの地域でも入漁料というような構想もございます。そういう考え方は検討する必要があると、私はこう認識しております。 長官、あと何かあったらどうぞ。
○政府参考人(木下寛之君) 特にございません。
○榛葉賀津也君 地域振興と海の安全、このバランスをしっかり考えて、是非、大臣並びに長官、まじめに働く者、まじめに漁業や遊漁船業を営む者だけが負担であるとか規制を強いられる、そういったものだけではないように、しっかりと公平感を持った施策を打っていただきたい。 加えまして、漁村において、遊漁船業も含めましてこれから施設設備等の充実をしっかり図っていく、そして漁業と遊漁船業をやはりしっかり一体化して考えて漁業地域の振興に是非御尽力いただきたいということを要望して、私の質問を終わります。
○小川勝也君 榛葉委員に引き続きまして質問をさせていただきます民主党・新緑風会の小川勝也です。 水産四法ということで、この四法に限らず、水産業の抱える現状あるいは将来展望など、大きく多岐にわたって質問をさせていただきたいというふうに思っています。 まず最初に、その質問に先立ちまして、BSE関連で気になっていることがございますので、三点ばかりお伺いをしたいというふうに思っています。 まず、もう取組をされておられることは十二分に承知をしておりますけれども、どうも様々な御意見を伺いますと、肉骨粉の処理が遅れているのではないか、あるいはいわゆるところの老廃牛、私たちは特殊牛という言い方もしておりますけれども、なかなか処理が進んでいないのではないか、こんなことを今もってまだ私の耳に到達をしております。 取りあえず、この肉骨粉の処理状況、これからの計画、どういった具合にうまく進んでいく予定なのか、そして老廃牛の処理について御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 肉骨粉は、四月五日現在、十一万五千トンの在庫がございます。一日当たりの焼却が必要な肉骨粉生産量は約九百トンでございまして、一日当たりの肉骨粉焼却量が現在七百二十トンということでございます。この内訳は、セメントが約七十トン、一般焼却施設が六百五十トンでありまして、一日当たり約百八十トンの在庫が積み上がっているというのが現況でございます。 このために、セメント工場での焼却の推進を今図っているところでございますが、梅雨入り前には焼却量と生産量が約九百トンということで均衡してまいります。その後は千百トンまでの焼却可能量に相なりますので、徐々に保管されている肉骨粉の在庫も来年の夏ごろには解消されると、そういう見込みを持っているわけでございます。 なお、現在、副大臣、政務官が都道府県知事を順次訪問いたしておりまして、各都道府県ごとの問題点を整理の上、肉骨粉の焼却の促進についても強力にお願いしているという次第でございます。 次に、滞留している老経産牛のことでございますが、最近は廃用牛の屠畜頭数は増加基調にございます。滞留頭数は二月末現在で五万八千頭と見込まれているところでございますが、廃用牛の出荷が円滑に進むように廃用牛流通緊急推進事業を本年二月から開始しているところでございますことは、もう既に御案内と思います。 さらに、屠畜場における円滑な受入れの推進につきまして、厚生労働省及び都道府県に対しまして繰り返し求めているところでございまして、順次各都道府県を訪問して強力に働き掛けておりますところから、にわかに進み始めていると、このように考えております。 私は、この解決は、今年の五、六月ごろには前年実績並みの屠畜頭数が確保されるものと期待しております。その後は滞留頭数が減少に転じるのではないかと、こういう見込みでございまして、先生は北海道ですから御案内のとおりと思いますが、北海道の例で申し上げますと、生産者団体及び屠畜場サイドでも一切制限をしておりません。結果、対前年比、二月七割、三月は八割程度と、もう大体対前年並みの順調な出荷に変わっておりまして、私は、これは事務方にはもうきちっと、どこの屠場が渋っているか、どこの農協が抑えているか、このことはもう公開すべきだと、公表すべきだということを強く申しているところでございまして、このこと等によりまして、先ほども言いましたように、五月、六月には順調に進むだろうと、こう見込んでおりますが、なお努力をいたしたいと、かように存じます。
○小川勝也君 引き続きよろしくお願いをしたいと思います。 特に、レンダリング業者の中には、焼却に回った分だけ補助のお金がいただけるというような関係のところもあるやに聞いておりまして、金利の負担等に耐えられない大変厳しいと言われている業者もあるように伺っています。一層の御努力をお願いすると同時に、やはりこの老廃牛の処理の問題も、せっかく肉の消費が上向いてきておりますので、それに、あるいは枝肉価格に影響を与えないように、うまく調整をしながら施策を進めていっていただきたいと思います。 そして、一点残りました問題が、以前にもこの当委員会でも話題にさせていただきました、この牛肉の分野の中で数少ない輸出に供されている分野の問題であります。 これは、主に牛の骨あるいは足ということであります。特に輸出先は韓国ということであります。韓国では、伝統的な料理の中で、この食材を使ったスープが非常に栄養価も高く、重要なステータスを占めているように聞いております。 特に問題点は二つあるわけでありますけれども、一つは、八月段階からいわゆる九月段階までの間、検疫証明を付けて輸出された分、これは、いわゆる農林水産省の当時の弁によりますと、もう当然のことながら業者が負担するべきものだ、こういう回答をいただいておりました。 しかしながら、その後、四月二日に検討委員会の報告書も出たわけでございます。「重大な失政」という言葉がどこからどこに掛かるのかということに私の私見を述べることは差し控えたいと思いますけれども、多くの甚大な被害をもたらしたBSE問題の中で光が当たっていない点が、この輸出向けになって、その間、韓国の水際に滞留しているいわゆる輸出牛骨・牛足ということになるんだろうというふうに思います。この辺を何とか、失政ということでありますれば国で責任を持っていただきたいというのが関係者の気持ちでもありますので、まずその点の御認識をお伺いしたいのが一点。 そして、もう一つは、やはり輸出再開に御努力をいただきたいという点であります。 先日、私は済州島に行ってまいりました。そうしますと、済州島の豚肉というのも特産品というか輸出奨励品であったわけでありまして、日本は口蹄疫の関係から輸入を控えておりましたけれども、何とか安全な豚肉を私たちにも食べさせようといういろんな配慮があったわけであります。そのこととこの輸出の問題とがリンクしているというような話もありましたので、その口蹄疫に関係した済州島の豚肉も、近い将来、輸入に踏み切るんではないか。 そして、もう一つ、この五月の末から六月に掛けては、私どもと隣の韓国では世界的な行事でありますワールドカップも控えております。ワールドカップというのは世界各国からサッカーファンが集まるということで、その国をよく知ってもらうチャンスでもありますし、あるいはその国の伝統文化を分かってもらうことや、その国の本当においしいものを食べてもらうという機会でもあります。先ほど申し上げましたように、韓国の伝統的な料理ということの中に含まれる食材でもありますので、六月に向けて何とか輸出が再開できるように御努力をいただきたい。 その二問、二点を併せて御回答いただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) BSE発生以来、もういろいろな方々に御迷惑をお掛けしているということにつきましてはたびたびおわびをしているわけでございますが、韓国が、今、委員御指摘のように、韓国料理の食材であります牛骨・牛足の輸入を停止しているということにつきまして、経済的負担を強いられている方々に対しては大変申し訳ないのでございますが、畜産物の貿易を行う上で輸出サイドの負担となることはやむを得ない性格のものである旨、輸出業者には説明し、理解を求めてきているところでございまして、このことは御理解を賜りたいと思います。 なお、今お話ありましたように、現在の国産、国内産の牛骨・牛足については、屠畜場における全頭検査及びSRM、危険特定部位の除去を実施し、安全であるということは証明済みでございます。 したがいまして、韓国料理の食材としてしか大きな食用需要がないこともございまして、韓国当局に対して輸入を解禁するよう強く要請しているところでございますが、今、委員御提案の向きにつきましては、私もここ最近で金農林長官には二回立て続けにお会いしておりますので、直接にもこのことをお話しいたしまして、最大限努力したいと、かように思います。
○小川勝也君 ワールドカップに向けて御努力をいただくというふうに理解をさせていただきたいと思います。 漁業、水産業全般についてお伺いをしたいと思います。 第一次産業全般に言えることでありますけれども、私たちが社会科の教科書で習ったいわゆる第一次産業就業者数、就業人口比率というのが年々減っています。この国はどこに行ってしまうのかという素朴な疑問がわいてきております。当然、農業の分野もしかりでありますし、水産業の分野も同じだろうというふうに思っています。 そんな中で、私たちの国は元々農耕民族だった、こんなことも考え得るに、一九四五年を境に国の在り方を大きく変化させて、この現代的な文明の中にどっぷり浸っていていいのかな、こんな疑問もあるわけであります。 とりわけ、食品というのは私たちの生命を維持する最も重要なアイテムでありますし、特に私たちのこの日本民族は、世界で最も水産資源を口の中に入れる民族だと言われています。水産業も大変重要な役割を担っていることは言うまでもないわけでありますが、そんな中で、いわゆる漁業者、漁師さん、水産業を営む人たちというのは、例えば昨今の経済状況とか短期、長期的な見通しの中でどのぐらいの人数が適切なのか、いわゆる農林水産省や水産庁としてお考えがあればお伺いをしたいと同時に、もう一つは、信用事業の問題も含めて漁協の合併が今進んでいます。特に、武部大臣も御承知の北海道辺りは、農協の合併、漁協の合併、市町村合併と、これが二百十二ある自治体の中で大変大きな話題となっています。独立して単体でというその気持ちも分からないわけでありませんし、メリットもあるわけでありますけれども、やはり行政の側としても何らかの思惑があろうかと思います。 今の全国の漁協数と、将来的にはどのぐらいになったらいいんじゃないかと、その見通しもお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) まず、最初のお尋ねでございますけれども、将来における漁業の適正な規模でございます、就業者の規模でございますけれども、御案内のとおり、漁業の生産力は、漁業者の数というよりは漁獲能力、漁船の大きさだとか装備等に依存する度合いが非常に大きいというふうに考えられます。また、その漁獲能力につきましても、様々な漁法や大小の漁船の組合せの結果であるということで、なかなか明示することは困難なところがあるというふうに考えております。 ただ、沿岸漁業につきましては、今回の「沿岸漁業の生産構造の展望」の中におきまして、若い担い手を積極的に確保して、望まれた姿といたしまして、全体の経営体数七万、主業的漁家がその半数になるものというふうに展望しているところでございます。 また、漁協の合併でございますけれども、私ども、これまでも様々な改正の中で、現在遅れているわけでございますけれども、漁協の合併を促進しているわけでございます。 どの程度の数かという点でございますけれども、漁協系統では、平成十九年度末でございますけれども、約二百漁協程度とするというのが計画でございます。
○小川勝也君 想像していたよりも少なくおっしゃられたんでちょっとびっくりしたところであります。その漁協の数と比べて、現在農林水産省でいわゆる担当しているというか、管轄をしている漁港というのは幾つありますか。
○政府参考人(木下寛之君) 二千五百前後だというふうに承知をいたしております。
○小川勝也君 そこで、次の質問にちょうどつながるわけでありますけれども、先日、農林水産委員会で視察をさせていただいたときに、由比漁協という静岡県の漁協に参りました。サクラエビを捕っているところでありますけれども、そこの組合長さんは、あるいは町長さんは、何とか計画している港を早く造ってくれと、こんなお話を伺ったわけであります。 これは、我々委員はみんな分かっていることでありますけれども、大体、漁業協同組合と港というのが関係が非常に強いわけでありますけれども、港を何とかいいものにしたい、整備を早くしてほしいという声は、これは我々がよく耳にする話であります。しかしながら、二千五百も漁港があって限られた財源の中で整備をしているということで考えますと、遅々として進まないというふうな言い方も匹敵するのではないかというふうに思ってしまうのであります。 先日来も、お話を伺いますと、漁協の組合長さんが言っていたのには、自分や町長の目の黒いうちには完成しないと、こういう言い方でありました。限られた財源の中から全国からの要望を考えて投資をしていくわけでありますので仕方のないことかなというふうに思ったわけでありますけれども、将来の漁業の在り方、漁獲量あるいは様々なことを考え合わせて大変苦しい選択になっていくんだろうというふうに思いますけれども、いわゆる漁港の整備を集中して行っていくということも視野に入れていかなければならないんだろうというふうに思っています。全部に広く薄くということになりますと、なかなか機能もしないし、全国の中にはそこの港に所属する船が著しく少なかったり、あるいは後継者がいなかったりして将来に展望が開けないような港もあるように承っています。 この集中して漁港に投資をしていくという考え方について、御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) ただいま水産庁長官が二千五百と言いましたが、二千九百三十一の誤りだそうでございます。 私は、今、小川先生おっしゃったことは全くそのとおりだと思います。 漁港漁場整備事業の推進に際しましても、漁場、漁港、漁村の一体性を考慮していかなきゃなりません。私は、これから漁村といいますか、ニューコミュニティーとしての漁村ということが大事になってくると思います。言ってみるならば、インターネットを駆使できるような、そういうようなことが大ざっぱに言って一つの目安になるんじゃないかと。私は、よく漁村に行って若い人や漁協の役員さんと話すときには、もうそういうところでなければ、あなたたちはともかく若い人たちは住まないんじゃないのという、これは仕事もできなきゃ住めませんからね。しかも生活の一部ですね、もうパソコン、インターネットは。 そういうお話をしておりますが、大体話を聞いて納得してもらえるんじゃないかと、このように思っておりまして、本年三月に制定されました漁港漁場整備計画におきましても、全体の約三割の漁港に整備の重点化を図るということにいたしておりまして、水産資源の管理、流通対策、担い手対策等水産業に関するソフト施策の適正な連携、コスト縮減に向けた連携、PFIの活用、事業評価制度の厳格な適用等の積極的な取組を行うこととしているわけでございまして、今、私、前段申し上げましたように、漁港と漁場と漁村、これは一体的に整備していくと。その形でやっぱり漁村集落の再編ということも進めていく必要がありましょうし、あるいは漁港というのは今はもう仕事場です、水産に関する基地ですね。そういうふうなことも一体的にやっていく必要があると、こう思いまして、やっぱり集中的に、重点的にやっていかざるを得ない、こういうふうに考えております。
○小川勝也君 次に、港周辺のことについてお伺いをしたいわけでありますけれども、よく縦割り行政の弊害という言葉を耳にいたします。特に、BSE問題のときにも厚生労働省との連携がどうだったのかというのが反省点に盛り込まれています。このいわゆる港、海岸付近というのは、まさにかつてで言うと農林水産省と建設省と運輸省のせめぎ合う場所でありました。幸いにかどうか分かりませんけれども、国土交通省という、カウンターパートが一つになったわけであります。これを、多目的な形で税金を投資する場合、最も効率的に投資するように連携をうまく取っていただきたいというのが私の考え方であります。 例えば、護岸というのは国土の保全、大事な意味があります。漁港は、これは漁船が使いやすいというのが港であります。そしてそのほかに、今は海岸の侵食であるとか、いわゆる河川、上流部分とその海とを結ぶ間にどういう流れになっているのか、あるいは特色があるのか。河口付近がまた変化をしていきます。そんなことを含めて、もっともっと連携を密にしてやっていただきたいというのが持論であります。 そんな中で、いろんなケースがあるわけでありますけれども、例えば、大臣は御承知だと思いますけれども、苫小牧沖に直轄胆振海岸というのがあります。これは人工リーフ型の魚礁に近い波よけブロックを海底に埋めるということでありまして、大変巨額の投資になったわけでありますけれども、そこは想像もしなかったぐらいいわゆる魚の産卵場所になったりウニやホッキが採れるようになったり、これはちょっと話それるわけでありますけれども、いわゆる後継者不足に悩む漁協の中で苫小牧漁協は若い力にあふれているというんですね。 だから、そんなことも、これは北海道開発庁の仕事だったわけでありますけれども、参考にしながら、うまく連携を取って、いわゆる漁業資源も採る、そして海岸の侵食も防ぐ、港もうまく使えるようにするというような形で、最も効率的に税金を使うように努力をいただきたい。そのことに対するお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 海岸事業につきましても、多様な生物の生育また生息環境等の保全創出の観点から、平成十一年度から、水産基盤整備事業と海岸事業の関係省庁が連携しまして、水産資源の維持・培養に資するいわゆる離岸堤、あるいは人工リーフ等の整備を行う魚を育む海岸づくり事業を推進しているわけでございまして、私もいろんなところを見ておりますけれども、むしろこれは、公共事業云々という議論はありますけれども、私はその中でも海岸事業というのは非常に重要だと、このように思っております。 とりわけ、北海道は全国比からすると低いんですよね。これはやっぱり国土保全ということからも、従来のようにブロックで固めたりコンクリートで固めるんじゃありません。今言ったように、海の静穏度、波の静穏度を高めるために、藻場だとかそういったものを、自然に生息できる、創造できるようなそういう方法があるわけでありまして、農林水産省はそういう環境創造型の事業に大転換いたしておりますので、是非、今後とも御支援のほどをお願いいたしたいと思います。
○小川勝也君 役所が最も苦手な他省庁との連携について一言言及してください。
○国務大臣(武部勤君) それは、環境省も国土交通省も含めまして、このことが一番大事だと、このように思っております。
○小川勝也君 次に、ちょっと淡水、内水面のことで質問したいと思います。 先ほど、午前中、太田委員からも質問がありましたブラックバスやブルーギルを中心とした外来魚の問題。つい先日、北海道の大沼で水産庁の許可が得られなかったと。これは爆破という作戦だったわけでありますけれども、本当に悩ましい問題だろうというふうに思っています。 一つは、先ほど水産庁長官から少なくしていくというふうな話がありました。しかし残念ながら、外来魚種には天敵がいなくて、少なくなってもまた増えるということが分かり切っているわけであります。ですから、もっと別な方向を考えていかなきゃならない。これは、言葉は悪いけれども、そこの湖からいわゆる一匹以下にしないと僕はいなくならないと思うんですね。 そういうことでいいますと、先ほどお考えになっていたよりももっと厳しい問題だろうというふうに思うし、もう一つ、別な面からとらえますと、それだけ、太田委員が許せないと言われたスポーツフィッシング、スポーツフィッシャーは、ただ一つの湖、湖沼にブラックバスを放流したんじゃなくて、今、日本全国で問題となっているわけであります。ということは、許せないのは許せないんですけれども、どこか特定の場所を指定して、そこだけはその愛好家が楽しめる場所にしてしまうというのも一つの考え方だろうというふうに思うわけであります。 お伺いしたいのは、先ほど北海道が大沼をその実験地として何とか爆破の方法でブラックバスを退治したいという考え方に対して、どういういきさつで反対ということで許可を下ろさなかったのか、そして、それ以外のこれからのブラックバス対策、どういうふうに駆逐をしていこうとお考えなのか、そしてもう一つ、私が今申し上げましたように、特定の場所だけをいわゆるブラックバスを釣る場所として、地元の理解をどのぐらい得られるか分かりませんけれども、選定していくというお考えはあるのかないのか。三点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) まず、北海道大沼公園におけるブラックバスの駆除の問題でございます。 北海道庁からは、近隣の大沼等への影響を懸念し、外来魚の完全撲滅のための駆除を実施をしたいということで、爆破による駆除の実施に向けて地域住民や関係者への説明会の開催等を行ってきたと。その中で、私どもについても照会があったわけでございます。私どもは、水産資源保護法という法律がございまして、第五条に「漁法の制限」という規定がございます。「爆発物を使用して水産動植物を採捕してはならない。」というような規定がございます。私ども、今回、ブラックバスを駆除するに際して、やはり水産資源保護法第五条に違反をするというふうに考えており、そのような打合せを北海道としたところでございます。 したがいまして、このような結果の中で、北海道では、幾つかの従来から実施を行っております刺し網や引き網による駆除だとか、あるいは人工産卵所を設置をして産卵の誘導あるいは卵そのものを全部駆除をしてしまう、また稚魚の段階で稚魚ネットを張りまして稚魚を駆除をする、あるいは土のうの設置ということで、いろいろな計画の見直しを行っているところでございます。私ども、このような北海道の計画の見直しに際しまして、私どもとしても賛成できるということで、所要の経費を助成する方向で協力していきたいというふうに考えております。 それから、第二点でございますけれども、すみ分けでございます。 これまでも、そういうような外来魚に対しまして、駆除すべきだという考え方、あるいは遊漁者等釣りの愛好家のために一定の地域に限定をして採捕を認めるべきという、いろいろな考え方ございます。現に日本の国内でも、山梨県の一部の地域ではそのような規定を設けてやっているという点もございます。私ども、外来魚の駆除に関する懇談会をできるだけ早く発足させたいというふうに考えておりまして、いろいろな考え方につきまして議論をし、新たな対策の方向を見いだしていきたいというふうに考えているところでございます。
○小川勝也君 爆破に代わる方法について言及されましたけれども、これはえらい大変な話であります。水産庁としては、法律で禁止されているから駄目だというふうに一言で片付けるのではなくて、これはそれぞれ問題を抱える地元にとっては大変大きな課題であります。いろんな方法が挙げられるのでありましょうけれども、粘り強く、そして緊密な連携を取りながら、この問題に取り組んでいただきたいというふうに思うわけであります。 そして、その次の問題に入ります。 実は、委員会で視察に行く前に、会派で視察に行きました。その三重県の比較的都市部ではない地域に行ったわけでありますけれども、アユの名所であった川がダムができたおかげでアユの型が小さくなったと、こんな話がありました。実は、いろんな報告を東京の議員会館にいながらにして聞いていたわけでありますけれども、現地で直接話を聞いたというのは、当然のことながら衝撃的でありました。 日本全国に川にダムができて、いわゆるアユを中心とした、このアユというのは、食べておいしいというだけではなくて、水が清らかだ、自然が保たれているというように、象徴的にこの響きがあります。淡水魚、とりわけアユが遡上する、アユが生息しているということが非常に大事な我々に対するメッセージだろうというふうに思うわけでありますけれども、ダムとアユとの因果関係についてどのように言及されますか。
○政府参考人(木下寛之君) 河川を漁場といたします内水面漁業、アユもその対象になるわけでございますけれども、ダムを整備いたしますと、漁場の喪失なり河川流量等の変化につながっていくというふうに考えております。
○小川勝也君 ダムはアユにとっていい存在ですか、悪い存在ですか。
○政府参考人(木下寛之君) なかなかお答えするのが難しい御質問でございますけれども、先ほど申し上げましたように、アユにとってみますと生息地域の喪失につながることには間違いありませんし、また、ダムができることによりまして河川流量等の変化につながるということで、ある意味では生息環境が変化をするというふうに考えております。
○小川勝也君 大臣はどうお考えになられますか。
○国務大臣(武部勤君) 私ども、一番大きな問題としては、防災機能でありますとか、あるいは環境への配慮でありますとか、いろいろの国民の要請がございます。あるいは、ダムと河川の環境について言えば、河川環境を維持するとか、生活水としてライフラインを守るとか。 しかし、魚の生息ということを考えますと、ダムそのものが魚にとって幸せな存在だと思いません。しかし、それを克服する道、方法ということは当然考えていかなきゃいけません。もういろいろな技術があるわけであります。いろいろな方法があるわけでございますから、内水面漁業の振興を図るということと同時に、魚道の整備や産卵場の造成と、そういったことをしっかりやっていくならば、私は、共存共栄、共存の道、多様なものの、生物の共存ということも可能になるのではないかと、このように考えておりまして、そういう意味では今後、農林水産省といたしましても、環境創造型の事業に大転換していこうということを唱えているわけでございますので、御理解いただきたいと思います。
○小川勝也君 わざとこういう質問をしたわけでありますけれども、今までの各省庁、行政の体質というのはどういうものかというと、いわゆるよその役所のことには非常に口を出しにくいというのが、これが今までの形であります。それは大臣だけではなくて、水産庁の方々、農林水産省の方々、すべてもう染み付いていることであります。 いわゆる役人の方はそれでいいかもしれない。しかし、我々はこれからまた新しい時代を切り開いていくということ、そしてそれが政治主導で行われるということに限って言うと、大臣や副大臣はそれではいけないと思うわけであります。自分の信念に基づいて、大臣はそう思っていなくても、あの建設省管轄の、今では国土交通省ですけれども、ダムは駄目だと思ったら閣議でも表でも言っていただくようなリーダーになっていただかなきゃいけない、こういう私の期待を込めた質問だったわけであります。 それと同時に、今までの、例えばこの農林水産委員会、農業にしても水産業にしても、それぞれに従事している人たちがしっかりとした生活ができるかどうか、このことが一番の課題でありました。私のふるさとの北海道も、正に農業も漁業も、従事されておられる方は非常に大変であります。ですから、その人たちがしっかりと生活のできるように、未来に希望を持ってその仕事に従事できるように、この委員会で頑張りたいというふうに思っております。それは大臣も同じだろうというふうに思いますが、そこに残念ながら存在が薄かったのが消費者の存在だったと思います。 正にBSE問題がそのことを教えてくれまして、武部農林水産大臣が大きなリーダーシップを発揮して、分かりやすいパンフレットを作っていただきました。(資料を示す)非常にこういう一枚紙で分かりやすい、そして生産者だけの行政ではないんだぞと。とりわけ、生産者団体にだけおもねるような行政からおさらばするんだ、すべての消費者を満足させるために頑張っていくという意思表示の表れでありました。 この食の安全の問題、いわゆる畜産の問題もBSEでありました。農産物の問題でも様々な問題を抱えています。そして、水産物の問題も非常に大変な時期に私は来ているんだろうというふうに思います。今までは生産者のことだけを考えると言いにくい問題も、私は心を鬼にして取り組んでいかなきゃならないんだろうというふうに思っています。 そんな中で、一つは養殖漁業、この問題点であります。よく皮肉な話で耳にするのは、いわゆる集約的な野菜を作っている農家の方々が、自分の畑の中で取れた農産物の中でも、自分で、自家用で食べるものと出荷するものを分けて作っている、出荷するものは食べないなんという笑えない状況があるように聞いています。それと同じように、養殖漁家の中にも、自分の生けすで育った魚は食わない、こんな人まで今出てきたような話であります。様々なこの飼育の状況、それは社会全体が経済効率を非常に重要視させられている。あるいは薬、あるいはこの法律にも出てきましたワクチン、あるいは一匹でも多く同じ生けすで飼った方がそれは経済効率が良くなっていくわけであります。 今現在、その養殖漁業の置かれている状況を大臣はどのように把握されていますか。
○国務大臣(武部勤君) 養殖漁場もいろいろあるだろうと、こう思います。 私は、BSEの問題を契機に、やっぱり生産者と消費者の顔の見える関係というものをしっかり構築しなければならないということで、今、委員がお示しになりましたパンフレットも、消費者に軸足を移した農林水産行政に変えますと。これは早速生産者から批判がありました。しかし、食料自給率の向上や生産者が成り立っていくためにも、やはり消費者が求めるものを作らなければやっていけないんだよということを申し上げて、それは分かるけれどもということで、少し不満であったかもしれませんが、これははっきり消費者を軸にした農林水産行政に変えていこうと、強い決意でございます。そういう意味では、「「食」と「農」の再生プラン」においても、食の安全と安心のための法整備、また行政組織の構築ということについても、総理からも御指示いただいて、関係閣僚会議も設けております。 今、水産のお話でございますが、私は、委員がお話しされたいと思っていることは水産用の医薬品の使用の規制の問題にかかわる話なんだろうと、こう思います。 私は、薬というのは、これを上手に使えば健康を取り戻すことができますし、これを間違って使えばこれは大変な害悪になるんだろうと、このように思います。そういう意味では、使用基準の遵守の徹底でありますとか、水産用の医薬品の適正使用の確保ということはきちっとしていかなければなりませんし、養殖の場合は、私は、トレーサビリティーは、食肉だとか米、野菜だとか、そういったもののほかに、水産物でも養殖だったらこれはトレーサビリティーの対象になり得るんじゃないのかなと、こう思います。海で捕れているものを、これは太平洋からオホーツク海と動いておりますので、どこでどのように捕れたかと言うのはなかなか難しいかもしれません。そういう意味では、消費者と生産者の顔の見える関係ということをもうしっかり、これは消費者の最後は選択になります。 私は、この食と農の再生の中で一つ入れているのは、「新鮮でおいしい「ブランド日本」」ということを言っているわけでございますが、「ブランド日本」と、日本を特にこう誇張しなきゃならぬのかなという感じがしますけれども、消費者の選択も、新鮮でおいしい、安全で安心できるというものであるならば三割ぐらい高くてもいいということがあり得るかもしれません。やはり漁業、養殖業等も、経営している人も、やっぱり病害虫など出さないように、魚病など出さないようにするためには、有機農業と同じように相当コストも掛け手間も掛けなきゃならないでしょう。しかし、それは高くならざるを得ないんだと思います。 ですから、その辺のところは今後やっぱり真剣に考えて、厳正な対応をどうしていったらいいかということはきちっと呼び掛けていく必要があると、このように思っておりまして、その意味でもやっぱり食の安全にかかわるリスク分析に基づくリスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションと。リスクコミュニケーションの一環として、これはこういう手間暇掛けていますから新鮮でおいしいんですと、変な薬品使っていませんと、しかし高いですよと、といって選択してくれるかもしれませんし。これは言わば大量生産の一環で、同じ魚種であっても一環ですよと、そうするとそれは、これ、えさはこんなものを使っているということが分かってきますから、それは安くても、安い方を志向する人はそれで買うのかもしれません。 その辺はやっぱりこれから、生産者と消費者との間に顔の見える関係というのは、別な言葉で言えば、生産者と消費者の間で対話ができる関係、そこで価格でありますとか生産の手法でありますとか、そういったことも答えとして出てくるのではないかと。 未熟ではありますけれども、今そんなことを考えて、今後の法整備、行政組織の対応を真剣に考えていきたいと、こう思っている次第でございます。
○小川勝也君 今、大臣からトレーサビリティーという言葉がありました。数日前の新聞ですけれども、私もいよいよ来たかなというふうに思った記事がありました。今日持ってきてありませんけれども、大手スーパーが表示をするというふうに踏み切ったということであります。この何々という魚は自分のスーパーが契約している何々の何々浜のどこどこで捕れた、あるいは育った魚ですと。ということは、もう消費者の中にやっぱり不安があるんだろうというふうに思います。 とりわけ、高級魚と呼ばれていたタイやヒラメ、これが回転ずしに行きますと、確かに皿に絵の模様は付いていますけれども三百円ぐらいで二貫食えると。そこまで安くていいのかというふうに思うわけであります。流通の御努力なんかも当然あるわけでありますけれども、我々のこの物欲というか食欲も含めて、際限なく来ているんじゃないか、そこはいったん立ち止まって考えるべきじゃないかということであります。 利便性を追求する、経済的な利益を追求する、これは当然、我々が心を持って生まれてきた以上はゼロにするわけにはまいらないけれども、特に私は、食料、食の分野というのは最もその経済効率から離れて考えるべき点だというふうに思っているんです。ですから、農産物、それは中国からのものに価格で勝てない、でも、経済効率だけ優先すれば輸入したものを買った方が安いじゃないかということになるけれども、全く別な次元のものだと私は思います。 それと同じように、この水産業も、安く安くということでどんどんどんどん苦しい立場に漁業者を追い込んでいやしないか。これは、現代の社会を作ったのは、これは大臣でもありませんし農林水産省に責任があるわけでもない。みんなでこの国の流れや気持ちを変えていかなきゃいけないんだとしたときに、さっき言ったように、いわゆるただ単に農林水産省を担当している大臣だということではなくて、いわゆる国務大臣の一人として、自分のエリアを超えてでもこの世の中を変えていかなきゃ駄目じゃないか、日本の周りで捕れる魚がみんな安全だというふうにならなきゃおかしいぞということを大臣には発言をしていただきたいと思うわけであります。 いわゆるその問題については木曜日に譲らせていただくとして、とりわけ昨日、昨日ちょうど諫早湾の問題に関して知事さんとお話をされたというふうに新聞で拝見をいたしました。どういう話合いの内容だったのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 昨日夜遅く、十時ごろでございましたが、長崎県の金子知事、また加藤県議会議長、県漁連会長、それに有明海の三漁連の会長、有明海の三県の、佐賀県の知事さん、福岡、熊本の副知事さんと会談を行ったわけでございますが、その結果は、排水門は短期の開門調査を実施する、それから諫早湾干拓事業については平成十八年度に完了させるという私ども農林水産省の方針について理解を示され合意をしたということでございまして、私ども、これによりまして、対立の構図を超えて、有明海の再生と諫早湾周辺地域の振興に向けて新たな第一歩を踏み出すことができたと、このように大変有り難く思っているわけでございます。 一方、まだ短期の開門調査の実施につきましては、地域において不安を抱いている方々や厳しい意見をお持ちの方も多々ございます。それは事実でございまして、農林水産省としては、長崎県当局とも協力して、短期の開門調査の早急な着手に向けまして地域の方々の理解が得られるように今後更に努力をしてまいりたいと、このように考えているわけでございます。
○小川勝也君 農林水産省としては、かつてから自信を持って持論を持っておられたと思います。短期の門を開けて調査するわけでありますけれども、おおむねどんな調査結果が出ると予測されておられますか。
○国務大臣(武部勤君) それは正に調査をやってみなければ分からないことでございます。
○小川勝也君 この諫早湾の干拓の問題と有明海の問題、とりわけ午前中も話題に出ていましたノリの不作の問題、いろいろ話題になっておるところでありますけれども、ある人は、ノリに対する酸を使用するのが悪い影響を及ぼしているんではないかというふうに言う方がおります。それについて農林水産省はどういう見解をお持ちですか。
○政府参考人(木下寛之君) 酸処理剤の使用でございますけれども、クエン酸あるいはリンゴ酸等のいわゆる有機酸にノリ葉体の付いたノリ網を浸すことによりまして、ノリと競合いたします、あるいは存在しているノリの商品価値を落とす付着珪藻あるいはアオノリを除去すると、その目的で使っている技術でございます。 酸処理剤はpH二程度の強い酸性の状態でノリ網に五分程度浸して使用するわけでございますけれども、ノリを海中に戻しますと、海水の強い緩衝作用によりまして直ちに通常のpHに戻るというふうに私どもは承知をいたしております。ただ、昨年開かれました農林水産省の有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会の場でも、このような酸処理剤の再検証の必要性について言及があったところでございます。 私ども水産庁といたしましては、酸処理剤が環境なり生物へどういう影響を与えるのか、改めて再調査したいという方向で検討しているところでございます。
○小川勝也君 元来、本来のいわゆるノリ、アサクサノリには使われていなかったと思います。経済効率の中で、ノリの成長が良くなるあるいは見栄えが良くなる、高く取引されるということがその方法に向かっていったんだろうというふうに思います。当然のことながら、生産者を責めるつもりは全くありませんけれども、先ほども大臣がおっしゃられたように、いわゆる薬とかあるいは化学物質などというのは、これはできるだけ使わない方がいいんではないかと私は思っているところであります。 文明社会に生きているのは我々の宿命でありますので、その妥協点も見いだしていかなければなりません。私たちがこれから暮らしていく上で化学物質とどう向き合っていくのか、水産の現場ではどういう問題があるのか、木曜日の質疑に譲らせていただきたいというふうに思います。 ありがとうございました。
○鶴岡洋君 小川先生の大演説の後でちょっと恥ずかしいけれども。 漁業再建整備特別措置法等の一部を改正する法律案、この改正案についてお伺いをいたします。 今回の改正案は、水産基本法の基本理念、すなわち水産資源を持続的に利用しながら将来にわたって国民の需要に即した漁業生産を行うことができるよう、効率的かつ安定的な漁業経営の育成を図るための具体策として、今の中小企業構造改善計画制度を見直して、沿岸漁業を含むいわゆる全漁業種類を対象に意欲のある漁業者等が創意工夫を発揮して行ういわゆる経営改善の取組を支援すること。また、我が国二百海里水域内において資源の悪化が進んでいる現状を踏まえて、資源回復のための取組に対する支援策を強化することが目的であると、こういうふうに聞いております。 そこで、最初にお伺いしたいのは、ちょっと前置きが長くなって恐縮でございますけれども、漁業経営のいわゆる育英方針でございますが、農水省の資料によりますと、平成十二年の漁業経営体数は、沿岸漁業経営体が十三万九千、中小企業経営体が七千、大規模経営体が百二十と、トータルで十四万六千。漁業就業者数は、昭和五十一年のときは四十七万人、それからだんだん減ってきて平成十二年で二十六万人と、こういうことになっております。漁業の生産量は、十二年ですから、その前の年、十一年に比べて四%減少して六百三十八万四千トン、漁業生産額は、前年に比べて、十一年に比べて六%減、一兆八千七百五十三億円と、こういうふうになっているわけです、御存じだと思いますけれども。 そこで、平成十四年三月二十六日、閣議決定されたいわゆる水産基本計画によりますと、我が国の平成二十四年、これから十年後における持続的生産量の目標を魚介類六百八十二万トン、それから海藻類六十七万トン、こういうふうに設定しております。自給率の目標額を魚介類六六%、海藻類七〇%まで高めるということを掲げております。 また、併せてそのときに公表された「沿岸漁業の生産構造の展望」では、沿岸漁業経営体数について、十年後の平成二十四年には趨勢で六万五千経営体、展望として七万経営体、その半数を主業的漁家で占めることが望ましいとしております。沿岸漁業の就業者数については、二十四年で趨勢で十万七千人、展望として十一万五千人、うち六十五歳未満を八万五千人確保することが期待されるとし、沖合・遠洋漁業については平成十四年以降に検討することになっております。 そこで、私、お伺いしたいんですけれども、これに対して、まず一点は、政府としてはこの現在の漁業就業者数が不足していると見ているのか、それとも、少し余っていると、こういうふうに考えているのか、その辺を最初にお聞きしたい。 加えて、今申しましたように、水産基本計画で定めた生産量目標、いわゆる平成二十四年六百八十二万トン、自給率目標六六%、これを達成するためには、どの漁業にどの程度、どの漁業というといろいろありますけれども、沿岸とか沖合・遠洋ありますけれども、最低限度どの漁業にどの程度のいわゆる経営体数、漁業就業者数が必要であると考えているか、この二点ですけれども。 その前に、言葉のことですけれども、趨勢で六万五千経営体ですね、それから展望で七万、それからその後に六十五歳未満八万五千人確保を期待、これ、みんな同じような言葉だと。それで、生産目標と、目標というのがある。趨勢、展望、期待、目標、これは私、ちょっと頭悪いから分からないんですけれども、どういうことですかと聞けば、これは読んで字のごとしと、こう言われればそれまでですけれども、ちょっとこの展望とか期待とか、じゃ結論として本当のところはどうなんだと。目標が、こういうふうに生産目標が決まっているんだから、それに対してどういう形でこの経営をやっていけばこういうところに達するんだと、結論は分かっているわけ、一応目標があるわけですから。何も、展望だとか趨勢だとか期待するとかと、こういう言葉は必要ないんじゃないかなと。もっと単純明快にやって、それに努力していくというのがいいんじゃないかなと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 幾つかお尋ねがございました。 まず第一点でございますけれども、現在の漁業就業者数の水準をどのように評価するのかというお尋ねでございました。 私ども、漁業の生産力は漁業者の数というよりは漁獲能力、漁船の大きさだとかあるいは漁船の装備等に依存する度合いが大きいというふうに考えております。また、漁獲能力につきましても、様々な漁法、巻き網だとかあるいは底引き、刺し網等々、また船の大小の組合せの結果ということでございます。したがいまして、一概に現在の漁業者の数が多いのか少ないのかということを判断するのはなかなか難しい面があるというふうに考えております。 それから、私ども、今回の自給率目標、その参考として「沿岸漁業の生産構造の展望」ということについて、先ほど委員が御紹介になりましたようなことを決めさせていただいたところでございます。私ども、これまでの、平成十二年まで具体的な数値があるわけでございますけれども、これまでの傾向値をそのまま推移をしたというふうにいたしますと、平成二十四年には沿岸漁業全体の経営体の数でいたしますと、趨勢値として例えば六万五千戸というふうになるというふうに見通しているわけでございます。 この中で、展望値でございますけれども、私ども、沿岸漁業に対しまして、例えば後継者対策だとかあるいは沿岸漁業の対策などいろいろな諸施策がございますけれども、そのような政策努力を加味した、あるいは加味した目指すべき生産構造の姿として「展望」ということで、私ども、沿岸漁業全体でございますと、七万戸ということを我々は今後目指すべき姿として、例示として挙げさせていただいております。 それから、三つ目のお尋ねでございます。今後、生産展望を達成するのに沿岸漁家あるいは沖合あるいは遠洋でどの程度の数が必要なのかという点でございますけれども、正に委員が先ほど御紹介しましたように、私ども、今回、沿岸漁業全体についてこのような展望をさせていただきまして、沖合なり遠洋漁業は、私ども、許可ということで具体的な規制を行っているわけでございますので、今後どのような、このような漁業に対しまして許可の方針を取っていくかということによって相当程度変わってくるんだろうというふうに考えております。
○鶴岡洋君 そうすると、私のお聞きした、最低限どの漁業にどの程度の経営体数というのは、これは分からないということですわな。そうですね。 ちょっと待ってください。今、長官のおっしゃったのは、政策を加味したものを目指すべきであると。政策を、それが展望だと、これはおっしゃっているけれども、政策を加味しない、そんなことはやっていいんですか。そうじゃないでしょう。政策を加味したからそういう方向に行くわけでしょう。それを展望と言っているんですから、この展望の下に、じゃ、どの漁業にどういうふうになるのかと。何だか中途半端というか、非常に抽象的で私分からないから聞いているわけなんで、大体この見当になるとか。 十年スパンがあるわけですから、だから、もしそれができないということも、世の中の事情で変わってくることもあり得ますから、じゃ私、先に言っちゃいますけれども、五年ぐらいで見直しもすることもあり得るよと、こういうことはないのかと、こういうふうに私はお聞きしたかったわけです。答えてください。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、今回、基本計画を十年後を目指して定めたわけでございますけれども、正に今後の事情の変化も加味し、私どもは、五年後につきましては、これはいろいろな変化を加味して、改めてその数字については再検討したいというふうに考えております。
○鶴岡洋君 それじゃ、しつこくなりますけれども、その数はちょっと、経営体数や就業数もはっきり分からないと。その点はどうなんですか。
○政府参考人(木下寛之君) 先ほど来申し上げておりますけれども、私ども今回、「沿岸漁業の生産構造の展望」についてお示しをいたしました。この沿岸漁業は、沿岸漁業につきましてはいろいろな漁業形態がございますけれども、今回、まず私ども、最初の試みとして日本全体の沿岸漁業の構造としてあらまし、全体として七万戸としたわけでございまして、沿岸漁業の中で漁船漁業が五万六千、十年後の展望でございます、あるいは魚介類の養殖業については九千戸、それから藻類養殖業については五千戸というような展望をしているわけでございます。
○鶴岡洋君 分かりました。 次に、効率的かつ安定的な漁業経営ということについてお聞きをしたいと思います。 水産基本法第三条では、水産業の健全な発展という理念の実現のための施策として、効率的かつ安定的な漁業経営の育成を掲げております。今回の漁特法の改正案では、目的規定を改正し、この実現を位置付けることとしているわけでございます。 効率的という面では、漁獲高の維持増大のみならず、先ほどからも話がありましたけれども、消費者ニーズに即した漁業生産による高付加価値化、コストの削減などにより、生産性が高く高収益、高所得を上げることができる経営が想定されておるわけです。また、安定的という面では、水産資源の持続的な利用が確保されていること、的確な経営投資による必要な資本整備を有すること、財務状況が健全であること、労働条件、安全衛生の面で適切な労働環境が確保されていることなどにより、中長期的かつ継続的な発展性のある漁業経営が想定されております。 ですけれども、漁業経営体、今十四万六千、この大半は沿岸漁業、沖合・遠洋漁業は七千、今おっしゃったように、全生産量の五五%を占めております。この沖合、沿岸漁業を担っているのは中小漁業者であり、遠洋カツオ・マグロ漁業、巻き網漁業、底引き漁業など大型の船団を構成し、企業的な経営が行われております。しかし、個々の経営の規模、手法、方法には大きな格差があります。 そこで、この漁特法の目的を効率的かつ安定的な漁業経営に置いて国による施策を集中するのであるならば、具体的な姿を示して国民の理解を求めることが私は必要ではないかなと、こういうふうに考えますけれども、その考え方を聞かせていただきたい。
○国務大臣(武部勤君) 今、鶴岡先生のお話を聞いていまして、私は、なるほど、そうだなということを感じながらお聞きしていたのでございますが、やはりこの法改正の目的とする効率的かつ安定的な漁業経営ということについて、これを目指していく個々の漁業者にそのイメージを明確に示していくということは非常に重要だと、こう思います。 先生からもいろいろお話ありましたが、私ども、短期的な収益性が高いだけではなく、将来にわたって収益が安定している、あるいは継続的に漁業活動を担い得る経営ということを考えているわけでございますが、具体的には浜々によって資源状況等の条件等も様々でありますし、経営体の経営体規模等についても多様でありますので、一律に経営規模や経営類型についてどういう姿が望ましいかということはなかなか困難だと思いますが、しかしやはり具体的なイメージを示していくというようなことがこれから非常に大事だと、このように思いまして、そのことにこれから留意したいと、このように思っておりますが。 そういう認識を踏まえて、本改正による、創設する漁業経営改善制度というものはどういうものかということになりますと、経営改善意欲のある漁業者を広く対象といたしまして、一定量の漁獲をより低いコストで実現するための燃料の節約や人件費の抑制等の工夫でありますとか、漁獲物についてより高い販売価格を実現するための的確な選別、鮮度の保持等の工夫でありますとか、個々の経営体の現状に応じてそれぞれの創意工夫を反映した多種多様な取組をこの法律に基づいて支援していくということであろうと、かように思うわけでございます。 これは、都道府県でありますとか漁協でありますとか、身近なところで今申し上げましたようなことの御指導をいただくと同時に、それに基づいた私どもの支援をしっかりやっていきたいと、このように考えている次第でございます。
○鶴岡洋君 関連して。この経営改善計画、今まで中小企業構造改善計画制度、これを本法案で見直して、これは政策の変更だと思いますけれども、漁業経営改善計画制度にこれは改めてやるわけですね。 今、おっしゃったようにいろいろな問題はございますけれども、今後、その経営計画を実現するに当たってのいわゆる担い手をどのように育成するのか。これも非常に私は問題だと思うんです。そういうことで、これは付随する問題ですから、この漁特法についてはこれで終わりにいたします。 それから、遊漁船の適正化に関する法律、これについて、あと二十分ほどありますのでお伺いしたいと思います。 まず、遊漁船業の位置付けの問題です。先ほどから私、四番目の質問ですからダブるところがあると思いますけれども、恐縮ですが御理解いただきたいと思います。 水産基本法第六条には、漁業者以外の者であって水産動植物の採捕及びそれに関連する活動を行うものということに対して、国及び地方公共団体が行う水産に関する施策の実施に協力することを求めております。この規定は、一般国民も一定の場合には水産施策の対象とすることを明示した規定であり、遊漁者、遊漁船業者が想定されております。 昨年七月公表された、遊漁船業者に係る制度及び関連施策のあり方についての中間報告では、遊漁船業者に支払われる料金による経済的効果のほか、周辺での利用客の消費、宿泊代、食事代等によるいわゆる二次効果などによって遊漁船業は地域振興に寄与していること、また遊漁船業者の八二%が漁業とのいわゆる兼業者であるということから、遊漁船業者は漁家経営を支える重要な業種という側面があると指摘しております。 このとおりだと思います。この中にも、例えば遊漁船業の産業規模という、今申しました去年の七月に海面利用中央協議会の遊漁船業部会か、ここで中間報告に、ここに書いてありますけれども、その売上げの規模からいくと、遊漁船業の産業規模、これは四百五十億から八百三十億。ゴルフ場はどのぐらいかというと七百二十億、映画館が六百二十億。だけれども、この遊漁船というのは、ゴルフ場とか映画館とかというよりも、大体額が同じであって余り一般化していないというか大衆化していないというか、余り認知されていないような、そういう感じがするわけです。 こういう点からいけば、私は、この遊漁船業者というのは、これは私は立派なサービス産業だと、こういうふうに位置付けられていいんじゃないかなと。そういうことで、今後のこの遊漁船業者のいわゆる育成というんですか、その点には施策を、立派な施策を立ててそれできちっとやっていただきたいと。もちろん、都市と漁村の交流とか対流を図る上で、この遊漁に対する大きな期待が掛けられているのは当然でございます。 すなわち、今言ったように、遊漁船業が漁村における重要産業であると同時に、地域の、いわゆる地域振興につながる、経済活性化につながるもの、こういうことでございますので、水産業界のいわゆる自助努力、国、行政の積極的な指導、協力が必要であると、こうだと私は思います。 そこで、政府は今後、この水産施策の中で遊漁、遊漁船をどのように位置付けて育てていくのか、これは大きな問題ですけれども、お聞きしたいと思いますけれども。
○国務大臣(武部勤君) 先ほど来から御議論がございましたが、私は今後、浜は漁港、漁場、漁村というものが一体的に整備されていくべきなんだろうと、このように思います。 都市と漁村の共生・対流というようなことを我々提唱しているわけでありますが、都市の皆さん方にもおいしい水、きれいな空気、美しい自然、そして新鮮なお魚と、こういうことを提供できるいわゆるスローフードというようなことや地産地消というようなことや、子供の食文化、食育ですね、知育、徳育、体育、食育というような分野など、海というのは私は非常に大きな、人間生活の上で大きな存在になっていくんじゃないかと。 都市の生活と漁村の生活、二重生活を享受できるような、そういう時代が交通インフラの整備あるいは情報インフラの整備によって進められていく。人、物、金、情報が行ったり来たり行き交うような、そういう時代になってきたというふうに思いますに、今、先生御指摘のように、この遊漁船業については、国民に安らぎを提供する、レクリエーションを提供する、あるいは教育の場を提供する、食というものの真髄を提供できるというような意味で非常に大事だと、こう思いまして、そういう意味では漁業経営、この前に御質問ありました今後の漁業経営そのものも、農業の分野でグリーンツーリズムという言葉がありますように、漁業の場合にはブルーツーリズムと言ったらいいんでしょうか、何かそういうような世界というものがあるんじゃないかと、かように思いまして、そういう意味で、水産基本計画でも、安全性の確保や漁場の利用関係の調整を図るということのみならず、遊漁船業者に対して適切な規制、漁業者、遊漁者等の関係者による海面の利用に関する協議等もきちっとやった上で、今、先生がいろいろ提唱といいますか、御指摘ありましたようなことにこたえ得る、そういう農林水産省としての支援体制といいますか、推進体制、振興について努力していきたいと、こういうふうに考えるわけでございます。
○鶴岡洋君 遊漁船業の問題点はいろいろあります。今申しましたように、現在やっている遊漁業者の中にある問題、またこれからどういうふうに育成していくかという問題、たくさんありますけれども、私は大きく分けてやっぱり遊漁船業の問題点というのは、今まで経験してきたあれからいくと、やっぱり海難事故と漁場利用のトラブルだと、この二つに分けられるんじゃないかなと、こういうふうに思っております。 特に、この漁場利用のトラブルは今に始まったことではなくて、元をただせばもう二十年も三十年も前から同じ水面を、同じ魚を同じ、同じ人じゃない、隣同士で捕っているわけですから、これは、トラブルが起こるのはこれは当たり前というか、そういう形になるわけです。 そういうことで、なかなかうまい解決方法がないということで今日まで来ているわけですけれども、そこでまず最初に、海難事故の問題ですが、これも先ほどお話あったように、六十三年の七月にあの第一富士丸と「なだしお」が東京湾でぶつかって、それで多数の犠牲者を出したと。それがきっかけでいわゆる制定されたのがこの遊漁船法であるわけです。 それから、それでは遊漁船法ができて事故が少なくなったかなというと、そうではないんです。平均すると、この十年間、八十二・九隻ですか、年平均。平成十二年では百五件と、先ほど大臣がおっしゃっておりましたけれども。 そこで、先ほど言った中間報告では、この事故の要因として、七割がいわゆる見張りの不十分、操船ミス、両方とも人為的なもの、五割が漂泊、遊漁中、漁場探索中と、遊漁船の特有のいわゆる活動に伴う事故と、船舶が小さければ小さいほど人為的要因が発生すると、事故の割合が高くなると、こういうふうに指摘しております。一方、遊漁船の損害賠償保険の加入率はどうかというと、半分以下、五〇%を割って四〇%と。 そこで、お伺いしますけれども、水産庁はこの要因をどういうふうに分析しておられるのか、これが一つ。二つ目は、安全対策のためにどのような指導を今日までしてきたのかと。この二点、これだけお伺いします。
○政府参考人(木下寛之君) 最初に、海難事故の原因でございますけれども、私ども、平成八年から平成十年に掛けましての分析でございますけれども、一つが遊漁中の見張り不十分による事故が約三割と、それから気象に基づく出航判断の誤りによる事故が約一割、また航行中の操船ミスによるものが二割、また遊漁船の整備不良による機関故障などが約二割というような状況でございます。 また、近年、遊漁船の事故が増加をしておりますけれども、基本的には、水産資源が悪化をしてきておりまして良好な漁場が少なくなってきていること、また一方で、プレジャーボートなど漁場を利用する船舶が増加していること等によりまして、言わば特定の漁場におきましていろいろな船舶がふくそうしていることが主な要因だというふうに考えております。 また、このような海難事故を防止するためにどのような対策を行ったのかというお尋ねでございます。 先ほど来申し上げたとおり、水産資源の悪化あるいはプレジャーボートなど漁場が利用する船舶の増加が事故の要因でございます。私ども、一つは、全国遊漁船業協会に助成を行いまして、遊漁船団体を対象とした事故防止講習会を開催するほか、遊漁船業者に対しまして事故防止の啓発パンフレットの作成、配布等、そのようなPR活動をしております。また一方で、都道府県でございますけれども、それぞれ管内の遊漁船業者を対象といたしました事故防止講習会を開催する、また必要に応じ立入検査等安全に関する業務の指導等、私どもあるいは都道府県、それぞれ取り組んできたところでございます。
○鶴岡洋君 次に、トラブルの問題ですけれども、遊漁船については遊適法上の規制として操業区域はございません。制度上、自由に操業できることになっているわけです。 一方、遊漁者に対しては、都道府県漁業調整規則や漁業法によるいわゆる海区漁業調整委員会の指示によって採捕禁止区域、期間、それから体長制限、漁具・漁法制限が定められております。 水産庁の調査によると、遊漁船利用者のいわゆる違反採捕の実態は、禁止区域、期間の違反は十四県、あがたの十四県、それから体長制限の違反が二十八県、まきえなどの漁具・漁法違反が三十三県発生しており、これが漁業とのトラブルの要因になっていると、こういうことになっているんですけれども、実際問題として、県の数も私はもっと多いような感じがします。それから、その県の中におけるいわゆる個々のトラブル、これは更に多いんではないかなという感じがするんですけれども、実際に私、調べてありませんので分かりませんけれども、そんな感じがするんです。 この採捕規制について遊漁船業者は当然、私は、熟知しているはずであります。にもかかわらず、遊漁船利用者から違反事例が多発するのは何が理由なのか。先ほどもちょっとお話ありましたけれども、せっかく東京から来て、それで雨降りそうだ、しけになりそうだと、だけれども今はなぎだから、じゃ午後からそういう予報があっても行ってしまえということで、やっぱり生活にかかわる問題ですし、お客さんの方にも喜んでもらいたいと、そういうこともあってトラブルにつながるということも、また海難事故につながるということもあるんじゃないかなと、こういうふうに思うんですけれども、この多発する理由は何なのか、御説明いただけますか。
○政府参考人(木下寛之君) 最近多発している原因の一つとして、遊漁船業に対する釣りの愛好家が非常に増えてきているという点がある一方で、先ほど来申し上げたとおり、水産資源が悪化をしておりまして、釣りにとっての良好な漁場が減少してきているという点があろうかと思います。 私ども、遊漁船業者に対しまして、採捕禁止区域の案内等、不適切な営業活動を行わないよう指導しているわけでございますけれども、現在の規制の中では、ともすれば、利用客がございますとそのような漁場に釣り客を案内するという傾向が非常に多いという点がやはりトラブルの大きな要因だろうというふうに思います。
○鶴岡洋君 まだ六、七点あるんですけれども、それでは、あと一点だけお聞きします。 次に、マル適制度についてでありますけれども、現行法では、全国遊漁船業協会の定める適正営業規程に則して遊漁船業を行う者を登録し、営業所、遊漁船ごとに標識、適正マークを表示する制度が設けられておりますけれども、これは任意の制度であるのは御存じのように。優良事業者をいわゆる登録することによって遊漁船業の健全な発展を誘導しようとする措置でありましたけれども、現在この登録者は二%と、こういう低い数字になっているわけです。 なぜ、このマル適マークに対して遊漁船業者が理解が少ないのか、また、逆ではございませんけれども、利用者側にとってその遊漁船業に支持をしなかったのか、この辺は水産庁ではどういう見解を持っておられますか。
○政府参考人(木下寛之君) 六十三年の「なだしお」の事故を契機といたしまして、現在の遊漁船の適正化法が日の目を見たわけでございますけれども、この中で、優良業者につきましてはマル適マークを適用し、できるだけ釣り人が業者を選択する際の指標になるように私どももPRに努めてきたところでございます。 ただ、委員御指摘のとおり、現在の普及状況は約二%という状況でございます。私ども、このように二%というふうに極めてわずかの状態にとどまっている原因といたしまして、釣り雑誌などで釣果を宣伝した方が集客効果があると、そうしたら、私はマル適マークですよというふうにPRしてもなかなか釣り客が集まってこないというのが実態のようでございまして、非常に残念な結果でございますけれども、私どものマル適マークよりは、先ほど来申し上げているような、具体的にはいろいろな釣り雑誌等で具体的な釣果を宣伝をするという方が魅力があるというようなのが実態ではなかろうかというふうに考えております。
○鶴岡洋君 終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 私は、法案に入る前に、大変切実な問題になっておりますので、ロシア水域での北洋漁業に関して幾つか質問させていただきます。 最初に、ロシア漁船による漁具被害についてです。北方四島の安全操業区域では九九年から二〇〇二年までの間で延べで八十六隻、二千百六万円の被害、漁具被害が出ています。この被害補償が一件もされていないんですね。何が障害になっているのでしょうか。水産庁長官。
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、北海道周辺水域におきまして、ロシア・トロール漁船によります漁具被害が発生をしているわけでございます。 漁具被害につきましては、基本的には加害者のいる民事案件ということでございまして、当事者間で解決すべき課題でございますけれども、今御提示あった案件の場合、加害者の特定が難しいという点が解決に至っていない原因だろうというふうに考えております。
○紙智子君 この操業水域がロシアの実効支配というふうに、領海であるというふうに言われていますし、それから漁民や我が国の取締り船による監視がここでできないと。一般に加害船の特定というのは困難だというふうに言われているわけですけれども、ここは特別に困難だと。同時に、私は、仮に加害船が特定できた場合でも処理する機関が保障されていないんじゃないかというふうに思うんですね。 ロシアとの間に漁具被害を含めた漁業損害賠償請求処理委員会というのがありますね。ここは我が国の領海より外の沖合水域での被害が対象になっているわけですが、北方四島の安全操業区域は本来は我が国の領海だと、我が国の領土だという立場でこれまでやってきているわけですし、ところがロシアが実効支配していると。それで、この加害船が特定した場合にこの処理委員会で扱う対象になるんでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 漁業賠償処理委員会の対象でございますけれども、我が国沿岸の地先沖合の公海海域において発生をした日ロ間の漁船・漁具間の事故に伴う損害賠償請求でございますので、今御質問の件については対象にならないというふうに考えております。
○紙智子君 対象にするのはできないということですね。それであるならば、やっぱり私は新たな処理のためのスキームを検討すべきだというふうに思うんです。まず、こういう被害が起きないようにするというその防止の対策というのが先決なわけですけれども、しかし実際に起こっている被害についてはちゃんと補償させるべきだと、解決させるべきだというふうに思うんですね。まず、そのためにもロシアとの被害補償を話し合うための機関を設定するべきだと思うんですよ。 それで、加害船がわからないというふうに相手が言うかもしれないけれども、そのときから含めてやはり話し合いをその段階で持って、ロシア側はロシア側としてそれを特定するそのための努力をやってもらうように要請すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 我が国漁業者が安心して操業するためには漁具被害の防止が必要でありまして、政府としてはこれまでもロシア側に対しまして漁具被害防止のための協力を要請してきたところでございます。その結果、平成十一年度七十二件あった被害が平成十二年度及び平成十三年度には十数件に減少しているという実態がございます。また、昨年末の日ロ地先交渉の結果、襟裳岬南方にロシア漁船の操業禁止区域を新たに設定いたしたところでございまして、これにより襟裳岬水域の漁具被害は減少すると考えているところでございます。 なお、ロシア漁船による漁具被害については、基本的には加害者のいる民事案件でございますが、当事者間で解決すべき問題で、したがいまして、ございますが、漁業賠償請求処理委員会に申請のあった案件については、その処理を促進してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○紙智子君 現地に行きますと、やっぱり後を絶たないわけですね。今年に入ってからも三件あったわけですし、やはり一貫して漁具被害に遭っているわけだけれども、それに対しては何ら賠償されないと。相当昔にかなりの件数で被害が起きたときに、このときにいろいろ検討されたということはあったようですけれども、それ以来でいうと、本当に実態は泣き寝入りしているような状況になっているというふうに思うんです。ここはやはり常設に機関を設けて、もっと頻繁にそういう会議もやるなどして、しっかりとした補償できるような体制を組むべきだというふうに思いますし、そして、そういう機関もなかなか取れないということであれば、やっぱり領土絡みな問題ということもあって、地域の方からはそれ以上言えないという状況があるわけですよ。そうであるならば、現場の漁業者がいつも言うんですけれども、それだったらもう国が補償してくれというふうにも言われるわけですね。 ですから、そこについて、やっぱり本来はここは日本の領海なわけですから、確固とした姿勢で、ロシアに対してもその対応策ということでは、少しずつ変わっているということではなくして、きちんと対応できるように日本政府としてもやるべきだと思うんですけれども、もう一度、いかがでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 私どもも、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、ロシア側に対しまして、漁具被害の防止が必要だということにつきましてもこれまでも申入れをしてきているところでございます。また、このような被害が発生する、特に襟裳岬南方等でございますので、このような海域につきましては、先ほど申し上げましたようにロシア操業禁止区域を新たに設定するという方向の中で被害の防止策に努めていきたいというふうに考えております。
○紙智子君 襟裳岬の方は問題特に、いや、今、一件上がっていますよね。それを今投げ掛けているけれども、それだってまだ返事が来ていないということで、現地の漁民は怒っていますよ、早くしてくれという話をしているわけですけれどもね。今、私言いましたのは、羅臼の近辺ですよね。 こういうことを含めてしっかりやっていただきたいということと、それからもう一つですけれども、羅臼のスケトウダラの問題です。昨年、ついに一万トンを切りました。二千トンから三千トンの大きなやはりここでは大型のロシア船が根室海峡に現れたのが今から十三年前ということですけれども、そのときと比較しますと、もう今やそこで捕れる漁獲量というのが十分の一以下に減っています。 それで、この資源枯渇の原因については、大臣自身も昨年の農水委員会で、やっぱりロシアのトロール船によって影響を受けているんだということでお認めになっているというふうに思うんですけれども、北方水域はとにかく密漁ですとか本当に無秩序なそういう操業も指摘されていて、あらゆる種類の資源の枯渇ということが危惧されているところでもあります。 大臣は、成魚も稚魚も含めて、とにかくあらゆる種類のものが根こそぎですね、トロール船で底の方からがあっとやっていくわけですから、そういう意味では根こそぎ捕り尽くしていく。しかも、海底の状態まで変わってしまうということが言われています。魚が卵を産んで産卵するそういう魚礁も含めて形が変わってしまうようなそういうトロール船の規制について、ロシアに対してもどのように働き掛けていくのか、そこのところ、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 羅臼沖の問題につきましては、あそこは今、委員御指摘のように産卵場として非常に貴重な魚族資源の宝庫であったわけでございます。今、残念ながら、その資源も低位減少傾向と推定されるのでございますが、資源状況の的確な把握のためには、北方四島及び根室周辺水域における資源調査が重要であると考えておりますので、そのことはしっかりやらなきゃならないと、こういうふうに考えているわけでございますが、ただ、御案内のとおり、北方四島周辺水域については我が国が実効支配していないということでございまして、直接調査することが事実上困難な状況にございまして、したがいまして、毎年、日ロ漁業専門家・科学者会議等の場を通じて資源状況に関する情報収集に努めているところでございます。 羅臼沖におけるロシア・トロール漁船の操業については、漁業資源への悪影響が懸念されることは言うまでもないことでございますので、ロシア側に対しまして操業自粛等を強く申し入れてきたところでございますが、これは今後ともこうした措置が実現するよう機会をとらえて粘り強く強力に働き掛けを行ってまいりたいと、かように考えております。
○紙智子君 今年二月に北方領土返還問題で根室の市議会の代表の皆さんが上京されました。そのときに、根室の漁業は九割をロシア水域に依存しているんだ、しかし年々操業海域が狭くなって漁獲割当ても減るばかりだ、来年はどうなるか分からないと、正に沈没の一歩前だという話をされているんですね。このままだとロシア水域から割当ても少なくなっていくし、協力金だけが上がっていくというような状況で、先細りする一方なんです。 それで、領土返還問題自身もこの間のいろんな問題があって非常に困難な条件が生まれているわけですけれども、北洋漁業のやはり維持のために、これまでの漁業外交についてもやはり点検をし総括をし、そして新たな展望を見いだせる交渉方針を構築する必要があるんじゃないか、そういう時期に来ているんじゃないかというふうに思うんですね。 我が党は二十数年前から、この領土問題が未解決の状況の中では、両国の主張する二百海里、これが重なり合う部分については、最低でもその重なり合う部分については、資源の科学的な評価とそれから利用方法の合意による共同管理方式、こういうやり方でやる必要があるんじゃないかと。だから、科学者も含めてですけれども、今はお互いの情報を提供し合ってということになっているようですけれども、やっぱり正確に資源がどうなっているかということをちゃんと評価するし、両国が納得いく形で評価するといいますか、そういうふうな形でやり方を進めていくことも含めて検討をしていったらいかがなものかということで、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 近年、ロシア側におきましても極東地域における水産振興ということについて大きな関心を持っているわけでございますので、私どもといたしましても、外国漁船の操業に対する漁獲割当ても従来に比べ非常に厳しいものになってきているという現状も踏まえまして、強力な努力をしていかなければならないと、かように思っているわけでございますが、昨年末の日ロ地先沖合漁業交渉は、一昨年の交渉に引き続きまして、お説のとおり、漁獲割当てが減少した魚種がある中で、交渉努力によりまして、操業区域が新設されまして大幅に増枠された魚種もございます。総枠では増加を確保したところでございまして、本年三月のサケ・マス交渉では、漁獲可能量等につきましては漁業者の要望を踏まえた交渉結果を得ていると、かように考えているところでございます。 いずれにいたしましても、今後の交渉に当たりまして、我が国漁業者の要望を十分に踏まえて、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○紙智子君 非常に現場は危機感で一杯なんですね。それで、やはりこのまま行ったら資源が枯渇しちゃうと、先がなくなってしまうということです。だから、今までのやっぱり延長線でといいますか枠内で協力金を払って、そしてある程度捕らせてもらってと、こういうことの積み重ねだけではもういかなくなっていると思うんですね。やっぱり抜本的に、両国にとっても資源がなくなるということは大変な問題ですから、そこは踏み込んだやっぱり交渉の在り方ということで検討いただきたいということを重ねて言いたいと思います。 次に移ります。水協法の問題です。 それで、本法の施行で、農林中金が定めています自主ルールというのは基本方針となって法的な権限を持つと。自主ルールは、漁協、信漁連をモニタリングし、財務、資産、体制等の基準をクリアすることを要求しています。信漁連では、この債権の分類に応じて貸倒引当金を積むように厳しく要求をされています。破綻懸念先では五〇%から七〇%、それから破綻先は一〇〇%ということですけれども、これが大変だということで話を聞いています。行政や系統の検査で正常債権が破綻懸念先に格下げをされて引当金を積まなければならなくて、そのために財務状況が悪くなると。 先日、静岡県に調査に、現地調査に委員会で入りましたけれども、ここでも焼津の皆さんが、信漁連の皆さんもいらっしゃいましたが、やっぱり今の対応をめぐってはなかなか苦労されていると、厳しいという話をされていました。 そこで、お聞きしますけれども、この系統の金融検査マニュアルですね、この検査マニュアルでは、債権分類や償却や引き当ての基準は一般銀行と同じ基準でやっているんでしょうか。
○政府参考人(田原文夫君) お答えいたします。 私どもの官房協同組合検査部が行っております系統金融検査マニュアル、これは金融庁の金融検査マニュアル、これと中身的には同じだということでございまして、貸出金等の債権につきまして、担保でございますとか保証等、こういった状況を勘案いたしまして、回収の危険性あるいは価値の毀損と申しますか、毀損の危険性の度合い、こういったことに応じまして第Ⅰ分類から第Ⅳ分類という四段階の分類にしているわけでございます。 具体的には、第Ⅰ分類は問題がない資産、それから第Ⅱ分類は通常の度合いを超える危険を含むと認められる資産、それから第Ⅲ分類が最終の回収などに重大な懸念が存する資産、それから第Ⅳ分類は回収不可能な資産と、こういうことでございます。 そこで、こういった資産分類に応じまして、また債務者の区分に応じまして、必要な償却あるいは引き当てといったことをやっていただくということで、一定の方法で予想損失額を算定するということによりまして行っているところでございます。 ただ、こうした資産の査定に際しましては、債務者の財務状況というだけではなくて、技術力でございますとか販売力、あるいは代表者の方の収入状況、こういったことを総合的に勘案するとともに、被検査系統金融機関の考え方、こういったことも十分に確認して行うようにということで検査を進めているところでございます。 以上でございます。
○紙智子君 今のお答えですと、内容的には変わらないということですね。
○政府参考人(田原文夫君) はい。
○紙智子君 系統の信用機関というのは協同組合の金融ですね。人的な結び付きを信用の土台にしているというふうに思うんですね。今年は不漁だけれども、しかし来年以降は資源の回復があるかもしれないという場合もありますし、資源管理の政策、あるいは政府の支援でもって適切な営漁指導が行われれば経営は安定するということもあるわけです。そういう特殊な条件にある漁業金融という特性がやっぱり生かされるべきだというふうに思うんですね。 資産精査等を一般と同じような検査マニュアルで画一的にやるということになると、これはやっぱりよくないと。幾ら漁業の特性を配慮するとしても、決めているマニュアル自身が同じものでやっているということになりますと、基準が同じですから、これ結局機械的になっちゃうんじゃないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(武部勤君) 農林水産省の系統金融検査マニュアルは、やはり金融庁が作成した金融検査マニュアルにのっとり作成したものであることは、今御説明したとおりでございます。我が国の系統金融システムの安定を図ることが、貯金者を保護する上で重要であるということは言うまでもありません。したがいまして、すべての系統金融機関を対象としているわけでございます。 なお、この系統金融検査マニュアルは、検査官が検査する際に用いる手引書として位置付けられるものでございます。また、同マニュアルには、その適用に当たりまして、漁協等の各系統金融機関の規模や特性を踏まえまして、機械的、画一的な運用に陥らないよう配慮することが必要であることも明記されているわけでございまして、実態に即した検査を実施することが担保できると、このように考えているわけでございます。
○紙智子君 漁協系統独自のものを作る用意はありませんか。
○政府参考人(田原文夫君) 確かに、漁協系統信用事業をめぐります状況というものは厳しいわけでございますけれども、仮に漁協系統についてのみ独自のマニュアルというふうなことを検討するということになりますと、他業態と比べますと、当然のことながら緩やかな基準を作成、適用しろということの御指摘になろうかと思いますが、そういったことをいたしますと、かえって漁協系統信用事業に対します一般国民の方々からの疑念、健全性に対します信用、こういったものが揺らいでくるというふうなことで、漁協系統信用事業自体の信用性の方に悪影響を及ぼすということではないかということで、ここは、金融という我が国経済の中におきます共通の基盤の中での話ということで対応することが私どもとしては適当ではないかと、かように考えている次第でございます。
○紙智子君 今、中小企業も、結局、金融マニュアルの一般でやるということでは実態に合わないということで独自のものを作ろうということで努力をされているわけですね。マニュアルを末端まで徹底させようということになれば、本当に大変なことだというふうに思うんです。 一〇%という自己資本比率、これをクリアしていない漁協は信用事業実施の五百六十二のうち四十八というふうに聞いていますが、ただ、この基準を超えていても、いろいろな基準に満たないところは信用事業をできないということになると。北海道の場合でいいますと、三十億円以上の貯金量がないと信用事業の継続ができないというふうにされているわけです。だから、五百六十のうち、そういう形で今実施要件に合わなくて単独では信用事業ができない漁協というのは幾つあるんでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 今回の法律改正では、漁協が信用事業を行う上の要件というのは、一つは最低出資金が一億円以上、もう一つは、組合長以外に信用事業担当の常勤理事一名以上の義務付けを定めたところでございます。この規定につきましては、私ども、施行を来年一月一日というふうにしておりますけれども、三年間の猶予措置を設けることを考えております。 また、系統の調査によりますと、この要件のうち、最初の要件でございます最低出資金一億円以上という要件を満たしている組合は全体で三百四十九組合で、全体の四四%ということでございます。 また、常勤理事ということでございますけれども、組合長以外の常勤理事を設置している組合は二百二十五組合でございまして、ちょっと時点が、平成十二年三月ということで、若干古うございますけれども、全体の二八%という状況でございます。
○紙智子君 自己資本比率。
○政府参考人(木下寛之君) 農林中金が定めます自主ルールで、漁協は一〇%の自己資本比率ということになっているわけでございますけれども、現時点でこれを満たすものは全国で大体九二%、五百十四組合というふうに承知をいたしております。
○紙智子君 今ざっとお聞きしただけでも、やはりこれらを全部クリアして、それで単独で信用事業できるというのはやっぱり一部分でしかないと思うんですね。ですから、非常に大変な改革をやろうということだと思うんですよ。そして、漁業者の皆さんにも大変な努力を要請しようということになると思うんですね。 私が聞いたところでも、北海道の胆振管内十漁協がありますが、この十漁協の中でこの基準に該当するところはと聞いたら、一つもないということなんですよ。ある組合長さんなんかは、地域のそれぞれの条件をやっぱり尊重した経営の在り方や信用事業であってほしいと。だから、一律的に適用するのはどうなのかという意見も出されていました。 そうしたら合併すればいいということなんだけれども、合併は一応計画はされているけれども、これもそんなにたやすいものじゃないと。やっぱりリスク背負うかどうかということになるわけだから、赤字持っているところは、こっちはくっ付きたいけれども、受け入れる方は嫌だというようなことで、そう簡単にはいかないという状況があるわけで、私は、やっぱり単独ではできない基準を設けて無理くりこの合併や事業を移譲するというやり方について、いかがなものかというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 漁協は、漁業・漁村における中核的な組織として様々な事業を展開しているわけであります。これまで合併等が進まず、零細な事業・組織体制にとどまっているという実情がそれぞれの地域にあるということも委員御指摘のとおりでございます。 しかしながら、新たな基本法の下、漁協が資源管理、担い手育成等水産業の新たな課題に積極的に取り組むということと同時に、ペイオフ解禁後の金融情勢の変化の中で漁協系統信用事業を的確に実施していくと。そのためには、やはり合併、事業譲渡による漁協の事業・組織基盤の再編を緊急に進める必要があると私は考えます。 このために農林水産省としても、昨年度より、まず資源管理等を担うに足り得る事業・組織基盤を備えた漁協を認定漁協として明確化した上での広域的な合併を促進するということと同時に、漁協から信漁連への信用事業譲渡を柱とした信用事業の基盤強化を重点的に支援していくということで進めているわけでございまして、これらの措置を通じて、漁協の合併等による事業・組織の再編を積極的に推進すると同時に、漁業・漁村における漁協の従来からの機能というものも確立していくことができると、このように考えているわけでございます。
○紙智子君 私は、無理くり合併とか事業譲渡というやり方がどうなのかということを申し上げているんです。系統関係で自主的にいろいろ努力されていると思うんですけれども、問題は、法律でやはり過大なことを強制するということ自体が問題なんじゃないかということを申し上げているんですね。 そこのところをもう一度、どうですか。
○政府参考人(木下寛之君) 漁協系統の信用事業につきましても、やはり一般の金融と同じように、貯金者の信頼あるいは信認がないとなかなか成り立たないという業態だろうというふうに思っております。したがいまして、漁協系統の信用事業につきまして、他業態に比べより緩やかな基準を設定したといたしますと、かえって漁協系統の信用事業に対する信頼なり信認に揺るぎが来るというふうに考えております。 したがいまして、私ども今回提案しておるように、少なくとも協同組合組織の他業態と同じようなところまで持っていかないことには、なかなか、ペイオフ解禁下の競争の激しい金融の中で生き残っていくのは非常に難しいというふうに考えております。
○紙智子君 合併や譲渡できるところはいいと思うんですよね。でも、相手がいないところは立ち往生しかねないと思うんですよ。基準を独自にクリアできないし、しかし地域の合併もなかなか困難だと。県の信漁連も経費が掛かるから荷物になってしまうということで譲渡を引き受けないと。 そういう場合に、この中に書いてありますけれども、指定支援法人による資金援助が受けられるのかどうか、それとも信用事業を廃止しなきゃいけなくなるのか、単独でもせざるを得なくなるのか、この点いかがですか。
○政府参考人(木下寛之君) 漁協系統信用事業におきます指定支援法人としては、現在ございます社団法人全国漁協信用事業相互援助基金を指定をしたいというふうに考えております。 同基金は、これまでも漁協の信用事業が破綻した場合に、漁協の事業を承継する漁協等に対しまして、農水産業貯金保険機構による資金援助と同時に資金援助を行ってきております。今後も基本的な支援方法は同様のものを考えておるところでございます。 指定支援法人は、このような資金譲与のほかに、優先出資の引受け、資金の貸付け、あるいは劣後ローンの供与等を行うこととされておるわけでございますけれども、これらの支援に当たりましては、再編強化法に基づきます基本方針に基づき農林中央金庫の要請を受けて行うこととされております。 その発動要件につきましては、今後、基本方針とともに具体化していきたいというふうに考えておるところでございますけれども、例えば優先出資等の資本増強のための支援につきましては、漁協なり信漁連が基本方針に定める一定水準をクリアできなくなった場合に必要に応じ支援が行われるというふうに考えております。
○紙智子君 結局、支援がどこでも受けられるということなんでしょうか、そうなった場合。
○政府参考人(木下寛之君) 基本的には、支援につきましては、再編強化法によりまして、一つは、農林中央金庫の要請を受けて行うというのが一つの要件でございます。二つ目といたしましては、今後具体化していく必要があるだろうというふうに思っておりますけれども、優先出資の資本増強の支援等々につきましては、漁協なり信漁連が定めます一定水準をクリア、これにつきまして今後検討していきたいというふうに考えておりますけれども、一定水準をクリアできなくなった場合に必要に応じ行われるというふうに考えております。
○紙智子君 今までに信用譲渡を行ったところでも、既に三十六か所が廃業というか、やっていますよね、廃止されているわけですよね。ですから、そういうことを見ますとやっぱり懸念せざるを得ないということなんですね、心配せざるを得ないわけです。 それで、やはりセーフティーネットといえば聞こえがいいわけですけれども、選別的なものではやっぱりいけないというふうに思うんです。漁協はほかの金融機関とやはり違っていると思うんですね。総合的に事業を行っているのが漁協だと思うんです。指導事業がありますし、指導事業がうまくいって、本当にいった場合は水揚げが上がると。水揚げが上がることでもって信用事業も好転するというふうになっていきますし、流通や販売の事業もやっていますよね。これがやっぱり努力されて工夫されていくことで良くなっていくという場合もあるわけですし、総合的に漁協を見なければならないと思うんですね。 しかし、やっぱり狭いといいますか、そういう信用事業そのものがどうかという、そういうことだけでそれを評価してやってしまうということになりますと、それでもって組織再編やそれを強制するやり方をやるということ自体に危惧を感じているということなんですよね。そこのところを、本当にそれでいいのかということを言いたいわけです。 それで、水産庁の資料の中に答申が含まれていますけれども、その答申の中に、「漁協の事業・組織の在り方について」というのがありますね。この資料の中の冒頭のところで、最初の部分のところに、ページに書いてあるわけですけれども、ただし、漁協の原点は、漁業者の組織としてそれぞれ特色を有する浜々の利益のために貢献することであり、そのことを忘れ、すべてを一般論で押しつぶすことがあってはならないし、これまでと同様、浜での真摯な創意工夫が重要であることを改めて指摘したいというふうに言っているわけです。 大臣、やはりこの指摘を受け止めますと、本当に機械的な信用事業の再編というのはやっぱり相入れないんじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 一般論として、機械的に合併とか事業譲渡とかということを進めるということについては問題があると思いますけれども、しかし、私も現場を多少知っている者として、組合員一人一人は、この時期にどうあるべきかということについては、今私どもが進めようということについてはおおむね理解をいただいていると、かように思います。ここはやはり積極的に進めるということが私は一番大事なことではないのかなと。 もちろん、一様に人の、一人一人の理解がなくやるということはいけないことであろうと思いますけれども、しかし同時に、ここは決断とか勇断とか、そういうようなことも迫られているのではないかと。したがって、私は、多くは理解の上で進められると、このように認識しております。
○紙智子君 信用事業の健全化ということを言うのであれば、私は政府の漁業政策の検証が必要だというふうに思うんですね。漁業者はやはり水揚げを貯金にすると。そして、そこから生活費や営漁のためのお金を引いて、言わば財布代わりに使うという状況なわけですけれども、そういう中で、魚価安がずっと続く、そして資材の高騰が一方であるということがもうストレートに影響していくわけですよね。やはり赤字はすぐ借金になっていくわけですし、農業の場合も共通していることがあるわけですけれども、しかし農業と違うのは、農業の場合は不十分ながらも価格の補てん制度が今まで行われてきたというのがあるわけです。農業予算でいいますと二兆数千億円ありますけれども、その中でも価格対策の予算というのが四千九百六十九億円と、約二〇%ですか。 そこでお聞きしますけれども、この水産予算三千九十二億円の中で、価格安定対策の予算というのは幾らで、何%あるでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 水産物の価格安定を図るための予算といたしましては、平成十四年度で、一つは、主要水産物につきまして、水揚げ集中等によりまして価格が低落する際にこれを買い入れ、漁期終了後に放出を行う水産物調整保管事業を推進しているところでございます。この予算が国費で五億二百万、これが第一でございます。 第二点目が、やはり産地の価格形成力を強化をすることが価格の安定につながるというわけでございます。産地市場の統合を始めとする産地機能の強化を積極的に推進する水産物産地流通機能強化対策事業として五千三百万円を計上しているところでございます。 このほかに、基本的には需要の拡大を図ることが価格の安定に資するということでございまして、水産物の消費改善対策が同じく国費で六千万と。このほかに、冷凍水産物の需給情報検討会などの検討会費がございます。 以上が私ども水産関係の予算でございまして、国費ベースにいたしますと十七億円程度というふうに考えております。
○紙智子君 本当にわずかなものですよね。だから一%にならないですよね、全体の割合の中で。だから、本当にわずかなもので、私は、漁業は歴史的に見ても、価格対策や経営の直接助成という政策は排除されてきたというふうに思うんですね。 「全漁連の運動と事業のあゆみ」という、こんな厚い創立の記念誌がありますけれども、四十周年のがありますけれども、その中にも書いてありますが、かつて石油危機のときに一万人の漁民の集会が行われて、このときに、実はヨーロッパではもう既に行われていたわけですけれども、非常に高騰した燃料の油ですね、この燃油の価格差について補給金を出してほしい、それから魚価の安定制度をやってほしいということが要求としてわっと上がっていて、その当時は自民党の水産部会もそれに賛成していたわけですね。ところが、決まったのは融資だったと。生産調整保管事業という、魚価安定にはほど遠い施策だったわけです。 そのころからやっぱり借金漬け経営、借金漬け漁業ということがずっと言われてきて、それが今日に続いてきていると。だから、何でも融資ではない。しかも、魚価安の長期化の下で不良債権がだんだん膨らんでいくというのは言わば当たり前と言ってもいいようなわけです。ですから、直接助成の対策がやられていたならばこういう状況にもなかっただろうと。 そして、仮に今、農業の場合の十分の一程度の価格・経営安定の予算が組まれていたとしたら、今の漁協のこのリスク管理債権、九百四十三億円といいますけれども、二年から三年でこれはなくなってしまうというふうに思うんですね。その意味では、私は、政府の漁業者への直接助成のない政策が信用事業の大変さを作ってきたというふうに言えると思うんです。 この点で、最後に大臣の発言をお願いします。
○国務大臣(武部勤君) 魚価の問題も、すべて漁業経営の安定ということがそこの根底にある問題なんだろうと、かように思います。 今般の水産四法は、水産基本法において明確にされました資源管理、経営体の育成を具体化するために提出されたものでありまして、中でも漁業再建整備特別措置法の一部改正においては、効率的かつ安定的な経営体を育成するための長期資金の融通、それから漁業災害補償法の一部改正では、漁業実態のニーズに即した漁業共済制度の改正、さらに、水産業協同組合法の一部改正では、営漁指導の明確化と系統資金を安定的に供給するための事業基盤の強化等の推進を目指しているわけでございまして、今後、漁業経営の安定を図るためには、魚価の安定にも努めつつ、これらの法律にのっとった施策を確実に推進することが最も重要だと、かように考えている次第でございます。
○紙智子君 質問を終わります。
○岩本荘太君 国会改革連絡会の岩本荘太でございます。 本日と二日後と、予定では二回質問時間をいただいておりますので、それを合わせた格好でいろいろと質問をさせていただきたいと思っております。 いろいろな議論出ておりますが、私も、法律はさておき、これは法律についてお願いするのは、恐らく皆さん現状をよく把握されて、その上で作った法律でしょうから、地元にどううまく適応するか、適応しなければすぐにやっぱり変えていかなきゃいけない、そういうことで対応していただきたいと思っております。 漁業一般について切り口として、一つは、いわゆるBSE牛に端を発したといいますか、いわゆる食の安全という観点からの視点と、それからもう一つは、農林省でも大変大きな目標に掲げております国内自給率といいますか、それを水産の面からの切り口でどういうふうになっているか。さらには、やっぱり今の漁業、いわゆる資源管理型漁業と言われるわけですけれども、それは大変やっていただかなければいけない重要な問題でありますが、現実に見ますと、見えないわけですよね、水産資源というのは。 それで、私なんかの経験でも、いわゆる水産業というのはまだまだどっちかというと待ちによって成り立つ、待つ、ウエーティングですね、待ちによって成り立つような要素もあり、かといって、一方では漁探の機器がいろいろと発達したり漁具が発達したりということで、大変、管理するのも非常に難しい、何を管理するのかということがもう一つよく分からない。かといって、管理してもらわなければこれからの日本の漁業というのはどうなるか分からぬ、大変危機な状態になると。そんなことがあるものですから、大体その三つなんですが、今日は前半の二つぐらいしかできないんじゃないかというような、こんな心配がございまして、その辺について、今申し上げたような順番でちょっと質問させていただきたいと思います。 まず、食の安全ですが、食の安全というと、農産物の場合、いわゆる産地表示ということが一つ考えられると思うんですけれども、水産物の場合、産地表示といってもこれはなかなか難しい。例えば同じ海域で船籍の違う船が捕り合って、それを日本に持ってきたらどうなるかというのは、そういう場合は消費者から見れば変わらないわけですよね。農産物とはちょっと違う面があると思うんですが、やはりある意味では、生産者といいますか漁業者の顔が見えるという面のメリットもあるんだろうと思うんですけれども、その辺について、水産物についてはいわゆる産地表示についてどのように考えておられるのか、ひとつ長官でよろしいですから。
○政府参考人(木下寛之君) 生鮮水産物についての表示の問題でございます。 私ども、消費者の適切な商品選択に資するという観点から、JAS法に基づきまして、平成十二年七月からですけれども、生鮮水産物の名称、それから原産地、それから解凍又は養殖の別の表示が義務付けられているところでございます。なお、原産地でございますけれども、国産品の場合には生産をした水域の名称又は地域名でございます。主たる養殖場が属する都道府県名ということでございます。また、輸入品でございますけれども、原産国名を記載するというふうにしているわけでございます。 今回、私ども、表示をめぐるいろいろな課題がございます。水産物も含めまして、食品表示制度対策本部におきまして、食品表示の監視体制の強化、また表示の実効性確保措置などについて検討を行っているところでございます。
○岩本荘太君 私、お聞きしたのでは、いわゆるJAS法で農産物と同じような並びでやっておられるし、今JAS法が見直されなきゃいけないということで、それも同じふうにやられるというんですが、もしよろしければそういう、今までは、だから、表示違反をしてもそれほど罰則があるとかでない、今度は逆に言うともう少し厳しくなるかもしらぬ、こういう報道もございますけれども、ひとつ、表示に対する検査、実際に、これは農産物にも関係すると思うんですけれども、検査体制といいますか、どういうようにしてそれが正当かどうか、その表示が、というふうなお考えを持っておられるのか、それをひとつお願いいたします。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、先ほど来申し上げましたように、平成十二年七月から、先ほど御説明したようなJAS法に基づく表示を義務付けているところでございます。これらにつきましては、例えば食品表示一一〇番の開設ということで、具体的な、三月末で千九百六十件程度ございますけれども、そのようないろいろなところからの一一〇番を設けまして具体的に実施されているかどうか見ておるところでございますし、また総合食料局とも連携をいたしまして、関係機関を通じて適正な表示を行われているかどうかということについてウオッチをしているところでございます。
○岩本荘太君 今のお話聞いていますと、どうも何か受け身のような感じがするんですけれどもね。一一〇番、結構ですよ。だけれども、例えば一般の社会でお金取られても一一〇番しない人だっているわけですからね。かといって、お金の場合はなくて済むんでしょうけれども、食品の場合はそれは健康とかいろんなものの害になるような感じがするんですけれども、もう少し積極的にその検査、この際、食品の安全に対しての、安全というか表示に対しての、安全もそうでしょうけれども、そういうものに対しての検査ということを積極的にやられるというようなお考えはないんですかね。もし、大臣よければ何かその辺、まあ今お帰りになったばっかりだから、長官ちょっと。
○国務大臣(武部勤君) 今、水産庁長官がどこまで答えたか分かりませんが、食品表示ウオッチャー制度、七百人委嘱いたしまして、この制度をスタートさせますとかなり幅広くいろんな答えが出てくるんじゃないか、このように思っております。 それから、もう一つ考えておりますのは、食の安全運動国民会議という、ちょっと古くさい名前かもしれません、もう少し、何とかネットワークとした方がいいのかもしれませんが、私ども、「「食」と「農」の再生プラン」の中で、食育という問題とリスクコミュニケーションという問題を中心に、これは交通安全対策と同じように、交通安全運動のような、子供が離乳食を食べるころからこの食育というものについて全国的に月間を設けたりしてやっていこうと。それから同時に、国民的な運動を通じて、いろんな角度からいろんな情報が入ってくる、それを受けて、それをまたフィードバックして国民に知らしめていく、そういうようなことを今構想しているわけでございます。 同時に、JAS法についても、長官から話あったかもしれませんが、いろいろ議論ありますけれども、新聞に出ていますからあえて申し上げますと、一年以下の懲役、あるいは個人であれば百万円以下の罰金、法人であれば最大一億円というような案を今考えているんです。これを今国会中に改正案を出して、これは生産者から消費者から全国民が参加する、あるいは流通の関係もみんなして参加することによって、私は、その食品の安全性だけじゃなくて食味の問題、五感を働かせてそういったものを正しく評価するというような、そういう努力をしていきたいな、こう思っておるわけでございまして、今、先生からもっと積極的にというお話がありましたから、あえて今そういったことも考えているということを申し上げさせていただいた次第でございます。
○岩本荘太君 大臣言われた、その罰則をもう少し重くするというのは、これは確かにしなきゃいけないことだと思いますけれども、私は一人の日本人として本当は非常に残念な気持ちがしてならないんですね。 感想ですので、そういうことを言わせていただくのと、それともう一つは、こういう安全、何か前に指摘させてもらいましたけれども、いわゆる生産者と消費者、両端の人がこれは被害者。今までの一連の事件を見ても全部その間の人がやっているわけですので、その辺の峻別といいますか、物の考え方というか、その辺、両端は何も悪いことをしていない、それで一番被害を受けているというようなことをお考えいただきたいなと思っております。 次に、食の安全ということから、さっきもちょっと出ましたが、海洋汚染といいますか、私、実は今回質問があるもんで、Eメールを使って、何か聞くことがあったらということで出しているんですけれども、その中の一つに、どうも最近、市場に行って海の汚れを実感することが度々ある。形がちょっとおかしいようなものがあったり、あるいは寄生虫がいるんじゃないかというようなものがあったり、余り生鮮食品を私はこういうことを指摘はしたくないんですけれども、かといって、そういうことが高じてくれば大きな問題になるわけですから。海洋汚染といいますか、海洋の環境といいますか、これは海という大きなものが対象ですから水産庁だけでできるということでもないかもしれませんけれども、食料をそこから生産している業務を担当されている水産庁としては見過ごせない問題だろうと思うんですけれども。 そういうことに対して水産庁は今どんな取組といいますか対応をされているのか、ちょっと御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 水産業でございますけれども、環境なり生態系に大きく依存する産業でございます。これらを良好な状態に保全していくことは、漁業の健全かつ持続的な発展を図る上で極めて重要な課題というふうに考えております。 このような観点から、水産庁としては、一つは、油の汚染、海洋廃棄物の実態把握あるいは影響の調査というのを水産総合研究センターで実施をいたしております。第二点といたしましては、沿岸域の富栄養化また油汚染などのモニタリングを四十の都道府県に委託をして実施をいたしております。第三点目は、内分泌攪乱物質の実態調査でございますけれども、財団法人海洋生物環境研究所に委託をして実施をしているという状況でございます。 私ども、今後とも、水産動植物の生育環境の保全を図るため、必要な漁場環境に係る調査研究について充実を図っていきたいというふうに考えております。
○岩本荘太君 これ以上質問しませんけれども、その辺、十分に配慮をしていただきたいと思っております。 それと、汚染とは関係ないんですけれども、先ほども小川委員だったですかね、漁港なんかのお話がちょっと出ましたけれども、私、前にもこれ一回質問したと思うんですが、例えば海岸を整備する場合、一般海岸といわゆる農林海岸とは考え方を変えなきゃいかぬじゃないか。一般海岸で例えば堤防を造るときは、これは人命にかかわりますよね。人家、人命にかかわりますから、それは相当なしっかりした考え方でやらなきゃいけませんけれども、農林海岸ですと、守るのは農地とか林地。これがつぶれちゃいかぬということは言いませんけれども、人命とはまた違った考え方がある。 それともう一つは、水産の面からいえば、魚付き林といいますか、陸地と海とをつながせておいた方がいいんですね。そういう観点からいきますと、農林海岸というのは、私は、そんな一般海岸みたいに、何といいますか、壁といいますか、ああいうものを造ってやるんじゃなくて、もっとツーカーで、なだらかにしてツーカーでやるべきだというような意見を持っておりまして、そういう試みもしたことございます。大臣、前にたしか北海道でもやっているよというようなお話をされておりましたけれども、そういうような物の考え方を是非取り入れてもらいたい。これは特にお答え必要ございませんが、お願いをいたしたいと思います。 それからもう一つ、安全の面から、これは農業でも言われている遺伝子の組換えですね。水産業についてもこれは全然別じゃないと思う、ほかとは立場が違うということではないと思うんですけれども、この遺伝子組換えについては、今、水産業については現状はどんな状況でしょう。
○政府参考人(木下寛之君) 水産分野における遺伝子組換え技術のお尋ねでございますけれども、水産分野ではまだ実用的な技術とはなっていないというふうに承知をいたしております。 現在、水産分野におきます遺伝子組換え技術、魚類、貝類、藻類等を対象にいたしまして、独立行政法人水産総合研究センターの養殖研究所等におきまして、組換え体の産業的利用における安全性確保を目的に、十一年から十五年までの計画で取り組んでいる、そういうような段階でございます。
○岩本荘太君 私も、これも遺伝子組換えが反対だとかいけないとかというんじゃなくて、前に狂牛病のときも、あるいはクローン牛のときもお話ししたと思いますけれども、何年かたって出てくるような、変な影響がですね、そういうものというのは、しっかりと追跡できる、最近はやりではトレーサビリティーというような言葉で表現されておりますけれども、そういう道筋をきちっと作っておかなきゃいけない。水産業もおいおいそういうことの研究が始まるかもしれませんけれども、その辺はひとつよろしく対応をお考えいただきたい。 これ遺伝子組換えじゃないんですけれども、いわゆる三倍体の魚ですね。あれ何と言うんです、三倍体の染色体の魚と言うんですかね。いわゆる偶数倍だと成長して、生殖時期になると体重の成長が止まって、そちらは準備するけれども、それを三倍体にすると、要するにそういう生殖ということを考えずにどんどん成長ばっかりするというような、だから大きくなっていいんだろうと。まあ皆さん御存じでしょうけれども。そんな考え方のやつが漁業にあったか、あると思うんですけれども、それの今、現状はどんな具合でしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 三倍体に関します現在の水産の現状でございます。 アユ、ニジマス、アマゴ等につきまして、現在三倍体が作出されております道県の水産試験場におきまして検査が行われていると、そういうような段階でございます。 これらの三倍体でございますけれども、委員御指摘のとおり、寿命が延びて大型化する傾向にあるわけでございます。摂餌特性あるいは繁殖行動など、その特性につきましては知見が不十分なまま自然界へ放流された場合には、生態系への影響が懸念されるというところでございます。したがいまして、水産庁といたしましては、三倍体魚等の水産生物の利用要領を平成四年七月に定めまして、この実施要領に基づきまして、作出された生物の特性評価を行っているという段階でございます。 また、環境への影響を与える自然界への試験放流という問題につきましては、北海道水産ふ化場以外は行われていないと、そのような状況でございます。
○岩本荘太君 これも同じようなものでございますので、しっかりとトレースをしていただきたい。 何かこの三倍体というのは、昨日も水産庁の方々が見えてお話ししていましたら、何か害虫、いわゆる陸上、農産物の害虫駆除みたいなふうな印象も私はちょっと持つんですけれどもね。要するに繁殖しないやつをどんどん増やしていって入れると。そういうものが海の中に入っていきますと、それこそ水産に対する影響というのは物すごく大きいと思いますので、その辺をひとつよろしくお考えをいただきたいと思っております。 それから、先ほど申し上げました、次に自給率ですけれども、農業の自給率というのは割と分かりやすいんですけれども、水産については、日本の自給率について現状ではどんな貢献、貢献というか、どんな程度になっているんでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 食料自給率の考え方、幾つかの算出方法がございます。現在取られておりますのは、食料全体の自給率を総合的に表すという観点から、カロリーベースの自給率ということで算出されておりまして、平成十二年度は四〇%というふうになっているところでございます。 この中で水産物はどの程度占めるのかという点でございますけれども、水産物はそもそも良質なたんぱく質の食料でございますけれども、カロリーが非常に低いという点がございます。したがいまして、国民一人一日当たりの水産物によるカロリーの供給量は百三十六カロリーという点でございます。したがいまして、総カロリーの供給量二千六百四十五カロリーに占める割合が五%程度ということでございます。 また、自給率という点にとりますと約三%弱、そのようなカロリーベースの自給率では三%弱ということでございます。
○岩本荘太君 魚全体で五%で、国内で三%。ということは、六割国内、魚そのものの国内自給率は六割ぐらいということですか。
○政府参考人(木下寛之君) ちょっと私の説明が十分でなかったかと思いますけれども、まず私が申し上げたのは、日本の食料全体の自給率の中で水産物がどの程度占めるのかという点につきまして御説明したわけでございますけれども、水産物、カロリーが非常に低いという点でございますので、カロリーベースにしますと、日本全体のいろいろな農産物、野菜、肉類ございますけれども、その中で占める自給率といたしましては三%弱という点でございます。 また、私ども、水産物の自給率という際には、重量ベースで自給率を計算をしているという段階でございます。そういう意味で、水産物の自給率は何%かという場合には、分母が水産の国内消費量の重量で、分子が国内で供給される水産物の重量と、そういうものでございます。
○岩本荘太君 今の最後のやつは何%。それが何%。
○政府参考人(木下寛之君) 五三%でございます。
○岩本荘太君 五三。分かりました。 水産物は、先ほど言いましたように、これ国内なのか外国なのか、品物そのものは変わりないわけですから、その辺は非常に難しいかと思いますけれども、やはりあれですね、自給というものに対して、食料ですから、相当の役割を果たしているわけですので。 その辺を、私は、自給率を上げろとかということじゃない。例えば、水産の場合はそのように全部海がつながっている中であるわけですから、どういうようなところに考え方を置くのかということが一番大事なんだと思うんですよ。それ、いろんな非常時とか、いろんな時期を想定してですね。その辺の検討をやっぱり私はしてもらいたいと思っておるんですけれども、きょうは質問を羅列していろいろ教えてもらう方が中心ですので、またこれ、次回かあるいは別の機会にはもっと具体的な質問をさしてもらいたいと思っております。 最後に、ちょっと時間残りましたんで、資源管理について。 先ほどから言っておりますとおり、要するに相手は見えないものであるし、どのぐらいの量があるのか。あるいは、一方ではどんどんどんどん資源量が量れるような状況もあるというような具合で、一言に日本の漁業は資源管理でいくと言っても、ちょっとぴんとこないところがあるんですね。農産物ならもう少し全体が見えるものですから。 その辺で、今、資源管理資源管理、これは今、漁業については盛んにそう唱えられているわけですけれども、もう少しかみ砕いて、基本的に資源管理というものはどのような視点でとらえていて、どのような点に重点を置いておられるのか、これは次回の質問の前触れとして、その基本的なところをひとつ大臣、お話しいただければと思います。
○国務大臣(武部勤君) 自給率の問題も資源管理の問題も、あるいは水産の担い手の問題も私はつながっていると、このように思っていまして、水産基本法は私が大臣に就任したときにはもう法案としてでき上がっていましたけれども、いろいろ考えるに、なかなかこれ難しい法律で、また、これに基づく基本計画もこれまた難しいなと。 これをやっぱり国民の皆さん方にしっかり理解してもらうことは非常に大事なことだと、このように思っておりまして、その一つの水産資源の管理の問題につきましても、漁業法等による操業規制や漁獲可能量、TAC制度による漁獲量規制などの取組を行っているわけでございまして、しかし、我が国周辺の多くの水産資源は低位にありますし、また減少傾向にあるわけでございます。 このため、重要資源のうち早急な回復の必要性があるものを対象に、減船、休漁等を含む漁獲努力量の削減や資源の積極的な培養などの措置を行う資源回復計画の策定に重点を置いて取り組んでいるわけでございます。 具体的には、今月、サワラ瀬戸内海系群資源について資源回復計画を作成したところでありまして、今後五十程度の候補魚種の中から条件の整ったものより順次計画の策定を進め、必要な資源管理措置を実施していくという、こういう考えでございます。こういうふうに説明していてもなかなか難しい、正直、私自身が難しい問題だと、こう思っているわけでございます。 自給率の問題も資源管理の、自給率を上げるということはどういうことなんだということは、これは資源を管理して、そして資源を増やしていく、必然的に沿岸における自給率は上がっていくと、こういう話になっていくわけでございまして、一度是非また当委員会でも更なる御議論をいただければ有り難いと思います。
○岩本荘太君 時間ですね。終わります。ありがとうございました。
○中村敦夫君 先週の静岡県の漁港の視察、大変参考になることが多かったので、いろいろ勉強させていただきました。焼津港、由比港、小川港ですか、この三つの場所を訪れたわけですが、特にサクラエビで有名な由比港の自主的資源管理とか共同漁業のシステム、これは持続可能な地域産業をやっていく上で非常に参考になるいいサンプルだと思います。しかし、全体的に日本の漁業区域を見ると、むしろこういうふうにうまくいっているのは少ないんであって、たくさん、多くの場所で本当に存亡の危機を迎えているような、そういう状況があるんではないかと思うんですね。 今日は、その一つとして、富山県、富山湾に流れる黒部川の問題についてお聞きしようと思っているんです。 黒部川というのは、御存じのとおり、日本有数の急流河川でございまして、土砂崩壊地域が七千か所もあるというようなことなんですね。年間百四十万立方メートルの土砂が下流へ流れていくということが起こっております。 ところが、ここに、一九八五年に関西電力による出し平ダムというのができました。また、二〇〇一年には国土交通省による宇奈月ダムというのができました。ダムができると底に砂がたまると。ただ砂がたまるだけじゃなくて、それはヘドロ化するわけですね。これでもってこの二つのダムには排砂ゲートという装置を付けたわけなんですね。 出し平ダムというのは一九九一年に排砂を開始しました。そうしますと、もう最初の排砂は河口沿岸で多大な漁業被害が出たわけなんですね。そこで、国や県による排砂方法の検討委員会というのが設置されました。ところが、最終的な判断としては、排砂方法の改善により環境に影響は見られないという報告が出たわけです。それ以後十回排砂が続行しました。昨年などは、出し平ダム、宇奈月ダムが連携して排砂をやったということなんですね。 結局、この結果、黒部川と河口沿岸にはヘドロ化した土砂が堆積するようになって、周辺海域では魚や海藻が育たない状況ができてしまったということなんですね。これは、配付資料の写真見ていただければ分かると思います。こういうヘドロがたまってしまったということなんですね。結局、沿岸漁業には壊滅的な被害が生じました。 去年の六月、漁民とワカメ栽培者が、排砂の差止めと漁業補償を求めて富山県公害審査会へ調停を申請したということがあります。富山湾といいますれば、キトキトと呼ばれる新鮮でおいしい魚介類の産地で、沿岸漁業が非常に活発なところなんですけれども、代表的な魚はヒラメということですね。黒部川河口部というのはヒラメの好漁場として有名なわけですけれども、出し平ダムの排砂以降、ヒラメの漁獲量がもう半分以下になってしまったという事実があります。 配付資料の見開きをちょっと見ていただければ分かるんですけれども、排砂による激減する漁獲量というグラフがございますね。これを見て明らかなんです。一九九一年に排砂したら漁獲量が減少したんです。九二年、九四年と九五年に掛けては排砂をしなかったらやっぱり増加傾向が見られたわけです。ところが、九五年にまたどさっと排砂をすると、以降はもう漁獲量が激減しているんですよ。 事業者や御用学者みたいな人たちが環境に影響は見られないという公式発表をしたとしても、漁獲量が激減して地元の漁民が困窮しているという事実は厳然として存在しているわけですね。私たちはこうした、農水省にしても農水委員会にしても、事実というものをやっぱり直視しないといけないと思うんですね。そして、漁民の苦しみというものを見て見ぬふりするわけにはいかないと思います。 そこで、関連した質問をしたいと思いますが、水産庁長官にお尋ねします。 事業者である国土交通省や関西電力が影響調査を行っているということは分かっているんですが、漁民の利益を守るべき立場にある水産庁がこの件について何をしているのかがちょっと分からないんですね。水産庁は、黒部川河口部沿岸の漁業被害についてどのぐらいのことを把握しているのか、実際に水産庁は調査をしているのかということについてお答えいただきたいんです。
○政府参考人(木下寛之君) 黒部川において関西電力が平成三年に排砂を実施をした際、出し平ダムに堆積したヘドロ状の土砂が流出をし、河口から沖合幅三キロ、長さ五キロにわたりまして拡散をした、この中で、黒部市ほか四市町村にまたがりまして、定置網、刺し網、ワカメ養殖業等につきまして、ヒラメあるいはカレイ、アワビ、サザエ等の対象資源が死滅する等の漁業被害が生じたということにつきまして富山県から報告を聴取をいたしております。
○中村敦夫君 報告だけ受けていてもこれは対策になっていないと思いますけれども。 その問題は別として、富山県漁業協同組合連合会、ここは関西電力から漁業対策振興資金という名目の金銭を受け取っているわけなんですね。両者は金銭の授受については認めています。しかし、その総額については明らかにしていないんですね。一説には約四十億円にも上るというふうに言われているんですけれども。そしてまた、関西電力は、その後毎年七千万円の金銭を富山県の漁連に支払っていると。 この両者でやり取りされたこれらの金銭、これは排砂による漁業被害への損害補償金なんですか、それとも水産振興費なんですか、どちらでしょう。
○政府参考人(木下寛之君) 御質問の件につきましては、富山県に確認をしましたところ、富山県漁連と関西電力との間で、ダム排砂に伴います漁業補償及び漁業振興のための契約が取り交わされたということでございます。このような契約に基づきまして、漁連に対し金銭が支払われたというような事実関係でございます。したがいまして、関係業者に対する補償が行われたほか、漁業振興を目的とした資金として富山県漁連が特別会計により管理を行っているという旨報告を受けているところでございます。 したがいまして、御質問の金銭につきましては、漁業被害に対する漁業補償金、それから水産振興費の両方が含まれているというふうに理解をいたしております。
○中村敦夫君 これは、両方あるという話なんですけれども、水産振興費であるならば、関西電力の支出がこれは明らかに違法行為になるんですよ。なぜなら、電気料金は経済産業、通産大臣の許可が必要な公共料金ですし、支出は電気料金に反映されるということになるわけですね。ですから、電気事業関連以外の支出は認められないはずなんですね。つまり、関西電力は排砂による漁業被害に対しては支出できるけれども、漁業振興資金には支出はできないということがこれ筋道なんですね。 こちらで関西電力の用地部に問い合わせたんですよ。そうしたらば担当者は、損害補償金だと、こういうふうに答えているんです。明言しました。これはどういうふうに考えますか。
○政府参考人(木下寛之君) 私どもは、先ほど申し上げた内容につきまして富山県に確認をしたことを御説明させていただいたという次第でございます。 今、委員から御指摘があったことにつきまして、改めて富山県にも後ほど事実関係につきまして照会をしたいというふうに考えております。
○中村敦夫君 いや、そんなことは常識なんですから、言われましたから答えましたというんじゃなくて、水産庁が自分で判断しなきゃいけない問題じゃないですか。 損害補償金でもあるという、そういう答えがあるわけですけれども、損害補償金であるならば、それを漁協が受け取るに際しては関係組合員全員の委任状が必要になるんです。さらに、漁協が受け取った損害補償金は、関係組合員全員の同意を得た配分基準に基づき漁民に配分されなければならないということなんですよね。水産庁だって、損害補償の請求、受領については関係組合員全員の同意ないし委任状が必要、そして配分基準についても関係組合員全員の同意が必要という通達を出しているわけでしょう。しかし、現実には被害漁民たちは被害額に及ばないわずかな金銭しか渡されていないんですね。その総額や使途についても知ることができないというのが現実の状況なんですよ。そして、被害漁民は、委任状の提出もしていなければ、配分基準についても同意したことがないということがあります。 これ、富山県の漁連の行為というのは大変な問題があるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、今回の事案の契約の内容でございますけれども、富山県の漁連と関西電力との間の当事者以外では公表しないというような約束があるようでございまして、私ども富山県に照会したところ、富山県としても正確に把握をしていないという状況のようでございます。 いずれにいたしましても、私ども、今御指摘のあった案件につきまして、協同組合としてどのように理解をしたらいいのか、更に今後精査をしてみたいというふうに考えております。
○中村敦夫君 いずれにしても、金銭の総額と使途について被害を受けた漁民が知ることができないというのは、これは異常事態なんですよね。今までの決まりにも全く反していることです。実際に、この被害を受けた漁民である地元漁協の理事たちが県漁連へ出向いて問い合わせても、県漁連は、答えることはできないと一点張りだという話なんですね。これでは、例えば漁協の合併とか非常に重要な問題があるんですが、こんな初歩的なことがいい加減な形で行われているというんでは大変な問題が起きてしまうんじゃないかと。 私は、やっぱりその金銭の総額と使途について少なくとも被害漁民たちには教えるべきだと。この点について水産庁は積極的にその役割を果たすべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、先ほど来御説明をいたしておりますけれども、富山県漁連が関西電力から受け取った金銭の総額と使途でございます、富山県に照会いたしましたけれども、契約の内容については当事者間以外には公表しないと、そのような約束があったようでございます。したがいまして、県として把握していない、そのような報告を受けているところでございます。
○中村敦夫君 水産庁の存在意味というのは一体何なんでしょうか。やっぱり指導省庁でしょう。これはかなり無責任なお答えだというふうに私は思いますね。存在意義が問われますよ、これ。 そこで、こういう答えしかもらえないわけですから大臣にお伺いしますけれども、実際の被害状況はすごいんです。これはヒラメ、クルマエビ、コチ、キス、もうそのほかの魚もどんどん減少しています。それから、クルマエビ漁、キス網漁に関してはもう現在廃業状態になってしまったと。入善飯野地区というところではモズク、ワカメなどの海藻がもうほとんど生育しなくて、ワカメ養殖栽培というのは平成十年度から休止したままになってしまったと。それから、入善町横山定置網は、これは漁獲高の減少によって平成十年にはもう解散、廃業ですよ。朝日定置は平成十四年に業務停止。それで、食用でない魚介類ですね、ヤドカリとかアカニシ、メゴチ、そうしたものまでも減少していますね。これは乱獲による減少じゃないんです。 このように被害状況は深刻なんですけれども、被害漁民たちの本当の望みは高額な補償金じゃないんです。私は先月、富山を訪れました。そして、漁民からも直接訴えを受けたわけですね。彼らの願いというのは、海に魚が戻って漁業で生計を立てていくこと、そのことなんですね。元のように豊穣な海さえ戻ってくれば補償金なんか要らないと強く言っています。 彼らの後継者になる若い漁民もたくさんいるわけなんですね。こういう意欲的な漁民を積極的に支援していって、この大きな問題を解決していくというのが先月決められた水産基本計画の大きな柱になっていますし、今回の審議中の四法案の趣旨も同じではないかと。 やはりこういう状況にあるということを大臣としてはどんな感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 漁業にとりましては、良好な漁場環境というものは漁民にとって命と言って過言でないと、このように思います。したがいまして、漁業・漁場環境の維持は誠に重要なものでありますし、ただいまの中村先生のお話を承っておりまして、やはり水産庁としても農林水産省としても、この事実関係というものはしっかり把握しなければならないというふうに今強く感じているわけでございます。 また、こういった事業について、やはりこういうことが起こる以前に、国土交通省等の関係機関に対しては、漁業者や関係機関の意見を十分踏まえつつ、漁業への支障がないかどうかということをしっかり確かめた上で、様々な問題が想定されるとすれば、そういった問題に対しての対応策というものについても特段の配慮を払うようにしなければならぬと、このように思います。このことについても、しっかり申入れをしてきた所存と承知しておりますけれども、こういったことについても反省をしなきゃならないと、このように思っております。 また、意欲的な漁業者が後継者を得て明るい将来を持てるような漁業振興のための措置が取られる必要があると、このように考えておりますので、一義的には富山県が身近な立場にあるわけでありますので、このような観点から、今、海洋深層水を活用した作り育てる漁業や資源管理型漁業の推進を積極的に進めていると聞いておりますけれども、農林水産省として、富山県に対しましてしっかりした確認をさせていただき、適切な指導を行ってまいりたいと、このように思います。
○中村敦夫君 姿勢だけじゃなくて、排砂問題というものは漁業に直接被害を与えているという実態があるわけですね。この問題をどうやって取り組むかというその答えまで出さないと、この問題は全然進まないわけですね。 しかも、今年度は国土交通省と関西電力は六月から八月に掛けて八万立方メートルの排砂を行うと。またこれやるんですよ。それで、しかも環境や漁業に対する影響も問題なしだということを言っているわけですね。これも全くばかげた宣言じゃないかなと私は思っているんですね。 ですから、大臣、現場が大事なんですよね。ですから、もし、時間がないでしょうけれども、なるべく時間を作って現状をどうか視察していただきたいんですね。そして、その漁民の話を聞いてもらわないと、公式的な宣言とか連絡の報告だとかそんなことでこの問題は全く解決する性質のものではありませんので、是非それをお願いしたいんです。どうでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) これは国会等の都合もございます。 私はできるだけ自分の足で、足を運んで、現場の理論というものを私の政治家としての一つのバックボーンにしてまいりましたので、でき得ることならば現地も見たいという気持ちはありますが、ただ、今、委員御指摘のような事実関係というものについて国土交通省及び関西電力に対しましても確かめたいと思っておりますし、富山県に対しましても、先ほど申し上げましたように、もう一度きちっと確かめた上でどういう対処をすべきかということを真剣に考えたいと、このように思っております。 私の立場からいたしますと、漁業に対する特別の配慮ということを関係機関にきちっと働き掛けてまいりたいと思いますし、そういうことも含めまして、漁業振興について富山県に対しましても必要な振興策をしっかり取るようにと、農林水産省としてもそのことについては相談に応じて、要望があれば国としても何をなすべきかということを検討してまいりたいと、このように考えます。
○中村敦夫君 水産庁のような人ごとのような対応の仕方ではなくて、現実を本当に徹底的に調べるということで、問題が何かということを早く見て、それに対する対策を積極的に取り組んでいただきたいと、これをお願いして、質問を終わります。
○委員長(常田享詳君) 四案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時二分散会