内閣委員会 第3号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/03/19
会議録
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として警察庁警備局長漆間巌君及び外務大臣官房審議官佐藤重和君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤泰介君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、去る十四日に聴取いたしました福田国務大臣及び尾身国務大臣の所信に対し、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森田次夫君 自由民主党の森田次夫でございます。 尾身大臣、科学大臣、大変御苦労さまでございます。時間の関係等もございますので、早速質問の方をさせていただきたいと存じます。 小泉総理は、二月の四日の所信演説におきまして、世界最高水準科学技術創造立国の実現に向け、人の遺伝子情報の医療への応用、ナノテクノロジー分野の研究開発など最先端の戦略的研究分野に重点的に取り組むとともに、産学官の連携の推進、地域における科学技術の振興を図ると表明をされておられます。また、尾身大臣は当委員会におきまして、所信表明の中で、我が国が国際競争力を回復し日本経済全体の活性化を図っていく上での重要なかぎとなるのが科学技術である、このように述べられておるわけでございますが、正にそのとおりであろうかと私も思うわけでございます。 そこで、政府の政策について幾つか大臣に質問をさせていただきたいと存じます。 まず、科学技術の重点化についてお伺いをさせていただきます。 政府は、昨年三月に第二期の科学技術基本計画、十年間でございますが、を閣議決定をいたしまして、情報通信技術の例に見られるように、先端科学技術の分野で第一走者がデファクトスタンダードを確立し、市場を独占する。したがって、我が国における科学技術の研究開発に対する支援措置も我が国が産業の得意分野を効果的、効率的に伸長させるものでなければならない、このように思うわけでございます。科学技術基本計画では、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料でございますが、の四分野が科学技術国家戦略の重点分野とされております。 そこで、この四分野に関しましてお尋ねするわけでございますけれども、その一つは、我が国は世界の中でどこに位置しているのか、どのくらいのところに位置しているのか、そういったことについて大臣はどのような認識を持っておられるのか、これが一点でございます。 それから二点目が、米国、欧州各国、アジア諸国の政策や戦略、国家的支援措置はどうなっているのか、またそれらと比べまして我が国の施策は遜色ないものとなっているのかどうか、この二点につきまして大臣にお尋ねをさせていただきます。
○国務大臣(尾身幸次君) 森田委員、大変科学技術につきまして深い御理解を賜りましてありがとうございますが、大変に包括的な御質問でございまして、これをどういうふうに答えるか、なかなか一概に言えない分野がある、部分があるというふうに考えております。 昨年の四月から始まりました第二期の科学技術基本計画におきまして、私どもは科学技術研究を戦略的に進めなきゃならない、こういうことで重点四分野を定めたわけでございます。ライフサイエンス、IT、それから環境、ナノテクノロジー及び材料という四分野でございます。 一つ一つの分野につきまして簡単に、現在どのような我が国の水準にあるかということを申し上げますと、まずライフサイエンス分野につきましては、特定の微生物のゲノム解析や動物のクローン技術などでは高い水準にあるものの、ライフサイエンス分野全体としては、アメリカがNIHに代表されるような国家的取組等をしておりますし、またベンチャービジネスも大いに活躍をしているわけでございまして、極めて優位な立場にあるというふうに考えております。 情報通信につきましては、日本はモバイル技術など一部の領域では世界をリードしていると考えておりますが、全体としては米国に後れておりまして、その格差も広がる傾向にあるというふうに思っております。 環境分野につきましては、我が国は地球温暖化対策技術や、あるいは化学物質の総合評価管理技術などでは欧米とほぼ同水準にあるというふうに考えております。 ナノテクノロジー及び材料分野につきましては、我が国が従来から幅広い取組を行っておりまして、電子材料等の機能性材料を始めといたしまして、この分野では欧米をリードしてきた材料分野の成果をベースとする我が国が強みを持っている分野であるというふうに考えますが、この分野においても欧米諸国の極めて著しい追い上げが見られるわけでございます。 これに対する各国の、欧米あるいはアジア各国の取組の状況でございますが、ライフサイエンス分野につきましては、アメリカにおいて、ナショナル・インスティチュート・オブ・ヘルス、NIHが予算を二〇〇〇年から五年間で倍増すると。百七十八億ドル、二〇〇〇年の予算を五年間で倍増するというような取組をしておりますが、またさらにシンガポールでも、シンガポール・ゲノム計画が策定されるなど、積極的な取組を進めているところでございます。 情報通信分野におきましては、アメリカの連邦政府の計画でございます情報通信研究開発計画というのがございますし、またヨーロッパの国際共同研究開発計画であります第五次フレームワーク計画などがございまして、包括的に研究開発を強力に推進しているというのが実情でございます。さらに、インドあるいは中国等のアジア諸国でも、大量のITの高度な技術者の養成を目指して頑張っているということでございます。 環境につきましては、欧米では気候変動の問題の取組につきまして日米欧三極協力の枠組みによります科学技術協力を進めることが検討されておりますなど、環境分野における研究開発協力が大変大事であるというふうに考えております。 ナノテクノロジーにつきましては、アメリカの国家ナノテクノロジーイニシアチブなどで、欧米諸国、国家戦略として取組を近年非常に強化をしております。また、中国におきましても五か年計画が策定され、大型プロジェクトを推進しているというふうに聞いております。 このような状況を踏まえまして、我が国といたしましても、ライフサイエンス分野におけるポストゲノムと言われております先端分野や、あるいは我が国が国際的に強みを持っております分野を重視しつつ、優先的に予算、人材等の資源配分を行って戦略的な取組を強化するというのが総合科学技術会議が今やっているところでございます。 この重点分野においては、大変各国がいい意味で厳しい、激しい競争をしているわけでございますが、日本もこの戦略的な分野については、大変大事でございますので、予算のめり張りの付いた確保等を含めまして、世界最高水準を目指して全力で頑張ってまいりたいと考えている次第でございます。皆様の御支援を心からお願いを申し上げます。
○森田次夫君 大変大ざっぱな聞き方をしましたものですから、いろいろとそれぞれ四分野の中でも細かくしますと、この辺は日本は強いとか、ここのところは弱いだとかいろいろとあるんではないかなと、そんなに今大臣の御答弁をお聞きしまして感じたわけでございます。 次に、研究開発予算の重点、効果的、効率的な配分についての政府のお考えを伺いたいと思います。 我が国の研究費の総額は、政府負担割合につきましてはやや低いんではないか、このように思うわけでございますけれども、対GDP比に関しまして見ますと、欧米に比べまして決して遜色のない額となっておるわけでございます。また、第一期の科学技術関係経費の総額でございますけれども、これは十年間でございますが、十七兆円でございましたけれども、第二期の総額については二十四兆円に大幅に増額されておるわけでございます。また、平成十四年度予算の科学技術関係予算は、一般歳出が二・三%のマイナスとなっている中で、総額では前年度二%増の三兆五千四百億円。それから、科学技術振興費につきましては五・八%増の一兆一千八百億円が確保されておりまして、政府のこの分野への積極的な姿勢の表れと評価をしておるところでございます。 しかしながら、重点四分野の政府研究開発投資額について日米の予算を比較してみますと、米国のそれが我が国を圧倒しておるわけでございます。アメリカは日本の約三倍から六倍ぐらい、資料を見せていただいたんですけれども、そのくらいの差があるわけでございます。 そこでお伺いするわけでございますけれども、一つは、十四年度予算における重点四分野への配分枠はどうなっているのか、また、それによる効果をどのように見込んでいるのか。例えば、ライフサイエンス、それから環境、それからIT、ナノテクノロジー、そういったことで、それぞれどういうような形でもって配分されておられるのか。それから二点目が、重点四分野につきましては各国とも傾斜的に予算配分している。我が国としてはより一層の重点化を図っていく必要があるんではないか、こんなようにも思うわけでございます。すなわち、四分野の中でも我が国の得意分野により一層の重点を置き、人も資金も投入することが重要ではないのかな、こんなにも考えるわけでございます。 以上、二点につきまして大臣の御所見を承ればと、このように思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 今、森田委員のおっしゃいますとおり、各国とも科学技術については極めて、重点政策として予算配分も重点的に付けると、こういうことをやっているわけでございまして、そういう中で我が国も、産業の空洞化を防ぎ、これから日本経済の活力を高めるためには科学技術の研究開発を促進し、そこから新しいベンチャーを起こし、新しい商品を開発し、新しいサービスを見いだしていく、そしてそこで産業を興して雇用を吸収すると、こういう地道な努力をしていくことが一番大事であるというふうに考えている次第でございます。 第二次科学技術基本計画におきましては、対前五年間の十七兆円に比べて二十四兆円という三六%増の極めて意欲的な基本計画を組んでいるわけでございまして、十四年度の予算額につきましても、先ほどのお話のとおり、一般歳出がマイナス二・三%の中で科学技術関係、トータルで二・〇%、三兆五千三百八十七億円という額を計上をしております。 そしてさらに、今のお話の重点四分野につきましても、ライフサイエンスは千六百六十四億円、対前年比七・六%増、情報通信分野が千百五十五億円、五・一%増、環境分野が五百七億円、三三・四%増、ナノテクノロジー・材料が百十五億円で五七・五%増というように、この財政厳しい中で極めて重点を置いた予算配分をしているわけでございます。 もとより、その中でも更に重点的な分野に予算をめり張りを付けた形で投入をしているわけでございますが、これをもって、私ども全力を挙げて、この重点分野の研究開発を促進して得意分野を伸ばし、また弱い分野も相手の国に対して追い付いていくという努力を行うことによりまして、日本全体の科学技術の面における競争力を強めていきたい、そしてまた、ひいてはそれによって世界に貢献をしていきたいというふうに考えている次第でございまして、この予算が、一日も早く通していただいて、現実の研究開発が進んでいくよう是非願っている、お願いをしたいと思っている次第でございます。
○森田次夫君 ただいま四分野のそれぞれの予算をお聞きしまして、それぞれかなり大幅に予算が増額されておるということは、これは尾身大臣の所信にも述べられましたとおり、正に日本経済全体の活性化を図っていく上では科学技術が大変必要なんだと、重要なんだと、こういうような表れではないか、このように思いまして大臣に敬意を表するところでございます。 そこで次に伺いますが、産学官の連携により一層強化するための方策についてお伺いをいたしたいと思います。 我が国の科学技術力を世界最高水準のものにし、創造的科学立国を目指すためには、国レベル及び地方レベルの両面において産学官の密接な連携と協力が不可欠ではないかというふうに思うわけでございます。そのためには、人材の交流の活発化、そのための兼職や復職に対する制度の整備、それから処遇ですね、給与等、年金、それから寄附金などの税制や、それから公的研究機関において得られた技術的成果の民間業者への移転促進など、より一層の国による制度の環境整備が必要であるのではないか、このように考えるわけでございます。 これらにつきまして尾身大臣はどのような認識を持っておられるのか、現行制度についての大臣の評価を承りたい、このように思います。また、それらについてもし見直し等を検討されているのであれば、そういったことについても併せてお聞かせをいただければと、このように思うわけでございます。よろしくどうぞお願いします。
○国務大臣(尾身幸次君) 戦後五十年近くの間、日本はいわゆる追い付き追い越せの時代を経てまいりました。その時代には、外国の技術を輸入をしてその輸入した技術を改良して外国よりもすばらしい製品を作り、それを輸出をして外貨を稼いでその外貨で経済成長をするという、いわゆるキャッチアップの時代を経てきたわけでございます。 ところが近年、日本が言わばマラソンでいいますと一番びりからスタートをして、一人抜き、二人抜きして言わばトップランナーのグループに入ってきた。そういう時代に入ってきたときには、これからの研究開発は正に道のないところに道を見いだしていくという、そういうことをやらざるを得ないという状況になってまいりました。 その状況の下で、私どもは、今度はいわゆる各産業あるいは各企業が自前で開発あるいは改良してまいりました技術だけでは足りないという状況でございまして、最先端の研究開発をしている大学の頭脳を産業界の方に移転をして、そしてその頭脳の力をもって新しい製品を開発しベンチャーを起こす、いわゆる産学官の連携が必要な時代になってきたわけでございます。 そういう中におきまして、我が国はいろんな意味で、実を言うとアメリカを中心とする先進諸国と比べて産学官の連携が実は遅れておりまして、これを今推進をするために大運動を展開しているわけでございます。 例えば、国立大学でいいますと、全部の研究費、予算が国家予算で賄われているために、産学官連携によって民間の資金を活用して研究をするというようなインセンティブが国立大学の教授陣に余りない。したがって、産学官の関係も、大学と企業という組織的な関係ではなしに、個人的な関係のお付き合いにとどまっているという実情もございます。 また、企業の方は、今までの惰性で自分のところで何でもかんでも研究するといういわゆる自前主義を取ってきておりまして、その自前主義が限界に来ていると、こういう実情にもあるわけでございます。 そこで、私ども総合科学技術会議におきましても、産学官連携のためのプロジェクトチームを作りまして、そこでどういう問題を解決したらいいかということをいろいろと検討をし、これを実現させるべく努力をしているところでございます。 一つは国立大学の改革、いわゆる大学改革に伴いまして、非公務員型にして能力に応じた処遇ができる、また能力を十分発揮させることができるような非公務員型の独立行政法人にしていただきたい。 それから、私立大学でいいますと、まだまだアメリカの私立大学と比べまして科学技術についての力が弱い。なぜかといいますと、学生の八割が私立大学なんでありますけれども、国からのお金が少ないために、例えば法学部とか経済学部とか文学部というようなお金の掛からない分野は、私立大学、非常に発展をしておりますが、自然科学系の学科は国立大学と比べて非常に弱いという点がございます。 したがいまして、私立大学に対する寄附金の税制措置を更に進めるとか、あるいは受託研究についての研究費の税制を改善するとかいうようなことをこれからも更にしていかなきゃならない。受託費の税制改正については、今年度から実現することになっている、今年度、十四年度から実現することになっておりますが、寄附金についての免税措置を外国並み、アメリカ並みにするということがこれからの大きな課題であるというふうに考えております。 そのほか、いわゆるアメリカであります、グラントと言っております提案公募型の競争的資金を更に拡充をし、アメリカのような、能力ある若者がそういう研究を進め、そしてそれを産業に活用できるような体制も作らなければいけないと考えております。 その他、いわゆる古典的な自然科学系にあります教授を中核とする講座制の下で、非常に封建的な体制で若者の意欲が、意欲というか能力が十分に発揮できないような体制にある現在の大学の状況も直していかなきゃいけない。 いろいろと課題が多いわけでございますが、そういう課題をしっかりと一つ一つ解決をして産学官の連携を進めて大学の頭脳を日本経済の発展のために生かすようなそういう体制作りを一日も早くし、そしてそれに対応して、また国の予算も重点的にそこに投入していきたいと考えている次第でございまして、これは大きな、大変大きな小泉構造改革の大きなポイントの一つであるというふうに考えておりますので、是非御支援をお願い申し上げます。
○森田次夫君 大変詳しく御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 私はこんなにも考えるんでございます。かつては産学官の連携というのは何か日本では悪だったというような時代がちょっとあったんだろう、そういうようなことがやはり遅れてきた原因の一つであるのかなと、こんなに思うわけでございます。そして、日本は努力によりまして今やトップランナーだと、そして道なき道を切り開いていくんだと、こういうようなお話もございましたが、もうそういうことになれば当然やっぱり人材の育成と、こういうようなことになってくるのではないか、このように思うわけでございます。 そこで、人材の育成につきまして、嘉数政務官、ちょっとお聞きをさせていただきます。科学技術政策に関する最後の質問として、人材育成策についてお尋ねをさせていただきます。 科学技術に限らずあらゆる分野において、人材の育成は第一に優先すべき事項であるかと思います。教育につきましては国家百年の計と言われてきましたが、世界的に技術革新のスピードが従来よりは比較にならないほど飛躍的に増してきた今日、また人材投入すべき分野が大きく変化する現実の中で、求められる人材を速やかに養成、育成するための環境を整備することは喫緊の課題であるのではないかと、このように思うわけでございます。 現在、我が国の自然科学部門における研究者は、数の面では、資料等を見させていただいたんですが、欧米に比較して充実をしておるのではないのかなと。その数をどういうふうに見るかという、例えば学生の、まあちょっと医療機関の研究者だとか、そういう者まで日本の場合には含めるんだというようなことがあるようでございますけれども、ただ数の面だけ見ますとそういったことで、結構たくさんおられるわけです。しかし、人材が不足していると言われている、特に若手研究者を始めとする有為な人材の海外流出、いわゆる頭脳流出も依然として解消されていないのではないのかなと、このようにも思うわけでございます。 さらには、昨今懸念が深刻化しております青少年の理科離れの問題にどう取り組んでいくかという課題もあるのではないのかなと、そんなに思うわけでございます。 そこで、政府はこれら諸課題への取組を強化するためどのような方策及び方針をお持ちか、お聞かせをいただきたいと存じます。 そしてまた、二番目には、国際科学受賞の受賞者を欧米主要国並みに輩出するんだと、特に五十年間にノーベル賞受賞者を三十人程度出したいという政府の目標を実現するためには、創造性だとか独創性だとか、豊かで広い視野を持ち、かつ実践的な技術、能力を備えた人材の養成と、そして人材を提供するすそ野を広げるための現在の教育制度等の再検討も必要ではないのかなと、こんなにも思うわけでございますけれども、政務官の御所見を賜りたいと存じます。
○大臣政務官(嘉数知賢君) 科学創造立国を推進していく我が国を考えますときに、今、先生がおっしゃった青少年の教育問題あるいはまた若手技術者の頭脳流出、これは大変憂慮すべき問題であるととらえております。本来でしたらこれ、尾身先生、大臣がお答えいただいた方がより詳しくと思うんですけれども。 青少年のこれからの理科離れをいかにして防ぐかということもまた大変大きな問題だと思っていました。ちなみに、国際数学・理科教育調査、平成十一年で、これは中学二年生に行われた調査なんですけれども、その結果を見ますと、理科の成績は三十八か国中四位、理科が好きかどうかという問いに対しては二十三か国二十二位、結局、理科は嫌いですという生徒の方が圧倒的に多いという結果が出ていました。このままいきますと、我が国が推進している科学立国ということからだんだんだんだん子供たちが外れていくんではないかという大変憂慮すべき問題が出てまいります。そのために、先ほどお話のありました、科学技術に興味を持つ学生、科学技術に対して大変にその分野に進みたいという、興味を持つ学生をいかにして増やすかということが一つの大きな課題になっていると思うんです。 そのために、先ほど話がありました、自然科学系のノーベル賞、五十年に三十人を輩出するような努力をしようと。 これは、ある意味で、若い青少年が科学技術に興味を持ってその分野に進んでいくということが必要であり、その興味を持たせてそこに集中的に進める方法をいろいろ考えるという意味での一つの施策だと私はとらえておりまして、また、文部科学省を始め関係各省庁においても、科学技術に関する学習の振興、国民の理解増進の施策は着実に今推進をされているところでありますけれども、ただ、このたびの平成十四年度の構造改革の中で、文部科学省に今お願いをしてともに進めようとしている中に、文部省の中に平成十四年、五十七億円の予算を付けました。スーパーサイエンススクールというシステムを導入した。それは、科学技術に対する教育を支援していこうということで、思い切って各学校にそういうシステムを導入しながら、青少年に科学の面白さ、楽しさ、そして大事さを教えていこうという形で今計画をいたしております。 加えまして、また、中で理科の実験というのは大変重視しなきゃいけないと。その理科の実験が楽しいということが一つの興味を持つ私は大きなインパクトになると思うんです。そのために、大学の一級の研究者とか、単にその学校現場の先生に任すんじゃなくて、その研究者たちを学校にお招きをして、直接その研究者の中で面白い科学の実験をしていただく、あるいは理科の実験をしていただくということをしながら指導者の育成をしていくということも大事かと思いました。 そういう意味で、いろいろな対策を取っていきたい、これも、今後もそういう意味では各省庁との関係を強化しながら、協力しながら進めていきたい、そういうように思っています。 それから、若手の技術者、頭脳の流出、これは本当に憂慮すべき問題だと思っています。おっしゃるとおり、我が国には優秀な若手の科学者、技術者はいっぱいいらっしゃいます。それを、いかにしてその方たちが自由に思い切って研究活動ができるかということを支援することは私は大事だと思うんです。 先ほど尾身大臣から御答弁いただきましたけれども、従来型の講座制、これはいろいろ研究をして成果が出てきても、ほとんどその教授の下で講座の成果になってしまうと。これではなかなか若い技術者が、研究者が思い切った伸び伸びした研究ができないということがありました。それをストレートに、個人が研究しその成果をしっかりと自らの成果として取得できるような形もバックアップしていかなきゃいけませんし、そのために資金を思い切って導入するという形を取らなきゃいけないということからしますと、今の講座制度というのはなかなかうまくいかないでしょうから、それをある意味で改革をしていかなきゃいけないということもまた大事なことでありますし、今、何というんですか、技術者が海外に流出していくという大きな課題を歯止めする一つのインパクトになろうかと思います。これは専門委員会の下でもいろいろのその改革、システム改革を今検討していまして、その研究をしながら一つ一つ解決していきたいと思っていますし、また、今の公務員制度という弊害も、結構今は独立法人制度に変わっていくけれども、その分で思い切った政策が展開できたらなという思いも実はいたしております。 以上です。
○森田次夫君 ただいま政務官の中で、日本の子供は理科嫌いだと。ただ、実験というのは楽しいんですよね。私も理科は余り好きじゃなかったんですけれども、実験は楽しかった。ですから、やはり小さいうちからそういったような形で、そして興味を持たせてすそ野を広げる、こういったことが必要じゃないのかな、こんなにも今感じたわけでございます。 それでは次に、官房長官、恐れ入ります、ちょっと質問をさせていただきたいと存じます。 いつも火曜日なものですから、来た早々でいつもお尋ねばっかりして本当に申し訳ございません。 一つは、今日は、追悼・平和祈念碑等施設の在り方を考える懇談会、私、どうしてもこれ気になるものですから、このことについてまたお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。 前回、当委員会でお聞きしたときには、十二月ごろには立ち上げたいんだと、こういうようなお話でございましたが、内閣官房のホームページを見ますと、十二月には立ち上げた、そして既に三回の会合が開かれておると、このように聞いておるわけでございますけれども、その審議の状況、今どんなようなことになっておられるのか、ちょっとその辺を教えてください。
○国務大臣(福田康夫君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、昨年の十二月に、これは中下旬ですけれども、第一回会合をいたしまして、以来、都合三回、以来と申しますか、全部で三回ということでございます。大体、月一回ぐらいのペースでやっていこうと、こういう考え方でおりますけれども、今現在、現状の認識とか過去の経緯とかというようなものを整理をし、そして論点整理のための自由討議を今行っておるところでございます。自由討議はまだもう一回ぐらい続けるのではないかと思いますが、そういう段階でございます。
○森田次夫君 そうすると、まだ今論点整理の最中だと、こういうことでございますか。 この懇談会でございますけれども、昨年八月の十三日の小泉総理の談話、これは言うまでもございませんけれども、すなわち内外の人々がわだかまりなく追悼の誠をささげるにはどのようにすればよいか議論する必要があるとの小泉総理の意向を受けまして、福田官房長官の下に私的懇談会が設置され、現在、三回の会合が開かれていると、こういうことであるわけでございます。 昨年十月三十日の当委員会で、私の質問に対しまして官房長官は、基本的には靖国神社とか千鳥ケ淵墓苑のみたまを新しい施設に収容するようなことは全く考えていないと、このように御答弁がございました。 そこで、私としては、第二靖国的なもの、すなわち靖国神社に代わる施設といいますか、そういったことについては全く考えていないと、このように受け取ったわけでございますけれども、そのホームページを見ますと、第二回の懇談会の議事録要旨、この中で委員の一人がこのように言っておられるわけですね。靖国公式参拝に代わる施設が必要かどうか話し合うための会と受け止めていると、こういった発言を委員の方がされたということがあの要旨の中に出ております。 しかし、官房長官としては、靖国神社に代わる戦没者の慰霊、追悼の施設など全く考えていないと、ただ単に平和を祈念する施設といいますか、そういうふうに私は受け取っておるわけでございますけれども、こういうような認識でよいのかどうなのか、その辺ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) この施設は、今御指摘のとおり、何人もわだかまりなく戦没者等に追悼の誠をささげ平和を祈念すると、こういうことのできる祈念碑など国の施設を造りたいと、造りたいというか施設の在り方について議論を幅広くしていただこうと、こういう趣旨の懇談会でございます。 ですから、これからどういう議論に展開するかということになるわけでありますけれども、私どもとしましては今、私が今申しましたこの懇談会の趣旨に沿った形で議論が展開していけばいいのではないかというように思っておりまして、どういうイメージを、特別なイメージを持っていると、そういうことではありません。御指摘の靖国神社に代わる施設という、例えば靖国のみたまをお移しするとか、そういったようなことを考えているわけではございません。靖国は靖国神社でございます。 そういうことを前提として、今申し上げた追悼とそれから平和祈念と、こういうようなことをどのような形で具現化することができるのかどうかといったようなことについて今自由な議論をしていただいておると、こういう状況でございます。
○森田次夫君 そうすると官房長官、どうなんでしょう、やはり戦没者の追悼ということもやはり対象として、議論の対象として考えているんだと、こういうことでよろしいわけでございますか。
○国務大臣(福田康夫君) これは、この懇談会でどういうふうな意見集約ができるかまだ分かりませんけれども、考え方として、戦没者を慰霊するということについて、これを含めないということを決めているわけではございません。追悼の誠をささげることができるかどうかということも、これも議論の対象になっているものと思います。 ただ、例えば靖国神社にお祭りしてあるような方々というような限定をするのかしないのかといったようなこともございますし、むしろ未来に向かってどうするかということもあろうかと思いますので、そんな視点も踏まえて考えていきたいというような懇談会になってほしいと思っております。
○森田次夫君 そうすると、この前の議事録等を見ますと、靖国神社とか千鳥ケ淵だとかのみたまを収容しないんだというふうなことを大臣はおっしゃっておったと。収容ということは、移さないんだと、こういう意味ではないかなというふうに思うわけでございます。 そこで、時間もありませんのでちょっと飛ばさせていただいて、わだかまりなくということは、まず懇談会の結論が一つにまとまらなければ私はいけないんじゃないのかなと。十人の委員の御意見がまずはまとまることが大事であると。そして、次に国民の合意といいますか、コンセンサス、これが得られるような形でないと、わだかまりなくということはなかなか難しいんじゃないのかなと、こういうふうに思うわけです。 しかしながら、これは申し上げるまでもないことでございますけれども、国内には靖国参拝の推進派と反対派、これが意見が分かれておるわけですね。国論が二分しているのか三分しているのかはそれはよく分かりませんけれども、分かれていることは事実でございます。仮に新しい制度を作ったとしても、近隣諸国は評価をするかもしれませんけれども、この問題については、私は純然たる国内問題だろうというふうにとらえております。そこで、まずは国民がどう考えるか、こういったことが必要になってくるんじゃないのかなと、こんなふうに思うわけですね。 例えば、昨年の八月十三日の小泉総理の靖国参拝を見ましても、六五%の人が支持をしておると、こういう毎日新聞の世論調査も出ておるわけですよね。正に国民の大半は我が国の戦没者の追悼施設は靖国神社以外にないと、こういうふうに考えている方が多いわけでございますけれども、また、このことについては、これも申すまでもないことですけれども、六十年の藤波官房長官の談話の中にも明記をされているわけでございます。 そこで、内外の人々がわだかまりなく追悼の誠をささげる施設は既に国民の、わだかまりなく追悼の誠をささげる施設は既に国民の間に定着している、私としては靖国神社以外には考えられないと、このように思うわけですね。新しい施設を造っても、やはりそこのところにわだかまりというのは必ず出てくるだろうと、こういうふうに思うんですけれども、官房長官、どのようにお考えになっておられるか、その辺、なかなかわだかまりなくということは難しいというふうに思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(福田康夫君) おっしゃるとおりでございまして、多くの日本人が靖国神社を戦没者追悼の中心的な施設と考えていると、これはもうよく承知をしているところでございます。 ですから、靖国神社に代わるものと、こういう視点からではなくて、二十一世紀を迎えて、今年は日本国との平和条約発効五十周年を迎えると、こういう年にも当たるわけであります。こういう機会に、何人もわだかまりなく戦没者等に追悼の誠をささげて、そしてまた、併せ平和を祈念することのできるような記念碑など国の施設の在り方を検討したい、こういうことでもって今この懇談会がいろいろな議論を始めたところでございます。ですから、これが、この懇談会の意見集約がどのような形でなされるか、私も実は正直申しまして分かりません。どういう議論がなされるか、そして全員が一致して意見集約をしようということになるのかどうか、これも分かりません。 ただ、やはり今こういう機会でございますので、そういうことを議論をし、そしてでき得ればこういうような国としての施設ができれば、それはそれとして戦後五十年の意義があるのではないかと、こんなふうに考えておるところでございます。これは未来志向的な考え方でもあるというように思っておるところでございます。
○森田次夫君 今検討の最中でございますので、なかなか御答弁も難しいのかなと思うんですけれども、どうなんでしょう、戦没者追悼の礼拝の施設、例えば外国の無名戦士の墓のように、外国から国公賓が来られましたらそこへ行って花をささげるというのは国際儀礼、訪問された国に対しての最初の公式行事がそういうことじゃないだろうかなと思うわけで、正に国際儀礼になっておるわけですね。そういうような外国の無名戦士の墓、そういったこともやはり頭にはあるんでしょうか、どうなんでしょうね。 そうなってくると、私どもとして心配するのは、外務省がそういうところに、今度は来られたら国公賓を案内をする、そうなってくると、必然的にそこが戦没者追悼の施設になってしまうんじゃないのかなと。やはり多くの国民というのはやはりまだまだ靖国神社ということがあるわけですけれども、そういうことがだんだんだんだん定着してきますと、そういうことにもなってくるんではないのかなと。そうなってくるとやはりどうなのかなと、こういうふうなことを思うわけでございますけれども、官房長官、どのようにその辺は、礼拝の施設も当然対象になるんだよというのか、いや、そこまでは対象にしていないんだと、この辺のところをちょっとお聞かせいただければと。
○国務大臣(福田康夫君) この懇談会でどういうような結論になるか分かりません。ですから、懇談会の意見と、こういうことでなく、私の個人的に思いますところは、やはり何か外国から来られても、それは別に外国人ということだけではありませんけれども、そういうような象徴的なものがあってもいいのではないかなというようには私はかねがね思っておりました、今でも思っておりますけれども。 例えば、今確かに靖国神社は中心的な施設であると、追悼のね。そういうことでこれは皆が認めるところでありますけれども、しかしながら、そこに総理大臣が行くことが法律違反だとか言われるような状況というのは、これはどういうものでしょうか。私は、その辺のこともございますので、これはいろいろ、単に無名戦士の墓とかいう話だけじゃなくて、日本全体の在り方の問題ということにもなってくるかもしれぬ、憲法の問題かもしれぬ、そういう根源的なことも併せ考えなければいけないのかもしれないけれども、しかし、今現在そういう場所がない、そういう施設がないということだけはこれは事実だろうというふうに思っておりますので、そういう問題点があるという認識の上に立って、私自身としては何らかの方法を考えなければいけないということは常々思っているところでございます。
○森田次夫君 時間でございますので、これで質問の方は終わらせていただきたいというふうに思いますけれども、前回も申し上げたんですけれども、そういうふうな施設ができると正に靖国神社と施設の方と私は二分してしまうのか、それとも、そういうところを造ってもお参りに行く人が少ないのかどうか、それは将来のことで分かりませんけれども、ただ二分してしまうということは事実じゃないのかなというふうに思うわけでございます。 そこで、前回も申し上げましたが、靖国神社に代わる施設ということであれば、私は絶対反対である、このことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○川橋幸子君 すごいプレッシャーが掛かりまして。民主党・新緑風会の川橋幸子と申します。内閣委員会にこのたび初めて所属させていただきました。 それでは、前半の三十分間は内閣全体の問題について私の方から質問させていただきまして、後半は岡崎委員の方にお譲りして、従軍慰安婦の問題を超党派の女性たちが今日はリレー質問をさせていただくと、このようなことで、まず露払いで全般的なことを質問させていただきたいと思います。 さて、ちょうど一年たったわけでございます。中央省庁再編、これは二十一世紀における「この国のかたち」、司馬遼太郎の言葉を引かれまして、「この国のかたち」の在り方を問うと。日本というのはどんな国であって、どのような意思決定をして、どういう道を選ぶか、そういう理念の下に中央省庁再編が行われまして、内閣府が発足したわけでございます。 少し余談になるかも分かりませんが、私の気持ちを述べさせていただきますと、中央省庁再編につきましては、私個人もあるいは民主党もかなりの期待を持っていたと思います。そして、私は女性でございますけれども、内閣府の中に男女共同参画会議が置かれたこと、これは橋本元総理の英断だったと思いますし、それから男女共同参画社会基本法が作られたこと、初めて女性の問題が、何というんでしょうか、アウトサイダーの問題ではなくて、国政の主流といいましょうか、メーンストリーミングというような言い方をいたしますけれども、そういうふうに扱われましたことに対しては評価し誇りに思ったということでございます。 さて、一年たったわけでございますが、この実績、一年ということでございますのでまだまだこれからということかとも思いますが、この一年を振り返られまして、官房長官から所感をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 早くも一年たったわけでございますけれども、この内閣府が、これが国政運営におきます総理大臣のリーダーシップの発揮を支える知恵の場、そういうような形でもって運営をされてまいりました。 大変私はこのことは、いわゆる政治主導と、これは政治主導、言い換えると首相主導なんだというようなことも言われております。今、世の中の動きも速い、またいろいろな改革もスピーディーにやっていかなければいけない、そういうような観点から考えますと、首相に政策遂行上のリーダーシップを与えるということは大変大事なことであるというように思っております。 そういう意味におきまして、この知恵の場を、これを活用しまして、行政、内外の英知をまたそこに結集することができるということになりまして、内閣の重要政策に戦略性を持って対応していくということが大きな任務として設置された機関でございます。 内閣府が発足しましてから一年でございますけれども、この間に経済財政政策諮問会議が、これは大変大きな活躍もいたしました。予算編成の基本方針まで立案するというようなことについて大きな力を発揮したということは御案内のとおりでございます。また、科学技術政策、これも、これからの日本の生きていく道、これを模索するという意味において非常に大きな検討の場を与えていただいたというように思っておりますし、また沖縄問題、今御指摘ありました男女共同参画、また防災というような、これだけじゃありません、もう本当に多くの国政上の重要な課題に精力的に取り組んで、その機能は有効に発揮されたというように認識をいたしております。 今までのことで私は満足しているわけではありません。これからもこれを更に充実させなければいけないし、また機能も更に広げていかなければいけない課題が多うございますので、そういう課題に積極的に挑戦をしていくということになろうかと思います。 いずれにしましても、これは首相が、首相主導の下に政治が行われる形が外からも見えるようにしなければいけないと、そういうふうな考え方も持っておるところでございます。
○川橋幸子君 内閣府が置かれるとともに、内閣官房の機能が大変強化されたわけでございます。内閣官房長官、副総理と言うぐらい、副大統領と言うぐらいの大きな権限をお持ちになる、そのような制度改正であったと思いますが、次の三点につきまして、一年たった後の官房長官御自身の事後評価をお伺いしたいと思います。 まず一点目は、内閣法第四条に総理の発議権というものが、鳴り物入りといいますか、そのように改正されたわけでございます。総理が発議できないような閣議なんてとんでもないではないかということで発議権が制度化されたわけでございますが、この一年、どのように行使されたのでしょうか。これが一点目です。 第二点目は、官房長官の機能、権限が内閣法第十二条によりまして、前は非常にアバウトな規定をされておりましたところが六号にわたりまして、六つの事項にわたりまして明確化されたということでございますが、これはどのような効果をお上げになったでしょうか。官房長官御自身のことですので、やりやすかったとかやりにくかったとかという、そういう実感がおありなのではないかと思いますが、お述べいただきたいと思います。 それからもう一つ、三点目といたしまして、内閣府が持っております、これは事務方の方の内閣府の補佐機能でございますが、使い勝手の良いものにすると、このような観点から、国家戦略を決めるための直属のスタッフとして補佐官制度、五人が、枠が設けられたわけでございます。ちょうど去年の今ごろでございましたでしょうか、財政諮問会議で竹中大臣が、統括官がいてもその下に手足となる職員もいないというようなお話が、テレビで発言なさったことが思い出されるわけでございますが、こういうスタッフ機能というのは有効に活用されているのでございましょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 三点お尋ねございましたけれども、まず最初に発議権ですね、総理の。 これは、今さっき申し上げました、経済財政諮問会議の話を申し上げましたけれども、今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太方針というのがございまして、これは一番よく御理解いただいているものではないかと思います。また、平成十四年度予算編成の基本方針、これも先ほど申しましたようなことでもって、総理主導というふうな形でもって行われたわけでございまして、政策決定でもって総理大臣の指導力はもう十分に発揮できるように努めてきたところでございます。 それから、内閣官房のことでございますけれども、私、官房長官を拝命いたしまして、そのときはまだこの改革の寸前だったわけでございますけれども、従来型の官房長官だと思ってお引き受けしたんですけれども、その後、新体制になりまして、誠に、何と申しますか、忙しい、またしなければならない仕事が随分たくさんあるな、これは大変だなと、今そういう思いでございまして、まあ何とかかんとかというふうな感じがございますけれども、私自身、十分にやり切れているかなということについては大変心配をしているところでございます。この辺のことについては、今後、体制をまたいろいろと考えていかなければいけない。 しかし、統括官のこともありました。それから、副長官、官房副長官もおいででございますので、そういう方々がそれなりにというか、一生懸命やってくださるということにおいて、それなりの成果を上げるような体制は一応はできていると。しかし、これで十分だというふうな状況でないということだけは申し上げることはできると思っております。 それから、あとは補佐官ですけれども、この補佐官は、今現在は二名、五名のうち二名任命いたしております。この補佐官を任命するのはなかなか簡単じゃないんですよ。それは、いわゆる専門分野の本部もできておりますし、その本部との関係だとか、いろいろな組織との抵触の問題があるとか、補佐官の役割においてどういうような方が一番適任なのかとかいうそういう人選の問題、いろいろ難しい問題がございまして、適任者がいて適当なテーマがあれば是非お願いしたいというようには思っておりますけれども。 岡本さんは外交関係の参与という形になっておりますけれども、これもやっておられることは補佐官のような感じもしますけれども、そんなようなことで、そういう補佐官かどうかという名前だけでない問題もあるんだというふうに御理解をいただきたいと思っておるところです。
○川橋幸子君 率直な御答弁、ありがとうございました。 ただ、総理の発議権は、骨太方針について閣議に報告、発議というのか、これは報告じゃないかというような感じいたしますし、予算案の提案はいつもやっていらっしゃることでございますし、何か発議権というほどには国民にぱっと、あ、政治が変わった、内閣が変わったというような印象がないような感じがいたしますし、それから官房長官、大変お忙しいということはもう日々刻々、今の状況を考えても国民もそれはよく分かっておられると思いますので、それはお体を大事にこれからも十分御精励いただきたいとは思いますが、五人のうちの二人しか使っていないというのはやっぱりもったいない。御事情は私も何となく推察できますけれども、是非民間の方を登用されるとか女性を登用されるとかこれから御検討いただくとして、更に更にこの制度の趣旨が発揮されますように御検討をちょうだいしたいと思います。 次の問題に入らせていただきます。 やはり内閣委員会、私、こういう追及型の質問は下手なんでございます、これはもう率直に申し上げますが。やっぱり内閣委員会となりますと、鈴木宗男氏の問題、加藤紘一氏の問題、官房長官にじかにお尋ねしたいという、しなければならないと、これも議員の責務かと思います。やはり疑惑が解明されていない、議員辞職すべきだという、こういう国民の声は大変強いのではないかと思います。 昨日、鈴木宗男氏につきましては野党四党が一緒になりまして偽証罪の告発をしたところでございまして、これはまあ司直の方で判断される問題でございますが、今日の新聞ではロシア下院が北方四島の問題について決議を行ったというような、そういう新しい対外的な動きが出てくるとすると、やはり鈴木宗男議員の問題は、国内の問題にとどまらず、国益を損なったと、北方四島の問題が振出しに戻ったという印象を国民は持つわけでございます。 党に対して責任、迷惑を掛けたという以上に、政治家として国民に対する責任を考えれば、私どもは当然辞職すべきだと思うわけでございますが、まず鈴木宗男氏の問題からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 鈴木議員は離党をしたわけでございます。御自分がお考えになっている、お考えになった上で、その上で離党という決断をしたわけでございます。その上で辞職すべきでないかというお話でございますけれども、これは基本的には議員の身分の問題でございますので、外からとやかく言ってどうこうするという問題ではないようなテーマだというふうに私は思っております。 なお、鈴木議員につきましては、いろいろな疑惑が出たということについてこの間の証人喚問等で釈明がございましたけれども、その実態がどうなのかということについて更に解明すべきこともあるんではなかろうかというように思いますので、そういうような経緯を見て我々としても判断すべきことがあるんじゃないかというように考えております。 今、ロシアの公聴会において北方四島の問題が議論されたと、そのことと鈴木宗男議員が関係があるような御発言がございました。これは、私は違うんじゃないかなと思っております。鈴木宗男議員の今回の日本国内におけるこういうこととそれは別の問題だろうと、あれは向こうのロシアの議会の問題だと、こう思っておりますんで、切り離してお考えいただいた方がいいんではないかと思っております。 また、加藤議員のことにつきましては、同様のことでございますけれども、辞職をされるかどうかということについては、同じようにやはり加藤議員のその立場がどういうものであるかと、いまだ、まだそれは解明されていないわけでございます。私もその内容は分かりません。ですから、そういう状況において、その身分についてとやかく私どもの方から言うのはどうかなと。これもよく御自身、御承知の御本人が決断すべき問題ではなかろうかなと、こんなふうに思っておるところでございます。
○川橋幸子君 本人が考えるというのは、これはもう当たり前のことでございまして、あえておっしゃっていただかなくてもいいことのような気がいたします。それだけ議員というのは身分が保障されると同時に、自己責任というものを厳しく問うものが議員、その辺の、倫理綱領に書いてあるんじゃないかと。むしろそれを飛び越えて、党の重要人物、相手も重要人物でございますけれども、官房長官、なお重要人物でいらっしゃいますし、諸般の事情から様々なアドバイスというのはあっていいんじゃないかと思うわけでございます。 これをやっていると長くなってしまいますので、官房長官の御答弁の中で確認させていただきたいと思いますのは、お二人ともまだ疑惑が十分解明されていないんだと、更に解明される必要があるんだということをおっしゃっていただいたことが一つですね。それは確認させていただきたいと思います。 それからもう一点、これも確認でございますが、昨日の参議院予算委員会で我が党の峰崎委員の質問に答えまして、総理は、北海道の選挙区のことにつきまして調整なんていうのは、そんなことは断固として、密約があったことについては断固として否定すると述べたというふうに新聞で報じられておりますが、官房長官、そうした総理のといいますか、要するにそれは党の方針ということになろうかと思いますが、そういうことでよろしゅうございますでしょうか。ちょっと確認だけ。
○国務大臣(福田康夫君) 鈴木議員が離党をするに当たって、何か条件を付けたかどうかと、こういうお話だと思います。 私は、そういう話は何も聞いていません。だから分かりません。分かりませんけれども、そういう話はあるべき話ではないと思っております。
○川橋幸子君 今回、改めて政と官の問題、政官問題というふうなことが問われていると、こういうメディアの報道ないしは国会の中でもそのような問題意識が持たれているわけでございますが、振り返りますと、私は九二年に参議院に当選させていただきましたけれども、ちょうどその直後に金丸信さんの問題、金の延べ棒が出てきたというような問題、あの場面に直面しまして、本当に政治とお金の問題、政官業の癒着の問題というのは非常に大きなものだなというふうに思ったわけでございます。 そうした意思決定の中にお金が絡まることの、この政治を汚いものにしてしまう問題が一つ。それが一番根本でございますが、もう一つ今回言われているものは、官僚がどのように政治家と接触すればよいかと、そういう政官の接触の仕方、これを誤ると口利き政治になるというようなことが言われたわけでございます。 次の質問も併せて伺いますが、この後の方の政官の接触、口利き政治を打破するといいましょうか、なくすと、こういう点につきましては、官房長官はガイドラインのようなものが必要だというふうに御答弁されたと思います。昨日の段階でまた別の御答弁があったのか分かりませんが、私が参議院の本会議で伺っている限りにおいて、やはりそこは節度のあるガイドラインがなければならないという、そういうお考えだというふうに私は受け止めました。 それから、今回、外務省の内部文書がぼろぼろぼろぼろ、五、六年前のものまで出てくる。これは意図的な鈴木氏いじめで、いじめではないかというような、そんな御議論が自民党内にも出ておるということを新聞等で知っておりますが、それに対して川口大臣は一応外務省としてのルールをお作りになったやに伺っております。 官房長官が答弁しておられたガイドラインというものは、今回外務省の川口大臣が取られたようなルール化といいましょうか、文書開示についてのルール化と、これは大体似たようなもので、そのようなものの制度化を考えていらっしゃるということでございましょうか、お伺いします。
○国務大臣(福田康夫君) 政官関係ということが今大変問題になっております。このことはもう随分長い間議論しているんですね。政と官のどっちが優位なのかとか、どっちがどっちに対して命令するのかとか、いろんな議論があって、その都度立場が変わっちゃうというようなこともあります。今は政治家が官に対して介入し過ぎるんじゃないかと、こういうことなのかもしれぬけれども、しかし、じゃ介入、介入という言葉は悪いけれども、政がじゃ官に対して何も発言しなければ今度は官が勝手にやっていると、こういうふうな話も出てくるし、極めて難しいというか、バランスの取り方が微妙な問題だなというふうに思っています。 しかし、そういうことがあったとしても、やはり適度な政官関係、適切な政官関係というのはあるんではなかろうかというように思っておりますので、そういう適切な関係をどうやったら維持できるかということについて、外務省も、外務大臣が政官関係について幾つか提案をされたということであります。 また、自民党の方も、つい数日前に政治システムについて提言がございました。これは、ここの中には政官関係のことにも触れておるわけでございます。これはまだ、何というんですか、試案と申しますか、意見具申というような段階でありまして、別に党で正式決定したとか、そういうふうなたぐいのものじゃないんですけれども、そういう提案というか案が出てくるというようなことでございます。 我々もいろいろ考えていきたいと思いますけれども、党の方でもいろいろと考えてくださる、また与党としてもこの問題について検討したいと、こういうような構想もあるようでございますので、そういうものも併せ考えて、適切なる、そしてまた適度の緊張関係を保つことのできるような政官関係、それを構築したいというふうには思っておるところでございます。
○川橋幸子君 そうしますと、ガイドラインの話は、そうした大きな流れの中で国の意思決定はどうすべきか、その中で政治と官はどう付き合うかという、その大きな流れの中で御検討なさるということで、ガイドラインの話はちょっと一歩、それ待ちという話でございますか。
○国務大臣(福田康夫君) 今こういうように、これほど問題になっていますし、またいろいろな協議もある、いろんなところからいろんな提案があったりして、これから協議をしていかなきゃいけないかとは思いますけれども、しかし時間が掛かりますんで、多分、その間、取りあえずの考え方を示すべきかどうか、その辺を検討しているところでございますので、それをガイドラインと、こう申しております。
○川橋幸子君 今日は三十分の質問時間でございましたのに、お聞きしたいことを盛りだくさん、たくさん入れてしまいました。今のガイドラインの話は、それまでの間やはり私は必要だと思いますので、是非官房長官のところでガイドラインをお作りいただきたいと。その方が役人も安心いたしまして能力を発揮できると、そういう明朗な関係ができていくのではないかと思います。 尾身大臣に、最後、三分お尋ねしたいと思っていますので、三分取りまして、あと三分だけ官房長官にお尋ねさせていただきます。 たくさん質問用意しまして、残りのものはまた後日させていただきたいと思いますが、中で二点伺いたいと思います。 外交についてのところでございますが、一つは、EU首脳会議の中で、テロは憎し、正義のためにテロを撲滅という話から、もう一つ違った動きが出てきている。テロの土壌となる貧困撲滅を目指すんだと、途上国のODAを増額するんだと、このように方向に来ておりますし、かのアメリカ・ブッシュ政権も、やはり剣だけではない、あめとむちと言ったら変ですが、もう一つODAについて国家、援助の増額方針を打ち出したと、このような動きがあるわけでございます。 日本の場合は、平和外交ということでODAについては特別の外交上の戦略が与えられていると思いますが、今回、単なる財政上の理由だけで一割カットというようなことで、本当に日本の外交が、ODAに大きな役割を持たせる外交がそれでよいのかというのが私の問題意識の一つでございます。 もう一つは、このところアメリカが大変活発な動きを見せておられるわけですね。チェイニー副大統領が中東を訪問されるとか、あるわけでございます。この点もEUの中では取り上げられていて、はっきり言いますと、アメリカのイラク攻撃、単独攻撃の可能性があるのかどうかということが外交上、安保上の大きな関心事になっているわけでございますが、日本はこれをどのように分析しておられて、もし仮にアメリカのそういう行動があった場合には日本はどういう態度を取ると、そこを、お話しになりにくいことがあるかとは思いますが、日本の外交姿勢として、官房長官のお言葉で説明していただきたいと思います。 ちなみに、EUでは米英に対する懸念を表明したということでございますし、ドイツのシュレーダー首相に至りましては、米単独攻撃ならば自分たちは参加しないという、こういう発言をしているわけでございます。 この二点につきまして、ODA外交と、それからアメリカのテロといいますか、イラクに対するこういう大きな動きについてどのような日本は姿勢を取るのか、二点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 我が国は、国際社会に窓を、大きな窓を開けていないと日本国内の経済も維持できないと、そういう国でございます。そういう観点からいわゆる平和外交ですね、平和外交というものをずっと続けてきたということであります。 その平和外交というものの中身は、やはり日本の場合にはODAではないでしょうかね。大変大きな役割を果たしておるわけでございまして、日本は、PKOはともかくとして、PKOだって今まで全世界における、全PKOの派遣人員からいけば〇・一%、つい最近、東チモールへ行って七百人というのが出ましたけれども、それまではそういう微々たるものであったと。本当にそういう平和外交という名に値するものの中でODA以外のものは何もないと、こういう状況の中で、これは平和外交の極めて重要な戦略、外交戦略であると、こういうことですね。これはもう御指摘のとおりでございますので、これは私どもは非常に大事に扱っていかなければいけない、またある程度の金額も必要であるということであります。 そういう観点で、今回、この一割頭からばっさり切られてしまったということがございます。これは日本の財政上の問題ということもございますけれども、あわせて、今まで膨張し続けてきたODAについて、この使い道をもっと工夫したらどうかという、そういうサジェスチョンでもあったというように思っておりますので、ここでもう一回、外務省も外交戦略上何が一番適したODAなのかということをよく考えた上で有効なる執行をしてもらいたいと、こんなふうに思っておるところでございます。ODAは日本の極めて大事な外交の手段であるというふうに考えております。 それから、イラクについてでございますけれども、これは、先般ブッシュ大統領が訪日されまして首脳会談もいたしました。そのときも、日本側からはこのイラクのことについていろいろ情報もお聞きしました。そして大統領に対しては、平和的に解決をしたいと、そしてそのための外交的努力を続けてという、そういうことも申しましたし、それから大統領からもそういうその趣旨に沿った御返事をいただいております。 今現在、ブッシュ大統領というか、米国がどういう対応をするか、これは分かりません。分かりませんけれども、あくまでも今申し上げましたようなそういう趣旨にのっとってやっていただきたいと、対イラク政策を進めていただきたい、こんなふうに考えているところでございます。
○川橋幸子君 それでは、時間短うございますけれども、尾身大臣に伺いたいと思います。 岡崎委員が少し時間を吐き出していただきましたので、先輩議員の協力を得まして質問さしていただきたいと思います。二問でございます。 科学技術政策について伺いたいと思うのでございますが、一点目は、総合科学技術会議の下に知財戦略専門調査会というものと、それと、総理の下におけます私的な諮問機関といいますか、知的財産戦略会議というものを置かれて、非常にこの違いが分かりにくいということでございます。 屋上屋を重ねるようなことを総理は、総理官邸はおやりにならずに、尾身大臣という大変有能な大臣がいらっしゃるわけですから、内閣府の機能を発揮してくださればよかったではないかと。おまけに名前まで、知財というのと知的財産と、省略したのと省略しないのと、それから戦略という言葉は両方にあるということでございます。後で多分言葉の上でのつじつま合わせはあるのかと思いますが、これに対しては本当に税金の無駄遣い、知恵の無駄遣いということを私は指摘させていただきたいと思います。これが一点目です。 二点目は、この知財保護、知的財産の保護、これは産業界における知恵の人権だというお話でございまして、それを保護することに必要だ、これが競争力を高める、このことは全然否定いたしません。 しかし、質問を取りに来られた方に通告しましたけれども、日経新聞の三月二日、「次代の頭脳流出に無策」という、こういう記事がございました。どういうことかといいますと、たまたまそこに書かれた事例が私と同じ年の方だったんです、六十三歳。私も当年取りまして六十三歳でございますが、京大のウイルス研の所長さんが、実証研究の場合は本当に収穫するのはこれからなんですと。ところが、京大の場合は六十三が定年だと。そのアウトプットが出ない。アウトプットが出るために国内でも努力されたんだと思います。あるいは尾身大臣もお聞きになったと思うんですが、シンガポールに招かれて、一つ学界が非常にショックを受けたのは、お一人だけじゃなくて研究室丸ごと行ってしまったということなんですよね。日本は本当にもったいないことをしているのではないかと思います。 先ほどの森田議員の質問の中にも大学の講座制の改革が必要なんだというお話がございましたが、そうした人材を確保する、保護する前に、新しいフロンティアを築く人材を確保する方に尾身大臣の御努力ないしは総理の御努力をいただきたいと思います。 この二点で、済みません、はしょりました、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(尾身幸次君) この総合科学技術会議における知的財産の戦略専門調査会と総理が開催をされます知的財産戦略会議は、確かに一部はダブっております。ただ、現実には、知的財産戦略会議の方は回数もそう多く開くわけにまいりません。そこで私どもは、科学技術の研究開発の在り方という点から、専門調査会の方は頻繁に開いていただいて、科学技術の研究開発を見据えた知的財産の在り方についてまとめて、それを戦略会議の方の議論の結論に反映させたいと、こういうことでございまして、やはり総合科学技術会議の中は科学技術というやや狭い分野に限りますが、しかしこの知的財産全体の問題は、例えば特許権とか著作権のいわゆる司法制度の在り方、それから企業全体の国外、国内における事業活動の在り方、そういう問題も含んでおりますので、そちらでもやっていただくと、こういうことでございまして、私どもはこの点の調整をしっかりしながら進めてまいりたいと考えております。 頭脳流出の問題も大変な、よく私も存じておりますが、深刻な問題でございまして、本当の意味における、特に若い人材、この方はそんなに若くないわけですが、日本のトップの人材がこういう形で流出するという、そういう国際的な交流が進む時代になってまいりました。私どもは、今度は沖縄に大学院大学を作るつもりでいますが、そのときには世界じゅうからこのくらいの人材を大勢集めて、それも一人ではなしに、それに一緒にくっ付いてくる人も含めまして人材を集め、糾合してその研究開発を進めていきたい。そういう意味で、この人材の流動化もいろんなグローバルな活動の中で行われるのかなと思っております。 一番大事なことは、日本における研究開発のシステムあるいは大学におけるシステムが、本当に有能な活力のある人が活躍が場ができるような、そういうシステムに直していくことでございまして、これは大学改革の大きな、非常に大きな問題点だというふうに思っておりまして、是非こういう点にも御理解をいただいて、今度こそいわゆる全体の大学改革が、有能な人材を世界から引き付けられるような、弾力性を持ち得るようなものに是非していきたいと考えている次第でございます。
○岡崎トミ子君 岡崎トミ子でございます。よろしくお願いいたします。 私ども民主党、そして共産党、社民党と、野党三党で戦時性的強制被害者問題解決促進法案を昨年十一月十四日に提出いたしました。そして、この通常国会に継続審議となっておりまして、その審議が始まります前に内閣官房長官にいろいろとお話をお伺いしておきたいというふうに思っております。 九二年一月から、毎週水曜日、ソウルの日本大使館の前で、戦時性的強制被害者の方たちによって日本政府の公式謝罪とそして国家賠償を求める水曜デモが続けられておりまして、つい先週は五百回目を迎えたということなんですね。被害者九人が大使館前で座込みをしまして、そして謝罪と賠償、責任者の処罰などを求めました。およそ五百人も参加をしまして、盛大な集会とデモが行われたというふうに聞いております。 この五百回のうちに、毎週毎週続けられてきて、たった一回だけ欠けております。それが阪神・淡路大震災の翌日の一九九五年一月十八日のみだったというふうに聞いております。ギネスブックにも、同じテーマによってデモが続けられてきたということで、世界記録にもなっているということでございますけれども、あした水曜日にも五百一回目、この水曜デモが行われるだろうというふうに思っておりまして、世界記録がまた更新されるんです。 この水曜デモについて、官房長官、御存じでしたか。
○国務大臣(福田康夫君) 済みません、私、今初めて伺いました。
○岡崎トミ子君 実は私もずっと知っていたわけではございませんで、私も実は最近そのことは知りました。テレビでは毎回、大使館前で被害者の皆さんたちが座込みをされている、これはニュースで度々見ておりますけれども、そういうことを九二年からずっと毎週続けてきて、それが五百回を超えるような、そんな状況になっていると。 これは実は、この間に年間一万七千人ぐらい参加をされているということなんですね。休みなんかになりますと、中学生、高校生だけではなくて小学生も参加をしている。もしこのことがきっちり公式謝罪あるいは補償、そして処罰、人間の尊厳の回復と、こういうことが行われないのであれば、これは五千回でも五万回でも、私たちの子供や孫たちもこのデモは続けられているだろう、いくだろうというふうに言われているわけなんですね。この問題が何とか解決してほしいというそういう思いで、官房長官、恥ずかしいじゃないですか、これがギネスブックになるなんて。私は恥ずかしいことだというふうに思うんです。 日本の国会では、このいわゆる従軍慰安婦問題が取り上げられましたのは、一九九〇年六月、本岡昭次今の参議院副議長が参議院予算委員会で取り上げたのが最初でございます。一方、韓国の国会で最初に取り上げられたのはどなたか、官房長官は御存じでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 全く私も不勉強で申し訳ない、そのことも知らなかったんです。それで外務省に聞きました。そしたらば、鄭夢準さん、議員ですね、これはサッカー協会の会長でございますけれども、その方が最初に質問を行ったと。しかし、外務省も余りよく知らなくて、岡崎先生に聞いたら分かったと、こんなふうな話も聞いております。
○岡崎トミ子君 お互いに取り組むと分かるということがここではっきりするんじゃないかなと思うんですけれども。 この鄭夢準さんという方、私が手にいたしますこの「日本の友への手紙」というところで、この方はワールドカップの組織委員長として今最も韓国で頑張っていらっしゃる方でありますけれども、この中でこんなふうにおっしゃっているんですね。 ワールドカップはワールドカップ、歴史は歴史といったようなワールドカップと歴史問題は別であるという主張もあると思われますが、私たちにとってはそのような選択の余地はありません。根っこのない木がないように、過去がなければ今日の我々もやはり存在し得ない。過去を否定する者が、後日、今日を否定しないという確信をいかに持つことができるというのだろうか。世界最大のイベントであるサッカーのワールドカップ大会を成功裏に開催するためには、韓国と日本が善隣友好の関係を回復することが重要だと。果たして日本はこの問題にどう対処し、どのように解こうとするのか。 ということで、「友へ」という形で書いていらっしゃるわけですけれども、このワールドカップ、実は三月五日に、これはジャパンタイムズなんですけれども、官房長官のところからも、真ん中の写真のところが被害者の皆さんたちですが、こういう取り上げられ方をしておりまして、ワールドカップ前に謝罪と補償を行ってほしい、是非ワールドカップでこうした問題を覆い隠さないでというふうにおっしゃっているわけなんです。是非このことも知っていただきたいと思います。 もう一つなんですけれども、官房長官は所信表明演説で、東チモールのPKO問題について触れられましたけれども、ここでも自衛官たちが、元慰安婦とされた方たちのデモに東チモールで迎えられまして、記者会見でも地元記者たちから、慰安婦問題、この戦後処理の質問攻めにあったことがニュースでも、これ書かれてあります。先ほどのジャパンタイムズで取り上げた三月五日と同じ日の三月五日、神戸新聞で取り上げられておりますけれども、これは御存じでしたでしょうか。──御存じでしたね。 そうしますと、この東チモールに、実は日本は一九四二年から三年半占領していた。そして、東チモールの中に十一か所、分かっているだけでも、それ以上とも言われておりますけれども、慰安所が作られた。そして、五月二十日にはこの東チモールは完全独立ということになっておりますから、当然事前には賠償問題ですとかサンフランシスコ条約ですとか、そういうことはないわけなんですね。全くないという、そういう状況なわけで、戦後六十年たって今やっと年老いた被害者の皆さんたちが憂慮する東チモールの中でこのPKOというのが展開される、このことに対して、その前にちゃんとすることがなかったでしょうかということの訴えの批判なわけなんです。 新聞にも取り上げられました。この新聞の中では、過去の過ちへの公式な謝罪なしに自衛隊が東チモールに送られてくれば生き残った犠牲者たちの傷口はこじ開けられる。私たちは日本政府や日本の国民に反対しようというのではない。日本軍もインドネシア軍と同じ問題を抱えていたということ、そしてこの問題がまず先に解決されなければならないのだという思い、このことを是非知ってほしいということで、この内容は、小泉首相に手紙として送られているんです。NGOの二十団体を代表して送られているんですが、官房長官は御存じですか。まだ返事が来ないということでしたけれども、御存じでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) その事実、ちょっと私承知しておりません。
○岡崎トミ子君 総理のところに来た手紙というのは、全部は官房長官のところには行かないでしょうけれども、こんな新しい問題です。東チモールにPKOが行く、そしてこういうふうに新聞にも取り上げられている。解決されない問題で、新聞にも大きく取り上げられているということですから、これ、事務方の方では全然キャッチしていないんですか。
○政府参考人(佐藤重和君) 東チモールにおいてそうした方々のそういう行動があったということについては私ども承知をいたしております。
○岡崎トミ子君 それでは、今ちょっとここのところにその新聞は、切り抜きを持ってきておりませんでしたけれども、これは朝日新聞に立派に載っているんですよ。それをキャッチしていなかったんですね。是非、手紙も出していただきたいなというふうに私は思いますけれども、官房長官いかがですか。返事を書いていただきたいなと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) ちょっとその中身も分かりませんので私から今ここで即答はしにくい問題だと思っています。いずれよく見て、事情を承知した上でお返事をさせていただきたいと思います。
○岡崎トミ子君 今、手紙の文章をさっき読んだつもりだったんですけれども、もっと詳しく書かれていると思いますから、是非ごらんいただきたいと思います。 この戦時性的強制被害者問題が顕在化して、両国の、韓国、日本ですね、国会で取り上げられるようになってもう十二年なんだということがはっきりしました。日本の政府として遺憾の意が表されましたり、女性のためのアジア平和基金による事業が行われてきましたけれども、いまだに根強く抗議が続けられている事態を官房長官はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(福田康夫君) 我が国は、これまでも再三再四このことについて反省の気持ちは述べているわけでございます。 平成五年の八月に官房長官談話というものを発表しております。これの中でも、我が国として、我々として、歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたいと。その前段に、いろいろな苦痛を経験され、そして心身にわたりいやしがたい傷を負われたすべての方々に対し心からおわびと反省の気持ちを申し上げるという談話を発表しておるんですけれども、そのような精神でもって、これはその後、何度となくそういう気持ちの表明はしておるところでございます。
○岡崎トミ子君 私の質問は、なぜこの批判が続いているのかという問題についてどう思われるかをお伺いしたわけです。
○国務大臣(福田康夫君) 戦後五十年たっていまだにそのようなことについていろいろな御批判があるということ、これは、このことだけでありません。戦争にまつわるいろいろなことについて、戦争当時のことについて今でも言われることがあるわけでございまして、例えば米国においてPOW、捕虜の扱いの問題、オランダに行ってもそうですし、方々でそういう問題はあるわけでございます。それは、先ほど申しましたように、歴史の教訓として我々はしっかりと胸に刻んで、これからの道を誤ってはいけないと、そういうことであろうというように思っております。 我々は、先輩のことをとやかく言うつもりはありません。それが我々が背負っている歴史であり、そしてまた、ある意味においては財産でもあるわけでございますから、それは、そのことはそのこととして重く受け止め、今後のことに対して十分な注意を払っていくべき問題だというように考えております。
○岡崎トミ子君 つまり、国家補償はできないと加害者の国の都合で作られた代替策ですね。これは被害者にとっても受けることのできる代替策であるとは限らないということなんだと思うんですね。つまり、償いというのは、加害者の満足のために行うのではなく、被害者に協力を求める事業でもないと。受け取る人と拒否する人、勧める人と拒否を呼び掛ける人、善意のはずの事業は被害者、支援者の間にいやしがたい困難と分裂をもたらしたと。このことがやっぱり問題で、ずっと批判が続けられている、根強く抗議が続けられているというふうに思うんです。 そこで、アジア女性基金の事業を、私ども、この法案を提案いたしました、民主、共産、社民、この委員会にもいらっしゃる吉川春子さん、田嶋陽子さん、そして民主党の円より子さんたちとで、この事業をインドネシアに行ってまいりまして見てきました。 インドネシアにおきましては、韓国、台湾、フィリピン、オランダなど、ほかの国での償い事業とは異なっていまして、被害者個人個人を対象とした事業は行われておりません。老人ホームが建設されているだけで、実際に施設を訪ねてお聞きいたしました。そしてまた、社会省からもお聞きいたしましたけれども、元慰安婦とされた方がこの中にいることは明らかにならなかった、ほとんどいなかったというふうに私は思いました。 逆に、元慰安婦とされて名のり出ている方たちにも確認をいたしましたところ、その方たちにこの事業について社会省なり自治体から連絡をされたことはありませんでした。 日本でこの事業の目的や内容を明らかにするために、吉川春子議員は度々この事業の覚書、インドネシアと日本で交わしました覚書についても公開を求めてきましたけれども、日本の中では公開されませんでした。私のところにもいまだに届いておりません。 しかし、私たちがインドネシアに参りましたときには、現地で社会省がきちんと用意をされて私たちのところにその覚書を示してくださいました。この中には、事業の目的はインドネシアの高齢者福祉事業の推進、実施に当たっては元慰安婦がいると思われる地域で実施する、女性、これは被害者の女性ではなく女性一般、女性が優先されるように行わなくてはならないとされておりまして、この内容からは、この事業が被害者を直接対象としていない、インドネシア政府が、この事業は慰安婦にされた方たちの償いとして行っていないということが明らかになったんですけれども。 ずっと、日本の場合には、これはインドネシア政府が反対しているからこれができないんだというふうに私たちも説明を受けました。 今回、アジア女性基金と覚書を交わして事業の運営を行った社会省のルハディ次官と会談をいたしましたけれども、次官からは個人を対象とした事業への移行ということを要望されているんです。また、国民協議会の議長でインドネシアの世論形成にも強い影響力を持っておりますアミン・ライス氏からも、個人補償を必要とする私たちの考え方に対して個人的な見解として強い賛意が示されております。 こうしたインドネシア側の意向が変化したということについて、官房長官はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(福田康夫君) インドネシアとの関係におきましては、これはもう御案内のとおりでございますけれども、一九五八年のインドネシア共和国との平和条約及び賠償協定によって解決済みということになり、そしてまた元慰安婦の方々に対していわゆる個人補償を行わないということになったわけですね。 政府は、アジア女性基金がインドネシア社会省と交わした覚書に基づいて実施しています高齢者福祉推進事業、これに最大限努力をしていく、協力をしていくという方針でございまして、インドネシア側もこの覚書に基づいてこのような事業を継続する方針に変わりはないと、こういう認識をしているわけでございます。 今、意向に変化が見られるのではないかということでございます。今現在は、政府としてはそのような認識に基づいて事業を継続をするという考え方をしております。
○岡崎トミ子君 私たちがお会いした方々はこれまでのアジア女性基金の窓口とされた方々であり、もちろん今の覚書に従って仕事をされてきた方々でありますけれども、その方たちがもう今は民主化の道を私たちは歩んでいますと、ハビビ大統領、ワヒド大統領、今はメガワティ大統領になって、これはずっとスハルトの時代とは違っているという認識を持っておられるということと、個人が、もし被害者が手を挙げて裁判などで私は個人補償をしてほしいというようなことがあった場合にはそのことを認めないわけにはいかないだろうという、そんな見解も示されているということも付け加えておきまして、是非、意向が変化しているということについてお考えになっておいていただきたいなというふうに思います。 続いて、韓国で行われている償い事業なんですけれども、注目されておりました韓国での事業は五月一日に終了すると二月二十日に発表されましたけれども、同時に、しばらく凍結していた申請受付を再開して七十日間延長することが併せて発表されております。このことは韓国の被害関係団体や日本のNGOからも批判されておりますけれども、官房長官はこの韓国での申請受付が七十日間延長されて韓国と日本のNGOから批判されているという事実を御存じか、そして七十日間の延長はこれは何のために行われるんでしょうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) この基金の活動が韓国の方々の中で理解を得られていないと、そういう事実は承知しております。また、この延長のことにつきましても批判があるという話も聞いております。 今般、基金、このように決定いたしましたのは、これは基金において様々な観点から総合的に検討を行った上で決定をしたと、こういうふうに認識をいたしておりまして、私どもといたしましてはこの基金の判断を尊重したいと思っております。
○岡崎トミ子君 二月五日には韓明淑女性大臣が、やはり慰安婦の人たちと支援者双方が強く反対しています、終了させた方が両国にとって良い、韓国政府として事業を受け入れるのは難しいというふうにこれは改めて示していて、アジア女性基金は終了をというふうにこれは新聞でも発表されておりますけれども。 私は、なぜ韓国がやめてくれと言っているのにやめないのか、今お聞きしたいと思いますけれども。これは相手の政府というのを物すごく尊重するんですよね。インドネシアの場合には政府が反対しているから個人補償はできないというふうに言ってきたんですね。韓国の場合には政府が反対しているけれどもこれは強行にやりたいというふうに、百八十度、姿勢というのが全然違うんですけれども、これやめてほしいと言っているんですよ。政府は、そういうふうに言っているとすれば、なぜ百八十度違う姿勢で向かっているのか、それをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐藤重和君) 本件事業につきましては、今ただいま先生御指摘がありましたとおり、そうしたいわゆる被害者の方々が求めているものとそれから基金が行う事業ということの間でなかなかうまく一致しない面があったということは事実としてあると思います。 そうした中で、基金としては、そうした範囲内でできるだけのことをしてさしあげたいということでこれまで努力をしてきたと、そういうふうに承知をいたしております。
○岡崎トミ子君 これまで韓国で展開された中でも、私たちの耳に入っているのでは大体十一人ぐらい受け取られたのかなと、公表されていないんですよね、とにかくそこはプライバシーということで。いずれこの基金の事業が終了したらそういったことはすべて明らかになるのかな、公開をすべきだというふうに思っておりますけれども。 とにかくそれがうまくいかないという、るるなぜ反対かということについても先ほども申し上げたわけなんですけれども、やっぱりこの対応の違いとか、なぜこんな状況になっているのかといえば、これはもう本当に被害者の皆さんたちがきちんと公式の謝罪をしてほしい、そのことによって当然補償もある、そのことによって人間の尊厳が回復されるんだ、真相究明を徹底してほしい、日本の中では調査、そういうような委員会をきちんと作ってそれをすべきじゃないかと。これも九三年八月五日で大体その調査というのは何か終了しているかのようなんですけれども。 もう本当に時間がないのでそこを詰めることができなくて大変残念なんですが、私は、やはり私たちが法案として戦時性的強制被害者、この法案の中でしっかりと被害者の方々お一人お一人にこたえることができるように、国家としての公式の謝罪と、そしてそれに伴う補償と、そしてそのことによって名誉の回復、人間の尊厳の回復が行われていく、それも国が本当に責任を持って行っていくのだということを明快にしておりまして、この法案の必要性を是非官房長官にも知っていただきたいと思いますけれども、この法案についての官房長官の御見解、お聞きしたいと思います。もう十一月十四日に既に提出しておりますので、そのことについてお聞きして質問は終わりたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 我が国は、これはあらゆる機会に先ほど申しましたような謝罪の気持ちを伝えているわけですね。そして、このいわゆる従軍慰安婦問題については、従軍慰安婦問題ですね、につきましては、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷付けた問題であるとの認識の下に、政府として元慰安婦の方々に国民的な償いを表す事業などを行うアジア女性基金に対して既に最大限の協力を行ってきておると。御指摘の法案については、このような事実も踏まえ、国会で御議論にゆだねたいと考えておるところでございます。
○岡崎トミ子君 終わります。 ─────────────
○委員長(佐藤泰介君) ここで、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として警察庁長官官房審議官芦刈勝治君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○森本晃司君 官房長官、連日大変御苦労さまでございます。 今日私は、大きく二点、一つは北朝鮮による日本人拉致事件について、もう一つは食の安全という問題についてお尋ねをさせていただきたいと、国民の大事な生命、安全を守るという意味からお尋ねをさせていただきます。 最初に、北朝鮮による日本人拉致事件についてでございますが、まず警察庁にお尋ねをしたいわけでございますが、ロンドン留学中の有本恵子さん、十九年前から行方不明になっていたことについて、今回、警察庁は北朝鮮による拉致容疑事案に追加認定をされました。これで八件十一人ということになったわけでございますが、また同時に今回は警察庁は捜査本部を設置されました。 これは、この捜査に取り組む意欲というのは私は感じられるわけでございますが、一連の拉致事件で捜査本部が置かれたのは今回が初めてであるということでございます。これまで拉致事件については、平成十三年度の「警察のあゆみ」というのを見ますと、七件十人と掌握していながらも、これまで捜査本部を設置されてこられなかった。これは、そういう捜査本部を従来の方々についても設置をして、そして解明になぜ尽くしてこられなかったのか、なぜ捜査本部を置こうとされなかったのか、この点について理由をお伺いします。
○政府参考人(芦刈勝治君) お答え申し上げます。 有本さんの拉致容疑事件につきましては、有本さんと同様に二人の日本人がヨーロッパから消息を絶った事案が関連していると見られますことから、一連の捜査を集約して統一的に進めるために、ただいま御指摘のとおり警視庁に捜査本部を設置したものでございます。 一方、従来の七件十名の拉致容疑事件につきましても、それぞれ私どもとしては大変重要な事案と認識し、関係都道府県警察において必要な捜査体制を取って鋭意捜査を進めてきたところでございますが、今回の事案のように複数の事案が関連しているというような、と見られる事情がなかったことから捜査本部を設置をしていなかったものでございます。 ただ、いずれにいたしましても、警察といたしましては、この種事案につきまして、その重大性にかんがみまして、今後とも、外務省等の関係機関と連携しつつ、その全容解明のために最大限努力してまいる所存でございます。
○森本晃司君 是非、この有本さんの問題で捜査本部が置かれたことを契機に、今日までの七件の問題についてもやっていただきたい。 今お話がございました、答弁の中に、外務省とよく連携してという御答弁をいただきましたが、私は、最近、川口外務大臣の発言等々を聞いておりまして、あれ、これは警察庁と外務省とよく連携取ってきたんだろうか、同じ日本政府の中にあって認識の違いがあるんではないだろうかと、そう思ったことがございますのでお尋ねをさせていただきたいんですが、三月十二日の川口外務大臣記者会見で、この方、これは有本さんのことです、この方については実は過去も日朝国交正常化交渉や北朝鮮との話合いの場で申入れを行ってきた、こういう具合に外務大臣は発言されています。ということは、その前提として、日本政府が、有本さんは北朝鮮に拉致されたと、このような見解を持っていたからこそ北朝鮮に申入れをしたんではないかと思うんです。ところが、先ほども申し上げましたように、平成十三年の「警察のあゆみ」によりますと、警察庁は有本さん拉致事件を北朝鮮による拉致容疑事案の中に含めてこなかった。含めてこなかったから今回一件を加えたわけで、今まで七件を八件にしたわけでございますから。 そうすると、川口外務大臣の発言からすると、我が国の外務省は有本さんについては明らかに北朝鮮に拉致されたとの認識であるのに、片や警察庁は北朝鮮による拉致事件ではないというような認識のように受け止められるんです、この状況は、川口大臣の発言と警察庁の歩みというのを見たときに。 国民の生命と財産を守る、同じ、このためには外務省と警察庁と一体となって取り組んでいる、今も御答弁もそうございましたけれども、そう思っておりますが、なぜ同じ日本政府の中について一つの事件が外務省と警察庁と見解が違うのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 警察捜査の方は、先ほどお話ございましたけれども、拉致事件ですね、これは。拉致事件として警察で判断をしたということが今回行われたということですね。外務省の方は、日朝国交正常化交渉などにおきましていろいろこういう案件の話題も取り上げられておるわけでありますけれども、その中で行方不明者としてその安否調査を申し込んでおったという、そういうことでございます。 今申しましたように、警察の方は、本人の意思に反して連れていかれたのが拉致なんですね。合意なのか合意でないのかと、こういうことなのかと思いますけれども、その点が明確でなかったということにおいて、警察としてのその判断は、もちろん捜査は当然しているわけでありますけれども、その判断として拉致というふうに決め付けたのは今回であると、こういうことだと思います。
○森本晃司君 それでは、今後の調査の問題とスケジュールについてお尋ねをしたいわけでございますが、有本さんの拉致事件について、この事件にかかわった者が東京地裁に証人として出廷されて、そして証言をしたものであります。そのことによって警察庁も重く受け止められたんだと思いますが、我が党もこの問題に関しては大変重く受け止めまして、党内にプロジェクトチームを設置して真相解明に取り組む予定でございますが、今回の事件で小泉総理は、拉致問題を棚上げにして正常化交渉はあり得ないと述べられた。また、福田官房長官も、いろいろな交渉のルートがある、北朝鮮側の真剣な対応を粘り強く求めると。いずれも、いずれも拉致事件に関して積極的な取組の御発言をされているわけでありますが、昨年十二月、北朝鮮赤十字社が日本人行方不明者の消息調査の中止を発表して以来、その進展はありません。まして、日朝国交正常化交渉が二〇〇〇年十月に中断して以来、再開のめどは立っていないというのが現状であります。 政府には、北朝鮮による日本人拉致事件解決のため、国交正常化交渉をするための交渉をいつ行おうと考えているのか、そのためにはどのような外交努力を考えているのか。総理が近く韓国を訪問される際に、そのルートを通じて云々ということも報道されておりますが、日朝交渉の中で拉致事件について正式に調査要求をするのか、そういった拉致事件解決に向けた日本政府なりのタイムスケジュールがあるのではないかと思いますが、この場で明らかにしていただければと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 日朝国交正常化交渉は、一昨年の十月末に北京で行われました。その会談におきまして話合いをしましたけれども、同会談での協議を踏まえて、更によく検討を行い、双方の準備が整ったところで行うことになっていると、こういう状況なんです。この交渉は、何しろ国交はないものでございますので大変難しい交渉でございます。今後どういう形になっていくかということは予断はできません。 政府としては、今、委員御指摘のとおり、韓国とか米国両国とも緊密に連携を取りながら、日朝双方の立場の隔たりを埋める粘り強い交渉を続けていく、こういうことを申し上げる以上のことは今現在はできないわけでございます。 今後とも、この有本さんの事案を含めまして拉致問題を日朝国交正常化交渉の場で取り上げまして、北朝鮮側の真剣な対応を強く求めてまいりたいと思っております。
○森本晃司君 長官、今お話しいただきましたように、これは非常に国交のないところですから難しい問題であることは確かであるかと思います。 しかし、先般来、私もこの有本さんの御家族のお父さん、お母さんの状況等々テレビで放映されているのを見ておりまして、有本さんに限っただけではなしに、今回、「警察のあゆみ」の中にある八件十一人の方々の御家族も含めて大変な思いをされているんではないだろうかというふうに私は思いますので、更なる外交努力をお願いしたいと思うところでございます。 そこで、今度、捜査の進め方についてちょっとお伺いしたいんですけれども、東京地裁に証人としてこの事件にかかわった人が出廷して、そして証言をしたことで、その証言内容は極めて信憑性が高いということで、先ほど来もお話がございましたが、ちょっと他の事件と私は違っているんではないかというふうに思うんです。まず、有本さんの命の安全と、そして無事に帰れるということが一番大事な問題ではないかと、そのように思うわけでございますが、警察として有本さんが誘い出されたロンドンあるいはコペンハーゲン、そういったところに捜査員を派遣されて、立件に向けた裏付け捜査をすべきであるというふうに考えますが、警察庁はこの事件、拉致事件の捜査をどのように進めていくのか。言えない部分も捜査のことでございますからあるかと思いますが、分かる範囲、また公表できる範囲でお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(芦刈勝治君) 先ほど申しましたとおり、有本さんの拉致事件につきましては、警視庁が捜査本部を設置するなど、鋭意捜査を進めているところでございます。捜査の手法につきましては具体的に申すことは差し控えますけれども、関係者からの事情聴取あるいは供述の裏付け等々、必要な捜査を尽くしてまいりたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、本件の重大性にかんがみまして、今後とも、外務省あるいは関係機関等と連携いたしまして全容解明のために最大限の努力をしてまいりたいというつもりでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○森本晃司君 それでは次に、食の安全についてお尋ねをさせていただきます。 まず最初に、去年の一月、中央省庁再編で従来の機構のまま存続した外務省あるいは法務省、農林水産省、こういった三省が、今いろいろと報道されているように、極めて国民の生活にかかわる重大な問題をいろいろ起こしているわけでございまして、私は、この三省で共通して言えることは、緊張感が欠けているんではないだろうかというふうに思えるわけでございますが、官房長のお考えをまずお聞きさせていただければと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 最近、特に大きな問題が続けざまに起こりまして、本当に国民に対して申し訳ないというそういう気持ちでございますけれども、その原因に何があるか、これはいろんな要素があるんだろうと思います。 今、現在起こっていることもありますけれども、過去において起こったこと、そのことが原因していること、それによって今現在まで引き続きというそういうことも多いんではないかと思います。政治と官の関係とかいうことも問題になっております。それも一つかもしれません。様々な理由で成り立っておりますけれども、やはり本分に立ち返る、それぞれが、政は政で本分に立ち返る、官は官で立ち返る、このようなやはり気持ちをもう一度改めて、原点に戻って仕事をするという、そういう気持ちをみんな一人一人に持っていただくということが大変大事なんではなかろうかと思っております。 いろんなルールをこの際作ろうというそういう動きもあるようでございますけれども、どんなルールを作ったって、ルールを運用する人間が、一人一人がそのルールの趣旨を生かしてきちんきちんとやらなければできないわけでございます。今問題になっていますことは、ルールを作ったけれどもそのルールに従わない、そういう人がいるということによって起こされた問題ということになれば、ますますそういう感を強くするのでありますけれども、官についても、そのような基本的な原理原則に戻って日々の仕事をしていただきたいというふうに思っているところでございます。
○森本晃司君 ありがとうございました。 今、長官おっしゃっていただいたとおりの考え方を私も持っておりまして、政と官の在り方についてももう一度見直す、見直した上でどうそれぞれの政は政、官は官としての役割をしていくかということが大事な問題であると思っておりますので、今後とも、こういった問題について緊張しながら我々は取り組んでいかなければならないと思っておりますが。 その中でも、国民生活に一番密接で国民の健康の礎である食生活で、平成八年、O157問題、平成十二年、宮崎県の口蹄疫問題、それから狂牛病問題、それから食品表示不正問題、さらに今年、牛肉すり替え問題、もう数多くの問題が発生いたしまして、食の安全に対する国民の信頼が大きく揺らいでいるわけでございまして、私も東京におるときは自分でスーパーあるいはコンビニに行っていろいろ自分で自炊のための食料を仕入れるわけですが、最近は、これ、書いてあるの、ほんまかいなと、こう思いながらも買っているわけでございまして、国民の多くの皆さんもそんな思いをお持ちじゃないんだろうかと。ここで、本当に食品行政に関してきちんとしなければならないと思っております。 中央省庁等々の改革では、農水省と厚生労働省の緊密な連携をすることと、それから内閣府による総合調整のシステムで対応してきましたけれども、例えば肉の問題にしても、飼料は農水省、それから食肉は厚生省、こういう縦割りの中での弊害というのは私はやっぱり残ってくるんではないかと思いますし、もうここまで来たら、やっぱりこの問題については深刻な問題でありますから、新たな形でその障壁も取り除いた問題で取り組むシステムを作る必要があるんではないかと、こう思っております。殊に、業界側ではなしに消費者側に立った視点でもっと安全というものを見なければならないと、このように思っています。 官房長官は先ほどの所信表明の中で、改革本番の年と、このようにおっしゃいましたが、先般、農水と厚生労働両省が去年十一月に設けたBSE問題調査検討委員会で最終報告をまとめるようになりましたけれども、その原案の中に、一つは、独立した行政機関として、ここは大事だと思います、独立した行政機関として食品安全庁の設置を求める、二つ目、食の安全と消費者保護を掲げる食品安全基本法の制定を求める、このように盛り込まれる予定でございます。 食品安全行政のプロであるデビット・バーン欧州委員も、消費者保護には独立機関であることが最も重要だと、このように述べておりますが、食品安全庁設置を含めて、食の安全をいかに確保して国民の信頼を回復されるのか、この点についてお伺いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 例えば、BSE問題に関しましては、当初は省庁間の連絡体制が悪かったと、こういうようなことであったわけで、連絡が良ければよかったんだと、こういうふうな感じでありましたけれども、しかしその後、それだけでは済まない問題があるということもだんだんと分かってきたということではないかと思います。 今御指摘ありました調査検討委員会、厚生労働、それから農林水産省、両省の諮問機関でございますが、ここでいろいろ検討して、もうじきその答えが出てくるという段階でございます。そこで今回の問題や、それから今後の在り方というものについてもいろいろと方策が出てくるのではないかと、こんなふうに思って期待をいたしているところでございますけれども、例えば食品安全基本法を制定するというような考え方だとか、それから食品安全の確保に関連する法制度の抜本的な見直しとかといったようないろいろ議論がされているようでございます。 これは、今、調査検討委員会で検討していることでございますけれども、同時に、与党の方でもいろいろと検討してくだすっているようでございますので、その検討結果を踏まえまして、御指摘のような組織が必要なのかどうかということを早急に結論を出すようにしたいと思っているところでございます。
○森本晃司君 EUの主要国における食品行政をめぐる動きがいろいろございまして、イギリスでは二〇〇〇年に食品基準庁というのを設置されておりますし、フランスも一九九九年、食品衛生に関するリスク評価を行う独立機関として食品衛生安全庁を設置されている等々ございます。是非この問題については前向きに取り組んでいただきたい、我々与党の中でもしっかりと議論をしてまいりたいと思います。 最後の質問でございますが、消費者への情報提供についてでございます。 食肉すり替え事件では、家畜解体後の流通経路が複雑で、透明性が低く、企業の恣意性が介入する余地が大きいということが判明しまして、国民の不安はますます頂点に達していっていると思えるわけでございますが、三月十五日の参議院予算委員会で、消費者向けのホームページを開設したいとの旨の答弁が農林省からございました。台風等々迎えるときに、河川局、河川情報というのが国土交通省の中にありますが、この河川情報、ホームページにありますが、だれもが利用しやすい、携帯電話から全国の河川の雨量、水位等の情報をリアルタイムで知ることができるものであります。 食の安全を確保するために、食肉が生産者から店頭に並ぶまでの流通経路の公的情報の一元化を図って、消費者に公開して、消費者が本当に知りたい情報をリアルタイムで提供できるぐらいのシステムの構築が消費者の信頼回復に必要と思いますが、その取組はいかになっているかお尋ねし、私の質問とさせていただきます。
○国務大臣(福田康夫君) 食の安全について国民の信頼を得なければいけないということは大変大事なことでございます。BSE問題で信頼を失った牛肉の流通に関して、これはもういろんなことを考えていかなければいけないだろうと思います。 御指摘の、どういうようなトレースができるのか、生産から消費、店頭にまで行く間にどういうふうなトレースができるかというようなことも、この仕組みを確立をしなければいけないということで、これは農林水産省が今現在、厚生労働省と協力しながら、的確な消費者への情報提供に関する問題点を今いろいろと検討しているという状況にございます。 ただ、牛肉につきましては、これは店頭でもって日本の場合には細かく切って提供するということもございます。例えばアメリカですと、ブロックでもって、こういう塊でもって売るというのが通常のようでございますので、そういう意味においては、日本ではトレースがなかなか難しいという日本ならではの事情もある。これは消費者にとっては便利なんですけれども、しかしその反面、安全性のトレースが、確認のためのトレースが難しくなっていると、こういうようなこともございます。 いずれにしましても、政府としては、消費者の方々が安心して牛肉を購入できるような、牛の誕生、育成過程、流通経路、これを一元的に管理、追跡できるトレーサビリティーの体制の整備に万全を期したいと思っておるところでございます。
○森本晃司君 終わります。
○委員長(佐藤泰介君) 御苦労さまでございました。 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川春子君 官房長官、お伺いします。 従軍慰安婦問題について政府は、道義的責任を果たすため、九五年、村山内閣時代にアジア女性基金を創設しました。そして、九六年八月十四日より、アジア女性基金による韓国、台湾、フィリピンの約三百人を対象に一時金支給を開始しました。 しかし、民間団体による民間資金での償い金支払で、国の法的責任を回避する政府のやり方に強い怒りを呼び、アジア女性基金の事業は挫折しました。 九八年五月、金大中政権が発足し、基金からの償い金受領者を除く元従軍慰安婦に韓国政府独自の支援金を支払い、日本の基金の償い事業を拒否する姿勢を強く打ち出しました。その結果、アジア女性基金も償い金の給付事業を今日まで中断していました。今年一月で韓国の事業は終了するはずでありましたが、二月二十日に石原副理事長は五月一日で終了させると発表しました。 このようにアジア女性基金の事業が韓国、台湾等の世論と政府に拒否されたのはなぜだとお考えでしょうか。また、日本政府として、五月に事業を終えた後、韓国の従軍慰安婦問題についてどのように対処すべきでしょうか、お伺いします。
○国務大臣(福田康夫君) 政府といたしましては、慰安婦問題に関する国民と政府の真摯な気持ちの表れでありますアジア女性基金の事業に対しまして、韓国国民の理解を得られるよう最大限努力してきておりました。事業の終了までは引き続きこうした努力を続けてまいりたいと思っております。 ただし、こうした努力にもかかわらず、韓国における慰安婦問題関係者の主張と基金事業の内容の間に相当な差が存在するということから、これまで関係者の理解を得られない状況が続いているものと認識いたしております。今後は、現時点においては、基金の事業を少しでも多くの方の理解を得られる形で終了できるよう最大限努力したいと思っております。 いずれにしましても、この問題については、韓国の国内の状況も十分踏まえつつ、今後とも大きな関心を持って対応したいと思っております。
○吉川春子君 五月一日まではそういうことだと思うんですが、その後、何か対韓国についてお考えがあるんでしょうか。方法はありますか。
○国務大臣(福田康夫君) 今申し上げたのでありますけれども、現在は、現時点においては、この基金の事業を少しでも多くの方の理解を得られるよう、そういう努力をして終了できるように最大限努力をしているところでございます。
○吉川春子君 元従軍慰安婦に対し、政府の拠出金で医療・福祉支援事業を行ってきましたが、これまで幾ら支出されてきたのか、ODAとその他に分けてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤重和君) お答えいたします。 これまで政府の方から医療・福祉支援事業等として行ってきたものの額は、平成八年から平成十二年度までで合計が十三億三千五百四十万円でございます。
○吉川春子君 正確に答えていただきたいんですけれども、ODAと非ODAに分けてお答えください。
○政府参考人(佐藤重和君) 失礼をいたしました。 ただいま申し上げましたその十三億三千五百万円のうち、ODA部分というのは、具体的にはインドネシア、フィリピンに対する支出でございますが、その額の合計が約四億円でございます。
○吉川春子君 非ODAは。 ちょっと時間がもったいないので端的にお答えください。
○政府参考人(佐藤重和君) 失礼しました。 先ほど申しました約十三億円のうちのその四億円がODA関係で、そのほか約九億円が非ODAとなっております。
○吉川春子君 政府は、侵略戦争の被害者である元従軍慰安婦への福祉支援事業の資金をODA予算、そして国際機関拠出金として出しているんですけれども、ODAでこんなお金が支出できるんでしょうか。大変おかしいと思うんですけれども、ODA大綱のどの項目を根拠にして支払っていますか。
○政府参考人(佐藤重和君) これは具体的にODA大綱のどこということで引用するのはあれでございますが、これは政府部内で、こうした費目についてODA支出から可能であるということで政府部内で検討した結果でございます。
○吉川春子君 ODA大綱には根拠はないんですね。
○政府参考人(佐藤重和君) 一般にこうした支出についてODA予算で支出をできるかどうかということについて政府部内で検討した結果でございます。
○吉川春子君 アジア女性基金の償い事業の資金を経済協力国際機関分担金の項目で拠出していますけれども、アジア女性基金はどうして経済協力国際機関と言えるんでしょうか。
○政府参考人(佐藤重和君) この女性基金、結果として女性基金を通ずる支出でございますが、この支出の仕方でございますけれども、アジア女性基金について、その仕事を遂行するに際して、女性の人権等の分野において知見を有する国際機関等の助言を有することも必要というふうに考えておりまして、国連大学との合意に基づきまして女性のためのアジア平和国民基金事業運営委員会というものを設置をいたしております。そして、政府としてはこの事業運営委員会に対しまして予算を拠出をいたしておりまして、この予算が同基金が実施をする償い事業の原資となっております。 言わばこの事業運営委員会というものがそうした国際的な事業を行う言わば国際機関に準ずる機関というふうに考えて、このような形で拠出を行っております。
○吉川春子君 そのアジア女性基金運営委員会の機構と予算の流れについて、端的に簡単に御説明ください。
○政府参考人(佐藤重和君) ただいま申し上げましたとおりでございますけれども、今申し上げました国連大学との合意に基づきますこの事業の運営委員会というものを設置をいたしておりますが、この事業の運営委員会がこのアジア女性基金並びに国連大学が実施する事業につき、その年次事業の計画書というものを策定をいたしまして、その計画書に基づきまして政府としてはこの委員会に対して政府予算を拠出をいたします。その上でこの運営委員会は、拠出された政府予算をアジア女性基金及び国連大学に対してそれぞれ送金をし、そしてその計画書に基づき事業を実施するということになっております。
○吉川春子君 ちょっと分かりにくいので、官房長官、私パネルをつくってきました。委員長、パネルを示します。(図表掲示)これを見ていただきたいんですけれども、アジア女性基金というのは真ん中にあるピンクの、この辺にあるピンクの組織がアジア女性基金なんですが、ここの事業は実はこのグリーンのところの国民からのカンパで償い金を二百万ずつ支払うと。それから、政府・外務省のODAと経済協力国際機関支出金というものを使って、償い、医療・福祉支援事業を行っているわけですが、ODAとか経済協力国際機関拠出金というのはアジア女性基金に支出することができないわけですね。それで、国際機関を作ったと、もっとはっきり言うと、まあ言うのやめましょう。 そして、アジア女性基金運営委員会というものを作りまして、この運営委員会にはアジア女性基金と国連大学が、この赤いところなんですけれども、この二つの組織で運営委員会というのを作って、ここにまずODAとその他の拠出金を受け入れて、そしてその大部分をアジア女性基金に流して、また国連大学にも一部流しませんと、これは国際機関ということになるために使っているわけですから。そして、アジア女性基金では、そのお金でもって従軍慰安婦問題の関連事業とかその他の女性尊厳事業をやると。慰安婦問題関連事業の医療・福祉支援事業、このサーモンピンクの真ん中の部分、これが元従軍慰安婦に政府のお金として渡されると、こういう複雑な形でこのアジア女性基金は運営されているわけですよね。 それで、伺いますけれども、国連大学とアジア女性基金がなぜ結び付いたのか、これは非常に不思議なんです。と申しますのは、御承知のように、国連はアジア女性基金の事業に対して非常に厳しい姿勢を終始取っているわけです。例えば、ILOでは三回も、補償金を払えと、アジア女性基金じゃだめよと言っているし、国連人権委員会でもその下部機関で、クマラスワミ報告、マクドゥーガル報告で日本のアジア女性基金はそれはだめなんだと言っていると。そしてまた、国連が主催する世界女性会議でも、繰り返し従軍慰安婦問題をきちっとしなさいと、こういうふうに言っている国連の一機関である国連大学が、世界、被害者は当然ですけれども、国連からも批判され続けているところと一体になってこの償い事業をやるというのはどうしても解せないんですけれども、国連大学はどうしてこういうところと一緒になってアジア女性基金の償い事業に手をかしているんでしょうか。どういう協定になっているんですか。
○政府参考人(佐藤重和君) 国連大学との関係でございますが、アジア女性基金としてその事業遂行に当たりまして、今、先生の御指摘ありましたが、他方で、国連、国際機関というものはこの女性の人権問題等の分野について経験、知見を有するということでございますので、女性基金の活動を行う上でもそうした国際的な知見というものを活用し協力をする必要があるということが国連大学と提携をしよう、そして協力を仰ごうということになった理由でございます。そうした私どもの問題意識に対し、国連大学の方もそれに応じていただいたと。それで言わば協議書といったものができて、こういった委員会を設置をするということになったわけでございます。
○吉川春子君 この国連大学がなければ、アジア女性基金だけでは絶対このODAとか経済開発国際機関拠出金というのは受け入れられないんですよね。そこはちょっと端的に確認してください。
○政府参考人(佐藤重和君) 政府としてはアジア女性基金に対して拠出金並びに補助金という形で支援をいたしておりますが、拠出金の部分につきましてはこうした形を取るということが、手続的、技術的にはそのような形を取ることが適当であったということ、そうした事情はあると承知しております。
○吉川春子君 アジア女性基金にいきなり政府のお金を出すということはできないんですか。どうして国連大学がなければお金が出ないのか。あるいは国連大学なしでもお金は出る方法があるんじゃないんですか。
○政府参考人(佐藤重和君) ただいま申し上げましたように、政府からの例えばアジア女性基金に対する運営経費といった費用については補助金という形で直接に支出をいたしております。他方で、その女性基金が行います医療・福祉支援事業といった事業についてはこのような形でその委員会を通じて行うと、それが先ほど申しましたように会計上も適当であったということでございます。
○吉川春子君 会計上適当だったというか、会計上できないんでしょう、こういう形取らないとね、ODAなどのお金を使う場合。 もう一つ確認しますけれども、国連大学はアジア女性基金の事業について理解を示し、それを全面的にバックアップするという立場でこういうアジア女性基金運営委員会に参加されているわけですね。償い事業とか福祉支援事業とか、そういうものを行うということを評価して加わっていると、一緒にその事業やっているという認識でよろしいですか。
○政府参考人(佐藤重和君) おっしゃられたような認識で結構であると思います。
○吉川春子君 それはいずれ国連大学にも直接確認しませんと、インドネシアの件もありますので、と思うんです。 それで、官房長官、ここまでの質問でお伺いしますけれども、非常に、何というんですか、ややこしいやり方で、技巧を凝らしてというか、お金を出しているわけですよ。こういうふうにしないで直接政府が、アジア女性基金自体、作ること自体が、一つ民間団体を作ってそこを通してやるという形取っているんですが、もう一つその上に運営委員会なるものを作って、もう二重に政府の間に入れてこういう事業をやっているということは非常におかしいと思うんですね。もっとストレートに政府から直接その元従軍慰安婦の被害者の方にお金が行くような、そういうシステムでおやりになった方がずっといいと思うんですけれども、そういう手だてを取らないのはなぜですか。
○国務大臣(福田康夫君) 今までのお話伺っていまして感じますのは、確かにややこしいですね、仕組みとして、これは認めます。しかし、そういうややこしくならなければならないという理由もあったんだろうと思います。例えば国民からの基金ですべて賄えるということであるなら政府が関与する必要はなかったということもあったんじゃないかと思いますし、政府がじかにと、こういうふうにおっしゃるけれども、これはもう日韓請求権条約ですか、あれでもって解決していると、政府間としては、というそういう立場もありますのでこういう策を講じたということだと思います。
○吉川春子君 日韓、日韓じゃなくてインドネシアとの関係です、日韓ですね。いろんな賠償協定があったりして、そういうことで済んでいるというんですが、実は、先ほど岡崎トミ子議員も言いましたように、民主、共産、社民、三野党で政府の直接のお金で従軍慰安婦に対して個人補償をするようにという法案を出しております。これは立派に参議院の法制局を通っているわけですよ。 だから私は、条約でもう決着済みだから法案ができないということではなくて、やっぱりこれは選択の問題であって、二国間条約で決着されていない部分についてはこういう法律で補うということも当然あってしかるべきだと思うんですよね。そういう点で、私たちは三野党の法案を法制局の正式な手続を経て出しました。これは法制局も立派にそういう形で受けていただいて出しているものですから、やはり政府も内閣の法制局を通してこういう法律を作ろうと思えばできるわけですよね。その点について是非再考をして、再び考え直していただいて、政府の手で法律を作っていただきたいと、そのことを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) いわゆる今問題になっております従軍慰安婦問題につきましては、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷付けた問題であると、こういう認識に立っておりまして、政府としては、元慰安婦の方々に国民的な償いを表す事業などを行う、今議題のアジア女性基金に対して既に最大限の協力を行ってきております。 御指摘の法案につきましては、このような事案も踏まえまして、国会で十分な御議論をしていただきたいと思っております。
○吉川春子君 官房長官も期待を表明していただきましたので、私たちはこの法案を何とか国会で通したいと、これが立法府の責任であるというふうに考えているわけです。 それで、インドネシアの問題について、先ほどの岡崎議員に続いてお伺いいたしますけれども、覚書を交わして、日本の基金とインドネシアの社会省とが、今、インドネシアにおいて五十か所の老人ホームの増設ですか、定員が一か所十人ぐらいですから増設だと思うんですけれども、その事業を進めて十六か所も建てているというふうに聞いているわけなんですけれども、実は、私たちがルハディ社会省の次官にお目に掛かったときに、もう個人の要求、個人補償への要求が非常に強まって、ますます増えていて、もうインドネシアの政府としてもこれを抑えることは難しいんだと、だからやはり個人補償の方に切り替えていきたいという意向を表明して、そして私たちの法案に対しても全面的な支持を表明していただいたんです。 やっぱりインドネシアも政権が替わりまして、また国民の認識も変わりまして、そういう中で、政府としてもこれまでの方向を変えるということも当然考えられるわけですけれども、こういうインドネシア政府から、さっき前と同じ認識だというふうに答弁されていましたけれども、もしインドネシア政府から個人への支給というものを求められた場合、内閣としてはどうするおつもりでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど岡崎委員からも御質問ございましたけれども、今おっしゃっていらっしゃるような見解もインドネシア側にあると、こういうようなお話でございました。 本件の事業は、インドネシアが元慰安婦の特定は困難であるというなどの認識を有しているということから現在のような形で開始されたものでございまして、今般の委員の先方で聞かれたような、そういうようなことに対しまして、我々として、政府としてどうするかということになりますと、現時点においては、インドネシア政府がこれまでの方針を変更したというそういう認識がないんでございますので、インドネシアにおける事業をこれまでどおり誠実に実施していくことが大事であると、こういうように考えております。 そのさっきのお話は、仮定の話になりますが、それはそのときにまた対応を考えるべき問題だと思っております。
○吉川春子君 これも今回インドネシアで入手した文書なんですが、九六年の十一月に、インドネシアにおける従軍慰安婦問題に関する社会大臣の説明という文書があります。それによりますと、従軍慰安婦問題はインドネシア国民にとって忘れることのできない暗黒面であり、将来このようなことが繰り返されないよう、あらゆる人が関心を持ち、教訓とすべき問題であるとしています。そして、このような暴力の犠牲者である女性たちの肉体、精神、両面におけるいやされざる苦しみがいかほどのものであるか、それを感ずることにおいてインドネシア政府もまた同様である。それでもなお、インドネシア政府は、パンチャラ哲学を持つ国民として、決して成果をもたらさない感情的な行動や政策に陥ることがないように自制し、かつ、このような女性たちが最愛の家族、子供、孫たちを前にして自らの尊厳を失うことがないように最善の努力をすると。こういう何か胸にしみ入るような従軍慰安婦問題に対するインドネシア政府の苦悩、そしてそれに対する対応というものをしてきたわけなんです。 そういうその対応の中で、当初はそういう形でやってきたけれども、もうここへ来て個人補償の動きを抑えることは政府としてもできないということを、ほかならぬ担当の最高の幹部がおっしゃっているということなんですよね、私たちがつかんできたのは。 この国会議員の認識、つかんできたことが違うというならば、やはり社会省に対して、インドネシア社会省に対して、政府としてちゃんと確かめた結果そうじゃないとおっしゃるのか。さっき官房長官が認識と言われましたので、認識ではなくて客観的な事実がどうなのか、そのことをつかむ努力をされたのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤重和君) ただいまの御質問でございますが、お話がございましたように、先生方がインドネシアに行かれて、社会省その他の方から、今、先ほど来お話のございましたようなやり取りというものを行ってこられたわけでございまして、実際に、また新しい政権になって、インドネシア政府の、政府のそれぞれの、いろんな人の中に御指摘があったような見解というものが確かにあるんだろうと思います。 そうした状況も踏まえまして、私どもも、改めてインドネシアの社会省の方に対して、本件取組についてインドネシア政府の考え方というのを改めて確認をいたしておりまして、インドネシア政府としては、これまでどおりの、この覚書に従った取り進めというものを今後も引き続ききちっとやっていきたいというような回答を得ております。
○吉川春子君 私たちが終始、政府の高官と会ったときは、これは大使館のセットでございますので、もう大使館の幹部もずっと同席してもう必死でメモを取っていましたので、私の言っていることは事実に反しないということは今おっしゃられたとおりなんですけれども、そういう考えもあるんであろうというふうにおっしゃいました。 インドネシア政府が今の事業を続けてほしいと思っているのはそのとおりなんですよ。これはODA事業ですから続けてほしいと。それを続けたところで、これは従軍慰安婦を対象にした事業じゃないんですね。女性の老人たちに対するホームを建設すると。ただ、建設する場所は慰安施設があったところですよということだけであって、私たちも現実にその場に行きましたけれども、従軍慰安婦であったという方は一人も入っていらっしゃいませんでした。 それで伺うんですが、これはだから、アジア女性基金の寄附行為の中にある従軍慰安婦に直接届く事業じゃないんですね。だから、もし従軍慰安婦に直接の事業をしてくださいということを万一言われても、今の事業をもってインドネシアの従軍慰安婦の事業、終わりというふうには寄附行為上は言えないんじゃないですか。簡単にお願いします。
○政府参考人(佐藤重和君) 私どもといたしまして、本件事業については、インドネシア政府の認識といたしましても、この事業というのは元慰安婦の方々の福祉の増進に資する事業であると、そういう認識を持って進めておられると。私どもも、それから基金の方でも、そうした認識の下でこれまで事業を進めておりますし、今後ともそうした認識でこの事業が進められていくということでございます。
○吉川春子君 従軍慰安婦に事業が届いていないんですよね、百歩譲ってアジア女性基金の事業でいいとしても。これは従軍慰安婦に対する事業として仕組んでいるんだけれども、老人ホームはインドネシアの女性であればだれでも入れますよと。従軍慰安婦としてでなくたって入れるし、従軍慰安婦と認定はしていないわけですよ。そういうときに、もし個人に対する事業に切り替えてくださいといったときに、今ので済みますと、済んでいますというふうには言えないんじゃないですかという点なんです。その点だけ、ちょっと時間が、もう一問ありますので、ちょっと端的に。
○政府参考人(佐藤重和君) 繰り返しになりますが、この事業につきまして、正にインドネシア政府と協議をした結果、正にインドネシアの風土、文化等から、なかなか自分は慰安婦であったということは名のり出にくいという状況の下で、慰安婦であるという方、名のり出た方等を優先する事業として、直接そういう意味では元慰安婦の方が裨益される事業ということで行ってきているということでございます。
○吉川春子君 もう時間がなくなりました。まああしたもあるからいいんですけれども。 今、東ティモールに自衛隊が行っているんですけれども、東ティモールのNGOの方が新聞に投書をしていまして、東ティモールには防空ごうや道路、軍の営舎など日本が残したものがまだ残っていると。これらを造るために多くの人が労働を強いられ、拷問を受け、死んでいったと。女性たちがこの営舎に閉じ込められ、従軍慰安婦にさせられたと。過去に自国が犠牲にした東ティモール人の尊厳回復の取組として位置付けられるべきであって、経済大国による救済としてやってほしくないと、こういうふうにおっしゃっているんです。 最後に、官房長官、今、アジア女性基金のは経済大国の救済なんですよ。やはり、そうではなくて、過去の尊厳回復の取組として位置付けてほしいというこの声を何とお聞きになりますか。
○国務大臣(福田康夫君) 救済という結果が生じたとしても、その心は、先ほど来申し上げているように、いろいろと御迷惑をお掛けしたということについての道義的な責任とかもろもろのことがあるわけですね。そういう気持ちを持った上での事業であるということについては、これは何度もお話をしていることだと思いますので、その趣旨を御理解いただくように更に努力をすべきだろうというように思います。
○吉川春子君 終わります。
○島袋宗康君 国連、国会改革連絡会の島袋宗康です。 まず官房長官にお尋ねしたいんですけれども、小泉改革の骨太の方針は、市場の活用と競争を通じて効率性の低い部門から効率性の高い成長部門へ人と資本を移動することで経済成長を果たすというものである。それは、規制を撤廃して、市場経済の原理を働かして自由な競争にさらせば日本経済は再び輝きを取り戻すという考え方であります。しかし、これは弱者に厳しい社会を目指すという側面を持つものと言えるが、政府は日本の将来のビジョンをどのように描いているのか、お聞かせ願いたい。
○国務大臣(福田康夫君) 小泉内閣では、我が国が持続的な経済成長を取り戻すために、経済、財政、行政、社会の各分野において構造改革を着実に進めていかなければいけない、そういうことで施策を進めているところでございます。 こうした構造改革が目指しておりますところは、総理が小泉構造改革五つの目標ということで施政方針演説等で申し上げているところでございますが、努力が報われ、再挑戦できる社会、そしてまた、人をいたわり、安全で安心に暮らせる社会などなどの実現でございまして、弱者に厳しいという、そういうことを、そういう社会を考えているわけでは決してございません。
○島袋宗康君 政府の進めている聖域なき構造改革そのものが弱い立場にある人たちがますます困っていくのではないかというふうな懸念もありますけれども、その辺についてもう一度、もう一回御答弁をお願いします。
○国務大臣(福田康夫君) それは構造改革を進めていく上にいろいろなあつれきは生ずると思います。時には例えば失業するとかいったようなこともあるかもしれません。そういう問題が生じた場合には、これは適切なる対応処置を講ずるということがこれは大事だと思います。 そういう意味で申し上げれば、雇用のセーフティーネットを充実するというようなこともやっておりますし、また中小企業のチャレンジ支援だとか売り掛け債権を担保とする制度を設けて新たな飛躍、発展の機会を確保するといったような具体的な案も講じておるところでございまして、それはどういう問題がこれから生ずるか分からないところもございます。それは、新しい問題が生ずればそれに的確に対応するということは必要だと思っております。
○島袋宗康君 官房長官は所信の中で武力攻撃の事態に対処するための法制の整備を進めると言っておられますけれども、これはいわゆる有事法制の整備のことだと思いますが、なぜ今有事法制なのか。平和を促進するための日朝交渉など主体的な外交政策こそ必要なときだと考えますけれども、御見解を賜りたい。
○国務大臣(福田康夫君) 今なぜかということでございますが、むしろなぜ今まで何もしなかったのかというそういう意見も結構多いんですね。私どもはそういう考え方に立っておるわけでございまして、国の独立と主権、国民の安全を確保するために、平素から、備えあれば憂いなしと、こういう考え方に立ちまして、日本国憲法、これは前提でございます。その前提の下に我が国に対する武力攻撃に対処する体制を整えておく、これは国の、そしてまた我々の責任だろうというように考えております。 また、我が国が自らの安全確保のために主体的に努力するということは、我が国防衛の重要な柱でございます日米安保体制の信頼性を向上させ、そしてまた我が国の安全を一層確かなものにするということとともに、国際協調の下で我が国の安全を確保していく、そういう上でも大変大事なことでございます。 そういうような認識の下に、国民の安全を確保し、有事に強い国づくりを図るために、武力攻撃事態への対応に関する法制について取りまとめを急ぎ、関連法案を今国会に提出をしたいと、このように考えておるところでございます。
○島袋宗康君 政府が広報広聴活動を機動的かつ効果的に実施するとの観点で昨年の六月から始めたタウンミーティングは、四十七都道府県を一巡したとのことでありますけれども、沖縄県におけるタウンミーティングにおいてはどのような要望がなされ、またその実施の概要と成果についてお伺いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 小泉内閣になりまして、国民との対話ということを重視いたしまして、そして各県でこのタウンミーティングというものをいたしておったわけでございますけれども、昨年の十一月十日に沖縄県の那覇市でタウンミーティング・イン沖縄というものを開催させていただきました。政府側からは尾身沖縄担当大臣ほか有識者が参加しまして、沖縄県からは、現地からは公募により約三百名の一般の方々に御参集をいただきました。会場では沖縄の振興のための提言型の発言を数多くいただきまして、大変有意義で活発な議論展開が行われました。 具体的に申しますと、沖縄県を日本国内における電子政府のモデル県として位置付け、電子政府の実現を先行的に行ってはどうか、また沖縄の大学院構想、沖縄大学院大学ですね、沖縄大学院大学構想につきましては、固定的発想にとらわれず是非実現してほしい、また沖縄の温暖な気候を生かして観光客誘致等に努めてほしい、こういったような積極的な御提案をいただきました。 いただいた御提案については、今後の沖縄の振興のために諸施策の中に生かしてまいりたいと考えております。
○島袋宗康君 多様な要請があったようでありますけれども、是非、沖縄の経済自立のためには、いろいろな方策があると思いますけれども、なおかつ政府としては、沖縄自立のためにいかようにして経済の自立を図っていくかというふうなことは大変必要でありますので、是非県民の期待にこたえていただくように頑張っていただきたいという要望をしておきます。 政府は、二〇〇〇年六月から沖縄戦に関する資料の収集を開始し、国立公文書館や防衛庁、米国海兵隊歴史センターなどの資料を多数集めて、今年四月二日、東京麻布に沖縄戦に関する資料センターを開所することになっていると聞いておりますけれども、その概要及び目的についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 内閣府におきまして、沖縄戦について一般の理解に役に立つようにという趣旨で、平成十二年及び十三年度の両年度にわたりまして、有識者の方々から御意見をいただき、なお関係省庁などの御協力を得ながら、沖縄戦に関して国などが保有しております公文書等の資料を収集し、そして歴史的資料として整理を行っておりました。それを沖縄戦関係資料閲覧室というような形で近く一般公開すると、こういうような運びになったわけでございます。
○島袋宗康君 時間がありません、前に進みます。 尾身大臣にお伺いします。 国連環境計画、UNEPは、ジュゴンの個体数が世界各国で急減しており、早急な保護対策が必要だとする調査報告書を去る二月十三日に発表いたしました。 沖縄周辺の個体群について、漁業や生息地破壊などの脅威を指摘し、早急な保護対策を講じないと近い将来に日本近海では絶滅するという警告をしております。ジュゴンの生息地を持つ先進国は日本とオーストラリアだけで、両国はジュゴン保護に特別な責任を負っていると、保護区の設定など、対策強化を求めております。 環境省と水産庁二〇〇二年度予算で、合わせて一億五千二百万円の予算を計上してジュゴンの保護対策事業を実施することになっておりますけれども、例えば海草藻場の分布調査、航空機からの生息状況調査、混獲防止の技術開発など、全般的な保護対策に反映させることになっているとのことでありますけれども、混獲防止の技術開発推進について、尾身科学技術担当大臣はどういう御見解を持っておられるか、承りたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 沖縄県、環境省及び水産庁におきましては、平成十三年度の沖縄対策調整費によりまして、ジュゴンの保護対策といたしまして、沖縄県においては、沖縄周辺における海草藻場の分布調査と海草藻場の減少要因の分析を行い、環境省においては、ジュゴンの食性調査、生息状況調査等を行い、また水産庁においては、沖縄本島等における海草藻場の再生のための海草藻場の再生に関する調査研究及び定置網によるジュゴンの偶発的捕獲等を回避するための技術開発を実施していると承知しております。 これらの対策の成果も生かしつつ、自然環境に関する体系的保全対策を一層効果的に進めていくことが重要であると認識しております。
○島袋宗康君 米国のハーバード大学や、英国、カナダなどの国際研究グループが、沖縄周辺、フィリピン、インド洋を含む公海など十か所を世界の海で最も緊急に保護が必要とされるサンゴ礁として選定し、沖縄を含む多くのサンゴ礁が破壊の危機に直面していると警告し、国際的な保全の取組を求めているところであります。 特に、沖縄のサンゴ礁で確認された貴重な生物は七十五種と、リストアップされた十八か所の中で最も多かったとのことであります。これは去る二月十五日の米科学誌サイエンスに発表されたことでありますけれども、尾身科学技術担当大臣は、このように世界的に注目されている沖縄周辺のサンゴ礁の保全についてはどのような対策をお取りになるお考えを持っておられるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(尾身幸次君) 沖縄の貴重な自然環境を構成するサンゴ礁は掛け替えのない国民的資源でございまして、後世に適切に引き継いでいくことが必要であります。このため、第三次沖縄開発振興計画にもありますとおり、サンゴ礁沿岸海域の自然環境の保全と回復を図るため、他の土地利用との調和を図りつつ体系的な対策を進めていくことが重要であると認識しております。 アメリカ・ハーバード大学など国際研究グループが、沖縄周辺のサンゴ礁を含む熱帯サンゴ礁は海洋生物多様性が高く、最優先に保護が必要であるとの指摘をしたことにつきましては、その背景、事情等を十分に分析していく必要がありますが、引き続きその保全に十分意を用いていく必要があると認識しております。
○島袋宗康君 沖縄のサンゴ礁は、戦後この方、いわゆる復帰後は開発関係が急がれて、赤土が流出して海岸地帯では全く死滅したところもたくさんあるわけであります。しかし、なおかつ貴重なサンゴ礁が、今、先ほど申し上げたように、世界的にもやっぱり保護すべきであるというような観点に立って、なお一層、沖縄のサンゴ礁の問題について是非真摯な形で取り組んでいただきたいというふうに要望しておきます。 報道によれば、尾身国務大臣は、沖縄県の中城湾港泡瀬埋立事業の再開について、環境問題では一応めどが立ったということで工事再開に前向きな姿勢を示されたとのことであります。それは、機械移植工法による海草の移植は可能とした去る二月二十二日の環境監視・検討委員会の結論を踏まえて発言されたものと思われます。 この機械移植工法による海草の移植という技術は、科学的に既に確立された技術であるとの御認識に立っておられるのかどうか、その辺について御説明願いたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 去る二月二十二日に開催されました環境監視・検討委員会におきましては、昨年の秋以来行われてまいりました藻場の移植作業の結果等に関する審議が行われ、移植先の条件により状況の良くない海草も見受けられるが、移植された海草の生育状況はおおむね順調である、機械化による海草の移植は可能であり、今後ともモニタリングをしていくことにより移植技術が更に向上するものと判断できるといった結論が得られたという報告を受けております。
○島袋宗康君 これは、機械による移植が成功したというふうなことについては、まだ県民の間では私から言わせると認知されていないような状況にありますけれども、今おっしゃるように、機械で移植をして本当にこれが移植されたと、それで十分にそれが各地域でそういったふうな移植が機械的に進められて本当に成功するのかどうか、まだまだ未知数なところがあると思いますけれども、泡瀬干潟の埋立てについて大変重要なこれは事柄でありますので、是非大臣、その点について、ただ機械的に成功したから泡瀬干潟の藻場の移植も大丈夫だというふうな観点ではちょっと、県民は大きな不安を感じておりますので、その辺もう少しはっきりと、絶対大丈夫だというような観点で御判断なされているのかどうか、お伺いします。
○国務大臣(尾身幸次君) この検討委員会におきましては、移植後の藻場の生育状況を、地下茎の露出部の割合や地下茎の生残率、葉の緑色部の割合等により定量的に評価をいたしまして、専門家による審議がなされました結果、海草移植は可能であるという結論が得られたものでございまして、事業を進めていく上での条件はおおむねクリアされたものと認識をしております。 なお、藻場の生育状況等につきましては、今後とも、モニタリングを継続いたしまして、移植技術の更なる向上を図っていくことを予定をしております。
○島袋宗康君 今の返答では、御答弁ではまだちょっと納得し難いところがありますから、是非継続的に、それが、機械移植が成功した、あるいは成功するというふうな観点で事業を進めるなら進めてほしいということを申し上げて、終わります。 ありがとうございました。
○田嶋陽子君 社民党の田嶋陽子です。 福田官房長官にお願いします。 先ほど官房長官は、岡崎トミ子さんの質問に答えて、謝罪はしている、歴史の真実を回避することなく、歴史の真実を踏まえ、歴史の教訓として、先輩のことはとやかく言うことはないけれども、ある意味ではこのことは財産であると、このようなことをおっしゃっていらっしゃいます。このことを生かしてこれからやっていきたいということなんですけれども、これは確かに御自分のこととしては、あるいは日本の国民の一人としては反省している内容を言ってくださっているんですけれども、事、従軍慰安婦に至っては一体従軍慰安婦の何に対して謝罪していらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 結局、数多くの女性の名誉と尊厳を深く傷付けた問題であるということで、そういうこと全体に対して謝罪をしているわけであります。
○田嶋陽子君 名誉と尊厳を深く傷付けたということを具体的におっしゃってください。どういう名誉と尊厳なんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) どうもこうもないんです。女性の名誉と尊厳を傷付けたと思うんです。
○田嶋陽子君 男性にも名誉と尊厳があります。女性のと特定されるということは具体的にどういうことでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) いわゆる従軍慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、心身にわたりいやしがたい傷を負われたすべての方々に対してと、こういうことなんですね。
○田嶋陽子君 心身をいやしがたい傷を負ってというその、具体的におっしゃってください、もう少し。あいまいもことしているところでおわびはできないと思うんですね。そこをはっきり口にしておっしゃってください。そうしたら、そこから問題の解決の糸口は見つかるような気がするんです。 具体的にどういうことと認識していらっしゃいますか、官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) 具体的に何を言うんですか。
○田嶋陽子君 傷です、体と。どう痛めつけられてどう苦しんだのか、具体的に知っていらっしゃると思うんですが、それを具体的におっしゃってみてください。
○国務大臣(福田康夫君) 私は、そのとき、ああいう戦争という戦闘行為がある、そういう状況の中で具体的にどういうことがあったのか、これは私も想像の範囲でございますので、それは想像した上で申し上げるしかない、その上で先ほど申したような言葉になったわけであります。
○田嶋陽子君 それはもう外務省からもいろんな資料が出ていますので、少し勉強していただきたいと思います。そして、知っていらっしゃると思うんですけれども、ここで私がインドネシアにほかの議員の方たちと行ってそこで三十人ぐらいのマスメディアの人たちの前で証言した女の人たちの話の内容をちょっとかいつまんでだけ申し上げます。 例えば、今七十三歳のマルディエムさんは、十一号室でモモエと名のらされて、ショウゲンジという隊長にだまされたんだそうですね。まず、十五歳で歌うメンバーとして、これからみんなを劇団に連れていってやるよと言われて、その子は歌いたくてしようがないものですから、歌手になりたいものですから、十三歳なのに十五歳と偽って行ったんですね。そうしたら、ひげ面の軍医にひどい目に遭わされてということで、身体検査の夜、その軍医にも犯されて、そこから日本軍の人たちは券とコンドームを持って列を成してという、そういう話です。半券を自分に渡し強制的な行為をさせられる。当時十三歳の自分はメンスもなかったけれども、中にはコンドームを使うのを拒否する軍人もいて、そして妊娠して、そして麻酔もせずに堕胎させられてという、そういう体験を受けています。 それから、同じような体験をした人は、今度は、若くて道具として今度使いものにならなくなったときはみんな村に帰されたんですけれども、子宮がんだとか、体を損傷している。子宮損傷、それから性病ですね。彼女の友達は梅毒で目に出てしまって、結局、村長の親戚だったんですが、村からはじき出されて、墓場の近くに小屋を建てられて死ぬのを、いつ死んでもいいように、そういう待遇を受けた。 彼女はその友達の恨みを晴らすまでは、このマルディエムさんは死ねないと言っているんですね。自分たちは正義が欲しいと言っています。それでも彼女は、こういう、自分が名のり出たせいで、村に帰れば、金を幾らもらったんだと言われると、こういうことですね。 私も、こういうことを日本でやっていると、あいつらは金が欲しいんだろうと、自民党の皆さん、そういうことをおっしゃいます。これはとても残念なことです。そういう意識しか日本の皆さんにない。もちろん、大方ではありませんが、私がこういうことを問題にしたくてその立場にある人たちにお話をすると、こう言って一蹴されるということです。 それから、スハルディーさんという人は、慰安所ではミキと名のらされていましたが、この人は村に日本軍が来て、壮年の男性はロームシャとして、成年はヘイホとして、そして女の子は遠いところに行って勉強してそれから事務職に就くんだよと、そうだまされて、嫌だと言うと拷問されたので泣く泣く父母に見送られて行ったと。そして、結局慰安所に連れていかれて、オノという偉い軍人の女中兼性奴隷にされ、昼間はそうですが、夜になると五時からは大体五人程度の相手をさせられて、コンドームで二回やって、そして一時間のうち三回もする人がいてぼろぼろになって、そして自殺したくても監視があって自殺できない。そういう状況にある人たちですね。 でも、この人たちも、中には自分がその気持ちなくて産まされた子供にも日本人の男の人の名前を付けるほど、すべての男の人が悪い人ではなかったと、そうまで言っています。それでもこの人たちは拉致され、自分たちの大事な人生をむちゃくちゃにされた人ですね、日本軍に。そのことだけはしっかりと日本政府は認識しなければいけないと思います。 これは別に、今回、私はインドネシアで知りましたが、あと、韓国、フィリピン、台湾、いろんなところでもっと目を覆うような話を聞いています。それから、北京会議でも公のところで証言されました。これが現実なんですね。 日本でもし今、女性がレイプされたり暴行された場合、その女性は訴えて、きちんと犯人はそれに対してそれなりの罪を償うことになっています。でも、そのレイプされた女性に対する罪を償うのには、犯人がその女性の親に、あるいは親戚に家を買ってやったとしたら、それは罪を償うことになるんでしょうか。私に言わせれば、今、日本政府がやっているのはそれと同じことではないかと思います。 本人その人の傷に対して日本政府はきちんと謝罪をすべきだと思いますが、そのことに関してはいかがでしょうか、福田官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) 個人的な償いをせよと、こういうお立場だろうと思います。 これは過去の経緯もございます。一九五八年の我が国とインドネシア共和国との平和条約及び賠償協定で、賠償については解決済みという立場をとっておりますので、それを前提に考えているわけであります。また、インドネシアの方も、元慰安婦の特定は困難であるというような認識を持っておられるということでございます。 そんなことで、この女性基金、アジア女性基金が事業としてその償いの仕事をしていると、こういう理解をいたしておりますけれども、そんなことで今後ともこの事業を継続するということであります。 個人補償とかそういうことについては、これまたインドネシアの方でいろいろお考えがあるというような話も伺いました。そういうことで政府として、インドネシア政府としてどういう対応をされるか、そんなことをこれから見てまいりたいというように思っております。
○田嶋陽子君 政府としてこれからいろいろ見ていくということをおっしゃって、すごく希望がわいたんですが、今三つのことをおっしゃいました。じゃ、政府として検討してくださるに当たって、次の三つのことを考慮に入れていただきたいと思います。 まず、この女性基金ですが、民間団体のものですが、この女性基金で補償するというとみんなはどう思うかというと、戦争は民間がやったものじゃないだろう、こういう反論です。そのことをひとつ考えてください。 それからもう一つ、必ず、私が先ほど申し上げたようなことを言うと、平和条約のときの賠償は済んでいるということですね。そして、二国間条約で解決済みということ、サンフランシスコ条約で解決済みということです。ですけれども、これは、そういうことで岡崎さんの質問のときにも政府として何度も謝罪しているとおっしゃっていましたけれども、当時は人権思想は今ほどきちんと整っておりませんでした。それから、いわゆるジェンダー、私たちがやっているフェミニズム、女性の人権と民主的な社会を作るためのそういう物の考え方もまだ定着しておりませんでした。 今、人権思想やジェンダーの視点が入ってきたからこそ、この従軍慰安婦問題というのは日の光を浴びてきたんですね。そして、二〇〇一年にオランダ・ハーグ国際戦犯法廷の最終判決もあります。それから、国連マクドゥーガル報告もあります。ここには、人権の思想とジェンダーの視点を持って個人に対する補償と謝罪をすべきではないかということをうたっています。 私は、世の中がこれだけ変わってきたんですから、いつまでも日本の政府が一九五〇年代のサンフランシスコ条約とそれから二国間条約で解決済みというかたくなな態度はもう取らない方がいいんではないかと思います。それを考えるに当たって、先ほどここで答弁してくださった、失礼ですがお名前は。
○政府参考人(佐藤重和君) 外務省の佐藤と申します。
○田嶋陽子君 外務省の佐藤さんが言ってくださった、二回にわたって、それから官房長官も二回にわたって言ってくださった、インドネシアの文化においては名のり出るのが難しいということですか。 従軍慰安婦の詳細なデータを見つけ出すのは難しい、これをルハディ、社会省の人も最初にお会いしたときおっしゃったから、私は言いました。これは犯人捜しではないんですから詳細なデータなんか要らないんです。今もう既に名のり出ている人で七十三歳、八十歳近い人たちが、正義を受けなければ自分たちは死ねないと言っている人たちに対して、少なくとも今名のり出てきた人にきちんと謝罪と補償をしてほしい、嫌がっている人を無理に出してきて社会の風にさらせることはないと、私はそう申し上げました。そうしたら、ルハディさんを始めそこにいた高官の人たちは、そのとおりだと賛同してくれました。ですから、その件に関しては片付いています。 それから、インドネシア文化においては女の人がそういうことを名のり出るのは社会が好まないという話ですが、インドネシア政府も変わってきました。これはインドネシア政府だけの問題ではありません。日本でも従軍慰安婦の人たちはいたはずですが、名のり出ていません。日本の風土にもイスラム教徒と同じような女性に対する偏見があるということです。これは実は男社会である世界じゅうにある光景です。女性の尊厳と名誉とか言われている女性のいわゆる貞節に関するものですね。ほかの男性と性行為を持つということをいろんな言い方をして美名で隠していますけれども、そのことに関して、女性の意にそまない強制的な行為に対するその結果、名誉を汚した、その女性の責任ではないのに、そういうことをされた女性は社会が認めたくないというその風土は世界じゅうにあります。そして、これはインドネシアだけのことではありません。そして、インドネシアも今変わりつつあって、女性たちはみんな自意識に目覚め始めています。 ですから、この問題も、もういつまでもこんなことを言っていないでください。私は、やはり政府の高官としてそういうことを口になさるのは少し勉強が足りないように思います。その件に関していかがでしょうか。コメントをお願いします。答弁お願いします。
○国務大臣(福田康夫君) いろいろと御意見いただきました。それは、やはり時代時代で一つの物事に対する考え方というのは変わってくる、これは事実だと思います。そういう意味で、御党はあれですか、この新しい法律を考えようということでやっておられるわけですね。ですから、そういうことを国会の場で議論をされるということは大変有意義なことだというふうに私は思いますので、大いに活発にやっていただきたいと思います。
○田嶋陽子君 国会の場で議論といっても、現実には議論はできないですよね、国会の場では一方的にお願いしたり一方的に質疑を受けたりして。 やっぱり官房長官、それから総理、これに対する態度をきちんと決めてほしいと思うんです。解決するという方向で官房長官なり総理なりがリーダーシップを取ってやっぱりこれを解決してくださらないと、私たちはいろんなところ、世界じゅう歩きます、すると、平和と友好の名の下でみんなふつふつと恨みをこもらせているんですね。 この戦争のことに関してはきちんとやっぱり日本の人たちはもっと誠意を持って、幾ら謝れば済むんだと、すぐこういうことを言います。それは、謝っているその実態がないからです。口先だけで、だれも個人を、きちんと相手を見ていない謝り方です。謝り方だと思います、自己中心的な。ですから、私はこのことをきちんと、官房長官にも総理もリーダーシップを取っていただいて、先ほど岡崎さんがおっしゃった東チモールの件も、例えばPKOで兵士を送る代わりにむしろお金を送るとか、その方があの国にとってよかったと思うんならそういう判断をしてほしい。それほどあの人たちは日本の軍隊に対して大変な思いを持っています。恐れています。そういうことも考えてほしいと思います。 その上で私は公平な確実な審議を要求したいと思いますが、審議の方法としては、参考人や関係者のお話を聞くことができたらいいんじゃないかと思います。それで、まだ私は国会議員全体がこの慰安婦の問題に関しては認識が不十分だと思います。非常に世間でも、ああ、あれはもうサンフランシスコ条約と二国間条約で済んでいるよと、これは政府が流した情報を世間の人たちもそんなふうに信じていて、だれ一人従軍慰安婦の立場に立とうとする人はいません、私が話した限りでは。でも、せめて政府だけはやっぱり本当に外交、きちんとした外交を考えるんなら、そのことを考えてほしいと思います。 それで私は、審議の過程において従軍慰安婦の人たちや研究者の人たちを国会に呼んで、話を是非聞いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 国民、国会の中で認識がまだ足りないのではないかというお話ございましたけれども、正にその点をよく議論をして、そして国会の意思というものを明確にする必要があるんだろうと思います。その場合には国民世論も十分吸収するというか、そういうものも承知した上でしなければいけないことだと思いますけれども、今御提案の、何ですか、そういう方々をお呼びするという、そういう関係の識者でも結構で、それはもしこの委員会でおやりになるんだったらばこの委員会で御相談をいただきたい、そのように思っております。
○田嶋陽子君 本当ですね。よろしくお願いします。こっちも頑張りますけれども。時々、福田官房長官は色よい返事をなさるんですけれども、夫婦別姓のときにもまだ何か変なことになっちゃっているようで残念ですけれども。 それでは、ちょっとインドネシアで私が会った四人の大臣たちの物の言い方をちょっと御紹介しておきます、参考までに。 ユスリル法務人権大臣という人は、この人は二国間の経済を重視していました。ですから、あなたたちやるんならいいよ、国際司法裁判にでも訴えればいいじゃないか、その代わり日本との経済関係、政治関係は悪くなったって知らないよ、ただし、このことで個人補償の問題は済んでないけどねと、脅し半分、半ば脅しを掛けられました。 それから、コフィファ前婦人問題担当相は、これは私たちと同じ態度で、唯一の心とても強い方でした。唯一ではありませんけれども、個人補償をきちんとしてほしい、もうみんな死んでいってしまうんだから、せめて死ぬ間際に正義をもらって死んでいってほしいということを言ってくれました。 それから、もう一人のアミン・ライス国民協議会議長さんは、過去のことは忘れることはできない、自分はこの問題に関しては全面的に協力するということを、そして個人補償がいかに大事かと、最初はインドネシア政府も違う見解があったけれども時代が変わってきたということを言っていました。簡潔にまとめるとそういうことです。 それから、実はこの方は、ヌルシャバニさんという方ですが、これは国民協議会の議員でいらして、NGOの代表でいらっしゃいます。この人がおっしゃったことがちょっと問題といいますか、これも情報としてお伝えしておきます。 私たちが行く二週間前ぐらいに、実はインドネシア政府はがたがた動きました。それからアジア女性基金もがたがた動きました。私たちの前にぱあっとインドネシアに行って何かしていました。そして二週間前に、社会省の人、ルハディさんがおっしゃるには、実は、ルハディさんが言うんじゃなくてヌルシャバニさんがおっしゃるには、ルハディさんは私たちが行く二週間前に重要な人たちを呼んで、さあどうしたもんだと相談したらしいですね。ということもあったりして、実は私たちが行くと分かってから急にいろんなことが変わり出したということも一つあります。それまではほってあったということもあります。ですから、ちょっとそのことも頭に入れておいてください。それでも、もう個人補償を訴えている人たちの声は無視できなくなったということです。 そして、まだあと一分ぐらいありますね。
○委員長(佐藤泰介君) はい。
○田嶋陽子君 そして、そのとき分かったことは、実は今三億八千万のお金を五十の高齢者施設を造るために使うということになっていて、五十のうち十一できたんですが、三億八千万円、それで五十造る。それにしても二億で済む。だけれども、実は今できている十一をインドネシアにいるインドネシアのことが大変詳しい人の話を聞いたら、一つ三百万とか四百万でできる家なんだそうです。そして、もしかしたら、よくあるように、ここでもまた汚職があるんではないかということで、これは裏が取れていません。 ただ、先ほどからもあるように、お金の使い方が非常にあいまいになっているということで、これはあしたの質問にも出したいと思いますが、きちんと監査しているのかどうか、そのことをお伺いしたいと思います。この基金に関して監査があるのかどうか。
○委員長(佐藤泰介君) 時間ですので最後の質問にしてください。
○田嶋陽子君 それでした。済みません。
○政府参考人(佐藤重和君) ただいまの基金事業につきましての会計の監査、ちゃんと事業が行われているか、お金がきちっと使われているかということでございますが、これはインドネシア政府との覚書に基づきまして、基本的にはインドネシアの国内の事業ですので、インドネシア側の方でそこは執行監査を行うということにはなっておるわけでございますが。 他方、女性基金の方といたしましても、これは先ほど申し上げました覚書の中でも、先方からきちっと年次報告を出すという約束がありますし、それから女性基金そのもの、当然、この支援のその適正な執行を担保するために定期的に視察団というものを派遣をして、お金の使われ方、それから施設の使われ方といったものについて、常に執行状況を見極めていると。改善点、不備があれば、それを指摘するということを行ってきております。
○委員長(佐藤泰介君) どうも御苦労さまでした。 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時三十一分散会