総務委員会 第7号
- 発言数
- 292 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/03/28
会議録
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 恩給法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房審議官衞藤英達君、総務省人事・恩給局長久山慎一君及び厚生労働大臣官房審議官三沢孝君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(田村公平君) 次に、恩給法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は去る二十六日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小野清子君 おはようございます。自由民主党の小野清子でございます。 十五分という大変限られた時間でございますので、御答弁の方、よろしくお願いをいたします。 旧軍人恩給受給者の現状などにつきまして、最初に御質問申し上げます。 本人の恩給、そして遺族の扶助料別の受給者数、その方々の平均年齢についてまずはお伺いをさせていただきます。また、将来における受給者数の見込みなども併せてお伺いいたします。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。 平成十三年三月末、恩給統計によりますと、旧軍人恩給受給者数は百四十万八千人となっておりまして、その内訳は、本人恩給五十二万四千人、扶助料八十八万四千人となっておるところでございます。なお、受給者の総平均年齢は八十一・二歳でございまして、主な恩給種別ごとの平均年齢は、普通恩給八十二・六歳、普通扶助料七十九・四歳、公務扶助料八十四・〇歳となっております。 また、恩給受給者数の将来推計でございますが、受給者の失権による減少等をどのように見込むかなど、その推計は困難ではございますが、仮に、平成十四年度予算におきまして見込んだ人員、百三十五万人を基礎とし、厚生労働省作成の平成十二年簡易生命表の年齢別死亡率等を用いて機械的に推計いたしますれば、十年後、平成二十四年度でございますが、約七十八万人、十五年後、平成二十九年度でございますが、約四十四万人となる見込みでございます。 以上でございます。
○小野清子君 本人が五十二万人、そして扶助料を受けている方が八十八万人と、非常に、この辺の数字を拝見させていただきましても、時代の移り変わりが感じられます。 身命を賭して青春時代を国のために忠誠心を持って頑張ってくださった皆様方、人生一世紀時代と言われまして、百歳以上が一万五千人を超す時代になりましたけれども、この身命を賭して頑張った皆さんに対する恩給の改善というのは、働いたことをいかに評価するかということがこの恩給の表れにもつながってくるのではないかと思います。 片山総務大臣にお伺いをいたしますけれども、今後の課題という点はどういうふうにお感じていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、小野委員からお話ありましたように、恩給制度というのは、言わば公務員制度の一環としての意義は有するものでありますけれども、やっぱり今言われたように、貴重な青春を国のためにささげられたという観点から、国家補償的な性格を有する制度だと理解しております。 全体ではもう相当高齢化しておりまして、今の局長のお話のように、十年後、十五年後、二十年後、三十年後になりますとだんだん適用者の方も亡くなると、こういうことになると思いますけれども、そういう高齢者の方々の生活の支えになっていると、また生きる張り合いにもなっていると、こういう点を十分考えながら、恩給年額の実質価値の維持を図る、そういう方々に国としてのちゃんとした対応をすると、手当てをすると、こういうことを中心に、今後とも処遇改善に努力していきたいと、こういうふうに思っております。
○小野清子君 今、大臣が国家的補償と、こういうふうにおっしゃいましたけれども、国家補償ではないのでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) ちょっと発言は、済みません、国家補償的性格です。国家補償的性格。国家的補償じゃありません、国家補償的性格でございます。
○小野清子君 国家補償的というのと国家補償とどういうふうに違うのでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 同じようなものですけれども、的が入っているだけちょっと広くなっていると、こういう感じだと受け取っていただければいいと思います。
○小野清子君 一時恩給控除規定の撤廃について質問させていただきます。 昭和三十六年の法律改正によりますいわゆる加算恩給を受けた者が、先に受給をいたしました一時恩給を全額返還した者と返還しなかった者がおります。返還しなかった者は終身十五分の一ずつ控除されることとなっているわけでございますけれども、加算恩給を昭和三十七年十月から受給いたしまして平成十四年三月までおよそ四十年となりまして、これまで控除されている額を試算をしてみますと、先に受給をいたしました一時金をはるかに超えて多く控除をされているわけでございまして、これは誠に不合理なことではないかと思います。 なぜ十五分の一とされたのか、あるいは期日が区切られていなかったのか、十五分の一、お返しをしたらもうそれで終わりというふうに期日が決められていなかったのか、その辺をお伺いいたします。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。 一時恩給を受けた後におきまして普通恩給権が発生した場合におきましては、一時恩給を返還するのか普通恩給年額から一時恩給の十五分の一を控除するという二つの方法があったわけでございまして、十五分の一の控除を選択された方が相当数いたということは承知いたしているところでございます。 この十五分の一の控除は、十五年の年賦返還という意味ではなく、終身にわたって控除をされるということになっておったわけでございまして、十五年以上経過しているからという理由でこれを廃止するということは、一括返還をされた方々との均衡を考慮すれば適当ではないというふうに思われるところでございます。 なお、現在のところ、最低保障額の適用率が高くて、最低保障が適用されている場合には、事実上、一時恩給の控除がされ得ない場合と同様の結果となっていることを御理解いただきたいと思います。
○小野清子君 私どもの方で計算したのとは大分違うような感じがいたしますけれども、やはりお返しをした場合にはそこで区切りが付かない¥ということはいかがかと。 私どもの国会議員互助年金法などでは、退職一時金の控除は、当該控除金額の総額が当該退職一時金の総額に相当する額に達するまで行うものとするとか、普通は終わりがあるんですね。それが終わりがなくて終身というのは、途中開始したものは何か非常に不都合、不合理性を感ずるわけでございますけれども、時間がありませんので、この辺は是非御検討いただきたいと思います。 次に、進ませていただきます。 湘桂作戦の加算の見直しについて、これは大臣の方にお伺いしたいと思います。 昭和十九年の六月十一日までの中シナ、南シナにおいて三十六万人の兵力を投入いたしました日中戦争最大の激戦が行われたのは御承知のとおりでございます。その激戦の実態に即しまして、加算の割増し率を、現行の一月につき二月加算を一月につき三月に改正していただけないかというのが私の質問でございまして、この加算率の見直しのところを拝見させていただきますと、戦地戦務加算、戦争または事変に際し職務をもって戦務に服したときには一月につき三月ということになっておりますので、是非、この湘桂作戦に参加をした者を改正していただけないかというのが質問でございます。
○大臣政務官(河野太郎君) 湘桂作戦でございますが、これは中国本土から日本を空襲する米軍の基地を何とかしたいということで行われた大変な激戦であったということはよく承知をしてございます。 しかしながら、この加算年というのは勤務の危険性、特殊性といった実態に着目をし、これは戦前から恩給法で細かい規定を設けて加算年を定めてまいりました。こうした戦地の状況を一番よく把握しております陸軍、海軍がいろいろと検討をし、決定をし、更にそれを勅裁をもって定め、内閣が国璽をもって公示をしたという性質がございますので、これを現在になって修正をするというのは極めて困難なことであり、非常に慎重でありたいというふうに思っております。 ちなみに、同じような激戦でございました硫黄島も湘桂作戦と同じように一月につき二月の加算ということでございますので、一つの修正をすると、資料がすべてそろっているとは言い難い今日において、すべての地域、すべての戦いにおいて考慮しなければいかぬということになるものでございますので、慎重にさせていただきたいと思います。
○小野清子君 今お話にありましたけれども、一月を二月にしていただくだけでも恩給欠格者が救われるという現状がありまして、私のところにももうしょっちゅうこのように手紙が来るんです。一月二月の恩欠者が、五十七年、八年たった現在でも何とか自分たちの活動を評価してほしいという、そういう思いが来るわけです。 もう時間がなくなりましたが、抑留加算、それから恩欠、恩給欠格者などについて、特にシベリアに抑留された皆さんに関しましては、実際には戦闘はなかったものの大変な寒さ、マイナス四十度を超えることが度々だったそうでございます。そして、食料も黒パン一日三百グラムにおわん一杯のおかゆ、そして暖も思うに任せず、重労働が待っておりまして、これは銃剣を持った警備兵の監視の下で重労働をさせられまして、驚くことに、一九四五年十月から四六年の五月までの間にシベリアにおいて亡くなられた六万人の方々のうち八〇%の四万八千人がこの時期に亡くなられているわけなんです。 こういうことにかんがみますと、やはりこの辺は、この加算率のところを見ますと、海外抑留加算あるいは不健康業務加算、これは衛生上の施設が全くなくて、チフス、赤痢など疫病を防ぐこともできなかったし、やったことのない木を伐採して自分たちの施設を造らされたり、これはもう言葉に言い尽くせないことが二つ三つ重なっておるわけでございます。 そういうことにかんがみますときに、外国擾乱地加算とか、あるいは危険を顧みず職務をもって頑張ったという北方地域戦務加算、これは北朝鮮、満州、樺太において職務に服したときとありますけれども、こういうものが重なってこの方々が受けてこられた御苦労でございますので、こういうところを是非御理解を賜れないかというのが質問でございます。 片山総務大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(片山虎之助君) 今お話しの抑留加算の制度は昭和四十年にできたもののようですけれども、本来は公務員としての勤務というのが根っこにあるわけですけれども、この抑留、シベリア抑留等は、言わば公務員としての勤務の延長線上でそういう抑留ということになったわけでありますから、そこで加算制度を作ろうと。今、小野委員の言われたように、大変な苦労をされたことは事実でございますんで。 そこで加算制度ができたんですが、この加算率につきましてはいろんな議論がございますけれども、類似の辺陬・不健康地加算というものを一つの参考にしていると。これが一月やった場合に三分の二月加算しているんですね、その辺陬・不健康地加算が。そこで、一月以内ということなんですが、それは三分の事実上は二月にしていると。そこで、この抑留加算は一月を一月見ようと、丸々目一杯。こういうことの加算制度としてできたわけでありまして、お気持ちは分かりますけれども、いろんなバランスを考えますと、今回この加算を見直すというのはなかなかつらいと、こういうふうに率直に申し上げざるを得ないと、こういうふうに思います。 それから、恩欠者につきましては、御承知のとおり法律ができまして、その法律に基づき設立されました平和祈念事業特別基金、認可法人でございますけれども、そこにおいて慰藉の念を示すために内閣総理大臣の書状と銀杯等の贈呈が行われていると、こういうことでございますんで、これまたひとつ御理解を賜りたいと思います。
○小野清子君 もう時間が来てしまいましたけれども、恩給欠格者の皆さんにとりましては、一つを崩すと次々とというお話もございますけれども、やはり八十を超え八十四歳、そして激戦の青春時代を思いますときに、やはり特にシベリア抑留というのはユーラシア抑留とまで言われるように、強制連行をされまして、東京ダモイ、東京に帰還させるんだということで貨物列車に乗せられ、二十日も三十日も各地へ連れられて、そして、やったことのない重労働をされ、極寒の中で頑張ってきたと。 やはりそういうことをかんがみましたときに、私は、今からでもやはり改正していただく部分があってもよろしいのではないかというふうなことをもう一度付け加えさしていただき、そして、一月が一月であるというところを、一月を二月にし、あるいは三月に見直すことにおいて、恩欠の皆さん方が幾分かでも救われていくことを、私たちは、先にこの世を去られた皆様方も必ずその思いを持って頑張れと言葉を残していらっしゃることをお伝えをさしていただきまして、もう時間を過ぎてしまいました。ありがとうございました。 終わらしていただきます。
○伊藤基隆君 民主党・新緑風会の伊藤でございます。 私は、議題となりました恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に賛成の立場を表明して、質疑を行います。 実は私は、この法律に対する質疑を行うことは求めてやるわけじゃございませんけれども、私の父親は戦争で死にまして、公務扶助料の支給を受けておりました。もとより、父親の死に代わり得るものではないんですけれども、うちじゅうで働いているときに、公務扶助料の支給というのは大変重要な位置付けであったと。 しかし、この法律について総務省からのレクチャーを受けたときに、多くの議論があったんですが、正に今昔の感がありました。すなわち、今デフレ状況を迎えているときに、経済社会的情勢にかんがみ低額層に値上げをするということについて、反対の意見が出てくると。背景、基本的な性格について、全く時代が変わったと、認識が変わったというふうに思いました。 特に、直接戦闘に参加した者に対する国家補償的な観点という認識は、まずない。ないというのは、そういうふうに思うべきだというんじゃなくて、風化をしているという感じがしまして、今回の質疑は、そういうことで、そういうことを論点にしながら少し進めていきたいと思います。 まず、今回の恩給法の改正点は、低額恩給の改善というところに私も着目しておりました。傷病者遺族特別年金の基本年額を増額すること、実在職年六年未満の普通恩給及び普通扶助料の最低保障額を増額すること、また、遺族加算の引上げとして公務関係扶助料に係る遺族加算を増額すること、傷病者遺族特別年金に係る遺族加算を増額することであります。 いずれも、現在の恩給制度の中では特に額が低く設定されている部分の改善であるということ、一家の大黒柱を失って苦労を強いられてきた遺族を対象としたものであることを考えますと、現下の極めて厳しい財政状況の下であっても、恩給制度内での従来からの格差を縮小する観点、また受給者のうち特に厳しい状況にある方々の実情に配慮するという観点から行い得るぎりぎりの措置を講じようとしたものとしてこれを是認すべきものと判断するところであります。 さて、今回の恩給法改正の審議に当たって、確認の意味も含め、また社会的な位置付けということをしっかりと確認する必要もあるという観点から、まず、恩給の基本的性格について大臣の考え方をお伺いいたします。
○国務大臣(片山虎之助君) 現在の恩給受給者の大部分の方は、さきの大戦において犠牲になられた旧軍人の方々の御遺族、伊藤理事もそういうことだと思いますけれども、また生命、身体を賭して長年軍務に服された方、又は不幸にして傷付かれた旧軍人の方々、こういう方々でございまして、こういう方々と国との特別な関係に基づきまして国が使用者の立場から支給すると、こういうものでございまして、先ほども答弁させていただきましたが、国家補償的性格を有するものだと認識いたしております。
○伊藤基隆君 次に、その恩給の国家補償的性格の特徴について、また恩給の現状について、先ほど小野委員からは受給者の数、年齢、受給金額等についての質問がありましたが、私の立場からは、最高額、最低額、又はどのぐらいの金額を受け取っている人が多いのか、ゾーンの問題ですね、それらを、実績の概要を御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(久山慎一君) お答えいたします。 まず最初に、恩給の国家補償的性格の特徴といたしまして、私どもは三つあろうかと思っております。 第一点目でございますが、身体、生命を賭して国に尽くしたことを踏まえまして国が給付するものであり、公務への貢献に対する給付として、亡くなられた方々や傷付いた方々に手厚い制度となっている点が一つございます。それから二点目でございますが、公務への貢献の度合いに応じた処遇を図るため、加算年という戦地等での職務の状況に応じた割増し制度を採用している点でございます。そして最後に、三点目でございますが、若くして戦死や負傷をしたり、敗戦により勤務年数が短いままに退職となった場合には恩給年額が低額にならざるを得ないところを、恩給を少しでも生活の支えとするために、最低保障制度を導入している点が挙げられると思います。 それから、お尋ねの第二点でございますが、受給者数につきましては約百四十万人、平均年齢は約八十一歳、最高額は最も重度の障害を有する増加恩給受給者の約一千二百万円、最低額は実在職年六年未満の普通扶助料の最低保障額の四十万円となっておりますが、現在、受給者の約九割の方々が最低保障の適用対象者となっているところでございます。 以上です。
○伊藤基隆君 九割が最低保障の受給者というところに実は問題がありまして、私の家でも受給しているときに、やはり母親の友達で、戦死された方が将校の場合との格差というのは大変なものがありまして、そのことをもってうらやむことではなかったんですが、人の命の重さ、軽さというところにどうしても思いがいくと。貢献度というのはあるんでしょうけれども、そういう感じがいたしまして、それが現実の姿であろうかというふうに思っておりました。 さて、今回の恩給法の改正案は衆議院においては去る三月二十日に総務委員会で、また三月二十二日に衆議院本会議でいずれも全会一致で可決されて当院に送付されたものでありますが、衆議院総務委員会では附帯決議が行われております。この附帯決議は非常にきちんとした内容であろうかと思っております。それは、政府は、次の事項について遺憾なきを期すべきであると。一つは、恩給制度については、国民の意識の変化及び社会経済情勢の変化に対応した制度として、公的年金制度との連携をも視野に入れつつ、その役割を果たすべきである。二つとして、恩給年額の改定については、恩給受給者の生活実態等について十分な調査研究を行って、その結果に基づく合理的かつ明確な基準により行うよう努めることというものであります。 当然に本院でもこの決議が付されたという事実を尊重した上で審議を行わなければならないんですが、ここで私は、国民の意識の変化及び社会経済情勢の変化という部分には特に十分な注意を払っていかなければならないと思うわけであります。 今年で戦後既に五十七年を迎えておりまして、先ほどの大臣の答弁にありましたとおり、恩給の大部分は旧軍人や遺族に対する国家補償的性格を持って支給されているわけですが、恩給制度への理解について国民の意識は徐々に変化してきているのではないでしょうか。戦争の被害そのものを直接に体験していない世代の人々が今や働き盛りとなって、戦争を知らない子供たちが日本の社会の中心に座ろうとしている中で恩給制度を継続していくためには、時代とともに当然に変わっていくであろう国民の意識に対して理解を得るための努力が非常に大切なこととなってきたのではないかと考えます。 恩給制度の歴史をさかのぼれば実に古くて、西南戦争よりも前の明治七年、一八七四年の佐賀の乱鎮圧のための出兵等が恩給制度発足の背景となるそうですが、現状では恩給受給者の平均年齢が八十一歳を超したことからして、あと三十年もたつと現在の恩給制度は事実上役割を終えることになります。 これは、戦後一貫してこの間の、我々の世代を中心に先輩方や後輩たちの国民全体が平和を守ろうという努力の成果の表れだとも思いますが、そこで質問でございますけれども、恩給の支給を最後まで継続し、戦争による犠牲に対する国家補償的性格を全うするためには、なおこれからの世代の若い人たちの理解を得なくてはならないし、そのための努力を続けていかなければならないと考えますけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、伊藤委員からいろいろとお話しございましたが、私もさきの大戦がかなり、五十七年ですから、風化しつつあるような大変気がして心配をいたしております。今日の日本の平和や繁栄や安定は、やっぱりさきの大戦で本当に国のために献身された皆さんの努力の上にあるわけでありまして、そのことを決して忘れてはならないと、こう思っておりますが、若い世代が圧倒的に増えてきましたから、戦争があったということを知らない人が多いんですよ。いろいろ話してみましてびっくりしたんですよ。ええっ、日本とアメリカが戦争したんですかなんと言っている。それでどっちが勝ったんですかと言う。だから本当にそういうことについて、私は学校の教育の責任もあると思いますけれども、やっぱりきっちりと風化させないで、我々の今日までの歴史の中で位置付けてしっかりと認識していくべきだと思いますし、そういうことのためにいろいろな努力を今後ともやっていく必要がある、こういうふうに思っております。 大変いいお話をいただきましたけれども、そういう意味で、この恩給についてのPRも我々なりにやっておりますけれども、更に積極的なPRの必要を感じております。
○伊藤基隆君 そこで、恩給の支給額について伺いたいと思います。 今回の恩給法改正によって、たとえ一部だけであっても、この財政状況が厳しいときに恩給だけがアップすることに対する疑問の声も聞かれるわけでして、そのことは先ほども申し上げましたが、最近の経済状況はデフレで物価は下がっているではないか、公務員の給与もベースアップはゼロという実情でありますが、その中で恩給を、改善を行おうというのであれば、当然に国民の納得のいくものでなければならないはずです。 そこで、今回の恩給改善の基本的な考え方についての御説明をお伺いいたします。
○国務大臣(片山虎之助君) 平成十四年度の恩給改善につきましては、御承知のように公務員の給与が据え置かれております。物価がマイナスであります。しかし、公的年金の方は物価がマイナスでも据え置くと、こういうことでございますので、そういういろいろな事情を総合的に勘案して、我々も財政当局に強くお願いして恩給年額を据え置くことにいたしました。 年額は据え置きましたけれども、これも伊藤委員からお話しありましたように、恩給制度の中で最も低額な恩給あるいは戦没者の遺族の皆様に支給される遺族加算など、特に措置を要すると我々が考えているものにつきましては、ベースアップが行われていない中でも、国家補償的性格を念頭に置きながら、是非処遇改善という観点から強くお願いして認められたわけでございまして、我々は受給者の方々のいろいろな御要望あるいは従来の経緯などを踏まえて、恩給制度全体のバランス等も配慮しながらこれが実現できたと。現下の厳しい財政状況の中ではまあまあの満足すべき措置ではなかろうかと、こういうふうに考えているところでございます。
○伊藤基隆君 今の大臣の答弁、よく分かります。恩給受給者全体に措置が及ぶ基本年額の改善、いわゆるベースアップは、公務員給与の改定や物価の動向等の諸事情を総合的に勘案し、さらに低額恩給の改善については、また別の考えということが披瀝されたわけであります。 そこで、今回の恩給法の改正に当たって、社会経済情勢や受給者の実情をどのように認識しているのか。どのような調査に基づいているのかということも付随するわけですが、基本年額の改定、いわゆるベースアップはゼロとなった根拠について、特に公的年金との関係について、この後の質問とも関係しますので、これをお答えしていただきたいと思います。
○大臣政務官(河野太郎君) お答え申し上げます。 公務員給与が据置き、さらに物価が下落しているという経済状況ではございますが、恩給の受給者の方々は今平均年齢が八十一歳を超えられている、また御本人と御遺族の比率が一対二ということで、御遺族の方が二倍になっていらっしゃいます。そして、多くの受給者の方々にとって恩給が物心両面にわたりまして心のよりどころになっているということをいろいろ勘案いたしまして、ベースアップはゼロということにさせていただいたわけでございます。 特に、公的年金は、今年も年金額を据え置くということにさせていただいたものでございますから、公務員給与等、物価を総合勘案して恩給を決めるということではございますが、公的年金も年金額が据置きということでございますので、恩給もベースアップをゼロでお願いをしたい、据置きでお願いをしたいということでございます。
○伊藤基隆君 さて、それでは来年はどうなるかという問題であります。 日本経済の厳しい現状について議論する場所ではございませんが、官民を問わず、あらゆる調査で景気が上向いたという話はありません。依然厳しい状況にあるが一部に下げ止まりの兆しが見られるというのが政府の行った三月の月例経済報告であります。GDPはマイナス、個人消費は低いまま横ばい、設備投資は減少、物価は弱含み、倒産件数と失業率は過去最高水準、優良企業でさえ春闘はゼロ回答、このような中で、一年やそこらの短期間で経済の回復はちょっと難しい、ここしばらくは厳しい状況を覚悟しなくてはならないというのが一般的なとらえ方となっているのが実情であります。また、かなりの確率でこれが現実のものとなる可能性があるわけであります。 来年以降、仮に人事院勧告がマイナスとなって来年の公務員給与が引き下げられ、デフレが続き物価が下落して公的年金も影響を受けるというような事態になったとすると、その場合、恩給の基本年額、いわゆるベースアップを行ってきた部分は逆に削減しなくてはならない理屈になるんですが、その点については、どのようにお考えでしょう。
○大臣政務官(河野太郎君) 今御質問のように、物価の下落が更に続き、公務員給与が引下げとなり、そして公的年金のベースダウンということが現実になった場合には、この恩給制度もその影響の外にあるとは言い難いという認識でございます。 そのような場合になりましたときには、公務員給与、物価、そして公的年金について総合的に勘案をした上、さらにこの恩給制度の場合には国家補償的性格があるということでございますので、そうしたことも加味をして検討の上、決定をさせていただきたいというふうに思っております。
○伊藤基隆君 今、政務官から大変重要なことが答弁されまして、国家補償的性格を持っているというとらえ方でずっとやってきたわけでありまして、そのことは、国民全体の認識が薄くなったといえども、今後それをきちんと継承していかなきゃならないという大臣の表明もありました。 そこで、十分なそれに対する配慮ということは取られなきゃならないと思いますので、この点について大臣から、ちょっと一言お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 我々は国家補償的性格というものを大変重視しておりますし、高齢者の現状が、大変高齢化している受給者の現状が、八十一歳ですからね。しかも、そういう意味では、生活の支えであり心のよりどころだと、こういう現状もしっかり認識しなければなりませんけれども、やっぱりまあ景気がこういう状況、公的年金がこういう状況、物価がこういう状況の中でやっぱり国家補償的性格を貫徹するためには、やっぱり国民の理解と支持が必要だと思いますね。それをどうやってちゃんと得ていくか、確保していくかということが我々としての課題ではなかろうかと、こういうふうに思っておりまして、今後ともそのための努力を関係の皆さんと一緒にやってまいりたいと、こういうふうに思っております。 来年度の、平成十四年度の処遇改善につきましても、当初は大変壁が厚うございましたけれども、粘り強く関係の皆さんと財政当局を中心に折衝、協議をやりまして、こういう結果を得ましたので、十五年度以降も、当面の社会経済情勢やいろんな財政環境等がありますけれども、我々としては最善の努力を今後とも重ねてまいりたいと思っております。
○伊藤基隆君 実は、この問題の議論の中で、実際、恩給受給者は豊かな生活をしている人が多いということも出ました。しかし、私は、それは部分的に見た問題であろうかと思っています。豊かな生活ができている背景というのは、子供や孫が頑張って支えているからということが現実の姿だろうというふうに思いまして、そういうことに対する私は反論をしたわけでございますが。 恩給受給者の高齢化が確実に進行している中で、恩給以外の収入がない受給者がかなりの割合を占めているのではないかと。今回の恩給法改正案によって低額恩給の改善や遺族加算の引上げが行われるような部分の対象者については、経済情勢がマイナスの方向に動いたとしても、なるべく恩給額は減ることのないような措置を行うべきではないかという議論が成り立つところだというふうに思っております。 しかし、一方において、冒頭に指摘しました衆議院の附帯決議にもあるとおり、合理的かつ明確な基準が求められるわけでありまして、国民の理解の下に恩給制度を運用していくための工夫が必要な時期に掛かっているのは、今、大臣の御答弁にあったとおりだというふうに思っております。 もちろん、高額な恩給を受給しているようなケースについては、何とか減額しないで済むような知恵がないだろうかというような話ではございません。そもそも軍隊の位によって恩給の受給額が異なるという基本的な仕組みについても、果たして今の時代に理解されるのだろうかということも考え併せますと、恩給の格差を是正する良い機会であるかもしれません。 来年以降の恩給年額の改定については、現実の経済情勢を考慮の上、今後の在り方についての検討を至急に行い、分かりやすい整理をした上で、恩給の減額を検討しなければならないような最悪の事態にも対応できるような準備をしておくべきであろうと考えますけれども、重ねて大臣の御見解をお聞かせいただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(片山虎之助君) この恩給が公務員の最終の給与というものがベースになっているものですから、階級によって差があるではないか、位によってこんな格差はおかしいではないかという議論は確かにありますね。ありますけれども、制度そのものがそういうことで仕組まれておりますから、なかなかつらいところなんです。 そこで、今、伊藤委員が言われましたように、今後抜本的なことを含めて恩給の在り方をもう一遍見直してみたらどうか、経済も厳しい、財政も厳しい、こういう中でと。こういう御指摘は誠に適切な御指摘でございますので、我々もそういうことを受け止めながら、十五年度以降どういうことになるのか、研究、検討させていただきたいと思っております。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 今日は、恩給法の審議に入る前に、おとといですか、御質問、この委員会で質問あったと思いますが、銀行税の関係で判決が出ました。 おとといのことですから、もう判決文お読みになったと思いますけれども、今回、無効というような、銀行税条例が無効という判決になったわけでありますが、ただ、地方分権がどんどん進み、課税自主権が本当に大事にしていかなきゃいけない、一方で、やはり国の課税権との衝突という部分も考えられる中で、今回の判決について大臣の御所見、そしてまた、各自治体が構想している新税構想にどういうような影響を与えると、そういうふうに見ているか、この二点について御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、魚住委員からお話しのように、一昨日、いわゆる東京都の銀行税、これについての一審判決が出まして、端的に言うと銀行側の勝訴ですよね、都側の敗訴でございまして。 判決を詳細に勉強いたしたわけじゃありませんけれども、結論はともかく、論理については、私、個人的には納得できないところがあるんですね。地方税法の七十二条の十九というのは、今の法人事業税について課税標準の特例の規定なんですよ。ところが、所得でなきゃいかぬということを判決は言っていますね。そこのところが、私はもう一つ、やや個人的に腑に落ちないところがあるんで、少し勉強させていただきたいと、こう思っておりますが、このいわゆる都の銀行税は、我々が考えている外形標準課税とはちょっと違うんですね。 外形標準課税は広く薄く公平になんですよ。広く薄く公平に。東京都の銀行税は広く薄く公平にじゃありませんわね。極めて対象限定的で、五兆円以上の資金量があって、粗利益の、あれは三パーだったですか、何か掛けるんで、限定的ですよね。ねらい撃ち税だと、ねらい撃ちとは思いませんけれども。そういうことで、我々とは少し考え方が違うものですから、御承知のように、閣議了解で慎重な対応を政府としてはお願いしたんです。結果としては、都が課税自主権でおやりになって、それはそれで結構なんですけれども、後、都は恐らく控訴されるでしょうから、後、上に上がっていくにつれてどういう司法が判断を下すのか、これは我々としても重大な関心を持って見守りたいと、こういうふうに思っております。 そこで、この問題を抜本的に解決するには、我々が言う外形標準課税を十五年度税制改正でやってもらえば、全部吸収してしまいますから一遍に解決するんだと、こういうふうに思っておりまして、是非、委員の先生方の御理解をいただきたいと、こういうふうに思っております。 〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕 そこで、今、法定外普通税、目的税のいろいろな動きがありますね、全国的に。これについての影響ですけれども、やっぱり少しはブレーキ的な影響が出るかもしれませんね。税制については慎重にやろうと、法律の解釈を含めて、そういうあれが出てくるのかもしれませんが、私個人は、課税自主権は積極的に認めようというあれですから、地方税法の法律に違反しない限り積極的な対応をいたしたいと、こういうふうに思っております。
○魚住裕一郎君 今後、例えば環境に関連して言えば、炭素税という考えもある、あるいは地方環境税みたいな、こんなものも議論されてくるんだろうと。そうすると、地方税と中央の税とがぶつかり合うといいますか、そういう部分も出てくるかもしれませんけれども、またその際にはしっかり議論をさせていただきたいと思います。 それでは、この法案につきまして、先行の委員からの質問と重複する部分もあるかもしれませんが、何点かお聞きしたいと思います。 今回は、最低保障額について千円アップという、そういう改正案でありますが、この最低保障制度、昭和四十一年から創設をされて順次改善してきたというふうに承知をしておりますが、この最低保障制度を導入したいきさつ及び趣旨というものを簡略に御説明をお願いをいたします。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。 ただいまの最低保障制度でございますが、これは、戦後、昭和四十一年に、実在職年が最短恩給年限以上の長期在職者を対象といたしまして創設されたものでございますが、この制度は、厚生年金等の公的年金制度の例を参考にしまして、相当年限勤務したにもかかわらず極めて低額の恩給年額にしかならない受給者を救済するという社会保障的観点に立って設けられたものでございます。 昭和四十九年になりまして、実在職年のみでは最短恩給年限に達せず、加算年を加えて最短恩給年限に達する短期在職者をも対象としたところでございますが、これは、長期在職者と短期在職者の恩給年額に大きな乖離が生じたため、そのバランスを保つために取られた措置でございます。 以上です。
○魚住裕一郎君 最近、低額恩給でありますとかあるいは遺族加算の改善が図られてきているわけでありますが、現時点に至って、この改善の現況の認識はどういうふうにお考えになっているのか、また今後の方向性につきましてお尋ねをいたします。
○政府参考人(久山慎一君) お答えいたします。 低額恩給と遺族加算の改善につきましては、その時々の社会経済情勢とか、それぞれの制度の目的、役割などを踏まえまして着実に進めてきておりまして、受給者からも、これを一層進めるよう要望が寄せられているところでございます。 今後の恩給改善の方向につきましては、恩給受給者の処遇の改善を図るという観点から、受給者の方々の要望とか従来の経緯、あるいは恩給の有する性格などを踏まえまして、ベースアップの状況をも含めた恩給制度内のバランス等にも配慮しながら、低額恩給と遺族加算改善の趣旨に即して検討してまいりたいと思っております。
○魚住裕一郎君 恩給受給者の高齢化ということで、平均が八十一歳ですか、そういうお話でございますが、そういう状況の中で、年に何か三十万件ほどの恩給の相談を受けているというお話でございますが、それに対応して、専門知識や経験を有する職員を配置した相談室、これを設けている、そういう形で親切丁寧に相談にお答えになっているということでございますが、具体的にどのような相談が多いのか、御説明をお願いをいたします。
○政府参考人(久山慎一君) 恩給相談の関連でございますが、恩給受給者の方々から年間三十万件にも及ぶ恩給相談が寄せられているというのが現状でございます。 その内容でございますが、恩給受給者が亡くなった場合の届出や恩給請求に関するものが約半数を占めておりますが、そのほか、恩給の支払に関すること、恩給調査に関することのほか、恩給増額を求めるなど増額に関するものも多数、これは約七千三百件でございますが、多数寄せられているところでございます。
○魚住裕一郎君 また、そういう高齢者ということも含めて、通知等についても字を大きくすると、そういうことで御配慮されているというふうに伺っておりますが、今後更に高齢化が進むというふうに考えるわけでありますが、いろんな御要望があると思いますが、手続を簡素化する、あるいは裁定に対する疑問や不満、相談窓口の充実等を図ってもらいたい、そういう恩給受給者の立場に立った更に懇切丁寧な取組が必要かと思いますが、今後の取組について御所見を賜りたいと思います。
○大臣政務官(河野太郎君) 御指摘のとおりでございまして、通知書を分かりやすい文章にする、あるいは文字を大きくするということを努めております。 それから、先ほど局長から答弁のありましたとおり、遺族の扶助料への転給の相談が非常に多いということもございますので、いろいろな通知を受給者に出すときに、同時に、高齢の受給者が相談をしている身内の近親者の方にも恩給の制度を分かっていただきたいということで、恩給のしおり等を作って通知に同封をさせていただいております。 そうやって近親者の御理解もいただくような努力をするとともに、住基、住民基本台帳ネットワークをもし施行する時期になりましたらば、現在、市町村で発行していただいております生存証明を取りにわざわざ行かずにネットワークで対応ができるようにして簡素化していきたいというように考えております。よろしくお願いいたします。
○魚住裕一郎君 なかなか、住基の別表まで踏み込んだ御答弁、なかなかだなというふうに思いますけれども。 続きまして、先ほども伊藤理事からも御質問がございましたが、附帯決議に関連してですが、五十一年からこの恩給受給者生活状況調査を行っているようでございますが、今般、このような附帯決議がなされたところでございます。じゃ、今まで二十五年ばかりやってきた、やっぱり足りないのかという、生活状況調査が足りないのかというふうなことになろうかと思うんですが、この辺はどのように受け止めておられるんでしょうか。
○政府参考人(久山慎一君) 恩給受給者の方々の生活状況等についてでございますが、これは私ども、昭和五十一年以降、毎年度、恩給種類別に、家族構成とか就業状況、あるいは世帯収入、恩給が家計に占める割合でございますとか、公的年金の受給状況、受給者の意見とか要望等につきまして調査をし、その把握に努めているところでございます。 従来からこの調査につきましては、恩給受給者からの要望や恩給相談を通じて寄せられる御意見と併せまして、恩給の運用改善に当たっての貴重な資料として利用してきたところでございますが、今後とも、受給者の要望の一層の具体的な把握、各種恩給の中で特に措置を要する部分の把握などに一層資する方向で調査事項につきまして具体的な検討を進め、国民の理解の得られる恩給改善に努めてまいる所存でございます。
○魚住裕一郎君 生活状況調査の実施状況は、ここ十年ばかりは調査件数はずっと三千件というような数で推移をしているようでございますが、今、局長の御答弁がありましたように、項目を考えて吟味した上で更に調査をしていただきたいと思います。 それで、昨年四月から、平和条約国籍離脱者等である戦没者遺族等に対する弔慰金等の支給に関する法律、これが施行をされているわけでありますが、請求期間が平成十五年度までと、このようになっているようでございますが、現在までの請求及び給付件数を御答弁いただきたいと思います。 また、くれぐれも遺漏ないようにやっていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(衞藤英達君) お答えいたします。 今、先生お話しの弔慰金等の支給法でございますが、昨年四月から施行を始めまして、本年二月末日までで十一か月間の施行ということでございますので、その御報告をいたしたいと思います。 この間に百九十九件の請求を受け付けまして、うち百四十九件につきまして既に支給決定を行ったところでございます。その内訳は、戦没者の御遺族に対し弔慰金二百六十万円でございますが、これを支給したのが百四十件、重度の障害を受けられた御本人に対しまして見舞金、これは四百万円でございますが、これを支給したのは九件ということでございます。 これが十一か月の状況でございまして、先生御指摘のように、この制度は請求期間が平成十五年度末までということで限られてございますので、対象の方々がこの制度を有効に活用していただきたいと思っておりまして、地方自治体それから関係団体の御協力もいただきながら十分な周知徹底を図ってまいる所存でございます。 具体的に申し上げますと、今週でございますが、国としても、ちょうど中央紙五紙を始めといたしまして、地方紙などを含めまして全国で計七十六紙、購読物約四千七百万部になるわけでございますが、これら政府広報をやっているところでございます。 また、四月から新年度に入るわけでございますが、こうした広報を引き続きもちろんやるわけでございますが、新たに韓国系の新聞が幾つかございますので、この韓国系新聞などにも広く広報をやっていきたいというふうに考えてございます。 このほか、厚生労働省に、古い資料でございますが、保管している資料で、朝鮮半島出身者の軍人等の方の死没者の名簿等ございますので、こういった入手可能な資料を使いまして、対象となり得る方々の追跡といいますかフォローアップといいますか、これを行いまして、個別に本制度の御案内とか御紹介を進めていきたいということを考えてございます。 先生、遺漏なきようということでございますが、こういった方法を様々組み合わせまして、ともかく立法の趣旨に沿いまして一人でも多くの方々がこの制度を御活用いただけるように努力してまいるという所存でございます。 以上でございます。
○魚住裕一郎君 私も、台湾の高齢者の方に、東京に住んでいる方で、会ったときに、我々は日本のために戦った、何で靖国に入れてくれないんだみたいなことを突然言われたりしまして、ちょっとびっくりしたことがございましたけれども、やはりその思いというものをしっかり遺漏なきようにくみ上げていくというのが一番大事かなというふうに思います。 〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕 最後に、恩給は年四回給付されているようでございますが、共済と同じように年六回にした方がいいんじゃないかという意見がございますが、この点はいかがでございますか。
○政府参考人(久山慎一君) お答えいたします。 御案内のように、現在、恩給は年四回支給してございますが、今御指摘の先生の御意見では六回にしたらどうかということでございますが、六回にいたしますといろいろ問題があるわけでございます。 これから申し上げますと、この御要望に対しましては、恩給に関することでございますけれども、拠出性の公的年金とはその性格が異なっておりまして、全額国庫負担、すなわち国民の皆様方の貴重な税金によって賄われておるというものでございます。受給者の方々等からの恩給の改善要望に十分こたえながら、限られた財源をもって真に効率的かつ効果的な恩給行政を進めていくためには、新たな負担をできる限り少なくすることが必要であるというふうな事情にあろうかと思っております。 したがいまして、年六回支給の実現につきましては、業務処理上の問題のほかにこのような事情があることから、極めて困難ではないかというふうに思っておるところでございます。
○魚住裕一郎君 終わります。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。 まず、旧従軍看護婦に対する慰労給付金の改善について伺います。 戦時中の従軍看護婦の地位の問題でございますけれども、一九三九年七月十七日、旧陸軍における救護看護婦の地位を規定した文書が当時の陸軍大臣名で出されておりますが、その中で救護員の地位と処遇がどのように規定されているのか、お示しください。
○政府参考人(衞藤英達君) 旧日赤救護看護婦の方々は、陸海軍大臣の救護班派遣命令に基づいて、これは旧日赤でございますが、旧日本赤十字社の赤紙召集という形によって軍に派遣されたという形でございます。 派遣されました軍隊内におきまして、日本赤十字社の社令、これは勅令でございますが、それから軍内部の規則によりまして、こういった方々は軍属として取り扱われる、兵の待遇に準ずるというふうな形での待遇でございました。 また、雇用関係でございますが、旧日本赤十字社の職員ではなかったと、こういった方々は職員ではなく、また、軍属としても扱われながら軍との雇用関係もないという特殊な地位にあったということでございます。
○八田ひろ子君 救護看護婦は兵に準ず、救護看護婦長は下士官に準ずと第六条に明記をされております。今お答えいただいたとおりでありますが。 ところが、旧従軍看護婦さんの恩給の面では兵に準じないで、その対象から外されたわけであります。そのために、兵隊と同じように今お示しになった赤紙で召集をされたのになぜ恩給の対象にならないのかと、こういう旧従軍看護婦に対する恩給適用運動、これが一九七五年、時あたかも国際婦人年、これを契機に始められました。 こういう中で、一九七八年の八月の三日に国会で六党合意がされました。今日、皆さんのお手元に資料をお配りをいたしまして、その表紙をめくっていただきまして、資料①がその六党合意でございますけれども、ここのところ、2というところにありますけれども、「恩給制度を準用し、戦地加算を考慮して、兵に準ずる処遇とする。」と、こういうふうに書かれておりますけれども、これで間違いないでしょうか。
○政府参考人(衞藤英達君) 今、先生のおっしゃられたとおり、昭和五十三年八月三日、当時いろいろ従軍看護婦の方々の処遇につきまして問題になった経緯ございまして、五十三年六月辺りから各党六党合意で協議を始めまして、八月三日に先生おっしゃるような形での六党合意が成ったということでございます。
○八田ひろ子君 六党合意は兵に準ずる処遇を求めておりますが、制度がスタートしましたこの一九七九年の従軍看護婦に対する慰労給付金の額が何を基準に準ずる処遇というふうになったんでしょうか。
○政府参考人(衞藤英達君) 今、先生お話しの六党合意を踏まえたこの恩給制度を準用し兵に準じた処遇ということでございますが、この兵に準じた処遇をいかなることかということで、過去政府から国会で御説明しているとおりでございます。 この昭和五十三年の六党合意の後に、政府内でこの制度設計するに当たりまして、例えばその資格要件として、実勤務期間に加算年を加えた年数が十二年以上であること、また戦地又は事変地の区域の範囲内の恩給に合わせること、また支給開始年齢を五十五歳とすること、また肝心の慰労給付金の水準でございますが、この水準をこの五十三年のときの兵の恩給の金額を勘案して定めたということでございます。 以上でございます。
○八田ひろ子君 資格要件は全く同じと、水準はということで、その当時の恩給の、兵の恩給の水準と。 私、資料②、その次のページですけれども、資料②に総務省からいただきました昭和五十四年度の恩給額とそれからその当時の旧従軍看護婦の慰労給付金というのを皆さんのお手元にお届けしました。これで、実在職数の例えば六年を見ていただきますと、看護婦さんの方は十四万で兵の方は十三万五千二百円、それから十八年を見ていただきますと、看護婦さんが三十万で兵の方は二十九万六千七百円と。この二つの年齢では看護婦さんが上回っておりますが、あとは少し兵よりも少ないということですが、大体額は同じだということで、これは当時の看護婦さんの年齢を考えると実態に合っていたと考えてよろしいんでしょうか。
○政府参考人(衞藤英達君) そういう点を含めまして、もろもろの点、一つは恩給法の、そういったその当時の兵の普通恩給の額等を踏まえて、全体的な観点でこの慰労給付金の水準を設定したというふうに聞いております。
○八田ひろ子君 普通恩給では一緒、ほぼ同じ、準ずると。 次に、この当時の恩給制度について伺いますが、兵の場合の、これ資料②ですね、今見ていただいたところなんですけれども、三つの特例区分が当時から設けられておりまして、加算年の算入や最低保障額というのがあります。恩給を実質的に上積みする仕組みで、先ほど来話題になっております最低保障額、現在では九割の方がこの最低保障額だそうでありますけれども、こういうのを取り入れた理由は、局長、どういうものだったんでしょうか。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。 最低保障制度は、戦後昭和四十一年に、実在職年が最短恩給年限以上の長期在職者を対象といたしまして創設されたものでございますが、この制度は、厚生年金等の公的年金制度の例を参考にしまして、相当年限勤務したにもかかわらず極めて低額の恩給年額にしかならない受給者を救済するという社会保障的観点に立って設けられたものでございます。 昭和四十九年に、実在職年のみでは最短恩給年限に達しないが加算年を加えて最短恩給年限に達する短期在職者をも対象としたところでございますが、これは長期在職者と短期在職者の恩給年額に大きな乖離が生じたため、そのバランスを保つために取られた措置でございます。
○八田ひろ子君 分かりました。 そこで、資料③を見ていただきたいんですけれども、スタートの時点では確かに兵に準ずるということでほぼ同じでスタートしまして、その当時の実態、要するに年齢がそんな高齢の看護婦さん、旧従軍看護婦さんがいらっしゃらないということで実態に合っているというお答えをいただきました。ところが、これ平成十四年のを総務省からいただいたんですけれども、全く乖離があるわけですよね。 それで、現在でいえば、兵の方も九割以上が最低保障適用でありますけれども、旧従軍看護婦さんの方は非常に極端に低いような割合になっております。なぜこういう恩給の特例に準じない方向でこんなに格差が開いているのか、お示しください。
○政府参考人(衞藤英達君) 今、先生御指摘の点は、この旧日赤救護看護婦等に対する慰労給付金の性格、性格論だと思いますが、この慰労給付金の方は、兵役の義務のない身でありながら戦地において戦傷病者の看護に当たられたというこの長い、長年にわたる彼女たちの御労苦に報いるために、その先ほど来お話出ております昭和五十三年八月の六党合意によって、その加算年を含めて十二年以上の方々に支給要件として出しましょうという形でございます。 一方、先ほど恩給局長の方からお話ございましたが、恩給におきます最低保障なりこの制度は、受給者の所得の保障を図る年金的性格を有するという点で基本的には違うんじゃないかと。こちらの慰労給付金の方は看護婦の方々の長年の御労苦に報いるということでございますけれども、恩給の方は基本的には所得の保障を図るものということで、基本的にやっぱりその性格が異なるんではないかということでございまして、例えばでございますが、恩給と同様の最低保障を慰労給付金につきまして設けるということは極めて困難というふうに考えてございます。
○八田ひろ子君 先ほど来、恩給受給者の皆さんの生活実態調査の実施状況などがお示しいただいておりますけれども、慰労給付金の受給者について生活実態調査などはどうなっているでしょうか。
○政府参考人(衞藤英達君) 慰労給付金の方の関係でございますが、こちらの面では生活実態調査ということは過去ございません。
○八田ひろ子君 慰労給付金というのも全額国費で実施をされております。実際に調査もやっていないということはとんでもないことだというふうに思うんですね。 資料③のところを見ていただくと分かりますように、先ほど格差が非常にあるというふうにお示ししましたが、実態的に二・七倍から四・一倍もの格差が生まれているんです。恩給は国家補償的な性格なんだというふうに今日、朝から大臣何度もおっしゃっていますけれども、この給付金も同じ戦地に出掛けて御苦労をされているということで作られ、スタートの時点では実態に合った、その当時、恩給を受けていらっしゃる皆さん方の実態に合ったのが旧従軍看護婦にも支払われたということですね。これは準ずると、兵に準ずるということでそうなったというふうに思うんです。 準ずるというのは、私、広辞苑で念のために調べてみましたら、同等の扱いをするというふうになっています。法令用語辞典も確かめてみました。そうしますと、大体においてのっとる、若干の修正を要する点はあるが、おおむね同様である、又は類似するという意味であると、こういうふうに書かれていましたけれども、実態としてはこんなに格差があるというのがどこに準ずるなのか。 これは明らかに六党合意の「兵に準ずる処遇」ということとは懸け離れている実態になってきてしまっている。これ、どういうふうにお考えなのか。私は是正すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(田村公平君) 衞藤審議官。
○八田ひろ子君 いいです、大臣でいいです。
○国務大臣(片山虎之助君) 恩給の方は、これは生活保障的な性格あるんですよね。ところが、こっちの方は慰労給付金なんですよ、名前からいって。大変御苦労された、大変でございましたと、慰労しますと、そのために出すお金でございまして、そこの基本的な性格が違うんですよ。だから、準ずるというのは、制度発足のときは準じたと思いますけれども、準じ方がちょっと距離が出てきたという状況じゃないでしょうか。 しかし、それだから最低生活保障を設けろとか毎年実態調査しろとかといっても、それは慰労金ですから、お見舞金に近いようなものですから、そこの基本的な性格の問題だと。しかも、これは法律ないでしょう。これは予算措置のはずですよ。予算措置なんですから、そういうふうに御理解賜りたい。
○八田ひろ子君 今の大臣の御答弁というのは、発足当時の三原大臣の御見解と比べても随分と後退していますね。先ほど、戦争が随分と遠くなって、これが忘れ去られるのではないかという心配があるというふうにおっしゃった同じ大臣とはとても思われません。 発足当時からもいろいろ問題があったと。三原大臣は、掘り下げて検討する問題もあると、割り切れない心境も持っていると、しかしまずスタートするんだということをおっしゃっていて、この当時はまだ今みたいに普通恩給とすごい格差があるというんじゃなく、さっき最初にお示ししましたように上になったり下になったりということで、今、大臣、当初は準じたかもしれないがというふうにおっしゃいますが、当初も準じるということでスタートするんだったら、準じなきゃおかしいじゃないですか。全く回答になっていません。 大臣ね、総務大臣ですから、御承知されているというふうに思いますが、資料④を、その次のページ、私、一生懸命請願を調べて表にしました。ごらんください。 九十六国会以来、ほとんど毎年この問題で請願が出されています。九十八国会からは全会一致、全会一致でこの請願が採択されているんです。請願内容は、これはずっと続いておりますけれども、二枚にわたっております、私、まとめまして。これは、請願内容一つなんですね。現在、兵の恩給と比べて格差が年々増大をしているため、慰労給付金を早急に増額していただきたい、こういうものなんですよね。 私、大臣、大臣、聞いてくださいね。私、昨日、元従軍看護婦の方ともお会いしました。八十歳を超えておいでになって、私の母親ぐらいの年代の方ですけれども、ほとんどの方がもう本当に大変な暮らしだと。この方はここでいいますと三十五万五百円というところのランクをお受け取りの方で、年金は最低ラインを併給されていらっしゃるそうですけれども、これではぎりぎりの生活なんだというふうにおっしゃっていました。 少なくとも慰労給付金受給者の生活実態を、もし毎年できないというんでしたらどういう状況なのか、本当に御苦労さまでしたと、御苦労されましたというふうに出していると、さっき、今、大臣がおっしゃったのだったら、余計にそういうことは行うべきだと思いますし、この慰労給付金の大幅な増額を毎年国会で、そうですねと、全会一致で与党も野党もそうだそうだと言って上げている。上げているということは、これは政府は受け止めていただかないといかぬことですよ。 これずっと私、一生懸命見てびっくりしたんですけれども、本当にずっと採択されているんですよ。ですから、六党合意を踏まえた総務大臣の力強い答弁を求めたいと思うんです。
○政府参考人(衞藤英達君) ただいまの先生の生活実態調査でございますが、基本的に、大臣から御答弁申し上げましたが、給付金の性格論、慰労的な性格であるということにかんがみれば、やっぱりその生活実態調査をやるにしても、いかなる趣旨、目的でやるのかということを考えた場合に、本当に名目が立つのかどうかということで、基本的にはその生活実態調査を行うということは考えておりません。 それからもう一点、請願等の関係でございますが、確かに先生おっしゃるように、長らく請願等出てございまして、本会議等で採択ございまして、そういうことで昭和五十三年以来の動きになったということでございます。 ただ、それから、先ほどの準じたという議論にもつながるわけでございますが、政府サイドも何もやっていないというわけではないわけでございまして、その制度設計に当たって、先ほどの準じた、兵に準じた処遇の金額が決まって、それ以降は昭和六十年を含めまして六回ほど物価変動に伴います調整等をやってございます。特に、平成七年ですか、戦後五十年の与党プロジェクトがございましたので、それ以降は毎年毎年物価の状況を見ながらしかるべき対応を取っているということでございます。
○八田ひろ子君 大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) 三原当時の総理府総務庁長官、組織も変わりましたしあれでございますが、どういうことを言われたか私、存じ上げておりませんけれども、それは、それまではなかったものを、六党が合意されたんですから政府としても慰労給付金を出そうと、大変なこれは決断だと私思いますよ。しかも、最近は物価を調べて改善していこうということですから。 ただ、何度もいろんなところで申し上げますように、国の財政というのは限りがあるんですよ。国債も六百九十三兆ですよ、国、地方。そういう中でどういうふうに財政的な対応をするかというのは、ぎりぎりの判断を我々はやっているんで、何でもどんどんどんどん増やせというようなことはないんで、バランスを取りながら、いろんな状況を見ながら、その出すお金の性格を考えながら、しかもそれが法律的根拠を持つものか予算措置かというようなことを含めて我々は努力していっておりますので、何にもしていないわけじゃありませんので、もう十分請願の採択も念頭に置きながらやっておりますので、御理解を賜りたい。
○八田ひろ子君 もう、すごいお答えですね。十分にやっていますってよく言えますね。だから、私、一生懸命作って、数字だって見せていますから。全然不十分で、しかも全会一致で、毎年毎年、毎年毎年毎年これは採択されて、政府に突き付けられているのによくおっしゃいますよ。私は、少額恩給の解消とか格差是正は是認する立場なんですけれども、だからこそ同じ戦地に派遣された従軍看護婦さんに対して、少なくとも六党合意を実現しなくちゃいかぬというふうに思います。 現在の状態というのは「兵に準ずる」というこの六党合意に逆行していますし、関係者は全国に散らばって、しかも平均年齢八十歳超えていらっしゃる高齢なんですよ、本当に。兵に準ずる慰労金給付というのを是非実現するために一生懸命この方たちが運動していらっしゃる。何よりも、平和を、もう二度と戦争してほしくないという思いで、戦後処理きちんとしてほしいという、こういう思いを受け止めていただく、それから請願の採択されているという重みも是非受け止めていただくことを強く要望して、終わります。
○松岡滿壽男君 私は、この法案は賛成でありますし、既にもう先行議員の方からいろんな角度での質疑が行われたわけでありますが、若干重複するかも分かりませんが、質問をいたしたいというふうに思います。 去年の百五十一国会の総務委員会で、私は恩給は国家補償的な性格ということはもう十分分かっているんだから、「最近の経済情勢等にかんがみ、」という文言は削除した方がいいんじゃないかと。ずっとインフレが続いてきている。しかし、もう今やデフレに入っているわけですからね。そういうことを申し上げたら、今度はしつこく、「社会経済情勢等にかんがみ、」と、この経済情勢の上に社会がくっ付いているんですよね。どういうふうにこれが、中身が変わっているのか、どうしてこれにこだわるのか、どうして社会というのが経済の上にくっ付いちゃったのか、御説明いただきたい。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。 提案理由説明におきます「社会経済情勢等」とは、平成十四年度の恩給改善措置を講じる背景といたしまして、現下の厳しい財政事情はもとより、公務員給与は据え置かれ、物価が下落傾向にあるといった状況の下ではありますけれども、受給者が高齢化しております。平均八十歳でございますが、高齢化しておりまして、その多くが遺族でございます。かつ恩給が物心両面にわたり受給者のよりどころともなっているというふうな、そういう状況を総合的に述べたものでございます。 一年前の平成十三年改正時の提案理由におきましては、「経済情勢等」との用語を用いておるところでございますが、上記のような趣旨を一層明確にいたしますために、十四年度におきましては「社会経済情勢等」といたしたものでございます。
○松岡滿壽男君 ますます分からぬですね。だから、「社会経済情勢」ということになると、やっぱりグローバリゼーションの中で日本の産業の空洞化が進んできて、中国の賃金なんというのは二十五分の一から三十分の一ですからね。だから、結局、賃金は下がっていく、それから物価も下がっていくという状況がずっと続いていくわけですよ。そうすると、恩給自体そういう角度で見直していくということ、そういう説明になりますよ、それは。 だから、せっかく私どもは国家補償的な性格というふうに理解しているのに、あなた方がそういうことを言えば、インフレの時代は良かったですよ、どんどん上がって。今度はデフレですからね、下がっていくわけですよ。だから余計、経済の上にまた社会まで付いちゃっているから、余計これは分からぬ説明だと思いますよ。今聞いておられて、委員の方々分からぬのじゃないですか。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。一年前に使いました「経済情勢等」という言葉でございますが、端的に申し上げますと、この「経済情勢」ということの中には、今年度使っております社会情勢といいますか、そういう社会的な側面というのが経済という言葉に含まれておるということでございまして、それを、今年度におきましてはそれを顕在化して、それを取り出して並べて表現しておるというふうに端的に御理解いただければ幸いかと思います。
○松岡滿壽男君 今の説明でも分かりませんが、大臣、お分かりですか、これ。取った方がいいんじゃないですか、これ。
○国務大臣(片山虎之助君) 恩給は国家補償的性格なんですが、それじゃそのときのいろんな状況、特に経済情勢と無縁かというと、それは無縁じゃないですね。無縁ではない。だからそこが、物価がどうなっているかとか、公務員給与がどうなっているかとか、公的年金が、似ている性格の公的年金がどうあっているかと、そういうことの状況を見ながら国家補償的性格を貫くと、こういうことですから、私はこの経済情勢等をかんがみというのは何か要ると思うんですね。ただ、経済情勢を、社会をくっ付けて恐らく言いたいのは、経済だけじゃないんだと、受給者の高齢化だとか遺族が、遺族中心になってきているとか、そういうことも配慮して本来下げにゃいかぬものを下げなかったと、あるいは低額を増やしたと、こういうところに持っていきたいんだろうと思いますよね、局長は。余りはっきり分かっているのかどうか知りませんが。 だから、そういう意味で「社会経済情勢等」という言葉使っちゃいましたから、来年度どうするか検討させていただきます。
○松岡滿壽男君 今の御答弁なら分かるんですよ。 それで今、八十一歳ですか、本人の平均年齢が。本人支給が四十五万八千人、遺族支給が九十三万八千人と。遺族支給が本人支給の倍になっているわけですね。受給者の高齢化が進んでおって毎年六万人弱の受給者の減少があるわけでありますが、国家補償的性格を有しているとはいいながら、受給者本人が減少していく中で、先ほどの問題ですけれども、今後の恩給制度についてどういうふうに取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○大臣政務官(河野太郎君) 今御指摘いただきましたとおり、本人と遺族の比率がもう遺族の方の方が二倍になっているという現状でございますし、受給者の皆様の平均年齢が八十一歳を超えるということでございます。 今後の恩給制度の中で我々が一番気を付けなければいかぬと思っておりますのが、御遺族の方への扶助料への転給、これに漏れがないように、遺漏がないようにそこのところをしっかりとやっていきたいということと、もう一つは、今、大臣からもお話ありましたように、国家補償的性格を貫いていく、そのために今までのいろいろな経緯あるいはその制度の中でのバランスを考えて少しずつ受給者の処遇の改善に努めてまいりたいと思っております。
○松岡滿壽男君 一度その恩給という対象になってしまうと非常に手厚くやられるんですね。しかし、そこから漏れた部分、恩欠とか、先ほど小野さんも指摘されたソ連抑留者とか、それから中国残留孤児とか、そういうところに対しては全く冷たい対応をしているんですよね。 例えば平成十四年の二月二十八日時点での中国からの帰国者、永住帰国者が六千百六十八世帯、一万九千七百四十四人、このうち残留孤児が二千四百三十三世帯、八千八百八十三人と、残留婦人が三千七百三十五世帯、一万八百六十一人となっているんですね。 私自身も終戦のときに満州で、滿壽男という名前は満州の満でございますので、小学校五年ですからいわゆる残留孤児で最年長組ですよ。それから生まれたばっかりの子と。だから、そういう子供たちが今もう定年ですよ、だから、帰ってきて。だけれども、日本語が十分にできないということで職業とかそういうのにはなかなかうまくいってないんですよね。こういう子供たち、残留孤児、残留婦人に対して、当委員会でも山本正和先生なんかも何回か質疑をされておられます。私自身もこの問題もうそろそろ何らかのけりを付けてあげないと、結局帰ってから一年か二年の間、ほとんどの人が生活保護ですよ。それで全体で見ても六五%ぐらいが生活保護を受けているわけですね。ちょっと軽い作業手伝いに行ったり収入があるとその分はカットされる、それからテレビを買ったとかそういうことになるとチェックが入る。 本人たちが好んで行ったわけでもない、それなのにこういう戦争の傷跡をしょい込んでずっと生きている人たちに対して、同じ日本人としてもう少し生活保護じゃなくて名称を変えるとか、そういう手続を取ってやるべきだと私は思うんですけれども、その辺の問題についてお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(三沢孝君) お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のございましたように、中国残留邦人の方々、昭和四十七年の日中国交回復以降、本格的に日本に定住、永住帰国されるようになりました。それ以来今年で三十周年、三十年というふうな経過をたどっているわけであります。そういう中で、この残留邦人の方々の高齢化ということが非常に進んでおります。その中で、御指摘のような老後の生活保障をどうするかと、こういうふうな議論がなされておりますし、我々にもいろんなところから要望がございます。 ただ、この点につきましては、我々としましては、この残留邦人の特別な事情、今、先生がおっしゃいましたような特別な事情に配慮してこれまで、お分かりのことかもしれませんけれども、一定の措置を講じてきております。 具体的には、国民年金制度におきまして、帰国までの期間、これを、帰国までの期間につきましては、当然向こうにおられたわけですから保険料が納められないということでありますので、国民年金の保険料の免除期間として取り扱いまして国庫負担相当分の年金を支給すると。それから保険料の追納も可能にしておるということで、この追納に要する費用につきましても生活福祉資金制度に特別の貸付枠を設けて対応しているというようなことも行っております。また、残留邦人の方々、子供さんを連れてくるということもあるものですから、当初六十五歳だったのを順次年齢を下げまして、五十五歳以上の残留邦人の方が帰国する場合には、その方を扶養するために成年の子一世帯を同伴して、帰国援護の対象にすると、このような措置を講じまして親子共々生活の安定を図っていこうと、こういうような措置をこれまで講じてきております。 ただ、このような施策でも必ずしも十分じゃないと、不十分じゃないかと。特に日本語の習得が非常に問題だと、日本語の習得ができないと就業できないんじゃないかと、こういうお話もございますので、昨年十一月から、これまで帰国後三年目だけに限っておりました措置を帰国後四年目以降もできるようにしようということで、新たに中国帰国者支援・交流センターというものを東京と大阪に開設しまして、特に日本語、就労に結び付くような日本語の習得の支援を行っております。 この支援センター、昨年十一月にできたわけでございますけれども、来年度、平成十四年度から本格的に稼働するということで、高齢化した帰国者の相談とか交流の場の提供、あるいは、こういう方々についてはボランティアの活用等非常に重要なものですから、ボランティアの活動情報の収集とか提供、このようなことをやって生活の安定を図っていきたい、こう思っている次第でございます。
○松岡滿壽男君 結局、この中国残留孤児とか残留婦人がどうして発生したかということについても国民の大半は知らないんですよね。満州国があって、そこに日ソ不可侵条約を一方的にソ連が破棄をして満州に侵入したと。もう関東軍はほとんど南に行っていなかったですから、その間、婦女子ばかりが逃げ惑う。だから、手足まといになる子供たちをまず、ある面ではかわいそうに、亡くなった人がたくさんいるわけです。何千人ですよ。それで、運良く生き延びた人は、手足まといになるから中国の養父母に預けると、それからあるいは、もうそれもできないんで子供と一緒に残ったというのが残留婦人ですよね。 そういう人たちに対して、その最年長クラスがもう定年を迎えるわけですよ。職場にもおれないという状況になっている。それをもう全部そういう形で、国民年金の特例措置でも月額二万二千円、十年以上帰国して働いた人でも厚生年金も月四、五万しかないわけですよね。だから、この人たちの老後をどう過ごさせるかということは非常に私、大事なことだと思うんですよ。せっかくあこがれた祖国に帰ってきて、そしてその老後を惨めに過ごしている人たちに対して、やはり私は温かい手を差し伸べていくというのが日本人として当然な心情だろうと思うんですね。なぜそれができないのか。 それで、もう既に、先ほど請願の話も出ましたが、神奈川県内を主にした帰国者三百人が中国・養父母謝恩の会を結成したわけですね。それで、老後生活保障のために中国帰国者援護金制度を作ってほしい、国会に請願が出ていますね。その要望している給付額は、医療費なども含め生活保護制度を下回らない程度。生活保護だと、働けば収入分が引かれてしまう、中国に残る親族との往来が不可能になる、心理的にも抵抗があるというふうに訴えているわけですね。過大な要求とは私、全然思わないんですよ、これ。これに対して、やはりきちんと政府としてこたえてもらいたいというふうに思うんですけど、御見解を賜りたいと思います。
○政府参考人(三沢孝君) 中国残留邦人の方々、戦争の関係でいろいろな影響を受けておると思います。ただ、この戦争でいろいろな影響を受けた方々、いろいろな方面、各方面にいろいろな方がおられるわけです。そういう方々との政策上の均衡といいますか、そういうものもこの問題を考えるに当たっては一つの大きなポイントになるんじゃないかと思っています。 そういう点を踏まえますと、私どもとしては、中国残留邦人につきましては、他の、戦争でいろいろな被害を受けた方々等をも考慮して、可能な限りの措置を講じているんじゃないかと考えている次第でございます。
○松岡滿壽男君 おかしなことを伺いますね。非常に特異な存在だと思いますよ、残留孤児と残留婦人というのは。じゃ、ほかの戦争犠牲者、被害者との均衡というのは、具体的にそれじゃどれとどれとを対比して言われておられるのか、分かりやすく答えてください。
○政府参考人(三沢孝君) 例えば、戦争によりましてシベリアに抑留された方々がおります。そういう方々、シベリアでいろいろ御苦労されております。そういう方についてのこれまでの取扱いとの均衡、そういうものもあるんじゃないかと思っています。
○松岡滿壽男君 シベリア抑留の話が出ると、これまた話が長くなるんですけどね。 私も自民党時代、安倍幹事長のところに行って、一時話合いも付いたわけですけど、結果的には金杯ですか、という形になっているわけですよね。これ全く、これも気の毒な話だし、国家補償を求めているグループもあるわけでありますけれども。シベリアの場合は、まだやはり成人ですよ、抑留者の場合はね。私の父も三年抑留されたわけですけどね。だけど、これは子供なんですよね、子供なんですよ。大変な犠牲者なんですよね、これ。だから、もう少し前向きに考えていただきたいと思うんですけどね。 時間が参りましたから、再度お答えいただいて、私の質問は終わりたいというふうに思いますけれども。
○政府参考人(三沢孝君) 再度の先生から御質問でございますけれども、我々としては、その中国残留邦人の方々については、いろいろな状況を考えまして必要な対策を講じてきていると。 先ほど申しましたように、本年度、来年度から、新しく設けます、昨年度設けました中国帰国者支援・交流センター、これの本格実施を行うということでございますので、そのようなことで対策を講じていきたいと思っている次第でございます。
○松岡滿壽男君 終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 提案されている改正案につきましては基本的に賛成をする立場で、なお制度改善を求める、そういう観点で幾つか質問をいたしたいと思います。 三月の十九日の衆議院総務委員会で我が党の重野委員が指摘をいたしましたけれども、自民党議員が会長をお務めになっている軍人恩給議員協議会という団体があります。この団体の会合に恩給局長が出て説明をしたり、この会の機関誌が、片山大臣から特段の御配慮を得て云々と、こういう報道をされておるわけであります。 団体の正当な要求活動はよいとしても、恩給受給者にはいろいろな主義主張の人がおられることは当然です。旧軍人といえども、いや、むしろ赤紙一枚で戦争に取られて御苦労なさったゆえに、なおさら戦争を憎み平和を愛する方々がたくさんおられるわけであります。したがって、くれぐれもこの恩給改善の運動が特定政党の票集めの下請機関化をしたり、これに総務省が癒着しているのではという、こういう疑念を持たれたりということのないように、まず冒頭に一言申し上げておきたいと思います。 そこで、大臣に御質問をいたしますが、まず、恩給を裁定する機関が大臣ではなくて恩給局長となっています。先ほど来いろいろと答弁なさっていると、大臣の方が上で答弁なさっておりますが、これは単なる形式の問題ではなくて、戦前の天皇制軍国主義を支えた恩給法の上で、天皇の官吏であった局長が最終決定権者としていまだに残っているという、こういう制度なんだと思うんです。これは勲章に関する賞勲局長も同じだと思いますけれども、これは今の憲法の下で当然大臣に改められるべきものだったんですが、今日までずらずらと来ておると。 大臣はこの問題については是正する意向のようですけれども、改めてそのことについて確認を求めたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 衆議院の総務委員会で御質問がございまして、なるほど、年金なんかは大臣なんですね、あれ戦前、戦後、制度が変わったから。恩給は大体残っちゃいましたからね、途中中断がありましても。そこで局長のままだと、こういうことなんでしょうが、まあバランスを欠いているというなら欠いているというふうに私も思うんですけれども、実はその後、そういう答弁いたしまして、いろいろ帰って検討してみましたら、現在の恩給制度はもう新規に入る人はないんですね、新規に入る人は。それから、御承知のように八十一歳でしょう。八十一歳の現行受給者は高齢化しておりますから、ここで局長を大臣に変えたら皆さん混乱するんじゃないかと思いましてね。新規に入る人はいないし、もうお年寄りですからね、あと何年かと、そんなことを言っちゃいけませんけれども、そういうことなものですから、大臣を、ここで局長を変えるのもいかがかなと。 それから、ただ、異議申立てや審査請求の方は、異議申立ては局長なんですけれども、それに不服なら私に来るんです、審査請求は、大臣に。最終の判断者は大臣になっておりますから。まあ、ちょっとこれもはずが合わぬといえばはずが合わぬのですけれどもね。しかし、最終の判断がそこでできるということで担保されておりますから、衆議院では検討するとは言いましたけれども、検討の結果、わざわざ直す必要があるのかな、どうかなと今考えている段階でございます。
○又市征治君 いや、改めるのはやっぱりきちっと、大臣よりも局長が権限持っておるなんという格好のままのものを残しているというのは、それはおかしな話ですよ。 そこで、この元々恩給法は一九五三年にどうも再軍備の動きの中で復活をしてきた経過があるようですけれども、戦前の名残をやっぱり引きずった、今の問題もそうですけれども、ちょっと不十分な法制だというふうに言わざるを得ぬと思います。 それは、恩給の階級別な格差も色濃くまだまだ残っておる。召集されて、仕事を捨てて働かされたこの下級兵士と、特権的待遇をそういう意味では謳歌をしたと言っては言い過ぎかもしれませんけれども、兵士らの殺生与奪の権を振るった高級軍人が、もう戦後五十七年近くもたっても、そしてこの平和憲法の下でも、階級によって恩給の額が大きく差別をされている、こういう実態にあることは事実なんだろうと思うんです。憲法十四条の法の下の平等に反する、私はそんなふうに思います。 そこでお尋ねをいたしますが、旧軍人と遺族の全体で百四十万人、その平均が年額八十四万円とありますけれども、この下級兵士と他方の将官などの高級軍人ではどのぐらいの格差があるのか、倍率の問題でお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。 恩給は、公務員の退職当時の俸給を基礎として算定することとされておるわけでございますが、旧軍人の場合におきましては、従来から階級ごとに仮定俸給を設けまして、恩給年額計算の基礎としているところでございます。 このように、恩給年額は公務員の退職時の条件に応じて決定されるものであり、これは文官恩給にも共通する原則でございます。 しかしながら、旧軍人恩給における著しい階級差は必ずしも望ましいものではないことから、旧軍人恩給再出発に当たりまして、兵の階級の仮定俸給を兵長の階級に一本しましたほか、その後の仮定俸給の格差是正等においても、できるだけ下に厚く改善するよう努めてきたところでございます。 ちなみに、兵と少将の仮定俸給年額について比較いたしますと、終戦時に十二・四倍の差があったものが、現在は四・三倍の差まで縮小されておるところでございます。 また、階級の上下間格差を普通恩給年額について見ますと、少将の平均年額と在職期間において見合う長期在職者の最低保障額では三・〇倍、同じく少将の平均年額と最も額の低い層である実在職年六年未満の最低保障額では五・九倍となっておるところでございます。 なお、最低保障額保障制度の導入等の措置も講ぜられておりまして、終戦時に比較いたしますと階級による差は大幅に縮小されてきておるところでございます。 さらに、現在では、旧軍人の普通恩給受給者の八一・〇%が最低保障制度の適用を受けておりまして、同一実在職年における階級差は実質的にはほとんどなくなっております。
○又市征治君 今お答えいただいたように、言ってみれば、実在職六年未満の最低保障額が受けている方が八一%超、実際は長期、十二年以上もというのは、これは専門的なんですよね。だから、この八一%を占める人々と、今もう大将だとか中将だとかという方はもう御生存なさっていませんから少将だということなんでしょうけれども、五・九倍のやっぱり格差があるわけですよね。詰めてきたとおっしゃるけれども、私はもはや受給者はどなたも高齢になっているわけですから、正にこの生活給付的な観点に改めて、階級別を廃してフラット化すべきだと、こんなふうに思います。 そういう意味で、今ほど縮めてきたというお話がございますけれども、更にこのことについて縮めていく、こういう考えがあるのかどうか、改めてもう一度お聞きをいたします。
○政府参考人(久山慎一君) 先ほども申し上げましたように、従来から階級差の縮小には努力してきたところでございますが、恩給年額は公務員退職当時の俸給を基礎として算定することが恩給の基本的な仕組みとなっておるところでございます。公務員退職時の条件に応じて決定されることから、旧軍人恩給についてもある程度の階級差はやむを得ないのではないかというふうに考えるところでございます。 御指摘のように、旧軍人の階級によります格差を完全になくし、生活給としての恩給に改めることにつきましては、恩給制度の根本にかかわる事柄でもございますので、いかがなものかというふうに考えておるところでございます。
○又市征治君 全く納得できない答弁ですが、時間が余りありませんから次の質問に移り、その中で、もし大臣に今の問題についてもう少し積極的なお答えをいただければ有り難いと思います。 最後になりますが、私はこれを特にやっぱり強調今いたしますのは、今度の国会に小泉首相が有事法制を出す、再びそういう意味では戦争もできる国にしようと、こういう動きになってきていることに大変危機感を感じるからであります。 軍人恩給制度は、天皇の軍隊を死ぬまで働かせるためのメカニズムだったということで、敗戦後の一九四六年、いったん廃止をされたわけです。しかし、前述のように、多くのそういう意味では不十分さを引きずったまま復活をして今日に至っております。 今また、有事法制の中で、戦闘行為に対するお金の手当てだとか、傷病に対する褒賞を一般公務員より手厚くすることで、戦争国家体制作り、こんな動きがあるわけでありますから、そういう国家を挙げての愚行を絶対繰り返してはならぬ。大臣も一番冒頭のところで、本当にもうそんな戦争があったのか、こんなことを子供たちは知らない、こういうことでお話がございますけれども、そういう点では気持ちは一緒なんじゃないかと思うんですけれども、そういう意味で恩給も、軍への貢献度によってではなくて、平和な生活を奪い、また労役の末に命を奪ったことに対する国家補償として、国家補償として平等に見直すべきなんだろうと、こう思うわけです。 また、この観点から、いまだに恩給や国家的補償の対象にされていない、旧植民地出身で日本国籍を失った元兵士だとか、あるいは従軍関係者について制度を是非拡大をしていくように、是非そういう御努力をお願いしたいというふうに思うわけですけれども、このことについて大臣の御見解を承って、終わりたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 局長がるる御答弁申し上げましたように、恩給というのは、これ公務員の退職管理制度の一環だと位置付けられておりまして、そこに大変難しいところがあるんですね。 公務員、恩給の基本的な仕組み、性格をひっくり返すようなことはなかなかできないんですが、私も階級差が大きいというのは問題だと思っています。できるだけこれを縮めていくように、基本的な性格まではなかなか、あるいは仕組みまではひっくり返りませんけれども、今後とも処遇改善の中でできるだけ階級差を実質的になくするように努力したいと思いますし、それから、国籍をなくされた方につきましては、今の制度はかなりな制度を作っておるんですけれども、これもなお改善の余地があるかどうか、研究をいたしてまいりたいと思います。
○又市征治君 終わります。
○委員長(田村公平君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 恩給法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田村公平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後一時三十分まで休憩といたします。 午前十一時五十一分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、松井孝治君が委員を辞任され、その補欠として鈴木寛君が選任されました。 ─────────────
○委員長(田村公平君) まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に総務省情報通信政策局長高原耕三君及び総務省政策統括官稲村公望君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(田村公平君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本放送協会関係の付託案件の審査及び行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、日本放送協会の役職員を参考人として、今期国会中、必要に応じて随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(田村公平君) 次に、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) ただいま議題とされました日本放送協会平成十四年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づきまして、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。 まず、収支予算につきまして、その概略を申し上げます。 一般勘定事業収支につきましては、事業収入は六千六百八十七億円、事業支出は六千六百三億円となっており、事業収支差金八十三億円は全額を債務償還に使用することとしております。 一般勘定資本収支につきましては、資本収入、資本支出とも九百七十九億円となっており、放送設備の整備など建設費に七百八十四億円を計上しております。 次に、事業計画につきましては、公共放送の使命に徹し、視聴者の要望にこたえ、公正で迅速な報道や多様で質の高い番組の放送を行うとともに、新しい放送技術の研究開発等に積極的に取り組むこととしています。 また、衛星デジタル放送の普及促進や地上テジタル放送の開始に向けた設備の整備を行うなど、新たな時代の放送文化の創造を目指すこととしております。 あわせて、協会の主たる経営財源が視聴者の負担する受信料であることを深く認識し、業務全般にわたる改革を一層推進し、効率的な業務運営を徹底するとともに、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努め、視聴者に理解され、かつ信頼される公共放送を実現していくこととしております。 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。 総務大臣の意見といたしましては、これらの収支予算等につきまして、適当なものと認めた上で、協会は、受信料により維持される法人であることを十分に自覚し、受信料の公平負担を一層徹底し、公共放送としての使命達成に積極的に取り組むとともに、事業運営の適正性、透明性の確保を図ることが必要であり、また、事業計画等の実施に当たり、特に配意すべき事項を付しております。 具体的には、受信契約締結等の徹底、デジタル放送の普及に向けた取組、非常災害時等における緊急報道など取材体制の強化等の六項目であります。 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議の上、御承認のほどをお願い申し上げます。
○委員長(田村公平君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。海老沢日本放送協会会長。
○参考人(海老沢勝二君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成十四年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げます。 平成十四年度の事業運営に当たりましては、公共放送の使命に徹し、視聴者の要望にこたえ、公正で迅速な報道や多様で質の高い番組の放送を行うとともに、新しい放送技術の研究開発などに積極的に取り組んでまいります。 また、衛星デジタル放送の普及促進や地上デジタル放送の開始に向けた設備の整備を行うなど、新たな時代の放送文化の創造を目指してまいります。 あわせて、協会の主たる経営財源が視聴者の負担する受信料であることを深く認識し、業務全般にわたる改革を一層推進し、効率的な業務運営を徹底するとともに、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努め、視聴者に理解され、かつ信頼される公共放送を実現してまいります。 主な事業計画について申し上げますと、まず、建設計画におきまして、地上デジタル放送の開始に向けた設備の整備を行うとともに、ハイビジョン放送充実のための設備の整備や放送会館の整備などを実施いたします。事業運営計画につきましては、国内放送及び国際放送の充実を図るとともに、緊急報道に備えた取材体制の強化や放送技術などの調査研究を積極的に推進いたします。 以上の事業計画に対応する収支予算につきましては、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入六千六百八十七億四千万円、国内放送費などの支出六千六百三億五千万円を計上しております。事業収支差金八十三億九千万円につきましては、債務償還に使用することにいたしております。また、資本収支につきましては、支出において、建設費など総額九百七十九億八千万円を計上し、収入には、それに必要な財源として、減価償却資金など総額九百七十九億八千万円を計上しております。 なお、受託業務等勘定におきましては、収入九億三千万円、支出八億一千万円を計上しております。 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。 以上、日本放送協会の平成十四年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、そのあらましを申し述べましたが、今後の事業運営に当たりましては、一層効率的な業務運営を徹底し、協会に課せられた責務の遂行に努める所存でございます。 委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いし、あわせて何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(田村公平君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○景山俊太郎君 自由民主党の景山俊太郎です。 まず、昨年九月の十一日にニューヨークで同時多発テロが勃発いたしました。ニューヨークのシンボルでありました貿易センタービルが、旅客機の突っ込むことによりましてあの超高層ビルが黒煙を上げまして倒壊するという事態が発生をいたしました。それがリアルタイムに世界じゅうに伝えられたのであります。私たちも、大変あの映像を見まして衝撃を受けました。その後、その影響は、世界の経済、社会、いろんな状況に変化をもたらしました。 そういうことに当たりまして、NHKは、ニュースを即座に国内に送られたわけでありますが、それに対しまして随分御苦労やまた態勢、いろんなことあったと思いますけれども、そのNHKの御苦労話をまずお聞かせをいただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) この九・一一事件は、もう本当に世界が変わったと言われるほど全世界に衝撃を与えました。私どもも、第一報が入ってすぐ、協力関係にありますアメリカのABC放送のいわゆるヘリコプターによる生中継が入ってきましたので、その映像を使って午後十時の「ニュース10」から直ちに生放送に、定時放送を切り替えて放送に当たった次第であります。 本当に世界何が起こるか分からないような時代に入りました。そういう面で、この事件は、今後いろんな面で、今、先生おっしゃるように、世界の政治、経済、世界のいろんな面に影響を及ぼす事件だというふうに我々踏まえまして、全力を挙げてこの放送に携わってまいりました。 ニューヨークには特派員、要員合わせて九人、ワシントンに五人おりますけれども、これではとても手薄だということで特派員を更に送ろうとしましたけれども、御承知のように空港が閉鎖ということで、初動態勢、非常に困難を極めました。ただ、当時、アメリカにはほかの取材班と、あるいは休暇で休みを取ってアメリカに滞在していた人たち合わせて二十人がおりましたので、彼らは直ちに、取るものも取りあえず自動車なりいろんな方法を使ってニューヨークとワシントンに駆け付けて、取材に加わったということであります。 その後、アフガニスタンの情勢が大きく変わってまいりました。そういう面で、パキスタンのイスラマバードとあの周辺の国にそれぞれ特派員を派遣して、厳しい条件の中で取材に当たったというところでございます。
○景山俊太郎君 今、世界でいろんなことが起きますけれども、それが日本を含めまして国際社会に即座に大きな影響を与えると思います。報道機関は、非常に早く、しかも民族や宗教、また政治体制、歴史、そういったものの各国違いがあると思いますが、そういうものを踏まえまして、多角的な、また奥深い報道もしなくてはいけないと思います。そういった中で、またアメリカのCNNやイギリスのBBCといった世界有数の放送関係と競争もしなきゃいけないと思います。 そういう中で、NHKにおかれましても、今の体制よりもより専門的、又は取材体制、海外における体制、取材体制なども今後より発展をさせていかなくてはならないと思いますけれども、そういうこれまでの、去年、特に九月十一日のいろんな面を総括して、今後の体制についてのお考えがあればお聞かせをお願いしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 今、世の中は一国だけでは生存できません。そういう面で、世界各国、どこの国ともいろんな面での関係を深めなきゃならない今時代であります。それと同時に、また各報道機関、放送機関がそれぞれ競争の時代の中で多角的にいろんな面から取材しなければ対応できない時代になってきております。 そういう面で、私ども、世界の報道機関、放送局として、アメリカのCNNやあるいはイギリスのBBCと肩を並べて今仕事をしておりますけれども、そういう中で後れを取ってはなりませんので、今世界の三十の都市に総支局を設け、また今二十六の都市にストリンガーといいますか、現地の専門家を雇って、情報なりあるいは取材を今お願いしているところであります。それと同時に、今世界の四十四の国の六十数の放送機関と協力協定を結んで、いろんな面での協力関係をしているわけであります。それと同時に、今BS1で、十三か国の十九の放送機関から毎日ニュースを提供いただいて、日本でも放送しているわけであります。そのように、いろんな面で今、各放送機関、報道機関との関係を強化しております。 そういう中でまた、このシルクロードといいますか、中央アジアから中近東に掛けてのまだ取材体制が十分でありませんので、これからはアジアの、我々、報道機関として、更にこの中央アジアなり中近東の取材体制を今強化するように今準備をしているところでございます。
○景山俊太郎君 NHKは事件後もアフガニスタンに駐在されて継続的に報道されております。しかし、今後、アフガニスタンの報道関係について、アフガニスタンの国の中におきまして、NHKとして、特に放送関係で何か貢献されることがありますれば教えていただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども二十数年前、一九七八年にアフガニスタンの国営放送がテレビ放送を始めるときにODAの資金でこれを作ったわけでありますけれども、その際に設計から番組の運用まで協力いたしました。延べ十八人の職員を派遣して協力したわけであります。その施設が若干残っておりました。それを今使って一日数時間放送しておりますが、今度、私どもも、このアフガニスタンの放送の、テレビ放送の立ち上げについて更に協力するように、今、この前も外務省の方々と一緒に現地視察をして、いろんな面で協力することを最終的に約束してまいりました。 それと同時に、今、この前職員を派遣した際に、当面の取材なり放送ができる最低限の資材を提供してまいりました。それと同時に、教育番組とかあるいはそのほかの教養番組、そういうものを、四十七本のビデオを提供し、いつでも放送できるように協力したところであります。 今後も、今、外務省を中心にODAの資金を使って放送局を作るわけでありますけれども、その辺についてもいろいろな面で協力したいと思っているところであります。 それと同時に、この二、三日前に、カブールの北部で大きな地震が起こりました。これについても、今日から日本赤十字社と一緒になって、救援活動に我々も一役買おうということで、協力が今始まったわけであります。
○景山俊太郎君 海外報道も関心が高まる一方で、また使命として地域に密着した放送が求められてきますのがますますだと思っております。 この間私は、恐縮ですが、地元のことを言っては申し訳ありませんけれども、地元の島根に帰りましたときに、松江放送局七十周年の記念番組として、昭和五、六十年代に報道されましたNHK特集の「熱戦、隠岐徹夜相撲」というのと、それから「冬奥出雲山林地主の村」という報道を見ました。非常に感銘をいたしたわけでありますけれども、今、こういったNHKにおきましてはいろんな特集番組が全国各都道府県において在庫されているんじゃないかと思います。この隠岐の古典相撲の相撲を見ながら、昔のその在り方、また奥出雲の番組を見ながら、日本の田舎の伝統とか文化とか歴史、いろんな風習、そういうものを記録されて、これはいいなというふうに思いました。ところが、これが一般国民にいつも見せることができないのはどうなのかなというふうな感じも受けました。 そこで、埼玉県にアーカイブスを現在建設されておりますけれども、これはどのくらい進んでいらっしゃるのか、又は国民から見まして、そういうところに保存されていましても、これが宝の持ち腐れになってもいけませんので、時々情報公開といいましょうか、公開していただけるような機会があるのか、そういうことをお聞きしたいと思います。
○参考人(板谷駿一君) お答えいたします。 川口で今NHKのアーカイブス、映像とか音声をそこに保存するという活動をするために建設工事を行っております。来年の二月一日には本格運用になります。そこに百六十五万本の東京と、本部とそれから地方の番組が全部集まることになります。これをもちろん放送で使ったりするわけですが、使いやすくするわけですが、同時に、公開するということを考えております。具体的には、アーカイブスを訪れた方がそれを見ることができると、取りあえず本格運用のときには二千本をまず見られるようにします。それから、三年後には五千本を見られるようにする予定でございます。 そのほか、放送でもアーカイブスという放送、「NHKアーカイブス」という放送をしておりまして、日曜日の夜、過去の名作などを毎週必ず一回は放送すると。この二年間で百六十九本の番組を放送しております。 以上です。
○景山俊太郎君 来年はテレビ放送が開始されまして五十周年を迎えられます。そうして、いろいろな節目として記念事業とか記念番組等をやられるんじゃないかと思っております。 テレビ放送が始まりまして半世紀たつわけですが、放送は今、デジタル化やインターネットの急速な普及など、極めて変革の時代を迎えております。そうした中にありまして、公正で正確な、また迅速な報道、地域放送の充実とか最新の技術導入に向けまして先導的な役割など、公共放送NHKに期待される役割は非常に大きくなっておると思います。 会長に五十年の節目を迎えられまして御感想を伺って、私の質問を終わらせていただきます。
○参考人(海老沢勝二君) 今、急速にデジタル技術が進展してまいりました。それと同時にまた、インターネットが世界的に爆発的に普及する、いわゆるインターネット、ブロードバンドの時代に入ったと今言われております。ただ、私ども、放送と通信、今垣根が低くなり、融合すると言われますけれども、やはり放送、通信、新聞、それぞれのメディアはやっぱりそれぞれの特性を持っております。ある面では、お互いの融合する部分はそれぞれを補完し合いながら共存する時代だろうと見ております。 いつの時代になりましても、私ども放送の役割、公共性というものは変わるわけではありませんで、今後とも、いろんな新しい技術を導入しながら、やはり視聴者国民の生活を豊かにし、あるいは心和むような、視聴者国民を元気付け、勇気付けるような質のいい番組を作るというこの方針はいささかも変わらないだろうと私は思っております。 いずれにしても、この放送の役割、影響というのは大きいわけでありますので、そういう面で私どもは、新しい技術を使いながらも質の高い番組を一本でも多く作るのが我々の変わらざる使命だろうと、そう思っております。
○谷川秀善君 自由民主党の谷川秀善でございます。 景山議員に引き続きまして、NHKにお伺いをいたしたいと思います。 大阪の皆さんが大変期待をするというか願っておりましたNHK大阪新放送会館が昨年の十一月三日にオープンをいたしました。誠にありがとうございました。 これは、大阪市の難波宮遺跡から大阪城公園に至る連続一体化の構想の一環といたしまして、旧NHK会館の西隣に大阪市と一緒に建設をされたものであります。これは、大阪市の歴史博物館とNHKの新放送会館が合体して建っているわけですね。そして、そのつなぎといいますか、その間を球形の、ちょっと変わった設計ですね、球形の空間でつないでおりまして、非常にその球形の空間がにぎわっているわけですね。非常ににぎわいの場として活用されております。 この敷地は、皆さん御存じのように、いわゆる難波宮跡の遺跡のあるところでございまして、その遺跡は破壊をせずに地中に保存をいたしまして、遺跡の展示室も造ったりしながら一体化で活用されているわけですけれども、この開館以来大分たつわけでございますが、どれぐらいの利用者があるのか、まずNHKにお伺いをいたしたいと思います。
○参考人(板谷駿一君) 既に三十万人の、十一月三日にオープンしたんですが、三十万人の方が訪ねてくださっております。それで、そのオープンするまでは年間に四万七千人しかお見えになっていなかったので、その四か月で七年分ぐらいの視聴者の皆さんが訪ねてくださっているということで、私ども大変喜んでいます。NHKホール、大阪のホールもございますが、ホールにもお客さんが来てくださるし、それからBKプラザと一階のフロアで公開番組をやっているんですが、そこにもたくさんのお客さんが来てくださるという形で、視聴者との距離が縮まったんじゃないかというふうな感じもいたしますし、大変私どももうれしく思っております。
○谷川秀善君 今おっしゃったように大体、今までは一年間で大体約四万から五万、その辺のところだったわけですね。そして、たった四か月で三十万、これは一年に直すと相当な、何といいますか、視聴者なりいろんな方がその会館なり歴史博物館を利用されておられるということで、私は、NHKは公共放送でございますから、やっぱり視聴者のパイプを太くする、そしてNHKに本当に親しみを持ってもらうということが私は何よりも大切ではなかろうかというふうに思っておるわけでございますが、今後、視聴者を、視聴率を向上させるという点でどういう努力をされようと、またどういう企画をお考えでございましょうか、お伺いいたします。
○参考人(板谷駿一君) お答えいたします。 オープンしたてのときにいろいろ、「わが心の大阪メロディー」という、大阪の歌を主に大阪出身の歌手の方が歌うとか、「聖徳太子」という大型のドラマを放送したり、それから「上方演芸ホール」ということで、上方の芸能を紹介する番組などをスタートさせまして、この「上方演芸ホール」などはまだ今後も続けていきたいと思っております。 それから、関西のいろんな局が作りました非常にできのいい名作といいますか、そういうものを見せる、これは関西での放送ですが、番組もスタートさせる、新たに四月からスタートさせるとか、あるいは「今夜は見せまっせ」という、金曜日のゴールデンアワーといいますか、いい時間に、夜のいい時間に、月に一回でございますが、大阪のホールを使って番組を放送するとか、そういういろんな充実策を今考えているところでございます。 朝の連続テレビ小説「ほんまもん」はもう終わってしまいますけれども、これも大変いい成績だったし、それから「その時 歴史が動いた」という大阪が作っている番組もなかなかいいできなんで、この後も更に充実するように努めていきたいと思っております。
○谷川秀善君 大阪は、歴史的に見ましても、韓国だとか中国だとか東南アジアに非常に深いつながりがあるわけであります。だから、やっぱり東京はなかなかそういうことが非常に、つながりが歴史的に見て少ないと思いますので、やっぱりこういう、これからアジアの時代だと、こう言われておるわけでございますから、やっぱり関西でこの大阪、BKでその特性を生かして、東京と違った、一味違うものをどんどんと世界に発信をしていただければ非常に双方、両々相まっていいのではないかなというふうに思っておりますが、その辺のお考えはいかがでございましょうか。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、大阪放送会館を新築するに当たりまして、このBKとして親しまれた大阪でありますし、また西日本の一番の拠点であります。それと同時に、やはりアジアにもっと我々は目を向けにゃならぬだろうということで、アジア重視のいろんな番組を作っております。その拠点が大阪放送局だろうというふうに位置付けております。 そういう意味で、今、先生御指摘のように、この西日本の優れた伝統ある文化、あるいはまだその上にまた新しい文化を創造しなきゃならないわけであります。そういう面で、この大阪、新しい会館を十分に活用して、全世界にこれが放送できるような体制になっておりますので、更に西日本のいろんな歴史、文化、あるいは現在の生活ぶり、あるいはそういうものをひっくるめて総合的な編成をしながら発信していきたいと、そう思っております。
○谷川秀善君 おっしゃるとおり、大阪はアジア、東京の方はヨーロッパとかアメリカ、こうすると大体二眼レフみたいで非常にうまく私はいくと思うんですよ。非常にうまくいく。特性があるわけですから、同じことを、同じことを全部やったっておかしいんで、そういうことを是非お願いをいたしたいというふうに思っておるところでございます。 昨年の十二月に閣議決定をされました特殊法人等整理合理化計画によりますと、NHKは現行の組織形態のままで運営されることになっております。しかし、民放と違いまして、受信料を財源とする唯一の放送局でありますから、受信者に対して十分な説明責任を果たすためには、透明な、透明性のある経営を行う必要がありますし、また情報公開もする必要があると私は考えておるわけでございます。 そういう意味で、昨年七月以来、NHK内部で情報公開の仕組みを作って対応しておられると聞いておりますが、その辺どうなっておるのか、それをお伺いをいたしたいと思います。
○参考人(山田勝美君) NHKはこれまでも、先生が今指摘されたような趣旨から、財務諸表、業務報告書、経営委員会の議事録、こういったものをこれまで事業活動全般にわたってできる限り情報の提供に努めてきたところでありますけれども、去年の七月から、日本のマスコミ界ではそのトップを切って情報公開基準というものを設けまして、それに基づいて新たな情報公開の仕組みをスタートさせたところであります。放送による言論と表現の自由を確保しながら、視聴者国民への説明責任を果たしていこうということにしております。 今後、情報提供を一層推進していきますとともに、視聴者の一人一人の求めに応じてNHKが保有している文書を開示していく新たな情報開示ということで、視聴者の求めにきめ細かくこたえていきたいというふうに考えております。
○谷川秀善君 是非、情報公開、よろしくお願いをいたしたいと思います。 最後に、NHKは受信料によって運営をされているわけですが、最近、何かその受信契約が八〇%前後で頭打ちをしているということでございますが、是非NHKにおかれましてはこの点、対策をどう考えておられるのかお伺いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○参考人(安岡裕幸君) 受信料はこれからのNHK経営を成す根幹だということで鋭意強化をいたしておるところでございます。特に今、なかなか各家庭が昼間御不在だということで、その辺の理由というのが、単身の世帯だとか、企業の方の、学生さんとかいうこともございまして、訪問活動を極力やっていこうということをやっております。そういうことでございまして、利用者がおられる時間帯に、休日についても夜間についてもやっていくということで営業活動を様々強化しているところでございます。よろしくお願いします。
○谷川秀善君 どうぞ頑張ってください。 それじゃ終わります。
○世耕弘成君 自由民主党の世耕弘成でございます。引き続きNHKに対して質問をさせていただきたいと思います。 この六か月間、朝の連続テレビ小説で「ほんまもん」を放送していただきました。この舞台となっています和歌山県の熊野地方というのはこれは私の家族にとっては正に地元でございまして、そういう意味で今回のこの「ほんまもん」はいつになく一生懸命見させていただきました。また、地元でも主人公にちなんでロケ地跡を木葉の森という形で整備をして、日ごろなかなかスポットの当たらない過疎地ですけれども、非常にそういう意味でいいスポットライトを当てていただいたのかなというふうに思っています。 非常にいいドラマだったと思っているんですけれども、単にドラマとして良かっただけではなくて、非常に問題提起の仕方が良かったなと思っています。単純なドラマで済ませたわけではなくて、その中に、例えば林業の問題であるとか、あるいは都市と地方の問題であるとか、あるいは食の文化の問題であるとか、あるいは女性の社会進出に伴う家族の問題、子育ての問題、いろいろと時宜を得たテーマを非常に提起されたいいドラマだったなというふうに思っています。 しかし、今テレビ全体を見てみますと、残念なことに、こういう「ほんまもん」のようなほんまもんのいいドラマばかりではない。やはりバラエティー番組というのが非常に多くて、特に夜のゴールデンタイムなんというのをチャンネルを合わせると、どこの放送局でもお笑い芸人を中心として楽屋ネタで何か画一されたような番組ばかりが、少し姿は変えてあってもほとんど作り方は同じ、余りクリエーティビティーだとか文化だとかそういったものが入っていないようなそういう番組が多くなってきているんではないかなという思いがしております。 今、小泉内閣では片山大臣を先頭に特にブロードバンド化というのを進めております。当然ブロードバンド化に当たってはインフラを整備することも非常に重要ですけれども、一方で、その中で何を流すのかというのが非常に重要になってまいります。 今のテレビ番組を見ていると、果たしてブロードバンド時代のコンテンツたり得るものというのが果たして日本で作っていけるのか。一生懸命お金を掛けて光ファイバーだ、ADSLだ、あるいは放送のデジタル化だ、そういうことをやっていっても、結局、中に流れるものがハリウッドの映画であったり最近非常に勢いのある韓国や香港の映画であったり、そういうことでは私はいけないと思っています。 そういう意味で、私はNHKに関しては日本のコンテンツの正に作り手の先頭として非常に大きな期待をしておりますけれども、現在NHKとしてはコンテンツ作りのレベルアップ、そういったことに関してどういう取組をされているのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 今、技術革新によってマルチメディア時代、いわゆる多メディア・多チャンネルの時代になりました。いろんなそういう伝送路、そういうのができてきましたけれども、やはり先生今御指摘のように、番組の内容が大事なことはもう言うまでもありません。やはり質のいい番組をどれだけ多く作れるかということが我々の大きな課題であります。 番組を作るに当たって、やはり一番大事なことは人材です。人材をいかに育成するかということが我々の最大の眼目といいますか課題といいますか、いい人材がなければいい番組はできません。そういう面で我々は、できるだけ入社した者については研修なりいろんな形の勉強をさせながら、いかに放送倫理に基づいた質の高い番組を作るかと、そういう指導をしているところであります。 いずれにしても、それと同時にまた、我々だけではまたマンネリ化してしまいます。幅が狭くなる。そういう面で、外部のプロダクションの方々にも協力を得なきゃならぬだろうし、今、私、最近やっているのは、ハイビジョンによる外国放送機関、プロダクションとの共同制作であります。お互いにそれぞれの特色を生かしながら共同して番組を作っていこう、そしていろんな各国のプロデューサー、ディレクターの考え、物の見方、そういうことも参考にしながら質のいい番組をできるだけ多く作っていこうと、そういう方針で今やっております。
○世耕弘成君 非常に今人材の育成に注目をしていただいているということ、非常に安心をいたしました。さらに、社内だけではなくて外部の人材に関してもちゃんと目を配っていただいているということを非常に心強く思っています。 しかし、一方でテレビ業界というのは、例えば制作プロダクションあるいは現場で実際に作っているフリーランスの人たち、そういう人たちがなかなか勤労条件が悪かったり収入が非常に低かったりして、なかなか日本でそういう人たちが育つ素地がまだ弱いと思っています。そういう人たちが、例えばアニメーション作りだとかゲーム作りだとかそういう人たちが今、私は、これ下手をすると海外へ流出していくイチロー現象がこの分野でも起こってくるんではないかなという危機感を持っておりますので、NHKとしてもそういうところにも御配意をいただきたいというお願いを申し上げておきたいと思います。 で、そういういい番組も作っていただくNHKなんですけれども、このNHKに関して、社会的には一種脅威論のようなものが存在します。常に何か新しいこと、新しい分野へ行こうとすると必ず、一種横暴だとかNHKに全部独占されちゃうんじゃないかと、そういう声がすぐ起こるわけでございます。私は、ある意味、公正競争を確保するという観点から、独占力を持っている人、力を持っている人に対してある一定の規制を掛けると、これはあってしかるべきだと思っています。 例えば、電気通信業界ではNTTという会社は、これは家庭に最後の配線を事実上独占しているということで、一種、支配的事業者規制、ドミナント規制というのが掛けられているわけでございます。これを放送の世界で考えるときには相当慎重でなければいけないと思っています。ただ単にNHKが大きいからとか、ただ単に国民全部から受信料を集めているから支配的なんだという考え方ではいけない。やはりNHKのどういう部分が具体的に独占力を持っていて、どういう部分がほかの放送会社とかあるいはほかの情報提供をする会社に対して圧迫を与えているのかというのが明確に私は証明される必要があるんではないかと思っています。 そういう意味では、受信料を取っておられるNHKが放送の世界で何をやっても、私は広告料で成立をしている民放の経営に悪い影響を与えるようなことはないんではないかなと思っていますし、また、NHKがインターネットの世界で例えば関連の情報提供をされたとしても、私は逆に、それはインターネットの世界を圧迫するというよりはインターネットの世界に対していい刺激を与えるんではないかなというふうに思っているわけです。 もしNHKが例えば報道の情報をインターネットで提供するということがいけないのであれば、これは単にNHKの問題ではなくて報道機関全体の問題として、テレビや新聞といった本業で稼いだお金でインターネットで情報提供していることがインターネットだけで情報提供している人たちに圧迫があるというのであれば、それはまた全くNHKとはちょっと別の議論で考えていかなきゃいけないと思いますが、私はそれも、例えば英国の例なんかを見ても、BBCがインターネットに情報提供していてヨーロッパでは最もたくさんの人が見るホームページの一つ、ポータルサイトとして非常に位置付けられて、インターネットの世界の活性化にも役に立っているという例もありますから、これも私は単純にNHKがやっちゃいけないということにはならないんではないかなというふうに思っています。 で、世間でそうやって何となく感覚的にNHKは脅威だという議論が言われるわけですけれども、会長として、NHK、具体的にどういうところがその支配力を持っていると御自身でお感じでしょうか。で、どういうふうにこれから行動していこうと思われているのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) もう先生方御案内のように、NHKの予算あるいは決算はこの国会で承認を受けなきゃなりません。受信料の問題、受信料の値上げの問題も国会の承認得なければ決まらないわけであります。したがって、私どもこの十二年間、受信料を値上げしないで今の体制の中でいろいろ創意工夫をしながら事業運営をしているところであります。そういう面で、NHK、今巨大化、肥大化という批判ありますけれども、何をもって巨大化、肥大化というのは、私には分からないといつも言っておるところであります。 そういう予算の中で、我々事業計画を作り、そして承認を得るためにはこの国会にもお願いしているわけでありますけれども、そういう面で、私どもはあくまでも視聴者国民の立場に立って、視聴者国民に何ができるか、どういう貢献ができるかと、そういう視点でこのインターネットなり新しい伝送ツールにかかわっていきたいと、それはあくまでも視聴者サービスの高度化を図っていくんだと、そういう姿勢で今取り組んでおります。 私どもの放送業界、いろんな産業の方も放送業界に参入してきておりますけれども、したがって私どものNHKの放送業界全体に占めるシェアも年々下がってきております。四、五年前は二〇%ぐらいありましたけれども、今一七%台まで下がってきております。これはもう時代の流れでありますし。 そういう中で、問題はやはり先ほどから議論になっております質のいい番組をどう供給するか、どう放送するかであります。そういう面で、私ども今、できるだけこういう非常に不透明な時代、混迷の時代という中で視聴者国民を元気付ける、勇気付けるような番組を作ろうということで、いろいろ先ほどお話出ました、「ほんまもん」とかいろんな番組を作って視聴者のニーズにこたえていると、そういうのが現状であります。
○世耕弘成君 おっしゃるとおり、当然、公正競争政策も重要ですけれども、最終的にはユーザー、視聴者にとって便利であるかどうかというところが非常に重要ですので、そういう視点でお取組をいただきたいと思います。 最後にお伺いしたいのが、今IT戦略本部やあるいは経済産業省の産業構造審議会で議論をされています、今まで通信、放送、縦割りだったこの情報通信の世界の体系を横割りにしようと。インフラ、プラットホーム、コンテンツと横に分けていこうではないかという考え方が出てきておりますが、それに関して、正にそのユーザー利便の視点からNHKとしてどのようにお考えになっているかをお伺いをしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 放送は、我々には編集責任といいますか、我々の責任でニュースを取材し、番組を作り、それを視聴者国民に最後まで送り届けるという一つの一貫体制といいますか、一体的な業務運営をしているわけであります。これを分離した場合にどうなるかというと、例えば阪神・淡路大震災、今まだまだ続いております三宅島の噴火の問題、非常に日本は地震、津波、台風、集中豪雨、いろんな災害が多いわけであります。それを我々は、放送によって国民の生命、財産を守っていくんだと、あるいはまた日本の伝統文化を守り、また新しい文化を作っていくんだと。また、健全な民主主義育成のために資するんだという意味合いから、やはり一貫体制でいった方が視聴者国民のためになるだろうという姿勢を貫いてきているわけであります。ですから、アメリカでもこういうソフト、ハード一致でやってきております。 それは、話が長くて恐縮でありますけれども、タイタニック号が起こったときにSOSを発信し、いろんな電波を発信しましたけれども混信してこれが十分伝わらなかったと、そしてあのような大きな悲劇が出たんだと。そういう意味で、アメリカではその後、無線法ができましたけれども、やはりハード、ソフトを一致するということで現在まで来ているわけであります。我々日本の放送体制も、そういうアメリカの考え方、また日本のそういう災害が多いという特殊性から今日まで来ているわけであります。 今後とも私どもは、このハード、ソフト一致で責任を持ってやっていくのが賢明な方法だろうと、そう思っております。
○世耕弘成君 ハード、ソフト一致でやるという選択肢、それを是非NHK進めていただきたいと思いますし、それが正しいのかどうかについては、最終的にはこれは消費者が決めていくことだということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○沓掛哲男君 自由民主党の沓掛哲男でございます。 限られた時間でございますので、簡潔な御答弁をお願いしたいと思いますし、私も簡潔に質問いたします。 第一問は受信料についてでございます。NHKの組織あるいは業務、そういうものの改革や合理化を通じて受信料をもう少し下げるとかなんとか、そういうことができないのかどうかについて、最初お尋ねしたいと思います。 今、会長さんおっしゃられましたように、公共放送としての使命を果たしつつ、この十二年間料金を上げてこられなかったということ、それはそれなりに私は大変立派だと評価いたしますが、じゃ、この間において他業種、例えば電力はどうだった、通信費がどうだったと見ると、いつでも大幅に値下げをしております。東京電力は二〇〇〇年十月に五・三%引下げ、この四月一日に更に七・〇二%を下げることとしておりますし、通信費についてもこの数年で相当値下げをしております。 十年前、私もこの電力料金にいろいろ関与したんですけれども、下げろというときには全然応じてもらえませんでしたけれども、それに対して発電の規制緩和、そして料金コストをどういうふうに算定するかということについて、九電力の競争に対する競争原理、そういうのを通産省が一生懸命うまくやりながらやって、うまくいくかなと思ったんですが、その成果がやはり徐々に出てきているなというふうに思います。 そこで、じゃ、そうおまえは言うけれども具体的に何があるのかといえば、幾つか申し上げれば、一つは今、谷川委員が言われたように、やっぱり今受信をしながらも料金を払っていない人が二割程度ありますから、その料金をいただくことはもちろん大切です。 しかし、今受信料は六千四百億ほど入るんですけれども、徴収費の経費というのは六百四十億と大変高いんですね。その六百四十億も、いわゆる今おっしゃったように個人の家へ行って調達すると、これは掛かるんですが、そのウエートは二割ほどなんですね。八割は口座振替で二割程度がその金の掛かる部門ですから、やはりその辺をもう少し経費を節減できるように何かいろいろ工夫できないのか。画面を開いたら、おたくはまだ料金をあれしていませんからよろしくねなんとか、何とかそんなことができないのかどうか。それは漫画チックですけれども、そういう漫画チックな発想も大切だと思います。 それから三番目に、子会社をたくさんお持ちでございまして、内容も大変充実しております。そういう余剰金の還元ができないのかとか、あるいはまたNHKの調達取引を見てみますと、二千百億円のうち八割は随契になっております。競争契約しているのは二割です。もう少し競争原理が働かせられないのかな、そういう思いがいたします。 何はともあれ、公共放送という大変大事な使命、役割を果たしておられるわけですから、料金が云々というようなことも余りないのかもしれません。しかし、今申し上げたようなそういう面での徴収者への還元努力、そういうことができればなと思いますので、個々のものについてのあれは結構ですから、包括的な言葉を一言、会長さんからいただければと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私どもは、できるだけ視聴者国民に新たな負担を掛けないようにしていくということで、この受信料を十二年間据え置き、そういう中で、いろいろな経営努力してまいりました。 で、御案内のように、これから地上デジタル放送を二〇〇三年の末からやっていこうという、そういう国家的事業としてこれを推進することにしております。そういう中で、これからこの十年近くの間に設備投資が三千五百ほど掛かります。ですから、これをどういうふうに視聴者に新たな負担を掛けないようにしていくかというのが、私、これから経営の最大の課題だと見ております。 で、私どもこの三千五百億を、とてもこれはNHKの経営成り立ちませんので、今、民放各社にいろいろ呼び掛けて、できるだけ共同でやっていこう、また研究も共同で研究し、開発も共同でやっていこうと。そういうことで、この三千五百を二千五百億程度に圧縮しようというような努力をしている最中であります。それと同時に、今、五百五十九億の財政安定のための繰越金を持っておりますけれども、十四年度の予算からはこれを百十億ほどこれを取り崩して充てようという、そういう経営状態で来ております。 それと同時に、今、スポーツの放送権料も、近く始まりますワールドカップサッカーもそうですけれども、世界的なスポーツイベントは、年々上昇してきております。それと同時に、番組の出演者の出演料とかそのほかの番組経費は必ずしも減っておりませんし、ますます高くなってくるような状態であります。ですから、余りにもこれを削減、経費削減しますと番組の質の低下を来してしまうという、そういうおそれがあります。 そういう面で、私どもは今、いろんな競争入札とかいろんな方法を取りながらコストの削減、経費の削減ということで今、年間百億以上の削減をして、この四、五年の間でも五百数十億の経費削減をしてきたわけであります。それと同時に、受信料収入も今なかなか厳しい状況でありますので、できるだけ、この公平負担ということで七十二億以上の増収を見込んでおりますけれども、なかなか大変な状況と。そういう支出も出てくる、また新しい設備をせにゃいかぬということで、今、値下げということはちょっと私は無理な状態だと、そういうふうに申し上げておきます。
○沓掛哲男君 じゃ、二番目に移らしていただきます。 情報技術の進歩をNHK放送に導入して、更にサービスの質を上げるということだと思いますが、地上、今おっしゃいました地上波デジタル化が進められております。その設備投資とそれに伴ってのアナログ周波数変更対策の費用も大変巨額なものになると思います。今、会長さん、三千五百億その他いろいろおっしゃられましたけれども、二〇一一年まで掛かってやるとすれば、いろんなこの上がりとかいろいろのことを見れば、私は国民一人当たり一万円ぐらいの負担になるんじゃないかなというふうにも思います。 そして、しかし、それは国民にこれから負担してもらう、あるいはまたアナログ周波数の変換のときには、各家庭にそういう人たちも入っていろんな直すわけですから、やっぱり国民の理解というのが何よりも必要であり、やはりこういうものをするに当たってメリット、そういうものを国民にしっかり訴え、そしてまた、その費用もまた訴えていく、そういうふうなことが是非必要ではないかなというふうに思います。 メリットとして、私ら昔、漫画で、相撲などがテレビで、声だけじゃなくてテレビで見れるという、そういうのを見て、わあ、そういう時代が来たらなと思っていたんですが、そういう時代がやってきましたし、私は自分自身で今一番欲しいなと思うのは、大変帰る時間がイレギュラーでございますから、帰ってから、今日五時からあったあれが何だったかなと思ったら、すっとダイヤルを回すとそのやつがさっと出てくるとかね、そういうようなものが出てきたらすばらしいなというふうな思いもいろいろいたします。何かそういうふうな目立ったメリット、そういうものをしっかりと国民に、受信者を中心とした国民に訴え、そしてその理解を得ながら是非進めていただきたいと思います。 これはお願いでございますので、次に移らしていただきます。 三番目は、番組についてお話しさしていただきたいと思います。 前、NHKさんでは、「プロジェクトX」とか「NHKスペシャル」あるいは「クローズアップ現代」、昨日の晩は「ためしてガッテン」、「その時 歴史が動いた」などなど、すばらしいものをたくさんやっておられますが、私は、もう一つこれからNHKさんにお願いしたいのは、やっぱり志ある放送をお願いしたい。 じゃ、おまえの言う志とは何かというと、これからの日本にとって私は一番大切なことは、やっぱり、これは私が言っているというより何人かの人が言っているんですけれども、一人としては、七年前に、前のクリントン政権のサマーズさんが日本政治の二つの問題点として挙げて、その一つが、想像力豊かな青少年の育成に問題があるんじゃないかという。もう一つは市場、資本市場の話ですけれども、それは関係ないんでやめますが。 そういうふうに、やっぱりこれから、その多彩な子供たちに大いにいろいろな面で活躍していただく、そういう青少年の心の育成、そういう面で、私は是非テレビにもその一役買っていただきたいなというふうに思います。 昔からの言葉で、私は、いわゆる財を残すは下である、そして仕事を残すは中であり、そしていわゆる人を残すは上であると言うように、やっぱり人材というのは先ほど来の話でも一番大切ですし、是非そういう面でいろいろな想像力豊かな、そういう子供の教育。 そういう面ではいろんな番組はあるんですけれども、例えば、私はこういうことを申し上げたいんです。 今、海外において戦前から今まで日本人で銅像が残っているのが三つあるんです。その三つの一つは、いわゆる台湾の南の西の方にある嘉南平野、そこが非常に荒れ地だったんですけれども、今は沃野になっています。それは、その上流に、昭和の初め、日本がアースダムを、今でも世界一のアースダムなんですが、それを造ったことによってそういうことが達せられ、以前にはオランダも清朝もやろうとしてできなかったことをやった。そして、やったその八田與一さんという人は地元の人と一緒に汗にまみれながらそのことをやったんだと思います。 ですから、その八田さんの銅像だけは村人が守って、そして私らも、石川県の人ですが知らなかったんですが、十数年前に、命日の五月八日にはその村人が集まっていつもその遺徳をしのんでくれているということが分かって、石川県からも毎年五月八日にはその慰霊祭に参加いたしております。三年前に台湾の教科書、歴史の教科書にも載りましたし、地元で記念碑も作ってくれました。 そういうふうに、日本人は海外へ行って悪いことばっかりしたんじゃないかという、そういうことは決してないんで、立派なそういう人たちが国際的なその役割を大いに果たしてくれている。 その人は、ちょうど戦争が始まってマニラへ軍務命令で行く途中、船で沈んだのが昭和十七年五月八日の命日の日なんです。 まあ三十秒で。 その奥様も立派な人で、金沢の兼六園の下の米村というお医者さんの娘さんでしたが、ちょうど終戦になって、そして、日本人は全部、台北に集まれというその日、そこの烏山頭というところですけれども、そこで主人の造った水路口に飛び込んで亡くなるんです。 そういう非常に感動的なのを是非、そういう子供たちの分かりやすい物語として、国際化協力とはこういうもんだというような、人間性の表れたそういうものを是非やっていただきたいなと。 ちなみに、あとの銅像を申し上げると、一つはアフリカのガーナにある野口英世なんです。この人のことも私ら非常に心を打ちました。もう一つは、これはちょっと余りお願いすることじゃないんですけれども、高山右近さんがマニラで銅像ができて、現在、日比友好公園のところに建っています。その三人なんですけれどもね。 そういう物語を是非こういうところに、子供に取り入れて、木曜日とか金曜日の四時ごろからやって、先生もそういうのを見なさいという、そういうことを是非やってほしいなと思います。 それから、もうこれから時間がないのでお願いばかりですけれども、二番目は、私は是非、浪曲とか講談なんかの、これはラジオではありますけれども総合テレビでも是非入れていただきたい。今は、何か言うと、ぎくしゃくした権利義務とかいう話ばっかりですけれども、やっぱり人間、日本人というのは、義理人情も尊ばにゃいかぬし、またいわゆる勧善懲悪ですね、弱きを助け云々という勧善懲悪、そういう心も、実にこれを聞きながら培えるんで、そういう点もまた御配慮いただきたいと思いますし、また三番目には、日本のこのニュースを海外に是非、いろいろ流してくれていますが、流す。特に、アジアには現地語と英語で流すようにきちっとしていただくことが国際化の面でも非常に有り難いなと思います。 最後に、お礼とお願いですけれども、大河ドラマは今年は加賀百万石を背景として前田利家とまつのお話をやっていただいて、大変感謝しております。 ただ、私、大河ドラマ好きですからずっと見てきているんですけれども、大河ドラマの特徴があって、中たるみをして、最後になるとぱたぱたぱたっと走っていくし、回想のシーンも非常に多いですし、特定の人が出過ぎること、今で言うとまつさんとおねとはるさんの非常にウエート高いんで。 そういうことも大切ですけれども、やっぱりもう少し史実のことも入れてほしいな、あの戦いの中で一向一揆というのは大変な苦労をするんです。そしてまた、末森城の決戦というのは、このまつとはるのお父ちゃんが決戦やるわけですから、そういうようなところもちょっと入れていただくと、なるほど、今こうやって平和にこうしておれるのも、そういういろんな犠牲の下にあるんだな、社会に感謝しなければならないなという、そういう思いがいろいろあると思います。 もう時間も来ましたので、この後の方はお願いですから、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○南野知惠子君 自由民主党の南野知惠子でございます。 まず、インターネットの教育への活用についてお伺いいたしますが、インターネットは学校現場でも教育のための重要なツールになっておる、そのように思っております。平成十七年度末までには全国の公立小中高等学校で高速インターネットがつながることが国の目標として定められております。その中で、NHKでは、インターネットと教育番組を連携させた様々な実験を取り組んでおられると聞いております。NHKのこうした取組は教育現場からも大いに期待されております。この四月からは、新しい学習指導要綱に沿いまして総合的な学習の時間が始まりますが、教科書のないこの科目では、放送とインターネットを組み合わせたNHKの教育番組を頼りにしている先生方も多いのではないかなと思っております。 そこでお尋ねしたいのですが、NHK教育テレビジョン局が日本で最初の教育専門テレビジョン局として開局したのは昭和三十四年であるとお聞きしております。当時としては世界唯一であったというふうにもお伺いしております。今後、教育テレビジョンがどのような役割を果たしていくのか、基本的なお考えをお示しいただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 今、先生のおっしゃるように、私ども昭和三十四年、一九五九年から教育テレビを立ち上げました。これは、日本だけでなくて、世界で初めての教育専門チャンネルであります。もう四十数年たちまして、今、世界各国も私どものような教育専門のチャンネルをやる国が多くなってまいりました。お隣の韓国、中国等も教育チャンネルを作りました。 私は、やはりいつの時代でも、教育はどこの国でも国家百年の計と申します。非常に教育は大事であります。私ども、放送を通じて、全国くまなく、あまねく放送できるという、そういう利点を持っておりますので、やはり放送を通じたこういう教育的な、あるいは教養的な番組を流すことによって教育の機会均等といいますか、そういうことも図れるだろうし、あるいはまた、これからは高齢化社会を迎えますので生涯教育なり、あるいはまた、今、先生おっしゃるような小中学校のいわゆる総合的な学習の時間もだんだん増えてきます。 そういう中で、放送の役割はますます大きくなるわけでありますから、今後とも、私どもこの教育チャンネルを大事にして、更に充実させていきたいと、基本的にそう考えております。
○南野知惠子君 ありがとうございます。 また、放送によります教育番組を一層充実させていただくためには、インターネットによる活用というものがあるだろうと思いますが、その点についてもお伺いいたします。
○参考人(板谷駿一君) お答えいたします。 先生御指摘のように、公立の小中学校がインターネットで結ばれるということが進みつつあります。そうした中で、私どもの番組もインターネットに流すと。それからさらに、子供さんたちが関連の、例えばお米ならお米の番組を作った後、発芽がどうなるかとかいろいろ、いろんな二分ぐらいのセグメントをデータベースに入れておいて、子供さんたちが興味を持って、もっと勉強してみよう、ここのところを知りたいというふうな仕組みができると。 それから、ホームページに、子供さんたちが、生徒さんたちがお互いに情報交換したりして、あちらの町とこちらの生徒さんたちがお米について話し合うとか、そういうふうな形の仕組みを今やろうとしております。これはお米だけじゃなくて、「にんげん日本史」とか「川」とか「ふしぎいっぱい」とかいろいろな番組でインターネットを使って教育に資する、そういう番組を今開発しているところでございます。
○南野知惠子君 ありがとうございます。 これから学校教育が五日制になりますので、その点も併せながら御協力いただきたいと思っております。 次は、男女共同参画社会、その実現に向けてお尋ねしたいんですが、社会の少子化、高齢化、これの進展や社会経済情勢、そのような急速な変化に対するためには、男女共同参画社会の実現が大きな課題であろうかと思っております。平成十二年十二月に男女共同参画基本計画、これが閣議で決定されて以来、国民的な取組が次々と推進されておりますが、そこで、少子化問題への理解を深め、更に離婚という問題や、また職場環境など、女性が働きやすい、生活しやすい社会環境作りが必要であろうと思っております。 そのような状況の下で、NHKが公共放送として男女共同参画社会の実現に向けて社会をリードしていっていただくにふさわしい番組の取組、これをどのようにお進めいただけるのか、お伺いいたします。
○参考人(板谷駿一君) お答えいたします。 先生の御指摘のテーマというのはいろんなレベルの番組で取り組まなければならないと思うんですが、具体的にはやはり女性が働きやすい環境作りをしていくとか、家庭内での家事の分担の在り方とか、社会で活躍する女性たちの生活を描くとか、こういうのは、我々、生活情報番組ということで具体的な番組で取り上げております。 例えば、この間も「生活ほっとモーニング」という朝の番組で、ある夫婦が家事の分担に取り組む具体的なケースを追いながら、夫と家事をうまく分担、家事をどう分担していくかというようなことをテーマでやりました。そういう具体的な生活の部分と、大きなテーマではやはり男女共同参画社会、この世界的な潮流を取材するとか、日本における流れを取材、放送するというふうな形でのNHKスペシャルなども作っておりますし、今後とも、引き続きいろんなレベルで男女共同参画社会ということを念頭に置いた番組を作っていきたいと思っております。
○南野知惠子君 家庭の問題も大変なことであり、ついこの前DV法など、我々法律作成いたしました。それもいい形でお使いいただくとうれしいというふうに思っております。 最近、子育てに戸惑いを持つ若い方たちが男女とも増えてきているように思います。また、児童虐待など、あってはならない出来事が報じられている昨今でありますが、子供は社会の宝、国の宝、地球の宝でもあります。そういう意味では、大人の役割は、子供がすてきな大人に成長していく、そのような環境作りにあるのではないかと思っておりますが、メディアはその分野におきましても大きな影響を与えておられる、また影響を持っておられるというふうに思います。 そこで、人間性の教育、中でも性教育ということについては、家庭や学校で努力はされておりますけれども、大変難しい課題であろうかなと思っております。そういう意味では、生命誕生の神秘さ、又は生命の大切さ、男性女性、人と人とのきずな、家庭、家族のきずな、世代間のきずな、全部言っちゃうわけですが、社会のきずな、国際交流の点などについても、また具体的には医療、看護、介護、リハビリ、それから救命救急、今話題になっておりますが、等々、生きる力を、人として育ち、育てられる喜び、また仕事をする喜び、そういうものを特に公共放送であるNHK、期待されている面が多いというふうに思っておりますが、どのような番組作りに精を出していただけるか、お伺いいたします。
○参考人(板谷駿一君) お答えいたします。 今お話しの中に、子育てのことも触れられていらっしゃったと思いますが、子育てもやはり大事なテーマで、NHKでは教育テレビで「すくすくネットワーク」、「まいにちすくすく」とか、そういう番組を作っていますが、これもお母さん方がインターネット上でいろいろ情報交換しながら、お母さんたちのある種の結び付きとかきずなとかネットワークができているように思います。 〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕 そのほか、私どもの番組の中では、「にんげんドキュメント」という人の生き方を描いた番組などは、やはり人間の家族の結び付きの大事さとか人と人との結び付きの大事さとか、総体に私どもの番組はそういう番組が多いのではないか、そういうものを我々たくさんやっているんじゃないかというふうに私は思っておりますが。
○南野知惠子君 本当にいい番組を一杯作っていただいております。海底の神秘さなども、本当に自然の問題については我々感銘を受けるところが多いわけでございます。是非、そのようなマインドで続けていっていただきたいと思っております。 次は、障害者向けの番組でございますが、三月七日から十六日間、ソルトレークシティーでパラリンピックが開催されました。また、障害を持つ選手がパラリンピックで活動されたわけですが、その前に開かれたオリンピックに劣らず活躍された様子は多くの人々に強い印象と感動を与えておられます。 NHK職員でおられる大日方邦子さんも、アルペン女子大回転又はアルペン女子回転の選手として大活躍を見せてくださいました。多くの人々を元気付けてくださいましたし、またメダルも取っていただけたということでございます。おめでとうございます。そして、そのような感激をありがとうございます。 また、NHKにおける障害者雇用率というものについても少し調べてみましたが、雇用促進法に義務付けられている雇用率にほぼ達しているということは大変うれしく思っているところでございます。是非、その分野についても高率で維持していただきたいものと思っております。 そこで、障害を持つ方々に対して、放送の面でございますけれども、字幕放送、それからもう一つは解説放送、これもいろいろと取り始めておられますが、障害者サービスを公共放送として今後どのように更に進めていかれるのか、具体的な計画がおありであればお知らせいただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、障害者のある方、あるいはない方もともにお互いが理解し合いながら、ともに手を取り合いながら共生できるようないい社会を作っていきたいと。そういう面で、この字幕放送、解説放送も人に優しい放送というふうに位置付けて今強化をしているところであります。 十四年度も、字幕放送は対前年比二億五千五百万ほど上積みして十億七千六百万円を掛けて字幕放送を強化しております。また、解説放送の方も、対前年比四千万増やしまして一億七千万ほど解説放送にもつぎ込んでいきたいと思っております。 いずれにしても、字幕放送につきましては、政府のそういう行政指針といいますか、これが十九年までに一〇〇%を達成するようにという目安がありますけれども、我々はそれを一年前倒して平成十八年で一〇〇%を達成しようと今努力しております。 いずれにしても、障害者の方、人に優しい放送ということで更に充実させていきたいと思っております。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 公共放送であるNHK、そのNHKは視聴率を気にせずに是非頑張っていただきたいです。また、料金も上げずに、哲学を持って放送の王道を保ち続けて歩いていただきたいと思います。 終わります。
○岩城光英君 自由民主党の岩城光英です。 私は、まず、住民に身近な地域放送の充実、そういった観点から質問をいたします。 今、我が国は極めて厳しい経済情勢にあるわけですが、そうした中にありましても、生き残りを懸けて必死に頑張っている企業や、あるいはたくましく暮らしている方々が多くいらっしゃいます。そして、それぞれの地域の特性を生かして、例えば食料問題や高齢化対策、環境問題など、取り組んでいる方々もいらっしゃいます。 こういった姿をNHKが全国に放送することによって情報の交流を図り、またほかの地域の方々に励みになる、そういったことも可能ではないかなと思っております。また、それが日本経済を再び活性化させることにもつながるきっかけになるんじゃないかと、こんなふうにも期待をしております。そして、それぞれの地域の持つ固有の文化を紹介したり、あるいは地域の課題、問題等について討論、議論をする、こういった番組等もつくることによって地域の活性化にもつながる、それがまた全国的にネットワークを誇るNHKの大きな役割ではないかと思っております。 そういったそれぞれのNHKの地域の放送局が小まめに情報を拾い上げて地域独自の放送を組み立てていく、そしてそれを全国に放送していくことが極めて大事だと思っておりますが、その考え方、取組方についてお伺いいたします。 あわせまして、私も以前から何度か質問をさせていただいておりますが、例えば私の住む福島県の南部の地域は、東北ブロックのニュースはもちろんでありますけれども、関東ブロックの、とりわけ隣接県のニュース、情報等について極めて関心が高いわけであります。こういった行政の境を超えた放送のあるいは情報の交流といった面、全国的に要望も多いかと思われますが、これらにつきましての取組につきましてもお伺いをいたします。
○参考人(海老沢勝二君) 我が国の行政区分が県単位で行われております。そういう面で、私ども、各県にそれぞれ放送局を設置して地域放送の役割を果たそうということはしております。全国で、北海道が七つありますので、五十四局持っているわけでありますけれども、放送というのはやはり地域に根差さなければなりませんし、また地域のそれぞれ優れた文化を全国に発信すると、そういう使命を持っております。そういうことで、基本は地域放送が充実しなければ全国放送も良くなりません。そういう面で、私ども、地域放送を更に充実強化しようというのが大きな課題として取り上げているところであります。 それと同時に、今委員御指摘のように、隣接県との結び付き、これをもっといろいろな形で考えてみたらどうかという御指摘、これも前々から先生から御指摘を受けております。そういう面で、関東は広域放送でありますから各県きめ細かい放送できませんけれども、福島とかあるいは静岡県の伊豆半島、これも含めて我々は東京からも情報を発信しようということで、「関東甲信越小さな旅」というものを関東甲信越を取ってただ「小さな旅」ということで、そういう福島県なりあるいは伊豆半島とか、そういうものを含めて今番組を作っております。 そういう面で、できるだけ隣接県についてはいろんな配慮といいますか、関心があるものについては一緒にやっていこうと、そういう姿勢で今取り組んでおります。
○岩城光英君 次に、NHKの「スポーツ教室」についてお伺いいたします。 教育テレビの「スポーツ教室」は昭和三十六年から始まったと伺っております。小学生、中学生あるいは高校生といったジュニアを対象にアマチュア競技の技術や練習方法を紹介してこられました。これまで七十種目ぐらいの競技が取り上げられたようであります。テニスとかゴルフといった競技人口が多いこういったスポーツは民放でも紹介できるんですけれども、競技人口の少ないスポーツにつきましてはやっぱりNHKさんにお願いすることが多いのかなと思っております。 さて、トライアスロンという競技があります。水泳と自転車とランニング三種目を合わせて行う競技であります。これは鉄人レースというイメージがあるんですが、高齢者の愛好者も多いわけですし、私自身も六年前からこの競技を楽しませていただいております。ここ数年間は年に五、六回の競技に、大会に出ております。この水泳と自転車とランニングを三種目やることによりまして、筋肉が、それぞれ使う筋肉が違うんですね。ですから、全身をバランス良く鍛えられるいいスポーツだとも思っております。 シドニー・オリンピックから正式なオリンピック種目になりました。現在、国内で競技登録者は二万人、それから愛好者が二十九万人おります。そして、全国で二百回に及ぶ大会が開催されております。 私は、子供のころは一つの競技に偏るんではなくて、バランスよくいろんなスポーツをした方がいいと思います。そういう意味では、この三種目兼ね備えたトライアスロンは最適ではないかなと思っております。 日本トライアスロン連合でも、平成十四年度から全国の小中高校へこのトライアスロンの普及に向けましたビデオとかテキストを配付して、指導者あるいは競技者、愛好者の育成を図っていくということでありますけれども、そういった中で、関係者から是非とも「スポーツ教室」にトライアスロンを取り上げてほしいと、こういう強い要望がありましたので、何とか実現に向けてお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(板谷駿一君) 今、トライアスロンの件で、その前に「スポーツ教室」の件なんですけれども、これは教育テレビで毎週土曜日の午前十一時十五分から十一時四十五分まで三十分間放送しているんですが、これは小学生、中学生、高校生といったジュニアを対象にしております。そのために、ジュニアに関してはトライアスロンをやっている方はまだ非常に私どもは少ないと聞いていたものですから、「スポーツ教室」では取り上げるに至らなかったということでございます。 〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕 ただ、「スポーツ教室」では、トライアスロンに全部含まれている遠泳とか自転車とか長距離はばらばらにしながら放送はいたして取り上げてまいりました。長距離については新年度にも放送する予定でございます。それから、トライアスロンについて、プロのワールドカップトライアスロンについては年間十一本ぐらい放送しておりますので、これは続けたいと思っております。 ですから、トライアスロンについては競技人口などを今後踏まえて考えていくと。どのぐらいの方がいらっしゃって、子供さんはどのぐらいまだいらっしゃってやっていらっしゃって、「スポーツ教室」で取り上げるにふさわしいかどうかというふうなことを少し研究することは必要かというふうに思っております。
○岩城光英君 確かに、まだジュニアの愛好者は少ないかも分かりませんけれども、先ほど申し上げましたとおり、バランスよく体力を維持する、健康増進のためには最適なスポーツでもありますし、私どもも、底辺を拡大するためにも子供たちにこの競技に取り組んでいただきたいということが今大きな課題でありますので、そしてまた、トライアスロンのようにいろんな種目をやることによって、将来、トライアスロンだけではなくてほかのスポーツ、これの技術力向上にもつながるものだと、こう思っておりますので、よく御検討いただきたいと思います。 さて、子供たちの話をしましたけれども、次は青少年を取り巻く情報環境の在り方について二点ほど質問させていただきます。 少年の非行とか事件が相次いでおりまして、子供たちの心の荒廃、これが危惧されるところであります。メディア、とりわけテレビが心身ともに発達段階にあります青少年に与える影響、極めて大きいものがあろうと思っておりますし、そういったことから、子供たちに良質な番組をという声、あるいは夢と感動を与えるような番組を作ってほしいという声が日増しに大きくなっているように感じております。 NHKと日本民間放送連盟の提案によりまして、平成十二年の四月から放送と青少年に関する委員会が設置されまして、様々な取組をされまして成果を上げていることを非常に心強く思っておりますし、更に充実した活動に取り組んでいただきたいと思っております。 そうした中、NHK放送文化研究所におきましては、このたび、子どもに良い放送プロジェクト、これを立ち上げると伺っております。このプロジェクトの目的は、教育学とか心理学、小児医学、大脳生理学など関連分野の第一人者や先端の研究者の方々の英知を結集して、メディアの情報と子供たちの発達の関係を明らかにし、その学術的根拠を探り、子供たちに良い情報環境を提案すると、構築していくということでありますが、この計画で将来NHKとしてどのような成果を目指しているのでしょうか、お伺いをいたします。
○参考人(板谷駿一君) お答えいたします。 調査自身は、平成十四年度に生まれた千人の子供さん、それと三歳、六歳、九歳、十二歳の子供各百人で千四百人を十年にわたって調査していくということで、テレビなどがどういう発達に関係してくるかと、子供の発達に影響しているのかということを、今まではっきりした研究がないんで、メディアの情報と子供たちの発展の関係を学術的にしっかり根拠を探ることをしたいと。 そして、子供に良い情報環境を目指すためのものということなんですが、やっぱり調査内容としては、映像メディアが子供の心とかコミュニケーションの能力とか言語能力とか情報活用能力とか、そういうものにどういうふうにかかわっているんだろうかと。それから、いい放送をすると子供の成長に、健全な成長にどうプラスになるのかと、マイナスはどうだろうかと、悪い放送をするとと言うのは語弊があるかもしれませんけれども、そういうことを研究して、それを、すぐには結論出ないわけですけれども、その成果を具体的に番組に生かすということも併せて研究していきたいと思っております。
○岩城光英君 最後の質問になりますが、メディアリテラシーについてであります。 テレビ番組などを的確に判断するために必要な知識、技能を育成するいわゆるメディアリテラシー教育、この重要性に今注目がされております。 私は、平成十二年の三月、当時の交通・情報通信委員会で当時の郵政省に対してこの質問をさしていただきました。平成十二年の六月には、放送分野における青少年とメディア・リテラシーに関する調査研究会の報告書がまとめられているところであります。この報告書を受けて、メディアリテラシーの向上のためにはどのような取組が現在なされているのでしょうか、総務省の方にお伺いをいたします。
○大臣政務官(山内俊夫君) 岩城委員とはもう同期でございまして、常に岩城先生の教育とメディアに関するいろんな関心の深さには感服をいたしております。 今回、メディアリテラシーに関する質問でございますが、心身ともに成長過程にあり感受性に富む青少年が、メディアからの情報を単にうのみすることなく主体的に読み解く能力としてメディアリテラシーを向上させていくことは大変重要であると思っております。 総務省は、この実は報告書というのが出ておりまして、その報告書の提言を踏まえまして、昨年七月に、小中学生を対象としたメディアリテラシー教材を部外の教育専門の人たちに委託をいたしまして開発をいたしました。全国の教育委員会やPTAを始め、教育関係者などに約二百か所配付することをいたしておりまして、それを通しましてメディアリテラシーの向上に努めておるところでございます。 総務省といたしましては、放送法の目的であります放送の健全な発展を図る観点から今後とも努力してまいる所存でございます。どうぞ御理解の方、よろしくお願いいたします。
○森元恒雄君 自由民主党の森元恒雄です。 民間放送中心のアメリカ、公共放送中心のヨーロッパに対しまして、日本はNHKと民放各社という公共、民間併存型であります。そういう中で、私は、公共放送としての使命を担っているNHKとしては、国民の強制的な性格のある受信料で経営が成り立っておるわけでございますので、基本的なスタンスとしては、やはり民間放送がやらないこと、民間放送ではできないことを中心として、質の高い多様な国民のニーズにこたえる放送を中心として努力をいただきたいなと、そんなふうに思っております。そういう考え方に立って、以下数点お聞きしたいと思います。 まず第一点は、この四月一日から施行されます学校の完全週休二日制の関係でございますけれども、ゆとりのある教育を実現させようということでこの週休二日制が導入されるわけでございますが、しかし、せっかくできたこのゆとりの時間が朝寝坊をする時間であったり家でごろごろするだけで使われてしまうというんでは、一体何のためのゆとりかということになろうかと思うんです。 そういう中で、この教育に果たす放送の役割というものが非常に従来から大きいかと思いますが、今まで学校教育の場面で放送を使うということを中心に運営されてこられたんじゃないかと思いますが、この週休二日制に伴いましてNHKとしても事業計画の中で特に土曜日の番組編成を刷新するという方針を既に打ち出しておられるわけですが、もう少し具体的に、どういう内容のものをどういう形で放送されるのか、その点お聞きをしたいと思います。
○参考人(板谷駿一君) お答えいたします。 御指摘のように、公立小中学校、完全週五日制ということで、土曜日の子供たちの在宅率が上がります。そこに向けて、午前、土曜の午前九時から十一時四十五分を週末キッズタイムとして一つ、目玉の番組としては「科学大好き 土よう塾」という番組をスタートさせます。これは、子供たちの今理科離れということが言われるわけですが、そういう中で、子供たちに好奇心にこたえるような形で分かりやすく、ノーベル賞をもらった先生なども御出演して子供たちと対話していく、子供たちもいろいろ実験もやりますよ、そのことによって子供たちがますます科学が好きになってもっと勉強しようというような気分になればいいなと、そういう番組を置くこと。それから、既に好評を得ている「ドラマ愛の詩」というのがあるんですけれども、少年少女向けのドラマですが、そういうものを土曜日に配置すると。それから「未来への教室」、これも今既にやっている番組ですが、再放送という形でこの時間に並べるということで、土曜日の午前中に週休二日を意識してこういう番組、子供が見ていただくような番組を作りたいと思っております。
○森元恒雄君 今お話しのように、学校の教育、授業ではなかなか学べないようなものを中心に、新しい感動を受けるような文学作品であるとか、また今お話しのような理科教育で目を開かれるようなそういう実験、体験をするとか、そういうのを中心に努力をいただければ有り難いと思っております。 次に、二つ目としまして、既に音楽でありますとかあるいはIT、ロボットなどの分野での学生さんを中心としたコンクール、全国的なコンクールをNHK自らが主催をしておられたり、あるいはまた他の主催者と一緒になってやって、それを全国放送流しておられる。私は、こういう機会を作ることは、本当に子供たちにとってもそういう学習の意欲を高める、あるいはその趣味の分野でありましても自分の力を試してみる、そういうものを通じて向上心を高めていくという意味で、非常に意味のある事業じゃないかなと思っております。 そこで、既に地上波、衛星波、あるいはラジオを含めますと国内放送だけで十一波、放送をやっておられるわけですね。しかもほとんど二十四時間近くやっておるわけですから、そういう多彩なチャンネルをうまく使って、もっともっとこういうコンクール、あるいは今現在行われているような、高校野球のようなそういう大会、競技大会、そういうようなものを放送で全国に流すというようなことに力を入れていただけないかなと思っております。 これも、一つは子供たちの分野、そしてまた今、日本は急速に高齢化していくわけでございますので、お年寄りの方々に対してもそういうものがあってもいいんじゃないかなと、こんなふうにも思うわけですが、この辺の考え方についてお聞きをしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども今、公開と参加というのも大きな経営理念の一つとして取り上げております。できるだけ視聴者国民の多くの方がNHKの放送を利用、活用してもらいたい、そして一緒にひとつ勉強していこうと、そういう姿勢でやっているところであります。 そういう面で、小中学校あるいは高校の合唱コンクールなりいろんな音楽に関するコンクールもやっておりますし、また最近は、もう十数年になりますけれども、高専あるいは大学のロボットコンテストとか、これも科学技術振興という意味合いも兼ねてやっているわけでありますけれども、そういうことで、今かなり視聴者からもそういう番組を更に強化してもらいたいという要望が来ております。 それから今、先生御指摘のように、高齢化社会へ向けていろんな方も、そういうコンクールに参加したい、また、新たなまたそういうコンクールを作ってもらいたい、いろんな要望があります。私ども、今できるだけそういうニーズ、要望にこたえていきたいということで、いろいろ関係者の意見も聞きながら、どういうものが一番視聴者にこたえることができるか、その辺、今研究しているところであります。更に充実していく方向で検討させていただきます。
○森元恒雄君 ありがとうございます。是非、御検討お願いしたいと思います。 今のコンクールとも関係、若干するんですけれども、もう一つ私は是非検討いただきたいと思いますのは、視聴者参加番組のところを拡充できないかなと思います。 日曜日のお昼どきの素人のど自慢は、もうあれは本当にNHKの看板番組の一つではないかなと思いますし、あの本番に出るための予選を勝ち抜くだけでも大変だというようなことをお聞きしております。大変、子供さんからそれこそお年寄りまで人気の高い、またあれを見ていて大変心が和む番組だと思います。ああいう「のど自慢」のようなものを、あの分野に限らず、それこそいろんな、文化、スポーツ、趣味の世界でやっぱり頑張っておられる方が多いわけですから、そういうものを少し多くの人に知ってもらうと、それでまた自分を磨き上げ、更にブラッシュアップするというような意味が非常にいいんじゃないかなと、こういうふうに思うわけでございます。 一月にNHKの方で発表されました「IT時代のNHKビジョン」、この中でも、視聴者一人一人に開かれた公共放送を運営の基本方針にするとうたっておられるわけでございます。是非そういう線に沿ってもう少し充実ができないかということを、この点についてお聞きしたいと思います。
○参考人(板谷駿一君) お答えいたします。 先生御指摘のように視聴者参加番組ですが、これについても私ども年々増やす方向でやっております。「のど自慢」、それから「おかあさんといっしょ」という、子供たちを呼んで、これは非常に子供たちに喜ばれてなかなか当たらないということで、今年は衛星放送でも「おかあさんといっしょ」を増やすとか、それから「BSジュニアのど自慢」、子供たちののど自慢、それから、これは討論番組ですが「真剣10代しゃべり場」ということで教育テレビでやっておりますが、子供たち、少年少女が真剣に議論するというふうな参加番組もありますし、それからラジオでも「ふるさと自慢・うた自慢」とか、いろんな形で視聴者参加番組をやっておりまして、これからも充実させていただきたい。 これは視聴者参加番組とは言わないかもしれませんが、公開番組という形でいろいろ催物に、歌なんかに視聴者の方が集まっていただく、そういう公開番組の数も今年は相当増やしまして、千二百二十二番組が公開番組になるというふうな形でかなり力を入れております。七十六本増やして千二百二十二本、去年より増えるという形で、これも力を入れていきたいと思っております。
○森元恒雄君 次に、先ほどもちょっと質疑がございましたが、川口に今建設を進めておられますアーカイブの件についてお聞きしたいと思います。 ITの時代でコンテンツが非常に重要だという話は先ほど来出ておるわけでございますが、この百五十数万本あるというふうにさっきお聞きしましたこの過去の番組のうち、当面、一般の視聴者がそこで利用できるのは二千本である、あるいは再来年は五千本程度と、こういう話でございますが、せっかく百五十万以上あるのがどうしてそんなにわずかなものしか使えないのか、それは何がネックになっておるのか、その点について将来どういうふうな手を打とうと考えておられるのか、その点お聞きできればと思いますが。
○参考人(板谷駿一君) お答えします。 この二千本は、三年後には五千本と、ラジオを入れれば五千五百本という形、増やしていくつもりですが、一番のやはりネックは、放送番組というのはいろんな権利を持った出演者の方々がいます。それから、あるいは作詞・作曲家が権利を持っています。いろんな形で権利の塊なわけですね。そこの権利をクリアしていくと。それから、古いドキュメンタリーなんかですと、番組に出た方に一応御了解をしなければならないとか、そういう権利のクリアとか御了解を得るということをまめにやって放送すると、まめにクリアしてから放送することということをやっているものですから、少し時間が掛かると。漸次計画的にその数を増やしていくという方向で今考えております。
○森元恒雄君 これは総務省の方にお聞きしたいと思いますが、この三月八日に総務省の方で日本放送協会のインターネット利用に関するガイドラインというのが定められました。その中では、当面NHKの性格とか民間との調和等を考えて、インターネットの利用は放送の補完としての役割にとどめると。したがって、附帯業務として位置付けて、その範囲で行わせるということでございますが、これも先ほど来議論が出ていますように、やっぱりコンテンツをどううまく有効に使っていくかということなくして、IT、ブロードバンドの実現ないわけであります。幾らハードを使っても、作ってもそれに乗っかるものがないといけない。 そういう意味で、言わば受信料で作られた国民の財産とも言うべきこのNHKが持っているコンテンツが余り十分に使われないということは、国家的に見ても損失が大きいんじゃないかと。当面はこれでスタートするにしても、私はできるだけ早い機会にもっと本格的に活用できるような方策を真正面から様々な方向で検討して、是非実施してもらいたいと思います。そのお考えをお聞きしたいのと、それから……
○委員長(田村公平君) 森元君、時間が来ております。
○森元恒雄君 はい。それじゃ、是非それだけお聞きして終わりにしたい。
○国務大臣(片山虎之助君) NHKが良質のコンテンツを作れるし、お持ちですよね。だから、これを有効利用するということは、我が国のためにとって大変貴重なことなんですよ。ただ、それを余りやりますと、民放やなんかでいろんな議論があるんですね。二元体制ですよ。民放とNHKの二元体制なんだけれども、NHKが大きくて強過ぎるから、どうもやや、被害妄想と言ったら怒られますけれども、そういうところがあるので、そこの兼ね合いなんですよ。 そこで、放送法で読める範囲でやってもらおうというのが今回の考え方で、放送法の中で附帯事業、附帯業務と読めるものはやると、こういうことなんで、もう時間が余りないようですから言いませんが、番組の二次利用、番組関連情報を中心にやってもらうと、一定の限界を付けて。二次利用は制限ありません、何をやろうが。関連の方は、若干のジャンルで制限をさせてもらっております。これでやってみて、また見直します。場合によっては、私は、もっと放送通信をまとめて、どういうふうに考えて、何をやってもらうか、これはこれからの大きい課題なんで、今ブロードバンド時代における放送の在り方を私のところの研究会で、懇談会でやっておりますから、その御議論も参考にしながら十分前向きに考えていきたいと思っております。
○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤正光でございます。 私は、まずNHKのインターネット利用について、何点かお伺いをさしていただきます。御存じのように、三月八日、NHKのインターネット利用に関するガイドラインが発表されました。しかし、その内容はと見ると、例えばそれに投ずる予算は十億円を超えてはならないだとか、あるいはまた掲載期間も一週間程度といったようなものになっており、利用者の利便性を考えていないんじゃないかというようなものだということを十四日の委員会で私は指摘をさしていただきました。 そういった指摘に対して、大臣はこういうふうにおっしゃったんですが、新聞協会等からこれでも批判が強いんですよということをおっしゃったと。その妥協の産物としてこのガイドラインがあるのかななんていうふうに理解をしているんですが、そこで、私、昨年の商法の改正の際のちょっとお話を一つ御紹介をさしていただきたいと思います。 商法の改正、御存じのように、昨年通ったわけなんですが、改正項目の一つにこんなのがあるんです。今までは、会社の決算公告は官報又は日刊新聞等で行う、これをIT時代だからということでインターネットでも公表できることを可能にした、認めるようになったと。私は、IT時代においては当然のこと、自然のことだろうと思うんです。 ところが、この改正のこの部分に対して、新聞協会等が、私、今その反対の意見書を持っているんですが、反対の姿勢を表明したと。その理由はと見てみますと、セキュリティーを始め信頼性だとか客観性、確実性、さらにはデジタルデバイド等々のいろいろな理由を挙げて反対の意見書を法制審議会に送ってきた。IT時代にかなり時代錯誤的なことを言うもんだなというふうに感じざるを得ませんが、これは結局のところ、ペーパーメディアの権益を守らんがための行動であるということは、行為であるということは私は改めて言うまでもないんじゃないかなと、そんなふうに思います。 しかし、ここで大切なのは、このような雑音に余りとらわれ過ぎないことなんだろうというふうに思います。さもなければ、余り努力をしないプレーヤーに速度を合わせるような護送船団に陥って、日本のITそのものが世界に大きく後れを取るようなそんな事態になってしまうんじゃないかな、そういうふうに私は危惧するからでございます。 そこで、先日の委員会でも質問さしていただき、そして大臣にも答弁いただいたんですが、そういった意味では繰り返しになろうかとは思いますが、改めて大臣にお尋ねをしたいと思いますが、ブロードバンド時代を見据えたときに、優良な放送コンテンツの二次利用を大きく規制するようなこのガイドライン、私は妥当とは思えませんが、改めて大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) これは新聞協会だけじゃないんですよ。民放連も一緒なんですよ。民放連と新聞協会は兄弟分ですからね。そういうところがどうしてもあるんで、調和ある発展、調和ある分担ということが一つあるんでしょうね。だから、自分、民放連の方にもできればやりたいというようなことがあるんで、その辺が背景にあるのじゃないかと思いますよ。 ただ、しかし、何度も言いますように、やっぱりこの良質のコンテンツを二次利用その他で活用するということは、国民にとってこれは大変貴重な有益なことですから、接点ですよね、そこの接点なんで。だから、このガイドラインは十億円がちょっと少な過ぎるんじゃなかろうかとか、ホームページでやるんですよ、ホームページで一週間。だから、それはそうやるんだけれども、様子を見ながら見直していくと。それから、民放連や新聞協会にも御理解を得ていくと、こういうことで、平和に仲良く良質コンテンツの活用を図っていきたいと。だから、今は、放送法で言う附帯業務で読める範囲ということで、一定の限界が付いて、制約が付いているんですね。 だから、そういうことを含めて、ブロードバンド時代における放送の在り方ですよ。これは通信との関係もありますしね。例の垂直か水平かというのはありますけれども、私は今の放送はハード、ソフト一体の方がいいと思いますから、横割りにするよりはずっといいと思っているから。ただ、今後出てくるもので、一部分だけやりたいというものがあったらやったらいい。コンテンツだけやる、結構ですよ。プラットホーム機能だけやる、ハードだけ自分は持つ、結構ですよ。 ただ、今はこれでうまくいって、日本の放送はもう世界でも冠たるものですから、これはこれでもう一体で守っていくと、こういうことでございますんで、この今の問題も、ガイドラインの問題もなお時間をかしていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。
○内藤正光君 このガイドラインの関係でちょっと会長に御所見をお尋ねしたいと思います。 ブロードバンド時代における放送コンテンツの二次利用の持つ意味について、会長の御所見をお伺いしたいと思います。そしてまた、これから会長のお考えをお聞かせいただくわけなんですが、その考えに照らし合わしたとき、今回のガイドライン、どんな評価が下せるか、その辺も併せて御答弁いただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 御案内のように、インターネットは、世界どこでもだれでもが自由に使えるツールだろうと思います。そういう面で、このインターネットの利用についていろいろな制限とか規制があるのはこれはいかがなものかというのはもう世界の常識であります。そういう中で、日本の特殊技術というと語弊がありますが、まだまだインターネットが普及し始めた、そういう中でこれからどういうふうにやっていくのかという、そういう一つの過渡期に今あるんじゃなかろうかと思っております。 私はまだ、本格的なブロードバンド時代にはまだなっていないだろうと、その前段階でのものだろうと。そういう中で、いろんなNHKの業務範囲なり、あるいはNHKの在り方が議論される中で、今のインターネットの状況の中でどれだけできるんだという、そういう議論の中からNHKのインターネットに対するガイドラインができ上がったと。私どもは、いずれにしても、そういうガイドラインに沿って当面はやっていきたいと思っております。 私どもは、インターネットで、これで大きな利益を上げるとか、そういうことじゃなくて、放送を更に高度化する、サービスを強化する意味でインターネットを補完的に利用していくと、そういう姿勢で今取り組んでおるわけであります。これから本格的なデジタルといいますか、ブロードバンド、インターネット時代になれば、まだまだやり方が変わってくるだろうと。そういう本格的なデジタル時代に向けてまたどういう方法が視聴者国民のために利益になるのか、いい方向になるのか、その辺もこれから検討していきたいと思っています。
○内藤正光君 続きまして、また会長にお尋ねしたいと思います。 私も含めてそうなんですが、だれも皆、小学校時代ですか、授業の中でNHKの番組を見ながら勉強したという記憶はあるんじゃないかなと思います。このように、NHKは長年、教育放送に関するノウハウをたくさん私は蓄積してきたんだろうと思います。そして今、インターネットという新しい技術が、だれも皆手軽に利用できるようになった。そのノウハウを、教育放送に関するノウハウをインターネット技術と融合させれば更にまたおもしろい教育コンテンツが作り上げることができるんじゃないかなと思います。 そこで、NHK会長にお尋ねしたいんですが、教育分野においてNHKが今後どのような取組をなさっていくおつもりなのか、そのビジョンについてお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 先ほどもお話がありましたけれども、やはり教育は非常に大事でありますし、そういう面で私ども、ETV、教育チャンネルであらゆる分野のものを放送しております。そういう中で、学校向け、あるいは青少年向けの番組もいろいろ工夫して作っております。 そういう中で、インターネットを活用した、インターネットを利用した番組作りというのが新しい課題になってまいりました。そういうことで、もう数年前から今日を予想して、いろんなインターネットを利用、活用した番組を今作っております。いろんな実験も各学校と結んでやっております。かなり各学校との、あるいは子供たちのいい反応をいただいております。そういう面で、私どもが今蓄積した番組を、これをいろんな面でインターネットに結び付けて活用していきたい、また新しい番組を作るに当たっても、そういうインターネットと結び付けるような番組も作っていかなきゃならぬだろうと思っております。 ですから、これからは映像なり音声なり、そういう番組を作ると同時に、また新しいツール、メディアに合ったような幅が広いそういう番組作りを更に充実拡大しなきゃならぬだろうと、そう思っております。
○内藤正光君 続きまして、地上波デジタルについてお伺いしたいと思います。まず、地上波デジタルといいましても、区域外受信についてお尋ねしたいと思います。 例えば今、九州の佐賀県ではNHKのほか、どんな番組が見られるかというと、地域民放が一局しか受信できない、そういった状態にあるわけなんです。情報格差を穴埋めすべく、各家庭は独自にアンテナを購入して、隣県の福岡だとか熊本、あるいは長崎県の放送を受信していると、視聴しているというふうに聞いております。そして、同じようなことが四国の徳島でもあって、大阪の方の放送を受信しているということを聞いております。本来は県域放送が基本なんですが、ただこれが現実、現状でございます。 ところが、これからアナ・アナ変換を行っていく、そういったときにこういった地域はどうしてもアンテナ交換をしなきゃいけない、必要になってくるわけなんです。このような状況、このような地域に対し、県域放送が基本だからといって何の手当てもしないのか、あるいはまた何らかの方策を考えているのか、お答えいただけませんでしょうか。
○政府参考人(高原耕三君) 今、先生お尋ねのアナログ周波数変更対策給付金の支給対象となる、先生、今おっしゃったのは県外受信地域ということでございます。 そういうところの具体的なイメージとしては、今、先生がおっしゃいました佐賀県や徳島県、これはいずれも民放一チャンネルしか見れないといったようなところでございます。そういうところのように、地域の特性として隣接放送対象地域の放送の電波が県内の大宗をカバーしておって、実態的に当該放送の受信により一定の視聴チャンネル数を確保しているという地域、あるいはもう一つは、山岳に遮られるといったような地理的な条件によって当該地域を放送対象地域とする放送の電波が届かず、やむを得ず隣接する放送対象地域の放送を受信している地域といったようなところがございます。 こういうところは、結論から申し上げますと、このアナログ周波数変更対策給付金の支給対象というふうにいたします。したがって、そういうことで国費を投入したいということでございます。
○内藤正光君 分かりました。 今度は、アナ・アナ変換後、デジタルへ移行する場合についてお尋ねしたいと思いますが、ちょっとこれは専門的になろうかと思いますが、アンテナにはいろいろな種類があるというふうに聞いております。 例えば、低いチャンネルの方をカバーするローバンドのアンテナ、そしてそれとは反対に高いチャンネルをカバーするハイバンド、そしてまた全域をカバーするオールバンドのアンテナ、そんな種類に分けられるというふうに聞いております。 そこでなんですが、アナログからデジタルへ移行する際、オールバンドのアンテナであれば問題ないとは思うんですが、例えばハイバンドのチャンネルしか持っていない家庭があったとします。それがデジタル化に伴って、デジタル化すると大体ローバンドの方に何か持っていくというふうに話を聞いております。そうなると、当然買い換えなければいけなくなってしまうわけなんです。 専用チューナーについては今までいろいろ見解は聞いております、これは各家庭で購入すべきもんだよと。しかし、このアンテナについては個々、家庭によって違ってくるわけです。事情が違ってくる。そのままで行ける家庭もあるかと思えば、新たに購入し直さなければいけない家庭がある。これについては何らかの手だてを講ずるお考えがあるのか否か、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(高原耕三君) 今、先生がおっしゃいましたように、この地上デジタルテレビジョン放送はUHF帯の周波数で実施をいたしますので、現在VHF帯のアナログ放送のみを受信しておられる場合は新たにUHF用のアンテナを設置することが必要となってまいります。 また、今、先生がおっしゃいましたように、UHF用のアンテナは三種類ございまして、十三から六十二チャンネルすべてに対応できるもの、それから十三から四十六チャンネルのみに対応できるもの、それから三十から六十二チャンネルのみに対応できるもの。したがって、今のお尋ねのように、全チャンネルに対応できるもの以外のUHF用アンテナをお付けになっている家庭においては、これを必要、全部ではございませんけれども、場合によっては取り替えることが必要となることもございます。その割合についてはまだそれぞれの周波数の調整終わっておりませんので、はっきり分かりません。 いずれにしても、アンテナ、数千円のものでございますけれども、受信者の負担においてやっていただくということになろうと思います。これは、受信機と同じように地上デジタルを進める上において、アナログ周波数変更地域ではございませんので、の前提でお話ししますけれども、一般の地域においては受信者において御負担をいただくということになります。
○高嶋良充君 まず、受信料収入の課題について伺いたいというふうに思いますが、私は受信料の契約率というか、あるいは納入率といいますか、これはNHKに対する視聴者の期待度とか信頼度のバロメーターではないかというふうに思っているわけですが、そのためには契約率を上げる、あるいは収入を増やしていくということはNHKにとっては重要な課題だろうというふうに思っているんですが、そこで伺いたいんですけれども、今年度の予算では受信料収入の増収計画が七十二億円ということになっております。これは、昨年度の増収計画と比較をすると、昨年度は百億円ということでございますから、約二十八億円増収幅が圧縮をされている。その理由についてお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(笠井鉄夫君) お答えいたします。 先生御指摘のように、受信料制度を基盤といたします公共放送、NHKといたしましては、受信料の公平負担を徹底いたしまして、財源を確保することは重要な経営課題であるというふうに考えております。営業業績確保のため、組織を挙げて最大限の取組を行っているところでございます。 しかし、十四年度受信料収入の予算の編成に当たりまして、長引く厳しい経済状況を受けまして、まず十二年度決算において減収が発生をしたこと、それから十三年度営業目標の達成が大変厳しい状況にあることなどを織り込みまして、十三年度に対し七十二億円の増収としたものでございます。 今後、営業活動の一層の強化を目指すとともに、効果的、効率的な業務推進により七十二億円の増収確保に向けまして努力をしてまいります。
○高嶋良充君 増収を図っていくという意味では、営業面の徴収環境をやっぱり強化をするということが必要だろうというふうに思っているんですが、先ほども自民党の委員の質問に営業対策を強化していきたいという御答弁もありまして、今もそういう御答弁をいただいたんですが、ただ、実態的には、口ではそう言われているんですけれども、営業職員数はもう年々減少しているということを聞いておりますし、さらに営業経費率も見せていただいたら、年々低下の一途をたどっていると。 実際に、具体的にどう強化をされようとしているのかというのが予算上は見えてこないんですけれども、その点についてはどうでしょう。
○参考人(安岡裕幸君) 受信料の収入を確保するというのはNHKのもう最大課題でございます。その中で、近年、大変、オートロックマンションの増加とかあるいは単身・共働き世帯の増加によりまして、大変面接が難しい世帯が増えておりまして、契約収納活動がますます困難になっております。が、しかし、こうした中にありましても、我々としては、その受信料の公平負担、あるいはその受信料額を確保をするということで営業努力をしていかなきゃいかぬと、こう思っております。 具体的には、委託取次収納員ということで、いわゆる地域スタッフと呼んでおるわけですが、そういうそのスタッフの育成によりまして活動力の向上を図っていこうというふうに思っています。 それから、職員の活動を、職員が営業活動の先頭を切るということでございまして、休日とかあるいは夜間とか早朝などのお客さんに会える時間帯に訪問活動ができるようにいろいろ努力もしているということでございます。 それから今、新しい営業システムということで、より効率的にあるいは効果的にやるということで営業システムを導入していこうということでございます。職員の対応につきましても、いろいろと新しいシステムを入れるということで、いわゆる単純な事務処理はできるだけ外に出して、営業活動がしやすい環境を整えるということをやりまして、目一杯、受信料確保に向けて頑張っていきたいと、こう思っております。よろしくお願いします。
○高嶋良充君 収入増を図る、契約率を上げるということで、放送内容の向上も必要ですけれども、今言われているように営業面の強化ということがまた大事だろうというふうに思いますので、是非強化を図っていただくように御要望しておきたいというふうに思います。 次に、スポーツ放送の関係について若干お伺いをしたいんですけれども、サッカーのワールドカップ、夏に日本で開催されますけれども、このNHKの放送体制と計画は一体どうなっているのかということと、これは週刊誌の記事なんですけれども、ワールドカップの放映権を持つキルヒ社が経営危機に陥っているんではないかというような報道であります。この真偽のほどはどうなのかと、また、仮に何らかのトラブルがこの問題で起こった場合に日本国内での放映に影響が出るのか出ないのか、その辺についてお伺いをしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) この五月三十一日から六月末まで、日韓で共同主催でFIFAワールドカップサッカーが開かれます。この放送権料をめぐっては、この数年来、交渉を重ねてまいりました。非常に高額な要求でありました。それだけは、私どもNHK一社ではとても対応できないということで、民放連と一緒になってジャパン・コンソーシアムを結成して共同して交渉に当たりました。その結果、六十四試合すべてはとても高くて取れないということで、そのうち四十試合を我々は取得いたしました。その四十試合のうち、NHKが六〇%の二十四試合、民放連が十六試合、四割と、そういう割り振りをいたしたわけであります。 そして、総合テレビ、いわゆる地上波はFIFAが制作する映像を我々はそのままそれを使うと、そしてデジタルハイビジョンはジャパン・コンソーシアムで制作する、そして韓国におけるデジタルハイビジョンは韓国のプールが、三社で形成しておりますそのプールが制作したものを我々がそれをいただくと、そういう体制で放送をすることになっております。 それから、このマーケティングの会社であります、仲介業者でありますキルヒの問題ですけれども、我々も非常に経営危機に陥っているということを聞いております。これに対しては、最終的な責任はFIFAが責任を持ってやりますので御安心のほどをというふうに伺っておりますので、キルヒ、まだ今後どうなるかわかりませんが、倒産といいますか、キルヒが非常に経営不振に陥っても放送は順調にできると、そういうふうに読んでおります。
○高嶋良充君 最近、イチローフィーバーということもありますけれども、世界的にスポーツの放映権料が相当高騰化をしているというふうに聞いているんですが、またNHKも今年からは巨人戦もかなり幅を広げて放映されるということで、巨人戦も非常にこの放映権料は高いというふうに思うんですが、僕は、今年は視聴率からいえば阪神タイガースの方が視聴率上がるんではないかなというふうに思っているんですけれども、さあそれはまた別の話で、いずれにしても、こういうスポーツの放映権料の高騰化に対してNHKはどのように対応し、そして費用抑制をどう図ろうとされているのか、その点についてお尋ねしたいと思うんです。
○参考人(海老沢勝二君) オリンピック放送が、御案内のようにロサンゼルス・オリンピック以来非常に高くなったということで、私ども一社ではとてもこれ対応できないということで、ロサンゼルス・オリンピック以来、民放とNHKがジャパン・プール、ジャパン・コンソーシアムを作って交渉し、できるだけ視聴者国民に大きな負担を掛けないようにということで努力してきております。その例を今度のワールドカップサッカーにも導入したということであります。 ですから、これを単独でやりますと本当にウナギ登りといいますか、アメリカのように本当にべらぼうな放送権料になってしまうだろうと思っています。ヨーロッパではこの衛星放送が、先ほど紹介しましたキルヒを中心とした衛星放送、あるいはイギリスのBスカイBとか、いわゆる衛星による有料放送がこれを独占しようという形になっております。そうしますと、一般、地上波で見ている、無料放送を見ている多くの国民がこれを見れないというような状態で、イギリス等では、十数の非常に関心のあるスポーツは法律で無料放送するということを決めたわけであります。そういう考えは、ヨーロッパでも今大きなうねりとなっております。 ですから、そのほかいろんなスポーツがありますけれども、私どもはできるだけこれを抑えようとしておりますけれども、これ、市場原理といいますか、競争社会でありますので、なかなかこれが大変だという時代であります。ですから、できるだけ私ども、大きなスポーツについては、今後とも民放と一緒になって対応していきたいと思っております。
○高嶋良充君 BSデジタルの普及の問題について質問させていただきたいと思いますが、僕は、BSデジタルを普及させることが、先ほど内藤委員が質問しましたけれども、地上波のデジタルの促進にもつながるんではないかなというふうに思っているんですが、ただ、普及はいま一つだというふうに聞いています。それは一体なぜなのか。いろいろ聞きますと、受信機の価格が高いと言われる方もおりますし、放送内容が魅力がないと言う方もおられるんですね。 その辺について、何が普及のネックとなっているのかということと、もう一つは、じゃどうすれば普及促進が図られるのか、その辺について、総務省と最後に総務大臣の御意見を賜りたいと思います。 以上です。
○大臣政務官(山内俊夫君) BSデジタル放送の受信機は、実は昨年放送開始以降、この二月の、先月の末、二月の段階で、一年約三か月で百九万台出荷されております。平成八年から、これは少し比較するわけにはいきませんけれども、DVDプレーヤーというのが平成八年から出荷をされておりますが、百万台を超えるまでに約四年を要しております。昭和六十年から開始したBSアナログ放送の直接受信世帯は、百万を超えるまでに約二年と七か月。このようなことを考えてみますと、比較的普及は順調であるんではないかなと認識をいたしております。しかも、BSデジタル放送は、受信機による直接受信のほかに、ケーブルテレビというのが最近随分普及しておりまして、そこから視聴されるのがトータル入れますと約二百六十万世帯になっておりますから、かなり普及しているんではないかと思っております。 ただ、ネックとなっておりますのは、最近の景気の低迷とか受信機の価格の高さとか消費者のBSデジタル放送に対する認知度の低さというこの三つの要素が絡まり合っているんではないかなと思っております。 しかしながら、昨年秋ごろから受信機の出荷台数はかなり増加傾向にありまして、十二月には一か月当たり、一か月で十三万台以上売れております。受信機の普及は確実に進んでいると認識をいたしております。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、ネックは山内大臣政務官が言ったとおり、もっとみんな知らにゃいけませんね。BSデジタルというのを知っている人が私が思っているよりはまだ少ないのかなと。それから、やっぱりデジタルテレビが高いですよ。私も買ったんですけれども、いや高い。これはもう今のとにかく三分の一か四分の一ぐらいにもっと下げてもらわにゃいかぬと、こう思いますし、それからやっぱり放送の中身ですね。今、NHKさんも民放もやっていますけれども、正直言って、これがデジタルだというような、そういう内容のものを、良質なコンテンツということになるんでしょうけれども、是非頑張っていただきたいと思いますが。 我々としては、やっぱりBSデジタルが地上波デジタルの先駆けですから、国民によく分かってもらうように、広報予算も取れましたんで今後努力してまいります。
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋です。 私ぐらいまで来るとだんだん質問する内容がなくなってくるんですが。私は、おとといの昼、これはちょっと質問通告していなかったんで答弁は要りませんが、ちょうどお昼にテレビを、NHKテレビを見ておりましたら、宮古島の方で地震がありまして、津波警報が出ました。そのときに、さっき世耕さんが言われていましたが、「ほんまもん」をやっている最中だったんですが、二メートルの津波が来るおそれがあるからすぐ逃げてくださいという放送をNHKさんがすぐやられました。これは大変適宜にやられて、民放と比べても、番組を中止してまでもああいうことをやったということは私は敬意を表したいと思いますし、是非今後もそういう敏速な対応を取っていただきたいというふうに思います。 ただ、残念だったのは、宮古島で二メーターの津波が来るという状況のときに、現地からはちょっと映像が入らなかったものですから、沖縄本島の映像は入っていましたが、少し残念だったなというふうに思います。 この警報の出し方、それから情報の出し方については明日の災害対策特別委員会で聞きたいというふうに思っていますが、まず冒頭、そのことを是非今後もお願いをしたいというふうに思います。 私の方からは、国際放送のことについて、まずお伺いをしたいというふうに思います。 本年度のこの予算案を見ましても、国際放送関係、少し増額という形になっております。 昨年の七月の二十九日、私どもの参議院選挙の投票日、開票日のときでありますが、私も、片山大臣と違って、ぎりぎりで通ったものですから遅くだったんですが、上海から携帯電話を私の携帯にいただきました。当選おめでとうということを上海に行っていた友人からいただきました。何で上海からよう分かったなという話をしていたら、BSが上海で映ると、上海のホテルで今あなたが万歳しているのを見ましたということで、私の携帯に電話をいただきました。 この上海でBSが映るということ自体については、国際間の問題もいろいろあると思うんですが、上海なんかに、中国とか海外に行っている日本人から見れば非常に、情報がすぐ入ってくるということで非常に便利なわけですが、昨年のその後、九月一日に、私は同じ中国の河南省の鄭州というところに行っておりました。ここのホテルに、九月一日というのは実は例の、総務省にも関係ありますが、新宿の火事のあった日でございますけれども、これを朝のニュースで見ました。これはNHKの国際放送の方なんですね、BSはもう河南省までは行きませんから。 それを見させていただいて私は非常に思ったのは、この予算書、説明資料を見させていただいても、いわゆる海外への「外国人の日本に対する国際理解の促進に努めます。」という一文が入っておりますが、これも大変重要なことだと思うんですけれども、これだけ日本の方が海外に出ている中で、この国際放送、特にテレビの方ですが、非常に重要だというふうに思うし、現地の日本人の方にすれば非常に視聴率の高い、ほとんどの方がホテルなんかへ行くと見られると思うんですね。これに対して是非もっと充実をしていただきたいと思いますが、このことについて御見解を会長の方からまずお伺いをしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、テレビによる国際放送は二つ出しておりまして、一つはCバンドといいますか、三つの衛星をお借りして、世界どこでも見られるようにということで、いわゆるこれをNHKワールドTVという形で出しております。これは三メートル近いアンテナでないと見えない放送であります。それともう一つは、NHKワールド・プレミアムということで、ニュースのほかに大河ドラマとかいろんな番組をミックスしたものを世界の各国の放送局、あるいはCAテレビの会社、いわゆる事業者に提供しているという二つがあります。 今、私どもは、この国際放送につきましては、主にニュース、情報番組ということで、ニュースを中心とした番組にしております。そのうち、二六%といいますか、一日六時間ちょっとを英語で流している、そういう二波で、二波というか音声副を二つ出しております。そういうことで、できるだけ多くの方に見てもらいたいという対策を取っているわけであります。 〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕 今、世界でどれくらいの方が見ているかというちょっと数字はなかなか出ませんけれども、主な国の主なホテル、今三十二万室ぐらいは見れるようになっております。二千ぐらいのホテルでは見れると思っています。ですから、もっと世界のいろんなホテルにもお願いして見てもらうように努力しているところであります。そういう面で、大きなアンテナを建てればどこでも見れるんですけれども、やはり旅行者が年間千六百万から千七百万行っているわけでありますから、そういう人たちにも見てもらうということで、ホテルへの普及にも努力しているという段階であります。
○高橋千秋君 先ほど具体的な御説明ございましたけれども、海外にいると、さっきのホテルなんかは三十二万室でしたですか、それだけ普及をしているということなんですが、実際のところはケーブルとかそういう大きなアンテナを建てなければ入らないということから、よほどのことがないと現地の人も見れないわけですね。大都会なんかでケーブルが普及しているところ、例えばニューヨークなりロサンゼルスなりというところは、比較的簡単にホテルでも私も発見して見ることができますけれども、現状はなかなか難しいんだろうというふうに思うんですね。 その中で、同じようにこの説明資料の中に、「ライフラインとしての役割をいっそう強化します。」ということが書かれております。その意味では、今のようなそういうケーブルなり大きなアンテナを建てなければ受信ができないということになると、なかなかライフラインの強化という部分にはつながらないんではないかなというふうに思うんです。是非、この辺をどういうふうに考えておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 南米のブラジルとかアルゼンチン、ペルー、ボリビア等はCAテレビでお願いしております。CAテレビで皆さん見ていただくということで、CAテレビの事業者の方に、私どもの国際放送を受信できるような格好で活動しております。ですから、中南米はかなり普及ができてきております。 今、ヨーロッパとアメリカは、テレビ・ジャパンということで、これは別会社でやっておりますけれども、これは今かなりの普及になってきております。ですから、あとはアジアですけれども、アジアの場合は、中国、韓国、台湾等はCAテレビなりあるいは衛星でも流してもらっております。ですから、だんだんそれをアジア各地に広げていきたいと思っているところであります。
○高橋千秋君 全体の六千億という大きな予算の中で、この国際放送の部分の予算というのは比較的少ないのかなというふうに思うんですが、是非日本の理解を深めていただくことと、それから日本の方が海外で活躍をされている中で、やはり私も時々行くと、海外でNHKを見るとほっとするんですよね。だから、そういう部分も是非努力をしていただきたいと思いますし、ただ残念なことに、番組見ますと結構再放送が多いんですよね。現地にいると、より新しいニュースが見たいとか、新しいものが見たいというのがあると思うので、是非、そういう番組内容も含めて、これから充実をさせていってほしいというふうに思います。 それからもう一つ、先ほど同僚議員の方からデジタル放送の話がずっと出ましたので、補完の意味で私も質問をしたいというふうに思います。 デジタル放送、間もなく地上波デジタルが始まるということで、私も片山大臣と同じようにBSデジタルを最近買わせていただきました。見さしていただいたんですが、これ、アンテナは今までのアナログBSと同じアンテナでいいですからということでセッティングをしたんですね。なかなか、御存じのようにデジタルというのは時々四角いのがかくかくっと動いたり、うまく同調していなくてそうなるのかも分かりませんが、比較的、ふだんちゃんと映っているときは非常にきれいなんですが、なかなか機材が、新しい機械を買わないとうまくいかないのかなというふうに思うんですが、アンテナだけは古いアナログのBSのアンテナを使ったものですから、そういう状況が起きています。 そういういろんな新しい放送が出てくる中で、ここにも私ちょっと持ってきたんですが、これ総務省さんから出ているデジタル放送の「もうすぐ全ての放送がデジタル化されます。」というパンフレットがあちこちに流されていまして、これは私の地元でいただいたんですが、これ見ると、「デジタルだと、いいこといっぱい」と書いてあるんですね。「いいこといっぱい」は一杯書いてあるんですが、その負の部分のアンテナとかチューナーだとか、いろんな部分のところの説明というのはここなんですよ、これだけの部分で。 確かに、普及のためにはいいことを一杯言わなければいけませんが、新しいチューナーを買わなきゃいけないだとか、そういう部分もちゃんと説明をする必要があるというふうに思うんですが、片山大臣、いかがでございましょうか。
○副大臣(佐田玄一郎君) 先生の言われるように、要するに広報活動をもうちょっとしっかりやっていかなくちゃいけない、確かにそうだと思います。それと同時に、BS、百十度は今度はCSもやられるわけでありますけれども、そしてまたいろんなツールとして、デジタル化が進む中、これから世界との競争になって、いろいろやっぱりこれはやらざるを得ないという状況もあるわけでありまして、これはどういうことかというと、やっぱりインタラクティブないろんな情報交換であるとか、こういうことも生まれるわけでありますから、そういう中におきましてしっかりと計画を立ててやっていきたいと。 それと同時に、今、先生が言われた一番大事なことでありますけれども、よく知らしめていく、こういうふうになりますよということを国民によく知っていただく、そしてデジタルのメリットもしっかりと広報活動をしていく、こういうことが大事だと思いますので、これからもしっかりとやっていきたいと思います。
○高橋千秋君 時間がありませんので、最後にこのことで締めくくりたいと思うんですが、昨年もこのNHK予算のことで私質問させていただきました。地上波デジタルのことで質問させていただいたときに言わせていただいたのは、デジタルが代わってアナログがすべてストップするときに、今のままでは見れなくなりますよということを私の地元なんかで言うと、えっ、そうなんですかと言うんですよね。さっき言われたように、ほとんどの方がその事実を知らない。まだもう少し時間はあるにしても、やはりこれからなるべく多くの方に分かっていただくように宣伝をしていかないと、これはもうモアチャンネルという意味ではなくて、今あるやつが全部変わるわけですから、全部見れなくなってしまうということになりますので、是非その点について今後力を入れていただけるようお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。質問をさせていただきます。 まず、字幕放送の問題でございます。耳の不自由な方々にとりましては字幕放送の拡充というのは極めて意義深いものがありますし、もちろん新聞や雑誌で情報が得られるといっても、やはりいち早くニュースを知ったり周りの人たちの話題になっているテレビドラマをともに共有することは、字幕放送を通して初めて可能になることでございます。今後、高齢化社会が進めば進むほど、そういう環境もできていきますし、字幕放送というのは正に放送業界にとって是非とも取り組んでいただきたい課題だと思っております。 NHKの字幕放送についての取組につきましては、既に行政の指針における字幕化率の問題、先ほど海老沢会長、いち早く達成するということもおっしゃいましたし、またニュースや紅白歌合戦の字幕化などが正に放送業界での先導的役割を果たしておると私も思っております。 そこで、まずNHKに是非お願いしたいのは、先ほどから話題になっております、今年日韓共催のワールドカップがございます。是非字幕を付けてほしいということでございます。スポーツの字幕というのはなかなか技術的にも難しいということも聞いております。ただ、やっぱりこういう国民的な関心事でございますし、何とかこれ実現をしてもらいたいと思いますし、この点、どんなふうにNHKとして考えているんだろうかと。その点について冒頭お聞きをしたいし、さらにこの字幕放送の将来の可能性なんですけれども、放送技術の可能性からいってどう、この将来の字幕放送というのがいろんな可能性を持っておるのかどうかという点が一点あるだろうと思いますし、さらに未来の放送の夢という意味で、字幕放送など耳の不自由な方々にとって便利な放送サービスについて今どんな技術研究が実際に行われているのかと、そういった点も含めて御答弁をいただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) いわゆる生放送、ニュースとかスポーツに字幕放送をやろうということで、今いろんな試みをしております。最近のソルトレークシティー・オリンピックでも一部試みました。今度のワールドカップサッカーについても、我々、これに挑戦していこうと思っております。ただ、サッカーの場合、非常にスピードが速いものですから、どれだけこれに追い付けるかどうか、今、現場の方でもいろいろ工夫をしております。ですから、私はできるだけ日本戦を中心にやってみたいと、今、現場にハッパを掛けているところであります。できるだけ要望にこたえていきたいと、これから更に努力していきたいと思っております。 技術的な点については、技師長の方から説明させます。
○参考人(中村宏君) お答えします。 字幕放送につきましては、ドラマや自然紀行番組などのように事前に字幕を付けるものと、それからニュースやスポーツ番組など生番組に付けるものがございます。 それで、生番組の字幕放送につきましては、音声認識技術とか高速ワープロを活用しまして、今実施しております。現在、アナウンサー以外の方の出演する話とか、それから現場からの中継など雑音が多い場合の音声認識につきましては、レベルアップといいますか、性能向上の技術研究を行っている段階でございます。 それからさらに、将来を目指しまして、話した内容をそのまま字幕にするわけではなくて、現場からの内容といいますか、それを要約すると、そういうような要約技術の研究、それから日本語を英語に機械翻訳するような基礎的な研究も進めております。 〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
○木庭健太郎君 会長が日本戦ぐらいはやるとおっしゃっていただきましたんで、是非期待をしてその放送を見守りたいと思うし、やはりもちろんスポーツですから、この動きを見ればという話もよく言われるんですけれども、やはりこの字幕がきちんと出る出ないというだけでどれだけ見ている方のこの感動、伝わり方が違うかというのもありますので、是非ともこの点についてはお願いもし、それが一つの結果と、一つの試金石となって、今後スポーツ番組ですね、そういったものへどんどんつながっていくといいなと思っておりますので、是非ともこの点はお取組をお願いをしておきたいと思います。 二つ目の問題は、地球環境保護への取組という問題でございます。 もちろん、二十一世紀、環境の世紀と言われます。今後、環境問題というのは人類にとりまして最大のテーマだろうと思っております。今年二〇〇二年というのは、ちょうどブラジルで地球サミットが開催されてから十周年目になるわけでございます。国際社会でも各国、各地域が様々な取組をやってきたわけでございますけれども、なかなかこの地球環境の悪化という問題については歯止めが掛かっていないのも現状でございます。 その中で、日本というのはどういう位置付けかといいますと、国際的にはこの温暖化防止の際に京都議定書の発効に力を注ぐなど、ある意味では最大の努力をしなければならないところでもあるんですけれども、国内に目を向ければ、まだ土壌汚染の問題もあってみたり、水質汚染や大気汚染など、解決しなければいけない問題が山積しているわけでございます。もちろん、こうした環境保護という問題、第一義的には国や自治体の取組が最重要ではございますけれども、もちろん、政府としてもこの三月に、この温暖化については対策推進大綱も策定はしております。そして、それの際に、産業界にも協力を求めているわけです。 ただ、根本的にこの問題をやろうとしたときは、やはり国民一人一人の意識改革が最も大事になってくるし、そういう意味では、この環境保護意識を高めるためには、皆さん方、ある意味では放送というものを通じながら、ある意味じゃ映像を通じながら行っていく啓蒙活動も大いに期待できるところだろうと思うし、また果たす役割も大きなものがあると思うんです。 その意味で、地球環境保護へ向けたNHKの基本的考え方があるならば、是非その点を教えていただきたいし、今後、是非具体的にも取り組んでいただきたいと思いますので、その点についてお伺いをしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 環境問題、掛け替えのない地球をどう守るかという課題であります。これはもう世界共通の課題であると思います。 そういう中で、私ども、二〇〇〇年という節目の年から、こういう世界共通の課題、一つは教育問題、食糧問題について局内にプロジェクトチームを作りまして、この教育と今、食糧問題、農業も関係する、環境も関係するこの食糧問題を今重点的に取り上げて、放送あるいは放送に関連したイベント等を今展開しているところであります。 そういう中で、環境問題、非常に重要だということで、十四年度、新しい年度から、局内に環境プロジェクトを作りまして、これもひとつ重点的に、全局を挙げて取り組んでいこうと決意を今新たにしているところであります。これまでも環境問題、いろいろな面で取り上げてきましたけれども、もう一つ、いろんな工夫をしながら取り組んでいきたいということであります。 その一つは、今年の十一月から二年後の二〇〇四年の三月まで、第四十四次の南極越冬隊が行きますので、私どもそれに同行して、昭和基地にNHKのハイビジョンの仮設の放送所を作って、そこから適宜世界に向けて放送してみようと、そういう今構想を練っているところであります。 いわゆる南極という一つの舞台で、地球の環境がどういうふうに変化していくのか、オーロラの現象とかあるいは皆既日食とかそういうものを生中継をすると、同時にまた、南極と日本を結んで子供たちと越冬隊との人たちの対話なりあるいは勉強会なり、そういうものもやってみたいと思っているところであります。 この映像は非常にハイビジョンでありますし、衛星を通じて放送しますので、私はできるだけ世界の放送局にもこれを開放して、希望があるところには提供して、環境問題、世界的に考えてみようと、そういう今挑戦もしてみたいと考えておるところであります。 いずれにしても、環境問題、これから息の長い課題でありますので、いろんな番組を通じて取り上げていきたいと思っているところであります。
○木庭健太郎君 最後に、災害時の取材体制の強化という問題を今年度の事業運営計画の柱の一つとして挙げていらっしゃいます。特にお願いしたい点は、大きな被害が予想されるこの東海地震への対応、十分な対応の問題でございます。 国の中央防災会議の専門調査会が、平成十三年六月に、想定される東海地震の震源域を二十二年ぶりに見直しました。そしてそれによりますと、揺れの範囲が予測される地域が西側に広がるということで、この強化地域というのが新たに六十二市町村付け加えられたわけでございます。 そういう意味では、新たに強化地域に指定された自治体ではもちろん地域防災計画の見直し等が必要になってきますが、NHKでも、大規模地震対策特別措置法等に定められた指定公共機関でございます、当然これまでの取材体制見直す必要も出てくるんだろうと思いますが、その辺を簡潔にお伺いして、質問終わりたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、国民の生命財産を守る、いわゆる災害の防止、あるいは災害が起こった場合できるだけ被害を少なくするというのが我々放送を通じてやっていくのが我々の使命であります。 そういう面で、東海地震も予測されているわけでありますけれども、これには十分な我々機能を発揮しなきゃならないということで、いろんな実地訓練もしておりますし、また体制の見直しも既にしております。 そういう面で、一番問題は、やはり初動体制といいますか、この前の阪神・淡路大震災の反省でも、いかにヘリコプターを早く飛ばして被害の全体状況をどう把握するかというのが一番の課題だろうと思っております。 そういう面で今、私ども全国に九つの基地に十一機のヘリコプターで運用しておりますけれども、できるだけこれを有効に活用して対応していきたいと思っておりますし、また津波の観測のためのロボットカメラ等も各地に配備して、できるだけきめ細かく報道していきたいと思っております。 いずれにしても、我々、放送の使命はこれはもう災害報道でありますので、今後とも充実強化をしていきたいと思っております。
○木庭健太郎君 終わります。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 私からは、放送と人権等権利に関する委員会、いわゆるBRCについてまずお尋ねをしたいと思います。 たしか平成九年だと思いますが、NHKと民放で自主的にこの委員会を設置をし、権利を侵害された者、その人の申立てによって迅速にかつ放送の自由を守りながら救済をしていく、そういう趣旨で設立されたというふうに理解をしているところでございますが、なかなかこのBRCの活動が我々に伝わってこないところでございますが、五年たちました、この活動状況につきまして概括的に御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(高原耕三君) 今、先生お尋ねの放送と人権等権利に関する委員会、このBRCは、放送による人権等の権利の侵害に対する苦情を処理するために、平成九年五月にNHK及び民放連が共同で自主的な第三者機関として設立をいたしております。 このBRCは、平成九年の業務開始以来、視聴者から放送により権利を侵害されたとの申立てがあった人権侵害に関連する案件のうち、二事案二件について勧告を行い、六事案十五件について見解を提示し、公表を行ってきたところでございます。 なお、審理に至らない事案でございましても、放送番組等に関する苦情について、視聴者と放送事業者との話合いの橋渡しというものを行っておるようでございます。そのようなBRCのあっせんを通じて、平成十二年度以降、約三十件が解決したというふうに承知をいたしております。
○魚住裕一郎君 先般の二十六日にも、これは二〇〇〇年の八月に放映された、これは民放ですが、「熊本・謎の自動車事故」という、そういう番組について申立てがあって、三月の二十六日に勧告が出されたようであります。 一般視聴者に疑惑を抱かせたということで、その勧告に従って、このテレビ局のニュースの中で関係者におわびしますというようなコメントが出されたところでございますが、本当に、権利救済というか、被害回復といいますか、そういう観点からいって果たして十分なんだろうかということを感ずるところであります。 NHKはそんな権利侵害というようなことは常に配慮をしてそんな事態はないと思いますが、NHKとしてこのBRCの活動に対してどのような姿勢で取り組んでいるか、基本的な方針をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(板谷駿一君) NHK、もし勧告とか見解とか出たような場合は、真摯に受け止めてニュースできちんと放送する、こういうことがありましたということはやりたいと思っております。 それから、部内の放送現場の倫理に関する委員会というのがございますので、そういう場を通じて、全国の現場にBRCからこういう指摘を受けたという内容をきちんと周知するというふうなことをやって、再発防止につなげる努力をしていきたいというふうに思っております。
○魚住裕一郎君 しっかりこの人権という観点からもまた見ていただきたいなというふうに思います。 次に、最近、どうしても青少年の、少年法も改正したぐらいですから社会問題化しているところでありまして、青少年の育成の、周りの環境というものを何とかしなきゃいけないな、特に放送についても大変な影響を青少年に与えるというふうに思います。 Vチップというのはまだできていない状況の中で、もちろん顔をしかめるような番組も実はあります。私は、有害な環境は本当に何とかしなきゃいけないなというふうには思いますが、ただ一方で、暴力やそういうセックスのシーンみたいなもの以外に有害というのはよく分からないと。場合によっては、九・一一の衝突シーンまで有害という人がいるかもしれない。非常に概念があいまいであるわけでありますが、そういう状況の中で、放送界の中でこの青少年と放送に関する委員会というものを設けて議論を重ねている、そういうことを承知をしておりますが、高く評価するものでございます。 この問題につきまして、NHKよりも民放側の問題かもしれませんけれども、やはり公共放送という立場からすれば、日本の放送界をリードする、そういう役割がNHKにはあると思いますが、NHKは子供たちや青少年にテレビが及ぼす影響に対してどのように取り組んでいるか、御答弁をいただきます。
○参考人(海老沢勝二君) テレビの青少年に与える影響、非常にこれはいろんな面で御指摘をされているところであります。 私ども公共放送NHKといたしましては、家族が全員で、お年寄りから子供までが一緒に見ても恥ずかしくないような、問題がないようなものを作るのが基本であります。そういう面で、青少年に悪い影響を及ぼさないような健全な番組を作っていこうということで指導をしているところであります。 そういう中で、数年前にいろんな青少年の凶悪事件が起こりました。それをきっかけに、放送業界、もっと青少年に対する取組を考えてみてほしいというような要望が出てまいりました。そういう中で、これは法律で作るんではなくて、我々放送事業者が自主的に、我々の責任においてそういう第三者機関を作って、そしてお互いにそういう議論を進めながらいい番組を作っていこうと、そういう決意の下に、この放送と青少年に関する委員会を自主的に設けたわけであります。 そういう面で、私ども、民放と一緒になって、やはりどちらも免許事業でやっているわけでありますから公共性が当然あるわけであって、お互いに青少年の健全育成のために努力していこうと、そういう決意の証明がこの委員会だろうと思っております。 そういう面で、今後とも我々としては、青少年が本当に健全に育つような、青少年が本当に明るく成長するような、そういう番組を更に作っていかなきゃならないだろうということを深く感じるところであります。
○魚住裕一郎君 続きまして、アーカイブスについてお尋ねをしたいと思います。 埼玉の川口にNHKアーカイブスというんですか、この間起工式があったようで、川口市長もまた土屋埼玉県知事も出席されたようでございますが、非常にアーカイブスというものが注目をされてきております。非常に貴重な資料だというふうな側面もありますけれども、財産そのものだろうというふうに思っております。 NHKにおいては、過去のどんな番組でどのぐらい保存しているのか。私から見ると、「ひょっこりひょうたん島」みたいなのはしっかりまた見たいなというのもあるんですが、それも多分ないだろうとは思うんですが。また、そういうものも幅広く国民に公開をする、どのような設備を備えているのか、公開方法も含めてお答えをいただきたいと思います。
○参考人(板谷駿一君) お答えいたします。 川口で作るNHKのアーカイブスは、三月十七日に上棟式を無事に終わりまして、来年の二月一日に本格運用ということになっておりますけれども、NHKが組織的に番組を保存を始めたのは一九八一年からなんですね。ですから、テレビ創成期の、それはテレビ創成期の番組は生だったせいもあったりして、残念ながら、古い大河ドラマとか紅白歌合戦が残っていないというのはちょっと残念でありますが、「ジェスチャー」とか「お笑い三人組」とか「私の秘密」なども余り残っていないと。「ひょっこりひょうたん島」も、先生の、必ずしも十分に残って、一部しか残っていないというふうに思っております。時代が時代であったということでやむを得ないのかなと。 ただ、一九八〇年以降は体系的な保存が始まって、現在保存している番組は、NHK特集とかNHKスペシャル、ドラマなども合わせて、番組としては二十万本。そして、これに映像素材ですね、いろいろ最終的な番組になる前の素材と、それから地方で保管している部分を合わせると百六十五万本のテープがあると、こういうことになっております。 これについては前にも申しましたけれども、川口のアーカイブスの八十の視聴ブースを用意するようなんで、最大百二十人ぐらいの方がそこで公開番組を、自分の好きな番組をオンデマンドで見られるということになります。三年後には見られる番組を二千本から五千本ぐらいまで拡大していくというふうに考えております。
○魚住裕一郎君 大臣、今、百六十五万本のテープというようなお話ございました。 ただ、ちょっとその場所に行ってオンデマンドで拝見すると。ただ、これ大変な財産だと思うんですね。場合によってはそれを、映像を売って商売もできるんではないかと、それだけ私は考えてもいいと思うんですね。オンデマンドといえば当然インターネットで更にいろんな利用ができるんではないか。もちろん、出演者、例えばドラマであれば出演者の肖像権の問題もありますから、そういう難しい問題もあるかもしれませんけれども、やはり映像を見たい、あるいは活用したいという方の要望にもこたえつつ、また受信料を上げるんではなくして、そういう部分でNHKの経営にプラスになっていく、そういうことも考えてもいいんではないのかなと思いますが、大臣の御所見はいかがでございましょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) アーカイブス、名前がちょっとあれでございますけれどもね、これはやっぱり公文書館なんですよね、意味は。だから、こういう、映像のそういう大収集センター。だから、こういうふうにいい放送番組を収集して、保管して、利用できると。 こういうことは大変私は結構なことで、そういう意味でもNHKさんが先鞭を着けていただいて、私は民放もやったらいいと思うんですよ。そういう支援の制度を予算化は一応はしているんです。 ただ、もっと大々的に、もっと広範に利用する仕組みをこれから考えていく必要があると思いますよ。ブロードバンドネットワークだとか放送のデジタル化といったらコンテンツですよ、いや本当に。 そういう意味では、このアーカイブスを一つのモデルにして、総務省としても本格的に検討して、より良いものにするように、総体が、頑張ってまいりたいと思います。
○魚住裕一郎君 終わります。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。 NHKのETV特集、多様な考え方、生き方が紹介をされ、評価が大変高いというふうに言われておりますが、その中で、昨年もこのNHK予算のとき、衆参で問題になりました「戦争をどう裁くか」という四夜連続シリーズの第二回目「問われる戦時性暴力」、この問題ですが、いわゆる従軍慰安婦制度を裁く女性国際戦犯法廷に関して取り上げられた番組でございます。これ、取材当事者の同意もなく放送直前に大幅に改ざんをされたとして出演者らが抗議をその当時もしていらしたようですが、今、裁判に至っているということであります。 個別の番組について取り上げるのはもとより本旨ではございませんが、報道の自由や表現の自由が外部からの干渉によって侵害をされたという重大な疑惑があり、またその後新たな展開を迎えているということで、私、事実関係のみ伺いたいと思うんですけれども、この女性国際戦犯法廷を放送したETVの番組、これ番組枠は通常四十四分と聞いておりますが、この四夜連続シリーズでも第二回目分、当該の番組ですね、従軍慰安婦問題を扱った番組は四十分ということで四分が削られている。 ETV特集は、二〇〇〇年とか二〇〇一年とか二〇〇二年とかいうふうに続いているんですが、この三年間でそれぞれ何本ぐらい放送されて、そのうちこういうふうに四分以上カットされるとか、そういうところはどんな番組があったんでしょうか。
○参考人(板谷駿一君) お答えいたします。 ETV2000、2001、2002についてですが、ETV2000は百四十九本あるうち一本、基準の放送時間でなかった、つまり四十四分でなかったと。ETV2001については、百七十九本のうち五本がなかったと。ETV2002については、三十七本のうちまだ基準値には達して、基準放送時間でなかったのはゼロであるということなんですが、この前総局長の今御発言から、国会での答弁からクウォートされていると思いますが、一般的に、このETVで必ずしも多いんですが、Nスペでも十三年、九十七本のうち十九本が基準放送時間でなかった例があると。 それから、その他の番組、例えば「ひるどき日本列島」なんという番組が昼間十二時台にやっておりますが、これなんかは二百本あるうち、二百本十三年度放送したうち三十一本が基準放送時間ではないと。しかも、二十三分の番組なんですが、それが十五分になったり二十分になったりすることも始終あるという意味では、決められた番組、一定の、例えば四十四分の番組が四十分になるとか三十九分になるとか、その手のことは結構あることでございます。
○八田ひろ子君 いろいろ言われましたが、いろいろなケースがあるけれども、このETVという番組に関してはこういう四分カットというのは異常な状態であったことからも分かると思うんですが、その時間短縮に対しての質問で、日常茶飯事に起こっていると、ETVに関してという質問で。これは根拠がないということを指摘できると思うんですが、この問題に対して海老沢会長も、私ども政治的に公平に扱うというのが原則と答弁をしていただきました。 時間のカット四分というのは、カットされたことの中身が今問題になっていまして、出演者の一人であります高橋さんとおっしゃる方は雑誌の中で「何が直前に消されたか」というのが書かれておりまして、放送三日前の一月二十七日の夕刻に修正台本が送られてきて、二十八日に新たに撮り直し、ところが修正台本版から実際に放映されたものがまた改変された。高橋氏は、改変の目的が日本軍の犯罪を裁いた法廷の核心部分を隠し、法廷の意義を評価するコメンテーターの発言を削除する方向であったと言っておりまして、もう一人の出演者の方は、米山さんという方ですが、別のところで、右翼系国民新聞も右翼団体のNHKに対する様々な圧力や直接的示威行為によって放送内容の大幅改変に功を奏したと記してあると、こう紹介されております。 この突然の改変によって放送されたものが、圧力を掛けたと自称する団体からは歓迎をされて、一方で制作した現場の方は憤り、胸を痛め、取材に協力したNGOや当事者からは裁判に訴えられていると。こういう現状を見ますと、これでも会長のお言葉どおり公正中立だったのか、あるいは独立と説明責任、こういう点からも問題を指摘せざるを得ないなというふうに私は思っているんです。 この従軍慰安婦の問題は、女性の人間としての尊厳に深くかかわる問題でありますけれども、男女共同参画基本法が施行された現在、こういう問題も含めて、ジェンダーバイアスを取り除く真の男女平等社会を目指すに当たってのメディア、とりわけ放送の果たす役割が大きいと思います。 そこで、片山大臣、メディアと男女平等に関して、男女共同参画基本計画では政府の取組を、簡単で結構ですのでお示しください。
○国務大臣(片山虎之助君) 平成十二年の十二月に法律に基づく男女共同参画基本計画を閣議決定されました。その中でメディアにおける男女共同参画の推進が盛り込まれましたので、その閣議決定を受けて、放送事業者の皆さんに対しまして同じ十二月に、当時の放送行政局長名で基本計画の理解と、それに従ってやるような協力を要請いたしたところでございます。
○八田ひろ子君 そうですね。企画、制作、編集など、メディアのあらゆる段階、特に方針決定の場に女性を積極的に登用するようにという要請がありまして、これは男女共同参画社会基本法でも二十一世紀の最重要課題と。国際的にも、北京会議の行動綱領で、メディアの活用の問題に対処するに当たりということで、「政府その他の行為者は、すべての政策及び計画の中心にジェンダーの視点を据える、積極的で目に見える政策を促進すべきである。」と、こう書かれております。 ジェンダーに配慮した放送のためにも、女性の視点を積極的に取り入れる、まず女性職員を増やすこと、それから政策決定過程への女性登用、これが非常に重要だと思いますが、NHKの現状をお示しください。
○参考人(山村裕義君) 御質問のNHKの現状でございますが、平成十三年度のNHKの職員数一万二千二百六十八人で、このうち女性は千百六十八人、九・五%でございます。管理職の女性の割合は二・六%、一般職の女性の割合は一二・七%でございまして、また採用につきましては、平成十三年度の大卒採用者は二百九十六人でありまして、男性は二百三十七人、女性は五十九人で、平成十三年度大卒採用者はおよそ二〇%が女性ということになっております。
○八田ひろ子君 管理職でも、今実際にいらっしゃる方も非常に少ないというのが分かります。 国民の視聴料金で成り立っている公共放送局ですので、私は、会長、目標を、数値目標を作るなどして積極的に是正を図っていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、男女差別なく採用しようというのが基本的な考えであります。 今、新採用は二〇%を一つの目安にしております。目安としているんですけれども、五年、六年で退職していく方が女性の場合非常に多いということなんですね。結局、今全体で一〇%に達しない、九%台にとどまっておりますけれども、更にこの二〇%を増やしていく考えを持っておるんですけれども、途中退職者が非常に多いということも一方であります。 それともう一つは、職場によって非常に差があるんですけれども、例えば番組制作部の子供番組とかを作っているファミリー部というのがあります。これは女性の方が逆に多い職場となっております。ですから、技術とか営業の現場とかそういうところは男性が多いんですけれども、番組制作によっては女性の方が男性を上回る部もあるということであります。 ですから、適材適所といいますか、その場によっていろいろ考えなければなりませんが、いずれにしろ基本的には女性を増やしていく方向で今進めているところであります。
○八田ひろ子君 この議場を見ていただいても、お答えいただく側には女性はお一人もいらっしゃらないということからも、本当に大変なんですよね。 男女共同参画社会基本法は、当然NHKも遵守していただく。基本計画に基づいて人事院は、国家公務員の場合ですと女性の登用や採用の拡大のために指針を出しまして、その指針に基づいて各省庁は目標を定めて、例えば五年間で何%とか、女性の採用、登用拡大の計画を実際に策定を国家公務員ではしているわけで、まだ成果は余り出ていないんですけれども、成果を上げようということですので、是非会長にもこうした取組を重く受け止めて取り組んでいただきたいというふうに思います。 もう一つ、ジェンダーの問題に十分な関心を持って自主的な取組を積極的に進めていただくためにメディアと女性が直接継続的に話し合い、理解を深めることが私は大事だと思うんですね。ですから、是非そういうものを定期的に直接話し合う場をNHKとしても持っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。また、行政としても必要ですので大臣にもお伺いします。
○参考人(板谷駿一君) お答えします。 女性団体と定期的に意見を交わす場として、私どもでは、年に一回ですが、消費者五団体との懇談会、主婦連とか全国地域婦人連合連絡会とか、いろいろなところありますけれども、この団体と懇談会をやっております。 それから、女性・消費者・労働団体懇談会というのが年一回ありまして、これも主婦連、それから日本婦人会議、新日本婦人の会、日本有権者同盟、日本民主婦人の会の代表者の方と話し合うというような場も設けております。 それから、直接、女性団体ではございませんが、女性も参加する審議会、会議も行っております。私どもの番組審議会、中央と地方、中央とそれから地方に八つの番組審議会がございますが、ここでも女性の方が全部で割合でいうと二七%ぐらいいらっしゃるので、フィフティー・フィフティーにはなっておりませんが、ここでもいろいろ御議論を伺う、意見を伺う機会があります。特に中央放送番組審議会の現在の委員長は主婦連の会長さんが今委員長さんをなさっております。 以上でございます。
○国務大臣(片山虎之助君) 今お話しのように、放送番組に女性の考え方や意見を生かすというのは大変結構なことだと思いますね。恐らく女性の方がずっと見ていますよ、テレビを、テレビやラジオを。そういう意味で、ただどうやるかはそれぞれの放送事業者の皆さんで考えていただくと、こういうことだと思います。
○八田ひろ子君 時間がないのでこれで終わりますが、今いろいろとNHK言われましたが、審議会なんかは実際は地方ごとでは一人か二人しか女性は入っていないんですね。男性ばっかりです。今、大臣が言われたように、テレビを見ているのは女性が多くいますけれども、実際はそういう視点が入っていないということで、女性の採用、登用の目標を持った計画とともに、是非会長に強くお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。 BSデジタル放送が始まって一年半が過ぎました。これから予定されている地上波のデジタルの見通しにも重要な意味を持つものだと思っております。 まず確認したいんですが、今年度末のBS受信契約件数は一年前と比べてどれだけ増えましたでしょうか。NHK、お答えいただけますか。
○参考人(安岡裕幸君) お答え申し上げます。 BSの受信契約の増加の関係でございますけれども、現在、全業界的な取組によりまして、年度末の最後の活動を行っているところでございますが、十三年度の一年間で衛星契約は六十五万件増加する見込みでございます。
○宮本岳志君 BSデジタルの普及は放送開始から一千日で一千万件、これが目標です。しかし、BS契約の数は三百六十五日で六十五万世帯の増ですから、これを一千日に置き換えれば百八十万弱にしかならないと。ケーブルテレビを通じた加入があることを含んでも、なおかなり目標と差があると思います。もちろんアナログのBSからBSデジタルにという動きもあるでしょう。 しかし、NHKの放送文化研究所が発行している「放送研究と調査」、この昨年九月号にはこう書いてありました。「デジタル受信機をBSアンテナの出荷台数と比較すると、実は奇妙な事態が浮かび上がってくる。」と。「今年三月」、これは去年の三月ですが、「以降については、デジタル受信機の総計より、BSアンテナの出荷台数が上回り、特に四月以降は三万台前後の差がついている。」と。 そこで、お伺いしたいんですが、デジタル受信機を持たずにBSアンテナだけを使って見ることのできるBS放送というのはデジタル放送ですか、アナログ放送ですか。また、その人たちはどのような契約をNHKと結ぶんでしょうか。
○参考人(安岡裕幸君) お答え申し上げます。 BSデジタル受信機がない場合でございますが、BSアンテナといわゆるアナログのBSチューナーが内蔵されたテレビをお持ちであれば、NHKのBS1とBS2の衛星放送をごらんになれるということでございます。こうしたNHKの衛星放送をごらんになられる場合は、NHKと衛星契約を結んでいただきまして、月間プラス九百四十五円の衛星受信料をお支払いただくということになります。BSデジタルチューナー、あるいはチューナー付きのデジタル受信機でございますけれども、これでBSデジタル放送をごらんになる場合でも、必要な契約はいわゆるアナログの衛星放送と同じ契約でございまして、料金も全く同じでございます。
○宮本岳志君 デジタル受信機を持たずにBSアンテナだけで受信できるのは、間違いなくアナログBS放送なんですよ。だから、六十五万件というのは、決してこれはデジタル放送、デジタルBS放送の伸びを示しているものではないんですね。 これはなかなか考えさせられるデータでございまして、我が党は、技術の成果を、デジタル技術の成果を国民に普及すると、これは決して反対ではございません。だから、デジタル化の推進というのは賛成してきたんです。ただ、今日の時点では、もう国民がデジタルテレビというものに触れたことがないから進まないという論は成り立たない。デジタルBS放送というものが現に体験できるわけですね。 こうなってきますと、これはちょっと会長にお伺いしたいんですけれども、デジタル方式の放送が始まれば双方向サービスなども可能になってみんながそちらを選ぶようになるんだと、こういう前提でやってきたわけですけれども、どうやら実際にデジタル放送が始まってみて、まだ今のところは国民の中には双方向とか高画質ではなくて従来の番組を選んで見ているという状況が私はやっぱりあるんじゃないかと思うんですけれども、この点、会長、どうお感じになりますか。
○参考人(海老沢勝二君) ラジオでも、テレビもそうですけれども、全国に普及するにはやっぱり三十数年の歳月を要しています。御承知のように、新しいメディアを立ち上げ成功させるには、やはり根気いい、根気よく頑張っていかなければならないのは当然だと思います。 そういう中で、このBSデジタル放送、今百九万台が発売されております。私は、このデジタル放送というのはやはり時代の大きな流れでありますし、その方向へ私どもも積極的にこれを推進しているわけであります。ですから、このデジタル放送を普及させるために一番の問題は、やはりソフトとハードが一体となって、車の両輪となって絡み合っていかないと普及しないのは当然、絡み合わなきゃ駄目だということはもう当然であります。 そういう中で、私ども放送事業者の方は、このデジタル放送にふさわしい質の高い、またいい放送をしなければならないということ。それからもう一つは、やっぱり受信機の値段が安くならなければこれは普及しません。 御承知のように、我々の長い経験あるいは統計でも分かりますように、今のテレビと新しいテレビ、いわゆるデジタル放送が見られるテレビの差が五万円程度に下がれば私は爆発的に普及するだろうと。今まだまだ何十万の差があります。ですから、これは余り慌ててあれするか、せっかちな質問だと私は思うんですけれども、私は一千日で一千万世帯の普及はできるだろうというふうに見ております。それは、これからメーカーの方が設備投資をして、そして雇用を確保しながら大量生産していけば私は値段がもう大幅に下がる。そうすれば、視聴者も差が、今のテレビと差が少なくなるわけですから、当然私は購入するだろうと思っています。 ですから、御承知のようにまだまだ値段が高い。それから、操作のしやすい、そういうことが大事だろうと思っておりますので、これは去年の四月から夏に掛けて非常に足踏み状態だった。そのときにいろんな批判が出ました。それは値段が高かったせいで、その後メーカーの方も努力して、去年の十月からだんだん値段が下がってきました。そういう面で、今普及が順調に伸びてきているというふうに私判断しております。
○宮本岳志君 確かに、デジタルチューナーが高過ぎるということがあると思うんですね。大臣も、先ほどデジタルテレビがまだ高いというお話もございました。 同じ「放送研究と調査」の昨年九月号の二十二ページに載っているグラフがあります。これは博報堂が行ったBSデジタル放送を見るために幾らなら出すかという、そういう意識調査の結果なんですね。これによると、五万円が限度というのが八六%、二十万円以上投資をして高画質や高度の機能を楽しもうという人は何と三・四%しかいないのです。アンテナなども含めて五万円までということになりますと、少し長い将来を考えてもハイビジョンテレビの値段ではなかなかないんですね。 国民のニーズに照らしても、地上波のデジタル化がハイビジョン放送を前提としたものとなっているというのは少し再検討を要するんじゃないかと私は思うんですけれども、これはちょっと総務大臣、そのようにお考えになりませんか。
○国務大臣(片山虎之助君) 日本のハイビジョン、これは世界に有名なんですよ。しかも質もいいんですね。こういうものを使わない手はないんですよ。 問題は、その値段ですよね。だから、これは今、海老沢会長が言いましたように、今度は部品の共通化だとかいろんなことをメーカーの方にも努力してもらう。それから、売れ出したらばっと安くなるんですよ。だから、そのうち五万円ぐらいに私なると思いますよ。そうなると爆発的にはやると、こういうことでございまして、とにかくいいことを少し高いからもうやるなというのは良くないですね。
○宮本岳志君 欧米のデジタル化は、標準画質、多チャンネルで進んでいるんですね。だから、日本でしか売れないハイビジョン用の部品というのはなかなか値段が下がらないんだという、これは業界関係の文献などで指摘をされております。やっぱり私は、この点でもしっかり今このデジタル化の日程や進め方を再検討する必要があると思うんですね。 それで、ハイビジョンが幾ら高画質だと申しましても、十インチや十五インチの画面では縦横の比率の違いは別として、ハイビジョンの画質の差というのは人の目で見て分からないと思います。私が専門家や技術者のお書きになったものを読みましても、大体普通の距離でテレビを見て標準画質とハイビジョンの違いがはっきり分かる画面のサイズは三十インチからだと、こういう指摘がされております。 そこで総務省にお伺いしたいんですけれども、BSでデジタル放送が始まって以降、三十インチや四十インチ以上の大画面のテレビの出荷というのは目に見えて増えてきておりますか。
○政府参考人(高原耕三君) BSデジタル放送用の受信機そのものは、先ほどからもいろいろ答弁に出ておりますが、放送開始後一年三か月で百九万台出ております。また、今、先生のお尋ねの三十インチ以上のテレビの出荷台数は、このBSデジタル放送が開始された平成十二年の十二月から平成十三年の十一月までの一年間で八十一万台ということで、その前の一年間では七十八万台でございましたから、約三万台増加したと。それから、四十インチ以上の大画面のテレビというのは、四十インチ以上については統計が実はございません。それで、そのうちのプラズマディスプレー方式というものが統計がございますが、これは十三年から市場に投入されておりまして、十三年の最初の出荷台数は四万台という統計が出ております。
○宮本岳志君 七十八万台から八十一万台ですから三万台と。率にすればそれほど増えてはいないわけですよ。 それで、私、これ大臣にちょっとお伺いしたいんです。 そもそも、今売っている、店で売っているテレビは二〇一一年には映らなくなると法律で決まっているんですよ。それで、それを納得して買い換える人はいいですよ。しかし、世論調査の結果を見ても、国民の九割はそんなことは知らないでアナログのテレビを今も買っているんです。 私、一年前に、大臣、指摘しましたね。あの電波法、この法律通せば、あしたからは町の電気屋には九年後には映らなくなるテレビしか売っていないということになるんだと。政府は、テレビの買換えは控えるようにと、そういうふうに宣伝して回るのかと。こう言ったら、大臣のそのときの答弁、こう言いましたよ。あした本会議で通していただけば、政府の考えはこういうことで進めますよ、十分これを念頭に置いて御注意ください、国民に周知すると、こう答えたんですね。 ところが、この一週間前、衆議院で矢島議員への答弁で、去年はまだ法律が通っておりませんから大々的なPRもしていませんけれども、是非十四年度からはもう少しPRしたいと、こう答えたんですよ。これは、去年はまだ法律通っていませんからと言って、去年の五月にあの法律は通りました。その翌日から周知するんじゃなかったんですか。いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) これは通った時点ではまだ予算がなかったんですよ。十四年度予算で一億何千万取りましたからね、これで大々的にやるんですよ。まあ今もやっていますよ。今もやっていますけれども、もっとこれやり方を海老沢会長や民放連の皆さんとも相談してやっていこうと、こう思っておりますし、テレビは大体買換えのサイクルは七、八年ですね。これからは、一一年に間に合うように買い換えてもらうように、我々も大いにPRしていきます。その間にだんだん値段が下がるでしょうから。総合的な、一応対応を考えます。
○宮本岳志君 この問題は、また議論をする機会があると思うんですけれども、私は、役所のメンツにこだわってその場限りの言い逃れを重ねていけば、迷惑をするのは国民だと。今の状況を国民の前にすべて明らかにして、現状の冷静な把握と分析に立って、どうしたら地上波テレビのデジタル化がうまくいくのかということを、これはもう真剣に検討し直すことを強く求めて、私の質問を終わります。
○松岡滿壽男君 国会改革連絡会(無所属の会)の松岡滿壽男です。 私で十五番目の質問になるわけでありますが、それだけ公共放送としてのやはりNHKの果たす役割というものが重要になってきていると、それに対する期待を込めて皆さん方が質問をされたというふうに思っておるわけであります。 この予算を拝見していますと、建設計画の中に地域放送会館とNHKアーカイブスの整備というのがありますが、そこのところに「山口(十五年度着工、十六年度完成)」という計画が載っております。 このところ、下関の韓国領事館も広島に統合されたり、四建も博多の方に統合とか、各支店がなくなってしまうという誠に寂しい中で、NHKさんの新しい放送会館ができるということは、大変心強く地域に活力を与えるものだというふうに思うんですが、これに並んで、それぞれ沖縄とか岡山、神戸、福島、徳島とありますが、NHKさんとしては、地域の放送局といいましょうか、これに対する位置付けとお考え方ですね、それと何を基準にして規模を決めておられるのか、建設計画ですね。そういうことについて、ちょっと質問通告していなかったんですけれども、お教えをいただきたいというふうに思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、今、五十四の放送局を持っております。その中で、老朽化が進んだところを優先的に建て替えていこうと、そういう方針でやってきております。ちょうど地方でテレビ放送が始まったのが昭和三十四、五年ごろから、遅いところで三十七、八年と、そういう状態であります。その後、やはり四十年以上たっております。それと同時に、これからデジタル放送が本格化いたしますので、そういうところと併せてすべての放送会館をデジタル化施設に更新していきたいと、そういう目的でやっております。 規模は、大体今、地方の職員は百人前後といいますか、それくらいの規模でやっております。それに見合うと。それから放送時間、今、テレビは地方放送、地域放送、大体三時間ちょっとやっております。これがまだ、ますますそれを増やさなきゃならぬのでしょうけれども、そういうことを勘案して規模を決めております。 今、老朽化が激しい山口、岡山、神戸はこれから、今、倒壊してしまいましたので、これから二、三年掛けて新しく造るつもりでおります。鹿児島とか沖縄あるいは金沢、広島とかいろいろ、静岡とかいろいろあります。それを順を追って、NHKの予算の規模を見ながら対応していきたいと思っております。
○松岡滿壽男君 何年前ですかね、ちょうど私のおい坊主が山口へ来ておりまして、NHKのニュースでしたか、天気予報でしたか、あっ、小野文惠がいるわという話になりまして、何であんた知っているんだと言ったら、いや東大で同期だったと。それで私はだんだんファンになりまして、今はメジャーになって東京で、「ためしてガッテン」ですか、昨年も山口のきらら博のオープニングに来てくれたりして、まあ山口県は、非常にだからそういうのに関心を持っているんですね。 NHKさんの人事というものが、まあ彼女の場合一般的なのか、どういう人事のローテーションをしておられるのか。地域とやはりそういう形で、一度地域に出すということは、非常に地域との親しみがわいてくるんですよね。非常にこれは大事だと思うんです。そういうその人事についてお教えをいただきたいと思うんですが。
○参考人(海老沢勝二君) NHKは国民のための国民の放送局でありますし、各地方局が基本であります。ですから、そういう面でまず、私ども、大学卒の新しい人材はできるだけ原則として地方でまず勉強をする、地方のそういう歴史なり文化なり人情というものを十分勉強して、そういう基礎訓練をしてまた次の局へ移る、あるいは東京へ来る、そういうローテーションでやっております。 私は、三ぼれといいますか、その土地にほれ、人にほれ、仕事にほれということで、できるだけ地方に行っていろんなことをひとつ学んで人間を磨いてもらいたいと、そういう方針で地方へも配置をしているわけであります。
○松岡滿壽男君 グローバリゼーションが進んでいるんですけれども、やはりこれは物が動き、人が動き、情報が動くということですが、日本人の場合は旅行は好きだけれども向こうに行ってしまうということはなかなかない。そういう点では、やはりグローバリゼーションの中で、世界の情報をこちらにいながら的確にやっぱり把握するということが非常に大事なところだと思うんですね。 昨年も、先行議員から話ありましたが、九・一一の事件、ヨーロッパなんかでは、アメリカの情報に偏ることなくて、例えば中東のCNNと言われているアル・ジャジーラの情報も流しているということのようですけれども、どちらかというと、日本はアメリカの情報が中心になっているんじゃないかという感じがしないでもないんですけれども、この点はNHKさんとしてはどのように調整をしておられるんでしょうか。
○参考人(海老沢勝二君) あの九・一一事件のときは、ABCあるいはCNNとか、我々協定を結んでいる放送会社の映像なり、あるいはAPとかUPIとかいろんな通信社からの情報、そういうのを多角的に総合的に編集して放送いたしました。それから、アメリカ、イギリス軍がアフガニスタンへの空爆といいますか、攻撃を始めてからは、イスラマバードを中心に、周辺の都市にいろんな記者、カメラマンを配置し、また外部の人も雇って、多角的に放送いたしました。そういう中で、カタールのアル・ジャジーラの放送も、これは放送権料を払って我々も買いました。ですから、アル・ジャジーラの放送もかなりこれは取り入れました。 そういう面で、できるだけ多角的な、多くの放送機関のものを我々の判断で、編集権、我々あるわけですから、我々の責任において編集して放送したわけであって、一方的に偏ったわけじゃありませんで、いろんな情報を総合して放送したつもりでおります。
○松岡滿壽男君 最近、海外で、特にアメリカ中心に、いわゆる日本たたきですか、かなり批判が出ていますね。雑誌とか新聞はかなりそれ出ているんですけれども、テレビで余りそういうものは、余り見たくもありませんけれども、取り上げられていないような感じがするんですが、その辺はどういうふうに対応をされておられるんでしょうか。
○参考人(海老沢勝二君) その日本たたきといいますか、いろんな見方がありますけれども、私どもは、例えばアメリカの新聞等が日本に対するような批判記事があればそれを紹介する、ニュースで取り上げる等はしております。それから、BS1の方で世界の主な国の主な放送機関のニュースをそのまま流しております。そういう中で、アメリカの有識者の発言なり、あるいは政府高官の発言なんかはそういう場面で出てきています。ですから、そういうものは取り上げております。 ただ、それについて一々それを日本政府が論評するとかいろいろあればそれは当然放送しますけれども、そういう何といいますか非常に目立つようなものについては、適宜それを取り上げてニュースの中で放送をしているというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 最近、いわゆるワイドショーが非常に、政治もワイドショー化しているんじゃないかという受取方があるようですけれども、民放が非常に行き過ぎた情報を流すと。それはやはり、中立公正でNHKさんがやはりきちっと国民に知らせていくということは非常に大事な部分だと思うんですね。特に、非常にテレビを通じて政治が国民に身近なものになってくるということは、これは歓迎することだと私は思うんですが、去年のえひめ丸のときのように森さんがゴルフをやっている姿ばっかり流すとか、それから田中眞紀子さんの涙とか、それから鈴木宗男氏がぱっと階段上がっていってまた引き返すとか、ああいうところばっかり意図的に見せられると、国民は一つのイメージを作ってしまうんですよね。非常に私はこれ、危険なことだと思うんです。 確かに、大宅壮一がテレビ時代というのは一億国民が総白痴化するんじゃないかという警鐘を鳴らした時期がありました。それで、十数年前に佐藤栄作総理が退陣されるときの記者会見、新聞記者出ていけと、テレビだけがその本当の姿を見せるんだというそういうものがありましたけれども、私は、非常に今、日本人というのは反射的に、思考力というよりは反射的に動いていくという部分がテレビ時代の中で出てきている、非常に危険なものを感じますね。 そういう点で、NHKさんとして、公共放送として、やっぱり情報はたくさん国民に知らせなきゃいかぬが、そういう民放の行き過ぎを是正する一つの役割というものが私はあるんじゃないかと、公共放送として、思っておるんですけれども、この点についてはいかがお考えでございましょうか。
○参考人(海老沢勝二君) 日本の放送は、この受信料のNHKと広告放送の民間放送、この二元体制といいますか併存体制で、それぞれの特徴を生かしながら日本の放送文化の向上に尽くしてきたということであります。 そういう中で、私どもは、できるだけ政治的に公平であらなきゃならぬだろうし、いろんな意見についてはいろんな意見を多角的に取り上げると、そういうことでできるだけ公平に放送するように努力しているわけであります。 そういう中で、同じ画面、同じ映像を何回も繰り返してやれば非常に悪いイメージを与える、あるいはまた逆にいいイメージを与える、両方あると思いますけれども、意図的にそういう、やればできるメディアでないかと思います。そういう面で我々は、できるだけそういう、何といいますか意図的なイメージ作りというものは避けなきゃならぬだろうというのはもう基本的に考えております。 ですから、できるだけ公平にするのは非常に難しいわけですけれども、そういう客観的、公平的にやる、そういう努力は常に持っていなきゃならぬだろうと思っています。そういう面で、電波はやはり公共性が高いわけでありますから、そういう公共性をきちっと踏まえながら、視聴者に不快な念を与えるとか、あるいは悪い影響を及ぼしたりしないように、事実をきちっと伝える、事実をきちっと伝えるのが一番大事だろうと、そういうふうに今後も努力していきたいと思っています。
○松岡滿壽男君 今、我が国は人心の荒廃とか、それから経済が行き詰まっている、政治が混迷している、国民は閉塞感の中であえいでいるという大きな曲がり角に、私、来ていると思うんですね。そういう中で、やはり中立公正な、公平な情報をきちっと国民に情報として与えるということは非常に大事な役割だというふうに思うんですね。 その中で、これから日本が元気を出していくという方法、政治絡みでは二つあると思うんですけれどもね。 一つは、片山大臣おられますけれども、道州制の議論とかさんざんここでしているわけですよ。中央と地方との役割分担をどうしていくのかということですね。国自体の生き残りと地方の生き残り、その中で道州制の議論なんかも、先ほど岩城先生が県境を越えたNHKの役割ということを言っておられましたけれども、そういう問題が一つある。 これは例えば合併についてはスウェーデンが、小さな国ですけれども、二千六百あったのを二百ぐらいですか、それから二十万人いた議員さんを六万人にしたとか、そういう先例があっちこっち世界じゅうにあるんですよね、そういう。例えば連邦については、ドイツが連邦参議院をやっていますし、二院制の問題についてはですね。 あと、政と官の問題ですね、もう一つは。 今、小泉三原則というのがある。僕はあれ正しいと思っているんですがね。やはり内閣主導でいくと。それで、官僚主導を排する。そして、片方で族議員も排除する。これは御存じのように、イギリスの議院内閣制を視察に行って、クエスチョンタイムを導入し、それから副大臣、政務官制度を導入しているわけですよ。だけれども、中途半端な導入の仕方しているから、その仕組みがうまくいっていない。 こういう世界の各国のそういう政と官との役割分担と、それから中央と地方との役割分担。あるいは、今度、参議院で参議院改革協議会が発足しました。二院制の中で参議院はどうあるべきかと。これも世界じゅうに例がたくさんあるわけですよ。二院制は主として連邦制のところと、それから世襲制のところとか貴族制のところとかいうところですけれども、こういう状況をやっぱり海外取材をされて的確な、曲がり角にそれぞれ来ている中央と地方とのかかわり方、役割分担、どれがいいのかと、あるいは政と官というのはどうなっているのかと、あるいは二院制やっている国はこうなっているんだという情報を是非国民に知らせていただきたいという思いがするんですけれども、この辺はいかがお考えでしょうか。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、公共放送の使命の一つとして、民主主義の健全な発展に資するということも大きな役割だろうと思っております。そういう面で、この民主主義を健全育成するために、世界の各国がどういうような政治機構あるいは行政に取り組んでいるか、政と官の問題が今議論になっておりますけれども、いろんな角度から取り上げるということは非常に大事なことだろうと思っています。 そういう面でこれまでも世界の選挙制度あるいは議会の在り方等についても取り上げてまいりましたけれども、今、先生御指摘がありましたように、これからいろんな問題、道州制の問題なり、あるいは市町村合併に伴うそういう道州制の問題、あるいは政と官の在り方、いろいろな課題がありますので、また新しい視点に立って、世界的な視点に立って我々もいろいろ番組を作ってまいりたいと思っております。
○松岡滿壽男君 是非お願いいたしたいというふうに思います。 それと、高齢化が急速に進んできておりまして、私どもの同期ももうそろそろ皆、役員も定年という時期に入ってきておるわけです。それで、ある面ではみんな持て余しちゃっているんですよね。会社人間で働いてきて、奥さんは適当な趣味を見付けたりしているけれども、御主人の方がですね。 だから、このNHKさんの番組を見ていますと、茶道とかいろいろやってはおられますけれども、高齢者の趣味の増加を図るために、茶道だけでなく絵画とか陶芸とか、いろいろ心豊かに老後を送れるような、それを主導していくような番組編成ですね、これを集中的に高齢化に向けて是非お考えをいただきたいというふうに思うんですけれども、最後にそれを伺って渡辺さんの方にバトンをタッチしたいというふうに思います。
○参考人(板谷駿一君) お答えいたします。 高齢者向けの番組を作っていくということは、特に趣味なんかも含めて、これからますます高齢化社会の中で大事なことだと思っております。 いろいろ趣味の関係の番組、例えば俳句とか、それから歌ですね、短歌、それから囲碁の時間、将棋の時間、趣味の園芸とか、いろいろ新番組なんかはやはりどちらかというと高齢者の方が見てくださっておるという傾向がありますし、それから、御指摘の茶道、日本画、陶芸、それから中高年のためのパソコンとかそういう番組も、それからウオーキング、仏像、いろんな趣味を取り上げてやるような番組をやっておりますが、今後とも、そういう高齢化社会の到来というのを十分踏まえながら、お年寄りが元気に生きられるような番組を作る努力をしていきたいと思います。
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。
○渡辺秀央君 御苦労さまです。 大分時間も経過してまいりましたし、もうほとんど出尽くしておりますので、ちょっと角度を変えて質問をしてみたいと思います。 とにかく、昨今、我々が学校で学んだ民主主義、三権分立とこう言ってきましたが、正にこの情報メディア、放送メディアというのは三権以上の、もう四権、いや、第一の権力あるいはまた権限を持っている、影響力を持っている、そういう状態に入ってきていることは、これはもうだれも否定できないことだと思うんですね。 それだけに、もちろん行政を預かる大臣の責任は極めて、一般的な大臣、国務大臣としての大変な重責であると同時に、もう一つのちょっと想像付かない大きな問題がある。それはまあ片山大臣自覚をされながら大変努力をしておられると思うんですが。同時に、世界最大と言ってもいいNHKとして、あるいはまた国内最大最強の放送メディアとして、大変な影響力を与えるわけであります。 これはもう今日まで、正に公平公正、そして迅速正確、正に見事に大変に私は日本放送協会、公共の放送メディアとしての責任を十二分に果たしておられると、これは私は評価をいたしておきたいというふうに思います。しかし同時に、幾つかの今まで同僚議員がいろんな期待あるいはまた注文もございました。何といっても、それだけ大きな影響力があるということに対する期待感からの注文だと思うんです。 そういう意味では、極めて昨今のこの放送メディアのありよう、今、同僚議員からも正に質問がありました。あるいはまた意見もありました。私もるるちょっと申し上げてみたいと思ったんですが、時間がありませんので省略をいたしますが、NHK会長として、日本最大の放送網を持っておられる責任者として、昨今のこの放送・情報メディアのありよう、そして責任、そういうものに対してどういう感じを持っておられますか。余り長くは結構ですから、別に反省を込めて言ってくれという意味じゃありません。率直に、ほかの民放のことについておっしゃる必要ないですから。全く、マスコミにおられる、非常に重要な立場におられる、政府の各審議会の委員もやってこられたNHKの会長としての昨今の考え方をちょっとお聞きしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 今、こういう二十一世紀に入って、去年の九・一一事件が起こるような、非常に何が起こっても、何が起こるか分からないようなこういう世界情勢の中であります。それと同時にまた、日本も景気が良くならない、非常に閉塞感にとらわれている現状であります。 そういう中で、我々、ジャーナリスト、ジャーナリズムの世界としては、そういう世界の大きな流れ、また日本の進むべき道というものをやはり国民に分かりやすく説明しなきゃならない機関だろうと思っております。そういう面で、私ども、この国会の中継も、生中継も年間五十回前後放送して、ともに今、政治がどういうふうに動いているのかということも放送しているわけであります。 そういう中で、世界の動き、日本の経済の状況等も放送しているわけでありますけれども、そういう中で今、何といいますか、興味本位の番組あるいは青少年に悪い影響が及ぶ番組が非常に増えてきているのではなかろうか、そういう状態で本当に日本の国はこれで大丈夫なのか、あるいは、これから青少年が日本を担うわけでありますから、そういう青少年にどういう影響を及ぼすのか、そういう意味でいろんな意見、我々も十分認識しているつもりであります。 そういう中で、私ども公共放送、受信料で運営している我々としては、できるだけ視聴者の立場に立って、公平で、そして視聴者一人一人の生活に役立ち、また心豊かになるような、視聴者を元気付けるような、勇気付けるような、質の高い番組を更に作らなきゃならない、そういう時期だろうと、そういうふうに認識しております。
○渡辺秀央君 大臣、いずれ大臣とはこの放送問題についてはこの委員会で質疑を交わしたいと思いますから、今日はちょっと聞き役に、御苦労さんですが、回っておいていただきたいと思います。 私は、特に民放の方に、NHKは少し臆病過ぎる、政治に関して特に、それはちょっと指摘しておきたいと思うんです。後ほどちょっと私の考えを申し上げますが、民放においては、憲法二十一条をかざし過ぎて、そして余りにも責任ということに対して希薄であるということを私は指摘しておきますよ。いずれ議論をしたいと思うんです。 なかなか政治家がマスコミが怖くて物を言わぬ、もう最近は。今までずっと質問してきたって、余り批判がないでしょう。なくなっているんですよ。もうそれは本当に、そういう意味では我々自身も考えなきゃいかぬ、我々自身も勇気を持ってやっぱり言わなきゃいかぬ。 同時に、電波の監理者である役所はきちんとした対応をせにゃいかぬということを、私はBRCというのも知っていますし、あるいは民放だけで、当時、私も現職のときに、番組に対する規律のための特別な、民放協会に設置してもらったという例もありますよ、あの例の沖縄のサンゴをわざと削って映したなんということをやったんだから。まあ一々のことを言いません、時間がなくなったので。 私は是非、ちょっと海老沢会長、NHKのニュース、教養番組から娯楽番組まで、非常に先ほど申し上げたように質の高い番組を出しておられると思います。それは非常に評価をいたします。 特に僕は歴史問題が非常に好きでして、政治家はみんなお互いに歴史が好きですが、共通性があると思うんですけれども。その歴史に対して、非常に昨今の番組の中で、「その時歴史が動いた」というあれ、松平さんかな、やっておられる。非常に僕は見逃さないようにして勉強しながら見ております。あるいは「堂々日本史」なんていうのもありましたよ。その時代背景を分かりやすく面白く解説して、大変いい番組だったと思うんです。不偏不党、公正中立でやってきたと思うんですね。同時に、歴史を掘り起こして、非常に正しい歴史観を国民に与えている、非常に結構だったと思うんです。 同時に、私は、先ほど申し上げたように、こういったまじめな番組、評価をしながらも、期待をしながらも、同時に、ワイドショーが必ずしもいいとは思わぬ、いいとは思わないですが、NHKも、公正中立、そしてまじめもいいんですけれども、少し政治時局に対して、せっかくNHKは視聴率高いんだから、それを活用して正しいPRを、あるいは政治時局に対して勇気を持って取り組んだらどうかと、政治番組に対して、時局番組に対してね。ワイドショーとは言わないが、多少面白さを味わえるようなものを考えたらどうかと、どうですか、会長。
○参考人(海老沢勝二君) 非常に難しい質問を受けました。 私ども、今「日曜討論」とか、あるいはNHKスペシャルで、日本の課題というようなことで、政府あるいは財界人あるいは各団体の方々にお集まり願って議論をする番組、いろいろやっております。そうしますと、非常にNHKは硬いとか、もっと分かりやすい番組作ったらどうだという御指摘を受けます。この辺の兼ね合いが非常に難しいわけでありまして、基本はやはり視聴者国民に分かってもらうのが大事なんですから、できるだけ分かりやすく、そしてまた興味、関心を持ってもらわなきゃいけませんので、そういう面でやっぱり番組作りの基本はきちっとしながらも、今、先生御指摘のように、もっと皆さんが興味を持って、関心を持って分かりやすく見られるような、そういう番組作りも必要だろうと思っています。 いろいろ努力してみますので、よろしくお願いします。
○渡辺秀央君 どうぞ研究してください。 ありがとうございました。
○又市征治君 社会民主党の又市征治でございます。 一番最後でございますから、大分お疲れのようだとも思いますが、是非、簡潔明瞭な御答弁をお願いをしてまいりたいと思います。 まず、NHKの関係で、契約営業の問題についてお伺いをしておきたいと思います。 ちまたには、NHKの営業マンが来て衛星契約への切替えを強引に進めているという声も実はあるわけであります。例えば、衛星契約についてよく理解できないお年寄りだけの世帯だとか、お年寄りが留守番をしていて衛星契約を取られてしまったと、こういうクレームが出ておるという話を聞くわけでございます。大変に多いということではないんだろうと思いますけれども、こうしたクレームの実態をどの程度把握をされておるのか、またこれらへのクレームの事前事後の対処はどのようになさっているのか、是非簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○参考人(安岡裕幸君) お答えを申し上げます。 NHKは、もう当然ですけれども、視聴者からいただく受信料で経営をしておるところでございます。したがいまして、何よりも大事にすべきは視聴者の信頼を確保していくと、あるいは理解をしていくというところは大変重要なことでございまして、契約収納活動におきましても、その点を常々担当する職員なり、あるいはそのスタッフにも指導しているということでございます。 ただ、残念ながら、実際にお客様から現場の営業活動に起因しました問い合わせとかクレームが、最近少なくはなっておりますが、ございます。ただ、その大半は応対のマナーが悪いということで、例えばちょっとネクタイ締めていないとか、余り名前を名のらなかったとか、そういうところが結構多いところでございますが、先生先ほどの御指摘のように、実際にお年寄りに衛星受信機もないのにお勧めするというケースは、これは非常に極めてまれなケースでございます。 しかしながら、当然でございますけれども、これもあっちゃならぬ話でございますので、こういうクレームにつきまして我々の方は速やかに対処するということで、非常に大事なところは二つあると思います。 お客さんからクレームがあれば直ちに速やかに手を打つと。事実関係をどうなのかというところをよくよく調べまして、我々の方に対応不十分であれば、速やかに手を打っていくということで対処させていただきます。今回の事案、多分だと思いますが、ちょっと連絡が不十分で、少し後手に回ったという点については大変申し訳ないなというふうに思っておりますが、誤った措置については速やかに措置もしているということでございます。 もう一つは、こういういろんなお客様からの事案につきまして、再発を防止するという見地でやっぱりいろんな場面場面で指導強化をしていかなきゃいかぬというふうに思っています。一つは、応対、モラル、応対の向上ということですね。三Nだとか三Sということで、もっとお客さんの立場に立って応対しましょうよという運動も展開もしておりますし、それから実際にいろんな各種の講習の中で、例えば今……
○又市征治君 簡潔に。
○参考人(安岡裕幸君) はい。ということでいろいろ講習等も努めておりまして、再発防止につきましてしっかりやっていきたいというふうに思っております。
○又市征治君 これは会長にお伺いをしてまいりますけれども、メディアの種類はこれからますます多様化をいたしますし、次々と新しいサービスの種類が増えてくるだろうと思います。衛星契約を伸ばそうという営業努力ももちろん当然必要なんですけれども、公共放送といった、公共放送として放送のバリアフリーだとか、あるいは放送におけるユニバーサルサービスをうたっておられる以上は、サービス提供の入口であります契約獲得の段階においても、高齢者その他の言わば情報リテラシーの弱者に対して十分配慮されるようにくれぐれも要請を申し上げたいと思いますが、会長の決意を簡潔にお願いしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、視聴者国民の理解と信頼なくして成り立ちませんので、視聴者国民に対して、受信料の意味合いとかあるいはNHKの業務についてやはり分かりやすく、懇切丁寧に説明して理解を得なければならない立場であります。そういう面で、今御指摘の点につきましては、十分反省し、そして職員、スタッフの教育に一層努力してまいりたいと思っております。 いずれにしても、こういう多メディア、多チャンネル、非常に激しい競争時代の中で、また我々も公営負担ということで、視聴者国民から納得いただいて受信料を集めなきゃならない立場であります。そういう面で今後とも十分理解を得られ、そしてまた信頼を高めるように、一層努力したいと思います。
○又市征治君 次に、地上波デジタル化の問題について、総務省の関係お伺いをしてまいりたいと思います。 地上波デジタルは、電波が短いために、現在よりも大きな電波塔が必要だということで、新しい電波塔を造るという構想が出ました。関東地域を例に挙げますと、新宿、さいたま、八王子、秋葉原、浅草などの構想があって、いずれも高さが前例のない四百メーターから七百メートルと。事業費も最大で五百億円程度という巨額なものを聞いておるわけですけれども、これらの構想はいずれも今一とんざしているようですけれども、この構想の概要と現況について、簡潔に御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(高原耕三君) 今、先生おっしゃいましたように、関東地域におきましては、タワー、現東京タワー以外に、埼玉の新都心タワーあるいは多摩タワー、新宿タワー、秋葉原タワーといったような構想があるわけでございます。しかし、いずれも条件が整いませんで、現時点では決定をされておりません。 放送事業者は、二〇〇三年のデジタル放送の開始時には、したがって現在の東京タワーを利用するということにいたしておりまして、引き続きこういう新東京タワーの可能性について検討を続けているという状況でございます。
○又市征治君 当面は今の東京タワーでいこうというお答えでありますが、それは、これは大臣にあとお伺いをしたいと思うんですが、これはいつごろまでこのことが、東京タワーを使っていくことが可能なのか。そして、じゃ近い将来、じゃ新電波塔が必要になった場合でもこれについては公費負担というのは将来とも考えていないということなのかどうか、この点ひとつお伺いしたいと思います。
○政府参考人(高原耕三君) 今、先生、いつまでというお尋ねでございますが、先ほどの先生の御指摘もございましたように、デジタル化に伴いまして、できるだけ超高層タワーから出した方がいいということはございますけれども、いつという期限はございません。ですから、今の東京タワーのままでも特にすぐに不便が生じると、不便といいますか、それは高い方がいいわけでございます、すぐに使えなくなるといったようなものではございません。 それから、国費の投入につきましては、原則としましては、地上テレビジョン放送のデジタル化に伴う設備投資というのは、原則、放送事業者の負担ということになっております。しかし、今までのいろんな高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法とか、いろんな法律によりまして、税制、金融上の支援措置が一方あることも確かでございまして、こういうデジタル化の投資の円滑化を図るという面もございますので、この辺を総合的に勘案していきたいと思っておりますが、直接に国費投入ということは今すぐ何か検討に上っておるというわけではございません。
○又市征治君 この問題について、海老沢会長にもちょっと放送事業者の立場でお伺いをしたいと思いますが、地上デジタル化への移行は、電波の数は増えるけれども放送局としてはその分自社のシェアがむしろ相対的に減る、切替えの設備投資も膨大になるんではないかというふうに私は思うんですけれども、この際、かなり当初の計画から見ますと相当食い違いが出てきておる。予算の関係も当初の問題、見積りでいいますと七百億円が二千億円にも膨れているというような状況なども含めてあるわけですけれども、あるいは先ほど来から出されておりますように、どうも視聴者の負担も出てくる。このことは国民には余り必ずしも知られていない。大臣は、一生懸命もっと、安くなりゃもっともっといいんだというお話がありますが、今のところは視聴者の負担も出てくる、こういう問題などあるわけですが、この際、もう少しじっくり考え直す方がよいんではないかというふうに思うんですが、NHKの会長という立場から、率直な今の御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、放送を開始して七十七年になります。放送は、私はいつもその時代の最も新しい技術を積極的に取り入れて、その新しい技術を活用した文化メディアだと言っております。 今、こういうデジタル技術という新しい技術が発展、発達してまいりました。これはもうこれデジタルは先ほどから説明ありますように、いろんなメリットがあるわけであります。これはもう世界的に、そういうデジタル技術を活用していくというのがもう大きな流れ、主流になっております。ですから、私は、そういう新しい時代を先取りしながら、やっぱり日本の文化の向上なりあるいは産業の活性化のためにもデジタル放送を早急に立ち上げていくべきだろうと、そういう考えを持っております。 ただ、この場合に、いろんな設備投資、資金が掛かるという、これはやはり非常に民放各社も大変だということを言っておりますけれども、それはやはりこれまでも、長い歴史の中でそういうものを一つ一つ克服しながらここまで発展してきたわけであります。 そういう面で、これからもいろんな工夫をしながら、私どもも、民放各社ともいろんな面で共同建設なりあるいは共同開発をしながら、できるだけコストを削減しながらやっていこうということで意見が一致しております。そういう面で、いろんな工夫をしながらこのデジタル放送を推進していくべきだろうと、そう思っております。
○又市征治君 最後になりますが、個人情報保護の問題と報道の自由の問題について、NHK会長としての御意見をお伺いしたいと思いますけれども、今、個人情報保護法案あるいは人権擁護法案が出されようとしているわけですが、この二法案について、報道機関に対して国などが取材の目的だとか取材結果を出せと、こう命ずることができるとなった場合に、政治家や官僚など権力者に対する取材ばかりが規制をされる、こういうことになり、国民に知らされないとなれば、これは民主主義にも反することだろうと思うんです。 不偏不党であり、かつまた公正中立な報道を旨とされるNHKとして、国民の知る権利を守るというこの点についての御決意をお伺いをして終わりたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私どもは、やはり表現の自由を保障されているわけであります。それだけにいろんな責任も重いわけであります。 そういう意味合いから、私ども、国内の放送番組基準なり放送ガイドラインというものを作っております。これは全職員にその冊子を配って、拳々服膺といいますか、常にこれを読みながら視聴者のニーズにこたえるべきだということで教育指導をしているわけであります。その中で、人権の擁護、個人のプライバシーの保護というものを大きく掲げております。 そういう面で、私どもは、我々の自主的判断で、我々の責任においてこの人権の擁護、個人情報に対応していけばいいだろうと思っています。ですから、法律で規制するんじゃなくて、我々放送事業者が、我々が自主的に判断してやっていくべきものだろうというふうに思っております。
○又市征治君 終わります。
○委員長(田村公平君) 以上で質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田村公平君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 この際、浅尾君から発言を求められておりますので、これを許します。浅尾慶一郎君。
○浅尾慶一郎君 私は、ただいま承認すべきものと決定いたしました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、国会改革連絡会(自由党・無所属の会)及び社会民主党・護憲連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案) 政府並びに日本放送協会は、次の事項の実現を図るべきである。 一、放送の社会的影響の重大性を強く自覚し、放送の不偏不党、真実及び自律を一層確保するとともに、放送倫理の確立と徹底を図り、人権に配慮した、正確かつ公正な報道と青少年の健全育成に資する豊かな情操を養う放送番組の提供に努めること。 二、協会は、その主たる経営財源が受信料であることにかんがみ、受信料制度への国民の一層の理解促進を図り、負担の公平を期するため、契約の確実な締結と収納の確保に努めること。 三、協会は、視聴者の十分な理解と協力が得られるよう、経営全般にわたる抜本的な見直しに取り組み、業務運営の効率化によって経費の節減にさらに努めること。また、視聴者に対する説明責任を果たし、事業運営の透明性を確保するため、情報公開を一層積極的に行うこと。 四、協会は、放送法の趣旨及び協会の公共性にかんがみ、インターネットによる情報提供については、放送の補完利用として適正な運営を図るとともに、子会社等の業務範囲等について、適正性、透明性の確保に努めること。 五、地上デジタル放送の円滑な導入に向け、視聴者への周知を一層強化するとともに、アナログ周波数の変更対策については、正確な経費を算出し、対策方法を関係者と十分協議した上で、視聴者の理解と協力の下に実施すること。 六、障害者や高齢者向けの字幕・解説放送等情報バリアフリー化に資する放送番組を一層拡充すること。 七、我が国に対する理解と国際間の交流を促進するとともに、海外在留日本人への情報提供を充実させるため、映像を含む国際放送をさらに拡充すること。 八、協会は、非常災害時等の緊急報道体制の強化を図り、国民の安全に資する情報の的確で迅速な提供に努めること。また、地域に密着した放送番組の充実・強化を図るとともに、地域から全国への情報発信を一層推進するよう努めること。 九、情報通信技術の急速な進歩に伴う通信と放送の融合の進展等、放送を取り巻く環境の変化に対応し、放送の公共性の確保、公共放送の使命・役割等、今後の放送制度の在り方について検討すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(田村公平君) ただいま浅尾君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いいたします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田村公平君) 全会一致と認めます。よって、浅尾君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、片山総務大臣及び海老沢日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(田村公平君) 海老沢日本放送協会会長。
○参考人(海老沢勝二君) 日本放送協会平成十四年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、ただいま御承認を賜りまして厚く御礼申し上げます。 本予算を執行するに当たりましては、御審議の過程でいろいろいただきました御意見並びに総務大臣の意見書の御趣旨を十分生かしてまいりたいと考えております。 また、ただいまの附帯決議につきましては、協会運営の根幹を成すものでございますので、これを踏まえて執行に万全を期したいと考えている次第でございます。 誠にありがとうございました。
○委員長(田村公平君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十二分散会