政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2002/07/12
会議録
○委員長(沓掛哲男君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る八日、神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として藤井俊男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(沓掛哲男君) 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(衆第一六号)及び公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(参第一七号)の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○千葉景子君 おはようございます。民主党・新緑風会の千葉景子でございます。 この質疑も二回目ということになります。今日は、ちょっと少し焦点といいますか課題を絞りながら、質問をさせていただきたいというふうに思っております。 つい過日、この法案の内容につきまして参考人の皆さんから御意見をちょうだいいたしました。私も聞かせていただきながら、大変示唆に富むいろいろな御意見をいただいたものだというふうに感謝をしているところでございます。 土本先生、それから飯尾先生、板倉先生と、それぞれ自らの専門領域を中心にされながら数々の御指摘をいただいたところでございますけれども、それを聞きながら、残念ながら、どの参考人の皆さんの御意見をお聞きいたしましても、野党案もすべてよろしいということではございませんけれども、与党案でこれで十分だという御意見をお述べになった参考人はおいででなかったように思います。幾つかのところを御指摘をされまして、これで本当に納得できる法案ができるのかどうか、中には、ちょうど一年ぐらいでまた修正がなされる、朝令暮改というようなこともおっしゃりながら、土本先生でしたか、また、余りきちっとしたものができないとまた改正をするようなことになってしまうのではないかという厳しい御指摘などもございました。 それぞれ与党、野党の提案者の皆さんも参考人の御意見をお聞きになったことかと思いますし、あるいは速記録などでチェックをいただいているのかと思いますけれども、まずこの参考人の意見についてどのように受け止められたかどうか、与野党それぞれ御意見あるいは御認識を聞かせていただきたいと思います。
○衆議院議員(保利耕輔君) 先日の参考人の質疑につきましては、私もこの職を務めております以上、拝聴させていただくのが適当であると思いまして、こちらに出てまいりました。 そのときに議員から、山下議員から私のこともおっしゃっていただいて、大変恐縮をしたのであります。さはさりながら、御三方からのお話というのは非常に私どもも耳をそばだててと申しますか、一生懸命拝聴させていただきました。町村議員も来ておりましたが、やはり専門家というのは違うなという感じをいたしたところであります。 ただ、私は残念に思いましたのは、特に土本参考人が地方の私設秘書について入れないというのは論理矛盾だとまで言い切られたところが非常に気になったわけであります。これは、土本参考人には私どもから事前の細かい説明をしておりませんでしたので、極めて常識論として、中央の私設秘書が入るならば地方の私設秘書も入って当然だというような、私設秘書という言葉そのものからくる印象を述べられたものじゃないかなと思っております。私どもが申しておりますのは、せんだって来申しております私どもの論理がございまして、ここのところをお分かりいただけなかったことは残念だなという気がいたしております。 なお、これは私どもの方から申し上げることではありませんが、賄賂という言葉は適切でないということは複数の先生方から御指摘があったということは、なるほど専門家の御意見だなというふうに拝聴させていただきました。 その他いろいろございましたが、衆議院では参考人質疑がございませんでしただけに、私が参考人質疑を聞かせていただいたということは、大変こういった問題を今、今回だけでなく、将来とも考えていく場合に大変重要な御指摘をいただいたものだと、そのように認識をさせていただいたところでございます。
○委員以外の議員(江田五月君) 先日の参考人質疑は、私自身はこの委員会の委員でないので、残念ながら聞いておりませんでした。しかし、非常に重要な質疑であるということで、後ほど同僚の委員からの御説明も受けたり、あるいは昨日、まだ未定稿ではありますが、会議録を熟読させていただきました。 特徴的なのは、やはり三人の専門家の皆さんがこぞって、今の衆議院から送付された与党案ではいけない、このことを強調しておられたということですね。私ども野党の案についても、これで絶対全部いいとおっしゃった方はおられませんでしたが、しかし今の保利先生の言われる賄賂という言葉はどうかということ以外のところは、これで本当にもうアリのはい出るすきもない、そういうものになっていると、こういう意見もございまして、意を強くしているわけでございます。特に、土本教授は最後のところで、行政への口利きこそ政治家の仕事だという日本の政治の常識を転換させることを目指して本改正作業が進められるべきものと考えるのでありますということで終わっておられまして、正にそのとおりと。 昨日、今日、また起きましたですね。宮路厚生労働副大臣のケースは、これは相手が公務員でないから私どもの法律ができたとしてもすぐ当たるわけじゃないけれども、しかし、やっぱりそれは口利きの典型ですよね。私も、それは法にも欠陥があって、国民の皆さんが、法律ではそうなってもこれは政治的にやはりどうしても救済してほしいというようなそういう声を政治家に寄せられる、それを我々は行政に届ける、そういう仕事も大切な仕事だと思います。しかし、そういう場合じゃなくて、一般にもう口利きが横行しているじゃないですか。この社会、私たちの社会がコネ社会、リベート社会になっているじゃありませんか。その中枢に政治家がいるじゃありませんか、中央、地方を加えて。ですから、これはやはり参考人の皆さんの意見も聞きますと、どうしてもここはしっかりした改正をしなきゃならぬと思っています。 もちろん、私ども野党の案の提案者として、野党案は万全だと、こう言いたいところでありますが、しかし多くの皆さんの声を聞きながら、およそ三点ほどに絞られてきているんじゃないか、今回改正すべき事項は。それは、やはり一つは処罰の対象、これを私設秘書を国会だけじゃなくて地方の政治にも及ぼすと。今、保利先生、そのことについて土本教授に十分説明していなかったのでというお話ございましたが、私はやはり土本教授のこの判断というのは適切だと、これが一つ。それから、あとは権限に基づく影響力行使ですね、これを削除する。そして第三者供賄、これをちゃんと加える。これはもうほぼ一致しておりまして、参考人の皆さんのこういう強い御意見というものを私たち国会として真剣に受け止めなきゃならぬと。与野党対立の話じゃありませんから、是非とも与野党の合意をそういう辺りで探ることが参考人の皆さんに対する私たちの責任だと思っております。
○千葉景子君 今それぞれから御意見を、御認識を聞かせていただきましたが、やはりその中で与野党共通するのは、やっぱり衆議院ではなかった参考人の意見聴取もさせていただいたということもあり、それらの意見も十分に尊重しながら良いものを作っていこうということではやはり一致できるのではないかと、こう思うわけでございます。 そういう意味で、与党の皆さんの方でも、可能であるならば、やっぱりこの点は参考人の皆さんがこぞって指摘をする問題もあるし、修正などの御検討もされておられるか、あるいはしなければいけないとお考えであるのか、その辺を今日は聞かせていただきたいというふうに思います。 どうでしょうか。与党の側で原案出されておられますけれども、それにやっぱりいろいろな意見を加味していこうと、修正も余地ありとお考えなのかどうか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(保利耕輔君) できますことならば、与野党が合意をして与野党とも納得できる案を作るということが、こういった法案の性格からいって大切なことかと思っております。せんだって来、九項目にわたります改正についての検討、御要望といいますか、検討課題と申しますか、そういったものをお示しをいただきまして、私どもも数回にわたりましてこの項目についてそれぞれ勉強をさせていただき、検討をさせていただいたわけでございます。 今、江田議員から重点的には三項目ぐらいになるのかなというお話がございました。そういった問題については私どもも重点的に検討したことではございますが、現在この問題については、私どもそれぞれ与党三党として機関決定をしたいきさつがあり、さらにまたその背後には、それぞれの党の中のそれぞれの機関で了承を取って持ってきているということもございまして、なかなか動きにくいのが実際でございます。そしてまた、私自身衆議院におきましても、また参議院におきましても御答弁申し上げておりますように、もろもろの理由から、この修正についての御要望については私どもが了とするには非常に難しいというふうに申し上げておきたいと思います。
○千葉景子君 難しいというお話ではございますけれども、まだ時間も多少あることでもございます。やはり多くの国民が納得できるような、そして専門家の皆さんから法案を見ても、これなら納得できる、筋の通ったものだとやっぱり評価をいただけるような、そういう法案に仕上げることがやっぱりこの委員会としても責任であろうかというふうに思いますので、是非難しいというところを更に御努力をいただきますようにお願いをさせていただきたいというふうに思っております。 この法案を考えるに当たってやっぱり一番基本になるのは、一体政治活動というのをどのように考えていったらいいのかということにやっぱり最終的には尽きるのではないかというふうに思っています。 今お話がありましたように、また厚生労働副大臣が言わば口利き的行為があったということで非常にまた問題視されているところでもございます。これは確かに行政機関に対する口利きということではありませんけれども、その態度を拝見いたしますと、政治家というのは口利きが商売だ、それが当たり前だとのごときの何か御発言もあると聞いて、私も大変唖然としているところでございます。 やはり、政治家が本来の仕事をする、それがこの法案によってきちっと担保されるかどうかと、こういうところが問われるものだというふうに思いますので、改めてこの際、確認をさせていただきたいというふうに思いますが、与党、野党、それぞれこの法案を策定されるに当たりまして政治活動というのをどういうふうに認識されているのか。まさか、口利きが政治家本来の仕事だというふうにお考えになられましてこの法案を作られたということではないというふうに思っております。 特に、与党の皆さんにちょっと付け加えてお尋ねをさせていただきたいというふうに思うんですけれども、この法案の趣旨説明の中でも、「あっせん行為による利得の禁止と政治活動の自由とのバランス」ということを述べられておられます。これをこのまま読ませていただきますと、あっせん行為による利得の禁止をすると政治活動の自由というのが制約されると、こういうふうにお考えなのかなとも読み取れるわけですね。どうもそれは、あっせん行為による利得を、得たからといって、政治活動の自由が制約されるとはとても私は思えないのですけれども、こういうことも含めまして、それぞれ政治活動の本来の姿というのは何なんだろうか。口利きというのがその一部で、やっぱり一応認めてそのバランスを取らなければいけないんだと考えておられるのかどうか、そこの認識をそれぞれお聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(保利耕輔君) 後ほど我が党の町村議員からも補足説明をしていただきますが、少し余計なことかもしれませんけれども、私が初めてこの国会に出ましたのは昭和五十四年でございましたけれども、そのとき先輩から私呼ばれまして、君、憲法四十一条を知っているかと、こう聞かれまして、実は私はお答えができなかったんであります。そこで、戻りましてから憲法四十一条をきちんと読み直してみまして、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」、そのことを頭の中にたたき付けられました。と申しますことは、やはり我々が第一義的にやらなければならない仕事は立法活動である。そして、民意を酌んでその国民生活を律するところの法律を作るのである、そういうことを第一義に、一番最初に頭にたたき込まれたわけでございます。そのことは今も全く変わりはございませんで、我々の仕事は立法府において働くことである、いい法律を作ることであるということは変わりありません。そのための準備行動でありますとか、あるいはその法律の、いろいろな法律の検証でありますとか、あるいは予算を編成する作業でありますとか、あるいは予算を審議することでありますとか、そういったことに力点が置かれるべきであるというふうに私は理解をいたしております。 細部の点、いろいろ御質問がございましたので、町村議員から答弁をいたします。
○衆議院議員(町村信孝君) まず、あっせんという言葉についてお触れになりました。どうも昨今あっせんというといかにも悪いことというふうに言葉自体が変化をしてきているような印象があることは、私はちょっとおかしいんじゃないのかなと、こう思っております。 これは法令用語事典というのを改めて見てみたのでありますが、ある人とその相手方との間の交渉が円滑に行われるよう第三者が世話をすることをいうと、こういう法令用語事典のあれがあります。実際、法律上も職安法五条一項、雇用関係成立のあっせんとか、災害対策基本法三十条、職員派遣のあっせん、都市再開発法百三十八条一項、資金のあっせん、労働関係調整法の労働関係については紛争の解決のための調停、仲裁とともにあっせんというこういう制度がありまして、こういうあっせんが悪いということはもとより言えないわけでございます。あるいは土地収用の際の当事者間の紛争についてのあっせん、著作権法の著作権紛争について、その解決のためのあっせんの制度などなど、法律の数にして二百五十七、使用件数八百十二回、これは専門家に検索をしていただいたので私が全部当たったわけではございませんが、事ほどさように、あっせんということがすべて悪だという前提の御議論は、これは当たらないんだろうと、こう思っております。 その上で、委員はそのあっせん行為による利得の禁止と政治活動の自由とのバランスというのは何かおかしいんじゃないかというようなお話がございました。私は、政治活動の自由というのは、極めてこれは憲法上に認められた重要な権利であるということであって、それが最大限尊重されなければならないということは言うまでもないわけでございまして、このことはこの法律の制定時、あるいは今回の審議におきましてもこの法律によって政治活動の自由が萎縮されてはいけないということははっきりさせようという趣旨で、法律上もこのことが明記されているのは委員御承知のとおりでございます。 したがって、政治活動の自由を含む表現の自由を確保するために、この構成要件の明確性を求められるということもまた当然のことであろうということで、いろいろな定義の規定等々を明確にしているということでございまして、逆に今回の野党案では、むしろあいまいな形で、「特定の者に利益を得させる目的」、これは非常に私はあいまい過ぎてかえって政治活動そのものがゆがめられるおそれがある。例えば、正に特定の企業のために受注をさせるような働き掛け、これはもう、そして利益を得る、これはもう論外でありますけれども、例えば地域の方々が、この地域には公民館あるいは福祉会館、教育会館、そういうものがないからこういうものを是非造ってくださいと市会議員の方にお願いをする。陳情をする。市会議員の皆さん方がそれを市長に働き掛け、ある意味ではあっせんをして、そしてその地域に立派な会館ができたということ、こういうような正に一般住民あるいは幅広いそれが全国団体であるかは別にして、そういうような活動もあるわけでありまして、そういう活動と、やはり犯罪性のある行為とをどこかで線を引くという意味で構成要件を明確にするということはこれは当然のことではないだろうかと、こう思っております。
○委員以外の議員(江田五月君) あっせんは政治活動なのかという御質問ですが、今、町村さんから非常に詳細な答弁ございましたが、しかし考えてみますと、今、町村さんがお挙げになったような例は、すべてこれは制度化された機関の下であっせんというのが行われるわけですよね。しかも、そのあっせんをする人は一定の中立性であるとか廉潔性であるとか、いろんな義務を負ってやっているわけですよ。今お挙げになった例のどれか一つでも、あっせんをして、そして利得を得たら、それはそれで許されるというものがあるかどうか、私はむしろ逆に伺いたいのであります。 保利さん、憲法四十一条を引かれました。そのとおりだと思います。同時に、私は憲法四十三条というものを引いてみたい。「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」というものですね。つまり、国会議員というのは、自分がいろいろ知っている、いろんな関係のある組織や団体や個人やそういうものの代表じゃないので、全国民の代表として立法活動を行うわけですから、やはり国会議員の活動、これは行政と国民との関係をあっせんをする、これが国会議員の活動であるということは、到底それは容認できないことだと思います。 しかし、私、先ほど述べたように、法律に抜け道があったり、あるいは法律が曲がって適用されたり、行政の目が届かなかったり、そして非常にそうした中で困っている人たちがいる、こういう人たちの声がもう最後にやむにやまれず政治家のところに届けられる、それを行政に伝える、そんなことはやっちゃいけないとは思いません。ただ、私は、それも制度化される必要があるだろうという気がするんです。 今から三十年以上前ですが、イギリスに留学をさせていただいて勉強したことがありますが、イギリスにオンブズマン制度というのがありまして、これは行政に対するオンブズマン。これは制度がきっちりできていて、国会議員が選挙民から要請を受けてオンブズマンにそれを伝える、オンブズマンが行政に乗り込んでいっていろんな調査をする、そういうことが制度化されているわけですよね。 そうでなくて、全く個人的な関係であっせんをして、しかもそれから利得を得るがごとき、これは許されることではないと。今、本法案審議に当たっても、厳しくすると政治家の政治活動の自由を阻害するんだという、そういう声が出てくるというのは、国民から見ると、やっぱり国会議員にいろんなコネを持たなきゃこの世の中生きていけないのかと、そういうふうに聞こえるんですよ。それは、国会議員がそういうことを言って、自ら全国民を代表する議員であるということを否定するような言辞が見られるということは誠に残念でございます。
○千葉景子君 それでは、少し具体的な法案の何点か項目についてお尋ねをしたいと思います。 まず、先般の参考人の御意見にもございました処罰対象についてでございます。 野党案では、この処罰対象に私設秘書全般、地方首長、議員の私設秘書までをも含めるという形になっております。こういう全般含めることになった、した理由、これについて御説明をいただきたいなと思います。
○委員以外の議員(小川敏夫君) その点につきまして、まず論理的な側面から説明させていただきますと、この保護法益は何かということになりますと、公職である者の廉潔性及びこれに対する国民の信頼とともに、被あっせん公務員が行う公務の公正さに関する国民の信頼というものであります。そうした観点から考えますと、公設秘書も私設秘書もそうした保護法益を侵害する対象としては変わらないということでございます。 次に、実際上の理由から申し上げます。 これまで数多く起きたこの種事件を見ましても、公設であると私設秘書であると、ともに同じように起こしておりますし、また公設であると私設秘書であると、給料の出どころが違うだけでして、その仕事の内容は変わらないという実態にございます。そして、実態を踏まえて、公設の公務員だけというのは、これは余りにも実態にそぐわないし、むしろ抜け道を、悪いことをするときには私設秘書を使うというような抜け道を残すということにもなります。そうした意味で実効性を高めるためにも必要であるということでございます。
○千葉景子君 それに対しまして、与党案の方では、既に先ほどちょっと触れていただきましたけれども、処罰対象に国会議員の私設秘書は加えられてございますけれども、地方議員、首長の私設秘書は加えていないということでございます。これも先般、参考人質疑で私もなるほどなと思いました。保利先生は、いや、そこが違うんだと先ほどおっしゃっておられましたけれども、やはり公設、それから私設秘書、実態としてはなかなか区別ができないんだ、だから国会議員の私設秘書も加えたという従来からの御説明でございました。 ただ、それにもかかわらず、地方議員、首長の私設秘書、これは公設の制度がないので私設秘書も加えないという御説明なども先般来ございましたけれども、どうも論理的に私は納得できない部分がございます。今、野党提案者の方からもありましたように、結局、この私設秘書を除外をしておくことによって抜け道をやっぱりたくさん残してしまう、そういう結果になるのではないかというふうに思います。 やはり、先ほど、この法案の基本的な考え方として、一体政治活動というのはどうあるべきかということを考えますと、できるだけやはり抜け道がない、そして議員の、政治家の政治活動が本当に透明性を持って、そして多くの皆さんから信頼されるような形を担保できるものが必要だと思いますが、この処罰対象に地方議員、首長の私設秘書を加えておられない、この点について改めてお尋ね申し上げ、この点について再考されるお考え方はないのかどうか、改めてお聞きしたいと思います。
○衆議院議員(町村信孝君) 千葉議員、あるいは理事会等で三点の特に強い御指摘があったと聞いております。その一点が、地方議員、首長の私設秘書を加えないのかという御指摘であることを私どももよく承知をしております。 そういうことで、改めて与党三党でも十分議論をいたしましたが、私どもとしては、従来の答弁の繰り返しで大変恐縮でございますけれども、やっぱり国会議員の秘書というのは、公設秘書だけが国民の税金で給与を払われているという公務員であり、さらに法律上も国会議員の政治活動を補佐するものとして国会法百三十二条で明確に位置付けられている存在であると。また、国会議員の権限に基づき影響力を行使し得る立場にあるということから、独立の犯罪主体として従前の法律でもなってきたわけでございまして、本法の性格に照らしますと、基本的には議員秘書あっせん利得罪、あっせん利得罪は、議員、首長と、それから秘書、両方あるわけですが、議員秘書あっせん利得罪の犯罪主体の中核というのはやはり公設秘書であると、こういうまず私どもはスタートに立っているわけでございます。 ただ、さはさりながら、委員御指摘のような昨今のいろいろな事件があるというようなことから、国民の政治に対する信頼回復という観点から立って、公設秘書か私設秘書かの区別は国民のサイドから見ると判然としないではないか、あるいは国会議員の政治活動を補佐するという実態に着目すると公設も私設も変わりないじゃないかというようなことから、今回、私設秘書を追加する必要があるということに判断をしたわけでございまして、犯罪主体の中核になります公設秘書のいない地方公共団体の議会の議員あるいは首長の私設秘書についてまで犯罪主体を拡大すべきではないと、こう考えたわけでございます。 したがいまして、抜け道を残しておきたいのではないかというような御指摘は、私どもそういうことを考えているわけじゃございませんし、したがいまして、今、この法律を修正をするというお考えに私どもとしては賛同するわけにはまいらないわけであります。
○衆議院議員(保利耕輔君) 今、町村議員から御説明をしたとおりでありますけれども、若干補足をさせていただきますならば、先ほど、国会議員の公設秘書と私設秘書については、国民の側から見ての区分けが付かない、付きにくいという答弁をいたしましたが、それと同時に、あっせんを受ける側、言わば役所の方、そちらが、この間来た秘書の方は私設秘書なんですか公設秘書なんですかと。あっせんを受ける方が区別がしにくいという実態があるだろうと思います。 それからもう一点は、地方の問題でございますけれども、今回、私どもでは地方の私設秘書については、今、町村議員が申しましたとおり、外しておりますけれども、これで、地方の議員については、秘書については、このあっせん利得罪から外れたぞと、さああっせん利得をどんどんやれというようなムードが起こるということはちょっと想定しにくいのでありますけれども、またそういうことがないように私どもとしては地方の議員についてもその高い倫理性というのを再確認をしていただいて、確立をしていただくことを私どもとしては要望をしてまいりたいと思います。
○千葉景子君 どうもそこのところは私はまだよく分かりません。 もし論理的に御説明をいただいたことからいうと、国会議員の私設秘書を加えることが逆におかしくなってしまう。で、国会議員の私設秘書は実態から見て加えることがやぶさかでないということであるのであれば、どうして地方議員や首長の私設秘書を加えることにそこまで何か否定すべき理由があるのか。どうもそこが私ははっきりいたしません。指摘だけをさせていただきたいと思います。 さらに、処罰対象として与党の案の中には親族というのは触れておられません。野党案の方では親族についても対象となっておりますけれども。これ、親族だからといってすべて加えることがいいかどうかというのには議論があろうかと思いますが、ただ、全く実態から見て無視をしてよいのかどうか、あるいは除外してしまって納得できるのかどうか、されるのかどうか、その辺りは与党の提案者の皆さんとしてはどう考えておられますか。
○衆議院議員(町村信孝君) 親族が全部この法案の中で除外をされているわけではないということは御理解をいただけると思います。なぜならば、衆議院議員又は参議院議員に使用される者で当該衆議院、参議院議員の政治活動を補佐するものに該当する者は新たに私設秘書として独立の犯罪主体となるということに今回決めたわけでございますから、その人が親族であってもなくてもその場合は対象になるということですから、親族でも現実にそういう政治活動を、政治家に使用され補佐しているものであれば、親族だって当然これは対象になるという法律構成になっていることをまず御理解をいただきたい。親族だからといって全部アプリオリに除外されているわけではないということでございます。 何でそういう理屈になるかということでありますけれども、やはり常識的に見て、一つは、国会議員の親族である、国会議員の公職にあるそういった政治活動に全く関与していない、そして公職にある者本人の影響力をかりて権限を行使し得ない親族まで処罰対象にするというのはやっぱりおかしいと思いますし、また親族以外の例えば後援会の会長さんというような役員のような、公職にある者本人の持つ影響力を借用して行使し得る立場の者をすべて処罰対象にしているわけじゃないわけでありますから。要するに、公職にある者本人の持つ影響力を借用して行使し得るか否かにかかわらず、親族という身分だけで直ちに犯罪主体となり得るというのはやはり相当ではないんだろうと、こう私は考えておるわけであります。
○千葉景子君 次に、現行法では犯罪の成立に、権限に基づく影響力の行使というのが要件にされております。この、一体、権限というのはどういうことかとなりますと、例えば政党における地位あるいは役職などは多分この権限というものには入らないのではないかというふうに私も解釈をいたします。 ただ、考えてみますと、実態から見て、本当にそういうものを除外をしてしまうような法案内容で十分に目的を達成することができるのかどうか、こういうことを大変私は懸念をいたします。 政党幹部としての影響力などの実態から考えますと、この権限に基づく影響力の行使という要件の存在というのはやっぱり法の実効性を著しく弱めてしまう、こういう結果になるのではないかというふうに思いますけれども、この点について、野党の案ではこれを削除をするという形になっております。その辺の理由。そして、与党の皆さんには、この権限に基づく影響力の行使、こういうものによってこの法案の非常に実効性を弱めるものになるのではないかと思いますけれども、その点についてのお考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○委員以外の議員(小川敏夫君) このあっせん利得の処罰法の実効性ということを確保することが国民の期待にこたえるものだと思いますが、権限に基づく、これを国会議員の例に例えますと、当然、国会議員の法律上の権限ということになります。 そうしますと、例えば、具体的に言いますと、国会議員ですと国政調査権がありますので、国の行政に関しては権限が及ぶかもしれないと。しかし、例えば地方自治体に対しましても補助金や交付税の関係がありますので権限が及ぶ範囲があるんですが、例えば地方自治体の職員の採用といったような自治体固有の問題ですと国会議員の権限には影響しないと。そうしますと、例えば国会議員が東京都なら東京都の政党の幹事長、代表という地位を利用してその自治体の人事に関して何らかのあっせんをしたというような場合、これも当然社会的に批判されるケースだと思うんですが、国会議員の権限には当たらないということで放逐されてしまうと。そうしますと、この法律としては実効性がその部分に関して全くなくなってしまうということになりますので、この法律の実効性を高めるために、そうした抜け道を少しでもふさいでおこうということでございます。 また、権限に基づく影響力の行使ということを犯罪の構成要件にいたしますと、影響力の行使が権限に基づいているという因果関係をこれは検察側が立証しなければならないということになりますと、これは請託の有無というような問題と同じように、検察側に重い立証要件を課すことによってこの法律そのものがまた実効性が失われてしまうということでございます。 実効性をより高めることが国民の期待であるということを考え、またこの法案そのものの趣旨を考えれば、当然実効性を高めるということに持っていくべきでありまして、そうした意味では、権限に基づく影響力の行使という構成要件は除外すべきものと考えております。
○衆議院議員(町村信孝君) 権限とは何かという、これも累次お答えをしているとおりでありますから余り細部にわたるのは避けますが、特に国会議員については、議案発議権とか修正動議提出権、表決権、委員会における質疑権等々があろうかと、こういうことであります。 政党における地位、幹事長であるとか政務調査会長等々、こうした役職に基づく権限が含まれるかどうかと。委員御指摘のとおり、こうした政党における地位、役職等に基づく権限は、公職にある者が法令に基づいて有する職務権限に直接該当いたしませんので、したがって本法で言う権限であるということにはなりません。これは委員の御指摘のとおりでございます。 しかしながら、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題にかかわってくるわけでございますけれども、国会議員である政党の役員が影響力を行使して公務員に対してあっせんをする場合を考えてみたときに、政党の役員としての影響力の行使だけではなくて、国会議員としての権限に基づく影響力の行使を含むのが通常であろうということになるわけでありまして、その場合には、権限に基づく影響力の行使として、他の国会議員に対して、幹事長が他の一般の国会議員に対して法案に賛成あるいは反対といったようなことを働き掛ける事実上の職務行為から生ずる影響力というものも権限に基づく影響力の行使として含まれることもあり得るかなと、こう思いますので、当該国会議員の権限に基づく影響力の程度の判断において、当該国会議員の政党における地位、役職等が考慮されるということはあるだろうと、こう思います。 そして、こういう規定があると実効力を、法律の実効性を弱めるのではないかというお尋ねでございますけれども、例えば、先ほど野党の提案者の御質問のように、国会議員と例えば地方公共団体、確かに直接的な権限ということを地方公共団体に持っているわけじゃございませんけれども、国会議員がある県の職員に対して、あなたの県の行う公共事業についてどうも国の補助金の出方がおかしいのではないかということを所管委員会で質問をするぞと言いながら特定の業者の物品購入をしなさいというようなことを働き掛けるようなケースは、やはりこれは影響力の行使の具体例としてもあるわけでありまして、したがって、およそ地方自治体に、例えば職員採用とかいうような話が、もし今、先ほど例が出されましたが、一切こういうことが関係がないというわけではございません。 いずれにいたしましても、実効性を弱めるという目的のためにこの権限に基づく影響力の行使という項目が入っているのではなくて、あくまでもこの法律の構成要件を明確にするという観点からこれを立法当初から入れてあるというふうに御理解を賜りたいと思います。
○千葉景子君 先般、これも参考人の意見を引かせていただきますと、土本先生でしたか、これもいったん死んだような要件だというようなこともおっしゃっておりまして、やはりこの権限に基づく影響力の行使という要件が、これまでも、結局は職務権限があるや否かというような論点の中で処罰から外れていくということもあったわけでもございまして、やっぱりこの法案の実効性を高めていく。そして、やはり今回は議員としての職務の廉潔性、そういうものが基本にあるわけですので、その実効力を高めるという意味では、私は改めてこの要件をやはり与党の側の皆さんも削除をすることを検討をすべきであろうということを指摘をさせていただいておきたいと思います。 次に、第三者供与、これを野党の側では処罰対象に含めてございます。これは元々、刑法上のあっせん収賄罪についてもいろいろと指摘がされてきた問題でございますけれども、この第三者供与を処罰対象に含めようとした理由についてお聞かせをいただきたいというふうに思っております。 また、与党の側には、第三者供与を処罰対象からやはり外していることによって、これまたこの法案のいろいろな、先ほどから幾つか指摘をさせていただいておりますけれども、そういう論点と併せて、幾つも抜け道をあっちこっちに作ってしまうということにこれもまたつながるのではないかというふうに思います。 例えば、この第三者供与を処罰対象にしないとすると、政党支部に対する資金の提供などが除外をされるということになろうかというふうに思うんですが、この際ですから、政党支部というのが一体どれぐらいそれぞれあるのか、自民、公明、保守、それぞれどんな程度か、ちょっと教えていただいて、そういうところのものは全部オーケーになってしまうのかな、こう思いますものですから、ちょっとその辺りも説明をいただきながら、この第三者供与を処罰対象にしていないということに対する御認識を与党側にはお聞かせいただきたいと思います。
○委員以外の議員(江田五月君) 第三者供与というのは、贈賄側と収賄側がいて、収賄側が賄賂は第三者のところへ持っていっておいてくれと、こういう場合ですよね。これは普通の贈収賄ではあるんですが、あっせん収賄の場合にない。 しかし、昭和三十三年当時にあっせん収賄罪の創設を答申した法制審議会でも議論をされている。また、それを審議、可決した衆参の法務委員会でも導入すべしという決議がなされている。昭和四十九年の刑法改正草案でも規定が置かれている。第三者供与というものは必要だという認識はずっと続いていたんですね。先般の参考人質疑でも、土本教授は、まずあっせん収賄の方に第三者供与を入れるべしという、そこから始めろということをおっしゃったんですが、それも筋かと思いますけれども、しかしせっかくここであっせん利得処罰法というものを作るわけですから、長年の懸案にきっちりと結論を出す、第三者供与をこの際入れるべしというのが私どもの考え方でございます。 とりわけ、政治家の場合に、どういいますか、第三者供与を受けるものが山ほどあるわけですよ。政党の本部もあります。支部もあります。支部については、もう今、自民党の政党支部というのは既に七千を超えるという話ですね。最近のことでいっても、鈴木宗男議員の場合も、あるいはまた昨日からの宮路副大臣の場合も、お金がそういうところへ入ってきているという事実が現にあるわけです。さらに、資金管理団体というのもある、あるいは政党の場合の政治資金団体もある。 その他、後援団体等、もう山ほど対価を受けるところがあるのに、全部それが抜け道になってしまうというんじゃ、これは何のためのあっせん利得処罰法かということになるので、この際、何としても第三者供与を処罰対象に含めたいというのが私どもの願いでございます。
○衆議院議員(町村信孝君) 御指摘のあった政党支部、政治や政治資金管理団体、これは外形的には、本人以外の第三者があっせん行為との間に対価性があると認められる財産上の利益を受け取ったとされる場合でも、当該財産上の利益に対して本人が事実上の支配力とか処分力がある、実質的にその人のものであるというふうに認定できる場合には、本人が収受したものとして本法所定の罪が成立をする可能性があるわけでありまして、したがってそういう場合には、第三者供与の処罰規定を設けなくても本法の保護法益は十分保護できると。逆に、本人と全く何の関係もないところに供与された場合でもこの罪が成立するというのはやっぱりおかしいんだろうと思います。 そして、お尋ねでございますから簡単に申し上げます。政党支部の数、自民党、十三年末で七千百二十三であります。ついでに公明党、保守党の分もお答えをして、お許しをいただいてお答えをしておきますが、公明党さんは、平成十四年の一月十五日現在で四百五十五。保守党さんは、平成十三年末現在で七十七。お尋ねではございませんでしたが、共産党さんは、たしか筆坂書記長代理が二万六千とか二万七千とかいう数を言っておられました。 したがって、これは政党により政党の構成の仕方というのは様々でございまして、支部の数が七千あるから多いと。これは政党活動が活発であることの現れ。多分、共産党さんは、私どもの数倍の活発な政党活動を行っている大変尊敬に値すべき政党だなと、そういうふうに思ったりもいたしますので、一概に数によって、数が多いからどうだ、少ないからどうだというのは私としてはいかがなものかと、こう考えるわけでありまして、特に政党支部は、通常は、きちんとしたいろいろな審議機関とか決定機関というのが本人の意向とかかわりなく存在をしているのが通例でありまして、自由にどこから受ける、どこに支出をするということが決められないのが自由民主党の支部の通常の姿であるというふうに御理解を賜りたいと思います。
○千葉景子君 時間ですので、終わります。 ありがとうございました。
○山本保君 公明党の山本保です。 これまで、このあっせん利得の法律について修正をするということで、申し訳ない、改正をするということで議論をしたわけでございます。この法律、いろいろの問題があったとしても、しかし、まずこの段階で一歩前進であって、まず成立させようということについては、私、野党さんについても同じじゃないかなという気はしております。ただし、これまで参考人も含め、またこの議員の委員会での質疑というのはもうどうしてもこれは時間的に制約されておりますけれども、それ以外にもいろいろな形で慎重にまた協議をしてきたというこのことを、何かコンセンサスを何らかの形で残していきたいなというふうに私も考えております。 そういう観点から、少し絞ってお聞きしたいなと思っているわけですけれども、全部は聞けないかもしれません。今、既にお話も出たところがありますので、少し削ってお聞きするかもしれませんが、よろしくお願いいたします。 最初に、主に問題点が三項目ということになってきたようでございますので、この辺についてお聞きいたします。 第一に、この処罰対象の問題であります。地方議員とか首長さんのいわゆる私設秘書と言われる人を含むと。ただ、私、これは私設秘書という言い方をするものですから何か非常に混乱があるので、正に法文にありますように、使用される者でそして議員を補佐するものと、こう考えますともっと話が分かりやすくなるんじゃないかなとは思います。 これはもう今もお話が出ましたので、これについては与党の方にお聞きする予定でしたが、しないでおこうと思います。ただ、先回の感想だけ申し上げますと、確かに法の理論、解釈論として、この条文ができたときに、今までのような公設秘書からの連続ということよりは、もっと幅広い観点、別の観点から、正にその議員の秘書、議員を助ける仕事というもの、そしてその方たちがこういう行為をしたときに罰せられるという、そういう新しい解釈論が成立するのであるという学者の考え方というのは相当有力なものになりそうだなという気はいたしました。ただ、これまでの経緯からこの法律改正が作られてきたのは、先ほど与党提案者からお話があったとおりでありまして、この二つをどのように調整するのかなというのが今私も課題だと思っております。 そこでまず、野党の提案者にお聞きしたいんです。 そうしますと、例えば正に地方議員の奥さん、配偶者というような方も当然これは含まれるわけでございます。野党のように親族という言い方はしておりませんが、先ほど答弁にありましたように、当然、「使用される」という言葉がちょっと不適切な言葉だとは思いますけれども、補佐をしている方であれば入ると。そうしますと、ほとんど議員の配偶者というのは、やはり一生懸命政治活動を応援しているわけですから、すべて入ることになるだろうと思う。 こういうような非常に重要な変更をもたらそうということになりますと、やはり法律を作るときの手続としても、そのためのいろんなコンセンサスを得たり、また理解をしていただくための手続も必要ではないかと思うわけですけれども、その辺については野党の提案者としてはどのようにお考えでございますか。
○委員以外の議員(江田五月君) 議員の御質問は、地方の議員や首長の場合にも、ここでいろいろこれは野党提案のような改正をすると影響が及ぶ、そこでそういう皆さんの意見も聞かなきゃいけないという、そういう御主張かと思います。 私ども、もちろん地方分権というものは非常に大切なことであり、これを推進する立場である、積極的に努力をする立場である、このことはまず冒頭申し上げておきたいと思います。 ただ、既に地方の議員や首長さん方に対してもあっせん利得処罰法は適用になる、そういう法律を私たち作っているわけですね。そこで、地方の公職にある者も、こういうあっせん利得という関係において、政治の廉潔性、清潔さ、これを保たなきゃならぬということは、既にもうこれは全国あまねくそういう法規制というものが掛かっているということになっているわけでありまして、それを更にその周辺にまで広げる法律を作るというのは、これは国と地方との関係をどうするということでなくて、政治の廉潔性、政治の清潔さというのをどう保つかということでありますから、改めて地方の政治家の皆さんの意見を聞く手続を取らなきゃならぬというものではない。 むしろ、国民一般からすると、それは国会議員もいろいろあるけれども、地方議員もいろいろあるんですよ。本当にもう聞いてびっくりというようなことがたくさんあるわけで、いろいろ言い出すと時間ばかりたちますから申し上げませんが、そういう、国民から見ると、地方の議員、地方の首長についても、怪しいものはちゃんと取り締まれるような法律を作ってくれというのが今国民の気持ちであろうと思っておりまして、そういう意味で、特別、この際、地方分権、地方自治という観点から地方の政治家の皆さんの意見を聞かなきゃならぬという事態には至っていないと思っております。
○山本保君 江田先生のおっしゃることも分からないでもないんですが、そうなってきますと、やはり与党が言っておりますように、「公職にある者」ということで今の議員はやはりそれなりの縛りがあるわけでございますから、このことに関して、作ることについては当然だと思うんですが、今回の形ですと公職にない者が含まれるわけですので、私はやはりここは少し手続が難しいのかなという気もしますけれども、これは私の感想だけ述べさせていただきまして、次の問題に移ります。 次は、「その権限に基づく影響力」ということでございます。 これは先ほどの質問もございましたので、私も同じような形でお聞きしたいわけですけれども、どうもこれがないとやはり難しいのかなという気もしますが、そのときにどこで線を引くのかというのが難しい。もちろん、これは個別事例によって、判例で作られていくものだとは思いますけれども、やはりこの法律を制定者としてある程度その基準のようなものを示す必要があるのではないかなと思うんです。 つまり、先ほども話ありましたけれども、国会議員である限り、確かにすべての国の官庁について調査権等があるということで影響力は持つとも言えますけれども、逆に、一度も委員会にも出席したことがなく、党の部会にも出たことがなく、質問もしたことがないような委員会のその関係する官庁について、一般の国民よりは国会議員があるぞということについては全く異存がないんですけれども、その場合にどこまでそれが含まれるのかなというような気がするわけでございまして、先ほど答弁の中で、この規定は決して、これはここまでは許されるというものではなくて、実効性を高めるための規定であるというお話があったわけですが、与党提案者から、もう少しこの辺、繰り返しでも構いませんけれども、御答弁いただけますでしょうか。
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。 若干手間取りまして申し訳ございません。 本法に言われる権限に基づく影響力、これは先ほどから再々議論があったところですが、また若干の繰り返しになるかもしれませんが、お許しを願いたいと思います。 本法まず制定時の質疑の中でもいろいろ議論がございますが、そのときには、公職にある者が法令に基づいて有する権限に直接又は間接に由来する影響力、こういうふうに述べております。すなわち、法令に基づく公職にある者の権限から生ずる影響力だけではなくて、法令に基づく職務権限の遂行に当たって、当然それに伴ってくる事実上の職務行為、これから来る影響力も含まれる、こういうふうに解釈をしております。 行使をするということにつきましては、これもこの影響力を積極的に利用すること、言い換えますと実際にあっせんを受ける公務員の判断を必ずしも拘束する必要はないということでございますが、そのありようとして、被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形で、この被あっせん公務員に影響を有する権限を行使する又は行使しないということを、これも明示的に更には黙示的に示すということにあるというふうに言われております。 そして、どのような行為が被あっせん公務員の判断に影響を与える行為に当たるのかということについては、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題であるということは先生がおっしゃったとおりでございます。あっせんを行う公務にある者等の立場、それからあっせんの際の言動であるとか、それからその受ける側の公務員の職務内容、その他諸般の事情を総合して判断をされることになるというふうに承知をしております。
○山本保君 ありがとうございます。 確かに、幾ら影響力を行使しようと思っても、全くそでにされてしまうということもあるわけで、その場合確かに影響力がこれはないんだなと、こういうことになるのかなと思うわけでございます。 それで、じゃ次の問題でございますけれども、先ほど江田先生から触れられました、あっせん収賄罪の創設の経緯というのを触れられましたので、今日、法務省の担当官に来ていただいております。この第三者供与、供賄に関してどのような議論がされたのかについて簡単に御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(河村博君) あっせん収賄罪につきましては、昭和三十三年の刑法改正によりまして、公務員が請託を受けまして他の公務員に職務上不正の行為などをなさせるといったことのあっせんをなす、その報酬として賄賂を収受した場合に、懲役三年以下といった刑に処します刑法百九十七条の四が追加されたわけでございますが、その後、昭和五十五年に法定刑が三年から五年に引き上げられる改正がなされておりまして、また平成七年にいわゆる現代用語化がなされまして、現在の刑法百九十七条の四が制定されているわけでございます。 このあっせん収賄につきまして、いわゆる第三者供与の処罰規定を置くかどうかにつきましては、昭和三十三年の刑法改正により今申し上げましたあっせん収賄罪が導入された際に議論がなされたわけでございますが、将来の立法措置の検討を要望する旨の附帯決議がなされましたものの、条項としては置かれるには至らなかったものと承知しております。また、法定刑が引き上げられました昭和五十五年の法改正の際にもこの点につきまして議論がなされましたが、同じく条項としては置かれるに至らなかったものと承知いたしております。 それで、この第三者供賄というものにつきまして、これは請託を受けまして第三者に賄賂を供与させるものでございますけれども、これまでの適用例ということで、例えば判例などで出ておりますのは、警察署長がその町と町などが設立しております病棟の組合に寄附金をするから寛大な取扱いをされたいという請託を受けまして、そして町とその町などの組合に寄附金を提供させた、寄附金名下で金員を提供させた事案などがあるわけでございます。 こういったあっせん収賄罪につきまして第三者供与の処罰規定を設けることにつきましては、まず前提としまして、外形的に第三者が賄賂を受領したかのように見える事案につきましても、あっせん者本人が事実上支配又は実質的な処分権を有していたと認められる場合には本人が収受したと認められることになるわけでございまして、結局その第三者供賄の規定と申しますのは、あっせん者本人が収受したと認定できない場合に適用されるものでございます。 その上で、現行のあっせん収賄につきまして第三者供与を処罰する規定を設けることにつきましては、不正な行為をさせるという現行の要件を前提といたします限り、そのような不正行為のあっせんの報酬として第三者に賄賂を供与させると。そして、本人自身が利益を受けないという行為類型が理論的にあり得るといたしましても、実際どれだけ存在するのかと。また、そういった類型の行為におけます賄賂とあっせん行為の対価性などの問題点が考えられますし、他方、あっせん収賄罪の不正な行為をさせるという要件を外すといったようなことも考えられるわけでございますけれども、そういたしますと、賄賂とあっせん行為の対価性、あるいはこの処罰価値といった点でより問題のある事例が処罰対象に入るのではないかといったような問題点が考えられまして、慎重に検討する必要があるという状況でございます。
○山本保君 ありがとうございます。 それで、ちょっと一問だけ、申し訳ありません。 今回の参考人の意見から、先にまず刑法、若しくは並行して刑法での収賄罪の方に先に第三者供与を作るべきではないかという意見があったわけでございますが、江田議員、この辺についてはどのようにお考えですか。それだけお願いいたします。
○委員以外の議員(江田五月君) 先ほども申し上げましたが、確かにあっせん収賄罪について第三者供賄、これを導入すべしという強い強い議論があることは確かで、しかしこれがないからあっせん利得処罰法にあっせん第三者供与が要らないということにはならない。やはりこれは、今こういう事態ですから、とにかく今ここにテーマになっているのはあっせん利得処罰法を改正しようというときですから、この際あっせん第三者供与をここに入れるべきであるというのが私どもの考え方です。
○山本保君 ありがとうございました。 以上です。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。 法案提出の背景といたしまして、与党の提案者の方が、「一連の不祥事に端を発する政治不信を重大に受け止め、政治に対する国民の信頼を回復するため、」というふうにお述べになっております。 一連の不祥事とは、逮捕されました鈴木容疑者とか、井上元参議院の議長とか、加藤元衆議院議員、こういうものが一連の不祥事と思われますけれども、私、先ほども委員の方がお示しになった鈴木宗男容疑者がかかわる公共事業関係、この北海道分の二十の疑惑についてまとめてみました。 お手元にこういう「鈴木宗男容疑者 公共事業に係わる二十の疑惑(北海道分)」というのをお届けしたのでごらんいただきたいんですけれども。(資料を示す)案の定、すべての公共事業で、ここに載っておりますね、自民党及び鈴木容疑者が受注業者から献金を受け取っている。先ほど来ありますこの第三者供与、今でいいますと政党支部とかそういうところに企業献金が入りますので、こういう問題でありますが、これは後で伺いますが、この表を見ていただきまして、その額が鈴木容疑者に延べ三億一千五百十三万円、自民党の政治管理団体国民政治協会には延べ七億二千九百七十五万円、合計で十億四千四百八十八万円に達しているというのがこの表であります。 さらに、下の方に四つありますけれども、十七、十八、十九、二十、これは十勝港、紋別港、それから道東道、これは高速道路で北海道横断自動車道ですね、二十は国道二百七十二号線で、釧路中標津道路、高規格道路です。これ、二枚目以降にその細かいのが、件数が、事業者が多いものですから付けてありますが、鈴木容疑者へ献金をした企業による受注が異常に多いというのがごらんいただけるんではないかなというふうに思います。 鈴木容疑者が介入して特定企業に受注をさせ、その受注業者からの報酬、政治献金を受け取ったと思わざるを得ない。この四つの事業だけでも合計、延べ二億一千七百四十三万円、巨額な政治献金ですね。献金した企業に受注が異常に偏っている。公共事業の利権化、私物化。これは鈴木容疑者だけでなく、加藤元衆議院議員の疑惑も三%から五%の口利き料を取っていたということが言われておりますし、井上元議長も同じです。 こういうやり方をいつまでもやっていけば、国民の政治不信はなくなりません。今必要なことは、鈴木宗男容疑者を始めとする、言われております一連の不祥事、こういう政治と金の構造にメスを入れることが求められている、そういう認識では与党の提案者の方々も一致すると思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) 一連の不祥事の中には社民党の辻元議員あるいは民主党前副代表の鹿野議員の元秘書と、こうした者々を含めて是非お考えをいただくようにお願いをいたします。 その上で、今、委員御指摘の政治とお金の問題、ある意味では古くてかつ新しい問題かもしれません。私どももこの問題については大変重大なことだと、こう受け止めておりますし、小泉総裁からも政治と金の問題についてしっかり検討するようにという御指示もいただいているところでございまして、例えば、これに対する一つの対応としては、この法案の改正案というものを与党三党からも提出をした、あるいは官製談合防止法案、この法案の成立ということもこの国会で議員立法をしてお願いをしているところでございまして、公共工事の入札における適正化促進のための検討というものもこれによって行われるであろうと、こう思っております。 また、これは自由民主党の中の問題で恐縮でございますが、六月の中旬に幹事長の下に政治資金等に関する有識者懇談会というものを設けておりまして、企業献金の適正な在り方について、労働組合の経理の適正化、これはいわゆる自治労問題というのがございまして、自治労の裏金が相当程度政治資金として使われたのではなかろうかという問題指摘があるわけでありまして、この問題、さらにはそれを受け取った自治労を始めとする公務員の政治活動の問題といったようなことなどについて今検討をいただいているところでございまして、近日中にも提言をいただけるのではないかと期待をしているところであります。 いずれにいたしましても、私どもも、政治とお金の問題、これが政治不信の一つの大きな根源になっているということを私どもも認識をしておりまして、政治に対する信頼の回復のために様々な努力をしていかなければいけないと、かように考えているところでございます。
○八田ひろ子君 政治に対する信頼の回復、今国民が最も注目しているのが、公共事業に関して口利きをして報酬、お金をもらう、こういう構造にメスを入れるべきだという怒りが渦巻いているんではないかと、こういうふうに思います。 こういう問題というのは自民党の体質そのものだとも言われておりまして、鈴木容疑者あるいは井上氏、加藤氏の問題でも、自民党を代表する幹部でありますね。この十年間、私、ざっと見ましても、金丸元自民党副総裁が逮捕されるとか、中村元建設大臣が逮捕されるとか、二〇〇〇年には中尾元建設大臣が逮捕されるとか、これは公共事業をめぐる問題ですね。 自民党はこういうとき、今もおっしゃいましたが、このゼネコン汚職のときには、政治に携わる公人として国民からいささかも疑惑の受けることのないよう、自ら厳しく律し、政治倫理の確立に努めることは当然のことである。事件が起こるたびに政治倫理の確立ということが言われております。 そこで、私、次の③という資料をごらんいただきまして、このゼネコン汚職のときから十年間、ゼネコン上位三十社の自民党への政治資金管理団体であります国民政治協会に対する献金額を調べてみました。これ、③の二枚目というのは数字でございまして、これがこのグラフになります。 十年前の九一年には五億四千三百四万四千円、ゼネコン汚職事件が起きた九三年度の次の年、九四年度には二億二千七百三十四万四千円と半減している。このときだけは一応自粛のポーズというふうに見られるわけですけれども、ところがその後とんとんとんと元の水準に戻っている。これが反省でしょうか。 国民から疑惑の目が向けられている公共事業、これは税金の還流ということですので、こういうやり方を根本的に解決することが必要だと思います。今もお答えいただきましたように、あっせん利得もそういうことで改正するんですけれども、いろいろなものが必要。ですから、私はせめてこういう公共事業の受注企業から企業献金をやめる、今野党四党で出しておりますけれども、こういうのも非常に必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) 委員もお考えをいただきたいのでありますが、それぞれの政党がいかなる政治資金によって政治活動を展開をしているのか、これは党の成り立ちその他によっていろいろ違います。多分、共産党以外のすべての政党が大なり小なり企業の献金を受け取っているという実態もあるわけでございます。 また、共産党さん、私は党の内情のことは余り分からないので、もしかしたら間違っているかもしれませんが、赤旗の販売による事業収入というのがかなりの部分を占めているやに聞いておりますが、この赤旗の新聞販売もなかなかな御努力があるんだろうというふうに私も聞いておりますから、それはそれでまた、御党もまた苦労しておられる部分がある。 要するに、言いたいことは、それぞれの党が、やっぱり様々な基盤、よって立つ基盤も違います。私どもは、幅広い国民、党員、党友、そういう方々、もちろんその中には企業も入るわけでありまして、そういうものを基盤にしてやっているわけでございますから、そういう意味で、企業献金あるいは個人献金、団体寄附等々、様々なものになっております。 したがいまして、私どもは、こういう企業による献金そのものがどうかということにかんがみますと、これは昭和四十五年の八幡製鉄政治献金事件の最高裁判決というのがありまして、委員もよく御承知であろうかと思いますけれども、憲法第三章に定める国民の権利及び義務の各条項は、性質上可能な限り内国の法人にも適用されるものであるから、会社は、公共の福祉に反しない限り、政治的行為の自由の一環として政党に対する政治資金の寄附の自由を有するということが最高裁の判決で既に明確になっておりますし、また、つい最近でいいますと、生命保険に関する政治献金の訴訟の大阪地裁判決、これは昨年の七月でございますか、これについても、最高裁判決の趣旨を踏まえて、政治献金を行うことの社会的意義は今なお失われておらず、政治献金が企業の社会的役割を果たすことに通じるとの社会的評価は失われていない、こういう判決もあり、更にこれが控訴されましたけれども、今年の四月に大阪高裁でこの控訴は棄却をされるということで、大阪地裁判決が妥当であるという判断が出されております。 申し上げたいことは、そういう意味で、共産党の皆さんは企業献金を一切否定をしておられるのかもしれませんが、世の中では企業の政治献金というものは認められるんだという前提で今すべてが動いているというふうに御理解を賜れればと、こう思います。 その中で、今、公共事業の受注企業からの献金をどう考えるかという御指摘がございました。 なかなか悩ましい難しい問題ではございますけれども、なぜ公共事業だけか、さっき土木、建設の関係の表をいただきましたが、これは土木、建設ばかりではなくて、場合によればそれはコンピューターシステムかもしれませんし、場合によればビルの清掃工事の受注かもしれません。そういう意味では、政府、自治体が幅広く公共的に調達をしているものがすべて含まれるので、建築、土木に限定をするという理屈が率直に言って見当たりません。 そうなりますと、すべてそうした公共調達にかかわるものの献金は駄目だということになると、事実上の企業献金禁止、全廃ということに等しくなります。それはやはり、先ほどの最高裁の判決を一々盾に取るわけじゃございませんが、それは世の中で認められていることとやはり反してくるわけでありまして、そういう意味で、私どもとしては公共事業受注企業からの献金の禁止ということには、直ちにこれに賛同するわけにはまいらないわけでございます。 しかし、だからといって、こうした事件が公共土木事業関係にあるという事実も私どもは踏まえなきゃなりませんので、その辺をどのように今後考えていくか、政治資金の在り方について、民主主義のコストをどのように国民に負担をしていただくかという観点から、今後とも真摯な議論をしていかなければならないテーマであるとは考えております。
○八田ひろ子君 いろいろとおっしゃいましたが、今後考えなければならないということは、やはり後ろ暗いところがあるんではないかと。八次答申でも、将来の考え方として、政党の政治資金も個人の拠出により支えられるようになることが望ましいと、随分前からそういうふうにおっしゃっています。 ちなみに、欧米諸国の例を見れば、あなたの議論というのは通用しないことは御承知のとおりです。大体、企業に選挙権あるんですか。政治や選挙に巨大企業がかかわったら、その組織力と資金力を使って政治がゆがむんだと。それでは民主主義は成り立ちませんよ。 同時に、あなた方の議論というのは、今私が触れました宗男容疑者流の、公共事業全体を食い物にしてよいということになってしまうんじゃないかと私は思うんですね。結局、税金の還流は構わないという議論、今までの自民党の、今国民が批判をしているそういう姿勢は改めようとしないという、そういう姿勢がはっきりしているんじゃないですか。 私どもは、確かに企業献金は全面禁止すべきだと考えています。しかし、今いろんな立場の野党が一致して公共事業にかかわる政治献金はやめましょうという法案を出しているというのは、やはり国民世論の大きな動き方、流れというのが変わってきている、私はそういうことを申し上げたいんですね。 先ほどお届けしましたこの二十の疑惑、これ、宗男容疑者が口利きをした疑惑だと私ども思っているんですけれども、しかし、罪に問われているもの、今、やまりんの事件で五百万円、これはあっせん収賄罪なんですけれども、しかし、そのほかに三億一千十三万円、これは政治献金として言われています。 今話題になっておりますあっせん利得罪でどうかといいますと、第三者供与の範疇になりますね。ですから、野党案なら第三者供与でもこれはきちんとやろうということになっているんですけれども、与党案ではこれ罪に問えますか。今の原案でも、あっせん利得罪にはこういうたぐいのもの、これがという意味じゃないですよ、こういうものが出てきたときにはあっせん利得処罰法に適用できないんじゃないか、罪に問えないんじゃないか。これが問題だと思うんです。ですから、私どもはせめて野党案、今私どもが出しております野党案、こういうふうにすべきだというふうに思うんですけれども、与党案ではこういうものは罪に問える、こういうふうにお思いなんでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) 委員の言っておられる公共事業の定義をできれば後ほど教えていただきたい、何をもって公共事業と言っておられるのか。それによって、先ほど申し上げましたように、すべての企業ということになってくるというふうにお考えなのかどうか、そこを是非教えていただきたいのですが、それはさておきまして、今、世界じゅうの国の動きと反するとおっしゃいましたが、それは違います。 日本ほどこの政治資金あるいは選挙について厳しい規制をやっている国はまれであるというぐらい、実は厳しい規制をやっているんだというふうに御認識をいただきたいし、イギリスあるいはドイツなどについては、もちろんいろいろな制約は付いておりますけれども、基本的には企業献金は自由でございます、イギリス、ドイツ。それから、アメリカは一応今新しい法案が、大統領が署名をしたということはありますが、それにもかかわらず、企業あるいは労組が別組織として政治活動委員会、ポリティカル・アクション・コミッティー、PACと呼んでおりますが、そういう形で企業献金を実際にはやっているというようなこと。あるいはフランスについても、私の記憶が正しければ、政党の党費などを企業が払えるというようなことになっておりまして、そういう形で企業も献金できるようになっておりますので、世界じゅうの国が企業献金を禁止しているというような先ほど委員の御発言がありましたが、それは明らかに間違っているということを申し上げます。 その上で、先ほど鈴木議員のお話が出されました。私ども、鈴木議員のどういう問題があるのか、おいおい報道されておりますから、それを見て、その範囲で分かるわけでありますけれども、あっせん収賄容疑で逮捕、起訴されたというところでございますから、今後、捜査当局で厳正公正な事実解明が行われるということを期待をしているわけであります。 なお、このあっせん利得罪が適用されるかどうか、これは実態を、今後、更に公判等によって明らかになった実態を見なければ分かりませんけれども、あっせん利得罪が適用される場合も、それはあるかなとは思います。これは想像であります。 しかし、その場合であっても、刑法のあっせん収賄罪とあっせん利得処罰法の罪とは、いわゆる観念的競合というものだそうでございまして、刑法五十四条第一項の規定によりまして、法定刑がより重い刑法のあっせん収賄罪の刑で処罰されるということになるであろうということは委員も御承知のとおりでございます。
○八田ひろ子君 あっせん収賄にかかわらなくても、あっせん利得できちんと罰してほしいということで国民の期待も大きいというふうに私ども思っておりますし、政党支部に献金を入れたら罪に問えないんですよね、皆さんの案では。野党案ではこれ問えるんです。 先ほど世界のこともおっしゃいましたけれども、フランスでは九五年からは企業・団体献金は全面禁止。ベルギーでもそうですね。アメリカは、今言われました、いろいろあります。しかし、制約はいろいろあるんですよ。御承知だと思うけれどもおっしゃらなかったから言いますけれども、企業にとっても定款に定める目的の範囲外の行為であるという批判がいろいろあって、企業献金というのは原則禁止になっているわけであります。 そこで、法務省にちょっと伺いますけれども、実際に、一九四六年から二〇〇〇年まで、請託要件のない単純収賄罪と請託要件のある受託収賄罪のそれぞれの総起訴件数、これはどうなっているか、数字でお示しください。
○政府参考人(河村博君) 昭和二十一年から平成十二年までの単純収賄罪による起訴件数は、一万六千百十四件でございます。これに対しまして、請託を要件といたします賄賂罪、いろいろございますが、その中で受託収賄罪による起訴件数は、千九百六十六件となっております。
○八田ひろ子君 請託要件があるために捜査の困難性が、難しいんだなというのが、その数字も一けた違うわけですので、大変思います。請託の要件を外した単純収賄が圧倒的な数になっているわけですね。 一九五八年、法制審議会刑事法部会の中でも、請託を受けたことを要件としているのは立証を困難にするだけで行為の違法性を高める要素とは言えないから削除すべきだと言われてきましたが、以来四十二年間、国会議員で起訴された者はわずか三件のみと。全体でも少ないということですね。 私は、最初にも引用しましたが、与党提案理由の中で「一連の不祥事に端を発する政治不信を重大に受け止め、」というふうにおっしゃっておりますが、そういうのを重大に受け止めるんでしたら、犯罪の、口利き政治、立件、摘発を困難にさせるような請託要件、これを残すのではなく、野党案のようにこれを外す。参考人の先生たちもいろいろとおっしゃっておりましたけれども、使える法律にする、実効性のある法が必要、こういうふうに思うんですけれども、なぜ今これにこだわっておいでになるんでしょう。
○衆議院議員(町村信孝君) 請託要件があるなしでそれだけ大きな差になっているかどうかは、必ずしも先ほどの法務省の御説明でも定かではないだろうと、こう思います。 昭和二十一年とおっしゃったが、もっと近年の統計を私ども、過去五年間ですか、これを拝見をしますと、請託を要件とするものの件数も相当実は増えておりまして、事件になったことの案件ですよ、案件数でいうと。したがって、請託要件があるからこうした罪に問うことが難しいという議論は直ちには成立しないんだろうと、こう思っております。 そういう中で、なぜ請託を要件に入れたかということにつきましては、本法制定時の質疑の中でもう既に提案者が明らかに答弁をしておりますが、あっせんは請託を受けてなされるのが通常の形態である。これは、先般の参考人の質疑でもそのことは明言をされた委員もおられたと記憶をしております、また、委員というより、参考人の方もいらっしゃったと思います。 また、公職にある者が他の公務員に何らかの働き掛けをする場合は、だれかに何かを頼まれてその人のためにいわゆるあっせんをするという場合と、国民や住民の声を吸い上げて通常の政治活動として働き掛けを行う場合、先ほど私が一、二の例を申し上げましたが、公民館を作れとか、例えばそういう地域の声を吸い上げて行う政治活動等、この区別をやはりはっきりさせる必要があると。請託を要件としないと、この両者の区別が不明瞭になってまいりますし、処罰の範囲があいまいに広がっていくと、ひいては政治活動の自由を害するおそれがあると言えることから、処罰の対象となる犯罪構成要件を明確にする規定として請託要件を入れたというのが前回の、この元々の提案の考え方であるし、私どもも前回とそこは同じ考え方でいるということであります。
○八田ひろ子君 進歩がないということなんですかね。 与党案の、あっせんの依頼を、密室でお金を受け取ることを立証するというのは、野党案の、あっせんをしてお金を受け取ったことを立証しなくてもきちんとできると。これ、野党案の方が立証しやすい、立件しやすいのは明らかだと思うんですね。 私、なかなかよく分かりませんでしたので、④、最後の表をごらんいただきたいと思うんですけれども、これ、あっせん利得とあっせん収賄との比較を作ってみました。法定刑が軽いのに立証しづらいあっせん利得罪というのは一体何なんだろうというふうに思うわけなんですよね。二〇〇〇年のときにもバランスということを、あっせん収賄罪とおっしゃっていましたし、この前の参考人質疑でもこういうようなお話がありましたので、これ作ってきたわけなんでありますけれども、表を見ていただければ、バランスは取れていないということですね。 先ほど来お話がありました、権限に基づく影響力の行使や対象行為ですね、これは参考人も、こういう障害を作っては守れない法律があるんだと、もうこういうようなのは野党案に、野党案というのは一番右ですけれども、しなくちゃいかぬというふうに言われています。請託や第三者供与でも、逃げるための抜け穴というのは大きいんですよね。そして、捕まえようと思う今言いました二つのところは穴が非常に狭くなっていると。こういうのでは、一体この法律、シンプルで使いやすく実効性があり、そして国民の信頼を得るために改正を作られて、また今改正されているわけですよね。そういうのはバランス論からいっても、国民の信頼にこたえるという、まして実効性がなきゃいけないと私は思うものですから、そういう面ではいかがなんでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) あっせん利得処罰法とこの刑法のあっせん収賄罪、法の目的も違います、求める公益性も違うわけでございますから、ただ刑が軽いから、だからどうだというそのバランス論だけで構成要件を変えるというわけにはいかないと私どもは思います。 なお、権限に基づく影響力の行使というお話もあったわけでございますが、これにつきましては先ほども御答弁申し上げましたし、また本法の制定時においても質疑の中で御答弁を申し上げたとおりだと考えております。 すなわち、あっせん方法を公職にある者が法令に基づいて有する権限に直接又は間接に由来する影響力を行使したときに限定しない、限定しない場合には、公職にある者等の身分を有する者が行政府の公務員に対して行うあっせん行為のほとんどが対象となって、処罰範囲が過度に広がり、公職にある者による正当な政治活動を萎縮させるおそれがある。やはり、そこは政治活動の自由というもののバランスというものを考えていくというのが妥当な考え方ではないだろうかと、私どもはそう考えているわけであります。
○八田ひろ子君 あっせん収賄罪とのバランスを法制定当時におっしゃっていたのは与党の提案者の方であります。今また自由な政治活動とのバランスというふうにおっしゃるんですけれども、結局、都合のよいところだけバランス論というのを持ち出されているというふうに思うんですね。そもそも、あっせん利得罪、政治公務員が当初対象でありまして、今少し広がるということで意味も変わってくると参考人おっしゃいましたけれども、口利きをして利益を得てはいけないと。これは国民みんなが納得することなんですよ。だから、それをきちんとやってほしいというのがやはり国民の思いじゃないかなというふうに思います。被あっせん公務員が不正な行為をやろうと通常行為をやろうと、国民の信託を受け、国民全体の奉仕者である政治公務員とか秘書が口利きをしてその見返りで金品、賄賂をもらう、これ自体が私はもうどうしてもおかしいし、これを厳重に取り締まらなきゃいけないというふうに思うんですよ。 ところが、要件を厳しくしてこれで処罰しようと思ったら、この逃れる抜け道一杯作る。これを捕まえようと思うと、ハードル、障害は大変高いんだというのは、私はもってのほかだというふうに思います。 野党案では、口利きをしてその見返りとして、対価としてもらう、そこを縛ろうというそれだけなんですよね。もらっちゃいけないということなんですよ。だから、対価としてもらわなければ自由な政治活動というのは保障されているというのは何度もこの場でも言われていることで、特定の企業などのために関係省庁に口利きをする、昨日も厚生労働委員会でありましたけれども、こういう一連の体質を変える野党案さえ受け入れないという、それでは国民の政治不信というのはもう解消できない。これを指摘をして、私の質問を終わります。
○広野ただし君 自由党・無所属の会、国会連絡会の広野ただしです。 この間、参考人の質疑がございました。元最高検の検事、あるいは大学教授で政治学の先生、そしてまた大学の法律学の先生。私は、非常にやはり各参考人も政治と金のことについて、政治不信のことについて皆さん大変御心配で、そしてまた的確な指摘をいろいろといただいた。大変参考になったと、こう思っております。 そういう中で、野党案よりも、より厳しいことをおっしゃる先生もおられました。そしてまた、そうでなくとも、与党案では、また次改正をして、また朝令暮改的に、何回も何回もスキャンダルが起こった、またそれに対応していくと、そういうことになってはいけないんだというようなお言葉があったのも非常に印象的でした。 そういう中で、少なくとも三項目といいますか、首長あるいは地方議員にも対象範囲を広げる、こういうこと、そしてまた、その権限に基づく影響力を行使してという要件を削除すること、そしてまた第三者供賄の処罰規定を定めることについて、私も質問させていただいて、三人の参考人とも、これはいいんではないかということで、野党案の方をその三項目については評価いただいたわけであります。そのことについて、保利議員もあのとき来ておられまして、本当にずっと聴取をしておられたわけでありまして、そのことについて、今、現時点においていかがお考えか、伺います。
○衆議院議員(保利耕輔君) 先日の参考人質疑の様子、拝聴させていただきました。一覧表で整理をして、私どもも後で勉強させていただいたわけでございますけれども。 先ほど、千葉議員の御質問に対してお答えをしたところでございますけれども、対象についての問題については、処罰対象の問題についてはおおむね賛成、地方議員の秘書に対して拡大することについておおむね賛成を言われておられます。おおむねと申しますよりははっきり賛成であると言われている。そのことについて、私どもは、自分たちの考えの説明が非常に不足をしているなという感じをいたしておりまして、大変微妙な難しいところでございますから、十分に御説明を申し上げた上でもう一遍御意見を伺ってみたいなという気はいたしますけれども、既に参考人質疑は済んでおりますので、私どもは私どもの立場をこれは申し上げたいと思うのであります。 それから、権限に基づく影響力の行使については、それぞれ削除することについて賛成をしていらっしゃるわけでありますが、私どもは、権限に基づく影響力という言葉を入れなかった場合にどういうことが起こるだろうかということをやや心配しておりまして、もし権限に基づく影響力という言葉がないと、いろいろな、例えば役所に対して意見を言っていくとか、そういうようなことについても心配しながら物を言わなきゃならないというようなことが起こり得るものですから、そういった問題はやはり厳しく要件を設定をした方がいいのではないかと、私はそう思います。これもある意味では説明不足かもしれません。 それから、第三者供賄につきましては、それぞれ微妙なお違いがございますが、板倉参考人については賛成でありますけれども、飯尾参考人については、問題点ではあるが最終的に本人が支配できるものであれば含まれることを確認できればよいというようなことで、非常に微妙な言い回しをしていらっしゃいます。それから土本参考人につきましては、刑法の、先ほど法務省から御説明がありましたけれども、大変歴史を経て、今日あっせん収賄罪につきましてもこの条項が入っていないという、非常に微妙な問題であると。したがって、土本参考人は、刑法の方で先にあっせん収賄の整備を先行させるべきであるというような御趣旨に私は受け取りました。したがって、この問題は法制に携わるみんなでやはり研究をしていかなきゃならない問題だろうと思っております。 先ほど、だからといってこの法律を審議する際にこの第三者供賄を入れたっていいではないか、先に入れたっていいじゃないかという御議論もありましたが、非常に微妙な問題だけに、ここはやはり慎重に扱うべきものだと、そんなような、ちょっと長くなりましたけれども、感想を持ちました。
○広野ただし君 やはり参考人は非常に識見のある方々ですし、また国民を代表するような、政治不信について、政治と金の問題について非常に御心配しておられた方々でありますので、私たちはそれを非常に重く受け止めて審議を進めていきたいなと思っておるんですが、その中で、与党の方も今回は国会議員の私設秘書も含めてということで対象範囲を広げられたわけであります。 この中では、公設秘書あるいは私設秘書に実態的に変わりはないんじゃないかと、国会議員の政治活動を補佐するという意味で。ということから、また国民の側から見れば公設、私設の区別が付かない、こういうことを理由に挙げておられるわけですが、そこまでせっかく来られたなら、首長あるいは地方議員についてなぜ私設秘書まで対象範囲に含めないのかと。 特に首長のことにつきましては、今回、例えば徳島県知事、そしてこの参議院元議長の井上さんのことに絡んで鎌ケ谷市長がこうやって逮捕される、こういうことになっているわけですね。私たち、地方に戻りましても、首長というのは非常に力を持っている。特に多選知事ですとか多選市長ということになりますと非常に殿様みたいになってくる、こういうことがあるわけですね。実際、職員を秘書的に使っているということもあります。 ですから、これは公設あるいは私設を問わず、特に私は、首長については本当に国会議員同様ちゃんとした対象にしていくということがなされなければならない、こう思いますが、町村さん、そしてまた西さん、また西川さんにお伺いしたいと思うんです。
○衆議院議員(西博義君) まず初めに、私の方から答えさせていただきます。あとまた補足をいただけると思います。 今までずっと議論を重ねてまいりましたけれども、もう委員も十分御存じのとおり、私どもの今回の検討の中では、まず前回のこの元の法案が、公設秘書のみが国民の税金から給与を払われている、そして先ほどお話がありましたように、法律上も国会議員の政治活動を補佐する、こういう明確に定義がある、こういうことにまず基づいております。その上で、この秘書が独立の犯罪主体として前回のこの法律が立法されたときにも入ってきております。 そういう意味で、私どもは、まず本法のこの性格から照らしますと、保護法益から考えますと、基本的には議員秘書あっせん利得罪の犯罪主体、この中核はあくまでも公設秘書だと、こういうところから議論が出発しております。 しかし、御存じのような、今年に入って特に数々の不祥事が起こったことを見て、国民の側から見れば、先ほどもありました公設か私設かという秘書の区別が付かないということとか、さらには、国会議員の政治活動を補佐する、こういう側面から見れば同じことだということでございますので、今回、犯罪主体として国会議員の秘書、いわゆる私設秘書を付け加える、こういうことにしたものでございます。 犯罪主体の中核となる公設秘書の存在しない地方議会の議員若しくは首長については、今回はそういう法体系の動きから採用を、加えなかったと、こういうことでございます。
○衆議院議員(町村信孝君) 御指名がありましたので一言付け加えさせていただきますが、これは余り実態論を言ってもしようがないのかもしれない、理屈のこれは世界の話をしていますからね。 知事とか市長とかに私設秘書というのはいるんでしょうかね。もちろん、秘書課とか知事室とか、そういう人たちは公務員としては多数存在をしているのはよく知っておりますが、私設秘書というケースは私は余り知りません。 たまたま私の父もかつて北海道の知事をやっておりましたが、私設秘書というのが、事務所があって電話番のやや年老いた女性が一人いたことを、私も幼いときのことですが記憶にありますけれども、いわゆる電話番であるとか留守番以外の、ある種政治活動を補佐するとか、そういう立場の人が、これはしかし一般化するとちょっと無理があるのをあえて承知して言っております、余りいないんじゃないんでしょうか。 それから、私の知っている北海道議会議員の方々を見ても、確かに地元で事務所があることはありますが、留守番の女性がいるようなことであって、ほとんど電話番。何かいわゆるらつ腕秘書と言われるような秘書が、実態問題ですよ、もちろん例外があるから全部とは言いませんが、そんなに地方議員さんにいるかなと思って見ていると、ほとんど私はそういう姿を見たことがないものですから、だから要らないと私はそこだけを理由に言うつもりはございません、理屈は今、西先生がおっしゃったとおりなんですが、実態的に言ってもそういうことなんではないかなという気がしております。
○衆議院議員(西川太一郎君) 今、さきのお二人から御答弁を申し上げたところとほぼ同じでございますが、私はあえて、自分自身も十六年地方議員をさせていただきました。東京都議会議員でございましたからかなり大きな予算審議等々もいたしまして、その体験に基づき、また同僚議員などを見ても、率直に申しまして、私設秘書がそういうようなことにかかわっているという事例は当時はそう多くなかったというような体験もこれあり、立法の経緯の中で、いわゆる百三十二条で明確に国会議員を補佐する公設秘書というものを持っていない地方議会、特に議員の私設秘書にまでこの範囲を広げるべきでないと、こういう考えに至ってこうした形にしておりますというふうに申し上げさせていただきます。
○広野ただし君 今、御三方から実態論的な話がございましたが、もしそういうことになりますと、本人、非常に危ないからこれからは私設秘書を雇っていろんなあっせんをさせるということだって横行するわけですね。 ですから、私はやはり実態論とは別に、実際またおられる方々もおられます。ですから、実態論とは別に、国会議員同様、本当にやはり首長というのは非常に大きな権限があります。そして正にその配下に公務員が付いているわけですね。非常にちょっと我々議員よりももっと強い権限があると、地方においては。ということを考えますと、やはりこれは一考してもらわないと、何か改正はしたけれども本当に実効のない法律が通っていったと、また政治不信が出てしまうということになるんではなかろうかと、こういうふうに思うわけです。 この間の参考人質疑の中でもありましたのは、こういうことが、例えばあっせん利得法が通ったとしても、次、ちゃんとそういうスキャンダルが一つも起こらなくて政治と政治家の信頼がきちっと戻ってくるということになりませんと、また次、朝令暮改的にまたやっていく、後追い的にやっていくと、こういうことは、何をやっているんだということで、やはり国民の政治不信につながるということを強く言われた先生の言葉が印象に残ったわけですが。 今度の場合でも、実際、鈴木宗男議員のことについて皆さん逮捕許諾を出され、そして議員辞職勧告決議案にも賛成をされた。それなのに、この間も答弁を受けますと、御本人の判断だと、こういうことを最終的に言われる。私、この間、厚生労働でも総理に聞きました。相変わらずそういうことをおっしゃっている。これは結果として、結局鈴木宗男議員を擁護していることになる。やはり、皆さんは辞職勧告決議に賛成されたんですから、それはもうしっかりと辞めるべきだということをこの場でやっぱり言っていただきたいと思うんですね。 お一人方、是非御答弁いただきたいと思います、与党の方。
○衆議院議員(保利耕輔君) 先日も申し上げましたとおり、議員の地位というのは非常に重いものがありまして、その裏には有権者の方々がいらっしゃるということでありますから、有権者の意向というのが一番大事だと思います。私は、そういう意味で、有権者の意向をどういうふうに鈴木議員が受け止められて意思を表明されるか、それは一に掛かって鈴木議員のお考えに基づくものだと思います。
○衆議院議員(町村信孝君) 基本は本人の判断、これは私は間違っていないと思います。ただ、逮捕という事態に至り、院全体としても辞職することが相当であるということでそういう勧告決議に賛成をしたわけでございますから、私は議員辞職すべきであると、このように考えております。
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。 私どもも自分の意思として議員辞職勧告決議案に賛成をいたしました。そのことは、取りも直さずお辞めになるべきだというふうに意思表示をしたと、私自身はそう思っております。
○衆議院議員(西川太一郎君) 私も同じように考えておりますが、自分自身が一番よく知っているわけでありますから、言われていることが事実であるというなら、やはりきちっとお辞めになるべきだと思います。
○広野ただし君 特に、先ほどもありましたが、鈴木宗男さんの場合は百十を上回るような疑惑がある。そういう中で、しかも、これは新聞情報ですが、グループを組んで言わば圧力を掛ける、鈴木マネーが四十数名にもわたって流されていると、こういうことであります。特に、例えば松岡利勝さん、そしてまた松下忠洋さん、こういう場合は事情聴取も受けておられるということのようであります。 そういう中で、結局、政策においてグループを組んでやっていくということはよく分かるんですが、ところがこういう個別の案件について、例えばやまりんですとかいろんなことについて圧力を掛ける。それも徒党を組んで、徒党という言葉は悪いかもしれませんが、たくさんの人たちに同じようにやってもらう、こういうために非常にお金を配られたんじゃないかと、こういう思いがするわけです。 私はこの間も指摘しましたが、参議院議員、残念ながら八人の方が、政党支部ではありますけれども、鈴木宗男、第十三選挙区からもらっておられる。それがどういうような行動を取られたのか、私は非常にやっぱり心配です。また疑念を持ちます。そういうことから、改めてやはり八人の参考人としての招致を要求をしたいと思いますので、また理事会等で御審議をいただきたいと思います。
○委員長(沓掛哲男君) 後日理事会で協議いたします。
○広野ただし君 この間も参考人との質疑の中でありました、私もちょっとお話をしたんですが、あっせん利得処罰法だけでは決して政治と金との問題というのは改まらない。やはり徹底的な地方分権ですとか、あるいは公務員の倫理の問題ですとか、公務員の政治的な中立の問題ですとか、様々な問題が、あるいは先ほどもいろいろとありましたけれども、官製談合防止法ですとか、あるいは総合的な政治腐敗防止法、これは小泉総理自身がおっしゃっていますけれども、あるいは入札干渉罪といいますか、そういうものを設けていくと。 そういうものが総合的になされて初めて、何といいますか、政治が浄化されるということになるんではなかろうかと思いますが、特にその点について平野貞夫提案者に、やはり総合的なことが必要なんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○委員以外の議員(平野貞夫君) 広野委員おっしゃるとおりでございまして、本当は政治倫理基本法のようなもので総合的にくくるべきじゃないかと思います。 それと、やはり口利きあるいは丸投げをできるような公共事業を中心とした予算の組み方でございますね、言わばそういうものに使える原資を、単価の問題だとかあるいは重複補助金のような形で政府自身が作っている、こういったものも変えるべきじゃないかと思っております。
○広野ただし君 今おっしゃいましたとおり、やはり、この間も私も指摘しましたけれども、地方分権を徹底的にやはり行って、今縦割りで補助金を出して各省がコントロールするようにやっておりますが、これを一括交付金として渡して、それぞれの自治体が自分たちで決めれるというような形にしてまいりますと、もう一々国会議員に地方のことで陳情しなくてもいいというようなことが非常に徹底してくるわけですし、公務員の在り方ということについて私たち自由党は、公務員の政治的中立ですとか、あるいは国民主導の、閣僚主導の政治ではなくて国民主導の政治を、国政を実現をしていく基本法というのも提案をしております。そういうものをきちっとやっていきませんとなかなか全体的な政治風土が直らない、こういうふうに思います。 小泉さんは政治腐敗防止法ということを今年の衆議院の予算委員会でおっしゃっているんですが、このことについて保利耕輔議員はいかがお思いでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) ちょっと私、予算委員会の委員でもないので、どういう表現を総理が取られたか定かじゃございませんが、政治腐敗に関する対策を総合的にという意味で、それを称して多分腐敗防止法という表現を取られたのではなかろうかと理解をしておりまして、具体的イメージでこういう法律事項でこうこうということではどうもないという印象を持っております。 ただ、いずれにしても、委員御指摘のように、総合的に対応を決めていくという必要がある、これは全くそのとおりだろうと思いますし、また地方分権もそうだろうと思います。 ただ、地方にこうしたことが拡散をしないような別途のチェックシステムというのが地方においてもより充実されることが必要であって、これは私の個人的な持論ですが、地方の監査委員制度だけでは、これでどんどん地方分権をやっていくと今度は地方における不当な口利き等々が頻発をするおそれ、現に幾つかの、たしか鹿野議員の元秘書のかかわっていた業際研ですか、あれが専ら自治体をベースにそういう活動をしていたということが報道されておりますから、そういったことなども含めてやはり地方は地方できちんとしたそうした対応策というものを考えなきゃいけないんだろうなと、こう思います。
○広野ただし君 やはり総合的な対応というのは必ず必要だと思いますが、しかし今回の場合、やはり、今おっしゃいましたが、地方もある程度あっせん利得処罰法の中に入れると、こういうことを是非考えてもらいたいと思います。 終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 去る八日の三人の参考人質疑で、与野党の案の長所短所についてある程度客観的なコメントがいただけたんではないかと、こう思います。また私は、去る十日の予算委員会で小泉総理に、このあっせん利得処罰法改正のための努力についてもただしたところであります。その答弁は、政治倫理を更に強化をして国民の信頼を回復することが必要だというのが、総理としてあるいはまた与党自民党の総裁としてということで私、問いましたので、そういう立場で御答弁がございました。 本日の委員会は、これらを踏まえながら論議を一歩前進させて、野党側から九項目について提起を申し上げているわけですが、与野党が知恵を絞って実りある論議を深めながら、そして、朝令暮改だとかという、こういう批判を受けないように、あるいはまた国会が本当に自浄能力全くないではないか、こういう批判が今あるわけですけれども、こういうものをやっぱりそそぐためにも、一致点を探るために、お互いにメンツなどというのを捨てて、やはりしっかり今ここで一致点を見いだしていくという努力が求められているんだろうと思います。 そこで、参考人質疑を通じてほぼ、先ほど来出ておりますように、三点に絞られてきた。一つは、首長や地方議員の秘書への適用の問題。二つ目には、権限に基づく影響力の行使という文言の削除という問題。そして三つ目には、第三者供賄の追加ということだったと思います。 そこで、第一に、首長や地方議員の秘書の適用について与党側の皆さんにお伺いをしたいと思うわけですけれども。 そこで、土本参考人の意見は、私設秘書は実態的に公設秘書と差異はない、地方には公設がないから適用しないというのはもう論理矛盾であり、地方は公設がない分だけ私設の活躍舞台が広い、こういうふうにおっしゃっておりました。また、板倉参考人は、地方首長、議員の秘書を入れるべきだし、元秘書もあっせんのときだけ秘書でないというのを防ぐために入れるべきだ、こう述べられておりました。 そこで、もう一度実例に基づいて考えてみたいと思うんですが、井上前参議院議長に絡むあっせん収賄事件は、本法案の適用対象者に即して考えれば、二つの部分に分けて見る必要があると思います。 一つは、議長、すなわち国会議員の秘書である半田さんという方の犯罪の問題。もう一つが、鎌ケ谷市長、つまり地方首長の収賄ですけれども、ここに市長側の代理人として介在をしているのが野崎さんという方であります。彼はたまたま井上議長の秘書でもありますけれども、より一般的なケースとしてみれば、市長の私的代理人、こういう格好になっております。元々、市長の選挙運動をやっておって、日常、地元にいて市長室に出入りをし、市長と非常に懇意で、市長室を舞台に金の受渡しをやった。市長の裏秘書的な、こういう役割をやっているというのが伝えられているところであります。市長も工事発注の実権を分有していた。正にそういう意味では政治活動を補佐する者、こういうことであり、野崎氏を処罰しなければ全く意味がないということになるんだと思います。市長にとっての、先ほども出ましたけれども、公的秘書は、これは公務員たる市長室長がいるわけですが、それと連携をして、役割分担をして、公務員では危なくてできない部分を受け持った、こういうことなんだろうと思います。こういうことがずっと報道されてきた中身で明らかになってきたと思うんです。 改めてこういうことを見てまいりますと、地方首長の私設秘書のケースを含めるように与党側ももう決断を是非していただくべきでないか、このことを強く求めますと同時に、御見解を承りたいと思います。
○衆議院議員(白保台一君) お答えいたします。 るる、いろんな例を挙げられてお話がございました。しかし、私どもは本案を立案する際に一つのきちっとした考え方を持ってスタートしておりまして、これまでも答弁に出ておりましたように、国会議員の秘書については、公設秘書のみが国民の税金から給与を支払われる公務員であり、さらに法律上も国会議員の政治活動を補佐するものとして明確に位置付けられており、国会議員の権限に基づく影響力を行使し得る立場にあることから独立の犯罪主体とされてきたところであります。本法の性格に照らしますと、基本的には議員秘書あっせん利得罪の犯罪主体の中核は公設秘書であると考えております。 しかし、最近の国会議員の私設秘書等にかかわる一連の不祥事に端を発する政治不信を重大に受け止め、政治に対する国民の信頼を回復するためには、国民の側から見れば公設秘書か私設秘書かの区別は判然としないこと、国会議員の政治活動を補佐するという実態に着目すれば公設秘書でも私設秘書でも変わりはないことなどから、議員秘書あっせん利得罪の犯罪主体に国会議員の私設秘書を追加する必要があると考えて本法改正案を提案したものであります。 こうした立案の経緯を踏まえるならば、参考人の御指摘のような、地方に公設がないから適用しないというのは論理矛盾だという批判は当たらないものと考えております。 また、先ほど例として挙げられました鎌ケ谷市の事件については、事案についての詳細を承知しておりませんので、発言は差し控えたいと思います。 いずれにいたしましても、犯罪主体の中核となる公設秘書の存在しない地方公共団体の長の私設秘書についてまで犯罪主体を拡大すべきとする考えには、賛同することはできるものではありません。
○又市征治君 私、具体的な例を挙げて、これを保利提案者にもお聞きをしたいんですが、今のこれだけ多く伝えられておる井上前議長に絡む問題で、ここの、市長の実質的にもう秘書をやっておったということは伝えられているわけでありますけれども、それでもこれは私設秘書を、こうした地方首長の私設秘書も加えるべきでないというお考えなのかどうか、もう一遍、改めてお聞きをしたいと思います。
○衆議院議員(保利耕輔君) 個々のケースはいろいろあるんだろうと思いますし、またこのケースについて私は細かくは承知をいたしておりませんけれども、こういった例があるという御指摘をいただいたというふうに理解をさせていただきますが、だからといって、このあっせん利得罪の構成要件を私どもは公設秘書を中心に物を考えてまいりましたし、今も考えておりますが、その公設秘書のない地方の長、首長、議員に対して、公設秘書のない首長あるいは議員に対する私設秘書の取扱いをこの法案の中に組み込むかどうかということについては、今までずっと御答弁申しておりますとおり、これを入れるつもりはございません。 しかし、いろいろな事件が起こりますから、そこのところは地方の倫理の確立、あるいは、これは中央ももちろんですけれども、地方における倫理の確立というのはどうあるべきかというのは、その地方地方でやはりいろいろなやり方があると思いますから、お考えをいただかなきゃならないことだなと、そういうふうに思っております。
○又市征治君 非常に残念と言っておくしかございません。 そこで、次に移りますが、第三者供賄について先にやりたいと思いますが、実は先日の参考人の意見の間に、先ほどもございましたけれども、若干のニュアンスの違いはありましたけれども、しかしこれは本質的な違いではなくて、不必要だなどという意見の差異ではございませんでした。 すなわち、板倉参考人は、第三者供賄は追加をすべきだと、政党支部、資金管理団体等が受け取った場合は、共謀や共同正犯は考えられるが立証が難しい、刑法にもないため罪の確定例がなく、抜け道の実態があり、是非置くべきだというふうに述べておられます。 一方、土本参考人も設けるべきだと内容的には全面的に賛同されているわけですが、ただ、前の刑法改正のときの附帯決議、つまり刑法に第三者供賄を入れよという点がその後一向に検討されていないから、少なくとも刑法との同時立法が必要だという御趣旨だったというふうに私は理解をいたしました。 しかし、先ほど紹介をした土本参考人の議員立法で自主的に自浄作用として出したことに意義があるという基本線から見れば、一般法である刑法とは多少の違いがあっても、これは政治公務員等に限って本法が若干先行しても、それは政治的、道義的に何ら問題はないのではないか、こういうふうに思います。むしろ、これをやらなければ、鈴木宗男氏ほかの例に見られるように、数多い政党支部や政治資金管理団体を献金先にしてやられている実態について国民の不信解消ということにならないんじゃないのか、こう言わざるを得ないと思います。 与党側には厳しい問題に受け取られるのかもしれませんけれども、しかし、もう本当に決断すべき時期に来ているんではないだろうか、こう思います。是非再検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(白保台一君) お答えいたします。 公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性と、これに対する国民の信頼という本法の保護法益を保護するためには、国民の政治不信を招くような行為、すなわち実質的に公職にある者等、本人があっせん行為の報酬たる財産上の利益を収受した場合のみ処罰されれば十分であると思います。 すなわち、御指摘の政党支部や政治資金管理団体のように、外形的には本人以外の第三者があっせん行為との間に対価性があると認められる財産上の利益を受け取ったとされる場合でも、当該財産上の利益に対して本人が事実上の支配力、実質的処分権を有するものと認定できる場合には、本人が収受したものとして、本人に本法所定の罪が成立する可能性があり、第三者供与の処罰規定を設けなくても本法の保護法益は十分守られる、保護されると思います。 逆に、本人が形式的にも実質的にも財産上の利益を収受していない場合までも処罰範囲にすることは、あっせんを受けた公務員に正当な職務行為をさせ、又は不当な職務行為をさせない場合にも犯罪が成立する本法の性質にかんがみ、不当に処罰範囲を拡大するものであり、妥当ではないと思います。 以上の理由から、第三者供与処罰規定を設けないこととしたものであり、現在のところ委員の御指摘のような検討を行う考えはないと申し上げざるを得ないところであります。
○衆議院議員(町村信孝君) 少々補足をさせていただきます。政党支部、先ほどどなたかも北海道第十三選挙区支部というお触れがございましたので。 これ、政党支部の実態はそれぞれまちまちでございまして、先ほども申し上げました大部分の政党支部というのは、それぞれの支部の中に資金をつかさどる会計委員会とか、あるいは政治活動の方針を決める組織委員会とか、いろいろな委員会で運営をされているというのが通例でございまして、だから、私は北海道第五選挙区の支部長ではありますけれども、だからといって北海道第五選挙区支部のお金の出入りについて私のもう一存で、それこそ私の判こ一つで全部お金を出したり入れたりできるかと。そんな仕組みにはなっておりませんし、また第三者の監査というものも入れるようにしておりますし、したがって、政党支部がすべて議員の思いどおりのままに運営できる存在では決してない。 ただ、これは支部によってそれは違いがあるのもまた事実でございましょうから、そこは最終的には事実認定の問題として、先ほど白保委員が申し上げたような解釈になってくるんだと、こう思います。
○又市征治君 町村先生のようなそういうところもあれば、それこそ先ほど出ました鈴木さんのところの例もあると、こういうことですから、国民はちょっとなかなか納得いかないんじゃないかと思うんですよね。 そこで次に、三つ目の、権限に基づく影響力の行使の問題についてですけれども、現行法の規定についても強い批判があって、これ以上存続すべきではないというのが参考人の一致した意見だったと思います。 例えば、土本参考人は、削除すべきだと明言をされていまして、その理由は二つ挙げられています。一つは、刑法のとき職務上の行為との要件が付されたためにざる法と言われるようになった。二つ目に、この権限に基づく云々と似た、この地位を利用してという字句を入れる動きがあったが、結局は不適当だとして入れなかった。つまり、いったん死んでいたものなのに、現あっせん利得法を作るときにこれを入れたのはおかしい、こういうふうに述べておられるわけであります。 全体として、土本参考人は、刑法との対比において、このあっせん利得法の立法の最初の趣旨は、議員たち自身の自発的イニシアチブによって広く浅く罰しようというものだった、ところが最初から様々な干渉があってざる法になったというふうに考察されています。土本参考人の言われた本法のそもそも基本的な趣旨、すなわち単独立法で、議員立法で自浄機能として作る、それには刑法本体とは一味違ってもいいんではないか、広く浅くやろうじゃないかという、こういう発想があったし、それが正しいんだと、こういう御趣旨だったというふうに言えます。 これに対して、原点に返ってどうこたえていくべきか、今問われているんだろうと思うんですが、これについては是非簡潔に与野党それぞれからお答えをいただきたいと思います。
○衆議院議員(白保台一君) お尋ねの権限に基づく影響力の行使を要件とした理由については、本法制定時における質疑の中でもるる答弁をされております。 すなわち、あっせんの方法を公職にある者が法令に基づいて有する権限に直接又は間接に由来する影響力を行使したときに限定しない場合には、公職にある者等の身分を有する者が行政府の公務員に対して行うあっせん行為のほとんどが対象となって処罰範囲が過度に広がる、そしてまた、公職にある者による正当な政治活動を萎縮させるおそれがあるからであります。 したがって、委員御指摘のような広く浅くという観点を加味するといたしましても、権限に基づく影響力の行使という要件は正当な政治活動の確保の観点からは外せない要件であると考えております。
○委員以外の議員(大脇雅子君) 野党案は、権限に基づく影響力の行使の文言を削除すべきものとしておりますが、その理由は、これまで多くの方が述べられたように、権限とは法令に基づいて有する職務権限に限られて、政党幹部として有する権力は含まれないこと、しかも、単に頼むだけでは足りず、その影響力を積極的に利用しない限り犯罪が成立しないということから、あっせん利得防止の実効を期待し得ないということが議論されております。 参考人土本武司先生の御意見は、二〇〇〇年八月の雑誌「捜査研究」の論文「あっせん利得罪立法に向けて」に関しても見解を述べておられます。御承知のとおり、単独立法の前史として昭和三十三年の刑法改正によるあっせん収賄罪がありまして、これが余りにも構成要件が厳格過ぎて立件が難しく、国政レベルでは、今般起訴された鈴木宗男衆議院議員も含めてこれまでたった三件しかありません。 土本参考人の前述の論文を一部紹介させていただきますと、今回のあっせん利得罪、これは二〇〇〇年のことですが、あっせん利得罪の立法に向けての法案は、刑法のあっせん収賄罪より広く浅く処罰の網をかぶせようとするものであるが、国会議員が自らを縛ることになる法案を議員立法の形で立法化しようとする動き自体は、国会の自律的機能の高揚という表れとして評価に値すると。立法に当たっては、あっせん収賄罪では規制の網からこぼれ出してしまう部分をカバーできるようにするという点に意を用いなければならないとされております。そして、最後に、あっせん収賄罪立法の際にはこれを要件としないことにしたのであるが、それよりも広く浅く処罰の網をかぶせようとする本罪について、それをまた生き返らせるべきではないと述べておられます。 ひとえに、実務上の経験を踏まえながら、国会議員の自己規律の強化の方向を御示唆しておられるということで、私どもはそこに立ち返って立法をすべきだと考えます。
○又市征治君 時間が参りましたので終わりますが、いずれにいたしましても、本当に国会議員の私設秘書だけを加えて本当に一体全体この政治腐敗、このあっせん利得、こういったことがなくなっていくのかどうか、改めてもう一度、こういうメンツにとらわれずにこの改正に向けて御尽力を賜りますように提案者側にお願いを申し上げて、私の今日の討論を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(沓掛哲男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時五十五分散会