政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 145 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2002/06/28
会議録
○委員長(沓掛哲男君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(衆第一六号)及び公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(参第一七号)の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(沓掛哲男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(沓掛哲男君) 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(衆第一六号)及び公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案(参第一七号)の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○木村仁君 おはようございます。自由民主党の木村仁でございます。自由民主・保守を代表いたしまして、提案されております両案についての質問をさせていただきます。 まず、現下の情勢にかんがみ、この両法案を御準備いただきました提出者の皆様に心から敬意を表したいと存じます。 現在のように政治の廉潔性、清廉潔白性が疑われ、国民の信頼が失われつつあるときに、このあっせん利得処罰法を改正して罰則を強化しようということは、誠に時宜に適した発想であって、誠に結構なことであると考えております。 この廉潔性、清廉潔白性、そして国民の理解、支持を得るための努力ということは非常に大きな法益を守ることでありますが、併せて、私は、国民の代表として自由な政治活動をする国会議員、地方議員あるいは首長、こういう者の政治活動の自由ということも憲法に保障された権利であって、両者の兼ね合いということも極めて重要ではないかと思います。それだけに、犯行の範囲、その他量刑等について慎重な検討をするとともに、特に構成要件が明確、合理的であるということが非常に重要ではないかということを前提にしながら質問をさせていただきたいと思います。 まず、与党三党と申しますか、自由民主、保守そして公明党の提案され衆議院送付となっております法案について御質問を申し上げます。 平成十二年の十一月の第百五十国会でこの法案、法律が成立し、十三年の三月一日から施行されたわけでありますが、その当初の法案審議におきましても、いわゆる私設秘書を公設秘書とともにこの法案、法律のいわゆる犯罪主体と申しますか、そういうものの対象にしようという意見は強くあったように理解をしております。施行後一年にしてこれを加えるということになったわけでございますが、当時の議論の背景、そして、これを今回追加して犯罪主体とする改正を行うことの経緯について簡単に御説明をいただきたいと思います。
○衆議院議員(白保台一君) お答えいたします。 本法制定時においては私設秘書を犯罪主体に加えておりませんでしたが、先ほどもお話がございましたように、昨今の国会議員の私設秘書等の一連の不祥事等により政治に対する国民の信頼が揺らいでいる、こういうことにかんがみ、政治に対する国民の信頼を回復するため規制の拡大を図る必要があると、このように判断したものであります。
○木村仁君 今回、犯罪主体として私設秘書を国会議員、衆議院議員、参議院議員に加えたわけでありますが、野党の案によりますと、私設秘書というものは地方議会議員あるいは地方公共団体の長にもないわけではない、多くの人々がそういう秘書を持っていないというのが実態でありましょうけれどもいないわけではない、そしてその方々がまた同じようなあっせん利得行為を行うのではないか、したがってこれを入れておくべきであるという法案になっているわけでありますが、今回、三党案においてそれを入れていない理由、根拠を御説明いただきたいと思います。
○衆議院議員(白保台一君) これまで国会議員の秘書については、公設秘書のみが国民の税金から給与を支払われる公務員であり、さらに法律上も国会議員の政治活動を補佐するものとして明確に位置付けられております。国会議員の権限に基づく影響力を行使し得る立場にあることから、独立の犯罪主体とされてきたところでありまして、本法の性格に照らすと、基本的には議員秘書あっせん利得罪の犯罪主体の中核は公設秘書である、そのように考えられます。 しかしながら、最近の国会議員の私設秘書等に係る一連の不祥事に端を発する政治不信を重大に受け止め、政治に対する国民の信頼を回復するためには、国民の側から見れば公設秘書あるいは私設秘書、この区別は判然としない、そういうことがあります。国会議員の政治活動を補佐するという実態という面に目を向ければ公設秘書も私設秘書も変わりはないことなどから、議員秘書あっせん利得罪の犯罪主体に国会議員の私設秘書を追加する必要があると考え、本法改正案を提案したところであります。 したがいまして、犯罪主体の中核となる公設秘書の存在しない地方公共団体の議会の議員又は長の私設秘書についてまで犯罪主体を拡大すべきでないと考えたところであります。
○木村仁君 いま一つ、与党の提案されました法案との関連で野党案が非常に犯罪主体の面で違うところがありますのは、公職にある者の父母、配偶者、子若しくは兄弟姉妹を犯罪主体に野党の案では加えているわけでございます。これはかなり広範な犯罪主体の拡大というふうに私も理解し、どうかなという気がいたしておりますが、また後に野党提出者からの御説明もあると思いますけれども、与党案の提出者としては、この公職にある者の親族と申しますか、こういう者を犯罪主体に入れないと御判断になった根拠、背景を御説明いただきたいと思います。
○衆議院議員(白保台一君) お答えいたします。 本法の罪は公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を保護しようとするものであるところであります。このためには、国会議員の私設秘書に対象範囲を拡大することで十分であると、このように考えます。 一方、公職にある者の親族である父母、配偶者、子供若しくは兄弟姉妹を犯罪主体に加えるとする立場は、国会議員等の公職にある者の政治活動に全く関与しておらず、公職にある者本人の持つ影響力を借用して行使し得ない親族まで処罰の対象としてしまう半面、親族以外の公職にある者本人の持つ影響力を借用して行使し得る立場の者をすべて処罰の対象としてはいないのでありますから、要するに、公職にある者本人の持つ影響力を借用して行使し得るか否かにかかわらず親族という身分にあることのみを理由に犯罪主体とすることになり、相当でないと考えております。 なお、与党案では、親族であっても衆議院議員又は参議院議員に使用される者で当該衆議院議員又は当該参議院議員の政治活動を補佐するものに該当する者は新たに私設秘書として独立の犯罪主体となるので、公職にある者の父母、配偶者、子若しくは兄弟姉妹を犯罪主体に加える必要はないと、このように考えたところであります。
○木村仁君 ありがとうございました。 そこで、与党案の、衆議院送付案の中身はいわゆる私設秘書を犯罪主体に加えるということでございますから、このいわゆる私設秘書の定義が一番問題になるわけでありますが、この定義につきましてはもちろん十分議論が尽くされておりまして、連座制における秘書の定義、公職選挙法の中にありますように、当該公職にある者に使用される者であってかつ政治活動を補佐するもの、こういうことで、これは判例上もいろいろ議論をされて明確にされているところでありますから特に問題はなかろうかと思いますが、念のために一、二質疑をしておきたいと存じます。 まず、衆議院議員、参議院議員との間にしっかりした雇用関係があって、もう言わば公設秘書の定数が足りないから私設秘書として雇っているというような人々の場合は明確なのでありますが、そうでなくて、特に雇用関係はない、極端な場合は、もう好意で日々秘書業務を行い、本当に公職にある者の使用人としてその指示に従って働いているという場合がないわけではありません。そういうような、雇用関係が明確でない、あるいは賃金も支払われていないという者であっても、使用されかつ政治的活動を明確に補佐しているものというのはかなり広範囲にこれに含まれてくるものでありましょうか。
○衆議院議員(白保台一君) まず、秘書の定義の問題もございましたので、今回の改正で加える国会議員の私設秘書の定義は、「衆議院議員又は参議院議員に使用される者で当該衆議院議員又は当該参議院議員の政治活動を補佐するもの」としております。これは公職選挙法の連座制における秘書の定義と同様であります。そして、公職選挙法上の連座裁判の最高裁判決においても同定義の明確性が認められていることから、あっせん利得罪における私設秘書の定義としても構成要件の明確性という観点から十分に合理性があると、このように判断いたしました。 今お尋ねの雇用関係等の問題でございますが、国会議員との間に雇用関係がなく賃金を支払われていない者でも私設秘書とされる場合があるのかということについて、本法改正案の私設秘書の定義である衆議院議員又は参議院議員に使用されている者で当該衆議院議員又は当該参議院議員の政治活動を補佐するものというものの意味は、国会議員の指揮命令に従って労務に服し当該国会議員の政治活動を補佐するものということであり、このような実態があれば私設秘書に該当し、必ずしも雇用契約や賃金が支払われているということを要しないと思います。 したがいまして、国会議員との間に雇用関係がなく賃金も支払われていない者であっても、実態として国会議員の指揮命令に従い当該国会議員の政治活動を補佐していると認められれば、このような者も本法改正案の私設秘書に該当すると、このように思います。
○木村仁君 お知らせいたしましたちょっと順番が変わりますが、私ども地元に参りますと、参与とか顧問という肩書の名刺を持って、そして地域で活動しておられる方々がいらっしゃいます。 この方々は、必ずしも公職にある者に使用されているという関係ではなくて、友人関係とか煩悩があるとか、そういうことで活動されておりまして、しかしかなり影響を持っている人がいないではない。そういうような、常時政治活動を補佐しているわけではないけれども折に触れて時折手伝ってあげると、しかし名刺はきちっと持っているというような方は入ってきますでしょうか、入りませんでしょうか。
○衆議院議員(白保台一君) お尋ねの、参与、顧問等の肩書で随時政治活動を補佐しているものは私設秘書か否かということについてでございますが、参与、顧問等の肩書で随時政治活動を補佐するものについても、先ほど申し上げましたように、そのような肩書を持つ者が国会議員の指揮命令に従って労務に服し当該国会議員の政治活動を補佐していると認められれば、本法改正案の私設秘書に該当するのであります。
○木村仁君 まだこの法律が制定され一年三か月で、事件も橋本市の市議会の議員のわずか一件であるということで、その辺りの秘書、公設秘書についても判決がないということでありますから、この辺りは少しあいまいと申しますか、今後の事案等に見ていかなければならない部分であろうと思います。 そこで、先ほどお尋ねいたしました父母、配偶者、子若しくは兄弟姉妹がどの程度この網に掛かってくるであろうかという問題でありますけれども、典型的なのは配偶者であります。これは、もし秘書としての勤務の実態が備わっておれば、公設の秘書にすることも法律上は認められていると理解をいたしております。政治的にそういうことをする人は少ないということでありますが、認められております。そういうことで、常時勤務の実態を持ちかつ公職にある者の指示に従って言うなれば使用されているという配偶者がいることは事実でありますが、このような者があっせん利得を独自に行った場合に入ってくるのかどうかということであります。 実態を申し上げますと、配偶者でありますから、本人は使用人だとは思っていないでしょうし、指示をすれば全部ことごとく嫌がったり反発したり反対のことをしたりすると、そういうことでありますけれども、形としてはやっぱり秘書という形を持っていると。そういう者が入ってくれば、別にあえてそれを犯罪主体として法律に規定しておく必要はないのではないか。これは子、兄弟についても全く同じことが言えると思いますが、その点はいかがでございましょうか。
○衆議院議員(白保台一君) 国会議員等が本法の罪につき何らかの形で私設秘書に該当しない父母、配偶者、子あるいは兄弟姉妹を関与させた場合において、国会議員等と父母等とが意思を通じて行ったときは、国会議員等と父母等は共犯となり、国会議員等と父母等の双方に本法の罪が成立する。そして一方、父母等には犯罪の認識がない場合など共犯関係にあるとは言えない場合であっても、国会議員等が言わば自己の手足として父母等を使ったと認められる場合には国会議員等本人について本法の罪が成立することとなると、このように思います。
○木村仁君 もう一度確認いたしますが、そうしますと、親族、特に配偶者等が国会議員の言う言わば指示を受け使者としてあっせん利得行為を行った場合には、本人のあっせん利得の処罰はないかもしれないけれども、共犯とかあるいは使者として、本人、公職にある者本人が罰せられると、こういうことになるということでございますね。
○衆議院議員(白保台一君) そのとおりでございます。
○木村仁君 そのような実態があるとすれば、あえて配偶者を別途犯罪主体と構成するまでもなく、公職にある者の廉潔性、清廉潔白性は保たれると申しますか、大体一緒に責任を取るような形になるなという気がいたします。 そこで、時間がございませんので総括的にお尋ねをいたしますが、民主党外三党の参議院で提案されました法案によりますと、現行のあっせん利得罪に係る構成要件の重要なものの多くが削除され、あるいは利得、財産上の利得というものが賄賂に変わるというような範囲を広げる、そういうことで非常に大きな網をこの問題について準備することになりますが、例えば、あっせん行為の範囲を限定しない、請託を不要とする、権限に基づく影響力の行使も必要としない、財産上の利益を賄賂とする、収受だけでなく要求、約束を加える、そしてまた第三者供与を加えると、こういうことになっているわけでございますが、このような大きな網をかぶせていくということについてどのようにお考えか、また、ここの問題について特にコメントをしておく必要があるとお考えのところはお答えをいただきたいと思います。
○衆議院議員(白保台一君) 御質問の中で六点にわたる御質問がございました。大変大事なことでございますから、一つずつきっちりとお答えをさせていただきたいと、このように思います。 まず最初の、あっせん行為の範囲を限定しないことについてということであります。 本法があっせん行為の対象を国及び地方公共団体が締結する契約と特定の者に対する行政庁の処分に限定している趣旨は、公職にある者は本来、国民、地域住民全体の利益を図るために行動することを期待されているところでありますが、契約や処分の段階でのあっせん行為は、国民、地域住民の利益を図るというよりは、むしろ当該契約の相手方や処分の対象等、特定の者の利益を図るという性格が顕著であり、そのようなあっせん行為を行って報酬を得る行為は、公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性及びこれに対する国民の信頼を失う度合いが強いため、処罰することとしたものであります。 次に二番目の御質問ですが、仮に処罰の対象となるあっせん行為の対象を特定の者の利益を図るという性格が顕著である契約や処分の段階でのあっせん行為に限定することとせず、野党案のように公務員の職務に関する行為全般に拡大するならば、処罰の対象があいまいに広がるおそれがあります。その結果、国民や住民の声を吸い上げて通常の政治活動として行われる行政計画や予算案に対する公職にある者の働き掛けを不当に萎縮させ、ひいては政治活動の自由を害するおそれがあると考えます。 次の二番目、請託でございますが、請託を不要とすること及び権限に基づく影響力の行使を要件としないことについてにお答えいたします。 請託を要件とした理由は、本法制定時における質疑の中で答弁したとおりであります。あっせんは請託を受けてされるのが通常の形態であることに加えて、公職にある者等が他の公務員に何かを働き掛ける場合には、だれかに何かを頼まれてその人のためにいわゆるあっせんをする場合と国民や住民の声を吸い上げて通常の政治活動として働き掛けを行う場合のものがあろうと思いますが、請託を要件としなければ、この両者の区別が不明瞭になり、処罰範囲があいまいに広がり、ひいては政治活動の自由を害することがあると言えることから、処罰の対象となる犯罪構成要件を明確に規定するため、請託を要件とするのが適当であります。 権限に基づく影響力の行使を要件とした理由についても、本法制定時における質疑の中で答弁したとおりであり、あっせんの方法を公職にある者が法令に基づいて有する権限に直接又は間接に由来する影響力を行使したときに限定しない場合には、公職にある者等の身分を有する者が行政府の公務員に対して行うあっせん行為のほとんどが対象となって、処罰範囲が過度に広がり、公職にある者による正当な政治活動を萎縮させるおそれがあるからであります。 このように、請託も権限に基づく影響力の行使もいずれも必要であって、本法の構成要件から外すべきではないと考えました。 なお、「請託を受けて」、「権限に基づく影響力を行使して」を要件とすることについては、請託があったことや公職にある者の権限に基づく影響力を行使したかどうかの立証の難度は具体的事案における証拠関係に左右するものであり、これを要件としたことによって直ちに立証が困難になるとは一概に言えないのであります。 財産上の利益を賄賂とすることについて、賄賂とは、財産上の利益よりも広範な概念であり、情報、職務上の地位の提供、異性間の情交等の非財産上の利益であっても、およそ人の需要、欲望を満足させるのに足りるものであれば賄賂に当たります。本法が、賄賂ではなく、財産上の利益の収受を処罰の対象とした理由については、本法制定時の質疑における提案者答弁にもあるとおり、本法の罪は賄賂罪と保護法益を異にするものである上、前提とするあっせん行為は、公務員等に正当な職務行為をさせ、又は不当な職務行為をさせないというものであってもよいこととされており、本法の罪の保護法益である公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を端的に保護するためには、処罰対象は公職にある者等の活動において最も問題とされる財産上の利益の収受であれば足りると考えられるからであります。したがって、財産上の利益に加えて非財産上の利益を含む賄賂の収受までを処罰の対象とすべきではないものと考えます。 次に、収受だけでなく要求、約束を加えることについてお答えいたします。 本法が財産上の利益の収受のみを処罰の対象とし、要求や約束を処罰の対象としなかった理由については、本法制定時の質疑における提案者答弁にもあるとおり、本法の罪が対象としているあっせん行為は、刑法のあっせん収賄罪と異なり、公務員に正当な職務行為をさせ、又は不当な職務行為をさせないというものでもよいことを考慮すれば、あっせんの報酬として財産上の利益の授受が現実に行われた場合にのみこれを処罰すれば足りる。本法の罪において言わば単なる言葉のやり取りにすぎない行為にまで処罰対象を広げれば、本法の罪の存在を悪用する者がいないとも限らず、かえって正当な政治活動を萎縮させるおそれがあると考えられるからであります。したがって、財産上の利益の要求や約束までを処罰の対象とすべきではないと考えます。 次に、第三者供与を加えることについてであります。 本法の保護法益である公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を保護するためには、国民の政治不信を招くような行為、すなわち、実質的に公職にある者等、本人があっせん行為の報酬たる財産上の利益を収受した場合にのみ処罰すれば十分であります。 すなわち、外形的には本人以外の者があっせん行為との間に対価性があると認められる財産上の利益を受け取ったとされる場合でも、当該財産上の利益に対して本人が事実上の支配力、実質的処分権を有すると認定できる場合には本人が収受したものとして本人に本法所定の罪が成立する可能性があり、第三者供与の処罰規定を設けなくても本法の保護法益は十分保護されるものであると考えます。逆に、本人が事実上の支配力、実質的処分権を有すると認定できない場合にまで広く第三者供与の処罰規定を設けることは、不当に処罰範囲を拡大するものであり、妥当でないと考えます。 以上、お答えします。
○木村仁君 大変詳細な御答弁をありがとうございました。 二十分、二十分と思っておりましたが、少し短くなりましたので、簡潔に質問させていただきます。民主党始め四党の法案であります。 この親族、父母、配偶者、子若しくは兄弟姉妹を犯罪主体とすることは、やっぱり社会通念から見ると少し広過ぎるんじゃないかなと。例えば、私の子供のうちには、おやじが政治家やっていることが我慢ならないと、一切そういうこととは関係なく生活している子供がいるわけですよ。しかし、面倒見がいいから人の世話はしております。役所に友達がいるかもしれない。で、世話をしてお礼をもらったらそれは罰せられるというのはちょっと余りぴんとこない気がいたしますが、それを全部お入れになった理由を御説明いただきたいと思います。
○委員以外の議員(江田五月君) 私どもの対案についても御質疑いただきまして、大変ありがとうございます。 今、国民の皆さんが政治に対して一体どれほどの不信感を抱いておるか、政治に対する信頼感がどの程度傷付いておるかということについての認識の違いだという気が私はいたします。あっせん利得処罰法、本法施行後一年少々で、期間が短いとはいえ、それでもやっぱり、この間に一件しか該当事例が出ていないというのは、やはりこの本法の規定がいかに狭いか。逆に言えば、このいろんな要件に当たらなけりゃ何やってもいいということを規定しているというふうに受け取られているかということだと思うんですね。 私どもは、今延長になりましたが、この通常国会、元々は景気対策であるとか構造改革であるとか、そういう非常に大事なことを審議をしなきゃならぬ。その国会が、もう政治と金の問題でこれほど荒れた国会はいまだかつて見たことがないという状態になっているわけですよ。そういうときにこのあっせん利得処罰法を改正をしようというわけですから、私はやはり、本法の保護法益である公職にある者の廉潔性に対する国民の信頼や、あるいは公務員の職務の公正さに対する国民の信頼、これをもう一度しっかりと立て直すために厳しい改正をしなきゃならぬと、こう考えたわけでございます。 先ほど与党案の提出者からの説明がございましたが、やはり今、公職にある者の周辺にいる、例えば私設秘書であるとかあるいは親族であるとか、こういう者がいろいろと動き回っていろんな金を手に入れている、もちろんそれは公職にある者の大きな財布の中に入ってきてしまうと。少なくとも世間的にはそういうふうに見られるわけでありまして、親族、それが父母であれ配偶者であれ子であれ兄弟姉妹であれ、そういう者がそういう立場であっせんをして、そして賄賂を収受する、あるいはそういう約束をするとか、そういうことはすべてこれはいけないんだと。そういうことを我々政治家はここで明確に国民の皆さんに、私たちはそういうことはもういけないとしてやらないと、そういうメッセージを発するんだということが今大変大切である、そういう事態に至っているということを考えて、こういう親族にまで広げようと考えたわけでありまして、しかもこれは公職選挙法二百五十一条の二の連座制の規定にございますよね、そういう規定が。これはもちろん、ほかの要件いろいろあるから同じものじゃありませんが、しかし父母、配偶者、子又は兄弟姉妹と、そういうところにまで公職にある者の、どういいますか、公職選挙法の場合には選挙の公正さ、これを害する行為者の対象に広げるということは既に私たちやっているわけでありますから、これはやはりあっせん利得処罰法においてもそこまで広げる必要があるということを考えたわけでございまして、是非御理解いただきたいと思います。
○木村仁君 選挙の場合の連座は、兄弟姉妹どこにいても、一生懸命やったやつが違反を犯したときに本人に及ぶわけで、これはもう全く別にやっていることで、本人の政治と関係なく、だから少し事態が違うのではないかと思いますが。 そうしますと、全く政治に関係していない、私は熊本ですが、北海道に子供がいて、全くこれはもうおやじは好かぬと。そういう人が例えば人の世話をしてやった場合に、たまたま私の子供でなければ罰せられない。しかし、ほかの人は同じことをやって同じものをもらっても罰せられない、ところが、たまたま子供であるばかりに罰せられましたというのでは、これはどうも法の前の平等に反するのではないかという気もせぬでもございませんが、一言コメントを。
○委員以外の議員(江田五月君) 先生も時間のことも気にされているでしょうから、短くお答えをしたいと思いますが。 たまたまだれかがあっせんをして何かの利益を得たと、よく調べたら、たまたまだれかの兄弟か何かが田舎の方のどこかの市会議員か何かをやっていたというところまでこれが入るのかどうかということですけれども、刑罰法規というのは、全体に書いてあることが社会通念上そういうものとしてちゃんと当たるという、ある種の構成要件的な限定があって、それは構成要件的故意という、そういう刑法上の議論も、別にこれは妙な議論じゃありません、もう全く通常の議論としてございます。 つまり、公職にある者の親族がこういうことを行ったという場合には、その親族がというのは、親族の立場をもって行ったということであって、たまたま調べたらどこか田舎の方の町会議員さんを兄弟がやっていたねとかいうようなときには、そういう立場をもってしているというようなこととは全く関係ありませんから、御心配のようなことはない、法の下の平等にも反しないと、こう考えております。
○木村仁君 江田裁判官は有罪の判決をしないと、こういうことでありますから安心をいたしておきます。 そこで、もうほとんどの要件が外されてしまいましたので、ポイントになるところは恐らく特定の者に利益を得させる目的ということであろうと、こういうふうに思います。 そこで一、二お尋ねしたいんですが、例えば住宅税制の改善をすると、こういう場合、これは翻って考えれば住宅建設業者には利益がいくんでしょう。そういう場合には、その結果、特定の業界団体から皆様の場合ですと賄賂をもらったと、こういう場合はやっぱりこの特定の者に利益を得させる目的ということに当たるわけでしょうか。
○委員以外の議員(江田五月君) お答えいたします。 特定の者というのは、これは一般的にいろんな法律の場面で出てまいりますよね。ですから、これは特定の個人だけを示すというものではもちろんありません。ある一定の特定性を備えたものであれば、それが例えば地域の団体であれ、あるいはいろんな業界団体であれ、それは当たると。 ただ、特定の者に利益を得させる目的、例えば今の住宅税制であれば、それは建築業者の利益ということもあるかもしれないけれども、そういうものを通じて全体に、例えばそれは景気対策になるとか、あるいは一般の国民の住宅事情を改善するとか、いろいろありますよね。ですけれども、特に特定の集団の利益ということが目的として特定されておればそれは当たると。 ただ、もちろん、言うまでもないことですが、財産上の利益あるいはその他も我々含めますが、そういう何か利益を得なかったらこれは元々当たらないんで、政治を利用して金もうけその他の利益をすることがいけない、政治を使った錬金術がいけない、口利き政治がいけないと、そういうことを我々言っているわけでありまして、どうぞそこは、政治家として自信を持って、国家国民のために大いに政策活動をやるということまで制限されるなどと考えていただかなくて全く結構だと思っております。
○木村仁君 例えば、利益というのは何かということでありますが、特定の例えば労働団体の全国組織、これが国の官庁に対して交渉をしたいと。そうすると、国の官庁は、私は交渉の主体ではありませんということでお断りをします。そうすると、政治家がお見えになって、まあ、そう言わないで話合いをしろよと。話合いのつもりでやりますが、交渉という名前で労働団体は呼ぶわけであります。このあっせんは利益を与えたことになるんですか。
○委員以外の議員(江田五月君) 正に今の利益を得させる目的を得る特定の者というところで問題にされているのかと思いますが、労働団体であれ業界団体であれ、それはそういう特定性があれば特定の者に当たると。そして、いろんな仲介の労を取る、それがあっせんに当たる場合もあろうと思いますが、ただ、あくまでもそのことによって何か対価性のある利益が、利益といいますか、あっせんをした公職にある者に対して何かの利益がなければそれはこの犯罪類型には当たらない、これは当然であります。
○木村仁君 よく分かりました。 ただ、賄賂でございますから、その議員の選挙のときにその労働団体から手伝いが出たらこれは捕まる場合があると、こういうことで、各々方、用心召されという感じでございます。 それからもう一つ、例えば町内会のコミュニティーセンターを造る補助金、こういうものについて議員はもちろん一生懸命あっせんをするわけであります。これも、後で何かもらったらあっせん行為に当たると、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○委員以外の議員(江田五月君) はい。そういう場合がございますので、お互い注意をしなきゃいかぬと思います。
○木村仁君 もう時間がありませんので最後にお尋ねいたしますが、構成要件の緩和等について一々与党がおっしゃったことに反論があろうかと思いますけれども、また他の人に譲ります。 最後の第六条を削除されるわけです。これは、今のようなソフトな小泉内閣のような政府がいる場合は大丈夫ですけれども、暴虐な政府ができたとして、そしてこの法案、法律を野党案で成立した場合に、活用してこれをいじめてやろうというと、ちょうどマッカーシーの赤狩りみたいな、ともかく活動全部をチェックして、どこかで何か賄賂をもらっていないかというのをチェックできるわけでありますから、もう本当にそういう恐怖政治みたいなことが起こり得ないとは限らない。これは歴史でありますから分からないんです。 この規定がなくとも、私は、司直といいますか、法的立場にある人はそれを十分尊重して政治家の政治的自由を尊重しなきゃいけないと思いますが、あるものを消してしまうということは、もう余り尊重しなくてもいいよということになってしまいますが、いかがでございますか。
○委員以外の議員(江田五月君) 第六条は入念規定でありまして、ある意味では言わずもがなのことですよね。やはりここも、私は、今、我々政治に携わる者の国民に対する姿勢、どういう姿勢を私たちが示すのかということにかかわると思うんですね。 私ども、あっせん利得処罰法というものを作った。作りながら、どうもしかし余りやられるのは困るなという、そういう思いがにじみ出ているというふうに国民に見られたらたまらない。そうではなくて、今は私たち自ら襟を正すんだと。国民の皆さんひとつ、一から出直すから、心掛けを完全に入れ替えるから、政治に対する信頼をもう一度ひとつ持ち直してくださいという、そういうことが必要なので、あえてこういう入念規定は取り払うという覚悟が我々に要るんだということで、この入念規定も削除という提案をさせていただいているわけでございます。
○木村仁君 こういう法律があるなしにかかわらず、我々は襟を正して政治に当たるということを申し上げまして、終わります。 ありがとうございました。
○佐藤道夫君 民主党の佐藤でございます。 法案の提出者にお伺いいたしたいと思いますが、何といいましてもやはり与党案を中心としてお尋ねをしたいと考えておりますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。 まずもって、ただいまも話に出ておりましたけれども、この法律というのは一昨年の十月に制定されまして、昨年の三月から施行されまして、そして今に至る適用事例というのはただの一件でありまして、和歌山の市会議員が口を利いて役所に圧力を掛けて利得を得たと、こういう一件だけでございますね。 法律というのは、制定の際にありとあらゆる知能を傾けまして、問題点をお互いに指摘し合って、これはどうだろう、あれはどうだろう、これは是非とも同じようなケースだから入れておくべきだ、これはもう入れるべきではない、やるとすれば別な法律だ、そういう議論がありまして、慎重にも慎重を重ねてようやく成案を得まして、それを国会に提出する。これは役所でもそうやっておりますし、議員立法、国会というのは正しく唯一の立法機関ですから、国会議員というのは立法のためにここに座っていると、こう言ってもいいわけでありまして、これがとっさの思い付きで、まあやろうか、この程度でいいか、やってみよう、やってみておかしかったらそのときまた考えようかというふうなことで法律を作成している、国民はゆめそう思っておりませんから、本当に議員の先生方は心血を注いで成案をまとめて、法律というものを世に送り出している、我々もそういうことで法律というものを大切に大切にしていこうと、こう思っていることは間違いないわけであります。 ところが、この法律はできて二年もたっていないのに早々と改正と。これは制定する際に全然だれ一人考えなかったと。立派な人が大勢いるんですけれども、七百五十人もいる議員がだれ一人思いも付かなかったことが次々に発生してどうしようもなくなったというので、制定後一年、二年で改正する、これならば分かる話でございますけれども、今与党案が示している私設秘書の問題、これはあの当時も野党案の中に示されておりまして、この席でも大変口角泡を飛ばす大議論になったわけでありまして、私もあの当時の委員会の一委員でありまして、与党を代表していろいろと御説明してくれたのは今、北海道開発庁長官をやっている尾身衆議院議員でありまして、彼はこの問題について、なぜ私設秘書を入れないんですかと、こういう質問に対して、この法律は政治に携わる公務員の廉潔性を保つためにやるんだと。私設秘書などというえたいの知れない、どこで何をやっているか分からない、そんな民間人をこんな立派な法律で取り上げる必要はないんだということを何度聞いても何とかの一つ覚えのようにして答えておられまして、私も質問しましたけれども一笑に付されまして、それはまた別な問題である、この法律の対象とする問題ではないと、こうはっきり断定的なこともおっしゃっておられましたが、余り情勢はそれから変わっていないんじゃないでしょうか、この私設秘書を入れるということ。 確かに秘書の不祥事というのはありましたけれども、私設秘書が暗躍したというのは、率直に申し上げますと、加藤紘一議員の佐藤、私じゃございませんよ、佐藤とかいう私設秘書が暗躍をした、あのケースだけじゃないでしょうかね。 いずれにしろ、野党案は大体前回提出した案と同じように、いろんな、できるだけ適用幅を広くして政治の倫理を確立しようと。国民が、何だ、国会議員は何をやっているんだ、地方議員もそれに倣って悪いことばかりしていると、こういうふうに国民は考えている、それではいかぬと。別に、適用する適用しないは別として、議員の秘書というものはここまでしかやれないんですよ、これを超えたらあなた方は検挙されて起訴されますよ、よくよく御承知の上にと。刑罰法令というのはそういうふうに国民に倫理を示すわけですからね。私設秘書はこれは相手にしない、この法律の性質には合わないと、こういうふうに高らかにうたい上げたこの法律の基本的性格が一体どういうことになったのか。 法律の基本的性格を変えるというのはこれは大問題ですよ。大体、それは別な法律でやってくれと、普通はそういうことになるわけです。どうしてもそれをやりたければ、この法律ではだめですから別なところでやってくださいよと。そう簡単に法律を、枠を広げたり縮めたりそうできるものではないし、しかも制定に当たって、これは断固として入れませんということを自民党の議員を代表して提案者がそういうことを言っていた。 この法案を出すについてお尋ねしたいのは、尾身議員に、先生はああいうことを言って、国会で私設秘書を入れないということを断定的におっしゃられた、今度入れることになりました、何か御意見がございましょうかと。当然お互い同士議論をしたと思うんです。おれは入れるべきではないと、こういう人だって自民党の中に大勢いておかしくないと思うんですよ。何しろこの法律はそのために作ったんじゃないんだ、政治公務員の倫理を確立するために作った法律なんだ、そんな余計なやつは別のところで考えてくれと、多分こうおっしゃったと思いますけれども、まずその点、いかがでしょうか。尾身さんもお忙しいと思いますけれども、忙しいとかなんとか言っている問題じゃありませんから、これは。
○衆議院議員(保利耕輔君) 御答弁をさせていただきたいと思います。 尾身議員とそれから先生とのやり取りの有様につきましては、私どもも議事録を読ませていただきまして、先生が言っておられたことについて私どももよく勉強をしたつもりであります。 私は、当時その問題に絡んでおりませんでしたが、推察いたしますに、当時、この問題を議論をするに必要なことというのは、いわゆる罪刑法定主義というのを前面に出して、できるだけ犯罪の構成要件というのは厳格に規定すべきだという中から、最も公的性格を持っているといいますよりか、公的存在そのものである公設秘書に限ったと、こういうことをいろいろな角度から弁論をされたものだと、そのように理解をいたしております。
○佐藤道夫君 尾身議員と議論をなさいましたかというふうにお伺いしているんですけれども、もういいわと、前に作った人は今はもう全然別だからいいわと、こういうことで何の議論もなさらなかったんでしょうか。
○衆議院議員(保利耕輔君) 正確に申し上げれば、尾身議員とはこの件については議論をいたしておりませんが、彼が申しておりますことは先生とのやり取りの議事録を通じて承知をいたしております。
○佐藤道夫君 それから、法律の基本的性格を変えると、こういう大問題につきまして、恐らく与党の中でもそれでいいんだろうかと。制定当時は、政治公務員、政治に携わる公務員の政治倫理を確立するためにやるんだ、一般私人を相手にしないんだと、こういうことで走ってきた。それを急に一件、二件の不祥事が起きただけで取り替えていいんだろうかと、そういう議論が当然起きたと思いますけれども、いかがでしょうか、その点は。与党内部の議論のことですから、なかなか話しにくい面もあろうかと思います。しかし、今のところ、我々は一人一人がこの法律を作るという意味で立法府に籍を置く議員として議論をしているものですから、どの党だあの党だと余り難しいことは言わないで、率直にお話しいただければと思います。
○衆議院議員(保利耕輔君) 御承知のように、この問題を協議をいたします与党協議会、正確に申し上げれば政治倫理確立に関する与党協議会を立ち上げまして、そこで十数回にわたりまして議論をした中の一番大きなテーマはこの問題であったと思っております。正確に申し上げれば、一番大きな問題の一つと申し上げていいかと思います。 それで、いろいろ議論をいたしました結果、やはり犯罪の主体といいますのはもちろん国会議員をこの法律では規定をいたしておりますが、同時に公的存在そのものである公設秘書を犯罪の主体にするということにしたと、その考え方は今も変わっておりません。 最も公的な、公のものである公設秘書が主体であって、それと相並ぶ存在として私設秘書というのが各議員それぞれいらっしゃる、いらっしゃらない方もあるかもしれませんが、公的な、公的というか、公設秘書、そしてそこに並んで一緒に仕事をしている人たち、つまり私設秘書、そこの間の区分けというのは非常に難しいのではないかと。場合によっては私設秘書の方が力がある場合もあるのではないか。相手に対して、相手といいますか、あっせんを受ける側に対してかなりの政治的影響力を及ぼすことができるのではないかと。したがって、国会議員の私設秘書については加えるのが順当ではないかという結論に十数回の会議を経まして立ち至ったわけでございます。 もちろん、各党内それぞれ勉強いたしまして、私どもの党でもそのことについては随分御質問をいただく中で、そこまで拡大するのはどうかという御意見もかなり強くございましたが、是非この際、最近の事情等にかんがみてそこまで拡大するのが順当ではないかということで御納得をいただいて、この法案提出に至っております。
○佐藤道夫君 今おっしゃられたことは、実はもう何十年来の当たり前のことなんでありまして、今にわかにそういう考えが出てきてそうだということになったとすれば、それはまた別ですけれどもね、私設秘書と公設秘書、同じようなことをやっていると。議員だって公設三人、私設秘書も十人、二十人使っておると。この区別が付かないと今しきりにおっしゃっていましたけれども、そんなことは二年前だって同じことだったんですからね。二年前は、これはしかし全然別だ、これは入れるわけにはいかぬと、こういうふうにこの国会にそういう考えを持ち出してきて、それで多数で決めたと、こうなっておるわけでございましょう。 それが間違いだったというわけですか。それとも認識不足でそこまで議論をしなかった、だれもそんなことは言わなかったと。私設秘書、あんなものはいいよと、こういうことで過ぎてしまったんだと。ミスといえばミス、過失といえば過失、単純なことであった、単純なミスであったといえば単純なミスであると、そういうふうにお考えになるのかどうなのか。本当にきちっとしてもらいたい。 我々、こうやって貴重な時間を費やして大変な議論を今しようとしているわけです。これ、無駄だといえば無駄だ。あのときにしっかり考えて、議論をして、そうだと、私設秘書も入れよう、私設と公設に区別はないはずだということになれば、こんな議論は今起きなかったわけですよ。もっとも、いろんな問題、いろいろありますけれども、少なくとも与党案については、もう与党案は法案を出す必要もなかったくらいでありまして、紙の無駄といえば紙の無駄なんで、これは国民の税金なんですよね。やっぱり、こういう時間を費やして、無駄な費用を使ってやっていること自身に私、大変疑義を感ずるわけです。 それから、与党の提案理由を見てみますると、公設でも私設でも秘書の実態に変わりはない、国民の目から見れば両者の区別は付かないと、こう書いてあります。今おっしゃったのも多分そういうことだと思いますけれども、こんなこと初めて気が付いたんですか。大変失礼な問い方かもしれませんけれども。もう政治家の常識そのものでしょう。何かおかしいと思うんですよ。こんなことを新たに持ち出して、さあどうだと。国民もそうだと言えば、国民というのは案外深く考えませんから、そうか、先生の言うとおりかというふうに考えるかもしれません。しかし、そういうことは立法上許されないことなんです。 これは本当に申し訳なかった、誤りだったというなら、誤りを認めてきちっと対応すべきなんでありまするけれども、何かそうでもない、ああでもない。新しく発見したのかと、こう聞くと、恐らくそうではないと。気が付かなかったのか、いや、気が付いておりました、議論もいたしましたと。その後いかなる事態の変化もないでしょう。それを私言っているんです。 念のためここまで定義し入れておこうと、こう考えるのが立法者の心構えでもあるわけですけれども、その辺のところを包括してどういうふうにお考えでしょうか。
○衆議院議員(保利耕輔君) 当時の判断がミスであったのかどうかというお尋ねでございますが、私はミスであったとは考えておりません。それは、当時の考え方、つまり罪刑法定主義に基づいて厳格に規定をしようということを厳しく当てはめたために公設秘書に限ったということでございます。 その後、一連の事件等が起きまして、私どもの方でもいろいろ物を考えなければならなくなったと。そのときに、前回の議論でも、これは私人だから外すべきだという議論をどう説明するのかというようなことについても十分に議論をしたのであります。そのときに、やはりあくまでも中心は公設秘書である、それに相並んでいるのではないかどうかということを改めて議論をさせていただいた結果、反対論もかなりありましたけれども、それはやはり相並ぶものとして認定をしようではないかと私どもは考えたということでございます。
○佐藤道夫君 大変重大なことをおっしゃっておる。お気付きになっていないようでありますけれども、構成要件の厳格性ということを第一に考えて公設秘書に限ったと、こういうことをおっしゃっていますね。しからば、今度は構成要件の厳格性を緩やかにしようと、こういうお考えなんですか。許されないことですよ。 刑罰というのはそもそも、道路交通法違反一つにしましても構成要件は極めて厳格に想定されているわけでありまして、多少緩やかでもいいやと、そんな刑事罰則があったら適用される国民にとってはもう大変な人権侵害でありますよ。今回は余り厳格過ぎたので少し緩めておこうかと、そんな発想なんですか。およそ立法府に籍を置く人の発言とは思えませんね。刑事罰則をそんな目で考えておられるんですか。 それから、これもはっきり言っているんですよ、私設秘書の範囲が不明確であった、これを除外の理由にしたと。しかし、今度は違うんだ、二、三の私設秘書の問題が起きたから緩やかでもいいやと、こういうことで刑事罰則を設けると、そういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(保利耕輔君) 与党案にいたしましても野党案にいたしましても、私設秘書という言葉は使っておりません。そこで、その代わりにいわゆる私設秘書と申しますか、それの定義を公職選挙法の連座の規定を適用いたしまして、これは裁判所で確定した解釈でございますので、厳密にその条項を適用した形で私設秘書へ拡大をするということにいたしましたので、ただ何となく広げたというのとは違うというふうにお答えを申し上げさせていただきます。
○佐藤道夫君 どうも私の質問の趣旨がお分かりになっていないみたいです。 野党は、その点は十分議論して、これで十分だということであの当時から私設秘書を入れようと、それから私設秘書の範囲は、おっしゃったように公職選挙法の連座制の規定で判例によってもある程度確立されているのがある、これでいけると、こう言ったのに対して与党の方が、そんなあいまいなものは駄目だ、罰則の厳格性に反すると、こういうことで反対したわけですよ。私設秘書なんか入れられない、これは刑事罰則だと。 それを、今になるとやっぱり誤りだったんですか、当時の考えは。余り強く、厳格に厳格に考え過ぎた、もう少し緩やかでよかったのかと。これを野党側あるいは我々が言うなら分かるんですけれども、あの当時、これはもう緩やか過ぎるから駄目だといって刑事罰則の対象にはしないと言ったのは与党なんです。そこの反省がなくてこう簡単に、もう入れようかとあっさり言っているだけじゃないですか。国民が望むなら入れてやれと。あのとき言ったのは、あれは誤りだったとしか言いようがないじゃないですか。今、刑事罰則の対象にする、だからこれで厳格なんだと、こういう理屈になるわけですよ。 そのとき、あのときにあなた方は、あれは駄目だ、緩やか過ぎる、不明確だ、刑事罰則の対象にできないと、こうおっしゃったんですよ。だからあのときは駄目だったと。ところが、今平気でもって、しようがない、入れようかと。それだけの話なんじゃないですか。
○衆議院議員(町村信孝君) 佐藤委員にお答えいたします。 前回の議論の際には、政治公務員ということでだれの目にも明らかな議員あるいは首長、地方議員というものを対象にしたわけですね。現に今回の法案の中でも、確かに最高裁でそういう議論もあり判決もありということでもあり、また公職選挙法の規定もありということではありますが、政治活動を補佐する等の、最終的にはこれがそれに該当するかどうかというのはやっぱり事実認定の問題として現実には出てきます。ただ、秘書という名刺を持っているだけではこれは秘書と必ずなるかどうかは分からない等々のことがあるので、やはりその範囲がどこか少しぼやけてくる部分というのがあるわけですね。それが、最終的にはこの人の活動というようなものが公職選挙法で言う、あるいは今度の私どもが提案している法案で言うところの秘書に該当するかどうかというところ。 ですから、そういう意味で、前回の法案の方がより構成要件がはっきりしていたということはあると思います。しかし、今回の提案で、じゃその構成要件が全くぼやけたのかというと、そうではないということでありまして、そこのところで判断が確かに変わってきたのは事実でありましょう。 ただ、そこはやはり私どもとしても、昨今のこの政治不信という事態、さらには、公設秘書、私設秘書を問わずその秘書の活動というものについて政治不信の源になっているんだという一つの実情を改めてここで厳しく認識した結果、こういう提案をさせていただいているということでございます。
○佐藤道夫君 あの当時は構成要件が不明確であったので入れなかった、しかし、その後考えた結果、今度入れることにしたと、そういう趣旨のことを先ほど保利議員がおっしゃったので、私そのことについて聞いておるわけでありまして、少なくとも法律を作るときに、これは不明確だから入れるべきではないと、こういう意見があったらば、そう簡単に、二年たったからもう入れていいんじゃないか、一件、二件、私設秘書の変なことがあったからもういいんじゃないかと。そんな刑事罰則というのは簡単なものじゃないんですよ。言うまでもないことだと思います。 もうこれによって刑を受ける国民が一杯出てくるわけですからね。中にはもう受刑者として刑務所に入る者も出てくるわけで、何だと、国会は最初は不明確と言っていたのに、にわかにこんな法律を作って今度はおれを縛って、これで世の中通るのかと、刑を受けた国民は、国民といっても私設秘書の人たちでしょうけれども、当然そう思うでしょう。そういうことの痛みが分からなくて法律を作る資格なんか、私ないと思うんですよ。 どうしても、新しい事実が、当時予測しなかった新しい事実が一杯出てきて新しくまた法律を作る必要がある、国民の皆さん、御理解くださいませというんなら、国民は分かりましたよとこう言うんですけれども、そんなこと当時から議論されていたことじゃないかと。当時は不明確で入れる必要がないといって除外しておいて、今度にわかに格好いいことを言って入れようとしている。不祥事が続出したと言いながら、一つ、二つでしょう、私設秘書の不祥事なんというのはね。あれはみんな公設秘書ですから、鈴木宗男議員の関係なんかは、あんなことは理由にも何にもならないわけです。 いずれにしろ、こういうことで十二分な反省を私、与党の提案者に求めておきたいと思うんです。この件の議論をおろそかにして、尾身さんとも議論をしていないようでありますので大変いぶかしいとは思っております。しかし、時間の関係もあるので、次に移りますけれども。 親族を対象にしていない。同じような議論がありまして、公職選挙法の当選無効は親族を対象にしておりますね。そういうことで、なぜこれ親族を対象にしていないのか。今度、私設秘書が対象になるので私設秘書たちは、私はもう口利きいたしません、いつ何どき手錠がはめられるかも分かりませんからと、じゃ、どうしようかと、親族が乗り出してくることが十分に考えられるわけですよ。 疑惑を受けた国会議員の常套のせりふは、秘書が秘書がと、わしは知らぬ、秘書がやったんだと。秘書もそう言って、私が一人でやりまして先生には一切報告しておりませんと。そんなことないんですよね、常識で考えたってね。秘書のやって、六千四百万ももらってきたことについてわしは一切知らなかったなんというのは国会のある意味では常套語なんですけれども。 今度はしかし、肝心の秘書が危ないから、私は降ろさせてもらいます、口利きはやりませんと言ったら、さてどうしようかといって次に乗り出してくるのは親族じゃないんですか。昔、奥さんがやっぱりこういう問題に口を出して検挙されたりすることがありまして、妻が妻がと、こういうのがまた当時の疑惑を受けた国会議員の常套語だったわけですよ。またそれが復活しまして、妻が勝手にやったんだ、おれは知らないと。 ただ、少しは考えますからね、事務所に来て日常仕事を、電話の番だとかお茶くみだとかをしておると使用人に当たりますから、妻はここではまずい、家にいなさいと。家にいて、世話してもらいたい選挙民たちは家に行って奥さんを、よろしくお願いします、ああ、分かりましたよといって、これは私の一存でやるんですよといって奥さんがしゃしゃり出てくるケースがこれから相当考えられる。奥さんだけに限らない。兄弟、子供。 そのときになってまた、ああ、そうか、あのとき議論してそれはもう入れないと、こういうことにしておいたがそれじゃ世の中通らない、じゃ、親族も入れましょうかと、多分そうなると思うんですよ、二年先か三年先にね。 なぜ、実際は同じでしょう、議員の息の掛かったことで枠内で皆親族も秘書も動いているわけですから、それについて議員が知らないということはあり得ないんですけれども。それにしても証拠の問題ですからね、秘書が一切これは先生に話しておりませんと言ったら、先生を共犯だと言うわけにいかぬのであって、やっぱり秘書だけをやらざるを得ない。奥さんの問題もそれで同じなんでして。 やっぱりこういうものはなるべく、政治倫理の確立ですから、別に恐れおののく必要はないので、そういうことやらせなきゃいいわけですから、それだけのことなんです。議員がまず自分の身を清潔に保つ、それから周辺にいる秘書や家族、親族たちに一切やるな、口利き、それはやむを得ずやることもあるけれども、お礼は一切もらうなよと、それだけのことなんですよ。お礼をもらったりしたらお前と離縁するぞと、それぐらいのことを言い渡したっていいわけですよ。何も恐れることは一切ないわけなんでしてね、それで倫理というのが保たれていくと思うんですけれども。 なぜまた親族を今度は入れていないのか。多分また二年先ぐらいでこの問題が起きて、私が生きておればまた同じことを言うと思うんですけれども。もう最後にしましょうよ、こういう議論は。いかがでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) 別に恐れおののいてこういう提案をしているわけではございません。 現在の与党案でも、親族であっても議員の活動、議員に使用され、かつ政治活動を補佐すると認定されれば、それは親族であっても当然この法案の犯罪主体となり得るわけであります。逆に、使用もされない、また補佐もしていない、そういう親族をこの対象にする必要が基本的にはないわけでございますから。逆にまた、親族以外であって、親族以外の人で公職にある者、本人の持つ影響力を借用して行使し得る立場の者をすべて処罰の対象にしているわけでもない。そういったところのバランスを考えると、要するに、公職にある者、本人の持つ影響力を借用して行使し得るか否かにかかわらず、親族という身分で、親族という身分にあることのみを理由に犯罪主体とすることは相当ではないと、私どもはそう考えているわけであります。
○佐藤道夫君 私の質問をお聞きになっていないんですか。私、そういう場合はこれは別だと。しかし、議員と親族の間で意を通じて、おまえはおれに一切無断でやっていることにせい、それで頑張れと。捕まった親族もそういうことでこれは私の一存でと。今捕まっている秘書連中の答弁は皆そうですよ。とても先生と固い約束があるんでしょう。おまえ頑張ってくれと、頑張ります、頑張りますと。検察に何と言われても、大声出されても絶対自白しませんと。これはもう議員をやるわけいきませんからね。それと同じことなんですよ。だから、そういうことのないように、世間はあれ皆、一蓮託生、議員が知らないことがあるのかと、こういう目で見ているわけですからね。そういうことのないように、そういう指摘をされないようにきちっとして、親族も処罰の対象にしますからと。 それで、一番大事なことは、先ほども言いましたけれども、あっせんをすること、口を利くこと。自民党の人たちに言わせると口利きは政治活動だと。先ほどちょっと議論出ておりましたけれども、特定人や特定団体の利益を考えるのはこれ政治活動でも何でもない。地域のボスの仕事、あるいはやくざの親分の仕事なんですよ。議員が役所に行って、あの仕事、あれを回してくれないかと。あんなものは政治家何でもないんですからね。そして、お礼をもらうと。場合によっては本当にそれ、やらざるを得ないこともあるかもしれませんけれども、それはお礼をもらわなきゃいいだけですからね。それだけのことなんで、どうか本当にこの法律をもってこういう無駄な議論はもう終わりにしたいと、そういう気概を持っていただきたいと、こう思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) 別に無駄な議論を私はしているつもりはございませんで、これは前回の法案の審議と同様の趣旨でこの親族の扱いというのを私どもは考えているということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○佐藤道夫君 次は、権限に基づく影響力の行使、これが分かったようで分からない言葉です。 こういう言葉は、ある法律で、一つの法律で使っているぐらいでありまして、普通の刑事罰則などではこういう言葉は使わない。よく分からないわけですよ、権限とは何だと、影響力の行使とは何だと。これは本当は、罰則の適用を受けるのは我々ですから、議員あるいは私設、公設の秘書。ですから、分かりやすいようにきちっと、法律は大体、罰則は見ただけで分かるぐらいにしておきませんと警察だって困るわけです。これ、検挙していいのかどうなのか。まあ有力議員だからやめとけとか、そういうふうになるのが落ちでありましょう。なぜ、こんな余計な紛議の起きるような言葉を置くのか、権限に基づく影響力を行使する。 和歌山のケースは研究されておると思いますけれども、市会議員が何か自分の知り合いの業者に仕事を回してやってくれと。おれは市会議員だから市会で一杯質問しているよと。これが影響力の行使だと。何か市役所に不利益なことを質問するんじゃないかといって影響力の行使だというふうに新聞報道はなっているんです。これ以外の事実が多分あると思うんで、国会議員、議員、地方議員も含めて、質問をするのはこれは本来の仕事ですから、おまえ、おれ質問するぞと言われてそれでおののくような局長や課長、官吏はもう日本の国民とは認めなくてもいいぐらいでありまして、どうぞ御自由に質問なさってくださいませと、きちっと答弁いたしますと、それだけのことなんです。 そうすると、国会議員を例に挙げますけれども、国会議員が権限に基づく影響力を行使する、一体何を言うんだろうか。ある議員のようにでかい声を張り上げて、きさま、おれをだれだと思っている、おれはあの有名な議員だぞと言えば、あるいは外務省辺りはすぐぶるってしまうかもしれませんけれども、普通は国会議員、そんな乱暴なことは言わないでしょう。皆さん方も、局長や課長を呼んで頭からどなり付けなんとかしないで、落ち着いてゆっくりと優しい言葉で話して、まあ何とかお願いしますよと、分かりましたと。これは影響力の行使になるのかならないのか。裁判所は困るでしょう、これを有罪にしてこっちを無罪にするわけにもいかぬと。なぜ将来の裁判をこんがらかせるような言葉をわざわざ付け加えるのか。 いずれにしろ、この場で分かりやすい例を二つぐらい挙げてください。これを基準にして、これと同じようなやつは有罪、これ以外のやつは無罪、こういうふうに提案者は考えておりますと。 これ、後で問題になると、国会でどういう議論をしたんだと、必ずそういう話が出まして、国会の議事録を裁判所、検事が取り寄せて研究するんですよ。ところが、肝心のことは何の議論もされていない。まあ国会なんてしようがないかということで話は終わっちゃう。しかし、今度、処罰の対象になるのは我々ですから、そうは簡単にいかないので、やっぱり我々に罰則の指針というものを示してほしいと思うんです。二つぐらいでいいですから、具体的な例を挙げてください。
○衆議院議員(町村信孝君) この問題についても佐藤議員と、前回、与党提案者との議論がかなり詳細に行われておる、その議事録も私どももよく勉強をさせていただきまして、やはり具体例を挙げるのか挙げないかというような御議論も相当あったということも理解をしております。 したがいまして、権限とは何かとか、それに基づく影響力とは何かとか、あるいは影響力を行使してということについては、既に前回、一年半前ですか、約二年前ですか、の質疑の際に当時の与党提案者が詳細に答弁をしておりますから、あえて同じことは申し上げませんが、今、議員から具体例を一、二と、こういうお話がありました。 もちろん、個々の、これ具体的な証拠関係というものがどういうことであるか。今おっしゃったようなあっせんの際の言動でありますとか、その働き掛けを受けた人が課長であったのか局長であったのかとか、いろいろな違いがあったりする。あるいは、そのときどういう法案がかかっていたかいないかとかいうことを事実認定をしていかないとならないわけですから、一概にこれは必ず該当するしないと言うことは難しいことであるということを御理解の上、一、二の例を申し上げさせていただきますと、例えば、ある省庁に対応する委員会が国会にあるわけでございますが、それに属する国会議員が特定の業者から、その省へ例えば物を納めたいと、コンピューターでも何でもいいんですけれども、納めたい、何とかしてくれというあっせんを受けた。あっせんの依頼を受けて、その議員はその省庁のしかるべき人間に、今後あなたの省の関連法案に反対するかもしれないとか、あるいは審議に協力しないかもしれないと言いながらこの物品調達の担当者に対してその業者の物品を買うようにというふうに働き掛けた場合、他の条件を捨象して言えば、例えばそういうような事案はこれは該当するんであろうと、こう思っております。
○佐藤道夫君 それも実はおかしい。法案に賛成する賛成しない、これ、議員の生命ですからね。それから、党議があって、それに従って、自分の良心に従って賛成反対を決める。それが圧力になると言われたら議員としての立つ瀬がないでしょう。当たり前のことですよ。おまえみたいなやつはもう上司に話してすぐ左遷してやると、そんなことでも言えば別ですけれどもね。法案に賛成する反対する、そんなことで役所が驚くと思っているんですか。 それはそれとして、一つ私の方から具体例を挙げましょう。 防衛庁の報告書を公開するかしないかということで与党の幹事長、三幹事長が会いまして、分厚いのはやめとけと、こっちでいけと、四ページの方の軽い方でいけと。そういうことで、後でそれが問題になりまして、山崎自民党幹事長が、あれはちょっと意見を言っただけで、こうしろああしろと命令したわけではないと言いましたが、ああいうことを言っただけでも防衛庁は震え上がってしまって、ぱっとすり替えたわけでしょう。あれはどうなんでしょうか。権限に基づく影響力を行使したことになるのかならないのか。正しく大変いい例でしょう。どうぞ遠慮なく話してください。
○衆議院議員(町村信孝君) 山崎幹事長は自由民主党の幹事長であります。しかし、彼が防衛庁に対してそういう権限を持っているかと、防衛庁に対してですね、どうかということになれば、私はそれは該当しないんだろうなと、こう思います。
○佐藤道夫君 大変おかしいですよ。防衛庁の法案に彼は国会議員として賛成する反対する、あなたが先ほど挙げた例で言えば積極じゃないんですか。おれは防衛庁の法案に反対するぞ、国会議員だからなと、こういうことを言うでしょう。それが積極だという。そういうことで私、聞いているわけですよ。 自民党の幹事長としての職権もありましょうけれども、別にこの法案については限定がないわけですから、国会議員としての立場、特に有力な与党幹事長としての立場で発言したと。ああいう言い方をしたことが、取り替えろというような言い方をしたことが権限に基づく影響力の行使に当たるのか当たらないのか。おたくの幹事長の問題ですから、どうか少しく党内でも議論をして、この回答は次回までに留保いたしますから、それまでに考えてきてくださいませ。 それから、最後に、先ほども議論されておりましたが、契約又は行政庁の処分に限ると、こう言っておりましたが、私、一つだけ、これに入らないと思うんですけれども、職員の採用ですよ。これ、地方議員にとっては大変な大仕事なんですね。役場に欠員が出るとだれを採用しようかという、支持者が争うようにして議員のところにやってきて、先生、うちのせがれをお願いします、役場に欠員が三人出たそうですからと。そこで、その議員が役場に行って市町村長にひとつやってくれやと、こういう話をする。これは入るんですか、入らないんですか、どちらでしょうか。
○衆議院議員(保利耕輔君) それはあっせんということにはなるんでしょうけれども、あっせん利得があったかどうかというところがこの法律の趣旨でありますので、利得が絡んできておりますので、先生のお答えには、それはあっせんではあるというふうに申し上げておきたいと思います。
○佐藤道夫君 私は、契約又は行政庁の処分に入るのかと、こう聞いているんです。分かっていてそういうお答えをするんですか。おかしいですよ。
○衆議院議員(町村信孝君) 保利先生の答弁を若干補足させていただきますけれども、公務員の採用、任用、昇格、降格、転勤、罷免等はいずれも当該公務員について直接権利義務関係を形成するものであろうと。したがって、特定の者に対する行政庁の処分と言えるというふうに考えております。
○佐藤道夫君 最後になりましたが、これは恐らく裁判所に行ったら相手にされませんよ、そんな解釈は。行政処分、じゃ不採用になった処分は役所を相手に裁判を起こすことができるんですか、違法な処分を受けたと言って。そんなばかなことないでしょう。よく考えてください。この点も次回までの宿題と、こういたしますから。 以上をもって終わります。
○山本保君 公明党の山本保です。 私は、先回のときの議論には参加しておりませんので、そういう点では、今、佐藤先生からやはり大変専門的な観点からの御質問があった後では誠に私にとっては厳しい場でございますけれども、私はただ、法律というのは基本的にそのとき作られた状況から変化していく、立法者の考え方とか、当時、公務員というものを基本に考えていたという状況が変わったというときにその一番近い法律を変更して新しい場面に対応していくということは基本的に大事なことだと思っております。 参議院議員として衆議院の方に申し上げるのは失礼かもしれませんけれども、たしか論語に、過ちて改めざるを誤りと言うというのもたしかあったようでございまして、そういう意味ではないでしょうけれども、しかし私は、対応をここで早くしていくということは構わないのではないか。特に今回、そこで、野党の方が以前言っていたことを入れようということであるならば、速やかにこれについては野党も賛同されればよろしいのではないかなという気もいたします。 そこで、私何点か、時間の限りもありますのでまず最初にお聞きいたしますが、これは与党の方の提案者にお聞きいたします。 今回の条文で、先ほどから何度も議論になっておりますけれども、「補佐するもの」という言い方をしている、定義しているわけですけれども、もう一度確認をしたいと思います。親族の方であっても、これはここの中に入るというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) 補佐するものの定義ということのお尋ねでございますが、補佐するというのは、これは大阪高裁の判決の中に触れられておりまして、政治活動を行いやすくするために役立つ行為や政治活動の効果をより大にするのに有益な行為等、各種の労務提供を指すと、こういう具合になっておりまして、単なるこう、どういうんでしょうか、事務的なお手伝い、受付だけをするとか、電話の交換だけをするというような業務、単純労務を提供するものはこの政治活動の補佐には当たらないで、やっぱり一定程度裁量を持って事務を遂行するというものについて補佐をすると。したがって、そういう活動をする人が親族であっても、その場合は当然補佐をするということで、親族であろうとなかろうと、そういうものは対象になるということでございます。
○山本保君 先ほど自民党の木村先生からも顧問とかなどの相談役ですか、そういう名前の名刺の場合はというお話がありましたので、ちょっと私も、質問には書いてなかったですが、よく使うものとして、例えば後援会の幹事というような形で応援をしていただいている方がいますけれども、例えばこういう方についても当てはまると、これは常時動かないと、ボランティア的に例えば休日などに動いているというような方もいるわけですけれども、その状況に応じてでしょうけれども、入り得るというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) いろいろな名刺にいろいろな肩書を書いて、実際に今ここで言ういわゆる補佐をするという業務をしていなくても秘書という名称を書いて、あるいは自分が全く知らない人が何々議員、何々秘書と、こういうケースもある。そういうのは幾ら名刺に書いてあったからといって、いわゆる私設秘書には該当しない。逆に、後援会幹事長と書いてあれ、あるいは何も書いていなくても、その人が先ほど申し上げたように使用され補佐するという立場であるならば、そこは正に実態認定の問題でございますけれども、それはいわゆる私設秘書に該当するということになると考えております。
○山本保君 ここの辺は大変大事なところだと思いますので、もう一つお聞きします。 先ほども御答弁の中に、その場合は雇用契約を結んでいなくとも、賃金というような形を払っていなくとも、実態的に補佐している場合には入りますよという御答弁だったと思います。そうしますと、当然奥さん、配偶者には賃金も払っていませんし、そういう契約は結んでおりませんけれども、この奥さんが議員のために動いたとなれば、これは当然この言葉の中に入るというふうに理解してよろしいと思いますが、いいでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) お尋ねのとおりでありまして、実際に賃金の有無等々は関係なく、先ほど申し上げたように、使用され補佐するという関係であれば、それらはこれに該当するということになるわけであります。
○山本保君 ありがとうございます。 それでは、ちょっと順序を変えますが、これに関連しまして、この補佐するという言葉は公職選挙法ですか、この連座制の適用規定に「補佐するもの」というのがあり、これと同様であるというたしか御説明だったと思いますが、総務省ですかね、参考人の方、おいでいただいていると思いますけれども、この辺についての解釈をまず今までの解釈について御説明ください。
○政府参考人(大竹邦実君) 公職選挙法におきましては、第二百五十一条の二の連座といたしまして秘書の連座があるわけでございますけれども、これにつきましては、「公職の候補者等に使用される者で当該公職の候補者等の政治活動を補佐するもの」と規定しているところでございます。 これにつきましては、実態として公職の候補者等の指揮命令に従って労務に服する者で、相応の裁量と責任を持って事務を処することにより、当該公職の候補者等の政治活動を支えているものをいうと、このように解釈しております。
○山本保君 その相応の裁量、責任ということで、先ほどあったように、ただ受付をするというようなものは入らないということなんだなというふうに分かりました。 それでは、野党案の提案者の方に同じ分野についてお聞きしたいわけですけれども、これは先ほどお話もあったと思うんですけれども、親族であっても、特にここで言う「父母、配偶者、子若しくは兄弟姉妹」、この中でも政治活動に全く関与していないという人もいると思うんですけれども、おりますが、私の周りでも。こういう方についてもこの中に入れてしまうと。しかも、今回この条文を拝見しますと、「兄弟姉妹が、特定の者に利益を得させる目的で、公務員」と、こういうふうに書いてありますから、この公務員というのは正に議員と全く無関係な関係であっても、この条文からいえば、そういう方が公務員に対してあっせんをし何か、特にまた賄賂ということですからお金でなくてもいただいたとなると、これはこの条文でいけば含まれてしまうというふうに読めると思うんですけれども、これではちょっと実態的にまずいんじゃないかという気もしますが、いかがでしょうか。
○委員以外の議員(江田五月君) 先ほどからの委員の御質問で、親族であっても、その前のいわゆる私設秘書、つまり使用されそして補佐するものに当たる者、これは当然そちらで処罰されるということになりますが、そうでない親族でこういうあっせん行為を行って利得を得るというような者がいるわけですよね、現実に。今、この国会、通常国会のこれまでの議論の中ででも、いろいろ奥さんがどうしたとかそういう話もずっと聞こえてくるわけです。しかも、公職選挙法連座制の規定の中では、親族の行為についても選挙の公正さを害する対象に取り込むというところまで私たち決断をしているわけですから、したがって、このあっせん利得処罰法の行為者の拡大の場合にもそこまで広げることが妥当であると。 先ほどの佐藤委員の質問を聞いていても、今、私設秘書まで広げて、そうすると必ず何か逃れようとして親族まで実態が拡大してきて、そのときに私たち慌てたんじゃいけないということで、今日、将来どこまでこうしたことが広がってくるかを見越してここまで処罰の範囲を広げておこうとしたわけでございまして、私は決して御懸念のようなことはないと思っております。
○山本保君 江田先生、ちょっとそれでは細かくお聞きいたしますが、先ほどの私お聞きした答弁では、当然親族であれ配偶者であれその裁量と責任を持って仕事をしておれば含まれるというふうに私は理解しているんですけれども、野党案のこれ条文を読みますと、こういう書き方が、「公職にある者の秘書」、そして括弧で「国会法」云々と、こうございます。「当該公職にある者の政治活動を補佐するものをいう。」、そして括弧閉じまして、「又は公職にある者の」という、ございますね。 そうしますと、この括弧の中身にあります「政治活動を補佐するもの」という中には配偶者は含まないということになりますですね。こういう解釈は、しかし先ほどの総務省の御説明とは違う説明になると思うんですけれども、これでよろしいんでしょうか。
○委員以外の議員(江田五月君) 私は、先ほど答弁したのは、親族であってもその前段の秘書、括弧、使用され補佐するものというところに当たれば、これはそちらに当たるということでございまして、「又は」ですから両方に当たって、そして別に両方ですから二罪が成立するなんてことはこれはないんで、両方の立場で一罪が成立するということになると理解をしております。
○山本保君 前半が掛かっていればもちろんそのようになるわけですから、後段を書く必要はないと思うわけですが。 じゃ、もう一つお聞きしますけれども、例えば、兄弟までで、兄弟の子、つまりおい、おいごがやっておると、これよくございます。この先生の条文でいきますと、おいの場合は入らないことになりますですね。これはどういうことでしょうか。
○委員以外の議員(江田五月君) 親族ということで該当する場合は、父母、配偶者、子、兄弟姉妹と、こう限定をしております。したがって、それ以外の親族は、親族という身分においては当たらないんです。しかし、たとえおい、めいであっても、前段の私設秘書の括弧内の定義に当たる者であれば、これは前段、前段といいますか、「又は」の前のところで当たるということになります。
○山本保君 そこをお聞きしたかったんですが、そうしますと、親族であってもその補佐するものでない者、これは入るんでしょうか、入らないんでしょうか。今のをお聞きしていますと、補佐していなければならないというのが絶対条件のように聞こえます。
○委員以外の議員(江田五月君) 前段、前段といいますか、「又は」の前の使用され補佐するものでない親族、その場合は、親族もそれはたくさんあります。姻族もあるし、一杯、おい、めいまでありますが、ここで書いてあるのは、父母、配偶者、子、兄弟姉妹ですから、その限度で限られる。この何が兄弟姉妹か、何が子であるかというのは、これはもう民法で決まることですから、ここで別に書く必要はないということでございます。
○山本保君 しつこく言うようでも確認させていただきます。 つまり、子であっても、配偶者はもう話がややこしいですからおきますが、じゃ、子であっても兄弟であっても、であって、なおかつ政治活動を補佐するものでない者もここに含むと、こういうことでございますね、そうしますと。
○委員以外の議員(江田五月君) そのとおりです。
○山本保君 それとなりますと、ここは別に意見を言う場ではないですけれども、ちょっとそれではこの法律の目的とはずれるのではないかなと。正に何か封建時代の一族郎党全部責任を取れというような、これは冗談ですけれども、そんな発想なのかななんていう気もしないでもないんですけれども、問題点を整理させていただきましたので、じゃ、次の方に移ろうと思いますけれども。 先ほどお話にもあったんですが、顧問でありますとか、そういう名刺又はその実態ということになりますと、与党案の提案者にお聞きしますが、そうしますと、やはり地方議員等においても同じ実態があるんではないかという気もするんですけれども、公設秘書がなくてもというのは、正に先回の法律の範囲の枠の議論だったんじゃないだろうか、先ほどの議論をお聞きしていて。今回、そことはまた別に私人であってもというふうに広げたとなりますと、公設秘書のいない首長さんとか地方議員さんであっても、それを実際的に補佐しているものであれば対象に含めるべきではないかという気がいたしますけれども、いかがでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) 議員本人のあっせん利得罪と、それから議員秘書のあっせん利得罪と二つ分けて考えますと、議員秘書のあっせん利得罪の主体、犯罪主体の中核というのは、私どもは依然として公設秘書であると、こう考えているわけであります。その公設秘書と実態的にいろいろな理由から区別の付かない等々で、議員の、国会議員の私設秘書も今回対象に加えたらどうかという御提案をさせていただいているところでありますが、地方議員には公設秘書というのがいないわけであります。したがって、その中核である、犯罪主体の中核である公設秘書の存在しない地方公共団体の議会の議員又は長のその私設秘書にまで犯罪主体を拡大するということはいかがなものであろうかというふうに考えたものですから、それを対象にしていないわけであります。
○山本保君 一つの判断ということでお書きになったのだなというふうには分かりますが、私設秘書という言葉を使わずに実態的に補佐するものという概念を作るとなると、これは地方、先ほどの例からいって地方議員においても同じものがあるのではないかという気もいたします。ここはまたもう少し議論を深めたいなと思っております。 次に移りまして、与党案提案者にお聞きしたいんですけれども、こういうふうに何か議員に口を利いてそして便宜を図っていただくということが何か悪のように思われるのではないかなと私も懸念するんです。といいますのは、先ほどのお話にもありましたが、確かに国会議員が何かを口を利いて、行政の不備であったところを早く便宜を図ってあげる、若しくは網に漏れていた人をそうではないよという注意を喚起する、これは私は国会議員の、それだけの仕事ではもちろん駄目ですけれども、しかし大事な仕事だとは思います。 といいますのは、私も国会議員にならしていただいて、正にその程度の仕事なのかと思ってやってみますと、実はその中に、正に法律の不備でありますとか今の制度の基本的な不備というものがあったということがもう何回もあったわけでありまして、その中から新しい仕事が出てきた、法律改正若しくは制度を変えた、通知を変えさせたということもあるわけであります。 ですから、一概にこういう仕事が、何か国会議員にとっては主たる仕事ではないというような、何か親分がやればいいのだというようなものでは私はないと思っておるわけですけれども、この辺についてはいかがでございましょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) 議員御指摘のように、政治活動の自由というものは大変私は重要な憲法上の権利であろうと、こう思っているわけでありまして、だからこそ現在の法律の六条で、この法律の運用に当たっては、公職にある者の政治活動を不当に妨げることがないよう留意しなければいけないということが書いてあります。 したがって、実際にいろいろなお願い事がある。それは個別のお願いであるかもしれないし、業界あるいは労働組合全体のお願いかもしれないし、あるいは日本国全体の言わば国益に関するような、安全保障等々に関するそういう要請がいろいろなところからあるかもしれない。それは様々な要請があるということであろうかと思いますが、要は、政治活動と密接な関係があるあっせん行為で利得を得ること、ここを処罰しようということであるわけでありまして、したがって、この処罰の対象となる構成要件はできるだけ明確であった方がいいだろうと、こう思うわけであります。 いずれにいたしましても、政治活動の自由というものを保障しながら、公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を確保するために必要な規制を行う、そのバランスをいかに取っていくのかということを考えた上で私どもの今回の提案をさせていただいているということでございます。
○山本保君 ありがとうございます。 それでは次に、この請託についてちょっとお聞きしたいと思います。 最初に、与党案の提案者にお聞きしますけれども、この犯罪成立の要件として請託があるかないかということであると、先ほどそんなお話もありまして、正に偶然とかそういうものではないと。また、明らかにそのようなものがなければもちろん政治家としても動かないだろうなという気はするわけですけれども、しかし、こういう請託というものを要件にすれば立証が大変難しいという意見もあるようでございます。その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(町村信孝君) 請託の有無ということについては、既に刑法で請託を要件にしているものもございますけれども、必要あらばこれは法務省の方から関連してお答えをいただいてもいいんですが、請託が要件になっているからといって直ちに立証が困難になるということでもないというのが、現実の立証されたその案件数といいましょうか、それによって明らかではないだろうかと、こう思っております。 そして、今、委員御指摘のように、あっせんというのはやっぱり、請託がなくてあっせんというのは本当にあるんだろうかと言われれば、やっぱりこれは請託を受けて行われるのが当たり前というか通常の形態であろうと、こう思うんでありますが、他方、私どもが公務員に対して何か働き掛けをする場合に、だれかに特定のことを頼まれてやる場合と、正に先ほど木村議員でしたか、お話があったような地域のコミュニティーセンターあるいは住宅産業のケース等々、あるいは労働組合からの、と政府の交渉のあっせん、幾つかの例をさっき挙げられたと思いますが、様々なケースがあるわけでありまして、その際に、やっぱり請託というものを要件としておくということは、やはり処罰の対象となる犯罪構成要件を明確に規定をするという必要上から、私はこれは必須のものであろうと、こう考えているわけであります。
○山本保君 それでは、法務省からも参考人に来ていただいておりますので、今、町村議員からお話があった件でございます。 実際に、確かに小説とかそんなのを見ていますと、こういうのがあったのかなかったのかと、この立証、自供させるぐらいしかできないんじゃないかとかいうことも聞かないでもないんですが、実際にこの立証というのは大変困難なことであるというふうに思われて、という形で運用されているのかどうかについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(河村博君) お答え申し上げます。 請託を要件といたしますことで立証事項が増えることは事実でございますが、一般に立証の難易は具体的事案におけます個々の証拠関係に左右されるものでございますので、請託という要件が存在するということによりまして直ちに立証が困難になるかどうかは一概に論ずることのできない問題でございます。 なお、先ほどもお話ございましたが、刑法の賄賂罪におきましても請託を要件としている例は多いわけでございまして、それらの罪で立件される事件数も少なくないところでございます。
○山本保君 つまり、そのことがビデオに撮ってあったりとか、録音テープがあったりとか、又はその関係者がそのように証言をして判をつくとか、そんなことがなくとも立証できると、こういうふうに認識してよろしいですか。場合によってはですよ、もちろん、その状況によって。
○政府参考人(河村博君) 事実関係はそれぞれでございますので、関係者の供述あるいはその各種の証拠からよって認められます、その前後を含めました事実関係等によって認定、総合的に認定されるものでございます。
○山本保君 今のお話で、直接的な証拠がなくとも、その状況によって相当蓋然性が高いということであれば立件できるというふうに、私、言っておられるんだと思います。 野党の方に、野党提案の方にお聞きしたいんですけれども、今度、反対に請託ということがなければ、原因と結果だけ見てある動きをして、ある利益があったと。しかも、この場合、野党案ではお金とは関係ないということでございますから、例えば所属政党に応援があったとかいうようなこと、これは全くその議員がそのことをお願いしているわけでもなくとも応援をしていただくというようなことがある、こういうことでもすべてこの中に入ってしまって、大変、そのときは、しかもそれを、裁量が、捜査当局の裁量によってしまうということになりますと、これは政治活動をする場合に大変やりにくくなるんじゃないかという気がするんですけれども、いかがでございましょうか。
○委員以外の議員(江田五月君) 請託というものは、私も法律関係無縁ではなくて、いろいろ関係をしてまいりましたが、やはりなかなか立証は実際には困難な場合がある。今、法務省のお役人さん、なかなかそこは苦しい答弁をされたと思いますよ。 しかし、この、いや、ここへ一つの資料があるんですけれども、刑法の贈収賄事件について戦後五十五年間の単純収賄と請託を要件とする受託収賄罪の起訴件数、単純収賄罪は一万六千三十七件、受託収賄罪は千九百五十三件と、こういう資料があるんですね。 もちろんこれはいろんな原因があると思いますが、この数字の大きな違いを見ると、やはりなかなか請託の立証というのは難しいと。そこで、残念ながら単純収賄で処理をせざるを得なかったと。捜査の担当、捜査に当たる皆さんが本当にほぞをかんだということがにじみ出てきているという気がするんですよ。 実態を見ますと、その事実自体の中に事実行為として請託はもう当然推認されるじゃないかというのが一杯あると思うんですね。それは、いろいろあっせんを受けて、そして何かをしてやって、そして後で利得を得る、その行為自体の中に何かそれは請託的なものがなければそんなことにはならぬだろうと。そうすると、もうあえて請託という明確に立証することが困難な要件を入れなくても、そのこと自体の中に処罰の可能性といいますか、非難の可能性はちゃんとあるということだと。もう少し逆に言いますと、請託がある場合とない場合とどちらが本当に悪質なのかと。そのことの議論もこれまで法制審議会なんかの議論の中で行われていたとも聞いているわけです。 それは、公職にある者がじっと見ておって、あそこで困っている人間がおる、これはちょっと役所へいろいろ口利いてやったら彼は何か見返りをくれるんじゃないかというので出ていって、おい、ひとつやってやろうかと言って、いやいや、先生結構ですよと言うのに、いや、やってやったからなと言って後で何かもらうなんという方がよっぽど悪質だということさえ言えるわけですから、あえてここで請託という要件を付けなくても私はいいし、逆に付けない方が保護法益の保護を全うするゆえんに合致すると思っております。
○山本保君 今お聞きしておりまして、付いていても付いていなくても余り変わらないんだなというようなのが私、実感です。 そうなりますと、やはり私は江田先生と反対でして、もしそういうものがない形で捜査というようなものが進められるとなったとき、週刊誌や新聞などが書き立てたというようなことでそれですぐ事件になってしまうというような、先ほど申し上げた裁量というのはそういう意味でして、やはり請託という要件を入れることによって、より慎重にきちんと立証できるんじゃないかなという気が私はしますけれども、これはまたこれから議論させていただきます。ちょっと時間がありませんので、先生、また改めてやらせていただきますが。 最後に、政治と金、今回のこの問題が出てきた不祥事をめぐりまして大変国民の信頼を、やはり不信感を払拭して信頼を取り戻さなければならないと思っております。 我が党としては、官製談合防止という観点から、これに絡めて、またもっとより厳しいというんでしょうか、きっちり法律を作っていきたいということで提案していると思うわけでありますけれども、与党公明党の提案者からこの辺について御説明をいただきたいと思います。
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。 突然の指名ですので申し訳ございませんが、公職にある者は公選によって国民の厳粛な信託を受けて選出されるものでございます。この公選による信任に違背しないように公職にある者自らの政治活動を厳しく律していく、これがまず基本だというふうに考えております。 さらには、公共事業の入札、それから手続に関して、いかに不当な関与を防ぎ、そして透明性、公平性を確保していくことができるか、すなわち公共事業をめぐる口利き、関与、これに係る現行の法制度が適切に機能されているか、このことについて政治、行政の面から総合的に検討していく必要があるであろうと、こう考えております。 この意味で、今、与党三党が共同提案をしております本法の改正案とともに、国、地方公共団体の職員が入札談合に関与することを防止する、こういう意味で官製談合防止法案の早期成立を図ることがもう焦眉の急であると、こういう認識をしております。 なお、与党といたしましては、現在、労働組合の経理の適正化等、また公務員の政治活動の在り方、それから政治倫理綱領、行為規範の見直し等についても総合的に鋭意検討していると、こういうところでございます。
○山本保君 ありがとうございました。 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 鈴木宗男議員の逮捕という新しい事態の下で本院にこの法案が回ってまいりました。そして、本院では、その長であった井上元議員の秘書にかかわる疑獄による辞職という憲政史上初めての事態も起きているわけでありまして、この政治と金をめぐる問題にどう国会が自浄能力を発揮をするのか、口利きをめぐるすさまじい金の動きにどうメスを入れるのか、大きな国民の関心が、注目が集まっている。もし小手先の対応で終わって同じような事件を繰り返すようなことがありますと、これは本当に政治への信頼がいよいよ根底から崩れると思います。そういう点で、このあっせん利得処罰法の強化について本当に実効ある改正をする、そのための審議が本委員会に求められていると思っております。 その上で、まず与党提案者にお聞きをいたします。 現行法ができたときに与党は、百点満点の法案だと言われておりました。成立したときの公明新聞を見ておりますと、「公明が与党をリード」と書きまして、神崎代表は、日本の政治の質を変える画期的法律と言われております。そして、冬柴幹事長は、完璧と言える法案だ、必ず政治浄化につながっていくと力説をされております。しかし、その後、この法律の適用は一件のみでありますし、一連の不祥事に国民の批判が集まっていると。 公明党の提案者にお聞きいたしますが、この一年間で政治の質が変わり政治浄化が進んだと、こういう認識でしょうか。
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。 本法が施行されて約一年余りですか、一年余り、適用が少ないと。確かに、先ほどから御議論のとおり、私の地元、和歌山県の橋本市の市会議員の一件ということでございます。そういうことから、あっせん行為を行うことについて一定の私は抑止効果があるんではないかというふうに認識をしております。 以前の議論のときにも、この法律ができることによって一件もないことを祈ると、こういう質問者のお話もありましたが、どう見るかということは双方の考え方だと思います。そういう意味で、政治の質を変える、政界浄化につながる、こういう流れを作るための一定の役割をこの法律は果たしてきたと、こう考えております。 一方、適用事例がわずかながらあったと。これは、それもまたいろいろ評価があると思いますが、全く実効性がないというふうに先ほどから野党側の皆さん方おっしゃっているように見受けられますけれども、その実効性が担保されているからこそ適用もされるわけでございまして、今回の改正と相まって今後更に政治の質が変化し、また政治の浄化に大きな役割を果たしていくものだと、こういうふうに考えるものでございます。
○井上哲士君 国民の皆さんが今、このすさまじいばかりのこの間の金と政治の問題をめぐるまなざしと今の御答弁は随分差があるなということを思いながら私は聞きました。 ただ、衆議院でこのあっせん利得法改正案が通過をしたときの公明新聞を見ておりますと、「「政治とカネ」改革の第一歩」という見出しが付いております。新たな一歩じゃないんですね、第一歩。ということは、この一年間、ずっと足踏みをしていたということを図らずも認められたのかなと思って私はこの見出しを読みました。結局、足踏みをせざるを得なかったような法律であったと私は思うんです。 今回の与党の改正案で私設秘書をその対象に加えた、そのこと自体は当然だと思います。ただ、当時、例えばこの私設秘書を加えない理由として、構成要件を明確にしなければ日本の国家の基本が崩れてしまうと、こう述べられましたし、私設秘書を除外した理念は、これは憲法上の要請だと、こういう答弁もされました。与党の皆さんの憲法というのは実に軽いんだなと思って私、聞いたんですが、今回、私設秘書を対象に加える、これは結構ですが、また同じように、先ほど来ありますように、言わば改正をまた近日中にやるというようなことを繰り返してはならぬと思うんです。 本当に国民の信頼を得るということであるならば、今回野党が提案している法案にも、そして国民の声に真摯に耳を傾けて修正にも応じていくべきだと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○衆議院議員(亀井久興君) 先ほど他の委員に対する御答弁にもあったことでございますけれども、今回、私どもいろいろな検討を十分にいたした中で特に留意いたしました最大のポイント、今、委員は憲法上の要請ということを前回述べたではないかということでございましたけれども、憲法上の要請という意味は、私どもが推察をいたしますのに、罪刑法定主義という、それが憲法上の要請であろうという、そういう趣旨で前回の審議の際に御答弁があったのではないかと、そのように考えているところでございまして、そのことについては何ら今回基本的な考え方が変わっているものではございません。 したがいまして、犯罪の構成要件を明確にしていくという、そのことについて十分な議論をいたしたところでございまして、公設秘書に前回は限定をしていたわけでございますが、それはやはり公設秘書の身分というものが法律上明確にされているという、そのことから公設秘書に限定をしたところでございまして、私ども、現在においてもやはりその犯罪主体の中核が公設秘書であるという、その基本的な考え方は変わっていないわけでございます。 さはさりながら、先ほど来の御議論にありますように、現在の政治に対する国民の不信が増大をし、著しいそうした国民の不信の下で政治が揺らいでいるというその状況を考えてみましたときに、公設秘書と私設秘書との区別というものが国民の側から見てみればなかなか明確ではないという、そういうこともあるわけでございますし、また政治活動を補佐をしているという、そうした点から申しましても同様であろうということで私設秘書に拡大をすべきではないかという、そういう結論に達したわけでございますが、あくまでも基本的な考え方というものは現在においても変わっていないということでございます。 したがいまして、野党の皆様方から様々な御提案があること、十分に承知をいたしておりますし、そのことについても十分な検討は議論の中でいたしたところでございますけれども、私どもといたしましては、今申し上げました考え方に沿って改正案を提案をさせていただいた、かようなことでございます。
○井上哲士君 前回、私設秘書を野党が入れることを主張しながら入れなかったことへの反省は聞こえてまいりませんでした。反省ないところに改革はないと私は思います。 今回、与党は法案の趣旨説明で、最近の国会議員の私設秘書等による一連の不祥事に端を発する政治不信を最大限に受け止め、政治に対する国民の信頼を回復するためと述べられております。じゃ、その私設秘書を対象に加えるというだけで本当に金権政治の根絶につながり国民の信頼回復ができるのか、このことが今問われていると思います。 そこで、第三者供与の問題についてお聞きをいたします。 鈴木宗男氏が逮捕されまして、政治献金として届けられた資金であっても賄賂として認定をされた、非常に画期的だということで注目をされておりますが、逆に言いますと、この政治献金として届けられたものを認定するのには様々な困難があるということの裏返しかと思います。 今、政治資金規正法が変わりまして、企業からの献金を受けることができるのは、もう政党だけということになりました。ですから、企業からあっせんの依頼を受けてその企業から政治献金を受け取ったとしますと、すべて政党に入るということになるわけです。ところが、現行法には、この第三者供与の処罰する規定がありませんですから、請託も立証されている、そしてあっせんの対価だということもはっきりしている、そういうお金であっても、例えば政党支部に献金として入ったということになりますと、非常に処罰が困難ということになるかと思うんです。第三者供与規定を設けるべきだと思うんですが、その点いかがでしょうか。
○衆議院議員(亀井久興君) 公職にある者の政治活動の廉潔性とこれに対する国民の信頼という本法の保護法益を保護するためには、国民の政治不信を招くような行為、すなわち実質的に公職にある者など、本人があっせん行為の報酬たる財産上の利益を収受した場合、そういった場合にのみ処罰をすれば十分ではないかというように考えておるところでございますが、今御指摘になりました政党支部のように、外形的には本人以外の者があっせん行為との間に対価性があると認められる財産上の利益を受け取ったとされる場合でも、当該財産上の利益に対して本人が事実上の支配力、実質的処分権を有する者と認定できる場合には、本人が収受したものとして本人に本法所定の罪が成立する可能性があるわけでございますから、あえて第三者供与の処罰規定を設けなくても本法の保護法益というものは十分に保護されるのではないかというように考えているところでございます。 また、逆に、本人が形式的にも実質的にも財産上の利益を収受していない、そういった場合まで処罰範囲を広げるということは、あっせんを受けた公務員に正当な職務行為をさせたり、あるいは不当な職務行為をさせない場合にも犯罪が成立する可能性があるわけでございますから、不当に処罰範囲を拡大するということは適当ではないというように判断をいたしまして、第三者処罰規定を設けないということにいたしたわけでございます。
○井上哲士君 不当に拡大するというお言葉がありました。本当に不当なのかと思うんですね。この間、いわゆるあっせん収賄罪にもこれがない、それとのバランスだということの御答弁もありました。 そこで法務省にお聞きするんですが、現在、刑法に第三者供賄というものがありますけれども、これが追加されたときの立法目的はどういうことでしょうか。
○政府参考人(河村博君) お答え申し上げます。 この第三者供賄罪につきましては、公務の公正さとそれに対します社会の信頼を損なう行為の中には、公務員が自らその職務に関して賄賂を収受しないで第三者に賄賂を提供させる態様があるということから、当時の改正前の単純収賄罪のみによってはそのような行為を処罰し得ないということでこの第三者供賄罪が新設されたものでございます。
○井上哲士君 「大コンメンタール」などを読みますと、脱法的手段を断つことをねらいとしていると、こう書いてありますが、こういうことでよろしいですか。
○政府参考人(河村博君) お答え申し上げます。 当時の政府の提案理由説明の中で例として挙げられておりますのが、第三者でございます団体又は法人に寄附等の名目をもって提供せしむるような場合について、従来の規定の不備を補った規定である旨の説明がなされております。
○井上哲士君 どんないろんな刑法の解説書を見ましても、この第三者供賄罪を作るのが脱法的手段を断つことだということが盛んに強調されております。 かつ、この第三者供賄の場合は、公務員等が事実上、本人が全く利益を受けない場合であっても第三者に対する賄賂の提供も本罪の対象にしておりますけれども、その理由はどういうことでしょうか。
○政府参考人(河村博君) その公務員がその職務に関しまして、請託を受けて第三者に賄賂を供与させる行為は、それ自体が当該公務員の職務の公正さでございますとか、それに対する社会一般の信頼を害するものでありますために、公務員が直接利益を受けたか否かは問わないこととされたものと承知しております。
○井上哲士君 今お聞きのように、この第三者供賄は、脱法的行為を絶つということ、そして公務員本人のところに利益が来なくても、そういう第三者に提供させるだけでも公務員としての職務の公正さや社会の一般の信頼を害するからだということになっているわけですね。 そうしますと、この法律が、公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持し、これによって国民の信頼を得るということを目的として提案をされているわけです。一般公務員は大体自分の後援会とか資金管理団体を持っていないんです。政治家の方は様々な受皿を持っておりまして、第三者供与という言わば脱法的手段をたくさん持っていると。そして、一般公務員は、第三者に利益を提供させることだけでもその職務の公正さや社会一般の信頼を害するということで、利益の享受いかんにかかわらず、これは罰せられるわけですね。 そうしますと、一般公務員よりも高い廉潔性が求められる政治公務員に当然、第三者供与を罰してこそ、そういう点ではバランスが取れると私は思うんですが、その点いかがでしょうか。
○衆議院議員(亀井久興君) 前回の御審議の際にもこの点はかなり議論のポイントであったように承知をしておりますけれども、刑法のあっせん収賄罪の場合のいわゆる保護法益が公務員の職務の公正さを確保する、そういうことにある一方におきまして、このあっせん利得処罰法につきましては、公職にある者の廉潔性とそれに対する国民の信頼ということでございますので、その保護法益も厳密に言えば多少違いがあるように思っておるところでございまして、私どもといたしますれば、そのあっせん利得処罰法の保護法益を保護するということのためには、国民の政治不信を招くような行為、すなわち実質的に公職にある者など本人があっせん行為の報酬たる財産上の利益を収受した場合のみ処罰をすればそれで十分ではないか、かように考えて、私どもの提案をさせていただいている、かようなことでございます。
○井上哲士君 ですから、一般公務員は自分のところに利益が来なくても第三者に提供させただけで罪になるのに、政治家は第三者に供与させてはならぬということで、どうして今の政治に対する国民の信頼感を回復をすることができるのか、保護法益のことからいっても、私は全く理由になっていないと思うんです。 それで、先ほど、政党に入った財産についても、当該財産上の利益に対して本人が事実上の支配力あるいは実質的な処分権を有したらこれは処罰できるから差し支えないということがありましたが、これは具体的にはどういうことを言うのか、是非ちょっとかみ砕いてお話しを願います。
○衆議院議員(亀井久興君) なかなか個々の具体例を申し上げるということ、大変難しいわけでございますけれども、第三者に対して、実質的にその本人がその第三者を、自由に操れると言いますと妙な言い方かもしれませんけれども、実質的に支配をできるというそういう関係にある、そういう場合には、当然のことながらこの対象になるということでございまして、個々の具体例ということになりますと、正にケース・バイ・ケースで、それが果たして当たるのかどうかということは厳密に検討してみないと、今の時点でこういう場合だということを明確に申し上げるということは差し控えさせていただきたいと思います。
○井上哲士君 しかし、これによって処罰されていくわけですから、具体的にしてもらわないと私は困ると思うんです。 そもそも政党に入った財産が、そんな個人の自由になるようなことが想定されているのかと思うんですね。我々は政党助成金、憲法違反としていただいておりませんが、公的なものだということで政党助成金を投入をされていた、その政党の支部が事実上、個人の自由に操れるようなものということが、自民党内にはそういうことがあるのかなということを今、聞いておりました。 具体的にならないということですので、ちょっとお聞きをいたしますが、衆議院の議論の中で、町村さんが自分のことで言われております。自分の北海道自民党第五支部というのは、好き勝手で、資金の使い道について、勝手に私がこれ使え、あれ使えという仕組みになってない、役員会やいろんな委員会の議を経てすべて使い道が決まるということを言われておりますが、少し官報などを見せていただきましたけれども、二〇〇〇年の政治資金の届出によりますと、この小選挙区第五支部は収入八千五百五十四万円、九九年を見ますと、企業献金の中で建設関係と思われるものが約三割程度かなと思って見ておりました。 問題は支出なわけでありますが、この政党支部の経常費用が年間二千百八十二万、組織活動三百四十八万、選挙関係費七百三十五万、そして寄附・交付金が四千六百五十九万、大変多いんですね。調査研究費はゼロということでありますから、どういう政治活動なのかなと思ったんですが、先ほどの衆議院での御答弁との関係でいいますと、全部コントロールできるようになっておりませんと言われておりますが、じゃ、支部長として具体的にどこまでコントロールをされているのか、そういう金の出入りを管理するような委員会には出席をされているのか、そしてまた具体的に何か指示を出しておられるのか、その辺、ちょっと具体的にお願いいたします。
○衆議院議員(町村信孝君) 北海道自民党第五支部の実情をお調べをいただいて大変恐縮をしておりますが、実際、第五支部の、年によって若干違いがありますけれども、年に一回の総会には必ず出席をいたします。それから、役員会というのがございまして、それには、そうですね、年に二回ないし三回でしょうか、出席をいたします。それからあと、いろいろな広報の委員会とか総務の委員会とか組織の委員会とかいうのがございますが、これには私は出席はいたしません。 したがいまして、どこにどういうふうに使うのかというのは、あらかじめ年度の予算で大枠を総会で承認をしてもらって、大体その範囲内で各委員会がそれを使っていくということでございまして、一々、どこに幾ら出したらいいというようなことを、これは私の場合ですよ、私の場合ではそういう指示をするということはございません。 よほど何か、選挙の対策か何かがあって、あそこの市長選挙は是非勝ちたいなあといって、少し広報宣伝物をたくさん投入しようとか、あそこにたくさん政党ビラを立てようというようなことで、そういう一般的な対処方針みたいなのを示すことはありますが、じゃ、具体的に幾ら、ビラを何本立てて、幾ら投入してというようなことまで指示をすることはございません。
○井上哲士君 通常のいろんな事務所の経費など、あれこれ細かいことに当然、議員本人が指示することは確かにないと思うんですね。今ありましたように、例えばそういう大きな選挙のときなどのこともあるでしょう。金額的にいいましても寄附・交付金というのが四千五百六十九万円と非常に大きいわけですが、こういうものの使い道についても支部長として町村議員自身が指示を出したり、またその指示が議を経て覆るようなそんなことも起こることはあり得るんですか、ありましたか。
○衆議院議員(町村信孝君) 今ちょっと手元にその資料もございませんし、詳細な内訳もございませんので、余り記憶が今、確実なことを申し上げる材料はございませんが、寄附・交付金というのは、一つは、北海道第五選挙区支部から各市町村あるいは札幌市厚別区、それぞれに自民党の支部がございますので、そういうところの活動を活発にしてもらうために交付金、寄附金という形で支出をする場合がございます。それは定例的に大体その地域の党員数に応じて私どもの方としては大体出すというようなのが一般的な支出先かなということでありますが、じゃ、どこの支部に幾ら出すというところまで私が指示することもございません。
○井上哲士君 今のような例えば第五支部の形態の場合は、これは事実上の支配力、処分権があるということにはなるんでしょうか、ならないんでしょうか。時には指示を出すというようなことでありましたが、いかがですか。
○衆議院議員(亀井久興君) これも中身がどういうことであったのか、政党支部というのは当然のことながらそれぞれの政党の本来の政治活動をそれぞれの地域あるいは職域において展開をするという、そのことのために作られているわけでございますから、その正当な政治活動に対して支部長がそれなりの影響力を持つということは私はこれは当然のことではないかと思っておりますが、その支部長ないし公職にある者、その支部の幹部、そうした者と相談の上でそうした政治活動を展開しているということもこれまた当然のことでございますけれども、その公職にある者が自分の利益のためにその第三者たる政党支部を自由に動かす、事実上の支配力を有するという、そういうことで判断をされるということになればそれは先ほど来御答弁申し上げているとおり対象になるということであろうかと思いますけれども、これまたそれぞれの場合によっていろいろな検討をした上でないとなかなか今明確にこのことがどうだということは申し上げにくいところでございます。
○井上哲士君 先ほども言いましたけれども、元々政党というのがそんな個人の私物でないというのが前提のわけでありまして、何らかの形でこういう会計の仕組みはあると思うんですね。ですから、そういうことが整っておりますと、結局、例えば町村さんの場合はないでありましょうか、同じような形態を取っているところで、幾ら請託を受けて幾らあっせんの対価のお金を受けても、この支部にお金が入った場合には処罰の対象にならないということになってしまうわけですね。これは正に私はざる法と言われても仕方がないと思うんです。 野党案はこの点での供与を入れておりますけれども、その趣旨について簡潔によろしくお願いします。
○池田幹幸君 今までのやり取りでもう既にその答えは出ているのかとは思いますけれども、あえてのお尋ねですのでお話し申し上げますが、要するに、現行法で第三者供与を処罰の対象としないということで、そのことによってどういうことが起こるのかということなんですけれども、結局はあっせんの対価を受け入れる際に政治献金という名目でそれを受け入れることができるという、その脱法的なやり方が公職にある者の場合にはできるということですね。これ一般公務員と大きな違いがそこにあると思うんです。 要するに、政党や政党支部、あるいは資金管理団体、あるいは後援団体というのがあるわけですけれども、そういったところがもう政治献金としてそれを受け入れる。そういうものが定型的に存在しているわけですから、だから、あっせんをして口利きをして賄賂をもらうと、それをここの支部に入れておいてくれということでやった場合にはそれが可能になっちゃうわけですね。そうすると、この法律の目的、一体何だったんだろうかということになっちゃいます。 公職にある者の廉潔性、清廉潔白性というものを保持して国民の信頼を得るということがこの法律の目的であるとすれば、そうすると、賄賂が政治献金に化けるというそういった抜け道を残しておいたんではこれはもう法律の目的達成できない、そういったところからこういった第三者供与を処罰の対象としたわけなんですが、一つ付け加えますと、現実の問題として、自民党の二〇〇〇年以後の動きをちょっと見れば非常にはっきりするんじゃないかなと思うんです。 といいますのは、二〇〇〇年に企業・団体献金、これが禁止されました。そのときに、それ以後の動きを見てみますと、自民党の政党支部は物すごく増えているんですね。既に七千を超えているということですから、これは実態からいって政党支部の存在がどういうものかということをここに表しているんじゃないかなというふうに思います。
○井上哲士君 終わります。
○広野ただし君 自由党・無所属の会、国会連絡会の広野ただしです。 お時間をいただきまして質問をさせていただきたいと思います。 今ほど、政治と金、政治家と金をめぐることについて国民の不信が非常に高まって、どの政治家も何かうさん臭いことをやっているんじゃないか、そういうような誠に不信の目で見られている、こういうことだと思うんです。ですから、どんな政治を、どんな立法をしても、また政策をやっていっても、どうも自分たちのことだけしか考えていないんじゃないか、国民のことを考えていないんじゃないか、こういうことで見られている。本当に政治不信というのが誠に高まっているということであります。 そういう中で、鈴木宗男元代議士の、元代議士といいますか、代議士の逮捕ということになったわけですが、逮捕された後、辞職勧告決議案ということで衆議院の方では決議案が通過いたしました。しかし、それに対して、なお弁護士を通じて自分は辞めないんだと、こういうことをおっしゃっているようでございます。 鈴木宗男議員の場合は百件以上の何か疑惑が言われておるわけでありまして、それがやはり政治の、政治不信の根本になっていると思っておりますが、そのことについて、まず与党の方々から、自民党の方では保利先生、また公明党では西先生、また保守党では西川太一郎先生から、現時点において議員は辞めるべきか、どういうふうにお思いか、お知らせ願いたいと思います。
○衆議院議員(保利耕輔君) 今、委員から御指摘がございました事件につきましては、非常に遺憾な事件であるというふうに考えております。 衆議院では御承知のように辞職勧告決議案が採決をされまして可決をされておりますが、辞める、辞めないは、やはりこれは私は御本人が決めることであるというふうに考えます。 と申しますのは、御本人御自身は北海道から選出をされている議員でありまして、その裏には有権者の御意思もあることでもありますし、その辺をよく考えて判断をなさるのは本人自身しかないのではないかというふうに考えます。
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。 先ほどの保利先生の基本的なお考えは、私も御本人の問題であるという基本的な問題は同様でございます。 その上で、今回鈴木氏が逮捕されたというのはこれは事実でございまして、本人の政治的、道義的責任は明らかであると、議員本人に明白かつ重大な違法行為がこれで明らかになったというふうに認識をしておるところでございます。
○衆議院議員(西川太一郎君) 基本的にはただいま、先に御答弁をされたお二人と同じ考えであります。しかし、私がもし同じような立場になって、自らに問うて俗な言葉で言って悪いことをしたということであれば、潔く辞めたいと思います。 ついでに言えば、広野先生のような立派な方が国政に戻られたことを私は何よりと、友人として本当に日本の政治の質が良くなると思って喜んでおります。余計なことですけれども、こういう機会にはっきり申しておきます。
○広野ただし君 辞職勧告決議案が通過し、皆さんが賛成された中でもなおこのように、私は与党の皆さんは何か守りぎみで擁護をしておられるようにしか見えないんです。やっぱり厳しく見ていただくことによって、それによって国民の皆さんは、やはり本当に政治を直そうとしているんだなと、そういうことが伝わってくるわけですけれども、何かそこはやっぱり誠に残念な気がしてなりません。 そしてまたもう一つ、鈴木宗男議員はもう大変な集金力で、政界で二位、三位というようなお金を集めておられると。それが言わばムネオマネーと、こういうようなことで言われております。そして、それが四十数名の方々に渡っている、国会議員の中でもですね。ムネムネ会というものがあるとか、いろんなことが言われているわけです。ですから、私は本当にそういうことが政治不信の根本になっていると思うわけでありますけれども。 残念なことなんですが、この私たちの参議院の議員の中でも週刊誌では八名の人がムネオマネーを、こういうような話が言われております。そのことについて私も調べてみました。調べました結果、鈴木宗男議員は北海道の第十三選挙区支部長であるわけですが、その中から、参議院の場合は、中島眞人参議院議員が山梨県の第二支部長であります。これが、平成十二年の六月二日百万、平成十二年八月九日百万、計二百万、平成十二年では登録をされております。常田享詳鳥取県参議院の第二支部長、これも平成十二年六月二日百万、八月九日百万、計二百万というようなことで鈴木宗男氏の方から渡っているということが確認をされております。 そのほか何名かおられますが、この与党の、失礼しました、この倫選特の理事懇でも計八名の人の参考人招致、ここへの参考人招致をお願いをしておるわけですが、委員長、正式に理事会でまた検討いただくようにお願いをしたいと思います。
○委員長(沓掛哲男君) 後日、理事会において協議いたします。
○広野ただし君 もう一つ大きいのは、自民党のプリンスと言われ、次の総理をというようなことで言われておった加藤紘一さんをめぐる疑惑でありますが、結局本人も政治責任を取って辞職をされるということでありますが、そのことでどうも私どももう一つ庶民感覚で納得がいきませんのは、所得税法違反で脱税容疑だと、こういうことであります。どうも偉い人になるとそういう脱税容疑で、だけになってしまうのか、政治資金規正法の違反はないのかと、こういうようなこととか、実際それまで加藤事務所の代表をしておられた佐藤三郎さんですから、そのことと、を指揮官としていたのは加藤紘一さんなんで、そのことをどうして起訴しないのか。 このことについて、何か偉くなるともう適当に手を握ってやってしまうのかと、こういう感覚でとらえられるわけですが、そのことを法務省の方にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(河村博君) 委員御指摘のとおり、現時点で起訴がなされていないということはそのとおりでございますけれども、お尋ねの点につきましては捜査機関の活動内容にかかわる事柄でございますのでお答えを差し控えさせていただきますが、あくまで一般論として申し上げれば、検察当局におきましては、関係当局とも連携し、刑事事件として取り上げるべきものがあれば所要の捜査を遂げ、法と証拠に基づいて適正に対処するものと承知いたしております。
○広野ただし君 結局、税金を納めればそれで一件落着と、こういうようなばかげたことがまかり通るところに政治に対する大きな不信が出てきている、このように思うわけであります。 また、我が参議院議員の、議長であり、井上裕さんでありますけれども、この場合はもう一議員だけの問題ではなくて、三権の長たる参議院議長であります。この参議院議長が責任を持って辞められたということでありますけれども、私は更に次の立候補も辞退されるべきではないかと、こう思っております。実際のところ、御本人、七十四歳ですからそういうお気持ちで辞めたんではないかと、こう思っておりますが、次の参議院の選挙のときに自民党として公認をされるんではないかと。 そういう公認はさせないというようなことを、そういう決意はございませんか。町村先生にお願い申し上げます。
○衆議院議員(町村信孝君) 私は、自民党の総裁でも幹事長でもない、一介の幹事長代理でございますから、余り、どなたが立候補されるか、また公認をされるかということについてお答えをする立場にはございませんが、大変地元の様子なども聞き、かつ千葉のこの次の補欠選挙が来る十月の二十七、八日ごろでしたでしょうか、行われるという中で、千葉県連の方とも若干お話をしてみると、それは率直に言って、今、井上前議長が次の選挙で立候補されるという状況にはないだろうなというふうに聞いておりますが、まだ党として最終判断をしたわけではございません。
○広野ただし君 今の御答弁、やはり同僚で、厳しい、いろんな気持ちも、つらいお気持ちもあろうかと思いますけれども、やっぱりそういうことが国民の政治不信を払拭していくことで大事なことだと思いますので、厳しい御判断をいただきたいと、こう思います。 そしてまた、このような金と政治との関係が出てまいりますのは、私はやはり与党自民党の政治体質というところに非常に大きな問題があるんではないか。いわゆる政治、そしてまた政官業ですね、このトライアングルと言われている、そういう癒着構造といいますか、そういうことに本当に問題があって、次から次からと問題が出てくる。ですから、今回このような改正がなされても、私は結果的には、こんなのざる法で、とてもじゃないけれどもこれで歯止めになるとはだれも思っていない、それが先ほどからの御議論ではないかと、こう思うわけでありますけれども。 そういう中で、例えば元総理の橋本総理あるいは森元総理ですね、族議員というのは決して悪いことじゃないんだ、しっかりとその分野を勉強して、いいんだと、こういうようなことをかえって言っておられるわけであります。農林族ですとか道路族ですとか運輸族、あるいは郵政族ですね。まあ小泉さんも厚生族だとかあるいは大蔵族とか、こういうふうに言われておって、まあいろんな意味で、今度の鈴木さんも、外務族というのは今までなかったのだけれども、そこに大変な利権を築かれたと、こういうことであって、やっぱり族議員といいますか、そういう中で政治をゆがめていくと。そのところは詳しいかもしれないけれども、国民全体のところを考えたときに、やっぱり族議員というのはどこかひん曲げてしまうんじゃないかと、こういうふうに思うわけですね。そういうところについて今回のところは一つも手が付いていない、こういうことだと私は思うわけであります。 野党案の場合は、非常に私はあっせん利得のことに関してはしっかりとしたものになっておると思います。しかし、このことだけで政治と金の関係が正される、直ってくるというふうにはやっぱり思えないわけでありまして、そこで、提案者の平野貞夫さんにちょっとお聞きしたいんですが、やっぱりこういうあっせんということを考えますと、余りにも中央集権になっておって、国と地方との関係であらゆることが、地方のことを国がコントロールしている、箇所付けまでいろいろとやっておる、それでその補助金をまた付けている、こういうようなこと、こういうものをどういうふうにしていったらいいのかとか、あるいは、政治家と官僚との関係、政官の関係を、やはり公務員は、何といっても憲法にありますように、特定の奉仕者ではなくて国民全体の奉仕者だと、こういうようなこともあるでしょうから、いろんなことで幾つものやはり総合的な立法措置があってその中で直ってくるんではないかと、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○委員以外の議員(平野貞夫君) お答えいたします。 根本的には、広野委員がおっしゃるように、対処療法としての刑罰法規だけでは対応できないと思います。 そこで、自由党としましてはそれに対応するために、できれば各党の御賛同をいただきたいんですが、まず公務員の政治的中立の確保、これは現在の国家公務員法の人事院の罰則を法律に格上げするとか、あるいは族議員と言われる政治家の党派活動あるいは個人のあっせん活動を排除することを書いた法律、それから国民主導のやはり政治を実現するための政治家と公務員の接触制限、こういったことを厳格にして、政治家が本当に国民の期待にこたえられる、この二つの法律は最近衆議院の方に提出しておると思います。 それからもう一つは、何と申しましても地方分権の確立でございまして、特に事業補助金については、これは国が一つ一つ箇所付け等をするんじゃなくて、交付金として自治体に渡して、自治体の責任と判断で行えるような法律を衆議院の方に出しておりますので、是非、各党の先生方の御賛同を得て成立をさせていただければかなり根本的な解決ができると思っております。
○広野ただし君 今答弁されましたように、やはり国と地方とのありようといいますか、そのことをしっかりとやりませんと、結局、一千万ぐらいの補助金を取るために地方からどんどんどんどん陳情してきて、まあそれも何百万かまた掛かっちゃうと。それで補助金を取っている、それのときに国会議員にお願いをしてやっていくと。 こういうような、何といいますか、本当に思い切った地方に対する権限移譲と、今お話ありましたように、補助金をいったんやめて、それを交付金にして、一括交付金という形で、しかも地方が、それで箇所付けだとかそういうことはもう地方のことが一番よく知っているわけですし、そしてその地方において、自分は教育でいくとか、あるいは福祉でいきますとか、あるいは経済の振興をどんどんやりますとか、それはもう地方が決めればいいことであって、そういうことを一括して思い切って地方に任すという一括交付金、地方への一括交付金というものも自由党の方では出しておるわけであります。 そういうことですとか、今ありましたような、やはり今の政治というのは何といっても官僚が行っていると。官僚主導の政治で、そこで政治家がどうも踊っているにすぎない、そういうようなふうにしか見えないわけですね。結局、政治家が自分たちが指導してやっているという形じゃなくて、何か官僚のおこぼれをある意味ではもらっているようなばかげたことになっているがゆえに、この点を本当に根本から直さなきゃならないんじゃないかと。そういうことを、ですから官僚はあくまで大臣、副大臣、政務官の補佐役であって、その言うことを聞かないとやはりおかしいわけだと思うんですね。 そしてまた、議員は自ら立法をしてやっていくと。そのためには、現在あります衆議院、参議院の調査室ですとか法制局ですとか、あるいは国会図書館ですとか、そういうものを大編成して、そういうスタッフは一千名ぐらいおられるということであります。ですから、そういうスタッフを大いに政策立案のために活用をさせていただくということになれば、国会議員と官僚との接触というものはおのずと制限されたようなものになってきて、まあいろんな癒着構造、どやしたりいろんな形で言うことを聞かせてというような話には全くなってこないんじゃないかと、こういうふうに思うわけであります。 ところで、本当に現在の状況、誠に残念なことで、週刊誌では面白おかしく口利きビジネスと、こういうような新語、造語までできて、非常に皮肉な目で見られているわけでありますけれども、この法律が、与党案が通って、口利きビジネスというのは本当になくなるんでしょうか。保利先生、そしてまた西先生、また西川太一郎先生からお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(保利耕輔君) 与党案が通って本当に効果があるかどうかというお尋ねだと解釈をさせていただきまして、お答えを申し上げますが、今回、与党案として御提出を申し上げておりますのは、いわゆる国会議員の私設秘書に対象範囲を拡大をするということでございます。今、公設秘書は三人ずつおりますが、私設秘書というのが何人ぐらいいるだろうかと。これは正確なものはないと思いますけれども、我が党なんかでも若い方々でも十人内外持っておられるという方々がいらっしゃると。そういうところへ犯罪対象が広がるわけでございますから大変範囲が広くなる、そしてその人たちがあっせん利得行為をやれば処罰をされるというような形になりますので、私は効果はあるものと期待をいたしております。 また同時に、私どもは議員として秘書に対する監督責任というのを重大にやっぱりわきまえなければならないと思っております。 したがいまして、いろんな方法あると思いますけれども、政治倫理綱領でありますとか、あるいは行為規範でありますとか、そういう中に秘書の監督責任というのを我々は再認識をした条項というのを盛り込んでいくべきではないかなということを付け加えさせていただきたいと思います。
○衆議院議員(西博義君) お答え申し上げます。 先ほどもちょっと議論になったんですが、口利きビジネスがこの法律が適用されることによってなくなるのか、なくならないのかというのは、なければなくなったで効果がないというような議論もあって、非常にある意味では難しいんだろうと思うんですが、私は、この法律が成立いたしまして厳格な適用、運用を行ったときには今後も十分な抑止力となり得ると、さらに私設秘書の、いわゆる実態的な私設秘書の人に対しては、また新たな抑止効果が確実に加わっていくと、こういうふうに思っております。したがいまして、一日も早い成立を期待しているところでございます。 もちろん、本法以前の問題といたしまして、政治の原点が、国民の信頼それから負託にこたえていくということが最も肝心なことでありますので、そういう意味では、政治と金をめぐる問題についてまず我々一人一人が自らを厳しく律していくというところから始まるのではないかと、こう思っております。
○衆議院議員(西川太一郎君) いろいろ御意見はおありになるだろうと思いますが、与党案は、政治の清潔、国民の信頼回復、これを目指していくという姿勢を示すものでありますので、そうした忌まわしいものを排除していく努力をしていきたいと思っております。
○広野ただし君 終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 本日が第一回目でありますから、今日は私設秘書及び近親者のあっせん収賄問題に絞って質疑をいたしたいと思います。 私たち野党四党の案が、首長及び地方議員の実質的な秘書も含めること、また政治活動に携わっていなくても近親者は含めることとしているのに対して、与党案はこの二者を含めていないことは、依然として私たちと大きな違いだろうと思うんです。 そこで、私はまず、なぜ与党が私設秘書を含めるというように主張を変えられたのか、改めてお伺いをしたいと思います。 二年前、与党がこれに反対した理由の中で、公明党の久保提案者から、私設秘書は国会議員との関係の程度が個々様々であるので一律に処罰の対象とすることは不適当であるという御主張がございました。今回、その考えを変更なさったわけでありますので、私設秘書といえども議員の権限を分担、補佐している以上公的な性格が非常に強いのだから、その行うあっせん利得を処罰をする、こういうお立場になったということになりますね。その限りで、政治活動を補佐するのであれば、そのあっせん利得は一律に罰することになりますが、それでよろしいというお考えなんだろうと思うんですが、二年前の御答弁との関係で公明党に、公明党提案者にお伺いをしたいと思います。
○衆議院議員(西博義君) 公明党独自の方針をお述べしたわけではないと思うんですが、たまたま公明党の方から御答弁申し上げておりますので、私がお答えさせていただきます。 私設秘書といっても、例えば公設秘書と同様に、議員の政治活動を補佐するということにつきましては先ほどからずっと議論があるところでございます。その内容としましては様々でございます。事務所の受付業務を行っている人もいますし、会計を行っている人、さらには運転手という形で私設秘書の役割を負っている人など、その範囲は確かに様々であると、こう認識しております。私どもも、この私設秘書を入れるということに関して十数回の議論をしてまいりましたけれども、実態的には誠に様々だなということを感じたわけでございます。久保提案者の国会議員との関係が個々様々であるというこの答弁は、そのようなことを念頭にお述べになったのではないかというふうに考えております。 本法の改正案を作るに当たって、「衆議院議員又は参議院議員に使用される者で当該衆議院議員又は当該参議院議員の政治活動を補佐するもの」、先ほど先生がおっしゃったとおりで、補佐するもののみを議員秘書あっせん利得罪の犯罪主体と、こういうふうにいたしたものでございまして、国会議員との関係が個々様々である私設秘書すべてを一律に処罰の対象にしたのではないということについては変わりはないと、こう考えております。
○又市征治君 お言葉ですが、あっせん利得を得るほどの実権のある者はもはや単純な事務補助だけの者とは言えないんですから、そもそも二年前の御答弁がいかがかと、こう言わざるを得ません。 そのことだけ申し上げて先に進みますけれども、二年前に久保提案者が言われた、私設秘書が国会議員との関係の程度が個々様々だという現象は、私設秘書を多数抱えることが可能だから起きるんだろうと思うんです。その中には集金専門の人もいるようでありまして、それは、その議員が党や政府の要職に就いていたり、地元や業界に絶大な実権、利権を持っているからだろうと思うんです。そしてまた、それによって正規あるいは不正規の政治資金が豊富に入ってきて多数の秘書を雇う、あるいは企業が私設秘書を給与付きで派遣をしてくれる。何と、政治資金規制の任にある片山総務大臣がそうだと、こう今報道されているわけですね。 そこで、少し具体例を出してお伺いをしてまいりますけれども、先ほども出ました、我が参議院にとっては誠に不名誉なことですけれども、前議長の元私設秘書が六千四百万円と言われる汚職で逮捕をされました。これは前議長の地元鎌ケ谷市の公共工事に絡むあっせん収賄であることは御承知のとおりであります。この野崎容疑者は、前議長の選挙の運動員を務めていたが、この事件では、前政策秘書の半田容疑者と役割分担をして、実質的に議長の代理人として鎌ケ谷市役所に出入りをし、市の幹部と密接な関係を続けていたと報じられているわけです。 そこでお伺いをいたしますけれども、今回の与党案では、その他政治活動を補佐するものが追加されたわけですが、この実質的私設秘書、野崎容疑者についてはあっせん利得罪が成立をするというふうにお考えなのかどうか。もちろん、与党のこの法律案が施行されて以後の事件だということで仮定をしてお答えをいただきたいと思います。同じことについて野党案の場合はどういうふうになるのか、野党側から御答弁をいただきたいと思います。
○衆議院議員(西博義君) きっかけが久保議員ということで、私が代わってお答えさせていただきます。関連でございますので。 先生御存じのように、今回の改正は、あくまでも公設秘書が犯罪の中核であるということを前提に、その関連で、「政治活動を補佐するもの」という公選法の定義を使いまして、私設秘書もその範囲に加えるということになったわけでございます。 その政治活動を補佐するものというのが、個々具体の、先ほどの参議院議長の事例でどうかと、こうおっしゃられますんですが、確かに、私もちょっとそういうお話がございましたので調べさせていただきました。名刺を持っていたとかそういう記事が載っておりましたが、個々具体の問題につきましては、このあっせん利得処罰法に私設秘書を入れたということのみで今回の野崎元秘書でしょうか、その適用がなるかどうかということは一概には言えない、どちらとも言えないというふうに考えておりまして、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○委員以外の議員(大脇雅子君) 御指摘の事案が改正後のあっせん利得処罰法で処罰対象になるか否かにつきましては、当該事件の事実関係及び全証拠を厳密に検討することが必要であり、報道等で伝えられた内容をもって法的判断を申し上げるということは非常に難しいと思います。 しかし、野党案に基づく考え方を述べさせていただけば、次のように考えます。 野崎一雄容疑者、三鈴建設の役員は、井上前議長の私設秘書として正式には登録されていませんが、前議長の選挙運動員をするなど、事実上の私設秘書として、既に逮捕されている元政策秘書の半田容疑者の代わりに鎌ケ谷市役所に頻繁に出入りしていたということであります。 この場合、したがいまして、「公職にある者に使用される者で当該公職にある者の政治活動を補佐するもの」という本案の私設秘書の定義に該当することになると解釈されます。 一方、与党案によりますと、現行法に犯罪主体として国会議員の私設秘書を加えようとしておりますが、「その権限に基づく影響力を行使して」という内容のあいまいなものを構成要件とするとともに、請託という立証が著しく困難な要件を構成要件としておりまして、また、対象の職務を契約の締結とか行政庁の処分に限定しているから、したがいまして実際の適用においては著しく実効性に欠けると。したがって、御指摘のケースには有効に働かないのではないかというふうに考えます。 野党案は、与党案のようなその権限に基づく影響力を行使して、及び請託それから構成要件におきますあっせん内容を公務員の職務全般に拡大しておりますし、第三者供与を処罰するという、しているのでございますから、正に御指摘のケースにおいて実効性を十分発揮すると考えられます。
○又市征治君 分かりました。 与党案では一概に答えられない。つまり、適用されないことがある、抜け道が多いということでありますし、そこをふさぐことに野党案の優越性がある、こういうことなんだろうと思います。 では、政治活動を補佐していない親族の場合はどうかということについてお伺いしてまいります。実は、相手から見れば全く親族も同じでありまして、あっせんを依頼する価値は大いにあるんではないか、こう思われます。 そこで、これも具体の例を挙げて申し上げますが、横須賀市にあったコンステレーションというコンサルタント会社、週刊誌で報道された直後の昨年七月に解散をしましたけれども、この会社は日立金属などの企業から九九年から二〇〇一年に掛けて毎年一千万円前後のコンサルタント収入を得ています。しかし、会社所在地は社長の自宅という実体のないペーパーカンパニーですから、代表単身での小規模なブローカーまがいの業務内容であり、コンサルタント料といっても実質上口利き料、仲介料に等しい状況だと、これは民間の調査機関のコメントであります。 例えば、二〇〇〇年にあった同市の舟倉ポンプ場という下水処理設備の入札について見ると、予定価格五千六百五十万円よりわずか百五十万円安の、的中率九七・三%という神業でこの日立金属が落札をしています。そして、情報の授受があったことは両当事者、つまり日立も小泉正也氏もともに認めているわけであります。鈴木宗男事件同様、入札妨害か、あっせん利得の疑いは極めて濃厚なわけであります。以上のことについては、サンデー毎日、週刊現代、赤旗等で実は報道をされております。 ここまで申し上げますと、皆さんもう思い出していただいたと思いますが、この社長小泉正也氏はほかならぬ小泉総理の実弟でございまして、横須賀市は言うまでもなく小泉総理の選挙区であります。 そこで、二つの法案に戻りますけれども、一般に、国会議員の政治活動を補佐していない親族、例えば兄弟姉妹がこうしたあっせん利得を得ることについて適用されるかどうか、議員の親族であることを町のだれもが知っているような、地元選挙区内の公共工事についてであります。 まず、これについて野党からお伺いをしたいと思います。
○委員以外の議員(大脇雅子君) 野党案であります本法案の保護法益は、公職にある者の廉潔性及びこれに対する国民の信頼、被あっせん公務員が行う公務の公正さに対する国民の信頼であります。ですから、これらの法益を害するおそれがある者に対して厳しく対処すべきということは国民の要請であろうと思います。 大変残念なことですが、日本の政治風土におきましては政治家と近接度、すなわち近さ、結び付きを背景にしたいわゆる隠然たる影響力というものが実効力を持つということが現状でありまして、著しく法益が害されるおそれがあります。したがいまして、最もこの影響力を行使し得る立場にある秘書全般及び親族を対象とすべき者と判断したものでございまして、親族だからといって無限定に法の適用対象とするものではありません。 しかしながら、町じゅうがだれもが知っている人、すなわち総理の実弟小泉正也氏の行為についてでございますが、コンサル料というより、実質上口利き料、仲介料に等しい状況と言われております。入札価格の九七・三%の的中率、あるいは当事者間での情報授受を認めているということなどから、正に本法案は、親族の立場をもって特定の者に利益を得させる目的であっせんしその見返りとして賄賂を得た者に適用されるということから、小泉氏のケースは当然本法案の対象になるものと考えられます。
○又市征治君 野党側のお考えはお聞きのとおりでありますが、与党案ではどうなるのかということをお伺いをしてまいります。 議員の政治活動の補佐をしていてもいなくても、親族だからということで、相手は無言のうちに議員を意識をしてあっせんを依頼してきたり、逆に受け入れたりする。そうやってあっせん利得を得る立場にあるという点で、親族は議員と同等の政治倫理上の責任がある、あるいは付いて回るということだろうと思うんです。 親族にも拡大をすべきだ、こういうふうに御修正をされるお気持ちはないのかどうか、改めてお聞きをしておきたいと思います。
○衆議院議員(西川太一郎君) お答えを申し上げます。 現行法において国会議員の親族は独立の犯罪主体とされてはおりません。今回の与党案はこの点について変更を加えるものではございません。したがいまして、国会議員の親族につきましては、衆議院議員又は参議院議員に使用される者で当該衆議院議員又は当該参議院議員の政治活動を補佐するもの、これは公設、私設を問わず、こういう立場に該当する場合は別といたしまして、それが独立の犯罪主体として本法の適用対象になるということはないわけでございます。 本法の罪につきましては、国会議員の親族に対象範囲を拡大すべきであるという御趣旨の又市先生のお尋ねでございます、御主張でございますが、本法の罪は、公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼の回復というものを保護しようとするものでございまして、このためには、国会議員の私設秘書に適用範囲を拡大することで十分である、更に国会議員の親族にこれを拡大いたしますということは適当でない、こう考えているわけでございます。 親族を処罰対象に含めるべきであるとするお立場は、先生御主張のようなお立場は、国会議員等の公職にある者の政治活動に全く関与しておらず、公職にある者本人の持つ影響力を借用して行使し得ない親族まで処罰の対象にするという反面、例えば後援会の役員のように、親族以外であり、公職にある者の影響力を借用して行使し得る立場にある者すべてを本法は処罰の対象にはしていないわけでございますから、要するに公職にある者本人の持つ影響力を借用して行使し得るか否かということにかかわらず、親族という身分にあることのみを理由に犯罪主体にすることというのは妥当でない。したがって、親族を犯罪主体に加えるということは、修正する意思はないというふうに御答弁を申し上げる次第であります。
○又市征治君 実は今、小泉正也さんの場合はこれについて適用されるかどうかということをお伺いもしたんですが、そこのところは御答弁がございませんでした。後ほどお願いしたいと思いますが。 実は、この小泉正也さんは小泉総理の私設秘書という肩書も持っているそうですから、野党案の親族という条項によらなくても、与党案でも十分に身分上該当するんだろうと思います。ただ、先ほども紹介したように、正也氏御本人は週刊誌にこういうふうに答えておられるわけで、かぎ括弧付きでありますが、おれは別に総理でもないから説明責任を果たすことないじゃん、企業のことなんだからと、こう答えています。つまり、彼の場合は、秘書という肩書を使ってはいるが、自分では企業としての純粋な経済活動だというふうに言いたいようであります。 そこを与党の皆さんが故意に強調して、私人の経済活動だから、たとえ議員の兄弟姉妹でも権限に関係はないと、職業選択の自由だとすり替えられるんであれば、そういう姿勢だということで伺っておくしかないんですが、ただ、それだけ与党案には抜け穴があると、国民にそういう意味で明らかになるんではないのか、こういうことを思うわけでありまして、是非、先ほどの小泉さんのお答えがございましたら、答えていただければと思います。
○衆議院議員(西川太一郎君) 週刊誌の報道又は政党機関紙の報道につきまして、私ども十分にその事実関係を承知しておりませんので、こうした場で公式にお答えをすることは差し控えさせていただきたいと存じます。 しかし、くどいようでありますが、私どもは、親族であっても、それが当該衆議院議員、参議院議員に使用されている者であれば十分に適用できるわけでございます。 具体的な例を申して恐縮でありますが、私の愚息などは、先ほどどなた様かのお話がありましたが、父親が至らぬせいでございますか、政治を全く嫌っておりまして、近くには住んでおりますけれども、全く、選挙は一生懸命手伝ってくれますが、それ以外のことはやっておりません。 こういうような、別の職業を持ってきちっと暮らしておる者に政治家の家に生まれたからといって投網を掛けるようにやるというのは、刑法で言うところの謙抑主義という、もっと、何といいますか、優しい気持ちで立法をするべきではないかと、後ほど専門家の佐藤先生にしかられるかもしれませんが、私はそのように思っておりますことを付け加えさせていただきたいと思います。
○又市征治君 終わります。 ありがとうございました。
○委員長(沓掛哲男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時四十四分散会