財政金融委員会 第12号
- 発言数
- 203 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2002/04/16
会議録
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十二日、今泉昭君及び田嶋陽子さんが委員を辞任され、その補欠として勝木健司君及び大渕絹子さんが選任されました。 また、昨十五日、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として佐藤雄平君が選任されました。 ─────────────
○委員長(山下八洲夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官中城吉郎君、金融庁総務企画局長原口恒和君、金融庁検査局長五味廣文君及び金融庁監督局長高木祥吉君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山下八洲夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君、日本銀行理事三谷隆博君、全国銀行協会会長山本惠朗君、社団法人全国信用金庫協会会長長野幸彦君、社団法人全国信用組合中央協会会長田附良知君、社団法人全国信用保証協会連合会会長牧野洋一君及び株式会社みずほホールディングス取締役社長前田晃伸君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山下八洲夫君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、主要行に対する特別検査の結果等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。柳澤金融担当大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 去る四月十二日、政府の早急に取り組むべきデフレ対応策、二月二十七日発表を踏まえて、金融庁において、主要行に対する特別検査の結果及び主要行による平成十四年三月期の財務内容の概要を公表するとともに、あわせて、より強固な金融システムの構築に向けた施策及び金融検査マニュアル別冊・中小企業融資編(案)を公表いたしました。本日は、これらにつきまして御説明させていただきます。 まず、特別検査は、昨年十月の改革先行プログラムを踏まえて、企業業績や市場のシグナルをタイムリーに反映した適切な債務者区分及び償却・引き当てを確保するため、市場の評価に著しい変化が生じている等の債務者に着目して、昨年十月末から継続的に実施してまいりました。 今回取りまとめました特別検査の結果の主な内容を申し上げますと、対象債務者百四十九社のうち、七十一社について債務者区分が下位に遷移し、そのうち三十四社は破綻懸念先以下に遷移しました。また、対象与信額十二・九兆円のうち不良債権処分損が一・九兆円となっております。 次に、特別検査の結果公表に合わせて主要行が公表した十四年三月期の主な財務内容を見ますと、特別検査等を踏まえた結果、不良債権処分損は七・八兆円と、昨年十一月時点の業績予想六・四兆円と比べると、一・四兆円の増加、二一%増となっております。また、自己資本比率は、国際基準行については八%、国内基準行については四%を大きく上回る水準となる見通しであります。 さらに、より強固な金融システムの構築に向けた施策につきましては、ペイオフ解禁がなされたこともあり、総理の指示を踏まえ、金融システムの安定を確保するため、不良債権処理等を更に促進するよう、切れ目なく施策を講じる観点から、金融庁として取りまとめたものであります。 この新たな施策は、三つの項目から成っております。 第一に、不良債権処理の促進のため、主要行に対し、その破綻懸念先以下の債権のオフバランス化について、原則一年以内に五割、二年以内にその大宗、八割めどとの具体的な処理目標を設定するよう要請することといたしました。 第二に、主要銀行グループ別に検査部門を再編することにより、通年・専担検査を導入し、実質常駐検査体制といたします。 第三に、金融機関の経営基盤の一層の強化と中小企業金融の円滑化を図るため、主として地域金融機関を念頭に置いて、合併促進を中心とした施策を早急に検討することとしております。 これに併せて、中小企業等の経営実態に応じた検査の運用確保のため、金融検査マニュアル別冊・中小企業融資編(案)を公表するとともに、検査の効率性の観点から、資産内容に特に問題がなく、前回検査の結果が良好な金融機関に対しては、与信額が一定額以下の債務者について、原則として自己査定にゆだねることとしております。 今回の特別検査の結果や十四年三月期の主要行の財務内容の概要に示されているように、不良債権処理の具体的進捗が図られたところですが、金融庁としては、引き続き、より強固な金融システムの構築に向けて全力を尽くしてまいる所存であります。 以上でございます。
○委員長(山下八洲夫君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより本件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○若林正俊君 帝国データバンクの四月十二日の発表によりますと、二〇〇一年度の企業倒産の集計は、倒産件数で前年度比五・九%増の二万五十二件、一九八四年の二万三百六十三件に次いで戦後二番目の水準だと、このように報じております。また、負債総額につきましては、十六兆一千四百八億円で、前年に次いで戦後二番目の大きさになっております。上場企業の倒産はマイカルを始め二十一件で戦後最大でございました。 しかし、このような状況でございましたが、四月の月例報告で発表されていますように、景気は依然厳しい状況にあるものの底入れに向けた動きが見られると、ほのかな明るい見通しを示しております。 政府は、緊急対応プログラムで、デフレスパイラルを阻止して、二、三年以内に確実に不良債権を最終処理、正常化を進めると、健全な中小企業の連鎖的な破綻を招かないようにすると約束をしてきたところでございます。 金融機関が不良債権というおもしを外して、信用創造、仲介機能を果たし得るように体力を付け、市場から信用されるようにならなければならないわけでございますが、三月危機は乗り切ったものの、四月一日、ペイオフの実施がありました。そこでまず、このペイオフ凍結解除、四月一日から実施されましたけれども、かねて言われておりましたように、預金者の金融機関を見る目、選別が厳しくなってまいります。金融機関も合併等で体質強化を図っており、また不良債権の処理を急いでいますけれども、まず、このペイオフ凍結解除に当たりまして、預金者側の行動についてお伺いしておきたいと思います。 大手の銀行に対して相当の預金シフトがあるやに伺っておりますし、定期預金から普通預金へのシフトが進んでいるというふうに伝えられておりますが、その状況はどういう状況でございましょうか、金融庁に伺います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ペイオフ凍結に伴いまして預金のシフトが起こることはかねて想定をしておりまして、私どもとしては、ある意味で正確な知識に基づいた預金の移動というものは預金者として健全な行動であると、こういう受け止め方をすべきものだというふうに認識をいたしておりました。 実際上どういう具合になったかということでございますけれども、十四年三月末、ただ、信用組合だけは二月の末の統計でございますけれども、全国銀行で預金が増加をいたしまして、それが六%ということでございます。都銀は大体、大体いつもそんな感じだと私、記憶しておりますが、全国銀行ベースの二倍くらいということなんでしょうか、今回は一二・一%ということでございます。それから、地銀は一・七%の増ということでありまして、第二地銀がマイナスの一・〇%ということでございました。なお、加えまして、信金がマイナスの〇・九%、信組は、先ほど申したように二月末の統計ですけれども、〇・八%ということで、そう大きな問題のあるような預金シフトが起こったということではなかったというふうに認識をいたしております。 他方、しかし、銀行の定期性預金と流動性の預金というものについては、若干と申しますか、移動がありまして、定期性預金についてはマイナスの八・二%というのが、これはちょっと統計が古くて一月末でございますけれども、そういうような状況になっております。 さらに、地銀、第二地銀の方で見ますと、定期性預金が七・三%の減を示したのに対して、要求払い預金というか、流動性預金は一五%の増というようなことで、定期性預金から要求払い預金へのシフトが起こっている、同一機関内でも起こっているということは読み取れるかと思っております。
○若林正俊君 今、大臣からお話ございましたように、庶民あるいは企業の預金者は金融機関の信用度に対して大変不安をなお持っているわけでありまして、大変デリケートな状況にあるように思います。 そこで、大変残念なことでありますけれども、みずほグループにおきますコンピューターシステムの混乱が発生をいたしておりまして、そのような金融システムの体質の改善とか、あるいは各金融機関が体力を付けようと努力をし、社会的な信用を高めなきゃいけないこういうときにこのようなトラブルが起こったということは大変残念なことでございまして、これは日本の信用秩序といいますか、金融システムに対する信頼を失墜させるという異常な事態に発展をしているように思います。このことは、ただ単にみずほグループの問題にとどまるものではないというふうに思います。 このような異常な事態が起こりました最大の原因は何にあったと柳澤大臣はお考えでございましょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回のみずほフィナンシャルグループのトラブルにつきましては、もう極めて遺憾なことでありますし、また極めて事態は重大であるというふうに認識をいたしております。 金融庁といたしましては、このような認識に基づきまして、四月の三日に銀行法二十四条に基づく報告の徴求をいたしまして、期限を十日ということで、十日の日に報告をいただいたところでございます。しかし、この報告ではまだ事態を解明し切っていない、言わば中間的な報告にとどまるということでございまして、引き続いてこの報告の補遺と申しますか、補完というような形での報告を現在求めているということでございます。 したがいまして、原因は何かといいますと、現象的な原因は、これはもうシステムの不具合があった、あるいは手作業と申しますか、人手による事務のミスがあったというようなことが指摘をされ、またこの報告もいただいているわけでございますけれども、我々といたしましては、この段階でこうしたことについて部分的にお話を申し上げるということではなくて、もっと完結した報告をしっかりいただいて、その上で私ども必要な監督上の措置を講じてまいりたい、このように考えているところでございます。
○若林正俊君 今なおトラブルが続いているように報じられておりますが、金融庁としては、いつごろ正常化するというふうに状況判断をしておられますか。いつごろには正常な状態になるというふうに考えていますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 二つ大きく分けてトラブルがあったわけでございます。一つはATMのトラブルということでございますし、もう一つは口座振替のトラブル、こういうことであったわけでございます。 ATMについては、九日、今週の火曜日でございますが、正常な稼働をしておるというふうに聞いておりますし、口座振替につきましても、二重引き落としのトラブルというものについては、同じく九日までに修復が完了したということを聞いております。 ただ、口座振替につきましては、早いうちに生じた処理未済のものがまだ残っているという状況でございます。もう例えば、おとといでございましたか、給料の振替というようなことについては、これは滞っていたものよりも先にもう処理をするというような処置を取ったようでございまして、今滞っているのは、さきのトラブル絡みで遅延をした部分、これについて四十万件程度残っておって、これを今後二、三日中に引き落とし完了にすると、こういうことであるというふうに聞いております。 ただ、じゃ、振替について完全な手続が終了するかというと、これは何かそのデータを当該の取引先にお返しすると、何か還元というようなことを言っておるようでございますけれども、そうしたものであるとか、あるいは顧客への結果通知というような処置も行った上で完結というようなことになるというふうに聞いておりまして、こういったものについてはなお二週間程度の時間が掛かるというような報告概要であるわけでございます。 正常化というふうに今、委員はおっしゃられましたけれども、私どもとしては、念には念を入れて正常化ということは言わないといけないと。五・十日であるとか、あるいは月末であるとか、あるいは月の初めの日であるとかというような、そういう決済が非常にロードが掛かる日をしっかり無事に処理できるかということを経てみないと、やはりちょっと、取りあえずの正常化ということすら言うのはちょっとちゅうちょをするという状況でございます。 そういうことであるというふうに我々の方は認識を持っているということでございます。
○若林正俊君 今まで例を見ないような巨大な金融機関、三つが合併をする、統合をするということでございますが、巷間言われておりますのは、二つが合併する、言わば二次方程式でも大変なところを、大きいところが三つ合併して三次方程式をきっちり解くようなものだと、だから何らかのトラブルというのは予想されていたことだというふうにも言われるわけでございます。 金融庁は事前に、このような巨大な金融機関の、合併によって巨大な金融機関がスタートを切るということについて、こういうコンピューターシステム上の不具合、トラブルが発生することを予見をし、このことについて特に関係金融機関三機関に対して注意を促していたというようなことも漏れ聞いておりますが、そのようなことがあったんでしょうか。ある程度その危険があるということは予見していたのかどうか、そのことを伺いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 金融検査マニュアルというものが、私ども九九年七月に制定させていただきまして、以後の検査というものは、この検査マニュアルによって金融機関の検査に当たらせていただいているわけでございます。 このコンピューターシステムについては、やはりそれ自体にリスクがあって、それがまた金融機関の円滑な業務の運用にとって非常に重要な要素になっているということで、検査マニュアル自体にシステムリスク管理態勢の確認検査用チェックリストということで、これ、一章を立て、よく不良債権問題について御議論をいただく部分は信用リスク管理態勢のところですが、それとは別個にシステム管理態勢のチェックというものも行われるということになっております。 みずほのグループにつきましては、私ども、昨年の三月に立入検査をして通常の検査をさせていただいておりまして、立入検査は六月に終了して、結果を十月に検査結果通知ということで御通知させていただいておりますが、そこでは、このシステムリスクということについても心配な点があるということを指摘をさせていただいたという経緯がございます。
○若林正俊君 起こってしまったことですから、まずは事態の早期な収拾を図って正常化するということに全力を挙げてもらいたいと思いますし、しかし同時に、これは日本の金融システム、信用秩序にも深くかかわり、内外ともに信用を失墜するというような事態であると思われますので、この間の状況はしっかりと把握をされた上で、該当金融機関はもとよりですけれども、金融庁内部においても、このようなことが再発することがないようにその責任を明確にしていく必要があると思います。 今日、みずほホールディングスの社長の前田さんにも来ていただいておりますけれども、私の時間限られておりますので、このことにつきましては、金融機関当事者としてどうかという問題はそれぞれ同僚議員の方に譲りたいと思います。 特別検査についてお伺いしたいと思います。 この特別検査のねらいは今更申し上げるまでもございません。我が国の金融機関、特に大手の金融機関に対します市場のいろいろな不安あるいは不信が長く報ぜられております。その意味では、市場の信頼を取り戻す、そういうねらいから大手行に対する特別検査を実施したわけでございますし、先ほど大臣の方から報告がございました。 こういうことによりまして、大手行、主要行の当事者と監査人であります公認会計士と行政が言わば一体になって問題企業についてその信用調査をし判断を下したということで、全体像が明らかになりましたので、これで日本の金融機関に対します不良債権を多く抱えているその不安というのはかなりの程度消えていくんじゃないかと思いますけれども、新聞情報ではなお依然として、銀行復活なお遠くとか、健全宣言の実は伴っていない、あるいは自己査定の甘さが露呈された、市場の疑念は晴れないなどなど勝手な批判も出ております。しかし、これは無視できないことだと思います。 そういう意味で、今後とも、金融システムへの懸念がぬぐえないという、そういう批判に対しては謙虚に耳を傾けて、しっかりと身を引き締めて対応してもらいたいと思います。 この結果の中身、いろいろな数字上にわたりまして私自身もやや疑問の点もございます。それと同時に、外への発表の仕方として、対象となった企業のメーンバンクの与信残高をずっと足し上げてきているわけでございますが、対象検査機関、対象企業に対します準メーンその他メーン以外の金融機関もかなりの程度与信しているわけで、そういう企業の不安というものが全体に反映するように、そういうこともあるんだというのを併せておっしゃっていた方が、更にディスクローズといいますか、不安に対する回答としては良かったんじゃないかなというふうに思うところでございます。 しかし、何はともあれ、ここまで来て明らかにされたことでありますので、このことは評価するところでございます。 そこで、この特別検査に関係をいたしまして、今後、より強固な金融システムの構築に向けた施策ということで、かなり思い切った対応策が講ぜられるように発表されております。これもそれなりに評価いたしておりますけれども、その中で、金融機関の合併の促進ということに触れております。特に、中小金融機関の体質強化のために合併その他の方策を講ずるということを言っておりますが、まず、合併その他の方策として具体的に金融庁はどういうような方向を考えているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 日本の金融システムを強固にしていかなきゃいけないということは、これは言うまでもないことでございますけれども、そのためには一番大事なことは何かといいますと、やっぱり収益性を始めとする財務、経営の基盤が強化されるということであろうと、こういうように思っております。 そういう観点から見た場合に、特に最近、加えまして、地域における中小企業金融の円滑化をもっと図るべきだ、こういうような声もございまして、そういう声にこたえていくためには一体どういうことをしたらいいだろうかと、こういうことを私ども考えておるわけでございますけれども、いろいろ金融機関のこのところの破綻とかそういったもの、あるいは融資の状況というようなものを見るときに、やはりもう少し、経営基盤というか資本の規模というか、そういうものも大きい方がそうした要請にこたえ得るという体制になるのではないかと、こんなふうに考えているわけでございまして、いろんな手法が、これは歴史的にも、例えば昭和恐慌のときなんというのは、もう最低資本金をばっと上げまして、それに付いてくるところだけ市場に残して、あとは、というような措置も行ったわけでありますけれども、私どもとしては、そういうことではなくて、若干脆弱なところはもっと強いところと一緒になるというようなことで、今言った地域の末端に至るまで強固な金融システムを作るということが大事だ。そういう意味で、合併の促進、あるいはこれから検討していく中で、もうちょっとほかのものもあり得るぞ、並行して取るべき措置があるぞというようなことを、やや幅広に検討していきたいということを今回明らかにさせていただいたということでございます。
○若林正俊君 合併の促進ということになりますと、地域の金融機関、特に協同組合金融機関の場合は大手とはまた別の難しい問題を一杯持っております。しかし、一方、そういう金融機関が合併を通じて体質強化しなきゃならないという要請も強まっておることは事実でございまして、もう積極的な取組が必要だと思っておりますけれども、このことについて、今日、信用金庫協会の長野会長さん、信用組合中央会の会長の田附さんがおいでいただいております。後ほどこのことについて、またこれからちょっと御質問いたしますが、そのことを含めましてお話をお聞きしたいと思います。 また、全国信用保証協会連合会の牧野会長にもお見えいただいております。牧野会長には、さきに行われましたこの特別保証でございます償還期が来ておりまして、予想された、設計したよりもなおいい状況で回収も図られておるというふうに聞いておりますが、この特別保証につきまして、返済条件の緩和というようなことが求められておりますし、また、昨今、不動産担保が担保力を失ってきていることとも関係しまして、売掛金債権の担保の融資保証制度を創設をしたわけですが、その実施状況についてお伺いしたいと思います。 なお、この中小企業金融に関係をいたしまして、私はかねてこう思うんですけれども、この中小企業に対する融資条件として、金利が二%から三%、せいぜい四%というような金利体系のほかに、一方、町の金融になりますと、もう二九%、三〇%近いようなものがあって、それに頼っている中小企業の人も非常に多いわけですね。どうしてこの中間の金利体系、例えば六%とか七%、八%というような中位の金融の仕組みというのが一般的にならないんだろうか。 と同時に、中小企業については、経営者に対する社長の個人保証のみならず、家族や親戚まで保証人を立てると。結局、もし事業に失敗をしますともう敗者復活できなくなるような、とことん夜逃げしなきゃいけないような状況にまでなってしまうと。こういうシステムというのはやはり直して、敗者復活も、チャンスが与えられるようにするということも念頭に置きながら、この担保保証の条件を緩める、あるいはリスクの高い、それの分だけリスクの高い分は金利で対応するという意味で、例えば七、八%とか、支払能力ぎりぎりまでリスクを取ってもっと貸していくというようなことが特に中小企業金融にとって必要ではないか、かねてそんな思いを持っております。 いろいろまとめてお話を申し上げましたけれども、このことにつきまして、まず信用金庫協会の会長さん、そして信用組合中央会の会長さん、そして保証協会連合会の会長さんに、時間が私は三十七分までということになっておりまして、もう限られております。一言ずつお話を伺って終わりたいと思います。よろしくお願いします。
○参考人(長野幸彦君) 早速でございます、お答えいたします。 金融機関の合併ということでございますが、私は必ずしも合併がすべて、最善の方策ではないというふうにまず思っております。ただし、現在のような経済構造、情勢の中で、ある一つの地域がこれは非常に疲弊したと、こういうような場合に、やはり多少地域を広くしておく、こういうようなことによって何とか、この地域は駄目だけれども、この両方合わせたら何とかこの地域の開発をやっていけるんだ、こういうことも一つあるんではなかろうか。 それからいま一つは、必ずしも経済規模が大きければいい、組織の規模が大きければいいということではございませんけれども、やはりこれからは人材の確保、育成ということが問題になってくるだろうという気がいたしております。そうなりますと、やはりある程度の規模を持って人材の確保、あるいはその中において育成をしていって、地域の開発あるいは中小企業の育成のためにアドバイスできる人材というものを持つ必要はあるだろう。 そういうような意味で、地域性、経済性の関連のある状況の中では、合併というようなことも当然進んでくるんではなかろうかと、こういう気がいたしております。 以上です。
○参考人(田附良知君) ただいまのお答えでございますが、私どもの業界はいろいろと業種あるいは地域、いろいろなものがございますので、必ずしも合併が即効率化につながるかという問題につきましてはやや疑問がございます。また、地域の組合の場合は地域性が非常に高い、強いということでございますので、その分だけ、広がりますと効率が悪くなる、サービスが低下するという欠点がございます。 ただし、今、長野委員のお話ございましたように、人材の問題というのは、合併あるいは業務提携によって人材の充実が図れるという点につきましては十分な効果があろうかと、このように考えております。
○参考人(牧野洋一君) 私に対しましては二点御質問がございました。 第一点の、金融安定化特別保証の返済条件の緩和、この状況はどうかというお話がございました。私どもとしては、金融安定化というのは平成十年度から実施をしているわけでございます。十二年の十二月以降、中小企業庁によりまして、特別保証にかかわります条件変更のガイドラインの改定、これを数次にわたって強く要請されてまいりました。 そういう方向で私どもとしては、安定化保証は百七十二万件、合計二十八兆九千億円、保証承諾をしているのでございますが、その中で条件変更の累計は、本年の三月末現在でございますが、十三万四千件、保証承諾累計七・八%と、こういう状況になっておりまして、我々としては精一杯今後とも努力をしてまいりたいと思っております。 第二点は、売掛債権担保融資保証制度の実績あるいは今後、こういうことでございます。 売掛債権担保融資制度は、先生方御案内のとおり、昨年十二月十七日から法律が施行され、実行されるようになりました。これで今まで現在、先週末、四月十二日まで現在で申込みは三百八十二件ございました。実は、一か月ほど前の三月五日現在では百六十九件で、約三か月で、非常に数は少ないんですが、そういう実績でございましたものを、この一か月間で倍以上にして処理を始めている、こういう状況でございます。 私どもとしましては、金融機関とか中小企業者、中小企業団体などに対して説明会、勉強会などを、あるいは広報活動を中心に普及に努めてまいったところでございます。柳澤大臣それから平沼大臣からも度々強い御指導をいただいて本日までまいっております。 ただ、本件につきましては、売掛金を譲渡担保にするという今までにない商習慣に対する風評被害とか、譲渡禁止特約解除に対する抵抗感が本制度の利用促進の弊害となっているわけでございます。特に、譲渡禁止特約解除については建設業などには影響が大きゅうございまして、今後、関係省庁におかれまして早期に協議を調えていただきまして制度の促進に結び付けていただきたい、かように思っている次第でございます。 我々といたしましては、今後も地元金融機関に対するアプローチを更に強化すると同時に、利用促進策を積極的に取り組んでまいりたいと、かように思っている次第でございます。
○若林正俊君 時間が参りましたのでこれでやめますけれども、このたび金融庁の方が、金融検査マニュアルの別冊・中小企業融資編というものをパブリックコメントに付しております。どうか、全銀協もそうですが、特に中小金融機関の皆さん方については、中小企業を対象にした金融機関でございますだけに、検査が厳しいから貸し渋りだ、言わば貸しはがしだと言われるような、そんな事態があるんだと巷間伝えられたこともありますが、ひとつ実情に即した金融の実施が行われますように、このパブリックコメントを通じてちゃんと遠慮なく注文を付けてもらいたいと、こういうことを要望し、中小企業に対する融資の円滑化についてなお今後とも御努力をいただきますようにお願いをして、終わりたいと思います。
○峰崎直樹君 今日、多くの方の参考人をお呼びしたわけですが、今、若林委員の方からも質問ありまして、私の要求をしていた参考人の方でもちょっと質問できない場合もあると思いますので、御容赦願いたいというふうに思います。 最初に、これは昨日の段階で通知をしておりませんでしたけれども、今日の段階で、マスコミ報道ですけれども、一点どうしても聞いておきたい。 塩川大臣、実は、スタンダード・アンド・プアーズが国債格付をワンランク下げたと。それは、日本の構造改革が遅れているということと、それからもう一つは、実は小泉内閣に対する支持率が低下したということが理由だというふうに報道では私は聞いているわけですが、財務大臣、国債を発行されている財務大臣としてどういう感じを持たれているのか、感想をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 一言で申しまして、非常に残念なことだなと思っております。 ムーディーズはもう引下げをいたしました。それに合わせてS&Pも今度引下げをしたのでございますが、その報告書の中に挙げておりますのは、財政構造の改革が進んでおらないということが一つ、不良債権の解消が進んでおらないということ、それからもう一つは、社会保障並びに貿易改革に対する要するに評価が低いと、こういうことなんですね。 一方、日本にもいいところはあるんだということは言っておるんです。それは、潜在的生産力というもの、経済力というものは相当やっぱり強いものがあるということと、通貨の普及率が世界で三番目の力を持っておるとか、だから一層の改革を進めてもらいたいということが結論なんですが、そのために一つランク下げるということなんです。 私は、これを受けて、やっぱり反省すべきところはきちっと反省すべきだと思っておりまして、今日の記者会見でも、これをやっぱり一つの示唆だと思うて受け止めておくということにいたしました。
○峰崎直樹君 柳澤金融担当大臣にお聞きしますが、大手銀行に対する特別検査の結果が出た後にこういう実は格下げということが、しかも、その中で構造改革の進展が遅れているという指摘があった。そうすると、これから日銀総裁あるいは財務大臣は、今週末ですか、G7で海外へ行かれますが、これは一体、格付会社だけの評価ではなくて、今回の特別検査というものの評価も、ある意味ではこの中に私は表れているんじゃないかという気がするんです。 その点について、このスタンダード・アンド・プアーズが格下げたことについて、この特別検査との関係ではどうだろうかということについて担当大臣の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 残念だということは塩川大臣と同じでございます。 金融セクター改革について、今、委員御指摘のように、今回の不良債権のというか、金融機関の特別検査の結果が自分の当初の見込みどおりでなかったということが理由になっているようですけれども、我々といたしましては、もう少しこの格付機関に対しての説明もこれからなおやらないといけないなというのが私の感じでございます。
○峰崎直樹君 これから、浸透度が足りないんだ、もっと理解をしてもらいたいんだ、こういうことなんだろうと思いますが、どうも市場の信認というのは、余り高い評価をされているのではないんじゃないかというふうに思えてなりませんが、今日はそのことを全体を通じて、また質問を通じて明らかにしていきたいというふうに思います。 先ほどちょっと、今、信用保証協会の問題、私どもの同僚が是非聞いていただきたいということがございますので、その点是非、信用保証協会の会長でございます牧野さんにお尋ねしたいわけでありますが、中小企業に対する銀行の貸し渋りだとか貸しはがしというものは、信用保証協会というところにおられて一体どういうふうにごらんになっているのかということについてお聞きしてみたいと思いますが。
○参考人(牧野洋一君) お答えを申し上げます。 最近の中小企業に対します民間金融機関の貸出し状況につきましては、平成十年ごろの未曾有の信用収縮の時期ほどではないものの、昨年に入りましてまた再び厳しくなってきていると、このように認識をしております。 具体的には、中小企業庁が毎月実施をしております中小企業への貸出し実態調査、これを見ますと、金融機関の貸出し姿勢が厳しくなったとする中小企業の割合が平成十年十月には三五%にまで達しておりましたが、その後急速に改善をしまして、平成十二年の九月には一九・四%まで低下をいたしました。しかし、その後また上昇に転じておりまして、今年の三月の調査では二五・六%まで戻ってきている、そういう状況にあると私どもは認識をしております。 こうした状況の中で信用保証協会といたしましては、資金調達に苦慮する中小企業者の方に対して親身かつ迅速な対応に努めているところでございます。いわゆるセーフティーネット、金融機関破綻関連の保証その他六つございますが、このセーフティーネット保証は十二年度の合計では一千百億でございますが、十三年度では三千四百億と、三一一%、三倍強になっていると、こういう実態もございまして、そのような状況で私は承知をしております。
○峰崎直樹君 金融担当大臣にお聞きしますが、これは、いわゆる公的資金注入行に対しては、中小企業への貸出しについては計画的に増やすようにと、こういうある意味では指導をされていたと思うんですね、計画を。これはどうも守られていないんじゃないかと。 新生銀行に対してかつて業務指導をされましたけれども、その後の展開はどうなっておりますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 金融機能早期健全化法におきましては、当時のいろいろな御審議の中で、資本注入をするからには金融の疎通というものの向上を図るべきだ、なかんずく中小企業者に対する貸出しについてはその円滑化を図るべきだということの中で、私ども、資本注入に当たって御提出をいただいた金融機能健全化計画、こういうものについては、中小企業貸出しの推移をそこに計画として掲げるようにということを要請をし、そのような運用が実際行われているわけでございます。 ただ、ここのところで、そういう計画を鮮明にしてその実績も示していただくということの中で、そういうプロセスの中でパブリックプレッシャーというものをやはり掛けていただくということでもってその今言った目的を追求していこうというのが基本でございます。計画経済のように、この貸出しを計画どおり実施しろといって、その実現を強制する、あるいは義務付けすると、こういうことはやはり私どものシステムになじまないということで、そういうようなパブリックプレッシャーの下での遵守ということをお願いしてまいったわけでございます。 ただし、そうは言い条、そういったことに対しての行内の体制の整備であるとかということが明らかに欠けているというようなことについては、これは改善をしてもらわなきゃいけない。こういうことはかねてから、金融再生委員会当時から言っておるわけでございまして、御指摘のこの銀行につきましては、そういう観点から私ども業務改善命令を発したわけでございます。その後、当該銀行は体制の整備に取り組みまして、それを実現し、そして計画の完遂に向けて格別の努力をしてもらっていると、こういう認識を持っております。
○峰崎直樹君 大臣がおっしゃっていること、私非常によくわかるんです、その点では。そういう意味で、むしろ、私ども櫻井議員を中心にして作りました金融アセスメント法案、すなわち、それぞれの金融機関がどういうところに貸しているかということのいわゆる情報を開示することによって、この銀行は非常に地域によく貸し出しているね、この銀行はNPOを大切にしているねと、あるいはこの銀行は環境問題には非常に熱心だねとか、そういうことが非常に分かるようにしていって、情報開示を通じて明らかにしていった方が私はよりある意味ではいいのかなと思っておりますので、この点は是非、我々の出している金融アセスメント法案をこの場でも、もし必要であれば修正協議など応じますので、論議をして通していただければというふうに思っているところでございます。 さて、本題に入ります。 特別検査の問題に入っていきたいと思いますが、そこで、特別検査のまず対象なんですけれども、主要行の要注意先債権の四十八・五兆の四分の一、約十二兆ですが、しかもそれは要注意先ではなくて、本来ならば正常先も入っているんですね。そうすると、非常にこれは対象が限られてやしないか、範囲がですね。しかも、株価や外部格付などの著しい変化が生じているなど大口債務者と、こういうふうに規定されているわけでありますが、そうすると、例えば株式を上場していない会社、あるいは、かつてよくありましたね、いわゆる銀行がペーパーカンパニーを作ったり、あるいは不良な資産を横に逃したり飛ばしたりするような、そういう、いわゆるなかなか我々には目に見えないけれども、そういうところのいわゆる不良債権というのは結構私は重要なところがあると思うんですが、そういう全体の不良債権全体を見たときに、そういったところがやはり落ちてやしないかなと。 そういう意味で、全体の不良債権の実態を正確にとらえているとは言い難いのではないかという批判があると思うんですが、この点は柳澤担当大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この特別検査というものがそもそもどういういきさつで始まったかといえば、これはもう委員はつとに御承知のとおりでございまして、ある大手企業が、大手の小売業でございますが、これが非常に格付機関の格付の急速な低下をもたらした、そういうことが起こったということで、それから幾ばくもなく破綻をしてしまったという事態に私ども直面しまして、これはやはり不良債権の認識についても同様なことが起こらないようにしなければいけないと、こういうことを考えまして、私ども通常は、金融検査というものは確定決算を、直近の確定決算を基準日にして、そこでの自己査定というものが適切に行われているかどうかということを検査するというのが大原則なんですが、この大原則の例外として、次に行われる、つまり、次に行われる決算のための自己査定の作業に我々の方もある種の関与をして、先ほど若林委員の方からもございましたように、銀行の当事者、それからまた外部監査人たる監査法人、それから我が方、この三者でもって自己査定の適切性を図っていこうと、こういうことでございまして、そういう事柄の経緯から、市場の評価、これが急速に下がったもの等を対象にするということで始めたわけでございます。 そういうことが今回の検査の眼目でありまして、不良債権全般の、例えば非上場、市場の評価も、市場が、そういう公開をしていないために市場自体が何も特別な評価をしているというようなことではないというようなものについては、これはもう一般の不良債権というか、自己査定での検査というもので本来取り組むべきものなのであるというふうに私ども考えているわけでありまして、私どもが特別検査ということで、いきさつからして我々に求められているということについては十分こたえたものになっているという考え方をいたしているわけでございます。
○峰崎直樹君 その全体の不良債権の問題は、この間のこの委員会でも少し議論して、引き続きやらなきゃいかぬということになっていたわけでありますが、そこで実は、昨年十月二十九日から始まったということなんでありますが、改革先行プログラム、昨年九月二十一日に出されました。この中では、不良債権の問題について、特別検査で破綻懸念先に区分されるに至った債務者については、速やかに、私的整理ガイドライン等による徹底的な再建計画策定、民事再生法等の法的手続による会社再建、三番目にRCCなどへの債権売却等のいずれかの措置を講ずることを求めると、こういうふうになっているんです。 今回、このプロセス、すなわち、私、金融庁にいろんな資料請求しても来ないんです。例えば、デット・エクイティー・スワップというのは何社ぐらいやったのか、あるいは債権放棄はどのぐらいやったのかということがなかなか出してもらえないんですね、今回の特別検査で。いや、それは明らかにしたらそれは全部どこだということがもう分かっちゃうからだということで出さないんだということなんだそうです。 しかし、いずれにせよ、このいわゆる特別検査のプロセスの中で、どうもここの企業はもうこれはあれですよと、破綻懸念先ですよというやり取りの中でデット・エクイティー・スワップを使ったり、あるいは債権放棄を使ったりしている事例が出るんですね。 でも、これは実は、いわゆるこの九月二十一日の方針の中では、いずれにせよそうなったときには私的整理、すなわち債権放棄とかそういうことについてはやらないと。つまり、いわゆる公平性とか、そういうものを担保するためには私的整理ガイドラインと、これは金融庁も肝いりになって作ったんじゃありませんか。こういうものが何ら使われていないんじゃないか、何らと言ったら変ですね、例えば二、三使われたという事例は新聞でも報道されて分かりますが、いずれにせよ、このいわゆる私的ガイドライン、これをなぜ採用されなかったのかな。どういうふうにお考えなんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この私的整理のためのガイドラインでございますけれども、これはもう委員先刻御案内のいきさつでもって策定されたものでございます。 ただし、そのガイドラインそのものに書いてあるわけですけれども、すべての私的整理がこれによることは必要ないんだということが書いてあるわけでございまして、この私的整理ガイドラインは非常にもう破綻に近づいたようなケースということを私今感じて読み取っているわけでございます。 それはやっぱり、保全のための一時停止、つまり債務者への支払を停止してしまうんでございます。そういうようなことが適した、ふさわしい状況にないものであっても、やはりこれは整理を進めないと市場の評価がなかなか得られにくいんではないか、こういうようなものについてはそういう、そういうものまで一時停止をして、これはもう非常に大問題でございますよと、債権者の皆さん考えて、とにかく債務の支払は一定期間これ停止しますからねというようなことでなく処理をするということも当然私はあり得ると思うわけでございまして、そういうことで、私は、一番大事なのは、再建計画を作った場合の再建計画の合理性、それから再建計画の実現可能性、これがもう最も大事であって、こういったものについての考え方についてはさんざんガイドラインの策定時に御議論をいただいたその精神を酌み取ってこの策定を求めていく、こういうことが大事であるというふうに考えておりまして、必ずしも形式的にすべてこのガイドラインどおりのプロセスを経なければならないというものでもなかろうと、このように考えているわけであります。
○峰崎直樹君 それじゃ、なぜこの改革先行プログラム中間取りまとめの中でそういうことが書かれていないんですか。これは閣議決定したものではないですか。 竹中大臣、ちょっとお伺いしますが、この種のものは経済財政諮問会議でもこれは整理をされてきたわけでしょう。そして、いわゆる私的整理というものについて、かつて債権放棄、デット・エクイティー・スワップはちょっと別にしましょう、債権放棄をやられると、一生懸命自力で頑張っているところと債権放棄をされたところが実は同じレベルにならないじゃないかということで、これはやはりイコールフッティングにならないね、不公平だねと、だから私的整理のガイドラインを作ったんじゃないですか。それを適用しないで、また実はこれは破綻懸念先ですよと言ったら、いや債権放棄だ、デット・エクイティー・スワップだということを通じて今回実はこのような結果になっているわけですね、そのプロセスをいえば。 そうしたら、これはほとんど実際問題、本当に今大臣がおっしゃったように、胸を張ってこれは我々としてはきちんとやりましたというようなものじゃなくて、また元へ戻っちゃったんじゃないですか。その点についてはどのように大臣お考えでしょうか。もし、竹中大臣も、たしかこれは経済財政諮問会議を通じて明らかになっているのであれば御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと峰崎委員はいきさつのことを思い違いなさっているんじゃないかという感じをしながら私はお聞きしました。 このガイドラインは、要するに、私がもっと何で整理が進まないんだということを問題にしたわけです。オフバランス化のために、もっと整理がどんどん進まなきゃだめじゃないかということを申して、そのときにヒアリングを掛けたわけです。どうしてもっと話がうまく進まないんだと言ったら、複数債権者の話がなかなかまとまらないんですよということです。一つ。 それで、それにはじゃどうしたらいいんだろうかということの探求の中で、それはもういろんな意見出ました。一種の仲裁機関みたいなものがあった方がいいなとか、もっとRCCがその采配を振るってもらうといいなとかいうことの中で、一つガイドラインというものを作ったらどうなんだろうかというアイデアもあったわけです。 そういう中で、INSOLというものが実はあるぞということになって、そのロンドンアプローチのINSOLを追求していって、とにもかくにもそういうものも一つ作っておこうということで、それはやっぱりあの事情によく通じた方々が作っていただくのがいいだろうと、役所の側はオブザーバーがいいだろうということででき上がったのがこのガイドラインでありまして、やっぱり作っていく過程では法律家の御意見というのが非常に強く投影されたと思うんですけれども、先ほど言ったような、ちょっとストップ、債務の履行はストップだというようなプロセスが入ったものができ上がったわけです。 それはそれで立派なもので、特に議論の経過も我々には非常に参考になったところでありますけれども、そのガイドラインにもあるように、必ずしもこれにすべてのケースが依拠しなくて当然よろしいんですということが書かれてあったという辺りのことをひとつ参酌して御議論を進めていただきたいと思います。
○峰崎直樹君 いやいや、私が言っているのは、この改革先行プログラムの中で、いわゆる破綻懸念先に分類されるところは、やるなら、私的整理の場合にはいわゆる私的整理のガイドラインに従いなさいよと言っているんです。ところが、実際問題やられているのは、債権放棄だとかあるいはデット・エクイティー・スワップだとかという形でやられてきているんではないんですかと。事実でしょう、これは。明らかにしてくれないんですから。 問題は、そうした方がいわゆる引当金を、例えば要管理からこれは破綻懸念先に積み増したときには恐らくお金が余計掛かるんでしょう、銀行にとってみれば。そうしたら、むしろそれは債権放棄して要注意にその債権を下ろした方がはるかに安く済むという事例が出てくるんですよ。デット・エクイティー・スワップもそのように使われているんでしょう。だから、その意味では、この私的整理のガイドラインに沿ってやりましょうというこの改革先行プログラムは、何のためにこれは書かれているんですか、それでは。そのことを先にお聞きしたい。 これはどっち、竹中さんはこれは最後確認されたんでしょうか、それとも金融担当大臣なのか、ちょっと聞いてください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) まあ原案はうちから出ておりますから、原案作成者の立場でお答え申し上げますが、ここにも書いてあるように、この字句で私くたくた講釈言いたくないんですが、しかし一応字句を先生おっしゃるので、「私的整理ガイドライン等による徹底的な再建計画策定」と書いてあって、ガイドラインは一つの当時システムとしてきちっとあったものでございますから、そういうものを例示したということでございます。 もちろん例示というのはワン・オブ・ゼムだとかなんとかということじゃなくて、ここで御議論されたことは十分我々参酌すべき精神であると、このことについては間違いないところでございます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には今、柳澤大臣がお答えになったとおりだと思います。 プログラムの取りまとめの立場から、これはまあ一般論的なお話になると思いますが、基本的には、企業がバイアブルかノンバイアブルかということを責任を持って判断する、バイアブルな場合は、どのようなやり方が結局のところ費用が最小になるかということを判断すると、それに尽きるんだと思います。ここでの書き方も、これはもう文言の話になってしまいますが、今お話にありましたように私的ガイドライン等による徹底的なということでありますから、そういったことも含めた総合的な判断をするというようなことをこのプログラムの中では書かせていただいたつもりであります。
○峰崎直樹君 お二人とも公平性という問題が、このいわゆる私的ガイドラインというものの、これを作らなきゃいけないというふうになったときには、あちらこちらから、債権放棄をされるところとそうでないところが何で同じ土俵でやらなきゃいけないのとか、いろんな、私たちにも来ているわけですよ。 その意味で、このINSOLの八原則も我々も知っていますが、そういうものを通じてできる限り私的整理する場合も公平性を担保していこうじゃないかということで作って、それをわざわざこの改革先行プログラムにまとめたんでしょう。それがほとんど使われなくて、実際問題その債権放棄、今、竹中さんおっしゃいました、本当にそれが、将来的にそっちの方が安く済むのか高く付くのか、我々はそのデータを持っていませんので判断できません。 むしろ、一般的に市場で言われているのは、そうした方が銀行の体力をそがないから、目先、お金が、積み増すことが少なくて済むからそうなっているんじゃないのかということの疑いすら持たれているわけです。そういう疑いを晴らすためには、この私的整理の原則を基本的にやはり進めていこうと、こうなっていくのが当たり前の話じゃないかという気がするんですよ。 私はその点で、この問題について金融庁に要請しているんですよ。債務者区分の下位遷移について明らかにすべきだと。つまり、例えば要管理から今度は要注意になったとする。あるいは要管理から正常になったものもあるんでしょう、上位になったものも。なぜならば、デット・エクイティー・スワップやあるいは債権放棄を使って、これはもう良債権になりましたと、こういうものも出てきているんでしょう。ところが、これは全然明らかになっていないんです。これを明らかにしてくださいと言っても、明らかにしない。風評が出るかもしれないと言っているんです。そんなことないですよ。風評出るんだったら、もうとっくの昔に、もう新聞やいろんなところで出てきていますよ。 ですから、そういう意味で、今お話を聞いていても、本当にこの特別検査なるものが、きちんとした原理原則で本当にやられたんだろうかというふうに私たちは疑問に思えてならないんです。 なぜそういうことを言うかというと、去年のいわゆる十一月の二十六日、高木金融庁監督局長、前回も別件でお呼びしました、今日はお呼びしておりませんが。何とおっしゃっているかというと、いよいよ特別検査に入ろうとしているやさきに何と言っているかというと、これは、公的資金の再注入は必要ないのかと言ったら、大手銀行全体で仮に一兆円の処分が出ても云々言って、検査前から結論があるわけではないが、自己資本比率は平均一〇%を維持するだろう、特別検査の結果、過少資本に陥ることはない、こういうことをいわゆる日本経済新聞で御本人が答えられているわけですね。 さらに、今日はお見えになっておりませんけれども、森金融庁長官は、去年の、これは全銀協の、大手行の皆さん方との会談の日でしょうか、同じように、特別検査を受けられる皆さん方におかれても、これは要注意ですということを説得していただければ、それを我々は確認できればよいということなんですよと。これは何度も取り上げられた会話です。 こういうものからしても、全体として今度の検査というのは、特別検査というのは、どうも銀行の自己資本比率八%をクリアできていればほぼ大体大丈夫だ、こういうものから逆算して作っていったんじゃないのかというふうに疑われているわけですよ。 そこで、金融考査もやっている日銀総裁もおられますし、竹中大臣にもお聞きいたしますが、一体、今のような特別検査を、本当の意味でこれは市場に対してもきちんとやっているかということについてどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。 特に、竹中大臣、この二月の二十七日に決めました早急に取り組むべきデフレ対策、この中に、特別検査の状況を踏まえて、問題企業については、市場に評価される再建計画を策定、法的手続による会社再建等による速やかな処理を実施すると、こう書いてあります。市場に評価される再建計画の策定ということなんです。今回の特別検査についてはそういう評価になったのかどうなのか、この点について竹中大臣の、そして日銀総裁もこの間ずっと銀行の不良債権問題についてかなり私は厳しい御指摘をしておられたと思いますが、このいわゆる特別検査によって、もう日本の大手行を中心とした金融機関は大丈夫だ、公的資金を入れる必要はない、この点についてお二人にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、検査そのものが信頼に足るような形で行われたかどうかという一般的な御質問に対しましては、これはもう当局が行うことでありますから、私たちはその当局において厳正な検査がなされてあるというふうに考えております。これは、柳澤大臣御自身も事あるごとに御説明くださっていますけれども、金融庁の中においても検査部局の独立性というのを非常に重視して、その中でその検査というのが厳格に行われたというふうに聞いておりますし、金融機関の幾つかのところといろんな形で私たち意見の交換はございますが、その中でも検査が非常に厳しく行われたというふうに伺っております。その意味では、検査そのものが厳格に行われたということに対して、私は高い信頼性を持って見ているということを申し上げておきたいと思います。 その中で個別具体的な話になってきますと、その個別の大手の債務者についての個別の再建計画がどうであるかどうか。これは市場に評価されるということでありますから、これは正に市場で評価いただくべき問題なのだと思います。 そういったことを含めて総合的に、実は今夕の経済財政諮問会議で、柳澤大臣にもおいでをいただきまして、この金融特別検査の結果とその銀行の問題について更に議論を深めることにしておりますので、そうした中で、基本的に申し上げますが、検査は非常に厳格になされたというふうに思っておりますが、それを受けたデフレ対策の在り方というのを議論を深めたいというふうに思っているところであります。
○参考人(速水優君) 特別検査が実際どのように実施されたか具体的に承知しているわけではございませんが、これによりまして主要行の不良債権処理が促進されたということは事実でありまして、この点、高く評価いたしたいと思います。ただ、景気の状況とか構造改革の進展を踏まえますと、今後も、新規の不良債権の発生とか、既存の不良債権が更なる劣化を続けるというような可能性も高いと思われます。 各金融機関におかれては、今回の結果も踏まえつつ、特別検査の対象企業はもとよりのこと、それ以外の企業につきましても経営・財務状況をチェックする必要があると思います。また、そうしたチェックを踏まえまして、不良債権が適切かつ迅速に処理され、資産内容を改善するなど、収益力の強化に向けて一層の自助努力をしていただきたいものだというふうに思っております。
○峰崎直樹君 今、最後に収益力の向上とおっしゃいました。前回からずっとお話を聞いていて、例えば繰延税金資産の問題にせよ公的資金の導入にせよ、これは本来的な資本、ティア1に入っているけれども本来的な資本じゃないんじゃないかというときに、日銀総裁はそれはもうバーゼルの委員会で、ティア1に入れることについて、それはある。しかし問題は、それがちゃんと銀行が収益を上げてその分を返せる、そして繰延税金資産でいえば、これはちゃんと利益上がって過去の税金の払い過ぎの分を戻してもらえる、そのために収益上がらなきゃ駄目だということですよね。 そうすると、この収益が余り上がっていないということについて、これは一体どういうところに原因があるのかということについては、これは少し明らかにしておく必要があるんじゃないかという気がするんですね。 最近、金融機関の中でビジネスモデルの改革ということをおっしゃっているんです。柳澤担当大臣、そういういわゆる収益の改革に向けて今金融機関、後ろに全銀協の会長やいろいろおられるんですが、本当は一つ一つお聞きすれば一番いいんですが、今その改革に向けて何らかの新しい動きというのは始まっているんでしょうかね。その点お聞きしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) まあ一般論としてですよ、日本の金融機関は収益力が弱い、こういって言われているわけですけれども、それを腑分けして言いますと、やっぱり預貸の利ざやが薄いんですね。それが一つ。それからまた、預貸の利ざやとその与信費用というか与信費用比率、こういうもの、つまり不良債権処理損率ですね、こういうものを比較した場合にも、今現在は非常に与信費用比率高いですから、非常に利ざやの薄さというものが更に目立つ形になるというようなこともございます。 そういうようなことと、それからまた、欧米の先進の金融機関と比べると、やっぱり資産を活用した収益に依存している、資産を活用しないいわゆるフィービジネス、手数料収益というものがやはり相対的にウエートがちっちゃいんじゃないかというようなことも言われている、これはもう、本当にもう一種のコモンセンスでございますけれども、そういうことを言われているわけでございます。 そういう中で、我が金融機関は一体どうしているかといえば、これはもう御案内のとおりでございまして、公益性などといって何となく横並びで、余り金融機関がもうけちゃいけないじゃないかというような雰囲気が正直言って今まであったものを、もうそんなこと言っていられないということで、金融機関ももうけさせていただきますよというようなことで、先ほど来お話にも出ている信用リスク相当分の金利というものを上乗せしていただきますというようなことが随分進んでいまして、この点は私は、逆に友人の、債務者の方から聞きまして、このごろもう銀行は大変だと、金利を上げろ金利を上げろと言ってくるよというようなこともエピソード的に聞いておって、今一番力を入れているのはそこだよというような話も聞いておって、そういう努力の跡は十分見られるということでございます。 また、フィービジネスについては、もうちょうちょう、委員のような御専門の方には申しませんけれども、できるだけこれを上げていこうということであるというふうに考えております。
○峰崎直樹君 今のその問題について、本当は、実は一%の、前回もちょっと議論になりました一%の利益も出せないようなそういうところに対して、実はキャッシュフローが回っているとその銀行は、ある意味では、企業というのは存続できているというような実態があります。 さあ、これを二%、三%という、リスクが大きい企業であればあるほど高い利率を請求しなきゃいかぬようになったら、どんどんこれは企業倒産していくんじゃないかなというふうに思えるんです。でも、そこをあえてやらなきゃいけないというのが多分今の実情なんだろうというふうに思っていますが、その問題についてはちょっと別にいたしまして、もう時間もありませんから、ひとつ総合的に柳澤金融担当大臣にお伺いいたします。 これで四月一日からペイオフ入った。そうすると、普通預金は別だといえば別であります、来年になりますが。そうすると、大手行の特別検査をやりました。それからこの一年間、この三月三十一日までも信用組合も含めて全部検査をやりました。これで日本の金融機関の、実は全体的に見て、大手行だけじゃなくて、これで信用システムといいますか、信用不安といいますか、そういうものの不安というものは、信用リスクの不安というものはこれで解消されたというふうにある意味では判断をされているのかどうか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私がペイオフの解禁のときに申し上げたことというのは、我々がペイオフを迎えるに当たって金融検査をして、場合によっては、大変残念だったんですが、金融機関において整理をさせていただいたところもある。そういうような結果として、要するに健全性の基準を充足した金融機関ばかりと、すべてがそういう金融機関であるという形でこの新しい時代に乗り出しましたということを申させていただいたわけです。 その後、それは当然、そんなその次の日に倒れてしまうなんということは、これはまあ常識論としてないわけですけれども、これからの経済、生きている経済の中でどういう金融機関になっていくのか、このことについては、私は、これまでの株主であるとかあるいは市場であるとか、いろんな人の批判の目に加えて、預金者の目までその金融機関について非常に監視の目が行き届くようになる。そういうことを受けて、経営者というものが、金融機関の経営者というものが本当にもううかうかしてはいられませんよと、一刻たりとも。そういう形で、それではどうしたらいいんだ、私のこの金融機関を生き残らせ、しかもみんなのお役に立つようなもの、これ支持がなければ生き残れません。そういうような金融機関になるにはどうしたらいいかということを、もう二十四時間血道を上げて考えてもらいたい。 こういう体制になることが金融機関の構造改革なんですよということを申し上げたわけでありまして、もちろんそういう中で金融監督の当局が責任がないなどとはこれは口が裂けても申しませんで、そういう努力と客観的な事態を常にウオッチをしていく、こういう体制が本当に日本の金融機関を強くしていく体制、甘えの余地があったんでは強くなれませんというのが我々の新しい時代なんだということを申させていただいているわけであります。
○峰崎直樹君 そうすると、今回、特別検査も踏まえて、一応健全性という点では現段階においては一応担保できる、こういう判断でよろしゅうございますね。 そうすると、これで、デフレ対策としてかつて、二月の初旬でしたでしょうか、もう本当にブッシュさんが来られたころは大変だったわけでありますが、この結果、今の日本の金融機関は健全だと。その上で、いよいよデフレ対策、あれで、前回の二月二十七日で終わったわけじゃないわけですね。まさかあれだけで終わったわけじゃない。そうすると、デフレ対策、この結果を踏まえて、今、柳澤大臣がおっしゃったように、健全だとこうおっしゃったことを踏まえて、一体デフレ対策としてはどんな内容を打ち出そうと考えておられるんでしょうか。 まず、それは経済財政担当大臣にもお聞きしたいと思いますし、財務大臣には特に、新聞でしか私ども知り得ないんでここで明らかにしていただきたいんですが、税制改革、その基本の中で、減税を先行したっていいでないかという発言が随分高く取り上げられた。今までは、いや減税ならちゃんとどっか財源をよこして、まあニュートラルだというような議論をしておられたのに、減税先行論に変わられたということで、これは石会長もかつて、いやデフレ対策で税制改革なんて余り聞かないよと、こうおっしゃっていましたけれども、そこら辺を含めて財務大臣にはお聞きしたいし、日銀総裁は、デフレ対策として、もし、この特別検査あるいは日本の金融機関というものは健全だという前提で、どんなことをお考えになっているのか、お三方にちょっとお聞きしてみたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) デフレを克服するためには、政策を総動員することが必要であると。何よりも経済活性化がその前提でありますから、その経済活性化に関しては、今、峰崎委員も御指摘になりました税制の改革を含め、ないしは経済産業活性化戦略を含め、今、諮問会議で議論していることを粛々とやっていくと。六月を目途に取りまとめを行うことになっておりますので、それを進めるということが何よりも政策の基本としては必要であるというふうに思っております。 その上で、とりわけ金融に着目して二月の末にデフレ対応策ということを取りまとめたわけでありますから、金融に関しては次のような位置付けになるかと思います。 今、健全であると。健全であるから、じゃ、どうするんだというお尋ねでありますが、健全という意味にも幾つかの健全があるのだと思います。危機を起こさないという意味で健全であるということでありますが、現実問題としては、日銀がハイパワードマネーを三〇%増やしても、ベースマネーを三〇%増やしてもマネーサプライは三%台しか増えない。そこにやはり金融仲介機能がなかなか難しい問題を抱えているという問題は現にあるわけでございますから、危機を起こさないという意味での健全性から、更に構造改革を担えるような強い金融システムを作っていくという意味での一歩踏み込んだ健全性に向かってどのような政策が必要かということを議論すると。それがデフレ対応策の中にも私は入ってくるのだというふうに思います。 経済の活性化そのものについては、税制の話、経済活性化戦略の話、これは財務大臣にもお答えいただけると思いますので特に触れませんが、金融に関しては、今申し上げたようなより強いロバストな金融システムを作っていくということが必要な段階だというふうに思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、減税先行でもいいということを言いましたのは言っております。 ただし、そのときに私ちゃんと条件付けてあるんです。それは二つの大きい条件付けてあって、これからの産業の向かう方向を明示し、それに活性化を付けるために必要であるとするならば、減税先行でも結構だということが一つの条件。もう一つの条件は、一定期間内において減税をやるが、先行しても、それに対して財政上の均衡を取るために必ず増収策も同時に示してもらっての減税先行でなきゃならぬ。この二つはちゃんと言っておるんですから、ですから、減税先行とスローガンだけ言われたら、私にとっては非常に迷惑だと思っております。 そこで、それじゃ減税先行で何を減税するのだというお尋ねでございますから、私は、今まで経済財政諮問会議は主として財政構造の在り方、そしてまた将来に向かってのグローバルな政策についての議論をしてまいりましたけれども、今やっぱり必要なのは、日本の産業はどのように構造改善していくのかという、その構造改善の方向を明示していく必要があるんではないかと思っておりまして、それがために四分野を示した。そうならば、その四分野を示した、これは説明せぬでも御存じですね。その四分野に対してどのような減税措置を講じてインセンティブを与えていくかということを明示するということを私はやっていきたいと、こう思っております。 それともう一つは、私、研究開発の分野、これは非常に減税措置といいましょうか、効果が出てくると思いまして、これに対するものもいたしたいと、こう思っております。 余り答弁長いのでやめますが。
○参考人(速水優君) 日本銀行は引き続き、デフレ脱却に向けて、潤沢な資金供給を通じまして市場の安定と緩和効果の浸透に全力を挙げていくつもりでございます。同時に、このような金融緩和が力強い効果を発揮して日本経済がデフレから脱却するためには、金融システムの強化、経済・産業面の構造改革、これらを進めて民間需要を活性化させていくことが最も重要だと、不可欠な要素だと、事柄だと思います。 今後とも、各方面における構造改革への取組が粘り強く進められることを強く期待いたしております。
○峰崎直樹君 塩川大臣、私は、実は消費税引上げのときに当時は与党でございました。そして、要するにある意味では減税先行でやったんですよね。結果は、もちろん消費税引き上げて大変な問題になったわけでありますが、このいわゆる減税を先行させて後で必ずその分は増収していきますよというのは、これは残念ながら、我々政治家を卑下するような感じなんですが、なかなかこれは大変だと思います。私は、それは余り考えられない方がいいんじゃないかなというふうに思っている一人なんですが。しかし、いずれにせよ政策的に減税を先行させたいということで出されたということについては、恐らくこれは三十兆円枠とどういう関係があるのかなとか、いろいろまた出てまいりますが、これはまたいつか議論させていただきたいと思います。 そこで、もう残り時間が、私の与えられたものが少なくなりましたので、塩川大臣、九七年十一月の山一証券の特融、これはどうなっています。何か産経新聞を読むと、大蔵省はこれをちゃんと日銀に、日銀特融に対して払いますよと、こういうふうに言っているんですが、本当に払うんですか。
○副大臣(尾辻秀久君) ただいまの件でありますけれども、今、資産処分や訴訟手続を始めとする破産手続が続けられておるところでありまして、終了するまでには更に時間を要するものと考えます。したがいまして、この日銀特融の最終処理につきましては、今後の破産手続の進展を見極める必要がある、そういうふうに考えております。
○峰崎直樹君 要するに、払うんですね。そこを、要するにそこだけちょっと教えてください。
○副大臣(尾辻秀久君) 申し上げましたように、今、手続の最中でございますから、これを見極める必要がある。今申し上げるわけにはまいりません。
○峰崎直樹君 何の手続に入っているんですか。
○副大臣(尾辻秀久君) 資産の処分、それから訴訟手続、訴訟も続いておりますので、今ここでそういうものが続いておるさなかに私どもが何かを申し上げるわけにはいかない、こういうことを申し上げているわけであります。
○峰崎直樹君 塩川財務大臣、これ衆議院で宮澤大蔵大臣が答弁されていますよね、当時。それを守るか守らないかということで、守るということでいいんですね。
○国務大臣(塩川正十郎君) 当時の宮澤大蔵大臣が答えておられますことは、これはやっぱり政府として責任ございます。ですから──いや、ちょっと待って下さい、そこが大事なところなんでございます。ですから、先ほど尾辻副大臣言っていましたように、早く事務的に煮詰めなきゃならぬ。けれども、残債が一千数百億円といったらこれなかなか大きいですから、補償基金だけでこれをかばっていくということは難しいでしょう。いずれは政府も関与しなきゃならぬ。そこらの持ち合いをどうするかということが私は必要であろうと思っておりまして、取りあえずこの残債の処理も必要ですけれども、この手続をきちっとしてもらわなきゃ、これを議論にすら入っていくことはできないということでございますので、急いでやっていきたいと思います。
○峰崎直樹君 そこで、これ四月一日から健全だということなんですが、しかし市場の皆さん方とかいろんな関係者の話をしてみると、余りそれは信じておられないんです。例によって、また金融庁、銀行の体力を推し量ってやったんだなということで信用していない。ですから、金融機関を、どの金融機関が安全かどうかということの選別も、さっきおっしゃったようにすごく厳しい目で見られると思うんですね。ですから、その意味では金融機関、今日も全銀協の方もあるいはみずほの方もお見えになって、どうやって自分たちの健全性というものをやるかという意味でのプレッシャーというのは確かに働いていると思う。働いていますが、これ先ほどの大臣の確認で、これでもし万が一というか、今日もみずほの前田頭取もおいでになっていますけれども、今回のようなトラブルといいますか、後で私どもの大塚委員が質問をいたしますから、みずほの問題について、こういう問題が実は決済すらまともにできなかったんだってよというようなことになってくると、その銀行に対する大変やっぱりある意味では不安感というものは増してくるわけですね。 そういう問題なんか起きてきたときに、さあ、もう健全ですよという状況ですから、当然問題になってくるのはシステミックリスクよりも流動性に対する、すなわち風評によってどうもあそこは危ないようだよというふうになってくると、流動性リスクというものが出てくると、これは当然のことながら日銀に、第三十八条ですか日銀法、日銀特融というのが当然求められると思うんですね。 そうしたときに、日銀特融というのは、日銀、今日は速水総裁、もう時間ありませんからお答えいただきませんが、四条件、日銀特融の四条件というのがございます。その四条件を発動されるときに、これ無担保ですから、日銀としても、この銀行は流動性リスクだけなのか、それとも信用不安があるのか、信用リスクがあるのかということは考査局で考査されていますよね。そのときに、我々はとてもこの銀行には、この金融機関には私たちは危なくて貸せません、日銀の言ってみれば信認が落ちてしまいます、こういう判断をされることが僕はあり得ると思うんですが、日銀総裁、どうでしょうか。 そういう今後の、ペイオフ解禁以降、今のそういう状態になってきたときに、やはりその四条件は厳格に守ります、そして当然考査局で私どもが考査をしたものと金融庁が検査をしたこととをきちんと突合させていただいて、その上で、この四条件の特に四、最後のところですね、日銀のいわゆる資産に対する信認、この問題について十分判断をする、こういうことでよろしゅうございますか。
○参考人(速水優君) 今御指摘の四つの条件については、今後とも私どもとしては守ってまいりたいと思います。 なかんずく、二つ、そのうちの、中央銀行の最後の貸手としての機能というものは、システミックリスクの顕現化を回避するためのものであるということが一つ。もう一つは、我が国の中央銀行として財務の健全性を常に確保するように慎重に配慮を加えなければならないということが四つのうちの一つの条件で、この二つのことは特に重視してまいりたいと思っております。
○峰崎直樹君 財務大臣にお聞きします。 もしその日銀特融を、流動性危機に対応するために日銀に対して特融を要請するというときは、必ずこれは日銀特融に対しては政府は保証いたしますか、保証いたしませんか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 政府は保証いたしません。
○峰崎直樹君 保証しないということですか。もう一回確認。
○国務大臣(塩川正十郎君) 保証しません。
○峰崎直樹君 そうすると、これからは保証しないということになれば、ますます日銀の特融というのは、これは保証されないとなったら、これ日銀がもしかすると流動性危機どころかシステミック危機があったら大変だということで、当然それに応じないということが起こり得るということの判断でよろしゅうございますか、総裁。
○参考人(速水優君) 今申し上げましたように、私どもの財務の健全性という立場から、これはしっかり守ってまいりたいというふうに思っております。
○峰崎直樹君 人によってはこの無担保でやるということについて非常に懸念する人がいるんですが、日銀総裁としてはその三十八条の規定の中のその無担保について何らかの問題意識持たれますか。
○参考人(速水優君) 無担保であるということもあり得ると思いますけれども、そのときの条件をよく見た上で判断をしてまいりたいというふうに思っております。
○峰崎直樹君 最後に、G7が開かれますので、これは国際的な場において日本の不良債権問題について鋭い御指摘がきっとあるだろうと思いますが、財務大臣、それから、日銀総裁は先ほどちょっとお聞きしましたので、財務大臣、自信を持ってG7各国に向かって、日本の金融はこれでもう信用リスクというか健全性は確実に担保された、これからはもうますます良くなっていく一方だと、こういうような明るい展望でもってお話ができる、そういうふうにお考えでしょうか。 これをもって、終わります。
○国務大臣(塩川正十郎君) この問題はしばしば議題となりますけれども、私は実情を率直に申しておりまして、日本の金融の在り方と、それから諸外国、特にアメリカの金融の在り方とは若干性質も違いますから、つまり間接融資と直接融資と関係違いますから、そういう点につきましてはアメリカにおいてもだんだんと理解をしてくれております。なお一層、先生のおっしゃるように、日本の、健全で、だから解決していくという方向に向かっておるということを十分に説明しておきたいと思っております。
○峰崎直樹君 終わります。
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。 今日は、前田社長、山本会長はお忙しいところをおいでいただきましてありがとうございます。大変今世間の関心になっておりますみずほグループさんのシステム危機を中心にお伺いさせていただきますが、最後の方で時間がありましたら竹中大臣にも一つだけ御登場いただきたいと思っていますので、よろしければ最後までいていただきたいなと思います。 私も日本銀行のIT部門に随分おりましたので、本当に今、システムトラブルが起きて、開発セクションの方々が大変な御苦労をしておられるだろうということは本当にお察し申し上げます。とはいいつつ、今回のトラブル自体は、日本の金融システムや日本の金融の信頼の根幹にかかわる問題でございますので、現場の方々の御苦労は御苦労として、今日はいろいろと御質問をさせていただきたいというふうに思っております。なお、システムの話等々、ちょっと細かい話もありますので、金融庁あるいは日銀、みずほグループの皆さん、それぞれ事務方の方や政府委員の方の御回答でも結構でございますので、トップにお答えいただきたいときはそのように申し上げますので、適宜御回答いただきたいと思います。 それから、今お手元にお配りしている資料で一つだけおわびをしておきます。横向きの四枚紙の資料と縦の一枚の資料、二種類お配りいたしました。この横向きの資料の三ページ、みずほの関係者の皆さんの御発言を書いておりますが、専務のお名前を、石坂専務ですね、石原さんというふうにちょっと間違えてしまいましたので、大変申し訳ありません。おわびをしておきます。 さて、最初にみずほの参考人のまず前田社長にお伺いしたいんですが、今回、今席上にお配りいただいているみずほグループさんからいただいたこの絵がございますね、一枚めくっていただいたこのシステムの絵。それと、私が参考資料として提出させていただいた「日本の金融決済インフラ」。この一枚目の絵と対比していただきながら御回答いただきたいんですが、みずほさんから御提出いただいた絵でお分かりのように、今回、旧第一勧銀さんのコンピューターをデータの出入口にしたわけですね。ということは、常識的に考えますと、ここに三行分のデータが集中すると、非常に素人っぽく申し上げれば。であれば、この第一勧銀さんの、旧第一勧銀さんのコンピューターは相当の能力アップをしていなければならないというふうに思うわけですが、どのぐらいの能力アップをされたかについて御回答いただきたいと思います。
○参考人(前田晃伸君) 初めに、四月一日、新しく二つの銀行がスタートしたやさきに、ATMの障害、それから口座振替の遅延、それから事務ミス等が重なりまして、金融システムの信頼性を大きく損ないましたことを深くおわび申し上げます。 現在時点で、オンライン系は正常化いたしました。それから、大量の口座振替事務につきましては、誠に恐縮ですが、初期の一日、二日、三日の混乱の復旧に時間が掛かっておりまして、なお完全復旧と申し上げるにはもう少しお時間をいただきたいと思います。四十万件の積み残しは、今週、あさってぐらいまでに何とか処理はできますが、還元資料等を含めて、お客様のリクエストどおりに、従来どおりに完璧な形で、ミスがない形でお返しするにはあとしばらくお時間をちょうだいしたいと思います。二十五日、三十日というのが今度のピークでございまして、そういう意味では全力を挙げて完全復旧に努めさせていただきたいと思います。 それから、現時点では、完全復旧とそれから原因の究明、それから再発防止に全力を投入いたしております。その後で、私を含め責任の所在を明確にした上で、しかるべく対応させていただきます。いずれにいたしましても、大変深くおわび申し上げます。 それから、今、先生の御質問の件でございますが、コンピューターの能力は三倍に設計いたしております。元々コンピューターの能力に余裕がありますので、能力的に今回の統合で問題があるということではございません。 ちょっと、最初でございますので、非常に複雑でございます、ちょっとだけ御説明させていただきます。
○大塚耕平君 簡単に。
○参考人(前田晃伸君) 私どもが横長で配付いたしました三枚の資料のうち、一番上に「システム移行とATM障害・口座振替処理遅延等」と書いてありますこの資料をちょっとごらんいただきたいんですが、簡単に申し上げますと、ちょうど真ん中に、これは、三月三十日、三十一日と土日に掛けまして、三つの銀行を二つにする作業を全員が出てやったわけでございます。 このシステムをどうやって付け替えたかというのは、これは例えで申し上げますと橋を架け替えたようなことでございまして、左側に開始と書いてあります。これは三月三十日の業前からでございますが、それぞれ三行が持っておりますコンピューターセンターのファイルを二つに分割いたしまして、みずほ銀行とみずほコーポレート銀行の方にそれぞれファイル丸ごとデータを移行するという大変難しい作業をここでやっております。 それから、併せまして、銀行が三つありますが、二つの銀行になります。この銀行コードの変更、それから店名、店番の変更、これは特に二つの大きな都市銀行、同じような支店名、それから大量に重複する店番号がございまして、これをすべて付け替えをいたしまして、そこまでで一応全体の再編が終わります。 その後、右側にありますとおり、日銀のネット、それから全銀システム等外部と接続した部分につきまして、改めて接続ができたかどうかというテストをいたしております。 それから、長くなり過ぎて恐縮です、ちょっと飛ばさせていただきますが、リレーコンピューター等、コンピューター同士をつなぎ……
○大塚耕平君 本当に限られた時間でやっていますので。
○参考人(前田晃伸君) つないだ部分につきましてのつなぎがどうかというテストもやりまして、このテストすべて終了いたしましてオンラインを立ち上げたわけでございます。四月一日の八時にオンラインの提供をいたしました。そういう意味ではこのシステムの移行作業そのものは無事に完了いたしましたが、大変恐縮ですが、その後でATMの障害が発生して多大な御迷惑をお掛けいたしましたということでございます。 それから、口座振替につきましては、その下にあります部分で、ここは元々口座振替を私どもやっている部分でございます。移行作業そのものとは直接は関係いたしませんが、この土日はこういうシステム移行をやった関係でオンラインが停止いたしまして、そういう意味で大量の事務処理を一挙にここでやるわけにはいきませんで、ここも当然、予定どおりここでやる予定でございましたが、最後の最後になりまして、一日、私どもは、私が少なくとも報告を受けた段階では一日の処理は終わったというところまでは聞いたんですが、結果として引落とし漏れが出たということでございます。誠に恐縮でございます。おわび申し上げます。
○大塚耕平君 丁寧に御答弁いただいて、時間がなくなる戦術は何か塩川大臣のようで、大変でございますが、是非、もう本当に限られた時間で、聞いていただいている皆さんにも、また、これマスコミにも報道されますので、マスコミでごらんになる国民の皆さんにも付加価値のある議論をしたいと思っておりますので、おわび並びにこれまでの経緯、御丁寧に御説明いただいたのはありがたいですが、それはもう新聞報道等でよく承知しておりますので、是非手短に御回答いただきたいと思います。 さて、コンピューターの性能を三倍に上げたということですが、これは事務方の方で結構ですが、具体的には、メーンフレームの性能にはMIPSという単位がありますけれども、何MIPSから何MIPSに上げられたということですか。
○参考人(前田晃伸君) 大変恐縮ですが、私、MIPSはよく分かっているんですが、物理的に何MIPSかというのは今承知いたしておりません。間違いなく三倍の容量に上げております。
○大塚耕平君 お忙しい社長のことですから御存じないのはしようがないと思いますが、事ほどさようにシステムの話というのは、トップの皆さんが分かっている分かっていると言っても、そういう一番基本的な数字ですらなかなかフォローし難い、そういう難解なものだということです。 これは、三倍にしたという多分事務方の御報告で、ああなるほどなと思っておられるんでしょうけれども、私の方の参考資料の一枚目を見ていただきますと、非常に簡単に日本の金融決済インフラを絵にしてございますが、国民の皆さんが、みずほグループさん、今これ一つにかいていますけれども、さっきのお話でありますように二つに分かれているんですね、本当は、国民の皆さんとのインターフェースは。二つに分かれたものを旧三行の間にまた振り分けて、また出るときは二つに分けて、しかも、その両方で、データのそごがないかとか、その情報の正しいか間違っているかという確認の情報が一杯飛ぶわけです。というと、単純に恐らく三倍しただけでは済まない情報量がCPUに負荷が掛かったということではないかなと。これは分かりません、私も完全な専門家ではないですので。 ただ、例えば、私の資料の三ページを見ていただくと、石坂専務の御発言で、四月六日の毎日新聞の朝刊で、「三倍、四倍の事務量を想定すべきだった」と、こうあります。三倍の容量になるからコンピューターも三倍でいいというのは、極めてそういう意味ではのりしろのない設備増強でありますので、私は、ちょっとその点で、コンピューターの能力向上という点でいかがなものだったのかなということをまず一つ指摘をさせていただきます。 さて、私の絵の一枚目、ごらんいただいてお分かりいただけますように、金融機関の皆さんのデータは全銀システムというところに上がっていって、更には日銀ネットで最終的な決済をされると。全銀システムからSWIFTを通じて外に出ていくわけです、データが。それから、この太い線で日銀ネットと金融界がつながっている部分は、CPU接続といってメーンフレームが直接つながっているわけです。 そこで全銀協さんと日銀にお伺いしたいんですが、全銀システムと日銀ネットには今回の件で何か影響は出たか出なかったか、この点について簡単にお答えいただきたいと思います。
○参考人(山本惠朗君) ただいまの御質問の全銀システムへの影響ということでございますが、四月一日月曜日と三日にみずほ銀行から、自行システム障害を理由として通信時間を延長してほしいという要請がございました。日本銀行と協議の上、この時間を十六時まで、すなわち三十分間延長するという措置を講じた以外は格別の措置を必要としていなかった、いわゆる全銀システムはこの間順調に稼働しております。 おわびはいいよというお話でございますが、私もみずほフィナンシャルグループのCEOということ、準備段階の責任者でございます。本件につきまして御関係の皆様、さらに、先ほど大臣のお話にございましたように金融システムについて信頼を損ねたことに対して大変に責任を感じております。御迷惑をお掛けしたことをこの場をおかりして深くおわび申し上げます。
○参考人(三谷隆博君) お答えいたします。 みずほ銀行と日銀ネットとの関係でいきますと、ただいま全銀協の方からお話がありました全銀システムを経由した部分については今のとおりでございますが、直接日本銀行とつながっている部分につきましては、特段の支障はこれまで起きておりません。
○大塚耕平君 この絵をごらんいただいて委員の皆さんもイメージをしていただきたいんですけれども、結局、みずほグループさんの中でいろいろ加工したデータが間違っていた、そこから外に、全銀システムや日銀ネットに送られたデータが正しく処理されたのは事実で、全銀システムは時間延長しただけで、日銀ネットにも特に影響はなかったということなんですが、みずほグループさんから出たデータが正しかったかどうかというのは分からないんです。 私は、正しくないデータが正しく処理された、機能的には正しく処理された可能性もあるというふうに思っておりますが、それは分かりません。そうだったかどうかは分かりませんが、そういう可能性があるかないかについて、できれば、日銀の御担当の理事からで結構でございますので、御回答いただきたいと思いますが。
○参考人(三谷隆博君) 私どもの、正しくないデータが来たかどうか、これは出てきたデータをそのまま処理するわけでありますので、そこのところは、最終的なところは何とも言えないわけでありますけれども、少なくとも日本銀行の取引先すべてのところから、みずほ関係のデータが誤っていたという話はございませんでしたので、日銀ネットを経由したものについては、それは全く問題なかったというふうに考えております。
○大塚耕平君 それはどうだったかというのは調べてみないと分かりませんので断定はいたしませんが、先ほど峰崎委員が、日銀の山一への特融が毀損するかもしれないという、日銀のバランスシートの話をしました。それから、今私は日銀の決済システムの話をしました。中央銀行のバランスシートが傷付いたり、あるいは中央銀行の運営している決済システムで間違ったデータが処理された可能性があるということ自体が、これは日本の金融システムに対する大変な信頼の損失につながると思いますので、そういう問題も内包しているということを、問題意識を是非共有していただきたいなと思います。 さて、ちょっと視点を変えさせていただきますが、私の御提出させていただきました資料の二ぺージをごらんいただきますと、ちょっと耳慣れない言葉が一杯出ていると思いますが、私も開発をやっていたことがありますので、この左側に、システムを開発する過程、どういうプロセスを経るかという言葉が並べてあります。 まず、今回のケースで言うと、合併構想があって、どういうシステムを作るか基本計画があって、そしてプログラムを作り、単体テストをやり、結合テストをやる。結合テストという言葉はみずほさんのこの資料にも出ていましたけれども、その後、総合テストというのがある。そして、実際に移行があって、今回の場合、三月の三十日、三十一日です。そして最後に、よし、これでいけるぞという移行判定会議というのが大きなシステムの場合でも小さなシステムの場合でもあります。 さて、ここでお伺いしたいのは、この右側に少し大きな絵がかいてありますが、開発が終わっていよいよシステムを移行するというときに、いや、どうも移行作業がうまくいかないなというときには、業界用語でフォールバックという言葉がありまして、これは中止だ、元に戻すぞと、こういうことをしなきゃいけないんですが、今回、万が一うまくいかなかった場合に、移行が、フォールバックはどうするおつもりだったんですか。
○参考人(前田晃伸君) この移行は、先ほど私どもでお出しした横に長い紙で移行作業スケジュールという表がございますが、その前に、三月の二十二日の日に、持ち株会社でこの移行ができるかどうかというのを経営会議をいたしまして、今までやったことすべてレビューいたしまして、もちろんテストの結果を含めて移行がいけるかどうかという判断をいたしました。これをホールディングスで経営会議で決めておりまして、その時点ですべての部分が要するにテストどおりいったということはございましたので、移行するということを決定いたしております。 逆に、この時点で例えば外部接続がうまくいかなかったとすれば移行できないということでございますので、それは移行しないという決断をしたんだと思いますが、少なくともその時点で完璧にテストは終わっておりましたし、そこら辺の問題は私はなかったと思います。それで、実際に、先ほど申し上げましたとおり、四月一日にこのシステム移行は完了いたしたわけでございます。
○大塚耕平君 いや、ちょっと質問の趣旨が違いまして、フォールバックをしなければならない状況になったとき、今回のこのシステム移行計画ではどうするおつもりだったのかということを聞いているわけです。
○参考人(前田晃伸君) もしそのような事態になった場合には、システム移行しないという結論になると思います。代替手段を取るということはできません。その場合にはしないということだと思います。その場合には旧銀行のままでぶら下げておくということだと思います。
○大塚耕平君 フォールバックのときの代替手段がない、その場合は旧銀行のシステムのままでいくという計画だったということを柳澤大臣は御存じでしたか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、そこまでは認識しておりませんでした。
○大塚耕平君 冒頭のMIPSという、これはミリオン・インストラクションズ・パー・セカンド、一秒間に何百万回の処理をするかという単位なんですけれども、その話と同様に、フォールバックをどうするかとか、それはまあちょっと大臣がカバーする話じゃないなと思われるかもしれませんが、これは、みずほ銀行さんがシステム移行するというのはもう大変な大問題でありまして、記憶に新しいところでは二〇〇〇年問題で、国じゅうを挙げて、もしうまくいかなかったらどうするんだとフォールバックの計画を決めてやっていたわけです。私もやっていましたし、日銀で、日銀総裁もヘルメットをかぶってやっていただいていたんですけれども。今回も実は私はそのぐらいの大きなイベントだったのではないかというふうに思っているわけです。 そこで、もう一回この二ページの絵をごらんいただきたいんですけれども、総合テストという言葉があります。これは最後の総合テスト。みずほさんとしては、二つのインターフェースの銀行とホールディングスとそれから旧三行のデータ、これを一回、入ったときは二行で、中では三行で、また出るときには二行にするという大変複雑な内部の総合テストはやっておられたと思います。しかし今回、全銀システム傘下の、例えば他行の皆さんとか、それからカード決済をしておられるそういう先を含めた、外部を含めた総合テスト、これは二〇〇〇年問題のときにはストリート・ワイド・テストといって本当に国じゅうを挙げてやったわけです。それはおやりになったかならないか、事実関係だけ御回答ください。
○参考人(前田晃伸君) 外部接続のテストも当然やっております。もちろん、全銀トータルでやるという場合と個別行でやる場合もあります。併せてやっております。
○大塚耕平君 日銀の事務方の理事さんで結構ですけれども、日銀はその総合テストに参加されましたか。
○参考人(三谷隆博君) お答え申し上げます。 先生の今ありましたように、日本銀行は、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行との間でコンピューターとコンピューターをつなげるようなテストの仕組みを取っておりますが、その点につきましては、この統合に先立つ二月の三日に実際の接続テストを行いまして、受信、発信ともに順調にいくということを確認しました。それはしてきております。またさらに、三月末、この接続が終わったところで改めて再度試験を行いまして、問題がないことを確認いたしております。
○大塚耕平君 これは私の一ページ目の絵で言いますと、今、日銀の理事が御回答いただいたのは、この太線の部分についてはテストしたよということなんですね、太線の部分については。しかし、この日本の決済インフラ全体について、全銀システムも日銀ネットも、それから今回いろいろ振り込みのトラブルが起きている先も含めて、一緒にテストに参加してくださいという総合テストはおやりにならなかったわけでして、ただ、それが必要だったかどうか、必要だったかどうかということは私はここでは断言はしません。 内部のトラブルだけだったので、内部のテストをもっと十分にやればそれで事足りたんではないかという考え方もありますので、ここで結論は出しませんが、事ほどさように、今後も、例えば三井住友さんが今後富士通とNECのシステムを統合するときとか、それからひょっとしたら、四大メガバンクがもうちょっと何か違う形になるようなときには、これは柳澤大臣にお願いをしておきたいんですが、それは一金融機関の問題ではないということで、是非その点の御認識を新たにしていただければ今日この質疑をさせていただいた意味があると思っておりますので、この件はこれで終わらしていただきます。 さて、その次に、私の資料の三ページに、石坂専務の御発言で、一番下に、これは新聞報道ですので、またこんなことばっかり取り上げていると塩川大臣に怒られそうですが、一番下に「統合の時期とのかかわりはない」という専務の御発言があるんですね。一方、もうちょっとめくっていただくと、六ページに、先週同僚議員の長妻衆議院議員が柳澤大臣と衆議院で討論さしていただいた御回答の中に、上の方ですけれども、真ん中に大臣の御発言の引用としてこういうのがあります。こういうスケジュールで本当に統合を進めていいのか懸念があると指摘したと。この大臣の御指摘と四月六日の毎日新聞朝刊での石坂専務の御発言というのは、これは重大なギャップがありまして、そういう指摘をしたにもかかわらず特に問題はないという経営判断でこの時期のシステム統合を決断したのかしないのか、その点について簡潔に前田社長にお伺いしたいと思います。
○参考人(前田晃伸君) 金融庁さんの検査の御指摘をいただいた時期はたしか昨年の六月だったと思います。それで私ども、当然、御指摘をいただいたので、の中でいろいろ細かいことを含めてその御指摘をカバーするような対策を打って、すべて打った後でこの移行を決めたわけでございまして、御指摘をいただいたことを履行しないで何かやったということはもちろんございません。すべて御指摘を含めていろんなことをやらしていただきまして実施いたしました。 それから、時期について、統合を発表してから二年半ございまして、実は私どももっと早くできないかとさんざん言われたんですが、二年半という時期を掛けまして、約二千億以上のお金を使い、それから人月で言いますと九万人月というシステム開発、九万人月というのは九万人の方が一か月間掛かってシステム開発をするという、そういう作業をやってまいりました。それで、すべての個別のチェックをしながらやってまいりまして、私どもといたしますと、そう非常に乱暴なことをやったという認識は全くありませんで、私どもは完璧を期してやるのが私どもの務めだということでやらしていただきましたが、最後に、こういうことでATMが止まるとか、もう非常にお粗末なことになりまして誠に申し訳ないんですが、オンライン系は現在時点でごく普通に動いております。 それから、さっきMIPSのお話がございましたが、これはリレーコンピューターのキャパのところが実はネックになって止まったわけでございまして、ホストコンピューターそのもののキャパではございません。リレーでつなぐところの正に関所になるわけでございますが、その関所の通り方について、もちろんソフト開発十分やったんですが、そこの通過が非常に悪かったというのが初日のミスの最大の原因でございました。そこは直ちに修復いたしましたのでリカバーできたということでございます。
○大塚耕平君 金融庁がそういう御指摘をされたから直ちに統合時期を延期しなきゃいけないということではないと思いますので、そういう御回答で結構だと思いますが、一方、五ページをごらんいただくと、やはり先週十二日の衆議院での大臣の御発言として、行政の責任について過失が大きいと思わない、みずほ側は大丈夫と言っていたが、心配が的中し残念だと、こういう御発言がありました。 私は、様々なトラブル、特に公共的な影響を及ぼすトラブル、これは三つの要素で構成されていると思います。行政の過失、当事者の過失、不可抗力、この三つが合算されてトラブルになると。大臣は行政の過失はないとおっしゃったわけですね。ということは、残るは当事者の過失か不可抗力かということですので、この点については今後徴求される報告書の中できちっと明らかにしていただきたいなと、このように思っております。 さて、ここで塩川大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、塩川大臣の御発言にはいつも私感服をいたしておりまして楽しませていただいておりますが、ずうたいばっかりでかくなって中身は空っぽやないかという御発言をされまして、これは確かに、コンピューター三つくっ付けて、それがうまく回らなかったら駄目じゃないかという意味で、それほど私はこの発言は問題視はしていないんですけれども、小泉総理大臣が、このトラブルが起きたときに、たるんでるねと言ったんですね。 私は、冒頭申し上げましたように、もう今本当にみずほのシステムの現場の方々は過労死が出てもおかしくないような状況で、過去一年間もやってきたし、現在はもうそれに輪を掛けた状態だと思います。小泉さんの発言ですから、別に塩川さんにとやかく申し上げるつもりはないですけれども、一体我が国の総理大臣はこの件で何をもってたるんでると言ったのかと。 言ってみれば、日本国は大きな船です。小泉さんはデッキで艦長をやっているわけですよ。金融システムというのは船を動かす機関室です、エンジン。そこのエンジンの機能を新しい形に変えていかなきゃいけないといって、柳澤大臣も現場の金融界の皆さんも、いろいろ我々と意見の食い違うところはありつつも、しかし一生懸命やっておられる。そういう中で、機関室の中で働いている人たちは汗まみれ、油まみれになってやっているわけですよ。そこで、確かに船が、機関室がちょっとおかしくなりそうになった。艦長がデッキの上からたるんでるねと言ったら、これはもうみんな船を放棄して逃げちゃいますね。 実は、小泉総理大臣の発言というのは、日本の多くの企業が、今日のこの状態を招いた経営陣が、社員や職員や現場の人たちの気持ちを十分に酌み取れずに第三者的な発言をしている一つの典型例だと私は思っているんです。だから、このたるんでるねという発言は断じて許せない。そこで、この間も大臣にお願いをしたんです、私は、小泉さんに苦言を呈してくださいと。小泉さんのあの軽い発言に苦言を呈することができるのは、大臣しかいないですよ。 このたるんでるねということについて小泉さんに苦言を呈していただけるかどうか、その点だけお伺いしたいんですが。
○国務大臣(塩川正十郎君) こういう発言があったということは伝えますけれども、総理はどういうつもりで言ったのか、やはり一つは叱正を込めて言ったんだと思っておりまして、そう解釈していただきたいと思っております。
○大塚耕平君 塩川大臣がそうおっしゃるなら、そう解釈する努力はしますけれども、少なくともみずほの現場の人たちは、そうは聞いていないですよ。 これは柳澤さんにも関係してきますが、やっぱり日本国は早く金融システムを再編しなきゃいけないということで、急いで統合を現場の人たちにもしろというふうにプレッシャーを掛けている面もあるわけですよ。だから私は、ちょっと見方を変えれば、今回のシステムトラブルで大変な社会的コストが掛かったのは、これは、急いで再編をした結果、ペイオフコストが形を変えて出てきたという、そういう解釈もできるんじゃないかと、こう思っているわけであります。 ただ、ここは考え方の違いですのでこれ以上は申し上げませんが、塩川大臣には是非、小泉さんの頭をぽかっとたたけるのはもう塩川さんしかいませんので、よろしくお願いしたいということを申し上げて、七ページをちょっとごらんいただきたいんですが。 みずほの皆さんの御発言と金融庁の皆さんの御発言を取り上げましたが、当然、金融監督当局として日銀の皆さんの御発言もあるわけです。詳しくは申し上げませんが、読んでいただきたいと思いますが、例えば二つ目、「「心配していた通りのことが起きた」と日銀幹部はあきれ、」、三番目、「UFJグループでさえシステム統合に三連休を使ったのに、もっと大規模で複雑な統合を行うみずほが二日間のシステム停止で作業した点に無理があった」、一番下、これは柳澤さん怒りそうですけれども、「業務改善命令などを出しても、システムの機能回復には何ら有効に働かない」。 私は、日銀にも是非この際ですからお願いをしておきたいんですが、少なくとも、極めて小泉さんのたるんでる発言に近い、第三者的なこれは物言いですね。日銀はそういう意味では、船でいうとデッキの下の非常に重要な部分をやっぱりつかさどっているわけで、そこの皆さんが、事が起きてからこういう発言、実際にしたかどうかは私は分かりません。分かりませんが、少なくとも報道されている限りは、だれかがこうやってしゃべっているわけですね。大変よろしくないことだと思います。 だから、今、本当に与党も野党もなく、この日本という船がちゃんと動くかどうかということを我々もここで議論しているわけですから、ちょっと当事者意識がない、評論家的な御発言だなという意味で、是非、日銀総裁、あと任期も一年になられたわけですし、日銀の中のこういう体質はきちっと是正していっていただきたいなと思いますので、その点について一言だけお聞かせいただけますか。
○参考人(速水優君) 今回、みずほグループで預金取引とか口座振替といった銀行業務の根幹を成す部分で混乱が生じて、多くの顧客に御迷惑を掛け、影響を与えましたことは誠に遺憾でございます。 ただ、今回のトラブルは、金融機関のシステムへの依存度というのがいかに大きいか、高まっている中で、統合をきっかけとしてこういったリスクが顕現化したケースであったと思います。日本銀行ではそうしたリスクをよく注意をしてこれから見てまいりたいと思いますが、本年度の考査におきましても重点的にその点は調査してまいりたいというふうに思っております。
○大塚耕平君 時間も大分迫ってまいりましたので、参考にお配りしたお手元資料の一枚紙の方をちょっとごらんいただきたいんですが。 「金融機関のシステム投資の実情」ということで、FISCの金融情報システム白書とバンキングサービスの資料が添付してありますが、これを見ていただくと、例えばFISCの方の資料を見ていただくと、邦銀大手Bグループ、これは資産規模からいうと多分みずほさんじゃないかなと思うんですが、これだけの資産規模があって行員数が三万二千人。これに対して一番上のシティグループは、みずほさんより資産規模が小さいけれども、従業員は二十四万人いて、ITの投資額は三倍以上あるわけですね。四倍近いですよね。つまり、ほかの銀行を比べていただいてもよくお分かりいただけると思いますし、その下のバンキングサービスを見ていただくと、実額で、日本の金融機関が資産規模は大きいのにシステム投資額はこんなに小さいということがお分かりいただけると思います。 そこで、裏を見ていただきたいんですが、その紙の裏を。これは柳澤大臣にお伺いしたいんですが、この「補」と書いたところですね。つまり、今の日本の金融再編というのは何を目的に行っているのかということを、もう一回、金融庁、よく考えていただかないといけないなと。つまり、九〇年代の前半に何が言われていたかというと、日本の金融機関は国際競争に生き残るためにはIT投資をもっともっとしなきゃいけない、そう言われていたわけです。それは今、数字の裏付けはごらんに入れました。 そこで、この「補」のところをごらんいただきたいんですが、システム投資に関する日本の金融機関の統合の目的は、合体することでスケールメリットが出ていろいろ削減できるので、システム投資の規模を縮小するのが目的なのか。いやいや、そうじゃないと。そこでいろんな無駄な経費を省けるので、だから欧米の銀行に追い付くぐらいのシステム投資をするんだと。どっちが目的なんだという、非常に大きな政策判断の違いがあるんです。 そこで、もう一回、その横長の資料の四ページをごらんいただきたいんですが、真ん中に前田社長の御発言があります。「統廃合するのが目的の統合でございますので、これをやらずして行員の削減等もできません。それから、経費の削減もできません。システム費用の削減もできません」と。 これは、つまり、日本の金融再編というのが一体何をベンチマークに行っているかということが本末転倒してしまっているんではないかと私は思っております。そして、このシステム経費についての判断を間違ったことも今回のトラブルの原因ではなかったかと、このように考えております。 この点について最後に柳澤大臣にお伺いして終わりにしたいと思いますが、今日はあと塩川大臣と竹中大臣に一つずつ御質問をさせていただく予定だったんですが、御勘弁いただきまして、この点について柳澤大臣の御回答をお伺いして、終わりにさせていただきます。
○国務大臣(柳澤伯夫君) システム投資について、統合の目的は何ぞやと、こういうお尋ねでございますが、私はなかなか一刀両断に物が言えないのでございます。それは例えば、リテール志向ということでシティバンクがやったように、もう徹底的にIT投資でもってそのリテール志向を結実させていくということになったら、それは膨大な恐らくシステム投資が必要だろうと、こう思うんですね。他方、そうではなくて、例えばインベストメントバンク志向というようなことになれば、これはまた別様の話だろうと思うんですね。ですから、私は、それはそれぞれの銀行が追求すべきビジネスモデル、あるいはそのウエートというものと関係があるんだろうとむしろ思います。 しかしながら、私どもがこの統合の際に言ったのは、物件費の圧縮をしなさい、リストラしなさいと言いましたけれども、そのときに常に、情報関連投資は除いて考えなさいと、こういうことを申し上げました。それから、情報関連投資については、大体、欧米の先進の銀行というのは一年にこのぐらい投資していると、それを確保するにも日本の場合に統合が必要だねというようなことを常に念頭に置きながらこの問題に取り組ませていただいたと、こういう側面はございます。 しかし、絶対額についてどう考えるかということについては、先に言ったポイントもやはり勘案されるべきである、このように考えております。
○委員長(山下八洲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ─────・───── 午後二時開会
○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、主要行に対する特別検査の結果等に関する報告に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜田卓二郎君 今日、参考人の皆さん、御苦労さまでございます。 午前中の議論を聞きながら何をお聞きしようかいろいろ考えてまいりましたが、冒頭ちょっと一言感想だけ申し上げたいんですが、大塚委員の質疑は大変切れ味が良くて拝聴させていただきました。大分現場で御苦労していらっしゃるわけで、現場には優しい御見解も開陳されまして、その代わり小泉さんにはいささか厳しいコメントもありました。 実は私は、やっぱり世界で一番大きなずうたいの銀行が、しかも日本の金融危機を克服しようという、そういう気概に燃えてスタートするわけですから、正直申し上げて、もうちょっと緊張感が欲しかったという気はいたします。 これは中身を知っての話じゃなくて、極めて印象派的な話を申し上げたいんですけれども、あの四月一日に私は早く朝起きまして、やっぱり商売柄ですから全紙を取っているわけでありまして、新聞がこんなに参ります。赤旗まで来るわけでありますが、まあ、池田さんの……。全国紙の全面広告、これはまず目に映りました。誠にスマートであか抜けた広告なんですね。でも、私が感じたのは別の印象でありまして、この重大な再出発の、しかも金融危機を克服しようという使命を担ってのまなじり決してのスタートにはあの広告は映らないんですよ。モデルが二人のトップですけれども、スマート過ぎるせいかもしれませんが、いかにも私にはにやけて見えたんですね。 私ども、選挙やるんです。そうすると、一生懸命あのポスターの図柄を考えて張るんですね。このときは真剣勝負なんですよ。ああいうスマートな立ち姿で腕を、腕じゃなくて、足を組み掛けたようなポーズで、いかにも格好よく映るポスターというのは票にならないんです。私なんかも時々全身像をポスターになんて誘惑に駆られることがあるんですけれども、二十五年選挙やっておりますけれども、こんなことはしたら駄目なんですよ。つまり、危機感というのが伝わらないんですね。 ですから、私はとっさに金融庁の親しい方に電話を入れまして、何を監督しているんだ、もっと危機感にあふれたスタートをしてほしいと。そういえば、あそこに切替えに、要するに合併に伴ってどういう、コード番号とかいろいろミスが顧客からもあったということでありますけれども、そういうことの説明で大きな紙面を使ってやるんなら分かりますけれども、スマートなイメージを売るような場面じゃないだろう、そういう気で金融庁の方にはお話をさせていただきました。そのときはシステム破綻が起きるとは全然予測していなかったんですけれども。 是非、この大日本経済の血管、動脈、これが金融システムでありますから、それがこれだけの大きなずうたいになって、これだけの大きな使命を担ってスタートするわけでありますから、どうかひとつ、もう過ぎたことをあれこれ言っても仕方ありませんが、どうかひとつ緊張感をみなぎらせて、この危機を克服して、大きな役割、使命を果たしていただきたいということを一言感想で申し上げたいと思います。 竹中大臣、お時間が余りないようでありますので、ちょっと質問の順序を入れ替えて先に竹中大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。 私ども、当委員会で不良債権問題については何度も質疑を繰り返し、心配をし、やってまいりました。私の記憶では、昨年の暮れに近い委員会で、私の質問に対して山本全銀協会長さんが、一生懸命不良債権は処理をしております、たくさんの額を処理してきました、しかし処理をした額とほぼ同額の新たな不良債権の発生がありますと。それは新規に発生するものと、それから既にある債権の劣化していく部分と、この合計での話でしょう。そして、現実に不良債権として発表される絶対額はそれほど減少しておりません、むしろ増えている。そのときも、山本会長のお話では、最近の傾向は処理する額よりも発生する額の方が増えぎみでありますというお話でありました。 私も、今回の質問に当たりまして二、三状況を聞いてみました。全く同じような答えが今でも返ってくるわけでありまして、不良債権処理は一生懸命やっていらっしゃるけれども実は進んでいないということだと思います。 そこで、なぜ進まないか。これはもう私は単純な理屈だと思うんですよ。銀行の収益ではなくて企業の収益力が回復しなければ、これは不良債権はなくならないですよ。ですから、だれが犯人なのかということをもっとまじめに考える必要がある。 で、柳澤大臣は一生懸命やっていらっしゃるのはよく分かります。今回も特別検査をやられました。後で柳澤大臣に伺うわけですけれども、私に言わせれば、特別検査をやったからといって、あるいは検査体制を強化したからといって、それで不良債権の処理ができますという話ではない。もっと実態を考えてやっていかなきゃいけない。それも必要だけれども、片方がなければ、それは私は無理な話だと思うんです。 ですから、どうも、私は小泉改革は基本的には支持をしてまいりました。でも、この経済政策、これが欠けているということを言い続けてまいりました。経済政策をしっかりやらないと、つまりデフレをきちんと阻止をして景気を拡大基調に持っていく、そんなに高度成長みたいな話はもう無理だというのは分かっていても、少なくともデフレ政策で対応してきた今までのことというのは、私は反省されてしかるべきである。デフレ阻止までは踏み込まれました、この点は正当に私も評価しているつもりですけれども。もう一歩踏み込んで、やっぱり経済環境を良くする、企業の収益性を回復させるということがなければ、つまり企業の収益力の回復ということを同時に考えていかなければ、私は不良債権の処理はいつまでも処理と発生のイタチごっこに終わってしまうというふうに思うわけでありまして、どうも小泉内閣は金融にしわを寄せ過ぎているというふうに思ってまいりました。日銀総裁いらっしゃいませんけれども、もう金融はじゃぼじゃぼというぐらいに量的緩和もしておられますし、ゼロ金利も長過ぎるぐらい続いているわけであります。 今度は柳澤大臣の方にしわを寄せて不良債権を早く処理しろと、これはまあ結構なことですけれども、それで解決するような経済実態ではあるまいということを申し上げたいわけでありまして、経財全体の政策の責任者でいらっしゃいます竹中大臣の見解を承りたい。
○国務大臣(竹中平蔵君) 浜田委員から御指摘いただきましたマクロ経済の運営と、その結果としての一つの不良債権の問題、以前もこの委員会で同様の御趣旨の質問をいただいたというふうに記憶しておりますが、経済実態が悪いから不良債権処理が進まないという側面は確かにあると思います。しかし、経済実態がなぜ悪いかということを考える場合に、実はそこに不良債権問題が存在しているからだという、やはり相互依存の関係も間違いなくあるのだと思います。 結局のところ、マクロ経済と不良債権の処理というのを一体化させてどのように解決を図っていくかということに問題は尽きるわけでありますが、その点では経済実態を良くすることが重要であるということは、これはしかし、昨年から一貫して小泉内閣としてはそういう立場を取ってきたつもりであります。 じゃ、問題は、しからばどのようにすれば経済実態が良くなるのかということなんだと思うんです。 一方で、一つの考え方は、財政政策をもっと積極的に活用して経済実態を良くするという考え方。しかし、今朝も話題になりましたが、S&Pが日本の国債の格下げをして、こういう状況で更に財政赤字を拡大させるというような政策を取ってよいのかという非常に大きな制約がございます。 私たちは、やはり財政を長期的に健全化させるという一つの「改革と展望」で示したプランに基づいて、財政は緩やかに、しかし粛々と健全化させるという方策、そのマクロのフレームワークの中で、今議論しておりますような税制でありますとか規制改革等を総合的に活用して経済を活性化させたいというふうに考えているわけでございます。 明示的にその財政政策をどのように活用、もっと積極的に活用せよという御趣旨なのかどうか、ちょっといろいろのお考え方があろうかと思いますが、財政に関しても、その巨額の財政赤字という制約の中で、今年度の財政支出に関しては、私たちの試算では、昨年の第二次補正と合わせて財政支出は実質で若干のプラスになるという試算をしておりますので、決して財政面でのデフレ政策といいますか、緊縮財政は取っておらないというふうに考えております。 非常に狭い道を歩まなければいけない中で、ぎりぎりの運営をしているというふうに認識をしております。
○浜田卓二郎君 そういうふうにおっしゃいますが、現実に出てくる政策というのは、補正は組まれました、だからそれを足せばどうかという話は今おっしゃったような数字になるのかもしれません。 しかし、今年度のスタートしたばかりの予算はマイナス予算です。公共事業費も一〇%削っているわけですね。削るのが悪いとは言わないんですよ。つまり、どうしたら政府の経済政策は拡大策だというスタンスをマーケットにインパクトとして与えられるかということです。 分かりやすく言えば、民間の財布のひもが締まっているから景気良くならないんでしょう。併せて政府も財布のひもを締めちゃ駄目ですよということを言ってきたわけでありまして、何も突然、三十兆も公共事業費を追加しろなどという議論をしているわけじゃないわけで、スタンスですよ。つまり、政府も経済に対して拡大的な対応を取っているよというメッセージが出てこないじゃないですか。 ですから、それは竹中さんは、今自分はそうおっしゃっていると言っていらっしゃるけれども、ここで我々は塩川さんとよく議論をしています。ちょうどいらっしゃらないのが都合がいいんでね、うっかりしたこと言うと怒り出されますから議論が途中で止まっちゃうんですけれども、塩川さんがおっしゃっていることは三十兆がありますということだけなんですよ。それで、しかも今度の四兆円も、今、デフレ阻止までは今年に入って言い出されたんですよ。 去年、ここで議論を、補正の議論を私は取り上げてやりました、かなり早い段階。そのときはデフレ阻止などという言葉は出てこなかったんです。つまり、そのときはセーフティーネット議論だけですよ。失業が増えたらそれにどう対応しますとか、転職を容易にしますとかいうような説明だけですよ。さすがに、今年に入ってデフレ阻止に変わられたと思う。 でも、もう一歩踏み込む必要がありますよ。要するに、景気拡大策に政府が転じたという、それが大事なんです。何も三十兆を垂れ流せなどと私は言っているわけじゃありませんで、政策というのはスタンスが大事だということを私は繰り返し申し上げているつもりでありまして、しかも、今年に入ってもう一つの言い方が出てきていますよ。三十兆にはこだわらぬでいいというような言い方が出始めているじゃないですか。それは竹中さんが演出していらっしゃるんですか。小泉さんがそういうことを言われましたよね。じゃ、なぜ去年の暮れまで、あるいは今年度の予算までは三十兆が大事で、予算が成立したら三十兆はもうそんなにこだわらぬでいいという話になるのか、その辺もよく分からない。 もう一回御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、デフレ対策の話でありますが、デフレに関しましては、そのデフレの問題点というのは私たちはずっと指摘してきたつもりであります。ただ、これは消費者の代表の方々等も、去年の秋ぐらいまでの時点では少なくとも皆さんはデフレは歓迎だというふうにおっしゃって、だから政策になかなか至らなかったということなのであります。 これは以前ここで御答弁させていただいたかもしれませんが、物の値段が下がるのはいいじゃないかと。しかし、そういうふうにおっしゃる消費者の方は、必ず自分の給料は下がらないということを何となく前提にしておっしゃっていたと。しかし給料まで下がり始めて、これは大変だというふうに世論も盛り上がって、私たちの政策も、主張してきた政策も実現したというのが経緯でございます。 ここはひとつ、非常に大きな問題提起になりますので明確にポイントを指摘させていただきたいと思うんですが、景気が悪くなったから財政政策で拡大的な政策を取るというようなことと、そもそもこういう政策と決別する必要があるというのが、今年一月に示させていただいた「改革と展望」において示した基本的な考え方であります。 これは、先進工業国の中でいわゆる財政を使ったファインチューニングを行っている国は、私は日本だけであったというふうに認識をしております。そういう政策を取ると、景気の悪いときには財政は拡大する、しかし景気は良くなっても引締めはできませんから、結局、正に日本がそうなったわけでありますが、財政の赤字だけが膨らんでいく。 だから、今年の一月の「改革と展望」では、財政に関しては自動安定化装置を機能させるということを明言しているわけであります。その自動安定化装置をうまく機能させるという形に持っていく中で、結果的にですね、結果的にこれは、こういうことも見込みながら昨年度第二次補正を打ったわけでありますが、今年は景気回復がまだ厳しい状況の中で財政は決してマイナスにはならないんですと、これは財政が景気の足を引っ張るということではありませんというような形を作っていっている状況であります。 ここは一つの政策運営の基本的な考え方でありますので、少なくとも今の内閣はそういう考え方の下で「改革と展望」を閣議決定しているという点を是非とも御認識賜りたいと思います。 企業の収益が重要であるというのは、全く御指摘のとおりであります。幸いにして循環的には、経済は必ず循環をいたしますので、今の時点で景気の上方修正を、私たち判断の上方修正を少しさせていただいておりますが、証券会社等々が発表しているアンケート調査によれば、二〇〇二年度の企業収益は、これは大手の四百社、五百社のベースでありますが、五〇%、六〇%という大幅増益になるという見方も出ていると。そうした一種の循環の中に私はあるのではないかと思っております。 最後に、委員が御指摘になりました三十兆、小泉総理がそういう発言をしたという御指摘でありますが、私の認識では、その発言の場に私はおりませんでしたので、私の認識では、それは二〇〇三年度以降の財政の規律をどう考えるかという中での御発言であったというふうに私は認識をしております。これは、「改革と展望」の中で示させていただいた試算においても、今年度三十兆を守ったとしまして、来年度は国債の残高が更に増えますから、それでデフレの収束とともに金利もやや上がるということを前提にすれば、実は単年度としては来年度三十兆を上回るということは、これは出てくるわけであります。そのことを言及されたのだというふうに私は認識をしております。 重要なのは、「改革と展望」で正に示しましたように、今年度はスタートラインとしての三十兆を守りたい、しかしその後は、収支差額ではなくて財政の支出、歳出そのもののGDP比を上昇させないようにするという一種の緩やかな歳出キャップを掛けることによって、つまり差額ではなくて歳出をコントロールすることによって財政の健全化を図りたい。その中で、先ほど申し上げました財政のビルトインスタビライザー機能を生かして景気に対しても効果的な財政が出現するような形に持っていきたい、そのような考えで財政を運営をしております。
○浜田卓二郎君 米国も、テロ事件の後に直ちに財政支出を増加を決定をしたり、機敏な、もちろん金利政策も当然でありますけれども、景気停滞から脱しつつあるということもあります。 私は、マクロ政策としての財政の役割が死んだというふうに決め付ける必要はないと思っているわけでありまして、財政も含めて、このデフレ状況、そして需要の不足状況に対して総力で取り組む必要があると思っております。 冒頭の言葉に戻りますけれども、不良債権処理を進めるのを金融庁の手続だけにゆだねるということは、これはしわの寄せ過ぎだと思いますから、総合政策として不良債権の処理に取り組んでいく必要がある、そう申し上げておきたいと思います。 委員長、お時間のようですから竹中大臣は結構でございます。
○委員長(山下八洲夫君) 竹中大臣、どうぞ。
○浜田卓二郎君 引き続いて、柳澤大臣にお伺いをいたします。 今の関連で先にお伺いいたしますが、特別検査とかいろいろ御苦労さまでございました。今回おまとめになった中で、私は評価しているところもたくさんございます、後で申し上げたいと思いますが。ただ、最後に、不良債権は、新規発生分ということでしょうか、一年で五割削ります、整理します、二年で八割整理しますと。これは何を根拠にそういうふうにおっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、不良債権の処理というのについて、私どもはオフバランス化ということをかねて申してきたわけです。オフバランス化というのは、不良債権の中で、その一部であるところの破綻懸念先以下の債権についてオフバランス化という方針で臨もうと、こういうことでございます。 そして、そのオフバランス化というものを言い始めたときに、今この時点で既に発生したものについては、もう二年で処理しましょう、処理してもらいましょうと。それから、今後毎年度発生するものについては、翌年度を第一年目にして、三年度間掛けてこのオフバランス化をしてもらいましょうということを言っておったわけでございます。 そういうことで話は進んできましたけれども、昨今のいろいろと日本の不良債権の処理の遅れ、特にオフバランス化の遅れというようなことが、いろいろ言われる方もおりまして、私どもも、発生したその年の次の年から三年ということは、その枠組みの中ではあるんだけれども、もう少し前倒ししていかないと、三年度目にやりゃいいわというようなことで、一年度目、二年度目というのは余り取組をされないというのも困るわけでございまして、そういうことで、私どもとしては実質二年ぐらいで終わるつもりでやってくれと。それには、発生した翌年度の、つまり初年度、第一年度目には五割ぐらいやるということでやってくれと。それで、その次の年は、もうあとの五割皆やっちゃうつもりなんだけれども、なかなか貸出し先とのいろいろな話合いもあるだろうから、例外的に残るものはあるかもしれぬと。しかし、それはもう二割見当だよと。ですから、次の年はもう三割ぐらい、三割以上やるつもりでやってくださいと。 こういうことを今度新しく一つの目標として、数値目標ですということで要請をさせていただくことにしたと、こういうことでございます。
○浜田卓二郎君 そうすると、柳澤大臣の見通しというか見方としまして、今後の不良債権の発生というのは、今のテンポでいって、そんな生易しいものだというようにお見通しになっていらっしゃるんでしょうか。収束していけるとお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の新規発生については、余り評判良くなかったんですけれども、この前我々は一つの推計を出させていただいたわけです。それを平成十四年度が始まるときにまた試算をしてもいいなとは思っているんですが、いずれにせよ、試算をするにしても、その土台になる平成十三年度の決算が出ないことにはこの作業は進められないというわけでございます。 そのときに、どういうじゃこの前に推計をしたかというと、遷移率というものを使ったんです。遷移率とは何かというと、実績ですけれども、結局、正常先の債権は次の年度にはどういう分類になるんだ。もちろん、正常先で、正常先のままの債権も多いわけですけれども、いろいろな景況、業況で要注意になったり要管理になったりする。それで、その次の年はまた要注意、要管理が破綻懸念先に一部なったりする。こういうふうに時間の経過に従って債務者区分が移っていくのを遷移というふうに金融検査マニュアル上言っているんですけれども、それを大数的に観察して一定の率をはじくことができます。その遷移率というものを使って推計をするということができるわけでございます。そういうことでこの前やらせていただいた。 もちろんそれが、遷移率が全然変動しないということであれば、これはもう新規発生というのはもうどんどんどんどん膨れ上がっていくわけですが、そこは経済の状況、客観的な状況でそれを反映して遷移率というのは明らかに変わります。それは、ここ十年くらいの間の遷移率の実績を見て、名目成長で何パーぐらいのとき、日本の経済がそれなりに順調であるような時期はどうだったとかということもこれも分かりますから、そういうものの言わば実績に基づいて遷移率というものをある程度推計をしてそれを当てはめていくということができるわけです。 今度我々が考えておりますのは、名目の成長率がこの前の「改革と展望」で出されたわけです。すべて公式書類に全文載っているというわけじゃないんですが、「改革と展望」の作業中に出された数字も含めて申しますと、十四年度は名目成長率はマイナスの〇・九であるけれども、十五年度は、これは非公表というか公の数字ではないですが、大体プラス〇・五%ぐらい、それから十六年度はプラスの二・五%ぐらい、名目成長率でございます。 そういうことを仮に計算の前提にすると、やっぱり遷移率というのは、悪化の遷移の率というのはそれなりに緩和されてくる、こういう見通しが立ちますので、私どもとしてはそういうものを基にしてこれからの姿というものを思い描いて、そして新たにこういう施策を織り込むことによって何としても、平成十六年度でしょうか、集中調整期間というものが終了後には何とか正常化のレベルにまで持っていきたい、こういうことを考えてこういう施策を打ち出している、大体のフレームワークはそういうことでございます。
○浜田卓二郎君 私もよく分からないんですが、金融機関が正常化したというのはどういう状態なんですか。不良債権がゼロになるなんということはあり得ないわけですからね。だから、何か私は、不良債権処理の問題、急げば急ぐほどいいという前提でみんな出発して物を考えていますけれども、何が必要なのか、何が大切なのかというのが時々分からなくなるんですよ。柳澤さんだって、特別検査をやりますとか、それから今度は常駐までさせるんですか、そこは後でまた聞きますけれども、何かがんじがらめに、手続的にがんじがらめにしてしりひっぱたきゃ減っていくというような錯覚があるような気がしてしようがない。 つまり、本来、金融機関というのはリスクテークが本業ですから、相手様の状況を見ながら、ここは面倒を見ようというのも当然あるわけですし、それで経済状況が悪きゃ、銀行が幾ら頑張ったって、あるいは金融検査官が幾らやかましく言ったって、相手はだんだん劣化していくわけですから、相手を見ながら話がなきゃ、これは何か無理やりの話みたいに聞こえてしようがない。しかも、柳澤さんが張り切ってしりたたけば、金融検査官が出掛けていってマニュアルよりももっと厳しくやるかもしれないし。 だから、何かそういう、何というんですか、実体経済とか生きている企業とかいうのを抜きにして、金融検査とかマニュアルとか、そういう手続の面だけで不良債権を考えているような気がして、時々ですよ、しょっちゅう考えているわけじゃないんですけれども、いろんな話を聞くとそういう気がするときがあるんですけれども、その辺はどうでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず第一に、不良債権問題の正常化というものをどう考えるかということについては、端的にお答えしますけれども、これは我々二つメルクマールを持って考えているわけです。 一つは不良債権比率、不良債権じゃなくて、全貸出しですね、貸出しに対して不良債権、つまり要管理以下の債権の金額の対比です。これが大体四%近傍というか、ということであれば、これが大体正常化のレベルだろうということが経験的にも言えるし、物の書類というようなものにも書いてあるというようなことで、大体そんなことを我々念頭に置いて、不良債権の問題の正常化というのは、四%を切るぐらいのところまで不良債権比率というものを持っていくということが大事だと。これが一つ。 それからもう一つは、与信費用比率と、こういうふうに難しい言葉を言うんですが、要するに、不良債権の処理損というものを貸出しに対して、貸出し残高に対して比率を取るという考え方があるわけでございまして、これは浜田委員つとに御承知のとおり、私ども昔、税制改正で貸倒引当の引当率を削ってもうちょっと増税しようとかというと、いや、そんなのは実績に比べてどうのこうのという議論をしましたね。あの当時にしていたのは千分の三なんです。つまり、百分の〇・三なんです、与信費用比率が。やっぱり経験的に言っても〇・三%というのが、貸出し残高に対して一年の与信費用比率というのは〇・三ぐらいが正常なことだった、こういうことであるという過去の経験則みたいなのがありまして、やっぱり与信費用比率が〇・三に近付いていくというのが正常化であると、こういうふうに二つのメルクマールを持って私どもは何とか不良債権の問題というものを正常化しよう、こういうことで考えているということでございます。 そもそも、おまえさんは不良債権を自分の検査か何かで、何というか、きりきりやって何とか退治しようと思っているかもしれぬけれども、そうはいかぬぞよ、金融機関が相対面しているのは生きた経済であって、そこからどんどん経済の客観情勢が悪くて不良債権が生まれてきたら、おまえが幾ら検査官のしりをたたいてみたところで、そんなものはもうハツカネズミが輪っかをこいでいるような話になるぞよという御注意かと思うわけでございます。全くそのとおりなんです。全くそのとおりでありまして、客観情勢がちゃんとしない限り、不良債権問題の正常化もこれは望むべくもない、こういうように思うんです。 では、柳澤金融行政というのは何でもっと客観情勢のことを言わないんだと、恐らく浜田委員はそう思われると思うんです。私も本当言いたいんです。本当のことを言って、とんでもない、金融庁の仕事だけに不良債権問題の処理を迫るなんというのはとんでもないことだというふうに私思うんです。 ですけれども、それは竹中大臣がいてほしいんです、ここで。浜田さんが、たまたまいないときに私にいい質問をするものだからこうなっているんですけれども、それはそれとして、どういうことを私は考えているかというと、そうすると、今までの金融行政、不良債権に対して、ともすれば厳しくないというか、厳格と言えないようなそういう処理をしてきたという、我々にとって、本当は金融庁はあるいは金融監督庁になったときに生まれ変わったはずなんですが、相変わらず、手心を加えているんじゃないか、後ろから逆算しているんじゃないかという論者がいるんですね、まだ。どういう加減か私は分からない。 どうしてそんなことが私の金融組織の中で可能かと私聞きたいんです。私がどういう指令をしたら第一線の金融検査官が手心を加えて、まあこの辺をやっておかないと自己資本比率が割れるからななんというようなことがどうして可能なんだと。みんな一件一件、一本一本の債権を本当に議論に議論をして、そして分類しているはずなんです。そんなときに、検査官の頭の中にこれをやったらひとつ自己資本比率が割れるかななんというようなことがあったとしたら、議論にいつも負けますね、これは。私はそういうことはないということを言いたいんですが、相も変わらずそういう、私に言ったら百年河清を待つような議論がなされているわけでございます。 私は、結論として、ですから自分の庭先がきれいになるまでは人のところにしりを持っていくような議論は差し控えた方がいいだろうと、これのみであります。
○浜田卓二郎君 いや、柳澤さんの演説を引き出すための質問じゃなかったんですけれども、筋書は、私は実は竹中さんにこの問題の最後に答えてもらうつもりだったんです。そういう話を十分聞かせてあげなきゃいけないと思ったんですが、何か総理に呼ばれたということで、こういう順序が逆になったわけでありますが、私の言いたいことはそういうことなんですね。 そういうことなんですが、昼休みに日経新聞をちょっと読みましたら、金融庁の長官が、これがみずほから毎日じゃなくて報告を徴求して、しばらくはウオッチしていくというような談話が載っていました。 今はそういう事態ですから必要だと思うんですけれども、ただ、今目指している金融行政というのはこんな方向じゃなかったはずなんですね。つまり、ルールを厳しくしよう、そしてその中で銀行の自己責任というのをもっと厳しく認識をしてもらおう、そして本当に、何といいますか生きた競争を実現していこう、これが護送船団方式からの離脱の目標じゃなかったですか。今は何か逆に、私に言わせると、今、柳澤さん言われた趣旨とかなり似ていますけれども、手取り足取りに過ぎちゃって、おせっかいをしなかったら金融業は独り立ちできないというような、これは私錯覚だと思うんですよ。やっぱりきちんと自己責任がそれぞれの分野で貫かれるという体制に持っていかなかったら、金融行政の変革というのは実現しないですよね。だから私は、こういう時期であっても、そういう問題は、基本認識というのはしっかり動かさないでやっていく必要があるということを、釈迦に説法ですけれども、あえて申し上げたいと思うんですね。 そこで、なぜ急ぐかという議論でもう一つだけしたいんですけれども、金融業のリスクテークの中には、今危ないけれども将来良くなると、しかも今みたいにデフレで総需要が不足していてどうしようもない、このときに幾らあがいても企業の業績は上がらない、だから滞るとか、そういう話というのはあるわけですよ。それをしゃにむに今処理しろ、一年以内とか二年以内というのはそういう思想なんですよ。 その間に政府が責任を持って景気を良くするか、それだけ責任ある政策が取られているか。竹中さんいないから残念だけれども、答え方は知っているけれども、実際の経済政策というのは私に言わせれば取られていませんよ。それでいて、期限を切ってこの間にきれいにしろ、そして柳澤頑張れという話は、私はいびつだというふうに思うものですから、どうでしょうか、金融機関のリスクテークの中には、今だめだけれども、もうしばらく我慢していれば良くなる、その間のリスクを取ってやろうというそういうリスクテークもあるんでしょう。その点どうですか、そう思いますけれども。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっとこの御議論の中に、何というか、織り込んでいただきたいなと思うのは、まずオフバランスの対象が破綻懸念先以下であるということですね。破綻懸念先というのは、基本的に言えば債務超過、それでしかもそんな一年や二年でその状況が改善されるという見通しを持てないというものが基本的な考え方として、大ざっぱに言ってそういうことでよろしいかと思うんですけれども、これをオフバランス化してくださいと、こういうことなんです。 オフバランス化というのは、別に、何というか、破産をさせて清算をするということを言っているわけではなくて、かねて申し上げているとおり、再生型、再建型の処理というものもあるわけでございまして、それは私的整理あるいは法的に民事再生法を始めとするそういういろんな再建型の倒産法制というのはありますから、そういうものを使って、そして再生をさせて、銀行として負うべき負担は負って、そして残債については健全化していくということで、むしろ上位遷移ですね、債務者区分としては上位に遷移させていくということも含めてオフバランス化をするということを言っているわけでございまして、何か全部破産をし清算をするんだということでないということを申し上げたいと思います。 それから、リスクテークということはもちろんそうなんでございますけれども、リスクテークといっても引当金というものはきちっと積んでもらわないと、正にリスクに見合う引当金を積んでいただくということが必要になってくるということでございます。そういうきちっとした対処は、一般の貸倒引当金、あるいは場合によって個別的な引当金も含めてきちっとした引き当てを積んでもらって、そういうような対貸出し先との関係で処理をするというようなこともあり得るということはお説のとおりでございます。
○浜田卓二郎君 次に移りますが、今回の金融庁の取りまとめの中に中小企業融資編の作成というのが入っておりまして、私も読ませていただきました。 かねてから、金融検査マニュアル、これは非常に読むとよくできているわけでありまして、この精神に沿った、実態に即した金融検査の在り方というのを私は注文してまいりましたけれども、そういう観点からも一つのいい具体例が示されたなというふうに思っております。この点は評価しております。 しかし、十三の事例が書いてあるんですね。これからまたいろいろな意見を聴いていろんな事例を増やしていくというお話ですから、是非これは聞いてもらいたいと思うんですが、今申し上げたことにも関連しますが、この十三の事例のずっと共通しているのは、その企業の経営者、経営者の個人的な資質とか資産状況とか、そういうものをできるだけ弾力的に勘案してあげろというのが一貫してある事例の特徴だと思って読みました。しかし、経営者の資質とかそういう資産状況だけではなくて、これは一種の担保的な発想ですよね。 もう一つ、例えば、今のような経済状況で、政府は少なくとも間もなく底を打ちそうだと言っておられるわけで、このまま行けば売上げの落ち込みというのもいつかは近い将来回復しそうだという気配を感じている経営者もたくさんいるはずでありますし、それは個々の商売の中でもっと確実な感じになっていると思うんですよ。そういう経済動向とか、それから狂牛病の騒ぎが、BSEですか、騒ぎがありましたけれども、ああいう一過性のトラブルとか、それによって物すごく売上げが落ち込むとかいう特殊要因とか、そういった何というんですか、変化する要因もこの具体的な事例の中に取り込んでいただけたらいいなというのが一つございますので、これは注文として申し上げておきたいと思います。 それで、今日、信用金庫と信用組合の代表者の方お越しいただいておりますが、どうかひとつこのマニュアルに、具体的な事例に大いに中小金融界の意向を反映させて実のあるマニュアルにされたらいいと思うんですね。 そういう点から、ちょっと一言ずつでも御感想を承りたいと思います。
○参考人(長野幸彦君) かねがね私どもは、御存じのように、金融検査マニュアルについては見直しをしていただきたいということを言っておりました。これは、二月二十七日の緊急デフレ対応策の中にはっきりそういう項目が出されたということを大変有り難く思っております。 そして、かねがね、改正する場合はこうこうこういうような点が問題じゃないかと。確かに皆さん方、画一的、機械的な検査にならないようにというようなことを、地域の状況あるいは金融機関の状況を考えながらやるようにということが十数か所書いてあるんだというような形でいつも御説明いただいていたわけでありますが、実際問題として、検査官の方が検査される際によく分からないんですね、そこら辺のあれが。中小企業の実態把握というものが必ずしも十分できていない、あるいはその企業が将来どうなるのかというようなこと等についての見方ということについても必ずしも御存じじゃないんじゃないか、失礼な言い方を言わせていただくと。 そういうような検査の実態があったものですから、確かにマニュアルにはこう書いてあるけれども、現実の検査ではこうこうこういう問題がありますということを申し上げておりましたし、我々業界としてもこの二年間ほどいろいろ内容を検討してまいりました。ちょうどいい機会でございますから、金融庁さんの方に、我々の現在今までやってきたこと、現在やっていることをどんどん出して、そして中小企業金融の円滑化を全うできるよう努力させていただきたいというふうに思っております。 以上です。
○参考人(田附良知君) 今回におきましては、さきの信用組合への集中検査の際に多くの会員組合から、中小零細事業者を主たる取引先とする組合の特性に十分配慮されていないという声が多数寄せられたわけでございます。そのために、債務者区分の判定におきまして中小零細事業者への金融の特性を踏まえた判断が行われますよう、具体的な事例を示して御当局に対して要望を行ってまいったところでございます。 また、今回の金融検査マニュアル・別冊中小企業融資編につきましては、現在パブリックコメントに付されておるところでございますので、改めて会員の組合員の意見等を整理、集約いたしました上で具体的な対応をいたしてまいりたいと、このように思っております。 なお、今後につきましても、必要に応じて具体的な適用事例の追加等につきまして御要望を行ってまいりたいと考えております。 どうもありがとうございます。
○浜田卓二郎君 最後に、五味検査局長がおいでですから一つ伺いたいと思います。今の各業界からの御要望はしっかり受け止めていただきたいと思います。 それで、まとめられたコメントの中に、実質的常駐検査体制というような言葉が入っておりました。これはどういうことを意味しておられるのかが一点と、それから、今重大な使命を担って金融検査が行われるわけでありますけれども、現在の金融検査体制について、諸外国の例もいろいろあるでしょうけれども、どういうふうに、十分なのか不足なのか、その辺りも含めて、現在の金融検査体制についての感想を聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(五味廣文君) お答えいたします。 初めの、いわゆる常駐的な実質常駐検査の件でございますけれども、これは、最近持ち株会社方式による経営統合などによりまして、主要行を中心といたしまして金融機関のグループ化が大きな流れとなってきている、これを踏まえまして、主要銀行のグループ別に検査部門を再編成をいたしまして、一つの部門が一つのグループを継続的にチェックをするという体制を取ろうというものであります。具体的には、同一の部門が同一グループ内の金融機関を継続的かつ専担的に検査をしていくと。特にホールディングカンパニーのあるグループにつきましては、ホールディングカンパニーには随時立入りということになりますので、年間を通じて検査の体制が取られていくということになります。これによりまして検査の実効性を高めていこうというものでございます。 今までは、グループに対する検査というのは、同時期にそれぞれ異なる主任検査官がグループを一体としてチェックをする。これはこれでグループ内の取引関係の把握などに非常に有効な手法でございましたけれども、そうした手法もほぼ一巡をいたしまして、これからはむしろ各グループの特性を十分ノウハウとして検査局内に蓄積をいたしまして、監督局と十分連絡を取りながら実効性のある実態把握をするという、こういうことが必要であろうと。こういうことで、常駐的なやり方を入れようということでございます。 それから、検査の体制でございますけれども、これは検査の手法あるいは監督の手法が国によって違いますので、外国との比較がなかなか一律にはできない面があります。大体、ヨーロッパ系の国の場合には、検査といいましても監査人を通じてチェックを入れるというようなこと、あるいは、立入りは余り重視をしませんで、経営者との議論を優先をしてチェックを入れていくというようなやり方がヨーロッパでは多いようです。 そこが、したがって、日本のやり方に近いのはアメリカといいますか、日本がアメリカの検査手法に非常に近いと言うべきなんでしょうが、実地検査を中心とした検査、アメリカの場合には、御承知のように非常に多くの監督者が配置をされております。国法銀行を見ますと、OCCですと二千九百人、FRBには千六百五十人、FDICには六千五百三十二人、その他、こうした検査・監督に従事する職員の数というのが日本と大分違います。我が国の場合には、金融庁は、検査、監督合わせまして、財務局の地方も合わせましたところで千人弱という体制でございますから、人数的にはかなり少ないということであります。 ただ、実際の検査は、米国においても、預金受入れ金融機関について年一回の検査を原則とすると。特異な事情のある場合であっても十八か月に一回、つまり一年半に一回は検査をしなければならないとか、それ以上延ばすことはできないわけですが、我が国の場合も、おかげさまで、主要行につきましてはこれまでは二年に一回程度が限界でしたが、年一回体制という、年一回検査という体制が取れるようになりました。ただ、地域金融機関につきましてはさすがにこれは難しいという状況でして、今徐々に、一・五年に一回という水準に徐々に近づきつつあるということでございまして、やはりこの財産の状況といいますか健全性といいますか、こういったものが一番基本的に重要なチェック項目になりますから、年に一回の検査というのは理想だと思っております。そういう意味では、まだ増強の必要があるというのが現場の感覚でございます。
○浜田卓二郎君 終わります。
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸です。 参考人の方々、御苦労さまです。私、みずほの問題を中心に質問をしたいと思います。 午前中の話を伺っていたんですが、私も浜田委員と同じように最初感想を申し上げますけれども、ともかく私の場合は、余りにも緊張感がないなと。金融システムを失墜させたといいますか、前田参考人の言葉をかりますと、金融システムの信頼性を大きく損なったということを言っているんですが、言葉としてはこれは大変重たい言葉なんですが、言葉に比べて内容がないなということを率直に感じました。 具体的に伺っていきたいと思います。 今回のシステムの障害、決済機能を麻痺させたという問題だと思うんですが、この原因としまして、処理量を三倍、四倍まで想定しておくべきだったと、これは石坂専務が四月五日の記者会見で言っていることなんですが。四月一日のATMのダウン、これは想定以上のデータが、データ処理が集中したというところから起きたと思うんですが、一体どのくらいの情報量を想定していたんでしょうか。
○参考人(前田晃伸君) 午前中に御説明しました絵で、従来ですと三つの銀行はそれぞれ直接に事務センターをつなげていましたので、処理量でいいますと、都市銀行、我々、都市銀行が二つと長期信用銀行がありまして、長期信用銀行はそんなには大きな処理量はございません。都市銀行が二つ分がある意味では縦につながっておりましたのを直列につなぐ形式になりますので、そういう意味では処理量はほっておいても二倍必要なんですが、今回のケースは、そういうのを想定して全体の処理量は三倍に上げております。 ただ、トラブルを起こしましたのは中継する部分で、リレーコンピューターということで御説明しています。その部分の処理量も、もちろん設計は倍にしたんですが……
○池田幹幸君 それは午前中に伺いました。
○参考人(前田晃伸君) はい。その部分がうまく通らなかったというのが主因でございます。
○池田幹幸君 ATM、三倍から四倍ということなんだけれども、私が伺っているのは、三倍から四倍やっておくべきであったと。で、答えは、三倍は準備したとおっしゃった。その基礎となっている数字は、じゃ、どれぐらいですかと私、伺っているんですよ、ATMの。
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。 ATMの利用者数、まあ利用者数で申し上げた方がいいと思いますが、月間で二千五百万件でございまして、一日当たりの平均利用件数は八十万件でございます。ピークの日にちはそのちょうど倍ぐらいで、百五十万件がこの平均利用者数でございます。
○池田幹幸君 実際にはどれぐらいの処理が必要になったんですか、四月一日は。
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。 一日は、三月三十、三十一が土日になりまして、実質、一日が月末日と月初日と重なった日でございますので、恐らくこのATMの利用件数は百五十万件強ということだと思います。
○池田幹幸君 じゃ、一日当たり最大になるのは百五十万と今おっしゃったでしょう。百五十万だったらパンクするはずないじゃないですか。
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、コンピューターセンターのキャパシティーの問題ではございませんで、リレーコンピューターが不都合になって、要するに二つの銀行で同時に利用することができなくなったという意味でトラブルが起こったわけでございまして、片方の系列、旧富士銀行の系列、それから旧第一勧銀の系列そのものの縦のラインの利用はそのままできたわけでございます。 それは三月まではばらばらだったんですが、四月の一日からは一つの銀行になりましたので、どちらのカードを持っていましても、どちらの銀行でも使えるという設計をしたのがこのリレーコンピューターでございます。その部分の接続が不都合になったので利用できなかったようで、全面的に止まったということではございません。
○池田幹幸君 それじゃ、口座振替の方はどうだったんですか。口座振替は、もうこの数は当然予測できていましたですよね。
○参考人(前田晃伸君) 口座振替は、私どもが請け負っております件数は月間で約二千七百万件でございます。一日当たりの平均で百三十五万件でございます。 これで、四月の一日の日にちは、先ほど申し上げましたとおり、土日と月曜日と月末が全部重なりましたので、恐らくその百三十五万件に対しては、三倍以上の三百万件強の処理量だったと思います。
○池田幹幸君 結局、その程度のことがもう当然想定できておったのに、それが処理できないという失態を招いたと、こういうことなんですね。まあ大変お粗末だと思います。 そこで、こういった問題が起きたことについては、単に技術的な問題ではないと思うんですよ。あなた方自身がきちんとした準備をしてこなかったその経営姿勢にあるんだと私は思うんですが、そのことについて幾つか取り上げたいと思うんですがね。 まず、一月の段階でUFJでトラブルが発生したんですね。これはもう有名なことで皆さんよく御承知のところです。このUFJの場合は、このUFJでさえという話をさっき大塚さんがおっしゃっていたけれども、一月の二日に全国すべてのATMとマシンに人を配置して一斉に入力する打鍵試験というのをやっているんです、打鍵テスト。これを、テストを繰り返したと言っておりますけれども、当然、UFJと同じように、みずほにおきましても全すべてのATM、マシンを一斉に動かすという、こういった打鍵テストをやる必要があったと思うんですけれども、いかがですか。
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。 ATMの打鍵テストというのはちょっと私にはよく分からないんですが、打鍵テストという場合は、普通、端末機のキーは正常に動くかどうかというのをやるということでございます。それで、もし先生の御質問がATMが正常に動くかどうかというテストをしたのかということであれば、もちろん当然のようにテストをいたしました。これはすべての機能が正常に動くということをテストいたしまして、この一日に起きたトラブルも、ATMがトラブルを起こしたのではございませんで、リレーコンピューターの回路が不手際がありまして止まったために端末機が動かなくなったのでございまして、端末機そのものの故障ではございません。
○池田幹幸君 私、伺っているのは、そんなこと伺っていないでしょう。 そのUFJでやったのは、一斉にすべてのATM、すべてのATMに人を配置して一斉にやるんですよ。一斉に動かすんです。これを一斉に打鍵テストする。この一斉に動かすということをみずほはやらなかったんじゃないですか。──いや、やってないんだよ、やってないということ。
○参考人(前田晃伸君) 済みません、遅くなりました。 三行の間のATMの相互利用は既に昨年の八月から実施済みで既に動かしておりますので、それそのものがトラブるということではございませんで、それからUFJさんのケースは、これは口座振替の二重引き落としが大量に発生したというのをお聞きしています。 その件につきましては、私どもも当然その事態を重く見まして、UFJさんのケースと同じようなことが起こらないように、テストを強化テストと称して実際には行いました。それで、やったにもかかわらず、実はこういう二重引き落としとか遅延が起こったというのは、これは大変に御迷惑をお掛けした部分でございます。
○池田幹幸君 これ私、事前に伺ったんですけれども、結局、UFJではそういうことをして、何度ももうすべてのATMをすべての人を配置して一斉に動かすというテストを何回もやっているんですよ。そういうことをやらなければ駄目だということについては、少なくとも金融庁、そのことについては知っていたはずなんです。十二月の時点で金融庁は、検査の中でシステム統合問題を指摘したというふうな言葉で言われておるんですけれども、UFJですらやってきたことについて、みずほでやっていないということ、これについては、既に金融庁、つかんでいたんじゃないですか、やるべきテストをやっていないということ。
○委員長(山下八洲夫君) 発言者は挙手を願います。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 具体的な中身はともかくといたしまして、いずれにしても、昨年の十月には検査結果を通知しておりまして、同日で我々は指摘された事項について報告を求めております。検査局と一緒に対応の状況等についてヒアリングも行っております。それから、その後、統合の認可等もやっておりますが、その際にも、併せ、システム対応について万全を期するようにいろいろ注文を付けております。
○池田幹幸君 そのUFJで起きたことについて、その教訓を踏まえてきちんとやるべきだということについては、みずほに対してやったはずですね。その際、私が今指摘したようなことについては指摘しなかったんですか。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 ちょっとその具体的なことはともかく、UFJの前例もありますから、それを踏まえて的確な対応をするように要請はしております。
○池田幹幸君 だと思うんですよね。 ただ、問題は、森長官の会見でもそれをうかがえるんですけれども、書面審査とヒアリングを中心にしてリスクを何度も指摘し、ストレステストを促してきたというふうに報告出ておりますと言うんですが、ストレステストといえば、さっき前田さんがおっしゃったように、部分的にそういった不具合が起こらないかということをストレスを掛けてやるというテストらしいんです、どんなストレスか知りませんが。一斉に打鍵テストするというのとは話が違うんです。 そういう点を私、最高責任者の段階でこういうことを、詳しいことを知らないというように言えるのかも分からぬけれども、しかしそんな問題じゃないと思いますね。これは大変な準備を掛けてやらなければいけない問題なんですから、こういうことについて御存じないということについては随分問題だというふうに思います。要するに、ストレステストというのかもしれませんが、それも含めてこういった基本的なテストをやっていない。結局、ある面ではぶっつけ本番なんですよ。 私、別のところでは、三十日時点で既にその問題点が起きているということについて金融庁もつかんでいたというふうに聞いているんですけれども、ともかくもぶっつけ本番、そのことを金融庁は容認してきたと言わざるを得ないと思うんですね。 この点については、柳澤大臣、そういう認識はおありですか、ぶっつけ本番、容認したと。
○国務大臣(柳澤伯夫君) いずれにいたしましても、現在はまだ滞貨的な事務処理が残っておりまして、先ほど大塚委員も現場の人たちの苦労のお話に言及されましたように、私どもとしては、そこのところはまずそれを全力をもってやるということを見守っているという状況でございます。そして、それが終わった後に、終わったというかめどが立った後に、私どもはしかるべき措置を進めたいと、このようにかねて考えているところであります。
○池田幹幸君 何か人ごとのようですね。私、やっぱり金融庁にも責任あると思うんですよ。何かみずほがきちんと処理をして、その責任問題を明らかにして持ってくるのを待っていますという感じですけれども、そうじゃないでしょう。 先ほどの読んだ中で森長官は、要するにストレス検査促してきたと、もしそれが足りないということであるならば我々も反省しなければならないと言っているんですね。単に反省するぐらいで済む問題じゃないと私は思いますけれども、少なくとも我々も反省しなければならないと言っているんですよ、この時点で。これ四月の八日の記者会見ですよ。待っているなんというものじゃいけないでしょう、金融庁。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 待っているなどというようなことを言った覚えはございません。現状、とにかく緊急事態が起こっておりますから、これの解消に努めているのを見守っていると、こういうことを言ったんです。 そういうものがめどが付くというか一段落したところで、私どもは、まず実態の把握、このことをもう一度きちっとやる、しかる後に、どういう原因があった、あるいは再発防止はどうだ、責任の明確化というところではどういうことを考えなければならないか、これを進めていくということを申し上げているわけです。
○池田幹幸君 それでは具体的に、待っているんじゃなしに、そういった問題についても金融庁も積極的にやっているのかどうかということも含めて質問したいと思うんですが、ともかく今度の問題、システムトラブルだとか云々かんぬんじゃなしに、経営姿勢の問題だと私最初に申し上げました。 そこで、まず一つ伺いたいんですけれども──その前に、今、要するに、この今の混乱がともかく復旧するということを言われたんですが、前田さん、前田参考人、この復旧、完全復旧はいつごろになるんですか。
○参考人(前田晃伸君) オンラインは既に正常に稼働しておりますが、まだ、新聞等で御案内のとおり、口座振替の四月の一日から三日に大変に混乱したときの処理が四十万件残っております。今まで既に一千万件、約一千万件の処理をしておりますが、その四十万件は実は、最初にやったのが残っていて、手前の、すぐ手前で二百万件ぐらいが処理どうしてできるのかと言われると大変困るんですが、実は、この手前のところで受け付けた分、処理している分は既に正常に流れておるんですが、一日から三日の間で、物流を含めていろいろ混乱した部分で約千社の分の取扱いをしたんですが、この部分の約三百万件強の中で一部二重引き落とし等が発生しておりまして、その四十万社というのを再度テープで掛ける場合に、また二重引き落としが起こるというような大変リスクがございます。 それから、データは実はテープに入っておりまして、外からでは見えませんで、データの中が完全に正常かどうかというのも実は全部チェックをしながら掛けるという作業なものですから、一挙にゼロにならないということでございます。ただ、これも二、三日中にその掛けられる状態まで持っていけると思います。 ただ、完全復旧はいつかと言われますと、これは、最終的にお客様、委託者の方のニーズに合わせた形で結果のデータをすべて先方さんの仕様に、例えばMTで落とすとかフロッピーで落とすとか、先方さんの仕様でお返ししないと、企業の方にとっては企業の処理ができないわけでございます。そういう意味で、完璧な形でお返しするにはもう少し時間をいただきたいと。私、ちょっと楽観的なことを申し上げちゃいけないんですけれども、今月一杯ぐらいまでにはほぼ正常化できると思います。 もちろん、既にお返ししている分ございますが、先ほどから申し上げていますとおり、お客様に合わせて、例えば電力さんですと膨大な処理を一挙にやります。その電力さんの部分の明細をすべてデータに落とし込みませんと電力さんで処理ができないという、そういう事態でございまして、これ一社一社全部仕様が違うものですから、一挙に流すというのは大変困難な事態でございます。ただ、これは今まで既にやっていたことでございますので、最初の混乱の部分でどうしても処理に手間取ってそこに人を使ってしまいましたので、相当の人数を投入いたしましたが、誠に申し訳ないんですが、復元するところ、それからお客様と再度御照会するところに手間取って、その四十万件というのが残ってしまったということでございます。十五日に多分約二百万件程度の処理は通常どおり行われております。
○池田幹幸君 今月一杯ということのお話ですね。 それで、今、ATMだ、口座振替だ、それから二重引き落としだということありましたけれども、それ以外のもう一つちょっと伺いたいんですが、手形決済です。 この手形決済業務なんですけれども、みずほグループでは手形の在庫、どれぐらいあるんでしょう。在庫。
○参考人(前田晃伸君) ちょっと、大変恐縮です。在庫という意味がちょっとよく分からないんです。引き落とし枚数という意味でございますと、ちょっと大変申し訳ございません、今手元に持っておりませんが、事務処理量から申し上げますと、恐らく全国の手形決済の一、二割はあるかもしれません。それくらいの膨大な量だと思います。
○池田幹幸君 これは大体、取扱量は、都市銀行の場合、月平均、入庫枚数が二十万から六十万、それから在庫枚数が六十万から百八十万ということですから、みずほの場合は大きな銀行三つくっ付いたわけですから数百万ぐらいの在庫があるというふうに推定されると思うんでけれども、大変な膨大な量なんですけれども。 さて、この手形決済ですね。この手形にかかわる業務、これが遅れが出ておると思うんですけれども、どういった状態ですか。どの程度の遅れになっていますか。
○参考人(前田晃伸君) 手形決済そのものは、通常に落ちているのが大半だと思いますが、手形決済という意味ではなくて、代金の取立ての入金が例えば遅延したり、そうしたケースが一日、二日にあった可能性がございます。 実は、詳細なデータはまだちょっと完全に分かりませんで、ただ、大量にそういうことになったということではございませんが、手形の決済等で一部事務の不都合があった可能性がございます。ただ、先ほど申し上げましたように、ほとんどの部分についてはもう通常どおり決済は終わっております。
○池田幹幸君 私、事前に伺ったところでもそうなんですよ。一部に迷惑をお掛けしていますと言うんですね、手形の業務で。一部ってどれぐらいかなんですよ。みずほの場合の一部と信用金庫や信用組合の一部とはえらい違いですよ。一部ってどれぐらいなのか、迷惑ってどんな迷惑を掛けているのか、つかんでおられますか。
○参考人(前田晃伸君) 少なくとも、私が聞いている限り、今ちょっと、一部という言い方は非常に不正確で申し訳ないんですが、そんなにたくさんの数があったとは聞いておりません。
○池田幹幸君 一%でも数万なんです。そうでしょう。在庫数百万。
○参考人(前田晃伸君) いえ、そんなにございません。
○池田幹幸君 いや、一%もないですか。分からないと言われて、次はないって、どっちが本当なんですか。
○参考人(前田晃伸君) ちょっと説明がまずくて申し訳ございません。 何%という、そういう確率の話じゃございませんで、そんなにたくさんの数の手形が事務ミスを起こしたとかそういうことは聞いていないということでございまして、ちょっと、百万だから一万枚とか、そういう一万枚レベルというのはもう大変な事務ミスでございまして、そういうことは聞いておりません。
○池田幹幸君 〇・一、二%でもそういうことになるじゃないですか、数の上からいけば。 それで、例えば具体的な事例、三月三十一日に会社更生法を申請した日産建設、これの場合の手形、これは当然のことながら三十一日ですから一日には決済が回ってきます。二日午前十時にはこれ手形交換所に持っていかないかぬ。問題ありますけれども持っていけなかったはずですね、これ。つかんでおられますか。
○参考人(前田晃伸君) みずほコーポレート銀行が日産建設さんの多分お取引の銀行だと思いますが、そうした報告は受けておりません。
○池田幹幸君 きちんと処理できていないんですよ。これ昨日からずっとこうやっておって、最終的には御返事も私いただいているからお話ししますけれども、この返事は、最初はやっていますと、昨日の段階ではそうだった。だんだんだんだん後退していって、最後、先ほど昼休みの段階ではおおむね終わったという返事いただきました。社長の方に伝えておいていただくように私はお願いしたんですけれども、ちょっと時間的に間に合わなかったのかもしれません。おおむね終わったという説明なんですね。おおむねということは全部終わっていないということなんです。 結局、こういった混乱を起こしてきている。これ不渡りの手形ですから損するのはみずほなんでしょうけれども、自分のところが損したからいいよということではないと思うんですね。そういった混乱を全体に及ぼしておるという問題がここにはっきり現れていると思うんですね。 さらに、私、衆議院段階で前田参考人は質問を受けて顧客に実害を及ぼしていないという答弁をし、それを後でまたすぐ撤回された。撤回したからいいようなものですけれども、しかし、それは私は、その後の御答弁を伺っていると、どうも本当に心の底から撤回をされたのかなという疑問を持ちます。 一つ伺いますが、二重引き落としの問題、これ二重引き落とし、最高でどれぐらいの額のやつが二重引き落としになっていますか。
○参考人(前田晃伸君) お待たせしました。済みません。 二重引き落としとなりました、もう既に公表いたしておりますけれども、お取引先や個人のクレジットカード利用の分、若しくは公共料金の支払等で一件当たり数万円程度のものがかなりの数、六、七万起こっております。それから、一部には、法人でリース料等の支払で大口のものの二重引き落としも起こっております。これはすべて四月の九日までにお取引の関係の修正はやらせていただきました。大量に二重引き落としは起こりまして、誠に申し訳ないと思っています。
○池田幹幸君 一番額のでかいので三千万と伺いました。三千万二回引き落とされると、幸いここの企業は倒産しなかったようですけれども、これ倒産する場合だってありますよ。これとんでもないことなんですね。 例えば、これ小さなように見えるけれども、私のところではこういう連絡が来ています。大体、二重引き落としが解消されるまでの期間が二営業日掛かるというんですね。それぐらい掛かったと。例えば、携帯料金、これを二重に引き落とされた、残高がなくなってしまって食費がなくなったという学生さんが出ている。これ、笑い話のようだけれども、大変なことなんですよ。わずか一人の学生の話だというお気持ちがあるかもしらぬけれども、この問題は、銀行が、みずほがお客さんのお金を奪い取ったと、そういうものでしょう、一時的にせよ。ちゃんと返しましたと言うかもしらぬけれども。そういう問題だという自覚はありますか、前田参考人。
○参考人(前田晃伸君) ただいまの件につきましては、四月の一日のトラブルの過程で、振り込みが届かずに、出張される方でキャッシュが下ろせなかったとかいろんな現象が一日には起こりました。 先生御指摘のとおり、学生さんでもそんなにお金がない場合に二重に落とせば当然にもうお金がなくなるわけでございまして、そういう意味で、社会インフラとして成り立っております取引先に、ある意味では今まであってはならないと言われたことが現実に起こりまして、そういう意味で、午前中に申し上げましたとおり、正に社会的な信用を失墜したという、これは大変に私どもといたしましても申し訳ないと思っております。 私はこれは、信頼を回復するためには、事故を起こさないということと、あとは、約三千万のお取引口座をいただいておりますので、この三千万のお客様にいいサービスでお返しすることが唯一の私どもに残された道だと思っております。ミスを何度も起こしますと、取引先が、もう取引がなくなるということでは、これが私どもにとりましては一番深刻な事態でございます。そういう意味で、そうならないように全力を尽くしますので、何とぞ御理解いただきたいと思います。深くおわびいたします。
○池田幹幸君 口で何度おわびおわびと言われても、私は問題点を幾つか更に指摘しておきたいんですけれども、こういう混乱の中では、正に銀行の経営姿勢が窓口の中では全部表れるんですよ。 どんな対応をしたかと。口座振替、信販会社からの口座振替が落ちないということで苦情を申し入れてきた人に対して何と言ったかと。口座振替センターに連絡を取ってくれと言うわけですよ。それは、口座振替センターはうちでは答えられないと言った。当たり前ですよね。当たり前ではないかも分からぬけれども、言わなかったと。元々みずほの責任ですからね。センターではこれはもう、どこへ聞けばいいと言われたら、銀行のトラブルでしょうと言った。当然でしょうね。さらに、口座振替センターが機能していないということがあるわけですけれども、そういうことですから、十一日に新たに未処理の口座振替がまた見付かるというふうな事態がまた起こってきたんですね。 これは、そういう窓口の問題とは全く別ですけれども、とんでもない事件が一つ大阪のある支店で起きているんですね。これは大阪のみずほ銀行やみずほコーポレート銀行が入っているビル、旧富士銀行の支店です、大阪の。もう御存じでしょう。四月一日、ランニングシャツの男が侵入したということで大騒ぎになって、捜したと。大混乱になったと。ところが、見付からなかった。見付からなかったわけですね。そして翌日、行員に説明があった。一日じゅう捜しても見付からなかったために、見付かりませんでしたが安心してください、行員にそういう説明をしたそうですね。一体これどういうことなんですか。 大体、みずほ銀行というのは、原因が究明されなくても、まあ事が過ぎればそれでおしまい、こういう態度を取る銀行ですか。これは重大なことでしょう、こんなこと。
○参考人(前田晃伸君) 一日の混乱の中で、サービス全般に要するにいろんな気配り等が全く行き届かなかった事態は恐らく起こったと思います。 今のケース、大変恐縮ですが、私は持ち株会社でございまして、直接現場で指揮していなくてその点は存じ上げませんでしたが、少なくとも私のところにも、いろんなところで不都合があった、若しくは電話が掛からないとか、コールセンターに掛けても電話が全然出ないとか、いろんなもちろんおしかりを受けました。 私どもは専用のコールセンターを作りまして、土日も大増員いたしまして、少なくとも電話応対で、要するに電話に出ないというような状態がないように手配いたしましたが、つい最近までで累計で一万人以上の方からお電話いただいています。そういう意味で、それだけ大きな影響を皆さんに与えたということを深くおわびします。 昨日現在でも、まだお電話で御照会いただく方が一日に五、六百件おられます。最初のときには一日に午前中だけで五千件とかいう、それこそ大変な御迷惑をお掛けしたということでございまして、この点も、誠に申し訳ないんですが、正に不手際が重なったということでございまして、それから、お答えするこちらのコールセンターの手元にデータそのものの正常なのが直ちにデリバーできなかったとか、新しい銀行がスタートしたばかりでもございまして、すべてちょっといろんなのが三日間ぐらいに濃縮いたしまして、本当にそこは申し訳ないんですが、物すごく御迷惑をお掛けしたと思っております。そこは本当にそういうことで、私どもといたしましては、両銀行を含めて深くおわびしたいと思います。
○池田幹幸君 これはたまたま、ディスクロージャー誌ですけれども、二〇〇一年みずほフィナンシャルグループ、これの中で統合の基本理念というような立派なことが書いているんですよね。お取引先に最高水準の総合金融サービスを提供するとか、トップバンクとして、広く社会から信頼される、社員にとって働きがいがある魅力に富んだ職場にする、もろもろもろもろ書いてありますが、こんなもの何にもできていないじゃないですかということがもう最初に、わずか数日にして証明されたし、そしてそういったトラブルが起きたと。それを処理するその姿勢がなっていないという。もう二週間たってもそのことがはっきり表れてきているんですよね。私、そのことを強く指摘したいと思うんです。 特に、今日の新聞では、朝刊で、第一勧銀と富士と興銀の最高責任者、頭取が、今みずほの顧問に就任しているけれども、顧問を辞めます、あるいは退職金も返す予定だというふうなことが出ておりました。それは当たり前でしょう。当たり前でしょうけれども、その程度で済む問題じゃないでしょう。実際に前田参考人自身が統合推進本部の本部長ですか、ということでこれやってきたわけですから、その責任というのをやはり全国民の前に、全お客の前にはっきりさせていく必要があるだろう。 私、このことをひとつはっきり言っておきたいのは、衆議院での実害問題、こだわるようだけれども、少なくとも顧客に対しては一円の損害も与えない、完全な損害賠償をする、こういった姿勢を少なくともまず明らかにする、そして今の混乱を収めて、あなた自身のきちんとした責任を取る、少なくともこういったことについてはこの場ではっきり言明していただけますか。
○参考人(前田晃伸君) もちろん、私どもが原因でお客様に損害を与えた場合には、私どもが損害を賠償する責にあるのは当然でございます。 それから、責任問題につきましては、午前中にも申し上げましたが、私は三月の三十日からこの移行対策本部に参りまして、四月の一日からこの新しい銀行の社長として陣頭指揮を取っております。責任という意味では、私の責任を含めまして、要するに全体でどこに問題があったのか、それから再発防止はどうしたらいいのか、そういうのをすべて見た上で、当然のことながら私の責任を含めてしかるべく対応させていただきます。今はちょっと、誠に申し訳ないんですが、完全復旧を必死にやっておりますので、もうちょっとお時間をいただきたいと思います。
○池田幹幸君 損害があった場合にはというのはちょっと気になりますけれども、やると、絶対迷惑掛けないということですから、そのままお伺いしておきたいと思います。 そこで私は、やっぱり金融庁の責任、とりわけ柳澤大臣の責任も、これ非常に重大だというふうに思うんですね。 福田官房長官は、昨日の記者会見で、日本の金融機関への信用を失墜させたみずほの責任は相当あると思うということを言っているんですけれども、かなりのんきな言い方だなと。ともかく日本の金融機関への信用を失墜させたというんですから、こんなものは相当どころの責任じゃないでしょう、重大な問題なんですね。この言葉の重みというのをどれほど感じて言っておられるんだろうかなということを私はつくづく感じるんですが。 問題は、こういった問題を起こしたことについて言えば、政府自身、金融システム改革、これを大義名分の下にどんどんリストラを進めてきました、合併も推進してきました、急げ急げと言ってきました。こういった中で、予測できた問題についてもきちんとした対応を取らなかったんじゃないのかと。少なくとも、一月以降のUFJの問題が起きて、十分な教訓があった。そのことについて対策を取っていない。三月の末にみずほでトラブルがあったということを報告を受けていながら、大した問題じゃないだろうというふうに感じておられたんじゃないか。 私は、柳澤大臣が九日の記者会見でこう言っておられるんですね。オペレーショナルリスクについて、日本にとっては縁の薄い問題だけれども、世の中はこの辺りを大きく取り上げられるのだろうなくらいに、正直言って我々は思っていたという発言をしておられますね。そうしておられるんです。これはインターネットから引き出したんですけれども。これは、こういう姿勢が、こういう姿勢で行政に当たっておられたと、日本は大丈夫と。そういう姿勢が正に全体に影響を与えていたと、そうお思いになりませんか。極めて重大な金融庁、大臣のここにその責任があると。ある意味では、私は、その姿勢たるや、みずほと同等だと言ってもいいんじゃないかというふうに思うんですね。これこそが日本の金融システムに対する、あるいは金融機関の信用失墜ということを招くその背景にあったんだということを柳澤大臣自身が厳しく自分自身に問う必要があると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 要するに、オペレーションということについては、日本国民というのは非常に律儀に、しかも、いわゆるマニュアルで自分の守備範囲だけの仕事をやっていればそれで事足りる、全体の中での自分の仕事の位置付けなどというようなものにはとんちゃくしない、そういうもの、そういう仕事ぶりと正反対の仕事ぶりということで、我々のオペレーションというのはもう本当に的確に運営されてきたということだというふうに私は思っているわけでございます。 〔委員長退席、理事円より子君着席〕 したがって、事務リスクあるいはシステムリスクというようなことについても、まあ専門家の人たちが一生懸命やってくれている、それに任せていればまず大丈夫だと。こういうようなことは、一般に日本国民というのはそういうことではなかったかと、こういうふうに私は思います。 しかし、こういうことが起こってみると、現実に起こってみますと、その辺りのことについても少しいろいろと我々反省をしてみなければならないことが出てきているのではないかというふうに私は思っておりまして、ちょっと今委員のお読みになった箇所が、どういう意味合いで私が発言したことか、多分日ごろ思っているそんなことが念頭にあって発言したのかもしれないなと思って、ちょっとその当時のことを正確に頭の中で再現できないんで、取りあえずこういうお話を申し上げているわけですが、率直に言って、オペレーショナルリスクというものが、最もそういうところで、正確、的確に行われているはずの我が国で起こってしまったというのは極めて残念だというふうに思っております。
○池田幹幸君 そういう意味で言っておられたんですよ。オペレーショナルリスクというのは日本では余り起こらぬだろうと、日本ではなかなか技術の水準も高いからと言っておられるんです。だけれども、これ、今月の九日ですよ。一月にUFJで事件が起きたわけでしょう。それもつかんでいるわけです。それで、盛んに、高木局長がおっしゃったように、きちんとやれということでみずほにも言ってきたというんですよ。そういうことがずっとあるんですよ。にもかかわらず、九日の時点で余りにもこの発言はのんきじゃないかと。これは、こういう姿勢がずっと行き渡っているんですよ。こういう姿勢で行政をやっておられるから、いい加減なやり方を許してきたと言わざるを私は得ないと思うんですね。 それからもう一つは、私は、これは小泉内閣の僕らは構造的なものだと思いますよ。余計なことをここで言うかもしらぬけれども、武部農水大臣いまだに辞めてないですね。こういうところにありますし、先ほどの福田官房長官の発言だって余りに軽いですよ。重大問題なんですよ。(「首相が軽い」と呼ぶ者あり)そのとおりかもしれません。そういう問題であるということを私指摘しておきたいと思うんです。 非常に時間が短くなりましたが、金融検査マニュアルの別冊のことについて伺いたいと思います。先ほど浜田委員から質問されたんで、そのことについては割愛させていただきますが、信用金庫と信用組合の方からおいでいただいた長野参考人と田附参考人に伺いたいと思うんです。 私ども、一月の段階で、信用金庫、信用組合がばたばたつぶれている状況の中で、私たちの緊急政策、緊急の訴えというものを出しました。それで、それぞれの業界にもそういった問題を持って回ったのでよく御存じだというふうに思うんですけれども、これまでもいろいろと御両人は言っておられます。 信用組合中央協会の田附参考人は、こういう発言を金融ビジネスでしておられますね。信用組合のような協同組織組合は地域の発展、活性化のためには何でもするとの認識で臨んでいる。大競争だけでは社会は成り立たず、助け合いの精神は不可欠。このため、内部蓄積よりも地域への還元が協同組織として根付いてきたんだと。私、そのとおりだと思います。 また、長野参考人は、先日の経済産業委員会、衆議院の、そこでこう言っておられますね。「金融検査マニュアルの内容自体が、果たしてあれで本当の中小企業の経営内容、実態が把握できるのか」と疑問を出されました。これも私、そのとおりだというふうに思うんですね。 ともかく私どもは、この間の金融庁の信金、信組に対する検査、非常に問題があった、これでもってばたばたつぶされたというふうに私たちは考えておりまして、いろいろ私たちも指摘をしてきました。ともかく画一的なマニュアルの適用は駄目だということを訴えてきました。今度これが一つ出ました。先ほどのお二人の話だと、今度のこのマニュアル別冊について非常に期待感を表明されました。確かに、ここへ書いてある点で言えばそれはそうなんですが、果たしてそこまで評価できるのかということについて私ちょっと質問したいと思うんですね。 〔理事円より子君退席、委員長着席〕 先ほど表明されたわけですから、ちょっと金融庁に伺った上でもう一度その話をお二人から伺いたいと思うんですが、これは、今まで我々が度々言ってきたように、中小企業向けのマニュアルを作るということじゃないんですよね。そうでしょう。マニュアルそのものは変えませんと、運用に当たってできるだけ細かく、今までよりも更に細かい運用事例などを載っけてこれでもって運用しましょうと、こういうものなんですよね。ということは、しっかりと中小金融機関向けのマニュアルを作る、なぜそこまで金融庁は踏み切らないんですか、大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 要するに、池田委員のお立場はダブルスタンダードにしろと、こういうことなんですね。つまり、信用リスクが同じ程度あっても、何というか、債務者区分を、極端に言えば、破綻懸念先になるような状況であっても要注意先ぐらいにとどめておけと、要管理、要注意のものでも正常先にとどめておけと、こういうような、そういう仕掛けを何か作ったらどうかと、こういうことかと思うんです。それは、やっぱり金融機関の健全性ということからすると、やっぱり私ども取り得ないところだということが大前提なんです。 そこで、池田議員、要するに債務者を評価するに当たって、通常、完全にもう所有と経営が分離されているような、そういう場合の経営なり財務の内容を判断するのと、所有と経営というものがある意味でいうと一体にかなりなっているというものについての財務、経営内容の判断というのはやっぱり違いますよねと。じゃ、それが違うというところをどういうふうに実態把握したらいいかということの話としてこの話を我々は取り上げているというところでございます。 ですから、そういうことであれば、その実態把握の仕方についての留意事項、これを一杯、たくさん集めてきて、こういうことは留意しなさいということでもって我々の目的を達しようとしているわけでありまして、そういうことについては、これからたくさん材料を出してくださいというふうに我々は呼び掛けているということで御理解をいただきたいと思います。
○池田幹幸君 柳澤大臣が言われたことは、ちょっと誤解しておられますよ。 破綻懸念先を要注意先にしろとか、そんなこと言っているんじゃないんです。別のスタンダードでいくと、当然破綻懸念先にはならないんです、要注意になるんですよ。今、大企業と同じような形で、大銀行と同じような形で査定していくとなってしまうけれども、柳澤大臣はあくまでも一本化で考えておられるから、破綻懸念先を要注意にしろということだというふうに理解されるけれども、そうじゃない。きちんとしたダブルスタンダードでいけば、それはもともと破綻懸念先にはならない、正常あるいは要注意先なんですよ。中小企業としてはそういう形で隆々と、きちんと信用金庫や信用組合が面倒を見れば、生き返るどころか、今生きているわけですから、きちんとした形でもうけの出る企業になっていく、私はそういうことを申し上げている。 そういう立場で我々今ずっとやってきたわけで、その点については、信用金庫、信用組合の方々は私どもが言っていること理解していただけると思うんですけれども、そういったことについてお二人から御意見、感想をいただきたいと思います。
○参考人(長野幸彦君) かねがね私どもは、我々信用金庫に対して見る場合に、その経営の健全性の尺度として、やっぱり大銀行、国際業務をやっている大銀行、大企業を中心としている金融機関と、我々中小零細企業を取引対象としている金融機関に対して同じ尺度で見るというようなことについてはいかがなものかということで、かねてから別の見方をお願いしたいということで主張してまいりました。 ただし、ダブルスタンダードというものは許されないんだよ、基準が二つあるということでは世の中が通らないんだよ、こういうようなことがございましたんで、そうか、やむを得ないなと。そうであれば、実際面で、中小企業を見る見方ということについてお互いにひとつ話合いをしていこうと、こういうようなことで、今度の姿勢については高く評価したいと、こういうことを申し上げたわけであります。
○参考人(田附良知君) 先ほどの先生の御指摘の点につきましては、私どもとしても十分理解できるところでございます。 ただ、仮に私どものための金融検査マニュアルが作られたといたしましても、いわゆる信用組合、銀行より甘い基準が適用されておるというふうな見方を一般的にされる、こういうことになりますと、特に、現在の時点はペイオフ解除、解禁直後でございますので、そういう状況下にありましては、預金者等から別の基準でやって甘いんじゃないかというふうな見方をされるということは、いわゆる風評リスクということにも通じかねない問題だろう、こうしたことで逆に資金が流出するというようなことを招くというようなことになると大変だと、こういうことでございまして、私ども業界といたしましては、中小零細企業融資の実態に応じた検査、言わば運用で十分な効果を上げていただけるようにひたすらお願いをしておる、こういうことでございます。
○平野達男君 国会改革連絡会(自由党)の平野達男でございます。 まず最初に、みずほのシステムトラブルに関して一つ質問をさせていただきたいと思います。 世の中に絶対というのはありませんけれども、やっぱり絶対起こしてはならないものというのはあると思います。これが今回のシステムトラブルであったというふうに私は理解しております。 恐らく、金融のプロあるいはシステムのプロ、みんな集まって四月一日まで備えてきましたから、その段階までは、手抜きがあったとか、やるべきことをやっていなかったとか、そういうことは多分なかったと思います。なかったと思いますが、結果としてこういうシステムトラブルが発生してしまったということであるかと思います。今後は、とにかく一日も早い全面復旧、それから再発防止、これはもう当然のことであると思います。 それと同時に、原因究明につきましては、先ほど言いましたような、いわゆるちょっと規律が乱れていたとか、そういった抽象的な言葉ではなくて、かなり詳細な、どこでどういう問題があったんだということを、それこそプロが集まって作ったというような報告書にして出して、それを、金融庁に言われるまでもなく、社長自らきちっとまとめて報告をすると、こういうことが大事だと思いますが、前田社長、一言、御決意のほどをお願いしたいと思います。
○参考人(前田晃伸君) 先生御指摘のとおり、私も、今は完全復旧を目指しておりますけれども、原因とそれから再発防止につきましては、要するにこういうシステム設計で本当に良かったのか、それから、この後実はこのシステムをしばらく使うわけでございますので、このままいって更に問題が起こらないか、それから、これは本当に効率的なのか、リスク分散型なのか、いろんな観点からこのシステムの組み方そのものももちろん再検討いたします。それから、組み上げ方についても再検討いたします。 それから、口座振替につきましては、これは申し上げるともう言い訳そのものなんですが、実は私は銀行に入って以来ずっと口座振替をやっております。三十年以上やっておりまして、こういう二重引き落としとか期日に遅れたというのは一度もございませんで、私は、これが逆の意味で、率直に申し上げて過信になった可能性があると思っております、今までできたのになぜできなくなったのかという。 ここは正に、銀行を大統合した統合の仕方におきましても相当シミュレーションいたしました。万全を期したつもりですが、それでもこういうことが起こったということでございます。ここはやはり、大きな銀行を統合するということについて、率直に申し上げて、万全を期したつもりでありながらこういうことになったということを深くおわびしたいと思います。
○平野達男君 いずれ、システムリスク管理ができない銀行に信用リスクその他のリスク管理が本当にできるんだろうかという疑問が多分出てきていると思います。それを払拭するために、要するに今後の対策、あるいは先ほど言った原因究明、これをどのようにやるかということに掛かっていると思いますので、しっかりやる必要があるなというふうに思います。 同時に、金融庁さんも、この金融検査マニュアルにはシステムリスク管理というのをしっかりやるというふうに、これはうたってあります。これを、このとおり検査をしたということであろうと思いますけれども、結果としてこういう結果を引き起こしたということですから、この金融検査マニュアルに沿った検査が本当にやられていたのかどうか、これもやっぱりきっちり検証する必要があるというふうに思います。 それで、システムの話はそれくらいにしまして、特別検査の話に移りたいと思います。 今回の金融特別検査でありますが、実は昨年十一月の中間決算発表時で不良債権処理損見込みで六兆四千四百七十億円というのが出されておりまして、これは、春の段階での見込みの約三倍ぐらいの処理損だというふうな見込みが出されております。今回、金融特別検査をやって、それに約一・四兆円の処理損が上乗せされまして、七兆八千億という処理損の見込額だというふうに発表されたわけであります。 そこで、今日、前田社長もいらっしゃっていますから前田社長にお伺いしますが、この健全化計画見直しの段階の数字とそれから昨年十一月の中間決算発表時の数字にこれだけの、三倍の開きがあるんですけれども、この開きがあった背景には、今までの自己査定区分というのが、これは取締役か何かでいろいろ明文化されるという形になっているはずなんですが、その自己査定区分について何か大きな見直しみたいなものをやったということなんでしょうか、あるいは何か大きな視点の転換というのをやったということなんでしょうか。
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。 みずほグループ三行の場合は、昨年の見通しに比べまして、十一月に二兆円という不良債権処理の修正をいたしております。この先週末に、三月期の速報ベースで、更にこの特別検査の結果を踏まえまして、二兆円という不良債権処理を、二兆たしか二千三百という、約一割強の増加で速報値で御報告をいたしております。 なぜこれだけ狂ったかという点につきましては、二つございまして、一つは、元々私どもは、健全化計画は、既に出したのを何度もローリングし、また修正をいたしております。通常の場合は二年に一度ローリングがございまして、更に私どもの場合は銀行を再編するということもございましたので、その時点で更に時点修正をして修正をいたしております。 その結果に比べてもこれは変化しておりますが、これは、昨年度が、私どもは経済成長率が現在のようにマイナスになるというような想定をしておりませんで、これが大きく狂ったのは、一点は、このマイナス成長になったということ。それから、不良債権の処理につきましては、最終的に大臣の御意向もございますし、我々もできることはすべてやるという元々の覚悟でございましたので、実際にそういう処理をしてきたわけでございます。その過程で多くの企業が破綻した場合もありますし、それから別に再建支援の方で立ち直ったところもございます。そういうのを含めて前倒し処理をすべてした結果が二兆二千三百という業務純益の倍以上の処理になりました。ただ、来年以降につきましては、少なくとも、これだけ前広にやりましたので、そんなに大きな数字が続くということは考えられません。 ただ、先ほど御指摘ありました基準を変えたのかという点でございますが、これは、自己査定の基準は、私どもは三行では統一いたしましたが、その基準そのものを変えたとか、そういうことはございません。我々は実態判断を個別にしたと。そういう意味では、特別検査が入ったことによるもちろん影響もございましたが、これは検査があったから厳しくなったとか、そういうふうにとらえていただくとちょっとそれは違うんだと思います。特別検査要因は恐らく一千億分ぐらいだと思います。
○平野達男君 同様の質問を金融庁に、柳澤大臣にちょっとしたいんですけれども、特別検査に入るときに、今回の査定区分、債権の区分の仕方について見方をこういうふうに変えるんだというような指示というのは、そういうのは出たんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういうことはありません。ありませんが、若干のことはあって、一つは、みずほさんの場合はあるいはなかったかと思うんですけれども、ほかの銀行の場合は、まず第一に、検査マニュアル検査を初めてやっているケースがあります。それから、その中でも要管理の中の条件緩和というものについてより運用を厳格化したというか明確化したというようなものの影響もあったかと思います。 それから、特別検査で言うと、あえて言うと、検査の基準日が、普通だったら、そこで検査に入っても、直近の決算、確定決算の日が基準日になるのを、基準日を言わば今年の三月三十一日にしたと、実質ですね。そういうような意味で前倒しになっているという面はあろうかと思うんですね。 それから、プラスして、要注意債権の引当率についても、これはいろんな論議の結果、我々としては、できるだけ行内格付を細分化することによって市場の評価との間で乖離が少なくするようにと、引当率を高めるようにしろと、しなさいと、こういうようなことを言ったというようなことで、若干そういう基準の変化があったかもしれません。
○平野達男君 何でそういう御質問をしたかと言いますと、不良債権につきましては、これは迅速処理が原則だよというふうに言われていますが、この不良債権の迅速処理というのは、一つには、不良債権、この場合には特に破綻懸念先以下に指定されたものが不良債権というふうに、ここから話を進めたいと思いますが、これに区分された債権のオフバランス化、これを早く進めろという、これが今回の報告書の中でも、より強固な金融システムの構築に向けた施策の中では、不良債権の処理というのは、区分されたものを早くオフバランス化しましょうと、それだけ言っています。 もう一つは、やはり本来であれば、これは先ほど柳澤大臣がそういうことはないんだというふうにおっしゃいましたけれども、本来であれば今年に破綻懸念先以下の債権と区分すべきものを、何らかの事情によって、いろんな悩みに悩んで先送りにしたというようなものが本当に場合によってはあるんではないかというような懸念がやっぱりまだ残っていると思うんです。 そのときに、今回の不良債権処理、金融特別検査の中で、いわゆるバイアブルとノンバイアブルとの区分ですが、これは大変悩みが多い仕事だと思います。余り早くやってしまいますと、いい企業をつぶすのかという話になりますし、余りゆっくりいってしまうと、今度は何か先送りじゃないかというような議論が出て、非常に難しい判断だと思うんですが、今回の特別検査の中では、従来のそういった仕切りという以外に、不良債権の処理のスピードというものを少し早めるのか遅くするのかという、いや今までどおりやるのかという、その視点がもう一つやっぱり必要ではなかったかなというふうに私自身思っていました。 その早くするということについては、多少これはバイアブルに近いんだけれども、やっぱり迅速処理というものについては思い切って今回は破綻懸念先以下に指定するんだというような、そういった指示が出たのかどうかということをちょっと確認したかったということだったんですが、柳澤大臣、今そういう説明の背景を私今言わせていただきましたけれども、そういったことを踏んまえて、どういう指示が出されたのかということをもう一度御説明いただけるでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 要するに特別検査は、市場の評価が非常に激しく変わっているというような債務者などを中心にして検査をするということでございます。対象はそういうことで、市場の評価が著しく変化したものを対象にするんですが、その対象に選ばれた後は、これは検査マニュアルの基準でもって検査をするということでございますので、別段作為があって、すごく何というか、無理やりに破綻懸念先に追い込んでしまうというようなことではないということです。
○平野達男君 もう一つ背景を言いますと、やっぱり不良債権処理しても処理しても後から出てくるよということで、新しく新規に発生する不良債権が、先ほどの前田社長のお話の中では経済動向が大きく変化したと、これはもう不可避、避けられないことですから、これはしようがないと思うんです。 ただもう一つ、午前中の峰崎議員の議論の中にもありましたけれども、本当にそれだけなんだろうかと。不良債権処理というものを今本当に迅速化という方向で向かっていくとすれば、今の、今までの金融検査とは別な視点が入るんじゃないかと、入ってもいいんじゃないかというような感じが私はしていますし、今回の場合は、この強固な金融システムの構築に向けた施策の中での不良債権処理の促進の中にその視点が何も書いておられなくて、あくまでも今までどおりの検査をやって、そして破綻懸念先以下の債権については三年以内の処理をやりますということを言っているにすぎないと言ったら言い過ぎかもしれませんけれども、そういう感じがしまして、今回の金融特別検査のマスコミなんかに対する評価がいまいちだというのは、何か私に言わせればそこら辺の視点がちょっと抜けていたのかなという感じがちょっとしているんですが、柳澤大臣は、ちょっと抽象的な話で申し訳ないんですけれども、どのように感じておられるでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 要するに、基準は変わらないわけですよね。基準が変わらなくて、基準は我々検査マニュアルの基準が国際的にも十分堪え得る基準だと思っています。 したがって、それを適用するわけでございまして、結論は、そういう意図的なものはむしろ排除された形で客観的に決まってくる。もちろんそれは、客観的といったって評価ですから、それぞれの、何というか、主観のぶつかり合い、複数の主観のぶつかり合いというのは、これは避けられませんよね。ですけれども、基本的にそういう複数の専門家がけんけんがくがく意見の交換をした後、まあこれはこうですねという、この基準に照らせばこうですねというところで決まっていく、そのことは何ら変わっていないというふうに申し上げたいのでございます。
○平野達男君 いずれ、今回の金融特別検査の中でも、これは十二兆幾らでしたっけ、五千億、九千億が対象になったんでしたっけ、それが十三年九月期の中では破綻懸念先以下に区分されているものが一つもなくて、今回三・七兆円が新たに破綻懸念先以下に区分されたと、こういうことでして、今までの検査をきっちりやっていれば、この三・七兆円というのは、要するに経済動向が悪くなったんですよという説明で済むはずなんです。だから、そういった分析が、例えば、じゃ、そうしたらこの三・七兆円の中にはなされているんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはどういう分析かといっても、何と申しますか、この左側の十三年九月期の百四十九件の先についての債務者の財務状況を評価したら破綻懸念先以下が三十四先あったと、そういうことでありまして、それがどういう理由によるかということは、その先がどこがどう変化したかということまで分析しないといけないのかとも思うんですけれども、我々の検査というのは、委員に御理解いただきたいんですが、あくまでも金融機関の検査であるというようなことから、そこまでの要因分析みたいなことはデータとして持っておりません。
○平野達男君 私の言いたいところは、今の経済対策が不良債権のところに、先ほど浜田委員から御指摘ございましたけれども、それに集中し過ぎている嫌いがあるというふうに私も強く感じています。特に、そのときに、幾らやっても不良債権の発生が止まらないところが出てくる出てくる。しかし、先ほど言ったように、その出てくる原因が、経済動向が悪化しているわけですから、資産デフレがまだ止まっていませんし、そういう要因だよということがきっちり説明できますと、実は不良債権処理というのはしっかりやっているんですよという明確なメッセージがこれは送れるわけです。 それが、今回の場合でも、三・七兆円ありまして、この処理損が一・九兆円出ましたというような説明だけで終わってしまって、今回の金融特別検査というのは、今までの検査はこうやってきました、今回こういう視点でやって新たに発生した分についてはこういう分析をしましたというところまでやって、今までやってきた不良債権処理というのを、手続の妥当性というんですか、それから今後もこうやっていきますというような方向性が示せるのではないかなという気がするものですから、それで、それを言わない限りにおいては、いや、実は幾ら処理してもまた出たじゃないですか、自己資本比率を見ながらやっているんじゃないですかという議論がやっぱり出てくる可能性があるということですね。 ところが、はっきり言ってこれは、三・七兆円やって、先ほどに戻りますけれども、これはノンバイアブルとバイアブルで分けるわけですから、会社にとったらもう本当に死活問題で相当大変な問題だろうと思うんですけれども、その区分した部分についてはこういう原因だよというものをきっちり分析して、その前回の状況と今回の状況を比較して、こういう理由で破綻懸念先以下の債権が増えたんですという説明を私はこれはすべきではないかと思うんですが、どうでしょうか、そこは。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 正に先生がおっしゃったように、十三年九月期と十四年三月期の時間の経過に従って業況が悪化したということ、要はそういうことなんですね。 そういうことなんでございますけれども、私どもとしては、そういうことを今私が、何と申しますか、客観的な経済情勢の変化でございますということを言って、なかなかそのとおりだななんて言うようなことでない面もありまして、私どもとしては、とにかく自分たちの検査マニュアルに依拠した検査を整々としてやっていく、こういうことを続けていくことによって必ず我々の行政についての信頼はかち得られるだろうと、こういうように考えているということでございます。
○平野達男君 いずれ、平成四年度以降だけから見ましても、処分損を十二年度までで七十二兆円計上している、それから直接償却で三十一兆円をやっているということなんで、それでもまだ、今度はリスク管理債権なんですけれども、残高は減っていないという状況を、これはやっぱりしっかりと分析をして説明することが、これは難しいかもしれませんけれども、必要じゃないかなというふうに思います。 それからもう一つ前田社長にお伺いしますけれども、今回、自己資本比率だけが問題になっていますけれども、当期利益、これ再建計画と言いましたっけ、健全化計画の中ではたしか十四年三月で二千三百億見込んでいるということですが、今回は当期利益はマイナス一兆一千億ということで、合わせますと、見込みに一兆三千億以上の要するにそごが生じたということになります。 今いわゆる三割ルールというのがありまして、当期利益の計画が三割以上減った場合については計画を見直しますよということでしたか、何かそういうルールがあったと思いますけれども、これ、三割どころではない、大変な額でありまして、ちなみに、過去にみずほさんは二・五兆円の公的資金を多分受けられていると思いますけれども、注入を受けていると思いますけれども、その半分ぐらいが一年間でなくなってしまったということで、これはもう本当に非常に大きな話だと思います。 まず、これに対してどのように考えておられるかという話と、これはもう健全化計画、これは金融庁さんも考えにゃいかぬと思いますけれども、抜本的に何か見直しする必要が出てくるんじゃないかなという、通常のその三割ルール以外に、三割ルールにのっとった見直し以外の抜本的な見直しが必要じゃないかなというような感じがするんですが、まず前田社長にお願いします。それから後、柳澤大臣にお願いします。
○参考人(前田晃伸君) もう公的資金は、みずほグループ全体で優先株式の部分が一兆九千億強ですか、約二兆円ございます。そういう意味で、これをお返しする原資になります剰余金を積み上げてお返しするということでございまして、そういう意味では、確かに今年度、大変大きな赤字を計上いたしましたが、これは、ある意味では不良債権の前倒し処理がこの中に入っておりますので、剰余金を積み上げるという部分につきましては、五、六年掛けて積み上げる、若しくは株式を増資した上で公的資金をお返しする、そういういろんな方法ございますので、そういう意味では、何せ収益をプラスにしませんとお返しする原資がたまりません。そういう形で目一杯やらせていただきたいと思います。 それから、見直しルール、三割ルール、もちろん存じておりますが、ここは、先ほど申し上げましたように、見直しをする過程でリストラを更に上積みするとかいろんなことをやっておりまして、これを御当局で個別に見ていただいた上で、当然、更にリストラをやるとか、今までもそうやってまいりましたし、今後も必要なときにはそういう手当てをさせていただきたいと思います。 いずれにいたしましても、早くお返ししたいというのが我々の希望でございますし、新しいモデルになりましたので、一刻も早くこの公的資金に見合う剰余金を積み上げさせていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 余り長くお話し申しませんけれども、要すれば、この健全化計画、抜本的にという意味がどういう意味かはあれなんですけれども、私どもとしては、リストラを今、前田社長おっしゃいましたけれども、リストラに加えてもっと前向きの、収益が上がるビジネスモデルを強力に展開して早く収益の上がる金融機関になってもらいたい、こういうことを望んでいるわけでございます。
○平野達男君 終わります。
○委員長(山下八洲夫君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 参考人の皆さん、長い間御苦労さまでございました。御退席いただいて結構でございます。 ─────────────
○委員長(山下八洲夫君) 次に、金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律案並びに外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。柳澤金融担当大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま議題となりました金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 昨年九月の米国同時多発テロ事件の発生以降、テロリズムの撲滅のため、テロ資金対策が国際社会において重要な課題とされており、我が国といたしましても、テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約の早期締結を目指しているところであります。 そこで、同条約の的確な実施を確保し、金融機関等がテロリズム等に利用されることを防止するための顧客管理体制の整備を促進する等の観点からこの法律案を提出することとした次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、金融機関等は、顧客等との間で預金口座の開設や大口現金取引等を行う際、運転免許証の提示を求める等の方法により、顧客等の氏名、住居及び生年月日等を確認して本人確認を行わなければならないこととしております。 第二に、金融機関等は、本人確認で確認した顧客等の氏名等を記録し、当該記録を一定期間保存しなければならないこととしております。 第三に、金融機関等は、顧客等の取引に関する記録を作成し、当該記録を一定期間保存しなければならないこととしております。 以上が、金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(山下八洲夫君) 塩川財務大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 昨年九月の米国同時多発テロ事件の発生以降、国際社会においてテロ対策の更なる推進が喫緊の課題となり、テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約及び国際連合安全保障理事会決議第千三百七十三号でテロリスト等に対する遅滞なき資産凍結等が求められている状況にかんがみ、外国為替取引等に係るテロリスト等に対する資産凍結等の措置の効果的な実施を図るため、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、資産凍結等の措置の実効性を確保するため、現行法の本人確認に係る努力規定を義務化し、あわせて、その対象に非居住者預金等の資本取引を加えることとしております。 第二に、資産凍結等の対象となるテロリスト等を適切に指定するため、関係省庁との間の情報提供等の協力に係る規定の整備を行うこととしております。 以上が、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(山下八洲夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時十四分散会