P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
154回国会参議院2002/04/08

行政監視委員会 第3号

発言数
145
登壇者
23
会派数
7
開催日
2002/04/08

会議録

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る一日、若林秀樹君が委員を辞任され、その補欠として大塚耕平君が選任されました。  また、去る二日、富樫練三君が委員を辞任され、その補欠として西山登紀子君が選任されました。  また、去る五日、大塚耕平君及び岡崎トミ子君が委員を辞任され、その補欠としてツルネンマルテイ君及び和田ひろ子君が選任されました。  また、本日、岩本司君が委員を辞任され、その補欠として浅尾慶一郎君が選任されました。     ─────────────

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣参事官中村明雄君、総務省総合通信基盤局長鍋倉真一君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長須賀田菊仁君及び農林水産省農村振興局長太田信介君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に日本中央競馬会理事長高橋政行君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) 次に、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。  本日は、行政の活動状況に関する件について質疑を行うことといたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 自由民主党の阿南一成であります。  川口大臣には、大変な時期に外務大臣に御就任になられました。日本外交の立て直しのために是非頑張ってほしいと心より願う者の一人であります。  そこで、今日、私は政府開発援助について何点かお尋ねをいたしたいと思っております。  小泉内閣の聖域なき構造改革の方針を受けまして成立をいたしました平成十四年度の予算でありますが、ODA予算は一割削減をされています。これは十年ぶりのことであります。  この削減につきまして、前国連大使でもあります日本国際問題研究所の小和田理事長は、国内ではそれなりの合理性があるかもしれないけれども、国際的に受け入れられる考え方かどうかは非常に疑問だと述べておられます。  例えば、途上国の貧困対策については、既に我が日本国の支援を予定をした今後数年分のプロジェクトが進んでおるものではないかと思うんであります。そうすると、仮にこれを途中でやめるということになれば、プロジェクトに携わった人たちの努力を無にするということにもなりましょうし、我が国の国益を損なうことにもなろうと考える次第であります。  三月の十八日からメキシコで国連開発資金国際会議というものが開かれました。途上国支援拡充を打ち出しました米国であるとかEUであるとかと比べますと、我が国は一割削減で臨んだわけでありますから、当然その存在感もないということではなかったかと思います。アナン、私ではないんですが、国連事務総長、ウォルフェンソン世銀総裁、あるいはブッシュ大統領、シラク大統領等々が出席する中で、我が国は十八日に会議が始まっても政府代表さえ決まらなかった、最終の一日前になってやっと外務副大臣が御参加をされたということであります。このような状況では、我が国の途上国援助への熱意が疑われるのも仕方がないんではなかろうかと思っております。  ODAを考える際に重要なことは、近年PKOなどに参画するようになったとはいえ、我が国は憲法上の制約もこれあり、軍事的な貢献に制約のあるところであります。ODAは引き続き極めて重要な外交政策上の手段であると私は考えております。ODAを通じて、途上国を始めとする国際社会の期待にこたえ、二十一世紀の国際社会の調和ある発展に寄与することは、先進国としての我が国の責務であるし、また我が国の存在感と発言力を高めることでもあろうかというふうに考えておるわけであります。  そこで、川口大臣にお伺いをいたしますが、今回のODA予算削減をどのように認識され、予算が削減された中でODAの実効性を引き続きどのように担保していかれようとしておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃられますように、ODAは我が国が外交政策を進める上で最も重要な手段の一つであると私も考えております。  我が国は、国際社会の安定と平和、繁栄ということを目指して外交政策をやっているわけでございますけれども、それは正に我が国の国益であり、発展途上国が抱えている様々な問題、経済発展の問題、環境の問題、その他地球規模の問題に対応をしていくために重要な資金であるわけでございます。また、国際社会においても、我が国が今まできちんとODAをやってきた、国際社会に貢献をしてきたということが我が国に対する信頼となっていると私は考えております。  この間のモントレーでの会議におきまして、米国は、私の記憶が正しければ、五十億ドルを今後増やしていくということを約束をいたしましたし、EUはGNP比の公的な援助の比率を高めていくということを言っております。  我が国のODAにつきましては、委員おっしゃられましたように、十四年度につきましては一〇%減ということで、我が国の厳しい財政事情を反映してそういうことになりましたけれども、量的には削減をしたわけですが、質的にこれを高めることによってアフガニスタンの支援を始め我が国の顔が見える援助になりますように、重点化、効率化をしていきたいと考えております。  また、やはりODAについて国民の方の支援を、御理解と御支援をいただいているということが重要でございますので、この点についても分かりやすいODAという形で、これから国民の方々の理解を求めるための施策もやっていきたいと思っております。  また、更に透明化、効率化を進めるために様々な勉強もしておりますので、できることから実施に移していきたいと考えております。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 ありがとうございました。  今、大臣から国民の支持が必要であるということでありましたが、昨年の内閣府による外交に関する世論調査では、残念ながら、ODAはやめるべきだ、なるべく少なくするべきだというふうに考えておる国民が五人に一人を占めたという調査結果があるわけであります。  このような状況下で、一方ではODAをめぐる疑惑が報じられております。ODAへの国民の信頼が損なわれ、国民がODA全体に対して批判的なことにならないように、是非お願いいたしたいと思うところであります。  ODAの透明性の確保につきましては、実は当委員会が平成十一年の八月二日に決議をいたしております。政府開発援助に関する決議ということで行われておるわけであります。またさらに、大臣が公表された開かれた外務省のための十の改革の中でも、改善すべき事項として掲げられておるところであります。より効果的あるいは効率的な援助を実施するためにも、是非とも具体的な実行が求められるというふうに思います。  一方で、グローバル化が進み、先進国と貧困国との貧富の格差がますます拡大しておるわけでありますが、今回のODAをめぐる某国会議員による問題により、我が国の重要な外交政策上の手段が狭められるということになってはいけないというふうに私は思う次第であります。  今後、ODAの予算規模を確保し、我が国が国際的な責務を果たしていくために、より一層国民に分かりやすいODAの理念や目的を説明していく必要があると考えますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) 正に御指摘のとおり、国民の幅広い支持と理解が重要だと考えております。  外務省としてそのために今まで行ってきておりますことは、ODAホームページ、さらに我が国の政府開発援助、いわゆるODA白書、経済協力評価報告書等の充実、それから国際協力フェスティバルというものもやっております。また、ODA民間モニター制度というのもいたしております。さらに、ODAタウンミーティングの開催等、情報公開、広報に努めているところでございますけれども、これからますます一段のこの面における充実を図りたいと考えております。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 そこででありますが、日本政府が巨額の円借款を投じてタイのバンコクで進めている地下鉄建設事業で、車両など運行システムをドイツのシーメンス社が受注をしたとの報道に接しました。日本のODAに関係する大型プロジェクトで日本企業が受注できなかったというのも、これは私は極めて異例なことではないかと思うわけであります。この背景には、援助に絡む日本企業の割高なコストの存在が報道では言われております。現地では、円借款で事業費を膨らませ、ODAの名をかりた日本のゼネコンの救済が行われているのではないかというようなうがった見方もしております。  またさらに、このODAの中で最大のプロジェクトでありますバンコクの新国際空港の建設に際しましても、二〇〇〇年の九月に日本のゼネコンが落札をした契約が、タイ政府により、談合で不正に価格をつり上げたということで白紙に戻されたという報道に接しております。タイ政府による調査の結果は、三〇%以上もコストがアップをしておるということが判明したと、これも報道でありますので、私もそれがどの程度正しいのか分かりませんが。  いずれにいたしましても、途上国というのは行政能力が乏しい、乏しいと言うと大変いけませんが、まあ乏しいになっていますね。したがって、我が国の商社なりコンサルト会社等が大型プロジェクトの開発計画を作る、そして相手政府国に持ち込んで日本政府に援助を要請させるということもあろうかと思います。このため、今回のODAをめぐる一連の問題も、日本のODAが特定の日本企業や特定の政治家の支援企業を潤しておるのではないかというようなメディアの批判があるのであろうと思っておる次第であります。  無償援助が中心の欧米と比べますと、日本のODAは有償の円借款の比率が高い。したがいまして、肥大化した援助のツケが結局途上国の国民に将来重くのし掛かり、経済発展の妨げとなるというのがマスメディアの主張の論点であります。  このようなODAの現状につきまして、大臣の御認識をお伺いいたしたいと思います。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) タイの新国際空港あるいは地下鉄についての具体的な問題については私はちょっと存じませんけれども、一般論として申し上げますと、ODAを行う場合に、品質といいますか、安全性や耐久性等を考えた品質とそれから価格面を考えたコストをバランスが取れたようなものになることを目指すということは重要なことだと考えております。また、完成した施設や機材が、メンテナンスを考えたときに、そこも合理的なやり方でできるということも大事だと思います。  そういった観点から、ODAを供与をする際にはそういう観点を踏まえているわけですけれども、ODAがやはりできるだけそういった一定の基準を満たした上でできるだけ低いコストでできるということは、相手の国にもそれから我が国にとっても重要なことだと思います。  したがいまして、そういった観点で現地産品を使う、あるいは第三国の産品を使う等、引き続きコストの削減に努めるという、そういう努力をいたしていきたいと考えます。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 今回のODAをめぐる一連の問題に関しまして、外務省と特定議員の過度の癒着ぶりという切り口で何度も報道されました。  私が思うに、政治家と官僚の関係では、国政調査権を背景に行政に介入できる政治家が強い立場にあるということは、これは否定はできないというふうに思うのであります。特に、それが与党の有力な議員ということになりますとなかなか大変であろうと。時には官僚の人事権を持つ閣僚、大臣よりも力があるなどということをマスメディアは言います。今回の疑惑の際にも、有力な議員が担当者に左遷の可能性を示唆するなどの圧力を掛けたという報道を見ました。  川口大臣は、外務省改革の骨太の方針、開かれた外務省のための十の改革を発表する際に、政治家との関係について不適切なものは排除をすると言明をされております。  外務省を始め霞が関の多くの官僚は、私は、元は大変優秀な諸君であり、国家国民のために寝食を忘れて日夜職務に励んでおる人が大多数であろうというふうに思っております。もちろん、公務員は国民全体の奉仕者であります。一政治家の使用人であることではありません。また、三権分立の原則もあるわけであります。そうであれば、人事に関しても不当な政治介入は認められないと思いますし、不当な政治介入によって霞が関の官僚諸君が政治家に対し萎縮をするということでは、これは大変なことだろうと思います。  霞が関に夢と希望、大志を抱いて就職をしてきた彼らでありますから、是非、大臣としては、官僚の士気に気配りをし、やる気を起こさせ、そしてその夢を育てるというのも私は大臣の責務であろうというふうに思うわけであります。  私は、霞が関が崩壊するとき、それは日本の未来はないと考える者の一人でありますが、川口大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

川口順子外務大臣

○国務大臣(川口順子君) 政と官の間にいい関係、緊張した関係、政策についてはとことん議論をするけれども不当な圧力がない関係ができることは大事なことだと考えておりまして、開かれた外務省のための十の改革の中でもこの項目を挙げさせていただきまして、今、委員の方に御議論をいただいているわけでございます。また、これは外務省だけの問題ではございませんで広く政と官の問題でもございますので、関係のある方々に広く御議論をいただいて、いい形の結論ができることが大事だと私も考えております。  そうした中で、外務大臣として、外務省の組織が活性化され、元気があり、柔軟性があり、政策の議論が盛んに行われという組織である、またそういうようにしていくことが私の務めであると思っておりますし、またあわせて、国民からの、国民の選挙の結果選ばれていらっしゃる政治家の方にもそういった現場の生の、国民の皆様の生の声というものを官僚に伝えていただくということを是非やっていただければ大変に有り難いと思っております。人事の面やその他様々な面で、外務省の改革については一生懸命にやっていきたいと考えております。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 外交、防衛、治安、これは正に国の基盤であると思います。是非、川口大臣に頑張っていただきたい、そして外務省をしっかりと立て直していただくことを期待をいたします。  外務省に対する私の質問はこれで終わりますので、どうぞお引取りください。  次に、文部科学省に学校給食における食材の安全性確保と自然食の導入状況についてお伺いをいたします。  人間は自然の恵みから恩恵を受けて生きております。食を通して自然の持つ生命力を体内に取り込み、活力の源にしているわけでありますから、作物や、添加物が入らない自然食を摂取することは極めて重要であろうかというふうに思います。  最近の子供を見ますと、アトピー性皮膚炎などのアレルギーの疾患、それから忍耐力の欠如あるいは体力の低下などの諸症状が現れていますが、殊に忍耐力がなくてすぐ切れるという子供が増加をしておるわけでありますが、これも私はどうも食べ物に一つは原因があるんではなかろうかというふうに考える次第です。例えば、子供たちが学校給食で食べているパンでありますが、あの原料は小麦粉であります。そして、その大部分は外国から輸入されております。船荷として船倉に積まれるときに、宇宙服のような服を着た人がおるかどうか知りませんが、防腐剤が薬剤としてまかれておるという実態であろうと思います。子供たちは次の世代の社会を担う宝でありますので、やっぱり大人に比べ食品の影響が即肉体や精神に影響するというふうに考える次第であります。  そこで、学校給食の食材は、日本体育・学校健康センターそれから都道府県学校給食会を通じた購入や各学校での直接購入などで確保されておるとのことでありますが、各段階では食材の安全性をどのように確保されておられるのか、またその際、無農薬とか有機栽培の食材、いわゆる自然食の導入状況がどのようになっておるか、御説明をいただければと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 今御指摘になられましたように、学校給食における食材というもの、児童生徒の健康、安全、さらには教育的な見地からも大変重要だと認識しております。  それで、まず学校給食の食材の選択における現状でありますけれども、まず基本的に、食材につきましては、食品衛生法の基準を満たすものとして一般に市販されているものの中から市町村が選択しそして使用するというのが基本的な体制であります。  そうした体制の上に立って、文部科学省としましては、一層安全なものを確保しなければいけないということで、平成九年四月に学校給食の衛生管理の基準というものを作成いたしまして、食材につきまして農薬ですとか添加物等について定期的に検査をするという体制を促しております。市町村教育委員会と都道府県教育委員会が連携し、そして都道府県の衛生主管部局と相談協議しながら、年に二回検査を行うという体制で安全を確保するというのが現状であります。  そうした安全確保の体制の中で、自然農法による野菜あるいは自然食、こういったものについて御質問をいただきましたが、これにつきましては、文部科学省としまして、従来から学校給食へ地場産物の活用を推進するということを進めております。地域の産業、文化への関心、さらには食事内容の多様化を図ることから地場産物の活用を推進しているわけですが、その一環としまして各地の市町村の中に無農薬等により栽培された食材を導入するという試みが行われておりまして、福島県ですとか富山県ですとか、各地でこうした実例が今報告されているという現状であります。  こうした促しの中で無農薬等により栽培された食材が使用されていくということ、これは大変好ましいことだと思っておりまして、こうした促しの中で引き続きまして食の安全を確保していきたいと考えております。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 ありがとうございました。  文部科学省に対する私の質問、この一問だけでございますので、どうぞお引取りください。  今日は実は、いよいよ本題に入りたいと思います、行政監視委員会の本題でありますが、私の食に対する考えを含めながら、食の安全問題について若干お聞きをしていきたいと思います。  武部農水大臣には、御就任以来、国民世論、マスメディアの十字砲火の真っただ中に立たれ、気の休まるときもなく、正にサンドバッグになりながら農水行政の立て直しのために孤軍奮闘をされておるということにつきましては心の中でエールを送りながらも、事は国民の生命の安全に関することでございますので、質問は厳しく行わせていただきたいと思います。  昨年、我が国で初めてのBSEの牛が発見をされ大騒動になりました。その後、雪印食品の牛肉の偽装表示の問題に代表されるように、食全体の安全性といいますか信頼性の確保に問題が発展をしてまいりました。農林水産大臣及び厚生労働大臣が食肉牛の全頭検査を開始した昨年の十月十八日に牛肉の安全宣言を出されたわけでありますが、今日もなお牛肉の消費量が低迷をしておるということは、国民がやはり食に対する不信感から抜け切れないということであろうと思います。  この問題は、消費者サイドばかりでなく、まじめに生産活動に従事をしておられる畜産農家にとっても大変手痛い打撃となっております。政府は、国民が安心して食品を買い求めるような体制を早急に整備すべきであるというふうに思っております。  ただ、食の安全といいましてもその範囲が非常に広うございまして、食品衛生の問題、あるいは残留農薬の問題、あるいは食品添加物の問題、そして輸入食品の問題、果ては遺伝子組換え食品の問題、そしてBSEの問題等々、この国民の健康を守るために行政が果たすべき役割というのは大変広範囲であります。  本日は、時間の関係もありますので、すべての問題を取り上げるわけにはいきませんので、BSEの問題についてお聞きをしてみたいと思います。  四月二日にBSEに関する調査検討委員会報告というものが公表されました。同報告は、農水省に対し、肉骨粉禁止を行政指導にとどめたのは重大な失政であると指摘をいたしております。また、厚生労働省に対しては、農水省に対してより明確な意見を述べるべきであったということを指摘をいたしております。  BSE問題にかかわる行政対応の問題点、改善すべき点ということで、報告書は次のように述べています。危機意識の欠如と危機管理体制の欠如。日本はBSEが大量発生した英国から肉骨粉の輸入が極めて少ない上、遠く離れているので安全ではないかという希望的観測もこれあり、行政も危機意識が欠如をしていたと。これまでの農水省担当者でBSEの国内発生を懸念していた者は二〇%にすぎないと。これは私は根拠はよく分からないですが、報告書がそう言っておるわけであります。危機意識の欠如した組織に危機管理体制は取れないと。現に、農水省は、一九九六年にWHOから肉骨粉禁止勧告を受けたにもかかわらず、これを課長通知による行政指導で済ませておると報告書は指摘をしております。  一方、米国はBSE未発生の清浄国、きれいな国であるということでありますが、一九九〇年からサーベイランスを開始してBSEの発生に備えた。一九九八年には農務省、それから昨年は食品衛生医薬品庁が危機管理マニュアルを作り上げたと、こういうふうに報道されております。  日本では、二〇〇〇年における欧州でのBSEの急増を受けて、厚生労働省側で日本の発生リスクを想定した対策を実施を始めました。一方、農水省はあくまで日本の清浄性を証明するという立場であったのかと思うのでありますが、両省の危機意識は百八十度異なった方向ではなかったかというふうに思います。  しかし、過去の対応を議論してもせんないことでありまして、これからどうするかということであろうかと思います。日本も、飼料や食料の輸入自由化が進んでおります。米国の危機管理マニュアルを参考にして、最悪のケースを想定した防疫体制を強化しておく、言わば危機管理の思想の啓発に努めることが必要ではないかと私は思うわけであります。  BSEの国内発生を防ぐことができなかった事実の反省の上に立って、今後、危機管理に対してどのように対処していくおつもりなのか。また、危機管理マニュアルの作成の必要性も含めまして、武部農水大臣の御所見をお伺いをいたしたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のとおり、農林水産省におきまして、平成八年の家伝法改正時、また十三年四月からのサーベイランス要領等により、様々なサーベイランスはしていたのでありますが、これは私も驚いたんですけれども、我が国の清浄性を証明すると、何度も職員に尋ねましてもそういう説明でありまして、私はこれは行政上に構造的な問題があると、こういう認識の下に、これは客観的に科学的に検証する必要があるということで、私がこのBSE問題に取り組んだ、執念を持ってやろうという意を決した一つは、この第三者による調査検討委員会の設置でございました。しかも、このやり方は、もう委員会の運営にゆだねるということと同時に、私も、竹中平蔵経済財政担当大臣等にも外国の委員会の例なども確かめまして、もう既に、データは出しましょう、それから会議はもう徹底してオープンにしましょう、そういうようなことで、私も、先日の予算委員会で、高橋委員長から、一メートルものデータがあったというのは知りませんでしたが、五千ページぐらいのデータも出したわけでございます。その結果、一九九六年の肉骨粉の取扱いについて法規制をしなかったということについて農林水産省の重大な失政という、そういう御指摘に相なっているわけでございます。  私は、ゼロリスクということはなかなかこれは困難なことなんだろうと思いますが、法規制にすればリスクを低減することは可能であったんだろうと思います。同時に、EUステータスの問題を始め、様々、ヨーロッパや英国からいろいろな警告がございました。そういったデータに基づいて危機対応マニュアルというものを厚生労働省やあるいは都道府県の厚生部局等としっかり連携して作り上げていれば万が一に備えた対応ができたんじゃないのかと、このように思うのでございます。しかし、結果的には、そういったものがなかったために大きな混乱を初期段階にあったわけでございまして、このことは誠に私どもも大きな責任を感じているわけでございます。  また、ただ、サーベイランスも厚生労働省と農林水産省、違うんですね。厚生労働省は屠場に入ってきた患畜を敗血症という診断でレンダーに回してしまいました。しかし、その牛については、中枢神経症状で起立不能というものを、農林水産省はこれはサーベイランスの材料として各屠場にそういうおかしなものがあれば提供してくださいというようなことを申し出ていたものですから、その頭の部分はその屠場から家保に提供されまして、結果、BSEが発生したと。ですから、そのものも、そういうサーベイランスも行っていなければもう一頭目も全く世に出現しなかったかもしれない、そういう結果でありました。  いずれにいたしましても、この問題は厳粛に受け止めて、今後やはりリスク分析ということを基本にして、やはりリスクの評価というのは科学的に専門的にきちっと分析する必要があるんじゃないか、それに基づいて作り上げる必要があると。したがいまして、この点については、今後、この四月二日にいただいた報告書に基づいて、総理からも六月までに行政組織のことも検討せいと、そしてそれの前提になる法整備もそれに間に合わせて十五年度の予算に間に合うような体制を整えよという御指示でございますので、その中でいろいろ検討することになろうと思いますが、私は、やはりリスク評価というもの、これはやっぱり独立した透明性のあるそういったものでやっていただく必要があるのかなと、個人的にはそう考えております。  同時に、リスク管理という問題ですね。リスクがゼロでないとすればどのように対応していくかと、そういういわゆる危機対応マニュアルというものをしっかり厚生労働省なり農林水産省が連携して作っていくという必要があると思います。  もう一つは、リスクコミュニケーションでございまして、やはり徹底して国民、消費者の皆さん方にも、あるいは生産者の皆さん方にも情報を開示して、国民がお互いに賢くリスクに向かい合っていくという、そういうリスクコミュニケーションというものも大事なんじゃないかと、このように考えておりますが、私ども農林水産省は、生産者サイドから消費者サイドに軸足を大きく移しまして、消費者保護第一という観点に立って、この食と農の再生に向けた取組をこれからしっかりやってまいりたいと、農林水産政策の大胆な見直し、改革に私自身が先頭になって取り組んでまいりたいと、かように考えている次第でございます。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 武部大臣の熱意を買って、しっかりやっていただきたいと思いますが。  日本の審議会や検討会は、元々第一線で活躍している第一人者をそろえて、その卓越した見識を求めるということであるわけでありますけれども、どちらかというと、今までは政策立案の客観性を装う隠れみの的なものが多かったと思います。そういった意味では、今回のこの調査検討委員会の報告は非常に画期的な、ここまで言うかと私どもが思うぐらいにはっきりと物を言ったものであるというふうに高く評価をいたしておる次第であります。  そこで、委員会の報告では「専門家の意見を適切に反映しない行政」という項がありまして、その中で、国民の生命にかかわる食品安全行政は正確なエビデンスと科学的な知見に基づく迅速な判断が求められる、健康に対するリスク評価については専門家の意見が尊重されなければならないと述べております。しかしながら、肉骨粉問題では、一九九六年の家畜飼料検討委員会において二人の専門家が肉骨粉供与を法律で禁止すべきであると主張したわけでありますが、これを行政は先送りをしたということであろうかと思います。  そこで、農水省としては、この一九九六年の事例を踏まえて、科学的知見を持った専門家の意見を積極的に行政運営に取り入れていくべきであると思いますが、この点についての委員会報告の指摘について、大臣のお考えをお伺いをしておきたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 先ほども申し上げましたように、やはり客観的な科学的な知見に基づいてこのリスクを評価するということは、私は人の生命、健康を預かる行政当局としては最も重要なことだと、このように思っております。  さような意味では、この食品の安全問題にかかわる法整備、また行政組織の対応、システムをどう作り上げていくかということでございますが、私ども先般、私の問責決議案を否決いただいた後に、全省に対しまして、局の壁、省の壁と、そういうものはもう徹底して捨てるように、そういう、政府全体としてこの食の安全問題をどうとらえるかということで、今、委員も御指摘にありましたように、リスクの分析に基づくリスク評価というところの部分についてはやっぱり独立した組織が、私は個人的にはそれがいいと、今こう思っております。  今後、更に関係閣僚会議等でこうした問題についての検討を進めることに相なっておりますので、そういったところでも私自身はそういう考えを正直にといいますか正確に伝えてまいりたいと、このように考えている次第でございます。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 次に、また更に報告では、生産者優先、それから消費者保護軽視の行政の中で、日本の法律、制度、政策、行政組織は旧態依然たる食糧難時代の生産者優先、消費者保護軽視の体質を色濃く残しておる、消費者保護を重視する農場から食卓までのフードチェーン思考が欠如していると、こう指摘をしております。  生産者は、今までの言わば作れば売れるといった発想から脱却をし、最終的に消費者に買ってもらわなければならないという現実をきちんと認識しなければなりません。消費者に買ってもらって安心して食べていただくにはどういった生産物を作ればいいのかと、もう一度考え直すことが必要であろうかと思うのであります。  報告書では、先進国の法制度や農業政策は、生産者優先の産業振興から次第に消費者優先に軸足を移すと、そうして国民の生命と健康の保護を最大の行政目的にとらえていると述べております。  農水省としても、今後、消費者の立場を優先して考える食料行政を進めていくことが求められております。大臣の御所見を伺います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 報告書の中で唯一と言っていいかと思うんですが、大臣を始め省内における改革への取組については評価できると。すなわち、農林水産省の政策を消費者サイドから、生産者サイドから消費者サイドに軸足を大きく移して取り組むということについては評価できるという報告をいただいているわけでございますが、私、昨年四月、大臣就任時に武部私案というものを発表させていただきまして、その中で、安全、安心な食料の供給システムというものを確保した上で消費者の信頼確保に努めるというのを十大重点プランの一つにしたわけでありますが、このたびのBSEの発生の問題、これに対する報告書の厳しい御指摘というものを踏まえまして、消費者サイドに軸足を大きく移して、そして結果的にはそのことによって自給率も向上します。また、消費者の求めているものを供給するということによって初めて生産者も成り立つわけでございます。  安全で安心なフードシステムの構築をキーワードにいたしまして、これを実現するための施策について、今、工程表を作って取り組んでおりまして、今週中には食と農の再生プランというものは公にできるんじゃないかと、こう思っておりますので、委員御指摘のような考え方を明確にいたしまして、農林水産政策の抜本的な見直し、農林水産省の改革に陣頭指揮で努力してまいりたいと、かように存じます。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 報告書では、食品の安全性確保のためにトレーサビリティーはフードチェーン全体を通じたすべての食品に適用されるべきシステムであるとしております。そして、リスク管理における重要な手法として位置付けられなくてはならないという指摘をしております。  農水省は、BSE対策として、牛の個体識別システムを構築するために、牛の総背番号制度の導入を決めました。随時実施しておられることであろうと思いますが、十四年度の予算にも二・五億円が計上されております。ただ、この制度は生産者から屠畜場までにとどまっております。解体された肉が消費者へ届くまではモデル実施を行うにとどまっております。フランスでは、店頭から生産者までの牛肉の履歴がさかのぼれるようになっております。仮にBSE感染牛が発見された場合でも、危険な肉が消費者に届かないシステムが構築されておるというふうに思うわけであります。  そこで、我が国でも、フランスのように生産者から食卓まで牛肉の履歴がさかのぼれるシステムを早急に導入すべきであるという見識であります。  ちなみに、北海道庁では、子牛の段階でDNA情報を登録をすると、そうして牛肉として店頭に並んだ際に、店頭からその履歴をたどれるシステムの開発に着手したという報道に接しました。国としても、早急に消費者が安心して牛肉を購入し、生産者も安心して牛を出荷できるような流通システムを確立すべきであると思いますが、大臣の御所見を伺います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 委員御指摘のとおり、トレーサビリティーシステムというのは、消費者が自ら食品の生産方法等に関する情報を引き出すことにより安心して食品を購入できるということに加えまして、万一食品事故が発生した場合にも、その原因を究明するという意味においても容易にできる仕組みでございまして、私ども、農場から食卓までの過程を明らかにするということを目標にしまして、これは食肉だけじゃありません、十四年度中は実証試験を、これは米、野菜や茶飲料等の加工品等につきましても実証試験を行いまして、十五年度実施導入を目標にいたしまして努力を指示しているところでございます。  食品表示制度の改善強化のための見直しの中でこの制度化を検討していきたい、このように考えている次第でございます。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 ありがとうございました。  そこで、BSEへの対応で農水省、厚生省の連携にそごがあったとの報告書の指摘があるわけでありますが、欧州の食品安全庁のような新組織の設置の必要性があちこちで論議に上っておるようであります。報告書によりますと、リスク評価機能を中心とし、独立性・一貫性を持ち、各省庁との調整機能を持つ新たな食品安全行政機関を設置すべきであるというふうに指摘をしております。  新たな組織を設置する場合、農水省と厚生省の食品部門を統合する、あるいはスクラップ・アンド・ビルド方式を採用するなど、行政改革の視点を加味することが必要であろうかと思います。また、新組織を設置する場合に、農水省、厚生労働省の外局にするという考え方もありますが、第三者の視点からの客観的なチェックが行われる必要があると。生産者優先、消費者保護軽視をストップさせる、そういうためにはその独立性を担保することが必要であろうかというふうに考えるわけでありますが、そういった意味において、新聞等においても内閣直属の組織にすることがよいのではないかというような議論がぼつぼつ出ておりますけれども、内閣官房の御所見を伺っておきたいと思います。

中村明雄内閣官房内閣参事官

○政府参考人(中村明雄君) お答え申し上げます。  政府といたしましては、四月二日に取りまとめられましたBSE問題に関する調査検討委員会報告書の指摘事項を踏まえまして、食品の安全性の確保に必要な新たな行政組織の在り方を中心に具体案を作成するため、去る四月五日に食品安全行政に関する関係閣僚会議を立ち上げ、同日、第一回会合を開催したところでございます。  今後は、先生御指摘の点も参考にさせていただきながら、関係閣僚会議において新たな組織の具体的な在り方について御検討いただき、六月には政府としての具体的対処方針の取りまとめを行うべく作業を進めてまいりたいと考えております。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 内閣官房にはこの一問だけですので、どうぞお引揚げください。ありがとうございました。  次に、本年一月二十三日の雪印食品による牛肉偽装発覚以降、食品卸大手のスターゼンによる牛、豚、鶏肉偽装、それから全農系の鶏肉加工販売会社全農チキンフーズによる輸入鶏肉の偽装、さらにはまた、総合商社丸紅の子会社でありますが、丸紅畜産による輸入鶏肉を国産と偽るなど、虚偽表示が次々と明るみに出ました。もはや、企業は法律を遵守した正しい表示を行うとする性善説を前提にした食品表示制度は限界に来ておると言われております。  そこで、今回の一連の虚偽表示問題の発生を受け、表示関係の法規を所管する農林水産省と厚生労働省ではどのような連携を取られてきたのか、また今後取るのか。また、調査検討委員会報告が指摘をいたしております、消費者の保護を基本とした包括的な食品の安全を確保するための法を制定し、食品衛生法を始めとする食品関連法の抜本的見直しを行うことという報告書の指摘についてはどのようなお考えをお持ちなのかをお尋ねいたします。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 雪印食品の犯罪が発生しましてから、私どもは食品表示一一〇番というものを設けました。それによりまして、当初一日百件以上の電話等がございました。しかし、このJAS法は消費者の選択に資するための法体系ということに相なっております。したがいまして、立入検査、指示、公表、改善命令、罰則と、こういう手続を経ていかなきゃならないのでございますが、非常に正直申し上げまして苦慮したのでございます。  つまり、どうも本当にやっている、悪いことをしている、偽装表示などがあるのではないかと、こういうようなかなりの情報によりましても公表ができないというような、そういう問題もございました。したがいまして、私どもは、JAS法改正ということを、今国会中にも改正をしたい、こういう考えで今事務当局に指示をしているわけでございます。  同時に、食衛法は厚生労働省でございますが、不当競争防止法、これは公正取引委員会とか経済産業省とか、同じような食品表示の問題についてもいろいろな行政上の競合の問題がございます。  そこで、私ども、食品表示対策本部を農林水産省に二月八日に設置いたしまして、直ちにその後、食品表示関係三省連絡会議を設けまして、表示行政の推進に当たりましても制度運営上の課題等について共同で検討いたしております。また、食品表示一一〇番に提供されました情報につきましても、厚生労働部局へ提供している。もちろん地方の都道府県にも提供したりいたしておりまして、情報の共有化を図っているわけでございます。立入検査等をまた連携して実施しているという次第でございまして、これを抜本的に正していくという意味では、やっぱり調査検討委員会で御指摘されましたように、法制度の整備ということも不可欠でございまして、先般、総理からも御指示いただきまして、この法整備と、更には食品の安全、安心にかかわる問題についてのシステム作り、行政組織の対応については六月を目途にこれを検討するようにということで、四月五日に関係閣僚会議が設けられたわけでございまして、その場で、委員御指摘のような事柄も踏まえまして、私ども、本当に大胆に見直しを進めていきたい、取り組んでいきたいと、このような決意で取り組んでいる所存でございます。

宮路和明自由民主党厚生労働副大臣

○副大臣(宮路和明君) ただいまの武部農水大臣の方から御答弁があった部分は省かせていただきまして、私ども厚生労働省といたしましては、今、武部大臣の方からお話のありました関係三省庁によります表示に関する連絡協議会、その中におきまして積極的に情報の交換あるいは連携について協議をいたしますとともに、その結果を踏まえて三月の八日に都道府県の方に通達を発しまして、食品衛生法に基づく表示の監視、指導を徹底してやっていただくようにお願いをさせていただきました。  通常ですと、七月の暑いときとかあるいは暮れの食品が大量に出回るときとか、そういったときに限って一斉の食品の監視、指導であったわけでありますが、今回はそういうことで、異例でありますけれども、食品表示について徹底した一斉の監視をお願いしたということであります。  そして、その際、監視に際しましては、JAS法など食品衛生法以外の法令に違反する事案を確認した場合においては、これを関係部局へしっかりと連絡し連携を図るようにというふうなことも付け加えさせていただいて、指示をいたしておるところであります。  また、四月二日の報告書におきましては、調査検討委員会における報告書におきましては、先ほど委員御指摘のように、法制の、新たな食品安全確保のための法制の問題、それと併せて、食品衛生法を始めとする既存の関係法の抜本見直し、あるいは食品表示制度についての一元的な検討という御指摘もいただいているところでありますので、その趣旨にのっとりまして、食品衛生法における表示の見直し、表示制度の見直しということにつきましても積極的に取り組んでまいりたいと、このように思っておるところであります。  以上でございます。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 ありがとうございました。  次に、農水省は今年度から、七百名の食品表示ウオッチャーを委嘱をいたしまして、食品表示を監視するいわゆる食品表示ウオッチャー制度というものを創設をする、そうして食品表示の検査員を倍増して食品表示の監視体制を強化するとのことであります。  この監視体制を更に有効に機能させるためには、違反事例に対する罰則を強化することも必要ではないかと思うのであります。さらにまた、監視体制を強化するためには、意図的に表示をごまかしている企業名を積極的に公表する、罰金を引き上げることも必要と考えるわけであります。罰則の強化等については、虚偽表示をした企業名をより積極的に公表していくことで類似事案の抑止効果が期待できるのではないかと思うのであります。  その理由は、要するに、JAS法が改善指示に従わない場合に企業名を公表することになっておるのでありますが、結局、企業名を公表するに至る前に改善をすると、こういうことでございますから、結局余りその実効性が担保できないということであろうかというのが私の疑問であります。  農水省の御所見を賜りたいと思います。

西藤久三農林水産省総合食料局長

○政府参考人(西藤久三君) 先生御指摘のとおり、私ども、JAS法、食品表示の監視体制の強化ということで、平成十四年度に食品表示ウオッチャーということで、全国七百名の監視ということで、現在その手続を進めているところでございます。  御指摘のとおり、虚偽表示問題、先ほど来大臣からるる御説明させていただいておりますように、消費者保護を第一に、消費者に軸足を置いた農林水産行政を展開するという観点からも、JAS法違反した事業者について、今、先生御指摘のように、その段階で、事実が確認できた段階で公表したり、あるいは抑止という観点で罰則を強化していくというところは、私ども非常に重要な点であるというふうに思っております。このため、表示に関する消費者の信頼を回復する観点から、大臣からの強い御指摘も、御指示も受けながら、私ども、できれば今国会でJAS法を改正したいということで手続を検討しているところでございます。  いずれにいたしましても、今後とも消費者の方々や生産現場の皆様など関係の方々の御意見をしっかり受け止めて、食品の表示に対する信頼性回復に努めていきたいと思っております。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 報告書から離れて一問お聞きをしておきたいと思います。  東京大学大学院農学生命科学研究科というのがあるらしいんですが、そこに吉川教授という方がおられまして、欧州のケースから肉骨粉の輸入量と実際にあった感染牛の数の関係を仮に日本に当てはめてみると、今後十頭前後から数十頭のBSEが発生してもおかしくないという試算をされておられるようであります。  しかし、国内のBSEは、三頭目が確認された昨年十二月二日以降、新たな感染牛は出ておりません。その理由として、自分の家からBSEを出したくないと考える畜産農家が感染の危険が高い高齢の廃用牛の出荷を自粛したり、また食肉処理場が廃用牛の受入れを拒んだりしていることが背景にあるのではないかという指摘があります。  そこで、見ますと、行き場を失った廃用牛がマスメディアの情報によると全国で五万頭を超えておると、こういうことを言っております。また、処理場の中には廃用牛の受入れを制限しているところもあるために、高齢の廃用牛がBSE検査を受けずに済む肉骨粉工場に運び込まれるケースも出てくるのではないかと、大変危険なことを言っております。  農水省はこのような現状をどの程度把握されておられるのか、また政府として今後どのように対応しようとされておられるのか、その御所見を伺っておきたいと思います。

須賀田菊仁農林水産省生産局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 最初に、東大の吉川教授が指摘されておりますことは、過去の肉骨粉の輸入量等から推測をして、BSEの日本で起こる確率というのは七頭から十頭というふうにされておるところでございます。  そして、現実にBSEの発生によりまして廃用牛の出荷が滞っておりまして、私どもが推定をしているところによりますと、二月末現在、全国で五万八千頭の廃用牛が滞留をしているというふうに見込んでおります。これは、先生言われるように、一つは、屠畜場側の受入れというものが拒否している事例が見られるということ、それからもう一つには、農家等がやはり不安で踏ん切りが、出荷の踏ん切りが付かないという両方の側面があろうかというふうに思っております。  このために、本年二月から廃用牛の流通緊急推進事業ということで、農家から乳用牛でございましたら一頭当たり四万円、肉用牛でございましたら一頭当たり五万円で買い上げる事業を支援していくという事業を始めておりまして、この事業で二月分、三月分として約二万八千頭の出荷計画の申請があったところでございますし、さらにはBSEが発生した農家の経営再開、再建というものが困難になるという実態もございましたので、酪農家による互助事業、BSE発生農家が経営を再建する場合に、導入牛一頭当たり約五十万、さらには経営費として一頭十万円を支援をする事業に対して国がその四分の三を支援するという事業も始まっているところでございます。  さらに、屠畜場の問題につきましては、厚生労働省、都道府県に対して繰り返しお願いをしているところでございますけれども、去る三月十八日からは副大臣、政務官が各都道府県知事を順次訪問をして、強力に働き掛けをしているところでございます。  以上のような事業の成果によりまして、廃用牛の屠畜頭数、月別に見ますと、月別の滞留頭数の発生が着実に減ってきているという状況がございまして、今年の五月あるいは六月ごろには前年実績並みの屠畜頭数が確保されるというふうなことを期待をしておりまして、更に努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 私の持ち時間、二時十三分まででございますので、あと三点ほど質問通告はしておりましたが、衛生監視員が横ばいの状態であるということ、それから中国野菜の残留農薬の問題、そして野菜の、環境保全型農法による野菜の問題等ありまして、宮路副大臣には大変お待ちをいただいておりますが、これで私の質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。  小泉内閣ができて、特殊法人等の廃止、民営化を積極的に進めるという方針が打ち出されておるんですが、しかし、それを受けた特殊法人側は全く消極的でございまして、行革推進事務局の求めに応じて平成十三年九月四日に各府省から特殊法人等の廃止、民営化に関する報告が出されましたが、言わばゼロ回答というような状況でございました。それで、本当に特殊法人等の廃止、民営化ができないんだろうか、そうではなくて、各府省、これまでの既得権益を守るとか、様々な事情から本来できるものをできないというふうにしているんではないかというふうに私疑問を持ちました。  そしてまた、私、民主党で中央競馬等公営競技の在り方を検討するプロジェクトチームの座長をしております。そうした観点から、今日は中央競馬会の理事長さんにお越しいただきまして、この中央競馬会の民営化、これは民営化できないという御回答をいただいているわけですが、果たしてそうなのかどうか、細かい議論をさせていただきたいということで、今日は中央競馬会理事長さんにお越しいただきました。ありがとうございます。  それで、まず、この行政改革推進事務局に対する平成十三年九月の回答で、民営化は困難であるというふうに報告しておるわけですが、これを概略読ませていただきますと、事業に求められる公正性、公平性、中立性、効率性、合理性の確保という観点から民営化は困難だというようなお話なんですが、どうも一般論としまして、なぜ特殊法人を民営化という議論をするかといえば、言わばお役所よりも民営化した方が効率性、合理性が進むだろうということが言わば一般的に言われておるわけですけれども、どうでしょう、議論の始めとして、まず、なぜ民営化ができないのか、民営化は困難であると言うのか、そこについて理事長さんの方から御説明いただきたいと思いますが。どちらでも結構ですけれども。

須賀田菊仁農林水産省生産局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 私ども、JRAの民営化が困難であるとする理由でございます。大きく言って二つほどあろうかというふうに考えております。  競馬の本質というのは、馬の競走とこれに対するかけでございます。したがいまして、刑法の例外により認められているということでございますので、その主体というものはやはり公共性の高い主体である必要があるのではないかというふうに考えていることが一点でございます。  それから、その競馬自身の社会的存在意義というんでしょうか、それはやっぱり畜産の振興に資する、あるいは売上げの一部等を国庫に納付すると、そういうことにあるんではないかというふうに考えておりまして、これらを担保できる経営形態であることが求められているのではないかということで、一般的には民営化というのは困難ではないかというふうに考えている次第でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 非常に大枠的な議論なんですけれども、刑法の賭博罪の適用除外、これはそもそも日本中央競馬会そのものが競馬法によって刑法の適用除外を受けておるわけですけれども、技術的にはこれを民営化した会社にも刑法の適用除外を立法措置すればこれは可能なわけですから、特に民営化は困難だという理由には私はならないと思っておりますが。  次に述べられた畜産振興と国庫納付ですけれども、そもそも畜産振興のために競馬が必要だというのが農水省の既得権益の擁護にあるんじゃないかと思うわけで、競馬を親しむファンからすれば、自分が馬券を買う、馬券を買ったお金は配当金にしてもらいたいのが一番でして、なぜ競馬で使ったお金が畜産振興に回されなければならないのかというのは余り必然性がないと思うんですね。言わば、監督しているのが農水省だし畜産局だから畜産にお金を回してもらわなきゃ困るという農水省の御都合で言っているんじゃないか。私は、競馬のお金を畜産振興に回さなければならないという前提そのものが言わばお役所の独善的な既得権益の発想だと思います。また、国庫納付が、今、国庫納付を課しているわけですけれども、これを民営化した会社にも国庫納付を課せばこれは技術的には解決できる問題だと思うんですが。  そうすると、特に民営化が困難であると今説明された理由の一つ一つは困難だというほどの事情じゃないんじゃないかと私は思うわけですが、どうですか、その点は。

須賀田菊仁農林水産省生産局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 立法論としてはいろいろな考え方、今、先生おっしゃられたような考え方があろうかと思います。  ただ、一つ実態的に申し上げますと、やはり競馬のようなギャンブルというんでしょうか、昔風に言えば射幸風俗、これが反社会的である、一般論ですけれども、反社会的であるという日本の見方というのはまだまだ根強いものがあるんではないかというふうに思っております。したがいまして、その例外を設けるという場合にはよっぽど強い主体の公共性と。それから、先ほど先生、畜産の振興のことを言われましたけれども、これ二つの側面がございまして、競馬を振興していくことによって畜産の改良、増殖といったようなものに資するという面とやっぱりそのお金を畜産振興に使うという面と両方あろうかと思いますけれども、日本人のこういうギャンブルに対する一般的な見方からすれば、やはり今のところ主体の高い公共性というものが求められるのではないかというふうに思っております。  なお、これは立法論のことでございますので、十分御議論いただければというふうに思っている次第でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 余り同じ議論をしても始まりませんけれども。  競馬を振興することによって競走馬の質はより向上するということは分かるけれども、競走馬と、言わば畜産といいますと食肉の方を指すと思うんですが、なぜ食肉の畜産の方ばかり振興しなければならないのかという必然性は別に何もないんで、公益の、すなわちばくちを解禁するわけだからそれを上回る公益が必要だということであれば国庫納付、国家財源にするということで十分足りるんで、畜産に特化しなければならないという理由はないんではないかと。これは同じように、自転車やオートが機械振興だとか、船舶振興会が船舶に限定して助成していますけれども、本来、そうしたファンからすればそちらの方に特化して助成される理由はないんで、公益一般に使われればいいと思うんですが、やはり省庁のそうした既得権益というものが固定観念としてあるんじゃないかと私は指摘しておきます。  立法で解決してくれればいいんだとあれば立法で解決して、民営化していいんであればすぐ民営化の議論に入っていくわけですけれども、何か、そうすると、立法措置をすれば民営化は可能であるというふうに是非この報告書を書き換えてほしいと思うんですが。  より細かい議論に入っていきますけれども、私は、そうした法律の議論だけじゃなくて、やはり中央競馬会、競争原理を採用して、あるいは民営化によって経営の在り方をオープンにする、あるいは効率性を高めるということがより競馬の在り方としてもいいんではないかという観点から、もう少し競馬の現状の中で立ち入った質問をさせていただきますが。  まず一番は、やはりこれは競馬というものの性質からいって公正でなければならない。八百長があってはいけないし、あるいは公正さが疑われるようなことがあっては決してならないと思うんですが、ここら辺の公正さというものが非常に重要であるということは、これはもう当然理事長さん、当然のこれは前提のことだから、そういうお考えでいらっしゃいますよね。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 今、先生からお話がございましたように、やはりこの公正性、競馬における公正性ということにつきましては、JRA創立以来、これを確保しなければファンの信頼は得られないということで事業の中心に置きまして努力をしてきたところでございます。恐らく、現在競馬がここまで発展したということは、そうした努力が実を結びまして、競馬のファンの皆さん方の幅広い信頼を得て国民的なレジャーとして定着したということではなかろうかと思っております。  我々といたしましては、引き続きそういった公正性については確保をしてまいりたいと、こんなふうに思っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 中央競馬会、基本的には公正さは保たれているとは思っておるんですけれども、ただ、今その公正さに疑問を投げ掛けるような事態も一部に起きているんではないかと。  端的に申し上げますと、除外馬という問題、すなわち出走可能な、レースに、競走に出走可能な頭数を超える出走希望馬が集中すると、その結果、抽せんで入った馬が出走できて、抽せんで外れた馬が出走できないということが生じております。競馬は馬が、生き物が走るわけで、機械じゃないものですから、競走に出るためにはその競走の直前に追い切りという非常に強い調教をやって出走態勢を整えるわけです。また、そうした中で、抽せんに外れてしまうと、言わばレースに出るためにピークに仕上げた生き物が、出れないまま次のレースを目指すために更にピークになった緊張状態を継続しなければいけないというようなことが生じて、結局その馬の調子が狂ってしまうというようなことがあると。  あるいは反対に、出れるか出れないか分からないからといって最終の調教である追い切りを少し緩めにして両にらみにしようと言っていたと。そうしたところ、出れることになってしまった。出れると分かっていればもっときっちりと強い追い切りをやって万全な態勢で出走させられるんだけれども、出れるかどうか分からないから少し手を緩めた、けれども結局出れることになったということで、馬が必ずしも一〇〇%完全な追い切りをしていかなかったという状態で出走するということもこれ現実に起きているわけです。  こうした問題が出ると、本来、公正というけれども、公正競馬というのはその馬が持っている能力を十分に発揮し、発揮できるレースを関係者が行うというのが根本にあると思うわけですが、正にこの除外馬問題はそうした公正さを覆すような状況を招いているわけですが、この状況について、まず除外馬が今どのくらいの状況で出ているのか、この数を披露していただきたいんですが。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 今、先生お話しのように、除外馬というのは、あるレースに出走を希望したけれども出走希望馬が多かったためにそのレースに出走できなかった、そういう馬のことを言うわけでございますが、今年一月からの除外馬の延べ頭数でございますが、四千四百八頭でございます。  この馬につきましては、今、先生からもお話がございましたように次回のレースに出走するという優先権が与えられますので、こういったものを活用しまして出走機会はおおむね確保されていると思っております。特に、大体翌週のレースには七割以上が出走し、翌々週までには九五%の馬が出走の機会を得ているというような状況にございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 四千頭も超える、わずか三か月ちょっとで四千頭も超える除外馬が出ているというのは、これは競馬の主催者として考えれば大変な状態だと思うんですが。  今、その除外された馬が翌週、翌々週にはある程度出れるからという観点がありましたが、どうでしょう、出れるか出れないという状態において本当に調教師が一〇〇%馬の能力を引き出せるような調教をやれるのかどうか。心情的には非常にやりにくいと思うんですが。そういう面で、実際にレースに出ている馬がすべてがそろって一〇〇%の能力が発揮できるような調教にはない状態で出ているというような現象はいかがですか。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 我々はこれについても調教師の皆さん方からお話を聞いておりますが、除外された馬が改めて出走を申し込むときには、その都度調教師が十分に体調確認を行いまして、これにより競馬の公正が保たれているというふうに認識をしております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 私の質問に正面から答えていないんですけれども。出れるか出れないか分からないときに、調教師が一〇〇%の能力を発揮できるようなきちんとした調教をやらないで、多少手控えしてレースに備えるということが起きているんじゃないかということを聞いたわけですが、どうですか。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 調教師の皆さん方も、大体次の週に出るのか、あるいは次の次の週に出れるかとか、そういうことも一応頭に置きながら調教をしておりますので、今申し上げましたように、しっかりと体調確認を行いまして競馬の公正が保たれているというふうに思っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 今、一度除外された馬が翌週に出走するのが七〇%と。そうすると、三〇%は翌週も出走できないわけですね。翌々週で九五%と。そうすると、これは毎週毎週完全な状態で出走させるためにけいこをやっていれば、これ生き物ですから相当馬に影響を与えると思うんですが。けいこのやり過ぎでレースでは能力を発揮できないとか、いらついてしまうとか、生き物ですから様々な現象があるわけで、本来やはり公正な競馬というためには馬が一〇〇%の能力を十分に発揮できる状態で出走させなければいけないということからは遠く離れた状態が出ているんじゃないかというふうに思いますが。  それから、出走除外ですけれども、例えば一回除外されると、また次に除外されることもあるわけですね。それから、理事長さんのお話の中では一つの前提が欠けておりまして、毎週毎週その馬に適したレースがあるわけじゃないですね。競馬には芝生とダートという区別がある、それからそれぞれが長距離、中距離、短距離という別がある、それから馬にはそれぞれクラスがあるということで、その馬に適したレースが毎週あるわけじゃないですね。  そうすると、馬によっては、自分に合ったふさわしいレースに出るために、一回二回除外された、次にはそういったふさわしいレースがないとなれば、結局三週間も四週間も出れないということが生じておるわけで、しかし一回目に除外された時点でもう既に競走馬に出るような調教状態、言わば緊張状態に馬はなっているわけで、それを一か月近くも出させない、ずっと緊張を維持させたまま、あるとき抽せんで受かったら出走に出れるというのでは、これはやはり本来の公正さが確保できるような馬の仕上げはできないんじゃないかと私は思うわけですが。  質問は、そうした状態にあること、なぜじゃこのような除外馬が続出するような状態になってしまったんでしょうか。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 今おっしゃいますように、やはりどうしてこういう状況が生ずるのかということが非常に重要なことだと我々も思っております。  そうしますと、こういうような馬が生ずるのはどういう場合かということですが、いわゆる一度も勝ったことのない馬、あるいは一度しか勝ったことのないような馬、我々はこれを下級条件馬、質の悪い馬と言うとおかしいですが、下級条件馬と、こういうふうに言っておるわけでございますが、こういう馬が、これは余りもう見込みがないというようなことで早期に淘汰されるということがなくて出走しようというところに原因があるんじゃないかというふうに思っております。  したがって、これを解決するということになりますと、基本的には優勝劣敗の原則がよく機能するようなそういう賞金の水準になっていることが必要ではないかというふうに考えております。そういう意味では、下級条件馬、そういったものの賞金の適切な水準というものを考えていかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。  しかし、賞金水準をすぐに引き下げるというようなことになりますと、馬主を始め関係者の皆さんとの関係もありましてなかなか直ちに実現し難いというような事情もございますので、そのほか制度的な面でいろいろ工夫がないかということで、我々いろんな工夫をしているところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 なぜそのような状態が生じたのかという私の質問に何にも答えていない。  要するに、今日ここで議論しているのは、中央競馬会を民営化する必要があるかないかということについて議論しているわけですけれども、私はやはりお役所仕事をしているからこんな事態ができたんだと。むしろ、民営化して、競争原理も採用して、しっかりとした運営をするということになればこんな問題は生じないんじゃないかというのが私が言いたいことですけれども。  もう一度答えてください。少なくともこの除外馬が続出するということは異常なことだとは思いますよね。それで、どうしてこういう状態になったんですか。私の質問は同じ質問ですけれども、端的に答えてください。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、いわゆる除外馬というのは下級条件の馬、いわゆる今まで一度も勝ったことないとか一勝しかしていないというような、そういう馬なんですね。そうすると、そういう馬はそういう馬同士で争うレースというのが仕組まれておるわけです。そうしますと、そのレースに出走できる馬の数というのは当然一定の数で制限されておるわけでありますが、それに出走しようとする馬の数とバランスが取れないということですね。つまり、供給の方が過剰で需要の方が少ないということで、需要と供給のアンバランスが生じているということでございます。  したがって、この需要と供給のバランスを取るにはどうしたらいいかということになりますと、やはり基本的には競走馬の供給のインセンティブでありますクラスの賞金水準、それを下げていくということが必要ではないかと、こういうふうに思っているということです。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 まず、その除外が未勝利や一勝クラスの下級クラスだと言うけれども、それは間違いで、一千万下という堂々とした三勝クラスのレースでも例えば二回続けて除外だというようなケースが現に生じておるわけで、その下級条件云々だということは直接関係ないし、なぜそういうことが生じたのかということについては何にも答えていないと。  要するに馬が多過ぎるからだと、こういうことですかね。しかし、調教師の数も厩舎の数もいわゆる馬房の数もここずっと変わっていないので、どうしてそういうことになったのか。少なくとも競馬会として努力が足らないんじゃないかと思うわけですけれども。  そうすると、この除外馬対策の問題について、今後どうやって解決しようと考えているわけですか。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 現在、賞金を先ほど申しましたようにすぐに下げるということはなかなかでき難いことでございますけれども、これについてもこれから我々としては検討していきたいと思っておりますが、現在取り得る具体的な方策といたしましては、いわゆる能力の低い馬、先ほど言いました下級条件のそういった馬ができるだけ早く淘汰されるようにということで、二歳馬競走をできるだけ早く実施しようということで、今年六月からそれを実施しようというふうに思っております。  さらにまた、三歳の未勝利競走でございますが、これを早期に終了を、これは昨年からでございますが、一か月早めに終了させるというようなことをしておるところでございます。  また、能力の低い馬を、もうできるだけ出走することをやめていただこうということで、その一つといたしましては、一つのレースで何分何秒以内に走りなさいという基準を決めておるわけですが、このタイムオーバーの適用基準を厳しくいたしまして出走を制限していこうとか、あるいは成績不振馬、いつもラストの方に走っているというような馬についても出走の制限をするということを始めております。  さらに、中央、地方競馬の間で出走馬ができるだけ移籍しやすい環境を作って、地方競馬でも走っていただけるような、そういう環境作りをしようということであります。  それからさらに、実際に十八頭まで走れるわけですが、馬場によりましては十六頭しか走れないとか、いわゆるそういう物理的な馬場上の制限があるわけですが、これもできるだけ馬場を拡幅するとか、あるいは出走枠の多いレース、そういうものを設定するというようなことをしていきたいと思っております。さらに、出走枠に余裕のある競走へ出走を促進していくと。  これらの施策を実施しながらこの問題について現在対応をしていきたいと、こう思っておるところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 何か細かいことをずらずら並べているだけで、私は何にも答えていないと思いますがね。  というのは、今の御説明の中に、私は、うそと言うと言い過ぎかもしれないけれども、前提が欠けているところがあると思うんですね。というのは、今競走馬の数は調教師が競馬会から預かった厩舎の数だけいるわけですよ。幾ら下級条件をそうやって早く引退させたって、厩舎の数だけ馬がいるというこの状態は変わらないわけですよね。  そうすると、理事長さんは、厩舎の数を減らして馬の数も減らせということですか。やはり、厩舎の数があって厩舎の数だけ馬がいるんだから、早く馬を引退させたって、後から入ってくる馬がいるんだから馬の総数は変わらないわけで、ですから下級条件を早く引退させればいいという論理は私はこの除外馬問題の解決にはならないと思いますけれども。  それから、競馬場を広くすればいいと。言葉では広くすればいいかもしれないけれども、安全上に問題があるし、あるいは広げるためには設備費が、多大な費用が掛かるわけで、余り言葉だけ調子いいこと言われても困るわけで、私は、今日はその民営化の問題ですから、ですからそんな実際の解決策にもならないようなことを言ってこうした問題について有効な手だてを取らないというのが正に、これは特殊法人であって競争原理がない状態だからこういう状態が起こるんだということを言いたいわけであります。  この除外馬の問題、これ相当深刻な問題で、賞金を下げればいいとか早く馬を引退させればいいという議論で解決する問題じゃないんで、またいずれ機会があれば議論をしたいと思いますけれども。  その公正さの問題でもう一つ付け加えたいのは、その出走できるできないの出走馬の抽せんあるいは出走が決まった馬の枠順の抽せん、これは公開していないですよね。なぜ公開しないんでしょうか。

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) 高橋参考人、御答弁願います。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 決定の過程といいますか、それについては公開をしておりますし、また特にGⅠレースなどでは公開をしてやっておるところでございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 ちょっと意味が分かんなかったわけですね。  GⅠ馬の抽せん、枠順抽せんを公開しているのは分かっておりますけれども、GⅠ馬というのは年に何回かしかない限られたレースで、それ以外のレースについて枠順を抽せんしているわけだけれども、どうしてそれを公開しないのか。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) いろんなやり方をやっておりますが、例えば一つは、どれにするかということは、ランダムに一つの方式を作りまして、それで決定できるようなことをやっておりますから、そのことは皆さんも御存じでございますし、そういう意味での透明性といいますか公正性は確保されていると、こう思っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 いや、私は抽せん方法が不公平だと言っているんじゃないんです。抽せんを公正しなければ、やはり公正さが疑われるんじゃないかと。公平にやっていると言うんだから、いや公正にやっていると言うんだから、多分公正にやっているんでしょう。だったら抽せんすればいいじゃないですか。中には、コンピューターによる抽せんも、担当者の意に沿わない結果が出たらもう一回やり直すなんということを勘ぐる人もいるわけで。ですから、なぜ抽せん、そうした公正さを、公正さということは、公正であることも必要だけれども、公正であると相手方に、ファンに思っていただくということの意味も大切なんですよ。  そうすると、こうした抽せんをもうずっと古くから公開しろという声があるのに、実際に抽せんを公開しないまま来ている事情は何なのか。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) これは御存じのように、木曜日の日に、毎週木曜日の日に三時に抽せん、登録を行っておるわけですが、これは迅速を要してやるわけでございますから、そういう意味で一々細かいことまでやっておりませんが、公開の要望のあるものについては我々も公開をしておりますし、何か、強いて何かを隠すとか、公正さを疑わせるようなことをやるためにそういうことをしておるのではないということをひとつ御理解願いたいと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 抽せんを公開するだけで業務に支障が出るとか時間が遅れるということは考え難いんで、私は、やはり公正さというものをファンにはっきりと理解してもらうためには当然公開すべきことだと思うわけですが、そうしたことができないのは、やはりああこれはお役所仕事なんだから民営化した方がいいんじゃないかなと、私はこう思うわけですけれども。  それから、この意見書の中で公正性の次に公平性ということがありますね。私は、この公平性が害されていることも生じているんじゃないかと。すなわち、今、抽せんでくじに当たった馬だけが出れてくじに外れた馬が出れないと。これはそもそもくじに外れた、不公平の極みだと思いますが。  それと同時に、今、日本の競馬はすべて中央競馬会が管理する関東は美浦トレセン、関西は栗東のトレセンにいるわけで、そこで調教した馬でなければこれは競馬に出れないわけです。ところが、この美浦のトレセンと栗東のトレセンで設備の内容が違いますね。栗東の方がいいと言われている。これはそうすると公平じゃないんじゃないですか。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 抽せんという方法をやっておりますが、それが正に我々としては公平、一番公平なやり方ではないかと。ほかに決める方法といえば、そういう方法が一番公平であるというふうに考えてまずやっておるということであります。  それから、トレセンにつきましては、今おっしゃいますように栗東と美浦と二つあるわけでございますが、それがじゃ完全なる同じような、気候も違いますし、地理条件も違いますから、全く同じようなものができるかということになりますれば、それは当然のことながらできないわけでございまして、我々としては、機能としては同じような機能が果たせる、そういう設備なり施設の整備をしてトレセンに供していると、こういうことでございますので、理解願いたいと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 抽せんの問題終わったけれども、また答弁が出ましたのでまた言いますけれども、例えば人間、悪意に見ますと、だれも見ていないところで抽せんやると、そうすると自分が出したい馬が漏れているからじゃもう一回コンピューターのスイッチを押せ、今のは練習練習と、今度はまじだ、本番だなんて言ってやり直せば幾らだってやれるじゃないですか。だけれども、そんなことをやっていないと言うんだったら、やってないんでしょう、だったらみんなが見ているところでこのとおりフェアにやっていますよということをどんどん公に見せたらどうですか。私は絶対に見せるべきだと思いますがね。これは答弁要りません。  それから、トレセン、私は気象が違うと言っているんじゃないんで、数年前までは、栗東の方が美浦にないようなウッドチップとか坂路とかそうした優れた調教施設があったために関西の馬ばかりが強くなったと言われておるわけで、現在、それは慌てて関東の方も造ったけれども、例えば非常に馬の調教に有効な坂路にしても長さやそれを取り巻く環境が全然違うという。  中央競馬会は、公平性を維持するために競馬会が必要で、民営化は困ると言っているけれども、中央競馬会そのものが西と東の施設でそんなに不公平なことをやっているじゃないですか。私は、その公平性を保つために民営化は困難であると言うけれども、むしろ民営化して、お互いがそれぞれ自分の責任で競争していいものを作り合うということで、競争の上にできた不公平ならいいけれども、競争させないというシステムで公平だと言うんじゃ余りにもおかしいと私は思っているわけですが、どうですか、その点は。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 先ほど申しました、トレセンの機能についての公平性は先ほど申し上げたところでございますが、競争ということから申し上げれば、それぞれの調教師さんが自分の馬を、いい馬を育成し、調教、仕上げて、そしてレースに優勝させると、そしてそのことによって自分の収入を多くするということで皆さん競争をし、いい馬作りをしておるわけでございますから、何かそこにトレセンがどうこうだから競争が働いていないとか、そういうようなことは私はないと思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 しかし、現実に、平成の早いころ、それ以前までは関東馬の方が強かったのが、栗東にウッドチップとか坂路が設けられてから圧倒的に西の方が、栗東のトレセンで調教する馬の方が強くなりましたよね。そういった客観的事実があるのに、そうした事実を無視されて答弁されても困るんですけれども。  今現在もまた、関東よりも西の方が強いですね。公正性だと言う、まあ中央競馬会が管理して全部公平にやるんだと言うけれども、じゃ栗東と美浦でまだ不公平な部分ありますよね。馬を世話する厩務員の運動時間が西の栗東の方が長いですね。これはどうですか。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 今おっしゃいましたように、調教の仕方において今おっしゃるような違いはあると思います。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 だから、私は、民営化会社がそれぞれ競争して、競争の結果どっちがいいというなら、私はまだその差があったってそれは競争の結果しようがないんだけれども、日本中央競馬会が一元化に管理して、一元化に管理しているから公平だと言っているわけでしょう。公平性を保つために民営化はできぬと言っているわけですよ。なのに、今言ったように、施設も違う、それから調教の運動量も違うというんじゃ、中央競馬会がいるがために逆に公平性が阻害されているじゃないですか。どうですか、その点は。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) ここにある公平性というのはどういうことを意味しているかということもございますが、いずれにせよ、美浦とそれから栗東ですね、そこの間の競争というのは、いわゆる調教師が自分の馬はいかに強い馬を作っていくかと、そういうことで競争が働いているかどうかということでございまして、何か施設自身が競争しているとか、そういうことじゃないというふうに思っております。  もちろん、我々は、施設の能力が違っていちゃそれは競争する場合に不公平になるではないかということがありますから、それは施設整備に努めておるということを申し上げておるわけであります。何か、その競争というのは施設の競争をしておるわけではございませんで、いわゆる調教師が調教師同士でどういういい馬を作っていくかという、そういう競争をいかに発揮させるかということを常に考えておると、こういうことです。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 何か随分おかしなことをおっしゃりますね。中央競馬会は、調教師が調教する場所としてその定められたトレセンの中で調教した馬でしか競走に出れないわけですよね。すなわち、調教師にこの施設でしか調教できないと決めておいて、その施設が栗東と美浦で違うんじゃ不公平でしょう、これは。それは栗東の中だけだったらそれは調教師の腕で競争でもいいですよ。美浦の調教師だけだったら同じ施設を使用しているんだから。どうですか、その点は。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) いずれにせよ、トレセンについては、施設整備も含めて両方が同じような機能をできるだけ果たせるようにということで我々はやっているということでございまして、それを完全に一致させるということ自体が、私にはどういうふうにしたら完全に一致させるか分かりませんが、そういうものではないというふうに思っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 大変な開き直りで驚きましたけれども、調教師が全部同じ規格のうまやに入れて全部同じ規格でやっているのに、トレセンのコースについては同じじゃなくてもいいような話は、ちょっと大変な強弁だと思いますが。  時間の関係もありますけれども、特に事業の、事業に求められる効率性、合理性からいって民営化は困難だと言うわけですけれども、総務省が行った特殊法人に対する行政評価、ここで、中央競馬会は子会社に様々な役務を発注して、言わば子会社を介在させてそのような事業の展開をしていると、このことについて、それが改善の要があるという指摘を受けておるわけですけれども、正にこれなどは特殊法人であるがゆえに生じている典型的な問題で、民営化になれば逆に解消すると思うんですが、逆にそうした観点から民営化は困難であるという逆の結論が出ているので驚いているんですが。  まず、総務省から勧告をいただいた主として子会社を使った役務の利用ですか、それを特に随意契約をやっている点なんかを随分批判されておるようですが、その点はどうでしょうか。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) 今おっしゃいましたように、行政改革事務局、それから行政評価を総務省から受けておりますが、その中でいわゆる関連の会社ですね、子会社、そういうものとの契約について、できるものは競争入札ないしそういうものにしておけという指摘も受けておるところでございますが、我々はそういうような方向につきまして、できるものは競争にしておく、また随意契約でどうしてもやらなきゃいけない部分もあるわけですが、そういうものについては契約内容あるいは単価、そういったものについてほかの業者との実際の取引から見てしっかり、適正なものになっているかどうかをしっかりと確認しながらいくというようなことにしていかなければいけないというふうに思っております。  それから、ちょっと先生、私は誤解されているかと思いますが、先ほどから、公平性とか合理性とか効率性というようなことで民営化については困るとかいうようなことを提出しておるのは農林水産省の方が提出しておるのでありまして、私の方からそういうことを申しておるわけじゃございませんので、たまたま質問がございましたからちょっと先ほどそういう御返事を申し上げましたけれども、そこのところはひとつ御理解を願いたいと思っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 そうすると、理事長さんは、今の日本中央競馬会はここに書いてある、民営化しては事業に求められる公正性、公平性が害されるというようなおそれはないと考えているけれども、農水省の方がそういう考えを出したと、こういうことなんですか。

高橋政行日本中央競馬会理事長

○参考人(高橋政行君) といいますのは、組織をどのようにしていくかというようなことについて、やはりこれは政府が考えていくことではないかというふうに基本的にまず思っているということでございます。  したがって、我々がこれについて申し上げることがあるとすれば、やはり競馬を実際に運営している立場からどのような困った点があるかというようなことは申し上げておりますが、例えて言いますと、我々は場外の馬券売場というようなものを造っております。そうしますと、もう住民の反対がありましてなかなかこれ造るのに本当に一大苦労をしておるわけでございますが、そういうような状況の中でかけ事を全く民間に任せまして利益追求といいますかそういう観点からギャンブルをやっていくということが国民の理解、コンセンサスが得られるかなとか、あるいは、中央競馬だけの問題ではなくて、これは地方競馬も民営化ということにそうすればなりますし、競輪、競馬、競艇、そういうものも含めて全体としてかけ事をどうしていくかという、そういう大きな問題になるわけですが、本当にそういうことを国民の皆さんがオーケーと言ってくださるんだろうかなと。これは、我々が普通仕事をしていて、これほどまでにかけ事に対しては反感があるのかなということを思っておるわけです。  それからまた、世界的な潮流を見ましても、いかに統合をしていくかと、むしろ。やっぱり別々ですと、番組にしろあるいは経営の効率化ということからしますとかえって不都合になっている面が見られますから、世界的にもむしろそれをどういうふうにして統合しながらやっていくかということがテーマになっておるわけでございまして、むしろ世界からうちの国際レースに来られる各国の皆さんは日本の組織形態というものがうらやましいというふうにおっしゃるような状況でございますから、そういうことからしてもどうかなという、そういう感じは持っております。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 何か中央競馬会の宣伝のために質問時間が三、四分使ってしまったような感じですけれども。  世界がうらやんでいるというような御指摘もありましたけれども、そうではないんで、むしろ、非常に巨大な部分もありますけれども、非常に閉塞しているんじゃないかと。売上げが毎年一割ぐらい落ちておりますけれども、単にこれは景気だけではなくて、やはり中央競馬そのものについても抱えている問題がじわりじわりと出てきているんではないかというふうに思っておりますが、今日はそうした観点、やはり様々な問題が今こうして特殊法人という形、競争のないままあるよりも、より競争原理を採用してより多くのファン、国民にこたえる方が望ましいんではないかという観点から種々説明させていただきましたが。  ただ、じゃ最後に農水省に、これを書いたのは競馬会に言わせると自分ではなくて農水省だということですから、最後に、あと二、三分ですけれども、要するに、公正性、公平性、中立性、効率性、合理性の観点から民営化は困難だと言ったけれども、どうもすべての理由からすると民営化した方がいいと私は思うんですが、どうでしょう、そこのところ、端的に短い時間で答えてください。

須賀田菊仁農林水産省生産局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほど来の御議論を聞かせていただきまして、公平性、公正性、中立性といったような問題がございました。  私は、例えば現在の日本中央競馬会法でございますけれども、こういう公正性等を担保するために、競馬会の役職員が職務に当たって収賄をした場合には厳しい罰則を科するんだという、いわゆる公務員並みの扱いをしているわけでございまして、そういうこと等が民営化が、組織形態としての民営化が困難な理由ではないかというふうに考えております。  なお、一つ一つの業務に当たっては、やはり民営意欲というんでしょうか、民間並みの運営をしていくということは大事な視点ではございますけれども、先生も御存じのように、この日本中央競馬会、特殊法人とはいいながら、政府が補助金を出しているわけでもなし、また、ほかの特殊法人にありがちなその存立を政府が担保するという規定もないわけでございまして、中の運営の改善、子会社の問題も含めまして、そういうことに取り組んでいく形態は形態として、やはりかけ事の例外ですので、公的主体のままにしておいて、中で運営の改善に取り組んでいくというのが現実的な方向ではないかというふうに考えている次第でございます。

小川敏夫民主党・新緑風会

○小川敏夫君 最後に意見を言わせていただきますけれども、政府から補助金を受けているわけじゃないと、自立していると。自立しているからこそ逆に民営化しやすいだけで、政府におんぶをするようになってから民営化しても大変な困難が伴うわけで、自立している方が大変いいんではないかと。それから、日本中央競馬会、これ政府がすべての株式を持っているわけですから、技術的にはこの株式を公開するだけで言わば民営化はできるという意味で、数ある特殊法人の中で最も民営化しやすい特殊法人の一つではないかというふうに考えております。  そうした観点からいろいろ質問をさせていただきました。答弁の内容を納得しているわけではありませんから、また機会を見て質問をさせていただきたいと思いますが、今日はこれで終わります。

続訓弘公明党

○続訓弘君 私は、前回、四月一日の委員会に引き続きまして、公務員制度の問題について何点か伺わせていただきます。  まず最初に、公務員の研修制度について伺います。  最近問題になっております政治家と官僚の接触の仕方や政官業をめぐる不祥事等の問題が発生するたびごとに問われるのは、公務員の全体の奉仕者としての使命感、倫理観、正義感であります。この使命感、倫理観、正義感の育成には、何よりも公務員の研修制度の充実強化が重要であり、これの企画、実施は中立公正の第三者機関である人事院が当たるべきと私は思いますけれども、この点について総裁並びに石原大臣の所見を伺わせていただきます。

中島忠能人事院総裁

○政府特別補佐人(中島忠能君) 公務員の研修につきましては、参議院の総務委員会でも度々議論をされました。そのときにも御答弁申し上げたと思いますけれども、研修というふうに一口に言いましても、二つ種類があると思います。  一つは、それぞれの省庁が所管する行政についての専門能力向上のための研修というのがあるだろうと思います。もう一つは、今、先生がおっしゃいましたように、全体の奉仕者の意義の徹底とか政治的中立性の重要性とか倫理観に係る研修という、そういう公務員全体に通じてといいますか、そういう研修があるだろうというふうに思います。  そこで、前者の方の研修につきましては、それぞれの所管大臣あるいはまた内閣の方で統一して企画調整されるんだろうというふうに思いますが、後者につきましては、総務委員会でも議論されましたし私も答弁申し上げましたけれども、やはり政治的行為の制限の意義とか全体の奉仕者の重要性というのは、中立第三者機関としての人事院が実施し、また企画調整もするんだろうというふうに思います。そしてまた、こういう認識については、恐らく関係者の間で合意が成立しているんだろうというふうに私は理解しております。

石原伸晃自由民主党行政改革担当・規制改革担当大臣

○国務大臣(石原伸晃君) この点に関しましてでございますが、時代の、一般論からまず申し述べさせていただきたいんですが、時代の要請に応じて機動的、効率的な行政運営を実現するためには、やっぱり、絶えず行政課題に接しまして行政運営について責任を有する内閣及び各府省の主任大臣等々が、職員の研修等による育成を始め適正かつ弾力的な人事・組織マネジメントを通じて、所掌する行政組織の人的資源を公正かつ最大限に活用することが重要であるというようなことを昨年いろいろ議論をさせていただきまして、考え付いたわけでございます。  このため、公務員制度改革大綱の中では、公務員の研修については、委員のお考え方と若干違うのでございますが、人事管理権者が主体的な責任を持って行うこととし、内閣が人事管理権者が行う職員の育成に関する方針の企画立案及び実施に関する総合的企画・調整を行うと実は整理をさせていきました。そこで、人事院のその後の役割なんでございますが、第三者機関であるところの人事院が必要な基準の設定、人事管理権者に対する改善の勧告を行うこととしていただいて、人事行政の、委員御指摘の中立性、公正性というものは十分に確保できるものと考えているところでございます。

続訓弘公明党

○続訓弘君 私がお願いをしたいことは、やはり公務員の倫理観なり正義感なり、そういうものを担保していただきたいと、こういう意味で申し上げたわけであります。  引き続きまして、天下りについての人事院の事前承認制について伺います。  前回の委員会で石原大臣は、人事院が行う事前かつ個別詳細なチェックが各府省の主体的で責任ある人事・組織マネジメントを妨げてきたという趣旨の答弁をされました。私はこれらの詳細は知りませんが、今や行政全体を通じて規制緩和が強く求められております。だとすれば、この問題について人事院はむしろ時代を先導するような制度を構築すべきだと存じますけれども、人事院総裁の見解を伺います。

中島忠能人事院総裁

○政府特別補佐人(中島忠能君) 私たちの方で各省の人事管理について承認したり、あるいはまた協議を受けて同意をしたりしております。そういうことにつきましては、かねがね各省庁からも簡素化の要望も出ておりますし、昨年の末に決定されました行革大綱でもそれを見直すようにという要請を受けております。したがいまして、私たちは現在精力的にその簡素化について見直しをしておりまして、四月一日からかなり大幅な簡素化をいたしました。また、七月を目途に、現在最終的にその見直しを大幅に行おうということで行っております。  ただ、一つ御了解いただきたいんですけれども、こういうような人事院の承認とか協議を受けるということを通じまして、人事行政の中立性とかあるいは統一性とか、またそれぞれの職員の適正な勤務条件を確保しつつ給与の、給与費の膨脹というのを抑えていくという機能も果たしておりますので、そういう別の価値も実現しようとしておるわけですから、そこらをにらみながら、最大限簡素合理化というものを進めて、そして七月の見直しをもちましてこれはきっちりとにかくおこたえしたいと。そのことについて余り人事院が余分なことをやっておるという印象を与えるというのはよくないので、今年の七月に見直すことによってこれを完了いたしたいというふうに考えております。

続訓弘公明党

○続訓弘君 是非、そういう考え方を貫いていただきたいと存じます。  次に、キャリア公務員の早期退職慣行の是正について伺います。  石原大臣は、先日、私への答弁の中で、現在行われている五十二、三歳で肩をたたく勧奨退職制度がいつまでも可能であるとはだれも認識していない旨の答弁がございました。また、総理も去る四月三日の政労会見で、天下り対策に関連して、官僚が定年までしっかり働ける制度作りに力を入れる考えを強調されました。  そこで伺いますが、石原大臣は、公務員制度改革の中で早期退職慣行是正のための推進計画を各府省が作るよう提言されてはいかがかと存じますけれども、いかがでしょうか。

石原伸晃自由民主党行政改革担当・規制改革担当大臣

○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの続委員の御提言というものは傾聴に値するものだと承知しておりますが、公務員の退職の在り方については、我が国が高齢化社会を迎えている中、政府においても、これまで公務の中で培ってきた専門的なノウハウの蓄積を必要とする分野に中高年の方の人材活用ということを図っていくことが重要であると、これも先般御答弁させていただいたんですが、考えているところでございます。そのことによりまして、今、委員が御指摘されたような早期勧奨退職から定年に限りなく近づいていくということが出てくるのではないかと思います。  その一方で、この時代の変化、また非常に激しいわけでございますので、その適宜適宜に新しい感覚で政策を企画立案するような分野においては、その人材の流動性を高めて、機動的、弾力的というんでしょうか、人材戦略を実現するということもその一方で時代の要請としてあると思います。  公務員制度の設計に当たっては、ただいまの委員の御指摘も十分踏まえさせていただきながら、両面からやはり配慮をしていく、そして、もう少し成熟した社会になってきたときには、やはり委員御指摘のような社会を目指していくということが私は天下り批判等々にこたえる一つの方法ではないか、そういう意味で国民の信頼を確保し得る再就職のルールというものも併せて適切に対応していくことが今非常に重要だということを認識しております。

続訓弘公明党

○続訓弘君 ありがとうございました。  次に、官民人事交流について伺います。  いわゆる官民人事交流法や任期付職員法の制定の背景並びに目的について、人事院総裁から伺います。

中島忠能人事院総裁

○政府特別補佐人(中島忠能君) 官民交流法ですが、これは法律を御審議いただいたときにも度々御説明申し上げましたけれども、民間における効率性あるいはまた柔軟性、そういうものを公務の方もひとつ学ぼうじゃないかと、また、公務の方の考え方といいますか価値観というのも民間の方の方に知っていただこうじゃないかという、双方の考え方というものをお互いに知り合って、そして刺激し合ってお互いにいい仕事をしていこうということでこの官民交流法というものを制定していただきました。  また、任期付任用、任期付職員の任用法というのは、これは、高度な専門的な知識というものを要する分野が毎年出てきておりますので、そういう分野に民間の、外部の専門家を採用して、それにふさわしい処遇というものをしていこうということで、こういう法律をそれぞれ御審議いただき、成立させていただいたわけでございます。

続訓弘公明党

○続訓弘君 去る三月の二十八日に、人事院と総務庁、共同で公表されました民間から国への職員の受入れ状況は、平成十三年八月十五日現在四百二十二人であります。その内訳は、常勤百九十七人、非常勤二百二十五人であります。二年前の平成十一年八月十五日現在では三百二十九人で、内訳は、常勤が百二十六人、非常勤が二百三名でございました。  ただいま人事院総裁から御説明いただきましたとおり、官民人事交流法や任期付職員法は、ちょっと説明はこの辺は省かれましたけれども、官と業、民間との癒着の厳しい批判を払拭するために制定された、私は国の機関と民間企業との人事交流の法律であるはずであると思います。だとするならば、国民の皆様は、この法律制定後はすべてこの法律に基づく交流が行われているものだと理解しておられると思います。  そこで伺います。  去る三月二十八日、今申し上げたように、二十八日公表の、民間企業から政府機関への常勤交流者百九十七人中、両法律に基づく受入れ者はわずかに五十二人であります。これは、国民の皆様から見れば、せっかくの法律はできても、依然として透明性、公開性もなく、政府と特定企業との人事癒着が行われているのではないかとの疑念を生じかねません。  この改善策について、各府省の組織、定数、人事管理を担当される総務大臣の所見を伺わせていただきます。あわせて、人事院総裁の所見も伺わせていただきます。

片山虎之助自由民主党・保守党総務大臣

○国務大臣(片山虎之助君) 今、続委員が言われますように、官民人事交流法と任期付職員法ができて、目的はいいし、透明度は高くなるんですけれども、やっぱりなかなか面倒なんですね、要件がいろいろあって。小回りが利かない。だから、活用の度合いは私はそれだから低いと思います。  それからもう一つは、よく知らないということもあるのかもしれませんね、人事当局者が。だから、各省にこの制度の良さをPRするとともに、もう少し、余り手続を厳重にしたり対象を厳重にしたり、やり方をくだくだ言わぬ方がいいですよ、規制緩和の時代だから。その辺の工夫があれば、私は活用されるようになると思いますよね。  制度ができて、今、委員が言われるように、これだけの数じゃ何だということになりますので、その辺は十分我々も検討して対応してまいりたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○政府特別補佐人(中島忠能君) 考え方といいますか、基本的な考え方は今、総務大臣が答弁されたと同様でございますが、ただ、続先生がおっしゃいますように、交流することによって癒着が生じたらいけないということで、この法案を審議するときにいろいろ議論されました。そして、附帯決議も付いております。したがいまして、私たちは、そういうことを考慮すると、ある程度の面倒くさい手続というか、そういうものを我慢していただかなきゃならないんですけれども、できるだけ各省が利用しやすいように、また余り面倒を掛けないように工夫はしていかなきゃならないというふうに思います。  そういうことで、両方の価値というものをひとつ考えながらやっていかなきゃならない非常に難しい問題だということを御了解いただきたいと思います。

続訓弘公明党

○続訓弘君 大臣や総裁のせっかくの御答弁ではございますけれども、私は猛省を促したいと思います。  なぜならば、このいわゆる官民交流法のできた理由はもう篤と御存じなんですね。あれは衆議院の総務、内閣委員会だったと存じますけれども、共産党の委員が各省で調べられまして、そして、この三百二十何人かの現実に民間から天上がりしているということを指摘されました。当時、私は答弁の責任者でありました。今初めて見ました、この資料は今初めて見ました、こういうことがあったとすればこれは改善いたしますと、こう誓いました。そういう経過もあってこの法律ができたはずなんです。  だとするならば、やはり法律ができた以上は、先ほど申し上げた、少なくとも常勤者百九十七人の中に五十二人の、法律ではなくて、まあ百九十七人が百九十七人、この両法律でちゃんと適用されるようにすべきではないのか。そしてまた、今、大臣がおっしゃった、いろいろ難しい手続があるんだというならば、工夫をして、難しくないような最大限工夫をしてやっていただきたいものだと思います。  同じく、人事院総裁にも、両方でやはり工夫を凝らしていただいて、法律がちゃんとうまく適用されるように、そして国民の皆さんは、なるほどああいう法律ができたんだ、そこで官民癒着がないんだという、こういう理解を求めるべきだと思います。  その辺のところ、もう一回御答弁を願います。

片山虎之助自由民主党・保守党総務大臣

○国務大臣(片山虎之助君) 続委員が総務庁で国務大臣をおやりになったときに大変苦労して通された法案だということは十分承知しておりますし、この両法案の価値は私は大変認識しているつもりです。  ただ、各省がもう一つ理解が至らないのと、いろんな今言いましたようなやや煩わしさもあるものですから、敬遠しているようなところがあると思いますよ。だから、そういう点を工夫してどうやって乗り越えていくか、是非全員がこの法律の適用を受けるように、今後大いに努力してまいります。

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) 人事院総裁、いいんですか。

続訓弘公明党

○続訓弘君 もういいです、時間がありませんので。  そこで、総務大臣は各府省の人事あるいは組織、そういうものを全部統括しておられるわけですから、定数を含めて、そういうことで、号令を掛けていただきたいということを御要望申し上げます。  次に、国と地方との人事交流について伺います。  平成十年の五月二十九日閣議決定されました地方分権推進計画に基づき、国と地方公共団体との間の人事交流実績が、去る三月二十八日、総務省から発表されました。それによれば、国から地方公共団体への出向者は千六百六人で、地方公共団体から国への出向者は千六百八十人で、この人数は毎年ほぼ一定しております。  私があえて問題にしたいのはその中身であります。国から地方への出向者千六百六人中、課長級以上は半数を超える八百四十一人に上ります。一方、地方からの出向者千六百八十人中、国の室長以上は何と三十二人にすぎません。  そこで伺います。  この現状を見て、国と地方の間は対等、協力の基本であるべきとかねがね国は言っておられますけれども、この基本が貫けているとは私は絶対に思えません。総務大臣が毎年各府省に通達されています人事管理運営方針にも、国と地方公共団体間の人事交流は対等、協力の関係で行われるべき旨明示しておられます。この方針に照らして、今の状況をいかが考えておられるか、そして改善策をどう考えておられるか、意見を伺います。

片山虎之助自由民主党・保守党総務大臣

○国務大臣(片山虎之助君) 今、委員言われますように、人事管理運営方針というのを毎年決めておりますけれども、これは各省が合意したものでございますが、この中で、地方団体の特定ポストへの出向の長期固定化は排除する、管理職として出向する職員は経験年数等の配慮をする、余り若い者を出さないということですね。それから、地方団体の職員の国への受入れ条件をしっかりすると、こういうことでございまして、基本的には続委員言われるように相互対等交流でございますけれども、現実はやっぱり、数は似ておりますが、国から行く人は大体管理職以上で、地方から来る人は大変少ないと。それは、知識、経験がややある人が国から地方に行っている、地方から来る人は勉強に来ていると、こういう現状がありますからややそういうことになっておりますが、やっぱりこれは次第に直していかにゃいかぬと思いますね。  ただ、同じポストにもう同じ省から採るなといいましても、土木部長なんというのは技術屋さんで、そういう方がなかなか地方にはいないものですからやっぱり来てもらわにゃいかぬとか、あるいはお医者さんの関係だとか、衛生部長ですね、そういうことがあるものでなかなか難しいんです。  しかし、前よりは、続委員、相当良くなっているんですよ。前は余り対等交流じゃなかった。今はかなり対等、こういうふうになってきておりますけれども、地方からも優秀な人は国の管理職をやってもらうと、こういうふうにせにゃいけませんね。それから、国の方も、行っていつも物を教えるだけじゃなくて、今は地方が新しい知恵がたくさんあるんですから、そういうものを行って学んでくるような、そういうことも考えていかなきゃいけませんので、関係の府省ともよく相談しまして、今後、申合せ、人事管理運営方針、これに沿った是非運用をしてまいりたいと、こういうふうに思います。

続訓弘公明党

○続訓弘君 私は、ゆうべ、NHKの、何といいますかあれは、「NHKスペシャル」を長時間見させていただきました。そして、その間、片山大臣がいろんなことを言っておられました。最終的に言っておられたことは、日本の明日は地方自治にありますよ、構造改革は地方からだ、地方の構造改革なくして国の構造改革はあり得ませんと、こんな力強いお話をされました。それで同時に、権限と財源と人事と、こういうものをしっかりして、少なくとも民主主義を徹底したいと、こんなお話をされました。  いみじくも今、土木の話をされましたけれども、私は熊本県出身なんですよ。熊本日日新聞にこんなことが書いてありました。二十七年ぶりに土木部長が誕生と。歓喜の声でした。これは国土交通省から派遣されている人が来なくなったということだと思いますけれども、そういう熊本県職員の、あるいは県民の喜びの声が新聞に載っているわけですよね。  是非このことをやはり、元々官僚として、副知事もやられてあちこち行っておられた片山大臣ですから、その辺のことはよく地方の実情、市民の声、職員の声は御存じだと存じますので、是非これを生かしていただきたい。そして、昨日、「NHKスペシャル」であれだけ地方に活を入れられた、そして希望を持たせられた片山大臣がこのことに真剣に取り組んでいただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 諫早の干拓事業について伺います。  農水省は、昨年、諫早干拓の農地造成面積を半分に縮小する計画変更を発表しました。私は、十二月三日の当委員会で、事業縮小案についてきちっとした費用対効果分析を行って、その基礎数字を当委員会に提出するよう求めました。農林水産省はようやく四月になって費用対効果分析結果を発表して、そして当委員会にも報告がありました。  改めて、分析結果はどうなっているのでしょうか。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 諫早湾干拓事業の計画変更におきまして、費用対効果を求めるに当たりまして、年効果額を算定し、それを基に妥当投資額を求めることとなるわけであります。  年効果額は、作物生産効果、維持管理費節減効果、災害防止効果、一般交通等経費節減効果及び国土造成効果について算定し、総額は百三十四億円となっているわけでございます。この結果、妥当投資額は、平成十三年度時点の換算で約二千百二十五億円となっております。  他方、本事業の平成十三年度時点における換算総事業費は二千五百五十四億円でありまして、費用対効果は〇・八三となっているものであります。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 耐用年数六十五年分の総効果額と総事業費をそれぞれ現在価格で比べると、事業費の方が効果額より四百二十九億円も多い。つまり、計画を進めれば四百二十九億円以上損失になるということを認めたことです。財政が厳しい折、私は全く許されないことだと思います。しかも、〇・八三という計算自体にも問題が多いのです。  特に不可解なのは、国土造成効果の算定です。変更前の九九年算定の土地の価格よりも、今回は三六%も高いんです。地価が下がっているのにおかしい。どうしてこうなるのか、説明を願いたいと思います。

太田信介農林水産省農村振興局長

○政府参考人(太田信介君) 国土造成効果は、国土造成によります土地の潜在的効果を評価したものでございまして、農地を他用途利用した場合の売買価格から農業利用した場合の売買価格を差し引いた差額に効果発現面積を乗じて算定するものでございます。  本事業の場合におきましては、農地を他用途利用した場合の売買価格と農業利用した場合の売買価格、結果等を最近の取引事例を調査した結果として算定いたしまして、単位面積当たり評価額が変化したことによりまして地価の評価額が上がっているものでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 六十五年間の長期の効果額を算定するのに、たまたま最近高い土地の売買実例があった、その価格で算定する、これは本当におかしいと思うんですね。そもそもその国土造成効果というのは、農地として使う土地を仮に農業以外の用途と仮定して算定する、言わば架空の効果額であります。農地価格より五倍以上も高い地価を計上しています。  私は、説明を受けて、算定の基礎に使った売買実例はどうなのかということを説明受けたんですけれども、何かどっかの統計数字がぽっと来るぐらいで、よく分からないんですね。  そこで、委員長にお願いしたいんですが、算定の基礎に使った売買実例の資料と算定方式の資料、これを是非当委員会に出していただきたいと思うんですが、お願いしたいと思います。

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) 承りました。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 次に、一般交通等経費節減効果についても問題があると思っています。  変更前と同額の七億円計上されています。これまでは、干拓地の中の南北幹線道路を諫早湾と横切るバイパスとして使う計画で、自動車交通の時間短縮効果を算定していました。ところが、今回の計画変更で、南北幹線道路と干拓地の外とをつなぐ二つの橋は取りやめになりました。通過交通には利用できなくなったということです。当然効果が変わるはずだと思うんですね。なぜ同額を算定したのでしょうか。

太田信介農林水産省農村振興局長

○政府参考人(太田信介君) 一般交通等経費節減効果でございますけれども、現在の計画では、委員御指摘のとおり、南北幹線道路と二本の橋梁を経由して一般交通に供するということとした効果算定になってございます。  変更計画では、この橋梁を廃止しております。そういった意味で、その効果はゼロになりますけれども、他方、長崎県の方から、既に完成しております潮受け堤防の上部を利用して県単独のふるさと緊急農道整備事業を実施したいという旨の御要望がありまして、これに対応することとした結果、これに伴う効果を算定し計上したものでございます。  具体的には、このような基本方針に沿いまして、交通センサスや最新のデータを基に、新たに整備を予定しております潮受け堤防上の道路を通行する場合の効果を算定した結果、ほぼ同じ効果額が算定されたということになってございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 これもよく分からない説明なんですね。  さらに、一般の自動車を通さない計画で設計した今お話のあった潮受け堤防ですが、これ一般自動車を年間百五十万台も走らせるということです。ここにも大きな問題があると思うんですね。潮受け堤防の維持管理費、これ当初計画では年間一千百万円でした。九九年の見直しでは一億五千四百万円と十四倍に急増しました。これは、ずぶずぶの干潟の上に堤防を造ったわけですから、予想以上に沈下が進んだということなんですね。現地の方々に伺うと、もう年がら年じゅう補修をしている、あっちが崩れた、こっちが沈下した、そういうことがあると言っていました。  今回の見直しでは、潮受け堤防の維持管理費を四千六百万円、三割増やしているんですが、車を通さなくても一億五千四百万円も掛かるのに、百五十万台の車を通して三割増しで済むというのは到底考えられないんですね。そういう疑問が生じます。  今日はちょっと時間がないので、一つ一つ問題点の指摘にとどめて、後また議論の場があれば議論していきたいと思うんですが、作物の生産効果にも疑問があります。  私は、五日に現地に行って干拓地の現状を見てきました。ヨシを刈り払って大型耕運機で潟土をすき返す工事をしていました。干拓事業所の説明では、これは雨にさらして塩分を抜くためだと言っていました。現在の塩分濃度は、場所によって五〇〇ppmから九〇〇ppmあるといいます。費用対効果分析では、バレイショ、レタス、タマネギ、ニンジンなど、年間四十五億円の粗利益を計上しているということですが、現地事務所は、水田なら塩分濃度一〇〇〇ppmくらいまで大丈夫だが、畑作では五〇〇から六〇〇ppmが限度であろうと、そういう私の質問に対して説明をしていました。  ですから、私は、昔からの地先干拓というのは水田を造ってやっているんですね。だから、地先干拓というのはうまくいっているんです。それを、政府の減反政策で米作りはやめろと言っておいて、一方で大規模な干拓を強行する、そういうところに諫早干拓の私は無理があるというふうに思います。  野菜のほかにも、酪農六百四十頭、それから肥育牛五百二十頭という計画ですが、BSE問題で消費が低迷して、現在の農家も次々とやめています。投資効果〇・八三という計画、これはいろんな点から見て過大としか言いようがないんですね。おかしいんです、あっちこっち。  それで伺いたいんですが、今回の費用対効果分析、これは効率、効果が下がらないようにというふうに意図的に作成された、そういう疑念をぬぐい去ることができない。事業縮小計画、それから縮小計画の費用対効果分析、これはどこに委託してやったのでしょうか。

太田信介農林水産省農村振興局長

○政府参考人(太田信介君) 計画変更あるいは費用対効果分析の委託先でございますけれども、太陽コンサルタンツ株式会社及びアジアプランニング株式会社にそれぞれ発注したものでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 この両社とも農水省の天下り役員が重要な役職を占めている会社です。  例えば、太陽コンサルタンツは、東京に本社がある会社ですけれども、諫早干拓では十三件、一億五千四百五十万円受注しています。常務取締役など二名の役員が農水省出身です。部長クラスにも多数います。太陽コンサルタンツについて東京商工リサーチの企業情報を繰ってみますと、公共事業削減による受注減は不可避だが農水省出身者多く安定、そう評価をしているんです。  アジアプランニングも、やはり九州農政局がある熊本市にある会社です。十二人の役員のうち、代表取締役会長、常務取締役など、確認できただけで四人が九州農政局出身です。二〇〇一年度までに、諫早干拓だけで九件、一億四千九百万円受注しています。しかも、そのうち四件は随意契約なんですね。しかも、これはつい最近調べて分かったんですが、アジアプランニングは自民党の農水関係の実力者と言われている松岡利勝衆議院議員に、公表されているものだけで三年間で三十万円の献金が行っています。官業の癒着だけではなくて、私は、政官業、こういう癒着構造の中で縮小計画あるいは費用対効果の計算が行われているんじゃないか、事業を何とか続けたい、そのために身内企業によるお手盛り計算をさせたと疑われても仕方がないと思います。  私は、大臣、こういう天下り会社に自らの事業の費用対効果分析をさせるという、そういうやり方は変だと思うんですね。こういうやり方はやめなきゃいけないと思うのですけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 公共事業の発注については会計法令等に基づきまして適正かつ厳正に執行しておるところでありまして、職員の再就職との関連によって受注がゆがめられているという事実はないと承知しております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 事実がゆがめられているかゆがめられていないかは議論のあるところでしょう。  ただ、大臣、今の構造を私は政治家として聞いていてどう思われるのか。私は政治家の一人として、この話を知って、調べて、本当に許せないと思ったんですね。こんなやり方でいるからやっぱり農水省はだんだんおかしくなってきているんじゃないかと思うんですね。そういう点で、政治家として、大臣、余り横からペーパーが来るものを読まれないで、どう思われるのかということを虚心坦懐にお答えいただきたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 厳正に対処しなければならないと、私はかように考えておりますが、職員の営利企業への再就職については国家公務員法及び人事院規則に基づいて適切に対処されているところでございまして、平成十三年十二月二十五日には閣議決定で、公務員制度改革大綱におきまして公務員の再就職の問題については国民の信頼を確保し得るルールを確立する旨が示されたところでございまして、私ども今後ともそうしたルールに従って適切に対処してまいりたいと。御批判のないように、しかと厳正な対応に努めてまいる所存でございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 今まで具体的に指摘をしてきましたけれども、ちょっと話題を変えますが、投資効果〇・八三は到底信用できないというふうに私は思っています。  それ以上に最大の問題は、その農水省の費用対効果、ここには環境破壊による損失、あるいは干潟の機能喪失、有明海の漁業被害については全く算定されていないんです。有明海の環境悪化に諫早干拓が重大な影響を与えていることは既に明白になっています。  前回の質問で、有明海は干潟による潮位差が大きく、それによる速い潮流が有明海の環境を保ってきた重要な要素であることを指摘しました。そして、有明海の潮位差の減少は諫早干拓の影響が大きいという複数の学者の指摘を紹介しました。今年の三月二十九日に開かれた第八回第三者委員会でも、水産総合研究センター西海区水産研究所の嶋津所長が沿岸四県の試験研究機関の共同研究の結果を報告していますが、そこでも同じことが確認されています。つまり、一九九七年を境に有明海の奥の干満の振幅がぐっと小さくなった、その原因は干潟の減少である、そのために湾奥の流れが弱まり、九六年以降透明度が上がり、その結果プランクトンの増殖に有利になり、九七年から赤潮発生が増加したと報告されています。  九七年の干潟面積の減少といえば、干潟干拓による潮受け堤防の締切り以外にありません。それが有明海の環境変化に大きな影響を与えていることが確認されたわけです。それを入れれば、私は、投資効果は〇・八三どころかマイナスになるかもしれない。  大臣、環境に与えるマイナス効果を入れてきちんとした算定をやるべきだと思いますが、その点、大臣、いかがでしょう。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 諫早湾干拓事業の環境への影響でございますが、委員御指摘のような干潟の水質浄化機能については、それにかかわる複雑な要因が総合的かつ周年的に把握されていないことなどから、干潟の浄化機能を定量的に評価することは困難であると、かように考えております。また、現時点で貨幣評価をする手法が確立されておりませんことから、費用対効果にこれら外部不経済を反映させることは適当でないと、かように考えている次第でございます。  なお、事業計画には、マイナスの効果と言われている干潟の水質浄化機能だけを計上していないのではございません。新たな農地造成による食料の安定供給、また調整池の淡水化による淡水系生物の生息など、プラスの効果についても貨幣価値の手法が確立されていないということから効果に計上していないのでございまして、今後は効果算定に当たりまして、貨幣化、定量化が可能となる手法の検討を引き続き行いまして、多面的機能の効果等を含めて総合的に評価する手法を検討してまいりたいと、かように考えているのでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 プラスの効果が算定されていない、だからマイナスの効果も算定されなくてもいいのだというふうに聞こえたんですが、マイナスの効果が大きいからこそ第三者委員会が設立されたんじゃないですか。  ですから、私は、これ以上の事業継続というのは税金の無駄遣いと環境破壊だと。もう行政改革というのであれば、きちんとそこのところをはっきりさせて、大臣として英断を下していくべきだというふうに思います。  時間がありませんので、次の問題を伺います。天下りの問題です。  九州農政局は諫早干拓事業について毎年記録映画作成を行っていますが、どこに幾らで発注していますか。

太田信介農林水産省農村振興局長

○政府参考人(太田信介君) 諫早湾干拓事業におけます平成十三年度の記録映画制作業務の発注先でございますが、株式会社公共事業通信社ということになってございます。また、業務の契約につきましては、六百九十三万円という状況でございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 私、この公共事業通信社というのを調べてみてびっくりしたんですが、本当に農水省の天下りの企業がこんなことをして許されるのかというふうに思うんですけれども、この会社は諫早干拓事業だけではなくて、今日皆さんのお手元に資料をお配りをさせていただいております。資料一を見ていただきたいのですが、随意契約で東北農政局や関東農政局、北陸農政局、それから東海農政局、近畿、中国四国、そして九州と、これらのすべての農政局に一九九七年から二〇〇一年度までの五年間に、その七つの農政局管内で延べ百六十一事務所、合計九億二千万円の記録映画作成が発注されています。これら、これが一〇〇%すべて公共事業通信社への発注であって、しかも例外なく随意契約です。しかも、仕入先を見ると、公共映画社を始め映画制作業者などがずらっと並んでいて、実際の映画制作は丸投げの可能性が高いと思っています。  公共事業通信社の社長は、元東北農政局建設部長。予算や人事情報など、農業土木に関する官庁情報を中心とした週刊の情報誌を出して、現役の農水官僚と企業に天下ったOBとを結ぶ役割を果たしています。こういう天下り会社に一〇〇%随意契約で独占発注するということは、私は常識では考えられないと思っています。  次に、資料二を見ていただきたいと思います。  東京商工リサーチの企業情報によれば、会社の売上げは年々減っています。二〇〇〇年九月決算では三億五千四百万円。一方、農水省からの発注額は、九七年度一億四千百万円から年々増えて二〇〇〇年度二億一千六百四十四万円、およそ売上げの三分の二に相当するわけです。正に農水省の丸抱えなんですね。農水省にこの会社は支えられている。だから、民間会社に天下ってもいいんだいいんだと言われますけれども、こういう実態があるというのは、本当に許されない、常識では考えられないし許されないことだと思うんです。  大臣、政治家としてこういう実態をどう思われますか。お答えいただきたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 私が承知しているのは、この公共事業通信社以外にもかなりの企業が受注していると、このように説明を受けておりますが、この干拓事業の記録映画の制作は、企画、シナリオ制作から撮影、編集、仕上げまでを多年度にわたりまして一連かつ一貫した作業として行うものでございます。業務を行う者が途中で変更になる場合には、企画やシナリオの意図が正確に伝わらず、成果品の一貫性が損なわれるおそれがありますことから、会計法第二十九条の三第四項の「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」に該当するため随意契約とされるものであると、このように承知しているわけでございますが、いずれにいたしましても、政官業の癒着等、問題を指摘されないように、今後こうした問題については毅然とした対応をしてまいるよう指導してまいりたいと、かように存じます。

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) 岩佐君、時間がオーバーしておりますので、よろしくお願いします。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 この公共事業通信社というのは映画会社とは思えないんですね。看板見ると公共映画社と並んでいるんですけれども、御自分が作っておられるのかどうかも分かりません。  いずれにしても、すべて随意契約でやっているし、一体どういう会社なのかもよく分からないんで、そういう問題についてきちっと調査をしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 具体的な事柄について御指摘があればそういったこともやぶさかでないと思いますが、本件については、ただいま御説明申し上げましたように、一連かつ一貫した作業として行うというようなことで、これは法的にも随意契約とされることについて格別の問題があると、かように存じませんが、一度検討してみたいと、かように思います。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐恵美君 調査してください。     ─────────────

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に外務省経済協力局長西田恒夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

渡辺秀央国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○渡辺秀央君 今日は外務省の皆さんはどうも大変、局長、御苦労さまでした。ちょっと先にODAの関係から、当委員会との関連性もありまして先にちょっと質問をさせておいていただいて、かつ確認をさせていただきたいと思っております。  当委員会がこのODA問題について、平成十一年、この決算、会計院ですか、会計検査院で検査をした結果を報告してもらうという百五条を発動してのことを、あの時期において非常にこの委員会一致結束してそういうことをやったということは恐らく聞いておられるだろうと思うんですね。私は今日は、今までの経過を申し上げて、そして外務省の考え方を聞いて、それから当委員会の委員の皆さん、委員長に問題提起をしたいと、こう思ったんですが、そういう中で、やっぱり流れとしてどうしても今のODAに関しての外務省の考え方は、特に現場が一番よく知っておられるんで局長の考え方を一回ただしておきたいという感じがいたしましたので、簡単でいいんですけれども、後また少し警察の関係もお聞きをしたいことがありますので、今日は大変恐縮でしたが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  このODAの重要性というのは十分お互い理解しているわけですが、私もこれを応援をするために議員連盟等も、このごろ忙しくて余り活動も活発ではありませんけれども、議員連盟を超党派で作らせていただいてまいりました。  今年度のODA予算を我が国の財政事情から一〇%削減されたと。そして九千百億円と、十年ぶりに一兆円を下回ることになった。このため、限られた予算の中でいかに透明性を確保し、効率的、効果的ODAを実施していくかが大変重要な課題だというふうに思います。途上国や国際機関では我が国のODA予算削減の影響は大きいと思われますが、外務省はODA予算削減による影響をどういうふうに認識しておられるか。一言で結構であります。

西田恒夫外務省経済協力局長

○政府参考人(西田恒夫君) お答え申し上げます。  行政監視委員会におかれましては、今、委員御指摘のとおり、これまでもODAにつきましては御指導、御鞭撻をいただいておりまして、我が国のODAが引き続きより国民に広く御支持をいただいて、そして効率的なものとなるよう御指導いただいてきましたことについて、まず御礼を申し上げたいと思います。  先ほどの具体的な御質問でございますが、正に委員御指摘のとおり、極めて厳しい財政、予算状況の下、今年度の政府のODAにつきましては全体で一〇%強のカットになりました。したがいまして、これまでODAをめぐります非常に厳しい国民の見方、特に無駄があるのではないか、あるいは不必要なことをしているのではないか、透明性が欠けているのではないか等々につきましては、これまでも監視委員会の御指導も得つつ、外務省としても、あるいは政府全体として改善の努力をしてきたわけでございますが、川口外務大臣におかれましても、いわゆる骨太の改革の中の大きな柱としてODA改革を進めたいという御意向でございます。  そのような中で、外務省としましては、まず国民のより広い方々の参加を得まして、それぞれの具体的なプロジェクトの選定、あるいは実施、評価、さらには最後の言わば会計検査院的な意味における査定等につきましてもこれまで以上に厳しい対応をすべきというふうに考えております。同時に、そのような全体として一〇%減ったわけでございますから、当然のことながらその執行に当たりましては、より優先順位の高いものについて重点的に行うという考え方を徹底してまいりたいと考えておる次第でございます。

渡辺秀央国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○渡辺秀央君 公式論でありますことはやむを得ないと思います。我が国がこのODA予算を削減する中で、米国が、あるいはまたEUは、去る三月にメキシコで開かれた国連開発資金国際会議において、テロの温床となり得る貧困の撲滅のためにODA予算を大幅増額することを発表しております。これでは我が国の存在感が薄れてしまうのではないかと心配しております。予算の増額すればいいということではありませんが、我が国のODAの特徴は、借款に偏った援助方法や国別のシェアの固定化などの課題があります。今後、テロの温床となる貧困の根絶に向け、国際的足並みにそろえていくために今後のODAの在り方についてどのように考え方を持っているか。  私はしゃべると演説になっちゃって、質問する時間がなくなっちゃうんで実はメモしてきたんです。そういうことで今ずっとこう自分のメモを読んだわけですが、実際に、先月の三月二十三日、局長も御存じでしょう、朝日新聞に指摘されていますな。これ、今一々時間がもったいないから後の質問もあるので言いませんが、一体その今のあなたの質問では、正に一兆円を減ったことが、一兆円より削減されたことはやむを得ない。やむを得ないんでしょう。しかし、外務省として日本の外交をやっていく立場として、あるいはまた今まで続けてきたその国連中心の外交政策の中で、このような形が、またこれから先もまた一〇%例えば削減されたり等々の中で、もう予算通っているんだから今言っても始まらない話ではあるが、外務省としては、あるいは遺憾であったのか、そんなこと当然で、もうとにかく十兆円減らされたって一向にびくともしませんよと、十分日本外交のこのODA、開発援助に対しては心配ないですよと、こういう考えですか、どっちですか。

西田恒夫外務省経済協力局長

○政府参考人(西田恒夫君) お答え申し上げます。  外務省としましては、委員御指摘のとおり、限られた財源の中で最も優先的にどうやって行うかということについてそれなりに努力をしてまいりまして、結果的には政府案はより円借をディープカットいたしまして、無償につきまして相対的に有利な対応をするという形で、今御指摘のアフガニスタン問題、あるいは周辺国支援、テロ撲滅のための協力ということについてより効果的に目に見える形で貢献すべく、与えられた枠の中ではございますが、最善の努力をしてきたというところでございます。  今後とも、既に御案内のように、アフガニスタンにつきましては累次支援をいたしておりますし、関係省庁あるいはNGOの御協力も得て、何とかこの中でやりくりをして、より良い貢献をしてまいりたいというふうに今思っている次第でございます。

渡辺秀央国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○渡辺秀央君 あのね、局長、そういうことじゃないんですよ。要するに、例えばこのアフガン問題一つ、もう一々言うと本当に時間なくなっちゃうから言いませんが、今せっかくあなたがアフガンの話したから言います。  パキスタンに対して、例の核実験の問題でストップしたね。それで、すぐにアメリカに言われて再開したじゃない。僕はそういうところは、それは本当に一体、しかも漏れ承ると、三億ということではなくてもう少し低めに考えておったと。そういうことが僕は日本の外交、あるいはこのODAというのをそれほどおっしゃるのなら、もっと計画的、緻密、かつまた本当に専門家が見てまあやむを得ないねということでいくのか。何だったんだと、あの一体援助をストップしたのは。そういうことをアメリカに言われたらすぐやります、アメリカに言われたらすぐ取りやめます、すぐ始めます、これでは日本の外交にならぬということを申し上げておきます。  いずれまた、細部にわたってはこの委員会で私は更なる話合いをさせていただきたい、質疑をさせていただきたい。これは個別の問題もこれありということを申し上げておきます。  さらに、会計検査院の決議の問題についてでありますが、平成十一年の八月二日に行った被援助国の実情に即した国別援助計画作成など十項目から成る政府開発援助に関する決議を当委員会としてはやったわけですね。その中で、第百四十七回の国会において、決議項目の実施状況をフォローアップするために五項目に関して国会法第百五条に基づく会計検査要請を会計検査院に対して行い、十二年十一月二十日、その調査結果の報告聴取と質疑を行いました。今後もODAの透明性を確保し、無駄を省いていくことのために、ODAに関する会計検査院の検査報告を聴取することが必要である。  そこで、会計検査院から、決議後聴取していなかった平成十一年、それから十二年度のODAの検査結果についてあらましの報告をちょっと得たいと思います。

金子晃会計検査院長

○会計検査院長(金子晃君) ODAに対します会計検査院の平成十二年、それから十三年の検査及びその結果について簡単にお答え申し上げます。  会計検査院では、外務省、国際協力銀行及び国際協力事業団に対する検査を実施するとともに、被援助国に職員を派遣してODA事業の現地調査を実施いたしました。  平成十二年においては八か国における八十九のODA事業を対象に現地調査を実施し、また、平成十三年においては十か国において八十一のODA事業を対象に現地調査を実施いたしました。その結果、平成十二年においては、会計検査報告において特定検査対象に関する検査状況一件、また平成十三年においては、検査報告において特定検査対象に関する検査状況一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の措置を講じた事項一件を掲記いたしました。  まず、平成十二年において掲記した特定検査対象に関する検査状況についてですが、現地調査を実施した八十九事業のうち、円借款二事業及びプロジェクト方式技術協力一事業について事業効果が十分発現していないとし、また、無償資金協力一事業について調達機材が無断で変更されていて援助の実施が適切とは認められないと掲記をいたしました。  次に、平成十三年において掲記した特定検査対象に関する検査状況についてですが、現地調査を実施した八十一事業のうち、無償資金協力一事業及び円借款三事業について事業効果が十分発現していないと掲記いたしました。さらに、平成十三年において指摘した本院の指摘に基づいて当局において改善の措置を講じた事項ですが、これは、国際協力事業団が開発途上国に技術協力を行うための専門家を派遣するに当たり、専門家の所属する法人に専門家の人件費を補てんしていますが、その補てん額の算定を法人から専門家への支給の実態に適合するように改善させたものが一と。  以上が概要でございます。

渡辺秀央国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○渡辺秀央君 あらましそういう報告を承っておいて、今、これからちょっと委員長あるいは委員の皆さんに御提案を申し上げたいと思います。  これは、平成十二年に、ここにおられる大勢の皆さんも御記憶があると思うんですが、十一月の二十日、当委員会でも私は発言をいたしましたが、ODAの在り方の基本に関する問題でありますので、外務省において取組状況や現場でのこの考え方の浸透状況を監視していくため、引き続き見守っていく必要があると思っているわけであります、この説明を得ることによってですね。これは、一々百五条を発動してこの委員会でやるということは、百五条の権威にも私は影響するというふうに思うんです。だから、せっかく第百五条の発動をやり、検査要請をして、本院に、参議院において初めてこの百五条という参議院規則を発動したことに対するこの委員会の重さということを、やっぱり私はお互い、国政に参画し、国権の最高機関に参画している者同士として、やっぱりそれは大事に考えていくべきではないかと。これは与党も野党もない話だということを私は絶えず申し上げてきたのでありますが、当時はあるいは私は与党で発言していたかも分かりません。  しかし、いずれにしても、会計検査院の皆さんは大変、検査の特定部門に関してのことですから、過大な負担を掛けてしまう心配があることから、毎回ということは、毎回というか、決議をやることは適当でないだろうということも私は、ここに速記録を持っておりますが、発言をいたしております。  そこで、今報告を聴取したように、会計検査院が毎年行う会計検査において、ODAに関係する事項だけを抜き出して当委員会で報告を聴取すべきだと私は当時提案した。残念ながらこれまでの報告を聴取する機会がありませんでしたので、今回、質問の中でその報告を聴取若干今いたしたわけでありますが、さきに十三年度会計検査院報告書が提示されたこともあり、これから決算報告書が、決算報告が、十二年度かな、決算報告が提出された場合、その都度委員会から要請して聞くべきであろうと思いますし、そういう委員長あるいは理事会において申合せにもなっているわけであります。昨年、これが行われていなかったということなんです。  大変、私もこの委員会にずっとおりながら、誠にうかつであったのでありますが、委員長からこの問題について、これはもうちょっと後世に恥ずかしい、この委員会として。そういう意味で、私は是非、将来、こうやって委員会で決議したものが継続されていかないということは恥ずかしい話。だから、是非委員長から理事会で正式に諮っていただいて、会計検査院にこの点についての報告を求めたいというふうに思いますが、理事会にお諮りいただけますか。

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) ODAのフォローアップは、当委員会にとりまして極めて重要であると考えますので、ただいまの報告の件につきましては、今後は速やかに聴取できるよう取り計らっていきたいと存じます。

渡辺秀央国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○渡辺秀央君 ありがとうございます。  それでは、警察の関係について。どうも外務省、御苦労さまでした。これ、時間がなくなってしまいまして、あと三分ですか、四分しかない。  村井大臣、御苦労さまです。  私は、今日、この次の委員会で少し詳細に入りたいと思うんですが、非常に警察の不祥事が多過ぎる。これはあなたも、性格もよく分かっていますから、頭を悩ましているでしょう。  しかし、これは、警察のあの例の問題が起こったときに、警察刷新会議、もちろん私は、このメンバーもあなたも御存じのようによく知った仲の人も入っておられる、おられました。しかし、どうもそのことが徹底していないんじゃないか、あるいはまた具体的に軌道に乗っていないんじゃないか。いや、あなたを責めるんじゃないんですよ、警察庁を始めとしてだね。  これいずれ時間をいただいて、私も、私の考えも、前にも新潟の問題起こったときに申し上げたことがある。私は、速記録を見てもらえば分かりますが、私は警察官に対して非常によく頑張っていることを慰労を申し上げ、かつまた期待を申し上げてきたんです。  だけれども、見ていまして非常に目に余る。これは国家公務員としての立場と、それから警察官というのが地方公務員が圧倒的に多いんですね。だから、なかなかそこのところが、いわゆる警察の制度上の問題等もこれありで、二十何万、警察官、そして国家公務員が九千人ぐらいですか。そういうようなことで、一体全国の、特に昨今治安も悪いでしょう、いろんな意味で。あえて公の場で、まあちょっと言っていいことと悪いこととあると思うんです、控えますけれども。しかし、いろんな関係においても私は、昨今国民が安心して社会生活、市民生活をやっていけるという状況なのかということを本当に危惧します。  かつては我が国は世界一の治安が維持された国家であると言われました。しかし、どうもそういう点において、一言だけ、後で、この次の委員会でもう一回お願いしますが、一体改革は進んでいますか進んでいませんか、それからやりにくいところはありますか、あるいはまた非常にうまくいっているというところはありますか。そこだけ一言お聞きして、大変恐縮ですが、次の委員会に譲りたいと思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 大変私もいろいろな形でかねてから御教示をちょうだいしています渡辺委員から、大変厳しい御質問をちょうだいいたしました。  今の日本の治安の情勢、確かに御指摘のように非常に憂慮すべき状況でございまして、その原因につきましてまたいろいろお話し申し上げる機会もあろうかと存じますけれども、一つはやはり大変犯罪の件数が増えてきている。そしてまた、いわゆる来日外国人による犯罪、今までちょっと考えることのできなかったような犯罪類型も増えてきている。また、公共空間が非常に危険な状態になってきて、ひったくりとかいろいろな問題が起きてきている。  それに対しまして、残念ながら警察が十分な対応をしているとは必ずしも言い難い面がある。これはもう私も大変今の委員のお話を身を小さくして拝聴していた次第でございまして、しかし一方で、二十三万余りの警察官が本当に日夜あるいは寒暑を問わず一生懸命一身を賭して市民の生活の安全を守るために努力をしていることも一つの現実でございまして、ただその中に、残念ではございますけれども、いろいろな不祥事案が間々ございまして、これ一生懸命私どもも対応しているわけでございますけれども、なかなか思うに任せない。  一番の問題は、一番私どもがやっておりますことは、昔のように警察が仲間内で身内の不祥事をかばい立てすることはしない。はっきり公安委員会、各都道府県公安委員会あるいはいわゆる国家公安委員会の場、こういったところへきちんと報告をさせまして、そしてその判断を得て一定の基準に従いまして処分をするという対応だけはこれは最近きちんとやっておる。この点はひとつ御理解をいただきたいと存じます。  またいろいろ御質問にお答えを申し上げて、いろいろまた御指導をちょうだいしたいと存じます。よろしくお願いを申し上げます。

渡辺秀央国会改革連絡会(自由党・無所属の会)

○渡辺秀央君 どうもありがとうございました。  終わります。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 社民党の又市でございます。  前回に引き続きまして、公務員制度改革大綱に含まれる天下りの大臣承認制の問題についてただしたいと思います。  三月の二十七日に出された人事院の十三年度の営利企業への就職の承認に関する年次報告によれば、前年度四十一件であった人事院の直接承認という基準に該当する事例、つまり高級官僚から関連する業界への天下りが十三年度は七十件に増えております。一・七倍ということになるんでしょう。これについて人事院はどのように認識をされておりますか。

中島忠能人事院総裁

○政府特別補佐人(中島忠能君) 退職管理と申しますのは、先生よく御存じのように、それぞれの組織の職員の在職実態、そして退職管理の在り方というのが深くかかわってまいりますので、一概に断定できませんけれども、このように増えた原因というのを私たちなりに分析してみますと、一つは、やはりここ五、六年来、各省庁に呼び掛けまして、前年度よりも再就職者が増えないようにひとつ退職管理をお願いしたいということを要請してまいりました。その結果、徐々に減少いたしまして、平成十二年の再就職件数というのが、今、先生がおっしゃいましたように四十件ということに相なったわけでございます。しかし、実はそういうふうに各省庁に呼び掛けるというのは法律上の根拠が別段あるわけでございませんので、いろいろな意見が出てまいりまして、平成十三年におきましては特段そういう要請、呼び掛けというものを行わずに自然体でひとつ臨んでみようじゃないかということで自然体で臨んだところが、今、先生がおっしゃいましたような件数になったということでございます。  もう一つは、やはり昨年の一月に省庁再編というのが行われまして、平成十二年一杯というのは各省庁が人事を凍結するというところが非常に多うございました。したがいまして、平成十二年はかなり再就職件数が少なかったわけでございますけれども、その平成十二年の少ない分が平成十三年に出てきたという要素もあろうかというふうに思います。  いずれにいたしましても、こういうふうに人数が増えたということは、この問題についてのいろいろな要因というかいろいろな議論というものをそこに呼び起こすだろうと。そして、国会で広く議論していただきまして、これからの再就職の在り方について各省庁、また私たちも認識を深めていく必要があるんじゃないかというふうに考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 今言われた理由、二つあるわけですが、この一つ目の理由は実に不届きな話ではありますけれども、まあさもありなんとも思えます。しかし、この二つ目の理由はちょっと納得がいかないんですね。  というのは、この同じ報告書で、高級官僚より基準の緩い人事院から各府省への権限委任等による承認、まあこれは例えて言えば行政職(一)表でいうと中級以下の、つまり大体係長以下の職員ということになるでしょう。これの民間への再就職ですが、こちらの方は十二年の八百二件が十三年は八百二十七件、まあ横ばいと、こういうことだと思うんですけれども、今言われた二つ目の理由、つまり人事院が天下り自粛要請をしなかったのをよいことにして各省がこの高級官僚の問題をどっと出してきたというのがどうも最大の理由だというふうに思われませんですか、人事院。

中島忠能人事院総裁

○政府特別補佐人(中島忠能君) そういう見方というのも、成り立たないことはないというか、成り立つかも分かりませんですね。そこは少し、もう少し落ち着いて分析してみる必要があるかなというふうに思います。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 今申し上げたのは民間企業への天下りの数字ですけれども、高級官僚に関して言えば、これより大規模でまた国民の批判が強いのは公的法人への天下りだと思います。  一例を総務省について伺いたいと思いますが、総務省と経済産業省共管で所管をする公益法人で、財団法人日本データ通信協会というのがございますね。この法人は、このたび総務委員会の委員長提案の形で議員立法として提案をされておりますいわゆる迷惑メール法案に関連して、この法律が成立した場合は、事業者に対する指導、助言、調査をする立場の指定法人になることがおおむね予定をされているわけです。  この法人の理事長の履歴、あるいは主なこの法人の事業、国との金銭的な関係、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

佐田玄一郎自由民主党総務副大臣

○副大臣(佐田玄一郎君) 先生も御存じのとおり、今はもうブロードバンド時代になりまして、そういう中におきまして非常に問題も多く出てきておるわけであります。その中の一つにいわゆる迷惑メール、これがあるわけでありまして、これはもうすべての方々がこれはなくなればいいと、こういうふうに思っていることでありまして、これは今もお話がありましたように、委員長提案によりまして議員立法が参議院で可決をされております。早くこれはなくしていかなくちゃいけないと。  そういう中におきまして、今、先生が御指摘ありました日本データ通信協会の組織でありますけれども、この中において、当然これは迷惑メールを受けた方が大臣に申し出るわけでありますけれども、その中の事務的なことをやっていくという組織かと思うんでありますけれども、これは申請によって行われますので、今のところはまだ、これは法案も衆議院で通っておりませんから、そういう意味におきましては、申請をし、そして認定をするものでありますから、今のところまだ決まっておりません。  また、理事長につきましては、谷公士理事長でありまして、この方は前の郵政省の事務次官をされていた方であります。  以上です。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 私も調べてみましたが、今おっしゃったとおり、旧郵政省の外郭団体というふうに言っていいんだろうと思います。次官という第一級のポストにおられた方がここの理事長ということで、政府からの委託費が平成十二年の決算で一億三百九十九万、事業収入の九%を占めている。こういうことなんですが、申し上げたいのは、今のは一例ですけれども、新しい分野で法律を作るたびに指定法人が増えるとか、法人そのものが新設されないまでも、重ねて指定法人になることで国からの委託が増えて天下りポストが保障されていくという実態があるんだろうと、このように思うわけです。  行革大臣にお伺いをいたしますけれども、行政改革本部が三月二十八日に行政委託型公益法人の改革実施計画を決められました。公益法人に独占させていた五十三の検査・検定業務のうち三十二を何らかの形で開放するというふうにされております。中にはかりんとうだとかたくあんまで公益法人が格付をしていたという例が述べられていますが、こういう仕組みが独占的な料金設定であるとか、あるいは天下りの温存につながっていたのだろうと思います。  そこで、この行革本部の二十八日の計画の趣旨、そこから見て、新たにこうした個別立法を制定する際に指定法人を指定するという制度は、この行革の趣旨に明らかに逆行しないですか。この辺のところを見解をお伺いしたいと思うんです。

石原伸晃自由民主党行政改革担当・規制改革担当大臣

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員御指摘のその指定法人が日本データ通信協会を指しての御質問でございますと、実は議員立法で提出されたものでございますから、政府側からその……

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 一般論、一般論。

石原伸晃自由民主党行政改革担当・規制改革担当大臣

○国務大臣(石原伸晃君) 一般論ですか。  その法案を指して言うんであるならばコメントは差し控えさせていただきたいと思っておったんですが、一般論として言うならば、今、委員の御指摘のように、要するに指定法人をたくさん作って、そこにこの例でありました旧郵政省の次官の方が公益法人ですけれども天下っていると、しかも委託が一億数百万円あるみたいなことは、やはりこれからは慎んでいかなければならないというふうに考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 新たな社会問題が生じて法律が必要だというのは良いことでございまして、我が党も、先ほど佐田副大臣からもお話がございましたように、この迷惑メール法案については賛成をいたしました。しかし、それを種にして指定法人制が拡大をするとか、あるいは強化をされていくという、そしてまたその幹部が天下りだ、委託費も更に流れるということはこれは別問題でございますから、今、石原大臣の見解をしっかり受け止めておきたいと思うんですが、これは、そういう問題は行政の民主化にも逆行するんだろうと、こう思うんです。  さて、そこでこうして対民間と対公益法人の天下りを並べてみますと、対民間については一応法的規制がある。そして、これが国家公務員法の第百三条であり、これを受けて人事院規則の一四―四で承認の基準を定めて人事院が実施をしている。したがって、一人一人について詳しい前歴と再就職先の企業との取引関係の有無など審査の結果を公表しているわけですけれども、これがついせんだって発表されたこの人事院の報告書なんだろうと思いますけれども、高級官僚から公益法人への天下りについても同じであるべきだというふうに思うわけです、私は。こちらは法律はなくて、単に政府の中央省庁等改革推進本部の決定にすぎない、こんな格好になっている。そして、発表はしているけれども、前歴と再就職先との関係が明記をされていない、あるいは審査したわけでもない。しかも、各省がそれぞれ自分で出しておるわけで、人事院のような第三者のチェックも受けていない。こんな格好になっていると認識しています。  そこで、人事院総裁に二つの点をお伺いをしたいと思うんですが、行政改革と言うなら、この際、対公益法人についても対民間企業と同レベルの規制を法制化をすべきではないのかというふうに私は思うんですが、つまり法律で明記することと第三者、例えば人事院によるこういう承認制というものを取っていくということが必要なんではないのか。  二つ目に、また前回も述べましたけれども、政府は公務員制度改革大綱でこれとは逆に民間への天下りさえも各省大臣の承認制に緩めようとしておる、こういう中身になっているわけですが、各省大臣を内閣官房にという話もございますけれども、これを変えてみたところで私は同じだろうと思います。  これは同僚議員の皆さん方からもこれは幾つか御指摘があるわけでありまして、総裁はこの問題についてさきの総務委員会でこう言っておられます。天下りをさせる側のトップが天下りの最終的な審査権を持つというのは制度としては不都合だ。また、どうしても内部委任、官僚が天下りを審査するという実態になりがちでございますので、やはり大臣承認制というのには多くの問題がある。これはすべてのマスコミが批判しておりますし、非常に多くの評論家もそういう指摘をしております。そして、十二月二十五日の大綱が出ました後も同じような論調でございます。  こんなふうに人事院総裁、述べられておるわけですけれども、私どもはこれに全く同感なわけでございます。これを踏まえて、再度人事院総裁としての御意見を伺いたいと思います。

中島忠能人事院総裁

○政府特別補佐人(中島忠能君) 今、先生がお話しになりました考え方と考え方は変わっておりません。そのように現在も考えております。  私たちがそのように考えましたその理由というのは、かねがね多くの方が言っておられるように、総理大臣とか官房長官という官邸の方の考えが幹部公務員に浸透する、そのような仕組みというのを作っていく必要があるんじゃないかということをかなりの識者がそのように言っております。したがいまして、退職管理というものを官邸が責任持って直接おやりになるというのは、私は行政改革、政治改革の一歩前進だというふうにやっぱり認識した方がいいだろうというふうに考えておるわけでございます。  それから、公益法人の問題につきましては、これは民主党、社民党、自由党というのが別に法案出しておられますし、公明党もかつてそういう法案を出されましたので、恐らくこれから国会で議論がいろいろなされるだろうというふうに思います。その議論の際に、私たちの考え方もまた述べさせていただく機会が与えられるだろうというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 終わります。

森本晃司公明党

○委員長(森本晃司君) 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。    午後四時三十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗