決算委員会 第2号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 40 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/07/15
会議録
○委員長(岩井國臣君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、山根隆治君及び今井澄君が委員を辞任され、その補欠として池口修次君及び山本孝史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(岩井國臣君) 平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件並びに平成十二年度一般会計公共事業等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、平成十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、平成十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、平成十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)を一括して議題といたします。 まず、予備費関係十二件の説明を聴取いたします。塩川財務大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました平成十二年度一般会計公共事業等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外十一件の事後承諾を求める件につきまして、その大要を御説明申し上げます。 まず、平成十二年度一般会計公共事業等予備費予算額についてでございますが、総額五千億円のうち、平成十二年七月二十五日から同年十月十七日までの間において使用を決定いたしました金額は四千九百九十九億円余であります。 平成十二年度一般会計予備費予算額二千億円のうち、平成十二年四月四日から平成十三年三月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は四百八十六億円余であります。 平成十二年度各特別会計予備費予算総額でございますが、総計二兆三千三十九億円余で、そのうち、平成十二年四月二十八日から平成十三年三月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は五十億円余であります。 平成十二年度特別会計予算総則第十三条の規定により、平成十二年七月二十五日から平成十三年三月三十日までの間において経費の増額を決定しました金額は三千九百七十六億円余であります。 次に、平成十三年度一般会計予備費予算額二千五百億円のうち、平成十三年四月十三日から平成十四年三月十八日までの間において使用を決定した金額は一千二百四十七億円余であります。 平成十三年度各特別会計予備費予算総額は二兆百二億円余であります。このうち、平成十四年三月十九日に使用を決定しました金額は四十四億円余であります。 平成十三年度特別会計予算総則第十四条の規定により、平成十三年六月八日から平成十四年三月二十九日までの間において経費の増額を決定しました金額は三百七十四億円余であります。 以上が、予備費使用総調書等についての大要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(岩井國臣君) 以上をもちまして説明の聴取は終わりました。 それでは、これより平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件の全般的質疑第一回並びにただいま説明を聴取いたしました予備費関係十二件の質疑を便宜一括して行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中島啓雄君 自由民主党の中島啓雄でございます。 本日は、お暑い中を各大臣始め関係の皆様に御出席をいただきまして、大変ありがとうございます。 では、まず財務大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、九〇年代の財政の状況を見ますと、九〇年代の初め、平成三年時点では公債の発行額というのは六・七三兆円ということで、五十年以来初めて特例国債の発行がなくなったんですね。ですから、その辺がバブル後の安定した時期と考えますと、平成十二年度の決算では、国債の増発額が三十三兆円ということで、特例公債が二十二兆円弱になっておるということで、この間、約二十六兆円公債の発行額が増えておるわけでございますが、このように財政が悪化した原因というのを端的に言うとどういうことなのか、教えていただければと思います。
○政府参考人(杉本和行君) 私の方から事実関係について御説明させていただきたいと思います。 先生御指摘のように、公債依存度で見ましても、平成三年九・五%でございましたものが、平成十四年度予算におきましては三六・九%と大きく上昇しております。 この要因といたしましては、歳出面では、一つは急速な人口の高齢化がございます。六十五歳以上人口比率を取りましても、九〇年代大きく上昇いたしまして、それに伴う経費の増大がございます。それから、バブル崩壊後の累次の経済対策等によりまして一般会計の規模が増大したということがございます。他方、歳入面におきましては、景気が低迷いたしましたことや数度にわたります景気対策のための減税、こういったものによって一般会計の税収が減少いたしました。こうした歳入歳出の要因によりまして、公債依存度、公債発行額が増大したものでございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 今、数字の御説明がちょっとはっきりしなかったんですが、私の調べたところでは、平成三年から平成十二年度の決算まで見ますと、歳出が大体十九兆円増している、税収の方は九兆円減っておるということで、この間の三分の二は歳出増で三分の一は税収の減だと、こういうような格好になっておるわけでございます。 税収というのは、六十年代相当大幅な減税を行いまして、恐らく十年間で二十兆円弱に達すると思いますが、特に平成十年度、十一年度には所得税の特別減税とか最高税率の引下げがあったと。それから、法人税については六十三年度は四二%であったんですが、それが平成十年度に三四・五%、それから十一年度に三〇%と、相当大幅な税率の減をやっておる。この結果、平成十年、十一年度で十兆円弱ぐらいの減税をやっておると思いますが、その結果として結局税収がかなり減ってしまったと、こういうことだと思います。 本来、減税というのはもちろん景気回復ということに大きな眼目があったんだろうと思いますが、名目GDPで見る限り、どうも近年はマイナスを記録しておるんで、どうも税収減の効果というものが余り見えてこないんですが、これは、竹中大臣ないしは内閣府にお尋ねしたいと思いますが、減税によるGDPへの効果、経済効果という面はどういうふうにとらえておられたのか、お聞かせいただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 委員御指摘のように、九八年、九九年、かなり大規模な減税が行われました。 その効果のお尋ねでありますけれども、効果という場合に、経済の供給サイドに与える効果と需要サイドに与える効果がありますが、当時の減税は基本的には需要を刺激するために行ったということであろうかと思います。 この間、九八年、九九年とを見ますと、例えばですけれども、雇用所得はマイナスになっております。しかし、減税の効果で可処分所得がプラスになって、結果的に個人消費が若干のプラスになっているということでありますので、短期的な刺激の効果はそれなりにあったということが言えるのかもしれません。しかし、経済そのものは、例えばその当時の金融の状況でありますとか為替レートの状況でありますとか、極めて多様な要因で動くということもありますし、短期的に若干の効果はあったとしても、それが、先ほどから御指摘のように、非常に大きな国債の累増を生んで別のマイナスの効果を明らかに日本経済にももたらしているわけでありますので、効果はそれなりにあるけれども、決して過大評価をしてはいけないということでもあろうかと思います。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 そこで、最近論議の的になっておる税制改革について少しお尋ねをいたしたいと思います。 今回の税制改革構想のポイントはどこにあるのかということで、経済財政諮問会議の中の議論としては、従来、公平、中立、簡素と言われていた原則を、公平、活力、簡素と理解をするんだと、こういうような表現になっておりますけれども、どうも中立と活力というのはなかなか、やや矛盾するのではないかなと。中立といいますと、税制が資源配分を乱さないという印象がありますし、活力ということになりますと、税制をもって積極的に資源配分に関与していこうという印象にも取れるので、あるべき姿ということなのか、また当面の景気対策なのかといういわゆる減税先行論もありますし、やや税制改革についていろいろな議論があるようでございますが、その辺の骨太の真意はどの辺にあるのかということを竹中大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 租税の三原則を考える場合に、御指摘のように、公平、中立、簡素という言葉がずっと使われておりましたし、諮問会議におきましてもその三原則はそのとおりであるというふうに考えているわけであります。 ただ、より分かりやすくそれを理解するために、アメリカの一九八〇年代の、八六年のレーガンの税制改革マークⅡで議論された言葉で、フェアネス、シンプリシティー、エコノミックグロースという言葉があります。フェアネスとシンプリシティーは簡素とか公平で割と理解しやすいんでありますが、もう一つはエコノミックグロースだと、正に経済を最大限成長させるということが経済のサブシステムとしての税制の重要な役割であると、そういうふうに考えるわけであります。 そうすると、経済を最大限成長させるような税制とはどういう税制なのか。ここから先は若干哲学論争的にもなりかねないのでありますが、特に経済に外部性とか特別なものがない限りは、資源配分に対して中立的な税制というのが経済成長を最大化させるはずだと。しかし、その中立という言葉はなかなか一般にはなじみにくいし、若干誤解されて使われている節もある。であるならば、エコノミックグロースに比較的近い活力という言葉でそれを読み替える方が国民に対するメッセージとしては分かりやすいのではないだろうか。そのような観点からそういうふうに理解するというふうに考えているわけで、根本的なところで大きく対立しているというものではないと思っております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 私、考えますのに、税制というのは短期的にはなかなか効いてこないものではないかと。先ほど申し上げましたように、平成十年、十一年度にかなり大幅な減税をやったけれども、なかなかGDPの上昇には、全く効かなかったとは申しませんけれども、なかなか効いてこないと。そういう意味では、税制というのはやっぱり長期的な姿を求めていくべきではないかと。 長期的な姿を求めるということになると、薄く広くとか、多様なライフスタイルに対応してとか、長期的な安心をもたらすためということになりますと、どうしても今の財政から考えればある程度増税は不可避であると。特に、社会保障負担などを合わせますと、増税は不可避としても、国民負担率をどのぐらい抑えるか、そのためには全体の財政なり税制をどう考えていくべきか、こんな観点が必要ではないかと思いますが、今、短期的な議論としては、やっぱり何とか景気回復をしたいということで投資促進とか土地の税制とか贈与税の話とか、いろいろ出ておりますので、私は、税制の問題で、長期的なあるべき姿と短期的な当面すぐ活力に結び付きそうなものというのをある程度議論を分けて考えるべきではないかと。 何か、そうしないと国民に対して減税先行というようなことで、何か甘いあめだけ先にしゃぶらせるような印象を与えると思いますが、その辺のお考えについて、財務大臣、お考えを少し聞かせていただけますでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) その前にちょっと私から申し上げたいことは、税制の中立ということでございますけれども、中立と活力との間はどう違うかと、先ほど竹中大臣お答えになりましたように、これは究極は同じなんです。表現がちょっと違っておるということでございまして、究極は同じです。 なぜかといいましたら、財政は中立というのは何の中立かということ。官対民の中立なのか、官の中において歳出と歳入の中立なのかということは、我々にとっての中立というのは予算内に、いわゆる財政の中における中立を志向しておるということでございますので、そこはしっかりとひとつ御認識いただきたい。 そうしますと、財政は絶えず、歳出歳入は絶えずバランスの状態に置いておかなきゃならぬ。しかしながら、そのときの経過に従いまして、政策的配慮からむしろ歳出における刺激という、経済刺激というのも必要になってくるであろうと、そういうふうな取り上げ方をしております。 そこで、同じ財政のバランスを取るんだけれども、時間の差と、そして資源の配分ですね、減税の配分の仕方によって個人中心の福祉型の減税をしていくのか、経済活性型の減税をしていくのかという、この考え方は出てくるであろうと思っておりますが、当面は私は、財政中立を守りながら、税の面においては活性化の方に重点を置いた、そういう配分をすべきではないかということを考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 委員長に申し上げますが、竹中大臣、お時間のようでございますので、差し支えなければ御退席いただいて結構でございます。
○委員長(岩井國臣君) では、大臣、御苦労さまでございました。
○中島啓雄君 それでは、税制の問題でございますけれども、一つの大きな課題として国税と地方税の在り方の問題というのがあると思います。 現在、税収面では国税対地方税は六対四であると、一方、歳出の方では四対六であるということで、このひずみはやっぱり直していくべきだろうということで、経済財政諮問会議でも片山総務大臣から、地方に対する、所得税なり消費税を地方にもう少し分けたらどうかというような案が出たわけでございますが、同時に地方交付税についても、本来からいえば東京都以外は全部交付税の交付団体だというのは大変おかしな話なんで、自立という面からいえば半分ぐらいの交付税の不交付団体があってもいいんだろうと思いますが、そういった面も含めて、総務省の方から先に、この国税と地方税の在り方の考え方についてお聞かせいただけますでしょうか。
○副大臣(若松謙維君) 地方分権の進展に応じまして地方公共団体がより自主的、自立的な行財政運営を行えるようにするためには、まず地方における歳出規模と地方税収入の乖離をできるだけ縮小するという観点が大事であると考えておりまして、そのためにも自主財源である地方税を充実することが何よりも必要と、このように理解しております。 また、国が法令基準等で地方の行政サービス水準を画一的に決定して国庫補助金等を通じて地方の事務事業を誘導する仕組みが国、地方それぞれの歳出を非効率にしていると。そのために、たくさんもらった方が得、またもらったものは全部使わなければいけないと、そういうことで、地方自治体が自分の財源ということで大切にしなければいけないという認識にやはり欠ける面が多々あろうかと思います。したがいまして、地方歳出に対します国の関与の廃止、縮減と地方税中心の歳入体系の構築、これによりまして地方財政運営の自立性を高めるというとともに、受益と負担の関係を明確化して、国、地方合わせた歳出の効率化を図ることが何よりも大事だと考えております。 こうした考え方を基本に、五月二十一日、経済財政諮問会議におきまして、総務大臣から、国庫支出金の整理合理化と地方税への振替を先行的に実施しまして、地方財政収支の改善を踏まえて地方交付税を地方税へ振り替えて、国税、地方税の比率を一対一にすることを目指した税源移譲案が提案されたところでございます。 この提案を契機に、先般、総理から、国庫負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分の在り方を三位一体で検討して、それらの望ましい姿と、そこに至る具体的な改革行程を含む改革案を今後一年以内を目途に取りまとめるように指示がございました。それを受けて、六月二十五日に経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二年としてその旨閣議決定がなされたところでございます。 今後、こういった考え方に基づきまして、財務省も含め関係方面と調整してまいる所存でございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 財務大臣に、今の地方税源移譲、特に交付税の在り方などについて少し御感想がございましたらお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 国対地方の権限移譲と財源配分の問題が出てきております。私は、この議論をもっとより深く、もっと深刻に進めていくのには、一つの前提条件を私の方から出しております。それは何かといいましたら、地方自治体のいわゆる行政能力というものと経営主体の強化というもの、これを是非ひとつ実現をして、その前提に立っての税源あるいは権限の配分を考えなければ真の地方自治の自主的運営はできないのではないかと、こういうことを前提にしております。ですから、我々としては分権、それに伴うところの税源の移譲ということは当然のことと思って協議をして進めていきたいと思っておりますが、やはり前提となる行政主体の改革というものはどうなのかと、ここを明確にしていただきたいと。 私は、地方自治体の方々がこの問題を割と等閑視して、ただ分権だ、税源と言っておられるのは余りにも本質を逃避した議論ではないかと思っておりまして、私たちも分権、そして自主、独立に、自治体の独立には、自主性には大いに私たちは協力していきたいと思っておりますので、自治体がその認識と自覚を持ってくれることを切に望んでおります。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 なかなか地方行政に厳しい御指摘がございましたが、その辺も含めて、今後の地方分権の問題について更に詰めていただければ有り難いと思います。 次に、平成十五年度以降の財政見通しといいますか、それについて若干お伺いをしたいと思います。 平成十五年度以降の国債発行額の見通しについて、先日、財務省の試算と内閣府の中期展望の試算と、これは前提が違いますから数字が違うのは当然の話だと思いますが、いずれにしても、平成十七年度ベースになりますと、内閣府の試算では三十六兆円、あるいは財務省のマックスの試算ですと四十二兆円ぐらいになる可能性があるということで、中期展望では二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスの均衡を目指すと、こういう目標を掲げておられますが、どうも現実はなかなか厳しいのではないかと。 特に、名目GDPの成長率が金利よりも高い状態であるならば、要するに名目成長率より金利の方が低いわけですから、利子の重みというのが少しずつなくなってきてGDPが減少に向かう、財政がバランスしていれば減少に向かうと、こういうことであろうと思いますが、どうも一九八〇年代からずっとこの方、バブル期も含めて、名目成長率が金利よりも低いという状態が常態になっている、一般的な傾向になっていると。五年ぐらい名目成長率の方が金利より高い年ございますけれども、そんな感じだと思いますので、この傾向が続く限りは、一般、政府の支出規模のGDP比を現在の水準を上回らない程度に維持をするんだということではなかなかプライマリーバランスの均衡というのが難しいのではないかと。 よほど政府支出の規模をコントロールをしていくか、しからざれば名目成長率が金利より高いようなことができる、言ってみれば、デフレは完全に解消して、多少、インフレターゲット論ではありませんけれども、名目はプラスの成長率が確実になるような施策をやっていかないと難しいのではないかと、こう思っておりますが、その辺の感じについて内閣府の方からお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(坂篤郎君) 今、中島先生の御指摘は私ども試算を作るときにもかなり一生懸命考えたところでございます。 おっしゃるとおり、まずやや事務的なことから御説明させていただきますと、先生御指摘のように、国債の発行額は、私どもの試算では、様々な前提を置いた上での試算でございますけれども、二〇〇六年度でございますと三十六兆円でございますとか、そういった感じのことになっております。したがいまして、内閣府の試算の前提も、財政につきましては、先ほど先生御指摘のように、政府のサイズというのは基本的には大きくしていかないんだと、こういうことでございますし、それから経済につきましては、これが金利や何かとも関係するわけでございますが、今後、デフレも徐々に克服され、成長率もいろいろな構造改革の成果として、実質で見ますと一・五%ないしそれ以上、名目で申しますと二・五%ないしそれ以上といったことになるだろう、あるいはそういうふうにしていきたいと、こういうことかと存じます。 それで、金利につきましては、確かに、先生御指摘のように、非常に難しい問題なんでございまして、特に近年は名目の成長率が非常に低かったということもございまして、金利の方が高いという状況がかなりよくあったわけでございますが、私どもの見通しをしたときの基本的な考え方は、これから政府のサイズというのを大きくしない、そういうこともありまして、プライマリーバランスの赤字が中期的に縮小していくということをいろいろな前提なんかを置きましてお示しをしていると。このこと自体がやはり長期金利市場における要はある種の、何というか、信頼というか安心感というか、そういったものをもたらして、金利水準もひどく上がるということはないと。逆に言いますと、そういうことがなくなりますとひどく上がる可能性があって危ないんだということも書いてあるわけでございますけれども、ということでございました。 それからもう一つは、どうも過去の例を見てみますと、金利というのは何といいましてもマイナスにはなれないというか、ゼロまでしか行けないわけです。やや、何というんでしょうか、下の方には特に動きにくいというところがございますが、その結果として、現在のような状況でございますと、あるいは近年のような状況でございますと、実質金利が非常に高止まりしていると。 今の日本の資本の状況や何かから考えまして、こんなに高い実質金利というのがあるのも、経済的なバランスからいうとそう普通のことではないんではないだろうかと。逆に言うと、この実質金利というものが、デフレの克服や何かによりまして物価の方が少し戻ってきた場合に実質金利が低下する、ということはつまり物価が上がるほどは金利は上がらないということにもなるわけでございますが、そういった余地というのはかなりあるんではないだろうかということを考えておりまして、それで長期金利の上昇は緩やかなものにとどまっていくんじゃないだろうかということを考えております。 また、デフレの克服につきましても、これは主として「改革と展望」の本文の方にいろいろと書いてございますが、例えば資産、土地でございますとか株でございましたりとかいったような資産価格、そういったものにつきましてもデフレの克服という観点から非常に重視をした、で、それについていろいろなことをやっていかなくちゃいけない。あるいは、そもそも経済の成長率を高めるといいますか、活力を高めるといったこと自体が重要であるというような認識をしているわけでございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 大変詳しい説明をしていただいたんですが、やっぱり国民に向かっては、もう少しいろいろな前提条件なり、今後、名目成長率なり金利なりをどういう手段でコントロールし、どういう目標に向かっていくんだというようなことを分かりやすく説明をした方がいいんじゃないかと。例えば、内閣府の中期試算では、もし例の基礎年金部分の二分の一負担というようなことにすると、これは消費税で賄うんだというようなことが入っているわけなんですが、なかなかそれは国民に分からないわけですね。ですから、その辺はやっぱり理解をしてもらう意味で、いろいろな条件を示しながら国民の世論の形成を図っていくということが必要ではないかと思います。 次に、公共投資の問題について若干伺いたいと思いますが、どうもちまたでは公共投資は財政悪化の原因ではないかとか、何でも公共投資は悪者だというような論が非常に多いわけでございますが、過去の数字を見ますと、現在の財政状況というのはどうも公共投資悪者論というのはいささか極端ではないかと。 先ほども申し上げましたが、平成三年度はいわゆる赤字国債がなくなった年でございますが、このときの建設国債の発行高というのは六・七兆円でございます。平成十四年度は、国債の発行高というのは三十兆円でございますけれども、建設国債は六・八兆円、特例国債、いわゆる赤字国債が二十三・二兆円ということで、もう建設国債の発行額というのは平成三年度とほぼ同じなわけですね。ですから、財政の悪化の原因というのはむしろ一般の建設事業以外の、公共事業以外の一般歳出、あるいは国債費が増えたのかもしれませんが、そういう経費が増えたということと、もう一つは税収が減ったというのが当然あると思いますが、そういうことでありますから。 もう一つ、公共事業費の支出額で見ましても、平成五年が最近のピークで、十三兆六千八百億になっておりますが、平成十四年の予算では八兆四千億ということですね。大体六割に減ってきておるんですね。ですから、かなり公共事業というのはいいところに来たんではないかと。 七月九日の衆議院の財務金融委員会で塩川大臣が十年間で欧米並みの二、三%ぐらいでいいというようなことをおっしゃっておられましたが、それも一つの考え方であろうとは思いますが、日本のGNPの、GDPの構成比というのを見ますと、民間の固定資本の形成というのも各欧米諸国に比べれば高いということで、言ってみれば欧米諸国に比べて貯蓄率が高いですから、必然的に投資の比率も高いというのがビルトインされてきた経済でありますから、この辺が、どの辺が妥当なところかなというのは今後もう少し詰めていく必要があるんじゃないかと。 そこで、問題は、公共事業の費用対効果が確実なものをやっていく、ここが肝心なところだと思いますので、むしろ現在の景気対策とすれば費用対効果の高いものは積極的にやっていってもいいんじゃないかというふうに思いますが、この辺について塩川大臣の御感想を聞かせていただきたいと思います。
○副大臣(尾辻秀久君) お話しのとおりに、公共投資の重点化、効率化、これはもう進めていかなければなりません。そこで、公共事業につきましては、従来より今お話しの費用対効果分析を含む事業評価を実施いたしまして、予算の効率化を図ってまいったところでございます。 これに加えまして、平成十三年度予算概算要求時からは、施策等の意図、目的、必要性、効果とコストに関する分析等の政策評価にかかわる調書を収集いたしまして、これらを参考に予算の重点化、効率化に努めてまいったところでございます。特に、新規事業につきましては費用対効果が費用の方が上回る事業については採択しない、こういうことにいたしておるところでございます。 また、御案内のように、先般、六月二十五日でございましたけれども、閣議決定されました経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二におきましては、「予算の目的、効果等を分かりやすく示すため、厳格な政策評価、事業評価を行い、これを予算編成過程に反映しなければならない。」、こういうふうにされておるところでございます。 今申し上げたようないろいろな観点から、財政当局といたしましても、今後とも政策評価や事業評価の活用を図り、重点的、効率的な予算編成に努めてまいる所存でございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。いずれにしても、財政の均衡ということと景気対策ということ、なかなか矛盾する課題でございますが、費用対効果というのを重視しつつ進めていただければと思います。 それで、公共投資について、従来は財政投融資なんという仕掛けもあったわけでございますけれども、国債発行に余り依存しないで財源を持ってくるという方式として、PFIであるとか、あるいはそれよりちょっと上位の概念としてPPP、パブリック・プライベート・パートナーシップというようなことで、公と民とがお金を出し合って何かのプロジェクトをやるとか、あるいは特別会計から暫時無償で借り入れて利子補給だけ一般会計でやるとか、いろんな手法というのは考えられるのではないかと思いますが、その辺について何かお考えがあれば聞かせていただきたいと思います。
○副大臣(尾辻秀久君) 今、先生お話しのように、大変難しい課題に私どもは取り組まなければなりません。そのために財政構造改革を推進することが重要な課題であると認識いたしておるところでございます。公共投資を含む歳出全般にわたり、引き続き徹底した重点化、効率化を図ってまいるつもりでございます。今、先生のいろいろお話しいただいておるとおりでございます。 そこで、御指摘の公共投資につきましては、今お話ございましたけれども、民間事業者の経営上のノウハウや技術といった創意工夫を生かした事業コストの節減が期待できますPFI事業を積極的に推進していきたいと考えております。 お尋ねでございますから、更にちょっと申し上げますと、事業評価の厳格な運用による透明性の向上、既存ストックの有効活用、一般競争入札の拡大等競争性の向上など、これらの手段を通じて効率化を実現してまいりたいと考えておるところでございます。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 ちょっと公共投資から離れるかと思いますが、環境税について少し伺いたいと思います。 御承知のとおり、京都議定書を批准するということで、二〇一〇年ごろを目指して温暖化ガスのマイナス六%というのが国際公約になっているわけでございまして、この六%マイナスというのを実現するのは、いろいろ計画はございますけれども、相当徹底したPRをやって幅広く国民の理解を得ると同時に、やっぱり財源の面でも、環境に資するようなもろもろの設備であるとかあるいは機器であるとか、もう一つは森林吸収のために植林をどうしたらいいかとか、なるべく自家用車をやめて公共交通機関を使えるようにしたらいいとか、いろいろ要望が出てくると思いますので、やはり環境税というのは一つの今後の大きな課題だろうと思いますし、そういうようなことを環境省の審議会などでも議論をされているようでございますが、その辺について、現在の検討状況をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(大木浩君) お話ございましたように、地球温暖化の、日本が約束いたしました六%を、一九九〇年に比較して二〇一二年ごろまでに六%削減というのはなかなか難しい目標でございますから、いろんなポリシーミックスと申しますか、経済的な手法につきましても、環境税あるいは課徴金、あるいはむしろ新しいエネルギーの開発についての優遇税制とか、いろいろあります。 これは地球温暖化対策推進大綱の方でも総合的に検討しろということになっておるんですが、この総合的というのは非常に問題でありまして、総合的といいますと、一つは環境関係についてのいろんな手法を総合的に考えなきゃいかぬし、もう一つは、税制ということになりますと、税制をどういうふうに直すかと、これが非常に大問題でございます。 ということでありまして、今、中央環境審議会の税制専門委員会の方で中間報告を出しましたけれども、この中にも、六月十八日に中間報告を出しましたけれども、ここでも、取りあえずは第一ステップ、第二ステップに分けて考えておるということで、第一ステップというのは取りあえず二年間、それから、二年間でいろいろと温暖化の対策をしたその結果、また十分でなければ更にその対策を強化しなきゃいかぬというのが第二ステップで、二年後ということになっておりますが、第一ステップにおきましては取りあえず道路等の特定財源がございまして、これについてもいろいろと今見直しの話がありますから、これについて温暖化対策の観点から、その使途をできるだけひとつグリーン化、要するに温暖化対策となるべく密接につながったような形で実施していただく、あるいは現行暫定税率をできるだけ水準を維持していただいて、それをグリーン対策に使っていただくというようなことを考えております。 また、経済活性化のための研究開発とか、今いろいろと景気も大いに振興しなきゃいかぬということでありますから、そういったことと絡めても、それがまた同時にグリーン化にもつながるようなという、優遇税制というようなものはいろいろとまた検討してもらいたいというふうに考えておるわけであります。 なお、しかし第二ステップということで、二年たちまして、その時点におきましてもより直接的にCO2削減のための環境税というようなものが必要であるかどうかということになってくれば、必要であればやっぱりそういうものも考えていただかなきゃいかぬということでありまして、これについては、今、先ほど申し上げましたように、税制の専門委員会の方でも検討しておりますので、それを随時またひとつ発表なりいたしまして、これからの税制全体の検討の中で生かしていただきたいというふうに考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 それでは、予備費について少しお尋ねをいたしたいと思います。 まず最初に、公共事業等予備費というのが平成十一年、十二年、十三年度の予算にございまして、十三年度は補正で吸収されてしまったわけでございますが、これは景気対策のために公共事業予備費というものを置いておいたんだと思います。公共事業をなるべく少なくしようという情勢の中で、この予備費の在り方というのをどうすべきであるかというのはいろいろ御議論はあろうかと思いますけれども、やっぱり短期的に間違いなく効果があるというものについては、こういう予備費を設定して機動的に対処するというような効果もあるのではないかと思いますが、その辺のお考えについて、財務省の方でございましたらお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(杉本和行君) 先生御指摘のように、公共事業予備費というものは、予見し難い経済情勢の推移等によりまして、公共事業等の経費に予算の不足が見込まれる場合に備えまして、これに機動的に対応するということで計上されるものでございます。 具体的には、その時々の経済情勢がどうなっているか、それから、さらには財政事情、そういったものを勘案して、必要に応じて計上してきたものと考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 次に、法務省にお尋ねいたしたいと思います。 予備費の中で、矯正収容費というのを予備費に大分使っておると。十二年度は十七億二千万、十三年度は八億四千万と。 矯正収容費というのは、要するに刑務所の整備費でありますから、整備費なり食糧費でありますから、犯罪が増えなければいいわけでありますが、残念ながらこのところかなり犯罪が増えておるということで、予備費を使用してその対策に充てておるというのが現状のようでございますが、犯罪の傾向というのはある程度予想はされるんで、なるべくならばやっぱり経常的経費として年度当初から中でやっていくということが望ましいのではないかと思いますが、今後のこの辺の予算上の措置について法務省からお聞かせいただければと思います。
○副大臣(横内正明君) 委員の御指摘のとおり、予備費の使用を行っております。 平成十二年度には、被収容者の食糧費及び都道府県警察の留置場に収容されている刑事被告人等の収容に要する経費の償還金という二つの費目について予備費を計上しておりますし、平成十三年度には被収容者の食糧費について予備費の計上を、使用を行っているところでございます。 御指摘がございましたように、犯罪の急増に伴いまして、矯正施設の被収容者が増加をいたしておりまして、昨年の八月には収容率が一〇〇%を超える過剰収容の状態になっているわけでございます。こういった増加に対応して毎年予算の増額を図っているわけでございますけれども、予算の推計を上回って、この収容者数が急増をしているという状況でございまして、その結果としてやむなく予備費の使用を行っているというものでございます。 予測が甘いのではないかという委員の御指摘は重く受け止めさせていただきまして、今後より精度の高い収容予測を行って、予算に反映をさせてまいりたいというふうに考えております。
○中島啓雄君 ありがとうございました。 終わります。
○柏村武昭君 こんにちは。自由民主党の柏村武昭でございます。 本日は、平成十一年度及び十二年度の決算とそれに関する若干の問題につきまして関係各大臣、副大臣に質問を行いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 まず最初に、去る五月八日に発生いたしました在瀋陽日本国総領事館に対する中国武装警察官による不法侵入事件に対する政府の一連の対応につきまして一言申し上げます。 この事件には、第一に、中国による日本の主権侵害という問題がありまして、第二に、中国の武装警察官によって強制連行されました五人の北朝鮮難民の人権侵害という問題がございます。 この第二の問題につきましては、不幸中の幸いといいますか、五月二十三日に五人全員がフィリピン経由で移送されまして、韓国に離散していた家族の皆さんが仁川国際空港で抱き合うという感動的な映像を多くの国民が目の当たりにしたわけでございますが、その一方で、第一の問題、つまり、すなわち中国による日本の主権侵害という問題につきましては、いまだ何ら解決に至っておりません。 そもそも日中両国におきましては、事実関係に関する認識にも依然大きな隔たりがありまして、正にデッドロックに乗り上げてしまった。しかも、その後に在北京の韓国大使館でも同様の事件が発生したために、瀋陽事件そのものが国内外を問わず人々の記憶から消えつつある、そういう感じがいたします。 そして、この背後には我が国の外務省が従来から中国に対して過度に配慮を行ってきたという事実が潜んでおりまして、特にいわゆるチャイナスクールと呼ばれます中国に詳しい省内の専門家のグループが対中外交を専断的に仕切っていて、しかもあろうことか、彼らは日本の国益よりも中国政府の顔色をうかがうことの方を優先しているんではないか、そう見られても仕方のないような現実があったということが世間からも多々指摘されております。 阿南大使の発言や瀋陽の副領事の取った行動だけではなくて、事件発生後の本省や首相官邸に対する経過報告をおざなりにしていた点にも外務省そのものの隠ぺい体質が如実に示されておりまして、正にこれまでの対中弱腰外交の総決算とでも言うべき事態をさらしたというわけです。 しかも、今月四日に発表されたばかりでありますが、瀋陽事件に関する関係者の処分内容につきましては、国会においては与党、野党を問わず、また国民の皆様方からも大いに疑問が投げ掛けられております。外務省の自浄能力そのものについて国民各層に不信感が蔓延する状況に立ち至った、私はそう理解しておりますが、外務大臣は今回の処分に対する国民の皆様方の反応についてどのように受け止めておられるんでしょうか。どうぞその考えを聞かせてください。お願いします。
○国務大臣(川口順子君) 今回の処分につきましては、ただいま委員が御示唆をなさっていらっしゃるように、軽過ぎるというふうにおっしゃられる方もいらっしゃいますし、それから法律に対する違反があったわけではないのに重過ぎるではないかという御意見も私どもはちょうだいをいたしております。様々な考え方が存在を国民の中にもすると認識をいたしております。 外務省といたしまして、その処分の考え方にということでございますけれども、これは今般の事件について総括をする中で、再発を防止をするというために再発防止策を考える、その過程で当時の関係者の人に改めて対応等について聞きまして、問題の精査をいたしました。そして、人事院の出している国家公務員法に基づく処分の際の指針あるいは外務省の内規に基づいての処分の考え方、そして様々な過去の事例等を踏まえまして適切に対処したつもりで、私としては判断をしたつもりでございます。 いずれにいたしましても、委員がおっしゃられましたように、外務省に自浄能力がないというふうに国民がごらんになるということは非常に大きな問題であると考えております。今、改革に向けての変える会での御議論もそろそろ終わりに近づきつつありますし、それから先週の終わりに、外務省の中の「変えよう!変わろう!外務省」の、これは有志のグループですけれども、ここからも改革の提言を私は受け取っております。 そういったことを踏まえて、外務省は改革にはこういうことを具体的にいつまでにいたしますということをきちんと整理をいたしまして発表させていただきたいと思っておりますが、そういったことを通じて外務省の改革を進めていきたいと私は考えております。
○柏村武昭君 いわゆるチャイナスクールであるとかロシアンスクールといった専門家集団がそれぞれの専門分野において影響力を発揮することは、ある意味では当然であるとは思いますが、しかしながらそれだけでは外務省全体としてのマネジメントというものは存在しない。リーダーシップを発揮する余地もない。やはり、これは大きな問題であると思います。縦割り行政の弊害を打ち破るものは、何といってもトップに立つ者のリーダーシップではないかと私は思います。川口外務大臣におかれましては、今後この点について十分な自覚を持っていただきながら外交に取り組んでいただきたいと思います。 もう一つ、外務大臣にお伺いしますが、瀋陽事件の解決のために、今後中国とはどのような外交姿勢で話合いを進めていくおつもりであるのか、またその国際法違反の点については、日中二国間の交渉ではなくて、例えば国際司法裁判所に提訴するとか、国際機関に紛争解決をゆだねるおつもりはあるのか。この二点について聞きたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 六月の十九日にタイのバンコクで私は中国の唐家セン外交部長とお話をいたしました。そして、その場において私の方から、この瀋陽事件をめぐる事実関係、これについては両方の国の考え方、見方は違うということを言いました。特に、中国側によりまして我が方の総領事館の不可侵が侵害をされたということについての我が方の立場は全く変わりはなくて、我が方の国内には強い意見がある、これをきちんと認識をしてほしいということを言いました。 これに対しまして唐家セン外交部長からは、中国の今まで出ている従来の立場、これが改めて示されたわけでございます。ですが、一方で、双方は日中両国の大局を踏まえて、この問題を冷静に対処していくことが重要であるということを確認をいたしまして、その上で領事条約、協定の締結の可能性も含めて再発防止のために外交当局間で協議をしていこうということで合意をしたわけでございます。 したがいまして、この件については日中両国の間の協議を通じまして考えていくということが重要であるということでございますので、国際司法裁判所等の国際機関にこれをゆだねるということは適切ではないというふうに思います。いずれにしましても、これについては冷静に対応をしていく所存でございます。
○柏村武昭君 今年は日中国交回復三十周年の節目の年でもございます。瀋陽事件に対する外務省当局の事なかれ主義も中国政府の意外にもおとなしい対応についても、結局は日中復交三十周年記念行事を無事に成功させようという思惑があるものと私は推測しますが、しかしこれは大きな誤りではないかと思うわけでございます。日中国交回復は確かにおめでたいとは思います。しかしながら、ただそのことだけで我が国の主権が侵害されたという事実を見過ごす、あるいは冷静という言葉の陰でうやむやにする、そんなことは到底認めることはできません。 今から二十九年前の夏、韓国の金大中氏が東京で突然、日本人以外の何者かによって拉致をされました。そのときも、我が国は、主権が侵害され、国家の威信が傷付けられたということに対して実にあいまいな対処しかしなかったんですね。それと同じことが二十九年もたった今、もう一度繰り返されようとしている。我々は黙っていることはできないと思うんです。 ここで外務大臣に要望したいんですが、今回の事件は中国による日本に対する明白な主権侵害事件であるということを国際的に周知させる努力を続けること、そして中国に非を認めさせるまでは復交記念行事の計画を凍結してもらいたい、この二点を私からしっかりとお願いしたいと思います。 次に、外交官の在勤手当について外務大臣に伺います。 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の第六条においては、在勤手当として、在勤基本手当、住居手当、配偶者手当、子女教育手当、館長代理手当、兼勤手当、特殊語学手当、そして研修員手当について規定されています。実に手厚く、かつ行き届いた配慮がなされているものだなと感じます。 ただ、その第五条では、それら在勤手当の支給理由として、「在外職員がその体面を維持し、且つ、その職務と責任に応じて能率を充分発揮することができるように在外公館の所在地における物価、為替相場及び生活水準を勘案して定めなければならない。」と規定されています。最近、こうした外交官の給与体系については一部から強い批判が出ております。 ここに、少し前になりますけれども、これは読売新聞に出た記事でございます。五月十四日。この記事によると、本俸以外に支給される在勤手当は、中国大使の場合八十四万円、アメリカ大使は九十二万円、そしてロシア大使は九十四万円と示されております。これとは別に配偶者手当等の諸手当も支給されますから、これは国民感情としては随分高いと言えます。 また、これは、この新聞の記事によりますと、「生活費を機密費でまかない、給料はそっくり貯金して、帰国後は都内の一等地に家を建てた」という外務省OBの驚くべき発言も引用されております。 このほかにも、現在新築中の在モスクワの日本大使館には、総工費が何と百億円を超えまして、しかも地下にはプールまで造られるそうです。 また、瀋陽事件が発生した中華人民共和国に対しては、一九七九年以降、毎年巨額のODAが供与されております。 こうした報道が事実であるとすれば、外交官そして組織としての外務省そのものの金銭感覚が私たちの、国民の日常感覚から大きく懸け離れているんではないかと言わざるを得ません。 そこで、外務大臣にお伺いします。 外交官の在外勤務手当等の現状と、それら諸手当の必要性と合理性について、御自身もワシントンに赴任されていた経験にも即していただきながら、また商社等の民間企業の場合とも比較しながら、簡略にお聞かせをお願いいたします。どうぞ。
○国務大臣(川口順子君) まず、先ほど委員がいろいろ引用なさった中で、生活費に機密費を充てて自分の給与は貯金をしているという人がいるというくだりございましたけれども、いやしくも国家公務員でございますから、そういうことがあってはならないということは当然のことでございます。 機密費の使い方については、きちんと、いろいろな事件の後、透明性を高める、あるいはそのチェック機能をより良くするという観点から、中での扱いについては非常に注意をしてやるようにいたしております。万が一そういうことがあったとしたら、それはそういうことは私はないというふうに考えていますけれども、万が一あったとしたら、それは全く適切ではないということでございますので、しかるべく対応をしたいと思います。 それから、在勤基本手当でございますけれども、このまず性格がどういうことかということですが、在外公館名称位置・給与法という法律がございまして、これに基づいて支給をされているものでして、この趣旨というのは、職員が在外公館に勤務する場合に、外国で勤務をする、あるいは生活を立ち上げる、外交活動を行うことのために、国内で勤務をするときと違って追加的な費用が必要となるということで、そのために支給をされるものであるということでございます。 具体的に、例えばどういう経費があるかといいますと、一例を挙げれば、海外で新たに生活をするに当たって自動車を買わなければいけない、家具を買わなければいけないということから始まりまして、外交活動に要する経費として行事に出席をするために例えばブラックタイを作るとか、使用人を、人を頼んで手伝ってもらう場合の賃金ですとか、そういったようなこと、あるいは日本で家具を倉庫に預けていくとか、そういったことでございます。 それで、手当の金額ですけれども、これはそれぞれの職員のポストの職務と責任を果たせるように、公館の所在地の物価ですとか為替相場、生活水準等を勘案して厳正に算定をいたしております。 民間企業との比較でどうかということでございますけれども、我が国の主要の民間企業も在外で勤務をするときには追加的な手当が支払われるという制度を持っておりまして、外務省でこの手当を考える際には主要企業の駐在員の給与体系について調査を行っております。 制度や体系が違いますので、一概に比較するということは難しいわけですけれども、例えば具体的にワシントンに勤務をしている中堅職員の平成十三年度の年収について比較をいたしますと、大使館の一等書記官、奥さんを連れていった場合ですが、奥さんといいますか配偶者を連れていった場合ですけれども、大使館の一等書記官は一千二百万円台でございます。総合商社、主要民間企業の同様の職種と年齢、大学卒業で入社が十五年、三十七歳の方は一千六百万円台から一千万円台ということでございますので、同じぐらいの外交官のもらっている給与というのは、民間企業の主要企業と比較をすると真ん中よりも低い方に近いということかと思います。 今年につきましては、在勤基本手当額の改定を行いますときに、国内の経済の厳しい状況、雇用情勢の厳しさ、公務員の給与の引下げ等を勘案いたしまして、実質ベースで、一等書記官クラスで平均七・七%減額をいたしました。そして、大使・総領事クラスは一四・三%の大幅な減額をいたしております。 今後とも、いろいろな情勢あるいは企業の状況等を勘案いたしまして、適正な金額に、手当の額を決めていきたいと考えております。
○柏村武昭君 それが国民の共感を呼べば私は言うことはないんですが、国民はみんなどう思っているか、これがやっぱり政治の原点ではないかと思うんですね。 次は、国家の安全保障に従事する公務員の給与についてお伺いします。 現在、自衛隊は、テロ対策特別措置法に基づく協力支援活動のためにインド洋に艦船を派遣し、グアム方面にはC130型輸送機による物資等の輸送を行っているほか、PKO活動の一環としてゴラン高原及び東ティモールに部隊を派遣していると承知いたしております。 これに関連して、五月八日には、インド洋に派遣中の護衛艦「さわかぜ」の乗組員であった渡辺省三海曹長が、恐らくは過労のためでしょうか、殉職されました。また、六月八日には、アラビア海沿岸国の市内におきまして、補給艦「ときわ」の乗組員であった生井澤一孝二等海曹が交通事故で亡くなっております。ここに、お二人の自衛官の御冥福を心からお祈り申し上げる次第でございますが、こうした尊い活動の地道な積み重ねによって我が国の国際平和に対する貢献やテロ活動に対する真摯な取組が徐々に世界各国に認められつつある、そう私は理解しております。また、昨年末の北朝鮮とおぼしき不審船による領海侵犯及び殺人未遂事件に関連しまして、海上保安官による正に決死の格闘があったわけでございます。 こうした国民の暮らしと生命の安全を守るため、日夜命を懸けて海外で頑張っている自衛官に対する危険手当と申しますか、いわゆる特殊勤務手当の現状などについて防衛庁長官にお伺いします。
○国務大臣(中谷元君) 日夜懸命に勤務に就いております自衛隊員に対して、その業務につきまして御理解をいただき、また諸手当の現状についての御質問をいただいたわけでございます。 自衛官が海外に派遣され業務に従事する場合には、任務の特殊性、困難性、あるいは派遣先国の勤務環境等を考慮いたしまして特別の手当を支給することといたしております。 まず、テロ対策特措法に基づいて行われる協力支援活動に従事している自衛官のうち、インド洋又はその沿岸国の地域に展開している者に対しましては、実際の任務に就く地域の特殊性、任務の困難性等を考慮し、特殊勤務手当として一日四千円から四百円の特別協力支援活動等手当が支給をされております。 また、国際平和協力業務に派遣される自衛官には、国際連合平和協力法の規定に基づき、業務が行われる派遣先国の勤務環境及び業務の特質を考慮した国際平和協力手当を支給することといたしておりまして、その額につきましては、東ティモールに派遣され施設業務に従事している隊員には一日一万二千円から一万円がそれぞれ支給されており、ゴラン高原に派遣され輸送業務に従事している隊員には一日一万二千円が支給されているところでございます。 このほか、海外における国際緊急援助業務及び在外邦人等の輸送業務に従事する自衛官には、特殊勤務手当として、任務の困難性等を考慮し、一日七千五百円から千四百円の国際緊急援助等手当が支給され、心身に著しい負担を与えるような場合には更に加算した額が支給されることとなっているのが現状でございます。
○柏村武昭君 どうもありがとうございました。 PKOの海外派遣活動とテロ対策の支援活動は、平成十二年度あるいは十三年度において予備費をもって支出を行った活動ということで、正に本日、この委員会におきまして事後承諾の対象となっております。 これは憲法第八十七条第一項に言う「予見し難い予算の不足」の場合にそのまま該当するものでありまして、その必要性と合理性につきましては何ら問題がなく、むしろ国際平和に対する積極的な貢献を目指しているという意味からも日本国憲法の精神に沿ったものであり、これを承認いたしたいと考えておりますが。 さて、先ほどお伺いいたしました外交官に対する手厚い諸手当と比較いたしますと、今お答えがありました、命を懸けて安全保障に従事している人たちに対する手当がいかにささやかなものであるか、愕然としてしまいます。 確かに、外務公務員の給与に関する法律の第五条にあるように、外交官が日本の代表としての体面を維持するために他国の外交官と同じレベルの暮らし向きをする必要というものもあるでしょう。そのほかにもいろんな事情があるのかもしれません。しかし、だからといって、料理番や運転手、そしてメードを何人も抱え込み、豪華な邸宅に平然と住むということに国民の共感が果たして得られるでしょうか。あえて雇うとすれば、必要なときだけに雇うという方法もあるんじゃないでしょうか。まさか、毎日パーティーを開いているから、毎日が必要なときということではないと思います。 片や、宮廷外交のごとき貴族的で華やかな生活を送る公務員がいる一方で、片や、雨の日も風の日も、そして灼熱の日にも雪の日にも、毎日毎日、命を懸けて陸海空を駆け巡りながら国の安全を守っている公務員がいる。果たしてそのどちらが国民のためになっているんでしょうか。もちろん、外交というものが国家の存立に果たす役割は誠に大きいということは言うまでもないんですが、しかし今回の瀋陽事件を見てください。外務省の対応を見てください。日本の外交に対する信頼感は国内外を問わず大きく揺らいでしまったというのが本当のところではないでしょうか。 私としましては、後者、つまり命を懸けて私たちを守ってくれている皆さんたちの地道な活動こそが国家国民にとって尊いものであると確信しております。現時点での国民感情も恐らく私と同じではないかと思うんです。したがって、外交官への在勤手当等の諸手当と自衛官へのいわゆる特殊勤務手当との間に余りにも著しい格差があるのであれば、すぐに改める必要はあるのではないでしょうか。 この点、つまり生命にかかわる危険を伴う職務に従事する公務員に対する手当の拡充につきまして、防衛庁長官の見解をお伺いしたいと思います。どうぞ。
○国務大臣(中谷元君) 生命にかかわる危険を伴う職務に従事している自衛隊等に対する手当の充実についての御質問でございますが、防衛庁といたしましては、御質問のありました外務公務員の給与制度については所管外でございまして、これとの格差との有無に関するお答えにつきましては差し控えさせていただきたいと思いますが、今、委員からお話しいただきましたように、日ごろ命を懸けて業務に従事している自衛官の手当の対応につきましては、引き続き、この処遇が適切に行われますように、私といたしましても今後とも努力をしてまいる所存でございます。
○柏村武昭君 管轄が違う、所轄が違うからといって比較するのはばかばかしいという議論はここは成り立たないと思うんですね。国民にとってはみんな同じなんです、我々の税金ですから。 いずれにしましても、外交官の在勤手当が国民の常識から考えて高過ぎはしないか、また命懸けの仕事に対する手当が随分安過ぎはしないか、こうした思いをどうしても消すことはできないんです。 ここで、せっかくですから財務大臣にもお伺いしたいと思いますが、命懸けの仕事に対する手当と外交官の体面手当と申しますか、ぜいたく手当との間に存在する格差、これを即刻解消する必要はあるのではないでしょうか。決算委員として、無駄な国費の支出は絶対に許すことはできません。この点につき、財務大臣の大所高所に立たれた御所見を拝聴したいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も、この問題についてずっと以前に、ちょうど十五、六年前でございましたが、私、委員会で質問したこともございまして、その当時も思い出すのでございますが、しかし、それからずっと考えてまいりますと、自衛官の任務とそれから外交官の任務とは大分そこに差がございますし、またその生活の様態も違ってきております。 例えて、非常に細かいことで恐縮ですけれども、外交官につきましては、赴任いたしましたときに家賃の手当てをする、契約金の権利金入れる、それから食器や何やらもういろんなことが実は重なってきて、その費用は、実は私の身内にもおりまして、大変な費用をやっぱり使っておりまして、その分をぼちぼちと月給で処理しておるというようなところがございます。 したがって、外交官のそういう生活費をどこまで臨時手当で見てやるかということは非常にこれは難しいことでございますけれども、おっしゃるように、今の外交官に対する批判があらゆる面で噴き出してきておりますので、こういう議論も確かに国民としては考えるべきテーマであろうと思ったりしております。 まだまだ検討はいたしたいと思いますけれども、そんな事情があるということは御承知して、一方、自衛隊の方は確かに、命の危険性というものは確かにございますし、勤務もございますけれども、集団でやっておりますから。しかも、軍隊では、自衛隊は軍隊に準ずると見るならばですよ、見るんならばですからね、とするならば、すべてが自己完結でやっておりますから、生活も行動も全部が公費の中で賄われておるという点がございますので、外交官の日常と比較、ちょっと比較することもできにくいようなことがございますので、その点の勘案もしていかなきゃ。 いずれにしても、そういう御質問がございましたことを私たちはよく肝に銘じて、絶えず査定の中において考えていきたいと思います。
○柏村武昭君 今の大臣の答弁が果たして国民の共感を呼ぶかどうかは、これは国民が決めることでございます。ありがとうございました。 今後の予算編成に際しましては、国民のために日夜命を賭して活動している人たちへの温かい配慮を決して欠かすことのないよう政府としてしっかりと対応していただきたいと、この際、強く要望しておきます。財務大臣、よろしくお願いします。 次に、小泉行革の進行状況、そして具体的成果に関する話題に移りたいと思います。 四月の末に小泉内閣が発足して一周年を迎えました。最近では、小泉総理の推進する構造改革が一向に進んでいない、景気も全然良くならないんではないか、そういった批判が国内外の一部のマスコミや野党の皆さん方からも聞こえてくるようになりましたが、そしてそのことが近ごろの小泉内閣への消極的な評価へとつながっているんではないかと思います。 与党の一員である私といたしましても、例えば景気対策については、財政改革よりも景気対策を優先した方がよいのではないか、内閣発足のころのように小泉総理はもっと国民に直接温かく語り掛けた方がいいんじゃないかと、いろいろ考えているんですが、そのほかにも幾つか気掛かりなことがあります。 そのうちの一つに、最近めったに話題に上らなくなってきた感のある行政改革の問題があると思います。去る三月二十九日に規制改革推進三か年計画の改定が閣議決定されまして、とりわけデフレ克服と需要創出に向けた新しい試み、例えば規制改革特区や都市再生特区の導入が目を引いたわけですが、それにもかかわらず、どうも世間からの評価あるいは注目度がいま一つのようです。その理由としては、やはり改革のスピードが遅いということが各方面から指摘されています。 行政改革には、この規制改革のほかにも特殊法人改革、公務員制度改革、そして公益法人改革がありますが、どれについても最近の進捗状況が私たち国民に余り伝わってこないような感じがいたします。国民に対するPRがいまいち、いま少し不足している、したがってその一層の強化が必要であると、この際指摘しておきたいと思います。 そこで、お伺いします。本日は残念ながら石原伸晃行革担当大臣が所用で御不在ということでございますので、同じく行政改革担当の熊代副大臣にお伺いします。 小泉内閣発足以降の行政改革の具体的成果について、国民の皆さんにも分かりやすいように、なるべく具体的な例を出していただきながら簡潔にお聞かせください。どうぞ。
○副大臣(熊代昭彦君) 具体例を出しながら簡潔にというのはなかなか難しいところではございますが、鋭意努めさせていただきたいと思います。 私自身、九年ほど衆議院議員やっておりまして、そしてまた公務員としては厚生省に二十九年おりましたけれども、これほどまでに物すごいスピードで、そして総理大臣のすごいリーダーシップで改革が進められたというのは私は経験したことがないと、そういう思いでございます。 ですから、日本の世論というのは大変飽きっぽいということでございますので、一年ちょっとするともう飽いてくるということでございますが、サッチャー改革も八年も十年も掛かったわけでございますし、レーガン革命もそうでございます。そういうことでございますので、私は大変なスピードだと思います。 ただ、分かりにくさということでは、御指摘の点、確かにあると思います。特殊法人整理合理化計画も打ち出しまして、その目玉といたしまして、一番の目玉として道路四公団民営化推進委員会、既に二回、三回、実態、一つも見れば、三回もやっております。そして、今日は特殊法人改革のお目付役であると、御意見番だということで参与会議も開かれました。 ということでございまして、着々と進んでおりますが、道路民営化のこの結果がどうなるのかということが見えにくいということだと思います。これから御検討いただくことで、結果は見えにくいのは当然ではございますけれども、具体的に分かりやすくということでございますので、ちょっと異例なことではございますけれども、四案、今既に出されておりまして、それをたたき台に検討ということでございますが、その中に不肖私のやつもございまして、熊代私案というのも、副大臣に就く前のものでございますけれども、ございます。 それで、もしこれが仮に、万が一にも御採用になればという話でございますけれども、道路四公団をすべて解散して、国にすべてを、借金も資産もいただくと。資産は現物出資して立派な株式会社を作るということですね。 それで、道路四公団、赤字だ赤字だという話が余りありますのでそういうふうに思っておられる国民の方も多いんですけれども、四つの公団を一つの会社にして、現物出資で、そうなりますと無借金経営ですから、どうなりますかというと、年々二兆一千億の黒字でございます。これは減価償却前、税引き前でありますが、二兆一千億の黒字でございます。立派な黒字運営ができます。 ですから、これは国民の皆様に株を持っていただく。サッチャー革命も同じでございますけれども、資産株として、持っていて楽しめると。しかも、道路交通無料券だってもらえますから、株主優待も大いにあるということでありますから、ROE、株価収益率で計算すれば六十兆円に売れてもおかしくない、そういう株ができるわけですね。そういうことでございまして、これを国が全部取得しますから、国は大変なリスクを負います。リスクを負うけれども、この会社は年々、税金にして七千億円ぐらいの税金を払って、しかも二・四八%の額面に対して配当ができると、そういうものであるんですね。 そういうことでございますから、新しい道路も株式会社形式で作れば相当程度新しいものがやれるしと、こういうことでございますから、国民の皆さんは本当に資産株として楽しめる株を持つことができる。しかも、株式会社になれば今の料金をプライスキャップにして、そして値下げは自由と。これが当たり前ですね、常識的なことでございまして、総理大臣も上場を目指すと激しく言っておられますので、上場すればそういうことでございますから。 それから、五十年したらただというのは、ちょっとこれは、国の財政が好転して、四百十四兆、今年度末になるそうでございますが、これがゼロになればただにしてもいいと思いますけれども、五十年すればただというのをもしやめていただければ立派な株式会社になります。すばらしいことで、国の財政に大いに寄与できるということでもございます。これは一例でございますけれども、本当にすばらしい改革が進む道があるということでございます。 あと、公務員改革でございますけれども、これも既に閣議決定をいたしまして進んでおりますが、なかなか分かりにくい面もございますが、要するに、一つは信賞必罰と言っております。ですから、年功序列で順番に上がるんじゃなくて、よくできて、熱意があって、いい結果を出したと、素早く出世していただくということですね。 それからもう一つは、ポストで募集をいたしまして、民間からも自由に来ていただくと。それから、出入り自由の回転ドア方式といいますか、行為規制をしっかり付けまして、行為規制をしっかり付けて、民間に行くのも自由、帰るのも自由、それから再雇用も自由というようなことで、開かれた公務員制度を作りたいと。 それから、天下りを徹底的に排除して、公務員が民間に採用されるのは何かいいことがあるから採用されるんじゃなくて、これはこの人が能力があるから採用されるんで、何かいいことを期待すれば全く無駄ですよと、そういうシステムを作り上げてまいりたいということですね。 行為規制、利かないんじゃないかという話もございますが、罰金を取られたり懲役になったりすることで、今これだけマスコミが強い、マスメディアが強いときに、それは行為規制というのは激烈な効果があるというふうに思います。そういうこともございますし、思い切った改革がされているところでございます。 それから、公益法人改革でございますけれども、取りあえず、いろいろと改革をいたしまして、補助金を千百億円ぐらい減らしましたけれども、今思い切って今度は民法公益法人制度そのものを改正していこうと。ですから、行政の裁量がいろいろありまして、役人を一人ぐらい引き受けてくれればすぐに認可しようかとかいう悪いうわさもあったようなものでございますが、そういうものを一切なくして、今のNPO法人のように裁量をなくすると。 今、一つの案といたしましては、要件をすべて満たしていればもう登記だけでいいと、裁量の余地がないと。それで、公益法人は自ら独立に公益をしっかりとやっていくと。そういうシステムを作り上げて、百余年続きましたこの固い固い民法公益法人制度を今のNPOに勝る柔らかい制度にして、しかし事後規制で、悪いことがあれば裁判でしっかりと規制していくと。そういった案が検討されているところでございます。 規制改革、最後でございますけれども、大変長くなりまして恐縮でありますが、本当にいろいろと心配をして規制ばっかり付けたということでございまして、これを思い切って自由にしていかなければならない。例えば、北九州市にこの間参りましたけれども、港湾、ハブ港湾を造りたい、アジアのハブ港湾を造りたいと。大分全国的にもできたわけでありますけれども、三百六十五日二十四時間オープンのハブ港湾を造りたい、これに反する規制はすべて解除してほしい、特区として、こういうこともございます。 そういうことでございますし、また、これまでは職業紹介をしたときに収入を取ってはいけないということだったんですが、取りあえず、限定的ではございますけれども、年収千二百万円以上の人からは収入、手数料いただいていいということでございます。これをどんどんどんどん解除していきまして、民間で本当に創意工夫で職業紹介ができるということ、これも規制改革の一つの成果だと思います。そういうことでございます。 ちょっと長くなりまして恐縮でございますが、具体的なことを申し上げさせていただきました。 ありがとうございました。
○柏村武昭君 ありがとうございました。 先ほど申し上げましたいわゆる規制改革特区については、閣議決定による改定の後、三か月を経てようやく実現に向けた動きが出ているようですし、また各方面からも活発な意見が出されているようです。 沖縄県の名護市では、進出企業に優遇税制を適用するほか、キャプティブ保険、つまりこれは企業の自家保険のことを言うんだそうですが、そうした新しい仕組みとか、GCMS、つまりグローバル・キャッシュ・マネジメントサービス、そうした先端的な業務を積極的に認めていくほか、アジア証券の取引を進めるパスダック、この構想なども規制緩和によって実現していく、これによって沖縄県を金融特区として振興させようという試みが始まろうとしています。私もその成功に大いに期待をしております。 また、規制改革特区に関する提言に関しましては、例えば、私のふるさと広島の先輩でもございますアメリカンファミリー生命保険の大竹美喜会長は、去る六月二十六日の読売新聞朝刊の「論点」というコーナーで、御自身が前立腺がんの手術をされた際のエピソードを交えながら、先端医療特区、この構想について興味深い御提案をされています。 こうした規制改革特区あるいは経済改革特区は、特定の地域を限定して実験的に規制を撤廃して、成果が上がり、なおかつ弊害が生じなければ全国規模にその対象を拡大することを目的としております。景気の深刻な低迷が続く中で、ちょっとしたアイデアによる改革の試みを積極的に、しかも大胆に行っていくことこそが構造改革を実現していくための最初の一歩になるんではないかと信じております。 同じく規制改革担当の熊代副大臣にお伺いします。いわゆる規制改革特区構想の実現に向けた副大臣御自身の取組への意欲について、簡潔に、短目にお願いしたいと思います。
○副大臣(熊代昭彦君) 誠にすばらしい御質問を賜りまして、ちょっと答弁が長過ぎまして申し訳ございませんが、簡潔に申し上げたいと思います。 御指摘のように、規制改革特区、全国的にはなかなか難しい、しかし、ここで解除してみたらばすばらしい成果が生まれるんじゃないかと、そういうものを特区として解除しようということでございますので、私は、先生御指摘のように、すばらしいものになるんじゃないかということでございます。 総合規制改革会議におきまして規制改革特区に関するワーキンググループを設置しまして、地方公共団体と有識者の意見交換などを含めて今活発に議論をしておるところでございます。七月の二十三日には中間取りまとめを出しまして、規制改革特区に関する基本理念とか制度設計、どういうものがいい、どういうものはちょっと難しいなということも含めて、しっかりとしたものを出す予定でございます。 それで、閣議決定に基づきまして、去る七月五日に内閣官房に構造改革特区推進室、これは実際に話を聞きまして、それでこれはいいねということで査定するところでございます。それも設置いたしました。総合規制改革会議の方では更にそれに対してしっかりと提言をしながら見守っていきたいということでございますので、いろいろなアイデアが全国から出てくると思います。都道府県単位でありますし、市町村単位でもいいということでございますので、是非これで日本の持てる力を大いに開放してすばらしいものを作っていきたいという意欲で燃えているところでございます。
○柏村武昭君 いわゆるこういうことが明るくて楽しくて暮らしやすい国の第一歩になるんじゃないかと僕は期待しておりますけれども。 次に、子育て支援策に関する話題ですが、少子化の影響で全国的に児童数は減少してきている一方、共働き世帯の増加といいますか、一般化によって保育所に対する需要はかえって伸びてきています。 この背景には、女性の皆さんの社会進出意欲の向上という明るい面もある一方で、不景気による企業の倒産やリストラ、残業手当の縮減などによって妻が外に働きに出ていかざるを得なくなったという暗い面もあることは、これは注意しておきたいと思いますが、また、新興住宅地やマンションの新設等によって、これまでに保育所のなかった地域での保育所に対するニーズが出てくる反面、都心部の住民高齢化地域では従来の保育所が徐々に遊休化してくる、そうした地域的偏在の問題があります。 私の地元でございます広島県、特に広島市の場合でお話しいたしますと、認可保育所に入れずに入所を待機している児童の数は今年の四月一日現在で四百四十七人です。ちなみに、塩川財務大臣の地元でございます東大阪も調べたんですが、千七十六人が待機しております。特に多いそうです。 広島市では、平成十二年度と十三年度で、国の少子化対策臨時特例交付金などを活用して、待機児童の増加地域で保育所の整備を進めるとともに、既存の保育所の定員拡充や保育ママ制度も活用して、今年度に向けた定員増は千百七十一人と、これはなかなかうまくいっているんじゃないかと思うんですが、こうした自治体への取組の前提となる国の子育て支援対策には今年度予算において実に七千三十六億円が計上されています。そのうち、待機児童ゼロ作戦の推進のためには三百十六億円が計上されています。 こうした子育てに対する支援は、子供を産みやすく、育てやすい環境を作るためには是非とも必要なものであるし、また男女共同参画社会の実現という国の大きな目標を実現するためにも欠かすことはできないんです。また、生涯学習という面からも、例えば通信教育などでは夏休みにスクーリングというシステムがありますが、こうした時期にだけでも児童を預かってもらいたい、そういう切実なニーズがあるようですが、それにこたえるようなまだ制度がないんですね。 私は、この間、国政報告をやったときに、地元のママさんたちからも何度となくそうした希望を聞くことがありました。そして、最終的には、少子化対策という観点からも児童手当の拡充等の子育て支援というものは今後より一層充実させていかなけりゃならないものです。少子化とそれによる人口の減少は、いつか必ず国力の衰弱、国家の滅亡に帰結します。子育て支援策は国家として最優先で取り組むべき政策課題ではないかと思います。 そこで、厚生労働省にお伺いします。 私は、これまでの子育て支援に対する国の取組にある一定の評価は与えますが、しかし、なお解決すべき課題や問題点というものが残っていると思います。 本日は狩野副大臣がお見えでございます。副大臣におかれましては、そうした点につきましてどのような見解をお持ちなんでしょうか。また、今後それらの課題に対してどのような対応を取っていかれるおつもりでしょうか。どうぞ御所見をお聞かせください。
○副大臣(狩野安君) お答えいたします。 今、柏村議員がおっしゃっておられることは本当にもっともだというふうに考えております。急速な少子化の進行というものは我が国の経済、そして社会に大きく影響されていくということが懸念されておりますので、一刻も早くこの少子化問題に対しては迅速に対応しなければいけないというふうに考えております。 また、今、先ほどちょっとございましたスクーリングについて、子供を預けるということですけれども、これは学習することに対しては援助しておりますので、その辺もよく、また後でいろんな詳しいことはお知らせしたいと思っております。 あと、一応一定の評価をいただいております厚生労働省での政策でございますけれども、新エンゼルプランなどに基づき保育所の入所体系の対応を含めて総合的な施策を推進してきておりますけれども、なぜか少子化の傾向というのは進行しておりまして、とどまることがないわけですね。ですから、これをいかにしてこの進行をとどめるかということで私たちも頭を痛めておりますけれども、子供虐待の問題も含めて地域や家庭など子供を取り巻く環境も大変厳しくなってきております。 そういう中で、今年の五月でございますけれども、小泉総理からも、これまでの施策の課題を検討し、そして子育てしやすい環境はどうあるべきかなどとのめり張りのある、中間報告でもいいから九月までに何とか対策を講じるようにと、検討するようにということを指示をされております。そういう意味で、厚生労働省といたしましては、現在御審議いただいております少子化社会を考える懇談会での議論を踏まえながら、幅広い分野における少子化対策、子育て支援の在り方について検討してまいります。 いずれにいたしましても、子供を持つこと、育てることそのものに大きな価値があるということを基本に、子育て家庭を社会全体で支援していくよう全力で取り組んでまいります。
○柏村武昭君 ありがとうございました。とにかく共働きの家庭にとって不安のない国にしてもらいたい、それだけでございます。 最後の質問になりますが、先般成立した東京千代田区の路上喫煙禁止条例を契機に、最近各方面でいろいろ話題になっております禁煙の問題に関し、若干私見を申し述べます。 私は、禁煙推進議員連盟のメンバーとして日ごろ超党派で積極的に活動をしておりますが、このところ一番気になっておりますのが若年層及び二十代女性の喫煙人口の増加です。平成八年の国立公衆衛生院の調査によりますと、中学三年生の男の子二十人に一人、また高三男子の四人に一人が常習喫煙者ということです。また、JTの最新の調査によりますと、二十代女性の喫煙人口は、昭和四十年の六%から、三十六年後の平成十三年には何と六%から二四%にまで激増をしております。 たばこの害というものは、吸っている本人のみならず、周りの人たちの健康にも深刻な悪影響を与える点では甚だ迷惑でございまして、正に百害あって一利なしなんですが、我が国は欧米諸国と比べましても、例えばたばこの値段、公共の場所での喫煙や分煙、CMなどの広告規制等々において随分と喫煙者に寛容ではないかと。つまり、吸わない人にとっては厳しい社会になっています。特に自販機の規制が緩く、その数は、例えば米国全体、アメリカ全体の二倍以上もありまして、未成年者が簡単にたばこを買える環境にあるとともに、その値段もイギリスやオーストラリアの半分以下ということで、たばこ天国と言っても過言ではないかもしれません。 若い人たちが喫煙という悪習に染まることによって自らの健康を害し、また女性が喫煙することによって母体のみならず大切な赤ちゃんの健康をも害する、それによって結果的に将来の医療負担も増えてしまうというわけでございまして、こうした悪循環を断ち切るためには政府としても積極的にポリシーを持って取り組まなくてはいけないんじゃないかと。 そこで、財務大臣にお伺いします。 禁煙の推進と国民の健康の増進、そして税収の安定的な確保のために、たばこ税を思い切って増税してみてはどうでしょうか。一箱五百円以上にするとか。大臣の率直な御所見をお聞かせいただければ幸いでございます。
○国務大臣(塩川正十郎君) なかなかいい提案していただきまして、ありがとうございました。 私の方も、たばこの害が案外深刻になってきておるという、特に若年者のところでこの浸透が非常に深刻になっておるということを心配しております。そういう方につきましては、他の関係省庁と連絡を取りながらやっております。 また、JTに対しましては極力宣伝効果等を慎めということでやっておりまして、今JTは本当に自粛してやっておりますので、この点は私も了解しておるんです。 ついては、値段の問題でございますけれども、おっしゃるように、若干私は値上げして、それによって政府の姿勢を示すということと同時に、たばこ喫煙者に対する一つの反省、ブレーキということをしたいと思っておりますが、余り極端なこともできかねますしいたしますので、その辺のところ、どのようになっていったらいいだろうかということをも徐々にいろんな環境を考えてやっていきたいと思っております。 特に最近は、私の財務省としても、財源の問題等があってたばこの売出し、たばこの株式でございますが、売出しの関係等ございますしいたしますので、この問題の扱いについては慎重にしていきたい、しかし、御質問をいただいた趣旨は私どもも十分勘案していかなきゃならぬと、こう思っております。
○柏村武昭君 果たして積極的にやってもらえるのかどうかちょっと分からないようなお答えでございましたが、期待をしております。 その前に、衆議院はもう禁煙になっております。参議院はまだ委員会、禁煙になっていないということで、これを是非提案したいと僕は思います。 本日は、平成十一年及び十二年度の決算と、それに関する若干の問題について質問をさせてもらいました。政府におかれましては、私どもの言っていることを真摯に受け止められまして、適切に対応していただきますよう強く要望いたします。 また、ここ数年、官僚の金銭にまつわる不祥事が続きまして、中央省庁に対しては国民の皆様方より厳しい視線が注がれておりますので、これを、その悪弊を一掃して、国民に信頼される行政を築き上げていくためにまた一層の努力が必要であろうかと思います。 そのことも最後にあえて申し上げ、私の質問を終わらせてもらいます。 ありがとうございました。
○海野徹君 大変御苦労さまです。民主党・新緑風会の海野徹であります。 全般的な質疑ということでありますから、各大臣にそれぞれこれから個別な審議に入る前に基本的な質問をさせていただければと思って、今日こうやって質問に臨んだ次第であります。 まず、柳澤金融大臣にお伺いしたいんですが、最後の質問は、かねて三年前に私も提案させていただいて、若干大臣から御答弁いただいた地域金融の在り方についてということでお伺いさせていただいたわけなんですが、その前に若干、いろんな金融政策を進める中で、大臣が非常にある意味では大変手ごわい方ですから、そういった意味で、非常に哲学的な御質問をさせていただければと思いまして、若干させていただきたいと思うんですが。 自民党の幹部が、月刊誌に、今のデフレの最大の元凶は政府が金を吸い上げ過ぎていることにあるというようなことを発表しておりますね。一方では、財務大臣、よろしいですか、まだ。財務大臣が昨日ですか、テレビで大変、これから大丈夫だということを盛んにおっしゃっていたのを、私、それをある意味では非常に政治家として大変なパフォーマンスをしていらっしゃるなと、そう言うと怒られるかもしれませんが、そんなまなざしで見ていたんですが。 格付の問題についても大変な議論が今あるように思います。日本の国債の格付、これは理論的な問題というよりも、私は日本の政府の信用度の問題だなと、ガバナビリティーの問題だなということを私は感ずるわけなんです。 IMD、国際ビジネス教育研究機関ですか、これですと、日本の格付について、国債の格付、政府の格付ですか、ガバナビリティーというのは四十九か国中三十一番目なんですね。二〇〇〇年に二十八位、二〇〇一年に二十九位、これ年々低下しているんです。これは、日本政府の投資能力の脆弱化という問題が、これ国債の格付を通じてやっぱり議論されているんではないかと、そんなことを思うわけなんです。 その中でやっぱり指摘されていることは、公的部門の改革を進めるべきだろうなと。先ほど要するに政府が吸い上げ過ぎるんじゃないかという話もあったわけなんですが、その公的部門の改革というのはやはりこれは非常に重大ではないかと思うんです。 それで、大臣、柳澤大臣、日銀の発表している数字ですと、一九九〇年から二〇〇一年までの経常黒字累積額というのは百四十一兆円あるんです。民間金融機関は、対外証券投資、これは四十兆八千億円、これ増やしておると。公的部門、郵貯、簡保、年金の対外証券投資は、これは十六・七兆円しかない。純資産の増加額、これは民間金融機関の一九九〇年の総資産は千四百八十一・五兆円、これが二〇〇一年に千五百六十五・三兆円、増減八十三・九兆円あります。この中で、対外証券投資が四十・八兆円ということになっています。公的部門は総資産が三百二十六・四兆円から六百四十一・三兆円、三百十五兆円増えている。こういう数字があるんですが、この総資産の増加額との対比で見ますと、民間金融機関がニューマネー、新しく要するに増えたお金で四八・七%を海外投資に回している。しかしながら、公的部門はわずか五・三%しか海外投資に回してない。 こういうようなお金の流れというのは、やはり円高につながっているんじゃないか、産業の空洞化などに好ましくない結果を招いているんではないかなと、そんなことを思うわけなんですが、この公的部門の資金をもっと対外投資に回すということも考えた方がいいんではないかと思うんですが、その点、大臣、どういうお考えしていらっしゃるでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 海野委員が御指摘になられた公的部門が対民間収支で揚げ超というか、引揚げの方が多くなっているのではないかということと、ただいまの公的部門の資金を対外投資に回したらという御提案との間に、ちょっと私、頭の整理が付きかねますので、後者だけについてお話を、私の感じを申し上げたいと思うんですが、もし、郵貯、簡保が主として公的部門の対国民では資金の吸収の機関になっておりますので、それの出口として対外投資、特に対外証券投資ということが考えられないかということかと思います。 しかしながら、確かにそういうふうにやれば円が市場で売られますので、その限りでは円安になるというようなこともあるわけでございますが、それで、また円が安くなればひょっとして、民間による海外直接投資ですね、これは、工場の建設等というようなものも引き合わなくなって国内産業の空洞化といったようなものも避けられるかもしれないではないか、こういう問題意識、問題意識としてはとてもよく分かるわけでございます。 ただ、現実問題、郵貯、簡保というのは、これは、特に郵貯は政府が保証しておるものでございますし、簡保も当然保険として債務を保険者に負っているものでございまして、特にそれが国が負っているということを考えますと、資金の運用においては安全、効率というのが二つ目標なんですけれども、そのどちらがこの場合大事かといえば、やっぱり安全だろうというように思います。郵貯の投資先で失敗をして国民の負担になるというようなことは、これはもう絶対避けなきゃならぬことというふうに考えるべきだろうと思いますので、そうなりますと、やはり対外投資、証券投資、どんな安全性というものにおいて問題のない投資でありましょうとも、これは為替リスクというものは伴うわけでございますので、そうしたことを考えるときに郵貯、簡保の資金を、これをかなりのウエートでもって対外投資、なかんずく対外証券投資なぞに向けるということに対してはやはり当事者は消極的というか、慎重にならざるを得ないだろうと思われますし、私もそういう考え方についてはやむを得ない、賛成の立場だと言わざるを得ないということでございます。
○海野徹君 多分そういう御答弁されるだろうと思っていたわけでありますが、公的部門の増加額というのは民間部門の三・七五倍になっているんですよね。それで、肥大化が大変目に付いています。 私は、やはり郵貯、簡保の規模を縮小して効率の良い部分に自由にお金が流れるようにすべきではないかなという考えですから、また改めて議論をさせていただく機会があれば大変ありがたいと思いますが、肝心の、要するに、地域金融のあるべき姿ということで御質問をさせていただきたい。 これは、三年前に私も地域再投資法の日本版を作ったらどうかというようなお話で大臣に御質問させていただきました。それの、我が党の中で金融アセスメント法が今提案をされて議論されているものですから、それについて要するに大臣のお話を、御答弁をお伺いできればと思っているわけなんですが。 非常に、リスクに見合ったという金利という名目で、大手銀行が一斉に中小企業向け貸出しを引き始めていますよね、引き揚げている。それまで大したリスク審査はしなくても貸していたものを、単に銀行への批判をかわす、そうばっかりでもないんでしょうが、かわすかのように、借り手、とりわけ中小企業にしわ寄せをしているように思えます。そんなふうに思います。 こうした金利の引上げの動きの本格化で、要するに企業の資金繰り悪化による倒産あるいは不況連鎖型の倒産が大変増えている、更に景気を揺るがせているんではないか。昨日、財務大臣は、大変、要するに大丈夫だというお話だったんですが、私は地元へ帰るとそうでもない話をたくさん聞くものですから、都銀も地銀も借り手に対して画一的な行動を取っているというのが目に余るような状態なんですね。 これは、やっぱり意識の中では過去の横並び体質から脱却できていないんではないかと。非常に、要するに金融行政も旧態依然とした画一的なものになっているんではないかというふうに私は思わざるを得ないんです。金融機関の合併なんかの動きも、結局都銀と同じ基準で画一的に地域金融機関を見ているんじゃないかなという思いがします。 私は、金融機関の種類によってそれぞれの役割を果たしていくことが必要であるということでありまして、特に地域の金融機関、非常に今、先ほど言いましたように、中小企業、非常に貸しはがしというのが多いものですから、大変な状況、これ黙っていますけれども、大変な状況であるわけなんです。 私は、地銀や第二地銀は、経営の足下である地元に対して、地元に対する意識というものをもっともっと要するに強めていく必要があるんじゃないかなということを思います。そういった意味で、銀行の収益の源泉はやっぱりお客さんから稼ぐこれは利益であるわけですね。 そういうことを考えると、私は地元といかに共生していくかという認識が正に地域の金融機関に求められているんではないかな、そういうもので地域の金融機関の存在価値が問われているんではないかなと思うんですが、そういった意味で、かねてから要するに議論をされておりますし、大臣のところではもうお耳に届いているかと思うんですが、地域金融円滑化法、いわゆる金融アセスメント法について、こういうものをやはり行政側として支援すべきだろう、大変厳しい状況に置かれている要するに中小企業に対してこういうような支援策が必要であろうと思いますが、大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 地域金融機関が地域の経済の安定、発展のために非常に重要だということは、海野委員と私は完全に同じ見解に立つものだと思います。 特に、地域金融機関というのは地域経済の言わば基盤を作っている中小企業の皆さん方に対する融資機関でございますが、その存在というものが非常に重要だということも私は常日ごろから感じているところでございます。 今度、私の私的な諮問機関で、将来の金融のビジョンというものを描いていただく、そういう懇話会が一つのリポートをまとめていただきました。これは、急に政府の全体の方針が変わりまして、政府全体として公式な将来ビジョンを描くべしということになりましたので、言ってみると、私の私的懇話会でのビジョンというのは中間段階の製品ということに位置付けられまして、それがまた、今度は正式の政府の審議機関であるところの金融審議会に上りまして、そしてそこで正式の御議論を経て最終的な政府の将来ビジョンというものになるということになりましたが、いずれにせよ、中間的なものとなったとはいえ、一つのまとまりができたわけでございます。 それによりますと、地域における中小金融機関の在り方というのは非常に大事ですと。アメリカばかりがいいわけじゃないですが、アメリカ辺りの地域における中小金融機関というものの実態を見ると、ほとんど全部がファーストネームで呼べるような、そういう貸出し先、そういうものを持って非常に健全に、そして収益力も高いところで金融機関として成り立っていると。こういう例をもっと我々は参考にしないといけないじゃないかということも実はそこで提言されているわけでございます。 今回のリポートでは、大手金融機関の融資についてはそういう貸出し債権を市場に売るというようなことも考えておりまして、そういうことで価格メカニズムというものを銀行貸出しの中に取り込んでいく、そういうきっかけにしようということが提言されている一方では、地方の、地域の中小金融機関の融資については、リレーションシップモデルと言うらしいんですけれども、その貸出し先とのそういうある種の人間的な関係というようなものもきちっと踏まえたような融資の態度も今後とも維持されるべきだというふうに、ある種二極分化的な提言をされておるところでございます。 そういうことでございまして、私どももそのビジョンが出る前から金融検査マニュアルについてはいろんな御注文をいただきましたので、私ども、あれを、中小企業融資版というものを作って、中小企業に対する債権の検査に当たってはこういうことをもっと配慮して、本当にその債務者の実態というものを踏まえた債務者区分なりあるいは債権の分類なりをして引き当てなりなんなりをすべきだということを申し上げまして、それがパブリックコメントに付された後に、つい最近ですけれども、それが確定版ということで発表されました。 今後とも、ああいうものについてはもっともっと実例というものをたくさん掲げて、金融検査官が検査に行った場合、現場でそういう実例というものを思い浮かべて、これも似ているのかなというような判断というか、そういうときの参考にするようにということが必要だとされておりますので、今後ともこういうものは必要に応じて、また時宜に、リバイズドエディションというか、改訂をしていくつもりですが、取りあえずそういうものを発表させていただいて、それなりの御評価もいただいておると思います。 それやこれやで申し上げますけれども、中小金融機関による中小企業者への融資ということについては、我々、今後とも十分思い致して配慮をした姿勢で臨んでまいりたいと、このように考えております。
○海野徹君 それでは要望なんですが、配慮していただけるということなんですが、これは、私は地元へ帰りますと中小企業の事業者からこんな話聞きます。政府は中小企業の生き残りを妨害しているとしか思えない、都市銀行への企業査定と信用金庫、信用組合に同一基準で実施することにより、大半の中小企業に生き残り、再生のための資金を調達できなくさせている、こういうような話があったり、新しい民事再生法により大企業が再生の道を歩む中で不渡手形をつかませられ、そのしりぬぐいをされているのも中小企業だと。あるいは、利ざやの改善というのは、これは経済合理性からすれば当然だが、非常に取引先にとっては銀行サイドの身勝手にしか映らない、なぜ他社に債権放棄をするためにうちから金を取るのかというような、こんなことがしょっちゅう出てくるんですよね。 大臣も私も同じ静岡県ですから、静岡県、二十一万社、事業体があるんです。十二年度末に融資残高、借入残高が八兆五千億円なんですね。ならしてみると、わずか四百万なんです、それは大企業から中小企業まで。まあ九九・八%が中小零細企業ですから、御案内のように、その方々のわずかの決済性の、要するに預金、それを資金繰りができなくなっていってしまうような都市銀行の貸しはがし、それを地銀とか信用金庫が穴埋めしてくれるうちはいいんですけれども、そうじゃないという実態が出てきていますから、とにかく地域金融の中小企業に対する要するに金融支援ということは、本当に真剣に取り組んでいただきたいなと、そんなふうに思います。それでは、ありがとうございました。 次に、経済産業大臣にお伺いしたいと思うんですが、これは燃料電池のことで、これも私、三年前、予算委員会でメタンハイドレートの探査調査をやるべきだというようなお話をさせていただいて、それから私どものすぐ目の前の御前崎沖にメタンハイドレートの調査が入っていただきました。大変有望だという話なんですが、私は、二十一世紀というのは再利用社会を目指すべきだと。ほどほどでいいだろうと。ほどほどで、要するにまあ腹八分目と腹七分目ぐらいですか、そういう社会を目指すべきだなと私は思っています。だから、市場経済とヒューマンバリューを統合化した経済行動というんですか、そういうような世紀に行くべきだと、私はそんなふうに思っているんです。 そういう中で、じゃ何をニューパラダイムとするかと。私は、クリーン・グリーン社会というのもこれも一つの方向性だなと。そういう中で、これを、燃料電池というか、水素エネルギー時代というのは私はもう時間とともにやってくるんだろうなと。その中の燃料電池と。これは私は、アメリカがITを、最終需要者になって、購買者になって、どんどんITを発展させたアメリカと同じような形でこの燃料電池というものを国家的なプロジェクトで進めるべきではないかと。 この三年間、この燃料電池における事業のランクというんですか、要するに優先順位、そしてその費用というか、そしてその結果あるいは今後の見通しについて、総括的に大臣から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 海野先生にお答えさせていただきます。 燃料電池というのは、御承知のように、エネルギー効率が非常に高いものでございまして、またCO2排出抑制に資するなど環境負荷が非常に低いと、こういったところで、今後のエネルギー環境技術の中で重要な役割を果たし得るとともに、ここから産業の競争力あるいは新規産業の創出、こういったものが見込める、そういう意味では非常に重要な技術だと、このように私ども認識しております。 ただ、現段階では、その実用化、普及に向けて解決すべき課題としましては、一つは燃料電池の耐久性、それから低温作動性などの基本性能を向上させなきゃいけない。さらには、まだ非常にコストが高いわけでございまして、例えば、昨年、トヨタ自動車を始めとして日本の三大自動車メーカーが国会に一般の市販車に燃料電池を装荷をしてデモンストレーションがございました。私どもも試乗をさせていただき、小泉首相もそれに試乗いたしましたけれども、非常に走行感覚、それからスピード、安定感が非常にありましたけれども、ただ、自動車会社の社長では、その時点では一億円以上する、これは二〇〇三年ぐらいまでには一千万円台にはなるかもしれない、こういうことでございまして、まだコストが二けた以上もある、下げなければならないと、こういう問題もございます。 それから、御指摘のように、水素を用いますので、この水素等の供給体制をどうやって整備するか。これに関しましても、今我々としてはこの霞が関の中に水素スタンドを造ろうと、こういうことで、これも具現化をしつつあるわけであります。 それからもう一つ、安全性、信頼性という形で、例えば今問題になっておりますのは、水素を積んでおりまして何かのきっかけで非常に発火しやすいということで、例えばアクアラインを走行しているときに何らかの事故が起こったときにその安全性をどういうふうに担保するか、こういうことで、そういう安全性、信頼性に対するそういう検証も必要なところでございます。 私どもは、非常にこの燃料電池というのは、将来、御指摘のような観点からいっても非常に大切なそういう新技術だと思っておりまして、一九九九年に産学官から構成される燃料電池実用化戦略会議、これを立ち上げまして、二〇二〇年までを展望いたしましてこの実用化とか普及に向けたシナリオ、そういったものの課題解決に今一生懸命検証し、努力をしているところです。 また、民間もこれに関しましては、百三十余社から成りまして、これは外国からも参加をしていただいておりますけれども、燃料電池実用化推進協議会、こういったものも立ち上がりまして、非常にこれ意欲的にやっております。 例えば、家電メーカーにしても、電力会社、ガス会社、これはもう海野先生よく御承知だと思いますが、相当、据置型なんというのはもう一歩手前まで行っておりまして、こういった現状にございまして、こういった産学官、民間との連携を取りながら、私どもはこの施策を一日も早く進めていかなければいかぬと思っております。 そういう意味で、政府の取組といたしましては、この十四年度予算におきましては関連予算を十三年度の約倍に当たる二百二十億円を計上いたしまして、例えば燃料電池の構成要素である固体高分子膜の高耐久化でございますとか、先ほど申しました低コスト化技術開発、こういったものを今鋭意やっております。それから、燃料となる水素を自動車の上にコンパクトに貯蔵する技術開発、こういったことも今並行してやっておりまして、先ほどもちょっと触れましたけれども、この燃料電池自動車については水素ステーションの実施を含む大規模な公道走行試験を産学官一体となって行っているわけでございます。 四月二十六日には、小泉総理から、試験的な市販が想定される燃料電池自動車の第一号を含め、数台を政府において率先導入しよう、そして二〇〇五年を目途に安全性の確保を前提とした関連規制の包括的な再点検を実施をしろ、こういう指示が出されたところでございまして、これは非常に重要な問題でございますので、五月十五日には局長級によります関係省庁連絡会議を設置をいたしまして、本年じゅうに行うべき措置を含めた二〇〇五年までの道筋を本年秋を目途に取りまとめているところでございます。 そういったことで、やはりこれからの二十一世紀がいかに環境と人間がうまく調和をしながら、そして環境の世紀を作っていくという、そういう視点から非常に重要な私は技術だと思っておりまして、私ども政府は一体となって、御指摘の点を踏まえてこの問題に取り組んでいかなければならない、このように思っております。
○海野徹君 非常に細かな御説明いただきました。大変有り難かったんですが、私は、一つには、政府が率先して購買者となって普及を図るべきだろうなと。今、二百云々という話があったんですが、一けた少ないんだろうなという思いがするんです。新しいエネルギーの中で大変私はこれはすそ野の広い産業群を構成できるという意味でも、私はどうしてもこの水素エネルギー社会というのを実現していただきたい。その要するに具体的な施策として燃料電池があるなと思うわけなんですね。 これは、ある意味では原発の問題にも私は関連してくるんだろうなと思います。私もいろんな学者と話をしているんですが、その安全性についても、非常に極めて簡便な安全性を確保ができる方法もあるというふうに私も聞いておりますし、そういった意味ではもっと積極的に取り組んでいただきたいなという思いがあります。 関連して、エネルギーの問題で原発の問題に入るわけなんですが、原発、特に私は静岡に住んでおりまして、浜岡原発のことが大変気になります。これは、それぞれ地震学の専門家から大変な、要するにいろいろ心配しているというか、懸念の指摘がされております。 例えば、御紹介しますと、マグニチュード八の巨大地震が近いうちに起きると想定されている地域のど真ん中に原発があるなんという国はもうどこにもないよと。あるいは、原発は複合的な構造をしており、多くの強度上の弱点を含んでいて、大丈夫などということは確定できない。あるいは、発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針の指針の根底にある地震発生様式の理解が根本的に間違っている、地震と地震動の想定は非常に不適切である、こういうような指摘もされています。あるいは、スラブ、要するに海洋プレート内巨大地震を全く考慮していない。あるいは、東海地震の震源断層面は複雑な岩石破壊の仕方をするだろう、マグニチュード七から七・五クラスの大地震が連発する多重震源になる可能性もある。こういうような指摘をそれぞれ、予知連絡連の会長であったり、要するに地震学の専門家であったりしている方々がお話しされているんですね。 こういうような浜岡原発というものの、いわゆる東海地震地域の真上に立地しているこの浜岡原発の耐震性ということについて、あらゆる角度から検討されていると思うんですが、その辺、どういう評価をされているのか、大臣から御答弁いただければ有り難いと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 浜岡原子力発電所は東海地震の想定震源域内にあります。近い将来起こり得る最強の地震といたしましては、マグニチュード八・〇の想定東海地震及びマグニチュード八・四の安政のころ起こりました安政東海地震、更にこれを上回る、およそ現実的でないと考えられる限界的な地震としてマグニチュード八・五の地震、それに耐え得る設計をしておりまして、耐震安全性には問題がないと国としては認識をしているところでございます。 原子力発電所は多くの施設とか設備から構成されておりまして、その中には安全上重要なものと安全上余り重要でないものとがあるわけでございまして、大変、地震学の専門家でいらっしゃる方々、いろいろな意見があると思っておりますけれども、国といたしましては、安政の地震あるいは想定される東海地震、そういったものに関してこの耐震安全性には問題がないと、このような認識を持っているところでございます。
○海野徹君 それぞれ専門家の指摘、私は要するに大変な警鐘を乱打している指摘だと思います。今、大臣がおっしゃったようなことで、我々地域住民あるいは国民が納得できるというところまでは私はいかないと思うんですよね。 というのは、最近、これ、柳澤金融大臣も要するに選挙区ですから十分お耳に入っているかと思うんですが、それぞれ町議会あるいは市議会、近隣の、ほとんどで廃炉を視野に入れてという意見書を出しているんです、あるいは議決をしているんです。それを中部電力あるいは政府あるいは県にそういうものを出しているんですよね。これ読み上げれば周辺市町全部出てきますから、固有名詞をお話しするわけにいきませんが、大変住民は心配しているんです。少なくとも、東海沖地震が想定される、これは二〇〇四年とか二〇〇五年と言われていますが、その期間まで十分な点検と同時に使用を停止すべきではないかというのが最大限譲っての要するに声なんですね。 こういう声に対して、大臣はどういうようなお考えを持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私も担当大臣として、関係市町村の皆様方のそういう御心配、よく承っております。したがいまして、原子力発電所というのはいかにその安全性を担保するかと、これが私は第一義だと思っています。そういう意味で、この浜岡原発に関しましては、その設計上、想定され得る最大級の地震に耐え得る設計になっております。 しかしながら、そういう周辺の御心配がございますので、私どもとしては、安全点検、そういったものをきめ細かくやって、その住民の方々の不安というものをやっぱり取り除き、そしてしっかりと説明をさせていただかなければならない、このように思っています。
○海野徹君 それぞれ点検項目の対象あるいは点検の方法というのを検討されるということをお聞きしておりますし、正に今、大臣がおっしゃっていることが本当に、要するに十分にも十分過ぎるほどの点検をしていただいて安全性を確保して、確認していただいて、それが直ちに周辺住民の方々に十分理解できるような説明、情報公開を進めていただきたいな、そんなことを思います。 それでは、時間の関係で次の質問入らせていただきますが、先ほど、それぞれ、さきの委員の方々が議論をしていただくのをお聞かせいただきましたが、やはり公共事業についての質問も財務大臣にしておりました。 今から国土交通大臣にお伺いしたいわけなんですが、公共投資、これは重点化、効率化図っていくんだと、費用対効果で、要するに十分この費用対効果があるかどうかというような答弁がされておりました。費用が効果を上回ればこれは採択しないよというような答弁もありました。正に厳格な政策評価、事業評価が今求められているんではないか。本当にいろんな意味で、公共事業をやれば我々の生活が向上する、福祉の向上に寄与するという、産業が発展するというようなかつての説明が、これは違うんじゃないかと、我々の身近な部分にそうはなかなか来ていないねというのを皆さん方が、要するに国民が気が付き出して、公共事業に対する大変な厳しい評価が今出ているんではないかと私は思います。 そんな中、さきに総理は経済財政諮問会議の席上で、国庫補助負担事業の廃止、縮減について、私が主導して、各閣僚に責任を持って検討していただき、年内をめどに結論を出したいというような指示をしたというふうに聞いております。 また、先ほど特区のことでちょっとお話を聞いておりますと、やはりそれぞれ分権というか、私は地方の主権というのを主張しているわけなんですが、そのためにも、補助事業を廃止しない限り国が地方を支配する中央集権体制は打破できない、その裏返しの質問が、分権、人間も財源も権限もというような話でされていたかと思います。 それで、こういうような国民の公共事業に対する理解、あるいはこうした総理の指示を踏まえて、国土交通大臣は、ある意味ではいわゆる聖域なき構造改革を、これは空港の中でも地方空港、特に地方空港の中でもやはりやっていく必要があるんではないかな。そういった意味では、全国における空港建設、これの要するにある意味での聖域なき構造改革というものはどうやってお考えになっていらっしゃるのか、その点について御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、海野議員から公共工事全体に対してのお話もございました。もう既にお分かりのことでございますから、重ねて私の方から総論的なことは申し上げませんけれども。 少なくとも、私どもは、国土交通省として、必要なところには集中投資をし、なおかつ、集中投資をして早期に仕上げることによってコストダウンを図れると。必要なもののところへ必要なものを配慮するという公共工事全般に対しての基本理念というものは是非御理解いただき、しかも無駄だと思われるところは英断を持ってカットし、必要なところへ集中投資をする、これはもう公共工事に対する基本的な姿勢でございますから、申し上げておきたいと思います。 また、今、空港のお話出ましたけれども、少なくとも、小泉内閣の構造改革ということの中で、我々は、空港に関しては、昨年の六月ですけれども、国土交通省、一月の六日に発足しまして、昨年六月に既に、国土交通省におきます公共事業の改革への取組というもので、今後の地方空港の新設については離島を除き抑制するということを既に昨年の六月に決定をして通達を出しておりますので、そういう意味で、新設というものは離島を除きしないという方針は御案内のとおりでございます。
○海野徹君 新設についてはということなんですが、今進行している事業で当然赤字が出るだろうという、見込まれる事業があるわけなんですね。先ほど公共事業の今国民的な理解がどういう理解になっているか、大変厳しい理解になっているのは、なかなか自分のところに公共の福祉なり、あるいは経済的な波及効果がないということが分かってきた。そういった意味の財政厳しい中でも、費用対効果を考えてこれから公共投資を重点化、効率化しなくちゃいけないということも当然国民的な理解もありますし、当局もそういうふうな考え方。 ただ、今までは、これ総務省とか大臣の国土交通省の方々からのコメントも出ているわけなんですが、やはり需要を過大に見積もって公共事業を確保するというのがこれが従来の手法だった、そういう反省のコメントも出ているんですよね。というのはなぜかというと、昨年五月に総務省がまとめた行政評価・監視報告書、この指摘によりますと、九八年度まで十年間に新設された、九八年度までの十年間に新設されたり滑走路を延長したりした十五の空港のうち、九の空港で実績が需要を下回っているというようなことがある。 これは、二〇〇〇年の国内線の旅客実績を見てみても、八十の、第一種空港を除いた八十の空港のうち、予測の半分程度かそれ以下だったのが十二ある、予測を二割から五割下回ったのが十三ある、二割以内に下回ったというのは二十六空港で、全体の八十、これ地方空港ですね、二種、三種の地方空港を含めたものですが、全体八十の空港のうち、五十一の空港で事前の需要予測を下回っている。 こういう結果が出ているわけなんですが、先ほど言いましたように、こういう結果を見て、国土交通省の幹部の方々も、どうも需要というのは過大に見積もる癖があった、これは公共事業を確保したいからだ、それが従来の手法だった、それが間違いだったということを言っているわけですし、そういった意味では、新設だけじゃなくて、まだ、着工はしたけれども、いろんな問題点があって着工が遅れている、しかも、それもどう考えても需要が過大であるというような空港についてはやはり見直すということが必要ではないでしょうか。どうなんでしょう、大臣。
○国務大臣(扇千景君) 海野議員のおっしゃるとおりだと思いますし、またその方向に進んでいること自体は私どももお認めいただけると思っておりますし、国土交通省、現在の地方空港等々で国土交通省の事業評価制度、これも、事前評価、事業評価、事後評価と十三年度の評価制度を一冊にまとめまして、各省庁にも御参考にしていただきたいということで、評価制度というものを導入しております。それによって再評価を実施して、そしてその結果見直していくという、公共工事にとってはこれはもう大事なことでございます。 ただ、今おっしゃったように、空港自体考えますと、先ほどおっしゃったように、総務省の結果もございます。ただ、そのときには、もう海野議員御存じだと思います。各地方へ、さっきも私のところへ陳情にいらっしゃいましたけれども、皆さんは、空港下さい、新幹線下さい、高速道路下さい、港も国際港湾下さいという、一般道路の拡幅と五つ全部セットで下さいと、こういう御要望があるわけですね。 ですから、静岡県で県会、長くしていらっしゃいましたから、県議会の要望というものも海野議員はよく御存じだろうと思いますけれども、そのときにはこのつもりだったからこうあるべきだと。全部うまくいけば、この県の公共の必要性はこれほどあるという、私は上乗せした数字ではなくて、その時点では高度成長であったし、事業も全部、静岡県なら静岡県へもっと工場も来るというその計算の中で、私は評価というものがその当時はあったんだろうと思うんですね。 ところが、今のように、バブルになって、そして今日のような状況で、来るべき企業も来なくなったと。静岡県の県内も多様でございます。元々あった工場も地方へ移った、そして静岡県の需要そのものが減ってきたという経済状況の変化あるいは静岡県内の変化だけでも、私は、その数字が、だから何年ごとに見直すのかと。単年度で見直すのか、あるいは三か年で見直すのか、あるいは五か年で見直すのか。 そういう意味では、私は、国土交通省の長期計画というもの、十本のうちの八本が十四年度で切れます。それを、長期計画見直します。それも、私は、今申しましたのは、長期計画というのは旧運輸省、旧建設省時代にできた長期計画でございますから、国土交通省になったから八本そのまま長期計画で見直していくということではなくて、ある意味では国土交通省らしい長期計画を新たに策定しなければいけない。そのときに、今おっしゃった静岡なら静岡の需要が見直される、数字が出てくるというのは当然のことでございますので、現状の在り方を深刻に懸案として、そして静岡からの出てくる数字というものも、地方公共団体からも建議されているわけですから、私は、そういう意味で、そういう数字をこういう長期計画の見直しのたびに、なおかつ評価制度を導入した国土交通省としては絶えず見直していって無駄を省くというのは当然のことだと思っております。
○海野徹君 絶えず見直しをして評価を下すということはもう当然していただけると思いますが、元々私は民間、私も民間にいたものですから、金融機関にいたから余計そう思うんですが、大変、幾つか事業をやる場合はシビアな要するにシミュレーションをやるんですよね。最悪のケースを考えて、なおかつこれが将来的に必要だということであれば果敢にそれはリスクを負ってもやっていくというわけなんですが、どうも物が欲しいということが前提にあってその辺が甘くなってきたんではないかなと、私も議会人として大変反省しているわけなんですが。 ある意味では、その過大であったというもの、あるいは民間だったら要するに八〇年代のバブルのときに夢を見たものはもう九〇年代に、あるいは二〇〇〇年になったらもうその夢は見ていないというような社会的な変化を考えたら、やっぱり行政もそれをやるべきだなと。ましてや、そのときの需要予測が極めて過大であったということがどう考えても明白になった場合は、これはもうある意味では補助金の、補助金等適正化法第十条、これによって、むしろ大臣の方で、もうこの事業は前提が崩れている、崩れているから、それで状況も変わったという中でこの交付決定を取り消すというようなことはその対象になり得るんではないかと私は思うんですが、その辺、どうなんでしょう。
○国務大臣(扇千景君) 海野議員、きっともう御存じのことであえてお聞きになっていると思いますけれども、補助金をカットするときの条件というのはきちんと明記されております。その補助金をカットしますものの明記されている中で、私は、少なくとも国が今まで交付した場合、これを、補助金等による予算の執行の適正化に関する法律、これはもう御存じのとおりでございます。 特に、私は、静岡県に関しては、海野議員御存じだと思いますけれども、本年の六月ですけれども、県議会におきまして知事さんが、国による需要予測手法の改善を受けて、需要予測の見直しの検討を行うことを表明されました。 私は、そういう意味では、今おっしゃったような地域も、これを見直しするということを知事さんが明快になすったということは、私は、今後、県議会でどういう動きがあるかというのも重視したいと思いますし、今申しました補助金をカットする条件、三つございます。これは、一つが法令等に違反していないこと、二つ目が事業の目的及び内容が適正であること、三つ目が金額の算定に誤りがないこと。今、海野議員がおっしゃるのは、この二つ目の事業の目的及び内容が適正かどうか、これも私は検討項目に、今のお話聞いていても、だれが見ても該当して、検討する必要があると。 また、三つ目の金額の算定に誤りがないかどうか、これも私は問題になるところだろうと思っておりますけれども、少なくとも私は、静岡空港に関しましては、第三種の空港ということで、総経費が五百六十億円、そのうちの国が三百十億円という負担でございますけれども、少なくとも財務省等々も、この査定というものが、今申しました三つの条件のうちの算定に誤りがないかどうか。また、土地の取得がどの程度できているか。まだ一〇〇%に至っておりません。これも私は、静岡県のお出しになった条件の中の一つでございますから、一〇〇%に達していない場合はどうするかということも私は今後問題になってくると思いますので、今申しました三つの補助金をカットするときの条件というものを検討していく必要もあるし、また、今申しました、知事さんが県会で表明されておりますので、その表明がどう静岡県が判断されるのかも見守っていきたいと思っています。
○海野徹君 また後ほど、国土交通大臣とは個別にこの問題で日を変えてやることがあると思いますから、次の問題へ移らせていただきたいと思いますが。 尾身大臣、沖北でいろいろ御質問させていただきましたが、改めて質問させていただきますが、先ほど別の委員からも話がありました。若干触れていたかなと思うんですが、金融特区のことなんですね。金融業務特別地域、金融特区。これは今回の沖振計画で決定された、認められているわけなんですが、非常に金融の世界では、もう尾身大臣十分御案内のように、機能の集中化と業務の、周辺業務の外注化というのは、これは当然進んでいまして、そういった意味では、私は、この沖縄の金融特区がある意味では日本の金融改革の拠点になってほしいなという思いが非常に強いものがあります。 ただ問題は、この今の金融特区、これ進めるとしても、現行での中身を見ていますと、若干の優遇税制ぐらいしかないんですよね。これ、財務大臣もいますし金融担当大臣いますから、お答えは要りませんが、是非聞いていていただきたいんですが、これですと、非常に外国の、企業誘致型の要するに国際金融センターに比べて非常にインパクトが私は小さい、そんなふうに思います。具体的な進出企業にとっての収益源が見えてこないという問題が私はあるんではないかな。 この金融特区が成功するか成功しないかというのは、やはりこの特区内における業務の規制緩和、これに唯一かかっているんではないかと思うんですが、先ほども話が出ていました、例えばキャプティブあるいはグローバル・キャッシュ・マネジメントサービス、こういうような問題、これ本気で取り組んでいかれる御決意かどうか、改めてこの場で、とにかくこれ、業務規制の緩和をやらなかったら非常に画餅に帰するではないかという懸念があるものですから、尾身大臣の御答弁をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) この金融特区でございますが、まず第一に御理解をいただきたいと思いますのは、この金融特区における税制上の優遇措置というものは実は日本でほかに全く例のない、極めて例外、特殊な優遇措置でございまして、そういう意味では、沖縄の特殊事情にかんがみ、この制度を設けたということは、私ども、全体の税制の中から見れば極めて異例のものであると、こういうことでございます。 そういう中で、今、グローバル・キャッシュ・マネジメントとかキャプティブ保険等々というような問題がございましたが、このグローバル・キャッシュ・マネジメントサービスについてはこの金融特区の対象に入っているというふうに考えておりますが、キャプティブ保険につきましては今後の検討課題ということになっているわけでございます。 もとより、いろんな制約条件も税制の適用を受ける条件として付けておりますけれども、これも全体として見ると、沖縄の経済を発展させるということ、あるいは雇用を増大させるということを私ども考えているわけでございまして、単なるペーパーカンパニーを置いて、そこで企業が利益を上げ、沖縄の経済にプラスにならないような形になることは制度本来の趣旨から見て望ましくないという点も考慮して、ある種の制限を課し、その枠の中でこの金融特区を活用していただきたいと、こういうふうに考えたことでございまして、地元の名護市を始めとして、いろんな関係者が今後この制度を活用して企業誘致等に本格的に取り組まれて、この成果が上がるように私どもとしては期待しているところでございます。
○海野徹君 時間がございませんで、それ以上の質問を尾身大臣にさせていただきたかったんですが、ちょっと次に移らせていただきます。 川口大臣、最後に質問をさせていただきますが、いわゆる先ほど出ておりました瀋陽事件、これに絡んでの話なんですが、関連しての話なんですが、どう考えても処分が我々納得いかない。いろんな機会に、適切であった、処分は適切であったというような答弁をされます。軽いと言う人もいるけれども、重いと言う人もいる。 しかし、どう考えても国民的なレベル、私もいろんな、地元へ帰ってこれ話をしますが、今まで一連の不祥事の中で、すべてノンキャリと言われる人たちが処分を受けている。今回もそうだ。大使館における上下関係のこの厳しさというのは、これは経験した人でないとなかなか分からない状況になると、余りにも偏った処分である、これが一般的な国民の私は気持ちではないかなと。なぜ、またノンキャリだけなんだと。これは法以前の問題で、人道と主権の問題、あるいは国益の問題であったら、私は法律の処分以前の問題ではないかな。 特に外交官というのは、国の、要するに国益を担っていろいろ交渉事を行うわけですから、特にトップに立つ者は潔さと勇気という、ある種の人間の香りがしなかったら駄目なんですよ。その香りがしなくなっている人がトップにいるということは、私は、これはこれからの対中国外交だけではなくて、日本の外交、大変問題になってくるんではないかな。 再三にわたっての質問で誠に申し訳ないんですが、この処分、私はどうも納得がいきませんが、国民的なレベルで納得いただけるような御答弁、できますか。お願いします。
○国務大臣(川口順子君) 海野議員とは別な委員会の場でもこれについてお話をさせていただきましたけれども、今度の処分につきまして、キャリアであるかノンキャリアであるかという観点でこの処分をとらえていただくということは私としては非常に残念でございます。そういう意図はこの処分に関連して全くないわけでございます。 たまたまこのケースにつきましては総領事はノンキャリの方でいらっしゃいましたということだけでございまして、それぞれの今度の組織については、大使館で、あるいは総領事館で、あるいは本省で、それぞれの組織で、正に海野委員がおっしゃるように、その組織の一番トップにいる人間が一番重い処分をもらっているといいますか、重い処分になっているということでございます。これは、組織の在り方として上が責任を取るということは当然であるわけでございまして、それぞれの組織での問題を精査をした上でそういう処分になっているわけでございます。 私は、国家公務員の処分というのは、結果としてそれが国民の方に納得を、理解をしていただけるということは非常に大事なことでございますから、納得をいただけないということであればそれは御説明が多分足りないということだろうと思って、その面での反省はいたしますけれども、処分自体は国家公務員法や外務省の内規に従って、しかも過去の先例にのっとって適正、適切にやっているわけでございまして、そういったことを、もしおっしゃるようなことでございましたらば、引き続き処分の意味合いを御説明を十分にする努力はしていきたいと思いますが、今ここではちょっと時間がないようでございますのでそこは改めて申しませんけれども、この処分はいろいろな、先ほど申し上げたようなことに照らして適切に、適正に行ったものでございます。
○海野徹君 もう時間なくなりましたから、もう一項目、日韓FTAの問題について御質問させていただきたかったんですが、私の時間がもう来ましたから、これで終了させていただきます。 ありがとうございました。
○池口修次君 民主党・新緑風会の池口でございます。 残りの時間をいただきまして、税制、特に自動車にかかわる税制の問題について何点か質問をさせていただきたいというふうに考えております。 まず一点目ですけれども、今後の道路整備と道路特定財源の一般財源化ということについて御質問をさせていただきたいというふうに思っております。 最近の道路に関するいろいろな話題の中心というのは、道路公団の民営化についての議論が盛んにされているというふうに思っております。中でも、道路公団民営化委員会の委員に猪瀬さんが入るか入らないか、結果的には入ったわけですけれども、それが取り上げられまして、自民党の多くの方は極端な意見の入っている、持っている方が委員としてふさわしいのかどうかというふうに言っていましたし、また小泉総理は猪瀬さんを入れたということで改革の意思が全く衰えていないということを象徴的に言っておられたというふうに思っております。 ただ、昨年の今ごろ、特に小泉政権が発足をしまして参議院選挙に至るときに、何が話題の中心であったのかというふうに考えますと、道路特定財源を一般財源化するんだというのが小泉改革のある意味大きな目玉であったというふうに思っております。若干それの声が少し小さくなってきたということについては後ほどお聞きをしたいというふうに思いますが、まずその道路特定財源のもとであります今後の道路整備について、扇大臣にお聞きをしたいというふうに思っております。 今まで道路整備については、今、道路整備五か年計画が十四年で終わるということで、十五年からどうなるかということなり、今の社会情勢なり財政状況、さらには公共投資に対するいろいろな意見を踏まえて、いろいろな場で今後の道路整備をどうするかということが御議論されているというふうに聞いております。是非大臣から、今後の道路整備についてのお考えをまずお聞きをしたいというふうに思っております。
○国務大臣(扇千景君) ちょうど来年度の概算要求がという時期になりまして、全国のあらゆる知事さん、あるいは経済界の代表、国会議員も含めてでございますけれども、今、私は余り望むべき姿ではないと思いますけれども、陳情合戦と言ってもいいような状況にあります。私は、そういうところで、どうしても皆さん方のほとんどの要望の中に道路が入っていないものはないと言っていいくらい皆さんの陳情が道路の要望でございます。 私は、少なくとも今日の現状を見るときに、先ほども海野議員から空港の話が出ましたけれども、道路もあらゆる面で私は日本じゅう道路網が整備され、一番今の日本で問題になっておりますのは、道路そのものの要望は私はもう当然だと思うんですよ、けれどもその道路が、道路と道路のアクセスが果たして全部有効かどうかと。例えば、肩とひじと腕があって、それぞれの拠点はできているけれども、これをつなぐ道路がどのようにアクセスするかによってその有効を倍増していくと、活力ある活用ができるという。 ですから、私は道路というものの使い方とアクセスの在り方と日本の現状では、余りにも諸外国に比べて物流コストが高過ぎる。その原因は何か。すべて道路と空港、港湾とのアクセスが今までできていなかった部分が多々あると。 そういうことから考えれば、二十一世紀の初頭でございますので、国土交通省になりましたので、私はそういう意味で、港と道路と空港と高速道路と、あらゆるものの日本の基本的なデザインをどうするかと。これがグランドデザインがなかったということ、縦割りで道路、港湾等々、運輸省、建設省と縦割りであったことから、無駄と、そしてアクセスのグランドデザインが欠落していたと。そういうことで私は無駄も多かったと思うし、効率が悪かったということは反省しながら、二十一世紀の初頭ですから、何としてもそれを達成したいと。そして、有効な費用で有効な道路、そして経済活性化と物流コストの低減に努めていきたいというのが基本理念でございます。
○池口修次君 道路の整備についていろいろなところで議論がされておりまして、私も二、三、調べさせていただきました。社会資本整備審議会道路分科会の基本政策部会、多分これは国土交通省の所管ではないかなというふうに思いますけれども、その中で、道路の関係の表現で、戦後一貫した着実な整備の結果、国土を縦貫する高速道路は概成し、国道のほぼ一〇〇%が舗装され、九〇%が大型車の擦れ違いができる程度まで改良されているなど、一次的な改良という意味において一定の量的ストックは形成されたという表現がされております。 これと、これは多分内閣府だと思うんですけれども、地方分権改革推進会議の中間報告の中で、これは公共事業全体にかかわるものですけれども、「当初の公共投資基本計画が目標としていた社会資本整備の水準の多くは概ね達成されつつあり、国土の骨格をなす社会資本の整備は完成しつつあるとの認識をもつべきである。」ということで、この二つはかなり、公共投資なり道路の整備についてはかなりいい水準になったんで、かつての経済発展の時代であれば税収が上がったときはこの道路の整備をかなり進めるということが優先されたんでしょうけれども、今の経済がかなり停滞をしておる、税収もなかなか難しいという中に、を含めて今の水準等を含めると、やっぱり見直すべきではないかということが読み取れるわけでございますけれども、この点について扇大臣と、できましたら塩川大臣にもお聞きをしたいというふうに思います。
○国務大臣(扇千景君) 今、池口議員がおっしゃった社会資本整備という言葉で区切られますとこれまた幅が広がってまいりまして、道路を含む社会資本整備という言葉でいきますと、私は経済財政諮問会議で、財務大臣も御出席ですから、私そこで言われていること、あるいは分科会等々、結論が出ております、間もなく結論も出るものもありますけれども、日本の社会資本整備は、経済財政諮問会議で問題になりましたのは、GDPの欧米先進国は三%だと、日本は六%だと、これが多過ぎるじゃないかと、GDPの三%の社会資本整備でいいではないかと、これが経済財政諮問会議で私も列席しました日にその話が出ました。 私は、社会資本整備というのが今の状況で欧米先進国並みに追い付いてなくてもそれでいいじゃないかと、これでもう社会資本整備はある程度いきましたよと国民が私お認めになるんなら、私はそれも国民の判断だと思います。 ただ、社会資本全体という言葉を使われましたので、ある程度道路に関係あることを言いますと、あるいは空港から高速道路、あるいは港から、国際港湾から高速道路に入るのが、少なくとも欧米先進国では十分以内に高速道路に入り、そして物流がいくというのが、日本の場合は残念ながら、欧米先進国が九三%なのに、我々の十分間以内に到着可能な国際空港というものも、あるいは港湾というものも、日本は空港が四六%、国際港湾が三三%にしか至ってないということでございますね。それからまた、電柱の地中化、これは欧米先進国でパリとかロンドンは一〇〇%電柱の地中化が行われておりますけれども、東京の二十三区一つ取ってみても、電柱の地中化はわずかまだ三%でございますね。だから下水道も、言ってみれば、社会資本整備という言葉でおっしゃいますと、まだまだ日本は欧米先進国に至っていない。けれども、もう財政的にピークで、ここまで来たらまあ一応無理なく通れるじゃないかと、だからもういいよとおっしゃるんなら、それは私、選択の仕方だと思います。 ただ、今、私が懸念しておりますことは、今申しましたような、先ほども申しました、欧米先進国に比べて日本が二十一世紀に競争し得る国であるかどうか、物流も含めて。そういう日本の状況を考えますときに、私は、社会資本整備の中でも道路等々のアクセスがまだ無駄があって効率が悪いと、これでは世界の競争に立ち行かないと、そういうことを我々はしてはならないと。だから、集中的に、どこが欠けているのか、そこに我々は目を転じながら、国民の皆さんの要望にこたえ得るような社会資本整備をしていくべきだと思っております。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、特定財源と社会資本整備といったようなもの、特に道路でございますが、の関係のお尋ねでございますけれども、私たちの言っておりますのは、小泉内閣で言っておりますのは、特定財源が一般財源化してほしいと、こう言っておるんです。しかし、一般財源といったって、これを全額福祉に使う、教育に使う、そんなことは言っていないんです。要するに、財政の硬直化を改めてほしいということなんです。 この特定財源が財政の硬直化に非常に、何といいましょうか、障害になってきたということはもう池口さんも十分御存じいただいておる。ですから、先ほど扇大臣が言っておりますように、やっぱり流通、物流とかあるいは社会資本を整備しなきゃならぬのは随分あります。ありますから、これをやっぱり重点的にやっていくことも我々は当然やっていかなきゃならぬ。 そこで、これからの問題として、先ほど有機的な、国土の本当に住みやすい町、そして効率的な流通を確保するための、そういうものをやっぱり考え直していくということが一つ大事だと思うんです。それと、もう一つはコストですね。私はよく外国の人に会いますが、何で日本では、高速道路一キロ百何億円、二百億円掛かると、これ一体何でこれだけ掛かるんだということがやっぱり疑問に思われておるんですね。それと、高速道路は全部を高架にしなけりゃいけないのかと。これ単純な質問なんですね。そういうことも皆見直して、要するにこれからの社会資本の在り方というものをやっている。決してこれをおろそかにするものじゃございません。 そうしますと、二〇一〇年ごろをめどにして、GDPの三%というのは、それがために社会資本の量が、行政の量が落ちるということ、これはそんなにならないと私は思っております。それよりも、もっと合理化することによってある程度は十分確保されていくんではないかなと思っておりますので、一応、試算として欧米並みの二ないし三%を目標にするということを申し上げておるところです。
○池口修次君 その中で、必ずしも道路というのは国土交通省だけの予算で造っているんではなくて、若しくは地方だけじゃなくて、一つ私が非常に気になっているのは、多分、農水省の補助金で造っていると思います広域農道の問題が現存をするというふうに思います。 地方へ行きますと一般国道よりもかなりいい広域農道がありまして、これは所管が違うからということで整理されているのか、若しくは、道は同じわけですから、この道を造るにおいて、こういう、広域農道がいいとか悪いとかいうことではなくて、広域農道があるところにはそこはあるということを前提で造らないとか、そういう検討も入っているのかどうかというところを、ちょっと、多少おせっかいかもしれませんけれども、是非お聞きしたいと思います。
○政府参考人(大石久和君) 広域農道等の農水省が所管いたします道路と道路法の道路との関係についてお尋ねでございますが、それぞれの道路の事業が効率的、効果的な投資となるように、現在では国土交通省と農水省との間でルールを定めまして、計画段階で調整を図っております。当然のことながら、それぞれの道路は、道路法の道路が不特定多数の一般交通の用に供するということが目的でありますし、農道は農業の生産性の向上を図るために農業用車両等の特定の交通の用に供することを目的といたしておりますから、それぞれ目的が違う路線であることはございます。 しかし現在では、都道府県におきまして道路部局と農道担当部局とが連絡調整会議等の場を設置いたしまして、両事業の調整を行うとともに、地域の幹線道路及び広域農道等の整備計画を合わせまして地域道路整備計画という形でまとめまして公表いたしております。どこにどういう路線ができ上がるのか、それぞれの省がどの部分を担当するのか、地図の形で公表いたしております。道路、農道事業の調整につきましては、平成七年にこの連絡調整会議が設置いたしました。先ほど申し上げました連絡調整会議でございますが、その設置以降は円滑に協議が進められておりまして、結果としてそれぞれの事業により地域の課題解決が図られていると考えております。 なお、先ほどもお話がございましたが、現在長期計画を策定中でございますが、この長期計画策定の議論の中で、農道や林道、あるいは臨港道路など、他の行政分野の道路等々の連携強化についても更に積極的に取り組んでまいるよう、今検討しておるところでございます。
○池口修次君 是非、私も道路をこれから造らなくていいという立場ではないんですけれども、やっぱり効率よく整備をする必要があるというふうに思いますし、今言った広域農道、うがった見方をすれば、農業予算が余ったから造ったんじゃないかというような見方もないわけではないですから、是非そういうことがないようにお願いをしたいということと、それと次の議題に行きまして、その道路特定財源の一般財源化ですけれども、先ほど塩川大臣は、必ずしも一般財源化を言っていたんじゃないという言われ方を今されたかというふうに思いますが……
○国務大臣(塩川正十郎君) 一般財源化ですよ。
○池口修次君 一般財源化ですか。 そうすると、ただ、最近はその一般財源化ということではないような、ちょっとトーンダウンをしたようなふうに聞こえますけれども、そうすると、その一般財源化をしたいということについては全く変わっていないということでよろしいのかどうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃるとおりでございます。一般財源化してほしいと、こういうことなんです。 そこで、納税者の方との話もありますしいたしますので、一般財源化しても、やはりこれは道路との関係において使っていくというふうなことは当然起こってくるだろうと思っておりますが、私の先ほど言っていますように、特定財源として財政硬直化のために硬直させてもらいたいくない、このことを言っておるんで、自由に使える財源としてこれは必ず社会資本等に重点を置いた使い方をしなきゃならぬ。これは当然でございますけれども、それを五か年計画、五か年計画で全部縛ってしまって、金があるから五か年計画を実施していくんだ、だから計画を実施するから、何というか、フィージビリティー抜きにして、抜きにしてはおりませんけれども、フィージビリティーよりも金があるからやるんだという、こういうところへ走ってしまう傾向が多いという、そこをやっぱり構造改革ということで改めてもらわにゃいかぬと。そのためには、何としても根元になっておる財源をこれを特定財源として縛ってしまうんではなくして、一般財源として使えるようにさせてもらいたい、こういうことでございます。
○池口修次君 今の答弁ですとちょっと明確じゃないんですけれども、道路にかかわるものに使う一般財源という意味なのか、全く自由に使う一般財源という意味なのか。ちょっと、今両方の中身が入っていたような感じなんですけれども、これは本当は総理に聞けば一番いいんでしょうけれども、総理が言っている道路特定財源の一般財源化というのはどちらの意味なのかというのを再度ちょっと確認させていただきたいんですけれども。
○国務大臣(塩川正十郎君) 総理の言っています一般財源化というのは、全くフリーの一般財源化であります。私は、それは内閣の方針として当然そう言うべきでございます。 しかし、納税者の立場ということもございますしいたしますので、やはりその用途については、一般財源として縛りを掛けないけれども、その趣旨は、納税者の趣旨というものはあくまでも尊重していくということは必要であろうと思っておりまして、それも無視して、勝手にもう、いや、ガソリンから上がっておる金はこれは教育に使うんですと、そういうことのみに特定してしまう、これは特定になってしまいますから、そうじゃなくて、一般財源として自由に使わしてもらいたい。 したがって、趣旨としては、私は、道路に関係するものなり社会資本全体に適用できるようなものにして、納税者の意思は尊重さしていただくように使っていきたいと、こういうことです。
○国務大臣(扇千景君) 私、池口議員の御質問、大変大事なところであろうと思います。 それは、受益者負担ということで一般の受益者がなぜ暫定税率を黙って払ってくだすっているのかと、私はその辺が大変大きな問題であろうと思います。 それから、今、塩川財務大臣がおっしゃいましたように、本年の六月の二十五日の閣議決定をして、特定財源の関係というものを一般財源化していきたいと、長期計画や今次の税制改革と一体的にその在り方を見直して、平成十五年度から具体化したいということを閣議決定しております。 ただ、その閣議決定の中に、今、財務大臣がお話しになりましたように、私は担当大臣としては現実でございますので、少なくとも普通ユーザーの皆さん方が二千㏄の車を車検ごとに暫定税率をお払いいただいています。その暫定税率をお払いいただいているものが、少なくとも車検ごとに、一番問題は、この多くの税率の中で重量税だけが法律に基づいていないから一番触りいいと言うと大変悪いですけれども、法律を改正しないでも重量税だけはこれは動かせるわけでございます。その重量税というものも暫定税率を入れて三万七千八百円、これ車検ごとに払っていただいているんですね。これ暫定税率分がそのうちの二万二千八百円ございます。ですから、この暫定税率がなかりせば二年ごとに二千㏄の車検の皆さん方は一万五千円でいいわけですね。それを、わざわざこの暫定税率の二万二千八百円を上乗せして三万七千八百円払ってくだすっているから、それは自分たちは受益者負担で、道路を良くしてもらおうということで、あえてこれだけ払っていただいているわけですから。 私は、まず、一般財源化するのであれば、今、財務大臣がおっしゃったように、教育や何に使うか分からないというのではなくて、皆さん方に、道路の環境を良くするとか道路整備の、あるいは緑を植えるとか、そういうCO2を排出してもそれを吸収するようなものに、二十一世紀型の環境というものを加味したように使うというのであればまだ説明が付くと思うんですけれども。 今申しました暫定税率というものを、なぜ暫定税率かと。受益者負担というものを勝手に取っておいて勝手に使っちゃって、それはおかしいじゃないかと言われるのであれば、私はまず消費者の皆さん方に一万五千円にするべきであるというのが私の立場でございますけれども、今、財務大臣が仰せのように、今後この暫定税率の見直しということも含めて一般財源化するのであれば、私は、総理は何に使ってもいいようにしたいとおっしゃいましたけれども、私には医療とか学術に使うんじゃないよということもちらっとおっしゃいましたので、私はそういう意味では、今申しましたように、納めていただいている皆さん方が納得のいくような私は使い方にするというのであれば再度皆さん方にPRをして、御納得いただけるようにしなければならない担当大臣として責務があるなと思っております。
○池口修次君 まあ、何回聞いても一般財源化について内閣として本当に意思疎通ができているのかなというところの疑問はあるんですけれども、ちょっと時間の関係もありますので。 ただ、このやっぱり一般財源化するというときには、使い方だけ一般財源化ということで変えて集め方は今までと同じということでは、これはとても公平、何でしたっけ、公平、中立、簡素ですか、この趣旨、まあ最近は活力に代わったようですけれども、その趣旨とは、そもそもその公平の趣旨とは変わってくるので、当然そういう形での議論かなということを是非申し述べさしていただきたいというふうに思います。 もう一点というか、次の、自動車関係諸税の課題ということで質問させていただきたいんですけれども、日本の自動車関係の諸税というのは非常に複雑であるというふうに思っております。それと、これからちょっと説明いたしますけれども、私は国際的にも高い水準にあると。なぜ自動車ユーザーがこれだけの負担をしなきゃいけないのかというのを率直に疑問を持っております。 さらに、今回自動車リサイクル法が制定がされまして、二万円と言われていますけれども、私は、二万円というのは今エアバッグが付いていない車、若しくは高級車ですと四つぐらいエアバッグが付いているのがありますから、それが本当に二万円ということで、いかにも何かリサイクル費用二万円というふうに言われていますけれども、ちょっと違うんじゃないかなというふうに思っているわけですけれども、この費用が追加されると。さらに、環境についても場合によっては自動車に対応しろという議論が出てくるということになりますと、かつて、この自動車というのがある意味ぜいたく品であればある意味割り切りもできるんですけれども、今七千万台の自動車が走っているわけですから、自動車の所有は大衆化しているということを考えますと、やっぱり自動車は必需品だというふうに考えますと、なぜ特別な税がこれほどたくさん掛かるのかというふうに思っております。 その上で、国際的な比較、資料を二枚用意させていただきました。資料の一というのは、これは財務省が作った資料です。資料の二というのが、これは自動車工業会が作った資料で、同じデータでも作る人の意図で大分データが違うんだなというふうにも見えるんですけれども、財務省は、一ページ目の資料で、これは二千㏄クラスの車の初年度というか、新車を購入したときに幾ら税金が掛かるかということだというふうに思います。日本においては十七万円、ドイツは十八万円、フランスは十八万円、イギリスは二十三万円ということで、国際的に高くないんだという説明だろうというふうに思います。 ただ、税金というものは、初年度ですぐ税金と、何年も継続して掛かる税金があります。ということで、自工会が作ったのは、今の自動車の平均年齢であります九年間の中でどれだけの税金を負担するかというふうに、これは車体と燃料に分けてあります。車体課税というのは走らなくても持っているだけで掛かる税金で、燃料課税は走らないと掛からない税金でございます。 それで見ますと、車体課税、日本の場合は今、九年間で、これは千八百㏄ですけれども、七十万円、イギリスですと五十四万、フランスが四十八万。ただ、これらのものには消費税なり付加価値税が入っております。消費税なり付加価値税は自動車だけに掛かる税金じゃありませんから、これを除くべきだという議論もあります。それをやりますと、日本の場合は六十一万円、ドイツは十万円、フランスは八万円、アメリカは三万円でございます。 明らかに私は、今の日本の自動車に掛かる税金というのは国際的に見ても高過ぎるというふうに思っていまして、先ほど言いましたように、生活必需品を持っているということでこれだけの税負担をしなければいけないという理由は薄いというふうに思っているわけですけれども、この国際比較と今説明した中身につきまして、塩川大臣のまず御見解をお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) まず、こちらの方で作ったこれを見ていただいたら、先進国と比べましたら、アメリカはこれは特別なんですね。アメリカは、なぜかといったら鉄道に対する負担はゼロなんです。鉄道と空港に対する負担はほとんどやっておりません。だから、そういう社会資本整備の資金というのは財源は要らないという国ですから、これはちょっと違うんですが、そのほかのヨーロッパ諸国と比べましたら大体同じような状態なんです。 ただ、おっしゃるように、自動車に関する税金、燃料は別にして、自動車に関する税金ということを見ましたら、確かに日本は高いと思っておりますけれども、燃料課税等を合わせてトータルで見ましたら日本は決して高くないという自信を持っております。 ここに、下に注、書いておりますが、自動車を買って六年間使ったという一つのサイクルでもって計算しておりますが、六年間使ったとするならば大体どのぐらいの、年平均どのぐらいになるかということの計算であると、そういうことです。 それから、池口さんからちょうだいいたしましたこの、自工連でしょうな、これは恐らく、作っているんだと思うんでございますけれども、これで見まして、この中身は私ども十分、今いただいたところで検討しておりませんけれども、燃料税については日本はそこそこの話になっていますね。そうすると、自動車そのものに対する税金というのは、これは地方税との関係を考えていかなきゃならぬだろうと思ったりしますが、私どもも参考にさせていただいて、検討をいたします。
○池口修次君 同じような観点で、自動車リサイクル法の委員会の決議の中で、大衆化していることで、その簡素、軽減に向けて早急に取り組むとともに云々という決議がされているようですけれども、この決議を踏まえまして、今の比較等も考えまして、平沼大臣の方から何かお考えがあれば。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 自動車関係諸税というのは、九種類ございまして約九兆円、大変膨大な数字に相なっております。こういった自動車関係諸税というのは、大きくはやっぱり自動車産業全体の健全な発展と、それから二十一世紀は環境の時代と言われておりますけれども、いわゆる環境の負荷をいかに小さくするか、そういった自動車社会を構築していく、こういったことに私は使われていくべきだと思っております。 そういう中で、これは池口先生よく御承知のように、やっぱり自動車関係諸税というのはそれぞれ歴史を持っておりまして、これは地方財政の主要な財源にもなっておりますし、また道路特定財源というような形で、そういう中での一定の機能があります。ですから、そういう中で私どもはやっぱり不断の見直しを行っていかなきゃいけない。 自動車リサイクル法案のときも参議院、衆議院で附帯決議をいただきました。その中にも、今、池口先生が御指摘のように、やっぱり自動車というのはもう社会の必需品だと、そういう中でやっぱり不断の見直しを行おうと、こういうことでございまして、私も今、税制改革全般を見直しております。 ですから、政府の一員として、やはりそういった観点に立って不断の見直しを行っていく、その中に参画をして私どもは全体の見直しをしていかなきゃいけないと、このように思っております。
○池口修次君 二、三点ちょっと個別の税制についてお聞きしたいんですけれども、一番この自動車関係諸税で奇妙なのは二重課税の問題で、特にこれは石油にあるわけですけれども、一応、石油に掛かっている消費税というのは七千八百億円というふうに言われております。そのうちに、石油の場合には税金に更に消費税を掛けるということで、計算される消費税が千八百億円ということです。 それから、消費者は、石油を買ったから払う以上に、何とも説明ができないんですけれども、石油税に対する消費税を千八百億円負担をしているということで、非常に何とも奇妙な話なんですけれども、これはなぜこういうことになるのかというのを財務省にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(塩川正十郎君) このタックス・オン・タックスは消費税を決定するとき大変問題になった問題でございまして、これはもう一に御理解していただいて、欧米諸国もそれなりの付加価値税のようなことはしておりますので、それ並みにひとつ御承諾していただいたということでございまして、確かにこれは過重になっておるという議論はその当時から潜在的にずっとございました。 私たちも、ガソリンだけじゃございませんけれども、ほかのものもございますけれども、一つの方法として営業用に専ら使う軽油引取税でございますが、この部分については業界に一部還元をして、業界のいわゆる環境対策に使ってもらっておるというようなことの妥協をしてやっておるというところです。
○池口修次君 あともう一つ、重量税について是非調査していただきたいんですけれども、自動車重量税は法律に道路特定財源と書いていないんだから一般財源として自由に使えるんだというような議論があるようですけれども、ただ、創設したときの経過からいうと、やっぱりこれは道路建設のために使うという答弁がされておりますし、税金の掛け方も重さによって税金が変わっております。これはなぜかというふうに聞きますと、いや、重い車ほど道路を傷めるんだからこうなっているんだという説明をされるケースも間々あります。 そうしますと、確かに法律上は道路特定財源という項目はされていないにしても、やっぱりユーザーの気持ちからすれば、これをじゃ何でも勝手に使ってもいいということではないというふうに思う税金でございますけれども、これについてはどのようにお考えになるか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(石井道遠君) 今、自動車重量税についてのお尋ねでございます。 先ほど来、大臣から御答弁がございますが、現在、道路特定財源等が非常に硬直化しておるのではないかという指摘がございます。資源配分をゆがめたり、あるいは硬直性を招くという観点から、常にその妥当性を吟味していく必要があると考えております。 したがいまして、私どもといたしましては、先般の政府が閣議決定いたしましたいわゆる骨太の、第二骨太と言われております基本方針二〇〇二というものの中で、今次の税制改革と長期計画を一体的にその在り方を見直して、可能なものは平成十五年度から具体化するということにされておりますので、先ほどの大臣のお考えも含めまして、そういう前提に立った上で引き続きその基本的な在り方について幅広く検討を進めまして、平成十五年度予算から反映できるものは反映させていきたいというふうに考えておるところでございます。
○池口修次君 時間もないので、最後に環境税についてだけ、ちょっと一点お聞かせ願いたいと思います。 環境税、地球温暖化対策のある意味、有力な一つの手段ということだと思いますけれども、先ほども質問がありました。そこで、この点だけお聞きしたいんですけれども、いつごろまでにこの環境税についての結論を出すおつもりなのかということと、その場合に何にこの環境税の財源を使って充てるのかという二点について、最後にお聞きして、終わりにしたいというふうに思います。
○大臣政務官(奥谷通君) 温暖化対策のための環境税の導入に関しましては、さきの地球温暖化対策推進大綱におきまして、税、課徴金等の経済的手法について様々な場で引き続き総合的に検討するということを明らかにさせていただいております。 御指摘の点でございますけれども、いわゆる温暖化大綱のステップ・バイ・ステップというアプローチの方法によりまして、まず第一ステップにおきましては道路等の特定財源の見直しに対して温暖化対策の観点からその使途のグリーン化を推進したい、現行暫定税率の水準を維持すること、また経済活性化のための研究機関や設備投資にかかわる優遇税制に温暖化対策のための措置を積極的に位置付けてまいりたいとしております。 また、国民的な論議を行いまして、必要があれば第二ステップ以降、早期にCO2の排出削減を目的とした環境税を導入することなどが盛り込まれておりまして、これを踏まえまして引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
○池口修次君 じゃ、終わります。
○風間昶君 公明党の風間ですけれども、まず財務大臣に数点お伺いしたいと思います。 平成十二年の十月でしたか、当時大蔵省の国庫収入の状況、そしてまた昨年の十月の末の財務省になっての状況、そこで十二年、十三年とも前年度余剰金の受入れが予算を大きく上回って、全体としても収入歩合が非常に十一年度では、一〇三・九ですかデータでは、十二年度で、一〇六・〇とおおむね好調であったというふうに言えるわけでありますけれども、そういう中にあって、国有財産の処分の件でございますが、これが極めて低調でありましたね。御存じのように、不動産、それから有価証券の売却がメーンでありますけれども、平成十一年度で七三・三、十二年度で六一・四と。この低調であった要因をどういうふうに受け止められていらっしゃるのか、まずお伺いしたいなというふうに思いますけれども。
○副大臣(尾辻秀久君) 国有財産処分収入につきましては、その大宗を占めております土地売払い代が減少しておりますことから、平成十一年、十二年度におきましては御指摘のとおりでございまして、予算額に対して決算額が下回る結果となっております。これにつきましては、一般競争入札等の処分を実施いたしました件数は予算で見込んだ水準又はそれ以上実施したところでありますけれども、成約率、実際に契約が成り立った率でございますが、これが予算で見込んだものよりも低下いたしましたことや、それから地価の下落傾向により単価が低下したことによるものでございます。
○風間昶君 そうしますと、今のお答えの成約率、契約率というんでしょうか、それが低くなったこと、それから地価が下落したということでありますけれども、今後もそれは考えられることではあるものの、今後、予算的にじゃどういうふうに対応、対策を取っていくかということが経済財政諮問会議でも、大臣御出席になられているわけですから、その点に関して大臣としてはどう対策を取っていくのかということを、一端をお聞かせ願えれば有り難いと思いますけれども。
○国務大臣(塩川正十郎君) 諮問会議で議論されております一つは、売却する場合に単純に売却するというだけでは、そのものを売却するんじゃなしに、一つのプロジェクトの一環として売却していくというやり方、つまりその辺の周辺開拓をするとか、あるいはアクセスを付けて売却するというようなこと、そういうのが都市整備公団等を活用してやっていけるんじゃなかろうかとか、あるいは府県単位で、自治体ですね、自治体にその活用を任してそれで売却していくとかいう方法、つまり単純にやりますと地価の抑制に更に拍車を掛けてしまうことになりますので、有効利用と合わせた売却の方法ということをまず考えていきたいということ。 それともう一つは、いろいろな公共的利用方法はありますが、そういうものにあえて使うことはできないだろうかと。公共的に土地買収をするよりも、こちらの方を活用してそれに代替するということはできないだろうか、そういう点で進めていきたいと思っております。
○風間昶君 なるほど、分かりました。 平成十一年、十二年度は、私どもの認識では、いわゆるITバブルが発生して、それで崩壊するという現象が起こったことであるという認識ですから、だから一時的ながら法人税収に与えた影響も極めて大きいというふうに思われるわけでありますけれども、財務省としては、この両年の法人税収について、変化しているわけでありますけれども、それの要因は何だというふうに考えておりますでしょうか。
○副大臣(尾辻秀久君) これも今、先生お話しのとおりに、平成十一年度と十二年度、法人税収が大きく変動いたしております。これをどう見ておるかという御質問でございます。 まず、数字を申し上げますと、平成十一年度の法人税収は約十兆八千億でありまして、これは前年度を六千三百億程度下回っております。この要因は、法人税の税率の引下げがございました、御案内のとおりでありまして。基本税率を三四・五%から三〇%に引き下げました。この影響である、こういうふうに考えております。 一方、平成十二年度の法人税収は約十一兆七千五百億円でありまして、前年度を九千五百億円程度上回りましたが、これは今、先生のお話にもございましたように、企業収益が電気機械などの情報通信関連産業を中心に大幅に改善したことの影響である、こういうふうに考えておるところでございます。
○風間昶君 安定した法人税収を得るための方策は何かということに尽きると思うんですけれども、単純に言うと景気を良くすればいいんだと僕は思うんですが、その景気がなかなか良くならないわけで、じゃどうしたらいいんですかね、大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) 風間先生の頭の中では、やっぱり法人税、所得税というものは国税の骨格税収だと思っておられると思います。私も実はそうだったんです。 しかし、今度、財務大臣やりまして、ずっと過去の経過を調べてまいりますと、もう所得税とそれから法人税は、今やっぱり大きい、中心ではございますよ、中心ではありますけれども、将来にわたって国の基幹的税収ということを期待することはできなくなってくると思っております。 そのことは、やっぱり税の配分が、直接税と間接税との修正が必要になってくるし、同時に間接税の中でも消費税的なものとそれから資産税的なものということになってきまして、そういう区分で見ますと、基幹税制としての法人税の在り方というものは、私はもう要するに今までのような役割ではなくなってくるということを認識しなきゃならぬ。 そういたしますと、法人は何でかといったら、社会的応益性に伴った税金を納めてもらうということが一つ。これは確かに高めていかなきゃならぬと。これはやっぱり私は法人事業税の在り方の問題と絡んでくると思っておりますが、そういうことが一つあるということと、それから給与等を通じまして社会保障とかそういうものの負担を、やっぱり法人が擬制法人としての役割をしっかりと果たしてもらわなきゃいけないんじゃないかと、そういうふうな感じを持っております。 それによって財政の構造の改革も併せてやっていかなきゃならぬだろうと思っておりまして、法人税の、御質問の、直接、増税をどうしてするかということでございますが、とにかく活力を与えないと税収は増えないんでございますが、法人税の将来を中長期的展望に立つならばということで申しますと、先ほど言ったような私の感じを持っておるということで、独断でございますけれども、お許しいただきたいと思います。
○風間昶君 正に法人税は景気に左右されやすいわけでありますから、そうなると外形標準課税の議論につながっていかざるを得ないということで、今、正に財政審議会でも議論されているようでありますけれども、これをただ単に財務省として横目で見守っていていいのかという、私はそう思っているんですけれども、どう思いますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これはまだ総務省とも十分打合せをしなきゃならぬだろうと思っておりますが、私は個人の意見としてもう少し単純化できないだろうかなと思っております。 よく言われますように、外形標準課税を導入することによって、法人事業税全体は増税しないんだと、増税にならないんだということをよく言っております。それに対しまして一般の企業家は、いや、そんなことないと、どうしても増税になってくるだろうと見ております。それは外形標準課税の方のファクターの組み方によると思っておりまして、ここに一つ問題があろうと。けれども、このファクターをできるだけ公平中立にやろうとするならば物すごく複雑な税制になってしまうので、そこらはもう少し何とか理解しやすいものにしてもらえぬだろうかと思っております。 そこで、問題は、よく言われます外形標準課税を導入することによって法人税率の、法人の実効税率を下げると、こういうキャッチフレーズになっておるんですね。私は、これをやるとますます複雑になってしまいますので、外形標準課税は、これは地方税の安定確保のためにやらなきゃならない、やる目標なんだとはっきりしてしまって、法人の実効課税というのは、やっぱりいろんな条件をかみ合わせて、法人に活力を取ってもらうような税制、活力が出るような税制に考えていかなきゃならぬだろうということで、私は分けておるんです。 けれども、よくキャッチフレーズで、外形課税をすることによって、その結果として、利益を上げている法人にはいわゆる実効税率の引下げになるやないかと。これ一緒にされてしまうとちょっと議論は複雑になってくると思っておりまして、そういう議論を展開しておるんです。
○風間昶君 よく分かります。しかし、結果として、やっぱり実効税率下げるということと取られちゃうんですよね。そこ、難しいですよね。そこを、だから別建ての議論をちゃんと公開していくということが一つは大事じゃないかなというふうに思いますので、是非そのように進めていただきたいなというふうに思います。 次に、消費税収について。これまたいろいろあるんですが、十二年度において歳入予算をわずかに下回っているわけでありますけれども、これはやっぱり個人消費が低迷しているということの裏付けそのものだと思うわけでありますけれども、財務省としてはいろいろ分析されていると思うんです、このことについて。どう考えていくのかということでありますけれども、閣内にはデフレの影響が大きいというふうに公言をされる大臣もいらっしゃるわけでありますけれども、財務大臣はそういうふうに言ったということは、僕は聞いたことありませんが。 その辺について、消費税収についての、下回っていること自体よりも何よりも、デフレの影響ということとの観点では、分析をどういうふうにされて、どうこれからしていった方がいいのかということについて、ニュアンスをちょっとお伺いできれば有り難いなというふうに思いますけれども。
○国務大臣(塩川正十郎君) 消費税の増収ができなくて、若干減少になっておることは事実でございます。 これは、その割に経済の影響との関係というものをそんなに取れていないと思うんですけれども、一つは、経済が下支えをして、しっかり下支えをしてくれて落ち込みが少なくなってきたということ、このことが私は経済の再離陸に非常に役立ってきておると。 そうであるのに、消費税が下がっておる、何だということなんですが、私はこれ、輸出にシフトを、ずっと製造がシフトされてきたということでございまして、その関係が、要するに経済諸表と比べて、消費税、何でだろうなという一つの疑問ではないかなと。この解明はここにあるような感じがしておりまして、まだ詳細、消費税が何でこんななったのかということは最終報告受けておりませんけれども、私の感覚的な判断というものはそういうところにあると思っております。
○風間昶君 日本の公会計制度というのには単年度主義、単式簿記、現金主義が採用されて、決算の軽視ということも問題点としては挙げられるわけでありますけれども、公会計制度改革というのはもう国際的に流れになっているわけであります。正に、欧米諸国では複式簿記それから発生主義の導入をベースにして改革を進められているわけでありますから、私たち日本の公会計制度改革をどうしていったらいいのかということについては議論していかなきゃならないだろうし、あるべき姿というのを日本でやっぱり世界に発信していくことも大事じゃないかというふうに思うわけであります。 そこで、今現在の進捗状況について、公会計制度改革の進捗状況について伺いたいというふうに思います。
○副大臣(尾辻秀久君) 公会計のうちのまず国の会計から申し上げますと、平成十二年十月に企業会計の手法を導入いたしました国の貸借対照表を作成、公表し、昨年更にその改善を行ったところでございます。現在、特別会計につきまして、財政制度等審議会において企業会計の手法と考え方をできる限り活用した新たな財務諸表の作成方法の検討を行っておるところでございます。 また、特殊法人の会計につきましても、昨年六月、財政制度等審議会におきまして最新の企業会計原則に準拠した特殊法人等に係る行政コスト計算書作成指針を取りまとめまして、それに従い、各特殊法人等が行政コスト計算財務諸表を公表するなどの取組を現在行っているところでございます。 また、平成十二年十二月の行政改革大綱では、国民に対して国の財政事情を分かりやすく開示し、財政に係る透明性、一覧性の向上を図るとともに、説明責任を確保するとの観点から公会計の見直しを行うこととされておりまして、今、先生るるお述べになったとおりでございまして、財務省といたしましても、国の財政事情の開示につきまして更に改善の努力を続けてまいりたいと考えております。
○風間昶君 今、副大臣からお話しいただきましたけれども、いずれにしましても、何というか、ぶつ切りで情報公開されてもなかなか国民にとってみれば結び付けれない状況ですから、いつなら、いつまでぐらいに日本としての、我が国の公会計制度改革のまとめをするのか、そして、そのまとめをどういう形で情報を国民に提供するのかということが極めて大事だと思うんですけれども、それは、まず期間的にはどうでしょうか。いつごろまでにまとめられますか。
○副大臣(尾辻秀久君) 今申し上げましたような作業を進めておりますので、今ここで申し上げられますことは、できるだけ早くと、こういうことを考えております。
○風間昶君 できるだけ早くというのは、極めて受け取る側によっても発言する側にとっても温度差がある問題でございますけれども、年内と考えていいんでしょうかね。
○副大臣(尾辻秀久君) 今私がここで申し上げられますことは、繰り返しになって申し訳ないんですが、できるだけ早くと考えておりますということを再度申し上げさせていただきます。
○風間昶君 大臣もふくよかな笑いを込めてこちらを見ていますけれども、どうですか、大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは今、副大臣が言っておりますように、行政改革の一環として進めておりまして、たしか財政制度審議会の中に小委員会の方の答申が近く行われるんじゃないかなと思っておりますが、それと併せて、いつということを私は、ちょっと所管が違ってまいりますので、ほかの所管と関係してまいりますので申し上げられませんが、御趣旨に沿うように、できるだけ早く結論を出すように財政審の方にも、あるいはまた石原行政改革担当大臣の方にも要請いたしてまいりたいと思っております。
○風間昶君 分かりました。 それでは、文部科学大臣にもおいでになっていただいていますので、カネミ油症について若干お聞きしたいと思います。 御案内のように、昨年の十二月の十一日、この決算委員会で同僚議員がカネミ油症の原因につきまして、今まではPCBだけというふうに言われておったのが、ポリ塩化ジベンゾフラン、いわゆるPCDF、ダイオキシン類の一つでありますけれども、これも原因でないかということを取り上げさせていただいて、政府当局、当時厚生労働省の方でありましたけれども答弁されて、そして今年の一月の十二日、坂口大臣もこのことについて、カネミ油症の原因についてはPCBよりもむしろダイオキシン類のPCDFの方がより強いというふうに分かった、したがって診断基準も改めなきゃならないというふうに記者会見もされたわけでありますけれども。 そうなると、問題は、教育の観点で、現在、我が国のいろいろな公民科だとかあるいは社会科だとかの教科書でどういうふうに取り上げられていくべきなのか、またいった方がいいのかということが極めて大事になってくるんではないかというふうに思います。やはり将来を担っていかれるであろう中学生や高校生の方々に、こういった企業事件と言えば言えるんですか、いずれにしても、人間の生活に安全なことが脅かされているという事実をやっぱりきちっと知らしめておいて、風化させないということが大事なわけでありますので、まず、伺ったらPCBだけじゃなくてPCDFも含まれていたということが今回分かったことですから、今現在の教科書に記載されていないことは間違いないわけで、そうすると、これから検定が行われていくときにその教科書、それぞれの教科書の発行者がそのことについて記載していけるかどうかということがかぎになると思う。 しかし、その前に学習指導要領に文部科学省としての態度が問われるわけでありますので、これも学習指導要領についてはこの問題については恐らく触れていないと思いますから、学習指導要領にどういうふうにしていくのかという問題と、それから情報をきちっと教科書を発行する発行者に提供を、情報提供を文部科学省がする義務があると思いますけれども、この二点について大臣にお伺いしたいと思うんですけれども。大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) カネミ油症の問題につきましては、今、風間委員の方からお話がございましたように、その油症の原因物質といいますものは、PCBだけではなくてPCDFなどのダイオキシン類が大きな要因となっていることが判明したと聞いております。 現在では、その油症はPCBやPCDFなどの複数の化学物質による複合汚染であると認識しているわけでございますが、確かに現在の使われている教科書におきましてはそこまで詳しくは書いてないと思われます。 教科書につきましては、もう委員十分御存じのように、国がどこまで書けというふうなことでございませんで、民間の執筆者の創意工夫によって著作、編集されるものでございまして、その場合に、学習指導要領に書かれているものをベースにしながら、その範囲内で執筆者が判断するということでございます。 学習指導要領につきましては、これをどのように改訂していくかというのは相当な準備期間を経て十分に考えてやるべきものだと考えております。その絡みで申しますと、検定におきましてカネミ油症やそれの原因物質の記述を現時点で求めることは制度上できないわけでございます。 ただ、ダイオキシン類が大きな要因となっておりますことが判明したことを踏まえまして、誤解を招くような記述があれば、これは検定において適切に対処してまいりたいと思っているところでございます。
○風間昶君 誤解を招くような記述があればそれを訂正していくというより、むしろ予防的に、新しい事実が分かったわけですから、科学的にきちっと知見として出たわけでありますから、そのことについてやはり情報提供をそれぞれの教科書発行者にしていくということが、ある意味では文部科学省の役割の最初のスタートではないかというふうに思いますので、今の私は大臣の答弁は二番目にやらなきゃならないことを御答弁いただいたんで、最初にやるのは、やはり情報提供をきちっとしていくべきだと。 それは厚生労働大臣がちゃんと一月の十二日におっしゃっているわけですから、ちょうどたまたまお座りになっていますけれども、カネミ油症の話です、大臣、厚生労働大臣には聞いていませんのであれですが。是非、文部科学大臣におかれましては、分かった、ガセネタでなくてちゃんと科学的に開示された内容はやはり情報提供をすべきだというふうに思いますので、答弁は必要ありませんが、お願いしたいなというふうに思います。 次に、奨学金について伺いたいんですが、奨学金も本当に日本育英会がこれから独立行政法人化することになって、名前が、育英会という名前がなくなるから、いろんなところから奨学金がなくなるんでないかと、またあおっているところもあるわけでありまして、そうではないんだということをきちっとこの際聞いておかなきゃならないので、公明党としても一貫して奨学金制度の拡充に取り組んできたわけで、平成十一年度、十二年度の決算と少し離れますけれども、重要な点なので明らかにしておく必要があるというふうに思います。 今年の、十四年度予算の育英会の予算は去年に比べて百二十億ほど少ない千百二十七億円になっています。しかし、十三年度分の中には、私どもが主張してかち取った補正予算分、育英奨学金を拡充することをしまして、財投の資金が入っていますけれども、この資金が幾らかということをまず伺いたいと思います。 それで、その上で、減ったことは間違いないんだから、事業費としては前年に比べて百二十三億全体で減少したわけでありますと、そうすると、今度、奨学生、奨学金を受け取る学生さんの数は一体どのぐらい変化してくるのかなということが当然考えられるわけで、その推移について、二点お伺いしたいと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 奨学金の問題につきまして、御承知のように、日本育英会では無利子奨学金と有利子奨学金をお出ししてございますが、そのうち有利子奨学金につきましては、今お話ありましたように、十三年度、経済不況等によりまして貸与希望者の増嵩が見られたものでございますから、十三年度の補正予算で財投から百十七億円の追加をお願いして事業規模の拡大を図ったところでございます。 十四年度予算におきまして、これは特殊法人に係る歳出削減という政府全体の方針を踏まえまして、残念ながら一般会計からの投入については削減せざるを得ないという状況でございました。それが約百二十億円ということでございますけれども、ただ、全体でいいまして、無利子の事業については、一般会計からの投入額、減少せざるを得ませんでございましたけれども、有利子奨学金につきましては、財投資金、それから育英会におきます財投機関債の発行によりまして、全体として事業規模の拡大を図ったところでございます。数字で申し上げますと、事業費全体では四百三十四億円の増でございまして、これに伴いまして、貸与人員につきましても四万五千人の増の七十九万八千人の規模を今年度は確保しているところでございます。 また、有利子奨学金といいましても、御存じのような低金利の時代でございますので、無利子奨学金と余り有意差がない、お借りいただく学生さんにとってもさほど不自由をお掛けしないようなスキーム、現状になっているところでございます。
○風間昶君 そうするとあれですね、いずれにしても、厳しい財政事情の中で一人でも多くの方々が高等教育を受けられるように有利子奨学事業が拡充されてきているということであると思うんですけれども。 日本育英会が行ってきました公的な育英事業というのは、育英会という名前そのものが廃止されることは決定されたわけでありますけれども、制度としては堅持していかなきゃならないから、そうなると、その有利子奨学事業については今後とも低利を維持して、間違っても銀行の教育ローンみたいなと間違われないような枠組み、あるいは資金調達方法についての情報公開があってしかるべきだというふうに思いますが、この件について、大臣は情報公開、さっきも情報公開するというふうに、してほしいというふうに要求しました。このことについても、大臣としてのお考えをお伺いしたいと思いますけれども。
○国務大臣(遠山敦子君) 日本育英会につきましては、昨年十二月の特殊法人等整理合理化計画におきまして、廃止した上で国の学生支援業務と統合して新たに独立行政法人を設置するということになったわけでございます。 先ほど委員から、よく聞かれる、これについて心配をする方面から聞かれるというお話がございましたが、私どもの方にも、日本育英会を廃止するというのは奨学金がなくなるのではないかというような御疑問も時折寄せられるわけでございます。断じてそういうことではございません。育英事業の重要性というのは言うまでもないわけでございまして、ただ、日本育英会につきましては、特殊法人でございますが、これはいったん廃止はいたしますけれども、より強化をして学生支援業務をも総合的に実施する新たな独立行政法人にするという姿勢であるということをここで申し上げたいと思います。 有利子奨学金の返還条件につきましても、引き続き長期低利を原則として、過重な負担とならないように配慮をして、また情報公開等についても十分留意しながら適切に対処してまいりたいと考えております。
○風間昶君 ありがとうございます。 今後、金利上昇の局面にあっても奨学生の支払う利息が高くなっては困るわけです、合わせて。そのことについてもよろしくお願いしたいなというふうに思います。 通告してなかったんですけれども、今度独立行政法人になると、奨学事業だけじゃなくて留学生支援事業も行うことになるわけであります、この新たな学生支援機関がですね。そうしますと、これは通告してませんのであれですが、海外に留学して、そして学位を取得したいという優秀な有能な日本の学生さんがこれからたくさん出ていってもらうためにも、今までいただいている奨学金、極めて少ないわけで、この育英会が独法化するに伴って、新たな学生支援業務として留学希望者への奨学金制度を是非創設していただきたいと思いますけれども、これは真正面にみえる財務大臣が本当にうなずき菩薩でなくてやってくれるというふうに言っていただかないとあれなんですけれども、御要望をまずしたいと思いますが、それをもって質問を終わりたいと思いますので。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは一つのいいアイデアだと思いますね。私は、やっぱり国際交流を進める上において、日本も発信していく、向こうからの発信も受けるという両方の何が、交流必要だと。これは提案いただきましたので、私、中で、内閣で一回相談いたします。
○風間昶君 終わります。ありがとうございます。
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。 私は、初めに国の予算の執行をめぐって大きな問題になっています政府開発援助、ODAの問題で、特にその中の食糧増産援助の内容について質問をいたします。 外務省の二〇〇一年版ODA白書によりますと、食糧増産援助には、年度によって異なりますけれども、最近では二百億円を超える予算額、八〇年代、九〇年代に至っては三百億円とか四百億円という規模の予算が組まれていました。援助の内容は、飢餓や食糧不足に悩む国に対して肥料や農薬、農機具を無償で供与することになっています。ただし、無償で受け取るのは相手国の政府であって、肥料や農薬を実際に使用する生産者は政府にお金を払って購入するという仕組みになっています。 具体的に質問したいと思います。アフリカにモザンビークという国があります。ここは政府の資料によりますと、一九九八年のデータですけれども、人口は千六百九十四万人、一人当たり国民総生産二百十ドルといいますから、一ドル百二十円で換算いたしますと、一人当たりの金額、総生産は二万五千二百円ですね。 だから、外務省にまず聞きますけれども、このモザンビークに対して日本政府は食糧増産援助を何年度から開始して、これまでに総額どれだけの援助を実施したか、またこの援助の総額のうち農薬に相当する金額は幾らか、供与された農薬の量、何トンというのを示していただきたいと思います。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。 我が国のモザンビークに対します食糧増産援助は一九八三年度に開始をされまして、一九九七年度まで毎年実施をされてきております。この十五年間で総額百十五億円を供与いたしてきているところでございます。調達されました農薬の総額につきましては、判明している範囲で十一年間に約三十八・七億円となっております。調達された農薬の数量につきましては、モザンビーク政府の同意を得た上で最近年の九七年度についてのみ公表いたしておりますが、約二百六十八トンでございます。
○大沢辰美君 私は、できましたら十五年間の金額とそれぞれ、そして農薬の量を示していただきたいと言ったわけですが、非常に時間が限られていますので、今発表なかった点でNGOが調査したのでは、今言われたように九七年分は二百七十トンということが明らかになっています。だけれども、そのうち百トンが放置されたままになっているという実態も明らかになっていますので、後にこの資料を提出をしていただきたいと思います。委員長、よろしいでしょうか。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。 モザンビーク政府と諮りまして、可能な範囲内で提出をいたしたいと思います。
○大沢辰美君 よろしくお願いします。 食糧問題というのは、やはり本来、途上国自身の食糧増産努力によって解決されることが望ましいと、そういうことで、これまで外務省は、食糧を直接援助する食糧援助予算の約二倍から三倍の予算をこの肥料や農薬の援助に充ててきていますね。だけれども、この食糧増産援助というのは、その名の下にやっぱり供与された農薬が今現地では環境汚染だとか健康被害という重大な事態を引き起こしています。 今年の四月の二十八日ですけれども、全国紙で報道されていましたけれども、こういう形で、モザンビークに対して在庫承知で農薬供与という大きな見出しで出されていますけれども、そのことがやはり土壌汚染もという大きな不安を抱いているという記事が載っています。 この問題は、新聞報道が出る前から私は大きな問題になっていたと思うんですね。食糧増産支援を行っているネットワークの方、NGOの方がアフリカのモザンビークに行かれて、その現実をしっかりと見てきた調査の告発をしておりますけれども、その内容を見てみますと、モザンビークというのは一九七七年から九二年まで政府軍と反政府軍の勢力によって内戦が続いていますね。ですから、本当に農地は焦土と化しているし、人口の三分の一の人たちは避難民となっている実態もあったそうです。戦争と飢餓による死者は約百万人に上ったとも言われています。日本の援助物資が到着したのは、その武力紛争の真っただ中の一九八五年のことだったと言われています。そして、食糧増産援助の名で大量の農薬等が供与され、使われない農薬が全国に置き去りにされて雨ざらしになったという告発をしているんですね。 私は、このような事態が生じる可能性はやはり政府の調査でも推測はできたと思うんですね。その資料があるわけですけれども、一九九五年、今から七年前ですけれども、当時の総務庁の調査によりますと、経済協力に関する行政監察結果報告書がございますね。その中に重要な指摘がされています。 驚いたのは、この物資が被援助国の港、援助実施地区等への到着状況を把握されていないという指摘まであります。今起こっている未使用農薬の問題とのかかわりで、とりわけ重大なのは次の指摘です。被援助国からの要請内容等には不備なものが多いことから、被援助国の実施体制、資機材の仕様、援助対象地域の実情等について事前に現地調査を行うとともに、被援助国との十分な地域の実情等についてその協議を行って、ニーズの的確な把握を行うことが重要となっていると指摘をしているんですね。しかし、ほとんどの案件が現地確認調査が行われていないために、供与した資機材の仕様が現地に適応せず、十分な援助効果を上げられていないものが見られると、こういうふうに指摘をしています。 さらに、農薬の危険性についても指摘しています。報告書の九十ページに書いてあるわけですけれども、河川の、河川の水ですね、ここは生活用水として使っているんですね。だから、農薬の適切な使用方法について技術指導の必要があると、こういうことにも指摘をしています。 総務庁にお聞きいたしますけれども、このような重要な行政の監察と勧告を行って、その後これをどのように追跡したのか、再調査は実施していますか、お尋ねします。
○政府参考人(塚本壽雄君) お答え申し上げます。 私どもの行政監察の結果につきましては、その勧告後、必要な期間内に各関係の省庁から回答を得ることとなっております。 本件に関しましては、平成七年四月に勧告いたしまして、九年七月にその改善状況を回答を聴取したところでございます。 その中で、御指摘のようなポイントについて申し上げますと、一つは、援助案件の選定についての現地確認調査の実施等でございますけれども、これにつきましては、すべての援助対象国の調査を行うという計画の下で、七年度、八年度に所要の調査を行うという回答を得ているところでございます。また、援助終了案件の現地確認等についても指摘したわけでございますが、これにつきましては、各種調査団派遣等の機会に評価の手引を参考に現地確認又は評価調査を積極的に実施するという旨の回答を得ているところでございます。 私どもは、この回答を基に、その状況につき、必要があればまた必要な調査等を行うと、こういう考えでおります。
○大沢辰美君 七年前に勧告をして、それこそ五年前にその回答を得て、その後の再調査をしていないという実態があるわけですね。 次に、私は会計検査院にもお聞きしたいと思うんですが、参議院の行政監視委員会で、三年前の九九年八月二日、政府開発援助に関する決議を全会一致で行っています。その中で、「会計検査院及び総務庁においても、第三者的立場から、ODAに関する検査及び調査を強化すること」を求めています。ODAの中の食糧増産援助について、会計検査院はどのような問題点を把握し、国会にどんな報告を実施したのでしょうか。 また、この使えない、使わない農薬ですね、いわゆるオブソリート農薬と呼んでいますけれども、食糧増産援助によってこのような問題が起きることは、予算の使い方が非効率だというようなレベルを超えて、政策目的に逆行すると私は考えます。国民の税金を使って相手国の国益に反する政策を進めるものだと考えますが、ODAに絡むこのオブソリート農薬への問題意識と今後の対応についてお聞きします。
○会計検査院長(金子晃君) 食糧増産援助に関する検査につきましては、外務省、国際協力事業団に対して検査を実施するとともに、必要に応じて被援助国における現地調査を実施してきております。 現地調査に当たりましては、相手国の協力を得て、食糧増産援助の実施機関から供与した機材、資機材が相手方において適切に使用されているかどうか、また余剰となっている資機材はないかなどの点について説明を受けるということをしております。検査の結果につきましては、決算検査報告に掲記してきております。参考までに申し上げますと、十年度、十一年度、十二年度、十三年度、十四年度と検査をし、そしてまた現地調査については十年に三か所、十一年には六か所という形で現地調査等も行ってきております。 なお、御質問にありました農薬の件ですけれども、期限切れになっているという報道がなされたこともあり、現在、外務省からその事実関係や本件事態に対する対応策などについて説明を受けております。どういう原因でこういう結果になったのかということは厳正に究明していきたいと考えております。
○大沢辰美君 私、会計検査院の検査の評価実績も見たわけですけれども、やはりこの食糧増産援助の内容については、評価の実績の少ない事業として評価をしているという点を指摘し、やはりこのままでは、この問題を重要視して、本当に効果ある私はODAの中の食糧増産援助にはならないと思いますので、その点は特に各省庁、特に外務省に対してですけれども、厳しく対応をしていただきたいと思います。 外務省は、この日本の食糧増産援助とオブソリート農薬の問題という認識についてどう考えているのか。そして、このモザンビークの在庫農薬の処理について外務省はどうしようとしているのか。このモザンビーク以外の国にも農薬の供与、約四十三か国とも言われていますけれども、これらの国における在庫農薬の処理についてはどのように考え、どういう方向で対応しようとしているのかお聞きします。大臣。
○国務大臣(川口順子君) まず、食糧増産援助でございますけれども、これは実施に当たりまして、事前に相手国の政府から資機材の使用計画、配付体制、在庫報告等の提出を求めております。それとともに、定期的に現地に調査団を派遣することによって使用の状況も確認をしております。そして、供与後には外務省による評価、国際協力事業団によるフォローアップ調査も行っております。 モザンビークのケースでございますが、調達物質の配付を行っていた国営企業が民営化をされまして、不慣れな政府機関が配付主体となったこと、それから平成十二年に大洪水がございまして、その影響で我が国の食糧増産援助によって供与された農薬の未使用問題が生じたというふうに認識をしています。このような事態を受けまして、一九九八年度以降モザンビークに対しては食糧増産援助の供与を見合わせております。また、未使用農薬の管理体制の改善については、累次モザンビークの政府に申入れを行っておりますとともに、国際機関と連携をしながらこの問題への取組を支援をいたしております。今後とも、このような取組を続けてまいる所存でございます。 それから、オブソリート農薬についてどうするかという御質問ございましたけれども、これは地球環境に委員が御指摘のように影響を及ぼす危険性がある、あるいは途上国の持続的開発の障害となるというような認識を我が国も国際社会とともに共有をいたしておりまして、その予防、処理に関する国際的な取組の中で協力をする考えでございます。 具体的には、無償資金協力の予算を活用しまして、被援助国政府と協議の上、FAOがアフリカ諸国で使用するオブソリート農薬の予防、処理事業を支援をすることを検討をいたしているわけでございます。
○大沢辰美君 私は、やはり外務省は相手国の責任のような、今の答弁も感じました。 やはり、災害が確かに発生しております。だけれども、そういう情勢をきちっとつかんで、事前と事後を把握して調査をして技術的指導も行って、やはりこの農薬を含めて援助を効果的に発揮するのが外務省の責任であり、私は、NGOも頑張っているわけですから、そのフォローをしっかりとやれない状態では真のODAの役割は果たせないと思います。 そして、今も言われましたけれども、私は、このODAの事業の一つの食糧増産援助をこれから効果あるものとするということ、モザンビークは確かに急いでこの未使用の農薬を解決しなければいけませんけれども、そのほかの援助国に対しての調査も行って、抜本的な見直しを求めて、時間がありませんので、そのことを強く要望をしておきます。 大変時間がありませんので、次の質問をさせていただきます。 私、次に、准看護問題について質問をしたいと思います。 准看護師から看護師への移行教育についてなんですけれども、旧厚生省の准看護師の移行教育に関する検討会は、御存じのように、一九九九年四月、就業経験十年以上の准看護師を対象に五年間に限った特別措置として看護師への移行教育を行うという方針を出しました。しかし、いまだに開始されていません。旧厚生省の調査でも、准看護師さんの七三・二%の方が移行教育を受けたいと希望しております。 今、関係団体の合意が得られていないという実態も今までありましたけれども、今年の五月の日本看護協会総会でも、経験の長い准看護師にとっては現行の進学課程は進学しにくい状況にあるということで、道の拡大を検討する必要があるという理由から二年課程の通信制の弾力的運用という提案を行われました。その総会の決定を受けて、去る七月五日、協会は厚生省に申入れをされています。経験の長い准看護師から看護師への道を拡大が必要であるという点で、移行教育の実施に移す私は準備は熟したと思っています。 准看護師から看護師への移行教育について、その現状とその実施時期の見通しについて大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今御指摘になりましたように、准看護師から看護師への移行につきましては、私も速やかにこれは行うべきだというふうに思っております。 今もお話ありましたように、何年でしたか、一九九八年、九年ですか、一九九九年にそれがそのことにつきまして出されておりますけれども、現在まだそれが行われておりません。現在の我々の方針といたしましては、平成十六年度から開始をしたいというふうに思っております。 先ほどお話ありましたように、本年七月には日本看護協会からも申入れがございましたし、業務経験の長い准看護師さんが就業を継続したまま看護師になることができないままでお見えになりますので、これをできるように二年課程の通信制の弾力的な運用を図ってもらいたいと、こういう申入れあったわけでございます。できるだけこの運用を弾力化したいというふうに思っておりますし、そして関係の皆さん方と最終的なお話合いを詰めなければならないというふうに思っている次第でございます。 具体的にもいろいろの問題点ありますから、この一年ぐらいの間にその煮詰めを終わりまして、平成十六年からスタートできるようにしたいと考えております。
○大沢辰美君 待ちに待った十六年という数字が大臣から答弁がありました。本当に今四十万人余りの准看護師さんが、やはり三十万人の人たちは受けたいなと、移行教育を受けたいなと、そして看護のレベルを上げていきたいなという思いで、もういつ勉強を開始しようかということで準備をしているんですね。その準備の過程も私は厚生労働はされていると思うんですが、その内容、大体概要で結構ですが、お答えいただけませんか。
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいま大臣から申されましたように、なるべく十六年までの間の期間で、弾力性を図りながら二年課程、通信制への移行教育を進めたいと考えておりますが、具体的にまだいろいろ議論をしておるところでございますが、一つ二つ具体的に申し上げますと、臨地実習につきましては実習方法の弾力化を考えてまいりたいというふうに思っております。また、講義内容につきましては、印刷教材やレポートなどを活用して、自宅にいながら学習をできるようにしたいと思っております。さらに、既に放送大学などで修得した単位を、それを認定するというようなことも考えておりまして、弾力的な運用についてこれから検討してまいりたいと考えております。
○大沢辰美君 一部教育内容について説明をいただいたわけですけれども、私はやはり国が責任を持って、一定期間の中で希望者が全員受講できるような体制を作っていただくということが望まれると思うんですが、やはり地域によってはへき地もありますし、離島もありますし、本当に日本列島の中で全国に散らばっているこの准看護師さんが不公平が生じないような形でこの準備を進めていただきたいと思いますが、国の責任として、国の支援としてどのように今具体的に、まだ準備が始まっているところだけれども、そこはしっかりと押さえていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。局長で結構です。
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいま先生から国の支援ということで御質問ございましたので、私どもとしては、こういう二年課程の通信制を実施する施設に対しましてまず運営費の補助、それから施設、学校を建てる、造るときの施設の補助、それから設備整備のための補助というようなものを考えておりまして、必要な支援に努めてまいりたいと考えております。
○大沢辰美君 これから具体化されるわけですからすべてお答えいただけないと思いますけれども、やはり国の支援ない限り、この三十万人の准看護師さんを五年間で移行教育をするということは、私は計算しましたけれども、これは大変なことだなと思っています。ですから、そこはしっかりと全国津々浦々にこの移行教育のできる場所、そして通信も含めてですけれども、その体制を今から準備をしてくださるんだと思いますけれども、是非お願いしたいと思います。 御存じのように、私は、この移行教育というのは今まで望んで望んで進学コースに入った、若い人たちは入れたけれども、二十年の実務を持っているベテランの准看護師さんが、やはり新しい看護師さんが来られたら、自分はランクの上では下になってしまう、だけれども技術の上ではすばらしい技術を持っているというのが実態ですから、もうそれぞれ複雑な条件があると思いますが、そういう面も、調査を重ねておられますけれども、その人たちの期待にこたえられるようにしっかりとやっていただきたいということをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。 以上です。
○広野ただし君 自由党・無所属の会の広野ただしです。国会連絡会です。 先ごろ、平成十三年度の決算見通し、最終的な決算見通しといいますか発表されておりますが、いろんなやりくりをして、税収が大きな落ち込みをしたために四十七億円ですか、三年ぶりに歳入欠陥が出たと、こういうことであります。 私、予算委員会でも税収見積りのことを、昨年秋の国会でありますけれども、お聞きをいたしました。そのときも、もう非常に景気が悪くなっていて税収が非常に落ち込むんじゃないかということを言っておったんですが、案の定、結局、補正予算時から一兆六千八百億ですかの税収が更に落ち込んだと。もう半年の間に更に一兆六千幾らの税収が落ち込んだと。 これは結局、ちょっと意地悪く見ますと、意地悪くといいますか裏から見ますと、国債を三十兆円に抑えるということがまずあって、もうかなり税収が悪くなるということが見えていたのに高めに税収を見積もったんではないのかと、こういうふうに思えてならない側面もあるわけなんですが、この点、本当に実際、第一次補正のとき一兆一千億の税収の減額をしているんです。更に一兆六千億円ですから、全体的に見れば二兆七千億の税収が減っておると、こういうことになっておるわけで、余りにも税収の見積りが去年の秋から非常に甘いんじゃないかと、こういうふうに思うわけなんですが、塩川財務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 率直に申しまして、税収の見積りを非常に緩く見たという傾向、こう指摘されても私はやむを得ない状況があったと思っておりますけれども、しかし、それを全面的に私たちが作為的にやったものでは絶対ないということで、やっぱり希望を持って各地の国税局の実態等を十分に調査して、いけるであろうという、その点は多少甘かったとは思いますけれども、要するに、予算に合わせて税収を見積もっていったということではないということだけは御理解いただきたいと思います。
○広野ただし君 減額一兆一千億よりももっと大きな税収欠陥が出たということは、単なる甘いということではなくて、どうも三十兆円枠というものがまずあって、それを守るために、どうもそれ以上に増やすわけにはいかないと、税収がぐうっと落ち込むわけだから、それ以上もっと、本来は三十兆円を上回る国債発行が必要だったということを少しカバーするためになったんではないのかなという思いがいたしますが、そこはこの程度に収めまして。 昨年来から、一昨年来からですか、松尾事件に絡みまして、内閣報償費、機密費の問題が非常に国民的にどうなっているんだと、国民の税金をどう使っているんだということが指摘されておりまして、これは外務省の機密費のことも同様であります。 そのことについて、この四月の一日に、官房機密費の方については官房報償費の取扱いに関する基本方針、あるいは執行に当たっての基本的な方針、これは平成十四年度についての基本的な方針、さらに取扱要領ですか、これが四月一日に定められまして、少し良くなったのかなという感じがしないわけでもありませんが、実態を見ますと、どうも目的別、何というんですか、これは、出納管理簿ですか、こういうものが設けられたり、受け払い票ですか受け払い簿ですか、そういうものが設けられたり、あるいは支払決定書というものが設けられたりという形で少しは前進したのかなと思うんですが。 ところが、実際のところをこう見ますと、支障があると思われる場合は支払相手方を省略することができると、こういうことに出納管理簿はなっているわけなんですね。しかも、結局、支払相手は機密だからということで示す必要がないと。しかも、領収書に関しては全然どうなるのか分からないという形になっているわけですが、この点、会計検査院長、御相談の上でこういうことでいいというふうにされたんだと思いますが、いかがですか。
○会計検査院長(金子晃君) 報償費の点については、会計検査院では今回の事件の発生原因を究明するということで厳正な検査をし、その結果、報償費の執行体制、内部チェック体制に不十分な点があるということで内閣官房に対して措置要求をしたわけでございます。 この措置要求を受けまして、内閣官房の方で内閣官房報償費の取扱いに関しては管理体制を明確に定め、厳正かつ効果的な執行を確保することを目的とした基本方針等を定めると、先生今御指摘のようなことがなされたわけです。 会計検査院といたしましては、内閣官房が取りましたこの執行体制が守られるかどうか、また機能するかどうかということを今後検査をし、そして問題があれば指摘をさせていただきたいというふうに考えております。
○広野ただし君 官房長官にお伺いしますが、これで三か月ぐらいたつわけですが、責任者としてこの支出、支払相手方が明確じゃない、そういう場合というのはかなりあるものなんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 報償費の中身のお話を言っておられるわけですか。
○広野ただし君 中身、そうです。出納管理簿の場合ですね。
○国務大臣(福田康夫君) それはですね、これは所定の決まりに従いましてきちんとその書類上の処理もいたしておりまして、これは、そういうものについてはすべて保存をしております。
○広野ただし君 今お伺いしておりますのは、出納管理簿というものを、様式一ですね、それのところに支払相手方というのがあるわけですね。そこのところに、支払相手が支障があるという場合は省略することができると、こうなっているんですが、そういうものはかなりあるのかどうなのかということをお聞きしているわけです。
○国務大臣(福田康夫君) これは、出納管理簿でありますから、様式一ですね、ちょっと待ってくださいね、これについてはそういうものがどのぐらいあるかということでありますけれども、これは金額を申し上げるわけにはいかないけれども相当なものがございます。
○広野ただし君 相当なものがあるということは、結局、支払相手方というのは、正にこう書いてあるけれども、出納管理簿というものが整備されて少しは透明になったというふうに考えようかなと思っても、結局一つもなっていないと。形式的なものを整えたというだけであって、どうも、しかも領収書に至っては、これは全くできないということですから、本当にこれ、国民の税金を使っているということの意識があるのかなというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) これは報償費という性格からして、これはこの報償費の使途について、内政、外交に当たりまして、その政策目的若しくは調査費といったようなことで使用するものでございまして、その内容について明らかにできないと。それは、この報償費という性格上そういうことができないわけでございまして、その分についてここに記載する場合に、その使途が明確に、公にすることはできないということはこれはあり得るわけでございまして、それは報償費の性格からくるものでございますので、この点はひとつ御理解いただかなければいけないことだと思っております。
○広野ただし君 それともう一つ、会計検査院が指摘をしていました総理外国訪問における内閣官房と外務省の事務分担を明確に定めると、ここのところはどういうふうになったんでしょうか。これは官房長官に。
○国務大臣(福田康夫君) 総理の外国訪問に係る経費ということでございますね。
○広野ただし君 はい。
○国務大臣(福田康夫君) それがどのようになっているか、これは経緯を申し上げなければいけないんで……
○広野ただし君 それと、内閣官房と外務省との持分といいますか、そこを明確にしろというのが会計検査院の指摘なわけですよね。
○国務大臣(福田康夫君) これは明確にいたしております。 それは経緯を申し上げないとお分かりにならないと思いますので申し上げますと、平成十二年度の当初から、総理の外国訪問に当たっての総理大臣及び官房副長官の宿泊費については施設借り上げ費として庁費により支弁し、平成十二年八月から、旅費法の運用方針の改正に伴い、内閣官房職員の宿泊費については実費支給とするというような従来のやり方の見直しを行っております。 また、平成十三年からは、総理の外国訪問に伴う宿泊費についてはすべて庁費による施設借り上げ費として措置をするという改善措置を講じております。 また、十四年度からは、これは内閣官房と外務省との間における事務分担及び経費の分担の一層の明確化を図ると、こういう観点から、総理の外国訪問に必要な経費のうち内閣官房の職員の宿泊費等に要する経費以外は外務省において予算措置を講ずると、こういうようなことになりまして、ここのところしばらく、そういうような役割分担とか、それから経費の支払の責任の明確化というようなことを中心に改善を加えてきておるわけでございます。
○広野ただし君 それと、会計検査院が是正改善措置として要求をいたしました松尾事件に関する損害額を早期に確定をしろと、債権を保全しろと、こういうことでありましたですが、この点はどうなりましたでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 債権、合計が四億五千二百四十九万円ございまして、そして、そのうち回収したものが、例えばマンションの売却とか、それから銀行預金の差押えとかゴルフ会員権とか、そういうものを合わせまして三億四百九十八万円、この金額をこれまで回収をいたしたわけでございます。
○広野ただし君 松尾事件という大変な不祥事が起こりまして、外務省の方でもこの四月に外務省報償費についてというものを発表しておられますが、そのことについて、官房機密費とよく似たような点が多々あるのかなと思いますが、昨年の七月から、十万円を超える案件については副大臣以上が決裁をすると、こうなっておりますが、川口大臣になられてから大臣に上がってきているものというのはありますか。
○国務大臣(川口順子君) ございます。
○広野ただし君 かなりの金額になれば大臣のところにきちんと上がってくるんだと思いますが、十万円ぐらいのところは副大臣が決裁をされると、こういうふうに見ていていいんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 外務省では、実は入れ替わり立ち替わり出張に出ているものですから、別に金額が少ないのが副大臣で大きいのが私ということでもなく、いろいろ上がってまいります。
○広野ただし君 それと、今度の予算措置において、レセプション関係費、要人外国訪問支援関連経費というんですか、これを庁費に予算計上しておられますね。これも結局、レセプション関係とか外交関係ということで、官房の方ではもう一切それは出さない、外務省の方の庁費の方できちっと措置をすると、こういうふうに考えていていいんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 今年の四月に発表いたしました外務報償費の中で、今、正に委員がおっしゃられましたように、平成十四年の予算からレセプション開催、要人外国訪問支援関連経費では庁費でやっております。その中には、ちょっと今取りあえず確認したところでは、外務省以外のもの、要人訪問支援関連経費等については入っていると聞きました。
○広野ただし君 入っておるということですね。そうしますと、官房機密費でもやっぱり出しておられるということでしょうかね。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほども申し上げたんですけれども、平成十四年度からは内閣官房と外務省との間における事務分担、経費負担、分担の明確化を図ると、こういうことをしておりまして、総理の外国訪問に必要な経費のうち、内閣官房の職員の宿泊費等に要する経費以外は外務省で予算措置を講ずると、こういうふうになっております。
○広野ただし君 結局、外務省の機密費の、何といいますか官房召し上げといいますか、それはないんだということでずっと言ってきておられるんですが、結局その区分がはっきりしませんと、結局いろんな要人に関する費用は全部外務省にと、こういうようなことになって、明確になっておるのか、どうも相変わらずどっちになっているのかよく分からないというところにもう一つ、何か会計検査院の指摘に明確にもう一つ答えていないのかなという感じがいたします。 続きまして、健康保険の引上げ問題、国民負担の問題がありますが、そのことに関係しまして厚生大臣に伺いますけれども、一つは国立病院等における医師会費の負担問題、これはまあ会計検査院が指摘しておりますが、百七十の国立病院を調査したところ、百二の病院で医師会費の支払を国費で行っていると、こういうことでございますが、この点いかがですか。
○政府参考人(河村博江君) 国立病院・療養所におきます医師会費の取扱いにつきましては、従来より、国立病院・療養所の運営上、医師会への入会を必要とする施設におきましては、施設を代表する者の会費に限って公費をもって支出することを認めてきたところでございます。 と申しますのは、国立病院・療養所は、地域におきます医療提供体制の中で、他の経営主体の医療機関では対応が困難な領域に対する医療、あるいは高度先駆的医療、高度専門医療、そういったものを実施しておるわけでございますけれども、そのためには、地域の医療機関との連携を図り、協力体制を確保しながら、地域における役割を十 分に果たしていくということが必要であるというふうに考えておるわけでございます。 このためには、地域の医療情報に精通する医師会との密接な連携が必要になると判断される場合には、施設の代表者に限って国費を充てることができるということにしておるわけでございまして、それ相応の妥当性があるんではないかというふうに考えておるところでございます。
○広野ただし君 医師会は、特にいろんな政治活動もします。どういうお金の使い方をされているのか、もう一つ分からないところがあるところをですね、医師会費の会費というものを国費で負担をするというのは、もうこれは会計検査院も改善措置ということで指摘しているわけで、国立病院の院長といえども私は許されないことではないのかと、こう思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 国立病院に所属します医師はたくさんいるわけでございますが、そのほかの医師はもう別で、それぞれが自分の意思で医師会に入っているんだろうというふうに思いますけれども、院長一人はそれは病院がひとつ入ってほしいと、本人がもう入る意思がなくても一遍入ってほしいということで言っているんだろうというふうに思います。 しかし、そこはいろいろの御指摘のあるところでございまして、今後、そうしたことにつきましても、果たしてそこへ入らなきゃならないものなのかどうかということも含めて検討したいというふうに思います。
○広野ただし君 ポケットマネーで入ればいい話で、実際、国費で負担しているのが、ちょっと調査しただけでも、百七十国立病院を調査しただけでも千七百万ぐらいになるんですね。まあ、それはお医者さんですから、そんなの負担しようとすれば何でもないんで、ということであります。 それと、ちょっと答弁が長かったりなんかしましたので、ちょっともう一つあれさせていただきますと、ケアハウスの施設整備、これで入居率が七〇%以下、あるいは全く入居していない、入居三〇%以下とかという施設が一杯あるわけですね。これはやはり大変問題で、本来みんな列を成して、特別養護老人ホームなんかは列を成して待っている人たちが一杯おります。こういう中で空き部屋が一杯あるという、この国庫補助金の使い方、この点も会計検査院は指摘しているところでありますが、やはりこういうところの、遠いからとか、何かいろんなことの理屈がありますけれども、それは全くおかしなことで、国費の無駄遣いのないように、そうしませんと国民の皆さんが健康保険等で負担をするということでとてもいたたまれない気持ちだと思いますので、最終的に、大臣、ひとつよろしくお願いします。
○国務大臣(坂口力君) これは地域による格差というのは非常に大きいだろうというふうに思いますし、多分そうしたところは非常に不便なところか、あるいはまた施設の内容が非常に悪いか、どちらかだろうというふうに思いますが、現在、その点につきまして、速やかに空き部屋の解消に努めるように市町村に対しまして今指導を行っているところでございまして、これはなくするようにしていきたいと思います。
○広野ただし君 終わります。
○田嶋陽子君 社民党の田嶋陽子です。 今月十八日に参議院内閣委員会で、私たちが提出した議員立法である戦時性的強制被害者問題解決促進法案の趣旨説明が行われる予定です。何とか法案を審議していただきたいと、私もほかの発議者の議員や元慰安婦の女性たちと一緒に、参議院議長を始め与野党を問わず多くの議員たちに働き掛けてきました。 日本政府はこの問題をサンフランシスコ講和条約等で解決済みとしていますが、このままでは第二次大戦の戦争責任を果たすことにはなっていないと思っています。間もなく、また八月十五日、終戦記念日がやってきます。今年もこのままでは日本政府の態度が世界じゅうから注目され、また批判されます。毎年毎年同じ批判が繰り返されています。私は、このマイナスイメージの日本を何とかしないといけないと思っています。 そこで、私は、今取り組んでいる従軍慰安婦問題について質問させていただきます。 元慰安婦の人たちは、実名を公表して、第二次世界大戦中の慰安婦体験を語り始めました。実名の公表で周囲からの風当たりが強く、家族や周囲の人たちにも迷惑が掛かり、とてもつらいと彼女たちは話しています。高齢になっても、忘れたくても忘れられない心の傷と痛め付けられた体の傷の後遺症に日々苦しみながら生きています。自分たちの名誉回復と正義のための闘いです。 御承知のとおり、韓国、フィリピン、台湾、インドネシアなど出身の元慰安婦の女性たちは大変に高齢化しています。残された時間もそう多くはないこともお分かりいただけると思います。何とか、元慰安婦の女性たちに日本が国として謝罪し、補償金を支払い続けることができないものだろうかと、私たちはNGOの人たちとともに努力してきました。これにこたえる形で日本政府はアジア女性基金を発足させ、政府の拠出金と国民からの募金を募り、一部の元慰安婦の人たちに償い金を渡したり、福祉施設を建設したりしてきました。 けれども、国民の募金は、不況下ということもありまして、集まらなくなりました。結局、このような国民の善意に頼るやり方では基金の原資も底をつき、安定的な事業運営が難しくなっているということです。こうしてアジア女性基金の償い金が不足した結果、名乗り上げ始めた被害者の人たちに支払えない状況も生まれ、総理大臣始め閣僚も歳費の中から償い金に寄附をしておいでだということが七月二日に報道されました。 そこで、福田官房長官にお伺いします。 総理大臣を始め閣僚から寄附を募ることになった経過を簡潔に説明してください。
○国務大臣(福田康夫君) アジア女性基金への閣僚等の寄附につきましては、去る七月二日の閣僚懇談会におきまして私から閣僚のメンバーに対しまして、現在国庫に寄附しております給与の七月分を基金に寄附することについて発言をし、御了解をいただきました。 これは、政府として必要な協力を行ってきた女性のためのアジア平和国民基金の行っている償い金の支給事業の申請期限が五月一日に到来いたしました。その事業の仕上げ、総仕上げの時期に差し掛かっておる、そういうような節目に当たりまして、過去の例も参考にして寄附を行うことになったわけであります。 ただいま委員は、基金が資金難であるからということで、ということをおっしゃいましたけれども、そういうことではございません。そういう節目に当たり、各閣僚が基金を支援したいという気持ちの発露として行ったものでございます。
○田嶋陽子君 再び福田官房長官にお聞きします。 厚生労働省より聞きましたけれども、坂口厚生労働大臣は寄附をお出しになっていらっしゃらないとのことです。どの閣僚が寄附をして、どの閣僚が寄附をしておいででないのか、そこにはどのような判断が働いているのでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 全閣僚、総理も含めまして全閣僚、そしてまた内閣官房副長官が寄附をいたしました。 ただし、国務大臣の中で一人、これは、参議院の比例代表の扇国土交通大臣は、これは公職選挙法の関係がございまして寄附ができないということでございますので、これ以外の方、今申し上げた方々は皆さん寄附をいたしました。
○田嶋陽子君 川口外務大臣にお伺いします。 川口外務大臣はどのようなお考えで償い金に寄附を決められたのでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 私は、この慰安婦の問題というのは、当時、軍の関与の下に多くの女性の尊厳を傷付けた問題であったと思います。 そういうことは基本的な考え方でございますけれども、今回寄附をいたしましたのは、こういう、今、官房長官おっしゃいましたように、事業の仕上げの時期に、そういう節目でございますので、昨年もいたしましたけれども、寄附をいたしましたけれども、昨年同様に、閣議メンバーとして基金を支援したいと考えたということでございます。
○田嶋陽子君 福田官房長官にお伺いします。 これは議論の多い基金ですが、すべての被害者が喜んで受け取っているわけではないという事実があります。なぜ被害者たちは基金からの償い金を受け取りたくないと思っているのか、御存じでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) いろいろなケースがございまして、喜んでくだすっている方もいらっしゃいます。そして、そういう中で、名前が出ては困るというような方もいらっしゃいます。私は、多くの方に喜んでいただいているのではないかと思います、実際はね。あと、拒否されていらっしゃる方もおられるということも、そういうことも存じております。
○田嶋陽子君 なぜ拒否されているのか御存じでしょうか。もう一度お願いします。
○国務大臣(福田康夫君) 個々に当たらなければ分からないことかもしれませんけれども、いろいろな事情があると思います。その中でもって、日本政府が正式な謝罪として出すべきであると、こういうような考え方をされていらっしゃる方が受取を拒否しているという話も伺っております。
○田嶋陽子君 そのとおりなんですね。その償い金を受け取ろうとしない元慰安婦の人たちは、その中の一人の人である韓国の李容洙さんはこう言っています。民間が戦争したわけではない、民間から集めた金をもらうことは逆に売春婦にされたことと同じという意味のことを話しています。 私は、この言葉は真実を突いていると思います。この人たちは自分の意思で慰安婦になったわけではありません。それなのに、世間からは今もってこの人たちは金が欲しくて慰安婦になったんだと思われているわけです。それがつらいと被害者たちは訴えています。その偏見の中で被害者たちは暗い一生を送ってきています。 日本政府が、先ほど外務大臣もおっしゃったように、強制的に慰安婦を作り、国連人権委員会はそれに対して性奴隷という言葉を使っていますが、その性奴隷にしたという事実をはっきり認めて、このことに対して国が謝れば、彼女たちの名誉は回復されます。戦争は国が起こしたものであって、民間が起こしたものではありません。個人や民間の金で補償金を支払うのではなくて、国が強制的に慰安婦にさせたという事実に対して、国の名で責任を認め、国の名で補償金を支払うべきだと思っています。 福田官房長官にお尋ねします。 国連人権委員会のクマラスワミ報告やマクドゥーガル報告では、従軍慰安婦に個人補償をするよう意見書が出ています。ILO専門家会議でも補償を求める声が出ています。そのことに関して官房長官はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) そういうような御意見があることは承知しております。 法的に申し上げれば、このさきの大戦にかかわる賠償並びに財産及び請求権の問題につきましては、関連の条約等に従いまして、我が国として誠実に対応してきているところでございます。 他方、いわゆる従軍慰安婦問題につきましては、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷付けた問題と認識しておりまして、政府としても、これまでおわびと反省の気持ちを様々な機会に表明をしてきておるところは、御案内のとおりだと思います。 補償につきましては、御指摘のようなお考えをお持ちの方々もおられるかとは存じますけれども、さきの大戦に係る法的処理において政府が誠実に対応してきたこと、また、加えまして、日本国民と政府のおわびの真摯な気持ちの発露としてアジア女性基金の事業が実施されてきているという経緯がございます。そういう経緯について御理解をいただきたいと思っております。
○田嶋陽子君 法的処置云々に関しては法案審議のときにまた議論したいと思いますが、ここでは私は一つの提案をしたいと思います。今おっしゃったように、今までの流れからいって、この従軍慰安婦問題に国が真正面から取り組むのは難しい課題かとも思います。 そこで、提案があります。いわゆる従軍慰安婦問題の早期解決に向けては、ハンセン病の例に倣っていただくのはどうかと思います。ハンセン病の場合には、国の最高責任者である総理、その陰の功労者と言われた福田官房長官の英断でこの問題は解決し、多くの患者や関係者たちに喜びをもたらしました。この慰安婦問題の解決に向けても、官房長官にはハンセン病の場合と同じ考えで臨んでいただくことはできないものでしょうか。そうすれば、日本のイメージ、マイナスイメージがプラスイメージに変わり、日本への国際的な評価が大幅に上がることは確かです。 お考えをお聞かせください。
○国務大臣(福田康夫君) この問題につきましては、過去にいろいろな方々が携わってこられたわけでございまして、そしてその結果、またその経過においても、ただいま私が申し上げましたようなそういうような説明をさせていただいてきておるわけでございまして、私もそのような考えに変わるものではございません。 我々も、そういうような過去にあったことについていろいろな思いがあるわけでありますけれども、しかし、我が国としてできる限りのことはしてまいりましたし、今後もそういう必要に応じて対応していかなければいけないかと存じております。
○田嶋陽子君 政府はいつも同じような答弁を繰り返されます。それでも、少し考えていただきたいと思います。 そこで、しつこく、ハンセン病解決への私は政府の決断は英断だったと思って敬意を抱いております。私が考えるハンセン病患者と元慰安婦の女性には共通点があります。いずれも高齢で残された人生に限りがあること。つらい思いを抱えながら人生を過ごしてきて、最期を迎えるまでに何とか積もり積もった思いを晴らして、心安らかに残りの人生を送りたい。そして、加害者である日本政府の責任をはっきりさせて謝罪と補償を求めたいというその点です。 昨年五月二十五日に、総理は、総理大臣談話を発表なさいました。その中で、総理は、今回の判決の認容額を基準として、訴訟への参加・不参加を問わず、全国の患者・元患者全員を対象とした新たな補償を立法措置により講ずることとし、このための検討を早急に開始すると。そして、名誉回復及び福祉増進のために可能な限りの措置を講じるとしておられます。そして、患者・元患者から要望の高い年金の創設などを検討事項に掲げ、今年四月から、一人当たり月額十七万から二十六万円が支払われています。 私が今回注目したのは、十三年度の一般会計予備費の中に、ハンセン病予備費としてハンセン病患者補償金、約六百八十三億があったことです。本来これは予算化して支払うものですが、各省庁の予算に計上できなかったことからハンセン病補償金支給に関する法律の施行に伴い、内閣の責任で支出を決めた経費です。具体的に言うと、一人当たり八百万円から一千四百万円の幅で補償しています。この補償金も年金も、小泉首相と福田官房長官の昨年の英断がなければ元患者の手には渡りませんでした。 私は、裁判の原告を始め、残された人生がそれほど長くない被害者たちが自分の一生を国の判断の誤りのために台なしにされたと訴えるとき、その声に耳を傾けないわけにはいかないと思っています。心安らかに一生を終えることができるよう私たちは努力し続けたいと思っています。この慰安婦問題は、国のトップである総理や官房長官を始め、閣僚方々が今こそイニシアチブを取って解決すべき問題であると私は考えております。 福田官房長官、御答弁よろしくお願いします。
○国務大臣(福田康夫君) 御高見、確かに承りました。お考えもよく分かりますが、我が国としては、政府といたしましては、先ほど申し上げたとおりの対応をしてまいったわけでございまして、今後もその考え方というものは変わらないだろうというように思っております。
○田嶋陽子君 それでは、少し福田官房長官には考える時間を差し上げます。 今回、私たちが提出した戦時性的強制被害者解決促進法案の審議ですが、これは内閣委員会で行われることがやっと決まりました。しかしながら、私たちの法案趣旨説明も、そして審議も、福田官房長官は欠席なさるということですね。福田官房長官は内閣委員会の担当大臣でいらっしゃると思いますが、変更はまだありませんか。
○国務大臣(福田康夫君) いや、今説明聞いたんですけれども、この従軍慰安婦問題については、私が必ずしも担当大臣じゃないということのようであります。総務省とか、それからほかの省庁、外務省、それでまた、私ども全く関係ないというわけではないかと思いますけれども、そういうようなことでございますので、内閣委員会に出席するかどうかは国会でお決めいただくことでございますので、その辺は御理解をいただきたいと思います。
○田嶋陽子君 でも、官房長官は内閣担当大臣でいらっしゃいますよね。必ず御出席願いたいと思います。私たちは大臣が出席なさらないと聞いて慌てふためいていましたけれども、大臣はじゃ出席なさるおつもりでいらしたんですね。分かりました。それでは楽しみに待っております。 実は大臣は、三月十九日の内閣委員会で、私が官房長官に、審議の過程において従軍慰安婦の人たちや研究者の人たちを国会に呼んで、是非話を聞いていただきたいと思うけれどもいかがなものかと申し上げましたら、大臣は、国会の意思を尊重するというとても前向きな発言をしてくださったんですよね。ですから、大臣が出席にならないなんて聞いて、だれがそんなことを言ったのか分かりませんが、私たちは本当にびっくりしていたんですけれども、出席なさると聞いて安心しました。よかったですね。 それで、私は、もし官房長官が出席にならなければ総理に出ていただきたいと思っていたんですね。マイクが邪魔ですね。見えませんね、お顔が。 どういうことかと申しますと、またその辺でやじが飛ぶかもしれませんけれども、この問題は、韓国では金大中大統領が独自の従軍慰安婦対策を取って、日本に対して厳しい発言をしています。慰安婦問題は日本政府の問題であって日本国民の問題ではない、だから国民からお金をもらう筋合いはなく、そういうものをもらえば事の本筋をすり替えることになると。これは雑誌「世界」九八年十月号ですが、そこで対談しておられます。相手が大統領なら、日本もこの戦後補償問題には首相が答えるのが当然かと私は考えています。 ですから、官房長官お出になってくださると伺って大変よかったんですが、もし駄目ならば私は首相に御出席願いたいと考えていました。それでないと、女性をべっ視することだけでなくて、やっぱり相手の国をべっ視することになると国際関係上望ましいこととは思われなかったからです。 それで、私はもう一度しつこく申し上げます。 まあ一日考える時間を差し上げる、二日ありますから、内閣の委員会までには、考えてください。もう一度、ハンセン病の例のような形で国のトップの方の判断を、英断を期待しております。もう一度、よろしかったらお答えください。
○国務大臣(福田康夫君) 時間の余裕をいただいたそうでございますから、ようく、ようく考えてみます。
○田嶋陽子君 とてもうれしいお答えです。ようく考えて、将来の日本のためにも、日本の国際的評価のためにも、英断、熟慮なさることをよろしくお願いいたします。 以上、終わります。
○委員長(岩井國臣君) 他に御発言もないようですから、平成十一年度決算外二件及び平成十二年度決算外二件の本日の質疑はこの程度といたします。 予備費関係十二件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩井國臣君) 御異議ないと認めます。 ─────────────
○委員長(岩井國臣君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、荒井正吾君及び後藤博子君が委員を辞任され、その補欠として小泉顕雄君及び山下英利君が選任されました。 ─────────────
○委員長(岩井國臣君) それでは、これより予備費関係十二件を一括して討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○川橋幸子君 私は、民主党・新緑風会を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成十二年度一般会計公共事業等予備費外十一件に対し、承諾を与えることに反対する旨の討論を行います。 以下、理由を申し述べたいと思います。 まず、平成十二年度公共事業等予備費五千億円の使用は問題があります。 憲法第八十七条及び財政法第二十四条は、予備費の目的を「予見し難い予算の不足に充てるため」と規定していることは御承知のとおりであります。予備費は、使途が定められておらず、その配分に当たっては、国会の議決を経ることなく閣議決定、財務大臣決定のみで行われるものであり、それゆえ、例外的、制限的に考えるのが財政法の趣旨であると考えます。また、国会の事前議決の例外である予備費については、この原則を没却させる巨額の計上は憲法の趣旨に反します。公共事業等予備費は、この双方に違反し、認め難いものであります。 公共事業等予備費は、我が党の再三の指摘によって十四年度予算には計上されませんでしたが、このように使途を特定なものに限定した予備費は、予備費制度の趣旨を逸脱し、財政民主主義の根幹を否定し、憲法違反であると言っても決して過言ではありません。今後このようなことのないよう、予備費本来の趣旨にのっとった措置を求めます。 次に、十二年度・十三年度一般会計予備費を見ますと、十三年度において牛海綿状脳症、いわゆるBSEの発生に伴う予備費使用があります。BSE問題については、会計検査院からも冷凍格差に関する助成金の半分以上が不適切との指摘がなされ、そのいい加減さが浮き彫りになっております。 私は、昨年十一月の本会議において、国、特に農林水産省の対応の失態と責任を追及いたしました。国際機関からの警告を軽視し、EUからの助言をも握りつぶし、安全と言い張った農水官僚による畜産行政の失敗と責任を税金で糊塗しようとするもので、断じて容認できるものではありません。 また、法務省における矯正収容費の不足を補うための経費が使用されておりますが、これは昨年の予備費審査においても指摘したものであり、支出目的自体に異議はありませんが、七年連続の使用となっておりまして、問題があると考えます。同一事項での予備費使用がこのように長く続くという状態は、予見し難い予算の不足と言えるものではありません。政府は、正確な見積りを行って予算に計上し、このような使用を極力避けるべきであると考えます。 次に、十二年度・十三年度特別会計予算総則の規定に基づく経費増額については、公共事業等予備費の支出に伴う経費などの増額を含んでいることなどから承諾できません。 以上申し上げた点について、政府に強く反省を求めるとともに、予備費制度の趣旨にのっとった予算計上と厳正かつ適正な執行をすることを要求し、私の反対討論を終わります。
○佐々木知子君 私は、自由民主党・保守党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成十二年度一般会計公共事業等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外十一件に対して承諾を与えるべきものと議決することに賛成の意を表明し、以下、討論を行います。 予備費は、憲法第八十七条及び財政法の規定に基づいて、予見し難い予算の不足に充てるために国会の議決に基づいて設けることを認められた予算であり、内閣の責任において使用された後、国会の事後承諾を求めるものであります。 まず、一般会計の予備費使用の内容を見ますと、有珠山噴火や三宅島火山活動に伴う緊急観測監視体制に必要となった経費、鳥取県西部地震等によって被害を受けた地域の災害復旧経費の補助やハンセン病訴訟に伴う損害賠償金等に必要となった経費など緊急に支出する必要が生じた経費であります。 また、米国への同時多発テロに伴う国際的なテロ防止及び根絶のために国際社会と一体となって協力支援する等の経費と、これに関連し、アフガニスタン及び周辺国に対する人道的支援等に必要な経費、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ゴラン高原等における国際平和協力業務の実施に伴い必要となった経費への使用は、我が国が国際社会の一員として国際的責務を果たし、国際貢献を緊急に行うために必要不可欠なものであります。 次に、特別会計の予備費使用及び特別会計の予算総則の規定に基づく経費の増額について見ますと、農業共済再保険や漁業再保険及び漁業共済保険の特別会計における再保険金の不足を補うために必要な経費、交付税及び譲与税配付金特別会計における地方譲与税譲与金等に必要な経費の増額などであり、適正なものであります。 なお、悪化している経済情勢にかんがみ、景気の下支えに万全を期すため十二年度に使用された一般会計公共事業等予備費は、景気の浮揚に貢献したものと考えます。 これらの予備費使用は、憲法及び財政法の規定に照らし、いずれも適正かつ妥当なものであり、国民の納得をいただけるものと確信していることを申し上げ、私の賛成討論を終わります。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題になりました予備費等承諾案件のうち、平成十二年度の一般会計公共事業等予備費使用総調書、一般会計予備費使用総調書(その1)、特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書(その1)及び平成十三年度の一般会計予備費使用総調書(その1)(その2)、特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書(その1)の計六件について不承諾の意を、残余の六件について承諾の意を表明します。以下、その理由を簡潔に述べます。 平成十二年度一般会計公共事業等予備費使用総調書の内容は、関西国際空港、中部国際空港など大都市圏拠点空港の整備など、国家プロジェクト推進と称する大型公共事業が中心で、中小企業には仕事が回らず、大手ゼネコンだけが潤い、国や地方自治体の財政破綻にも拍車を掛けるだけでなく、景気回復にも役立たないことは明白であります。 しかも、本予備費の配分の大枠は、衆議院選挙の解散当日、連立与党三党で決められたものであり、利益誘導予備費とも言われてきたものであり、承諾できません。 平成十二年度一般会計予備費使用総調書(その1)の中には、皇太后大喪の儀及び陵の営建に必要な経費、ゴラン高原への自衛隊派遣経費など、承諾できない予備費使用が含まれています。 例えば、ゴラン高原への自衛隊派兵は、憲法の平和原則はもちろん、PKO協力法にさえ明確に違反するものであります。こうした予備費使用は承諾できません。 平成十二年度特別会計経費増額総調書(その1)は、公共事業等予備費五千億円のうち二千八百億円余が計上されています。その内容は、高規格幹線道路、関西国際空港二期工事や中部国際空港工事のための出資金等が含まれ、大手ゼネコン奉仕の大型公共事業の拡大につながるものであり、承諾できません。 平成十三年度一般会計予備費使用総調書(その1)及び(その2)には、産廃処理業者への焼却炉撤去・休業補償への支払経費、ゴラン高原への自衛隊派遣費用、テロ対策特別措置法に基づく自衛隊のインド洋派遣費用等々、承諾できない予備費が含まれています。 例えば、テロ対策特措法に基づく自衛隊のインド洋派遣は、アメリカ等の武力行使と一体となった兵たん支援活動にほかならず、憲法上禁止されている集団自衛権の行使そのものであり、憲法前文と第九条に違反することは明らかであり、承諾できません。 さらに、BSE対策としての国産牛肉買取り事業は、雪印食品、日本食品の偽装事件だけでなく、全箱検査もしないで焼却し、補助金の概算払をしたのに相手先企業も明らかにしないことからくる数々の疑惑が指摘されているずさんな事業であり、到底承諾できません。この買取り事業の前提となり、一体に行われてきた緊急保管事業について、過大な助成金が支払われたとして是正措置要求が会計検査院から出されていることは重大であります。 平成十三年度特別会計経費増額調書(その1)は、宮城・石巻、広島・呉の直轄港湾改修、愛知・東海環状自動車道など、ゼネコン奉仕、環境破壊、採算の見通しがない開発型公共事業が含まれており、承諾できません。 最後に、平成十二年度特別会計予備費使用調書(その1)など残余の六件の内容は、医療、社会福祉、災害復旧等々、国民生活に密接に関連する経費の使用が含まれており、いずれも承諾するものであります。 以上、各案件に対する態度とその主な理由を申し述べ、私の討論を終わります。
○委員長(岩井國臣君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩井國臣君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 平成十二年度一般会計公共事業等予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、平成十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(岩井國臣君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩井國臣君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十五分散会