経済産業委員会 第14号
- 発言数
- 83 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2002/05/21
会議録
○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告を申し上げます。 昨日、片山虎之助君が委員を辞任され、その補欠として段本幸男君が選任されました。 ─────────────
○委員長(保坂三蔵君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に公正取引委員会事務総局経済取引局長鈴木孝之君、公正取引委員会事務総局審査局長上杉秋則君、厚生労働大臣官房審議官鈴木直和君及び経済産業大臣官房審議官鷲見良彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(保坂三蔵君) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○平田健二君 おはようございます。 片山大臣、なかなか大臣がこちらの委員会に出席してもらえないものですから、一か月待ちました。私、この法案の審査で一か月前に質問させていただいて、今日、一か月ぶりです。お久しぶりでございます。どうぞよろしくお願いします。 まず、独禁法のお話をお聞きする前に、国際協力銀行の件でお尋ねをいたします。 経済産業省、御承知だと思いますが、昨年の四月に国際協力銀行が中国の湖北省に化学繊維プラント建設のための資金供与をしたわけですね。供与じゃありませんが、貸付けですか、約日本円で七十三億円。ポリエステルの製造工場なんですが、このことについて、お聞きするところによると、経済産業省にはこの決定にかかわる議論に参加していなかったと、こういうお話を聞いております。あわせて、この融資計画が決定した後に、北陸を中心とした繊維の業界の皆さんが国際協力銀行に抗議といいますか、どういうことだというふうな説明を求めるというような問題も起こったようであります。 今、中国と大変問題になっていますが、そのことに関連して質問するんじゃございません。繊維産業の実態というのは、経済産業省も十分御承知だと思いますが、そういう中で中国からの輸入が大変な量です。そこに対して繊維のプラントを建設するための資金を供与するというのは、ちょっと私は、私どもの感情からすると、ちょっと理解できないと思うんですが、経済産業省、どのようにお考えか。また、経過について御承知であればお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(鷲見良彦君) 御指摘の国際協力銀行のローンでございますけれども、これはいわゆるアンタイドローンという制度でございまして、私ども、当省としては事前に知り得る立場にはございませんでした。ただ、北陸の産地の皆様方の御懸念、日本国の製品と中国が将来生産するであろう製品の競合ということについての御懸念は大変理解できるところでございまして、私どもも大変心配をいたしました。 既に、融資の契約は国際協力銀行と中国政府との間で締結をされておりましたので、白紙撤回ということはできないということでございましたのですが、私どもは国際協力銀行に対しまして、この繊維分野におきます融資につきましては、中国に限らず、今後はすべてできるだけ慎重に配慮するように要請をしたところでございます。
○平田健二君 これで終わりにいたしますけれども、この繊維以外にも、例えば鉄鋼プラント、それから機械製造のプラント、こういった日本と大変競合しておる、むしろ日本が苦しんでおるような産業に資金供与するというのは、やはり国全体としての政策をきっちりやはり理解をしてからじゃないと、あるいはお互いに協議をしてからじゃないと決定しないというような、是非そういうルールを作ってほしいと。国際協力銀行がやるんだから、我々、知らないよでは済みません。確かに、このプラントはもう日本には輸出しないんだと、輸出しない製品を作るんだと言っておりますが、将来にわたって日本に輸出しないのかという保証はないんですね、繊維の工場ですから。是非ひとつ、経済産業省も注意をしていただいて、こういったことが起こらないように是非御努力いただきたいということをお願いしておきたいと思います。 どうもありがとうございました。これでお引き取りいただいて結構です。ありがとうございました。 次に、公正取引委員会の人事について内閣官房にお尋ねをいたします。 昨年五月に、総理の所信で、市場の番人たる公正取引委員会の体制を強化し、二十一世紀にふさわしい競争政策を確立すると、こうおっしゃっております。 それには、まず私は人事だと思います。今日は根來委員長もお見えですけれども、大変、今在任中に辞めた先のことを話しするのは大変失礼ですが、実は先日、マスコミで、根來委員長が退官された後の委員長の候補として大蔵省出身の竹島一彦氏に後任人事が内定したと報道がございました。事実でしょうか。
○内閣官房副長官(上野公成君) 報道ですか。報道があったのは承知していますけれども、これはそういう報道があったのは確かでございますけれども、そういうことはまだ具体的なことがない段階で報道されたものであります。
○平田健二君 全くその議論をしていないということでしょうか。 人事のことですので決まるまでは分からないと思いますが、実は竹島さんに仮に決まったとすれば、公正取引委員会の歴代の委員長は今回で十人目の方ですよね、大蔵省出身、いわゆる財務省出身が。私ども、この前も言いましたけれども、根來委員長になったときには大変期待しました。また今度、大蔵省、財務省出身の方が一応内定をしたということですが、やはり市場の番人と言われるように、総理も大変公正取引委員会に期待しておるわけですから、私はそろそろどこかの省庁の出身者じゃなくて民間から採用するというようなことも必要じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣官房副長官(上野公成君) 委員、独禁法の規定も十分御承知だと思いますけれども、公取の委員長及び委員は年齢が三十五歳以上で、そして法律又は経済に関する、法律の知識といいますか、そういうもののあるうちに内閣総理大臣が国会の同意を得て任命することになっています。これは委員長だけは認証官でございます。定年が七十歳ということでございますので、今回こういう話になっているわけでありますけれども、私も官僚のポストがこういう定着をするということについては、これは私も長い間議運の理事をやっておりましたので、そういう中でも非常に問題だと思っております、これは。 しかし、一つ一つの問題については、これは官僚だから決してまずいということにはならないんじゃないかと思いますので、この公取の委員長についても、これは何といいますか、準司法的な、司法手続的なことも行われるわけでございますし、法律や経済に対する知識、これはあらゆる、何といいますか、経済の広範な分野に及ぶわけでございますから、そういう中から適切な人材を総理大臣が選んで、それで国会で同意をしていただくということでございますので、まだ今、国会の方に同意をするところまで、同意を求めるというところまで行っておりませんので、委員の意向というのは十分こちらでも理解はさせていただきますけれども、これは総理が決めることでありますので、またOBじゃ絶対駄目だというのもいかがかなということを申し上げておきたいと思います。
○平田健二君 竹島さん個人が悪いと、こういうことを言っておるわけじゃなくて、大体意味はお分かりと思いますが、是非検討いただきたいということでございます。どうもありがとうございました。一問だけでしたので。 それでは、公正取引委員会にお伺いをいたします。 まず、公正取引委員会は刑事告発のほか、課徴金納付命令、それから排除措置命令、警告、注意などの措置を取っておりますが、特に行政指導であります警告、注意についてはどのような基準で行っているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(上杉秋則君) お答えいたします。 公正取引委員会では、事件に関する審査を行いまして、証拠を検討した結果、法的措置を講ずるに至る証拠を収集できたと判断する場合には法的措置を講ずることとしているわけでございますが、それに足る証拠が得られなかった場合におきまして、独占禁止法違反の疑いがあるというふうに認められるときは、それを放置することなく自主的に相手方の是正措置を講ずるよう指導することによりまして、市場における公正、自由な競争の確保に努めるというふうに考えてやっているわけでございます。 このように、警告と申しますのは、審査の結果、独占禁止法違反の疑いがあると認められ、かつ当該行為を排除する必要があると判断する場合に行っているものでございます。 他方、注意につきましては、調査の結果、独占禁止法違反につながるおそれのある行為が見られる場合におきまして、違反行為の未然防止を図る観点から、独占禁止法上の考え方を相手方によく説明をすると、こういう趣旨で行っているものでございます。
○平田健二君 疑いがある場合には、やっぱり刑事、法的措置を取るべきであって、事業者に対して審判の手段も何も認めないで業者名を公表する、これは公平公正を期する公正取引委員会としてのあるべき姿ではないと思うんです。いかがでしょうか。
○政府参考人(上杉秋則君) 今御指摘のような警告を行う場合に当たりまして、私が説明いたしましたような違反の疑いが認められるかどうかという証拠の点を十分検討した上で行っておりまして、かつその趣旨につきまして相手方に十分説明した上で行っているところでございますので、相手方の理解が得られているものと考えております。また、その内容は文書によって行っておりまして、かつ相手方事業者のしかるべき者に来ていただいた上で行っておりますので、問題はないんではないかと考えております。
○平田健二君 次に、審判についてお尋ねいたしますが、現在どのようなシステムで行っておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 御承知のことでございますけれども、審判手続は公正取引委員会が行うわけでございますが、直接公正取引委員会が行うというのは常ではなくて、審判官に委任して行っているわけでございます。 この審判官というのは、私どもの組織的には五名おりまして、この独占禁止法の第三十五条の第八項でございますけれども、「審判官は、事務総局の職員のうち、審判手続を行うについて必要な法律及び経済に関する知識経験を有し、かつ、公正な判断をすることができると認められる者について、公正取引委員会が定める。」と、こういうふうになっておりまして、この審判官が具体的に審判をして、そして審決の段階では公正取引委員会がその報告を受けて行うと、こういう仕組みになっているわけでございます。
○平田健二君 その審判官ですけれども、五名ですか、五名。全部公正取引委員会の方が審判官になるわけですか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) この五人は公正取引委員会の職員でございますが、現在の実情を申しますと、四人は公正取引委員会で採用された者でございまして、一人は司法修習生、裁判官という経歴を経て公正取引委員会に参っている者でございます。
○平田健二君 そうしますと、審判官は五人で、そのうち四人が公正取引委員会の職員、一人が司法関係の修習生か裁判所の方、審判をする場所は公正取引委員会の中、そうですね。 すべて公正取引委員会の中で、審判官も全部公正取引委員会の方で公正な審判が、しているとは思いますが、果たしてそうかなという疑念もわきますけれども、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) この審判の性格ということが一つあるわけでございまして、この審判の法的な性格の下でどれだけ透明性のある審判ができるかどうかという問題でございますが、一つの審判の手続というのはどういう性格を持っているかという点に言及いたしますと、これは御承知のように、公正取引委員会で調査をいたしまして、そして排除勧告をいたします。排除勧告を相手方事業者があるいは事業者団体が認めた場合に、応諾と申しますが、これを認めた場合にそのままその内容が審判手続を経ずに審決ということになるわけでございます。 ところが、その排除勧告について相手方が応諾をしないときには、通常、審判開始決定というのをいたしまして、審判手続に移行するわけでございます。この審判開始決定をしますと、通常、公正取引委員会から審判官にその審判を委託しまして、審判官が公開の、法廷ではありませんけれども、公開の審判廷で審判すると、こういうことでございます。 そして、審判が終局に達しますと、審決案を作りまして、その審決案を公正取引委員会に提出し、また相手方にも送達いたしまして、相手方の意見を聞きました上で審決ということになるわけでございますが、もちろんその間に相手方から公正取引委員会に対して直接陳述するという機会も与えられているわけであります。 そういうようなことで、これがいわゆる弾劾裁判、弾劾裁判的なものかあるいは糾問的なものかという一つの問題がございますけれども、一応の解釈といたしまして、やはり公正取引委員会の審判といいますか処分、行政処分でございますが、それが慎重に行われるためにこれは審判手続というのを取っているということでございますから、公正取引委員会の中で公正取引委員会の職員が、それも事務総局から隔離された職員が審判するということについてはそう問題がなかろうかと思っているわけでございます。 それでは、その審判手続が透明性を持っているかということでございますが、先ほど申し上げましたように、公正取引委員会の中で行っておりますけれども、これは公開の審判廷で行っております。そして、相手方が、通常、弁護士を代理人に選任して、弁護人が攻撃、防御を行っているわけでございます。そして、その記録は速記者が必ず立ち会わなければならないということになっておりますから、記録は公開されているわけであります。 言うなれば、手続は裁判手続に類似した公開性を持ってやっているわけでございますから、御懸念のような、内部でちょろちょろやっているというようなことはなかろうかと私は考えております。
○平田健二君 総務大臣にお尋ねをいたします。 総合規制改革会議で医療、福祉、労働等の社会規制分野での規制緩和提言が行われております。これを受けて、公正取引委員会は有識者から成る研究会を設置しておりますが、この分野は、特に医療、福祉、労働、微妙な問題を抱えていると思います。 規制緩和の促進とセーフティーネットの確保との関係について大臣はどのようにお考えか、お尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 総合規制改革会議というのがありまして、そこで万般の規制改革、規制緩和のことの検討をいたしておりますが、医療、介護、労働というような、言わば経済的規制ではなく社会的規制ですよね。言わば国民のセーフティーネットでございまして、そういうことで、むしろそっちの方が今まで重要に考えられてきたんですが、しかしセーフティーネットの分野でもやっぱり競争促進があってもいいではないか、それによってサービスが良くなり物が安くなるんではなかろうかと、こういう議論があるわけでありまして、そういうこの規制改革会議が提言をしているわけでありますので、公正取引委員会の中に有識者による研究会を作りまして、研究会の中に更にワーキンググループを作ってそこで具体的な検討をしていくと。セーフティーネットと競争促進と、この関係が、どういうふうに整理していくかと、こういう具体的な検討が始まっているとお聞きしておりますが、中身については私はよく分かりませんけれども、非常にいいことではなかろうかと、こういうふうに思っております。
○平田健二君 今度は、今、公正取引委員会は総務省の関係ですけれども、内閣府へ移したらどうかということなんです、端的に言いますと。 御承知のように、通信事業分野のガイドラインを公正取引委員会と一緒に作られていますけれども、マーケットを監視するのであれば、規制当局ですね、総務省とその外局という関係ではなくて、中立的な機関が重層的に監視する必要があると私は考えます。そうでなければ競争政策に対する信頼は得られないと、規制する側とそうじゃない。 ですから、これは規制改革推進三か年計画でも指摘されていますように、独立性と中立性を保つためにはやはり総務省じゃなくて内閣府に移した方がいいかなと思うんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) これはあちこちで議論になることなんですね。何で総務省の中に公正取引委員会がくっ付いたのか。 これは管轄というより、所轄なんですね。船が港に、どこに寄るかという港みたいなものでございまして、仕事自身はもう完全に独立なんですよ。準司法的な機能まで持っていますから、三条機関で完全に独立でございまして、したがって仕事のことで私が何らか関与するとかということは全くありません。 これはどこに行こうが、内閣府に行こうが、ほかのところに行こうが、それは全く、そういうことに仕組み、性格がそうなっているわけでございまして、そこで、それじゃ、港というのか、この大きな公取という船をつなぐのにどこがいいか。これはいろんな議論があったと思いますね。それは恐らく内閣府もその検討の対象にはなったと思いますけれども、総務省になって、何でも内閣府というと、内閣府がもう一杯になるんですよ。内閣府に何でも行くと、私も忙しいですけれども、官房長官も忙しいですから。 そこで、今、私どものやっているのは法律を出すときの窓口で、こういうところで質疑を受けさせていただくとか予算を出すときの窓口で、庶務をやっているんですよ。仕事は全く独立ですからね。 だから、今の総務省には、なるほど、規制、特にテレコミュニケーションでは規制のあれがありますし、郵政もありますし、そういう意味でふさわしいかどうかという議論があることは確かだと思いますので、私は、よりふさわしい体制に移行するために議論していただくのは結構だと思いますけれども、この間大議論をやって、中央省庁再編をやったのは去年の一月六日ですから、まだ一年半になっていないんですよね。いや、そこで、幾ら何でも朝令暮改ということもいかがかと思いますし、仕事の上では全く独立ですから、より慎重で十分な御議論の上、結論を出していただければ私は幸いと、こういうふうに思っております。
○平田健二君 もう一つ、大臣、公正取引委員会の定員が今六百名ちょっとですね。先日、新聞報道されました食の安全のための独立委員会ですか、千人規模と、こう言われておるわけですね。やはり私は、公正取引委員会、それは人数が多ければ多いほどいいんですが、六百人ではちょっとやっぱりいかがかなという気がしております。 先ほど大臣は、いや、庶務をやっておるんだというふうなことでしたけれども、やっぱり行政管理担当大臣として、この公正取引委員会の人員の増強ということについてどのようにお考えでしょう。
○国務大臣(片山虎之助君) 公取の窓口、所轄としては庶務をやっているんですけれども、今度は一方では定数管理や組織管理は、私は査定官庁でございますので、これ一人何役かなもので、公取の方からも御要望いただいて、定数の査定をやっているわけですね。言われるように、今六百十二人ですかね、多いとは言いません。 そこで、私になりましてと言うのもあれですが、平成十四年度は四十人の増員をいたしました。今までが、十二年度も十三年度も十一人です。そこで、公取が私の所轄だから増やすわけじゃないんですが、仕事の重要性や量を考えまして特に四十人のうち審査当局を二十八人増やしたと、こういうことでございまして、これはもう状況を見ながら必要なら増やしていけばいいと思うんですよ。必要なところを増やせばいいんで、必要でないところはないのかもしれませんが、必要の度合いが少ないところは減らすというのか、もう少し抑えるとか、こういうめり張りの付いた定数管理がいいと思いますので、今回は特に公取や金融庁や、そういうところについては増員いたしたわけでありまして、この姿勢は今後も続けていきたいと思っております。
○平田健二君 もう一点お伺いします。 御承知のように、民主党は官製談合防止に関する法律案を提出をしておりますし、与党でもお考えのようです。最近特にこの官製談合、目に余るものが報道されていますし、いろんな事件が起きております。この現状に対する認識と、民主党案についてどのようにお考えか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 官製談合という言葉が適当かどうかは知りませんが、あってはならない事件がいろいろ起こっておる。しかも、地方に多いわけですね、地方自治体絡みで。私は地方自治の方も担当しているものですから、地方分権を一生懸命やろう、地方に税源を移譲してもらおうと、こういうときに何だ、地方自治に対する国民の信頼が揺らぐではないかと、こういうことを言っておりまして、是非、そういう意味では、こういうことをなくしていく、いろんな手だてを取っていくということは必要だと、こういうふうに思っておりまして、そういう意味では、民主党さんも法案を出されておりますし、与党三党もいろいろ議論しておりますから、これは極めて高度の政治的なマターでございますので、私がいいとか悪いとか言うのはいかがと思いますけれども、いい案をお互い競って出して、国会で十分の議論の上、私は一定の方向付けをしていただくことは大変必要じゃなかろうかと、こういうふうに思っております。
○平田健二君 同様の質問を公正取引委員会にもお聞きしたいと思いますが、民主党案についていかがでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 私どもが事件を調査し、また先ほど申しましたような審判をやっていく過程におきまして、やはり発注者が談合に関与しているという例が少なくないわけでございます。したがいまして、私どもも発注者の責任をそのままにしていくというのは非常に不公平だという感じを持っておりますし、また談合に参加した事業者たちも、どうして我々だけがそういう対象になるのかという不満がございまして、やはり私どもが考えますに、非常に不公平だという感じは免れないわけでございます。 ただ、この発注者の責任というのは独占禁止法のらち外にあるというふうに見られるところがございますので、私どもとしては、国会にお願いすることもならず、非常に困惑していたわけでございますが、与党あるいは民主党でもこの点についていろいろ御検討いただいて、また民主党でこういう法案をいただいているということは、内容は私ども今あれこれ申し上げる立場ではございませんが、方向として大変有り難いことだと考えております。
○平田健二君 終わります。
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。 私は、先月二十五日の質問の際に、持ち株会社関係における労働者の雇用と労働条件について質問いたしました。本日は、労働組合の純粋持ち株会社に対する団体交渉権の問題について伺いたいと思います。 初めに、厚生労働省に尋ねたいんですけれども、一般論として、持ち株会社は株式保有を通じて他社の事業活動を支配することを目的とする会社であるということですね。企業再編では自主的な決定権、支配力を有しているということから、労働組合法上の使用者として団体交渉の相手となると思うわけですけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木直和君) 使用者性の問題についてのお尋ねでございますが、一般論として言えば、直接の雇用主が使用者性を持つものでございます。ただ、親会社等におきましても、一定の条件の下では使用者性が推定される場合もございます。
○緒方靖夫君 直接の雇用は当然です。同時に、親会社の場合についてもという話がありました。そこが問題なわけですけれども、私、前回も指摘いたしました旧労働省の持株会社解禁に伴う労使関係懇談会中間とりまとめ、これがあります。 その中では、今触れられたと思いますけれども、持ち株会社の使用者性の有無の判断、この問題ですね。これについて、この中では、九五年二月の朝日放送事件の最高裁判決を挙げております。どう書かれているかというと、「基本的な労働条件について、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にある」、それかどうかで判断すると、そうなっているわけですね。このことから、純粋持ち株会社は目的そのものが株式保有による事業執行会社の支配でありますから、その特質に即して考えてみると、支配力を有することのみで、企業再編、リストラにおける使用者性、これが当然認められるのではないか、そういう理論的な帰結になると思うんですけれども、その点はそういうことですよね。
○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘ありました持株会社解禁に伴う労使関係懇談会中間とりまとめ、この中では、持ち株会社そのものが使用者性を持つと推定される、そういう場合はどうかという点について記述がございます。その中では、「純粋持株会社が実際に子会社との団体交渉に反復して参加してきた実績がある場合」、それからもう一つは、「労働条件の決定につき、反復して純粋持株会社の同意を要することとされている場合」、こういった場合には、使用者性が推定される可能性が高い典型的な例というふうに指摘をしております。 したがいまして、使用者性の問題、これは個別具体的なケースに即して労働委員会なり裁判所が判断するものでございますが、一般論として言えば、そういった条件に当てはまれば、使用者性の推定がかなり高い可能性で推定されるということでございます。
○緒方靖夫君 そういう今るる言われた使用者性が高い場合には、今、私が指摘したことが認められると、そういう答弁だったと思います。それは非常に大事な点だと思うんですね。 私、そういう旧労働省の中間取りまとめ、それに加えて学説的にもどうかということを調べてみました。純粋持ち株会社と労働法上の関係について、獨協大学の土田道夫教授がこういう見解を論文の中で述べておりまして、これは学会の中でも非常に重きをなしている見解だというふうに伺っております。ちょっと長いですけれども、私、紹介したいと思います。 「持株会社が支配株主としての地位を超えて(濫用して)労働条件を実質的に決定しているといえるほどの強度の支配力を有している場合は、労働契約上はともかく、団体交渉上は「使用者」と考えるべきであろう。」、こう述べているんですね。そして更に、「純粋持株会社が経営上の指示(生産調整やコストダウンの指示)や、人事管理上の方針の決定を行い、子会社が事実上これに従って労働条件を決定している場合(賃金切下げ、労働時間制の変更、解雇等)がこれにあたる。」、こう書かれているわけですよ。そして更に結論的に、「一定の労働条件に関する実質的支配があれば、当該事項限りでの持株会社の使用者性を肯定すべきであろう」、こう述べられているわけですね。 私は、この指摘というのは、ここに展開される論理からいっても当然のことだと思います。したがって、私はその点で、当然この指摘からも、持ち株会社側に労働組合との団体交渉権の応諾義務がある、その点は明らかではないかと考えますけれども、その点、いかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘になった問題は、先ほども中間取りまとめの内容の点で申し上げましたが、その二点目の労働条件の決定について反復して純粋持ち株会社の同意を要することとされている場合、そういった場合の具体的な事例かなというふうに考えられますが、ただ、いずれにしても、この問題については個別具体的な実態を踏まえて判断されるべきものというふうに考えております。
○緒方靖夫君 確かに個別具体的なんですよね。しかし同時に、先ほど一般論としてもずっとお話ししてきましたけれども、当然、先ほども高い使用者性が認められる、ここで繰り返しませんけれども、例を述べながら、そう述べられたというのは非常に大事な点だなと、そういうふうに思うわけですね。 私、そこで具体的にNTTの例を取り上げたいと思います。 NTTでは、四月十九日、昨年発表したNTTグループ三か年経営計画を見直して二〇〇四年までの新経営計画を打ち出しました。この計画では、インターネット技術を使ったIP網への移行やブロードバンドアクセスサービスの拡充を重点にして、情報通信のユニバーサルサービスである固定電話からの脱却、公衆電話の大規模な撤去などを盛り込んでおります。 具体的には、固定電話網への投資の停止、公衆電話の縮小、停止、七万八千台の削減を行う、地場業種賃金を反映した賃金水準によるコスト競争力を強化したアウトソーシング会社の新たな業務開拓、東西地域会社化の競争力強化のための引き続き退職、再雇用の仕組みによる人件費の抑制、成果・業績重視の賃金制度改革で退職手当への個人評価の導入を進める、そういうふうにるる述べられているわけですね。非常に大きな変化がNTTで起こるということになるわけですね。 そこで、NTTに監督責任を担っております総務大臣にお伺いしたいんです。 NTTの純粋持ち株会社化に当たって、同社の林副社長は、九七年六月の参議院、当時の逓信委員会で我が党の上田耕一郎議員の質問に対して、持ち株会社と労働組合の団体交渉権について、団体交渉方式等も含めて、「私ども、現在の労働協約を基本的には引き継いでまいりたい」、このように国会で答弁されているわけです。 NTTはこれをまじめに履行されていると大臣はお考えかどうか、その点についてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 我々はNTTに関係がないことはありませんが、労使がどうやるかというようなことまで私は承知いたしておりません。それは直接、厚生労働省かどこか分かりませんけれども、労使の関係についてはそこでお聞きいただかないと、私どもは責任を持ってNTTの態度がいいとか悪いとかというあれはないと思います。
○緒方靖夫君 いいかどうかなんて聞いていないんですよ。今私が述べたNTTの代表が国会で責任を持って述べたこと、それについて、それをまじめに履行しているとお考えかどうかということを大臣にお伺いしているわけです。なぜ大臣に聞くかといえば、NTTの監督官庁の責任者だからですよ。
○国務大臣(片山虎之助君) NTTについては、法律に基づいて一定の監督権はあります。しかし、今あなたが、委員が質問されるようなことについて労使の間でどういう事実行為があったかということは私は承知しておりませんから、それについてとやかく言う立場にはないということを併せて申し上げたわけであります。
○緒方靖夫君 私は、大臣、現時点で御存じない、その認識がない、御存じないということですね。知見がないということですかね。 その現状について、私、それではここで述べたいと思いますけれども、やはり私は、監督責任の中にはそうしたことについても知った上でやはりきちっとした形で正していく、それをどういう形でやるかということはいろんな形があると思います、こちらがとやかく言うことではないかもしれませんけれども、少なくとも監督責任の中には当然そういうことが含まれていると、そう考えるんですけれども、大臣、あれですか、そういったことは一切関知せず、知らぬ存ぜぬ、もうどうぞ勝手にやってくれという、そういう立場なんですか。信じられません。
○国務大臣(片山虎之助君) いやいや、労使は基本的には自決なんですよ。法律の中で、一定の法律に基づく土俵の中で労使ががっぷり組み合って、お互いに意見を交換して交渉して物を決めていくんですよ。それは知っていますよ。私は責任ある立場にないから、労使について、そういうことをこういう責任ある場で申し上げるわけにはいかないということを言っているわけであります。
○緒方靖夫君 そうすると、お尋ねしますけれども、政府の中で責任持っているのはどこなんですか。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、労使は今言ったように自決なんですよ、労働法規を見ていただければ分かりますように。それについては政府が直接的に責任を持つようなことにはなっていない。我々は、今言いましたように、法律に基づいて、その範囲では監督権やそれなりの役割は果たしていると、こういうことであります。
○緒方靖夫君 私は、この問題、非常に大事な問題なんですね。政府が最大の株主であって、しかもNTTの関連法は総務省が、現在の総務省がこれに責任を負うとなっているわけですよ。そして、その責任者が総務大臣なわけですよね。ですから、私は、大臣がそういう立場でおられるんだったら、大臣の立場こそ非常に大きな問題問われると思います。 今、厚生労働省からも話がありましたように、一般論として政府としてこういう考え方であるということはるる述べられたわけですよ。しかも、政府が関与しているNTTについて私述べているわけですよね。ですから、そういう立場でもしおられるとしたならば、一般論としては正しいですよ、労使関係というのはそれぞれの双方が交渉して決めていくことだと、それは当然ですよ。しかし、私は政府が最大の株主であるNTTの場合をお尋ねしているわけです。 しかも、先ほど九七年の六月の参議院の逓信委員会での林副社長の答弁がありましたよ。要するに、現在の、現在というのはつまり当時のですね、労働協約を基本的に引き継ぐと。しかし、それはどうなっているかというと、私、NTTが労働組合、一つの労働組合である通信労組あてに出した通知を見て本当に驚いたわけですね。NTTは、九九年の純粋持ち株会社化して以降、通信労組との団体交渉について、親会社に通信労組の組合員がいない、このことを理由に拒否し続けているわけですよ。一度も団体交渉に応じたことがない。 国会の場では団体交渉権の継承、これを公言しながら、その履行を行っていない。この姿勢が私は重大だと思うんですけれども、そういうことについても関知されないんですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 何度も同じことを言っておりますけれども、例えば、予算や決算や経営計画の三か年計画や、あるいは若干の人事についてもそれはかかわり合いがありますよ。我々は、NTTグループの経営基盤がどうなるのか、どういう役割を果たすのか、こういう難しい経営環境の変化の激しい時代にどういう方向に向くのか、大変な関心を持っておりますよ。 しかし、労使のことについては、これは労使でお決めいただくことで、しかも我々の聞くところは、NTTから聞く限りは、それはしっかり話し合っておりますと、こういうことでございますから、やってくれと、こういうふうに申し上げているわけで、労使交渉の中まで政府が責任を持つとか、我々が入っていくということになっていないということを何度も申し上げているわけであります。
○緒方靖夫君 今、大臣言われたように、労使交渉についてどうかというふうに聞いたことがあると。つまり、関心を持っておられるわけですよね。そして、その返事はしっかりやっていると、だから安心したとか良かったと思われているわけでしょう。 私は、そうじゃないと、そういう現実じゃないということをここで述べているわけだから、関心を持っている大臣が、つまり聞くほど関心を持っているわけだから、いわゆる聞く耳を持って聞いていただきたい、そのことを申し上げたいと思います。 それで、今回のNTTのリストラ策を経営戦略の面から指揮したのは、グループ全体を統括するNTTなわけですよ。実際、同社の宮津社長は昨年四月の会見で、東西地域会社が抱える人員を流動させなければならないときに、ほかのグループ会社に相談をして、人員の受入れ側を作ったり仕事自体をも流動させていくというような構造転換のために持ち株会社は介入する、そう言っているわけですね。そしてさらに、そのような資源配分の変革は黙ってやらせておいてはとても回らない、こう述べているわけですよ。 このことからも、今日のリストラ策というのが持ち株会社NTTのイニシアチブで画されるところは明らかですよ。NTTは計画策定者としての責任がある以上、やはり組合の一つである通信労組と団体交渉に応じる義務がある。私は、こういうことからいってもそうだと思うんですよ。 先ほど大臣は、経営についてはいろんな形で関心を持って、そしてそれを見守っていると、そう言われました。あるいは、意見も述べられるでしょう、当然。経営にかかわる問題でリストラとか人員の配置とか、そうしたことが非常に大きな問題になっているわけですよ。つまり、そういった問題というのは労使関係に直結び付くわけですよね。ですから、宮津社長のこうした、自分たちは介入する、グループの中で子会社に対しても介入しなければとってもじゃないけれどもやっていけないという、そういう言辞を述べている、そういう状況にあって、経営の方針だけ関心を持って労組についてはわずかしか関心を持たないような、そういう勝手なのは私はおかしいと思います。 ですから、私はその点で大臣のお考えとしてお伺いしたいわけですけれども、やはりNTTとして団体交渉権に応じる必要があるのではないか、そう私は考えます。
○国務大臣(片山虎之助君) いや、事実、事実を私は確認したいわけでもないし、確認する立場にもないわけですからね、それをどうこうということは私の立場では言えないと、国会の場で。NTTグループもこれは民営化して民間ですからね、生き残らにゃいけませんよ、この経営環境の激しい中で。そのためには必死のいろんな経営改善の努力をやっているんですよ、でしょう。 そういうことについてのいろいろお話があれば、私の方から言うことは言っておりますし、ただ、労使交渉は、何度も言いますけれども、これは労使自決なんですよ。それで、なぜ今、その辺についてはあなた関心を持っているじゃないかと総務委員会で共産党の議員さんが何度も言うから、それじゃ私も一遍言いましょうということで申し上げたわけでありまして、基本的にはお互い労使が十分話し合っていただきゃいいんで、団体交渉権があるとかないとかというのは私の方の所管じゃありませんし、私はそういう立場でNTTには対しているわけであります。
○緒方靖夫君 いいですか、大臣、NTTの経営戦略というのは労働者がいて成り立っているわけですよ、多くの部分は。だからリストラをどうする、配置をどうするとなるわけでしょう。それに対して、経営の問題だけ関心を持っている、労使関係はとやかく言う立場でないと。私はこれは間違っていると思います、はっきり。だから、総務大臣がそういう立場を取っているというのは非常に情けないと思いますし、私はその立場というのははっきり言ってそれは違う、監督責任を果たしていないと、そのことをはっきり申し上げたいと思います。 何が起きているかということが大事なんですよ、いいですか。 私は改めて驚くわけですけれども、例えば宮津社長は、通信興業新聞のインタビューで、今度の構造改革はスケールの大きい人の流動になるわけだから、一グループ会社の社長だけに責任を負わせるわけにはいきません。こう述べて、更に昨年七月の会見でも、各社の社長がやれることは、採用をやめたり自分の会社の営業所を統合、廃止することぐらいだと、更に踏み込もうとするならば各会社だけの話では無理になる、今の日本の雇用習慣では解雇はできないのでどうしても持ち株会社が乗り出さざるを得ないと、そう述べているわけですよね。このようなことをグループ全体でやろうとすると、持ち株会社が口を利いて、持ち株会社が口を利いて回さなきゃいけない、そういうことを言っているわけですよ。 私は、NTTの指揮統制の下に、正にこういうことがグループ全体、子会社全体を動かしているわけですね。そういうやり方というのは、正に経営戦略そのものに当てはまるわけですよ。利益がどう上がっているかどうかということについては関心を持つ、そういう意味でおっしゃられたと思うんですけれども、それならば、じゃ、労働者に対して、雇用者に対して一体どういう状況になっているのか、それについては大臣、本当に関心を持たれないんですか。もしそうはっきり考えているんだったらはっきり言っていただいて結構ですよ。私は、ただ本当に不思議な態度だと思いますし、不見識な態度だと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 委員、あなたは、情けないとか間違っているとか不見識だとか、それはちょっと言葉を慎んでもらわなきゃいけませんよ。どういう立場であなたは何を言っているのか知りませんけれども。 経営戦略には関心がありますよ。経営戦略に基づいて労働者の処遇に関することは労使で話し合うんですよ。話がうまくいかなかったら経営戦略を場合によったら直すこともあるんですよ。話がうまくいっているから進んでいるんじゃないんですか、今のアウトソーシング関係も。そういうことは労使でちゃんと自立してお互いで話し合って物を決めていくべきなんですよ。 我々は経営戦略には関心ありますよ。戦略に基づく労使の処遇については、しっかり話し合って決めてもらえばいいと考えております。
○緒方靖夫君 大臣こそ自分の責任をはっきりわきまえて発言していただきたい、ここは国会の場ですから。総務大臣がですよ、総務大臣がですよ、労使関係は一切関係ないと、労使でやってくれと、そういう答弁をしているわけです、結論的にはそうでしょう。それが本当に正しいのかどうか、問われますよ。 厚生労働省、あなたがさっき言ったように、宮津社長がはっきりと、個別具体の話になりますが、はっきりとですよ、いいですか、グループ全体が生き残るためには、子会社に対して、子会社では全然解雇もできないからグループに介入してやると、そう公言しているわけですよ。 先ほど言ったように、これが、いいですか、純粋持ち株会社の使用者性についてどうなるかということについては当然政府として検討しなきゃならない問題じゃないですか。
○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘の発言だけで使用者性が推定できるかといいますとそうではなくて、具体的にその労働条件の決定に当たってどのような、NTT本体がどのような役割を果たしているか、そういう実態を見て判断すべきものというふうに考えております。 また、こういった問題については、これは労使関係の問題でございますので、具体的にそういった問題について労働委員会という制度もございますので、そういったところで具体的に判断されるべき問題というふうに考えております。
○緒方靖夫君 私が述べているのは限られた時間の中で一部の話ですから、当然それで、それをもって、あるいはこの言葉をもってこうだと言えないのは当然ですよ。しかし、私は、その実態を最も象徴的に表す事実を、あるいはその言葉を紹介しているわけですね。 ですから、私は、そういう点でいえば、労働委員会で判断しなきゃいけない問題、そしてまた厚生労働省としても、このケースがどういうことに当たるのかということ、それについて求められれば研究しなきゃいけないという立場にあるわけですよ。厚生労働省はこの間からずっと調査する、研究すると言っていますよね。ですから私は、政府は一体なわけですから、そこをNTTを所管する総務大臣が今のような立場を取られていたら私は議論が全然かみ合わないと思うし、大臣はああ言う、労使で任せていると、自分は関知しないと、そういうことを言われる。私は、私はそれであっていいのかという問題提起をしている。すれ違うばかりですよね。 私はその点で、はっきりとこういう問題については、確かに厚生労働省の所管ということはかなり強いですよ。ですから、厚生労働省としてこういう事案についてきちっと調査する、このことはやっていただきたいと思います。この間は、全体について調査をしてくれという、するということで約束されました。こういうことについても、個別具体の問題ですから、やはりこの問題についても、労働委員会も含めやはり全体として検討するというのは当然だと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(鈴木直和君) こういった労使関係の個別具体的な問題について行政としてどうかということでございますが、これについては、そういった個別の労使関係の問題に行政が直接にどうこうということは必ずしも適当ではないと考えております。 そういった労使関係の問題、特に団体交渉とか不当労働行為の問題については、そのために労働委員会制度が設けられているということもございますので、これはそういった労働委員会制度なり、あるいは裁判ということもありますし、そういったところで解決すべき問題というふうに考えております。
○緒方靖夫君 具体的にはそういうことになっていくと思いますよ。裁判とかそういう方法があると思いますし、開かれていると思います。 しかし、私が提起しているのは、民間会社でどうこうという、それだって厚生労働省は無関心でいられないはずですよ。だから、先ほど言われたような形で調査を行ってきたから、前回の質問で調査をすると約束されたわけでしょう。民間だから私たち関知しませんという、関知しませんという態度じゃないわけですよ。 ですから、この問題だって、どうせい、ああせいということは私は言えないと思いますよ。しかし、どういう実態があるかということをつかんでいくのは厚生労働省の務めじゃありませんか。 そして、更に──言いたいことがあったら、どうぞ。
○政府参考人(鈴木直和君) 前回、調査というお話を申し上げたのは、持ち株会社について先ほどもお話ししました労使関係懇談会で中間取りまとめをいたしました。ただ、その後時間もたっており、またその持ち株会社の数も増えてきているという実態から、そういった持ち株会社の現時点といいますか最近での実態を把握したい、そういうことを申し上げたものでございます。
○緒方靖夫君 私は、この純粋持ち株会社の問題点についてこの間随分いろんな議論をしてまいりました。そこで一番大きな問題だと思うのは、結局、リストラ、これをどんどん進めやすくする、そういう体制を作るということなんですね。 端的に言うと、NTTの場合にはこういうケースなんですよ。その労働組合がNTTの本社にいないと、したがって、いない組合とは交渉する必要はない、その理屈ですよね。そして、更に宮津社長は今年の四月の二十四日付けの日経新聞で、これからの持ち株会社の役割について、求心力や調整役だけでなく、市場のスピードに見合った機械的、弾力的な事業改編の司令塔が持ち株会社の第三の役割だ、そう述べているわけですよ。つまり、こういう持ち株会社というその仕組みを使いながらリストラをどんどん進めていくという、そして支配はするけれども交渉には応じない、そういう構図を作っているわけですよ。これは新しい問題なわけですね。労使間の新しい問題ですよ。だから、私はここで問題にしているわけですよね。 ですから、こういう問題について、例えばヨーロッパの基準。私は長い間ヨーロッパにいましたから、EC、今のEU、そこでどういう労使関係を作っているのか。もしフランスやドイツの国会で今、大臣が述べたようなことを答弁したら、これは大変なスキャンダルになりますよ。しかし、日本では大変情けないことに、私は断固抗議しますけれども、大臣のそういったことが済まされるという。こういう発言が行われたら与野党を挙げて大問題になる。国情が随分違う、そのことを改めて痛感しますけれども、それだけの問題があるわけですよ。 ですから、私は、そういう立場から考えたときに、純粋持ち株会社化がどんどんこれから進んでいく、NTTもこれから二〇〇四年までに大きな改革をやる、その下で、自分たちの会社にいない、いないのは当たり前ですよ、本社は少ないんだから、人数が、だから団体交渉には応じない、そういう理屈が通るのか。そして、これを政府が労使間の関係だということで見逃す、そんなことをしたら一体どういうことになるのか。労使関係は一体どういうことになるのか、重大な問題じゃありませんか。 そういうことに対して、大臣が本当に今日は、改めて言いますけれども、情けない答弁をされましたよ。そして、厚生労働省、私は求めたいけれども、こういう問題についてきちっとした形で、立ち入らなくていいですよ、何が実態かということについて、判断しなくていいから、それを集めてこういう材料がありますということを示していただきたい。それはやっていただけますね。
○政府参考人(鈴木直和君) 今御指摘の問題、NTTの問題とは直接かかわりないのかなというふうに受け取ったんでございますが、先ほども言いましたように、持ち株会社の数が増えているということもあって、そういった純粋持ち株会社を含めてそういった持ち株会社の実態、労使関係の動向あるいは持ち株会社の関与の程度はどうなっているか、そういった一般的な形の調査は今年度実施したいというふうに考えております。
○国務大臣(片山虎之助君) ヨーロッパのどこの国かどこの国の議会か知りませんけれども、そんなことを断定的に言うもんじゃないんですよ。我が国は法治国家なんですよ。法律に基づいていろんなことが行われているんですよ。 今お話しのように、労使が自決して交渉がうまくいかなければ、労働委員会もあるし、司法もあるんですから、ちゃんと手続を踏まれたらいいと私は思っております。
○緒方靖夫君 最後。
○委員長(保坂三蔵君) 時間ですので。
○緒方靖夫君 大臣ね、私言っているのは、経営戦略には関心持つ、NTTの利益がどうあるかについては関心を持つ、そう言われました。しかし、その基にあるのは労使関係だし、それについて関心を持たれない、そのことはおかしいと思いますし、こういう今私がるる述べた実態があるということ、今後よく見ていただいて対処していただきたい。このことを要望いたします。 終わります。
○広野ただし君 自由党・無所属の会の広野ただしです。 先月の経済産業委員会でもJAL、JASの統合問題についてお聞きをしていたんですが、そのときに総務大臣おられなかったものですから、再度やらせていただきたいと、こう思っております。 やはり二十一世紀は、飛行機というのは、航空というのは正にげたのような状況になるわけで、特に地域発展のためにも航空運賃が下がるということは、公正な競争の下に下がるということは地域発展に大きな影響があると私は考えております。特に沖縄なんかの場合は観光産業等で、外国へ行く方が安くて沖縄へ行く方が高いというような状況であっては沖縄の発展というのはないくらいのことでありまして、そういう面でJAL、JASの統合について総務大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) やっぱりJALもJASもいろんな事情があったんだなと、こういうふうに思います。 そこで公取の方が、これにはいろいろ相談に乗られたりなんかして、結果として公取の言うこともJALもJASも聞いていただいて、結果としてはああいうことになったのはそれはそれで良かったなと。二社になる方が三社になるよりも競争政策についてはやや懸念があるわけですから、その辺について二社になっても競争政策は担保はするんだと、こういうことならそれはそれでいいのかなと。 やっぱり今、日本の企業は必死で生き残りを考えているんですよね。だから、そういう意味ではこういうこともやむを得ないのかなと私は考えております。
○広野ただし君 公取委員長にお伺いしますが、今年の三月十五日にJAL、JASの統合問題について公取の見解を出しておられて、国内の航空旅客の六割以上を占める三十二路線で大体独占あるいは複占という形に、寡占というより二つですね、二社体制あるいは独占という形になる。ですから、同調的な運賃値上げの報道ですとか、実質的な競争制限のおそれありと、こういう見解を示しておられたのが、四月の末には、連休の直前には、大体いいだろうと、こういうふうになった。どういうふうにして公正な競争が担保されるようになったのか、お答えいただきたいと思います。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 前にも御説明したと思いますけれども、日本航空と日本エアシステムの統合の話が出てまいりまして、それだけでは問題があるということで、三月十五日に中間見解を発表したわけでございます。この内容はごらんいただいておることだと理解しておりますけれども、要するにそれだけでは独占禁止法違反という疑いが極めて濃いということでございます。 これを受けて、それでは当事会社がどういうふうに出るかというのは、先般申し上げましたように三つの方法があるわけでございまして、公正取引委員会がどういう見解を出そうともこれは強行するというお考えもありましょうし、もう一つは、もうそういう考え方を中止する、あるいは第三の道を選ぶという考え方もありましょうし、もう一つの問題としては、公正取引委員会の見解を受けて修正をしてもう一度公正取引委員会の見解を打診するという三つの方法があろうと思うんですけれども、当事者会社は第三の道を選んだわけでございまして、いろいろ条件を出して競争阻害の要素を減殺する方法を提案してまいりました。 そういう提案を受けて、私どもは、それは百点満点とは評価するわけではございませんけれども、独占禁止法違反にはならないであろう、そういう条件を満たされた場合はならないであろうという結論で当事者会社に回答したわけでございます。
○広野ただし君 やはり混雑空港といいますか、そこでの旅客というのが、大体羽田の場合はもう全国の半分を占めるというくらいですから、混雑空港における競争の確保と公正な競争がなされるかどうかというところがキーポイントだと思いますが、いずれにしましても、公正な競争が行われることを担保できるというふうに国土交通省はそれなりのことを保証していただけますか。
○副大臣(月原茂皓君) 保証されますかという御質問でありますが、保証いたします。 公正取引委員会の方も、このたびの許可するについて、国土交通省の競争促進策を前提とすればということもうたわれておりますし、我々自身も、先生も御承知のように、市場原理による航空会社の競争によって利用者に便利を図る、要するに値下げができる、そういうことを最大の交通政策としているわけです。 もう少しちょっと具体的に申させていただくと、混雑空港、代表的に言えば羽田、これについては九便、JAL、JASが返上する。そして、それを我が方は新しく競争促進枠というふうにとらえて、新規の会社に、もちろん新規の会社がもしそれを望まないならば、単独の路線のところにJAL、JASのグループ、それからANAのグループ、それを入れて単独にしないように、そういうふうな競争原理を入れていく。 もちろんそのときに、その当事会社が、今、公取委員長のお話のように、公取の方に対して私たちはこうしますという提案がある中に、九便を出す、そして十七年までにもしあれならば更に三枠を出してもよろしいと、それでいろいろカウンターの場所とか施設全体についても協力します、こういうふうなことで我々はできているんだなと、こう思っております。 そして、御承知のように、この二社合併した後ですが、三か年間主な航路については一〇%値下げします、こういう約束もされているわけでありまして、我々もそういうことを中心にして、更に新しい枠によって新しい会社が参入して競争原理が働くようにしたい、このように考えておりますので、冒頭申し上げましたように、値下げして便利なようにいたします。そういうふうに申し上げます。
○広野ただし君 三年後がまた問題だと思います。ですから、国土交通省又は公取もずっと、公取委員会も大いに注視をして、監視をしていただきたいと、こう思います。 続きまして、郵政公社法関連が国会に提出されたということでありますが、この郵政公社の中で、郵政事業、そしてまた郵便貯金・為替事業、そしてまた簡保、それぞれ経理が峻別をされるということではありますけれども、ある程度資金ショートをすれば融通もすると、こういうことにもなっております。言わば事業会社に金融機関が同じ組織一体の中で融通し合う、これは言わば機関銀行化というようなこと、あるいは機関、保険・金融機関といいますか、それを体内に持つような話でありまして、これは独禁政策上、最も慎むべくところであろうと思いますが、公取委員長、どういう見解でございましょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) いろいろ御見解があると思いますし、この具体的な法案、案件についていろいろ申し上げるのは適当でないと思いますが、一般的に申し上げれば、独占禁止法の精神が十分生かされるようにお願いしたいと、こういうことでございます。
○広野ただし君 特に郵貯の場合は、資産三百兆円以上の巨大メガバンクができ上がると。しかも、自主運用ということになります。そしてまた、簡保の方は百二十兆円の資産の、これもどの生命保険会社よりも何層倍も大きい、巨大なものができ上がる。このことでも私は、公正な競争という観点からどうなんだろうかと、こう思いますが、公取委員長、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 何度も申し上げますけれども、いろいろ御見解があろうかと思いますが、今まで歴史的にそういうふうになってきたわけでございますから、今すぐにその仕組みを変えてしまうということは難しかろうと思うのでございます。 そういうことで、できるだけこれからいろいろ仕組みを作るときに、独占禁止法の公正にして自由な競争ができるような環境を作るような形でお願いできれば大変有り難いし、またそういう仕組みの中でいろいろ不公正な取引というのが行われれば、私どもも独占禁止法違反ということで具体的案件として取り上げなければならないなと思っております。
○広野ただし君 総務大臣にお伺いします。 そういう独禁政策上、特に郵貯あるいは簡保が一体になっておる、そしてまた、そういう巨大なものが独禁政策上どう公正な競争ができるのかという観点から、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) この郵政事業につきましては、御承知のように大議論がありまして、かなり前の国会で中央省庁再編基本法で、取りあえず総務省ができた場合には外局の郵政事業庁にして、二年後にというのが来年ですけれども、二年後に国営公社に移行すると。そこでこういうふうにしますと中にいろいろ書いていますよね、フレームを。こういうことで、それに従いまして、そのフレームに従い私どもの方で公社研究会を作りまして、御答申を賜って今回の四法案を出しておりまして、今日の午後から衆議院で本会議で趣旨説明、質疑が行われると、審議に入っていただくわけでありますが。 基本的には、公社移行後も郵貯や簡保の政策目的に変更はないし、業務の内容もほぼ同じだと、こういうことですけれども、私は、今度の公社にするときに対象部門をぴしっと分けなさいと、郵貯と簡保と郵便と、こういうふうにぴしゃっと。今も特別会計で分けておりますけれども、それをもっと責任も状況もはっきりするように分離体制でやったらどうかと、こういうことを考えておりまして、取りあえず法律を通していただかなきゃいけませんが、通した後は、どういうことで、国民の目から見てなるほどな、それから、根來委員長もおられますけれども、独禁法の精神もちゃんと体しているなと、こういうような体制、そういうものにいたしたいと思って、これはちょっと、来年ですが、もう少し時間がありますので、そういうことの中で検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。 郵貯が大きいことは事実ですけれども、定額貯金の満期でかなり減りまして、それでも二、三十兆は減りました。減っても二百四十兆ですが、大きいことは大きいですけれども。簡保も百二十兆ですからこれも大きいんですけれども、大きいからどうだということではなくて、やっぱり納得ができる形に是非今後とも運営の状況持っていきたいと、こういうふうに思っておりまして、委員の御意向も十分踏まえて対応を考えさせていただきたいと思っております。
○広野ただし君 それで、先ほど同僚委員からも話がありましたけれども、郵政事業、そしてまた電気通信事業というものを所管される総務大臣が、独禁政策をつかさどる公取委員会を所管、所轄と言っておられますけれども、そういうことについて、中央省庁が再編された後も、ちょうど二十一世紀における競争政策、それと公取の在り方ということで昨年懇談会が開かれて、そこで言っておりますのが、内閣府に移すことを検討すべきだと。 特に、独禁政策は経済政策の憲法とも言われるような大事な政策でありますから、そこの点、やはり非常に重要な公取委員会を、そういう二十一世紀の競争政策の観点から移すということを本格的に御検討いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) これは、公正取引委員会というのはアメリカで生まれたわけでもないんですけれども、独立行政機関ですよね。そこで、これはどこかにつなぐというのか、所轄というか、籍を持たないかんと、こういうことで、恐らくそういう意味では内閣府というのも一つの案だし、総務省というのも一つの案だったと思いますよ。 ちょっと内閣府は、あのときの議論は、機能純化という議論も一つありまして、それで総務省というのは第二内閣府的な、その他に属せざると、そういうものを総務省にということもありますので、例えば公正取引委員会もありますが、日本学術会議や公害等調整委員会も私のところなんですよ。そこは全部仕事は独立しているんです。何らの仕事の上での影響はない。ただ、今言いましたように庶務的なことは私の方が若干お世話すると、こういうことになっておりまして、ただ、今お話しのように郵政あり、テレコミュニケーションありですから、そこのところでいろんな議論があると思いますけれども、いずれにせよ、まだこういう体制ができて一年ちょっとでございますので、時間を掛けてあるべき体制にすることの検討は引き続いてやってまいりたいと、こういうふうに思っております。
○広野ただし君 終わります。
○委員長(保坂三蔵君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。 本改正案は、戦後半世紀にわたって禁止してきた純粋持ち株会社を解禁した一九九七年の法改正後、五年見直しの附則を受けて提出されたものです。この五年間に、みずほホールディングスを始めとする四大金融グループやNTTグループなど巨大企業が相次いで誕生し、株主利益最優先の純粋持ち株会社が多数生まれました。 我が党は当時、持ち株会社解禁が巨大企業グループ、多国籍企業の経済支配を著しく強めるとともに、経団連の、財界のねらいどおり、大企業による大規模なリストラを遂行する体制づくりを容易にし、そのてこになるものと指摘しました。その後の事態は、正に我が党が危惧し、指摘したとおりになっています。 質疑でも指摘しているように、この数年間、日本列島にはかつてない大リストラのあらしが吹き荒れています。持ち株会社の解禁を受けて、政府は商法、税制等の企業組織再編制度の整備、産業再生法などの支援策を講じてきました。その下で、大企業はリストラを大規模に進め、グループ内の不採算部門の子会社の売却、工場、店舗の縮小、閉鎖など、企業組織の身勝手な切り売りと合併、買収、さらに、下請中小企業、関連協力企業の切捨てを通じて、労働者の分社、分割会社への出向、転籍による賃下げ、首切り、労働条件の悪化と、一方的な不利益変更の強要を横行させています。 本改正案の反対の第一の理由は、労働者保護の法制度等を何ら手当てしないまま、こうした大企業の企業再編リストラを一層容易にするものだからです。これは結局、労働者の権利と暮らし、中小企業経営を圧迫し、ひいては大量失業と国内産業の空洞化を加速させるものと言わざるを得ません。 第二に、大規模会社の株式保有総量制限を定めた九条の二の廃止は、大規模な合併、買収にブレーキを掛けていくという経団連の撤廃要求にこたえるもので、巨大企業グループの資本集中を歯止めなく促進するものです。独占禁止法を強化、改正し、この規定を新設した歴史的な教訓を没却させるものであります。 第三に、九条の二の廃止に伴う九条の規制方式の見直しは、事業持ち株、純粋持ち株を問わず、何ら法的拘束力のない現状追認のガイドライン方式による、言わば持ち株会社全面解禁の総仕上げであり、九条そのものを形骸化するものであります。 第四に、金融会社による株式保有制限の縮減は、この間、行政当局による裁量権を逸脱した立法行為にも近い運用解釈によって行われてきた金融会社の肥大化という既成事実を追認、合法化するものであるばかりか、巨大銀行グループによる地域金融、中小金融機関に対する金融支配を無制限に拡大するものです。持ち株会社、大銀行グループの社会的使命を忘れ去った横暴勝手を醸成することにもつながり、到底容認できません。 以上申し述べて、反対討論を終わります。
○委員長(保坂三蔵君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(保坂三蔵君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。 なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会