経済産業委員会 第2号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2002/03/19
会議録
○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 御苦労さまでございます。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官山本信一郎君、総務省自治税務局長瀧野欣彌君、外務大臣官房参事官渥美千尋君、財務大臣官房審議官石井道遠君、厚生労働省職業安定局次長青木功君、厚生労働省社会・援護局長真野章君、資源エネルギー庁長官河野博文君、中小企業庁長官杉山秀二君及び国土交通省航空局次長鈴木朗君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(保坂三蔵君) それでは、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、経済産業行政の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小林温君 自民党の小林温でございます。 本日は、私にとりまして国会議員として初めての質問の機会でございまして、御答弁をいただけます平沼大臣、そして大島副大臣、下地政務官、松政務官、どうかよろしくお願いいたします。なかなかシステムが分かりませんで、いろんなところに御迷惑をお掛けしながら質問内容も作らせていただきました。精一杯努めさせていただきたいので、どうかよろしくお願いしたいと、こういうふうに思うわけでございます。 今日は、主に中小企業の資金繰りの問題、それからベンチャーあるいはITを取り巻く問題、そして京都議定書をめぐる地球環境の問題について御質問をさせていただきたいわけでございますが、少し、なぜ私がこういう問題意識を持つに至ったかというお話をさせていただければと思います。 私、二十九で父親を突然亡くしまして、私は当時アメリカで国際政治の研究をしておったわけですが、家業が福島の田舎で小さな本と文房具の店をやっておりまして、急遽家に戻って家業を継ぐということになりました。当時、従業員六名の小さな商店街の中にある本と文房具の店でございますから、構造不況の業種の最たるものでございまして、帰りましたらいきなり私に突き付けられたのは八千万の個人保証でございます。おやじの代わりに保証人の判こをつかされたわけでございます。まして、当時バブルがはじけまして、売上げは、最盛期、その当時の五年前の約三分の二ぐらいになっておりまして、当然銀行とやり取りをして貸し渋りも当時体験をいたしました。後で質問をさせていただく特別保証も、実は融資をいただいたわけでございます。 五年ほどその経営に携わったわけでございますが、八千万の例えば借金というのは、例えば家や屋敷が抵当に入っておると、あるいは株とか、本屋の場合は特に在庫がございますので、これもバランスシート上は載っていまして、資産、債務超過にはなっていない現状でございますが、ただ私自身真剣に考えましたのは、廃業をするかと。私自身も自分の考えていた方向と違ったわけですから廃業ということを実際考えたんですが、ただ廃業すると家も土地も全部取られてしまうと。うちはばあさんとおふくろが残っていましたので、今更アパート住まいはさせられないしなということで仕事を続けなきゃいけない、こういう経験を実はさせていただいたわけでございます。 ですから、今、中小企業というか、特に零細の企業の方で資金繰りに困られている方の現状というのは、私、他人事には思えないと。ある程度認識を共有させていただいている者として、今日御質問の中に入れさせていただいたというのが一つでございます。 そして、私はその後、実は弟に家を代わりに継いでもらいまして、東京に出てきてITのベンチャーを立ち上げました。ちょうどITバブルと呼ばれていた時期でございまして、会社もある程度のスピードで伸びまして、かつベンチャーキャピタルから当時、数億円の御出資をいただいてある程度の成果を見たわけでございます。選挙に公募で出ることになりまして、会社の経営の方は人に任せて今こういう立場にあるわけでございますが、そのときに感じたのが、今日も質問させていただきます、やはり日本でITとか創業とかを支援する雰囲気自体がやっぱり欠けているなということ。それから、例えば経済産業省あるいは中小企業庁で様々な施策を実は打ち出していただいておるんですが、なかなかそれが伝わらないという問題でございます。 是非、私、これは個人的な体験も踏まえてですが、こういったことについて今後自分なりに精進をさせていただきたいという中での今日は質問をさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。 まず、中小企業の資金繰りの問題でございますが、一つ目お伺いしたいのは、昨年臨時国会で創設されました売り掛け債権担保融資保証制度についてでございます。 これは、土地の担保価値が下がっている、あるいは手形というものの流通量が少なくなっている中で、中小企業庁、特に新しい資金調達の手段として期待されて創設されたわけでございますが、実際この中小企業が有する売り掛け債権八十兆円以上あると。これは土地の九十兆というボリュームと比較しても遜色ないわけですけれども。どうも利用状況が今のところまだ芳しくないというお話があるわけでございます。これ、枠、多分二兆円取っていると思うわけでございますが、当然その周知を進めていただくのと同時に、使い勝手を良くしていただきたいということも急務かと思いますが、ここの点について、今のところ実績が低調な理由あるいはその対応についてお考えを経済産業省の方からいただければと思います。
○副大臣(大島慶久君) 小林先生に私からお答えをさせていただきたいと存じます。 今、先生がお話しになりましたように、まずその低調の第一の理由は、物理的な面が一つあると思うんです。これは、中小企業信用保険法の改正が昨年行われまして、法律の公布からわずか十日後の十二月十七日から運用を開始された。極めて短期間にスタートを切りました。そういったこともございまして、まだまだ行き届かない、そういう制度があることすら分からないというような状況から始まりましたので、まず第一の理由はそんなことであろうと思います。 ちなみに、三月十五日までの累計で申込件数が二百三十四件、そのうち保証承諾件数が九十五件でございまして、融資金額は現在のところ二十三億円ということでございます。 この制度は、やはり中小企業にとりましても金融機関にとりましても、全く今までの担保制度と違いまして新しい試みの制度でございますので、やはり実務面でそれを習熟し、売り掛け債権を担保とした融資が定着するまでにはまだまだある程度の時間を要するであろうと、こんな認識をさせていただいているところでございます。 そして、今お尋ねの今後の対応でございますけれども、まずこの制度の存在を関係者に十分周知普及していくことが大切であろうと思います。二つ目には、債権を譲歩したりあるいは担保として差し入れることに対して企業等が持つ抵抗感をなくしていこうと、こういったこともこれからこの制度を広めていく大きな要素になるだろうというふうに考えております。さらには、譲渡禁止特約、このことを解除していくことが、これは大きく利用される大きなネックになっているんじゃないかと。平沼大臣もいろんなところでこの御指摘をいただいておりますけれども、今後そういう努力をしてまいりたいと、そんなふうに思っております。 そして、具体的にじゃ何をしてきたかということでございますけれども、各信用保証協会やあるいは民間金融機関に対する情報の提供はもとよりでございますけれども、テレビだとか新聞といういわゆるメディアを通した広報、約二百万枚のチラシだとかリーフレットを経済産業省は用意をし、配布をさせていただいているところでございます。 そのほか、いろいろ努力している点はたくさんございますけれども、今後の我々の取り組む姿勢といたしましては、来月中旬に掛けて全国九ブロックごとで会議を開き、平沼大臣始め私ども副大臣あるいは大臣政務官がそういった地方に赴きながら、地方金融機関や中小企業団体等に対して直接要請を行う機会を設けることとしております。 私どもも更に努力をしてこの本制度の普及に努めてまいりたい、こういうふうに思うところでございます。
○小林温君 是非とも普及に向けてよろしくお願いしたいと思います。副大臣、ありがとうございました。 次に、昨年の三月の末に終了いたしました特別保証制度についてお伺いをします。 この制度は、終了時まで大変大きな実績を残された制度だというふうに思います。私も、実は制度の初年度です、九九年に一千百万円をお借りいたしました。うちの当時の売上げが年に一億二千万だったものですから、一か月分の必要資金量ということで一千百万円をお借りして大変助かったのを、当時、克明に覚えているわけでございます。 しかし、その後、中小企業をめぐる経営環境はいまだに改善していないわけで、返済に困難を来している会社やあるいは個人が多いというのも実情かと思います。その対応策、経済産業省でもう取っていただいているわけでございますが、返済条件の変更について弾力的な対応をしていただいていると。 その流れの中で、平沼大臣は、三月六日に、保証協会の全国の代表者との懇談会の中で、更に一層の弾力化について要請を行ったというお話を聞いております。その際の要請の詳細あるいはその保証協会側の反応、その反応に対する省としてのまず対応をお聞きしたいというのが一つと、それと特別保証の既往債務について、これ実際、返済条件を変更するというのは、会社の経営が苦しいということを知られるということが経営者側にはあるかと思いますが、これをすると実は新規の与信を受けられなくなるんじゃないかという経営者の方のお話も実はお聞きするところでございますが、その辺の実情についてもお答えをいただければと思います。平沼大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。 小林先生は、正に特別保証制度を利用された御体験を持たれて、そして非常に評価をしていただいている。そのことをお聞きして、大変お役に立ってよかったなというのが率直の私の実感であります。 これは、先生も御承知かと思いますけれども、異例、特例の措置として三年間、昨年の三月末までやらしていただきました。これは非常に皆さん方に幅広く利用していただきまして、そのうちの小林先生のケースは一件だと思いますけれども、全国でこれは百七十二万社が利用してくださいました。そして、保証実績も二十九兆と、こういう形で非常にある意味では大きな成果があったと思っています。 しかし、これは異例、特例の措置でございましたので、昨年の三月末で打ち切りました。しかし、今御指摘のように、非常にその後の厳しい経済情勢でございました。そういう中で、私どもは、やはり特別保証を受けられているそういう方々で、まじめに、そして潜在力があって一生懸命やっておられる方々には支払条件の変更に応じようと、こういう形でそこを弾力化いたしまして、そして先ほど百七十二万と申し上げましたけれども、現時点で条件変更は十二万八千件になんなんとしております。これだけの条件変更をさせていただきました。 しかし、更に今状況が非常に厳しいものですから、この前、早急に取り組むべきデフレ対策の中で更に、潜在力があってまじめに取り組んでおられるそういった方々、更に条件緩和をしようと。その中で、大型倒産でありますとか金融機関の破綻でありますとか、それからBSE問題、こういうのがありました。そういった連鎖に巻き込まれたような方々には、原則、お申出があれば条件変更に応じよう、こういうことで、私どもは指導を徹底をして、それが今円滑に動いていると思っています。 それから、お尋ねの三月六日のことでありますけれども、非常に厳しい今の日本の経済情勢で、実際に窓口になって全国でその衝に当たってくれております信用保証協会、これ五十二か所ありますけれども、そのトップに集まっていただきまして、先ほど副大臣からも御答弁をいたしましたけれども、売り掛け債権に着目したこのことも周知徹底してほしいということを申し上げ、そして、今御質問の条件変更をしたとすると、結局更なる融資が受けられないじゃないかと、こういう御心配があるわけでありまして、そこに関しては、ちゃんと正常にやっておられるところに関しては新たなそういった保証、そういったものもお受けするように、それは全国保証協会のトップに周知徹底をさせていただきました。 いずれにいたしましても、非常に厳しい状況の中で、中小企業庁をお預かりする経済産業省といたしましては、一生懸命更に具体的にきめ細かくやらせていただこう、こう思っております。
○小林温君 資金供給が潤沢でもなかなか中小企業向けの貸出しが進まないということもよく言われていることでございますので、今の点についても是非更に周知徹底の方をよろしくお願いしたい、こういうふうに思うわけでございます。 さて次に、ベンチャーについて少しお聞きしたいと思うんですが、平沼大臣は、さきの委員会における所信表明の中で、省として第一に取り組むべき課題として、経済の活性化と産業競争力の強化を挙げられました。そのためになすべきことの一つとして、「開業・創業へのチャレンジが適切に評価され、促進されるような経済社会システムを構築していくことが必要」だと述べられましたが、これは裏を返せば、実際、日本に開業・創業へのチャレンジを適切に評価するシステムがない、そういう社会風土がないということだろうと、こういうふうに思います。 これは大変大きな問題だろうと思うわけでございますが、特に、それでは今後、そういう起業家精神が評価されるような環境をこの日本で作っていくためにどのような方策を省としてお考えであられるか、下地政務官の方からお答えいただければと思います。
○大臣政務官(下地幹郎君) 小林先生の御質問に答えさせていただきたいと思っております。 今、先生が御指摘いただきましたように、起業家精神というものがなかなか評価されない。数字的にも表れておりまして、IMD、スイスのビジネススクールの起業家精神に対する調査においても、我が国は四十九か国中四十九番目という数字が出ておりますし、国際社会の、民間団体の調査でも、起業家を社会の中で評価するかというので、アメリカは九〇%評価する、日本は一〇%しか評価しない、そういうふうな数字が出ているので、小林先生のおっしゃるとおりだというふうに思っております。 どうしても、経済社会の中で活性化をするには、起業家、ベンチャー精神が必要でありますから、この精神を作っていくことは非常に大事だというふうに認識をしておりまして、長期的にも短期的にもそれを作っていかなければなりません。 当期的なところでは、今度、起業家精神をしっかりと作るという意味で、起業家精神涵養教材等普及促進事業というこういうプログラムがありまして、小学校とか中学校に、このように、起業家になると楽しいですよという教材を今配らせていただいておりまして、こういうふうなものを徹底しながら地道に進めていきたいというふうなことを思っております。 また、二点目には、今起業家精神をお持ちの方々がもっとパワーが出るような仕組みづくりをしなければならない、そういう意味で、規制緩和を撤廃するということ、そして起業家を、起こそうとするとき必要なベンチャーキャピタルや、リスクマネーが円滑に供給されるような体制作りをすると、そういうふうな意味で、ベンチャー企業にリスクマネーが行くような評価をする評価機関、目利きの機能の強化をするということ、そして、それに必要なその資金を集めるために担保や個人保証、そういうふうなものではなくて、ビジネスに着目した融資制度を作る。これが今私どもがやらせていただいております、新創業融資制度というものを今やらさせていただいております。 そして、三点目には、起業家になるための手続やコストが高いということをかんがみながら、こういうふうなものを簡素化しながらコストの低減を図ると、そういうふうな今三つの作業、長期的には子供たちに対しての起業家精神を及ぼす、そして今、起業家精神をお持ちでこれから頑張りたい人にはこの三つの作業をしていくというふうなことで対応させていただいております。
○小林温君 どうもありがとうございました。 やはり、そういう風土が芽生えてくる。そして、特にやっぱり日本の場合、審査体制の方も充実させていかなければいけないんじゃないかというのはITバブルが崩壊した後の反省でもあるかと、こういうふうにも思うわけでございます。 そんな中で、制度面で起業・創業に対する阻害要因の一つとして、やっぱり個人保証の制度が挙げられるんだろうと思います。私も先ほどお話ししましたように、一回もう入ってしまうと個人保証からもう抜けられない、こういう思いをしている方が全国にたくさんいらっしゃるんだろうと思いますが、経済産業委員会では、百五十三回国会の信用保険法改正案で附帯決議をして、その個人制度、個人保証の制度についても見直し・改善を図って、もう一度再起しやすい環境整備を努めることという一項起こしているわけでございますが、この個人保証の現状あるいはこれからの方向性について、平沼大臣の方からお考えを伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘のように、我が国の場合には新規に事業を起こす、こういうことですと、やはりアメリカと違いまして日本は間接金融でございまして、資金調達に非常にアメリカと比べてハンディキャップがあるということは事実です。 そしてまた、個人保証ということをおっしゃいましたけれども、個人保証があるために非常に意欲を阻害する部分もありますし、また先ほど御家業の本、文房具業の撤退を考えられたときに、余りにもそういう意味では個人保証の部分ですべてがなくなってしまう、そういうことで円滑な廃業もできないという御体験をお話ししてくださいましたけれども、そのとおりだと思っています。 そして、最初のいわゆる新規事業を起こすためには、先ほど下地政務官の御答弁にもありましたけれども、私どもとしてはやはり新たな企業を育てる、そういう環境を作らなきゃいけない。現在、日本では意欲を持っている方々随分多いんですね。例えば、毎年百二十万人ぐらいの人がベンチャーを含めて新規に開業したいという意欲を持っていますけれども、実際にいろいろな阻害要因があって十八万社ぐらいしか誕生していない。言ってみれば、廃業率が開業率を大幅に上回っているというような現状であります。 そこで、ここはやはりその個人保証だとか第三者保証だとか、そういうことじゃなくて、事業計画と極端に言えばこれからやろうとする人の意欲、更に言えば目の色を見て、そういう意味で積極的に新しい起業家精神を育て、新規産業を起こしていこうと、こういうことで御指摘のそういう法案も作らせていただきまして、そして、これが今動き出しました。これの三月十五日現在では既に二百二件で約六億円の融資という、そういう実績ができまして、これは従来に比べて約四倍のペースで進んでいるわけで、ここのところをどんどんどんどん持っていかなければならないと思っています。 それから、いわゆる事業破綻の際に個人保証した創業者の責任追及というのが、アメリカの場合ですと車一台とか住んでいる住居ですとか、ある程度確保されて再度立ち上がれる、そういう仕組みになっていますが、日本の場合には仏壇と二十万円だけというような、そういう形で廃業したくてもしようがないということですから、附帯決議等でこの辺はやらせていただこうということで、今法務省におきまして破産・倒産法制の検討が進められているところでありまして、こういう観点を十分に踏まえまして、差押禁止財産の範囲の在り方、こういったところまで立ち入って、私どもはやはりそういうインセンティブを与えるような、いい意味でどんどん企業を創業者精神で起こしていただく。それからやっぱり撤退するときも撤退しやすいようなそういう状況を作り、更に再チャレンジできる、そういう状況を作っていくことがこれからの日本の経済の活性化にとって必要だと、こういうことで今取り組んでいるところであります。
○小林温君 大変心強いお答えをいただきました。やはり開業支援というのをしっかりとこれから視野に入れて、低付加価値の産業から高付加価値の産業に産業構造を転換していく上でも、やはりやめたいなと思っている方々にすんなりとやめていただけるような何か仕組みを作るというのも必要なのかなと、私自身思うところでございます。 次に、お金の話についてお伺いしたいんですが、千四百兆円の個人資産が、金融資産が日本にはあるとよく言われるわけでございますが、これをどうやって流動化させていくかという中で、創事業支援、ベンチャー企業の育成にもこの千四百兆円の有効活用というのが必要なんだろうというふうに思うわけでございます。 例えば、エンゼル税制あるいは株式投資に対する優遇策等、お金を動かそうという仕組み、特にベンチャーに絡む部分でもあるわけですが、例えばそのエンゼル税制の利用者が非常に少ないというのもこれまた現状だと思います。一つにはその認定手続が煩雑だったり、あるいは給与所得と通算できないという構造上の問題もあると思うんですが、この辺、今のエンゼル税制の問題点あるいは今後の課題などについてお伺いしたいというふうに思います。
○大臣政務官(下地幹郎君) 小林先生、先ほどお仕事の話をしておりますのでよくお分かりだと思いますけれども、企業を創出する場合、そして企業を創出してからステップアップする場合、また資金が必要になってくるわけでありまして、そのときに出し手の方の立場で出しやすいような環境作りをするというのは、非常に投資家にメリットのあるような仕組み作りをするということは大事だというふうに認識をしているんです。 先ほど申し上げました平成九年の六月にエンゼル税制を創設してあります。譲渡等によって損失が発生した場合にはその損失を三年間繰越しをする、他の株式譲渡益と損益通算を可能とする、そういうある意味ではセーフティーネット的なエンゼル税制になっているんですけれども、それを平成十二年度にはもう一回改正をいたしまして、今度譲渡益が発生した場合にはその四分の一に圧縮して、譲渡益を四分の一に圧縮して課税を措置すると。この税制によって、利益が出てもこれが株式投資をした人に戻るというふうなことを新しく改正をしたわけなんです。 しかし、先生おっしゃるようになかなかまだ不十分だという声があることだけは確かでありまして、これからもう一回そのことも踏まえて検討をしていかなければいけないのではないか。そして、証券関連税制の見直しを踏まえて、投資をして結果が出る段階ではなくて、投資の段階で考えていくということも将来視野に入れながら調整をしていくことも必要ではないかなと、そんな認識を持っております。
○小林温君 ありがとうございます。 当然そのエンゼル税制、これから活用をしていただきたいと思うと同時に、お金の流れ全体を間接金融から直接金融にシフトしていく、こういうことの必要性も言われて久しいわけですけれども、直接金融の活性化と同時にそのベンチャーキャピタルの資金の流入を積極的に促すということもその流れの中で大いに意味があることだと思いますが、これも今余り進んでいないという状況があるかと思いますが、その阻害要因が何か、あるいはどういう対応をしていくのかということについてもお答えをいただければというふうに思います。
○大臣政務官(下地幹郎君) 冒頭で小林先生から御質問がありましたように、起業家そのものが評価をされていないというふうなところから、直接金融市場からの資金供給というものは今なかなか難しいような状況にあることだけは確かだと思います。 アメリカの場合ですと、ベンチャーキャピタルからの投資額がその我が国は二十分の一でありますから、スタートアップの段階じゃなくて株式公開直前の段階に偏っているというふうなこともなかなかベンチャー企業を育てる仕組みができていないなと、直接金融市場からの十分な供給ができない環境にあるなということであります。 ここで、先ほど申し上げましたエンゼル税制その他でもやらさしていただいておりますけれども、中小企業総合事業団及び産業基盤整備基金からベンチャーキャピタルファンドへの公的資金の制度を創設することもさしていただいております。ベンチャーキャピタルやエンゼル投資家からベンチャー企業への資金の供給が促進されるような施策を講じていきたいというふうに思っております。 そういう意味でも、今後ともベンチャー企業の創業、スタートアップの段階における投資判断を補助するために目利き制度ですね、先ほど大臣が申し上げましたように、プランで、ビジネスプランで融資ができる制度などをこれから一生懸命に取り組んでいきたいというふうに思っております。ベンチャー企業に投資をしやすい環境整備を作って、ベンチャー企業の創出、育成に積極的に取り組んでいくということが大事ではないかなというふうに思っております。
○小林温君 今お話をいただきましたその中小企業総合事業団による投資事業組合の出資の制度なんですが、これは私は非常にいい制度だと思います。 というのは、ITバブルがはじけて、本来であればもっとその、例えばセカンドステージ、サードステージで資金の必要な民間のベンチャーに、民間のリスクマネー自体が細ってしまってなかなか入らなくなっている現状が実は今ありまして、例えばもしかすると十年後にマイクロソフトになるかもしれないような企業も資金繰りに困っているような現状も実はあるわけです。そんなときに、ある意味ではもう一回民間のリスクマネーがうまく円滑に回るようになるまでのつなぎとして、あるいは民間の資金の呼び水として、政府の役割というのが非常に重要な意味を今持っているんだろうと思います。 そこで、その投資事業組合の出資制度の現状と、それから今大学発ベンチャーあるいは地方発ベンチャーということもいろんなところで活発になっているわけですが、この分野においても私は政府の資金供給、何らかの形で行うことが必要だと思います。このニーズについてどういうふうにお考えか、大島副大臣、よろしくお願いいたします。
○副大臣(大島慶久君) 中小企業総合事業団による投資事業組合への出資の制度でございますけれども、国内の成長初期段階にある創業あるいはベンチャー企業への投資促進を目的とするものであります。これは今、先生が自らお話しになられましたけれども、その状況でございますけれども、平成十一年の制度創設以来、これまでに十三の組合に出資をさせていただいております。そして、ファンド総額は約二百三十億円に達しております。計二百六十七の創業・ベンチャー企業に出資を行っている、これが実績でございますけれども、この中には、大学等が保有する技術シーズを基にいたしまして事業を行ういわゆる大学発ベンチャーを支援する投資事業組合や、あるいは地域経済の活性を図るベンチャーを支援する投資事業組合への出資も含まれております。 経済産業省といたしましても、我が国のこの産業の競争力の源となる大学発ベンチャーや、あるいは地域経済の活性化を図るベンチャーの推進はもう極めて重要である、こう認識しております。今後とも、投資事業組合からの出資を通じて、こうしたベンチャー企業へタイミング良く資金の供給がなされるように一層の努力をしてまいりたい、また出資については審査の迅速化を図る、こんなことにも心掛けながら、創業・ベンチャーの支援を更に進めていく努力をさせていただきたいと、こんなふうに思っております。
○小林温君 ありがとうございます。 私、その仕事、先ほどのITベンチャーの仕事の中身なんですが、実は日本商工会議所さんの会員向けのポータルサイトの構築をやらせていただいておりました。つまり、例えば中小企業の創業支援だとか、あるいはいろんな営業支援だとか、そういうものをポータルサイトで実現しようということでやっていたんですが、そのときに経済産業省さんあるいは中小企業庁の創業支援あるいは各種施策のデータベースを作って載っけたわけです。 そのとき思ったのは、実はたくさんの豊富なメニューのいろんな施策があるのに気付いたわけですね。ところが、やっぱり私の感覚で言うと、税制だとか補助金だとか窓口だとかあるにもかかわらず、やっぱりどうもお役所仕事の雰囲気が抜けない、制度の周知がうまくいっていないという感覚を、感触をその当時、私、持ったわけですね。 この辺のやっぱり問題意識から、例えば特に若い創業・ベンチャーを志す者に対してどんな身近な支援措置があるのか、あるいはこれからどういった方向で考えていかれるのかというようなことについて平沼大臣からお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 小林先生の御意見というのは自主体験に基づいておられますので、非常に具体的によく分かるわけでありまして、経済産業省といたしましてもベンチャーをやっぱり育成するためには身近に幅広く皆様方が利用できるそういう窓口を作らなきゃいけない。しかし、お役所仕事ということをおっしゃいましたけれども、なかなかその辺の周知徹底ができていない、そういうことも踏まえて大きく分けて現状は三つの分野できめ細かい対応をさせていただくと、こういうことに相なっています。 一つは、これ全国八ブロックに中小企業・ベンチャー総合支援センターというのを設置しておりまして、ここはやっぱり民間企業出身の特に経営面での専門家でございますプロジェクトマネジャーを常駐させまして、技術も含めて様々な分野で多数の専門家、例えば最も多い東京では五十一名、まず対応させていただいて、交代で常時アドバイスができるようなそういう体制を取っておりまして、こういう創業・ベンチャー希望者に対して具体的に、そして専門的な相談に応じられる、こういうことを一つ取っております。 それと同時に、全国五十四か所に都道府県等中小企業支援センター、ここにもプロジェクトマネジャーとサブマネジャーがおりまして、今言ったような状況で対応さしていただきます。それから、このセンターでは、今ITの時代ですからネットでの相談も応じるようにしておりまして、この辺で小林先生が商工会議所でいろいろやっていただいたところが反映されているんじゃないかと思っていますけれども、時間的に制約のあるそういった方々に利用していただく。 更に加えまして、全国これは二百五十か所に地域中小企業支援センター、そういったところでも週末、夜間にも窓口を開くなどして、それぞれが工夫して創業・ベンチャーの希望者の身近な手軽な気軽な相談に応じる、こういう体制を一つの塊としてやらしていただいています。 二つ目は、これは恐らく御関係いただいたんじゃないかと思いますけれども、全国各地の商工会議所それから商工会連合会、こういったところで創業塾とか創業講座ですとか創業セミナー等、創業希望者に対して、民間専門家により必要な知識、情報を提供するとともに、具体的な相談に応ずる各種の会合を開催して、割合きめ細かく対応さしていただいています。来年度はその対象者を、今年度の数から倍増しようと、こういうことでいろいろ取り組んでいるところでございまして、これは十三年度は二万人という実績でございますから、倍増ですと四万人と、こういう形に相なると思います。 それから三つ目としましては、経済産業省主催で、これは年一回でございますけれども、ベンチャーフェア、こういうものを開催をさしていただきまして、本年度は約二万人の参加という形でございまして、この際にも中小企業庁だとか関係機関、民間の専門家、この中には公認会計士あるいは診断士等が含まれますけれども、このフェアで相談会を開いて、そして相対で相談に応じると、こういうようなことをやっております。 そのほか、いわゆる相談体制というのを更に充実を図り、それからセミナー、フェア等の広報や開催方法をもっと工夫することによって、御指摘の、だれでもが気軽に、そしてどこでも相談に応じられるようなそういう体制を作って日本の経済の活性化、これに資していきたいと、こういうふうに思っています。
○小林温君 ありがとうございます。 制度を今いろいろお聞きしましたが、やはり運用面で更に御工夫をいただくということが大事だろうと。 例えば、私、お願いすることがあると。一例として、渋谷にビットバレーと呼ばれるITの若者が集まっているところがあるんですが、彼らはライフスタイル自体が仕事の中に組み込まれていまして、例えばワンルームマンションで十人ぐらいでぎゅうぎゅうで徹夜で仕事をして、疲れると外に出て遊んで御飯食べて帰ってきて、そんな生活をしているわけですね。 だから、例えば、それが結果的に新しい発想を生んだり、新しい技術開発に実はつながっているわけですが、例えば渋谷のセンター街のど真ん中に今の支援センターを一つ作っていただいて、形は若者受けする、従来の商工会議所の窓口と全く違ったものを作っていただいて、そこに来るといろんな制度支援が実は受けられるんだよと、こういう例えば雰囲気を作るだけでも、例えば今ある、多分ミスマッチというのがあると思うんですね、ニーズと政策の間の。こういうものも解消されると思いますし、また彼らはある意味で言うと日本の将来の産業を作ってくれる宝だとも思うわけで、彼らに対して、政府というのは実はやってるじゃんと、こういう認識を持っていただくことにもつながるんじゃないかと。そんなことも私なりに実はお願いしたいと、こういうふうにも思っているところでございます。 済みません、なかなか時間が足りないようでございます。 次に、ITの分野あるいは日本の国際競争力の分野についての御質問をさせていただきたいわけでございますが、一つにはやっぱり国際競争力を強化していくために、政府はやっぱり重点的に戦略性を持ってITのインフラ投資あるいは技術開発を支援していくことが必要だろう、こういうふうに思うわけです。 かつて産業政策というものがあったわけですが、以後、なかなか、政府というのは民間に介入すべきじゃないという流れもあるわけですけれども、今の、特にITの分野を中心とした流れが速いと、あるいは技術開発に、インフラ整備に多額の費用が必要だという中で、もう一度官の在り方というものを問い直してみる必要があるんじゃないかというふうにも思うわけです。 特に一つには、私は、システムの開発の環境もやっぱりオープンソースというのが今世界の流れでもございますので、その辺もこれは戦略的に、国としてオープンソースでeガバメントも作っていくんだというふうな選択というのも一つあるんだろうというふうにも思うわけでございますが、この辺のところも踏まえて、官の役割、この時代における、というものをどういうふうに認識をされているかということを松政務官の方にお伺いしたいというふうに思います。
○大臣政務官(松あきら君) 小林先生は、先ほど御自身でもおっしゃっておられましたように、IT関連の企業を経営なさっていらしたということで専門家でいらっしゃいますので、何か私がお答えするのも申し訳ない気がいたしますけれども、お役目ですのでお答え申し上げたいと思います。 我が国におきますIT化の取組といたしましては、昨年一月、e—Japan戦略を策定いたしました。これは先生御存じだと思いますけれども、二〇〇五年までに世界最先端のIT国家となるとの目標を掲げるとともに、同年三月に具体的施策を示したe—Japan重点計画を公表するなど、積極的な取組を行っているところでございます。 先生御指摘の我が国におけるIT化の推進における官民の役割分担ですね、これはやはり私は、民間が主導的役割を担うとの考え、これはもうそうであるというふうに思います。しかし、政府の役割は、民間の活力が十分に発揮されるための規制の見直しや、あるいは公正な競争の促進を行う、こういった環境整備を行うことであると認識をいたしているところでございます。 しかしながら、電子政府の実現あるいはIPv6の導入ですね、あるいは半導体など、IT関連における基盤となるような技術の研究開発、やはり民間主導では十分な対応がやっぱり期待できない、お金も掛かるということでございまして、こういう分野につきましては政府自らが積極的に対応していくことが必要であると考えております。 御指摘のオープンソース、戦略的に考えよとおっしゃっております。確かにそうであると思います。そのオープンソースの利用につきましては、システムの互換性の向上あるいはコストそのものの低廉化などの効果が高いものと承知をいたしておりますけれども、最近の政府のシステムの導入に際しても、機種、ベンダーなどに依存しない方法での開発に現在努めているところでございますが、更にオープンソースにつきましては今後研究をさせていただきたいと思っております。また、半導体などは日本の競争力のかなめにもなるというふうに思っております。例えば、十三年度補正予算でも三百十五億円を計上いたしております。 今後とも、専門家でいらっしゃる小林先生の御意見を賜りながら積極的に進めてまいりたいと存じております。
○小林温君 ありがとうございます。 今、電子政府のお話もいただいたわけでございますけれども、やっぱり国として注ぎ込む資源ですね、予算ですけれども、間接的にでも国家の競争力の向上につながるのかという、こういう判断基準を是非とも入れていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 それで、質問をちょっと二つまとめさせていただきますが、一つは、今、政務官にもお触れをいただきましたプロジェクトマネジメントという考え方でございますが、電子政府を進める上で、やっぱり投資の効果をどう図るか、あるいは最大化していくかということを考えますと、プロジェクトマネジメントという考え方自体大変重要なんだろうというふうに思うわけですが、なかなか日本にはこの発想自体が官はおろか民にもないというのが、アメリカと比べた場合に非常に憂うべき事態だと私は思っております。経済産業省では研究会を設置をされて検討を開始されているというお話もお聞きしておりますので、この辺の認識をお伺いしたい。 そしてもう一つお触れいただいたIPv6でございますが、これも非常に日本政府として戦略的にどう位置付けていくかということが問われている分野なんだろうというふうに思います。ちまたでは目標達成がなかなか厳しいんじゃないかという、このIPv6の普及に関して、そういう話もありますが、日本では今のプロトコルでありますIPv4のアドレスが足りないという現状もございますし、世界に先駆けて情報家電をどうやって普及させていくかという観点もありますので、是非とも政府の、あるいは産業界が一体となってこのIPv6を普及させていただきたいと思うと同時に、やはりアメリカがどうもこのバージョン6に対して乗り気じゃないと。アメリカは4でアドレスが豊富にある。8にそのまま移行しようという話もあるわけでございますが、政府として、国際標準化というものも実際他国も巻き込んで考えていくべき部分なんだろうと思いますが、その辺の戦略についてもお考えをお伺いできればというふうに思います。
○大臣政務官(松あきら君) 電子政府の取組でございますけれども、やはり電子政府というものは国民の皆様あるいは企業の方々の利便性の向上につながるばかりでなく、行政自身の効率化あるいは透明性の向上にもつながる重要な施策であるというふうに考えております。電子経済産業省、e—METI推進本部を設置をいたしましてこれは強力に推進をしているところでございます。 お時間がないようで、両方まとめてということでございますけれども、私は、やはり汎用電子申請システムというものを我が省も活用して、数千の手続をできるだけ早期にオンライン化してまいる今ところでございますけれども、やはり大事なのは、電子政府の構築に当たりましては、情報弱者と言われる方々に特段に配慮しなければいけないというふうに思っております。 例えば、情報バリアフリープロジェクトなども作りまして、高齢者あるいは障害者などの方のための機器の開発なども同時に進めているところでございます。やはりこれを忘れてはならないというふうに思っているところでございます。 そして、情報システムに係る政府調達府省連絡会議というものを設置をいたしまして、調達制度の見直しについて具体的に検討をいたしておるところでございます。当面の見直し事項を取りまとめまして、この平成十四年度の可能な調達案件から逐次適用していくところでございます。 御指摘になりましたCMMですね、プロジェクトマネジメント、近年、進歩の著しいソフトウエア工学などの成果を取り入れつつ、電子政府システムの導入における調達管理の適正化につきましても、これらの措置と併せて取り組んでいくことといたしているところでございます。 そして、先生おっしゃっておりましたIPv6、これはやはりほぼ無限のインターネットアドレスを整備することを可能にする、とする、すばらしいというふうに思っております。自動車などのモバイル環境での通信などにも優れた次世代のインターネットプロトコルとして、e—Japan重点計画でもその実現が期待されている重要な技術であると認識をしているところでございますが、また御指摘のように、国際的に見ても我が国がリードを取ることができる可能性のある分野であると思いますけれども、国際標準を進めろということに関しましては、やはりこれから私どもの省としても進めてまいりたいというところにとどめさせていただきたいというふうに思います。 以上でございます。
○小林温君 駆け足になってしまいまして、答弁の方も早口で、大変申し訳ございません、御迷惑をお掛けして。 最後に、京都議定書について御質問と思っていたんですが、簡単に、やはりこれは日本がイニシアチブを取らなければならない。アメリカは離脱しています。それから、国内で産業界からどういった、産業界でどういうふうに協業、共同作業をしていくのかということも大事でしょうし、例えば、現実的に排出権取引を日本で行う場合に、ロシアから税金を投入して排出権を買ってこなきゃいけない、こんなのも含めて国民にしっかりと訴えて世論を喚起していかないと、もうこれは、次のステージは間もなく始まるわけでございますので、その辺の決意も簡単に平沼大臣の方から伺えればというふうに思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) この京都議定書に基づく、二十一世紀は環境の時代と言われておりますけれども、これを履行するということは日本にとって大変重要なことだと思っております。 しかし、さはさりながら、経済と環境をいかに両立させるかということが私は大切なポイントだと思います。そういう意味で経済界は、私は、それぞれポテンシャリティーあります。したがいまして、自主的な取組ということを、私どもはまず全面でこれを展開していくことが必要だと思っております。 それから、京都議定書にあります排出の取引の問題、この議定書のメカニズムというのも、今御指摘のように、国民の合意を得ながら、やっぱりそのことはこの削減を目標達成するために私は必要なファクターだと思っています。 それからもう一つ、これは一番肝心なことだと思いますけれども、やはりこの議定書の中にCO2の全世界の四分の一を排出しているアメリカが参加していない。そしてまた、人口十三億で経済成長率が七%から一〇%に上っている中国、さらにその後を追っている人口十億のインドも加盟していないということは、これの二十一世紀の環境を考える意味では、やはりここのところは同じ土俵に上がっていただくように、我々としては一生懸命二〇〇五年に向けて努力をしていかなきゃいけないと、こう思っております。
○平田健二君 民主党・新緑風会の平田健二です。どうぞよろしくお願いいたします。 今日は時間もそうございませんで、タオルのセーフガードについてのみお尋ねをいたしますので、どうぞひとつよろしくお願いします。 先日、昨年二月に業界から発動の要請のありましたタオルのセーフガードについて、これは新聞の報道ですけれども、タオルの発動は見送ると、こういう報道がなされました。このことについて、事実かどうか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御承知のように、タオルの繊維のセーフガードの発動ということは調査の段階でございまして、調査期限を御承知のように昨年の十月十五日と、こういうことにいたしておりました。昨年の十月の時点で直近の輸入動向を見ますと、輸入の急増というものが認められるか否か、この判断は直ちに非常に困難であったということから、引き続き輸入動向を見極めようと、こういう形で検討をすることといたしまして、さらに調査期間を六か月、本年四月十五日まで延長いたしました。 そこで、お尋ねのもう見送るかどうかということは、全くそういう事実はございませんので、我々としては、やはり今データをしっかり見極めつつ四月十五日までしっかりと今検討していると、こういうことでございまして、そういう事実は今ございません。
○平田健二君 それですと、タオル業界が発動を要請したわけですから、多分相当な輸入があったと思いますので、平成十年以降の輸入量についてお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) それでは私からお答えします。 調査対象であるタオル全体の輸入量につきましては、一九九八年が四万八千三百三十四トン、そして一九九九年が五万六千三百十一トンで対前年比、これは一六・五%の増加でございます。それから、二〇〇〇年が六万四千九百九十七トンで対前年比一五・四%の増加です。そして、二〇〇一年が六万九千百十トンで対前年比六・三%の増加、それから本年一月までの直近一年間では六万八千七百十三トンで対前年比四・二%の増加と、こういうことになっております。 一方、タオル全体に係る輸入浸透率につきましては、政府調査の結果、九八年が四一・七%、九九年が四六・九%、二〇〇〇年が五二・八%となっておりまして、また二〇〇一年につきましては、これは繊維統計のデータを基にした推計でございますけれども、五七・〇%と、こういう数字になっております。
○平田健二君 今、大臣から数字の発表があったんですけれども、その数字でいくと、昨年の十月時点でセーフガードが発動をしてもいいという数字にはなっておりませんか。いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) これは総合的に判断をいたしまして、私どもとしてはこのセーフガード発動ということは、これはWTO上認められているルールでありまして、その産業に壊滅的な打撃を与える、こういうことが実証された場合にWTO上のルールで認められている、こういうことでございまして、私どもは、今申し上げたような数字は、それは見方によっては、それは発動をする、そういう数字ということにも見えますし、しかし総合勘案をしたら、やっぱりもう少し調査をしてみる、そういう判断に立ちまして、調査、調査継続と、こういうことにいたしたわけであります。
○平田健二君 これはもう御承知だと思いますが、九四年、九五年、九六年、九七年、それで今回と、繊維の業界がTSGの発動要請を幾度かしたんですけれども、そのたびに技術的なといいますか、判断はまあいいと、ただまあ政策的な判断として見送らざるを得ないんだということでずっと見送ってきた経緯がありますね。 実は、これは一九九四年、平成六年十一月十七日、衆議院の世界貿易機関設立協定等に関する特別委員会の中で、今ここにいらっしゃいます松田先生、松田先生が質問をしておるんですね、繊維の状況は大変だと、だからMFAのルールに従ってセーフガードを発動すべきじゃないかと。ところが、まだその当時、そのルールができていない、急いでルールをつくっておるんだと、こういう話でした。 そのときにお答えになっておるのが橋本当時の通産大臣、いろんな面白いことを言っておるんですね。橋本さんはこう言っておるんですよ。カレンダーを三十年ほど返してみますと、大変皮肉なことだなと今思いました。私は当時紡績会社の社員でありまして、通産省の繊維担当部局に書類を届けるのによく行きました。通産省はとても怖い役所だったなと今改めて思っております云々ございまして、私は通産省にセーフガードの発動を何回かお願いをした経験があります。そのときにお答えになったのが江崎さんです。いろいろと技術的な問題もあるけれども、要は政策的な判断なんだと。特に、東南アジアを中心とした国々との貿易の関係、特に当時は貿易黒字が大変多くて問題であったと。だから、技術的な問題よりも、むしろそういう政策的な判断が優先をしてセーフガード発動は見送るんだと、こういう発言をされておるんですね。正にそのとおりです。 ところが、これ十八日の新聞です。アメリカが鉄鋼のセーフガードを発動すると決めたという報道がされております。日本やEUは、あるいは韓国も含めて抗議をするという報道ですが、実はアメリカも分かっておるんですね、これ。発動すればいろんな問題がある、でもまずアメリカ政府は自分の国の産業をどう守るかということがまず大前提でこういうことを考えた。 私は、日本の政府も経済産業省も、いろんな差し障りがあってもまず日本の繊維産業、タオル業界がどういう実態にあるのか、タオル業界どうするんだということを前提で考えなきゃいかぬ。全く逆ですね。何か経済産業省、特に繊維の問題見ますと、何かよその国の役所のような感じがします。できるだけ日本の国の繊維産業が競争力をそぐような形で政策を進めているような感じがしてなりません。 今回のタオルのセーフガードについても、今、大臣は、まだあと一月ぐらいあるので発動見送ったわけじゃないというふうにおっしゃいましたけれども、でもこれはあながち私は全くでたらめを書いておるというふうには思いません。過去の日本の国の通産省、経済産業省が取ってきた繊維産業に対する政策を見れば、発動を見送るのは当然だというふうにだれが見ても分かる、こういうことを言っておるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、私どもは六か月延長しまして、四月十五日までが調査期間に相なっています。そういう中で今、直近のデータというものを冷静に見ながら最終判断をしなければならないと思っています。 私も、タオル業界の皆様方が経済産業省に来られて、その非常に厳しい状況、そして業界の皆様方が大変な構造改革にも積極的に取り組んでくだすっている、そういったこともよく承知をしておりますし、この件は慎重に私どもは四月十五日に向かって判断をしていきたいと、このように思っております。
○平田健二君 中国がWTOに加盟をいたしました。加盟したことによって、対中国の繊維のセーフガードが、いわゆる均てん条項が日本にも適用されるようになりました。これらの概要について御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(大島慶久君) 今、内容についてのお尋ねがございましたのでお答えを申し上げたいと思います。 対日、対中繊維セーフガードは、中国のWTO加盟に際しての条件を定めた作業部会報告書で規定をされているものでございます。 その内容は、中国を原産地とする繊維、繊維製品の輸入により国内産業に市場の攪乱を起こした場合等に取られる数量制限措置でございまして、二〇〇八年末まで認められているということになっております。 そして、繊維に関しましては、現在、WTO協定上繊維セーフガードがございます。輸出国側の措置を原則として、二国間協議が不成立の場合は輸入国側で輸入数量制限措置を取るということは共通でありますけれども、両制度の違いといたしましては、一つ、まず対中繊維セーフガードは中国のみを発動対象国としているということでございます。そして、二つ目には、繊維セーフガードは重大な損害を発動要件としているのに対して、対中繊維セーフガードは市場攪乱を発動要件としているところでございます。第三番目には、繊維セーフガードは最長三年間の措置であるのに対しまして、対中繊維セーフガードは原則中国へ協議要請をした年の十二月三十一日までの措置であるというようなところが違いでございます。 対日、対中繊維セーフガードにかかわる国内法令の整備につきましては、現在、外為法に基づく告示の制定の作業を鋭意行っているところでございます。 以上でございます。
○平田健二君 大臣、今回のこの均てん条項で中国に申し込む、申入れするあれはございませんか、用意は。
○国務大臣(平沼赳夫君) これは今、中国とは前のネギ等三品目、こういった形でセーフガードを発動し、その後両国首脳間で中国と日本というものは非常に相補完関係あるし、重要な関係があると。そういう意味で、やはり話合いを基調としてやっていこうということで、野菜の問題に関しては話合いという共通の場ができ、今それで協議をしております。 そういう意味では、非常に日本と密接な関係のある、経済関係も非常に交流の深い中国に対しましては、私どもとしてはやはりせっかく築いたその話合いの路線というものをまずしっかりと守りながら、その中で中国と両方の共通の利害、そういうものをベースにしながら中国とは対処をしていく、そういう方針でございまして、今、対中繊維セーフガードを早急に発動するというようなことは今のところ私ども思っておりません。
○平田健二君 これは三月十二日に経済産業省が発表した数字なんですが、中国からの輸入量は、先ほど大臣がおっしゃいましたように、九九年が四万三千八百五十九トン、二〇〇〇年が五万一千トンちょっと、二〇〇一年が五万五千トン前後増加しております。 国内の生産は、御承知のように、九九年がマイナス八・三%、二〇〇〇年がマイナス一三・四%、二〇〇一年、一・四半期ですけれども一二・九%の減少。そして雇用ですけれども、一九九九年は雇用者数が七・二%減少、二〇〇〇年が一〇・三%、二〇〇一年は、一・四半期ですけれども一〇・九%減少しておる。 日本のタオルの業界は正にもう縮小均衡というよりも成り立っていかない、もうタオルは日本で作らないでいいじゃないかということですか。それならそれとはっきり言った方がいいんですよ。いつまでもこういう制度があるから、TSGの発動できる、こういったことをいつまでも幻想を抱かしておくことはむしろ酷ですよ、業界にとって。もう日本はこういったTSGなんて発動はしないんだと、何かそういうふうに決めてやらなければ、極端ですけれども、いつまでたってもだんだんだんだん縮小、縮小、縮小していく、こういう実態ですよね。やっぱりWTOのルールに従って、しっかりルールに従った形で発動をするということは私は当然だと思いますし、先ほどちょっと御紹介申し上げました。当時、橋本さんはこんなことを言っておるんですよ、そして更に。「私は、このMFAの準備が整うということは日本の繊維産業が一つ戦う武器を、堂々と戦う武器を一つ持つことになる、この点は大きく変わっていくと考えております。」。TSGを発動するルールを確立すれば大きな武器になる、WTOのルールに従って正々堂々と発動するということを日本が持つのだということを言っておるわけですね、平成六年。今日まで正に何にもなっていないと思うんです。(「懐かしいね、それは」と呼ぶ者あり)懐かしいですね。当時、そういうふうに発言しておるわけですよね。 通産省、経済産業省は今日まで、分かりますよ、対中国との交渉の難しさというのは。でも、繊維業界としては、もうとにかく何でもいいからやってほしいんだということだと思いますね。是非ひとつ、四月十五日までありますので、お考えをいただきたいと思います。 それから、今お聞きしましたら、新しいその対中国繊維セーフガードのガイドラインを作成中だというふうにお伺いしましたけれども、進展、進行状況はどうでしょう、どのくらい進んでいるんでしょうか。
○副大臣(大島慶久君) 正に先生のお尋ねの内容でございますけれども、現在、その法案が国会で審議をされているところでございまして、これは関税暫定措置法の改正が必要であるということがベースにございまして、この国会で今審議をされている、こういうふうにお答えをさせていただきたいと思います。審議中ということでございます。
○平田健二君 いつごろまでに。
○副大臣(大島慶久君) できるだけ早くそれが決着を急ぐようにやらせていただきたい。そして、できるだけ早いうち、この法律が通れば国内のいわゆる制度の整備に向けて努力をしていかなければいけない、こういうことが関連してまいると思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) ちょっとその補足を。 これに関しましては今、大島副大臣から御答弁をさせていただきましたけれども、中国のWTO加盟に際しましては、対中繊維セーフガード以外に、中国を原産地とするすべての品目の貨物を対象とする対中経過的セーフガードがあります。これについては関税措置もあることから、関税暫定措置法の改正が必要であり、このことは現在、その法案が国会で審議されています。 お尋ねの対中繊維セーフガードにつきましては、発動要件であります市場攪乱の規定の仕方など対中経過的セーフガードと類似の点もございまして、これと平仄を合わせる必要があることなどから、その国内制度整備も踏まえて作業を行っておりまして、できるだけ早くその体制を取る必要があると、こういうふうに思っております。
○平田健二君 これは、現在のいわゆるTSG発動のガイドラインですよね。これ見ますと、とにかく発動できないというそのことが書いてあるんですね。 特に、政策的な判断の部分では、この判断に当たっては、我が国の置かれている国際経済情勢や輸入促進の重要性にかんがみ、極力厳格に対処するものとすると、こういういろんなくだりがありますが、こういう難しいものを作らないようにしてほしいんですよ、ガイドラインは。これはTSGが発動できない、しないためのガイドラインですよ、はっきり言っておきますが。させないためのガイドライン。今度は発動できるためのガイドラインを是非作ってほしい、このことを要望しておきます。 それから最後に、農産品のセーフガード暫定措置に対して中国は対抗措置を取ってまいりました。中国はWTOに加盟した後もこれ対抗措置をずっと続けました、確かに時間は短かったですけれども。WTOのルールでは、したがって、従えばWTOに加盟した瞬間に対抗措置はなくなるはずですが、中国という国はそういう国なんですよ、極端に言えば。ルールを守らないということなんです。ルールを守らない国にどう守らせるかということをしっかりやらなきゃいかぬ。もっとしっかりした外交交渉、中国との交渉を是非お願いをして、質問を終わります。
○本田良一君 同じく民主党・新緑風会の本田良一です。 今日は、私は、小さく政策の追及をするということでなくて、今、日本が置かれました、世界の中でどのようにこの経済再建をやっていくかという大きな観点からひとつ質問をさせていただきます。 私、先般、学生のころは世界史も取っておりますから、世界の歴史は大体のみ込んでおりますが、この間テレビを見ておりましたら、陸奥外相の特命を受けた牧野さんが列強五か国の中で会議を、臨んでいる姿を拝見をいたしました。このときに思いましたのが、ああなるほど、今、日本はサミット七か国の一員であるけれども、結局、日本という国は戦前からも世界の列強の中で五か国の中にちゃんと位置付けられていたんだなと。戦前、戦後を通じて日本は世界の列強の中で先進国として位置、存在をしてきた、このことを思い起こすことができました。認識をしました。 そこで、それはなぜであったかといえば、やはりこの日本人の持つ工業生産力の優位と日本人の優れた先見性、それからちゃんと国家像を持って着々と目標に向かって進んでいる。それから、これに携わる人間が大変先見性を持って、あるときは毅然として事を、国際間の中で諸問題を片付け、日本として問題を片付け、日本がちゃんと毅然として存在をするようにしっかりとしてやってきた、そういう面がちゃんとあったんではないかと。ところが、今はサミット七か国に入っているけれども、今この戦前、戦後を通じて日本が本当に今が私は一番目標を失って、何かこの世界の潮流の中でひょうひょうとさまよっていると、そういう状況にあるんではないかと。 だから、戦前は貧しかったから比較にならないということでなくて、あのときも五か国に入っておったわけですから、今も今日までそうしてきたんだけれども、本当に日本の歴史は今が一番悪い存在をしているのではないかと、こういうふうに今私は思いまして、これからのずっと以下、質問をしたいと思いますが、平沼大臣は祖父は首相でもあったということで、その歴史的な経過も踏まえて、この日本の存在を今、今日の状況をどのように思っておられるか。憂えておられるまではいかないでしょうけれども、大臣のことですから誇りを持っておられると思いますし、いろいろサミットやあるいはASEANの会議の中でもちゃんとした毅然とした姿でこの国際会議に臨んでおられるという姿も拝見をしておりますから、そういうことも含めてこの現状、日本についてどうお考えか、お聞きします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 日本は御指摘のように、戦前も世界の五大国の中の一角を占め、そしてある意味では非常に国民自体も気概を持って、また国家戦略等も持ちながら、特に明治の勃興期、非常にそういう意味では世界に強い足跡を残したと、このように思っています。 戦後も、日本人はポテンシャリティーと、そしてまた資質がありますから、あの荒廃の中から本当に一致団結して立ち上がって、短期間で世界が瞠目するような経済大国を作ったことも事実であります。その中で、サミットの構成メンバーにもなったと思っています。 ただ、戦後、やはり経済ということを主体的に追求をしてきた。こういうことの中で、七〇年代、八〇年代は日本が独り勝ちのような大変な経済成長を遂げ、また富も手にすることができたわけです。 しかし、その七〇年代、八〇年代、その成長というものをしっかりと戦略を持って基礎に置いて二十一世紀を迎えなければならなかったのに、ある意味ではバブルというものに浮かれてしまって、あれだけの富を持ちながら、ものづくりの日本としてそれをイノベーション、技術革新に傾斜的に振り向けるというような努力を怠ったことも事実だと思います。 そういう中で、諸外国は日本のそういう勃興、台頭を見て、アメリカなどは三つ子の赤字と、こういうことで呻吟をしておりましたけれども、正に国家戦略でもってこの三つ子の赤字というものを解消して、そして九〇年代にそれを開花させて、文字どおり経済的にも世界のトップリーダーになった。また、英国は、サッチャーのいわゆる大改革に代表されるように、英国病と言われるものも見事に克服したわけです。 しかし、その中で、日本はサミットの主要国でありましたけれども、ここ九〇年代、十年間、失われた十年と言われていますけれども、そういう意味では戦略的に、そしてまた何といいますか、本当に大きな国民としての気概と目標というものが失われてしまったと。 しかし、まだ私はこの日本の持っている潜在力、資質、蓄積された技術、そういうことから考えても、私はこれから本当に奮起をして、そして技術革新を起こし、国民の皆様方がやはり心を一にして集中をしていけば、必ず二十一世紀も世界に貢献をでき、そして安定的な経済成長を維持することも可能であると。正に今御指摘のように、非常に厳しい瀬戸際には立っていますけれども、ここが私どもは踏ん張りどころだと。そういう意味で、経済産業省もその辺に力点を置いて、本当に国家国民のために頑張っていかなきゃいけないと、このように思っています。
○本田良一君 大臣の気概を聞き、また現状置かれた認識を拝見をいたしました。 そこで、既に我々はここ三年間、新産業創出をどうするか。そのためには、一つが司法改革、二つが金融改革、三が大学改革、情報通信の利用者中心の環境整備、五つが規制改革、六が官から民への企業経営開放など、例示をして政策上起動化してきました。よって、すべての今日の日本の置かれた、こうしなければならないという日本経済の置かれた状況は分析、把握をした状況にあると言えます。 また、当時、こういう情報収集をするに当たって、見解を聞くに当たって、学者やエコノミストが少ないと三年前は言われておりましたが、そういう人たちも今十分存在をして、あらゆる情報を我々は聞くことができるようになりました。そしてまた、政府も各種政策を国民に一応与えました。しかし、なお経済再生ができないでいる。このことに大臣の所信をお伺いをしたい。そしてまた、このデフレスパイラルにどんどん陥っていく危険性があるわけであります。 この今私が申しました、総称して、諸政策を小泉政権では構造改革と、こう位置付けたと思いますが、そういう首相の構造改革を位置付けながらもなぜその再建ができないのか、ここの辺をお聞きしたいんですよ。 私は、この間、ある学者の競争力会議、実はこれに行きましてそういうことを言ったんです。空洞化とか、もうそういう今の現状置かれた状況はもうすべて総括をされた日本は段階だと。もう十分政治家はそういうことはもう知っていると。どうして新産業起こさなくちゃいかぬかと。日本再生をどうしてしなくちゃいかぬか、もう全部あらゆる学者、政治の場所でも討論をして全部分かっているんだと。もうそこの、こうしなければならないということはもういいと。それでは、今からどう再建をするのかと、そこのところを、なぜ再建できないのかと、そういうことを僕は聞きたいと、こういうことを言ったわけです。 よって、大臣にその点をお伺いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほどちょっと私が、ここ十年を振り返って、そして失われた十年ということを申し上げました。その中で、小泉内閣が昨年の四月に発足をいたしました。小泉首相は、やはり日本の徹底的な構造改革なくしてやはり日本のいわゆる成長はない、こういうスローガンで今努力を正に傾けているところでありまして、私どもとしても、経済産業省としてその課題に取り組んでいるわけであります。 よく今指摘されることは、目に見えない、まだその改革というもののその全体像が見えてこないと、こういう御指摘があることは事実だと思います。しかし、他面、小泉構造改革で、まだ一年たっておりませんけれども、約十か月以上経過した中で、実はこの今おっしゃいました司法制度あるいは知的財産あるいは産業構造、そういったものを含めて、国としては、委員のお目に留まっていると思いますけれども、四百五十そういうものを列挙いたしまして、そしてこれは全省庁挙げて構造改革に取り組んでまいりまして、これは一つの大きな冊子になっておりますけれども、そのうちの七〇%は既に手が付いて現れ出している。そのあとの三〇%もそういった形で実は緒に就いているところであります。 私は、確かにまだまだ実感としてはそういう形は出てこない。しかし、現実にはそういった形で幅広くいろいろな分野の構造改革というものも動き出していることは事実であります。 決してこれは弁解するわけではありませんけれども、確かに、例えばレーガノミックスと言われている、アメリカが大変七〇年代、八〇年代厳しい時代、レーガン大統領が登場してきて、税制を含めていろいろな一大改革をしました。しかし、レーガンが二期八年、その任を全うしているときにはまだまだ顕著な効果が現れてこなかったのも事実であります。その後のブッシュに受け継がれ、湾岸戦争というような契機がありましたけれども、最終的にその果実を刈り取ったというのはクリントンの時代であったと。 また、これも言い訳に聞こえるかもしれませんけれども、サッチャリズムという、そういう言葉に代表される英国の回復も、サッチャー政権というのは非常に十年を超す長期政権でありまして、最初の五年間というのは、なかなか非常に厳しい局面もあったことは事実です。 ですから、私どもとしては、今正にこの四百五十、そういうもののうち七割はもう動き出した。例えば、これは一つの例で申し上げますと、まあいわゆるe—Japan戦略というのがありまして、二〇〇五年までにはアメリカにこのITの分野で追い付いて、追い越そう、その中でブロードバンドという、いわゆるアクセスの非常に拡大をしようという目標を立てました。 昨年の一月にはこのブロードバンドの、例えば利用者というのは一万八千にしかすぎなかったんですが、現在では二百万を超えて、そして今年末ではそれが九百万になる。こういうことも具体的に進んでおりますし、またアクセス等で非常に値段が高いと、こういうことがありましたけれども、これも今ITの中で欧米並みのそういう接続料、利用料になってきたことも事実です。 確かに、まだまだ行き届かない面がありますけれども、そういう中で徹底的な構造改革をしようと、こういう形で一生懸命頑張っているところでありまして、経済産業省といたしましても、国が四百五十であれば、私どもとしては、経済産業省としては二百六十の目標を出させていただいて、そしてそのうちの半分は、五年と言うけれども三年以内に達成しようと。既にそのうちの百は、既に全部でき上がったというような進捗状況もあります。 したがって、私は決してこれは時間が掛かってはいいということじゃありませんけれども、やはりそういう一つの目標、戦略を立てて、そしてそれを着実に実行し、そして国民の皆様方に目に見えるような形でさらに具体化をしていく、こういうことが大事でありまして、そういう中で日本がやっぱり取り組んでいかなければならないということは、日本は物づくりの国ですから、やっぱりその物づくりの中でイノベーションを起こして、いかに、中国は、空洞化というようなことがあっても一歩先を行くというような体制を作っていく、そのことが日本の得意の分野を伸ばしていくことにもつながると、こういうふうに思っておりまして、私どもとしては、やはりあらゆる面の構造改革というものを今よりも加速させて、そして国民の皆様方にだんだんよりクリアに見えるようにやっぱり政治が主導して努力をしていかなきゃいけない、そういうふうに思っておりまして、私どもとしては、まあ確かに今の段階ではなかなか厳しい局面もございますけれども、こういったことを総合的に取り組んでいけば必ず私は英国やアメリカのように道が開けてくる、目に見えるものになってくる、そういうふうにしなければならない、こういうふうに思って今取り組んでいるところであります。
○本田良一君 今お答え、今御説明をいただきましたが、これをもう一つ進めまして、私は、首相は構造改革なくして発展はないと言っておられますが、その辺を、政治の破壊力がもっと必要だと。それから、官がまだやっぱり特殊法人改革という、ずっと従来からの問題、経済を握っている、このことと、それから自由主義経済の思想の徹底、それから経済人の自律性、この点について、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 特殊法人改革というのは、これは絶対に避けて通れないところだと思っております。経済産業省といたしましても、石油公団の廃止を含め、そして所管の特殊法人、公益法人については、一つの明確な道筋を出させていただきました。これで決して十分とは言えませんけれども、いわゆる小泉構造改革の中で特殊法人改革というのは、これは私はある意味では顕著に進みつつあると、こういうふうに思っておりまして、更にこれは加速していかなければならないと思っています。 それから、やはり自立ができる、そういう体制というものは是非必要でございまして、やはりもちろん官がサポートをしなければならない分野がありますけれども、しかし、小泉改革の基本的な理念というのは、民間にできることは極力民間に任せよう、また地方にできることは極力地方に任せようと、こういう形で進んでおりまして、やはりそういう意味では民間の活力が出る、こういうことに主眼を置いて私は進めていかなければならない。そういう意味でも、特殊法人というものは、やはり民にできるものは民に任せていくという基本的な私はコンセプトがなければならないと思います。 それから、産業サイドでは起業家精神といいますか、そういうチャレンジ精神というものを植え付けて、そしてこの国の経済の活力を持たせるようなそういう政治の主導、政治がやはり率先をして、やっぱり新しいそういう創造性のあるものが出てくるというようなもので、政治というものがやはり今こそ力を出さなければならない。 そういう意味では、私は本田先生のおっしゃることはそのとおりだと思っておりまして、そういう意味では、政治がある意味ではイニシアチブを取りながらそういう条件整備をして、民の活力を引き出し、そして国民本位の政治をしていくということが大切だと、このように思っています。
○本田良一君 ちょっと一番に申しました政治の破壊力という、これは私は、日産のあのゴーン社長が言った結果責任と、やり抜く、どういうことがあってもやり抜くということを言いたかったわけですね。 それから、もう本当に私は、特殊法人の改革だけは、日本の経済をがん細胞のように侵しておると前から言っておりますが、本当にこの辺を徹底して頭に置いてやっていただかないと、日本の経済は官の、官僚統制の経済で私は侵されていくと、こう思いますから、徹底的にこれはやっていただきたい、これを一番早くやっていただきたいと。新産業創出よりも私が一番に手掛けていただきたいのは、この特殊法人を民にするということですよ。 それから、私はなぜ三番目に自由経済思想の徹底ということを申し、それと自立と、経済人の、なぜ言ったかといいますと、私は、経済人、今までは官が握っているから官を開放ということを新しい産業創出のときに、三年前から言われ出しましたね、護送船団はいけない、規制緩和だと。そういうことが始まって、今いろんな人が目を向け出したのは、だれが目を向け出したかと言えば、経済人が目を向け出しました。 私もそう思って、ここのところをもう言わなくちゃいかぬなと思った時期に、この間、熊本に帰るとき、熊本で中堅の印刷会社の社長だったんですが、東京にも支店を置いているんですが、この人が私に、本田さん、本当にやっぱり今は政治のことばっかりみんな言うけれども、経済人が政治に余りにも頼り過ぎておる、官に頼り過ぎておる、また地方も一緒ですよと。私はそれを聞きまして、この人はさすがだなと。その人はかなりの先進的な経営をやっている人ですが、さすがだと、やっぱり見ているところは見ているなと。経済人がやっぱり自らそこに気付いていますよ。 だから、私が言いましたのは、日本は自由主義市場経済だと、これを経済人が本当に頭に置いたら、それは特殊法人なんかこんなにできておったら、そこを早く開放して私にそれをやらしてくれと、その官の部分は、そう言って、本当は政治的にそういう働き掛けをするような経済人が日本はたくさんいなくちゃいけないですよ。特殊法人をそんなに抱えて何だと、経営者団体が政府に言ってくるように私は経済人はあってもらいたいんだけれども、それをいまだかつて経済人はそういうことを言わないですね。 だから、余りにも経済人が、この日本が、自分たちが切磋琢磨、そして自律性を持ってやれば、本当にアメリカのようにアメリカンドリームがあるんだと、そういうことを日本の経営者は分かっていない、また新産業創出が生まれないのも私はそこにあると思いますね。だから、自由主義市場経済というのを徹底的にやっぱりもう一回国民に全体に思い起こしてもらう。 後で私は大臣に言おうと思ったんですけれども、先ほど小林さんが質問もありましたが、学生にベンチャー企業をやっていただくと。だから、大臣が大学に行って、この自立と独立を説いて、自由主義市場経済だということから始めて、そして皆さん、今は我々は政治的にはこういう環境を作っておるから、就職なんかせずに自分で自ら会社を起こして新しい日本の産業を立ち上げてくれと、そういう講演などを私は大いにやっていただきたいと、そういうことを後で言おうと思っておりました。 それで、経済人がもっと官とか政治に頼らないで独力でもう一回やり直すと、そういうことを私はひとつ大臣が鼓舞していただきたいと。この意見を私が言うとき、経済産業省の人は来ましたが、私がこの質問をやるからと言ったら、それは一般の企業の、民間に大臣がそういう質問に答えることはできないと、こういう言い訳を始めたから、君何だと、経済産業省というのは官の、民のことはできないのかと、そんな若いあなたたちがそんなことじゃ駄目だということをしかっておきました。 それで、この経済人の独立ということで申し上げますと、私は、今いろんな会社が倒産をする、会社更生法、これは後で、大分ダブって先に言ってしまいますが、会社更生法とか今日はまた再生法、どこどこの会社がと。日本の経営者はここでも駄目と思いますよ。会社更生法とか再生法とかならない前に、なぜそんなならない前になぜ努力をしないのか。例えば合併とか再編とか、それ銀行は今盛んにやっているようだけれども、内部では、水面下では。しかし、これは金融庁が、官が音頭を取って水面下でやっているとかでありますから、そういう官に音頭を取られてやるんでなくて、自らここで生き残っていくためにはこの会社と合併しようとか、そういうことをなぜ前もって一生懸命やらないかという、そういう、最後までそういう努力を続ける、そういう経済人が少ないですね、日本は。 たまたまこの間、私は感心したのは、西友デパート、マーケットですね、スーパーがウォルマートと提携をしました。これはなかなかいいなと思いましたね。六六%も株を取得をして、経営までやれるように、そこまで大胆に自分の現状、置かれた現状をちゃんと分かってそこまでやっている。そうすれば地域には雇用関係も別に発生をしないし、そういう経営者が最後まで見越した、そういうことを切磋琢磨やらないなというのを感じておりますよ。 会社更生法まで、これも最終的には政治に頼るわけですから、そういうところが私は非常に、最近の経営者はなぜかまだ、でも官に頼っている、そういう点を私は思いまして、どうかひとつ、このことについてもう一回大臣の御見解を。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、本田先生が熊本の企業の経営者の気概についてお話しになられました。私も経済産業大臣として幅広く経済人の方々と接触をしておりますと、やはりそういう気概を持った経営者というところの経営は非常に順調にいっているような、そういう気がいたします。 例えば、この前新聞にもそういう形で出ておりましたけれども、キヤノンの御手洗という社長なんかは、一つのそういう官ばっかりに頼っていちゃ駄目だと、我々は民間のとにかく活力を生かし、そして例えばすべての製品を、世界一の製品を作る、こういうような目標で、今こういう不況下にあっても大変な利益を上げている。それは、正に技術開発にしても何にしても、自分たちの地に足の着いた独力でやると、こういう一つの気概といいますか、そういうものがやはり会社の経営をよくしていると思っています。 ですから、日本は自由主義経済体制の国ですから、やはりあくまでも民間の活力をいかに出すか、いかに発揮できるかと。ですから、政治はそういった面で民間の活力が発揮しやすい体制を作るということに私は尽きると思います。したがいまして、規制緩和でありますとか、余りくちばしを差し挟まないような、自由度を増すような、そういうことをやって、でき得る限り民間の力というものを私は出していかなければならないと思っています。 会社更生法あるいは産業再生法、その例を出されてお話しになられました。確かにそういうことになるまでにやっぱり経営者としては経済人としての責任を果たすべきだと、私はそれはそのとおりだと思います。しかし、ある面では、やっぱりそういう現実の中でいかにそういう被害を少なくするかということも、やはり我々経済産業省としてはやっぱり側面的にそういう連鎖で巻き込まれて、本当にまじめにやっていても厳しい局面に立たされる中小企業、そういった方々に対してはやる気と潜在力があれば、その連鎖の連関の中からやっぱりいい方に引っ張っていく、こういうことも私は必要だと思っていまして、本当に御指摘の点はすべて私はおっしゃるとおりだと思っておりまして、非常に感銘を持って聞かせていただきました。
○本田良一君 たまたまこれはここに、委員会に今日来るとき、こういう題がありました。ああ情けない、国にすがり付く半導体メーカーと。半導体がそんなんですね。だから、ここで両先輩が私にそんなもので質問するようじゃおまえも駄目だと言われましたが、もっと高度な経済学か何かの本でやらなくちゃいかぬだったんでしょうけれども。そういうことでいよいよ、いよいよこういうふうに書かれ出したということです。いよいよ企業経営者は書かれ出したということですね。 次です。 現在の経済不況が続き、構造改革も進まないということになると、国際競争力の弱体化はますます進み、WTO加盟をきっかけに経済発展に弾みがついた中国がアジアのリーダーになるやもしれません。 三月危機と言われた当面の金融危機を乗り切り、何か安心ムードが漂っていますが、私は我が国経済の現状に非常に危機感を持っております。小泉改革が声高に叫ばれていますが、果たして何が変わったのだろうか、日本経済を支える企業の国際競争力の弱体化に歯止めが掛かったのでしょうか。経済のスピードは速い、改革改革と何年も掛けていい話ではないと思います。 経済産業省はまだ通産省の時代、平成七年の通商白書で既に産業も空洞化をしてきております。しかし、それはただ現状分析に終わって、その後何ら対策を取られていない。中国と比べて圧倒的に高い人件費を考えると、中国と同じ事業、中国でもできる事業をやっていてはとても歯が立たない。新しい事業、産業に進出すべし。 以上、主なものを踏まえて、日本再生はいつごろをめどに可能と考えられますか。先ほどクリントンまで大臣がかかわったアメリカの例を申されましたが、日本ではいかがでございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに御指摘のように、平成七年、台頭していく中国というようなことを踏まえて空洞化という、そういう白書が出たことは事実であります。 この空洞化というのは、やはり私は大きな流れの中で見ますと、これはある意味では歴史の必然的なこともあると思います。したがって、中国と比べまして、今日の新聞の統計にも出ておりましたけれども、例えば賃金なんという格差が大きいところで三十三倍、日本が三十三倍であると、こういうようなことで、今、空洞化率というのは非常に高いものになっておりまして、一九九〇年にはわずか六%台であった企業の移転率というのが二〇〇〇年には一五%近くまでそれが上がってきました。また、直近の例えば五年間を見ても、日本の企業が、特に中国に移転したのが三〇%も増えると、こういう形であります。 そういう中で、やはり確かに対応が遅れたという面はあります。しかし、その中で今我々としては取り組んでいるのは、一つは日本のいわゆる潜在力を生かして、そして技術革新によって中国の一歩先を行こうと。そして、やはりお互いに中国と日本というのは補完関係にあるということは間違いないわけですけれども、その上に日本がいわゆるイノベーションによって一歩先を行く、そして中国とお互いに国際分業的な体制を取っていくということは、これはもう避けて通れない道だと思います。 その中でやらなければならないのは、非常に遅れていました、日本の場合にはこれから産官学の連携の中でやはり新しいいわゆる産業を起こしていくと、こういう形であります。その中で、私は、大学発ベンチャーを、今は非常にまだお寒い数字でありますけれども、五年以内に一千社誕生させようと、こういう計画で、いわゆるそういうプロジェクトを作って、これがスタートしました。それをやっぱり円滑にするためには、大学だけに技術がこもってしまってそれが有機的に結び付かないのはいけませんから、TLOというような仕組みを作ってそこを円滑化する。これが大分効いてきまして、大学発ベンチャーも今非常に数が増えつつございます。 そういう中で、もう一つは、やっぱり地域の産業を活性化をし、地域の付加価値を高めるということが必要だという形で、これはもうよく委員も御承知だと思いますけれども、地域産業クラスター計画というのを作りました。これは、今十九の拠点でもう既に動き出しておりまして、そしてこれも産官学でございますから、今百五十の大学がそこに参画をしてくれまして、そして企業の数も三千社が入って、ここから新しいシーズが生まれつつあります。 そういうことを総合的にやっていくことによって、私は空洞化も防げる。そして、日本もまだ新技術というのはたくさん、中国がまだ凌駕できないそういうものを持っていますから、例えば燃料電池なんというものが、これは日本の私、得意な分野だと思いますが、今これは二〇〇三年を想定すると一兆円の市場規模であろうと言われるのが、これは二〇一〇年には十兆円の産業になる。 その中で、これはお目に留まったかどうかもしれませんけれども、この前、国会に日本の代表的な自動車メーカーが来て、市販車に装着をして実際に動いていると。これは今はまだ一台作るのは一億円ぐらい掛かるんですけれども、これがトヨタ自動車によると、もう二〇〇三年ぐらいには一千万円台になると。そういうことになって、それがどんどんやってきますと、大変そこで、大変な日本は大きなポテンシャリティーを持つことになります。 そういった新しい技術によるそういう産業集積、産業拡大を行っていくということも私は非常に大切だと思いますし、中国がWTOに入った、これをマイナス要因でとらえるのでなくて、やっぱり中国という人口十三億の国がようやく国際的なルールの土俵の中に上ったと。ですから、そういった観点でやっぱり私どもはとらえ、その中で特に重要なことは、これから二十一世紀、知的財産権をいかに保護するかというようなことが大切です。それは今、中国はその模倣品に代表されるように、そういったところがまだ土俵に乗ってきておりません。そういう中で、知的財産を含めたそういうルールの中に中国を入れ、そしてお互いの得意分野を生かしながら補完関係をしていく。 そして、もう一つの発想では、中国は人口が十三億であります。今、中産階級が、その中で大体三千万ぐらいが中産階級で育ってきている。そうすると、言ってみれば日本にとってはある意味では非常に大きな市場があるという、そういう可能性もあるわけですから、そういう意味での補完関係ということも戦略的に構築をしながら、お互いがお互いを刺激し合って発展をしていく。 それから、私は、二十一世紀は環境の世紀と言われていますけれども、そういう今まで制約要因にとらえられていた環境なんというものも逆にプラスの成長エンジンに変えていく。また、日本は少子高齢化というのは避けて通れない道がありますけれども、しかし逆に、人生八十年を達成しているのは日本だけでありますから、そういう中で、六十歳以上のまだまだ知識と経験と知見を持っている、そういった方々の力を活用して新たなサービス分野というものを構築していけば、まだまだ私はそういったところに大きな分野が開けてくると思っていますから、そういう中で私どもはそういうことを踏まえながら、やはり中国というものも否定的に見ないで私ども取り組んでいく、こういう姿勢が私は必要じゃないか。それによって空洞化も防いでいくと、こういう視点が大切だと思っております。
○本田良一君 私も、大臣と同じ考えを持っております。中国の空洞化、これは必ず日本が克服でき、また優位な位置にいると、そう思いますから、今のお考えでひとつ進めていただきたいと思います。 〔委員長退席、理事松田岩夫君着席〕 それから、人件費、コストの抑制という点ではリストラ的側面ばかり強調されております。本来は雇用の流動化を進めて、雇用の流動化というとおかしいですけれども、失業が存在をしている中でのことであります。旧産業から新産業へ移行しやすい環境を生み出す必要があるのです。その流動化に資するということで、鳴り物入りで導入をされた四〇一k年金も使い勝手が悪く、いま一つ普及しそうにありません。そういうものが多いのでありますが、我が国は仏作って魂入らずというものが多いのであります。 雇用対策も、この二、三年に限って失業給付期間の大幅延長や訓練費用の全額国家負担などを大胆に打ち出すべきだと思うのでありますが、政府は雇用保険制度の範囲内でできる、ちまちました政策しかやっておりません。税制も我が国の産業競争力を高めるどころか、今や足を引っ張っている方に回っております。 昨年の八月ごろ、盛んに税制改革が叫ばれました。しかし、小泉首相は、自民党の税調に気兼ねをして全く動こうとしませんでした。もし昨年のうちに投資減税や相続税、土地税制、証券税制などの思い切った見直しがなされ、今年の四月から実施するというようなことであれば、我が国の経済に大きなプラスとなったのでありましょう。この一年のロスは大きいのであります。 それから、研究開発を活発化させるために、特許権や著作権をきちっと保護する仕組みが必要であります。これは今、大臣が言われたとおりであります。知的財産権保護は重要な国家戦略として数年前から言われてまいりました。にもかかわらず、政府はやっと重い腰を上げて今回一部法改正になりました。これは評価をしております。特許権は経済産業省の外局の特許庁、著作権は文部科学省の外局の文化庁、バイオの関係は農水省などと省庁の縦割り行政ではなく、昨年初めの中央省庁再編時に独立をした知的財産権庁を作っておくべきだったのではないでしょうか。 司法制度改革も早急に進める必要があります。我が国企業は、国際的な紛争は米国などに持ち込んで訴訟をしております。すべてにツーリトル・ツーレートなのであります。余りにも遅く余りにも小さいと申しますか、小出しの改革で思い切った見直しができない、実行する時期も遅いということであります。小泉改革では、予算カットや民営化の話ばかり、民営化は私賛成ですから、民営化ばかりに、前に出て、我が国の経済、我が国の産業競争力を高める前向きの政策は何も進んでいない。具体的成果は全くありません。 この原因は何か。具体的に大臣の御答弁をお願いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 雇用から、雇用の問題からの御提言がありました。その雇用に対しては、今の現状にかんがみて、もう少し思い切って手厚く、そして大胆な処置をしろと、こういうお話であります。 雇用保険とか、あるいは例えば四十五歳を過ぎて中高年で非自発的失業者になった方々、そういったところには、今その雇い主に対しては補助金を出すというような制度があります。そういったことを拡充しろと、こういうことのお話でありますけれども、その必要性は私は、厚生労働省の管轄ですけれどもあると見ておりまして、現にまだ不十分だとおっしゃっておられるようですけれども、やっていることも事実であります。 しかし、経済産業省的にそのことを言わせていただきますと、そういう措置というのはやっぱり足下の短期の私は措置だと思います。雇用というものをやはりきちっと確保して、そして経済を活性化するということは、例えば新しい産業を起こし、そして業を増やしていく、そこに活力を持たしていくということをやれば、これはおのずから解決をされると思います。 アメリカの例ばかり申し上げますけれども、アメリカはやっぱり日本に後れを取ったという反省の中で戦略を考えて、特にイノベーションを起こしました。そしてまた、金融関係でも新しいような仕組みを作って、そしてそこに雇用を吸収するという形で黄金の九〇年代を迎えたわけです。 ですから、私どもとしては、先ほどもちょっと触れましたけれども、今、新しく業を起こそうと思っている人が、年、日本には百二十万人もいると。それが実際に十八万人しか新しく業を起こさない。だから、ここのところをやっぱり倍増すべきじゃないか。アメリカの数字ばかり言いますけれども、アメリカは新規開業者が八十八万人いるわけです。日本の経済規模の倍としても、日本では四十万誕生させなきゃいけない。じゃ、仮に今やっております新規産業創出計画、これで四十万の新しい企業が立ち上がるような状況を作れば、一社平均五人雇ったとしても二百万の雇用が創出されるということになるわけです。 ですから、そういうことを、今倍増計画という中で、この秋の臨時国会で御賛同いただいて、法案も作らせていただいて、新しい開業者に対しては事業計画に着目して、個人保証も第三者保証も要らない、そういう制度を作らせていただいた。ですから、雇用に関しては、もちろん目先の必要なことはやらなきゃいけませんけれども、そういう私は視点が必要じゃないかと思っています。 それから、税制に関しては、非常にそういう意味では遅れたと、こういう御指摘があります。確かに、私どもとしては、投資を促進する税制ですとか相続税のことも言われました。あるいは、研究開発にインセンティブを与える税制、そういったことはやっていかなきゃいけません。 今度、小泉内閣でも、遅きに失したという御指摘でありますけれども、やはり経済財政諮問会議、これは私もメンバーでございますが、この六月までに、やはり税制というものを主体的に論議をして、そしてこの国の経済に活力を与え、そしてしっかりとした、そういう税制を作ろうと、こういうことで今本格的な議論が始まりました。 そういう中で、もちろん研究開発だとか投資促進税制ですとか、そういったこともこれから集中的に論議をされて、新しい税制改革と、こういうことを、一年遅れという形になりますけれども、ようやくそういう状況になったことは御理解をいただきたいと思います。 また、例えば、新しいバイオなんかに関しましても、省庁にまたがっているじゃないかと、知的財産が非常に大切なんで、その辺はどうなんだと、こういうことです。 確かに、おっしゃるように、今、三省庁にまたがって縦割りと、こういうことがありますけれども、私どもとしては、これは知的財産で、この問題意識もありまして、戦略本部を作らせていただいて、そしてこの省庁の縦割りというものも、これをなくして有機的に連携をさせていこうと。だから、将来的には、その議論の先にはやっぱり一体化してそういうものをやると、こういうこともその議論の私は対象になってくると、そういうふうに思っているわけでありまして、本当に御指摘の点はそのとおりの御指摘だと思っております。 そういう中で、私どもも、ある意味では後ればせですけれども、そういう今戦略体制を取って、かんかんがくがく議論をしながら、一日でも早くそういう体制を作らなきゃいけない、こういうことで努力をしているところでございます。
○本田良一君 私も、この日本が知的財産国家となるということで生きていくことはもうそのとおり、それしか活路はないと思いますので、今、大臣が申されたことで、ひとつ必ず縦割りでなくて、これを一つの省庁にまとめた形で運営をしていただきたいと、戦略を組んでいただきたいと思います。 また、この知的関係につきましては、弁理士法の改正と、いろんな、先ほどから言っております新産業創出の中で、三年前からずっと改革の一つの大きな課題になっていたことは、掛け声だけ多い小泉政権の中で、今回、経済産業省が弁理士、特許法改正、この二つを出してきたことは非常にその点は先を行っていると評価をしております。だから、これ後で私もまた質問を、私がやることになっておりますので、そのときにまた具体的にしたいと思います。 それから、今、この雇用の問題で、大臣は雇用、労働大臣ではございませんけれども、新産業と雇用というのは表裏一体でありますから、これは日本に一つ非常に先入観があったと思いますね。雇用のことは与党が案外扱いづらいと申しますか、そういう面があったのではないかと、長い歴史の中で。ところが、今ヨーロッパはほとんどが、雇用問題が、副大臣、副首相とか副大統領が雇用担当になるというぐらい重視をされております。 ここに、暉峻淑子さんという方が書いておられるんですが、ドイツに行ってみたら驚いたと。まず、ドイツの、行ったら日本の政治哲学の貧しさと労働組合の無気力を痛感をさせられたと。日本では、教育の政治的中立という理由で生徒の政治的無関心を育てる教育が行われているが、ドイツでは、高校以上になると、授業の中で一度ならず各政党代表者を招いての熱気に満ちた討論会が行われる。その中に、主要なテーマは雇用政策で、働きたいのに働く場がないのは国の責任ではないかと、このように高校生たちが討論を始めると。 それから、労働の質を高める高い教育を、再教育をする。どういうことかといいますと、失業に遭います。そうすると、これはある例ですが、高校、商業高校を卒業した。電気会社の倉庫管理の仕事を三十一年間勤め、営業所の閉鎖で失業をした。経験を生かして同種の仕事に就きたいと希望をしたが、職安はもっと高い、高度の経営プログラマーと電子工業の技術の勉強を勧めた。二年間しっかり勉強をして、商工会議所の二つの試験に合格をして、中規模企業の経営職に就いたと。そして、この費用は全部政府が持ったと。 それからもう一つは、ドイツと英国の二か国の科学的説明書を作る仕事に就いたわけですね。その職業訓練の一部としてロンドンで七か月の実習があったが、すべて訓練費、生活費は合計三年間、職安が見たと。彼女には二人の娘がいたが、失業中も二人とも大学に通っていたと。それから、失業中の社会保険の掛金を国が払うのは当然でありますが、そういう、また企業に失業者を雇用した場合の補助金もきっしりとあると。それから、労働組合も大変いろんな努力をしております。立法化、セーフティーネットの立法化のために精力的に動く。そして職安では、ハローワークでは、職員を倍増して失業した人を職安で雇って、そして失業の相談に来る人に、今のような高い高度な職業訓練のどこに行きなさいとか、そういうことを徹底的に指導しているんですね。それから、労働組合は失業者同盟の設立に伴って積極的に失業者の支援を行い、その人の就職探しの活動資金まで提供すると。 だから、私はこの間、国民生活調査会のこの特別委員会で、連合の代表と経営者団体の二人の代表が来られて、参考人で、説明を聴きました。その人たちに私が言ったんですよ。お二人が、そして安定した労使関係とかそういうことを強調されましたから、だから、そうおっしゃるから申しますけれども、あなたたちは安定した労使関係であるからこそ、昔はストライキとかそういうことで安定した労使関係ではなかったろうけれども、今は安定した労働組合、労使関係であれば、雇用問題が発生をしたら労使で握る時代はもう終わったと。だから、ちゃんと政治的な舞台にのせなさいと。そうすればヨーロッパ並みのセーフティーネットが十分できますよと。あなたたちが労使で握っているからこそ、長い間日本でセーフティーネットがEUより遅れたんですよと、こういうことを言いましたから、言いましたら、なかなかぴんときていないようですね。いわゆる未組織の労働者に組合を作るんだとかそういうことをおっしゃって、私の言ったことには全然感じておられなかった。 それくらい本当にまだ日本は労使関係で雇用問題を握って、これは一つの今までの労使の誇りでもあったろうと思いますが、そういう誇りで労使関係をもう握った時代は、握る時代は終わりましたよと。ちゃんと政治の舞台に出して、そしてそうなると政治が扱って、ちゃんと所管の大臣がそれを扱うと。そしてセーフティーネットもヨーロッパ並みにでき上がっていくんだと。そういうことをこれからやっていけることにしなければならないと、こう思います。 次に、私は従来から、構造改革は大変必要なことであるが、壊すだけでは駄目、作ること、すなわち新しい事業、産業を立ち上げること、そういう産業政策が必要と主張してまいりました。 ところで、米国の産業界は今、エンロン問題で揺れております。あの強大なエンロンが解体をされ、その事業は他社に買収をされました。エンロンを担った幹部たちは続々とライバル会社に引き抜かれています。エンロンは消滅をしましたが、その優れた人的、物的要素はアメリカ経済の中に受け継がれていくのであります。 先般行われた日米財界人会議では、アメリカ側から日本に対する手厳しい批判が噴出をしたと言われておりますが、こうした米国経済のダイナミックな、ダイナミズムを、日米財界人会議の米国側議長であるアームストロングさんは創造的破壊と誇らしげに語ったそうでありますが、様々な問題を直視できないまま茫然としている日本をしり目に、米国産業界はエンロン破綻で被った痛手を再生のエネルギーに変えようとしているのであります。私は、こういうたくましさが我が国にも欲しい、特に民間企業は主体性と勇気を持ってこの難局に対処してほしいという、願うものであります。 これは大体もう私も前もって、大臣もかなり前もって話されましたから、ひとつここで、経営者団体と、今のことを踏まえて、今まで申されたことも総括をして、大臣は経営者団体と今どういう産業の再生について会議とか話合いとかそういうことをやってこられたか、そういう経緯をひとつお願いしたいと。先ほどから、経営者の意識の構造改革と申しましょうか、そういうことでも何か語られたことはあるかどうか。 それから、新しい起業家を育てるために、さっき申しました、大学などで大臣が講演をされて、若い人に構造改革をやっていただきたいと、例えば北海道大学でボーイズ・アンビシャスとか。最近、自由と独立と自立という言葉は、何か、言うと何となく寒々しく聞こえるようだけれども、もう一回、本当、日本はここでこの言葉をみんなに広く浸透させなくちゃいかぬ時代と思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) アメリカ経済のダイナミズムに関しましてエンロンの例を取り上げられました。 エンロンの事件というのは非常に衝撃的な事件でございまして、例えば、アメリカの企業会計とかそういうものが非常に透明性がある、ディスクローズされているということでしたけれども、実際、あのてんまつの中で最高責任者が日本円で三千億円ぐらいの株を売り抜いていたとか、そういう負の面もあったことは事実であります。しかし、今御指摘のように、そういった残った有用な人材がまた次に生かされている、これは確かにダイナミズムだと思っておりまして、そういうところは私は評価をしていかなければならないと思っております。 そして、今、日本の経済界のそういう団体とどういう形で日本の経済の再生、活力アップにやっているかということでありますけれども、私どもが非常にこれ問題意識を持っておりまして、一つは、これは経済の代表の方々に集まっていただいておりまして、そして、今一番必要なのは産業競争力であるという形で産業競争力戦略会議というものを立ち上げまして、非常に精力的に今、例えば規制の問題でありますとか、あるいは今話題になりました知的財産権の問題がどうなってどういうことが必要だとか、あるいは新規産業を立ち上げるためにはどうするか、そういう主要なテーマで経済界の代表の方々とそういう議論をし、それから一つの結論を出す、そういう今ことを具体的にやらしていただいています。 また、とにかく、ボーイズ・ビー・アンビシャスじゃないけれども、おまえもとにかくそういう現場に出て、とにかくそういうチャレンジをする大学生、そういう者をやっぱりどんどん養成をする、そういう努力をしろと。そういう努力は私も怠らないつもりでこれからもやらしていただきたいと思っておりますけれども、やはりそういう意味で、今の大学の蓄積されているそういう知見、ノウハウ、特許、そういったものをやっぱり活用しなきゃいけないと。そういう中で、今、産学官の共同体制を作ってそういうものを生かすと、こういうことも今主体的に私ども取り組んでおります。 それから、例えばそういう企業の状況だとか精神だとか、企業に参画するというそういう意識を保つために、例えばインターン制度といって、大学生が自分の思っているようなそういう分野の企業に在学中に出向いていって、そこでともに実践で働く、その中でそういう意欲を涵養するということも、インターンシップ制度というんですけれども、そういうものも実はやらせていただいています。 それから、ドイツの例を非常に出していただいて勉強になりました。ただ、ドイツというのも、じゃ現実に失業率がどのぐらいだというと、日本は今五・三でありますけれども、ドイツは一〇%を超えている、こういう現実もあります。そういう中で、やっぱりある面では、これも私もしっかり検証しなきゃいけませんけれども、ドイツなんかも、そういう手厚いことがあるという形が逆に失業率が高いということにもある面では結び付いているかもしれない。 それがいい悪いは別問題といたしまして、日本もそういう意味ではやはりこの雇用対策というものに関してはやっぱり一生懸命やらなきゃいかぬし、使用者側も組合側も、やっぱりそこは御指摘のような問題意識を持って私はやるべきだと、そんなふうに思っておりまして、私どもとしては、経済団体とはそういうとにかく問題意識を持っていろんな場を通じて現状やらせていただいているということを御報告をさせていただきたいと思います。
○本田良一君 ありがとうございました。 次に、時間がございませんから、二つ飛ばしてちょっと一緒にお答えをいただきたいと思います。 経済産業省でも今まで様々な起業家支援策を取られてきました。それぞれは良い政策であったと思いますが、その使い勝手、国民の立場から使い勝手はどうだったろうか。せっかく予算取りされて、それが順調に消化されているだろうか。 実は、私は、平成十三年度補正予算に組み込まれた今年一月四日から受付開始をされた新創業融資制度について、地元の方から申請窓口が分からないと聞いて、経済産業省に問い合わせをして窓口を教えていただいたことがあります。ところが、やっとその窓口に行っても、条件に合わないと断られたということであります。どうも事業計画の審査に引っ掛かったようです。そんなことから、政策の実施という面で余りうまくいっていないのではないかと思います。起業家にとって使いづらい施策になっているのではないかと危惧をいたします。 そこで、経済産業省のこれまでの起業家支援策の概要と、それぞれの予算の消化状況、窓口の対応などの実態をお教え願いたいと思います。起業家発生件数、創業数と申しますか、融資、保証状況、金額など。 それから、いろいろな産業施策を出されるのは結構ですが、どの窓口でどういう手続で行われるのか、国民の目にはっきりと分かるように、また法律の趣旨が徹底をされて広く利用されるように運用面について絶えざる改善の努力をお願いをしたい。これは、先ほど小林自民党の委員も申されておりましたが、やっぱり現場に行って本当になかなか分からない。 そこで、私が提案をすることも含めてお答え願いたいんですが、まずこの商工会議所とか県とか金融機関とか別々に行かなくちゃいけませんね。だから、私は、就職ガイダンスのように、こういう融資制度ができましたよと、それを新聞、テレビで報道するか、あるいは各都道府県で、こういうガイダンスをやります、ここに集まってください、体育館にですね、そのときはハローワーク、県、行政ですね、商工会議所、金融機関、NPO、それから広報関係ですね、そういう人たちが一緒に集まって、そしてそこでずうっとこういう制度について、もう書類の書き方から、そして受け付けられるところはそこでもう受け付ける、融資制度が整うように受け付けて処理を終わると、一日で。 そういうことをやらないと、何か日本のこの融資というのは、ODAのようで、使ったと、金はやったけれども後はもうどうぞと。末端まで行っていない。アメリカは、だからODAのような予算の使い方はせずに、徹底的にその救済のところまでそのものが届いているか、金が届いているか、そこまでちゃんと確かめないとODAのような資金供与はしませんね。それくらい、だから日本は、こういう法律と、この資金を、予算を立てるけれども、どうも最後の末端のところでは、今までどおりのパターンの機関で県民に周知をしますから、利用されない。 だから、私は、この末端のここを大改革をしないと、商工会や商工会議所にいつも顔を出す人にはなじみでぱぱっと金が借りられるけれども、全く新しい人が行くと、そこで非常に借りにくいと。こういうことがありますから、日本全体に大体一〇〇%こういう予算が使われるようにするためには、利用してもらうためには、今までのパターンの窓口では駄目なんです。全然違った人たちが、投票率を上げるのと一緒で、いつも六〇%は投票に行かないということがこの融資制度でもあると思いますよ。だから、しょっちゅう来ない人が来て、融資を受けて新しい産業を起こすように窓口を大改革をやらないとできないと思います。 だから、ここのところを、私は、国もだけれども末端の構造改革、融資制度を利用するための末端の構造改革をもう一回組織的にばっとやり直さないと、本当の新しい産業が起こるようには私はいかないんではないかと思いますが、いかがですか。
○副大臣(大島慶久君) 新産業の創出だとか雇用、そういったことに関連した我が省が行っている内容について今いろいろとお尋ねがございましたのでお答えを申し上げたいと思いますけれども、とにかく創業時の最大の課題であります資金調達の面の支援、具体的に御説明を申し上げますが、まず第一は、創業・ベンチャー企業への投資促進のための中小企業総合事業団による投資事業組合への出資の制度がございます。 平成十一年の創設以来、これまでに十三組合に出資をし、ファンド総額が二百三十億円、そして計二百六十七の創業・ベンチャー企業に出資を行っているところでございます。これは先ほども他の議員のお答えの中にございましたけれども。 それから、創業に対する民間金融機関からの融資を円滑化するため、信用保証協会による新事業創出関連保証制度がございます。こちらの方は、平成十二年度の利用実績が約二千八百件、総額が約百六十億円になっているところでございます。 本制度の利用の一層の円滑化を図るために、昨年秋の臨時国会におきまして法律改正が行われました。保証限度額を一千万円から五割アップいたしまして、一千五百万円に引き上げたところでございます。 さらに、創業者に対する政策融資の制度として、従来の担保、保証を求める制度に加え、今、本田先生が御指摘がございました新創業融資制度を新たに設けさせていただきました。本制度は、担保の有無や過去の勤務状況の形式的な要件によらないで、創業者の事業計画、ビジネスプランでございますけれども、その内容を十分に審査をさせていただきまして、優れたものであれば無担保かつ第三者及び本人の保証を取らないで国民生活金融公庫が融資を行う制度でございます。本年一月四日から運用を開始しておりますけれども、三月十五日まで、現在既に二百二件の貸付実績を上げておりまして、これも従来の約四倍近いペース、こういうことになっております。 さらには、そういった概要や問い合わせを紹介したパンフレットを百万部用意をいたしまして、各方面へ配布をし、周知徹底を図っているところでございます。 また、商工会だとか商工会議所において創業塾などを開催しまして、創業者のビジネスプラン製作の支援も行い、積極的に国民生活金融公庫に紹介するように努めているところでございます。 これからもいろんな広報を通じて、さらなる努力を続けてまいりたいと思います。 それから、先生が先ほどお話しになられました従来の指導方法といいますか、説明のやり方ではなかなかこういったことがはかどらない。 実は、少し前になりましたけれども、名古屋の方で中小企業フェアというのがございまして、新しいベンチャーを目指して頑張っておられる方たちの実用化したものの展示、そういったことを中心に会場を設けたんでありますが、正にその中のあるコーナー、これは先生が申されましたように商工会議所の方もあります、商工会の方、まして、そうして今そういう新ビジネスを目指そうと、こういうノウハウを持ったり経験が豊かな方たちがあるコーナーに全部集まっていただきまして、そういったところで、実際、現場を見ながら、私も是非新しいベンチャー企業に挑戦したいと、こういう方たちがあっちへ行ったりこっちへ行ったり煩雑な中で準備をしなくてもそういった中で指導が受けられるような、そういうことを今経済産業省は各地でいろいろと展開をいたしております。 〔理事松田岩夫君退席、委員長着席〕 先生がおっしゃったことは、誠にこれはそのとおりだと思いますので、これからもそういったことを更に充実をさせていただきたい、こんなふうに思うところでございます。
○本田良一君 時間がもう三十三分まででございますので、まとめさせていただきます。 今、経済産業省で百万枚とおっしゃったのはこのパンフレットですね、できております。それから、大臣が昨日、予算委員会で石川県の中小企業のことを説明しておられましたが、ああいうことをやっていただきたいということを……(「岡山、岡山」と呼ぶ者あり)岡山もでしたね、はい、そうです、岡山でした。はい、そうです。 それで、税制について私はお尋ねしたかったんですが、この税制ではどういうことを言おうとしたかといえば、経済産業省が主力になって日本の経済を、産業を起こして活性化していただきたいと。経済再建は経済産業省だということです。日本は大蔵、財務省が握っておりますね。財務省というところは税金を取るところです。 「七人の侍」がなぜ受けたか、「荒野の七人」がなぜ受けたかですね。あれはですね、税金を取立てに来る官僚と馬賊に対して、その荒野の七人は立ち向かった、農民を、そういう税金取立てと物取りに来る馬賊に向かって、七人の侍は立ち上がって農民を助けたんですよ。だから、馬賊というのは実りの秋にやってくるんです、実りの秋に。税務署も実りの秋にやってきて、利益を上げたところだけから取っていきますね。 産業省は種をまくところですね。どっちが大切かといえば、日本の産業を起こすためには種をまく経済産業省が日本をリードしてやってもらわにゃいかないと。摘み取りに来る財務省ではもう駄目だということです。 以上です。
○荒木清寛君 私は、所信に即しまして、まず第一、経済活性、経済の活性化と我が国の産業競争力の強化としてお述べになっていることに関しまして、特に中小企業施策を中心にお尋ねをしたいと思います。 そこでまず、大臣に、我が国の中小企業を取り巻く経済環境が極めて厳しいことは言うまでもありませんが、こうした状況を踏まえてどうした中小企業施策を講じていく考えなのか、基本的な姿勢をまずお伺いいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のとおり、現下の日本の経済情勢というのは非常に厳しい状況にあります。経済産業省といたしましては、まず、やる気と能力のある中小企業までがこういった破綻に追い込まれることのないよう、そういうことをやっぱり主眼に置かなければならない、こういうふうに思っています。したがいまして、そういった意味でのセーフティーネットの対策に万全を期さなければならない、こういう基本的な考え方でございます。 それから、もう一方では、こういう困難な経済環境の下ではやっぱり新分野を開拓して経済を活性化する、一方においては元気な中小企業を育てていかなきゃならないと、こういうことが二つ基本に私どもはあると思っています。それで、このために、委員も御承知のとおり、本年度の第一次補正予算では二千五百億、そして十四年度予算では、案ですけれども、千八百五十億の中小企業対策費を計上しまして、今申しましたセーフティーネットを構築することと、やっぱり新事業に挑戦する個人や、あるいは中小企業の経営革新、こういったところに強力に支援をすることにいたしております。 具体的に申しますと、これはもう時間が掛かりますから長々は申し上げませんけれども、一つは、まだこれからPRしなきゃいけませんけれども、売り掛け債権に着目した制度を作らせていただきました。それからさらに、その予算の中で一千四百億計上しまして、そしてセーフティーネット貸付け、セーフティーネット保証、こういったところの充実を図ったところでございます。 そしてさらに、今このデフレの状況が厳しいという状況の中で、早急に取り組むべきデフレ対策の中に、今私がちょっと申し上げましたけれども、売り掛け債権、これがなかなかまだ浸透しておりませんから、これのPRに努める、そしてこれを徹底、浸透させるということを今主眼に置いてやらせていただいています。 それから、特別保証の制度の下で、午後最初の議論に出ましたけれども、これが、なかなか支払が今、非常に返済を皆さん一生懸命やってくださっていますけれども、それが困難な状況になっていますから、支払条件の緩和をすると、こういうようなことを今一生懸命にやらせていただいております。 それからもう一方、経営革新の制度といたしましては、先ほど来いろいろ出ておりましたけれども、新創業の融資制度を創設をいたしました。そしてまた、創業塾だとか経営革新講座等、人材育成の支援、これを来年度に掛けて大幅に増加をする、こういう形にやらせていただいておりまして、やはり要は現下の厳しい経済情勢の中で中小企業に対してより完全な形でセーフティーネットを張る、それと同時に、一方においては新しい活力を生み出すための新規創業あるいは経営革新、こういったところにやはり力を入れる、こういった形で大きな対策としてやらせていただいているところでございます。
○荒木清寛君 まず、そのセーフティーネットの部分につきましては、大臣も今言及されたように、売掛金債権担保融資保証制度ですか、これは我が党も再三予算委員会等で質疑をしておりまして、是非、これは金額で実績が出ていくわけでありますので、きちんと所期の目的を達成するようにしていただきたいと思います。 そこで、セーフティーネットにつきましてもう一つお尋ねをしたいのは、中小企業庁の実態調査によりますと、民間金融機関の貸出し姿勢が今後厳しくなることを懸念する中小企業が昨年から増加しているというふうにはっきりおっしゃっております。これはもう正に経営者の実感でありますが、しかし、そういう中でどうもセーフティーネットの方もどうも貸出しが減少しているようでございます。いわゆる中小企業向け政府系金融機関、商工中金、中小企業公庫、国民生活金融公庫の貸出し残高が減少しておりまして、昨年十二月末の残高は合計二十九兆一千七百億円、前年同月比で一・六%減少ということでございます。 この点、衆議院の方の予算委員会の公聴会に大阪商工会議所の小池副会頭がいらっしゃいまして、十三年度当初予算で六百三十億円、第一次補正で中小企業のセーフティーネットの強化ということで九百億円の財政支出をして、不良債権処理に追われる民間金融機関の補完を期待されたけれども、中小企業向け貸出しの拡大につながっているとは言えない状況であるという、そういうお話がありまして、私も憂慮しているわけなんでございます。 こうした現象は、果たして中小企業による資金需要がないということでこうなっているのか、それとも政府系機関がいわゆる不良債権化を恐れて非常に審査を厳しくしているということでこうなっているのか。もしも後者であれば、これはセーフティーネットの役割を果たしていないことになりますので改善をしていただかなければいけないと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 政府系中小企業金融三機関の貸出し残高につきましては、平成十三年の三月末においては前年に比しまして一・五%減少しております。未曾有の貸し渋りの時期以前の平成九年三月末、四年前に比べますと一・二%増加している、こういう数字があります。 これに対して、銀行の中小企業向け貸出し残高は、平成九年三月末以降一貫してこれ減少を続けておりまして、十三年三月末までの四年間で約一〇%、九・九%減少していると、こういうことであります。 以上のことから、民間金融機関が貸し渋りの時期を経てこの四年間で中小企業の貸出し残高を大きく低下させているのに対して、政府系金融機関はこの間、民間金融機関に比べてはある意味では積極的な貸出し姿勢を取ってきた。ですから、その一〇%近い分、それはある意味では補完をしてきたと、このように見れると思います。このような近年の推移については、不安定な経済状況等の中で、やはりおしなべて設備投資等が低調であったと、また中小企業の資金需要がそもそも弱いという、そういう大きな背景があったと思っています。 民間金融機関については、これは自己資本比率の規制とか不良債権処理問題を重い課題として、中小企業に対する貸出しの抑制ですとか債権回収の強化による貸出し圧縮が行われている、そして九・九になっていると、こういうことが言えると思います。 このような中で、私どもも一部耳にします、政府系金融機関といえども、いろいろ細かいことを言ってなかなかうまくいっていないという声を聞きます。 ですから、そういうことに対しては、やる気があって能力のある中小企業に対しては思い切ってそういう形でやるべきだと。こういうことで、私どもは、例えば全国のいわゆる経済産業局を通じたり、あるいは政府系金融機関、あるいは信用保証協会、そういったところに、そういったことはもう絶対してはならないと、こういうことで指導をしているところでありまして、そういうことがあってはならないと。こういう基本的な姿勢に立ってこれからも積極的に応じていかなきゃならないと思っていますし、今、セーフティーネットで対策とさせていただいたのは、例えば特別保証制度のいわゆる支払条件を緩和を受けたところには、あなたのところが受けたから新規融資はしないよというようなことは絶対ないようにしなさいと、こういう指導もさしていただいておりますので、御懸念のそういう件がないように更に努力をしなければならないと、このように思っております。
○荒木清寛君 一層そうした姿勢で当たっていただきたいと思います。 地元におきましても、中小零細の事業主の方からいろいろ資金繰りの相談があれば、秘書が正にそうした政府系金融機関に走っていって一緒に相談に乗ってもらうということをしておりますので、なかなか銀行では貸してくれないところに工夫をして融資をしていただいているということは私も実感をいたします。 ただ、そういう中でもう一つ聞きますのは、どうもお役所仕事ではないんですけれども、どうも時間が掛かるという話と、銀行なら決算書類一つ出せば、後は銀行の方で融資するかしないか調査するのに、やたらと書類をそろえなければいけないという話はしばし耳にするわけなんでございます。 そういう意味で、政府系金融機関におきまして、中小企業のニーズにこたえる形で一層の迅速な融資の審査あるいは手続の簡略化に努めていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○副大臣(大島慶久君) お答えをさせていただきたいと存じます。 これ、荒木先生がおっしゃることは私も実際過去によく耳にすることでございまして、お気持ちはよく分かります。 ただ、当然のことでございますけれども、こういう政府系金融機関、これは公的な資金を用いて貸出しをするわけでございますから、公正な業務の遂行ということはもう一番これ重視しなければなりません。このための決算書だとかあるいは納税証明書など必要な書類を提出を受けなければならない。そういったことが、やはりそういったスピード感に欠ける、そういう苦情のもとになっているのかと思いますけれども、そのことは是非御理解をいただきたいと思います。 けれども、そうはいえども、やはり各政府系の金融機関とともに利用者である中小企業の方々の負担が過大になるというようなことはもう十分配慮をしていかなければいけない、可能な限り速やかに貸付けができる努力を我が省もしていかなければならない、このことはよく承知をいたしております。 そういったことで、特に年末だとか年度末といったときは中小企業の融資の、資金繰りの極めて繁忙期でございますから、審査の迅速な手続ということに配慮をいたしまして、この時期には中小企業庁長官から各政府系金融機関に対しまして、貸出し手続の迅速化と適時適切な貸出しを徹底するように、こういう要請もいたしているところでございます。 今後とも、政府系金融機関におきましては、公的制度の適正な運営を確保しつつも、中小企業の、今、先生が正におっしゃられましたニーズに応じた円滑な資金提供が行われますように、特に速い処理ができますように、私どもも適切な監督あるいは指導に努めてまいりたいと思います。
○荒木清寛君 先ほど来、この融資における保証人のありようということが種々議論されてまいりました。 そうした意味で、昨年創設されました売り掛け債権担保融資保証制度あるいはまた再三論じております国民金融公庫の創業融資制度は非常に私は画期的であると思いますし、また、今後更にこうした保証人を取らない資金供給の在り方というのを経済産業省、中小企業庁において研究していただきたいと思います。新しいものを考えていただきたいと思います。 このことは、民間の金融機関においてもそうでなければいけないわけでありまして、銀行は質屋とは違うわけですから、担保がなければ貸さないというのは本来おかしいわけですよね。アメリカなんかでは、正に事業の将来性といいますか、成功するかということに着目して保証人も取らずに貸すと。その代わり、そうしたリスクに応じた金利の設定はありますよというようなことが一般であろうかと思います。 私は、日本の金融機関もそれが本来の在り方であろうと思いますし、そういう意味で行政指導等も含めて、やはり経済産業省と金融庁できちんと連携を取って、そういう民間の金融機関の融資の在り方が進んでいくような行政を行うべきなんではないでしょうか。
○副大臣(大島慶久君) お答えをさせていただきたいと思います。 金融機関が融資を行う際に様々な形で担保を要求をすることは、債権を保全するという意味で一定の合理性があると、これはそのとおりだと思います。けれども、我が国におきましては、不動産等を担保とする貸付けが約二二%、そして第三者保証の付いた貸付けは三七%、割合としてはそういう状況になっております。 しかしながら、地域の経済やあるいは中小企業への円滑な資金供給を図るためには資金供給手段の多様化を図ることがもう極めて重要でございますから、担保を求めるということだけを前提とすることではなく、事業のリスクに見合った金利の設定あるいはプロジェクトファイナンス等、事業が生み出す将来のキャッシュフローに着目した融資等についてもこれを一層積極的に活用できる環境の整備が必要である、こんなふうにも思っております。 我が省といたしましては、一つの取り組み方として、平成十三年度第一次補正予算によりまして新創業融資制度を創設をいたし、ビジネスプランの審査により、無担保、無保証人あるいは本人保証もなし、こういった国民金融公庫が融資する制度を創設をさせていただいたところでございまして、本年の一月より受付を開始をいたしております。その新創業融資制度の実績、参考までに申し上げますと、今年の三月十五日現在、二百二件の六億一千万円、こういう実績でございます。 今後とも、民間金融機関により事業の将来キャッシュフローに着目した融資が促進をされますように、今、先生が申されましたように、金融庁と関係省庁との連携としてこれに取り組むなど、企業の資金供給の円滑化に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○荒木清寛君 新事業創出に関しまして、産業クラスター計画についてお尋ねをいたします。 これは、私は非常に画期的な試みだと思います。やはり新事業が成功するには連続的な技術革新が行われなければいけないわけでありまして、そういう人材、技術、資金、販路拡大、そういうネットワークの中で、そういうブドウ状に束ねたネットワークの中で新事業を起こしていくという考え方に私は非常に着目をしておりますが、ただ文部科学省にも知的クラスター計画というのがありますけれども、どうも同じクラスターをまた縦割り行政でやっているのではないかという気もするのでありますが、その連携がきちんと図られているのかどうか。 もう一つ、全国で十九か所、この産業クラスターが指定をされておりますけれども、見ておりますと、バイオ、情報通信、環境等々、そういう分野ばかりが連ねられているのでありますけれども、従来の特定産業を対象とした産業育成策とどこが違うのかということも思うわけなんですね。あくまでもこの新事業創出というのは民間の活力に任せなければいけないわけでありまして、官の役割というのはあくまでも条件整備といいますか、コーディネーターの役割だと思うんですよね。従来のそういう特定産業にターゲットを定めて産業省が育成していくというやり方では新しいものは生じていかないと思いますけれども、この点はいかがでございましょうか。
○副大臣(古屋圭司君) お答えをさせていただきたいと思います。 産業クラスター計画につきましては評価をいただきましてありがとうございます。私どももこれはもう二十一世紀型の戦略的支援事業だというふうに自負をいたしておりまして、推進をしていきたいと思っております。 さて、御指摘の知的クラスター計画と産業クラスター計画、同じような形式ではないかといった趣旨の指摘がございましたけれども、これは、文部省がやっている知的クラスターと私どもが推進しています知的クラスターではその役割と目的が異なりまして、しっかりその辺は役割分担ができていると思います。 例えば、我々の方は、一言で申し上げると、新しい事業を創出を図るためにいろんな事業を連携し、あるいは結節をし、推進をしていこうということで、もう一方の知的クラスターは、高度な技術シーズを創出をしていこうということであります。 もうちょっと具体的に申し上げますと、大きな地域で、例えば全国で十九地域、産業クラスター計画はありまして、一地域は大変広うございます。その中に大学、連携している大学も幾つもございます。十校とか十五校、平均でそれぐらいございますが、そこの中で企業も有機的に連携をしております。 一方、その中に知的クラスター計画もございます。それはあくまでも一つの大学でございまして、その大学と産官が連携をして高度な技術シーズを研究していく。だから、そこで生まれた技術シードというのは、当然のことながら産業クラスター計画の中に活用されていくということになるわけでありまして、そういった意味では決して縦割りで同じようなことをやっているということでは私はないと思っております。 ただ、そのためにやはり相互の連携を密接にしていくことが必要でございますので、今、関係地方公共団体と経済産業省、そして文部省で、地域クラスター推進協議会というものをそれぞれの地域ごとに設置をさせていただいておりますし、また地域ごとに両省の事業の成果に関する合同成果発表会というのを年に一遍開会をさせていただいておりまして、連携体制を強化していくということには常に我々も注意を払っておる次第でございます。 そしてまた、経済産業省は各地域に局もございますので、そういったところも積極的に活用しながらこの連携を図っていくということでありまして、以上申し上げましたように、そのクラスター計画という名前は同じようなものですが、その役割と内容と目的というのはかなり違うということ、そしてお互いに連携しているということを是非御理解をいただきたいと思います。
○荒木清寛君 よく分かりました。 それでは、次に……
○副大臣(古屋圭司君) もう一つ。
○荒木清寛君 もう一つ。はい、どうぞ。
○副大臣(古屋圭司君) バイオのことですね。ちょっと今バイオ……。 バイオであるとかITであるとか環境が今までの事業でもあったし、また今回もこういったものばかりが推進されているのではないかという御趣旨の指摘だったと思いますけれども、確かにこの産業クラスター計画の中には情報通信、バイオというのもございますけれども、一方では物づくりであるとか、そういったいろいろな分野もございまして、決して分野を指定しているわけではございません。それぞれの地域の中で独特な、そしてまた地域の特性を生かした技術あるいは事業を展開をしていくということでございまして、これは従来のそういったバイオ、ITあるいは環境の支援の事業とはやや性格が異なっているということを御理解いただきたいと思います。
○荒木清寛君 次に、松政務官にお尋ねをいたしますが、今、女性の起業家が脚光を浴びておりますし、景気回復の牽引力として期待する声もあります。しかしながら、実際には民間の金融機関においては女性だということで融資を断られるというケースもあるわけでありまして、そうした障害もあるわけでございます。 そこで、経済産業省として、女性の起業家に対する支援としてどうした方策を講じていくのか、お尋ねをいたします。
○大臣政務官(松あきら君) お答えさせていただきます。 種をまく我が経済産業省といたしましては、先ほど来お話が出ております個人保証も担保も要らない新たな新創業融資制度、これなどを作りまして新規事業の支援を図っているところでございます。その上で、意欲のある女性による活発な起業を促進することは極めて重要であると認識をしております。 このために、我が経済産業省といたしまして、女性又は高齢者が起業する際には優遇金利を適用しておりまして、具体的に、基準金利一・六五%のところを一・四%としまして、あるいはまた新規性がある場合には更に〇・九%の低利で貸し付ける制度を中小企業金融公庫並びに国民生活金融公庫に創設をいたしております。平成十一年四月から現在まで二年十一か月、約三年ですけれども、五千五百件を超える実績を上げているところであります。融資の一件当たりは六百万円、約六百万というところですけれども、来年度もこの制度を引き続き実施することといたしております。 総務省などの調査によりますと、我が国における女性の社長、会社社長ですね、の数は、一九八〇年から二〇〇〇年の二十年間に四万人から十五万人へと三倍以上に増加をしているところでございます。やはり女性の起業あるいは社会進出が確実に増加していると言える状況にあるわけです。しかしながら、実は自営業者も含めた女性経営者全体の数で言えば、一九八〇年には二百八十六万人でありました。しかし、二〇〇〇年には二百四十六万人へと減少しております。 アメリカにおきましては、過去十五年間で女性経営者全体の数が三倍に増加していることを考えますと、女性の起業家の創出を更に促進することが必要であると考えております。それにはやはり女性が社会に出ていかれる、あるいは起業するためには、例えば保育所の整備など女性の社会進出を支える制度整備を推進することが重要であるというふうに考えておりまして、女性起業家創出の促進に今後とも積極的に取り組んでまいる決意でございます。
○荒木清寛君 頑張ってください。 それで、最後に、大臣が、第二の課題として環境・エネルギー問題への取組ということをおっしゃっております。私は、エネルギーの安定供給あるいはベストミックスという立場から原子力発電を容認する立場でございますけれども、しかし、もちろんそれも原発の絶対的な安全性が確保されての上のことでございます。そういう意味で、日本は地震大国でありますので、安定した地盤の上にこの発電、原発があるのかということが心配になってまいります。 そういう意味で、浜岡原発、先般一号機が事故を起こしましたが、これが実は東海地震の想定される震源域の中に入っていることから、地元の新聞に識者の寄稿が載ったりしているわけなんでございます。特に、この浜岡原発のうちの一号機、二号機につきましては、耐震設計審査指針が策定された昭和五十三年以前の設計でありますので、本当にこの、特にこの一号機、二号機が震源域の中にあって大丈夫なんであろうかということを思う方はいらっしゃると思うんですね。 そういう意味での安全性が、特に一号機、二号機の安全性が保証されているのかどうか、きちんと御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(古屋圭司君) 今、委員御指摘の、中部電力の浜岡原子力発電所、三号機と四号機はもう新しい基準でやっているけれども、一号機、二号機は大丈夫なのかと、こういった趣旨の質問だと思いますけれども、一号機、二号機につきましても、昭和五十三年のいわゆる耐震設計審査指針制定以前に設置はされているわけでございますけれども、本指針設定後に調査を行った三、四号機と同じ設計を、震度を用いて評価を行っておりまして、耐震の安全性が確保されているということを当省として、専門家の意見も聞きまして確認をさせていただいております。 ちなみに、その十分な耐震性を有するということは、例えば具体的には、近い将来起こり得る最強の地震として、マグニチュード八・〇程度の東海沖地震あるいはマグニチュード八・四というのが、これは安政の東海沖、東海地震があったそうでございますけれども、これを更に上回ります、恐らくこれは現実的ではないと思うんですが、マグニチュード八・五というと、これは八・四の約五〇%増しのエネルギーだそうでありまして、こういったものにも耐え得る設計というものが同指針で記されているわけでございまして、こういった指針に基づきまして、各界の専門家の意見も聞きながら、この一、二号機もその安全が確保されているということを確認をさせていただいております。そして、この結果につきましては、平成七年の九月に原子力委員会にも報告をさせていただいております。 以上のことから、一号機、二号機についても十分な耐震の構造になっているし、また対策も講じられているというふうに認識をいたしております。
○荒木清寛君 私は、一度また現地を調査しまして、また引き続きお尋ねをしたいと思いますが、一点だけ、今、古屋副大臣おっしゃった平成七年九月に「指針策定前の原子力発電所の耐震安全性」というのをちょうだいいたしまして、読ませていただきました。私も、そういう技術の専門家ではありませんので十分理解したわけではありませんが、ただ、これは基本的に、電気事業者の自主的なそうした審査について資源エネルギー庁で確認をしたということだと思うんですね。これで十分なんであろうかということは一つ思うんですね。 やはり、そうはいっても、この一号機、二号機と三号機、四号機は、おのずから設計はより後者の方が頑丈になっていることは間違いないわけでありますから、やはりエネルギー庁としても独自のそうした調査をするということは必要ないんでしょうか。その点だけ、最後にお尋ねいたします。
○副大臣(古屋圭司君) 今、私の方から答弁させていただきましたけれども、この安全性ということについては、これは技術的な見地から専門家がチェックをさせていただきまして十分それは担保されているということでございますので、現在といたしましては、また再調査をするというようなことは、我々はそういった再調査を指示するということは考えておりません。
○荒木清寛君 終わります。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。少し厳しい質問になるかもしれません。 今日は、大臣の所信に対する質問でございますが、この大臣の所信表明、ずっと読ませていただきました。しかし、例えば最初のところでも、こうした動きが加速すればデフレスパイラルに陥る懸念があるというような記述がございますが、本当に懸念があるというような生易しい状態なのかということなんですね。今、もう既にデフレスパイラルのこの悪循環に陥っておりますし、かつてなく、もう経験したことがない戦後未曾有の危機的な状況にあるというふうに、これはもうほとんど常識的になっていることではないかと思います。 さらに、具体的な危機の分析でも非常に具体的がないというのは、例えば倒産という言葉すらこの大臣の所信表明の中にはないんですね。前回、私、BSE、狂牛病という言葉がないということを申し上げましたけれども、今度の所信表明の演説の中にはこの倒産という言葉がない。つまり、非常に最も危機的な状況を象徴をしている問題について所信の中に具体的に盛り込まれていないということは一体どうなんだろうか、危機意識が欠けるんじゃないか、あるいはそういうものについては触れたくないというお立場なのか、非常に私は疑念を持ちました。 昨年一年間で、地域の中小企業金融の中心であります信金、信組が五十七件破綻に追い込まれた、このことも触れられておりませんね。 企業倒産の状況でいいますと、二〇〇一年の一年間の倒産件数は一万九千百六十四件、負債金額は十六兆五千百九十六億円にも上っておりまして、いずれも戦後二番目の記録になっているわけです。不況型倒産が過去最悪の七一・二%、企業倒産に伴う被害の従業員の数は二十二万六百八十人という過去最多になっています。一月も千六百二十件、二月は千七百十二件ということで、いずれも戦後最悪の記録を更新をしているわけです。 私は、平沼大臣にお伺いしたいんですけれども、小泉総理は、青木建設が倒産したときに、これは構造改革の成果だと述べられたんですが、中小企業を所管していらっしゃる大臣として、今のこの中小企業の未曾有の倒産について、これは構造改革の成果というふうに見ておられるか。次に、中小企業のこの倒産についての責任をどのように担当大臣としてはお感じになっているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 私の所信の中に倒産が入っていない、また中小の金融機関の破綻も入っていない、危機意識が足りないんじゃないかという御指摘でございますけれども、やはり未曾有の厳しい経済状況と、こういうその認識の中にそれが包含されている、こういうふうに御理解をいただければと思っております。 そして、この一連の構造改革がやはりこういういわゆる企業の倒産に結び付いているのかどうか、このお尋ねでありますけれども、私は、影響なしとは私は言えないと思っています。ですから、やはりこの国の経済を立て直して、そして活性化をするためには、やはり構造改革は避けて通れない道だ、そういう構造改革をする過程において、やはり倒産に追い込まれるということは私は可能性としては当然あるわけだと思っています。しかし、その中で、やはりやる気と能力と、そしてしっかりとしたそういう経営意識、そういうものを持っている中小企業の方々までその連鎖に巻き込まれてはならないという形で、これは両院の御賛同をいただいて、一次補正あるいは本予算、そういった中でセーフティーネットをいかに構築するか、いかに幅広く構築するかという形でやらせていただきました。 ですから、そういう中で、私はすべてがその構造改革で惹起されたと、こういうことは言い切れないと思いますけれども、影響があったのかと言ったら、それは可能性としてはあったと、こういうふうにお答えをさせていただきたいと思います。しかし、やる気と、そして潜在力と能力のあるところは、私どもは、日本の基盤を支えてくださっている中小企業ですから、ここはやはり万全たるセーフティーネットを張らなきゃいけないと、こう思っています。 それから、責任を痛感をしているかと、こういうことで、今具体的に、やはり数で一万九千件を超える史上二番目の倒産の数だと、大変その中で本当にお苦しみのそういう方々がたくさんいらっしゃる。また、例えば自殺の数も三万人を超える、その中には大変中小企業の経営者の方々も含まれている。そういう実情を目の当たりにしたときに、私は中小企業を所管する大臣として、この本当に難局を打開する、そのことが私の責任だと、こういうふうに思っています。
○西山登紀子君 ところで、お伺いしますが、来年度の中小企業対策予算というのは減っているのではありませんか。
○政府参考人(杉山秀二君) 中小企業対策費についての御質問でございます。 来年度の予算案におきます経済産業省分の中小企業対策費で見ますと一千三百七億円でございまして、これは十三年度の当初予算一千三百三十五億円に比べまして二十八億円の減少でございます。また、政府全体の中小企業対策費としては、来年度予算案が一千八百六十一億円でございますが、今年度の当初予算では一千九百四十八億円ということで約八十七億円ほどの減少になっております。 ただ、しかしながら、中小企業対策のための経費といたしましては、十三年度の第一次補正予算におきまして、セーフティーネット対策あるいは創業・経営支援といったための経費といたしまして二千五百億円を超える経費を計上をさせていただいております。これは、十四年度の当初予算の言わば前倒しで、この十三年度の補正に計上させていただいたという分も含んでいるわけでございます。 さらに、第二次補正予算におきましても、中小商業対策のために六十二億円ほどの予算を計上させていただいておりまして、これら十三年度の補正予算、それと十四年度の当初予算、これを加えまして、言わば十五か月予算という格好で申し上げれば四千億円を超えるような予算を計上させていただいておるわけでございまして、中小企業のために必要な対策を賄うということで、こういった予算で対応できるんじゃないかというふうに考えておるところでございます。
○西山登紀子君 いや、やはり一般会計のこの予算を減らしているわけですから、とりわけ一般会計の一般歳出の比率というのは〇・三九%ということで過去最低じゃありませんか。未曾有の中小企業が倒産しているこういう大変なときにはやはり中小企業予算を根本から増やして支援すべきではないかと思うんですけれども、大臣のおっしゃっている応援する応援するということ、この実態が違うように思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、厳しい経済情勢の中で、私どもといたしましては中小企業対策というものにプライオリティーを与えて目一杯やらせていただき、またセーフティーネットをきちっと構築することによって、そして更に一次補正、二次補正、そして本予算、こういう連続の中で大きな効果を上げていく、そういう形に主眼を置いておりまして、確かに数字の上では御指摘のようなことがありますけれども、私どもとしてはでき得る限り中小企業に対して重点的に予算を配分したと、こういう認識でおります。
○西山登紀子君 次に、信金、信組を破綻に追い込んでおりますいわゆる金融マニュアルの問題について質問したいと思います。 政府のデフレ対策の中で、「金融検査マニュアルの機械的・画一的な運用の防止を図る」というふうには触れられているんですけれども、これは問題の根本的な解決にはならないというふうに思います。 私の地元は京都なんですけれども、京都は二信金の破綻に続きまして、今、今年の十一月に京都北部の五信金が合併をするという問題で持ち切りでございます。私も歩いてみたんですけれども、そこで非常に気が付いたことがございます。この合併すると言われている五つの信金、例えば福知山信用金庫などというのは一九二二年の設立ですね。東舞鶴信用金庫は一九一〇年、舞鶴信用金庫は一九〇九年という形で、非常に長い歴史、百年近い歴史を持った信金でございまして、お話を伺いますと、自分たちは風雪に耐えてきたと、地元の文化と歴史を作ってきた誇りもあると言われました。 ところが、今、合併しなければ破綻に追い込まれるというので苦渋の選択をしたと言われる。なぜ破綻に追い込まれるのかといえば、それはいわゆる金融検査マニュアルという大銀行に適用されるマニュアルを当てられる。しかも、今、金融庁の指導というのは、指導とは名ばかりで正に命令、場合によっては土足で上がり込んでくるようなやり方で倒されていくんだと。非常にリアルな訴えを聞きました。 平沼大臣は、二月二十七日の衆議院の経済産業委員会で、我が党の塩川議員の質問に対しまして、やはりBIS規制というのは地域に密着した中小金融機関に適用するのはおかしいんじゃないか、こういう声がありますが、私も確かにそのとおりだと思っています。今の検査マニュアルというのは、その標準どおりに適用すると、中小企業にとってはやはり厳しいものになるんだと御答弁されています。 私は大変意を強くしたわけですけれども、大臣はその御答弁に沿ってどのような努力をされてきたか、またこれからどのように努力をされるおつもりでしょうか。この検査マニュアル、きっぱりとやめるということが必要じゃないでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 合理的な内容の検査マニュアルに基づいて金融検査が厳格に行われるということは、金融システムの健全性を保つ意味では私は必要なことだと、こういうふうに思っています。 ただ、実際の検査に当たりまして、中小零細企業向けの貸出し債権を査定する場合には、当該企業の販売力や成長力、また代表者の収入、資産状況、こういったことを各中小企業の特性、そういったものに十分配慮する必要が私はあると思っています。ですから、検査マニュアルもこうした趣旨の中小企業、零細企業の配慮規定が盛り込まれているところでありますけれども、そこはなかなか実際の現場では周知徹底されていない。 そういうことで、私どもが金融庁に対して、これまでも具体的にそういったことに配慮すべきだと、こういうことで申入れをしておりますし、また私どもとしては、全国の二十都道府県に中小企業庁の幹部を派遣をいたしまして、そういう地域金融の実態に対するヒアリングを行いました。この中では、金融検査マニュアルの中小企業向け配慮規定の趣旨が必ずしもいわゆる検査の末端まで十分に浸透していない、こういうことが私ども分かりました。 中小企業金融の実態に合っていない事例が見られるとの指摘もありましたので、私どもとしてはこういうことに対して、やはり、例えば今、福知山とか舞鶴、こういう歴史があって地域に密着して、本当に何十年もお付き合いしている、そしてお互いに分かっている、そういったその地域の金融機関の特性を生かして、やっぱりそういう配慮があってしかるべきだと。こういう形で、私どもとしては、金融庁にもそういった、何といいますか、特別の配慮をして検査をしていただきたいということを、今までも言ってきましたけれども、これからもそういったところに配慮をして私どもはやっていかなければならないと、こういうふうに思っております。 こういう現場からの大きな指摘も踏まえまして、マニュアルの機械的な画一的な運用の防止を図るために、今般、早急に取り組むべくデフレ対応策の中で、金融庁におきまして、金融検査立入り中の検査モニター、立入り後の意見申出制度等を充実強化する、そして中小零細企業等の債務者区分の判断についてはマニュアルの具体的な運用例を作成、公表する等の措置が取られる、こういうことになったわけでございまして、私どもはこういったことで金融庁に対してもいろいろ申し入れてきたことがこういったことに結び付いていると思います。 この中で、具体的な運用例の作成、公表については、これは今申し上げたとおり、我が省から金融庁に対して要請していた点でございまして、今後も、中小企業金融の円滑化を図る観点から、こうした取組を重大な関心を持って注視をしまして、必要に応じて金融庁に対しても私どもは意見を申し述べ、改善方を要求していきたいと、こういうように思っています。
○西山登紀子君 そういう第一歩が踏み出されているというのは分かるんですけれども、十五日の参考人、衆議院の参考人質疑で、長野さんという全国信用金庫協会の会長さんがこう言っていらっしゃるんですね。この国際業務をやっている銀行の基準を国内だけやっている信金に持ってくることが問題を発生させているんだから、この金融検査マニュアルを中小企業金融機関には適用をしない、これが今必要だって御意見を述べていらっしゃるんですね。ですから、これからもう一歩踏み込んだ、この適用しないというところまで大臣の御努力を求めて、次の質問に移りたいと思います。 今、大変な不況の中で、融資の問題ですけれども、これは昨年の十月三十日、十一月二十九日、当委員会でも私の質問に対しまして、いわゆる特別保証の新しい貸付制度を作ってほしいという私の質問に対して、大臣は、当面は今創設は考えていないけれども、よりきめ細かな対応をしていくということではおっしゃったんですけれども、もうそれでは駄目だということが今のこの不況の状況の中で分かったということなので、是非この状況の下での新しい特別保証の貸付け的な制度、検討すべき時期に来ているのではないでしょうか、お伺いをいたします。
○副大臣(古屋圭司君) お答えさせていただきます。 委員御指摘の点は、特別保証を復活させるべきでないかといった趣旨の御質問だと思いますけれども、御承知のように、特別措置は昨年三月に終了をいたしました。ただ、この終了に際しては、やはりセーフティーネットの保証であるとか貸付制度を抜本的に強化をしていかなきゃいけないということで、そういう対応をさせていただきました。また、昨年の補正予算の中でも二千五百億円を計上させていただきまして、セーフティーネット保証・貸付制度の更なる充実を図ってまいりました。 また、今、大臣からも答弁ありましたけれども、売り掛け債権を融資する融資に保証制度を創設をするということで、昨年の臨時国会でも成立をさせていただきました。また、今般の早急に取り組むべくデフレ対策の中で、この売り掛け債権を担保に融資する制度につきましても更に積極的に活用していこうということで我々も対応させていただいております。特に、譲渡禁止特約が付いておりますと活用の勝手が悪いものですから、この譲渡禁止特約の解除についても関係団体にいろいろとお願いをしているところでございます。 また、特別保証制度の返済に非常に苦慮している中小企業の方も大勢いらっしゃいますので、今その返済条件の緩和、条件変更に柔軟に応じているところでございまして、ちょうど累計で今、十二万八千件がその条件変更に応じております。 また、今申し上げましたデフレ対応策の中で、特に大型倒産とかあるいは取引先の突然の倒産等々でそのあおりを食ってしまった、あるいはBSE問題等々突発的事項があった、そういった状況があれば、返済資金に困っている中小企業に対しましては、その申出があれば原則として返済条件の変更が行えるように今措置を講じているところでございます。 こういった形で昨年末あるいは今年この二月、三月と、非常に厳しい状況の中でできる限りの対応策を私どもとしては考えておりまして、現在ではその特別保証制度の復活ということは考えておりません。
○西山登紀子君 売り掛け債権保証ということですけれども、今、数でいうと九十五件ほどなんですね。例の安定化保証のときにはもう本当に列を成したぐらいの非常に効果があったということですよね。私も地域を歩いてみますと、やっぱり業者の方が今願っていらっしゃるのは、安定化保証の融資枠をもう一度使わせてもらいたいとか、あるいは情勢に合った特別保証制度を是非作ってほしいというのが声でございますので、是非そうはおっしゃらないで、研究をうんと進めていただきたいと思います。 最後の一問ですけれども、その条件の緩和ということなんですが、特別保証制度も含めて、既往債務の借換え融資制度、これを作ってほしいという要望が非常に強く出ておりまして、これは京都で業者の皆さんの運動が実りまして、一月の二十八日から中小企業経営改善借換え融資制度、これが創設をされ、大変喜ばれているわけですね。京都府や京都市の既往の融資についてまとめて借換えを認める、個々にやるのではなくて、まとめて認めましょう。その結果、返済期間を延長して、月々の返済額を減額することができる、経営改善の効果が期待できるとか、返済額の減少した範囲内で新規融資が認められるというようなことで大変喜ばれているわけですね。 そういうことで、大臣に最後ですけれども、今でも少ない予算で国でも実施できるのではないかと思いますけれども、こういう点での御検討を必要だと思いますが、大臣に、最後ですから、大臣に。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 中小企業をめぐる厳しい状況の中で、保証付き融資について既往債務のある中小企業が経済環境の変化等により当初の約定どおり返済することが困難となった場合、金融機関及び信用保証協会は既往債務の条件変更や保証付き融資の借換えによって対応しているところであります。 委員御指摘の借換え融資というのは、既往債務の返済負担が厳しい場合だけではなくて、新たな資金需要にも対応できるなど、返済条件の変更では対応できないニーズにこたえられるという利点があります。しかし他方、借換え融資を受けた場合は、その後、毎月相当額の返済が必要となるため、借り手にある程度高い返済能力が必要となります。また、金融機関等の側から見ても、新たな融資を行うこととなるため、当面返済能力の低い中小企業者に対しては適当ではないと判断される場合もあります。 なお、民間金融機関のプロパー融資、保証付きでない融資を新規の保証付き、借換え融資で振り替えることは、いわゆる旧債振替、こういう形で原則禁止をされております。したがって、既往債務の返済に苦慮する中小企業に対しては、返済条件の変更で対応した方が個々の中小企業者の実情に応じたきめ細やかな対応が可能となるケースも多いと考えられます。 このため、経済産業省といたしましては、特別保証を含めた既往債務の返済条件の変更を柔軟に対応するように信用保証協会に求めまして、民間金融機関に対しても、金融庁を通じて、その趣旨の周知徹底を行ってきております。今般の早急に取り組むべきデフレ対応策におきましても、特別保証に係る条件変更の一層の弾力化を盛り込んでいるところでございます。 当省といたしましては、金融庁と連携をしながら、これらの施策を通じて、特別保証を御利用いただいた事業者を含めて、中小企業の実情に即した資金繰りの支援に的確に取り組んでいかなきゃいかぬと、このように思っています。
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。 この日本で餓死という痛ましい出来事がいろいろ起こっております。こうした事態を生まないために、生活困窮者に対して必要な対策、とりわけ電力・ガス事業者に対してその対応が求められていると思います。 一昨年来、例えば宇都宮での幼児凍死事件、名古屋での老夫婦餓死事件、北九州市での三十代姉妹餓死事件、宮城での兄弟餓死事件、東京杉並での老夫婦餓死事件など、先進国日本であってはならないような、そういう悲しい出来事が起こっているわけですけれども、最初に大臣に、こうした事件について、大臣としてまた政治家としてどのような思いを持たれるのか、お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私も大変、御夫婦で、老夫婦で、お一人が御病気で、そして配偶者の方が一生懸命看病されている、しかし病を得られている方々が亡くなって、そしてその後、後を追う形で餓死をされる、そういうケースが報道等でたくさん出ております。そういったことを耳にするにつけ、非常に痛ましいことだと。やはり、この共同社会の中にあってそういったことがなぜ起きるのだろう、こういうことがあってはならない、そういう思いでいつも私どもは、私はそういう思いでそういうのを見たりそして聞いたりしているところでございます。
○緒方靖夫君 マスコミで取り上げられているこういう事件は正しく氷山の一角だと思うんですね。全国でどのくらいこういう事件が起きているのかということについて厚生労働省にお尋ねしたところ、全体を把握していないという事態で、私はそれをやはり政府としても把握する必要があるということを求めておきたいと思うんですけれども。 そこで私は、目安として、監察医を置いている自治体に問い合わせて調べてみました。監察医は全国五都市に置かれておりまして、私はそのうち三か所に問い合わせて調べてみました。監察医が死亡原因調査を行っていて、こうこうこういう理由だと、そういう回答を得たわけですけれども、栄養失調死、いわゆる餓死と思われる事件について、こういう状況です。東京二十三区、九六年以降の五年間で百三人、九一年以降の十年間で百九十二人、二〇〇〇年は最高で二十六人。神戸市、九六年以降の五年間で二十五人、二〇〇〇年は十一人。大阪市、九六年以降の五年間は百六十一人、九一年以降の十年間で三百七十八人、二〇〇〇年は三十六人。三都市だけで実にこの五年間で二百八十九人。こう考えると、全国でどれだけの人数があるのか、そう思わざるを得ません。 東京の監察医務院の院長に直接、死亡例についてお伺いいたしました。独り暮らしで多くが高齢者、無職で収入がない、布団の中で死亡している例が一番多い、寒くて布団で暖を取るしか手段がなかった、そういう話をしておりました。 重要なことは、これらの事例がガス、電気、水道を止められた下で起きているということですね。東京都の監察医務院の院長も、死亡例に共通する特徴の一つとして、ガス、電気をすべて止められていた、水道が残っていたのが数例、そういう例を挙げておりました。同席したその事務長も、せめて電気、ガス、これが切られないようにできたらどれだけいいか、そのことを述べておりました。 厚生労働省は、こういう点を踏まえて、宇都宮での事件以降、電気、ガス、水道などのライフライン関連の事業者と福祉部局との連絡連携体制を強化されてきたと思いますけれども、どのような取組を進められてきたのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(真野章君) 宇都宮事件を契機といたしまして、私ども福祉部局と関係部局との連携を強化するように、それから生活困窮者の情報が福祉部局に入るようにということを各都道府県市にお願いをいたしてきております。 特に、水道部局との関係は、同じ自治体でもあるということもございまして、水道部局との連携を強化するということで、例えば水道料金の督促状に福祉窓口を明記するというような方法を取って、連携を強化をしているところでございます。
○緒方靖夫君 水道については非常に重要な措置が取られているということが分かりました。特に、生活に困窮している世帯に対して、やはり一方的に、料金が払えないからといって一方的に停止する、そういうことがあってはならない、それに対する配慮が今の話でも分かったわけですけれども。 そこで、お聞きしたいんですけれども、電気・ガス事業者の供給規程では、生活保護世帯やそれに準ずる生活困窮者への供給停止延伸の規程はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) 電気、ガスの場合は、社内の規程によりまして、支払を滞られた方が生活困窮者でいらっしゃるような場合には供給停止を柔軟に対応するようにというような規程をしているところが多いというふうに聞いております。 先ほど御指摘のありました宇都宮の件について申し上げますと、これは電力会社の方で需要家の方と何度か接触がありまして、支払のお約束もしていただいたようなこともあり、この時点で供給停止をむしろしないで見守らせていただいたというような経緯もあるわけでございます。 ただ、すべてのケースについてこれだけ親切にできたかどうかは分かりませんので、今申し上げた内規に則して柔軟に対応するということが考え方でございます。
○緒方靖夫君 柔軟に対応する、これは非常に大事な点だと思うんですね。 具体的に言いますと、私は東京電力と話したときに、九二年の規程があるわけですね、ここに実物あるわけですけれども、生活保護世帯等に対する停止延伸。これに対しては、料金が未収によって直ちに停止を行わない、面接もしくは電話で、直接電話が取れるまで、このことが明記されていますね。私、これは非常に大事だと思います。それからまた同時に、この問題では、申出があったときには一か月限度停止を延伸するとか、そういうことも述べられております。 そこで、私はこういったことを見ながら、改めて生活困窮保護世帯に対して、こういう問題に対しては対応が非常に大事だということをこの間痛感してまいりました。私は、生活と健康を守る会の皆さんと一緒にこの間東京電力、東京ガスにも要請に行って話を聞いてまいりました。それからまた、東京都では生活と健康を守る会の要請も受け、近く東京電力、東京ガスに対してこの分野での協力要請を行う、このことも伺っております。つまり、東京都として具体的にこういう措置を取っていくということを進めるということですね。 私は、これは人命にかかわる問題であって、電気・ガス事業者、これはもちろん企業ではありますけれども、その企業としての社会的責任、これを考えたときに、一層積極的な対応、これが求められているということを痛感いたします。 そこで、経済産業省に対して、この間も電気・ガス事業者に対する協力依頼をやはり文書で行うべきだということを求めてまいりましたけれども、現在のその取組がどうなっているかということについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 先ほど御報告申し上げましたようなことで、電力会社、ガス事業者、それぞれが弾力的という言葉を大切に使いながら対応しているとは思いますけれども、この際あえて、幾つかの事例もございますので、文書による対応も検討してまいりたいというふうに思っております。
○緒方靖夫君 非常に重要な答弁をいただいたと思います。やはりこうした文書によって協力要請、これはあくまで協力でありまして、そういう性格のものだと思いますけれども、やはり国がそういう姿勢を取るということが、今の時期、とりわけ不況が長引く下で生活困窮者が増えているという下で非常に大事な措置だと思います。 そこで、最後に大臣にお伺いしたいんですけれども、私はこうした文書によって対応を行うということも検討いただくということと併せて、さらに今後こういう問題があるということについて述べておきたいんですね。 それは、例えば、これは東京電力あるいは東京ガスも共通しておりますけれども、いろんな対応を行っております。その中で、やはり規程がやはり対象がうんと狭いという問題があるんですね。例えば、規程では、老人、病人の独り暮らしの場合、狭くなっています。大臣がおっしゃられたように、二人の老夫婦がいてという、看病してという場合がありますよね。しかし、一人というそういう規程になっている。これはやはり狭いと思います。 あるいは、大分では昨年二月に、一戸建てに住んでいた母子家庭の世帯が滞納で送電を止められて、中学三年生の息子が受験勉強をろうそくでしていた。そのろうそくが倒れて火事になった。しかし、この規程では、母子家庭については共同住宅に住み、一戸建てでは駄目なんですよね。そうなっているわけですよ。 ですから、私はこういうこと、それから先ほど申し上げました、申出があった場合、一か月限度停止延伸というそういう問題、これについても、今、長官から柔軟にという話がありましたけれども、そういうことも含めて現状に見合った形で対応していただくということが非常に大事だということを痛感しておりますけれども、最後に、この件について大臣の御所見と、それからこの取組についてのお考え伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、電力会社の今お調べになってお述べいただいたそういう内規というのは非常に限定的だと思います。一方が要介護者であって、そして一方が非常に病弱だと、そういうようなケースもたくさんありますから、そういったところは私は柔軟に対処しなきゃいかぬと思いますし、これから私どもも文書をもって事業者の方に要請をいたしますけれども、そういったことを含めて要請をしたいと思います。 そして、私としましては、やはりこの地域の社会がある、その中で生活保護というのがある、しかし非常にそういうところのはざまの中、あるいは人間のプライドでそういったシステムが働いていない場合があると。そういう中で、やっぱり地域の連帯というものも私はやっぱり必要なことだと。そういう中で、総合的にそういったものが起きないようにしていくことも併せて考えていかなきゃいけない問題じゃないか。その要請は私どもしっかりさせていただきたいと、このように思っています。
○緒方靖夫君 終わります。
○広野ただし君 自由党・無所属の会の広野ただしです。しんがりになりました。もうお疲れでしょうが、よろしく御答弁のほどお願いを申し上げます。 今度の税制改革で連結納税制度が入ることになるということであります。連結納税制度は、企業の構造改革、企業グループの構造改革、また産業の構造改革、また再編、そういうものに非常に役の立つ大事な制度だと思います。なのに、これに連結付加税ということで二%掛けると、こういうことであります。せっかく構造改革のエンジンを踏みながら片一方でブレーキを踏むと、こういうことをやっているわけで、どっちへ向かってやっているのかよく分からないわけでありますが、財務省からお見えのようですから、ひとつ御見解をお願いいたします。
○政府参考人(石井道遠君) 今、先生お話ございましたとおり、連結納税制度は、企業の組織再編を促進する、あるいは経済の構造改革に資するという観点から、平成十四年度から導入をいたしたいと考えております。 ただし、本制度がグループ内企業の所得と欠損を通算する仕組みでございますので、必然的に税収減が生ずるわけでございます。したがいまして、現下の厳しい財政事情の中で本制度を導入するに当たりましては、この減収額に対して所要の財源措置を講ずることが必要であると我々は考えております。 この減収措置、財源措置でございますけれども、具体的には、まず退職給与引当金の廃止など法人税の一般的な課税ベースの見直しを行うこととしておりますけれども、これは連結納税制度を選択しない企業にも税負担を求めることになります。しかしながら、連結納税制度を選択することによる税負担減のメリットは制度を選択した企業グループのみが享受するものでございますので、連結付加税を課するなどの措置によりましてこれらの企業にも相応の負担を求めて、連結納税制度を選択する企業と選択しない企業との間の税負担増のバランスを図るためにこの付加税ということを導入いたしたいと考えております。
○広野ただし君 そこが非常に短期的な見方なわけですね。企業がどんどん再編をして大きくなっていけば、もうかれば必ずちゃんと税金を納めてくれると、こういうことなんで。今、特にこういう厳しい情勢の中、早く構造改革を進めなきゃいけない。初年度、六千億円とか八千億円の減税になる、こう言っているわけですが、二%付加税でどれぐらいになるのか、一千億円ぐらいカバーできるのか。そんなことをやって果たして本当に構造改革が進むのかどうか。私は、ここは平沼大臣に、もう決定されたことかもしれませんけれども、そんなばかなことをやっちゃいけないんだと、こういうことで是非やっていただきたいと思います。御見解を伺います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私も内閣の一員でございます。しかし、この連結納税制度というものを導入して、これはなかなかこの制度を利用する企業というのが思ったより多くないわけですね、現状。ですから、私はそういった形で、やっぱりこの制度が幅広く利用されるということが中長期的に見れば経済の活性化につながると、こういう私は思いを持っています。 いずれにいたしましても、二年以内に見直すと、こういう形に相なっておりますので、経済界からの要望も非常に強いものがございます。そういった形で、経済の活性化を担当している大臣としてはそういった問題意識を持ちながら、政府の一員として私どもはその今おっしゃったそういった方向も視野に入れて頑張っていきたいと、こう思っております。
○広野ただし君 連結制度を使う企業は少ないというのは、また、ちまちました規制をやるからなんですね。この二年間というのは本当に大切な二年間で、待ったなしの二年間なわけです。二年間たって見直すというのではなくて、まずばっと間口を広げて、そこで脱税的なことが何か行われれば見直すという逆のやり方をやっていただかないと本当に構造改革は進まないんじゃないかと、こういうふうに思うわけであります。 大臣にもう一度踏み込んだ御発言をお願いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘の点というのは確かに私はそのとおりだと思っております。そういう中で、今、国の税収も非常に厳しいと、こういう側面もございまして、経済界の要望もこれあり、私どもはそういうものを真摯に受け止めて、財務省とも協議をしながら、この制度が本当に円滑に機能を発する、そういうために努力をしていきたいと思っております。
○広野ただし君 ところで、先日、当委員会で沖縄へ行ってまいりまして、沖縄は私も非常に特別の意識を持っております。戦前、戦中に掛けて大変な被害に遭われ、そして今現在も基地が全国の七五%もある、また所得は本州に比べて七〇%ちょっとだと、こういうような状況であります。 そういう中で、今度、新沖縄振興特措法ということで制定をされるわけでありますが、その中で、また金融特区あるいは情報通信特区ということで設けられるわけであります。ここのところが、沖縄は喜んでおられるとは思いますが、私はツーリトルだと。所得控除が三五%ということでありますけれども、もっと思い切ったことをやらないと企業が出てこない、こういうふうに思うわけであります。 ですから、思い切ってもうゼロに近い税制にして、一国二制度のような気持ちでやらないと、これはなかなかできないんじゃないかと、こう思うわけですが、財務省、いかがでございましょうか。
○政府参考人(石井道遠君) 今、先生御指摘ございましたとおり、沖縄につきまして、今般、沖縄の社会経済情勢に配慮をいたしまして、沖縄振興の観点からこのような特別な制度を設けたところでございます。 金融特区のような租税特別措置につきましては、特定の政策目的を達成するための手段として講じておるものでございますが、これは一般的な租税原則の例外でございますので、その政策目的、効果を十分吟味していく必要があると一方で考えております。その上で、今のような措置を決めさせていただいたわけでございます。 今回の措置が沖縄の経済振興に資する、沖縄における金融業の集積を促進し、新たな雇用の増加に資するものと私どもとしては期待をいたしております。
○広野ただし君 この大変な経済情勢の中で、特に今地域が、沖縄だけではありません、大変地域が傷んでいます。もう富山県では、佐藤工業が倒産をして惨たんたる状況だと。こういう状況の中で、特にまた私も全国回りますと、東京にばっかり一極集中してきて、せっかく二極構造だった、あるいは三極ということで大阪ですとか名古屋等があったわけですけれども、名古屋は比較的まだ頑張っているということではありますけれども、もう本社をどんどん東京の方へ移す、いろんな形で一極集中が進んでいる。 そういう中で、私はやはり日本は二つか三つ、あるいはもっと多極的な発展を遂げなきゃならない。そういうときに、やはりこの一国二制度的な考え方で、そして税制だけではありません。これは、総務省さんも今日来ておられると思います。財務省ばっかりじゃなくて、自治、地方税の方も抜本的に考えて、そして民間活力が出てくる。結局、税制改革が根本的な民間活力を生み出す大きな政策だと思うわけですが、その点について、財務省さん簡単に、そして総務省さんからも御発言をお願いしたいと思います。
○政府参考人(石井道遠君) 一般的に、特定の地域を対象といたしまして税制上の措置を、特段の措置を講ずるということにつきまして、私どもとしましては、公平、中立、簡素という租税の大原則あるいは租税回避の問題、さらには今後を展望いたしましたときに、経済の活力を高めていくためには、むしろ経済活動に中立的でゆがみのない簡素で分かりやすい税制ということが求められているのではないかと考えておりますので、安易にこれを設けることについては一般的には厳に慎む必要があるのではないかというふうに考えております。 ただ、現在、あるべき税制の構築に向けまして検討が進められております。税制の在り方が経済再生の確固たる基盤を築くためのかぎとなるということは、一つのそのとおりの御主張だろうと思います。あるべき税制の検討に当たりましては、経済活性化をどのように支え、あるいは経済社会の構造変化にどう対応するのかという視点、あるいは先ほど申しました中立、簡素、公平という視点、あるいは税負担水準の在り方の問題等々、幅広い総合的な観点から税制全般にわたって見直しを進めていきたいというふうに考えております。
○政府参考人(瀧野欣彌君) 地域の活性化と地方税の関係についてのお尋ねでございます。 先ほどからもお話が出ておりますが、沖縄県地方につきましては、沖縄の置かれております特別な事情にかんがみまして、地方税の関係におきましても、金融業務特別地区等につきまして、一定の場合特別土地保有税を非課税とすることや、あるいは固定資産税等につきまして、減免した場合に交付税措置を行うというような様々な措置を講じているところでございます。 こういった措置を広く他の地域にも設けてはどうかというような御指摘かと思いますけれども、税制につきましては、基本的に公平、中立、簡素というようなことが重要であるわけでございまして、税制によります地域活性化の対応についてもこういった基本を踏まえる必要がある。また、地方税は、特に応益性を踏まえながら広く薄く負担していただくという負担分任の考え方もあるわけでございまして、こういった地方税制の原則も踏まえながら慎重に検討していくことが必要かなというふうに考えております。
○広野ただし君 この間沖縄へ行きまして、テロのこともありまして観光客がもうがた減りだと、こういうことであります。稲嶺知事もおっしゃっておりましたが、私も、沖縄はやはり観光関連が大事な産業だ、こういうふうに思うわけですが、そのときに、やはり海外へ行くのに比べると沖縄の運賃がやはり高いんですね。 それで、私は、競争政策でもって運賃をもっと下げるという考え方を持っております。JALとJASが合併をすることについて公正取引委員会が見解を述べておられます。私も読ませていただきました。全面的に賛成であります。 その点につきまして、公取委員長から御見解をもう一度お願いをしたいと思います。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 御指摘の点につきまして、当事者会社から私どもに事前に相談がありました。 その結果は御承知のとおりでございます。要するに、今まで大まかに言えば国内の航空機による旅客運送事業というのは三社で行ってきたわけでございますが、これが二社になるということがまず第一点の問題であります。また、第二には、各路線について検討いたしましたところ、やはり三社が二社になっていくということでありまして、従来からの実績にかんがみますと、やはり競争単位が少なくなると同調的値上げということに走りがちでありまして、これがやはり消費者の利益にならないという一応の中間的な見解をまとめまして、当事者会社に対応を促したというところでございます。
○広野ただし君 それで、今日、国土交通省航空局次長さんも見えているんですが、私も初めてちょっと言葉を聞いたんですが、私は、日本が今海外に出ていったり空洞化をしている、そういう中で大いにオープンにして海外企業がどんどん入ってきてもらえばと、そして競争をするということでもいいと思っております。そうしたら、何かこの航空路線においては難しい言葉でカボタージュというような言葉があるらしいですね。外国企業は入れない、国内路線には入れない、こういう考え方であります。 これは相互協定、航空協定を結ばないとかいろいろとあろうと思います。しかし、私は、それをやりつつも、規制を緩和をして、そしてまた競争政策を入れて大いに競争をすることによって運賃が下がる、こういうことが可能なんではないかと思っておりますが、国土交通省から見解を伺います。
○政府参考人(鈴木朗君) 先生が触れられましたカボタージュ、あれは、国内で二地点間で有償でお客さんを運送する、こういう行為でございますけれども、実はこれ国内の企業にだけしか認めないということが世界的にも確立した原則になっております。世界各国同士お互いさまと、こういうことでございまして、したがって我が国で外国企業の参入をこのカボタージュに認めると、こういうことはなかなか難しいかなと思っておりますが、ただ先生おっしゃっておりますように、規制の緩和をして利用者利便の向上を図る、これは非常に大事なことでございます。 平成十二年の二月に、手短に申し上げますが、航空法が改正されまして、需給調整規制というものが廃止されました。その結果、航空会社は路線とか便数を利用者のニーズに対応して柔軟に設定できるようになっております。そのような中で、本土—那覇路線、ここにつきましては、観光を振興して沖縄地域の経済活性化を図るということが非常に大事だと、こういうことにかんがみまして、着陸料、空港の着陸料を六分の一に軽減するなど、平成九年七月以降実施しております。これによって、航空会社のコストの軽減を通じまして、運賃の低廉化とか、あるいはネットワークの維持拡充、これに寄与しているものと、こういうふうに思っております。
○広野ただし君 ちょっと時間もなくなりましたんですが、内閣官房審議官がおいでなんですか。ちょっと一言、沖縄のことで。
○政府参考人(山本信一郎君) 先ほど来、先生から今お話がございましたように、今御審議いただいておりますいわゆる沖縄振興新法の中でいわゆる情報特区、金融特区という制度を盛り込んでいただいております。これは地元の強い希望に沿いまして、法人所得の三五%を控除するといったことを中心に、いわゆる沖縄の歴史的、地理的、そして基地が集中しておるという特殊性というものを踏まえる中で、非常に思い切った、我が国においては最大限の制度として盛り込まれているという具合に理解をしております。 この制度を基に企業誘致に取り組みまして、雇用の増ですとか、あるいは産業の振興といったような所期の目的を生むことを期待しているところでございます。
○広野ただし君 最後なんですが、昨日も予算委員会で集中審議のときに、中国に対するODA予算の件について質問をさしていただきました。 中国は大変な発展をして、二十一世紀は中国の世紀だと、こう言われる時代になっています。しかし、冷静に見ますと中国は大変な軍事大国だ、そしてまたGDPでもう日本の四分の一になっていると、そういう国。アメリカはもう共産圏だということでODAはもう出しておりません。イギリスも大体五千五百万ドルぐらいですから、五十億円ぐらいだと。それに対して日本は一千億円以上毎年出しておる、こういうことであります。国内では空洞化の問題が言われている。 私は、やはり何といいますか、これからはイコールパートナーでやっていくんだということで、貿易と投資協力で、民間のベースでやればいいんだ、こういう考え方でおります。ですから、中国との関係はもう特別の関係ではあります。しかし、三十年たちました。そして、もう二十一世紀であります。そのことをしっかりと踏まえてODAの見直しをやる。しかし、何も敵対するわけじゃありません。ちゃんと協力は先ほど申しましたような貿易と投資でやっていくということでいいんではなかろうかと、こう思っておりますので、平沼大臣、最後にまとめていただきまして、終わりとさせていただきます。
○国務大臣(平沼赳夫君) これはきのう私からも答弁をさしていただき、また総理からも答弁がありました。 御指摘のように、中国は最近経済発展も目覚ましくて、大体七%から一〇%の経済成長率であります。また、日本の企業の移転というものも非常に大きくなっています。そういう中で、今、日本の経済が厳しい中で、国民各界各層の中からこれを見直すべきじゃないかと、こういう声があることは事実であります。 そしてまた、例えば国民の不満の中には、日本から膨大なODAをやって、それで建設された例えば大規模なインフラに対して、中国の国民はだれも日本がそのODAをやった、それでこれができたということが広報でPRされていない、こういう不満もあるわけであります。したがって、中国は、今御指摘のようにお互いに補完関係のある重要な関係であります。 したがって、今回のODAの関連に対しましても、例えば沿海部よりもいわゆる経済格差を是正するいわゆる内陸部について傾斜配分をしようとか、そういういろいろ工夫をしております。そういう中で、私どもも大切な隣国の中国でございますから、中国が総体的にレベルアップをしながら、それが日本に好結果をもたらすような、そういう新たな考え方ということもやっぱりODAの在り方としてこれから考えていくべきじゃないか、そういう面に関しましては既にいろいろな面で見直しがありますけれども、そういった観点を踏まえながら、中国との友好関係というものも念頭に置きながら、私どもはそういった見直しも含めて検討していかなきゃいけないと思っています。
○広野ただし君 ありがとうございます。
○委員長(保坂三蔵君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ちょっと速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(保坂三蔵君) 速記を起こしてください。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会