外交防衛委員会 第24号
- 発言数
- 177 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/07/09
会議録
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五日、大仁田厚君が委員を辞任され、その補欠として福島啓史郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官村田保史君、内閣官房内閣参事官井上進君、内閣官房内閣情報調査室内閣衛星情報センター所長國見昌宏君、内閣府政策統括官安達俊雄君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、防衛庁運用局長北原巖男君、防衛庁人事教育局長宇田川新一君、外務大臣官房長北島信一君、外務大臣官房審議官佐藤重和君、外務大臣官房審議官奥田紀宏君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省条約局長海老原紳君及び海上保安庁長官縄野克彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福島啓史郎君 参議院の福島啓史郎でございます。 まず、外務大臣、在瀋陽総領事館事件につきまして御質問したいと思います。 第一に、この七月四日付けで外務省が発表いたしました在瀋陽総領事館事件に関する処分と改善策、これを七月四日付けで発表されたわけでございますが、それでもって今回の、本件の処理は終わりと考えているのか。つまり、中国に対しまして抗議と謝罪要求をやっているわけでございますが、それはどうなっているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) この事件に対する中国への対応が七月四日の処分をもって終わりということでは全くございません。 まず、私は六月十九日に唐家セン外務大臣、外交部長ですが、と会談をいたしまして、私から、この件をめぐる事実関係については双方の立場は異なるということを申し上げまして、特に中国側により我が国総領事館の不可侵権の侵害があったことについては、この件に関して我が国の立場には全く変わりはないということを申しました。そして、我が国の国内には強い意見が存在をしていて、この点については中国側も是非認識をしてほしいということを言っております。 これに対しまして、唐家セン外交部長からは中国の従来の立場が改めて示されたわけでございますが、一方で、双方は日中関係の大局を踏まえて本件について冷静に対処していくことが重要である旨確認をいたしました上で、領事条約協定の締結の可能性も含めて、再発防止のため、外交当局間で協議を行うことについて一致をしたわけでございます。したがって、先ほど申しましたように、この発表で本件が決着をしたとは考えておりません。 また、我が国としては、中国側によって我が国総領事館の不可侵が侵害されたことに関する主張は毅然として貫いていくという立場に変化はございませんで、中国への抗議及び陳謝要求を取り下げることになったわけではありません。 いずれにいたしても、この件について、両国間の大局を踏まえて冷静に対処をしていく方針でございます。
○福島啓史郎君 冷静対処ももちろん必要なんですが、毅然たる対応も必要なんです。つまり、中国への抗議と謝罪要求は、これは引き続き我が国の強い主張として貫いていただきたいと思います。 次に、処分内容を見ますと、国家公務員法に基づく処分は岡崎総領事のみで、他の者につきましては内規に基づく処分であります。今回の事件が我が国の国益と威信を著しく損なった事件であるわけでございまして、その処分としては全体として極めて軽いんではないかと思うわけでございます。 特に、その国での出来事につきましてはその国の大使館、大使が実質的には責任者であるわけでございまして、その指導監督責任を果たすべき在中国大使館の大使始め関係者、それから本省関係者の処分が軽いと考えるわけですが、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) この事件につきまして、これを総括する過程で改めて問題点を精査をいたしました。 この処分について、私は、霞、外務省のクラブで発表いたしました際の質問でも、あるいは翌日の新聞の論調でも、軽いとおっしゃられた方と、それから重いとおっしゃられた方と、両方の立場、いろいろな立場がこれについてはあったかというふうに思います。 私どもとして、その問題点を改めて精査をしました結果、瀋陽総領事館においては、危機意識の問題、危機管理体制の問題、そして警備上の問題があったということが改めて明らかになったわけでございます。これらの問題については、常日ごろから必要な対策を講じて、問題発生時に適切な指示を部下に与えなかったということで、岡崎総領事の責任が最も重いと判断をいたしまして、国家公務員法上の懲戒処分といたしました。 これに対して、今、委員がおっしゃられた在中国大使館関係者につきましては、大使と大使館と総領事館は指揮命令関係にはないということでございますので、これを前提として、総領事館関係者に対して適時適切な助言を与えなかったという理由で、外務省の規則によりまして処分をいたしたわけでございます。 本省の関係者についても、対応が不十分あるいは不適切であった点について責任を明確にする必要があるということではございますけれども、各人の行動に対しまして国家公務員法上の懲戒処分の対象となるような職務上の義務違反があったとまでは言えないということで、これも外務省の規則によって処分をすることにいたしました。 こうした一連の処分は、人事院の定める懲戒処分の指針や、外務省規則に基づく処分の先例に照らしまして厳正に決定をしたということでございます。
○福島啓史郎君 ということは、最終的には外務大臣、あなたが政治的な判断としてこれでいいということを判断されたということでよろしいんですか。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃるとおりです。
○福島啓史郎君 では、その処分が適切だという御判断であれば、それはその省の処分権者であるトップの方がそうおっしゃるわけでございますから、それはそれでいいといたしましても、世間がこれについて非常に甘いという判断なり意見なりを持っているということを十分留意していただきたいと思います。 次に、再発防止のための改善策でございますが、三点、大きく何点か挙げられております。そのうちの重要な点は、私は、ウィーン条約等の理解を徹底し、かつ、過去において諸外国におきまして大使館等に駆け込んだ人、あるいは大使館でかくまったケース、我が国でも湾岸戦争のころに、ときにはあったわけですね、そういうケースが。そういった過去の事例、あるいはそれに対する評価をしっかり勉強することが重要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 全く委員がおっしゃるとおりだと私は考えております。 先般、改善策を処分の際に併せて発表させていただきましたけれども、ここでは外交領事特権等の侵害がある場合等、在外公館において起こり得る緊急事態を想定いたしまして、ケーススタディーを通じた実践的な研修をこの夏にも実施をする方針でございます。既に一回行っておりますけれども、この夏は泊まり込みでこういった研修をやろうと考えています。この研修の対象者は、在外公館長を含む在外公館赴任予定者ということでございます。 それから、領事業務については、国民との直接の接点を持つ重要な業務でございます。そのために、在外公館の職員が領事業務に対する十分な心構えと知識を習得することができるように各種の研修の充実に努めています。この夏から、更に外務省改革の一環として、在外研修を終了したⅠ種の職員及び専門職職員を原則として一年程度領事実務に従事をさせることを制度化いたしました。
○福島啓史郎君 今、大臣言われたわけでございますが、私は、今まで在外公館勤務者、特に外交官は領事業務を軽視する傾向があったわけでございます。したがって、今後、今言われたようなことで、外務省関係者はこの領事業務が重要なんだと、そのためにやっぱりある程度知識と経験が要るわけでございますから、それを習得するような訓練なり養成を十分やっていただきたいと思います。 次に、警備面の強化についてでございます。今回の改善策の中で、諸外国では在外公館の警備を自国要員の派遣により行っているがと言っております。まず、その実態をお聞きしたいと思います。 諸外国での在外公館での警備を自国要員でやっております実態、ケースをお知らせください。またその際に、在外公館、そこにある、在外公館のある国との関係でそうした取決めを行っているかどうか、併せてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 諸外国の例をお聞きでいらっしゃいますですね。 諸外国では、在外公館の警備のために、例えばアメリカの海兵隊、ドイツの国境警備隊のような、実際の警備に当たる自国要員を派遣をいたしております。それからまた、これ以上他国の警備の実態について、これはその関係の国の公館の安全に直接かかわることでもございますので、日本政府として詳細な説明を申し上げることについては差し控えたいと思います。 このような在外、ほかの国の公館で警備のために行っている自国要員の派遣につきましては、我が国の場合には派遣の根拠法令などの検討を要する点がございます。いずれにいたしましても、在外公館警備につきましては今後とも検討をしていきたいと考えております。
○福島啓史郎君 それで、先ほどお聞きしたんですが、そうしたアメリカにおきます海兵隊なり、あるいはドイツの国境警備隊、そうした要員を派遣国で警備に就かせる場合に、その派遣先国との間での取決めは結んでいるわけですか。
○国務大臣(川口順子君) これについて詳細なこと、ちょっと私、よく今分かりません。
○福島啓史郎君 事務当局で結構ですから、調べてその結果を教えてください。 それから今、法体系との関係等検討を要すると言われたわけでございます。具体的には何法、何法が関係しているわけですか。
○国務大臣(川口順子君) 検討を要する点、様々あるかと思います。例えば、自衛隊をということであれば自衛隊法ということが問題になってくるわけでございますし、あと、予算、定員その他、そういった点もございます。
○福島啓史郎君 それで、検討を要すると言っているわけです。いつまでに検討を了する予定なんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) まず、警備の点につきましては様々やることがあると考えております。物品面、それから人的、物的な面、いろいろございますけれども、今回の措置としては、抜本的な警備体制の改善を図るために、人的、物的両面の整備を中心といたしまして五か年計画を策定いたしまして、在外公館の警備を考えたいと思います。 具体的には、まず人的な面では、日本人の警備要員の拡充として、公館警備対策の企画立案等を行う本官の警備対策官と、警備対策官を補佐するために派遣される日本人警備要員の警備専門員を大幅に拡充をしたいと考えております。物的面では、優先度の高い二十公館の門衛所等を早急に整備をしてまいります。それから、先ほど委員がお尋ねの自国要員の派遣ということにつきましては、これは今後引き続き検討をしていく課題であるということでございます。
○福島啓史郎君 今言われた警備対策官、これは外交官になるわけですか。それから、その次に言われた日本人警備要員、これはどういう身分の人なんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しました企画立案等を行う警備対策官、これは外交官といいますか、定員の中で出す人です。それから警備専門員、これは、この方々は委託をするという形でございます。
○福島啓史郎君 そうすると、民間人ということですか。
○国務大臣(川口順子君) ということでございます。
○福島啓史郎君 やっぱり重要な在外公館には、我が国もこれだけ国際的な地位が向上しているわけでございますから、アメリカ、ドイツに倣って自国要員、特に自衛隊による警備ということを考えなければならないと思います。 それで、検討課題に上がっているわけでございますが、なお書きというようなことでもあります。もう少し真剣に、例えば三年程度で結論を出すとか、三年も掛かりませんね、一年ないし二年で結論を出すとか、予算要求もありますから、ということで対応していただきたいと思います。いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) こういう事件が起こったわけでございますから、警備につきましてはこの際、抜本的に考えるべきだと私は思います。今までやってきたように家を建て増ししていくという形ではなくて、抜本的に考える必要があると思いますけれども、外務省として予算あるいは定員をお願いすることについては五か年計画でということで時間を切って計画を考えて、その目標に向かって努力をしていくということでございます。 それから、先ほど御質問がございました自国要員、これにつきましては外務省だけの判断でできることではございませんで、非常に抜本的なことでございますので、関係の府省と御相談をしながらできるだけ速やかに結論を出したいと思います。
○福島啓史郎君 次に、先ほど外務大臣の御答弁の中で、唐家セン中国外交部長から日中間での領事条約等の協定の締結の話があったと聞くわけでございますが、現にウィーン条約というのがあって必要十分なことはその条約によって規定されている、かつ日本も中国もその条約に入っているわけでございます。したがって、それに加えてそうした領事条約なり協定なりを締結する意味なり必要性について疑問に思うわけでございます。 これは先日、党の部会におきましても、担当局長はその必要性等について疑問があるやのような発言もあったわけでございますが、どういう対応を考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) この件につきましては、六月の十九日にタイで会議がございました際に、唐家セン外交部長と二国間の会談を持ちました。その際に、この瀋陽総領事館事件と同じような事件が発生した場合に依拠すべき根拠となり得るものとして領事条約についての協議を開始をするという御提案が中国側からあったわけでございます。領事条約あるいは協定の締結の可能性も含めて、再発防止の具体的な在り方について、今後、両国の外交当局間で議論をしていこう、検討をしていこうということで今考えております。 ウィーン条約が存在する中でこういった領事条約を締結することの適否についての御指摘がございましたけれども、この協議の中で、その内容によって二国間条約の中で規定することが適当なのか、あるいは何らかのガイドラインを作成する方がいいのかといった点も含めまして検討をしていきたいと思います。 いずれにしても、これにつきましては中国側から提案があったわけでございますので、中国側としてどういうことを考えているのか、まずそれを伺って、外交当局間で十分に協議をしていきたいと考えています。
○福島啓史郎君 ほかの国でこうしたウィーン条約に加えまして領事条約、たしかある国もあるやに聞いておりますけれども、それはウィーン条約がない前の段階だというふうに聞いているんですが、それはそういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃるように、ほかの国でもございます。ございますし、多分おっしゃるようにウィーン条約に入る前の話であったかと思います。
○福島啓史郎君 その必要性あるいは意味について十分慎重な検討をお願いしたいと思います。 それから次に、今回の問題と併せまして、従来言われておりますのがいわゆるチャイナスクールの問題でございます。 今回の問題におきましても、その根底には、在中国大使館の大使をトップとして本省、大使館を通じていわゆるチャイナスクールと呼ばれる中国語学習者が排他独占的とも言うべきかかわり方、つまり対中国関係の外交担当者になっている慣例及び実態があるわけでございます。したがいまして、彼らはそうしたことの関連から中国の意向を余りにも重視し過ぎる、あるいは短期的あるいはその場しのぎの波風を立てない処理を行う方向があるなど、我が国の国益を害するということが指摘されているわけでございます。同じような問題は、過去にもアメリカにおいてもあったわけでございます。ロシアスクール等につきまして同じような問題が指摘されたわけでございます。 背景として、語学の学習を必要とする外交官の場合、その語学研修先との結び付きが深まる、やむを得ない点もあるところでございます。 しかし、これらの改善策として、例えば、これは岡崎元タイ大使も言っているわけでございますが、一つは、本省の外交政策にかかわるトップ、つまり本省の局長は、中国局長、対中国局長は原則として非チャイナスクール関係者とする、また本省、大使館を通じましてチャイナスクール関係者と非チャイナスクール関係者を組み合わせて配置する、そういった人事を行うべきであるという提言があるわけでございますが、これについてはいかがですか。
○国務大臣(川口順子君) チャイナスクールについて様々な、特に瀋陽総領事館事件以降、議論がなされているわけでございますけれども、まず、政策決定の段階でチャイナスクールが対中国への政策を決めているかというと、私は決してそうではないと思います。中国についての専門家としてのチャイナスクールの意見というのはもちろん重要ですけれども、外務省として政策を決める段階で、これはアジア大洋州局という局があって、そして関係の部局が外務省内に、例えば条約局ですとか総合政策局ですとかあるいは他の地域局ですとか官房ですとか、様々あって、そういった全体の議論の中で外務省としての政策が決まっていくということであると思います。 それから、人間的な面でいきますと、今まで中国大使館の大使が、あるいはアジア大洋州局長がチャイナスクールの人間であったかというと、必ずしもそうでないというのが実態でございます。 チャイナスクールの役割ですけれども、その国の言葉ができる人が大使であるというのはそれなりの意味があると私は思います。例えば、大使の仕事の一つとして講演をする、あるいは広報活動に従事をする、日本について説明をするということがありますけれども、中国語で話ができる大使であればそれだけ大勢の人に働き掛けることができるというメリットもあるわけでございまして、そういったメリットもあると思います。 他方で、大使にしても局長にしても、私は適材適所ということが大事だと思います。適材適所を選ぶ基準の一つとして言葉ができる、あるいはその国に人脈があるということはあると思いますけれども、真に適材適所を貫くという意味でいえば、選ぶ候補者のプールは大きければ大きいほどいいわけでありまして、そういった意味で適材適所で正に大使もそれから局長も決められるべきであると思います。 大使については、改革の中でいろいろなことを考えていますけれども、例えばきちんと一つのポストを終わったごとに評価をしていくという過程を経ていくということも重要ではないかと私は個人的には思っております。そういったいろいろな仕組みを作って、適材が適所に配置をされるというふうにすることが日本の外交の強化に重要であると私は考えます。
○福島啓史郎君 建前は結構なんですが、実際のところ、その国、ある国に対する政策を決めるときには、一番重要なのはその国の大使とそれを担当する局長、これが言わば原案を作るわけですね。もちろん相談は、もちろん外務大臣も最終的には了解を取るということになるわけでございますが、その政策の骨子はやっぱり担当局長が決める、担当局長がその国の大使と相談して決めるというのがこれは実態でございます。私も外務省におりましたし、また役所にもおりましたので、そういう建前でなくて実態が、実際がそうやって担当局長とそれからその国の大使とによって決められている実態から見て、今申し上げましたように、大使は基本的には非チャイナスクール関係者とし、モザイク状にチャイナスクール関係者と非チャイナスクール関係者を組み合わせていくという人事が必要だと思います。 かつ、必ずしも大使がじゃ中国語をしゃべらなければならないかどうか。例えば、日本のアメリカ大使はどうなのか。過去において、一人じゃなかったと思いますけれども、日本語をしゃべる大使はそういう状況でございます。それに代わるべき次席が中国語が十分堪能であれば、そう問題はないんじゃないかと思います。したがって、トップの人事につきまして、原則として非チャイナスクール関係者とすることを是非実現していただきたいと思います。 それから次に、不審船引揚げに関連しまして中国側から漁業補償要求が出ているという報道があります。海上保安庁長官、引揚げ時期それから規制海域の面積なり海洋汚染被害等があり得るのかどうかについてお答え願います。
○政府参考人(縄野克彦君) 引揚げの予定でございますけれども、六月二十五日に作業船が現場に到着しまして、六月の二十七日、三十日それから七月の一日、作業を行いました。それ以外の日は、残念ながら天候の不良、台風の影響等によりまして作業が実施できない、現在も中断している状況にございます。 天候の影響がないという前提で、最短で約一か月の作業を予定しているところでございますけれども、そのような状況にございまして、必ずしも順調に進んでいるわけではございませんが、可能な限り速やかに引き揚げられるように全力を尽くしてまいりたいと思います。 それから、お尋ねの二番目は、事件以来、現場海域でどのような警戒を行ってきたかということでございますが、私ども、その海域に沈没した船の保全ということで、中国の漁船を中心に漁船あるいはその他の国の船舶の航行がございますので、その海域に対して航行を避けてほしい、非航行の要請を実施しているところでございます。 この範囲につきましては、基本的には、作業を行っていない状況の下では半径二海里、二マイルでございます。それから、潜水調査、五月の初めに行いました潜水士による船体調査、それから今般の引揚げ作業の実施におきましては警戒の範囲を半径三海里ということでしておりまして、その範囲で先ほど申し上げました警戒を行っておるところでございます。 それから、油の被害についてお尋ねがございましたけれども、水中において燃料油タンクのエア抜きなど、油の漏えいのおそれのある箇所を閉鎖するなどの措置を講じまして、油の流出を防止するための措置を万全を期したいと思っております。万一に備えまして、巡視船、作業船などにはオイルフェンスなどの防除資機材を搭載しまして、体制を取っておるところでございます。
○福島啓史郎君 要するに、規制海域、警戒海域三海里の場合約九十四平方キロメートル、二海里の場合は四十三平方キロメートルになるわけでございます。それを仮に八月まで掛かったとしますと、約八か月です。そうすると、巷間言われている一億円という額がどうなるかといいますと、仮にこれが漁業補償だとすれば、三海里の場合で一平方キロメートル当たり百六十万、二海里の場合ですと三百五十万円なんですね。百メーター百メーターで三百五十万円という、年間、そういう漁業はまずあり得ないわけでございます。 したがって、こうした一億円を漁業補償とするというのは理不尽な要求だと思うわけでございますが、外務大臣、だれがそういう要求をしているのか、あるいはそれは国際海洋法上根拠があるのか、またこれにどう対応するのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 不審船の引揚げにつきましての中国側との協議におきまして、中国側からは、不審船事件発生以来、日本の巡視船が現場海域に展開をしているので中国の漁船が漁場に近づけない、漁民から強い不満が提起されているという指摘がなされてきました。 我が方といたしましては、現時点で具体的な対応を決めているわけではありませんが、こうした中国側の主張を受けまして、今、委員がお聞きになられました国連海洋法条約との関係の有無も含めまして、引き続き真剣に検討いたしまして、できるだけ速やかに誠意を持って対応することといたしておりまして、中国側と協議を継続をしていく考えでおります。
○福島啓史郎君 誠意を持って検討しているということは、要するに払うということなんでしょうかね。どうなんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 今の時点で先ほど申しましたように具体的な対応を決めているわけではないということでございますけれども、我が方として速やかに誠意を持って対応することとしているということでございます。
○福島啓史郎君 週刊誌等によれば、日本側から言い出したというような話もあります。要するに、理由のないお金は払うべきじゃないと私は思いますし、それは日本の国益だと思っておりますので、十分慎重に、かつ、このことが対中関係におきましても重要な意味を持つことを踏まえて判断をしていただきたいと思います。 次に、今後の対中関係についてでございますが、我が国は、好むと好まざるとにかかわらず、この隣人、大きな隣人、中国という大きな隣人と付き合っていかなきゃならないわけでございます。先ほど日本のチャイナスクールを問題にいたしたわけでございますが、中国にも唐家セン外交部長を始め、日本語を理解する言わばジャパンスクールとも言うべき人脈があるわけでございます。これは、靖国問題等、対日強硬派的な発言をしておりますし、またそれと呼応するような形で、日本のチャイナスクールの人々がセンチメントとインタレストを共有するような面があるわけでございます。 そこで、私の提言なんですが、こうした外交当局とは別に、小泉総理と江沢民ないし朱鎔基首相の直属の諮問機関として、日中両国で、政治、経済、文化を含めまして、二十一世紀の日中関係を総合的に構築するための民間人、学者等から成る言わば賢人会議というものを、例えば二十一世紀日中関係改善総合戦略会議というような名称でも付けたらいいんでしょうか、そうした賢人会議を日中友好条約三十周年を機に設立することを提言してはどうかと思うわけでございます。また、そのための、準備構想のためのワーキンググループを早期に設置してはどうかと思うわけでございます。 また、仮に中国側がこれに同意しないということもあり得るわけでございますが、そうした場合にも、日本側においては、総理直属の民間人、学者等から成る二十一世紀日中関係を総合的に組み立てる総合戦略会議を設置して、一年ぐらい掛けて総合戦略を策定すべきであるというふうに考えますが、御意見いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃっている考え方に私は賛成でございまして、日中関係というのは非常に幅が広い関係でございまして、いろいろな問題があるわけでございますので、そういった様々な問題に対応ができる専門家が集まって、単に日本専門家あるいは中国専門家ということではなくて、広い範囲の専門家が集まって日中関係を議論していくということは非常に重要なことだと私も思います。 それで、今、委員が御提案をなさったこととの関連では、現在、日中間では両国の有識者によって構成をされます日中友好二十一世紀委員会というのがございまして、これは実は発足が八四年でございまして、今まで、ですからもうほぼ二十年近く前になりますけれども、十五回の全体会合を行いまして、二十一世紀における日中関係を安定的に発展をさせていくというために、政治、経済、文化等の広範な角度から検討を行って、両国の政府に貴重な提言、報告を行ってきております。 この委員会については、次回以降新たなメンバーになるということが想定されておりますので、そういった形で日中間の重要なパイプの一つとして引き続き積極的な役割を果たしていってほしいと思っております。
○福島啓史郎君 もちろんその委員会も結構なんですが、それとは別に、あるいはその上に、両方の、両国のトップに直属する民間人、学者等から成る、これは日米関係もちょうど摩擦が起き始めたときから賢人会議というようなものを作っていったわけですね。ああいったものをモデルにしながら、是非、検討し、実現していただきたいというふうに思います。 ちょっと時間がなくなったんですが、ちょっと防衛庁長官にお聞きしますけれども、我が国の防衛政策につきまして。 我が国の防衛政策は、防衛計画大綱、これは平成七年に策定しているわけでございまして、これは期限は無期限というふうになっております、八年以降無期限。前回策定は実に二十年前の昭和五十一年ということで、非常に長期間のものになっているわけでございます。それで、その指針に基づきまして、防衛力を整備するために五年ごとに中期防衛力整備計画、これは五年ごとでございますが、期間は五年でございますが、三年ごとに見直しをしているという、それを策定しているわけでございます。 これに対しまして、アメリカは、これは大統領選との関係もあるとは思いますけれども、四年ごとに国防政策の基本となる国防計画を見直し、最新の世界情勢分析を基に、アメリカの国益あるいは安全保障環境、国防政策の目標、戦力構成等を策定しまして、各年度の国防予算を作成しているわけでございます。 それで、そうしたように、アメリカもそうでございますし、他国を見ましても、そうした防衛構想を立てている、防衛政策の目標を立てている国につきましては、非常にその時点時点で見直しを行っているわけでございます。このように、世界の情勢の変化あるいは技術進歩、防衛技術進歩等が目覚ましいものがあるわけでございまして、我が国も、アメリカのような、アメリカに倣って四年ないし五年ごとの防衛計画の策定一本とするか、あるいは十年を、十年ぐらいを計画対象期間とする防衛計画大綱。その場合には、その内容は、日本の国益、安全保障環境、防衛政策の目標、戦力構成の方向等としまして、具体的な編成なり装備等の具体的な規模は整備計画にゆだねるという形でもって、大枠を防衛計画大綱で示し、つまりそれはどちらかといえば防衛政策なんですね。その裏付ける戦力につきまして、戦力構成につきましては五年ごとの防衛力整備計画を定めるというような、そうした考え方を導入すべきではないかと考えるわけですが、いかがでしょうか。防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) 現在の防衛力の整備につきましては、対象期間については特定の期限を設けずに、防衛力の整備、維持及び運用に関する基本的指針を示す防衛計画の大綱と、継続的かつ計画的に防衛力を整備するために五年ごとに作成される中期防衛力整備計画との組合せによって適切にその推進を図っているところでございます。 そこで、新たな情勢等の変化に対応するということでございますが、この防衛計画の大綱自体が、我が国に対する軍事的脅威に直接対抗するよりも、自らが力の空白となって我が国の周辺地域における不安定要因とならないよう、独立国として必要最小限の基盤的な防衛力を保有することとなっておりまして、その整備には長期間を要するということで、我が国が力の空白とならないような適切な防衛力を保持し続けるためには、御指摘のように、その時々の安全保障環境の変化に対応して、想定される危機とこれへの抑制、防止、防御等について適切に判断していく必要がございます。 そういう観点で、この大綱の中で中期防衛力整備計画を策定をしているところでございますが、平成八年度以降の大綱では、我が国の防衛に加えて、テロリズムにより引き起こされた特殊な災害を含む各種の事態への対応や、より安定した安全保障環境構築への貢献を今後更に期待される防衛力の役割といたしておりまして、現中期防の中にもゲリラや特殊部隊、核・生物攻撃、化学兵器による攻撃の事態、またサイバー攻撃や、人的基盤の維持充実、弾道ミサイル防衛に関する研究等を推進することを挙げております。 また、今後の在り方につきましては、昨年九月以降に、今後の防衛力の在り方について多様な観点から幅広く議論を行うために防衛力の在り方検討会を設置いたしておりまして、今後の防衛力の在り方等につきましては、多様な観点から幅広く議論を行い必要な検討を進めてまいりたいと考えております。
○福島啓史郎君 時間がありませんのでここで終わりますけれども、この問題、引き続き質問していきたいというふうに思っております。 以上です。
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。 最初に、本日の毎日新聞の一面、防衛庁長官、読まれましたでしょうか。この見出しだけ読みますと、「海幕情報公開室 講習に請求者身元資料」、そして「組織的利用 報告書で触れず」ということで、防衛庁の情報公開請求者リスト作成問題で新たなまた問題が報じられております。 最初にお伺いいたしますけれども、この報道にございます情報公開講習、これが開かれたならば、いつ開かれたのか、何のために、対象者、そしてこのときだけなのか、以前にも開催したことがあるのか、まずお尋ねいたします。
○政府参考人(宇田川新一君) 委員御質問の、今日、毎日新聞に出ました海幕情報公開室、講習に情報者身元資料という関連の御質問でございますが、ここに書いてあります情報公開講習と申しますのは、本年の一月下旬から三月上旬に掛けまして、海幕情報公開室で部隊等に実施しました情報公開講習のことであると承知しておるところであります。
○齋藤勁君 今、私は、以前にもこういった講習がされたことがあるのかどうかということもお尋ねいたしました。そして、目的についてお尋ねさせていただきました。今、一月下旬から三月上旬に掛けてということですが、開催されたということについては分かりますが、具体的にいつ、三か月にわたって何か順次行ってきたのか、一回だけ行ったのか、具体的にもう少し解明していただきたいと思います。
○政府参考人(宇田川新一君) 期間は、十四年の一月二十九日から三月五日であります。目的は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律施行後の開示請求の状況及び開示請求の事例に基づき摘出された問題点等について認識するとともに、問題点等の改善のための対策、業務実施上の留意事項等について理解し、円滑かつ的確な情報公開業務の実施及び部隊運用に資するという目的のためでございまして、実施者は海幕の監理部の総務課情報公開室員であります。それから、対象部隊は海上自衛隊の各部隊、機関、護衛艦隊司令官とか、護衛艦隊司令部とか、そういうようなほとんどの部隊について実施したと承知しています。
○齋藤勁君 そうすると、その期間、対象者は違うけれども、一月、二月、三月、約三か月にわたって行われたということの受け止め方でいいんですか。
○政府参考人(宇田川新一君) おっしゃるとおり、一月二十九日から三月五日でありますので一か月ちょっとになりますが、行ったのは情報公開室の二名、場合によっては人が替わっておりますが、相手方は替わっております。部隊は替わっております。
○齋藤勁君 もう一度、目的、何のために講習したのかという目的を端的に教えてください。
○政府参考人(宇田川新一君) 情報公開法が施行されますので、その開示請求の状況、それから開示請求の事例に基づき摘出された問題点等について認識するとともに、問題点等の改善のための対策、業務実施上の留意事項等について理解し、円滑かつ的確な情報公開業務の実施及び部隊運用に資すると、こういうことであります。
○齋藤勁君 次に、参考資料として冊子が配付をされた。そこに、開示請求者の職種と請求内容という一覧表と、職種別請求件数比率という円グラフが記載されている。一覧表は、請求者の職種を幾つか例示をしながら五分類に分類をしている。こういう資料が冊子として配付されたことは事実でしょうか。
○政府参考人(宇田川新一君) 今、委員御質問の情報公開講習で使用されました資料がございますが、この資料の中に開示請求者の職種と請求内容開示と、それと職種別請求件数比率開示というものがございまして、その中では、職種としましてマスメディア、政治、法務、学術、産業というふうに五つの分類がなされているところであります。
○齋藤勁君 委員長、ここまでですと、報道の内容で講習会が行われたということ、そして私が、そのときに配付をされた開示請求者の職種と請求内容という一覧表が報じられて、そして今確かに提出をされたということで、過日、海幕三佐の情報公開リスト作成問題で既に私どもはこの事案等に係る調査報告書を提出を受けていますね、防衛庁から。これには、これから幾つかやり取りさせていただきますが、このことについては触れておりません。 今後解明をしなきゃならないと思う立場から、是非委員会でこの資料、開示請求者の職種と請求内容という一覧表、そして職種別請求件数比率、この報道どおり、今の防衛庁の答弁ですと事実でございますので、資料の提出について私は求めさせていただきますので、委員会全体としても委員長として請求について取り計らっていただきたいと思います。
○委員長(武見敬三君) 後刻、理事会で協議をさせていただきます。
○齋藤勁君 その上で、その職種の五分類は全請求者の約九五%が解明されていることがまた報じられております。既に防衛庁の今回の海幕三佐リストにかかわる様々な調査では、請求段階では三分の二にすぎないと、請求者から職業が分かるのは。請求者から職業が分かるのは三分の二にすぎない、しかし、この資料を配付されたことになりますと九五%が分かっているということになりますと、当然三佐リストを流用した、活用したということの資料になるということですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(宇田川新一君) 今、委員御指摘の海幕のA三佐がこの講習の資料づくりにどの程度関与したかは確認中でございますが、今のところA三佐が御指摘の二種類の資料について関与したということは聞いておりません。まだ、今のところまだ調査中であります。
○齋藤勁君 この報道が出されてから、今朝から調査が始まったのか、その点について教えてください。
○政府参考人(宇田川新一君) 当該情報公開講習に使われましたこの資料につきましては、調査の過程で承知しておったところでありますが、中身につきましては、委員御指摘のようにマスメディアとか政治とかというふうな大くくりのものでありまして、個人に関する情報には該当しなかったことから、そもそも個人情報保護法の関係の問題が生ずるものというものではないというふうに認識したところであります。
○齋藤勁君 防衛庁長官、今の答弁聞いていていかがですか。私は、その五分類は請求者の職種ですよ。職種が明確でなければ五分類にできないわけですから、それが判明しているのは、九五%調査の過程でつかんでいたということですが、私は、この三佐のリストを使わなければこのグラフ、資料ができなかったということになると、活用された、利用されていたということは当然これらの資料には触れられていなければいけないわけですから、私は、調査そのものが問題、ある言葉で言えばずさんであり、きちんと報告をされていないということになると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 情報公開業務を行う際に、資料の存在についてはいろいろとあったものだと思いますが、その調査の過程で、この資料につきましては法律的に問題がないものと判断をして報告をされなかったと思います。この関係につきまして、作成等について、どのような目的で作成したか、また職種はいかに知り得たかについては調べるように指示したところでございます。この調査につきましては、これまで徹底して行ってきたものであるというふうに認識をいたしております。
○齋藤勁君 この今、私が報道によって質問していることについては、感想と申しますか、長官としては、不本意なのか、いや、何かお考え聞きたいと思うんですよ。既に処分は終わっているわけですから、長官自身も含めまして。いや、これは自分も分かっていたんだと。内容について、今、人事局長も言われましたけれども、新たな問題として受け止めるのか、何でそんなことを報じるのが問題なんだというところに立っているのか、認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) これまでの調査につきましては精力的に行ったものでございまして、間違いがないものであると認識をいたしておりますが、御指摘の報道等につきましては、どのような事実で報道されたのか、またこの職種等はいかに知り得たかにつきましては、この点については調べてみるように指示をしたところでございます。
○齋藤勁君 長官としては、今回の防衛庁情報公開請求リスト問題では、いろいろ長官自身、じくじたる思いをずっと持っていたのではないか、私は過日そういうやり取りをさせてもらったと思いますが、またもやという感じがあって、質問するのも何かいたたまれない気持ちを持って私は質問をしております。 是非究明をいただきたいということと、やっぱり元へ戻ると、なぜそういう講習をしたときにこういったことが前提として必要なんだろうかということについて、この辺よく分からないですね。この請求者の職種を五分類に分類して、こういうことは、何か要注意をしろというのか、何なんですかね、こういう分類をするための、講習の必要資料として。資料として用意するというのは、何か目的があるから用意をするわけであって、どういう講習をするんですか、これは。
○政府参考人(宇田川新一君) 今、委員御指摘の点につきましても、チェックする予定にしておりますが、恐らく、請求内容としましてたくさんのものが出てきた場合の対応を考えたものかと思われます。すなわち、請求内容につきましては、自衛隊の行動等とか訴訟関連とか装備品等の調達状況等々ありますので、こういうものが一どきにどかっと請求が来た場合に速やかに対応すると、そういうことを考えたものではなかろうかと思います。しかしながら、チェックさせてください。
○齋藤勁君 委員長が資料の要求を理事会に諮っていただく、そして引き続き究明ということなので究明をまちたいと思いますが、極めて遺憾だと思います。徹底した究明をお願い申し上げます。 次の質問に移ります。先ほどの同僚委員で、防衛大綱等についての防衛力の在り方について御質問がございました。私も一、二点お伺いいたします。 昨年の九月の、先ほどの長官の答弁でも、防衛力の在り方検討会、これの設置をして今日に至っています。ここでの検討会のやり取りとか回数というのは、これは省略をさせていただきまして、防衛力の在り方について多様な観点から幅広く議論を行うという目的で設置をされていると思いますが、念頭にあるのは防衛計画の大綱、今、さっき言われましたけれども、この防衛計画の大綱の見直しというのを念頭に置かれているのかどうか。 今の大綱というのは平成七年十一月に策定されまして、当時は中期防三回分ぐらい、まあ十五年ぐらい大綱として持ちこたえるのではないかという、そういったことで表明されまして閣議決定をしているんですけれども、今回、検討会を設置していろいろ検討するのは駄目だなんと言うつもりは毛頭ないんですが、当時の情勢分析がそうなると不十分だったのかなということで、改めて、この大綱との関係、検討会を設置することになった点、整理してお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) この在り方検討会の経緯でございますが、そもそも防衛力の在り方については、その時々の状況に応じて不断に見直しを行っていくというのは当然でありまして、また現中期防衛力整備計画、これは平成十三年度から始まっておりますが、この中においても将来の防衛力の在り方等について検討を行うということとされております。 こうしたことから、防衛庁として、昨年九月にこの在り方検討会議を設置したところでございますが、そのときの視点といたしまして、将来の時代の変化に合わせて、情報通信の技術の進歩や朝鮮半島等の周辺、国際情勢の関係改善に向けた動き、また少子高齢化社会の到来、また我が国の経済構造の変化や自衛隊の役割に対する国民の期待の高まりなどを踏まえてどうあるべきかという点で検討はいたしております。 しかしながら、大綱の見直しを前提として行っているのでもございませんし、また日本国の憲法の下に、外交努力の推進及び内政の安定による安全保障基盤の確立を図りつつ、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならないとの基本理念に従いまして、日米安全保障体制を堅持し、文民統制を確保し、節度ある防衛力を自主的に整備することなどによって我が国の防衛を全うすることを基本的な方針といたしておりまして、このような基本的な方針の下で、今後の内外の安全保障環境、国民の期待等を踏まえて、将来の防衛力はいかにあるべきかという観点で検討を進めてまいっておるわけでございます。
○齋藤勁君 どうもありがとうございます。 長官の答弁で、かつて昭和五十一年、そして二十年ぶりに今の大綱になっているわけですけれども、約七年たとうとしているという期に、在り方という動き、いや、これはまた防衛大綱見直しにつながっていく、そういった取組なのかなと。それは今否定をされたわけですが、加えて、長官自身の今答弁で、私どもの今の国是である専守防衛、そして軍事大国になってはならない、非核三原則やあるいはシビリアンコントロール、これをきちんと防衛政策の基本にしていくんだと、このことを明確にされましたので、引き続きそのことを基調に頑張っていただきたいと思いますし、とりわけこの間、最近、今、小泉内閣の中でも官房長官だあるいは副長官が核をめぐる不穏当な発言が次々と出てくるので困ったものだなと思いながらも、そこら辺の基本政策については是非堅持して頑張っていただきたいというふうに思います。 次に、延長国会になりまして、いわゆる有事法制について、これは衆議院段階の話で、この法案の中身の細部について、私は、本院でまだ議論をするということにもなっていませんし、まあ基本的にはもう廃案になるんだろうと。今日の新聞では、いや廃案ではない、継続だと、いろいろございますけれども、これは今本院に来ているわけではないので、これ以上お話しするつもりはございませんが。 ちょっと一、二点、気になる点がございますので、お尋ねさせていただきたいんですけれども、外部からの武力攻撃が発生した場合、武力攻撃のいわゆる認定、そして対処基本方針の作成、防衛出動の発令、政府の対応はこうやって推移をしていくと思うんですけれども、最初の武力攻撃の認定というのはどういうふうに行われていくんだろうかということが非常に私、入口の段階で気になっております。 総理が武力攻撃の認定を記載した対処基本方針の策定を作成をするんだと、総理が策定をするということになっているんですが、一方、安全保障会議設置法改正案では、限定した、限られたメンバーによる会議で事態の認定等を行うということにもなっていますけれども、この安全保障会議は総理の諮問を受けて行うんですから、総理は武力攻撃事態が、おそれも含めてですけれども、発生したという認識を総理自身がされてから安全保障会議に諮問をすると、こういうふうになると思うんですが、それじゃ総理は、判断する、諮問するその前の判断をするという材料はどなたが総理に提供されるんでしょうか。中谷防衛庁長官、今であれば、防衛庁長官なのか内閣官房なのか。いかがでしょうか。
○政府参考人(村田保史君) 国の緊急事態における情報の取扱い、上部への伝達、大変極めて重要な問題であります。 現状の仕組みを申し上げますと、国の安全にかかわる情報につきましては、入手した機関から内閣情報官を通じて、あるいはケースによっては直接内閣総理大臣に報告されることとなっております。 今御指摘の武力攻撃事態、こうした国家にとっての深刻な重大な事態への対処におきましては、国として総合的な意思決定、各種の措置、こうしたものの実施を迅速に行う必要があります。このため、武力攻撃に関する情報は遅滞なく収集し、関係機関が共有し、分析し、これを総理を始めとする政府関係者に迅速的確に伝達する必要がございます。 政府としては、こうした情報の収集、分析、報告、これが事態に的確に対処し得るようその構築、体制の構築に努め、またふだんからそれが現実に機能するよう必要な見直しをしていく必要があると考えております。
○齋藤勁君 今の答弁ですと、関係機関というのをちょっと耳にしたんですが、関係機関、だれが、どなたが責任者となってということを言っているんで、私は、防衛庁長官なんですか、内閣官房の官僚の方なんですかということを具体的に、この関係機関の、具体的にそれ尋ねていますので。
○政府参考人(村田保史君) それは恐らく発生した事態の内容によるんだろうと思います。明らかにこれが外部からの正面からの我が国に対する武力攻撃であると、そうした場合には関係機関といえば防衛庁、その長官から総理へというルートが考えられますが、しかし、それ以外の形態で、例えば発生した事案が果たして武力攻撃事態であるのか、あるいは不審船などを基にした行動、武装工作員的な行動、ゲリラ的な行動、あるいはテロ的な形態、こうしたものが最初の形態であって、しかしながらそれが事態の推移によって武力攻撃の事態であることが明らかになる、そうした場合はまた別途あると思うんですが、そうしたケースにおいては最初の情報の上がり方というものを、その収集に当たる者は警察であるとか海上保安庁であるとか、また自衛隊の場合も、防衛庁の場合もあると思いますが、そうした関係の機関からの情報の入手、伝達になるんだろうと思います。
○齋藤勁君 法案審議ではございませんので、これ以上やりませんが、極めてこういった点については、何ですかね、明確にぱしっ、ぴしっと言っていかないとどうしようもならない話じゃないかなという所感だけ、感想だけ言いますが。 あともう一つだけですが、安保会議のこの時期、審議時期なんですが、この事態の認定は、限定メンバー、先ほど言いました限定メンバーでの審議が可能ということになっているんですが、事態の認定のための限定メンバーによる審議というのは、対処基本方針の案の作成、今言った総理のやる対処基本方針の案の作成前に行われるんでしょうか、あるいは案が総理から諮問されてから行うことになるのか。言ってみれば、前の方に、前に行われるということになれば、限定メンバーの安保会議の後、基本方針の案を審議するんですから、正規のメンバーによる安保会議が開けることになると思うんですが、いかがでしょうか。この点についてお尋ねいたします。
○政府参考人(村田保史君) 現在提出しております安全保障会議設置法の改正案のその考え方でありますが、その審議に参加する議員の範囲については、先ほどもちょっと申し上げましたが、発生した事態の中身、そのケースによって異なるんだと考えます。 例えば、発生した事態が明らかに武力攻撃事態と判断されるようなケースについては、通常、その対処基本方針全体について、法案第五条第一項、つまり正規の規定されたメンバーで審議することになると考えられます。これに対して、発生した事態が武力攻撃事態に該当するかどうかについて慎重な判断が必要であり、事態の分析、評価について特に集中して審議する必要がある場合には、そこで検討される情報、これは相当機密に触れるものもあると思われますが、そうしたことへの配慮などから、別途、第五条第三項、つまり限定されたメンバーによって審議を行う、その事態の認定について検討を行うということになるものと思われます。 そして、そこで武力攻撃の事態と認定された場合には、これに基づいて対処基本方針が作成されて、それで、これについて審議する場合は正規のメンバーによって行われるんだろうというふうに、そのケースには行われるというふうに考えております。
○齋藤勁君 いずれ議論をすることになると思いますが、今日はその程度にさせていただきたいと思います。 次に、外務大臣、残るわずかな時間ですけれども、カナナスキス・サミットについて、過日、本会議でも議論ございましたが、残る時間、何点かお伺いしたいというふうに思います。 ロシアのサミット正式メンバー、これが、来年五月、特別サミット、そして二〇〇六年サミット、それぞれロシアにおいて開催するということになったんですけれども、この背景、経緯と意義についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員おっしゃられましたように、二〇〇六年にロシアにおいてG8サミットが開催されるということが今回合意をされたわけでございます。 背景といたしまして、先月の二十六日のカナナスキスの首脳会合におきましてG8におけるロシアの役割について議論がございまして、G8各国首脳はロシアがグローバルな諸問題への対処に当たり十分かつ意味のある役割を果たすことができる潜在力を示しているという認識で一致をしたということが挙げられます。我が国といたしましては、この合意がG8の将来に関する歴史的な決定であると考えておりまして、ロシアが今後国際社会で意味のある役割を果たしていくことを期待をしているわけでございます。 そして、いわゆるロシアが完全な形でサミットに参加する問題についてはこれまでもサミットのプロセスで協議をされてまいりましたけれども、今年においては、来年のサンクトペテルブルク建都三百周年の際のG8での会合の開催が取り上げられておりまして、その関連でロシアの、ロシアによる通常のサミットの開催についても協議を行ってまいりました。 他方で、ロシアの、サミットに先立って行われた、二〇〇六年のロシアにおけるG8の開催については、事前協議の過程では具体的な話は出ていなかったということでございまして、今回のサミットの首脳間のやり取りの中で二〇〇六年の開催が決定をされたというふうに承知をいたしております。
○齋藤勁君 ロシアのサミットに入っていくというのは、言ってみれば流れだというふうに私どもは受け止めますけれども、しかし、サミット開催中等、このことの報道を見る限り、我が国の小泉総理が具体的に首脳同士の中でこのロシア・サミットというのはどうも深くかかわっていないということになり、どういうことなんだろうかというのを、釈然としないものがございます。さて、これはもう終わった話ですから。 それで、小泉・プーチン会談も予定されているということで、領土問題なんですが、一面的にはそういう意味じゃ土俵が広がる中でということでいい感じは持ちつつも、これはやっぱり二国間中心の問題ですね、領土問題というのは。ここは、北方領土問題というのは、私はロシアでいうと、より土俵を欧州、欧米と、こう広げたというところにロシアは入っていく。こういうことで、我が国の領土問題についての外交戦略というのはどういうふうに立てていくんだろうか、領土問題についての。これはどういうふうに認識されますか。
○国務大臣(川口順子君) まず、ロシアがG8化を、二〇〇六年にG8サミットを開催をすることになったということで、ロシアとして国際社会でそれにふさわしい役割を果たしていくということについてまず期待をしているわけでございます。 そして、こうした認識を踏まえまして、今後ロシアとの間で、今まで言ってきましたように、平和条約の締結問題、経済分野における協力、国際舞台における協力という三つの課題を前進をさせるために幅広い分野での関係の構築に努めていくということで、これは従来から変わっていないわけです。そして、この点については、カナナスキスで総理とプーチン大統領との間で見解の一致があるということでございます。そして、北方領土問題については、今までの成果を踏まえまして交渉を行っているところでして、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという考え方については全く変わりがなく、この方針で引き続き取り組んでいくということでございます。
○齋藤勁君 これで終わりますが、北方領土問題については、多国間の意見交換の場ですよね、サミットというのは。そういうところで取り上げてくることがなかなか難しくなるのではないかという私は懸念といいましょうか、多分そうだと思うんですよ、領土問題。今までは入っていませんから、いろいろその中で、サミットの中で、我が国のということでサミットで取り上げてきた経緯もあると思うんですが。 そういう意味では、是非、G8に伴います米欧との距離を一層縮めたロシアに対して、我が国の外交戦略をこの北方領土問題について是非構築していただきまして取り組んでいただきたいということを求めさせていただきまして、終わりたいと思います。
○佐藤道夫君 私からは、問題を外務省改革ということに絞りまして、川口大臣にお伺いしたいと、こういうわけでございます。防衛庁長官はしばらく席を外しておられても結構でございますよ。 外務省に対する国民の信頼度と、こういう観点で物を考えてみると、今現在ゼロではないのかと。外務省はしかしひどい役所だと。あれ本当に公務員、外交官試験を受かった連中などがいるんだろうかと。まあ、そう言ってはなんだけど、やくざ組織と似たようなものではないのかと。 例えば、松尾事件なんかでも、一人の職員に何年にもわたって何十億円という金の出入りをさせておって、当然のことのようにああいう不祥事が起きると。それから、あれよあれよという間もなしにいろんな事件が起きてくる。その締めくくりが、締めくくりになるのかどうか分かりませんけれども、最後が、今回の瀋陽総領事館の事件であろうかと、こう思います。 川口さんは、そもそも何か緊張感がある、勝負をするときは赤い洋服を着るんだと、こう言っておりましたけれども、それならば外務省に乗り込むときは必ず赤い服を着ていって、そして外務官僚がいろんなことを言う、いや、そうではないということで断固として勝負をすると、それぐらいの決意があってもいいんだろうと思うんですけれども、なかなか赤い服にお目に掛かることはないので、どうも改革なんというのは口先だけで言っていると、もうあきらめた、やらないと、そういうことなのかという気もするわけですよ。 田中眞紀子外務大臣も、そういう気概を持って乗り込んでいって改革ということを言っていましたけれども、なかなか筋道がはっきりしないうちに、スカートのすそを小泉さんや外務官僚に踏まれてつまずいて転んでしまったと。それの身代わり的な立場であなたが乗り込んでいったのですから、本当に気概を示してほしいと、こう思うわけですけれども、遺憾ながらそれがさっぱり見えてこない。 今回の瀋陽事件の処分、これ正しく私は、このときあなたが毅然たる態度で対応すべきであったと。ところが、この処分が発表されましたら、マスコミも国民も、何といい加減な処分だと、こんな軽いものは処分と言えるのかと。各新聞がもう社説でそういうことを書いておる。記事の中でも、有識者が登場してそういうコメントを出している。外務省どうしようもないというコメントが出ている。それから投書欄にも、国民がそれぞれ同じ、けしからんと、世の中をなめるにはほどがあると、外務省なんか、むしろもうこんな役所は解体してしまえと、極端なそういう投書もありました。 このことは二、三日前に、自民党、与党である自民党、これ唯一川口大臣の庇護者であろう、保護者であろうかと、こう思うわけですけれども、何か合同部会とかいう、ちょっと正確な名称分かりませんけれども、開かれて、そこで、やっぱり出席者がテーブルをたたかんばかりにして、何を考えているんだと、こんな甘い処分をやって国民の信頼をつなぎ止めると思うのかと、こういうことをはっきり言っておりました。これ、私テレビで見たんです。全く偶然に、つけましたらその状況が映し出されておりまして、立ち上がる人が皆顔を真っ赤にしてテーブルをたたかんばかりにしてやっておりました。 これが、言うならば国民の共通の認識であろうと思います。本当に理解できないことです。あの総領事とそれから首席領事ですか、私、この場でも取り上げまして、これは戦線離脱だ、戦争中ならば、もう皆銃殺だと。あれだけの重大な事件が起きているのにかかわらず、総領事はどっか行っちゃって、だれかと会う予定がありましたと、職場にはいないと。首席領事なる者もまた国に帰っておりまして、切符が取れないとか取れたとか、もう理由にならぬ理由を挙げて職場に戻ってこなかったと。あれだけでも私、懲戒免職でしかるべきではないのかと。 ちょっとひどいという意見もあるかもしれませんけれども、そこまでやることも必要なんでありまして、減給一か月、二〇%なんというのは、あなたもあの通産省におられたからよく分かっておるでしょう。大体、役場の末端の職員がついつい酔っ払い運転をしたと、そのとき、村長が呼んで、おまえ、みんなやっているんだけれども、捕まったおまえ運が悪いと。しかし、処分しないわけにもいかぬから、まあ一か月、二〇%ぐらいの減給でやってやるよと、分かりましたということでやるのがこういう処分なんですよ。 地位の高い者ほど何か不始末があった場合には厳しく追及すべきだと。一罰百戒という言葉、御存じでしょう。それが先例的になって、ああ、ああいうことをやる、こういうことをやったら、無責任を追及されたら本当に厳しい処分を受けるんだと。見せしめ的なことになって、本人には少し過酷かもしれませんけれども、それが当然なんです。 そういう重い地位に就いている者の責任感ということを考えれば、だれが見てもあなたの処分は明らかにおかしいですよ。外務官僚にこびを呈したとしか思えない。なぜなんですか。あなたは、改革ということを高らかにうたい上げて赤い洋服を着て乗り込んでいったと。今や緑色の洋服で世間をごまかそうとしておられるのかどうか分かりませんけれどもね。 私、いろんな役所の研修などに講師として呼ばれていったことがありまして、そういうときに話をする。これは私の立場から言いましても、いろんな公務員の不祥事を取り上げて、これについてはこういう厳しい行政処分がある、君たちもそのことをしかと肝に銘じて頑張るんだよと、分かりましたということで、キャリアの連中もきちっと私の講義などを、本当にこれは重大な発言だと、あるいは面白い発言だと思ったのかよく分かりませんけれども、ちゃんとメモをしながら聞いておる。そういう連中が今外務省のそれぞれの主要なポストに座っておって、もう私の講義なんか忘れたんでしょうかね。情けないとしか私言いようがないんですよ。なぜなんですか。こんなどうでもいいような処分をして、厳しい処分をいたしましたなんて言えた義理ですか。ちょっとその辺の所感をまとめて簡単に話してください。
○国務大臣(川口順子君) 非常にいろいろ幅の広い点についてお触れになられましたので、お話伺いながらいろいろな感想を持ったわけでございますけれども、まず処分の点でございますが、これにつきましては、外務省として、今般の事件につきまして総括をする過程で、改めて問題点の精査をいたしました。これは、事件の当時の関係者等の対応などを中心として行ったわけでございますけれども、その結果を踏まえまして、今般の処分については、人事院の定める懲戒処分の指針や外務省の規則に基づく処分、先例でございますね、に照らしまして、厳正な処分を決定をしたわけでございます。 これについて、軽いという御意見もございましたし、重いのではないかという御意見もございました。これについての考え方、様々あるかと思いますけれども、私としては、先ほど申し上げましたような人事院の懲戒処分の方針や外務省の内規の先例にのっとって厳正に処分を考えたわけでございます。 それから、改革についてのお話がございましたけれども、私は、改革は非常に重要なことであると考えているということについては全く変わりはございませんし、これはできるものからきちんとやっていく。また、今月、変える会の御意見もいただきますので、それを踏まえて、外務省として、いつまでに何をやるかということをきちんと提示をしていくということをやりたいと思います。 十の改革の柱のうち、ODAにつきましては、今朝ODAの改革の十五項目ということを新聞記者に発表をさせていただいたわけでございます。 外務省の職員の全員と言ってもいいと思いますけれども、現在仕事をしている人たちは非常に一生懸命に改革の必要性を考え、それを実行していくという気持ちを真摯に持って今対応していると私は考えております。そうしたその外務省の職員と一緒に、改革を前向きに日本の外交の強化に資するような形で私はリードをしていきたいと考えています。 それから、赤い服を毎日着ていないというお話ございましたけれども、七枚持っておりませんので、季節ごとに一枚しか持っておりませんので、そういうことで御容赦をいただきたいと思います。
○佐藤道夫君 まじめな話ですけれども、一枚あれば十分でしょう。足りなければ少し作ればいいだけのことなんです。 それから、重い、処分が重いという意見がございましたと。だれがそんなことを言ったのか。恐らく内部の外務官僚でしょう。世間の人がそんなことをあなたに言うわけはありません。軽過ぎるという意見は恐らくあなたの耳にたこになるくらい入ったと思いますけれども、それが国民の意見なんです。今、全然重いという意見もありましたと。私は、本当かな、うそではないのかと。しかし、顔も赤らめもせずに述べておるから、本当の話なのかなと。一体どこのだれがそんなことを言ったのか知りたいものだなという気もしましたけれども、もうこれは結構であります。 いずれにいたしましても、ケース、総領事、首席領事のケースは職場離脱ですから、重要な事件が発生した場合に、これはもう絶対に許し難いことなんです。そのことだけは肝に銘じて、多分、ああ、あれ、ああいう軽い処分で済んだんだな、じゃ、また何か起きたらとにかく責任逃れのために職場を離れていよう、そうしたら減給一か月二〇%ぐらいで済むやと。こういう先例が大事なんですよ、役所というのは。金科玉条のように先例を持ち出して、そのときになると、大臣、あのときはああでしたよと必ず頭のいい官僚は言ってきますからね。多分またそうなるんだろう。それがあしき先例となって、あなたの時代にあなたの名前とともに残るということを肝に銘じておいてください。答えは要りません。 それから、私、この問題をちょっと取り上げようと思ってロシア支援室なるものにちょっと連絡をしたわけです。私の事務所の者が連絡をしたわけですが、かくかくしかじかと、こういうことを言いましたら、その担当者はおりませんと。どこに行ったんですか、外出中であります。どこに外出したんですか、行く先は分かりません。いつごろ帰るんでしょうか、帰る時間は分かりませんと、こういう回答。そこで、私も驚いて、あそこの責任者は支援室長なる者であるからして室長に連絡を取りなさいと、こう言ったら、事務所の者がもう一回連絡をしたら、室長はおりません、不在でございますと。どこに行ったのか、それも分かりません。いつごろ帰るのか、それも分かりません。これが外務官僚の本当の姿なんですよ。 こういうこと、大臣の耳には入らないでしょう。私だってここまで腐り切っているのかとは思っていませんでしたけれどもね。何か役所をサボってパチンコでも行っていたのか、それならば行く先も言えないし、帰る時間も分からないしと。あなただってあの通産省時代、役人が外出する際は、必ず周辺の者に、これからあそこに行ってまいりますよ、一時間したら帰ります、途中で連絡があればどこそこに連絡してくださいよと、こういうことで外出する。これが役人の慣行というのか常識というのか、皆それをやっております。役場の、役場役場と言うと怒られるかもしれませんけれども、役場だってしっかりと、役場の職員だからいい加減にやっているなんということはないわけなんです。 こういうことを平気でやっているのは外務省だけではないのかと。しかも、これ、国会議員からの問い合わせに対してそういうことを言う、平気で言う。じゃ、一般国民が聞いたら、もうけんもほろろ、相手にもしてくれないのが外務省かと。 よく、在外公館はそういうことだと、私、耳にすることがあるわけです。何かの用事で在外公館を訪ねたら、もう待たされて待たされて、一時間、二時間も待たされて、後、判こをぽんとついておしまい、ああ、御苦労さまで、一体何をやっているのかと。それで見てみると、その辺で係員たちがふざけ合ったりしていると。本当に大声出してどなりつけたくなると。これが在外公館の実情ですよという話を聞く。私もそれが本当だろうと思います。要するに、一般国民なんというのはもう人間とも思っていないのが外務官僚かもしれませんよ。私、国会議員ですけれども、私にすらそういう扱いがある。おかしいと思いませんか。 この件は、昨日質問通告をして、具体的ケースをお耳に入れるように言っておきましたから、あなたの耳に入っていると思いますので、この件を踏まえて、外務省の改革の在り方。 私、改革なんというとみんな抽象論をぶち上げるわけですよ、こうしたい、ああしたいと。そんなことよりも、今私が取り上げているこういう問題を一つ一つ浸透させること、職員が、ああそうだ、我々今までの態度はおかしかった、こういうことをきっかけとして改めていこうと、こう考えることが私改革の第一歩だと思うんですよ。考える会とかなんとか、どうでもいいような有識者集めて、役所の気に入るような発言をしてもらって、そうかそうかと。この処分が重い、そんなことはない、軽いくらいですよって、そんな連中を集めて意見聞いてみたって始まることではないんですよ。 今、私が取り上げたこのロシア支援室の実態、これについての感想をちょっと、余り時間ありませんので簡単に述べてください。
○国務大臣(川口順子君) 今お尋ねのそのロシア支援室のことについて触れる前に、ちょっと事実関係に関係することで、議事録に残ると思いますので、事実関係の訂正だけ先ほどの総領事の行動についてさせていただきたいと思いますけれども、総領事は決して職場離脱をしていたのではなくて、大連で航空機の事故がございましたので大連に行っていたということでございまして、これはきちんと周りの人の了解を得てそういうことをやっていたという、これ事実関係でございますので、あえて申し上げさせていただきたいと思います。 それから……
○佐藤道夫君 ちょっと委員長、ちょっと今の答弁に少し私も付加しておきたいと思いますので。 この前も私この問題取り上げまして、大連に向かって旅行中にこの問題が起きたと。大連に行く用件というのは、日本人が三名亡くなっておりますから、その遺族に会う、あるいは会社関係者に会ってごあいさつを申し上げる、それだけの用件だったと。そのために向かいつつあったと。そこにこういう大問題が起きましたよという連絡が入って、普通ならすぐ飛んで帰るところですけれども、何か逡巡して、どうしよう、こうしようといって、ようやく三時間ぐらいたって、ようやくじゃ帰ろうかといって帰ってきて、夕方か夜か何か帰ってきて、翌朝はもうまた大連に向かっているんですよ。もう目の前であれだけの大事件が起きて、日本じゅうが大騒ぎになっているというときにです。これは職場離脱そのものですよ。そのだれか知らぬけれども、有力者にごあいさつをしたいと。それこそ現地の出張所長もいるわけですから、ちょっとおれの代わりにあいさつをしておいてくれと、それで済む話でしょう。これが離脱でなくて何が離脱なんですか。あなたの認識はそんなものなんですか。大変意外でした。 これは終わりまして、どうぞ次を続けてください。
○国務大臣(川口順子君) それから、ロシアの担当室の室長、幹部が行き先が分からないということであったという点でございますけれども、通常、これは役所に限らずどの組織でも、席を離れるときの連絡体制をきちんとしておくということについては、これはもう当然の組織に働く人間としてのイロハであると私は思います。このときにどういう状況で連絡が取れない体制になっていたのかということについては、改めて聞いてみたいと思います。
○佐藤道夫君 もう少し事実関係を詳細に調べて、叱責するならきちっと叱責をする。それから、そのこと自体を外務省内部全体に、こういうことで厳しい取扱いをしました、二度とこういうことのないように、特に一般国民に対しては本当に親切に、懇切に対応するようにということを言ってくださいよ。そういうことを言わないと分からない連中ですから。いかがですか、結論だけでいいですけれども。
○国務大臣(川口順子君) 通常、組織に働く人間としては、自分がその自分の席を離れるときにはどれぐらいの時間どこに行くということを言って出るのは組織の人間の常識だと私は思っておりますし、外務省でもこれは守られていると私は考えておりますが、この件については、委員がおっしゃるように、室長、幹部がその時点で連絡がつかなかったということのようでございますので、まず、それについてどういうことであったのかということについては聞いてみたいと思います。
○佐藤道夫君 昨日質問通告してすぐ調べなかったんですね。本当に改革を実現するような意思があなたおあり、お持ちなんですか。すぐ、こういう問題なら担当者を呼んで、これどうなんですかと、あした国会で質問があるかもしれません、きちっとお答えしておきたいということを言うのが私普通だと思いますけれども、どうもそうでもないみたい。大変残念でした。回答は結構です。 その次に、これも何回もこの委員会で私も取り上げ、ほかの議員の方々も取り上げているんですけれども、国後島のディーゼル発電機敷設工事について、三井物産が請け負っていろいろ疑惑がある、不正があるということで今、東京地検特捜部が調べておるようですけれども、あの関連で三井物産に工事代金を払ったと、これに本来払わなくてもいい消費税を上乗せして払ったと、こういう問題ですね。 いろんな方が取り上げておりまして、あなたもここで答えておるわけで、払うべきでないと。それはよく分かっておりましたと。ただ、国税局に照会を出した書類だか何だか知らないけれども、それがもう残っていない、なかったので分からなかったとか、そんないい加減な答弁をだれかがしておりましたけれども、役所なんてそんなところじゃありませんよ。それだけ大事な質問をした以上は、文書はきちっと保管をしておいて、替わるときはこういう問題こういう問題きちっと引継ぎをしていく。これが日本の役人のあるべき姿であり、現にどこの役所もそうやっておるわけですよ。こんな大事な書類がなくなっちゃって、そして消費税払っていいのか、ああ多分払うもんだろうと思って払ったと。何か悪いことしたんですかと言わんばかりの回答でしたけれども、そんなことはない。 しかし、いずれにしましても、払うべからざる消費税を上乗せして三井物産に払ったと。それから先はどうなりましたかと、これが話として取り上げられたの、もう何か月も前のことですからね。払わなくてもいい税金を消費税として払ったということが分かったと、国会でも追及されたということになれば、すぐ、すぐですよ、三井物産あるいは国税と連絡を取って、確かに払う必要のないものをうちの外務省としては払ってしまいましたと、すぐ戻るように手続をしましょうということで、こんなことは一週間もあれば実現するはずですよ。 ところが、今に至るもまだそれが戻ってきたという話は聞いておりません。何か、昨日、この前聞いたら、四月三十日付けでようやく三井物産に払ってほしいという返納要請書を出したと。四月三十日ですよ。それからもう二月以上もたっている。その後どうなっているんですか。どうせ税金のことであるから、外務省が使おうが、国税が取ってそしてそれをあちこちで使おうが同じことじゃないかと、そんないい加減な気持ちじゃないでしょう。 やっぱり、税金の使い道というのはきちっと国民の前に明らかにしておく必要があるわけですからね。このときは間違って払いました、それは返してもらって、今こういうふうに使おうとしておりますということを説明するのが国民に対する公務所の義務でもあるわけですよ。一体どうなっているんですか、この消費税は。二億五百万ぐらいですか、金額はどうでもいいですけれども。いつごろきちっと取り戻すことができるわけですか。
○国務大臣(川口順子君) この点につきましては、支援委員会の事務局から、四月三十日付けの書簡で、誤払いをしたことが判明した国後島ディーゼル発電施設の設置工事の際に支払われた消費税相当額の返還請求を受注業者である三井物産株式会社に対して行ったと承知をいたしております。 これまでのところ、三井物産側からは返還はされていませんけれども、現在、同社側から、同社側におきまして、三井物産におきまして返還の手続が行われているという報告を支援委員会の事務局から外務省は受けているということです。
○佐藤道夫君 三井物産に対する書面が出たのは四月三十日、それ以来二月ともう何日たっていると思うんですか。そんなにしかし、金なんかどうでもいいやと、そのうち持ってくるだろうからそれまで待とうやと、そういう発想なんですか、外務省の行政というのは。もう責任者としていても立ってもおられないと、毎日のように三井物産に電話をしなさいと、すぐに持ってくるようにと。あるいは返済の期日はいつまでということを確約させなさいとか、そういうことで国民の税金、すなわち公金を扱うのがこれまたどこの役所もそうですけれども、そうでないのが外務省だけ。 こういうことを取り上げて内部で徹底して議論をする、また叱責すべきところは叱責をして二度と起きないようにというような、一歩一歩前進していくのが本当の改革なんですけれども、どうもあなたは全然そんな意識がないみたいですね。不思議としか言いようがない。人ごとみたいな言い方をしているでしょう。いかがなんですか。
○国務大臣(川口順子君) これにつきまして、直接三井物産とコンタクトをしてやっておりますのは、外務省ではなくて支援委員会の事務局ということでございます。そして、支援委員会の事務局としては、五月二十日までに支援事務局、支援委員会事務局の銀行口座に、外務省にではなくて支援委員会の事務局にこのお金を入金するように要請をしたということでございます。その後、支援委員会の事務局は、鋭意三井物産側と連絡を取りまして、手続の進捗状況を確認をして督促を行ってきているというふうに承知をしています。 三井物産として、先ほど申しましたように、返還をする手続を現在行っているということでございますので、当面は速やかに手続等の対応をするように更に督促をしていくと、そういう方針で支援委員会の事務局はいると聞いています。
○佐藤道夫君 先ほど、人ごとみたいな答弁だと私言ったでしょう。正にそのとおりですよ。支援委員会と外務省は違います、支援委員会のやっていることですから関係がございませんと、そう言わんばかりでしょう。しかし、世間から見たらもう支援委員会イコール外務省と。人事交流もありますし、予算だって外務省を経由して流れていっている。全く同じ。 責任というのか、刑事責任まではあなたには及ばないかもしらぬけれども、行政責任は外務省にあることはもう明らかなんですから、すぐ支援委員会とコンタクトを取らせて、支援委員会をして三井物産に請求をさせて、とにかくもう早く払えと。こういう嫌な問題はきちっと解決して、国民の前におかげさまでこれで済みましたと報告をするのが官僚、国家公務員としての義務なんだと。当たり前のことでしょう、私言っているのが。要するに、他人様であるからそんなことは言えませんと言いたいような感じなんですけれども、本当にそういう気持ちなんですか、大臣は。おかしいですよ。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、支援委員会の事務局は三井物産に再三再四対応を、督促をし、やっているわけでございます。外務省としても、この支援委員会の事務局がどういうやり方で三井物産あるいはその他の会社に対応しているかということについてはきちんと把握をし、必要に応じて指導もしているわけです。
○佐藤道夫君 分かりました。事務局は、事務局は把握している、じゃ大臣は把握していないんですね、こう何回国会で聞かれても同じような答弁しかしないということは。結構です。これからも私、この問題は推移を見極めていきたいと、こう考えております。 最後に、もう時間でありまするけれども、今モスクワの日本大使館の新営工事が行われておると。百億近く掛けまして、何と何と地上五階建ての超デラックスなやつで、地下にプールがあると。部屋数を聞いて驚くなかれ、百二十ぐらいあるというんですね、部屋数が。こういうものを、この非常時というのか、この不景気というのか、国民が皆苦しんでいる、会社をリストラされた、自殺者が増えた、失業者ももう史上空前のくらい増えている、この時代にこんなものを造ろうという発想自体が私、もう気が狂っているとしか言いようがない。これは平成十五年か何かに完成する予定で、今どうも工事が進んでいるらしい。 あなた、これ行かれて視察したことございますか。この問題は当然知っておられたでしょう。どういう感想を述べられましたか。
○国務大臣(川口順子君) 就任以来まだロシアには行く機会がございませんので、見ておりません。
○佐藤道夫君 あれ、部下から当然報告は受けているわけでしょう、ロシアの大使館を今こういうことで新営中でございますと。こういうことは知らないんですか。そういう、あなたについて、部下から報告を受けてどういう感想を持たれたかと、これも私聞いたでしょう。
○国務大臣(川口順子君) 話は当然に聞いております。見たことがあるかというふうにおっしゃって、感想はどうかと申し上げたので、そこについては見たことがないというふうに今申し上げたわけですけれども、これは現在、新しい事務所について、これが大使館としてロシアにおいて果たすべき役割を果たすことができる、そしてロシアにございましてそれに対応したセキュリティーの確保ということが必要でございまして、それを講ずることができるように設計がなされていると私は聞いております。 この点について、相当に金額が高いという御批判があるということは私は承知をしています。この点につきましては、まずセキュリティー対策上、通常以上に費用が掛かるという点、それから資材のかなりの部分について日本やそして第三国から調達をしなければいけないという事情があって、全体として他の事務所に比べて高額にならざるを得ないというふうに聞いています。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。 まず初めに、先日起きました北朝鮮と韓国との艦艇銃撃戦について関連することをお聞きしたいと思います。 去る七月七日に韓国国防省は、この交戦が北朝鮮側が綿密に計画した先制奇襲攻撃であると、こういう認識を示しているようであります。このような認識に対して我が国としてこれをどう評価するか、まず外務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) この銃撃事件が起こりました翌日がサッカーの決勝戦で、このときのために金大中大統領ほかがお見えになっていまして、いろいろお話を伺ったわけでございますけれども、先般七日に韓国政府からこの評価についての発表がございました。そして、それによりますと、今回の北朝鮮軍の行為につきまして、事前に緻密に計画をした意図的な攻撃と評価がされる、ただし、これについてどのレベルからの指示に基づくかと、基づいて行われたものであるかということについては更に分析が必要だという発表であるわけでございます。 この事件につきましては、事件が発生して以来、韓国政府とは頻繁に連絡を取っておりまして、種々の意見交換を行ってきております。この事件につきまして、こういった形で韓国の政府から評価あるいは分析が発表されたということについては重要であると認識をしています。どのレベルからの指示に基づいてなされたかということについて更に分析が必要であるということでございますので、政府としては、今後引き続き韓国、米国とも連携をしながら、関連情報を集めて分析を進めていきたいと考えております。
○山口那津男君 この事態を受けて、防衛庁長官にお伺いしますが、我が国の周辺事態法あるいは今審議されております武力攻撃事態法、この特に武力攻撃事態法の場合は予測する事態とかおそれ事態とかいう規定もあるわけでありますが、こういった事態に該当する可能性があるのかどうかをお伺いしたいと思います。 私は該当しないと、結論はそう思っているわけでありますが、防衛庁長官は両法について命令権者としてのお立場があるわけでありますので、防衛庁長官としてのお考えを、具体的な理由を説明いただいて結論をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) まず、周辺事態に該当するかということでございますが、周辺事態とは、我が国周辺の地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態とされております。ある事象がこのような周辺事態に当たるかどうかは、我が国としてその時点の状況を総合的に勘案して、あくまで我が国の国益を確保する観点から主体的に判断するものでございます。なお、その際、日米両国間においては密接な情報交換、政策協議を通じ、共通の認識に到達する努力が払われることになります。 今回の事案につきましては、事象の規模、形態など諸般の情勢を総合的に勘案すれば、我が国の周辺の地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態とは言えず、周辺事態に当たるとは考えていないところでございます。 一方、武力攻撃事態法に言う武力攻撃事態に該当するかという点につきましては、この法案に言う事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態に当たるかどうかにつきましては、その時点における国際情勢、相手国の動向、我が国への武力攻撃の意図が推測されることなどから見て、我が国に対する組織的かつ計画的な武力の行使が発生する可能性が高いと客観的に認められる事態であるか否かにより判断するものでございますし、この武力攻撃事態対処法案に言う武力攻撃のおそれのある場合に当たるかどうかは、その時点における国際情勢や相手国の軍事的行動、我が国への武力攻撃の意図が明示されていることなどから見て、我が国に対する組織的かつ計画的な武力の行使が発生する明白な危険が切迫していることが客観的に認められる事態であるか否かにより判断するものでございます。 今回の事案につきまして、事象の規模、形態など諸般の情勢を総合的に勘案すれば、我が国に対する組織的かつ計画的な武力の行使が発生する明白な危険が切迫していてもその可能性が高いものと認められず、このような事態が該当するというふうには考えておりません。
○山口那津男君 結論は今のようでよろしいと思いますけれども、しかしまた、韓国国防省の分析によれば、NLLという国際的に表明された境界線を計画的に突破してきた奇襲攻撃と、こう認識しているわけでありますから、我が国における領海あるいはEEZ、こういうラインを意図的、計画的に突破をするということが将来絶対ないとは言い切れないわけであります。したがって、今回の事件をよく分析をしていただいて今後の備えを固めていただきたいと思います。 次に御質問します。 昨年発生した東シナ海での武装不審船、これが発見から沈没地点に至るまでの動きを見ますと、いわゆる中国のEEZ内の、中国側へ向かって逃亡したという航跡は明らかであります。この船が仮に北朝鮮から出航したものであるとすると、補給をどういうふうにしていたのか。いったん出航した母港に帰ってその都度補給をしていたのか、それともそこを離れたところに新たな補給の拠点を設けていたのかどうか、この点は非常に疑問となるところであります。 こういう情報は海上保安庁が単独で分析収集できる情報ではありません。したがいまして、防衛庁としてこの点に関する情報をどの程度持っているか、お話しいただきたいと思います。
○政府参考人(守屋武昌君) 上海沖に昨年以降、大型貨物船に偽装した工作支援船が常時停泊し、北朝鮮のものと見られる複数の不審船に食糧や燃料を補給していることが、米政府がこれを衛星で撮影しまして、防衛庁に提供した衛星写真などの情報で判明したと、こういう報道については防衛庁として承知しております。この事案につきましては、本件が起きてから不審船と中国との関係について様々な報道が繰り返しなされておるというのは大変特色でございまして、今回もそのような報道の一環として防衛庁としては受け取っております。 ただ、防衛庁としてこれをどう判断するかということでございますけれども、防衛庁の情報業務の具体的な内容については、報道のような事実関係あるいは不審船が中国方面になぜ逃走したのか、その理由を示す情報が仮にあるとお答えしましても、あるいはないとお答えしましても、防衛庁の情報関心や、防衛庁がどういうところに関心を持っているかとか、あるいは防衛庁の情報収集あるいは処理能力ということで、言わば手のうちを明らかにすることになりますので、防衛庁としての以後の効果的な情報活動の支障となるおそれがあることから、従来から答弁を差し控えさせていただいているところでございます。御理解をいただきたいと思います。
○山口那津男君 お立場は理解いたしますけれども、今の答弁からすると、情報は持っているけれども公表できないと、こういうふうに私は受け止めておきます。 さてそこで、武装不審船の引揚げについて中国側が補償を要求していると報道されているわけでありまして、また引揚げに当たっての合意にもこの点が言及されております。中国側として漁業資源や海洋環境に対する利益を有する以上、これに対する損害、損失が生ずれば補償を要求するということは当然だろうと思います。しかし、現時点におきましてそのような損失ないしは損害が発生しているのかどうか、この点について定かではありません。また、将来、そういう損失、損害が発生すれば、それについての誠意ある対応を取ることもこれも当然だと思います。 現時点におきまして、中国側はそのような補償の具体的な根拠、内容、算定基準などについてどのような主張をしてきているんでしょうか。
○政府参考人(佐藤重和君) 御指摘のとおり、不審船の引揚げに関する中国側の協議に際しましては、中国側から、この不審船の事件が発生をして以降、日本の巡視船等が現場海域に展開をしているということで中国の漁船がその漁場に近づけない、そういうことで漁民から非常に強い不満が提起されているという指摘がなされてきたわけでございます。 中国側は今具体的に現実にどういう損害が発生をしているのか、あるいはどういう具体的な形で要求をしているのかということで御質問ございましたが、中国側からはこれまでの漁船の操業状況について私どもに対して一定の説明はなされてきておりますが、現在、中国側と協議を行っている途中でございますので、中国側の具体的な主張ということについてはこの時点で明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思いますが。 いずれにせよ、我が国として具体的にどうするかということを決めているわけではないわけですが、これから日本側としてどうするかということに当たっては、今おっしゃられた、正に具体的に現実にどういう損害が発生をしてきたのかというような点をきちっと見極めていく必要があると考えております。そうした前提で、先般の合意に際しましても、私どもとしては、その中国側の主張に対し引き続き真剣に検討し、できるだけ速やかに誠意を持って対応するということを言っているということでございます。
○山口那津男君 国内でもこういう一種の漁業等に関する補償は問題になるわけでありますが、その日本側の行為が適法であったかどうかとは別にして、いわゆる漁業資源で得べかりし利益が得られなかったとか、あるいは積極的な行為によって油漏れ等による損害が生じたとか、こういう様々な損失、損害が考えられるわけでありまして、この点について国際的にも国内的にもきちんと説明のできる誠意ある処理が必要だと考えますので、是非対応していただきたいと思います。 さて次に、北朝鮮の関係で、朝銀信用組合というのが国内にございます。これは一連の流れの中で幾つか破綻が生じまして、それに対する公的資金の投入等、処理がなされてまいりました。現在、進行中のものもありますし、これから破綻が生じる可能性がゼロではないと思います。 こういう状況の中で、北朝鮮側、これは朝鮮総連も含めてでありますが、外務省に対して何らかの公的資金の投入やその他の投入の条件等についてリクエストがあるでしょうか。
○政府参考人(佐藤重和君) 北朝鮮側と具体的なやり取り、何かあるかということについては、恐縮ながらその点については申し上げることは差し控えさせていただきたいと思うわけでございますが、ただ、いずれにせよ、この朝銀信組の破綻処理の問題ということにつきましては金融行政の問題として金融当局により関連法令に基づいて適切に処理されるものと、そういうふうに私どもとしても承知をいたしております。
○山口那津男君 それでは、次の質問に移ります。 前回の質問で、戦争犯罪などによる被害者の賠償請求権について御質問いたしました。そのときのお答えで原則的なことは理解できたわけであります。今日は少し個々の点についても具体的にお聞きしたいと思います。 まず、ハーグの陸戦法規慣例に関する条約の三条、あるいはジュネーブ条約の第一追加議定書の九十一条等で賠償責任について使われている文言は、交戦当事者あるいは紛争当事者という文言を用いて、あっ、紛争当事国という文言を用いているわけであります。そして、賠償責任も肯定しているわけでありますが、これは従来、国家間の賠償を指すと解釈されていた、これは確立した国際法規であると、こういう御説明でありました。 この考え方に対して、例えば強い異論、異説があるとか、あるいはこれに反する実務の取扱例があるかどうか。そういうものがないとすれば、もう安定した定説と言ってよいと、こう評価できるのかどうか、この点、確認したいと思います。
○政府参考人(海老原紳君) 今、委員お尋ねのハーグの陸戦法規の第三条、それからジュネーブ条約の第一追加議定書の九十一条、これは両方とも戦争犯罪等に関連をいたしまして賠償の支払義務について規定しておるのはおっしゃるとおりでございます。 そこの規定につきましては、確かに交渉当事者あるいは紛争当事者といった、者という言葉が使われているということから、これが国家の責任を規定したものかどうかというお尋ねだろうと思いますけれども、この点につきましては、国家間の権利義務関係を設定したものであるということで、先ほど委員おっしゃいましたように、国際的に確立した考えであるということで我々も認識をしております。 例えば、国内の裁判におきましても、昨年、香港の軍票事件に関する東京高裁の判決というのがございましたけれども、ここにおきましても、ハーグの陸戦法規の第三条は、加害国と被害国の間の権利義務関係について定めたものであって、被害者個人の加害国に対する損害賠償請求権を想定したものではないというふうに判示を例えばされておりまして、この点につきましては国内の裁判所においても支持をされているところであるというふうに考えております。 ジュネーブの第一追加議定書九十一条につきましては、これは政府として今後締結をするということで進めてはおりますけれども、まだ締約国ではないものですから、必ずしも私の方から有権的な解釈を申し上げる立場にはございませんけれども、この追加議定書に関する国際赤十字委員会のコメンタリーというのがございまして、ここにおきましては、この九十一条はハーグの陸戦条約第三条の規定を再確認したものであって、何らそれを変更するものではないというふうに記されておりまして、そのことから判断すれば、基本的には先ほど申し上げたのと同じく、国家間の賠償の支払義務について述べているというふうに理解しております。
○山口那津男君 それに対して国際刑事裁判所規程の七十五条では、被害者への又は被害者についての賠償という文言を用いておりまして、初めてここで被害者個人に着目する賠償規定が登場したことになると思います。この七十五条第一項で、裁判所は賠償に関する原則を定めなければならないと、こう書いてあるわけです。これはどういう原則を定めなければならないと言っているのでしょうか。
○政府参考人(海老原紳君) この七十五条は、正におっしゃるとおり、犯罪を犯した個人の賠償責任について規定しております。その具体的な言わば手続に関しましては、まず裁判所がこのような賠償についての原則を定めると、それからその原則に沿った形で具体的な例えば損害の特定が行われ、それに見合った形で賠償が命令されると、そういう考え方だろうと思います。 したがいまして、この原則というのがなければ、この七十五条は言わば使えない規定になるわけでございまして、これは当然これから裁判所、多分、裁判所におきまして検討されていくということだろうと思いますけれども、今のところ我々が承知している限りでは、この原則がどういうものになるのかということについての議論は行われていないというふうに承知しております。
○山口那津男君 言わば、刑事事件について判決を下すべき裁判所においてこの民事的な賠償についても一定の原則を定めなければならないと、ここまで規定を置いたということは、これは国際法上大きな前進だと思うんですね。同時に、じゃ別な裁判所、別な国際司法裁判所のようなところでこの民事の賠償についても解決すべきかとなると、私は同じ法廷で同時に解決されるということの方が事の処理としては望ましい、効率的であると、こういうふうにも考えるわけであります。 そこで、この七十五条の第二項の第一文におきましては、有罪判決を受けた者に対して直接に命令を出すことができる、この命令というのは賠償に関する事項を定めた命令だと読めそうでありますけれども、これはどのような命令を出すということを言っているんでしょうか。端的に言うと、被害者個人に対する加害者個人の賠償責任を命ずる趣旨と、こう理解してよろしいのでしょうか。
○政府参考人(海老原紳君) 結論から申せば、おっしゃるとおりであるというふうに思います。 賠償に関するものであって、それを支払う主体というものが加害者の個人であると。それから、その支払を受ける対象という者は、被害者という言葉を使っておりますけれども、これは当然全体の趣旨からして自然人であるということで、言わば被害者個人であるということだろうと思います。
○山口那津男君 前回の御答弁ですと、この国際刑事裁判所の規程によりましても個人が直接国際刑事裁判所に訴訟を提起できるということではないと、こういうお答えでありました。しかし、七十五条の第一項の方には、要請を受けて又は例外的な場合には自らの発議、つまり裁判所の自らの発議によって原則を定めることができると。その内容には人権侵害の範囲とか程度、損害の程度等についても定めることができると、こう書いてあるわけですね。二項について、そういうことに基づいて加害者個人に対しても命令を、賠償に関する命令を出すことができると、こういうふうに書いてあるんですね。 そうだとすれば、言わば民事賠償についての判決をもらったのと同じ効果が出るのではないでしょうか。その意味では、被害者個人が要請をするということもこの規程には含まれているんじゃないでしょうか。この点どうお考えでしょうか。
○政府参考人(海老原紳君) 基本的にはそういう戦争犯罪の被害者を救済するという考え方に立っておりまして、その観点からすれば、おっしゃるように結果としては個人が救済されると、そういう戦争犯罪から生じた損害について救済されるという意味において、委員がおっしゃったような効果が生ずるということだろうと思います。 ただ、その被害者である個人が自分の方から言わば提訴できるかどうかという点につきましては、少なくとも我々の理解しているところでは、それはあくまで命令は裁判所ができるということであって個人が裁判所に対して直接提訴ができるという規程ではないというふうに理解しております。
○山口那津男君 私も、いわゆる賠償請求訴訟ができるという厳密な意味での手続規定を書いたものではないと、こう理解しますけれども、しかし一項では要請を受けて裁判所が定めると、こう書いてあるんですね。この要請できる者はだれかといえば、これは被害者も含まれているんではないんですか。──後ろの方がそうだってうなずいていますよ、どうでしょうか。
○政府参考人(海老原紳君) 失礼いたしました。 いずれにせよ、我々もまだICCには御存じのように入っておりませんので、私から確定的にこうだという解釈は申し上げられないわけでございますけれども、今おっしゃるような規程を見て文理解釈で考えれば、そのような可能性も排除されてはいないんではないかということも確かに読めるということだろうと思います。
○山口那津男君 この規程は、ある意味で実務がスタートしたわけではありませんので、ようやく発効した段階でありますので、この点についても実際的な実務の在り方というものはこれから確立されていくのかもしれません。 しかし、今の議論の中で私は、被害者個人が加害者の所属する国に対して賠償請求の余地がある、あるいは賠償責任を認める余地があるということをこの条文は否定していないんだろうと思うんでありますが、その結論についていかがお考えでしょうか。
○政府参考人(海老原紳君) 先ほど申し上げましたように、裁判所が賠償を命令するに当たりまして、言わば被害者が何らかの形でそれを要請するようなことがあり得ると、それが排除されないという意味においてはそうかもしれないと思っております。 ただ、今ちょっと委員がおっしゃった、個人が、被害者の個人が加害者の属する国、国家に対して言わば賠償請求を行えるんではないかというふうにおっしゃったように理解いたしましたけれども、そういうことであれば、それはちょっとICCの考え方とは違うというふうに理解しております。 ICCの考え方というのは、あくまでも国際社会にとって最も深刻な罪である戦争犯罪等を犯した個人を処罰するという考え方でございまして、これは裁判所規程の第一条だったと思いますけれども、第一条にもそのような個人を処罰するというようなことが明記されておりまして、したがいまして、この賠償の考え方というのも言わばその考え方の裏返しというか、個人を処罰する、それに沿った形でそのような個人が賠償をしろということを裁判所が命令することができるということでございまして、個人、罪を犯した個人の所属する国家の賠償責任という問題であれば、それについては規程は何も規定していないということだろうと思います。
○山口那津男君 今の御答弁では規定をしていないという話でしたから、少なくともこの条文で国家に対する請求が否定されているということではないんだろうと思います。 この個人対個人あるいは国対国の賠償請求の余地はあるということでありますが、しかし実際問題として、じゃ被害者が国対国あるいは個人対個人の責任を認めたからといって現実に救済されるかというと、これは実際上は難しかろうと思います。したがいまして、この国、つまり加害者の所属する国あるいは責任を負う主体、団体、こういうものに対する請求権を認めていかなければ、私は被害者個人の最終的な救済はないと思います。 そういう点についての国際的ルールを確立する議論が望ましいと思うわけでありますが、最後に外務大臣、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 被害者の救済ということについて、これは先ほど局長からお話がありましたように、国家に対して被害者個人が直接的に賠償請求をできるかどうかということについては、これを国際的な枠組みを作ろうとしている動きが存在をしていないということでございますけれども、被害者の救済という問題について言えば、例えばICCの準備委員会の会合におきまして信託基金の活用について議論がされているわけでございます。 我が国としても、こうした議論に今後積極的に参加をしていって、議論を深めることに貢献をしていきたいと考えております。
○山口那津男君 終わります。
○吉岡吉典君 今日の委員会は今国会で恐らく最後の一般質疑になるだろうと思いますので、私は日本外交の在り方に関する基本にかかわる問題、幾つかまずお伺いしたいと思います。 今日の委員会でも問題になりましたように、日本外交は私はその権威、信頼、国内的にも国際的にも地に落ちているというのが現状だと思います。それをどうして国内的にも国際的にも信頼を回復し、権威を確立していくかということが重要な課題になっていると思います。 そこで、いろいろ改革の問題も提起されていますけれども、私は、日本外交の基本姿勢について幾つかの点ではっきりと確立することが日本外交が国際的に権威を打ち立てる上でも重要だと思って、大臣の御意見をお伺いします。 まず第一の点は、紛争問題を解決する際には軍事優先ではなく話合いによる平和解決を最優先させると。これは国連憲章の精神でもあると思いますけれども、こういう原則について、大臣、どのようにお考えになるか。
○国務大臣(川口順子君) 我が国といたしまして、従来から、紛争問題の解決には和平の働き掛けが重要であると考えてきています。この考えの下で、紛争の解決と平和で安定をした国際社会の構築を目指して、国連による取組の支援を始めとして、紛争当事者への働き掛け、紛争当事者間の対話の促進のための国際会議の開催等につきまして、といったことを行いまして、様々努力を積極的にしてきているわけでございます。 また、これと並行して、紛争予防という観点、この取組も大事だと思います。二国間、多国間の枠組みで対話と協調をしながら紛争予防を行っていくという取組も行ってきています。 今後ともこうした取組を通じまして、我が国として世界平和の確立に向けて積極的に努力をしていきたいと考えています。
○吉岡吉典君 私は、今言いました原則との関係で、国会へ来ましてからずっと国連憲章の精神を日本外交の基本に据えるということを言い続けてまいりました。国連憲章に定める平和秩序を守るということが私が今言ったことの中身でもあると思います。 そこで具体的にお伺いしますが、一九九一年のロンドン・サミットの政治宣言では「我々は、今や、国際連合にとって、その創立者の公約と理想を完全に実現するための条件が調っているものと信じる。」と、こういうふうに言っております。私はこれは非常に重要な宣言だと思って当時受け止めました。この宣言に対して日本政府の立場はどういうものなのか、これはもう過去のものとお考えになっているのか、今も尊重すべき中身だとお考えになっているか、お伺いします。
○国務大臣(川口順子君) 今、委員が引用なさったロンドン・サミットの政治宣言の一部でございますけれども、一九九一年の七月に出ていますが、これは国連の権威の下に国際社会が結集して一致することによって湾岸戦争、湾岸の危機を克服をしたという当時の情勢、これを踏まえまして、国際の平和と安全の維持における国連の役割が強化されるべきであるという国際社会の共通の認識を示したものであると考えています。 こうした認識に基づきまして、我が国は、国連が国際の平和と安定を目指して様々な問題に対してより有効に活躍できるように、安保理の改革を含む国連の改革に向けて積極的に取り組んできておりまして、今後とも改革の一層の促進に努力をしていきたいと考えています。
○吉岡吉典君 私は日本外交の実際の面が果たしてそのとおりになっているかどうかということについては意見は持っておりますけれども、私が今言いました原則はお認めになったものとして、次の問題をお伺いします。 日本外交の在り方の私は第二の問題としては、アジア外交に日本外交の中心を据えるという問題をお伺いしたいと思います。 アジアに生きる国として、アメリカ外交偏重、サミット外交偏重の現状を改めて、アジア外交を日本外交の中心に据えることが必要だと私は提起したいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 我が国の外交の基本は、何よりも我が国が自らの安全と繁栄を確保していくことが重要であって、そのためには国際社会全体としての平和、安定、繁栄が必要である、その実現に取り組むことが大事であるという考え方だと思います。だと思いますではなくて、考え方です。そういう意味で、近隣諸国であるアジアに対する外交が重要であるということは言うまでもないわけでございます。 そういった考え方の下で、日米同盟関係、これを基軸としてアジア諸国などの近隣諸国との関係の強化、そしてグローバルな各国が共通して取り組まなければいけない課題もございますので、サミットを通じて、サミット等のグローバルなプロセスを通じてのグローバルな問題への取組、こういったことを行っていくことが必要だと考えています。
○吉岡吉典君 私は、その点ではアジア外交に重点を置くという部分は賛成ですけれども、日米基軸という点は、やはり私が今言った、日本外交の一つの問題であるアメリカ偏向外交の延長のものだと思います。その点は十分な意見の一致はございませんが、しかしアジア外交に重点を置くと、重視するという点は今後一層強めてもらいたいものだと思います。 次の問題ですが、アメリカであれどんな大国であれ、他国に対する追従外交ではなく、日本国民の立場に立ち、道理によって世界に働き掛ける自主独立の外交を築き上げるということを日本外交の原則として一層強めていくことが必要だろうというふうに思います。 私は、この委員会でもたしか言ったことがあると思いますけれども、外交の力として考えられてきたものに軍事力を重視する外交、それから経済力を外交の力にする外交、それからもう一つ、道理というか道義というか、これを力にする外交の考え方があるということを書いたものを読んだことがあります。日本は、やはりあの第二次世界大戦への反省を踏まえた国として、やはり自主独立の道義を外交の力にしていくということが重要だと思っております。この点、外務大臣の御意見をお伺いします。
○国務大臣(川口順子君) 軍事力、経済力、道理と、三つに分けておっしゃいましたけれども、それぞれが一つ一つ分けて考えるということではなくて、一般にこれ申し上げてということでございますけれども、国際社会はそういった様々な力が一緒になった形で国際社会、国際政治というのは動いているのではないかというふうに私は思っております。 その中で、我が国の基本方針というのは、先ほど申しましたように、何よりも我が国が自らの安全と繁栄を確保していくことが重要である。そのために国際社会の平和、安全、安定、繁栄といったものを実現していくことが大事だという考え方でございます。 〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕 このような方針の下で、先ほど申しましたように、アジア諸国との関係、米国との関係等の強化に取り組んでいるわけですし、テロや軍備管理や軍縮、不拡散、地球環境問題、様々なグローバルな問題、多角的な貿易体制の強化という問題もありますけれども、様々なグローバルの問題がありまして、そういったグローバルの課題にも積極的に取り組んでいる。すべてのことに正に自らの判断で取り組んでいるということでございまして、他国へ追従して外交しているということではないと私は考えております。
○吉岡吉典君 私は、その点では日本外交が自主独立の外交だということにはとても言えない。これは国際政治の世界で日本に対していろいろな批判があることで、それを転換して、道理によって世界に働き掛ける自主独立の外交というのが私の言いたい点ですけれども、これは外務大臣と必ずしも一致しないようです。 もう一つの問題は、侵略戦争と植民地支配への反省をアジア外交に取り組む大前提として内外に明白にするということが重要だというふうに私は提案したいということです。これ、二日のこの委員会での私の質問に対する答弁で、外務大臣は、過去の反省の必要についていろいろ強調なさいましたから、恐らくこれは一致することになるんじゃないかと思いますけれども、改めてお伺いします。
○国務大臣(川口順子君) 先日申し上げましたように、さきの大戦に対する我が国の政府の考え方は、戦後五十周年に発表された村山内閣総理大臣の談話にございますように、我が国が、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジアの諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたことに対しまして、痛切な反省の意と心からのおわびの気持ちを表明するというものでございます。 我が国は、このような過去の反省の上に立ちまして、二度と国際社会から孤立をしないという信念を持ちまして、近隣諸国との相互理解の促進と友好関係、友好協力関係の発展に努めて、アジア、そして世界の安定に寄与していくべきであると考えているわけです。
○吉岡吉典君 私は、以上四つの点を申し上げました。 その中心になる問題として、私は、やはりアジア外交を進めていく上で、今も触れましたけれども、日米基軸でということが続く限り、アジア諸国は日本の外交が本当にアジアに向かっていないというふうに判断すると思います。 アジアでは、戦前の日本は脱亜入欧、戦後の日本は脱亜入米という言葉が今でもよく言われます。そういうアジアの声が、外務大臣、耳に入るかどうか分かりませんけれども、私はアジアの声をもっと本気になって聞いていただきたいものだという要望を申し上げまして、日本外交が本当に国際的に権威を打ち立てていく、日本が本当に独立主権国家として、また国連憲章、日本国憲法に沿った外交をやっているという点での信用を確立する上で、私は今の四点がどうしても必要だというふうに考えていることを申し上げて、次、防衛庁長官に今の点を踏まえながら二、三お伺いしたいと思います。 中谷防衛庁長官の衆議院議員中谷元というホームページを読んでみて、私は、これはどういうことかなと思う点が幾つかありました。それは、例えば集団自衛権のない国などどこにもないというようなことが書かれておるし、題名の中にも集団自衛権の明記ということが述べられている。集団自衛権というのは、日本国憲法の上で集団自衛権の行使は認めていない。これは明らかに日本国憲法、したがって、また自衛隊法等に反する考え方が表明されていると思いました。言葉の上で集団自衛権の必要性ということも書かれ、日本国憲法の解釈の在り方を提起し、さらに憲法の書き直しというふうなこともこのホームページには書かれております。 防衛庁長官、これは衆議院の名前で出されたものではありますが、まず第一にお伺いしたいのは、本当に集団自衛権を明記して憲法を書き直さなきゃいかぬとお考えになっているのかどうなのか。それから同時に、このようなことをホームページで堂々と発表されている。これは公務員に求められている憲法尊重、擁護の義務との関係をどのようにお考えになっているのか、まずお伺いします。
○国務大臣(中谷元君) ホームページに記載されています集団的自衛権のない国などどこにもない、集団的自衛権を明記すべきという旨につきましては、政府としては従来から、我が国が国際法上、これは国連憲章にも明記されておりますが、集団的自衛権を有していることは主権国家である以上当然であるということを述べております。 〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕 この憲法九条の下における許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきであるものと解しており、集団的自衛権を行使することはその範囲を超えるものであって憲法上許されないと考えてきておりますし、憲法は我が国の法秩序の根幹であり、特に憲法九条については過去五十年余りにわたる国会での議論の積み重ねがあるので、その解釈の変更については十分慎重でなければならないと考えておりますが、他方、憲法に関する問題については、世の中の変化も踏まえ、幅広い議論が行われることは重要であり、集団的自衛権の問題について様々な角度から研究をしてもいいのではないかと考えているというのが政府の公式な見解でございます。 私の憲法に対する考えは、従来からもこの委員会でもお答えをいたしておりますが、集団的自衛権の行使については、現行の憲法の解釈で行うべきではなくて、正規に改正の手続をして、国民の同意に基づいて行うべきであるということを申しております。 これが憲法に触れるかどうかでございますが、この憲法九十九条は、日本国憲法が国際法規であることにかんがみて、国務大臣、国会議員、その他公務員は、憲法の規定を遵守するとともに、その完全な実施に努力しなければならないという趣旨を定めたものでございます。一方で、憲法九十六条は憲法改正の手続を規定しておりまして、憲法が永久不変のものとは考えていないと。また、憲法をめぐる議論が行われること自体は何ら制約されるべきものでないというのは言うまでもございません。 この点については、昭和五十五年の十月十七日の森清議員の質問に対する答弁書で、「憲法改正については御指摘のように憲法に手続が定められているから、その手続による憲法改正について検討し、あるいは主張することを憲法自体が認めていることは明らかであつて、このような検討又は主張を行うことと、現在の憲法の規定を遵守し、その完全な実施に努力することとは別の問題である。したがつて、国務大臣又は国会議員がこのような検討又は主張を個人の立場で行つても国務大臣又は国会議員の立場で行つても、憲法第九十九条に違反するものではない。」とされて、そういう答弁がございますが、この憲法の改正を定める改正手続による憲法改正について検討し又は主張することは、憲法尊重、擁護義務に違反するものでないと考えております。 私は、憲法九条の下においては集団的自衛権の行使が許されない、許容されないという従来の政府の考え方に立っておりますし、そう思っております。 仮に、集団的自衛権の行使を認めるならば、国民の議論を経て憲法改正という手段を取ることが適当であろうという考え方を述べているところでありまして、国務大臣として、憲法の規定を遵守し、その完全な実施に努めてまいる所存には何ら変わりはないと考えております。
○吉岡吉典君 私は、今の意見、憲法九十九条についてはいろいろな議論が行われ、いろいろな意見があるわけですけれども、それ、ここで突っ込んで論議しようと思いませんが。 長官は、ホームページを読んで私は分かったんですが、防衛大学校の卒業式における防衛庁長官としての訓辞、今のは個人の意見という、衆議院議員としての意見だと思いますが、今度は長官の訓辞ですね。訓辞ですから、これは単なる研究とか意見ではないわけですが、そこで、我が国に対する直接侵略への対処のみに限定することができなくなっているということを強調しておられる。これは私は非常に重大な発言で、ホームページでのこの今述べられたような意見が、訓辞ではこういう形で表れていると読みました。 日本では、この憲法九条を受けて、自衛隊法でもまた国防の基本方針でも、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対して我が国を防衛するということが自衛隊の基本任務として確定されているわけです。その後、それにいろいろな任務が付け加わっていますけれども、この自衛隊の第三条の本則というのは変えられてはおりません。私は、法制局等から、議員になってから繰り返しこの問題の説明も受けましたけれども、この自衛隊の三条、この本則を変えることは憲法九条との関係でできない。したがって、PKO等もこれは自衛隊法では雑則の中に述べられているわけですね。 その憲法九条下の自衛隊法にきちっと書かれている問題について、それに限定することはできないということを防衛大学校の卒業式の訓辞で述べられている。これは単に意見表明ということではなくなるわけでして、これは私は、国務大臣、防衛庁長官として自衛隊法にも異を唱えている中身に私はならざるを得ないと思いますけれども、この点はどのようにお考えになっているんですか。
○国務大臣(中谷元君) その発言につきましては、公式的なものでございますが、防衛の役割はではなくて、防衛力の役割はということでございます。 その発言の内容は、「経済や社会のグローバル化に伴い、国際的な安全保障環境の構築への関心が高まり、防衛力の役割は自国の防衛のみに限定できなくなってきました。今後はさらに、アジア太平洋地域の平和と安定を一層確かなものとするため、東アジアの国々との防衛交流、安全保障対話、多国間訓練を活発に行うとともに、東アジアの多重的、多層的な安全保障のあり方について検討していきたいと考えています。」という旨の発言を行ったところでございます。 これの基になるのは平成七年度に閣議決定されました現行の防衛計画の大綱でございますが、昨年の防衛白書にも書いておりますが、この「防衛力の役割」という中で、防衛力の中心的な役割が我が国の防衛にあることは言うまでもないが、近年における内外の諸情勢の変化などを踏まえつつ、大規模災害などの各種事態への対応及びより安定した安全保障環境の構築への貢献についても適時適切にその役割を担っていくべきである、防衛大綱ではこれら三つを防衛力が果たすべき役割の主要な柱と挙げているということで、我が国の防衛と大規模災害などの各種事態への対応、そしてより安定した安全保障環境の構築への貢献ということで、閣議決定をされた防衛計画の内容に沿って訓辞をしたものでございますし、また、国際平和協力業務を通じた国際平和のための努力の寄与、安全保障対話・防衛交流の推進、国際的な軍備管理・軍縮分野での諸活動に対する協力など、より安定した安全保障環境の構築への貢献を我が国の防衛力の大きな役割の一つとして挙げておる内容を言ったものでございまして、この訓辞はこの趣旨を述べたものでありまして、専守防衛の基本原則に反するものではないと考えております。
○吉岡吉典君 防衛計画大綱を決定、発表したときの官房長官談話では、新防衛計画大綱は日本国憲法の下に云々ということが述べられ、集団自衛権の行使のように我が国の憲法上許されないとされている事項について、従来の政府見解を何ら変更するものでないということも書かれているわけです。 あなたの訓辞は、日本国憲法もなければ自衛隊法の今言ったような基本性格、基本任務についても触れることなく、我が国の直接防衛に限定してはならないという言い方言っている。これは私は、専守防衛の変更を意味する発言、少なくともそう取られ得る発言だと思います。 あなた、憲法についていろいろ意見を述べることができるということをおっしゃいました。私もそれを全面否定はいたしません。しかし、国会議員また国務大臣は憲法を尊重しこれを擁護する責任を持っていると。その節度、その枠内での論議でなければならないということと併せて、防衛大学校、将来の自衛隊の中心になる幹部への訓辞でこういうことが非常に乱暴な形で言われることには私は重大な問題があるということを指摘し、やはりホームページであろうと、ましてや公式の訓辞などということは、大いに日本の憲法そして自衛隊法等を踏まえてきちっとやってもらいたいということを要望して、質問を終わります。
○田村秀昭君 外務大臣と防衛庁長官にそれぞれ御質問させていただきます。 まず、九一年から日中領事当局間協議というのが行われていると聞いておりますが、中国側からは日中二国間の取決めをしたいという申出があったと聞いておりますが、外務大臣、そのとおりでいいですか。
○国務大臣(川口順子君) 領事条約の締結について、九一年の日中領事当局間協議以来、中国から累次提案があったということについては事実でございます。
○田村秀昭君 それで、どういう内容を中国側から提示されているんですか。
○国務大臣(川口順子君) これにつきましては、必ずしもはっきりしない、中国側が同じその提案を行った理由が必ずしも明らかでない等の理由によりまして、今のところ、今に至るまで中身も余りはっきりしないということで推移をしているというふうに承知をしております。
○田村秀昭君 そうしますと、中国側からは二国間の取決めをやりたいという意思表示だけがあって、内容は何にも言っていないというふうに私は受け取りますけれども、それでよろしいですか。
○国務大臣(川口順子君) 全く何も言っていないかどうかということについては、私、今この場で全く何も具体的なことは分かっていないと、申し上げることができるかどうかよりもう一度確認をいたしたいと思いますけれども、いずれにしても、この問題について具体的に議論が行われてきたということはないということでございます。
○田村秀昭君 そうすると、中国側からは取決めをやりたいという、内容はちょっと不明確だけれども、言ってきていると。日本側はこの問題についてどういうふうにお考えになっているんですか。相手の話聞いてから考えようと言っているのか。日本側は、領事条約については二国間ではこういうこと、こういうこと、こういうことをやりたいという考え方があるのかないのか、ただ相手からの、相手の話を聞こうとしているだけなんですか。日本側はどうなんですか。
○国務大臣(川口順子君) 日本側につきましては、この中国側の提案について、日中両国ともウィーン条約の締約国でございまして、このウィーン条約との関係等についても検討を行う必要があるということで、また中国側がこの提案を行っている理由が必ずしも明らかでないといったようなことで、具体的な結論が出ないままで現在に至っているということでございますけれども、我が国が中国側の提案を即座に否定をしたということではないわけでございます。 それから、先般、六月十九日にタイにおいて日中外相会談を行いましたときに、唐家セン外交部長から、類似の事件が発生をしたときの対処の際に依拠すべき根拠となり得るべきものとして領事条約について協議を開始をするという提案がなされたわけでございまして、領事条約協定の締結の可能性も含めまして、再発防止の具体的な在り方については、今後、両国の外交当局の間で協議をしていくということになっているわけです。
○田村秀昭君 ウィーン条約は、領事館の不可侵と領事館員の特権、免除ですね。そういうことについて、更に細かいことを二国間だけで取り決めたいというおつもりなんですか。
○国務大臣(川口順子君) これは中国側が、先ほど申しましたように、提案をしたということです。そして、中国側がこの領事条約の内容について具体的にどういうことを考えているのかということについては、今の時点では必ずしも明らかではないわけですが、この点について、まず中国の意図を聴取をして、外交当局の間で十分に協議をしていきたいと考えています。
○田村秀昭君 それでは、向こうからどういう提案、内容を提示するかということを待っているというような感じだというふうに受け取りますが、六月十九日に、今おっしゃいましたように、タイで日中外相会談を行われたわけですね。それで、三十周年の友好とか、不審船への協力とか、それから今おっしゃいました瀋陽の事件の再発防止を合意されたというふうに聞いているんですが、この瀋陽事件の再発防止というのはどういうことを再発防止するんですか。どこのところを再発防止するというふうに合意されたのか、向こうの言っていることはどういうことなのか、外務大臣が言われたことはどういうことなのか、ちょっと説明してください。
○国務大臣(川口順子君) 具体的な再発防止の在り方について、今後、これは両国の外交当局間が話し合う中で決めていくことになると思います。
○田村秀昭君 そうすると、再発防止というのは何が何だか分からないけれども、再発を防止したいと、そういうことですね。どういうことを再発しないようにするのかということが、言葉の上だけの合意で、内容的にははっきりしないと。
○国務大臣(川口順子君) この点について、これは日中というのは隣国同士であるわけでございます。問題が起こるということがあるわけです。そうした問題が起こって、それが日中関係の全般に影響を及ぼすということを防止するということは、非常に重要な両国にとっての課題であるわけでございます。 こうした今回の場合の脱北者の問題があった場合に、これをどのように対応していくかということについて、これが正にこの問題を契機として日中関係に大きな影響を与えることがないように、脱北者の入ったときの対応をどうしていくかというようなこと等についての再発防止をきちんと考えていこうと、そういうことでございまして、その具体的な内容については、正に日中の外交当局間でこれから話をしていくということでございます。
○田村秀昭君 防衛庁長官、具体的にお聞きしますけれども、例えば情報開示の、防衛庁の、自衛隊のある弾薬庫の内面図を開示してくれという要求があったらば、防衛庁は、その人がどういう人なのか、国籍はどこなのか、どういう団体に属する人なのか調べないで情報を開示するんですか、しないんですか。どっちですか。
○国務大臣(中谷元君) 例えば、弾薬庫の所在という例がございますが、この所在そのものは秘ではありません。したがいまして、要求があればオープンにするわけでございますが、情報公開法の中で、そもそも国の安全を害するようなものは開示しなくてよいとなっておりまして、その構造とか弾薬庫の安全に関することにつきましては、これは国の安全上非開示というふうに判断すると思われます。 これの考え方につきましては、情報公開法は、何人も行政文書の開示を請求することができることを趣旨としておりまして、かつ、職業、勤務先等の開示請求者に関する情報を開示、不開示の判断基準としてはいないため、その限りにおいては開示請求者個人に関する情報というものは不必要でございます。 しかし、他方、自衛隊は我が国の平和と独立を守り、国の安全を確保することを任務としておりまして、これらの任務を適切かつ円滑に遂行するためには、職員が特定の個人や団体の影響を受けて規律違反等を行ったりすることがないように、厳正な規律を維持することは重要でありまして、また、未然に規律違反等を防止する必要がございます。 こういった点で、考え方といたしましては、この情報公開と国の安全に関する保全等は両者を厳格に峻別するということが必要でございまして、これらの峻別に努めて両方が成り立つように努めてまいりたいと考えております。
○田村秀昭君 今おっしゃったことを簡単に言うと、情報公開はできるだけするけれども、国の安全にかかわるようなことはしない、そういう理解でよろしいですね。
○国務大臣(中谷元君) はい、そのとおりです。 開示する人によって区別をするのではなくて、この国の安全にとって必要かどうかという観点で、内容によって考慮するということでございます。
○田村秀昭君 終わります。
○大田昌秀君 外務省の情報公開の手続について簡潔に御説明ください。
○政府参考人(北島信一君) 国の機関として当然のことでございますけれども、外務省においても情報公開法にのっとり情報公開手続を適切に行っております。 具体的には、情報公開法に基づく開示請求を受けて、保有する行政文書の中から請求の対象となる行政文書を特定し、審査した上で開示、不開示を決定し、開示請求者に対して通知しております。
○大田昌秀君 情報公開法に基づいてこれまで開示請求された総件数と、開示、不開示、部分開示の件数並びに不服申立ての件数、さらに不開示の主な理由について教えてください。
○政府参考人(北島信一君) 七月八日現在で外務省が受け付けました開示請求は二千八百七十二件ございます。そのうち、二千二百八件につきましては開示、不開示等の決定を行っております。 なお、開示、不開示の決定を行ったもののうち、三百十二件が全部開示、九百五十二件が部分開示、九百四十四件が全部不開示との決定を行いました。また、七月八日現在で二百十五件の異議申立てを受理しております。 お尋ねの不開示の理由につきましては、開示請求対象となった個別の行政文書によって異なっておりますが、一般的に申し上げると、外務省の保有する行政文書には他国等との信頼関係を損なうおそれや、交渉上不利益を被るおそれ等があると認められる情報が含まれているものが多い等の事情があると考えております。
○大田昌秀君 開示請求項目のうち、安保条約と沖縄返還協定に関する件数がどれくらいありますか。また、不開示、部分開示の件数並びに不服申立ての件数、さらに、不開示の理由について御説明ください。
○政府参考人(北島信一君) 今お尋ねの開示請求内容のうち、日米安保条約又は沖縄返還協定に関するものがいかなるものを指すのか必ずしも明らかでないものですから、御指摘の件数を明確に確認することは困難だと思いますけれども、他方、外務省に対して行われました情報公開法に基づく開示請求のうち、開示請求件名の中に御指摘の条約又は協定が含まれているものは合計二十一件ございました。これら二十一件の開示請求につきましては、六件につき全部開示、八件につき部分開示、六件につき当該文書が不存在のために不開示決定を行っております。なお、残り一件については現在審査中でございます。さらに、これらの開示決定等に対し四件の異議申立てを受理しております。
○大田昌秀君 条約締結国の一方の当事国のアメリカ側が公表した秘密解除文書が日本側では不存在として見ることができません。日本側はこの種の文書については廃棄をされたのか、それとも最初の方からそのようなものは作成しないというふうにお決めになっているんですか。
○政府参考人(北島信一君) 議員御指摘の文書が具体的にいかなるものを指しているのか定かではございませんけれども、申し上げたいのは、いずれにせよ、政府に対する情報公開請求については、情報公開法にのっとってしかるべく対応しているということでございます。
○大田昌秀君 この一つの点については、外務大臣にお伺いしたいと思います。 情報公開法は政府に国民への説明責任を果たすよう求めていますが、外務省は外交文書類について秘匿体質が強くて過剰防衛をしていると批判をされておりますけれども、その点についてどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) そういう御批判があるということについては聞いておりますけれども、先ほど官房長から申し上げましたように、外務省の扱っている文書というのはやはり国と国の交渉に係る文書が多いというような理由がございまして、性格上、文書の性格上、あるいは内容上と申し上げた方がいいかもしれませんが、開示が難しいという性格を持った内容のものであるということは申し上げておかなければいけないと思います。 いずれにしても、外務省としては、そういう開示する、あるいは部分的に開示する、不開示であるといったような判断をしているわけでございますけれども、これについて異議申立てがあって、その異議申立ての結果がどうなったかと、どうなっていくかというようなことを見ていただいて、外務省がその文書に対して開示することを怠っているかどうかということの御判断をいただけるのではないかと思っています。
○大田昌秀君 防衛庁にお伺いいたします。 先週の本委員会で、普天間飛行場の代替施設を名護市が受け入れるに当たって、名護市と国との間で使用協定を結んだ場合に、この使用協定は米軍にも適用されるということを防衛施設庁から御答弁いただきましたけれども、だとしますと、今、沖縄県と名護市が非常に強く要望しております代替施設の十五年使用期限の条件についても、もし県と国との間に協定、何らかの協定みたいのができますと、それはアメリカ側にも適用されるとお考えでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 政府といたしましては、使用期限の問題につきましては、普天間飛行場の移設に係る政府方針、これは平成十一年十二月二十八日、閣議決定されておりますが、にあるとおり、国際情勢もあり、厳しい問題があるとの認識を有しているが、沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、先般の日米外相会談、六月十三日でございますが、等の累次の場において取り上げてきているところであります。 今後、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖縄米軍の兵力構成等の軍事態勢につきまして米国政府と協議していくとともに、併せて国際情勢が肯定的に変化していくよう努力してまいる考えでございます。
○大田昌秀君 去る四日、自民党の麻生太郎政審会長が沖縄地元紙のインタビューに答えまして、普天間飛行場の代替施設の名護市辺野古での建設計画について、十五年に限定して一兆円も使うのは国民から言わせると冗談言うなとなる、ジュゴンのいる青いサンゴ礁はそのまま残した方がいいと、この代替施設について否定的な見解を述べておられますが、この与党自民党の政審会長の御意見について外務省及び防衛庁はどのようにお受け止めになられるか、お聞かせください。
○国務大臣(川口順子君) 麻生政調会長の移設についての見解についての報道は、私は承知をいたしておりますけれども、麻生議員からこのお考えについて、内容ですとか背景等を伺ったということではございませんので、私の立場でコメントすることは差し控えさせていただきたいと考えます。
○国務大臣(中谷元君) 私も、七月六日の琉球新報においてそのような報道がされたということは承知しておりますが、麻生委員から直接意見を聞いたことはございません。 いずれにしても、政府としては、平成十一年末の閣議決定に従いまして、普天間飛行場の移設・返還の早期実現に向けて引き続き最大限努力してまいるという立場に変わりはございません。
○大田昌秀君 普天間飛行場の跡地利用計画は現在どのように進捗しておりますか、また環境調査はどうなっていますか、教えてください。
○政府参考人(安達俊雄君) 普天間を含めます駐留軍用地跡地対策につきまして、平成十一年末の普天間移設に係る政府方針の閣議決定におきまして跡地利用の促進及び円滑化等に関する方針を定めまして、以後、この方針に基づきまして鋭意取り組んでおります。県も交えまして、政府内のプロジェクトチームはこの約二年間で百四十五回開催いたしまして、跡地に係る課題の抽出、そしてそれに対する対応策をまとめてまいりました。昨年十二月にそれを、全体の取りまとめを行ったわけでございます。 跡地利用の関係につきましては、そういう意味で、大きく第一段階から今後はより現場感覚を持って具体的な御指摘のような利用計画の策定といった方向を目指しながら取り組んでいく段階に来ておるということでございまして、そのための体制といたしましても、先ほどの閣議決定で決められました調整機関の設置等につきましても、できるだけ早い機会に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 環境等の調査につきましても、今後、政府も支援しながら、地元における調査等に対しても所要の応援をしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○大田昌秀君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(武見敬三君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のうち、外務省改革に関する件について、来る七月十六日、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十分散会