外交防衛委員会 第21号
- 発言数
- 138 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/06/11
会議録
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六日、神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として広中和歌子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 現在、本委員会に付託されている条約の審査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官浦嶋将年君、防衛庁防衛参事官西川徹矢君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、防衛庁運用局長北原巖男君、法務省入国管理局長中尾巧君、外務大臣官房審議官林景一君、外務大臣官房文化交流部長横田淳君、外務省総合外交政策局長谷内正太郎君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長高橋恒一君、外務省アジア大洋州局長田中均君、外務省中東アフリカ局長安藤裕康君、外務省経済局長佐々江賢一郎君、文部科学大臣官房審議官素川富司君及び厚生労働大臣官房審議官三沢孝君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約の締結について承認を求めるの件、千九百六十七年七月十四日にストックホルムで署名された世界知的所有権機関を設立する条約第九条(3)の改正の受諾について承認を求めるの件及び文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。 三件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本一太君 私の質問時間、十分ということですので、実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約、いわゆる実演レコード条約につきまして、外務大臣に一問か二問質問をさせていただきたいと思います。 大臣、私は政治家になって以来、音楽を使って政治のメッセージを発信しようという試みをやってまいりまして、今までオリジナル曲を十三曲ぐらい作りまして、CDを四枚出しております。そのうちの一枚は、ザイアコアキャピタルというインディーズのレーベルからリリースをいたしました。 一応、社団法人日本音楽著作権協会の作詞作曲家部門の会員でもありまして、毎年地元でライブをやって、若者たちを呼んで、政治に対する関心を喚起するために実演もやっておりますので、一応実演家の端くれだと思っておりまして、この条約については一方ならぬ関心を払ってまいりました。 今回の条約は、いわゆる著作隣接権というんでしょうか、インターネットのアップロード権とか、あるいは実演家の人格権、これが非常に大事なところだと思うんですけれども、あるいはレコード製作者の権利の保護期間を、これを五十年以上にすると、これ、レコードと言うときには当然CD等々も含まれるわけなんですけれども。こうした国際的な情報の流れの中で、いろいろデジタル化、インターネット化の流れに対応して、この著作隣接権を保護しよう、保護の強化をしようということで非常に意義のある条約だというふうに考えております。 私の質問は一点に絞られるんですが、その中でも、今回の条約というのは音の部分はきちっとカバーをしているんですけれども、映像と音を組み合わせた部分ですね、例えばDVDのような、こうした映像と音を組み合わせた部分について、これが保護の対象になっていないということは、やはりかなり問題があるんではないかと思っておりまして、この点についてどういうふうにとらえていらっしゃるか、あるいはこの映像と音については、これは別途違う条約で更にまたこの権利保護を強化していく御意向があるのか、そういう流れがあるのか、それについて大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員がディプロマッツというグループを作っていらっしゃるということは伺ったことがございますけれども、おっしゃられるように、今回視聴覚的な実演は保護の対象になっていないわけです。 これが除外された経緯といたしましては、EUと米国の対立があったわけで、EUはこれを条約の保護の対象とするということを主張し、映画産業界の強い意向を受けて米国はこれを対象外とするということで対立がございまして、結局、採択時に視聴覚的な実演に関する新条約を近々採択をするという決議が行われまして、視聴覚的な実演についてはこの条約から除外をされたと、これが経緯でございます。 それで、少なくとも、またいわゆる視聴覚的な実演につきましては、これまでローマ条約あるいはTRIPSで一定の国際的な保護は図られているということでございますので、これらによって一定の効果は得られるということであろうかと思います。 それで、この新条約を近々採択をする旨の決議に基づきまして、二〇〇〇年十二月に条約採択のための外交会議が行われましたが、ここでは最終的に合意に至らないで、結果としての採択は見送られたわけでございます。今年の九月末に開催予定のWIPO総会におきまして、合意に至らなかった事項の関係者間のその後の協議状況について報告がなされることになっています。 我が国としては、この総会で次回外交会議の日程も定めまして、条約が早期に採択されるように関係国と情報交換を行いながら、WIPOにおける議論に積極的に参加をしていきたいと考えております。
○山本一太君 今、大臣のおっしゃったお話なんですけれども、映像と音を組み合わせた部分についてはまた別途条約でやると。しかも、その条約はかなり進んでいるということで、二十条のうち十九条ぐらいまではまとまってきたということで、今お話になられたように、ハリウッド産業、映画産業を気にするアメリカ、映画製作者の権利と恐らく実演家の権利のバランスの問題で今いろいろと協議をされているということかと思いますが、是非日本としても、この条約はまだこれだけでは不備ですので、実演家の人格権を守るためにも、映像と音を組み合わせた部分の国際条約についても積極的に対応していただけるようにお願いを申し上げたいと思います。 ちなみに、ディプロマッツはもう解散しておりますので、それだけ申し添えたいと思います。 以上です。
○海野徹君 おはようございます。民主党・新緑風会の海野徹であります。 今日は、条約については賛成ということで、条約以外のことで質問させていただきたいと思います。 まず、中国にかかわる問題について質問させていただきたいなと思いますが、瀋陽の事件あるいは不審船の引揚げの問題について中心的にお伺いしたいと思います。 その前に、知的財産権というような、にかかわる、あるいはその周辺のことで中国に対してどういうような対応をなさっているかということで今質問をさせていただきたいと思いますが、最近、アジア地域を中心、特に中国が非常に多いわけなんですが、模造品の製造販売、これが非常に日本企業、我々の企業製品の製造販売、模造品の製造販売というのは非常に被害が深刻化している。これはもう御案内のとおりだと思うんです。非常にそれが、量的にもそうなんですけれども、分野もかなり多岐にわたっている。一般産業機械だったら一七%、あるいは電子・電気機器だったら一六%、こういうような被害が広がっている。先ほど申し上げましたように、国別では、被害件数の割合が三四%と中国が圧倒的に多いんだということなんですね。 これは、我が国の企業の、要するにいろんな意味で第三国に当然輸出を中国からされておりますから、香港などを経由してされておりますから、非常に企業活動にも影響を与えておりますし、あるいは新製品との区別が非常に難しい問題があります。これは、日本雅馬哈事件のような知的財産権侵害のような方法、非常にこれも巧妙にされているという実態があるということになりますし、そういう要するに被害を被って、日本企業が中国との関連として事業活動をしている、あるいは中国国内で事業活動を展開しているということは十分外務省として把握されていると思うんですが、その辺の把握されている状況に対してどういうような対応をされているのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(田中均君) 中国の模造品あるいは海賊品の問題につきましては、委員御指摘のとおり、我々も非常に深刻な問題としてとらえておりますし、特に産業界との関係におきましても政府として対応が求められているということだというふうに思います。 これは、正に中国がWTOに加入をしていくという過程の中でも大きな問題となりましたし、二国間におきましても首脳会談を始め、あるいは局長級の会談、いろんな機会をとらえて中国がそういう模造品対策についてきちんと取り組むようにかなり強い申入れを行ってきているということでございまして、中国自身も模造品の取締り強化ということについて措置を取ってきているということだと思います。 特に、大きな問題は幾つかございまして、一つは、そもそも模造品ということは、きちんと特許が認められて、特許が認められた結果、これが模造品であるということになるわけでございましょうが、中国の場合にはその特許の申請に非常に時間が掛かる、日本なんかの二、三倍の時間が掛かっているということもございます。 それからもう一つの問題は、地方の問題、なかなか地方できちんとした対策が取られないといったような問題もあると思います。 本年の四月の末にこの問題の最高責任者李嵐清副総理に対して、現在の問題点、日本政府としての問題意識というものを中国が李嵐清副総理に対して申入れを行っているということでございまして、正に今後、例えば早急に立ち上げようとしている日中のパートナーシップ協議、経済協議、ハイレベルで経済全般について取り上げていく場がございますけれども、こういうところでも日本側の主張を申し入れ、中国側の対策をきちんと取るように引き続き努力をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○海野徹君 申入れをして要するに取締り強化を要請しているということで協議をしているわけなんですが、その辺の見通し、いつごろ、安心して要するに企業活動ができるような状況になるのはいつごろという見通しを持っていらっしゃるんですか。あるいは、そういうようなことを含めて強力な要請というのは具体的な成果が表れるのはいつごろなんですか。
○政府参考人(田中均君) 当然、中国自身もWTOの協定との整合性ということもありまして、国内的な体制を強化をして、例えば全国偽造品取締協調小組といったような形で政府の新たな機構を作ってかなりの取締りの強化ということをやっていますが、これは中国自身、一面、経済の実態あるいは制度の実態というのはまだまだ開発途上国の域を越えていないということもあります。ですから、中国自身広大な国ですから、そういう対策が浸透するというのに一定の時間は掛かるだろうということでございます。 ですから、いつまでにどういう効果が表われるかということを申し上げるのは非常に難しいわけでございますが、私どもとして最大限その中国の取締りの強化ということについては努力を継続してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○海野徹君 努力をされるのは当然のことでありまして、中国に対する要するに企業活動、経済活動、そういうのは当然予想されていたはずでありますから、当然そういうものを常に分析されながら企業活動、民間もやっているわけなんですけれども、外務省としても、最近流行語になっているかもしれない、毅然としたる態度でやはり外交交渉していただきたいな、そんなことを思っています。 局長、じゃ不良債権の処理はその後どうなりました。
○政府参考人(田中均君) 幾つかの中国側の企業の不良債権の処理ということで、民間企業との話合いが進んでいるというふうに承知しております。
○海野徹君 もう少し具体的に分かりませんですか。
○政府参考人(田中均君) 今ここで個別の企業の不良債権の状況をお答えするのは難しいと思いますが、正にいろんなボンドの問題とかそういうことに関して現在話合いが進んでおるというふうに考えております。
○海野徹君 この問題は、もうかなり長い、懸案事項として長い問題なんですね。私も再三にわたってここの外交防衛委員会で質問させていただいたんですが、今の局長の要するに答弁以上の答弁がいつも返ってこないんですよ。本当に真剣に取り組んでいるのかなという思いがあるんですが。 といいますのは、じゃ、外務大臣にお伺いしますが、ある意味では我々側の、日本側のある種の要するに金融政策というか、対中国に対する金融戦略というんですか、それがあるのかないのかということになってくるわけなんですが、今年の四月の末に胡錦濤副主席、国家副主席がニューヨークの証券取引所を訪れていること、御存じですか、大臣は。
○国務大臣(川口順子君) 承知しておりません。
○海野徹君 ここでバルコニーに上がっているんですね。サムズアップという、こういう動作を全員でしているんです。そのバルコニーに上がったのが、もちろん胡錦濤副主席、国家副主席が上がったんですが、アメリカン・インターナショナル・グループのグリーンバーグさん、JPモルガン・チェースのハリソンさん、それとゴールドマン・サックスのポールソン、各会長が一緒なんですね。これはどういうことを意味しているかというと、中国、今、三大改革、国有企業、金融、行政機構、これを改革しようとしている。これは御案内だと思うんですが、特に不良債権の処理を急ごうとしているわけなんですね。そのためには、銀行改革に五千億ドル超の資金が必要だということなんです。ここに要するにアメリカの証券会社としては収益を生むチャンスがあるんだということで、ニューヨーク証券取引所に三人が並んだということだと思うんですよ。そういう絵柄が報道でされているわけなんですけれどもね。 こういう、要するに一方では我が国の不良債権を、ある意味では我が国にとって不良債権だけれども、向こうにとっては債務ですよね、それを処理するのを、遅々として処理が進まないでおいてアメリカとの要するに、こういうまずは香港に上場して、香港で資金を調達して、それからアメリカ市場へ上場して資金を、そして五千億ドルの資金調達によって金融改革やろうというようなものが中国側にあるわけなんですが、こういう動きを見て、外務大臣、どんな印象を持たれますか。
○国務大臣(川口順子君) 中国の金融界がかなり問題があるということについてはそのとおりだと思います。かつて中国銀行の幹部であった人間が逮捕をされたり、これは朱鎔基の元の非常な優秀な幹部ですけれども、問題、金融上の問題をめぐって逮捕をされたりという様々なことが中国にあって、この面での改革が非常に必要だということが中国で言われていると思います。 それについて、中国がいろいろな努力をしている、あるいは金融を調達を、金融は世界的にマーケットがあるわけですから、調達をしようとしている。最も大きなマーケットであるアメリカでそれをしようとしている。それはそれなりに当然の動きであって、米国の金融業の力と我が国の金融業の力と一体どっちが強いんだろうかと、そういう話であるかと思います。
○海野徹君 大臣、金融業界の要するに双方の力の相違だというようなお話があるわけなんですが、やはりこれには政策的な何らかの投資というのは必要じゃないかなと私は思うんですよね。アメリカのマネーがある意味では中国の改革を支えている。規制をかいくぐっても更なる改革を進ませるというような意思があるように感ずるわけなんです。 そういった意味では、外務省もその辺についてやはり長期的な、中長期的な対応というのを図っていくべきではないかなというような思いが、これ政治的にするわけなんですが、いま一度御答弁いただきたいなと思いますが。
○国務大臣(川口順子君) 私は、民間企業に七年間籍を置きまして、そこで仕事をした経験からいいますと、それで現実に中国でも仕事をいたしておりましたけれども、中国と仕事をするに当たって、やはり民は民でという鉄則を貫くということが民間企業としては大事だと私は考えております。 その上で、中国の場合には様々な問題があって、それを政府レベルで解決をしてほしい。先ほど御質問のあった知的所有権等はその例だと思いますけれども、そういうことについては、民が政府にその旨を申し出て話をして政府の助力をもらうと、そういうことであると思います。 基本的には、日本の民間企業が政府に対して何をしてほしいかということを明確に出して、その前に民としての努力が私はあるべきだと思っております。
○海野徹君 それでは質問を、瀋陽の事件について質問を変えさせていただきますが、この瀋陽事件で、人道的配慮で、第三国への出国という人道的配慮を最優先したということで今進んでいるわけなんですが、脱北者の安全の確保については一段落したということの状況だと思います。 ただ、課題としては、まだ幾つか課題が残っているんではないかなと。これは、不可侵権侵害の確認を要するにする必要があるだろう、これに対する日本への陳謝、これも当然求めていくべきだと。再発防止の保障もこれもやるべきだろうと。そして、脱北者の五人からの要するに事情聴取もやるべきだろうと。あるいは関係者の処分も、これもまた当然課題として残っているという中で、今後それぞれの、今言ったような五つほどの課題があるわけなんですが、その辺について、いつまでにどういうような交渉をどういう部門でされていくのか、あるいは今されているのか、あるいはどういう状況なのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員が今おっしゃったような残された問題については、私もそういう認識を持っておりますし、それについて、それぞれ取り組みつつあるか、あるいはタイミングを見ているという状況にございます。 まず、事実認識の問題につきましては、日中間で御案内のように立場の相違があるわけでございます。中国側の武装警察官の瀋陽総領事館への立入り及び関係者五名の連行について日本側が同意を与えていたという、中国側は与えていたといい日本側は与えていないというこの日本側の主張は、これは決して揺らぐものではないと考えております。この点については今後とも中国に対して毅然と主張していくということで考えております。 こうした我が国の立場を踏まえまして、中国との間で具体的にどういう対応をしていくかにつきましては、現下の情勢において、中国側の出方を見極めながら日中関係の大局を踏まえて冷静に対処をしていくという方針でおりまして、現在、外交ルートで静かに話合いを進めているということでございます。 それから、身元の話につきましては、韓国に対してしかるべきタイミングでしたい、確定をしたい、会って話をしたいということについて既に申入れをいたしております。 処分の話につきましては、これは、こういった事態の推移といいますか、この問題については、私はめどが付いたところで総括をしていくということが必要だと思っておりますので、その過程で考えていくということだと思いますけれども、処分がないということではございません。これは、過程、プロセスの問題、タイミングの問題であるということでございます。 それから、再発防止についても、それも含めて、今後の対応として中国側と外交ルートで静かに話し合っていると、そういうことでございます。
○海野徹君 第一の不可侵権の侵害の問題については、要するに非常に静かに交渉しているということなんですが、毅然と、しかも冷静に交渉するということでずっとここ一か月来ているわけなんですね。やはり対中政策あるいは対中交渉として、極めてこの問題というのは大きく内外ともに見られる案件だと私は思うんですよ。 それだけに、私は、このまま一か月、二か月が過ぎ、三か月が過ぎということで事件があいまいなままに風化していくというようなおそれが若干要するに懸念されるわけなんですが、それは決してないという御決意でよろしいですね。
○国務大臣(川口順子君) 毅然と冷静に対処をしていきたいと考えております。
○海野徹君 正に、毅然とというのはもう何回も何回もやはり発言して、それを、冷静にというのは少し後でもいいですから、それを前面に出していただきたいなと思うんですけれどもね。 五人からの事情聴取なんですが、中国政府の高官が何か、そんなのやらなくていいじゃないかとか言ったとか言わないとかという話があるんですが、今、韓国政府との要するに交渉状況はどうなっているんですか。 しかも、これは素朴な疑問なんですけれども、我々というんじゃなくて素朴な日本の国民の疑問なんですが、何で同じ民族である脱北者の方々が韓国の公館に逃げ込まないのか、入らないのかというようなのを含めて、要するに韓国政府にどういうような対応をあなた方はしなさいよというようなことまでおっしゃっているのかどうか、その点について。
○政府参考人(田中均君) 韓国政府との関係につきましては、先ほど大臣が御答弁申し上げたように、五人について日本も話を聞きたいということを韓国政府に申入れをしてあるわけでございますが、これも、やはり五人の人道問題ということもあり、現在、五人は韓国で定住をしていくためにいろんなブリーフィングを含めて受けているという状況の中で、韓国側からは、五人の人たちが落ち着くまでこの問題について検討、協議をするのを待ってもらいたいということでございます。 ですから、私どもとしては、早晩そういう関係者からの話を聞くということが実現するように引き続き考えていきたいというふうに思います。 韓国政府にとって、この脱北者の問題というのは決して簡単な問題ではないというふうに思います。 現在も韓国の大使館の中に脱北者と思われる人が何人か入っているという状況の中で、従来は、なかなか韓国に直接来たものを韓国に直接持っていくということは難しい。これは、中国政府との関係でもそうだし、中国と北朝鮮との関係でも非常に難しいということがあります。ですから、第三国の大使館から第三国に出て、結果的には韓国に行くという姿を作ってきたわけでありますし、これは、今の南北関係においても韓国政府は問題を抱え込むという認識はあるわけで、できることなら韓国側もこういう問題は静かに対処をしていきたいというのが基本だろうと思います。 ですから、私たちとしても、そういう韓国の考え方というのはできるだけ尊重をしたいというふうに考えています。
○海野徹君 ということは、要するに具体的にこの問題について韓国政府に対して日本政府としては要請はしていないということなんですね。 あるいは、過日も新聞に、脱北者四人が密入国があったと、日本に、そういうような記事が載っておりました。中国人を装った北朝鮮人と見られる男女四人が福岡港から密入国していたことが八日、関係者の話で分かったということなんです。中国当局は取締りを強化しており、今後、脱北者の日本への密入国が増える可能性が強いと見ているというような報道がされているわけなんですね。 元々、要するにこれは北朝鮮の国内の問題でありますし、あるいは韓国のその脱北者に対する対応に大きな私は問題があると思っているんですが、先ほど局長の答弁だと、静かに交渉をしているとか、その点については静かに見守っているという御答弁ですと、韓国政府に対しては一言もこの点について、それはそれぞれの事情があるというのは分かっておりますけれども、日本政府として言うべきことを言っていないということなんですか、それは。
○政府参考人(田中均君) そういうことではございません。 委員がおっしゃった最初の点、昨年、四名の人が、脱北者が密入国した云々というのは、これは私ども全く事実関係を把握しておりません。これが真実であったと私どもは思っていません。 それから、韓国との関係で何の協議もしていないのかという御指摘でございますが、それは全くそうではございません。この脱北者の問題というのは非常に一面デリケートな問題であり、かつ韓国としても難しい問題であるということはあっても、日本としてこの五人の人から事情を聴取をしたいということ、これは引き続き協議をしておりますし、それからその脱北者の問題自身についても、日韓間で問題の所在も含めて静かな話合いというのはしていますし、これは、脱北者の問題というのは韓国のみならず、米国との関係もそうですし、欧米諸国との関係でもきちんと話をしていくべき問題であろうというふうに考えています。
○海野徹君 今、局長の答弁だと、脱北者四人の密入国というのは、これは事実関係を把握していないということなんですが、今どういうような対応を、じゃ、外務省としてはされているんですか。事実関係を調査しているんですか。
○政府参考人(田中均君) 私ども、事実関係の調査の結果、そういう事実はないということです。
○海野徹君 事実はない、全くこういう事実がないということなんですか。じゃ、この新聞は要するに誤報だということですか。
○政府参考人(田中均君) 私が誤報かどうかということを決め付けるつもりもございませんけれども、少なくともそういう事実関係を外務省として承知をしていないし、外務省としての過去の経緯等を調べた結果、そういう事実は外務省として承知をしていないということでございます。
○海野徹君 具体的に、じゃ、過去の経緯を調べたって、どういうような調べ方されたんですか。
○政府参考人(田中均君) これは、外務省自身がというよりも、関係省庁が、そういう事実があるかという照会に対して、それはないということでございました。
○海野徹君 いや、これだけの記事、大きな記事が載っていれば、幾ら何でも、だけど、それが全く事実無根とは思えないんですがね。 いや、あるないの問題で、今そういうような結論が出ているとしたら、また引き続きこの問題については後日改めて質問させていただく機会があるかと思うんですが、そう簡単に決め付けていい問題じゃないんじゃないかなと思うんですが、大臣、こういう問題、今後もまた脱北者の日本への密入国が増える可能性が強いというような記事が出ているわけなんですが、その点について外務省としては今、じゃ、どういうような関心を払っていられるんですか。
○国務大臣(川口順子君) 出入国の問題でございますので、これは一義的には法務省の問題であるわけでございまして、法務省が責任を持って自らの所管の業務をやっていただいていると思っております。
○海野徹君 それは確かにそうなんですが、そうなんですけれども、やっぱりこの問題、非常に瀋陽の事件からずっと要するに根っこは同じ問題なんですよね。だから、もう少し真剣に対応していただきたいなと思いますが、時間ありませんから、あと私、残された時間は三分しかありませんから、もう一つだけ質問させていただきますが、不審船の引揚げの問題なんです。 非常に今、事務的に協議をしているということなんですが、何か漁業補償を求められている、あるいは中国側からの漁業補償の求めに応じて漁業補償をするんだというような記事がこれも載っているのは、これも、じゃ、新聞が間違った報道をしているということなんですかね、今の言い方だと。どうも、これもそういう規定があるとは思えないんですよ、国際海洋法条約の中に。
○政府参考人(田中均君) 不審船の引揚げの問題につきましては、総理の明確な大臣への指示もありまして、台風シーズン前に引揚げが可能になるよう中国側と鋭意協議をするというのを基本的な方針にしております。 去る七日、それから十日、それぞれ船体の引揚げに関する日本の考え方を説明をして、中国側の考え方の聴取をするということで協議を続けておりますし、これはもう既に国会等の場で御答弁を申し上げておりますけれども、海洋法条約に基づいて中国は天然資源並びに環境の問題について一定の権利を有している、これは間違いのないことでございまして、一方において日本は、これは犯罪捜査として徹底的に究明すべき案件なので、引揚げということに向けて日本としての考え方を整理した上で、それを実現していくということが基本でございます。 その中で、中国が言っている中で、現に昨年の十二月から日本の巡視船が現場に張り付いているわけであります。この現場海域に一定の範囲内で展開をしているがゆえに、ここは中国の漁場になっているわけでもありますけれども、中国の漁船が現場に近付くことができないと、そういうことで漁民から強い不満が提起をされているという問題の提起というのはあります。 ただ、私たちが現段階で具体的な補償に応ずるといったようなことを中国側に伝えているわけではありません。これは明らかに海洋法条約に基づいて、一体どういう形で被害が天然資源とか環境汚染に出ているのか、そこについての客観的な評価というのを日中間で当然やらなきゃいけないし、その結果、日本として適切に対応するべきものは対応していく、しかしながら理屈がないものについて日本がそれを受け入れるといったようなことはないということが基本だというふうに思います。
○海野徹君 委員長、最後に一言。 極めて異例なことなんですね、事前にこういうような話が出るというのは。しかも、要するに沈没した日から補償してくれというような話が出ている。日本は納得できるんだったらその要請に応じましょうなんということを言っているというんですけれども、これはまた瀋陽事件と同じように中国側のペースになっているんじゃないかな、極めて私は、要するにこれは交渉として全く問題がある交渉だなという思いがあります。その点指摘して、質問を終了します。
○佐藤道夫君 私からお尋ねいたします。 条約の関係については異論はございませんが、ただ一つ、例の文化財の不法、不正な輸出、輸入の禁止に関する条約、これについて一点だけお尋ねしておきたいと思います。 この条約がユネスコの総会ででき上がったのがもう三十数年前、昭和四十五年。昭和三十九年にはユネスコでやはり総会を開いて、こういう規制を厳しくしていこうと。各国とも大変文化財の保存ということに頭を悩ませていると。国際化に伴ってこういう文化財のブローカーも国際化しまして、勝手にいろんな文化財を日本から持ち出す、あるいは日本に持ち込んでくる、どの国も皆、頭を痛めていたことで、ユネスコが音頭を取って三十九年に議決をする、昭和四十五年に条約をまとめると、そういうことになりまして、この条約にはアメリカ、フランス、ドイツ、ロシア、カナダとかの先進諸国が加入しておりますし、全部合わせても九十数か国加入している。文化財らしい文化財のない国が一杯あるんだろうけれども、そういう国だって、やはり先祖から受け継いだものは大切にしていこうということでこの条約に加入している。 ところが、日本は長い間放置されていた、一体何なんだろうかと、こういうことを外務省の事務当局に聞きますと、何とかの一つ覚えみたいに、関係省庁と意見を調整中で時間が掛かっております、いましばらくの辛抱をと、こういうことになる。日本の文化関係の団体が外務省に陳情に行っても同じことでしょう。早くやってくださいよと、分かりました、そのうちにということで、全然まともに取り上げてくれない。いっそ、最近いろいろ問題になっておる有力な国会議員に頼んで、ひとつ先生、外務省を脅かしてくださいと、分かったと言って外務省の担当局長、場合によっては次官を呼び付けて、きさまら何をやっているかと、こう言ってどやし付けたら恐らくすぐでき上がるんでしょう、加入するんでしょうね。外務省というのは、実際そういうところだと言われたって仕方がないんでありますよ。こういう条約をもう何十年となくほうり投げておいたと。不思議としか言いようがない。 私、これを見まして、すぐ外務省の事務当局に聞かせたんですけれども、やはり関係省庁との意見の不一致その他がありまして時間を、たっております、掛かってしまいましたと、こういうことでした。大臣も、事務当局から今回の三本の条約について報告を受けた際に、必ず私と同じように、なぜこんなに掛かったんですか、これは文化財の保存という大変大切なことじゃないですかと。しかも、こういうことについて関係省庁の意見が一致を見ないなんということは考えられないでしょう。もし、そういうことがあれば、すぐ外務省が音頭を取って関係省庁を集めて、もうとにかく早くやりなさい、やろうよと呼び掛けて、三日、四日徹夜同然に頑張れば、あっという間にこれは解決する問題ですよ。 そこで、川口大臣がこの件について事務当局に当然御下問したと思いますけれども、事務当局の答えはどうなっておりましたか、ちょっと大臣お願いします。
○国務大臣(川口順子君) 私も、衆議院におけるこの条約の議論のときに話を聞きまして、相当長い時間が掛かっている。相当どころか本当に長い時間が掛かっているということだと思いまして、どういったことが理由なのかということは聞きました。 それで、幾つか答えが返ってきたわけでございます。その答えについてまず申し上げたいと思いますけれども、まず、これは委員が御案内のように、条約を締結する場合にはそれを担保する国内の法律が必要であるということでございまして、その国内の法令で具体的にできるかどうかと。これは本当に釈迦に説法になりますけれども、ある物を買って盗品だと分かったときに、何年間これが、日本の場合には二年間ですか、たってしまえばもうそれを返せと言うことができないということで、これだと条約の要求するところを満たすことにはならないという問題があった。これをどう処理するかということが一つの問題であったということでございます。 それから次に、それから輸入規制ということでございますけれども、これを輸入規制をしなければいけない。税関のところでどうしたらこれが盗品であるということが分かるかという問題、ある文化財の特定、これが盗まれたものだということを特定できなきゃいけませんし、その特定できた文化財については周知をしないといけないし、税関に対応をどうさせるかという問題もある、実務面の問題等もあったということと、それから、この条約を結んだ国が対応している対応ぶり、具体的にどういうことをやって対応しているかということを時間を、調べるのに時間が掛かったというような話を聞きました。 それで、それらの説明で三十年間余の年が説明できるかどうかということが次の問題でもあるというふうに私は思います。ずっと三十年間この問題を熱意を込めてやり続けていたら、多分三十年間は掛からなかったであろうと思いますし、それから同時に、この問題についての私は政治のリーダーシップということも必要であったのではないかという気がいたしております。
○佐藤道夫君 冗談じゃありませんよ。たかだかそれだけのことをまとめるのに三十何年も掛かってしまったと。私、いろんな意味で法律などに関係したことも、条約に関係したこともありますけれども、日本の役人ぐらい優秀なものはいないと役人たちがそう思っているわけです。その優秀なキャリアが集まって三十数年掛けて結論が出ないと。 これ取りあえず、じゃ条約に入ろう、そして国内法を条約を早く発効させるために速やかに作り上げようと、そういうことだっていいわけでして、これ外務省改革ということが今しきりに言われておりまして、外務省を変える会とかなんとか民間人集めて意見を伺っているらしいですけれども、こういうことについて、政治の今責任だということもおっしゃいましたけれども、政治家出身の、あなた政治家かどうか分かりませんけれども、いずれにしろ大臣が指導力を発揮して、早くまとめなさいと一言どなればそれで済むことなんですよ。このことだけは、しっかと外務省改革の第一歩だということで肝に銘じて記憶していただきたいと思います。もう二度とこういう恥ずかしいことはないようにしてください。本当に外務省が一体これ役所なのかという気もしてきますよ、私。情けない限りだと。 でも、余り悪口を言うと大変ですからこのぐらいにいたしまして、次の質問ですけれども、瀋陽総領事館の問題につきまして、(発言する者あり)ちょっと黙っていてください。 瀋陽総領事館の問題を取り上げますが、前回取り上げた際に私、総領事とそれから首席領事のあの事件当時の動静、行動について全く理解できない、これまた日本の役人なのか、情けない限りだということを言いまして、外務大臣も正しく厳しく重く受け止めまして、しかるべき対応措置を、処分を行うよう考えますという御返事でありました。これも議事録にきちっと載っております。 そこで、その後の処分はどうなったのか、この二人に対して。もう国民というのは忙しいものですからすぐ忘れちゃう。やっぱり国民の記憶、しっかりと記憶して、あいつらけしからぬと、こう思っているうちに必要な処分をすることが大事だと私は思うんですよ。半年も一年も先になって処分しましたと言ってみたって、もう皆忘れていますから何の関心も呼び覚まさない。これも外務省改革にとって大変大事なことだと思うんですよ。行政を、外交を扱う者が本当にあんないい加減なことでいいんだろうかと。もうそのいい加減さを改めて述べることはいたしませんけれども、情けない限りということで、処分の関係はどうなっておりましょうか、お願いいたします。
○国務大臣(川口順子君) こういった問題にけじめが必要であるということは、これは委員がおっしゃるとおりだと私は思います。処分の問題につきましては、この瀋陽総領事館事件でまだ残った部分があるわけで、これをやっていく必要があるわけでございます。それで、そういったこの問題についてのめどが立った時点で全体を総括をする必要があると私は考えていまして、そういう総括を行う過程で、いかなる処分をするのがいいかということを議論して処分をしたいと考えております。処分がない、処分なしで物事を済ませるつもりであるということは全くないわけです。
○佐藤道夫君 瀋陽総領事館の問題はもう可能な限り明らかになっているわけでしょう。これから何を明らかにしようとしているんですか。中国との交渉、これは時間が掛かるかもしらぬけれども、日本側の対応でこの点、この点、この点に問題があったということはもう明らかになっておりますし、国民も、本当に外務省はだらしない役所だ、一体何をやっているんだと皆そう思っているでしょう。 大変な事件が起きたときに、その最高責任者である総領事が持ち場を離れている。持ち場におってきちっと陣頭指揮をする、これはどこの役所だって昔からそういうことなんですよ。陣頭指揮をする、責任者が。当たり前のことなんです。それをやらなかったと。首席領事に至っては休暇中であったと。休暇中でも、自分の勤務先でこういう事件が起きて、自分はナンバーツーだと思えばすぐ飛んで帰ってくる。 ところが、僕は多分これはうそだと思いますけれども、切符が、航空券が取れなかったということを弁解しているらしいですね。こんなばかげたことありませんよ。すぐ、瀋陽でああいう、御承知のとおりああいう大事件が起きて、そこで僕は、私は首席領事ですぐ帰らねばならぬと言えば、航空会社はこういうときに備えて必ず余分なチケットをリザーブしてある、分かりましたと言ってすぐ提供してくれますよ。一度やってごらんなさい。分かりましたと言ってすぐやってくれますよ、航空会社は。そういうことなんです。それをやらずして、のんびりと四日もたってから、大体物事が解決してから現場に顔を出したと。こんな者が日本の公務員なんだろうかと私、情けなくて仕方がないんですけれどもね。 いずれにしろ、この二人についてだけでは、ほかの問題から切り離したって即処分は可能でしょう。そうすれば、今、国民の記憶はまだ多少は残っておりますから、そうだそうだと、あっ、あいつらはこういう厳しい対応を受けた、処分を受けたんだなと、そうだということでは納得する。外務省も今や真剣に改革というのを考えていると、そう国民だって思ってくれるでしょう。国民にそういう感慨を抱かせることも、政治として、行政として大変大事な仕事なんですよね。そんなこと言うなよ、忘れちゃうからそのときやってやろうかと、腹の中でそう思っているんでしょうかね。そうとしか思えないような気もするんですけれども、いかがでしょうか。なるべく早く結論を出して、きちっとけじめを天下に示すという方向で動いてください。 あなた、よく改革という言葉が好きでしょう。改革というのはそういうところから、これは人事についてけじめを付けるという改革の第一歩ですからね。そういう行動で示してください。いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、この問題についてめどが立った時点できちんと総括をして、その過程で処分については考えるということを申し上げているわけです。
○佐藤道夫君 どうも余り付けそうもないような感じですけれども、まあ時間がありませんのでこの点はこれで打ち切りまして、昨日、質問を取りに来た職員に話しておきましたが、松尾元室長に対する判決は是非読んでおいてもらいたいと、大臣に目を通しておいてもらいたいということを言っておきましたので、大臣、読まれたと思います。 あれを読んで、私、本当にこれは情けない限りだと思ったわけですけれども、長い間、一人の職員に十億、何十億という公金を扱わせる、出し入れから保管まですべて一人にさせていたと。そういうことなら、どんな優秀な職員でも、ふと心に魔が差して金を使い込んでしまう。半ば松尾室長に同情的なそぶりと、こう言ってもいいんですよ、あの判決自体がね。そして、これはすべて外務省の公金の管理システム、監督システムに問題があるんだということで、これ、多分、松尾に対する刑を減軽する材料としてあのことを、そういうことを言ったのかという気もするわけでありまして、私、これはもっともだと。 かつては厳しく、公金、内閣に対する金ですか、金の受渡しなどはすべて決裁を通して厳しくやっておった。特に現金の受渡しは複数の職員でやらせていたと。ところが、松尾が来た途端に、だれかの命令か知らぬけれども、松尾一人でやれと、こういうことになったと。 これ、私、二、三回取り上げて、一体それはどういう考えで松尾一人にやらせたのか、経理の処理の常識に反するわけです。何か、いつか官房長がそこに来られて、大変優秀な職員だったので彼にやらせましたと。優秀なというのと金を管理するというのは全然別問題ですからね。金を管理するというのは、頭が悪くてももう絶対誤りのないと、どこの官庁でもどこの会社でもそういうやり方をしているわけですよ。優秀なやつに限って、ちょっと金を引き出して上司と一緒に飲みに行くとか、そういうことにすぐ気が回るわけですからね。そういう者に一人で金を監督を、管理をさせる、こうなるのは明らかなんです。一体、だれがこういうことをやったのか。それから、六、七年の間一人にやらせておいて、だれ一人としてそれについて、あそこに問題がある、もういい加減にしましょうよという発案をしなかったのか、不思議としか言いようがない。 そこで、これは、今まで何回もこれを取り上げて聞いているんですけれども、まともに答えようとしないんですよ。河野大臣、田中大臣、で、三番目があなたですから、あなたぐらいはしっかりとこの点を踏まえて、事務当局に、一体なぜこんなことになったのかと。これは外務省自体の責任だと判決が言っているじゃないですかということで、事実関係を探求して、その事実を、その結果を、そして必要があればその当時関与した者を処分をする、そういうことで対応してもらいたいという意味で今日これを取り上げているわけです。いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) まず、松尾元要人外国訪問支援室長の判決でございますけれども、これは私も読ませていただきました。そして、この判決については、私は、外務省がまずこういったことが二度と起こらないようにきちんと、制度的にも、それから人間の倫理観をきちんとするという上でもきちんとしていくということが大事で、二度と起こってはならないと私は思います。 そして、まず、委員の御質問のどういう過程で一人の人がお金を扱うようになったのかということでございますけれども、これを外務省で内部調査をいたしまして、その調査では、残念ながら、松尾元室長が内閣の官房報償費を総理の外国訪問に際して自ら単独で扱うというふうに変更していったことに関して、外務省が正式に意思決定を行ったという事実はなかったということでございます。 こういうことが起きてしまった背景としては、一つは、この支援室という組織と、それからこの組織は官房の総務課長の下にあるということですけれども、それから実際に総理が外国の訪問をするときに関係している部署はそれぞれの地域局の関係するところであるということで、そこが二つが異なるということで、指揮系統が不明確になっていたということが挙げられると思います。 いずれにしても、こういうことについては非常に問題であるわけでございますので、昨年の一月の二十五日の時点で、松尾室長がその職にあった期間の上司につきましては、事務次官、官房長、官房総務課長全員について処分を行ったということでございます。 それから、二度と起こらないようにするという再発防止策といたしましては、報償費、外務省の報償費につきましては、十万円を超える支出については副大臣以上で決裁を今いたしております。それから、平成十四年度予算において、総理等の要人の外国訪問経費、これを外務省の予算に一括計上をいたしております。そして、四月一日付けで儀典総括官を任命いたしまして、ロジ業務を一元化をいたしております。 外務省として、これらの既に実施をしている改革、これを今後ともきちんと実施をして、改善措置が実効性のあるものにしていくということと同時に、さらに、今、変える会で抜本的な御議論をいただいていますので、意識の面も含めまして、この改革を行って、外務省や外交についての国民の皆様の信頼の回復を行っていきたいと考えています。
○佐藤道夫君 そういう決まり決まった抽象論を私聞こうとしているわけじゃないんでありまして、外務省自身が発表しているリポートの中で、従来は本当に厳格な監査の下にその出金の出し入れというのをやっておった、ところが松尾が室長になった途端にもう一人でやれということになったと、これは川島次官がきちっと報告をしているそのリポートに載っているんですよ。 それならば、なぜそのときに、一人でやらせることは問題ですよと、当然こういう意見がある、それを皆黙っていた。だれが一体それだけの圧力を掛けて一人にやらせたのか。そういうしかもやり方が、やらせたと思われる次官が替わった後もずっと延々と続いて、だれ一人、競馬をやっている、何かマンションを買っている、女がいる、そういううわさが立っているにかかわらずずっとやらせていた。そういう外務省の体質がこの松尾事件のもとになったのではないかと。 私、そういうことを考えて、外務省改革の、これはやっぱり一つの具体的な事実をつかまえて、そして、こういう点、こういう点に本当に反省すべき点があったんだと、そしてこの点については当時の次官である、これを厳重にこういう処罰をした、その後、何も意見を言わなかった人たちについてもやはりしかるべき処分をした、もう二度とこういうことは起こさないということを天下に宣明するのがあなたの役割だと。それで、あなたも改革、改革と、こういうことを言っているんだろうと。 小泉さんだって、外務省改革すべしなんて、このごろは声は低くなりましたけれども、言っていたでしょう。あれは、抽象的に改革と言ってみたって何のことかよく分からない。こういう問題をとらえて、こういうふうに事実関係を明らかにして責任を取らせて、二度と起きないようなシステムに変えましたよと言ってもらって初めて、国民も、そうかと、そこまで真剣にやっているかと、それじゃ少し外務省の今後の行政を見守っていこうと、こういう気になるんだろうと思います。よくよく考えていただきたいと思います。 外務省の関係はこれで終わりまして、ちょっと防衛庁長官にもお尋ねしたいと思います。 例のリストの公表の問題でありまして、これは今日の午後、何か報告書が公表されるということなので、本来はそれを眺めてからでもいいんでしょうけれども。今までの新聞報道などを見ておりまして、私、気になる点が二つあるものですから、その点を中心にちょっと事実関係を説明してもらえればと思います。 第一は、大変おかしいことなんですけれども、統幕議長とそれから官房長が新聞報道のコメントとして、リストを集めることは、作ることは、これは通常業務の必要な範囲内でやっていたことなんだと、こういうことを言っている。通常業務の必要、一体何に使うためにこんなものを集めて、通常それを役立てる通常業務とは一体何なんだと、だれでもそういうふうに思いますよね、通常業務。何か仕事の上でこれを使っているのかと。 言うまでもなく、この情報公開というのは法律でもって国民に与えられた権利ですから、国民の皆さん方、こういう情報公開いたしますからどうぞ遠慮なくどんどん請求してくださいと。どういう考えで、思想、信条がどういうことでこれを請求したのか、そんなことは一切関係ございません、それから身分の格差もありません、どんな人に対しても情報は公開いたします、どうぞと、こういうことで始まった制度でありますから、あんなリストを作り上げることにいかなる意味があるのか。 来れば、はいどうぞと言ってお見せすればいいわけですからね。それだけのことなんで、あなた、どんな人ですか、どんなお考えでこれを閲覧を請求しているんでしょうかとか、背景にどんな団体があるんでしょうかとか、さりげなく聞いてみたって始まることじゃないんです。全然必要のないことですからね。そんな余計なことをやるような時間があればほかの仕事をやってもらいたいと、こういうふうにも思います。本当に通常の業務、一体何のことを考えてそういうことを言っているんだろうかと。 それからもう一つは、組織ぐるみとは認められなかったというのが新聞に活字として大きい字で印刷してありますから、多分、今度の、今日の報告書もそういうことになるんでしょう。下の者が勝手にやったとでも言うんでしょうかね、上の者は知らなかったと。こんなことがありますか。役所というのは上から下まで一体となって動いている、下の者が上の者に無断で勝手なことをやるなんということはどこの役所でもあり得ないことですよ。聞いてごらんなさい。特に防衛庁というのはそういう組織というものを大切にするところですからね。 ただ、旧軍隊というのは上を無視していろんなことを動いたと。旧陸軍ですな。満州事変の際の石原莞爾のあの行動ですね。参謀本部を無視してどんどんやっていって、忠告をされると、なに既成事実を作ってしまえば本部なんか後から付いてくるんだと。あのときに石原莞爾を私は本当に軍法会議にかけて銃殺刑にでもすべきだったと思うんですよ。ところが、よくやったよくやったと言って抜てきしていった。そういうことも旧陸軍の実態であって、その後、旧陸軍の実情を引き継いでいるのが今、防衛庁なんだろうかと、こうも疑いたくなりますよ。 下の者が勝手にやって我々知りまへんでしたと。そもそも、そんなことを上の者が言うこと自身もおかしいわけですよ。下の者が仮に勝手にやったとしても、天下国家を考えてやったとすれば、それは私の責任ですといって、責任は私が取りますというのが、特に軍隊などの組織では必要なことだろうと思うんですけれども、上の者はそっぽを向いておって、なに下がやったんですよ、組織ぐるみじゃございませんと、そんなことを言うんでしょうかね。情けない限りだと私は思います。これまた事実関係をきちっと明らかにして、取らせるべき責任は取らせると。 上の者が下の者のやっていることを知らないなんということはあり得ないことなんです。下の者が仕事をする場合には、きちっと課長は局長に、局長は次官に、次官は大臣に報告をして、こういうことをやりますからよろしいですかというのは、どこの国の役所だってそうだと思います。特に日本はそういうことが厳重なんですからね。あなただって防衛庁におられてよく御承知だと思います。これだけのことを国民に権利を与えた、それについて調べをしよう、背後関係やら思想、信条やらを調べようというときに、勝手に下の者がやるなんということは考えられないことだと思います。 それから最後に、これはちょっとおかしいんですけれども、これだけのことをやっておいて、防衛庁・自衛隊にすれば大変なこれは秘密だったと思うんですよ、法律の規定に違反してこんなことを集めている。これは本当の極秘だといってやるのが普通なんです、今回もやったと思いますけれどもね。その中からぞろぞろとああいう秘密が出てくるんですね。何だろうかこれはと思わざるを得ませんよ。 防衛庁というのはそんなところなのかと。絶対秘密だ、だからやってほしいといってやらせておいて、それがどこからかほっと世間に流れてくるんですね。信じ難いことです。国を守る資格すらないんじゃないか。防衛の秘密があるときふっとどこかに売られていく、流れていく。そんなもの下がやったものだと、そんなことでも言うんでしょうかね、我々は知らぬと。これは本当に私はおかしいと思うんですよ。秘密の管理がどうなっているのか。 またこれからも時間があると思いますので、これからもこういう問題取り上げていきたいと思いますが、どうぞ、今、私、尋ねましたことについて、申し訳ございませんけれども、限られた時間しかありませんが、お答え願えればと思います。
○国務大臣(中谷元君) まず第一点目の、このリストが通常の業務で必要かどうかということでございます。 統幕議長と官房長の記者会見の発言は、情報公開業務においては開示請求から原則三十日以内に開示、不開示を決定する必要があるということ、また過去の事例も参考にしつつ適切な決定を行う必要があるということで、たくさんの案件が申し込まれてくるわけでありますけれども、この件はどうであったのか、この件は終わったのかというようなことで、やはり情報公開請求者のリストは事務的に必要ではないかという観点で作られたのではないかということでございます。 情報公開業務の円滑な推進を図るために、情報公開業務の進行管理また実績の把握を行う必要がありまして、そのためのリストの資料は有益であるというところから作成されたというふうに会見のときは述べております。 それから、会社とか職業、いわゆる属性でございますが、このリストは名前とか御住所を記入するわけでございますが、このうち個人の属性を表すもの、例えばどこどこの会社に勤務しているというのは、名刺を添えてくる人もありますし、申し込まれるときに、こういうところに連絡してくださいという場合もございます。文書等を特定するなどに当たって職業などを聞くことがあろうかと思いますが、その会社等の属性が必要となって連絡を取る上で載せることもあるかもしれません。 また、この問題は、紙にメモをするのとまた電算処理、いわゆるコンピューターで整理するのとございますが、今回の件は電算機処理の個人情報保護法、これに伴うリストの作成でどうあるべきかという観点で、現在この法律に照らしてどうであるのかという点を調査しておりまして、現時点におきましては確定的なことを申し上げる段階にございませんが、所管をしている総務省とよく確認をしながら考えてまいりたいと思っております。 それから、組織的かどうかという点も、現在この事態を見まして、防衛庁として組織が緩んでいた点があったのかどうか、また組織ですから上司から指示をして部下が報告を行うということは確実に行っていかなければなりませんが、この点の事実の確認をいたしまして、その件に対する責任の所在、こういうものも明らかにしてまいりたいと考えております。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。 まず最初に、議題となっております文化財不法輸出入等禁止条約について、外務大臣に質問をさせていただきます。 外務大臣、御存じのとおり、この条約は一九七〇年にユネスコ総会で採択をされまして、三十二年たって日本はやっと批准をしようということで、今委員会で審議となっております。 この間、なかなか批准ができなかった理由としては、国内法との整合性の問題、あるいは善意の取得者、つまり盗難された文化財とは知らずにそれを購入あるいは取得をした人たちの財産権の保護といった問題があってなかなか批准されてこなかったというふうに外務省の方も説明されているというふうに思いますけれども、しかし、この間、日本の国内では盗まれた文化財がブラックマーケットを通じて日本のコレクターや博物館等に入ってまいりまして、日本はある新聞の見出しによれば盗難文化財天国というような汚名を着せられてきたという側面もございます。 私、一つちょっと思いますのは、なぜ、今回この三十二年たって批准しようという理由が、例えば一つはユネスコの事務局長に日本人の松浦さんが就任したというようなこと、あるいは昨年、国連総会で日本も、日本だけについて言ったわけじゃありませんけれども、まだ批准していない国はこの条約に早く批准するようにというような勧告が出たこと、こういったことを理由に今回批准をするということなんですけれども、私、こういった体面的な理由がなければこういった重要な条約を批准しないという姿勢はいかがなものかというふうに思っております。 特に、公明党は、文化芸術振興法も昨年、主導して成立をさせたという経緯もありまして、やはり文化交流は非常に大事だと、そういう観点から、日本の外交の中でこの文化、カルチャーというものをやはりもっと重要視をして、こういった条約をやはり早期に批准するような姿勢を示していかなければいけないんではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃいますように、この条約が三十年以上締結をしないままにあったということについては、私も本当に問題があると思います。こういったことが二度起こってはいけないと思っています。 それを申し上げた上で、もう一つ委員がおっしゃられた文化交流というのが外交のツールとして非常に重要だということも、私はおっしゃるとおりだと思います。世界各国の日本に対する尊敬の念のかなりの部分というのは日本の持っている文化にあるわけでございまして、正にそれは相互に交流をしていくということは外交政策の重要な柱の一つであると私どもは位置付けているわけでございます。
○遠山清彦君 次にお伺いしますが、実はこの今議題となっているユネスコの条約以外に文化財保護の条約はあと二つございます。 〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕 一つは、一九九五年に採択されましたUNIDROIT条約というもので、これは個人が所有をしている文化財の保護も視野にした、より、今議題となっている条約よりも対象を拡大した条約でございます。 それからもう一つは、これはちょっと古いんですが、一九五四年に締結をされました武力紛争の際の文化財の保護のための条約と、俗にハーグ条約と言われているものですけれども、これも日本は批准をしておりません。 このまだ日本が未批准のUNIDROIT条約とハーグ条約、法律論的にはいろいろな問題点等も指摘されているようですが、私は、基本的にはこの二つの条約も日本は批准していくべきではないかというふうに考えておりますが、外務省のお立場をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(横田淳君) お答え申し上げます。 まず、UNIDROIT条約でございますけれども、これは盗取された文化財及び締約国の法令に違反してその領域から移動させられた文化財の返還請求に関しまして、司法上の問題を統一的に解決することを目的としたものでございますけれども、これにつきましては、私どもは二つの点で大きな問題があるというふうに考えております。 一つは、対象となる文化財の範囲が非常にあいまいであるという点でございます。それからもう一つは、原保有国の返還請求権の権利行使の期間が非常に長いわけでございます。五十年でございますけれども、盗難のときから五十年でございますが、このように長い期間返還請求権を認めますと、善意取得者の法的な立場が長期間不安定になるというような問題があるというふうにも思っています。したがいまして、ただいまお諮りしている条約の方をこのUNIDROIT条約に先んじまして検討してきたという状況がございます。 今度、この条約、今お諮りしている条約の国内担保措置としまして、現行民法で認められております善意取得者に対する回復請求権を十年に延長することといたしましたけれども、そのような絡みで、本条約を実施していく中でUNIDROIT条約については今後慎重に検討をしていきたいというふうに考えております。 それから、ハーグ条約でございますけれども、ハーグ条約につきましては、御承知のように、武力紛争の影響から文化財を保護することを目的とした条約でございますが、これにつきましては、その文化財の集中する地域が重要な軍事目標、すなわち飛行場とか放送局それから鉄道の幹線とか、そういうようなものから妥当な距離にあるなどの条件を満たす場合に、このような地域に特別な保護を与えるというものでございますけれども、これがその、妥当な距離に置くということの適当なメルクマールがございませんで、例えば京都とか奈良とかいったような地域が対象と考えられるわけですけれども、これらを先ほど申し上げましたような放送局とかそういう、鉄道の幹線とか、そういうところから妥当な距離に置くということは実際上非常な困難が伴うんではないかということから、この条約につきましても慎重な検討を行う必要があるのではないかと考えております。
○遠山清彦君 分かりました。 法的な問題はいろいろあると思うんですが、外務大臣、今イラクとかアフガニスタンとか、こういった発展途上のしかも治安上非常に不安定な地域からいろんな遺跡とか文化財が盗掘をされたり盗まれて、それが日本に流入してきているという事実も報道されておりますので、是非この条約締結という問題とともに、日本の外務省として、こういった武力紛争が起こったりあるいは他の様々な社会情勢の関係で文化財が破壊されてしまうあるいは盗難されてしまうような事態が起こらないように外交努力を傾けていただきたいということだけ要望したいと思います。 続きまして、実演・レコード条約の方なのですが、私が聞きたいと思っていた質問は山本先生の方から自己体験的な御質問がございましたので、私、一点だけこの条約についてお聞きしたいと思います。 それは、今インターネット等が発達をいたしまして、通信技術の高度化に伴って、放送事業者の権利あるいはそれに関連する著作権、著作隣接権、また受信する側との関係性などで、今まで従来には余りないような問題が出てくるのではないかという指摘がございます。 この放送事業者の権利保護について、今、世界知的所有権機関でもルール作りに取り組んでいるというふうに聞いておりますけれども、日本の外務省としてはどのように取り組まれていくおつもりなのか、見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) お答え申し上げます。 ただいま先生がおっしゃられましたとおり、WIPO、世界知的所有権機関におきましては、インターネット時代に対応した放送機関の権利につきまして新しい国際的ルールの検討を行っているところでございます。 〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕 我が国といたしましても、この放送機関についてもやはりインターネットの普及等に対応した新しい国際的ルールが極めて重要であると、これを早期に定める必要があると、こういう立場から、WIPOの議論に積極的に参加しているということでございます。 しかしながら、現在の検討状況でございますけれども、今のところ、我が国やEUを含めまして各国がそれぞれ提案を行っている、論点を整理しているというところが現段階の状況でありまして、いまだ議論のベースになる条約草案の作成までに至っていないという状況でございます。したがいまして、このWIPOにおいて、引き続き各国から更に提案があるとも思いますし、更に議論を重ねていくということがしばらく続くのではないかと思います。特に、アメリカからまだ提案が出されておりませんので、現時点では、この条約をどういうふうに全体としてこのベースを作っていくのかについてまだ合意がないという状況でございます。 したがいまして、このような動きをむしろ促進するように我が国としても積極的に議論に参加したいというふうに考えております。
○遠山清彦君 ありがとうございました。 それでは、まだ時間がちょっとありますので、先日もちょっとお伺いさせていただきましたけれども、難民問題について幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、法務省の方にお伺いをいたしますが、先日、報道でもされておりますけれども、法務大臣の私的懇談会による難民問題の検討のための専門部会が作られまして、私こちらにプレスリリースを持っておりますが、八名、九名ですか、九名のメンバーが選ばれまして、中央大学の横田洋三教授を中心に、部会長にこれから議論をされるということなんですけれども、これについてお聞きしたい点が二つございまして、一つは、議題としてこのペーパーに挙げられているのは三点ございまして、一つはいわゆる六十日ルールという六十日以内に難民認定の申請を行わなければいけないという期限の問題、それから二番目には難民認定申請中の者の法的地位の問題、三番目には不服申立ての仕組みについての問題、この三点が議題となっているわけですが、私は、例えば今回の瀋陽の事件でも問題になりました、在外公館において亡命希望者あるいは庇護希望者に対してどういう対応をするのかというような点であるとか、あるいは難民認定を受けた人に対する、特に条約難民に対する定住支援の問題、こういった論点もあると思うんですけれども、そういったここに書かれていない議題については議論されないのかどうかということが一点。 それからもう一つは、これは法務大臣の私的懇談会の中の専門部会の議論ということですけれども、この結果がその後の、年内に法務大臣に対して報告をするということにここに書かれておりますけれども、この報告が出た後にこれをどういうふうに政府として、法務省として生かしていかれるおつもりなのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(中尾巧君) 委員御質問の専門部会の関係でございますけれども、これはもう法務大臣の私的懇談会ということの性格上、法務大臣に対しまして専門部会で議論していただいた結果を法務大臣に年内に御報告いただくと、こういうことでスタートしたものでございます。 したがいまして、この議題として、三つの議題ということで、六十日ルールの問題とか、先ほど御紹介いただいた三つの議題で御議論いただく予定にしておりますので、そういう年内に御報告いただくという日程上の都合等々ございまして、この三つの議題以外に広げる予定は今のところございません。
○遠山清彦君 外務大臣、今お聞きになったと思いますけれども、法務省の専門部会の議論を見守りたいということを外務大臣おっしゃっていましたが、この三つの議題しかやらないわけですから、これは私、今日時間があれば後ほどお聞きしますけれども、ここだけで政府全体として難民政策の見直しをやるような土台ができるとは到底思えませんので、これは内閣官房、外務省を含めてほかにも関係省庁、実はありますけれども、法務省だけで難民政策の見直しをやるというような姿勢では私はいけないという点をちょっと喚起しておきたいと思います。 そこで、続けて法務省にお伺いいたしますが、私、先日も難民認定を申請している最中、まだ結果が出ていない人たちに対して一定の条件付で在留資格を与えるべきではないかという主張をさせていただきました。これに対して、法務省の一貫した姿勢というものは、難民認定、まだ認定されていない、申請をしただけの人に在留資格を与えるようなことをしてしまうとその制度を乱用、悪用をして不法残留者が滞在しようとしてしまう、そういう人が増えてしまうというような反論がございました。 しかし、例えば不法残留者というのは今、法務省のデータによりますと二十二万四千六十七人日本にいることになっておりますけれども、それに対して、じゃ、難民申請してくる人は何人かというと、昨年でいいますと新規で三百五十三名でございます。この三百五十三名全員が乱用しているわけでないことは明らかでありまして、不法残留者全体の中から考えたら、仮にこの去年申請した三百五十三名の中で乱用者がいたとしてもその割合は非常に少ないというふうに私は思うわけですし、また、もし法務省さんが乱用者が増えるというようなことをおっしゃるんであれば、今まで申請されてきた、二千何百人だったと思いますけれども、中でどれぐらい乱用したと思われる人がいるのか、これは法務省さん、不認定の場合の結果を開示していませんので、本人も含めて、判断しようがないんですけれども、これは乱用者が増えるという推測の下にこの意見をずっと言われても、何の具体的なデータもなければ、私、説得力ないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中尾巧君) 御指摘のとおり、不法滞在者は、不法残留者が約二十二万数千人で、それ以外に不法入国等の関係者もおりますので、我が国には約二十五、六万ぐらいの不法滞在者がいるわけでありまして、そのうち推計で八割以上は不法就労しているというのが、これは検挙した関係者からの実態から見て間違いないわけであります。そういうことを踏まえますと、一律に難民申請中の者に在留資格を付与するということは、これ必ずしも適切ではないということは前から申し上げているとおりでございます。 委員御指摘の、その乱用というのは具体的にどうだというお話なんですが、これにつきましては、もちろん個別的な案件についてどこまでが乱用かどうかというものは極めて難しいところだと思いますが、私どもの方で承知する範囲で申し上げれば、申請者自らが虚偽の申請を行いましたということを具体的に認めたケース、それから難民申請を取り下げて日本から母国に帰国あるいは出国をしたという事例、あるいは最近あるケースでございますが、パキスタン人であるのにアフガニスタン人であると国籍すら偽って難民申請したケース、さらには難民認定申請後、私どもの難民調査官等によるインタビューの呼出しに応じないでいずれかに所在不明になったケース、これなどは明らかに制度の乱用と評価されるものだろうと考えます。 データの関係で申し上げますと、昨年、十三年度に私どもで処理した案件は合計三百七十件ございます。このうち、明らかに制度を乱用したと考えられるものが九十一件、全体の約二四・六%でございますので、四件に一件は乱用ケースだというふうに私どもの方は承知しております。 九十一件の内訳を参考までに申し上げますと、調査中などに所在不明になったケースが六十八件、申請を取り下げて母国等に出国したケースが十七件、国籍を全く偽ったケースが五件、氏名を偽って二重申請したものが一件というふうになっております。 こういった実態を踏まえて、私どもも、適切な難民認定をしなきゃならないと同時に、今、委員御指摘の点につきましても今後検討を重ねていきたいというふうに考えておるところでございます。
○遠山清彦君 分かりました。 昨年の数字を、初めて私も具体的な数字聞きましたので、私の予想よりも若干多めに、二四・六%の乱用のケースがあったというようなお話ですが、ただ、残りの七〇%以上の人たちの中で在留資格を持たないがために苦しんでいる人に対してどうするかという点は残ると思いますので、今後、これはまた私もちょっと研究させていただきたいと思いますし、政府内でも検討していただきたいというふうに思います。 次に、再び法務省ですが、日本での難民認定に関して難民支援活動に従事している弁護士さんとかいろんな団体から長年寄せられている一つの批判は、難民認定の基礎調査に当たっている方々、法務省の役人の方々、難民調査官と言われている人が、実は日ごろは入管業務に基本的に従事をしていて、兼務で難民申請があったときだけ難民調査を行うと。こういった難民調査官は全国に四十三名いるそうですが、報道では七名とか言われておりますけれども、数人を除けば日ごろは入管業務に従事をしていて兼任であると。 問題は、入管業務というのは、やはり不法に、違法に日本に入ってこようという外国人を厳しくチェックをして、それを入口で防ぐということが重要な任務になってくるわけですけれども、逆に、難民認定の場合は、難民条約上の義務を日本は負っているわけでございまして、真正に難民性が高い、難民としての要件をそろえている者に関してはある意味しっかりと受け入れなきゃいけないと。ですから、入管業務とそれから難民認定というのはちょっと方向性が違う業務だと思うんですね。 それに対して、日ごろ、入ってくる人を、不法に入ってくる人をどう防ごうかという業務ばかりやっている人が、たまたま、たまに今度難民として来た人をどう、受け入れる可能性のある人たちを調査するということはやはり問題が発生する可能性があるのではないかということなんですけれども、これに関して我が党の草川昭三議員が、当時衆議院ですが、衆議院の法務、外務、社会労働連合審査会で質問しておりまして、要は独立の審査機関を作って、そこで難民認定審査できないのかと。これに対して法務省の答弁、当時の答弁はすごくぶっきらぼうでして、読みますと、難民認定手続は難民条約上の定義に沿うか否かの事実確認行為であって、だれがやっても結論は同じであると。だから、別に法務省の入管がやろうが独立審査機関がやろうが結果は同じだからいいじゃないかという答弁なんですが、これ、今日でも同じ考えですか。
○政府参考人(中尾巧君) まず、入管業務について若干補足説明させていただきたいんですが、入管業務というのはかなり幅広いわけでありまして、不法入国者の摘発、不法残留者の摘発という場面ももちろんございますが、正規の在留する人の在留資格の変更等の手続、年間百二十万前後ございます。あるいは、我が国に入国する外国人の出入国をきっちりやる業務も私どもの業務でありまして、入れないことを基本的にやっているわけではございません。いろんな業務の中の一環として難民認定業務というのはあるわけでございます。 難民条約に加入するに当たりまして、一つの機関で統一的に難民認定を行うということは当時閣議了解をされた事項でございます。法務省において難民認定に関する事務を担当することが、その閣議の際に妥当であるという結論に達したのは昭和五十六年の三月のお話でございます。 難民条約がその対象としているのは当該国における難民であり、難民というのもやはりこれ外国人であるという観点から、難民認定の申請は出入国管理行政上の他の諸手続と有機的に関連をしていると、外国人の入国、在留を担当する入管の担当組織において難民認定に関する業務を行うことが合理的だと、そういう判断でなされたわけであります。私どもの方も、この関係で申し上げれば、難民認定室というところが所管していると、こういうことになっております。 先ほど難民認定の関係で、難民認定の業務に従事している者の体制の問題を御批判いただきました。この点につきましても、私どもの方も、十分、これでいいのかという点については問題意識を持っているところでございます。 正確に申し上げますと、難民認定の当該業務に専従している人間は本年度は八名でございます。去年が七名で、これも一名を限られた定員の中で増やしておりまして、八名が専従しております。先ほど委員お話ありました四十数名というお話は、これは難民調査官として一定の、これ全国レベルで指定をしなきゃならぬという範囲で申し上げたわけでございます。主として難民申請というのは東京、大阪で行われることが多いものですから、そのところに専従員を置いていると、こういう形で対応しているところでございます。 つきましては、草川先生が昭和五十六年の委員会で御質問いただいて、私どもの政府委員が答弁している案件につきまして、私も質問通告いただきまして議事録を拝見いたしました。その議事録は、なるほど委員説明のとおりの答弁になっておるわけでありますが、やはりこれは若干説明が不足だったという印象は否めないと思います。基本的には、当時の政府委員の言いたかったことは、難民の定義に該当する、難民、条約難民に該当するかどうかということは規則的な判断事項だということを言いたいがためにそういうことを、ややその辺のところの説明がそごしていたんじゃないかというふうに思います。 結局のところ、難民の認定というのは条約難民に当たるかどうかと、そういうことの事実確認行為だと、こういうふうに言われております。ただ、事実確認行為でありますので、確認した上で条約難民であるかどうかに当てはめると、そういう作業であることは間違いないわけでありますので、その点につきましても、私どもの今の段階では過去の政府委員の答弁とは変わらないものであります。しかしながら、難民の前提となる事実そのものの認定については、これは非常に難しい問題だと思います。その点については、委員御指摘のような点も踏まえて、これはかなり専門性を有する、そういう専門性の調査官の育成というものが大事だというふうには考えているところでございます。
○遠山清彦君 もう時間がなくなりましたので、厚生労働省の方は、済みませんが、今回聞けませんけれども、今のお話で、説明不足だったということなんですが、確かに、二十一年前の質問に対してまだ難民認定の実績がない状態での御答弁だったとは思うんですね。二十年間、日本はこの条約難民、あるいはインドシナ難民も含めて難民認定、難民支援ということをやってきたわけですけれども、その経験から申し上げれば、私も、例えば難民の認定を受けた方々に直接私、話を伺ったことありますけれども、やはり個々人のケースで非常に、調査官の資質によって左右されたりとか、通訳の質がすごく悪かったり良かったりということでそれぞれの受けている印象がまず違うという問題がありますので、難民調査を担当する役人に対するどういう研修をしていくかということが一つすごく重要なんじゃないかというふうに思っております。 それから、難民認定を一回受けて却下されて、もう一回異議申立て、二次申請、三次申請した人たちに対して、例えば八年間も掛けて結果を通知しないとか、そういうようなケースが見られておりまして、ですから、どちらかというと一次審査というのはだんだん今期間も短くなっているようですから、二次審査、三次審査の方々に対してのケアがちょっと今不十分ではないかと思いますので、これらについて今後とも検討していただきたいと思いますし、また私もこれからもちょっと委員会で質問させていただきたいと思います。 以上です。
○小泉親司君 我が党は、文化財保護条約、知的所有権に関する二条約については賛成であります。 そこで、文化財保護条約について一つだけお聞きしたいと思います。 今回の条約は、文化財の不法な輸出入、所有権の移転の禁止、盗難文化財の原産国への返還などを盛り込んでおります。今、日本は、先ほども御指摘がありましたが、美術品の盗難大国と言われて、日本を通過して盗難美術品が世界に流出しているというふうに伝えられております。日本が本条約を批准することは、こういう汚名の返上の点で大変重要だと思いますが、同時に、国連加盟国のうち半分しか調印、批准していないと。問題は、貴重な世界の文化財をどういうふうに保護していくのかという点が重要だというふうに思います。 例えば、今、テロ報復戦争が行われているアフガニスタンでは、アフガニスタンの大変貴重な美術品や文化財の流出がタリバン政権時代から日本国内に相当出回っていると言われております。ユネスコの親善大使である日本画家の平山郁夫さんなどは、国連のブラヒミ特別代表からこういった文化財の現地調査や保護を大変強く要請をされまして、バーミヤンの遺跡の壁画の断片ですとかカブールの国立博物館にあったゼウス神像の左足とかいうことの保護運動をされておられる。特に平山氏は、文化財の赤十字として、カブール美術館などから流出したアフガンの美術品を文化財難民として救済しようというふうな活動をされております。 私、お聞きしたいのは、このような貴重な文化財を保護するということは今回の条約で可能なのかと。アフガニスタンが条約に調印、批准すれば解決される問題なのか。それとも、日本としてどのような私は対策が可能なのか。特に、外務大臣として、ユネスコや平山さんたちのこういった運動についてどういうふうに考えられて、どういうふうな対策が必要だというふうに考えられているのか。この条約の批准に当たって、先ほどもお話ありましたように、三十二年間も検討されてきたので、この点についてのお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員がただいまおっしゃられた平山ユネスコ親善大使の取組等については私も聞いております。平山ユネスコ親善大使は、長年続いた内戦の中でアフガニスタンから流出をした文化財についてこれを文化財難民として一時的に保管をなさったり、あるいはインターネットで仮想博物館というものを作られて、といったような事業をしていらっしゃって、私としても平山ユネスコ親善大使のこうした取組については高く評価をしたいと考えております。 アフガニスタンの文化財というのは本当に人類共通の文化財でございまして、タリバンが大仏を破壊するといったときには、みんなそうしないように働き掛け、我が国もそういうことをしたわけでございます。ユネスコに信託基金を作ってありまして、このアフガニスタンについての文化財の保護や修復活動を行っていくと、こういった考えを我が国としても明らかにいたしております。ということで、我が国としては文化財の保護活動については非常な関心を持ってこれを進めているということでございます。 この条約との関係で言いますと、我が国がこれを締結をして、我が国はそれの、この条約に基づいた様々な措置を取るわけですけれども、アフガニスタンは締結をしていないということでございますので、アフガニスタンから出てきた、不法に流出した文化財について、この輸入規制ないしは返還の対象とはなっていない、ならないわけでございます。したがいまして、我が国との関係では、我が国がこの条約を締結して、それからさらに、アフガニスタンが締約国、この条約を締結をしたという以降、アフガニスタンの博物館から盗まれる等して我が国に入ってきた文化財についてはこの条約が決めているところの対象になると、そういうことでございます。
○小泉親司君 やはり日本が盗難大国と言われている以上、やはり条約の批准とともに文化財の保護の対策を本格的に行う必要があるということを指摘しておきたいと思います。 次に、防衛庁のリスト問題、いわゆるリスト問題について質問をいたしますが、長官は今日の午後、この点について報告をされると伝えられておりますが、私は、このリスト問題については国民の思想、信条の自由を侵すという点で非常に重大な事件だと、しかも、これが、これについて防衛庁が隠ぺい工作を行ったというふうなことも私も指摘してまいりました。 ところが、伝えられるところの報道によりますと、組織ぐるみじゃないとか隠ぺいされた事実はないとか、こういうふうな話でありますけれども、私は、例えば二十八日にこの問題が発覚してから防衛庁のLANが二十八、二十九と止まったということ自体も、もう既に隠ぺいが始まったという問題だというふうに思いますが、私は、このような事実がある以上、隠ぺいが、隠ぺい工作がなかったということにはならないと思いますし、防衛庁が、内局を始めとして陸海空のそれぞれの幕僚で全部やっていたということからすれば、組織ぐるみでは、あり得ないというふうに思いますが、この点についてだけ防衛庁長官に、リスト問題ではこの点だけお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 一連のこの問題につきましては現在事実関係を調査中でございますが、組織的にどうであったかという点につきましては、先ほどもお答えをいたしましたけれども、実際に業務を行う上に上下の指示があって、その作業をどのようにし、そしてどのように報告をしたのかという実態の点検がどうしても必要でございます。 現在、その実態につきまして全力で調査をいたしまして、本日午後、そのことにつきましての結果を発表いたしたいと考えております。
○小泉親司君 私は、今日、委員会の始まる前におきましても、この点については当委員会でも集中的な審議をさせていただきたいということを要望しておりますので、その次のこの調査報告を見まして徹底的な議論をしたいというふうに思います。 先週、私、テロ特措法に基づいて質問が途中になってしまいましたので、その点についても防衛庁長官にお聞きしたいと思います。 私、自衛隊がテロ報復戦争で海上での燃料補給をイギリス軍、アメリカ軍にやっているというふうなことで、じゃ、なぜ他の国の艦船にはやれないのかというお話をしましたところ、防衛庁長官の答えは、テロ特措法で認められていないというふうな御答弁だったというふうに思います。 そこで、アメリカとイギリスとの間では日本は燃料補給の協定を結んでおりまして、この協定の中では第三国への譲渡というものを厳しく禁じておられる。防衛庁の説明では、自衛隊は、例えば今アメリカは米空母「ジョン・F・ケネディ」や米戦闘艦を派遣しておりますが、これには直接給油はしていないと。米補給艦を通じて燃料を補給する方法が取られているというふうに説明しておりますが、その点に間違いはございませんか。
○国務大臣(中谷元君) はい。そのとおりでございます。 アメリカとは昨年十一月に、またイギリスとは本年の一月に交換公文において、テロ特措法に従って米英軍に提供される物品については日本国政府の事前の同意なくして第三者に移転されないことが担保されておりまして、米英ともに事前の同意が求められておりません。この件につきましては、外交的な公式の約束でございますので、当然守られているものだと考えております。
○小泉親司君 もしアメリカが、その点についての、補給を、この点について第三国に譲渡しているということになると、当然これは協定違反だと。自衛隊は、当然それはテロ特措法の違反だというふうなことに私はなると思うんですが、その点だけ、時間がないのでお聞きしたいと思います。防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) 現在、この点につきまして、一部報道がございましたが、当の海上自衛隊の派遣部隊並びにアメリカ側にも確認をいたしまして、そのような事実がないというふうに報告を受けております。
○政府参考人(北原巖男君) 先ほど小泉先生の方から私どもの米軍艦艇等に対する補給につきまして、その補給艦を、のみというちょっと御披露があったかと思いますが、これにつきましては米軍の補給艦あるいは駆逐艦等、また英国につきましても補給艦、あるいは補給艦等につきまして給油をいたしております。
○小泉親司君 防衛庁に、アメリカの補給艦に補給した場合、その後、アメリカの空母などに補給するのかというふうに聞きましたら、その答えは、その後のことはアメリカのミッションのことなので分からない、教えてくれない、テロ特措法の範囲で補給してもらっていると信じているという回答でありました。そういうことですか、防衛庁長官。
○政府参考人(北原巖男君) 私どもといたしましては、米艦艇からのニーズ、いろいろ調整いたしまして、例えば補給艦あるいは駆逐艦等に補給をいたします。 今の御指摘の件は、補給艦が念頭にあるかと思いますが、その補給艦からどの駆逐艦等に更に補給されたかということにつきましては、今、先生が御披露されたような観点から私どもは承知しておりませんが、ただし、それが第三国とかそういったことは、交換公文で我が方の同意がない限りそういうことはしないことになっておりますし、これまでもそういった申出はありませんので、そういった事実はないと、そのように確信をいたしております。
○小泉親司君 私、アメリカの海軍のホームページに米海軍がどのような作戦をやっているかということを調べました。 ここには実は写真が載っておりまして、自衛艦が、自衛艦の補給艦が米補給艦「シアトル」に補給している写真が報道されております。この報道の中で何と言っているかといいますと、米補給艦「シアトル」は日本の艦隊支援艦「ときわ」から洋上補給を受けている、「シアトル」が「ときわ」から受け取っている燃料は、その後、米空母「ジョン・F・ケネディ」と、アメリカの不朽の自由作戦を支援している他の連合国の部隊に補給されているというふうに書いてあります。アメリカ軍が自分の海軍のホームページで、アメリカの「ジョン・F・ケネディ」、空母ばかりじゃなくて、他の連合国にもこれを補給しているんだというふうに明確に書いてあるんですよ。だから、これは正に自衛隊が受けた燃料を他国に移転しているじゃないですか。これは協定違反です、明確に。長官、どうですか。
○政府参考人(北原巖男君) 今のホームページの件につきましては、承知いたしておりませんけれども、いずれにいたしましても、私ども、国と国との関係におきましては、現に交換公文を結んでおります。したがいまして、今御指摘もありましたので、外務省を通じてそれは当然確認しなければいけないと思っておりますけれども、先般、米艦艇からオーストラリアに給油されたのではないかという報道がございました。それにつきまして、私ども、外交ルートを通じまして確認をいたしましたところ、協力支援活動として米艦艇に給油した油が第三国に移転されていることはないと、そのような回答をいただいております。
○小泉親司君 だって、ホームページに書いてあることをあなたたちは承知していないということであれば、当然これは、ホームページというのはこれはだれだって見られるわけですからね、私も見ているように。そのところに、他国の連合国に対して「シアトル」は補給をしておりますと、自衛隊からもらったものを補給しておりますと。これは明白に協定違反じゃないですか。 防衛庁長官、どうですか。この事実は承知していないとおっしゃっているんだから、これは明確に協定違反だということをアメリカに言うべきなんじゃないですか。どうするんですか、これは。
○国務大臣(中谷元君) 本件につきましては、この事実関係につきまして米側に確認をいたしたいと考えております。
○小泉親司君 私たちは、こういう行動そのものが、当然、テロ特措法でのテロ戦争への協力自体が大変集団的自衛権の行使に非常に近づけるもので、私たち自体はこういった活動はやるべきじゃないというふうに指摘をしていますけれども、実際に協定を結びテロ特措法に基づいて自衛隊がやっていると言っておきながら、実際にはアメリカ軍への補給した燃料が他国に移転されていると、こういう事実をアメリカ自体が認めているということは、私はこれは重大だというふうに思います。 この点で、私、この問題はもうアメリカ自体が協定違反だし、自衛隊がこういうことをやっているということになったら、テロ特措法に明白に違反するんじゃないですか。長官は、その点いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) これまでにアメリカ側から事前にそのような報告もございませんし、現にそのようなことはいたしませんと同意をこちらに、米側から事前の同意が求められてない以上、協力支援活動として米艦艇に対して給油した油が第三国に移転されていることはないと考えます。
○小泉親司君 いたしませんと言ったって、やっているじゃないですか。それはおかしいですよ、そういうことを言われるのは。やっているとアメリカが言っているんだから、何でそれがしていませんということになるんですか。アメリカがやっていると言っているんですよ。
○政府参考人(北原巖男君) 本件といいますか、第三国云々の件につきましては、これまで今御答弁申し上げたとおりではございますけれども、本日、この席で先生からそのホームページの件が御指摘がございましたので、外務省等を通じまして、外交ルートを通じまして事実関係は把握してまいりたいと、そのように考えております。
○小泉親司君 この点は、私、重大な問題だと指摘しておきたいと思います。 次に、アメリカ・エネルギー省のプルトニウム起爆装置の製造再開の表明の問題についてお聞きしたいと思います。 エネルギー省は、三十一日に、プルトニウムを使った核兵器の起爆装置を二〇二〇年ごろに製造を再開するという方針を明らかにしました。これは一九八九年に製造を中止したわけでありますが、なぜブッシュ政権がこういう方針を採用するようにしたのか、ブッシュ政権の説明はどういうものだったのか、この点について外務大臣としてどういうふうにお考えなのか、この点をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 御指摘のように、五月三十一日付けのアメリカの政府の発表、報道によりますと、これはプルトニウムピット、これは核兵器の起爆装置となるプルトニウムの塊だそうですが、これの製造施設の概念設計を開始するということが報道されていると私は承知をいたしております。一方で、アメリカは、核実験モラトリアムは遵守をするということを言っておりまして、この政策に変更はない旨明らかにいたしております。今回の発表も、このような政策の上に立ったものであると考えております。
○小泉親司君 二〇〇〇年の、いわゆる核不拡散条約のNPTの再検討会議は大変核廃絶の方向を明確に示しております。唯一の被爆国である日本政府が、こういうやはり原爆のプルトニウムの起爆装置の製造再開という問題については、日本政府としてもきちんとアメリカ政府に抗議すべきだというふうに思いますが、この点、外務大臣はそういう御意思はないんですか。
○国務大臣(川口順子君) 米国は、十年間新しい核兵器を生産していないということを言っていて、現在新しい核兵器を開発もしていないということを言っている、米国は核実験モラトリアムを引き続き遵守をして他国がそういうことを行うことを奨励すると米国は言っているというふうに承知をいたしておりますので、正に、先ほど申しましたように、この政策に変更はないわけでございまして、今回の起爆装置を開発する計画と報道されていることは、この政策の上に立ったものであると私は理解をしています。
○小泉親司君 私、この点では、ブッシュ政権の核政策というのは、この前も私お話を、質問いたしましたが、この点では大変危険な方向に向かっているというふうに思いますので、この点、プルトニウムの起爆装置の製造再開表明という問題については日本政府が厳しく私は抗議をすべきだというふうに要求をしておきます。 もう一つお聞きしたいのは、この間、当委員会で、日米ガイドラインに基づきます日米共同作戦計画の問題についてお尋ねをいたしました。そのときに防衛庁長官は、既に日本有事の日米共同作戦計画と周辺有事の相互協力計画、このものが昨年の九月に日本の自衛隊とアメリカ軍の、米軍の制服組との間で既にサインアップがされたというふうなことの答弁がありました。 そこで、私お聞きしたいのは、以前の答弁で計画は一つということを言っておられますが、日本有事の共同作戦計画と周辺事態の、いわゆる周辺有事の相互協力計画というのは一つの文書になっているんですか、それともばらばらなものが一つの文書に収まっているんですか、どっちなんですか。
○政府参考人(守屋武昌君) お答えいたします。 日米防衛協力の指針においては、我が国に対する武力攻撃に際して整合の取れた行動を円滑かつ効果的に実施するための共同作戦計画の検討、それから周辺事態を円滑かつ効果的に対応するための相互協力計画についての検討、これを平素から行うと、こうなっているわけでございます。それで、現在、自衛隊及び米軍のみならず、日米両国政府その他の関係機関等の関与を得て構築された包括的なメカニズムの下におきましてこの二つの検討を、双方を実施しているものでございます。 それで、指針におきましては、日米両国政府は、共同作戦計画についての検討と相互協力計画についての検討の間の整合を図るように留意することによりまして、周辺事態が日本に対する武力攻撃に波及する可能性のある場合、それから、又は両者が同時に生起する場合に適切に対応し得るようにすることとされているところでありまして、現在、これを踏まえて計画検討作業を行っているということでございます。 この指針の下で行う共同作戦計画についての検討及び相互協力計画についての検討は、日米共通の計画を作成するというものではございません。その結果が日米両国政府の各々の計画に適切に反映することが期待されるという性格のものであるということを御理解いただきたいと思います。
○小泉親司君 ということは、この前の答弁とちょっと違うんですよ。防衛庁長官は、日本有事の共同作戦計画と周辺有事の相互協力計画が存在していると、もう既に九月に日米の制服組でサインアップしたというふうに言っているんですよ。話が違うじゃないですか、全然。これ答弁が全く違う。じゃ、どういうふうに違うんですか、防衛庁長官、自分で御説明ください。
○政府参考人(北原巖男君) 今、小泉先生の件でございますが、先般、私どもの大臣が御答弁申し上げましたその署名につきましては、要するに、今、防衛局長からお話し申し上げましたとおり、ガイドラインに基づきまして二つの計画のいわゆる検討作業、それの、それまでの作業の進捗の確認ということを申し上げたわけでございまして、そして、その進捗の確認は、この二つの計画検討作業併せて確認をしたと、そういう意味でございます。事実が変わっているわけではございません。
○小泉親司君 ということは、日本有事の共同作戦計画と周辺有事の相互協力計画という二つが九月に具体的にはサインアップされたんですね。
○政府参考人(北原巖男君) ちょっと繰り返しになりますが、まず、相互協力計画とそれから日本有事の共同作戦計画、お互いに計画という言葉はございますが、計画そのものが署名されたというものではございません。計画の検討作業についてのこれまでの進捗状況が署名されたというものでございます。 これはあくまでも、しかも、これは先般も大臣からも御答弁申し上げておりますように、両政府間でやっているわけではございません。確認されたと、作業の進捗が確認されたものではなくて、この包括メカニズムの下でこの二つの計画の検討作業を行うことになっております、いわゆるBPCレベルでの作業の進捗状況の確認というものでございます。
○小泉親司君 じゃ、その進捗状況のまとめというものは二つのことが含まれているんですか。
○政府参考人(北原巖男君) 確認をいたしましたのは、併せて確認をいたしております。
○小泉親司君 それはばらばらなものですか、それとも一つのタイトルによった一つの文書ですか。
○政府参考人(北原巖男君) 具体的な内容あるいは様式等につきましては御答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、先ほど来答弁いたしておりますが、ガイドラインでは二つの計画につきまして整合性を持って作業をしなさいというようになっているところで御賢察を賜りたいと思います。
○小泉親司君 いや、一つの文書に二つがあるのか、一つが全部まとまっているのか。 その点で私、最後にお聞きしたいのは、要するに、先ほどお話があったように、周辺事態の波及型といわゆる同時並立型、これは私の言葉で言っているんですが、周辺事態と日本有事の周辺事態波及型と同時並立型を作るようなことを言っていますが、それはどっちのものなのか、それから日本単独有事という日米共同作戦計画は存在するのか、そのことについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(北原巖男君) 今の御質問にお答え申し上げます。 今話題になっておりますこのガイドラインにおきましては、共同作戦計画についての検討、これは、我が国に対する武力攻撃に際して整合の取れた行動を円滑かつ効果的に実施し得るよう、種々の状況を想定いたしまして行われるものでございまして、先生御指摘の周辺事態が日本に対する武力攻撃に波及する可能性のある場合ですとか、あるいは両者が同時に生起する場合に適切に対応し得るようにするのみならず、これは当然のことでございますが、日本に対する武力攻撃が単独で生起するような場合にも適切に対応し得るようにすることとなっております。 ただ、繰り返しになりますが、これら作業の具体的内容につきましては、事柄の性質上、お答えを差し控えさせていただきたいことを御理解賜りたいと思います。
○小泉親司君 時間が参りましたので、終わります。
○田村秀昭君 外務大臣にせんだってウィーン条約の公館の不可侵に関して、その前に、本三条約については賛成でございますので、別のことについて聞かせていただきます。防衛庁長官は質問しませんので、どうぞお休みになってください。 公館の不可侵について、私は、これは国家主権の侵害という考え方から、国家主権というところから考え方が基本的に出発をして公館の不可侵というふうになっていると私は思っているんですが、外務大臣はそういうことはないと、法律的に言って、公館の機能を実施するためにあるので、国家主権とは全く無関係だというお答えでしたけれども、それでよろしゅうございますね。
○国務大臣(川口順子君) 結構でございます。
○田村秀昭君 そうすると、国家主権というような考え方は、公館の不可侵というウィーン条約のこういう制度に全く影響を及ぼしていないというふうに私は外務大臣は理解しているというふうに考えていいですか。
○国務大臣(川口順子君) ちょっと質問の意味がよく理解できていないかもしれませんけれども、この前申し上げましたように、そもそもその主権が何かということでいいますと、これは純粋に、まあ法理論的に申し上げると、主権というのはその国家が、自分の国の領域ですね、それは領土、領空、領海、ここにおいて有する、他の権力に従属することのない最高の統治権であるということでございます。国家の基本的地位を表す権利であるということでございます。 そして、ある国家が主権国家たる他国の領域内においてその他国の同意なくして公権力の行使と呼ばれるような行為を行うことは認められない。具体的に国の名前を当てはめてお考えいただければいいと思いますが、認められない。仮にそのような行為が同意なくして現実に行われれば、これは主権の侵害であるということになるわけでございます。 今回の事案がどういうことだったかといいますと、これは、中国の国内に存在をする我が国の総領事館の中で、総領事館において発生をしたということでございまして、この総領事館のある領域、ここには中国の領域主権が及んでいるわけです。中国の領域主権が及んでいるわけです。ただし、この総領事館は、領事関係に関するウィーン条約に規定をされていますように、これは三十一条ですけれども、専ら領事機関の活動のために使用されている部分については不可侵であるということになっているわけです。 したがいまして、今回の中国側の武装警察官の総領事館への立入りについては、国際法上は我が国の主権の侵害ではなくて、我が国はそこでは主権を持っていないわけですから、主権の侵害ではなくて、領事関係に関するウィーン条約で認められた領事機関の公館の不可侵に対する違反であると、そういうふうに考えられるべきであるということを申し上げているわけです。
○田村秀昭君 外務大臣の言っておられるのは法律的な解釈で言っておられると思うんですが、政治家たる外務大臣として法律的なことだけ言っておって本当の日中関係というものを正常にするということは僕は不可能だと思うんですよ。 例えば、すぐそこに米国大使館ありますね。あそこに合衆国国家の旗が立っていますね。あれはどういう意味だと思っているんですか。ただ旗が立っているというふうに理解されているのか、どういうことを意味しているのか、ちょっと外務大臣の見解をお聞きしたいと思います。外務省の見解じゃないよ、外務大臣の見解ですよ。
○国務大臣(川口順子君) このアメリカの大使館、この建物が、これがアメリカの大使館の建物であるということを表しているということであって、ここにアメリカは主権を持って存在をしているんだということを言っているわけではないと思っています。
○田村秀昭君 私は、アメリカの大使館にアメリカ合衆国の旗が立っているということは、あそこはアメリカの主権が及ぶところだということを言っているんだと私は思っているんです。だから、日本の警察官が、泥棒が入っていったときにずかずか入っていけないですね。入っていけますか。外務大臣の解釈だと入っていけることになるわけですよ。
○国務大臣(川口順子君) これは、入っていけないわけでして、正に、ウィーン条約二つございまして、先ほど申し上げた三十一条云々というのは領事に関係するウィーン条約でございますけれども、もう一つ、外交関係に関するウィーン条約というものがございまして、それの第二十二条によりますと、「使節団の公館は、不可侵とする。」というふうに書いてあります。したがいまして、入っていけないと、そういうことになるわけです。
○田村秀昭君 もう一度言ってくださいますか。もう一度、使節団の何ですか。
○国務大臣(川口順子君) これは、外交関係に関するウィーン条約というのがございます。今まで三十一条の関係でお話をしていたのは領事関係に関するウィーン条約、今申し上げているのは外交関係に関するウィーン条約、ここの二十二条で、ここに書いてございますのは、この二十二条の一項ですけれども、「使節団の公館は、不可侵とする。接受国の官吏は、使節団の長が同意した場合を除くほか、公館に立ち入ることができない。」というふうに書いてあるわけでございます。したがって、ずかずかと入っていくわけにはいかないと、そういうことでございます。
○田村秀昭君 外務大臣の御見解と私の見解が違いますので、改めてまたこの問題は取り上げたいと思いますので、今日はここで終わります。
○大田昌秀君 インターネットの普及に伴って、実演・レコード条約が想定するような著作隣接権侵害のケースというものが問題になるわけですが、これまでに著作隣接権の侵害というものがどれくらいあったのか、件数をお知らせください。
○政府参考人(佐々江賢一郎君) 突然の御質問で、ちょっと今手元に具体的な資料を持っておりませんので、調べてまた御連絡をいたしたいと思います。
○大田昌秀君 ユネスコ条約で対象となる文化財は国に登録された物件に限られていますが、盗掘品や個人のコレクションのような物件については流通を十分に阻止することができないと伺っておりますが、これらの物件についてどう対応されるおつもりですか。
○政府参考人(横田淳君) お諮りしておりますユネスコ条約、いわゆるユネスコ条約におきましては、輸入の規制の対象になる外国の文化財は、外国の博物館又はそれに類似する機関から盗取されたものに限るわけでございます。 個人のものはどうなるかという話でございますけれども、たまたま例えば個人のものが博物館に展示されていて、それがその国によって指定された文化財であればそれも輸入の対象になるわけですけれども、単に外国にある個人の家から盗まれた個人の所有に係る文化財であって指定されていないものであれば、この条約の対象にはならないわけでございます。 他方、この条約の担保措置といたしまして、このような指定された文化財が、取得した人、善意で取得した場合であっても、このような指定された文化財であったとすれば返還請求を十年まで認められるようになるわけでございますけれども、その措置の対象になることが考えられると思います。本条約との関係では、以上の点が言えると思います。
○大田昌秀君 文化財を保護するためには、ハーグ条約、それから今回問題になっておりますユネスコ条約、それから先ほどもお話がありましたUNIDROIT条約のこの三つの批准があって初めて十分だと思われるわけなんですが、政府はユネスコ条約の批准だけで文化財の保護というものはできるとお考えでしょうか。
○政府参考人(横田淳君) お答え申し上げます。 UNIDROIT条約及びハーグ条約に関しましては、まずUNIDROIT条約につきましては、対象となる文化財の範囲が必ずしも明確でないという点、それから返還請求を認めなければならない期間が盗取のときから五十年という非常に長い期間にわたっている点、問題があるというふうに考えておりますが、今後、締結できるかどうか検討していきたいと思います。 あえて申し上げれば、さらにUNIDROIT条約に関しましては、今の時点でまだ締約国は十五か国でしかないという点、さらにいわゆる先進国の中ではイタリアしか批准していない点というものも考慮の要素になるんではないかと思います。 さらに、ハーグ条約に関しましては、武力紛争の際に文化財を保護するためのものでございますけれども、文化財の集中する地域が軍事目標、例えば飛行場とか放送局とか交通幹線などから妥当な距離にあるという条件が満たされなければならないわけでございますけれども、本条約を締結した場合に、我が国におきましては例えば京都とか奈良とか、そういう地域を特別な保護下に置くということが我が国の利益になると思うわけでございますけれども、実際、考えてみた場合に、先ほど申し上げたような軍事目標から妥当な距離を置くことが可能かどうか、実際にはかなり実施には困難な問題が伴うんじゃないかと思います。 他方、本条約の締結についても、今後とも慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
○大田昌秀君 防衛庁にお伺いします。長官にお伺いします。 今回の情報公開請求者リスト作成の件ですね。これは組織ぐるみでなされていると報じられておりますが、もしそれが事実だとしますと情報公開制度の目的に真っ向から反するというふうに思います。行政機関の保有する情報公開に関する法の第一条は、国民主権の理念にのっとり、国民から開示請求があれば政府は説明し、国民の理解と批判の下に公正で民主的な行政を推進しなければならないと、その目的を明確にしているからです。 長官はこの点についてどのような御認識をお持ちですか。また、今回の件が現行法に照らして合法か否かという点について御説明ください。
○国務大臣(中谷元君) 一連のリストの件につきましては、これが報道されまして、本日まで一連のことにつきまして詳しく事実を把握をいたしておりました。その結果につきましては、本日午後、公表、発表をいたしたいと思いますが、先ほど委員からおっしゃられた情報公開制度の趣旨並びに情報機関の電算処理に関する個人情報保護の法律に基づいた観点からいかにあったのか、また組織的にも上司の指示の仕方、また現場の仕事の仕方、その報告の在り方等につきまして、事実に基づいた結果を公表いたしまして、それの評価をいたしたいと考えております。
○大田昌秀君 現行法に照らして合法か否かということは、まだ発表はできないでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 現在、この公表に向けまして最終的な詰めを行っている段階でございますので、この作業を終えて御報告をいたしたいと思います。
○大田昌秀君 外務大臣にお伺いいたします。 政府の核政策については幾つかの疑問点があります。一つは、事前協議制についてであります。事前協議というのは国是とまで言われておりますけれども、例えば原子力潜水艦とか、アメリカの艦艇が頻繁に日本の港に入ってまいりますけれども、これらは事前協議の対象になるのですか。これまで事前協議を適用されたケースは何件くらいあったでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 日米安保条約上、核兵器が持ち込まれる場合には、すべてこれは事前協議の対象となります。そして、核持込みの事前協議が行われる場合には、政府は常にこれを拒否をいたします。 米政府は我が国の立場、関心を最高レベルを含めて十二分に理解をいたしていまして、我が国政府として、核持込みの事前協議がない以上、核持込みがないことについて全く疑いを持っていないわけでございます。 そして、これまで事前協議が提起されたことがあったかという御質問については、これは全くございません。
○大田昌秀君 一九八一年のライシャワー発言から明らかなとおり、非核三原則の一つであります持込みについて日米政府間の間に解釈の違いがあると思われますが、現時点で日本政府側の持込み、すなわちイントロデュースについての解釈を確認させてください。外務大臣、どうぞ。
○国務大臣(川口順子君) このイントロデュースについてですけれども、これは通過ですとか寄港ですとか、そういったことが入るということです。
○大田昌秀君 アメリカ側は、持込みはあくまで陸上への配備、貯蔵を意味し、核搭載艦の寄港や通過、トランジットは事前協議に当たらないとして大平外相と密約を結んだということが明らかになっているわけなんですが、今のお話、つまり事前協議の対象というのは海上の艦船には当たらない、持込みというのは陸上の問題だということをアメリカ側、特にライシャワーが明らかにしたわけなんです。しかも、そのことは大平外相との間で了解済みだということがこれまでの記録で明らかになっているんですが、どうお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) 歴代の総理大臣、それから外務大臣が明確に述べていますように、これは政府としてはっきり申し上げていることですけれども、事前協議についてはいかなる密約もないということでございます。
○大田昌秀君 これまで事前協議が適用されたことは一度もないというお答えでしたけれども、そうしますと、過去に日本の港に入ってきた艦船とかというのは、すべて核を搭載していなかったということになるわけですか。
○国務大臣(川口順子君) アメリカ側が事前協議、アメリカ側からない以上、核持込みがないことについて全く疑いは有していないわけでございます。
○大田昌秀君 これは有事法制との絡みでも大変懸念される点ですが、アメリカ側が核はないと言えばそれをそのままうのみにするということになるわけですが、だとすれば、核抑止の問題とかいろいろ疑問点が出てきますが、それは差しおいて、せんだってもちょっとお伺いしましたけれども、外務大臣は若泉敬さんの「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」とか、あるいはキッシンジャーさんの「ホワイトハウス・イヤーズ」という本をお読みになったことがございますか。
○国務大臣(川口順子君) 残念ながら、まだ読む時間がございません。
○大田昌秀君 防衛庁長官にもお願いいたしますけれども、お忙しくてなかなかお読みになる時間がないと思いますけれども、これは非常に重大な核密約の問題でございますから、どうかスタッフからお聞きになるなり、それから外務大臣もスタッフからお聞きになるなりして、その中身について把握しておいていただきたいと思います。次の機会にその中身についてお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。 終わります。
○委員長(武見敬三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、矢野哲朗君が委員を辞任され、その補欠として加治屋義人君が選任されました。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、千九百六十七年七月十四日にストックホルムで署名された世界知的所有権機関を設立する条約第九条(3)の改正の受諾について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十八分散会