外交防衛委員会 第15号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2002/05/21
会議録
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 現在、本委員会に付託されている条約の審査のため、本日の委員会に総務省人事・恩給局長久山慎一君、総務省自治行政局長芳山達郎君、総務省情報通信政策局長高原耕三君、総務省総合通信基盤局国際部長内田幸一君、外務大臣官房長北島信一君、外務大臣官房審議官林景一君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長高橋恒一君、外務省アジア大洋州局長田中均君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省経済局長佐々江賢一郎君及び厚生労働大臣官房総括審議官長谷川真一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 国際電気通信衛星機構(インテルサット)に関する協定の改正の受諾について承認を求めるの件、国際労働基準の実施を促進するための三者の間の協議に関する条約(第百四十四号)の締結について承認を求めるの件及び世界保健機関憲章第二十四条及び第二十五条の改正の受諾について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。 三件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○齋藤勁君 おはようございます。民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。 条約の案件に入る前に、在瀋陽総領事館事件、いわゆる亡命者連行事件について幾つかお尋ねしたいと思います。 大臣、現在の、いわゆる人道上ということで、この五人の連行された方々、現状の我が国政府と中国政府、それぞれの折衝の状況、今、政府の現時点での考え方についてお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 我が国政府といたしましては、今、中国側と協議をいたしております。 基本的な考え方としては、これは国会でも今まで申し上げていますように、日中関係を大事に、冷静に毅然として人道上の問題、そして国際法上の問題、人道上の問題、国際法上の問題ですね、そういった点を議論をして早期に解決をしていくということでございます。特に、人道上の問題が最優先であるというふうに考えております。 今の時点でこれ以上のことにつきましては、協議中でございますので、お答えは控えさせていただければと思います。
○齋藤勁君 国際法上の問題については、また別途この時間の中でも質問させていただきますが、大臣、既に国連機関確認論も浮上ということで、我が国の、この五人の一刻も早く第三国への出国を最優先するということで折衝が続けていること、報道が出ているんじゃないですか。報道出ていることをここに、委員会に出してくださいよ、こういうふうに折衝していますということについて。
○国務大臣(川口順子君) 私どもの人道上の問題についての基本的な考え方は、何人も自分が望まないところに送られるということではない、迫害を受ける可能性のあるところに送られないということが大事だということでございます。 いろいろな報道はなされておりますけれども、私どもとしてはそういった観点から中国側と協議をしているということでございまして、報道が、ということでございまして、いい結果になるようにと思って今やっているわけでございます。
○齋藤勁君 政府では第三国出国を最優先に対応するということで合意して今進めているということでよろしいですか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、我々の立場は、何人であれいかなる場合においても自らが迫害を受けるおそれのある国、地域に送還されてはならないという、そういう要請が満たされることが大事だというふうに考えているわけです。
○齋藤勁君 安倍副長官いらっしゃいますが、安倍副長官、既に第三国出国を最優先に対応するということをもうコメントされていますよね。
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 私が申し上げたのは、ただいま川口外務大臣がおっしゃったとおりでございまして、この五人の方々の人権また人道上の観点をやはり第一に考えなければいけないということでございます。
○齋藤勁君 その第三国出国というのは、私、度々発言をしていますが、その場合日本側は柔軟対応、いわゆる住民の身元や出国意思の確認を国連難民高等弁務官事務所、UNHCRに任せるなど、国連機関による間接的な確認で済ませる案も浮上しているということですが、そういったことについても柔軟対応の中で検討されるということで、これも既に報じられていることですから、そういうことも柔軟に対応の中の一つの選択肢として入っていますというふうにお述べいただいてもいいんじゃないかと思うんですが、大臣、官房副長官、いかがでしょうか。
○政府参考人(田中均君) 基本的な考え方は今、大臣から、あるいは副長官からお述べになったとおりでございますが、人道上の要請を最優先するということは、やはり五名の人々の安全の問題、それから人道上の要請としてどういう形でどこに行きたいかというようなこと、こういうことというのはやっぱり相当きちんとした考え方に基づいて処理がされないといけないので、やはりいろんな国との関係もございますし、こういう点については中国側も種々考えをいまだ固めてはいないんだろうと思います。 これについては静かに話をしていきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。いろんな選択肢はあると思います。
○齋藤勁君 今、私が申し上げた点についても否定はされませんですね。
○政府参考人(田中均君) くれぐれもこの件は五人の人たちの人道上の要請を優先的に考えながら静かに話をしていきたいということでございます。いろんな選択肢があるということについてはもちろん否定はいたしませんけれども、それがどうだこうだというふうに今の段階で申し上げる状況にはございません。
○齋藤勁君 国際法上の観点ということがこの間衆議院本会議で、この瀋陽領事館問題での亡命者連行事件起きてから、国際法上、人道上、この二つ、冷静、正確かつ毅然というのは度々大臣も総理も言われていることだと思うんですが、この対中陳謝要求というのは言ってみればウィーン条約問題にかかわることだと思うんですけれども、この国際法上の問題というのは当面切り離していこうということに政府はもう一致をしていることなんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) まず最初に、この問題正に今協議をしていることでございますので、この協議の細かいことをここで、私が具体的なことをここで申し上げることによって協議自体に影響がある、影響を与える、その結果として、例えばあることが可能でなくなるといったようなことがあるといけませんので、そういう観点で、先ほど田中局長は静かにというふうに申しましたけれども、具体的なことについてコメントを差し控えさせていただきたいと思っているわけでございます。 その上で申し上げているのは、正に国際法上、人道上の観点から中国政府と協議をしているということでございまして、特に人道上の問題を最優先に考えたいと、そういうふうに申し上げているわけです。
○齋藤勁君 人道上というのは、静かにというのはいいんですが、これは我が国の在外公館で起きた事件で、大々的に報じられたことであり、そして国際法上、人道法上というのは一貫した政府の姿勢であり、今ここへ来て何か静かに静かに静かにと言うけれども、何か一貫していないですね、言っていることとやることと。このことについて私は改めてやり取りしたいと思いますが。 安倍副長官、お時間で、途中もう退席されるということですけれども、先日、報道で、我が党が現地調査団を急遽派遣いたしました、二名の衆議院議員。この二名の我が党の衆議院議員が現地調査団に行き、そして現地で幾つか判明したことについて現地でも対応し、そしてまた改めて明日も衆議院予算委員会で集中審議がある中でいろいろやり取りがあると思いますが、中国のために拡声機の役割をするのはどうかとか、総理が、何だ、民主党というのは何か自虐的なことを言っているじゃないかということを公の場で言っているんですが、もうこれは一体何だろうと、これは。政府の、総理大臣や政府の高官が言うべき発言では全く信じられない、考えられない。今もそう思っているんですか。
○内閣官房副長官(安倍晋三君) この事件につきましては、外務省が発表しております調査結果の根本的な論点につきましては、中国側の武装警察官の瀋陽総領事館への立入り及び関係者五名の連行については日本側が同意を与えたことの事実はないということでございます。 民主党の皆様が真実を、実態を調査されるために現地に赴かれたということでございまして、そのことにつきましては、昨日、官房長官が答弁で答えられておりますが、その調査結果を見た上でもなお、日本側が同意を与えていないとの主張は決して揺らぐものではなく、外務省調査結果の信頼性を失わさせることはないと、このように考えております。 いずれにいたしましても、今回の事件の事実関係をめぐって日中間には大きな見解の相違があるわけでございまして、我が国といたしましては、中国側に対し、今後とも毅然かつ冷静に、人道上、国際法上の問題点を指摘をするとともに、我が国の立場を堅持しつつ、中国側と協議をしながら問題の解決を目指していきたいと、このように考えております。
○齋藤勁君 副長官、あなた自身が発言したんですよ、報道で。我が調査団、我が党の調査団の発表に対して、中国のために拡声機の役割をするのはおかしいということ、批判されたんじゃないですか。あなた自身の言葉で、具体的に私は質問しているんですから、答えてくださいよ。
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 現在、中国側と極めて困難な交渉を我が国政府としては行っております。そして、何とかこの五人の人権を守りたい、そういう思いで頑張って、現地で頑張っているところでございます。 そういう中にありまして、民主党の皆様は実態を調査するということで現地に赴かれたわけでございますが、先方の主張をまたそのまま発表されるということによりまして、やはりこちら側の交渉力に大きな影響を与えるんではないかという、そういう思いで率直に私は述べたわけでございまして、それが皆様方大変お怒りであるとすれば、大変恐縮をいたしておる次第でございます。
○齋藤勁君 いや、基本的認識誤っていますよ。 副長官、外務省、外務大臣、すぐ行かせたのはあれでしょう、政府の外務省のお役人さんでしょう。これはやっぱり、普通はすぐ、これは政治、政治家がやっぱりしかるべき、中国に行って一緒になって解明するというのは明らかじゃないですか。今度、次から次へと、行ったって、我々の調査団が行ったら、事実が違うこと、次から次へと出てきているじゃないですか。外交というのは、当たり前のことじゃないですか、政府は政府、市民は市民、いろんな自治体も自治体もある、与党と野党が様々なカードで外交というのは積み上げていく、いつもおっしゃっているじゃないですか、外務省というのは。 我々野党の調査団が行って、それについて総理大臣が自虐的だとか、交渉のやり取りが人道上がおかしくなるからなんと言う、元々自分たちの調査があいまいだったから。すべてそうじゃないですか、この間。BSEの問題もそうだし、北方支援の問題もそうじゃないですか、支援委員会の問題でも。次から次へと全部違うことが出てくるじゃないですか。中身の問題を言っているんです、中身の問題を。 調査団の発表に対して、拡声機の役割を果たすなんて、許せませんよ、こんなの。撤回だ、撤回。
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 拡声機というのは小さな声を大きく伝えるという役割をするものでございますが、中国側の主張がその段階では外に出ていなかったわけでございますから、それを伝えたという意味で私は申し上げたというつもりでございます。 いずれにいたしましても、今こちら側は向こう側に対して主張をしているわけ、私どもの立場を主張しているわけでございますし、また向こう側の手にあるこの五人の何とか立場を守らなければいけないということで必死で先方と激しい交渉を行っている最中でございますから、そういう意味で私が申し上げたわけでございます。 市民間というふうにおっしゃったわけでございますが、中国側からこちら側にどなたか来られまして、武装警察官側に何か落ち度はあったでしょうかということを聞いてこられた方は残念ながら今のところ一人もおられないわけでございまして、そういう中で私どもも大変厳しい交渉をしているということでございまして、そういう意味で私の率直な感想を述べたということでございます。
○齋藤勁君 委員長、これ、全然否定していないですよ。撤回もしていないですよ。テレビ報道で、テレビ報道の結果がまた活字になって表れている。安倍副長官は、我が党の現地調査団の説明に対して、中国のために──何で我が国の国会議員が中国のためにですか。両国あるいは人道上の当たり前のことじゃないですか。そのことに対して、中国のために拡声機の役割をするのはおかしいなんというのは、我が国の民主党の国会議員、何と思っているんですか。撤回をしなければ、これはそんな普通、こんな国会なんか成り立たないですよ。 是非、外交防衛委員会、我が参議院外交防衛委員会で是非緊急に理事会で協議していただいて、安倍副長官のこの発言、撤回するように言ってくださいよ。
○委員長(武見敬三君) ただいまの件に関しましては、理事会で改めて検討させていただきます。(「今でしょう」と呼ぶ者あり)
○齋藤勁君 やってくださいよ。撤回してくださいよ。できないじゃないですか。(「今ちょっと、じゃやりましょう、理事会。今でしょう」と呼ぶ者あり)当たり前、こんな議論やっていて、あんな、国会の権威も甚だしいじゃないですか。今日は撤回すると思っていたんだけれども、ひど過ぎる。(「もう質問できないんでしょう」と呼ぶ者あり)聞いていたでしょう。できません。
○委員長(武見敬三君) 質問を止める、今、質問をここで止めて、直ちに理事会を開いてほしいということですか。 速記を止めてください。 〔午前十時十九分速記中止〕 〔午前十時四十三分速記開始〕
○委員長(武見敬三君) 速記を起こしてください。 それでは、安倍官房副長官より発言を求めます。
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 民主党が中国側だけではなくて様々なソースから今回の調査をされたということは承知をいたしております。 これを踏まえた上で、私の中国の拡声機という表現につきましては、適切さを欠いたということで撤回をさせていただきます。
○齋藤勁君 ただいまの御発言で、ともかく撤回されたということで受け止めさしていただきます。 幾つかまだこれはあるんですけれども、たしか私は昨日、安倍副長官をお呼びするよというときに、時間は先ほど言ったように聞いていましたので、安倍副長官、結構ですから。 委員長、引き続き、条約関係もありますので。 ただ、もう一つだけ、この瀋陽領事館をめぐる問題については、引き続き、人道上そして国際法上のというのは、これは私どもも別に野党であるからって何か見解が分かれるわけではないわけなんで、是非、外務省としての冷静かつ毅然とというのはもう言葉は度々度々繰り返されていますが、是非我が国の努力を、格段の努力を求めていきたいと思います。 外務大臣、鈴木宗男衆議院議員、これは圧倒的多数の国民が今なおまだ国会議員の職にあるのかということについて疑問と批判が起きているということは、これはもう御承知だと思うんですね。度々総理は、これは私も質問したこともありますし、多くの同僚議員も衆参でやっていますが、本人が考えることだ、本人が考えることだと言うんですけれども、これはまた別に譲るにしましても、神奈川県議会で与党の、神奈川県議会というのは自民党が与党、過半数を制しているんですけれども、自民党、私ども民主党も二十人近くおりますけれども、県議会の方で、鈴木宗男議員の辞職勧告のこの決議案が本会議でたしか今日、今日ですね、今日、あるいは明日可決をされるというふうに私は既に、非公式の議運委員会の話をしているのではなくて、公式の県議会の議運委員会で決定をしたということで、既に今日、地元の新聞にも報じられておりまして、中央紙も既に速報として出ているんではないかと思います。 全国の都道府県議会議員で鈴木宗男議員の辞職を求める決議案、二十二日です、二十二日の本会議提出することを決めたというふうになっておりますけれども、これは鈴木宗男議員のこの間の北方領土をめぐる支援委員会絡みの問題や様々な問題について疑惑が、引き続き国会でも解明をしなきゃならない部分もありますが、政治家としてのけじめを自ら決すべきだということで県議会のこの場で決議が出るということについて、大変私は深刻に受け止めなきゃならないというふうに思いますけれども、外務省として、究明してきた立場として、このことについて率直な考え方、感想をお聞き、いただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 私も、一人の国会議員の方が国会議員の職を辞されるかどうかということについては、その方がお決めになられることであると思います。神奈川県の県議会を始め、ほかの県でも同じような動きがあるというふうに今お話しになられましたけれども、それについて、それぞれの県議会でお考えになっていることでございましょうから、私としてそれについて何か申し上げる立場にはないと思います。
○齋藤勁君 外務大臣が国会議員であるかどうかということについては、今、私は別に問うつもりはないんですが、地方議会で、政治家としてのけじめは自ら決すべきだということで早期の議員辞職を求める決議を地方議会で行う。我が院の、我が国会の方は、衆議院で残念ながら、衆議院の議運委員会で委員長が職権で否決をするということになった。大変私はゆゆしき問題だというふうに思っていますので、このことについて是非、多くの同僚議員の中にも神奈川県議会の動きについて御指摘をし、やはり国会としてきちんとした対応を示さないと、大変な状況というのは、これからも不満が私はずっとうっせきした状況に行くということについて危惧をするとともに指摘をせざるを得ないというふうに思います。 大変前段長くなりましたけれども、次に、ILO百四十四号条約について一、二点お尋ねさしていただきたいと思います。 この条約批准について、既に衆議院外務委員会でもこの質疑が行われていますが、まず一点、我が党の金子議員がこの百四十四号条約の批准についてただした中で、外務大臣は、批准に時間が掛かったと、国内的にどのような措置を取ることが必要なのかをはっきりさせるために時間が必要で遅くなったと答弁をされておりますが、その具体的内容について明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(高橋恒一君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、本条約の締結が遅れましたのは幾つかの規定の解釈が不明確であったという事情があったためでございます。 具体的に申し上げますと、条約の第二条一に規定いたします効果的な協議を行うことを確保する手続がどの程度のものを求めているのか、さらには、第四条の二に規定いたします必要な研修として何が求められているのかといったようなことについての解釈が不明確であったということでございますが、こういう点につきまして、ILOが二〇〇〇年に作成、公表いたしました第百四十四号条約の解釈及び実施方法を示した総合調査によりまして解釈上の疑義が解消されたということで、今通常国会に提出した次第でございます。 もうちょっと具体的に申し上げさせていただきますと、効果的な協議ということにつきましては、政府が最終決定を下す前に労使の代表の方に意見を申し述べる機会を与えるということでいいということ、なおかつ、その協議を行う手続につきましては、いろいろな形態があるわけでございますけれども、委員会、懇談会等の開催や文書によるもの等、いろいろなものがあるわけでございますが、これにつきましては各締約国の国内慣行に従っていいと、そういうことでございます。 それから、必要な研修につきましては、協議手続への参加者がその意見を的確に形成し、また表明することができるように、ILOの活動に関する知識を得るための研修であるというふうな解釈が示されました。したがいまして、協議に参加する労使の代表者がまだILOの活動につきまして十分な知識、経験を有していない、そういう国に関してのみこの必要な研修というものが求められるということでございまして、我が国のような労使ともILOの活動について十分な知識、経験を有している方が協議に参加するという国につきましてはこの必要な研修というものは特に要求されないという解釈が出たということで、今回お諮りをしているという次第でございます。
○齋藤勁君 長く掛かった国内的措置の対応ですけれども、最終的に、今、事前にという場を設けるということであり、待ち望んでいました批准でございますので、引き続きしっかりとした対応をまた求めたいと思います。 さて、百四十四号批准、そのほか、百五号条約について、国家公務員の争議権が禁止されていることの関連、百十一号条約については、条約が禁止している広範な差別の禁止ということについて、これはいずれも国内法令上十分に担保されているかどうかについて問題があると答弁もされております。このことについても、外務大臣の言う問題点を具体的に明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(高橋恒一君) 委員御指摘のとおり、百五号条約それから第百十一号条約につきましては、いずれにつきましてもILOの重要な条約でございますけれども、我が国の国内法制との整合性という点につきまして更に検討する必要があるため、まだ締結するに至っていないわけでございます。 具体的には、第百五号条約に関しましては、国家公務員の争議行為に関しまして、を禁止した、それについての処罰がこの条約で要求されております強制労働の廃止に当たるような刑罰に当たるかどうかというようなことについての整理、それから、第百十一号条約に関しましては、大変広範な、人種、皮膚の色、性別、宗教、政治的意見等、大変広範な差別の事項が規定されておりまして、なおかつ、そのすべての差別を除去するために立法措置を取らなくちゃいけないということが要求されておりまして、我が国の現在の国内法制におきましてはこうした要求に直ちに応ずることができないということで、引き続き検討をする必要があるということでございます。
○齋藤勁君 概略分かりました。 それぞれの批准目標とかスケジュール、時期は設定されているんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(高橋恒一君) 現在検討しておりますので、具体的なスケジュールということについて今この場で申し上げることは困難でございますけれども、先ほど申し上げましたように、いずれの条約につきましても、ILOの基本条約、優先条約として指定されている大変重要なものでございますし、また政府といたしましても、この両条約の締結を求める国内世論につきましても認識いたしておりますので、この条約の締結につきましては真剣に検討してまいりたいというふうに考えております。
○齋藤勁君 ありがとうございました。 次に、インテルサットに関する協定の改正の受諾について承認を求めるの件について、若干関連をいたしまして、日本の通信衛星の現状と課題についてお尋ねをしたいと思います。 今、我が国のいわゆる通信衛星の打ち上げ状況について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(高原耕三君) 我が国の通信衛星のまず打ち上げの状況でございますが、実用衛星といたしましては、昭和五十八年から始まっておりまして、最近では本年三月に打ち上げられたものが一番新しいわけでございます。総数十九機、打ち上げられております。このうち、稼働中のものは現在十機でございまして、主に、主にといいますか、用途といたしましては、電気通信サービス及びCS放送に利用されておるという現状でございます。
○齋藤勁君 それは、今御説明あったのは、稼働中ということですか。ちょっともう一回、聞き漏らした点があったかも分かりませんが、稼働中の通信衛星の状況についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(高原耕三君) 打ち上げが十九機で、稼働中は十機でございます。
○齋藤勁君 どうですか、今後の課題というのは私たちはどういうふうに認識をしていけばいいのか。とりわけ、航空機とか船舶とか自動車、この移動体というのが非常に近年開発が目覚ましいと思うんですが、この移動体を対象とする通信を行う衛星通信の開発について、更に多額な、衛星というのは経費が掛かるというのはもうそれなりに承知をしているんですが、いわゆる低減策、この衛星プロジェクト経費の低減についての考え方についてお述べいただきたいと思います。
○政府参考人(高原耕三君) 移動体向けの通信衛星の主な研究開発課題といたしましては、その衛星端末のアンテナが非常に大きくなるという傾向がございます。この小型化を図るために、衛星本体の高度化というものが非常に大きな課題だと認識いたしておりまして、このため総務省では、大型展開アンテナとか高出力中継器を搭載する技術試験衛星Ⅷ型を文部科学省と連携をいたしまして平成十六年に打ち上げるべく、開発中でございます。 また、今お尋ねの衛星開発プロジェクト経費の低減策といったようなことでございます。この研究開発衛星と申しますのは、衛星の本体あるいは搭載機器に、今申し上げましたように、大型展開アンテナの開発とか宇宙実証など、高度な技術開発要素を有しております。また、一品生産でありまして、大量に生産できる実用衛星と比べまして、こういうような点からも割高となる傾向にございます。このために、開発項目を絞り込むとか地上試験を効率的に組み合わせるといったようなことによりまして、研究開発プロジェクト経費の低減に努めているところでございます。 いずれにいたしましても、衛星通信というのは、広域性あるいは対災害性に優れておるといったこと、あるいは国際競争上も非常に重要な分野であるといったようなことから、このプロジェクトの必要性はますます高くなってまいりますけれども、今申し上げましたように、今後ともこういう方法でプロジェクト経費の効率的使用に努めてまいりたいというふうに考えております。
○齋藤勁君 どうもありがとうございました。 さっきILOの関係で政労使三者協議のことを伺いましたが、さて、我が国には消防職員の、いわゆる消防署の職員の団結権というのが付与されていなくて今日に至っていますが、しかし、九六年に消防職員委員会が創設されて、それなりに全国の自治体の中でもこの労働基本権問題にかかわるということで、一つの到達点の中で今日に至っているというのは承知をしています。 ただ、この団結権の付与というのは、これは基本的に当然付与されてしかるべき実は権利であるというふうに思いますけれども、関係者間で協議をすることは否定をするものではないというのが総務省のこれまでの国会における答弁だと思いますが、もう既に、どうなんですか、団結権付与の時期に来ているのではないかというふうに思いますけれども、総務省、現状認識、今後の方向性について具体的にお述べいただきたいと思います。
○政府参考人(芳山達郎君) ただいま御指摘がありましたように、これまで消防職員の団結権問題、長年の関係者の課題でございまして、御指摘ありましたように、平成七年に消防職員の団結権問題について、消防職員委員会の創設ということで、団結権が認められないけれども、消防組織法改正の中で導入をするということで、関係者間の長年の議論について一応の結論が出たということで、政府としては消防職員委員会のこの制度が円滑に運用されて、また定着し成果を上げていくことが最も重要だという具合に考えております。 今御指摘ありましたが、そのときに当時の自治大臣から、今後の労働基本権の制約に関する国民のコンセンサスの推移に応じて、更には将来における関係者間で議論されることまで否定されるものではないという考え方が示されております。現在でもこの考え方は変わっておりませんけれども、七年十月に消防職員委員会を導入する消防組織法の改正を行われてからまだ数年しか経過をしておりませんし、労働基本権の制約に対する国民のコンセンサスが変わったと考えることができないとまだ思っております。 そういうことで、いずれにしましても、先ほど申しましたように、この消防職員委員会制度が活性化し充実するように、定着するように努力をしてまいりたいという具合に考えております。
○齋藤勁君 現段階でそういった答弁でしか出ないだろうなということは認識しつつも、この消防委員会、職場委員会ができる前が長いんですよ、言ってみればね。ですから、これは労働問題で言いますと非常にあれですよ、後進国ですよ、日本は。そのことを指摘をせざるを得ません。 あと一点だけ質問させていただきまして、私の質問を終わります。 先ほどちょっと瀋陽の領事館問題で、一点私質問漏らしたんですけれども、外務大臣、報道を見ますと、アメリカの上院で難民問題を扱う司法委員会の出入国管理小委員会、この小委員会で在瀋陽日本総領事館侵入連行事件をめぐる公聴会を近く開く方向で検討に入ったということを聞きました。当然、この公聴会が開かれれば、我が国政府の対応も議題対象になるということが十分考えられると思います。 このことに対し、日本政府の姿勢や対応など、今準備をされていますか。このことをお尋ねして私の質問の最後の項目にします。
○国務大臣(川口順子君) 私は、報道にあった公聴会の開催が、今の時点で決定されたというふうには聞いておりません。米国の議会が今後どういうような動きをするかについては注視をしていきたいと考えています。 いずれにいたしましても、国際社会がこの件について人道的な観点から関心を持っていくということは重要であると思います。
○齋藤勁君 大臣、さっき、もうお帰りになったから、帰ったから言うんじゃないんですけれども、さっきの件はそれで撤回されたので決着付けますが、撤回されたので大臣ほっとされていませんか。大臣の率直なコメント、先ほどのやり取りについて。
○国務大臣(川口順子君) コメントは控えさせていただきたいと思います。
○齋藤勁君 終わります。
○吉岡吉典君 法案は全体賛成ですので、私はILO条約関連の法案に絞って幾つかお伺いします。大臣にお伺いします。 この条約、昭和三十一年ですか、五十一年ですか、の条約、二十五年掛かってやっと批准が提案された。その理由は先ほど説明がありましたので繰り返しませんが、どんな理由を付けましても、今の、二十五年も掛からなければ解釈ができなかったというのはやはり私は腑に落ちないんですね。やはり、二十五年間、今説明聞けばそんな大対立があるようなものでもないし、やはり少し時間が掛かり過ぎたという気持ちはないかどうか、まず大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) 様々な事情はあっただろうというふうには思いますけれども、二十五年が長かったか短かったかというふうに言えば、それは短くはなかったんだろうと思います。
○吉岡吉典君 私はこういう問題はやっぱり率直にはっきりさせた方がいいと思います。私、こういうことを言いますのは、私、社会労働政策委員会にいてこの問題も取り扱ったことございますから、その時代に考えたことも含めて申し上げますけれども、やはり日本はILOが創設された当時から消極的だったと、ILOに、そう思っております。 それは、ILOが創立された当時の日本政府のいろんな文書、僕は手に入る限りのものを読みましたけれども、本音はILOに入りたくなかった、だけれども連合国から孤立を避けるためにはやはり入らないとまずいということで入ったのが実際の経過だったと思うんです。そういう歴史的な経過がその後のILOに対する態度の中にいろいろな尾を引いているという感じを私は受けております。そういうことがこの条約を遅らせた原因になっているかどうか別として、そういう感じを持ってみると、やはり遅れ過ぎだというふうに言わざるを得ないんです。 実は、私は昨年の六月五日、この委員会でもILO関係の審議のときに質問しまして、当時の外務大臣、また当時の厚生労働省からはっきりした答弁を得ることができませんでしたので、同じ質問をもう一度させていただきます。 それは、一九一九年のILO第一回総会で採択された第一号条約について、日本は批准していない国ということになっているわけです。このILO第一号条約が採択されるに至る過程で、日本は日本の実情に合わないということで例外規定を設け、修正案を出して、当時の第一回総会ではかなり長い時間を掛けてその日本の修正要求、例外規定を設けるということが論議され、当時既に日本は主要工業八か国の一つになっていました。そういう国に例外認めるわけにはいかないという強い意見もありましたが、しかしともかくその例外規定を設けて、日本に猶予期間を与えるということで日本も賛成して成立しました。 そのとき日本代表は、日本に対する規定は単に経過規定として定義されたもので、永久にかくのごとき特殊待遇を要求するものにあらずという発言もして、その修正というのは過渡的なものだと。論議の中では、外国からは二年以内に例外規定を除いて日本もILO第一号条約を実行せよというような意見も出ております。しかし、ともかくそういう中で修正が行われて日本も賛成した。 同じ修正を求めた国でも、インドの場合は批准しております。ところが、日本は八十何年たっても批准しないで、もう今から批准ということはありませんと、私は労働省から説明を聞きました。 こういう、物すごい時間掛けて論議しています、当時の記録を読んでみると、日本の修正案が。さんざん論議させ、そして反対を何とかねじ伏せて修正させておいて、批准もしないまま今日に至っているという、これは理由を私は聞くわけじゃありませんが、そういう状態というのはやっぱり国際関係において私はまずいと思うんです。それはよくある当たり前なことだというお考えなのか、それとも、そういう状況というのはまずいことだというふうにお考えになるか。 この前、去年のやり取り、厚生労働省とかなりやり取りしましたので、最初、厚生労働省にお答え願いたいと思います。
○政府参考人(長谷川真一君) ILO第一号条約についての御質問でございます。 我が国政府は、第一号条約を含めまして、ILO条約の審議に当たりましては、途上国も含めできるだけ多くの国が批准可能なものにするようにという考え方に基づいて審議に臨み、必要に応じて修正案等も出しておるところでございます。また、国際労働基準として普遍性があり、かつその趣旨に賛同できる条約でありますと、その採択に当たりましては賛成してきたところでございます。 第一号条約も賛成したわけでございますが、採択に賛成した条約でありましても、その批准に当たりましては、国内法制との整合性や労使からの希望、あるいは社会情勢の変化等も考慮する必要があると考えておりまして、我が国はより普遍的な条約を作るという立場で審議に参加をしたわけでございまして、日本が賛成したILO条約につきまして、できるだけ批准を促進したいというのは我々の考え方でありますけれども、ILO条約、批准していないことが国際的な意味での信義に反するということは考えておりません。
○吉岡吉典君 今の説明は違うんです、事実と。私はここに速記録も持ってきています、第一回総会の。日本は発展途上国がそろって賛成できるような条約にするためにというようなことは言っておりません。いい加減なことは言わないでください。私、これ全部読んでいますから。また、外交史料館にある当時の資料も全部読んでおります。そんなこと言っていません。日本の実情に合わないということを繰り返し言っているだけで、そんなことじゃない。要するに日本は、世界の主要工業国の八か国だということを片方では誇りにしながら、このILO条約に関しての論議では日本は後進国のような要求を突き付けて、それで修正させたんです。修正提案理由だってそんなことを言っていませんよ。そういう説明はよくないですね。 外務大臣──いいです、あなたは。外務大臣、やはり修正させて成立した条約、これはやはり批准した方が国際関係、外交関係で私はいい、当たり前だと思うんですけれども、どうお考えになりますか。
○国務大臣(川口順子君) 条約の交渉を国際的な場でしていくときに、我が国の主張がその条約の中に盛り込まれるように政府として努力をするということは当然のことであると思います。それがなければ、我が国として締結をすることが可能とならないということになるからです。 それで、それでは、その主張が盛り込まれたという場合に、その後、それに入らないということがその信義に照らしてもとるということになるかどうかということですけれども、締結、その条約の交渉をしたときに我が国の主張が受け入れられたという条約であっても、その後検討をした結果、やはりこれは締結できない条約であるという判断に立ち至ることということはあり得ると考えます。その場合には、その条約は締結できないということになるわけでございます。このことは、じゃ、信義にもとるかというと、それはそういうことでもないと私は考えております。
○吉岡吉典君 外務大臣の考え、分かりました。 日本政府はILO第一回総会で、先ほども引用しましたように、経過規定でさえないんだと、もうすぐに整えて加盟するんだということも発言しましたけれども、国際会議を日本政府代表はやっぱり誤った発言でこの修正を受け入れさせたと思います。そういう態度が実は国益を損なった、そして、この第一回総会の後、長い間、日本は国際的にILO条約や勧告を無視するソーシャルダンピングの有力国だという強い非難を受け続けてきた。これはこういうわけで、やはりILO総会でそういう態度を取り、その後、そういう態度を取ったことが日本の利益を大きく損なった、そういう歴史を経ているわけです。 そういう歴史を経て、それで一般論として、それは締約した条約が批准できない場合があることは、それは私も条約について幾らか調べているつもりですからあれですけれども、しかしこの条約、とにかく物すごい論議をやっているんですよ。そういうのは、私はやはり日本政府としての態度としては、このILO条約、第一号条約に関してはそういう態度を取らない方がいいと私は思います。 もう一度、外務省、国際局長ですか、答弁願います。
○政府参考人(高橋恒一君) この第一号条約に関しましての交渉の経緯等につきましては、何せこれは一九一九年の、もうベルサイユ条約、第一次大戦が終わった直後の交渉でございます。が、我が国といたしましては、当時の我が国の関連の国内法の規定に基づきまして、やはり受け入れられるという観点から、政労使とも賛成できる、そういうものでなければ参加できないということで、やはり我が国の事情に合ったものにするということで、特殊国条項的なもので交渉したというのは御指摘のとおりだろうというふうに私は考えます。 しかしながら、その後、条約がなぜ締結できなかったのかということにつきましては、私どもも、御指摘がございますのでいろいろ調べたのでございますが、外交文書として残ってはおりませんので、当時、直ちになぜ締結できなかったかということは、現在御説明できる材料は十分持っておらないわけですが、やはり先ほど一般論として大臣が申し上げたように、やはりもう一度国内で再検討した結果、いろいろと問題があったということではないかというふうに類推をする次第でございます。
○吉岡吉典君 そういう態度というのが、いろんな形で現れていると私は思っておるわけです。その一つは、労働省がまとめているILO条約・勧告集というのの序文の中で、このILOの条約あるいは勧告というものについては、批准しない限り、何ら拘束力を持たないんだという序文が付いております。 その序文については、私は労働・社会政策委員会にいるときに、これは不正確じゃないかと。例えばこのILO協会の出している講座ILOを見ましても、ILO条約に加盟した国、ILOに加盟した国というのは、まず批准に全力を挙げなくちゃならない責任を有すると、また批准しなくても、ILO条約というのは通常の条約と違って、様々の責任や義務を伴うということが詳しく書かれている。 私もその条約は読みましたけれども、そういうことを書いて、ILO条約は批准しなければ何ら拘束力を持たないものだという記述は、これは私は間違いだと思って、当時労働省のいろんな幹部といろいろ意見交換して、それはやっぱり十分正確な叙述になっていないと。これは、版を改める場合には、やっぱり正確を期す必要があるというお話もお聞きしました。しかし、それにしても七版、七版版を重ねて、今の人がごらんになって不正確だというものが出て、要するに、批准しなきゃ何の拘束力もないんだという解説付きのILO条約集を発行し続けていたということなんですね。 今の時点で、私がかつて労働省の幹部から説明を受けたそういう考えでおられるのか、やっぱり文書どおりということなのかお伺いします。これは労働省の文書ですから、労働省の方から説明をお願いします。
○政府参考人(長谷川真一君) 旧労働省編のILO条約・勧告集についての御質問でございます。 ILO条約、勧告につきまして、批准しない場合でも様々な加盟国における義務があるというのは御指摘のとおりでございます。ILO憲章の中にも、総会の会期の終了後、原則として一年以内に、ILO総会で採択された条約、勧告につきましては、権限のある機関、我が国の場合は国会でございますが、国会に提出するようにとか、あるいは条約で取り扱われている事項に関する自国の法律や慣行の状況について、ILO理事会が要請した場合には、適当な間隔を置いてILO事務局長に報告せよとか、そういった義務が加盟国に課せられているわけでございます。 御指摘のILO条約・勧告集の序文の記述につきましては、批准した場合に国際法上の拘束力が生ずることとなると一般的な原則を記載したものでありますが、先生御指摘のとおり、先ほど御説明しましたILO憲章上の義務等につきましては記載されておりませんので、今後、条約・勧告集の改訂の機会に適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○吉岡吉典君 今のは、私がかつて労働省の幹部に聞いたことを再確認して、次の版で正確を期すということですから、そのようにお願いしたいと思います。 なお、私、さっきも言いましたけれども、批准しなくてもいろいろな義務、責任が伴うだけでなく、このILO協会の本では、そもそも加盟国というのはILO憲章の前文とかフィラデルフィア宣言を受け入れて加盟したんだから、したがってその目的を実現するための条約の批准に向けて絶えざる努力を行わなければならないということも指摘されているわけで、批准の努力、そして批准ができなくても、なお責任を伴うというように私も思います。 そこで、日本の──時間が来ましたか。二十三、時間ですね。それじゃ、時間ですからここで止めます。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、桜井新君が委員を辞任され、その補欠として荒井正吾君が選任されました。 ─────────────
○大田昌秀君 社民党の大田でございますが、条約についてお伺いする前に、まず一点だけ安倍官房副長官に確認させていただきたいと思います。 六月二日付のサンデー毎日に、官房副長官と田原総一朗氏が、五月十三日、早稲田大学での対談記事が載っていますが、お読みになりましたでしょうか。これはオフレコの話が報じられたとのことですが、記事の内容は正確だとお考えですか。もし違っている点があれば、どの点が違っているか御説明ください。どうぞお願いします。
○内閣官房副長官(安倍晋三君) まだ私、その週刊誌自体は見ておりませんので、詳細については分からないわけでございますが、概要については、長い私の講演でございましたから、その一部だけを取り上げているところもあるなという感じでございます。
○大田昌秀君 お二人の対談で、我が国の核兵器政策について極めて重要な問題が含まれておりますので、改めて確認させていただきます。 記事によりますと次のように出ております。田原氏が「有事法制ができても、北朝鮮のミサイル基地は攻撃できないでしょう。これは撃っちゃいけないんでしょう、先制攻撃だから」と発言されたのに対し、官房副長官はこう答えています。「いやいや、違うんです。先制攻撃はしませんよ。しかし、先制攻撃を完全に否定はしていないのですけども、要するに、「攻撃に着手したのは攻撃」と見なすんです。撃ちますよという時には、一応ここで攻撃を、「座して死を待つべきではない」といってですね、この基地をたたくことはできるんです。」と述べておられます。 続いて、田原氏が「じゃあ、日本は大陸間弾道弾を作ってもいい」と聞いたところ、副長官は、「大陸間弾道弾はですね、憲法上は問題ではない」と答え、さらにその後の方で、「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。」と述べておられるわけです。 さらに、「日本は非核三原則がありますからやりませんけども、戦術核を使うということは昭和三十五年の岸総理答弁で「違憲ではない」」ということが記録されておりますけれども、これは間違いないでしょうか。
○内閣官房副長官(安倍晋三君) 私が講演で述べましたのは政策論ではなくて、政策論につきましては、非核三原則について、これは当然政策の選択肢から排除されているわけでございまして、憲法解釈また法律論について学生の前で講義をしたということでございます。 そういう状況の中で話したことでございますが、私が述べましたことは従来の政府解釈を紹介したものでございまして、すなわち我が国が自衛のための必要最小限度を超えない実力を保持することは憲法第九条二項によっても禁止をされていない。したがって、そのような限度の範囲内にとどまるものである限り、核兵器であると通常兵器であるとを問わず、これを保有することは憲法の禁ずるところではないとの解釈を政府が取ってきているという、その政府解釈を私は紹介をしたということでございます。 もちろん、それと同時に、先ほど申し上げましたように、憲法解釈とは別に、政府としては、唯一の被爆国としての立場からも政策として非核三原則を堅持をしております。これは、我が国が主体的意思に基づき、我が国においては核兵器の存在を許さないことを内容とするものでございまして、したがって一切の核兵器を保有しないことはもとより、核兵器を作らず、持ち込まず、持ち込ませずとの原則については、これを内外に言明し堅持をしている、またこれからも堅持をしていくということでございます。
○大田昌秀君 法律論としてお話しされたということですが、安倍官房副長官の釈明文みたいなのが載っておりますけれども、その中で、「(岸答弁は)戦術核の「使用」ではなく「保有」の間違いかもしれない。「保有」か「使用」かについては調べる。ただ、「保有」と「使用」は、ほとんどイコールでしょう。」ということが載っておりますけれども、こうなりますと極めて重大な問題だと思います。 岸さんのころの議事録を見ますと、「核兵器と名がつけば、いかなるものも、自衛隊の自衛力としては持ち得ないのだ、憲法上核兵器は一切禁止されているのだと解釈すべき根拠はないと思います。」ということは言っておりまして、しかしそこでは、「憲法の解釈としては、核兵器と名前がつけば、今後どういうものが発達してくるかもしれないけれども、いかなるものも持てないのだ、こういうようなものは憲法違反なんだという解釈はとらない」ということも言っておりますが、ここで明らかに保有の問題について言っておられると思いますが、使用と保有というのがほとんどイコールということになりますとちょっと問題じゃないかと思うんですが。
○内閣官房副長官(安倍晋三君) そういうことは私は講演では述べていないわけでございまして、記者とのやり取りでございますが、その記者とのやり取りについては私は正確ではない、こういうふうに思うわけでございまして、私がそこで保有というふうに言おうと思って、もしかしたら使ったという表現をしたかもしれませんが、岸総理の昭和三十五年の答弁は核武装という言い方をしているわけでございまして、しかしその後、昭和五十三年あるいは五十七年の法制局の見解は先ほどに述べたとおりでございまして、保有ということでございまして、私の認識も保有ということでございますが、そのとき、言葉ではそういうことになったということでございます。若干、その保有と使用というのはやや神学論争めくわけでございますが、政府の答弁としては保有ということで、正確に申し上げればそういうことでございまして、私の認識もそうでございますが、ただ、講演のときにはもしかしたら使ったという表現はしましたけれども、それは保有という意味で言ったまでだということでございます。
○大田昌秀君 今日は時間がございませんので、いずれまたお伺いしたいと思いますので、どうかひとつ、この核兵器問題については政府の統一見解を御準備していただきたいと思います。どうも官房長官、わざわざありがとうございました。副長官、ありがとうございました。 それでは次に、条約の問題についてお伺いします。 インテルサット協定の改正条約について外務省の方にまずお願いいたします。インテルサットがサービス事業を民営化して効率性を高めていこうということは極めて結構なことだと思いますが、我が国は従来インテルサットをどのように利用してこられたのか、その果たしている役割についてお伺いします。──ごめんなさい、総務省ですね。
○政府参考人(内田幸一君) インテルサットは、世界のすべての地域に対して電気通信業務を提供することを目的として一九六四年に設立されまして、これまで国際公衆サービスや国際映像伝送サービス等、衛星を使用したサービスの提供を行ってきております。 この間、一九七〇年代まで全世界的に固定地間衛星通信網を構築し、サービスを提供していたのは政府間機関であるインテルサットのみでありましたが、一九八〇年代に入り、世界的な通信自由化の流れの中で独自の衛星を使用したグローバルなサービス提供を行う民間企業の参入等により、近年のインテルサットに対する需要は世界全体で見ればほぼ横ばいで推移しております。 こうした状況におきまして、激変する国際電気通信市場に迅速に対応するため、政府間機関であるインテルサットを民営化することとしたものでありまして、これによりまして今後一層経営効率の向上を図り、その有する衛星資源を有効に活用して、よりよいサービスの提供が行われることを期待しているところであります。
○大田昌秀君 昨年六月二十七日付の毎日新聞の報道によりますと、EUのECHELON調査委員会で証言したニュージーランドのECHELON研究家のニッキー・ハガー氏が、アメリカはECHELONを使ってオセアニア地域の日本の在外公館の外交電文を傍受しているとその実態を明らかにしたと報じています。この報道について外務省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(北島信一君) ECHELONにつきましては、欧州議会での動きや、今、委員が指摘されましたいろいろな報道、そういったものがあることは承知しております。その事実関係については、他方、把握しておりません。 いずれにせよ、我が国として本件の関連情報収集には引き続き努めてまいりたいというふうに思っております。
○大田昌秀君 ECHELONのような国際的な盗聴システムに我が国が加担するとすれば国際的な信用問題にかかわってくると思いますが、防衛庁にお伺いいたします。 青森県の米軍三沢基地にはゴルフボール状の大きい白いドームが十数個並んでいて、これがECHELONの受信施設と報じられておりますが、事実関係はどうなっておりますでしょうか。
○副長官(萩山教嚴君) 米軍三沢飛行場は日米地位協定第二条によってアメリカに提供いたしております。その中で通信施設が使用されていることを承知いたしております。 だけれども、ECHELONなるものについては、通信傍受されているのかどうかということですね、我が防衛庁といたしましては、その事実関係を把握しておりません。いわゆる知らないということです。よろしくお願いします。
○委員長(武見敬三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、国際電気通信衛星機構(インテルサット)に関する協定の改正の受諾について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、国際労働基準の実施を促進するための三者の間の協議に関する条約(第百四十四号)の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、世界保健機関憲章第二十四条及び第二十五条の改正の受諾について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会をいたします。 午前十一時三十六分散会