外交防衛委員会 第11号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/04/25
会議録
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、加治屋義人君及び桜井新君が委員を辞任され、その補欠として山下善彦君及び小斉平敏文君が選任されました。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官村田保史君、内閣官房内閣情報調査室内閣衛星情報センター管理部長山内千里君、内閣法制局第一部長阪田雅裕君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、防衛施設庁長官嶋口武彦君、外務大臣官房長北島信一君、外務大臣官房審議官原田親仁君、外務大臣官房領事移住部長小野正昭君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省経済協力局長西田恒夫君、文部科学省研究開発局長今村努君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長迎陽一君及び国土交通省航空局長深谷憲一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本一太君 川口外務大臣にまず一言申し上げたいと思います。 大臣、私は、毎週地元に帰ると地域の後援会の会合をやりまして、そこでポケット世論調査というのをやっております。川口外務大臣が誕生したときにもやりましたが、先週末に調査をしたときには支持率が明らかに二割ぐらい上がっておりまして、今外務省改革等で本当にお忙しく、なかなか本当の外交の方に力を注げないといういろんなフラストレーションあるかもしれませんが、国民の期待は確実に高まっておりますので、是非それを励みに頑張っていただきたいと思います。 私に与えられた時間は十五分程度ということもありまして、外務省改革に焦点を絞って、外務大臣に一、二問御質問させていただきたいと思っております。 外務省改革については、大臣御自身が開かれた外務省のための十の改革という方針をたしか二月に出されて、それに基づいて外務大臣の私的な諮問会議である変える会の活動がスタートしております。たしか十四人の有識者がこの外務省改革について二週間に一度ぐらいのペースでかなり活発に議論を重ねてきたということを伺っておりますし、五月の連休後に中間報告を出して七月には最終報告をまとめたいと、こういう状況にあるというふうにも伺っております。 さらに、与党自由民主党の方でも外交部会の下に外務省改革小委員会というのを作りまして、茂木敏充委員長を中心に、十人の小委員会のメンバーが議論を重ねてまいりました。私もそのメンバーの一人で、先ごろこの外務省改革の提言をまとめ、一昨日だったと思いますけれども、外務大臣の方に御報告をさせていただいたということで、国会対策で参加できなかったことを大変残念に思っております。 私は、外務省改革にはこれはもう様々な分野、様々な切り口があると思っておりますが、人事の問題、お金の問題、組織の問題、政策決定プロセスの問題、あるいは問題になった北方領土に対する支援、支援委員会の問題等々あるわけなんですけれども、今日は人事改革について、特に大使の人事に絞って御見解を伺いたいと思っております。 この変える会の議論でも、与党の外務省改革小委員会の議論でも、あるいは川口大臣が自ら提案をされた十の改革でも、一つ人事の面で共通する認識は、大使を含む、主要国の大使を含む外務省の幹部ポスト、これは本省であっても大使館であってもそうなんですけれども、これについては広く各界から有能な人材を起用すると、この点についてはこの三つのいわゆる組織の議論というものはほとんど一致しているというふうに思っております。 これに基づいて、先般、猪口邦子上智大学教授がジュネーブの軍縮代表部大使でしょうか、に御就任をされたということで、これは極めて的確な人事だというふうに考えておりますが、私は、この大使人事のことについて誤解をしてはいけない点が二つあるというふうに思っております。 釈迦に説法だということを覚悟の上で申し上げますが、一つは、大使、日本の国益を代表する、その国と外交交渉する大使を広く各界から求めるということの一義的な目的は、プロの外交官の大使の数を減らすということではなくて、あくまでも二十一世紀のグローバル社会において日本の国益を受けて活躍をできる人材を広く登用する、つまり有能な大使を作るということに置かれているということが一つだと思うんですね。それからもう一つは、健全な自由競争を導入するということがこの人事政策の基本であって、外務省の中にも、中にはやる気もあって能力もあるプロの外交官がいるわけであって、こういう人たちが民間の候補者と一緒にこの主要国の大使ポストに対する健全なる自由競争に参加する機会は奪ってはいけないということ。 この二点はどうしてももう一度しっかりと原点に戻って考えなければいけないと思っているんですが、もうちょっと直接的に言いますと、大使の人事というものは、百何十か国あるうちの大使のうち、三割か四割は外から登用しろという意見もありまして、これは外務省の意識改革を果たすという意味では私は一つの意味のあるクオータだとは思いますが、しかし数合わせで不適切な能力のない人材を選ばないと、こういうことだけは是非大臣の、もう十分御認識をされていると思いますが、頭にしっかりと入れておいていただきたいと思っております。 これから恐らく各界の人選を政府として進めていくということになると思います。経済界、言論界、官界、政界、経済人、ジャーナリスト、それから恐らく他省庁の官僚OBとか学者、有識者、政治家OBとか、そういう方々を恐らく当たっていかれるんだと思いますが、しっかりとした基準を持って選定をしていただき、しかもなぜこの人がこの国の大使になったのかということはしっかりと国民に説明できると、そういうプロセスでこの大使の人選をしていっていただきたいと思いますが、まず今の私のコメントについて、この大使の人事ということについて川口大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) まず、委員のおっしゃった点について触れる前に、外務省の改革について自民党を始めいろいろな方が御関心をお持ちいただいて、一般の国民の方からもお手紙をいただきますけれども、そういった御関心を持っていただく中で改革を進めることができるというのは、私としては大変に有り難いことだと思っております。 それで、大使の外部からの人材について委員がおっしゃったことは、私は全く一〇〇%、一二〇%賛成でございまして、自由競争があって、外務省の持つ人材のプール、それから外務省の外の人材のプール、その中から正に適材である人を適所に、適材を選んで適所に配置をするということが大事でございまして、その過程で自由競争が起こり、競争の過程で更に全体の質が上がるということは非常にいいことだと思っております。 それから、透明性という意味でおっしゃったことも賛成でして、そのようにいろいろなところから適材を登用するときにどういう基準で選んだか、どういう過程でその人選が決まったかということを透明に御説明をしていくということは、またこれも大事なことだと思っております。
○山本一太君 これも本当に釈迦に説法ではあるんですけれども、大使というのは日本の国益を代表する人物、すなわちその国においては日本のイメージそのものと言ってもいいような重要な役目を果たすというポストだというふうに認識をしておりますし、場合によっては極めてぎりぎりの外交交渉をいろんなせめぎ合いの中でやっていかなければならないということで、私は、大使にはいろいろな条件、資格というものが必要だと思っております。 ちょっと突貫工事ですが、私の考える大使の条件ということで、一太の五原則というのを作ってまいりました。ちょっと突貫工事で作ったんですけれども、これも当然のことと思われるかもしれませんが、中にはこういう条件に合わない大使も散見をされますので、あえて申し上げさせていただきたいと思うんですけれども。 まず、この五原則の最初、語学力。これはもう言わずもがなであるというふうに考えております。これは、民間から選ぼうが官僚OBから選ぼうが政治家のOBから選ぼうが、少なくとも英語については自由自在にコミュニケーションできるレベルでなくてはいけないと。できればその国の言葉ももちろんできた方がいい。言葉というのは文化そのものだと思いますし、大使が英語あるいは外国語を使ってその国の政府と直接交渉できないという状況では、とても日本の国益を守ることはできないというふうに思っております。 語学力についてもレベルというものがありまして、これは外務大臣が自ら面接をされたらいいと思うんですが、川口大臣ぐらいできればモア・ザン・イナフで一二〇%だと思いますけれども、私程度の語学力ではとても大使は務まらないと思っています。 私は外務政務次官をやったときに、オルブライト長官とかシン外務大臣とか唐家セン外務大臣とか、全部直接英語でやらしていただきましたが、そのとき分かったことは、私が交渉できるレベルというのは議論できる最低レベルの英語でございまして、私程度の英語力の方ではとても大使にはなれない。つまり、私より英語のできない人が大使になるなんということはゆめゆめないだろうなということで、ここに語学力ということを書かせていただきました。そのぐらい大使というものは重要な厳しいポストであると思います。 二つ目の発信力というのはどういうことかといいますと、これは恐らく、むしろ業績といいますか、これからの外交官の評価にもつながるところだと思いますが、ある大使がある国に行くと、その国でいかに日本という国のイメージを発信できるか。例えば経済協力、ODAの案件があったときに、いかに政府に対して、いかに国民に対して日本の政府が貢献をしているかというしっかりとしたイメージを植え付けられるか、発信できるか。これは、私は実は大使の条件としては極めて重要ではないかというふうに思っています。 この三つ目のネットワークというのは、例えば、余り具体的に名前を挙げると適切ではないかもしれませんけれども、その赴任した大使が、その国の財界あるいは政界、それは官界でもいいんですけれども、個人的な強い人脈を持っているということが、時として日本の国益を考えていく上で非常に大きな意味を持つと。 例えば、今、ニューヨークに佐藤大使という大変らつ腕の大使がおられますけれども、国連大使ですが、この佐藤国連大使と前任のアメリカのホルブルック国連大使に非常に強い個人的な人脈があったために、アメリカの国連改革に対する態度が随分変わったということは大臣御存じかと思います。そういう意味で、やはりネットワークのある方を選ぶべきではないかというふうに思っています。 四番目ですけれども、これも言わずもがなであって、これは正に申し上げるのも恥ずかしいことでありますが、赴任する国の文化に対する理解がなくてはならないということがあると思います。これはお名前も申し上げませんけれども、例えばその国の文化そのもののような、例えば料理とか食べ物が嫌いで受け付けないとか、その国そのものの文化、風俗みたいなものが嫌いだというような大使を当該国に派遣するということは、私は最初から国益を損ねる行為だと思っておりますので、こういうところもしっかり判断基準に加えていただかなければいけないと思います。 それで、この五番、マネジメント能力というのも、これもテーク・イット・フォー・グランティッドと言いますが、これは当然のことだと思いますが、これから大使館の運営あるいは財政の状況等々についても厳しい検査を入れていくという状況の中では、この大使にはきちっとしたマネジメント能力が求められるということだと思っております。 私が一番恐れる事態は、これから大使人事を政府が進めていく中で、他省庁の例えば官僚OBの方、事務次官経験者の方なんかもおられるでしょう、優秀な方は。経済界の方もおられると思います。あるいは政界のOBなんという話も出てくるかもしれません。しかしながら、この民間の外交官ではない大使ポストの枠がある特定の団体とか組織の既得権益化して、例えばあそこの国の大使は昔は政治家だったから政界から出せとか、例えばこの省庁から四人大使出したんだから次の人事のときも四人取れとか、こういう極めてばかげた既得権化をしないように、これは是非、大臣の方で留意をしていただきたいと思っております。 今、私が申し上げたこの稚拙な五原則と今の既得権益化の話についての大臣の御見解をお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) これも、委員のおっしゃっていらっしゃる考え方については、私は大賛成でございます。 私としては、これも大使だけではなくて本省のポストにも優秀な人をというふうに考えておりますけれども、一太の五原則ではありませんが、川口の何とか原則というのも一応、今考えてはおりまして、例えば次のような基準があるかなと思っております。 まず、外交について高い見識を有すること、二番目に、長期間の海外出張や海外生活に耐えられる健康状態にあること、三番目に、一定の外国語能力があること、四番目に、一定期間の海外在住経験があること、五番目に、就任をするに当たって一切の営利企業その他の報酬を得ている団体の役職を辞することができること、六番目に、在外公館という場合には、就任時点での、長の場合ですけれども、就任時点で六十三歳以下であることということで考えておりますし、民間の方であればそれまでに政府の審議会等の公職で一定の活動の実績がある、公務員であれば対外業務を処理したことがある経験があるといったようなことも加えられるかと思います。 それから、これは何とかの何原則かということでございますけれども、大使につきましては、これは外務大臣のやる仕事というのは内閣に対して候補者を提出をするという、申し出るということでございまして、任命権は内閣にあります。したがって、任命権は内閣にあるということを念のために申し上げますけれども、透明性、そういった基準をきちんと作って考えるということは私は大事なことだと思います。
○山本一太君 ありがとうございました。
○福島啓史郎君 関連して、今、山本一太先生からありました自民党外交部会小委員会の外務省改革提言につきましての御見解を外務大臣にお聞きします。 私は、この外務省改革提言の内容につきまして、基本的方向で見解を同じくしております。前も質問をいたしましたけれども、大使の民間人登用、主要国の半分以上は民間人であるべきじゃないかということ、また、国際協力庁の創設、あるいは支援委員会の廃止など、見解を同じくしております。 ただし、大使の総数の割合を決めていくと、例えば民間人枠あるいは専門職枠といったような枠の設定はもう少し議論する必要があるんじゃないかと。また、国際社会協力局の創設あるいは外務大臣補佐官室の創設などは、決め付けずに更に議論をする必要があるというふうに思っております。 それで、私は、重要な問題は政と官の関係だと思うわけでございます。外務省業務というものは、執行業務は、領事業務あるいは情報収集業務などを除きまして基本的には余りないわけでございまして、日々政策決定するのが外務省の業務、中心業務だと思うわけでございます。したがいまして、政がより責任を持って意思決定ができるようにする必要があるわけでございます。 このために、外務省の幹部の政からの登用を更に拡大していく、あるいは政による任命人事、つまりポリティカルアポインティーを導入する、また、それに関連しましてリボルビングドア、つまり回転ドア人事を基本とするという考え方が必要だと思うわけでございますが、こうしたことを含めまして、この外務省の改革提言につきまして外務大臣としてどういう御見解、またどういう対応を考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 自民党の外交部会で外務省改革について外務省改革案を発表していただきまして、様々な検討があったと私は承知をしております。 このここでの出てきました改革案、それから、今、変える会で御議論をいただいていますし、省内でも様々な議論があります。そういった全部の議論を参考にさせていただいて、できるものはまずとにかくどんどんやっていくということで考えていきたいと思いますし、更にもう少し時間の掛かるものについては、もう少し時間をいただいてきちんとスケジュールを決めてやっていきたいというふうに考えております。 おっしゃった中で、外務省だけで動ける話と、それからよそへ、ほかの省、あるいは政と官といった他のところと関係のあるものもございまして、特により多くの政の方に外務省に入っていただく、あるいはリボルビングドアについては、システム全体を、例えば民間の人を入ってもらうときに、制度的なことをもう少し容易化するといったような全体としての議論が必要な部分もございますので、そういうことについても、それが外務省の改革に資するというふうに考えれば全体の制度が変わるような方向に働き掛けることも必要だと思っております。
○福島啓史郎君 今、外務大臣御答弁ありましたように、政と官の関係は一般論としてもあるわけでございますが、私は、特に外務省のそうした業務の特性からこの問題は重要な問題として今後検討していただきたいし、私たちもまた検討していきたいというふうに思っております。 次に、先日時間切れとなりました小沢自由党党首の発言、これは四月六日に行われたと新聞報道されておりますが、それに関連してお聞きしたいと思います。 四月六日に小沢自由党党首は、新聞報道によれば、日本が核兵器を作るのは簡単だ、その気になったら原発のプルトニウムで何千発分の核弾頭ができる、また大陸間弾道弾になるようなロケットを持っているということ、もちろん中国と日本が共生できる社会が望ましいという発言をしておられるわけでございますが、そのことに関連いたしまして、まず非核三原則と憲法との関係につきましてお聞きしたいと思います。 これは内閣法制局第一部長ですか、昭和五十五年十一月七日の参議院本会議におきまして、当時の鈴木内閣総理大臣はこの件に関しまして、 政府は、従来から、自衛のための必要最小限度を超えない実力を保持することは憲法上禁止されておらず、したがって、その限度の範囲内にとどまるものである限り、核兵器であると通常兵器であるとを問わず、これを保有することは憲法の禁ずるところではないとの解釈をとっているところであります。しかしながら、憲法上保有を禁じられていない核兵器についても、わが国は非核三原則を国是とし、さらに原子力基本法及び核兵器不拡散条約の規定により一切の核兵器を保有しないこととしておるのであります。 という答弁がなされております。 つまり、憲法上は核兵器であろうがなかろうが、必要最小限度を超えない実力であれば憲法上保有が許されているという解釈、しかしそれの中で政策判断として非核三原則を国是としておるという答弁でございますが、これにつきまして、憲法との関係につきましては、これは現在においてもこうした解釈は変わりがないのかどうか、内閣法制局にお聞きします。
○政府参考人(阪田雅裕君) 政府は、今、先生が御指摘になったような考え方、非核三原則についてももちろんそうでありますけれども、憲法との関係について法律上の問題としてはお説のとおりであると、今も変わってはおりません。
○福島啓史郎君 次に、小沢党首の発言されましたその技術的な背景といいますか、につきまして、技術的可能性といいますか、につきましてお聞きしたいと思います。 まず、プルトニウムにつきまして、先ほどありましたように、何千発のプルトニウムができるような核弾頭を、何千発の核弾頭ができるようなプルトニウムを持っておるということでございますが、資源エネルギー庁、これについてはいかがですか。
○政府参考人(迎陽一君) お答え申し上げます。 核兵器の製造の技術的可能性についてのお尋ねでございますが、我が国は、原子力基本法に従いまして、原子力の研究開発及び利用を平和の目的に限っております。したがいまして、当省といたしましては核兵器に関して詳細な知識を有しておりませんけれども、使用済み燃料あるいはMOX燃料の状態ではウラン等プルトニウム以外の成分が大量に含まれているため、そのままでは核兵器を製造できないというふうに聞いております。また、使用済み燃料を再処理いたしまして回収されるプルトニウムにつきましては、いわゆる原子炉級のプルトニウムというものでございますと、爆発力の高いプルトニウムの濃度が低いというふうなこともあり、核兵器の製造には適さないというふうに承知しております。
○福島啓史郎君 次に、文部科学省、この人工衛星の打ち上げロケットなど大陸間弾道弾となるようなロケットを持っているということにつきましては、その技術的な可能性についてはいかがですか。
○政府参考人(今村努君) お答え申し上げます。 我が国の宇宙開発利用は、国会決議及び宇宙開発事業法におきまして現実に平和の目的に限定されております。私どもは、平和の目的に限定いたしまして人工衛星の打ち上げのためのロケット技術を開発しておりますけれども、これを大陸間弾道弾に転用するという意図、意思は全く有しておらないところでございます。 そこで、その平和の目的に徹し、宇宙開発利用を推進している私どもといたしましては、大陸間弾道弾の技術的詳細については承知しておりませんので、私ども宇宙開発事業団で開発いたしましたロケットを大陸間弾道弾に転用することの技術的可能性ということにつきましては、これまでこれを評価したこともございませんし、これを評価する知見は有しないところでございます。
○福島啓史郎君 政府職員でございますから微妙な御答弁でありましたけれども、要は技術的には転用可能な、科学技術の普遍性でございますから、転用可能な技術は十分あるということではないかと思います。 それで、我が国が史上唯一の被爆国であるということから、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという三原則を持っているわけでございまして、もちろんその関連で核兵器を開発を目的とすることはできません。しかし、先ほども言いましたように、技術の普遍性ゆえにその技術が核兵器開発にも転用可能な技術、そうした技術を持つことあるいは持っていることは、潜在的にはこの核兵器開発能力を持つということは抑止力としても重要だというふうに考えるわけでございます。もちろん核兵器開発を目的とするわけじゃないわけでございますが、技術の普遍性ゆえに転用可能な技術を持つということは抑止力として重要な要素であるというふうに考えるわけでございますが、これについて防衛庁長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛庁といたしましては、我が国が行っている平和目的の原子力活動が抑止力であるというふうな考え方を取っていないところであります。
○福島啓史郎君 政策論として今、防衛庁長官御答弁ありましたけれども、何といいますか、戦略論として抑止力というのは私は重要な防衛政策の重要な要素だと思うわけでございますが、それにも入らないということでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 現在、我が国が行っている原子力等の研究活動等におきまして、それが抑止力であるという意思を持っておりません。
○福島啓史郎君 意思を聞いているんじゃないんです。その効果、客観的な効力、効果ということを聞いているわけでございます。
○国務大臣(中谷元君) 政府といたしましては、原子力基本法と、核兵器不拡散条約を締結をいたしておりまして、その精神から申しましても、我が国が核によって抑止力を持つというふうな考えもまた研究も行っていないところでございます。
○福島啓史郎君 御見解は承りましたけれども、私は客観的事実としてそういう抑止力になっているんじゃないかというふうに思うわけでございます。 次に、米軍基地の再編成につきましてお聞きします。 今、諸外国におきまして米軍基地の再編成が相当進んできておるというふうに聞いております。その状況につきまして、ドイツの状況につきまして、また韓国におきましては本年三月の二十九日にランド・パートナーシップ・プランということで米韓での合意が成り立ちまして、二〇一一年までに約一万三千六百ヘクタールの米軍の在韓米軍施設・区域の返還が合意されております。そうした状況につきましてどう把握しておられるか、これは北米局長にお聞きします。
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。 今、ドイツと韓国の駐留米軍基地についてのお尋ねでございます。 ドイツの駐留米軍基地につきましては、冷戦終了ということを受けまして、一九九〇年から二〇〇〇年までの間に、駐留米軍人数でございますが、二十二万から約七万ということで三分の一に減少しております。これにつきましては御承知のとおり、NATO全体の動きと合わせましてこの冷戦終了に合わせた動きということでございます。 韓国につきましては、今、委員御指摘のとおり、本年三月末に米韓間で米軍施設・区域の縮小に関するランド・パートナーシップ・プランというものが署名されたわけでございます。これにつきましては韓国国防部と在韓米軍の間で発表しておりますけれども、国防部長官は、バランスの取れた地域発展を促進し在韓米軍に安定的な駐屯条件を提供するという観点でかかる計画を実現したものであると述べておりますし、在韓米軍司令官は、韓米同盟のパートナーシップに利益となるという観点からかかる計画を実現しようとしているものであるという説明をしております。 この韓国内に駐屯する米軍兵力というものは変化をしないと、維持すると、バランスの取れた準備体制を維持するという観点で、他方、施設・区域の整理縮小を図り、米側に対しまして韓国側から代替施設・区域等も提供をしつつ、今申し上げたような形での計画で約半分に当たります施設・区域を整理するというのがこのランド・パートナーシップのプランの計画でございまして、本件につきましては、今、私どもといたしましてもいろいろ日本でも参考となる点があるかということで調査をしているところでございます。
○福島啓史郎君 今御答弁ありましたように、韓国は在韓米軍兵力は維持しながら、この再編、集約によりまして約一万四千ヘクタール弱の返還がなされるということになっているわけでございます。 それで、我が国におきましてそうした米軍基地の再編、集約の状況でございますが、沖縄とそれから沖縄以外に分けて、どんな取組状況なのか、防衛施設庁長官にお聞きします。
○政府参考人(嶋口武彦君) SACOの最終報告、平成八年に決めていただいたわけでありますけれども、その後、その対象とするものは、沖縄については十一事案でございます。うち九事案については、これは代表的なものは普天間返還でございますけれども、九事案については着々と進んでいると。二事案は、牧港補給地区、これは国道五十八号線の拡張、それから金武町にありますけれども、ギンバル訓練場の問題ですが、これも進んでいませんけれども、これはあくまで地元の方の計画、これを待っているということでございまして、決して遅れているわけではありません。 普天間飛行場の話について戻りますと、これは平成十一年十一月に沖縄県知事の方から移設候補地、それから名護市の方から受入れ表明ということで、平成十一年に閣議決定ありまして、それに基づきまして現在着々と進めていると。特に代替協議会というのがございますので、これは国、県、名護市ですけれども、この間で話を行っていまして、一応キャンプ・シュワブ沖でリーフ上、場所はですね、その間、じゃ全体規模をどうするとか、工法をどうするかということについて今具体的な調整を進めているという状況でございます。 それから、大きなものとして申し上げますと、那覇港湾返還、これはもう二十、三十年ぐらいになりましょうか、の長年の懸案でございましたけれども、昨年、浦添市長が受入れ表明をするということで表明していただきまして、それに基づきまして既にいろんな関連の協議会あるんですけれども、これも二回目を開いて今後具体的に進めていこうということで、その他の事案、楚辺の通信所等も含めて着々と進んでいるということでございます。
○福島啓史郎君 沖縄以外は。
○政府参考人(嶋口武彦君) 沖縄以外は返還というのは特にありませんけれども、岩国について言いますと、これは移設でございます。 これは平成五年から始まっておりまして着々と進めてまいりましたが、その後、地元の方から道路用地を確保したいということで、それに関連しまして一部埋立て、それから阪神・淡路地震がございました、そのためこれ埋立てやっているわけでございますけれども、液化、液状化対策のための対策、それから土地の改良、地盤の改良、こういうことをやっておりまして、着実に進めていますが、これらによって工期も若干延びざるを得ない、それから予定した経費も若干上回らざるを得ないという状況でございますけれども、引き続き着実にやってまいりたいという状況でございます。
○福島啓史郎君 SACOにつきましては順調に進んでいるということでございますが、私はこうした米軍基地の再編、集約は日米双方にとってもプラスだと思うわけでございまして、この日米合同委員会等で更なる進展、再編、集約に向けての御努力をお願いしたいと思います。 次に、今出ておりました岩国の米軍基地の空港の民間共用化の問題でございますが、国土交通省にお聞きしますが、県からあるいは関連の市町からこの民間共用化の要望が出ているわけでございます。また、この二月には需要予測も、三月ですが、需要予測も行っているわけでございます。この需要予測によれば競合、近隣の空港と競合しない形で十分な需要予測が見込まれているわけでございまして、民間路線として十分採算が取れるんじゃないかと思われるわけでございますが、今後の段取り、この民営化に向けての段取りにつきましてはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(深谷憲一君) 御説明申し上げます。 岩国の民間共用化についての要望あるいは地元での検討等についてのお尋ねでございますけれども、岩国基地の民間共用化につきましては、二年ほど前、平成十二年五月だったと思いますが、山口県などから岩国基地の民間空港早期再開、かつて飛んでいたこともあるわけですが、についての要望書をいただいたという事実はございます。 ただ、このとき具体的な内容、そういったものの御要望については特に中身的には触れられておられませんでしたけれども、いずれにいたしましても、その後も山口県などで民間航空再開に関する調査検討というものが行われているというふうには承知をいたしております。 その調査検討の中で、具体的にどういう需要予測等がされているか、これにつきましてはまだ私どもについては具体的なお話はございませんので、詳細は実は承知をまだいたしておりません。 そういう意味におきましては、先生御指摘の十分な予測、需要云々ということについては現時点ではお答えをしかねる点はございますけれども、いずれにいたしましても、民間の飛行場、民間航空ネットワーク、こういう意味合いにつきまして、実は私ども国土交通省といたしましては、昨年の六月に我が省所管の公共事業全体の在り方について見直しを行いました。国土交通省、昨年六月に国土交通省における公共事業改革への取組というものを発表させていただいたところでございますが、その中で空港につきましては、一般論としまして、今後の地方空港の新設については離島を除き抑制をしていこうという方針を表明をさせていただいておるところでございます。 そういう意味におきましては、岩国基地の民間共用化、これにつきましてもそういった方針の中で、今後必要な議論が場合によってはされていくというふうに考えております。
○福島啓史郎君 防衛施設庁長官にお聞きしますが、この米軍基地の民間共用化につきまして努力するとの確約書といいますか回答書を出しておられるわけでございますが、いつごろこの問題、民間共用化を日米合同委員会等に持ち出す予定なのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(嶋口武彦君) 先生御指摘のとおり、私どもといたしまして、民間、地元から出ています民間との共用、これについては理解を示していると、それに向けて努力いたしましょうと。 ただ、今、国土交通省の話にも出ましたように、具体的なニーズ、民間空港化するかどうかということを私ども決めることができませんので、今、国土交通省の方の動きもにらみながら、しかるべき時期に米側にきちんと協議していきたい。米側の方も、こういうもの、共用化について基本的には理解を示しているということでございますから、私ども、前向きに対処をしてまいりたいと思います。
○福島啓史郎君 前向きな対応をお願いしたいと思います。 最後に、防衛庁長官にお聞きしますが、今回の訪中が延期をされたということでございますが、これ総理の靖国神社参拝と関連しているかのごとく報道なされておりますが、その経緯と理由につきましてお聞きします。
○国務大臣(中谷元君) 私といたしましては、日中の防衛交流の進展を重視をいたしておりまして所要の準備を進めていたところでございますけれども、二十三日、中国側から、現在の中日関係にかんがみ、訪中及び中国艦艇の訪問を延期する旨の連絡がございました。 私といたしましては、中国側の事情や立場もあるものというふうに受け止めているわけでございますが、今後、都合が付く時期に実現できればいいというふうに思っておりまして、今後ともより安定した安全保障環境の構築への貢献を引き続き積極的に行ってまいりたいというふうに思っております。
○福島啓史郎君 終わります。
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。 さて、防衛庁長官、五月の連休にせっかく中国に御訪問になろうという予定でいらしたのに、中国から断られてしまった。外交的には大変失礼なことではないかなと思うんでございますけれども、どのようにお考えになっているのか、そして断られた理由は何だというふうに認識していらっしゃるか、まずお伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 私といたしましては、日中の防衛交流は大変重要なものだというふうに受け止めておりまして諸般の準備を進めていたところでありますが、今般の延期については残念であるというふうに考えております。しかしながら、相手国の事情や立場もあるものでありまして調整が必要でございますので、今後、都合が付く時期になりましたら実現できればいいというふうに思っております。
○広中和歌子君 相手国にも事情と立場がおありでしょうというふうにおっしゃいましたけれども、理由もなくお断りになったわけですよね、あちらは。ですから、こちらとしてはどういうことなんだろうかと推測なさるんだろうと思いますけれども、どのようにお考えでいらっしゃいますか、原因は。
○国務大臣(中谷元君) 中国の見解につきましては、中国政府の発表に基づくものでございます。 我々といたしましては、この日中間の交流等につきましては、今後のアジアの安定やまた日中関係にとって大変重要なものでありまして、我が国の真意また姿勢をよく説明するということが重要でございます。特に、安全保障に関しましては、当局間の話合いの窓口は常に保ちながら対話と交流を進めていくべきものでありまして、我が国の立場や事情がよく御理解いただけるように更に努力をいたしたいというふうに思います。
○広中和歌子君 防衛庁長官のおっしゃること、誠にまともなことでございまして、あちら側が理解してくださらないというのは大変残念なことでございますけれども、お断りになった理由として何かおっしゃったわけですよね。それとも、ただいきなり断って、理由もなしに断っていらしたわけですか。
○国務大臣(中谷元君) 理由につきましては、二十三日に中国の国防部より在中国の日本大使館に対して、現在の中日関係にかんがみ、防衛庁長官の訪中及び中国艦艇の訪問を延期するという旨の連絡がありまして、我が防衛庁といたしましても延期を決定をしたわけでございます。
○広中和歌子君 勘ぐってはいけないのかもしれませんけれども、総理の靖国神社訪問というのが直接の引き金かなというような勘ぐりをするわけでございますけれども、日本政府は総理の靖国参拝についてどういうふうにあるべきだというふうにお考えでいらっしゃいますか。
○委員長(武見敬三君) 答弁者は中谷さんですか。
○広中和歌子君 そうですね、まず防衛庁長官、そして外務大臣にもお伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 靖国参拝につきましては、小泉内閣の考えといたしまして、総理の方からも、この問題についてはそれぞれ閣僚の中でもいろいろと考えがあるのであって、それぞれ個人の思いに従って行動をするべきだということでございます。 総理の参拝につきましては、小泉総理の御自分のお考えでなされたものでございまして、閣僚である私も、その小泉内閣の方針から、この点についてはそれぞれの思いで行動をなされたというふうに認識をいたしております。
○国務大臣(川口順子君) 総理は、所感でもお述べになっていらっしゃいますように、明治維新以降の国のために命をささげられた方々に追悼をするということで、二度と悲惨な戦争を起こさないという不戦の誓いを堅持することが大事ということをお考えで靖国神社に行かれたとおっしゃっていらっしゃるわけでして、また、終戦記念日やその前後の参拝にこだわって、再び内外に不安や警戒を抱かせることは総理の意に反するところだとお述べになっていらっしゃるわけでございます。 外務大臣としましては、今後、日中両国の関係が未来志向型で、そういう意味では韓国も同じでございますけれども、未来志向型で協力関係を築いていけるように努力をしたいと考えております。
○広中和歌子君 靖国問題について日本政府、そして各閣僚によって本当にしょっちゅう違うというのか、変わるわけでございますけれども、やはり日本として基本的な認識を持ち、統一的な行動をしていくことが必要なんではないかなと。つまり、訪問した、しない、そのたびに隣国にいろいろ意見を言われるということは、我が国の国民感情にとっても余り好ましくないことと思いますが、外務大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) ちょっと今手元に紙がありませんけれども、政府として靖国神社の参拝に関してどう考えるかということは、内閣として、あるいは内閣法制局だったかもしれませんけれども、見解が、あるいはその統一的な考え方というのは存在をすると私は思います。少なくとも現時点ではあると思います。そういう考え方に従ってそれぞれ閣僚の方が今お考えになっていらっしゃるということだと思います。
○広中和歌子君 この部分については、今ちょっと思い付いて質問したので御準備いただいていなかったかもしれませんけれども、是非教えていただきたいと思いますし、我が国は主権国でございますから、もちろん周辺国に配慮しながら、きっちりとした態度を表明なさり、そして統一的な行動を今後なさる方がよろしいんではないかと思う次第でございます。 それから、防衛庁長官は、我が国の防衛をつかさどる省庁の長官でいらっしゃるわけですけれども、戦前に亡くなった方、戦後、日本の国のために戦って亡くなられた方、その戦争がどのような戦争であるかは問わず亡くなった方がいらっしゃるわけで、その方が祭られているところを参拝なさるということに対して、防衛庁としてはどのような今まで態度を取ってこられたか、お伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 参拝のありようにつきましては、それぞれ防衛庁長官が対処してきたわけでありますが、私は、国のために犠牲になられた方に対する哀悼の念というものは持っておかなければなりませんし、また、心ならずも家族を失い、また友人を失い、また国のために命をささげられた方々に対して衷心から哀悼の意を行うということは必要でございます。 今後の参拝のありようにつきましては、内閣としても懇談会を設けまして、心から内外ともにその哀悼の意が示せるような、理解いただけるような施設の在り方について現在お考えになっておられるというふうに伺っておりますので、それの検討を注目いたしたいというふうに思います。
○広中和歌子君 いずれにいたしましても、内閣によって右に振れ左に振れるのではなくて、やはりきっちりとした態度を取られる、あるいはそれに対して、靖国問題に対してきっちりとした対応を取られた方がよろしいのではないかと申し上げて、この部分の質問を終わらせていただきます。 次に、これもまた大変難しい質問なんでございますけれども、国家基本政策委員会というのがございまして、両大臣とも御出席だったと思います。 そこで、小沢一郎自由党の党首がこのような質問をしております。つまり、自爆テロは犯罪かということを総理に対して質問しているわけでございます。パレスチナ人の行動を総理はやはりテロ行為だというふうに認識なさるのか、あるいはパレスチナ人の自治を要求する民族の抵抗運動であるというふうに考えるのか、そのことをお聞きしますと、そのような質問に対して、総理はお答えになっていないんです。つまり、暴力の連鎖、この事態に私は大変憂慮しておりますとか、中東問題は日本にとっても死活問題である、単に言葉の定義だけではなく、細かい配慮の上にできるだけの努力をしていきたいというようなことで周辺をお答えになっているんですが、自爆テロは犯罪かということに関してお答えになっていないんですが、外務大臣はどのような見解をお持ちでいらっしゃいますか。
○国務大臣(川口順子君) 自爆テロという言葉がありますけれども、基本的にはテロリズムという言葉の定義というのははっきりしたものが存在しているわけではないと思います。国際的にも様々な議論がこの点についてはありまして、一般的には、特定の主義主張に基づいて国家等にその受入れを強要したり、社会に恐怖を与える目的で人を殺傷する、人の殺傷行為を行う、これを指しているというふうに考えられているわけでございます。この場合、個人が一般人を無差別に巻き込んで殺傷をするというのが自爆行為でございますから、自爆テロと言われているものですから、そういう意味では、これはテロと言われてもやむを得ないものであると思います。 したがいまして、我が国の立場というのは、この過激派のテロ、一般人を無差別に殺傷する過激派のテロというのは容認できないという立場でございまして、そういったことをやめるように、パレスチナに対しては過激派テロを取り締まるようにということを言っているわけでございます。したがって、犯罪かどうかということでいえば、これは犯罪であると思います。
○広中和歌子君 それをパレスチナ側にも伝えていらっしゃるということでございますけれども、アラファト議長は一応、テロをやめるようにと同胞の方々に呼び掛けたわけでございますけれども、テロは依然として続いて、自爆テロは依然として続いているという現状、これについてどのような見解をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。アラファト氏の統治能力そのものに問題があるのではないかというような考え方は単純過ぎるんでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) テロをやめるようにということは、私はパレスチナ側の人とお会いをするたびに、あるいは電話でお話をするたびにお伝えをしているわけでございます。 委員がおっしゃられましたように、この前、アラファト議長が自爆テロをやめるようにということを発表をしたわけでございまして、その後、私はゼロになったかどうかということはちょっと確認していませんけれども、自爆テロは相当に減ったというふうに認識をしています。 アラファト議長の統治能力ですけれども、この方に統治能力があるかどうかということを日本政府として公的に申し上げる立場にはないと思いますけれども、アラファト議長が選挙によって民主的に選ばれたリーダーであるということに違いはないわけでして、これは、この認識は国際社会で共有をされていると思います。
○広中和歌子君 日本は、新聞報道によりますと、パレスチナに緊急人道支援として三百三十億ドルという非常に大きな額のお金の支援をなさるようでございますけれども、そのような戦闘が続いている中におきまして、焼け石に水というんでしょうか、ざるで水をくむような、そのような支援になるんではないかなというようなおそれを持っておりますが、いかがでございましょうか。
○副大臣(杉浦正健君) 先生のおっしゃりたい気持ちは一面よく分かりますが、パレスチナの状況を報道等であるいは現地からの報告で見ておりますと、極めて悲惨な状況でございます。被占領地域においては食べ物も手に入らない、医薬品もない、水道の施設も破壊されて水の供給もままならないという地域がかなりあるようでございます。 そういう惨状にかんがみまして、全く人道的支援から食糧、あるいは仮設住宅も含んでおりますが、一部水道施設復旧等も緊急復旧等もございますが、国連、これはUNDPが窓口になっておるわけですが、各国協力して緊急の人道的支援をやろうということでございます。最低の支援ということで協力いたすわけでございます。金額は三百三十万ドル、日本分担分はですね、そういうことでございます。
○広中和歌子君 今回に限らず、イスラエルというのは、少なくともあの中東地域で絶大なる圧倒的な軍事力を持っている国でございます。 判官びいきという言葉がございますけれども、判官びいきというのは日本人だけではなくて、世界じゅうの人がやはり判官びいきになるという傾向はあるんではないかと思います。 イスラエルの首相のシャロン氏の行動のために、非常に強引だという声が世界じゅうから上がっているわけですけれども、再び反ユダヤ主義というのが台頭するんではないか。ユダヤ人というのは何もイスラエルだけに住んでいるんじゃなくて、世界じゅうに住んでおります。そういう中で、かえってユダヤ系のアメリカ人、ユダヤ系のヨーロッパに住んでいる人たち、そういう人たちに対する何というんでしょうか、反感が高まるんではないかなといったような心配もなされるわけでございます。 先ほど、フランスで大統領選挙が行われて、最終的には決選投票になったんですけれども、シラク大統領とともに候補に残ったのはジョスパン氏ではなくて、ラパン氏というんですかルパン氏というんですか、ラパン氏であったと。この方は極右というふうに言われておりますけれども、反ユダヤ主義であり、そしてまた移民政策に対して非常に批判的である、そのような方が少なくともフランスの中で大きな支持を得て大統領候補の決選に残るということ。それはやはり憂慮すべき、よその国のことではありますけれども、事態ではなかろうかと思うんですが、外務大臣の御見解をお伺いできたらと思います。
○国務大臣(川口順子君) まず、イスラエルの今度の動きをめぐって世界の人々の中に反ユダヤ感情が高まるのではないかというお話がございましたけれども、そういうことになるかどうか、ちょっと私はよく分かりませんが、いずれにしても、今度のパレスチナ、イスラエルの紛争をめぐっては様々な立場、意見が既に表明をされていますし、それが今後の国際的な政治、経済、あるいは各国の選挙、その他に影響を与えていくというふうに私も思います。 フランスの右翼と言われるルペン氏が第二位になったということでございますけれども、これもよその国の選挙のことでございますので、私の立場で何か申し上げるというのは適切ではないと思いますけれども、やはり現在、いろいろ世界の各国で、経済にせよ、それから社会的な問題にせよ、様々な問題があるわけでございまして、そういった問題を背景にそれぞれの国の国民が選択をしているのかなと思っております。
○広中和歌子君 それから、ジェニンというパレスチナの領土で虐殺が行われたんではないかということで、国連のアナン事務総長のイニシアチブでジェニン調査団というのが派遣されることになったのをイスラエル側の都合で延期されたことについて、日本側としては何らかの意思表示をなさいましたでしょうか。三人の調査団の中には我が国の緒方貞子さんが含まれているわけですが、これはどういう形で解決されるというふうに思っていらっしゃいますでしょうか。お伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) ジェニンの虐殺調査のための国連調査団が、イスラエル政府が受入れについてまだ調整が必要だとしているということにつきましては、私どもとしては、一日も早く調査団が現地に赴くことができる、そして調査をし、真相が明らかになるということを望んでいるわけでございます。 昨晩、私は緒方さんと電話で話をさせていただきましたけれども、ジュネーブで今後どういうことでやっていくかという国連の中での打合せをやっているということでございまして、だれがどういう担当になるとかそういうことを、国連の方としては、調査の具体的なことを決めながら、同時にイスラエル政府との間で調整を行っているということだと理解をしております。
○広中和歌子君 多分、人数を増やすことによって解決していくんではないかと思いますけれども、しかしながら、こうした調査は一日も早く行われなければ、瓦れきの下にまたどういう、生き埋めになっている人もあるかもしれないというようなことを考えたりすると、やはり一日も早く実行されることを望んでおりますので、我が国としても何か外交ルートを通じてのプレッシャーを掛けていただきたいとお願いする次第でございます。 では、テーマを変えまして、外務省の改革に絡んでの、一連の改革に絡んでの御質問でございますけれども、鈴木宗男議員の問題などでODAに対する関心が再び盛り上がっているというんでしょうか、そういうことになっているんではないかと思います。 それで、ODA改革についてお伺いいたしますけれども、これはもう非常に歴史が古くて、議員の中からも議員立法で、例えば田英夫さんを中心として、あるいはその後、鹿野道彦さんとか、いろいろな議員立法も出ておりますし、そしてまた、経団連の方もODA改革ということを言っているわけでございます。そういう中で、我が国のODAというのもいろいろに形を変えながら、何というんでしょうか、非常に、実効性というのか、高まっているというふうに私は理解しておりますけれども、やはり、これからより効果的なODAを行っていくための改革というものを今日この場で議論させていただければと思う次第でございます。 まず第一に、一元化の問題ですね。それについては、外務省としてはどのようなお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、これまで、ODAにつきましていろいろな点からの、改善をめぐりまして国会におきましてもいろいろ御議論をいただいております。そのような論点の、主要な論点の一つが、例えば日本の技術協力というものが非常に各省にまたがっていて一貫した一つの統一的戦略がないんではないかというような観点から、今御指摘のような一本化というような指摘がこれまでずっとされてきたというふうに理解をしております。 御案内のように、現在の、例えば本年度の予算につきましても、全体のODA予算一〇%カットがございまして、約九千億円でございますが、外務省がそのうちの五割強でございまして、財務省が三割、それ以外は、文部科学省以下他の省庁にまたがって技術協力が行われております。 ただ、文部科学省の場合に、多くの場合、留学生という形でございますので、これをちょっと外させていただきますと、各省庁さんがやっておられる技術協力は実は量的にはそれほど大きいものではないという実態がございまして、JICAが行っております、つまりJICAを通じての技術協力が、現在、日本の技術協力の全体の過半を占めているという状況になっておりますので、一般的には状況は改善をしているというふうに考えております。
○広中和歌子君 それぞれの省庁が、農林省であるとか経済企画庁、今何というんだっけ、経済産業省とか大蔵省であるとか、それぞれが得意の分野でODAをするというのは一見非常にいいことであるし、また、人材はそういうところから提供していただくということに対しても、私は決して反対するものではありませんけれども、やはりそれをまとめるような援助庁あるいは援助省でもよろしいですけれども、そこに専門の大臣なりあるいは長官なりを置くことによって、要するに、きっちりと我が国のODAの姿が見られるような、そういう形に整えていくという方向を取られることが必要なんではないかと思いますが、外務大臣、どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 私は、ODAについて今大事なことは、ODAのお金がきちんと使われている、効率的に透明性を持って使われているということを確保するということであると思っております。それで、また同時に、ODAを実施するときに、ODAがその問題を熟知している人間によって実施をされるということも大事だと思っております。その二つを踏まえて考えますと、大事なことは、各省が連携をきちんとし、かつ、どこがやるにしてもその効率性、透明性が確保されるようなルールがきちんとあるということが大事であると思います。 一つの組織にまとめた方がその点が確保されるかどうかということでございますけれども、私は個人的には必ずしもそう思っていないわけでございまして、例えば、私は環境省で環境関係の国際協力を若干やりましたけれども、やはり環境の分野で何が必要である、どういう例えばNGOの人がいるということは環境省が一番よく知っているということもあるわけでして、それが一つの省庁に、一つの組織にまとまったときにそういったことがきちんとよりよく確保されるかということは、これは議論をしてみないといけない、かなりきちんと議論をしないといけないと思います。 ですから、先ほど申しましたように、連携がきちんとあるという、これはきちんとやらないといけませんけれども、ある形で解決をしていくのか、一つの組織でまとめてやっていくのか、これは議論をする必要があって、当然の話として一つの方がいいということは必ずしも言い切れないのではないかと思っております。 それから、もう一つ申し上げたいんですけれども、外務省がODAをやるのか国際協力庁のようなところがODAをやるのかという、これもかなり長い古い問題があるわけでございまして、いろいろな議論がずっとなされているわけですけれども、私は、外務省に来まして外務大臣としてODAを見る立場に立って今考えておりますのは、やはり外交をやる目的、今度のパレスチナの援助等を考えていただければよくお分かりいただけると思うんですが、外交をやる立場の人間がODAについてかなり発言権を持ってできるということが確保されることが大事だと思っております。 例えば、先般、三百三十万ドルという緊急人道援助を発表させていただきましたけれども、こういうことは、それが外交の観点から必要であると考えたときに直ちにできるということでないと意味がないわけでございまして、それを外務省でなくて国際協力庁のような全部のODAを一つにまとめたところに持っていった場合により効果的にできるかというと、私はそれはそうではないんだろうと思っております。 そういう意味で、国際協力庁構想については、若干の正直申し上げて議論をもう少しする必要がある、あるいは一部についてはその方でない方がいいではないかというような感想をただいま持っております。
○広中和歌子君 この議論は非常に長いこと行われているということをまず指摘したいと思いますし、よその国といっても先進国ばっかり挙げて恐縮ですが、イギリスの場合でもフランスの場合でもカナダの場合でもアメリカの場合でも、皆それぞれ国際開発省とか対外協力省とか、そういうふうなものを持っていらっしゃるわけですね。我が国だけがそれぞれ別々にやった方がいいと。我が国は、こんなことを言っては失礼ですけれども、正に縦割り行政ということでは今まで、少なくとも今までは有名でございまして、そういうところでそれぞれに分かれてやる方が効果的だと。それぞれの省庁のアイデアは直接出るかもしれないけれども、結果として、総合的に日本の援助として見た場合にそれが効果的であるかどうかということでございます。先ほど大臣は、透明度があっていい効果が出ればいいとおっしゃいましたけれども、小さな効果であるのかより大きな効果であるのかというようなことも問題でありますし、効率的な、効率性ということも問題であると思うわけです。 今、私が何も申し上げるまでもなく、グッドガバナンス、良い統治ということが求められているわけでございますけれども、そういう視点に立ちまして、今、十三省に分かれているODA予算であるとか、そしてその執行体制、そういうものも考える必要があるんではないかと。つまり、効率化ですよね。 例えば、JBICとJICAがもっと協力してもいいんじゃないか。仮に一つにならなかったとしてもその協力体制というのは十分行われているのか、一つの屋根の下に入った方が協力しやすいんではないかというのはもうだれでも思うわけですけれども、JBICとJICAの協力、それから民間の人材の登用と連携、それから人材育成、それから開発シンクタンク。例えば、アジア開発銀行、ADBと日本開発銀行、JBICがそれぞれシンクタンクみたいなのを持っていると。もちろん、それぞれ独立してやってもいいんですけれども、同じことをたまたま研究しているということもあるかもしれないし、そういうようなことで、限られた予算を有効に使う、より有効に使う、有効ではないと申しませんけれども、これから更に有効に使うという意味では、やはりコーディネーションをつかさどる機能として国際協力庁みたいなもの、あるいは省でもいいです、設置を是非積極的に緊急に検討していただきたいと思う次第ですが。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、やはり一つのところで全体を総覧するという機能が必要だということは御指摘のとおりだろうと思います。 大臣からも御説明しましたように、それが国際協力庁でやるかどうか等については慎重に御議論をお願いしたいと思っておりますが、一つ二つ、ちょっと事実関係だけを申し上げたいんですが、委員の方から御指摘のございました、ほかの国においては独立したいわゆる援助庁というものがあるんではないのかということにつきましては、確かにイギリスのようなのは非常に顕著な例でございますし、ドイツもそうでございます。 しかしながら、例えばアメリカの国際開発庁は、組織としては確かに独立をしたという形になっておりますが、実際上、これは法律にも明記されているとおり、国務省、国務長官の指揮命令下に入っておりまして、アメリカのやっております外交政策と機動的に連携し合うというのが仕組みの上からもこれは確保されております。 それから、フランス、イタリー、カナダも、これは皆それぞれ向こうの方はかなり内閣が替わったりしますと制度がかなり柔軟に変わっていくということもございますが、現在の時点では基本的に外務省ないしは外務貿易省がODAの政策企画立案に主たる役割を担ってきておりまして、そうでない非常に独立性の高いのがイギリスとドイツということは御指摘のとおりだろうと思います。 それから、JICAとJBICと、今、経団連の御提言も、政策部分の一本化と同時に執行部分でも一本化したらどうかということで、その執行部分を一本化できないかという御指摘だと思うんですけれども、これにつきましては、御案内のように、JBICがかつてのOECFと輸銀が一緒になりまして、広い意味での資金協力を行うという団体として九九年にでき上がりまして日が浅うございますが、その中で、資金協力をやっていくJBICとそれから技術協力に専念しておりますJICAとの間の連携はそれ相応に進んできておりまして、JBICがやっております経済協力案件の相当数を実は事前にJICAのスキームを使って調査あるいは評価等も行っておりますので、このような協力は更に進めてまいりたいというふうに考えております。
○広中和歌子君 だれが頭になるかと。事実上外務省であることも私は当然だろうと思いますし、それから総理の直属としていろいろ外交政策の一環としてODAが行われるということも大変結構だろうと思いますけれども、少なくとも今のままのやり方であっては余りにもちょっとばらばらという印象を持つわけでございます。 それから、ODA基本法なんですけれども、協力法と言ってもいいんでしょうか、これも私どもこの国際問題調査会などで小委員会でも議論いたしまして、こうした基本法を出すの出さないのということで、出す方向で決まったわけですけれども、いまだにそれが具体化していないことについて、外務大臣、お考えをお聞かせいただければと思います。 その中には、今でも透明度を高めるために努力はしていらっしゃると思いますけれども、やはりODA予算の使った後ですよね、使う前だけではなくて使った後もやはり国会議員の、何というんでしょうか、がそれを審査するというんでしょうか、そういうふうなこともたしか基本法の中に入っていると思うんですが、どのようにお考えでございますか。
○国務大臣(川口順子君) ODAの今の仕組みについて、委員がおっしゃられますように、様々な観点からこれは不断に改善をしていくための努力が必要だと私も思います。 基本法の制定でございますけれども、これは、ODAの透明性を確保して国民の理解を得るための一つの方法といたしまして、今までおっしゃったような御提案も、お話も含めまして、国会の場で議論をされてきているというふうに承知をいたしています。 それで、ODAを進めていくときに考えていかなければいけないこととして、先ほど申し上げたような外交上の判断であったり、それから機動性であったり、いろいろな要素があるわけでございます。そういったODAの性格をきちんと認識をし踏まえて、この基本法の制定については慎重に検討をしなければいけない部分があると思いますので、やはり対応としてはこれは慎重に考えていくべきものではないかと私は思っております。 それから、ちょっと話が前に戻って恐縮でございますけれども、一番冒頭の御質問で、内閣の靖国についての見解について法制局で見解があったと思うということを申し上げましたけれども、これはきちんと申し上げないといけないんですが、私が頭に置いていた内閣として考えていることというのは、憲法との関係で靖国をどう考えるかということの官房長官談話のことが頭にありまして、それを申し上げたわけでございまして、現在の考え方ということで申しますと、これは基本的に中谷長官が先ほどおっしゃったような形でございまして、総理の談話があって、あと閣僚がそれぞれの立場で判断をしていくと、そういうことであると思います。ちょっと訂正をさせていただきます。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。 じゃ、ODAに話を戻させていただきます。 二〇〇二年の三月に国連開発資金国際会議というのが、たしかメキシコで開かれたと思います。外務大臣は御出席になれなかったわけですけれども、これは九月十一日、昨年の九月十一日のテロを受けての大きな会議でございまして、貧困がテロを生み国際社会を不安定にしていることが確認されたということでございますが、日本からはだれが御出席になって、どのような御発言をなさって、どのような印象を受けて帰られたか、まずそれをお聞かせいただきたいと思います。
○委員長(武見敬三君) 答弁者──川口外務大臣、答弁できますか。
○国務大臣(川口順子君) ちょっと具体的なことを今確認をさせていただきたいと思いますので、しばらくお時間をこの点についていただければと思います。
○広中和歌子君 そうですか、はい。 いずれにしても、私が聞いているところによりますと、貧困がテロを生み国際社会を不安定にしていくことが確認されたと。したがいまして、ODAに対してというか、貧困の解消に向けて世界各国が協力をしようと、そういうような方向に、方向付けがなされたんではないかというふうに理解しているんですが、それでよろしいですか。
○政府参考人(西田恒夫君) 御指摘のとおりだというふうに理解しております。
○広中和歌子君 その結果として、その前からもやっているんですが、EU諸国やアメリカはODA予算を増やしておりますよね。日本はODA大国だからこれ以上増やす必要はないんだということなんだろうと思いますけれども、しかしながら、減らしていく方向というのはどうなのかなというような感じがいたしますが、我が国の今後のODAに対する考え方、方向性はどうなるんでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。 正に委員御指摘のとおり、それまで経済協力についてはどちらかといえば慎重だったブッシュ政権が非常に大胆なイニシアチブを発揮しましたし、EUの方も、いわゆるこれは質の方のあれでございますが、〇・数%目標についてこれも大胆な提言をしたということで、ほかの欧米のかなりの国においては援助疲れの時期を脱しつつありまして、むしろODA予算についても質、量ともにこれをもう今後増やしていくという姿勢がかなり強く鮮明に出ました。 御案内のように、日本側は、現時点におきましては、正にこの前御審議をいただきました今年度予算につきましては、大変に厳しい状況で一〇%カットとなった中で、何とか質の面でより中身の充実したサービスあるいは協力を提供するという形で、日本型というんでしょうか、アジアで成功してきておりますものですから、この辺、日本型の援助というものの経験を踏まえてどういう協力ができるかということで、知恵を絞らせていただいているところでございます。
○広中和歌子君 額も私は増えた方がいいと思っておりますけれども、増えないような現状であるならばもっと質を高めるということが非常に大切だと思っております中で、小規模支援ということについてお伺いいたします。 これは、自助努力を助けるという側面が非常にあるわけでございますけれども、また同時に、非常に人手が掛かるわけですよね。言ってみればレーバーインテンシブという、そういう感じじゃないかと思います。今の日本のODA体制ではとてもじゃないけれども手が回らないからと言っては悪いんですが、大規模支援ですと、ばんと上げてそして大きく見守るということでいいわけですけれども、小規模支援というのはなかなか人手が掛かる。 私があるとき、世銀のマクナマラ総裁、もう今お辞めになって大分なる方ですけれども、何で小規模支援というのは少ないんでしょうねと、あるいは小規模ローンですよね、そうしましたら、やっぱり人手が掛かるからだと。そして、特に世銀などのトップにいる人は、小さな支援、つまり同じ百億ドルを一つのところに渡すのと百口に分けて渡すのでは、手間が非常に掛かるし、また問題も起きやすいと、そうすると問題が起こるようなところを支援したがらないんだというようなことを個人的にお話ししてくださったことがあるんですけれども。外務省のODAもちょっとそんなところがあるんじゃないかなと思います。 そういう問題、人手を増やせないという、人手が足りない、人手を増やせないというような状況があるんだったらば、ほかにもやり方があるんではないかと、それがNGOとの協力体制だろうと思うんですけれども。 今、少なくとも今までは日本での小規模支援に割く金額というのは非常に少ないんではないか。今どのくらいというふうに把握していらっしゃいますか。
○副大臣(杉浦正健君) 小規模無償は今、今年度予算で百億円でございますが、急激に増えてまいりました。この小規模無償については、先生のおっしゃるような問題点、ほかにもございます、幾つかございまして、西田局長とはやっぱり改善するようにしなきゃいかぬなという話をしております。 諸外国の小規模無償と日本の小規模無償と違いますのは、要請主義という枠が外れておるんですね、日本のは。諸外国はたしか要請主義のところにも少額無償は使えると思うんですが、そこのところが一つ問題点があります。 要請主義じゃないというところは非常に強みでございまして、向こうの政府の要請がなくとも、私どもがいろいろと考える支援はきめ細かくできるという長所がございます。長所がございます。反面、もう少しその点緩めてもいいんじゃないかという議論もあるわけでございまして、当初、先生がおっしゃった人手が足りないという、人手は掛かります、自前でやるわけですから。要請主義の場合は向こうがやるので、それに対してお金を付けるわけですから向こうの人手をうんと使えるわけですが、こちらがやる場合には、もちろん相手がおりまして協力も得られますけれども、相当こっちのマンパワーも要るという点がございます。 ですから、最近の少額無償の傾向として、私は大艦巨砲主義だと言っているんですが、少額でも物すごく有効な支援があるにもかかわらず、金額が大きくなっていく、一件当たりの。例えば一千万円ぐらいのものもある。例えば百万円でも物すごく効果が上がるのがあるんですね、向こうの実情に応じて。細かくすると人手は掛かると、もう一千万円も百万円も変わらないぐらい掛かるわけですね。そうすると、どうしても大使館は、予算が増えると人手が足りないから金額が大きいものになるという傾向があるんじゃないかということは、経協とは話しておるんです。 そういった様々な問題点がありますが、非常に意味のある事業でございますんで、先生のおっしゃったNGOとの、NGOに供与しているのもあるんですよ。NGOと協力してやっている部分もございますが、これはいろいろな面で検討していかなきゃならない分野だというふうに私は思っております。局長、何かあれば。
○政府参考人(西田恒夫君) 一言だけ、事実関係の御報告でございますが、今、副大臣から御説明いたしましたように、平成元年度にできてわずか十年ちょっとでございますが、当初三億円だったものが百億円まで伸びております。それから、確かに人手が足りないというような実情ございまして、これについても現地の、ローカルの人を雇って言わば大使館のお手伝いをしてもらうというような予算の手当てというのもするように努力をいたしてきております。 それで、非常に評判がいいスキームでございまして、そういう意味では、一つの援助の額が増えているのはいろいろな事情ございますが、そのうちの一つは、やはり先方の方の希望というものが、どうしてもより小さめのより、より大きなものがという要請が、希望が寄せられてきているという面もあろうかと思います。
○広中和歌子君 百億円に増えたというのは非常に日本にとってはすごい達成感があるのかもしれませんけれども、本当に残念で、ODA予算の一%前後ですよね。ちなみに、米国では一七%、ドイツでは七%、ノルウェーでは二〇%。いずれにしても、比較にならないぐらい大きな額を小規模支援に割いているということでございます。 そのほか、日本の仮にNGOを通じての支援というものをこれから増やしていくにいたしましても、非常に使い勝手が悪いということが指摘されております。補助金を与えられたNGOはそれを現地で直接使うことになっておりまして、国内経費だとか人件費、そういうものに使えないわけですね。だけれども、これはお金だけ与えて無駄にしろと言っているようなものでして、やはりそうした陣容というんでしょうかスタッフ、ロジスティックスとか、そういうものがしっかりしていないところにお金を上げても、正に無駄遣いになるんではないかと思います。 イギリスでは、プロジェクトの一〇%を、そうしたものに、まで割いてもいいということになっておりますし、それから、ちょっとこれは話が違いますけれども、例えば政府のいろいろな援助、例えば学術研究の費用なんかでも、アメリカの場合だったらオーバーヘッドという、そういうものが三〇%、四〇%、多いところでは五〇%。そういうスタッフの支持、支援がなければ研究も進まないということでして、ODAの場合も、やはりそうしたサポートとかすばらしい人材がいなければいいプロジェクトは進まないんではないかと思いますが、この点についてどうでしょう。
○政府参考人(西田恒夫君) 御指摘のとおりでございます。NGOの方々からこれまでの累次にわたりそのような希望が表明されてきております。政府としましても、JICAを含めいろんなスキームでこれに対応するよう努力はしてきておりまして、現時点でも、現地における活動との関連におきます人件費あるいはある種のオーバーヘッドを認めるという努力はいたしてきております。 このような考え方に基づきまして、今年、本年度におきましては、NGO支援には前年度比四十数%実は予算をたくさんいただくというような成果も出てきておりますので、これを更に使いやすい形にどこまでできるかということを今財務当局と一生懸命議論をしているところでございまして、そのような中で、何とかNGOの方の御希望により積極的にこたえられるような努力をしておりますが、現時点でも全くできないということではないということだけちょっとお話ししておきたいと思います。
○広中和歌子君 それから、単年度主義というのも問題なようですけれども、いかがですか。つまり、一つの支援というのは数年掛かりでやらなきゃならないのに、やり始めたけれども、次の年予算が付くかどうか分からないというようなことがございますよね。その点について、どうでしょうか。
○政府参考人(西田恒夫君) これは日本の財政制度全般にかかわる話でございますので、一ODAの観点からのみ議論すべきことではないと思いますが、ODAが対象にしておりますいわゆる開発という観点から申し上げれば、これは開発というものが単年度でできるはずのものでは元々ございませんので、開発という観点からすれば、よりフレキシブルな、柔軟性に富んだ形での仕組みというものが望ましいと思われますので、現在、その単年度主義という大きな枠の中でどういう形でこれに対応できるかということについては、これも財務当局とは一生懸命今議論をしておりますが、単年度主義そのものが直ちに変わるということは今の時点ではちょっと見通せないというふうに考えております。
○広中和歌子君 それから、先ほどちょっと触れられましたけれども、要請主義が非常に問題だというふうに言っていらっしゃいました。要請主義は、ある意味でいい部分もないわけじゃないんで、それはミックスして使っていただきたいわけですけれども、やはり日本の場合には、その現地の国、当事国か国連が要請しない限り動けないと、緊急の場合、動けないなんというようなことがあって、例えばルワンダの場合、一九九四年でございますか、難民がコレラにかかって、そして急速な、すぐにその予防体制を組まなきゃならないといったときに、対応ができたのは国境なき医師団という世界的なネットワークを持っているNGOでございまして、日本がわざわざ到着したときは二か月後で、問題の多くは解決していたなんというようなことで、本当にもったいないなと。 気持ちはあり、そして組織もないわけではないのに、結果的には余り有効に使われていないというようなことは非常に問題だろうと思いますが、この点についていかがでしょう。
○副大臣(杉浦正健君) 先生のおっしゃる御指摘は、そのとおりだと思います。 ですから、要請主義に基づく無償供与の部分、あれ何ぼでしたか、三千億ぐらいあるんですね。いわゆる少額無償、要請主義外れているのは百億。ですから、そのボーダーラインのところをもう少し要請主義の方からずらして機動的にやれるようにするという工夫はできると思います。 先生の御指摘は正当でございますので、できるだけ早く要請を出してもらうように努力しながら、そこ非常に微妙なんですけれども、いろいろ関係者努力しておるんですが、相手国の政府側がかかわりますと、向こうの政府の非効率、非能率というような面が絡んでまいりましてなかなか敏速にいかないという面もございますので、そこのところは工夫する余地は、いずれにしても出す方はこちら側ですので、まだまだあると私は思っております。
○広中和歌子君 あの阪神大震災のときでもそうでしたけれども、ぱっとすぐに反応できるのは民間であったといったようなこともございまして、やはり当時からも話題になっておりました民間緊急援助隊みたいなもの、あれを作ろうという考え方なんかが数年、かなり前から出ているわけですけれども、今は、例えばそうした大きな支援に対して、メキシコに地震があったとかなんとかというようなときに、どういう形で動いているんですか。例えば自衛隊であるとか何かに限られるわけですか、お伺いします。
○政府参考人(西田恒夫君) 一つには、今、委員御指摘のような自衛隊が持っている輸送能力等をより機動的に使うというような点も、これは先般のインド等の対応で若干手間取ったというような反省も含めて今政府部内で検討しております。 それから、いわゆる民間の方々の力、特にNGOの、緊急人道をやっておられるNGOの方と連携を強化せよということは全くそのとおりで、その意味で、政府としましては、ジャパン・プラットフォームという、日本のNGOと政府との関係では非常にユニークなものを何とか立ち上げて、今アフガンに移って、実際の活動でも、先般のアフガンの地震のときにも、政府が持ち込みました支援物資を実際に運んでいただいたのはNGOの方でございましたし、NGOの方の倉庫にも使わしていただくというふうに、現場での協力というのは目に見える形で出てきているんではないかなと思っておりますが、今後とも、そういう意味で、そのような緊急人道という、NGOが非常に活躍のしやすい、あるいは非常に得意としておられるというような分野においての協力というものはもっともっと広げていく可能性あろうというふうに考えておりまして、アフガニスタンにおいても、そういうようなことを目指しているところでございます。
○広中和歌子君 ジャパン・プラットフォームという言葉が出て、ちょっと笑ってしまったんですけれども、ともかく、せっかく大事に育てようとしていらっしゃるNGOを、あのアフガニスタンの支援会議にボイコットすると。仮にどのような圧力が掛かったとしても、そのようなことをなさる外務省の見識というのはやはり疑われていいんじゃないかなと思ったりいたします。ちょっと意地悪なコメントになりましたけれども。 それから、人材でございます。私は現地でいろんなJICAの方、それから現地で手伝っていらっしゃる方、民間の方もいらっしゃいます。本当に頭が下がる活躍をしていらっしゃるわけですけれども、ちょっと一抹の不安を抱えていらっしゃる。それは、日本に帰って、これをやめて日本に帰ったときの再就職の問題です。 私は、今、日本がグローバリゼーションの中で、そうしたJICAのような中で海外で活躍した人たちというのはすごい人材だと思うんですね。単に言葉ができるとかできないとか、そんなレベルじゃなくて、全く訳の分からないところへ行って現地の人と直接交渉をしながら、緊急の場合、いろいろな行動を起こしていくという、そういう対応能力みたいなもの、すごいものを持っているんですが、日本の社会というのはそういう人たちを評価しないシステムになっている、あるいは雇用しないようなシステムになっているということは非常に残念なんですけれども、有効に継続的に受け入れたりという、そういう何というんでしょうか、連携ですよね。それは是非経団連なんかの方々と話し合ってやっていただきたいと思うわけですけれども、こういうJICA、青年海外協力隊の人材を有効に使うような宣伝ですよね。これ是非PRしていただきたいんです。ただ口で、こういう人がいますよだけじゃ足りないと思います。こういう人こそこれからの人材なんですよといったようなことをPRしてくださらなければ増えないと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(武見敬三君) 時間でございますので、次の質疑者に移ります。
○広中和歌子君 ちょっと、それだけは答えてくださいよ。非常にいい質問をしたんだから。
○委員長(武見敬三君) これは極めて厳格にやると前々から申し上げておりますので、申し訳ございませんが、御了解をください。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦です。 外務大臣にまず御質問させていただきますけれども、今般、国会に提出されております武力攻撃事態安全確保法は、今後整備すべき個別法も明示されているわけですけれども、この中には、戦時の文民保護、また捕虜の取扱い、戦争犯罪人の処罰等に関する国際人道法に対応する国内法の整備が含まれております。 これに関しまして、日本は一九四九年のいわゆるジュネーブ諸条約というものに関しては批准をしておりますけれども、その後のジュネーブ追加議定書に関しては署名も批准もしていないということであるわけでありますけれども、追加議定書は、追加議定書でありますけれども、この一九四九年以降の世界で起きた様々な、特に独立戦争が多かったわけでありますけれども、米国もベトナム戦争という大きな戦争を経験をいたしまして、ですから、一九四九年以降の国際情勢の変化を受けてかなり内容をアップデートしたいわゆる戦争、戦時中に関する、先ほども申し上げたような内容に関する中身の濃い議定書になっているわけでありますけれども、私はこれを、この追加議定書に関しても、若干報道で検討しているということを報じられておりましたけれども、日本も早期に批准をすべきではないかと思いますけれども、御見解いただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃいましたジュネーブ諸条約の第一及び第二追加議定書でございますけれども、これは一九四九年のジュネーブ諸条約と並んで国際人道法の主要な条約と位置付けられているわけでございます。内容的にもジュネーブ諸条約と不可分であるということでございますので、これらにつきましては、今般の武力攻撃事態対処法案、法制を整備するという中で、内閣官房を中心とした実施のための国内法制の検討作業を行っていくわけでございますが、それと並行して締結の検討を進めていきたいと考えております。
○遠山清彦君 中身が大変濃いですので、特に外務省の条約局の方、大変だと思いますけれども、是非やっていただきたいというふうに思います。 それから、今話題で出しました国際人道法の戦後の系譜の延長線上にありまして日本もその締結に深く関与した国際刑事裁判所設置条約、いわゆるローマ規程と言われるものの早期批准も、日本の早期批准も推進すべきだというふうに私は思っております。 御存じのとおり、この条約が発効するための要件でありました六十か国の批准が今月の十一日に成立をいたしまして、今年七月に条約が発効することになりました。 私は、昨年の秋の臨時国会でも、本会議でも、またこの委員会の場でもこの早期批准を求める主張をさせていただいたわけでありますけれども、実は、私、九月十一日の、昨年の、テロ事件が起こる前は四十か国に満たない国しかこの条約を批准しておりませんでした。当時は、一部の専門家では条約が成立するために十年、二十年掛かるんではないかという話もあったわけでありますけれども、テロ事件以降、批准する国が急増いたしまして、昨年私が申し上げたのは、特にイギリスが、一方でアフガニスタンで米国と軍事行動をともに取りながらも、米国が、その米国が猛反対を現在しておりますこの国際刑事裁判所設置条約の批准を決めたということは非常にシンボリックな動きであったと。つまり、英国は、一方でテロに対処するために軍事措置が必要であるという立場を取りながらも、一方で国際司法の場でテロリストや人道に対する罪を裁けるような制度をしっかり整備をしていこうという立場から、あえて同盟国である米国から若干不快感を持たれるようなことをあえてしたということで、私は非常に注目をしておりました。 ただ、この六十か国の批准国の中にはインド、米国、中国などの大国は含まれておりません。しかし、その一方で、イギリス、フランス、ドイツなどのヨーロッパの大国は含まれているということでありまして、これに関しましては、日本においても国際機関に対して戦争犯罪の嫌疑を掛けられた人物を現在では渡せないという問題等があるわけでありますけれども、また昨年は、まだ正にこの国際人道法に対応する国内法が日本にないという、未整備であるということを理由に批准できないという答弁を私たしか条約局長からいただいたんですけれども、今正に、まだ通っておりませんけれども、この有事法制の中でこういったものを国内法を整備していこうということが視野に入ってきたわけでありますから、私はこのローマ条約、国際刑事裁判所設置条約に対する批准も考えられる状況になってきたんではないかと思うんですけれども、外務大臣の見解を伺いたいと思います。じゃ、副大臣。
○副大臣(杉浦正健君) 委員御指摘のとおり、我が国は一貫して国際刑事裁判所の設立を支持して、その実現に努力してまいったわけでございますが、私はもう非常に誇るべきことだと思います。 御案内のとおり、今ハーグで、これは安保理決議ですが、ユーゴ問題に関する国際刑事裁判所が開かれましてミロシェビッチ等が裁かれておるわけですが、これはユーゴに関連する様々な虐殺とかそういうことがございまして、それでできた。ですから臨時のものですね、臨時の、あの問題限りの裁判所でございますが、これは国際刑事司法では画期的なことで、人類始まって以来のことじゃないでしょうか。それを常設化しようというのがこの国際刑事裁判所の動きでございます。ですから、人類はここまで進歩したかとある意味では言えると思いますので、先生のおっしゃるとおり、四月十七日、六十六か国が批准を了しまして、私どもとしても検討を加速しなきゃならぬというつもりでおります。 ただ、前国会で条約局長が言っていましたとおり、国内法との整合性というのは大事でございますので、戦争犯罪とかあるいは人道に対する罪とか侵略に対する罪とか、そういう罪を処理する国内法規定がございませんので、その辺りをきちっと検討をして、つまり、その検討はいわゆる有事法制の第三分類に入ることになっておりますから二年以内ということでございますので、二年以内とは言わず早急に検討をして、この条約に参加できるように一生懸命努力をしなきゃならないというのが私どもの立場で、一生懸命頑張ってまいりたいと思います。
○遠山清彦君 大変に前向きな御答弁、ありがとうございます。 この国際刑事裁判所、ICCは、やはり日本も私は歴史的にも深くかかわっていると思います。御存じのとおり、戦争に関する、特に人道に対する罪、平和に対する罪というのは、最初に大規模に裁かれたのは東京裁判であり、またニュルンベルク裁判であったわけでありまして、その当事国であった日本といたしましても、いろんな、この東京裁判に関しても学者の間で勝者の裁きであったというような指摘もあって、それがかなり正しい部分もあったわけでありますけれども、このICCというのは正に戦争の敗者勝者にかかわらず非人道的な行為を行った者を裁くというようなことで大変に重要だと思いますので、是非、予定どおりですと来年設立、この裁判所がされるということでありますから、できればそれまでに日本としても目に見える成果を出して臨んでいただきたいというふうに思います。 続きまして、国連改革について外務大臣にお聞きしたいと思います。 先ほど、山本議員の方からも佐藤国連大使のお話がありましたが、私も、佐藤国連大使が、一九九三年から始まった国連改革、特にその中でも安保理改革を一生懸命ニューヨークでやられているということを以前から敬意を持って見ていたわけでありますけれども、この安保理を改革をして、特に常任理事国の数を現在の十五から増やしまして、その増やした部分に日本が入りたいということは、これは日本の政府レベルで意思を既に明示したわけでありますけれども、当然この常任理事国を何か国増やすかということ、また新しくどの国が常任理事国になるかということは難しい問題を含んでおりますので簡単にいく話ではないと思いますけれども、私は、やはり日本がODAに対して大きな貢献をしてきたこと、また最近PKOなどでも大きな国際貢献をし出していること、また国連に対して多額の分担金を遅滞なく支払ってきたことなどにかんがみて、また日本は今、二十一世紀の外交理念の大きな柱と言われている人間の安全保障も政府として強力に推進していることなどの理由から、私は日本は常任理事国入りをしっかりと目指していくべきだというふうに思っておりますけれども、この問題に関する川口外務大臣の所見と、また、現在のこの改革、この国連に対する働き掛け、あるいは国連での安保理改革の進捗状況について教えていただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 私も、委員がおっしゃいますように、日本が安保理の常任理事国になるということは大事な課題であると考えております。 それで、現在の進捗状況でございますけれども、委員おっしゃいましたように、国連は安保理改革をほかの、財政改革といったようなほかの改革と並んで今進めていまして、その早期の実現を目指しているわけでございます。 おっしゃったように、安保理の改革という観点でいきますと、これは国連全体として安保理改革を早期に実現することが大事であるということについての総意はあると考えておりますけれども、おっしゃったような人数の点でどういうふうにするかということで議論が収れんをしていない状態にあると考えております。 我が国は、アメリカとの間では、安保理改革が必要である、これを両国でコミットをしようということで、共同声明も二〇〇一年の三月と六月の二回出ております。また、米国は日本の常任理事国入りについても支持を表明をしているわけでございます。私が二月にパウエル国務長官と外相会談を行いましたけれども、そのときに安保理改革についても引き続き協議をしていきたいということをお話をいたしまして、長官からは支持しているという、日本の常任理事国入りを支持しているという御発言をいただいています。 この問題については、日本も引き続き精力的に働き掛けていくことが必要だと考えております。
○遠山清彦君 是非頑張っていただきたいわけですけれども、日本はたしか常任理事国の数を現在の十五から二十四に増やすという主張をかねてから展開をしてきておりまして、実はこれに対して大変に反対をする国々があって、米国も実はその一つであったわけですけれども、先ほど来名前が出ております佐藤国連大使がホルブルック当時の国連大使と二〇〇〇年に話し合って米国の柔軟な姿勢を引き出したということがあったわけであります。 ただ、政権が替わりました、アメリカの。ブッシュ政権、共和党政権なんですけれども、共和党は伝統的に民主党と比べると国連に対して非常に懐疑的であるということが言われてきたわけで、今パウエル国務長官のお話を聞いて私も若干安心をしましたけれども、しかし共和党の上院議員や下院議員の中には国連をほとんど敵視しているような発言をされる方もいらっしゃる状況でありますので、是非、今後ともブッシュ政権のしかるべき立場の方々とこの問題について意見を交換されて、しっかりと米国の意思を確認をしながら事を進めていただきたいと願っております。 続きまして、NGOとODAの問題でちょっとお伺いしたいんですが、まず、川口外務大臣は先日二十二日にNGOの代表を含むグループと懇談をされたということが報道されておりましたけれども、外務大臣、以前からこの場でNGOの方々と懇談をしたいということをおっしゃられて、またすぐ実行に移していただいて大変に私感銘を深くしている次第でありますけれども、この懇談をされて、大臣、どういう御感想をお持ちになられたか、ちょっとお伺いします。
○国務大臣(川口順子君) 先般、大西代表を始めとするジャパン・プラットフォームの関係者の方々とお会いをいたしました。それから、今日の午後、アフガニスタンで活動しているNGOの方々とお会いをしたいと思っております。 先日お会いをしたときは実は余り時間が十分でなくて、それぞれの方から少ししかお話を聞けなくて非常に残念だったんですけれども、本当に日本を離れた、遠く離れた世界の様々なところで、例えばイラクのクルド地区ですとか、そういうところで御活躍をしている方がいらっしゃいまして、時間が許せばもっともっと現場の話を伺いたいなというふうに思いました。
○遠山清彦君 個人的なことですが、私もイラクのクルド人自治区の現地に行ったことがございまして、是非、そういうところで赤痢にみんなかかりながら頑張っておりますので、そういった現場の声を聞いて政策に生かしていただきたいと思いますが。 実は私、いろいろと聞こうと思ったんですが、ほとんど広中先生に聞かれてしまったので、一点だけ西田局長、お聞きしますけれども、二点ですね、最後の方は外務大臣に聞きたいんですが、一点は、先ほどの広中先生のお話にもあったんですけれども、やはりNGO支援の中身で、私は、プロジェクト、NGOがプロジェクトを作って、それを外務省あるいはJICAの方から御支援いただくと。プロジェクトそのものに対する支援はかなり充実してきたと思うんですが、しかし、プロジェクトをやるときに、例えばそのプロジェクトを日本から管理をする、いわゆる本部管理費と言われるようなところに対する手当てがない。それから、NGOもプロジェクトをやるときに、政府もそうですけれども、事前調査をしたりあるいはプロジェクトを終わった後にそのプロジェクトが良かったのかどうか事後評価をしなきゃいけないというところがあるわけですが、このプロジェクトの事前評価あるいは事後評価に対する助成というものが現状では手薄いというか、ほとんどないというのが私の今の認識でございます。 これに対してNGOの方から、こういう部分も、プロジェクト本体だけじゃなくて、その前後の準備作業あるいは事後の評価あるいはプロジェクトをやっている最中にそれを日本側から管理をするような費用なども認めていただきたいという声があるんですが、この点について、局長、どうでしょう。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。 先ほど御質問もございましたけれども、御案内のように、調査あるいは評価というものは、そのNGOの団体そのものに対する透明性も含めて今後非常に重要な問題になってくるんだろうと思うんです。ODAそのものに対する透明性あるいは評価というものをより充実せよという大変に強い要請をいただいておりますが、同様に、そのODAのパートナーたるということが更に期待されておりますNGOについても同様な問題が今後出てくるというふうに考えております。 それで、現在の支援で、まず一つ、そのような評価についても、実は一つJICAがやっているスキームでは、失礼、NGO事業補助金の制度の中ではNGOが実施主体となっている開発協力事業の案件形成のために企画の調査、それからNGOが実施した開発協力事業の評価調査に対しても経費支援を行っております。したがって、先ほどもちょっとお話ししましたが、全くゼロという状況ではない、ただこれが不十分だという御指摘ですので、更にこれを強化をしてまいりたいということで、財政当局と話をしているところでございます。 それから、管理費につきましては、プロジェクトに絡む管理費は実はかなりもう既にカバーをさしていただいております。したがって、問題はプロジェクトを必ずしもやっていない状況においても本部管理費というようなものを見ることができるかできないかと。これ私は、しかし非常にこれは難しい。やはり、具体的なプロジェクトを行うに伴っての管理費というものをカバーするということが適切ではないかなと。いずれにしても、これについても財務当局と話をしております。
○遠山清彦君 今、NGOの支援に関しても外部監査の義務付けということも行われてきて、透明性の問題あるいはアカウンタビリティーの問題も大分進捗してきておりますので、その辺も含めて現地でしっかり効果的な活動ができるような支援をしていただきたいと思います。 それで、外務大臣、私何度も外務大臣に同じ質問を聞いて恐縮なんですが、先ほど自民党の外務省改革に関する小委員会も全く同じ提言をしておりますので、再度お聞きしたいと思いますが、やはり私、NGOの担当大使というか大使クラスで政府を代表してNGOの窓口、あるいは海外に行ったときも日本のNGOとのパイプ役として政府を代表して活動できる担当大使必要なんではないかとも思いますが、これは自民党の方でも改めて提言をされたというふうに聞いておりますけれども、再度、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) NGOとの連携は、これも申し上げるまでもなく私は非常に大事なことだと思っております。 それから、現在、外務省ではNGO連絡センターが窓口になってやらせていただいているわけですけれども、そのNGOの担当大使についての御指摘も委員及び先般の自民党の小委員会の中でもおっしゃっていただいているわけでして、現状で十分かどうか、どういうふうに改善をしていったらいいかということを引き続き検討を続けたいと思っております。
○遠山清彦君 確かに、組織、機構にかかわることですので、いろいろと考慮しなきゃいけない点あると思いますが、私は日本がやっぱり人間の安全保障というのを前面に出してやっている国だからこそ、このNGOに関して、他国がどうであるかという点もありますけれども、やはりほかの国がやっていなくてもこういった分野でNGOを重視しているんだということで、それを口で言うだけじゃなくて、やはりこういう人事の面でも反映していくという意味でも大事なメッセージになるんじゃないかというふうに思っておりますので、何度も聞かさしていただいていることを御理解いただければと思います。 時間がなくなってきましたので、最後に在外公館の領事業務の改革についてちょっとお伺いをしたいと思います。 これは変える会の議論の中でも、外務省の中で領事業務の重要性が認識されていないんではないかという指摘があったというふうに報じられているわけでありますし、また私が調べた限りでも、どうも九七年のペルーのゲリラによる日本大使館占拠事件とか、あるいは九八年のインドネシアの政変等で邦人が、在留邦人がいろんな危機に巻き込まれたことがあったにもかかわらず、この在留邦人の安全確保、保護も含む領事業務に関して日本の在外公館の評判が必ずしも良くないということがあるように思います。 例えば、昨年の九・一一のテロ事件に関して申し上げますと、雑誌の日経ビジネスなどが、大した人数に聞いていないので信憑性がどこまであるかということはあれなんですけれども、ニューヨークの総領事館に安全確保や保護を期待しているかという問い掛けをしたら、五十人の中で期待していると答えたのはわずか七名だったと。四十三名の人は期待していないと答えたそうですが、期待していないこの背景には、過去に総領事館で不愉快な思いをした経験があるようだというようなことも指摘をされているわけなんですね。 私なりにこの問題考えたときに、二つ、今の外務省でこの領事業務が問題になる背景があるんじゃないかなと思っております。 一つは、外務省、外交官が海外赴任する際に領事業務に関する研修がしっかり行われていないのではないかと。あるいは、海外に最初研修で外務省の職員が行ったときも、語学の習得やあるいは現地の政治経済を学ぶことは奨励されていても、領事業務をしっかり勉強しようというような指導がなされていないんではないかという点があると思います。 それから、それと表裏一体の話として、領事業務がそもそも在外公館においては現地採用の方々に大きく依存をしていて、実際に外務省本省から行かれた方はそんなにタッチしなくていいという状況があるんではないかというふうに思うわけでございます。変える会の議論の中では、大使や総領事自らが一週間に二時間ぐらいでも窓口の領事業務をやるべきではないかというような意見もあるわけであります。 また、アメリカの国務省を一つの対照例として出したいんですけれども、米国の国務省では、外交活動の中で自国民の財産や生命の保護というのを特に重視をしておりまして、アメリカの外交官はほとんどすべての人が若い時期に領事業務を義務付けられております、大臣御存じかもしれませんが。外交官として勤務を始めてから最初の四年間のうち二年ぐらいは領事業務をみんな専門にしてやると。それが終わった後に政治や経済で、あるいは地域で専門を身に付けていくというようなことを取っておりまして、このような米国の国務省のシステムと比べても、日本の現状というのはちょっと問題なんではないかというふうに思いますけれども、この領事業務の改革ということに関して、最後に外務大臣の見解を聞きたいと思います。
○政府参考人(小野正昭君) お答えいたします。 大変幾つも重要な点を御指摘いただいたというふうに認識しておりますが、九月十一日のような未曾有な大事件等におきましてはもとより、日ごろ在外公館において在留邦人の生命、財産の保護ということは非常に重要な業務と認識しておりまして、館長自らがその陣頭指揮に立って指導するようにということで考えてきているわけでございます。先生御指摘になりました領事実務研修をもっと充実しろという点は、正に非常に重要なポイントでございます。 ローカルスタッフに任せ切っているんではないかという御指摘もあったと思うんでございますが、現在、在外公館の領事担当部門で約六百名ぐらい全世界に現地採用職員が勤務しているわけでございますけれども、こういう領事サービスの向上のために有効に現地ローカルスタッフを活用するということは非常に重要でございます。 それから、公館の本官が業務を任せ切らないできちっと責任を持って監督指導していくという体制を確保していくということは言うまでもないことでございまして、この点一層徹底していきたいというふうに考えているわけでございます。 それから、今、我々昨年から実際に行ってきております研修の中には、講師として外部の人材を活用すると。例えばメンタルケアの専門家ですとか、それから窓口対応、これはもうちょっと丁寧にやるようにということで、民間研修会社を積極的に起用するというようなこともやってきております。 それから、先ほど米国の例を指摘されましたけれども、今回外務省改革の一環として、Ⅰ種、Ⅱ種の職員、将来外務省の幹部となるべき職員に対しても、若い時代に領事研修を従事させるということを行う予定にしてきているところでございます。 以上でございます。
○遠山清彦君 終わります。
○吉岡吉典君 今日は四月二十五日ですが、四月二十八日で安保体制が発効してからちょうど五十年になります。安保体制の半世紀を迎えましたが、私はこういう問題を考える場合に、五十年前の条約局長であった西村熊雄さんに話を聞いたときに、こういう話をされました。いろいろ問題があると思っておりました、しかし善かれと思って結びましたと。その後が私は非常に注目して聞いたんですけれども、この判断が良かったか悪かったかは歴史家の判定に任せましょうということでした。私はやっぱり、一人の政府の重要な仕事をした人が、自分らがやったことをこういう形で歴史の判定を経ながら進んでいこうという態度には大変好感を持ちました。 五十年たったところで、私はできればこの五十年間の日米安保体制をどう考えるか、論議したいんですけれども、今日はわずかしか時間がありません。ちょうど三日後にそういう日を迎えるということで、そのことだけ今日は申し上げまして、その安保体制の今日の到達点をめぐって幾つかお伺いしたいと思います。 私が安保体制という言葉で言いましたのは、近年、防衛庁も外務省も、安保条約と安保体制とを区別し、安保条約は変わらないが安保体制は変わった、安保体制というのは安保条約だけでなく、その後の一連の日米の取決め、合意等々を合わせたものであるという説明を続けてこられているので、その安保条約は、確かに六〇年安保条約変わっていませんが、安保体制はいろいろな点で変わってきた。 私は、今日の安保体制を見る上で一番大きく変わるもとになったのは九六年の日米安保共同宣言に基づいて取り決められた新ガイドラインだと思います。その新ガイドライン以降、日本の安保体制にそれまでにはなかった新しい点が幾つか付け加えられ、具体化されてきたと思います。どういう点がそういう新ガイドライン前になかった新しい点か、私はその代表的なものは周辺事態法であると思っておりますけれども、ちょっと防衛庁長官、その点まとめて、新しい点、どういうことか説明していただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) この五十年を見ていますと、私は、戦後の歴史に残る成功した条約であって、日米双方の経済発展、またアジア太平洋地域の平和と安定に不可欠な役割を果たしたものだと思っております。 この平成八年の共同宣言というのは、世界的規模の武力紛争が生起するという可能性が遠のいている一方で、依然として不透明性及び不確実性が存在する国際情勢の下に、日米同盟の価値を再確認するものとして見直しが行われましたけれども、これまでに、平時、有事、周辺事態に際しての日米安保協力の枠組みを整理をいたしまして、これに基づいて日米安保協力を更に拡大、深化させるということでございます。したがいまして、この周辺事態に対する枠組みを整理したことによりまして、この地域の安全保障が冷戦後の時代においても更に安定したものになっているというふうに考えております。 そして、去年、同時多発テロの際につきましては、国際テロとの戦いにともに取り組んでいるところでありますけれども、この協力はテロの防止、根絶のための国際社会の取組に多大な貢献を与え、日米同盟をますます堅固なものとする上でも意義深いものと考えておりまして、今後とも国際的なテロリズムとの戦いに積極的かつ主体的に取り組んでまいる所存でございます。 そして、今後におきましても、大量破壊兵器の拡散、サイバー攻撃、国際的なテロリズム等の新たな脅威への対応、国際人道活動、災害救助活動などのOOTW、軍事以外の平和のための協力分野やPKO活動における日米協力についても今後検討していくことが重要であるというふうに考えておりまして、今後とも日米安保体制を堅持していくことが日本にとって有益であるというふうに考えております。
○吉岡吉典君 今の説明の中で新しい点として私は受け止めましたのは、周辺事態に対する対応を日米協力でどのように行うかという問題と、テロとの戦いに日米がどう協力するかという点が特に新しい点として指摘されたというように受け止めます。 それで、その新ガイドラインが周辺事態、従来あった武力攻撃の事態にとどまらず、周辺事態を非常に重視して、そこで日米協力体制を取ることを決めました。新ガイドラインを改めて読み直してみますと、いろいろな具体的な取決めもあるわけですけれども、私は、その中で新ガイドラインの実効性確保のためのいろいろな措置を取ることが決められております。新ガイドラインの合意に基づいて取られた、その新ガイドラインの実効性確保のために具体的にはどのような措置あるいは体制が取られたか、これちょっとまとめて説明してください。
○国務大臣(中谷元君) この実効性を確保するためには、包括的メカニズムと調整メカニズムの仕組みを考えました。 この包括的メカニズムというのは、共同作戦計画についての検討、相互協力計画についての検討を始めとする日米共同作業を実施するために、自衛隊、米軍のみならず、両国の政府のその他の関係機関の関与を得て日米両国政府によって構築されておりまして、これまで五回、共同計画検討委員会、BPCを開催するなど、この計画の検討を実施しております。 もう一つの調整メカニズムというのは、緊急事態に際して各々の活動に関する調整を行うために、両国の関係機関の関与を得て平素から構築するというふうにされておりますが、いわゆる緊急事態のための活動をするというものでありまして、これまでに活動の実績はございませんが、平成十二年の九月に構築されたところでございます。このようなもので実効性の確保を検討いたしている次第でございます。
○吉岡吉典君 別の面からいいますと、周辺事態法もやはり新ガイドラインに基づいて取られた日本の法体制だと思いますし、そしてまた今回の武力攻撃事態法案ですか、これも大きく言えば新ガイドライン体制を具体化していく一つだというふうに私は取っておりますが、その点はどうですか。 私がそういうふうに取るのは、この一月に内閣官房が発表した「有事法制の整備について」という文書によりますと、「有事法制の整備は、日米安保体制の信頼性を一層強化し、」云々というふうに書かれていて、いわゆる武力攻撃事態ということを言いつつも、有事法制の整備によって日米安保体制の信頼性を強化するというようなことが強調されていることから見ても、私は新ガイドラインの取決め以降の日本の体制整備、これが周辺事態法、また武力攻撃事態法等々で具体化されつつあるというふうに取っていますけれども、長官、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 日米安保条約には有事の際の両国の行動が書かれておりまして、今回整備します武力攻撃事態対処法案においての事態につきましては有事の事態の整備でございまして、これに整理をされております。 それから、九五年に整理をされました周辺事態においては、数年前に国会で議論をいただきましたけれども、周辺事態安全確保法に言う周辺事態でありまして、我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態ということでございます。 それぞれの事態というのは、それぞれ個別の判断に基づくものでありまして、両者は異なる概念の事態でございますけれども、ガイドラインの中で、適切に両者の調整を図る、対応するということが書かれておるわけでございますけれども、状況によっては両者が併存することはあり得るわけでございますが、具体的にその時々の状況によって適切に対応をすべく、それぞれの概念に基づいて整理をしているわけでございます。
○吉岡吉典君 今、長官おっしゃいましたけれども、周辺事態法とそれから武力攻撃事態、これとの間で併存する場合もあり得るということ、これはこの間から答弁なさっていることであるし、私が事務方の人から説明聞いてもそのような説明が行われているわけですね。その併存する事態というのはどういう事態なのかということを、長官の方からちょっと説明していただけますか。
○国務大臣(中谷元君) 一応概念的な整理でありまして、この武力攻撃事態というのは、我が国に対する武力からの攻撃が予測され、またそれが発生した事態であるし、周辺事態というのは、我が国周辺の地域において我が国の平和と安全に重要な影響を与えるような事態であります。どのようなことが起こるかということにつきましては、将来のことでありまして、現時点でどうこうということは申し上げられませんけれども、我が国周辺地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態ということで概念的に整理をいたしております。
○吉岡吉典君 周辺事態法の規定を読みましても、内容的に見れば、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等の我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態、これが周辺事態法で言っている定義ですね。ですから、この事態というのは、私は、今度の武力攻撃事態法案で言っているところの武力攻撃事態とほとんど概念としては重なるように思うんですね。周辺事態法で言っていた周辺事態というふうに、何か周辺で騒ぎがあるというふうなことじゃなくて、こういう定義になっているわけですからね。 ですから、重なる部分もあるというよりは、我々が周辺事態法を適用するというか発動する、そういう事態というのはもう多くの事態が武力攻撃事態法にもつながってくるような、すべてかどうかは別といたしまして、そういうふうに法案ないし法律の定義の文章から読むと取れるんですが、長官、それはどうでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この周辺事態というのは、我が国周辺地域における事態に対して日本と米軍が行動する際に、日本は憲法の枠内で後方地域支援において行動するわけでありまして、それによって武力攻撃に至るかどうかという事態が回避できるかどうか、それは我が国としての努力また米国の努力、その努力がうまくいけば回避できるわけでありまして、一概に、そのまま武力攻撃事態に直結するかといえば、やはり周辺事態の際の我が国の努力によってそういった武力攻撃が考えられないような事態もあるわけでありまして、概念的にはイコールではない、やはり違う概念で考えるべきだというふうに思います。
○吉岡吉典君 私は、すべてというふうには言わないと言いましたから、実態的にはそういうことを言っているつもりですけれども。ただ、変わるのは、周辺事態法の場合には自衛隊の行動というのは後方支援ですよね。今度の場合には、後方支援にとどまらないで、武力攻撃事態の場合には自衛隊が陣地構築等は開始すると、こういう事態になる。そこに大きい違いが私はあると思います。 私は、六十年目の安保ということを考えると、もう非常に変わったなという感じを受けざるを得ないんですね。というのは、僕は、旧ガイドラインができた直後に、旧ガイドラインについて防衛庁の重要幹部に、これは非公式の話ですけれども、聞きに行ったときに、例の周辺事態法の第三項目ですか、周辺事態じゃない、旧ガイドライン。これはいろいろ検討したけれども、できないと。日本に対する武力攻撃もない時期における米軍への自衛隊の協力というのは、結論的に言うと、自衛隊がいったん退職して基地労働者になって協力するという形でも取らない限りできないという説明を非公式ですけれども受けました。旧ガイドラインのときにはそういうふうに幾ら考えても答えの出なかったそれを、今度は憲法の枠内だといってやられるところまで大きく変わってきたなというように思います。 その変わる変え方の一つは、憲法上何ができるかということと、もう一つは、安保条約と安保体制は違うという理屈を作り出して、これまた最近国会答弁で言われるようになりましたけれども、安保条約の条文に規定がない日米協力もできるのだということを元の防衛局長の秋山さん辺りから国会で言われ出して、したがって安保の条文にない安保の発動があるという新しい問題が出てきた。ですから、例えば周辺事態法でも、私は、あれは安保五条でもない、六条でもない、五・五条なのかどうなのか、そういういろいろな論議があるわけですけれども、そういうところへ今の安保が来て、安保というのが、確かに条約は変わっていないけれども、安保体制と言われるものは非常に大きく変わってきたなという感じを持たざるを得ないんです。 六〇年安保が国会で論議されたときに、当時の岸総理の国会答弁というのは、自衛隊が日本の領域から外へ出掛けて行動することはないということさえ言っていたんですけれども、その当時の答弁やら論議、また旧ガイドラインのときでも、私は、受けた質問を、お話をお伺いすると、本当に五十年目の安保体制というのは変わったというのを実感するんですが、長官は余り変わっていないというふうにおっしゃるんですか。どういうふうにおっしゃいますか。
○国務大臣(中谷元君) 日米協力の在り方につきましては、両国の話合い、そして国会での御議論等を通じまして、現行の憲法に基づいて日本としてなし得る限りの貢献の範囲にとどまっておりまして、憲法から逸脱するような協力ではないというふうに認識をいたしております。
○吉岡吉典君 私は、その一番大きい変化は、一九九六年の安保共同宣言で、日米安保体制、日米安保条約がアジア太平洋の安保のかなめになるんだということを宣言した。それに沿って、まず周辺事態という新しい概念を持ち出して、その周辺事態に自衛隊をつないで、周辺事態法では後方支援という形で自衛隊が出動する、そういう法案を、法体制を作った。テロ対策の問題では、特措法で、またテロとの戦いという形での自衛隊が海外に出掛ける、もちろん後方支援という形ではありますが、これは参戦という事態まで出てきた。その安保を、今度は武力攻撃事態法というので、自衛隊が単に後方支援のみならず防衛出動する事態とまでつないできたというところにこの新しさがあるなと、九〇年代の後半から二十一世紀に入っての安保の大きな変化があると思っております。 そこで、ちょっとこれは外務大臣にお伺いしたいんですが、この十八日に私所属している南ア、南アフリカ共和国議員連盟と南アフリカ共和国の国防委員会の代表との三時間近い意見交換の場がありました。そこで南アの国防委員会から日本側に相当長時間質問がありましたが、第一質問は、日本に来るに当たって日本のいろいろな勉強をしてきましたと、そしてまた憲法についても勉強してまいりました、日本へ来てから今有事法制というものが検討され、国会に提出され、論議が、この人らは不正確で始まっていると聞いたとおっしゃっていましたけれども、そういう状況で、そこで質問の第一点というのは、有事法制というものを日本国憲法でどのように説明できるのか、そこがよく分からないという説明でした。私もやっぱり率直なる、外国人が日本国憲法を読んで、日本国憲法の下で有事法制、要するに日本が武力攻撃を受けた事態、更にそのおそれの事態、予測される事態にまで対応するこの法案というのが、やっぱり憲法九条との関係でどうしても理解し難いという答弁が出るのは、私はよく分かる気がしますね。 私は、今、安保五十年というときに憲法ももう一回振り出しに返って、日本国憲法で目指したものに沿った努力をこの五十年やってきたか、今もやっているかどうかをも含めてやはり研究をする必要があると思っております。 日本国憲法というのは、御存じのように、戦争放棄、戦力不保持、交戦権否定ですけれども、同時に私は、憲法制定議会でいろいろ論議されている中で特にここの部分を私は重視したいと思うのは、例えば吉田総理でも、この新しい憲法に沿って、日本は戦争のない国を創造する先駆けとして、世界の平和に貢献するあらゆる手段をあらゆる機会において日本政府として取っていきたいと、そう決意しておりますと述べております。私は、この委員会でも言ったことがありますが、幣原喜重郎国務大臣は、私流に要約すれば、戦争が文明を滅ぼさないうちに文明が戦争を滅ぼそうという趣旨の言明をなさっております。 ところが、最近の私は政府の答弁、憲法にかかわるのを聞いてみると、いかにして憲法をすり抜けて憲法違反でないという形で戦争の事態に備えるのかということに置かれているという感じがするわけです。私は、もっと我々が政府から耳にする憲法についての言葉は、我々が憲法で目指した戦争のない国を創造する先駆けとして世界の平和を実現していくという、憲法制定に当たって政府が答弁し、強調したそこの努力部分が日常不断に聞けるという、そういう日本外交でもあり日本の努力でなければならないという感じがしながら、南アの代表団の質問を聞きました。 外務大臣、南アのその質問に外務大臣ならどのようにお答えになりますか。それを含めて。
○国務大臣(川口順子君) 総理は、日ごろから、備えあれば憂いなしということをおっしゃっていらっしゃるわけでして、今回作ろうとしている体制というのは、これは国の独立と主権、国民の安全を確保するために、備えがあれば憂いなしという考え方に立って、日本国憲法の下でこの武力攻撃に対処する体制を作るということであるわけでございますので、私は、これが日本国の憲法に反するということは全く考えておりません。
○吉岡吉典君 私は、その答弁では、世界がやっぱり日本国憲法が分からないことになると思う。 私は、備えあれば憂いなしで戦争への備え、武力攻撃の備えじゃなくて、そういう不安のない世界をどう日本国憲法に沿って日本は作る努力をするかという、そっちの声をもっと上げていただきたいというのが、今私が言った点なんです。その声が聞かれないで、備えあれば憂いなしということばかりが強調されるから、努力の方向が間違っているんじゃないかという声が出てくるわけです。 もう時間ありませんから、質問しないで終わります。
○田村秀昭君 外務大臣にお考えをお尋ねさしていただきます。 九月十一日に同時多発テロが起きました。それで、旅客機をハイジャックして、六か月も操縦を習った人が操縦をしてビルに突っ込んでいったと、相当恨みが極限に達していないとこういうことできないと思うんですけれども、外務大臣は、なぜそういうことをしたかということについてどういうようなお考えを持っておられるか。テロそのものがいいとか悪いということをお聞きしているんじゃなくて、なぜそういうことをイスラムの社会の人はやったかということについてどのようなお考え方を持っておられるか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員が、なぜそういう考え方をイスラムの世界の人が持っているかというふうにおっしゃられましたけれども、私は、この同時多発テロとイスラムの世界と一緒に考えるということは危険であると思っております。 イスラム、これは事件の後、ブッシュ大統領も明確にこの点については気を付けて注意をしていらっしゃいましたけれども、イスラム世界の人は平和を愛する国民であるわけで、各国、ヨーロッパにもアメリカにもそういうイスラム教徒の人は大勢いるわけですね。それで、そのことと、一部のテロリストグループに属する人間が同時多発テロを行ったということは、はっきり峻別して議論をすべきであると私は考えております。
○田村秀昭君 そうすると、外務大臣は、ごく一部の考え方の強烈な人たちが、もうほんのわずかの人たちがそういうことをしたんだというお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) どういうグループがこれを行ったかということにつきましては、今様々な推測もなされているわけでございますし、実際に何人かの人が捕まって、それでこれから裁判、もう行われることになるのではないかと私は予測をいたしておりますので、そういう中で、この問題、この事件を起こした人たちの考え方なり行動形態なり、あるいは組織の状態なり、そういったことが明らかになっていくのではないかと考えております。
○田村秀昭君 私は、イラクのサダム・フセイン大統領にしても、今度の指揮を取ったと言われるビンラディン氏ですか、ビンラディン氏にしても、冷戦のときはアメリカのデタッチメントとして働いた人たちなんですね。冷戦のときはアメリカ側に立って冷戦も戦った人たち。 それで、ビンラディン氏がアル・ジャジーラという中東のCNNで、この事件が、テロの事件が起きた後に次のようなコメントをテレビで出しているんですね。巨大なビルが崩壊され、アメリカは恐怖におののいていると。アメリカ人は我々が八十年以上にわたり経験した、経験してきたと同じ恐怖を身をもって体験しているのだ。八十年後のアメリカに鉄槌が下され、醜い偽善の頭を持ち上げているという声明を出しているんですが、八十年という期間を切っているわけですね。 その八十年前というのはオスマン・トルコが崩壊して、帝国が崩壊して、欧米諸国が約束をいろいろしたにもかかわらずそれを実行していかなかったという恨みというのがあるんじゃないかと私は思っているんですが、ちょうど黒船が日本に来て、そのときに西郷隆盛は次のように述べているわけですね。 文明とは道があまねく行われることを言うのであって、宮殿の荘厳や衣服の美麗や外観の美しさを言うものではないと。文明国なら未開の国に対するときには慈愛を本とし、懇々と説き開明に導くべきなのに、未開な国に対するほどむごい残酷なことをして自己利益を図ろうとするのは野蛮以外の何物でもないというふうに、西郷隆盛は当時の黒船が来たときに述べているわけです。 ちょうどそういう、日本が黒船が来て近代化していったと同じようなことの時期に今、中東の諸国はパレスチナ問題も含めてあるというふうに考えるのも一つの考え方ではないだろうかというふうに考えているんですけれども、外務大臣はどのようにその点を認識されておるか、お尋ねいたします。
○国務大臣(川口順子君) 日本が明治の初め、江戸の終わりに開国をしたことと現在中東の諸国が置かれている状況と、類似性があると私は必ずしも思っていないわけでございます。
○田村秀昭君 それではちょっと話題を変えまして、私も、アメリカという国は非常に開放された国家であるし、機会均等、自由、民主主義という土俵の中では、アメリカに住みたい、英語を学びたい、アメリカで働きたいという人たちに対しては非常にそういう機会均等を与え、開放された社会だというふうに思っていますけれども、そういうことを考えない、全く違った価値観を持っている人たちに対しては、なかなか共存、共生しにくい国家ではないだろうかと。自分のいろいろなそういうアメリカのやり方を押し付けてくるんではないだろうかというふうに私は感じているんですが、今パレスチナの問題が起きておりますけれども、日本の大使は、イスラエルにはおられるけれどもパレスチナ側にはおられないんじゃないんですか。それはどうなんですか。
○国務大臣(川口順子君) パレスチナに大使はおりません。それはなぜかということですけれども、我が国がパレスチナを国家としてまだ認めていないからということでございます。
○田村秀昭君 中国はイスラエルにもパレスチナの方にも大使を置いておられますね。
○国務大臣(川口順子君) 中国はパレスチナに大使を置いているようでございます。
○田村秀昭君 そうすると、外務大臣、ちょっと聞いてくださいよ。いいですか、日本はパレスチナをまだ国家として認めていないと、そういうことでよろしいですね。
○国務大臣(川口順子君) ということでございます。 ただ、もう一つ付け加えますと、大使は置いていませんけれども、ガザに出張駐在員、駐在官事務所がございます。
○田村秀昭君 結局、日本はイスラエル側には大使を置いているけれども、それと戦っているパレスチナ側には置いていないと、兼館していると。兼館というか、兼ねておられると、そういう認識でよろしいですか。
○国務大臣(川口順子君) ということで結構です。
○田村秀昭君 軍事的に見ますと、イスラエル軍というのは六十万いるんですよ。パレスチナというのは三万五千ぐらいしかいないんですね。戦争にならないんですよ、これ。だから自爆テロ、戦争にならないと自爆テロとかテロが起きるんですね。 ですから、日本は停戦しなさい、もうそういう戦争をおやめなさいというふうに言っておられるやに聞いておるし、川口外務大臣はそういうことをまたイランにも行っていろいろお話しになられるというふうに聞いておりますけれども、全く日本というのはその地域には無関係なんですね。余りかかわりがないと。かかわりのない人が和平だ、和平だと言っても、それは結構な話ですけれども、向こうには、相手側には受け入れられる話ではないと私は思っているんですが、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 逆に、日本というのはパレスチナからもイスラエルからもやっていることについては非常に評価をされているわけですけれども、その一つの大きな根拠は、この地域において日本が今まで手を汚していないということが信頼の基になっているわけでございますし、全く同じことが、今我が国がアフガニスタンで行っている努力との関係でも、アフガニスタンから言っていただいているわけでございます。
○田村秀昭君 時間が来ましたので、一言だけ今のお答えに対して感想を述べさせていただきますと、日本は第三者的な立場でかかわりがないから言っているということは、言うのは勝手だけれども、向こう側にしてみれば受け入れる話ではないということを私は非常に強く思うんです、ということを申し上げておきたいと思います。
○大田昌秀君 一昨日の本委員会で、私は小泉総理の靖国神社への参拝についての防衛庁長官の御認識を伺わせていただきました。先ほども他の委員からも関連質問がございましたけれども、改めて確認させてください。 予定されていた長官の中国訪問が中国側の都合で今回は見合わせたいということでできなくなっていますが、長官は、事前にこのような結果になるかもしれないという御認識は全くお持ちではなかったのでしょうか。 それから、長官は、中国側からどのような形で今回の中国側の意向を知るようになったか、もしお差し支えなければ、その文言も含めましてお聞かせいただけたらと思います。 それからいま一つ、中国側からの知らせを受けて、長官は、どのようなフォローアップ、対応をなさったのか、あるいはなさろうとしておられるのか、伺わせてください。
○国務大臣(中谷元君) 今回の訪中延期につきましては、二十三日の夜九時半ごろ、防衛庁に、中国国防部より在中国大使館に対して、現在の日中関係にかんがみて防衛庁長官の訪中及び中国艦艇の訪日を延期をするという旨の連絡があった報告がございました。 私としましては、いろんな国と国との間において問題はあるというふうに思っております。しかし、事安全保障問題においては、日本と中国の防衛交流をし、また両国の防衛首脳が直接会っていろいろお話しすることが大変重要なことであるというふうに思いますし、こういった会うことが東アジアの安定や発展のためにも非常に大切なことでありまして、日本と中国のような、責任のある、言わば成熟した国家と国家の間、特に安全保障に携わる指導者相互間においては、いかなるときでもその対話の窓口を閉ざしてはならないというふうに信じております。
○大田昌秀君 今おっしゃった、現在の日中関係にかんがみてという文言ですね。これは、総理の靖国参拝ということと何らかの関係があるとお考えでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛庁としては、そのような理由については詳細には伺っておりません。先ほどお話しした言葉でございます。
○大田昌秀君 関連して、川口外務大臣に確認させていただきたいと思います。 靖国神社への参拝問題については、政府の統一見解というのはなくて、各閣僚の個人的な判断に任されていると受け止めてよろしゅうございますか。もしそうだとすると、今後もこれまでと同じように、近隣諸国、とりわけ中国や韓国との外交交渉で支障を来すようなことはありませんでしょうか。その点について御認識をお聞かせください。
○国務大臣(川口順子君) まず、前者のことについては、そういうことだと私も思っております。 それから、後者のことですけれども、今年は日中国交正常化、中国との国交正常化三十年でございます。国民交流年、韓国についても同じ様々な行事が行われるわけですけれども、こういった行事への取組を通じて国民の幅広い相互理解の増進と、それから交流を通じまして未来志向型の関係を日本とそれらの国々との間で今後築いていくことが大事であると私は考えております。
○大田昌秀君 未来志向型とおっしゃいましたけれども、そうしますと、これから後も総理の靖国神社参拝ということは何らの支障を来さないと、むしろそのことは未来志向型の関係を築く上で問題にならないというふうな御認識ですか。
○国務大臣(川口順子君) 総理は、所感でおっしゃっていらっしゃるように、これは、我が国が国のために命をささげた人たちの追悼である、明治維新以降のずっと様々な局面でそういう人たちへの追悼であるということをおっしゃっていらっしゃるわけですし、それから、正に戦争がないような平和を希求するという気持ちから、文言はちょっと正確でないかもしれませんが、その気持ちを持つ不戦の誓いということが大事であるということもおっしゃっていらっしゃいまして、今回のことでそういった誤解が生じるようなことがあっては、自分としてはそれは真意ではないということもおっしゃっていらっしゃるわけでございます。
○大田昌秀君 総理のことというよりか、外務大臣が外交交渉をなさる上で今お聞きしているわけですが。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、日本と近隣の諸国との間でその未来志向型の協力関係、友好関係が築かれるように、外務省としてあるいは私としては努力を続けていくということでございます。
○大田昌秀君 前回の委員会で有事法制関連法案との間連で、有事の際、在日米軍の作戦行動に対し、我が国の法的制約は可能かとお伺いしたところ、藤崎北米局長から、通常でも、平時のときでも、その米軍の行動については我が国の国内法は適用されないという趣旨の御答弁がありました。 そこで、防衛庁長官に伺いますが、今回の有事法制案の策定に当たって、事前に米軍側と何らかの打合せをなさいましたですか。防衛庁は、米軍に関しては政令、省令で対応できるというお立場を取っておられるようですが、米軍側は新たに有事法制を作る必要はないという立場を取っておられるのでしょうか。
○政府参考人(原田親仁君) お答えいたします。 まず第一番目の御質問でございますけれども、米側と相談したかという御質問については、有事におきます米軍の行動にかかわる法制について、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を図り、もって我が国の安全を確保するとの観点から、政府としては主体的に検討した次第でございますけれども、本件については、米側に対しては随時説明を行ってきております。 それから第二の質問でございますけれども、委員御承知のように、今回、今国会に関しましては、前回委員会でも当方から御説明させていただきましたけれども、米軍が自衛隊との共同対処行動におきまして円滑な行動を取り得るよう、米軍に適用のある法令に関しまして特例措置を講ずる必要があるかどうかを検討した次第でございますけれども、その結果、現行の法律の範囲内で対応し得ることが明らかとなりましたので、今回は法案の提出を行わないことになったものでございます。 今後のことでございますけれども、米軍の行動に必要な施設、物品又は役務の提供などに関する法制につきましては、武力攻撃事態対処法案第二十二条第三号に規定されておりますとおり、事態対処法制の整備の一環として、政府全体の問題として関係省庁間で検討してまいりたいと、こう考えております。
○大田昌秀君 前回の委員会で、現在、統合幕僚会議は商業衛星等を利用して情報収集に当たっているという趣旨のお話がございました。本年末に我が国独自の情報収集衛星が打ち上げられると聞いていますが、これが実現すると情報収集面でどのような有利な点が予想されますか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 情報収集衛星につきましては、光学衛星の分析能が一メートル程度とされていることから、弾道ミサイルサイト、また艦艇、航空機の状況等についての情報入手が可能であると考えられ、また、合成開口レーダー衛星については、夜間や悪天候時においてもデータの入手が可能となるなど、防衛庁としての情報収集衛星の画像データを活用することは極めて意義があるものというふうに考えております。 他国の商業衛星の入手も現在行っておるわけでありますけれども、いかなる事態が発生して、シャッターコントロールというふうに言われておりますけれども、事情によって提供できないという事態におきましては、我が国の安全保障上、支障となる事態も発生するわけでありまして、こういう観点におきましては、やはり我が国として独自の情報収集衛星を保有しておくということは大変意義があるというふうに考えております。
○大田昌秀君 先日、四月二十三日付の沖縄タイムスは、下地島空港、軍事化への兆候があるという社説を掲げ、米国防総省系のシンクタンクのランド研究所が昨年五月にまとめた報告書に言及して強い懸念を表明しています。その背景には、普天間基地所属の米軍輸送ヘリ四機と空中給油機一機がその前日の二十二日に、給油のためと称して、沖縄県の自粛要請を無視して、下地島に着陸したという経緯があります。昨年の四月と五月も同様のことが起こって県民の反発を買ったわけでございますが、下地島空港を建設するに際して、その可否をめぐって沖縄で大きな騒ぎがございました。その際、政府内でどのような経緯で下地島空港を造ったのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) この件につきましては、これまでの経緯がありまして、沖縄の県議会においてもこの島における基地の建設については取り決めがあったというふうに聞いておりまして、将来の計画等につきましては沖縄の県の事情等を勘案して進めなければならないというふうに考えております。
○大田昌秀君 政府内でどのような取り決めがあって、そしてまた政府と県との間でどのようなことがあったのでしょうか。
○政府参考人(原田親仁君) 恐れ入りますが、当時の経緯につきまして、突然の御質問で今資料持ち合わせてございませんので、調べまして先生の方に御報告したいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 下地島につきましては、今、委員がおっしゃられましたように、沖縄県から、その県民感情も踏まえて使用の自粛と代替手段の検討の要請があったというふうに聞いております。 それから、米側によれば、この沖縄県からの要請を受けて種々の検討を行いましたけれども、最終的に、フィリピンに移動するヘリの一部である四機と、これらのヘリの給油のための給油機一機については、往路のみ下地島を使うということでやむを得ないという判断をしたということになったと聞いております。 そして、この飛行場の使用につきましては、これは日米地位協定によりまして、米軍機は使用するということが、権利が認められているわけでございまして、そのための必要な、調整が必要でございますけれども、その調整を行うという、調整が行われたというふうに理解をいたしております。
○大田昌秀君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(武見敬三君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 新たな時代における経済上の連携に関する日本国とシンガポール共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。川口外務大臣。
○国務大臣(川口順子君) ただいま議題となりました新たな時代における経済上の連携に関する日本国とシンガポール共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 平成十二年十月の我が国とシンガポールとの間の首脳会談において、二国間経済連携協定締結のための交渉を開始することで意見が一致したことを受け、平成十三年一月以来両政府間で協定の締結交渉を行ってまいりました。その結果、本年一月十三日にシンガポールにおいて、我が方小泉内閣総理大臣と先方ゴー・チョク・トン首相との間でこの協定の署名が行われた次第であります。 この協定は、我が国とシンガポールとの間で貿易及び投資の自由化及び円滑化を一層進める我が国初の自由貿易協定であり、金融サービス、情報通信技術、科学技術、人材養成、貿易及び投資の促進、中小企業、放送並びに観光といった幅広い分野での連携を強化するものであります。 この協定の締結により、両国の経済が一段と活性化され、両国間の経済上の連携が強化され、ひいては両国間の関係がより一層緊密化されることが期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○委員長(武見敬三君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時七分散会