外交防衛委員会 第10号
- 発言数
- 194 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/04/23
会議録
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十八日、大仁田厚君が委員を辞任され、その補欠として舛添要一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官村田保史君、内閣官房内閣情報調査室内閣衛星情報センター管理部長山内千里君、警察庁生活安全局長黒澤正和君、防衛庁防衛参事官西川徹矢君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、防衛庁運用局長北原巖男君、法務大臣官房審議官河村博君、外務省アジア大洋州局長田中均君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省中東アフリカ局長安藤裕康君、外務省条約局長海老原紳君及び海上保安庁長官縄野克彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉村剛太郎君 おはようございます。 自民党の吉村でございますが、まず、御存じのようにユーゴスラビアという国名がいよいよなくなるということでございます。それぞれの自治区が合体してユーゴスラビアという国を作っておったわけでございますが、大変我々日本人から見ますとかなり理解に苦しむ一つの国であった。民族、宗教、いろいろと入り組んでおりまして大変理解し難い国であったと同時に、このバルカン半島、常に火薬庫と呼ばれるほどいろいろと混乱、そしてコソボの混乱を含めて、このユーゴスラビアというのは混乱に次ぐ混乱を続けてきたわけでございますが、ただ、チトー統治下のあの時代は、あのチトーのカリスマ性もあり、また大変な政治力によって国全体がきちっとまとまっておったわけでございます。そのチトー統治の下におきます憲法において、ユーゴスラビア国民に対しては、外敵に対して抵抗をしない、また降伏をするということは憲法で禁じられておったと、このように承っております。 ユーゴスラビア、その当時のユーゴスラビアは東側陣営の一員でございましたが、スターリンの下のソ連とは一線を画して独自の社会主義体制を保っておったわけでございますが、スターリンとしては、目の上のこぶみたいな感じで、何とかソ連の影響下の中にきちっと入れ込みたいという思いも多分にあったわけでございますが、しかしそれに屈しなかった。そして、そのチトーの政治力の下に、そういう憲法下で、国防といいますものを国民全体の一つの意思としてそのような体制を組んでおったわけでございます。またスイスは、もう御存じのように、永世中立国、国民皆兵ということで、あのスターリン時代も一歩もスイス国内に足を踏み入れさせることができなかった。 こういうことを見ますときに、国防といいますもの、冷戦時代とまた今日と、また将来、三十年、五十年後とはいろいろと異なった戦争といいますものが想定をされるわけでございますが、しかし基本は、自分の国は自分らの手で守るという国民の意思が、これが大きな抑止力になってくるんではないかと、私はこのように思っておる次第でございます。降伏を許さないなんといいますのは玉砕という形になりまして、これは決して奨励するものではないわけでございますが、しかし、その国を守るという国民の統一した意思といいますもの、これがやっぱり国防の基本になってくるんではないかなと、こんな思いがするわけでございます。 いよいよ有事法制が国会で審議される運びに今なってまいりました。この時期に、防衛庁長官、すなわち国防の正に最高責任者として今いろいろとその衝に当たっていただいておるわけでございますが、国防に対する基本的な長官の理念といいますかお考えといいますか、そういうものをまずお聞かせいただきたいと、このように思います。
○国務大臣(中谷元君) 国の独立といいますと、国際社会においてその中から国家の主権を守ることであるというふうに思います。国家の主権とは何かといいますと、その国民の自由と権利を国家が守っていくということでございまして、そのためには、国際法のルールもございますけれども、外部からの侵略行為に対して国民を守るということが必要でございます。そのために各国は軍隊が存在をするわけでありますが、我が国におきましては、現行の憲法下におきまして、自衛隊が整備をされて、そのような外国からの侵略行為に対して実力組織をもって対抗するということで整備をいたしているわけでございます。 このような観点で、究極的には国民の自由や権利を保障するために対外的に実力組織を有して備えておくということが必要でありまして、その目的と申しますと、国際社会の中で国家主権を守るということが必要であるという認識を持っております。
○吉村剛太郎君 それでは、今般提出をされました法案の方に移りたいと思っておりますが、この防衛計画の大綱及び中期防に従いまして、我が国の防衛力については、合理化、効率化、コンパクト化を進めるという考えの下に今回の法改正がなされるわけでございますが、具体的にまずその改正の形といいますものを、まずお聞かせいただきたいと、このように思います。
○国務大臣(中谷元君) 今回の改編の内容でございますけれども、まず陸上自衛隊の考え方は、防衛計画の大綱というものがございまして、それには、我が国の領域のどの方面においても、侵略に対しては組織的な防衛行動を当初から迅速かつ効果的に実施し得るように、我が国の地理的特性に従って均衡を取り師団及び旅団を配置することといたしております。 このうち、九州の北部に配備をされております第四師団につきましては、他国に隣して対馬海峡に面しておる戦略上の要域でありまして、また交通上の要衝たる関門海峡に面する防衛上の重要地域でございますので、火力等を重視した編成装備を有する師団、これは沿岸の配備型の師団に改編することといたしております。 このため、部隊の近代化をするわけでありますが、軽装甲機動車の導入、また軽対戦車誘導弾の導入等によって普通科連隊の効率化、近代化、戦場機動力の向上及び百五十五ミリりゅう弾砲の増強や特科大隊の二個中隊編成から三個中隊編成への改編によって火力の戦闘機能の増強を図ります。 また、戦車の増強、これは戦車大隊の三個中隊編成から四個中隊編成への改編によって戦車戦闘機能の増強、並びに多用途ヘリコプターの導入によりまして空中機動力の向上、及び整備員等の後方支援連隊への集約、統合による後方支援体制の整備などを行うことを内容といたしております。
○吉村剛太郎君 第四師団は私の地元でございます福岡県の春日市というところに置いてありますが、本部が置いてありますが、もう福岡市とは正にどこが境界線が分からないような、正に福岡都市圏の真ん中でございまして、そういう面で、今、長官がおっしゃいましたように、北部九州の防衛の衝に当たるという形をここを中心にして図っていただいておるわけでございまして、今のこのコンパクト化、合理化、大いに近代防衛戦にふさわしいように改編をしていくということは当然のことだろうと、このように思っております。 これは私が地元におりまして感じるわけでございますが、一つ、地元、今度は別の視点からいきますと、百二十人程度の第四師団、減になるんですね。都市部におきまして人口がそれだけ減るということは、実は地元にとりましては痛しかゆしの面がございまして、一方では合理化、コンパクト化ということは非常に重要なことでございますが、そういう面も実はこれあるわけでございます。 と同時に、やっぱり先ほど申しましたように、国の守りといいますのは独り自衛隊のみでできるものでは当然ないわけでございまして、地域との一体感の中でやっていかなければならない。自衛隊のOBの方が、定年退職後、定年といいますか退職後、いろいろな分野で地域で活躍をしていただいております。これは大変いいことだと、このように思っておりまして、経済界、政治の世界、またボランティア活動、本当に活躍をしていただいておりまして、そういう面では自衛隊と住民がそういうものを通じても一体化しておるということ、今後ともそういう形といいますものは大いに維持し、また奨励というとおかしいんですが、サポートしていただきたいと、このように思っております。 次に、今年から募集が開始された予備自衛官補制度ですね、予備自衛官補制度についての概要をちょっと御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(守屋武昌君) お答えいたします。 予備自衛官補制度は、国民に広く自衛隊に接する機会を設けまして、防衛基盤の育成、拡大を図るとの観点から、予備自衛官の勢力を安定的確保と民間の優れた専門技能を有効に活用することを目的に実施するものでございまして、平成十三年度に導入されまして、本年一月より募集を開始したところでございます。 この制度は、十八歳以上の自衛官未経験者でございますけれども、この方たちを、志願に基づく試験又は選考によりまして防衛招集応招義務のない予備自衛官補に採用いたします。所要の教育訓練の修了後、予備自衛官として任用するものでございます。
○吉村剛太郎君 これは戦闘に参加する訓練もするわけですか。簡単に言いますと銃を撃つ訓練も。
○政府参考人(守屋武昌君) 当然そういうふうなことは訓練の中に入っております。
○吉村剛太郎君 入っている。
○政府参考人(守屋武昌君) はい、おります。
○吉村剛太郎君 これは、銃というのは使い方によっては大変危険なこともあろうと思いますし、それを十分に安全に使用できるということを考えますと、訓練も生半可な訓練ではかえって危ないという気もいたしますが、その点についてはどうなっておりますか。
○政府参考人(守屋武昌君) 先生御指摘のとおりでございまして、銃器の扱いというのは、自衛隊の訓練の中でも大変厳しい管理の下にこれは行われているものでございます。 それで、予備自衛官補の、新隊員教育課程の前期相当の五十日間の教育訓練を毎年設けておりまして、その中で周到な準備の下にこれを行うということを考えておるところでございます。
○吉村剛太郎君 五十日間毎日銃の訓練に当てるということではないと思いますが、五十時間というと……
○政府参考人(守屋武昌君) 五十日間です。
○吉村剛太郎君 五十日間、五十日間ね、全部銃の訓練に当てるわけではないと思うんですけれども、実質的にどの程度当てるんですか。
○政府参考人(守屋武昌君) 一般公募について申し上げますと、五十日で四百時間の訓練時間を考えております。そのうち小銃射撃につきましては九十時間当てることを考えております。
○吉村剛太郎君 銃のみならず、一般のスポーツ、例えば柔剣道でも九十時間ぐらいで一人前になるなんていうことは考えられないんですね。正に生兵法はけがのもとで、この点は、第一回の訓練五十日間、それの中の九十時間、そして継続的にこれはやっていかないとすぐ腕が落ちるし、かえって危険だというような点はないんでしょうかね。
○政府参考人(守屋武昌君) これは、制度を最初に申し上げましたけれども、予備自衛官補ということで、最終的には志望によりまして予備自衛官に任用することを考えておるわけでございますが、あくまでも最低限必要な所要ということでこの訓練を行っております。 その中でも、特に先生御指摘のように、銃器の扱いというのは大変慎重なもの、それから大変練度が必要でもございますので、五百時間のうちの、失礼しました、五十日で約四百時間の訓練時間があるわけでございますが、そのうちの九十時間当てているということを御理解いただければと思います。
○吉村剛太郎君 訓練については、それで固定されているわけですか。将来的にはもう少し日数的にも増やしていこうというようなお考えは。
○政府参考人(守屋武昌君) 先生よく御承知のとおり、今年より採用を始めてこれから訓練には行くわけでございますので、まだ一度もこの、我々のこれは訓練の見積りでございまして、これを採用された方を中心にこれから実際訓練をしてまいりますので、その訓練成果とか実際にその学生に教育をしていましていろんな問題点が出ますということも考えられますので、そのとき適切な見直しというものは当然将来的に考えていきたいと考えております。
○吉村剛太郎君 もう時間が参りました。 最後に簡単に、今般の改正で情報保全隊というのが新しく編成されるということになっておりますが、これの概略を御説明いただきたいと思います。
○副長官(萩山教嚴君) 時間が余りございませんので、具体的にお話しするわけにはまいりませんけれども、防衛庁といたしましては、平成十二年九月の秘密漏えい事件がございました。いわゆる萩嵜事件であります。その再発防止策の一環として情報保全機能を充実してまいりました、強化してきたところであります。 現行の調査隊を組織及び任務の両面から強化し、情報保全隊を作ることにしたところであります。組織面から、機能強化については、これまで中央、地方が個別の指揮系統の部隊であったものを、自衛隊ごとに中央、地方を一つの指揮系統とした情報保全隊に統合することによって状況の変化に迅速に対応できると、機動的に運用できるということにいたしました。
○吉村剛太郎君 終わります。
○副長官(萩山教嚴君) いや、まだあるんですが。
○委員長(武見敬三君) 時間が来ましたので、簡潔に一言でまとめてください。
○副長官(萩山教嚴君) じゃ、大事なところだけ触れさせていただきます。 各自衛隊の保全に関して、これまで一定限度の実施したことでありますが、部隊等の長による職員の身上把握の支援。防衛庁の秘密の関係職員の指定に当たって、当該職員が秘密の取扱いにふさわしい職員であることの確認の支援。立入禁止場所への立入り申請者に対する立入り許可に当たって、秘密保全上支障がないものと確認の支援をしたもの。あるいは政府機関以外の者に対する防衛庁の秘密に属する物件等の製作等の委託の許可に当たって、秘密保全上支障がないことの確認の上支援をいたす。例えば盗聴器の発見など、各種の自衛隊施設に係る施設保全業務について支援をいたすわけであります。 この五つの任務について、継続的に実施すべき任務として強化、明確化することを期して、さらに、職員と各国武官等の接触状況、交流状況や職員に対する不自然なアプローチの状況に係る資料及び情報の収集整理。防衛庁内の各自衛隊以外の組織、例えば内局、健全性を保全すべき機能も強化するため、これらの組織を保全する業務の支援、すなわち各自衛隊の保全に努め、新規に付与又は強化、明確化された任務を始めとして、諸業務に対する各自衛隊の部隊等以外の組織についても、実施を新たに情報保全隊の任務といたしておるわけであります。 以上であります。
○海野徹君 民主党・新緑風会の海野徹であります。おはようございます。 まず、法案の審議で御質問をさせていただきたいと思いますが、その前に、大変ある意味では驚きのニュースが入ってきたわけなんですが、フランスの大統領選挙で、極右国民戦線のルペン党首がシラク大統領との決選投票進出を決めたと。世界、非常に大きな動きをしているなということを思います。 報道によりますと、欧州各国で急速に右翼政党への支持拡大が決定的な流れに、決定的な流れになってきているというような表現をされております。オーストリアでは、ハイダー氏が率いる極右自由党が連立政権に参画しておりますし、イタリアでも昨年六月、ボッシ氏を党首とする北部同盟がベルルスコーニ政権へ食い込んでおります。オランダでも、移民排斥を訴えるフォルトゥイン党が今回、国会で初めて二十議席を獲得する、こういうような動きがあるわけなんですね。移民の急増、失業問題、政治腐敗、こういうような現状に対する不満が右翼躍進の後押しではないかというような報道があるわけなんですが。 まあ、この日本に、非常に安穏とした日本にいますと、そのことに対するリアリティーってなかなか感じないわけなんですが、急激な、私は第一幕が終わって第二幕が始まるその幕間だから混沌としているんだろうなと、そういう中でいろんな要するに事象が起きるんだろうなと思っているわけなんですが。 今回の法案改正で、効率化、合理化、コンパクト化というようなコンセプトで大きく自衛隊が改編されるということなんですが、三隊のうちの陸上自衛隊がほぼ全部というか中心になっているわけなんですね。それは、どういう背景から自衛隊が中心になってこういうような改編になってきたのか。これ、能力の問題を含めて、それに代わるもの、あるいは装備の向上、あるいは能力の低下というのはこれは絶対避けなくちゃいけないわけですし、いろんな背景があるかと思うんですね。 確かに、環境は変化した。しかしながら、このような欧州におけるような状況があったり、要するに我々を取り巻く環境というのは、ある意味では、残された要するに不安定な地域にいるわけであります。残されたと言っていいかどうか。そういう中でこの改正案が出てきたわけなんですが、その辺、自衛隊、陸上自衛隊のみに中心が行ったというような背景を御説明いただきたいなと思います。
○国務大臣(中谷元君) ただいま海野委員から、ヨーロッパにおける世界の政治の変化の話をされましたけれども、近年、ヨーロッパは、通貨統合が進んだり、またEU軍の創設など、変化をしているということは私も感じているところであります。 今回の改正案に伴う変化につきましては、まず、冷戦が終結をしたということ、それに伴って、我が国周辺諸国の一部において、軍事力の変化また軍事体制の変化が見られたと。そして近年、科学技術の進歩が行い、戦いの様相が変化をしてきたし、また我が国は、少子化の社会に入り、若年人口が減少している、そして経済財政事情も厳しい面があるなど、いろんな状況に配意しつつ、防衛力の規模について見直しを行いまして、これの防衛計画の大綱におきまして、陸上自衛隊においては常備自衛官の定数を十八万人から十四・五万にすることといたしまして、十四年度には、その一環として第四師団の改編を行いまして自衛官の定数を四百五十一名削減することといたしましたし、また、航空自衛隊におきましても、この新たな体制への移行のために、平成十四年度に、西部航空方面隊と南西航空混成団の十一個警戒群のうち八個警戒群を警戒隊に改編し、警戒管制部隊の体制移行をするということで、全自衛隊において、この状況に合わして体制を転換をしているところでございます。
○海野徹君 社会的な背景、動向に合わせて見直す、見直すことは要するに当然あってしかるべきだと思うんですが、それによって、能力の低下というのは一切ございませんですね。 我々が期待している要するに我が国の安全保障に対して、それがある意味では、今まで一〇〇%だったのが九五%になってしまったと。期待が要するになかなか持てないような状況になってしまってきたんではないかという、そういうようなことは一切考えなくてよろしいわけですね、その能力的な面で。
○政府参考人(守屋武昌君) 私どもの、今、大臣から御説明いたしましたとおりでございまして、一国としての防衛力の持ち方というのは、当然その国際情勢も踏まえなければいけませんし、国内の諸条件も踏まえなければいけません。 それで、大変、新しい大綱を作ったときに私どもが考えましたのは、冷戦時代が終わりまして、防衛力というものに対して多様な役割が求められるようになったということでございまして、自衛隊としても、そういう国の防衛ということはもちろんでございますけれども、PKOとか、あるいは国内的には大規模災害とか各種テロとか、そういうようなものに対しましても自衛隊が対応できるようにする必要があると。それから、軍縮とか軍備管理とか、そういう面に対しましても、我々の防衛力の資源配分を行う必要があると。 こういう観点から追求いたしまして、先ほど大臣がお話ししましたように、陸海空全般に対するコンパクト化を達成したものでございますが、その目的とするところは、国際情勢、国内諸情勢を踏まえまして、日本の防衛力に期待される役割を果たしていこうと、こういう観点からでございます。能力的に時代に沿ったものを持とうと、こういう考え方でございます。
○海野徹君 PKOにも派遣、あるいは大規模災害、あるいはテロ、不審船、そういうものにも対応するということで、それで質的にも能力的にも低下させないで今回の改正を行うんだということなんでしょうが、過日閣議決定された有事法制、武力攻撃事態法案ですね、あれは今おっしゃった、冷戦が終わったというにもかかわらず冷戦時代の武力攻撃事態に限定されたかのような、これから議論されるわけですから、非常に定義としては要するにあいまいなところがあって、議論の対象になっていくわけなんですけれども、そういうものが出てきてるわけです、一方で。 今まで議論していなかった武力攻撃事態に対する対応としてこの法案が提出されたわけですね。しかも、今回はPKOとかあるいは大規模災害にも対応しなくちゃいけないという中で人数を減らしていくというのはどうなっているのか。どうもなかなか説明が付きにくいかなと思うんですが、その辺は何か代替処置があるということなんですか。
○国務大臣(中谷元君) 今回のこの有事関連法案の提出との関係でありますけれども、今回の武力攻撃事態対処法の三法案は、これは国家の緊急事態への対処のための体制を整備するということで、これは今までは整備されていませんでしたけれども、国家にとって必要であるという観点で防衛庁では二十五年間研究をしてきたものでありまして、国にとって必要であるという指摘は以前からあった問題でございます。 その際に、この法案の内容につきましては、特に国、地方公共団体、また国民の関係といった基本となる事項や、今後必要となる諸法案の整備に関する事項を定めておりますし、また安全保障会議の役割の強化、また防衛出動時態勢の国会との関係などを改めて整備をするものでございまして、言わば緊急事態のための手続を明確にするところであります。 他方、防衛力の整備と申しますと、物理的に我が国に対して侵攻があった際にいかに我が国を守るかという観点でそれぞれ計画をして自衛隊を整備するわけでありますけれども、先ほど言った内外の情勢の変化に対して体制を考えていくという観点でありまして、基本的には考え方が異なった観点で考えられ得るものでありまして、いわゆる防衛計画の大綱等の方針と武力攻撃対処の整備の内容につきましては、観点が違いますけれども、矛盾するところはないというふうに認識をいたしております。
○海野徹君 我々のように産業活動をしてきた人間ですと、例えば人員を減らすと、人員を減らすには何か別な装備を、機械を入れるとかあるいはそれをアウトソーシングするとか、何かあるわけですよ。でなかったら人を減らしていかないわけですね、当然。最新鋭の設備投資をしたからその分だけ人が浮いたと、だからそこを別の配置転換をするというような、産業界ではよくやるわけです。あるいは、この部分についてはどこかに発注したと、外注に出したと、とやるわけなんですけれどもね。それを要するにこの防衛力で見てはいけないと、そういう見方は違うんだということであれば、またそれはそれでそういうお答えをしていただければいいわけなんですが。 じゃ、アメリカとの関係はどうなる、米軍との関係は、これは何かおありになるんですか。常に日米安保体制の中で我が国の安全保障というのは論じられてきましたよね。そういった意味では、これだけ制限されて、削減されてくるとなると、その部分、先ほど言いましたように、どこかにその部分が、負担が行くんではないかなと思うんですが、そういうことはございませんですか。
○国務大臣(中谷元君) 基本的には米国との関係は変化がございません。つまり、基盤的防衛力の構想によりまして、我が国の力の空白を防ぐという観点で我が国の防衛体制が整備をされておりますけれども、質的にも影響がないように、人員の削減はいたしますけれども、同時に合理化と効率化を図るわけでありまして、科学技術の進歩とか組織の見直し、また情報化と申しますけれども、近年の戦いにおいても非常にハイテク兵器等で情報化ということが非常に重視をされているわけであります。 我々も、防衛力を整備する際には、質的に低下するのではなくて、むしろ質的に向上を図るという観点で鋭意計画を立てて教育等を行っておりまして、こういった点において、あらゆる面で検討をし、準備をしたいというふうに考えております。
○海野徹君 緊急事態とか安全保障というのは、ある意味では合理化とか効率化というのになじまないのかなという部分もあると思うんですよね。要するに、そのコスト、これから我々の経済活動の中で、安全に対するコストって大変大きくなっていくと思うんですよね。そういうことも考えると、必ずしも合理化、効率化、コンパクト化というのが安全保障と本当にイコールフッティングするのかなというと、なかなか理解しにくい。私の理解が間違っているのかもしれませんが、あるんですよね。いや、それなりに備えておくべきじゃないか、削減なんかするよりも、もっと増強すべきじゃないかという考えも一方であると思うんですよ。 自衛隊の役割の比重を私は、先ほども御答弁がありましたけれども、大規模侵略なんかへの、そういう武力攻撃事態という極めて限定された有事から、不審船とかテロとか大規模災害とか、そういうようなものに対する警備あるいは緊急対応について重点を移していく必要があるんじゃないかな、そういう危機対応能力を向上させる必要があるんじゃないかなと私は思うわけなんですよ。 一方で、また東シナ海の海洋資源をめぐる、これからは要するに資源戦争の時代だと言われているわけなんですが、めぐるいろんな中国艦船の南西諸島領域への進出、あるいは南方展開能力の重視という観点からいうと、あるいは九州や沖縄の部隊を増強する手段を検討するということがあってもいいだろうし、航空機や艦船の輸送力を大幅に強化して、必要に応じて関東などの部隊を迅速に南方に輸送する体制を整える、こういうような検討がなされてもいいんじゃないかなと思うんですが、この辺は大綱の見直しの中で、この法制、今回の法改正の中に議論はされてきているんでしょうか、あるいはこれからも議論されることなんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) もうその観点につきましては、平成七年時に大綱の見直しを行った際に、先ほど防衛局長が説明いたしましたけれども、多様な事態への対応ということで、テロとかゲリラ、コマンド、また不審船等への対応に対応するということでもう準備は始めております。 しかしながら、近年、更に米国の同時多発テロ事件やまた不審船の事案等がありまして、ますますそのような新たな脅威、多様な事態への対応を考えなければならないというふうに認識をいたしておりまして、現在、防衛庁の中に防衛力在り方検討会議を設置をいたしまして、あらゆる観点での検討を行っております。その時々の状況に応じて、今後とも不断に見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
○海野徹君 今お話しさせていただいた、九州や沖縄の部隊を増強する手段、あるいは航空機や艦船の輸送力を大幅に強化するというような形での議論がこれからどういう形で具体的になっていくかというのは、また改めて議論させていただきたいと思いますが。 その次に、インテリジェンス機能の拡充ということが、ねらいがある。情報保全隊が新編されて、あるいは防衛情報通信基盤管理運営室ですか、それが新設されたということなんですよね。 我が国には、情報機関としては、内閣情報官、内閣情報調査室、警察庁国際テロ対策室、警視庁公安部、防衛庁情報本部、法務省公安調査室、外務省国際情報収集関連部署、警視庁国際テロ対策室、こういういろんな要するに情報収集に関する機関があるわけなんですが、ある意味では、縦割り組織のようにばらばらにこれが行われてきたと。今、日本にとって一番必要なのは情報の戦略性、国家としての情報の戦略性じゃないかなということに基づいているかと思うんですが、この間の要するに不審船の問題でもやはりその辺が非常に指摘されてきたんじゃないかなと思います。 我が国が国際社会の中で、とにかく必要不可欠であって、尊敬されて、それなりに評価できる国としてこれから世界の中で伍していくためには、今更ながらでありますけれども、情報態勢の整備というのは、これは誠に不可欠なことでありまして、そういった意味では、国際情報戦略というのが必要でありますし、その中で防衛庁の役割というのは大変重いものがあるんじゃないかなと思いますが、その点について、今回の法制に関連しながら御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(守屋武昌君) 防衛庁、先生御指摘のような視点に立っておりまして、実は、防衛庁における情報収集態勢の強化、分析・機能評価態勢というものにつきましては、従来、防衛庁の情報組織というのは内局、統幕、陸海空幕僚監部が独自に持っておったわけでございますが、今から四年前に統合幕僚会議に情報本部というものを設けまして、千五百人の体制で発足させたところでございます。毎年増員を行っておりまして、今年度の予算で約二千名体制まで組織の拡充を図ってまいりまして、やはり陸海空ばらばらじゃなくて統一的に防衛庁として国際軍事情勢について情報を収集し、分析、評価するということが必要だと考えております。 それから、防衛庁以外の他の組織との情報組織についての情報の共有でございますけれども、これは、内閣において合同情報会議というものが設けられまして、これは二週間に一回、定例的に集まりましてそれぞれの持っている情報について意見交換をしているということで、逐次、国全体としての情報能力の強化に内閣としても、政府として取り組んでいるところであります。
○政府参考人(西川徹矢君) 今、防衛局長の方から情報全体の大きな話が出ました。先ほど先生の方から、いわゆる情報の、当方の、私がやっております防衛情報通信基盤の運営管理室ですね、この関係にお尋ねございまして、実は、先ほどちょっとおっしゃられました情報というのはどちらかというとインテリジェンス部門の話で、私の方で、今、先生に御指摘いただいた運営管理室の方はITのI、すなわちインフォメーションの形の分野のものでございます。 つきましては、少しその概要を、ちょっとこの機会に役割等、先生の方からお尋ねということですので、御説明させていただきたいと思います。 これは、防衛庁とそれから自衛隊のコンピューターシステムというのは、これまでそれぞれ各自衛隊あるいは各機関でばらばらに入れておったというのが実情でございまして、これで、先ほど話に出ております情報の共有化というところにやっぱり十分じゃないというふうなところが現実として出てきております。それで、こういうものを機関あるいはシステム間の情報の共有化を支えるという形で今後何らかの手を打つ必要があるということで去年、昨年来、ITの大きな高まりがございました。 その中で、防衛庁といたしましても、この情報通信技術の著しい進歩、こういうものを踏まえまして、集約的に一元化しようという動きが、一応見せまして、この集約化、一元化によりまして、一つは、まず情報の共有化によります自衛隊の統合的かつ有機的な運用を強化しようと、これが一つの目的。それからもう一つは、ネットワークの、たくさんシステムがございますので、そのセキュリティーを高めるという形で、その効率化を図るとともにセキュリティーを高めるということを二つ目のねらいといたしまして、十三年度、去年度でございますが、これからいわゆる情報、失礼しました、防衛庁・自衛隊に共通のネットワークである防衛情報通信基盤、DIIと言っておりますが、こういうものを作ろうと、こういうことで着手しております。 それで、このDII、もう少し中を言わせていただきますと、二つございまして、一つは、インターネットと接続しまして専ら事務系のシステムと一緒にしていこうと、これで情報の共有化を図ろうというオープン系のものと、それからもう一つは、主として指揮通信、失礼、指揮命令系のシステムを乗っけますクローズ系、どこともつながない、そういうクローズ系の外部との接続を行わないそういうシステムと、こういう二つのものを作っていこうと。このうち、平成十四年度ではオープンの方を作り上げると。十四年度の末にはこれができ上がります。 そこで、先ほど出てまいりました防衛庁防衛情報通信基盤管理運営室というものは、今作ろうとしている大きなDIIの、これの管理運営をやると、こういうところでございまして、もう少し具体的な任務等を申しますと、例えば、ネットワークの稼働状況の、これを常時二十四時間体制で管理すると、そして障害が発生した場合に直ちに対応するようにすると、こういう仕事が一つ。それから、不正侵入等の常時監視、いわゆる、先ほどはネットワークがうまく働いているかという監視ですが、逆によそから入ってくるやつはいないかという、こういう監視をここでもやります。入ってきた場合の対処もやります。それからあとは、DIIに加入します、入ってこようとする陸海空のそれぞれのシステムについてセキュリティーの度合い等が十分に保たれているかどうかのいわゆるチェックもする、監査もすると。 こういうこと等を主な業務として、今、一応四十八名、十四年度の末から四十八名の体制で入っていこうと、こういうことを企図しているところでございます。
○海野徹君 情報は、集めること大事ですし、その情報の量の中で当然、要するに量と同時に質というのは高まっていくわけですね。それは、今度は集めたら当然それを分析しなくちゃいけない。分析してそれをどう活用するかと。活用した中での、要するにそれぞれのポストの長がそれを今度は決断していかなくちゃいけない。そのことがやっぱりなかなか我が国において今までなされていなかったのかなというような、現実問題として、いや、現実にされたとしても、なかなか我々にとってそういう情報が集まって、優れた分析をして、それが要するに活用されて何か施策が、あるいは行動が移されたということはなかなか目に見えないということがあるものですから、その点については是非これから拡充して、更にそういうことが我々にとっても要するに適切な判断をしているんだなと、要するに安全保障あるいは国益のために適切な判断をなされているんだなということが目に見える形で活用していただきたいなと思います。 その次に、不審船の引揚げの問題について御質問させていただきたいなと思います。 これは、情報伝達能力の不備によって再び大きなミスになったんではないかということで我々は判断をしているわけなんですが、この不審船事件、昨年暮れあったわけなんです。 先ごろ、不審船事案対処の検証結果についてということを、先ほども、内閣官房、海上保安庁、防衛庁、外務省の連名でこれは作成しておりますね。今後の対処方針に対する政府の方針がまとめられているわけなんです。 私は、やはり不審船を要するに早期に引き揚げて、その意図を特定して、あるいはだれがやったのか、首謀者を又は特定しながら、それによっては外交上大変強い抗議をすべきだろうと、状況によっては謝罪とか補償、再発防止ということまで求めていくべきではないかなと私は思っております。 そういう中で、五月に引き揚げる方針を固めたというような報道もあるわけなんですが、政府がです。川口大臣、この間、李鵬全人代常務委員長にお会いしてそのことも言及されたということになっていますが、日時のということじゃなくて、この引揚げの問題について、五月に引き揚げたいということも含めて、要するに川口大臣はどういうような委員長に御発言をされて協力を求めたのか、そのことについてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 私から李鵬全人代委員長に対しては、不審船につきまして日本国民の中に不審船を引き揚げるべきであると考える人が非常に多いということをお話をして、理解をいただきたいと、その点について理解をいただきたいということをお話をいたしました。日本国民が、それに対しまして李委員長からは、日本国民がこの問題に対してこれだけの関心を持っているということについては理解をしているというようなお話がありましたほか、あとは、国連海洋法条約について中国としてどう考えるかというお話があったということでして、双方で、この問題を両国間の政治的外交的な問題にすることなく、話し合って解決をしていくということで合意を、合意といいますか、同じ認識を持つということを確認をしたということでございます。
○海野徹君 だれかが慎重論を唱えた、だれかが楽観論、楽観的に考えていますよと言った。その都度その都度右往左往する必要は全くないわけでありまして、我々としては、要するに政府がなすべき最大の任務というのは日本の安全を守ることですから、これは私は、不審船を引き揚げる、それで特定をする、どこの国の船か特定をして、その意図も特定する、そして国の安全を保障する対策を立てるということが必要じゃないかなと私は思うわけなんですが、何か報道によりますと、中国に潜水調査の内容説明をした、外務省と海上保安庁が担当者を中国に派遣して、潜水調査の具体的なスケジュールや技術的な方法について説明したということが二十二日分かったと。中国側からは明確な反応はなかったという。政府は中国側の理解を得たと判断した時点で直ちに潜水に入る方針だというような記事が出ているわけなんですが、この点について確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(田中均君) お尋ねの点でございますけれども、今、大臣から御答弁がありましたように、中国との関係では冷静な話合いを通じて処理をしていこうと。これは委員も御指摘のとおり、安全の問題もさることながら、日本の近海で重要な、重大な犯罪が犯された、その究明をきちんとやらなければいけないということでございます。他方、中国は海洋法条約上、資源、海洋資源とそれから海洋汚染、環境の問題について一定の権限を持っているということがございますので、そこの部分についてはきちんと調整をしなければいけないということでございます。 そういう観点から、例えば私どもとして船体調査を早急にやらなければいけないと思っているわけですけれども、こういう観点から、例えば漁船が周りに来てはいけませんから、そういうことについても中国の協力を得なければいけないし、いろんな形でやはり中国の協力も得ながら粛々とこの船体調査を実施したいという観点から、中国と外務省、失礼、外務省と海上保安庁の担当者が中国と話合いをしているということは事実でございます。
○海野徹君 その辺の交渉の内容は今ここで明らかにすることはできないわけですね、まだ。 今のお話がありましたように、海洋資源の問題あるいは環境汚染の問題、そこにさえ配慮すればというふうに私は理解していますし、そうであろうと思うんです。そこがクリアできれば、ある意味ではそれに対する何らかの方針があれば、十分中国に対して協力は要請できる。そして、しかも引き揚げることはできる、引き揚げるべきだと私は思うんですが、再度その辺については。
○政府参考人(田中均君) これはこれまで御答弁申し上げているように、粛々ときちんと事態究明のための手順を踏んでやっていくということでございますし、当然のことながらそういう調査の必要性ということを十分踏まえながらやっていくということであります。ですから、中国とは、さっき申し上げたように一定の調整は必要になるので、その一定の調整を粛々と、これをいたずらに二国間の政治、外交問題にすることなく進めたいということでございます。
○海野徹君 川口外務大臣、外務大臣として、要するに外交交渉、対中国との、あるいは日本の国益を第一に考えて対中交渉の中でこの問題、引き揚げるべきかあるいは引き揚げるに慎重であるのか、大臣としてはどちらのお考えなんですか。
○国務大臣(川口順子君) この不審船の問題につきましては、これは正に今、捜査当局で真相究明の努力をしているわけでございまして、私としては外務省はこの真相究明の努力に支援をしていくべきだというふうに思っています。 それで、今、様々な手順を踏んでいるわけでございまして、船体の調査をするというのが次に来る話でございまして、その過程については今、田中局長からお話を申し上げたとおりであるわけですけれども、その問題が、要するに船体調査が終わった段階ではその次にステップとして考えることというのは引揚げということであるかと私は思っておりますけれども、その都度その都度一つのステップについてきちんと行い、そのために必要な調整、この場所は中国のEEZの中にあるわけでございますから、必要な調整はしなければいけない、そういうことを一つのステップごとにきちんとやっていくということが大事でございまして、その結果を踏まえて最終的な動きというのがあると私は思っております。
○海野徹君 必要な調整が済めば国益として引き揚げるべきだとお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、いろいろなステップを踏みながら次の段階に想定されることというのはそういうこと、引き揚げるということだろうと思いますけれども、そこに行くまでに幾つかのステップを踏み、調整を進めるということが前提だということでございます。
○海野徹君 引き揚げることになると思いますし、引き揚げるべきだと思いますが、引き揚げる場合、海上保安庁が要するにその任を担うわけなんですが、海上自衛隊は何か具体的には協力をすることができるんですか。あるいはそういう用意は、引き揚げる場合、お考えになっておりますでしょうか。
○政府参考人(北原巖男君) 引揚げにつきましては、今、外務大臣が御答弁されたとおりでございますが、そうした前提の下で、仮にその引揚げに関しまして海上保安庁から当方に要請がありました場合には技術的な検討などを行った上で、例えばでございますけれども、我が方の艦船、航空機による警戒監視ですとか、あるいは潜水員の派遣など、防衛庁といたしまして必要な協力は行ってまいりたいと、そのように考えております。
○海野徹君 この引揚げの問題で、不審船の引揚げの問題でやはり重要なのはその背後にある意図、目的だと思うんですよね。 外国政府が攻撃的意図を持ってある意味では覚せい剤、麻薬や偽札を密輸するということは、これは単なる非合法なビジネスというか金もうけの犯罪じゃなくて、犯罪ということじゃなくて、平時、有事を問わず我が国を社会的混乱に陥れようというある種の戦争行為とみなされるんではないかなと思うわけなんです。テロ組織や外国政府は平時に工作員を送り込んで、彼らを動かすことによって、有事に動かすことによっていろいろ工作をするということが予想されるわけなんですね。 だから、ある意味では武力攻撃事態というような大規模侵略というよりも、そういうものにこたえる、対応するよりも、こういうようなテロあるいは混乱、社会的混乱というようなある意味では低強度の、戦争と言っていいかどうか分かりませんが、そういうような紛争、混乱の今、時代があるとしたら、平時と有事というのをある意味では境界を作って、ここからこっちは平時だから、ここからこっちは有事だからというような境界なんて設けることはもちろんできないですし、そんなものを設けながら対応するとしたら、非常に対応が誤った対応になるんではないかなと思うんですが、それだけにその対応を誤ることなきようにするためには、意図、目的を明確にするという必要があるんではないかと思うんですが、この点について、防衛庁長官、認識のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 安全保障や緊急事態で低強度のお話がございましたけれども、低強度のケースも、その推移や対応においては有事に発展する可能性も十分ありますので、そういう点で全般的に安全保障はいかにあるべきかという観点でこのような低強度のケースも検討する必要がありますし、また我が国の国内にある組織を挙げて国としての安全保障に対する検証や検討を行っていくということは必要なことであるというふうに思っております。 〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕
○海野徹君 外務大臣にお伺いしたいんですが、対朝外交の、対北朝鮮外交の姿勢について、非常に、過日の参考人、拉致された御家族の参考人に来ていただいてお話を聞いた中でも、十四年間もこの問題を放置したというのは余りにも日本の、要するに外交関係のシンクタンクの集団としては情けないんじゃないかというようなコメントがあったわけなんですが、私としても非常に、主権を侵害されて我が同胞が拉致されているということを考えたら、それが十数年も放置されたというのは、これはもう何をか言わんやということなんですよね。 一方、つい最近の事件なんですが、金正男と思われる男性が不法入国した、それをわざわざ送っていったと。朝銀信用組合、朝銀の問題についても、公的資金が投入されたし、まだまだ投入されようとしている。こういうことを考えると、非常に対北朝鮮外交に対する姿勢というのは国民の理解を得られないのではないかという思いが非常に強いんです。 昨年十月の外交に関する世論調査では、日本は自分の国の意見や立場を外国に正確に伝えたり理解させているかというような問いに関して、そうは思わないという人が約七割いるんです。その辺もこの対北朝鮮外交なんかに出ているのではないか、そういうものが印象になってそうは思わないというようなことが、要するに世論として出てきているのではないかなというふうに理解するわけなんですが、大臣は、この点についてはどういうような御理解をしているんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 今のそのアンケートの七割というのは、一般論としての七割だろうというふうに私は理解させていただきましたけれども、やはり一国が自分の国際社会において自らの国益を守っていくということのためには、そのそれぞれの国の立場をしっかりと発信をしていくということは基本だと私は思っております。その発信の仕方というのは、もちろんその国との様々な外交の交渉という場で行うということもあると思いますし、それから、常日ごろいろいろなメディアを通じて、あるいはいろいろな場で、フォーマル、公的なあるいは非公式の場、様々な場で意見を言っていくということが大事だと私は思っております。
○海野徹君 私も数少ない経験の中で、やはり諸外国、アメリカや中国、あるいはほかの国の人たちと話しするときも、やはりこちらの意見をきちっと伝える、それから議論が始まっていくんですよね。それから、要するに議論が始まっていく中で信頼関係というのは出てくるわけなんです。 だから、ただただ要するに聞いていくだけじゃなくて、我々が持っている国益から発せられる意見というのはきちっと伝えて、しかも外務大臣はタフネゴシエーターという話ですから、特にその点、外務大臣として今後表現していただきたいなと思っているわけなんですが。 次の質問なんですけれども、相互事前通報制度、これが要するに口上書が変換されてからもう二年ほどになるわけなんですよね。これが形骸化しているんじゃないかなというような指摘がありますし、非常に問題をはらんでいるということが指摘されております。事前通報がないまま実施されたもの、あるいは事前通報しても日本政府の許可が下りないうちに調査を始めてしまったもの、あるいは調査期間や内容を勝手に変更したもの、あるいは調査海域、日本の領海を含めていないもの、いるものなど、非常に問題が続出しているというような指摘があります。 実際の調査活動の件数あるいは事前通報があった数、そのうちの違反と思われる調査の件数など、実態はどのようになっているか、防衛庁あるいは海上保安庁、これを把握していられますか。
○政府参考人(縄野克彦君) 昨年二月の事前通報制度の枠組みができて以降でございますが、私どもが確認をしております状況を申し上げますと、平成十三年、昨年は十三隻、それから今年三隻、計十六隻の海洋調査船を海上保安庁として確認をしております。 このうち、今お話がございました、事前通報がない、あるいはその内容と異なる活動を行った海洋調査船、中国の海洋調査船は五隻でございます。この五隻につきましては、私ども、現場において中止要求あるいは追尾監視、あわせまして、外務省を通じて外交ルートによる中止要求、厳重抗議を行っておるところでございます。
○海野徹君 今御答弁がありました、五隻ですか、私がいろいろ調べさせていただいたのはそれより何倍かあるというような数字を要するに聞いているわけなんでね。
○政府参考人(縄野克彦君) 海上保安庁の艦船、航空機で確認をして、先ほど申し上げましたような行動を取ったものが五隻でございます。 〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕
○海野徹君 防衛庁、その辺については把握しておりませんですか。
○政府参考人(北原巖男君) 現在、手持ちにトータルの数はちょっと今持っておりませんが、つい最近でもこの事案発生しておりまして、私どもが常続的に行っております警戒監視で、本年の二月の十五日にも、海上自衛隊のP3Cが沖ノ鳥島の東北東約二百五十キロの海域で活動中の、先生御指摘のような、中国の海洋調査船、これを確認いたしました。 私どもといたしましては、今回のこういった点を含めまして、警戒監視で視認いたしました情報につきましては速やかに海上保安庁あるいは外務省等に通報し、外務省等を通じて厳重に抗議をしていることは海上保安庁と同様でございます。
○海野徹君 私の方から要するにいただいた、いろんな方々からいただいた数字で言うと先ほどの件数よりかなり多いわけなんですが、私の方からこれを言うわけにいきませんから。 外務大臣、要するに実際でも五件あった。しかし、私が調べた数字ではその何倍かある。この通報制度、完全に形骸しているんじゃないですか。あるいは、一部の意見からは、これは某省の幹部の方々の話では、全く要するに枠組みが機能していないし、外務省の対応が非常に極力中国を刺激しないという姿勢に終始している、非常に困惑しているというような話もあるわけなんですが、その点について外務大臣、どのような御見解をお持ちですか。
○国務大臣(川口順子君) 私が聞いていますところでは、この相互事前通報の枠組みというのは昨年の二月にできたということでございまして、昨年の夏ぐらいまで事前通報なしに調査を行ったり、あるいは事前通報の内容とは異なる期間、水域で調査を行うなど、この枠組みに合致をしない行動を取る中国の海洋調査船が散見をされて、こうした事案が四件に上ったということを聞いておりますけれども、それ以外につきましては、話合いを通ずるこの枠組みというのは有効に機能していると私は理解をいたしています。
○海野徹君 事前通報、相互事前通報制度についてはまた改めて細かな質問をさせていただきたいと思いますからこの程度にしておきまして、あと、外務大臣、パレスチナ、イスラエル・パレスチナ問題について若干質問をさせていただきたいなと。 残りあと十分ほどですから、簡潔にちょっと質問をさせていただきたいなと思うわけなんですが、今、日本とイスラエルの経済関係はどの程度の要するに経済関係になっているんでしょうか。その点について、外務省の方から答弁をいただきたいなと思います。
○政府参考人(安藤裕康君) お答え申し上げます。 日本との関係での貿易でございますけれども、日本に対する輸出につきましては、二〇〇二年度で七億八千万ドル、二〇〇一年で八億百万ドルと。それから、輸入でございますけれども、日本からの輸入につきましては、十一億八千万ドルが二〇〇〇年でございます。二〇〇一年になりますと十億一千八百万ドルということで、輸出につきましてはほぼ横ばいでございますけれども、日本からの輸入につきましては一三・七%、二〇〇一年には減っているということでございます。
○海野徹君 ありがとうございます。 イスラエル経済と中東の和平の進展というのは、ある意味ではこれは背中合わせの関係にあるわけなんですね。 それで、経済成長も、要するに中東和平が停滞し始めると、九六年四・四%、九七年二・二%、九八年二・〇、九九年二・二というような形でイスラエルが経済成長しているわけなんです。経済成長して、一九九〇年から九五年の場合は、非常にそういう和平が停滞する以前ということもありまして、六%台の成長をしているんです。IT等のハイテク産業に力を注いでありますから、二〇〇〇年には、IT立国、これもまあ戦時下で揺らぐIT立国なんというようなことも新聞報道されていましたが、二〇〇〇年には五・九%というような高い伸びも示しているわけなんです。 しかしながら、アメリカの経済の低迷、まあ最近は持ち直してきましたが、ITバブルの崩壊があって経済が低迷したと、あるいは九・一一テロ、あるいは今回の衝突でイスラエル経済が急ブレーキ掛かっている。戦費の増大、歳出削減、増税、外国投資の不振、こういうものに見舞われているわけなんですが、二〇〇一年の経済成長率がだからマイナス〇・五%だろうと言われているわけなんです。 こういうような状況でありながら、なぜシャロン首相は強硬姿勢を取り続けていると、外務大臣、この点についてどういうふうに分析していらっしゃるんでしょうか。シャロン首相というのはオスロ合意は誤りだという立場で、合意を有名無実化することが目標ではないかと言われているんですが、なぜここまで硬化するのか。その点について、外務省としてどういう分析をされて、外務大臣としてはどういう御見解をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員おっしゃられるように、現在、イスラエルにつきましては経済にはマイナスの影響が及んでいるということだと思います。これは当然に戦争になれば物は、戦いになれば破壊される部分、それから非常にリスクが高まりますから投資も起こらない、観光客も行かないということになりますから、影響があるということだと思いますけれども。 シャロン首相が、では、そういったマイナスがあっても何で今の政策を取っているかということは、これはもう本当にイスラエルのシャロン首相とそれからイスラエル政府の中の意思決定の問題でございますので、日本の外務省がなぜだと考えるかということを外で申し上げるということは差し控えさしていただきたいと思いますけれども、一般論としていろいろマスコミ等で言われていることでいえば、一番大きな動機はイスラエルの安全をどうやって確保するかということがあると、まあほかにもいろいろ幾つか言われていることあると思いますけれども、ということかなと思っています。
○海野徹君 やはり、今起こっていること、あるいはシャロン首相あるいはイスラエルの政権が進めようとしているにはそれなりに要するに理由があるわけで、そういうものをやっぱり十分それこそ情報を収集して分析して、それで日本の外交姿勢をきちっと確立する、そしてEUなりアメリカに対して、どういうように関与していくか、協力していくかというのが出てくるんではないかなと思いますから、やはり独自に情報を収集して分析して対応を決めていく。あるいは中東に対する政策、あるいはイスラエルに対する政策、あるいはパレスチナに対する政策、外交姿勢というものをやはり確立していく必要があるんじゃないかなと思うんですよね。それはやはり相手のことをよくする、相手の経歴等も含めて考え方をよく分析していくと。なかなかこういう場で公表できなくても、そういう作業というのは必要じゃないかなと思うんですよね。 今回、ジェニンに虐殺があったと言われている。なぜ言われるかといいますと、やはり、シャロン首相は一九五三年にヨルダンのキビア村で攻撃をしました。そのときに民間人六十九人を殺害している。これはシャロン少佐の当時だった。一九八二年、国防相のときは、シャロン国防相時代はレバノンに侵攻して、キリスト教民兵のパレスチナ難民に対する虐殺の責任者と。これ、今問われていますね。 こういうようなことを考えると、ジェニンというのはやはり何らかの虐殺があったんではないかなと、だから調査団を送ろうという話になってくると思うんですよ。そういう事実を積み重ねて、そして予想されることの要するにマイナスの事態を未然に防ぐということが私は必要じゃないかなと思うんですが、またその議論は後ほどさせていただきたいと思います。 今度、パレスチナに対してなんですが、我が国はパレスチナに対して約六億ドル、五億九千七百万ドルですか、のODAを援助している。この間、イスラエルの大使に会ったら、ODAで援助しているんだから圧力掛けてくれという話がありました。それも非常に勝手な言い方だなという思いで聞いたわけなんですが、やはり中東地域あるいはパレスチナ等に多大な援助をしている国であることは紛れもない事実ですから、そういう国として何らかの役割を果たせるんではないかなというふうに思うわけなんですが。 例えば、前回のテロと同じように、中東問題でショー・ザ・フラッグというようなことをあるいはヨーロッパとかアメリカから言われたとき、旗色鮮明にして姿勢を要するに明確にしてくれと言われた場合は日本は具体的にどういうことができるのか、あるいはどういうことができると考えられるのか、その点について御質問させていただいて、最後にします。
○国務大臣(川口順子君) この問題につきましての日本の立場、態度というのは極めて明確であると思います。それをまた今まで再三再四いろいろな場で、まあ今繰り返しませんが、その態度については表明をしてきているわけです。 これは、電話もありますし、様々な談話もありますし、書簡もありますし、あるいは二国間での話合い、いろいろなもうありとあらゆる考えられる場でやってきているということでございます。それはよく委員御存じのことですけれども、イスラエルの即時撤退であり停戦であり、パレスチナに対しては過激派テロをやめるようにということでありまして、その後、停戦、それから和平プロセスをどうやっていくかということで、もうこれは極めて明快なメッセージを出してきているわけでございます。 それで、日本のODAにつきましては、委員おっしゃるように、非常に大きな日本はパレスチナに対しては第二番目のODAの支援国でございまして、これについてはパレスチナ側からも、それからイスラエル側からも高く評価をされているわけでございます。また、日本への信頼がこの地域、つまり双方から高いということに対する一つの背景でもあるかと思います。 今朝発表をさせていただきましたけれども、占領地のパレスチナが今非常に人道的にもひどい状況にあるわけでございまして、三百三十万ドルの緊急人道支援をUNDPを通じて行うということを決めまして、これについては発表させていただきました。 今後とも、ほかの国、国際社会と緊密に連携を取り、話合いをしながら、我が国として、この地域の平和と安定をもたらすために何をどういうタイミングで行うのが一番適切かということを考えながら取り組んでいきたいと考えております。
○海野徹君 日本が、要するに経済、大変厳しい状況の中でも、やはり先進国として経済大国としてやれることは多いと思うんですよね。積極的に私は、こういうときに、日本が世界にとって必要な不可欠な国だ、信頼される国だ、尊敬される国だというためにも積極的に私は関与していくべきだなと思うわけなんですが、昨日イギリスからメールが来まして、こんな状況がヨーロッパで起きているということですけれども、非常にヨーロッパにおける反ユダヤムードが高まってきてしまっています、フランスのマルセイユはユダヤ系住民がフランスにおいて最も多い都市だそうですが、シナゴーグ、ユダヤ教会に対する放火、ユダヤ系住民に対する嫌がらせ、懸念すべき事態が起きつつあります、これ以上の飛び火がなければいいのですが、というようなメールが来ております。 やはりこうやって、中東のイスラエル、パレスチナだけの問題じゃなくて、世界にこういうものが要するに飛び火していっているということでありますから、それは、当然その周辺に日本人も企業活動をしているわけでありますし、そういった意味でも、細心の注意を払っていろんな情報を世界から集めていただいて、外務省もその点についての要するに対処方針をあらかじめ作るような努力をしていただきたいなと、そんなことをお願い申し上げます。 以上です。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。 まず初めに、防衛庁長官にお伺いいたします。 先週末、韓国を訪問されまして、首脳と会談をされたと思います。その際に、武力攻撃事態対処法制の整備についても当方から御説明をしたかと思うわけでありますが、それに対する韓国側の首相あるいは国防大臣、その他の重要人物の反応はどのようなものであったかについて、まずお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 去る二十日に訪韓をいたしまして、李漢東首相並びに金東信国防長官始め韓国防衛首脳会談を行ったところであります。 有事法制につきましては私の方から説明をいたしまして、李漢東首相からは、私の説明に対しては、言わんとするところは理解できたということでありました。また、金東信国防相始め防衛首脳会談等におきまして私が説明をいたしまして、説明をしていただいたことは感謝をするということでございまして、特にその内容に対して意見とか注文等はございませんでしたけれども、我々の説明を更にいたしましたし、同時に、私の方から韓国のこういった緊急事態での制度についてどうなっているかという質問をいたしまして、この問題等につきましては、五月に日韓の担当実務者の会もありますので、また意見交換を行おうということになりました。 私としましては、この有事法制の経緯とか考え方については理解を深めていただいたというふうに認識をいたしておりますけれども、今後とも、こうした説明を通して透明性の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。
○山口那津男君 この件につきましては、近隣諸国の理解を求めるためにこれからも十分な説明の努力を尽くしていただきたいと思います。 韓国だけではなくて、中国にもいずれこの件について防衛庁長官として御理解を求めるために説明する用意はありますか。
○国務大臣(中谷元君) 国会等のお許しをいただきましたら、ゴールデンウイーク等を利用して、中国に対しても説明を行ってまいりたいというふうに思っております。
○山口那津男君 今回の改正の課題であります防衛二法について若干伺います。 第四師団、西部方面の支援部隊あるいは第五施設団等の改編、これは主に減員ということでありますが、これらはコンパクト化等の大綱の方針に沿って行われるものだと理解はしておりますけれども、このたび武力攻撃事態法制の整備が行われるに当たって、この整備を想定し、これに何らかの対応を行うということも含まれるものでありましょうか。
○国務大臣(中谷元君) 今回提出しております武力攻撃事態対処の三法につきましては、国家の緊急事態への対処のための態勢整備をするに当たりまして、その基本理念や、国、地方、個人の関係の基本となる事項、またその他の整備に関する事項を定める法律であります。 この委員会で現在御審議をいただいております法律につきましては、これは、既に現在の防衛計画の大綱と中期防の整備計画におきまして定められた計画に基づいた防衛力の整備でございまして、事態への対処のための法律である御指摘の法案とは直接の関係はないわけでございます。
○山口那津男君 即応予備自衛官について順次整備が行われているところでありますけれども、目標に対してまだ半分強の整備現状だと思います。これは各部隊ごとに整備が行われてきていると、こう承知いたしております。 今後のこの予備自衛官の導入といいますか整備についてどのように行っていく方針か、そしてまた、今回の武力攻撃事態法制に対応するような配置、導入を行うつもりかどうか、この点について伺いたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) お尋ねの即応予備自衛官につきましては、平成九年から導入をされたものでございますけれども、この防衛計画の大綱に示された水準の一万五千人に向けまして、現在その導入を図っているところでございます。 一昨年十二月に中期防衛力整備計画が策定をされたわけでありますけれども、そのときの即応予備自衛官の員数につきましては、師団の改編に合わせて、計画当初五千人から、計画期間の末には約一万人に増加するというふうにいたしておりまして、平成十四年におきまして、第四師団の改編に当たって、各部隊における即応予備自衛官の員数について所要の増減を行った結果、即応予備自衛官を三名増加するものであり、今後、平成十五年度以降十七年までに、第三師団千僧、第五師団の帯広、第八師団の北熊本、第一〇師団の守山及び第二混成団善通寺の改編を行い、逐次即応予備自衛官を導入していくように計画をいたしております。
○山口那津男君 防衛計画の大綱に定められた諸方針というのは、このたびの武力攻撃事態対処法の整備に伴って内容を改編するお考えがあるかどうか、この点について、私は、少なくとも基本的な検討をすべきであると、こう考えておりますけれども、防衛庁のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) お話をした構想は防衛計画の大綱に伴って変化をさせていくということでございます。 おっしゃるように、世界情勢、また国の内外の情勢の変化に伴いまして防衛の在り方等につきましては不断に見直しを行っていくということは当然でございまして、現在、防衛庁内に在り方検討会議を設置をいたしまして討議をいたしているわけでございますけれども、この防衛力の在り方検討会議を通じまして、更に有識者からの意見聴取も行いまして、多様な観点から幅広く議論を行いまして、必要な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○山口那津男君 このたび、情報保全隊が改編されることになったと思います。 この情報保全隊の任務については必ずしも国民に分かりやすい状況にはなっておらないと思うわけであります。秘密保全の在り方等について、これが従来の調査隊の時代と今回の保全隊の組織化によりましてどう変わってくるのか、この点について分かりやすく御説明いただきたいと思います。
○副長官(萩山教嚴君) 先ほどの吉村先生からの御質問にもちょっとダブるかもしれませんが、重要な質問でございますので、お答えいたします。 平成十二年に秘密漏えい事件がございましたね。山口先生も御存じだと思いますが、萩嵜事件であります。そういった漏えい事件を下地にいたしまして、この組織替えをいたしました。新編をすることにいたしました。組織面からの機能強化については、今まで海上自衛隊あるいは陸上自衛隊でばらばらの調査隊でありました。これを中央に統一することによって指揮系統を一本化した、こういうことによって状況の変化に迅速に対応するため機動的な運営ができるのではないかというふうに図ったわけでございます。 それから、情報全体に至っては、従来の調査隊の任務であった各自衛隊の部隊及び機関の保全のための必要な資料及び情報の収集、整理については、従来の保全事案が発生した場合及び保全事案が発生した疑いのある一定の場合に加えて、保全事案が発生をするおそれのある場合にも実施する等の機能強化をすることにいたしております。 また、各個別になりますけれども、大事なものですから、この点も御説明を申し上げておきたいと存じます。部隊の長たる職員の身上把握すること、二つ目に、防衛庁の秘密の関係職員の指定に当たっては当該職員の秘密の取扱いにふさわしい職員であることを確認すること、立入禁止場所の立入申請者に対する立入許可に当たって秘密保全上支障がないことの確認をすること、四つ目には、政府機関以外の者に対する防衛庁の秘密に属する物件等の製作等の委託の許可に当たっては秘密保全上支障がないことの確認をすること、五つ目には、例えば盗聴器の発見など各種の自衛隊施設にかかわる施設保全業務に支援をすること──短くですか。短くですか。
○委員長(武見敬三君) はい、分かりました。
○副長官(萩山教嚴君) じゃ最後に、あの、じゃどうぞ委員長、もうちょっと……
○委員長(武見敬三君) それでは答弁はここまでで結構です。質問、続けてください。
○山口那津男君 いずれまたチャンスがありましたら、もっと詳細に御質問したいと思います。 続いて、サイバーテロ対策について御質問いたします。情報システムが混乱した場合、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼすということが懸念されているわけであります。いわゆるサイバーテロについての被害実例というのは、海外あるいは国内で報告されているものでしょうか。
○政府参考人(村田保史君) IT化、いわゆるIT化の進展に伴って情報システムの安全の問題は極めて重要な課題ということを政府としても大きくとらえて取り組んでおります。 今御質問のサイバーテロの被害実例につきましては、国内、海外とも現時点の把握、報告はございません。 しかしながら、一般的にいわゆるサイバー攻撃というものが行われておりまして、我が国でも官庁ホームページの書換えなどはございましたし、海外におきましてはインターネットオークション企業のサーバーの機能の一時停止といったこともございます。こういったことも踏まえて、今後ともITシステムの安全確保のために努力してまいりたいと考えております。
○山口那津男君 このたび、みずほ銀行のシステム障害によりましてかなりの混乱を起こしていると、こう思っております。これがサイバーテロとは思っておりませんけれども、仮にこれらのシステム障害がサイバー攻撃によって起こったとした場合に政府の対策の対象となるのでしょうか。
○政府参考人(村田保史君) まず、そうした事案が仮に発生し、それがサイバー攻撃が原因であるといったことである場合には、その所管官庁から直ちに私ども内閣官房の担当セクションに報告が入ることになっています。これを受けまして、政府全体として必要な活動に入ると。例えば、原因の究明、被害の拡大の防止措置、それから復旧措置、それから犯罪の捜査等の諸活動を展開するということであります。 そうした中で、内閣官房としましては、これらの活動が相互に連携して有機的に取り組まれるように指導的な立場で調整、推進を図るということになります。
○山口那津男君 今のお答えですと、やはり特に民間のシステム障害起こしたような場合ですと、やっぱりかなり重要なものに対して政府が対応するということになろうかと思います。しかし、また民間は様々なシステムを持っておりまして、その対象に漏れるシステムということもあると思います。しかし、それらが大量に意図的に混乱をさせられた場合というのは、やっぱりその一民間の力だけでは、企業や個人の力だけでは外部からのそういう攻撃に対して防御することはできないだろうと思うんです。 ですから、私は、そういう重要インフラと言われるもの以外のものについても政府としては何らかの対応を考えるべきだと思うわけでありますが、この点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(村田保史君) 重要インフラ分野におけるそうしたサイバー攻撃、そうしたもののほかに、おっしゃるような様々な民間の部門に対する攻撃はあり得ます。そうしたときに、犯罪捜査の観点から警察が活動するのは当然でありますけれども、そもそもそうした事案が発生することのないように、防止するために我々内閣官房の立場において、各所管省庁を通じる、あるいは直接国民に訴える形でセキュリティーに関する情報の提供、啓蒙普及活動、これは極めて重要な課題として考えておりまして、これまでも関係機関を通じて適宜適切な情報提供に努めてきました。 また、そうした観点からこの四月十日より内閣官房情報セキュリティ対策推進室のホームページも開設いたしまして、そうした内容について広く国民にも示していきたいと考えております。
○山口那津男君 サイバーテロないしは情報セキュリティー対策について、防衛庁としては今年度予算も相当要求していると思います。この予算の使い方を含めて、今後どう対応していかれるか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 防衛庁といたしましては、通信回線の暗号使用による秘匿化を始め、重要なシステムの常時監視や重要度に応じたシステムごとの回線の構成、またサイバー攻撃に対する対処手法の研究、米国への留学等によるセキュリティー緊急対処要員の養成などの施策を行っております。 平成十四年度におきましても、防衛庁の、防衛庁・自衛隊を通じた高度な統合ネットワーク環境の整備、サイバー攻撃に対する対処手法等、情報セキュリティーに対する研究、システム保全管理機能の充実、人的基盤の整備等に対しまして、所要の予算を計上いたしているところでございます。
○山口那津男君 同様に、外務省としてどのように取り組んでいかれるか、お答えいただきたいと思います。
○副大臣(杉浦正健君) 外務省が電子的に保有しております情報で秘密保持が必要なものについては、外部と接続されているネットワーク上には置かれておりません。他方で、そのネットワーク、外務省のネットワーク上に置かれている情報に関しましては、従来からファイアウオール、侵入検知装置等の必要な情報セキュリティー対策を講じることによりまして、外部からの不正アクセスが起こらないよう対策を講じております。 平成十四年度では、電子政府への対応等を含め、外務省で整備している情報システムの情報セキュリティー関連予算として、九億五千三百八十万円余を計上して対応することにいたしております。
○山口那津男君 このサイバーテロに対する取組は、外務省、防衛庁のみならず、総務省あるいは経済産業省、あるいは文部科学省あるいは法務省等々、警察庁も入るでしょう、各省庁それぞれ広範な取組をしていると思います。しかし、それを統合して国としてどう進めるかという視点も重要でありまして、内閣官房のその点の役割は大きいと思います。 そこで、平成十四年度予算の中で重要インフラのサイバーテロ対策ということで約十五億円予算計上されていると思います。この点についてどう取り組むか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(村田保史君) 情報セキュリティーに関連した今年度の予算ですけれども、中身で見ますと、大きく、例えば官民における情報セキュリティー対策の推進、あるいはe—Japan重点計画に掲げられている施策の目標に向けて政府全体として二百八十一億円の予算を確保しております。そのうち、御指摘の重要インフラのサイバーテロ対策として十五億円計上されております。この内容は、主として、警察庁において対処する部隊でありますサイバーフォースの活動、あるいはサイバー攻撃がある場合のその兆候を早期に検知するためのネットワークシステムの運用強化に要する経費であります。 こうした取組も含めて、それ以外にも、民間部門における情報セキュリティー対策の予算、人材育成の予算など、これらが相互に合わさりまして、我が国におけるサイバーテロの脅威への備えが一層進むものと考えております。
○山口那津男君 このサイバー攻撃に対しては、まず防御する、セキュリティーを確保すると、これが最重要課題だと思います。しかしまた、それだけでいいのかどうか。例えば、海外から意図的に攻撃するというような行為に対しては、やはりその本を断つということも含めて対抗手段というか、その方法ということも検討に値すると私は思っております。 そこで、今回の武力攻撃事態対処法制の中で、従来の答弁からしますと、サイバーテロ攻撃そのものは武力の行使に当たらないという法制局長官の答弁があります。そして、このいわゆる武力攻撃事態法制でサイバーテロ攻撃に対して何らかの対応をできるというふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(村田保史君) 御指摘のように、サイバー攻撃の評価の問題でありますが、これが武力攻撃事態対処法制が対象としております武力攻撃あるいは武力攻撃事態に当たるかどうかについては大変に判断が難しい面がございまして、一般には、武力攻撃、武力の行使につきましては、武力の攻撃につきましては、一国に対する組織的、計画的な武力の行使という定義付けがなされているわけでありますが、このサイバー攻撃に基づく攻撃が果たしてそれに当たるかどうかの法的評価は非常に難しく、現状では国際的にも定説がない状況であります。 したがいまして、武力攻撃事態対処法制の検討対象となるかどうかにつきましては、現段階で確たることを申し上げることは困難であります。
○山口那津男君 じゃ、このサイバー攻撃を犯罪として取り締まることができるかどうか、これについて警察庁にお伺いいたします。
○政府参考人(黒澤正和君) サイバー攻撃につきましては、個々の攻撃が電気通信回線に接続している電子計算機等のアクセス制御機能を侵害するような行為であれば、不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反として取締りの対象となります。また、サイバー攻撃によりまして人の業務を妨害した場合には電子計算機損壊等業務妨害罪、電磁的記録を毀棄した場合には電磁的記録毀棄罪に該当し得ることとなるなど、個別の規定に基づいて取締りを行うこととなるわけでございます。 警察におきましては、ネットワーク社会の進展に対応しまして、ハイテク犯罪の取締り体制の充実強化、装備資機材の充実等を図ってきておりまして、今後ともハイテク犯罪対策を積極的に推進してまいる所存でございます。
○山口那津男君 外務省に伺いますが、欧州評議会でサイバー犯罪条約というのが作られたと思います。日本も署名はしていると思いますが、今後の批准の姿勢について伺いたいと思います。
○副大臣(杉浦正健君) 山口委員御指摘のとおり、欧州評議会が大変この問題について熱心に取り組んでおりまして、オブザーバーでございますアメリカ、カナダ、日本といった国が参加いたしまして、昨年九月十九日にサイバーテロ、サイバー犯罪に関する条約を締結したわけでございます。 しかし、前向きに取り組んでおります、日本は、したがいまして、取り組んでおりますが、今警察庁が言われたように、この条約、批准は、署名はいたしましたが、批准するためには国内法の整備が必要でございます。サイバー法、犯罪防止法は、不正アクセス、不正な傍受、データの妨害、システムの妨害、偽造、コンピューターに関する詐欺といった広範な行為を犯罪行為として処罰するとなっておりますので、国内法の整備が必要でございまして、関連省庁とこの点を詰めて国内法を整備しませんと批准できないという状況でございます。 まだ今のところ批准した国は一つもございません。
○山口那津男君 サイバーテロを含めたハイテク犯罪に関する法整備を法務省としてどのように進めているか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(河村博君) 法務省におきましても、いわゆるサイバーテロを含めましたハイテク犯罪に的確に対処し得るための法整備を行うことが必要不可欠であると認識いたしておりまして、現在、法務大臣を本部長といたします経済関係民刑基本法整備推進本部におきまして、ハイテク犯罪に対する罰則の整備やコンピューターネットワークに関する捜査手続の整備等の検討を行っているところでございます。
○山口那津男君 先ほどの条約に対応する国内法整備、これは法務省としても行っているし、また、先ほど警察庁としても、現行法では十分でないところがあると、こういうお答えだったと思います。これについての国内法整備について、内閣官房として、いわば所管の中心としてこれらの整備の体系的な推進を図るべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(村田保史君) 内閣官房としましては、このセキュリティーの安全確保について全般的な取組を進めるべきであるというふうに考えております。運用上の取組も必要でありますし、法制上の整備といったことも諸外国の例もいろいろ見ながら考えていきたいと考えております。
○山口那津男君 最後に、国際刑事裁判所について伺います。 これは、まだ我が国は署名も批准もしていないと思います。これについては、国内法の整備等が行われていないという前提もあろうかと思うわけであります。 そこで、ジュネーブ四条約あるいはそれに対する追加議定書等、これらで人道に対する罪あるいは戦争犯罪等にかかわる条項があるわけです。これに対する処罰の法律も、国内法をまず整備すべきであると、こういう規定もあるわけであります。そして、国際法的には、この処罰について国際刑事裁判所が作られて、そこで裁判にかけられるということをもって完結すると、こう思うわけであります。 今回の武力攻撃事態法制において国際人道法の実施の確保ということも規定に盛り込まれているわけでありますが、この国際刑事裁判所の署名、批准に当たって、この国際人道法の条約の国内法整備との関係についてお答えいただき、今後の署名、批准の姿勢についてもお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(海老原紳君) 今、先生おっしゃいましたように、国際刑事裁判所につきましては、我々といたしましても、国際人道法の一部として非常に重要な動きであるというふうに思っておりまして、基本的には支持しているということだと思います。ただ、今、正に先生おっしゃいましたように、国内法の整備との関係がございまして、今ちょっと詳しくは申しませんけれども、署名ができなかったということで、今、批准に向けて更に作業を進めているということでございます。 対象犯罪のうちの一つに戦争犯罪がございまして、これが正に先ほど先生おっしゃいましたジュネーブ諸条約の重大な違反ということになっておりまして、これはいわゆる有事法制の第三分類に入っていたということから国内整備が遅れておりまして、それが今回の武力攻撃事態法の法整備の関係において法整備ができるということであれば、ICCの批准に向けて大きな前進になるというふうに考えております。
○山口那津男君 大臣、署名だけでも私は、今回、有事法制の整備の方針が決まったわけですから、速やかに行うべきであると考えますが、いかがですか、大臣。
○委員長(武見敬三君) 簡潔にお願いします。
○国務大臣(川口順子君) そういう考え方もあるかと思いますけれども、やはりこれは国内の法律がどういうふうに作っていけるかということを注意深く見ながら考えていくということだと考えます。
○山口那津男君 終わります。
○小泉親司君 日米共同作戦計画と有事法制について幾つかお尋ねをいたします。 先日の委員会で、中谷防衛庁長官は、九七年の新しいガイドラインに基づいて日米共同作戦計画、いわゆる二国間の共同作戦計画ができ上がった、それは共同計画検討委員会のレベルで作業の進捗を確認したものだというふうに答弁されました。 そこで、私、お聞きしたいのは、この共同計画検討委員会で確認作業としてまとめられたものは、日本有事の日米共同作戦計画なんですか、それとも周辺事態の日米相互防衛協力計画なんですか、どちらなんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 御質問の、昨年九月にBPCレベルでその進捗を確認したものを含め、現在BPCを含む包括的なメカニズムの下で行われている計画検討作業は、共同作戦計画についての検討と相互協力計画についての検討の双方を含むものでございます。
○小泉親司君 日米ガイドラインを読みますと、「日米両国政府は、共同作戦計画についての検討と相互協力計画についての検討との間の整合を図るよう留意することにより、周辺事態が日本に対する武力攻撃に波及する可能性のある場合又は両者が同時に生起する場合に適切に対応し得るようにする。」というふうに明記されております。 ということは、防衛庁長官の答弁は、日本有事の共同作戦計画と周辺事態の日米相互防衛協力計画の言わば作業の進捗状況が確認されたということでありますと、当然このガイドラインに占めるような、周辺事態が波及する場合と両方同時に生起する場合、このことが今度の計画の中には含まれていると、こういうふうに理解してよろしいんですね。
○国務大臣(中谷元君) 指針におきまして、両国政府は、「共同作戦計画についての検討と相互協力計画についての検討との間の整合を図るよう留意する」というふうに書かれておりまして、「周辺事態が日本に対する武力攻撃に波及する可能性のある場合又は両者が同時に生起する場合に適切に対応し得るようにする。」ということにされているところであります。この計画検討作業はこれに基づいて様々な状況を勘案しつつ行っているところでございます。
○小泉親司君 日米ガイドラインでは、こればかりではなくて、日本への武力攻撃の差し迫った事態ということが検討の対象にされてきております。今回の確認された日米共同作戦計画には、この差し迫った事態というものの計画、こういうものも含まれていると、この点も当然のことだと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(中谷元君) この指針では、日本に対する武力攻撃に際しての共同対処行動の中で、日本に対する武力攻撃がなされた場合とともに、日本に対する武力攻撃が差し迫っている場合について述べ、「日米両国政府は、事態の拡大を抑制するための措置をとるとともに、日本の防衛のために必要な準備を行う。」旨記述をいたしております。 この指針は、平素及び緊急事態における日米両国の役割などについて一般的な大枠及び方向性を示すものでありまして、計画検討作業はこれに基づいて様々な状況を勘案しつつ行っているところでございます。したがいまして、このものも含まれているということでございます。
○小泉親司君 もう一つお尋ねしたいんですが、日米ガイドラインには、例えば日本の有事の場合に航空侵攻に対処するための作戦とか日本周辺海域の防衛及び海上交通の保護のための作戦とか、そういう中身が大変具体的に述べられている。周辺事態については、非戦闘員の退避でありますとか、米軍への周辺事態における補給ですとか物資の補給、通信などが明記されております。 今回、日米の制服レベルで言わばまとめられた、確認されたこの計画の中には、こういうふうな具体的な計画が当然含まれているんですね。
○国務大臣(中谷元君) 具体的な内容についての御質問でございますけれども、この具体的な内容につきましては、緊急事態における日米の対応ぶりにかかわるものでありまして、事柄の性質上、お答えを差し控えたいというふうに思います。
○小泉親司君 いや、私がお聞きしているのは、日米ガイドラインに明記されていることで、これは秘密でも何でもないわけですね。日米ガイドラインに明記していることを私は読んでいるので、このことが含まれていないんですか。
○国務大臣(中谷元君) その計画作り等につきましてはこの指針に基づいて行っておりますので、そのような内容があってもおかしくはないと思いますけれども、具体的にあるかないかということにつきましては、事柄の性格上、お答えを控えたいというふうに思います。
○小泉親司君 私は、ガイドラインに書いてあることもないということになると一体何のためにやっているのかという、もう根本的な疑問を持たざるを得ないんですが。大分機密性のことを言っておられるんですが、私、もう一つお尋ねしたいのは、今度の新しいガイドラインというのは、古い七八年のガイドラインと違いまして、「共同作戦計画についての検討及び相互協力計画についての検討は、その結果が日米両国政府の各々の計画に適切に反映されることが期待されるという前提の下で、種々の状況を想定しつつ行われる。」、つまり、日米でやられたもの、これが現実にはアメリカと日本のそれぞれの計画に具体化されてくるんだと、こういうふうに明記されております。これは先ほど申し上げましたが、七八年の旧ガイドラインとは全く根本的に性格を異にするものだというふうに思います。 そこでお尋ねしますが、日米共同作戦計画は日本有事の言わば軍事作戦計画、周辺事態の軍事支援計画がここでは含まれているというふうに思います。このようないわゆる事態の検討が、法制上の問題では今回の有事法制に反映されている、こういうことは当然含まれているというふうに思いますが、この点は防衛庁長官、いかがでございますか。
○国務大臣(中谷元君) 双方の検討につきましては、その文言のとおり、双方に期待をされるということでございます。 この計画等の内容につきましては、それぞれ段階ごとに検討を行うということで計画を作成をいたしておるわけでございますが、日本の準備のための、「日本の防衛のための準備の周辺事態への対応又はそのための準備との間の密接な相互関係に留意する。」ということにされておりまして、共同作戦計画についての検討と相互協力計画についての検討も行っておりますし、その両者の整合を図るように留意をされ、運用されるというふうに思います。
○小泉親司君 いや、私はそういうことをお聞きしているんじゃなくて、長官が日本有事の日米共同作戦計画と周辺事態の日米相互協力計画というのが、確認が、一定の確認作業のものがあるというふうに言われているので、それでは日本有事の日米共同作戦計画で検討されたこと、これは当然のこととして軍事作戦計画でありますけれども、この軍事作戦計画が法制上の面では今回の有事法制に反映されている、反映されていなかったら何のためにやっているかということになるわけですから、一体そういうものが反映されているんですかいないんですか、そこをはっきりさせていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) この有事の三法につきましては現在御審議をいただいている最中でございますけれども、基本的にガイドラインの下での計画検討作業は今回提出している三法案と直接の関係を有するものではございません。
○小泉親司君 いや、直接を、私は直接なんて一つも聞いていないので、そういう軍事作戦の計画の内容が有事法制という法制面では全く反映されないんですか。 例えば、いわゆる六八年だと思いましたが、ちょっとあれは六八年の三矢作戦計画のときにも、三矢作戦という軍事作戦の下でこういうふうな有事法制が作るということが当然出てくるわけで、私、これは例えで出しているので、三矢作戦を、だからそうだろうということを言っているんじゃなくて、まとまったという日米共同作戦計画に基づいて、そのことが法制面での今回の有事法制に全くそれじゃ反映されていないと、こういうことなんですね。
○国務大臣(中谷元君) 現時点におきましては、両者の計画につきましては、作業の確認のための合意がされている状況でございまして、完全にでき上がった状態ではございません。 そして、現在審議をお願いしておりますこの三法案につきましては、そもそも我が国の有事態勢の整備という観点で、その基本理念とか、国、地方公共団体その他の基本となる事項、また今後必要となる事態対処法制の整備に関する事項を定めるもの等でございます。 したがいまして、この法律の整備は、国のそういった態勢を整備するものでありますし、またガイドラインでの作業等につきましては、それぞれの計画の検討作業を今まで行ってきたものでありますけれども、直接この法律と関係を有するものではないというふうに考えます。
○小泉親司君 それじゃ、あなた方は日本の武力攻撃事態に対して今回有事法制を作ったとおっしゃっている。日本の武力攻撃に対処するために自衛隊と米軍がどういうふうに動くかということを作っているのが日米共同作戦計画じゃないんですか。それとは全く関係なく有事法制というのは存在するんですか。 一体、じゃ、あなた方が言っている日本の武力攻撃の事態というのは、どういうことをあなた方はやっているんですか。ガイドラインに基づいて、あなた方が言っているのは日本有事の武力攻撃について対応すると言っているんじゃないんですか。そこから全く関係ないことで今回の有事法制が出てくるなんということが、どだいこれ国民の皆さんに説明してそれが納得いくというふうにあなたは考えておるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 当然のことながら、今回提出している三法案というのは、有事に際して自衛隊の行動や米軍の行動が円滑に行われるための法案整備でありまして、そういう観点からいいますと、この計画とは非常に関連性はあるというふうには思います。
○小泉親司君 関連性があるんでしょう。今おっしゃったでしょう、ちょっと今、最後が聞こえなかったんですが、失礼。
○国務大臣(中谷元君) 日本が武力攻撃を受けた際の計画につきましては、関連性があるものでございます。
○小泉親司君 どうもこの問題がよく、私、初めの説明ではよく分からない、どうも。 そして、問題は、今回の武力攻撃事態対処法、通称どういうふうに言うかよく分かりませんが、長い法律なので。我が国に対する武力攻撃及びおそれのある場合ということと、それから武力攻撃事態として事態が緊迫し、武力攻撃が予測される場合ということを含んでおるわけですが、そこで、ちょっと我が国に対する武力攻撃というのはどういうものなのか。 私、防衛庁長官にお聞きしたいのは、日本の領域ばかりにこれは限らないのじゃないか。例えば、公海上の日本の艦船に対する組織的で計画的な武力攻撃があった場合、これも当然のこととして我が国に対する武力攻撃ということはみなされるんですか。
○国務大臣(中谷元君) この武力攻撃をどう定義するかということにつきましては、いろんな要素が入っておりまして、これは内閣総理大臣が判断をし、また国会承認に係るべき事項でございます。 御質問のありましたこの用語の定義でありますけれども、このガイドラインに定めている武力攻撃が差し迫った場合といいますと、この周辺事態が日本に対する武力攻撃に波及する可能性のある場合、又は両者が同時に生起する場合に適切に対応し得るという観点でのガイドラインの言葉でありまして、例えば周辺事態の推移によって起こり得るものでありまして、日本とアメリカの政府が事態の拡大を抑制するための措置を取るとともに、日本の防衛のために必要な準備を行う段階であります。 一方、武力事態対処法に定めておりますおそれのある、またこの予測されるという事態は、何度か御説明をしておりますけれども、おそれのあるというのは、その時点における国際情勢や相手国の明示された意図、軍事的行動などから判断して我が国への武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していることが客観的に認められる事態を指し、これは自衛隊法七十六条に言う武力攻撃のおそれのある場合と同じ意味であると。こういう事態は防衛出動の下令事態であります。 それから、予測される事態というのは、武力攻撃のおそれのある事態よりも時期的には前の段階で、その時点における我が国を取り巻く国際情勢の緊張の高まりなどから我が国への武力攻撃の意図が推測され、我が国への武力攻撃が発生する可能性が高いと客観的に判断される事態でありまして、これは防衛出動待機命令を下令し得る事態であります。 そして、このお尋ねの差し迫っている場合と、また武力攻撃が予測される場合というのは、時期的にほぼ同時期からある程度事前の段階も含み得るものと解されるわけでありますけれども、いずれにしましても、日米協力のための日米間の取決めであるガイドラインと武力攻撃に対する我が国の対応を定めた国内法である武力攻撃事態対処法案は異なる目的と性格の文章であります。一概に両者の表現を同列に並べるのは適当でございませんが、時期的にはほぼこの事前の段階も含み得るというふうに思っております。
○小泉親司君 いや、私が質問したのは、長々と御答弁されましたが、おそれと予測についてお聞きしているんじゃないんです。それを長々と答弁されて、全然答弁になっていないと思いますが。 中谷長官は二月二十八日の衆議院の安保委員会で、周辺事態において、公海上で米軍に対して後方地域支援を行っているときに自衛艦や航空機に武力攻撃が行われた場合は我が国の武力攻撃について当たるかというふうなことに対して、「計画的で組織的な行動であるかどうか、それによって有事の認定、すなわち我が国への武力攻撃というふうに認定をするわけでございます。」と答弁されておる。 ということは、周辺事態で、まだ日本が攻撃されていない周辺事態で、自衛艦が様々な補給や輸送の支援をする、それに対して組織的、計画的なものが攻撃があった場合は、これは我が国の武力攻撃事態だというふうに認定されるんですね。そこを聞いているんです。
○国務大臣(中谷元君) 一般的にはそういった組織的、計画的という観点で判断をするわけでありますが、ガイドラインの周辺事態安全確保法に基づく公海上における後方地域支援としての輸送活動につきましては、その戦闘行為が行われていない海域でやっておりますし、万が一、活動を実施している近傍において戦闘行為が行われるというふうに至った場合に、また予測される場合につきましては、活動を一時休止するなどして危険を回避し、実施区域の変更又は活動の中断を待つということとされておりまして、ガイドラインの周辺事態におきましてはこのような活動をまずすると。それでも危険が回避されない場合につきましては、周辺事態法第十一条に基づく自己防護のための防護、あるいは自衛隊法九十五条に基づく武器等の防護のために武器を使用して適切に対処するということが考えられるわけでございます。
○小泉親司君 全然答弁になっておりませんので、もう一度はっきりと、武力攻撃というのは周辺事態で我が国艦艇が計画的、組織的な攻撃を受ける、米軍の支援を行うことによってその攻撃を受ける場合も我が国の武力攻撃として認定するのかと、認定するんでしょうということを聞いているんですよ。そんな別に回避しようとかなんとかって、回避できなかったら、じゃ、どうするんですか。
○国務大臣(中谷元君) 諸般の情勢を総合的に勘案をするわけでございますけれども、そのような措置等を取っても事態が認定される場合ですね、つまりその攻撃が我が国に対する組織的かつ計画的な武力の行使であるというふうな判断をされましたら、我が国に対する武力攻撃に該当するというふうに考えるわけであります。
○小泉親司君 例えばあれですか、テロ特措法でインド洋に行っている艦艇も、組織的、計画的な行動が起こればこれは我が国の武力攻撃ということになるんですか。
○国務大臣(中谷元君) これは、テロ特措法の法案にも書かれておりますけれども、まず回避をし、そして自己防衛に努めるという行動をするわけでございます。
○小泉親司君 違う。私の聞いているのは、インド洋で今現実に活動しているものに組織的、計画的な武力攻撃があった場合は我が国の武力攻撃とみなすのかと、こういうことをお尋ねしているんです。
○国務大臣(中谷元君) それは、そういうケースも全くないということは断言できませんけれども、そもそも法の枠組みからいいますと、戦闘行為が行われていない地域での後方支援活動でありますので、その際につきましては、回避をしたり、また事態防護をするわけであります。しかしながら、情勢を総合的に勘案した結果、その攻撃が我が国に対する組織的かつ計画的な武力の行使であると判断されれば、我が国の武力、我が国に対する武力攻撃に該当するというふうに考えております。
○小泉親司君 今、非常にお認めになって、と思いますが、今までの政府解釈になるとそういうふうな解釈になっちゃう。だから、我々は、こういうふうなものはどんどんどんどん結局有事を拡大していくと、武力事態、事態、さらに恐れ、予測どころか、一層やはりアメリカの戦争に協力すると、こういうふうなことが引き金になってくるということを私、ここの点指摘しておきたいと思います。 時間がないんですが、あと二問だけお尋ねしますが、防衛庁は、七八年の有事立法の審議の際に、九月二十一日に統一見解を発表された、七八年九月二十一日。その見解は、旧憲法下の戒厳令や徴兵制のような制度を考えることはあり得ないし、また言論統制などの処置も検討の対象としないと、こういう見解なんですね。 ところが、その三週間後、国会で議論がありまして、当時の真田法制局長官が何ていうふうに答弁しているかというと、旧戒厳令の中には、明瞭に現行憲法上許されないものもありますし、その命令の必要とする事態あるいはその命令の中身、手続あるいは保障の有無など、いろんなことから場合によっては許されるものもあるかもしれない。それは必要に応じて防衛庁で検討された結果、もし法文化する必要があるということであれば、憲法に照らして審査するというふうに答弁をされております。この政府の方針に変化はありませんね。
○国務大臣(中谷元君) 今回審議をお願いしようとしています武力攻撃事態対処法におきまして、第三条第四項において、基本理念として、武力攻撃事態への対処においては、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならない旨、明記をいたしております。 今後、事態対処法の整備が日本国憲法の枠内で行われることは当然でありまして、旧憲法下の戒厳令や徴兵制のような制度を含むことはあり得ず、また言論統制等の措置が対象になることもないというふうに考えております。
○小泉親司君 真田法制局長官は、私、その憲法の枠内という話をしているんじゃなくて、真田法制局長官は、戒厳令の中にも現行憲法に合わないものもあるかもしれない、合うものもあるかもしれない。だから、その点については、例えば命令の中身ですとか手続とか、これは内閣委員会の、七八年十月十七日の参議院での審議ではっきり言っているわけです。 言論の統制の問題についても、福田、これは首相の答弁でありますが、その二週間後、七八年十月九日、参議院の予算委員会、ここでも、将来はそれは、それはというのは言論統制ですが、全然野放しにしておくんだということは私は妥当ではない、検討はとにかくする、こういうことでありますと答弁しております。つまり、統一見解をひっくり返しているんです。 そういうことは、こういう検討の対象にしないと言っていながら、当面の問題で、将来は検討すると言っているんですが、この点についても方針は変えたんですか。この点だけお尋ねいたします。
○国務大臣(中谷元君) その方針は変えていないというふうに思っております。 つまり、旧憲法下の戒厳令や徴兵制のような制度を含むということはあり得ませんし、また、言論統制等の措置が対象になることもないということであります。
○小泉親司君 私の答弁に答えていないので。実際には旧憲法下のようなものはできないけれども、現行憲法の枠内でそういう言論統制も戒厳令の中身も具体化するんだと言っているんで、その点について明確な御答弁をいただかないと、ちょっとこれは納得いかない。その点、いかがですか。
○委員長(武見敬三君) 時間が来ましたので、次に移ります。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山下善彦君が委員を辞任され、その補欠として加治屋義人君が選任されました。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) それでは、質疑を続けます。
○田村秀昭君 防衛庁長官にお尋ねいたします。 内閣総理大臣も、もちろん長官も、危機管理は、危機管理体制は万全な体制を整備するということでやっておられるようですけれども、防衛庁を省に昇格しないでどうして危機管理ができるのか。長官は、緊急の際に閣議の請求権もないわけですよね。閣議の請求権もないのにどうやって危機管理を、体制をきちっとやるのか。 もちろん、長官、所信で、非常に防衛庁の省昇格を訴えておられますけれども、訴えただけじゃ駄目なんで、やらないと駄目なんで、そこのところをどう考えておられるのか、ちゃんと答えてください。
○国務大臣(中谷元君) 委員がおっしゃるように、法律的な面で申し上げますと、その国民の安全確保や国の危機管理のために自衛隊を運用すること、また法律の制定、人事などについて、現在は防衛庁長官名で閣議を求めることができません。また、予算の要求、執行を財務大臣に求めることもできません。 このような点を改善するため、是非とも、一日も早く防衛省設置法案の成立をお願いしたいというふうに考えております。
○田村秀昭君 是非強力に、長官在任中にやっていただきたいと思いますね。 長官は所信の表明の中で述べておられますが、私を議長とする防衛力の在り方検討会議を設置したところであると。それで、防衛力の在り方について不断に見直しを行っていくことは極めて重要であるというふうに述べておりますが、その在り方検討会議というのを設置して、その後どうなったんですか。
○国務大臣(中谷元君) その後、テロ事案とか有事法制の準備等がありましたけれども、学識経験者をお招きをいたしまして、四回ほど意見を聞きました。また、防衛庁の幹部、局長クラスから、将来の防衛庁や自衛隊の在り方についての個人的な意見をベースに、各幕僚長も参加の下に、内容等について意見交換を行うなど、現在においては八回ほど会議をいたしております。 現在におきましては、まだ総論的な部分で幅広い観点から幅広く御意見をいただいておりますけれども、今後、論点を整理をいたしまして、ある程度の方向性を出した後に、しかるべき防衛力の在り方についての姿をまとめていきたいというふうに思っております。
○田村秀昭君 どういう防衛力の在り方が良いというふうにその意見の中であったんですか。具体的にちょっと言ってください。
○国務大臣(中谷元君) 具体的には、人事面において、防衛大学校の在り方、また能力評価の在り方などの御意見もございました。また、現在の起こっているこの新たな脅威という現象を人類の歴史的に見た場合に、正に新しい出来事であって、従来のような考え方で整理できないような事態もあるというようなことで、この際、我が国の防衛の在り方を体系的に見直すべきではないかというような、非常に専門家の御意見等がございました。 私どもといたしましても、こういった意見に加えて、特に情報通信を始めとする科学技術の進歩がこれまでの防衛戦略に大きな変化をもたらしていることとか、我が国を取り巻く国際情勢の変化、そして少子高齢社会の到来ということで、その人材確保の観点においてどのように取り組んでいくのか、現在のピラミッド型のいわゆる各幹部と士官の在り方等について将来に対してどう備えていくかという点も重要であるというふうに思っておりまして、今後とも更にこういった検討を続けてまいりたいというふうに思っております。
○田村秀昭君 その人事の面ということなんですけれども、日本の社会の中で、その学校を出て、出た者がその学校の学校長になれないのは少年院と防大だけなんですね。そういう点、防衛大学を出た人も、統幕議長をおやりになり、いろいろ幅広く世の中で活躍している人も多い、志方君のようにおられますけれども、その学校を出た卒業生がその学校の学校長になれないというのはちょっとおかしいと私は思うんですけれども、防衛庁長官、どういうふうに思われますか。
○国務大臣(中谷元君) 現在、副学校長は防大出身の方がされていますが……
○田村秀昭君 そんなことを言っているんじゃない。学校長。
○国務大臣(中谷元君) 学校長に防大卒業生がなれないという制度はありません。
○田村秀昭君 いやいや、そういうふうなことが一回も行われていないじゃないですかと僕は言っているんですよ。私の言っているのは、防大の卒業生が防大の学校長になっていないじゃないですかと。もう五十年以上たって、五十周年をお祝いをしているようですけれども、私は何もお祝いなんかする必要ないんじゃないかという意見なんですが。そういう点はどういうふうに長官は、個人のお考えでいいですから、考えておられるのかを聞いているんです。
○国務大臣(中谷元君) 確かに、今までそういう出身者が校長になったことはなかったというふうに思っております。しかしながら、これまでそういう制約はなく人選が行われておりましたけれども、今後とも、立派で優秀な人格のある方で適当な方がありましたら、その校長の選考を通じてそういうことも実現したいというふうに思っております。
○田村秀昭君 調達、装備品の調達について今の防衛庁の考え方というのはちょっとおかしいんじゃないかというふうに私は思っているので、お尋ねしますけれども、一般競争原理を導入しろと。一般競争原理はいいけれども、ローソンだとかファミリーマートで売っているようなものを装備品に使っているわけじゃないんですね。相手の国よりもその装備品は質の高いものじゃないといけない。だから、特殊なところにしかそれはできない。そういう意味で、防衛産業を育成しなきゃいけないということで、中曽根総理のときに国の方針として出されている。 にもかかわらず、調達の不祥事件が起きたときに、そういう原則を貫く、防衛庁の長官以下、だれもそういう原理を貫かなかった。で、一般競争原理だといってやっていますけれども、一般競争原理だけで本当に質の高い装備品を作れるんですか、どうかという点と、防衛産業の育成というのは非常に重要で、予算が少ないときにも技術屋が逃げないように、ほかの部署に行ってしまわないようにそのラインを確保してなきゃならないんですね。そういう点に対して防衛庁の指導というのは非常に、指導というのか何というのかよく知りませんが、防衛産業を育成していくという国の基本方針に対して十分な対応をしていないんではないかというふうに私は思うんですが、どういうふうに長官は考えておられるか。
○国務大臣(中谷元君) 現行におきましては、会計法がございまして、この会計法令に基づいて契約を実施しているわけでありますが、防衛産業の維持、育成につきましては、防衛庁としては、健全な防衛産業の存在が装備品のハイテク化、近代化への対応、我が国の国土、国情に合った装備品の取得、緊急時の急速取得など、適切な防衛力の整備や装備品の安定的な維持、補給による自衛隊の能力の有効な発揮を図る上で重要であると考えておりまして、この装備品の開発、生産に当たりましては、防衛大綱に書いておりますけれども、「適切な国産化等を通じた防衛生産・技術基盤の維持に配意する。」というふうに書いておりまして、このことが重要であると考えており、競争を維持しつつ、我が国の防衛生産、技術基盤の維持、育成に努めてまいりたいというふうに考えます。
○田村秀昭君 書いてあるのは立派なことが書いてあるんですけれども、実際に行われていないということを私は言っているんで、そういう点に力を入れていただきたいと。 最後に、時間もありませんので、予備自衛官について、予備自衛官制度ですね、即応予備自衛官とか予備自衛官補とか予備自衛官、そういうのが効率的に今運営されているようには思えないんだけれども、効率的になっているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 状況につきましては、陸海空合計で人員が四万七千九百人に対して、現行は四万三千百五十一人、充足率は九一%であります。特に、陸上自衛隊では、四万六千人のところ、現在、四万一千三百二人、充足率九〇%というふうになっております。 この四千七百名欠員が生じた理由としましては、就職の状況やまた職場の事情のため予備自衛官を退職する者が増加していることなどによるものでございますが、今後とも、所要の確保が図られますように、募集活動を積極的に行っていきたいというふうに思います。
○田村秀昭君 終わります。
○大田昌秀君 中谷長官は連休を利用して中国を訪問なさるようでございますが、韓国におけると同様、有事法制についても説明なさると思います。その際、去る二十一日の小泉総理の春季例大祭での靖国神社参拝の問題も話題となると思いますが、長官は中国側に対して総理の靖国参拝をどのように御説明なさるおつもりですか、もし話題となった場合には。
○国務大臣(中谷元君) 総理の靖国参拝に関しましては、小泉内閣として、小泉総理から、これについては閣僚それぞれ考えや思いがあるので、それぞれの自分の考えに従って行動していただきたいということでございます。 したがいまして、今回の参拝につきましても、そのお考えどおり、総理自身の考えに基づいたものであると理解しておりますが、立場が総理大臣ということでありまして、総理自らが記者会見をしてその思いを述べておられます。中国訪問につきまして、そのようなことが求められました場合には、総理の所感にあるような趣旨を説明をいたしたいというふうに思っております。
○大田昌秀君 有事法制関連、有事法制関連法案との関連で一点だけ確認させてください。 我が国の有事の際、在日米軍の作戦行動に対して我が国の何らかの法的制約というのはあり得ますか、それとも米軍に対しては法的制約というのはあり得ないというふうにお考えですか。
○政府参考人(藤崎一郎君) 法律についてのお尋ねでございます。 御存じのとおり、一般国際法上、駐留を認められました外国の軍隊は、法律は適用されませんけれども尊重義務は負っているということでございます。有事におきましても、この点については同様でございます。
○大田昌秀君 そうしますと、米軍基地のある都道府県において、有事の際に米軍が、例えば民間の空港を利用したりあるいは港を利用したりとかといういろいろなことをやると思いますが、そういう際に何らそれを止めたりする手段というのは残されていないということになりますか。
○政府参考人(藤崎一郎君) 今、私、委員のお尋ねの趣旨を必ずしも理解しているかどうか存じませんけれども、現行法制下におきましては、武力攻撃事態の下におけるのとそれから平時におきまして法的な制度の違いというものは設けておらないわけでございます。 他方、これも今お願いしております武力攻撃事態対処法の第二十二条におきまして、政府は、事態対処法の整備に当たりまして、「アメリカ合衆国の軍隊が実施する日米安保条約に従って武力攻撃を排除するために必要な行動が円滑かつ効果的に実施されるための措置」というものにつきましては、今後、これが適切かつ効果的に実施されるように整備していくということを考えている次第でございまして、これらにつきましては、今後、政府全体の問題として関係省庁間で議論していくべき問題というふうに承知しております。
○大田昌秀君 では、防衛庁長官にお伺いします。 今回の自衛隊法の改正で陸上自衛隊第四師団の改編に伴って長崎県の相浦駐屯地に新設配備される西部方面隊普通科連隊の目的といいますか、それから規模、装備について教えていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) この部隊の目的ということでありますけれども、我が国の地形を考えてみますと、島がたくさんございますけれども、島のうち他国に面している人の住んでいる島の約九〇%が西部方面隊管区にある九州・沖縄地方に所在をしておりまして、これらの地域に迅速に対処するためには、師団に所属しない西部方面の総監の直轄部隊としてこういった緊急事態に対して、これは災害派遣も含むわけですけれども、迅速かつ機動的に展開をし、初動対処を行うことができるという部隊が必要ではないかということで、相浦駐屯地に普通科連隊を新編をしたところであります。
○大田昌秀君 関連してもう一つお伺いします。 秋田県の秋田市の飯島にある陸上自衛隊の射撃訓練場を同県山本町に移転した上で、射撃場としてだけでなく、テロやゲリラ対策の訓練施設にする計画があるという報道がなされておりますが、これは事実でございますか。
○国務大臣(中谷元君) 飯島射撃場につきましては、大学の建設や工業団地の造成等の周辺の開発事業が進展をいたしておりまして、射撃訓練に制約を受けており、移転先として誘致をいただいている秋田県の山本町への移転について検討を行ってはおります。 しかしながら、基本的に現有機能の移転を考えておりまして、御指摘のようなテロに備えた施設の整備を行うというところは検討はしておりません。
○大田昌秀君 沖縄の米軍基地に対テロ・対ゲリラ戦の部隊は駐屯していますか、いるとしたらどれくらいの規模でございますか、どこにどれくらいの規模で駐屯していますか。
○国務大臣(中谷元君) 米軍のことはよく知りませんけれども、第三海兵師団とかそれぞれの部隊がいるわけでありますが、米軍に関しては、市街化戦闘専門とかそういうものではなくて、あらゆる事態に対処するというふうに聞いておりまして、そういうものの一環として市街化攻撃等の防御訓練等は行っていると思っておりますけれども、それの専門部隊というものはないんじゃないかなというふうに思っております。
○大田昌秀君 このたび、統合幕僚会議に防衛情報通信基盤管理運営室を新たに設置するとのことですが、従来、統合幕僚会議はどのように情報を収集し、分析してきたんですか。そして、その収集、分析した情報はどう利用してこられたわけですか。これらの情報というのは公開されていますか。
○国務大臣(中谷元君) 統合幕僚会議といいますか、防衛庁の情報本部におきましては、いろいろな情報を集約をし、またそれの分析を行っております。 この情報の内容につきましては、各マスコミ、報道関係の情報やら外交機関からの情報、関係省庁の情報、そして技術的には我が防衛庁独自の情報もございます。その中で、特に衛星、他国の衛星等からも情報を得ておりまして、これの内容につきましては、米国の商用衛星であるイコノス及びランドサット、フランスの商用衛星であるSPOTやカナダの商用衛星であるレーダーサットなぞの画像データについて、民間企業を通じて入手をし、民間企業等を通じて入手をし、情報本部画像部において画像情報の集約、整理を行い、防衛庁として必要な情報の確保に努めております。
○大田昌秀君 最後に、あと一問だけお伺いしたいと思います。 今回の改編で自衛官の定数は合計で二百九十一人削減されるわけですが、主要六か国の近年における軍縮ですね、兵員の削減、そのことについて教えていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 米国につきましては、昨年、テロ事件が発生をしまして大幅に部隊の見直しや国防費の増額をいたしておりますが、その前の数字でいいますと、米国は、八九年が二百十三万人だったのが二〇〇〇年は百三十八万人。イギリスは、同じ年々でいいますと、三十一万人から二十一万人、フランスは四十五万人から二十九万人、ドイツは四十八万人から三十二万人、ロシアは四百二十六万人から百万人、中国は三百三万人から二百四十七万人というふうになっておりますが、必ずしも、徴兵制などの国もございますし、国防費等もそれぞれの国によって違っておりますので、一概にすべて条件が同じということではございませんが、このような数字になっております。
○大田昌秀君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(武見敬三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○小泉親司君 私は、日本共産党を代表して、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 本法案は、周辺事態やゲリラ特殊部隊による攻撃などを口実に、日米ガイドラインに基づいて自衛隊の強化を進めるものであり、反対であります。 反対の第一の理由は、周辺事態などアメリカがアジアで起こす軍事介入・干渉に備えた自衛隊の改編を進めるものだからであります。陸上自衛隊西部方面隊第四師団の火力・機動力の強化、沿岸配備師団への改編はその具体化であり、容認できません。政府は合理化、効率化、コンパクト化を装っていますが、今回の改編は陸上自衛隊全体の軍事機能・能力の強化を目指すものに変わりはありません。 第二の理由は、自衛隊員のみならず、民間人をも対象とした情報収集・諜報活動による自衛隊の秘密保護の実行態勢を作るもので、ガイドラインの下で進められている日米間の情報協力・情報共有の強化、有事体制を先取りするものだからであります。 情報保全隊の新編は、防衛秘密の新設を始めとする自衛隊の秘密保護体制の強化の一環として、中央、地方に分割されている調査隊の組織を統合し、任務、体制を拡大強化し、その中心的な役割を担わせるものであります。 第三に、統合幕僚会議事務局・情報本部の人員の増員は、情報通信技術の進展を取り入れた自衛隊内部の情報統合を進めるとともに、電波傍受や衛星画像の入手、分析などによる自衛隊の情報収集能力、米軍との相互運用体制の強化を一層進めようとするものであり、容認できません。 以上の理由から、今回の法案に反対であることを重ねて主張して、討論を終わります。
○委員長(武見敬三君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。 なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会