文部科学委員会 第12号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2002/05/29
会議録
○河村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案及び文化財保護法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。遠山文部科学大臣。 ————————————— 文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案 文化財保護法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○遠山国務大臣 このたび、政府から提出いたしました文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案及び文化財保護法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 文化財の不法な輸出入等の問題につきましては、特に近年におけるグローバル化の進展に伴い、その取り締まりを強化する必要性が国際的に広く認識されるようになっております。 このような状況の中で、既に採択されている文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約につきまして、我が国として締結することを承認いただくために、今国会に提出されているところであります。 今般提出いたしました二つの法律案は、ともに相まってこの条約の適確な実施を確保するための所要の国内法整備を行うことを目的とするものであります。 まず、文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律案について内容の概要を御説明申し上げます。 第一に、条約締約国の盗難文化財の輸入規制についてであります。 各締約国の博物館等の施設から盗取された文化財について、我が国への不法な輸入を禁止するため、外国為替及び外国貿易法によって輸入の規制を行うこととしております。 第二に、不法に輸入された条約締約国の盗難文化財の回復措置についてであります。 当該文化財の我が国における善意取得者から原権利者への回復を容易にするため、当該文化財については、現行民法で認められている原権利者の二年間の回復請求期間を、善意取得者への代価弁償を条件として十年間に延長することとしております。 第三に、盗難等により所在が不明となった我が国の文化財の情報を国内外に広く提供するため、当該文化財について文化庁長官が官報で公示するとともに、外務大臣が他の締約国に通知することとしております。 第四に、国は、教育活動、広報活動等を通じて、文化財の不法な輸出入等の防止に関し、国民の理解を深め、その協力を得るよう努めなければならないこととしております。 なお、この法律案は、条約が日本において効力を生ずる日から施行することとしております。 次に、文化財保護法の一部を改正する法律案について内容の概要を御説明申し上げます。 我が国の文化財の不法な輸出を防止するため、重要有形民俗文化財の輸出について現行の届け出制から許可制に改めることとしております。 なお、この法律案は、条約が日本において効力を生ずる日から施行することとしております。 以上が、これらの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
○河村委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○河村委員長 次に、文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房審議官瀬山賢治君、生涯学習政策局長近藤信司君、初等中等教育局長矢野重典君、高等教育局長工藤智規君、科学技術・学術政策局長山元孝二君、研究振興局長遠藤昭雄君、研究開発局長今村努君、スポーツ・青少年局長遠藤純一郎君、厚生労働省大臣官房技術総括審議官今田寛睦君、職業安定局次長青木功君、雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○河村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤信太郎君。
○伊藤(信)委員 国民主権の理念ということから考えると、教育行政というものも、国家と個人の関係で言えば、国家にとって都合のいい国民を教育するということではなくて、国民一人一人が自分の価値観に基づいた幸せな生活を送るための国家システムを効率的にあるいは多義的に運用できる、そういう人間というものを醸成するための教育あるいは教育行政であるべきだというふうに思うわけです。ましてや、戦勝国の都合あるいは外国の都合のいいような思想や人間性を持った日本国民を醸成するための教育であってはならないというふうに考えるわけです。 そういう観点も踏まえて考えてみますと、私も文部省検定教科書の幾つかを見てみたんですけれども、現在の歴史教育というものを見た場合に、どうもそういう、私のいうところの多義的な歴史観といいますか、必ずしもとれていないのではないか。どうも、戦勝国の持つ歴史観というものが、戦後五十数年たった今日の日本の検定教科書の中でも色濃く反映しているんではないかというふうに思うわけです。 それと同時に、私は、歴史教育というものを考えた場合に、そこに羅列される歴史的事象というものを暗記することが歴史教育の命題ではなくて、むしろ歴史の中における人間とか、社会の行動パターンであるとかあるいは因果関係というものを抽出して、現在に生きている私たちが未来に進む際の判断として間違いないようにする、そういう知恵を醸成するために私は歴史教育というものがあると思うんですけれども、その前者の点と後者の点、両方とも現在の歴史教育で若干欠いているというふうに私は思うんですけれども、その件についての副大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○岸田副大臣 御指摘のように、歴史教育において、単なる事実の羅列ではなくして、ダイナミックに歴史をとらえるということ、さらにはバランスよくこの歴史教育というものを行わなければいけないということ、御指摘のとおりだとまず基本的に認識しております。 その中で、現状どうなっているかということを見てみますと、小中学校では我が国の歴史を中心に歴史教育を教え、そして高等学校ではその基礎の上に、世界史を必修としてそして日本史、地理、いずれかを必修とするという形で歴史教育を行っているわけであります。 その中にあって、地域的にもバランスをとっていかなければいけないということで、西洋文明のみならず、西アジア、南アジア、東アジア、イスラム世界等々さまざまな記述、バランスをとって行われているところでありますし、また、この平成十五年度からは、高等学校新学習指導要領がスタートいたします。その中で、世界史Bは地域世界別の構成を行うというようなことを行ってバランスをとっていくという工夫をしているところであります。 さらに、今、先生の方から因果関係等について、その視点が欠けているんではないかという御指摘がございました。基本的には、学習指導要領を踏まえて民間の執筆者が選択した事項を取り上げるというのがこの歴史教科書の現状であります。その取り上げた事象については、しっかりと必要な因果関係が記述されているということ、これはしっかりと押さえなければいけないポイントだというふうに思っておりますが、どの事象を選択するかは、やはり民間の執筆者の判断に任されているというのが現状であります。 これが、今現状の姿でありますが、引き続きまして、ダイナミックな歴史教育のあり方あるいはバランスのよい歴史教育のあり方、こういったものを実現していくために努力は続けていかなければいけない、そのように認識しております。
○伊藤(信)委員 史観といいますか、歴史の見方というのは学者の数だけあるわけですね。それからまた、因果関係についても、これは分析者といいますか、歴史家によっていろいろな見方があると思うのですね。 私は、歴史教育というのは国家の主権にとって非常に重要な部分だと思うんですけれども、外国政府からの指摘によって国家の主権であるインフォーマティブな歴史教育というものが不用意に圧迫されないように、文部科学省にも御努力願いたいと思うわけです。 そして、歴史教育と並んでもう一つ重要なのは、やはり道徳教育だと思うわけでありますけれども、これもまた、文部省検定のいろいろな教科書を見てみますと、大まかに言いますと、どうも西洋的な価値基準というものが中心に据えられていて、神道でありますとか、仏教でありますとか、イスラム教でありますとか、そういったものがどちらかというと下位に扱われているというような印象を私は受けるんですけれども、この道徳教育というものがどういう価値基準に依拠して定められているのか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○遠山国務大臣 道徳教育は、子供たちが人間として本来的なあり方を自覚して、人生をよりよく生きるために、その基盤になる道徳性を身につけさせるというものでありまして、私は人格の形成の基本にかかわる大変重要なことだと思っております。 そのために学校教育の場でどのような教え方をしているかということでございますけれども、まず、生命の有限性でありますとか、命の大切さということですが、それから、人間は自然の中で生かされているということなどを自覚するということによって、人間や自然の力を超えたものへの畏敬の念をはぐくむというようなことも非常に大事だと考えておりまして、今後とも、そうした情操を深めて豊かな心をはぐくむ道徳教育を行うべきだと考えております。 宗教につきましては、先生ももとより御存じのとおり、日本の国公立の学校におきましては、憲法、教育基本法によりまして、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動を行うことを禁止しているわけでございますけれども、その一方で、先ほど申しましたような、人間を超えたようなものに対する畏敬の念を深めるということは非常に大事でございますし、また、宗教的な情操を養うということも大変重要でございます。 高校段階になりますと、宗教の本質でありますとか、どのような宗教があるかという宗教についての知識についても教えるわけでございますが、いずれにいたしましても、宗教のことを論じますと、本当にさまざまな宗教が世界各国にあり、しかも非常に長い歴史を持っているということで、なかなかそれをどのように子供たちに宗教的情操という角度で教えていくかということは大変難しいことかと思います。 最近、ことしの四月から、心のノートという本をつくりまして、これをすべての児童生徒に使ってもらうようにいたしておりますが、それをごらんいただければ、その中に、ページを開けば、すべての子供たちが、今申しましたような、人生にとって非常に大事な指針となるような内容が含まれておりまして、私は、大いにこういうものを活用しながら、本当に人間として自分はどのように生きていったらいいかということを考えながら、みずからの生き方の指針を覚えてくれるような、見出してくれるような、そういうふうな教育の展開を期待しているところでございます。
○伊藤(信)委員 私は、教育というものは、国民のあるいはその国の価値のあり方というものを規定する非常に基盤的な行政手段だと思うわけです。 今多元的な価値であるとか、文化の多様性ということが、世界でまた日本で言われているわけですけれども、その割には、文部科学白書を読んだり、あるいは実際の状況を拝察すると、どうも一つの価値、市場主義といいますか、経済価値に偏っているのではないか。それで、科学技術の進歩というものも大事ですけれども、それがパテント等で経済価値に兌換されるという意味での価値づけが強くて、本来、私は価値というものは数ではないし、数量化できないものだろうと思っているのです。 人類史をマクロの視点から見れば、貨幣経済という歴史は非常に短いわけで、もう少し貨幣にかわる新しい価値の創造システムも、遠からぬ将来創造すべきだと思っていますけれども、そういう意味での多元的な価値の創出性というものに対して、現在の文部科学行政では必ずしも十分な配慮に欠いているのではないか。 そのことと関連して、文部科学省の行政目的というのはどこにあるのか。必ずしも、GDPをふやし、あるいは、生産効率の高いそういう国家あるいはそういうことを可能とするような国民を錬成することに目的があるのではないと私は思っているのですけれども、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○遠山国務大臣 教育行政の基本は何ぞやという大変基本的な御質問でございましたが、私どもは、憲法と教育基本法にのっとりながら、諸制度を展開して、それぞれの分野についての法律もきちんとつくり、そしてそれに基づくいろいろな指導もしながら、全体として日本の学校教育、生涯教育も含めまして、これが国民の期待に沿えるように、実施されるように、いろいろ努力を積み重ねてまいっているわけでございますが、それぞれの児童生徒、学生の年齢段階あるいは学校の種類といいますか、段階によりまして、私はそのねらいというものはそれぞれ違ってまいると思っております。 例えば、小中学校の義務教育の段階におきましては、今非常に明確になっておりますのは、新しい指導要領というものをこの四月から実施に移しておりますけれども、その中でねらっているのは、私は二つあると思います。 一つは、基礎、基本をしっかりと身につけながら、将来いろいろなことが起きても、自分で考え、自分で判断し、自分で行動することができる、本当の意味の力を持った確かな学力を身につけた子供を育成していくことであり、また同時に、豊かな心を持った、そういう子供をつくっていくということによって、それは一人一人の持てる個性なり、適性なりというものをさらに発揮させていくのと同時に、それがまたその子供たちが将来活躍することによって社会の発展にもつながっていく、そういうことを考えながら、私どもとしてはいろいろな角度で仕事を展開いたしているわけでございます。 高等学校、大学あるいは高等専門学校、それぞれの学校段階においてそれぞれの目的を明確にしながら、しかも、それは国一斉ということではございませんで、基本的な考え方はお示しをしながら、それぞれの学校が特色を発揮しながらやっていただくという段階に入ったと考えておりまして、基本的に国として進めていくべき教育のあり方の部分と、そしてそれぞれの学校で工夫していただく部分と、それぞれの子供たちに応じた教育を展開していく具体的な部分と、それぞれのところがしっかりとその目標を達成することができるように、今私どもとして援助していくというのが教育行政のスタンスでございます。
○伊藤(信)委員 私は、大臣の話をお伺いしていると、もう既に基礎とか基本の考え方というものは普遍的にあってそれを伸ばしていくというようにとるのですけれども、基礎とか普遍的なものということ自体が私は相対的なものだと思うのですね。 ですから、価値というのは物質に内在しているのではなくて、それを認識する主体の価値体系とか感性によるわけですね。その部分の多義性というものが少なくとも今の検定教科書には全く書かれていないと思います。ですから、今の価値体系の中でのチョイスではなくて、その価値体系そのものが変容するかもしれないというその可能性に私は着目すべきだし、日本が二十二世紀に果たす役割というのは、多分そこにあるのではないかなと。 西洋文明の延長線上で、その模倣や優越性で日本が勝つのでなくて、新しい価値体系そのものを創造するというところに意味があると思うので、そこに文部科学行政が着目していただけると私はありがたいと思います。 これで質問を終わりたいと思います。
○河村委員長 鎌田さゆり君。
○鎌田委員 お疲れさまでございます。きょうもよろしくお願いします。民主党の鎌田さゆりです。 時間の方が余りありませんので、ぱっぱっぱっと、聞きたいことを、要点を絞ってお聞きしたいと思うんですが、まず、私立学校教員等の雇用保険という問題についてお伺いします。 去る四月四日に、教員を雇用保険に加入させていないのは違法だということで、某私立大学が刑事告発されたようでありますけれども、そもそも、この経緯をいろいろ見てみたり調べてみたりしますと、私なりに感じるのは、昭和五十年、一九七五年の雇用保険法の施行以来、この問題について、率直に申し上げて、厚生労働省と文部科学省と議論はしているんでしょうけれども、半ば放置状態に近いような状態にしてきてしまった点がその原因、背景であると否めないと思うんですけれども、この件を受けて、文部科学省、厚生労働省、それぞれに今の見解をお伺いしたいと思います。
○工藤政府参考人 御承知のように、今御指摘がありました昭和五十年が一つのターニングポイントなわけでございますが、それ以前は失業保険法の時代がございまして、当時は、私立学校教員については任意の適用でございました。昭和五十年の四月から現行の雇用保険法ができまして、この制度のもとでは、私学の教員についても強制適用ということになってございます。 ただ、私立学校関係者は自分たちで退職金財団というのをつくりまして、退職金の資金については全私学の共通の互助会的な運用をしているわけでございますが、私学関係者の当時からの意識としまして、雇用保険法に入る、掛金をお払いする、それで、実際に退職した場合にそちらの方から支払われるということなんですが、どうも、お支払いする掛金に比べて退職金等の支給のメリットが余りないということで、ずっと消極的といいますか、反対姿勢でまいっております。 私どもも、いわば板挟みでございまして、私学の自主性はできるだけ尊重したいという立場と、他方で法律があるわけでございますので、当時の労働省とも御相談いたしまして、強制加入という建前でございますけれども、余り目くじら立てないでほしいというような御要望などをしながら今日に至っているところでございます。 いずれにしましても、その後、いろいろ雇用保険の給付の内容も充実してまいったわけでございますし、今後とも、一方では私学関係者の御理解を得なきゃいけない、他方で厚生労働省の方とも御協議いたしまして、穏やかな解決が見られるように私どもも努力してまいりたいと思っております。
○青木政府参考人 雇用保険の適用に関するお尋ねでありますけれども、私立大学の教員の方々、当然に雇用保険の被保険者になるというのが法律の建前でございまして、ただいまその経緯について文部科学省の方からお話がございましたけれども、私どもとしても、従来から、私立大学の関係者の皆様に教員の加入を勧めていただけるように勧奨等を行ってまいっております。 特に、昨年、規制改革推進三カ年計画の前提となります総合規制改革会議の中間取りまとめ、この中でも、さらに適用促進を進めるべしとの決定をいただいている等のこともございまして、昨年暮れには、第一線機関でございます各都道府県労働局あてに、私学関係者の御理解もいただきながら、計画的に説明会を行ったり、あるいは勧奨文を送付するなど、御相談をしながら加入勧奨の取り組みを行うようにということで、これに基づいて現在実施をしているところでございます。
○鎌田委員 今、文部科学省さんからの御説明の中で財団のお話が出ましたけれども、この財団のことについてちょっと伺いますが、加入資格、あと給付内容についてもう一回コンパクトにお示しください。
○工藤政府参考人 財団法人の私立大学退職金財団というのがございます。これは昭和五十六年に設置されたものでございまして、私学関係者が自主的にやっているわけでございますが、今お尋ねの加入校数でございますけれども、本年三月現在で、大学、短大、高専合わせまして九百十九校でございます。 それから、加入の資格でございますけれども、これは個人加入ではございませんで、学校法人全体を対象としておりますので、今申し上げたようなことでいえば、九百十九校で教職員十三万六千弱の方々が加入していることになります。 それから、給付内容でございますけれども、実際に登録された教職員の方が退職した場合は、国家公務員の退職金の支給率に準じまして退職金を支給するというのが基本的な原則でございます。
○鎌田委員 実際、今回の件のように失業給付を受けられない、今回のケースでは、カナダからいらっしゃった、特任講師として教えていらっしゃった方のケースのようですけれども、そういう方の実態、数も含めてですけれども、どれほどいるかというのを把握はしていらっしゃいますか。
○工藤政府参考人 これは、退職金財団の場合も、それから雇用保険の場合もそうなんでございますが、一応、常勤に準ずる方々への退職金の支給ということになってございますので、通常は、週二十時間を下回るような勤務形態の非常勤講師の場合は、残念ながら、退職金財団でも雇用保険法上でも、退職金の支給がなされないのでございます。 実際にどれぐらい非常勤講師がいらっしゃるかということでございますが、三年に一遍調査しておりますので、若干古くて恐縮でございますが、平成十年十月現在の私立大学における非常勤講師という数が八万八千六百九十四人でございます。実際に同じようなケースかどうかというのは別にいたしまして、国公私とも、授業の豊富化等を図るために非常勤講師がそれなりに採用されているという実態がございます。
○鎌田委員 改めて伺いますけれども、この財団法人私立大学退職金財団、こちらを所管というか、指導するのは文部科学省という認識でよろしいんですよね。
○工藤政府参考人 一応、所管省庁は私どもになってございます。
○鎌田委員 そうしますと、伺いたいのは、文部科学省さんはこの財団に対して、昭和五十七年度の十五億円に始まってから、十四年度では百三億、昨年度は百五億と、補助金を出していらっしゃる。厳密にお伺いをすれば、私立大学退職金財団掛金に係る積算ということでの文部科学省からの応援ということなんでしょうけれども、私は、そのような補助金をこの財団に応援という形で出して、そして、民間の大学が民間の財団を募ってつくり、そこで働いていた先生方の退職金というところをしっかりと保障していこうということでつくったものに文部科学省が応援をしているというのを、一方で、その現実を見ながら、私は率直にすばらしいことだと思ったんですね。民間でできることは民間でやってもらう、そして足りないところを補う形で国が応援をしているという姿に私はすごくすばらしいと率直に思ったんですね。 ところが、今回のケースを見て、厚生労働省が所管をする雇用保険という制度の中で、とにかく適用除外は一切なしと。産業やそういう種別にかかわらず、雇用保険は全部適用。ましてや、私立学校等の教員の方々についても雇用保険に入るようにというような三月の閣議決定も受けてということでの指導がある。 さっきも板挟みという言葉がありましたけれども、私はもうずっとこの長い間、昭和二十二年の失業保険法、さっきもお話ありました、そこからスタートして、途中雇用保険法が昭和五十年に始まったわけですけれども、この間、やはりその現場を見て、現場を知って、そして財団をつくり、きちっとやっていこうという方々の声を国のどの省庁がしっかりと聞いて、そしてどういう制度につくっていくかという点において、これははっきり申し上げて、国の縦割りの行政の中で、文部科学省が板挟みという気持ちもわかりますけれども、結局、国の省庁が縦割りで、きちんとした方向性も見出せないままに今ここに至っているという中で、某私立大学が告発をされる、そしてまた外国人の特任講師が告発せざるを得ないというような状況になっていると私は見て感じたんですね。 ですから、ここの間、長い間二つの省庁でこの問題について大分議論を重ねてきたという経緯もいただいた資料で知ることができました。しかし、もうここに至っては、今回のその告発という事例をそれぞれの省庁がきちんと受けとめて、はっきりとこの辺で国としてその方向性を導いていく、道筋をつけていくということが私は非常に大事なのではないかなというふうに思って、きょうの質問に取り上げたんです。 それで、厚生労働省さん、適用除外に該当しないというふうに先ほどの説明からは受け取れたんですけれども、その理由というのを今ここで改めてお示しいただけますか。
○青木政府参考人 理由と申しますと、まず法制的には、雇用保険法では労働者を雇用する事業を適用事業とするという形の保険制度になっておりまして、基本的に労働者を雇用するところは雇用保険制度の対象になる、しかし一方で、国それから地方自治体等で雇用保険と実質的に同じ給付を法律的に保障されている方々、これにつきましては一定の手続によって雇用保険の適用が除外になるという考え方になっております。 したがいまして、今、私立大学退職金財団の関係の方々についてのお話がございましたけれども、これらの方々はこれに該当しないということがこの雇用保険制度、昭和五十年にスタートして以来の解釈でございまして、そういったことで現在に至っておるということでございます。 それから、実質的な問題としますと、雇用保険というのは、失業というリスクに対して、働いている方々と事業主、それに国家が支援をして、その失業のリスクが顕在化したときに助け合うというシステムになっております。したがって、いろいろ失業しやすい方、あるいはなかなか失業しないようないわばしっかりしたところに勤務している方、さまざまな方がいますけれども、そういった方々がトータルに、働く方々が受けているリスクというものを保険し合おうという助け合いの精神でありますので、できるだけ多くの方々がその制度の対象になっている方が制度の安定的な運用としていいことだろうというふうに考えています。
○鎌田委員 今御説明いただきましたけれども、先ほど冒頭に文部科学省さんの方で財団の説明があったときに、やはり私立の学校で仕事をしている教員等の方々がその掛金をと、学校が掛金を掛けていくという点においては逆にリスクの方が大きいということで、そういう現場のまさにその実態を踏まえた上で財団をつくり、そして運用しているというわけですから、私は、民間で、今自分たちで努力をしてやっていこうというのにもかかわらず、何でかんで国の雇用保険の法制度に組み入れてやっている、実際やっていますよね。やっているのに対して、だめだ、法律で全部なんだから、それであなたたちのところもこっちに入らなきゃだめだ、雇用保険にちゃんとしなきゃだめだというのは、私はもう少し現場に目を向けていただければなと。 私立大学、大変な数、先ほども数字を挙げていただきましたけれども、九百七十校が対象のうち九百十九校がこの私立大学の退職金財団に加入をしていて、そして国もバックアップをしているというような状況を見れば、これはその適用除外というところでぜひ厚生労働省さんが検討に動いていただいて、そして文部科学省さんに対しては、この財団できちんとカバーすることができない人が、やはり先ほど数字を挙げてもらいましたように、いっぱいいるわけですよね。だから、民間でやろうとしているものはその民間の力を認めて、そこを応援する、ただし、民間でやれないところに対して国が、政府がきちんとケアをしていくという姿が私は望ましいのではないかなと思うんですね。 ですから、厚生労働省さん、適用除外というところで、閣議決定、三月に出ましたけれども、かたくなに、いこじにならずにここでひとつ検討をしていただけないかという御質問と、それから文部科学省に対して、今のその財団に対する応援の姿勢というものを私なりに高く評価しながら、そしてこの充実を図りながら、そして、これで救い切れないという人たちのきちんとした社会的な保障というものを、それこそこれから厚生労働と一緒に考えていくべきじゃないかなということについてのそれぞれの答弁をお願いします。
○岸田副大臣 まず、財団法人私立大学退職金財団、この事業ですが、退職金の円滑な支給がこの財団を通じて行われている、教職員の待遇が安定し向上することは私立大学の発展につながるわけでありますし、また、この退職金事業の意義、大変重要だと思っております。ですから、現在、私立大学等経常費補助金において助成しているわけですが、今後ともこの支援はしっかりと続けていきたいとまず考えております。 その上で、御指摘の雇用保険制度の適用につきましては、厚生労働省とまた連携の上で、その適切な、具体的な、現実に即した対応を考えるべく努力していきたいというふうに思っております。
○鎌田委員 岸田副大臣の前向きな、積極的な姿勢というふうにお受け取りをさせていただきますので、私は、国の行政の縦割りの構造の中で、このようなはっきり言って残念な出来事になってしまっていると思っていますので、そういうことが起きないような一つの警告というか、警鐘だと受けとめていただいて、ぜひいい方向を見出していただきたいと思います。
○河村委員長 厚生労働省はいいですか。
○鎌田委員 では、お願いします。
○青木政府参考人 ただいま副大臣から御答弁があったとおりでございますけれども、雇用保険制度、この退職金財団なるものは、要するに失業というリスクをカバーしているだけの制度ではなくて発達して、関係の皆様に役立っている制度だというふうに考えています。 それから、御案内のことと思いますけれども、私立学校にも教員の方もおれば事務職員の方もたくさんいらっしゃるんですね。事務職員の方々は、当然の被保険者として適用手続も既にとられているんです。ですから、そういった観点等を組み合わせながらこの問題を考えていかなければならないと思っております。
○鎌田委員 ありがとうございました。 今後とも検討していただいて、また機会があったらぜひ議論をさせていただきたいと思います。 次に移ります。 学校保健法指定の病種名の内容について今再検討が進められているとお聞きをいたしますけれども、その検討の状況についてお知らせいただけますか。
○遠藤(純)政府参考人 学校保健法指定の病気ということでございますが、これは学校保健法に基づきまして、医療費の援助制度があります。これはどういうことかといいますと、児童生徒が学校の健康診断の結果に基づきまして適切に治療が受けられるようにということで、経済的理由により学校への就学が困難と認められるいわゆる要保護、準要保護児童生徒の医療費の援助を行う、こういうことでございまして、その対象となる疾病につきましては、伝染性あるいは学習に支障を生ずるおそれのある疾病のうちから、虫歯や中耳炎など、早期発見、早期治療が有効な疾病を政令で指定している、こういうことでございます。 今、見直しというお話でございますが、実は、現在文部科学省におきまして、財団法人の日本学校保健会に委託をしまして、健康診断の基本的な考え方あるいは健康相談のあり方、事後措置のあり方等々、学校における保健管理や健康診断のあり方の問題につきまして、さまざまな観点から幅広く検討を行っていただいておるところでございます。 その検討の結果を踏まえまして、御指摘のような医療費援助の対象となる疾病につきまして、このような保健管理のあり方などを踏まえまして検討していこうということでございますので、まだちょっと先になると思います。
○鎌田委員 幅広く検討をしているという答弁があったんですけれども、そうならば、今学校病として指定をされているトラコーマ及び結膜炎、白癬、これはいわゆる水虫なんでしょうか、それから先ほどは虫歯という言葉も出てきましたし、それから寄生虫病でしょうか、そういう伝染性または学習に支障を生ずるおそれのある疾病というふうにありました。 私は、実は、さきの第百五十三回国会でこちらの委員会に請願として付託をされたものの中に、アレルギー性疾患、特にアトピー性皮膚炎を学校病指定に取り入れることを強く請願するというような内容がありまして、これは当委員会できちんと責任を持って何らかの回答なりしなくちゃいけないような趣旨のものなんだろうと思っておったんですが、驚いたのは、今このアトピー性皮膚炎が学校病に指定されてないのかということだったんですね。 それでもって、ちょっと調べてみたら、学校病というと、今申し上げたような、何だ、私の小学校時代、三十年前の小学校の時代のような、確かにあのときはこういう寄生虫病だの、虫歯でどうのこうの、トラコーマ、結膜炎というのは割とメジャーだったよなというふうに思ったりして、私は今ちょうどその議論をしているという最中だと伺ったものですから、きっとこのアトピー性皮膚炎についても、いわゆる日本皮膚科学会、そちらの方では、正式にアトピー性皮膚炎という病名でもって、診断の基準ですとか、そういったものも明らかになっていますので、議論されていると思ったら実は余りされていないやにお聞きをしました。 私は、今三人に一人、子供さん方がこれで悩んでいて、そして、まさに二十四時間このアトピーと闘っている日本全国の何万、何十万という御家庭のお父さん、お母さんたちの気持ちをおもんぱかれば、ささやかな補助の仕組みですけれども、しかし、そのささやかなところが治療費に対してのささやかな部分であって、実際は、あそこの温泉のお湯が効くとか、あそこの民間の薬が効くとかいって、とんでもなくお金をかけてやっているわけですよね、それぞれの御家庭が。 私は、学校病という問題をぜひ今後、ちょうどさっき、平成の十二年度から三年間だから、十五年度からですか、具体にまた新たにスタートするということですから、ぜひこのアトピー性皮膚炎、アトピーを真剣にこの中で考えていただいて、そして御指定いただくように強く要望いたしますけれども、その点について御答弁をお願いします。
○岸田副大臣 ただいま局長から御説明させていただきましたように、医療費援助の対象となる疾病、これにつきましては、早期発見、早期治療が有効な疾病を政令で指定しているということでありまして、そのアトピー性皮膚炎等が含まれていないということになっております。 しかし、今御説明しましたように、児童生徒等の健康診断を初めとする学校における保健管理のあり方について検討しているわけですが、その検討の中で、早期発見、早期治療が有効な疾病を対象とするというこの考え方そのものもぜひ含めて検討していきたいと思っております。その対象の現在の指定のあり方、これもしっかり検討した上で結論を出していきたいと考えております。
○鎌田委員 しつこいようですけれども、今の御答弁は、いろいろなものを含めてということだったんですが、アトピーという言葉が出てこなかったものですから、そういったものを含めて御検討いただくというふうに理解をしてよろしいですか。
○岸田副大臣 今申し上げた方針で検討することによって、結果としてアトピー性皮膚炎等もどう考えるべきなのか、適切な結論が出るものと考えております。
○鎌田委員 適切な結論は、多くの国民、多くの親御さんたちが望んでいる方向にきっと向かうものと確信をし、信じまして、この質問を終わらせていただきます。 残りの時間で、またひとつちょっと、すごくこまい具体的な件ですけれども、学校の施設整備のことについてお伺いいたします。 今、耐震構造がしっかりとなされていない学校施設整備について、それがきちんと早急に進んでいくようにということで、私たちの民主党で法案の整備も含めて今検討をしているというところで、そして、文部科学大臣、遠山大臣に対しては、この整備の充実を求めて要望を申し上げたところであります。 私は、それもさることながら、学校のトイレなんですけれども、今どの御家庭、ほとんどの公共施設にも、あるいは市内、町中の施設に行っても、洋式のトイレが整備というか、設置されておりまして、ずっと昔は、水洗のトイレになった時点で、その切りかえがうまくいかなかった、あるいは家庭や一般生活に洋式トイレが入ってきたときにすごく不安になった今の六十代、七十代世代の方も、あればなんですけれども、しかしながら、今の子供たち、あるいはその子供たちの御家庭の親御さんたちの多くの声は、トイレ自体が使い方がわからなかったり、使えなかったり、余りにも洋式トイレに本当に毎日の生活でなれてしまっているものですから、小学校前に和式トイレの使い方の講習をしているところもあるということは御存じかなと思ったり。 あるいは、京都市内の幼稚園や学校では、もちろん全部を洋式にするなんということはそれもまた全然理解できないわけですけれども、洋式トイレの整備、せめてトイレの中に、一つ洋式のトイレをきちっと整備していこうということで、京都市内の学校、幼稚園では進んでいたりするわけです。 私は、文部科学省が、学校の施設整備に二分の一もしくは三分の一で補助金を出していろいろ進めている中で、このトイレの整備についてもいろいろなされているという資料もいただきましたけれども、せめて学校の中に一つ、少なくともいいですから、そういった一つか二つの洋式のトイレをこれから着実に少しずつでも整備をしていくという考えを持っていただけないものかという意見を持って、この質問をしました。 すごく簡単に、軽く感じられるかもしれませんけれども、子供たちはトイレ、大小の用、これをするだけでなくて、もうトイレにすら行けない、行きたくなくなってしまう、そういう切実な声もあるということをあわせてお伝えをし、御答弁を求めたいと思います。
○矢野政府参考人 学校のトイレの整備についてのお尋ねでございますけれども、これまでは、学校施設の新造改築や全面的な改造を行う際にその改善を図ってきたところでございますけれども、平成十三年度から、昨年度からでございますが、老朽化したトイレが児童生徒の健康に影響を与えるといったようなさまざまな指摘がございますことから、トイレの改造工事、単独ででも国の国庫補助の対象といたすことにいたしまして、それによりまして一層の整備促進が図られるように措置をいたしたところでございます。 なお、トイレを改造する際に、和式トイレを洋式トイレに変更することも当然のことながら補助の対象と認められているところでございますので、設置者の判断により適切に整備をしていただいているところでございます。 私ども、状況を見ますと、和式のトイレしかないところについて改造する場合は、大体、併設型のトイレというような形で改造が進んでいるようでございます。
○鎌田委員 ありがとうございました。終わります。
○河村委員長 次に、山谷えり子君。
○山谷委員 民主党、山谷えり子でございます。 二〇〇〇年のOECD調査によれば、日本の生徒は趣味として読書をしないということで、三十二カ国中最低という結果が出ております。遠山大臣はいろいろな場所でこのことを言われ、読書活動の推進の大切さを訴えておられまして、非常に共感するものでございます。 読書は、自分や他人、人生の思いを深め、豊かな生き方をつくっていくのに大きな力があるところでございます。しかしながら、子どもの読書活動の推進に関する法律が昨年十二月に成立し、学校図書館の図書をふやすため、国が年額百三十億円、五年間で総額六百五十億円用意しているにもかかわらず、今年度四月末現在で、この施策どおり図書費を増額した市町村は約三割というふうになっております。 地方交付税で措置したということで使途が特定されていない。市町村議会で予算化することがこれは必要なんですけれども、図書費として措置したにもかかわらず三割しか予算化されていない、この実態に対しましてどうお考えでございましょうか。
○遠山国務大臣 読書の重要性、おっしゃるとおりでございまして、最近では、朝の読書活動などもかなり普及し始めておりまして、本当にこういう状況をさらに伸ばしたいと思っております。 それには本が要るわけでございますが、今、山谷委員、御紹介いただきましたように、私どもといたしましては、平成十四年度からの五年間で、毎年百三十億、五年間で六百五十億ということで地方交付税の措置を講じているんでございますが、地方交付税措置のそもそもの性格からいきまして、これは、それぞれの地域でその重要性にかんがみて、学校関係者がきちんと要求をしてそれをとりませんと、別のものに使われてしまう、そういう宿命にございます。そのことは私どもとしては大変残念でございまして、この交付税措置に基づいて学校図書館の図書の充実が図られるよう、指導、周知を徹底する通知を出しているところでございます。 具体的には、図書館の図書の整備を図ることの重要性を言い、そして昨年十二月に、おかげをもちまして例の法律が成立したこと、それから、総合的な学習などの時間において多様な教育活動を展開していくのに非常に学校の図書が重要であるということを述べた上で、その交付税措置が講じられたということを明確にし、なおかつ、標準規模当たりの小学校などに措置されます具体の積算額につきましてもあわせて通知をいたしておりまして、それに基づいて、例えば小学校の十八学級ぐらいの規模の学校ですと、経費としては四十一万八千円という、それは学校段階ごとに示しておりますけれども、そういったことをきちんと通知をいたしておりますので、これに合わせて、最小限それぐらいのお金はきちっととってもらうのがそれぞれの市町村教育委員会の役割ではないかと思っております。 ただ、この制度はまだ発足したばかりでございまして、これからもっと力を入れていくべき分野だと思っております。
○山谷委員 平成五年の学校図書館図書標準から踏まえると、九年にわたる措置というような見方もできるんではないかというふうに思うんですが、自治体が貧乏だからといって、まるで子供のミルク代がおやじの飲み代に化けているような、非常におかしな状況でございます。 私、各都道府県教育委員会教育長あてに児童生徒課長の尾崎さんが通知をお出しになったというペーパーを手元に取り寄せました。そうしましたら、学校図書館図書標準の早期達成に努められるよう、適切な指導助言等よろしくお願いいたしますと。今大臣がおっしゃられたような具体的な経費なども書かれているわけです。 これは実際の市町村の教育委員会にちょっと調べてみましたところ、余りよくわかっていないんですね。つまり、通知は出したけれども、適切な指導助言まではなされていないと、中央から遠くに行けば行くほどそんなような状況。 年に百三十億円というのは、ちゃんと使われれば大変な金額でございまして、小学校一学級当たり二万三千二百円、中学校では一クラス当たり四万四千七百円という大きな金額です。調べ学習、総合学習がこの四月から、新学習指導要領が実施されることに伴って始まっておりますし、都道府県教育長あるいはそこから市町村の教育長がどのように説明したか、それから学校の先生たち、保護者までどう伝わったか、もう少しきめ細かな指導助言、もう一工夫要るんじゃないでしょうか。 五月五日にこのような新聞広告、各紙に出たと思うんですが、これは、あなたの地域の学校図書館には子供たちの本、きちんとそろっていますか、ちゃんと図書整備費が出ているんだということを、全国学校図書館協議会、学校図書館整備推進会議、それから多くの個人や法人が協力してこの広告をつくったという。本当に、まことに関係者、私たちもその法律をつくった立場の関係者でございますけれども、このような広告を出してまでやはりみんなに知らせたいという気持ちを起こさせたくらい文部省側の周知徹底が不備だった、まだまだ具体的で丁寧、親切ではなかったということで、非常に恥ずかしいことだというふうに思います。 広告を見て四百件、親とか市民からも知らなかったという反響があったということでございまして、もう一工夫、学校が声を上げて、親が声を上げてあるいは子供が声を上げて、あなたたちのためにこういうお金があるのよということをこれからどういうふうになさろうというアクション、プランはございますか。
○遠山国務大臣 この問題に限らず、私どものいろいろな政策をどのようにきちっと末端といいますか、現場まで伝えていくかというのは、大変私ども工夫を要することだと思っております。 そんな中で、こういう図書の重要性などは皆さんわかっていると思いますけれども、そういう交付税措置がとられていること、それは要求しなければついてこないことというようなことはなかなか学校及び教育委員会が自覚していないということがございます。そんなこともありまして、私どもは、教育委員会の関係者を集めた会議ではきちっと言っておりますし、それから、各市の校長会などの場をとらえまして、これは既に今週、先週ございまして、そこでもきちっと言っているわけでございます。 これはもう学校自身がいろいろな私どもが発信している情報をきちっと読んでいれば、そういうことを一々またさらに重ねて言わなくてもわかってくれるはずなんでございますけれども、にもかかわらず、それぞれ忙しいということもありましてなかなか徹底していない面があろうと思いますので、今後とも周知を図っていきたいと思っておりますが、むしろ地元で、ぜひ先生方も地元の委員会、教育委員会なりなどにお声をかけていただきまして、そういうことはすごく大事なんだよというようなことを各地で言っていただくと大変ありがたいな思っておりますが、いずれにいたしましても、私どもとしてもこういう問題について最善を尽くしてまいりたいと思っております。
○山谷委員 余りこれは達成比率が低い場合は直接補助とか、何か方法を考えてもいいとは思うんですけれども、その手前に、やはりもうちょっと達成率アップのために、何かキャンペーンなり、学びのすすめの第二弾、読書のすすめをぜひお出しいただきたいというふうに考えております。 次に、ちょっと資料を配付していただけますでしょうか。この「ラブ&ボディBOOK」という、皆さんのお手元に資料をお届けいたしますけれども、「思春期のためのラブ&ボディBOOK」これを作成したのが財団法人母子衛生研究会、所管官庁、厚生労働省でございます。これは百五十万部、中学生全員に配る。「思春期をむかえたみなさんに「健康な心とからだや性」について正しい理解をしていただくために作られた教材です。」というふうに書いてあります。そして、四月二十日付で、母子保健主管担当、教育委員会学校保健主管担当あてに無償配付通知、送付されております。 ここで、ちょっと見ていただきたいんですが、例えば中絶について、「もしや…と思ったら」「日本では中絶することが許されている。」「妊娠二十二週をすぎると法律で中絶は禁止。産むしかなくなっちゃう。」最後には「「望まない妊娠」は、とにかく避けないといけない」とは書いてあるんですけれども、とにかく、教科書もそうなんですが、セックスが命をはぐくむ営みだという、重く神聖なものという視点が非常に欠けた書き方をしております。 昨年の委員会で、私、現在使われている教科書のトップシェア、それからナンバーツー、いろいろな性のあり方について、余りにも性的自立を強調し過ぎている、あるいは、文化としての性、表現としての性、コミュニケーションとしての性というような形で、検定基準、誤解されるおそれのある表現のないこと、また、健全な情操の育成について必要な配慮があることということから見ると、非常に違和感があるということを申し上げたことがございます。 さらに問題は、このピルの書き方なんですけれども、「ピル…失敗率一%」「女の子が自分で避妊できるのが最大のメリット。」とか「薬局では売ってなくて、産婦人科でお医者さんと相談してから使うんだ。 また、ピルには月経痛をやわらげる、月経の出血量を少なくするなどのはたらきもある。」というふうに、これを読むと、避妊のために産婦人科に行かなくて、月経痛だと言って行けばピルをもらえるよというような、恐らく今の中学生はそういう読み方をするんだと思うんですね。つまり、秘密の入手方法もちゃんと丁寧に指導してくれている。メリットと言いますけれども、メリットしか書かれておらずに、全体としてこれは奨励するような内容になっております。 イギリスでは、過去十年間に百四件もの死亡例があって製薬会社が訴えられておりますし、政府に事例検討会を開けというような要求もあります。人によってはあっという間に死ぬこともある、国民はこのような情報を知る権利があると語る医者もいるわけでございますが、厚生労働省の方、このピルの書き方、適当だというふうにお思いでしょうか。
○岩田政府参考人 先生が今御指摘なさいました問題の背景には、近年の十歳代の性行動の一般化ですとか、その結果としての性感染症の広がりや望まない妊娠の増加、その結果としての十代の妊娠中絶の増加、こういう状況がございます。 そこで、厚生労働省といたしましては、思春期の性や健康を考えるハンドブックを地方自治体や関係団体が作成されるときに指針になるようにということで、平成十二年度に検討委員会を設けておりまして、その検討委員会の報告書の中で、何をどういう方向で盛り込むべきかということを提言していただいております。 その中で、ポイントは二つあるように思います。 一つは、性行為の結果として妊娠、出産、育児というものがあるということで、こういった妊娠、出産、育児というのは愛情と責任と経済社会的な基盤が要るということで、慎重でなければいけないというメッセージが一つあると思います。 二つ目には、望まない妊娠を避けるためには、そのための具体的な避妊方法も含めて教える必要があるということで、避妊の方法として、コンドームのほか、ピルや女性用コンドームなど、女性が主体的に選択できる方法も解説する必要があるというふうに研究会では言っております。あわせて、人工中絶についての法規制の現状や、人工中絶が心や体に与える影響なども解説しなさい、こういう報告書が平成十二年度に出ております。 御指摘の「ラブ&ボディBOOK」は、この研究会報告を踏まえまして、今おっしゃいました財団法人の方でおつくりになったというふうに思っておりまして、私も中身を一読させていただきましたけれども、中高生に関心を持って読んでいただく、そして読みやすい、そういう形で、正しい性知識や望まない妊娠を防止するための記述の仕方として、特に問題があるというふうには思われませんでした。 また、副作用などについてでございますが、低用量ピルは深刻な副作用がたくさん出ているということではないというふうに思いますけれども、副作用については、先ほど先生も読み上げられましたけれども、ピルは薬局で買うわけではございませんので、産婦人科に相談をして、産婦人科が処方するわけで、その上で薬局で手に入れるわけですが、そういう過程で、産婦人科から副作用の問題も含めてきちっと説明がなされる、また、薬局で使用者用のリーフレットが配られているようでございますが、その中には副作用についての適切な記述もあるようでございます。 そういうことで、特に、このブックレット自体、たくさんある情報、たくさんある教材の中の一つだというふうに思いますので、内容について、科学的ではない、ゆがんでいるといったようなところはないという印象を持ったわけでございます。 文部科学省とも連携いたしまして、思春期問題はまた引き続き頑張っていきたいというふうに思っております。
○山谷委員 今お読みになられたハンドブックのところで、意図的かどうかわかりませんが、女性がみずからの体と心を守る観点からというところを抜かされました。私は、心と体を、このピルを若年から飲むことによって、守られないのではないかというふうに考えているものでございます。 低用量とおっしゃいましたけれども、これは量を減らしたということだけではなくて、効果を、つくるために質を変えているわけでございまして、決して安全というわけではございません。また、毎日一錠、二十一日間毎月飲み続けると、これは思春期、本当にいろいろなホルモンのデリケートな発展段階、バランスも非常にデリケートな状況のときから飲みますと、例えば、オーストラリアのピルのコンシューマーズガイドなんかにも、若いときからピルを飲み始めた女性は高い危険があるというふうにありますし、イギリスの元厚生省の役人、エレン・グラントさんは、ピル実験に加わって、恐ろしさから、今は副作用とか事実を訴える必要があるというふうに考えていらっしゃいます。それから、オランダ、デンマーク、ピルをやめてもなかなか子供ができない、あるいは妊娠しても胎児の染色体異常がふえる傾向がある。環境ホルモンなわけでございますから、体内への影響もまだまだ研究がきちんとできていない状況だというふうに思っております。 WHOは、発がん性の十分な証拠があるというふうにしております。日本の女性の雑誌にも、副作用として吐き気、出血、頭痛など一割。これは、体の大きさとか、いろいろ国によっても副作用は違うようでございますけれども、日本の場合で一割あるというふうに書いているところもございます。そのほかに、骨粗鬆症、亜鉛欠乏、肝機能障害、代謝異常、いらいら、抑うつ、心筋梗塞、脳梗塞。現在のいろいろな情報でも、飛行機に乗るときは、エコノミークラス症候群になるからピルを飲む人は非常に気をつけるようにというような情報もあるくらいで、決して安全ではなくて、副作用をきちんとここに書かないということはフェアな情報の伝達ではないというふうに思っております。子供の体へのこれは人権侵害だというふうに思っております。 この教材の制作の後ろの方に、低用量ピルの製薬会社八社により共同運営されているOC情報センターより支援を受けましたというふうに書いてありますが、これはピルの会社からお金をもらってこれをつくったということでございますか。
○岩田政府参考人 そういう関係があったかどうか、現時点では把握をいたしておりません。 このブックレットの作成につきましては、厚生労働省の方から補助金を出しているということはございません。
○山谷委員 これは実際お金をもらっております。私、ここの研究会に確かめました。 イギリスでは、ピルによる副作用で十五歳で娘を亡くした親がこんなことを言っているのですね。医者はピルを無責任に配っている、医学的データをきちんとチェックしない、医療的なガイドラインがあるけれども守られていない、避妊やセックスについて親は意見を言う必要がある、早過ぎるセックスについて話し合うという親の役目を私たちは奪われたというふうに言っているのですね。 このような状況もきちんと目配りしながら、日本の役所というのは非常に情報に疎い。それはもうBSEのときもエイズのときもそうでございました。 これは非常に書き方が問題だというふうに思いまして、例えば三重県では、母親たちが学校教育課長に意見を言いに行って、文書で回答するということだそうで、まだ回答はもらっていないらしいんですが、長崎でもお母さんたちが、やはりこんなものを配ってほしくないと言っている。それから、東京では先生方も問題になさいまして、総合学習の時間にこういう性教育がやられようとしているけれども、このような偏った情報の提供の仕方は適切かどうか非常に問題だというふうに語っております。 文部大臣、このような内容、書き方、中学生に適切な表現だと思うか、あるいはまた作成、配付に当たって、文部科学省はどのように関与をなさったのでしょうか。
○遠山国務大臣 御指摘の冊子の策定に当たりまして、旧厚生省、それから財団法人母子衛生研究会から内容などについて相談を受けたことはなく、関与しておりません。 ただ、先ほど岩田局長の方からお話がありました、旧厚生省のつくられたハンドブックの作成についての報告書については送付を受けて承知しておりますが、その内容は大変概括的なものでございまして、今回の冊子のようなものではございませんでした。 それで、今御指摘の冊子の中には避妊の方法の記述があるわけでございますけれども、ピルのメリットについては説明している一方、デメリットについての説明がないという御指摘でございます。私もその辺詳しくないんですが、避妊法の選択のための基本的な説明が十分なされていないで、この本を読むだけでは適切に理解できない部分があるというのが、私どもの関係者の見方でございます。ピルのデメリットにつきましては、教科書の方ではきちんと触れているようでございます。 ただ、この冊子自体が、子供たちに、自分で考えて、いいと思えばやっていいよというようなトーンがちょっと強過ぎまして、これは私個人の見解でございますけれども、中学生にここまでというような気がしないでもございません。
○山谷委員 そのほかに、ちょっと配付させていただいた資料といたしまして、青年期の性について、「単に生殖につながるだけのものではなく、男女のコミュニケーションとして愛情を育て、確かめあい、互いに充足感を求めようとする行動である。」とか、これはトップシェアの高校の教科書なんですね。それから次に、「家族・家庭をみつめよう」という中では、いろいろな家族が紹介されておりまして、事実婚の注釈というのもあって、「どのような家族をつくっていくかはさまざまである。一人ひとりが考え、選び、つくっていくものといえるだろう。」というような記述がございます。一番最後の資料では、「未来を育てる基本のき」という、これは文部科学省委嘱事業で、子育て支援のための小冊子なんですが、ジェンダーフリー教育を取り上げまして、このような、女らしさ、男らしさを押しつけるような子育てをしていませんかということで、女の子には美咲とかさくらとかかわいい名前、それからおひな祭りのおひな様、男の子には翔とか翼とか、それから節句祝い、武者人形などという、こういう書き方もしてあるわけです。 私は、男女共同参画社会基本法については異論があるわけではございませんし、また、職場、社会的慣習の上で差別的なものを正していくという視点は大変に大切だというふうに思っておりますけれども、ややもすれば、教科書あるいは教育の現場の中で、ジェンダーフリー教育や、あるいは性や家族、多様性と自立ということを余りにも前面に出して、年齢による発達段階、成熟度合いを無視したような、ある種の文化破壊であったり、ある場合は生き方破壊であったりと、そのような傾向がこのごろ強くなっているのではないかというふうに感じております。 この「ラブ&ボディBOOK」の方も、恐らく性の自立という、これは進歩であるというような発想のもとで教育しようということで、こういうような書き方になってしまったんだというふうに思います。 筆が滑っただけでは済まないことでございまして、やはりここで一度、保護者とか宗教者、発達心理学の関係者あるいは子供に対する意識調査などで意見を聞いて、何をどう教えたらいいんだろうかということをきちんと見直す検討会というものを設けられたらいかがかというふうに思います。 財団法人日本青少年研究所の調査では、売春など、性を売り物にしてもいいと考える中学生が四人に一人、それから、必ず結婚しなければいけないと考える日本の若者は二割、アメリカでは七九%という形で、非常に性とか結婚、家族に対していびつなというか、その多様性を教える余り、生き方の普遍的な美しさ、愛の形というものが子供たちに伝わらないまま今漂流していって、極端に言えば売春、援助交際などということになるし、性の自立では、悲しい妊娠中絶まで行く子もいるでしょう。 やはり無責任な態度ではなくて、ここらで一度、きちんと検討会をお開きいただくような提案を文部科学大臣の方からしていただけたらというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。
○遠山国務大臣 学校教育の場面におきましては、教科書の上でどのような形でそういう必要な情報を与えつつ生き方の基本にかかわるような教育をしていくかということについては、十分検討の上、教科書はそれなりにでき上がっていると思います。 副に使われるいろいろな冊子につきましては、制作者はそれなりの善意を持ってやっておられるんだと思いますけれども、先生おっしゃいましたように、年齢段階に応じたその取り扱い方につきましては本当に大事なことだと考えておりまして、すべての情報を小さいときからというのであるのがいいのかどうか、その辺も含めながら、検討会までやるかどうかは別にいたしまして、私どもとしては、常にそういうことについて十分留意をしながら、関係のところとも連携を図っていきたいと考えます。
○山谷委員 ぜひ強い関心を持ちながら、適宜いろいろな形で連携をとっていただきたいというふうに思います。 ありがとうございました。
○河村委員長 次に、斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。 まず、私は最初に、先週金曜日、日本経済新聞の一面トップに「ロケット政策転換 H2A三菱重工に移管」という記事が載りました。宇宙開発委員会でこういう議論がされてきたのか聞いておりませんし、また、この文部科学委員会でもロケット政策のこのような大転換を議論したこともございません。政府としてはどのようにお考えになっているんでしょうか。
○遠山国務大臣 私も、ある朝起きて、その記事を見てびっくりというのが正直なところでございまして、その記事はまるで決定されたかのように書かれていたと思いますけれども、それはいささか、ちょっと筆の走り過ぎかなという感じがいたします。 そういう方向で議論をし、これから具体的に宇宙開発委員会の方で、今のH2Aロケットがどの段階まで行ったらどういう形で民営化していくかということも含めて、大きな宇宙開発の戦略を今立てているところでございます。
○斉藤(鉄)委員 それでわかりましたけれども、これまで多額の税金を使ってロケット開発をしてきたものでございます。そのロケット、今後のロケットビジネスを考えれば、コストということが非常に重要で、それに民間参入の方向というのはよくわかるんですけれども、しかしながら、これまで税金が投入されてきたという経緯もございます。この委員会での議論、また宇宙開発委員会での議論を通して、国民の理解を得る形で進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。 それから、二点目ですけれども、科学技術白書、それからものづくり基盤技術白書等、案が出てまいりました。私もちょっと目を通させていただきましたけれども、一貫して流れているのは、やはり日本の国力が、徐々にではあるけれども落ちてきている。その原因は、やはり子供たちの知離れということ、そして、もう少し絞って言うと理科離れ、科学技術離れということが、日本の技術力の低下、そして創造力の低下、ひいては国力の低下、こういうことの基盤になっているのではないか。このような底流がその二つの白書に流れていると私は読ませてもらいました。ゆゆしき問題だと思うわけですけれども、これはもう何度もこの委員会で議論されておりますが、子供たちの知離れ、科学技術離れにどのように取り組んでいこうとされているのか。何度も聞きますけれども、もう一度聞かせていただきます。
○加納大臣政務官 日本の国力が落ちている、産業競争力がかつて一番だったのに、国際競争力が今や三十位になっているといったようなデータも出ているわけでございまして、日本の知離れそしてまた科学技術離れというのが、科学技術創造立国を目指しております我が国にとってゆゆしき問題であるという斉藤先生の御指摘は全くそのとおりだと思っております。 御質問でございますが、最近の取り組みいかんということでございますが、私ども文部科学省としましてもこの問題を深刻に受けとめております。基本は科学する心の涵養、科学っておもしろいと思ってもらうことがまず第一だろうと思っております。 最近の比較データでちょっと気になったことを申し上げますと、理科とか数学の理解力そのものは、最近の国際調査で、中二の生徒の比較でございますが、日本は相変わらずトップクラスにいます。しかしながら、理科がおもしろいかおもしろくないかというと、つまらない。授業は楽しいか楽しくないかという質問に対して、楽しいという人の比率は二十二カ国中二十一番目。将来あなたは科学的な仕事をしたいですかというのに対して、したいという人の比率が二十二カ国中二十二番目、言いかえるとどんじりでございます。これでいいのだろうかということで、今申し上げました対策として、科学する心を基盤に据えたいと思っています。 具体的なこと、細かくは省略させていただきますけれども、例えばこの四月から実施になりました新学習指導要領におきましても、観察とか、実験とか、あるいは課題学習、あるいは総合的学習、いろいろなテーマでもって自然との触れ合い、不思議との触れ合いを刺激するようにしたいと思っておりますし、また、科学技術・理科大好きプランというのをスタートすることにいたしました。先生御案内のとおり、スーパーサイエンスハイスクールという制度を四月から実施することになりまして、たくさんの応募の中から二十六校をこのたび指定が終わったところでございますし、また、大学や研究機関と教育現場との間に、専門家に教育現場に行っていただく、中学、高校に行っていただく、あるいは中学、高校、大学から企業の方とか研究機関にも出かけるという相互交流を深めていく、そういったことが大事だろうと思います。 また、日本科学未来館というのを去年の七月に設立いたしまして、宇宙飛行士の毛利衛さんに館長をやっていただいております。私も行ってまいりましたけれども、ここに子供たちにたくさん来てほしいと思っております。ことしの五月でございますか、去年の七月からの約十カ月間で既に当初目標の五十万人を早くも突破、しかもその四割は子供たちということでございます。何とかこういったことも進めていきたいと思っているところでございます。
○斉藤(鉄)委員 先ほどありましたスーパーサイエンスハイスクール、すばらしい試みだと思いますが、選ばれた学校を見ますと、どうも受験校がそのまま選ばれているようなところがありまして、いたし方ない部分もあるのかもしれません。そういうところが応募してきたということなんでしょうけれども、もっと今後幅広く考えていただければな、このように思います。 子供たちの科学技術離れ、理科離れ、私は一つちょっと別な観点を持っておりまして、日本社会が科学者、技術者をきちんと遇していないという最も根本的なところにその原因があるのではないかという気がいたします。 どこかの新聞で読みました。例えば官庁でも民間企業でも、理科系の人と文科系の人、入った当初は同じような割合なんですけれども、偉くなっていく順に理科系出身の割合がどんどん狭くなっていくということで、一生懸命努力してもそれが社会に評価をされないというところにより根本的な原因があるのではないかな、このように思っておりますが、これは役所として、技術者の社会的地位向上云々ということについて国が計画を立ててどうこうということではないのですけれども、例えばいろいろな資格制度とかいろいろな方法があろうかと思いますけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○山元政府参考人 御説明いたします。 今先生おっしゃられました、まさに今の日本の状況を考えてみますと、イノベーションとかそれを通じました新産業、新市場の創出、そのために、まさにその活動を担う者としましてのすぐれた技術者、この養成問題の重要性というものは十分認識しておるところでございます。 この第二期の科学技術基本計画におきましても、技術者の教育のところ、さらには今先生おっしゃられました資格の付与的なところ、あるいはそれを継続的に能力を維持していくところ、開発していくところ、そういうことについての一貫した技術者の資質能力の向上システムの構築、そういうことについてうたわれておるわけでございまして、それに向けての努力をしているところでございます。 特に、社会的地位の問題として、私ども、やはりこうしたすぐれた技術者の能力を社会的に評価し、しかも企業の中で適切に処遇される、これは非常に大事なことかと思ってございます。 一方で、技術者の中でも、特に高等の専門的応用能力を有する、いわゆる技術士の資格制度、これを通じまして、私ども今技術者の問題について特に力を入れて取り組んでいるわけでございますけれども、残念ながら、海外との資格に比べたり、あるいは社会的な評価を見ますと、まだまだ評価的に活用も進んでいない、本当に十分認識されているんだろうかという点があろうかと思ってございます。 このために、二年前でございますか、技術士の法律についての法改正をしていただきまして、いろいろな、多くの技術者とか学生が技術士を目指せるように、受験要件の多様化を図らせていただきました。 また、技術士の方々が海外でも大いに活躍できるような、国際的な相互承認、これに向けてのいろいろな準備も進めてございます。 そのほかに、技術士の方々がいろいろな形でほかの資格との連携を拡大していただくとか、あるいは企業の技術力の評価の際に、技術者を抱えていることによって非常に評価が高くなってもらえるような、そのような形で技術士の方々が大いに社会で活躍していただけるような、そういう努力をしているところでございます。 また、継続的な能力開発という面もございますので、そのために、例えば私どもとして、能力開発とか再教育のための何らかの情報提供、そういう点での支援もできないだろうかなということで、その準備もやっておるところでございます。
○斉藤(鉄)委員 先ほどの答弁にございました技術士ですけれども、アメリカで日本の技術士に相当するPE、それからイギリスでそれに相当するチャータードエンジニア、CE、これを取ると、大体取っただけで食べていけると言われていますね、社会的にもきちんと認められて。ところが、日本で技術士を取っても食べていけない。足の裏についた御飯粒と言われておりまして、取らないと気持ち悪いけれども取っても食べられない、こう言われております。 ここら辺を、社会制度そのものを変えていかなくてはいけないと思うんですけれども、この技術士制度の拡充について、二年前に法改正したといいますけれども、拡充の具体策が全然見えてきません。この点、どうなっているんでしょうか。
○山元政府参考人 今のイギリスあるいはアメリカの同じような制度のお話がちょっとございましたが、日本の技術士、今登録されておりますのが約五万人程度。それに対しまして、米国の場合、プロフェッショナルエンジニアが約四十万人、それから英国のチャータードエンジニアは約二十万人の制度に発展しておるところでございます。 技術士制度の拡充のところについての法改正のお話をさせていただきましたけれども、それ以外に、先ほどちょっと申し上げましたが、企業の技術力評価、この際に、技術士を十分評価していただこうというための努力もあわせてやらせていただいてございます。 先生もう既に御案内だと思いますけれども、従来から、公共事業、これに入札する際に、建設業者の経営事項審査における技術職員評価、その中では技術士は一級建築士と並んで最高の評価がなされておるわけでございます。これはもう既になされているわけでございますが、平成十三年度からは、国の物品の製造、これに係る個々の入札案件におきまして、特に技術力のある中小企業者、この方々に入札参加機会の拡大を図ろうということで、技術士の資格保有者、その数に応じて技術力の評価点を加算する、そのようなことにもなっておるわけでございます。 それから一方で、技術者の制度の一つの問題として、やはり将来の技術士のことを考えていきますと、現在二十の技術部門がございますけれども、そういう本当に個々の技術部門で技術士があっていいんだろうか、将来のことを考えると、もう少し大ぐくり化したような技術部門のあり方もあってもいいんじゃなかろうかとか、そういう点につきましても、いろいろな審議会等で検討を進めているところでございます。 それから、先ほどちらっと申し上げましたけれども、技術士の国際的な活躍のための国際相互承認、それに向けては、既に約千六百名の者がその資格要件を満たすという形で、認定もしておるところでございます。 なお、御参考までに、おかげさまで技術士の試験の受験申込者、これが平成十三年度、昨年度は、一次試験、二次試験合わせまして、約七万四千人で、前年度に比べまして三割増になっておる、非常にうれしい状況にはなっておるところでございます。 そういうことで、引き続き今後ともそういう改善の努力は進めていきたい、こう思っておるところでございます。
○斉藤(鉄)委員 加納政務官、最初に青少年の科学技術離れの質問をさせていただきまして、お答えいただきました。今の技術者の社会的地位、そして技術士制度、その議論を聞かれまして、最初の青少年の科学技術離れと関連させて、文部科学省の今後の御決意を。
○加納大臣政務官 斉藤先生の御心配というのは、実は私どもの心配と同じでございます。 日本はやはり何があるのかといったら、日本に天然資源があるわけではございません。世界最高の兵器があるわけでもございません。日本はやはり平和に生きる、科学技術、これが日本の唯一の資源だろうと私は思います。そういう意味では、人材、なかんずく青少年、未来を担う青少年が科学技術に興味を持つ、関心を持つ、そして技術士にもあこがれる、こういったような社会になっていくといいなと思っています。 そういう意味では、やはり夢というのはすごく大事でございまして、今何か日本が元気がないのは夢がないからだ。かつては日本は、何もなかった中からアメリカに何とか追いつき追い越そうという夢、何もなかった国を立派な緑豊かな国にしたいという夢、世界の中でも誇りを持って歩ける国にしたいという夢がありました。今、日本にそういう夢がない。科学技術というのは夢というキーワードでくくれる大事な項目だと私は思っております。 かつて、今から百年前に、西暦一九〇一年でございますか、二十一世紀の夢という募集があったことを思い出しますけれども、今、五十年後、百年後の夢を描き、それを実現するための手段を考えると当然科学技術になってまいります。そういう意味では、ぜひとも科学技術創造立国を進めていく私どもとしましては未来に対して夢を描く。例えば核融合、これもすごい夢だと思います。それから、太陽宇宙発電なんというのも大変な夢だと思います。核燃料のサイクル、これも夢だと思います。さまざまな夢を描き、一歩ずつ実現していくんだということが実は、ちょっと迂遠なようでありますけれども、これが王道ではないだろうか、そのための条件整備を我が文部科学省としましてもしっかりやり、科学技術大好き、理科大好き国家をつくっていきたいと思っております。 どうぞよろしく御指導ください。
○斉藤(鉄)委員 終わります。
○河村委員長 東祥三君。
○東(祥)委員 自由党の東祥三でございます。 加納政務官の熱弁を聞いていて感動いたしました。私は元来、文部科学省といいますか、文部省は要らないんだろう、そういうスタンスなんです。先進諸国を見たとしても、文部省のあるところはほとんどないんだろうと思います。日本の教育レベルが下がってきている、日本人の知恵が枯渇してきている、創造性がなくなってきている。多分に文部省という管理する省があることによって大きな影響をもたらしてしまっているのではないのか、日ごろからずっとそういうふうに思っています。今も変わっていないんですが、ただ、そうはいってもあるわけでありますから、その上で、とにかく仕事をしていただきたい、本来やるべき仕事をちゃんとやっていただきたい、そういう角度から皆さん方のお仕事をチェックさせていただいているわけであります。 先ほど加納政務官からお話がありました、新学習指導要領が四月から始まって一カ月半が既にたちました。もう既に、ある学校のPTAでは週五日制による環境変化の実態についてのアンケートを行っているところもあったり、あるいはまたサタデースクール、土曜学校の準備で忙しい保護者の集まりがあったり、また、先生方にとっても総合学習のやり方にさまざまな工夫を試みている学校があったり、新しい体制のもと、さまざまな新しい動きが始まっていると存じ上げております。 文部大臣また副大臣、日ごろから文部行政に対して心痛を感じられていると思いますけれども、ぜひこの一年は特に留意されて、教育現場の実際の状況を把握していただいて、本来の意味で自立した人格と豊かな人間性を形成するために惜しみなくその実行力、努力を発揮されて、二十一世紀を担う子供たちの教育環境の整備に全力を尽くされることをまず最初にお願いしたいというふうに思います。 前回は、教員の指導力不足の対策ということで質問させていただきました。今回は、教育現場の周囲の環境整備の観点というところから幾つか質問させていただきたいというふうに思っています。四点あります。一つは子供の読書活動の推進について、二点目は科学技術・理科教育の充実について、三点目は公立学校の施設整備について、そして最後に時間があれば生涯学習についてという四つのテーマについて、以下質問させていただきたいというふうに思います。 まず初めに、子供の読書活動の推進についてお尋ねいたします。 昨年十二月十二日から施行されました子どもの読書活動の推進に関する法律によって、地方公共団体では、子供が自主的に読書活動できるように、そのための環境整備を推進する観点から、総合的な施策をかなり推進していると聞いておりますけれども、文部科学省としてその実態をまず把握されているのかどうなのか、この点についてお尋ねしたいというふうに思います。
○遠山国務大臣 いよいよ新学習指導要領のもとに、今新たに、確かな学力そして豊かな人間性を持った子供たちを育成するために、私どもはもとより、それぞれの学校で大変真剣な取り組みが始まったところでございます。 読書活動につきましても、御指摘のように先般法律ができまして、最近では、本当に読書活動が地域、学校それからクラスに根づき始めたと思っております。 まだ総合的な角度から、どういうふうにそういう読書活動が行われているかということについての調査はいたしておりませんけれども、私どもといたしましては、あの法律の中で、施策の総合的かつ計画的な推進を図るために、政府としては子ども読書活動推進基本計画を策定、公表しなければならないとされているところでございまして、これの策定に向けて、今、省全体として推進体制を整備し、岸田副大臣を座長といたしまして、関係の責任ある局長たちで構成する子ども読書活動推進会議を設置いたしまして、基本計画を速やかに策定できるように検討を進めているところでございます。 この推進会議を中心といたしまして基本計画の検討を進めて、いろいろな意見を聞き、特に民意を反映するためのパブリックコメントなども実施した上で、できるだけ早くその策定を目指し、そして各地における読書活動がさらに前進するように努めてまいりたいと考えているところでございます。 〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕
○東(祥)委員 ありがとうございます。 この子供の読書活動推進関係の施策として、交付税措置による学校図書館の蔵書の充実というものが掲げられております。平成十三年度は単年度で約百八億円の措置があった。平成十四年度から、今年度から五年間で計画的な整備を図ることとして、毎年百三十億円、総額六百五十億円を措置することとされておりますけれども、問題はその実態にあるんじゃないのかと。 ここに一枚の日経新聞掲載の新聞記事がございます。「学校図書整備費 自治体の六五%が本購入に使わず」小見出しで「財政難で他に利用」と。こういうセンセーショナルな日経新聞の記事でありますけれども、全国学校図書館協議会が自治体の学校図書整備に関する使途についてまとめたものでありますけれども、今御報告させていただいたとおり、驚くべき結果が書いてあるわけであります。 調査は全国約三千二百の市区町村を対象にしたものでありますけれども、回収率はことし四月末現在で約三一%というものでありますが、アンケートの結果によると、当初予算や補正予算で実際に図書購入などに使った自治体は三〇%にとどまっている、約六五%が予算化の予定なしと回答いたしております。 地方交付税は使途が制限されていないため、財政難の自治体が他の目的にその予算を振り向けているということであります。ここでは、調べ学習の活用が叫ばれているわけでありますけれども、本を使って調べようにも本を買っていないのでは話にならない、このように指摘されているわけであります。 この実態を、大臣、どのように思われますか。
○岸田副大臣 今御指摘のように、平成十四年度から、学校図書館図書整備五カ年計画に基づいて整備を進めていくということになったわけですが、今新聞記事の紹介にありましたように、全国学校図書館協議会の調査において、お話にあったような指摘がされたということでございます。 ただ、ここで一つ申し上げておきたいと思いますのは、本協議会の調査、各市町村の予算上、独立した項目として学校図書館図書整備費が計上されたかどうかという質問をしている点であります。ですから、一般的な備品購入の中で図書を買った場合には、御指摘の調査の中では予算措置を行ったという整理をされないというのがこの調査の実態であります。 その辺も踏まえた上で、文部科学省としましても、各地方自治体、学校における予算措置の状況、ぜひ詳細な把握をしなければいけないというふうに思っています。詳細な把握をした上で、ぜひこうした地方交付税措置に見合った学校図書館の蔵書の充実が図られるよう努力をしていきたいというふうに考えております。
○東(祥)委員 今副大臣が御指摘なさったことというのは重要だと思います、アンケートの調査方法にも依存するわけでありますから。今副大臣明言されたとおり、ちゃんと実態を把握して、本当に買っているのか、買っていないのか、それを踏まえた上で、御報告していただきたいというふうに思います。 そこで、学校図書館は学校の心臓部となるべきであるという、この言葉というのは、戦後の第二次米国教育使節団、一九五〇年の報告書に出てくる言葉でありますけれども、図書館というのはそれほど大事なところなんだと思います。 私見でありますけれども、私は小学校、中学校、ほとんど勉強しませんでしたから、図書館からはほど遠い存在であったんですが、一たび勉強するという決意をしてからは、やはり図書館は本当に大事だというふうに思ったわけであります。海外の大学関係者が日本に来て、訪問先の大学で一番関心のあるのが図書館である、このようにも言われております。図書館が充実しているか、しっかり機能しているかを見てその大学の優劣を判断するというぐらい重要な施設なんだろうと思います。 ところが、平成五年三月に定めた学校図書館図書標準から比較いたしましても、公立小学校の達成率が三一%、公立中学校で二二・五%という、とても高いとは言えない数字であります。本年四月から新学習指導要領がスタートして、総合的な学習時間が導入されました。教え込み教育から、子供がみずから学ぶ教育へと時代の流れは大きく変わっているにもかかわらず、一方で、なかなか進まない教育環境の整備があることを指摘しておきたい、このように思うんですが、文部大臣、いかがでしょうか。
○矢野政府参考人 委員お話しのように、学校図書館図書標準というのを平成五年に制定したわけでございますけれども、文部科学省内部の基準として制定したわけでございますけれども、平成十二年三月末現在におきまして、それを達成している小学校が三一%、中学校で二二・五%にとどまっているという御指摘のとおりの現実があるわけでございます。 この図書標準冊数が達成されていない理由は幾つかあろうかと思うわけでございますが、やはり必要数に比べて購入冊数が少なかったということと、同時に、少し調べてみますと、意外に、予想外に、破損などにより使用に適さなくなった図書、それが相当多いということもございまして、そうしたことから、図書標準の達成ということについて御指摘のような低い状況になっているわけでございます。 そういう意味で、私ども、そういう実態を踏まえまして、先ほどお話がございましたように、新たな学校図書館図書整備五カ年計画に基づきまして、平成十四年度から五カ年間で、毎年約百三十億円、総額約六百五十億円の地方交付税措置によりまして、学校図書館図書資料の計画的な整備を図ることとしたことでございますので、私どもといたしましては、これを踏まえて、各地方公共団体においてきちんとした計画的な整備がなされるように努力、指導をしてまいりたいと思っているところでございます。
○東(祥)委員 頑張ってください。 次に、司書教諭の問題についてお聞きしたいというふうに思います。 学校図書館法の一部を改正する法律案、平成九年六月十一日施行しているこの法律によって、平成十五年、来年の四月一日から、十二学級以上の学校には司書教諭を必ず配置することになっておりますが、全国で司書教諭が必要な公立の小中学校は何校あるんですか、そしてまた有資格者は現在何人いるんでしょうか。 またあわせて、地方自治体の教育委員会にお聞きいたしますと、司書教諭を規定どおりに配置するには人事異動がなかなか大変だと聞いておりますけれども、各地方自治体の実態をどのように把握されているんでしょうか。いかがですか。
○矢野政府参考人 御指摘のように、平成十五年の四月から、すべての十二学級以上の学校につきまして司書教諭を配置しなければならないこととなっているわけでございます。 そこで、司書教諭が発令されております学校のまず状況でございますけれども、平成十三年五月現在で見ますと、全体で五・一%でございまして、十二クラス以上で見ますと七・八%という状況になっているわけでございます。 しかし、お話がございましたように、平成十五年四月から、十二学級以上については全校配置となるわけでございまして、その対象となる学校は、小中学校で見ますと約二万校であるわけでございます。 そういう状況の中で、私ども、十二学級以上の学校の司書教諭発令計画について調査を行ってみましたところ、平成十三年度までの発令に加えて、平成十四年度には一四・二%、それから平成十五年度では七七・九%の発令が予定されているところでございまして、そうなりますと、法の予定する十五年度から一〇〇%の発令が達成される、そういう計画となっているわけでございまして、その計画に従って、今、各自治体、その配置のための準備を進めているところでございます。 私どもといたしましては、そのために司書教諭講習会を実施いたしまして、計画的な養成に努めますとともに、都道府県の教育委員会や学校教育関係者が集まる会議の場におきまして、先ほど来お話がございます平成十五年度からの配置に向けて遺漏のないように周知を図っているところでございます。
○東(祥)委員 問題は、学校図書館に専任の司書が少ないことなんだろうと思われます。 調べてびっくりしたんですけれども、東京都においては、平成十三年度の学校基本調査によると、学校図書館専任の事務職員数は、小学校も中学校もゼロという数字であります。だれもいないんです。 司書がいるといないのとではどう違うのか。 今、矢野初等教育局長、御答弁いただいたのは。一〇〇%来年から満たすと言っているんですけれども、実態はこうだ、本当にできるのかと。さっきの例にもありましたけれども、図書を買いましょう、そして予算もちゃんとつけると。実態は、いろいろな理由でもってそういうふうになっていない。または、先ほど副大臣が答弁してくださいましたけれども、ちゃんと調査すると。まあその調査に僕はまつわけでありますけれども、今の実態、平成十三年度において、東京の例で見たとしてもゼロですよ。ところが、今教育局長は胸を張って、ちゃんとそれを達成しますというふうに言っているんですが、僕は、胸を張って言っているんだから信じますけれども、また来年報告を受けたいなというふうに思います。 そこで、ここにおもしろいデータがあります。平成十三年、福島県高等学校図書館白書、これによりますと、年間の図書貸出数というのは、司書のいる学校では平均三千四百八十三冊、それに対して司書のいない学校では平均三百四十一冊と、十分の一なんですね。司書がいれば、十倍子供さんたちはちゃんと本を読むようになっていると。僕も小学校時代、司書がいればちゃんと読んでいたかなというふうに思うわけであります。また、年間一人当たりの図書の貸出数も、司書のいる学校が平均四、五冊に対しまして、いない学校では一・七冊と、ここもまた大きな違いがあるわけであります。また、年間開館日数や予約リクエストにおいても、司書がいるのといないのでは大きな差が出ている。 平成十五年四月一日から始まる司書教諭の必置条件でありますけれども、司書教諭といっても教諭も兼ねておりますので、教育現場の校長先生に聞いてみましても、先生方がなかなか図書館のことまで面倒を見切れない実態があると聞きます。したがって、本来整備すべきは、専任の司書をどのようにすれば配置できるのか、地域のボランティアも含めて総合的に考えるべきではないのか、このように思うわけであります。 文部大臣、こういうことを現場に投げるのは簡単なんですけれども、問題は、それを実効ならしめるために、やはり僕は、もし百歩譲って文部科学省の存在意義があるとするならば、現場でそういうことを任せてこういうことをやっていますと、できなかったらそれに対して弁解を言うんじゃなくて、本当にこういう重要なことを国がちゃんと指導しながら、どのようにしてそれが実現できるかというところに最大限の努力を払うべきじゃないのかというふうに思うんですが、いかがですか。 どうして大臣が答えないの。こういう、別に教育局長に個別的なことを聞いているんじゃないんだから。
○矢野政府参考人 少し制度の状況等について、私の方からまず現状を御説明させていただいた上で、大臣からお答えさせていただくことをお許しいただきたいと思います。 そこで、先生から司書教諭の専任化のお話がございましたけれども、司書教諭というのは学校図書館法の規定によりまして、教諭の兼務ということにされているわけでございます。これは、学校図書館の充実振興のためには、司書教諭だけではなくて、校長のリーダーシップのもとで全教職員が一致協力してその運営に当たることが必要である、そういう考え方のもとに兼務というふうにされているわけでございます。 しかし、先ほど来申し上げましたように、兼務ではございますけれども、その司書教諭については、平成十五年度四月から十二クラス、全校必置でございますので、全校必ず配置しなきゃならないわけでございますので、今、先ほど来申し上げたような形で、計画的に配置できるようにいたしております。 そこで、司書教諭の専任化というお話でございました。一方、専任化についてのお話ございましたけれども、これにつきましては、この委員会でも何度か御議論がございましたけれども、やはり市町村財政、国の財政も同じでございますけれども、現下の大変厳しい市町村財政のもとでは、なかなか専任化、専任の司書教諭というのは難しいというふうに考えられるわけでございまして、そういう意味では、他方、兼任の司書教諭が十分その職務を果たせるようにいろいろな工夫が必要であろうかと思うわけでございまして、例えば各学校の校務分掌上の工夫あるいは人事上の配慮といったようなさまざまな工夫をして、兼務ではございますけれども、その司書教諭がきちんとした職務を果たせるような配慮をしていく必要があるだろうということを一言申し上げておきたいと思うし、さらに、学校図書館の運営につきましては、近年、地域のボランティアとかあるいはPTAの協力ということがさまざまな形でなされているわけでございます。 よい本に親しんだり読書意欲を育てるための読み聞かせあるいは朗読会の開催などにつきまして、ボランティアあるいは地域PTAの協力というのが、いろいろな形で取り組みがなされているわけでございますので、私どもといたしましては、今申し上げたような、兼務ではございますけれども、司書教諭の必置のための整備ということと、それから、その校務分掌等のさまざまな配慮と同時に、こうしたボランティア等の活動につきまして、積極的な取り組みが一層推進されますように、すぐれた実績、事例等を紹介することによりまして、地域のボランティアの活用がより進んで学校図書館の一層の充実が進められていくように、そういう形での努力をいたしたいと思っているところでございます。 まず私の方から、現状を御説明申し上げたような次第でございます。
○遠山国務大臣 法の予定します十五年度から一〇〇%の発令達成という計画となっておりまして、これについては、ぜひともきちんと達成していきたいと思っておりますので、委員の方からの御支援もお願いをいたします。
○東(祥)委員 僕は一生懸命遠山大臣を支援します。 文部科学省の中で、この司書教諭を十五年度から一〇〇%配置していく、それで兼務させる、だれが責任を負うんですか、これ。だれがフォローアップするんですか。教育局長、だれですか。
○矢野政府参考人 これは法律で決められたことでございますから、それがきちんと実現できるように、私が担当の局長でございますから、私どもとして、それが実現できるように指導してまいりたいと思っております。
○東(祥)委員 教育局長に基本的に文部大臣から委任された形で、法律に基づくそのフォローアップをし、そして足りない部分に関しては常時教育局長が目を光らせて実現させていくという話でいいですね、はい。 それじゃ、次の問題に移ります。 科学技術・理科教育の推進についてお伺いしたいというふうに思います。 先ほど斉藤鉄夫先生、あの方は衆議院議員のみならず本当にすぐれた工学博士でありますから、今政治家をやっていなければ多分宇宙で家をつくっていたんじゃないか、それほどすぐれた創造性豊かな先生であります。 文部科学省の資料を見ますと、「我が国が二十一世紀にも引き続き活力にあふれ、豊かで安全、安心な社会を構築するためには、科学技術のより一層の振興を図り、世界の先頭に立って新しい知識の創造や技術革新を行う「科学技術創造立国」を実現していくことが必要不可欠」であり、先ほど政務官も一生懸命熱弁を振るわれておりましたけれども、「そのためには、知的創造力が最大の資源である我が国にとって、青少年をはじめ国民に科学技術や理科に対する興味・関心を培い、将来の科学技術の担い手である人材を幅広く育成することが極めて重要な課題」であると書かれておりますけれども、もっともなことであると私は思います。 そこで、基本的な質問でありますけれども、改めて算数、数学及び理科のカリキュラムの新旧対照表を見ますと、新学習指導要領では学習内容がかなり削られてしまっております。 これまでも、あらゆる場面で、ゆとり教育によって学力の低下を招くなどの議論がなされておりますけれども、本来目指すべき教育目標からすると、やはりちょっと違うんじゃないかなという、現場の算数や理科を担当している先生の意見などを聞きますと、確かに言っていることとやっていることが違うんじゃないか、そのように私には思われるんですが、この点についていかがですか。
○岸田副大臣 新しい学習指導要領における項目の削減の件について御指摘をいただきましたが、まず、項目が姿を消したということにつきましては、学年等における重複の整理というのが中心であります。ですから、高校卒業段階まですべて見た場合、項目そのものが少なくなった、姿を消してしまったというのは一割弱ではないかというふうに思っております。 しかし、そうはいいながら、項目減ったではないかという御指摘もあるかと存じますが、新しい学習指導要領におきましては、あくまでも基礎、基本の徹底を図った上で、その上に習熟度別学級、少人数学級、選択肢の幅を広げて、やる気のある、そして意欲のある児童生徒にはさらに先を学習する可能性を用意しているわけであります。ですから、従来のように一律に、すべての児童生徒に同じ教育を与えるのではなくして、意欲のある生徒には選択肢を与えるというような仕組みになっているわけであります。 ですから、基礎、基本の部分だけとらえて項目が減った、少ないということで新しい学習指導要領を評価すると、これは全体を見誤ってしまうことになるのではないかというふうに考えております。それぞれ選択肢が与えられることによって、一人一人に応じた教育が行われることによって、結果としてそれぞれの児童生徒にどれだけのものが定着するのか、その全体を見てこの新しい学習指導要領を評価していただければというふうに考えております。
○東(祥)委員 副大臣が想定されるその方向に進むことを僕も願います。 そこで、文部科学省の主な施策として、青少年の科学に関する学習の場としての重要な役割を果たしている科学系博物館の機能の充実と有効利用の促進を図ると言われておりますけれども、具体的には、一体どのような取り組みをされているのでしょうか。
○岸田副大臣 科学系博物館の機能の充実あるいは有効利用というもの、大変重要なものだと認識しております。 文部科学省では、科学系博物館の中核として国立科学博物館、日本科学未来館を運営するとともに、平成九年度から平成十三年度にかけては、科学系博物館ネットワーク推進事業ということで、学校や関係機関と科学系博物館のネットワークによる多様な事業を展開するこうしたモデル的な事業を進めておりますし、また、平成十三年度から、これは理科離れ対策の一環でもありますが、科学館学校連携プログラムというものも実施しております。また、平成十四年度においては、今申し上げましたような成果に加えて、完全学校週五日制の実施等の状況も踏まえて、科学系博物館教育機能活用プロジェクトというようなプロジェクトを実施いたしまして、科学系博物館の豊富な学習資源や教育機能を地域において積極的に活用するよう努力をしているということであります。 こうしたさまざまな取り組みによって、科学系博物館の機能充実と有効活用、促進を図っていきたいと考えております。 〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
○東(祥)委員 今、副大臣から言及がありました昨年七月にオープンしました日本科学未来館について、若干お伺いしたいというふうに思います。 日本の最先端の科学技術をわかりやすく国民に理解してもらう目的で設置されたこの未来館が、青少年の科学技術の分野における飽くなき探求心を満足させて、希望と夢をはぐくむものとして大いに期待をしているところであります。 先ほども御説明がありました。既に開館以来五百六十七の小中学校が来館していると聞いておりますけれども、これはまさしく新学習指導要領が目指す、さまざまな体験学習による豊かな人間形成の目的に合致していると思いますし、科学技術創造立国を目指す我が国の将来を考えるときに、未来館の一層の充実を願うものでありますけれども、そこでお聞きしたいと思います。 常に最先端の科学技術を国民に見せるという趣旨からすると、常に展示物やソフトの内容などをリプレースすることが極めて重要なのではないのか、このように私は思いますけれども、いかがですか。
○遠山国務大臣 御指摘のように、昨年七月にオープンいたしました日本科学未来館、大変な好評といいますか、多くの人がここに集い、いろいろ科学技術の魅力について啓発されていると思っております。 その際に、確かに、そこでどのような形で展示されるかということは、その魅力をさらに増したり、あるいは持続したりする上で大変大事だと考えております。 展示に関しましては、非常に工夫がございまして、第一線で活躍する研究者の構想あるいは監修のもとにやっている、それから、大学や研究機関、研究者との連携協力によって最先端の科学技術に関する展示の整備を進めてまいっているところでございます。これによりまして、折々に、最先端の科学技術の成果を、その展示物をリプレースしながら、これを展示していくということが大変大事だと考えております。 それから、単に展示物を用いて紹介するだけではなくて、第一線で活躍する研究者が最先端の科学技術に関する解説を行うセミナーを定期的に開催しておりますが、これは、なかなか普通の市民ではそういう話が聞けないような、すばらしい科学者がそこに来て話をするということで、大変意味があると思っておりますが、そのようないろいろな形で、未来館の展示の充実、事業の充実に努めてまいりたいと考えております。
○東(祥)委員 大臣がおっしゃられるとおり、最先端の科学技術、これは日進月歩なんだろうというふうに思います。 昨年七月に開館されて、それで最先端の技術がそこにある、また最先端で働いている技術者がいらっしゃるということで、それで多くの注目を集めてきているわけでありますが、今、大臣がおっしゃられるとおり、新しいものができる、それをリプレースしてあげる、お金かかりますよね。文部科学省としてそれをちゃんとバックアップするという決意を含めた上で今、大臣、お話ししてくださったんでしょうか、いかがでしょうか。
○遠山国務大臣 当然ながら、そういった経費につきましては、私どもといたしましても、できるだけその内容の充実に資するように、予算措置も含めて頑張っているところでございます。 単に、未来館を充実するというだけではなくて、その成果が全国各地にあります科学系の博物館等にも利用されるようにというようなことも考えておりまして、いずれにいたしましても、この面の重要性にかんがみまして、私どもとしてもできるだけ力を注ぎたいと考えているところでございます。
○東(祥)委員 大臣のお言葉なんですけれども、そこが危険なんですよ。 全国にもいろいろな未来館がある、日本未来館だけではない、横並びの発想ですね、常に。本当に、例えば、日本科学未来館だけでなくてもいいですけれども、そこに、おっしゃられるとおり、新しい最先端の科学技術が出てくる、あそこに行けば今世界の先端の技術が見られるという形を常時ちゃんと保つようにすることができるならば、それがほかのところにできることにこしたことはありませんけれども、まずそれを確保する、そういう決断をしない限り、ここばっかり充実させたとしてもほかのところもありますから、そうするとどうなるのか、今の日本になっちゃうじゃないですか。どこへ行ったとしても同じものしか見れない。それをつくり上げてきたのはだれなのかということを一貫して僕は申し上げているのです。もう一度、御答弁どうぞ。
○遠山国務大臣 その趣旨を込めて答弁したつもりでございますが、言葉が足りなかったかもしれません。日本科学未来館を、むしろ科学技術に関する、そういう最先端の情報発信の拠点として充実をしていく、その成果を各地にあるところで使ってもらうということを考えておりまして、未来館における展示等の充実については、予算についても頑張るという趣旨でございます。
○東(祥)委員 ちなみに、日本科学未来館は僕の選挙区でありますから、よく訪問させていただいてチェックをさせていただきたい、このように思います。 そこで、提案でありますけれども、今大臣からお話がありました。せっかく日本未来館という世界に冠たる科学博物館をつくられたわけでありますから、ぜひ、この未来館において、先ほど来議論されているとおり、世界の平和と未来を担う海外の子供たちと一緒に、環境や科学技術を人間教育の視点から考える、例えば地球環境問題を考える世界子供環境サミットのようなイベントを企画してはどうか、このように思うんですけれども、いかがでありましょうか。
○遠山国務大臣 いろいろなチャンスを用いて、子供たちに科学技術、それから特に地球環境について考えさせるというチャンスをつくることは大変大事だと思います。殊に環境にかかわります問題について考えることを通じて、科学技術、理科だけでなく他の分野の知識も深める大変有意義な分野だと考えるところでございます。 環境問題を含めまして、科学技術にかかわりますイベントの開催というものは、子供たちが科学技術に興味、関心を抱き、理解を深めることに大変有効であると考えております。これまでも、海洋科学技術センターの深海調査船の観測映像を通信衛星を用いてリアルタイムで日本科学未来館へ送信することによりまして、海洋科学教室を開催するなど、各種のイベントについて実施しているところでございます。 こうしたイベントを含めまして、今後とも、子供たちの科学技術の理解増進に資するように、いろいろな事業について、充実強化について検討をしてまいりたいと考えます。
○東(祥)委員 いろいろ検討していただきたいというふうに思います。 次に、三番目のテーマであります公立学校の施設整備についてお伺いしたいというふうに思います。 文部科学省からいただいた資料には、平成十三年度現在、公立の小中学校の面積は約一億六千万平方メートルで、鉄筋化率は九八%に達しているけれども、現行の耐震基準に満たない建物が全体の七割を占めているというふうに書いてあります。 私の地元、江東区においても、改築の検討が要請される昭和四十七年以前の築三十年以上の学校施設は、小学校で四十三校中十七校、中学校では二十二校中七校あるというふうに聞いております。 その一方で、公立の学校施設整備費の予算額が一貫して減少傾向が続いているという実態の中で、なかなか思うように整備できないという現状も当然わかっております。 しかし、老朽化問題というのは、雨漏りや不衛生な問題などで子供たちに劣悪な教育環境を強いており、また地震などの災害時には大変大きな危険が伴うわけでありまして、喫緊の課題であると私には思われます。 そこで、文部科学省として、老朽化している鉄筋校舎等の改築、改善に対してどのようにお考えになっているのか、御所見を承りたいというふうに思います。
○矢野政府参考人 公立学校施設につきましては、昭和四十年代から五十年代の児童生徒急増期に大量に建築されました建物が老朽化して、改築等の時期を迎えておりまして、現状におきましては、現行の耐震設計基準が施行されました昭和五十六年以前に建築された建物が全体の六五%を占めている、こういう状況にございます。 また、去る二月に公表されました消防庁による検討報告書を踏まえますと、公立学校施設の四三%について耐震性に問題があるというふうに推計されているところでございます。 公立学校施設の老朽化や耐震性の問題への対応につきましては、これは重要な課題であるわけでございまして、このため、子供たちが学習する場、また日常の大半を過ごす生活の場でございます学校施設につきまして、各自治体において、安全性、耐震性を確保し、子供たちのみならず地域の方々からも信頼される学校づくりを進めていただくことが大変大事なことであるわけでございます。 私どもといたしましては、自治体における公立学校施設の計画的な整備、まずは計画的な整備という意味で、改築あるいは耐震補強等の事業に支障を来すことがないように、私どもの責任において必要な事業量の確保に努め、自治体の取り組みを支援してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○東(祥)委員 教育局長、いろいろやらなくちゃいけないことがあって、御苦労さまです。頑張ってください。 時間が中途半端になってしまいますので、これでやめさせていただきます。ありがとうございました。
○河村委員長 石井郁子君。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。 私、本日も、まず国立大学の法人化問題について御質問をさせていただきます。 去る四月五日の本委員会において、この問題について、私は、三月二十六日に新しい「国立大学法人」像についてという調査検討会議の報告書がございまして、それをお尋ねしたわけですけれども、次のような大臣の御答弁がありました。国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議という会議体で十分に議論され、そして大学人の間での合意を得て、今回の調査検討会議のレポートが出されたわけでございますと。私は、果たして大学人の合意を得ているのかどうか、これがやはり大きな問題点だと思いますので、質問をいたします。 まず、その後、この報告書をめぐって、四月十九日に国大協の総会が開かれています。この総会の発言、あるいは総会の全体の状況がどういうものだったのかということの御報告をいただきたいと思います。
○工藤政府参考人 四月十九日に国大協の臨時総会が開かれました。これは国大協御自身の会議でございますので、私どもは出席していないのでございますが、これは、三月二十六日に、法人化について大変精力的に御検討いただきました調査検討会議の最終報告がまとめられまして、それを私どもいただき、四月三日には文部科学大臣主催の臨時の学長等の会議が開かれまして、私どもとしてもこの報告書の趣旨に沿って諸準備を進めていきたいという趣旨を申し上げたところでございますが、国大協として、そういう報告書を受けまして、ではどう取り組むかというような御議論をされる場だったと聞いてございます。 その際、例えば教職員の身分の問題でございますとか、実際に学長さん方、御承知のように、法人化というのは、これまでの文部科学省の権限のかなりの部分が長である学長にお任せされるということになりますので、そういうお立場にある学長さん方として、さてやっていけるのだろうかどうかということも含めて、いろいろ苦慮するような発言等もあったと聞いてございますけれども、議論の結果といたしまして、会長から談話が取りまとめられ、発表されたところでございまして、さきに最終レポートが出されました新しい「国立大学法人」像については、二十一世紀の国際的な競争環境下における国立大学が進むべき方向としておおむね同意できるものである、その上で、今後、最終報告の線に沿って国大協としても法人化の準備に入るという趣旨の方針がまとめられたと思って承知してございます。
○石井(郁)委員 この総会はマスコミにも公開されましたし、また、私も、どういう議論がされるかということを大変注目してきたところです。いろいろな意見があったということは、いろいろ新聞報道等々にもございましたから聞いているわけです。 例えば、これは鹿児島大学学長の意見表明ということによりますと、最終報告を見る限り、予算、組織、人事等に関する運営上の裁量は拡大しているが、大学本来の任務である教育研究に関しては、逆に自主性、自律性が損なわれて、規制強化になっている、このような仕組みは、大学本来の学問的使命と学問の自由に対する侵犯と言わざるを得ず、世界に類例を見ないものである、また、本報告に見られる独立行政法人的手法は、経営上の裁量の拡大のために、大学本来の使命である教育研究の自主性、自律性を犠牲にするものであり、大学の真の活性化と結びつくはずがない、ゆえに反対をするという、大変厳しい意見だというふうに聞くわけですけれども、こういう意見はありましたよね。どうですか。
○工藤政府参考人 今お話ありました鹿児島大学の学長からの発言、要旨しか私ども存じてございませんが、少なくとも、反対というよりは、そういう懸念は表明されたということは承知してございますし、田中学長御自身が調査検討会議のメンバーでもございまして、そのプロセスの中で、いろいろな意見表明をされて、最終まとめがなされたものと承知しているわけでございます。
○石井(郁)委員 この学長お一人ということではなくて、ほかにも類似の意見はいろいろ出されたんじゃないでしょうか。いかがですか。
○工藤政府参考人 国大協、全体の議論の場でございますから、いろいろな御意見が出たということは聞いてございます。 例えば、先ほど申しましたけれども、教職員の身分の切りかえの問題、それから法人化後のあり方として、都市部と地方での格差で、地方は大丈夫だろうかという懸念の声、あるいは教特法という法律で教員の人事が一定の規定をされているわけでございますけれども、それが各大学ごとに取り扱いが違うことの是か非かということでございますとか、あるいは基礎的学問分野をどう守り、継承していくかということなど、いろいろな御意見があったというのは承知してございます。
○石井(郁)委員 やはり大学本来のあり方にかかわって、大変基本的なというか、あるいは本質的なというか、問題がいろいろ出されているというふうに見るべきだと思うんですね。 私、もう一つ御紹介しますが、これは静岡大学の意見ですけれども、予算、組織、人事など経営面での諸規制の大幅な緩和と大学の裁量の拡大などを法人化のメリットとしているが、このことが、関連する制度設計の具体的内容、あり方に整合的に受け継がれて、相応の裏づけを得ているとは認めがたい、組織業務、人事制度、目標、評価、財務会計制度など、最終報告での各項目は、いずれも随所で強い制約を課す内容となっている、こうした仕組みは、自由な裁量を基礎とした大胆な大学運営を推進するものとならない、逆に、大学は経営、組織の効率的運営を第一に考えざるを得なくなるため、いたずらに周囲の状況に右顧左べんすることになるおそれが生じると。また、言われましたように、教職員の身分、これも何か唐突に非公務員化ということが出されているわけですが、この選択は、それ自体、国立大学の民営化に大きく道を開く、その一歩手前まで導いたことを意味すると。民営化の関連での危惧は大変強いというふうに私は思います。 先ほど局長は、鹿児島大学学長は懸念を表明されたと言われましたけれども、文書ではっきり反対をすると言っていますよ。懸念というレベルではないんですよね。どうですか。
○工藤政府参考人 既に御承知だと思いますけれども、調査検討会議の大変精力的な御議論というのは、最初から最後まで外部の方へのフルオープンでまいっておりまして、非公務員型という今のお話も唐突に出たわけではございませんで、前に委員の方から御質問あったかと思いますが、私ども、そもそも国立大学の法人化を検討するに当たって、有馬大臣当時、それから中曽根大臣当時、いろいろ文部科学省としての考え方を国大協等にも示してまいりました。 そのときは、私どもとしては、事務的には、教職員の身分でいいますと、公務員型が妥当なのかなということを表明したこともございますけれども、検討会議自身のいろいろな御議論を深める中で、公務員型のままではやはり不自由な部分が残るので、この際、国立大学の一層の教育研究の発展のためには非公務員型がいいねというのが総意として決まったものでございます。 それで、十九日の会議の状況でございますけれども、いろいろな御意見はあったというのは承知してございますが、先ほど申し上げました会長談話というのは、一応国大協の総意として、採決といいますか、御了承いただいたということに聞いてございまして、現に、今お話がありました幾つかの大学、懸念を表明されている大学におかれましても、具体的な法人化へ向けての諸準備、あるいは学内体制の整備を図っていると聞いているところでございます。
○石井(郁)委員 今お話しの、会長談話という形で終わったという話ですけれども、しかし、この会長談話についても、この承認は次期総会にしてほしい、あるいは、議論を踏まえて、大学に持ち帰ってやはり説明しなきゃいけないんです、これは学長さんの集まりですから。説得しなければいけない、学長はもう大学人を説得する立場に立ってしまう。だから、あなたたちはこれに従ってくださいということでは大学としての発展は望めない、そういう学長の御意見もあったんじゃないでしょうか。ですから、決して会長談話そのものが、本当に総意で決まったというふうには受け取れないですよ。 また、競争原理を知的生産の場である大学に導入することには強い反対があると。それから、自主性、自律性と中期目標の関係ですね、文部大臣が決めるわけで、これも論理矛盾があるとか、先ほども何度も出ている非公務員型は納得いかないと。これは職員までもそうするわけでしょう。この職員の問題も一つ重大問題なんですね、非公務員の問題について言えば。研究者の話を出されるけれども、何で職員まで非公務員型なんだと。これはまだ説明されていないですよ。 そういうことも含めまして、つまり、兼職、兼務の自由化というのは、ある面での説明はつく面もあるでしょうけれども、なぜ職員までが非公務員なんだ、こういう問題ではまだ回答がないという状況の中で、こうしたことで、これらについてのしっかりした表明がないと承認できないという意見は大変強いものがあるんですよ。そういう意見は次々出されたんじゃなかったのか。 私、冒頭申し上げましたように、これはぜひ大臣にも後で伺いたいんですけれども、だから、大学人の合意を得て出されたということから出発しているけれども、この状況を見ると、とても合意を得ているとは言えないということでしょう。それを伺っているんです。いかがですか。
○工藤政府参考人 合意形成ということでいえば、それはオープンな議論の場でございますから、いろいろな御意見があった、あるいはいろいろな懸念の表明があったというのは事実でございますけれども、私どもも、それから調査検討会議のメンバーの方々も、それから国立大学の大方の学長先生方も、要は、法人化というのは大学のこれからのためにいいことだ、教育研究のより一層の発展のために、大学に自律性、自主性を高めて、一層後世に輝く大学づくりをするために、それは方法論でございますけれども、法人化というのは、欧米諸国の大学の標準に比べましてもごくごく当たり前のことでございますから、いいことだという思いでございます。 いいことは早くやろうというのが大方のコンセンサスでございまして、先般の国大協の会長談話のまとめに当たりましても、いろいろな御意見はありましたけれども、圧倒的多数で、もうこれでいこうじゃないか、こういうふうに決められたというふうに私どもは伺っているところでございます。
○石井(郁)委員 圧倒的多数というふうに言われましたけれども、この日の総会は異例の挙手採決ということが行われたんじゃないですか。一体何大学が賛成をして、何大学が反対したのか。いかがですか。
○工藤政府参考人 先ほどの会長談話の御承認については挙手による採決が行われたそうでございますが、もう数えるまでもなく、圧倒的多数であったというふうに伺ってございます。何割とか何票だったとかということを数えるまでもなく、圧倒的多数だったというふうに報告を受けてございます。
○石井(郁)委員 私は、こういうことが本当に民主主義だろうかというふうに思いますよね。だって、国会だって、保留も含めて賛否をとるじゃないですか。挙手採決だけで圧倒的だ、反対の意見はとりもしないということですけれども、ここには記者さんも、公開ですからいろいろと意見を聞いていますよ。 それから、国大協総会自身がこういう採決をするということはなじまなかったのですよ。大体、全会一致を原則として進めてきたでしょう。だから、こんなやり方をせざるを得なかったというところに、私は本当に異例の、しかも手続においても非常に強硬的なやり方というのは大変問題だというふうに思うんですね。それは、二割近くの大学が反対したのじゃないでしょうか。 それで、やはり本当に国大協としては異例な形で大変議論も行われた。ああいう場で意見を言うこと自身が勇気の要る、今、残念ながらこういうことになっているんですよ。おかしいでしょう。本当は堂々と意見を言い合って議論をしたらいいわけだけれども、これは、先ほど来文部科学省の姿勢の問題が問われましたけれども、そういうふうにならないというところが一つの現状としてあるんですね。 やはり法人化という、これは本当に日本の大学にとって新しい大学像に踏み込むわけですから、それはもう本当に大問題なわけでしょう。二十一世紀の我が国の大学のあり方がどうなるのか。一つ一つの大学がどうなっていくのか。一つ一つの大学も判断をしなきゃいけないという問題ですから、当然慎重にやらなければいけないということでしょう。それがこの総会で挙手多数で十把一からげに決めていってしまう。これでもって合意を得たなどとはとても言えないというふうに私は思います。 事実、この総会以降、いろいろな大学から反対表明が行われているでしょう。つかんでいますか。個別大学、学部からも表明なされている。ちょっと一、二申し上げますけれども、宮崎大学は五月二日に声明を出しています。新しい国立大学法人像は、本学が平成九年に示した設置形態のあり方の見直しが制度化される仕組みは、大学の教育研究を阻害し、学術研究水準の低下を来すとともに、教育の機会均等にも影響を及ぼしかねないと、大学側が既に出しているわけですね、その懸念を払拭できないというわけです。したがって、国大協が新しい国立大学法人像を容認する決議を行ったことに遺憾の意を表明するということです。 また、一橋大学の社会学研究科の教授会ですが、四月十七日、こういう声明を出しています。率直に言って、大学の果たすべき教育研究の自由な営みを開花する大学像とは真っ向から反するものである、このような大学像には根本的な異論を差し挟まざるを得ない、本研究科教授会は、最終報告に見られる大学像についての根本的な見直しと再検討を訴えるものであると。 私は、この二つだけ今御紹介いたしました。ほかにもあるでしょう。だから、反対、懸念の声は今広がっているんですよ。私は、拙速に法人化を押しつけるべきではないというふうに思いますが、今局長とのやりとりをいろいろお聞きになりまして、文部科学大臣としてどうお考えでしょうか。この合意を得ているのかどうかという問題について伺いたいと思います。
○遠山国務大臣 国立大学をどのように活性化していくか、そして日本の教育研究、高等教育、そして先端的な研究の責務を負う国立大学が、しかも国民の税金を使っての国立大学の営みということが、本当にその機能を発揮してもらうにはどうしたらいいかという長年にわたる議論があったと思います。それの一つの集約体として、設置形態について法人化という流れがございまして、しかもそれにつきましては各方面の大学人が集まった調査検討会議が最終報告をまとめられたのが三月でございます。 今の御議論を聞いておりまして、国大協の臨時総会においていろいろな議論が出た、これはもう当然でございましょう。しかし、それを国大協の一つの意思として、これはむしろ将来の国立大学のあり方、それから大学改革をより前進させるために、ここでひとつ会長談話ということで合意を形成しようということで議論がなされたのではないかと承っていたわけでございます。 大きな制度改革でございますから、いろいろな議論が出るというのは当然でございます。私どもとしましても、そのプロセスにおいて誤りのないように調査検討会議を行い、それから、それまでにも歴代の大臣方の大変な御努力もございまして、いろいろな角度からの検討を踏まえた上での調査検討会議が実施され、そしてその成果を踏まえた上での御議論が先般の国立大学協会の臨時総会においてなされたと思っております。最終的にはその議論が結集をしてあのような形になったと考えております。 もちろん、新聞報道等、あるいはいろいろな大学が個別に、あるいはその大学の中の一部の方々からいろいろな意見が出ているかもしれません。しかしながら、今お話に上りましたような大学においても、それぞれ大学、国立大学協会を通じた情報収集に努められますとともに、大学内において法人化導入に対する体制を整えておられる、そういうことについての意思表明もされているところでございます。現に、今おっしゃいました大学長の何人かに、私、その後にお目にかかっておりますが、私に対して、法人化に対する反対という御意見はお一人からも聞いていないところでございます。 本当に大きな改革でございますから、これから実際に法制化をしたり、あるいはいろいろな制度化をしていくというときには、その本来の目的というものを十分に踏まえた上で、私どもも最後まで英知を奮って、そしてこの問題を一つ乗り越えることによって、日本の国立大学がさらに発展していくように力を尽くすべきときであると考えております。
○石井(郁)委員 大学のあり方をめぐっていろいろ議論をしてきたと言われるのはそのとおりなんですが、それは法人化をめぐって議論してきたわけじゃないですよ。これは文部科学省自身が一番御存じでしょう、大学改革として旗を振ってきたのは文部科学省ですから。それはもう現場で、本当に私も何度も質問していますけれども、現場は振り回されてきたのですよ。しかし、法人化そのものというのは極めて、ここ二、三年の話じゃありませんか。しかも、その方針というのはくるくる、くるくる変わったという中で、この一年の間にがたがたとこういう方向が今出てきているということですから、大学自身も、あるいは国民的にもこの問題の議論は全然煮詰まっていませんよ。そこは混同されては困ります。そして、法人化というのは、各大学が個別に移行するんでしょう。だから大変なんですよ、法人化もするんですから。それをあたふたとやっていいものかという問題なんです。 それで、今こういう事態に、私ははっきりさせていただきたいことがあるんですが、法人化ではまだ法案はできていません。今あなた方が着手して来年の国会にかけると言っているわけでしょう。だから、国会でも承認したわけでもない、今はそういう状況ですよね。ところが、既にもう法人化ありきでその着手と具体化がどんどん進んでいる。これは私は納得できません。 ちょっと例を申し上げましょう。 この二月、三月、四月、月一回のペースで旧七帝大の事務局長の方々が集まって、七大学事務局長会議というのが開かれているんじゃないですか。それで、法人化のもとでの管理運営のモデルづくりを行っているということですね。これはやはり文部省主導でやっているんですよ。七大学の人たちが自主的にやっているということじゃなくて、文部省が関与してやっている。 それから、先ほど図書館問題、図書館というのはいかに教育研究に大事かという話がございましたね。この附属図書館の問題で、私が聞いたところは、二年後に法人化するための準備だということで、法人化される前に財産を確定しなければいけないので、全図書の棚卸しをしている、一冊ごとに買ったときの値段まで調べて基本台帳をつくる作業に追われている、明治三十二年に買った図書などどこに所蔵しているのかわからない、探すだけでも大変だと。だから、てんやわんやですよ、図書館の職員の皆さんが。どういう作業をしたらいいのか、もう途方に暮れている。 先ほど、文部科学大臣のお言葉ですけれども、大学は税金で運営していると言いましたけれども、国立大学はまさに国民の財産ですから、だから国民が、どうしていくのかということをまさに国民的に議論して決めていかなくちゃならないものじゃないですか。こういう今状況。深刻ですよ、現場は。 これは文部省の指示でこういうことをさせているんですか、あるいはしているんじゃないですか、ちょっとはっきりお答えいただきたい。
○工藤政府参考人 国立大学の法人化というのは、独立行政法人が議論され、そのスキームを活用しながらという議論は確かにここ数年なんでございますが、御承知のように、昭和四十年代から国立大学の法人化というのは大きな課題でございました。中教審の答申もございますし、その後臨教審でも議論されて、ところが、なかなか機が熟さないまま今日まで至っているわけでございます。 しかも、法人化そのものが目的なのではございませんで、大学の教育研究あるいは大学の活性化のための一つの方法論でございまして、いろいろな会議等の場で意見を表明される方もございますが、むしろ私どもがおつき合いしている大学の学長先生の中には、もうあしたにでもやりたいという大学の学長さんすらいらっしゃるわけでございます。 そういう中で、先ほど申したように、この法人化というのはこれからの国立大学のためにいいことだということは、私どもも、大方の学長さん方もそう考えているわけですが、そのためにこれからいろいろな諸準備、私どもなりにいろいろしてございますけれども、各大学もそれぞれの御判断でいろいろな諸準備に取りかかっているというのは聞いてございますが、私どもがとりたてて指示をしたり、いろいろ申し上げているわけでは全くございませんで、例えば先ほど事務局長さんの会議があるということ、御指摘がありましたけれども、私どもが聞いているところでは、それぞれの大学ごとにいろいろ検討してもロスが大きいので、ある程度ブロックの大学でまとめて準備室を設けて検討会議を始めたという例なども聞いているわけでございますが、これからの諸準備に当たりまして、各大学のロスを少なくしながら、かつ私どもがとりたてて何か強制したりするということはこの制度の根幹にかかわりますので、大学の自主性を高めるためのものでなきゃいけないのがこの法人化でございますから、大学の自主性をあくまでも尊重しながら、かつ大学の労力をどう減らしながら円滑に移行できるかということを今後とも大学側と相談しながら、誠意を持って取り組んでまいりたいと思っております。
○石井(郁)委員 しかし、言葉の端々にもうブロックで準備をしているという話で、しかしそれは強制はしていないと。 私、申し上げましたように、七大学で、これは旧七帝大ですよ。大体法人化で小さい大学がつぶれるだろうという話になっているでしょう。だから、旧七帝大がこの管理運営で移行できるモデルをつくっているという話なんで、はっきりさせてください。文部科学省として、そういうことを準備を進めようとか、あるいはその準備に関与するとか、その指示を出しているということはないということははっきり言えますか。それは七帝大の事務局、事務方がいわば、事務方といっても事務局長も文部省のお役人でしょうから、勝手にやっているということなんですか。
○工藤政府参考人 七大学に限らず、事務局長レベルあるいは学部長レベル、学長レベル、いろいろな会議がこれまでもございました。七大学というのはある程度規模が大きい、歴史が古い大学のグループでございますから、かねてからその七大学だけでお集まりになるような会議体もあるのは承知してございます。七人の学長さん方でも集まっていらっしゃいますし、事務局長もこの機会にそういう学内の問題を意見交換しながら、この取り組みの準備を進めているんだと思いますが、少なくとも、私どもがおっしゃいますような指示をしたりということでは決してございません。
○石井(郁)委員 法人化については、もちろんそれを賛成する人もいるでしょう。だから、私は今、賛成も反対もあるという立場で話をしているんです。 ところが、まだこの問題は法案も出ていない、国会の承認も得ていない。にもかかわらず、もう管理運営のモデルづくりをどんどん進めている。こういうことはあっていいんでしょうか。私は、本当にこんなことは許されないというふうに思いますね。 それはいろいろな分野でありまして、もう一つはこの中期目標、これを法人化すると目標を設定しなきゃいけないということになっているでしょう。だから、各大学では、もうことし七月までに、ある大学では、いや、これはまた名前を出します、新聞報道になりましたから。広島大学なんですね、これは中国新聞にありました。独立行政法人化後は、中期目標の骨格がもう広島大学は決めていると。すごいですね。国会は何にも通ってもいないときに、もうどんどん事が進んでいるんですよ。それで、学内では中期目標をつくることに教職員を挙げて振り回されるという状況が行われていますよね。 だから、こういうことも、文部省、あなた方のやはり指導とか、あるいは方針を示して進めているでしょう、どうなんですか。
○工藤政府参考人 結論から申しますと、決してそういうことはございません。調査検討会議、大変多くの大学の関係者に御参画いただきました。委員でお加わりいただいた方のほかに、その委員の方が属する大学でやはりその検討を深めるために学内の検討会議を設けたりということも含めて、大変多くの方々が関心を寄せ、参画してここまで来たと思ってございます。 そういう中で、中期目標というのは、大学の自主性を、あるいは将来の戦略性を確保する上で基本的に大学自身が考えなきゃいけない部分があるわけでございますが、そのためには、それぞれの大学が将来的にどう教育研究あるいはそのための組織を位置づけていくのかというのは大学自身がお考えいただく必要があることで、それは別に中期、短期にかかわらず、むしろ長期と申し上げた方がいいかもしれませんけれども、そういう大学自身の将来構想のビジョンがあって初めて、大学からの原案提示というのがあってこれは形づくられるものだと理解してございますが、そういう意味で、大学はそれぞれ御判断いただいて自主的に御検討されているものだと思っております。
○石井(郁)委員 これはやはり大臣にはっきりとお答えいただきたいと思いますが、やはり国立大学がどうあるべきかと。今、一つの選択肢として法人化というのは確かに出されていますが、しかし、これはまだ国会で承認もしていません。それを政府と文部科学省が勝手に進めていいのかどうか。これは国民的なやはり財産であり、国民的に議論を尽くさなきゃいけない、とりわけ関係者の意見をきちんと聞くということは一番大事な点じゃないんでしょうか。 だから、それをこういう形で、局長答弁では指示はしていないと言われましたが、実際はそうなのかなということはいろいろありますので、はっきりと、きちんと大臣としての御答弁をいただきたいということが第一点であります。 続いて、私はもう一点重大な問題をお聞きしておかなくてはなりません。これは、最近のある週刊誌で麻生太郎自民党政調会長がこのように述べていらっしゃるわけですね。この一年間で小泉改革の具体的な成果と言えるものがありますかという問いに対して、東京大学がなくなる、国立大学がすべてなくなることを決めたのがやはり大きいでしょうね、国立大学は全部なくなりますから、独立大学法人に変わる、そして数年後には、できるところから民営化ですよ。 どうなんでしょうか。国立大学法人にしてその後に民営化を図る、文部科学省がそこまで描いているんですか、それが方針ですか。これは大臣お答えください、先ほどのと二点の問題。
○遠山国務大臣 国立大学に独立した法人格を付与いたしますことは、大学運営上の自律性、自主性を拡大してそれぞれの創意工夫によって個性豊かな大学づくりを行っていくという、私といたしましては、本来大学があるべき姿に返るといいますか、本来あるべき姿をさらに追求するといいますか、そういう目的を持っているものでございまして、教育研究の活性化を図るという上で大変大きな意義があると思っております。 各大学におきまして、そういう大きな法人化の方向性というものを前提にしながら準備を進めるのは当然でございます。それぞれの大学が事務局レベルあるいは学部レベル、大学レベルで、そういうことについて十分、いろいろな問題を想定しながら準備を進めているという段階ではないかと思います。 それから、今の民営化についてのお尋ねでございますけれども、私は、今申し上げましたような法人化の意義ということを考えますと、そのことについては後で結論を申し上げますけれども、去る三月二十六日の各界の有識者による調査検討会議における最終報告におきまして幾つかの提言がございまして、その中に、いわば民間的発想の経営手法を導入した新しい国立大学法人像をつくるようにという報告がなされたところでございます。 一つは、学外者を含む役員会によってトップマネジメントを実現していくこと、二番目には、全学的な観点から資源を最大限に活用した戦略的な経営を実現していくこと、三つ目には、自己収入拡大など、経営努力にインセンティブを付与すること、そして教職員の身分を非公務員型として、能力主義に立った人事制度を導入することというようなことでございまして、これは民間的な発想の経営手法を導入するということでございまして、民営化ということではないわけでございます。 私は、こういう民間的な発想の経営手法を導入することによって、一国の、町の集積体である大学というものをより活性化していくということが今回の法人化のねらいであると考えているところでございます。欧米諸国では、大学は一般的に既にもう法人格が付与されているわけでございまして、それらに対して公的な資金が導入されているというのも当然でございます。そのような状況からも、国立大学の法人化がすなわち民営化への移行を前提とするものとは認識いたしておりません。
○石井(郁)委員 最近、国民の間では、もう小泉改革の熱は冷めてしまったということで、大変支持率も急落しているわけですけれども、改革の成果がないんじゃないかと言われていたら、一番改革の成果があったのは国立大学がなくなることだなんということを、自民党の側から、しかもこういう役職にある方から言われると、こういうことで本当にいいのだろうかというか、文部科学省として、私は、本当にこれを黙って過ごせるのかなという思いをするわけで、伺ったわけですね。 今後、民間的発想ということと民営化ということとはどう違うのかとか、大学の法人化というけれども、それは本当にどういうものなのかということは相当議論を詰めなきゃいけないですよ。やはり大学の人たちというのは、ある面で、そういう分野の専門家なんですから、その人たちがいろいろな意見を出しているというときに、それを聞かずに、見切り発車的にするというのは、これは大学改革にとっての大きな禍根を残すというふうに思うんですね。 だから、私は、今の段階で本当に文部科学省、こういう指示をしていないということは言われましたけれども、そこら辺ははっきりさせていただきたいということを重ねて強調しておきたいと思います。 ちょっと時間がありますので、私は、今大学というのは本当に、改革、改革と言われてきたように、解決しなきゃいけない課題がたくさんあると思います。深刻な状況にもあるというふうに思います。だから、それは法人化したら済むという話じゃないんだということの例として、きょう、実は一つ申し上げたかったんですけれども、大学院生の問題なんですよ。まさに若手研究者の置かれている状況、その教育や生活状況はどうなのかという問題なんですね。 これも大臣に伺いたいと思うんですが、この十年ばかり、ちょうど文部科学省は大学審議会答申に基づいて大学院拡充政策をとってこられました。大学院の量的整備についてで、十年間で大学院生の数を倍加すると。博士課程、修士課程合わせて、大学院生、九〇年には九万二百三十八人でしたけれども、二〇〇〇年には二十万五千三百十一人ですね。倍以上の伸びですよ。ちょっと個人的なことで、実は私の息子も大学院に行ったんですけれども、この中の一人に入っているのかもしれませんが。 十年前と同水準の大学院教育を維持するというには、単純に考えても、教官数とかあるいは奨学金の整備の問題だとか、研究のためのスペースだとか、その条件整備が要るわけでしょう。私は、倍にしているんですから、その条件整備は本来の倍加だと、環境整備をしなきゃいけないというふうに思うんですけれども、全然そうなっていないでしょう。驚くような実態なんですね。 大学院に行っても自分の机がない。もう信じられない話があちこちでありますよ。これも例として、一橋の学生に聞きましたら、現在千三百九十六人の大学院生がいる、五百二十五個しか机がない、院生用の机、だから二人で一つ使っている。だから、これが二十一世紀の日本の社会の知的基盤をつくっているところなのかということでは、とても、何かもう情けない話になるわけですね。これはもう各大学がこんな状況ですよ。 私は、大臣にぜひ伺いたい。だから、各大学で本当に院生がこういう問題でどういう研究状況、教育状況にあるのかということの実態はつかんでいらっしゃるのかどうかという問題ですね。今つかんでいらっしゃればお聞きいたしたいと思いますけれども、きちんと調査をされるおつもりがあるかどうか、お聞きします。
○遠山国務大臣 その点は、私どもも大変重要な問題と考えてまいっておりまして、積極的にいろいろな対応を打っているところでございます。 今御指摘のように、平成三年から平成十二年までの間に、大学院、重点的な整備を図ってきたところです。これはもう各国との比較から見ても、日本の大学院というのは量的にも質的にも非常におくれていたということがございまして、力を注いでまいったわけでございますが、この間に、国立大学の大学院生数は二倍となりまして、特に大学院の施設の狭隘化が著しい状況となっているわけでございます。 そういうことも踏まえまして、昨年三月に閣議決定されました科学技術基本計画を受けまして策定した国立大学等施設緊急整備五カ年計画に基づきまして、施設の重点的、計画的整備に努めているところでございます。 この計画の立案に当たりましては、大学院施設の狭隘解消などに必要な面積約百二十万平米を五カ年間で整備することとしたところでございます。この整備について、大学院の院生のためのスペースをトッププライオリティーに位置づけておりまして、重点的に整備を図ってきたところでございまして、目標に対する、平成十四年度予算まで、今年度予算、いろいろな意味で充実を図ってまいっておりますが、その整備量は七十六万平米でございまして、六二・三%、全体の計画の中で達成をいたしているところでございます。 それ以上の細かいことにつきましては、担当局長からお答えしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○石井(郁)委員 時間がありませんので、私はもう一点、育英会奨学金の問題なんですね。 本当に日本の学生、院生というのは、やはり生活条件、都市に来ると住宅費が高い、それから授業料も高いという中で厳しいわけで、この奨学金問題で見ますと、無利子の貸与率というのが一九九〇年では三四・五%だったんですけれども、二〇〇〇年で二四・三%なんですよ。落ちているんですね。一〇ポイントも落ちているというのはすごい落ちようですよ。だから、今お話しの大学院の制度の拡充強化と文部省言われるんだったら、これはもっと上げなきゃいけないというところですけれども、十年前の水準も維持できない、これはひどい話だというふうに思うんですね。 それで、最近、さらに驚くようなニュースは、この奨学金の返還免除の問題なんですよ。教育職、研究職についた大学院生の返還免除を廃止すると。これは、新聞報道を見まして、私はもう本当に驚きました。育英会の問題等と奨学金問題等がいろいろ出てきていますけれども、大学院生の奨学金制度というのをこんな形で廃止して、一体本当に日本の若手研究者の養成をまじめに考えているのかと言わなければいけませんね。 この問題は、文科省としては、どうなんですか。廃止しないということをやはりきちっと言明していただきたいというふうに思います。
○工藤政府参考人 育英奨学事業の充実については、私ども、かねがね努力してきたところでございます。ただ、御承知のような財政事情がございまして、奨学事業を充実するためには原資であるお金を確保しなきゃいけないのでございますが、それが大変窮屈になってまいりまして、御承知のように、平成十一年には有利子制度の抜本改善をいたしまして、有利子制度で、財投資金などを利用した充実を図ってきているところでございます。有利子といいましても、今、幸いにも低金利時代でございますから、卒業後、低利でお返しいただくということでは、準無利子に近いものでございますが、やむを得なくそういう形で充実しているということを御理解賜りたいと思います。 そういう中で、閣議決定されました大学院の返還免除制度の廃止でございますけれども、これは従前からの経緯で、教育研究の場に優秀な方を招きたいということで始めてきているわけでございますが、いろいろ不都合が生じてきてまいりまして、教育研究職だけに限った返還免除制度なものでございますから、例えば看護婦さんでございますとかあるいは国会議員の先生方でございますとか、いろいろな職種で、それぞれ、大学院卒業生等、活躍していただきたいのに、不公平感が生じているのが一つございます。 それから、今の返還免除制度は、卒業後直ちに就職して、かつ長期に、今のところ十五年間でございますが、長期に在職しませんと該当しないという、今いろいろな職種で流動性なども求められている中でいかがなものかということもございますので、これを一たん廃止して、かつもう少しリーズナブルなものにしていこうじゃないかというのがその趣旨でございまして、何らかの形での充実策というのは、今後さらに検討してまいりたいと思ってございます。
○石井(郁)委員 時間が参りましたけれども、これは、第二次科学技術基本計画、二〇〇一年の三月に書かれていることですけれども、すぐれた研究者、技術者等の養成は、科学技術システムの改革において極めて重要な課題である、大学はその中核を担うものだということの位置づけがしているでしょう。 私は、一方でこういうことを言いながら、一方で文科省は、閣議決定だからといって、どんどん条件を悪くしていくというようなことになったら、先ほどの質問、東先生の質問もありましたけれども、文科省は一体何のためにあるのかと言わなければいけないですよ。やはりちゃんと大学を位置づけ、若手研究者の研究や生活条件をきちっと確保していく、拡充していくというために全力を挙げるところが文科省ではないのかというふうに思いますので、そういう立場で、ぜひしっかりやっていただきたいということを申し上げて、終わります。 以上です。
○河村委員長 次に、北川れん子君。
○北川委員 社会民主党・市民連合の北川れん子といいます。よろしくお願いします。 きょうは、二〇〇〇年、百五十国会で成立しましたヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律案、略してよくクローン法、クローン法と呼んでいた法案なんですが、ちょうどこれが議論されていて、成立の場面を迎えたのは科学技術委員会でした。そして、去年六月から施行ということで、そこの段階からは文科省ということで、きょう、この委員会で質疑をさせていただく機会を得ました。 我が社民党は、クローン人間をつくらないための法案だからいいという世論も勢いもありましたし、多くの政党の皆さん、その議論の過程の中で、そこは否めないというふうにおっしゃっていたのですが、社民党は、当時、反対を唯一した政党で、私はその当時、委員会のメンバーの一人であったということがございまして、きょうの質問をさせていただくわけです。 では、なぜ反対をしたのかといった場合に、胚の定義が余りにもあいまいであった、ほかのガイドラインで使っている胚の定義ではなかったり、あいまい性が含まれていた。そして、人クローン胚をつくることを禁止はしていない、厳密に言えば、禁止はしていない。 それから、不妊治療現場における最も身近なクローン胚、胚の問題、受精卵の問題、そういうところの不妊治療現場での合意も未確定のまま、法の施行の方が先に行ってしまったということがありまして、この法案というのは、現実には、附則の二条がつきまして、この法案が施行後三年以内に、ヒト受精胚の人の命の萌芽として、取り扱いのあり方に関する総合科学技術会議等における検討を踏まえということで、もう一度見直しを三年以内にやった方がいいんだ。ですから、賛成されていた政党の皆さんも、委員の方も、議論を深めていく中では、普通の一般人にとっては、胚の問題、受精卵の問題というのは余りにも遠かったものですから、当初、わかりにくかったです。 でも、だんだん、それぞれが、みんなで議論して、人様の、委員の方が言われるのを聞きながら、では、これはどうなるんだろう、あれはどうなるんだろう。そして、世論の方も、いろいろ、今まで不妊治療現場でいろいろな思いをされていた方からも提言が出されたりして、こういう附則が全会一致でつくといった法案であったということをもう一度思い返していただきたいというふうに思います。 それで、三年以内の間ですから、もう一年たちまして、あと、残すところ二年なんですが、ここに来て、新聞では、ES細胞、ES細胞、そしてクローン人間、スイスの宗教団体がもうつくるぞと言われて、それに日本人のある女性の方が、私、なりますという、母体をお貸ししますというのか、クローン人間をつくることに協力しますと言われた方も日本人としていらっしゃる、そういう状況であったわけです。 そして、もしクローン人間の方が、そういう状況で生まれてきた方が、ではクローン人間なのかどうなのかという検証というのはほぼできないということで、抜け穴法案ではないかということも、その当時、言わせていただいた者の一人なんです。 アメリカの方では、去年の八月、下院の方で、私はこの法案名を見てちょっと感動してしまったのです。なぜかというと、この法案というのは、ヒトクローン、研究目的の胚を含めた全面禁止法案を可決、そしてこの罰則が一億二千万という罰則、これは下院の方で通ったということなんです。ですから、人クローン胚も全面禁止、これが上院の方に行って幾ばくかの議論というのになると思うのです。 日本は、当初も言われましたが、罰則が十年の懲役と一千万円、これが高いか低いかということも議論になりました。一千万円でいいのかな。企業がやろうと思えば、ある宗教団体はおおむねお金があります、そういうところが、一千万円ぐらいなら、付加価値として、それは幾ばくかの、まあしようがないという形で出すぐらいの金額ではないかという議論もあって、ここアメリカでは、やはり一億二千万円というものも出ています。 そこで、ことしの三月二十七日ですが、京都大学の再生医科学研究所の樹立計画に関する専門委員会における検討のまとめというのがされました。科学技術審議会生命倫理・安全部会特定胚及びヒトES細胞研究専門委員会というところがまとめた指針といいますか、検討の内容が、三月二十七日、審査、取りまとめられました。それまでに過去三回議論があって、その三月二十七日が最終、この日のみが公開であった。これにも議論が及びました。なぜ、この最終日だけを公開にしたのかということを後ほど聞いていきたいと思うのです。 まず初めに、法が施行されて、そして附則がついていたこの法案なんですが、いかがでしょうか、胚の作成禁止法等々を盛り込むような方向での議論を日本も、やはりあの二〇〇〇年に議論したときに抜け落ちていた点というのが、今まさにいろいろな方面から出てきております。 総合科学技術会議、きょうの五時からもあるというふうに聞いておりまして、国際熱核融合実験炉、ITERの参加か誘致かという問題が、五時の総合科学技術会議というところで一定方針というか結果を出すという、遠山文部科学大臣もそのメンバーの一人であります。 ということで、この議論を、あと残された二年、この一年間はこの議論が国民の世論を巻き起こす中ではできなかった、あとの二年で、いかがでしょうか、やはりクローン胚、クローン特定胚等々の禁止も含めた、視野に入れたものでなければ、いろいろなそごが起きてくる。実際、医療現場で混乱が起きる、あいまいさを残すということがありますが、この議論を始めてはどうかという意見に対して、まず遠山大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○遠山国務大臣 今お話しのヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律は、附則第二条におきましてこのことについて述べているわけでございますが、あの議論を思い出していただきますためにもちょっと読ませていただきますが、「政府は、この法律の施行後三年以内に、ヒト受精胚の人の生命の萌芽としての取扱いの在り方に関する総合科学技術会議等における検討の結果を踏まえ、この法律の施行の状況、クローン技術等を取り巻く状況の変化等を勘案し、この法律の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」とされているところでございます。 ここにまさに書かれておりますように、現在、この規定に基づきまして、総合科学技術会議の生命倫理専門調査会において鋭意検討が進められているところでございます。私どもとしましては、この検討結果を踏まえて、法律の施行の状況等を勘案して、我が省においても適切に対処してまいりたいと考えております。
○北川委員 今おっしゃった検討委員会というのは、専門家の方たちの集まりであるといったことで、私は、今回三月二十七日のこういうまとめが出たという過程も受けて、それはその専門家の方たちがやっていらっしゃったというのはよくわかります。 私が議論をもっと巻き起こしてはいかがですかと言うのは、文部省と科学庁が一緒になって文科省になりました。特にこれは、卵とか胚とかということで女性の体そのものをイメージすることが医療現場で使われ、そしてそれが、もしかしたら特許というようなとても大きな市場がある世界の中に、女性の胚とか卵とかが組み込まれていく。それ自身も無料で提供していくということをわかってない段階でするすると、インフォームド・コンセントがあるからとかとおっしゃったけれども、でも現実には説明をされる場面というのはないわけです。 そういうことがありますので、私が言っている議論というのは、遠山文部科学大臣がおっしゃってくださったような専門家だけの密室性の中ではなくて、もっと外の世界、クローン法が一年執行されましたよと、これのおかげでクローン人間ができなかったのでしょうか、できたかどうかなんてだれにもわからないわけです。だけれども、少し、胚の定義のあいまいさ、そして人クローン胚をつくるかつくらないかは物すごく大きな問題でありまして、これをつくらないという意見が根強く、つくってはいけないんだという意見ももちろんあるわけです。それをもっと一般の人にわかりやすく、自分の体と引きつけて、特に女性は、幼いときから引きつけて議論ができるようなあと二年にした方がいいのではないかという意味で議論を巻き起こすべきではないか。専門家だけの密室性の中に閉じ込めてはいけないという意味でお話ししたんですが、その点、いかがでしょうか。
○遠山国務大臣 私は、男性、女性ということを超えて、これは人間として、一体どういうふうにこういう問題に対して対処していくかということも含めながら、生命倫理専門調査会において今粛々と議論をしていただいております。しかも、これはオープンでございます。 したがいまして、その議論というものをしっかりとフォローしながら、私どもとしては、その検討結果を十分踏まえてやるというのが行政の立場であるというふうに考えております。
○北川委員 まさに男性、女性を超えて、そういう時代が来ればいいなと私も思っています。 ジェンダーの視点や男性と女性の体の生理の個体差の違い、それが区別や差別や排除につながるような社会ではなくて、男性、女性、それを超えた中でともに向き合える、でも、今のところ女性に胚と卵があるという事実を変えることはできません。 今、公開のもとで生命倫理の方でそういう検討がされているとおっしゃったんですが、では、先ほどお伝えしました京都大学再生医科学研究所の樹立計画に関する専門委員会、この検討委員会が、ことしの二月一日一回目、二月十九日二回目、三月八日三回目、そして三月二十七日が審査取りまとめということで、ここに報告書の簡単なのを持っているわけですが、一回目、二回目、三回目は公開だったのでしょうか。
○遠藤(昭)政府参考人 お答えいたします。 先生おっしゃいますように、科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会特定胚及びヒトES細胞研究専門委員会というものが開かれておりまして、四回やって三回は公開しておりません。最後の二十七日、審査の取りまとめを公開したと聞いております。 私ども聞いておりますのは、この三回の審議では具体的な病院名等々が出てまいりますので、したがって公開にしなかったというふうに伺っております。
○北川委員 まさに今、個人情報保護法というのが議論されていて、情報公開制度のありようというのが、防衛庁のあのリストを勝手につくっていたという問題でそれぞれの委員会でも紛糾しておりますけれども、おっしゃったプライバシー。 医療というのは、プライバシーという意味のみにおいて、その点において、氏名、住所、性別等々が伏せられているならば、プライバシーの公開という面、そこを伏せたならば公開してもいいというような判断というのはそろそろしていかなければいけないといった場面があると思いますし、別にこれはそんな無理無体な話をこの委員会がしているわけではなくて、とても簡単なことを毎回やっていらっしゃったということが、後になって公開された資料を読むとわかりますので、なぜそういうふうに非公開を、医療だからプライバシー。では何にも、先ほど言いました附則、三年の見直しも専門家だけでやるということを、あえてまたもう一度強調されたようにしか聞こえないんですが、なぜ非公開を。 そんなに別にプライバシー性が帯びるようなことを言っていませんよ。豊橋市民病院の名前が出てきたりとかそういうことで、この卵が、胚が、余剰胚が、どこのだれべえのだれだとか、そんな問題じゃないわけで、別にこの三回が公開になったとしても、プライバシー性の侵害にはならないというふうにも思いますので、あえて非公開をもう頭から決めてかかって、そして、ましてや三月二十七日傍聴された方にお伺いをすると、審査の書類も配付されなかったというふうにも聞いております。 ですから、なぜそういうふうに閉じた形で生命倫理の問題を論じようとするのか、まとめようとするのか。そして、一番問題になっている人クローン胚の問題、そして胚の定義の問題、不妊カップルの人たちへの問題、女性の体にある卵や胚の問題等々にまで、もっと多くの人が普通に議論できるような土壌づくりをされようとしないのか、お伺いしたいと思います。
○遠藤(昭)政府参考人 できるだけ公開できるところはしているようでございまして、先ほど非公開であったと申し上げましたけれども、正確に申し上げますと、この三回のうちのどの部分が一部公開であったかはちょっと手元にございませんが、使用については公開をいたしております。ただ、それ以外の、病院とかあるいは患者さん等々の具体的な名前が出てくるという場合には非公開、そういった扱いで、できるだけ公開できるところは公開をしているというふうに承知をしております。
○北川委員 一人一人のクライアントの方の話を吟味してするようなそういう検討委員会ではなくて、どれが公開、どれが非公開だったかという、何か話をぼかして言われたんですが、少なくとも、公開だったのは三月二十七日の最後だけということに聞いておりますし、これに関しては、やはりその前段から市民の皆さんから公開にしてくれということを、このクローン法の問題で特に関心を呼んだ皆さんは、もう二年たってもこの検討委員会にすごい注目をされていたわけですよ。だから、あえて申し入れをされたり要望書を出されたり、ごらんになったと思うんですね、私も見せていただきました。省庁交渉も繰り返してやっていらっしゃる。厚生労働省ともやっていらっしゃる。その議事録もいただきました。 そういうのを見ていると、あえて非公開にしたというぐらいにしか思えないぐらい閉じた形であったということで、その辺は今後、もう少し開いた、公開性を担保した形でこのクローン胚、そして人々にはわかりにくい再生医療の問題について議論の土壌を広げていただきたいとうことをお伝えしておきたいと思います。 それで、少し細かく入っていきますけれども、先ほど、私も、不妊カップルや女性、そして中絶の子供たちという、中絶された個体というのも使われているというふうにも聞いているんですが、ES細胞を用いた研究で、再生医療にかかわる新しい発見とか新技術、先ほどお金が、市場としてなっているし、製薬会社とは連携して、大学と一緒に研究しているということももちろんやっていらっしゃる、開発者、研究者は特許を取るということをされていくと思うんですが、そのときにおいて、研究者に無料でES細胞を配付すると京都大学の再生医科学研究所は言っていらっしゃいます。京大からES細胞をもらい受けた研究者が、それを使った研究で分化、いろいろ分かれていく技術やいろいろな新発見をした場合、特許を取得する、もちろんそうしていくだろうと思います。 では、ES細胞一株当たりで一体幾らぐらいの金銭的利益が樹立者及び開発者に入ると見込まれているのか。 そういうことの議論というのはクローン法のときにも何度もお話ししていた議論です。だけれども、あのときは、その議論に入ろうとすると、いや、クローン人間をつくっちゃいけないんだ、つくっちゃいけないんだ、それは倫理の面から、生物というのは男性、女性の両性でもって合成されてできる、それがクローン人間の場合はそうではないわけですから、そういうことも含めて倫理的に問題があるからということになぜか走っていきましたが、でも、現実にお金の問題に入っていくわけですよ。 この一年間、二年間でそういう議論も各国の状況も見られてされていると思うんですが、今の時点で、この辺の御議論、そして、そういう推測値を出そうというふうな努力をされているのかどうかをお伺いしたいと思います。
○遠藤(昭)政府参考人 先ほどの京都大学の研究所の関係でございますけれども、そこでのヒトES細胞の樹立、日本で初めて、申請をしまして、四月にそれが文部科学大臣によって確認をされたということでございますが、そこでの今の樹立されたヒトES細胞の取り扱いにつきましては、つくりました指針によりまして、これは、使用する機関に渡す場合には無償で渡すということにこの指針で定められております。 ただ、それとは別に、特許ということになりますと、これは研究者が発明、発見をして特許を取るわけですから、それはそれで通常の行為で行われるというふうに理解をしております。
○北川委員 そこまでは一緒なんです。 ただ、今おっしゃったのであえて言いますが、その人たちの倫理性で、ガイドラインで押さえているから大丈夫という言い方で、やはり法律的に根拠を持たせて、罰則規定も組み込ませたものとしてあるべきだということがあのクローン法のときの議論であったというふうにもう一度お伝えしたいと思いますが、今のおっしゃった中で、その後を聞いていたわけですね。 なので、推測値というようなものを出していらっしゃらないのですか、そういうところまで踏み込んで議論を広げていっていらっしゃるということではないのかあるのかというのをお伺いしたいと思います。
○遠藤(昭)政府参考人 利益の推測値等については出しておりません。
○北川委員 推測値は出していない、でも、先ほど、特許はやはりそういうふうにあるよねとおっしゃった。推測値という言い方がもしかしたら悪かったのかもわからない。何らかの金銭的な還元というものが、そういう無料で提供された研究者が出した場合の、どれぐらい、莫大なのか莫大でないのかとか、そういうことは、何と言えばいいのでしょうか、推測値以外の言葉を使って、今、では、中でやっていらっしゃるかどうか。 そして、次にもう一つ聞きたいのは、そういう金銭的利益は得るのはわかっていますよということをおっしゃった、具体的な、何億とか何百億とか、一兆とか二兆とかということではなく、わかっているとおっしゃったのであえて聞きますが、胚の提供のカップルというか単身者、シングルもいると思うんですが、そういうことは還元されないのでしょうか。
○遠藤(昭)政府参考人 まず、四月に確認されたばかりでございまして、そういう具体的な特許という例がまだ出ておりません。それが一つでございます。 それから、提供した患者さん、提供した側の方については、インフォームド・コンセントでその旨を事前にちゃんと了解をとった上で対応しております。 それから、その上で、例えば研究者が発明、発見をしたということになれば、これはもう通常の特許を取った場合のルールに従って、あとはそれが企業化されてくればそれなりのペイが入ってくるということは通常のルールでございます。
○北川委員 今の最後の方がちょっとよくわからなかった。 提供カップル者には、では、還元されるというふうに局長が今お答えになったんですか。
○遠藤(昭)政府参考人 特許で入ってきた収入は、それを開発した研究者にバックされるということはありますが、患者さんの方には行きません。それはだれが提供したかわからない仕組みをとっております。それはプライバシーを守るという観点から、この指針では、その取り扱いについては非常に厳重にいたしておりまして、だれがそれを提供したかわからないということになっておりますので、そこで切れております。
○北川委員 だれが提供したかはわからないというのと、インフォームド・コンセントの段階というのがあると思うんですが、インフォームド・コンセントの段階で、では、そういうカップルまたはシングルに、もしかして、だれのかはわからない、でも、あなたのものも入ったものが一定研究者に渡って将来幾ばくかの利益を得たとしても、あなたたちには、またもしくはあなたには、何ら還元はされませんよ、提供しても逆に言えば何のいいこともありませんよと。 例えば、献血しますよね。献血したら、今、エイズの抗体があるかどうかとか、肝機能がどうとか、そういう数値を教えてくれる。それがもしかしたら献血者の利便という意味では、売血はできないわけですから、いいのかもわからない。ありますよね。 それで、胚を提供したり受精卵を提供したとしても、何らいいことはないんだよ、金銭的にも精神的にも社会的な名誉の面からも。あなたのものかどうかわからないので、すごくいい研究ができて、すごく多くの人たちの健康に寄与したとしても、それはあなたの何か賞状をもらうような名誉にはならない。大げさに言えばそうなんですが、そういうことを、では、インフォームド・コンセントの段階で言うべきではないかと思うんですが、その辺、いかがですか。
○遠藤(昭)政府参考人 インフォームド・コンセントをとる際に、その旨をきちっと患者さんといいますか、その相手方に、その点を確認して了解をとる、つまり、これによって何か特許等でもうかりましてもバックはありませんよ、それでよろしければ提供してくださいというとり方をいたしております。嫌ならばそこでお断りされれば結構なわけでございます。
○北川委員 それはすごく、局長、建前ということで、やはりそういうような具体的に細かなものまで、あなたの未受精卵まで、受精したのはこれ、あと残りが何個、ここまでどうだ、廃棄しましたよ、しませんよ、どうだこうだというのは、今まで不妊治療の現場でされた女性はいない。これがクローン法のときの一番の問題点にあったわけです。 建前は、インフォームド・コンセントがあるといいながら、現実にその場にいた女性たちからは、そんなこと聞かれたこともなかったし、先生たちが何しようが、何か言われたかもしれないけれども、嫌とかということは言っちゃいけない、不妊治療の現場は特にそうなんですが、拒否することが難しいので、何だか何を言っているかよくわからないけれども、何でもはいはいと言っていたのが現実で、後になってこういう段階、時代に入ってきて、初めてこういう意味を持っていたのかと気づいたことがある、だから、ぜひそういうことを伝えさせてほしい、言わせてほしいという意見も、あのクローン法の審議のときにあったわけです。 先ほど、局長のお言葉の中に、四月にそういう京大の方の動きはあったけれどもまだ例がない。クローン法のときもそうでしたが、クローン人間がつくられるという可能性がまだ薄い段階で、危険性があるからということであのとき早くつくろう、つくろうということで、これは一定程度の予見性というか、先見性というのが、政治が必要だからということであると思うので、まだ例がないから、いやいやまだいいんだみたいな座り心地のよさを感じていらっしゃるのであれば、ちょっと時代は違うなというふうな気がします。 その辺、まだやはり女性の体、女性の卵や胚子、胚の問題、そしてこれが中絶の子供たちも使われるとか、例えば、聞くところによると卵巣がんの手術をした人のところからも卵がとられていたという、そういうケースも本当に厳密にたどっていって見つかった例もあるということは、氷山の一角で、いろいろな手術で、開腹手術のときに女性の体は特に出されている可能性は高いということをかいま見るケースが多いものですから、お伝えしておきたいと思います。 それで、先ほどおっしゃった四月半ばの件なんですが、四月半ばの京都で日本再生医療学会が開かれましたが、学会幹部らは記者会見や基調講演で、文科省に対してクローン胚の作成を認めるよう働きかけていたとも伝え聞いています。 同学会から本当に具体的な要望等々が公式とか非公式問わずにあったのでしょうか、文科省に届けられたのかどうかということをお伺いいたしたいと思います。クローン胚の作成を認めるような働きかけがあったのかどうか、お答えください。
○遠藤(昭)政府参考人 そういったお話は私どもの方には来ておりません。 それから、一言だけ申し上げますと、先ほどのES細胞の関係のインフォームド・コンセントにつきましては、これはきちんととるというふうに指針でも書いておりまして、現場に対してもそういう指導をしております。しかも、とるのは主治医ではなくて、研究所の方が行ってとる。やはり主治医さんだと、今おっしゃったような、実際にいろいろな関係がありますからやりにくいだろうと。客観的に別な方がしっかりととる、そういう体制をとっておるところでございます。
○北川委員 来ていないということなので、今後、アメリカなどの動きもありますから、来るだろうというのは予想されるということで、来たときには何からの一定の対応をしようということで今お心づもりがあるのか。このクローン胚の作成というものに関して、今の文科省の見解というものがもしあるのでしたら、御紹介いただきたいのです。
○遠藤(昭)政府参考人 指針で、クローン胚につきましては認めていないところでございます。
○北川委員 多分、認めていないからずっと来るはずはないということをお話しになったんだろうと思いますが、そうではない段階に入っているということをお伝えしておきたいし、もうわかっていらっしゃると思うので、その辺は、クローン法のときの成立の過程においても抜け落ちていた点、そこまで議論が深まらなかった点が今まさに問われようとしているということで、これからどうすればいいのか、どうしていこうと思っているのか、指針だけでやり切れるのかどうかというのを、私はそういう立場をとっていないので、ぜひ、指針だけではだめだということをお伝えしておきたいと思います。 そして、先ほど、あえてES細胞に使うときにはインフォームド・コンセントをやっているということをおっしゃったのですが、ES細胞以外でも受精胚というのはすごく使い道が高いといいますか、やはり凍結ができるということが、卵は凍結できないんですけれども、受精胚は凍結ができる、長もちがするということで、使い道がいろいろあるわけですね、ES細胞以外にも。そういったとこら辺での問題点も含めて、かねてより心配していた点なので、あえて伝えたということを、御紹介しておきたいと思います。 これは去年の十月二十四日の朝日新聞で、凍結受精卵を年五千個ほど処理していますよ、全国の医療機関を対象に朝日新聞が調査をしたら、そういう結果が新聞報道されました。四分の一は文書の同意も得なかったとか、廃棄や研究利用に回した、使った分は。だから、廃棄したのが年五千個ぐらいということなんです。 今、凍結されている胚というのが六万一千個ほどあるというふうにも聞いているのですが、こういう数字もどこまでが確かかよくわかりませんが、今の文科省の段階で、一体何個の受精胚が凍結されているのか、この朝日の調査もごらんになったと思うのですが、自主的な調査はされているのかどうか。そのうち何個が廃棄されたのか。だれの胚ともわからないものなんですが、そういうことは、どうでしょうか、この朝日の調査したのが大体信憑性があるのかどうかもあわせて確かめてみたいので、その辺などがどうか、教えてください。
○遠藤(昭)政府参考人 前の方の十月のアンケートの件につきましては、これは産婦人科の病院等での調査でございましょうから、厚生労働省さんの方で把握しておられるのではないかというふうに思っておりますが、その後の、私どもの方の関係の凍結数の調査したものがあるかということについては、これは調査しておりません。 調査をしますと、それをES細胞の資源として把握しろというふうにみなされる可能性がありますので、そういった調査はしておりません。
○北川委員 そこがやはり問題だなというか、なぜそんなに消極的になられるのかなと。きっちりしたガイドライン以上の法的な根拠というものを持たせておけば、それに踏み込んだら法違反になるわけですから罰則がつくわけで、そんなに消極的になられる必要がなくて、何か、あえて調査をしたらES細胞に活用するということに思われたら困るというような御回答というのはちょっと納得いかないんですけれども。 私は、先ほど厚生労働省という御意見も出ました、総合科学技術会議というところもできました、どこが調べるかはまた別なんですけれども、やはりこれがきっちりとはまっていかないことには、多くの混乱をもたらすというふうになると思います。 はっきり言って、あるところでES細胞ですごくいいものができたとしても、十年たてば、もしかしたらすごくそれが負荷があって、影響が、十年後から発症した。その場合に、じゃ、一体どこに問題があったんだ、この薬やこの万能細胞や移植にどう問題があったのかと検証する場合には、だれのものかどうだかわからないとおっしゃるのですが、胚まで行き着いて調べて、どうであったのか、使い方が間違っていたのかどうかという検証をする時代というのは絶対来ますから、絶対そういうとこら辺のことも含めてきっちりしたものを持つという国になっていかなければいけないのではないかということも含めて、私は調べるべきだというふうに思うのですけれども、いかがですか。法的なものを整備すれば、それを促して変な憶測を呼ぶということは心配ないと思うのですが、その辺、いかがですか。
○遠藤(昭)政府参考人 お答えします。 先生のおっしゃったこと、将来、ES細胞の研究が、現在は基礎研究でございますが、臨床等どんどん進んでいけば、そういったことも十分考えて対応しなければいけない時期も来るかと思いますが、現在は基礎研究に限っておりまして、しかもそれは先ほど申し上げましたように十分な了解をいただいて善意のもとで基礎研究を進めていくということでございますので、調査ということは現在のところ考えておりません。
○北川委員 人の善意につけ込んでというのがよくあるのですけれども、人の善意というものが、本来的にいろいろなことをちゃんと、きっちり説明して、その上であなたの善意を使うかどうかということを本当にやらないと、無知と言ったら申しわけないのですが、医療の面というのは複雑ですので、私も何も知らない無知な人間というふうになると思うのですけれども、何も知らないことをいいことに、良心、善意とかにつけ込まれるというケースが医療の場面では特に多いものですから、やはりどこの国もこれはすごく慎重に、悩んだわけですよ。 クローン法のときに、個体だけの制限でいいのか、個体だけを禁止する、人間だけを生み出さなければいいのか。そうではないわけですね。そのことの持っている意味と、もう一つ、胚というものをどう扱うのか、どう見るのか、生命倫理の段階から見てどうなのかという議論を、もっと深くいろいろな人たちが集まってするべきことをやらないで、行政側、特に権力を持っていらっしゃる側ですよね、行政、そこだけで決めていくということに、問題が深くしみついていく、隠されていくといったことがあると思うんですけれども、今の御答弁ではちょっと不十分かなというふうに思いますが、あえてお伺いしますが、胚というものはどういうように取り扱われるべきなのか、どういうふうに思っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○遠藤(昭)政府参考人 受精胚につきましては、非常に生命倫理上、生命の萌芽とも言われる大事なものでございますから、これは慎重に考えなければいけない、そういったこともありまして、この間の規制法の附則第二条でもそういった条項が入って、慎重に検討しなさいというふうになったものと承知をいたしております。
○北川委員 だけれども、もう何度も言いますけれども、あのクローン法案のときには、胚の定義もあいまいで、扱い方も、何かもう、現場のガイドラインがありますからいいんじゃないですかみたいな感じになっちゃったことが、今やはり解決をされていないというふうに思いますので、今の御答弁ではやはり不十分だなというふうに思います。 ぜひ、実態というものの調査、把握、そして女性たちの置かれている本当の姿というものを、男性の方が多いので聞きにくいのかどうかわかりませんが、ぜひ実態調査をして、聞き取りをして、どうであるのか、どこに一番の問題があるのかも含めて、みずから積極的になる文科省でいらっしゃってくださればありがたいというふうに思います。 次の質問なんですけれども、中絶胎児の細胞を利用する記事というので載っておりました。中絶胎児というものがいろいろな段階で使われているというのは昨今いろいろ言われていまして、古くから言われていることで、特に再生医療とか移植現場等々では言われています。 そこで、お伺いしたいわけですけれども、中絶胎児の細胞からつくるES細胞研究については、一九八七年に日本産婦人科学会の会告と、二〇〇一年に前記会告に追加された二、三行の簡単な指針があるだけです。これは、本当に十分な規制のないまま、研究や再生医療などにどんどんと事が進められているのが現状ではないかと思います。 研究している人々や施設等々でガイドラインが設けられたり、倫理委員会で検討しているとかという、各省それぞれがばらばらという現状もあります。こういうことを先ほど調査するべきではないかと言ったら、先ほどの御答弁になるわけですけれども、学会の会告というものももう時代に合わないところに来ていると思います。中絶胎児の研究利用に関してはきちんと議論をするべきだというふうに思います。 そして、中絶という問題というのは、女性にとってはすごいセンシティブな情報でもあるということで、かなり微妙なバランスにあると思いますが、だれの中絶胎児のものかわからないということが前提の上で、中絶胎児の研究利用というものに関してのきっちりした議論と法的根拠というものを持たなければ、あやふやに使われていくということが現実であるということで、この辺の政府の見解をお伺いしたいと思います。
○遠藤(昭)政府参考人 お答えします。 中絶胎児細胞の利用と研究につきましては、人工妊娠中絶胎児の脳から神経幹細胞を取り出して、脊髄損傷の猿に移植をして、神経を戻して、運動機能を回復させるというふうな実験等々、ほかにも京都とか大阪大学で研究が行われているというふうに聞いております。 この人工妊娠中絶胎児の細胞の利用につきましては、先生御指摘がありましたように、日本産科婦人科学会の会告というものがございまして、見解が出ております。 この会告において、例えば、死亡した胎児、新生児の臓器等を研究に用いることは、それ以外に研究の方法がなく、かつ期待される研究成果が極めて大きいと思われる場合に限られるべき等々の四つの条件が示されておりまして、これに従って現実に動いているわけでございまして、私どもとしては、現状ではこれが望ましいのではないかと考えております。
○北川委員 やはりクローン法のときに、もっと議論を幅広くするということで、私たちも、特別委員会ぐらいをずっと国会も持ちながら、このことがどうなっていくのかということは検証するべきだなと、今のお答えを聞きながら、やはり私はあえて、医療の専門家ばかりが集まっている国会ではないといった点も踏まえて、思います。 それで、ES細胞ではなくて組織幹細胞を使っての組織の再生とか修復を試みようという研究も、片やで進んでいるわけです。これは、受精卵を破壊しなくて済むので、命の滅失を行わない点、抵抗感が少ないとも言われている研究であるわけですが、この組織幹細胞は中絶胎児から効率よく採取できるので、中絶胎児の利用ということが行われている一番の現場であるわけですね。現に国立大阪病院ではもう既に実施をされています。神経幹細胞は、国立大阪病院、これは大阪・中央区にあるわけですが、中絶された胎児の脊髄から摘出したものであるということで、先ほどの記事なども御紹介したわけですが、やはりES細胞だけではなくて、組織幹細胞の採取、利用に関しても早急な議論が必要な段階に入ってきたと思うのですが、この辺などはいかがでいらっしゃいますでしょうか。
○遠藤(昭)政府参考人 済みません。御質問の具体例と、組織幹細胞のお話が、ちょっと私理解できない点があったのですが、組織幹細胞の研究についてお答えをいたしますと、これは再生医学研究分野における期待が大きい一つでございます。一部、もう既に造血幹細胞など、臨床研究が行われているというふうに承知をしております。 この組織幹細胞の利用に関しては、ヒトES細胞の研究におけるようなヒト受精胚を用いるということなどの生命倫理上の問題はないわけでございますが、しかし、その臨床応用に当たりましては、感染症とか免疫拒絶等、安全性に万全を期す必要があるということ。医療を担当する厚生労働省におきまして、そうした観点から、厚生科学審議会の専門委員会で、ことし一月から検討しておるというふうに承知しております。
○北川委員 もう時間が参りましたので、あと、医療現場での個人情報保護法、個別法が必要だという点での質問や、岩手県の県立黒沢尻北高校でのエックス線被曝の問題についても、きょうお越しいただくようにということで、参考人でお呼びしていたのを、そこまで時間が行き渡りませんでした。また後日に回したいと思いますので、きょう申し上げた点は議論が本当に不十分であるということをお伝えしまして、私のきょうの質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○河村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十九分散会