農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2002/07/18
会議録
○鉢呂委員長 これより会議を開きます。 古賀誠君外九名提出、有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律案及び佐藤謙一郎君外五名提出、有明海及び八代海の再生に関する臨時措置法案の両案を一括して議題といたします。 これより順次提出者より趣旨の説明を聴取いたします。金田英行君。 ————————————— 有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○金田(英)議員 有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 有明海は、広大な干潟を有し、海域固有の生物が多数生息する生産性の高い海域であり、我が国にとって極めて貴重な海域であります。特に、有明海地域におけるノリ養殖業は、全国のノリ生産の四割を占め、国民の食生活において、また九州北部の産業経済活動においても極めて重要な役割を果たしております。 しかしながら、経済社会の進展の中で、有明海の環境は変化し、特に近年、富栄養化に伴う赤潮の多発等、漁場環境の悪化が懸念されております。 平成十二年十二月、有明海のノリ養殖業はかつてない不作に見舞われ、アサリやタイラギなどの魚介類も約三十年間にわたり漁獲量の減少が続くなど資源水準は極めて低くなっていることから、漁家経営は厳しい状況にあります。 こうした中、農林水産省では、ノリ不作原因究明等のため、外部の有識者による調査検討委員会を設置し、有明海の海洋環境や生物についての調査研究を進める一方、覆砂、耕うんなどの漁場環境改善に取り組んできておりますが、こうした取り組みを一層強化する必要があります。 また、有明海に隣接する八代海では、クルマエビ、アサリ、マダイ、タチウオなど多種の魚介類が生息し、多様な漁業、特に魚類や真珠等の養殖漁業が盛んに行われておりますが、魚類養殖業に甚大な被害をもたらす大規模な赤潮の頻発等、環境の悪化が危惧されております。 自由民主党、公明党及び保守党におきましては、こうした状況に対処し、ノリを初めとした水産物に甚大な被害をもたらした原因を早急に解明し、関係者が将来に希望を持てるよう、海域環境の保全、改善並びに水産資源の回復による漁業の振興について万全な対策を講じ、有明海及び八代海を豊かな海として取り戻すための特別立法の制定について、鋭意検討を進めてまいりました。 以上のような経緯を経て、今般、有明海及び八代海が、国民にとって貴重な自然環境及び水産資源の宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきものであるとの認識のもと、国民的資産である有明海及び八代海を豊かな海として再生するため、本案を取りまとめ、提案することとした次第でございます。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、主務大臣は、有明海及び八代海の海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等による漁業の振興に関する施策を推進するため、有明海及び八代海の再生に関する基本方針を定めなければならないこととし、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県及び鹿児島県の関係県は、基本方針に基づき実施すべき施策に関する県計画を定めることとしております。 第二に、主務大臣、関係行政機関の長及び関係県の知事は、それぞれの県計画の調和を図りつつ、その実施を促進するために必要な協議を行うため、促進協議会を組織することができることとしております。 第三に、県計画に基づいて平成十四年度から平成二十三年度までの各年度において関係県が行う一定の漁港漁場整備事業について、補助率の特例措置を設けることとしております。 第四に、県計画に基づく事業に関連して地方債についての配慮、資金の確保、下水道の整備、漂流物の除去、河川の流況の調整、森林の保全及び整備、水産動物の種苗の放流について規定を設けるとともに、国及び関係県による総合的な調査研究体制の整備を定め、あわせて酸処理剤の適正な使用、自然災害の発生の防止、赤潮等による漁業被害等に係る支援及び漁業被害者の救済、知識の普及等について規定を設けております。 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○鉢呂委員長 次に、楢崎欣弥君。 ————————————— 有明海及び八代海の再生に関する臨時措置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○楢崎議員 民主党の楢崎欣弥です。 私は、有明海及び八代海の再生に関する臨時措置法案について、その趣旨を説明いたします。 失ってみて初めて、どんなに大切なものであったかを知る。それが国の政策によって人為的に消滅させられた諫早湾の広大な干潟だったのではないでしょうか。この諫早干潟は、群を抜く生物生産力と浄化能力のゆえに、漁民からは宝の海、有明海の子宮と呼ばれてきました。 しかし、諫早干拓事業は、この地域の最主要の社会的共通資本であるこの諫早干潟を破壊し、漁民と住民から生命と暮らしの一番の基礎である希少な環境と資源を奪い取ったのです。さらに輪をかけて、九七年四月に締め切られた潮受け堤防によって、有明海の際立った特徴である国内最大の潮汐と潮流の力が失われ、さらなる環境悪化を招いて漁業被害が諫早湾口から有明海全域へと拡大し、かつての豊饒の海は今、確実に死滅への道をたどりつつあります。 構想から半世紀、農業目的がいつの間にか防災に名をかりた干拓事業となり、地域に混乱を招き、有明の海を死滅させようとしているこの壮大な公共事業は一体何だったのか。改めて問い直されなければいけないのではないでしょうか。 私たち民主党が提案する法案は、まず何よりも、諫早干潟のみならず、有明海全体の環境と社会にマイナスの影響を与えている諫早干拓工事を一時中止して、有明海、八代海再生のためにどのような施策が必要なのか、海域の環境と水産資源に関し、中長期開門を含めた総合調査を実施するために、有明海・八代海再生調査委員会を設置します。 あわせて再生調査委員会は、調査の結果に基づいて環境の保全及び改善並びに水産資源回復のための施策を環境大臣、農林水産大臣その他関係大臣に勧告し、勧告を受けた大臣はその勧告を尊重する義務を負うものとすることにしています。 調査内容は国民に公表するとともに、総合調査の期間においても環境の保全、改善に必要な緊急措置を実施することも柱の一つとして提案しています。 このように再生への道筋を視野に入れた法案になっています。 この有明海の再生を願う気持ちは、与野党の枠を超えるものです。しかし、残念ながら、その法案は対立の形になりました。 私は、漁業者の方々から、自然の浄化作用、再生作用を利用した、つまり自然の力を利用したそのような再生法案であってほしいとのお話もお聞きしました。やはり関係者の多くが納得される法案であるべきだと考えます。 仮に政府の思惑どおりに進展したとしても、六年度には工事は完了し、与党案が言う特需もそこで終わります。そのときに漁民が帰るべき海はあるのでしょうか。 わずかこれから四年余りを食いつなぐために、先祖から受け継ぎ、将来世代に手渡すべきかけがえのない有明海、宝の海を破壊してしまう権利が私たち世代にあるのでしょうか。 今からでも遅くありません。人類の英知を絞って有明海再生に立ち向かうことが、現代世代に生きる私たちに課せられた命題ではないでしょうか。 そのことをお訴え申し上げ、良識ある議員各位の御賛同を心からお願い申し上げまして、終わります。
○鉢呂委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十四分散会